1 :
名無しさん@お腹いっぱい。:
2 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/27(火) 20:46:13 ID:8vF2kzZB
参加者リスト
6/6【咲-Saki-】
○竹井久/○天江衣/○福路美穂子/○池田華菜/○加治木ゆみ/○東横桃子
6/6【新機動戦記ガンダムW】
○ヒイロ・ユイ/○デュオ・マックスウェル/○張五飛/○ゼクス・マーキス/○トレーズ・クシュリナーダ/○リリーナ・ドーリアン
6/6【Fate/stay night】
○衛宮士郎/○セイバー/○アーチャー/○バーサーカー/○ライダー/○キャスター
5/5【けいおん!】
○平沢唯/○秋山澪/○田井中律/○琴吹紬/○平沢憂
5/5【戦国BASARA】
○伊達政宗/○真田幸村/○織田信長/○明智光秀/○本多忠勝
4/4【空の境界】
○両儀式/○黒桐幹也/○浅上藤乃/○荒耶宗蓮
4/4【ガン×ソード】
○ヴァン/○レイ・ラングレン/○カギ爪の男/○ファサリナ
4/4【とある魔術の禁書目録】
○上条当麻/○御坂美琴/○白井黒子/○一方通行
4/4【化物語】
○阿良々木暦/○戦場ヶ原ひたぎ/○八九寺真宵/○神原駿河
3/3【機動戦士ガンダム00】
○刹那・F・セイエイ/○グラハム・エーカー/○アリー・アル・サーシェス
3/3【コードギアス 反逆のルルーシュR2】
○ルルーシュ・ランペルージ/○枢木スザク/○C.C.
2/2【逆境無頼カイジ Ultimate Survivor】
○伊藤開司/○利根川幸雄
+書き手枠12 (書き手枠はすでに全枠予約済み)
3 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/27(火) 20:46:40 ID:8vF2kzZB
【原則】
64名の参加者が残り一名になるまで殺し合う。
【スタート時の持ち物】
各人に支給されたデイパックの中身は以下の通り。
地図、名簿、食料、水、メモ帳、筆記用具、ルールブック、デバイス、腕時計、懐中電灯、
応急処置セット(絆創膏、ガーゼ、テープ、ピンセット、包帯、消毒液が詰められた救急箱)、ランダム支給品(各人1〜3個)。
【名簿について】
64名中、52名の参加者の名前が記載されている。
未掲載の12名については、第一回放送の際に発表。
龍門渕透華の名前は最初から掲載されていなかった。
【ルールブックについて】
ルールが書かれた小冊子。開会式中でインデックスが語った内容とほぼ同一。優勝特典についても記されている。
【デバイスについて】
現在自分がいるエリアがデジタル表記で表示される機械(【A-1】といった具合に)。方位磁石としての機能も兼ね揃えている。
【禁止エリアについて】
六時間に一回の頻度で行われる放送ごとに、三つずつ増えていく。
参加者が禁止エリアに踏み込んだ際、首輪が起爆する(爆破までに時間差や警告があるかどうかは不明)。
【優勝者への特権について】
優勝者には賞金として10億ペリカ、そしてその賞金で買い物をする権利が与えられる。
ペリカの使い道は以下の通り(これはルールブックにも記載されている)。
・元の世界への生還――1億ペリカ
・死者の復活―――――4億ペリカ
・現金への換金――――9億ペリカ
・その他の願い―――――要相談
※1ペリカ=10円。10億ペリカ=100億円。
【作中での時間表記】
【深夜:0:00〜1:59】
【黎明:2:00〜3:59】
【早朝:4:00〜5;59】
【朝:6:00〜7:59】
【午前:8:00〜9:59】
【昼:10:00〜11:59】
【日中:12:00〜13;59】
【午後:14:00〜15:59】
【夕方:16:00〜17:59】
【夜:18:00〜19:59】
【夜中:20:00〜21:59】
【真夜中:22:00〜23:59】
【企画に興味を持ったら】
当企画への参加に資格は必要ありません。どなたでもどんどんどうぞ。
但し、企画の円滑な進行のため、守るべきルールは存在します。
特にSS書き手として参加される方は事前に以下の「書き手用ルール」のページをお読みください。
企画への参加は「SSを書く」、以外にも「絵を投稿する」「MADを投稿する」「感想を書いてスレを盛り上げる」
等様々な形があります。そういった形での参加も大歓迎。みんなの技術を持ちよって企画を楽しみましょう。
5 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/27(火) 21:04:11 ID:2kuYZeX/
乙
そろそろ現在位置キボン
>>1 乙であります!
>>5 まだ早いぜw
あと1日は待ってもいいと思う
新スレで目がつくだろうから言わせてもらうが
没投下もうちょっと自重してくれー
まだ登場してない参加者も一緒に登場させるか、予約した人のネタ潰しになる可能性もあるぞー
投下wktk
今の所登場したのは27人(議論中SS含む)か。
まだ半分も出ていないとは。
まだ予約からそう経ってないぞw
予約前から書いてた人は投下出来たが
現在地や支給品という投下ラッシュ後のすり合わせ作業もあるからなw
ちょっと、「復讐するは我にあり」のレイの状態表で気になった点が
3:ヴァンは出会えば殺す。
これはちょっと飛躍しすぎでは?
アニメでは、ヴァンとレイは利害が一致すれば協力することだってあったし、
今のレイはカギ爪狙いであって、優勝狙いのマーダーじゃないでしょ?
WIKIに作品乗せていいか?
前スレで待てって言われたんだが…
スレ立て乙です
>>12 修正議論されていない話なら問題ない
1000、っと
>>12 修正議論になってなくて、投下後24時間くらい経ってる分は問題ない。
今ちょっと時間の余裕がないんで、やってくれると本当に助かる。
ちなみに、議論スレで議題になってるのは、一方通行のと、ルルーシュのと、玄霧皐月のと、カギ爪の男のぶん。
>>14 一方通行とゼクスの話、ルルーシュの話、安藤とカギ爪の話以外なら大丈夫なはず
澪と黒子の話はどうだったけ
一方通行もう乗せちゃった…
じゃあ他乗せてくる
玄霧のはいいんじゃないのか?
>>12 可能なら過去スレ保存とかもお願いしたいな
あの辺はごちゃっとしてて慣れてる人に任せたい
そういえば、そういうときって収録ナンバーはどうなるんだろ?
修正議論中のは抜いて、そのうえで詰める(例えば5番目の投下が議論中だとしたら、6番目の投下のを投下順5話目として収録)?
まだwikiに編集されてない分まとめ
008.◆BXnAdYmV9c『意識の狭間にて』 【F-3/倉庫群】 【アーニャ@ギアスR2《書き手枠》】
009.◆qWledVrzo.『未来憶ネクロシス』 【C-4/森】 【田井中律@けいおん!】【玄霧皐月@空の境界《書き手枠》】
010.◆Kn1oA8GRiE『アニメキャラバトルロワイアル 反逆のルルーシュR2』【E-6/公園】【ルルーシュ@ギアスR2】
011.◆YLoNiOIZ66『あの子のために、わたしのために』 【C-6/森の中の民家】【平沢憂@けいおん!】【池田華菜@咲-Saki-死亡】
012.◆K9VOez7plg『我が身の全ては想い人の為に』 【E-1/吊り橋近く】 【海原光貴@禁書目録《書き手枠》】
013.◆ApriVFJs6M『rendezvous』 【B-6/廃村】 【秋山澪@けいおん!】【白井黒子@禁書目録】
014.◆70O/VwYdqM『復讐するは我にあり』 【D-3/北/一日/深夜】 【レイ・ラングレン@ガン×ソード】
015.◆7jHdbxmvfI『流れ星-fool's mate-』 【F-6/展示場内】 【福路美穂子@咲-Saki-】
【F-6/展示場周辺】 【戦場ヶ原ひたぎ@化物語】
016.◆MAKO.0z9p.『♪かわいい陰謀』 【G-6/民家の中/1日目/深夜】 【平沢唯@けいおん!】 【船井譲次@カイジ《書き手枠》】 【東横桃子名@咲-Saki-】
017.◆qh.kxdFkfM『幸せの時は人心に煌めく』【F-6/高台】 【安藤守@カイジ《書き手枠》】 【カギ爪の男@ガン×ソード 死亡】
前スレ
>>1000 だからと言ってアニメ範囲外から出すのは如何なものかと
それに寝ていると言ってもチョーカーは完成しているとも取れなくはないので問題はないかと
良く分からんけど、一方通行ってのはアニメで活躍してた状態で出すのはマズいの?
禁書は未把握なんで、議論スレで聞くのもアレなんでこっちで聞いてみる
>>17 たしか、次の書き手任せでいけるって言われてたような……>澪と黒子
>>19 あの能力はヤバいんじゃないかと言われてた。
あのまま通しになる可能性もあるけど、議論スレで結論出てないから待った方が無難だと思う。
>>24 流し読みしかしてないけど、それやると多分話が破綻する
アニメの一方さん全盛期と、デレ後の一方さんとじゃピッコロ大魔王とネイルと融合したピッコロさんくらい違う
>>24 アニメ時点だと能力が無敵過ぎて制限が考えづらい
原作で脳みそシェイク状態になって弱体化するんでその状態をもってくりゃ楽なんじゃないかって話
>>24 別にそんなことはないと思う
ただあの話を書いた書き手が出した時期と違い過ぎるから今更そっちに修正するのは無理
やれるかたは12話
以降乗せて下さい。
はぁー……そうなの
………そんな扱いに困るキャラ出すなよ、ってのは言っちゃダメなのかな
参戦時期が異質なキャラが多いな
下手に捻ると早死にするといわれてるのに……
>>23 ベッドから起き上がって行動出来る状態なら結局変わらんだろう。何を問題視してるのか分からん。
インデックスを見掛けたかもしれないって描写が問題ならそこさえ修正してもらえば問題ないだろうに。
>>30 投票した人もまさかこんな事になるとは思っていなかっただろうしそれ言うのは……
それを言い出したら参戦作品を考えろとか言われるぞw
>>30 ま、人気はあるからね一方さん第二主人公だし
確かに毎回どのロワでも持て余されてるが
>>32 俺が言いたいのは退院直後の時期が完全にアニメの範囲の外にあること
だからギリギリアニメの範囲の最終回EDと言った
アニロワなんだからアニメでやっていない時期から出すのはお門違いだと思った
大多数の人がそれでも構わないというなら別にいいんだが
>>32 あの状態って立つくらいしかできないんじゃなかったっけ
39 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/27(火) 23:32:26 ID:8vF2kzZB
なんでそんなキャラ出したんだ。原作把握なんかしてられんぞ。
41 :
前スレ997:2009/10/27(火) 23:36:34 ID:TjF9A1Eh
前スレ997です
ルルーシュの登場話について、自分なりの意見をまとめました
まず、ルルーシュの思考を描ききるのはかなりの高難易度技だと思います
瞬時にいくつもの事を考えられる人ですからね
それを踏まえた上で参考にしていただければ
・(ナナリー、ナナリー、ナナリー……よし、とりあえずはこの悪趣味なゲームの中にナナリーがいないことは確認できた)
→このゲームにナナリー参戦の可能性を一番最初に思いつくのは、長年しみついた癖だけでは説明しにくいと思う。
最終回後のルルーシュがそれほどナナリーに固執するとは思えないし、書かれていないナナリーの名前を探すよりも、
名簿全体を眺めてスザクやC.C.の名前を見つける方が先だと思う。
・「C.C.…だと!?」
→このセリフの前にC.C.に関する軽い考察が入っているが、ルルーシュはその時点で↑のセリフの後に続く考察までたどり着くと思う
または、このセリフを名簿でC.C.の文字を見つけた時点に持ってくるべきか
・「必ず生きて帰るぞ、ナナリー」
・各地でまたゼロをやってもいい
→最終話のルルーシュは人類全体の恨みを背負って死んだ。ゼロはスザクに任せた
それでナナリーのためだけに生還を望むこの発言、この思考は無いと思う
むしろ、スザクを必ず生きて返す!とかな気がする
・(これは…ナナリーに着せたい!むしろ今すぐこれをナナリーにプレゼントしたい!!
いや、何を考えているんだ俺は。今はそんな場合ではないだろう)
→本当にそんな場合じゃない。皇帝になった後の彼がこんなことを考えるかどうかも怪しい
・[思考]:ナナリーのいるところへ帰る
→上でも触れたが、今のルルーシュがそんなにナナリーに固執するとは考えにくい
色々書きましたが、最終回直後からの参戦は面白いと思うし、正直続きが読みたです
>>39 ああ、そうか説明か
とりあえず今は別件やっているみたいだから頃合い見て
騒がせてすまなかった
>>34 笛と禁書以外は大丈夫だと思うんだけどね…
逆を言えばこの二つがry
禁書は一方さん以外問題ない……はず
>>45 おお、あったのか
原作も見ないとダメみたいなららっきょも拗れる可能性あるのだが
>>45 初代スレも入れようと思ったら入れられるがちょっと迷っている
初代スレ知っている人は知っているがどうも荒らしっぽい内容が多かったように見える
それ入れて印象悪くなったら悪いなと思って入れてないが、もしかして別に問題なかったりする?
48 :
47:2009/10/27(火) 23:42:09 ID:rhtNB5DL
最初の方限定だけどな
>>46 マジで?らっきょは最後までアニメ化(映画化)してたから大丈夫そうだと思ったんだが
映画だけじゃ把握できない設定とか一杯あるの?
映画版のゴドーワードは悲しくなるくらい弱体化してるよ
玄霧先生絡み(六章)が特に原作と違ってる
らっきょは原作とアニメでは設定が…
>>50 むしろそれは制限考えなくてもいい分有り難い要素じゃね?
映画では玄霧先生が死ななかったような
正直映画を全部見るよりは小説読んだ方が早いし、資料的にも使い勝手がいいと思うけどな
>>30 だから○ロワでは登場話で殴り殺されてたぞ
ウォークマンで防げるなら、耳栓とかでも大丈夫そうだな
>>55 型月作品は文章の癖があるから、動画で把握の方が個人的にはありがたい
文章だと肌に合わない人も多そうだし
こういう時に作品投下してスレの空気が変わってくれないかな
議論ばかりだとだれる
>>58 うおお! しかももうイラスト来てるじゃん!
すげええええ!
池田ァ!
これは良い表情
正直池田ァ!が一話死亡とは思わなかったが、予想以上に美味しすぎるな…w
一応、前スレにあったヤツをコピペ
−−−−
◆.ZMq6lbsjI氏への一方通行制限状態についての修正案です
今回のバトロワにおける一方通行(ミサカネットワーク状態)
・OFF、日常モード、能力使用モードに分けられる
・日常モードではバッテリーは48時間保つ。歩行には杖など補助が必要
しかし能力使用状態では普通に行動できるものの15分しか保たない
・バッテリー切れると歩行・会話・言語理解不能
・参戦時期はバッテリー付けての退院直後
・ただ、今回はミサカが未登場の為、代理演算は他の手段(某国のスパコンなど)で代用している
・バッテリー自体は特注品の為、他のバッテリーなどで代用はできない
(だが、スペアについては今回のバトロワでは超設定として認める)
・その代わり、充電には専用機器が必要になるため、どこでも充電はできない
・バッテリー充電に専用機器が必要なので、電気系能力の美琴でも充電不可
能力の使用に制限が加えられる状態の説明として
このような案はいかがでしょうか
議論はこちら↓で行いました
アニロワ3議論スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13136/1254818360/
>>58 わかめwwwwwwwwwwwwwwwwww
一話死亡でありながら、強烈なインパクトを残すから侮れない
ルルーシュは参戦時期変えたら?ナナリーに固執するなら、フレイヤ投下前(ナナリーを取り返す!)かフレイヤ投下直後(ナナリー死んだから生き返らせる…というかもう無気力か自暴自棄)
↑で言われてた、澪と黒子のSSと玄霧のSSは、修正なしでこのまま通しになるっぽい。
詳しくは議論スレを確認。
>>11の指摘と
>>41の指摘は議論スレへ持って行ったほうがいいだろうか?
綺麗なルルーシュをやらせたいのならナナリーよりスザクとCCに焦点あるように書いた方がいいな
ヴァン、ヒイロ、ファサリナさん、キャス子、ユフィ投下します。
支援
任務了解、支援する……
75 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/28(水) 00:26:11 ID:5U1zJ2b2
私怨
支援!
おお、大規模予約のがきた!w
D−1、廃ビル群。
街が街としての機能を停止した空間を一人の少年がデイパックの中身を改めていた。
「デュオ、五飛、トレーズ……ゼクス……!」
ダークブラウンの髪の少年、ヒイロ・ユイは支給された荷物の中に入っていた参加者名簿の内容に目を剥いた。
彼にとって、馴染みのある名前が複数刻まれていたソレ。
モビルスーツパイロットとして過酷な訓練を受けた自分達ならば、ある意味でこのような場所に参加する『資格』があるのかもしれない。
だが、名簿の中には彼を驚愕せしめるに相応しい名前が記されていたのである。
「…………リリーナ」
リリーナ・ドーリアン。
完全平和主義を唱え、地球圏統一国家の外務次官として活躍する女性。
ヒイロにとっても、リリーナにとってもそのお互いの位置づけを明確な言葉にすることは出来ない。
だが、彼にとって決してこんな場所で死なせる訳にはいかない人物――それだけは確かな事実だった。
その時、だった。
『――――! ――――! ――――!』
雑居の向こうから女の言い争う声が聞こえて来たのである。
どうやら、この近くに他の参加者がいるようだ。
「……リリーナの可能性もあるな」
小さく呟くと、ヒイロはデイパックから取りだした支給品を取り出し、現場へと向かった。
▽
「そこまでだ。止まれ」
路地裏。ヒイロが駆け付けた先には二人の女の姿があった。
片方の路面に尻餅を付いた少女に向けて、もう片方の女が血のように赤い槍の先端を突きつけている。
ヒイロは彼の支給品であるコルトガバメントの銃口を向け、はっきりとした声色で告げた。
「あなたは……」
一人は桃色の髪と愛くるしい顔つきの少女。
佇まいだけで周囲の空気を凛としたモノに変えてしまう気品に溢れている。
身に纏っている衣服も非常に質の良さそうなドレスである。
どこかの国の王族だろうか、という考えがヒイロの胸中に浮かんだ。
「あらあら。どうやら、邪魔が入ってしまったようです」
そして対するは――酷く妖艶な服装をした女だった。
豊かなボリュームの黒髪に、とろんとした濁った双眸の垂れ眼。
胸元と太股を強調するような淫靡で露出度の高い独特な衣服に袖を通している。
手に持った紅の槍を軽々と扱うその挙動は彼女がただ者ではないとヒイロに確信させるには十分だった。
え、3+2じゃなくて5人予約だったのw とにかく支援
ついに…ついに書けたのか…!
「……どういうつもりだ」
「どういうつもり、と言われましても。不思議なことをお尋ねになるのですね」
「不思議なこと、だと」
「ええ」
女が非常に緩慢な動作でこくり、と頷いた。
そして付け加えるように言葉を続ける。
「私は今から彼女を殺そうとしている。……そんな簡単なことも判断できないほど、アナタが愚かな方には見えないということです」
「――ッ」
傍らの少女が息を呑んだ。
女があまりに素直に吐き出した言葉に唇を震わせる。
ここまで直接的な言葉にされれば、分かっていても堪えてしまうということだろう。
(やはり『乗った』側の人間か)
当然、主催である帝愛グループの言葉に従い、他の人間を殺める意志を持つ参加者がいるだろうとは考えていた。
十億ペリカという巨額の優勝賞金。
信憑性こそ未だないものの、死者蘇生と魔法という条件。
加えて、『それとは関係なくとも』他者を殺めることに抵抗を覚えないものがいてもおかしくないのだ。
「そうか。ならば――俺がお前をここで排除する」
ヒイロは槍を持った妖艶な女に向けて言い放った。
彼女のような参加者を野放しにすることで、リリーナが危険な目に遭う可能性がある。
このまま放置するわけにはいかない。
それに殺すまで行かなくても、ある程度戦力を削ぐことが出来れば上々だろう。
「……うふふ」
「なにが、おかしい」
怪しげな微笑を浮かべた女にヒイロは訊いた。
「いいえ。見知らぬ殿方からここまで熱烈な言葉をささやかれたのは、少々久しぶりだったもので」
ヒイロ支援
女が桃色の髪の少女から、ヒイロの方へと向き直った。
その視線は艶めかしく、まるで情事の最中のように頬は火照っている。
粘膜を彷彿とさせるとろみを帯びた目つきが月明かりの下、淫媚な輝きを放っていた。
そして、紅の槍にしなだれかかりながら女が訪ねた。
「私はファサリナと言います。アナタのお名前を教えて頂けませんか? そうしたら――きっと……私たち、いいお友達になれるはずです」
「残念だが、無理だな。極力、友人は作らない主義だ」
「そうですか。でも……もっと身体が触れ合える距離でなら、アナタの考えも変わるのではありませんか?」
言葉と共に、ファサリナと名乗った女が動いた。
少女には目もくれず、数メートルは離れていたヒイロの元へと疾駆する。
そのスピードは先程までの緩んだ表情と淫靡な仕草からは想像も出来なかった。
体勢を落とし、滑るようにヒイロとファサリナの距離が縮まる。
踏み込み。そして――神速の槍の一撃が放たれる。
(速い! だが……!)
銃口は向かってくる女の額へ。躊躇っていては、こちらが殺られる――ヒイロはトリガーを引いた。
そして、銃声と共に弾丸はファサリナの身体へ吸い込まれ――
「ああっ……激しいですぅ」
「なっ……!」
――なかった。
槍、引いては長柄武器とは突くだけではなく、薙ぎや払いなど様々な動作からなる武器である。
当然、切っ先だけを操るだけではこのようなポールウェポンを使いこなしたとは到底言うことは出来ない。
(弾丸を!?)
なんと、ファサリナは槍を手足のように操り、回転させることで、眼前の弾丸を弾き落としたのである。
弧を描くように回った紅の槍が暗闇の中で赤い月のように瞬いた。
ヒイロは知る由もないことだが、ファサリナが所持していたこの槍の名をゲイボルグ、という。
神代の英雄、クーフーリンが使用したとされる魔槍。
その正しき名を解放することで、いかなる相手であろうとその心臓を穿つ力を秘めた宝具の一つである。
本来、伸縮する三節棍を武器として扱う彼女だが、このゲイボルグという
もちろん、彼女の攻撃はそれだけでは終わらない。
更に槍を回転させ、槍頭とは逆方向の石突きによる打突がヒイロへ放たれる。
「ぐっ……!」
とっさに身体を捩ったことで何とかヒイロはその攻撃を回避することに成功した。
接近戦では分が悪いと考え、後方へと大きく距離を取る。
視界の先では、先ほどのドレスを着た少女が大きな目を見開き、こちらを見つめている。
支援
支援
ファサリナさんw
支援
ファサリナさんになら抱かれてもいい
タイトルw
熱い蜜のしえん
「そこの女、逃げろ!!」
「あっ……あの、あなた、もしかして……」
「早くしろ! 殺されたいのか!」
「!!」
びくん、と肩を震わせ、少女が恐々立ち上がった。
そしてヒイロを気にしながら、路地の奥へと駆けていく。
ファサリナはまるで動かず、少女が去っていくのを背中で見送った。
「お優しいのですね」
「……なに?」
「騎士のように身を呈して、力なき少女を守る――あぁっ、私……あなたのような乱暴で……正義感にあふれた殿方は……、」
そして艶やかな吐息と共に唇を潤ませ、
「大好き……ですぅ」
ゲイボルグへ寄りかかりながら、ファサリナが言った。
まるでショーガールがポールダンスを踊っているようだった。
もっとも、彼女が用いるのは柱などではなく槍。
宝具をそのような用途に使っているのだから罰当たりも甚だしい限りである。
「チッ……!」
「あぁっん……ダメ、ダメですぅ。がっつかないで……。
そんなに急ぎすぎないで……ゆっくりと味わってください。まだまだ夜は長いのですから」
すかさず発砲したヒイロ。二発の鉛玉が再度ファサリナに迫る。
だが、当然のように真っ正面からの攻撃は見切られている。
右脚の踏み込み。そして身体を仰け反らせることで、彼女はいとも容易くコルトガバメントの四十五口径ACP弾を回避。
流れるような動作でゲイボルグを振るう。
「こいつ……!」
「んっ……そう……堪えきれないのね。いいのよ。もっと、もっと、激しくしても……激しく、激しくぅ……」
支援
童貞狩りktkr
なんだこれwww支援
ゲイボルグであれやってんのかwwww
一瞬で間合いが詰まる。上段、頭部を刈り取るかのような攻撃だ。
それに対して、ヒイロは地面に片手を付き、頭を屈める。ファサリナの漆黒の髪と豊満な胸が激しく揺れる。
彼女の戦い方と言葉のギャップに困惑しつつも、ヒイロは奥歯を噛み締め、引き金を引いた。
「焦っているのね……んふぅ……可愛い人。大丈夫よ。初めは……誰でも戸惑ってしまうものですから」
「なっ……! 槍を回転させて、銃を弾く……だと!?」
ヒイロは我が目を疑った。
選択を見誤った、とはこのことだろう。
銃と槍という、普通に考えれば銃側の圧倒的有利であるはずの戦闘だった。
しかし、ファサリナは当たり前のようにゲイボルグを風車のように回転させ、簡易的な盾を作り出したのだ。
(これは、撤退も視野に入れるべきか)
だが、ヒイロに限ってファサリナの人外の技を見せつけられ、驚愕に手が強張ってしまうようなことはなかった。
捉え所のない言動に苛立ちを覚えつつも、頭の奥底ではヒイロは冷静に辺りを分析していた。
そう――既にドレスの少女はこの場から逃げた後だ。自分が彼女との戦いに固着する必要はまるでない。
「…………くだらな――っ!?」
「あらあら、これは……」
その時だった。
すぐ近くから、何かが爆発するような爆音が響いたのだ。
どうやら、他にもこの街の近辺で戦闘をしている参加者がいるらしい。
非常に大きな音だ。銃器や爆発物を用いた戦闘なのかもしれない。
下手に関わり合いになることは避けたい状況だ。
「……どうやら、私たちの他にもお手合わせをしている方々がいるようです」
「他の連中のことは今は関係ない」
「あらぁ……嬉しいですわ。うふふっ、私のことだけを見てくださるのですね」
「黙れ」
「名前も教えてくださらないなんて、ウブなのですね。分かりました。アナタのその心、私が解きほぐして差し上げます。
さぁ……すべてを私に委ねてください。そして……共に心の奥底まで……高め合いましょう」
ゲイボルグを支柱にし、ファサリナがくるりとその場で一回転した。
この動作にどんな意味があるのか。ヒイロには全く理解出来ない。
――やりにくい。
まるでこの女の後ろにいる別の『何か』と相対しているような――そんな感覚だった。
▽
ファサリナさん……w
ポールダンスしえん
同じくD−1、廃ビル群。
ヒイロ達と同様、ここでも一組の男女が戦闘を行っていた。
黒のテンガロンハットに黒のタキシード、長身痩躯の男がビルのコンクリートに自身の蛮刀を突き刺し、高く跳び上がる。
対するは宙に浮かぶ黒衣の女。
神代の魔法に近い魔術を行使する卓越した魔術師のサーヴァント――キャスターである。
「チェストォォオオオオオオッ!」
「っ――」
魔術の弾丸をかいくぐり、そして――全体重を込めた斬撃を見舞った。
瞬間、男と魔術師の間に不可視の壁が出現する。
そして、剣と魔術の結界が衝突――バチバチと凄まじい火花が漆黒の闇を彩る。
「んな……てめえ、人間のくせにシールド貼るとか反則だろうがっ!」
「……鬱陶しい上に暑苦しい男ね」
割れたコンクリートの上に着地した男が眼を見開き、抗議する。
が、当然のように呑気に突っ立ていられるわけもなく、魔術師の指先から紫色の弾丸が放たれる。
弾は合計で五つ。まるで一つ一つの弾幕が生きているかのような複雑な動きで男へと迫る。
「っあ! んだよ、手品か何かかよ……」
「ちょこまかと……」
男は路面を蹴って、飛んでくる魔術弾を回避する。
元々、牽制目的に放たれた攻撃であるが、男の身のこなしも大したものだ。
(こりゃヤベェ)
黒いタキシードを身に纏った男の名はヴァン。
彼という人間を一言で表すなら、それは復讐者≪アヴェンジャー≫であった。
ヴァンは自身の婚約者だったエレナという女性を、結婚式の会場で殺された過去を持っている。
その殺害した相手の名はカギ爪の男。
以降、彼の人生はカギ爪の男を殺して復讐を果たすことへ向けられている。
そして――彼は、見事にその復讐を終えた後だった。
故に、彼に今現在における明確な目標というものは存在しなかった。
どうしたらいいのか分からない、という感覚。
何をすればいいのか。それでも新しい未来に向けて、背中を折り曲げて歩き出そう――そんな矢先だった。
(殺し合う気は満々ってか)
ヴァンはバトルロワイアルに放り込まれてから、まともに荷物を確認すらせず辺りをほっつき歩いていた。
自身の蛮刀はデイパックに手を伸ばしたら、すぐに見つかったからだ。
結果、一度落ち着ける場所を見つけてから面倒なことは解決しようと思ったのだ。
だが、彼は出会ってしまった。魔力抵抗を持たない一般人にとって最悪の敵とも言える相手――キャスターに。
ランサー「…………」
ヒイロ、おまw
「あんた、ちょっと落ち着けって。なんでそんなノリ気で俺を攻撃してんだ。まだ夜だぞ!」
「……不思議なことを尋ねるのね。もしかして、最初の説明を聞き逃したおバカさんなのかしら、貴方」
逃げながら発した一言にキャスターがふと攻撃の手を止めた。
「うるせぇ! いいか、先にバカって言った方がバカなんだよこのバカ、バカ、ヴァッーーーーカ!」
「…………ああ。どうしてこんなのと私が同じ扱いなのかしら」
キャスターが憐憫に満ちた視線でヴァンを見つめた。
どうやら、彼女はヴァンの頭がかなり残念具合であることに早くも気付いてしまったらしい。
加えて、自身とヴァンが一応は同じ立場であるバトルロワイアル参加者である、という事実にショックを隠せない様子だ。
「そうね。教えてあげるわ。運が良かったわね。一番最初に出会ったのが私という貴方の正反対に位置する存在で」
「お前が何を言っているのか、さっぱり分からん」
「本当に困った男ね……」
皮肉すらまともに通用しないことに、キャスターはローブの下の口元を歪めた。
なんとも、恐ろしいほどのバカである。魔法について理解していないだけならともかく、まともに会話にすらならないのである。
深い知識を持つサーヴァントであるキャスターが頭を抱えるのも無理はない。
「いい? 相手は魔術を超えた存在である≪魔法≫を所持する相手なのよ。抵抗なんてするだけ無駄。いいえ、逆効果ですらあるわ。
ここから生還して私があの方の元へ帰り着くためには、ここで優勝するしかないの」
「……あの方、ねぇ」
「そう。貴方のようなボンクラとは比較にならない聡明で優しくて包容力のある方よ」
ヴァンは上空に浮かぶキャスターをぼんやりと見つめた。
そして何となく、自身の思ったことを尋ねた。
ファサリナさん支援
「なぁ、その方とアンタってのはよ――もしかして……あれじゃねぇのか」
「……なにかしら」
「アンタ。『お嫁さん』だろ」
「なッ――!?」
裏付け理由も理屈もなかった。
ただ『あの方』とやらをあまりにキャスターが得意げに自慢するものだから、そういう関係なのではないかと自然に考えただけだった。
顔はフードに隠れていて見ることは出来ないが、声や体格で判断するにそこそこ年齢は行っているはずだ。
恋人、というよりは婚姻関係を結んでいてもおかしくはない。
「な、ななななななな……なにを……突然言い出すのかしら……!」
「んな幸せで、幸せで、幸せそうに語ることなんて、それぐらいしかねえだろうが。違ったか」
「ち、違うに決まってるでしょう! バカの言うことはこれだから困るわ! 私と宗一郎様が……そんな……!」
キャスターが先程までとは打って変わり、声を荒げてヴァンの言葉を否定した。
フードの下の素顔がどうなっているか、ヴァンからは伺いしることが出来ない。
が、微妙に頭の丁度耳があるであろう辺りがピコピコと動いているような気がした。
「…………もういいわ。貴方みたいなバカと話しているとこちらにもバカが伝染してしまうもの。そろそろ、死になさい」
「あ?」
ようやく平静に戻ったキャスターが忌々しげに呟いた。
『無能』や『愚図』と『バカ』は似ているようで全く違う言葉だ。
前二つは考える力や能力を持たない程度の低い人間を指す。だが『バカ』は単純な罵倒語以外にも、様々な意味を持つ。
ヴァンにとってのバカ。その言葉の持つ意味とは――
「……あんた。どうも俺よりちょっとばかし頭が良いみてぇだが、まだまだだな。大事なこと忘れてるぜ」
「何を、言うつもりなのかしら」
「俺の戦いは終わったが、まだまだ死にたいとは思わねえ! それに俺にだって奥の手の一つや二つぐらいあるってことを、だ!」
「なっ……!?」
理屈で動くのではなく、ただひたすら一途で、純粋なまでに――己の感情と本能に従い生きる者のことだ。
リン――という鈴の音が鳴り響いた。
ヴァンはテンガロンハットの先端に付いているリングを指先に引っかけ、帽子を回転させる。
生身での戦闘もこなすヴァンだが、彼が最も力を発揮出来るのは自身の操る巨大ロボット、ヨロイに搭乗した時である。
ならば、呼べばいい。ヴァンの力そのものである――ダン・オブ・サーズデイを。
支援ウェイクアップ
ヴァンの蛮刀の形が変化を始める。
大小様々な大きさの穴が剣の表面に現れ、それが連鎖のように広がっていく。
青白い光が切っ先から迸る様は、まるで彼自身と機械が電気を媒介に繋がっているようだった。
そして、蛮刀をVの字型に薙ぐ。
これが彼の愛機であるダン・オブ・サーズデイを呼び寄せるための合図だった。
宇宙空間、専用の施設に格納されたダンはヴァンが呼べば空から降って来る。そこに――理屈はいらない。
「そんな、まさか――魔術回路の存在すら感じ取れなかったのに……召喚を……!?」
キャスターの顔が驚愕に歪んだ。咆哮したヴァンの表情は真剣そのものである。
実際、この空間でも召喚能力は有用だ。
既に彼に対して、骸骨を呼び出す魔術が問題なく動作することを試している。
奥の手と断言する召喚。つまり、それはこの状況において起死回生の一手となり得る可能性すらあった。
ヴァンの蛮刀が遙か上空。満天の星と月が飾る空へと向けられる。
真っ直ぐ天を貫くように掲げられた剣はまるで山脈のよう。
思わず、キャスターは空を見上げた。
雲一つない夜空を切り裂いて――何かが落下してくるのではないか、と感じたからだ。
――――そして。
「……………………」
「……………………」
たっぷり五秒ほど、二人はそのままのポーズを維持し続けた。
剣を空へと突き上げるヴァン。宙に浮遊したまま、天を見上げるキャスター。
沈黙が夜へと溶けて行く。ビル風が独特の寒々しい音を鳴らす。
「………………どうなってんだ」
ダンはヴァンがこのポーズを取り、音声を認識することで地上であれば、どこであろうと空から降ってくるはずだった。
だが、何も起こらなかったのである。
ヴァンは唇を不思議そうに歪め、剣と自分の帽子を何度も見返す。
彼はどうしてこのようなことになったのか、まるで分かっていないのだ。
そして――逆に全ての理由を理解していたキャスターが堪らず声を上げた。
「貴方。人の話を聞いていたの」
「……あ?」
「私達には≪制限≫が掛かっているって」
「……ああ」
「やっぱり、聞いてなかったのね」
「……すいません」
あまりに素直に謝るヴァン。
彼の持つヨロイを呼び寄せる能力には、制限が掛かっていたわけだ。
キャスターがヴァンに試し打ちした魔術の中には使用すら封じられたモノはほとんどなかったが、そこは個人差があるらしい。
だが、そんな彼のバカ丸出しの挙動のせいで――ついに、キャスターの苛立ちがピークに達したのも事実だった。
「時間を無駄にしたわ。貴方のような人間と付き合っている暇はなくてよ。名前も知らないバカな男」
「そりゃあすいません。俺はヴァン。周りからは――『不死身のヴァン』と呼ばれてる」
「不死身? まるで相応しくない通り名ね。次からは『バカ代表のヴァン』とでも名乗ったらどうかしら――次があれば、だけど」
キャス子さんw
旦那と嫁支援
やっぱダメかーw
キャスターが背中に蝶類を思わせる翼を展開した。
そして光の飴のような淡い光を放つ指先で魔方陣を描く。
光が――集う。それは夜光灯に群がる蛾を彷彿とさせる光景だった。
(ヤベェ、これはヤベェ)
ヴァンは悟る。
これは今までの模擬戦のような攻撃とは違う。明らかに殺意が込められた一撃だ。
直撃を食らってしまえばヴァンといえど、立ち上がることは出来ないかもしれない。
どうする、どうする、どうする――?
「む……!」
そんな、キャスターの魔術が発動する――その瞬間だった。
二人の他に『この街で戦闘を行っていた他の人間』が『とある施設』を破壊したのだ。
死んだ街、棄てられた街とはいえ、その機能全てが停止したわけではない。
まだ生きていた施設があって、そこを誰かが戦闘の舞台として選んだとしらどうだろう。
引火性のガスやオイルは普通の街の中であれば、溢れかえっていると言っても過言ではないのだ。
結果として――キャスターの魔術がヴァンへと到達する前に、二人は爆風に包まれることになったのである。
▽
(距離は取れたか)
爆発から逃れたヒイロは息を整えながら、足を進める。
彼はひとまずD−1エリアから離れるべく行動していた。
D−1にて、ヴァンやキャスターをも巻き込む大爆発を引き起こしたのは彼の仕業だった。
事の顛末を説明するのは容易い。
ファサリナとの戦闘中、未だ動力部だけが稼働していた廃工場で戦っていた時の出来事だ。
ヒイロはこれ以上の戦闘続行に意味はないと考え、撤退するために支給されたM67破片手榴弾を用いて工場を爆破したのである。
熟練したテロリストである彼にとって、建物を爆破することなど造作もないのだ。
(……まずいな。予想以上に、危険な人物が多い可能性がある)
ファサリナ、と名乗った女。
あの爆発で生き延びたかどうかは分からないが、少なくとも気が抜ける相手でないことは明白だ。
覆せないほどの差があるとは思えないが、彼女と銃を武器とするヒイロでは相性が極めて悪い。
やっぱりかよw支援
キャス子支援
デバイスを確認すると、いつの間にかヒイロはD−1の吊り橋に近い場所に到達していた。
見渡すと周囲には漆黒の水面が広がっている。この辺りは崖になっており、足場が悪い。
都市部において、吊り橋。しかも、この大きさというのは非常に不可解だ。
もう少し行けば、全体図が見渡せるのだろうが……。
そのように、ヒイロが思考を纏めていると、背後から小石の転がる音が響いた。
すぐさま、ホルターからコルトガバメントを引き抜き、銃口を物音のした場所へと向ける。
「――動くな。そこに隠れていることは分かっている」
「あ……」
「! 君はあの時、襲われていた……」
ヒイロが銃を向けた先から現れたのは――先程、彼がファサリナから助けた少女だった。
桃色の髪に愛くるしい顔。高価なドレス。あの時となんら変わりのない格好をしている。
「はい。先程は危ない所を助けて頂きありがとうございました。私はユーフェミア・リ・ブリタニアと申します」
非常に洗練された動作で、少女はドレスの裾を持ち上げ、ヒイロに小さく頭を下げた。
こうして向かい合って見てハッキリした。おそらく、彼女は非常に高貴な生まれだ。
ヒイロにはオペレーションメテオの実行中、リリーナ・ドーリアンを抹殺するために彼女の通う学校へ潜入した過去がある。
あの学校にも『お嬢様』と呼ばれる類の人間は数多く在籍していた。
だが、ユーフェミアが放つ気品に匹敵する人間をヒイロは一人しか知らない。
(リリーナと、どことなく似ているような気がするのは気のせいか。
身に纏う雰囲気はまるで違う。だが、心の奥底にあるモノは共通しているような……)
つまり、リリーナ・ドーリアン。いや――リリーナ・ピースクラフトただ一人。
『王女』という単語がヒイロの胸中に浮かび上がった。
僅かに安堵したヒイロは構えていた拳銃を下げた。
「ヒイロ・ユイだ」
「…………え」
「どうした」
「…………本当に、貴方のお名前はヒイロ・ユイさん、と言うのですか?」
「ああ」
こちらへ駆け寄ろうとしたユーフェミアの動きがぴたり、と止まった。
「私、先程から一つだけ気になっていたことがあるんです。もしかしてヒイロさんは、」
ユーフェミアとヒイロの距離は数メートル。
ヒイロの背後には海。空は満天の星。満月に至らない、少しだけ欠けた月。
本来の海が持つ色と似た深い蒼色の双眸がじっ、とヒイロへ向けられる。
「――――『日本人』ではありませんか?」
バカ代表しえん
ぎゃああああああああ!
これはどうなる?支援
長編だな!
ここで日本人キター
目の錯覚、だろうか。
この時、ユーフェミアの瞳が血のように赤い色に輝いてて見えたのは――
ヒイロはその質問の意図を掴めないまま、呟いた。
「……日系人ではある。解釈にもよるが、広義の日本人と言えなくもない」
妙なことを尋ねるものだ、と思った。
日本人であるかどうか、基準は非常に曖昧だ。
国籍法は、血統と居住、どちらを重視するかで国ごとに方針が違う。
「ああ――それじゃあ、死んでください」
プシュッ、とユーフェミアの手元で空気の抜けるような音が響いた。
同時に、ヒイロの左肩に強烈な痛みが走った。
「な……に……」
「ヒイロさん。すいません、私は日本人を殺さないといけないんです」
にっこり、と微笑みながらユーフェミアが酷く不釣り合いな台詞を吐き出した。
彼女の右手にはどこから取りだしたのか、サプレッサーを装着した自動拳銃が握られている。
銃口からはツンと鼻を刺激する硝煙の臭い。
左肩の激痛。血が流れ出る熱い感覚。
感覚的に、ヒイロは崖に向けて走り出していた。
トドメを差すかのように、背後から銃弾がヒイロの髪や身体を掠める。
ここで、反撃することも出来た。
しかし、優先すべきは自身の命だ。ここはただ、生き延びることだけを考えなければならない――そう判断した。
「くっ…………!!!!」
ヒイロは高らかに飛沫を上げる海面に向けて、その身を投げ出した。
▽
日本人による支援
(本当に、バカで不愉快な男だったわ)
キャスターは崩壊したD−1のビル街を抜け、東へ進路を取っていた。
あの程度の爆発など、防御の呪文を持つキャスターにとってはまるで問題ではない。
元々、それほど激しい爆風ではなかったため、あのヴァンと名乗ったバカな男も生きている可能性は高い。
(……それにしても、深刻ね。魔術の破壊力が相当落ちている)
聖杯戦争において、キャスターに召喚された者へ常に纏わり付く烙印がある。
それが『キャスターは最弱のサーヴァントである』という謳い文句だ。
魔術抵抗のスキルを固有で持ち合わせる英霊は非常に多い。
その意味で、キャスターは聖杯戦争では常に奸計を用いた戦いを強いられてきたわけだが……。
(だけど、人間相手なら私の魔術が遅れを取ることはないわ)
それが一転して、このようなバトルロワイアルという舞台においては、彼女の持つ多種多様な魔術は非常に有用なのだ。
不意打ちに対して魔術障壁を展開することが出来る。
大半の相手であれば、洗脳し、傀儡にしてしまうことも可能。
強化の魔法を用いれば、傀儡にした人間を優秀な兵士へと変えることも出来る。
破壊力は大分抑えられていたが、射程が長く範囲の広い大魔術は大人数を相手にしても遅れをとることはない。
そして、依然として高速神言は健在。治癒や飛行、転移、遠見など支援の魔術も充実している。
もっとも、まだ完全にどの魔術が使用可能で、どれが使用不可なのか把握しきってはいなかった。
(宗一郎様……)
キャスターのマスターであり、命の恩人――そして、何よりも大切な相手。
この舞台に葛木宗一郎の姿はなかった。
かといって、キャスターの戦う意味がなくなってしまう、などということはない。
このバトルロワイアルは参加者のありとあらゆる願いを叶える準備がある。
しかし、このような舞台に参戦することなく、既にキャスターの願いは叶えられていたのだ。
≪魔法≫に願うことなど、何一つとして存在しない。
たったの一億ペリカ――つまり、生還するということ――で彼女の望みは満たされるのだから。
【D-2/上空/1日目/深夜】
【キャスター@Fate/stay night】
[状態]:健康、魔力消費(微)
[服装]:魔女のローブ
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜3個(確認済み)
[思考]
基本:優勝し、葛木宗一郎の元へ生還する
1:奸計、策謀を尽くし、優勝を最優先に行動する
2:相性の悪い他サーヴァント(セイバー、アーチャー、ライダー、バーサーカー)との直接戦闘は極力避ける。
[備考]
※18話「決戦」より参戦。
※数多の魔術のうち、何が使用可能で使用不可かはまだ本人ですら把握していません。
▽
水オチでヒイロは死なないはずしえん
フォーザ日本人
バイザ日本人
オブザ日本人
キルゼム日本人
「ヒイロ、閃光に散る」か……
飛び降りるのが似合う支援
「なんつーおっかない姉ちゃんだ……」
ヴァンは生きていた。
爆風に見事に巻き込まれたとはいえ、彼は厳密には人間ではない。
逆に、キャスターの有り得ない破壊力の大魔術を食らわずに済んで、命拾いをしたとも言える。
だが、散々追いかけ回されたせいで、身体は疲れたし、何よりも――
「…………腹、減った」
空腹、だった。
ヴァンにとって、食事は絶対に欠かせない要素の一つだ。
たとえ、彼が改造の結果、味覚の大半を失ってしまっているとはいえ。
「あの、」
D−1の吊り橋を渡っていたヴァンに背後から話しかけてくる声があった。
ヴァンは気怠げに振り向く。
「あ? 誰だ、あんた」
「……あなたは、日本人では……ありませんね」
現れたのは桃色の髪にやけに豪勢なドレスを着た少女だった。
もちろん、どこかで見かけた記憶は皆無である。
「ニホンジン? なんだそりゃ。食えるのか」
「……いいえ。お気になさらないで下さい。私はユーフェミア・リ・ブリタニアと申します」
「あーどうも、これはこれはご丁寧に。ヴァンです」
日本人か…結構多いよな
日本人多いぞw
ぺこり、と丁寧に頭を下げられたのでヴァンもつられてお辞儀をする。
ヴァンが『日本人』という言葉を否定すると、不思議とユーフェミアの雰囲気も軽くなる。
「私、このような場所で一人でいるのが恐ろしくて……さっきも襲われたんです。しかも途中の記憶がなくて……」
「そりゃあ大変だったな」
「ヴァンさんは……その、殺し合いには……」
ユーフェミアが僅かに緊張した面持ちで尋ねた。
「……さすがに、見ず知らずの人間を殺す気にはなれん」
「良かった!」
パァッとユーフェミアの顔が明るくなった。
ヴァンが他の人間を殺す気がないと告げたのが大きかったのだろう。
彼女はヴァンに駆け寄ると、ギュッとその手を握り締めた。
「お金のために人間に殺し合いをさせようなんて、絶対に間違っています!
だって、ここにはあの最初に殺された方のように……普通の方も集められているんです。
こんな……人を人とも思わないようなことが……どうして……出来るのでしょうか……」
「……あー、いや……その、だな」
ユーフェミアの行動に、ヴァンは上手い言葉を返すことが出来ない。
実際に殺し合いに乗った人間と出会い、ショックを受けたのか。単純に恐怖を感じたのか。
それは分からなかった。
「ヴァンさん!」
「はぁ」
「私に……力を貸しては貰えないでしょうか。
皮肉なことですが、頼りになる私の知り合いが何人かこの島にいるようです。
彼らと力を合わせれば、絶対に殺し合わずにここから脱出出来る方法があるはずなんです」
そう言うと、ユーフェミアはデイパックから自身の名簿を取り出すと、それをヴァンへと見せつけた。
ちなみにヴァンは蛮刀だけを抜き出し辺りをぶらついていたので、名簿に目を通すのは初めてだ。
名簿には様々な名前が並んでいる。
相当上の方に『ヴァン』という自分の名前もある。
その時、ヴァンはユーフェミアの名簿で『赤と青枠で名前が囲まれている』人間がいることに気付いた。
「なぁ」
「なんでしょうか」
「この赤と青のカッコはなんだ?」
「ええと……青は私の知り合いの名前ですね。赤は…………」
「赤は?」
青枠の数はあまり多くない。
妙に長ったるしくて、風変わりな『ルルーシュ・ランペルージ』という名前が目を引いた。
一方で、赤枠の数は相当多いように思える。
ざっと挙げると、
『平沢唯』
『池田華菜』
『伊藤開司』
『衛宮士郎』
『上条当麻』
『伊達政宗』
『両儀式』
『ヒイロ・ユイ』
『阿良々木暦』
……など。
どんな規則性があるのかないのか、ヴァンにはサッパリ分からない。
「…………なん、でしょうか?」
「おいおい。しっかりしてくれよ。しかもなんだ、赤と青枠が両方付いてるのもいるじゃねぇか」
「え…………」
赤と青に彩られた――『枢木スザク』という名前を指さして、ヴァンは呟いた。
だがユーフェミアの反応は曖昧だ。
むしろ、彼女自身が何か信じられないモノを見るような瞳で口を閉ざしてしまった。
支援
136 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/28(水) 00:42:40 ID:5U1zJ2b2
お疲れ様です!
◆tu4bghlMIw氏、愉しませていただきました!
これは疑問なのですが、ユーフェミア・リ・ブリタニアに関しては
>>1のwikiにある参加者リストに名前がないのですが、
これは他作品のキャラが化けているという伏線なのでしょうか
阿呆な質問なら申し訳ないです
(変な女だ。それにしても名簿、か。どうせ俺の知り合いなんて………………はぁっ!?)
そこに――信じられない名前があった。
「……ヴァンさん?」
「おいおいおいおい、どうなってんだよこいつは!! おかしいだろ!」
既にユーフェミアの声はヴァンには聞こえなくなっていた。
ヴァンは様々な感情をない交ぜに、そして一言で吐き出した。
「どうして、カギ爪の野郎の名前があるんだっ!!!!!」
【D-1/吊り橋/1日目/深夜】
【ヴァン@ガン×ソード】
[状態]:疲労(中)、空腹
[服装]:黒のタキシード、テンガロンハット
[装備]:ヴァンの蛮刀@ガン×ソード
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×1
[思考]
基本:何をしたらいいのか分からないが、自分の感情の赴くまま行動する
1:カギ爪……!?
2:とりあえず腹が減った
3:向かってくる相手は倒す
4:主催とやらは気にくわない
[備考]
※26話「タキシードは明日に舞う」にてカギ爪の男を殺害し、皆と別れた後より参戦。
※ヴァンは現時点では出会った女性の名前を誰一人として覚えていません。
【ユーフェミア・リ・ブリタニア@コードギアス 反逆のルルーシュR2】
[状態]:健康
[服装]:豪華なドレス
[装備]:H&K MARK23 ソーコムピストル(自動拳銃/弾数3/12発/予備12x2発)@現実
[道具]:基本支給品一式、H&K MP5K(SMG/40/40発/予備40x3発)@現実、アゾット剣@Fate/stay night
[思考]
基本:他の参加者と力を合わせ、この悪夢から脱出する
特殊:日本人らしき人間を発見し、日本人である確証が取れた場合、その相手を殺害する
1:ヴァンと一緒にルルーシュを探す。スザクは……?
2:殺し合いには絶対に乗らない
[備考]
※一期22話「血染めのユフィ」の虐殺開始前から参戦。
※ギアス『日本人を殺せ』継続中。特殊条件を満たした場合、ユフィ自身の価値観・記憶をねじ曲げ発動する。
会場において外部で掛けられたギアスの厳密な効果・持続期間に影響が出ているかは不明。
▽
「……あら?」
D−1の廃ビル群に集まった五人の最後の一人。
ファサリナはD−1の沿岸地帯を移動している時、海岸沿いに妙なモノが流れ着いてることに気付いた。
当然、彼女も廃工場の爆発に見事巻き込まれずに済んでいた。
「この子、さっきの――」
砂浜に流れ着いた漂流物のように、緑色のランニングシャツのダークブラウンの髪の少年が意識を失っていた。
間違いない。彼はつい先程まで彼女と戦っていた無口な少年である。
名前は結局教えてくれなかったので、分からないのだが……。
(……傷)
死体かと思い近寄ってみるも、どうやらまだ息がある様子。
左肩には銃創。ファサリナは彼に銃を使っていないので、どうやら他の参加者に襲われたらしい。
(どうしましょう)
ファサリナは右手に持ったゲイボルグの柄をギュッと握り締めた。
トドメを刺してしまっても、まるで問題はない。
彼自身はおそらく、積極的に他の人間を攻撃する人物に応戦するタイプだ。
つまり、邪魔な人間は間引いてしまおうと考えているファサリナにとって、厄介な存在と言える。だが、
(この島にいるオリジナルセブンのメンバーは私だけ。名簿外の人間は現時点では当てに出来ない。
同士を守るためには、絶対的に手が足りない状況……)
足りないのならば、増やしてしまうのはどうだろう――という思考がファサリナの中に生まれたのである。
この計画の全容が明らかにされるまで、あまり目立ち過ぎるのは困る。
一刻も早く、同士を見つけたいとは思うのだが、この広い島を闇雲に探し回るのは得策ではないだろう。
「……そうですね。そうしましょうか」
ぽん、と両手を合わせ、ファサリナは小さく頷いた。
ひとまず彼の武装を解除し、拘束する。
その後から彼にこちら側の事情を説明し、同士の理想に賛同して貰えばいいのだ。
彼が頑なに拒否する時は、残念だが死んで貰えばいい。
ユフィ、すげぇタイミングで転送してきて矢がるw
「いいお友達になりましょうね……うふふふ……」
にっこりと、ファサリナは笑みを浮かべた。
彼女の行動は全て同士、カギ爪の男のためである。
だが、もしも既にその男がこの世の人でないことが分かった時、彼女はどうなってしまうのだろう。
絶望の淵から救いの手を差し伸べられた女にこの後、訪れるの更なる絶望か――それともちっぽけな希望か。
まだ、誰もその答えを知る者はいない。
【D-1/海岸線/1日目/深夜】
【ファサリナ@ガン×ソード】
[状態]:健康
[服装]:自前の服
[装備]:ゲイボルグ@Fate/stay night
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0〜2個(未確認)
[思考]
基本:カギ爪の男を守る。新しい同士を集める。戦力にならない人間は排除。
0:ヒイロの武装を解除した後、場所を移動、ヒイロを味方に引き込む
1:カギ爪の男と合流し、守護する
2:カギ爪の男の意志に賛同する人間を集め、
3:明確な危険人物の排除。戦力にならない人間の間引き。無理はしない。
[備考]
※21話「空に願いを、地に平和を」のヴァン戦後より参戦。
【ヒイロ・ユイ@新機動戦記ガンダムW】
[状態]:びしょ濡れ、昏倒、左肩に銃創、疲労(小)
[服装]:普段着
[装備]:コルト ガバメント(自動銃/2/7発/予備7x5発)@現実
[道具]:基本支給品一式、M67破片手榴弾x5@現実、ランダム支給品1個(確認済み)
[思考]
基本:???
