アニメキャラ・バトルロワイアル3rd part12
煙を吐かない煙突とがらんどうの倉庫と灯を消した工場を電線が縦横無尽に結ぶ工業地帯
そこに太陽に向かって大音量を響かせながら爆走する一台のトレーラーがあった
操るはOZ元総帥トレーズ・クシュリナーダ
身に付けるはゼロの仮面
響くは日本の魂「演歌」
早朝にかけて走らせていたが
曲がりくねり交互に入り組む工業地帯独特の複雑怪奇な道は
トレーラーの巨体もあって万能の天才である総帥すらも大いに悩ませたが
ようやくと大通りに出たため今は気ままな爆走状態である
そして天才はいかなるときもリラックスする術を失わない
過度の緊張は人を疲労させ正しい判断を失わせる事を知っているからだ
リラックスする方法は状況により異なる
最善はもちろん睡眠をとること
次に入浴、音楽・映画、人によってはプラモデルを組み立てたり
よりアグレッシヴに柔軟体操、T字バランスを取るものも居よう
そしてトレーラーなどの大型車両を走らせる際は大音量で音楽を聴く
コレが一番のリラックス法だ
このトレーラーの持ち主もそれは心得ていたようで
ダッシュボードの中は演歌の音楽データで満ち満ちていた
これだけのデータがあれば長距離を移動するには全く不自由はない
しかも全てが珠玉の傑作選
ことにフェニックスといわれた女性の唄はどれも心を打つものばかりであった
兵たちのリラックス法として各MS内にこのデータを入れてもいいかもしれない
ソウルフルな演歌はマーチにぴったりであろう
第一回放送が始まったのはそんな時だった
そして数分後、トレーズはハンドルを人差し指で神経質に叩いたのちに
やや硬めにハンドルを握りまたトレーラーを走らせた
◇