あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part255

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1名無しさん@お腹いっぱい。
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら? そんなifを語るスレ。

(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part254
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1254035243/

まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/

     _             ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃  `ヽ   .  ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
    l lf小从} l /    ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'     ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   ヽ_/ィヘ_)〜′    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
             ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
     _       
     〃  ^ヽ      ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
    J{  ハ从{_,    ・クロス元が18禁作品でも、SSの内容が非18禁なら本スレでいいわよ、でも
    ノルノー゚ノjし     内容が18禁ならエロパロ板ゼロ魔スレで投下してね?
   /く{ {丈} }つ    ・クロス元がTYPE-MOON作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   l く/_jlム! |     ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
   レ-ヘじフ〜l      ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。

.   ,ィ =个=、      ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
   〈_/´ ̄ `ヽ      ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
    { {_jイ」/j」j〉     ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
    ヽl| ゚ヮ゚ノj|      ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
   ⊂j{不}lつ      ・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
   く7 {_}ハ>      ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
    ‘ーrtァー’     ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
               姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
              ・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
              SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
              レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。
2名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/03(土) 22:22:33 ID:oNwS2JJv
テンプレ終了。
>>1乙です。
3名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/03(土) 22:24:38 ID:U5usOxan
>>1
4名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/03(土) 22:30:33 ID:cAH37Aha
>>1乙カレー
5名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/03(土) 22:30:37 ID:UAQzq6fi
>>1
止めた>>2も乙
6名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/03(土) 22:38:26 ID:WfAWWlJj
>>1乙はパワーだぜ!
7名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/03(土) 22:50:21 ID:/0MIvTt6
>>1
気付けませんで失礼
8名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/03(土) 23:05:06 ID:lOeacAYm
>>1
9名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/03(土) 23:27:55 ID:QGkUntGL
>>1って、本当に乙よね!
10ベルセルク・ゼロ:2009/10/03(土) 23:29:00 ID:H5VEPkc3
>>1
新スレ開始早々申し訳ないが投下したいと思ふ。
予約はあったじゃろか?
11名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/03(土) 23:33:57 ID:4LG9Pxfk
ないから投下してもおk
12名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/03(土) 23:34:07 ID:QGkUntGL
待ってましたー!
試演
13ベルセルク・ゼロ:2009/10/03(土) 23:35:28 ID:H5VEPkc3
誰もいない予感。ワロス。
予約無さそうなんで始めまふ。

前回のあらすじ
なんやかんやでガッツVSワルド。ゼロの使い魔クロスもので一番の山場。頑張って書いたんでよろしこ。
14名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/03(土) 23:36:05 ID:uSSIr0g2
おおお、キター!!
15ベルセルク・ゼロ27 1/18:2009/10/03(土) 23:37:40 ID:H5VEPkc3
 それは突然だった。
 『あの最悪の映像』を最後に失われたはずのガッツの右目に映りこむものがあった。
 倒れ付す王子、ウェールズの姿。眼前に迫り来る白い仮面の男。哄笑に歪むワルドの顔。
 伝わってくる感情はただ、恐怖。
 聞こえてきたのは自分の名を呼ぶ声。
 今、ルイズの身に何起こっているのかはわからない。
 だが――気付けば、ガッツは駆け出していた。
 まったく面倒なことだ、と舌を鳴らしながら。


