あの作品のキャラがルイズに召喚されました part260

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@お腹いっぱい。
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら? そんなifを語るスレ。

(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part259
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1257509460/
まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/

     _             ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃  `ヽ   .  ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
    l lf小从} l /    ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'     ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   ヽ_/ィヘ_)〜′    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
             ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
     _       
     〃  ^ヽ      ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
    J{  ハ从{_,    ・クロス元が18禁作品でも、SSの内容が非18禁なら本スレでいいわよ、でも
    ノルノー゚ノjし     内容が18禁ならエロパロ板ゼロ魔スレで投下してね?
   /く{ {丈} }つ    ・クロス元がTYPE-MOON作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   l く/_jlム! |     ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
   レ-ヘじフ〜l      ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。

.   ,ィ =个=、      ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
   〈_/´ ̄ `ヽ      ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
    { {_jイ」/j」j〉     ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
    ヽl| ゚ヮ゚ノj|      ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
   ⊂j{不}lつ      ・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
   く7 {_}ハ>      ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
    ‘ーrtァー’     ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
               姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
              ・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
              SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
              レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。
2名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 05:56:45 ID:ElSzEJHx
1乙

代理投下行きます
3名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 05:57:33 ID:ElSzEJHx
『おれとサタンは並んで歩いた。おれとサタンは並んで歩いた。おれはあの女を打ちのめしてやりたいんだ。
溜飲が下がるまで。俺が死んだらハイウェイの脇に埋めてくれ。そうすりゃおれの悪霊がグレイハウンドバスに乗れるから』

                         ロバート・ジョンソン『ミー・アンド・ザ・デビル・ブルース』




口づけを交わした途端にルイズの脳裏に膨大な記憶が映像となって大波のように押し寄せてくる。
少女に瞳の奥にうつしだされた映像──鮮血で刷いた紅にけぶる陽光を背に血潮の如き大空をひとりのデーモンが飛翔していた。
時速千百キロ──約一マッハの凄まじいスピードで突き進む悪魔がいた。彼こそその名も高きデーモン族の勇者アモン。
不動明に身体を乗っ取られる遥か以前、彼は己に挑みかかってくる強きデーモン達を次々とその手で葬り去り、己の名を高めていった。
火山口からドロドロとこぼれ出るグツグツと煮えた溶岩流が幾層にも重なり合い、乱雑な岩盤を作り上げる。
どれもこれも同じ形のものは何一つとして見当たらない。
火山灰が宙を汚染し、地表の孔が有毒な二酸化硫黄や亜硫酸ガスを飽きる事無く噴出させた。
血の一滴が血の河となり、一つの闘争から無数の殺戮が生まれる暗黒の世界。
一切の脆弱な生命を拒否する荒涼たる混沌とした灼熱の時代──それは原初のデーモンが群れ、蠢き、共に食らい合う太古の地球の光景。
ルイズは戦慄した。咽喉奥からせり上がる悲鳴を飲み込み、恐怖に耐える。そこは正に地獄だった。
曇りない意識を保ちながら、ルイズは破壊と暴力の世界に向き合った。

標高四千メートルに達する峻険な活火山が砒素を含んだ岩石を吹き飛ばした。アモンが飛来する岩石を左腕でなぎ払い粉々に打ち砕く。
──どこにいる、隠れてないで出てくるがいい。マグマのデーボよ、臆病者めッ、このアモンに臆したかッ!
アモンの怒気に熱された大気が怯えを見せたかのように震えた。額から生えた触覚がピクピクと振動し、敵の位置をアモンに知らせる。
──そこにいたのか。デーボよ。すぐに貴様を八つ裂きにしてやろう。
突如、地表から火の粉が飛び散り、轟々たる地響きを上げながら大地が裂け割れた。
溶岩の狭間から鎌首をもたげ、マグマのデーボが大蛇ともモグラともつかぬその奇怪なおぞましい巨躯をアモンに曝け出す。
──アモン、デーモン一の勇者よ。このデーボの活火山へよくきたな。今日が貴様の命日だ。
頤を開き、錐のような尖った歯列を覗かせ、デーボがアモンをぬめつける。不敵な笑みを浮かべるアモン。
──ほざくな。貴様如きに殺される俺ではないぞ。

ルイズの脳内で彼等の会話が響いた。言葉の意味が直接、脳に伝わってくるのだ。
鱗状の外層をくねらせていたデーボが不意にアモンめがけて黄緑色の毒液を浴びせた。避けもせず、アモンが全身で毒液を受け止める。
降りかかったゼリー状の物質がアモンの上半身にへばりつく。強烈な腐食性を伴った毒液だ。並のデーモンならば骨も残さず溶け崩れていただろう。
並のデーモンならばだが。アモンは並のデーモンではない。アモンの皮膚が泡立ち、悪臭が立ち込めた。アモンの皮膚が筋肉ごとグズグズと焼け爛れる。
己の勝利を確信したデーボがゲッゲッゲと蝦蟇のような笑い声をあげた。
──これだけか。もっと見せてみろ。どうした。それともこれでお終いか。
どうして平気な顔をしていられるのだ。俺の毒液をあれだけ浴びたはずなのに。平然としているアモンの態度にデーボが恐怖に気色ばむ。
──もうお終いか。所詮は小物だな。ではこちらからいくとしようか。
4名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 05:58:17 ID:ElSzEJHx
ケロイド状に焼けた皮膚が見る見るうちに再生していく。鞭のように身体を振り上げ、デーボがアモンを横に払った。
アモンが身体を半身に切る。空振りだ。デーボの脇腹に蹴りをいれ、アモンは相手の動きを牽制した。
──ノロマめ。思い知るがいい。
爛々と眼を光らせ、アモンがデーボの頭上に飛び掛った。怒りにアモンの血が沸騰する。
鉤爪をデーボの脳天に突き刺す。液漿が夥しい血とともに飛散した。
掌を広げ、縦横無尽に湧き上がる殺戮の本能の為すがままにアモンは砕けた頭骨の縁を握り締めた。
渾身の力で頭蓋骨を脊髄ごと引きずり出し、溶岩塊に力任せに叩きつける。
衝撃で面白い具合にデーボの眼窩から右の眼球が視神経ごと飛び出した。
鼻腔粘膜を刺激する血の臭気にアモンが猛り狂う。ぬめる血と死の臭気がアモンとデーボを囲んだ。アモンがデーボに冷笑する。
最後のトドメとしてアモンは口腔内で膨らみ続ける業火をデーボの骸に噴射した。オレンジ色の毒々しい火柱が辺りを巻き込む。
数万度に達するアモンの火炎は灰燼一つ残すこと許さず、デーボの身体を瞬時に蒸発させた。
下半身に密集した針金の如き獣毛を逆立たせ、天空に向かって吠え立て、アモンは勝利を宣言した。

そこで映像が止まり、場面が暗転した。ルイズが正気に戻る。
目の前に広がるのは普段通りの青々とした草に瑞々しい露の匂い。明の頬に汗ばんで震える両掌を添えた。
「凄い……凄いわ……貴方は誰よりも強い悪魔だったのね……貴方の名はアモン、悪魔の勇者……アモンッッ」
ルイズの瞳が潤んだ。熱を孕んだルイズの明眸がデビルマンの視線と絡み合う。明の傷ついた胸に刻まれるトライバルな紋様。
コルベールが祝福するかのようにルイズに惜しみない拍手を送る。
「今年の召喚の儀式も無事に終わり、私も嬉しく思います。では日が暮れる前に学院に帰るとしましょうか」
会話のやり取りを黙ってみていたデビルマンにルイズが身振り手振りでジェスチャーを送る。
どうやら自分を抱いて空を飛んで欲しいと明に訴えているようだ。
明がルイズを抱きかかえ、悠然と天高く舞い上がる。そのふたりの姿に生徒達はルイズを羨望と嫉妬の入れ混ざった眼差しで見上げた。
「こうして見るとまるで中睦まじい恋人同士のようですね。本当におめでとうございます。
ミス・ヴァリエール。貴方の使い魔は実に素晴らしい」
コルベールが笑みを浮かべ、もう一度だけ手を叩いた。
「おっと、そうだ。記念にそのルーンを書き写しておきましょう」
5黒き天使デビルマン:2009/11/16(月) 05:59:15 ID:ElSzEJHx
学院寮内──ルイズが暮らす部屋の片隅に立ち、明は瞬きもせず窓の一点を見ていた。
言葉による意思の疎通は契約後でも不可能であることを知ったルイズは最初に酷く落胆したが気を持ち直し、今後どうやって共同生活を営むべきかを思案していた。
「ねえ、アモン。ここは気に入った?」
明は答えない。答えようが無いのだ。明の言葉はルイズには通じない。言葉の壁がふたりを大きく隔てていた。
貝のように口を噤み、じっとしたまま、少女の言葉に静かに耳を傾けている。ルイズはふと違和感を覚えた。
本当に目の前にいる悪魔はあの時に見た存在と同一なのだろうかと。その理知的で静謐な瞳をうかがえば、あの時に見た野蛮で残忍な悪魔と同じだとは考えにくかった。
それとも自分の気のせいか。ルイズが明の背中に覆いかぶさる。明は黙ったままだ。黙ってルイズを見守っている。
──人間の娘よ、俺は未だに夢でも見ているのか。
ルイズが明の手を取り、ベッドに招き入れる。ルイズは片時もデビルマンを離そうとしない。子犬のようにつねにまとわりついてくる。
これではどちらが使い魔なのかわからない。ルイズが一枚ずつ服を脱ぎ、クローゼットに吊るす。
儚い羽根のようにほっそりとした未成熟な四肢は少女が女へと生まれ変わる途中の虚ろさが見え隠れしている。
惜しげもなく透ける白い肌と謙虚な陶磁器のように膨らんだ乳房をルイズは明に晒す。
脇腹から微かに透ける一輪の水仙菖にも似た可憐な肋骨を桃色の髪が隠した。明は変身を解いた。少年の裸体にきょとんとするルイズ。

「へえ。貴方、人間にもなれるのね。他には何が出来るの?」
人間の姿に戻った明にルイズは手放しで喜んだ。少女に羞恥の色は無い。ルイズは明を人間だとは思っていない。
悪魔が人間に化けて見せた。それがルイズの正直な感想だ。人間の姿もまた、優雅で頼もしかった。
黒々とした茂みは羅紗であり、同時に野獣の体毛をルイズに連想させた。
「人間の姿になるなら服が必要ね。わたしがアモンに似合う服を用意してあげる。でも今日はもう遅いから一緒に寝ましょう」
シーツに包まり、胎児のように身体を丸めるルイズ。顔を近づけた。少女の首筋からくすんだ汗の香りがした。
くすんだ汗の香りから、微かに孤独が揺らめいている。寝息を立て始めるルイズ。
ルイズが寝静まるまで寄り添っていた明が、天蓋付のベッドからそっと抜け出した。ドアを開け、裸のままで渡り廊下を明は歩く。
自分は異世界につれてこられたのか。それならそれでかまわなかった。荒廃した地球に今更未練などない。
外へ出て、明は小指の爪を切ったような薄く輝く双月を見上げた。淡い月の光が異邦者を照らす。
太陽の下では騒がしい学び舎も夜闇の中では静かなものだ。明は久々に聞く虫達の鳴き声に耳をすませ、朝が訪れるのをひっそりと待った。
明は元の世界でも異端者だった。アウトサイダー。
少なくとも人間達は彼を自分の仲間だとは認識してはくれなかった。挙句は人間同士で殺し合いを重ね、ついには人類は滅びた。
虫達がブルースを奏でる。この異邦者の為に。哀れな悪魔に虫達はブルースを捧げる。

その日の朝もシエスタは洗濯物を籠に入れ、忙しなく洗い場の水を汲み上げていた。寒い。春だというのにまるで秋のような寒さだ。
昨日までとは打って変わって冷たい風が魔法学院に吹き荒み、このメイドの少女を悩ませた。水が冷たい。両手があかぎれになりそうだ。
くたびれた両肩と首を揉み、それでもせっせとサボる事無く仕事に精を出す。
洗い物を乾かそうとシエスタが立ち上がった瞬間、人影がふらふらとこちらに近づいてくるのがわかった。人影は少年だった。
茶色の古い外套を纏っただけの裸足の少年だ。自分と同じ黒髪の少し変わってはいるが端正で精悍な顔立ちをした少年だった。
「あの、大丈夫ですか。どうかしましたか?」
シエスタは少年に声をかけた。声をかけられた少年は沈黙したまま、シエスタの顔を食い入るように見つめている。
不思議な眼をしているとシエスタは思った。何か引きずり込まれてしまいそうな黒い瞳だ。陽の射さぬ暗い湖のような瞳だ。
穏やかだが恐ろしい。
何度も話しかけたが埒が明かず、シエスタはこの少年が物狂いか聾唖者ではないのかと疑った。
恐らく間違ってこの学院の敷地に入り込んでしまったのだろう。
このままにしておけば少年が学院の貴族に何をされるかわかったものではない。
放っておくことも出来ず、シエスタは料理長のマルトーに相談しようと少年の手を取り、厨房へ急いだ。
6黒き天使デビルマン 代理:2009/11/16(月) 06:00:01 ID:ElSzEJHx
美樹。美樹はもういない。美樹は死んだ。美樹は殺された。同胞であるはずの人間の手によって。この少女は美樹ではない。
メイドに手を引かれ、明はシエスタに美樹の面影を浮かばせていた。デビルマン。デーモン殺し。悪魔の狩人。
人類を守るために戦い、人類に絶望し、人類に背を向けた戦士。魔王サタンの愛を受けた唯一の男。
胃を締め付ける根深いもの悲しさが明を襲った。美樹との思い出が胸裏深くでくすぶりつづける。
ふたりは厨房に着いた。何人かの料理人と手伝いのメイドが明に奇異の視線を向ける。
「うん?どうしたんだ、シエスタ。そんなに慌てて、何かあったのか?」
恰幅の良い、人好きのしそうなコックがメイドに話しかけた。
「あ、マルトーさん。実は……」
困ったことでもあったのかとコックに尋ねられ、シエスタが訳を説明する。マルトーが明をちらりと一瞥し、椅子に座るように勧めた。
素直に椅子に腰掛け、厨房をぐるりと見渡す明。同情したコックのひとりがスープの入った木製のカップを明に手渡す。
「一体どこからきたんだろうねえ。門番の連中も何をやってるんだが」
カップのスープを啜り終えた明が立ち上がり、マルトーに軽く頭を下げた。そのまま出口に向かって足を運ぶ。
「おいおい、兄ちゃん、どこへいく気だい。ちゃんと帰れるのかい?」
言葉はわからないがこのコックが自分に気を使ってくれている事だけは明にもわかった。明が寮を指でさす。

「お、おいおい、あそこは貴族の子弟たちが住む寮だぜ。あんな所にいっちゃ、それこそ何をされるかわからねえぞ」
コックのひとりが明の羽織った外套を掴んだ。外套がするりと明の体から剥がれる。少年の裸身にシエスタは目を奪われた。
肝を抜かれたコックとメイドが目を丸くする。年頃の少女達は頬を赤く染め、俯いた。
「あ、あわわ、すまねえな、兄ちゃん。す、すぐにこいつを返すから」
その時だ。何かに気づいたコック長のマルトーが明の胸に注視した。他のコックの肩を叩き、胸を見てみろと顎をしゃくる。
明の胸──使い魔の紋章があった。奴隷の烙印だ。マルトーが忌々しげに顔を歪ませた。
「最近の貴族はひでえ事しやがるな……」
「そんな……酷い……」
シエスタが口元を押さえた。明が外套を羽織りなおす。一同は黙って明を見送った。

ルイズは幸せだった。寝ても覚めても少女の頭にあるのはデビルマン──アモンの事だけ。ルイズはアモンに恋焦がれる。
痺れるほどに恋焦がれる。アモンはルイズにないものを全て持っている。力を、強さを全て兼ね備えた使い魔。
あれほどまでに渇望した力。貴族としての誇り。全ては一夜にして様変わりした。
ルイズが寝返りを打った。寝ぼけて枕を床に落とす。そこではっと目を覚まし、跳ね起きるように上体を起こした。
私室をきょろきょろと首を振って見渡し、明の姿を確かめる。明は胡桃の木で出来た丈夫な肘掛け椅子に腰掛け、窓の外を眺めていた。
「あ、おはようアモン」
明がルイズに視線を移す。氷のような風が吹くたびに、生い茂った木の葉が揺れざわめいた。ルイズが下着と制服を自分で身につける。
「アモン、ご飯を食べにいきましょう」
そこでルイズが明の外套に目をとめた。昨日の夜は裸だったはずだ。どこにあったのだろう。こんな古い外套などなかったはずだ。
「アモン、これどこで拾ってきたの?」
明の口から言葉が吐き出されることは無い。ルイズもそれは知っている。喋るのはルイズであり、聞くのは明。逆はなかった。
「まあ、いいわ。とにかく朝食よ。アモン、貴方は何を食べるのかしら。それと今日は貴方の服を見繕わないとね。人間の姿に化けるなら流石に裸はまずいわ」
自室を出て明とルイズは肩を並べ、アルヴィーズの食堂へと続く廊下を辿った。
7黒き天使デビルマン 代理:2009/11/16(月) 06:00:46 ID:ElSzEJHx
明の目の前に並べられた食膳は食堂の惚れ惚れする奢侈な内装には見劣りするものの、それでも豪勢なものだった。
皿からはみ出した血の滴る柔らかい仔牛の肉塊は郷士(下級貴族)でもおいそれと口にできる食材ではない。
勿論、フォークやナイフなどは見当たらない。ルイズに悪意があるわけでもない。自分にはお似合いの食事だと明は思った。
さきほど逢ったメイドの少女と目が合う。少女が明ににこりと微笑んだ。どこか後ろめたさのある微笑だ。
隣に座ったルイズが果物を食べながら明にも食事を──生肉を食べるように促す。デーモン以外の肉を食うのは久しぶりだった。
仔牛の肉を素手で鷲づかみ、明ががぶりと前歯で食いちぎる。じゅわっと滲み出た豊かな血と脂が明の唇を濡らした。
味わうようにくちゃくちゃと咀嚼し、ごくりと咽喉を鳴らして頬張った肉を嚥下する。中々の健啖ぶりだ。
明の食事を眺めていた生徒の何人かがげんなりとした面持ちで食事の盛られた皿を横に押しやった。
全ての肉を食べつくした明にルイズがニコニコしながら自分の鳥もも肉のローストを差し出す。ルイズは嬉しそうだ。本当に嬉しそうだ。
「足らなかったら食べてもいいわよ」
ルイズからもも肉を受け取った明はそれも胃に納めてしまった。これほど食べたのも久しぶりだ。やはりデーモンの肉よりも美味い。
食事を終えたふたりが次に向かったのは教室だ。教室では小型のデーモンどもがうようよしていた。だが、人間達に危害を加えるつもりはないようだ。
自分同様、この世界に呼び出されてきたわけか。半擂り鉢状の講堂は大学の教室と同じ構造をしており、教卓には中年の女が立っている。
「アモン、ここが教室よ」
ルイズが明に語りかける。いつもならば、ルイズを悪態する声が聞こえてくるはずだが、普段とは裏腹に教室はしんと静まり返っていた。

隣に控えたルイズの使い魔。昨日から噂は持ちきりだ。ゼロのルイズが悪魔を召喚した。隣に居るのはどうみても人間だったが油断はできない。
悪魔が人間に化けているかもしれないのだ。そもそも外套を身に着けただけの裸足の人間など学院にはいない。どう考えてもおかしいのだ。
生徒達の予想は半分ほど当たっていた。性格には悪魔が人間に化けたのではない。悪魔が人間に戻ったのだ。
「今年の春の召喚の儀式は皆さん、どうでしたか。こうして皆さんの使い魔を見れて先生も嬉しく思いますわ。
私の名前はシュヴルーズ、土のトライアングルメイジです。皆さんよろしくお願いします」
中年の女教師──シュヴルーズが生徒達に会釈する。明は無表情でシュヴルーズを見下ろしていた。
「おや、そちらの方は外套を羽織っているだけのようですが、服と靴はどうしたのですか?」
明は表情を崩さず、野生の獣のようにじっとシュヴルーズを伺っている。ルイズがシュヴルーズに助け舟を出した。
「アモンはわたしの使い魔なのですよ、ミス・シュヴルーズ。彼に合う服が見当たらなくて今日は外套だけなんです」
「え、ではミス・ヴァリエールが召喚したという悪魔が彼なのですか?しかし人間にしか見えないのですが」
「アモンは人間の姿になれるんです」
ルイズの言葉に教室がざわめき始めた。やはり悪魔が人間に姿を変えていたのだ。
「それは大変に珍しい使い魔さんですね。そうだ。ミス・ヴァリエール、ここへきて錬金をして皆さんに披露してください。
メイジの実力を見たければその使い魔を見よといいます。ミス・ヴァリエールならば素晴らしい錬金を見せてくれるでしょうね。
それでは私がまずは手本を見せますので同じようにやってみてください」
8黒き天使デビルマン 代理:2009/11/16(月) 06:01:32 ID:ElSzEJHx
杖を片手に持ち、シュヴルーズが赤ん坊の握りこぶしよりも一回りほど小さい石を真鍮に変化させる。
明の額が何かに反応を示した。触覚の先が顔を出す。微弱な電流が流れたかのように額の肌がピリピリした。
──これは面白いな。まるでデーモンの超能力とそっくりだ。
「ではミス・ヴァリエール、こちらへ」
「は、はいっ」
緊張してはいるが、しかしはっきりとした足取りで教壇の前に立ち、ルイズは杖を構える。普通ならば野次やあざけりが飛んでくるはずだ。
だが、誰も何も言わない。ルイズの隣に控えた使い魔のせいか。力は余裕をもたらす。
呼吸を整え、いくらか落ち着くとルイズは呪文を唱えた。生徒達が素早く机の下に隠れる。
小石が炸裂した。奇跡は起きなかった。鼓膜を突き破る爆発音が教室に反響する。
ソニックウェーブがふたりを弾き飛ばそうとした瞬間、明の体が反応し、翼がルイズとシュヴルーズを衝撃から守る。
木片が散らばり、爆風で吹き飛んだ教室内は惨憺たるものだったが幸い怪我人は出なかった。
シュヴルーズは怒るよりも主人思いの使い魔を持ったルイズを褒めた。お咎めはなしだ。
そして授業の一環にとシュヴルーズが土属性のメイジ生徒達を呼び、自分も混ざって教室の修復をし始める。
ルイズも片づけを手伝い、授業の終わりを告げる鐘が鳴る頃には壊れた椅子も机もあらかた元に戻っていた。

昼食もやはり同じものが出てきた。明が肉塊を頬張り、平らげる。始終、ルイズは頬を緩ませながら明の食事を眺めていた。
水晶のデカンタから銀のコブレットにワインを注ぎ、明は口の中の脂を落とすように飲み干す。
食事を終えた明が食堂から出ようとしたその時だ。激しい怒鳴り声が明の外耳道を打った。揉め事か。
明が何気なしに怒声のあがる方向へ顔を向ける。
視線が捕らえたのはメイドの少女とメイドを激しい剣幕で罵る男がひとり。男のマントの端は水に濡れ、床には水差しが転がっていた。
「無礼者めッ、貴族のマントをなんと心得るかッ」
狼狽したシエスタが何度も深く頭を下げ、申し訳ありませんと謝罪の言葉を繰り返す。見ていて可哀想だった。
男がメイドの頬を平手で力いっぱい張る。肉を打つ音──はずみでシエスタがよろめいた。
「ギトー先生ね。あのメイドも災難よね。あんな陰険で嫌味な教師に捕まっちゃうなんて」
ルイズが明の耳に囁くように愚痴る。明がギトーに近づくとその肩を叩く。
──もう、それくらいにしておいたらどうだ。相手は謝っているんだろう。大の大人が年端も行かぬ少女をいじめて何が楽しいんだ。
無駄とは知りつつも明は言葉を重ねた。返ってきたのは男の侮蔑の眼差しだ。軽薄の色をありありと浮かべ、ギトーが明に口端を歪めた。
「なんだ、お前は。平民同士かばいあっているのか?」

男が何を言っているのか明にはわからない。だが、その人を侮蔑した男の態度だけは理解できた。男が杖を懐から取り出す。
さきほどから不安げな面持ちのシエスタがおろおろと動揺し始める。
「身の程をわきまえろッ!」
エアカッターが明の頬を切り裂いた。深々と切り裂かれた傷口から熱い血潮が飛沫あげる。
鉛色がかった蒼白い顔色に変わるルイズ。明はギトーを見据えた。憤怒にふつふつと血が燃える。
──面白い。人間よ。お前に俺の力を見せてやろう。己の血でたっぷりと後悔するがいいッッ!
激高に肉体が反応する。傷口が塞がり、明は我知らず牙を剥いた。唇が笑っているかのように裂け割れた。
ギトーの、否、食堂に居た全員の目の前で異様なことが起こりつつあった。
少年の叫びは咆哮へと変わり、こめかみにまで明眸が吊りあがる。
あらゆる筋肉がおぞましく進化し、指先から鋼鉄の爪が飛び出す。脈動する血管。巨大化する骨格。
凶悪な魔界の使者へと変容を遂げる明。少年が全く異なる存在へと変わった事を知り、ギトーは眼を見張った。
肩甲骨から腰にまで広がった黒い巨翼が大きく羽ばたき、ギトーの身体を吹き飛ばす。昏倒するギトー。デビルマンがギトーの後頭部を鷲掴む。
──ここでは皆に迷惑する。表に出るがいい。
デビルマンがギトーを外へと連れ出す。人々はデビルマンの行動に固唾を飲んで見守った。
9名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 06:02:27 ID:ElSzEJHx
以上

作者氏乙
10名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 06:25:23 ID:mk2Bft+n
ここでは皆に迷惑するか、まだ人間の心を失って無いとこがいいっすな
シエスタにやっぱり美樹の面影を見ちゃいましたが、この出来事で避けられちゃうのかな・・・ここで幸せになってほしいもんだが
乙でした、次回も楽しみに待ってます
11名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 11:48:12 ID:8YkzUCBq

でも言葉は諸作品同様通じた方が良かったな
性格も美樹ちゃんわっしょい後だから大分違う?
テレビ版原作版ともに明は割りと砕けた奴だっただけに痛々しいな
12名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 14:38:25 ID:I/UHtRK7
Re: 【ばんじゃい】もらって嬉しかった感想は?【しちゃう】 (No.25918 への返信) - 城狐月

 ほー。掲示板は今感想ブームなんですかね? ちょっと飽和気味ですが回答。

 貰って嬉しかった感想。

・丁寧な言葉遣いである。
・よく読んでくれている。
・少々、ユーモアがある。

 余談ですが。
 貰って嬉しくない感想。

・感想の内容が理解できない。(もしくは筋違い)
・自分流小説技法で語り始める。(しかも的外れ)
・言葉遣いが丁寧でない。(またユーモアも無い)
・作者を評価してくる。(そんな所は訊いてない)

 こんなところですかね。はい、休憩時間しゅーりょー。
13名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 17:21:15 ID:NZDo4/za
まさかのギトーw
喧嘩売る相手を間違えたと後悔するのは良くあるが、露骨に悪魔だと更に恐怖だ。
ハルケギニアでは悪魔とエルフ、どちらがより強い畏怖の対象なんだろうか。
まあそもそも実際に悪魔がいるかは知らんが。
14名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 19:23:46 ID:mk2Bft+n
シエスタの祖父が同じ世界出身なら紛れ込んできたデーモンも居るかもね
まぁデーモンもピンキリだし、シレーヌでもライフル?でダメージ受けたしメイジに狩られてるのもいそうw
15名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 20:11:07 ID:LH1Ldhpo
意思の疎通が出来てないって新しいですな。

つーかなんだかそこはかとなくエロい。
16名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 21:16:12 ID:dND1SHDD
言葉が通じない、ってのはこれまでの強キャラ召喚モノではなかったなかなか面白い設定
互いにやきもきするであろう今後の展開に期待
17名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 21:23:18 ID:ZjzNX3US
まさかのギトー先生wwwwww
続きが早く読みたいぜ!作者乙!そして>>1乙!
18名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 21:33:18 ID:BlaUpkF8
避難所に、ゴーストステップの最終話が投下されてた。いい話だったなあ。
完結おめでとう!!
19名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 22:02:52 ID:hWhpnDbD
ああ、ギトー先生だったか。原作からして性格の最低振りには定評がある訳だが……どうやって止めるんだこれ?
学園中の晒し者になって立場を完全に失うであろうギトー先生の心の底から合掌。
20名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 22:10:39 ID:9Hsdh810
ギトー先生がそれなりに良い役割を振られてる作品って少ないよな。

餓狼のロック=ハワード召喚の作品くらい?(アレでも生徒の前で鼻を折られてたけど)
21名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 22:15:37 ID:7oOFqIph
ああああああああああ
22名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 22:22:18 ID:3BiVNoxk
姉妹スレの石仮面とかエルダースクロール外伝ではギトー先生に見せ場があるぞ。
まぁ前者は吸血鬼にされたし、後者も見せ場の前後が酷い事になってるがな。
23名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 22:34:37 ID:fqFfBXk5
おぉ
ゴーストステップがついに完結か
原作知らなかったけど面白かった
お疲れ様でした
24名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 23:01:50 ID:W2he0JT7
やべぇ、アモンさん素敵過ぎる。
乙乙。
25名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 23:02:00 ID:YjUiAxtP
新ジャンル・クールでハードボイルドな探偵ルイズ…良い…すごく良い! 完結がもったいなく感じる
というわけで探偵モノを召喚…小ネタで金田一耕介とかバーローはあるけど長編はヒューしかないな
ここは今が旬のはんぶんこ怪人の出番か
26名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 23:03:01 ID:RUuSp04F
ギトー死亡フラグ乙^^
やっぱり、変身シーンにはドラムとエレキでヘビーに極めたい所デスね!
27名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 23:05:23 ID:hZ980EeT
探偵キャラ召還ってある意味、死神を呼ぶに等しいよね。
ちょっと出かけたら即殺人事件。
28名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 23:08:45 ID:957Ub8q7
金田一が召喚されてある日怪文章を見つけたら殺人事件が起こって実はその怪文章は金田一がふざけて書いたものだと判明したり…
探偵って別に事件を解決しなければいけない決まりが無いどころか掻きまわすだけのイメージが強すぎる
29萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2009/11/16(月) 23:11:53 ID:GvZKCMhQ
皆様乙でした。
そしてゴーストステップ完結おめでとうございます。

自宅回線が規制されたままですが、出先用に確保したこの回線が規制されていなければ
23:20頃より14話の投下を始めたいと思います。
30名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 23:12:01 ID:7YvvW6hM
>20
「ゼロのガンパレード」の人が復帰してくれたら かっこいいギトー先生が見られるかも。
31名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 23:13:34 ID:gvgocg3K
ゼロ大戦支援!
久々だー
32萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2009/11/16(月) 23:19:29 ID:GvZKCMhQ
それではいきます。

「ルイズったら、いったい何をしに街へ出たのかしら?っていうか、あたしたちにも
声かけてくれればいいのに友達甲斐のないったら!」
 実家が不倶戴天の仇敵同士なのを棚上げしたキュルケがシルフィードの背中から
目を皿のようにしてルイズとふがくの姿を捜す。あれだけ目立つ風体のふがくが
いるのだからとたかをくくってはいたものの……いざ捜すとなると簡単には
見つからなかった。

「――いた」
「え?どこ?」
「中央広場」
 自身の使い魔、風竜シルフィードとともにふがくの姿を捜していたタバサが
先にふがくの姿を見つける。その視線の先には、ルイズとふがくが並んで歩いている
姿が映る。
「……どこに行くつもりかしらね?それにふがくが手に持っているのは……剣かしら?」
「あっちには確かヴァリエール家御用達の服屋があったはず」
「ということは、ふがくの剣を買った後、服をあつらえに来た、ということね。
 ……おもしろいことになりそうね」
 そう言ってキュルケがやや意地悪な笑みを浮かべる。タバサはシルフィードに
命じてルイズたちを少しだけ先回りできる位置に自分たちを降ろすように指示する。
そうして、いかにも偶然出会ったように、二人はルイズたちの前に姿を見せた。

「はぁい。偶然ねこんなところで会うなんて」
「…………」
「……いったい何であんたたちがここにいるのよ」
 目の前のキュルケとタバサの姿にルイズは露骨にいやな顔をする……が、
キュルケがそれを柳に風と受け流した。
「だってせっかくの虚無の曜日だし、たまには羽を伸ばさなくちゃ」
「……嘘つき」
 キュルケのあからさまな嘘にタバサがぼそりとツッコミを入れる。その様子に
ルイズの怒りは一気に高まる。
「……あんたたちにつきあってる暇なんてないわ。ふがく、行くわよ!」
「私は別にかまわないけど……どうせ服見に行くだけでしょ?」
「わたしがかまうの!……って、何か聞こえない?」
 怒りの表情もどこへやら。唐突なことを言い出すルイズに、ふがくはさらっと答える。
「そう言えばさっきからサイレンのような音が聞こえるわね。こっちに向かって」
「サイレンって何?ていうか、そういうことは早く言いなさいよ!」

 ――ゥゥウゥワァァァーーーーーーーン……

 ルイズがふがくを責めるあたりから急に大きくなるそれはまさしくサイレンの音。
しかも空から。ルイズだけでなくキュルケや街の人々もその聞き覚えのないラッパの
ような甲高い音に怯え慌て始める。さらに大きくなるサイレン。その様子に広場から
人々が蜘蛛の子を散らすように逃げていく。そして――

「いや〜〜〜〜ん。萌え萌えのかわいい女の子がこんなところにぃ〜〜〜!
……って、あら?」
 上空からけたたましいサイレンとともにダイブしてくる黒い影。その目標は
――何故かルイズとタバサ。しかし、その直前でその影を、ふがくが手に入れた
ばかりのデルフリンガーを持ち前の膂力でとっさに鞘を割り砕いてまで迅速に
抜き放って押し留めた。
「ひえー。おっでれーたー。こんな無茶な抜き方されたのは生まれて初めてだ」
「……アンタ、ドイツの鋼の乙女ね。いったいどういうつもり?」
 驚くデルフを無視し、相手に剣を突きつけたままふがくが詰問する。
33萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2009/11/16(月) 23:21:12 ID:GvZKCMhQ
 相手は手に重機関銃を持ち黒を基調としたナチスドイツの軍服を身にまとった
赤毛の女。黒い制帽にはナチスの国章鍵十字をつかむ鷲の徽章をつけ、背中には
背面をカーキグリーン系の迷彩に塗り内面を翼端部を黄色く塗った、後付けの
機関砲をつけられドイツの主権紋章鉄十字が描かれた青緑の翼を背負い、左肘に
スピナー付きのプロペラを装着して二の腕を通した肩まで覆う迷彩模様の装甲と
いう典型的な航空機型鋼の乙女。また太ももからカーキグリーンの迷彩が施された
長方形状の尾翼を生やし、脚部もふがくと似たような感じで車輪になっており、
その車輪にはカーキ色のスパッツがつている。ふがくはその航空機型鋼の乙女を
どこかで見たような気がするのだが、思い出せなかった。
「あらん。その格好、日本の鋼の乙女ね。見たことない娘だけど、可愛いわぁ。
お姉さん、ぞくぞくしちゃう」
「私の質問に答えなさいよ!それに、何で私以外の鋼の乙女がこんなところにいるのよ!?」
「あら?人の名前を聞くときにはまず自分から名乗りなさいって、教わらなかったのかしら?
子猫ちゃん」
 目の前の鋼の乙女の態度は変わらない――いや、その気になれば表情も変えずに
引き金を引いて辺りを血の海にできるだろう、そんな雰囲気すら漂わせている。
もはや彼女たち二人とルイズたちしかいない中央広場に、さらなる緊張が走る。
真っ正面で相手しているふがく以外、誰も声すら発することはできなかった。
「こ、子猫……人をバカにするのもいい加減にしてよね!
 私は大日本帝国の鋼の乙女、ふがくよ!……い、今は訳あってこんなところで
使い魔なんてやってるけど……」
「……相棒……気持ちは分かるけどな」
 ふがくの最後の言葉は無理に濁したのが丸わかり。しかも視線をそらして言う
その言葉にデルフまでが突っ込む始末。しかし、目の前の鋼の乙女はそれを聞いて
楽しそうに笑った。
「うふふ。ふがくちゃんか、見た目通り可愛い名前ね。でも、その錆びた変な剣は
ちょっといただけないわねぇ。
 私はドイツの鋼の乙女、急降下爆撃機Ju87スツーカのルーデル。よろしくね」
「か、可愛い……って、ちょっと何するのよ?やめっ……うひゃああっ!?」
 そう言ってルーデルはふがくの手を握る。その雰囲気に身の危険を感じたふがくが
とっさに手を引っ込めようとしたが、間に合わなかった。

「うわぁ。ふがくが手玉に取られてる……」
 その様子を遠巻きに見るキュルケが半ば呆れた様子になっていた。両手両足で
数え切れなくなったあたりから数を数えるのをやめたほどの経験を積んだ彼女なら
解る――相手はホンモノだ、と。しかし……
「な、なんか、ふがくの知り合い……かしら?」
「……でも、さっきはわたしたちをめがけて飛んできていたような……」
 ダメだ、とキュルケは心の中で溜息をつく。ルイズもタバサもあのルーデルとか
いう相手がどんな質(たち)なのか気づいていない。というか、間違いなくタチだろう、
アレ。でも、まぁ、お持ち帰りされるところをすんでの所でふがくが止めてくれたから
良かったわ、と一人納得することにした……


「……で、どうしてこうなるわけ?」
34萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2009/11/16(月) 23:22:40 ID:GvZKCMhQ
 ――あれから数十分。ようやくルーデルから解放されたふがくは、ルイズの
実家ヴァリエール家御用達の服屋で不機嫌な様子を隠そうともしない。先ほど
鞘を割られたデルフも今は即席の布巻き状態でふがくの手に握られているが、
場を読んでいるのか沈黙を保っていた。

 ちなみに、服屋の女主人が真っ先にふがくに対して興味を引かれたのはやはり
その服。ハルケギニアから見て東方風なデザインもさることながら、ハルケギニアの
砲弾の常識の埒外にある46サンチ対空砲弾の直撃ですら服が破れる程度で済んで
しまう(多少衝撃は伝わるが)というとんでもない強度は、やもすれば服どころか
鎧の概念すら変えてしまいかねない代物。しかし、肝心の生地すらトリステイン
王国どころかハルケギニアのどの国の手にも負えそうにないことが分かると、
がっくりと肩を落としてしまっていた。

「何って、あんたの服を選んでるんでしょ?」
 ふがくのその様子を完全無視してしれっと答えるルイズ。最初にドレスを作るとか
言ってふがくをお針子さんたちに取り囲ませただけでは飽きたらず、ふがくの
目の前にはプレタポルテのエプロンドレスが突きつけられていた。
 どういう場所で着られることを想定しているのか、そのパープルを基調とした
スカートの短いドレスは、今のふがくの格好とは正反対のもの。ふがくはあからさまに
拒絶の意を示すが、それが逆にルイズの隠れた嗜虐心を刺激していた。
「あんたの背中の翼はとりあえず外してから着られるけど、足が問題よね。
ストッキングもニーソックスも履けないし」
 ルイズがわざとらしく溜息をつく。絶対わざとだ、とふがくは思ったが、
口には出さない。表情には出ているが。
「え?ふがくの羽、アレ外せるの?」
「あら、私も外せるわよ?外せないと服が着られないでしょ?
 でも、いいわぁ。可憐な美少女の生着替えが見られるな・ん・て」
「もう見せないわよ!まったく……何でアンタまでここにいるのよ……」
 ルイズもふがくも話していなかったため知らなかったことに驚くキュルケに
返したのは、何故かここまでついて来たルーデル。そのせいか、ふがくが余計に
疲れているように見える。
「あらん。いいじゃない。こんな世界の果てでせっかく同盟国の鋼の乙女に
出会えたんだし、もう少しお話ししたいわぁ」
「私は、別に話したいことなんか……」
 ふがくが拒絶を示すように顔を背ける。だが……
「あら?残念。でもぉ……」
 そんなふがくを見るルーデルは妖艶な笑みを浮かべた。
「そ・ん・な・こ・と・よ・り・今はぁ……みんなでふがくちゃんのお服を
選んじゃいましょう!」
 そう言ってルーデルがふがくの目の前に突きつけたものを見て、いつもの強気も
どこへやら、ふがくは冷や汗すら垂らして声を荒げる。
「何それ!ていうか、何でお堅い貴族の御用達の店にそんな怪しい服が何着もあるのよ!?」
 ルーデルがふがくに突き出したもの――それはルイズが手にしているものよりも
さらにスカートも短く背中の開きも大きいセクシーなエプロンドレス。
そこに端で見ていたキュルケまでおもしろがって参加してくる。
「さぁ?ヴァリエール家のヒミツ、ってことじゃない?おもしろいからあたしも
手伝うわね」
「おもしろくないし!手伝わなくてもいいっ!」
「……悪趣味」
 その様子を見たタバサは、そのとばっちりが自分に回ってこないよう、極力
静かに本を読み始めた――


 ――それからさらに時間は過ぎ……すっかり昼下がりになった頃合いに、
ルイズ、ふがくを筆頭とする5人は落ち着いたカフェでテーブルを囲んでいた。
なお、結局ルイズはふがくに自分が選んだあのエプロンドレスと、あろうことか
ルーデルの選んだエプロンドレスまでお買い上げしてしまい、ふがくが疲れ切った
顔で渋面を作ったことはまた別の話である……

35名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 23:24:08 ID:GvZKCMhQ
 そんな場所でつつがなく自己紹介を終えてルーデルが切り出した話題は、
ルイズたちにとっても興味深く、ふがくにとっては驚愕としか言えないことだった。

「……あかぎの……ペンフレンド?」
 ふがくの言葉にルーデルはにっこりと微笑む。
「そう。毎週届くあかぎちゃんからのお手紙、お姉さんいつも楽しみにしていたの。
 戦争が終わったら二人で可愛い女の子について夜通し語り合う約束もしてたしぃ、
ああ、今度はぜっったいイタ公抜きでさっさと連合軍なんて片付けてやりたいわぁ♪」
(な、何?この身の危険を感じるような感覚は……)
(……逃げちゃダメ、逃げちゃダメ、逃げちゃダメ……)
 さりげなく怖いことを言いつつ自分の言葉で熱が入り身をよじらせるルーデル。
その様子にルイズは顔を引きつらせ、タバサは悪寒を感じて逃げ出したいが
逃げ出せないという状況に身震いし――その言葉にやっぱりか、と自分の勘の
正しさを再確認するキュルケという微妙な空気が生まれる。
「そ、そう言えばあかぎって『殿方も好きだけど可愛い女の子はもっと好きなのー』
って言って憚らなかったっけ……」
 そしてふがくも、今更ながらに自分の長姉の憚るべき事実(本人は全然憚らなかったが)を
思い出していた。
「……そ、それで、どうしてルーデルはここに?私みたいに誰かに召喚されたとか?」
 ふがくが話題を変えるべく本題を口にする。それを聞いたルーデルはそれまでの
痴態もどこへやら、真顔で即答した。
「何それ?」
「え?だって、ここにいるってことは……そうじゃないの?」
「あらやだ。私はお空の散歩をしていたら、目の前に変な魔法陣が現れて
ドーバー海峡がいきなり砂漠になっちゃった、ってだけよぉ。
 うっかり地中海を飛び越えてサハラ砂漠に入っちゃった?とも思ったら、
別の意味のサハラ砂漠でお姉さんもうびっくりよぉ」
 そう言ってルーデルはひらひらと手を振る。ドーバー海峡からサハラ砂漠へ
行くには少なくともフランスをまるごと縦断してその上で地中海を抜ける必要が
あるのだが……電撃戦の脅威排除を目的とした急降下爆撃機型鋼の乙女にそれだけの
航続力があるとは思えなく、果たしてそれが冗談なのかどうなのか、ふがくには
判断できなかった。そんなふがくをよそに、ルーデルはさらに暴走する。
「それでね〜、とりあえず帰る方法がないかな〜って探しながら、こっちの
女の子たちもすごく可愛いからどうしようかな〜って思ってるわけなのよぉ。
 レンちゃんやフェイちゃんたちと遊べないのはつまらないしぃ♪でもでもぉ
こっちの娘たちも可愛いしぃ♪」
(ひっ……き、貴族は背中を見せないのよ……そうよ、わたしは貴族なんだから!)
(……に、逃げちゃ……ダメ……だけど……)
 再びくねくねと身をよじらせるルーデル。その顔は紅潮し妖しい雰囲気を放っている。
しかも時折こちらを艶めかしく見つめるその様子にタバサばかりかルイズまで
貴族の誇りがかろうじて椅子にとどまらせているだけの状態になっているが、
ルーデルは気づく気配すらない。その惨状にふがくは深く溜息をつく。
「……はぁ。結局帰る方法は解らないってことね」
「ちょっと待って。ミス・ルーデル、貴女『サハラ』って言ったけど……
もしかしてエルフと一戦交えた、とか?」
 唯一平常心を保っていたキュルケがルーデルの言葉に紛れていた重要な
キーワードに気づく。サハラに召喚されたなら、その召喚主はエルフに違いないと
キュルケは考えた。しかし、目の前のルーデルは誰にも従っているようには見えない。
そうなれば、答えは一つ。その手にしたタバサの身長ほどもある黒光りする銃は
どう見てもふがくのものより強力に見えるし、最初の時のように不気味な音を
立てながら上空からいきなり襲いかかられてはエルフとて無事では済まないだろう。
だが――
「エ、エルフ?そんなのいるの?物語の中じゃなくて?ああん。見てみたいわぁ」
36萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2009/11/16(月) 23:26:00 ID:GvZKCMhQ
 ――ルーデルはそんなものは知らないらしい。多分ふがくみたいに飛べるから
そのまま召喚主に顔を合わせることもなくハルケギニアへ来てしまったのだろうと、
キュルケは考えるしかなかった……というより、必要以上にルーデルと接点を
持ってしまうことに彼女自身が危機感を抱いていたという方が正しい。それは
真理であると同時に盲点でもあることに気づけた者は、残念ながらここにはいなかった。

「……と。さて、お姉さんはそろそろおいとまさせてもらうわね」
 キュルケの質問に答えてすぐ、目の前のカップの中身を飲み干したルーデルは
あっさりと真顔に戻って立ち上がる。あまりにも唐突な出来事にふがくは
「え?」と返すことしかできない。そんなふがくにルーデルは大人の微笑みを
向ける。
「私は私なりに帰る方法を探してみるわね。見つかったらふがくちゃんにも教えて
あげるから……ここに来れば会えるかしら?」
「え?ここ?」
 話を振られたふがくがルイズを見る。その視線にルイズもようやく正気に戻った。
「……へ?あ、こ、ここじゃダメね。このトリスタニアから馬で2時間ほどの距離にある
トリステイン魔法学院に、わたし、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・
ラ・ヴァリエールの使い魔に用があるって聞いてちょうだい」
 学院ではふがくが准貴族扱いのためそのまま名前を言ってもつないでもらえるのだが、
ルイズはあえてそうしなかった。自分はふがくの主なのだ。知らないところで
話が進んで勝手に帰られたくない、との想いが先に立ったことを責める者はいない。
「そう。馬で2時間ということは、そんなに遠くないわねぇ。ありがとう、
フロイライン・ヴァリエール。ところで、その建物、目印はないのかしら?」
「中央に大きな塔があって、それを囲むように5つの小さな塔が立っているわ。
そんな場所なんてそうそうないからすぐに分かるわよ」
「ありがとう。みんな親切でお姉さんうれしいわぁ。それじゃ、ここはお姉さんのお・ご・り」
 そう言ってルーデルがその豊かな胸を包む制服のポケットから取り出したのは
ハルケギニアの金貨。しかも新金貨ではない。それを見たルイズたちが驚くのを
見て、ルーデルはばつの悪そうな顔をする。
「……あら?もしかして足りなかった?」
「た、足りないどころか多すぎるわ。いったいどこでこれを……」
「ああ、これ?こっちに来てから手持ちのマルクが通じなかったからぁ、
持っていた宝石を換金したの。換金するにも勲章じゃダメみたいだったしねぇ」
 キュルケの問いかけに困った顔をして答えるルーデル。確かにルーデルの制服には
翼を広げた鳥をかたどったような徽章や様々な勲章がぶら下がっている。
特に左胸につけられた、光り輝くダイヤモンドがちりばめられた黄金の柏葉と
交差する剣を象る見事な飾りがつけられた鉄十字の勲章などは自分が買い取りたいほどだ。
ただ、下手すると実家の財産が飛びかねないそれには、さすがのキュルケも諦めざるを
得なかった。おそらく勲章が断られたのも、自分が考えたのと同じ理由だろうと、
キュルケは納得する。
「『マルク』ってのが分からないけど……要するに持っていた貴女の国のお金が
使えなかったから宝石を売った、ってことね……」
 ルイズが溜息を漏らす。いくら貴族向けの店とはいえ5人分のお茶代にエキュー
金貨を出すなんて、いったいどんな国から来たのよ、と――

 結局ルーデルの好意に甘えた4人だったが、ルーデルがウィンクを残して
飛び去った後でも、しばらく彼女の消えた空から目が離せなかった。
「……な、なんか途中すっごい悪寒がしたけど……いい人みたいね」
「…………」
37萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2009/11/16(月) 23:27:21 ID:GvZKCMhQ
 ルイズとタバサがルーデルを好意的に見ている横で、再びキュルケが頭を抱える。
タバサは自分が守ろう、ルイズは……タバサのためにがんばって、と心に決めながら。
 その3人の様子に目を向けながら、ふがくは自分以外の二人目の鋼の乙女の存在に
想いを巡らせる。30年前のこの世界にやってきた燕は多分帰った。けれど、自分と
同じ時代に召喚されたルーデルは――帰れるのだろうか。そして自分は……
「……らしくないわね」
「どした?相棒?」
「何でもない。こっちのこと」
「……そか。ま、気長に構えるこった。こっちも悪くないぜ。多分、な」
 デルフはそう言うと再び沈黙する。うるさいと聞いていたが、なかなかどうして
核心を突く。錆び付いてはいるけれど存外六千年存在しているっていうのは
嘘じゃないのかもね、とふがくはデルフリンガーの評価を改めることにした。


 ――そうしてふがくたちがルーデルとの邂逅を果たした同時刻、某所――

「……はうぅ。ここはどこでしょう?」
 鬱蒼と茂る森の中、鉄兜をかぶり、右腕に奇妙な武器を持ち、足に茶色を
基本とした迷彩模様の脚甲を身につけ、ふがくに似た衣服を身につけた――全然
違う柄の布であちこちつぎあてられた様はみすぼらしいものだが――一人の少女が
途方に暮れていた。いや、ぺたんと下草の生える地面にへたり込んでいた。
「戦争が終わって、日本を復興するお手伝いをしていたはずなのに……変な魔法陣の
前でこけたりするから……はうぅぅ」
 涙目で指をつんつんさせる少女。そうやっていると頭にかぶせた鉄兜が
ずり落ちてくる。それがいっそう少女の気持ちを惨めにした。
「私、鳥取で作業していた覚えはないんですけど……落っこちた先が砂漠で、
変な人たちに追いかけられて……」
 少女はゆっくりと自分の身に降りかかったことを整理する。急に砂漠に現れて、
変な人たちに追いかけられて、人目につかないようにさまよった先で奇妙な桟橋から
船で密航して……気がつくとどこかの森の中。右も左も分からない状況で少女は
途方に暮れる。
「私、どうしてこんなところにいるんだろう。はうぅ。日本に帰りたいですぅ」
 森の中に少女の悲痛な叫びがこだまする。その声に応えるものはいなかった……
そう、今は。


 ――そして――

「……あれがフガクちゃんか……うふふ。まさかこんなところで出会えるなんて、ねぇ」
 誰もいない空でルーデルは独り笑う。その笑みの意味を知るものもまた、
そこにはいなかった――
38萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2009/11/16(月) 23:29:42 ID:GvZKCMhQ
以上です。今回はお買い物編ラスト。ルーデルともう一人の新キャラ登場編でした。
次回からアルビオン編へ入る...予定です。

[以下チラシの裏]
知ってます?血糖値検査機って糖尿病だと保険利くけれど低血糖だと全額自費負担
なんですよorz
さすがに血糖値60以下では仕事するのが精一杯でしたorz
39名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/16(月) 23:42:11 ID:gvgocg3K
投下乙
なんか病気そうだけど負けるなと応援しておく
40名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 00:04:11 ID:GQmLzZhC
そんなプライベートのこと報告されても知らんがな
自分でサイトでも作ってやれば?
41名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 00:21:16 ID:vbvPr1Dt
復帰乙。
ガンガレ…負けるな…
42名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 00:27:37 ID:dxwJiqf+
おつおつ。悪魔のサイレン出てきたか。
これからの展開が楽しみです、応援してます。
43名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 00:28:31 ID:tGYGq8W+
デビルマン続きキターー!!やっぱり明はカッコいいなぁ。
続きが楽しみでしょうがないっす!
44名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 00:45:25 ID:7pKmM63u
デビルマンの方、萌え萌え大戦の方、ゴーストステップの方、お疲れ様でした。

どの方も大変面白かったです
45名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 01:32:22 ID:p2Nuj6RS
さようなら、Mr.ギトー…
46名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 05:53:35 ID:PisL1S0Q
Mr.ギトーは最悪、塵一つのこら無そう
それより、明の変身を見てしまったシエスタやマルトー達の方が気になる
47名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 07:23:46 ID:zD1of7aw
ゴーストステップの人、乙でした。

だけど

災厄の街では死は永遠の別れを意味しないってことを知ってるかい、お友達。

さぁ、続編を!
48名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 08:24:45 ID:M8roL7fh
萌え萌え大戦の方、お疲れ様です。

それはそうと、探偵ものの長編ならMASTERキートン召喚ネタがある。…探偵でいいのかな?
49名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 08:36:02 ID:HPW2K5rx
>>25

推理中は目つきが悪くなるし、推理より衛士隊に通報する方が好きなルイズが浮かんだ。
50名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 09:40:59 ID:9YxAa/+c
>>48
まあ一応一流の保険調査員だけど…
51名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 11:54:38 ID:MmzKmU4p
>>48
名探偵の親友を差し置いて事件を二回も解決してるから実力はあると思うぞ。
52名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 13:02:50 ID:4r1aojqx
キートンのSSまじツマンネ
53魔砲の人 ◆IFd1NGILwA :2009/11/17(火) 14:12:59 ID:ogqtqyZS
 少し間が空いてしまいましたけど、28話、上がりました。

 容量大きめなので、途中でさるさんが来る可能性大です。5分近く止まったら怪しいと見て避難所のほうを除覗いてみてください。

 少し余裕見て、一四二〇から投下予定といたします。
54名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 14:22:39 ID:SfzsJYAy
待ってましたわい。
奥様が無事でありますように。
55ゼロと魔砲使い 第28話-01 ◆IFd1NGILwA :2009/11/17(火) 14:22:57 ID:ogqtqyZS
第28話 烈風

 ルイズ達が帰ったその日の夜、ラ・ヴァリエール公爵は、久々に愛する妻を己の寝室に迎え入れていた。
 元々公爵も昨日まで国境付近の視察に出ていたので、この事自体はごく当たり前のことである。だが今夜の彼女は、いつもと違っていることに公爵は気がついた。
 長年連れ添った愛妻である。情の交歓も、お互いに慣れた者同士の、しっとりとしたものになっている。
 だが、今宵の妻の様子は、いつものそれとは一変していた。二つ名の如く荒れ狂う嵐のような、名前とは裏腹の猛り狂う業火のような、そう……それは二人が初めて出会ったときのような、激情を胸に秘めていた乙女の頃のようであった。
 「どうしたんだい? 今の君は、まるで結婚する前の君のようだ」
 そんな彼女の様に引かれたのか、公爵の言葉も、今の歳にはあまりに合わない、若々しいものになっている。
 「かも知れませんわ。今の私は、あの何も知らなかった若かりし頃のように燃えさかっていますもの」
 実際、公爵の目には、今の妻が長年連れ添った女性ではなく、結婚直後のような若々しさに満ちた姿に見えていた。
 錯覚だとは思う。だがただの錯覚ではないように公爵には思えた。
 「それは夫としては少々癪に障るね。君を若返らせた相手に」
 そう軽い言葉を囁きつつ、妻の様子をさりげなく、しかし注意深く観察する。
 そして気がついた。年を経、落ち着いたことによって培われた洗練された身のこなし、それが漲りすぎた気魄のせいで崩れている。その押さえきれない迸りが、彼女を若く見せているのだ。
 それは、つまり。
 そう思った公爵の耳に、妻の返答が入ってきた。
 「いやよ、若い女に気を向けるなんて」
 やはり、と思い、再び水を向ける。
 「君が猛っているのは、あの女性のせいかい? ナノハとか言った、家庭教師という触れ込みの」
 「ええ」
 彼女は肯定する。
 「はっきり言って、初めてよ。目にした瞬間、あそこまでのものを感じた相手は。多分彼女は、あなたと知り合った頃からの全てを通して……おそらくは最強。あれに比べたら、火竜山脈の火竜なぞ、ものの数ではありませんわね」
 「ほう、君が『最強』と言い切るか」
 「あの子は何かまだ隠し事をしているみたいですけど、そんなことを抜きにして、彼女から感じる『気』は何かが違いますわ。見た目は可憐な花……なのにどう見ても私には、あそこに鋼鉄が立っているようにしか感じられませんでしたもの」
 さすがに公爵は妻の様子が少しおかしいことに気がついた。
 「ただの強敵というわけではなさそうだね」
 「そうなの。うまく言葉には出来ないのですけど……」
 その様子に、公爵は結婚当時よりもさらに若い妻のことを思い出した。強くはあってももろかった頃の彼女のことを。
 「彼女は『異質』ですわ。私たちとは何かが根本的にちがう。それがこうも私を不安にしているみたいなのです」
 「我が愛しの『烈風』は、その程度で止まってしまうのかい?」
 そんな妻に、公爵は優しく語りかける。自分の心が、若かりし頃に引き戻されているのを自身でも感じる。
 「止まったりはしませんわ。ただ……」
 「ただ?」
 「あなたに初めて、私が『敗北』する姿を見せてしまいそうな気がして」
 「それはちょっと驚きだね。敗れたことはあっても、決して『敗北』はしなかった君が」
 世間では無敵と評された妻であったが、本当に無敵だったわけではない。だが、決して屈することだけはなかった。
 それは彼自身が一番よく知っている。
 「何、もし負けたとしても、こう思えないかな? 『まだ上があった』って」
 その言葉を聞いて、妻はぽかんとした様子を一瞬見せ、次いで彼がもっとも好きな、破顔一笑、という言葉がもっとも似合う笑顔を向けてきた。
 それに続く言葉はいらなかった。いや、言葉を交わせない状態になっていた。
56ゼロと魔砲使い 第28話-02 ◆IFd1NGILwA :2009/11/17(火) 14:24:46 ID:ogqtqyZS
 懐かしい故郷での夜が明けた。
 だが、いつものように使い魔である女性の声で起こされても、ルイズは目が醒めた気がしなかった。
 自分の母親の恐ろしさは嫌というほど知り尽くしている。その母親と、この使い魔が戦う。
 それこそ悪夢だった。
 彼女の、なのはの強さもルイズは十分に知っている。多少の幸運と援護はあったといえ、エルフと正面戦闘をして勝つほどなのだ。
 なのはなら決して母にひけは取らない。それは理性では理解出来るのだが、感情が納得してくれない。
 それほどまでに戦う母は恐ろしい存在であった。
 だが、目の前の彼女は、こう言うだけであった。
 「大丈夫ですよ」
 と。
 ただそれだけを、彼女は言った。
 
 
 
 いつものように着替えをなのはに用意してもらい、城のメイド達が用意してくれた水で顔を洗い終わる頃、判っていた知らせが入った。
 朝食の前に、母が鍛錬につきあってほしいという伝言だ。
 もちろんこれは単なる名目に過ぎない。それは周りの人間も熟知していることだ。
 すぐに向かいます、と返事をした後、ルイズはなのはの方を見る。
 
 「本当に大丈夫? 母様は、本当に強いわよ?」
 
 と、なのはが何故か少し赤らんだ顔をしていった。
 
 「あの、実はですね……」
 「何か?」
 
 その様子になんというか、申し訳なさそうなものを感じたルイズは、なのはに問い掛ける。
 そしてその答えを聞いたルイズは思わずこける羽目になった。
 なぜならなのはは、
 
 「ここだけの話……多分ミッドの空戦魔導師なら、ある程度の実力があれば絶対こちらで負けることはないと思います」
 
 という、とんでもない答えを返してきたからであった。
 
 
 
 「なにそれ? ミッド式ってそんなに優秀だっていいたいの?」
 さすがにルイズも少しむっとなって言葉が尖る。対してなのははますます申し訳なさそうに答える。
 「いえ、どちらかというと相性的な問題なんです。一言で言えば、プロテクションを初めとする防御全てを一撃で抜ける攻撃力がなければ、ミッドの魔導師はこちらでは負けることはまずありません」
 「そりゃそれだけの攻撃力があれば当然だけど、ないとなんで必敗なわけ?」
 
 答えは簡潔明瞭であった。
 
 「ハルケギニアの魔法では、攻撃と防御を同時に展開できないからです。同時に発動できる魔法が一つ。この事が、ハルケギニアの魔法を攻撃に偏らせています。ですので」
 そこでなのはは言葉を切り、ルイズを見つめて言った。
 「ハルケギニアの防御魔法は、殆ど発達していません。特に対魔法防御が極端に遅れています。タバサに聞いたのですが、数少ない防御魔法の『エア・カーテン』なども、その効力は物理的に風を起こして攻撃を防ぐものです」
 「そうよね。あれは矢とかをそらすために使うことが多いもの」
 ルイズも二人の練習光景を思い出して言った。
 「こちらの魔法は基本的に物理現象ですので、エア・カーテンで防ぐことも出来ます。ですがミッド式の攻撃魔法は、純粋魔力攻撃です。これは物理現象では実体以外では防げませんから、『アース・ウォール』のようなもの以外では妨害できません。
 ましてや相手の攻撃に対してカウンターで放てば、威力にかかわらず一撃必殺になります」
 「あ」
57ゼロと魔砲使い 第28話-03 ◆IFd1NGILwA :2009/11/17(火) 14:26:42 ID:ogqtqyZS
 ルイズもその光景を想像してみて、思わず納得してしまった。
 ルイズに決闘経験はないが、決闘そのものは学院で何度か見ている。表向き禁止されているとはいえ、いろいろな理由で生徒同士が『杖を合わせる』光景は皆無ではない。
 ハルケギニアでは魔法の同時展開や自動維持が出来ない。必然的に、攻撃に対しては回避か相殺になる。それゆえ、なのはのようなミッド式の魔導師が使う、『プロテクション』や『バリアジャケット』のような防御手段が皆無に等しい。
 数少ない防御魔法は、集団戦での連携の元に使うものがほぼ全てだ。というか決闘の場で防御魔法を使っていたら攻撃できない。
 戦闘スタイルとして、防御を魔法で担い、剣などの武器で攻撃するというスタイルが考えられないわけではないが、ゲルマニアならまだしも、トリステインの貴族が剣で相手を攻撃するなど考えるはずもない。
 剣と魔法を両方使うものでも、攻撃の際には剣に魔法を纏わせるのが常道である。
 それだけに『防御しながら攻撃』が可能なミッド式の魔導師のほうが絶対的に有利であるということを、ルイズは論理的に理解してしまった。
 純粋魔力攻撃は、ハルケギニアの魔法では相殺できない。発動の直前直後を狙い撃たれたら、まずこちらが負ける。
 よほど回避能力に長けているか、狙いを付けさせない動きが出来るものでないと、勝ち目はまず無いであろう。
 まして相手が空戦魔導師……空を飛びながら魔法を撃てる相手だったりした日には最悪である。場合によってはこちらの射程外から一方的に叩かれることになる。
 
 「さすがに母様でも分が悪いかも知れないわね。考えてみると」
 少し気が楽になったのか、ルイズの声から固さが取れる。
 「はい。実のところ、お母様の実力にかかわらず、私が対一で戦えば、間違いなく即決で私の勝ちなのは多分揺るぎません。まだ見せていない隠し技とかもありますし」
 不敵なことを言うなのは。
 「ただ、それはいわゆる『卑怯』な勝ち方なので、お母様は納得しないと思います」
 そういってなのはは、傍らに置いてあったものを取り上げた。
 思わずルイズの目が丸くなる。
 「え、なのは……」
 そんなルイズの様子に、憤慨した声がかぶさる。
 「おいおい、娘っ子は本業がメイジでも、『使い手』なんだぜ。ガンダールヴならちゃんと使えるって」
 そう、何故かなのはは、その手にデルフリンガーを持っていた。
 「デル君、お母様を納得させるには、多分あなたを振るう必要があるわ。頑張ってね」
 「おう! まかせとけ!」
 意気揚々と答えるデルフリンガー。
 この後二人に聞こえないところで「よかった……俺にも出番があった……」と、メタ発言にも聞こえることをつぶやいていたのは、彼だけの秘密である。
58ゼロと魔砲使い 第28話-04 ◆IFd1NGILwA :2009/11/17(火) 14:28:36 ID:ogqtqyZS
 中庭と言うには殺風景な広場に、二人の人物が対峙していた。
 一人はマンティコア隊の制服に身を包み、顔の半分を鉄製のマスクで覆った人物。腰に下がった剣は、杖を兼ねている逸品である。
 その出で立ちは、まさに騎士の中の騎士。
 「本気だな、あいつ」
 ルイズのすぐ隣で、父がそう呟くのを聞き、また不安がわき上がってくるルイズ。
 二人は使用人達と一緒に、離れたところから対峙する二人を見つめている。
 「本気、といいますと?」
 ルイズの問い掛けに、父はますます不安をあおるような答えを返す。
 「マンティコア隊に所属してからは、帯剣していても殆ど飾りで、振るうのはおまえもよく見知っている杖だった。だが今のあいつは」
 公爵の視線が、腰に帯びた剣に向かう。
 「あれは以前使用していた、杖を兼ねた剣だ。つまりカリーヌはこの戦い、魔法だけではなく、剣の技も使用して彼女に立ち向かうと宣言しているに等しい。正真正銘の全力だな」
 烈風カリンの逸話には風の魔法を武器としたものが多いが、同時にその非凡な剣技の冴えも伝わっている。
 「それにしても」
 ここで公爵の声が少しゆるむ。
 「おまえの家庭教師は、ずいぶんと傾いているのだな」
 「お気持ちは判りますが、父上」
 ゆるんだ父の声に、やや荒い声で答える娘。
 確かにバリアジャケットを纏ったなのはの姿は、一見すれば道化者の騎士だ。白と青を基調とした、ちょっと奇異で派手な服。ツインテールの髪型に、派手な装飾がついた金色と桃色の長大な杖。
 何も知らなければ、戦う者にしてはずいぶんとなめた服装だと取られるだろう。
 「私のつ……家庭教師を甘く見ない方がいいですわ。ああ見えても彼女は歴戦の勇士です」
 「そういえばあの剣は置いたままだな。彼女はメイジだったのか?」
 「いいえ……言葉では語れませんので、後はご自分の目で確認を」
 一見落ち着いた口調で、内心テンパりまくりでルイズは父へ言葉を返した。
 「そうだな、そうするか」
 父は視線を対峙する二人に戻す。今二人は何も無い広場の中央に、10メイルほどの距離を開けて相対している。そのちょうど中間に、一番足の速い侍女がハンカチを持って立っている。
 彼女が合図の声と共にハンカチを放り投げ、それが地に着いた瞬間から戦いが開始されると言うことになっている。
 そして。
 