1:リリーナ……
[備考]
※参戦時期は未定。少なくともアニメ後半、ヒイロが精神的に成長した頃以降。
※D-1エリアにおいて数度大きな爆発が起こりました。
ヒイロの操がーーーーーー!
ヒイロが卒業しちゃう!w
貞操のピンチ!
投下終了です。沢山の支援ありがとうございました。
ヒイロのゲイボルグが中古品に・・・!
147 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/28(水) 00:46:44 ID:5U1zJ2b2
童貞故の早漏で質問投下してしまい申し訳ありません!
愉しませて頂きました!
投下乙でしたー!
すげえ、五人が五人ちゃんと動いてるwww
つーかキャス子可愛いしファサリナさんエロいしでこれはなんてヘブンな話ですかええ
そして虐殺DEATHwwwwwwwwwwwwww
149 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/28(水) 00:48:09 ID:O3DfApW4
投下乙です
うわあ、あのままヒイロとユフィ合流と思ったらあの時期から参戦かよ
このロワ、日本人多いぞ。逆に死ぬ場合もあるぞw
キャス子さんは相変わらずだな
そしてヒイロが色んな意味でピンチだwww
すっげー!
あのカオスな予約(面子的にも過程的にも)で、ここまで面白いのが来るなんて!
しかしファサリナさん、ファサリナさんしすぎだろうwwwゲイボルグわろたwww
ヒイロは卒業してしまうのか……っw
ファサリナさんが余りにもファサリナさんで感動したwww
ユフィも中々大きな爆弾になりそう。
投下乙でした〜。
投下乙です!
ユフィはやっぱりギアスにかかってたか。
血染めのユフィの展開になるのか別の展開になるのか楽しみです。
あとファサリナさんエロすぎるwww
質問なんですが、ヒイロって「君」って言葉使うんですか?
「"おまえ"を殺す」のイメージが強すぎて違和感がw
>>144 投下乙!
最初からバトル全開で面白かったです。このままいくとヒイロの貞操が……
ヴァンは相変わらず馬鹿だったwカギ爪のことを知ったけどどう動くんだろうか
>>83 >本来、伸縮する三節棍を武器として扱う彼女だが、このゲイボルグという
これは最後抜けてるのかな
投下乙です
この面子いろいろな意味で衝撃的すぎるわw
ヒイロは色んな意味で危険としかいいようがないwww
投下乙
これはユフィ……カリスマ聖女タイプだから、信頼を集めた後に色々あればかなりの爆弾になりそうだw
投下乙でした!
やべえ、貪るように読んだw ユフィが最高すぎるタイミングw
キャラがよく動いてたなあ
投下乙です。
ヒイロ、色んな意味で危険だなww果たして卒業しちゃうのかw
ヒイロは基本「お前」だな
それにしてもファサリナさんとはやべえw 今までにない種類のピンチだw
投下乙です
ファサリナさんやべえよ、ヒイロが心配だイロイロな意味でw
それにユフィはよりにもよってそのタイミングかよw
朝チュン・・・・・・か
中の人的にスクライド(漫画)の例のシーンを思い出した
投下乙です
ヒイロ…不幸だな(´・ω・`)
確かに五人が五人ともちゃんと動いているのは良かったです
規制中とのことでかわりに投下します
支援よろしく
支援……!
蝸牛――迷い牛に行き遭うということ。
迷い牛に遭うための条件は、家に帰りたくないと望んでいること。
家に帰ってもなにもない、ここでなにかを掴んでいかなければ意味がないということ。
地獄の迷路から這い上がってみせろ、人生の勝利者となって底辺から脱出してみせろと――そういうこと。
◇ ◇ ◇
――バトルロワイアル……!
カイジの人生を狂わせたあの金貸し、遠藤によって宣言された大ギャンブル大会……!
ベットするのは自分の命……負ければデッド、即座の死……!
運否天賦に身を寄せるわけにはいかない、泥沼のゲーム……ついに開幕っ……!
(バカなっ、バカなっ……! なんで……? なんで……なんでこんなことがっ……!)
たたみ一畳分の密室から抜け出し、カイジが降り立ったのは……まるで樹海っ……!
樹海としか言い表しようがないほどの、深く暗い森の中だった……!
(どうして……なんでこんなっ……! あってはならないことがっ……!)
ゲームが始まって早々、カイジの身に起こったことといえば……慨嘆っ……!
なぜ自分がこの場にいるのか、なぜ自分が殺し合いの参加者などに抜擢されているのか、まるでわからない……!
(こんな理不尽なことが、オレの身ばかりにっ……!)
故の慨嘆っ……!
不条理ばかりが押し寄せる己が境遇に、カイジは嘆き憤ることしかできないっ……!
(いや……嘆いてばかりではいられないっ……! 状況を……状況を見るんだ。
まず、ここはどこだ……地図と……たしかデバイスとかいう道具で位置がわかるんだったか……?
確認……そう、まずは荷物の確認だ……! 慌てない、嘆かない……! まずは確認っ……!)
大木を背にしながら、カイジは白い部屋から持ってきた自分の荷物……黒いデイパックに手をかける。
時刻は夜、それでいて森の奥深くという劣悪な環境……が、しかし! 懐中電灯は使えない……!
不用意に光を求めれば、人が寄ってくる可能性が……誰かがカイジを殺しにやって来る可能性すら……ありうるっ……!
(場所は……【A-1】。地図でいうところの最北……そして最西端……! 悪くないっ……!
だがなんだ、この地図は……心霊スポット……? この辺りが……? 馬鹿げてるっ……!)
カイジを取り囲むように配置された木、木、木……木の群集……!
改めて考えてみれば……出そう……いかにも……出そうではあるっ……!
(馬鹿っ……幽霊だと……そんなものにビビっていられるかっ……!
今はそれどころじゃない……! 確認……手持ちの荷物をまず確認っ……!)
怯えを振り払い、黙々と荷物の確認を済ませていくカイジ。
食料……水……時計に……救急箱……そのあたりは基本……皆共通の品……!
そして……ついに出てきた武器……カイジだけに与えられた……人を殺すための道具っ……!
(きたっ……! 拳銃……! まずまず……まずまずの引き……これならっ……!)
カイジが掴み取った、無骨な形をした黒いそれ……!
シグザウアーP226という名の……紛れもない拳銃……! 撃ったら人が死ぬ……殺せる武器っ……!
(銃なんて撃ったことはない……撃てるかどうかもわからない……が、持っているだけでも牽制にはなるっ……!
言わばこれは保険……武器じゃない……お守りだ……! 引き金を絞るだなんて……ない……ないと信じたい……)
このとき、カイジにはまだ覚悟が足りていなかった……!
殺し合いをしろ……他者を蹴落とせ……そう遠藤に言われようとも、決心はつかないっ……!
(人が死ぬ……人を殺せ……? もうそんなのはたくさん……こりごりだっ……!
佐原や石田さん……鉄骨から落ちて死んでいった奴ら……オレは誰を押したりもしない……押されもしない……!)
そう……!
カイジはあの命がけのギャンブル……高層ビルの間にかけられた橋……魔の鉄骨渡りを制覇した男……!
その際死んでいった者たち……佐原や石田の無念を受け継ぎ、利根川とのEカードに臨もうとした……矢先っ……!
トイレで顔を洗い、賭けの代償として耳を選択したところで……暗転っ……カイジはあの白い密室にいた……!
(どういうわけだか知らないが、この名簿ってやつには……あの利根川の名前も入ってる……!
そのへんは謎……遠藤が持ってきた別のギャンブルに……オレと利根川は一緒くたになって巻き込まれた……!
いや……あるいは利根川は知っているのか……? このゲームの全貌……企ての裏……攻略法にっ……!)
カイジにはまだ、そのあたりの事情が見えない……!
バトルロワイアルと銘打たれたこのゲーム……否っ……!
賞金がかけられ、命を張った、れっきとしたギャンブル……!
勝利条件が明白だとしても……安易に踏み出せる一歩ではない……!
(攻略法か……あるのか……? そんなものが、本当に……!
自分以外の全員を殺せば……まあ勝ちは勝ち……大金を得る……!
だが現実的に考えて、不可能……! 人なんて殺せるわけがない……!)
カイジに足りていないのは、実力と覚悟……!
だが双方を兼ね揃えたとしても、人殺しは容易ではないっ……!
(そのへんはやっぱり、遠藤が漏らしていたようにゲームっ……! なにかしら裏道があるはず……!
悲観はまだ早い……早すぎる……! 限定ジャンケンのときのように……必勝の道が……い、いや違う……!
勝ってどうする……勝つってことはつまり……他の奴らが死ぬってこと……あってたまるか、そんな理不尽……!
博愛主義者ってわけじゃないが……なるべく……なるべく人が死なない方向で……できるだけ多くが助かる道を……)
カイジ、混乱っ……!
自分が選択すべき道が、まるで見えてこない……!
人は殺したくない、死んで欲しくもない……人間としての心理……が、理想論っ……!
既にここは、蛇の胃袋の中っ……! 抜け出せない……圧倒的な絶望感が、カイジを悩ませるっ……!
(あっ……?)
支援……!支援しなければならない……!
しかしそこで……カイジ、気づくっ……!
いったいいつから……いつの間にそこにいたのか……!
カイジが背にする大木……その向かいに生える、同じ大きさほどの大木……!
隣り合うように、否……向かい合うように、カイジの眼前にそれはいたっ……!
(幽霊……いや、馬鹿なっ……なんで気づかなかった……!)
失態っ……! 考えられないほどの失態……!
カイジの眼前にはいつの間にか、境遇を同じくする別の参加者がいたっ……!
カイジと同様に、大木を背にして荷物を確認しているっ……!
カイジ、これには戦慄……顔は青ざめ……立ち上がざるを得ないっ……!
(ど、どうする……!? まずは牽制……銃を構えて……馬鹿っ……! よく見ろ……!)
咄嗟に、その手に握っていた拳銃を構えるのではなく……隠すっ……!
この出会い、カイジにとっては僥倖……! なぜならば……!
(あれはなんだ……銃を向けていい相手じゃない……ただの……ただの女の子じゃないかっ……!)
眼前にいた人物は、無害っ……!
そう直感してしまえる……安心してしまえるだけの……可愛らしさっ……!
バトルロワイアルの場でカイジが初めて遭遇した人物は……女の子っ…………!
◇ ◇ ◇
「お、おいっ……」
カイジ、第一声……!
バトルロワイアルが始まって、初めて放つその言葉……!
声をかけられた少女は、まるでカイジの存在を訝るように見つめ返す……!
「話しかけないでください。あなたのことが嫌いです」
―― あ な た の こ と が 嫌 い で す っ……!
痛烈……痛烈な一言っ……!
地獄の賭場とも言うべき樹海で出会った少女に……カイジ、嫌われるっ……!
「なっ……んなっ……な……!?」
考えてみれば……久々っ……久々のことではあるっ……!
女の子と……それも小学生ほどの童女と話し、接する機会など……おそらくは小学校以来っ……!
故にカイジ……続く言葉……フォローの一言が出てこない……!
「なるほど。どうもザワザワするなと思ったら、こんな身近に人がいましたか。迂闊でした」
「ザワザワ……? お、オレが……? まさか……こっちは声も出しちゃいなかったって……!」
「いいえ、してましたよ。ざわ……ざわ……って。ま、その顔を見れば納得できますけど」
「顔っ……? オレの顔が……なに……? なにかあるっての……?」
「ええ。尖った顎に尖った鼻。ザワザワしてても仕方がない人相をしています」
「顎と……鼻……!? 尖ってるって……んなわけあるかっ……! はじめてだ……そんなこと言われたの……!」
「えぇ!? それでは、わたしがあなたのはじめての相手ということに……?」
「は、はじめて……!? ばっ……なに言ってんだ……この、マセガキっ……!」
「マセガキ!? よりにもよってマセガキとか言われました! このヒト怖いですっ!」
「か、勘違いするな……! オレは……い、いや……お兄さんは怖くない……怖くない……ぞ……?」
「怖っ! 笑顔になりきれてない笑顔が逆に怖いですっ! 倍プッシュされてしまいます!」
「倍プッシュだぁ……!? なにを……なにを言ってるんだ……! わからない……意味がわからないぞ……!」
カイジ、再びの混乱っ……!
女の子との会話、不成立……! コミュニケーションがままならないっ……!
(くっ……冷静に、冷静になれっ……! こんな状況なんだ……怯えるのは当然……!
別にオレの顔が怖いわけじゃない……! 柔らかく……柔和に……柔和に微笑みかけるんだ……!)
にこっ……!
にっこぉっ……!
にこ……にこっ……!
「ひ、ひぃ……!」
少女、戦慄っ……!
カイジ、精一杯の作り笑顔……が、ダメっ……!
逆効果……余計に怖がらせるだけっ……!
「お、怯えるなって……! なにも取って食おうってわけじゃない……無害……オレは無害だっ……!」
「し、信用できませんっ! 人畜無害だと主張するなら、相応の誠意を持って接してください!」
「か〜っ……! 誠意だぁ……!? 誠意もなにも……示しようがない……信じてもらうしかないだろっ……!」
「……では、その手に持った拳銃はなんなのでしょう?」
カイジ、そこでハッとする……!
先ほどまで荷物を確認をしていた……だからこそ手に持ったままでいた……シグザウアーP226……!
女の子に見せまいと隠していたそれは……身振り手振りで主張をするうち……露見……!
銃口は、女の子のほうへと向いていたっ……!
「なっ……! ちがっ……これは……ち、違うっ……!」
動転するカイジ……! 思わず……思わず、これを取りこぼす……!
拳銃は足下……生い茂る草むらの中に落ちたっ……!
「どうやら本当に無害のようですね。それでいてヘタレのようです」
「ああ……!?」
カイジ、またもや痛烈なる一言を浴びる……!
女の子の容赦ない発言の数々に、さすがのカイジも辟易……!
思わず、舌打ちせざるを得ない……!
「ちっ……なんだってんだ、おまえは……! 大人をからかいやがって……! いい加減にしろ……!」
「うーん、さながら美女と野獣コンビといったところでしょうか。人気が出るかはイマイチ謎ですねぇ」
「話を聞けっ……! なんていうか……最近の子供ってやつは……みんなこうなのかっ……!」
「相方というなら、阿良々木さんレベルのツッコミスキルを求めたいところですけど……無理っぽいですね」
「過保護に育てられて……礼儀がなってない……! オレが言うのもなんだが……ゆとりっ……!」
「それは仕方がないことですよ。なにしろわたしは、教育を受ける過程で他界してしまいましたから」
「噂に聞くゆとり教育ってやつはっ……! …………は?」
少女の思わぬ一言に……カイジ、唖然……!
口を動かすのをやめ、少女の発言に聞き入る……!
「このあたり、地図だとなんて書いてあるか知ってますか?」
事前に確認しておいた、【A-1】という位置……!
広がる森……鬱蒼とした、いかにも出そうな雰囲気……!
カイジの脳裏で、不穏な警鐘が鳴り響くっ……!
「心霊スポット――わたし、幽霊なんですよ。地縛霊だったのですが、この間浮遊霊に昇格しました」
◇ ◇ ◇
「ちなみに、名前は八九寺真宵(はちくじまよい)といいます。お父さんとお母さんからもらった、大切な名前です」
浮遊霊……! 生前の名前は、八九寺真宵……!
己の顔が、徐々に凍りついていくのがわかる……!
それだけの驚愕……幽霊が目の前で喋っているという、珍事っ……!
「……ば、馬鹿なことを言うな……! 幽霊だ……? そんなもん、ありえない……!
オレをからかうためのペテン……子供のイタズラっ……! 信じない……オレは信じないぞ……!
だいたいなんだ……幽霊たって、ちゃんと触れる……! たしかにここに存在してるじゃないかっ……!」
八九寺の言動に疑惑を感じずにはいられないカイジ……これを実証……!
手を伸ばし……八九寺の小さな身体に触れ……確かめるっ……!
すべすべとした肌の感触……ぷにぷにとしたやわらかさ……天然の少女……霊体などではありえないっ……!
「触りましたね」
「は……?」
「故意に。明らかに。私のカラダ目当てに」
「な、なにを言って……」
「触られました! けがされましたぁ!」
「ばっ……おち、落ち着け……! これはあくまでも確認……! 必要なこと……!」
「痴漢さんはみんなそう言うんです! あ、ちなみにわたしは、この歳では発育のよいほうなんですよ?」
「訊いてねぇ! だいたい……子供のカラダなんて触っても嬉しくもなんとも……!」
「熟れた女のカラダをご所望と仰られますか! それならあと三年待ってください」
「三年程度でどうにかなるかっ……! おまえなら軽く見積もってもあと六年……六年は待てっ……!」
「妙にリアルな数字が飛び出してきましたぁー!? この人、本物です!」
「違う……! 今のは見たままを述べた憶測……客観論だっ……! 変に勘繰るなっ……!」
「あなたこそ勘違いしないでください。あなたはこれで二人目――つまり、セカンドタッチです」
「だからどうした……! ファーストタッチの相手なんぞ知ったことか……興味もない……!」
「略奪愛宣言!? 情熱的に告白されましたー!?」
「そういう意味じゃねぇ……!」
支援
カイジwwwww
小学校以来……!小学校以来……!
カイジ、またしても会話不成立……!
八九寺真宵が作り出す、この独特の間……会話のペース……それらが一向に掴めないっ……!
しかし徐々に……徐々にではあるが、感触は掴めてきた……!
(とどのつまり、オレは遊ばれてるだけ……! 真面目に返してちゃ、こっちの身が持たない……!
かといって、このまま放っておくのも忍びない……オレにだって、良識ってものはある……!
保護ってわけにはいかないが……せめて安全な場所まで誘導してやれば……!
いや……どこよ、その安全な場所って……! あるか、そんな場所……もうちょっと冷静になれ、オレ……!)
……が、まやかし……!
結局は、ペースを乱されっぱなしで……このままだとただの漫才……!
懸命に模索する……流れを変える、逆転の一手を……!
(……冷静に考えて、この子はまだ子供……そして自称幽霊だ……!
幽霊ってのは嘘だとしても……やはり危ない……こんな環境に身を置くには、危ういほど無垢……!
ここの危険性を……今が人生の窮地だってことを、その幼い身にわからせてやる必要がある……大人として……!)
ふと視線を落とすと、先ほどカイジが手から零した拳銃の姿が……!
拳銃……子供でわかる、はっきりとした死の象徴……!
撃たれれば死……向けられれば危ない……それを理解できないほどではない……そう信じて……!
(悪く、思うなよ……!)
カイジ、拳銃を拾い強攻策に出ようとする……が!
「これがカイジさんに配られた支給品ですか? はぁー、本物みたいですね」
「あっ……!?」
遅い……!
カイジが身を屈め、それに手を伸ばすよりも先に……八九寺が拳銃を拾う……!
「馬鹿っ、子供が持つもんじゃない……! 危ないから……それをそっちに渡せ……!」
「言葉遣いが乱暴です。子供だと思ってあまく見てませんか?」
「実際子供だろうが……! っていうか、本当に危ないから……! さっさとそれを――」
「あ、ところでお名前をまだ聞いていませんでしたね。伺ってもいいですか?」
「伊藤開司……! んなことより、早くそれを――」
「ふむふむ、伊藤さん。いえ、ここはあえてカイジさんとお呼びしてよろしいでしょうか?」
「なんでもいい……! つーか……オレの話を――」
「わたしと取引しませんか、カイジさん?」
カイジの拳銃を所持する少女……八九寺真宵からの不意な誘い……!
「この拳銃はお返しします。その代わりとして……わたしと一緒にいてください」
唖然とするカイジに、素直に差し出される拳銃……!
思ってもみなかったこの行動……カイジ、咄嗟に拳銃を受け取れない……!
「守ってください、じゃありませんよ? 一緒にいてくれるだけでいいです。
たまに話し相手になってくれるだけでもいいので。あ、ただしセクハラはダメですからね?」
◇ ◇ ◇
……多いな支援
支援
前髪の短い、眉を出したツインテール。
なにが詰まっているのか想像の膨らむ、大きなリュックサック。
それらを象徴とするのが、八九寺真宵という女の子だった。
「――……子供ってのは、もっとこう……素直であるべきなんじゃないのか……?」
「それは偏見というものですよ、カイジさん。それに、わたしはこんなにも素直じゃないですか」
「いや……それは自己分析を大きく誤ってる……。どちらかというと……そう、ひねくれ者……!」
「そんな! それじゃあまるで、わたしがひねくれ者みたいじゃないですか!」
「いや……だからそう言ってるんだけど……」
蝸牛に迷った少女。迷い牛の怪異。地縛霊から二階級特進して浮遊霊。そのあたりは重要じゃない。
ぶっちゃけ、八九寺真宵という少女は幽霊だった。わざわざ殺し合うまでもなく、既に死んでいるのだ。
しかしおかしなことに、この場においては生き返ったようだった。きちんとした生身の体が、そう証明している。
「幽霊だなんて嘘までついて……要はただの寂しがり屋……認めちまえ、そのくらい……!」
「あなたは本当に失礼な人ですね。阿良々木さんのセリフを取ってしまうようであれですが、ここで言ってしまいましょう」
「お……なんだ、今度はなにを言い返してくるって?」
「――――万死に値します!」
帝愛グループとかいう奴らが言っていた話は、あながち嘘ではないのかもしれない。
死んだ人間を蘇らせる。そんな、誰もが夢には見るものの実現なんてできっこない幻想。
それが既に、八九寺真宵という形で証明されてしまっている。真相を知るのは本人だけだったが。
「ところでカイジさん。カイジさんは麻雀と賭野球、どっちのほうが得意なんですか?」
「麻雀はまあ……打てることは打てる。けど、賭野球ってのはなんだ……?」
そんな八九寺真宵が考えることといえば、自分と同じ境遇に置かれた少年少女たちの安否。
阿良々木暦。戦場ヶ原ひたぎ。彼氏彼女の関係。付き合い始めて間もないだろうに、なんて不幸な人たちだろう。
彼と彼女には、特に阿良々木暦のほうには、それなりの恩がある。願うことなら無事に生き残って欲しい。
「阿良々木暦に、戦場ヶ原ひたぎ……この二人が、おまえの知り合いだって……?」
「ええ。阿良々木さんとツンデレの彼女さんです。彼女さんとはあまり親しくありませんが」
「ツンデレ……? よくわかんねぇけど……最近の流行語とか、そういうのか……?」
「まだまだ乳繰り合いたい年頃でしょうし、ここで二人揃って心中というのはあまりにもかわいそうだと思います」
願うだけで、彼と彼女のために自分が特別、なにかをできるわけではないのだが。
八九寺真宵は少女である。もっと記号っぽく言うとロリキャラである。ただそれだけだ。
魔術も使えないし、楽器も弾けないし、麻雀も打てないし、モビルスーツの操縦もできない。
「カイジさんは、誰か知り合いの人はいないんですか? 友達とか、家族とか」
「利根川って奴は……まあ知り合いと言えば知り合い……だがこいつは……」
「ふーん。ひょっとして、友達少ないんですか?」
「なっ……! 馬鹿にするな……! 知ってる名前くらいなら……オレにだってある……!」
「ほほう? それはいったい誰でしょう?」
「……織田信長」
「奇遇ですね。その人ならわたしも知ってます」
だから、特になにかこう……『対主催』だとか『奉仕マーダー』だとか、そういう役割を担えたりはしない。
役を与えるとするならば、家に帰れない迷子。鬱蒼とした物語の清涼剤。賑やかし役。ロリ成分。
ある種達観しているとは思うし、生意気だとも思う。この八九寺真宵という少女は、つまりそういうキャラなのだ。
不幸……!主人公達……全員……!
しえn
(実際私はもう死んでいるわけですから、生きることへの執着なんてそんなにありませんけど……。
ただ……浮遊霊はまだやめたくないですよね。阿良々木さんとおしゃべりできなくなるのは、つまらないです)
だからまあ、とりあえず。
お約束として、知り合いくらいは捜しておこうかなー、などと思っているに違いない。
ああ、本当におまえは可愛い奴だな八九寺ぃー!
「ときにカイジさん。頼まれてもいない語り部とか、ウザったいと思いません?」
「は? なんの話だ……?」
ウザイって言われたー!
さて、僕も本編に戻ろう。
【A-1/心霊スポット周辺/1日目/深夜】
【伊藤開司@逆境無頼カイジ Ultimate Survivor】
[状態]:健康
[服装]:私服(Eカード挑戦時のもの)
[装備]:シグザウアーP226(16/15+1/予備弾倉×3)@現実
[道具]:デイパック、基本支給品、ランダム支給品×0〜2
[思考]
基本:人は殺さない……なるべく……なるべく人が死なない方向でっ……!
1:八九寺真宵と一緒に行動する。
2:……で、どうする……?
[備考]
※Eカード開始直前、賭けの対象として耳を選択した段階からの参加。
【八九寺真宵@化物語】
[状態]:健康
[服装]:私服、大きなリュックサック
[装備]:
[道具]:デイパック、基本支給品、不明支給品×1〜3
[思考]
基本:まずはお約束通り、知り合いを探してみることにしましょう。
1:伊藤開司と一緒に行動する。話し相手は欲しいので。
2:阿良々木暦と戦場ヶ原ひたぎを捜す。
[備考]
※「まよいマイマイ」終了後以降からの参加。
【シグザウアーP226@現実】
1983年にシグザウアー社が開発した自動拳銃。P220の改良型である。
長時間水や泥の中に浸けた後でも確実に作動するほど堅牢であり、耐久性は非常に高い。
支援……! 圧倒的支援……!
そりゃ信長は誰でも知ってるよwwwww
あららぎさん、芸達者だなw
代理投下終了です。支援感謝ー
そして投下乙です。カイジwww
投下乙です
カイジwwwwwwwwwwwwwwとしか言いようがないwww
投下、代理投下乙
地の文がカイジのナレーターで再生されるww
これはずるいわwwww
投下乙……!
福本……!これは紛れも無く……福本!
立木の声が……響く……耳に……!
真宵は癒し……!化物語のキャラは皆……会話が神……!
乙……乙……!
投下&代理投下乙です
覚悟していたが『……』多すぎじゃwww
そしてあららぎさんあんたなにやっているんですかwww
投下乙・・・!
なにこの・・・福本節・・・!
ありえないっ・・・!
目に浮かぶ、カイジの歪んだ笑顔がっ・・・!
鬼才現る・・・!
投下乙
カイジwww最初からヘタレ認定かよwwwww
投下乙。
なんという……圧倒的福本節……!
思いきやいつの間にやら……気づけば……化物語ノリに……!
伊達政宗、神原駿河を投下します
SHIEN
だっ、だっ、だっ、だっ、だっ、だっ。
細かく小気味のいいリズムが刻まれていた。
だっ、だっ、だっ、だっ、だっ、だっ。
音。足音でリズムが刻まれる。
だっだっだっだっだっだっだっだっ。
リズムは次第に加速する。
だだだだだだだだだだだだだだだだ。
リズムを刻んでいる彼女は、別に100メートル走をしているわけではない。
何者かに命を狙われ、逃げているわけでもない。
走っていれば敬愛する先輩達の後姿が見つかるかもしれないと考えたわけでもない。
神原駿河。
高校入学と同時にバスケ部のエースとなり、進学校の万年一回戦負けバスケ部を全国大会に導いたスター。
普段の彼女の走りなら『たっ、たっ、たっ、たっ、たっ、たっ』と気持ちのいい軽快なリズムを刻む。
もっと跳ねているような、跳んでいるような走りを見せる。
だが、彼女が日頃のように走れなくても無理はないのだ。
《開会式》の場所から彼女が飛ばされたのは、立っていることさえ難しい急斜面。
もっとも、人並み外れた身体能力を持った彼女にとって、その程度は大した問題ではない。
しかし。
神原駿河が飛ばされたのは、急斜面の地面ではなく、その2メートルほど上空だった。
気付くと空中にふっと放り出されていた。
着地の際、尻餅でもついていれば、まだ良かったのかもしれない。
彼女は、その高い身体能力が災いし、両足で着地できてしまい――――
落下の勢いそのままに斜面を駆け下る羽目になってしまったのだ。
だだだだだだだだだだだだだだだだ。
勢いを増した脚は、止めるに止められない。
暗くて先の見えない、この下り坂が終わるまで。
◇
「あ? 何のjokeだ。こりゃ」
奥州筆頭。右目に眼帯、左目に一際鋭い眼を持つ英傑、伊達政宗。
独眼流の異名を持つ彼は、その左目で目の前にある山を睨みつけていた。
山といっても、そこにあるのは『本の』山だった。
高々と積み上げられた山は、小さめの教室であれば一杯にしてしまいそうである。
その山は本屋でもフリーマーケットでもない場所に広げられ、不法投棄で文句を言われそうな有様であった。
「こんなもんよこしやがって。殺し合えってんじゃなかったのか?」
ド派手な高級武士の装束を纏いながら、欧米人のように手を広げて肩をすくめる。
「まったく気にいらねえ、気にいらねえなあ」
伊達政宗は、奥州筆頭として、戦乱の世に天下を目指す身である。
当然、敵兵を殺す。軍を指揮して人を殺す。自ら刀を振るい人を殺す。
だが、それは自らの意思、あるいは志の元に、だ。
他人の都合で殺し合えと命じられて殺しあうなど虫唾が走る。
切れ長の眼をすっと前に向けた。
デイパックを開くなり、バサバサバサバサッと溢れ出て場を占領した本の山。
一体どんな書物をよこしたのかと、あきれながらも無造作に山から一冊を手に取る。
しえん
毒吐きとの温度差が凄いな
Let's Party!(支援)
開いてみるとそれは――――
【恋殿無双<第弐章>】
『信長との禁断の恋に心揺れる光秀に、藤吉郎は抑えきれない情熱をぶつける。三角関係の行方は……』
そんな煽り文とともに男同士が濃厚に絡みあう挿絵が描かれてた。
「……………………………………」
無言のまま手の中の本を山に放り捨て、山をがさがさと乱暴に漁る。
どれもこれも似たような内容の本ばかりだった。
「Shit! 何の役にも立たねえゴミじゃねえか! 喧嘩売ってやがんのか」
このまま捨て置こうと本の山に背を向ける。
こんなものしかないのかと、再びデイパックに手を伸ばしかけたときだった。
空から飛んできた少女が、『ゴミ山』へと不時着した。
◇
「神原駿河だ」
いぶかしむ独眼竜の視線に晒されながらも、空から飛んできた少女は堂々と名乗った。
もっとも、飛んできたわけではなく、斜面から落ちてきたという方が正確な表現である。
斜面の終わりが、伊達政宗の撒き散らした『ゴミ山』だったのだ。
神原が突っ込み吹き飛ばしたおかげで、辺り一体がBL本だらけである。
筆頭・・・筆頭がきた・・・!
「神原駿河。得意技は二段ジャンプだ」
「……………………………………」
「おっと、失礼。
今の場面で二段ジャンプが得意といっても、お前は一度しか飛んでないではないかと言われてしまうな」
訂正しなくては、と一度落とした視線を戻し、真っ直ぐ前をみる。
眼帯の男を前に堂々と、威風堂々と言っていいほどの立ち姿で言葉を続ける。
ただ、立っている場所が未だにBL本の山の上だけに、まったく格好がつかない。
「神原駿河。得意技はBダッシュだ。
……ああ、別に阿良々木先輩のようなウィットにとんだ切れのいい突っ込みを期待しているわけではない。
達急動や縮地法になぞらえて小気味いい返しを聞いてみたい気もしなくはないが、
それはまた阿良々木先輩に会ったときに機会に取っておこう。
おっと、言うのが遅くなってしまったが、私はあなたに危害を加えるつもりはない。
なので出来ることなら、突然襲い掛かってきたりしないでくれるととても助かる。
まだ私は死にたくないし、こんな事態に巻き込まれて恐怖を覚えたりもしている。
さて、勝手に名乗り、長々としゃべって何をと思われるかもしれないが、
こちらは実に三度も名乗ってしまったわけだし、良ければあなたの名を教えてもらえないだろうか」
ここまで一息で淀みなく明瞭に言って、言葉を区切った。
辺りに久しぶりの静寂が戻る。
伊達政宗は、突然現れた少女を前にして、腕を組み立っていた。
ふてぶてしさを感じさせる立ち姿。
馬に乗っても脚の力だけで体を支え、腕を組み行軍する政宗のいつもの姿とも言えた。
やがて政宗は実に面白いと口角を上げる。
「……Ha! Ha、ha! まったく行儀の悪いお客さんだ。
だがいいね、いいよ。いきなり俺の前に表れてそれだけ堂々と出来るとは。
馬鹿は嫌いじゃない。Good、ほめてとくぜ。
名乗りを上げてやる。俺は――――、奥州筆頭、独眼竜伊達政宗だ」
ついに神原が来た!
支援
支援!
筆頭きたか、支援
◆
この二人の出会いから少しの時間が経った後。
神原駿河は、こう振り返った。
結果オーライとはまさにこういうことを言うのだと。
結局、伊達政宗が主催者がの目論む殺し合いをするつもりがないとわかったので良かったが、
遭遇した相手によっては、出会いがしらに殺されていてもおかしくなかった。
それだけ、あのときの私は混乱していたのだろう。
顔をあわせた後、普段をなんとか取り繕えただけでも僥倖だった。
帝愛グループを名乗った主催者の言葉。
悪趣味な演説が記憶に新しく、血飛沫の赤とともに鮮明に覚えている。
その中で、こと鮮烈に、まったく別格にな存在感で私に迫ったのは、
「とにかく、不可能を可能にすることが、願いを実現させることが……我々帝愛にはできるっ……!」
という部分だった。
いやもっと限定してもいい。
『願いを実現させる』
誰もがかなえたい願いや望みくらい持っているだろう。
願いを叶える。
私にとって危うく堕落しそうになる甘い言葉であり、弱い自分を想起する苦い言葉でもあった。
猿と龍か
支援
猿の手。レイニーデヴィル。
神原駿河が先だって行き遭った怪異。
『願いを叶える』怪異。
バトルロワイアルと語られたこの状況で、自分は最愛の戦場ヶ原ひたぎの生を願ってしまうのではないか。
自らに宿す悪魔に。あるいは、殺しあえと命じた者たちに。
私は思わず鳥肌が立つほど戦慄していた。
《開会式》で金髪の少女の首が飛んでから、暗い坂道を駆けている間も。
まず何よりも誘惑に負けかねない自分自身が怖かった。
今は、出来ることならば何に対しても願わずにすむように。
そう願いたくなった。
◇
時系列は元に戻る――――。
「俺の天下取りへのなかなかいい景気付けだったぞ、神原駿河
信長を倒し、主催者を名乗る気にいらねえやつらを潰してな」
ここに仁王立ちするのは、自ら信じる生き様を貫く一人の竜。
織田を倒し、主催者を名乗る気に入らないやつらを潰す。
まるで今から楽しいpartyの始まりだと言わんばかりにニヤリと笑みを浮かべている。
「なるほど。天下か。
矮小な私には、全く想像のつかない世界ではあるが、随分と魅力的な話だ。
微力ながら協力させてもらいたい所存だぞ」
「協力なんていらねえよ。邪魔しなけりゃいい。
あとは好きなように、したいようにするのがいいさ。You see?」
伊達政宗は神原駿河を面白いとは思っても信用はしていない。
だがそこは荒武者揃いの伊達軍を統率する奥州筆頭。抱え込む器は備えている。
支援
「ふむ、では好きにして、というわけではないが、一つ頼みがある。
実は私が飛び込んだせいでここに散乱しているものについてなのだが、
どうやら私の家から持ち出されたもののようなのだ。
証明することは出来ないが、例えばこのアンソロジーの汚れなど寸分違わず私のものと一致する。
コレクション内容も間違いなく私のものだと断言できる。
例えばこれは戦○無双というゲームの同人誌で、
『ショタ政宗受け、幸村へたれ攻め』モノなのだが、なかなかの秀逸な出来だぞ」
さすがの独眼竜も、この発言は予想していなかった。
【B-4/森】
【伊達政宗@戦国BASARA】
[状態]:健康
[服装]:眼帯、鎧
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0〜2(未確認)
[思考]
基本:自らの信念の元に行動する。
1:主催を潰す。邪魔する者を殺すことに抵抗はない。
2:信長、光秀の打倒。
3:小十郎との合流。
[備考]
※参戦時期は信長の危険性を認知し、幸村、忠勝とも面識のある時点からです。
【神原駿河@化物語】
[状態]:健康
[服装]:制服
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜3(未確認)、神原駿河のBL本セット
[思考]
基本:殺し合いをしたくはない。
1:出来れば戦場ヶ原ひたぎ、阿良々木暦と合流したい。
2:政宗と行動を共にする?
[備考]
※アニメ最終回(12話)より後からの参戦です
流石は阿良々木先輩だ。すばらしい支援だな!
支援
以上で投下終了です。
たくさんの支援ありがとうございました。
ご指摘等あればお願いします。
投下乙です!
腐ってやがる……!遅すぎたんだ……!
投下乙ー
面白いコンビが生まれたなw
しかし前のカイジとの話といい、化物語面白そうだ! 早く把握せねばw
投下乙!
筆頭・・・筆頭登場!
神原は神原で戦場ヶ原次第でやばそうだなw
投下乙ー
>まよいザワザワ
どっちも地の文自重しろwww
>モンキー&ドラゴン
よかった……戦国BASARAのアンソロジーじゃなくて本当によかった……!
>まよいザワザワ
乙すぎる……!
なんという、西尾×福本……!
アニロワだからこそ、ナレーションが頭に響く……!
>モンキー&ドラゴン
これは上手い組み合わせだなぁw
神原と政宗。まさに戦国ブームに則った正統派の歴史レイプ……!
>>152 失礼。普通に「お前」ですね。思わず君を使ってしまったようです。
>>153 ……これはお見苦しい所を。どちらもwiki収録後手直しします。
容量は分割しないギリギリのはずですが、下の移動表などでオーバーした場合、調整させて頂きます。
また、感想沢山ありがとうございます!
投下乙!
指摘? そうだな、戦国時代とかは衆道とか良くあったらしいよ?
まあ、BASARAだから関係ないんだがww
神原がなかなからしくていいな。
えらそうな口調で言ってることは卑屈という書きにくそうなキャラをちゃんと書ききれてて凄いと思った。
投下乙です。小十郎って書き手枠だから名簿に載ってないんじゃなかったっけ?
お二方投下乙です
>まよいザワザワ
なんという福本節っ…俺にもナレーターの声が聞こえたっ…
そして主人公の不幸率が異常っ…
>モンキー&ドラゴン
いいコンビが誕生したのかな…
しっかし化物語勢がいい味出してるなあ
後、一ヶ所だけ独眼竜を独眼流に間違えてる部分(多分一番最初に政宗が出てきたところ)があったので訂正よろしくです
乙です!
>まよいザワザワ
何というカオス空間w
福本節全開で、ナレーターの声までリアルに聞こえてきそうだww
……そういえば、友達って言われた信長は二人から比較的近い位置にいるような……
>モンキー&ドラゴン
名コンビというか、迷コンビというかw
何とも面白い組み合わせの二人が来たもんだ。
そして最後のアンソロジーは自重しろwww
後、ちょっと状態表を見て気になったけど、小十郎は書き手枠だからまだ政宗は参戦を知らない筈かと。
お二方とも投下乙です
>まよいザワザワ
素晴らしい……容易に映像が脳内で再生される……!
そしてやはり……カイジは……不幸っ!
>モンキー&ドラゴン
神原は何かやらかすだろうと思ってたが、初回からこれは酷いww頑張れ筆頭ww
しかし化物語勢(クララ木さん除き)本当に自重しねえwww相手をうまく自分のペースに引き込んでるな
現時点の主人公の動向まとめ
【咲-Saki-】 そもそも参加していない
【新機動戦記ガンダムW】 貞操の危機
【Fate/stay night】 未登場
【けいおん!】 絶賛利用され中
【戦国BASARA】 未登場
【空の境界】 未登場
【ガン×ソード】 爆弾を抱える
【とある魔術の禁書目録】 不幸だー!
【化物語】 不幸だー!
【機動戦士ガンダム00】 未登場
【コードギアス 反逆のルルーシュR2】 修正中
【逆境無頼カイジ Ultimate Survivor】 真宵に翻弄
……これはひどい
>>225 確かにこれは酷い…
しかしこれすべて完全に偶然の産物なのがすごいwww
もしまだ登場していない主人公のうちの誰かが即死でもした日にはもう目も当てられないことに…
>主人公のうちの誰かが即死
おっと、士郎の悪口はそこまでだ
秋 山澪「私は日本人じゃないからユフィさん殺さないでニダ」
したらばで規制くらってるのでこちらで。
議論スレ
>>571 ZM氏修正案乙です。
アニメが基本ということで、よってアニメ準拠のほうが望ましいので、原作6巻までの範疇で出したほうが望ましいかと思います。
打ち止めなしでは歩けない、喋れないというハンデを考えると、能力にのみ制限を加えたほうがシンプルな形で原作に近くできるかと。
例として、
>三巻、及び五巻で頭を打ち抜かれる前→能力にのみ制限時間。歩けるし喋れる。
>頭を打ちぬかれた後 →原作どおりの日常生活を送る程度には調整済み。全開行動には制限時間あり。
制限時間に関してはそちらのアイデアで問題ないと個人的には思います。
>>221-223 指摘ありがとうございます。PCが少し使えない状況なのでWiki収録後に修正しておきます。
また沢山の感想ありがとうございます!
それと時間帯を書き忘れていますが深夜です。失礼しました。
さて
今晩が期限切れの予約はいくつあっただろうか
仮投下に作品来てるよ。
携帯だから誰か頼む
携帯だから代理は無理だが仮投下でバサカホンダムきてるぞ
代理投下行きます
最強たれと彼らは願われた。
最強であることを彼らの小さき主達は喜んだ。
彼らは覚えている。
己が主がかけてくれた言葉を、残していった想いを。
故にこそ、彼らが為すべき事は決まっていた。
Stage:F-1エリア中央部さる駐車場
「■■■■■■■■■■■■■■■■――!!!!!!」
襲い来るはサーヴァントバーサーカー。
使い魔の一種に身をやつしてはいるが、その正体はギリシャの大英雄ヘラクレス。
理性を奪われ狂戦士へと堕とされた彼にはかって知恵と勇気を振り絞り神が課した数多の試練を突破した英雄の面影は残っていない。
代わりに2メートル半の鉛色の巨体に詰められしは全てを壊し尽くせと蠢く狂気。
根底にあるのはマスターたるイリヤスフィール・フォン・アインツベルンの元へと戻り護らんとする強い意思。
「……………………………………ッ!!!!」
迎え撃つは戦国最強本多忠勝。
群雄割拠の戦国時代において最強と謳われた実力者。
3メートルにも届く鋼鉄の鎧武者が背負いしは葵の紋と主君の願い。
争いのない平和な世の為、盟友と共に民を護り、打倒織田信長、誅せよ非道なりし帝愛グループ!
それこそが謀略に倒れ、真に東照大権現として天へと帰った亡き主への最大の手向け。
決して道を交えることの無い二つの最強が武器を交え、吼え叫ぶ。
歩くだけで地を揺るがし、走るものなら地盤を砕く巨人同士の戦いは壮絶なものだった。
一合――大地が割れ
二合――住居が薙ぎ払われ
三合――大気がひしゃげ果て
四号――夜天が悲鳴を上げる
バーサーカーが握りしは只人なら数人がかりでも持ち上げることすら叶わない大戦斧。
軍配を模したそれはかの甲斐の虎が得物なり。
武田信玄の超人的な力量を受け止めえる大戦斧は大英雄をして不足は無い武具だった。
大きさならば一方の本多忠勝が手にせし物も負けてはいない。
いや、そもそもそれは人の為に鍛えられた鋼ではなかった。
対ナイトメア戦闘用大型ランス。
機動兵器としては小柄とはいえ全項4メートルを超える機体用の槍を、あろうことか本多忠勝は片脇に抱え込んでいた。
「……………………………………ッ!!!!」
横薙ぎ、一閃。
本多忠勝がバーサーカーを跳ね除け、大きく距離を取る。
この戦いにおいては牽制程度にしかならない威力だったが、常人からすれば衝撃波と巻き起こる砕けたアスファルトの散弾だけでミンチになりかねない。
周囲に誰もいなかったのはバーサーカーにとっては不運であり、本多忠勝には幸運であった。
けれど、その幸運にいつまでも甘えてはいられない。
戦い始めたのが開けた場所だから良かったものを、このまま近くに見えている構造物へと突っ込めばどれだけの犠牲が出るか。
家内で隠れ震えている力無き民もいることだろう。
彼らを巻き込むことだけはあってならない。
本多忠勝は早期に決着をつけるべく、葵の門の刻まれた背部機関よりフレアを吹かしランスを突き出し疾走するっ!
「……………………………………ッ!!!!」
10丈もの距離を刹那に詰める速度での突撃。
3メートルにも至る巨体を砲丸としての一撃は刺突などという言葉では生温い。
――貫き穿つ
そうとしか形容できない必殺の刃は
「■■■■■■■■■■■■■■■■――!!!!!!」
標的へ届くことなく中空で前進を遮られる!
バーサーカーが大斧で受け止めた――からではない。
烈風もかくやという勢いで突進してくる強敵に対して、バーサーカーもまた暴風と化し同時に踏み込み斧を振り下ろしていたのだ。
結果、寸分違わぬ速さで繰り出された槍と斧は両者の狭間で激突し火花を散らすこととなる。
ぎゃりぎゃりと、ぎしぎしと。
共に頑強に作られているはずの武器が軋みを上げる。
相手を押し切ろうと込められる主と獲物の怪力を一身に受けることとなってしまえば当然。
いかな業物といえど1分とかからずに灰燼と帰すだろう。
問題ない。
一分とかからずに相手を粉砕すればいいまでのこと!!
「■■■■■■■■――!」
大英雄の豪腕が唸る。
鍔迫り合いに競り勝ったからではない。
突如として軍配斧を押し止めていた抵抗が消失したからだ。
ホバーじみた移動を活かして戦国最強はくるくると旋回しつつ瞬時にバーサーカーの背後へと周り込んだのだ。
その迅きこと、まさに雷が如し!
速さを味方につけたまま続けて繰り出された槍撃の鋭きこと雷鳴の如し!
大英雄が体勢を立て直し左回りで振り向かんとするも光の速さを前にしては遅い、遅すぎる!
ならばこそ理性を極限まで削がれたことで研ぎ澄まされた本能はバーサーカーに軍配斧を斬るのではないもう一つの用途で使用させた。
即ち、仰ぐ。
速度が足りない分を大扇を振るうことで起きる烈風のリーチで埋めようとしたのである。
冗談みたいな作戦である。
しかし、忘れる事なかれ。
英雄には荒唐無稽な伝説がつき物だということを!
「……!?」
鋼の如し筋肉に覆われた人一人ほどの大きさを誇る豪腕と、同じく扇部分だけでも人一人覆い隠せるだけの面積を持つ軍配。
馬鹿げた二つの要素が合わさって小型の嵐が発生する。
規格外の勢いの向かい風を受け、本多忠勝の勢いは完全に削がれてしまう。
その隙を大英雄は見逃さない。
軍配を振り抜いて尚、バーサーカーの回転は止まらなかった。
生じた遠心力を右拳を打ち出す動作に直結させ、渾身の鉄拳を本多忠勝へと叩き込む!
「■■■■■■■■■■■■■■■■――――!!!!!!」
苦悶の叫びを代弁するかのように、忠勝の全身より蒸気が上がる。
分厚き鎧も半神の鉄槌の前では用を成さない。
みるみるひしゃげ、捻じ切れ、砕け散っていく。
爛々と輝いていた赤き瞳も体内の危険を知らせるかのように激しく点滅を繰り返す。
この殺人遊戯の場へと連れてこられるより前、長篠の地にて度重なる連戦の果てに一度は地に伏したあの時のように。
あの時のように……
――忠勝、戦国最強の名に恥じぬ戦いをわしにもう一度見せてくれ。忠勝!
本多忠勝は深い傷を負い、一番大切な時に傍にいることが叶わず、主君を助けることができなかった。
再び動けるようになった時、小さい身体に本多忠勝など到底及びもしない大きな志を抱いていた主は手の届かぬところへと行っていた。
涙は、出なかった。
流す必要も無かった。
徳川家康は彼が夢見たように日本全土の平和の守り神となったのだ。
ならば天上から日ノ本を照らす主に恥じないよう、最後のその時まで地上より民を守り続けよう。
一度と言わず、二度でも、三度でも、四度でも。
“東照権現”徳川家康に相応しき“戦国最強”本多忠勝として。
「……………………………………ッ!!!!」
ギアを一気にトップへ移行。
三段階の加速を経て本多忠勝の巨体が一瞬にして月夜の空へと舞い上がる。
突き刺したままの右腕に引きずられる形で空へと放り出されたバーサーカーは唐突な足場の消失により力の伝達に失敗。
続く忠勝の変則軌道に耐えられず振り落とされる。
ヘラクレスは怪鳥を撃ち落したことはあっても、空を飛び戦ったことは無かった。
空中戦では圧倒的に本多忠勝に分がある。
地上での激闘が嘘のように何の抵抗に会うことも無く、本多忠勝は落下するバーサーカーの真上を取る。
高高度からの落下の衝撃に加え重力加速を味方につけた超重量級の忠勝による突撃。
空中で自由に動けぬ身では、回避することも防御しきることは不可能。
必殺必中を期した本多忠勝が一筋の稲妻となりてバーサーカーへと突き刺さる。
――ドッゴオオオオォォォォォオオオオオオオオン!
響く激突音、掻き消される狂戦士の断末魔。
舞い上がった砂塵が晴れ轟音が収まった大地にて生きているのは腕を組み二の足で立つ本多忠勝のみであった。
あくまでもこの時点では
心せよ、戦国最強よ。
今、汝の眼前に聳えし者は、守るべきものの為ならば一度と言わず、十二度も立ち上がらんとする者也!!
―――バーサーカーは、強いね
その言葉を、覚えている。
狂気に侵されたバーサーカーには壊す、殺す以外に大切な小さき少女を護るすべは無い。
構わないと、意思無き英雄はそれでも魂で思った。
かって愛する家族を自らの手で殺してしまったこの狂気で、今度はあの一人ぼっちの娘を護れるというのなら。
彼女が望んだ最強のサーヴァントとして喜んで狂おう。
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■――!!!!!!」
物言わぬ骸となった強敵より武器を引き抜き立ち去ろうとしていた忠勝の前でバーサーカーは再び力を取り戻していた。
あれだけ派手に腹部に空いていた大穴は既に無い。
本多忠勝の目の前で時が蒔き戻るかのように塞がったのだ。
だが真に驚愕すべき事態はその後に訪れた。
「……!?!?」
ありえざるべき事態に動じることなく、再殺せんと放った突きが、なんと武器を持たぬ右手一本で受け止められていたからだ。
兜に隠れた無機質な眼が見開いていた。
これまで一撃入るごとに僅かなりとあった確かな手応え。
それが全く感じられなかった。
現にバーサーカーの開かれた掌は傷一つ負っていない。
どころか狂戦士はランスの穂先をきつく掴み忠勝のバランスを崩した上で空いた左の斧で切り伏せんとしてきたのである。
槍の展開ギミックを再度使用し狂戦士の手を払い全速で空中に回避したが、避け切ることはできなかった。
本多忠勝の鎧の胸部装甲に右斜め一文字の傷が刻まていた。
一連の復活劇を可能にした不可思議な現象こそバーサーカーらサーヴァントの半身とさえ言われる宝具の効力。
生前彼らが持っていた武器や固有の能力・魔術・特徴や、あるいは彼らを英霊たらしめる伝説や象徴が具現化したモノ。
バーサーカーのそれは彼が為した前人未到の功績に由来する。
“十二の試練(ゴッド・ハンド)”。
十二の試練を乗り越えたことによって与えられた神の祝福。その冒険の数だけ死を無効化、蘇生する!
加えて一度殺された攻撃や並大抵の英雄の奥義を無効化するバリアとしての効果も兼ね備えたまさに鉄壁の鎧である。
もっとも赤き弓兵に五度殺された後にこの地に呼ばれた上に、死因たる攻撃以外は無力化できない制限が課せられているのであるが。
そして当然そんな制限が必要な怪物と互角に戦えるトンデモにも課せられていないわけもなく。
「……………?」
ゴッド・ハンドを噂に聞く南蛮の妖術かと警戒し、遥か上空に止まったままだった本多忠勝がふと首を傾げる。
とっとと降りて来いとばかりに吼え続けるバーサーカーの声を煩わしく感じたからではない。
気のせいか高度が徐々に下がっているように思えたからだ。
否。
気のせいではない。
明らかに本多忠勝は落ちている!