「……!!」
 何だろう。声が聞こえる。
「……ズ!!」
 よく聞き取れない。何を言っているんだろう。何だかとても必死な様子だけれど。
「ルイズ!!」
 ああ、わかった。私の名前を呼んでいるのか。
 ……。
「ッ!?」
 ルイズは目を開けると慌ててその体を起こした。
 何が、どうなっていたんだっけ。
 ぼぅ、とする頭を押さえて今の自分の状況を思い出す。
 そうだ。眠れなくて、ふらふらと散歩していたら礼拝堂を見つけて、中を覗いてみたら……
 中を、覗いてみたら……ウェールズ王子の死体が!!
 寝ぼけていた頭がようやく覚醒した。同時に、自分の名を呼んでいたのが小さな妖精パックであったことに気付く。
「ルイズ!! よかった、目が覚めた!!」
「パック、どうしてあなたがここに!?」
「ああああ、そんなこと説明してる場合じゃないんだって!!」
「え? 何? どういうこと!?」
「ルイズ伏せてーーーー!!」
 言われるがままルイズは咄嗟に頭を下げる。
 さっきまで自分の頭があった所を何かが通り抜けた。
 ヒュッ、と風を切り裂き飛来したそれはルイズの目の前にびーん、と音を立てて突き立った。
「な、ななななぁ!? 何コレぇ!! 矢ぁ!?」
「ぼぅっとしてると巻き込まれるぞ!! こっちだこっち!!」
 ルイズはパックに促されるまま礼拝堂の隅まで避難する。
 その途中、ルイズは矢が飛来してきた方角に目を向けた。
16ベルセルク・ゼロ27 2/18:2009/10/03(土) 23:40:02 ID:H5VEPkc3
 いかなる魔術か、5人に分裂したワルドに対しガッツは即座に踏み込み、大剣ドラゴンころしを振るう。
 ワルド達はそれぞれがその一撃を軽やかにかわし、そのまま散り散りに飛翔してガッツとの間に距離をとった。
 そして5人のワルドは同時に呪文の詠唱に入る。
 唱える呪文は5人が共に『ライトニング・クラウド』。一撃で対象者の命を奪いうる、ワルドが詠唱可能な術式の中で最も殺傷力の高い魔法。
 ガッツはドラゴンころしを地面に突き立てる。代わりに左手の義手に装着されたのは鋭い矢を間断なく吐き続ける連射型ボウガン。
 引き金となっているレバーを回す。ドドドドと低いうねりと共に矢が次々と放たれる。
 戦場での一斉射撃を思わせるようなその矢の数にワルドはたまらず詠唱を中断、矢の撃墜に集中せざるを得なかった。
 風の『遍在<ユビキタス>』。自身と全く同様の存在を複製する魔法。
 完全に独立した意志と力を分身にあたえるこの魔法はまったくもって強力極まりなく、この魔法がある故に風の属性が最強だと唱えるものもいる。
 ワルドはこの魔法によって同じ時間、別の場所に仮面の男として存在し、フーケを脱獄させるなど様々に暗躍してみせたのだ。
 そして今、ワルドは自身の限界――同時に4体の遍在を存在させるという離れ業でもって黒い剣士、ガッツと対峙している。
 この対決の結果は本来火を見るより明らかだ。
 スクウェアクラスのメイジであるワルド、そしてそのワルドと全く同等の力を持つ4人の遍在を同時に相手して、魔法を持ちえぬ平民が勝てる道理はない。
 だが―――
「ちぃッ!!」
 飛来してきた矢によって再び詠唱が中断される。
 ガチン、と甲高い音を立ててボウガンが弾切れを訴えた。
「しめた! 今だ…何ィ!?」
 この機に詠唱に集中しようとしたワルドは突如目の前に飛来した物体を慌てて打ち払う。
「今のはナイフか…! そうか、そんなものも持っていたな!!」
 ワルドはギリギリと奥歯をかみ締めた。
 ならばいっそと『エア・ニードル』の魔法によって強化した魔法の杖を持って2体の遍在をけしかければ、即座にドラゴンころしが轟音と共に迫ってくる。
 1体の遍在が何とか強化した杖でその一撃を受け止めた。
 だがドラゴンころしはお構い無しに振り切られ、もう1体の遍在も巻き込みそのままの勢いで2体とも大きく弾き飛ばされる。
 もし杖を魔法で強化していなかったらそのまま両断されていただろう。
 思い出す。ラ・ロシェールでの決闘を。信じがたいことに、レイピアを模した杖を振るう自分よりも、あの馬鹿げた鉄の塊を振るうガッツの剣速の方が速かったことを。
「そこだ!!」
 ドラゴンころしをガッツが振るった直後、残ったワルドの遍在ががら空きの背中に斬りかかった。
「むッ!?」
 背後に迫ったワルドは気付く。目の前に浮かぶ直径五センチ程の鉄の玉。
 何だコレは、と疑問に思った矢先、鉄の弾から飛び出した導火線に気がついた。既に火はともされている。
 総毛立ち、すぐに風の防壁を張る。爆裂。何とか事なきを得る。流れる冷や汗を手袋で拭った。
 再びガッツを囲むように散る5人のワルド。
 ガシャンと音が鳴る。ガッツの手元、ボウガンの装填が既に済んでいた。
17名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/03(土) 23:41:30 ID:QGkUntGL
試演
18ベルセルク・ゼロ27 3/18:2009/10/03(土) 23:43:11 ID:H5VEPkc3
「すごい…」
 ルイズは目の前で繰り広げられる激戦に口をぽかんと開けたまま見入っていた。
 矢を放ち、剣を振るうガッツの姿を目にして、ルイズの胸に熱いものが込み上げてくる。
 来た。来てくれた。また、自分を助けに来てくれた。
「…ッ!!」
 唇を噛む。ああ、だけど。ガッツが戦っているその相手はワルドなのだ。
 トリステインの裏切り者。レコンキスタの内通者。ウェールズ王子の仇。
 とても許しがたい、憎むべき存在。
 でも、それでも。
 池の上を漂う小船。震える自分に手を差し伸べてくれたワルド。
 とても優しい、思い出の人。
 ワルドに対する相反する思いがルイズの心を渦巻いている。
「私…私は…!」
 望んでいるのか? 何かの間違いであることを。
 願っているのか? 「冗談だよ」とワルドが笑ってくれることを。
 自分の心の奥底に潜むその思いに気付いたとき、ルイズの小さな胸は真っ赤な怒りで一杯になった。
(ふざけるな!!!!)
 芽生えた激情の正体は自分への怒り。自分のために戦いに身を投じているガッツへの有り得ぬ不義を恥じる気持ち。
 ワルドへの想いは正直未だによくわからない。
 でも、たったひとつだけ確かな想いがある。
(ガッツ―――勝って――――!!!!)
 その胸を掻き抱き、ルイズは祈った。


 矢の装填を終えたボウガンを構え、ガッツは自分の周りを取り囲むワルド達を油断無く見据えている。
 ワルドはそんなガッツに対し、感嘆の声を漏らした。
「本当に大したヤツだな…君は」
 その言葉に含むところは無い。ワルドの本心からの言葉だった。
 ガッツは多対1の戦いに慣れすぎている。ワルドはそう感じた。
 まるで背中に目があるかのような視野の広さ、目まぐるしく変化する戦況に対する判断の早さ、正確さ。どれをとっても図抜けている。
 一体幾つの戦場を、どんな修羅場を、如何ほどの地獄を潜り抜けてきたというのか。
 いや、或いはその力こそ伝説の使い魔『ガンダールヴ』となったことで手にした恩恵なのかもしれない。
 そのはずだ。