 
 
 「はじめ!」
 
 大きな声と共に、合図役の侍女はハンカチを大きく空中に投げ、同時に文字通り脱兎の如くその場からルイズ達の方へ駆け出した。
 そのためにわざわざスカート丈を詰めている位だ。
 幸いハンカチは、彼女が安全な距離を保った後にふわりと落ちた。
 その瞬間、両者の間の気魄が爆発的にふくれあがる。
 先手を取ったのはなのはであった。カリンが以下に熟達していても呪文の詠唱はゼロ時間では出来ない。対してなのはの方はものにもよるが完全な無詠唱で魔法を発動させることが出来る。
 もっともディバインバスターを初めとする攻撃系の魔法に関しては、殆どがためというか時間を必要とするものばかりである。つまり開始と同時になのはが発動させた魔法は攻撃魔法ではない。
 
 “Axel Fin”
 
 なのはは、杖を槍のように構え、こちらに向けたた姿勢のまま、『後ろに爆走』した。
59ゼロと魔砲使い 第28話-05 ◆IFd1NGILwA :2009/11/17(火) 14:30:31 ID:ogqtqyZS
 カリンは一瞬、頭が真っ白になるのを押さえられなかった。
 (なんだ、あれは)
 姿勢を崩さないまま、相手の姿が小さくなっていく。
 フライの呪文で超低空飛行をしているのだと気づいたのは、その直後だ。同時に脳裏で鳴り響く警報。長年の戦いで掴んだ、嫌な予感。
 何故相手はいきなり距離を取った?しかも姿勢を崩さないまま。
 来る。こちらよりも遙かに長射程の魔法攻撃が。
 一瞬のうちにその判断に到達する。
 ならば!
 こちらも同じくフライの呪文を使い、一気に距離を詰める。
 剣を用意しおいてよかったと、心から思う。
 もしいつもの杖であったら、為す術もなく相手の得意な距離から一方的に攻撃されていたはずだ。
 相手は遙か遠くに行ってしまっている。
 カッタートルネードならこちらからも届くが、相手はその詠唱時間を待ってはくれまい。
 こちらが長距離用の呪文に切り替えたと見るや、あの速度で今度は距離を詰めてくるだろう。それはまさに詰みを意味する。
 だがこちらが相手に匹敵する速度で間合いを無に出来ればそこから逃れられる。だがその場合、魔法を移動のために使わねばならず、攻め手が激減する。トリステインの騎士としては腹立たしいが、魔法を従、剣を主とした攻撃を使わねばならない。
 だが、そこまでしなければ対峙できない相手であると、カリンの戦闘経験は判断していた。
 開かれた間合いが再び詰まる。その速度は実に速かった。
 おそらく現時点のハルケギニアで、今のカリンに匹敵する速度で飛行できるのは、スクエアを越えた何かを会得しているタバサだけだったであろう。
 もっとも術式でそれを成し遂げているタバサとは違い、カリンの出す速度は純粋にその強大な風の力……いわゆる馬鹿魔力のたぐいによってもたらされるものであった。
 「速いっ!」
 観戦しているルイズの口から思わずそんな言葉がこぼれる。それほどにカリンの速度は速かった。
 「ああ。カ
 公爵がそれに答えようとした、まさにその時だった。
 10メイルほど……時間にして1秒足らず。
 なのはの立っていた位置までカリンがたどり着いたときであった。
 「なにっ!」
 くぐもった声が鉄のマスクの内側から響く。彼女の接近は、唐突に阻まれた。
 相手の立っていた位置の直前辺りで、突然最大級の『嫌な予感』が彼女を襲う。が、なまじ加速していたため静止が間に合わなかった。
 突然発光する地面。瞬時に停止を余儀なくされる全身。
 気がつけば、両手首と両足首、そして胴を幾重にも、桃色の光輪が自分を縛り付けていた。
 驚いたことに、その光輪はただ自分を縛るだけでなく、その場から動かすことすら出来ない。まるで光輪そのものが空間に固定されているかのように。
 「なんだ、あれは!」
 思わず娘のほうに怒鳴る父。
 「私もはじめてみました!」
 言い返す娘。
 そしてそんな二人の前を貫く魔光。
 二人がそちらを見たとき、そこにあったのは空中に縛り付けられたまま気絶する妻であり母である人物と、滑るように近づいてきて杖を彼女に突きつけた家庭教師の姿であった。
60ゼロと魔砲使い 第28話-06 ◆IFd1NGILwA :2009/11/17(火) 14:33:02 ID:ogqtqyZS
 軽く頬をはたかれる感触に、彼女は目をさます。
 「大丈夫ですよね? 今バインド解きますね」
 そう彼女が言うと、カリーヌを縛っていた戒めが消え、全身が解放される。
 崩れ落ちそうになる体を、彼女が支えてくれた。
 この辺でようやっとカリーヌの意識がはっきりとしてきた。
 こみ上げて来るのはいくばかの怒りと、ずいぶん久しく感じる若い頃に感じた無力感。
 カリーヌは思わず自嘲していた。
 烈風カリンともあろうものが、未知の術とは言え、小手先の技に完膚無きまでに敗れる。
 遠方の彼女から光が放たれた瞬間、間違いなく死を感じた。
 実際は瞬間的な痛みと共に気絶しただけで外傷などはないようだが、もしその気があったのなら、今頃自分は生きてはいまい。それをカリーヌは理解していた。
 「……やって、くれたな」
 予感はしていた。一歩間違えば目の前の女に自分は敗れると。
 だが予想とは違った。一歩どころではなかった。
 完膚無きまでに自分は敗れたのだ。
 「ちょっと卑怯でしたけどね」
 彼女は悪びれずに言う。
 「まあ、予備知識なしで戦ったらこうなるのは判りきっていましたけど……納得いかないですよね」
 「確かにな。だが負けは負けだ。言い訳など無用」
 今ひとつつかみ所がないが、強いのは間違いなさそうだ。手段にためらいがないのも、むしろ高評価だ。娘を守る身にある者が手段を選んでいるようでは安心できない。
 出来ればもう少し別の面を見てみたいとは思ったが、強要するわけにも行くまい、とカリーヌが思ったときであった。
 「じゃあ、今度は卑怯じゃないやり方でやってみます」
 目の前の女は、とんでもないことを平然と言ってのけた。
 
 
 
 「ななななんでこんなことしなけりゃならないのよ」
 ルイズは現状にただ冷や汗を流しつつわめくことしかできなかった。
 でもこれが一番の早道ですよ? と、不遜なことを言ってくるのは自分の使い魔。
 ルイズは先ほどの広場に立っていた。いつもの服装のまま、無防備に。
 自分の前には最強の使い魔、こちらを狙うは最強の敵……無敵の母、そして、その母と背中合わせに戦ったという、父。
 そんな二人に対して、なのはは宣言したのだ。
 「手段は問いません。一定の時間、具体的にはご主人様が今のところ使える虚無の呪文を詠唱しきるまでの間、彼女にかするだけでも攻撃を当てたらそちらの勝ちです」
 あの後、なのははある告白をした。自分はなのはの使い魔として異界から召喚された存在であり、彼女を守るのが本分だと。
 驚いていたが、ルイスが『使い魔だと言ったら扱いがぞんざいになる』と言ったことで両親も納得した。実際の所、思い当たる節がありすぎて娘のことを叱るわけにも行かなかった。
 その上で改めて提案されたのが、この戦い。
 何でもありでなのはがルイズを守り、ルイズに攻撃がかすりでもしたらなのはの負け。これは単なる条件ではなく、ルイズが虚無の担い手として魔法を発動させるまで彼女を守るという、実戦に即した条件だ。
 逆に言えばこれが出来なければ彼女の使い魔たる資格はないともいえる。
 「ですので今回は魔導師としてだけでなく、使い魔としての力も使います……というか、この条件だと接近戦も考えないといけませんから、それだと魔導師としての私だけじゃ不足なんです」
 そういってなのはは杖であるレイジングハートをしまい、代わりにその手にデルフリンガーを握った。
 残念だが、ある程度白兵戦を考慮していた親友のデバイスと違い、レイジングハートでこの世界の武器やブレイドの魔法を受けたらまず耐えきれない。そう思っての対策であった。
 なのはの感覚からすれば、それはかつてヴォルケンリッターと戦ったときのそれに等しい。
 レイジングハートで彼らのアームドデバイスと直接打ち合ったら絶対に持たない。
 そのことは重々承知のなのはだった。
 「開始はご主人様が詠唱を開始すると同時です。ご主人様は『エクスプロージョン』の呪文を、ちょっと変えて唱えていてください」
 ちなみに精神力は回復しきっていないので、今のルイズに本物のエクスプロージョンを唱えきることは出来ない。なので発音や言葉を外したダミーを唱えることになる。
 その時間はなのはの感覚からすればフルキャストで約3分前後。
 そして2度目の戦いが開始された。
61名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 14:33:22 ID:tikyCHXX
支援
62ゼロと魔砲使い 第28話-07 ◆IFd1NGILwA :2009/11/17(火) 14:35:13 ID:ogqtqyZS
 今回、公爵達は前衛父、後衛母のシフトを引いてきたようだ。ルイズは見たことがなかったが、父は杖に水系統のものと思われる『ブレイド』の魔法を纏わせている。ということは母が一発大きなものを狙っているということだろう。
 こちらはなのはがあまり動けない以上、それを止めるのは難しいということとだ。
 だが、公爵達はここでなのはの持つ『魔導師』の利点を思い知らされることになった。
 公爵の接近と同時に背後からカリーヌのエア・カッターが放たれてくる。牽制のそれをなのはは展開されたプロテクションで弾くと同時に、4つほど展開された光球で迎え撃つ。
 「なにっ! 攻撃と防御を同時にこなすだと!」
 「なるほど、こんな技が出来るのなら、自信のほども判りますね」
 公爵とカリーヌは、驚くと同時になのはが自信を持っている理由を即座に理解していた。
 先になのはがルイズに語っていたように、ハルケギニアにおいて魔法の複数同時使用が出来る人物は滅多にいない。それゆえにこちらの戦術はそれが出来ないことを前提に組み立てられている。
 やがて接近してきた公爵が剣戟の間合いにしてはやや遠いところまで来たとき、何故か杖を振りかぶっていた。その動きにかつてフェイトが光刃を飛ばしてきたときの姿が重なるのをなのはは感じ、とっさにプロテクションを移動させる。
 襲ってきたのは光刃ではなく、杖から伸びてきた水の鞭であった。しかもそれは複数に分裂し、多方面から一気になのはと背後のルイズに襲いかかる。
 「ははは、全力でこれを振るうのは久しぶりだぞ!」
 対するなのはもうまい、と思った。ハルケギニアの魔法はその性質的に複数の敵を個別に狙うのが難しい。打ちっ放しのものを連射するか、範囲攻撃でまとめて落とすようにするのが普通である。
 つまり乱戦になると対処が難しい。だが公爵の水の鞭は、乱戦の中でも的確に複数の敵を狙い撃てる。鞭には多頭鞭という、複数の鞭を束ねたようなものがあるが、それだけに鞭を複数に分裂させるということも、剣などに比べて難しくなかったのだろう。
 魔法にイメージが重要なのは、どこの世界でも変わらないようだ。
 「これは、少しやっかいですね……」
 なのはも小さく呟きながら、公爵の鞭をプロテクションとアクセルシューターで迎撃していく。ただ、現状では少し手数が足りなくなるのが問題だった。
 実のところ、今のなのはにはある『枷』がはまっている。それは『カートリッジの不足』であった。
 この世界に来たとき、なのはの手元にあったカートリッジは装着中のものを合わせてわずかに2ケース、12発しかなかった。そのうち6発はフーケ戦やアルビオン戦で使ってしまっている。残りは1ケース6発しかないのだ。
 ちなみにエルフ戦の時には使っていない。
 そしてカートリッジ抜きだと、今のなのはにはある問題が生じる。
 魔法的な瞬発力の不足であった。
 
 
 
 なのははカートリッジによる補助を得ないと、全般的に魔法の発動が遅いという弱点を抱えている。子供の頃と違い、魔力量的にはカートリッジによる補助抜きでも、かつては刃を合わせた仲間と同等に戦えるようになっている。
 だが、戦闘時にそんなことを言ってはいられない。カートリッジを使用すれば『抜き打ち』的に使用できる魔法が、カートリッジ抜きだと発動まで数秒かかるというのではまるで話にならない。
 必然的に彼女の戦闘スタイルは、カートリッジの使用を前提としたものに練り上げられていた。今使用しているアクセルシューターも、カートリッジを使用すれば瞬時に32発もの弾体を形成し、同時に完全制御できる。
 だが、カートリッジ抜きで瞬時生成が出来るのは4発。そして生成するためには一旦制御を手放さないとならない。さすがになのはといえども弾体を制御するのと同時に生成していくのは不可能であった。
 必然的に4発作ってはそれで戦い、減ってきたらまた作り直すという手順を踏まざるを得なくなる。この決定力不足がなのはにとっての懸念であった。
 一応、カートリッジは装着されている。だか今ここにあるのが全てだと思うと、命のかかっていない模擬戦で使用するわけにはいかないのだ。
 
 「さすがにあれだけの大言壮語を言うだけのことはあるな。しかし親をなめてもらっては困る!」
 水の鞭は6本に分裂してなのはを襲う。さすがになのはの手がこちらにかかりきりになる。
 背後ではカリーヌが大きいのを一発狙っているのが判るだけに、少し焦りが生じてくる。
 
 
 
 ところが、思わぬことからこの状況が一転することになる。
63ゼロと魔砲使い 第28話-08 ◆IFd1NGILwA :2009/11/17(火) 14:37:56 ID:ogqtqyZS
 魔法による牽制ではとうとう追いつかなくなり、ついには手にしたデルフリンガーで水の鞭を打ち落とさざるを得なくなるまで詰め寄られてしまった。
 その時であった。
 デルフリンガーで水の鞭を切ると言うよりたたき落とそうとしたその瞬間。
 「え?」
 「おっ?」
 なのはとデルフリンガー、二つの声が重なっていた。
 デルフリンガーが水の鞭に接触した瞬間、何か予想以上の衝撃のようなものをなのはは感じ、デルフリンガーのほうはその全身というか刀身に思わぬ力が漲るのを感じたのだ。
 一方公爵のほうは、遂に刀を使わせるところまで行ったと思った瞬間、予期せぬ逆撃を喰らう形となる。
 水の鞭が一本、その力を失って霧散したのだ。
 「今の……AMF?」
 なのはは、目の前の現象が、かつての戦いでさんざん苦しめられたAMF、魔法の構成式を分解して魔力の結合を解いてしまう、アンチ・マギリンク・フィールドに酷似していることに気がついた。
 水の鞭が消えていく様が、遠方から魔力弾をAMF範囲内に撃ち込んだときにそっくりだったのだ。
 一方デルフリンガーは、自分の力を一つ、はっきりと思い出していた。
 「思い出したぜ姐さん! 俺の魔剣としての力は、『魔力吸収』だ! 続きもあった気がするが、それは後だ! いちいち撃ち落とすこたぁねえ、あの程度の水鞭なんざ、片っ端から切り落ととてやれ!」
 「なんだとぉっ!」
 目の前でいきなりそんな隠し球を持ち出された公爵は涙目だ。魔力吸収能力を持つ魔剣が相手では、『ブレイド』は無力である。打ち合うたびに打ち消されてしまう。
 「カリン! まずい! すまんが攻守交代だ!」
 後方の妻に、若かりし頃のような呼びかけをする公爵。そこに掛けられる妻の言葉。
 「ちょうどいいタイミングですわ。行きます!」
 それを聞いて慌てて離脱する公爵。何が来るのかが、よく判っていたせいだ。なのはもその様子を見て大技が来ると察知し、後ろのルイズに全方位型のオーバルプロテクションを張って自身は前に立つ。
 「デル君……信じるよ。君の力」
 「おうよ! と、言いたいが、あれ相手だとどこまで持つかはまだ判らんねえぜ!」
 目の前から襲ってきたのは、内側に真空を内包し、触れる者すべてを切り刻みながら吹き飛ばす風のスクウェアスペル、カッター・トルネード。
 それが真正面からなのはに叩きつけられた。
 
 
 
 「いくよっ!」
 
 なのははデルフリンガーを両手持ちにすると、恐れることなく真っ向からその刃を竜巻に叩きつけた。風の大半はその刃が触れると同時にほどかれていくが、真空の刃は物理現象と化しているため、容赦なくなのはの身を切り刻もうとする。
 だが、信じられないことに、なのはの身体には全く傷がついていなかった。
 「なんだ姐さん、平気なんかい?」
 デルフリンガーが思わず呆れたような声を出す。
 「バリアジャケットは、こういうタイプの打撃には強いの。かまいたちみたいなものには特に」
 空を飛ぶ際の保護も兼ねているバリアジャケットである。気圧の変化にはめっぽう強い。
 そんなわけで切り裂かれ、消滅していく竜巻。その途中、デルフリンガーは魔力をどん欲に呑み込んでいく中、再び古い記憶が刺激されるのを感じていた。
 (うお、そういえば昔はさんざんぱらこうやって魔力を喰った気が……でも何かが違う。普通ならこんな大魔力喰えばそろそろ腹いっぺえの筈なんだが……)
 デルフリンガーが思い出していたのは、自分が魔力を吸収できることと、そのため込んだ魔力で使い手の体を動かせること。そこまではかつて何度も別の『担い手』の手の中でやったことだった。
 だが、なのはは、今の『担い手』は何かが違った。
 もっと古い、古い古いところの記憶が刺激される。それに加えて、これほどの魔力を喰らっていないのに『満腹感』……吸収限界を感じない。まるで喰らった魔力が、片っ端から出て行っているかのように……
 そのことを自覚したとたん、デルフの脳裏(?)にとてつもない衝撃が走った。
 忘れていた、否、意識する必要のなかった『ある機能』を、唐突に思い出したのだ。
 前もって『その言葉』を聞いていたのも大きかった。それがなかったら、思い出しはしても自分自身それがなんであるか判らず、混乱していただろうから。
 そしてデルフは、そのことを思い出した喜びに、思わず鍔を鳴らして叫んでいた。
 
 
 
 「思い出したぜ! 魔力は十分だ! 俺と『ユニゾン』しろ、ガンダールヴ! それがこの俺の本当の使い方だ!」
 
64名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 14:38:15 ID:OtX/GLAT
支援
65ゼロと魔砲使い 第28話-09 ◆IFd1NGILwA :2009/11/17(火) 14:40:08 ID:ogqtqyZS
 なのはは思わず呆けてしまった。確かに以前デルフリンガーを調べたとき、彼が『アームドユニゾンデバイス』じゃないかと推測した。けれども彼にはそんな自覚はなく、あくまでも偶然の一致的なもの、もしくは彼の知らないことだと思っていた。
 だが今はっきりと彼は言った。自分と『ユニゾン』しろと。
 それはユニゾンの意味するところを、彼自身が知らなければ言えない言葉だった。
 
 「思い出したの!」
 
 だが、なのはの声はデルフリンガーによって遮られる。
 
 「ごたくは後だ! ユニゾンすりゃ判る!」
 
 そう言われればいやはない。なのははためらわずに、親友がよく言っているキーワードを叫ぶ。
 
 
 
 「ユニゾン・イン!」
 
 
 
 見た目は変わらなかった。リィン達のように、中にその身が入ってくることもなかった。
 だが、その一言は、なのはの中にあった、あるものにとてつもない影響を与えていた。
 具体的には、その左手に刻まれた、ガンダールヴのルーンに。
 
 ガンダールヴのルーンは、武器に触れることにより、その武器を効率よく振るうための身体強化と使用法を融合者に与える力を持つルーンである。
 だが彼のルーンは、一体どこからその『武器の適切な使用法』を得ているのであろうか。
 何しろ戦車や戦闘機までも使用可能にしてしまうルーンだ。どこかにマニュアルがあるとは考えられない。
 ここで思い出していただきたいのが、虚無の魔法『リコード』である。
 魔法によるサイコメトリ、物品の記憶を呼び覚ますことは、この世界では『可能』な技術である。全く未知の筈のものからその使用法を導き出せるのは、おそらくこれ以外にない。
 そういう意味では、原作でこの地にある『未知の武器』が『使用済み』だったのは幸運かも知れない。ある程度術者の想像が及ぶものならともかく、まっさらの新品では、たとえば零戦の場合なら『機銃の癖』のようなものまでルーンが補正できたか怪しいものである。
 ルーンの持ち主が『武器』に対してその使用法を認識しており、武器そのものにもその『認識』に従って使用された記憶がある。この二つがかみ合うのならば、ガンダールヴがあらゆる武器を使用可能に出来ても不思議ではない。
 これは担い手が素手を武器として認識できないことへの説明にもなる。
 そしてデルフリンガー、『知性』を持つ剣。
 あちこちの二次創作でも言われていることであるが、剣に知性を持たせると言うことに、ファンタジー的なロマンを除けばなんの意味があるのであろうか。まず考えられるのは『マニュアル』としての意味である。
 だが、剣自身に説明書としての意味だけで知性を付与するのはいささかオーバーな気がする。『録音』でもマニュアルとしての役割は十分に果たせるのであるから。
 原作の場合は、緊急時の担い手保護の能力のためとも思われる。人に変わってその体を操るためには、確かに『知性』が必要だろう。
 だがそれだけではない。デルフリンガーは、『忘れる』ことが出来るのだ。何かを『忘却』出来るということは、必然的に何かを『覚える』ことが出来るということだ。
 これは知性としては当然の働きだ。だが、『マニュアル』にも『コントローラー』にも、そんな機能は不要である。むしろ有害とさえいえる。記載事項を忘れるマニュアルになんの意味があるというのか。現によく『駄剣』とののしられているし。
 だが、『覚える』という機能に、ガンダールヴにあると思われる『武器からその使用法を引き出す』という機能が加われば一体何が起こるのか。
 
 幾人もの『担い手』に振るわれたデルフリンガーの『記憶』
 武器の使用法を武器の『物品記憶』より取り出すガンダールヴ。
 
 
 
 この二つの『機能』が、『融合』により、全て『担い手』に直結された。
 
 
 
 結果。
66名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 14:42:46 ID:TXWOvlq+
融合騎って古代ベルカでも少なかったんだっけ?支援
67名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 15:01:42 ID:LcSUZ/I9
魔砲の人、待ちに待っておりました・・・
リアルタイムで出くわすとはねー。支援必要かな?
68名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 15:10:26 ID:msxj2zFT
魔砲とゴースト、誰か代理してやってくれ。
こちらも規制中なんで無理なんだわ。
69名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 15:16:23 ID:wx+0HneJ
デルフが融合騎とは新しい&可愛くないwww
小型のなオッサンみたいな妖精が実体化しているのを想像してしまったw

そして支援!
 公爵は慄然とした。一体何があったというのか。
 使い魔だといった女性が、『ユニゾン・イン』と叫んだ瞬間、その雰囲気が一変した。
 それまで『優秀なメイジ』のものであった雰囲気が、いきなり『歴戦の武人』のものに切り替わったのだ。
 それだけではない。
 彼女の魔法で見た、あの高速移動。それが発動したかと思った瞬間、あまりにも見事な技と共に、公爵の杖が切り飛ばされていた。
 さらにはそのままの勢いで、あのカリンに一合たりとも刃を合わせるを許さないまま、あっという間に剣を巻き上げ、その手からはじき飛ばしていた。
 完敗である。
 そう思った瞬間、彼女の背後にいたルイズが手を上げていた。彼女を覆っていた守りはなのはが動いたと同時に解けているため、その姿はよく見えている。
 詠唱完了の合図。
 戦いの終わりを告げる合図であった。
 
 
 
 「さすがは伝説の使い魔、とでも言うべきなのかな?」
 信じられない逆撃を喰らった公爵は、なのはに対して素直に語りかけた。
 「まったくね。でもちょっと聞いていいかかしら。あんな技が使えるのなら、もっと楽に戦えたのではなくて?」
 カリンも彼女を讃えつつも、不思議に感じたことを聞いていた。
 一方なのはは少し申し訳なさそうだ。
 「あの、実のところ、ラストの辺りは、公爵達と戦っているとき偶然に近い形で引き出されたものでして……」
 隠す必要も感じなかったなのはは、デルフリンガーの覚醒とその能力について公爵達に説明する。
 皆あっけにとられていたが、一番最初に立ち直ったのはルイズであった。
 「驚いたわね。あなた、本当に六千年ものだったんだ」
 「いや、それがな、どうも……」
 あのルイズがほめたというのに、何故かデルフリンガーの反応が鈍い。
 「? どうかしたの? まさか今更六千年ものじゃなかったとか言わないでしょうね」
 「それが、その、まだ完全に思い出したわけじゃないんだが……」
 「が?」
 ずずいとルイズに詰め寄られて言葉の端々に焦りがにじるデルフリンガー。
 ルイズに迫力がありすぎてなのはも公爵も黙ったままだ。カリーヌはかけらも動じていないが、むしろおもしろそうに成り行きを見守っている。
 「どうも俺……六千年どころじゃない前からいたみたいなんだわ、これ」
 「はあ?」
 ルイズの呆けた声が辺りに響き渡っていた。
 「まだ完全に思い出したわけじゃないんだがよ」
 あのあとカリーヌの、「続きは食事の後にしましょう」という言葉に従って全員で朝食を取った後、場を変えて朝はいなかったカトレアも交え、ここにいないエレオノールを除く家族全員でデルフリンガーの話を聞くことになった。
 エレオノールがいなかったのは幸いだろう。彼女がいたら、彼の運命は風前の灯火だったかも知れない。
 そしてデルフリンガーは、戦いの中で思い出したことを訥々と語り出した。
 「俺の能力が『魔力吸収』と『緊急時の担い手の保護』なのは確かだ。少なくとも初めて『担い手』に使われて以来、俺が使った力はその二つだけだ。けどよ、今回姐さんに使われてはっきり判っちまったんだ。
 今までの担い手は全員『不完全な担い手』だってよ」
 「不完全……ですか?」
 カリーヌが問い掛ける。デルフリンガーは、かちかちと鍔をならしつつ、少し考えるような雰囲気を纏わせながら、言葉を続けた。
 「ああ。俺の『本当の担い手』になるには、一つ欠けてるものがあったんだよ。姐さん」
 そこにいた全員は、何となくだが、デルフリンガーの『視線』がなのはの方を向いたのを感じた。
 「わたし?」
 その雰囲気にとまどいつつも、なのはが返事をする。デルフリンガーは、その存在しない『視線』をなのはに固定したまま、さらに言葉を継いだ。
 「信じられねえかも知れねえが、これは間違いなく俺の記憶にあったことなんだ……俺を本当に使いこなす『担い手』には、リンカーコアがないと駄目なんだよ」
 「え……? あの、デル君、それ、私が説明したからじゃなくて?」
 「そう言うことだ。俺は間違いなく、姐さんから姐さんの故郷のことを聞く『前』から、『リンカーコア』とか『ユニゾン』って言う言葉を知ってたんだよ、間違いなく」
 ここにいた人物は、皆大変に賢い人達ばかりであった。デルフリンガーの言葉が意味するものを、皆はっきりと悟っていたのだ。
 「それって……」
 そして口火を切ったのはルイズであった。
 「デルフリンガー……あなたは始祖以前の時代に、リンカーコアを持つ……つまり、このハルケギニアじゃなく、なのは達の世界で生まれたっていうこと?」
 「いや、それはねえ。俺は間違いなくこの世界で作られてる。それは間違いないって俺自身が確信している」
 「でも変じゃない。矛盾しているわよ。ここの世界の人って、リンカーコアないんでしょ?」
 「いいえ、正確には『メイジはリンカーコアにレゾナンスコアがユニゾンしている』ですので、全くないわけではありません」
 なのはがルイズの言葉を訂正する。
 「でもデル君がいうには、この六千年、リンカーコアを持った『担い手』はいなかったのよね」
 「おお、その通り。今回姐さんに使われてはっきりと判ったけど、間違いねえな。こんなことがあればいくらなんだって忘れやしねえ。少なくとも俺を使った奴は十人はくだらないし、全員が『ガンダールヴ』って訳じゃなかったが、リンカーコア持ちはいなかったぜ」
 その言葉を受けてなのはは考える。この世界、六千年の時の中、メイジの血も拡散しているだろうが、メイジの血を受けていない魔力所持者……つまりリンカーコア所持者はほぼいないと見なしてよいレベルだと思われる。
 第97管理外世界レベルであろうか。
 だとしたらデルフリンガーの所持条件が厳しすぎる気がする。
 「ね、他に覚えていることはないの?」
 情報が少ないと感じたなのはは、デルフリンガーに聞いてみた。彼はまたかちかちと鍔を鳴らすと、「ん〜〜〜〜」と考え込むようなうなり声を発した。
 存外に器用な奴である。
 少しして、デルフリンガーはぽつりといった。
 「よくは覚えてないんだが……俺が『ガンダールヴ』と対になって作られたのは間違いねえんだ。俺の能力は、ガンダールヴと組んで初めて全力を発揮できるんでな」
 その場にいた全員が頷いていた。
 「けどよ、ここがどうにも俺にもよく判んねえんだが……俺はどうも、『最強の剣士』のための武具だったような気がするんだよな。うろ覚えだが、昔誰かにそう言われた気がするんだ」
 「まあ確かに『ガンダールヴ』は最強の剣士だけど……なんかすっきりしないわね」
 ルイズが首をひねる。
 「確かに……何かこう、ボタンを掛け間違えているような感じがするわ」
 カリーヌも同じく疑問を呈した。
 公爵やカトレア、さらになのはも首をひねるが、なかなか答えは出てこない。
 と、そんな中で答えを出したのはカトレアであった。
 「ねえ、デルフリンガーさん」
 「お、なんだい?」
 「いろいろ考えるから難しくなっちゃうけど、あなたは、その、『リンカーコアを持つ、ガンダールヴのルーンを宿す人』を、真の担い手にするのですよね」
 「ん? ああ、そうなるな。今の姐さんみたいに」
 「で、あなたは『最強の剣士』のための剣だったのですよね」
 「それも多分間違いねえと思うぞ」
 「そしてあなたはこの世界で生まれ、この世界で振るわれるための剣なのですよね」
 「おお、それも間違いねえ」
 「そして、始祖の使い魔としてのガンダールヴ、及びそれ以外の人も含めて、真の担い手はなのはさんまでいなかったのですね」
 「ああ」
 「だとすると……」
 そこでカトレアは言葉を切る。その場の注目が、カトレアに集中した。
 「始祖の時代より前には、このハルケギニアの地には、『リンカーコアを持った剣士さん』がたくさんいたわけですね」
 一同が盛大にこけた。デルフリンガーまで、器用にも立てかけられていた柱からずれてこけている。
 「ち、ちいねえさま」
 ルイズが立ち上がりながらツッコミを入れる。
 「そそそれがどうしたのよ」
 だが、ルイズは甘かった。カトレアという人物をある意味なめていたともいえる。
 ルイズのツッコミを意に介さず、彼女はその言葉を口にしたのだから。
 「そして『ガンダールヴ』のルーンは、始祖ブリミル様の使い魔の証となる前から存在していたのですね」
 今度こそ本当に場が凍った。カトレアのいう言葉に矛盾はない。デルフリンガーの言葉を素直に解釈していけば、自然とそう言う結論が出る。
 だがその結論は、この世界において最大の不敬となる言葉であった。
 「カトレア」
 現に母から最大級のプレッシャーが次女に掛けられる。だが次女はそのプレッシャーを柳に風と受け流したまま、『微笑みつつ』母に言葉を返した。
 「もちろん判っておりますわ。私もこの場にいる人の前以外ではこんな言葉を発したりはしません。
 でも、この場にいる私たちは、たとえ不敬であっても真実を知っておく必要があると思いますわ、小さなルイズのためにも」
 カトレアの言葉に思うところがあったのか、カリーヌのプレッシャーが霧散した。
 「……あなたのいう通りね。たとえ不敬であっても、そこに真実があるのなら、ルイズを守るためには知っておく必要があるわ。下手をしたらこの事実は、教会にとって危険な何かかも知れませんもの」
 カリーヌは知ってしまうと危険な知識に対して、知らずに済ますことが出来ない性格であった。知らずに見過ごすことより、知って後悔することを選ぶ。知って、傷ついて、胸の内に溜め込み、時には矛盾を呑み込み、時には全てを破壊して矛盾を解消する、そういう人間だった。
 見て見ぬ振りが出来るくらいなら、あれほどの逸話を残すことにはならなかったはずだ。
 「『ガンダールヴ』のルーンは始祖の使い魔の証。でもルーンそのものは、始祖以前からあった……つまり始祖は、そのルーンを何らかの形で手にし、それを使い魔の証に改変した、ということになりますわね。
 そしてガンダールヴがそうだとしたら、それ以外の伝承のものも、同様と見なさざるを得なくなります」
 それの意味することは何か。
 始祖は約六千年前、世界に魔法をもたらし、今の世界の基礎を築いた。
 だが世界には『それ以前』の何かがあったということになる。
 そしてそれは、デルフリンガーが本来なのはの世界の言葉や概念である、『リンカーコア』や『ユニゾン』などを知っていることと合わせると、とんでもない結論が出かねない。
 一同の間に沈黙が落ちた。
 その沈黙を破ったのは、カリーヌであった。
 ぱんぱん、と、沈黙を破るように手を鳴らし、一同の注目を集める。
 「みんな、思うことはいろいろあると思うけど、一旦忘れましょう。こんなこと、理解してもなんの得にもなりませんわ。今はただ、あまりよけいなことを知られないようにする、それだけで十分でしょう」
 「そうだな」
 妻の言葉に公爵も頷く。
 「それとルイズ」
 公爵は話題を変えるようにルイズの方を見る。
 「どうやらおまえは、いろいろと抜き差しならない問題に、どっぷりと浸かってしまったようだな。かくなる上はしかたがない。今度のアルビオン援助に関する諸問題、全力を挙げてラ・ヴァリエール公爵家はおまえのバックアップをすることにする」
 「よ、よろしいのですか?」
 突然の態度の急変に、わたわたとするルイズ。公爵はそんなルイズをいとおしげに眺めながら、何故か憮然とした口調でいった。
 「どうやら今は領地に籠もっている場合ではなさそうだからな。今のおまえをほおって置いたらあの鳥の骨にいいように使われるのがオチだ。やむを得ん、娘のために、私も腰を上げる必要があると思っただけだ」
 「あ、ありがとうございます、お父様」
 思わず父に飛びつくルイズ。公爵も飛び込んできたルイズを力強く抱きしめた。
 「決まりですわね。全く、これであなたの顔がにやけきっていなければ理想的だったのですけど」
 妻に指摘され、顔が真っ赤になる公爵であった。
 
 「それはそうと」
 そんないい雰囲気を無視するかのように、カリーヌが言葉を続ける。
 「なのはさん」
 「はい」
 返事をするなのは。この時、なのは本人は気づいていなかったが、公爵、カトレア、ルイズ、つまりカリーヌをよく知る家族達は目が飛び出さんばかりに驚いていた。
 カリーヌが他人に対等の呼びかけをした。それがいかに珍しいことかを熟知しているが故に。
 彼女は身分その他にきわめて厳格であり、上のものには敬意を払い、下のものは厳しく躾け、対等のものには一線を引く。こんなフレンドリーな呼びかけは、公爵が若き頃、彼女と共に暴れ回っていた時以来といってもよかった。
 「あなたが娘のためになってくれる、信用できる人物であることはよく判りました。あなたになら娘を一時託すのもよいでしょう」
 「ありがとうございます」
 きちんと礼をするなのは。そんななのはに対して、カリーヌは今度はずいぶんと砕けた表情で語りかけた。
 「それはそうとして、わたくし、久々に感動しました。全力を持ってしても打ち破れない相手を見たのは初めてといっても過言ではありません。若く未熟な頃は無謀な戦いをして一敗地にまみれたことはありましたけれども」
 その言葉を聞いて、公爵は別の意味で冷や汗が流れるのを感じていた。
 「ですが武勲を上げ、私自身の力がある程度完成してからというもの、まともに相手が出来る人も殆どいなくなってしまいましたの」
 その言葉の裏がよ〜く判る公爵は、申し訳なさそうになのはの方を見る……そして思いきり後悔した。
 彼女に対しても申し訳ないなどと思ったことを。なぜなら彼女は……
 「よろしければこの後、私と改めて手合わせ願えないかしら。この年になって、さらに上を目指せるとは思ってもいませんでしたので」
 「ええ喜んで。私にも勉強になりますし。それに最初もさっきも、ある意味偶然と無知につけ込むような形で勝利したわけですし。今度はきちんとお互いの能力を知った上でぶつかってみたいですから」
 期待に溢れかえらんばかりの笑顔を浮かべていたのだから。
 「そういうことならことの後早速」
 「存分に胸をお借りさせていただきます」
 バトルマニア要素全開の二人を見て、公爵とルイズは深々とため息をつき、カトレアはただ優しく微笑んでいた。
 
 
 
 
 
 
 
 なお、この後公爵は、何も無い広場であったはずの練兵場を修繕する羽目になる。
 平地だったはずの広場が、何故か無数の陥没と小山であふれかえっていたのだった。
以上、ここまでです。

あと、蛇足になりますが、今回ちょっと俺設定的なものが入っています。
その説明を最初本文に入れていたのですが、流れをがくっと狂わせちゃったのでそこは切りました。
一応おまけとしてそこを付けておきます。

 
 元々なのはは収束に長けた砲撃系を得意とする魔導師である。
 なのはのアニメを見たことのある人は思い返してほしい。
 基本的になのはの放つ攻撃は『ため』が長い傾向にある。もちろん、アニメ的な演出の面も多いであろう。
 だが、アクセルシューターの展開時などにカートリッジを使用しているのを見ると、カートリッジシステムは魔力量だけではなく、『魔力圧』とでもいうものも底上げしているようである。
 つまり、魔法を『瞬間的』に使うためには、カートリッジシステムよる『加圧』が必要なのではないかということだ。なのはは魔力量に於いては天才といわれるほどなのだから、量的な不足があるとは思いづらい。
 そしてそのことは収束・大容量魔法攻撃を得意とするなのはの特性とも矛盾しない。カートリッジシステムも元々ベルカの魔導師が恒常的な魔力不足を補うために開発されたとはいえ、その特徴は『爆発的な魔力の増大』である。
 時間を掛けて魔力を練るのではなく、瞬間的に高密度の魔力を得るための手段として、カートリッジシステムは有効なのだと推測される。読者の方には、本作品においてこの設定を採用していることを了承していただきたい。
 
今までカートリッジを使う描写は押さえてきてはいましたが、その理由説明するシーンが抜けてましたので。
75名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 15:25:27 ID:wx+0HneJ
以上で代理投下は完了しましたが、>>71-74までの名前欄をミスったので以下に訂正しておきます。

>>71 ゼロと魔砲使い 第28話-11 ◇IFd1NGILwA
>>72 ゼロと魔砲使い 第28話-12 ◇IFd1NGILwA
>>73 ゼロと魔砲使い 第28話-13 ◇IFd1NGILwA
>>74 魔砲の人 ◆IFd1NGILwA
76名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 15:36:31 ID:SfzsJYAy
作者の人と代理の人乙
カートリッジの描写がないのはなのはが自分で充填してるんだと思てたわ。
77名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 15:39:44 ID:9HzYcB5D
乙でした〜
見える…仲良くなった烈風と魔王が…
なんという最凶コンビw
78名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 16:47:02 ID:M6y0CW2x
乙!
カートリッジは残り6発か…楽しみだ
79名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 16:54:02 ID:KSq5rqqX
原作とか二次創作って作中で言われるのはなんかなぁw

説得力の為なのは理解できるが旧にリアルの話が出ると萎える
80名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 18:47:36 ID:vHsH5KW/
イザベラを3分間に1回づつイカせて、それをタップリ30分間続けて蕩けるさせてやりたいね、俺は
81名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 19:18:41 ID:B1l3jmx9
カートリッジって自前で作れるんじゃないの?
現にAsでシャマルがやってたし。もっと言えば使い終わった薬莢を回収して
もっかい魔力込めれば再利用も可能なんじゃないかな
82名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 19:43:43 ID:OEbf4Mlk
古代ベルカのシャマルだからできた、という可能性もあるし、少なくともこの作品のなのはさんには出来なかったんだろう。

しかしカリン様と意気投合したなのはさんって本気で最凶のコンビだな…。
それ以上に、カリン様がタバサ同様にマルチタスク達成したりとか、スクウェアの向こう側を覗いてるタバサとノウハウのやり取りしたらと思うとまだのびる余地がありすぎるのが怖いw
83名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 19:55:47 ID:i9Gq/3tb
ゼロと魔砲使いの人、GJでした!
もう大方の謎が解かれたのに、まだ解けてない謎がある。
いろいろと楽しみに次を待たせていただきます。

>>79
まあ、魔砲使いの人は初回の時から原作を意識してたしね。
魔力という言葉がハルケにないとか、本編をかなり読み込んでるわと思った。
あそこらはかなり感心した覚えがある。

それだけに原作で自分の予想を超えまくった展開がでると腹立たしいんだろう。
魔力とか結局、最近ではでてきたし。後付と怒りたくなる気分もわかるっちゃー解る。

読んでる側としてはそこらちょっとウザいんだけども、本編とクロス先とのバランスを常に考えている上でエンタメを目指している書き手さんだと、俺は評価している。
84名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 20:03:11 ID:tU7PM9TJ
乙でした

なのは流説得術(笑)を改めて恐ろしいものだと思ったぜ
85名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 20:07:42 ID:jRAeMAZY
あれだよ、時代小説なんかでよくみられる「聡明な読者諸兄はお気づきのことかと思われるが〜」
とかいう地の文での作者から読者への語りかけみたいなもんさ。
>メタ発言
86名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 20:12:59 ID:cOx9cjaZ
魔砲の人、代理の人乙でした。

カートリッジは元はベルカ式だし、なのははミッド、しかも回復系は余り使えなかったから残弾補充が出来ないと予想。

しかし二つの作品の設定がここまでクロスしている作品も珍しい。凄い丁寧で先が気になる作品です。
87名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 20:19:30 ID:imKJr6DX
>ルイズが虚無の担い手として魔法を発動させるまで

>そこまではかつて何度も別の『担い手』の(ry


虚無は「担い手」ガンダールヴは「使い手」
だから一つ目はあってる
でもそれ以降は全部「使い手」でなければおかしい
ごっちゃにしてはいけません。
88名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 20:25:40 ID:B/vCJiN+
魔砲の人、代理の人乙でした。
ガンダの解釈は中々面白いかったです。

>>83
後付の事は余り気にするなよ。
20巻近くも出ていれば後付の三つや四つ出てくるわ。
89名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 20:33:46 ID:e/DUdT9U
関西弁の三人組が召喚される話でもそうだったが
やはりなのはさんはカリン様と絡む運命なのだな
90ナイトメイジ:2009/11/17(火) 20:48:53 ID:Ovues1ZM
55分から投下させてください
91ナイトメイジ:2009/11/17(火) 20:56:07 ID:Ovues1ZM
上等のテーブルの上には雲のように白く、若草の縁取りが描かれた皿。
それに盛られているのは焼き菓子、砂糖菓子。
ベルは一つ摘むと口の中にひょいと入れた。
上等な砂糖と小麦で作られた菓子はさして噛まなくても口の中でさらりと溶け、喉の奥にするする落ちていく。
「だいたい傾向がわかってきたわね」
「傾向ですか?」
原色に染められた飴を口の中で転がすコルベールに、ベルはクッションの効いたソファーに体重をあずけて応えた。
「そう、フォートレスはね、作った者の精神、趣味、嗜好が強く反映されるの。それが傾向として現れるのよね。まずは罠の傾向、それはどうだったかしら」
指先に付いた砂糖をぺろりとなめたベルは視線をギーシュに向ける。
「それは……もちろん落とし穴だね。まさにこのフォートレスは落とし穴だらけさ。違うのもあったけど、落とし穴の数が絶対的に多い」
言いながらギーシュは腰に手を当ててしきりにさする。
落ちたときの痛みを思い出しているのは間違いない。
「そう、それからクリーチャー──番人──の傾向。それはどうだったかしら」
次にベルはキュルケを瞳に写した。
「うーん、ばらばらのような気もするけど」
ホーネットにカマキリ。他にも蛇、ムカデ、コウモリ、蛙とかもいた。
共通点なんて見あたらない。
「そうかしら。ああいうのが街に出てきたらどうなる」
「それは、みんな驚くわね。だってあんな大きな……あ」
思わず口を開けたキュルケは、お菓子を食べた後を隠そうとしたのか口に手を当てた。
「そうね。全部大きい、名前にG(ジャイアント)がついたのばっかりだったわね」
Gホーネット、Gマンティス、Gスネーク、Gセンチピード、Gバット、Gトード。
どれも普通の大きさなら平民でも対処可能だがジャイアントサイズとなるとどうにもならない。
しかも一部はただでさえ気持ち悪いのに、ジャイアントとなるとそれも倍増どころか10倍、20倍なってタチが悪い。
撃退してここまで来たものの、思い出しただけでも怖気が走る。
「でも、全部対処の方法が違う。わかっても当てにならない」
タバサがハシバミ草入りクッキーを絶え間なく口に運びながらつぶやく。
苦み走った大人の味だそうなのだが、あまりに苦くてタバサしか手を出していない。
「そうね。でも、そういうのが来ると思っているのと何が来るかわからずにいるのとではだいぶ違うものよ」
最初にGホーネットに遭遇したときは大慌てだったが、さっきのGマンティスの時には慌てる、程度だった。
慌てているのは同じだが、違うと言われれば違う。これも進歩だろう。
「それにしても、あれはヴェルダンデのおかげよね」
魔法を使わない戦いなんて大したことないと思っていた。
でも、さっきのGマンティスとヴェルダンデの戦いを見るとそんな思い込みはあっさり改められてしまった。
「フレイムもたすかったわ。ありがとヴェルダンデ」
キュルケが何度もうなずきながらつぶやく。
「ヴェウダンデは良い使い魔」
タバサもつぶやく。
「あの、僕は?」
などといいながらギーシュがみんなを見回す。
「お礼を言うわ。全部あなたの使い魔のおかげよ」
「そうね、ヴェルダンデはギーシュの使い魔だものね」
「ギーシュの使い魔のおかげで助かった」
使い魔の手柄とはつまり主人の手柄である。
だからルイズ達は心からのお礼を言ったのだが、何故かギーシュはがっくり肩を落としてうつむき、ぶつぶつ何かつぶやいている。
まったく賞賛しているのに失礼な話だ。
たぶん、ここまで活躍したのでつかれているのだろう。
「ま、それはともかくとして」
ばん。
ルイズは机を軽く叩くと、椅子のクッションで反動をつけて立ち上がった。
「何でこんな所で私たちお菓子食べてくつろいでいるのよ」
そう、ここは洞窟に造られた通路の奥深く。
早い話が地の底なのである。
そんなところに何故か一級の調度品と食器にお菓子が用意され、それをさも当然のごとく味わっているのだ。
「口がぱさぱさしてきたの?お茶ならもう少し待ちなさいよ」
「そういうことじゃないわよ!だいたい、ミスタ・コルベール、キュルケ、タバサ。それにギーシュ。みんな何で普通にしてるのよ」
きょとんとしたキュルケは目をぱちくりさせる。
「ヴァリエール家ってこういうことよくするんじゃないの?」
「地の底にピクニックに行く趣味はないわよ!」
92ナイトメイジ:2009/11/17(火) 20:57:27 ID:Ovues1ZM
「そういうことじゃなくて」
キュルケが手をひらひら。否定する。
「ほら、ちょっとお金がある貴族で戦争するときにもお抱えの料理人とか愛人とか連れて行くのがいるでしょ。たしか、建築家と人足連れて行って屋敷まで建てたのもいたわね。ヴァリエール家もそういうことするのかなー、と思ったのよ。違うの?」
「違うわよ!そんなことするはずないでしょ」
もし、仮に、万が一そんなことしようものならルイズの父親であるヴァリエール公爵は、敵ではなく規律に厳しいあの人に、部下に示しがつかないと討ち取られてしまうこと請け合いである。
「だいたい何でこんな物がこんな所にあるのよ」
「持ってきたのよ」
ベルはしれっと答える。
「どうやって!」
「どうやってって、シエスタに持ってこさせたんだけど」
「あのリュックにどうやったら全部入るのよ!」
シエスタのリュックは壁に立てかけてある。
それはかなり大きく、シエスタの身長くらいもあるが、既にぎゅうぎゅう詰めでどうやっても机やら、ソファーやらの調度品が入るスペースなどない。
重さを無視するにしても机やソファーの縦や横は明らかにリュックより長いのだ。
「簡単よ」
その疑問はベルの明快なる答えにより氷解した。
「ちょっとした収納術よ」
「うそよおおおおおおお」
ごめん。しなかった。
「へえ、そんなのがあるの。私にも教えてよ。ベル」
本当にそんな者があればである。キュルケもそう思ったのだろう。
「でも収納術とはいっても、才能勝負の収納術なのよね」
「私には無理そう?」
「そうね……難しいわね。私やシエスタ、それにルイズならできるんだけど」
「できないわよ」
そんな大きさを無視した収納術ができるはずがない。
「できるわよ」
「できないって」
「本当?」
「本当よ」
ベルはやぶにらみになり、ぐぐっとルイズに迫る。
ルイズは思わずのけぞった。
「ルイズ。本当はできるのにできないふりしてない?」
「そんなことしないわよ!」
さっきから怒鳴り続けてだんだんつかれてきた。
フォートレスに入ってから一番つかれたのは多分この時だ。
そこにカップが差し出される。
シエスタからカップを受け取ると、中に入っているうっすら湯気を立てる紅茶の温かさが手に伝わってきた。
「そんなに大きな声ばかり出されていると喉が渇きませんか?どうぞ」
そういえば喉がからからだ、
ほのかなにおいに誘われたルイズは一口飲む。
飲みはしたがまた気になることができた。
「シエスタ。あなたどうやってお湯湧かしたの?」
こんな狭い通路で火を焚けば煙たくてかなわなくなるはずなのに、そんなことは全くなかった。
「手伝っていただいたんです」
メイジなら魔法でどうにかするのだが、ここにいるメイジがシエスタに手を貸していた様子はない。
なら誰か、と思ってシエスタの視線の先を見ると、フレイムが元気に火を吹いていた。
「ルイズもちょっとは落ち着きなさい」
一番ルイズの心をざわめかせる張本人もそんなことを言いながらカップを傾ける。
そして──
「がばぐべらっ!」
突如、文字にするのが困難な叫びを上げて椅子から転げ落ち、床にうつぶせに倒れると動かなくなった。
しかもみるみるうちに頭を中心にして赤い水たまりが広がっていく。
「ね、ねえ。ベル?」
あまりの出来事にルイズの声は引きつる。
倒れたベルに直接触るのも怖かったので、杖の先で頭をつついてみた。
「ベル、どうしたのよ」
動かない。
もうちょっと強くつついてみる。
「おーい、ベル?起きなさいよ」
93ナイトメイジ:2009/11/17(火) 20:58:38 ID:Ovues1ZM
まったく動かない。
さらに強くつつく。
「おーきーなーさい」
返事がない。
ということは
「死んでる……」
ナイトメイジ完


「こんなんじゃ死なないわよ!」
「わぁっ」
訂正。生きてた。
「勝手に死んだことにしないでよ」
「だって動かなくなるんだもん」
そしてベルは口元についた赤い液体を手でぬぐうとルイズの目をじっとのぞき込んだ。
ルイズはこの金色の目で見られると時々心の奥底まで見られているように思えてくる。
「死んでたら新しい使い魔召喚できるとか考えてたでしょ」
ぎく
「い、いやあねえ。そんなこと考えるわけないじゃない」
そこはかとなく考えていた。
「ほんとでしょうね」
「ほんとよ、ほんと」
たまに考えないこともないが、ここまで寝食ともにした上に危険まで切り抜けたのだから、本気で考えるわけがない。
たぶん。
「それからシエスタ!」
「は、はい」
シエスタは怯えて震えている。
あんなお茶を出した後では無理もない。
「紅茶に使った水、どこから持ってきたの?学院から水筒に入れて持ってきたのじゃないわよね」
「あっちの泉の水を汲んでつかいました」
言い終わるか終わらない内にベルはだっと走り出す。
部屋が暗い上に離れていてよくわからなかったが、こんなところにきれいな水が湧き出す泉があった。
「どうしたのよ」
ルイズは泉を覗き込むベルに聞いてみた。
「これは回復の泉ね」
「吐血したその口で言われても説得力ないわよ」
吐血だけでなく鼻血まででている。
「それでなんですね。ヴェルダンデさんとフレイムさんが先にこの泉を見つけてお水を飲んでたんです。ずいぶん元気になってたから、これでお茶を入れたらいいなと思って」
よく見るとフレイムの傷は完全にふさがっているし、ヴェルダンデの毛並みもつやつやだ。
「まあ、良かったわねフレイム」
「ヴェルダンデうれしいかい?僕もうれしいよ」
おかげでキュルケとギーシュは上機嫌。
なるほど、飲めば回復するのには間違いなさそうだ。
「じゃあ、何でベルは血を吐いたのよ」
「この泉はね、飲むとたまに怪我するのよ」
「毒の泉?」
「毒ってわけじゃないわね。後に引かないし」
「そんなんじゃ、気をつけて飲まないといけないわね」
「気をつけてもしょうがないわよ。怪我するか回復するかは完全に運次第だし」
「運?」
「一番運が悪いときで六分の一の確率でダメージ受けるわね」
「何でそこまではっきりわかってるのよ」
「しかも何故か怪我してて死にかけのやつに限ってこれでダメージ受けるのよ」
「狙ってるんじゃないの」
「それで何人命を落としたことか」
「名前変えた方がいいわね」
「密かに撃墜率No.1という噂もあるわね」
「撃墜王の泉とでも改名しなさい」
看板に偽りありとはこのことである。
「それ飲んだ私たちも危ないんじゃないの?」
94ナイトメイジ:2009/11/17(火) 20:59:49 ID:Ovues1ZM
「大丈夫よ。泉の水の効き目があるのは3人まで。フレイム、ヴェルダンデそれに私に効き目があったからそれで終わりよ」
それなら安心だ。
ベルも元気なときに悪い効果があっただから不幸中の幸い。ということにしよう。
派手に倒れたと思えないくらい元気だし。
「ああ、もういいわ」
というか元気すぎる。
「シエスタ、お変わりちょうだい」
テーブルに戻って残りのお茶をぐいと飲み干し、空にしたカップをシエスタに突き出しながら、お菓子をつかんで口いっぱいに詰め込んでいる。
マナーも品もあったものじゃない。
「ちょっと、ベル!そんなに慌てて食べなくても」
喉につまらせでもしたら事だとルイズはすごい勢いで食べるベルを止めようとしたが、逆にキュルケに止められた。
「そっとしてあげましょうよ」
「どうして?」
「あの子、照れ隠ししてるのよ」
「あー」
まー、なんとなくわかる。
酷い目にあったものの誰かを怒ればいいと言うものではなく、やり場がないってのもありそうだ。
ルイズにだってそういうときはある。
やたらかりかりしているベルを見て、ルイズはしばらくほっておこうとため息をついた。


この通路に入って最初の扉。
その向こうは実に不思議な場所になっていた。
部屋の一面には木?それとも草だろうか。
とても珍しい細い葉っぱを持つ茎も幹も緑色の植物が一面に生えていた。
部屋の中を謎の植物から落ちて茶色になった葉っぱを踏みしめながら進むと、奥の壁に扉が見えてきた。
そして、その前にアレが居座っていたのだ。
それもまた植物と同じく──いや、それ以上に不思議な生き物だった。
ルイズはそれを見た瞬間、視線を外せなくなった。
息は荒くなり、心臓は早鐘のように鳴る。
足はそれとは逆に感情に縛られ一歩も動けなくなった。
「まさか……あんなのがここにいるとはね」
ベルの言い淀む声が聞こえた。
それはまさしく異形の野獣だったのである。
がっしりした体は冬の雪山のように白い。
そのくせ、頑強な手足は暗黒のように黒い。
顔は白骨のように白く、目はドクロのように大きかった。
その奥にあるぎらりと光る瞳が向けられたとき、ルイズの心臓はまた一つ大きく鼓動を打った。
「ベル、アレが何か知ってるの?」
使い魔はこくりとうなずく。
その仕草がやけにゆっくり見えた。
「アレはね……ジャイアント──」
今まで見た番人と同じくジャイアントをその名に持つ野獣。
しかし、これまでに見たどの番人とも似ていない。
なぜならこれまで見た番人は全てハルケギニアのどこかにはいる生物を大きくしたものだったからだ。
しかしアレは違う。あんな動物が存在するはずがない。
ああ、始祖ブリミルよ。あのようなものがこの世にあっていいのでしょうか。
ルイズはそう祈らずにはおられなかった。
95ナイトメイジ:2009/11/17(火) 21:00:34 ID:Ovues1ZM
そしてベルはその名を口にする。










「──パンダ」









「きゃー、アレなにアレなにアレなに」
「だから、ジャイアントパンダよ」
ああ、もうあの動物はなんて事なんだろう
絶妙に配置された白と黒のツートンカラー。
ユーモラスかつ、大きな顔。
ぬいぐるみのように丸い体つき。
ルイズはそれを見て、たった一つの言葉しかなかった。
「かわいいかわいいかわいいかわいい!」
そんなことを思っているのはルイズだけではない。
キュルケも
「きゃー、ころころしてる。ころころ」
とかはしゃいでいるし、タバサですらも
「かわいい……はふう」
とか言いながら惚けている。
女3人はジャイアントパンダを見てから姦しく、パンダが手を挙げては喜び、口を開けては黄色い歓声を上げ、寝転んでは拍手喝采するといった有様だ。
「それはいいのですが、あそこにいられては進めませんぞ」
一時は驚いていたもののルイズ達よりは早く立ち直ったコルベールが首をかしげる。
何せまるまるとした巨体が扉の前に居座っているのである。
横をすり抜けていくのは無理そうだ。
「僕が行こう。なに、あんなかわいい動物。すぐにどけてみせるさ」
意気揚々。
ギーシュは颯爽とパンダに近寄る。
「あー、ギーシュ。今回は先に教えてあげるけど」
「なんだい?」
「そいつ、かわいい顔して結構気が荒いから」
べきっ。
ああ、なんたること。
多分意図的だろうが、ベルの忠告は一歩間に合わず、ギーシュは警戒したパンダの左フックをくらい、地面に倒れごろごろ転がる。
「えーい、こっちが親切にしようと思っていればいい気になって。こうなったら実力行使だ!」
怒りもあらわに呪文を唱えたギーシュは杖を振り上げる。
食らえ、貴族の力とでもいわんばかりに杖を振り下ろしたギーシュは
「ぎょええええええええええ」
次の瞬間、炎と氷と爆発の三連発に見舞われ、宙に舞い上がり地面に落ちる。
「な、なんで」
床でけいれんするギーシュをルイズ達は思いっきり白い目で見下ろした。
「ちょっと、あんた。あんなかわいい子になにしようとしてるのよ」
「ひどいわね」
「ゆるせない」
実にこの時3人の心は一つになっていた。
96ナイトメイジ:2009/11/17(火) 21:01:29 ID:Ovues1ZM
「しかし、このままでは先に進めないだろ」
「それにしても、魔法で叩きのめそうなんてね」
「人間の考えとは思えないわ」
「かわいそう」
3人の目は極寒のブリザードのごとく冷たくなる。
「鬼」
「悪魔」
「変態」
ギーシュはあたりをきょろきょろ助けを求める。
その視界にシエスタが入った。
「……」
彼女は何も言わない。
貴族に対して何か言うなんてのはシエスタの思いつくところではないのだろう。
「……」
だが、シエスタの目は人間を見る物ではなく、虫や路傍の石に向けられる物だった。
「ああああああああ」
その後ギーシュは声をかけようとしたコルベールの声も聞こえないのか部屋の隅まで歩き、膝を抱えて「の」の字を描いていた。
「ああ、ヴェルダンデ。ありがとう」
なにやらモグラに慰められているようである。
あれはもう時間をおかないと立ち直りそうにない。
「で、先生は何かないの?」
「そうですな」
コルベールは部屋一面に生えている植物を見上げ、パンダと見比べた。
パンダは手近にあるこの植物を前肢で掴んで口に運び、こりこり音を立てて食べている。
それを見てルイズ達がまた喜んでいる。
「なるほど」
コルベールは植物を揺すってその弾力を確かめる。
納得するとブレイドをかけた杖で植物を何本か根元から切り、枝葉を払っていく。
植物をきれいに一本の棒にすると、コルベールはそれを曲げて一つ一つ輪っかにしていった。
「器用なものね」
「こういうのは得意なのですよ」
始めて扱う種類の植物だったが、魔法を少し使えば加工に困ることはない。
「私も貴族ですが、それほど裕福とは言えませんからな。子どもの頃はいろいろ作って遊んだものですよ」
輪がいくつもできるとコルベールはパンダから少し離れた所に立ち、輪を一つずつ、パンダの鼻先を通って扉から離れるように転がし始めた。
最初の一つはそのまま転がるだけだったが、二つ目にパンダが気付いた。
三つ、四つは転がる輪っかをじっと見つめ、五つ目を転がすと輪っかに向かって歩き出し、扉の前から離れてしまった。
「これでどうですかな」
仕事を終えたコルベールが振り向くと、ルイズ達3人が駆け寄り
「先生、私にもやらせてください!」
といって残った輪っか持って行ってしまった。
輪っかを全部奪われたコルベールは空になった手を見つめると、肩をすくめ残ったベルに
「では、行きましょうか」
と言って歩くと扉を開けてそれをくぐった。
その後に未だ落ち込んでいるギーシュの手を引いてヴェルダンデがくぐる。
それでも娘3人はまだ動かない。
シエスタまで混ぜて輪っかを投げ、それに手を出したり、届かなくて転がったりするパンダを見てキャーキャー騒いでいる。
「もう行くわよ。みんな」
あからさまにあきれたベルは4人の背中をぐいぐい押して扉に無理矢理歩かせる。
「ねえ、ベル」
「何よ」
「あの子、連れて帰りたい」
「連れて帰ってどうする気よ」
「飼うの」
はふう。
ベルはため息をつく。
「はいはい」
「つれていきたーい」
「また今度考えとくわ」
「いやー、連れて行く連れて行く連れて行くー」
ドアがバタリと閉まる。
97ナイトメイジ:2009/11/17(火) 21:02:14 ID:Ovues1ZM
部屋の中に残されたパンダは音の元をしばらく見ていたが、やがて興味を失うと足下の輪っかを持ち上げ、一つ一つポリポリ音を立てながら食べ始めた。
パンダは一日の大半を食事に費やす生き物なのだ。



*******************************
今回はここまでです
フォートレスに潜ってばかりなのも暗いのでそろそろ出ます
98名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 21:03:11 ID:vbvPr1Dt
支援
99名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 21:05:10 ID:OEbf4Mlk
ナイトメイジの人御疲れー。

ジャイアントパンダと回復の泉吹いたw
…まだ勝手に回復かけてくる妖精さんのいる世界じゃなくて良かったのか…?w
100名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 21:07:17 ID:rpWnHk+Y
そーいえばなのはの実家は本来剣術家なんだよな。
兄の恭也召喚ものもいくつかあるがどれも長続きしてなかったような…。
101名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 22:18:55 ID:3xp2uQUx
ナイトメイジ乙

Gホーネット、Gマンティスと来てジャイアントパンダw
そりゃ確かに強暴な生物だがw
102名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 22:53:00 ID:SDfPjaV/
うむ。肉食獣として生きるには小柄だったので草食よりに進化した熊だからな、あいつらは。
普通に小動物とか食べるから油断してると危険だ。
103名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 23:38:46 ID:9HzYcB5D
乙でした。
ギーシュwwww
女性陣ヒデェww
104名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 23:49:37 ID:e/DUdT9U
>>89
タイトル何だったっけそれ
105名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/17(火) 23:54:11 ID:CoffHKPk
>>104
「三人」かな?
完結済み作品の中にあったはず
106名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 00:12:28 ID:cDwDmUok
すまん、パンダと聞いて玄馬パンダを連想してしまった

それはそうと、やっぱりアセルス人気だな>前スレ
今妖魔アセルスで悩んでるのが、頭のアレは角なのか飾りなのか
どっちなのかで召喚直後のルイズたちの反応が完全に違ってくるからなあ
まあどうせ一晩で主従逆転だからどっちでもいいといえばそれまでだが
107名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 00:39:07 ID:GoX4hI6m
玄馬(パンダ時)を召喚か…見てみたい!
めずらしい熊だからきっとルイズも喜ぶだろうてw
(ハルケ世界の文明レベルじゃお湯の調達にいちいち手間がかかりそうだけど)
108名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 00:55:39 ID:jt6L/7cU
マイナーなギャルゲーSS祭り!変更事項!

