アニメキャラ・バトルロワイアル3rd part12

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565ひとりにひとつ ◆zsYinY96dc


大通りに差し掛かったところで福路は強力な光を浴びた
爆音とともに巨大な小山が猛烈な勢いですぐ目の前まで近づいてくる
唐突に圧倒的な質量を持って迫り来る死を前に風越のキャプテンは
やっぱりスローモーションのように映るものなのね
と妙に感心し六本の刀を胸に、立ち尽くしていた

運転席の人、仮面をかぶってる
きっと前方不注意ね。
殺意をもっての暴走じゃなくてただの事故なのでしょうか
逆光だから反応が遅れたのかも
コレはトラック?いえ、やたらと頑丈でそして今まで見たどんなものより大きい
こんな大きいのは無理
ピカピカに整備されてるからきっとこの車の持ち主は車が大好きなのね
それにしてもビームが上を向いてるのはなんででしょうか
あぁそうか線路を乗り越えるつもりだったのね
それにしても眩しい…

世界全てが真っ白に塗りつぶされていく中
福路美穂子は取り留めのない思考をめぐらせるのをやめた
コレでもう狂う必要もなくなる
「華菜…上埜さん…待たせてしまってごめんなさい…今行きます…」
殺到してくる”死”に片目の少女はその身を委ねた



トレーラーを運転するトレーズはいつに無く無口であった
思考も纏まらず堂々巡り
これでは壊れたレコード盤、終わらないワルツを踊る間抜けな舞踏会だ
なにをそんなに混乱する必要があるのか
目の前に小高い丘が見えた。位置からしてこれが地図を横断する線路であろう
ふとステレオをミュートにしたままだったのを思い出し演歌をまた流しだす
前方の注意を逸らしたのはほんの刹那であった
普段の彼なら決して犯さないであろうミス
だがその刹那に唐突に目の前に黒い影が飛び込んできた
とっさにハンドルを切り横転しかねないほどにブレーキを踏む
けたたましい音を立て道路に黒い軌跡を残しつつトレーラーは止まった