 でなければ――ガッツの力はヒトが持ち得るものとしては逸脱しすぎている。

 ワルドは紛れも無く天才だった。
 才に恵まれ、しかしそれに驕らず鍛錬を欠かさなかった。
 結果、年若くしてメイジとしての実力はスクウェアのレベルまで達し、グリフォン隊の隊長の地位まで上り詰めた。
 そう、紛れも無く天才―――だが、それ故にワルドは周囲の人間を見下してもいた。
 同世代には彼と肩を並べるような者はいなかったし、世襲によって上の地位にいる者達を彼は老害と断じてもいた。
 つぅ…、と頬に流れる汗を感じる。
「ククク…」
 思わず零れる笑みを隠すことができない。
 歓喜しているとすらいえる表情のままガッツを見つめ、ワルドは口を開いた。
「初めて尊敬の念を抱いた相手が杖持たぬ平民とはな」
19ベルセルク・ゼロ27 4/18:2009/10/03(土) 23:46:00 ID:H5VEPkc3
 もう甘く見ることはしない。
 目の前の相手は戦術なしのごり押しで勝てる相手ではなかった。
「何も5人が5人、ライトニング・クラウドを唱える必要など無いのだ!」
 ワルド本体の前に2体の遍在が躍り出た。
 その2体の遍在は壁。2体はただ飛来する矢に備え杖を構える。
 その後ろでワルドはライトニング・クラウドの詠唱に入った。
 ガッツが駆け出す。構えているのはボウガンではなく大剣ドラゴンころしだ。
「しまっ…!!」
 ワルドの顔が蒼白に染まった。先ほどの、2体の遍在を同時に吹き飛ばしたガッツの姿が脳裏をよぎる。
 固まるのは愚策だった。一網打尽だ、これでは。
「く、うおお!!」
 迫り来る鉄塊を左右、後方にそれぞれ飛び、三人のワルドは間一髪で回避する。
 となれば次はワルドに勝機が訪れる。残りの2体の遍在は何も遊んでいたわけではない。
 既に、2体とも必殺の呪文の詠唱を終えている。
「ライトニング…!」
 ドラゴンころしを振り切った勢いそのままに後ろを振り返ったガッツの右手から煌くナイフが放たれた。
 絶妙のタイミング。今まさに魔法を放とうとしていた2体の遍在は集中を解き、迫り来るナイフを打ち払わざるを得ない。
 集中力が途切れると同時に、必殺の形を為そうとしていた魔力は雲散霧消した。
 恐るべきはその投擲の正確性だ。喉と心臓を的確に狙うナイフは、どれもかわさなければ十分致命傷になり得るものだった。
「くっ…! 仕方が無い、再び距離を取って…ッ!!?」
 ワルドの目が驚愕に見開かれた。
 遍在ではない、ワルド本人の目の前にガッツが肉薄してきている。
「馬鹿な! 何故私が本体だとッ!!」
「ずっとこそこそと影に隠れてたんでな」
 ガッツは笑い、ドラゴンころしを振り上げた。
「当たってたようで何よりだ」
 鉄塊が振り下ろされる。
 ワルドは諦めたようにやれやれと首を振った。
 ああもうまったく、つくづく大したものだ。
 諦めた。諦めたよ。
 ワルドの頭を叩き割らんと鉄塊が猛然と迫る。
「諦めた。ライトニング・クラウドに拘るのはな」
「なに…?」
「『エア・ハンマー』」
 恐るべき速度で術式を完成させたワルドがその杖を振るう。
 生み出された風の塊がガッツの体を吹き飛ばした。
20名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/03(土) 23:47:31 ID:THkEVWab
支援の巻
21名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/03(土) 23:48:21 ID:ARvDnEXS
支援
22ベルセルク・ゼロ27 5/18:2009/10/03(土) 23:48:22 ID:H5VEPkc3
「くっ…!」
 ガッツはエア・ハンマーによって吹き飛ばされた体勢を即座に立て直す。
 今度はワルドがガッツの目の前に肉薄していた。
「やはり『エア・ハンマー』程度では大したダメージを与えることは出来ないか」
「野郎…!」
 振り下ろされたドラゴンころしが地面を叩く。
 目の前に迫っていたワルドは囮。『フライ』の魔法によって飛翔したワルドの後ろで、遍在のワルドが杖を構えていた。
 ナイフを投げる? 間に合わない。
 ワルドが今唱えようとしている魔法は『ライトニング・クラウド』に比べ、その詠唱にかかる時間が大幅に短い。
「『ウインド・ブレイク』!!」
 先ほどの『エア・ハンマー』とは比べ物にならない衝撃がガッツを襲った。
 吹き飛ばされたガッツはそのまま礼拝堂の壁に強烈な勢いで叩きつけられる。
「が…は…!!」
 息が止まる。壁をこすりガッツの体が床に崩れ落ちた。
 咳き込みそうになる体を抑えつけて立ち上がる。
 ワルド達に目を向けてガッツは息を呑んだ。
 残り三体のワルド、その全てが杖を構え今まさに魔法を放とうとしている。
「『ウインド・ブレイク』…エア・ハンマーの上位互換魔法に過ぎぬが…中々どうして、効くだろう?」
 ワルドは笑う。ガッツが吼える。
 ガッツは左手に装着したボウガンに手をかけた。
 ワルドは既に完成した術式を発動させた。
 吐き出される大量の矢。生み出される風の塊。
 猛り狂う3つの風の塊は吐き出された矢を吹き飛ばし、再びガッツの体を礼拝堂の壁に叩き込んだ。
「ふはははははは!!!!」
 ワルドの高らかな笑い声が礼拝堂に反響する。
 壁に身を預けたまま、ガッツは立ち上がろうとしない。
 パラパラと砕けた破片がガッツの体に落ちる。
 抉れた壁がワルドのウインド・ブレイク、その威力を物語っていた。
「ガッツーーーー!!!!」
 ルイズが悲鳴を上げた。
「おや、目が覚めていたのかルイズ」
 ワルドはルイズに目を留めるとその顔に酷薄な笑みを浮かべた。
「どんな気分だルイズ。君の身を守ろうと勇み馳せ参じた使い魔はあの様だ。君が大人しく僕のものになっていればこんなことにはならなかっただろうに。
 きっと彼ともいい友人になれたに違いない。ああ、まったくもって残念だ」
 言いながら、ワルドは杖を振り術式を紡いでいく。
 込み上げた嫌な予感にルイズの顔が青ざめた。
「何を…する気……?」
「僕はね、ルイズ。彼に対してだけは見くびるような真似など決してしない。『ウインド・ブレイク』程度のダメージ、彼ならば立ち上がるさ。
 だから……完全なる止めを刺す。この『ライトニング・クラウド』で」
 既に術式は完成した。5つの『ライトニング・クラウド』を同時にその身に受けて生きていられる人間など存在しない。
 そう、それはいかなガンダールヴといえども例外なく。その身がヒトに過ぎぬ限りは。
「やめてーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
 ルイズは必死で声を上げる。だがワルドは止まらない。
「『ライトニング・クラウド』!!!!」
 ルイズの視界が眩い光で白く染まる。
 バリバリバリと稲妻の走る音。
 一瞬の静寂。
 ルイズは恐る恐る目を開ける。
 ガッツは黒い煙に包まれて倒れ付していた。
23ベルセルク・ゼロ27 6/18:2009/10/03(土) 23:50:52 ID:H5VEPkc3
「嘘…」
 ルイズはぺたんとその場に力なく崩れ落ちる。
「決着だ…ふふ、ふふふ……!」
 ワルドはこの上なく満足した様子でルイズに向き直る。
 その手に握られた杖からは新たな魔力が迸っている。
 『エア・ハンマー』。この程度のドット・スペルならワルドは一瞬で発動できる。そう、その身に帯びた『閃光』の名に相応しく。
「さあルイズ。全ての希望が潰えた今あらためて君に問おう。僕のものになりたまえ」
 ルイズは唇を噛んだ。
 幼少の頃の甘やかな記憶に引き摺られ、迷っていた先ほどまでとは違う。
「嫌よ! 絶対に嫌!! 誰がアンタなんかのものになるもんですか!!!!」
 今はただ、この人が憎い。
 よくも、私にとって大切な――本当に大切な使い魔を、よくも。
「ならばまた手荒にいかせてもらうよ。ルイズ、君が悪いのだ」
 杖に込められた魔力を誇示するようにチラつかせる。
 ルイズはその目に涙を浮かべ、膝を震わせながらも立ち上がり、杖を構えた。
「う、うぅ…!」
 かちかちと恐怖に震える歯を無理やりに噛み締める。
「だいじょぶだいじょぶ」
「…!?」
 突然かけられた声に振り返る。
「あいつ、馬鹿みたいにしぶといからさ」
 ルイズの肩で、小さな妖精パックが笑っていた。
「『エア・ハ――』」

 ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ! ! ! !

 もはや耳慣れた鉄の唸り。杖を構えたワルドの体に次々と矢が突き立っていく。
 やがて十本、二十本ではきかぬ程の矢をその身に受けて、ワルドの体がぼやけ、まるで霧のように解けて消えた。
「ちっ…ハズレか……」
 低く、だけどもよく通る声が礼拝堂に響いた。
「馬鹿な……!」
 驚愕に顔を歪め、ワルドは矢が放たれた方向に向き直る。
「あ…あ…!」
 ルイズの目から涙が一粒零れ落ちた。
「ね? オレの言った通りだろ?」
 パックはルイズの肩の上で得意げに腕を組んでいる。
 黒煙が晴れる。
 ああ、立っている。あの男は確かに立ち上がっている。
「ガッツぅ!!!!」
 黒煙の中から現れた黒い剣士の姿を認め、ルイズは思わずその名を呼んでいた。
24ベルセルク・ゼロ27 7/18:2009/10/03(土) 23:53:38 ID:H5VEPkc3
「何故…生きている…! 貴様、どんな魔法を使った!!」
 狼狽したワルドの叫びに、ガッツはその口を皮肉げに歪め、笑った。
「さあな…生憎こっちはそういったのとは無縁な平民なんでね。魔法だとかそういうのはあんた等貴族様の専売特許なんだろ?」
「貴様…!」
 『遍在』の数を1人減らし、合計4人となったワルドは止めを刺すべく、新たな呪文の詠唱に入る。
 させないとばかりにガッツの左手からボウガンの矢が発射された。
「くっ…!」
 ワルドは猛然と迫る矢の雨を必死で潜り抜ける。
 こんな状況では魔法を発動させるために集中することなど至難の業だ。
 ガチンと甲高い音が鳴る。ガッツの持つボウガン、その弾切れのサイン。
 ガッツは矢の装填をするべく腰の鞄に手をやった。
「な…に…!?」
 戦慄。
 装備を詰め込んでいた鞄が無くなっている。
「さっき、壁に叩きつけられたときか…!?」
 ワルドの唱えた『ウインド・ブレイク』の三連打。その衝撃によってガッツが腰に着けていた鞄はどこかに弾き飛ばされてしまっていた。
「今だッ!!」
 勝機を逃さずワルドの目が鋭く光る。
 ガッツは即座に肩に掛けていたベルトからナイフを抜き、投げ放った。
 だが、だめだ。ナイフでは同時に4人の動きを止めることなど出来はしない。
「『ウインド・ブレイク』!!」
 風の塊を叩き込まれ、ガッツの体が再び吹き飛んだ。
 今度は壁に叩きつけられることは無かったが、ガッツは体勢を崩し、地面に這い蹲るようにして着地する。
 先ほどナイフによって詠唱を中断されたワルドが1人、『ウインド・ブレイク』を唱えガッツを吹き飛ばしたのが2人。
 そして残り1人のワルドは。
「さあ、先ほど『ライトニング・クラウド』から逃れ得たカラクリを見せてみろ!!」
 既に必殺の詠唱を終えていた。
「『ライトニング・クラウド』!!」
 杖から生み出された稲妻が眩い光と共にガッツに襲い掛かる。
 ワルドはガッツの一挙一動を見逃さぬようその目を凝らす。
 ガッツは迫り来る稲妻を避けようともせず、ただ、その手に持った鉄塊を地面に突き立てた。
 瞬間、ガッツに向かっていた稲妻はその方向を変え、地面に突き立てられた『身の丈を越すほどの大剣』を直撃した。
「へっ…」
 大剣の傍らに身を伏せ、ライトニング・クラウドをやり過ごしてからガッツは悠然と立ち上がり、
「どうやら『雷は高いところに落ちる』ってのはマジらしくてな」
 そう言いながら地面に突き立てていたドラゴンころしを手に取った。
 ワルドはその拳を握り、怒りで身を震わせていた。
「そ、そんな下らぬ手で…!」
 だが、その効果は絶大だ。
 ライトニング・クラウドは雷を生み出し、ある程度の指向性を持たせ放出する魔法。
 『術者の杖を離れた後はどうしても自然の法則に影響されてしまうのだ』。それ故に対象に命中しなかった例はいくらでもある。
 とはいえ、自身の持つ剣を避雷針にするなど、あの一瞬で思いつくようなことではない。
 少なくとも、ワルドは今までそのようにして回避した事例を見聞きしたことはない。
 それも当然、か。そもそも避雷針になり得るような馬鹿げた大きさの剣にお目にかかること自体が初めてなのだから。
(落ち着け……)
 ゆっくりと、大きく息をする。動揺した精神が落ち着きを取り戻していく。
 ワルドとて百戦錬磨。ただ強力な魔法が唱えられるというだけでグリフォン隊隊長の肩書きを手にしていたわけではない。
 冷静になった頭でガッツを観察する。やはり、ボウガンに新たな矢を装填する様子は無い。
 弾切れか、或いは別の理由かもしれないが、とにかくもうボウガンは使えないと見て間違いない。
 ナイフや炸裂弾では4人もの同時詠唱を防ぎきれるものではない。
 勝機は依然としてこちらにある。
「次の一手で決める…!」
 その目に絶対の自信を浮かべ、4人のワルドは再び同時に詠唱に入った。
25名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/03(土) 23:55:25 ID:NITAOxtQ
しえん
26名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/03(土) 23:56:11 ID:X7y9wP1r
支援
27名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/03(土) 23:56:21 ID:QGkUntGL
そういや新刊出てたが、買う金がないよ支援
28ベルセルク・ゼロ27 8/18:2009/10/03(土) 23:56:47 ID:H5VEPkc3
 ガッツがナイフを抜く。ワルドの詠唱が完了する。
 ナイフを投げる。術式を発動させる。
 吹き荒れる風。軌道を変え、地面に叩きつけられるナイフ。
 投げナイフによって詠唱を潰せたのはたった一人。
 ガッツは舌を鳴らし、ドラゴンころしを手に駆け出す。
 2人目のワルドが杖を振った。『ウインド・ブレイク』。風の塊がガッツの体を殴りつける。
 ガッツは歯を食いしばり、その場に踏みとどまった。脳を揺らす衝撃に意識が飛びそうになる。
 だが耐えた。魔法を控えているワルドはあと2人。
「もはや『ウインド・ブレイク』でも止まらぬか! 呆れた男だな!!」
 その杖を『エア・ニードル』によって強化し、ガッツに踊りかかる残り2人のワルド、その内の1人。
 不意を突かれたガッツの頬を浅く切り裂く風の刃。即座に反撃に転じたガッツの一撃をワルドは宙を舞い、ギリギリの所で回避する。
 だが、それまでだ。ワルドは体勢を崩している。ガッツはその機を逃さない。
 追撃を加えようとドラゴンころしを振り上げた。視界の端に最後の1人が映りこむ。
「!?」
 ガッツの目が大きく見開かれた。
 最後の1人は杖を振り上げ笑っている。杖の先からは今まさに稲妻が生み出されようとしていた。
「てめえ…まさか……!」
「さあ、先ほどのように剣を立ててみろ。もっとも貴様が剣を離した瞬間、ここにいる私が喉を切り裂くがね」
 ガッツの目の前で崩れた体勢を整えながら、ワルドの遍在は不敵に笑う。
「そこにいちゃてめえにも当たるだろ」
 ガッツはその口元に笑みを浮かべてはいるが、顔に浮かぶ焦りは隠せない。
「構わんよ。遍在一つで君の命が買えるなら安いものだ」
 ナイフを――駄目だ、間に合わない。
 最後のワルドがその杖を振った。
「『ライトニング・クラウド』!!!!」
 放たれた稲妻がガッツをその目の前にいたワルドの遍在もろとも焼く。
 ワルドの遍在は最後までその顔に笑みを浮かべたまま陽炎のように消え去り、
「が、ああああああああああ!!!!!!!!」
 今度こそ、為す術無く、ガッツの体はライトニング・クラウドの圧倒的な威力に蹂躙された。
 がくりと膝をつき、そのままガッツの体が前のめりに崩れ落ちる。
「ガッツ!!!!」
 ルイズの声が一瞬闇に落ちかけたガッツの意識を引き戻した。
「くッ…!」
 倒れ伏す体を右手で支える。だが。
「う、お…!」
 電撃で引きつった筋肉は言うことを聞かず、ガッツは地面に顔を強かに打ちつけた。
 ワルドがその手をパンパンと打ち鳴らす。
「まさかまだ生きているとは!! まったくもって恐ろしい!! だが…!」
 ガッツからおよそ二十歩離れた距離で、三人のワルドが集結した。
「奇跡はこれにて打ち止めだ。その体ではもはや剣を振ることは出来まい!!」
 杖を振る。紡がれる術式は――言うまでもなく、『ライトニング・クラウド』。
 真なるトドメ。完全なる決着。ワルドに一切の手心は無く。
 ガッツは震える指で隣に横たわるドラゴンころしの柄を握った。
 力が入らない。持ち上がらない。
 するりと指を抜け、鉄塊は再び地に落ちる。