1. SS祭り規定
自分の個人サイトに未発表の初恋ばれんたいん スペシャル、エーベルージュ、センチメンタルグラフティ2、canvas 百合奈・瑠璃子シナリオ
のSSを掲載して下さい。(それぞれの作品 一話完結型の短編 10本)

EX)
初恋ばれんたいん スペシャル 一話完結型の短編 10本
エーベルージュ 一話完結型の短編 10本
センチメンタルグラフティ2 一話完結型の短編 10本
canvas 百合奈・瑠璃子 一話完結型の短編 10本

BL、GL、ダーク、18禁、バトル、クロスオーバー、オリキャラ禁止
一話完結型の短編 1本 プレーンテキストで15KB以下禁止
大文字、太字、台本形式禁止

2. 日程
SS祭り期間 2009/11/07〜2011/11/07
SS祭り結果・賞金発表 2011/12/07

3. 賞金
私が個人的に最高と思う最優秀TOP3SSサイト管理人に賞金を授与します。

1位 10万円
2位 5万円
3位 3万円
109名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 04:37:00 ID:CxZKV3Hp
>>108
クロスオーバー禁止なのにここに貼ったって意味なかろうに。
110名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 07:18:05 ID:bhF+1BPh
>>107

金属容器があれば火の魔法でお湯ぐらいすぐ沸かせるだろ?
平民だって火起こしは必須技能だろうし。
むしろ、おまいがやかんと水だけ渡されてお湯作れるか?
111名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 07:37:38 ID:/FhgLqX6
風水で氷槍作れるなら火水で熱湯作れそうなもんだがやっぱ反対属性だと難しいのかねえ
112名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 08:15:59 ID:12hGEiJG
お湯を入れて三分待てば水ができるカップH2Oの出番だな
113名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 08:52:51 ID:CUpPyLfP
>>110
どう考えたってガス台にやかん乗っけてスイッチ入れればいいだけに比べれば手間掛かるだろ
114名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 09:01:48 ID:/FhgLqX6
水道ない野外でも調達できて沸かせる魔法のがこの場合は便利そうだがw
115名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 09:54:02 ID:9RXc+BQ7
スコールはまだかなあ。
我慢足りないかもしれんが、一ヶ月経過で焦れてきた。
116名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 09:54:02 ID:HlBtq9WK
土と火で爆発起こしたりできるらしいし、水と火でお湯をぶっかける魔法があってもおかしく・・・ないよな?多分
117名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 10:04:39 ID:jSm5+74i
火と水で水蒸気爆発とかは考えた
爆発が起こる理屈がようわからんので使えてないがw
118名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 10:34:26 ID:OGSHQd92
土・火・風で粉塵爆発…
普通にトライアングルスペル使った方が効率良いようなw
119名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 11:32:54 ID:DyoAfh+S
偏在に錬金をかけるとどうなるんだろう
120名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 11:44:23 ID:GyoHQkOX
爆発する
121名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 12:19:55 ID:iYNCt6yc
泥水に錬金かければ蒸留水にはなりそうだ
122名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 13:05:44 ID:B1DJcals
エノーラゲイ召喚
123名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 13:15:55 ID:fVkw7NAH
>>122
燃費悪過ぎ
「アレ」以外一切の武装外されてるからいまいち役に立たない
放射線はシールドされてないから置いておくだけでその一帯壊滅
結論   無意味
124名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 14:08:35 ID:D2eD2Knz
エノラゲイ号よりは行方不明になったサンダーボルト号のほうがまだいいような
何にしろ爆撃機ならパイロット10人くらい乗ってるし
男塾クロスみたいに団体さんを召喚した話になるんだろうな
125名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 14:49:56 ID:PudcUQAX
>108
これ、本当に賞金出るの?詐欺とかじゃなしに?
126ゴースト・ゼロ 代理:2009/11/18(水) 15:12:56 ID:ZFmr3vo0
すでにみなさん最終回を迎えていることはご存知でしょうが、本スレへの投下はまだ果たされていないので代理いきます
127ゴースト・ゼロ 代理:2009/11/18(水) 15:13:46 ID:ZFmr3vo0
反乱軍レコン・キスタの圧倒的勝利に終わると予想されていたニューカッスル戦。
しかし、誰も予想をしえない経過を辿って、ウェールズ皇太子率いる王党派が、勝利をその手にする事となった。
後に『ニューカッスルの奇跡』と呼ばれるこの一戦の顛末は、吟遊詩人やその場に居た兵達によって、アルビオンはもとよりハ
ルケギニアの津々浦々へと広がっていく。

この戦で起きた奇跡とも呼べる出来事によって、レコン・キスタは壊滅的な損害を受けてしまう。
王党派から寝返ったとされていた貴族達の突然の死、レコン・キスタの将兵達が使用していた装備の消失や、レキシントン号を
始めとする空中艦隊の不時着。
そして何より、レコン・キスタの総司令官にして『虚無』の担い手を僭称していたオリヴァー・クロムウェルの死が、明らかな
事実として戦場に知れ渡ると、戦前の予想を覆してニューカッスル戦は王党派の勝利に終わる事になる。
結果、ニューカッスル戦前の勢いを無くしたレコン・キスタはそう時を置かずに敗北者となり、年を越す事なく壊滅した。





時は遡り、そのニューカッスル戦終結から数日経ったある日、旧サウスゴータ伯領にあるウェストウッドの森の奥に一人の少女
の姿があった。
春の光に煌く金糸の様な髪と、豊満な胸元を除いて全体的に細身なその身体、そして黄金の髪に包まれたその白い顔を見た事情
を知らない者は、少女を森の妖精かと勘違いするかもしれない。事実、少女はそれほど浮世離れした雰囲気を纏っている。
だが、狩人ならともかく余程の事情でもない限り、普通の娘はこのような森の深部に来る事など無い。

そう、彼女にはその事情があったのだ、黄金の髪から飛び出す二つの笹葉の様な耳がその事情である。
人にはありえないそれこそが彼女が普通ではない証拠、彼女の中に人(ブリミル教徒)の敵であるエルフの血が流れている事を
示していた。

しかし、何故、彼女がエルフの居留地であるサハラから遠く離れたこのアルビオンにいるのか。
その秘密は彼女の父親にあった。
彼女の身に流れる血の半分は始祖の血族のものだった。そう、数年前に処刑されたプリンス・オブ・モード。
彼こそが彼女の父なのだ。実の叔父の命によって両親を失った少女は、父に最後まで仕えていたサウスゴーダ伯の遺族と、未だ
伯に忠誠を誓う遺臣達の手により、このウェストウッドの森の奥深くに匿われていた。
そうして彼女……ティファニアは外の世界の騒動を知る事も無く、拾ってきた孤児達と共に平穏に過ごす日々を送っていたので
ある。
128ゴースト・ゼロ 代理:2009/11/18(水) 15:15:41 ID:ZFmr3vo0
森の中を進むティファニアの歩みには淀みが無い、恐らく森の中の生活に慣れているのだろう。左手に提げた籠に、森の恵みが
ふんだんに収められている事から、恐らく食料を採りに来たのだという事が分かる。
周囲を見回しながら歩くティファニアの足が唐突に止まった、目の前には森の中には珍しく開けた場所が広がっている。
そんな場所に見慣れないものが横たわっていた。奇妙な仕立ての外套を纏っている男だ、傍に剣が落ちている所を見て、先の戦
に参加していた傭兵の一人だろうと想像する、男は眠っているのか、此方に気付いた様子はない。
気付かれていないのなら好都合と、ティファニアは男から離れるべくゆっくりと後退る。いや、後退ろうとしたその一歩目で小
枝を踏み折って音を立ててしまう。
ティファニアは自分のドジさ加減に泣きそうになりながらも踵を返して走り出した。背後で何やら喚いている声が聞こえるが、
それを無視してその場から逃げ出した。
そんなティファニアが足を止めたのは、走り始めて数分後の事だった、背後から追いかけて来る気配が全く無いのだ。訝しく思
った彼女が背後を振り返っても誰も追って来ない、長い耳を澄ませると先ほど聞いた声が微かに聞こえてくる。
ティファニアは逡巡したが、もしかすると怪我をして動けなかったのかもしれない。そう思うと生来人が良い彼女の事、放って
置く事ができるわけもなく、恐る恐る先程の広場へと戻るのだった。

近付いていくと微かだった声は、はっきりとしてくる。相手方から見えない所から広場を伺うと、先程見た男の姿勢はさっきと
まるで変わらず、横たわったままだった。
やはり怪我をしているのかと思い、身を隠している茂みから声をかけてみる。

「あ、あのう。怪我をなさっているんですか?」

おっかなびっくりなティファニアの声に応えたのは、妙にしわがれた男の声だった。

【おう、戻ってきてくれたのか。助かったよ、誰も通りかからなかったからどうしようかと思っていた位だ。
 こっちは動けねぇから安心して出て来てくれねえか?姿が見えねえと話がし辛え。】

話を聞いたティファニアは、やはり怪我をしているのかと思い、男の背後の茂みから、ゆっくりとその優美な姿を現した。
そんなティファニアにさっきから聞こえてきた声の主が、驚いた様子で再び話しかけてくる。

【こいつはおでれーた!何だってこんな所にエルフの娘っ子がいるんだ?】

その声と内容に驚いたティファニアは、その顔に怯えの色を滲ませながら慌てて周囲を見回すが、全くと言って良いほど人の気
配は感じられなかった。
そんなティファニアの小動物めいた様子に声の主、デルフは笑い声を上げて言葉を続ける。

【安心しなエルフの娘っ子、ここには俺とお前さんしかいねぇよ】
「だ、だけど、こっちは見えていないのにどうして私がエルフだって」
【ん?ああ、そうか。話してるのは相棒じゃねぇよ。オレサマだよエルフの娘っ子】

そう言い放ったデルフは、これ見よがしに鍔元の金具をカチカチと鳴らして見せる。
そんなデルフを珍しそうに見ると、ティファニアはおずおずと話しかけた。

「ええと、剣さんが話していたんですか?」
【剣さん……。いや、オレサマにはちゃんとデルフリンガーって名前があるから、デルフとでも呼んでくれ】
「あ、はい。デルフさんですね?私はティファニアっていいます。それと、こちらの方は?」
【こいつかい?こいつの名は……】
129ゴースト・ゼロ 代理:2009/11/18(水) 15:16:34 ID:ZFmr3vo0
ゴーストステップ・ゼロ  エンディングフェイズ “ Every day from it / それからの日々 ”

    シーンカード:バサラ( 意志 / まったく新しい情報や状況の判明。イマジネーション。)


あのアルビオン行から1年が経過したトリステイン魔法学院には、再び春が訪れていた。昨年までいた上級生は学院を去り、新
しい下級生達が学院に入学して来た。
そしてルイズ達も年次を一つ上げ、今や最上級生として日々を過ごしている。

そんな小春日和のある日。ルイズが午後のお茶を楽しんでいると、学院の門から二年の生徒達が今日召喚したばかりの使い魔を
連れて召喚場から戻って来ていた。
懐かしそうに下級生達を見ていたルイズに、近付いてきた友人達が話しかけてくる。

「ルイズ、今年の使い魔はどんな感じ?」
「ん?あらキュルケじゃない。そうねぇ去年の貴方達みたいな大当たりはいないみたい、ケティって娘が火喰い鳥の雛を連れて
いたから、そこら辺が良い所じゃない?」
「あら、あの娘なかなか凄いの召喚したじゃない、ギーシュと別れたのが良い方向に向いたんじゃない?」
「それはちょっと酷いんじゃないか?モンモランシー、いや僕の心は今や君一人のモノだけどさ。彼女がトライアングルになっ
たのは彼女の頑張りの賜物だと思うんだよ」
「色恋に向けなくなった分、上達した」
「それは少し勿体無いかもねぇ……」
「まぁ、その内良い人と逢えるわよ。“ゼロ”の私と違って『魔法の』才能はあるんだし」

そう言ってルイズはカップに残っている紅茶を飲み干すと、友人達に向き直る。
3年生になった今、ルイズは『虚無』とコモンを使えるようになっていたが、“ゼロ”の二つ名を名乗っている。
呼ばれているのではなく自らそう名乗っていた、確かに『虚無』を使えるとは言っても系統は一つも足せないからと、事情を知
る人々に説明しているのだが、事情を知らない人々からは未だにコモンしか使えないと、揶揄混じりに蔑称として使われていた。
そんな蔑称とも言える二つ名を平然と名乗るルイズに、モンモランシーは友人として諫めようと話しかける。

「ルイズ、いい加減その二つ名辞めなさいな」
「あら?どうしてよ、良いじゃない“ゼロ”って。
 全ての基点になるのよ?私がいつも言っているじゃない。何だったらまた詳しく説明してあげるけど?」
「ちょっと止めてよ、前にそれ聞いて本当に脳味噌がスポンジになる寸前だったんだから」
「じゃあ、文句を言わないで頂戴な」

ルイズの反論にモンモランシーはうんざりした表情を浮かべる、昨年の春にキュルケ達と共に学院から離れていたルイズは帰っ
た後、1週間近く篭っていた部屋から出てきた時にはもうこんな調子だった。
そんな豹変ともいえる変化を遂げたルイズに驚きつつも何とか付き合っているのは、自分の他にはキュルケにタバサ、それと(
この間の春休みにめでたく婚約した!)自分の恋人であるギーシュ位だった。
彼女の使い魔だったヒューはもういない、旅先で病気に罹って死んでしまったらしい。その話を聞いた時、モンモランシーは彼
にちゃんとお礼を言っていなかった事を悔やんだ、その内ラ・ヴァリエール領にあるという彼の墓に墓参りに行こうと思っていた。

ルイズは旅から帰った後、使い魔を失ったのと引き換えにするようにコモンマジックが使えるようになっていた。口さがない者
達は使い魔を生け贄に魔法を使える様になったのだと噂していたが、自分に言わせれば馬鹿馬鹿しいの一言につきる。
彼の強さは、婚約者であるギーシュや友人のキュルケ達から聞いて十分に知っていた。
その上、自分達には無い知識を豊富に持っていたのだ、そんな存在を生け贄にするなどありえない話だろう。
まぁ、何にしろ、自分は友人としてこれからもルイズの力になろうと、馴染みのメイドであるシエスタが淹れてくれた紅茶を飲
みながら密かに思うモンモランシーだった。
130ゴースト・ゼロ 代理:2009/11/18(水) 15:17:18 ID:ZFmr3vo0
さて、学院にいる人々の中で、ルイズが『虚無』の使い手だと知っているのは学院長であるオールド・オスマンだけである。
ルイズの友人達であるキュルケとタバサは何とはなしに察しているが何も言わない、言わないようにしている。必要があればル
イズから言うだろうし、こちらから聞くような事だとも思っていないからだ。
ギーシュとモンモランシーは、いつかルイズが系統魔法が使えるようになると思っている。そう思っているから追い越されない
様に日々頑張って、結果それぞれランクを一つずつ上げていた。

そうして、当のルイズはというと、無闇な練習は鳴りを潜めた(それでも日に数回は爆発させていた)が、その代わり別の事を
始めた。
今まで精霊の力だ、神の御業だと誰もが思考を放棄していた様々な事象に対して探求の手を伸ばし始めたのだ。
何も無い所からのスタートではない、幸いルイズには頼りになる教師がいた、ヒューが遺していった新しい使い魔が。


それはルイズ達がアルビオンから帰ってどれ程経った頃だろうか、一人部屋で眠っていたルイズの髪を誰かが梳っていた。
その感触に目を覚ましたルイズは、またキュルケが勝手に入ってきたのかと思って、怒鳴ろうと顔を上げると、そこには見た事
が無い、タバサ以上に人形じみた少女が佇んでいたのだ。
予想外の事態にパクパクと数回口を開閉させると、当の少女がルイズに対してペコリと頭を下げると、おもむろに聞き覚えのあ
る声でこう言ったのだ。

「おはようございます、お加減はいかがでしょうか?マスター・ルイズ」

と。
話を聞くとディアーナが自意識を得たのは、ほんの数日前の事であるらしい。何故、今まで出て来なかったのかと聞くとルイズ
の精神状態を慮っての事だという。しかし、流石にそろそろ傍観できる状況ではなくなってきたので、思い切って出てきたらしい。

その後、ルイズはディアーナをマジックアイテムの精霊として紹介し、(何故か契約はしないまま)自分の使い魔として復学した。
それからの日々、ルイズは学院の授業が終わった後に、ディアーナからヒューがいた世界の様々な知識を学び始めた。
異界の知識には様々なものがあった。数学を始めとする基礎的な学問。ヒューが修得していた犯罪学。さらにはハルケギニアを
凌駕する(ごく基礎的な)医学。それはルイズ、いやハルケギニアにとって宝の山だった。
砂漠に水を注ぐ様な勢いで、ルイズはそれらの知識を吸収していく。
ギーシュやモンモランシーに協力してもらって実験を行った結果、彼等はランクを上げる事になったのだ。
131ゴースト・ゼロ 代理:2009/11/18(水) 15:18:01 ID:ZFmr3vo0
やがて夏期休暇になると、ルイズはラ・ヴァリエール領へと里帰りを果たす。
実家で懐かしい家族に再会したルイズは、自分が『虚無』に目覚めた事。召喚した使い魔を失った事等、様々な事を打ち明けた。
証明として家族の前で『イリュージョン(幻影)』を使った時には、父親であるヴァリエール公爵は漢泣きに泣いてしまったが。
しかし、残る家族も祝福し、ラ・ヴァリエール領を挙げて祝宴を催そうと言ったその時、ルイズはそれを必死で止めた。何故と
問う家族に、ルイズは懐から一通の手紙を差し出した……ヒューから送られた最初で最後の手紙である。
それはもう何度も読まれたのだろう。幾度も畳み、広げられた様子がありありと分かった。
まず最初に公爵が読み始めた。最初は文字の汚さ、文法の稚拙さに眉を顰めてはいたが、そういった外面的なものとは裏腹な内
容に、最後は唸りながらもしきりに頷いていた。
その後、ラ・ヴァリエール公爵夫人からエレオノールへ、そして最後にカトレアへと手紙は渡されていく。
家族しかいないその部屋は沈黙に覆われた、『ニューカッスルの奇跡』を起こしたのが誰か分かったから、そして、何より手紙
の内容に真実を嗅ぎ当てたからである。

「なるほど、確かにこの手紙の通り。隠し通す事が最善ですね」
「しかし、カリーヌ。せっかくルイズの系統が分かったのだぞ?今まで苦労しただけ報われるべきだろう」
「貴方。そうして報いた挙句、レコン・キスタの黒幕やロマリアに目を付けられたらどうするのですか。良くて対ガリア戦、最
悪、対エルフ戦に駆り出されるんですよ?」
「うっ。た、確かにそうだが……」

ヴァリエール公爵が妻の舌鋒に貫かれている時、意外な所から助け舟が出る、次女のカトレアだった。

「あら、でしたら内々で祝えば良いではないですか」

穏やかな次女の言い分はこうだった。
長らく魔法を使えなかったルイズがコモンとはいえ使う事が出来る様になった。生憎、系統魔法は未だに修得は出来ていないも
のの、これは慶賀である事として内々で祝う事とする。
幸いな事にルイズが魔法を使えない事は、屋敷内の人間と、これまで来ていた家庭教師位しか知らない。
(一応、トリステイン貴族には周知の事実ではあったが)
ならば、そういった人々の口封じも兼ねて、この度の事を限定的に報せる事で、ルイズを普通の公爵家令嬢として改めて認識さ
せる。
そうすれば、能力が低いとはいえ普通にメイジとして扱われる事になるだろう。
現在まで使えなかったのは、自分と同じ様に原因不明の病気だった事にすればいい。何故、判明したのか。どうやって治癒した
のか等という事は、死んでしまった使い魔に丸投げしてしまえば良い。
そうすれば誰も調べたりはできない、疑いは残るだろうが自分という原因不明の病を得ている病人がいる以上、頭から否定はで
きないはずだ。
いっその事、系統魔法が使えないのも、治療途中で使い魔が死んでしまったから……という事にすれば、これから先、系統魔法
が使えなくても体質の所為にできるので、その方が良いだろう云々。
132ゴースト・ゼロ 代理:2009/11/18(水) 15:18:43 ID:ZFmr3vo0
公爵夫妻は一晩考えた末、次女の言葉を採る事になる。
ルイズは、大好きなカトレアの意外な側面に何とも言いがたい感慨を覚えたが、自分では考えも及ばなかった解決方法だったの
で、感謝こそすれ反発など特に感じる事は無かった。
そうして、常に無く穏やかな夏期休暇を過ごしていたとある日、ルイズを尋ねてラ・ヴァリエール公爵家に一人の客人がやって来た。

その客人とは、夏期休暇を利用して実家に帰省していたはずの学園秘書ミス・ロングビルこと、マチルダ・オブ・サウスゴータ
その人だった。
休みの前にしていた話では、ぎりぎりまで妹達の元にいると言っていた、彼女の突然の訪問に疑問を覚えながらも、退屈してい
たルイズはマチルダを喜んで迎え入れた。

マチルダは貴族の名を剥奪されている為、メイジといえど平民用の客室に通されていた。
そんな客室に、サマードレスを纏ったルイズが令嬢らしい所作で入室してくる。
(学園におけるルイズを知っているマチルダは危うく吹き出しそうになったが、家人の手前もあった為、辛うじて留めることが
出来た。)

「ミス・ロングビル、こんな時期に一体どうしたのですか?」

ルイズは家人の事もあった為、マチルダを学園秘書のミス・ロングビルとして扱うことにした。
尋ねてきたマチルダは、まず最初に急に訪ねてきた無礼を詫びると、二人だけで話したいと切り出してきた。
周囲に控える家人達は、いきなりとんでもない事を言い出す客人に不快感を覚えたが、ルイズから命じられると、しぶしぶなが
らも退出していく。(一応、部屋のすぐ外に待機しているが)

家人が退出した後、マチルダは壁に沿ってサイレンスをかけると、おもむろに事情を話し始めた。

「実はアンタに届け物があってね」
「私に?ミス・マチルダに何か貸していたかしら?」

ルイズの言葉に「いいや」と返しながら、マチルダは部屋の片隅に置いてあった荷物の中から、細長いケースを持って来る。

「ただ、これはアンタが持っているべきものなのさ」

そう言うと、マチルダはケースをテーブルの上に乗せて、ソファーに腰を落ち着ける。
マチルダが持ってきたケースは錬金で作った物なのか、奇妙なものだった。全体は金属で出来ており、中身も取り出せない様に
蓋も付いていない。
訝しげにマチルダを見ると、彼女は杖を振って固定化、そして錬金と立て続けに唱える、するとそこにはケースと同じサイズの
木箱があった。
さらに、ブレイドを使って木箱の蓋を取り除くと、そこにはルイズが見慣れたコートと鞄、それと一本の剣が収められていた。

「デルフっ?」
【よう、娘っ子。久しぶり】
133ゴースト・ゼロ 代理:2009/11/18(水) 15:19:24 ID:ZFmr3vo0
そう、ケースに収められていたのは、アルビオンで別れたっきりになったヒューの相棒、デルフリンガーと彼の持ち物だった。
その後、マチルダはアルビオンの実家に帰った時の事を話し始めた。

「全く、妹の家にコイツが置かれていた時は驚いたよ。
 アンタからはあの男が死んだって聞いていたからね、何だってこんな所にって思ったのさ」
「というと、やっぱりヒューは……」
「ああ、その件についてはソイツから聞きな」

そうして、二人から水を向けられたデルフは当時の事を話し始める。
ルイズ達と別れた後、レコン・キスタの本陣に潜んで、ルイズの『虚無』の発動を待ってクロムウェルと『虚無の使い魔』の一
人を倒した事。森の中でヒューが死んだ後、ティファニアに運良く出会ってこうして此処にいる事。
そして、ヒューからの依頼を……。

「ヒューからの依頼?」
【おう、相棒からくれぐれもって頼まれていたからな、あのエルフの娘っ子に会わなかったらと思うとぞっとするぜ】
「それで?ヒューからの頼まれ事って何なのよ」
【相棒のコートの内ポケットを探ってみな】

デルフの言葉を受けたルイズがコートの内ポケットを探ると、そこには古ぼけた指輪があった。
訝しげにその指輪を見るルイズにデルフが話しかける。

【そいつを返すべき相手が見つかるまで保管して、相手が分かったら返してやってくれっていうのが相棒の依頼さ】
「これを?……っ!
 デルフ、これってもしかして、アレなの?」
【お、流石に察しがイイね。
 その通り、そいつが<アンドバリの指輪>だよ娘っ子】

思わず息を呑んだルイズの掌の中で、古の精霊の力を宿したその指輪は鈍い輝きを放っていた。

【相棒の依頼は「その指輪の隠匿と、可能ならば持ち主への返還」だそうだ。
 報酬は相棒の荷物一式。全く、こんな使い古した道具で娘っ子を扱き使おうってんだ、相棒も大したヤツさ!】

笑いを含んだデルフの言葉を聞きながら考えるルイズに、デルフは重ねて話しかける。

【で、どうするんだい。
 幸いここにいるのは俺とマチルダ姐さんだけだ、取り引き次第でその指輪を自分の物にする事もできるぜ?】

デルフのその言葉を聞いたルイズは、一度ぎゅうっと力を込めて指輪を握り締めた後、深々と溜め息をついて口の悪い魔剣に話
しかける。

「それ、ヒューに頼まれたわね?」
【何の事だい?】

おどけて言うデルフにルイズは鋭い一瞥を向けると、自分の考えを……否、自らの進む道を宣言する。

「あの使い魔にはさんざん舐められっぱなしだったわ、死んでからも人の事試すような事をするなんてね。
 ふん!どうせ私には系統魔法は使えないわよ。けどね、見てらっしゃい!魔法なんか無くったって私は凄いんだから!

 デルフ依頼は受けてあげる、他でもないルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールがね。
 そして、この時をちゃんと覚えておきなさい、今日この時こそ、このハルケギニアで初めてのフェイト(探偵)が生まれた瞬間
なんだから!」
134ゴースト・ゼロ 代理:2009/11/18(水) 16:34:24 ID:ZFmr3vo0
その後、程なくして<アンドバリの指輪>はラグドリアン湖にいる水の精霊に返還される事となった。
(解決の切っ掛けは魔法学院で起きた、とある事件を解決する過程で起きた偶発的なものだったが)
又、その事件の直接の被害者であったキュルケとミスタ・コルベールは、この事件を切っ掛けに結婚する事になる。

それからというもの、ルイズと友人達は様々な事件に度々遭遇していく。
学院を卒業するまでに関わった事件で大きいものだけでも、モット伯による平民誘拐事件、トリステイン魔法学院襲撃事件、リ
ッシュモン高等法院長の汚職事件及びダングルテールの真実、等々。
小は級友の痴話喧嘩から大は国際規模の大事件まで、解決に携わった事件は両手を使っても足りない程だった。
しかも、そのほとんどの事件で魔法らしいものは全く使わず、その機転と人脈のみで事件を解決へと導いていた。

しかし、それらの事件を解決に導いたルイズだったが、彼女の名前は驚くほど小さい扱いだった。基本は被害者の友人、もしく
は被害者の一人という、その他大勢という扱いだ。
事件を解決したのは、女王陛下直属の銃士隊や魔法衛視隊といった公権力という事になっている。その為、ルイズは未だ“ゼロ”
の2つ名を甘んじて受けていたが、全くと言って良いほど苦にしていなかった。
彼女にしてみれば、「魔法が使えるのに、自分よりも能力が低い連中」に言われる悪口など、ただの負け惜しみにしか聞こえな
くなっていたのだ。そうした精神の変化が功を奏したのか、魔法学院を卒業しようという頃にはそれなりに成長を遂げる事にな
るが、それは余談というものだろう。



そして時は過ぎ、あの召喚の儀式から2度目の春がルイズ達に訪れていた。
ルイズの友人達はそれぞれの未来へと進んでいった。

ギーシュは父や兄達の後を追う様に軍へ、モンモランシーは次代のラグドリアン湖の水の精霊との交渉役として精進している。
この二人はギーシュが精霊の交渉役に釣り合う程度の出世をするまで待って、結婚する事になっているらしい。

タバサ……シャルロットは、ガリア王から取り戻した母親を伴ってキュルケの元に身を寄せる事になった。
彼女の母親の精神はエルフの毒によって侵されていたが、アルビオンからヴァリエール領にその身を移したテファの指輪の力で
何とか治癒をする事ができた。これから少しずつ失われた時間を取り戻していくのだろう。

キュルケは前述した通り、ミスタ・コルベールと婚姻を遂げた後、タバサとその母親を伴ってゲルマニアに帰っていった。
どうもミスタ・コルベール(今ではミスタ・ツェルプストーだが)の発明を商売に利用しようと思っているらしい、商魂逞しい
事である。
135ゴースト・ゼロ 代理:2009/11/18(水) 16:35:16 ID:ZFmr3vo0
ミス・ロングビルはミスタ・コルベールの後任として魔法学院の講師となった。学院ではその美貌と、実践的な授業内容で人気
教師の一人になっているらしい。

ミス・ロングビルの妹こと、白の国の秘められた姫君・ティファニアはアルビオンからトリステイン……正確にはラ・フォンテ
ィーヌ領へ孤児達と共に移り住むことになった。
諸々の事象を鑑みると、トリステインでも最強クラスのメイジ“烈風”カリンがいるラ・ヴァリエール領か、その近隣の領地に
に匿うのが最良だと、アンリエッタやヴァリエール公爵、そして枢機卿が判断したのだ。
テファがハーフエルフだという問題は、領主であるカトレアが全く問題視していなかった事に加え、外出時にフェイスチェンジ
を使えるマジックアイテムを使用する事でクリアできるようになった。両者の関係も問題無くラ・フォンティーヌ領では一年を
通して小春日和のような穏やかな日々が続いている。

ルイズの姉達……長姉のエレオノールは何とかバーガンディ伯爵との婚姻が本決まりした、ルイズの魔法という大きな問題が片
付いた事で肩の荷が下りたのか、以前程の気の強さが鳴りを潜めた(それでも十分にキツイが)のが功を奏したのだろう。
次姉のカトレアの身体は相変わらず病魔に侵されたままだった、テファからは指輪の力を使おうかと提案されたらしいのだが、
そうした結果、ルイズに関する情報に信憑性がなくなると言って頑として受け入れなかった。
今はテファと共に孤児達や拾ってきた動物達の世話をしながら穏やかに暮している。

トリステイン王国の玉座には、アンリエッタ・ド・トリスティンという新しい主が座していた。
先王の一人娘として当然の如く諸侯に迎え入れられた彼女だったが、当初は必ずしも良い為政者とは言えなかった。いや、二十
にもならない娘に良い為政者になれというのは些か酷な話ではあったが、半年も経つと官僚や直属の配下達から違った意見がち
らほらと出てくるようになってきた。
歩みは遅くとも、少しずつ政を理解して己の判断で仕事を始めるようになってきたのだ。
少しずつ少しずつ歩みを進めていく、まるで耳を傾けなかったマザリーニ枢機卿の言葉に耳を傾け、疑問に思った事にはすぐに
質問を返す。
そんな女王の姿勢に枢機卿も良い影響を受けたのか、ほんの少し顔色も良くなり健康状態も好転したと言う。

また、特筆すべき事として試験的に平民の登用を始める事となる。流石にいきなり官僚としては無理だが、一般の事務として平
民を使う事になったのだ。
当然、反対意見も出たが、先の疑獄で大物・小物を問わず貴族が多数逮捕・投獄された所為で執務が滞る様になると、不足分を
補う様にして登用せざるを得なくなった。

とにもかくにも、トリステインという国はゴタゴタは続いているものの、玉座に座しているうら若い女王と同じ様に、ゆっくり
と変化を続けている。

そして、学院を卒業したルイズがどなったのかというと…………
136ゴースト・ゼロ 代理:2009/11/18(水) 16:36:13 ID:ZFmr3vo0
事務所の扉に取り付けられているカウベルがカランコロンと軽快な音を奏でる。
その音は、ディアーナが淹れてくれた紅茶の香りが漂う穏やかな時間の終わりを告げるものだったが、私が待ち望んでいたもの
でもあった。
ディアーナが接客の為に玄関兼応接室へと向かって行く、この場所はごく一部の人間しか訪れない。
すなわち、厄介事を抱えた人々。
確かに女王陛下からの依頼もあるが、私にとってはどちらであろうと関係はない、問題は私にしか解決できない厄介事を抱えた
人がいる、それだけだから。
ここにはそういった人々が訪れる、必要なのはささやかな報酬と心からの願い。それだけあれば私は動ける。
名声はいらない、そんなものは欲しい人にくれてやる、私が欲しいのはもっと価値あるものだ。
それは笑顔。
それは幸せ。
それは……
それらにカタチは無いだろう、だけど確かにそこにある。心が魂が暖かくなる。

それはかつて欲していた貴族の誇りに似ている、けれどどこか違うものだ。
私はそれに魅入られてしまった、貴族としての誇りは当然、今もこの胸に生きている。
けれど、私を魅了したものはもっと暖かい、人が人として生きる以上欲して止まないものなのだろう。

応接室への扉を開くとそこには、ボロを纏った幼い少女が怯えながら立ち尽くしていた。
入って来た私を見ると、大きく綺麗な瞳にみるみる涙が溜まっていく。
私はゆっくりと屈み込むと、少女と目線を合わせて、彼女の緊張を解す為に笑顔を浮かべて話しかける。

「ようこそお嬢さん、フェイト・ゼロの事務所へ。」

そうして、かつての彼がしたようにウインクを一つ、ついでに『イリュージョン』で光の花を一輪咲かせる。
さあ、お人好しのフェイトの出番だ!今は驚いているだけのこの女の子に笑顔を取り戻そうじゃないか!


                                          ゴーストステップ・ゼロ
                                                    XYZ
137ゴースト・ゼロ 代理:2009/11/18(水) 16:37:41 ID:ZFmr3vo0
これにてゴーストステップ・ゼロは終わりです。
やー、何とか終わることができましたねwやる以上はラストまできっちり書き切ろうと頑張ってみましたがどうでしょうか。
こういう最後にしたのは、前回で少々しんみりしてしまったので、最終回は明るく終わろうと決めていたからです。
読み手のみなさんが拙作で一時でも退屈を紛らわせることができたのなら、書き手としては嬉しい限り。

ここからはゴーストステップ・ゼロに関して。
クロスキャラとしてはかなりマイナーな上にクセのある人物なので、皆さんに受け入れて頂けるか不安でしたが、感想やレスで
応援を頂き何とか頑張れました。
色々と後悔は残りますが(主に戦闘シーンの描写や誤字等)、これらは少しずつwikiの方で訂正していきたいと思います。
一応、エンディングフェイズを書く際に1から読み直したんですが、なんとヒューは一度もガンダールヴの力を使っていなかっ
たというwまぁ、使ってもデルフが言っていた様に能力うpはそこまでなかったんですけどねw

エンディングフェイズで各キャラのその後を書きましたが、このSSではそうなるものと納得してください。
特にタバサママンとカトレアの治癒にテファの指輪が有効というのは独自の解釈で行ったものだから、ちょっとガクブルものです。
一応、心停止状態のサイトを蘇生&治癒できたし、エルフの秘宝という事でもあるので、この二人の治癒なら何とかできるんじ
ゃないか?と思ったんですよ。
けど、タバサママンはともかく、カトレアは本文中の理由から治癒を断らせました。不満はあるかもしれませんが、カトレアな
らそういう選択はしそうだからと思って、ちょっと悩みましたが書きました。
治したい人は自分でSS書くと良いよ!最近更新や新作少ないから皆も私も嬉しいしw

後、ルイズの立場ですが王室付きの捜査官とかそんな感じです。ただ普段は暇なので、平民相手の仕事もしています。
仕事としては調査をして、問題が無いようならそのまま報告、問題があったり荒事になりそうならアンアンやワルドやギーシュ
に力を借りて解決するという方法をとっています。
名誉は公権力に、ルイズはいくばくかの金銭と誇りを報酬としています。おかげで王室の評判は良好、ギーシュも順調に出世し
ているので大体丸く収まっている状態です。
最終的なルイズのスタイルは、フェイト◎=クロマク=ハイランダー●。助手兼腹心のディアーナはミストレス◎=ニューロ=
クグツ●です。
腹心というのはクロマクの神業の効果で有能な右腕を得る事が出来ます。
ルイズの友人達のスタイルはその内wikiに入れるかもしれません。

それからデルフですが、彼はめでたくヴァリエール家保有の宝剣とあいなりましたw普段は作り直された立派な鞘に納まって、応接室に飾られています。事あればカリンさんがひっつかんで出てきます。

ここまで遅れた理由は避難所に書き込んであるので、興味がある方はどうぞ。つまらない理由ですけどね。(苦笑)

大体1年近く処女作である上に稚拙な作品にお付き合い頂きありがとうございました。
いつか、次回作を読んで貰いたくなって投下を始めるかもしれませんが、その時までお別れしたいと思います、それではまた。
ノシ
 
 
以上で、代理終了です
ゴースト・ゼロの人、長い間乙でした
138名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 16:48:34 ID:LzOJHXyq
完結乙
代理乙
原作もヒューも全く知らないが面白かったぜ
ああ、長編の完結なんて久方ぶりだなぁ
本当にお疲れ様でした
139名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 16:58:50 ID:xr+9bp68
ヒューの人、本当に乙でした
代理の人もさる喰らいながらも乙でした
トーキョーN◎VAはまったく知らなかったが、それを補って余りあるおもしろさがこの作品にはあった
次回作も楽しみに待ってます
140名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 17:26:07 ID:Lvmwe90D
完結超乙、代理の人も乙
改めて最初から読み直してきたけどやっぱりいいなぁ
そしてデルフは本当にいいキャラだ
141名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 18:58:53 ID:kARnsu66
乙です。
なんか、久しぶりに完結する話が来た気がする。
142名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 22:40:37 ID:sxyzGCch
かっとばせ!キヨハラくんからクワタ召喚
ルイズが胃痛で倒れる日は近い
143名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 22:58:04 ID:mRrRQ01t
歳がバレるぞ、アンタw
144名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 23:34:59 ID:9F6UmB2k
さるさん食らいそうで怖い
145名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 23:50:02 ID:ILCzi05A
ミストさんを召喚。

「聖地に着いたぞ」
「楽しい舞踏会でしたね…」
「恋文を回収してくるなんて、郵便配達みたいな事をしなくても…」
「アニエスさんのはただの復讐だと思ってませんから」
「何だっていい!ウェールズを倒すチャンスだ!」
「いやあ…ウェールズは強敵でしたね」
「俺だって支えてくれる人がいれば成長しますよ、デルフさん!」
「デルフさん!武器屋の親父によろしくです!」
146名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 00:11:06 ID:GGoxTUPj
ルイズがわくわくさんを召喚

ワクワク「今日はこれを作って遊びます」
ゴロリ「ルイズの杖に洗濯ばさみを挿しただけじゃない」
ルイズ「ちょ、ちょっとあんた勝手に何してるのよ!」
ワクワク「まぁまぁ、これを見たらルイズも"あー私も作りたい"って言うんですから」

ワクワク「ストローロケット3号、発射」ピュイーン
デルフ「うぎゃあああああ! 俺はストローじゃねぇぇぇ!」
147名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 01:57:28 ID:1GUiTuaJ
ガリアにノッポさん、ロマリアにグッチさん
そして憚れるアルビオンがフィリピンはセブ島の
148名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 06:07:16 ID:syY211YW
>>125
その疑問の答えだが……
いいか、相手はマルチポストの荒らしだ

あとは判るな?
149名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 07:49:32 ID:bVmqWOnJ
完結乙、卓ゲ者としてはさみしいけどいい話だったぜ!
150名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 08:52:16 ID:UKtQ8WCI
>>145
一瞬某カブ神様かとおもったじゃないか。
151名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 11:11:31 ID:mvKz4TX/
カブといえばスライムと並んで、いらないのに勝手にパーティに入ってくるあいつですね
152名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 11:14:34 ID:H/d1HLfq
カブ神ミストさんと聞いて
ハルケに召喚されたミストさんから鍬と如雨露を渡され
せっせと畑仕事に精を出すギーシュがみえた
モンモランシーにはどんな野菜を渡せばいいんだろうか…
153名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 11:21:45 ID:PizttJw3
エルフの姫と結婚したうちの戦う農夫に隙はなかった
154名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 13:29:05 ID:5k7oSGGV
ゴロリとコルベール先生のわくわくヘビくん工作教室

「ねえ先生、今日は何を作るの?」
「うむゴロリ君、今日はヘビ君の作り方をお教えしましょう」
「そんなのいらないよ」
「えっ?」

〜中略〜

「さあヘビ君の完成ですぞ!」
「やったーぉ」
「さあこの紐を引っ張ると・・・ホラこの通り、楽しい仕掛けが!」
「フフン(鼻で笑うゴロリ)」
155魔砲の人 ◆IFd1NGILwA :2009/11/19(木) 13:54:44 ID:hODPnYoX
>>87

 指摘ありがとうございます。WIKIの方で訂正しておきました。
156名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 16:21:35 ID:d4ZKVHvZ
>>145
(こんなミストさんに召喚される価値なんてあるのか・・・?)
157名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 17:56:59 ID:OYmIzlIA
ルイズが召喚するときにドラゴンとか言ってた気がするから、ベヨネッタのフォルティトゥードでも呼べばと思ったけど
そもそもブリミル教徒に天使なんて概念あるんだろうか・・・
158名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 18:15:34 ID:RwNHaEzJ
>>156
その言い回しが有ってこそのミストさんwww
159名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 18:29:53 ID:Y05U9GQ3
ララ ラララララ(野太い男の声)
160名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 18:53:00 ID:6JNhCcRs
ミストさんってどのミスとさん?
161名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 19:02:16 ID:eib0kesS
kガリさん呼べばいいんじゃないか
無敵だぜ
162名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 19:13:46 ID:Fm5qPjaN
>>161
ヘタレ過ぎるだけで無駄に有能と話題のユウナのが良くね?
ウザイだけで原作でも有能だったから参謀役も出来るし
なによりヘタレ故に覚悟決めれば心の奮えは凄い事になる
163名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 19:43:00 ID:snfAEduQ
(スパロボKの事を知らないなんて……こんなに俺と>>160さんで意識の差があるとは思わなかった……!)
164名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 20:20:01 ID:BMOXy2ht
ミストさんと言われてなぜかMXのヒューゴさんとアクアさんが思い浮かんだんだぜ
…ホントになぜなんだぜ?

スパロボのオリジナル主人公だったらJの紫雲統夜とかもありだと思うんだ
特に4周目でラフトクランズに乗ってハーレムルート突っ走ってる彼なら…イケる!
165名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 20:38:11 ID:n8vjsdqy
斑鳩のカガリとかかまいたちのかがりとかブシドーブレードのカガリビとか
かがりにも色々有るぜ
166名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 20:48:38 ID:AoqpVn+r
星を継ぐものの篝とかシェフィールド(notミョズ)の従者なカガリとか出てくる卓ゲ脳
167名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 20:49:30 ID:DfEBctZC
LIVEALIVEから心山拳老師召喚という夢を見た
ちょっと本格的に書いてみようかなと思案中

問題はセンス×
168名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 21:26:26 ID:EInzoVyn
どうせ書かないくせに

書かないくせに!
169名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 21:29:42 ID:HajXOXBb
つーか最初にそうやって駄目なのを露呈するのは糞以下
170名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 21:43:11 ID:/0a+10XJ
瀬戸みたいにルイズが物理攻撃系になるのって他にある?
老子とかどこら辺でアボンするんだ?
171名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 22:05:49 ID:rjGoFtHd
>>170
HELLSING産だがゼロのロリカード
流石に瀬戸よりは弱しどっちかというと両刀だけど
172名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 22:08:43 ID:UpmBm9DL
>>171
>どっちかというと両刀だけど

卑猥なことしか連想できなかった俺は、きっと何かが終わってる。
173名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 22:10:12 ID:yPGsR/gK
デルフリンガー使いでも有る仮面のルイズ様だろう
174名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 22:17:37 ID:6WIBuso0
あとGIFTのルイズとかだな。
あれは最強というより最凶だが。
175名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 22:23:31 ID:7G3lsazt
クロスモノではないが(小ネタクロスは有るが)某ケティのナチュラル加速ルイズ。
ブレイド化した杖を拳で粉々したり、チェレンヌを27連空中コンボKOとかどんだけー!って感じ。
176名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 22:33:27 ID:9wepol/E
使い魔召喚以外で他の作品とクロスできないかと考えた結果、たしかアニエスのダングルテールって
海の近くにあったと思うので、異端宗教で焼かれたってのが、実はクトゥルフ信仰してて、
人間の生贄したりディープワンと混血したりしてたからってのを考えた。
177瀟洒な使い魔 代理:2009/11/19(木) 22:35:33 ID:H/d1HLfq
代理投稿いきたいと思います
あとがき含めて8レスあります
178名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 22:36:18 ID:rjGoFtHd
>>175
>ブレイド化した杖を拳で粉々
これで思い出したが紫召喚したのでも結構な剣士になってなかったかな、ワルド粉砕してたような
179瀟洒な使い魔 第5話 1/8 代理:2009/11/19(木) 22:37:21 ID:H/d1HLfq
「――――――」

咲夜が目を覚ますと、そこは見慣れた自分の部屋の天井だった。
身体を見れば各所に包帯が巻かれており、あの後誰かがここまで運び治療を施したのだろうと判断する。
身体を動かそうとすると各所がずきりと痛む。まだ完全に治りきってはいないようだ。
痛みはあるが、骨折は綺麗に治っているようだ。まだ無理に動かせるほどではないが。
首をめぐらせて横を見ると、黒髪のメイド……シエスタが濡れタオルを絞っていた。
自分はどれほど寝ていたのだろうか。状況を確認するため、とりあえず声をかけてみる事にする。

「シエスタ、ちょっと良いかしら?」

「あ、サクヤさん! 目が覚めたんですね!」

「ええ、今しがたね。この治療はあなたが?」

するとシエスタは首を横に振り、自分はただ身の回りのお世話をしていただけです、と言った。
あの後宝物庫からここに運ばれた咲夜は、教師による治癒魔法による治療を受けた後、今まで2日ほど眠っていたのだという。

「治癒魔法、ね。そういえば確かあの時、ルイズは気絶していたようだけど。
 体のほうには大事無かったのかしら?」

「あ、はい。ミス・ヴァリエールにはお怪我はなかったんですけれど……」

シエスタはそこで言葉を濁すと、「お食事の用意をしてきますね」と言って部屋を退出。部屋には咲夜だけが残される。
ルイズが気絶していた理由。そしてシエスタが言葉を濁した理由。どちらも何となくは推測できる。
その事について思うところがないではないが、どうやらそれについて思いを馳せている場合ではないようだ。
どたどたという騒々しい足音の後に勢い良くドアが開けられ、赤い髪の少女が入ってきたからだ。



瀟洒な使い魔 第5話「少女ルイズ 〜Mage Zero」



「サクヤ! 目が覚めたのね!」

「〜〜〜〜っ! ちょっとキュルケ、また折れるってあだだだだだっ!」

キュルケに抱きつかれ、咲夜とその病み上がりの体が悲鳴をあげる。
どうやらこの世界の治癒魔法も完全ではないらしく、骨折などの大きな怪我は治しきれていないようだ。
それはそれとして痛い。物凄く痛い。しかし今の咲夜にはキュルケを押しのけるほどの体力がなく、
遅れて入ってきたタバサによるツッコミでキュルケが我に返るまでベアハッグを受け続ける事となった。

「まあ、気がついたみたいで良かったわ。心配してたのよ?」

「心配していたなら病み上がりにベアハッグはやめてもらえないかしら。
 折角くっついたのにまた折れるかと思ったわよ」

「あはは……」
ジト目で睨む咲夜とばつが悪そうに視線をそらすキュルケ。しばしその奇妙な睨み合いは続いたが、
咲夜の「まぁ良いわ、心配してくれたというのは嬉しいし」と言う言葉で打ち切られた。

「それはそれとして、キュルケ、あの後どうなったのか教えてくれる?」

「ええ。ゴーレムが崩れてからでいいかしら?」

キュルケの説明によれば、ゴーレムが崩壊されてからは大騒ぎだったらしい。
何せ襲ってきたのがあの『土くれ』であり、未遂で済んだとはいえ自慢の宝物庫に侵入されたからだ。
しかも当直であったシュヴルーズは当直をサボって自室で眠っており、タバサが戻るのが遅れたのもソレが原因なのだそうだ。
その事でシュヴルーズは責められはしたが、サボっていたのはシュヴルーズだけではなかったらしく、
結局はオスマンの鶴の一声で責任の所在はうやむやになったという。
なお、ルイズが破壊した壁に関しては『フーケが破壊した』と報告したらしく、
その辺りに関しては抜け目がないなぁ、と咲夜はキュルケの性格を再認識した。コレもお国柄と言うやつだろうか?

「……ちょっと待って、フーケはどうなったの? 確か私が吹き飛ばした後ゴーレムの残骸に埋もれてたはずなんだけど」

「フーケ? さぁ……あ、貴方の剣とミス・ロングビルなら埋まっていたみたいよ?
 ただ生き埋めになってたりでまだ目を覚ましてないらしいけど……」

「ミス・ロングビルがフーケなのよ! 早く……痛っ」

思わず大声を出してしまい、治りきっていない肋骨がぎしりと痛む。
そうだ。ミス・ロングビルとは仮の名前。その正体は怪盗『土くれ』のフーケなのだ。
目を覚ませばすぐに逃げ出すに違いない。痛む身体に鞭をうち起き上がろうとするが、
それは新たに入ってきた来客によって制された。

「ミス・イザヨイ、病み上がりで無茶をするものではないぞ。安静にしていなさい」

新たな来客とは、魔法学院学院長、オールド・オスマンであった。予想外の来客にキュルケが思わず居住まいを正す。
タバサの方は特に気にしていない風であったが、何処となく緊張しているような雰囲気を感じた。

「ですが、オールド・オスマン。薄々分かっておられたでしょうが、ミス・ロングビルは……」

「あの状況じゃからな。分かっておるがまあ問題はない。
 『フーケに人質に取られていた』ということにして、安静の為として眠りの香を炊いておる。
 そうそう起きやせんから安心しなさい。ところで、ミス・イザヨイ。わしに聞きたいことがあるのではないか?」

そう言われて、咲夜は自分が気絶する前に使ったものを思い出す。
あれは本来幻想郷にいる人間の作ったものだ。めったなことでもない限りその外の世界に有るはずがないのだが……

「……そうですね。キュルケ、タバサ、部屋に戻っていて頂戴。
 もうすぐシエスタも来ると思うけど、できれば部屋に入ってこないように伝えて」

何よそれ、と言おうとしたキュルケの襟首を杖に引っ掛け、タバサがキュルケと共に退出する。
それを確認すると、オスマンは『ロック』を扉にかけた後『サイレント』を廊下一帯にかけ、、
防音を施した密室を作り上げる。

「有難うございます、オールド・オスマン。私が気を失う前、持っていた物についてなのですが」
181名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 22:39:45 ID:vMhT476e
支援
182瀟洒な使い魔 第5話 3/8 代理:2009/11/19(木) 22:42:03 ID:H/d1HLfq
「うむ、『ハッケロ』の事じゃな。これの事じゃろ?」

そう言ってオスマンが取り出したのは、気絶する前、フーケを吹き飛ばす時に用いたアイテムだった。
八角形の箱で、片面には穴が開きそれを囲むようにして直線で構成された紋様が描かれている。
ミニ八卦炉。それがこのアイテムの名前である。
魔力を燃料として自在に火力を変化させる事ができ、スペルの媒体としても使われるマジックアイテム。
幻想郷には確か1つしかないはずのものであるし、ある人物が持ち主の為に作った一点もののはずだ。
見る限り、このミニ八卦炉は持ち主……霧雨魔理沙という魔法使いの持っていたものと全く同じである。
ただ、唯一違うのはこちらのものは大分年季が入った代物のようである点だが。

「ええ。失礼ですが、オールド・オスマンはこれをどこで?
 私の知る限り、これは私が元いた場所にいる知人が持っている1つきりのはずですが……」

「そうさなぁ。これも何かの縁じゃ。どうやら彼とも知らぬ仲ではないようじゃし、
 君にであれば話してもよいかもしれんな」

オスマンはベッド脇の椅子に座り、宙を見つめてその時のことを語り始めた。
今から三十年ほど前、森を散策していたオスマンは、ワイバーンに襲われていた1人の青年と出会った。
見たこともない異国の服を着た彼はハルケギニアとは違う世界から来たのだと語り、
そのまま暫くオスマンの元へと滞在していたのだという。

「そしてある日じゃ、ドレスを纏った妙齢の美女が彼を迎えに来てな。
 彼は友情の証にと作っていた『ハッケロ』を残して帰ってしまった。
 それきり音沙汰もないのじゃが、果たして今何処で何をしているのだろうかのう」

「その人の名前はご存知ですか? 恐らく貴族ではないのに姓名があり、姓が頭に来る方式の名前のはずですが」

「おお、やはりミス・イザヨイの知り合いだったようだの。
 名前は確か、モリチカ……そう、モリチカ・リンノスケと言ったか」

やはりか。何やってんだあの古道具屋。咲夜は微妙に頭を抱える。
森近霖之助。幻想郷において様々な道具を扱う道具屋を経営している人物で、
咲夜も度々利用している為親しいとは言いがたいが面識はある。
マジックアイテムの製作なども得意とし、確かあのミニ八卦炉も彼の手になる作品であるらしい。
この世界にもそれがあるということは、恐らく彼がこの世界に訪れた事があるというのは本当なのだろう。
となると、このミニ八卦炉は魔理沙が持っているものの試作品とでも行ったところだろうか。

「彼の話はにわかには信じがたい事ではあったが、どれもこれも興味深い話ばかりであったよ。
 マジックアイテムの製作理論や、彼や君の居た『ゲンソウキョウ』と呼ばれる場所。
 彼は私物は帰る際に粗方持ち帰ったようでの。あのハッケロとその取扱説明書だけが唯一残されたものじゃった。
 長い人生いつかまた会う事もあろう。そう願ってあれを宝物庫に保管しておったのよ。
 便利なマジックアイテムではあるが、扱い方を間違えれば危険なものでもあったからのう」

「なるほど……概ね理解しました。彼もやはり使い魔として召喚されたのでしょうか?」

「いや、それは分からん。彼の言うところによると『結界の外に出ようと思ったらここに居た』と言っておったからのう。
 たしかゲンソウキョウは結界で閉ざされた世界なのじゃろう?
 結界を無理に抜けようとしたからなど、仮説は考えられるが、確かな事は何一つ分からんかったよ。
 彼を『迎えに来た』というあの女性ならあるいは、と思うんじゃが」
183瀟洒な使い魔 第5話 4/8 代理:2009/11/19(木) 22:43:08 ID:H/d1HLfq
霖之助を迎えに来た女性。咲夜はそれが誰か、ほぼ見当が付いていた。
八雲紫。幻想郷でもトップクラスの実力を持つ妖怪で、並ぶもののないほどの知識をも併せ持つ。
霖之助を迎えに来たのは恐らくただの気まぐれであろうが、
彼女ならば異世界だろうが何処だろうが、容易く行き来が可能だろう。
あるいは、霖之助がハルケギニアに行った事そのものが八雲紫の起こした事なのかもしれない。

「その相手に関しても、恐らくですが見当が付いています」

「ほほう。ならばミス・イザヨイも迎えに来てもらえるのかの?」

「それは分かりません。なにせ人間の基準で言えば相当な変わり者ですから……
 やはり、もうしばらくは大人しくここで待っていた方がいいのかもしれませんね。
 私の主人の友人の方もとても優秀なメイジなのですが、その方が何らかの手段を講じるでしょうし」

新たな収穫はあったが、咲夜は結局学院にとどまる事を選んだ。
どうせ自分の力では行き来する事は不可能なのだ。迎えが来るまでは大人しくひとつ所に留まろう。
それが、咲夜の出した結論であった。

「さて、こんな所かのう。水系統の先生を呼んでおこう、治療と食事が済んだら儂のところへ来なさい。
 ミス・ロングビル、いや、フーケと面会させよう。儂も彼女には聞きたいことがあるでの。
 ……そうじゃな、ミス・ツェルプストーとミス・タバサも連れてくるといい。
 あの2人もミス・ロングビルがフーケであることを知ってしまったようじゃし」

「すいません、つい口が滑ってしまって……」

「構わんよ。あの2人は留学生じゃがそこそこ信用できそうじゃ。何より実力もある。
 まったく、トリステインの貴族はプライドばかり高くてのう……
 そうそう、そのハッケロはミス・イザヨイに差し上げよう。
 わしの私物じゃし、君ならば使い道を誤るまい。まあ、フーケを撃退してくれた報酬と思っとくれ」

とまで言いかけて、「おっと、前半は秘密にしておいてくれぃ」と言い残し、
オスマンは部屋にかけていた魔法を解いて退出。少しして、料理を持ったシエスタが入ってくる。
病み上がりである咲夜を気遣ったのか、メニューは柔らかいパンと野菜のスープだった。
聞くところによれば、マルトー自ら腕を振るったものであるらしい。

「何でか知らないけど、あの人に気に入られちゃってるのよねぇ。シエスタ、分かる?」

「マルトーさんは貴族嫌いで有名ですからねえ。
 平民なのに貴族をやっつけたサクヤさんが大好きなんだって行ってましたよ」

そんなに強くなかったし、あれでも手加減した方なんだけどなあ、と思いながらパンをむしる。
少し冷めてしまっているが中々美味しい。と、そこにまたもやどたばたという騒々しい足音が聞こえてくる。

「シエスタ、巻き込まれたくなかったら逃げていいわよ。食器は自分で片付けておくし」

「すいません。置いておいてもらえれば後で回収しておきますので……」

ぺこりと一礼してそそくさと退出するシエスタと入れ替わりに、キュルケとタバサが入ってくる。
入り口の方では水系統の教師であろう人物が大変迷惑そうにしていたが、キュルケは全く気にしていないようだ。
184瀟洒な使い魔 第5話 5/8 代理:2009/11/19(木) 22:44:40 ID:H/d1HLfq
「キュルケ、とりあえずまた後でね。オールド・オスマン自らその辺りは解説してくれるそうよ」

このまま騒がれては『治癒』の魔法が失敗するかもしれないと追い出そうとするが、
キュルケはぶーたれていつか来た時に運び込んだソファに腰掛ける。すっかりたまり場扱いである。

「良いじゃない見てるぐらい。貴方の治療費の1/3、私が出したんだし」

「私も出した」

手元の本に視線を落としたままでタバサが言う。
聞けばルイズ・キュルケ・タバサの3人で治療費を折半したのだという。
ならば多少の乱行は許さねばなるまい、と咲夜は溜息をつき、ふと気付く。

「そうだ、ルイズはどうしたの? シエスタに聞いたけどなんか言葉を濁されちゃって。
 まあ、予想は大体付くんだけど」

「まあ、大体その通りだと思うわよ。先生いる時に話す話でもないし、とりあえず治療が終わってからにしましょ」

「……そうね」

そして、暫くは静かな時が流れ、治療が終わる。体の痛みも大分引いた。
教師によればこれ以上は自然治癒に任せるべきだ、との事。確かに触媒となる秘薬代もバカにならないし、
あまり借りを作りすぎるのも問題だ。教師が出て行くのを確認してから、キュルケのほうを見る。

「まあ、言ってしまえば簡単なのよ。今回のフーケ騒動、何もかにも自分のせいだって塞ぎこんでるわけ。
 宝物庫に穴開けたのもだけど、サクヤをふっ飛ばしちゃった、って言うのが一番効いたんでしょうね。
 その直後にあれでしょ? サクヤは無事だったとしても、ショックはかなり強かったんじゃないかしら。
 あの子、変に責任感強い所あるし……」

「確かにね。この怪我をする事になった直接的な原因ではあるし、思うところがないではないけど。
 ……まあ、今更責めても仕方ない事よね。気持ちは分からないでもないし」

使い魔として接しているこの暫くの間だけ見ても、ルイズはとてもプライドが高く、意地っ張りである。
そして魔法が使えない貴族である事の反動なのか、何かにつけて『貴族である』と言うことに固執している。
そして、『役立たず』と思われることにも。

いつかルイズから聞いた話を思い出す。ルイズの母は、かつて生ける伝説として名を馳せたメイジなのだという。
そして、一番上の姉もまた学院を首席で卒業し、アカデミーという研究機関の研究員としてその腕を振るっている。
仕方ないといえば仕方ない事なのだが、そんな優秀すぎる家族と比較され続け、
その上で『魔法が使えない』という残酷すぎる現実に直面し続けていたという事は、どれほど辛い事だろう。

ルイズは人一倍の努力家だ。座学だけで言えば学園でもトップクラスであろう。
だが、彼女は魔法が使えない。ただそれだけで『ゼロ』とよばれ、嘲笑の的になっている。
どれだけ努力しても報われない。それはルイズの心を少しづつ追い詰めているのだろう。
ちょっとした挑発でもムキになったり、自分を吹き飛ばした時のような後先考えない行動に出てしまうのもそのためだ。

「一度、話してみないといけないのかしらね。幸い身体も動くようになったし、
 ちょっとルイズの部屋に行って来ようかしら」

「あ、それじゃあ私はここで待ってるわね。終わったらオールド・オスマンのところに行きましょう」
185瀟洒な使い魔 第5話 6/8 代理:2009/11/19(木) 22:47:16 ID:H/d1HLfq
キュルケは手をひらひらと翻して見送ろうとするが、咲夜はその手を掴むとずるずると引きずって外へと出る。

「何言ってるのよ、そもそも元を辿れば貴方がルイズを挑発したから事態がこじれたんでしょうが。
 ルイズに謝るのよ。それが今貴方が積める善行だわ」

「じ、冗談言わないでよ! ヴァリエールなんかに頭を下げるなんて、ツェルプストーの面汚しだわ!」

「そう。折角の綺麗な顔がリスみたいになるなんて、残念よキュルケ」

そう言って、咲夜はキュルケを見つめ、にこりと微笑む。
キュルケの背筋にぞくりとした感覚が走る。やばい、このメイドやる気だ。
逆らったら容赦なくあの時のギーシュみたいにされてしまう。
そう直感したキュルケは大人しく力を抜くと、咲夜に引きずられて部屋を出て行った。



そして、ルイズの部屋の前。咲夜がノブに手をかけるが、鍵がかかっているのかドアが開かない。
そのため、キュルケに目配せをして『アンロック』を使わせる。校則違反らしいが、知ったことではない。
自分の部屋に入ってくるときにキュルケがいつもやっている事だ。咲夜にしてみれば何を今更、と言う話である。

「入るわよ、ルイズ」

部屋に入ってみると、そこら中に衣服や小物が散らばっていた。
テーブルが倒れていたり椅子が逆さまになっていたりもしたが、
元々ルイズの部屋は物が少ない為に散らかり放題、と言うほど散らかっては見えない。
恐らく苛立ち紛れにあちこちひっくり返したのだろう。
当のルイズ自体はベッドの上で座り込んでいる。いわゆる体育座りの体勢で俯いており、表情は見えない。
まあ明るい精神状態ではないだろう、と咲夜は考える。

「……何よ」

ルイズが顔を上げる。酷い顔だ。眼の下にはクマができ、ロクに寝ていないのだろうということが分かる。
よく見れば髪はぼさぼさに乱れている。もしかしたら2日ずっとベッドの上から動かなかったのであろうか。

「貴方が不貞腐れてるって聞いてね。いい加減機嫌直しなさいな。
 フーケは捕まったし、私はこの通り動けるようになったし」

「嫌よ。私は『ゼロ』だもの。外に出たらまた何か騒動を起こすわ。
 貴方だって今度は怪我じゃ済まなくなるわよ、きっと。
 そんなのは嫌だもの。だから、もう何もしない。何もしなければ、何も起きないんだもの」

そう言って突っ伏す。駄目だこりゃ、と溜息をつきながらも、咲夜はルイズの横に腰掛ける。

「ゼロ、ねえ。貴方が本当に『ゼロ』だったらどんなに良かったことか。
 魔法成功率『ゼロ』%だから『ゼロ』のルイズ。で、よかったのかしら?」

『ゼロ』という度にぴくりと反応するが、返答はない。どうやらルイズは無視を決め込んだようだ。
これは手強いな、と思いながら、自分の知る限りのルイズの失敗を挙げ連ねていく。
咲夜を召喚した時、契約をしようとして拒絶された時の事。
召喚されてから初めての授業で、『錬金』をしようとして盛大に失敗した時の事。
キュルケにからかわれ、ムキになってランプを魔法で点灯させようとして爆砕した時の事。
一つ言うたびにルイズはぷるぷると震えだし、次第にそれが大きくなっていく。
そしていくつか目の失敗を挙げた時、ルイズは跳ね起きて咲夜に掴みかかった。
186名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 22:48:05 ID:Rcyaq2eS
今気付いたけど、タイトルが東方曲の改変になってるんだな
支援
187瀟洒な使い魔 第5話 7/8 代理:2009/11/19(木) 22:48:29 ID:H/d1HLfq
「何よ何よ、黙って聞いてれば言いたい放題! ええそうよ私は『ゼロ』よ!
 魔法が一度も成功した事のない『ゼロ』のルイズよ!
 『錬金』しようとしては爆発して、『ロック』だってランプの点灯だってできないわよ!」

ルイズは咲夜の襟首を掴み、堰が切れたように怒鳴り散らす。止めるべきかとキュルケが歩み寄るが、
咲夜はそれを手で制し、薄く笑みを浮かべて黙ってそれを聞いている。

「サクヤはいいわよね、 掃除だって料理だって出来るし、凄く強いし、先住魔法みたいなこともできるし!
 でも私には何も出来ないのよ! コモンマジックも使えないし、公爵家って家柄しかないのよ!
 風邪っぴきのマリコルヌだって、ナンパなギーシュだって、そこの色ボケのツェルプストーだって!
 皆魔法が使える、『錬金』もできれば、ランプだって点けられる! でも、私にはそれさえできないのよ!」

咲夜の頬に雫がかかる。見てみれば、いつしかルイズは泣いていた。
怒鳴り散らす声にも嗚咽が混じってきた。それでも、咲夜は笑みを崩さず、何も言わない。

「母様のような凄い魔法使いになんてなれなくていい、ねえさまのような学院主席になんてなれなくていい!
 ただ、魔法が使えればよかった! でも、私にはコモンマジックすら使えない!
 私は『ゼロ』なのよ、『ゼロのルイズ』なのよ!」

そこで、嗚咽交じりの絶叫は途絶える。息が切れたのか、はぁはぁと荒い息をついて顔を伏せるルイズ。
今のは間違いなくルイズの本音だろう。16年、ずっと溜め込んできた彼女の感情。
それを聞いてなお、咲夜の表情は変わらない。ルイズを抱き寄せ、隣に座らせ、
どこからともなく取り出した櫛で髪を梳かしながら、咲夜は呟いた。

「そうね、あなたが本当に『ゼロ』だったら、私もこんな所に来る事も無かったんだけど」

「え? サクヤ、それ、どういうこと……?」

思わぬ言葉にルイズが顔を上げる。まさか、そんな事を言われるなんて思っていなかった。そんな顔だ。

「だってそうじゃない? 貴方が召喚を成功させなかったら私がここに召喚される事もなかったわけだし、
 契約を成功させなかったら貴方の使い魔をやることも無かったわけだし。
 それに聞いてみれば魔法が失敗して爆発するなんて貴方ぐらいなのよね?
 キュルケ、ルイズ以外は魔法が失敗するとどうなるの?」

「え? そりゃ、何も起こらないわよ。ルーンを言い間違えて別の魔法が発動、ってことはあるだろうけど。
 私も昔は何回かあったもの、そういう事」

「ほらね? そういう点から見ると、むしろルイズが異常なのよね。魔法には詳しくないから分からないけど、
 何かしら別の要因があって爆発しかしないんじゃないかしら?」

ルイズは目をぱちくりさせる。そういう考えもあったのか。
今まで『失敗』だからとそこから先は何も考えた事がなかった。
何より、母や姉に怒られていたため思考を発展させるどころではなかったというのもあるが。

「確かに、言われてみれば……」

「だから、あんまり気に病むことなんて無いのよ。遅咲きなだけかもしれないし。
 それに、私だって最初からメイドとして優秀だったわけじゃないのよ?
 メイドを始めたのは紅魔館……ああ、私の働いていたお屋敷ね。そこに来てからなのだし」
188瀟洒な使い魔 第5話 8/8 代理:2009/11/19(木) 22:49:45 ID:H/d1HLfq
丁度髪も梳かし終わったようで、はいお終い、と頭を軽く叩く。

「最初から完全な人間なんていないのよ。貴方のお姉さんだって、お母さんだって、最初は失敗したでしょう。
 それにね、確かに貴方の魔法で吹っ飛ばされて、ゴーレムに殴られて骨は折れたけど、
 貴方が魔法で開けた穴に飛び込んだお陰で潰されずに済んだわけだし。
 そのことだけは有難うと言わせて貰うわね」

そして、さて、と言い置いてから咲夜はキュルケに目配せをする。
キュルケはぶんぶんと首を横に振るが、咲夜が笑みを見せると、
引きつった顔をした後にルイズに頭を下げた。

「ルイズ、貴方をあの時からかった事は悪いと思ってるわ。
 そのせいでサクヤは骨を折るし、貴方だって塞ぎこんだし。
 ヴァリエールに頭下げるなんてしたくなかったけど、元をただせば私のせいだし。
 今回ばっかりは謝るわ、ごめんなさいね」

思わぬ相手の謝罪に、ルイズは驚きつつも憎まれ口を叩く。
なんだかんだで自分にも非はあるわけだから、ここはおあいこだろう。

「べ、別に謝って欲しくて塞ぎ込んだ訳じゃないわよ。でもちょっと溜飲は下がったわね。
 なんせあのツェルプストーに頭を下げさせたわけだし。って、サクヤ?
 なんで私を膝の上に腹ばいにさせてるの? その笑顔と掲げた右手は何?」

「ええ、そういえば吹っ飛ばされた分のお仕置きがまだだったかな、と思って。
 え? さっき有難うって言ったじゃない? ええ、そうね。本当に助かったわあの時は。
 でも、それはそれ、これはこれ。信賞必罰と言うやつよ」

掲げられた右腕が霞むほどの速さでルイズの尻めがけ振り下ろされ、パァンという破裂音にも似た打撃音が響く。
要するに尻叩きである。ルイズがさっきとは違う意味での絶叫を上げるが、そんな事で手を緩める咲夜ではない。
一撃し、破裂音が響き、絶叫が響く。ここまでがワンセット。
悲鳴も少女らしい『ひゃん』や『きゃん』ではなく、『ぎゃん』と言う身も背も無い絶叫。
咲夜の本気具合が分かろうものである。
それが10度も繰り返される頃には、ルイズはぐったりと伸び、完全にダウンしていた。

「まあ、この辺にしておいてあげましょう。可哀想だし」

横に視線を移せば、そこには床に転がり腹を抱えて大笑いしているキュルケがいる。
咲夜はルイズをベッドに転がすと、キュルケを助け起こし、おもむろに先程のルイズ同様の体勢に移行する。
キュルケが咲夜を見上げる。『え、なんで私も?』と言う顔だ。それに対して咲夜は笑顔で返し、一言。

「貴方にも非があるのだから、貴方にもお仕置きしないと不公平でしょう?」

少し後、ルイズの部屋のベッドにはうつ伏せで尻を真っ赤に腫らした少女が2人転がっていたという。
189瀟洒な使い魔 第5話 あとがき 代理:2009/11/19(木) 22:52:17 ID:H/d1HLfq
以上で終わりです。
コミカルというかギャグ描写とマジメな描写のバランスが難しい……
悪乗りが過ぎないように気をつけたいものです。
ガリアサイドも早く描きたいですがもうちょっと学院サイドの話が続くので、
お待ちの方がおりましたらもう少しお待ち下さい

以上で代理終了
作者さん乙でした

何気に閻魔様の言葉を引用してますね咲夜さん
190名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 22:53:15 ID:yPGsR/gK
更新乙
代理の人も乙
191名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 23:08:38 ID:7G3lsazt
乙乙
192名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 23:13:57 ID:SHB3+qUj
乙でした〜
咲夜さんパネェww
193名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/19(木) 23:35:00 ID:hjCMXv2u
さすがメイド長。仕置きも瀟洒だw
194名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 00:33:08 ID:5QSoBBZc
瀟洒&代理の人乙です。
尻叩きとは容赦無え〜、さすが冥土長!!