しかもバーサーカーがいるのとは海を挟んで逆方向の地へと向かって。
実は安土城に向かう途中で連れてこられた本多忠勝は、修理に辺り盾や砲台などの追加装備の没収だけでなく飛行機能は不備を残されていた。
高高度からのヒットアンドアウェイによるワンサイドゲームになればつまらないと判断された為だ。
よって地上での多段加速や普段の低空疾走くらいは満足にこなせる絶妙な按配で仕上げられている。
「……………」
「■■■■――」
二人の距離が徐々に遠ざかっていく。
邪魔だと海を睨み付けるのを止めたバーサーカーは本多忠勝を見上げ、不時着に備えつつ本多忠勝はバーサーカーを見下ろしていた。
天と地に分かれた二人の交わす視線の意味は再戦の約束か、未だかって見えたことの無かった好敵手への賞賛か、はたまた邪魔するものへの敵意か。
口で語らず、行動で表す二人の真意は他の誰にも分からない。
主の生死も、殺し合いに乗ったか抗ったかも、生まれた国も世界も何もかも違うというのにどこか似ている二人の最強が再度あいまみえるのか。
それもまだ知る者は居ない。
バーサーカーVS本多忠勝
結果:ドロー。
最強証明――ならず
【F-1エリア南部/1日目/深夜】
【バーサーカー@Fate/stay night】
[状態]:健康、狂化
[服装]:上半身裸(デフォルト)
[装備]:武田信玄の軍配斧(石動配)@戦国BASARA
[道具]:デイパック、基本支給品
[思考]
基本:イリヤ(少なくとも参加者にはいない)を守る。
1:立ち塞がる全ての障害を打ち倒し、イリヤの元へと戻る。
2:本多忠勝とはいずれ決着をつけたい?
[備考]
※“十二の試練(ゴッド・ハンド)”Verアニ3
・合計12回まで死亡してもその場で蘇生。状態を健康にまで回復。耐久力を大きく上回るダメージを受けた場合は複数の命のストックを消費。
現在残り蘇生回数6回。
・無効化できるのは一度バーサーカーを殺した攻撃の2回目以降のみ。
現在無効リスト:対ナイトメア戦闘用大型ランス、干将・莫耶オーバーエッジ、偽・螺旋剣(カラドボルグ)、Unlimited Brade Works
・首輪の爆発での死亡時には蘇生できない。
※参戦時期は 14話 理想の果て直後です
【武田信玄の軍配斧(石動配)@戦国BASARA】
人一人分のサイズはあろうかというほど大きな軍配型の斧。
軍配の淵に刃が付いている。超人的な武田信玄の扱いにも耐えられることからかなり頑丈。
【F-1エリア南部海上/1日目/深夜】
【本多忠勝@戦国BASARA】
[状態]:疲労(中)、胸部装甲破損(12話時イメージな穴が空いています)、墜落中
[服装]:全身武者鎧
[装備]:対ナイトメア戦闘用大型ランス(コーネリア専用グロースター用)@コードギアス 反逆のルルーシュR2
[道具]:デイパック、基本支給品
[思考]
基本:徳川家康(参加者にはいない)の遺志を継ぎ戦国最強の名に恥じぬ戦いをする。
1:織田信長、明智光秀、主催者グループを打倒する。
2:まずは手ごろなところに着地する。
3:バーサーカーとはいずれ決着をつけたい?
[備考]
※参戦時期は第12話で安土城へと向かっている途中。
尚、後述の飛行機能以外は主催者の力で修復された模様。
※バックパック内の装備は没収されているため、原作ゲームにおける攻撃形態、防御形態、援護形態使用不可。
他、ゲーム版での固有技、バサラ技が使えるかはお任せ。
※主催者側から飛行機能に制限が課せられています。短時間低空飛行には問題ありません。
【対ナイトメア戦闘用大型ランス(コーネリア専用グロースター用)@コードギアス 反逆のルルーシュR2】
所謂巨大ロボ用の突撃槍。周りの刃が展開するギミックがあるものの、特にビームを放ったりもしない普通の西洋槍。
※F-1エリア南方での戦いは相当派手に立ち回りました。ただ、構造物への被害は大きいですが、
基本が斬りあいだったため最後の高度からの落下突撃以外は音的には派手ではなかったかもしれません。
93 名前:最強証明―― ◆rfP3FMl5Rc[sage] 投稿日:2009/10/28(水) 04:51:55 ID:.E6pSFtc
投下終了。
どなたか代理投下してくだされば幸いです。
代理投下終了
初っ端からすげえ戦いキタヨこれw
なんか衝撃とか武器とか人と人の戦いじゃねーwww
バーサーカーの制限はどんな武器でも致命傷なら死んで、一度食らった武器は無効、か
銃を一括りにするかについては後続任せかね
代理投下乙
ただのパワーバトルと思いきや
ちゃんと濃い心理描写書かれてるよ
ホンダムはナイトメアフレームの槍とかさすがだw
バサカもゴットハンド全開だしどっちも触るな危険だな
乙乙
やっぱ圧巻だし、参加者一覧を見たとき、
「何よりこの対決を見たい!」とおもっとりました
やっぱええわあ、どこか似てるんだよね、この二人
投下乙
ホンダムだからいいけど、もし他に支給された奴はどうすればいいんだよw
しかしそんなことはどうでもよくなるくらいのバトル!
巨体同士のバトルはいいなぁ。さてこいつらに他の連中はどう挑む?
投下及び代理投下乙です
こういう巨体同士の戦いはなかなかあるものじゃないから新鮮です
しかし今回の参加者には普通の人が多いからどうバーサーカーを殺すか…
一人一殺で六人の犠牲でいけるから大丈夫だろう。
パロロワの法則的に考えて。
しかし途中敗退が決まってるってのも悲しいもんだな
イリヤが居りゃまた話も違ったんだろうけど
お二方投下乙です
>モンキー&ドラゴン ◆CH3yUfFZ32
要所要所で英語を交えて会話する戦国武将も印象的だが神原も中々どうしてw
【恋殿無双<第弐章>】に『ショタ政宗受け、幸村へたれ攻め』とか、く、腐ってやが(ry
>最強証明―― ◆rfP3FMl5Rc
あれ、おかしいな、ここだけロボバトルっぽく見えるのは気のせいだろうか
KMF用ランスを振り回る参加者とか…しかもそれと同等以上のバーサーカー…凄まじいな…
>>250 別に決まっているとは限らないぞ
まだまだ始まったばかりだから何が起こるか分からん
しかし武田信玄の軍配斧なんて他人が持ってるのを真田が見たら……
投下乙です。
全く会話の無い、唯全力で戦うだけのバトルは熱いですね。
この巨体と轟音はかなり遠くまで響きそうだw
あとバサカの参戦時期がアチャいじめにしか見えない件w 通じる攻撃手段がないw
さて、残り予約は
◆DXXMkAYDjo 竹井久と書き手枠で中野梓@けいおん!で予約
◆SDn0xX3QT2 枢木スザク@コードギアス、真田幸村@戦国BASARAを予約します。
◆40jGqg6Boc 天江衣、グラハム・エーカーを予約します
◆3zI4WkFMLc リリーナ・ドーリアン(リリーナ・ピースクラフト)@新機動戦記ガンダムW、衛宮士郎@Fate/stay night
◆10fcvoEbko 明智光秀、両義式で予約します。
◆WWhm8QVzK6 御坂美琴、荒耶、アーチャー予約します
◆mist32RAEs セイバー、デュオ・マックスウェル、書き手枠でプリシラ@ガン×ソード予約
◆wKs3a28q6Q 加治木ゆみ
◆4etfPW5xU6 月詠 小萌(とある魔術の禁書目録)
◆eNIM4lH5t. 浅上藤乃
◆C7F4BI2F4w ライダー、C.C. で予約しますー
◆Nfn0xgOvQ2 張五飛をよやくします。
◆8d93ztlX9Q 刹那、トレーズで予約します
◆kALKGDcAIk 黒桐幹也
残りも気になる面々だ
もう縷縷ーシュとかぎづめ乗せていいのか?
代理スレに投下来たので代理投下します
利根川幸雄
かつて『帝愛』グループのNO.2と言っても過言では無かった優秀な男。
だがその地位も『伊藤開司』と呼ばれるクズの象徴なような男にまさかの惜敗。
結果彼はその責任として地獄のような熱さを持つ鉄板の上での土下座刑を執行、完遂し、
自分自身もクズになれ果て、地の底に這いずることになってしまった。
そんな地の底に落ちた彼を待っていたものは、『殺し合い』と呼称されるイベントであった。
帝愛に長らく勤め仕えてきたが、それは始めて聞いた言葉だった。
たしかに人の生きる道とは、知恵を巡らし、同僚の列からいち早く抜け駆け、上位にいる人間を突き飛ばし頂点に上っていく
ある意味殺し合いとも言えなくもない。
だが、あの帝愛の社員と思われる遠藤の言った『殺し合い』は、まさに読んで字の如く、そのままの意味ッ……!
即ち生命の奪い合い……例えるなら白亜紀やジュラ紀の恐竜の世界……!
弱肉強食っ……! 小動物がどんなに知恵を巡らしても、罠を仕掛けていても、
どうしようもないくらい巨大な猛獣に襲われれば……無意味……!
言わばこの殺し合いは謀略ではなく最終的にものを言うのは暴力ッ……!
圧倒的な理不尽な力……!
その理不尽な力は、既に利根川自身も経験している。
簡単のことだ、焼土下座をしてまだ数時間も経っていない頃だと言うのに、
頭部や手足の火傷は全て消えている。
そもそも自分がいきなりあのわけのわからぬ小部屋にいたこと自体が不思議すぎることだった。
そう言えば『《金》で《魔法》を買った』と言っていたことを思い出す。
つまりそれはこう言うことなのであろう。
しかしそこで利根川は気づいてしまう。
帝愛が、自分が身を粉にしてまで働いたその帝愛が、
利根川幸雄と言う人間が将来的に伊藤開司と呼ばれる人間に敗れてしまう未来を
魔法で予知していた可能性が十分に考えられるということをである。
だから自分には『殺し合い』に関する情報も
『魔法』のことも、そしてペリカのレートが変化していることを伝えなったのだ。
どうせクズになる人間にそんなことを教えても無意味だからと。
そう考察した利根川は……全てが……嫌になった……
ざわ…ざわ
■
時計の秒針が幾度12を指した頃であろうか
利根川はB-6に存在するギャンブル船の内部にある
とんでもなく豪華なスウィートルームにいた。
そこで彼は……
「ハグハグッ…… ゴクゴクッ…… ゴックン…… プハッー……!」
一人高級なワイン瓶片手に、寿司を喰らっていた。
殺し合いと呼ばれる出来事で初っ端からこれは暴挙の見本のようなものである。
だが、彼は自分のやっていることを重々承知しつつ、暴飲暴食に励んでいるのである。
利根川は思う。
一度ドブに落ちた犬は、引き上げられずに沈められる。
絶望を越えた先にあるものはもっと過酷な絶望。
それが勝負、いや人生だというものだ。
例え這い上がったとしても、その絶望を越えたとしても、待っているのは
犬など片手で軽く捻り潰してしまう怪獣。 極上の絶望。
利根川は理解したのだ、帝愛にとって自分はもう粗大ごみと変わらないということを。
たぶんこの殺し合いに参加させたのは
『折角だからクズになった利根川君に最後のチャンスをあげよう』
などと言う帝愛お得意の悪趣味からであろう。
確かに利根川も一時は、自分の名誉挽回のために優勝を目指すかと考えた、
だが『《金》で《魔法》を買った』と言う言葉。
この言葉が彼を動かすことを遮断させた。
焼土下座で全身焼け焦がれた体が、五体満足で実存している。
これは先述した通り『魔法』がこの世に存在すると証明する十分な理由であった。
現代の医学がかなり進歩しているとは言え、人の手を借りなければ立つことも出来なかった自分の体を、
数時間足らずで回復する術などこの世にはまだ存在していない。
そしてこの戦場にはそれに順ずる異能力を持っている参加者が幾つも参戦していると考える。
当然だ、首輪のような反逆をさせないための処置のがあるということは、
首輪さえ無ければ、いとも簡単にこの場所を焼け野原出来てしまうということを証明させてくれる。
それに比べて自分はどうだ? 自分は少しばかり頭が働くだけで後はただの初老の一般人と同じ。
殺し合いに乗った所で自分は手早く食い物にされることはもう言わずもがなだ。
逆にこの殺し合いに反逆すると言うのも考えたが、
まず不可能であろう。
相手は闇の企業の象徴と言ってもよい帝愛。
さらに今回は理不尽な力、『魔法』まで所持している、まさに鬼に金棒ッ……!
そんな相手に立ち向かえるはずが無い。
進むことも退くことも出来ない状況、所謂生殺し。
蛇に睨まれた蛙と同じだと結論を出した。
だから利根川は、主催から配られたバッグの中に入っていた
高級なワインと高級寿司で最後の晩餐をしていたのだ。
どうせ死んじまうんだ。 帝愛は自分に死ねと命令を下しているんだ。
だったら最後に欲求の一つを解消してもいいだろう。
だから飲む……! 食う……! 高級ワインをッ……! 特上寿司をッ……!
それが最後の晩餐だからうまさ倍増……格別ッ……! 僥倖ッ……! これは僥倖……!
いくらか暴飲暴食を繰り返した頃であろうか。
利根川はすっかり酒で酔っぱらっていた。
そうして最後の晩餐を堪能し終えたのか、
彼は一旦深呼吸をして呼吸を整え椅子から千鳥足で
部屋にある豪華なベッドへと向かう。
ここで一睡しても何も問題なかろう。
どうせ遅かれ早かれ死ぬ、
だったら眠っている最中に殺してくれと一思いに願いベッドへ飛び込む。
利根川は最後に「もうどうにでもなれ……」と一言呟き、意識を失った。
【B-6/ギャンブル船内 スウィートルーム/一日/深夜】
【利根川幸雄@逆境無頼カイジ Ultimate Survivor】
[状態]:健康 睡眠中 酩酊 自暴自棄
[服装]:スーツ
[装備]:シャトー・シュヴァル・ブラン 1947 (1500ml)@現実
[道具]:基本支給品一式、シャトー・シュヴァル・ブラン 1947 (1500ml)@現実×31本
:特上寿司@現実×63人前 不明支給品0〜1
[思考]
1:もうどうにでもなれ……zzz……
※魔法や理不尽な力が当然にあると理解しました。
※参戦時期は焼土下座終了以降
支給品解説
【シャトー・シュヴァル・ブラン 1947 (1500ml)@現実】
エレガントな香りが特徴の赤ワイン。
現在の価値で最低でも500万円以上。
相場によっては1000万円も下らない時もある。
【特上寿司@現実】
とっても美味い寿司。
築地市場協力。
投下乙
いい身分だな利根川
◆55555IZOcs:2009/10/28(水) 16:03:59 ID:FNk0bxqE
以上で投下終了です。
え〜何かとんでもない問題があればご報告ください。
代理投下終わりです
利根川wwwwww 情けないぞwwww おま、他のOPではまだ覇気があったぞwwwww
高級ワインに特上寿司が大量にあるとかいいのか悪いのかわからんw
現在地も兵藤と近いな
投下乙
利根川先生wwwwwwwww貫禄が微塵もないwwwwwwwwwww
落ちぶれて食べる高級ワインと特上寿司は美味いっすかwwwwwwwwwwwwwww
こんな利根川みたくねーwww
おっと投下&代理投下乙でした
投下乙w
落ち込むな利根川wwwww
兵藤と仲良くしとけw
63人前の寿司www腐るwwwww
投下乙です
利根川wwwwwお前って奴はwwwwww
気持ちは分かるが、やけ食いやけ酒、そして不貞寝かよwwwwww
ところでなんか規制されている人多いみたいだが、
したらばに規制されている人が感想書いたり雑談したりできる用のスレ立てた方がいいのかな
投下乙です
駄目……!これは典型的駄目人間……!心が……折れている……!
ここから復活……できれば勇者……できねば屑……っ!
同エリアに……レズとビビリ……転換点になるか……!
乙っ…!圧倒的乙っ…!
コングラッチュレーション
,―==7 Congratulation! コングラッチュレーション
|く ___ _> Congratulation!
fll`ーU+'
`''、 ー=| おつかれ・・・・・・・・!
_,,..-´:|ヽー-;ー..,,_
. ,−=-, ,,..-‘≡≡:| ><´|≡::|ヽ おつかれ・・・・・・・・! おつかれ・・・・・・・・!
. | l____ヽ.|≡l≡≡≡| |::| |≡:::/::|
. |(llー´_ヽ|≡|≡≡≡|.|:::|l≡::/::::|
.. 4 l__`=|_|≡:|≡≡≡::||:::|'≡/≡|
/|\,.・|::≡:|ヽ|≡≡≡≡≡:::/|≡::| _,,.........、
≡|/}:ヽ|:≡|::::|{≡≡≡≡≡:::{ .|≡::| ヽ_,, ヽ
≡:| |:::|l≡:|≡|:|≡≡≡≡≡:::|. .|≡::| /_> |
:::≡l|:::|'≡:|≡:|::|≡≡≡≡≡:::|. .|≡::| |7 llう.. |
≡≡≡≡/|≡ヽ≡≡≡≡≡::::|. ..|≡::|. z-..,〃、 ム__ ll´.. |
::≡≡≡::/ ヽ≡ヽ≡::|―、≡≡::l ..|≡::| / ミ 1´/ヽ==,...
::≡≡≡| \≡ヽ::| ヽ≡≡l .ljヽl | 刀、ミ _,,,..-`‐三=ー-
::≡≡≡| |ヽ/ー.、.. ヽ≡≡l. .|/ | ノ= ∠i /ヽ、≡≡≡≡≡
:|¬、≡≡ヽ. |≡ゞー=ッ |≡≡| __/ (ll ー゜\|ヽ. /≡::ヽ≡≡≡≡≡
:| ヽ≡≡ヽ |≡≡ヽミ. |≡≡| l|. ll7| ヽu=/l二ll二l'''ヽ /≡:::/≡≡≡≡≡
:| ヽ≡≡ヽ≡≡| |≡≡| | | llヽ|w-ヽ/Nヽll | | /≡:::/≡≡≡≡≡≡
しかし利根川www
せっかくギャンブル船にいるんだからもうちょっとなんとかしろよwwww
>>270 やべえ。レズに心当たりがありすぎて誰のことか調べるまでわからなかったww
そういや、予約延長申請は予約スレでやるの?
現在地まとめですー。
A-5 敵のアジト 兵藤和尊
B-2 火口付近 織田信長
B-6 廃村 秋山澪、白井黒子
B-7 水辺 ゼクス・マーキス、一方通行
C-6 草原 阿良々木暦@化物語
C-4 森 田井中律、玄霧皐月
C-5 森の中の民家 平沢憂、池田華菜
D-3 北 レイ・ラングレン
E-1 吊り橋近く 海原光貴
E-2 学校・職員室 琴吹紬,、千石撫子
F-3 倉庫群 アーニャ・アールストレイム
F-6 展示場内 福路美穂子
F-6 展示場周辺 戦場ヶ原ひたぎ
G-5 宇宙開発局 タワー周辺 片倉小十郎
G-6 民家の中 平沢唯、船井譲次、東横桃子
G-7 市街地 上条当麻
H-4 南東 アリー・アル・サーシェス
ここから未収録
A-1 心霊スポット周辺 伊藤開司、八九寺真宵
B-4 森 伊達政宗、神原駿河
B-6 ギャンブル船内 スウィートルーム 利根川幸雄
D-1 海岸線ファサリナヒイロ・ユイ
D-1 吊り橋 ヴァン、ユーフェミア・リ・ブリタニア
D-2 上空 キャスター
E-6 公園 ルルーシュ・ランペルージ
F-1 エリア南部 バーサーカー
F-1 エリア南部海上 本多忠勝
F-6 高台 安藤守、カギ爪
カギ爪は議論中のようなので一応下に。
>>272 初回で延長はないんじゃないか?
あれ信用払いなんで何作か書いてないとダメだろ
>>274 それは確か2ndルール
3rdルールじゃ延長は可能だぜ
予約延長申請は予約スレでいいかと
本スレに書き込だら流れがね
>>273 乙です
あ、サーシェスは修正されたはず
あとカギ爪も修正完了した模様
>>274 でも「初回で延長は禁止」とか決まっていなかったから延長する人いると思う
最近の兆候だと延長込みで予約する人結構いるみたいだから
もやしも修正されたね
思考は相変わらずだが……もーしょうがない域かな
作品と予約の破棄を申請します。予約スレにも行ってきます。
破棄は無責任とは思いますが、出だしの所でひどい評価である以前にクオリティがひどい作品を収録し、
のちの書き手さんにも迷惑がかかりロワが停滞することの方がよくないと考えます。
ロワの出だしから問題作を投下して、本当にごめんなさい。
投下及び代理投下乙
利根川だめだwww
あきらめんなよ!
ちょwww繊細過ぎるwww
いいんだよ!別に問題点しきてないからそのままで通るんだよ!
じゃないとせっかく考えたルルーシュの続きのプロットがぁぁぁぁぁ!
と、思ったのですが、次の予約競争とか延長申請なしの方に合わせて今日の24:00付で破棄した方がよろしいでしょうか?
ちなみに破棄で空いたキャラと1周したキャラを絡ますのはおk?
>>282 OK
だがもうちょっと待って他のキャラに空きが出るまで待ってもいいかも
>>281 氏が破棄を選択するならそれはそれで一つの選択肢だから止めは致しません
でも破棄を選択するなら早めに申告した方がいいとは思います
無論ここから頑張るのも一つの手です
>>280 ごめんなさい。それなら今からぜひ予約にどうぞ。
わたしはルルが活躍できることを願ってやみません。
>>284 わかりました。今から行ってきます。
>>285 乙です、愉快なルルーシュが退場するのは残念です
いつかまた来られることを期待しております
乙です
破棄とは残念ですが、また来てくれることを期待してます
乙
気に病まずにぜひまた
ヴァン次は『バカ代表のヴァン』と名乗るのかw
やり取りにワロタ
>>262 投下乙!
ダメ・・・!この利根川ダメダメ・・・っ!
カイジ並み・・・カイジ並みじゃダメだろw
>>262 乙ですw
良い意味でとんでもねえw
安藤船井がロワ的な行動とってると言うのにお前と来たらw
どーにでもなーれはねーよw
ホンダムVSバサカは今回は決着つかずか
UBWはその全てが無効化されちゃうのか?
このロワ中に見た剣とかでも?
ところでずっと気になってたことがあるんだが、アーチャーって英霊になる前は何と戦ってたんだ?
やっぱ世界中を駆け回って中東とかアフリカの紛争地帯とかで内戦を収めたりとかしてたのかな?
同志の思想(ガンソ)と嘘のない世界(ギアス)って似たようなもんだっけ
投下乙です
>最強証明――
なんという規格外……
一般人がいたら間違いなく余波だけで死んでたな
>Vince McMahon
利根川さん堕ちすぎだww
果たして再起のときはあるのか
>>293 アニメだとUBWを展開して突貫したところでシーンが終わってるから、
具体的に中で何をしたのか分かんないんだよな
まぁあの世界ならどこにでも火種はありそうだからなぁ
そういう現実的な戦いより、民間人を巻き込むような裏の戦いから人々を救ってたって
ほうがイメージには合うかな
トレーズ、刹那を投下します
>>294 砲撃止まぬ赤原とかにもいたらしい。色々な場所で首突っ込んだんじゃないか
世界の危機を救ったこともあったそうだけど、詳しくは分からないからなぁ
>>295 微妙に違う気がするが、まあ方向性は似ている気もする
太陽光発電所。そこはその言葉で表すには余りにも大規模だった。
ソーラーパネルが数百基犇めく屋根。MSの製造工場と言っても通じるだろう敷地。
G-1及びG-2エリアの陸地の90%以上を占めるその威容は、刹那・F・セイエイを引き寄せた。
「ここならばモビルスーツがあるかもしれない……」
刹那はぼそりと呟くと、見張りが居ないことを確認して発電所に侵入する。
入り組んだ通路を歩きながら、今回の一件について考えをめぐらせる。
(殺し合いか……イノベイターとの最終決戦を前に厄介な事になったな)
既に名簿の確認は終了済み。顔見知りはアリー・アル・サーシェスとグラハム・エーカー。
どちらも危険な存在……世界の歪みだ。少なくとも自分の味方ではない。
奇妙に冷静な思考を巡らせながら、刹那が通路の角を曲がる。
人類初の純粋イノベイターとして覚醒しつつある刹那は、この状況でもなんら普段と変わらぬペースで体を動かせた。
(名簿に乗っていない12人の参加者……普通に考えるならば帝愛の回し者だろうが、こちらをかく乱するための
罠とも考えられる。ロックオンやティエリア、それにこの状況を考えればスメラギ・李・ノリエガがいてくれればいいが)
自分が所属する組織、ソレスタルビーイングの優秀な戦術予報士に考えが至ったところで、刹那は足を止めた。
ゴウン、ゴウン……聞き覚えのある起動音が、目の前のドアの向こう側からしている。
ドアを開けると、そこには――――。
「エクシアの太陽炉……!」
自分のかっての愛機、エクシアに搭載され、今はダブルオーガンダムに移植されたはずの太陽炉が稼動していた。
地下まで空いた空洞から伸びる柱を見回す、円周状の部屋。柱の頂点、刹那の視線の先に掲げられた太陽炉。
複数のパイプに繋がれ、どこかにエネルギーを供給しているように見える。
「何故ここに……」
初めて狼狽したような様子を見せ、空洞を見回しながら部屋を回る。
人力では取り外せそうもないし、そもそも道がないので近づけない。
刹那は名残惜しそうに太陽炉を眺めていたが、入ってきたドアの丁度向かい側の位置まで来て、
初めて太陽炉から目を離した。そこにもドアがあったからだ。敷地面積と自分が歩いてきた距離を考えると、
まだ八割ほどのスペースが残っているはず。まさか、この向こうにも幾つかの太陽炉があるのだろうか。
あるいは、太陽炉を失ったエクシアかダブルオーが……!?
「今行くぞ! ガンダム!」
ドアを開け放ち、駆け込んだ刹那の目に映ったのは……。
「これは……」
『男湯』 『女湯』
『 G N ス パ 』
タwwwイwwwトwwwルwww
タイトルwww
GNスパwww
看板に書かれた説明書きを見る限り、この巨大な施設の面積の約八割が入浴施設らしい。
入る者の愉しみと健康保持を熟慮した、数多の風呂。露天風呂はさすがにないようだが。
「何故発電所に入浴施設が……?」
一瞬困惑する刹那だったが、考えても仕方ない。実際に目の前にあるのだから……。
すぐに落ち着きを取り戻し、支給されたバッグから、車のハンドルほどの機械を取り出す。
それは、首輪探知機だった。周囲1kmの首輪の反応を拾い、表示する。
「本当ならエリアの中心で使いたかったが……ここから先がしばらく風呂場なら、機械を持ち込むのは危険だ」
起動スイッチを押し、ディスプレイを確認する。この機械はどうも欠陥品らしく、常時エネルギーを蓄えているが、
一時間チャージしても一分弱ほどしか起動できないと付属された取説に記載されていた。
周辺のかなり詳しい地形、そして首輪の現在地が表示される。自分の反応は除いて、映った反応はひとつ。
「女湯には……誰も居ないようだ。男湯に一人。この状況で風呂に入るとは、まともな人間ではなさそうだな」
男湯の暖簾を潜り、脱衣所に入って服を全て脱ぐ(全裸)。
腰に置いてあったタオルを巻きつけ、堂々と風呂内部に侵入した。
「電気風呂、ジャグジー風呂、麻婆豆腐風呂、麻雀風呂……なるほど、スパというだけはあるな」
入り口からすぐの掲示板に様々な風呂の案内と見取り図が書かれていたが、それらを物色するほど暇ではない。
刹那は先ほど探知した位置、個室風呂に歩を進める。
十数分後、刹那はその部屋の前にたどり着いた。耳を澄ませば、チャプチャプと水音が聞こえる。
まだ入っているらしい。刹那はノックも遠慮もなく、ドアを開け放って湯気に目をしかめる。
遅れて薔薇の香り。中に入っていた男は慌てることもなく、刹那を見て微笑む。
「私の名はトレーズ・クシュリナーダ。ご覧の通りの男だよ」
「俺は刹那・F・セイエイ。……ここは個室風呂。特徴のない普通の湯のはずだが、何故薔薇が?」
「入浴剤(エッセンス)だ」
男……トレーズが入浴っている浴槽には、薔薇が浮いていた。
薔薇風呂といったところか……刹那は浴槽の隣の、プラスチック製の椅子に腰を下ろし、トレーズに語りかける。
「……何故スパに?」
「私は心の弱い男でね。自分の心が最も落ち着く行動を選択したに過ぎない」
「そうか。トレーズ・クシュリナーダ……お前は、この殺し合いをどう思う?」
刹那が、率直に探りを入れる。
トレーズが、即刻に答えを返す。
「礼節があるとはお世辞にも言えないな。なにせ、非戦闘員さえも巻き込んでいるのだから。
戦争としては、これほど悲しいものはないだろう」
「同感だ」
「だが……これは、戦争ではないのだよ」
「……」
トレーズの言葉の意図を読めず、刹那が沈黙する。
押し黙る刹那に、トレーズが畳み掛けた。
「戦争に礼節が必要なのは、戦争が世界を変える為の物だからだ。強者には弱者を正しく支配する義務がある。
礼節なき殺戮によってもたらされた変革は、世界を、人を変えはしない。支配者が変わるだけに過ぎないのだよ。
一方、この殺し合いはどうだろうね? 勢力も地位も関係ない、純粋な個々人の争い。私は嫌いでは、ない」
「お前は人を殺すというのか。非戦闘員でも?」
「それがこの戦いのルールならば、そうしよう。私は……人間の本質を知りたい」
「……お前は歪んでいる。争いを望む者は、どんな理由があれ間違っている。変革は争いからは生まれない。
対話こそが、変革を誘発するんだ。思い直せ、トレーズ・クシュリナーダ。お前は戦闘狂には見えない。
自分の理想だけが正しいと思うな。自分の理想の為なら何をしてもいいと思うな。お前は正しい事をできるはずだ」
トレーズが、一呼吸置く。
まるで驚いたように。
淡々と会話を交わす二人の動きが止まり、数分が過ぎた。
そして、何事もなかったかのように会話が再会される。
「君は、勝者だな。私とは違うようだ」
「何が違う?」
「君は結果を見ていて、私は過程を見ているということだよ。ああ、君は正しい。
私の理想など、一人の人間の妄想に過ぎない。君の進む道の先には、きっと正しい未来が待ち受けている」
「……だが、お前はその道を歩くつもりはない、そういうことか」
...
「ああ。私は……道を、踏み正せない。世界は戦い続けてきた。それが間違いだったと君は言う。
それでも私は、私だけは、最後の最後まで戦い続けたい。間違ってきた人間の最後の一花として散りたい。
戦うことに疲れた人類の最後のあがきとして、力に置去りにされた心の清算のために、私には戦う義務があるのだ」
「…………」
「私は……敗者になりたい」
刹那が、立ち上がる。
個室のドアの前まで歩き、トレーズに背を向けたまま問い掛ける。
「次に会ったとき、お前の考えが変わっていなければ……俺は、お前を殺す」
「ああ……私と君は、友にはなれない」
刹那は、個室風呂を後にした。
あの場でトレーズを殺さなかったのは、武器がないからでも、肉体の強度で劣るからでもない。
刹那の脳量子波は、トレーズの粛々たる言葉の底に、一縷の迷いを感じていたからだ。
脱衣所で服を着直し、トレーズの荷物らしきものを物色。流石に武器の類は何処かに隠しているようだ。
探せば見つかるかもしれないが……自分にも、一丁の銃が支給されている。
「トレーズ・クシュリナーダ……悲しい男だ」
初めて出会うタイプの男に簡潔に評価を付け、刹那は太陽光発電所を後にした。
万能粒子たるGN粒子にならスパだって可能だよな…!
>>294 きのこが人気投票で砲撃止まぬ赤原を往く、紅の掃討者って
コメントしてるから紛争地域にいたことは確かだろうな
【G-2/太陽光発電所前/1日目/深夜】
【刹那・F・セイエイ@機動戦士ガンダム00】
[状態]:健康、ほっかほか、イノベイターとして半覚醒
[服装]:私服
[装備]:ワルサーP5(装弾数9、予備弾丸45発)@機動戦士ガンダム00
[道具]:基本支給品一式、GN首輪探知機(一時間使用不能)@オリジナル、ランダム支給品0〜1(確認済)
[思考]
基本:世界の歪みを断ち切る。
1:島から脱出する。
2:専守防衛。知り合いがもし居たら合流。
3:サーシェス、グラハム、トレーズに警戒。
[備考]
※参戦時期はセカンドシーズン第23話「命の華」から。
【G-2/太陽光発電所内部・GNスパ男湯個室風呂】
【トレーズ・クシュリナーダ@新機動戦記ガンダムW】
[状態]:健康、ほっかほか
[服装]:全裸
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜2(確認済)、薔薇の入浴剤@現実
[思考]
基本:人の本質を知りたい。
1:この争いに参加する。
[備考]
※参戦時期は後の書き手さんにお任せします。
『支給品解説』
【ワルサーP5@機動戦士ガンダム00】
本編にてアレハンドロ・コーナーが使用していた小型自動拳銃。
何かを主張するかのような金メッキ、エングレービング仕様が施されている。
【GN首輪探知機@オリジナル】
超小型化された擬似太陽炉を搭載した首輪探知機。不可視の改良擬似GN粒子を放出することで、
自分の現在地から周囲1km(エリア1マス分)の首輪の位置をかなり詳しい地形マップ付きで表示する。
擬似太陽炉の無理な小型化により、GN粒子を蓄えるペースが遅く、一時間溜めても一分弱しか稼動できない。
また、常時 擬似GN粒子がダダ漏れであり、何らかの細胞障害事故を引き起こす可能性もある欠陥品。
【薔薇の入浴剤@現実】
薔薇の花びらと香りが濃縮された風呂用薬剤。
一人用の浴槽であれば18〜19回分の使用に耐える量が、プラスチックの器に入っている。
食べ物ではありません。
以上で投下終了です
支援いただき感激の極み
投下乙
状態ポッカポカってwww
なんでそんな無駄にカッケーんだこの二人w
タイトルの出オチっぷりが笑える
投下乙です
何かいろいろとおかしのにかっこいい会話してやがる・・・
投下乙です
当初のネタ臭さに反して、すこぶる真面目な内容……
>ほっかほか
>何かを主張するかのような金メッキ
>常時 擬似GN粒子がダダ漏れであり
>食べ物ではありません
真面…目…な……?w
投下乙
アッー!展開があるんじゃないかと身構えてしまったのは俺だけじゃないはずwww
なんてかっこいいやりとり※しかし全裸でほっかほか
投下乙
相変わらずトレーズ様は独自の世界観を展開しててめんどくさいなwww
そしてそんなトレーズ様と素で付き合える刹那www
ロワなんて戦争以下だと思うけどなwww
投下乙
バラのお風呂でまじめに会話……シュールすぎる
投下乙
支給品が地味にやばいな
投下乙です
まずタイトルでこれはもしやアレな展開かと思ったが、意外に内容は至極まとも
互いの主張が相容れないものか、でもなんでだろう、すごくシリアスな話なのに…なのに…
乙です
でも
>変革は争いからは生まれない。
これソレスタ全否定、マリナ側の主張だからせっさんが言うのはおかしいと思う
せっさん破壊しか出来ねぇとも言ってるし
そういや刹那さんは争いから生まれるものもある!という主張を最後まで貫いた超武力派だった
これってもしかしたらコンビ組むの可能?
それはそれで面白そうだw
>>318 一期ならそうだが、イノベイター化後は死んだような目でウジウジ戦争を否定し始めてなかったっけ?
対話〜ってのが基本主張というか、作品自体の主軸になってたような・・・
投下乙です。
何気にハブられてるアレルヤさんパネェw
刹那が憎むのは争いを引き起こす者で、争い自体じゃないな
トレーズがロワやるぜ!って言ってるのに対しての発言だから、特に問題はないかと
>>322 言われて気づいたわw
>(名簿に乗っていない12人の参加者……普通に考えるならば帝愛の回し者だろうが、こちらをかく乱するための
> 罠とも考えられる。ロックオンやティエリア、それにこの状況を考えればスメラギ・李・ノリエガがいてくれればいいが)
くっそwwww
すいません、WIKI編集した方、
まだ利根川を載せるのは早いのでは?
ハブラレルヤさん…
ソーマ「どうした?」
アレルヤ「なぜだろう……涙が止まらない……」
しかしソレスタでは刹那しか呼ばれてないというw
おっと投下乙。
今日中に来る予定のSSは後何本だっけ?
後、13ぐらい
投下乙!
かっこいいこと言ってるけど、全裸なんだよなあ……
というか擬似GN粒子ダダ漏れとか危なすぎるだろww
アレルヤ「書き手の悪意が見えるようだよ……」
たぶん単なる書き忘れかな、上のはネタです
これは全裸GN空間での語りあいだったんだよ!
バラ演出はBASARAからの輸入からだと思ったが支給品だったのかw
その位地は……逃げてー!ホンダム逃げてー!
まさかこんなに早く「俺がガンダムだ!お前がホンダムだ!」が見れるチャンスが来るとは…w
浅上藤乃、投下します
てん
2 :名無しさん:2009/10/28(水) 18:28:03 ID:AjBYiABk
>>1乙
ヒャッハー!避難所だー!
3 :名無しさん:2009/10/28(水) 18:31:38 ID:Gs.9QN3Q
乙だァ!!
何ださっきのOCN規制はァ!!
去年もそれで(ry
4 :名無しさん:2009/10/28(水) 18:36:18 ID:sLJ9mA2g
>>1 乙であります
規制畜生目
5 :名無しさん:2009/10/28(水) 18:48:06 ID:Gs.9QN3Q
今気付いたけどスレごとにIDって変わるんだな
ちと有り難いね
6 :名無しさん:2009/10/28(水) 18:50:26 ID:eJHuZ78k
規制に苦しむ人結構多いのね…俺もだが…くそぅ
まぁしたらばのお陰で予約や投下は問題ないのが救いだが
7 :名無しさん:2009/10/28(水) 18:59:12 ID:KQ7hZMjI
破棄されたルルもだけど、二巡目の予約とかはどうなるんだろう
8 :名無しさん:2009/10/28(水) 19:06:08 ID:nLogU3nk
ルルは他の予約が全部投下されるまでは保留にしたほうがいいかも
おっとタイミングが悪かった
支援
支援
何処か懐古的な木製壁掛け時計の音に抱かれながら、私は静かに瞼を閉じていた。
一定時間毎に流れる機械的な音が、私に狂気的な悪意を以て迫る。
迫られる原因も、心当たりさえもが皆無なのに、こんなにも私に迫る。
まるで選択を強いるかの様に、私の脳内を、無垢で純粋な結晶体を。
時計の音が巨大なの鎚となり、これでもかと思い切り叩く。あんまりだと思った。
それは、時計の音だったから。だから時間が無いぞ、と言われている様で、酷く居心地が悪かった。
私は刮目し、ゆっくりと古びた椅子から立ち上がる。
痛んだ節がぎいと悲鳴を上げ、狭い部屋を反響した。
今は誰も、誰も誰も、此所には居ない。
それは凄く心細いもので、私には、部屋が何故かとてつもなく窮屈な犬小屋の様に感じられた。
転送された際に負った掌の傷を、何かを焦らす様に指でなぞった後、私はぎゅうと両肘を強く抱く。関節が少しだけ軋んだ。
ふと、床を見る。
不細工な檜板が敷き詰められたそこへは、窓から差し込んだ月光が四角く切り取られ、青白く差していた。
部屋を漂うハウスダストは、立体にも見える光の筋を浴び、銀色に輝き、私へと自慢気にそのダンスを見せ付けている。
私は首に掛けた軍事用ゴーグルを人差し指でこつんと弾き、近くのソファに腰を降ろした。
待ってましたとばかりに舞い上がった塵の黴臭さに息を詰まらせながらも、溜息を一つ。
負傷した掌を無意味に開閉させ、くつくつと肩を揺らしてみる。血が滲む。擦り傷が、痛い。
痛くていたくて、たまらない。
私は、正面の壁に掛かっている鏡に映る自分の顔を見た。そして、純粋に驚いた。
禍々しく歪んだ三日月が、その存在を私へとこれでもかと誇示していたからだ。
……殺し合い、だなんて。本当は恐ろしくて仕方がない。怖くて堪らない。
命が惜しくて、身体が震える。死にたくない。そう、私はこのゲームが怖くて怖くて―――
「私、笑ってる」
―――とても、愉しい。
「信じられない。こんなにも、痛いのに」
私は腰を上げ、肋小屋から外へと通じる扉、その真鍮のノブを握る。
寒気を覚える程の冷たさに何故か快感を感じつつ、私は下界へと足を伸ばした。
半分朽ちた扉をみしりと軋ませながら、私は誘蛾灯へと命を投げ羽ばたく蝶々の様に、ふわりと星空の下へと繰り出す。
肋小屋の中の生温い濁った空気とは違い、外の空気はひんやりと冷たく、凜と澄んでいた。
私はその神聖とも言える空気を肺に見たし、得も言われぬ恍惚感に、目を潤ませた。
蕩ける様な緋色の快感が、私の四肢を支配し、背筋の産毛を逆立てる。
これから自らが起こすであろう行為に、私は激しく嫌悪し、そして同時に強く興奮していた。
物は試しにとばかりに私は言霊を吐き、手頃な赤煉瓦の塀を捻る。
空間、物体。それら融解した様に僅かに歪む様は、明らかに一般的な広義での常識から乖離している。
私は左右に捻れる景色をぼうと見ながら、改めて魔眼の力に畏怖と特異性を感じた。
ところで、急がば回れ、とは誰の言った言葉だっただろうか。正にその通りだ、と私は思う。
行動する前に、先ずは能力制限なるものを確認するのが先であり、無論最重要事項なのだ。
「……やっぱり、タダでは使わせてくれませんよね」
私は溜息を吐き、掌に滲んだ血を指先で撫でる。私の能力は、あの人にしか視認出来ない筈、なのに……。
「もう一度。“凶がれ”」
めきゃり、と、到底塀が発するものではない音が、しかし塀から上がり、そこに走る鉄パイプが右に螺旋を描いた。
嗚呼……なのに、こうしてはっきりと“歪曲”の能力が見える。
緑と紅の、半透明蛍光色の螺旋が、はっきりと。
「なら多分、あの人にも、何かの制限がある……」
私は目を細め、微風に揺れる髪を右耳に掛ける。考察すべき事は、課題は、山積みだ。
首から下げたゴーグル――どうやら赤外線機能や拡大機能もあるらしく夜でも見やすい――を被り、私は右手側を見る。
円くなる事を許されなかった月。それを隠す、高く聳えるそれを、確認する為に。
さあ次は、千里眼。誰かが居れば、とても嬉しいのだけれど。
「私を邪魔するのが化物でも、人でも、何であろうとも」
そうして私は、興奮に火照り紅潮した頬をつうと指で撫でながら、嫌に暖かく絡む唾を飲み込む。
「生きている相手なら……たとえ神でも、凶げてあげます」
ちょっと、出来過ぎかもしれません。制服の私の活躍、初舞台が―――学校、だなんて。
【E-2/学校・校門前/一日目/深夜】
【浅上藤乃@空の境界】
[状態]:健康
[服装]:制服
[装備]:軍用ゴーグル@とある魔術の禁書目録
[道具]:基本支給品一式 軍用ゴーグル@とある魔術の禁書目録 不明支給品×2
[思考]
基本:金なんかはどうでもいい。人を殺したい。式と再び戦いたい。
1:学校に誰かが居れば、凶げて殺す。複数人であれば、千里眼を応用して待ち伏せし、凶げて殺す。
2:学校に誰も居なければ、移動して人に会い、凶げて殺す。
3:幹也に会いたい。
※式との戦いの途中から参戦。盲腸炎や怪我は完治しており、痛覚麻痺も今は治っている。
【軍用ゴーグル@とある魔術の禁書目録】
電磁波などを見る事が出来る特殊な軍用ゴーグル。
【浅上藤乃の能力・制限】
1:魔眼・歪曲
視界内の任意の場所に回転軸を瞬間的に設定し、捻じ切る。
右目は右回転、左目は左回転の回転軸を発生する。
能力発動には回転軸を設置する対象を視認し、「凶がれ」と言わなければならない。
また、対象者が藤乃の存在を認知していなければならないとする。物体は例外。
本来不可視であるこの超能力だが、可視とする。人の目には、藤乃の目から緑色と赤色の螺旋が高速で飛んでくる様に映る。
歪曲の魔眼は、概念、また藤乃自身がこれは曲げられないと認識したものは歪曲することができない。
藤乃の曲がらないイメージのものは黒桐幹也。
射程距離は視界内全域。
余りにも巨大なものを曲げると、反動として視覚に異常をきたす。視覚を失えば、この能力は使用出来ないとする。
2:透視・千里眼
視点位置を空間内に任意で設置し、脳裏に視界を広げて見渡す、また任意で建造物などの内部を透視することが可能。
実際に視点をとばせる距離は、最大でも自らを含む1エリア圏内とする。
また、この能力を使用して、“生きている人間を曲げる行為”、“曲げた結果、人が死ぬ様な物体を曲げる行為”は出来ないとする。
投下終了。
投下乙です
この人は無差別マーダーだよな
学校だと? 紬ちゃん、撫子さん逃げて〜
wiki編集してる人へ
投下作品は修正、議論の場合があるため
本スレへ投下してから24時間はwiki編集しないようにしてください。
■wiki編集の注意点
タイトルや作者ID、下の投下・時系列作品順、キャラ別行動のリンクの追加
死亡者名の赤字、行動表の日付など(例:【Bー4森/一日/深夜】 →【B-4/森/一日目/深夜】 など)
下広告との仕切り(----)の追加
などできるだけ修正する回数を少なくするするよう注意してください。
マッガーレ
投下乙ー
なんだかんだでやばい能力な藤乃の能力として、強すぎず弱すぎずいい感じの制限だと思う。
もうちょっとマーダーが欲しかったところでもあるし、決め台詞もいい感じ。
面白かったよ。GJ
投下乙
未把握だが怖い女だとはわかった。
見ただけで曲げられるのか
てか、紬と撫子が完全に包囲網敷かれてる件について
同エリアに浅上
北東にレイ
北にキャスター
北西にファサリナ、ユーフェミア
酷い……これは酷い……!
追記
南西にバーサーカー
出たーっ! 自殺の手伝いなんて本当はしたくないんです(ニタァ)の藤乃さんだーっ!!
投下乙です。やっぱりマーダーの開始時の描写とか好きだ
索敵能力も何気に高い連中ばっかりだ
投下乙です
快楽に引きずられてしまったふじのんか
ゴーゴル装備で眼から飛んでくってどっかのアメコメ野郎みたいになっちゃたなぁ
>>347 まだ他のロワであった包囲網の方がひどい
南に逃げれるだけまだましw
ちょww千里眼覚醒後かよww
こいつはデンジャーなマーダーだぜ
らっきょ未把握だがこれはこえー!
今回のマーダーはチートキャラが多すぎるぜ…
というかムギちゃん達逃げてー!マジ逃げてー!
対主催っぽいのが海原しかいないとかどんな苦境だぁ!?
あれ?この時期って千里眼つかえたっけ?
南は海だよwwちなみに東に逃げると隣にサーシェスねw
投下乙です
この時期は痛覚残留かw でもそうなると透視だけで、千里眼は覚醒してないんじゃないかな?
しかし強烈なマーダーが東にばかり……w
大丈夫だ、一応ホンダムとアーニャとヴァンとヒイロ(操危機)もいる!
乙
やっぱマーダーだろうと期待してた。ふじのん頑張れ!
盲腸や痛覚麻痺も治ってるのは制限の代わりかな
てん
9 : ◆aCs8nMeMRg:2009/10/28(水) 19:11:29 ID:F9CyMC8.
予約スレの108です
ルルの登場話、まだ書かない方が良いでしょうか?
10 :名無しさん:2009/10/28(水) 19:14:59 ID:eJHuZ78k
俺はいいと思うよー
この調子だと、たぶん残りの登場話が投下されるまであと二日ぐらいかかると見ていいだろうし
11 :名無しさん:2009/10/28(水) 19:21:41 ID:iDIw6LM.
どうだろう、一応ほかに予約したい人がいるかもわからんし…
少し待って様子を見た方がいいのかもね
時間決めてそこまで待つ?
12 :名無しさん:2009/10/28(水) 19:27:38 ID:YuZwrvag
ルルーシュは一巡してから、二週目の予約解禁と一緒がいいんじゃないか
13 :名無しさん:2009/10/28(水) 19:30:19 ID:YuZwrvag
書き忘れ
せっかくだから二週目キャラと絡ませたいと思う俺の希望だけどw
14 :名無しさん:2009/10/28(水) 19:31:58 ID:eJHuZ78k
別にそこまで制限しなくてもいいと思うが…
というか、今晩何人か「予約期限切れかつ延長宣言無し」のキャラが出てくると思うし、どうせだったら今夜0:00から予約解禁でいいんじゃないかな
いや、俺がまだ未登場の某キャラを今晩予約できないか画策していると言えばそうなんだが…w
15 :名無しさん:2009/10/28(水) 19:36:43 ID:dfj7EaZw
規制に巻き込まれた人結構いるんだな
16 :名無しさん:2009/10/28(水) 19:50:16 ID:iDIw6LM.
まあ、待て
0:00になって即予約切れ確認、予約合戦開始はあまりにもどうかと思うぞ
てん
17 :名無しさん:2009/10/28(水) 20:14:17 ID:Gs.9QN3Q
多分11時過ぎごろに駆け込み始まるし、同時投下できない以上ちょっとくらい待つべきだと思うけどなー
一応締め切り内に仕上がりはしてるってわけだし
それにしても最新作はタイトルに全部持ってかれた感がwwwwwwwww
18 :名無しさん:2009/10/28(水) 20:16:05 ID:zVoZ7bhg
投下するよー、て宣言だけでもしれくれればありがたいんだよね
あと最新作wwwなんでもGN着ければいいと思うなよwww
19 :名無しさん:2009/10/28(水) 20:16:52 ID:eJHuZ78k
>>16 でも幾ら平日とはいえ、登場話で72時間以上も掛かるのってどうよって思うんだが
それだけ長い時間の猶予があったにも関わらずギリギリまで完成しないって、自業自得な部分無い?
20 :名無しさん:2009/10/28(水) 20:18:13 ID:eJHuZ78k
それに、どうしても間に合わないのであれば先手を取って今のうちから延長予約すればいいんじゃないの?
その為の延長制度でしょ。「00:00までにはちょっと間に合いませんが、深夜には投下します」って一言書きこんでくれればいいんだし
21 :名無しさん:2009/10/28(水) 20:23:02 ID:FuB7RKnI
まあそこらへんは空気を読むって事でいいんじゃないすか?
何でもかんでも型にはめると息苦しいぜ
22 :名無しさん:2009/10/28(水) 20:23:14 ID:fS7EUW8.
三日はそんなに長くもないよ
土日ならともかく
23 :名無しさん:2009/10/28(水) 20:26:01 ID:eJHuZ78k
まぁ三日が長いか短いかは個人差があるから置いといて、それにしたって「期間内の延長申請」なんてやれるべき事をやらない時点でどうかと思うよ
それ自体は大した手間じゃないっしょ。事前議論で既に延長制度は決まってたんだし、知らなかったって事もとりあえずは無いハズ
決着直前じゃないか?
千里眼に覚醒した直後とも言うけど
>>355 式に盲腸炎殺される直前と考えれば一応戦闘途中からの参戦でも大丈夫なはず・・
向こうのことをぽいぽいコぺピするのもどうかと思うぞ
千里眼覚醒はブロードブリッジ捻じ曲げた時だな
まあ、戦い途中で間違いはない
転載需要あんの?
気になる人は向こうも見てるだろ
いや、決戦中は千里眼覚醒してないはずだぜ?確か。
アニメは手元になかったから確認はできないけど原作の本では式と橙子の会話からまだ覚醒していない事がわかるはず
向こうの1に転載してくれたらいいかもって書いてあったからしてみたけど……
需要なかったか。まあ、向こうでも聞いてみる。
>>366 >「トウコ。あいつ、最後に透視能力まで発現しやがったぞ。ほっとけばとんでもない能力者になる」
ってあるよ
発現しただけで使いこなせないだろって言われたらどっちかわからないから答えられないけど
投下乙
この能力はやっぱ怖いよなぁ……
でもちょっと参戦時期と能力に疑問が
映画のパンフレットだったか、DVDのブックレットだったかで、
橋壊した直後に失明(厳密には視力の著しい低下)してるって書かれてる
あと原作の印象が強いせいかもしれないが、橋を破壊した後の状態でマーダー思考ってのに結構違和感が
橋凶げ以前ならこの思考でも違和感ないけど
>>336>>359-360 ぶっちゃけ邪魔
>>366 千里眼なしでどうやってブロードブリッジの両端を凶げるんだよ
式に敗北する寸前に覚醒、橋の両端を破壊→無痛症に戻って式に助けられる→式が報告、だぞ。アニメでも原作でも
ブロードブリッジ破壊が千里眼と歪曲の合わせ技ってのは間違いない
ただ、それで千里眼使いこなせるようになってのかは、その後すぐ決着ついちゃったから謎
未来福音では使いこなしてる感じだったが
投下乙です
藤乃これはかなり凶悪な眼だ
盲腸炎や怪我は完治しており、痛覚麻痺も今は治っている。ってこれだけ見ると主催者優しいみたいだが藤乃だからな
それと軍用ゴーグルが二つあるのは消し忘れ?
没スレのホンダムとバーサーカーの会話www
>>368 や、透視は構わないんだ。問題は千里眼の方。
あの後橙子が千里眼が加われれば〜〜〜という文をみてまだ千里眼自体は持っていないと思ったのだけれども
っと自分の読み違いだったかな……すまない
>>374 透視能力=千里眼じゃない
>「透視能力――クレアボイアンスか。確かに彼女の能力に千里眼が加われば、それは無敵だ。」
↑これそう取れると思うんだが
うお無駄レスごめん
しかし、痛覚麻痺が治っているのはいいけど、盲腸炎も治ってるのか
痛くなくても能力発現したっけ?
>>378 痛みは関係ない
たまたま病巣を抱えていたので、痛覚が戻ると同時に痛みを感じるだけ
後日談の話では普通に使ってたから使いこなせるようになったんだと思う
設定語りはともかくとして、主催者は色々治療してるっぽいな。利根川さんもだし
まあ数日、数時間で殺し合いもせずに死なれる可能性は、見ている側からすれば取り除きたいのかな
これ以上は議論スレでもいいかもしれん
残り予約数、まだ二桁あるんだぜw
これ以上は議論スレへ
最大であと2時間半の間に2桁も来るのか
そんなことはないだろうけど
今んとこ死者は二名だけか
さて今夜何人増えるか……
>>384 出来ていたとしても投下出来るかどうかだな
その場合は予約延長を申請して貰うしかないかな。ルール的には
投下がギリギリになりそうなのであれば、今のうちに延長申請しといた方が良いですよー、と言ってみる
期限切れと同時に予約を狙ってる人、結構いるみたいだし
何か心配になってきた
まぁそういう時のための延長制度だ
ゼクスと一方通行の修正終わったけど、仮投下スレに落とせばいいかな?