 終わるのか?
 こんな何処とも知れない異世界で。
 何ひとつ果たせないまま。何ひとつ叶わないまま。

『アイツ』に、何ひとつ思い知らせることも出来ぬまま。


 ―――ふざけるな。 


 ガッツの身に着けている狂戦士の甲冑が蠢いた。
29ベルセルク・ゼロ27 9/18:2009/10/03(土) 23:59:36 ID:H5VEPkc3
 メキメキメキと音を立て狂戦士の甲冑がガッツの全身を覆っていく。
 怒り、憎悪を火にくべて、ガッツの心の中で黒い炎が燃え上がる。
 炎はやがて獣の姿に。鋭利な牙を醜悪に並べた獰猛な黒い狂犬の形を成す。
 ガッツの頭を飲み込もうと首の後ろからせり上がる甲冑はまるでその獣の顔を模しているかのようだった。
 『狂戦士の甲冑』。
 その甲冑を身に着けたものは己の体の限界まで身体能力を引き出され、正気を失い、痛みを忘れ、死に至るまで戦い続ける獣と化す。
 かつてガッツが霊樹の森の魔女フローラから授かった、紛れも無い呪いのアイテムだ。
(ま…ずい…!)
 ガッツはわずかに残った理性で必死に甲冑に抗っている。
 もしこのまま飲み込まれてしまえば、フローラの弟子であるシールケがいない今、『戻ってこられる』可能性は低い。だが。
 殺せ、殺せと黒い獣が囁いている。
 黙れ。ガッツが甲冑を抑えつける。
 殺せ、殺して、殺し尽くして。
 怒りも憎しみも悲しみも恐怖も全て糧としろ。
 そうしてこそこの牙は届く。空高く羽ばたくあの『鷹』に。
「が…!」
 ガッツの心が甲冑に飲み込まれていく。心が怒りと憎しみに染められていく。
 ガッツの視線の先で、ワルドが今まさに杖を振り下ろそうとしていた。
 どの道このままではあの雷で死ぬ。ならば、いっそ―――!!
 ワルドが魔法を発動させる。甲冑がガッツの頭部を覆い尽くす。