一巻分がもう少しで終わるとして、ガリアというか聖さんとジョゼフの動きも気になる。
後はロマイアかな?ウィンダーブルの性質を考えると・・・動物(ペット)使役繋がりでさとりん?
195名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 00:47:58 ID:RWEECWOu
>>194
リグルとかどうだろう

幻想郷の住民の気質からして宗教戦争なんかに協力するやつはいなさそうだが
いきなし聖さんが出たからその辺り読めない
196名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 01:41:01 ID:FFDu+qOs
乙でした

キュルケをルイズに謝らせるって珍しいと思った

フーケの件でうやむやになったり、ほんとはルイズを悪く思ってないいい人ポジションで
あまり言動について非難されるの見たことないし
197名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 03:00:50 ID:RxFnsdYq
ルイズ以外のキャラが誰かを召喚するssはここで書いてもいいんですか?
198名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 03:09:23 ID:Pez0KDr7
もちろん
199名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 03:09:54 ID:vsSBHs7D
尻叩きとはまた懐かしいwwwww
尻は脂肪が多めで脳内血栓の原因になるので教育ママは尻たたきはしないようにしませう。
200ギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王:2009/11/20(金) 03:32:59 ID:RxFnsdYq
アンパンマンの黒バラ女王をギーシュが召喚する話
3:35から投下します

さるさん とかよくわからないので、食らっちゃうかもしれないです
201ギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王 part1:2009/11/20(金) 03:36:32 ID:RxFnsdYq
「アンパンマン、新しい顔よ!」
 コック帽を被り青いオーバーオールを着た女性がそう叫んだ。
 彼女が放り投げたアンパンは僅かのスピンもすることなく、一直線に黒い鉄像へと向かって進んでいった。
「し、しまった!」
 紫色のUFOに乗った悪魔じみた男が鉄像を見ると、既にその頭部は焼き立てのアンパンへとすり替わっていた。
「元気100倍! アンパンマン!」
 勢いよく地面を蹴って跳ね上がった鉄像が忽ちの内に砕け、その中からは真っ赤な体と焦げ茶色のマントが姿を現した。
「許さないぞ! ばいきんまん、黒バラ女王!」
 アンパンマンと名乗るその男の視線の先には天を突くほどの大きさの黒い影が佇んでいた。
「おのれアンパンマン! こうしてくれるーっ!」
 黒バラ女王が両手を掲げると辺り一面見渡す限りの地面に亀裂が走った。そして大地の裂け目からは無数の茨が芽を出し、アンパンマン目掛けて一斉に伸し出した。
 上空から降り注ぐ茨の先端は槍のように鋭く、アンパンマンの体を貫くことなど容易く見えた。
 しかし彼は茨同士の間にできた僅かな隙間を潜り抜けると、瞬く間に黒バラ女王の目前へと迫り右腕を振り上げた。
「アーンパーンチ!」
「どわぁーーーー!!」
 アンパンマンが放った必殺の拳が黒バラ女王の下顎を突き上げた。
 同時に彼女の意識は彼方へと消え去り、闇の力によって模られた巨大な体は黒い薔薇吹雪と共に砕け散った。
 散り散りになり竜巻を纏った黒バラ女王の断片は、空の向こうの何処かへと飛び去っていった。
「おぉ!? おわわわわ! バイバイキーン!」
 ばいきんまんもその竜巻に巻き込まれていた。

----

 激戦の後、半日を掛けてアンパンマン達は破壊されたパン工場を修復し終えた。
「これで一安心ね」
「アンアン!」
 コック帽の女性と土色の犬が微笑んだ。
 しかし丸顔の初老の男性は強張った表情を崩さなかった。
「だけどまたいつか、黒バラ女王の封印が解けるかもしれない」
 重苦しい雰囲気がその場を支配するかのように思えた。
「大丈夫ですよジャムおじさん。その時はまた僕がみんなを助けますから」
 アンパンマンの力強い一言が彼らの笑顔を取り戻した。
202ギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王 part1:2009/11/20(金) 03:39:19 ID:RxFnsdYq
----

 ここはトリステイン魔法学院。
 今日、この学院では今年二年生に進級する学生達によって使い魔召喚の儀式が行われていた。

「常に我らを導きし偉大なる始祖ブリミルよ、この青銅のギーシュの下部となりし気高きものよ」
 学院の広場では金色の巻き髪にフリルシャツを身に着けた青年が声高々に呪文を唱えていた。
 彼の名はギーシュ・ド・グラモン。
 トリステイン王国伯爵家の息子である彼のプライドは高い。
 術者の力量が表れるといわれるこの儀式は彼にとって重要な意味を持つものであった。
「我が聖なる召喚に応えたまえ」
 彼は詠唱を終えると静かに胸を高鳴らせた。
 この学院創立以来の凄まじい使い魔を召喚してみせる。そう心の中で呟きながら使い魔となるモンスターが姿を現すのを待った。
 そして数秒の後、彼の目の前の一点が真っ暗になると、闇の中から何かが零れ落ち地面に転がった。
「えっ!?」
 自分の呼び出したその物を見てギーシュは困惑した。
 それは水晶、手の内に収まるほどの大きさの墨色の水晶であった。
「こ、これが僕の……使い魔?」
 使い魔は主人に一番お似合いのものが召喚される。これは彼が召喚の儀式の直前に言った言葉だ。
 彼の召喚したそれは黒いバラが中に埋められた水晶玉。
 自らを薔薇と称する彼にはある意味お似合いの代物ではあった。

「ふむ、これは……」
 春の使い魔召喚の儀式の担当教諭であるコルベールが水晶玉を取り上げた。
 まじまじとそれを観察した後、彼は眉を顰めながら口を開いた。
「ミスタ・ギーシュ、残念ですがこれはただのガラス細工のようです」
「え……その、何かの間違いじゃ」
 ギーシュは呆然としながらコルベールに訊ねた。
「間違いありません。ディテクト・マジックに対して、このガラス玉は何の反応も示さないのですから」 
「と、いうことは……マジックアイテムでもない、と」
「当然です」
 つい先ほどまで期待に胸を膨らませていたギーシュの頭の中は突如として真っ白になった。

----
203ギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王 part1:2009/11/20(金) 03:41:26 ID:RxFnsdYq
 広場に集まった全生徒が儀式を終えると、ギーシュは逃げ出すように自分の部屋に戻った。
 あまりの恥ずかしさに堪えられなかった。
 自分以外の学生も同じような失敗をするのではないか。
 僅かにそう期待しながら残りの生徒達が行うサモン・サーヴァントを見物していたギーシュであったが、彼以外の人間は誰一人として召喚の儀式を失敗させなかった。
 彼が今まで無能者と馬鹿にしていた生徒でさえ平民の人間を召喚していた。
 そのことはギーシュのプライドを大きく傷つけた。

 彼は一人ベッドの中にうずくまり、黒く濁ったガラス玉を抱きしめながらすすり泣いた。
 今まで生きてきて、これ程落胆したことはなかったのだ。
「泣かなくてもいいんだよ」
 なまめかしい女性の声がした。
「だ、誰だ!?」
 ギーシュはベッドから飛び起きると部屋中を見渡した。
 しかしそこには女性の姿は見当たらない。
「ここだよ」
 声はギーシュの胸元から聞こえた。
 ギーシュが首をうつむかせると、ちょうど腕の中に抱かれたガラス玉が目に映った。
「まさか、今の声は君が?」
「そうだよ。貴方に話しかけたのは、この私だよ」
 あまりの事にギーシュは面を食らった。
 これはただの置物のはずではないのか。
 ギーシュはこの部屋に戻ってた時、何度もディテクト・マジックをこのガラス玉に掛けていた。
 その結果が彼の絶望感を大きくしていたのだが――

「私はバラの精。貴方のお名前は?」
 バラの精。
 この言葉を耳にした時、ギーシュはあることを思い出した。
(確か先住魔法は探知することができなかったはず)
「ぼ、僕の名はギーシュ。ギーシュ・ド・グラモン」
 咄嗟に答えると、慌てて黒い玉を自分の方に向けなおす。
 そして傍に置いてあった造花の杖を手に取ると、それを胸元に寄せつつ名乗りを上げた。
「そして二つ名は青銅。華麗なる土のメイジ、青銅のギーシュだ」
 この時のギーシュは有頂天になっていた。
 先住魔法を使う薔薇の精霊、まさしく学院創立以来の使い魔といえる。
 一度潰されかけた彼のプライドはたちどころに輝きを取り戻した。
「そうかいギーシュっていうんだね。強そうな名前だねぇ」
 バラの精の囁きはますますギーシュを奮い立たせた。
 今の彼は頼みごとをすれば何でも引き受けてくれるように見えた。
204ギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王 part1:2009/11/20(金) 03:43:02 ID:RxFnsdYq
「ところでギーシュ、貴方にお願いがあるのだけど……」
 バラの精は優しい声でギーシュに語りかけた。
「何だい。我が使い魔よ」
「この玉を割ってくれないかい?」
 予想外の依頼にギーシュは戸惑った。
 彼はこのガラス玉をバラの精の寝床か何かだと思っていたからである。
「い、いいのかい? そんなことをして」
「構わないさ。むしろ割ってほしいくらいだよ」
 バラの精は話を続けた。
「私がね、この狭くって息苦しい玉の中にいるのは、悪い奴らに閉じ込められてしまったからなんだよ。だからね、ギーシュにはこの玉を割ってほしいんだ」
 バラの精の悲しげな語り口に彼が応えぬはずはなかった。
「よし、それじゃあさっそく出してあげよう。それっ!」
 ガラス玉を持った腕を大きく振りかぶると、ギーシュはそれを勢いよく床に叩きつけた。
 しかし、ガラス玉は床に当たる直前に光ったかと思うと無傷のまま彼の足元を転がっていた。
(ど、どういうことだい! いつもならこんな玉すぐ割れるのに!!)

 その後ギーシュは自ら造り出した自慢のゴーレムにガラス玉を攻撃させたり、高所から玉を落として地面に激突させてみたが、結局ガラス玉にはヒビ一つ入らなかった。
 最終的にはバラの精と相談した結果、ガラス玉を割るのは後日ということになり、またバラの精は玉が割れるまで眠りに就いておくということになった。
 
「はぁ……まさか玉から出られないと力を全く発揮できないなんて」
 ギーシュはバラの精から聞いた話を思い出してため息を吐いた。
「それじゃやっぱり置物と一緒じゃないか」
 高位の使い魔をみんなに自慢するという夢を打ち砕かれた彼の目の前は真っ暗になった。

//投下終了です
205名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 06:03:15 ID:ff9BMFPZ
乙。
原作知らないけど割ったらエライ事になりそうだw
206名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 07:59:32 ID:l2UZtpML
乙でした
まさかのアンパンマンw
まだ放送してるのかな
207名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 11:12:57 ID:G7hni7iV
アンパンマンの戦闘を文字で表すとやはりすごいなw
208名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 15:29:01 ID:UFHy7qoc
顔が溶解したりするもんな



209名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 16:39:04 ID:JT5oaYUm
>>199
じゃあげんこつ中心のみさえは正解ってわけか
210名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 17:34:42 ID:MXVWlJvU
黒バラ女王の人、乙!
まさかのアンパンマンキャラでしかもギーシュ召喚モノとはw
出だしからワクワクさせてくれるこの作品、続きを期待せずにはいられない!
211名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 19:30:33 ID:l2UZtpML
>>209
脳細胞が死滅すんじゃね
212名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 19:40:24 ID:ypoXm8++
一回頭を叩くだけで数千個の脳細胞が死ぬらしいね
213名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 19:42:50 ID:5S05bbMa
ヘディングのしすぎで死んだサッカー選手もいる
214名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 20:52:59 ID:MsvFZFfQ
サッカーはヘディングで死んだり、中国と試合しただけで失明したり、すげぇハードスポーツなんだな
215名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 20:59:04 ID:Mj96HMuD
そんな危険な競技、すぐに禁止せねば!
216名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 21:02:33 ID:q89UxAdS
実際、子供とかいたらサッカーとかさせたくないノーネ
あんまり気合入れてゲームすると鼻骨とかも折れるしw
217名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 21:03:33 ID:3tvHJKdj
倒れた所を頭蹴られて神経やられて
いきなり後ろ向きに転びながら全力疾走した挙句死んだ奴の動画を見た事がある
218名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 21:04:57 ID:1Z7kNq4g
超次元サッカーの面々が見ている
エネルギーシールド出したり地面からタワー出現したりペンギンが飛んだり時間を止めたりする健全なサッカーです
219名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 21:10:32 ID:Frk/WGGJ
小ネタ投下します。
220幸せの木の使い魔:2009/11/20(金) 21:12:18 ID:Frk/WGGJ
ゼロのルイズが召還した存在は、単なる平民から亜人とも取れる謎の生命体、果ては怪物や超人に至るまで様々である。
そんな並行世界が多様にあるだけに、多くに語られる物語に含まれずあっさり幕を下ろした物語も少なくない。
そんな中で最近一つの世界が勝ちを取ったわけだが、それまでにその世界特有の性質やらうんたらかんたらで何度かループしているのであった。

それまでの経緯の一端をご紹介しよう。


【出オチ編】

Case1. Run with a stick again

諸々あって、ルイズは何度か目の失敗を重ねとうとう召還に成功する。
煙と共に現れたのは紫色の、子供程の体躯を持ったげっ歯類の亜人であった。
子供でも亜人、しかもとても珍しい種類。ルイズは手を叩いて喜んだ。

しかしその喜びもつかの間。早速契約をかまし、亜人の小さい手のひらにルーンが刻まれる。
亜人は甲高い悲鳴を挙げて起きあがり、狂乱した。……召還された時に持っていたキャンディーの棒と共に。

余りに亜人が慌てたのでルイズが止めようとした所、ルイズは躓いてしまい(ry
さらに慌てていた亜人はしっちゃかめっちゃかに棒をふりまわしていたのでそれが目(ry
起こった惨劇に亜人はますます大慌て、今度は自分がこけて(ry

<省略されました……続きを読むには彼による歯の治療を受けて下さい>

とにかく、こうしてビーバーである彼の物語はトゥーシーという名を名乗る暇すらなく終了した。


Case2. The twin moon

諸々あって、ルイズは桃色のリスの亜人を呼び出すことに成功した。
最初は混乱したものの、子供らしい、ギグルスと名乗る彼女はすぐに学園になじむ。
無邪気で可愛らしい彼女をルイズもすっかり気に入ったらしい。

その夜、ギグルスは夜にトイレに行こうと起きあがった。
ふと窓から夜空を見ると、なんと元の世界には無かった双子の月があるではないか。
これは珍しいとギグルスは興奮して窓を開けて食い入るようにそれを見上げた。
あんまりにもその光景が幻想的だったのでギグルスは更に身を乗り出したわけだが、月にばかり目を取られていた彼は体制を崩し……

……人間や普通の動物ならけがで済んだであろうが……だって豆腐だし。黙祷。


とにかく、こうしてギグルスの物語は一夜すら開けることなく終了した。周囲を巻き込まなかっただけマシか。
221幸せの木の使い魔:2009/11/20(金) 21:13:10 ID:Frk/WGGJ

【ギーシュ編】

Case3. Victory of the coward

諸々あってルイズが呼び出したのは赤い身体のヤマアラシだった。
フレイキーという名を持つ彼女はとても臆病だったが、周りの優しさに触れてハルケギニアの人々に心を開き始める。
恐らく余りに卑屈でルイズが強く出れなかったのもあるだろう。あと背中のハリが怖かったとか。
根底は心優しい彼女は厨房の手伝いをしたりなど献身的に働いたりして、特にシエスタ達メイドには可愛く優しい子だとの大人気だった。のだが……

それはとある日、フレイキーが給仕の手伝いをしていた時のこと。
男の子……言うまでもないが、ギーシュが香水の瓶を落としたのを見てフレイキーは素直にそれを返そうとする。
あとは皆が知っての通りの流れで、特にフレイキーが強く出れないのもあってなし崩し的に決闘になる。
もちろんフレイキーの臆病さをよく知るルイズたちは止めに入ったが一歩及ばず。

そして始まった決闘、フレイキーは涙目で青銅の戦乙女から逃げ回る。
おのれちょこまかと……とギーシュはムキになってフレイキーを追わせるが、あまりに巧みに逃げ回るので上手く行かない。
ギーシュが頭に血を昇らせていると、周りからどよめきの声が。我に返るとフレイキーがこちらに逃げて来るではないか。しかもそれを追う戦乙女も眼前に!
止めも間に合わず、さらに目の前にいたギーシュにフレイキーが気づき(壁だとしか思わなかったが)しゃがんで縮こまったがために(ry

決闘場の空気が静止し、何事かとフレイキーは起きあがり、どうやら助かったのかと辺りを見回そうとすると術者の制御を失った戦乙女が倒れ込んで(ry


まあこんな感じでフレイキーの物語は終了した。やったぜフレイキー、勝ち星一つだ!
222幸せの木の使い魔:2009/11/20(金) 21:14:30 ID:Frk/WGGJ
Case4. Bloody duel

諸々あってルイズが呼び出したのは緑色の、帽子をかぶったクマだった。
優しく誠実な、フリッピーという彼にはルイズも結構好感触だったもよう。

ちなみにこれはルイズ達の知らぬ話で、授業で爆発失敗の時など寝つきの良すぎる彼が外で昼寝をしてたとか、何度か幸運を重ねていたりする。
しかしそれもここまでの話だった。

フリッピーが厨房の手伝いをかって出ていると、喧騒の声が聞こえる。
仲良くなったシエスタらしい子が絡まれているのを見て飛び出し話を聞くと、皆が知るような経緯を知る所となった。
当然フリッピーはギーシュに抗議をした。ギーシュときたら亜人といえど、小柄なフリッピーを侮って決闘をふっかけたわけだが……

彼、フリッピーのことを知っている人ならそれが自殺行為所でないことを分かってくれただろう。
フリッピーは拒絶したが、それでも強制的に決闘場に連れて行かれ、決闘が始まる。

……剣を持つ戦乙女、それが登場した時が惨劇の始まりだった。いや、ひょっとすれば決闘が始まった時から既に……

そんなこんなでフリッピーの物語は終了した。あの後どうなったかって? タバサ辺りがなんとか全滅前に止めてくれたんじゃないでしょうか。


【フーケ編】

Case5. One set of another thief

諸(ry
ルイズが召還したのはリフティ・シフティという双子のアライグマだった。
だかこの二匹と来たら手くせが悪いこと極まりなしで、いつも悪さを働いては主人を困らせていた。
何度かお仕置きをくらって少しは大人しくなったが、それでも二匹は今日も悪さばかり。

ちなみにギーシュのふっかけた決闘は、決闘が始まる前に二匹が仕掛けた罠で始まる前に終了した。
死傷者が出なかったのはある意味奇跡なのかもしれない。

そんなある日、ルイズがキュルケと喧嘩した時に発生した爆発で宝物庫に穴が開く。
(ちなみにこの時リフティが吹っ飛ばされて、危うく木の枝にシュートされる所だった)

「破壊の人形」という宝が眠っているこの宝物庫を狙う一人の盗賊がほくそ笑む。
しかしこの時、さらに二匹が宝物庫であることを聞いてほくそ笑んでいたのは言うまでもない。

来るゴーレム、抗戦したり逃げ惑ったりと大慌てな一行。
この時ルイズはリフティとシフティの姿が見えないことに気づいた。
ややあって、二匹の姿を見つけたタバサが指をさした先には……どさくさにまぎれ宝物庫の宝を盗もうとする二匹の姿が!
発見された二匹は慌てて逃げようとするが、この場にはゴーレムがいるわけであって。
しかも二匹が盗んだのは盗賊フーケが盗もうとしていた「破壊の人形」なわけであった。
おまけにその人形というのが、かつて二匹のいた世界の並行世界で惨劇を招いたものであって。

結果的にどうなったかは推して知るべしである。最終的にゴーレムが崩れ去って終わったと、目撃者は語る。
というわけでリフティ・シフティの物語は終了した。何気にかなりの惨事だった。
223幸せの木の使い魔:2009/11/20(金) 21:15:53 ID:Frk/WGGJ
【アルビオン編】

Case6. The continent which is broken

(ry ルイズが呼び出したのは風変りなモモンガだった。
彼はスプレンディドと名乗り、正義の味方であるという。
どこか抜けていて、自分勝手な面もあったが割とすぐにルイズと仲良くなった彼は正義のために騒ぎを起こしたり起こさなかったり。
それでもギーシュとの決闘や、盗賊フーケの騒動を惨劇に招かなかったのは彼を知る人が見たら目を疑う程の奇跡であろう。
まあ、長くは続かなかったわけだが。

活躍を重ね、ルイズとスプレンディドはアルビオンに辿り着く。
しかしその先で婚約者であるワルドが裏切りを見せた! ウェールズを殺害しルイズをも手にかけようとするワルド。
しかしルイズの悲鳴があがった時、正義のヒーローは素早くかけつけた!

……ここでの問題は、ワルドが中途半端に実力者であったことだった。
スプレンディドはルイズにヒーローらしい所を見せようとまともにやり合おうとし、ちょっとした苦戦をしてしまう。
むきになったスプレンディドは今まで封印していた目からビームを解禁し、一気に決着をつけようとしたのだが!


――この日、アルビオン大陸は真っ二つに割れたという。

こうしてスプレンディドの物語は終了した。彼のことだからまだ生きている可能性は高いが、不名誉すぎる指名手配を受けた可能性もある。宇宙に逃げたかもしれない。


――

とまあ、こんな感じで……他にもとぼけたヘラジカが大惨事を招いたり、潔癖症すぎるスカンクがルイズと衝突してこれまた惨劇になったり、
気の好いパントマイマーのシカが少し調子に乗って惨劇になってしまったり、お菓子狂いのリスが舞踏会で大惨事を起こしたり、
とにかく惨劇だらけだった。

そんな話を何回が繰り返し、最終的に黄色いウサギを呼び出してこの惨劇ループは一応終了する。
彼だって元の世界では色々あったのに、何事も無かったのは何故だろうか。
どこかでは収拾がつかないからだとか、世界違いの主人公補正とか噂されているようだった。
彼としては長年生き残れているだけでも奇跡中の奇跡なのだが、まあ良しとしておこう。
めでたし、めでたし……?


ルイズがトゥーシー、ギグルス、フレイキー、フリッピー、シフティリフティ、スプレンディド、
他多数を召還したようです
224幸せの木の使い魔:2009/11/20(金) 21:17:07 ID:Frk/WGGJ
投下終了。いつか真面目に書こうかなと思ってたけど難しそうだなあ。主に誰を呼ぶかが。
225名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 21:19:20 ID:h7MUWHAj
愚かでいいのだろう 見渡す夢の痕
226名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 21:45:40 ID:q89UxAdS
>>224
いっそのこと全員呼んじゃうとか……
と言おうと思ったけど、それだと書くの大変になる。
というか、だから難しいんですよね
227名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 21:56:36 ID:PLJQj2nj
幸せの木って何だろう?とか一瞬思ったが英訳してすぐに納得w
腹抱えて笑わせていただきました。GJです。
228名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 22:03:15 ID:YgfdNY9o
>>217
あー、なんか試合中さんざ踊り狂ったあと死んじゃった人とかいたね。あれは怖い
229名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/20(金) 23:24:29 ID:0tZb5jdz
……あぁ、ハピツリかよ!

こうやって文章に起こされると生々しいなぁ
230名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 02:47:45 ID:u58BgzOD
何が面白いのか全くわからん

それどころか(ryで端折りすぎて内容すら理解できん
楽屋オチ?
231名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 03:30:11 ID:rY7D97Uj
クロス元を知ってればこそのネタだからな
むしろ略さなかったら……
232名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 03:34:03 ID:dqE5XEUi
(ryはそんなに使われてなくないかというツッコミは野暮だろうか
233名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 08:10:02 ID:A2jp+7Sk
>>230
ハピツリはハッピーツリーフレンズ(HTF)のこと。
子供受けの良さそうなパステル調の可愛い動物キャラクターたちが
いろいろあって内蔵をぶちまけるアニメーション。
まぁ、餓死とか溺死とか焼死とかもあったかな。とにかく死ぬ。
234名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 09:25:34 ID:8qCYLNtB
>165をみて『旋風のカガリ』の主人公ならガンダールヴ化したら無双するだろうなぁと思った。


>幸せの木の人
あちこち略されても、元ネタ判ってないと判らない…。「言わなくても判るだろう?」な感じなのが残念だ。
235名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 09:54:12 ID:rRAWBKgA
元ネタ知らないと楽しめないっていうのは、どの作品でもある事だし
気になった人は、
>ルイズがトゥーシー、ギグルス、フレイキー、フリッピー、シフティリフティ、スプレンディド、
>他多数を召還したようです

に出てる名前をググればすぐにwikiが出てくる。
更につべで日本語で検索掛けても見られるから、見ないで面白くない、判らないなんて言うのはどうなんだろ。
シュール系グロアニメだから面白いかどうかは、個人差があるので別だけど。

そいや一人だけ死んだ事の無いキャラが居るんだっけ?
236名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 10:02:27 ID:+5yMfEqq
したり顔で解説はじめちゃうようなヤツがでてくるようなネタうぜぇよ
最後に「ハッピーツリーフレンズ」から召喚て一行入れりゃすむだけの手間を惜しんだのが原因だろ。

マイナーネタを知ってるヤツだけで盛り上がりたい気持ちは理解するけど、リスクもきちんと背負えよな。
237名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 10:03:03 ID:dajIP68n
まぁ普通にカスだな
238名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 10:06:01 ID:HXsGz9NX
>>234
「いいか、よく耳の穴かっぽじって拝聴しやがれ」

名台詞だよな
239名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 10:13:51 ID:d+GaACcZ
>>238
ああ、あの貴族言葉と奴隷言葉の混じっためちゃめちゃな言語かw
240名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 10:32:56 ID:VYbVkuD/
元ネタ隠さないと面白みがなくなる作品ってなんか若手の一発ネタ芸人みたいだな
241名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 11:43:16 ID:3O3WSgze
まぁいちいち煽っている奴が一番空気悪くしてるんですけどね
242名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 11:50:01 ID:wUBkjiYz
基本的にこの手のは自分の分からないネタで盛り上がるんじゃねえっていう嫉みだからな
243名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 11:57:43 ID:E31K4342
スパロボDからルイズがジョシュア、ジョゼフがクリフ、ヴィットーリオがリムを召喚し
ワイバーンや氷の精霊と協力して聖地に出現しようとしている破滅の王と戦う話
244名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 12:42:30 ID:FmuDtHVP
>>243
個人的には、ジョシュアとリムの配役は逆にしてほしい。
リムの唇が変態教皇に奪われるのはなんか嫌……というもあるけど、
ルイズの方に二重人格(?)が行った方が面白そうではあると思う。
245名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 12:57:01 ID:PjvBttDL
>>242
嫌いならともかく分からないなら調べろよって思っちゃうよねー
246名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 13:32:21 ID:9hUo8HAh
>>243
ウンブラとかコンターギオ召喚するのも面白いんじゃね
あいつら寿命1年だからオチもつけやすそうだし
247名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 14:16:35 ID:dqE5XEUi
>>235
いや、死んだことのない奴はいないはず。
クロマーモットのことかもしれんが、確かスピンオフ作品で凍る前の話があってそれで死んでた。
248名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 14:24:34 ID:yNCV9FUU
エルナ・サーガから主人公夫婦を二人召還したら面白い事になるかも。
エルナとルイズの組み合わせは面白いと思う。
249名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 14:24:42 ID:9PfQCavM
その作品、前に友達に見せてもらったの思い出したが、あまりのグロさに吐きそうになった
元ネタ的にもこりゃ避難所向きじゃないか?
250名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 14:35:14 ID:rRAWBKgA
>>247
ありゃ……なんてこったい。
251名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 14:47:36 ID:9hUo8HAh
>>249
避難所とかだけで発表される作品ってあるの?
252名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 15:11:16 ID:KhV5E9kZ
>>251
けっこうある
253名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 15:13:07 ID:DGEZ+UKG
まあ直接的描写がないなら本スレでもいいんじゃね?
254名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 15:35:46 ID:uKLXnQLC
>>249
いや、あれは元ネタの雰囲気そのままに表現したら最悪避難所でも
アウト食らう恐れがあると思うよ。
避難所は未成年フィルタを設定してないからね。
255名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 15:37:22 ID:MKz84wcd
エルナ・サーガがグロいのかと思った
256名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 15:45:40 ID:yNCV9FUU
>>255
あながち間違いでもないですよ。
ABC兵器を使う戦争もしていますし、魔法使い同士の戦いは相手の首を落とすことで決着が付きます。
257名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 15:54:26 ID:hHz7ycH4
そういえば封神演技は仙人倒すときって宝貝で頭蓋骨をゴシュって叩き割る展開ばっかだったような
258名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 16:10:41 ID:pO/QoMYf
プリンスは呪い殺されたような。
259ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2009/11/21(土) 17:00:50 ID:N7pxeVhd
急に気温が下がって、体調微妙に崩して1週ほど間が開きました。
皆さまはお元気であることを願いつつ、投下と参りたく存じます。
17:15頃より失礼いたします。
どうぞ、暖を取りつつお待ちくださいませ。
260ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2009/11/21(土) 17:15:02 ID:N7pxeVhd
投下開始でございます
----

その光景は、正直に言って夢みたいなものだったんだ。
……綺麗な夢じゃなくて、とびっきりの悪夢みたいな……
「そ、空がっ!?」
真っ黒だった空全体が、グネグネと動く光の流れで覆われている。
まるで、生きているみたいに、それが瞬いたり蠢いたりしている。
その光が、ときどきボク達を見ているような、手を伸ばしてくるような……
そんな寒気がして、窓から体を慌てて離した。

「何これ……」
「ビビ君――『霧』を覚えているかい?」
クジャが、聞く。
覚えているか?
……忘れられるわけがない。

「……魂の残り滓でしょ?」
ガイアに混乱をもたらした、『霧』。
モンスターを凶暴化させた、『霧』。
ボクの体を作っている……『霧』。
忘れられるわけがないんだ。

「そう。そしてこれは、『霧』を生み出す一歩手前、まだ煮込まれてジャムになる前の果実……
 魂、そのものの輝き――いや、断末魔かな?」
「魂……って……」
嫌な予感。デルフじゃないけど、嫌な予感がしたんだ。
……魂っていうことは、誰かが……
「ふふ――我らが興行主様は、意地でもこの屍の舞台を成功させるつもりらしい!
 魂という対価を観客の皆さまから頂戴してまでもね!」

空一面に広がる、まがまがしいばかり光を放ち続ける、魂の群れ。
それだけの人が、死んだ?
そんなこと、そう簡単に信じられない。信じたくなかったんだ。



ゼロの黒魔道士
〜第六十三幕〜 虹、まだ間に合う



ボク達は今、艦橋ってところに向かっている。
この船を操作している場所で、ウェールズ王子がいるところだ。
「――お、おい、しっかりしろ!おい!」
「寒イ、寒イ……凍え死ニソウダ……」
ぐっちゃぐちゃになった艦のあちらこちらに、倒れている船乗りさんがいた。
怪我をしている人はどうなっているか分かりやすかったけど……
寒さを訴えている人は、どうなってしまったのかよく分からなかった。
261ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2009/11/21(土) 17:15:59 ID:N7pxeVhd
「な、何がおこったんですか――?」
ギーシュが、おずおずと聞く。
空が、急いでいるみたいにグネグネと歪み続けていた。
「人はね、ここまで美しい物を見ると魅入られてしまうのさ。
 ――空を覆うばかりの『虹』。美しいだろう?」
美しい?これが?
……ボクにとっては、ただただ不気味だった。
色とりどりに光り輝いていて、見た目だけなら綺麗、になるのかもしれない……
でも、これは……なんて言うか、不安になる。
見ていると、空に落ちて行きそうになるって言うか、
波に飲まれるような……

「うわっ!?」

飲み込まれる。そう感じたときには遅かった。
『虹』が津波のように押し寄せてきて、一瞬にしてまとわりつかれる感覚。
『ドレイン』?『アスピル』?いや、そんなものなんかじゃない。
体ごと、バラバラにされて奪い取られてしまう感覚が、体を襲った。
目が、耳が、頭の中が、感覚の全てが、『虹』に溶けてしまいそうになる。

「おっと、危ない危ない……」
……白状してしまうと、クジャが肩をゆさぶってくれなかったら、
危うく『連れていかれて』しまいそうだった。
あの『虹』は、激しい流れの河のように、誰かれ構わず引きずって行ってしまう。
そんな怖さがあった。

「――っな、何ですか、これ!?」
「耳鳴りが――あ、頭が割れそう――」
「っふぁ――あ、あぶねー!?おれっちまだいる?ここにいる?」
ギーシュとルイズおねえちゃんも、デルフまで同じことになっていたみたいだ。

「子守歌としては恨みがましく、鎮魂歌としては慰めがなく――
 あぁ、不協和音もここまで来ればむしろ心地良いね」
クジャが皮肉っぽい調子でそう言った。
不協和音……あぁ、それがしっくりくるかもしれない。
色んな楽器の、一番悲しい音を組み合わせたような、不協和音。
それが『虹』から聞こえてくる気が……いや、実際に聞こえたんだ。

「真面目に耳を傾けてはダメだよ。彼らの歌は魂ごと攫って行く。
 ここまで群れた死者の魂は、どんな兵器よりも恐ろしい……」
死者の魂……そうだ、あれは死んだ人達なんだって、改めて思ったんだ。

                  『お願いしますお願い』
  『助けて』              
     『痛い苦しい熱い熱い熱い』
                    『俺が、俺がいなくなる』 
        『死ぬのは嫌ぁああ』        
 『何で何で何で』     
             『何も見えない何も聞こえない』
       『この子だけは』 
『やめてくれぇえええ』
                『おかあさーん……どこー……』

……そんな悲しい声と色が、激しい流れとなって船の後ろの方から前の方へと、
ずっと続く嵐のように、どんどんどんどん通り過ぎていく。
262ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2009/11/21(土) 17:17:00 ID:N7pxeVhd
「舞台の上の生者が恨めしくて仕方ないのさ。
 隙あらば、役を代わってやろうと手を伸ばしてくる。
 その執念こそが、魔力の素となり、力となる」

『生きたい』。
そう願わない人って、いないと思うんだ。
それって、すっごい力になるっていうことは知っている。
……でも……
「……人を殺して、魔力の素にしたっていうの!?」
その、力のため?
より多くの力をつけるために、これだけ多くの人達が死んだっていうこと?
「単純明快だろう?――さて、ビビ君のご感想は?」
問いかける、クジャ。
……感想?そんなもの、決まっている。
「……許せない!」
力のためなんかに、誰かを苦しめるなんて、絶対に許せない。

ボクの答えに、クジャは満足したように頷いて、階段をのぼりはじめた。
「――さて、ではまず舞台に上がろうか!敵の用意した忌々しい舞台へ……」
 ・
 ・
 ・
艦橋は色々な計器や機械、それをチェックしたり操作する人達でいっぱいだった。
その人達の真ん中でウェールズ王子が、指示を送ったり報告を受けたりと忙しそうにしていた。
「――どうだい?」
クジャが、合間を縫ってウェールズ王子に聞く。
ウェールズ王子は渋い顔をしていた。
状況はあまり良くないみたいだ。

「――衝撃で軽傷16名、寒気を訴えているのが21名ですね」
溜息をつきながら、ウェールズ王子が答える。
自分の部下さんが傷ついたことに少なからずショックを受けているみたいだ。
それにしても、結構な人が乗っているっていうのに改めて気がつく。
そこまで大きな飛空挺でもないけど、
きっと計器や機械がいっぱいあるせいなんじゃないかなぁ?
「飛行に支障は?」
「――針が振りきってます。エネルギーの障壁を作られたものと思われます……」
計器の1つを見ている船乗りさんが答える。
エネルギーの障壁……
この間の、エルフの風の障壁を思い出す。
あれはすっごく厄介だった。

「やれやれ、入口は関係者以外お断り。流石にガードが堅いねぇ。
 大した役者もいないのに、飛び入りは許されないと来た」
「――クジャさん」
ウェールズ王子が、大げさにがっかりしたフリをしているクジャに、一呼吸を置いてから声をかけた。
「どうしたい?臆したかな、この大舞台に?」
クジャが、顔を挙げてニヤリと笑いかける。
ウェールズ王子は、それに対して思い切りの良い笑顔を浮かべたんだ。
……怖さとかを、ふっ切ろうとする、強い笑顔を。
「まさか!――まだ、このような場に立てることを感謝したかっただけですよ!」

「ふふ――大した役者魂だね。演技力がそれに劣らないか心配になるね」
クジャが満足したように頷く。
……なんか、何もかもクジャの思い通りに動いているみたいで、ボクはちょっとだけ不安になるんだ。
……クジャがもしボク達を騙して……うぅん、もうあんまりそういうの、考えたく無いなぁ……
263ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2009/11/21(土) 17:18:00 ID:N7pxeVhd
「まぁ、見ていてください!――総員に告ぐ!」
そんなボクのぐるぐるしてきた頭の中を吹き飛ばすような、
威勢の良い声がウェールズ王子から飛び出したんだ。

「こちらは、ウェールズだ」
ウェールズ王子は、みんなに語りかけるように、伝声管に向かってしゃべりかけている。

「皆、怪我の具合はどうだ?疲れて立っているのも辛いかもしれないな」
一人一人に聞こえるように、しっかりした、それでも優しい声だった。

「でも聞いてくれ。もう一度生きるチャンスをくれた皆の為に、力を貸してくれ」
普通、船の一番偉い人なんだから、こういう場合にするのは『命令』なんだろうけど……
どう聞いても、これは『お願い』だったんだ。

「僕達はこれから最後の戦いに向かう。敵の攻撃がハルケギニアを襲う前に、こっちから敵陣に乗り込む」
ピンっとした緊張感が伝わってくる。
船に乗っている人皆が、同じ気持ちなんじゃないかなぁと思うんだ。

「そのために、このブラックジャック号をまっすぐ敵陣に向かわせる」
船の外の『虹』も、目の前にあるだろう魔力の壁も、全てを迎え撃つというような、力強い言い方。
ゴクリ、という誰かが唾を飲み込む音が聞こえた気がした。

「大きい衝撃に耐えられる準備をしといてくれ。周囲に怪我人がいる場合はよろしく頼む」
大きい衝撃。
この船は、鉄や木が入り混じっていて、頑丈にできているみたいだけど、
それでも無事じゃいられないかもしれない。
その覚悟が必要なんだと思って、帽子をかぶりなおして気合いを入れた。

「まだ力の残っている乗員は各々の役割を果たしてくれ。力の無い者もすまないがなるべくサポートをして欲しい」
ここまで言ったところで、ウェールズ王子は深呼吸をした。
ボクの位置からは、ウェールズ王子の背中しか見えないけれど、
その背中が、一際ピンっと伸びたような、そんな感じがした。

「軍とは、民草を守るために存在する。王軍とはその最たる物だ」
誰かを、傷つけるための力じゃなくて、誰かを、守るための力。
それを、はっきりと感じる、静かだけど、強い言葉。

「だから、これはアルビオン王軍の本当の戦いなんだ」
他の何でもない、ハルケギニアの皆を守るため。

「キツくて嫌になるような戦いだ……でも、後悔はしたくない。皆にも悔いを残して欲しくはない!」
後悔。もし守れなかったら……?
……いや、守れなかったらなんて、考えちゃダメだと思う。
守るんだ。悔いが残らないように。



「だから、みんなの残っている力、全部、僕に貸してくれ!」
ウェールズ王子の、ボクの、そしてみんなの、握り拳に力がこもる。

「これより、我ら修羅に入る!」
歓声にもよく似た雄叫びが、ブラックジャック号を包んだ。
『虹』をも吹き飛ばすように、強く、強く……

 ・
 ・
 ・
264ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2009/11/21(土) 17:19:00 ID:N7pxeVhd
「流石の名調子!やはり、君は僕が見込んだ役者だ――」
クジャが丁寧な拍手を送る。
ボクまで、何だか体が熱くなってきた気がして、夢中で拍手を送ったんだ。
横を見れば、ルイズおねえちゃんも、ギーシュも拍手を送っている。
なんかこう……うまく言えないや。
胸に熱がグッと来た?うん、それが一番近そうだ。
どんな困難が待ち受けてようとも、立ち向かって行けそうな……
そんな熱が、お腹の底から湧きあがってくるような、そんな感じ。
よし、やるぞっ!って思える、そんな……

「それはどうも――さて、船員以外の方々は、揺れるんでその辺に捕まっていてください」
え?揺れる?

「え、ちょ、その辺って言われても――」
ルイズおねえちゃんが慌てるのも無理は無いと思う。
突然、「その辺に捕まって」って言われても……
「無駄口叩いてると舌噛みますよー!特に新兵はね!ほら、そこの柱にでも捕まっててください!」
「え、わわわ……」
船員さんの1人に促されるようにして、大きな柱のところまで下がらされた。
それにしても、揺れるって……どういうこと?

「帆を畳め!動力解放っ!」
ウェールズ王子の声が、さっきの演説とはまた違った張り方で、聞こえてくる。
ボクが今いる場所からだと、直接聞こえる声より伝声管からの声の方が大きい。
「『蒸気エンジン解放、80%、81、82……』」
足元の方から、ブゥウウンって、大きな振動が伝わってくる……
揺れるって、これのこと……?
「速力最大、進路変更無し!」
「速力最大、了解っ!」
ウェールズ王子の合図でブゥウンっていう振動の音が、少しずつ高い音に変わっていって……
変わって……
「け……きゃぁあああああああああああああああああ!?」
「あ、あわわわわわっ!?」
「ぬぉぉおおお!?」
後ろに引っ張られるかと思うような、衝撃。
それが急激な加速だっていうのに気付くのは、もうちょっと後の話だったんだ……

 ・
 ・
 ・

大波の中の、木の葉のように、飛空挺が揺れる。
頑丈な作りに見える船なのに、すっごく心もとない。
……せめて、立っていられるような揺れならなんとも無いんだけど……

「艦長っ!『虹』がエネルギー中心部に吸い込まれるように……巻き込まれます!」
船員さん達も不安みたいで、慌てるような声が計器の方から聞こえてくる。

「構わん!翼を波に合わせろ!波に乗ってしまえ!
 諸君はアルビオンの船乗りだろう?合わせられぬ気流があるのか?」
それに対して、ウェールズ王子の声は力強いまんまだ。
流石は、艦長さん。かっこいいなぁって……
……素直にそうとだけ思える余裕がボクにあったらなぁ……
この揺れ、結構きつい……
265ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2009/11/21(土) 17:20:00 ID:N7pxeVhd
「り、了解っ――両翼稼働っ!」
「『両翼稼働了解』」
「『左翼が悲鳴を上げてる!燃えちまうよぉお!?』」
「なんとか持たせろ!」
伝声管からの声も、あっさりと撥ね退けるウェールズ王子。
や、やっぱり慣れなのかなぁ……?
ボクは……この揺れに、慣れることができそうにない……
あぁ、気持ち悪い……

「っ!?ま、前からエネルギー反応!?これは……砲弾!?」
遠のきそうな意識に、切羽詰まった声が飛び込んでくる。
砲弾?どこから?……そんなこと考える余裕、あんまり無かった……
だって……
「総員、耐衝撃!」
っていう、声がしたと思ったら……
「え、え、えぇえええ!?」
窓の外におっきな光の弾が見えて、慌てる暇すら全然無くて……
「ぐあっ!?」
「ぅあぁああ!?」
「きゃっ!?」
柱から手がほどけて、体が宙に飛んでいたんだ……

 ・
 ・
 ・

「――っ状況報告!」
ルイズおねえちゃんの下敷きになっていると、ウェールズ王子の声が聞こえた。
あぁ、なんとか無事なんだと、打ちつけた腰をさすりながら立ち上がる。
……ルイズおねえちゃん、ちょっと重くなった?

「『右翼異常なし!』」
「『左翼軽微破損っ!な、なんとか飛べるというところです!』」
「『動力部オーバーフローっ!これ以上速度上げるのは危険だ!』」
「『甲板、左側欠損!畜生、三人やられた!』」
……あまり、無事ってわけでも無いみたいだ。
足元の揺れ方が、明らかに変わっている。
弱々しく、傷ついているようなそんな振動。
……まさか、落ちる?
嫌な予感って、本当にしてほしくないときにするんだなぁ……

「さ、さらにエネルギー反応!三、四……連続で来ます!」
衝撃がまだ来るの?船がボロボロなのに?
みんなを守りきれない?どうすれば良い?
慌てる船員さんの言葉に、艦橋のみんなが色めき立つ。

「――蒸気エンジン最大!風石ブースト準備!一気に超える!」
ウェールズ王子は、違った。
迷いの無い一言には、歪みも何も無かった。
266ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2009/11/21(土) 17:20:59 ID:N7pxeVhd
「無茶です!?弾に向かっていく気ですか!?」
そう慌てる船乗りさんを尻目に、ウェールズ王子は舵を握っている船員さんに向き直る。
まだ若い、ルイズおねえちゃんとそう変わらないぐらいの船乗りさんだ。
「――操舵手っ!」
「はっ!」
「代われ!」
「は、はいっ!?」
……なんか、半分以上『無理矢理』、残りを『ノリノリ』って感じで、舵を取る場所を奪ったって感じだ……
……王子さま、操縦得意なのかなぁ……?
舵を久しぶりに握るのか、その感触を一通りペタペタと試して……
おもむろに、クジャの方に向き直ったんだ。
「クジャさん――」
「無茶を言う気かい?」
そういえば、クジャもこれっぽっちも慌てていない。
……予想してた、ってことかなぁ?
……なんか、ちょっとだけ腹が立った。

「――お願いします」
「しょうがない……ビビ君、行くよ!」
頭を下げてお願いするウェールズ王子と目だけで会話をして、
クジャはボクの手を引っ張った。
「え、えぇええ!?」

「エネルギー反応、来ます!」
後ろから、声がする。
「風石ブースト!」
「『ブースト了解っ!!』」
その合図と共に、弱々しかった船の振動に急に活力が戻る。
ドンッという大きな振動と共に、飛空挺が加速するのが分かる。
「うわぁっ!?」
……当然、その振動にボクは立ってられなかったんだ。
「ビビ君、こっちだ!」
だから、クジャに引っ張られるまま、艦橋を後にするしか無かった……

 ・
 ・
 ・

甲板は風と『虹』が渦巻いていた。
欠けた船の傷が、痛々しい爪痕になっている。

                     『死にたくねぇええ』
『やめてぇええ』
         『殺さないで』 
             『こわいよー……寒いよー……』
  『痛い痛い痛い』

体の外からも、中からも凍えてしまいそうだ。
風の音と重なってさらに寒々しい声に、連れて行かれそうになる。
その音に耳を塞ぎながら飛空挺の前方、向かう先に目を向けた。

繭。芋虫が蛹になって、蝶や蛾になる前に自分の身を守るための、糸の鎧。
『これ』を見た瞬間、繭を思い出したんだ。
とにかく、『これ』は巨大だった。
数えきれないほどの禍々しい『虹』の群れを吸い取るように巻きつけながら、『これ』はそびえていた。
ときどき、巻きついた『虹』が脈打つようにゆらめいて、今にも丸ごとぐねりと動きそうだ。
267ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2009/11/21(土) 17:22:16 ID:N7pxeVhd
「な、な、何これっ!?」
「エネルギーの壁ってヤツさ……これを抜ける!
 この先に、君が許せないと言ったヤツがいるのさ!」
「これ全部……魂っ!?」
そう考えると……余計に、ぞわってした。
こんなに大きな魂の塊……
それだけ多くの人が死んで、それだけ多くの人が苦しんで……
寒気を超えて、怒りが勝ってくる。
許せない、そんな言葉だけじゃ足りそうに無い。
荒れ狂う風と『虹』の中、ズレた帽子をギュッと、ギュッとかぶりなおした。
大きく旋回するように飛ぶ飛空挺。その揺れも気にならなくなっていた。

「さて、来るぞっ!」
クジャが、身構えた。
「え!?う、うわわわわ!?」
その光の弾は真横まで来ていた。全部で4つ。
まるで、意志を持つかのように、絡み合いながらまっすぐこの船に飛んでくる。
フーケのゴーレムよりも大きな、『虹』の塊……
これが、さっきの衝撃の原因?
これが……あの繭から飛んできたの!?

「――そぉれ!」
「ち、地の底に眠る星の火よ、古の眠り覚し
        裁きの手をかざせ! ファイガ!」

1つはボクのファイガで、
1つはクジャが指を鳴らして出して光球で(『ホーリー』……かな?)
そして、あともう2つは……

「王子さまもやるねぇ、船がワルツを踊っているようだよ」
ほんのわずかに、船全体が身をよじらせた。
それだけの動きで
かすりもしないように繭からの光弾を避けてしまう。
……王子さま、すっごい。

しかも、避けた上に、繭がもうすぐ目の前に……

「『障壁を抜けますっ!』」
「『総員退避っ!!一番大きい衝撃が来るぞっ!』」
伝声管から聞こえてくる、おっきな声。
「ビビ君っ!」
「わぁああああっ!?」
船全体が軋んで歪む。
飛ばされないように、クジャの手を握った。

ボク達は、繭の中に入っていく。
まだ間に合う、とそう信じて。
268ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2009/11/21(土) 17:23:14 ID:N7pxeVhd
----

ピコン
ATE 〜惨事、もう手遅れ〜


「な、何、これ……」

艦橋のエレオノールの口から洩れたのは、研究者らしからぬ感情的な呻き声であった。

「燃えて……いる……何もかもっ!?」

だが、それを咎めるような者は誰もいない。
この惨事を瞳に捕えた上で、何も思わないような人間などいやしないのだ。

「あ、アクイレイアの方角ですっ!い、いや……ロマリアが、全部っ!?」

突如空を覆った『幸運の帯虹』と酷似した彩の渦。
その源流を辿って、火竜山脈調査団の船群は山脈の南側、ロマリア側へと針路を取った。

国境付近の虎街道付近に差し掛かった時、見えた色は血にも良く似た朱の色。
地より舞いあがって、天をも焦がさんばかりの炎の色。
『虹』は、そこから立ち上っていた。
いや、より研究者らしく言葉を選ぶならば、「『虹』はそこから『も』立ち上っていた」だろうか。

まるで、地図上で人が住む場所を赤く塗りつぶしていくかのように、
地平線のあちらこちらの街という街、村という村が赤く印づけられ、
そこから幾重にも重なる極彩色の渦が湧き立っている。

(悪い物だ。あの虹は忌まわしき物だ)
エレオノールはそう直感する。
研究者にとって大切なのは分析力や論理力だけでは無い。
閃きとも呼べる本能で、エレオノールは『虹』の正体を感じとっていた。

「――団長さん、悪いですが、寄り道の許可を願ってよろしいか?」
ここで始めて、艦長が口を開いた。
重々しいのに、哀願するように震えた声だった。
「っ、どういうことですか、艦長?」
エレオノールが問う。
操艦については艦長がとりしきっているが、この調査団のリーダーは彼女だ。
その団長として彼女は問うた。

「元、軍人として……黙って燃えている街を見ていられるほど、気が長くないんです」
歯軋りと共に、微かに語尾に残るアルビオン訛り。
エレオノールの耳はその言葉をしかと聞き取っていた。
そして感じとる。
ボーウッドと言ったか、艦長の、この男の悔しさを。
祖国が内乱の火の海にありながら、何もできなかったという後悔の念を。
269ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2009/11/21(土) 17:37:33 ID:juDUjeFc
「……今回の調査範囲は『火竜山脈』……ならば、アクイレイアもその麓の街として充分範囲内です」
「では――っ」
「後で越境行為の謝罪文は手伝ってもらいますよ。何枚書くか分からないですけど」
エレオノールはこの後待ち受ける煩雑な事務処理を考えたのか、暗欝とした声で言った。
それでも、彼女は『調査』の許可を出した。
研究団のリーダーとして。否、人間として。

「――これより本艦は南方へ進路を取る!他の艦も追従せよと通達っ!」
「はっ!」
船の針路は、山脈を越えて南方へ、水の都として知られる国境近くの街アクイレイアに向かう。

エレオノールの顔は沈んだままであった。
彼女の、研究者としての――いや、女性特有と言った方が良いか、直感が告げていた。
(もう――手遅れ?)
今度ばかりは、その予想が外れていることを祈らねばならなかった。

----
本日は以上です。
そう言えば、いまさらですが、ゴースト様が完結されたそうで、
お疲れさまでした。
私もそろそろ終わらせないとなぁと思いつつ、長々続けております。
もう投下初めて1年ですか、進歩の無い駄文で申し訳ありません。
どうかもう少しお付き合いください。
では、お目汚し、失礼いたしました。
あと、さるさん食らってました。ご迷惑をおかけしました。
270名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 18:39:26 ID:V1m1z260
黒魔の人乙!

渦中のど真ん中でもノリノリなクジャにちょっと笑ったのはここだけに。
続きも楽しみにまってます。
271名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 19:26:54 ID:9hUo8HAh
乙です
一幕から読み始めました
272名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 20:35:41 ID:BKo1HnOb
リヴァイアスから相葉昴治呼ぼうぜ
273名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 20:38:28 ID:P8g3shPf
>>272
どうしろってんだよ!どうすりゃいいんだよ!ワケわかんないよホント!
274名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 20:38:30 ID:MKz84wcd
サイトも別に運動神経良い訳でもないので
運痴の昴治呼び出してもあんまり変わり映えしないかな
美人に弱いところも共通してるしw
275名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 20:42:57 ID:9PfQCavM
別サイトでネーヤなら喚ばれてるけどな
276名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 20:53:42 ID:JAHf2Dog
逆にある意味美人に強い、神のみぞ知るセカイの桂木桂馬はどうだろうか

ギャルゲー出来なくなったショックで再起不能
立ち直っても攻略対象がリアルでしかも実質一人だけに激怒
その一人の攻略も簡単すぎるとのたまってやる気無し
にならず、やる気出せば根性あるし頭いいからサイト以上の活躍もあるか?
277名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 21:03:33 ID:YJ/7BJRc
駆け魂狩れなくて早々に首ちょんぱだな。
278名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 21:04:13 ID:Rk86Z7ie
桂馬のせいでトリスタニアは滅びた。
279名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 21:18:51 ID:hUUBMwhC
オーガスの桂木桂かと思った。
280名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 21:44:56 ID:kzCxUQaW
ファフナーの総士を呼べば
学院の宝物庫からゴウバインヘルメットを発見して苦い過去が蘇る
281名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 21:58:28 ID:YoCKrWlg
ファフナーか……すると、対応して現れる敵はフェストゥム?
だとしたら、本気でハルケギニア最後の日になるな。
282名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 22:11:39 ID:Cs3HktdL
黒魔の人乙!
しかしウェールズ、それはスコール委員長の台詞だッ!!
283mokku:2009/11/21(土) 22:46:52 ID:dDCO4YDS
Seedの人・・・
早く帰ってこないかなぁ?
284名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 22:48:38 ID:VYbVkuD/
アニエスが主役級なのは劇レアだからなぁ。俺も続き読みたい
285名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 23:18:18 ID:P01F97EI
SEEDはもういいよあんなの。
286名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/21(土) 23:24:39 ID:Yr7Joct3
SEEDもだけど
聖樹とウボアーも今でも待ってるんだぜ
特に決闘イベント半ばで止まってるウボアーが気になって気になって・・・
287mokku:2009/11/22(日) 00:28:40 ID:bL5Tu9hw
まあ、気長に待つとしましょう。
しかし、スコールは心配ですね。
ルイズの事だから、絶対に話は聞かないだろうし、アルテマ使いとなれば、タダでは済まないはず・・・
案外、使い魔にされてしまうかも・・・
288名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 00:32:51 ID:Z2thfcmN
>>283
>>287
なぜsageない?
289名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 00:37:28 ID:4dTLKwUd
まあG.Fフル装備ガチ守備なら、勝てなくても負けはしないだろ…多分
オートヘイスト+オートエクスポーション+ぼうぎょとかマジ鉄壁
290名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 00:46:49 ID:yfu/LPqb
STの穴突く以外だとリヒトゾイレでも使わないと死なないんじゃないかソレ

まだ使われてないけどセイレーンってメイジには最悪の敵だよな
291名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 01:28:46 ID:Ueel2KXK
>>281
別に敵までクロス元から連れてくる必要は無いよん
それやっちゃうとクロス元作品inハルケギニアになりやすそうだしねん
292名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 01:33:26 ID:Xut2Wlqi
まあハルケギニアの戦力でどうやって召喚キャラに対抗しようか考えるよりも、
そっちの方が手っ取り早いからねぇ。
293名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 01:36:07 ID:/yro5P0+
そういえばクロス元のキャラのせいで敵も付いてきちゃうって話はないのか?
大抵別次元だとか別世界だとかからは敵と味方が現れるもんだが
294名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 02:44:59 ID:bunPRH5A
百鬼丸が妖魔ごと召喚されたね。
続きまってるよ!
295名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 05:03:09 ID:KUtzybF4
敵キャラと召喚…
戦闘中に召喚されたらヤバイよな。
例えばガンダムSEEDのイージス自爆シーンからルイズがストライクガンダムとイージスガンダムを召喚しました。
召喚後、イージス自爆。全員死亡…とか。 
296名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 06:11:36 ID:qG9gmVn0
所詮キラもアスランも死なない程度の爆発ですよ
297名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 06:29:17 ID:gmRdzo4o
>293
THE GUN OF ZERO(第3次スーパーロボット大戦αのクォヴレー・ゴードン)
ゼロの少女と紅い獅子(ウルトラマンレオ)
あたりかな?
298名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 06:41:47 ID:na8t23zT
天外魔境から火の一族の誰かを召喚したら、ジョセフの所には火の一族に挑戦し続けるお猿が召喚されるんだろうか?

神の頭脳(笑)になりそうだなw
299ギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王 part2:2009/11/22(日) 06:50:47 ID:4jMa5l8J
7:00から投下したいと思います。

アンパンマンの黒バラ女王がギーシュに召喚される話です
300名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 06:58:50 ID:kP3ivVwZ
うほっ
リアルタイムで投下に立ち会えるとは……
301ギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王 part2:2009/11/22(日) 07:00:40 ID:4jMa5l8J
――翌日。
 この日のヴェルトリの広場にはいつにない賑わいがあった。
 そこでは決闘が行われていたのである。
 ここトリステイン王国では貴族同士の決闘は禁止されている。
 では何故決闘が行われているのか。
 それはある貴族が決闘を挑んだ相手が平民だったからだ。

「まだ続ける気はあるかい?」
 全身が傷だらけになった平民を一瞥すると、ギーシュは造花の杖を振るった。
 杖の先から剥がれ落ちた赤い薔薇の花びらが空中を舞う。
 するとそれは一本の剣へと変化し、平民の目の前に突き刺さった。
「続ける気があるならその剣を取りたまえ」
 ギーシュ口元の右側を吊り上げながら平民を見下ろした。
「その気がないなら僕にこう言うんだ。『ごめんなさい』とね」
 このときギーシュは自分の勝利を確信していた。
 しかし――
 決着は一瞬のうちについた。
 平民の青年は剣を右手に携えると人間離れした速度でギーシュが召喚していた青銅のゴーレムを切り裂いた。
 ギーシュはすぐさま新たなゴーレムを六体召喚したが、どのゴーレムも間も無く青銅の残骸と化した。
「うあぁ!? ふあぁっ!!」
 目前に剣の刃を差し出されると、ギーシュは力なく腰を地面に落とした。
 平民の意外な反撃に観衆は沸いた。
 そして、突然圧倒的な力を見せ付けられたギーシュは俯きながら『参った』と言おうとしていた。
302ギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王 part2:2009/11/22(日) 07:02:22 ID:4jMa5l8J
 ところが、ギーシュが降参の意を表そうとする直前、彼の頭の中に聞き覚えのある声が響き渡った。
『お待ち。まだ貴方には勝ち目があるよ』
 それは昨日の夕方、眠りに就いたバラの精の声だった。
『あの少年からは強い力を感じるよ。私の封印を解くチャンスさ』
 バラの精がギーシュの心の中で囁き始める。
『いいかいギーシュ。私を閉じ込めているこの忌々しい玉をあの少年に投げ付けるんだ』
『そうすれば必ずこの玉を砕いてくれる』
『なぁに、心配はいらないよ。封印さえ解ければあとは私に任せてくれればいいんだからね』
 声は何重にも重なり合い、ギーシュの頭の中を埋め尽くした。
(……使い魔は主と一心同体の存在。ならばここで君の力を借りても)
『十分面目は保たれるさ! 何も問題はないよ!』
『さぁギーシュ! 早く私をあの少年の元へ!!』

 バラの精の助言を得たギーシュは後方に向かい跳ねるように起き上がると、胸元から黒いガラス玉を取り出しそれを敵対する平民の前にかざした。
「まだだ! 勝負はこれからだ!」
 間合いを取り相手の顔に狙いを定め、力いっぱいに玉を放り投げた。
 普通の平民が相手であればこれだけでも十分な程の勢いが玉にはある。
 しかし、ガラス玉はが直撃したのは青年の顔ではなく、彼が振り下ろした剣の切っ先。
 ガラス玉は衝突の直後、眩い光を発し青年の剣を弾こうとした。
 ところが青年の左腕に刻まれたルーンも同時に眩く輝き出し、そのままガラス玉の光を凌駕しそれを断ち切った。
 そしてその瞬間、割れたガラス玉の中にあった黒いバラが灰色の煙となって霧散した。
(あ、あれ?)
303ギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王 part2:2009/11/22(日) 07:04:26 ID:4jMa5l8J
 ギーシュは青年と睨み合いを続けていた。
 頼みの綱であるバラの精が一向に姿を現さないからだ。
(も、もしやさっきの一撃でやられてしまったんじゃ……)
 使い魔の死という最低の結末をギーシュは予感した。
 だがしかし、彼のこの予想は最悪の形で裏切られることになる。
「へへ、そっちが来ないんならこっちから行かせてもらうぜ」
 痺れを切らした青年が剣の柄をギーシュに向け踏み込みを始めた。
 軽やかに足を進める青年はたちどころにギーシュとの間を狭めたのだが――突如、学院全体に激震が走った。
 凄まじい揺れはその地の上に立つ全ての者達の身動きを止める。
 そして激甚な地響きと共に学院の外側、ちょうど入り口付近の大地が爆ぜると巨大な塔――いや、巨大な塔と見紛う蔓が陸続と姿を現した。
 その場に居合わせたギーシュ、青年、ルイズ、そして観衆は息をこらし天を仰ぐ。
 互いに絡み合いながら背丈を伸ばす不気味な植物は、異様な雰囲気を放ちつつ地上約200メイルの上空で一つの黒い蕾を膨らませた。
304ギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王 part2:2009/11/22(日) 07:05:54 ID:4jMa5l8J
「ば、薔薇だ。でっかい黒い薔薇だ!」
 しばらくの間、驚愕のあまり一同は静まり返っていた。
 しかし彼らの内の誰かが漏らすように声をあげると、堰を切ったかのように観衆がどよめいた。
「な、何あれ!? あんな大きい薔薇見たことない!」
「100メイル、150……いや、もっと大きいぞ!」
 話題は学院を覆い尽くすほど巨大な影を作り出す謎の黒いバラの正体でもちきりだった。
 その結論の出ない話し合いはいつまでも続くかに見えた。
「黒いバラ、ギーシュの召喚した使い魔」
 だが、青い髪の小柄な少女が呟いた一言が一同の注目をギーシュに向けさせた。
「こ、これが僕の使い魔だって……?」
 この状況に最も驚いたのはギーシュに他ならない。
 彼の想像していた自分の使い魔――バラの精の姿とは、悪者に囚われてガラス玉の中に閉じ込められてしまうようなか弱い女性、透き通るような白い肌に妖艶な黒いドレスを纏った美しい女性の姿であったからだ。
「この黒いバラが……」
 しかし、ギーシュの視線の先にそのような女性はいない。
 あるのはただ天を衝くような巨体を誇る閉じた蕾の異形の花だけ。
「見て! 蕾が開くわ!」
 観衆の一人、褐色の肌に赤い長髪の女生徒が声を張り上げた。
 注目の的は再び黒いバラに移る。
 荘厳と佇むバラの蕾がゆっくりと開きだした。
 芯を捻じらせながら開く花弁が怪しく輝く。
「綺麗……」
 咲き誇る大輪は見る者を魅了し心を奪った。
 観衆の中には禍々しくもあるその風体にうっとりと見とれる者もいる。
305名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 07:07:29 ID:nW+4IYBU
新しい支援よ〜
306名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 07:10:04 ID:kP3ivVwZ
さるさんくらった?
307ギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王 part2:2009/11/22(日) 07:10:29 ID:4jMa5l8J
 ところが、螺旋状に絡み合う茨の回転は花が満開になってからも止まらない。
 そして花冠が反転しきったとき、今まで隠れていたその裏側が晒された。
――静寂がその場を支配する。
 そこには、在り得ないものがあった。
 若者とも老人ともいえぬ女の顔、黒金の目蓋を閉じ真っ黒な唇に笑みを浮かべた女の顔が。
 先ほどまで優美を誇っていた巨大なバラは観衆の視界から消え去り、代わりに黒い薔薇の形をした杖を携えた巨人の女が移り変わるようにその姿を現した。

//以上です
補足:黒バラ女王は登場する回ごとに身長が変わっちゃうようなキャラクターです。
//////今回はアニメ本編の中でも特に大きく見えた時のサイズのものを召喚したという設定です。
308名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 07:13:08 ID:kP3ivVwZ
乙乙でした
ギーシュの想像が見事に裏切られててわろた
309ギシュ黒:2009/11/22(日) 07:18:08 ID:4jMa5l8J
ちなみに、黒バラ女王=(CV.のび太、ドロンジョ)です
310名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 09:13:29 ID:nW+4IYBU
>>309
なるほどね、ド根性ガエルのひろしのかぁちゃんなのか
311名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 09:27:13 ID:0m8BaURO
黒バラの人、乙
某所でア●パンマンのMADを見たけど、光線やミサイル相手に板野サーカスしたり、
身一つで大気圏離脱&再突入したり、仲間たちとアクシズ(?)を受け止めたり、
いろいろムチャクチャしてて笑ったw
そんな世界の住人が暴れだしたら止めようがない気が……さて、どうなることやら
312名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 10:43:05 ID:s/hbx796
あれ、これってアニメverだよね
なんでタバサがいるの


どうでもいいか
313名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 11:10:28 ID:kP3ivVwZ
>>309
むしろのび太=ドロンジョに驚愕した
314名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 13:24:03 ID:qSpbdIdz
一瞬マレフィセントと勘違いしてしまった
315名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 13:50:24 ID:mOkxG0WR
>>313
最近までやっていたヤッターマンでは局の壁を越えて捨て身のパロディやってたよ
316名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 14:03:38 ID:BJsHvRUt
>>315
最終回だったっけ? 確かボヤッキーがメカデザに電話して、
送られてきたロボのデザインが青ダヌキだったもんだから、
ドロンジョとトンズラーがアレな顔になってたんだっけか。

……ドロンボー一味が召喚されたらどんな展開になるんだろうかw
317名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 14:36:32 ID:rvfwxIRj
タザリア王国からリネア様召喚
318ウルトラ5番目の使い魔:2009/11/22(日) 14:41:16 ID:dfWGIYs8
皆さんこんにちは、75話の投下準備完了しましたので、進路上よろしいでしょうか。
問題なければ、10分おいて14:50より開始します。
319名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 14:42:13 ID:nW+4IYBU
進路? OKOK

早漏支援
320名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 14:45:45 ID:pAIjkrqx
初めてリアルタイムで支援できる
321名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 14:47:56 ID:f37FqXTj
シュワッチ支援
322ウルトラ5番目の使い魔 第75話 (1/14):2009/11/22(日) 14:51:42 ID:dfWGIYs8
 第75話
 伝説の勇者たち (前編) 
 
 四次元怪獣 トドラ 登場!
 