延長申請よりは、投下待ちって宣言するほうがいいんじゃないかなと
ま、確かに延長申請するより、この後投下しますとか言ってもらった方がいいかもね
正直な話、衛宮には彼女がなぜそんなことをやっているのか分からなかった。
だって今は殺し合いだろ。少し考えれば、あの行為が危険だってわかりそうなもんじゃないか。
なのに、アイツはなんであんな事をやってるんだ。命がいくつあっても足りないぞ。
衛宮士郎の人生のなかで、彼の理解を超える現象は、そりゃそりゃたくさんあったし、いわゆる『馬鹿野郎』ならテレビの中でも現実でも、十分見てきたつもりだ。
でも、あいつはそれらを超える超ド級の『大馬鹿野郎』だ。いや、女に野郎は不適切か。
遠目に見ても美人としか言いようのない顔立ちをした少女なのだから、野郎ではなく…………駄目だ思いつかない。
いや、今はこんなことを考えている場合じゃない。急がないと、あの少女の命が危ない。
「あ、アンタ。今すぐやめるんだ!!」
いても立っても居られない。
少女の命が危ないと思うと、衛宮士郎は考えもなしに飛び出していた。
「やめる? いったい何をやめるというのですか?」
「その演説をだ! 自分がここにいるって言ってるようなもんじゃないか」
「えぇ、その通りですが何か?」
そう、衛宮士郎が見つけた少女は演説をしていた。それもマイク越しに。
ただ単に、マイク越しに演説しているだけではない。選挙カーの上に立ち、マイクの音量を(恐らく)最大にして演説しているのだ。
目立つ。一言でいえば、それに尽きる。
おまけに、選挙カーの屋根に付いているライトを全開にして彼女自身を足元から照らしあげているのだから、二言で言っても『とてつもなく』『目立つ』。
「馬鹿なことはやめて、今すぐ隠れろ。殺されてもいいのか?」
「私は殺されません」
どこからそんな自信が出るというのか、少女は凛として言い放った。
彼女の迷いのなさを象徴するかのように、少女の背はまっすぐに伸び、その視線と声は、ただ衛宮にだけ注がれている。
「今は殺し合いをやってるんだぞ」
「殺し合い? あなたはあの方々の言っていることを真に受けるというのですか?」
「俺は違う。だが、全員がそういうわけじゃ……」
「いいえ、おそらく誰も本気になどしないでしょう」
言い切った。
殺し合いを本気にする者などいないと。はっきりと、まったく迷いもなくだ。
少女の言葉は何も知らない無知なる者の妄言。おそらく、誰からもそう思われるだろう。
殺し合いに乗るものがいないなんて、一体誰が信じるというのだ、と。一般人なら大抵の者がそう断じるだろう。
衛宮士郎もご多分にもれず、少女の言葉を妄言・詭弁と判断した……しかし彼の頭には、この時から言葉にできないモヤモヤが少しだけ沸きあがってくるようだった。
そんな衛宮の思いを知ってか知らずか、少女と衛宮の会話は続く。
「人類はあのような言葉に惑わされるほど、愚かではありません」
「だが、俺たちに殺し合えと言った人類なら、ハッキリいたじゃないか」
「あの方々は、一時の気の迷いを起こしているだけです。話し合えば必ず、この行為を止めてくださるはずです」
「んな無茶な……」
無茶、無謀もいいところだ。だが、この自信はどこから来る。戦争を知らない無知さからか。
「話し合えばわかるって……いくらなんでも、無理だろう。大体、話し合いなんて言ってもどうやってやるつもりだ。
アンタはここで演説するしかないし、相手はアンタの話を聞いているかどうかも分からない」
少女と、あの男たちとでは話し合いになるはずがない。それは誰の目にも明らかだった。
「いきなりあの方々と話し合おうとは思いません。まずはこの場に連れてこられた不幸な被害者たちと話し合います」
「被害者……?」
「えぇ、突然理不尽な事件に巻き込まれ、承諾したわけでもないのに身勝手なルールを押しつけられ、
さらに命までも掛けられてしまった方々はゲームの参加者ではありません。ただの被害者です」
「そいつは道理だが、それでもゲームに参加する奴はいるかもしれないぜ」
「おりません!!」
綺麗だが、若干釣り上がり気味の瞳をもって、睨みつけるように宣言する。
絶対の自信、いや、殺し合うものなどいるはずがないという自信を超えた確信。
何なんだこいつは……衛宮の中に、迷いとも戸惑いともつかない奇妙な思いが沸きあがってくる。
「なんでそう言い切れるんだ」
「あなたがゲームを拒否しているからです」
「な……」
予想外の答えが来た。確かに衛宮士郎はゲームに乗ってないが……それは厳密にいえば答えになっていない。
「あなたの右手には、銃が握られています。私を殺すことができる武器です。
銃口を向けて、引き金にほんの少しの力を入れるだけで、私は死にます。
しかしあなたは発砲しません。それどころか、私の命を心配してくださるご様子」
確かに、士郎は銃を持っているし、撃ってもいない。これはあくまで自衛のための武器だ。
「そりゃ、俺はゲームに乗ってない。でもだからって、他の連中までそうとは限らないだろう」
「いいえ限ります」
「だから、なんで言い切れるんだ」
せめてマイク越しに話すのはやめてくれ。危険すぎるんだよ。お願いだ理解してくれ。
そう思いながらも、士郎は自分が少女の話に少しずつ惹かれて行っていることに気づく。
理屈はない。というより、無理を通して道理を引っ込めるような屁理屈。いや、屁理屈ですらない暴論。
殺し合いに乗るものがいない、などという論は決して成り立たないだろう。
実際、こんな話し合いをしている間にも、死者が出ているかもしれない。
「ある人は、人類の歴史は闘争の歴史、戦争の歴史であると言いました。確かに結果だけを見れば、それは正しいでしょう。
恥ずかしながら私の兄も、ゼクス・マーキスと名を変え仮面をかぶり、多くの命を奪っておりました。
そして、トレーズ・クシュリナーダ。彼は戦う行為を正当化し、美化し、戦争を芸術と勘違いるような方です。
私も、そのような方々がおられる事は重々承知しております」
無知ではないのか……ではなぜ、こんな詭弁を吐くというのだ。
「しかしながら、彼らは間違っているだけです。間違いは正せばよいのです。
そして、間違いを正すには唯ひたすらに対話を行う他ありません」
無茶だぜ……
だが、なぜだろうか。衛宮士郎は少しずつ、確実に彼女の話に魅かれていっている。
気がつけば、銃を持つ手は下がり、意識は彼女の話を聞くことだけに集中している。
目立つ事は危険、そう理性では分かっていながらも、彼女の話を聞かずにはいられない。
「……っと、話がそれましたね。まだ、私がどうやってあの方々と対話するのか、その方法を説明しておりませんでした」
少女は一拍置き、話を元に戻す。
彼女は、最終的に主催者と対話するという目的を果たすため、『不幸な被害者たち』と話しあうつもりでいるのだ。
衛宮士郎はとりあえず、ここまでは理解した。ではなぜ、『不幸な被害者たち』と話しあう事が、最終的に主催者と話し合うことにつながるのか。
「繰り返しますが、この殺し合いを強制している方々は間違っています。間違いは話し合いによって正されます。
しかし、そのためにはまず、対話の場を作らねばなりません」
「それがどういう理由で、『被害者』たちと対話することに繋がるんだ」
「認めたくはありませんが、この殺し合いはゲームです。
人々の命を弄び、人間の尊厳を踏みにじる行為がなぜゲームたりえるのか、私は理解したいとも思いませんが、
それでもあの方々がそう呼ぶのならゲームです。そしてゲームであるならば、ルールを守る参加者が必要です」
確かにその通りだ。ゲームと言っておきながら、ルールを破る者だけになったらゲームは成立しない。
「ですので私は、被害者全員に殺しあいの無意味さを説いて回るのです。
殺しあいに参加する者がいなくなれば、自然ゲームは成立しなくなります。
そうなれば、あの方々も私たちと対話せざるを得なくなるでしょう。間違っているとはいえ、ゲーム運営が彼らの仕事なら、何かしらのアクションをとるはずですから」
机上の空論だ……喉の奥まで出かかった言葉は、なぜか発せられる事はなかった。
代わりに出た言葉は、
「そのために選挙カーに乗っているのか……」
「その通りです。ここからなら、私の言葉がよく通ります」
彼女の行為に対する反論ではなかった。
衛宮士郎のモヤモヤがどんどん大きくなっていく。少女はなぜ、殺し合いをここまで否定できるのだ。
無知ではない。少なくとも彼女は、殺し合いを(間違いとは言え)肯定する人間がいる事を知っている。
ではなぜだ。平和に溺れる先進国住民の幻想に縛られているのか……
いや、それはないだろう。それを言うなら衛宮だって日本人だ。彼には一般的な日本人の思考が良く分かる。
いくらなんでも、殺し合いをする者がいないとか、殺し合いをする者は間違っているだけ、なんて言いきる人間はいない。少なくとも彼の知りうる範囲にはいない。
あの組み合わせの予約見た時からこうなると予想してたよw
「殺される危険は考えていないのか?」
「考えております」
「だったらどうして……そんな危険な真似ができるんだ」
殺されるなんて、心のどこかで思ってないから……きっとそうだ。そうに違いない。
心のもやもやは晴れないが、そうに決まっている。この少女は危険を知らずに育ったんだ。
そう考える、衛宮の心を直撃するかのように彼女の言葉が突き刺さった。
「私の父は、この志半ばにして討たれました……その心中は察しようもありませんが、さぞ無念であったろうと思います」
無知ではない。危険すら承知の上だと言うのか。
「しかし、平和の実現はサンク・キングダムの尊い理想。
いえ、サンク・キングダムだけではありません、平和は人類の理想なのです!!
父が無念で果てたと言え、どうして娘の私が、父の理想を踏みにじれるでしょうか。人類の理想を踏みにじれるでしょうか。
そのような事出来る筈がありません」
衛宮は気付きつつあった。自分はこの少女の話に惹かれている。
無理難題。無茶無鉄砲。平和実現のため、選挙カーで会場を遊説するという暴挙。
だがしかし、それでもこの少女はその暴挙をやってのけるだろう。衛宮にもそれが分かりつつあった。
目の前にいる少女は、たとえどんな障害があったとしても、平和のために話し合いだけで突き進む覚悟を持った少女なのだ。
「私の……父の……人類の理想。平和の実現。そのための礎に私がなれるのなら、たとえこの命を捨てても構わないとさえ思っています」
やはりだ。この少女の覚悟は本物なのだ。
「それがサンク・キングダムが掲げる思想、『完全平和』の思想です」
完全平和…………もはや衛宮は言葉も出なかった。
「完全平和実現のため、私はこのような所で躓くわけにはまいりません。それに、あの方々は死者を生き返らせるほどの技術の持ち主。
協力していただけたのなら、本当に殺しあう必要などなくなります。これはある意味、完全平和実現に向けて神様が用意してくださった舞台なのでしょう」
「な………」
支援
主催者の用意した『死者蘇生』さえ、彼女にかかれば平和実現の道具でしかないらしい。
衛宮の心は、すでに名も知らぬ少女にくぎづけだった。むろん、恋愛感情ではない。恋愛や友情を超えた、神を見るに等しい思いが、彼の中に芽生えつつあった。
「そして、この殺し合いは……私に課せられた試練とでも捉えればよいのでしょうか?
この試練を乗り越え、あの方々を説得した時、きっと真なる平和が訪れる事でしょう。
私はそのために、いかなる手段も使うつもりです。たとえその手段が、この身を危険にさらすものであったとしてもです」
その言葉を聞いた時、衛宮の体は無意識に膝まづいていた。
「感服しました……この殺し合いを平和への道具と捉えるなど、俺、いや私には思いもつかない発想です」
「いえ、まだ机上の空論を出ない発想です。私もまだ勉強中の身ですので」
謙虚さも持ち合わせている……やはり言葉もない。
「この私に、貴女の理想実現の手伝いをさせてください。完全平和、そのような理想が本当に実現できるのか、この目で確かめさせてください」
この言葉もまた、無意識のうちに出たものだった。
「顔をあげてください」
いつの間にか少女は、選挙カーを降りて衛宮の前まで来ている。
彼女を彩る金色の髪と、白色の肌は、明かりの薄い夜の帳の下でさえ、神々しく輝いているようだった。
「協力の申し出。ありがたく頂戴いたします。ですが私と貴方は、同じ立場に置かれた被害者。どうか顔をあげてください」
そういって差し出された手にも、どことなく高貴さが漂うようだった。
衛宮士郎はその手をとり、そして再び宣言する。
「殺し合いを止めるため……いえ、平和を実現するため、私の力を役立ててください!!」
「ありがとう。優しいお方。私の名はリリーナ・ピースクラフト。ともに平和な未来を築こうではありませんか」
「俺の……いえ、私の名前は衛宮士郎。完全平和実現のため、協力させて頂きます!!」
支援
えみやん、お前が言うなオブジイヤーです
支援
士郎を越える平和馬鹿支援
【E-4/薬局側】
【衛宮士郎@Fate/stay night】
[状態]:健康
[服装]:普段着
[装備]:グロック17@現実
[道具]:基本支給品一式 不明支給品0〜2(確認済みかどうかは後続の書き手にまかせます)
[思考]
基本:完全平和を実現する。
1:リリーナの意志に従い平和を実現。
2:セイバーに会ったならば、1を手伝ってもらう。
【リリーナ・ピースクラフト@新機動戦記ガンダムW】
[状態]:健康
[服装]:普段着
[装備]:なし
[道具]:選挙カー@現実、基本支給品一式 不明支給品0〜2(確認済みかどうかは後続の書き手にまかせます)
[思考]
基本:完全平和を実現する。
1:選挙カーで会場を回り、殺し合いを止めて回る。
2:1の結果、殺し合いがなくなってゲームが成立しなくなれば主催者に呼びかけを行う。
3:ヒイロ、ミリアルドに会いたい気持ちはあるが平和優先。
※選挙カーの屋根には人が立てるスペースがあります。
※選挙カーの屋根には立った人を照らすためのライトが付いています。
※リリーナはマイク付きで喋っていたため、周囲に声が聞こえているかもしれません。
代理投下終了です。
しえんthanks
投下、代理投下乙!
リリーナは相変わらずとんでるけど・・・士郎w
さっそく死亡フラグが立ってる気がするぞwww
士郎シェロ化フラグ
投下乙です
反発して喧嘩別れするかお互い手を取り合って対主催になるとは予想してたが斜め上杉wwwww
どこぞの人権団体か新興宗教ですか、リリーナ様wwwww
そして士郎はその信者かよwwww
投下乙です
え、リリーナってこんなぶっとんだ人だっけ(思い出補正恐るべし)
そりゃあ士郎も洗脳?されるわ
投下乙
ああ、えみやんがわるいしゅうきょうにはまってしまったぞ
あと、一人称原作と帰ちまうと後続書きづらいと思うんで俺のままでいいんじゃないですかね?
宗wwww教wwwwwwww
投下乙です!w
いやー……いやあ、ここまでぶっちぎられるとなんか面白いw
投下乙です
リリーナ……なんて事を……
近くにヤバイ人がいるの!早く逃げてー超逃げてー
この理想は果たしてロワ中どこまで持つのやら
正義の味方さん、どうかお姫様をお守りください。難しいと思うけどw
え〜と、リリーナも士郎もこういうキャラだとは知ってるがここまでトンデモだっけ?
まあ、ロワの放り込まれたらキャラがどう動くかなんて想像で埋めるしかないけど
いや、面白いからもう通しでいいんじゃないのと思っちゃうがw
投下乙
だけど、これは士郎なのか……?
士郎ではない誰かに思えて仕方がないのは自分だけなのだろうか
418 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/28(水) 22:12:24 ID:5U1zJ2b2
警告を無視し何の危機感もなく丸腰で登校。凛に殺されかける。
懲りずにまたも丸腰で学校へ。ライダーに殺されかける。
不用意に戦闘地域に顔を出し、セイバーの捨て身の攻撃で事なきを得る。
またしても単独行動し、イリヤに監禁され、アーチャーを捨て駒にして脱出。
のこのこ冬木教会に出かけあっさり捕まり、ランサーを捨て駒にして脱出。
/\___/ヽ
/'''''' 士郎'''':::::::\
. | (。), 、(゚)、.:| あばば・・・セイバーは女のこだからあふッうっ・・・
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::| おうッ・・ああッ戦っちゃ駄目ぇ・・・・・
. | mj |=‐ァ' .::::|
\,〈__ノニニ´ .:::/
/ノ ノ -‐‐一´\
士郎さんだから仕方ないね!
冬木教会に出かけあっさり捕まりで思い出したけど
士郎は死者蘇生完全否定派だったね、そう言えば
投下乙ー
……確かにちょっと思考の仕方の変異が急に見える、というか不自然
書き方次第でなんとかなるかもしれないけど……
>>418 だからこそ自分は士郎は軸のぶれないキャラだと思ってたんだよなあ
死にかけようが殺されかけようが。
さすが貴族は格が違った
どんだけ教徒が増えるか楽しみですな
>>主催者の用意した『死者蘇生』さえ、彼女にかかれば平和実現の道具でしかないらしい。
>>衛宮の心は、すでに名も知らぬ少女にくぎづけだった。むろん、恋愛感情ではない。恋愛や友情を超えた、神を見るに等しい思いが、彼の中に芽生えつつあった。
……えー?
士郎はゲームでもアニメでも「聖杯なんていらない」とか言ってたはずだけど
完全平和主義のリリーナもけっこうブッ飛んだ言動してるしな。
ヒイロにむかって「ゼクスを殺れ!」と命令するし
預かった手紙勝手に読むし
どう見ても死の商人のロームフェラ財団の代表になっちゃうし
ヒイロに涙拭ってもらったら「やりました、こいつは堕ちましたわ!」的な笑顔みせるし
EDで全国民にむかってガン飛ばすし
もったいないな
面白い展開なだけに
喧嘩しつつも行動を共にするとかでもよかったかも
投下乙です。なんかハイレベルは話が続くな
まあ、このくらいは次の話でどうにでもなるレベル
気になるなら一人称俺のままにしてくれ、位で良いんじゃね
士郎の参戦時期がいつなのかは判らないが、流石にコレは違和感があるぞ
リリーナの思想にかぶれるようなヤツが、生涯戦い続けたセイバーに惹かれるとは思えないんだが
でもどうすれば世界平和を実現できるのか、という思想面での教えを授けてくれる
人が今までいなかったからなぁ
そんな事は無理だってみんなが鼻で笑うなか、こんな奴に出会ったら……
と奇妙な説得力を感じた。
ちょっとキャラのこなれなさは感じたけど、三回目の士郎にとってこれは面白いんじゃないかな
お姫様と執事(見習い)の取り合わせも面白い
>>427 そういう意見も聞きたいから出来れば議論スレにきてくれ
……何だか大活躍だな、議論スレ
明智光秀、両儀式、投下します。
支援
支援
暗い夜のただ中で出会ったその男は、一言で言うととても気持ち悪く見えた。
ぬらぬらしている。
といっても、男がなめくじのごとく粘液をたれ流しているわけではない。
闇と闇の隙間からはみ出してきたような痩身はむしろ乾いている。てらてらとした粘っこい光沢とは無縁だ。
市街地の一角である。無人なのか、男の立てる音の他には物音一つしない。
望月に満たない心ばかりの月明かりのもと、脱力を通り越して間接が抜けているのではと思うくらいに、男はだらりと両肩を垂らして歩いていた。
それも真っ直ぐではない。
酔っぱらいの千鳥足のような危なっかしい足取りとも違う。
一歩一歩、踏みしめるごとに痙攣のようににぶるりと体を左右に震わせて、S字を描くように歩いている。蛇行しているのだ。
自分で自分の体を引っ張っているようなずるずるとした動きは、少なくとも自然な人間の所作とはかけ離れている。
敢えて表現するなら、やはり、ぬらぬらとして見えた。
えらく気持ちが悪い。
銀と見紛うばかりに研ぎすまされた長髪は、灰色がかったくすみを帯びて腰に届く程に伸ばされている。
前髪も後ろ髪もお構いなしに伸ばされているせいで顔の右半分が隠れてしまっているが、気にはならないらしい。
甲冑を身にまとってはいるが、防具というようりは衣装としても意味合いが強いもののようだ。
防御の要である胴体部分が両腕を含めてほぼ完全に素肌が露出してしまっているのがその証拠だ。
両の肩当てには三本ずつ、剣山のような棘が設えられているが、どこまで有用かは分からない。
全体的に日本の鎧兜を現代風にアレンジしたようなデザインであり、詳しくは知らないがヴィジュアル系というやつに近いのかも知れない。
都会にはよくいる手合いと、言えば言えた。
あぶねえ二人だw支援
なめくじwwww
肌は白かった。
男が歩く度に左右に揺られてうねうねとのたうつ髪からは、まだ天然の美しさのようなものが感じられるが、肌の方はもっと病的だ。
死人の肌を剥ぎ、脱色に脱色を重ねて漂白し尽くしたら、こんな風合いになるのではないだろうか。
両儀式はそこで一旦観察を終えた。どこか投げやりでやる気に欠けた黒曜色の瞳が、”それ”から反れる。
本来、他人に興味を持つことは少ない。だが、現れたのが余りに妙なモノだったため、ついしげしげと眺めてしまったのだ。進行方向を遮るように、暗闇から現れた人間のようなそれは、段々と式に近づいてきている。
参った、と式はほんの少しだけ後悔した。
色々と言われて、人も死んだりもしたようだが状況はどうにもぴんとこない。
仕方ないのでとりあえず習慣になっていた夜の散歩の続きをしよう。そう思い、歩き出した矢先に出会ったのがこの変なモノだ。式の神経は細い方ではないが、いきなりこんなモノに出会って眉をひそめずにいられるほど太くもなかった。
あるいは、同じ境遇にあるらしい黒桐を、もっと身を入れて探そうとしなかった罰かも知れない。
式はそう思った。
式は殺人鬼である。夜の散歩は大抵の場合、抱え込んだ殺人衝動を晴らすために行われる。
とはいえまだ実際に人を殺したことはない。人を殺すと黒桐がうるさい。
人の良さそうな顔が口にする一般論が、式は苦手だった。
式が殺すのは人間でないものか、人間をやめたものだけだ。死霊やら魔術師やらはもう何度も殺してきている。
そうした行為は式の中で厳密に殺人とは区別されており、実行するのに一切のためらいを持たない。
そして、初対面だろうと何だろうと、そうした手合いと式は出会った瞬間殺し合う。
ヴィジュアル系武将wwwwwwwww
式を無視するかのように着々と進行を続けるそれについて言えば、生きてこそいるものの、どうやら人間ではないようだった。
等間隔をおいてそれが続けていた、緩慢かつ近寄りがたい動きがぴたりと止まる。
伏せられていた顔が上がった。男だ。
「お初にお目にかかります。私、明智光秀と申します」
言葉の最後に、蛇のような舌がちろりとのぞいた。一言ひとことが全て吐息で構成されているような、低く押し殺した、それでいて通りのよい声である。
名乗られた名前は、知識として知ってはいた。
実感はない。その知識は記憶を失う以前の式のものだからだ。
両儀の家は家柄として二重人格者を生み出しやすい。式の中にも<<式>>と<<織>>という二つの人格がいた。
二年前、事故に遭って意識を失うまでは。
式が昏睡状態から目覚めたとき、<<織>>はいなくなっていた。<<式>>でも<<織>>でもなくなってしまった式には空虚だけが残り、その結果事故に遭う以前の記憶を自分のものと実感できなくなってしまった。
だから、日本史上有数の知名度を持つ男の名前と、目の前の薄笑みを浮かべ男が名乗った名前が一致することも、人の記憶を見るようにしか認識できない。
どの道、どうでもよいことではあるのだが。
「両儀式」
簡潔に名前だけを言った。無視してもよかったが、別に名乗ってもよかった。その選択に意味はない。
両儀ですね。一言一句に含みを持たせるように、男はゆっくりと復唱した。
「美しいお召し物だ。気丈さを感じさせる顔もまた、美しい。
血を開き肉を裂き、全てを真っ赤な血潮で染め上げたときの、極上の美しさを想像せずにはいられません」
男が片手の鎌を持ち上げた。最初から引きずるように男が持ち歩いていた、半身程もある大鎌である。
支援
式は携えていたナイフを握り直す。愛用のナイフではなく、渡された鞄の中に入っていたものだ。ルールブレイカーというらしい。
添付の説明書によるとは魔術的な要素もあるらしいが、式にはどうでもいい。人を殺せさえすれば、それ以外の部分は興味がなかった。
男の瞳に殺気が宿る。いや、生気が満ちたというべきかも知れない。
「まずは、前菜にあなたを頂くとしましょうッ!」
静かだった男の口調に荒いものが混じった。含まれる感情は間違いなく歓喜だ。
踏み込まれるより早く、数メートルあった距離を式は一瞬で詰めた。
振りおろされた鎌を腰を落としてかわす。肩口をぎりぎりのところで掠めた刃に構わず、懐に入り込んだ式は躊躇なくナイフを突き出した。
切り裂かれた空気が鋭い風切り音となり、吸い込まれるように男の『目』を捉える。初撃は男が引き戻した大鎌の柄によって防がれたが、式はそのまま厚紙でも貫くかのように安々と刃を押し通した。
男が防いだ部分には丁度大鎌の『目』がある。『目』の上からの防御など、式にとってはないに等しい。
男の得物と、男自身。二重に『目』を貫いて式はどちらも確かに殺した。
そのはずだった。
「初めて味わう感触です・・・・・・」
声は式の左手後方から聞こえた。更に言えば、高さも何メートルか上だ。
静かにそちらを見る。眼前から消え去った男が、民家の屋根の上に月を背負って立っていた。
「ですが悪くありません・・・・・・。なかなかの業物を頂けたと思っていたら、こうも簡単に"殺されて"しまうとは」
ね、と。
宝物を見せびらかす子供のような恍惚とした表情で、男は大鎌を持ち上げた。
鎌は式が貫いた部分から正確にすぱりと分断され、更にどうのような力が入ったのか、刃の部分も根本から折れてしまっている。
『目』を貫かれたそれは既に死んでいた。三つに別れた鎌はたとえ形だけ元の通りに戻しても、二度と機能することはない。
「何なんだ、お前は」
あちゃ〜光秀死んじゃったかぁ〜
呟きは、鎌を貫いた式のナイフを寸前でかわし、その上二階建て住宅の屋上にまで跳躍して見せた男の身体能力に対してではない。
青い、暗闇に染み渡るような爛々と輝く深い色合いに変化した瞳で、式は男の『死』を見つめる。
「その目ッ!その目ですよッ!
射竦めるだけで全ての生き物を殺してしまうような、炯々と光る真っ青な瞳!
ああ・・・・・・これだけ距離を空けているのに殺されそうな気がしてたまりません!
どこまでも心臓を鷲掴みにされているようなこの感覚ッ!怖いですねぇ恐ろしいいですねぇ・・・・・・!
う・・・・・・く・・・・・・あっはっはっはっは・・・・・・・・あーはははは・・・・・・!」
「オレの目はモノの死が見える。お前のはドブみたいに真っ黒な色しててね。その上ずず黒い渦を巻いてる。まるで奈落に繋がってるみたいだよ。
オレにはそれが『さぁ刺してくれ』って意思表示みたいに見えた。自分から刺されたがる死を見たのは初めてだ。自殺志願者だってそんな風にはならない。
何ていうか、スゲー気持ち悪い」
がくがくと、ときにはびくびくと全身を震わせて狂ったように哄笑し続けるのを意にも止めず、式は淡々と思ったところを述べた。
体を前に、次に後ろに折り曲げ、「く」の字を鏡合わせにするような動きを続ける男の軟体動物じみた動きは永遠に続くかと思われたが、式が最後の言葉を言い終わると同時に止んだ。
次に男が顔を上げたとき、静止した瞳は、<<直死の魔眼>>と呼ばれる式の両目を、寸分のずれもなくじっと見つめていた。
「・・・・・・何だよ」
「ああ、すみません。その目を抉りとったときの感触を想像していたら、止まらなくなりました」
「おい」
「ですが、前菜はあくまで前菜。食べ過ぎるわけには参りません。今回はここまでといたしましょう」
どうやら逃げるつもりらしい。
だが、みすみすそうさせるつもりも式にはなかった。こいつはどう贔屓目に見てもこっち側の人間ではない。わざわざ殺人衝動を抑える理由はない。
キメエwww
「時をおくのですよ。今の時点でもあなたは相当なご馳走ですが、熟成させれば更においしくなる」
意味が分からない。式はそのままを言う。
すると男は、それは楽しそうににたりと笑い、言った。
「ご自分にもっと素直になられた方がいい。そう申しています」
あなたは何故人を殺すのですか。続けて男が問う。
意味なんてない。そういうもんだ。式は投げやりに答えた。
式の殺人衝動はもともと<<織>>のものだ。いなくなった<<織>>の嗜好を<<式>>が受け持つことで、空っぽになった穴を埋め合わせている。
少なくとも、今の両儀式本人はそう思っている。
「それは違いますね」
男の言葉が、耳元でやけに大きく聞こえて、うるさかった。
「あなたは私とよく似ている。殺人を望んでいるのは他ならぬあなた自身ですよ。
私を殺そうとしたときのあなたは、それはもうゾクゾクする程の殺意に満ちていたにも関わらず、あなた自身はひどくつまらなさそうだった。
もっと楽しまれたら如何ですか。人に苦痛を与えるのは本来、楽しい……とても楽しいものですよ……!
私はじっくり味わうのが好みですが・・・・・・ばくりと一口で頂くのも、また違った味わいがあることでしょう」
違う。男の言葉は決定的に間違っている。
式は殺人を嗜好するが、それは式本人の衝動ではないし、行為そのものには何の感情も湧かない。
だから今の男の言葉は、式のことを何も理解していないただの繰り言だ。こんなのに同類視されるのは死んでもゴメンである。
だと言うのに、あれ程沸き上がっていた式の殺人衝動は、いつのまにか萎えてしまっていた。
おま、式が前菜とかw
ルルブレナイフ代わりかw支援w
「自分に素直な人生程、素晴らしいものはありませんよ。
次にお会いするときは、あなたの骨の髄まで味わい尽くせますよう……。
楽しみにしています」
それだけ言うと、男はあっさりと身を翻した。
飛び降りた先の道路から、風を切るような音が幾度か聞こえ、それもすぐに消える。先ほど見せた、人間離れしたレベルの跳躍を繰り返す音だろう。もう追う事も難しい。
男の、体中をはい回るような視線の感触が、式の心にこびりつくようにべっとりとした影を残していた。
「ちっ・・・・・・」
嫌な感覚を振り切るように呟くと、ナイフを収めて式はあてもなく歩き始める。
後には、中途半端にざわついた気持ちだけが残されていた。
【D-6/市街地南部/一日目/深夜】
【両儀式@空の境界】
[状態]:健康、わずかな苛立ち
[服装]:私服の紬
[装備]:ルールブレイカー@Fate/stay night
[道具]:基本支給品一式 ランダム支給品0〜2
[思考]
1:あてもなぶらつく。
2:黒桐は見つけておいた方がいいと思う。
支援
殺人衝動について語んな
支援
式にルルブレだと・・・!?
っていうか、キメエwwww光秀相変わらずキメエwwww
光秀w
◇
とろけてしまいそうな甘く濃密な血の香り。恨みを叫ぶ敵の怒声。苦痛を訴える味方の悲鳴。そのどれもがたまらなく心地よい。
人を切り刻むときの、血河を切り開く感触も好きだ。血を吹く穴が増える度に、そこから新しい悲鳴が飛び出してくるような気がする。
死が迫っていると知った相手の怯えきった表情など、いつ見てもうっとりしてしまう。
自分が切り刻まれたときの激痛も光秀は分け隔てなく愛している。自分が一歩ずつ躯に近づいていく気分は、まさに有頂天だ。
それらの全てが一度に味わえる殺し合いが、光秀は大好きなのだ。
「一時は何事かと思いましたが・・・・・・これはこれで楽しめそうですね。く・・・・・・んふふふふ」
本能寺にて、敬愛して止まない主君、織田信長への謀反に失敗したところで光秀の意識は途切れている。
燃え落ちる本能寺の中で光秀を討たんとする敵方の武将、片倉小十郎と刃を交えたのが、記憶に残る最後の映像だ。
竜の右目と謳われた男との甘美な勝負は仕切り直しとなってしまったが、その飢えは思いの外早く満たすことができた。
「先ほどのようなご馳走がたらふく用意されているかと思うと、胸が躍ります。
事態は面妖ですが、枷をはめ鎖に繋がれるというのも、たまには悪くない・・・・・・」
既に追いかけられないくらいの距離は取ったと見て、光秀は元のゆっくりとした歩行に戻っている。
馬でも与えられれば移動には困らないのだが、どこにいるか分からない獲物を自分の足で探して回る気分というのも、また格別だった。
「そして何よりも、ああ・・・・・・ああ・・・・・・あああああああ信長公ッ!」
その名を想うだけで感極まった光秀は矢も盾もたまらず大きくその身を仰け反らせた。
だらりと垂れ下がった長髪がかかとにまで至り、円形の怪物のようなシルエットを形作る。
同時に、その手は一振りの大剣を掲げていた。
駄目になってしまった大鎌とは別に、光秀に支給されていたもう一つの武器、主君信長が愛用していた大剣である。
「あなたもこの場にいらっしゃるのですね、信長公ッ!素晴らしい・・・・・・何と素晴らしいことでしょう!安土を訪れる手間が省けたというものです!
竜の右目との勝負は格別でしたが、やはりあなたとのそれほど心躍るものはない。
ああ・・・・・・ああっっふ・・・・・・!
想像しただけで私、どうにかなってしまいそうです・・・・・・!」
信長の品、というだけでただの剣が何倍にも愛おしく感じられる。
剣から漂う魔王の邪気が、妖気が光秀をとり殺さんとまとわりついてくるようで、思わず頬ずりを返したくなった。
信長や、他何名かの知人の存在は、判読しにくい文字で書かれた名簿でも確認している。ここにいることは間違いない。
きめえwwwwwwwwwwww
楽しそうだな、おいwwww
「如何ですか、信長公。今どちらで、何をしていらっしゃいますか。
分かります・・・・・・あなたは誰よりも残忍でッ!冷酷でッ!自分以外の全てを虫ケラのように思っておられるお方ッ!
何者かによって天下より引きずり下ろされ、あまつさえ畜生のように首輪に繋がれるなど、とても我慢できることではないでしょう・・・・・・。
悔しいですか?悔しいですよねぇ。悔しいでしょう。誰かの意に従うことを最も嫌うのがお方ですからねぇ。
私も、今のあなたのお顔を拝見できないことが悔やまれてなりませんよ・・・・・・う、うふふ・・・・・・!
さぞやお怒りのことでしょう!地よ裂けよ、天よ割れよとばかりに怒り狂われている様が、私にはありありと想像できます!
できることならその怒り、私だけで貪ってしまいたい!焼け焦げんばかりの魔王の黒いの炎を、この身に浴びたいっ!
そして、かつてない屈辱に歪んだあなた自身を・・・・・・。
ああ、刺したい!切り刻みたいッ!殺し合いたいッッ!
くくく・・・・・・うっくくくくく・・・・・・んふははははははは、
ふーーあっっはっっはっっはっっはっっはっっ・・・・・・あっハハハハハハハハハ・・・・・・・・・・・・ああ、信長公・・・・・・・・・・・・!!」
得も言われぬ光景だった。
光秀の筋肉がぶるぶると震え、体中の骨が骸骨じみた揺れ方を見せる。
間接という間接が互い違いに捻れ会うようなその動きは、紛れもなく、光秀の地の底から湧き上がるような喜びの現れである。
それはもはや舞踏だった。悪鬼死霊の類でさえ避けて通りそうな、歓喜と狂気のない交ぜになった、いつ果てるともなく続けられる死の踊りである。
誰とも知れぬ手勢に突然拉致され、相争うこととなった64名。人種、戦力、目的、何もかもがバラバラなその中にあって、この明智光秀という男は一人。
「早く会いたいッ!!!」
誰よりも深い、幸せを感じていた。
【E-6/市街地北部/一日目/深夜】
【明智光秀@戦国BASARA】
[状態]:健康
[服装]:甲冑
[装備]:信長の大剣@戦国BASARA
[道具]:基本支給品一式
[思考]
1:一刻も早く信長公の下に参じ、頂点を極めた怒りと屈辱、苦悶を味わい尽くす。
2:信長公の怒りが頂点でない場合、様子を見て最も激怒させられるタイミングを見計らう。
3:途中つまみ食いできそうな人間や向かってくる者がいたら、前菜として頂く。
※ 式に『目』を刺された大鎌@Fate/stay nightの残骸が、に放置されています。
【ルールブレイカー@Fate/stay night】
弟五次聖杯戦争時におけるキャスターの宝具。突き刺せばあらゆる魔術的機能をキャンセルする効果を持つ。
幾節にも折れ曲がった奇妙な形状をしているが、普通のナイフとしても使用可能。
【大鎌@Fate/stay night】
21話に登場。ゲートオブバビロンの中から取り出された、距離を無視して攻撃することのできる宝具。ゲーム版のハルパーの代わりに登場したが、こちらには特に名前はない。
【信長の大剣@戦国BASARA】
ショットガンと剣を武器に戦う信長の得物。大型だが、特に変わった能力などがあるわけではない。
/\___/ヽ
/'''''' 光秀'''':::::::\
. | (。), 、(゚)、.:| ああ・・・・・・ああっっふ・・・・・・!
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::| 想像しただけで私、どうにかなってしまいそうです・・・・・・!
. | mj |=‐ァ' .::::|
\,〈__ノニニ´ .:::/
/ノ ノ -‐‐一´\
なんかとんでもなく危ねぇマーダーが生まれやがったw
変態すぎるwwww
以上で投下終了です。支援ありがとうございました。
並のブラクラよりきついなこりゃ
投下乙wwこいつ気持ち悪いなww
原作でもこんな感じなのかww
式にルールブレイカーとか宝の持ち腐れ過ぎるw
そして光秀は極限にキモいなw
投下乙ー
原作ゲームしかやってないけど、アニメ出展でも変わりないのなwwww
期待せざるをえないwwwwwww
投下乙です
明智wwwキメェwww式がやる気なくすのも納得だわ
それにしても何気に式あっさりと宝具破壊してやがるw
投下乙です
光秀は光秀としかいいようがないなw 好き勝手絶頂しそうなテンションだなwww
式も式としかいいようがないw
ブチ切れて殺すとかならまだ人間味があるけどやっぱり式は式だな
投下乙
光秀の再現率高すぎてふいたwwww
なにこの気持ち悪い人(褒め言葉)
そりゃ式もどん引きだわwwww
投下乙
式にルルブレとか対魔術に突き抜けてるのーw
つーか明智キモスwwwwwwwwwww速水ボイスで脳内再生余裕でしたwwwwwwwwwwwwww
乙です。
きめぇ、きめすぎるwww
光秀が滅茶苦茶やばいよ……あらゆる意味でこいつは危険だ。
これは、式の気持ちに心底同意せざるを得ないぜ。
しかし光秀、信長が自分より先に死んでしまったら確実に荒れ狂いそうだな……w
ファサリナさんといい勝負ができそうだw>光秀
投下乙です
ちょっ!なんという変態ww
コイツは読んでて面白いマーダーだ、活躍大期待
そして、式にルルブレだと!?
……純粋に今後が楽しみです。さてどれだけの支給品破壊が起きるやらw
光秀に殺された奴は死んでも死にきれない思いになるだろうなあw(よりによってあんな変態に的な意味で)
投下乙です!!!
光秀キメぇwwww
つーか怖いしキモいしで近付きたくないなww
短いですが、自分も投下しますー
さすが光秀wwいい味だしそうだ
支援
支援
支援
「う……っく、絶対に……絶対に止めなくちゃいけないのです……っ」
真っ暗な空間を照らす月明かりを背に受けながら、1人の少女が体を震わせながら絞り出したような声を漏らす。
彼女の名前は月詠小萌。12、3歳程度にしか見えない135センチと言う小柄な体躯に、黄色い安全帽と真っ赤なランドセルが似合うであろう愛くるしい容姿。
その身に纏う緑色のウサミミフード付きぶかぶかのパジャマとそこから覗くふわふわな桃色の髪の毛。単体でも絶大な威力を誇るそれらは絶妙に組み合わせられることにより、少女の持つ無垢な愛らしさを極限まで引き出していた。
その筋の人が見れば確実に狂喜乱舞するであろう、神に愛された体を持つ少女。しかし、彼女にはいくつか問題があった。それは些細な、しかし重大な問題。
1つ目。彼女の年齢が、12歳を軽く上回ってしまっていると言うこと。2つ目。彼女の職業が、小学生どころか高校生を教える教師であると言うこと。
初対面の人に話しても全く信じてもらえなさそうな問題を抱える少女の部屋には、缶ビールや吸殻で山盛りになった灰皿が常備されているらしい。
そんな彼女の顔からは今、笑顔が消えてしまっていた。あどけなさの残る表情は硬く強張り、目尻にはうっすら涙が浮かんでいる。震える体を押さえつけるように、ぶかぶかのパジャマの裾を押さえる指先もまた、どうしようもなく震えてしまっていた。
耐え切れないかのようにぎゅっと目を閉じると、先ほどの光景が鮮明に浮かんできてしまう。
帝愛グループ。バトルロワイアル。殺し合いのゲーム。ぺリカ。
漫画やゲームの中でしか聞いたことの無いような単語。理不尽に突きつけられたそれらに取り乱すことも頭ごなしに否定することもなかったのは自らが身を置いている環境もまた、外の世界からすれば御伽噺のような世界だからだろうか。
230万もの超能力者たちが暮らす街、その名も学園都市。その学園都市の教師としての経験をもってしてもこの状況は信じがたいものがあった。
……そう、信じがたいものはあった。が、彼女にとってそんな事は取るに足らない些事に過ぎなかった。
問題は、彼女が守るべき子供の命が簡単に奪われてしまっていると言うこと。
脳裏をよぎるのは、勇敢にも沿道と名乗る男に立ち向かった少女。怖かっただろう、泣きたかっただろう、それでも家族を守ろうと立ち上がった少女。
その未来ある命を、なんの躊躇いもなく奪い取ってしまった遠藤。
許せなかった。
小さな体を震わせているのは、目尻に浮かんだ涙は、恐怖なんかでは決して、ない。
少女の未来を、希望を救えなかったことによる後悔の涙だった。
そしてもう一つ。
遠藤と共に、淡々とこのバトルロワイアルの説明をしていた銀髪のシスター。
彼女の姿には見覚えがあった。と言うより、小萌からすれば彼女は手のかかる教え子のようなものだった。
彼女名前はインデックス。食欲旺盛で天真爛漫な彼女の事を、勿論可愛く思っていて何度か世話をしてあげたこともある。
だが……あの場に映っていた少女の様子はそんな普段の様子とはまるっきり真逆。
名前を出さなければ……あるいは出されても別人かと思うような豹変っぷりに違和感を感じるが、ふと思い返して見れば小萌には彼女のその姿を一度だけ見たことがあった。
それは、7月19日の事。
いつものように自室で煙草を片手に缶ビールを楽しんでいたところに、ツンツン頭の手のかかる教え子が飛び込んできた。
切羽詰った様子に加えてその背には酷い怪我をしたシスター――インデックスが抱えられていたのだが……先ほどのモニターで見た様子と全く同じ感じだったのである。
今でこそ食いしん坊なシスターと言う印象を持っているが、初めて会ったときのインデックスは先ほどのように淡々と自分の命すら計りにかけるように喋っていた。
そうだ、あの時も彼女は――そう、魔術と言う言葉を使っていた。
――なにせ我々は……《金》で《魔法》を買ったんだからなッ!!
遠藤と言う男も、ニュアンスは違えど《魔法》と言う単語を発していた。
大抵の事を科学で証明できる街に住んでいるが故か、小萌は魔法と言う概念を信じることが出来なかった。
しかし、今回も……そして7月19日のあの夜も、科学だけでは証明できない現象が起こっている。
(かと言って、魔法でぱぱーっと蘇生できるんなら誰も苦労はしないのですよ。……きっと、何か理由がある筈なんですっ!
シスターちゃんがあんな風になっちゃたのにもきっと、何か理由が……)
考えたくもなかった。あの純粋な少女が自らの意思でこんな事を起こしているだなんて。
小萌には、どうしてもそんなことを考えたくなかった。
ふと思いついたのは、学園都市の中にもいる洗脳系の超能力者の存在。超能力者がいるのならば、魔法使いの中にもそれに類する能力を持っている人物がいてもおかしくはない。
もしかしたら、少女も洗脳されているだけなのかもしれない。本当は泣き叫んで助けを呼んでいるのかもしれない。
証拠は、ない。親しい存在を悪と断ずることが出来ない弱い心が産み出した都合のいい妄想なのかもしれない。
でも、だけど、だからこそ――
「きっと、救い出してみせるのですよ。どれだけみっともなく足掻こうとも、先生はシスターちゃんを救い出してみせるのです」
助ける。助けてみせる。
科学も魔法も、理論も理屈も、大人も子供もない。
子供が救いの手を求めているかもしれない。月詠小萌と言う存在の行動理由は、つまるところそんなちっぽけなものだった。
◆
震えていた体にはもう、力が漲っている。
自分の行動をウジウジと悔いている暇はない。ともすれば後悔の淵に沈んでしまいそうな心に言い聞かせながら、デイバッグの中を漁り始める。
支援
地図、名簿、食料、水、メモ帳、筆記用具、ルールブック、デバイス、腕時計、懐中電灯、 応急処置セット。
それらのものを一つ一つ確認しながらぐるりと辺りを見回してみる。
後悔しきりで気付いてなかったのだが、冷静になって暗がりに目を凝らしてみれば見覚えのある景色が広がっていた。
彼女のホームグラウンドとでも言うべきそこは――教室だった。
綺麗に並べられた机に堂々と姿を晒す黒板、そこかしこに張られたプリントや習字、デンと鎮座する教卓。
流石に細部は違うものの、そこは慣れ親しんだ教室の中だった。
単純だがそんな事実に気をよくしていたのだが、名簿を確認した途端彼女の表情が一瞬で青冷めてしまう。
○上条当麻/○御坂美琴/○白井黒子/○一方通行
どれもこれも、彼女の良く知る名前だった。
4人のうち3人は直接関わったことない生徒。そして、上条当麻はともかく残る3人は心配するのが失礼なくらいの能力者。
だが、守るべき生徒であるということに変わりはない。なまじ力が強いからこそ、こんな殺し合いに参加させたくはなかった。
自分の名前が載っていないことも気になるが、最初に説明していた名簿から引かれていると言うメンバーに含まれているんだろう。
それよりも、気になることがあった。
(うぅ、上条ちゃんがそこはかとなく不安すぎるのですよー)
上条当麻。
彼女の教え子なのだが、この中では一番の頭痛の種だった。
不幸不幸と言いながら自ら率先して危険な場所に突っ込んでいく、片っ端から女の子とフラグを立てては少女の幻想をぶち壊す。
いつか殺されちゃうじゃないんでしょうかー? と思わなくもないそのフラグブレイカーっぷりは、きっとこの舞台でも遺憾なく発揮されているのだろうと思う。
無能力者でありながらさながら爆心地に飛び込んでいくさまは、勇敢よりも無謀に見える。こんな舞台じゃ特に。
爆破に巻き込まれたり誰かを守ろうとして崩れ落ちる上条を想像してしまいあわあわと慌てながら、とりあえず彼らを見付け出す事を第1目標に考えると今度は支給品の確認を始める。
魔法や魔術と言った不確定で情報のない力が蔓延る舞台を丸腰で歩くのは、流石に危険だろう。
がさごそと中を漁っていると、何やらチューブのような物に指先が触れる。
一体何なのだろうと思いながら取り出したチューブには――
「こんでんすみるく?」
可愛らしい牛さんの絵と共にそんな言葉が書いてあった。
眩暈がした。
よりにもよって、コンデンスミルク。
こんな物がこの状況でなんの役に立つのだろうか? あまりの貧乏籤を引いてしまったショックでとある人物の台詞を真似てしまいそうになる。
合法ロリキター
支援
白いのキター
萎えかけそうになる心を奮い立たせながらも、落胆の色を隠せないままにうなだれると力が抜けた指先からチューブが零れ落ちる。
それは、殆ど反射的な行動だった。
落ちたチューブを拾おうと手を伸ばす。同時に一歩足を踏み出す――が、コロコロと転がったチューブはまるで意思を持ったかのように踏み出した足の裏へ滑り込む。
ぎゅむ
と、全体重を乗せられたチューブが苦しそうに体を逸らす。
必然的に、チューブの口は小萌の靴の側面から顔を出し、中身を吐き出そうと苦しそうにぷるぷると震えている。
が、キャップを押しのけるほどの力はないのかその状態のまま事態は硬直。
安心したのか足を上げようとした瞬間、床に落ちた衝撃で緩んだキャップがついに限界を迎える。
びゅるるるるるっ
聞くに堪えない擬音を発しながら、苦しみから解放されたチューブから大量のミルクが放たれる。
限界まで押さえつけられていた彼らの勢いはすさまじかった。
ぴょこんと揺れるフードの奥からチラリと覗くふわふわとした桃色の髪を白くべったりと彩り、驚愕に見開かれた目元から可愛らしい真っ赤な口元まで満遍なく白い液体がかかっている。
呆然としながらパクパクと口を開け閉めしているせいか、口端からツ……と一筋白い液体が零れ落ちパジャマに染みを作っていた。
ドロリとした白い液体を全身に浴びた衝撃のせいか頬は薄く染まり、無意識にチロリと真っ赤な舌で唇を舐める。
冷静になろうと、大きく深呼吸。
そうしてやっと落ち着いたのか、口を開き今度こそ台詞を拝借した。
「不幸なんです――――っ!!?」
【E-2/学校・3-A/一日目/深夜】
【月詠小萌@とある魔術の禁書目録】
[状態]:健康、ミルクまみれでベタベタ
[服装]:パジャマ
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式
[思考]
1:不幸なんです――――っ!!?
2:上条ちゃん及び他の学園都市の生徒を探し出して保護。
3:困っている人がいたら保護
4:シスターちゃんを絶対に助ける
[備考]
※本編6話以降からのからの参戦。
※コンデンスミルクが飛び散っています。
以上で投下終了です
支援どうもありがとうございましたー!!
支援
っと、タイトルは「桃色教師のあいしかた」でお願いします
乙です。
ミルクぶっかけかよ先生w
他の誰かが見たら、確実に疑われてしまうぞww
そして、本家を入れて不幸発言がまさかの三発目……なんというシンクロニシティ。
てめぇwwwww絶対アンタロリコンだろwwwww
GJと言わざる負えないな
へ、変態だー!(AA略
ていうかタイトルwwwwwwww
投下乙です!
そしてロリコン乙wwwwwwwwwwwwwww(褒め言葉です)
投下乙
ぶっかけwwww
これがやりたかったのかwww
投下乙
コンデンスミルクwww
これは貴重なロリ要員ですな
投下乙ー
誰か!誰か早くこの話をイラストにするんだ!
……ってE2の学校に人集まりすぎー?! そこには守るべき生徒もやばすぎる生徒もいます、先生
そこはかとなく死亡フラグが乱立させながらの大好きな小萌先生の行く末に期待
えっちなのはいけないとおもいますが、
これはあくまでミルクがかかってしまっただけなので白!白です!
投下乙です
って、ミルクぶっかけってアンタ!ww
合法ロリになんて事を!!あ、合法だから(ry
にしても学校ヤバ過ぎ!逃げてーみんな逃げてー
E-2がとんでもねぇ戦場になりそうな予感……
とりあえず危ない連中が集まってるって事で、ここまでに出てきたマーダーを上げてみる。
○無差別
織田信長、兵藤和尊、アリーアル・サーシェス、キャスター、バーサーカー、浅上藤乃、レイ(カギ爪最優先)、明智光秀(信長優先)
○奉仕
憂(唯)、ファサリナ(カギ爪)
○日本人限定
ユーフェミア・リ・ブリタニア
○ステルス
船井譲次(優勝以外に生還方法があるのならそちらに移行予定)
後は、ひたぎが奉仕マーダーっぽいぐらいかな。
ステルスモモはあくまで「生還の策を横取り」ってスタンスだから、マーダーとは断定しにくい。
トレーズもマーダーじゃね?w
そうは見えないが一応乗るっぽいぞw
投下乙www
ミルクぶっかけとかwwwww
ホンダムが抜けてるぞ
投下乙です
外見ロリに白い白濁液、なんて危険な組み合わせ
>タイトルは「桃色教師のあいしかた」
ちょwwwww
一つ気になったこと。
美琴と一方はレベル5で有名だから知っていても不思議じゃないが、黒子まで知っているのか?
ホンダムはマーダーとは言い難い
何でよりにもよってE-2の学校ばかりに
一応E-7にも学校はあるんだぞ、と書いておこう
隣に変態がいるけどなw
>>507 兵藤以外、無差別がやばいのばかりだな……
トレーズも一応は乗るっぽいけど、スタンスがまだ分からないから何とも言えんな。
E−2に集中しててもいいじゃないかw
でも適度に分散してくれよw
>>511 小萌先生は原作でもアンチスキルの同僚いるし
ジャッジメントの生徒を知ってても不思議ではないし
一度見た生徒の顔と名前は全部覚えるっていう描写が原作であったような
投下乙
しかしコンデンスミルク一本のみとは
今のところ一番はずれ支給品じゃないのか?
マーダーのほとんどが質高すぎてタイマンじゃきついのばっかだなw
>>519 まあぶっちゃけ、まともな武器でも先生の体型じゃ扱うのはむz(ry
ホンダムの根底は民を守るだから、一般人はきっと守る対象だと思う
この面白変態的な流れに逆らう作品ですが投下します
>>511 一応大能力者でジャッジメントですし、名前くらいは知っててもおかしくないかなー
と判断してこんな感じにしました
黒子の事は知らない事にしといた方がいいですかね?