 ―――その刹那。ルイズがガッツとワルドの間に飛び出していた。

「バッ…!!」
 ガッツは駆け出した。幸い、甲冑の効果か体を引きつらせていた痛みはどこかにいっている。
 ルイズの腕を掴み、力任せに引っ張る。
 ルイズの涙に濡れた瞳と目が合った。

 ――馬鹿野郎が。

 ガッツは心の中で呟き、ルイズの体を自分の後ろまで引き摺り倒す。
 カタカタと腰の辺りで音がした。
「相棒ッ! 俺を抜けえぇーーーーー!!!!!!」
 鞘の間から得体の知れない輝きを放ちながらデルフリンガーが声を上げている。
 ワルドの杖が輝く。迷っている暇は無い。
 ガッツはデルフリンガーを鞘から抜き放つ。
 『ライトニング・クラウド』が発動するのとそれは同時だった。
 迸る3本の稲妻がデルフリンガーに飲み込まれていく。
 錆だらけだったデルフリンガーの刀身は、今磨き上げたばかりだというような輝きを放っていた。
「な…んだと……?」
 ワルドを始め、その場にいる全員が呆気に取られている。
「いやぁー忘れてた! これが俺のほんとの姿だった! かつて六千年前にガンダールヴに振るわれていた伝説の剣!! それがこのデルフリンガー様よ!!」
「おい」
 素っ頓狂な声を上げるデルフリンガーをガッツは地面に叩き付けた。
 ガイン、といい音が鳴る。
「あいってえ! 何すんだ相棒!!」
「てめえ、そんなことが出来るんなら何でさっさとやらねえ」
「んなこと言ったって忘れてたんだから仕方ねえだろう。思い出させたのはお前さんだぜ、相棒。さっきのお前さんのとんでもない心の震えが俺の記憶を呼び覚ました」
「心の震え?」
 聞き返したのはルイズだ。
「ああ。怒り、悲しみ、愛、喜び……憎しみ。何だっていい。大きく心が震えれば、それはそのままガンダールヴの力になる」
「憎しみ……」
 ルイズはぼんやりとデルフリンガーの言葉を繰り返す。
 ガッツは甲冑の首元に手をやった。何とか今回は発動を抑えることが出来たらしい。
「相棒! 来るぜ!!」
「ああ」
 ガッツがデルフリンガーを切り払う。目前に迫っていた『ウインド・ブレイク』が消滅した。
30ベルセルク・ゼロ27 9/18:2009/10/04(日) 00:02:49 ID:3p+O7ufj
 『ウインド・ブレイク』を放った姿勢のまま、ワルドはわなわなと震えている。
「何だ…何だその剣は!! ガッツ!!!!」
「知らねーよ」
「伝説の剣、デルフリンガー様だ! よぉく覚えておきな!!」
 ガイン、と再びデルフリンガーは地面に叩きつけられた。
「いってえ! ひでえや相棒! この命の恩剣に向かって」
「ルイズ、お前は離れてろ」
「無視だもの! ひょっとして俺のこの扱いは変わんないわけ!?」
 ぎゃーぎゃー喚くデルフリンガーをよそに、ルイズは首を横に振った。
「嫌よ!! そんな、私だけが逃げるなんて――」
「邪魔だ」
「うぐぅ…!」
 ルイズは何も言い返せない。実際に今までルイズがガッツにかけてきた迷惑を鑑みれば、何も言い返せるわけが無い。
「でも…!」
 元はといえばこれは『私の戦』。それなのに、ガッツが戦っているのをただ黙ってみているなんて、そんなの耐えられない。
 納得がいかない様子のルイズに、ガッツはやれやれとため息をついた。
「使い魔と主人ってぇのは一心同体なんだろ?」
「えっ?」
「なら、俺の剣はお前の剣だ。そういうことにしとけ」
 ルイズはしばしきょとんとガッツの顔を見上げていた。
 やがて、ガッツの言葉の意味が染み渡る。胸のうちに熱いものが込み上げてきた。
 慌ててルイズはガッツから顔を背ける。
 そうだ。折角ガッツが自分から使い魔を名乗ったんだ。
 だったら、ご主人様がこんな無様な顔を見せたらいけない。
「任せるわ。しっかりやんなさい。私の使い魔<マイサーヴァント>」
「了解だ。ご主人様は高みの見物でもしてな」
 ルイズが離れるのを確認して、ガッツはデルフリンガーを構え、ワルドの方に向き直った。
 ワルドはその顔に呆れのような色合いを滲ませ、ガッツを見据えている。
「まさか…そんな奥の手を隠し持っていたとはな」
「まあな」
「くくく…平気な顔をして嘘をつく。魔法を無効化するその能力、知っていれば最初から使わぬ理由などあるまい。
 ……運すら備え持つか。つくづく…つくづく厄介な男だ……」
 ワルドはひとつ大きく息を吸って続けた。
「こちらの魔法が効かぬ以上小細工は不要だ」
 ワルドの持つ杖が青白く輝く。『エア・ニードル』の魔法だ。
「魔法の渦の中心に杖がある以上、この魔法は吸収できまい。ガッツ、確かに貴様の剣の腕は素晴らしい。人の至り得る極みにあるといってもいい。
 だが、傷ついたその体で、同時に前後から襲い掛かられて、果たして凌ぎきることができるかな?」
 ワルドの遍在、そのうちの1人がガッツの後ろに回る。
 ガッツもそうはさせぬと言う様に後ろに下がったが間に合わない。2人のワルドがガッツを前後に挟み込んだ。
「さあ、今度こそ決着だ。どちらか一方を斬れば、残ったもう一方が貴様の命を奪う。いくら貴様でも、その弱った体で前後同時に斬る事など出来まいよ」
「さあ、どうだろうな。案外何とかなるかもしれねえぜ?」
「減らず口を……」
 シン、と静寂が満ちる。
 パラリ…とひび割れた壁から破片が零れ落ちた。
 破片がゆっくりと地に落ち、カーン、と甲高い音が礼拝堂に響く。
 それが合図となった。
31名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 00:02:53 ID:X7y9wP1r
支援
32ベルセルク・ゼロ27 11/18:2009/10/04(日) 00:05:33 ID:3p+O7ufj
 2体の遍在が同時に駆け出す。
「へへッ! どんな小細工も本気を出した俺っちと相棒にかかりゃお茶の子サイサイよ!!」
 自信満々に声を上げるデルフリンガーをガッツは地面に突きたてた。
「あらら? あ、相棒!?」
 ガッツの足元には大剣ドラゴンころしが横たわっている。
 先ほどガッツが後ろに下がってみせたのは、前後に挟まれるのを防ぐためではなく、このドラゴンころしを拾うため。
「ひ、ひどい!! やるだけやって、用が済んだらバイバイってワケ!? 男の人っていっつもそう!! この人でなし!! 冷血漢!!」
 デルフリンガーは涙交じりの悲鳴を上げた。
「剣を持ち替えようが同じだ! 死ね!!」
 即座に距離を詰めたワルドが杖を振りかぶる。
「ガッツ…!!」
 ルイズは胸の前で両手を握り祈った。