 
 異世界ハルケギニアにて、宙に浮かぶ大陸アルビオンの今後一千年の歴史を
左右するであろう最終決戦が、その後ろで糸を引いているものの思惑も含めて
幕を上げようとしている頃、舞台裏では表の大事にも匹敵する特大の異変が
生じていた。
 
 イギリスの事件を解決させ、日本への帰路についた、元GUYS JAPAN隊員
イカルガ・ジョージとカザマ・マリナを乗せた、ヨーロッパ航空101便を、突然の激震が
襲ったとき、偶然か、それともたちの悪い運命であったのか、この一機の超音
旅客機をめぐる、GUYS史上に特筆されて残る事件は始まっていた。
 怪獣ジラースとの戦いの疲れもあって、機内で安眠をむさぼっていた
ジョージとマリナは、機体を貫いた不気味な振動に目を覚ましていたが、
最初はよくある乱気流にでもぶつかったのではと、あまり気にしなかった。
けれど、次第に窓際の乗客たちが騒ぎ出し、これはただ事ではないなと感づいた。
「どうかしたんでしょうか? なにやら騒がしいですが」
「それが、飛行機の外が突然真っ白になって、なにも見えなくなっちゃったんです」
 隣に座っていた、壮齢の女性に何事かを尋ねて答えを得ると、確かに機外の
風景が右を見ても左を見ても白一色に染まっていた。最初は雲の中かと
思ったが、飛行機は普通危険な雲の中は飛ばない。GUYS時代から、キッカー、
レーサーとして培った危険を察知する直感が、背筋を冷たい手でなでられるような
感覚を彼らにもたらしていた。
「マリナ、どうする?」
「待って、まだ異常事態とは限らないわ。もう少し様子を見ましょう」
 様子はおかしいが、もしかしたら本当にただ何かしらの理由で雲海を飛んでいる
だけかもしれない。だがそのころ、東京国際空港には、ヨーロッパ航空101便からの
SOSが届いていたのだ。
 
「こちら101便、トウキョウコントロール、当機の位置を教えられたし」
「ディスイズトウキョウコントロール、101便、そちらの位置はこちらのレーダーには
映っていない」
「そんな馬鹿な、こちらはすでに日本の領空に入っているはずだ。高度も七〇〇〇は
あるはず、映らないはずはない!」
「本当だ、こちらもロストしたそちらを探しているが、いまだに発見できない。
周りになにか見えないのか?」
「それが、周り中濃い雲に覆われてしまって、どこまで行っても切れ目がないんだ。
おまけに、高度計がいかれてしまって、上昇も下降もできないし、GPSにも
反応がない。なんとかしてくれ」
 悲鳴のような101便からの救助要請に、管制官はすぐにでも救難隊を差し向け
たかったが、位置がつかめないのではどうしようもなかった。
323名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 14:53:08 ID:BcER7edk
支援
324ウルトラ5番目の使い魔 第75話 (2/14):2009/11/22(日) 14:53:52 ID:dfWGIYs8
「ともかく落ち着いて、状況と位置の把握に努めろ、無線が通じるということは
日本近辺のどこかにいるはずだ。こちらも至急対策を考える」
 そうは言ったものの、管制官にできることは上司に報告し、引き続き101便の
行方を捜索するくらいしかなかった。
 
 しかし、そうしているうちにも101便が東京国際空港に到着している時間は
迫ってきて、乗客たちも異常事態に気づき始めていた。
「おいどうなっているんだ、もう空港についていていいはずじゃないか!」
「今どこを飛んでるんだ? 本当に日本に着くんだろうな!」
 乗客が不安のあまりにスチュワーデスに詰め寄り始めている。もちろん、
ただの客室乗務員に事態を解決できるはずはないのだが、冷静な判断力を
失いかけている乗客はわからない。
 ジョージとマリナも、もう普通ではないのは確実だと席を立とうとしたが、
二人が立とうとしたときに、逆隣に座っていた親子の、三歳くらいの男の子が
大声で泣き出してしまった。
「ああ、どうしたのひろくん、泣かないでね、よしよし」
 母親が泣き喚く子供をあやそうと頑張っているが、子供はこの場の殺気立った
空気を怖がっているので、なかなか泣き止んでくれない。マリナは、このまま
いこうかどうか迷ったが、そのとき親子の反対側の窓際に座っていたざんばら髪の
山登りをしてきたようなかっこうをしたおじさんが、リュックから茶色くて先っぽが
筆のようになった大きな棒を取り出して、泣く子供の鼻先をこちょこちょとくすぐった。
「ほらほらぼうや、これ見てみい。これはな、ライオンの尻尾なんやで、これで
頭をなでるとな、強い子になれるんや、だからぼうやも泣くのやめ」
 うさんくさい関西弁で、その山男みたいなおじさんはニッと歯を見せながら、
男の子に笑いかけると、男の子は最初びっくりしたようだったが、ライオンの
尻尾と聞いて興味を持ったようで、おそるおそるもじゃもじゃに手を出した。
「ライオンの尻尾? ほんとに」
「ああ本当や、おじさんは世界中を冒険しててな、アフリカで秘境探検の末に
原住民の長老からこれをもろたんや。古代の魔力がこもったすごいもんなんやで、
だから、これでなでられたぼうやはもう強い子や、強い子は、泣いたりへんよな?」
「……うん!」
「ええ子や、じゃあ特別サービスで、これは坊にやる。大事にせいよ」
「うん!」
 男の子は、そのインチキくさいライオンの尻尾とやらを大事に抱きしめて、
うれしそうに笑った。
 そんな様子を、母親や、ジョージとマリナも唖然として見ていた。見るからに
怪しい変なおじさんだが、母親でもあやせなかった子供のかんしゃくを
ピタリと抑えてしまった。
 けれど、機体にまた激しい振動が加わると、その子はビクリと震えて、
母親にしがみついた。やはり子供は子供、自分ではどうにもならないことに
恐怖を感じるのは当たり前なのだ。だがそこへ、二人をはさんで反対側に
座っていたおばさんが、ビニール紙に包んだキャラメルを差し出してくれた。
「どうです、なにかを食べてれば気分も落ち着きますよ。皆さんもどうぞ」
「あ、どうもありがとうございます」
 行き渡った四つのキャラメルをそれぞれが口に含むと、ほんのりとした
甘さが、口の中に広がっていった。
325ウルトラ5番目の使い魔 第75話 (3/14):2009/11/22(日) 14:55:27 ID:dfWGIYs8
「あまーい」
「うん、こりゃうまいで」
「それはよかった。実は私は北海道で牧場をやっているんですけど、
そこで育てた牛からとった牛乳で作ったもので、イギリスに営業に
行った帰りなんです」
 確かにこのうまさなら、イギリスでも通用するだろうと、ジョージもマリナも思った。
男の子も、すっかりうれしそうにしながら、母親といっしょに口の中の
キャラメルを舐めている。
 そこで、インディアンのおじさんが、男の子の頭を豪快になでた。
「よかったな坊や、けどもう男の子は泣いちゃいかんで」
「うん……でも」
「怖いか? だいじょぶや、おじちゃんがついとる。実はおじちゃんはな、
昔防衛隊にいてな、怪獣と戦っとったんや」
「ほんと!?」
「ほんとや、こーな、でっかい宇宙ステーションや、かっこいいジープを
乗り回しとって……おっと、わしゃ免許はなかったっけか? もちろん、
ウルトラマンといっしょに戦ったこともあるんや」
 得意げに話すおじさんの言葉に、男の子はすっかり夢中になっている。
「だからな、そんなすごいおじちゃんがおるんやから、坊が心配することは
なんもあらへん。そっちの兄ちゃんたちや、おばちゃんも平気にしとるやろ」
 こういうとき、大人がしっかりしなければ子供はどうしていいかわからない。
ジョージとマリナは毅然とした態度で、男の子に笑いかけ、おばさんも
にこやかに微笑んでいた。
「これで、もう大丈夫ですわね」
「ええ、ですがそれにしても、あなたはこの状況でよく平然としていられますね」
 マリナは、周りの乗客が少なくともそわそわしているのに、このおばさんは
まったくといっていいほど平然としているのに、少し驚いていた。
「いえ、私も不安ではありますけどね。実は、私の兄が昔防衛隊で働いて
いましたから、母の教えで、いつも命がけで頑張っているシゲルに恥ずかしく
ないように、私たちも強く生きましょうって、そうやってきたんです」
 ということは、怪獣頻出期のいずれかの時期にあった防衛チームのどれかに
所属していた人のご家族ということか、確かに防衛隊は警察や消防と同じく
いつ死んでもおかしくない危険な仕事であるために、家族にもそれ相応の
覚悟が必要とされ、それゆえにテッペイのようになかなか家族に打ち明けられ
なかったり、親御さんが除隊を求めることも少なくないという。
 二人は、こうした人々にも歴代の防衛チームは支えられてきたのかと、
目に見えないところで頑張っている人々の熱い思いに感じていた。ならばこそ、
今こそ自分たちが働く番なのである。
326ウルトラ5番目の使い魔 第75話 (4/14):2009/11/22(日) 14:57:07 ID:dfWGIYs8
「どうやら、日本に帰る前に一仕事こなさなきゃいけないみたいだぜ」
「ミライくんたちに会う前に、勘をとりもどしておきますか」
 ジョージとマリナは、GUYS隊員としての目に戻ると、己の使命を果たすために立ち上がった。
 客室内は、いっこうに事態の説明をしない乗務員側に対して、乗客のいらだちが
限界に達しようとしていたが、二人はそんな人々を掻き分けて、必死で乗客を
抑えているスチュワーデスの前に出た。
「お客様、どうか座席にお戻りください!」
「私たちはCREW GUYSのものです。なにかご協力できることがあればと思うのですが」
 マリナがGUYSライセンスの証明証を見せると、客室内が驚きと、同時に期待に
湧きかえった。もっとも、スチュワーデスさんは二人の見せたGUYSライセンス証以上に、
ジョージが世界的に有名なスター選手だと気づいて、どうやら熱烈なサッカー好きのようで
うれしさのあまり失神しかけたが、なんとか落ち着かせて操縦席に案内してもらった。
「GUYSの方ですか、助かりました。今の状況は我々の範疇を超えています」
 機長は、プレッシャーに押しつぶされそうだったところで責任から解放されて、
事態を彼らに説明した。ともかく無線だけはなぜかつながるが、ほかの計器が
まるで役に立たない。
 ジョージとマリナも、思いつく限りのことは試してみたが、すべて無駄だと
わかると、すぐさま管制塔に向けて無線を送った。
「101便より、トウキョウコントロール、当機は異常な空間に飲み込まれている
もよう、ただちにGUYS JAPANを出動を要請してください」
 これを受けて、それまで対応に右往左往するばかりであった空港側も
ようやく明確な行動方針を見つけることができ、連絡を受けたGUYS JAPANは
ただちにフェニックスネストより、先陣としてミライをガンウィンガーで東京空港に派遣した。
 
「こちらミライ、今東京国際空港に到着しました。テッペイさん、何かわかりましたか?」
 滑走路を封鎖した空港にガンウィンガーを着陸させ、ミライは管制塔でフェニックスネストに
連絡をとっていた。
「ああ、アウトオブドキュメント、ずいぶん古い記録だけど、これと似た事件が過去に
報告されています。おそらく101便、ジョージさんたちの乗った飛行機はその空港の
すぐそばにいると思われます」
「そば、ですか? でも、ガンウィンガーのレーダーにもそれらしい影は捉えられて
いませんが」
「それがね、一九六六年に同じように旅客機が空港のすぐそばで行方不明になり、
通信だけができるという事件があったんだ。そのとき、その旅客機は次元断層とでも
いうべき、異次元空間にはまりこんでいたらしい」
「異次元空間に!? ということはヤプールの陰謀ですか?」
「それはまだわからない。異次元空間を利用するのはヤプールだけではないからね、
今こっちでもGUYSスペーシーに協力してもらって調べてる。もう少し待って」
「G・I・G」
 今フェニックスネストではテッペイやコノミが、新人オペレーターに指示しながら、
この事件の詳細を調べているのだろう。ならば、まかせて待つのが一番確実だ。
327ウルトラ5番目の使い魔 第75話 (5/14):2009/11/22(日) 14:58:12 ID:dfWGIYs8
 ミライは、フェニックスネストとの通信を一時切ると、ぐるりと管制塔の窓から
空港を見渡した。
「兄さんも、この景色を見ていたのかな」
 この管制塔というのは空港全体が見渡せて、とても眺めがよかった。
 メビウスが地球に来る二十年前、ウルトラマン、セブン、ジャック、エースの
ウルトラ四兄弟はヤプールが作り出した究極超獣Uキラーザウルスを、変身能力を
失うほどの封印技『ファイナル・クロスシールド』で封印した後、地球で人間の姿で
生活していて、そのときにウルトラマンは旧科学特捜隊のハヤタ隊員の姿で
神戸空港の管制官として働いていたという。ミライは敬愛する兄と同じ風景を
見ているかと思うと、胸が熱くなるような気持ちだった。
 それから数十分ほど経ってから、再びフェニックスネストからテッペイの連絡が
はいってきた。
「お待たせミライくん、ジョージさんたちの居所がわかったよ!」
 ミライのGUYSメモリーディスプレイに、GUYSスペーシーの衛星が撮影した、
空港周辺の気象図が送られてきて、その一つの雲に赤い×印がしてあった。
「ここですか?」
「ああ、レーダーに映らないというところがポイントなんだ。衛星写真では、
その雲ははっきり映ってるけど、地上のレーダーからはその雲だけが映って
いないんだよ」
 なるほど、と、ミライはテッペイの情報分析力にあらためて信頼を強くした。
まさに逆転の発想、常識を超えた怪事件に対応するには柔軟な思考が必要と
されるのだ。
 そのとき、管制塔にタイミングよく101便からの連絡が入ってきた。
「こちら101便、ディスイズトウキョウコントロール、オーバー?」
「こちら東京空港、ジョージさんマリナさん大丈夫ですか?」
「その声は、ミライか!? 久しぶりだなアミーゴ!」
「ミライくん、さっそく来てくれたのね。リュウもなかなか粋なはからいするわねえ、
元気だった?」
「はい、おかげさまで。そちらは大丈夫ですか?」
「ああ、今のところ乗客も落ち着いて、機体も平常飛行を続けているが、相変わらず
どこを飛んでいるのかはわからん」
 やはり、101便は異次元空間の中をさまよっているのだと思ったミライは、
すぐさまテッペイが対策を打ってくれていることを知らせて、続いて通信を
フェニックスネストにもつなげた。
「ジョージさん、マリナさん、お久しぶりです。お二人がその機に乗っていたのが、
不幸中の幸いでした」
「俺たちには不幸以外の何者でもないけどな」
「まあそう言わないで、時間がないんですから、101便の燃料はあとどれくらい
持ちますか?」
 そうだ、時間は限られている。いまのところは飛行を続けられているが、
航空機の燃料はいずれ尽きる。異次元空間の中で墜落してしまったら、
どうなるかはまったくわからない。
「巡航飛行を続けてるから、あと二時間は持つはずだが、正直余裕があるとは
いえねえな」
 二時間、その間に救出しなければ101便は永遠に異次元空間をさまよってしまう。
328名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 14:58:20 ID:c6zcNf/r
ミライ「兄さん!」
サイト「へ?」
329ウルトラ5番目の使い魔 第75話 (6/14):2009/11/22(日) 14:59:26 ID:dfWGIYs8
「了解しました。こうなったら、ガンフェニックスで突入して、異次元空間の外まで
101便を誘導するしかありません!」
「おい待て! そりゃ危険だ。下手すりゃ二重遭難になるぞ」
「そうよ、ここでGUYS全滅なんてなったらどうするの」
「お二人をはじめとする、二百余名の人命を犠牲にするわけにはいきません。
それに異次元空間への突入は、ウルトラゾーン以来二度目ですから、
こちらの世界へ誘導するビーコンを用意しておきます」
 ウルトラゾーンと聞いて、ミライの表情が引き締まった。メビウスが地球に来る
直前、メビウスは太陽系内に突発的に開く異次元の落とし穴であるウルトラゾーンに
引きずり込まれていく宇宙船アランダス号を救い損ねて、乗組員バン・ヒロトを
犠牲にしてしまったことがあり、二度と悲劇を繰り返しはしまいと決心していたのだ。
 そして、異次元空間へ突入し、101便を救出する作戦はリュウ隊長に
承認され、ガンローダーにテッペイ、ガンブースターにリュウ自らが搭乗した。
 コノミはフェニックスネストに残り、こちらの世界からガンフェニックスを
ナビゲートする。カナタやほかの新人隊員は作戦参加を申し出たが、
万一リュウたちまで帰れなくなった場合は、彼らが後を継がねばならず、
ここは先輩のお手並みを見学しておけということで、残留してサポートする
こととなった。
 残る時間は一時間五〇分、ただちに作戦は開始された。
「GUYS、Sally GO!」
「G・I・G!」
 全隊員の復唱がこだまし、新旧共同のGUYSは出撃した。
 
 
 だが、この時空間の歪みが、誰にとっても予測を超えた一大事の引き金となるとは、
このときはさすがに想像できている者はいずれの次元にも存在しなかった。
 同時刻、ロンディニウム南方三〇リーグの上空で、突然シルフィードごと雲の中に
吸い込まれてしまったルイズたち一行は、気がついたら白一面の世界にいた。
「こりゃあ……なんの冗談なのかしら」
 見渡す限り白、白、白……空は真っ白い雲に覆われて、足元はドライアイスのような
白い煙が漂っていて、足首より下がわからない。まるで雲の中のようだが、
足をついて立てる以上、雲の中ではないだろう。ともかく、天地創造の神とかいう
存在がいるとしたら、そいつの財布は絵の具一つ買うコインもないのではないかと
思うくらいに色彩的特長のない世界だったので、誰もがすぐには状況を把握できなかった。
「俺たち、ロンディニウムとかいう街に向かってて……そうだ、雲の中に吸い込まれ
ちまったんだ!」
 思い出してはっとすると、おのおのは顔を見合わせた。
 ルイズが懐からぜんまい式の懐中時計を取り出して見ると、すでに短針は
元の位置から一二〇度も回転していた。
「四時間も経ってる!」
「なんてことだ! 貴重な時間をこんなことで!」
 そこでシルフィードの背中に乗っていたミシェルが、硬いつもりでシルフィードの背中を
思い切り殴ってしまったものだから、びっくりしたシルフィードは彼女を振り落としてしまった。
330名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 15:01:06 ID:Wf/vks48
規制が解けたので心置きなく全力で支援できるぜ
ウルトラ支援!!!!!!
331ウルトラ5番目の使い魔 第75話 (7/14):2009/11/22(日) 15:01:16 ID:dfWGIYs8
「わあああっ!」
「危ない!」
 急いで駆け寄った才人が危機一髪で受け止めたが、思いもよらずにお姫様だっこを
されてしまったミシェルがほおを赤らめ、一瞬で機嫌を桜島火山のようにしたルイズが
蹴りを入れるというコントが発生したが、そんなことはともかく、これはいったいなんなんだろうか。
「ア、アルビオンに、こーいうことは、ないのか?」
 お姫様だっこをしているせいで、蹴たくられて痛む股間を押さえることもできずに、
涙目で才人は尋ねた。大陸が空を飛ぶくらいだから、雲の中にはいることが
できるんじゃないかと思ったのだが、「そんなおとぎ話みたいなことがあるわけ
ないじゃない!」とルイズと怒鳴られた。どうやらハルケギニアはファンタジーと
思っていたが、限度というものはあるようだ。
 それなのに、異常事態より先にルイズの関心は別にあるようだ。
「サイト、あんたいつまで抱きかかえてるのよ! さっさと下ろしなさい」
「おいおい、けが人に無茶言うなよ」
「うるさい! だいたいミシェル! あんたけが人だと思って黙って見てたら、
人の使い魔に好き放題ちょっかい出して、ちょっと調子に乗ってんじゃないの! 
天下の銃士隊員ともあろうものが、でれでれ媚びちゃって情けない限りねえ」
 ルイズの横暴がまた始まったと、才人は内心で嘆息した。腹部貫通刺傷に、
打撲、骨折複数箇所という負傷が二、三日で治るとでも思っているのか、
もし自分ならば、一週間はベッドの上で寝たきりのはずだ。
 しかし、ルイズはここで眠れる獅子の尾を踏んでいた。
「言ってくれるじゃないか、貴族の小娘と思って呼び捨てくらいは大目に見ようと
思ったが、銃士隊への侮辱は許さんぞ」
「え? ミ、ミシェルさん?」
「サイト、お前の主人の言うとおりだ、銃士隊副長ともあろうものが、こんな傷
くらいでへばっている場合ではなかった、下ろせ」
「で、ですけど……」
「下ろせ」
 据わった声で命令されて才人は気づいた。ミシェルの眼光が、初めて会ったときの
ように、弱いものならそれだけで刺し殺せそうな冷たく鋭い光を放っている。
ルイズの挑発で、ミシェルの中に眠っていたプライドの炎が呼び覚まされていた。
 逆らいきれず、才人ができるだけそおっとと気遣いながらも、足からゆっくりと
地面、とおぼしきところに下ろしていくと、ミシェルは驚いたことに、ひざに手を
置きながらも自力で立ち上がっていった。
「どうだ……これでも、まだ情けないなどと言うか」
 だが、歯を食いしばり、額に油汗を浮かべており、相当の苦痛に耐えている
ということはすぐにわかった。それでも、その苦痛をねじ伏せてでも立っている
という気迫がルイズを圧倒した。
332ウルトラ5番目の使い魔 第75話 (8/14):2009/11/22(日) 15:02:50 ID:dfWGIYs8
「な、なかなかやるじゃないの」
「ふん、あ、当たり前だ、お前たちとは、鍛え方が違う」
 やせ我慢も、ここまでくれば見事といえた。そういえばうっかり忘れていたが、
あのアニエスと肩を並べて戦えるということは、単に腕がいいだけではまず無理で、
同格の精神的なタフさ、いわゆる負けん気の強さがないと、弱い者は徹底的に
いびるあの人の下ではやっていけまい。実際、ツルク星人と対戦したときに
いっしょに特訓したときも、あれが二日、三日と続いていたら才人は倒れていただろう。
 だが、肉体を精神力でねじ伏せて動かすにも限度があった。
「う、ああ……」
「危ない!……っとに、無茶するから」
 血の気を失って倒れ掛かったミシェルを才人が危うく抱きとめた。今度はルイズも
文句は言わないが、あとが怖いのでシルフィードの背中に乗せなおしてあげた。
「まったく、無理をするからよ」
「誰かさんにそっくりだけどね」
 ぼやいたルイズにキュルケがツッコんで、ルイズはわたしはもっとものわかりが
いいわよと、むきになって反論したが、それこそキュルケの言うとおりだった。
「負けず嫌いはどっちもどっちだろうに」
「そういうあなたも、人のことは言えない」
 意外にもタバサにツッコまれて才人はびっくりした様子だったが、考えてみれば
この中に負けず嫌いという標語が当てはまらない人間はいなかった。しょせんは、
体だけは大きい子供の集まりということか。
 はてさて、こんな欲しいもののためなら譲り合う気ゼロの彼女たちのうち、
最後に景品を手に入れるのはどっちなのか? とてもじゃないが、引っ張り
合わせて子供が痛がったから、手を離したほうが母親と認められた大岡裁きは
期待できそうもない。
 そんでもって景品のほうも、両手を引っ張り過ぎられてちぎれる前に、
どちらかを選べるのか? もっともこの場合、選ぶほうは心を決められても、
選ばれたほうが素直に受け止められるのかどうかについても問題があった。
 まったくもって、いい意味でも悪い意味でも負けず嫌いすぎる若者男女は、
ゴールがどうなるかの予測をまったくさせず、複雑に心を絡み合わせたままで、
とりあえずここがどこなのかを確かめるために歩き始めた。
 だが歩き出すと、意外にも足元にはじゃりじゃりと、川原で砂利を踏みしめている
ような感触があった。となると、やはり雲の中ではないだろうと、才人は足元の
もやの中に手を突っ込んで、それを掴みあげてみた。
「なんだ、ただのガラス玉か」
 それは子供の拳くらいの透き通った玉砂利であった。でっかいおはじきとでも
いえば適当であろうが、才人は興味をもたずに、それを一つずつ遠くへと
投げ捨てていった。
「ちょっとサイト、危ないでしょ」
 目の前で石投げをされて、危なっかしく感じたルイズが文句を言うと、才人は
玉砂利をお手玉のように手の中で弄びながら笑った。
333ウルトラ5番目の使い魔 第75話 (9/14):2009/11/22(日) 15:04:57 ID:dfWGIYs8
「いいじゃん、別に誰かに当たるわけじゃなし」
「そりゃそうだけど……サイト! ちょっとそれ貸しなさい!!」
 突然目の色を変えたルイズは才人からその玉砂利を奪い取って、まじまじと見つめた。
「どうしたんだ、たかがガラス球に目の色変えて?」
「バカ言いなさいよ……あんた、これガラス球なんかじゃない。ダイヤモンドよ!」
「なっ、なんだってえぇ!!」
 不満げな顔をしていた才人はおろか、キュルケやミシェルまでもが目の色を
変えてルイズの手の中の玉砂利を見つめ、次いで足元から自分もダイヤの
玉砂利を拾い上げた。
「ほんとだ……これは、みんなダイヤの原石よ」
「信じらんない、どれも五サントはあるわよ、これを磨き上げたらいったい何千エキューに
なることか……」
 名門の出で、宝石など見慣れているはずのルイズやキュルケでも、こんな
馬鹿でかいダイヤモンドは見たことがなかった。
 唯一タバサだけが興味なさげに、その一個あるだけで大富豪になれる
石ころを見ているが、ここに元盗賊のロングビルがいたら気を失ったかもしれない。
しかも、足元にはそれらがごまんと転がっているではないか。もっとも、母親の
結婚指輪についていたちっぽけな宝石しか見たことのない才人は、ダイヤモンドが
高価なのはわかるが、価値が高すぎて実感がわかないらしく、焦点が外れた
視線でそれを見ていた。
「すげえな、これだけダイヤがあったらファイヤーミラーも作り放題だぜ」
 などとのん気なことを言っているが、本当は天然ダイヤモンドでは
ファイヤーミラーは作れず、むしろ元祖宇宙大怪獣が喜びそうな光景なのだが、
やがて二、三個を拾い上げると、ロングビルさんへのお土産にするかと
ポケットの空きに詰め込んだ。
「まあ、適当に叩き売っても、子供たちの養育費の足しにくらいにはなるか」
「バカ! あっという間にハルケギニア一の大金持ちになれるわよ! 
ったく、これだから平民は」
「はぁ……そう言われてもな、俺ゃそんなに金があったって、別に使い道がないし」
 ルイズやキュルケは、一国一城の主も夢ではない話に興味も持たない
才人に呆れたが、才人の美点は分を超えた物欲や金欲を持たないことだろう、
野心がないともとれるが、それで大成するのはほんのわずかで、大抵は
強欲な物欲の権化と成り果てる。
「ここはまさか、伝説の黄金郷かしら」
「だとしても、帰れない黄金郷なんか刑務所以下だろ、出口を探そうぜ」
 才人は自分が、岩の穴の中の種を食べたくて手を突っ込んだら
握りすぎて抜けなくなった間抜けなサルにはなりたくなく、歩き出した。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ……ええい!」
 腹立たしくなったルイズたちは、やけくそでダイヤモンドを投げ捨てると、
才人の後を追った。
334ウルトラ5番目の使い魔 第75話 (10/14):2009/11/22(日) 15:06:49 ID:dfWGIYs8
 そんな才人を、タバサはシルフィードをのしのしと歩かせてついて
いきながら見つめて思った。
「欲のない人……」
 ほとんどの人間は、貴族も平民も問わずにわずかな金銭のために血道を
上げるというのに、珍しい人間だと、タバサはなんとなく、ルイズたちが彼から
離れない理由の一端が、自分にもわかったような気がして、考えてみれば
自分も彼が来て以来、関係ないことに首を突っ込んだり、自分のことに他人を
入れる割合が増えたなと、心の中だけで苦笑した。
 そうして、彼らは世界一高価な砂利道の上を、出口を求めて歩き始めた。
 とはいっても、女子というものはこんなときでも静かにはしていられないものらしく、
すぐにルイズとキュルケがおしゃべりを始めた。
「にしても、このダイヤモンドの山、あの成り上がりのクルデンホルフの小娘に
見せたら卒倒するんじゃないかしら」
「それよりも、貧乏貴族のギーシュやモンモランシーあたりなら、プライド放り出して
ポケットに詰め込むかもよ。そういえば、ベアトリスだっけ、あの子も来年には
学院に来るのよね。元気でやってるかしら」
 思い返せば、あの怪獣大舞踏会からもうずいぶん経っていた。
 しかしこうして、白一色の世界にいると、誰もがカンバスの主役を勤めるに
ふさわしい、美しき個性の持ち主であると才人は思った。髪の色一つをとっても、
ルイズのピンクブロンド、キュルケの燃えるような赤髪、タバサの青空のような
青色に、ミシェルのタバサよりやや濃い青色は、今では大海のようにも見え、
典型的日本人で黒一色の自分などとは大違いだった。
 けれど、そうしていても単色すぎる世界は距離感も狂わせるらしく、たいして
歩いてないはずなのに、頭がぼんやりしてきた。これなら茶色と青に分かれて
いる分砂漠のほうがいくぶんかましだろう。
 変化が現れたのは、いよいよ頭の中がミルクセーキになりかけて、ルイズの
激発五秒前というときだった、突如白一色の中に黒いなにかが入ってきたのだ。
「行ってみよう!」
 才人が全員を代表して叫ぶと、薄ぼんやりと見えるそれへ向かって走り出した。
この際、白から解放してくれるのならば、黒きGでもなんでもいいという心境
だったのだが、目の前に寄ってみると、それは想像だにしなかった形の鉄の塊だった。
「なに? この妙な鉄の造形物は?」
「翼がついてるけど、こんな形じゃ飛べそうもないわね。けどこの銀色は、
鉄でも銀でもなさそうだけど、いったいなにでできているのかしら」
「……」
 ルイズやキュルケにはそれがなんであるのは理解できなかったが、才人は
心臓を高鳴らせて、その銀翼の戦鳥を見つめていた。
335名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 15:07:57 ID:XV6GjrBk
>元祖宇宙大怪獣
ハチの毒が苦手なアイツか…。支援!
336ウルトラ5番目の使い魔 第75話 (11/14):2009/11/22(日) 15:08:48 ID:dfWGIYs8
 とにかく、目の前にあるのが信じられない。極限まで無駄なく絞り込んだ
機体に、カミソリのように生えた二枚の主翼と、そこに開いた二〇ミリ機関砲の砲口、
見上げれば、雨粒のような涙滴型風防の前に、一〇〇〇馬力級エンジンとしては
最高峰の傑作とうたわれる栄エンジンが、三枚のプロペラを擁して鎮座している。
 まぎれもなく、かつて無敵の名を欲しいままにし、世界最大最強として知られる
超弩級戦艦大和と並んで日本海軍の象徴として、数々の戦争映画で主役を務める
日本人ならその名を知らぬ者のいない、第二次世界大戦時の日本の代表機。
 
「ゼロ戦だ!」
 
 正式名称、三菱零式艦上戦闘機が、そこに主脚を下ろして静かに鎮座していた。
「サイト、これもあんたの世界のものなの?」
「ああ、タルブ村にあったガンクルセイダーを覚えているだろ。あれの遠いご先祖さ」
 才人は小さいころ、手をセメダインだらけにしながら作ったプラモデルの記憶に
興奮しながら、ゼロ戦の主翼に触れてガンダールヴの力でこれの情報を読み取った。
 機体色は銀色で、やはり初期型の21型であり、最高速度、上昇限度などの
情報がこと細かに流れ込んでくるが、そんなことなどどうでもいいくらいに才人は喜んだ。
「すげえ、こいつはまだ生きてる」
 なんと、ゼロ戦はほぼ完璧な形でそこにあった。燃料も半分以上あり、機銃弾も
七割近く残存している。まるで航空博物館にあるような完全な代物だったが、
主翼によじ登って、コクピットの中を覗き込むと、才人は調子よく喜んでいた
自分に罪悪感を覚えた。
「うう……」
「うわ……骸骨」
 そこには、パイロットが前のめりになって計器に顔をうずめる形で白骨化している
痛々しい姿があった。よく見れば、コクピットの後ろの胴体に小さな穴が開いている。
おそらくはそこから敵機の弾丸が貫通して彼に致命傷を与えたのだろう。
「多分、敵機に追い詰められたところでこの空間に迷い込んで、最後の力で
不時着したんだろうな」
 死に直面しながらも、愛機を無駄死にさせたくなかったのか、そんな状況で
こんな場所に見事に着陸させた腕前はさすがとしかいいようがない。また、
そんな熟練したパイロットを追い詰めた、彼の相手もおそらくは相当なエースであろう、
ゼロ戦の形式と機銃弾の口径から考えれば、イギリスのスピットファイアあたりかもしれない。
 才人は、六十年以上前に、故郷を遠く離れた空で命をかけて死んでいった
祖先たちに向けて、無意識に手を合わせて冥福を祈っていた。
 そうして十秒ほど、うろ覚えの般若信教を唱えながら祈ったくらいだろうか、
周りに目を凝らして警戒していたミシェルが、白いもやが薄らいだ先にあるものを
見つけて呼んできた。
「おい、向こうにも、あっちにも見えるの、あれもそうじゃないか?」
「なんだって?」
 言われて目を凝らしてみると、ゼロ戦と同じように無数の航空機の残骸が
あちらこちらに散乱している。
「月光、雷電、九七式戦闘機……みんな戦争中の飛行機ばっかりじゃないか」
 それらは、このゼロ戦とは違って着陸に失敗したようで、前のめりに突っ込んで
いたり脚を折ったりしていて、とても使い物になりそうもないが、その特徴的な
シルエットは、小さいころにゼロ戦やタイガー戦車などのプラモデルを多く作って
ミリタリーにも造詣のある才人には簡単にわかった。
337名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 15:10:24 ID:jTYuVlDJ
ウルトラQのあの音楽が聞こえてくるぜ
支援
338ウルトラ5番目の使い魔 第75話 (12/14):2009/11/22(日) 15:10:55 ID:dfWGIYs8
 もちろん、それだけある機体がすべて日本機ということはなかった。
「アメリカのグラマンF4FにF6F、ライトニングにムスタング、イギリスのハリケーンに
スピットファイア、ドイツのメッサーやフォッケまでありやがる」
 世界中の名だたる戦闘機が、ずらずらと並んでいて目移りしてしまう。赤い星などの
マークがついたソビエトや中国などの機体はさすがにわからないが、この光景を
マニアが見たら狂喜乱舞するだろう。
 また、目が慣れてくるとさらに遠方にある機体も把握できるようになり、戦闘機
以外の飛行機も見えてきて、それらの方向へと順に歩き出した。
「一式陸攻、モスキート、B−17……」
 濃緑色やむきだしのジュラルミンに身を包んだ爆撃機が、半分近く残骸と
化しながら横たわっている中を、才人たちはいまや墓標となったそれらに
敬意をはらいながら進んでいく。
 だが、最後にひときわ大きい機体を中央部からくの字に折り、尾翼を
十字架のように立たせてつぶれている飛行機のそばだけは、そのまま
立ち去ることはできなかった。
「……」
「サイト、どうしたの?」
 ルイズの問いかけにも才人は答えずに、目の前の飛行機の残骸を睨み続けている。
 それは、他の飛行機と比べても圧倒的に大きく、主翼についている計四つの
巨大なエンジンや、機体の各部の大砲のような銃座などを見ても、並々ならぬ
技術で作られたことが一目でわかった。
「サイト? ねえサイトったら」
「……」
 答えずに、才人はなおも眼前の機体を睨み続ける。損傷が激しいが、のっぺりとした
機首やうちわのように大きな垂直尾翼といった特徴までは失われていない。
 間違いはない。それは小学校の平和授業から、毎年夏になると放送される
戦争特番で嫌と言うほど見せられ、才人だけでなく、日本人に畏怖と憎悪の
感情を向けられる、史上もっとも多くの人間を殺した爆撃機。
「B−29、スーパーフォートレス」
 広島、長崎の惨劇の立役者にして、アルビオンの内戦などは比較にならない
悲劇を残した第二次世界大戦の、戦争の愚かしさの象徴ともいうべき、
空の要塞がそこにいた。
 そして、それで完全に彼は記憶を呼び戻した。
「そういえば小さいころ、ゼロ戦があるんだったら一度来てみたいと思ったっけな、
この四次元空間には」
 テッペイがアウトオブドキュメントから解析したデータと同じく、才人もここが
時空間に落とし穴のように開いた四次元空間だと気づいた。
339名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 15:12:30 ID:c6zcNf/r
核積んでんのかね?
340ウルトラ5番目の使い魔 第75話 (13/14):2009/11/22(日) 15:12:39 ID:dfWGIYs8
 落ちている航空機も、同じようにこの空間に引っかかってしまったのだろう。
二次大戦時の航空機ばかりなのは、何百何千と数がいて、引っかかる
確率も高かったからだろうが、よく見たらセイバーやファントムなど、戦後の
航空機もわずかに入っている。
「しかしまさか、ハルケギニアにも入り口があるとは思わなかったな」
 探せばもしかしたら、ハルケギニアから迷い込んだ竜騎士やヒポグリフなどの
死骸も転がっているかもしれない。だが、そういうことならば、もう一つ嫌な
ことが彼の脳裏に蘇ってきた。
「ここが、その四次元空間だとしたら……」
 しかし、彼がその予感の内容を言い終わる前に、霧の向こうからくぐもった、
まるで霧笛のような大きな遠吠えが聞こえてきたのだ!
「やっぱりか」
 彼はどうしてこう、悪いときに悪いことばかりが重なるんだと、ルイズに召喚
されて以来の自分の苦労人体質を呪いながら、ガッツブラスターを取り出して
安全装置を解除した。
 そして十秒と経たずに、彼の予感は的中した。
「巨大なセイウチの化け物ね」
「サイト、ルイズ、ほんとにあんたたちといると、人生退屈しないわ」
 ルイズやキュルケが、もう驚くことも慣れてしまったというふうに、達観した
様子でつぶやいたのに、タバサやミシェルも全面的に同意した。
 唯一、シルフィードだけが焦った様子で、目の前にいて、巨大な牙を
振りかざして地面をはいずって向かってくる怪獣を、きゅいきゅいと
鳴きながら威嚇しているみたいだったが、はっきり全然怖くない。
「四次元怪獣トドラか……さて、どう見てもセイウチなのに、トドラとは
これいかに……」
 どうでもいいことをつぶやきながら、才人は自分たちをエサにしようと
しているのかは知らないが、まるで何かに追い立てられているように
吠え立てながら向かってくるトドラに銃口を向けた。
 
 そして、才人たちが異次元空間で足止めを食らっているうちに、状況は彼らの
焦りどうりにどんどん悪化していっていた。
 ロンディニウムでは、アルビオン空軍艦隊の旗艦、大型戦艦レキシントン号を
はじめとする六〇隻の空中艦隊が、残存戦力のすべてを乗船させての最終決戦を
挑むべく、出撃を命じられていた。
「諸君! 決戦である。一戦してウェールズの首をとれば、王党派の命運は尽き、
我らはこの地を支配できる。私が先陣を切る。我に続く勇者はいるか」
「おおう!」
「決戦だ! 決戦である!」
 クロムウェルが檄を飛ばすと、生き残っていたレコン・キスタの貴族たちは、
彼の示した起死回生の可能性に一縷の望みをかけて、一斉に狂乱の叫びをあげた。
元より、反逆者である彼らはこの後王党派との戦いでからくも生き残っても
処刑は確実で、降伏すれば命は助かるかもしれないが、財産領地没収となれば
貴族に生きていく術はなく、こじきや傭兵に落ちるしかなくなる。
341ウルトラ5番目の使い魔 第75話 (14/14):2009/11/22(日) 15:14:44 ID:dfWGIYs8
 だが、そうして冷静な判断力を失っているからこそ、クロムウェルには彼らを
利用する価値があった。
「すでに、我らの秘密鉱山から運ばれた風石の充填は完了した。さあ、ゆこう
忠勇なる戦士たちよ。歴史に我らの名を残そうではないか!」
 いまだ革命に幻想を見る貴族たちを乗せて、アルビオン艦隊は出撃していく。
 やがてレキシントン号の司令官室で、クロムウェルは渋い顔をしている
シェフィールドに叱責されながら、作戦の最終段階を詰めていた。
「いいこと、これがお前に与える最後の機会よ。これまでの失敗を帳消しにして、
生き残りたいのなら、なんとしても勝利なさい」
「ははあっ! この身命にかけましても、なんとしても勝利をささげまする。
ですが、あのお方は本当に動いてくださるのでしょうか? わたくしは
不安でなりませぬ」
「余計な心配をするでないわ、約束どおり、あのお方はこちらに注意を
向けているトリステインを後方から攻撃する算段をつけていらっしゃる。
あとは、お前が王党派を撃破しさえすれば、この国はお前のもの、
わかったら全力をつくしなさい」
 本当は、シェフィールドの主であるジョゼフはすでにレコン・キスタを
切り捨てようとしているのだが、彼女はそれを気取られないように
演技して見せていた。
 もっとも、クロムウェルにとっても、すでにシェフィールドの思惑などは
どうでもいいものになっていた。せいぜいが、こちらの作戦の最終段階に
合わせて軍を動かし、混乱を広げてくれたらもうけもの、どのみちガリアなど
いずれ超獣の軍団で蹂躙してくれると、内心ではせせら笑っていた。
 
 続く
342名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 15:16:51 ID:c6zcNf/r
おつおつ

積み込んだのはほんとに風石なのかね?
343ウルトラ5番目の使い魔 第75話 (14/14):2009/11/22(日) 15:20:20 ID:dfWGIYs8
今週は以上です。
今回こんなにたくさんの支援をいただけて、とてもうれしく思います。
本当に支援してくださった皆さん、ありがとうございました。
 
本編のタルブではガンクルセイダーに出番をとられましたが、ゼロ魔原作中盤までのもうひとつのゼロ、
ゼロ戦を登場させられました。いやあ私も小さいころはおもちゃで「ダダダダ!」とかやりました。
ほかにも、今回はちょっと濃い目のネタを使いましたが、この話だけで気づけたらウルトラ検定かなり
いいところにいくんじゃないでしょうか。
さて、ゼロ戦も出したところで、もはやアルビオン編と7巻までの戦争編をいっしょくたにした
この話ですが、そろそろクライマックスに向けていこうと思います。
では、また来週。
344名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 15:21:02 ID:Wf/vks48
ウルトラ超乙
345名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 15:31:40 ID:f37FqXTj
ウル魔の人乙!
346名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 18:41:44 ID:8yynilkQ
アンパンマンの人来てた〜〜〜!
構成の仕方が上手くて、テンポ良く進んでいくのが良いなぁ。
黒バラ女王復活でハルケギニア終了のお知らせが・・・!
347名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 19:21:50 ID:b7Gu1MQz
巨大なバラというとどうしても先にビオランテが思い浮かんでしまう
348名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 19:57:14 ID:cju96LjF
ウルトラの人おつかれさまです!

>>347
ビオランテと聞いてゴジラVSビオランテを思い出してしまった
いま観てみると面白さと同時に何故か無性に悲しくなってしまう
349名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 20:34:02 ID:BcER7edk
実際200mの巨人ってどんな感じなんだろう?
350名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 21:09:08 ID:s/hbx796
真下から東京タワーを見上げるようなものだよ
351名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 21:13:27 ID:NIHYuw+L
平地なら2km先からでも見えるよ。>200m
1つ先の駅が再開発されて、200mが1本、150m越えが3本、100m越えが5本
だったか建設される予定。
ハルケギニアの人間に話しても信じてもらえなさそうだなぁ。
352名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 21:28:40 ID:Ynuyd2ei
俺は巨大花と聞いて趙公明を思い出したわ。
353名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 22:10:43 ID:/yro5P0+
ベルセルクのガニシュカがそんな感じか
354名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 22:42:47 ID:qXoblrMH
ウルトラマンで言えばゾグが666mで巨大化ダークバルタンが300m、
超巨大化ウルトラマンマックスが900mだったか。
ビオランテは高さは140mくらいだったかな。ビオランテよりでかいのか。
355名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 22:44:24 ID:6E56gCYA
エルミナージュからラスボス四姉妹を召喚
ルイズの両親と意気投合するセフィリーヌ
教皇を踏んづけるターナ
ティファニアを守る為にアルビオンで暗躍するレカレス
ジョゼフからイザベラへと押し付けられるモカレ
356名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 23:04:14 ID:wiDTc+eh
>>354
グリッターティガが120mで200mのガタノゾーア倒してたっけそういや
さらには最低888mのデモンゾーアまで倒してるしティガってやっぱスゲーwww
357名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/22(日) 23:07:34 ID:2O2WFpw1
ビオランテって妙に早くBD化されたけど、やっぱ人気高いんだな。
358名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 01:33:10 ID:d8ZnfoXB
ガンバスター と言いたいところだが周りからもうデカすぎて比較できんな
359名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 01:49:06 ID:PUrSRJQ1
トップ2のダイバスターは身長が地球サイズ、天元突破グレンラガンに至っては
銀河を掴んで投げつけるサイズ…うまく想像できないぜw
360名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 04:40:53 ID:kv+xZp/v
はっきり言って実在の何かで例えないと、幾ら創作上の巨大存在並べてもさっぱりな罠
361名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 05:37:38 ID:lFU8XdPw
お台場ガンダムの11倍
362名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 06:51:33 ID:PUrSRJQ1
ガンダム(18m):お台場のアレ
フーケのゴーレム(30m):8〜10階建てマンションとほぼ同等
ビオランテ(120m):30〜40階建てマンションと同等。
ガンバスター(200m):国内最高階層の60階建てマンションと同等。肩を含めると新宿新都庁。
巨大化ダークバルタン(300m):エッフェル塔や東京タワーより若干低い。
マクロス強攻型(1200m):いわゆるハイパー ビルディング。ドバイとかで建設中。
ダイバスター:地球(緯度方向に直径12600km)と大体同じ
天元突破グレンラガン:無印グレンラガン×(10^25)=推定100億光年程度。銀河系は直径8〜10万光年。

ハイパー ビルディングは予算もついて、基礎工事もやっちゃってるらしい。
オイルマネーすげえ。
最後の2つはギャグだな。天元突破は桁間違ってるかも。
363名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 07:24:52 ID:4TLoL7Qt
ガイナックスはでかいな〜

トップ系は下手にこのスレじゃ呼べないけどね。
ワープ痕跡追跡して宇宙怪獣まで来てしまう。
364名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 11:33:18 ID:PizKB4sU
フーケのゴーレムがお台場のガンダムの倍近くあると聞くと、とてもロケラン程度じゃ挑む気も起きんな
ましてや剣で切りかかるなんて……
才人もかなり無謀だが、突っ込んでったルイズはほんとかなり精神的に参っていたんだろうな
365名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 11:57:25 ID:fX4iaCjZ
>>364
足一本の直径だけで5メートル(身長180センチの足裏30センチをそのまま縮めて、ASIMO的な足の形とすると)って事だからな……。
足の太さだけで6畳間ひとつ分以上。こんなもん足元の土だけで作ったら、巨大なクレーターが出来そうだがw
こんな質量の胴体、携帯ランチャー一発で吹っ飛ばせるわけが……とここから先は考察スレ行きか。

まあ、突撃は自殺志願者だよなあ……。
366名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 12:33:53 ID:j1LkXHgL
ゴーレムの中は空洞
これでいいじゃないか
367名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 12:38:36 ID:yDUeI6+W
ダイバスターって聞くとFNNのあの番組しか思い浮かばない
368名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 12:40:36 ID:4fF7FM58
ハルケでは長さが倍になるとメイルは10倍になると思えばいいじゃない?
こんな時の為の「架空の単位」だろ。



我ながらムチャが過ぎるな、サーセンwww
369名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 12:56:43 ID:V4HUJCf1
>>364
ウルトラマンタロウではナイフ一本や竹槍で50メートル超えの怪獣に挑む一般人がたくさん出てきたがね
370名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 13:16:29 ID:nxdj6qdI
ロボ系召喚するとしたらサイズ的にエステバリスやゴゥレムみたいな6mサイズの機体がちょうど良いかもね

ちなみにこのスレで召喚されてたデモンベインとかの鬼械神は50m級で破壊ロボが80m級
371名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 13:41:14 ID:BQimIf6K
>>368
ハルケでは対数計算が当たり前なのか……
372名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 13:48:44 ID:BQimIf6K
ではここで問題です。
>>368の場合だと、長さが三倍になるとメイルは何倍になるでしょうか?
373名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 13:50:09 ID:Fg+//fxU
>>356
旧神は伊達ではないのだよ

フーケのゴーレムはなぁ。あれはデカ過ぎて反則だろw
あれに限ってはもう少し小さく描写しても、寧ろそっちのが自然な気が
374名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 13:57:12 ID:PizKB4sU
>>373
MSでも武器なしじゃ勝ち目薄いだろうしね
375名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 13:58:37 ID:kv+xZp/v
>>362
少しマジレスするとグレンラガンの銀河投げてるのは概念とかそういうのであって本当に存在してる巨大な銀河をどうにかしてる訳じゃないよ
376名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 14:09:04 ID:V4HUJCf1
MSならバーサーカー状態のアレンビーやステラ付きで呼んだら面白いかと思ったが虐殺にしかならんな
どうしても+ドモンやシンが必要になるがそれじゃルイズがいらなくなるしな
メンテの問題が毎度かかるが最後は自爆という手があるし、
ガンダムファイターやコーディネイターやエクステンデットならなんとかなるだろ
377名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 14:09:13 ID:uX1yRjAa
>>375
もっとわかりやすく
378名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 14:11:55 ID:/FciYNVz
ゲーム版ダンバインから、オーラマシンをバイストン・ウェルに還そうとしたところから
リの国の王シュンジ・イザワ召喚ビルバインに乗った状態で、
つーのもゴーレムと戦わせるだけなら面白そうな気がした
379名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 14:14:53 ID:kv+xZp/v
>>377
流石にスレ違いになるから適当にぐぐって調べろ
直ぐに出てくる範疇だ
380名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 14:15:25 ID:F6Q2d0Il
>>374
土か岩、良くて鉄程度のゴーレムでは、超鋼スチールと流体パルス駆動を持った1年戦争時のジオンMSでも
殴る蹴るタックルでも充分破壊は出来るぜ
ただ相手の再生力にどう対応するかだね
381名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 14:24:33 ID:e6p6nrki
とはいえ、さすがにサク・シムあたりまで弱いMSを持ち出せば、勝てる気もしないわけだが。
382名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 14:31:24 ID:M4BqnUKa
レイバーだと格闘では無理だな。リボルバーカノンでもきついか。
電磁警棒は意味ないだろうし。
30mってガオガイガーより顔半分ほど小さいくらいか。
383名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 14:34:38 ID:dh35Z8xr
普通のメカなら、機体装甲を土くれに錬金されたら終わる
384名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 14:53:03 ID:h7QPpqhI
>>362-363
惑星サイズのロボットならウン十年前にあさりよしとおがやってるけどな。
小ネタで呼ばれてなかったっけ?
385名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 14:54:18 ID:9/Vb4MdL
>>383
錬金はおそらく対象に触れなければかけられないので無理なんでない?

オーバーマンなんか呼んだら面白そうだ、サイズ的にも能力的にも
386名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 14:56:07 ID:h7QPpqhI
>>380
レイバーもそうだが、MSだと土ゴーレムと格闘したら可動部に土が詰まって動かなくなりそうな……
387名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 14:58:43 ID:BcUu8AOp
>>385
>錬金はおそらく対象に触れなければかけられない

どこからそんな設定が出てきたんだか……。
388名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 15:15:15 ID:o/n26HgU
ハガレンの錬金術と間違えてんじゃねーのw
389名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 15:20:48 ID:9/Vb4MdL
まあぶっちゃけ推測です
現時点で画面ないし文章上錬金を「触れずに離れた距離からかけている」場面を知らないもので
390名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 15:28:01 ID:AKoPLFnC
>触れずに離れた距離からかけている
原作6巻でカトレアさんが跳ね橋の鎖を土に変えているよ。
アニメでもその部分はしっかり映像化されていました。

でもこうして考えると、体弱い事を除けばカトレアさんはやっぱり優秀なんだよな…。
391名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 15:30:23 ID:yDUeI6+W
だっておっぱいがでかいからなぁ
392名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 15:33:39 ID:V4HUJCf1
アニメじゃほかにもギーシュがフーケゴーレムにかけた花びらを遠隔錬金で油に変えてる
カトレアはアニメではフーケ並のゴーレムを軽々作るし、その気になったらかなりのチートキャラなんじゃないの?
393名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 15:33:36 ID:9/Vb4MdL
>>390
それは失礼致しました  情報感謝
しかしそうだとすると錬金って縛りが無くて便利過ぎるな
極論部屋の中の人間を金属に変えるとか屋根を土に変えて押しつぶして暗殺、とか
随分良くない応用が利きそう
394名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 15:35:18 ID:hzRCRf0B
>>391
地上最強メイジのカリン様はちっぱいだろ?
395名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 15:44:10 ID:R2WZyZG6
生き物や知らない素材には錬金が通じないとか適当に縛りを設ければいいじゃない
二次創作なんだから
396名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 15:48:23 ID:dh35Z8xr
高位のメイジに固定化かけてもらえるか否かが、
ロボの活躍を左右する
397名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 15:48:58 ID:qOZzbNdO
複合材だと錬金対象が多すぎてわけわかめになるんじゃないかと予想
合金の場合は・・・真鍮があったりするからどうだろうなぁ
398名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 16:07:11 ID:4TLoL7Qt
>>397
合成した原子の内一番多い電子量で線引きするのが妥当かな。
金までは錬金が確認されてるから、原子番号80番以降が問題だ。
399名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 16:17:58 ID:EefbR+KM
流れをぶった斬って、誰かまるマシリーズから有利を召喚したら面白そうとか妄想してみたり
400名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 16:40:02 ID:Sx5qKHnW
>>348
亀だけどビオランテって聞いてそれ以外に何連想できるのがあるの?
ググってもそれしか出ないしすっげぇ気になるから教えて欲しい
401名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 16:41:43 ID:/FciYNVz
>>400
なぜだろうか?

昔、少年Aに載ってたマンガから、ビオランガオを思い出した
402名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 16:42:48 ID:zfCdJSSI
>>393
生物に錬金は利かない
屋根にしたって貴族宅なら固定化確実にかかってる
403名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 17:00:44 ID:a3/MY5Yk
そういえばハガレンのキャラって呼び出された?
404名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 17:12:45 ID:bof7rFOE
単独まとめwikiはあるが……
405名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 17:15:03 ID:w55BZXO6
正直酷いな
管理もぐちゃぐちゃだし

ハガレンのエドがルイズに召還されたようです@まとめサイト
鋼の錬金術師のエド
http://www34.atwiki.jp/fgthomas/
406名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 17:21:23 ID:GSFyGIBG
魔砲の人でチラッと触れられてたがルイズの場合…

ワルド「ユビキタス・ウィンd…」
ルイズ「(ワルドの帽子に)錬金っ!!」

みたいな事は有りなんだよな
メイジとしてどーなのよ?とデルフあたりに突っ込まれそうだけどw
407名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 17:25:00 ID:2y44YHfy
生物を錬金すると体の一部が持って行かれるんだよ。きっと。

そういえば錬金で肉は作れるんだよな?
408名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 17:35:57 ID:zfCdJSSI
無理なんじゃないの?
肉作れるなら料理も錬金できそうなもんだが
409名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 17:37:43 ID:e6p6nrki
タバ冒で肉“みたいなもの”を錬金してた奴ならいたな
410ナイトメイジ:2009/11/23(月) 17:38:40 ID:ahpQT1lO
外伝で肉を錬金してた
411名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 17:41:24 ID:y4OXd/ot
生物を錬金できないとした場合
ビーストウォーズや実写映画のトランスフォーマーはどうなるんだろ
あとARMSとかシリコニイとか
412名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 17:41:31 ID:a3/MY5Yk
ハガレンのまとめ見てきたが……アレいるか? こっちにまとめていいんじゃないか?
413名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 17:54:07 ID:y9qUz2He
人造人間エヴァンゲリオンとかはどうか?
LCLとか言う謎の液体Xとかを始めとした、作れるかどうか分からん部位もたくさんあるが…
 
414名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 17:55:08 ID:DvbBsOHX
ハガレンから『お父様』を召喚したら……地獄が始まるな。
415名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 17:56:14 ID:qOZzbNdO
生物・無生物という区切りではなくて
意思が宿っているものは錬金できないという解釈はどうだろう

インテリジェンスソードってどうやって作るんだろう
416名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 17:57:53 ID:h2R2/ibQ
てか、巨大ロボ召喚ものとかって上手に書くの無茶苦茶難易度高そう
下手すりゃ、虐殺描写と補給描写で終わる
417名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 18:01:04 ID:58AEnrEy
>>364フーケのゴーレムがお台場のガンダムの倍近くあると聞くと、とてもロケラン程度じゃ挑む気も起きんな
>ましてや剣で切りかかるなんて……

>>365足一本の直径だけで5メートル(身長180センチの足裏30センチをそのまま縮めて、ASIMO的な足の形とすると)って事だからな……。
>こんな質量の胴体、携帯ランチャー一発で吹っ飛ばせるわけが……とここから先は考察スレ行きか。

え〜〜とどこでだっけか書いてあったのが、ロケランの直径が66ミリくらいあって、双方を20で割ると
ゴーレム1、5m、ロケラン3.3ミリとなる。
爆竹は2ミリくらいで、その直径の多くを厚紙が占める。
だから爆竹8発分…をはるかに超える量の、黒色火薬ではなく高性能火薬で
土の人形を吹っ飛ばせるかどうか考えればいいんだ…

だったかな?

計ったな、シャアメジャーでオレの胸を計ってみたら35センチだった。
一回り小さいとして直径30センチくらいを爆竹8発…以上で吹っ飛ばせればいいらしい。
418名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 18:01:11 ID:bE4bH7MS
あっちの住人が議論した上で「まとめてくれ」って言ってきて、ここの住人で議論して「いいよ」って決まったらまとめていい
419名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 18:02:29 ID:KZKy/spA
生物関連は水属性がメインだからそっちになるのでは?

肉練成も確か豆(大豆?)が主成分と書いてあったから、水分とかも普通の水で補ってそうだし。
420名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 18:03:32 ID:fwy8iJPL
デビルガンダムとかゾイドみたいな一種の生体金属も錬金は不可か?
421名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 18:04:39 ID:a3/MY5Yk
>>418
ヘルシングのとこみたいな感じか?
422名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 18:07:29 ID:KZKy/spA
>>414

どうだろうな〜。あれって自分が造った国を武器にしているようなもんだから、エド達はハンデ有り過ぎで戦ってるし。
いきなりルイズが召喚して敵対したら全軍投入で何とかなるかも?
逆にジョゼフだと手を組んでやばい事になりそう。
423名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 18:14:46 ID:giym5cee
>>420
本質を理解しないと錬金での合成は出来ないものと思われ
まぁまず無理っていうか、あるいは別物になるんじゃないかと・・・
群体ゴーレム的なものになるんじゃないかね
424名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 18:24:00 ID:jVglQhEb
>>422
一国の民の命がほぼ半数以上内蔵されているし
メイジとして見ても大佐とかより遙かにチートな錬金術師
無理なんじゃないか?
425名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 18:48:58 ID:h2R2/ibQ
しかしよく伸びる話題なノーネ
426名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 18:54:55 ID:V4HUJCf1
いたんですかクロノス教諭?
427名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 19:05:23 ID:h9F8vR0I
>>362
亀だけどバキューモン:身長・体重無限大(星座を丸呑み)
428名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 19:11:51 ID:x3TaG5Vk
クロノス教諭の古代の機械巨人が
フーケのゴーレムとガチバトルしているのが思い浮かんだ
429名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 19:18:36 ID:jruarMiH
>>422
詳しい考察をした事はないが
多分お父様を倒すには国一つ相手にする位の戦力が必要だぞ
高い不死性を持つ肉体もさることながら系統魔法より数段凶悪な錬金術をほぼ無尽蔵に連発可能だし
召喚からさほど間をおかずに敵対とかしたらタルブみたいな間に合わせの寡兵とやって終了な気がする
仮に国費投じて大量の傭兵と全軍を掻き集めたとしてもトリステインの戦力はあまり高くない的な描写あったしどうかね
430名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 19:20:47 ID:BQimIf6K
ATK 3000なら勝てそうな気はするな。
というか、ロケットランチャー装備の「コマンダー」がATK 750だから……
431名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 19:28:57 ID:h2R2/ibQ
ユベルの話はフーケがラヴァゴーレム召喚した辺りで途切れたっけ
432名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 19:51:39 ID:2y44YHfy
オレサマ オマエ マルカジリ
433名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 20:05:03 ID:MQVil5Pa
>>431
フーケがユベルの力とラヴァゴーレム・トーチゴーレムをもらったあたりで途切れている
ユベルの人が再び来ることを願う
434名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 20:06:38 ID:brF3x62u
>>413

ジョゼフがリリス、ルイズが初号機、タバサが零号機、キュルケが弐号機
召還でいいんじゃないか?参号機はまだ作られてないし
ジョゼフとオスマンを友人関係において学園の地下にリリスが…
LCLはコッパゲになんとかしてもらおう、電源は風石


いけるかもしれない
435名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 20:11:46 ID:/R4tyYVO
持ち込みは高確率で駄作になるか
フーケ戦あたりで筆が止まるの2択
436名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 20:40:09 ID:qlNg3rBP
アイデアの卵はひらめきも大事だが、
じっくりと温めるのも肝心だからねぇ
437名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 20:42:21 ID:a3/MY5Yk
>>433
攻撃力0の使い魔……のことだよな? まとめで読んだけどフーケがユベルにカードもらったとこまでしか無いんだな
誰か更新してくれないかねー
438名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 20:42:56 ID:dusi2nCS
>>411
ビーストウォーズTFは生機融合体みたいなモノだから難しいな。
439名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 20:43:29 ID:y9qUz2He
>>434
ゼルエル戦後のS2機関搭載初号機とシンジが召喚!とか。
そうすれば動力は解決だ。ただ、TVエヴァ本編見る限りシンジ君そうとうキてる時だからなあ…       
エヴァの二次創作みたいな展開でもないとシンジ君アレだしなあ…
他の奴は…綾波とアスカどっちもアレげな性格だしな。
カヲル君は違和感無いな。トウジは主役臭がしない。
440名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 20:43:57 ID:rKp5Y/vO
総士「ヴァリエール、ファフナーを感じるんだ!」
441名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 20:47:33 ID:MQVil5Pa
>>437
そうそれ
続きが気になって仕方がない
442名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 20:55:43 ID:h2R2/ibQ
ぶっちゃけゼロ魔の人物を活躍させられない作品はきつい

感想とかがアンチ寄りになったり、もしくは全然もらえなかったりするノーネ
443名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 20:56:52 ID:brF3x62u
>>439
シンジの代わりにサイトを召還しよう
S2機関搭載初号機、ジョゼフがリリス
…世界観がめちゃくちゃだ
444名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 21:02:51 ID:2y44YHfy
ノーネと言われるとAAキャラを思い出してしまうな。
モナーとか最近全く見ないけど。
445名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 21:11:21 ID:zfCdJSSI
>>417
サイズの違うものに単純にその結果あてはめても無理があると思うが
446名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 21:16:49 ID:2y44YHfy
>>445
世の中にはヒナ型実験というものもあるけどなー。
もっともサイズの比率が同じでも素材の違いとかもちゃんと考えなきゃだめだけどね。
447名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 21:16:58 ID:qWsS0uEj
LAWは、メタルジェットによる侵徹体で装甲を打ち抜くのがメインだかんな。
爆圧と破片効果はそんなに期待できないんじゃないのか。
448名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 21:18:31 ID:U5bRH2VV
>>439
シンジと初号機が召喚されたネタなかったっけ?
ここのwikiからもリンクされてた記憶が。
449名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 21:36:16 ID:a3/MY5Yk
遊戯王のクロスは全体的にクオリティ高いよな。俺はコルベール先生の決闘が早くみたい。
450名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 21:50:40 ID:qlhRcsBS
>>443
面倒だからS2機関搭載平賀才人にしよう
汎用平賀型決戦兵器人造人間サイト
451名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 21:57:28 ID:JAC5/1Kj
そして才人がパックンされるんですね
452名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 22:03:36 ID:qlhRcsBS
パックン?
453名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 22:08:09 ID:JAC5/1Kj
劇場版破のアレです
454名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 22:09:06 ID:y9qUz2He
頭喰われんのかよww

アスカとルイズの組み合わせとかヤバすぎる。
タバサとレイは…似た者同士だな。
455名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 22:10:55 ID:qlhRcsBS
ある出来ごとで人形みたいになった奴と、最初から人形みたいな奴って似た者かな

>>453
ありがとう
でも劇場版を見て無いから分からんですw
456名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 22:12:18 ID:hjWhrBaM
新ヱヴァの式波アスカならまだ何とか…
457名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 22:12:45 ID:jVglQhEb
ナディアから召喚すればよろし
パラレルワールドだっけ過去の物語なんだっけ
458名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 22:13:29 ID:FskmTYMn
やっぱどの作品もいいよね
459名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 22:15:27 ID:y9qUz2He
新劇の方か、てっきり旧劇のゲンドウかと思った。

>>455 外見と無口。生まれと境遇は別モンだが。
460名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 22:24:37 ID:vjo5ZfWr
クルースニク02 40%限定起動 承認!