支援
支援
(そういや黒子はそれなりに有名だったけ)支援
「やっぱり泳げないよな……」
僕は無意識に呟いた。
支給されたデバイスで位置を確認してみるとエリアF-2。遺跡のある小島の一角らしい。
地図を見る限り、向こう岸に渡る為の橋などは見当たらない。
少し散策した所、見つかったのは小型のモーターボートが一隻。
但し、対岸に。かろうじて目視出来る距離だ。
デバイスに付属している方位磁石によると、だいたいF-1辺りに停泊している。
対岸までは別に水泳が得意な訳でもない僕にはとても泳ぎきれる距離ではない。
正直手詰まりだ。
だからといって、こんな所でじっとしていても仕方がない。
先ほど確認した名簿にはよく知る名前が二つあった。
両儀式と浅上藤乃だ。
両儀式。
人を殺せない殺人鬼。
あらゆるモノの死が見える特別な目の持ち主。
彼女は強い。こんな馬鹿げたゲームで人を無差別に殺したりしないし、簡単に殺されることもないはずだ。
浅上藤乃。
死に接触して快楽する存在不適合者。
視界内の任意のモノを捩じ曲げる超能力の持ち主。
かつては、復讐の末の殺人者だったが。既にそれは解決した問題だ。
無差別に参加者を殺すとは思いたくない。
他にもまだ13人分名簿に載っていない名前がある。鮮花や橙子さんが参加させられている可能性だって十分あるのだ。
式とは合流したいし、浅上藤乃の存在も気になる。
それに自分だけ、逃げの姿勢をとりたくなかった。
先ほど見せしめとして目の前で殺された少女。
大切な家族を想い、勇気を持って壇上に上がった少女。
彼女のような何の罪もない人たちがこの会場には恐らく多くいるだろう。
そんな人たちがいるのに、僕だけ逃げの一手を考える気にはなれない。
僕には式のような戦う力はない。守る為でも、相手を殺すための引き金を引けるか分からない。でも、反攻の意思は示し続けたい。見せしめになった少女のように。
だから僕はこんな所に隔離されている気はない。
しえん
参加者全員に支給された物品ではこの窮地を脱す手助けにはならない。
周囲に特にめぼしいものも落ちていない。
だったら、この状況を切り抜ける術をこのゲームの命綱ともいえるランダムアイテムに賭けるしかない。
そんな神様にも祈る気持ちで取り出したランダムアイテムは―――。
たった一冊の本。タイトルはバトルロワイアル観光ガイド。
「―――なにこれ?」
驚きとイラつきが僕の頭を過ぎった。
観光ガイドなんてこの場で何の役に立つのか。
付属している説明書には、
・バトルロワイアルをより盛り上げる為に用意された施設。
その魅力を存分に詰め込みました。
殺し合いを有利に進めるマル秘情報も満載!
確かに地図を見ると、確かに象の像やらショッピングセンターとか殺し合いの会場とは思えない変わった施設が多く書かれている。
だからといってこんな参加者をあざ笑うような観光ガイド。
これを入れようと決めた奴は楽しんでやったと思う。
投げ捨てる衝動を抑えつつ、とりあえずこの小島にある唯一の施設である遺跡のページを捲って見る。
【F-2/遺跡】
・神根島の遺跡をそのまま移築しました。
太古から伝わる遺跡に歴史のロマンを感じながら、凄惨な殺し合いを楽しむことが出来ます。
申し訳ありませんが、ゲームの進行に関係のない思考エレベータに関しましては、現在機能を停止させております。
【マル秘情報!】
・遺跡には隠された地下道が存在します。どこに繋がっているかは入ってからのお楽しみです。
前半の文章で、破りたくなる衝動にすら駆られたが、一つの文章が目を引いた。
"遺跡には隠された地下道が存在します。”
最初は大はずれだと思ったが、どうやらそれは見当違いだったようだ。
少なくともこの場では大当たりも同然だ。
選択肢なんてない。地下道がどこに繋がっていようが、進むしかない。
僕は覚悟を決めて、遺跡への一歩を踏み出した。
【F-2/遺跡前/一日/深夜】
【黒桐幹也@空の境界】
[状態]:健康
[服装]:私服
[装備]:なし
[道具]:デイパック、支給品一式、バトルロワイアル観光ガイド
[思考]
基本:ゲームに乗らない。ゲームに反抗する姿勢は持ち続けたい。
1: 小島から脱出する為に、遺跡の地下道を探す。
[備考]
※参戦時期は第三章「痛覚残留」終了後です。
【バトルロワイアル観光ガイド】
会場内にある各施設の名称やその特徴、見所について写真と共に掲載されています。
マル秘情報として、普通に見て回るだけでは気づきにくい事柄が載っている事もあります。
・遺跡について
遺跡は神根島の遺跡@コードギアス 反逆のルルーシュR2を移築したものです。
F?1の畔に3人ほど乗れる小舟が一隻あるのが確認できます。
思考エレベータなどの機能は停止されています。機能を復旧させられるかどうかは不明です。
遺跡には地下道が隠されています。
地下道の具体的な場所やどこに通じているかは、後の書き手さんにお任せします。
支援
短いですが投下終了です。
タイトルは 5910 〜隔離された小島で〜 です。
支援ありがとうございました。
投下乙でした
コクトーが簡単なものとは言え情報を手に入れる、かーw
こいつはなんか期待できそうな匂いがするww
投下乙です
離島に幹也一人か……
しかもこれから地下探索、もしかして信長以上にボッチな予感?
施設情報は有力な支給品ですね。有効活用期待します。
投下乙です
情報系アイテムか
どこまで役に立つか疑問だが重要かもな
黒桐は探し物が得意だったな
彼がいればパロロワによくある不幸なすれ違いも激減するはず!
・・・だと、いいけどなぁ
乙です。
流石は黒桐……作中でも殆ど自分の意志を曲げなかったし、
抵抗の姿勢は絶対にぶれないだろうな。
まさかの隔離状態には驚いたけど、地下通路があるとは中々良いアイディア。
そして、探し物が天才的に得意な黒桐に観光案内マップとは、かなりの当たり品……
これは後々に、相当な武器になりそうだな。
投下乙です
幹也が情報収集に動いたら恐ろしいことになる……w
とはいえ場所は遺跡、果たして何が見つかるのかー
投下乙です
孤島に一人寂しくと思いきや思わぬ支給品
いったいどこに通じているのやら
代理投下します、見ている方は支援お願いいたしますー
支援します
『魔女は晩餐』
「首輪に、爆弾、か」
闇夜の公園に、女性の声が響く。
高く澄んだ、少女の声。
その声の持ち主は……何というか、非常に目立つ少女だった。
おそらく、道行く人の十人に十人は振り返るだろう、というほどに目立つ少女。
長い、腰まで届く薄緑、という珍しい色の髪に白い肌、薄い金の瞳、髪と同じ色の細い眉、美しく整った目鼻立ち。
恐らくはその容姿だけでも、道行く人々を振り返らせるには十分であっただろう。 ただし、まともな服装ならば、だ。
そう、彼女が非常に目立つのは、容姿とは全く異なる理由によるもの。 彼女の身を包む、あまりにも奇抜過ぎる衣装のせいだ。
最大限好意的に表現するならば、黒いベルトで飾られた、ファスナー式のつなぎ目の無い白のワンピース、とでも言おうか。
飾り気無く、二本のベルトが巻かれた広い襟。
大きく、肘まで除きこめるほど先が広げられた長い袖。
余白など無く、体のラインがそのまま現れる左あわせの裾。
ベルトは何故か腰ではなく腿の部分に巻かれ、胸の部分から足の先まで伸びるファスナーの合わせから、服と同じ色の靴が覗いていた。
それは、世間一般的には、いや、それほど一般的なものではないが、『拘束服』と呼ばれる代物。
自傷癖のある精神病患者や、重犯罪人の動きを奪う為の服装だ。 粗い布地は、頑丈に出来ていて、暴れても破けはしない。
黒いベルトは飾りではなく動きを封じる為のもので、襟や袖の広さは、それぞれ口や両手を同時に封じる為にもうけられている。
そんな、世間的には極めて異常な格好をしていながら、少女はその格好が当たり前とでも言うように、まるで気にしておらず、何事か思案に暮れていた。
やがて、ゆったりとした、ある種の精錬された動きでもって、己の右手を首元に添える。
そうして堂々とされていると、その奇抜な衣装もそれなりに似合うものであるように見えても来る。
長い袖は、どこか優雅さを感じさせる少女の動作と相まって、舞台衣装のようにも感じられるし、歩みと共に揺れる薄緑の髪が白の衣装とコントラストを描き出す。
余分な動作を出来ぬようにキツメに合わされている為か、豊かな胸や尻のラインがくっきりと現され、夜の闇と相まってか背徳的な美しさすら感じさせた。
支援
少女は、袖の内側に手を伸ばし、そこにある何かに触ろうとする。
袖が引かれた事で現れる、きめ細かな鎖骨のラインより少し上、細い首に、光る金属の輪が巻かれていた。
丸く、すべすべとした、金属質に輝く鉄色の首輪。 表面には何の飾り気も無く、ただ文様のようにつなぎ目が存在するのみ。
少女自身には無論見ることは出来ないが、無遠慮に触る少女の繊手がその硬質な感触を告げる。
「死ぬ、か……」
拘束服に、首輪。
ある意味これほど似合う組み合わせもあるまい。
先刻告げられた内容からすれば、内部に爆弾の込められた、首輪。
どのくらいの量が込められているのか知る由も無いが、容易く首を吹き飛ばすのは少女も確認済みだ。
だが、それにかまわず、少女は首輪を無遠慮に摘み、引っ張る。
数秒間触っていたが、やがてため息一つ。
「本当に死ねるのかな、私は」
まるで、自らが死なない、と傲慢にも考えているかのような口振り。
一瞬、試してみようかという思考が浮かぶが、少女は止めておいた。
首を切られるのはあまり嬉しい経験ではない。
これでもし死ねなかったら痛み損だ。
首を斬られるのと吹き飛ばされるのとどっちが痛いか知らないが、別に経験したいとも思わない。
それに、別に今すぐ死なないといけない理由がある訳でもない。
シャルルやルルーシュ、今居る知り合い達の行いが、どんな結末を生み出すのか、見ておきたいくらいの好奇心はある。
そんな事を考え、少女は手を下ろした。
それきりもはや首輪には構わず、少女は背中に背負った、そこだけが非常に不似合いなディパックの口を開く。
支援
支援
「なんだ、ピザは無いか」
文句を言いながら、ディパックを漁る。
少女には特に目的も無い。 あいにくと生き返らせたい知り合いも特には居ない。 金を貰っても特に使い道も無い。
叶えたい願いは一応存在するが、叶えてもらうのは優勝しなくても可能だろう。
「そうだな、とりあえずルルーシュでも捜すか」
色々と小物を引っかき回して、ようやく参加者名簿を見つけ、目を通す。 他に興味を引くものは無い。
殆どは知らない名前、何処かの歴史で見たような名前もあった気がするが、特に関心は抱かない。
名簿の中で、見知った名前は2つ。ルルーシュ・ランペルージュと、枢木スザクの二人。
その二人の内の片方、ルルーシュ・ランペルージュという少年とは、色々と浅からぬ中でもある。
本人は知らないが、一応生まれる前から知っている相手ではあるし、ある契約を交わした相手なのだから、勝手に死なれても困る。
枢木スザクのほうは、顔見知りと言う程度の相手。
ルルーシュの父親にして倒すべき敵、世界の半分近くを支配する超帝国、神聖ブリタニア帝国皇帝シャルル・ジ・ブリタニアの騎士の一人。
ルルーシュのかつての親友にして、今は倒すべき相手の一人。
ただ、少女からすればシャルルは多少疑問を抱いてはいるが、別に敵ではない。 シャルルに言わせれば古い同志というところか。
スザクにも、恐らくシャルルから確保の命令が出ているだろうから、拘束はされるだろうが殺されはしないだろう。
だから、特に探す気も無い。出会った時にでも考えればいい。
「しかし主催者というのも気が利かないな、一番肝心のアレが入っていないとは」
小物やら何やら色々入ってはいたものの、少女のお気に入りである、『チーズ君のぬいぐるみ』が無い。
そのことに暢気に文句を言いながら夜の道を暢気に歩き出す。
とことこ、とのんびり歩いて、適当に植林された林の側を通りかかった所で、
突然、少女の姿は掻き消えた。
◇
少女、名をC.C.
無論本名ではない。
彼女の本名を知る人間は皆、遠い昔に居なくなっている。
彼女は、『死ねない』のだ。
『ギアス』と呼ばれる力がある。
王の力とも称されるそれは、人の精神に干渉する超常の力。
他者の記憶を書き換えたり、特定範囲の他者の精神活動を一時的に停止させる力。
どのような能力が現れるかは個人によって異なるし、素養がなければ何の能力も現れない事もある。
そしてC.C.は、そのギアスを与える力を有している。
それはC.C.の持つもう一つの、いや、現在ではそれしか有していないのだが、『コード』と呼ばれる力。
そのコードの力によって、C.C.は不死の存在となった。
物理的な外傷は短時間で再生するし、餓えはしても死は訪れず、年も取らない。
時間の流れより取り残された、呪われし魔女。
そういう存在に、少女は成った、いや、成らされたと言うべきか。
もう、どれほどの昔かも思い出せない過去。
C.C.は彼女にギアスの力を与えた女性に、コードを押し付けられたのだ。
コードとは、力ではなく、呪い。 あらゆるギアスの能力が無効になる力ともう一つ。
いかなる手段を持ってしても、どのような残酷な手段を用いられようとも、死ぬことの出来ない存在にされる、呪い。
その呪いから逃れる手段は一つ。
他のギアス能力者に、それを押し付ける事。
それも、唯の能力者ではなく、ある程度以上にまで力を発現させた者に限る。
誰かに力を与えて、それでハイさようなら、とはいかない。
C.C.に力を与えた女性も、彼女の力がその域に達するまで、じっと待ち続けていたのだから。 理解者の仮面を被りながら。
支援
そうして、彼女は長い年月を生き続けて来た。
望みは唯一つ、自らの死を迎える事。
長い間一所に留まれぬ身である為に、世界中を流れ暮らした。
折りしも時は魔女狩りの時代。 処刑された事も一度や二度ではない。
望みが無い相手は捨ててきた。 力を与えた相手に裏切られた事もある。
超越者として崇められ、そして後に恐れられた事もある。
その手を汚した回数も覚えていない。
人の理より外れ、人を力に誘う魔女。
それが、彼女という存在。
◇
見えたのは、断片的な記憶。
詰め寄る群集、向けられる刃。 自らの身が焼かれる匂い。
数多の方法で与えられ続ける苦痛と絶望。 そして孤独。
甘美な味わいと共に、不快な感情が流れ込む。
それは何処か懐かしくもあり、それがまた更に不快感を呼び寄せる。
苛立ちを紛らわすように顔を離した事で、女性の口から零れた血が少女の頬に落ち、白い肌に赤い筋を記す。
唾液が交じった事で粘度の上がったそれは、ゆるゆると少女の顔を下り、唇の端に流れ込む。
少女を眺めていた女性が、その様を見て、再び顔を寄せた時、突如、今まで動かなかった少女が動いた。
鋭い動作で左の肘撃ちを放ち、そのまま女性の方を向こうとしたところで、
「…………っ?」
支援
バランスを崩す。
表現するなら、急に地面が無くなった、という感じの動きであろうか、背中から布団に転がるように、後ろ向きに落ちている。
いや、実際に無くなったのだ。
2人が居た場所は、太い木の枝の上。
先ほど、C.C.が急に消えたように見えたのは、木の上にいた女性に引きずり込まれたから。
いきなり首を折れそうな力で鷲づかみにされて、一時的に意識を奪われていた為、自分のいる場所を把握出来ていなかったのだ。
そうして、自然の理に従い落下していくC.C.……と思いきや、それは途中で止まる。
それは状況の把握できていないC.C.によるものではない、そうなると当然、原因は消去法で決まる。
肘撃ちされた筈なのに、まるで効いていないといった風情の女性が、片腕でC.C.の右足を掴んだのだ。
「目が覚めていたのですか」
「…………」
暢気をそうに言い放つ女性を、逆さ吊りの姿勢のまま、C.C.は睨み付ける。
気絶している間に付けられたのだろう、左の肩口に追った傷を手で押さえながら。
とはいえ、そんな姿勢からでは怖くも何ともないが、それでも女性の目……があると思われる場所を睨みつける。
それを、まるで子猫が噛み付いてきたとでもいうような風に受け流しながら、腕を持ち上げて木の上に立ち上がる。
C.C.よりも遥かに長身の女性に吊り下げられているため、女性の腹の辺りにC.C.の顔が来る。 豊かな胸が顔を睨むのに少し邪魔になる。
「頑丈なのですね、貴女は」
「あいにくと、な」
関心したように言う女性に皮肉で返す。
お前に言われたくは無い、と言外に込めながら。
実際、女性の肉体能力は異常な部類だろう。
身長こそC.C.よりも高いが、腕の太さはそれほど変わらないようだ。
太ももから尻に至るラインの豊かさは、C.C.の方が上かもしれない。
もっとも胸の膨らみでは完敗だろう、豊かな双丘が服から零れそうになっている。
「服のサイズを間違えていないか? それではまるで恥女だぞ」
「おや」
その言葉の何かが気に障ったのか、女性は空いてるほうの手でC.C.の首を逆手に掴み、そのまま持ち上げる。
手首の動きで身体が半回転させられ、同時に首に体重が掛かり、首吊りの形にされる。
「貴女に恥女などと言われたくないですね。そんな格好で無防備に歩いているなんて、誘っているようにしか見えませんよ」
「お前、に、服装の事で文句を言われる筋合いは無い、な……」
息も絶え絶えに、C.C.が答える。
C.C.も割と恥じらいとは無縁な女性ではあるが、目の前の女性もそれほど負けてはいないように見える。
C.C.よりも長い、ふくらはぎの辺りまで届く紫の髪。
サイズの合わない黒のボディコンスーツとでも言おうか、肩から胸のラインまでが丸見えで、丈も下着が見えそうなほど短い衣服。
衣服と同色の長手袋と、ロングブーツと、とても扇情的な衣装であるが、極めつけはその目。
正確にいえば、目を覆う眼帯であろう。
黒紫の皮で作られたと思しき眼帯をつけていて、瞳どころか睫毛の色すら見られぬのに、何故か正確にC.C.の位置を捕捉しているようだ。
C.C.の苦悶を目にして、僅かに嗜虐的な表情を浮かべている。 その微笑みは、何故かC.C.に蛇を連想させた。
そうして女性は微笑を浮かべたまま、再びC.C.の身体を乱暴に組み伏せる。
まるで膝の上に抱っこをするかのような姿勢にC.C.を固定し、両腕を握り拘束する。
どうにか抵抗しようとするが、力任せに握られた腕は逆にミシミシと折れそうな感触を伝えるのみ。
そうして、女性は器用に顔だけでC.C.の拘束服の襟を肌蹴ける。
飾り気の無い白の下着に包まれたふくよかな乳房が零れる。男ならば確実に獣欲を誘われているだろう。
だが、女性が求めるのは、その少し上。
銀の首をより少し下の位置にある、真新しい傷口。
白い肌に赤く刻まれた痛々しい傷跡。 流れ出した血液が鎖骨の窪みに僅かに溜まっている様に、女性はチロリと舌を舐める。
鋭い上下の犬歯が僅かに唾液の糸を引き、それが重力に従いC.C.の肌に垂れるのと同時に、その傷口に歯を立てた。
えろーす
「……っ……やっ……あ」
痛みで敏感になった肉を再び抉られる痛みに、C.C.が苦悶の声を上げる。
傷跡は、先ほど同じ凶器、女性の犬歯によって付けられたもの。
だが、女性の目的は傷を付けることでは無い。
「く…………ぅ、どんな、つもりだ」
女性は、C.C.の血を吸っているのだ。
傷口を深く抉り、新鮮な血を求めて吸う。
勢いから外れ、肌の上を溢れる血に舌を這わせる。
肉を抉られる痛みと、肌を這う舌のくすぐったさに、C.C.の顔が朱に染まる。
同時に味合わされるのは未知である感覚に、C.C.の全身が弛緩し、女性に身体を預ける形になる。
「く、っ…………ぁぁああぁぁっ!!」
「ふふ……」
C.C.の悲鳴を心地良さそうに聞きながら、ある程度満足したのか女性は口を話した。
唇に付いた血を舐めとりながら、満足そうにC.C.を見下ろす。
普段と違う場所に口をつけたせいで、口の中に溢れた血が少し零れてしまった。
溢れた唾液と混ざって乳房のほうに流れ、飾り気の無い下着に染みを付ける。
「いくつか、聞きたい事があります」
「……っ、ふ、私が、ぁ、答えると思うのか?」
「おや、それではもう少し深く頂くとしましょうか」
「……あっ……ぁうぅぅっっ!!」
支援(今夜はいったい何が起こっているんだ……!?
これは……いいぞ、もっとやれっw
歯の立ててある傷口に、強引に舌を刺しこみ広げる。
中々芳醇な部類の味わだろう。流石に未経験の味には及ばないが、それでも悪くは無い。
本当なら首筋に口をつけて、直接動脈からすすりたいのけれど、首輪が邪魔。
首輪を吹き飛ばしてその生首から零れる血を飲み干すのはあまり嬉しくは無い。
動悸の上昇によるものだろうか、仄かに滲み出した汗の匂いが食欲をそそる。
血液の現象によるものか、はたまた体内に異物を挿入されている為か、息が荒く、頬が染まっている。
まるで欲情しているようだが、それでも涙を浮かべる瞼の奥、未だに鋭い眼光が、そうではないと主張する
この状況で、なお睨みつけてくるその強気な表情が、さらに嗜虐心を刺激する。
「魔女、ですか」
「な……に?」
「貴女は、魔女だそうですね」
「……っ」
断片的な記憶。
古びた映写機に映る風景のように、断続的に見えたもの。
女性の持つ能力の1つではあるが、今はそれは用いていない。
「……ああ、私は魔女だ」
「何が悪いわけでもない、それでも、貴女は魔女と呼ばれ、迫害され」
「…………」
「そうして、長い年月を彷徨い続けた」
だから、それが見えた原因は他に存在している。
C.C.の持つコードの力の内の幾つか。
相手の脳に直接ヴィジョンを叩き込むものが、命の危機に瀕して発動したのだろう。
「……聞きたいのはそれだけか」
「…………」
「おい」
支援
エローイ
支援
聞いたきり、何事か考えている女性に、C.C.が苛立ち紛れの声を上げる。
隠し通したい事柄ではないが、積極的に知られて嬉しいものでは勿論無い。
痛みも多少薄れ、血も少し戻り始めてきた為、C.C.の全身に力が戻り始めている。
だが、それでも万力のような力で握られている両腕は動かせそうに無い。
どうせ呆けるなら力も抜けば良いものを、と表情の見えぬ女性に心の中で文句を言う。
と、そこで再び女性が動く。
三度、C.C.の首筋に噛み付き、再び血をすすり始める。
「ぐ……ぅぁぁぁぁぁあっっっっっ!!!」
既に乾き始めた所に再び口を付け、舌で舐め、吸い、強引に潤いを取り戻させる。
今までの舐めるような勢いとは違い、まるで全身の血を吸い尽くすかのような勢い。
C.C.が甲高い悲鳴を上げ、首を降り、のけぞる。
それにより傷口が広がり、また吸血される量が増えるという循環が生まれ、しばらくC.C.の喘鳴が辺りに響いたが、やがてそれは小さくなっていった。
悲鳴が蚊の鳴くようなものになってもなお、しばらく吸血を続けていたが、やがて口を放す。
C.C.は最早動きはなく、たまに不随意的に反応をするだけだが、それでもその口からは微かな呼吸音が発せられていた。
その様子を見て、女性はC.C.の両腕を離し、自分の膝の上に横たえる。
「貴女の、名前は?」
「…………ぅ」
答える気がないのか、気力がないのか、C.C.は返事をしない。
だが、再び動こうとする女性を見て、何とか声を出す。
全身から血を抜かれる拷問にかけられた経験もあるが、それでも慣れるものではない。
「……っぁ……C.C.……とでも、呼べ」
「それは、本名では無いでしょう?」
「そんなものは、忘れ、た……ぁぅ……本当、だ……、名簿にも、そう書いてある!」
「ふむ、そうですか」
エロイナシエン
常人なら致死量にあたる量を奪ったが、どうやら本当にこの程度では死なないようだ。
もっとも、血を奪われては身体は上手く動かない。C.C.はぐったりとしてされるがままになっている。
両手の袖を取り、自らの身体を抱くように背中に回す。 そして、袖のベルトで両手を固定する。
僅かな抵抗をも奪った後で、足も同じように揃えて固定する。
これで自力では這う事しか出来ない。
襟の部分はそのままにしておく、後でまた血を吸いやすいように。
「気が変わりました」
「…………?」
最初は、殺すつもりだった。
女性に迷いは存在しない。
彼女は彼女の真のマスターの為に戦う存在であり、その為に他者を殺す事等など何とも思ってもいない。
肉体の動きが鈍いことは最初に理解出来た。
全身の魔力の低下も、見過ごす事は出来ない。
名簿から、セイバー、アーチャー、キャスター、そしてバーサーカーなど、手強い敵の存在を知った。
何故ランサーとアサシンの名が無いのか多少疑問を抱きはしたが、それは直に忘れる事にした。 どうでもいいことだから。
だから、餌を求めた。
彼女らはサーヴァント。 それは魂喰らい。
人の魔力を、魂を喰らう事で己の力へと帰る存在。
血を吸う事で魔力を奪い、同時に優勝に近づく。
そういう一石二鳥の行動であったのだが、取りやめる。
「どういう、つもりだ」
「いえ、死にづらいというなら、精々役に立ってもらおうと思っただけですよ」
支援
流石に本当に死なない、という事はこの場では無いのだろう。
それでも、再生するというならば、魔力の補給源としては最適。
持ち運ぶのにも不自由しない大きさであるし、丁度いい服装でもある。
だが、それだけ理由というわけでもない。
大きく、2つ。
二つの理由が無ければ、女性はC.C.を殺して放り出していただろう。
その事に言及するでもなく、女性はC.C.を肩に担ぐ。
「待て、そういえばお前の名前は何と言うのだ」
これからどうされるのか判らないが、それでも何処かに運ばれると理解してC.C.は声を上げる。
「ああ、そういえば自己紹介していませんでしたね。
私は、ライダーとでも呼んで下さい。 一応、貴女と同じく名簿にはそう書かれていますよ」
◇
女性、サーヴァント・ライダー
聖杯戦争という魔術儀式に、騎兵のクラスとして呼び出された存在、故にライダー。
その本名は、ギリシャ神話において名を知られる、怪物、反英霊メデューサ。
人を石に変えるゴルゴン三姉妹の末である。
だが、怪物とは何か?
それは、人にあらざる存在。
人に崇められる存在は神とされ、人に恐れられる存在は怪物とされる。
かつて、ゴルゴン三姉妹とは、大地の神性であった。
だが、その美しさ故に他の神々の嫉妬を受け、追放された存在。
かつては美しい女神であった彼女は、その身に人々の憎しみを受けるようになった。
支援
始めは、身を守るためであった。
己を狙い襲い来る人間達を、倒し、屠った。
そうしなければ、自分が死んでいたのだから。
だが、それがいつからだろうか。
或いは殺した相手の生き血を啜るようになった頃からか、彼女は、自ら人々に害を成す怪物へと成り下がっていた。
始めは、被害者だった筈なのに。
何の罪を犯したわけでも無いのに。
何時しか彼女は、嬉々として加害者になっていた。
その後の彼女がどうなったのかなど、誰でも知っている。
英雄ペルセウスの物語。
怪物は、怪物らしく、英雄の名声の糧となった。
◇
そんなものが、理由であったかもしれない。
背負う荷物に理解されたいとも思わないし、教える気も無い。
ただ、何となく気が進まなかっただけ。
「貧血気味だ、ピザでも寄越せ」
「生憎ですが、食料に食事を要求する権利はありません」
「ケチめ」
宝具は未だ試していないが、用いるとなるとやはり大量の魔力が必要だろう。
そうなると、何処か人の集まりやすい場所に向かうべきかもしれない。
何時の間に元気を取り戻している少女、C.C.の声を聞き流しながら、ライダーは夜闇に消えた。
◇
食料支援
「王の力はお前を孤独にする」
かつてC.C.自身が告げた言葉だ。
果たしてそれは、本当は誰に言いたい言葉だったのだろうか?
遠い昔、一人の奴隷の少女が居た。
名前、名前などどうでもいいことだ。
その少女は、愛されていた。
一介の奴隷の娘は、聖女のように扱われていた。
人々はこぞって少女を可愛がり、彼女の関心を引きたがった。
最初に少女を愛した村人のみならず、何時しか貴族や王族達に宝物のように求められた。
愛される事しか知らない少女は、ただ光に引かれる蝶のように煌びやかな方へと引かれていく。
飢えた子がパンのみを求めるように、ただ己を満たしてくれるもののみに惹かれた少女は、
だからこそ地に落ちた。
愛されることを当たり前と思ううちに、愛とは何かすら理解出来なくなった少女。
その少女が、愛されなくなったとしたら。
その後の話など語る必要も無い。
少女は一人、彷徨い続ける。
呪われた魔女の刻印と共に。
何時しか、己がそのような存在であったことも忘れて。
その少女の失われた力、
受け継がされたコードによって失われた少女のギアス
相手を選ぶこともなく、己の意思で操ることも出来ないほど強大になった力。
それは、『人に愛される力』
支援
【E-6/公園/一日目/深夜】
【ライダー@Fate/stay night】
【状態】:健康、魔力充実、お肌つやつや
【服装】:自分の服、眼帯
【装備】:無し
【道具】:基本支給品一式、C.C.、ランダム支給品0〜3個(本人確認済み、直接打撃系武器無し)
【思考]
基本:優勝して元の世界に帰還する。 仮に桜が居た場合は桜を優勝させる。
1:魔力を集めながら、何処かに結界を敷く。
2:出来るだけ人の集まりそうな街中に向かう。
3:C.C.は負担にならない限りは持ち歩く。
【備考]
※参戦時期は、第12話 「空を裂く」より前。
※C.C.の過去を断片的に視た為、ある種の共感を抱いています。
【C.C.@コードギアス 反逆のルルーシュR2】
【状態】:体力枯渇、貧血気味、左の肩口に噛み傷(全て徐々に再生中)
【服装】:一部血のついた拘束服(拘束中)
【装備】:無し
【道具】:基本支給品一式、ランダム支給品0〜3個(本人確認済み、チーズ君人形以外の何か。 あまり異常なものはない)
【思考]
基本:ルルーシュを探す。
0:満足に動けない。
1:出来ればこの状態から脱したい。
【備考]
※参戦時期は、TURN 4『逆襲 の 処刑台』からTURN 13『過去 から の 刺客』の間。
※制限によりコードの力が弱まっています。 常人よりは多少頑丈ですが不死ではなく、再生も遅いです。
※コードが弱まった事で、C.C.本来のギアスである「他者に愛される力」が弱くではありますが作用しています。(本人は気付いていません)
投下乙
このロワはアレだな、変態ばっかだな
代理投下酋長です。
エロイなさすがライダーさんエロい
代理投下乙です
いやあ、エロいですなw
心理描写もよかったです。確かに似た者同士ですね
光秀と同じエリアか。どうなるか不安だ
透過&代理投下乙
ちょ、ライダーさんお肌つやつやってwwwwエローイ
しかしなかなか不思議な感じのコンビで面白そうな感じ
投下乙です。
だから、今夜はいったい何が起こっているんだ……!?
綿密に書かれた描写とキャラ説明のおかげですんなり映像として入ってきました。
だからこそ、エロイ!!ww
すごく変態ばかりです。同じエリアにもいる変態さんと仲良くしてあげてくださいね。
投下&代理投下乙です
うん、なんだ、そう、描写のエロさが半端ない!
もうエロいとか艶めかしいとかそんなレベルギリギリだぞwww
そして一々描写が丁寧、ゆえにエロさが際立つ、あれ、俺はなんでエロについてばかり…
投下乙です。
てかライダーもC.C.もエロいなおいw
しかし制限があるからといってコード持ちにギアスが戻るんかね?
まぁあったらあったでおもしろいんだけどさw
ふぅ……
投下代理投下乙でした
幾らなんでもエロスすぎるだろjk
>>429の没ssまとめページを作った者だが
特に問題無いよね?
流れが止まった今だから聞いとく。なんかヤバかったなら消しとくからさ
代理投下します
支援よろしく
むかしむかし、あるところにひとりの女の子がおりました。
世の中が乱れる中で、女の子はみんなの笑顔のために戦うことを決めました。
王様となって女の子は戦い続けました。
敵も味方も、たくさんの人が戦いで死んでも、女の子は戦い続けました。
一刻も早く戦いを終わらせるため、一時も休まず女の子は戦い続けました。
辛くて泣き出したくなっても、皆のためにそれを我慢して女の子は戦い続けました。
いつしかそんなことを繰り返すうちに、誰かがこういいました。
「王様は人の気持ちが分からない」
人がたくさん死んでも戦い続けた女の子を、人は冷酷な王様だといいました。
休む間もなく戦い続けた女の子を、人は戦争のことばかりしか考えない王様だといいました。
泣き出すのを我慢して戦い続けた女の子を、人は泣く事を知らぬ王様だといいました。
幾度か繰り返した戦から帰還した後で女の子を待っていたのは、もうついていけないと叫ぶ家族と部下の裏切りでした。
戦に疲れた部下を率いて、女の子はかつての仲間たちと戦いました。
みんなの笑顔のために戦ってきた女の子は、誰の笑顔も見ることなく敵を斬り捨て続けました。
敵も味方も女の子の家族も、みんな死んでいきました。
数え切れぬ屍が積み重なった夕焼けの丘で、全てをなげうって戦い続けた女の子は、ひとりぼっちになって力尽きました。
女の子が見たかった笑顔は、国にも人にも、もう何処を探しても残ってはいませんでした。
女の子が男と偽って、そして戦い続けた王様の名前は、
――騎士王アーサー・ペンドラゴンといいました。
◇ ◇ ◇
みんな死んだ。
私が間違っていたせいで、みんな死んだ。
だから私は償わなくてはならない。
そのために勝ち残らなくてはいけない。
それ以外のことは全て余計なことだ。
戦う。
それ以外のことは何も必要ない。
シロウは私が戦いには向いていないといった。
だからなんだ。
向いている向いていないなど関係ない。
これは私がしなければならないことだ。
戦って、戦って、この身が擦り切れようとも成し遂げなければならないことだ。
名簿にシロウの名があった。それでも、それでも私はやらなければならない。
第一、自らの口でこう言い放ったはずだ。
戦い、勝ち抜き、望みを叶える。それ以外のことなどどうでもいい。
シロウであっても例外ではない、と。
「……ったくどーなってんだよこりゃ。ヒイロに五飛、トレーズにリリーナのお嬢さんまでいやがる」
冬木の橋の上からずっと夕日を見ていた。
身も凍るような風が吹きすさぶとも気にならなかった。
勝手にしろ、とそういわれた。
けど、何もする気になれなかった。
どうすればいいのか分からなかった。
自分で言い放った言葉の通りに、すぐさま敵を探して倒すべく行動すればいい。
だのに、そんな気にはまったくなれなかった。
私はどうしたいのだろうかと、そんなことを延々と考え続けていた。
……謝りたい。
シロウのことは、正直にいって嫌いではない。
むしろ無理矢理巻き込まれた形なのに、何度も命を失いかけるほどの目にあってまで私と一緒に戦ってくれた。
彼があんなことさえ言わなければ、私だってああまでは言い返さなかった。
彼が私のことを想ってああいってくれたのは分かっている。
でも私はそれに頷くわけにはいかなかった。
この願いのために全てを懸けるとそう決めたのだ。
否定すれば、最早それは私自身の否定そのものとなる。
そんなことが……できるわけがない。
「殺し合いねえ……うお、なんだよこの銃は。撃ち抜くどころか吹っ飛ぶぞ、オイ」
私は戦える。
戦えるはずだ。
どうやってここに連れ去られたのかは分からない。
でももうシロウには会えない。
決定的なところで、私たちは袂を分かつところまで行き着いてしまったから。
帰るところのない、マスターと決別したサーヴァント。
では私はどこへいけばいいのか。
どうやったのかは知らないが、宝具すら奪われて私はここに召喚された。
魔法をカネで買って、やることは殺し合いの強制。
支援
ついに来たか、騎士王…
支援
158 名前: ◆mist32RAEs :2009/10/29(木) 01:18:38 ID:YY.g0B56
またエラーが出ました。
どうやら無理なようなので日を改めて投下します
……おや。失礼しました。上記の通りなのでここまでにします。
支援感謝。
158 名前: ◆mist32RAEs[sage] 投稿日:2009/10/29(木) 01:18:38 ID:YY.g0B56
またエラーが出ました。
どうやら無理なようなので日を改めて投下します
お疲れ様でした
うわ、生殺し
でも仕方ないか
仕方ないかー
一度できて途中で無理とか…お疲れ様です…
>>592 個人的には問題ない
もしろ自分のやつが没でも収録されていてうれしかった
ありがとう
なんという生殺し…
エロいのが続いたからいい口直しになるかと思ったが…まあ仕方ないか
続きを楽しみにしてるぜ!
ロワ書き手交流チャットより、◆mist32RAEs氏の作品を預かって参りました。
途中で止めのは……というご本人の希望によりこれより代理投下いたします。
なんかキタキタ支援
支援
バーサーカー、ライダー、アーチャー、キャスター。すでに倒れたはずの英霊が蘇ったのか。
もっともアーチャーだけは、あの傲岸極まりない金色のサーヴァントなのかもしれないが。
褒美は願いを叶えるためのカネ。
……私の願いはそんなものでは叶わない。
それでも私はこのままではいられない。
前へ。
前へ。
戦わなくては。
戦わなくては。
そうでなければ私は――、
「そこの貴方――」
「え? おおぉッ!?」
海――私に背を向けて、おそらくは自分の荷物を調べていたのだろう。
海上に転移させられた私も、混乱から立ち直ってからそうした。それから陸に向かって歩き、ここまで来たのだ。
そして私の声を聞いた彼は、一足飛びにこちらから距離をとり、驚きながらも銃を構える。
「……誰だよあんた。水の上に立つとか、まさか幽霊とかじゃねえだろうな!?」
「私は湖の精霊の加護を受けていますから。それよりも貴方、その荷物と首元……私と同じく、<<バトルロワイアル>>の参加者と見受けましたが」
「わ、わけわかんねえけど、まあいいや。言っとくがこっちはやりあう気はねえぞ? その物騒な日本刀しまうってんなら話くらい聞いてやるけどよ」
「いえ……話すことは特にありません。ですが貴方には用があります」
私は手に持った刀を抜いた。
かつて戦ったアサシン――佐々木小次郎のものには及ばないが、私の身の丈以上の刃渡りを持つ巨大な日本刀だ。
それを見て、彼は僅かに眼を見開いた。
だがその瞳の奥に怖れの感情を呑み込んで、すぐさま燃え盛る戦意と入れ替える。
先程、私を見てとっさに後ずさった時の動きで分かった。
構えた銃口はぶれることなく真っ直ぐにこちらを捉えている。
足捌きも素人のものではない。
みかけは年端もいかぬ少年だが彼は戦士だ。しかも歴戦の。
「我はセイバーのサーヴァント――私と、立ち合っていただきたい」
「なんだってえ……?」
全力ではない。
元よりエクスカリバーではない人の手による武具に私の全魔力を注ぎ込めば、おそらくは剣がもたない。
これは私の身勝手な都合だ。
だがどうしても確かめなければならない。
今のままでは……私は何処にも行けないから。
戦うことができると確かめなければ。
いっそこのまま己に刃をつき立てて斃れ、再び聖杯戦争の輪廻に還るとしても、私は戦えなければどうすることもできない。
だから――、
――――轟ッッ!
夜はまだ続くらしい
支援
支援
支援
銃声などという生易しいものではなかった。
空気を抉り取り、食いちぎっていく大口径の一撃が私のすぐそばを掠める。
「悪い冗談はよしなよ、お嬢さん。こちとら悪趣味なもん見せられたばっかで機嫌がわりぃんだ。
刀で銃に勝てるわけねえさ。こっちだってこう見えても素人じゃねえんだぜ?」
「だからこそ意味があるのです」
「おい、いい加減にしないと俺も怒るぜ――」
往こう。
私は――――、戦わなくてはならない!!
◇ ◇ ◇
「はあ……なんだってのよー。ここはどこ? カルメンさんたちはー? ヴァンー?」
真夜中の浜辺に水着姿の娘が独り。
すらりとのびた長い手足に小さな顔。
大きな瞳の中、呆れと怒りと不安がないまぜになった涙が浮かんでいた。
若々しく張りのある白い肌に、子供から女へと変わりつつある胸とヒップのふくらみは人気のあるところに出れば衆目を集めるだろう。
それらの魅惑的なパーツをかろうじて隠すのはきわどい紐同然の水着だった。
「もうー……よりによってこんなカッコで連れ去られるなんて……うう、怖いよぅ……助けてよーヴァン……」
周囲は無音だ。
シィンと静まったままで、世界のすべてがこちらを見ているような錯覚を覚える。
その錯覚に怯え、娘は自分の無防備な肢体を自らの腕で抱えて縮こまった。
気のせいか背すじが寒い。
「殺し合い……」
ポツリと呟いた声が暗い夜闇の静寂に吸い込まれて消えた。
モニター越しに見えた惨劇が恐怖を煽る。
「どうしろってのよぅ……」
もたされたデイパッグの中身をとりあえず探してみた。
鎖につながれたごつい釘が入っていた。
ふと、自分と同じくらいの年頃の少女が頭部を吹き飛ばされる光景が想いだされる。
その記憶と手元の釘が繋がり、娘の脳内で自分の頭が釘で打ち抜かれるシーンを映し出した。
「……っ」
息を呑む。
自らを抱え込む腕に知らず知らず力が篭った。
さらに荷物の中身を調べてみた。
が、月明かりの下でルールブックを読んでも【殺し合い】、【爆破】などの過激な単語を拾い読みできるのがせいぜいで、恐怖を一層煽られるだけだった。
明かりをつけて目立つリスクを背負う気には流石になれない。
その時だ。
一発の大きな銃声がすぐ近くで聞こえたのは。
支援
支援
「ひっ!?」
さらに物音。
耳を澄ませば連続して聞こえてくる。
おそらくは戦いの音だ。
娘は素人ではない。
こんな格好でも元いた場所では賞金稼ぎとして鳴らしていたのだ。
「どうしよう……」
それでも怖くないわけがない。
このまま隠れていればおそらくやり過ごせる。
だがそれでいいのか。
多分、あそこで戦っている人たちも自分と同じだ。
殺される恐怖に押し潰されそうになりながら、死にたくないから戦っている。
「このままほっといていいわけないよね……?」
娘は孤児だった。
とある町の教会に引き取られて、そしてそこのシスターによって養われていた。
そのシスターは強く、美しく、そして優しかった。
身寄りのなかった娘と、他にも大勢の孤児を引き取り、ヨロイバトルという賭け試合の賞金稼ぎで皆を養っていた。
そして彼女の死後、娘は自分がその代わりを果たそうと決めたのだ。
娘はそんな優しい子だった。
「……止めなきゃ!」
銃声の聞こえた方向へと、勇気を振り絞って駆け出した。
こんなことは間違っている。
娘が憧れたシスターだってそう言うはずだ。
娘が密かに恋した男も、気にくわねえって言うはずだ。
そう思えば二人に後押しされているような気がした。
ぐん、と足に力を込めて走るスピードを上げる。
娘の名前はプリシラといった。
◇ ◇ ◇
お?セイバー無差別マーダー化?
支援
信じがたい光景だった。
金髪の娘が一瞬、まばゆい光を放ったかと思うと身につけた服が青と銀の甲冑へと入れ替わっていたのだ。
信じがたいといえば、水の上に立っているというだけですでに尋常ではないのだが、その様に相対した少年――デュオ・マックスウェルはさらに驚愕する。
彼女との間合いは約10mほど。それを相手はなんと一足で詰めた。
そして奔る銀閃。
「なっ!?」
後退してかろうじてかわす。
戦慄が走った。
とんでもなく速い。
気を抜けば一瞬で全て持っていかれる。
「破ッ!」
セイバーと名乗る少女、裂帛の気合。
さらに一撃、二撃、三撃。
砂浜を転がるようにして懸命に逃げた。
そして――、
「――いい加減にしやがれッ!!」
右手に握った大口径の拳銃、その引き金をひく。
狙いは金髪の少女が持つ刀だ。
銃など構える間もなく逃げ惑っているように見えて、デュオは正確にその手元を狙い撃てる瞬間を待っていた。
轟音とともに放たれた音速の弾丸が刀身を少女の手から弾く――はずだった。
――銀ッッ!!
耳をつんざく金属音が砂浜に響き渡った。
刀身は弾かれることなく少女の手に収まったまま。
「うっそだろぉ!?」
デュオは自分の見た光景を信じられず、悲鳴にも似た驚きの声を上げる。
無理もない。
この間合いで、当たれば人間の肉体が吹き飛ぶほどの大口径の銃弾を、なんと刀で弾いたというのだから。
自身の引き金をひいた手すら痺れるほどの衝撃。
いや、たった一人で完全武装の軍隊を殲滅するために選ばれた超兵士、ガンダムパイロットのデュオですらそうなのだ。
並の兵士ならまともに撃てるかどうかすら疑わしい。
それを――、
「もらう!」
「おっとッ!」
間髪入れずに間合いを詰め、刀を振るう金髪の少女。
この斬撃速度、精度、隙のなさ、どれをとっても達人すら超えるレベルだった。
そして月の銀光に照らされたその貌は真白に輝き、結い上げた金色の髪は刀を振るう動きに合わせて煌き踊る。
綺麗だ、とデュオは思う。そして疑問に思った。
こんな少女がなぜこのように凄まじい攻撃を放てるのか。
なぜそんなつらそうな顔で刀を振るうのか。
支援
おお・・・ミズーギ!ミズーギ!
「どうした! 逃げているだけか!」
少女の攻撃は更に激しくなる。
だが、それでもデュオをギリギリで捉えられない。
――速い、鋭い、だが……荒いな。
余裕があるわけではない。
こちらも正直、いっぱいいっぱいだ。
だがそれでもどうにかかわせるのは、彼女の手元の動きから攻撃を先読みしているからだ。
この鋭い斬撃を放つ技量には似つかわしくない荒さ……おそらくは心の問題なのだ。
彼女の精神が万全であればこうはいかないだろう。
「だが、俺も死にたかないんでなぁッ! ちっと痛い目にあってもらうぜッ!!」
今まで一方的な攻撃から逃げ回っていたデュオ。
突如、向き直りセイバーに向かって突撃する!
「望むところ――! いくぞッ!」
セイバー、上段から真っ向唐竹割りで迎え撃つ。
長大な刀身が空間を裂き、獲物を真っ二つにせんと落雷のように振り墜ちる。
だが、デュオは避けない。
真っ向唐竹割に真っ向から突っ込む。
「――死ぬ気か!?」
驚く声。
だがここまで来てしまえばもう斬撃は止まりようもない。
最早、この一撃で開きにされたデュオの死体が砂浜に転がるしかない。
砲弾にも似た銃撃を容易く弾く彼女の剣を、防ぐ盾などありはしない。
そう、今まではなかった。
「――!?」
それは突如として出現した。
支援
「ぐぅっ!!」
固いもの同士がぶつかり合う鋭い金属音が生まれた。
二メートルほどの巨大な板状の金属がセイバーの一撃を完全に防いだのだ。
「馬鹿な――!!」
デュオの持つデイパックから飛び出したのは彼の支給品。それはガンダムデスサイズのパーツだった。
ミサイルや大口径バルカンすら物ともしない耐久性と驚異的な軽さを誇る、ガンダムの根幹を形成する最強金属ガンダリウム合金。
「どおっせええええええええええい!!!!」
「――!!!!」
デュオはそのまま、盾にしたパーツごとセイバーに全力での体当たりを敢行した。
二人はそのまま倒れこみ、もつれ合ったまま砂浜を転がる。
二転。
三転。
そして……やがて動きが止まった。
日本刀も、巨大なパーツも二人の手を離れて砂浜に転がっている。
とっさにセイバーは起き上がろうとするが、その体の上にデュオが素早くのしかかった。
秀麗な眉目を歪めた彼女の眼前には、すでに暗い銃口が据えられている。
「くっ……」
「おっと。さーておいたは終わりにしようぜ、お嬢さん。おとなしくしてりゃ殺したりしないからよ。
で、なんでこんなことしたんだよ? 殺し合えって言われたからハイ殺しあいますってのは短慮ってもんだろ?」
「……」
顔を背け、押し黙ってしまった。
唇をきつく結び、ただ敗北の屈辱に耐えているといった風だ。
デュオとしては正当防衛でやっただけなのだが、こんな表情を見てしまうと何とはなしに罪悪感が生じてしまう。
「あー……悪かったからよ? そんな切羽詰ったような顔してないで、とにかくリラックスしたほうが良いぜ?
落ち着いて、力抜いて、そんでもう一回考え直せよ。そうすりゃ…………」
「――待ちなさいっ!!!!」
さあどうなる死神さん…
支援
しえん
支援
支援
って、ミズーギーかよw
支援
gdgdの予感っっ〜〜!!
SIENN
新たな声が横から飛んできたのはその時だった。
振り返ればきわどい水着姿の女がひとり、なにやらごっつい釘を鎖につないだような武器を持ってこちらを睨んでいる。
「何があったかと思ってきてみれば……『おとなしくしてれば殺さない』とか『力抜けよ』とかよくもぬけぬけと……!」
「…………おい、ちょっと待て」
「黙りなさい! 女の敵! 卑劣漢! さっさとその人から離れないと痛い目みるわよ!」
「……………………ダカラ、マテッテ」
デュオは己の置かれた状況を客観的に把握した。
自分は小柄な少女にのしかかり、ごつい銃を突きつけている。
そしてこの少女は卑怯なことに刀を手放し現在絶賛丸腰中であり、正当防衛といったところで、どうにも信じてもらうのは難しい状況だ。
いつのまにか青と銀の鎧も消えて、普段着に戻っている。
このまま、実は彼女は刀で銃弾を弾く非常識の塊だといったところで信じる可能性は低い。
デュオだって相手の立場になったらまず信じない。
しかもコイツ、なんか泣きそうな顔して俯いてやがるし!
「この――――」
だから、この水着女が言うであろう次の言葉が容易く予想できてしまう。
ああ――、
「このレイパ――――――――――ッッ!!!!!!!!」
「ちっげええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!」
心の底からの魂の叫びというのは、きっとこんなのを指すんだろう。
支援
おまwww
デュオーwww
【D-7 砂浜/1日目深夜】
【セイバー/@Fate/stay night】
[状態]:健康、無気力、混乱
[服装]:普段着(白のシャツに青いロングスカート)
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]
基本:シロウ……。
1:どうすればいいのか分からない。
[備考]
※参戦時期はアニメ20話途中、士郎との喧嘩直後から。
【デュオ・マックスウェル@新機動戦記ガンダムW】
[状態]:やや疲労
[服装]:牧師のような黒ずくめの服
[装備]:フェイファー・ツェリザカ(2/5)@現実、15.24mm専用予備弾×100@現実
[道具]:基本支給品一式×2、フェイファー・ツェリザカ@現実、七天七刀@とある魔術の禁書目録、デスサイズのパーツ@新機動戦記ガンダムW、
ランダム支給品0〜2(未確認)
[思考]
基本:なるべく殺したくはない。が、死にたくもない。
1:全力で誤解を解く。
2:とにかく現状を理解し、安全を確保したい。
[備考]
※参戦時期は一応17話以降で設定。ゼクスを知っているか、正確にどの時期かは後の書き手さんにお任せします。
【プリシラ@ガン×ソード】
[状態]:健康
[服装]:ミズーギーの水着(白のきわどいビキニ)
[装備]:無銘・短剣@Fate/stay night
[道具]:基本支給品一式 不明支給品0〜2(確認済みかどうかは後続の書き手にまかせます)
[思考]
基本:殺し合いなんてしたくない。
1:セイバーを放っておけない。
2:このレイパーには要注意。
※参戦時期は17話途中、水着着用時。
※名簿を確認していません。
※デュオの銃撃とプリシラの声が周囲に響いた可能性があります。
あわれ・・・支援
デュオ、お前も不幸組の一員か…
支援
とんでもないところで中断しやがるw
【フェイファー・ツェリザカ@現実】
全長550mm、重量6kg。世界でも最大クラスの拳銃のひとつ。15.24mmライフル弾をリボルバーに込めて使う。
威力はもちろんのこと反動も凄まじく、下手に素人が撃つと銃身そのものが真後ろに吹っ飛ぶほど。
【七天七刀@とある魔術の禁書目録】
神裂火織が使う、二メートルの長さを誇る日本刀。
天使とも戦うことができ、儀式に使われる『令刀』と呼ばれることから神秘方面にも対応しているのかもしれない。
【デスサイズのパーツ@新機動戦記ガンダムW】
第三話でヒイロがネコババしたパーツの一部。具体的には二メートルほどの大きさの装甲板。
【無銘・短剣@Fate/stay night】
ライダーの武器。太い釘に長い鎖がついている。
支援ありがとうございました。代理投下を終了します。
投下乙
セイバーも変なタイミングで参戦してきたなw
投下乙でした
デュオwwwwwwwお前も不幸かwwwwwww
とりあえずこの言葉を送っておくぜw
このレイパ――――――――――ッッ!!!!!!!!
デュオ、さっそくいつもの貧乏くじかw
投下乙!
デスサイズのパーツってその発想はなかったw
というかプリシラの服装もひどいし最後の台詞がw
セイバーがこの先どうなっちゃうのかも気になるけど先ず笑ってしまった!w
投下及び代理投下のお二方乙です
激しいバトルかと思いきやオチ…
こっからセイバーどうなんのかな
しかしこのロワ、不幸要員多くないかw
結構な人数が不幸に見舞われてるぞwww
投下&遠隔代理投下乙ですww
レイパーwwwデュオwwwアルティメット不幸www
投下&代理投下乙
セイバーは不安定な時期から来たな。ここでもマーダーになるのか?
しかし名簿を見て士郎参戦を確認してこれか?
そしてデュオ、殺されかけた挙句にレイパー呼ばわりかよwwwwww
これは不幸だwwwww
投下乙です
セイバーは複雑な時期から連れて来られたな、士郎と仲直りできるといいがさてさて
デュオは不幸にも迷惑な誤解を受けたか、次で説明すればたぶん解けそうだが
投下乙です
まさかのレイパーwww
不幸な男が多すぎるwww
投下乙
今回は不幸な奴が多すぎだぜw
あと、小次郎の刀は150cmくらいだから神裂の刀より短いよ
七天七刀ならセイバーさんの魔力と剣技に耐えられそうな気もする
使いこなしてきたら怖いな
◆wKs3a28q6Qさんが規制中とのことで、代理投下します
見ている方居ましたら、支援お願いします
投下ラッシュだな
支援
私にとって、モモとは一体どんな存在だったのだろうか。
可愛い後輩?