 ワルドの誤算その1。
 狂戦士の甲冑が発動しかけたことで、ガッツは今までのダメージを忘れていた。

 ワルドの誤算その2。
 ワルドはガッツの持つ武器を全て把握していなかった。
 それも、致命的なことに把握していなかったソレはガッツの持つ武器の中で最も強力なものだった。

 ワルドの誤算その3。
 前後から同時に挟撃され、どちらかを倒せばどちらかに殺されるというこの状況。
 ガッツは既に一度過去に経験し、そして見事に切り抜けていた。

 ガッツがその左手を前から迫るワルドに掲げる。
 右手はドラゴンころしを逆手に持ち左腕の上に。
 左腕の義手から伸びた紐を咥え、引く。

 ド コ ン ! ! ! !

 爆音と共に、義手に仕込まれた大砲が火を噴いた。
 大砲の反動を利用して即座に方向転換。後ろを振り向く。
 逆手に持ったドラゴンころしをそのまま体の回転を利用して振り切った。
 振り切られたドラゴンころしがガスン、と地面を叩く。

 前方のワルドはその体のあらかたを爆風によって吹き飛ばされていた。
 後方のワルドはその体を綺麗に上下に分かたれていた。

 炎にまかれ、消えていく。地に落ちた上半身が霧と化す。
 全ての遍在はこれで姿を消した。
 残ったのはワルド本体―――ただ1人。
33ベルセルク・ゼロ27 12/18:2009/10/04(日) 00:08:14 ID:3p+O7ufj
「大砲…? 大砲だと……? そんなものを義手に……」
 驚愕に顔を歪め、ワルドはギリギリと歯をかみ締める。
「……狂っている。一体何と戦うつもりなのだ貴様は。1人で戦争でもするつもりか」
 吐き捨てるようにワルドは言った。
 ガッツは剣を構えなおし、ワルドを見据えている。
 ワルドの背中を冷たい汗が流れた。
 どうする? ワルドは黙考した。
 魔法は駄目だ。精神力は空に近いし、そもそもあの訳の分からぬ剣が向こうにある以上手持ちの魔法は全て通じない。
 ルイズを人質にするのはどうだ? 駄目だ。今さらあの男がそんな動きを許すわけが無い。
 くそ、こんな事になるならば手数で圧倒していたときになりふり構わずルイズを利用するべきだった。
 決してガッツを見くびっていたつもりは無いが、まさか負けることはあるまいと慢心していたのだ。
 ならば、逃げるか? 残った精神力を振り絞り、『フライ』を唱え、窓の一つでも破って外に飛び出す。
 駄目だ。そのためにはどうしてもガッツに背を向ける瞬間が生まれてしまう。
 当然、ナイフが飛んでくるだろう。下手をすれば、また大砲を撃たれるかもしれない。
 『フライ』で自在に飛び回るには相当の集中力を必要とする。その状態で迫り来るナイフを打ち払えるとは思えない。
 仮に集中力を切らして地に落ちればその時点でゲームオーバーだ。再び宙を舞う精神力はもう残っていまい。

 つまりは―――そう、やるしかないのだ。
 ガッツを相手に、純粋な剣の勝負を。
34名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 00:09:09 ID:XoqJS5Fv
支援
35名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 00:09:43 ID:c7zFVbFb
支援
36名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 00:09:50 ID:TA1XAuFr
燃えるぜ、支援!
37ベルセルク・ゼロ27 13/18:2009/10/04(日) 00:11:02 ID:3p+O7ufj
 ラ・ロシェールの決闘が脳裏に蘇る。奇しくも二人の間はあの時と同じ、およそ二十歩の距離。
 ワルドが『エア・ニードル』の効果が残る杖を構えた。応じるように、ガッツは迎え撃つ構えを取る。
「ふん、まるであの時の再現だな」
 一歩、ワルドは歩み出る。ガッツは動かない。
 二歩目。ガッツは微動だにしない。ワルドは笑った。
「本当に、あの時の流れを全くなぞる様だ。だが、結末までなぞるわけにはいかぬ」
 ワルドが足を止めた。もう一歩進めば、そこはガッツの射程圏内となる。
「私にはやるべきことがある。成すべきことがある。故にここで死ぬわけにはいかんのだ」
 空気が張り詰める。
 『柔』と『剛』、全く正反対の剣質の二人が長々と切り結ぶことなどない。
 決着が着くのは恐らく一瞬だ。
「おおおッ!!!!」
 ワルドが地を蹴った。一瞬で二人の間の距離が詰まる。
 杖を振る。ガッツの喉を目掛けて。
 ガッツが動いた。明らかにその始動はワルドに比べ遅れを取っている。
 だがワルドは知っている。それでも先に届くのはヤツの剣なのだと。
 人外の膂力。常識外の剣速。それはラ・ロシェールで散々思い知っている。だから。
「『フライ』!!!!」
 残りの精神力を振り絞り、ワルドは無理やりに己の体を持ち上げた。
 ガッツの一撃が頬を掠める。べろりと頬の肉が削げ落ちるのを感じた。
 だが、かわした。眼下にはガッツの無防備な背中が見える。
 もらった。その頭にこの剣を突き立ててくれる。
「ッ!?」
 瞬間、視界が赤く染まった。血だ。先ほど掠めた一撃によって噴き出した血が目に入ってしまった。
「かまうかぁぁぁあああああ!!!!」
 ガッツのいた位置は覚えている。
 ワルドは叫び、赤くぼやけた視界の中でその杖を振り下ろした。