1期のギーシュなんぞあの目を見ただけで小便チビるぞ
しかし血中バチルスが補給できなくてガス欠・・になりそうだな
461名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 22:26:06 ID:qlhRcsBS
>>459
外見って髪の色くらいじゃない?
462名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 22:28:19 ID:370WZXdd
ワンピースからニコ・ロビンを召喚

ロビン「ルイズ!ルイズ!ルイズ!ルイズぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!ルイズルイズルイズぅううぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!ルイズ・フランソワーズたんの桃色ブロンドの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
あぁあああああ!かわいい!ルイズたん!かわいい!あっああぁああ!
…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!コミックなんて現実じゃない!!!!あ…小説もアニメもよく考えたら…
ル イ ズ ち ゃ ん は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!
そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!ハルケギニアぁああああ!!
やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?表紙絵のルイズちゃんが私を見てる?
表紙絵のルイズちゃんが私を見てる!ルイズちゃんが私を見てる!挿絵のルイズちゃんが私を見てる!!
ルイズちゃんが私に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないのねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!!私にはルイズちゃんがいる!!やったよケティ!!ひとりでできるもん!!!
あ、コミックのルイズちゃああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあアン様ぁあ!!シ、シエスター!!アンリエッタぁああああああ!!!タバサァぁあああ!!
ううっうぅうう!!私の想いよルイズへ届け!!ハルゲニアのルイズへ届け」
463名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 22:28:50 ID:H3ZnHKo5
似たもの同士ってさ、中身を言うもんじゃないのかな
外見が似てるのを似たもの同士なんて言うっけ?
464名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 22:31:13 ID:a3/MY5Yk
>>462
お前はなにがしたいのかと
465名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 22:34:09 ID:BQimIf6K
特にないんじゃないかな?
私も突発的に叫びたくなることがあるし。
466名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 22:51:18 ID:giym5cee
>ある出来ごとで人形みたいになった奴と、最初から人形みたいな奴って似た者かな
先ほどまで見ていた別スレの所為で
アルマーとラヴレスが思い浮かびました
まぁアルマーは人形になりたかった、と言ったことのある男ですが

・・・うん、悪セル呼んでも召喚のショックで記憶飛ぶんだろうな
シエスタはマウザーさんの子孫
タルブのアレはもちろんツヴァイ、でも固定化されてるから再生は出来ません
467名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 22:59:46 ID:JsJo87QN
三国無双のキャラって召喚されてないのか?
結構キャラ立ってる奴多いから面白くなりそうなんだが
シバイ、チョウコウ、淵ジェル、孔明、ホウトウ、呂布、張角あたりとか
無双の連中は強すぎるから呼びにくいのかねえ

確かに、呂布なんて召喚されたら、対7万が決死イベントからたるい作業イベントになりそうだし
張角は黄天の奇跡やられたらなんでもありだし
もっとも、どうせ呂布が来るなら、ガンダールヴサイト対呂布の方が見てみたいが
468名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 22:59:51 ID:VSACIOAM
人形を召喚して比べてみればいいだろう。

プッチャン召喚
469名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 23:01:08 ID:V4HUJCf1
>>457
エクセリオンなら何万年も埋まってて壊れてなかったから起動さえできればメンテ不要かねえ
操縦も19世紀の人間でもできてたし慣れれば可能だろう

ナディア召喚したら確実にヴィンダだな、あのわがまま娘を制御できるかは知らんが
始祖のルビー=ブルーウォーターで聖地にはレッドノア
470名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 23:01:54 ID:qlhRcsBS
>>467
いくらガンダ呂布でも、七万を相手に作業は無理じゃない?
471名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 23:04:02 ID:jruarMiH
しかし呂布だしな
472名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 23:08:01 ID:s1fNGBQ/
まあ呂布だし仕方あるまい
473名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 23:09:22 ID:qlNg3rBP
呂布ならグレンラガンと互角の戦いしても驚かない
474名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 23:09:36 ID:qlhRcsBS
確かにガンダ呂布なら、非メイジなんて虫けら以下になるだろうけど、
メイジは三国無双の矢とは比べ物にならない飛び道具を使ってくるわけですよ!
無双シリーズの弓兵のウザさを考えれば納得して頂けるはず!
475名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 23:10:54 ID:s1fNGBQ/
ガンダ呂布ならフーケのゴーレムをチャージ1の衝撃波1撃で葬る姿しか思い浮かばない
476名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 23:13:37 ID:Ytb+Yrbs
敵倒すと定期的に肉まんを落とすから問題ない
477名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 23:13:46 ID:qlhRcsBS
無双シリーズの櫓じゃないんだからw
478名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 23:16:04 ID:dQz4NKhB
しかし修羅モード
それでも矢や魔法なんか弾き返す姿しか思い浮かばない
479名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 23:17:39 ID:h7QPpqhI
>>469
ナディアから喚ぶならジャンでしょ。
才人の初期設定てあんな感じの発明少年だったんだろ?
480名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 23:18:11 ID:qlhRcsBS
>>478
最近の無双はそんなことになってるのか……
481名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 23:26:59 ID:vDhfpDKr
ガンダ呂布って書き込みを見て、呂布はトールギスだろボケ!
とか一瞬思っちまった。
482名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 23:27:55 ID:OK7Rg0dF
中華料理的に考えると、火系統が最強なんだろうか?
483名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 23:29:32 ID:EEq/wMRS
ミョズニトニルンに乳酸菌飲料・ミ〜ルトンを飲ませて
「ミルトンおいしいです(^q^)」と言わせたい・・・
484名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 23:31:22 ID:SzSHARaq
>>483
ミルトンって消毒薬じゃね?
ローカルな乳酸菌飲料なのか?
485名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 23:35:50 ID:z/+2zGs+
486名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 23:37:29 ID:4TLoL7Qt
>>466
ストーリー的には記憶喪失アクセルとか言語機能崩壊ラミアとかの方がおいしいんだけど、それだと確実に影鏡に世界蹂躙されるんだよなぁ……

シナリオ上最後に次元転移弾に巻き込まれるからエンディングからも連れて来やすいけどね。
487名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 23:38:03 ID:JsJo87QN
ガンダ呂布前提なら魔法についてはデルフがあるから…
使わなさそうだな、呂布は
488名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 23:40:21 ID:OK7Rg0dF
呂布が召喚された場合は、やはりゴキブリの亜人として扱われるんだろうか?
489名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 23:40:44 ID:s1fNGBQ/
>>487
電撃食らう→平然としてる呂布→攻撃に雷属性付加

こんな呂布が浮かんだ
本田忠勝召喚…してもあんまインパクトが無いのは何故だろう
490名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 23:44:24 ID:a3/MY5Yk
そこでホンダムの出番だな。バサラの
491名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 23:48:32 ID:xp8BZsFS
この雑談っぷりは規制解けたのか?
492名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 23:51:49 ID:K+Nux+J4
>始祖のルビー=ブルーウォーターで聖地にはレッドノア
ナディアの世界は一万二千年前に宇宙人が地球に来て人を作った世界なんで
六千年後に突然出現したブリミルは設定考えると他の宇宙勢力になるんじゃないか
使徒みたいな
493名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/23(月) 23:55:23 ID:OXojm4mo
>>355
ターナは踏みつける以外に何かないのかw
セフィリーヌは魔神の槍があるからデルフリンガーと合わせてガンダールヴのイメージにピッタリかも
494名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 00:01:44 ID:BJzor/vl
無双で思い出した
某アメリカ合衆国大統領の出番はまだか?
495名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 00:04:40 ID:rAnELzog
とっくの昔に出てる
496名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 00:10:05 ID:uoNxHe3E
>>494
小ネタにあるよ
まあ、私としてはピーターと、虚無魔法も耐えるであろうDNNヘリも出して欲しいんだが

もしガンダでなくとも、呂布ならガンダサイトとアニエスまとめて相手して平然としてても仕方ないね!
497名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 00:13:06 ID:6WlS2thm
キュルケエエエエエエエエエエエエエエエ!
ちょっとタルブまで行ってくる!!
byルイズ

には吹いた
498名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 00:14:10 ID:OSQs9Wpz
ふと思った。ハルケギニアはワインを水代わりに飲むあたり硬水なんだろう。
そんな生水が飲めずワインを一般的に飲む場所に酔拳の使い手を呼んだら…
499名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 00:16:04 ID:fOf/BAA+
ハンガーとか扉で大暴れするな
500名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 00:16:24 ID:BJzor/vl
ありがとう、後でwiki見てみる
因みに呂布と項羽ならどっちが強いんだ?
501名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 00:18:19 ID:Ay/NVFS9
もうゲッターロボ呼んじゃえばいいじゃん
飛ぶ、地中に潜る、飛び道具といい感じにそろってるし、極めつけのビームで大体は何とかなる
大きさも30m台だからお手ごろ
502名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 00:22:11 ID:aGxaHSb1
ルイズはファイアボールはでたらめな場所で炸裂するのに錬金は狙ったとこを爆破出来るんだよな
503名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 00:23:06 ID:xb5zX0yr
>>498
ゲーム、ゴッドハンドより Wゴッドハンドジーンとか、酔拳技使ってたような

ジーン「boring」

ルイズ:ピーーッ!
504名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 00:23:35 ID:EpgiCm8a
単純に距離の問題だと思うけど。
遠距離錬金は高等技術だし。
505名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 00:27:54 ID:XFNZCjLF
>>500
兵を率いれば項羽が圧倒的でタイマンだと呂布が勝つなイメージ
506名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 00:40:35 ID:kom0n4JT
>>501
猪突猛進野生の勘が素晴らしいルイズがゲッター1、暴力おまかせ、頭脳明晰ジョゼフがゲッター2、優しく天然、大きな(胸が)ティファニアがゲッター3か。
3つの力で、ロマリアの鬼を退治とか面白そうな話w
507名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 00:41:41 ID:rAnELzog
ジョゼフしか30G加速の世界に耐えられそうじゃないなあ……
508名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 00:41:49 ID:VM31IbFn
>>490
ホンダム登場=ルイズがワルドに攫われるフラグだな
509名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 00:49:07 ID:lzSpPkWa
ホンダムはタバサが召喚してたね
510名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 00:50:49 ID:S1tkBD97
>>506
主人公なサイトが1、細身のギーシュが2、丸いマリコルヌが3の方がしっくり来る気がするw
511名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 01:05:59 ID:Mv86CEEV
>>508
ホンダムが戦う度にルイズが後で
「タダカーツ!タスケナサイヨ!タダカーツ!」
って連れ去られてる訳か

バサラの格ゲーもバランス崩壊してたな。北斗の拳と同じレベルか少し酷いぐらいで
まあバランス大崩壊なマヴカプ2やってた人間なら許容範囲だろうけど
512名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 01:13:44 ID:8sUSvAmO
>>506
イーグル号、ジャガー号、ベアー号がそれぞれの使い魔か。
そのジョゼフは荒れてはいるけどシャルルに王位を押し付けて隠居してるという感じだろうか。
513名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 01:15:21 ID:AyeYb+xe
ルイズによって萌えよ!戦車学校シリーズの面々が召喚されたらどうだろうな。
大量の戦車付きで。
破壊の杖…原作通りだが出番なし。歩兵戦車マチルダ(元ネタ?)で戦う。
ゴーレム…ティーガー初期型の8.8cm56口径主砲で粉砕される。
虎の出番は鈍重で大食らいなため最初の遭遇戦のみ。遠距離は無理だ。 
514名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 01:40:39 ID:iMB8M5GV
神戦車でおk
515名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 01:46:27 ID:8mnKlPPL
この間のハピツリで、長編をやるとしたら誰を召還するのが適当だろうか……
っていうか誰なら一番長持ちするかな?
516名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 01:46:49 ID:8m3ZZNkg
掃討三脚戦車でよろしく、ただし戦“車”と呼べる代物の自信はないが
517名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 01:53:30 ID:weyzDTqw
>>479
ジャン・コルベールがなんだって?
518名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 01:57:21 ID:fOf/BAA+
>>515
どいつもこいつも死なずにはいられないだろうから、長持ちは無理じゃないかな
一話ごとに死んでも、次の話の冒頭で召喚し直して使い捨てていくとか
原作からしてしれっと復活してるんだから、クロス元から召喚し直せばokさ!
519名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 02:01:05 ID:F4zLZZzX
電光戦車でおkだろ、あれなら中の人いるし
520名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 02:06:16 ID:jIXdK0ls
>>501
強大な力もったロボット召還しても面白くなる要素無いだろ
ゼロ魔の主要キャラが空気になるだけだし、一方的な蹂躙作品だと叩かれるが落ち
521名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 02:24:35 ID:C9W6KyAl
ロボットもの召喚するなら、
ここぞって時しか動かない動かせない方が面白いだろうな
522名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 02:31:57 ID:jIXdK0ls
短編でエクスカリバー召還とかあるけど
ああいうちょっとバッドテイストな征服エンドになりそうだ

ガンダム00の召還のみの一発ネタとかもあるけど
話の膨らましようが無いよw
523名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 02:39:14 ID:8sUSvAmO
>>518
死んでもしばらくしたらケロッと復活するんじゃない?ハルケギニアの人達も含めて
524名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 03:26:42 ID:6n+i49am
>>520
ロボじゃなくゲッター線を呼ぶほうがまだ面白みがありそうだが、
この場合向こうのスレの範疇になるんだろうか。
525名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 03:53:48 ID:AyeYb+xe
最初から撃墜、不時着した機体ってどうか。
試しに書いてみた。
使い魔はパイロット

…その緑の巨人は片足であった。
その機体は片足をもがれ、全身に大小の弾痕が刻まれていた…そして頭に草の生えた網が残っている。
その機体の胸部が開くと、男が現れた。後に『ジオン』という場所から来たという事をルイズは聞く。
しばらくし、土くれのフーケが現れた際、男はそれに乗ると腕を動かし、右手の銃でゴーレムを撃ち抜いた。凄い音と衝撃が周囲を襲った。
その後フーケを捕らえたところ破壊の杖という物はかつての敵の対MS誘導弾だったのだ。
男はその後女主人と幾多の冒険をし、タルブの地にて敵軍の白い悪魔を見つけた。
壊れており、頭と左腕が消失していたが動かし、敵艦に悪魔の光を放ち、消し飛ばした。
不自由な視界のなか歩いて帰ってきた白い機体はかつての敵機を座らせた。
彼らは砲台として賊を撃退した。彼らを知るものがこの世を去ってなお彼らは門番につき、
人々を見つめるのである。
         
526名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 04:04:59 ID:fOf/BAA+
緑の巨人の時点でグリーンジャイアントを思い浮かべた俺が続きを読めなかったのは言うまでもない
527名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 06:02:59 ID:sJash6/l
>>525
対MS誘導弾っつうと重力戦線一話で使ってたアレか。
イグルーってゼロ魔とは対極に位置する話な気がするぜ。
528名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 07:09:02 ID:9+U3ycSi
座ったまま砲台化するMS…Vガンダムの爺達を思い出してしまったな
529名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 09:11:11 ID:3EKwldaL
すまん、片足のザクで「よんでますよ、アザゼルさん」を
思い出してしまった俺を許してくれ
530名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 09:53:34 ID:wBuCTxJy
じゃあなんか邪悪なの召喚して「あとは頼んだぞ、ハルケギニアの子供達よ」
はどうだ?
531名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 10:24:07 ID:Fa91QK8P
>>530
なんかエルドランシリーズを連想した
学院の各塔が変形合体して巨大ロボになったりするの
532名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 11:26:34 ID:IsAa0Yas
>>>525
ということは、シエスタの祖父はアムロなのか!!
533名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 11:28:21 ID:OnddMbU6
>>531
デザイン的にはヘポイになりそうだな
534名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 11:37:11 ID:OzP7nWpx
>>528

Vガンダムか…
残された残骸MSつーと、崩れかけたマスドライバーを支えたまま「機体はそのまま、パイロットだけ死んでもらう!」とほぼ無抵抗でコクピットだけ殺られたガンイージーを思い出した。
535名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 11:45:51 ID:e6zdpH++
>>534
同士よ
ケイトさんのみならず、シュラク隊はみんな壮絶な死に方したなぁ…
536名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 11:59:50 ID:eg+Z5ZCS
537名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 12:27:23 ID:tvCqPo5G
ふむ・・・・・・・サイズ的にはレグジオネータとかよさそう
もっともハルケギニアの技術レベルが上がるまで眠り込みそうだが
538名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 12:31:03 ID:eE+IcSqR
ACfaから水没王子を召喚

ラグドリアン湖でギーシュ水没
モンモン「無様ね」
乙樽「貴様には水底が似合いだ」

あんま違和感なくね?
539名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 12:37:45 ID:gU75jAn5
ゴーレム的な魔法ロボならメンテの心配ない
竜神丸とかダイソードとか
540名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 12:49:13 ID:dbAZb9Tt
魔法でロボといえばグランゾートだろ
グランゾート:キュルケ
ウインザート:タバサ
アクアビート:モンモンorアンアン
ルイズはどうすればいいんだろう…
541名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 13:03:26 ID:e6zdpH++
ホロレチュチュパレロ!とか言ってればいいと思うよ
542名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 13:04:27 ID:tvCqPo5G
魔法でロボといえば
「ちょっとそこに座りなさい」
「悪役なんぞやっとれんよ」
「ばっかもーん!」
             なアレでしょう
543名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 13:12:02 ID:NOrSxYCG
>>540

暗黒大邪神?
544名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 13:22:16 ID:nv6Jqr6p
巨神ゴーグとか書いてみる
545名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 13:34:13 ID:BJzor/vl
じゃあ巨神兵
546名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 13:37:21 ID:MAMSmKuw
魔法といやぁヤミノリウスは魔界の魔導士だったなそーいや
547名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 13:38:40 ID:EHzoiatu
>>545
ハルケギニア燃えちゃうw
548名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 13:39:15 ID:8sUSvAmO
蒸気人形ドーヴァーを呼び出して必死に石炭をくべるルイズ
549名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 13:41:10 ID:8m3ZZNkg
>>545
オベリスクの?
550名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 13:42:30 ID:tvCqPo5G
アルティメットガンダム(暴走後)
551名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 13:49:08 ID:wBuCTxJy
リューメイジとか…
552名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 14:24:14 ID:KMEQDKw8
スーパーロボット呼ぶなら自分でエネルギーとか残弾回復できる奴じゃないときついな
553名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 14:24:18 ID:12B+PCJo
アルティメットガンダムは自然保護が目的なので環境がそんな荒れて無いハルケギニアには介入せんだろ

そういやガンダム繋がりで思い出したが、こないだ話題に出てたカガリ
こいつは生身での運動能力が半端じゃない上に直情径行で馬鹿だが生真面目なんで
サイトよりはるかに活躍するだろうってのがガンダムクロススレでの結論だった
554名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 14:28:51 ID:ODiiRviF
天空の城ラピュタに出てくるロボットも、名前は巨神兵だそうです。
あれも大概チートスペックですが、ムスカが放出した機体の一部がハルケギニアに渡っていて……アルビオンのとある村で子供たちを守っているとか。
555名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 14:36:11 ID:tXLRhWSC
巨人、大砲、玉子焼き
556名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 15:00:42 ID:zQaHUNsE
巨人、大鵬、卵焼きじゃなくてか
557名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 15:06:47 ID:BUQ8SV0v
>>553
>カガリ
一国の王を召喚して使い魔にするとかルイズ許すまじ、みたいな流れになってそうだなw
558名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 15:30:00 ID:xPnA3Odk
A:超長距離移民船団と敵がデフォールドしてハルゲニアを巻き込む
B:異世界の超時空振動弾が炸裂して異世界だらけ、特異点争奪戦
559名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 15:36:56 ID:ODiiRviF
例えばマクロス艦のような全く異質な文明の産物が、誰の目にも分かる形で存在していた場合、それをハルケギニアの人間は調べたりするんだろうか。
理解できるかどうかはさて置き、もしメイジの優位性を崩しかねない物が発見されたなら葬られてしまうんだろうな。
560名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 15:46:37 ID:VBec2CB2
単純に対エルフ決戦用に取っとくだけだろ
561名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 15:52:27 ID:Mv86CEEV
ロボットとパイロットを召喚するとルイズがオマケ
ロボットのみを召喚すると何故かロボットを操縦出来るルイズか
ロボットが何故かルイズに従順なロボットに魔改造されてしまう
FSSのモーターヘッドとファティマを召喚すればルイズも
召喚されたファティマもロボットも自然に活躍出来るな
ルイズがモーターヘッドを操縦が出来るかどうかはファティマがガンダールヴの力でなんとか
562名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 16:01:13 ID:xPnA3Odk
>>560
ハルゲニアと聖地が敵に攻撃され、エルフと魔法使いが難民として
アイランド級に収容されるとか
563名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 16:08:01 ID:Bv6psV4N
そういや暴走後のアルティメットガンダムは一体どういう目的で動いてたんだろう
人類殲滅は師匠のお考えだしなぁ
564名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 16:08:14 ID:S6zF+gzU
>>561
無茶言うな……と思ったがFSS一巻でエトラムルが頑張ってたな
565名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 16:11:40 ID:12B+PCJo
マクロスは人物ドラマ抜けば恒星間規模の宇宙戦争なんで
巻き込まれたらヴィダーシャルが百万人いようがハルケギニアはどうしようもない
戦力だけなら旧いバルキリー一機であの世界滅ぼせるし

ああ、でもエクスプロージョンで吹っ飛ばせるか
566名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 16:13:53 ID:U9qvu0ko
クシエルの矢からフェードル召喚。ルイズとの相性は最高だぜ
567名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 16:27:49 ID:xPnA3Odk
>>565
バルキリーの後部座席にエルフや魔法使い乗せて呪文唱えさせるとかw
ジャミングバーズみたいな扱いになるし船団としては歓迎だな。
7やFでも統合軍の練度低いし。
568名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 16:36:54 ID:8kx36SwZ
固定化かけてのダイダロスアタックとか考えたけど、ヨルムンガンド相手ですら小さすぎて無理だった。
巨大ロボ通り越してマクロスはでかすぎる。
569名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 16:39:42 ID:7/CS90h2
バジュラを召喚出来たらとりあえずルイズは喜ぶだろうな。
小ネタでやるなら感染症全滅オチだろうけど。

あいつらって単体じゃ思考できないんだっけ? まあ、フォールド波は異世界にも届くとか
ハルケがマクロス宇宙にあることにすればいいわけだけど。
570名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 16:39:45 ID:AyeYb+xe
使い魔のルーンの力でルイズも戦闘機乗りに。
マクロスメンバーに混ざって戦ううちに「ルイズ隊長」になる。
ラストは月探査に同行するとか…
 
571名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 16:39:48 ID:hsg9Da7l
そりゃダテに超時空要塞の名を冠しちゃいないさ。

マクロスとのクロスでは、
魔法はルーンを唱えなければ発動出来ない≒歌エネルギーの一種
ってのを考えたことがあるな。
572名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 16:51:47 ID:xPnA3Odk
ゼロ魔世界で歌姫って誰が相応しいんだろ?
573名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 17:01:03 ID:n0VR9ae8
ジャイアンが召喚されました。


厨房の手伝いで学院を潰滅させ(ジャイアンシチュー)、
ギーシュと心の友になり、
お前のものは俺のもの論理でワルドからルイズを奪い、アンアンから国を奪い、ヴィットーリオから教皇の座を奪う。

ハルケギニアの人々は、ジャイアンの歌に怯えながら暮らす日々が始まる。
574名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 17:01:18 ID:OzP7nWpx
>>563

何でわざわざ【暴走後のアルティメットガンダム】と言うんだ?
それはさて置きアレの行動理念は、地球再生プログラムの三大理論の自己『再生 増殖 進化』を飛躍させ地球再生に必要だと至った結論が人類抹殺だから、その為に行動してると誰かが説明してた。
…誰だったかな?
575名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 17:17:28 ID:Bv6psV4N
>>574
暴走前なら「地球環境再生」が目的だけど暴走後はどういう目的で
動いてるのかが見えなかったから

つまり、結局は暴走してても地球環境再生が目的なのは変わってなかったのか
576名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 17:45:57 ID:8m3ZZNkg
>>572
カラオケレベルならジェシカとかうまそうだけどな
ネウロからアヤ・エイジア喚んだら絵にも書けない状況になりそう
577名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 17:51:29 ID:E+XImrVp
OVA版キャシャーンのブライキングボスもそうだったな
地球環境の保全という目的のために人類の間引きと管理を思考の結果選び出したと
東博士の意思とも取れる描写もあるが
OVAのアンドロ軍団もハルケだと目的を見失うんかなぁ、人口多いわけでもないし
環境も汚染されてないし
でもやっぱ一度動いてたら人間より優れたネオロイダーで汚染や人口爆発を未然に防ぐとして
やっぱハルケ蹂躙するんだろうな
578名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 18:05:26 ID:IcB5PjeV
>>553
ある意味初期アンリエッタよりもお馬鹿な姫様なんだぞ、アレ
おまけに理想主義者だから、ルイズと組ませると変な化学反応起こしそうで怖いwww
579名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 18:09:31 ID:bh8eBkbb
というかあれで国がまわるのがすげぇ
オーブの首脳陣は化物か
580名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 18:12:55 ID:AyeYb+xe
逆にオーブにアンリエッタ姫が召喚されたら…
581名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 18:16:24 ID:js67FJ7g
あれは嫌いなガンダムを仕事にしてしまった福田と、
脳みそ沸いている嫁のコラボによるフィルターがかかっているんじゃないかと・・・
582名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 18:18:31 ID:fAjwXBIO
フェアリーテールのハッピー召喚
583名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 18:20:23 ID:IcB5PjeV
>>580
下手な事(単身で戦場に出たり、他所の国の君主に文句言ったり)しない分、
その方がマシな気がしてくるのが恐ろしい
584名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 18:27:39 ID:XSNWz2c0
>>583
カガリが民衆の人気集める為の客寄せパンダに徹してれば、
モルゲンレーテもマスドライバーも失ったのにわずか数年で復興を遂げている
セイラン家のチート実務能力と合わさってオーブが世界最強国になってたという意見もある程なので
その意見は実に正しいと思うw
585名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 18:28:51 ID:+sQuE0OK
ところで銀魂から神楽を召喚したらどうなるんだ?
ナチュラルに強い+ガンダールヴ効果でエライコトに…
586名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 18:37:55 ID:fAjwXBIO
フェアリーテールのハッピーとメルヘヴンのベルとハガレンのアルのトリオ。
587名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 18:39:29 ID:IcB5PjeV
>>584
セイランの実務能力がマジパネェwww
というかアンアンの母親が無責任扱いされてるけど、娘に変な理想教え込んで国を戦場にした
カガリの養父の方が傍迷惑極まりないよな
588名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 18:43:40 ID:sJash6/l
>>585
そこはまず声だろう。
589名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 19:05:03 ID:Bv6psV4N
ルイズに「フルティン」って言わすのか
590名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 19:15:30 ID:jIXdK0ls
まめっちはミョズニトニルンに相応しいな
591名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 19:16:11 ID:oOIJUvQP
>>589
金色のガッシュから【ウンコティンティン】召喚とか
頭によぎったじゃねぇかww

ウンコ「さあ、お嬢さん……私の名前を言ってごらんなさい
     


     大きな声で」
592名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 19:19:18 ID:8mnKlPPL
いっそのことルイズにガッシュ、キュルケにティオ、ギーシュにキャンチョメ、タバサにウマゴン、モンモンにモモンetc....

あれ、なんか面白そうだぞ
593名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 19:19:29 ID:XSNWz2c0
>>591
何度聞いてもサンデーのキャラとは思えんw
ボンボンかコロコロあたりであるべきだろその名前はwww
594名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 19:21:41 ID:eCPzz1x3
そういやガッシュ本編に出た魔物の子って総勢何人だったっけ?
二年生全員がパートナー付きで召喚とか妄想してみる
595名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 19:23:25 ID:jIXdK0ls
>>592
その手のなぜか大勢召還モノはBASARAとかアンデルセンとか地雷しか無いような
596名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 19:30:49 ID:8mnKlPPL
>>594
金色の本に現れた面子だけでも二年生を補える気がする
597名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 19:37:21 ID:OSQs9Wpz
複数召喚は大変だから3体くらいにしておけばいいんでね?

「そこに 3つの モンスターボールがあるじゃろう」
598名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 19:42:07 ID:AyeYb+xe
ルイズが地雷を召喚したようです。

「なにコレ。」
ルイズは大量の皿?らしき物が入った箱と奇妙な置物の詰まった容器を引き当てました。
コルベールの指示に従い、キスした所、使い方が頭に入ってきました。しかも無限に増えてきてなくなりませんでした。
ゴーレムには皿のような方(対戦車地雷)
人には奇妙な置物(M-18クレイモア対人散弾地雷)を用いて大活躍しました。
ハルゲギニアに地雷が入ってきて、模倣され生産されて行き。
対人地雷禁止条約のない世界で恐怖の武器第一位に君臨しました。    
599名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 19:46:34 ID:js67FJ7g
地雷ってそのものは結構前からあるものだと思うが。
落とし穴とかの延長にある兵器だし。

探せば「左手」の「長槍」としてハルケのどっかに埋もれていそうな気がする。
600名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 19:47:49 ID:Bv6psV4N
恐怖の武器といえば「いじめてくん」だろう
ハルケギニアにはひっかかりそうなの沢山いるし


ギーシュは「友達の家に泊まるって言ってきたのちゃん」(爆弾の名前)とかに反応しそうだ
601名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 19:53:24 ID:c0nrS+gQ
>>569
バジュラでZENKIを思い出した
602名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 19:53:40 ID:+sQuE0OK
ACMOAからナインボール・セラフ…

無茶がありすぎるか…
603名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 20:11:08 ID:OflaJYaE
ちょっと乗り遅れたけど ロボものってことで『ブレンパワード』を プレート状態で召喚。
契約のキスでリバイバル。
基本的にメンテナンスフリーだし、操縦もテクニックより機体との相性が重要っぽい。
自意識あるから パイロットが乗って無くても ある程度動くし 他の使い魔達とも仲良くなりそう。
ティファもブレンをリバイバル(ヒメブレン?)
無能がグランチャー、凶皇はバロンズゥ(コレが”憚られる使い魔”)をリバイバル。
ストーリーは、
アルビオンが浮いているのは、地中に半覚醒状態のオルファンが埋まっている為で、
これを完全に覚醒させようとするガリア・ロマリア勢と アルビオン・トリステイン・ゲルマニア連合の対決という流れで。
フーケ事件で盗まれたプレートから、双子がリバイバル(キュルケブレン、タバサブレン)。
『ガンダールブの槍』は、もう一体のブレンで、ネリーブレンイベントを再現。
なんてのはどうでしょうか?
604名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 20:12:30 ID:12B+PCJo
そこまで考えたなら書けよ
605名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 20:22:19 ID:E+XImrVp
>>603
なかなか面白そうである
うん、そんだけ考えられるアンタが羨ましいぜ
ぜひ作品に書き起こしてくれぃ
>アルビオンが浮いているのは、地中に半覚醒状態のオルファンが埋まっている為
これとかよく考えたって思うよ

あと先だってのレスでageてすまんかったです
606名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 20:29:07 ID:zonJuhdB
>>603
それはもう「ゼロ魔世界でブレンパワードをやりました」になっちまってないか?
その辺が引っかかって本スレだと拒絶反応出る可能性あるから、取り合えず
書くつもりが本当にあるのなら有るなら避難所に投下するのがお勧めだと思う。
607603:2009/11/24(火) 20:41:43 ID:OflaJYaE
すいません。当方 別のSSで手一杯です。
どなたか、アイディアの一部でも使っていただければ幸いです。
>606
>それはもう「ゼロ魔世界でブレンパワードをやりました」になっちまってないか?
そうなる危険性が高いので、
・パイロット召喚なし
・雑魚アンチボディ召喚なし
で考えてみました。
608名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 20:45:06 ID:AlcYEUy9
学園を跨ぐ形でACfaのスピリット・オブ・マザーウィル(無人)を召喚とか…
日当たりが皆無になり苦悩する学園の人々と、契約時に運用方法を習得するも必要な人員等を揃える労苦を前に途方に暮れるルイズ。
609名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 20:46:56 ID:Ay/NVFS9
だからダンバインをだな

ハルケギニアがザブングル化してもバランスは崩壊しないだろうな
610名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 20:49:29 ID:+sQuE0OK
>>608
いっそソルディオス・オービット(あんなものを浮かべて喜ぶか!変態企業め!)の砲が
611名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 20:53:45 ID:jIXdK0ls
>>609
ダンバインじゃなくてショット・ウェポンだろ
あれこそ由緒正しき異世界NAISEIものだなw
612名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 20:56:41 ID:Ay/NVFS9
ウェポン様は本当に頭のよいお方
613名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 20:57:15 ID:FZFj6hMd
皆がルイズに呼び出されるロボットの議論を行う中、タルブでは搭乗式ロボットの始祖(映画仕様)がひっそりと鎮座するのであった。
614名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 21:00:17 ID:1F34UHTP
>>571
Ru/Li/Lu/Raクロスとな?
昔、某所にアーカイアから英雄サイトが召喚されましたってのが有ったな。
615名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 21:01:24 ID:+1unRdIi
>>572
そこは伝説のパイロットクドウ・シンの孫になったシエスタがマヤンの歌で鳥の人を(ry
616名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 21:02:09 ID:GTzXzOoh
ルイズって公爵令嬢だよな
なのになんで使い魔の所持品をジャイアニズムで取り上げるんだ?w
617名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 21:07:11 ID:OSQs9Wpz
行方不明キャラは全てハルケギニアに召喚されています
618名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 21:18:52 ID:e6zdpH++
>>614
運命の赤い糸で結ばれている英雄と歌姫なのにえっちなことは出来ない作品ですねわかります
後ろならOKらしいけどな!
619名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 21:22:41 ID:bmu1HqC6
>>597
ルイズにガッシュ、ジョゼフにゼオンでよい
もちろんOHを決める戦いが始まる前の関係で
620名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 21:34:11 ID:rENmLL4T
MOTHER3のヨクバを呼んでハルケを近代化
621名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 21:41:10 ID:vP7IySq7
草加雅人なら大丈夫
622名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 22:08:19 ID:8m3ZZNkg
雑談も楽しいが日曜日のウル魔以降二日もss投下がないと寂しいな
623名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 22:13:17 ID:vsAzHnkW
ガッシュだとアシュロンかレインがルイズのパートナーに向いている気がする
624名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 22:17:00 ID:rNUaSM0F
>>599
地雷火とか埋め火とか呼ばれるものでございますな。
蜀の諸葛亮が使ったという話もございますが。
625名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 22:18:34 ID:89p4fF1J
>>614
ルリルラとか、また随分と懐かしいものをwww
という俺第3回目から参加した英雄
626名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 22:32:09 ID:Wt1k9UFc
>>625
俺は初回から参加して
マリーエンとカルミィーンを支給された英雄
627名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 22:37:07 ID:+1unRdIi
>>625
漫画版とか有ったな
イズルハが異母妹で黄金の歌姫とか色々ぶっ飛んでたけど
628名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 22:39:19 ID:/DpelZ1Q
ルリルラは深夜ラジオだけ聞いてたなぁ
629名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 22:56:23 ID:zsfr/Svg
>>618
どういうことなの・・・・
630名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 23:26:30 ID:3WrDB6tZ
卓ゲ者ども、まとめて巣に帰れw
631名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 23:27:18 ID:AHqcjCPB
ホビージャパンの巻末で連載されてた漫画か
632名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 23:27:28 ID:+yaZlMdG
ウル魔の更新速度はあのクオリティなのにちょっと引くくらい早い。
633名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 23:35:52 ID:/DpelZ1Q
あの方は一体、何を犠牲にしながら執筆なされているのかのう……。
634名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 23:40:38 ID:ZUc93esN
俺が思うにスピードかノベルのガイアメモリを持ってると思われ。
…ガイアメモリのみ召喚…アリだな。
635名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 23:40:38 ID:eg+Z5ZCS
キャラでなくモノを召喚

ユニット・ガイバー(ガイバー)
ウルトリア(ザ・ウルトラマン)
アークル(クウガ)
四宝剣(封神演義)
オキシジェン・デストロイヤー(ゴジラ)
マスターまほう(FF7)
神の涙(ダイ大)
女神の指輪(DQ)
ゴールドピアス(クロトリ)
葵の御紋(いおの)
閃光剣(SDガンダム)
たらい(現代魔法)

取説いらなそうなの集めてみた
636名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 23:46:32 ID:js67FJ7g
モノだとガンダの「長槍」として喚ばれちゃうんじゃないかな。
637名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 23:47:17 ID:1F34UHTP
メガテンのアームターミナル(ピクシー、ケルベロス入り)キボン…
638名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 23:51:15 ID:PqmRRYdY
ソーディアンやストームブリンガーみたいな特殊タイプはありじゃない?
インテリジェントデバイス等の自我があるだけ?は微妙ラインかも
ストームブリンガーいいかもね
639名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/24(火) 23:58:19 ID:M7rb9NqP
カトレアがストームブリンガーを振るうと申すか
640名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 00:00:55 ID:WalC0Uaf
>>561
竜神丸やダイソードは人格あるよ
641名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 00:03:54 ID:lxpOi+fS
>>637
アマラ輪転鼓召喚は考えた事がある

それよりもルイ様召喚をだな…
642名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 00:04:54 ID:daF1BMFE
>>639
ここはタバサ母に振らせて魂を喰うと呪いから僅かな時間だけ開放されるって設定でだな
……あれって呪いに効いたっけ? 病弱な体には効果覿面なのは覚えているんだけど
643ギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王 part3:2009/11/25(水) 00:27:58 ID:2bO8ujVO
12:40から投下します
アンパンマンの黒バラ女王をギーシュが召喚する話です。
644名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 00:29:53 ID:aMCit9iP
私怨
645名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 00:30:33 ID:mW83JkAI
支援
646名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 00:38:47 ID:03ZG1Fgx
紫煙
647ギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王 part3:2009/11/25(水) 00:39:11 ID:2bO8ujVO
「サ、サイト!? サイトーーッ!」
 桃色がかったブロンドの髪の少女、ルイズが悲鳴を上げた。
 彼女は昨日のサモン・サーヴァントで平民を使い魔として召喚した生徒である。
 その彼女は今、涙を両目に浮かべながら青年の形をした鉄像を抱いている。
 青年の像は先ほどまで人間であった。
 決闘でギーシュを追い詰めていた青年こそが彼である。
「ほーっほっほっほっほっほ。他愛の無いこと」
 閉ざされていた口を巨人が開く。
 その言葉にギーシュは自分がまだ決闘の最中であったことに気がついた。
 上空に向けていた目線を下げると、何故か黒い鉄の塊と化している青年と彼に縋り付いて泣くルイズがいる。
「すげえ! ギーシュの使い魔が平民を錬金した!」
 事の一部始終を見ていた者達が歓声を上げる。
 青年がギーシュを圧倒したときのように、再び観衆が沸いた。
「いや〜、いい見物だったね!」
「よかったなギーシュ、これで平民に負けずに済んだな」
「見直したぞ! ただのガラクタを召喚したと思ったら、まさかこんな凄い亜人だったなんて!」
 観衆はルイズ達には目もくれずにギーシュを褒め称えた。
 そもそも彼らが決闘に望んでいたのは正々堂々の真剣勝負ではない。
 この決闘が貴族に刃向かった平民への粛正の意味を込められたものであるからだ。
 それ故、使い魔を戦いに介入させたギーシュを非難する者はいない。
「ねぇタバサ、これって……」
「すごく、危険」
 赤い長髪の女生徒、キュルケの問いに青い髪のタバサが答える。
 現在、彼女達のように事の重大さに気づいている者はほとんどいない。
 使い魔は常に主に従順であるという先入観が、彼らが本来感じるべき危機感を薄れさせているのだ。
648ギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王 part3:2009/11/25(水) 00:40:06 ID:2bO8ujVO
「しかし驚いたよ。まさか君がこんなにも素晴らしい女性だったなんて」
 学友達からの称賛に上機嫌なギーシュは意気揚々と巨人に話しかけた。
「ふふん、お世辞はいらないよ」
 巨人は細長い黒金の指を口に宛がい零れそうになった笑みを隠す。
 ギーシュと巨人の談笑は一頻り続いた。
「でも、どうやって彼を錬金したんだい?」
 ギーシュは思い出したように尋ねた。
「なんだい見てなかったのかい? それじゃあ今度はよぉく見ておくんだよ、ギーシュ」
 そう言って巨人は杖を持っていない方の手をヴェルトリの広場に向け、10メイルはあろう人差し指を振り下ろした。
 すると黒い薔薇の花が一本ギーシュ達目掛け、まるで弾丸のような速度で撃ち出される。
 そしてギーシュの隣に居た金髪の女生徒に命中した。
「モ、モンモランシー!?」
 胸に薔薇の茎が突き刺さった女生徒の名前をギーシュが叫ぶ。
 彼女の姿はサイトと同じような黒い鉄の像に変わっていた。
649名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 00:41:12 ID:mW83JkAI
もいっちょ支援
650ギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王 part3:2009/11/25(水) 00:41:18 ID:2bO8ujVO
「うわあぁぁ!!」
 ギーシュを中心に集まっていた群衆が一斉に離散する。
 ここに来て、ようやく広場にいる全員が自分達の置かれた状況に気づいたのだ。
 恐怖に駆られた学生達が飛行の魔法、フライでその場から一斉に逃げ出す。
 まだ地上に残っているのは鉄像を抱くギーシュとルイズ、そして地に伏せたタバサとタバサにマントを抑えられて逃げられずにいるキュルケだけだ。
「逃がさないよ」
 巨人が目を見開いた。
 鋼の皮膚の下に身を潜めていた黄金色の眼球が露になる。
「そぉれぇー!」
 風を切って突き出された杖の先端――黒い薔薇の中心を暗闇が包む。
 球状に広がった黒い靄がはち切れ、大気をうねらせる。
 学院上空に黒い嵐が吹き荒れた。
「きゃあぁぁああ!!」
 飛翔していた学生達は一人残らず旋風に呑み込まれる。
 十数秒間の荒天の後、静けさと共に黒い氷雨が訪れた。
 降り注ぐ鉄像と舞い落ちる薔薇の花びらが穏やかな昼の空を黒く染めていた。
651ギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王 part3:2009/11/25(水) 00:42:00 ID:2bO8ujVO
「あ……あ、あわ、あがが」
 信じ難い光景を目の当たりにしたギーシュは言葉を失って立ち尽した。
 彼女は本当に自分の使い魔なのだろうか。
 そんな気持ちがギーシュの中に沸々と湧き始めていた。
「うふふ」
 地面に転がった鉄像を眺めながら巨人が目を細める。
「酷い! 酷い酷い! 酷すぎるわ!」
 目元を赤くし拳を握り締めたルイズが巨人に向かって怒声を上げた。
「あ、あんた! こんなことしてただで済むと思ってるの!?」
 抑え切れない怒りにルイズは肩を震わせ、精一杯の睨みをきかせる。
「そ、そそそそうだ! き、君のせ責任は僕の責任になるんだぞ!」
 ルイズの後に続き、ギーシュも声を荒げた。
 使い魔の主として、最低限の威厳を保つためである。
「ふん、関係ないね」
 しかし、巨人ははにかんだ笑顔を崩さない。
「私が何をしようと私の勝手だろう? それに私はね」
 腰を捻らせ、巨人はギーシュとルイズに向けて首を伸ばす。
「お前達みたいにケバケバした色の奴らが」
 黄金色の眼球、紅色の血に染まった瞳に広場の俯瞰図が映る。
 そこには金色の巻き髪、桃色がかったブロンドの髪、燃えるように赤い長髪、透き通るような青い髪があった。
「大っ嫌いなんだよ!!」
 真っ赤な瞳孔が開いた。
 影が差す巨人の顔には既に笑みは無い。
652ギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王 part3:2009/11/25(水) 00:43:42 ID:2bO8ujVO
(……来た)
――紫電一閃。
 突如、青い物体が学院に飛来した。
 タバサはキュルケを浮遊の魔法、レビテーションでその物体に乗せ、自らもその首元に飛び乗った。
 高速で低空飛行する青い竜はギーシュとルイズを両前足で抱えヴェルトリの広場を後にする。
 そしてその直後、先ほどまで四人が立っていた場所に槍のような茨が鋭い刃をそり立たせた。

//今回はここまでです
//補足:ネタバレになりますが、才人やモンモン達は死んでません。
//黒バラ女王をやっつければ元の姿に戻ります。
653名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 00:45:28 ID:mW83JkAI
乙でした
悪役本領発揮ですね
続き待ってます
654ギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王 part3:2009/11/25(水) 00:51:50 ID:2bO8ujVO
今回の投下でストック使い尽くした……

一応話の流れは、国とかを巻き込んだ長期戦じゃなくて
学院内だけで完結する、一日以内の短期決戦をイメージしてます
655名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 01:44:29 ID:3hLppVDb
マイナーだがモンスターメーカーのルフィーア召喚とかみてみたいな
障害持ちの妙な髪色の姉にベタベタでコンプレックス持ちで最初は落ちこぼれなところとかがルイズに似てる
ネズミの使い魔に錯乱して暴走しジジイを焼き殺したりとか
656名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 02:00:33 ID:3hLppVDb
だんじょん商店会の作品も続きが見たいな
ブラム伯爵とかを呼び出すのも面白そーだが
657名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 02:35:47 ID:a3pA9BeT
アンパンマンさんキタコレ!!学院がえらい事になっちゃったw
黒バラ女王って子供向け番組のキャラとは思えない位に不気味な恐ろしさを持ったキャラやね。
658名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 04:18:57 ID:h1HSyNbq
>603
あれ? 俺がいる。
ブレン召喚は定期的に出る話題だから、
自分も似たようなこと考えて、なんとか出来ないかとプロットをこねくりまわし、
連載中の執筆を続ける傍ら、手慰みに一話だけ書き上げてほったらかしてたことを思い出した。

自分のプロットだとルイズがグランチャーのプレートを召喚して。
けどコントラクトに失敗して自分の左手にガンダのルーンを刻んでしまう。
リバイバルしたグランチャーは凄く臆病な性格で、ガンダのルーンで操られることをすごく恐がって暴れる。
ルイズが自動発動するガンダのルーンを何とかするために奮闘する。

と言う話になる予定だった。


中盤以降はルヴィス・ノアに保護されていたサイトが乗っていたブレンごとテファに召喚されて、成り行きでルイズのグランチャーと戦いになってしまったり。
けれど戦いが嫌いなグランをアンアンを守る為とは言え戦わせる自分をルイズが自己嫌悪したり。

ワルドの裏切りで傷だらけになったルイズを、5万の軍勢の魔法や砲弾の雨から身を盾にして庇い続けるグランとかを書いていく予定だった。
そして迎えるネリーブレンのイベント……

今、書いてるのが完結したら書きたいのだけれど一体何時になることやら……
659名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 05:02:22 ID:p6BHASBc
構想は発表を持って変えさせてもらいたいもんだ
660名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 05:39:08 ID:u/+Wkb4V
>>556
ラッキーマンから召喚するわけですよ
661名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 05:44:37 ID:u/+Wkb4V
>>659
あんまり細かい設定まで書いちゃうと、ネタ潰しになっちゃうもんね
そういう人たちは避難所のここ向きかね
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9616/1227584310/l50
662名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 05:52:36 ID:wdXNowjg
>658
603ですが、同じ素材でも全然別の話になる所が面白いんですよね。
>今、書いてるのが完結したら書きたいのだけれど一体何時になることやら……
そこまで一緒とは…
今晩、まとめWikiでチャットしてみたいですね。
663名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 10:07:21 ID:P4V3w6S8
>>635
魔弾戦記リュウケンドーのゲキリュウケンもあるぞ。
火、水、雷(風)の力があるから基本形態を土にすれば四系統全てが揃う事になる。
虚無はアルティメットにすれば完璧。
664名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 11:28:43 ID:WalC0Uaf
巨大なロボを召喚した場合、アカデミーの追求かわすのが難しいか?
665名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 12:00:00 ID:d4wFhKEu
指パッチンでどこでも飛んでくるシャイニングガンダムはその点便利だわな
666名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 12:38:19 ID:eaO4317t
じゃあ巨大じゃないロボでミクロマンのロボットマンとか
確か一メートルないのにお台場ガンダム級の物体ぶっ壊すビーム撃ったはず
667名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 12:44:44 ID:gCsRGqcT
じゃあ「ポケットの中の巨大ロボ」ゴールドライタン
コインで呼び出す守護騎士
ボロンは・・・・・・材料現地調達がウリだってのにビルや煙突はともかく
ダンプカーやショベルカー、ガスタンクがないぞ
花火はハルケギニアにあるのかしらん
668名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 13:34:19 ID:dwk55mHH
じゃあ最近の奴から一つ。
メガテンストレンジジャーニーからヒトナリ以下調査隊の面々召喚。
んで聖地はこの世界のシュバルツバースってことにすればおk。
669名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 15:09:55 ID:EAqRMO07
>>668
偵察カメラに映る中世ヨーロッパ風の風景、
なにかの間違いとおもってシュバルツバースに乗り込んでみたらそこは魔法の国でした……
670名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 15:20:49 ID:/eySFTHq
ハルケギニアに来ても魅力的な女の子に一目ぼれするアンソニー
671名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 15:25:53 ID:kPmqIUO2
ことあるごとに出没する閣k…謎の少女
672名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 15:29:16 ID:4k7G6unk
ルイズが召喚失敗した……と見せかけて謎の金髪の人が色々な場面で出てくると
673名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 15:41:50 ID:cBqdSike
わたしのお嬢様からメリーを呼べば面白いことになりそうだな。
シリアス以上のドタバタコメディなら、ジョゼフもきっと……
674名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 16:16:06 ID:nD8j/GLv
>わたしのお嬢様
あの娘はちょっとした事でパンチラ(ドロワース)するから、オスマン大歓喜だなぁおいw
675674:2009/11/25(水) 16:17:54 ID:nD8j/GLv
ミリーと間違えたよorz
じゃじゃ馬お嬢様の方だよ、メリーは
676名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 16:53:06 ID:rMp19CD0
そろそろベルセルクゼロの続きが読みたくなってきた。
677名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 16:55:31 ID:ZAYVP70t
おマチさんは強奪なんぞせんでも色仕掛けでオスマンに破壊の杖を貢がせることができたんじゃないかと思う
ともかくここ数日の投下のなさは異常事態、規制はとっくに明けてるよな?
678名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 16:56:27 ID:hrJpWhXP
投下っていままでそんなに多かったの?
679名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 16:58:37 ID:7oEKXqlK
幻霧ノ塔ト剣ノ掟のティルフィングに振るわれるデルフリンガーの心境はどんなものか
680名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 17:00:21 ID:ZAYVP70t
>>678
これまでは一日最低1〜2は投下があった。今年の初めあたりまでは一日10以上の投下もざらだった。
681名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 17:09:59 ID:XBzYA6/d
>>680
それ去年ぐらいの話じゃないの?
682名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 17:10:36 ID:rP8G4+7/
それだけゼロ魔が勢いを失ってきているってことかもしれんね。
ファンの心を止めて置けなくなっているともいいかえられるが。
683名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 17:11:30 ID:YxOWugfZ
原作引き伸ばしの嵐だしなぁ
684名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 17:29:04 ID:EjkIpujx
ルイズが原作初期を上回るメンヘラになってるからしかたがない
685名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 17:33:13 ID:vMW1OD2g
もうツンデレなんて無いんだね
686名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 17:34:14 ID:613qT8QC
イイ使い魔を召喚してキャイキャイ喜ぶルイズが出てくる作品が好きだ。
最近投下されたデビルマンのルイズとか凄く良いなと思う。
ここの作品じゃないけど、ディアブロUとのクロス作品でのルイズの喜び様もかなり良かった。
687名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 17:56:35 ID:FHQBdk2B
ゼロノスというゼロまで戦うライダーがいてだな
688名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 18:15:28 ID:RbYE6HRb
ちぃと遅レスになるが。

>364
十三mならまだしもロケランでいけそうな気もするが、三十mは諦めそうな気がするw

>397-398
実は「真鍮という金属」「青銅という金属」として認識してたりしないかな、あっちの貴族連中。
合金だって認識したらとたんに難しくなる感じで。イメージの力というか。
689名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 18:36:48 ID:LJqN15/Y
鋼やギフトや赤の王も続き読みてぇな
690名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 18:43:38 ID:7oEKXqlK
>>688
ランクが高くなるほど不純物の除去や添加が意図的に行えるようになるとか?
691名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 18:54:25 ID:Cxzg6eL5
>>690
生まれた時から「黄金なんて簡単に錬金できるけど使い道の無いクズ金属」とか「青銅の錬金マジ難しい、青銅錬金できるとか神」
とか信じ込ませれば簡単に黄金を錬金できるが青銅は錬金できないメイジになるとかそういう意味じゃないかな、イメージなら
692名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 19:01:15 ID:hrJpWhXP
逆に、純度の高いもんに混ぜ物を加えるのは楽なのかな?

金とかは国がお抱えしてるメイジが固定化かけられてるんだろうな。
693名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 19:01:59 ID:b0QP9+8R
>>639
> カトレアがストームブリンガーを振るうと申すか

だめだ。
『ストォームゥブリンガー!』の掛け声とともに攻撃を繰り出して、敵から体力を奪って回復してるカトレアが浮かんでしまったw
694名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 19:27:38 ID:XBx0sw7u
でも燃料すら気合で錬金するような奴もいるからな
実は黄金の効率的な錬金方法が確立されてないだけなのかもしれん
695名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 19:30:01 ID:CQUzJvpL
ニャル子さん召喚は考えたが…ニャル子さんは自力で帰りそうだ。
696名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 19:43:31 ID:613qT8QC
>>691
黄金の鉄の塊を錬金出来たらブロントさんも納得やね。
697名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 20:32:07 ID:d4wFhKEu
>>685
延々とツンを続けていたらどうなるかはエレオノールという生きた見本がおるだろうに
698名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 20:37:15 ID:JA4U8Lz1
ストームブリンガー・・・

叩きつけろ!その拳を!!
打ち砕け!悪の野望!!
暗黒の雲を吹き払え!!