そうかもしれない。可愛がっていなかったと言えば嘘になる。
だが――本当にそれだけだったのだろうか?
何か特別な感情がなかったと言い切ることができるだろうか?
否。モモに対して、私は何かしらの特別なものを抱いていたと。
だが、それが何かは分からない。
その感情の名前は何か。
モモに対して抱いたそれは、何と呼べばよいのだろうか。
真っ先に浮かぶ、『友情』というありふれた単語。
私とモモは、友人と呼べる仲だったのだろうか。
分からない。それさえも分からない。
モモは私を慕ってくれていたようだが、ずっと不安を抱いていた。
団体戦が終われば、麻雀のために呼ばれた自分は価値がなくなるのではないかと。
私とモモとの関係はそこで終わってしまうのではないかと。
そんな危うい関係で、「本当に私達は友達だった」と言えるのだろうか。
もしかすると、モモが言う通りなのかもしれない。
私は本当にモモを麻雀部のために利用していただけなのかもしれない。
芽生えた感情は、罪悪感だったのかもしれない。
そんなことはないと思いつつも、否定し切るには至れないのだ。
或いは、その逆。
友情という二文字よりももっと深い、何か別の感情で繋がっていたのかもしれない。
それは、麻雀部の仲間に対する特別な何かなのか。
それとも、愛情だったのか。
――愛情と言っても、部を一つの家族と見立てた時の家族愛のようなものだ。
もしくは、少し危なっかしい子供を見るような母性と言う名の愛情。
さすがに、モモを恋愛対象と見ていたということはありえない。
……ああ、ありえないとも。おそらく。きっと。間違いなく。多分。
『私と先輩が一緒にいる意味って、なくなっちゃうんすか?』
私にとってモモは一体何なのか。
そんなことを考えてしまった理由が分からないほど、私は混乱していない。
それどころか、いやに頭は冷静である。
内心焦りを感じながらもモニター越しの説明に集中し、その意味を咀嚼しながら慎重に行動した。
物申すような危険な真似はしなかったし、指示にも大人しく従った。
私の頭は、私が驚くほどすんなりと、それでいてしっかりと殺し合いと言う現実を受け入れていた。
龍門渕の副将の死を演技か何かと疑うことさえも無く、すんなりとそれが現実であると受け入れている。
目立ちたがり屋だったようなので、ドッキリ企画の目立つ役に立候補していたという可能性も、無いわけではなかったのに。
なのに、あれは本物の死体だったと根拠もなく言い切れてしまう。
『清澄の大将は嶺上牌で必ず和了る』『天江衣は海底牌で必ず和了る』――これらをすんなり受け入れてしまった時と同じだ。
荒唐無稽なはずなのに、言葉に出来ない“そうなのだろうという気配”のようなものがある。
卑怯者かもしれない人キター!!!!!!!!!
それにしても規制されてる人多いのね
兎にも角にも、私はこの殺し合いを受け入れた。
だが、了承したというわけではない。
かと言って、反抗すると決意を固めたわけでもない。
(それは、卑怯なのか、臆病なのか――)
要するに、どっち付かずだ。
殺し合いという現実を受け入れたのにも関わらず、未だにどう動くのか決めかねている。
その理由も、私はとっくに分かっていた。
東横桃子の4文字が――モモの名前が、殺し合いの名簿とやらに載っていたから。
だから、私はどうしたらいいのか決めかねている。
断固として抗うべきか、緊急避難だから仕方がないと自分に言い聞かせ素直に殺し合いに乗るか。
モモの名前さえなければ、簡単に答えは出せていただろう。
自分の「殺し合いなんてしたくない」という意志を尊重すれば死の危険が大きくなり、
逆に唯一生還が保障された優勝という道を目指せば敵が増えるし精神的にも負担がかかる。
どちらにしても、ある意味自分一人の問題だったのだから。
少なくとも、今よりは容易く道を選べたと思う。
だが、モモが居るとなるとそういう問題ではなくなる。
『死のリスク』はモモも等しく背負うのだから。
無策のまま手を取り合っても、結局何も出来ずに共に死を迎えかねない。
かといって、参加者を片っ端から殺して回り、モモをも殺して生還する、なんていうのは論外である。
それも手だと選択肢に放り込んでも、どうしてもこればかりは選ぼうという気になれない。
自分の命と天秤に賭けてまで守りたい存在なのかと自問自答してみても、結局私一人が生き残るという選択肢は選べなかった。
モモがどういう存在なのか――それを形容する言葉は未だに見つからないが、少なくとも命を賭けてでも救いたいと思える程度の仲らしい。
要するに、モモの存在がある時点で、私一人の生還という選択肢は消滅したのだ。
殺し合いに乗るとしたら、最後は自身の命を絶ってモモ一人を生還させるという道くらいか。
もしくはモモが死んだときに、死者の蘇生などという信じていいのか疑わしい藁を掴もうと殺し尽くすか。
……その事態を想定するのなら、最初から殺し合いには乗っておくべきだろう。
一時でも手を取り合った仲間を殺すというのは気が引ける。躊躇いから殺し損ねるということも大いにありえる。
殺し合いに乗る意志も鈍るであろうことを考えると、モモの蘇生も辞さないつもりならやはり最初から殺し合いに乗るべきだ。
もっとも、そんな姿をモモに見せたいとは思わないし、知られたくもないから、まともな別れの言葉も言えずこのままさよならということになってしまうが。
さすがにそれは少し寂しい。
そうなるくらいなら、いっそ僅かな可能性にかけて参加者と手を取り合うべきなのであろうか?
投下乙!
デュオはやっぱりロワでも貧乏くじを引くのかww
色々と不安定なセイバーも先が気になるところ
そしてトリップとタイトルがミストさん吹いたwwww
(やはり卑怯者かもしれないな)
己の生命のみならず、他者の生命を奪うか否かを左右する決断に、モモを利用してしまっている。
モモを言い訳に、人を殺すか無謀な賭けに出るかを決めようとしてしまっている。
自分だけの意志で決断できないとは、情けない。
情けないと分かっていても、駄目だった。
「死にたくない」「殺したくない」という自分の気持ちだけを理由にし、決断する――そんな度強を持ち合わせてはいなかった。
そしてそれを、心のどこかで仕方がないと思っている。
麻雀と違い、賭けるモノは点ではないのだから。
勝っても負けても、命を奪い合わなくてはならないのだ。
気軽に決められるわけがない。
そんなことを思い、先延ばしにしてしまっている。
(…………これで全部、か)
そんなことを考えながらも、しっかり手は動かしておいた。
ぼんやりと堂々巡りをしていられるほど暇ではない。
部屋を出てから今までの間に、デイパックの中身をきっちり確認しておいた。
強い意志を持ってどう動くのかは決められない。ならば手牌を確認し、方針を練るしかないだろうと考えてのことだ。
配られた武器とやらの状況によっては、選択肢すらなくなる場合だってある。
例えば武器が爪楊枝+ねりけし+黒板消しなんて状態だったら、問答無用で仲間を探すスタンスになる。
逆にマシンガン+防弾チョッキ+手榴弾となった場合、殺害可能性が高く防御面でも安全性が高いため、殺し合いに乗った方がモモの生還と言う目標は達成しやすいだろう。
更に言うと、いい武器の場合、下手に仲間を作って裏切られた場合のリスクが高い。
そんなわけで、行動指針を立てるうえでの参考にしようと支給品を引っ張り出してみたのだが――
分かっていたことではあるが、そう極端な武器は入っていなかった。
これでは何の参考にもならない。
まず出てきたのは小型の拳銃。デリンジャーと言うらしい。
弾が小さいため威力が低く、上手く当てないと即死は難しいとのことだ。
しかし、体のどこかに当てれば動きを止めるには十分だと思われる。
倒れるまではいかずとも、撃たれて尚も健康時と同じ速度で走り続けられる者はいないだろう。
それに、小型故に隠し持てるのが大きい。
警戒される心配が無いというのは、非力な自分が戦ううえで大きなアドバンテージになる。
仲間探しをするにしても、上手くやれば袖にも隠せるこのサイズは有り難い。
殺し合いに載っているのか分からない人間に『武器を持っているのに、相手からは丸腰に見える』状態で接触できる。
それだけで生存率はかなり上がるだろう。
最も、弾が同時に2発までという短所があるため、戦闘でのメインウエポンにするのは少し不安だが。
そして次に、くない。……忍者の武器としておなじみの、くないだ。
正直悪ふざけかと思ったが、名簿の端で試し切りをしたところ、面白いほどスパッと切れた。
京都の土産物屋に置いてあるようなものでなく、どうやら本物の武器らしい。
……先端を指で触れてみないでよかった。
とにかく、弾切れの心配がない武器と言う点で刃物の存在はありがたい。
サバイバルの時でも、刃物の有無は重要だと聞いたこともある……気がする。
うわ、被りすいません
支援
最後は、拡声器、とでも言うのだろうか。小学校などで度々見かける小型のアレだ。
殺し合いに使う道具には到底思えないのだが、鈍器のつもりで寄こしてきたのか。
それとも、本来の用途通りこれで叫べということだろうか。
大きな声で、大切な人を呼べと。
モモを求め、場所も考えず大きな声で彼女を呼べと。
『私は、君が欲しい!!』
……恥ずかしい過去を思い出して項垂れそうになるが、そんな場合ではないな。
何にせよ、支給されたものは一言で言うなら「微妙」なのだ。
殺しを諦めなくてはならないような貧弱な装備でもなければ、優勝が見えるような強力装備というわけでもない。
どうすべきなのか、結局は自分が決断せねばならないということか。
微妙と言えば、何よりも拡声器の存在だ。正直これは微妙すぎる。
こんなものを使う奴は阿呆の極み。
こんな場で自分の居場所をアピールするなど、もはや斬新な自殺方法の一種だ。
群がった人間が大乱闘を起こすであろうことを考えると、「何かを残してから逝きたい」という自殺希望者の夢なら叶えてくれそうな道具ではあるが。
ともかく、こんな序盤で自ら命を絶つ気などない。
ないのだが――
(私に危険は及ぶが……だが、モモなら……)
拡声器を使用しても、モモに被害は及び辛い。
群がる者の大半は、拡声器の使用者に意識の大半を傾けるだろう。
そんな状況の中でステルスすることは、モモにとってそう難しいことではない。
要するに、拡声器を使えば、自分の命を賭けさえすれば、モモと出会える可能性は飛躍的に上昇するのだ。
そういう点では、拡声器は使える部類なのかもしれない。
(……モモなら、来るだろうな……来るなと言ってもやってきそうだ)
問題は、モモが来るより早く私が殺された時だ。
危ないから来るなといっても、間違いなくモモは来る。
最悪、叫び声をあげながら出てきてしまうかもしれない。
そうなれば、ステルスモードが解除され、一緒に逝くことになるだろう。
……そういえば、一緒に居たいと言ってくれたが、まさか一緒に逝きたいと言い出したりしないだろうな。
絶望のあまり混乱していないか、少しばかり心配になってきた。
下手に放置しておくことを思えば、やはり拡声器でさっさと合流すべきなのかもしれない。
だが、無事に再会できたとしても、私はその後一体どうしようというのか。
声を聞いて集まってきた者の包囲網は、どうやって抜ければいいのだろうか。
ステルス出来ない私が見つかれば、後はもう沈むだけだ。
私への銃撃の流れ弾でモモが死ぬか、私が殺されて悲鳴を上げモモの存在がバレてしまい殺されるか。
良くて私一人が眼前で殺され、モモにトラウマを植え付けるということか。
結局、拡声器もまたハイリスクハイリターンで方針選択の決定打にはならないということだ。
しえん
(情けない先輩だな、私は)
団体戦でも殺し合いでも、私は役に立てないのか。
モモ、お前は私なんかと違って、この場でも麻雀でも頼りになる存在なのにな。
……ああ、そうだ、モモ。
副将戦で、お前は大活躍をした。
あの龍門渕と風越を抑え、更に中学大会優勝者の原村和よりも点稼いだ。
誰よりも活躍したのは、お前だよ、モモ。
私も、鶴賀の皆も、お前のことを必要としている。
お前のことを大切な存在だと認めている。
『まだ、終わりじゃないっすよね?』
けどな、モモ。
皆がモモも必要としているのは、モモのことを好いているのは、お前が強いからじゃない。
モモの麻雀の腕にじゃなく、麻雀の腕も全部ひっくるめた“モモ”という人間を、皆好きになったんだ。
麻雀の腕でなく、お前のことを皆必要としていたんだ。
麻雀をしないモモに価値がないだなんてこと、誰一人思っていないさ。
『だから先輩、もうしばらくは、私と――』
だから、モモ。私達に終わりなんてないさ。
個人戦が終わっても、私にはお前が必要だ。
確かに切っ掛けはモモの麻雀の腕だったけど、今はもうそれだけじゃない。
お前が、モモという存在が、今の私には必要だ。
だから、しばらくなんて言わないで、ずっと私と一緒に居てくれ。
――もう認めるしかないだろう。私は、モモが好きだ。
それがどういうニュアンスのものかは分からないが、とにかく私はモモが好きだ。
死んでなんかほしくないし、私は、モモのためなら何だって出来る。
あの帰り道では結局答えを返すことが出来なかったが、
団体戦の後も、結局答えを言うことが出来なかったが、
今度こそ、この戦いが終わったらきちんと告げよう。
(モモ……やっぱりお前は、私にとって特別な存在みたいだよ)
どう頑張っても、モモを意識しない方針を立てることが出来なかった。
モモは特別などではないと考えてみようと思っても、どうしても駄目だった。
自分が人殺しに堕ちる姿はイメージ出来るのに、モモを自らの手にかける姿はどうしても想像できなかった。
思っていた以上に、私はモモに入れ込んでいたらしい。
結局、方針を決める際にはモモを言い訳にしてしまいそうだ。
(やはり……卑怯者だな、私は)
苦笑を受かべ、一度だけ空を仰ぐ。
あの日のそれより少しばかり欠けた月が、静かに私を見降ろしている。
いっそコインでも支給されたら、あの空めがけて弾き飛ばしていたのにな。
そうすれば、モモを言い訳にすることなく、どうしようか決められたのに。
(とりあえず、動くか……方向性が見えないからといって、ツモらない切らないでは何一つ進まない)
これは麻雀と違って殺し合い。
止まっていると好転しないだけでなく、悪化する可能性が大いにある。
モモを生き残らせるにしても、モモと一緒に生き残るにしても、呑気してる間にモモが死んでしまっては意味がない。
殺し合いに乗るならモモが死んでも蘇生させればいいとも言えるが、やはりモモを極力辛い目には合わせたくない。
それに、自分が絶対優勝できるという保証もないのだから。
どう考えても、モモが死んでしまう前に全てを終わらせるべきだろう。
そう、モモが死んでしまう前に、1秒でも早く行動せねばならないのだ。
(考えて考えて、結局どのリスクも選べずに先延ばし、か――私はいつからこんなに情けなくなったんだろうな)
重たい扉を押し、ようやく屋上を後にする。
そんなに時間は経っていないが、少しでも早く動かねばならないということを思えば十二分に遅いと言えた。
「…………!」
自信の開けた扉の音に、思わず呼吸を止められてしまう。
扉を引き摺る音は、思った以上に響くらしい。
誰かに聞こえる、というほどの音ではなかったかに思えたが、それでもすぐには動けなかった。
ようやく我に帰り、慎重に扉を閉める。
その音でさえ、世界中に響き渡ったのではないかと思えるほどの音量に感じた。
(何だかんだで怯えて、過剰に警戒してしまているのか?)
余りの不甲斐なさに笑いさえこみあげてくる。
もう結婚もできる年齢だと言うのに、どうやら自分が思っていた以上に私は子供のままらしい。
冷静に物事を考えられる年齢になり、今襲われたら勝ち目が低いということを理解しているからこその怯えなのかもしれないが。
(いっそ、襲われた方が気が楽かもしれないな)
そうすれば、正当防衛の名の元に胸を痛めず攻撃することが出来る。
そこで勝ったら、手に入った武器を見て改めてどうすべきか考える。
勝つことが出来れば、の話だが。
……やはり殺し合いに乗る場合は、不意打ちを中心にした方がいいだろうな。
客観的に自分の運動能力を考えると、先手を打たれて勝つ確率は恐ろしく低いように思える。
(確率、か……私も流れや気を読む力に長けていればよかったんだがな)
麻雀と違い、これは期待値を計算してどうこうなるものではない。
懸かっているのは数値で測れるものではないのだ。
勝てる可能性も分からないし、既に一人が死んでいる(それも、顔見知りがだ)以上、最善などもう存在しない。
あるのは『マシな結末』だけだ。どれを選んでもまず間違いなく何かを失う。
それに、選択ミスは即終焉へと繋がっているのだ。
もし確率が分かっていても、100%でない限り、選択するのは難しい。
もっとも、目先の物事だけならともかく、殺し合い終盤などという先の先に起こる事象の確率などそもそもに調べようがないのだが。
※この人は女性です
「お……っと」
階段を降り切ったので次の階段を降りよう、足音が響きやすく逃げ場の少ないここに居ても仕方がない。
そう考えて次の階段に足を踏み出そうとする。
そして、何でもない床に躓いた。
堂々巡りの答えが出ない二択問題(出す気がないの間違いではないか、と言われたら答えに窮する)を頭の中で捏ねくり回している内に、一階へと着いていたようだ。
段差だと思ったら何もなくてスッ転ぶ――アイツが見ていたら一ヶ月は冷やかしのネタにされていただろうな。
部室でワハハと笑いながら冷やかしてくるあの顔が、いとも容易く頭に浮かぶ。
(……帰りたい、な……出来ることなら、私も……)
二人で帰るのは、優勝者特典で蘇生でもさせない限り難しい。
それを頭で理解していても、願わずにはいられなかった。
私も、モモと一緒にあの部室に帰ることを。
「…………!?」
結局また堂々巡りのネタが増えてしまったな――そんなことを思いながら歩を進めようとして、派手な音を耳にした。
何かを倒した音だろうか。
ここまで聞こえるということから考えて、恐らく椅子かそれより大きな何かだろう。
しかし、暗いとは言え、何故今さらになって何かを倒す?
現状を把握できていない時に倒すなら理解できるが、何故今更。
月明かりもあるし、机や椅子に気付かないような環境ではないはずだ。
そもそも、気付かず躓けてそれなりの物音を立てるようなものが学校にあるか?
もしや、誰かと誰かが戦闘になったか。この音は、その戦闘の音なのか?
いや、音は連続して聞こえない。争っているのなら、何度も聞こえていいはずだ。
ならば、仮初の仲間同士が何か揉めた際に椅子か何かを倒したのか?
それとも、一撃で決着がついてしまったから音がもう聞こえないだけか?
後者だとしたら早々にここを離れるべきだ。
パヤパヤで何が悪い!
支援
(いや、違う、よく考えろ。思考を止めれば、焦って決断を早まれば、待っているのは自滅という結果だ……
そこは麻雀も殺し合いも、それこそ日常生活だって変わらない……!
冷静になって考えるんだ……落ち着いて、冷静に……)
確かに支給品確認などに使った時間があるため、今は開始直後というわけではない。
しかしそれでも、同盟を結んで揉めるほど話し合う時間なんてなかったはずだ。
最も、対話というなの脅迫が行われている場合、脅しで物音を立てたという可能性もあるが。
少なくとも、一時期でも友好的な関係を築いた者同士が争っているという可能性は低い。
それに、冷静に考えれば、すでに誰かがこの学校で殺されたという可能性も低いと分かる。
発砲音が聞こえなかったこともあり、殺人が行われているとしたら凶器は刃物のような近接武器。
そのような武器での戦いが、椅子か何かを一回倒す程度で決着するものだろうか。
相手も武器を持っているだろうし、もっと派手な音がしてもいいはずだ。
弓のような音がしない遠距離武器が支給品だとしたら、使い方をしっかりと見るはずだ。
ましてや私の銃と違って音を出さずに試し撃ちが出来る以上、調べもせずに素早くに行動に移っているとは考えづらい。
支給品確認の時間を節約し、素手であっさり殺したというのならこの短時間でも可能だろうが――
武器が支給されている以上、それを確認もせず素手で獲物を探し回ったという可能性もないだろう。
つまり、あれは戦闘による物音である可能性は低い。
勿論両方可能性が0%だとは言わない。
だが、それよりもっと現実味のある可能性が存在する。
例えば、誰かと誰かが遭遇したという可能性。
ある程度時間が経過していることを考えると、そろそろ参加者同士が出会ってもおかしくはない頃だ。
背後から声をかけられて驚いた際に物音を立てた、という線が濃厚か。
物音が続かないことから見るに、その後すんなり話し合いに移行出来たのだろう。
そして、もう一つの濃厚な線。
声をかけて驚いたのでなく、純粋にぶつかっただけという可能性。
先述の通り、“倒したモノ”にぶつかることはまずないだろう。
だが、見えていないものにならば?
“見えていないのに、そこに在るという不思議なもの”にぶつかったのだとしたら?
これは愛だね支援
(モモ……っ!)
気付けば走り出していた。
靴音が深夜の学校に響き渡る。
慎重に動かねばと思いながらも、体は言うことを聞かなかった。
モモだった場合、ぶつかったことが原因でステルスモードが解けてしまっている可能性がある。
私の足音で気が逸れて、モモが再び隠れられるなら、少しくらい危険になっても構わない。
相手が殺し合いに乗っていたとしても、もしかしたらモモが援護してくれて二人一緒に逃げだせるかもしれない。
デリンジャーを握る手に力が籠る。
(モモ……モモ……死なせるものか……モモ!)
――もしもそこにモモがいなかったら、一体どうするのだろうか。
頭の中がモモでいっぱいになってしまい、そのことはほとんど考えられなかった。
いや、ややこしいことを考えなくて済むという点では、これはむしろ僥倖だろう。
考えても答えは出なかったのだ、いっそのこと成り行きに任せるのもありかもしれない。
いずれにせよ、参加者と接触してしまっては、決断せねばならないのだ。
裏切りや失敗を考慮しながら手を取り合って戦うのか、それともモモを優勝させるべく手にした銃で殺すのか。
それとも、また保留にして第3の選択肢を作ろうというのか。
何にせよ、状況は大きく変わるだろう。
(お前は、私が……っ!)
賽は投げられた。
ゆっくりと思考できる時間はもうおしまい。
堂々巡りで答えを先延ばしにするのも、この先はきっと難しくなる。
下り始めたジェットコースターは、しばらく停車できないのだから。
後はもう、目まぐるしく変わる状況を何とかして乗り切るのみ。
大切な人を、生きて帰らせるために。
【E-02/学校・職員室前/1日目/深夜】
【加治木ゆみ@咲-Saki-】
[状態]:健康、若干の焦り
[服装]:鶴賀学園女子制服
[装備]:デリンジャー@現実、かすがのくない@戦国BASARA×8本、拡声器@現実
[道具]:予備弾薬
[思考]
基本:モモ(東横桃子)を生き残らせる。
1:モモが最優先だが、出来ることなら自分も生きて帰りたい。
2:そのためにどう動くかを、決断する。
3:物音のした部屋(職員室)に急行。
[備考]
※思考しながら支給品を見ていたため、外で浅上藤乃がやったことには気が付きませんでした。
【デリンジャー】
原作バトルロワイアルで月岡彰に支給されたりもした、有名な小型拳銃。
装弾数2発しかないが、小型で持ち運びやすく、また故障も少ない。
小型故の威力の低さと装弾数の少なさに配慮してか、予備弾薬とセットだった。
予備弾薬の数は不明。
【かすがのくない】
上杉軍のくのいち・かすがが使用するくない。
投擲武器として支給されたため、8本セット。
しかし、元来は工具として作られたため重心が安定しておらず、慣れていないと投げて使うのは難しいらしい。
【拡声器】
広範囲にメッセージを伝えられる日用品。
鈍器としてしようできないこともない。
効果範囲は不明。
代理投下終了
かじゅ先輩カッコいいじゃないか……さすがイケメンなだけある
ナイト思うけど拡声器使うと危ないよ!
依存症ですね
薬処方しておきますんで飲んでおいてください
つ ピル
代理投下乙
…ていうか、かじゅすげぇヤバい状況じゃないか?
投下&代理投下乙!
かじゅ先輩……知的だ。
凄い頼もしく感じられて実に彼女らしいなぁ。
そしてモモへの愛が伝わってくるのが素晴らしい!
是非ともモモと再会してほしい。
投下乙!
ま た 学 校 か
逃げてー先生撫子紬場合によってはかじゅも逃げてー
かじゅも早まるな、周りはマーダーばかりだぞ
投下&代理投下乙
ちょ、E2やべええええ
しかし先輩は本当に男前だな。
色々と揺れ動く心がとてもらしく、そしてたどり着いた結論に軽く感動。
しかしその学校は今死亡フラグで満載なんだよなー……
果たしてモモと無事再会することは出来るのか。
投下乙!
うぅ、かじゅかっこいい!かっこいいけどやばい!
学校は危険すぎるなり!
投下&代理投下乙です
かじゅ先輩は相変わらずモモへの愛が凄いな、男前だ、あれ違う!?
それにしても学校がなんだか物騒になってきたのか
お待たせしました。
それでは衣、グラハムを投下します。
ってあれ鳥が違う!?
すいません、しばしお待ちをorz
支援
仕様変更したからなぁ
ロリとブシドーきた 支援
テスト
確かトリの設定できる文字数の関係で云々らしい
支援
もう一度テスト
しかしまぁ咲勢は他人と協力しないなぁ。。。
よし、出来た!
すいません、改めて今から投下します。
支援
漆黒がそこら中を我が物顔で歩いている。
時刻は時計の長針と短針がほぼ同じく12を指し、30分程が経過した頃合い。
人の声はなく、それどころから虫の鳴く音すらも聞こえない。
人っ子一人居ない。誰もがそう思える景色の中、微かに動くものがあった。
ピョコピョコと、何かの触覚のようにうごめくそれは赤いリボン。
そしてそのリボンの主は小学生とも取れる小柄な体格の少女。
腰の高さまで伸ばした金髪を風に揺らす少女はただ俯いている。
彼女の名は天江衣と言った。
「……とーか…………」
ここは何処か。
自分がどうしてこんな不格好な首輪をつけなければいけないのか。
色々と疑問に思うことはあったが、衣が先ず思ったことは違っていた。
思わず漏らした言葉が指し示すはたった一つの名前。
龍門淵透華。龍門淵高校麻雀部部長にして衣の友達の名前。
透華は事故で両親に先立たれ、一人ぼっちになってしまった自分に声を掛けてくれた。
友達が出来なかった自分に友達を見つけてくれた。
楽しく遊べる相手をもっと見つけるためにも麻雀で全国を目指そうと言ってくれた。
そして透華は――死んだ。
首から上がぽっかり無くなって、彼女は急に遠い存在になった。
あまりにも唐突で、衣には未だにその事実を受け止めきれていない。
「どうして……どうして…………」
か細い両腕から伸びる小さな拳を握る。
両肩がわなわなと震えて視界がどんどんぼやけてきた。
続けて右頬から始まり左頬にも伝った雫の感触で自分は泣いているのだと分かった。
何も考えられない。
他の事はごっそりと記憶から抜け落ちてしまったような気すらもしてくる。
殺し合いと異常極まりない言葉を口にしたあの男の話さえも同じだ。
今、衣の思考に居座るものは透華の無残な死についてしかない。
耳をすませば透華の最後の言葉が今も聞こえてくる。
ロリ支援
難解な言葉が乱舞しそうな組み合わせじゃ
“お、お黙りなさい! どんな脅しを受けようと、衣はわたくしが絶対に――”
結局、透華の言葉がそれ以上続くことはなかった。
だけど聞かずともわかる。
透華が何を言おうとしていたのかは痛いほどに。
だからこそ悲しかった。
透華は自分を助けようとした。
自分のために短すぎる人生を終わらせてしまった。
能天気に、カメラ越しで見守ることしか出来なかった自分のために。
いや、正しくは“ため”じゃない。“ため”ではなく“せい”だ。
曲がった事が嫌いな透華なら、たとえ自分が居なくともあの場に出て行ったかもしれない。
しかし、今確かなのは自分のせいで透華は死んだことだ。
龍門淵高校麻雀部の五人が揃うことはこの先なく、透華と麻雀を打つことも出来ない。
それらの事実は覆しようがなく、後悔してもしきれない。
「これで衣はまた独り法師(ぼっち)……龍門淵の皆も、清澄の嶺上使いも、原村ののかも居ない……。
衣はどうしたよいのだ、とーか…………」
数分前に開いた名簿を思い出す。
知っている名前は二つあった。
池田夏菜、加治木ゆみとどちらも決勝戦で戦った相手だ。
再戦を誓いはしたが、未だ友達にはなれていない。
それよりも龍門淵のメンバーはもちろんのこと、宮永咲と原村和の方が好ましい。
原村和とはペンギンのぬいぐるみを届けた事で知り合い、宮永咲は自分に新しい世界を見せてくれた。
しかし、そんな既に友達になった龍門淵のメンバーや宮永咲、原村和の名前はない。
その事実が衣により一層の寂しさを植えつける。
何よりも恐れていた孤独感が容赦なく衣に降りかかる。
「うぇ……ひっ……うぇ……」
同時に涙も止めれきれない。
際限なく流れ落ちる涙はまるで意思を持つかのように地面を目指す。
気がつけば衣は既に座り込んでいる。
両膝をつき、たった一人で泣きじゃくるしかない。
高校麻雀界では魑魅魍魎の存在と名を馳せた少女もこの場ではか弱き者でしかない。
もし殺しあいに乗った参加者に襲われれば簡単に殺されてしまうだろう。
支給品に拳銃の一丁でもあり、弾丸が幾つかあればいとも容易に。
そう、たとえば今、前方から衣へ近づいてくる参加者に銃があれば――
「失礼」
男の声が衣の耳に届く。
言葉とは裏腹に特に失礼だとは思ってないような口振りだ。
だが、突然頭上から聞こえた声に驚き、衣にそこまで考える余裕はない。
無我夢中に頭を上げ、声の主をしかと見やる。
そこには体格がよく、短くも長くもない金髪をはやした男が立っていた。
(なんだ、こいつは……?)
武器は持っていないように見えるが油断は出来ない。
もちろん目の前の男は衣にとって見知らぬ存在だ。
この後、男がどういう行動に出ようが可笑しくはない。
最悪、この場で襲われることも十分に有り得る。
血の気が引いていくのがハッキリとわかった。
逃げ切る自信もなければ未だに涙も止まらない。
故に衣は僅かに上擦った声を漏らすしかない。
男の右腕が自分へ伸びていくのを眺めながら。
やがて男の右腕は衣の頭に向けて振りかぶられる。
無意識に目を瞑り、衣はただ状況の流れに身を任せるしかない。
そんな時、衣は不可解な感触を感じた。
「ひゃ!お、おまえ――」
予想出来なかったため混乱はしたがこの感覚は知っている。
正直あまり好きじゃない。あまりどころか全然だ。
友達の井上純にされるのでも好きじゃない。
だからこそ衣は未だに消えない恐怖を我慢し、男へ喰ってかかる。
ただし今にも消え入りそうな弱々しい調子で。
それほどまでに衣は今、男にされていることが苦手というか弱かったためだ。
炉利支援
武士道支援
一応言っておくと龍門"渕"ね
「あ、頭撫でるなーーー!」
「失礼だと言った」
乱暴な手つきとはいえないが丁寧だとも言えない。
男は何を思ったのか衣の頭を気の向くままに撫でている。
撫でられることに人一倍敏感な衣は必死に抗議する。
しかし、相変わらず男には失礼だと思っている節は見られない。
衣の嫌がる反応を面白がることもなく男は黙々と手を動かす。
対する衣は懸命に両腕を振り上げ、男の身体を叩くが効果は特にない。
いかせん対格差が有りすぎるのが要因の一つだろう。
まあ、ポコポコと気の抜けた音を鳴らすしか出来ない衣の拳の弱さもあるのだが。
だが、それで衣の気が晴れるということもない。
有無を言わさず頭を撫でつける、不審者極まりない男に警戒の念を剥き出しにする。
「なんなのだおまえはー! まるで衣を――」
「なに、心配することはない。
このような異常事態に怯える子供を保護するのも私の務めだ。
上級大尉――いや、一人の軍人としてな」
「子供じゃない!衣だーーー……って、え……?」
あまりにも小柄な体格の割に衣はれっきとした高校二年生である。
よって子供扱いされることを嫌う衣は更に声を張り上げる。
しかし、その勢いは男が何気なく口にした言葉を皮切りに衰えていく。
男の素性について少しずつわかってきたのだから。
「軍人……おまえ、軍の人間なのか?それに保護するって……」
「その二つの質問には肯定するしかないな。
まあ、直ぐに信用してもらえるとは思ってはいないが……確かなコトはある」
そういって男は右の人差し指をたてる。
小さく首を傾げ、衣はまじまじとその指を見つめる。
やがてその指はさも不思議そうな様子を浮かべた衣の顔に向けられた。
「――落ち着いただろう。
君の涙は今、確かに止まっている。少なくとも私にはそう見えるのだがね」
「あ……」
「そこで頼みがある」
続けて男の顔が衣を覗き込む。
端正な顔立ちに覗く二つの瞳からは確かな力強さがあった。
信念とでもいうべきか。
譲れない何かをひたすらに追い求める意思を衣は感じ取る。
そして男は同時に余裕も兼ねていた。
そう、その男こそフラッグファイター――オーバーフラッグスの隊長。
「話相手になってはくれないか、このグラハム・エーカーと」
ユニオン軍上級大尉、グラハム・エーカーだった。
◇ ◇ ◇
衣ーーー!!うおおーーー!!!衣ーーーー!!!!
ブシドー!
西暦2307年、枯渇した化石燃料に取って代わるエネルギー源が発見された。
それが宇宙太陽光発電システムであり、運搬のために軌道エレベーターが実用化されていた。
只のエレベーターではない。宇宙と地球を文字通り繋ぐ、あまりにも大きなものだ。
だが、、莫大な建造費が必要なこれらのシステムを所有しその恩恵が得られるのはたった三つの国家群のみ。
エネルギーの独占を求め、他の小国には目もくれずに冷戦状態を続ける三国は局地的な紛争を生んだ。
そんな時、紛争根絶を掲げる“ソレスタルビーイング”と名乗る組織の武力介入が開始される。
“ソレスタルビーイング”が擁する“ガンダム”の力は絶大そのもの。
甚大な被害を被った三国の内の一国、それがユニオンだ。
「なるほど、だいたいの事情はわかった」
腕を組み、神妙な様子でグラハムはそう言葉を返す。
無理もない。簡単な自己紹介を含め、衣の話を聞いたためだ。
先程無残にも命を散らした少女が知り合いとは同情せずにはいられない。
また衣の方も完全にショックから立ち直ったわけでもなく、元気はない。
だが、グラハムへの警戒は明らかに和らいでいる。
些細なことだがグラハムにとっては喜ばしいことに違いはなかった。
(用心に越したことはないが接触して正解だったな)
必要以上に自分が緊張しているのがわかる。
なにせ殺し合いをしろと言われ、実際に少女が一人死んだのだ。
こんな状況ではどんな人間でも道を踏み外してしまうかもしれない。
そう、運が悪ければ自分は錯乱した彼女に殺されていたかもしれない。
だが、無防備にただ落ち込むだけの衣を見て同情を覚えてしまったのは事実だ。
危険はあるかもしれないがやはり見て見ぬふりは出来なかった
結果として無事に衣と意思疎通を行うことが出来たのは僥倖だろう。
安堵を感じながらもグラハムは懐にしまった、支給されたコルト・パイソンを見やる。
(モビルスーツに乗ってからはずいぶんと久しいが……やはり良い気分はしない。
これで人一人殺すにはあまりにも簡単なことが。
そして平然とこんな馬鹿げたことを仕組む奴らをな……!)
人型機動兵器、モビルスーツのパイロットである以前にグラハムは軍人だ。
非常時には銃を撃つ覚悟も撃たれる覚悟もある。
だが、それは同じ軍人同士による争いを想定したものだ。
訓練を受けていない一般人に向ける銃は持ち合わせていない。
それも最後の一人を目指すデスゲームなどもっての他だ。
たとえどんな願いが叶うと言われてもそれに釣られることもあり得ない。
他人の命を蹴落としてまで欲望に従うような外道に成り下がるつもりはないのだから。
だからこそグラハムは自分のやるべきことを理解出来る。
ブシドーではなく大尉の頃か支援
支援
「それで……どうするのだ、グラハム? おまえはこの先どうするのだ?」
衣の問いにグラハムが動じることもない。
自分だけではなく、無力な一般人の面倒も見る。
こんな状況で自国の人間、異国の人間だと選別するのも馬鹿らしい。
それが軍属に身を置いた、自分のこの場での務めなのだと彼は信じている。
「決まっている。奴らに教えてやるのさ。
無理やりに命のやりとりを強いられるここは地獄と言っていい。
まさに魑魅魍魎跋扈する地獄変……だが、ここには私が居る、グラハム・エーカーはここに居る。
だから私は宣誓しよう――私が奴らの思惑を覆すッ!!」
その志はまさしく不退転を貫くもの。
夜空を見上げるグラハムの表情には曇りはない。
それこそ雲一つない晴天が顔面に張りついているようだ。
何故ならグラハムはここで死ぬつもりは毛頭ない。
(何故私がこの場に居るのかはわからない。
だが、私が居るということはあの少年が……ガンダムのパイロットが居てもおかしくはない。
なにせ彼のガンダムは私のGNフラッグと直前まで戦っていた。
もし彼と出会うことがあれば、ガンダムともう一度やりあえるチャンスがある……くっ、なんという僥倖だ!)
あの時、疑似太陽炉を内蔵したフラッグを駆り自分は確かに“ガンダム”と戦った。
死闘の末、閃光に包まれた自分は今は殺し合いとやらに巻き込まれている。
ならばあの“ガンダム”のパイロットも同じように拉致されているかもしれない。
そう思うだけでグラハムは胸が滾る心地を感じた。
グラハムにとって“ガンダム”はもはや愛すらも超越した存在だ。
その“ガンダム”を操るパイロットとの再会を望まないわけがない。
そしてこの殺し合いから脱出し、再び“ガンダム”と決着をつける。
それがグラハムのあまりにも強すぎる望みであり全てだ。
一方、衣はというと圧倒されるしかなかった。
思わず口を少し開けて、グラハムの言葉に耳を傾けている。
しかし、衣はその言動から不快感は感じられなかった。
少なくとも伊達や酔狂で言っているわけではない、と。
それだけは強く確信が持て、どこか衣の表情にも明るさが戻り始める。
「そこでだ。天江衣……君はどうしたい。
私が信用出来なければ残念だがここで別れよう。
もしついてきたいのであれば君の友達を探す手伝いもしてやれるが」
やがてグラハムは衣に意見を求めるが、彼は不意に表情を歪めた。
その理由はなぜだか衣の表情がまた落ち込んだものに戻ったからだ。
タイミングを考えれば自分の言動のなにかに反応した節がある。
何が不味かったのか。言葉には出さずにグラハムは自分の発言を振りかえりだす。
そんな時、衣の方から口を開き始めた。
「友達など居ない……。
とーか以外に衣の友達はここには居ないから……」
グラハムが信用出来ないわけではなかった。
今でも危害を加えられず、話していても不愉快に感じたことはない。
ただ、グラハムに悪意はないのだとわかっていても気にせずにはいられなかった。
思わず“友達”という言葉に反応してしまっただけだ。
結局孤独なままの自分を再び認識し、衣は目頭が熱くなっているのを感じた。
このままではまた涙で頬を濡らしてしまう。
理屈ではなく感覚で容易にわかりはしたが止められそうにない。
いっそもう一度、この溜めこんだ雫を解き放ち楽になってしまうか。
そう思った矢先にグラハムは口を開き出す。
「なら――つくればいい、友達を」
「え?」
「殺し合いを良しとしない者は居るだろう。
私も仲間は必要だと思っていたからな……接触の機会は十分にある。
君と同じ年頃の参加者が居るかもしれないからな」
さも当然のように言葉を繋げていくグラハム。
衣は一瞬困惑したような顔を見せる。
しかし、グラハムの言葉の意味を理解したのだろう。
次第にその表情は変わり、探るような眼差しをグラハムに向け始める。
753www
支援
「本当に……本当にそのようなコトが出来ると思うのか?」
実際にグラハムに言い切れることはないだろう。
衣が発した質問はあまり意味がないものでしかない。
衣自身にも自分がなぜこんな事をいっているのかわからなかった。
自分に友達が出来るかどうかなど全ては自分にかかっている。
だが、衣は問いを投げ掛け、その表情はどこか険しい。
まるで何かを願うような、グラハムの言葉に期待を寄せるような様子を見せている。
ここでどんな返事が返ってこようとも、結局は気休めでしかない。
普通ならそう思うだろうが――どうにも賭けてしまう自分が居ることを衣は感じていた。
この男、グラハム・エーカーの場合は違うのではないか、と。
そして衣の願いは図らずとも現実のものになる。
「出来る。君の願いが本物であれば、必ず出来る。
なぜなら君は君の世界自身……その君が望めばそれは君の世界の声となる。
そうすればきっと今以上に君色に染まった世界が見えるハズだ。
友が居ない世界ではなく、友に囲まれた世界のようなものにな」
理屈じゃない。
言うなれば“頭”ではなく“心”で理解したような感じだ。
かつて麻雀の対局中に従っていた自分自身の感覚と似ている。
真剣な表情を浮かべ、グラハムの口から出る言葉は衣に言いようのない自信を与えた。
自分の願いは本物かどうかなど考えるまでもなかった。
もう孤独は嫌だ。暗がりで一人寂しく生きていくよりかは輪に飛び込んでいきたい。
ようやく出来た友達が待つ輪へ、そして未だ見ぬ友達が待つ輪へ――全力で。
ならば道は一つだろう。
「――改めて言う、天江衣だ。その……衣も連れて行ってくれ、お願いだ!」
「承知した。このグラハム・エーカーが君の身の安全を保障しよう」
衣は強く思う。
自分を待つ未来がどうなるかはわからない。
だけども今はこの男についていく。
殺し合いなどはしない。
ここから脱出し、透華の分も生きる。
友達を見つけ、絶対に。
衣の歩みがグラハムの方へ一歩近づく。
そんな時、同時に変化を生じたものが一つあった。
それは夜空に輝く月だ。
金色の月の輝きが少しだけ強くなった――。
たしかに、ほんの一瞬だけ。
【A-4/森林/一日目/深夜】
【天江衣@咲-saki-】
[状態]:健康
[服装]:いつもの私服
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜3(未確認)
[思考]
基本:殺し合いには乗らない。
1:グラハムについていく。
2:友達をつくる。
【備考】
※参戦時期は19話「友達」終了後です。
※グラハムとは簡単に自己紹介をしたぐらいです。(名前程度)
【A-4/森林/一日目/深夜】
【グラハム・エーカー@機動戦士ガンダムOO】
[状態]:健康
[服装]:ユニオンの制服
[装備]:コルト・パイソン@現実 6/6、コルトパイソンの予備弾丸×30
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜3(未確認)
[思考]
基本:殺し合いには乗らない。断固辞退。
1:主催者の思惑を潰す。
2:ガンダムのパイロット(刹那)と再びモビルスーツで決着をつける。
3:衣の友達づくりを手伝う。
【備考】
※参戦時期は1stシーズン25話「刹那」内でエクシアとの最終決戦直後です。
支援
あ〜衣犯したいなぁ〜
とんちんかんなブシドーさんじゃなくて、安定してた頃のハムさんか
これは安心できる
投下終了しました。
支援どうもです!
なにかあればお願いします。
あと、龍門渕の誤字の指摘どうもです。
wikiに収録された際に修正します。
あ、グラハムの支給品の数が間違ってました。
0〜2です。すいません。
>>744 乙乙
組み合わせ聞いたときは厨二ワードが乱れ飛ぶ展開になるかと思ってひやひやしたぜw
投下乙!
> まさに魑魅魍魎跋扈する地獄変……だが、ここには私が居る、グラハム・エーカーはここに居る。
お前は753かw
でもこのグラハムなら安心だな、色々と
投下乙!
グラハムの方は知らないけど、凄くいいキャラじゃないか。原作が気になる
いいコンビが生まれたなぁ
途中で、名護さんが出たようなry
投下乙です!
グラハムはブシドーじゃなくハムの時期かー、真面目でこっちの方が頼りに(ry
難解な言葉が飛び交って理解できるか心配だったがそうじゃなくて安心だぜ~w
投下乙です!
グラハムかっけぇな。これがブシドーだったらどうなってたんだろうw
てか、2:ガンダムのパイロット(刹那)と再びモビルスーツで決着をつける。
のモビルスーツの部分が後のフラグにしか思えないw
投下乙です
まだマシな時期のハムさんか、ガンダム一筋でロリコンの気はないから一安心
衣が立ち直ってくれてほっとした、がこの状況で友達は作れるんだろうか
投下乙です
グラハムかっけえなぁw
衣もとーかしんだけどいいパートナーにめぐり合えてよかったなあ
二人ともらしくしてGJでした
では中野梓、竹井久投下します。
よろしければ支援お願いします
キタ!支援!
支援
連続だ!
どうしてこんなことになってしまったんだろう?
それ以前に何が起きているかわからなかった。
「星が綺麗だなぁ……」
そんな場違いな事を言って気を紛らわす。
実際凄く星が綺麗だった。
ここは何処かの屋上でそれがスタートだった。
「何で……こんなことに」
何でこんなことなったんだろう?
私――中野梓は頭が真っ白になってしまいそう。
手を息でふいて感じた寒さを和らげる。
そして隣にあったデイバックを抱き寄せた。
全然可愛くないデザイン……
「私何か悪いことしたかなぁ……」
私は珍しく皆で演奏の練習をやっていただけなのに。
先輩達と楽しくやっていただけなのに。
私……何か悪いことしたのかな?
わかんないや
「…………殺し合い」
殺し合い。
ころしあい……
なんか……怖い。
どうして、私がこんな目に遭わないといけないんだろう。
そんなのしたくない。
したくないのに。
「唯先輩……澪先輩……律先輩……ムギ先輩……憂」
取り出した名簿に書かれた名前を見る。
部活の皆さん……そして憂。
あ、私の名前がない……
なんでだろう。
ないなら連れて来なきゃいいのに。
無機質に名前しかない名簿に文句を言う。
「うぁ……怖い」
でもやっぱり怖くて。
私は自分の体を抱きしめる。
思い出すのはあの時死んだ子。
同じくらいの子だったかな……?
その人の首が……飛んで。
死んじゃって。
真っ赤の血が溢れて……
「うぇ……ぁぁ……」
思い出したら気持ち悪い。
胃の中の物が出てきそう……
嫌だ……あんなになりたくない。
「死にたく……ない」
涙が溢れて。
思うのは一つ。
死にたくない。
私は生きたい。
死にたくなかった。
「じゃあ……どうすれば?」
生きる為にはどうしたらいいんだろう?
私はどうすれば生きれるのだろう?
私はデイバックを探って何かを取り出す。
「……うぁ」
一言で言うなら……刃物。
大きな刃が私の顔以上は確実にある。
……こういうの鉈というのかな?
これで……人が殺せる……
「これで……人を殺す?」
これで、人が殺せるの?
人が殺せると言うの?
あの人は殺し合いをしろって。
生き残る為には殺さないとって。
「生き残る為に殺さないといけないのかなぁ……?」
生き残る為には殺さないといけないのかな……
誰かを殺さないと……
……いやっ!
いやだっそんなの。
殺したくない。
誰かを、皆を殺したくない。
……でも死にたくない。
私はまだ生きたい。
まだ演奏をしたい。
まだ、生きて楽しい事、沢山……したいっ!
もっと……もっと!
沢山……沢山……!
「生きたい!」
生きたかった。
じゃあどうすればいいんだろ……
支援
殺さないと……
……殺さないといけない?
こんなどうしようもない状況で
私は……殺さないと……いけない?
「……んーと……貴方大丈夫?」
「ひぇ!?」
そんな時だった。
屋上に一つだけある扉が突然あいたのは。
その人はセーラー服を纏っている見た目私より年上の子で。
腕組みをしながら近づいてくる。
私は怖くなって、後ずさる。
殺されるのかな?
……嫌だ……!
……嫌だ!
「……ちかよらないで!」
「鉈振り回してたら……近寄れないわよ……大丈夫」
その女の人は溜息を着きながら優しそうに。
近寄れないと言いながらも近寄って。
そして
「ほら、大丈夫……名前は?」
私に無垢な笑顔を向けながら手をさし伸ばしたのだった。
……殺さない?
……殺さないの?
……生きてられる?
私は……大丈夫?
ふぇ……
「うぇ……ぁぁぁあぁあぁあああああ!!!!」
「ほら……泣かないの……参ったな全く」
そんな呆れと。だけど優しさが篭った声に私は安堵したのだった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
支援
「落ちついた……?」
「はい……有難うございます。竹井さん」
目の前の女の人――竹井久さんは茶色い髪を風に流しながら優しそうにそう言う。
変わらず笑顔で私を落ち着かせるように。
彼女なら安心できそう……
私は何故か嬉しくなって落ち着いてくる。
あ、でも
「どうしてここが……?」
「……んー……直ぐそこの階段が私のスタートだった」
「え?」
「つまり、聞こえていたのよ、貴方の声が」
私は愕然とする。
つまりは……
あの物騒な言葉も……
「……という事は」
「……まぁ色々聞こえたわよ、そりゃあ。ついでに窓から姿も見えた」
「じゃあどうして……!?」
どうして逃げなかったんだろ……
あんなに危険な言葉を発していたのに。
あんな刃物持ってたのに。
「まぁ……そんな子じゃないと思ったし……簡単に言っちゃう勘かな?」
「勘……そんな勘でもし殺されら……黙って逃げちゃう方が安全じゃないですか」
「安全だけど……無視できなかったし、それに私は待ちが悪い方にかけるのが好みなんだよね」
「そ、そうなんですか……それにしても随分冷静ですね」
「反面教師。貴方が混乱してたら逆に冷静になっちゃった」
「それでも凄いです」
「学生議長……といっても解らないか。生徒会長みたいのやってるしね……まぁ修羅場は慣れてるのよ」
竹井さんは相変わらず笑みを浮かべる。
それでもやっぱり私は凄いと思った。
竹井さんはやがて、さてと句切って
「色々聞きたい事あるの。話を聞いてもいいかしら?」
「あ、はい……」
私は促されるまま彼女の言葉に頷く。
そして居住まいを整えてその言葉の続きをまつ。
やっぱり生徒会長なせいか仕切りは上手い感じだ。
「まずスタート地点は……ここだよね?」
「あ、はい」
「だよね」
苦笑いを浮かべながら次はといいながら顎に手を当て私を見せる。
私はそれに従って何が来るんだろうと思いながら待つ。
「えっと貴方の知り合いは居たの?」
「あ、はい……部活の仲間四人と友達一人が」
「名前は?」
「平沢唯、秋山澪、田井中律、琴吹紬、平沢憂です」
「成程ねー。私は知り合いって言う知り合いでもないけど……」
「……?」
私が疑問符をあげると竹井さんは片目を閉じて困った風に言う。
上手い言葉が見つからないのだろうか?
「まあ、部活での大会でこれから戦う対戦相手ね」
「成程……部活ですか?」
「そう、麻雀の……えっと……多分だけれども……天江衣、福路美穂子、池田華菜、加治木ゆみ、東横桃子の五名ね……ついでに最初に死んだ子も」
「え……?」
「……残念な結果ね」
そう言って何処か神妙な雰囲気になってしまう。
竹井さんは不味いと思ったらしく手を叩いて
「さて最後の質問と行きましょう……か……ってあれ?」
最後の質問と言いかけて止まった。
竹井さんの視線は空の向こう。
何かに気になるように屋上の柵の方へ。
身を乗り出して見つめるもまだ飽き足らないようで。
柵のを乗り越えて、少し屋根になっているような所まで行っている。
少し危ない場所だ。
「ちょっと、竹井さん危ないですよ!」
「大丈夫だって、慣れてるから」
「慣れてるって……」
「あれ、可笑しいなー……何かが飛んでると思ったんだけれども」
そう言いながら未だに空を見続ける竹井さん。
私は子供のような竹井さんを見て、溜息をつこうとして。
私は見つけてしまった。
竹井さんが柵を飛び越えた先にポケットから少し飛びしたもの。
映画で見たことあるもの。
人を殺せるもの。
そう、銃。
竹井さんは……銃を隠し持っていた。
……え?
……なんで?
隠し持ってる必要性あるの?
そんな武器を隠してる必要性あったの?
わからない。
わからない。
なんで?
どうして?
しえん!
支援
そんな殺す道具……なんで隠してたの?
ねぇ……なんで?
なんで……?
もしかして……?
私を殺すためなの?
竹井さんは私を殺すつもりだったんじゃ……?
違う!
そんなつもりなんて無いはず!
私に優しくしてくれたっ!
だから……
……でも。
じゃあ……なんで、私に武器を隠してたの?
いや、なんであんなに錯乱している私に声をかけたの?
ねぇどうでして?
………………殺すつもりだったんじゃ?
そうだ、良く考えれば色々可笑しい。
どうして逃げなかった?……殺せると思ったから。
どうしてあんなに冷静だった?……もう覚悟を決めていたから。
どうして早く殺さなかった?……できるだけ情報が欲しかったから。
全てが当てはまった気がした。
そう、私をどちらにしろ殺すんだ。
殺すに違いない。
そうだ、そうに違いない。
支援
あちゃ〜三人目の犠牲者かぁ〜
嫌だ。
嫌だ。
嫌だ、嫌だ、嫌だ!
死にたくない!
死にたくない!
まだ……しにたくないっ!
殺さなきゃ。
殺さなきゃ。
殺さないと……
殺さないと……!
そう思って密やかに、まだ柵の向こうに居る竹井さんに近づく。
でも、殺せるの?
私は殺せるの?
殺せるの?
いや……無理……
でも……死にたくない……生きたい……
生きたいよぉ
ねぇ……私は
そして突然リフレインする映像。
それは最初に死んだ子の血飛沫。
ぁー……
いやだ……
しにたくないっ!
わたしは……
生きたい!
―――――ドンッ!
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
訳が解らなかった。
突然の浮遊感。
振り返ると黒のツインテール、中野梓の顔が。
そして、私は落とされたんだと気付く。
……あー流石にまずったかなぁ。
殺し合いに乗ってたのかな。
元々、話しかけるのも戸惑うぐらい危うかったけれども……
でも話しかけずに居られなかった。
あのまま逃げるのが安全だろう。
自分の身を守るのならそれが絶対楽。
見過ごせば、何も降りかかるものなんて無い。
……でもそれは私じゃない。
そんな、安全な手、良い手に乗るなんて私じゃない。
私は常に悪い待ちの乗る。
そして、あの子を助ける選択肢を選んだ。
それこそ、私、竹井久だ。
悪い手だからと……可能性が残っていればそれを選ぶ。
でも、流石に……今回はミスったかなぁ。
私としたことが…………
うん……?
違う。
あの子の顔は打算とかそんな悪い顔じゃない。
泣いている、凄い純粋な顔で泣いている。
……うん。
なら、私の待ちはまだ終わっていない。
なら、私の賭けはまだ終わっていない。
きっとあの子はそんなんじゃない。
私はここで死ぬけど……でも、きっとあの子なら大丈夫。
あの子に私の命を託せられる。
これは予想外w
部長……!?
なんて、悪い待ち。
でも、終わってない、竹井久の待ちはまだ続く。
あの子が終わるまで。
終わらない。
なら……いい。
……あーでも
「皆で……全国……行きたかった……なぁ」
――――――グシャ。
【竹井久@咲-Saki- 死亡】
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
よし!これで麻雀ができるし!
あちゃー、竹井の奴とうとう(ry
殺した。
私が殺した。
「ぁー……」
涙が止まらない。
殺したのは私なのに。
殺されようとされたのは私なのに。
なんで、こんなに涙が溢れたんだろう?
胸を締め付けるのは罪悪感。
なんで、殺したの?
私は。
嫌だ。
嫌だ。
「嫌だよぉ……」
嫌で嫌で仕方ない。
何かが『崩壊』していくようで怖くて仕方ない。
仕方なかったんだ。
だって殺さなきゃ殺される。
だから仕方ないのに。
どうして、こんなに心が押しつぶされそうなんだろう。
「苦しい……」
苦しくてたまらない。
でも仕方ないんだ。
こんな『災害』みたいな催しに巻き込まれたんだ。
こんな『緊迫』した状況……殺さなきゃ殺される。
竹井さんだって銃で殺そうとしたんだ。
そう思って、押した時に零れ落ちた銃を拾う。
「……え?」
そして……愕然とする。
弾が…………………………入っていない?
え?
え?
つまり……
つまり……
殺すつもりなんて無かった?
なんで?
弾も無い銃を持っていたの?
やっちゃいましたね、あずにゃん
……ううん、脅すのには充分。
……私がこんなに混乱したように。
……でも襲われたら殺されるのに?
どうして?
―――『私は待ちが悪い方にかけるのが好みなんだよね』
……ぁー。
殺すつもりなんて……最初から無かった。
全ては善意なんだ。
私は……私は
ただの『誤解』で殺したんだ。
……あぁ
「うあぁあああああぁああああぁあああああ!!!!!!!!!」
私は……私はぁ……
なんて事をしてしまったんだ。
あぁ……あぁあぁああああ。
どうしよう?
どうすればいい?
私は助けてくれた人を殺してしまった。
そんな私はどうすればいいの?
私の罪はどうすれば償えるの?
どうやって?
ねぇ……どうやって?
私の勘違いで。
そして、竹井さんにとって『突然のアクシデント』で死んでしまった。
彼女に罪はないのに。
じゃあどうやって……?
死んで償う?
「出来ない!……そんなの出来ない!」
死ねない。
私はただ、生きたい。
ただ、生きていたいだけなのにぃ。
嫌だ。
嫌だ。
こんなの嫌だ。
「帰りたいよぉ……」
帰りたい。
こんなの苦しいの嫌だ。
こんな苦しい『悲劇』なんて嫌だ。
私は……
私は狂うことも出来ず。
「ぁぁぁあ……」
泣くことしか出来ない。
ねぇ私はどうしたらいいの?
苦しいよぉ……
「生きたいよぉ」
そんな問いに答える人はもういなく。
星空の下
悲しみと絶望だけが私の胸を締め続けていた。
あ〜こりゃキャプテンがマーダー枠に入りかねんなぁ。。。
【G-3/南部 ビル屋上/一日目/深夜】
【中野梓@けいおん!】
[状態]: 深い悲しみ、絶望、罪悪感、健康
[服装]: 桜が丘高校制服(冬服)
[装備]: 鉈、S&W M10 “ミリタリー&ポリス”(0/6)
[道具]: 基本支給品一式、不明支給品(0〜2)
[思考]
基本:?????????
0:???????
1: 生きたい。
[備考]
※本編終了後から参戦、
※屋上に竹井久のデイバック(基本支給品一式、不明支給品(0〜2)、.38spl弾×60が放置されてます
投下終了しました。
夜分遅く支援有難うございました
投下おつー
あー、一般人だけにやっちゃったなぁ……
立ち直れそうな気がしねーぜ!w
投下おつでした……
部長……部長ぅぅ……(_TдT)
投下乙です
あずにゃん立ち直れるのかな、これ…
部長…黙祷…
投下乙
咲勢は死に役とは思ってたけど一回目で二人も死ぬとはなぁ
投下乙
一般人同士の出会いって極度の緊張状態で出会うから非常に怖い
しかしこれで けいおん×咲で二連続咲死者スレ行きか・・・
憂は予想できたけど、あずにゃんかあ・・・
投下乙です。
誤解で殺されるのはやっぱ哀しいなぁ。
>>825 しかも同じ作品のキャラにだなw
感想ではないけど、グラハムと衣のコンビというのを見た瞬間『グラコロ組』というそのまんまなコンビ名が脳裏を過ぎったw
うん。どこぞの期間限定ハンバーガーが縁で生まれたようなコンビ名だ……w
OP合わせると咲は三人死んでんな
うぅむ、、、
機動天使のどっちを部長が身を張って洗脳から解放する
っていうネタ考えてたんだがw
さすがに衝撃的すぎて死者スレに書き込む気力がわかない…
>>828 ちょうど今チラシを見て思い浮かべてしまったじゃないかw
逆に考えるんだ
咲キャラが死にまくるのは死者スレで麻雀するための伏線なんだよと考えるんだ
カイジキャラもお出迎えする必要があるなw
結局予約解禁はいつになるんだ?
最初の予約ラッシュの作品が全部投下されてから改めて決めるのか?
ライダーって桜に対する奉仕マーダーみたいだけど、人を殺しまくって自分も死んでまで桜を生かそうってほどに依存してたっけ?
そうだとしても、桜に会う前に桜が死んでたらスッパリ切り替えても良さそうだけど。
桜参加してないじゃん……
後、原作やらないと分からないがライダーの桜依存はかなりのもの。令呪が失くなっても言うこと聞いて命掛けの戦いをするぐらいには。
元々サーバントのほとんどは一部例外を除き二度目の生に執着は余りないってことも加えるとあれぐらいは考えるだろうと個人的には思った。
人質ルールもあることだしモチベーションには困らんよね
ライダーって慎二のサーヴァントじゃないっけ?とアニメしか見てない私が言ってみる
慎二と桜を見て、どちらを守りたいと思うかは明白だろ
かわいいは正義
サーシェスとリリーナ…
学校って藤乃・小萌・紬・撫子・かじゅが居るんか
次の予約時には五人一斉に予約入るんかね、やっぱ
…すげぇ大惨事になるな
そのパート人気ありそうだよな、やっぱり
予約解禁はまだかなー
早くも学校は波乱か
それにしても早いこと規制解除してほしいな
と携帯で書き込んでみる
ふじのん無双を止められないものか
撫子以外は全員一般人かな
先生はレベル的には0なの?
バーサーカーとキャスターとユフィ様が駆けつけてきてくれるよ、きっと
>>844 超能力カリキュラムと施術を全く受けてないからただの人間
藤乃の能力制限見るに全員逃げること自体は可能かしら
小萌が熱血振りを発揮して藤乃を説教して…
うん、無理だな、無理
バカ代表のヴァンと童貞危機のヒイロに頑張ってもらうしかない
セイバーデュオプリシラ投下したものです。代理投下頂きありがとうございます。
ご感想ご意見くださったかたも感謝。
アサシンの物干し竿についての記述はまとめに載せる際に修正します。
あと、デュオの道具欄ですが、一応セイバーの分の荷物をデュオのほうに載せておきました。
あと、ツェザリカの横の数字2/5は弾倉五発のうち二発の弾が銃に残っているという意味です。
対呪いに強くなったりとか・・・ないか・・・
それはさすがにないだろうw
ただ、超常現象とかに対する適応ははやいかもしれない
撫子は純然たる被害者なんで能力はない
学園都市の能力者は生徒だけで教師は能力者じゃない
紬は眉毛がタクワンになるから人外
議論スレより、予約ルールに関して加筆がありました
・予約延長は一回の予約につき一度まで
・投下された作品のキャラは、24時間以内にその作品への修正・破棄の要求がなければ予約が可能になります
破棄宣言、予約期限切れがあった場合はその時点を持って予約されていたキャラの予約が解禁されます
なお上記ルールは今晩0時より適応されます
詳しくはしたらばの議論スレ、Wikiの書き手ルールを参照下さい
続いて告知
現在議論スレにて、曖昧な状態である二週目の予約について共通認識を作るため議論中です
こぞって参加お待ちしています
規制がきついみたいだね
2週目も何も、どんどん続きを書いていけばいいと思うんだ
なんでこんなに規制されてるんだろね
みんな政治絡みのどでかい規制が悪いんや。
政治ゴロなんか大嫌いだー。
修正作を投下します
支援
何処か懐古的な木製壁掛け時計の音に抱かれながら、私は静かに瞼を閉じていた。
一定時間毎に流れる機械的な音が、私に狂気的な悪意を以て迫る。
迫られる原因も、心当たりさえもが皆無なのに、こんなにも私に迫る。
まるで選択を強いるかの様に、私の脳内を、無垢で純粋な結晶体を。
時計の音が巨大なの鎚となり、これでもかと思い切り叩く。あんまりだと思った。
それは、時計の音だったから。だから時間が無いぞ、と言われている様で、酷く居心地が悪かった。
……最初は、突然過ぎるこの意味不明な状況に動揺したものの、存外私は平静を保てる様だった。
無くなった傷みも、復活した痛みも、少なくともこの出鱈目な状況に比べれば些細な問題であり、容易に許容出来た。
あの目茶苦茶な人と戦っていた最中だったから、興奮が覚め切らず出鱈目な事が起きようが気にならなかった、というのも確かだけれど。
死者の復活や元の世界への生還、また、魔法という言葉。
それらを吟味・考慮すれば、成程確かに傷が治るのも頷けるというものだ。
そんな事よりも重要なのは、支給された顔写真入りの詳細名簿によると、此所には先輩――黒桐幹也という名前らしい――も居る、という事。
先輩に安全に会う為には、最低限、邪魔者を排斥する必要性がある。
そして先輩をこの恐ろしいゲームから脱出させる為には、先輩を優勝させなければならない。
でもそれも、恐ろしい事だけれど、私の力なら……或いは、可能。
私は刮目し、ゆっくりと古びた椅子から立ち上がる。
痛んだ節がぎいと悲鳴を上げ、狭い部屋を反響した。
今は誰も、誰も誰も、此所には居ない。
それは凄く心細いもので、私には、部屋が何故かとてつもなく窮屈な犬小屋の様に感じられた。
転送された際に負った掌の傷を、何かを焦らす様に指でなぞった後、私はぎゅうと両肘を強く抱く。関節が少しだけ軋んだ。
ふと、床を見る。
不細工な檜板が敷き詰められたそこへは、窓から差し込んだ月光が四角く切り取られ、青白く差していた。
部屋を漂うハウスダストは、立体にも見える光の筋を浴び、銀色に輝き、私へと自慢気にそのダンスを見せ付けている。
私は首に掛けた軍事用ゴーグルを人差し指でこつんと弾き、近くのソファに腰を降ろした。
待ってました、とばかりに舞い上がった塵の黴臭さに息を詰まらせながらも、溜息を一つ。
負傷した掌を無意味に開閉させ、くつくつと肩を揺らしてみる。血が滲む。擦り傷が、痛い。
痛くていたくて、堪らない。
私は、正面の壁に掛かっている鏡に映る自分の顔を見た。そして、純粋に驚いた。
禍々しく歪んだ三日月が、その存在を私へとこれでもかと誇示していたからだ。
……殺し合い、だなんて。本当は恐ろしくて仕方がない。怖くて堪らない。
命が惜しくて、身体が震える。死にたくない。そう、私はこのゲームが怖くて怖くて―――
「私、笑ってる」
―――とても、*しい。
「嘘。そんな事、信じられない。こんなにも、痛いのに。
人を殺して先輩を勝たせるなんて、本当は鬼畜の諸行で、私の心は痛んでいる筈なのに」
私は腰を上げ、肋小屋から外へと通じる扉、その真鍮のノブを握る。
寒気を覚える程の冷たさに何故か快感を感じつつ、私は下界へと足を伸ばした。
半分朽ちた扉をみしりと軋ませながら、私は誘蛾灯へと命を投げ羽ばたく蝶々の様に、ふわりと星空の下へと繰り出す。
肋小屋の中の生温い濁った空気とは違い、外の空気はひんやりと冷たく、凜と澄んでいた。
私はその神聖とも言える空気を肺に見たし、得も言われぬ恍惚感に、目を潤ませた。
禁忌にも似た、蕩ける様な緋色の快感が、私の四肢を支配し、背筋の産毛を逆立てる。
これから自らが起こすであろう行為に、私は心底激しく嫌悪し、そして同時に強く興奮していた。
物は試しにとばかりに私は言霊を吐き、手頃な赤煉瓦の塀を捻る。
空間、物体。それら融解した様に僅かに歪む様は、成程明らかに一般的な広義での常識から乖離している。
私は左右に捻れる景色をぼうと見ながら、改めて己の力に畏怖と特異性を感じた。
ところで、急がば回れ、とは誰の言った言葉だっただろうか。正にその通りだ、と私は思う。
行動する前に、先ずは能力制限なるものを確認するのが先であり、無論最重要事項なのだ。
「……やっぱり、タダでは使わせてくれませんよね」
私は溜息を吐き、掌に滲んだ血を指先で撫でる。私の能力は、あの人にしか視認出来ない筈、なのに……。
「もう一度。“凶がれ”」
めきゃり、と、到底塀が発するものではない音が、しかし塀から上がり、そこに走る鉄パイプが右に螺旋を描いた。
嗚呼……なのに、こうしてはっきりと私の能力が見える。
緑と紅の、半透明蛍光色の螺旋が、はっきりと。
「なら多分、あの人にも、何かの制限がある筈。……あの眼さえ封じれば、私の方がずっと強い……」
支援
私は目を細め、微風に揺れる髪を右耳に掛ける。考察すべき事は、課題は、山積みだ。
首から下げたゴーグル――どうやら赤外線機能や拡大機能もあるらしく夜でも見やすい――を被り、私は右手側を見る。
円くなる事を許されなかった月。その身体を隠す、高く聳えるそれを、確認する為に。
さあ次は、いよいよ侵入。誰かが居れば、とても嬉しいのだけれど。
……嬉しい? いやいや違う、嬉しくなんかない。
これは仕方無い事で、必要犠牲と必要殺人。本当は私も、こんな事はしたくはない。
「私の前に立ち塞がるものが化物でも、人でも、何であろうとも」
そうして私は、原因不明な何かに火照り紅潮した頬をつうと指で撫でながら、嫌に暖かく絡む唾を飲み込む。
「生きている相手なら……たとえ神でも、凶げてみせます」
ちょっと、出来過ぎかもしれません。制服の私の活躍、初舞台が―――学校、だなんて。
【E-2/学校・校門前/一日目/深夜】
【浅上藤乃@空の境界】
[状態]:健康
[服装]:制服
[装備]:軍用ゴーグル@とある魔術の禁書目録
[道具]:基本支給品一式 参加者詳細名簿 不明支給品×1
[思考]
基本:幹也の為、また自分の為(半無自覚)に、別に人殺しがしたい訳ではないが人を殺す。
1:学校に誰かが居れば、その人にはとても悪いが凶げて殺す。
2:学校に誰も居なければ、移動して人に会い、本当に申し訳ないが凶げて殺す。
3:幹也に会いたい。
※式との戦いの途中から参戦。盲腸炎や怪我は完治しており、痛覚麻痺も今は治っている。
【軍用ゴーグル@とある魔術の禁書目録】
電磁波などを見る事が出来る特殊な軍用ゴーグル。双眼鏡代わりなどにもなるようだ。
【参加者詳細名簿】
参加者の顔写真、またその他簡単な情報が記されている。記載情報の程度については後任の書き手氏にお任せします。
【浅上藤乃の能力・制限】
1:魔眼・歪曲
視界内の任意の場所に回転軸を瞬間的に設定し、捻じ切る。
右目は右回転、左目は左回転の回転軸を発生する。
能力発動には回転軸を設置する対象を視認し、「凶がれ」と言わなければならない。
また、対象者が藤乃の存在を認知していなければならないとする。物体は例外。
本来不可視であるこの超能力だが、可視とする。人の目には、藤乃の目から緑色と赤色の螺旋が高速で飛んでくる様に映る。
歪曲の魔眼は、概念、また藤乃自身がこれは曲げられないと認識したものは歪曲することができない。
藤乃の曲がらないイメージのものは黒桐幹也。
射程距離は視界内全域。
余りにも巨大なものを曲げると、反動として視覚に異常をきたす。視覚を失えば、この能力は使用出来ないとする。
2:透視・千里眼
現在、習得していないが、習得の可能性は十二分にあるものとして、習得した場合について記す。
この能力により、視点位置を空間内に任意で設置し、脳裏に視界を広げて見渡す、また任意で建造物等の内部を透視することが可能。
実際に視点を飛ばせる距離は、最大でも自らを含む1エリア圏内とする。
また、この能力を使用して、“生きている人間を曲げる行為”、“曲げた結果、人が死ぬ様な物体を曲げる行為”は出来ない事とする。
投下終了。
867 :
『魔女は晩餐』◇00PP7oNMRY氏の修正案代理投下:2009/10/29(木) 23:50:20 ID:fFoK3Fst
868 :
代理投下:2009/10/29(木) 23:54:32 ID:fFoK3Fst
つづいて、Magician’s circle ◆WWhm8QVzK6氏の投下開始致します
869 :
Magician’s circle ◇WWhm8QVzK6氏の代理投下1:2009/10/29(木) 23:55:33 ID:fFoK3Fst
街灯の光が道路を照らす。
だというのに、そこは暗かった。
人影だ。光に照らされて猶、それは黒い塊でしかなかった。
上から下まで真っ黒。その位置からピクリとも動きはしない。
男の貌は、さながら長年に渡り難題に挑み続けた哲学者のような苦悩の表情を浮かべている。
「何よ……アンタ」
得体の知れない恐怖の所為か、少女の口からは自然に声が漏れる。
目の前に居るのは確かに人間のカタチをしている。
だというのに、まるで人間らしさが感じられない。
何か、スクリーンに映った影を見ているかのような――そんな錯覚に陥った。
だが、それは確かな質量を持って其処にいる。
未だ眉一つすら動かすことなく。
黒い石碑のような男は、少女の質問とも取れぬような問いに対しつまらなさ気に応えた。
「魔術師――荒耶宗蓮」
◆◆◆
「魔術師……?」
少女は怪訝な面持ちで言葉を返す。
確かに男の外套は魔術師めいていたが、それでも『魔術』というのは彼女にとってみればオカルトでしかない。
そんな突拍子もないことを言われても俄には信じられない。しかし、男の言葉は明らかに断言するものだったし
何より、過去の記憶が呼び起こされた故に一瞬戸惑った。
(たしか、あいつもそんな事を――)
この男と彼は接点があるのだろうか?
それを見知らぬ人間に訊くのは憚られたが、どの道訊かねば分からない。
そう判断し、彼女は尋ねた。
「上条当麻…って知ってますか?」
「知っている。それは、参加者の一人の名前だろう」
そういうことじゃなくて、と言いかけたが、そこではたと理解する。
この男も、自分と同じ『殺し合いの参加者』だということを。
警戒を強める一方、魔術師はさらに言葉を続けた。
870 :
Magician’s circle ◇WWhm8QVzK6氏の代理投下2:2009/10/29(木) 23:55:59 ID:fFoK3Fst
「無論貴様の事も知っている。御坂美琴」
「別に、私の事を知っている人間なんて珍しくありませんよ」
「甘い。この場において素性を他人に知られているということがどれだけ危険か理解できていないようだな」
「……まさか、大のオトナが殺し合いをしろと言われたからってホイホイ乗るようなもんなの?」
美琴は半歩下がる。
逃げるためではない。体勢を、整えるために。
「不服はない。何故ならば、この場は私が用意したものだからな」
え。と、少女は耳を疑う。
と、同時に男は外套の下から片腕を突き出した。
突き出したその手には、ナイフが握られていて――
閃と、光が奔る。
「……!!」
しかし、そのナイフは美琴に届くことはなかった。
いつの間にか、美琴の前には黒い壁が出来ている。
ただ、その壁には表面をさらさらと小さな粒が流れていた。
周囲から集めた砂鉄を磁力で固め、鉄の壁を作った。
(ギリギリ間に合ったけど……今の言葉って…)
男は何も言わない。
少女が動き出すをのを、待っているかのように。
「あんたは……あいつらの仲間」
「その通りだ。これの意味するところはお前には分からぬだろうが、知ったところで意味などない」
荒耶は一歩進む。
「……っさせるか!」
美琴は両手の親指で10円玉をそれぞれ宙に弾くと再びそれらを親指に乗せ、
言葉と同時。
オレンジ色に眩く輝く槍が、斜め十字を描いて魔術師の眼前を横切った。
否、槍ではない。単に光の残像がそう見せているだけなのだがそれは間違いなく其処に存在し、荒耶の両側にある樹木を貫いた。
一瞬送れて轟音が鳴り響く。
同時に生まれた衝撃波は、男の外套を激しくたなびかせるがそれでも動じる気配はない。
男の背後では車道のアスファルトが抉れ、30メートル先まで爪跡を残している。
その威力は想像するに難くない。まさしく必殺に相応しかった。
871 :
Magician’s circle ◇WWhm8QVzK6氏の代理投下3:2009/10/29(木) 23:56:39 ID:fFoK3Fst
『超電磁砲(レールガン)』。
強力な電磁石を利用し、金属の砲弾を撃ち出す艦載兵器。
らしいが、この少女はそれを難なく再現してみせたのだ。
御坂美琴は超能力者である。
一般的な常識ならば在り得ないと一笑に賦されるだろうが、彼女の世界の常識ではそれこそ在り得ない。
その世界には超能力を開発する機関が存在し、それにより「普通の人間には不可能」な現象を扱える人間が育成された。
当然、全ての開発が上手くいくことはない。約32万人いるという能力者も、その6割が「精々スプーンを曲げる程度」の能力しか持ちえなかった。
しかし、彼女は違う。努力を積み重ねた結果、彼女は全体で7人しかいない“超能力者(レベル5)”にまで上り詰めたのだ。
超電磁砲は、まさに彼女の称号に相応しい能力と云えるだろう。
胴体を貫かれた樹木は、そのまま直立を維持することが出来ずに荒耶に倒れこむ。
だが、その前に魔術師は発音した。
「不具、」
空気が変質する。
「金剛、」
傾いていた樹木が、停止する。
美琴は、床に浮かび上がる光の線を捉えた。
「蛇蝎、」
倒れるはずだった木々は、荒耶を目前にして完全に静止した。
物理法則からしてあの位置で止まるのは有り得ない。
しかし止まっているのは、木だけではなかった。
男の、線の周囲から、ありとあらゆる流動が途絶えていた。
見えている。
魔術師の足元を中心に広がる、三つの円形の文様が。
その円の中心からちょうど半径の長さのところで、まるで蜘蛛の糸に絡めとられたように動かない。
平面と立体に展開された光の線は、変わることなく存在している。
生物であるならば、あの領域に踏み込んだ瞬間に動力を止められてしまう。
美琴には、それが何なのかは分からない。
自身の常識に当てはめて考えるしかないからだ。
魔術を知らない彼女にとって、これは得体の知れない存在だった。
(……空間に作用する能力?だとしたら近づくのは拙いわね。どのくらいの距離かは分からないけれど…てかこれ逃げた方がよくない?)
872 :
Magician’s circle ◇WWhm8QVzK6氏の代理投下4:2009/10/29(木) 23:57:15 ID:fFoK3Fst
彼女の考察は概ね正しい。
踏み込めば動きを止められて離れても圧搾される。
こっちが攻勢に出て隙を作り、その間に逃げなければジリ貧になるだろう。
目の前の存在を見据え、一歩後ろに後退する。
手には10円玉を備えながら。
さらに一歩、踏み出すと
突如、目の前が真っ黒になった。
(え―――嘘―)
カラダが、動かない。
指一本すら動いてくれない。厭な感覚に冷や汗が伝う。
だが、そんな感触に気は割けない。なぜなら、目の前にある闇は、荒耶宗蓮に他ならないのだから。
「、戴天」
気配すらない男の接近に美琴は反応できなかった。
いや、見えているのだから眼で追う事は出来る。ただ、そのスピードは反応できる範疇を超えていた。
実際はどうなのだろう。気配がないから反応できなかったのか。反応できないほどの速度だったのか。彼女には判らない。
三重の外周の線が美琴を捕える。止まった指は、小銭を取り出すために持っていた財布を取り落とす。
視界は、壊れたフィルムのように動かない。
止まったままの眼で男の貌を見る。
魔術師の表情は、苦悩のまま変わらない。
「、頂経」
ズドン、と。
腹に鉄塊が激突するような感覚を憶えた。
少女は撃ち払われた衝撃でそのままタイル張りの歩道を10メートル程滑り、うつぶせの状態でようやく止まる。
直ぐに立ち上がろうとするも、腹の鈍い痛みにまた膝を付く。
痛みを声に出すことが出来ない。内臓を瞬間的に圧迫された激痛は、そう簡単に治まるものではない。
「瞬時に電撃を放ち威力を軽減したか。その能力、なかなかに機転が効くと見える」
「……!!」
確かに、美琴の行動は的確なものだった。
動けないとはいえ、電撃を放つことは出来る。生命活動そのものが止まるわけではないからだ。
故に男の拳に向かって高電圧の電撃を発生させて威力を抑え、衝撃でその場から離脱したのだ。
渾身を込めれば、この静止の結界は抜け出せないことはない。
だが、喩え威力を抑えたとしても、コンクリートの壁さえ貫く荒耶の一撃はそう生温いものではなかった。
内臓損傷はしなかったものの、御坂美琴は未だに立ち上がれない。
873 :
Magician’s circle ◇WWhm8QVzK6氏の代理投下5:2009/10/29(木) 23:57:51 ID:fFoK3Fst
苦痛を訴えるその表情は、同時に驚きをも現している。
彼女の眼は、男の左腕に向けられていた。
殴りぬけた腕は当然、美琴の電撃を喰らっているのだ。無傷で済む道理はない。
しかし、これは如何なる神秘か。
「なんで……っ、何で、アンタは……傷一つ付いてないのよ……!!」
吐き出すように叫ぶ。
男の左腕は、高電圧の電撃をまともに受けたにもかかわらず、全くの傷がない。
軽い火傷すら起こしていないその腕は健在だった。
「――痴れた事。この左腕には仏舎利が埋め込んである。その程度の技では、この加護を突き崩すことは出来ぬ」
荒耶は、再び右腕を掲げる。
まるで離れた位置のままから、美琴の頭を掴むかのように――
美琴は、未だに動けない。
「終わりだ。死を怖れる必要は無い。遅かれ早かれ、この矛盾した世界では訪れることだろう」
相手の繰り出す攻撃はさっきとは違う。
おそらく一撃でケリのつくものだろう。
そう予感してしまったが故に、彼女にはなす術がなかった。
「いや、だ―――」
呟きは、虚しく夜闇に響いた。
だが、攻撃は来なかった。
874 :
Magician’s circle ◇WWhm8QVzK6氏の代理投下6:2009/10/29(木) 23:58:44 ID:fFoK3Fst
魔術師の構えが崩れている。
その双眸は、真っ直ぐと美琴の方向を睨んでいる。
但し、見ているのは美琴ではない。
その視線は、彼女のはるか後ろを見据えていた。
瞬、という音が聞こえる。
それと同時に、荒耶の目の前には、鉄杭のような矢があった。
代わりに結界を一つ、消滅させて。
ちょうど美琴の真後ろに、赤い影があった。
白髪に褐色の肌。赤い外套の下には黒い服を着込んでいる。
手には長弓と矢を構えている。だとしたらさっき飛んできたのは矢なのだろうか。
その姿は20mも離れていて、傍から見ただけでは何処の国の人かは分からない。
だが、その人間は、間違いなく日本語で発言した。
「たわけ!奴から目を離すな!!」
ビクッと肩を震わせながらも正面に向き直る。
既に、荒耶は美琴から後5mの所まで接近していた。
しかしその猛進は再び阻まれる。
間髪入れずに放たれる数々の矢。それらは悉く魔術師の結界を貫通し、荒耶の元に到達する。
最初の奇襲から数えて四撃目で、既に荒耶を守る防壁はその用途を満たしていなかった。
それでも、魔術師には届かない。
息もつかせぬままに放たれる閃光をぶれることなく往なし、躱す。
一つ、避け損ねたのか荒耶の左頬を切っ先が掠めた。それにより、そこから粉のような血液が零れ出す。
それぞれが例え必殺の一撃を持っていようとも、当たらなければ意味はない。
繰り出された本数は一三本。彼は、その全てを避けきった。
だが、その代償に赤い男と魔術師の距離は20mも離されていた。
両者ともに、何も語らない。
荒耶は右腕を掲げる。
対して、赤い男は真紅の矢を一本構えた。
875 :
Magician’s circle ◇WWhm8QVzK6氏の代理投下7:2009/10/29(木) 23:59:26 ID:fFoK3Fst
先に口を開いたのは、赤い男の方だった。
「貴様の攻撃が何かは分からんが、この『赤原猟犬』を躱せるというのならば構わんぞ。
そちらも此処で果てるにはいささか不都合なのではないか?」
「――よかろう」
お互いの攻撃は読めない。
分かっていることは、どちらも必殺に相応しいということくらいだ。
「貴様…『この場は私が用意した』と言ったな」
「その通りだ」
「……ならば、お前は奴らの協力者か」
語るまでもない、と。
男の貌が告げていた。
「だとすれば理解に苦しむな。なぜ奴らの側にいる存在がこうして私達と同じ立場にいる?」
当然の疑問だ。
まさか、仲間に騙されて放り込まれたわけでもあるまい。
「私の目的が此処にあるからだ。それに、この殺し合い自体は私にとってみれば保険に過ぎない
貴様こそ何故それを訊く。魔術師である以上、当然の願いだろうに」
「……まさか」
「では、さらばだ。行く障害全てを排除すべきと思ったが、それでは我が身が持たん。
遊戯は貴様らだけで愉しむがいい。尤も、邪魔をするならば容赦はしないが」
荒耶は背を向ける。
「――待ちなさいよ!」
少女は叫んだ。
しっかりと立ち上がりながら、男を見据えて。
「あんたの……いや、あいつらの目的は何なのよ!こんな所に人を集めて…本当は何をするつもりなの!?」
荒耶は答えない。
そのまま、闇に消えるようにいなくなった。
赤い男はそれを見届けると、小さくこぼした。
「……やはり二本出しておくべきだったか」
876 :
Magician’s circle ◇WWhm8QVzK6氏の代理投下8:2009/10/30(金) 00:00:37 ID:fFoK3Fst
だから何なのか、美琴には分からなかったが、とりあえず自分に対する敵意はないと判断できた。
それこそ、殺す気ならば真っ先に殺害されているだろうから。
「あの……貴方は?」
少し考え、少女は切り出した。
色々と聞きたいことがあったし、何より、こんな事態では誰かといなければ不安で仕方がなかったのだ。
相手の目的は分からないが、とにかく何かしなければ始まらない。そう思ったのだが、
「こんな場所で話してる場合か!付いて来い」
そのまま、腕を掴まれてダッシュされた。
「えっ……な、ちょ、ちょっと待って……!」
「何故待たねばならん。何をするにも建物の中の方が見つかりにくいし安全だろう。」
「それはそうだけど……」
こういう想像は場違いだけど、と美琴は思うが。
男の方は全く気にしていない様子だった。
まだ中学生の女子を、問答無用で屋内に連れ込む男。
状況が違えば、もの凄く危ない絵に見えかねない。
◆◆◆
月の光すらまともに届かない路地裏を、荒耶宗蓮は歩いていた。
「――英霊をあれだけ押さえ込めるならば、上等か」
頬の血は止まっている。
何をするでもなく、男は空を見上げた。
滞りはない。
首輪も働いているようで、会場にある些細な仕掛けも影響はあるようだ。
尤も、仕掛けと呼ぶほどでもない物だが。
人を不安定にさせるならばこの殺し合いという状況だけでも充分だが、念には念を押して、人を狂わせるような細工をしておいた。
大抵の者には影響は出にくいだろうが、心の弱いものならばすぐに崩れる程度の。
「時間はない。最低でも、自らが死ぬ前に両儀を捕えねばな」
取り付けられた制限は、他の参加者に対して設けられた制限を考慮すればさして問題ない程度のものだ。
協力者に対してのハンデか。まあ、参加すると言った時には驚きと同時に嗤われたものだが。
だが、本来の目的を知られなければそれでいい。
この会場は荒耶の肉体も同然だ。彼が手を加えたが故に、全体が異界と化している。
それでも、自らの目的を帝愛グループに悟られてはならない。
荒耶が行うことは完全に彼らの目的に反している。それを察知されないために、転移は使えない。
何処まで監視されているか、彼自身にも分からないからだ。
だから、彼はあくまでも自分の足で偶然を装い、両儀式のもとに辿り着かねばならない。
(目的まではあと僅かだ。式の身体を貰い受け、根源へと辿り着くのみ――)
877 :
Magician’s circle ◇WWhm8QVzK6氏の代理投下9:2009/10/30(金) 00:01:22 ID:fFoK3Fst
【E-4/市街地東部 歩道/一日目/深夜】
【御坂美琴@とある魔術の禁書目録】
[状態]:腹に打撲、疲労(小)
[服装]:制服
[装備]:
[道具]:基本支給品一式 誰かの財布(小銭入り) 不明支給品×2
[思考]
基本:人を殺したくはない。
1:男(アーチャー)と話をする。
2:魔術って……。
【アーチャー@Fate/stay night】
[状態]:健康 魔力消費(小)
[服装]:赤い外套、黒い服
[装備]:
[道具]:基本支給品一式 不明支給品×2
[思考]
基本:???
1:少女の安全を確保する。
2:荒耶に対し敵意。
【E-4/市街地中部 路地裏】
【荒耶宗蓮@空の境界】
[状態]:健康、頬に浅い切り傷
[服装]:黒い外套、黒服
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×3
[思考]
基本:主催者側に悟られないように両儀式を捕え、根源へと辿り着く。
1:抑止となる存在は殺す。無理に戦闘はしない。
※荒耶宗蓮は主催者の協力者です。参加者の名前と顔は把握してます。
※主催者に悟られないように転移は使わないと考えています。
878 :
Magician’s circle ◇WWhm8QVzK6氏の代理投下10:2009/10/30(金) 00:05:39 ID:Hi88ywu9
>>877のアーチャーの修正が出されていました
見落とし申し訳ありません
※修正後
【アーチャー@Fate/stay night】
[状態]:健康 魔力消費(小)
[服装]:赤い外套、黒い服
[装備]:
[道具]:基本支給品一式 不明支給品×3 赤原猟犬×1(2時間後に消滅)
[思考]
基本:???
1:少女の安全を確保する。
2:荒耶に対し敵意。
【アーチャーに対しての制限】
固有結界は魔力消費(小)以上の状態でないと使用できません。
投影による魔力の負担増。真名解放にはさらに魔力を要します。
投影したものは、何であれ2時間後に消滅します。
【荒耶宗蓮に対しての制限】
『金剛訳・粛』の威力制限。
六道結界の耐久力減。
起源『静止』により死なないと言う事はありません。
【御坂美琴に対しての制限】
能力を使うことによる疲労度合いの増加。
879 :
Magician’s circle ◇WWhm8QVzK6氏の代理投下10:2009/10/30(金) 00:05:54 ID:Hi88ywu9
代理投下は以上です
投下乙
やっぱアーチャーのかっこよさは異常だな
ビリビリ危なかった、荒耶は桁違いだな
881 :
予約解禁のお知らせ:2009/10/30(金) 00:50:06 ID:Hi88ywu9
【告知】
・明日金曜深夜24時(土曜深夜0時)を持って二週目以降のキャラ予約を解禁します
以降の予約に関しては新予約ルールが適用されます
ご注意下さい
【書き手枠について】
* 一度に予約できる書き手枠は一枠のみです
* 一度書き手枠を予約した書き手氏は、その予約分の投下後1週間以上経過後ならば再び書き手枠の予約ができます
(書き手枠を使わない通常の予約であれば間を開ける必要はありません)
【予約について】
予約をしたい場合はしたらばの予約スレにトリップをつけて予約したいキャラ名を書き込んでください。
予約期限は3日(72時間)です。予約期間中に申請すれば2日(48時間)の延長ができます。
【重要】予約の延長は、一回の予約につき一度だけ利用できます。
あるキャラの予約が行われた時点で、他の書き手はそのキャラを含んだ予約または作品投下が出来なくなります。
予約は予約期限切れ、予約破棄宣言、対応する作品投下のいずれかを持って解除されます。
予約期限切れ、予約破棄宣言の場合、その時点を持って予約されていたキャラの予約が可能になります。
対応する作品投下の場合、その作品に対して24時間以内に修正・破棄の要求がなければ、
その作品のキャラの予約が可能になります。
【投下終了宣言について】
基本的には本スレに投下後、投下終了宣言をもって投下したとみなされますが
規制などにより2ちゃんねるにレスできない場合は、
その旨を明記して
作品仮投下スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13136/1255875637/ に投下して投下終了宣言と致します
議論についてはこちらで行っています
アニロワ3議論スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13136/1254818360/
つーかマンション以上の設備が無いと荒耶が協力する理由が無いような
64種類の死に方より質のいい死に方は無理だろうし。
他にも人形+空間遮断並の結界もあるのに
どんな高性能な会場なんだろうなー
「事は神秘のままで行うのが理想である。」ってのが基本方針だったんだけどねぇ…
ロワ開催側なんて抑止力に喧嘩売りすぎだろwww
つーか式の身体が無くなったらどうすんだよwwwwww
制限かかってる荒谷なぞ只のおっさんに過ぎんわ
ちょっと待てw
本文って原作まんまじゃねーかwwwwwwwwwww
あwwwりwwえwwwなwいwwwww
書き手(笑)のプライドぐらいないのかな?wwwwwwwwwwww
そういうことか悪かった
以下の通り、リリーナと士郎が空いたそうな
851 名前: ◆3zI4WkFMLc[sage] 投稿日:2009/10/30(金) 02:13:38 ID:8x6ptG6E
色々検討しましたが、修正内容が多岐にわたる事。
明日の朝が早い事、今日はもう遅い事を踏まえ、今回のSSは破棄にしてください。
宜しくお願いします。
本文そのままってどういうこと?
>>890 荒耶関連の描写が、原作版「矛盾螺旋」とほぼ同じような感じはする。
ただ、ここの描写が肝だったりもするので、安易な変更もちと。
まぁ、上のは単なる煽りっぽいからスルーでおk
さて……マダー?
今日が期限だったっけ
この時間になっても書き込みが全然ないだなんて・・・
これが嵐の前の静けさってやつか
規制の影響は大きいか
たぶん大規模規制で書き込めないだけ
携帯から書き込むの疲れるわ
やっと規制解除されたし
やっと解除か
ようやく解除か?
もうすぐか
学校人気すぎワロタ
しかしまさかのふじのん単独予約
良かった、とりあえず学校で虐殺は起こらなさそう…
予想外だったな。避けた人は確実に取れてるしw
予約成功
◆MAKO.0z9p. 中野梓
◆DXXMkAYDjo 福路美穂子、片倉小十郎
◆L5mMuLNUiM 浅上藤乃
◆WWhm8QVzK6 暦と憂
◆Ok1sMSayUQ 平沢唯、船井譲次、東横桃子
◆zg9MHZIP2Q 伊達政宗、神原駿河
◆1sC7CjNPu2 ゼクス・マーキス、一方通行
◆PAWA58Ribc 玄霧皐月、田井中律、レイ・ラングレン
◆DzDv5OMx7c 衛宮士郎、秋山澪、白井黒子
◆70O/VwYdqM ファサリナ、ヒイロ
◆qWledVrzo. 月詠小萌、琴吹紬、千石撫子、加治木ゆみ
◆56WIlY28/s グラコロコンビ(グラハム&衣)
◆fQ6k/Rwmu. カイジ、まよい
◆tILxARueaU 戦場ヶ原ひたぎ、上条当麻
◆1aw4LHSuEI 兵藤和尊
◆DisZRX5UPQ 信長
◆9kuF45dxA2 バーサーカー
だが、ちょっと待ってほしい
透視能力付加の為ということも考えられないだろうか
ふじのんいきなり投下か
詳細名簿ねぇ…
予約残り
【新機動戦記ガンダムW】
○デュオ・マックスウェル/○トレーズ・クシュリナーダ/○リリーナ・ドーリアン
【戦国BASARA】
○明智光秀/○本多忠勝
【とある魔術の禁書目録】
○海原光貴
【Fate/stay night】
○セイバー/○ライダー/○キャスター
【ガン×ソード】
○ヴァン/○プリシラ
【逆境無頼カイジ Ultimate Survivor】
○利根川幸雄/○兵藤和尊/○安藤守
【コードギアス 反逆のルルーシュR2】
○ルルーシュ・ランペルージ/○C.C./○ユーフェミア・リ・ブリタニア/○アーニャ・アールストレイム
【空の境界】
○両儀式/○黒桐幹也
【機動戦士ガンダム00】
○刹那・F・セイエイ/○アリー・アル・サーシェス
おっと、会長と書いてドレイと読むおっさん抜き忘れ
早くも「俺がガンダムだ。お前がホンダムだ!」が実現するのか?w
見てえwww
カオスロワに丁度そんな話があったなww
やんぬるかな
やはり学校が戦場になるか
877 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2009/10/31(土) 00:51:49 ID:CEb6FKE.
むしろ特例扱いになりますがそのまま十人十職から続かせて藤乃も足して予約しなおしていいことにしてはと提案したい
特に問題があるわけではありませんが言われているとおりに経過時間が短くそのままつなげても違和感はないと思うのですが
883 名前: ◆1aw4LHSuEI[sage] 投稿日:2009/10/31(土) 00:58:08 ID:CEb6FKE.
ではトリップを晒して言いましょう
賛成です。というか最初に提案したのが自分ですが
どういうことなの・・・
以下の通り、二回目の更新はめでたく学校組総出演と相成りましたとさ
889 名前: ◆qWledVrzo.[sage] 投稿日:2009/10/31(土) 01:05:48 ID:6t2XG.NU
ありがたい提案です。書く内容が無いとはいえ、修正要求は本意ではなかったので、非常に助かります。
893 名前: ◆1aw4LHSuEI[sage] 投稿日:2009/10/31(土) 01:12:39 ID:CEb6FKE.
特に異論はあがらないようなので提案は通ったと言うことでよろしいでしょうか
では◆qWledVrzo.氏よろしくお願いします。頑張ってください。
ルルーシュ代理投下します
黒髪の若い男が一人、たたみ一畳分ほどの狭い個室に入って来た。
白を基調とした中に金の刺繍が入っている豪華なマントを羽織った、まるでどこかの貴族か王族のような格好の男だ。
彼は、まるで催眠術にでも掛っているかのようなフラフラとした足取りで狭い部屋の中央に進み出ると、
ゆっくりと、しかしどこか慣れた様子で手を自分の目に伸ばした。
どうやら、コンタクトレンズを外したようだ。
そして彼は、彼から見て左側にある鏡に向き直りると、太く、よく通りそうな、しかし抑揚の無い声で独り言を呟いた。
「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる。
今後、人命に関わるギアスと服従を強制するギアスは使えないものとして行動しろ。直接的、間接的に関わらず、だ。
──わかった、そうしよう。」
◇ ◇ ◇
ルルーシュが個室で気がついたとき、彼はここが死後の世界なのだと思った。
なぜなら、ルルーシュは親友の枢木スザクによってその身に剣を突き立てられ、最愛の妹に看取られて息を引き取った。
つまり、死んだはずだったのだ。
あの時体に突き立てられた剣の感覚や、自分の体に縋りつく妹の手の感触は、まだルルーシュの体に残っている。
あれは決して夢や幻ではなかった。
C.C.のコードを引き継いで不老不死になってしまった可能性や、治療を受けて一命を取り留めた可能性など、
いくつか他の可能性も思いつくが、しかし、C.C.からコードを引き継いだ覚えは無いし、
あの一撃は明らかに致命傷だったはずだ。
目覚めたばかりの、ぼんやりとした頭でそこまで思い至ると、ルルーシュは考えることを止めた。
(──どうでもいいか。その時が来れば分かるだろう)
ルルーシュは生前(と言っていいのかどうか、今の時点では判断がつかないが)、
自身がすべきと思ったことはすべてやり終え、最期は自分の納得のいく形で死を選んだ。
苦しい事や辛い事の多い生涯だったが、後悔はしていない。
そんな彼だからこそ、今さら意識が戻っても特にやることが思いつかないのだ。
成り行きに任せるさ。
ルルーシュがそんな風に考えてボーっとしていると、
目の前にあったモニターに、ある文章が浮かび上がってきた。
《貴方のような人間が、こんなところで亡くなるのは、非常にもったいない》
《これはゲーム。他者の意思を捻じ曲げ足蹴にし、弱冠18歳で世界を統一した魔王の手腕に期待しています》
どうやら今の状況は、ルルーシュが最初に思いついた可能性の内の治療を受けて一命を取り留めたケースのようだ。
しかも、この文言はまるでルルーシュをゲームに参加させるため、わざわざ助けたという風に捉えられる。
一体誰が、何の目的で?
ルルーシュは疑問に思ったが、しかし、ゲームの内容自体には興味が沸かなかった。
(──ゲーム?止してくれ。今さら俺に何をさせようって言うんだ?)
その後、画面が切り替わり、遠藤と名乗る男やインデックスと名乗る少女がゲームの説明を始めたが、
ルルーシュはどこか他人事のように、映画でも見ている感覚でそれを眺めていた。
(殺し合い、首輪、金で魔法を買った──こいつら本気で言っているのか?)
いたって真面目である可能性。
何かの冗談である可能性。
程度の違いも含めると十種類近い可能性がルルーシュの頭に浮かび上がったが、
ルルーシュはこれを深く考察しようとはせず、そのままぼんやりと画面を見続けた。
そんなルルーシュの態度に変化が現れたのは、画面内に龍門渕透華と名乗る少女が現れてからだった。
彼女の言動。
そして今まで説明されたゲームのルール。
何かがルルーシュの胸の中で引っかかった。
(このゲームは、あんな子が参加しているのか?)
そして、その胸の引っかかりは龍門渕透華の首輪が爆破された瞬間、確信に変わった。
(撃っていいのは──そうだ、撃っていいのは、撃たれる覚悟のあるやつだけだ!!)
ルルーシュの中で、このゲームの主催者達への怒りが一気に膨らんだ。
◇ ◇ ◇
何か手掛かりは無いかと、時間ギリギリまで個室に留まっていたルルーシュが『飛ばされた』のは、
このバトルロワイアルの会場内を走る電車の中だった。
二両編成の小さな電車だ。
自動運転らしく、運転手も車掌も乗っていない。
車内に設置されている液晶モニターには、この電車の現在位置と進行方向が表示されている。
それによると、どうやらこの電車は地図で言うところのD-6内をB-4 にある駅へ向けて進行中のようだ。
そうすると、駅に着くまではしばらく間があるだろう。
ルルーシュは車内に危険が無く、車両もルルーシュが知っている電車の車両と細部の違いこそあれ、
いたって普通の車両であることを確認すると、デイバッグの中身を取り出して確認し、床に並べていくといった、
現状確認の作業に移った。
デバイスや応急処置セットの使い方の確認。
何となく聞き流してしまっていたゲームのルールも、デイバッグの中にあったルールブックを読んで再確認。
もちろん、その間にもルルーシュの頭脳はフル稼働し、主催者の持つ力や言葉の真偽、目的、
また、聞いたことも無い『帝愛グループ』という組織についてなど、既に数十種類に及ぶ考察を展開していた。
しかし、現時点ではどれも憶測の域を出ていない。
(やはり、今の時点では情報が少ない。まずは情報収集をする必要があるか)
そして現状確認の作業が、参加者の名前が記載されている名簿に及んだところで、ルルーシュは驚愕した。
そこには、ルルーシュのよく知る名前があったのだ。
(スザク!!それに、C.C.だと!?)
まずは、枢木スザク。
彼にはルルーシュの亡き後、ゼロとして世界を影から支えるという役目がある。
こんな所にいていい人間ではないのだ。
もし、本当にスザクがこの会場に連れて来られているのだとしたら、何としても生還してもらわなければならない。
そしてC.C.だ。
こちらは、スザクとは別の意味でこの場にいていい人間ではない
彼女は、たとえ銃弾によって額を撃ち抜かれても死なない。不老不死なのだ。
もし、殺し合いをゲームとするならば、そんな彼女がゲームの参加者であってはならないはず。
これについては、例えばトランプのジョーカー的な意味合いで参加させられている可能性や、
この会場には不死者すら死に至らしめる何かがある可能性など、複数の可能性が思いつくが現時点で真相はわからない。
そして、ルルーシュ、スザク、C.C.という三つの名前を並べると、その先に浮かび上がってくるものがある。
このゲームの主催者側には、ギアスやコードについて知る者が含まれていると見て間違いないだろうということだ。
だとすると、それは誰か?
教団の生き残り?
Cの世界側からの介入?
他にもC.C.やV.V.のような存在がいた?
────etc.
──etc.
ボフッ
(ッ!!)
思考の海に落ちかけていたルルーシュは、電車がトンネルに入った音で我に返った。
慌てて車内に設置されている画面を確認すると、いつの間にか電車の現在位置がB-5にあるトンネルとなっていた。
このトンネルを抜ければもうじき駅に到着する。
それまでに、一通り支給品の確認は終わらせておきたいと考えていたルルーシュは、
ひとまず今の考察を保留にして、支給品のチェックに戻った。
もちろん、手を動かしながらも思考は決して止めない。
名簿には、スザクやC.C.の他にも、ルルーシュがなぜかランペルージ性になっていることや、
織田信長、伊達政宗といった歴史上の人物が記載されていること、
アーチャーやライダーなど、明らかに人名ではない記載があることなど、気になることが多かったが、
これも可能性を検討することはできても、今の時点で結論は出ないだろう。
そうして、支給品の確認も終盤となったところでデイバッグから出てきたのは、ルルーシュが見たことの無い銃だった。
(これは、銃なのか?)
付属のマニュアルによると、【ミニミ軽機関銃】というらしい。
二脚とスコープが付いているところを見ると、用途は長距離支援射撃といったところか。
この、自身の知らない技術が使われている銃に関しても、色々と考察が思い浮かんだが、
ともかくルルーシュはマニュアルを読み、使い方を頭に叩き込んだ。
それにしても重い。
スザクくらい体力があれば立ったまま使う事が出来るかもしれないが、ルルーシュでは銃身がふらついてしまう。
素直に二脚を使った方がよさそうだ。
それにしても妙だ。
先ほどから感じていたことだが、この機関銃が出てきたことで確信に変わった。
デイバッグから出て来る物の大きさや重さが、明らかにデイバッグを手にしたときに想像した量を超えているのだ。
(これも『魔法』のなせる業か)
ルルーシュは不思議に思ったが、便利な機能であることには違いないので利用させてもらう事にする。
デイバッグに残る支給品は、あと二つ。
その内の一つは、剣のようだ。
(フッ、どうやら主催者の中にはとんでもない皮肉屋がいるようだな)
それが、その剣をデイバッグから取り出した際のルルーシュの感想だった。
なぜならこれは、スザクがルルーシュを殺す際に使ったものなのだ。
刀剣類を支給するだけなら、この剣である必要は全く無い。
主催者の皮肉が込めてあるとしか思えなかった。
(まあいい、最後は──なんだ?これは??)
最後に出てきたのは、一着のウェディングドレスだった。
(主催者は一体、何を考えているんだ?)
その時、ボフッという音と共に電車がトンネルを抜け、それとほとんど同時に減速を始めた。
どうやら、駅に到着するようだ。
【B-4/電車内/一日/深夜】
【ルルーシュ・ランペルージ@コードギアス反逆のルルーシュR2】
[状態]:健康
[服装]:皇帝ルルーシュの衣装
[道具]:ミニミ軽機関銃(200/200)@現実、ゼロの剣@コードギアス反逆のルルーシュR2
ウェディングドレス@機動戦士ガンダム00
[装備]:
[思考]:スザクは何としても生還させる
1:情報収集
2:スザク、C.C.と合流したい
3:首輪の解除方法の調査
4:撃っていいのは、撃たれる覚悟のあるやつだけだ!
5:主催者は何を考えているんだ?
[備考]
※R2の25話、スザクに刺されて台から落ちてきてナナリーと言葉を交わした直後からの参戦です。
死の直前に主催者に助けられ、治療を受けたうえでゲームに参加しています。
※自らのギアスにより、人命に関わるギアスと服従を強いるギアスは使えないと思い込んでいます。
※その他、頭の中には様々な思考が展開されています。
しかし、現時点ではどれも憶測の域を出ていません。
【ミニミ軽機関銃@現実】
5.56mm NATO弾を使用する分隊支援火器。機関部下に200発のベルトリンクを装填できるプラスチック製弾倉M27を装着している。二脚、スコープ付き。
【ゼロの剣@コードギアス反逆のルルーシュR2】
コードギアス反逆のルルーシュR2最終回にて、ゼロに扮したスザクがルルーシュを殺す際に使用した物。多少装飾が施されている以外は普通の両刃剣だと思われる。
【ウェディングドレス@機動戦士ガンダム00】
最終回のエンディングで、カティ・マネキン大佐改め准将が着ていたのと同じ型のものです。
211 名前: ◆aCs8nMeMRg[sage] 投稿日:2009/10/30(金) 20:43:42 ID:yf8UwyIY
以上、投下完了です
冒頭部分は、ギアスの制限に関する提案です
謎の力によって制限されているとするよりは、自らのギアスによって制限されているとした方が
わかりやすいのではないかと思いました。
何か問題点などありましたら、本スレに上げる前に修正したいと思いますので、
ご意見よろしくお願いします
まだ作者本人が修正かけるかどうか考えてるのに勝手に代理投下すんなよ……
>何か問題点などありましたら、本スレに上げる前に修正したいと思いますので、
ご意見よろしくお願いします
こう書いてあるだろ。
投下出来ないから仮投下と、問題点を無くしてから本投下したいから仮投下する二つの
パターンがあるんだぜ
エロゲを参戦させた奴とか恋空スイーツと何が違うんだよ
仰られる意味がわかりかねます
けいおんがエロゲ化されると聞いて
ほんとにされてるから困る
もしかして、ここ本スレじゃない?