・・・あのケンジを呼んだら魔法学院がハレンチ学園になっちまうなw
699名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 21:27:08 ID:3hLppVDb
KOFキャラの召喚モノって案外無いんだな
700名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 21:33:03 ID:HbCpq9fx
キムカッファンを召還してフーケとワルドを矯正とか
701名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 21:38:43 ID:nmqqQaI2
右京さん呼んでルイズと相棒やって欲しい
702名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 21:38:49 ID:hrJpWhXP
そういえば、なんでプリキュア系のss、wikiから消えたの?
703名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 21:41:52 ID:25bwWhn0
SSへのタグ付けに反対

俺作家なんだけどタグ付けやめてよね

反対意見として参考にならないレベルだったのでガン無視

あっそ んじゃおれのSS削除ね

こんな流れ
704名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 21:58:20 ID:mlpi528m
392 名前: ラジオペンチ(福井県)[] 投稿日:2009/11/25(水) 21:54:17.79 ID:ITPI9mzE
http://news.2ch.at/news/s/news2ch32815.jpg

393 名前: ボールペン(関東・甲信越)[] 投稿日:2009/11/25(水) 21:54:52.72 ID:+9VwvpnL
ねーねー、みーんなっ☆\(^o^)/☆
>>245この白くて可愛い女の子は一体誰なのかな?(?_?)ダレ??
教えてちょーだいっ(^_-)☆★

394 名前: マントルヒーター(dion軍)[] 投稿日:2009/11/25(水) 21:55:30.04 ID:u5Q79MYT
>>392
おい日野!責任取れよ!!
705名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 22:48:55 ID:tVWijZzn
スゲー…。
見事な絶壁だよw
706名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 22:51:33 ID:HbCpq9fx
美しいな
707名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 23:00:02 ID:lpXDfgwA
>>702
とある議論をしている所にな、SSの作者という絶大な権力を使って自分の思い通りにしようとした輩が出てきたんだよ。
議論の場でそんなことをしたら、当然「本当に作者なのか?」という意見が出るだろ?
偽物の意見に踊らされてましたwじゃ堪らんからな。
それに対して何故か逆切れをして「プリキュアの人」と名乗り、こんなことしたらスレに投下なんて出来ない!
と言って撤退したのね。
708名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 23:02:04 ID:faeSfRK3
これがウワサのクギミャナ高地か
709名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 23:05:33 ID:azSEs46Q
ちひゃー大勝利……
710名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 23:10:20 ID:yCBcy/La
中国長期出張から帰って、久しぶりにwiki覗いてみたら
名作や銘作や迷作やらがいろいろ消えてた。

・・・なんか寂しいと言うか、部屋の中が寒く感じる。
711名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 23:14:49 ID:ctWLBxgE
>>703
また酷く穿った視点だな、毒吐きに帰れ

タグ付けに作家目線での修正意見出す
→作家一人の意見に振り回されすぎるのはどうなのよと水掛け論ムードに移行
→煽り気味な意見に反応して名乗り出るけど勢い余って撤退まで宣言
ぐらいが妥当な言い方じゃないだろうか
712名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 23:16:38 ID:7uDpmrCP
>>707
まとめサイトなのに作者の意見より読者の利便性を取ったからな
撤退者が出るのも仕方ない
713名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 23:25:08 ID:IcUBrvL7
ありゃどう見てもただの自爆だわw
714名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 23:25:41 ID:aR/FItEz
黒バラ女王のサイトを青年と表現するのに何故か違和感を感じる。
意味的にっは「15〜25歳頃の若者」を指すらしいから間違ってはいない
筈なのに何故…?と思ったら、同年代の学院生徒とかは大抵少年って表現されてるんだよね。
715名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 23:27:55 ID:HxEZQV8q
モット伯爵、ロジャーの法の下君を断罪する!
716名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 23:28:50 ID:lpXDfgwA
>>712
賛否両論が出てたし、プリキュアの人が逆切れするまでは基本的にどう擦り合わせるかを議論してなかったけか?
逆切れするんじゃなくて、作者と言ったのを撤廃して普通に話し合ったら良かったと思うけどな。
名乗れって言ったの1人だし、それまで他の人は普通に参考して話し合ってたんだからスルーすりゃ良かったのにとも思うけどさw
717名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 23:30:47 ID:lpXDfgwA
ぶっちゃけ>>713の言うとおり自爆だよなw
本人もテンパったとかそんな感じのこと言ってたしさw
718名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 23:35:23 ID:Yt+aFvXZ
>>712
あれ? プリキュアが唯一の撤退者で、理由も自分としては名乗ったからには撤退するしか無いって感じだったような……
719名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 23:41:28 ID:XBzYA6/d
わかったから避難所のごたごたについて此処でやるな。
720名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 23:43:52 ID:9StYgtPD
どう折り合いをつけようかって時に、一人が本当に作者かわからんからコテつけろよ〜みたいなこと煽り気味に言って、
いやいやそれは作者の心情的に明かしづらいだろってレスもあったけど、プリキュアの人はついつい早まって名乗り出て、
んでそうなった以上は色眼鏡掛けられて見られちゃうから、撤退しますって流れかな
721名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 23:46:17 ID:lpXDfgwA
>>720
心情的に明かしづらいだろなんてレスあったっけ?
少なくとも名乗れ→プリキュアの人でしたの流れでは無かったけどな。
722名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 23:48:16 ID:Yt+aFvXZ
名乗る直前のレスのラストにある
723名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 23:52:22 ID:lpXDfgwA
申し訳ない、確認したら確かにその通りでした。
724名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 23:55:13 ID:IcUBrvL7
でも1分2分の差だから、読んでなかったろうなw
もう少し早くレスしてあって読んでいたら思いとどまってくれてたかも知れんがね
725名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/25(水) 23:56:01 ID:KSD1Ilv8
そんな終った事を何時までも引っ張るなよ
726アノンの法則:2009/11/26(木) 00:01:54 ID:x8amXRWb
お久しぶりです
規制解けないなーと思っていたら、モリタポ持ってたのを思い出しました
予約が無いようでしたら投下させていただきます
727名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 00:03:01 ID:4E9JQUqW
へうげものから千利休召喚
黒くわびた世を目指しワルドさえ利用します
728名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 00:03:52 ID:4E9JQUqW
すんません支援
729アノンの法則:2009/11/26(木) 00:04:34 ID:x8amXRWb
御者はミス・ロングビルが勤める。
キュルケが馬車から彼女に話しかけた。
「ミス・ロングビル……、手綱なんて付き人にやらせればいいじゃないですか」
「いいのです。私は、貴族の名をなくした者ですから」
ミス・ロングビルは、にっこりと笑って答える。
そこに、タバサと一緒にシエスタのサンドイッチをほおばって、キュルケにもらったピカピカの剣を眺めていたアノンが口を挟んだ。
「メイジってみんな貴族じゃないの?」
「あんたは黙ってなさい!」
結局、無断外泊の理由を問い詰め損ねたルイズは、イライラしてアノンを怒鳴りつけた。
移動中の時間を使おうとも考えたのだが、ミス・ロングビルもいるこの場でそれは憚られた。
しかし、ミス・ロングビルは微笑んでアノンに説明する。
「貴族は全員がメイジですが、メイジのすべてが貴族とは限りません。いろんな事情で、勘当されたり家を捨てたりした貴族が、身をやつして傭兵になったり犯罪者になったり……。私もオールド・オスマンに拾っていただけなければ、盗賊にでもなっていたかもしれませんわ」
「ミス・ロングビルが盗賊ですって?」
キュルケが声を上げた。
「おかしいでしょうか?」
「オールド・オスマンの有能な秘書が盗賊だなんて」
「あら。私だって、意外と巷を騒がす大怪盗になっていたかもしれませんわ」
それじゃあまるでフーケじゃない、とキュルケ。
ロングビルもルイズも笑い、盗賊退治の前だと言うのに、馬車の上には笑い声が響いた。
進むうちに、馬車は深い森に入って行った。昼間だというのに、森の中は薄暗い。
「ここから先は、徒歩で行きましょう」
ミス・ロングビルがそう言って、全員が馬車から降りた。
五人は森を通る道の脇に伸びる小道を歩いていく。
「なんか、暗くて怖いわー、いやだー」
なんともわざとらしく言って、キュルケがアノンの腕に手をまわす。
「歩きにくいよ、キュルケ」
「だってー、すごくー、こわいんだものー」
ルイズが、ふんっと二人から顔を背けた。
しばらく歩くと、一行は開けた場所に出た。
魔法学院の中庭程の広さの空き地。その真ん中に、ロングビルの情報通りの朽ちかけた小屋があった。
730アノンの法則:2009/11/26(木) 00:06:34 ID:x8amXRWb
「私の聞いた情報だと、あの中にいるという話です」
ミス・ロングビルが小屋を指差して言った。人が住んでいる気配は全くない。
五人は小屋の中から見えないように、森の茂みに身を隠して作戦会議を始めた。
タバサが、奇襲が一番、と言って作戦を決める。
その内容はこうだ。
アノンが小屋まで近づき、中を偵察。もしフーケがいれば挑発し、外まで誘き出す。
そこを全員の魔法で一斉攻撃、ゴーレムを出す前にフーケをしとめる。
「つまり偵察兼囮ってわけか」
タバサが頷く。
「可能なら、そのまま仕留めてもらってかまわない」
「私達の見せ場も残しといてね、ダーリン?」
「気をつけて下さいね、相手はあのフーケですから」
ルイズはふん、とそっぽを向いて、
「せ、せいぜい気をつけなさい」
と言った。
アノンはキュルケにもらった剣を抜いて、すばやく小屋まで近づく。
ルーンの力で体が軽い。
デルフリンガーは自分を相棒だと言うが、ルーンの力を使うための剣は、特に彼である必要は無い様だ。
(ルーンを使うだけなら、デルフにこだわることは無いな…)
「なんでぇ、あのナマクラじゃねえか」
アノンのそんな考えを知ってか知らずか、背中に背負われたデルフが言った。
「静かに」
小さな声でそう答えて、アノンは小屋の壁に張り付き、窓から中を覗く。
中には埃を被った家具がいくつかあるだけで、人の暮らしていた形跡は見当たらない。
正真正銘の廃屋だ。
アノンは合図をして、ルイズたちを呼んだ。
「誰もいないよ」
タバサが扉の前で杖を振り、『ディテクト・マジック』を唱える。
反応なし。
罠がないことを確認したタバサは、ドアを開けて中に入っていく。それにアノンとキュルケが続いた。
外には見張りとしてルイズが残り、ミス・ロングビルは辺りの偵察に森の中に入っていった。
小屋の中を探し始めてすぐ、埃を被ったチェストから、タバサが盗み出された『奇跡の木札』を見つけ出した。
「ずいぶんあっけないわね…」
キュルケがそう漏らす。
アノンは『奇跡の木札』を見た途端、目を丸くした。
「これが『奇跡の木札』…? まさか…なんでこれがこんな所に……?」
「どうしたのダーリン?」
キュルケの声など耳に入らない。
間違いない。これは――。
その時、見張りをしていたルイズの悲鳴が聞こえた。
三人が一斉にドアを振り向いたと同時に、小屋の屋根が吹き飛ぶ。
屋根が無くなった小屋の中を、巨大なゴーレムが覗き込むようにして立っていた。
「ゴーレム!」
キュルケが叫んだ。
やはり一番反応が早かったのはタバサだった。
すばやく詠唱し、巨大な竜巻をゴーレムにぶつける。
しかし、ゴーレムはびくともしない。
続いてキュルケが胸から杖を引き抜き、炎を放つも、炎に包まれようが、ゴーレムはまったく意に介さない。
アノンも背中に隠していた杖に手をやったが…すぐに思い直した。
取り込んだモット伯は、トライアングル・クラス。
二人の魔法が通じなかった以上、自分がやっても同じだろう。どうせなら『フライ』で飛んで逃げたほうがまだマシだ。
それに、この場にいる者たちに、自分の能力の一端を見せることになってしまう。
アノンは杖ではなく、背中の剣を抜いた。
731アノンの法則:2009/11/26(木) 00:09:53 ID:x8amXRWb
「無理よこんなの!」
キュルケが叫んだ。
「退却」
タバサが冷静に判断し、撤退を決める。
二人は一目散に逃げ出した。
自分もさっさと逃げ出そうと、アノンがゴーレムに背を向けたとき、ボンッと聞き覚えのある爆発音が聞こえた。
「ルイズ!?」
振り向くとルイズがゴーレムの背後で杖を振り、何度も失敗魔法をぶつけているのが見えた。
ゴーレムはルイズとタバサたち、どっちを叩こうか迷っているようだ。
アノンは地面を蹴って走り出し、分かれた標的にもたついているゴーレムの股の間を一気に駆け抜けて、ルイズを捕まえた。
「何すんのよ!」
首根っこを捕まれ、ルイズが抗議の声を上げる。
「キミこそ何してるんだ。あの大きさ、キミじゃ無理だよ。秘宝も取り戻したし、後は逃げるだけ…」
「いやよ! あいつを捕まえれば、誰ももう、私をゼロのルイズなんて呼ばないでしょ!」
アノンの手を払い除けて、ルイズは強く言った。
「私にだって、ささやかだけどプライドってもんがあるのよ。ここで逃げたら、ゼロのルイズだから逃げたって言われるわ!」
「他人にどう言われたっていいじゃないか」
「あんたにはわかんないかもしれないけど、私は貴族なのよ。魔法が使える者を、貴族と呼ぶんじゃないわ」
ルイズは杖を握り締め、巨大なゴーレムを見据えた。
「敵に後ろを見せない者を、貴族と呼ぶのよ!」
勝ち目の無い敵にも、強靭な意志で持って向かっていく。
フーケが宝物庫を襲ったときにも見た、その目に宿る強い光。アノンにはルイズの背中が、誰かと被って見えた。
ぐるりと、ゴーレムが体勢を変えてこちらを向いた。どうやら先にこちらを潰すことにしたらしい。
ゴーレムの胸辺りで、またルイズの爆発が起きるが、まるでダメージにならない。
ゴーレムの巨大な足が持ち上がり、ルイズとアノンに向けて落ちてくる。
アノンはルイズを脇に抱え、大きく横に飛んでそれをかわした。
ルイズを抱えたまま、アノンは走り出す。
盗られた秘宝は取り返した。なら安全なところまで離れて、タバサの風竜で逃げるのがベストだ。
何もあんな大きなゴーレムとやりあう必要は無い。
アノンは抱えたルイズが、ぽろぽろと涙をこぼしているのに気がついた。
「キミ、泣いてる?」
「だって、悔しくて……。わたし……。いっつもバカにされて……」
いつもゼロゼロとバカにされているのが、よほど悔しかったらしい。
今回のフーケ討伐も、ルイズはその汚名を返上するために志願したのだ。
ゴーレムの拳が振り下ろされる。アノンは再び横に跳んでそれを避けた。
ルイズがいては、攻めるも守るもできない。
それに、巨体ゆえにゴーレムの一歩は大きく、走って逃げ切るのも厳しい。
そこにタバサの風竜シルフィードが舞い降りた。
「きゅいきゅい!」
「乗って!」
タバサが叫んだ。
アノンはルイズをシルフィードの上に放り投げた。
「あなたも早く」
タバサが焦った様にアノンに言った。
だがアノンは、シルフィードの背には乗らずに、彼女たちに背をむけ、拳を振りかざすゴーレムを見上げている。
「アノン!」
シルフィードの背で、ルイズが怒鳴った。
「行っていいよ」
タバサは無表情にアノンを見つめていたが、今にも拳を振り下ろしそうなゴーレムを見て、シルフィードを飛び立たせる。
シルフィードが飛び立った瞬間、ゴーレムの拳が地面に叩き付けられた。
732アノンの法則:2009/11/26(木) 00:12:38 ID:x8amXRWb
「アノン!」
ルイズが悲鳴のように叫ぶ。
土煙が晴れ、アノンは半分ほど地面に埋まったゴーレムの拳の、すぐ横に立っていた。
「あの目…見たことがある」
強い意志を宿した、ルイズの瞳。
誰かに似ていた。あの目は――。
アノンはゴーレムの腕に、剣を振り下ろす。
ゴーレムの腕とぶつかった瞬間、金ピカの剣はあっさりへし折れた。
「あ、折れた」
「たりめーだ。さっさと俺を抜け」
背中から言われて、折れた剣を投げ捨てると、アノンはデルフリンガーを抜き放った。
ルーンの輝きが増す。
「まあ、相棒ならなんとかなるだろ」
のん気にそう言うデルフを構え、アノンは再び拳を振り上げるゴーレムの足元へ、一足飛びに近づいた。
片足を、斬り飛ばす。
ゴーレムの巨体が傾いた。さらにアノンは、体を支えようと地面についたゴーレムの腕を切り裂く。
だが、ゴーレムは地面の土を吸収し、失われた部分がみるみる再生されていく。
その再生速度に、感心したようにデルフが漏らした。
「おー再生か。ずいぶん早いな。だが……」
再生を始めた腕が、根元から切り落とされる。
「相棒のが早え」
地獄人の“超身体能力”に上乗せされた『ガンダールブ』の力。
その攻撃速度は、ゴーレムの再生力を凌駕した。
失った手足の再生も叶わぬまま、さらに追撃を受け、ゴーレムは両の手足を失う。
ダルマの様になって地面に倒れこむゴーレム。
剣が振られる度、その体が削ぎ落とされていく。再生などまるで追いつかない。
必死の再生も空しく、三十メイルの土の巨体は、ただの土くれへと還された。
「あ、かすり傷だ。ボクもまだまだだなぁ……」
ゴーレムだった土山の前で、アノンはいつの間にかできていた腕の傷をぺろりと舐めた。
木の陰に隠れていたキュルケが、アノンに走り寄る。
「アノン! すごいわ、さすが私のダーリン!」
抱きついてくるキュルケを引きはがしつつ空を見ると、降りてくるシルフィードの背に、ルイズとタバサが見えた。
「た、倒しちゃった…」
ルイズは着地したシルフィードの背から降りて、あっけに取られたように、アノンが作った土の山を眺めた。
ゴーレムが倒れ、安心しきっている二人に、タバサが呟く。
「フーケはどこ?」
はっとしてあたりを見渡すルイズとキュルケ。
その時、近くの茂みから、辺りの偵察へ行っていたミス・ロングビルが現れた。
「ミス・ロングビル! フーケはどこからあのゴーレムを操っていたのかしら」
キュルケが尋ねたが、ミス・ロングビルはわからない、というように首を振って『奇跡の木札』を見る。
「それが、盗まれた秘宝ですね」
「ええ」
ルイズがシルフィードの背から『奇跡の木札』を取って、ミス・ロングビルに見せた。
ミス・ロングビルはそれを手に取り、じっくりと眺める。
「これが『奇跡の木札』ですか…一体どうやって使うのでしょうか?」
ミス・ロングビルはそう尋ねたが、学院生徒の三人は首を振った。
「私にはただの板きれにしか見えませんわ」
「筆が添えられてるわ。何か書き込むんじゃないかしら」
「書き込む……何をでしょう?」
「さあ、そこまでは……」
「ああ、それは…」
アノンが口を開きかけたとき、ミス・ロングビルが豹変した。
733アノンの法則:2009/11/26(木) 00:16:03 ID:x8amXRWb
「ちっ、使えないねぇ。所詮は学生か」
「え? …きゃあ!」
ミス・ロングビルは近くにいたルイズを乱暴に引き寄せると、首に腕を回して拘束した。
「動くんじゃないよ! 全員杖を捨てな!」
「ミス・ロングビル!?」
キュルケが叫んだ。
「どういうことですか?」
ルイズも驚いて、首に回された腕を外そうと暴れたが、のど元に杖を突きつけられる。
「まったく、でたらめな使い魔がいたもんね。私のゴーレムがあんなにあっさりと……」
「私のゴーレム……? じゃあ、あなたが……」
ミス・ロングビルがメガネを外し、結い上げていた髪を下ろす。
鋭い目つきのその女性は、さっきまでとはまるで別人のようだった。
「そう。土くれのフーケよ」
タバサが杖を振ろうとした。
「おっと。動かないで。この娘がどうなってもいいの? 全員、杖を遠くに投げなさい…あんたも剣を捨てるんだよ! あんたが一番得体が知れないからね…」
正体を現したフーケは、油断無くアノンを睨む。
最大限に警戒しながら、フーケはルイズの体を前に押し出し、盾にした。
仕方なく、ルイズたちは杖を放った。アノンもデルフリンガーを地面に転がす。
「あなたがフーケなら、なんでこんな回りくどい真似をしたんです?」
アノンが尋ねると、武器を奪って少し安心したのか、フーケは挑発的に微笑んだ。
「私ね、この『奇跡の木札』を奪ったのはいいけれど、使い方がわからなかったのよ」
「使い方?」
「ええ。手にした者は望む力を手に入れることができる…あのハゲ頭はそう言ってたっけね。でもどんな魔法をかけたって、うんともすんともいわないんだもの。そこで一芝居打って、学院の教師どもに使い方を教えてもらおうって考えたのよ」
「でも、予想に反してボクたちが来てしまった」
「そうよ。まさか盗賊退治を生徒に丸投げするとは思わなかったわ。でも、流石に教え子達が盗賊の手にかかったとなれば、あいつらも少しはやる気になるんじゃないかしら?」
フーケはにやりと笑った。
「私はこのままあんたたちを始末して、学院に帰る。そこで涙ながらに言うのよ。『勇敢な生徒達は皆フーケにやられてしまいました』ってね。今度こそ、こいつの使い方がわかる教師が来てくれることを祈るわ」
ルイズが悔しそうに唇を噛んだ。
タバサは杖を拾うタイミングをうかがっている様だが、フーケがそんな隙を見せるとは思えない。
アノンは杖を隠し持ってはいるが、フーケの杖はルイズの喉元。
こちらが呪文を唱え終わる前に、ルイズの首が飛ぶだろう。
そもそも武器などなくても、ルイズを見捨てれば、フーケを倒すのは簡単なのだ。しかし――。
ルイズが見せたあの目。
見覚えのあるそれは、消してしまってはいけないもののような気がした。
「おい、相棒! とっととやっちまえ!」
不意に、低い男の声が響いた。
「誰!?」
フーケの杖と注意が、声のした方――地面に転がったデルフリンガーに向けられる。
その隙を逃さず、アノンは地を蹴って飛び上がった。一瞬、アノンを見失うフーケ。
アノンは、空中で一回転してフーケの背後に着地、首筋に手刀を入れる。
フーケはその場に崩れ落ちた。
「助かったよ。デルフ」
「なんのなんの。いいってことよ」
「大丈夫かい、ルイズ?」
解放されたルイズを気遣う様子を見せた後、アノンはフーケの手から落ちた『奇跡の木札』を拾い上げた。
透明のケースに収められた一枚の木札。その隣には、筆が一本添えられている。
「やっぱりだ……間違いない」
それは“守人の一族”が、何万年もの間求め続けた天界の至宝。
書き込むことで、どんな“才”でも手に入れることができる木札。
その秘宝の名を“空白の才”といった。
734アノンの法則:2009/11/26(木) 00:17:44 ID:x8amXRWb
以上です
ではまた
735名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 00:19:00 ID:VRw+oMSK
紫炎
736名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 02:20:51 ID:mJ1sTuPl
アノンの人乙です

>>635
ニーベルングの指輪はどうか
絶対悲劇だろうけど
737名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 02:30:06 ID:fVBYha0P
もう一つの指輪でも召喚したらいいじゃない
738名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 02:49:50 ID:B3I347Vt
乙です
ちゃんと帰ってきてくれてよかった
739名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 03:33:21 ID:0aoIiJDl
>>689
カントナ!?
740名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 10:33:26 ID:rQcFyC/R
反応が薄いからssの書き手がいなくなるんじゃね……

とは言っても、全然知らない作品のクロスとかにはレスし辛いんだよな
741名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 10:45:53 ID:1DpbbNXg
何時の間にかSS投下スレみたいになってるが基本はそれも含めてるだけのスレだからな
そんな勘違いな人がいるとしても気にすることじゃないし無理してレスする必要がある物でもないよ
742名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 10:54:29 ID:tymzXORa
遅だが、撤退したプリキュアの人の作品はダークドリームの冒険でググったら13番目くらいで全部まとめてるサイトに当たった
まあ自分もお絵かき掲示板で教わった情報だけど、今でも読めるのでよかったらどうぞ

>>740
まあ自信持って書いた作品の反応が薄かったら気落ちくらいはするだろうな
かと言って時間が過ぎた作品の感想もなんか流れを切るようだしな

とりあえず毒の爪、黒魔導士、聖帝、日替わり、ほかにも好きな作品はいっぱいあるし
アバン先生、BASARA、カービィ、熊の爪の人たちもまだお待ちしています
743名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 11:34:20 ID:hPeIvSIn
私としてはブータの人の復帰と爆熱の人の帰還を一日千秋の思いで待ち焦がれております
744名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 13:11:24 ID:93+jV7f9
まだ規制に引っ掛かってる人もいる
その人達がいずれ帰ってくると信じてる
745名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 13:12:28 ID:B3I347Vt
エデンの林檎ももはや化石化しちゃってるよな…
俺がゼロ魔クロスにハマった所以なのに
二桁行ってない作品でも面白い話はたくさんある
まとめを読み漁ってると悲しくなるぜ…
746名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 13:17:53 ID:MtH3H19r
二桁言っても面白いとは限らんしな
747名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 13:47:47 ID:UYLMR8LU
エデンというとどうしても「クンニしろオラァ」が思い浮かぶ今日この頃
748名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 13:55:35 ID:yH4ZBpA5
つまんねーのにダラダラと何十話も続けてるのを見ると
目障りだからさっさと終わらせればいいのにと思ってしまう
749名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 14:13:04 ID:3a+58RHN
>>748
そして誰もいなくなるんですね、わかります
750名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 14:14:22 ID:1DpbbNXg
目障りだと思うならスレを開かなければいいのに
751名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 14:19:57 ID:MtH3H19r
>>749
面白いのだけが残るから誰もいなくなることはない
752名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 14:20:55 ID:+XtIg8gd
>>751
こういう馬鹿がよくいるよなぁ
753名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 14:39:57 ID:pIx/Bx9m
面白いと思う作品だけ読めばいいのに、と釣られてみる
754名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 14:40:44 ID:ThhEbhRJ
好みがあるからな
755名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 14:49:17 ID:hPeIvSIn
>>751
よく言われることだが、あなたが面白い、と思う物を読んで私が面白い、と感じるとは限らない
756名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 15:23:19 ID:19MwQh5d
所詮は専ブラも使えないお子様の言うことさ
757名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 15:35:21 ID:vZ0JxWaZ
ルイズ専用ブラジャー
略して専ブラ
意味は「必要ないもの」
758名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 15:38:35 ID:19MwQh5d
むしろ必要とされない方が好ましいものだ
759名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 16:04:28 ID:kByJ98BT
作業と並行して見るのにゃ便利……って真人間ならそこまでして2ch見ないか
760名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 16:09:40 ID:KdykZlFL
貧乳は正義である


嵐を呼ぶ使い魔とかカービィの続き読みたいな
761名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 16:10:42 ID:1DpbbNXg
負荷を考えれば出来るだけ使ったほうが良い物ってとこだな
専用ブラウザでブラジャーでも
762名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 18:49:16 ID:CtOTlrk1
>>742
>時間が過ぎた作品の感想
旦那旦那! 避難所にある応援スレなんてどうですかい?
それ専用のスレってことで作者さんの目に留まる可能性も高くなるだろうし、
ここに比べればスレの速さもゆっくりと、良いこと尽くめですぜ!
763名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 19:14:34 ID:+FLuCAG9
最近はなんか、序盤のテンプレのような話ばっかりでつまらんと思う。
やっぱりそこから先を考えてないのかな。
764名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 19:34:11 ID:8UUaIUpf
>>763
ギーシュが異様に決闘したがる
 ↓
ギーシュこてんぱん
 ↓
フーケこてんぱん
 ↓
ワルドこてんぱん
 ↓
アルビオン軍こてんぱん
 ↓
 ・
 ・
 ・
765名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 19:41:34 ID:vZ0JxWaZ
若ジョゼフが山口六平太を召喚してハルケギニアをまあるくおさめる
766名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 20:01:35 ID:KdykZlFL
若ジョゼフがGTOから鬼塚英吉召喚
以外とうまく治めてくれるかもしれん


名付けて
G グレート
T 使い魔
O 鬼塚
767名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 20:17:53 ID:u5oMqwpJ
若ジョゼフって言われると波紋使いを思い出すなw
768名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 20:27:27 ID:vZ0JxWaZ
ジョゼフとジョセフ
ふたりはなかよし
769名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 20:49:09 ID:mrnB4nAS
世のため人のため、ジョゼフの野望を打ち砕くルイズ・フランソワ・ド・ヴァリエール!
770名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 21:05:19 ID:va6YA7wD
>>768
イザベラ「まったく、あの使い魔は何時まで寝てるつもりだい....」
771お前の使い魔 26話:2009/11/26(木) 23:37:17 ID:Ujcqoa9b
こんばんは
もし予約が無ければ、5分後ぐらいから26話投下したいと思います
772お前の使い魔 26話:2009/11/26(木) 23:42:02 ID:Ujcqoa9b
 絶望した青年の目の前に、一人のセプー族の少女が立ちはだかった。
 彼は小さな小さな良心の隅で、小さな小さな悲しみを覚えた。
 少女は、平和だった頃に戻りたいかと聞いた。皆の所に戻りたいかと聞いた。
 だから彼は答えた「戻りたい」と。
 だが、世界はそれを許さなかった。世界中の人がそれを許さなかった。
 だから、殺した。殺して殺して殺して殺した。
 だから、たった一人、青年を許そうとしていた少女は、青年を封じる為に自らの命を投げ出した。
 許せなかった。許してはならないと思った。
 もしも、青年が少女の答えに「戻らない」と答えていたら、運命は少しだけ変わっていたのかもしれない。
 だが、無常にもそうはならなかった。なることを許さなかった。
 悲しい目をした青年は、世界中を殺して、壊して、喰らい尽くした。
 自分を殺そうとした人達も、自分の住んでいた場所も、自分のいた世界も。
 そうして世界の全てを喰った彼は、世界を構成していたものすらも喰った。
 だけど、最後に自分を裏切った少女が姿を変えた赤い石だけは、どうしても喰う事ができなかった。
 無の広がる場所で、青年と赤い石だけが静かに存在していた。


「どういう事よこれ……」

 そこまで読んだわたしは、口から自然とそんな言葉が漏れていた。
 青年は封印されたはずじゃないか。集まった英雄達に倒され、最後に……最後に緋涙晶となったダネットによって、黒い剣へと封印されたはずじゃないか。
 ダネットは覚えていなかったが、わたしは自分が夢で見た光景を今でもはっきりと覚えている。
 ダネットが自分の胸に短刀を突き入れ、痛みに顔を歪めながらも最後まで笑っていた顔も、命と引き換えに緋涙晶へと姿を変えていった事も、そして……そして……

「あんたは、どれだけ苦しんでるっていうのよ……」


 時間すら喰い、終わりすら訪れない場所で、彼はひたすら考えた。

「喰いたい」

 だが、自分を取り巻く全てを喰らい尽くした彼の周りには何も無かった。
 絶望と渇望が胸の中で何度も何度も廻り、それが何度も何度も巡った。
 そんなある時、青年は自分を呼ぶ声に気付いた。
 青年は思った。

「喰いたい……」

 ただその一心で、青年は世界を超えた。
 青年は、呼び出された世界を喰らい始めた。
 また殺して壊して喰った。そんな時、ふと青年は気付いた。
 自分の持っていた何かが、いつの間にか無くなっていた事に。
 だが、長い時を過ごした彼は、最早それがなんだったのかすらも忘れていた。

 ただ、とても悲しかった。
773名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 23:42:31 ID:B4L0TqkM
kita-
sienn
774お前の使い魔 26話:2009/11/26(木) 23:43:54 ID:Ujcqoa9b
 ある日、青年の前に見覚えのある少女が現れた。
 少女は言った。

「こういう時は、久しぶりというのですかね」

 自分の前に現れた少女を見て、青年は不思議な感覚に包まれた。
 だから失敗した。少女の歌を聴くという、致命的なミスを犯した。
 深い眠りにつく瞬間、青年は思った。

 『戻りたい』と。


 眠りに付いた青年を、少女とその世界の術師たちは封印することに決めた。
 だが、ここで一つの誤算が起きた。
 青年の力は強すぎて、一箇所に封印することが出来なかったのだ。
 故に少女と術師たちは青年の魂を、『記憶』『経験』『意識』の三つに分け、封印することに決めた。
 『記憶』は、その世界で最も優れていた術師の魂へ。
 『経験』は、青年の持っていた剣と共に魔を封印する剣の中へ。
 そして、最も強い力を持つ青年の『意識』は――

「なんで……なんであんたばっかり犠牲になんのよ!!」

 ――自分の命と引き換えに、石となった少女の中へ。
 こうして世界は救われた。数え切れないほどの犠牲の末、ようやく平和になった。


 壁の文字はそこで終わっていた。
 わたしの足から力が抜け、だらしなく床に尻を着く。そんなわたしの後ろから、タバサの声がした。

「また文字が現れてる」

 わたしが力の無い目で壁を見ると、のろのろとたどたどしく、下手糞な文字が浮かんでこようとしていた。
 わたしはその文字を目で追う。


 世界は救われた。そのはずでした。
 6000年という長い時間が流れ、あいつの魂は少しずつ力を失い、このまま風化すると思っていました。
 長い時間の中で、私は油断していました。
 どうか怒って下さい。寂しさのあまり、お前の呼びかけにこたえてしまった弱い私を。
 どうか叱って下さい。私の身がこうなるまで、何一つ覚えていなかった馬鹿な私を。
 どうか許さないで下さい。自分の役目も忘れて、お前を苦しめた私を。

 お前の身に、あいつの『記憶』が封印されていて、『経験』と剣がデルフに封印されていて、馬鹿な私のこの身体に『意識』が封印されていたから。
 三つが泥んこ盗賊に襲われた、あの日、あの時、あの場所で揃ってしまったから。
 馬鹿な私が、元の身体に戻り、ただでさえ弱っていた封印を、自分の怪我で弱めてしまったから。
775お前の使い魔 26話:2009/11/26(木) 23:45:56 ID:Ujcqoa9b
 目の前がぐらぐらと揺れる。こんなのあんまりだ。
 ここへ入る前、わたしは予想していた。
 この世界とダネットの世界は隣りあわせで、その隣り合わせの世界から呼び出された黒い剣が原因なのだと。
 だから、剣の中の魂と融合しつつあるわたしは、ダネットの世界の術や言葉がわかるのだと。
 大間違いだった。

「は……はは……」

 口から乾いた笑いが出る。
 わたしは、黒い剣の中の魂と融合したんじゃない。黒い剣の中の意識を――

「取り戻したんだ……」

 言いたくない事実が口から漏れる。
 剣の中の青年を見た時から違和感はあった。何かがおかしかった。
 いや、もっと前にあったじゃないか。思い出せ、わたしが見た夢を。
 ダネットを召喚したあの日、わたしは夢の中で自分を見た。ダネットの意識になって、彼女の視点で自分を見つけた夢を見た。
 そして今ならはっきりと思い出せる。ギーシュとダネットの決闘があった日に見た夢。
 あの日、わたしが見た夢は、自分がこの世界で転生した時の記憶。
 封印された魂は融合されているんじゃない。剣の中にあるモノは、ギグと呼ばれたモノなんかじゃない。

「わたしは……わたしは……」

 自分の手を見つめる。
 6000年という時間を巡ってもなお、自分の中に、喰らい続けた世界が宿る自分の手を見つめる。

「だからって……あんまりよ……」

 頭のどこかで、自分は巻き込まれたんだと思ってた。
 ダネットの世界とは関係の無い自分は大丈夫だと思ってた。
 ダネットさえ救えば、時間はかかったとしても幸せになれると思ってた。
 だが現実は残酷に、こんなわたしをあざ笑った。

「わたしが世界を喰らう者……」

 口に出した途端、嘔吐感を感じ、胃から苦いものがせり上がって来る。
 必死になってそれを押し留めようとすると、今度は目から涙がこぼれた。
 口を押さえていた手は、涙を拭うこともできず、ぼろぼろと溢れ出してくる。

「うっぐ……う……」

 泣いているわたしの肩に、誰かの手が触れた。
 顔を上げてみると、怒っているような、泣いているような表情のキュルケがいて、真っ直ぐわたしを見ながら言う。

「まだよ。またダネットはあんたに何かを伝えようとしてる」

 見上げると、新しく現れた下手糞な文字が見える。
 涙を拭い、わたしは目で追いながら口にする。
776名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 23:47:16 ID:jbwkix3J
支援
777お前の使い魔 26話:2009/11/26(木) 23:47:37 ID:Ujcqoa9b
 だけど、安心してください。
 私は、お前のお陰で緋涙石へと戻ることが出来ました。
 今、あいつの意識は私の中で眠っています。
 だからお願いします。今のうちに私を――

「『この世界から消してください』……」

 そこまで読みきると、壁の光と文字は消え、部屋の中は薄暗さを取り戻した。
 呆然と立ちすくむわたし達の後ろから、ほのかな赤い光が射す。
 赤い光は、部屋の中心にあるダネットから発せられていた。
 
「どういう意味よダネット」

 わたしの言葉に、謝るように赤い光が弱まる。

「どういう意味か聞いてんのよダネット!」
「落ち着け娘っ子」

 デルフが沈黙を破ってわたしに話しかける。

「これが落ち着いてられるもんですか! 何考えてんのよダネットは!」
「どうやら、嬢ちゃんはマジみたいだね」

 わたしは、デルフの。魔法を消してしまうというインテリジェンスソードを見つめた。

「気付いたか。今の嬢ちゃんは魔力の塊みたいなもんだね。つまり、俺様で斬れば跡形も無く消えるだろうね」
「ま、待ちなさいよ! 封印は!? そうよ! ダネットが『意識』を封印してるっていうなら、そのダネットが消えちゃったら解けちゃうじゃない!」

 苦し紛れに思いついたことをデルフへと言うが、淡々とデルフはわたしを諭すように話す。

「封印されたばかりの、魂が強かった6000年前ならそうなってただろうね。だがね、あれから6000年経ってんだ。どれだけ強かった魂だって弱まる。しかも、三分割された上、入れ物は自分の肉体じゃないときてる」

 デルフの言葉に、なおも反論しようとするが、何一つ言い返せないわたしがいた。そんなわたしに、デルフは言葉を続ける。

「ようやく思い出したのさね。嬢ちゃんが6000年前、俺様に言ったことを」

 そうだ。6000年前、召喚されたダネットが青年の『意識』を封印したというならば、同じように『経験』を封印したというデルフとも会っている筈だ。
 硬直したままのわたしに、デルフは6000年前のダネットの最後の言葉をわたしに継げた。

「『これから長い時間が経って、もう一度私に会うことがあったら、私を消してください』ってな」
778お前の使い魔 26話:2009/11/26(木) 23:48:57 ID:Ujcqoa9b
 わたしに継げた後、また沈黙したデルフを強く握り締める。
 自分の歯軋りが聞こえる。デルフを握り締めた手の平が熱くなる。もう涙すら出なかった。
 両足をふらふらと頼りなく動かし、操られるようにダネットの前へと向かう。
 ダネットからは、何かを覚悟したように弱く、儚く、そして悲しく赤い光が漏れていた。
 後ろからキュルケの声が聞こえる。

「いいのルイズ?」
「――――」

 その声にわたしはどう返したんだろう。もう思い出せない。
 後ろからタバサの声が聞こえる。

「あなたの判断に任せる」
「――――」

 その声にわたしはどう返したんだろう。もう思い出せない。
 手元からデルフの言葉が聞こえる。

「俺様が言うのもなんだがね。嬢ちゃんは、娘っ子と一緒にいて幸せだったと思う」
「――――」

 その声にわたしはどう返したんだろう。もう思い出せない。
 わたしは、デルフをゆっくりと持ち上げて。

「――――」

 何かを呟いて振り下ろした。

 ねえダネット。わたし、あんたに逢えてよかった。
 ありがとう。
779お前の使い魔 26話:2009/11/26(木) 23:51:33 ID:Ujcqoa9b
以上で26話終了です
ようやくぼかしてたところや複線なんかを回収できた・・・・・・んスかねえ?

応援してくれた方、待っていてくれた方、支援してくれた方に感謝を
前回書いてた以前の話の修正なんかは、助言通り必要最小限で行きたいと思いますッス

それでは
780名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/26(木) 23:55:16 ID:i6e2Dxc1
乙でした。
781名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 00:02:14 ID:w8eQ5HSi
乙でした!!
782名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 00:17:20 ID:/N9Z3mAq
乙でした…
783アノンの法則:2009/11/27(金) 00:31:22 ID:fuCAhhgp
お前の使い魔 乙でした

予約が無ければ、先日に引き続き投下させていただきたいと思います
784アノンの法則:2009/11/27(金) 00:33:57 ID:fuCAhhgp
学院に戻り、フーケを衛兵に引き渡したルイズたちは、学院長室でオールド・オスマンに事の次第を報告していた。
「ふむ……。ミス・ロングビルが土くれのフーケじゃったとはな……。美人だったもので、なんの疑いもせず秘書に採用してしまった」
「いったい、どこで採用されたんですか?」
横に控えたコルベールが尋ねた。
「街の居酒屋じゃ。私は客で、彼女は給仕をしておったのだが、ついついこの手がお尻をなでてしまってな」
「で?」
「おほん。それでも怒らないので、秘書にならないかと、言ってしまった」
つまりオスマンはフーケの色仕掛けにあっさりと引っかかり、学院への潜入を許してしまったのだ。
生徒達の視線が、オスマンに冷たく突き刺さる。
オスマンはごほん、と咳払いをすると、厳しい顔を作った。
「さてと、君たちはよくぞフーケを捕まえ、『奇跡の木札』を取り返してきた。フーケは、城の衛士に引き渡した。そして『奇跡の木札』は、無事に宝物庫に収まった。一件落着じゃ」
アノン以外の三人が誇らしげに礼をした。
「君たちの『シュヴァリエ』の爵位申請を、宮廷に出しておいた。追って沙汰があるじゃろう。といっても、ミス・タバサはすでに『シュヴァリエ』の爵位を持っているから、精霊勲章の授与を申請しておいた」
「ほんとうですか?」
キュルケが、驚いた声で言った。
「うむ。今回の君たちの働きは、それに値するものじゃ」
あ、でも、とキュルケは後ろにいるアノンを見た。
ルイズも思うところがあったのか、アノンを見て言った。
「……オールド・オスマン。アノンには、何もないんですか?」
実際、フーケを倒したのはアノンなのだ。
ルイズもキュルケも、それを全て自分達の手柄にしてしまうのは気が引けた。
「残念ながら、彼は貴族ではない」
すまなそうにオスマンが言ったが、アノンは考えごとをしているようで、そのやり取りは耳に入っていないようだった。
オスマンは、ぽんぽんと手を打った。
「さてと、今日の夜は『ブリッグの舞踏会』じゃ。この通り、『奇跡の木札』も戻ってきたし、予定どおりとり行う」
「そうでしたわ! フーケの騒ぎで忘れておりました!」
「今日の舞踏会の主役は君たちじゃ。用意をしてきたまえ。せいぜい、着飾るのじゃぞ」
三人は、礼をするとドアに向かった。
だが、アノンはそこから動かず、じっとオスマンを見つめている。
「ルイズ、キミは先に行っててよ」
「あんた、オールド・オスマンに何の用があるの?」
「いいんじゃ。君は舞踏会の準備をしなさい、ミス・ヴァリエール」
オスマンにそう言われ、ルイズは心配を隠せないように、何度も振り返りながら部屋を出て行った。
「なにか、私に聞きたいことがおありのようじゃな」
「ええ、いろいろとね」
「うむ。私の方からも聞きたいことがあるが…まず君のほうから聞かせてもらおうかの」
アノンは頷いた。
「『奇跡の木札』。あれはボクが元いた世界のものです」
オスマンの目が鋭く光る。
「元の世界、とな?」
「ええ、ボクはこの世界の人間じゃありません。正確言えば、人間でもない」
アノンは、オスマンに自分の正体を告げた。
例えこのことが自分の不利に働くとしても、この『奇跡の木札』については確認しておかなければならない。
そう考えてのことだった。
785名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 00:36:05 ID:joLk0zp5
しえん
786アノンの法則:2009/11/27(金) 00:36:09 ID:fuCAhhgp
コルベールが驚いて言った。
「物語に出てくるような別の世界の者、とでも言うのかね? いや、それより人間で無いとは?」
「ボクのいた世界は、三つの異世界から成り立っていた。天界、人間界、地獄界の三つ。ボクは地獄界で生まれた“地獄人”です。ルイズの『召喚』で、こちらの世界に呼ばれたんですよ」
「なんと……」
「なるほど。異世界の……」
オスマンは目を細めた。
「それと、あの『奇跡の木札』…正しい名前は“空白の才”といいます」
「ザイ?」
「“才”って言うのは、まあ才能のことかな。“空白の才”は書き込むことで自分の望む才能を手入れられる、というものなんです」
「望む才能を、ですと? なんと素晴らしい!」
「いや、なんとも危険な代物じゃ」
コルベールが感動したように声を上げたが、オスマンは深刻な顔で言った。
「それが本当なら、あの秘宝は白くも染まれば黒くも染まる。確かに、善の者が手にすればこれほど夢のある力はないじゃろう。
 だが、悪の者が手にした場合、“盗み”の才、“破壊”の才、“支配”の才…夢を叶えるどころか他人の夢まで食われかねん」
コルベールははっとして言った。
「確かに……そう考えると、本当にフーケから取り戻すことができてよかった」
「うむ。これからはもっと厳重に管理するとしよう」
深刻な顔で頷く二人に、アノンが尋ねた。
「アレは天界の物、いやすでに人間界の誰かに渡っているはずのものです。アレを一体どこで?」
そう、“空白の才”は天界にあった物だ。
今は優勝チームの誰か…恐らくは、植木耕介の手に渡っているはずの物。
オスマンは遠くを見るような目で話し始めた。
「何年も前の話じゃ。あれは私がある村からの依頼で、ワイバーンを退治したとき、その礼として受け取ったものなんじゃ。なんでもその昔、どこぞの貴族が召喚したものだとか」
「召喚?」
「うむ。稀にそういうことがあるらしい。書物だったり、用途不明のマジックアイテムだったり。様々だが、魔法によって召喚されるということがな」
「ほかに詳しいことは?」
「いや、今君に説明されるまで、使い方も分からんかった。それでも珍しい物には変わりないのでな。とりあえず王室に献上するという形で、学院の宝物庫に放り込んで置いたんじゃ」
「元の世界に帰る手がかりにはならない、か」
「すまんな」
「じゃあ、もうひとつ」
特に気落ちした様子も無く、アノンはそう言って左手を見せた。
「この文字が光ると、何故か剣を自在に使えるようになるんです」
コルベールがオスマンを見る。オスマンはコルベールと目を合わせ、しばし悩んだあと、頷いた。
787アノンの法則:2009/11/27(金) 00:39:05 ID:fuCAhhgp
「それは伝説の使い魔、ガンダールヴの印です」
コレベールが告げた。
「伝説の使い魔?」
「はい。その伝説の使い魔はありとあらゆる『武器』を使いこなしたと伝えられています。君が剣を操れるというのもそのおかげでしょう」
「『武器』って事は剣だけじゃなく、槍や斧…銃なんかでも扱えるってことかな」
「おそらくは…」
「ふぅん。それは便利そうだ」
想像を廻らし、子供のような瞳でルーンを眺めるアノンに、コルベールの表情が曇る。
「では、今度はこちらの番じゃ」
オスマンが重々しく言った。
「君が元の世界に帰る手がかりは、今のところ無い。もちろん私なりに調べるつもりじゃが……君はこれからどうするつもりかね」
「どうするって、使い魔を続ける以外になにをするって言うんです?」
「……正直に言おう。我々は君の存在を危険視しておる」
表情を変えないアノンに、オスマンはさらに続けた。
「君は強力な使い魔じゃ。素手でメイジを倒せるほどにな。故に主に、ミス・ヴァリエールに御し切れぬのなら、野放しにはしておけん」
「嫌だなぁ、オスマン先生。ボクは強くなんてありませんよ」
「ミスタ・グラモンとの決闘を見させてもらった。あの時君は、ミスタ・グラモンを殺そうとしたじゃろう」
「……」
オスマンとコルベールは、厳しい表情でアノンを見つめる。
「でも、ルイズが止めた」
オスマンはしばし目を閉じた後、アノンににっこりと笑いかけた。
「あい、わかった。時間を取らせて悪かったの。今夜の舞踏会には君も参加するといい」
アノンはぺこりと頭を下げて、部屋から出ていった。
「オールド・オスマン…」
コルベールがオスマンを見た。
「まだ彼が安全と決まったわけではない。だが確かに決闘の時、彼はミス・ヴァリエールによって止められた。今回も、主と共にフーケ討伐の任を果たした。少なくとも、ある程度はミス・ヴァリエールに従うようじゃ」
「…はい」
「ミスタ・コルベール。この件は引き続き私が預かろう」
「わかりました」
「君はミス・ヴァリエールの方に気を使ってやってくれ。彼女、扉の向こうで話を聞いておったぞ」
「! …分かりました」
そう言って、コルベールも部屋を出て行く。
ひとり学院長室に残ったオスマンは、静かに呟いた。
「はてさて、伝説の使い魔となった彼は一体どうなるのか……。願わくばその力、壊すためではなく、守るために使ってほしいものじゃ」
788アノンの法則:2009/11/27(金) 00:42:12 ID:fuCAhhgp
 


アノンはバルコニーから、華やかなホールをぼんやりと眺めながら、手皿に盛られた料理をつついていた。
さっきほどシエスタが、適当によそって持ってきてくれたのだ。
そのシエスタも、今は忙しげにホールの中を動き回っている。
キュルケも男達に囲まれているし、タバサは一心不乱に手と口を動かし、料理の空き皿で山を築いている。
ルイズはまだホールに現れていない。
となると、話しかけてくるのは横に立てかけたデルフリンガーだけである。
「ワインは飲まないのか、相棒」
「んー」
気の無い返事を返すアノン。
「帰る方法がわかんなかったのが、そんなにショックかよ?」
「いや、そう急いで帰るつもりはないよ。ただ、これまでのことをちょっと振り返ってたんだ」
アノンは、一呼吸おいて、
「今まで、他人を助けたことなんて無かった」
と言った。
「あのメイドの嬢ちゃんのことか? それとも今日の貴族の娘っこのことか?」
「両方だよ」
『他人の命なんて、どうなったっていい』
ずっとそうやって生きてきた。
だから、他人を助けることなど、今まで考えたことも無かった。
だが、こちらに来てからは、一度会っただけのメイドやヒステリックな主のために、貴族の屋敷に乗り込んだり、巨大なゴーレムを相手にしたり。
なぜ、自分はそんな、なんの得にもならないことをしたのだろうか。
ふと、植木の姿が頭に浮かんだ。
植木耕介。誰よりも強くなったはずの自分を倒した男。
彼は仲間のため、見知らぬ他人のためにまで、怒り、自分の身を犠牲にして闘った。
彼の敵たちはそれを愚かだと嘲笑い、自分もそう思った。
それでも彼は、それが自分の『正義』だと決して曲げず、最後はその強い意志に惹かれた仲間達と共に、世界を守った。
「そう言えば…似てる気がする」
自分が助けた二人の少女。
シエスタもルイズも、どこか植木を思わせるものを持っていた。
シエスタはその容姿が。ルイズはその強い意志が。
アノンに植木を思い出させた。
だからだろうか。
植木と言う、自分が誰よりも認める男に似ていたから―――。
789アノンの法則:2009/11/27(金) 00:45:31 ID:fuCAhhgp
「ヴァリエール公爵が息女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール嬢のおな〜〜〜り〜〜〜!」
呼び出しの衛士の声がホールに響き、アノンの主人の到着を告げた。
アノンは思考を中断して、ホールに視線を移す。
ルイズは髪をバレッタで纏め上げ、白いパーティドレスに身を包んでいた。
いつもとまるで印象が違う。
彼女の美貌に、いまさらながら気づいた男子生徒たちが群がったが、ルイズはそれらを軽くあしらうと、バルコニーのアノンに近寄ってきた。
「楽しんでる?」
「まあね」
改めて見ても、ルイズはシエスタと違い、容姿に植木と共通するところは無い。
だが、その目からは、植木を思い出させる強い意志が感じられた。
「なに見てるのよ」
少し顔を赤くして、ルイズが言った。
「いや、キミは踊らないんだね」
「相手がいないのよ」
「さっき、いっぱい誘われてたじゃないか」
ルイズは答えず、すっとアノンに手を差し伸べた。
「?」
「踊ってあげても、よくってよ」
目を逸らして、ルイズは照れたように言った。
きょとんとするアノン。
そこにデルフが口を挟む。
「おいおい、そこは踊って下さい、だろ。娘っこ」
「し、仕方ないわね…今日だけよ」
かちゃかちゃと笑うデルフリンガーを睨みつけた後、ルイズはドレスの裾を両手で持ち上げると、膝を曲げて一礼した。
「わたくしと一曲踊ってくださいませんこと。ジェントルマン」
「ああ、そういうことか」
アノンはいたずらっぽく笑い、芝居がかった仕草で、
「喜んで。レディ」
と、ルイズの手を取った。
真っ赤になったルイズと一緒に、アノンは煌びやかなホールへ向かった。
790アノンの法則:2009/11/27(金) 00:48:50 ID:fuCAhhgp
 


「でもボク踊ったことないよ」
「いいから、わたしに合わせて」
見よう見まねで、アノンはステップを踏む。
ルイズにリードされながらしばらく踊っていると、何とか形になってきた。
「ねえアノン」
済ました顔で踊っていたルイズが言った。
「信じてあげるわ。あんたが別の世界から来たってこと」
「へえ? あれだけ疑ってたのに」
「…聞いてたのよ。オールド・オスマンとの話。秘宝のこととか、伝説の使い魔のこととか、全部」
「盗み聞きかい?」
「だ、だって……不安じゃない。あんたが何かやらかしたら、主の私の責任なのよ?」
ばつが悪そうに言うルイズ。アノンは、何気なくに尋ねてみた。
「欲しいかい? “空白の才”」
「…要らないわ。そんなの欲しがったりしたら、自分で才能がないって認めるようなもんじゃない」
ルイズはすっと視線を上げ、
「それに」
と続けた。
「確かに私は魔法が使えないわ。人が一回でできることを、百回やってもできなかった。でも、だったら千回やればいい。それでもだめなら一万回でも、十万回でも。
 たとえ才能がないとしても、その分努力すれば、必ずできるようになる。私はそう信じて、今までやってきたのよ」
そう言って、ルイズはしばらく無言で踊った。
「え、えっとね…」
それからルイズは、恥ずかしそうに目を逸らして、思い切ったように口を開く。
「ありがとう」
「え? 何が?」
「だ、だからぁ……」
鈍いアノンに、ルイズはじれったそうに言った。
「た、助けてくれたでしょ? フーケのゴーレムにやられそうになったとき……」
「ああ、あれか。キミでもそういうこと言うんだね」
「あ、あんたは使い魔だし…その、ご主人様を守るのは当然だけど……えと、やっぱり助けられたわけだし、お礼ぐらいは……」
しどろもどろになりながらも、感謝の言葉を伝えるルイズ。そんなルイズがおかしくて、アノンはクスリと笑う。
ルイズは赤い顔で、不機嫌そう口をとがらせた。
微笑ましい空気が流れる。
「アノン」
突然、真剣な顔になって、ルイズはアノンを見つめた。
「なんだい、ルイズ」
「あなたに言っておくことがあるわ」
どこまでも真剣な瞳。アノンは眩しいものを見る様に、その瞳を見つめ返す。
「もう、ギーシュの時のようなことはしないで」
命令でも懇願でもなく、ただ強く、ルイズはそう言った。
「いい? これは、あなたのためでもあるの」
アノンは、本当によく似てるな、と思った。
「ああ、わかったよ」
「本当に?」
念を押すルイズに、アノンは笑いかけた。
窓の外には二つの月。
楽士たちの奏でるテンポのいい曲を聞きながら、異世界ハルケギニアの象徴のようなその光を感じて、アノンは想う。
まだこの世界には、知らないことがたくさんある。
それを、彼によく似たご主人様と一緒に見て行くのも、悪くない。

「ボクは、キミの使い魔だよ」
791アノンの法則:2009/11/27(金) 00:50:07 ID:fuCAhhgp
以上です
続きもそれなりに書き進めていますので、そのうち投下させていただきます
ではまた
792名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 00:52:31 ID:+YTph7gx
乙。空白の才の使い道が気になるところだな
793名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 00:56:23 ID:/N9Z3mAq
乙でしたー
さァどうなるアルビオン…
794名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 01:06:43 ID:TujxoCSc
物作りの才で空白の才を大量生産…

乙でした。
795名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 01:22:22 ID:/yeL3Qip
サイトって漢字で才人って書くんだよな……
やっぱジゴロの才とか持ってるんだろうなw
796名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 01:24:22 ID:1WVxor5n
ハルケギニアで超人になるまで全くモテなかった奴だけどな
797名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 01:27:13 ID:Or5oVc8N
いや、自分で知らんだけで女友達から実は本命の義理チョコ貰ったり
あんまり話さない大人しい同級生が告白できないでいたりするタイプだ奴は
798名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 01:45:57 ID:WpP3Y+mi
幼馴染みと書いて同志腐れ縁と読むくらいの微妙に甘い関係とか憧れちゃう
799名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 02:58:36 ID:0cYzu5jt
>>764
なんかブロントさんの名言を思い出したw

・豪華なルーン→装備(魔剣やロケラン)が充実→心が豊かなので性格も良い→ご主人様ができる
・せこい遍在→心が狭く髭にまででてくる→いくえ不明

誰かブロントさんを召喚して充実したハルケ生活を送らせてやってくれ
800名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 03:27:48 ID:6rUXoLNt
>>799
wikiのリンクから謙虚な使い魔@wikiに飛ぶとよいぞ
801名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 05:16:21 ID:TPlhx8pS
>>800
おれは>>799ではないただの通りすがりの陰陽鉄からいるにわかブロンティストなのだが、こんなのもあるのか!というか鬼になった。
やはり謙虚なナイトは使い魔としても最強だな今回のでそれが良くわかったよ>>800感謝
802名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 07:00:28 ID:B+EHMuUk
>>747
少年誌で言うセリフじゃ無いよね。
つか編集部はなんでゴーサインだしたんだ?
803名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 07:28:59 ID:BcihUHzy
あの作品って訳ではないんだけれど、
ルイズが二郎を召喚したとかダブルワッパーを召喚しましたとかいった、
なんか凄く絶望出来そうな召喚の組み合わせってこれまであった?

召喚するたび「にんにく入れますか」とか、「バリューミールはいかがしますか」みたいに問われたり、
タバサにマシマシをおごってやったりetc。

そんな具合にすき屋牛丼キングとか召喚させて涙にくれるルイズを妄想して楽しんでるのだが、
さすがに可哀想すぎるんだろうか、コレは。
804名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 07:29:24 ID:sHdTesoU
>>802
一般誌のエロで雑誌対抗チキンレースしてるからじゃね?
で、今回は行きすぎた訳で。
児ポ法もあるしそろそろ下着すらアウトになるだろ。
805名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 07:57:13 ID:61PO82vj
目にゴミが
806名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 08:24:09 ID:sjCipfdj
>>802
宣伝じゃないの?まず間違いなくブログとかで取り上げられるネタだろうし知名度はあがっただろうね
807名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 08:57:16 ID:5AfVk5/e
>>803
小ネタのシンプソンズのホーマーがそれっぽい。
808名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 10:11:32 ID:r7hXwvA6
エロチキンレースっていっても、いちごには勝てないだろ
809名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 10:32:11 ID:ZR5crgeR
スクライドのエターナルデボーデ解除シーンを超えるのは無理だと思う。
810名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 10:36:45 ID:1Rzxmd8X
>>802
加瀬が同じ雑誌でもっと酷いことを散々連呼しているってのにお前は一体何を言っているんだ……?
普段読みもしない奴が訳知り顔でいらんこと言うなよ。
811名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 10:49:48 ID:W3x4KdY3
「一般誌のエロ」というジャンルにおいて「赤い核実験場」ことチャンピオンREDの王座は揺るがぬわ
812名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 11:29:45 ID:vK+zbARv
チャンピオンREDを堂々と買えるのって訓練されたオタだけだろうな
レジに持って行くだけでも死狂いだぜ
813瀟洒な使い魔 代理:2009/11/27(金) 11:57:54 ID:4jzFyFe+
代理投下よろしいでしょうか?
814瀟洒な使い魔 第6話 1/7 代理:2009/11/27(金) 11:59:33 ID:4jzFyFe+
「おや、2人共、尻でも打ったのかの?」

「「…………」」

学院長室でサクヤを初めとした4人と顔を合わせたオスマンは、
ルイズとキュルケが尻を押さえているのを見てそんな事を言った。
2人は恨めしげに咲夜を見るが、咲夜が笑みを浮かべて2人を見るとそのままの態勢で3歩下がった。
これ以上尻を腫らしたくはないのだろう。

「まあ自業自得といったところでしょうかね。それで、オールド・オスマン。
 ミス・ロングビルのところへ連れて行ってもらえますか?」

「おお、そういえばそうじゃったのう。よし、付いてきなさい」



瀟洒な使い魔 第6話「M.O.サウスゴータは彼女なのか?」



オスマンに先導され、4人は学院の中を歩く。途中何事かと何人かの教師が振り返ったが、
ミス・ロングビルのお見舞いだというとああ、そういえばまだ面会謝絶なんだってね、という答えが返ってくる。
眠りの香を焚いてればそりゃ部屋にも入れないわよね、などと考えていると、見慣れた部屋の前に付く。
ミス・ロングビルの部屋だ。ドアの前に立ち、オールド・オスマンが厳かに言う。
普段の飄々とした言動とは違う、厳格な声音だった。

「良いか皆、この部屋で見聞きしたものは他言無用じゃ。もし口を滑らせでもすれば、
 相応の報いを受けてもらわねばならん。覚悟がある者のみこのドアをくぐるのじゃぞ」

そう言い置いてオスマンは部屋の中に入り、魔法で風を起こし、強制的に部屋の空気を換気する。
それを確認してから咲夜は3人を引き連れて部屋へと入る。

「香も消したし、しばらくすれば目が覚めるじゃろう。
 ミス・ツェルプストー、『ロック』をかけてくれ。ミス・タバサは部屋の周囲に『サイレント』を」

キュルケとタバサが指示通りに杖を振り、先程と同じような密室が完成する。
そして少し後、香の効果が切れたのか、ロングビルが目を覚ます。

「ここは……って、げぇっ、お、オールド・オスマン!」

「まあ落ち着きなさい、ミス・ロングビル。いやさ、『土くれ』のフーケと呼ぼうかの?
 それともこう呼ぼうか、マチルダ・オブ・サウスゴータ」

マチルダって誰? と頭上にハテナマークを浮かべる4人であったが、ロングビルの反応は違った。
驚いたように目を見開き、憎々しげにオスマンを睨んだ後、諦めたように溜息を付いた。

「なんだい、ハナっからお見通しって奴かい? さすが数百年生きてると噂の大魔法使い様だね」

「何、何のことは無い。君は覚えておらなんだろうが、わしは君が3歳くらいの頃に1度会っておるのよ。
 それに今の君は母親のサウスゴータ婦人にそっくりじゃ。以下にわしが老いぼれとて、
 これほどの美人は忘れようもないわい」
815名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 11:59:40 ID:W3x4KdY3
代理支援ー
816瀟洒な使い魔 第6話 2/7 代理:2009/11/27(金) 12:00:56 ID:4jzFyFe+
「あの、オールド・オスマン? 話が見えないのですが……」

置いてけぼりの4人を代表して咲夜がオスマンに声をかけた。
なんとなくオスマンの古い知り合いなのだろうとは理解できたが、それ以上が良く分からない。

「おお、すまんのう。ミス・ロングビル、いや、ミス・サウスゴータじゃな。
 彼女はわしの古い知人の娘なのじゃよ。もうこの世にはおらなんだがの」

その言葉に反応したのはルイズだった。記憶を手繰るように考え込み、得心したように頷く。

「ち、ちょっと待ってください、オールド・オスマン! サウスゴータって、まさか……」

「左様。思っておる通りじゃよ。彼女はサウスゴータ太守の娘じゃ。
 かのモード大公が処刑された際に取り潰しとなった、サウスゴータ家の生き残りじゃ」

「……? やっぱり話が良く見えないわね、ルイズ、説明してくれる?」

この世界の事情には明るくない咲夜に、ルイズが解説する。
サウスゴータとはトリステインの隣国、アルビオンの地名である。
そしてモード大公とは、現アルビオン王ジェームズ一世の弟の名。
ジェームズに反逆した罪で投獄され、処刑されたのだという。

「なるほど、大体のところは分かったわ。
 『土くれ』としての活動は王家や貴族への復讐、といったところかしら?」

「ああ、ここまで来たら隠してもしょうがないしね。その他にも金が要る、ってのもあったしね。
 そりゃあ痛快だったよ、偉そうにふんぞり返ってるだけの貴族からお宝を分捕るのは。
 さて、それじゃあ無駄だと思うけど抵抗させてもらうよ。
 『土くれ』のフーケは、まだまだ店じまいするわけには行かないのさ」

ロングビルはばっと跳ね起き、枕を引き裂いて内部に入れていたナイフを取り出し、オスマンに向けた。
咲夜やルイズ達の手が動きかけるがオスマンはそれを制し、静かな口調で語りかける。

「いや、店じまいせんか? いかな『土くれ』とはいえ、いつまでもこんな稼業を続けられるものでもあるまい。
 確かに世の貴族は腑抜けておるよ。『土くれ』がやすやすと盗みを成功できるくらいにはの。
 じゃが、そんな貴族ばかりでもない。わしの私的な情報網で得た情報じゃが、
 王室は今度フーケが現れた際にはマンティコア隊の出動も辞さんと言っておる。捕まれば極刑は免れまい」

オスマンはそこで一度言葉を切り、ロングビルを見つめる。
いつも飄々とした彼には珍しく、心の底からロングビルの身を案じている、そんな顔だ。

「……潮時なんじゃよ。わしも知人の子供が死ぬのは辛い。じゃからの、もう盗賊なんぞやめて、
 本格的に秘書として働かんかね? 金が必要だというならば給料も増やそう、
 どうか、この老いぼれに免じて足を洗ってはくれんかね、マチルダちゃん」

「その言葉を信じろって言うのかい? 信じるに足る証拠もないくせに!」

「そうじゃな、最早大公もミスタ・サウスゴータも死んだ、わしの言葉を裏付けるものは何もない。
 だがな、だからこそわしは君の無茶をやめさせたいのじゃよ。
 君が死ねば、わしは悲しい。わしだけではない、今は亡き彼らもまた悲しむだろうよ」
817瀟洒な使い魔 第6話 3/7 代理:2009/11/27(金) 12:02:18 ID:4jzFyFe+
それを最後にオスマンは沈黙し、部屋を沈黙が満たす。
オスマンは黙して語らず、口を差し挟むことの出来ない咲夜達も沈黙する他ない。
気まずい沈黙は暫く続いたが、それを破ったのはロングビルであった。
だらりと手を下ろし、ナイフを手放してベッドの上に胡坐をかき、はぁと溜息をつく。

「ったく、食えないジジィだよ、ホントに。そこまで言われちゃ飲むしかないじゃないか。
 まあ、いい機会だったのかもね。これでテファにも胸張って自分の仕事を言えるよ」

「ほっほっほ、それは何よりじゃ。では再就職を祝って一杯、と行きたいところじゃが、
 流石にそうすぐには用意できんのう……」

シリアスな空気から一転、いつもの飄々とした老人に戻ったオスマンがそんな事を言うと、
咲夜がテーブルの上に1本のワインを置く。その周囲には人数分のグラスも置かれており、
いつのまにかそのグラスにはワインが注がれていた。

「それでは、これは私からの贈り物ということで。よろしいですか?」

それを見て、ロングビルの肩ががくりと落ちる。それもそうだろう、
つい2日前命のやり取りをした間柄なのに、この対応は何なのだろう。普通憮然とする所じゃないんだろうか?
もっとも、咲夜としては『終わった事をぐだぐだ言う事はない』と考えていたからだったりするのだが。
幻想郷では本気の弾幕勝負をした相手と後々宴会で酒を酌み交わすというのは良くあることだ。
この辺りは環境の違い、ということなのだろう。

「あんた、少しは怒るとかしないのかい? 自分で言う事でもないけど、骨折ったのはあたしだよ?」

「その大元の原因2人には処罰を下したもの、今更どうこう言う事じゃないわ。
 それに、一応オールド・オスマンは私の雇い主よ。その意向には従うものだわ」

「……ああ、そうかい。ま、宜しく頼むよ、ミス・イザヨイ」

「サクヤで良いわよ。苗字で呼ばれるとこそばゆくて」

くすくすと笑い合いながらグラスを手に取り、傾ける。
グラスを傾けながらその様子を見ていたキュルケは、隣にいたルイズにちらりと視線を移す。

「さっきのもそうだけど、サクヤって結構いい性格してるわよね」

「……そうね」

今更どうこう言う事ではないなら何故自分達は尻を叩かれたのだろうか。
今回の一件のそもそもの発端を作った2人は、釈然としない思いで咲夜を見つめていた。



「さて、ではこの辺りにしておこうかの。明日はフリッグの舞踏会じゃし、
 ミス・イザヨイ達はフーケを撃退した英雄じゃ。ゆっくり休みなさい」

咲夜の持ってきたワインが無くなった頃、オスマンはそう言って一同に解散を促した。
たわいも無い世間話をしながら自室へと向かう。
818瀟洒な使い魔 第6話 4/7 代理:2009/11/27(金) 12:03:35 ID:4jzFyFe+
「あ、そうだサクヤ、一つ聞いていい? フーケと戦ってた時に何か出してたじゃない。ナイフじゃない奴。
 あれって何? マジックアイテムか何か?」

「ナイフじゃないの、となると、スペルカードの事?」

キュルケの質問に咲夜は1枚のカードを取り出す。
スペルカードとは『スペルカードルール』と呼ばれる幻想郷特有の決闘で使用されるカードのことである。
スペルを使用する前に出し、宣言する為のカードで、そのためスペルカードルールでは不意打ちが出来ない。
なお、スペル自体はスペルカードを用いずとも使用する事自体は可能である。
スペルカードは、あくまで『スペルを使用する事を宣言する為のカード』でしかないのだ。

「……だったら、態々出す事ないんじゃない? ここはその『ゲンソウキョウ』じゃないんだし」

「あ」

横で聞いていたルイズの一言に硬直する咲夜。いわれて見ればもっともである。
幻想郷においてはスペルを使用する=スペルカードルールでの使用であるため、
スペル使用前の宣言は半ば常識となっていたのだろう。

「サクヤって普段はほぼ完璧なのに変な所抜けてるわよね……
 その辺りはさすがルイズの使い魔、って所なのかしら」

「どういう意味よ!」

またぎゃあぎゃあと言い争う2人をよそに未だ硬直したままの咲夜。
その硬直を解いたのは、今の今まで黙りこくっていたタバサであった。

「気にしない。よくある事」

「そ、そうかしら……有難う、タバサ」

「別にいい。……それに、有難うをいうのはこっち」

咲夜の頭に疑問符が浮く。その後のタバサのセリフを聞くに、
キュルケに怪我が無かったのは咲夜のお陰だ。そのお礼を言いたい、との事だった。
咲夜自体はキュルケを守る為に戦ったわけでもないが、
この意外に情に厚い無口な少女の気持ちを無碍にするわけにもいかないな、と素直に礼を受け取る。

「それと、サクヤ。お願いがある」

「お願い? 無茶なものじゃなければ良いけど、病み上がりだしね」

「戦い方を教えて欲しい。杖を失った時の為の戦い方も学んでおくべきだと思うし、
 少しでも強くなりたい。そのためなら手段は選ばない。だから知りたい、貴方のその技を」

そう言って、タバサは咲夜を見る。咲夜と同じ色をしたその瞳には、
強い決意と、固い意志と、ほんの少しだけの恐れが入り混じっていた。
それを見て、咲夜は仕方ないというように溜息をつく。こういう手合いには何を言っても駄目だろう。
それに、こんな小さな女の子の決意を無碍にしてしまうのも、なんだか悪い気がしてしまう。
819名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 12:04:49 ID:OiDL5fN3
支援
820瀟洒な使い魔 第6話 5/7 代理:2009/11/27(金) 12:04:55 ID:4jzFyFe+
「仕方ないわね……時間が空いているときでよければ教えてあげるわ。
 ただし、ナイフの扱い方だけ。ギーシュのときに見せたようなあの奇術は教えられないわ。
 意地悪じゃなくて、適正の問題。似たような事はできても、同じ事は私以外の誰にも出来ないから」

「……それでいい。ありがとう、サクヤ」

「あ、でもこれだけは約束して。無理だけは絶対にしない事。
 技を教えるとは言ったけど、そのためには体調を万全に整えないと駄目。
 授業にもちゃんと出ること。いい?」

タバサはこくりと頷く。それを確認すると、咲夜は後ろで口論を続ける2人を止めに入った。
1人歩を進めるタバサは、少し進んだ後立ち止まるとぽつりと呟く。

「待ってて……母さま」



そして翌日。食堂の上にあるホールで『フリッグの舞踏会』は開催された。
思い思いに着飾った生徒達が中で料理やダンス等を楽しむ中、
咲夜はワインを嗜みながらバルコニーでその中の様子を眺めていた。

「おや、『土くれ』をぶっ飛ばした英雄様は中で楽しまないのかい?」

そういって入ってきたのはロングビル。酒が入っているのか、
今は素の『マチルダ』としての喋りが表に出ていた。手にはワインの瓶とグラス、
そして料理が皿にに山盛りになっている。

「病み上がりだしね。賑やかなのは嫌いじゃないけど、流石にダンスまでは踊れないわ」

『治癒』によって痛みは大分消えたが、全く無くなったわけではない。
恐らく数日もすればそれも消えるだろうが、それまでは大事をとっておこうと判断した。
ホールの中をのぞけば、大勢の少年達に囲まれご満悦のキュルケ、
大量の料理を魔法のように胃袋に詰め込んでいくタバサと、皆思い思いに楽しんでいるようだ。

「幻想郷でもたまにこうしてパーティをしたものだけど、ほんと、皆活き活きしてるわね」

「ゲンソウキョウ、か。あんたが居たところだっけか。どんなとこなんだい?」

「そうね、いい所よ。貴族だ何だと騒ぐ事もないし、何よりのどかで気楽な所かしらね。
 後は……そうね、ハルケギニアでいう亜人が多いわね。私のいたお屋敷も、
 私以外は人間じゃなかったし」

その言葉にロングビルは少し驚いたようだが、すぐに楽しそうに笑う。

「羨ましいねえ、テファもそこに生まれてりゃ、今より気楽に暮らせてたろうにさ」

「そういえばこの間も聞いたけど、テファっていうのは貴方の妹さん?
 少なくとも、とても大事な人のようだけど」

「……そうだね。サクヤ、あんたになら話してもいいのかもしれないね。
 テファってのは、アタシの親父の主君、モード大公の忘れ形見さ」
821瀟洒な使い魔 第6話 6/7 代理:2009/11/27(金) 12:06:34 ID:4jzFyFe+
ロングビルは皿やワインをテーブルに置くと、バルコニーの手摺にもたれ掛かって昔話を始めた。
かのモード大公が処刑された理由、それは、エルフを妾として、その上子を成したためであった。
このハルケギニアにおいてエルフと言うのは不倶戴天の敵である。
姿形そのものはとても美しいが、先住魔法という強大な魔法を操り、その性質は凶悪。
始祖ブリミルを聖地より追い出し、過去幾度と無く刃を交えてきたのだと伝えられる。

だが、ロングビルの出会ったエルフは違った。心優しく、争いを好まず、
自分が殺される段になっても抵抗をしなかったのだという。
テファ、というのはそのエルフと大公の間に生まれた娘で、今ではロングビルの妹も同然の存在なのだそうだ。
多分、エルフのほとんどはそんな奴らなんだろうね。
あたし達人間が彼らを受け入れず、忌み嫌ってきたからこんな認識なんだ。ロングビルはそう言った。

「なるほどね……私の知り合いにも人間じゃないのは多いけど、
 幻想郷自体がそういった者たちを受け入れる場だそうだから、大きな軋轢は起こってないわ」

「ホント、羨ましいね。サクヤ、もしあんたがゲンソウキョウに戻る時が来たら、
 あたし達も連れて行ってくれないかい? 少なくとも、ハルケギニアに居るよりは気楽に暮らせそうだし」

「ええ、それ自体は構わないわよ。ただ、私のいたお屋敷は人間が住むには適さないから、
 人里の方に言ってもらう事になるけれど」

「別に良いさ。ハルケギニアはちょいとばっかり、ハーフエルフのテファが住むには窮屈すぎるからね」

そう言って、ロングビルは話を終える。

「さて、貴方の秘密を一つ教えてもらった事だし、情報料に私も一つ贈り物をさせてもらうわ。
 そのワイン、未開封よね? ちょっと借りるわよ」

咲夜はワインの瓶を手に取ると、それに対して時間操作を行う。止めるのはなく、その逆の加速。
ワインの時間を進めることにより、熟成を促進させているのだ。
熟成が完了すると咲夜は能力を解除。栓を抜くとグラスに注いだ。

「さて、こんなものね。お味の方はいかがかしら?」

「へぇ、このワイン、確か作って10年ってとこだったと思うけど、
 これはそれ以上に経ってる感じだね……先住魔法、ってやつかい?」

「厳密に言えば違うんじゃないかしら。貴方と戦った時に見せた技の応用よ。
 結構便利で重宝してるわ」

そして、咲夜は自分の能力について掻い摘んで説明する。
細かい所までは理解できなかったようだが、大まかに『時間を操作する能力』というのは理解してもらえたようだ。

「凄い能力じゃないか。それにあのナイフの腕前……真正面からやりあわなくて助かったよ」

「それでも勝てない相手と言うのは居たわよ。それに、この力も万能ではないわ。
 貴方のゴーレムに殴り飛ばされた時のように、知覚外の出来事には対応できないし。
 それに、強い力と言うのは必ずいらない厄介事も引き寄せるわ。
 特に私みたいな力は、普通の人間からすれば忌み嫌うには十分すぎる」
822瀟洒な使い魔 第6話 7/7 代理:2009/11/27(金) 12:08:34 ID:4jzFyFe+
そんなどことなく悲しげな咲夜の姿に、ロングビルは妹分の姿を見た。
エルフの血が混じっているだけで、普通の人間には忌み嫌われ、住んでいる村に閉じこもらざるをえない。
この自分の妹分と同年代であろう少女は、今までどれほどの悲しみを背負ってきたのだろうか。
親を殺された自分よりも、遥かに重いものを背負っている。ロングビルは、そう直感した。

「ま、そう気負うこたぁないさ。あたしだって似たようなもんだし、
 ゲンソウキョウじゃそれなりに楽しくやってるんだろ? 前向きに考えなよ。
 後ろ向きながら歩いてたらいつかスッ転んじまうよ」

その言葉に咲夜は苦笑し、ひと口ワインを呷る。
「ありがと。ちょっとだけ気楽になったわ」

「何、そいつはお互い様って奴さ。あたしだってあんたのお陰で再就職できたようなもんだしね」

違いない、と笑い合い、ちらりとホールの方に視線を向ける。
別人のように着飾ったルイズが、誘いを断りながらもこちらに向かって歩いてくる。
それに気づいたらしいキュルケやタバサもまたその後を追ってやって来た。

「あらら、モテモテだねぇ、メイド長?」

「ま、懐かれて悪い気はしないわね」

肩をすくめて苦笑する咲夜。ルイズたちが来たら騒がしくなるなぁ、
と考えながらも、何となく頭上に輝く双月を見上げる。幻想郷とは違い、ハルケギニアの月は2つあるらしい。

「……ん?」

咲夜は眉をひそめた。なんとなく月が変だったからだ。何か不自然な気がする。
よく見れば、月の真ん中辺りがほんの少し黒く欠けている。月蝕かと思ったが、普通月はあんな風に欠けない。
そのままじっと見ていると、それがだんだんと加速度的に大きくなってきた。何か悲鳴らしき声も聞こえる。
その悲鳴にはどこか聞き覚えがあるような気がする。
そんな事を考えている間に、その影が視認可能な距離まで近づいてくる。
その影はまさしく人間であり、悲鳴らしき声はそこから聞こえてきていた。

「―――――――――ぁぁぁぁぁああああ―――――――」

その声と姿を確認した咲夜は思わず硬直する。
赤い髪、緑色のの帽子に帽子に付いた星型の飾り。その特長には物凄く見覚えがあった。
何でこいつがここに居るんだ、そんな思いが咲夜を支配し、回避行動を遅らせる。
そして、気がつけばその見覚えある姿は目前まで迫ってきていた――――

「さ、サクヤ! ダン、ス……」

バルコニーに入ってきたルイズ達が見たのは、空から落ちてきた赤い髪の女性と、
その脇に浮かぶ黒い羽を持った亜人。そして、その女性が頭部に激突して崩れ落ちる咲夜の姿であったという。



「相棒……早く迎えに来て……」

同時刻。怪我人に悪いとのことで回収された後コルベールの部屋に運ばれたデルフリンガーは、
3日経っても一向に迎えに来ない咲夜のことを心配しつつ哀愁を漂わせていた。
823瀟洒な使い魔 第6話 あとがき 代理:2009/11/27(金) 12:11:50 ID:4jzFyFe+
以上で今回分は終了です。
どうやっておマチさんを説得しようかと色々悩んでる内に、
こんな感じのやり方が思い浮かんだのでやってみました。
あの爺さんならモード大公ないしおマチさんの両親と親交があってもおかしくないですし。
そしてフーケ編は未だ終わらず。多分次回で終わるかと……
落ちてきた2人に関してもまた次回にて。うう、早くガリアとか他の国の場面が書きたい。
それではまた来週辺り。何とか年内にはアルビオン編に入りたいものです。

以上で代理投下終了
咲夜さんの人、乙でした
めーいりーん!!?
824名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 12:36:46 ID:ZR5crgeR
極一部でクリザリットの嫁として有名なめーりんktkr
825名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 14:08:53 ID:o1aYGPTB
門番解雇ですね? 判りますw

まー冗談として、『フーケ編』って付けられてるあたり『アルビオン編』とかまだまだ続きそうですなぁ
迎えが来たっぽいけど、まだまだ帰れそうにないなあ

黒い羽は、清く正しいブンヤなのか、幻想郷屈指のバ火力持ちのおHなのか……いや、後者はないわ
826名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 14:10:47 ID:o1aYGPTB
……って、続くって作者さんちゃんと言うとるやないか。何をボケてんだ俺……
827名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 14:33:14 ID:KNm9HQCa
小悪魔 は じっと >>825 を 見つめて いる …
828名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 14:35:34 ID:OiDL5fN3
咲夜さんの人乙でした
悲鳴をあげつつ泣きながら落ちてくる門番が容易にイメージできたw
829名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 15:06:03 ID:xhbXEpAY
瀟洒の人乙ですー

さて、落ちてくる美鈴を全身で受け止め隊に入隊希望の方は順番にお並びください
830名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 15:24:46 ID:tcpw7aeH
ノシ
ちょっとアップしてくる。

咲夜の人乙でした。
中国www
831名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 15:38:12 ID:6rUXoLNt
瀟洒の人乙でした

黒い羽と聞いて素直に
「もうついたのか!」「はやい!」「メインお嬢様きた!」
とおもったんだが黒じゃなかったっけか
832名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 16:58:58 ID:GhUYj2WD
黒い羽と聞いてブレスオブファイアUからニーナ召喚なんていいんじゃないかと思った
気品と風格で使い魔の足元にも及ばずにへこむルイズやアンリエッタが目に浮かぶ
833名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 17:32:59 ID:ucATXTlU
そんな報告されてもこっちは何一つ面白くない、だからそれを文章にする作業に入るんだ
834名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 18:05:07 ID:vR0Nn1mS
>>831
妹様は非常に不可解だがお嬢様は蝙蝠みたいな黒い翼の筈
835名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 18:17:57 ID:tnp/8eCg
Uのニーナはどうにも打たれ弱さが強く印象に残ってるな
バランス的にはある意味取れてる気も駿河
ギーシュとの決闘はともかく、ワルドは一撃貰ったらENDになる気がするぜ

・・・今BOFUでどうしようもない一発ネタ考えてしまった
EDで母に代わって封印になったリュウを召喚して
BOF世界滅亡
ルイズは起きない動かないでっかい竜を召喚して話進まず
・・・ギャグにしても酷いのでまともに書きません
まぁ実際にあれで呼ばれたら、再封印のために元の世界に戻ろうとして起きるんだろうと思うけど
836名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 18:54:02 ID:IvN21OCN
黒い羽といえばローゼン・・・・じゃなくて
「神すら殺す女」カミュでしょう
837名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 19:32:42 ID:zhnvUas2
黒い羽…カミュ…
まだ十代中盤なのに作中屈指の乳を持つ
オンカミヤリューの第二王女(声は釘)を思い出した


ルイズにとっては厳しい相手だな
838名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 19:46:10 ID:/N9Z3mAq
咲夜の人乙でした
オスマンがおマチさんを前から知ってるってのは巧いですね
839名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 20:06:32 ID:Cs1rNKB5
黒い羽といえばゴキトラナガン。

クォブレーの人帰ってこないかなー
840名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 20:11:54 ID:tnp/8eCg
>>839
あれ自体はレイズナーよろしく短縮する形になったようだが
一応完結しているっすよ
なんやかやで綺麗にオチたと思う
出来れば修正された世界でのテファとかももっと見たかったが
841名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 20:14:56 ID:L4LEL+JB
黒い羽か。
魔砲少女の原作の歌姫が最初に思い浮かんだ…けど召喚されたら長生きできないな。
842名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 20:21:47 ID:9TSJLdPo
瀟洒の人&代理の人乙です。

これはテファ&おマチさん幻想入りフラグか?
そして空から降ってきた美鈴・・・ってアンタ空飛べるでしょ!!
黒い羽・・・順当に考えるとお嬢様だが、小悪魔かな?お嬢様ならルイズはオワタですな。
843名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 20:24:10 ID:DLR0ThEo
>>841
あの人の場合、能力を使うことイコール命を削ることだからね。
白い羽のほうならそれほど心配は無いけど……

それと黒い羽が>>831の言う人なら、記事のネタに困らなそうだなw
844赤目の使い魔-07:2009/11/27(金) 20:57:32 ID:46QMDTge
暫くぶりです。
予約が無ければ、9:05から投下をば。
845名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 21:00:41 ID:ct84Ef9E
シエンスタ
846名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 21:03:09 ID:F00nus14
支援
847赤目の使い魔-07:2009/11/27(金) 21:06:13 ID:46QMDTge
それでは

騒動が一しきり治まると、教室は戦場から更に魔境へと変化を遂げていた。
あちこちで火種が燻る中、高価そうな教具や綺麗な窓ガラスは殆どが大破し、そうでない物も大概は大きな傷が入っている。もう使い物にはならないだろう。
一部では酸で溶かされたような跡も有り、クリストファーは思わず身震いした。

あの後、息を吹き返したシュヴルーズにより、ルイズとクリストファーの二人は教室の魔法抜きでの後片付けを言い渡された。尤も彼女が魔法を使った所で、更地と言う意味でしか綺麗にする事ができないのだが。
仕事は多い。瓦礫の山を片付け、煤にまみれた壁を磨き、新たな窓ガラスや教具を運ぶ。
八割がた瓦礫を片した所で、クリストファーは早くも辟易とした。
重労働がきつい訳ではない。体力はあるので、面倒とは言えこれ位の雑務は実際屁でもない。
それよりも、懸念することが一つ。

848赤目の使い魔-07:2009/11/27(金) 21:08:09 ID:46QMDTge
「……………」
「……………」

空気が、重い。
爆発後の一言以降、ルイズは一言も発していない。今も、背を向けたまま箒で床を掃いている。
原因は、さっきの出来事と見てまず間違いないだろう。
魔法を使えるという事が、貴族の必須条件であるとシエスタから聞いていた。貴族貴族と声高に叫んでいた主人が失敗ばかりの底辺魔法使いならば、それ程情けない事は無い。
対するクリストファーも、何も言葉にしてはいない。
何を言っても墓穴になりそうだと言うのも有ったが、本来彼はそんな事に構わず墓穴どころか地雷もバスバス踏みつける様な性格の持ち主だ。
それを押し留めたのは、あのシエスタの言葉。

『どうか、彼女を悲しませないであげて下さい』

――あんな風に頼まれちゃなぁ

彼は一人苦笑しながら、まだまだ終わりが見えない仕事に手を動かした。

「………のよ」
「え?」

そんな彼の耳に、消え入りそうな声が届く。
教室に二人しかいない以上、音源はルイズに間違いないのだが、それにしては声に覇気が無い。
視線を向けても見えるのは小さな背中だけで、表情は窺い知れない。
そこに、今度は聞こえるような音量で言葉が投げかけられた。

「なんで、何も言わないのよ」

849赤目の使い魔-07:2009/11/27(金) 21:10:15 ID:46QMDTge
極限まで感情を押し殺そうとした言葉。
しかし、抑えきれない思いが彼女の声を震わせる。

「今朝みたいに、あいつ等みたいに、笑えば良いじゃない。馬鹿にすれば良いじゃない! 中途半端に同情なんかするんじゃないわよ! そんなの、貶されたほうがまだマシよ!」

堰を切った様に激情の言葉が吐き出される。
笑われれば、軽口を叩かれれば、言い返すと言う行為で矜持を保つことが出来た。
しかし、何も言われなければ言葉を返すことも出来ない。ただただ鬱屈した思いだけが彼女の中に積み重なり、脆い矜持を押しつぶす。
それが彼女には情けなくて、悲しくて、耐えられなかった。
自分勝手な言い分だと言うのは分かっている。ただ、どうしても自分の感情を他人にぶつけずには居られなかった。

場を、沈黙が支配する。
クリストファーは押し黙った彼女を暫く見詰めて、

声を上げて、笑った。

ルイズは、身を強張らせる。
先程はヤケになってあんな事を口走ってしまったが、もしこの男にも馬鹿にされてしまったら。
今度こそ、自分を保てなくなるかもしれない。
使い魔と主人と言う、彼女の最後の心の砦が壊されてしまうかもしれない。
ルイズは、目を瞑って言葉の続きを待った。

しかし、彼の口から紡がれたのは彼女にとって予想もして居なかった言葉だった。


850赤目の使い魔-07:2009/11/27(金) 21:10:56 ID:46QMDTge
「心配しなくても、僕は君が『ゼロ』だなんて思ってないよ」


あまりに予想外の内容に、ルイズは一瞬唖然とし、直ぐに反論の言葉を吐き出した。

「う、嘘よ! さっきの爆発を見たでしょ! どんな魔法を使ってもあんな有様なのに、それが『ゼロ』以外の何だってのよ!」

「じゃあさ、君以外のメイジも失敗したらあんな感じになるのかい?」

それは、とルイズは言葉を詰まらせる。
そもそも、普通のメイジに失敗魔法なんて言うものはない。魔法に失敗した時は、只何も起きないだけである。ルイズも、それは百も承知だ。
しかし――それなら、あの爆発は失敗以外の何だと言うのか。

「やっぱりね。まぁ、皆の反応から大体予想はついてたけどさ」

ルイズの反応を見て、クリストファーは満足そうに言葉の続きを紡ぐ。
彼女は、そんな彼を苛立たしげに睨みつけた。

851赤目の使い魔-07:2009/11/27(金) 21:11:40 ID:46QMDTge
「……だったら何なのよ」

ルイズの言葉を聞いて、クリストファーはニヤリと口を歪める

「いや何、単純な結論だよ。何をやっても爆発が起きるって事は、つまり――」

一拍置いて、彼は言葉の続きを吐き出した。

「――その爆発が、君の魔法って事だろ?」

その言葉を聞いた瞬間、ルイズの心は爆発した。

「ふざけないでよ! 散々言葉並べといて、結局はそれ!? 練金どころか、フライもレビテーションも出来やしない、只馬鹿みたいに爆発するだけ! そんなの『ゼロ』以外の何者でもないじゃない!」

「だーかーらー、その考えが間違ってるんだって」

いつの間にか、クリストファーはルイズの目の前に立っていた。どんなに怒鳴りつけても動じない彼の姿に、ルイズは少し気圧される。

「考えてもみなよ。火種どころか火薬も無しに、只杖振るだけでドカーン。教室だってこの有様だ。これが『ゼロ』なんてのは、全くナンセンスじゃないか」

両手を広げ、教室の惨状を仰ぐように一回転しながら、クリストファーは言葉を紡ぐ。
再びルイズの顔に相対したところで――彼の表情が、真剣味を帯びた物と変わる。

852赤目の使い魔-07:2009/11/27(金) 21:12:41 ID:46QMDTge
「君だって……薄々分かってるんだろう?」

「な、何がよ」

彼の赤眼に見竦められ、ルイズの声が上擦る。
クリストファーは真剣な表情のままルイズを見詰め、静かに言葉を紡ぎだした。


「君は『無能』なんかじゃない――只、『異常』なだけだ」


ルイズの心が、大きく揺れ動く。
怒りでも、悲しみでもない揺らぎが、彼女の精神を鷲掴みにする。
赤眼に移った自分が、酷く歪んで見えた。

「君は『不自然』なんだよ。それは揺るがない事実だ。それを認めない限り、君は今の場所から前にも後ろにも動けない。逃げる事は絶対に出来ないよ。だって、好き嫌いどっちでも、自分とは永遠に付き合わなきゃならない訳だしね」

何処か自嘲気味に語られた言葉。事実、経験則なのだろう。
彼の赤目と牙が、ルイズにそう確信させた。

「『普通』って感覚は、捨てるんだよ。それは有っても、ただ君を苦しめるだけだ。それを僕は良く知っている」

宥める訳でも脅しつける訳でも無く、クリストファーは淡々と語る。
もう、まともに彼の顔を見ることは出来ない。
目にしたら最後、『異常』へと引き摺り込まれてしまう気がしたから。

853赤目の使い魔-07:2009/11/27(金) 21:13:56 ID:46QMDTge
「……やめてよ……」

再び、彼女の声が震える。
其処には、先程のような怒気は無い。
其処に有るのは――純粋な恐怖。

「そんなの……そんなの、絶対に嫌! わ、私は、お母様みたいに強くなくても良い、姉さまみたいに優秀じゃなくても良い、ただ、ただ普通のメイジになりたいだけなのに。何で、何で……!」

唇を紫色に鬱血する位に噛み締め――ルイズは感情の全てを吐き出した。

「あんたみたいな化け物と、一緒にしないで!」

そのまま箒を床に叩き付けると、教室の外へと走っていった。
クリストファーはそんな彼女を止める訳でも無く、ただ静かに見送った。

段々小さくなる足音を聞きながら、彼は教室を見回す。

「もしかして、残り全部僕がやんなきゃいけないのかな……?」

冷や汗混じりに紡がれたその言葉は、誰にも聞かれること無く虚構へと溶けていった。

854赤目の使い魔-07:2009/11/27(金) 21:15:31 ID:46QMDTge
以上で投下終了です。短くて申し訳ない。
やっぱりクリストファーなら普通に慰めるなんて事は無いかなーと思った結果、こうなりました。
今更ながら、狂ったキャラは書き方が難しい…。
次回ぐらいで、決闘の序盤ぐらいには入ろうかと思っています。七話目でギーシュが出てすらいないとか我ながらどんだけ。

それでは
855名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 21:31:04 ID:+YTph7gx
赤目さん乙。タイミング逃してしまったが瀟洒の人も乙。
クリス切ないなぁー悲しそうに悪いクリスが頭に浮かんだ。まあ、なんだ。とりあえずクリス俺と友達になろうぜ
856名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 21:34:58 ID:+YTph7gx
悪いってなんだよ俺……笑うだってorz
857名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 21:49:14 ID:Gwwd/rYH
自分も作ろうと思って書いてみると
一話が滅茶苦茶長くなってしまった
改行とか一切無しで300行くらいあるんだけど
これってどうなんだろ
858名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 21:54:22 ID:9bNDzBRS
赤目の人、お疲れさまです。
確かにルイズだと『不自然』なメイジよりも『普通』のメイジを選ぶだろうなぁ…

それと瀟洒の人も乙かれさまです。
美鈴ktkr!個人的に好きなキャラなので嬉しい限りですw
黒い羽…咲夜さん関係なら小悪魔とかレミリアが浮かぶけど、もしかしたらあのブン屋!?
とにかく、今後も期待しています
859名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 21:57:35 ID:1/SIu1nq
>>800
声出してワロタ
専用wikiまであるのかよwww
860名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 22:05:15 ID:3ZErYIZ6
>>857
一話完結だったが、1万8千文字以上の作品を一気に投下した人もいるから問題ないかと。
861名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 22:06:32 ID:Gwwd/rYH
>>860
一万八千ってスレの半分以上を消費したのか?
文章は拙いけど、オレも頑張ってみる
862名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 22:11:24 ID:LGXIJJxO
>>857
まとめの作品を五個くらい見比べてみて、どれくらいが適当か調べてみてはいかがでしょう。
また、改行がないと2ちゃんのシステム上弾かれますよ。
863名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 22:13:23 ID:QYvWggNr
>>859
「ここでやっていいですか」→「ブロントは二次的なキャラでここじゃ範囲外だからだめ」→「じゃあネ実でやりなよ」→「ネ実で開始、なかなか好評」→
「とりあえずwiki作った」→「作者が一人だと雑談だけでスレが埋まったり、逆に雑談がないと落ちたりするから別に直接投下禁止ルールがないのでwikiに直接投下します」

こんな感じ
864名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 22:24:04 ID:Gwwd/rYH
>>862
改行がないのは純粋にどれだけ書いたか見たかっただけなんよ
まとめの作品を見比べてみたけど、300は普通なのかな
改行入れると、370くらいにはなりそうだけど
865名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 22:29:35 ID:qApA1qsI
>>861
その分量だと本スレではほぼ確実に規制食らったりするから、一遍に全部投下しようとは考えず、
切りのいい所で切って、何回かに分けて投下するのがいいと思うよ。
866名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 22:42:50 ID:BrGN7GP2
>>861
あれ? 1万8千って36,000バイト=36kbだよな?
そりゃ確かにさるさん確実な長さだが、スレの半分以上と言うには桁を一つ間違えてないか?
867名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 23:04:40 ID:w/bfBqba
古の牙狼の人なんかは200kb近くを一気だったような・・・
868名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 23:13:23 ID:soOBudY/
30kb前後程度はそれぐらい毎回平均的にやって連日投下してた人もいただろう
869名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/27(金) 23:45:33 ID:Gwwd/rYH
すまん、何か混乱してた。
単純な掛け算を間違うとか、小学生からやり直すべきだった
870名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 00:11:39 ID:lM+o5pgI
久保の人なんかは最終話がとてつもない量だったな
871名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 00:15:47 ID:UVixnPCi
そこは触れないでおいてあげようよ
872名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 00:25:01 ID:OJcuFaQt
赤目の人、乙です。
クリスは、というかラミアの連中は、いかれてる割にどっか普通の感性を残してるっぽいとこが哀愁を誘うな。
同じいかれキャラでもグラハムさんとかは本当に人生楽しそうなのに。
ルイズはどう進むんかなぁ。
873名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 02:58:34 ID:j2fwW1bk
赤目の人乙!
『自然』か『不自然』か……『普通』か『異常』か……
ルイズの反応はレイルとは対極みたい
874雪風とボクとの∞ ◆njpfsTMfgabE :2009/11/28(土) 08:59:52 ID:Nnda1iyX
9:05から∞7を投下します。
875雪風とボクとの∞@ ◆ShnAJt42cTWM :2009/11/28(土) 09:05:38 ID:Nnda1iyX
「雪風とボクとの∞(インフィニティ) ∞7」

「……え……どの人……」
 その日、魔法学院には多数の参観者達が集まっていた。
 タバサ・ルイズは物陰からそっと彼らの様子を伺っている。
「……ルイズの婚約者ってどの人……」
「しー! 声が大きいわよ、タバサ!」
「……確か……ワルド子爵……どの人……?」
 物陰から廊下を覗き見つつひそひそ会話している2人に通行人達は怪訝な視線を投げかけるが、2人はまったく気にしていない。、
「だから1番左の……ほら、あの……眼鏡の人よ!」
 そう言ってルイズが指差したのは、羽根帽子を被り眼鏡をかけた青年だった。
「ほほう、メガネ君ではないか」
 するとそこにどこからともなきう三成が、眼鏡をセンターアップで上げつつ姿を現した。
「わっ、ミツナリ!」
「そうかそうか、ついに君もメガネの魅力に……」
「違うわよ! 眼鏡だからじゃなくて、こ、婚約者がたまたま眼鏡だったのよ!」

メガネ男子を愛する女性、いわゆる「メガネ君スキー」。
その数は意外と多く、「めがねっ娘スキー」を上回る勢いである。
好きなメガネ君のバリエーションとしては、
○優等生タイプ
○どじタイプ
○科学者タイプ
など多種多様であり、場合によってはそこに女性特有の「攻」「受」という「腐」要素が加わっている事もあるので、注意が必要である。
眼牙書房「乙女の杜」(平賀才人著)より抜粋
876雪風とボクとの∞A ◆ShnAJt42cTWM :2009/11/28(土) 09:08:07 ID:Nnda1iyX
「……とにかく……話しかけてみたら……」
「それができないから悩んでるのよ!」
 人目を避けるように場所を屋上に移して、三成・タバサはルイズの「ワルド子爵と上手く話せない」という相談に乗っていた。
「……え……いつもの元気はどうしたの……」
「だ、だって……」
 珍しく顔を赤らめてもじもじしつつ言葉を濁したルイズに三成も、
「よし! ならばボクも協力してやろう」
「は!? 何であんたなんかに……」
「……何言ってるの……ルイズ……ミツナリはめがねのエキスパート……そしてワルド子爵はメガネ君……」
「うっ!!」
「メガネ君と楽しく会話をする方法、キミは知りたくは……」
「お願いします、先生!」
 背中を向けて思わせぶりに語る三成に、ルイズは土下座せんばかりの勢いで頼み込んだ。
「では、まず軽く挨拶をして、そしてさりげなくこう言うのだ」
 ルイズは三成の言葉を一言一句聞き逃すまいと真剣な表情で見つめ、その手にはペンと帳面を持っている。
「『失礼ですが、視力はおいくつですか?』と」
「そんなので話弾まないわよー!!」
「相手が『実は乱視が入ってて……』なんて答えたらしめたもの! 『あら〜、それじゃめがねが手放せませんね(はぁと)』なんて……」』
「なんてじゃないわよ!! 馬鹿!!」
 三成に猛抗議するルイズにタバサも提案を出す。
「……じゃあ……めがねあるあるネタ……」
「何それ?」
「めがね外してるのについ習慣で上げようとして、スカって……」
「……するする……」
(盛り上がってる!!)
 大いに盛り上がる三成・タバサとは対照的に、ルイズは少々俯き加減になる。
「……私、眼鏡かけてないからそういうのわかんないわよ……」
「……じゃあもう……『好き』って言ったら……」
「どええ!?」
「その通り! めがねをこう上げた時の手のここの『筋』がたまらなく好きだと言ってしまえ!」
「言わないわよ!!」
「そうか? この筋に心をきゅんとつかまれる女子は多いんだぞ」
「知らないわよ!!」
「僕はこのめがねの上げ方を『キャッチマイハート』と名付けた!」
「………」
「……キャッチマイハート……(はぁと)」
「もういいわ! あんたに相談した私が馬鹿だったわ!」
 叫び声を残しルイズは屋上から走り去っていった。
「……ルイズ……」
877雪風とボクとの∞B ◆ShnAJt42cTWM :2009/11/28(土) 09:11:12 ID:Nnda1iyX
 屋上を飛び出しそのまま廊下を走っていたルイズは、前方不注意で歩いていた誰かに激突してしまった。
「わっ」
「あっ、ご、ごめんな……」
「!! ワ、ワワワ、ワルド子爵!!」
「ルイズ?」
 そう、ルイズと激突したのは羽根帽子を被り眼鏡をかけた青年・ワルドだった。
(……どどどど、どうしたらいいの? なななな、何か喋らないと……)
 ルイズは一言も言葉を出せず、ワルドをただ見つめる事以外不可能だった。
 少々離れた物陰からは、三成・タバサも固唾を飲んで2人の成り行きを見守っている。
「あ……、あの……、あの……、……しっ、失礼ですけど視力はおいくつですか?」
 自分が言ってしまった言葉を認識してルイズは心中で激しく悶絶、2人の間に沈黙が流れる。
(やっちゃったー!! つい言ってしまったわー!!)
 だがワルドの答えは意外にも……、
「両方とも0.1なんだけど、右だけちょっと乱視入ってるんだ」
(乱視キター!!)
 予想外にも三成が話していた事が役に立つと気付き、思わずルイズは続ける。
「そ、そそ、それじゃ眼鏡が手離せませんね……なんて」
「そうなんだよ。めがね無いと何もできなくてさ」
(あれ? 弾んでるわ。会話が弾んでるわー!?)
 ワルドの予想以上の反応に気をよくしたルイズはなおも、
「あ、えっと、眼鏡外しているのについ習慣で眼鏡上げようとして……」
「ああ、スカッてやってしまうんだよね」
(弾んでるわー)
「ルイズ、随分面白くなったね」
 微笑みを浮かべつつワルドは広げた右手で眼鏡を押し上げる。
(キャッチマイハート)
878雪風とボクとの∞C ◆ShnAJt42cTWM :2009/11/28(土) 09:14:38 ID:Nnda1iyX
 しかしルイズの喜びもここまでだった。
 ワルドは満面の笑みを浮かべて、
「ルイズ、君も……めがねが大好きなんだね」
「は、はい!?」
「いや〜、めがねでこんなに楽しく会話できるなんて。ルイズもなかなかのものだね」
 心のどこかで聞いてはいけないと警鐘を鳴らしているのが感じられたが、確認しなければという衝動を抑えられずルイズはワルドに聞いてしまった。
「……ひょっとしてワルド子爵は、めがねっ娘が……」
「大好物さあ(はぁと)」
 とろけるような笑みを浮かべてそう言ったワルドの口元は、よだれが垂れんばかりに緩みきっていた。
 ピキッ……
 ルイズの耳には、心の中の何かに亀裂が入った音が聞こえた。
「で、ルイズは視力いくつになった?」
「……両目とも……、1.5のままです」

「婚約者が、変態でしたー!!」
 荒波が砕け散る岸壁にルイズの絶叫がこだました。
 使い魔が変態なタバサは、泣き崩れるルイズをただ見守る事しかできなかったのだった。

 そして三成・ワルドは……、
「何だか君とは話が合いそうな気がするな」
「同感です!」
 今回の教訓「類は友を呼ぶ」。
879雪風とボクとの∞ ◆ShnAJt42cTWM :2009/11/28(土) 09:17:24 ID:Nnda1iyX
以上投下終了です。
ワルドが某殺人鬼狩り使い魔に登場する“貫通のワルド”並みの変態になってしまった……。
だが反省はしていない。
880名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 09:32:46 ID:NMglEK3I
乙々
881名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 09:33:57 ID:LUpYEv0w
ワルドがまさかの眼鏡化www
882名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 10:08:41 ID:m4V0j3XK
乙でした。
ワルドwwww
おっぱい子爵の次はメガネ子爵かwww
ルイズイ`w
883名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 13:12:20 ID:hL5VZIcU
そういえば泉こなたのメルアドは「メガネっ娘激LOVE」だったのを思い出した。
うむ、ルイズもかがみと同じ気持ちを味わったか、よしよし。
884名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 15:05:19 ID:Re40CrVW
メガネスキーはhentaiではなぁい!
885名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 15:32:52 ID:qZhVuqX8
ルイズパパがルイズ贔屓なのは、
ロリカリン様の姿によく似てるからなんじゃないかと外伝を読んでてオモタ
誰か騎士姫のカリン様を召喚してくれ〜
886名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 17:03:30 ID:NMglEK3I
何年かしたらブリミルも召喚されるぞ
きっと
887名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 17:17:31 ID:HpKA6PAy
>>885
もし自分似だったら…

ブルブル
888名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 19:28:22 ID:Re40CrVW
>>887
「自分似」ならばまだマシ
「誰か他所の貴族似」だったらえらいことです
889名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 19:50:54 ID:QD1ntreJ
>>888
モッt(ry
890名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 20:16:29 ID:0KM3fWEw
映画エイリアンの監督かま関係者の中から雑誌を集めて「世界で一番口に突っ込みたくなる雑誌」として選んだ雑誌、平凡パンチ。
891ギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王 part4:2009/11/28(土) 21:01:17 ID:NMglEK3I
9:10から投下します

ギーシュがアンパンマンの黒バラ女王を召喚する話です。
892名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 21:07:23 ID:a9wnLozl
支援
893ギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王 part4:2009/11/28(土) 21:10:05 ID:NMglEK3I
「おや」
 秒速約60メイルで飛行するタバサの使い魔、雌の風竜・シルフィードを巨人が見送った。
(全く往生際の悪い子達だねぇ)
 呆れたような顔をすると、巨人は長い袖を揺らしながら両腕を大きく振り上げた。
「どこへ行こうと同じことさ!」
 巨人の足元が妖しく蠢き出した。

----

 一分後、シルフィードは学園から3リーグほど離れた草原上空を飛んでいた。
 ギーシュとルイズはシルフィードの胸と両前足の付け根に挟まれる形で抱えられている。
 唐突に空の上まで連れて来られた二人は勿論、タバサやキュルケ、シルフィードでさえ自分達が急死に一生を得ていたことを知らない。
 巨人が彼らを攻撃する数分前、タバサは口笛を合図にシルフィードを呼び出していた。
 学院まで駆けつけたシルフィードは、山のように巨大な亜人の存在と自分の主の周りに横たわる大勢の鉄化した人間達から尋常でない事態が差し迫っていることを直感した。
 そして高速で滑空しながらタバサとキュルケを乗せ、咄嗟の判断でまだ鉄化していない人間を連れ出したのだった。
 その時に偶然、巨人の奇襲を回避できたのは不幸中の幸いである。
「高度を、上げて」
 タバサがシルフィードに命令する。
 シルフィードは背中を目一杯に反らせて大きく羽ばたいた。
 地上約1000メイルの高さからさらに上昇する。
 巨人が後を追ってくる気配は無い。
 タバサはこのまま逃げ切れると思った。
894ギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王 part4:2009/11/28(土) 21:11:43 ID:NMglEK3I
 ところが――
 不意に目前から黒い影が迫ってきた。
 それは雲を切り裂きながら物凄い速度で近づいてくる。
「……!!」
 巨大な鞭。
 鞭のように身を撓らせた茨の蔓が襲い掛かってくる。
 シルフィードは右に急旋回することでなんとか直撃を避けた。
 しかし、音速を超えて振り抜かれた鞭が発生させる衝撃波のせいで体勢が崩れる。
「きゃあぁぁぁあ!」
 勢いを削がれたシルフィードが沈むように高度を下げる。
 キュルケ達は振り落とされないように必死にしがみ付いた。
(まだ……何か来る)
 風の扱いに秀でたメイジであるタバサは空気の流れを鋭敏に感じ取ることができる。
 彼女は何かが自分達を取り囲むように八方から向かってくるのを感知した。
 刹那、地中から空高くに伸びた苔色の茨がシルフィード達を覆った。
「ひ、ひいぃぃぃっ!」
 今まで目を瞑っていたギーシュが辺りの光景を見て悲鳴を上げる。
 つい一分ほど前までヴェストリの広場に居た彼らは今、無数に生えた直径5メイル以上もある茨の蔓に包囲されていた。
「い、いい一体何なの!? もう何がどうなってるのよ!」
 ルイズが金切り声を上げた。
「ななんで私達こんなとこにいるのよ!?」
「ヴァリエール! あんた、ちょっと黙ってなさい!」
 喚き散らすルイズをキュルケが制止する。
「そんなの私だってわからないわよ!」
 サイトが巨人よって鉄像にされてから、時間はまだ五分と経っていない。
 その上その僅かな時間の間には、十分な思考を巡らすだけの余裕は無かった。
 ルイズの問いに答えられるほど現状を理解している者などここには誰もいないのだ。
895ギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王 part4:2009/11/28(土) 21:13:06 ID:NMglEK3I
「後ろ」
 タバサがシルフィードに指示を出す。
 シルフィードが振り向いた先には抜け道があった。
 前方と左右、そして上方さえもが茨の壁によって塞がれている中、後方だけは不自然に空隙が開かれていた。
「か、壁が、壁が迫ってきているぞ!」
 2メイルはある棘が生えた茨の群体がじわじわとにじり寄ってくる。
「や、やだ! こっちの方もなんか生えてきてるわよ!」
 キュルケが叫んだ。
 彼らに残された唯一の逃げ道が遠ざかっていた。
 抜け道の両サイドを補填するように茨が生え障壁を広げていく。
 蔓はギーシュ達の頭上で絡み合い天井を作る。
 見る見るうちに一方通行のトンネルが出来上がっていく。
 シルフィードは全速力で出口を目指す。
 茨が伸びる速度はシルフィードの飛行速度に劣っていた。
 しかし、一度に生える茨の量があまりにも多過ぎるため、シルフィードは遠のいていく出口に全く追いつけない。
896名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 21:13:18 ID:aKZ1uPvF
紫煙
897ギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王 part4:2009/11/28(土) 21:16:04 ID:NMglEK3I
「まずい」
「えっ!?」
 険しい表情のタバサがキュルケ達に説明をする。
「このままだと、学院に戻ることになる」
 後退することはできない。
 通路の天井は進むにつれて低くなっている。
 彼らには前進する以外の選択肢は与えられていなかった。
 約一分間飛び続けたシルフィードは既に地上100メイルまで高度を下げていた。
「で、出口! 出口が見えたわ!!」
 ルイズが前方を指差した。
 その先にはおどろおどろしい茨の壁は広がっていない。
 だが奇妙なことに、出口の向こうには真っ暗な空間が広がってる。
 一同の間に緊張が走った。

//以上です
//空中戦のシーンなのでタバサやシルフィードばかり目立って
//ギーシュの出番があんまりないです……
898名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 21:35:14 ID:m4V0j3XK
乙でした〜。
ええと、これアンパンマンに出て来たんだよなぁ…ガクガクブルブル
次回まで正座待機。
899日替わりの人 ◆VZdh5DTmls :2009/11/28(土) 21:49:38 ID:UvAajSNm
黒バラの人、乙でした。そして皆さんお久しぶりです。
リアルの事情で、少し前までスケジュール的にも心情的にも執筆できる余裕がなかったのでしたが、どうにか持ち直せたので続きを書きました。
よろしければ、続けて21:55から投下させてください……って、もう容量が無理ですね。次スレ立ててから投下します。

ちなみに忘れた人のために、作品傾向と前回までの簡単なあらすじ。
召喚キャラはDQ5のリュカ。ルーラでグランバニアと行き来できるので、仲間を連れてくることが可能。
現在アルビオン編。ルイズとワルドとレックス(息子)とタバサ(娘)でラ・ロシェールの船に乗り込みました。
900名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 21:50:07 ID:fbFhzulO
>>899
きたぜぬるりと・・・
901日替わりの人 ◆VZdh5DTmls :2009/11/28(土) 21:53:23 ID:UvAajSNm
立てました。

あの作品のキャラがルイズに召喚されました part261
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1259412717/
902名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 22:36:41 ID:gcgXmii5
あれか、梅喧の勝ちセリフに「用法違うw」とか言っちゃう人か

いやまぁ多分>>19は本当に間違ってんだろなとは思うけど
903名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 22:42:50 ID:g+4fQokN
>>902
てめーシショれよ
904名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 23:37:06 ID:Z2CVY52t
>>902
最近の辞書は役不足でもおkになってる。
しかしそうなったらそうなったらで
役者不足を役不足と間違えた敵を
国語の勉強からやり直せって
罵った人物がいる小説の立場が無くなるという。
905名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 23:43:26 ID:WYysqpBi
辞書とは鑑であり鏡でもある。
906名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 23:46:14 ID:7ygAmNBO
通じる言葉が正しい言葉、ということだな。
たとえかつて正しかったとしても今通じなければ間違った言葉で、
たとえかつて間違っていたとしても今通じるのなら正しい言葉だということだ
907名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/28(土) 23:59:54 ID:LUpYEv0w
あれだな。全然って言葉はかつても肯定的に使われていて最近の用法はかえって先祖返りしてるって奴か。
908名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 00:29:06 ID:MjQCJaMB
ちょいテスト
909名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 00:31:32 ID:736vGJ2c
そもそも役者不足って言葉自体が間違ってるからな。
そんな造語を使わなくても、力不足でいいんだから
910名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 01:01:18 ID:uNm8Xdke
役不足と力不足は別だろ
911名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 01:03:56 ID:ptQvB4VG
というか意味逆じゃね?
912名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 01:04:52 ID:ptQvB4VG
と思ったら比較してるのは役者不足か///
913名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 02:02:03 ID:unuwEzkT
白象を召喚
ラストは怒り狂った象の群れに学院が破壊される
914名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 02:14:30 ID:JXDGivqV
まあ真逆なんて言葉は存在しなかったのに、今じゃ当たり前のようにあるからな。
テレビで間違って使った馬鹿が大量にいるから仕方ないのかもしれないけど、
本当は正反対なのに。
915名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 07:33:24 ID:bzGI/hVo
それって「まさか」って読むんじゃなかったか?
916名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 09:30:44 ID:OKZgFE7F
真逆(まさか)の初出は、確か夏目漱石じゃなかったっけ
917名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 09:38:38 ID:rSeSUvX9
そげなこと言い出したら現在の文章の書き方だって
918名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 10:31:19 ID:tQQshoqB
いまさら万葉仮名には戻れねえな……
919名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 10:34:53 ID:a11TnXzx
今さらドテチン語には戻られないしなあ
920名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 11:15:33 ID:vMNOAfYw
安易な「真逆」は萎える
921名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 11:38:39 ID:OcV/0SK+
そんな高尚な文学が読みたい奴が来る場所じゃないなここは
922名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 16:03:35 ID:kXM5yKV6
やっぱ提督が一番だな
自治厨の糞共のせいで出て行っちゃったけど
923名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 16:24:16 ID:DP9XBJbn
     /: : : : : __: :/: : ::/: : ://: : :/l::|: : :i: :l: : :ヽ: : :丶: : 丶ヾ    ___
     /;,, : : : //::/: : 7l,;:≠-::/: : / .l::|: : :l: :|;,,;!: : :!l: : :i: : : :|: : ::、  /     ヽ
    /ヽヽ: ://: :!:,X~::|: /;,,;,/: :/  リ!: ::/ノ  l`ヽl !: : |: : : :l: :l: リ / そ そ お \
   /: : ヽヾ/: : l/::l |/|||llllヾ,、  / |: :/ , -==、 l\:::|: : : :|i: | /   う う  前  |
.   /: : : //ヾ ; :|!: イ、||ll|||||::||    ノノ  イ|||||||ヾ、 |: ::|!: : イ: ::|/   な 思 が
   /: : ://: : :ヽソ::ヽl |{ i||ll"ン    ´   i| l|||l"l `|: /|: : /'!/l     ん う
 ∠: : : ~: : : : : : : :丶ゝ-―-      ,  ー=z_ソ   |/ ハメ;, :: ::|.   だ ん
   i|::ハ: : : : : : : : : : : 、ヘヘヘヘ     、  ヘヘヘヘヘ /: : : : : \,|.   ろ な
   |!l |: : : : : : : : :、: ::\    、-―-,      / : : :丶;,,;,:ミヽ   う  ら
     丶: :ハ、lヽ: :ヽ: : ::\__  `~ "      /: : ト; lヽ)   ゝ
       レ `| `、l`、>=ニ´        ,  _´ : :} `   /
         ,,、r"^~´"''''"t-`r、 _  -、 ´ヽノ \ノ   /    お ・
       ,;'~  _r-- 、__     ~f、_>'、_         |  で  前 ・
      f~  ,;"     ~"t___    ミ、 ^'t         |  は  ん ・
      ,"  ,~         ヾ~'-、__ ミ_ξ丶     |  な  中 ・
     ;'  ,イ ..          ヽ_   ヾ、0ヽ丶    l         /
     ( ;":: |: :: ..          .`,   ヾ 丶 !    \____/
     ;;;; :: 入:: :: ::      l`ー-、   )l   ヾ 丶
     "~、ソ:: :い:: :     \_  ノ ,    ヾ 丶
924名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 17:37:14 ID:GKjhTQ8r
残り容量少ないのにでかいAA使ってるクソ野郎の意見は自動的に却下
925名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 17:40:51 ID:+J9XfM6O
画面の半分にも跨らない程度のサイズで大きいとな
926名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 17:52:11 ID:VakPwSDA
>>923

誰かが作ったAAのコピペで皮肉をかます俺センスイイ!とお前が思うなら、きっとそうなんだろうな。
スレの暗黙の了解を守れない事はさておきな。
927名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 17:56:21 ID:by1LcrYM
>>904
某竜堂さんちの次男坊ですか。
928名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 18:01:23 ID:SjqFVQJH
もっとこう人間の身一つで難題を解決して魔法に頼るだけなんていただけないぜってキャラはいないのか
929名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 18:05:21 ID:HV0h1+lM
ガンダールヴのルーン効果が足を引っ張って弱体化していまうキャラとな
930名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 18:11:13 ID:1xHQMXrG
>>924
SSの投下があるスレでAAを貼る奴を擁護するつもりは無いけど、次スレなら立ってるよ。
それを踏まえた上で言っていたなら申し訳ない。
931名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 18:18:10 ID:xjFKqSlz
戦闘者として完成していて、ルーンの力によって必要以上に力を引き出されてしまう。結果、バランスが取れずにまともに戦えなくなる……禁書目録の神裂なんかは、聖人としての力を制御する術式に余裕が無いとか、これ以上の力は自分自身を壊すだけとか言ってましたっけ。
932名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 18:19:00 ID:8OxU7vB3
次スレがたつと、職人はそっちに旅立つし、それを追って住人も旅立つんで、
早いところ埋めるなりなんなりしてくれた方が、区切りがついていいような気もするが、
こういうタイミングを狙って小ネタとか投下する人もいるからなぁ。
933名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 18:24:58 ID:1xHQMXrG
>>931
ベタだけど、普段はガンダールヴでピンチの時にリスクを負って聖人ルヴとか燃えるかもしれない。
934名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 18:36:15 ID:RNonofQZ
ガンダールヴって体力の消耗激しそうだし
サムスピの右京さんとかちょっと力使っただけでぶっ倒れそうだな
935名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 19:35:11 ID:6z6/rrwe
草加雅人なら大丈夫
936名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 19:42:33 ID:kUvonn+a
びんちょうたんとか召喚したらさすがのルイズも最初から優しい子になれるよね
937名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 19:56:15 ID:VLw48JvL
埋め

あの作品のキャラがルイズに召喚されました part261
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1259412717/
938名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 19:57:54 ID:diH1Q038
気持ちに余裕が出来ないと難しいんじゃね?

魔法も上手くいかずついつい怒鳴る
      ↓
怯えるびんちょうたん
      ↓
キュルケがやりすぎだと抗議
      ↓
ルイズ余計ムキになってついつい怒鳴(ry


何か手柄立てればかなり変わってきそうだが
939名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 20:18:19 ID:sHtWT0fp
あふがにすたんを虐めたら俺が許さん
940名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 20:33:45 ID:+J9XfM6O
怒鳴られるも徹底的にルイズのペースを乱しまくるまん丸
941名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 21:41:05 ID:Eu5/CBRD
うめようぜ
942名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 21:51:59 ID:1xHQMXrG
>>941は召喚されちゃったんだろうな……
943名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 21:58:49 ID:Eu5/CBRD
                                          ○________
                               なぎはらえー     |:|\\:::::||.:.||::::://|    /イ
                                              |:l\\\||.:.|l///|  .///
                         __ ィ   ,. -――- 、     |:|:二二二二二二二 !// /
                        /    /          \.   |:l///||.:.|l\\\|/  /
                / ̄ ̄ ̄ ̄ 7 / / ./  / /   l l l lハ  |:|//:::::||.:.||:::::\\l    /
  ト、     ,.    ̄ ̄Τ 弋tァ―   `ー /  l从 |メ|_l  l_.l斗l |ヽ V |:| ̄ ̄ ̄ ̄ フ  ̄ ̄    |                  イ
  ヽ \__∠ -――く  __       .Z¨¨\   N ヒj ∨ ヒソj .l ヽ\|       / /     |                / !
   ヽ  ∠____vvV____ヽ   <   ≧__/ ゝ、t‐┐ ノ .|┐  . \   / /         \           /   l
.    \\_____ivvvvvvvv|   V.    (  (  /Tえハフ{  V   ‐一 '´ /     __. -―=-`      /  / l  l
       \!      |   / 入_.V/|      >-ヘ  \:::∨::∧  ∨ ∠二 -‐ .二二 -‐ ' ´ /        /   / l.  l
 __  |\       l/V  _{_____/x|    (_|::::__ノ   }ィ介ーヘ  /  ,.-‐ ' ´           /       ____  ̄ ̄フ ∧  l
  )-ヘ j ̄} /|        /___/xx|       _Σ___/| | |V::::ノ/ ∠___           {     /      `<  /  \|
  {  V  /`7.         /___./xXハ    ( |:::::::::::::::::ハ   >' ____ 二二二二二二>   /   __    〈
.  \_   |/        /___l XX∧     __≧__::::::::/:∧/   `丶、           /     {   {____ハ    }
    |   ヽ        /____|]]∧  __|__L.∠ ム'  <`丶 、 `丶、       /       \_____/    /
    |     ',         {     |]]]>'  __      ∧ l\ \   丶、 ` 、   ∠ -――-  ..____ノ   /
   ノ     }       l ̄ ̄ ̄.|] >' ,. '  ̄ / .// :/  V'  \ ヽ    `丶\/                 /
  / ∧   { \      |      .|>' /      // :/ :/ :   ', l   \ ヽ  ,.-――┬      \         /
 入ノ. ヽ  く  ヽ______7 ー―∠__    〃  l :/    :l l     \V       ヽ       \    ,.  '´
`ー′   \  `<  | {      /   | /〃   :|/  __V/ ̄| ̄ ̄{_     \_      ` <
        \  `' ┴ヘ     {    .レ__r‐|ィ‐┬、lレ' |    /  ノ`y‐一'  >、_/   / ̄ 7丶、_   丶
         \    ヽ   /`ー「と_し^´ |  |    }  ム-‐'  /     /    \_/  /  /  ヘ    \
           ヽ   _>-ヶ--∧_}   ノ  j   /` 7 ̄ ̄ ̄{      (         ̄ ̄`ー‐^ーく_〉  .ト、_>
            ', /     人__/   .ィ  {__ノ`ー'    ヽ    人     \__              {  }  |
            V     人__/  / | /           ̄{ ̄  >‐ ァ-、    \             〉ー}  j
                {  / ./  ∨      __      ̄ ̄ >-</  / ̄ ̄         廴ノ  '
      <ヽ__      /し /        < )__ \   _r‐く___/  /    < ) \     {__ノ /
        Y__>一'    /         ___r―、_\ >'   `ー' ,.  ´       >.、 \__ノ    {
     ∠二)―、       `ー‐┐    ∠ ∠_r‐--―      <__       ∠ )__          \_
       ∠)__ノ ̄`‐⌒ヽ__|>      ∠)__r―――-― ..__{>        ∠_廴,. ⌒ー'  ̄ \__{>
944名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 22:01:20 ID:Eu5/CBRD
                                          ○________
                               なぎはらえー     |:|\\:::::||.:.||::::://|    /イ
                                              |:l\\\||.:.|l///|  .///
                         __ ィ   ,. -――- 、     |:|:二二二二二二二 !// /
                        /    /          \.   |:l///||.:.|l\\\|/  /
                / ̄ ̄ ̄ ̄ 7 / / ./  / /   l l l lハ  |:|//:::::||.:.||:::::\\l    /
  ト、     ,.    ̄ ̄Τ 弋tァ―   `ー /  l从 |メ|_l  l_.l斗l |ヽ V |:| ̄ ̄ ̄ ̄ フ  ̄ ̄    |                  イ
  ヽ \__∠ -――く  __       .Z¨¨\   N ヒj ∨ ヒソj .l ヽ\|       / /     |                / !
   ヽ  ∠____vvV____ヽ   <   ≧__/ ゝ、t‐┐ ノ .|┐  . \   / /         \           /   l
.    \\_____ivvvvvvvv|   V.    (  (  /Tえハフ{  V   ‐一 '´ /     __. -―=-`      /  / l  l
       \!      |   / 入_.V/|      >-ヘ  \:::∨::∧  ∨ ∠二 -‐ .二二 -‐ ' ´ /        /   / l.  l
 __  |\       l/V  _{_____/x|    (_|::::__ノ   }ィ介ーヘ  /  ,.-‐ ' ´           /       ____  ̄ ̄フ ∧  l
  )-ヘ j ̄} /|        /___/xx|       _Σ___/| | |V::::ノ/ ∠___           {     /      `<  /  \|
  {  V  /`7.         /___./xXハ    ( |:::::::::::::::::ハ   >' ____ 二二二二二二>   /   __    〈
.  \_   |/        /___l XX∧     __≧__::::::::/:∧/   `丶、           /     {   {____ハ    }
    |   ヽ        /____|]]∧  __|__L.∠ ム'  <`丶 、 `丶、       /       \_____/    /
    |     ',         {     |]]]>'  __      ∧ l\ \   丶、 ` 、   ∠ -――-  ..____ノ   /
   ノ     }       l ̄ ̄ ̄.|] >' ,. '  ̄ / .// :/  V'  \ ヽ    `丶\/                 /
  / ∧   { \      |      .|>' /      // :/ :/ :   ', l   \ ヽ  ,.-――┬      \         /
 入ノ. ヽ  く  ヽ______7 ー―∠__    〃  l :/    :l l     \V       ヽ       \    ,.  '´
`ー′   \  `<  | {      /   | /〃   :|/  __V/ ̄| ̄ ̄{_     \_      ` <
        \  `' ┴ヘ     {    .レ__r‐|ィ‐┬、lレ' |    /  ノ`y‐一'  >、_/   / ̄ 7丶、_   丶
         \    ヽ   /`ー「と_し^´ |  |    }  ム-‐'  /     /    \_/  /  /  ヘ    \
           ヽ   _>-ヶ--∧_}   ノ  j   /` 7 ̄ ̄ ̄{      (         ̄ ̄`ー‐^ーく_〉  .ト、_>
            ', /     人__/   .ィ  {__ノ`ー'    ヽ    人     \__              {  }  |
            V     人__/  / | /           ̄{ ̄  >‐ ァ-、    \             〉ー}  j
                {  / ./  ∨      __      ̄ ̄ >-</  / ̄ ̄         廴ノ  '
      <ヽ__      /し /        < )__ \   _r‐く___/  /    < ) \     {__ノ /
        Y__>一'    /         ___r―、_\ >'   `ー' ,.  ´       >.、 \__ノ    {
     ∠二)―、       `ー‐┐    ∠ ∠_r‐--―      <__       ∠ )__          \_
       ∠)__ノ ̄`‐⌒ヽ__|>      ∠)__r―――-― ..__{>        ∠_廴,. ⌒ー'  ̄ \__{>
945名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 22:02:07 ID:Eu5/CBRD
                                          ○________
                               なぎはらえー     |:|\\:::::||.:.||::::://|    /イ
                                              |:l\\\||.:.|l///|  .///
                         __ ィ   ,. -――- 、     |:|:二二二二二二二 !// /
                        /    /          \.   |:l///||.:.|l\\\|/  /
                / ̄ ̄ ̄ ̄ 7 / / ./  / /   l l l lハ  |:|//:::::||.:.||:::::\\l    /
  ト、     ,.    ̄ ̄Τ 弋tァ―   `ー /  l从 |メ|_l  l_.l斗l |ヽ V |:| ̄ ̄ ̄ ̄ フ  ̄ ̄    |                  イ
  ヽ \__∠ -――く  __       .Z¨¨\   N ヒj ∨ ヒソj .l ヽ\|       / /     |                / !
   ヽ  ∠____vvV____ヽ   <   ≧__/ ゝ、t‐┐ ノ .|┐  . \   / /         \           /   l
.    \\_____ivvvvvvvv|   V.    (  (  /Tえハフ{  V   ‐一 '´ /     __. -―=-`      /  / l  l
       \!      |   / 入_.V/|      >-ヘ  \:::∨::∧  ∨ ∠二 -‐ .二二 -‐ ' ´ /        /   / l.  l
 __  |\       l/V  _{_____/x|    (_|::::__ノ   }ィ介ーヘ  /  ,.-‐ ' ´           /       ____  ̄ ̄フ ∧  l
  )-ヘ j ̄} /|        /___/xx|       _Σ___/| | |V::::ノ/ ∠___           {     /      `<  /  \|
  {  V  /`7.         /___./xXハ    ( |:::::::::::::::::ハ   >' ____ 二二二二二二>   /   __    〈
.  \_   |/        /___l XX∧     __≧__::::::::/:∧/   `丶、           /     {   {____ハ    }
    |   ヽ        /____|]]∧  __|__L.∠ ム'  <`丶 、 `丶、       /       \_____/    /
    |     ',         {     |]]]>'  __      ∧ l\ \   丶、 ` 、   ∠ -――-  ..____ノ   /
   ノ     }       l ̄ ̄ ̄.|] >' ,. '  ̄ / .// :/  V'  \ ヽ    `丶\/                 /
  / ∧   { \      |      .|>' /      // :/ :/ :   ', l   \ ヽ  ,.-――┬      \         /
 入ノ. ヽ  く  ヽ______7 ー―∠__    〃  l :/    :l l     \V       ヽ       \    ,.  '´
`ー′   \  `<  | {      /   | /〃   :|/  __V/ ̄| ̄ ̄{_     \_      ` <
        \  `' ┴ヘ     {    .レ__r‐|ィ‐┬、lレ' |    /  ノ`y‐一'  >、_/   / ̄ 7丶、_   丶
         \    ヽ   /`ー「と_し^´ |  |    }  ム-‐'  /     /    \_/  /  /  ヘ    \
           ヽ   _>-ヶ--∧_}   ノ  j   /` 7 ̄ ̄ ̄{      (         ̄ ̄`ー‐^ーく_〉  .ト、_>
            ', /     人__/   .ィ  {__ノ`ー'    ヽ    人     \__              {  }  |
            V     人__/  / | /           ̄{ ̄  >‐ ァ-、    \             〉ー}  j
                {  / ./  ∨      __      ̄ ̄ >-</  / ̄ ̄         廴ノ  '
      <ヽ__      /し /        < )__ \   _r‐く___/  /    < ) \     {__ノ /
        Y__>一'    /         ___r―、_\ >'   `ー' ,.  ´       >.、 \__ノ    {
     ∠二)―、       `ー‐┐    ∠ ∠_r‐--―      <__       ∠ )__          \_
       ∠)__ノ ̄`‐⌒ヽ__|>      ∠)__r―――-― ..__{>        ∠_廴,. ⌒ー'  ̄ \__{>
946名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/29(日) 22:06:13 ID:Eu5/CBRD
                                          ○________
                               なぎはらえー     |:|\\:::::||.:.||::::://|    /イ
                                              |:l\\\||.:.|l///|  .///
                         __ ィ   ,. -――- 、     |:|:二二二二二二二 !// /
                        /    /          \.   |:l///||.:.|l\\\|/  /
                / ̄ ̄ ̄ ̄ 7 / / ./  / /   l l l lハ  |:|//:::::||.:.||:::::\\l    /
  ト、     ,.    ̄ ̄Τ 弋tァ―   `ー /  l从 |メ|_l  l_.l斗l |ヽ V |:| ̄ ̄ ̄ ̄ フ  ̄ ̄    |                  イ
  ヽ \__∠ -――く  __       .Z¨¨\   N ヒj ∨ ヒソj .l ヽ\|       / /     |                / !
   ヽ  ∠____vvV____ヽ   <   ≧__/ ゝ、t‐┐ ノ .|┐  . \   / /         \           /   l
.    \\_____ivvvvvvvv|   V.    (  (  /Tえハフ{  V   ‐一 '´ /     __. -―=-`      /  / l  l
       \!      |   / 入_.V/|      >-ヘ  \:::∨::∧  ∨ ∠二 -‐ .二二 -‐ ' ´ /        /   / l.  l
 __  |\       l/V  _{_____/x|    (_|::::__ノ   }ィ介ーヘ  /  ,.-‐ ' ´           /       ____  ̄ ̄フ ∧  l
  )-ヘ j ̄} /|        /___/xx|       _Σ___/| | |V::::ノ/ ∠___           {     /      `<  /  \|
  {  V  /`7.         /___./xXハ    ( |:::::::::::::::::ハ   >' ____ 二二二二二二>   /   __    〈
.  \_   |/        /___l XX∧     __≧__::::::::/:∧/   `丶、           /     {   {____ハ    }
    |   ヽ        /____|]]∧  __|__L.∠ ム'  <`丶 、 `丶、       /       \_____/    /
    |     ',         {     |]]]>'  __      ∧ l\ \   丶、 ` 、   ∠ -――-  ..____ノ   /
   ノ     }       l ̄ ̄ ̄.|] >' ,. '  ̄ / .// :/  V'  \ ヽ    `丶\/                 /
  / ∧   { \      |      .|>' /      // :/ :/ :   ', l   \ ヽ  ,.-――┬      \         /
 入ノ. ヽ  く  ヽ______7 ー―∠__    〃  l :/    :l l     \V       ヽ       \    ,.  '´
`ー′   \  `<  | {      /   | /〃   :|/  __V/ ̄| ̄ ̄{_     \_      ` <
        \  `' ┴ヘ     {    .レ__r‐|ィ‐┬、lレ' |    /  ノ`y‐一'  >、_/   / ̄ 7丶、_   丶
         \    ヽ   /`ー「と_し^´ |  |    }  ム-‐'  /     /    \_/  /  /  ヘ    \
           ヽ   _>-ヶ--∧_}   ノ  j   /` 7 ̄ ̄ ̄{      (         ̄ ̄`ー‐^ーく_〉  .ト、_>
            ', /     人__/   .ィ  {__ノ`ー'    ヽ    人     \__              {  }  |
            V     人__/  / | /           ̄{ ̄  >‐ ァ-、    \             〉ー}  j
                {  / ./  ∨      __      ̄ ̄ >-</  / ̄ ̄         廴ノ  '
      <ヽ__      /し /        < )__ \   _r‐く___/  /    < ) \     {__ノ /
        Y__>一'    /         ___r―、_\ >'   `ー' ,.  ´       >.、 \__ノ    {
     ∠二)―、       `ー‐┐    ∠ ∠_r‐--―      <__       ∠ )__          \_
       ∠)__ノ ̄`‐⌒ヽ__|>      ∠)__r―――-― ..__{>        ∠_廴,. ⌒ー'  ̄ \__{>
947名無しさん@お腹いっぱい。
                                          ○________
                               なぎはらえー     |:|\\:::::||.:.||::::://|    /イ
                                              |:l\\\||.:.|l///|  .///
                         __ ィ   ,. -――- 、     |:|:二二二二二二二 !// /
                        /    /          \.   |:l///||.:.|l\\\|/  /
                / ̄ ̄ ̄ ̄ 7 / / ./  / /   l l l lハ  |:|//:::::||.:.||:::::\\l    /
  ト、     ,.    ̄ ̄Τ 弋tァ―   `ー /  l从 |メ|_l  l_.l斗l |ヽ V |:| ̄ ̄ ̄ ̄ フ  ̄ ̄    |                  イ
  ヽ \__∠ -――く  __       .Z¨¨\   N ヒj ∨ ヒソj .l ヽ\|       / /     |                / !
   ヽ  ∠____vvV____ヽ   <   ≧__/ ゝ、t‐┐ ノ .|┐  . \   / /         \           /   l
.    \\_____ivvvvvvvv|   V.    (  (  /Tえハフ{  V   ‐一 '´ /     __. -―=-`      /  / l  l
       \!      |   / 入_.V/|      >-ヘ  \:::∨::∧  ∨ ∠二 -‐ .二二 -‐ ' ´ /        /   / l.  l
 __  |\       l/V  _{_____/x|    (_|::::__ノ   }ィ介ーヘ  /  ,.-‐ ' ´           /       ____  ̄ ̄フ ∧  l
  )-ヘ j ̄} /|        /___/xx|       _Σ___/| | |V::::ノ/ ∠___           {     /      `<  /  \|
  {  V  /`7.         /___./xXハ    ( |:::::::::::::::::ハ   >' ____ 二二二二二二>   /   __    〈
.  \_   |/        /___l XX∧     __≧__::::::::/:∧/   `丶、           /     {   {____ハ    }
    |   ヽ        /____|]]∧  __|__L.∠ ム'  <`丶 、 `丶、       /       \_____/    /
    |     ',         {     |]]]>'  __      ∧ l\ \   丶、 ` 、   ∠ -――-  ..____ノ   /
   ノ     }       l ̄ ̄ ̄.|] >' ,. '  ̄ / .// :/  V'  \ ヽ    `丶\/                 /
  / ∧   { \      |      .|>' /      // :/ :/ :   ', l   \ ヽ  ,.-――┬      \         /
 入ノ. ヽ  く  ヽ______7 ー―∠__    〃  l :/    :l l     \V       ヽ       \    ,.  '´
`ー′   \  `<  | {      /   | /〃   :|/  __V/ ̄| ̄ ̄{_     \_      ` <
        \  `' ┴ヘ     {    .レ__r‐|ィ‐┬、lレ' |    /  ノ`y‐一'  >、_/   / ̄ 7丶、_   丶
         \    ヽ   /`ー「と_し^´ |  |    }  ム-‐'  /     /    \_/  /  /  ヘ    \
           ヽ   _>-ヶ--∧_}   ノ  j   /` 7 ̄ ̄ ̄{      (         ̄ ̄`ー‐^ーく_〉  .ト、_>
            ', /     人__/   .ィ  {__ノ`ー'    ヽ    人     \__              {  }  |
            V     人__/  / | /           ̄{ ̄  >‐ ァ-、    \             〉ー}  j
                {  / ./  ∨      __      ̄ ̄ >-</  / ̄ ̄         廴ノ  '
      <ヽ__      /し /        < )__ \   _r‐く___/  /    < ) \     {__ノ /
        Y__>一'    /         ___r―、_\ >'   `ー' ,.  ´       >.、 \__ノ    {
     ∠二)―、       `ー‐┐    ∠ ∠_r‐--―      <__       ∠ )__          \_
       ∠)__ノ ̄`‐⌒ヽ__|>      ∠)__r―――-― ..__{>        ∠_廴,. ⌒ー'  ̄ \__{>