したらば見てきたら投下乙とか色々あって焦った
もう2chから撤退してしたらばでやればいいんでないの
俺も向こう行こう
規制で書けない奴がどんだけ多いかしらんのか
みんな規制中なんだよ……
分かって言ってる気がするが
2ch全土で規制の嵐が吹き荒れたため、こっちに書き込めない人が続出してるんだよ
いやこれは確信犯だろ
ぬ、そういうことなのか
なんだってこんなタイミングで
また馬鹿が運営に凸したらしい
全板で書き込みが普段の三分の二に減ってるそうな
935 :
◆qWledVrzo. :2009/10/31(土) 05:28:13 ID:aDdbHzI2
◆qWledVrzo.
#からす
トリップです
おーい、単語とか数字の単純な羅列はすぐばれるぞー
まあホストの一致/不一致は管理人さんから見ればすぐ分かるから、したらばの方で
トリップ変更の意思表示をしてもらうということで。
せっかくの開始なのに大規模規制とか運営も無粋なことするな
ルルーシュ一週目正式版代理投下します
ルルーシュが個室で気がついたとき、彼はここが死後の世界なのだと思った。
なぜなら、ルルーシュは親友の枢木スザクによってその身に剣を突き立てられ、最愛の妹に看取られて息を引き取った。
つまり、死んだはずだったのだ。
あの時体に突き立てられた剣の感覚や、自分の体に縋りつく妹の手の感触は、まだルルーシュの体に残っている。
あれは決して夢や幻ではなかった。
C.C.のコードを引き継いで不老不死になってしまった可能性や、治療を受けて一命を取り留めた可能性など、
いくつか他の可能性も思いつくが、しかし、C.C.からコードを引き継いだ覚えは無いし、
あの一撃は明らかに致命傷だったはずだ。
目覚めたばかりの、ぼんやりとした頭でそこまで思い至ると、ルルーシュは考えることを止めた。
(──どうでもいいか。その時が来れば分かるだろう)
ルルーシュは生前(と言っていいのかどうか、今の時点では判断がつかないが)、
自身がすべきと思ったことはすべてやり終え、最期は自分の納得のいく形で死を選んだ。
苦しい事や辛い事の多い生涯だったが、後悔はしていない。
そんな彼だからこそ、今さら意識が戻っても特にやることが思いつかないのだ。
成り行きに任せるさ。
ルルーシュがそんな風に考えてボーっとしていると、
目の前にあったモニターに、ある文章が浮かび上がってきた。
《貴方のような人間が、こんなところで亡くなるのは、非常にもったいない》
《これはゲーム。他者の意思を捻じ曲げ足蹴にし、弱冠18歳で世界を統一した魔王の手腕に期待しています》
どうやら今の状況は、ルルーシュが最初に思いついた可能性の内の治療を受けて一命を取り留めたケースのようだ。
しかも、この文言はまるでルルーシュをゲームに参加させるため、わざわざ助けたという風に捉えられる。
一体誰が、何の目的で?
ルルーシュは疑問に思ったが、しかし、ゲームの内容自体には興味が沸かなかった。
(──ゲーム?止してくれ。今さら俺に何をさせようって言うんだ?)
その後、画面が切り替わり、遠藤と名乗る男やインデックスと名乗る少女がゲームの説明を始めたが、
ルルーシュはどこか他人事のように、映画でも見ている感覚でそれを眺めていた。
(殺し合い、首輪、金で魔法を買った──こいつら本気で言っているのか?)
いたって真面目である可能性。
何かの冗談である可能性。
程度の違いも含めると十種類近い可能性がルルーシュの頭に浮かび上がったが、
ルルーシュはこれを深く考察しようとはせず、そのままぼんやりと画面を見続けた。
そんなルルーシュの態度に変化が現れたのは、画面内に龍門渕透華と名乗る少女が現れてからだった。
彼女の言動。
そして今まで説明されたゲームのルール。
何かがルルーシュの胸の中で引っかかった。
(このゲームは、あんな子が参加しているのか?)
そして、その胸の引っかかりは龍門渕透華の首輪が爆破された瞬間、確信に変わった。
(撃っていいのは──そうだ、撃っていいのは、撃たれる覚悟のあるやつだけだ!!)
ルルーシュの中で、このゲームの主催者達への怒りが一気に膨らんだ。
◇ ◇ ◇
何か手掛かりは無いかと、時間ギリギリまで個室に留まっていたルルーシュが『飛ばされた』のは、
このバトルロワイアルの会場内を走る電車の中だった。
二両編成の小さな電車だ。
自動運転らしく、運転手も車掌も乗っていない。
車内に設置されている液晶モニターには、この電車の現在位置と進行方向が表示されている。
それによると、どうやらこの電車は地図で言うところのD-6内をB-4 にある駅へ向けて進行中のようだ。
そうすると、駅に着くまではしばらく間があるだろう。
ルルーシュは車内に危険が無く、車両もルルーシュが知っている電車の車両と細部の違いこそあれ、
いたって普通の車両であることを確認すると、デイバッグの中身を取り出して確認し、床に並べていくといった、
現状確認の作業に移った。
デバイスや応急処置セットの使い方の確認。
何となく聞き流してしまっていたゲームのルールも、デイバッグの中にあったルールブックを読んで再確認。
もちろん、その間にもルルーシュの頭脳はフル稼働し、主催者の持つ力や言葉の真偽、目的、
また、聞いたことも無い『帝愛グループ』という組織についてなど、既に数十種類に及ぶ考察を展開していた。
しかし、現時点ではどれも憶測の域を出ていない。
(やはり、今の時点では情報が少ない。まずは情報収集をする必要があるか)
そして現状確認の作業が、参加者の名前が記載されている名簿に及んだところで、ルルーシュは驚愕した。
そこには、ルルーシュのよく知る名前があったのだ。
(スザク!!それに、C.C.だと!?)
まずは、枢木スザク。
彼にはルルーシュの亡き後、ゼロとして世界を影から支えるという役目がある。
こんな所にいていい人間ではないのだ。
もし、本当にスザクがこの会場に連れて来られているのだとしたら、何としても生還してもらわなければならない。
そしてC.C.だ。
こちらは、スザクとは別の意味でこの場にいていい人間ではない
彼女は、たとえ銃弾によって額を撃ち抜かれても死なない。不老不死なのだ。
もし、殺し合いをゲームとするならば、そんな彼女がゲームの参加者であってはならないはず。
これについては、例えばトランプのジョーカー的な意味合いで参加させられている可能性や、
この会場には不死者すら死に至らしめる何かがある可能性など、複数の可能性が思いつくが現時点で真相はわからない。
そして、ルルーシュ、スザク、C.C.という三つの名前を並べると、その先に浮かび上がってくるものがある。
このゲームの主催者側には、ギアスやコードについて知る者が含まれていると見て間違いないだろうということだ。
だとすると、それは誰か?
教団の生き残り?
Cの世界側からの介入?
他にもC.C.やV.V.のような存在がいた?
────etc.
──etc.
ボフッ
(ッ!!)
思考の海に落ちかけていたルルーシュは、電車がトンネルに入った音で我に返った。
慌てて車内に設置されている画面を確認すると、いつの間にか電車の現在位置がB-5にあるトンネルとなっていた。
このトンネルを抜ければもうじき駅に到着する。
それまでに、一通り支給品の確認は終わらせておきたいと考えていたルルーシュは、
ひとまず今の考察を保留にして、支給品のチェックに戻った。
もちろん、手を動かしながらも思考は決して止めない。
名簿には、スザクやC.C.の他にも、ルルーシュがなぜかランペルージ性になっていることや、
織田信長、伊達政宗といった歴史上の人物が記載されていること、
アーチャーやライダーなど、明らかに人名ではない記載があることなど、気になることが多かったが、
これも可能性を検討することはできても、今の時点で結論は出ないだろう。
そうして、支給品の確認も終盤となったところでデイバッグから出てきたのは、ルルーシュが見たことの無い銃だった。
(これは、銃なのか?)
付属のマニュアルによると、【ミニミ軽機関銃】というらしい。
二脚とスコープが付いているところを見ると、用途は長距離支援射撃といったところか。
この、自身の知らない技術が使われている銃に関しても、色々と考察が思い浮かんだが、
ともかくルルーシュはマニュアルを読み、使い方を頭に叩き込んだ。
それにしても重い。
スザクくらい体力があれば立ったまま使う事が出来るかもしれないが、ルルーシュでは銃身がふらついてしまう。
素直に二脚を使った方がよさそうだ。
しかし妙だ。
先ほどから感じていたことだが、この機関銃が出てきたことで確信に変わった。
デイバッグから出て来る物の大きさや重さが、明らかにデイバッグを手にしたときに想像した量を超えているのだ。
(これも『魔法』のなせる業か)
ルルーシュは不思議に思ったが、便利な機能であることには違いないので利用させてもらう事にする。
デイバッグに残る支給品は、あと二つ。
その内の一つは、剣のようだ。
(フッ、どうやら主催者の中にはとんでもない皮肉屋がいるようだな)
それが、その剣をデイバッグから取り出した際のルルーシュの感想だった。
なぜならこれは、スザクがルルーシュを殺す際に使ったものなのだ。
刀剣類を支給するだけなら、この剣である必要は全く無い。
主催者の皮肉が込めているとしか思えなかった。
(まあいい、最後は──なんだ?これは??)
最後に出てきたのは、一着のウェディングドレスだった。
(主催者は一体、何を考えているんだ?)
その時、ボフッという音と共に電車がトンネルを抜け、それとほとんど同時に減速を始めた。
どうやら、駅に到着するようだ。
【B-4/電車内/一日/深夜】
【ルルーシュ・ランペルージ@コードギアス反逆のルルーシュR2】
[状態]:健康
[服装]:皇帝ルルーシュの衣装
[道具]:ミニミ軽機関銃(200/200)@現実、ゼロの剣@コードギアス反逆のルルーシュR2
ウェディングドレス@機動戦士ガンダム00
[装備]:
[思考]:スザクは何としても生還させる
1:情報収集
2:スザク、C.C.と合流したい
3:首輪の解除方法の調査
4:撃っていいのは、撃たれる覚悟のあるやつだけだ!
5:主催者は何を考えているんだ?
[備考]
※R2の25話、スザクに刺されて台から落ちてきてナナリーと言葉を交わした直後からの参戦です。
死の直前に主催者に助けられ、治療を受けたうえでゲームに参加しています。
※頭の中では様々な思考が展開されています。しかし、現時点ではどれも憶測の域を出ていません。
【ミニミ軽機関銃@現実】
5.56mm NATO弾を使用する分隊支援火器。機関部下に200発のベルトリンクを装填できるプラスチック製弾倉M27を装着している。二脚、スコープ付き。
【ゼロの剣@コードギアス反逆のルルーシュR2】
コードギアス反逆のルルーシュR2最終回にて、ゼロに扮したスザクがルルーシュを殺す際に使用した物。多少装飾が施されている以外は普通の両刃剣だと思われる。
【ウェディングドレス@機動戦士ガンダム00】
最終回のエンディングで、カティ・マネキン大佐改め准将が着ていたのと同じ型のものです。
一回目更新五飛代理投下します
「何がバトルロワイヤルだ、ふざけるなぁぁ!?」
一人の少年が憤怒の形相で、モニターに向かって天を突くばかりに吼える。
烈火の如く、雷音の如く、龍が如く。
65人もの人間を誘拐した挙句殺し合いを強制し、家族を思う一人の少女を見せしめとして無残に殺害した、その外道な所業に。
「オレは『悪』だ……だがな!! 貴様らの様な『外道』の言うことを素直に聞いてやるほど、堕ちたつもりはないぞ!!」
己を『悪』とする少年・五飛は己の怒りを吐き出していた
『正義』
かつて五飛はその言葉をよく口にしていた。
己の『正義』を信じ『悪』を倒すと。
一度は『悪』に敗れ、己の『正義』を見失いかけもした。
だがより確固たる正義を見つけ、修練を重ね戦場に戻った。
だが五飛は自分の事を『悪』と言った。
それは何故か?
AC195『EVE・WARS』と呼ばれる大きな戦争があった。
それにまつわる一連の戦乱の最中を、五飛は平和を求める一人の戦士として戦いぬいた。
だがその一年後、五飛の姿はその平和を打ち破る反乱軍の中にあった。
戦争が終わり、民主はただ安穏と平和を享受するだけで地球は変わらなかった、倒すべき敵を倒してもそれただ単に戦争が終わっただけである。
ただ流されるままにその流れを受け入れているだけでは、同じことを繰り返すのは必然である。
だから五飛はな悩む。
人、いや人類はそうなのか?
戦う者、戦える者だけに犠牲をしいて、自分は何もしない。
与えられる事が当然で、手に入れたモノを守ろうともしないのか?
それは戦争だけではない、このバトルロワイアルでも同じではないのか?
無力だからと、守ってもらうのが当然と戦う意志すら持たない。
そんなもの俺は認めんぞ!?
俺が弱い者は戦いに出るなと言ってきたのは、その命を無駄に散らせない為だ。
別に命を懸けて戦場で戦えとは言わん、いつだって戦いは戦士の役目だ。
だが弱い者−戦う力の無い者にも何か出来る事があるはずだ。
オレはリリーナ・ピースクラフトを認めない。
あの女の兵士と兵器を捨てれば平和になるという考えは間違っている。
間違っている……だが、あの女が自分なりに平和を求め戦っているのだけは確かだ。
弱い事を理由に何もしないと言うのはただの甘えだ。
ならば…ならばオレは『脅威』に『悪』なる。
だが決して無差別に参加者に襲いかかるという意味ではなかった。
己の保身や優勝の報酬に目が眩んで、バトルロワイヤルに乗った悪は潰す。
オレは『悪』だが、『悪』が悪を倒してはいけないなんていう決まりはない。
それに殺戮を黙って見逃すほど、オレは堕ちていない。
それに、このバトルロワイヤルを打倒しようとする者達は必ずいるはずだ。
そいつらは弱い奴を守ろうとするだろう、以前のオレの様に。
力の強い者なら自力で道を切り開くだろう、だが力の弱い者は?
そいつに戦う意思があるなら、いくらか手を貸してもいいだろう。
だが始めから自分の庇護をだけ求めてくるような奴や、守られてばかりで戦おうとしない奴には話は別だ。
そいつらにオレは『悪』として襲いかかる。
すぐに殺しはしない、なるべく嬲るように戦う、殺す事が目的ではないのだからな。
その過程で『悪』であるオレを倒そうと奮起したならそれでいい、だが何をしても奮起せず命乞いや逃げ出すような奴ならその時は……
普段の五飛なら、例え自ら『悪』になったのだとしても、バトルロワイヤルという状況下に置かれたとしてもこの様な考えには至らないであろう。
これは荒耶の言っていた人を狂わせる仕掛けのせいか?
だが五飛はそんな細工に心を狂わされる様な、弱い心を持ってはいない。
普段ならば……
勝ち取ったはずの平和に対する不信感が―
変りもしなかった民衆に対する嫌悪感が―
自らが散々掲げてきた『正義』を捨ててまで、『悪』となりこの平和が本当に正しいのか確かめさせた事が―
精神の防壁に隙間を作り、じわじわと五飛自身も気づかない速度で、その心の一部を侵していったのだ。
そして何よりも、他者の脅威となって進歩を促すという考えを受け入れる土台が、五飛には既にあったのだ。
戦争後の事である、五飛はある出来事で行動を共にしたOZの将校がいた。
ブローデンというその男は自らが人類の脅威となる事で、人類結束力を増しさらなる進歩を促そうとしていた。
具体的には、人類抹殺をプログラムした約三百体のビルゴを内包したOZの無人プラント『ウルカヌス』
それを木星あたりに脅威として存在させ、それを破壊するための惑星間遠征を強いる事で人類は進歩させようと考えていた
五飛はその時に交わした言葉を忘れてはいない、五飛の問いかけに答えたブローデンの言葉を。
「人はもっと遠くへ行くべきだと?」
「遠く行けると私は信じている。」
だが結局ブローデンはその思いを果たす事無く、敵対する組織のスパイの凶弾によって志半ばでその生を終わらせてしまった。
人はどこまで行けるのだろうな……
その言葉を五飛に残して。
その遺志を汲んだ五飛は、オレが脅威になるとまで呟いている。
だからこそなのだ、自分は倒されるべき『悪』として、参加者全体にバトルロワイヤルを打倒する為の意思を―
状況に流されてそうするのではなく、自分自身の意思で決意させようと―
それが自分の役割だと、そう思ってしまったのである。
元々犠牲の上に成り立つ『正義』が正しいのか、それを確かめるためにマリーメイア軍に加担したのだ。
今さら『悪』である事に抵抗は感じない。
する事が決まれば五飛行動は速い。
まずは基本的な支給品を確認し、地図で現在地を確認する。
現在地はG-5・タワーの最上階だ。
名簿の確認はしなかった。
どうせヒイロ達がいた所で、自分に協力するとは思わなかったからだ。
そもそも五飛がマリーメイア軍に所属している時点で、ヒイロ達とは敵対関係である。
どうせ一人で行く道、確認は放送の後で名簿が完全になってからでも遅くはない、そう五飛は考えた。
そしてランダム支給品の確認に移る。
最初に出てきたのは、白と黒の一対の中華刀。
愛用の青龍刀ではなかったものの、一目でそれが業物である事が見てとれた。
他の支給品も確認したが、ハズレの類ではなかった。
準備が終わると、下に向かうため歩き始める五飛。
「……今のオレを見たら失望するか、トレーズ?」
ふと何故か、脳裏にトレーズの姿が思い浮かんできた。
かつて『正義』だった自分を始めて打ち負かした『悪』であるトレーズを。
だがそれでも、五飛の決意が揺らぐような事はなかった。
【G−5/タワー最上階/一日目/深夜】
【張五飛@新機動戦記ガンダムW】
[状態]:
[服装]:マリーメイア軍の軍服
[装備]:干将・莫耶@Fate/stay night
[道具]:デイパック、基本支給品、ランダム支給品1〜2(確認済)
[思考]
基本:オレが参加者の脅威となる!
1:殺し合いに乗ったものは倒す。
2:『戦う意思』のない者達を追い詰める。……それでも『戦う意思』を持たなければ―
3:人間の本質は……
[備考]
※参戦時期はEndless Waltz三巻、衛星軌道上でヒイロを待ち構えている所です。
950 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/31(土) 15:17:02 ID:C7pJZlV6
支援
その時点のごひか・・・
やっかいな男だ
乙です。
五飛、これは厄介な時期から参加してきたな……
対主催ではないが、マーダーは許せないマーダーキラー。
出会う参加者次第で、良くも悪くも転びそうだ……
そして、トレーズの名前がある事を知ったら一体どう思うだろうか。
さて、両儀式投下いたします。
それ程長くは無いから、このスレでも足りる筈……
―――あなたは私とよく似ている。殺人を望んでいるのは他ならぬあなた自身ですよ。
―――自分に素直な人生程、素晴らしいものはありませんよ。
先ほど対峙したあの男の声が、ずっと頭の中で繰り返されている。
やけに脳裏に焼きついているのは、その異常なまでの気色悪さが印象強かったからか。
もしくは、的外れもいい所な指摘が心を苛立たせるからか。
答えは当然―――とはいえ、男の気色悪さが心に残らなかったのかと言われればそれは嘘になるが―――後者だ。
式は光秀の言葉が、この上なく気に入らなかった。
あの男が望んでいるものは、『殺人』などでは決してない。
血の味を知ったケダモノが、ただ快楽の為に人を殺し回る。
命を奪う事に大義名分も無いその行為は、殺人ではなく『殺戮』となる。
かつて、浅上藤乃と対決した時と同じ感情だ。
故に、光秀の同類視がどうしようもなく嫌悪感を抱かせるのだろう。
人から成り下がり、彼が殺戮を楽しむが故に。
そこまで感じておきながら、ならば何故殺人衝動が萎えてしまったのか。
光秀の放つどろどろとした感触に毒され、嫌気が刺してしまったのか。
もしくは、光秀の言葉に単にしらけてしまったのか。
……もっとも今更考えた所で、もう過ぎたことなのだから仕方は無い。
「……明智光秀か」
相手の行き先は見当が付かない―――そもそもこの出鱈目な会場そのものが、どんな場所なのかがまるで分からない。
故に追いかけはしない、というよりも出来ない。
しかし光秀は、また自分の前に現れると口にした。
ならば答えは簡単だ。
もしも、あの男を誰かが先に殺したのならばそれはそれで構いはしない。
そして、己の前に再びあの男が現れたのならば、その時は今度こそ殺そう。
「それにしても……やっぱり窮屈だな、こいつは」
ふと、式は首輪に触り溜息をついた。
こんなものを身に着けることなんて、日常生活においてまずある筈もなく。
その首に感じる違和感に、少々の窮屈さを感じる。
外せる物なら、やはり外したい……そこまで考えた所で、式はある事を思い出す。
(……そういえば……この首輪、視えなかったな)
光秀の姿を、直死の魔眼で視た際。
その死はあまりにもドス黒く、はっきりとし過ぎていた。
しかしそれに反して、この首輪からはまるで死が視えなかった。
確かに元々、生きていない無機物の死を視るのは苦手だ。
物によってはかなりの集中力を使わされ、精神的にも少々くるものがある。
だが……それだけで片付けるのには、気になる事がある。
そう、視えてしまえばどうとでもなりすぎるのだ。
(ああ……なるほどな、そういう事か)
そこまで考えれば、すぐに答えは出てくる。
視えてしまえば、自分の力ならば簡単に解体が出来てしまうではないか。
無論、その瞬間に爆発する可能性も否定は出来ないが、その逆もまた然りだ。
ならばそれを封じる方法は一つ。
この首輪には恐らく、死の線を視えにくくする細工が何かしてあるのだろう。
そんな事が出来るのかと言われれば、答えは是だ。
事実、荒耶宋蓮は左腕に仏捨利を埋め込んだ事によって、式の魔眼を封じた。
また、これは式自身も知らない事だが、蒼崎橙子が彼女の為に作った『魔眼殺し』の存在もある。
もっともこの魔眼殺しは、式には不用とされ後に別の者の手へと渡ったが、それはまた別の話となる。
(俺が視え難くされてるのか、この首輪が視え難いのか……どちらにせよ、これはお手上げだな)
死が首輪から視えないのであれば、式にはもはやそれを取り外す手段は無い。
この手の物を扱いなれている専門的な知識の持ち主がいてくれれば助かるのだが、生憎名簿の知り合いには一人もいない。
そもそも、黒桐を除けば参加者自体にあまり良い知り合いがいない。
(浅上藤乃に……荒耶宋蓮か)
かつて戦い、そして倒した二人の名。
浅上藤乃に関しては別に放っておいても問題は無いだろう。
今の彼女はかつての様に、殺戮に手を染めようとはしない筈―――もっともそれはあくまで、
今の式が知っている彼女であり、この会場にいる彼女は既に殺し合いに乗ったのだが―――だ。
そして、荒耶宋蓮。
一度はこの手で打ち倒した筈の元凶だが、それが何故この場にいるのかは、特に深くは考えなかった。
死霊や生きている死体の類は今までに何度か見てきているから、恐らくはそれと同じだろうと思えたからだ。
この男も恐らくは、自分を狙いにどこかで必ず仕掛けてくる。
ならば、こちらも再び殺すまでだ。
「ま……気になる事は色々あるが、とりあえず今は待つか」
しばらく歩いた後、式が辿り着いたのは近くにある駅だった。
ここで電車に乗れば、島中を一通り見て回る事は出来るし、自分以外にも長距離を移動しようとする他の利用者がきっといるだろう。
その者から、黒桐や他の参加者の情報でも聞ければしめたものだ。
式はひとまずホームのベンチに座り、電車の到着を待つ事にした。
【D-6/駅のホーム/一日目/黎明】
【両儀式@空の境界】
[状態]:健康、光秀へのわずかな苛立ち
[服装]:私服の紬
[装備]:ルールブレイカー@Fate/stay night
[道具]:基本支給品一式 ランダム支給品0〜2
[思考]
1:とりあえず、電車の到着を待つ。
2:黒桐は見つけておいた方がいいと思う。
3:光秀と荒耶に出会ったら、その時は殺す。
4:首輪は出来るなら外したい。
[補足]
・首輪には、首輪自体の死が視え難くなる細工がしてあるか、
もしくは己の魔眼を弱める細工がしてあるかのどちらかと考えています。
・電車がいつ到着するかは、次の書き手さんにお任せします。
・荒耶が生きていることに関しては、それ程気に留めてはいません。
・藤乃は殺し合いには乗っていないと思っています。
以上、投下終了です。
test
仮投下スレに投下したスザク・幸村のSSなのですが、いくつか自分で気づいたミスがありましたので
21:00頃に修正したものを改めて本スレに投下させていただきます。(内容に変更点はありません)
代理投下をお願いしていたのですが、このまま置いておいてください。申し訳ありません。
携帯からなのでゆっくりペースになりますが、投下します
『五分以内にそこから退室してくれ』――その言葉に従い扉を開け一歩踏み出した先で、彼は信じられない物を見た。
そこにいたのは一人の女性。
問題はその服装だ。
細いひもで肩から吊り下げられたような薄い布。胸の谷間は隠れていないどころかむしろ強調されている。
丈も短く、腰に巻かれた別の布との間から覗く白い肌。
腰に巻かれた布も小さな物で、下には露わになった太腿が見えた。
「は、は、は……破廉恥でござるッ!!」
叫ぶと同時に慌てて女性に背を向ける。
彼の名は真田幸村。戦国乱世を生きる武将である。
幸村は、こんなに露出度の高い女性を未だ嘗て見たことがなかった。あまりの衝撃に混乱する。
だがそれでも、なんとか心を落ちつけようと努め、そして背後の女性の様子を窺う。
そこで幸村は気づいた。
この女性には、気配が、無い。
恐る恐る振り返る。
そこには先程と同じ女性が、先程と "全く同じ状態で" 存在していた。
「これは……絵でござるか?」
肌、特に胸の谷間は極力視界に入れないよう気を付けながら慎重に見てみれば、それは生きた人間ではない。
本物と見紛うほどによくできた一枚の絵。
幸村よりも400年ほど先の時代を生きる人間の言葉で表現すれば、
『キャミソールとミニスカートを着た女性の等身大ポスター』がそこにはあった。
「もしやこれは異国の服……異国の女子は皆、このような、は、破廉恥な姿を……」
たとえ絵であろうとも、破廉恥な姿であることに変わりはない。
何かに打ちひしがれたような気持ちのまま、ポスターから視線を外す。
そして改めて周囲を見渡して――幸村は再び驚愕した。
灰色に固められた地面。
等間隔で建てられた柱には、いちばん上に火とは異なる灯り。
道の両脇には見たこともない形の建造物がずらりと並んでいる。
時代が違えば、至って普通のどこにでもありそうな住宅街の風景も、
コンクリートも街灯もプレハブ住宅もなかった時代の人間である幸村にとっては全てが未知のものだった。
「ここは異国でござるか……とすれば、《まほう》とは異国の妖術やもしれぬ。
もしや、あの人間の入った四角い板を壊すことができなかったのも、妖術であるが故のこと……」
少し腫れた右手を見ながら、幸村は思い返す。
一方的に押し付けられた殺し合い。
人質を取っていることを仄めかす卑劣なやり口。
得体の知れぬ方法で首を飛ばされた少女。
幸村は止めようとした。
だが、それは叶わなかった。
壁に取り付けられた四角い板―― モニター ――は、殴っても蹴っても壊れることはなく。
事は目の前で起こっているというのに、その場へと行くことさえできず、ただあの狭い部屋で吼えることしかできなかった。
「この《ばとるろわいある》なるものは、某にとって戦ではござらぬ。
真に戦うべき相手は、遠藤といんでっくすなる二人組。
某、必ずやあの二人を倒し、人質を解放して見せまする。待っていてくだされ、おやか――あああああっ!!
まだ名簿の確認をしておらぬとは、なんたる不覚ッ!!」
慌ててデイパックの中を漁る幸村。
本当はあの部屋を出て真っ先に名簿を確かめるつもりだったのを、いろいろと衝撃を受け過ぎてすっかり忘れていたのだ。
取りだした封筒を乱暴に開け、中を確認する。
異国人と思われる名前が少なからず混じった名簿の中に、主である武田信玄の名は無い。
名簿に名前が無いということは、人質となっている可能性を示している。
「お館様があのような者どもに不覚を取るとは思えぬが、しかし相手は妖術の使い手。何があってもおかしくはないでござる。
それに名簿に載っておらぬ参加者であるやも……まずはお館様がどこにおられるか確かめねば……なっ! これは!?」
武田信玄の名はなかったが、幸村の知る名が名簿にはあった。
第六天魔王・織田信長。信長の家臣である明智光秀。そして、伊達政宗に本多忠勝。
「伊達殿は長篠で受けた傷が癒えぬ身。それに本多殿はあの時、某をかばって―――」
―――捜さねば。
お館様を。伊達殿を。本多殿を。他にもこの地にいるやもしれぬ、某の知る者達を。
幸村は名簿をデイパックに突っ込んで走り出した。
時間は無駄にできない。
知っている。主である武田信玄は勿論、伊達政宗も本多忠勝もかなりの強者。そう簡単に殺されるようなことはない。分かっている。
それでも幸村の足は止まらない。
ひたすらに捜し回る。闇雲に走り続ける。
それまでの路地よりも道幅の広い通りに出た時だった。
幸村が背後に人の気配を感じたのは。
次の瞬間にはもう、首筋に冷たい刃の感触があった。
幸村ァ!!!!!!!支援
「死にたくなければ、動かないでください」
静かに告げる声。
若い男のものだ。
狂気も覇気もない。一切の感情が抜け落ちたかのようなその声に、幸村はひとこと、答えた。
「断るでござる!!」
叫ぶと同時に身体を捻り、おそらくそこにあるであろう刃物を持った手を狙う。
だが、そこに相手の手はなかった。
腕が空を切る。
そこにいたはずの人物とは、既に5メートル以上の距離。
一瞬にして幸村との間に距離をとった相手は、偶然か意図的か、街灯の真下に立っている。
それは、癖の強い茶色の髪をした、年齢も体格も幸村とそう違わない青年だった。
身に纏うマントは、肩から腰辺りかけては濃紺、それより下から足元までが深緋の布でできている。
金の刺繍と暗い赤の石が作る模様は、まるで人の目のよう。
青年の、木々の葉を思わせる緑の瞳は、僅かな驚きをもって幸村を見つめていた。
「某、このような場所で死ぬわけにはゆかぬ!」
「……それは、自分も同じです」
青年の手の中で刃が光る。握られているのはサバイバルナイフ。
その見慣れぬ形の刃物に、幸村は注意を向ける。
この地は幸村にとっての軍場ではない。だから、相手を殺す意思はない。
目的は自分の身を守ること。その為には、武器を奪い動きを封じることができれば十分だ。
「――――参る!!」
幸村が地面を蹴る。
狙いは刃物を持った相手の右手。その一点のみ。
小手先の駆け引きなどしない。真っ直ぐに青年へと突っ込んで行く。
が、その視界は黒に覆われた。
青年が幸村に向け、身に纏っていたマントを投げたのだ。
「姑息な!!」
怒りと共にそのマントを払い落とす。
開けた視界の中に、青年の姿は既に無い。
「後ろでござるか!」
気配を感じ振り返る幸村。
そこにあったのは予想していなかった光景。
幸村の視線の先――青年は、空中で回転、していた。
防御の為、咄嗟に構えた両腕に衝撃と痛みが走る。
重ねられた回転による遠心力が乗せられた蹴り。その威力はかなりのものだ。
とはいえ、幸村にとっては決して防ぎきれないものではない。青年の蹴りに耐え、相手の動きが止まった一瞬を狙う。
攻撃に転じた幸村が拳を繰り出す。
しかし、手応えはあまりない。
幸村が青年の蹴りに対してしたのと同じように、青年もまた両腕で幸村の拳を防いでいたのだ。
更に青年は、衝撃を逃す為、後方へと跳ぶ。
二人の距離が、また、開いた。
――――速い。
幸村は認めざるを得なかった。
目の前の青年は強い。少なくともその速さは自分よりも上。
相手の動きを止めればいいなどという甘い考えで勝てる相手ではないということを。
そして、それと同時に幸村はあることに気づく。
青年の手にあったはずの刃物が、無くなっているのだ。
刃物だけではない。肩に掛けられていたデイパックも、青年は持っていなかった。
マントを脱いだ青年は幸村にとって見慣れぬ形の服を着ていたが、その服の中に武器を隠し持てるとも思えない。
「待たれよ!!」
幸村は叫ぶ。
その声に応じるように、次の動作に移ろうとしていた青年が動きを止める。
幸村は今まで、この青年は自分を殺すつもりなのだと思っていた。
だから己の身を守る為に戦った。
だが、もし目の前の青年に自分を殺そうという意図はないのだとすれば――――幸村には、戦う理由が無い。
「我が名は真田源次郎幸村!! 某は《ばとるろわいある》なるものを是としてはおらぬ! お主を殺すつもりも無いでござる!!」
二人の視線がぶつかる。
訪れる静寂。
先に構えを解いたのは、緑色の瞳をした青年のほうだった。
「自分に従っていただけるのであれば、これ以上の攻撃はしません」
「某は既に、この身命を賭してお仕えする主を定めた身。その要求には応じられぬ」
「命令ではなく、依頼、という形であれば?」
「何をでござるか?」
「……こちらの話を聞く意思はある、と?」
「勿論でござる。して、お主の名は?」
幸村が問う。
短い沈黙の後、青年は静かに答えた。
「――――自分はナイトオブゼロ、枢木スザクです」
◇ ◇ ◇
「くるくる殿」
「枢木です」
「くるるる……」
「………」
「……くるるぎ、殿。本当にかたじけない」
住宅街の一角にある駐車場。
その片隅に、幸村とスザクは向かいあって座っていた。
スザクに対して深々と頭を下げる幸村の右手には湿布が貼られ、その上から包帯が巻かれている。
包帯は幸村のデイパックに入っていた基本支給品。湿布はスザクが幸村をみつける前に調べた民家にあった物。
幸村の右手が腫れていることに気づいたスザクが自ら治療すると申し出たのだ。
何故こんな怪我をしたのかと訊いて返って来た答えが「人の入った板を殴った故」だったのには苦笑せざるを得なかったが。
そのスザクはといえば、幸村と対峙した時に投げたデイパックとサバイバルナイフを回収し、
ナイトオブゼロのマントを再び身に纏っている。
「くるくる殿」
「枢木です」
「枢木殿」
「なんですか?」
「本当に某、枢木殿には何と礼を言ってよいか」
「そんなにお礼を言われるようなことをした覚えはありませんが」
改めて頭を下げ礼を述べてくる幸村に、スザクは困惑する。
謙遜ではなく本当に、こんなに頭を下げられるようなことをした覚えはないのだ。
どちらかと言えば頭を下げるべきは、突然背後からナイフを突き付けるような真似をした自分の方だろう。
謝る意思は無いが、謝るべきことだろうという自覚は有る。
「いや、某、枢木殿に教えていただかなければ、この でいぱっく なる物の中身を確認することも
地図や でばいす を見ることも無いまま、ただ走り回るだけでござった。
よしんば見たとしても、『しょっぴんぐせんたー』や『ほーる』など某は知らぬ故、
ここで枢木殿から聞けたことは幸運と思っておりまする」
そう言って、幸村は再度スザクに頭を下げる。
確かに、スザクは幸村にデイパックの中身をきちんと調べるよう指摘した。
地図に記載された施設がわからないという幸村に、自分の分かる範囲内で教えもした。
怪我の手当てもしてやったが、それらを全て合わせても、ここまで礼を言われるようなことではない。
そもそも慣れていないのだ、スザクは。
他人から感謝され、それをストレートに表現されるということに。
「して枢木殿。枢木殿の目的は主である るるーしゅ殿とお仲間の しーつー殿を捜すことと、
この島より脱出する術を見出すこと、でよいのでござるか?」
「はい」
「先程申した通り、某も人を捜しておりまする。枢木殿には恩義もある。この幸村、協力は惜しみませぬ!」
「……え?」
「何を驚いているのでござる?
枢木殿の望みが人を殺めることであれば引き受けることはできぬが、主を捜すことであればお断りする理由がござらぬ。
某も主を持つ身。主を案じる想いは同じと思うておりまする!」
幸村の言葉にスザクは戸惑った。
今のスザクは神聖ブリタニア帝国第99代皇帝ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアの騎士、ナイトオブゼロ。
世界の敵であると言っても過言ではない。
このゲームの参加者全員から憎まれ、恨まれ、命を狙われることも覚悟していた。
そんな自分に、自らの意思で協力するなどという人間がこの島にいるとは、スザクは思っていなかったのだ。
だからこそ途中に立ち寄った民家でみつけたナイフを使い、相手を脅すという手段に出た。
幸村はブリタニアなどという国は知らないとは言っていた。
モニターやショッピングセンターも知らないというから、本当に名前の通り戦国時代の武将なのかと考えもしたが、
戦国武将が素肌にライダースジャケットなどという格好をしているはずがない。
幸村の態度は嘘をついているとは思えなかったが、現代の人間ならば世界中のどこに住んでいようと
ブリタニアを知らないわけもなく、まして日本人であればナイトオブゼロとなった自分を知らないなんて有り得ないのに。
それなのに、幸村はあっさりと、スザクに協力することを自らの意思で快諾したのだ。
そのうえ「主を案じる想いは同じ」と言われ、スザクの戸惑いは更に強くなる。
―――同じわけがない。
スザクが幸村に名簿に知っている名が無いのか訊ねた時、
幸村は伊達政宗や織田信長、明智光秀、本多忠勝という名と共に、名簿には名前の無い己の主、武田信玄のことを話した。
熱く語るその様に、幸村の信玄への敬愛と忠誠心は本物だとスザクは感じた。
スザクとルルーシュの間には、そんなものは存在しない。
騎士と皇帝という立場にはあるが、それさえも表面上のものだ。
あるのは、約束。
ゼロレクイエムのその日まで、スザクはルルーシュを守る。
それは忠誠心でもなければ友情とも違う。
殺す為に、守るのだ。
たとえ、どんな手段を用いても。
支援
「枢木殿!」
スザクがハッと顔を上げる。いつの間にか考え込んでしまっていたらしい。
幸村の方を窺えば、特にこちらの態度を気にしている様子は無い。
それにしても――――
似ている、と思う。
幸村の声は、ジノの声に。
ジノ・ヴァインベルグ。
金髪を三本の三つ編みにした奇抜な髪形と、人種の差を抜きにして考えてもひとつ年下とは思えない恵まれた体躯。
シャルル・ジ・ブリタニアの騎士として共に名を連ねた嘗ての同僚。
過剰なスキンシップをもって、ナンバーズの自分を差別することなく受け入れたナイトオブスリー。
もし、ほんの少しでも何かが違っていれば、今も仲間として共に戦っていたかもしれない。
友達と呼び、もしかしたら親友と呼ぶこともできていたかもしれない。
だが、そうはならなかった。
自分から、離れた。
切り捨てた。
裏切って、傷つけて。
戦場で敵同士として対峙した時、他のラウンズは殺してもジノだけは殺さなかった。
だがそれは、友情や優しさなどという綺麗な感情では、たぶん、ない。もっと利己的で醜い想いだ。
きっとジノは助かってよかったなどとは思っていない。
ジノだけではない。
多くの人を裏切った。傷つけた。殺した。
今までも。そして、これからもまだ、殺すのだ、きっと。
「某、枢木殿にお願いしたき事がござりまする」
「……なんですか?」
「もし枢木殿が槍をお持ちであれば、某に譲っていただけぬかと」
「槍?」
「如何にも。某の槍はいつの間にか奪われ、この でいぱっく の中にも入っておらず」
「槍は持っていませんが、もし、これでいいなら――」
スザクはデイパックを開け、自分のランダム支給品のひとつを取り出した。
ウザクさんじゃなくてナイトオブゼロのスザクさんか
「おお! これは!!」
幸村が感嘆の声を上げる。
スザクが取りだしたのは、銀色をした二本の棒だった。
「物干し竿です。ステンレス製の」
「某に、いただけるのでございますか!?」
「はい」
幸村は立ち上がり、早速スザクから物干し竿を受け取ると、両手に一本ずつ持ち構えを取った。
そして、試しに回してみる。
「使い勝手は異なるが、長さは某の槍とほぼ同じ! 助かり申した。かたじけない、枢木殿!」
「自分には使い道はありませんから、お役に立つのであれば」
「しかし、ただ一方的にいただくわけには参りませぬ。代わりにこれを受け取ってくだされ!」
そう言って幸村がデイパックから取り出しスザクに差し出したのは、日本刀に見える物。
だが、見た目は日本刀でも、実際は刀ではない。
幸村の支給品確認に付き合ったスザクは知っている。
これは銃だ。
『レイ・ラングレンの銃』――柄に見える部分に銃口があり、鞘に見える部分が弾倉だと説明書には書かれていた。
「さして殺傷力のない物干し竿と交換するには、この武器は強すぎると思いますが」
「構いませぬ。枢木殿にはいろいろと教えていただき、手当てまでしていただいた恩もござる。
それに某には、このような西洋式武具は扱えぬ故」
「……危険だとは、思わないんですか?」
「何をでござる?」
「知り合ったばかりの自分に、こんな武器を渡すことをです。自分が真田さんに刃物を向けてから、まだ30分も経たないのに」
「あれは主を想うが故のことだったのでござろう?」
その言葉にスザクは沈黙する。
違うのだ。
自分とルルーシュは、幸村が思っているような関係ではない。
「受け取ってくだされ。某は枢木殿に協力すると約束致した。その証と思うて下され」
幸村に真っ直ぐに見つめられ、スザクは差し出された銃を受け取る。
「……ありがとう、ございます」
「礼には及びませぬ。それよりも今は、この地にいる互いの主、そして仲間を捜すことが肝要。手分けして――」
「いえ。一緒に行きましょう」
「何故でござる? 二人で手分けして捜した方が早いはず」
「自分はまだ、貴方を信じていません。貴方がルルーシュを殺さないと、信じられない」
スザクの言葉に、幸村の表情が険しくなる。だが、それは一瞬のことだった。
「大切な主の命がかかっているとなれば、枢木殿が慎重になられるは無理ならぬこと。
分かり申した。しばし行動を共にし、某の言葉に偽り無きこと、確かめてくだされ! では、参りましょうぞ!!」
「どこへ?」
「お館様や るるーしゅ殿達を捜しながら、『敵のあじと』へ向かうでござる!!」
威勢よく答えるなり歩き出す幸村の後ろ姿を見ながら、スザクはゆっくりと立ち上がる。
そして、銃を持った右手を上げた。
銃口を幸村の背中に向ける為に。
し え ん
―――スザクは、思ったのだ。
スザクは、バトルロワイアルに優勝したからといって、願いを叶えて貰えるとは思っていない。
優勝した瞬間に首輪を爆破されてもおかしくないし、首輪を外せたとしても他の方法で殺されてもおかしくないと考えている。
仮に願いが叶うとしても、死者の復活、それだけは絶対に不可能だ。
C.C.という不死の存在をスザクは知っている。
だがそれでも。スザクは死者を蘇らせる力の存在を信じられない。信じる気もない。
人は、一度死ねば生き返ることはない。
それが、生であり、死だ。
だから、ルルーシュの命が僅かでも危険に晒されるようなリスクを、スザクは冒せない。
絶対にこんな場所でルルーシュを死なせるわけにはいかない。
ルルーシュは世界の為に死ななければならない。
ゼロレクイエムが為されなければ、これまでに自分達が生んできた犠牲の全てが無駄になってしまう。
それだけは何としても避けなくてはならない。
スザクは思う。
自分が今やるべきことは、目の前の人物が協力しあえる相手なのかを見極める為に行動を共にすることではない。
彼がルルーシュを殺さないと信じられないのなら。
ならば、スザクはそれを排除するだけだ。
それが、ルルーシュの剣である、僕の役目だ――――と。
スザクの構えた銃が、狙いを定める。
一発の銃声が、響いた。
支援
引鉄を引いた次の瞬間スザクが見たのは、驚愕に見開かれた目を自分に向ける幸村の顔だった。
そして、その幸村の先に、弾丸によって穴の開いた壁。
「く、枢木殿………」
スザクは幸村に対し、淡々と答える。
「試し撃ちです。いざという時に弾が出ないのでは話にならない」
「そ、そうでござったか」
「信じるんですか?」
「どういう意味でござる」
「自分を狙って撃ったのだとは、思わないんですか?」
スザクのその言葉に、幸村は激昂した。
「何故でござるッ!!! 何故でござるか、枢木殿! 何故、某に己を疑わせようとするのでござる!!」
幸村の叫び。
その言葉に、スザクは理解した。
ああ、そうか。僕は、疑われたかったんだ―――
幸村はスザクに協力すると言った。
協力。それは、ある程度信用している相手に対して使う言葉。
自分でさえ信じられない自分自身を、幸村は信じた。
もう誰にも信頼されることなど無いと思っていた自分を、幸村は信じた。
それがスザクには辛かったのだ。
一方的に勘違いされたも同然とはいえ、実際には存在しない"主への想い"が理由であるから尚のこと。
血に塗れ、嘘に塗れ。
咎人である自分が、誰かから真っ直ぐに見つめられ本心からの協力を得られることが、赦せなかった。耐えられなかった。
恐怖で屈服させ従わせることよりも、純粋な気持ちでの協力が苦しい。
そんな自分自身の気持ちに気づいて、スザクは心の中で自嘲する。
「―――僕はさっき、貴方を殺せた。でも、殺さなかった」
スザクは告げる。
「きっと、これが僕の答えです」
言葉を紡ぐ。
「僕は、貴方がルルーシュを殺さないとは信じていない。もし貴方がルルーシュに危害を加えようとしたら、殺してでも止めます」
その言葉の向かう先は、幸村だけではない。
「でも、今は貴方を殺さない」
これはきっと弱さだ。迷いだ。……それでも。
「僕は……貴方を殺したくはない。だから――」
その先は言えなかった。言ってはならない。そう、スザクは思った。
「……某も、枢木殿に殺されたくはないでござる」
幸村が答える。
それが単純に言葉通りの意味だけでないことは、スザクにも伝わった。
「枢木殿と刃を交えるのも、御免蒙りたい。 某は、枢木殿から受けた恩義には必ず報いまする」
「あの、さっきも言いましたが、僕はそれほど大したことをした覚えは――」
「枢木殿にとっては大したことではなくとも、某にとっては大きなこと。では枢木殿、今度こそ参るでござる!!」
幸村は宣言し、再び歩き始める。
スザクに、背中を見せて。
スザクはその背中をしばらく見つめてから、手に持った銃をデイパックにしまうと幸村の後を追い、隣りに並ぶ。
「ところで、目的地は」
「先程も申した通り! 地図に書かれた『敵のあじと』へと、乗り込むでござる!!」
熱く宣言する幸村に、スザクは静かに言った。
「……言い難いんですが、『敵のアジト』って、真田さんが思ってるような場所じゃないと思います」
【E-7/住宅地/一日目/深夜】
【枢木スザク@コードギアス 反逆のルルーシュR2】
[状態]: 健康、「生きろ」ギアス継続中
[服装]: ナイトオブゼロの服
[装備]:
[道具]: 基本支給品一式、レイ・ラングレンの銃@ガン×ソード、バタフライナイフ@現実(現地調達品)、湿布@現実(現地調達品)、
ランダム支給品0〜2(確認済み)
[思考]
基本: ゼロレクイエム完遂の為、ルルーシュ、C.C.と共に生還する (特にルルーシュを優先)
1: ルルーシュ、C.C.、名簿外参加者の中にいるかもしれないゼロレクイエムの計画を知る人間を捜して合流
2: ルルーシュに危険が及ぶ可能性のある要素は排除する
3: 確実に生きて帰る為の方法、首輪を外す方法を探す
4: しばらくは幸村と共に行動
[備考]
※ラウンズ撃破以降〜最終決戦前の時期から参戦。
※主催がある程度の不思議な力を持っている可能性は認めていますが、死者蘇生が可能という点は全く信じていません。
※少なくとも、『真田幸村』が戦国時代の武将の名前であることは知っていますが、幸村が本物の戦国武将だとは思っていません。
【真田幸村@戦国BASARA】
[状態]: 健康、右手に軽い打撲(治療済み)
[服装]: 普段通りの格好(六文銭の家紋が入った赤いライダースジャケット、具足、赤いハチマキ、首に六文銭)
[装備]: 物干し竿(ステンレス製)×2@現実
[道具]: 基本支給品一式(救急セットの包帯を少量消費)、ランダム支給品0〜2(確認済み)
[思考]
基本: 『ばとるろわいある』なるもの、某は承服できぬ!
1: 武田信玄のことは何があろうと守る
2: スザクと共に行動、恩義に報いる為にも協力を惜しまない
2: 『敵のあじと』に乗り込む
2: 『敵のあじと』が自分が思っているものとは違うというスザクの指摘がどういう意味か分からないので確認する
2: 怪我をしている伊達政宗、名簿に記載されていない参加者の中にいるかもしれない知り合い、 ルルーシュとC.C.を捜す
2: 主催を倒し、人質を救い出す
2: これは戦ではないので、生きる為の自衛はするが、自分から参加者に戦いを挑むことはしない
2: 争いを望まない者は守る
2: 織田信長と明智光秀は倒す
※武田信玄が最優先であること以外、本人には優先順位をつけるという発想がありません。矛盾もありますが気づいていません。
[備考]
※長篠の戦い後〜武田信玄が明智光秀に討たれる前の時期から参戦。
※MAPに載っている知らない施設のうち、スザクにわかる施設に関しては教えてもらいました。
※スザクとルルーシュのことを、自分と武田信玄のような主従関係だと勝手に思い込んでいます。
支給品解説
【レイ・ラングレンの銃@ガン×ソード】
レイ・ラングレンがいつも腰に挿していた、刀のようにも見える連射可能な銃。赤い鞘のような部分は弾倉。
相当数連射すれば床を撃ち抜いたりもできる。ヴォルケインを呼ぶのにも使用されていたが、本ロワ内では呼び出せない。
【物干し竿(ステンレス製)×2@現実】
その名の通り、ステンレス製の物干し竿。2本で1セット。
真田幸村の槍と長さはほぼ同じ。
投下終了です。
自分で投下した本スレ投下部分は携帯からだったので、改行に関してはwiki収録後に調整を加えます。
そして、修正したというのにまだ間違えているという…orz
本スレ
>>969 金髪を三本の三つ編みにした奇抜な髪形と、人種の差を抜きにして考えてもひとつ年下とは思えない恵まれた体躯。
↓
金髪を三本の三つ編みにした奇抜な髪形と、人種の差を考慮してもひとつ年下とは思えない恵まれた体躯。
以上です。何か問題点があれば指摘をお願いします。
代理投下終了です
そろそろ次スレが必要かな?
この支給された参加者詳細名簿というものには三つの事項が記載されている。
まず名前、そして顔写真、最後に――職業。
例えば私――浅上藤乃の場合。
名前の欄には当然『浅上藤乃』という文字。
そして名前の上にどこで撮ったのかは知らないが私だと分かる写真が証明写真ぐらいのサイズで一枚。
さらに名前の下には『学生』と記載されていた。
これが1セット。
これが既に名前の判明している52人分載せてあるのが参加者詳細名簿の全て。
名前と顔が確認できるのだけでもそれなりに有り難いが、職業の欄にはいささか興味を引かれた。
最も多かったのは自分も所属している『学生』だった。
他には『教師』のような一般的なものから『軍人』や『テロリスト』といった特殊なもの、果ては『武将』や『騎士』といった信じられないようなものまであった。
さすがに『無職』や『王族』みたいなものには苦笑してしまった。
ところどころ判別できなかったのか『???』の表記もいくつかあった。
「ん?」
そんなふうに名簿を眺めて校舎の入り口に差し掛かった時、音が聞こえた。
おそらく机か椅子が倒れた音。
こんな状況なせいか音はよく聞こえた。
そして廊下を走る音も遅れて聞こえてきた。
「……誰かいる」
私の取る行動は決まっている。
全ては先輩のため、私は音の方へと足を向けた。
【E-2/学校・校舎前/一日目/深夜】
【浅上藤乃@空の境界】
[状態]:健康
[服装]:礼園女学園制服
[装備]:軍用ゴーグル@とある魔術の禁書目録
[道具]:基本支給品一式、参加者詳細名簿、不明支給品×1
[思考]
基本:幹也の為、また自分の為(半無自覚)に、別に人殺しがしたい訳ではないが人を殺す。
1:学校に誰かが居れば、その人にはすごく悪いが凶げて殺す。
2:学校に誰も居なければ、移動して人に会い、本当に申し訳ないが凶げて殺す。
3:幹也に会いたい。
[備考]
※式との戦いの途中から参戦。盲腸炎や怪我は完治しており、痛覚麻痺も今は治っている。
【参加者詳細名簿】
※最初から名前の判明している参加者52人分の名前・顔写真・職業の三点のみ記載されています。
※現時点で職業の欄には『学生』『教師』『軍人』『テロリスト』『武将』『騎士』『無職』『王族』『???』が確認されています(他の職業の有無は後続の書き手に任せます)。
※浅上藤乃の職業は『学生』です(他の参加者の職業の割り当ての詳細は後続の書き手に任せます)。
勝手ながら、状態表の修正を反映した上で代理投下しました
アニロワすごいな
スレ立て乙
読み手が作品の修正を勝手にしてくれるのか。
「勝手に」ってどういう事なんだろうな。
議論スレより読み手様の方が(ryってだよなぁ。
あれは仮投下スレに修正すると追記してあったものを反映しただけだと思うんだが……
仮投下の修正を反映しただけだな
それにしても順調だな
9
8
7
6
5
4
3
2
2
1001 :
1001:
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。