 手応えは―――無い。

「馬鹿な…」
 手袋で目を乱暴に拭う。何とか片目だけ視界が回復した。
 ガッツの姿が無い。
 前にも、後ろにも、横にも。
 ドラゴンころしがワルドの傍に突き立っている。
「まさか…!」
 戦慄と共にワルドは上を見上げる。
 いた。突きたてたドラゴンころしで己の体を持ち上げ、ガッツもまた宙を舞っていた。
 ガッツはそのまま宙を舞う勢いを利用してドラゴンころしを引き抜く。
「ガァァアンダァァァアルヴゥゥゥゥウウ!!!!」
 ワルドが絶叫する。
 血に染まる視界の中で、ガッツが鉄塊を振りかぶっている。
 振るわれたドラゴンころしはワルドの脇腹に食い込み、そのままワルドの体を両断した。
「が…は……」
 分かたれた上半身がぐるりと回る。零れた臓物が綺麗な赤い円を描いた。

 ルイズは――――その光景から、決して目を逸らさなかった。
38名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 00:12:29 ID:0JEDaDQP
ワルド乙
支援
39名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 00:13:20 ID:DjOKls7w
ワルド、お前は頑張った
だが、相手が悪すぎた
支援
40ベルセルク・ゼロ27 14/18:2009/10/04(日) 00:14:15 ID:3p+O7ufj
 ルイズはウェールズの亡骸の傍に跪いていた。
「ウェールズ様……」
 ぽろぽろと涙が零れてくる。これでアンリエッタは愛する人を失ってしまった。
 涙を拭い、驚愕に見開かれたウェールズの目を閉じさせる。
「ルイズ、これからどうするの?」
 ルイズの肩で、パックが声をかけてきた。
「アルビオンの人にウェールズ王子の死を伝えなきゃ」
「ええ? そんなことして大丈夫かなあ?」
「でも、このまま逃げ出すことなんて出来ないわ」
 ドサッ、と音が聞こえた。振り返る。
 ガッツが倒れこんでいた。
「ちょ、ちょっとどうしたの!?」
 慌ててルイズ達はガッツの傍に駆け寄る。パックがぺしぺしとガッツの頬を叩いた。
「駄目だ。完全に気を失っちゃってる」
 ガッツは元々剣を振るのも難しいダメージをその体に負っていた。
 それを狂戦士の甲冑の力によって痛みを麻痺させ、無理やりに戦闘を続けてきた。
 決着が着き、甲冑の効果が弱まったところで遂に限界が来たのだ。
「大変だわ…早く治療しないと……」
 ルイズがおろおろしていると、また「ぼこぉ!」と音がした。
「ここ、今度は何よ!?」
 口から飛び出しそうになった心臓を押さえて音のしたほうを振り返る。
 見覚えのあるモグラが顔を出していた。
「こ、このモグラは、確か……」
 穴から這い出てきた巨大モグラはルイズを見つけると嬉しそうに鼻を寄せてくる。
「こ、ここか!? ここにルイズ達がいるんだな!!」
 ぽっかりと礼拝堂に空いた穴からこれまた見覚えのある男が顔を出した。
 特徴的な金髪は土まみれになってしまっているがそれは間違いなくギーシュだった。
 続いてキュルケとタバサもギーシュの傍らから顔を出す。
「な、何でアンタ達がここにいんのよ!!」
「君たちがラ・ロシェールを発った後、とんでもない事に気付いて慌てて後を追ってきたんだ!!」
「と、とんでもないこと?」
「ああ! ルイズ、落ち着いて聞けよ。ワルド子爵は裏切り者だ!!」
 ルイズはぽかんと口を開けた。ギーシュはルイズの肩を掴み、ふるふると首を振る。
「信じられないのも無理は無い。だけど―――」
「知ってるわ」
「へっ?」
 今度はギーシュがぽかんと口を開けた。
 ギーシュは礼拝堂の中を一瞥して、
「そんな……」
 と掠れるような声を出した。
「間に合わなかった…のか……?」
「成程ね」
 キュルケもまた、礼拝堂の惨状を見て状況を理解した。
「まさか、ギーシュの推測が当たってたなんてね」
「くそぉ!!」
 ギーシュはその場に跪き、両手を地面に叩きつけた。
41名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 00:14:25 ID:84Q1SPZ/
今回のワルドは左腕どころか胴を切り裂かれたか…
42ベルセルク・ゼロ27 15/18:2009/10/04(日) 00:16:58 ID:3p+O7ufj
 いつの間にか穴を這い出ていたタバサはガッツの顔を覗きこんでいた。
「このままでは危険。早急に治療が必要」
「ダーリンがこんなにぼろぼろに……それじゃ、さっさとこんな所お暇しちゃいましょ。用事はもう済んだんでしょ?」
 キュルケはルイズに視線を向ける。
 だがルイズは首を横に振った。
「駄目。ウェールズ王子の事、アルビオンの皆に伝えなきゃ」
「はあ!? 正気ィ!?」
 ルイズの言葉にキュルケは目を丸くした。
 馬鹿だ馬鹿だと思っていたが、ここまで馬鹿だったとは。
「いいことルイズ。ワルド子爵は敵のスパイで、ウェールズ王子を暗殺し、それに気付いたアンタ達が子爵を成敗した。
 ええ、この状況を見ればそれくらいのことはわかるわ。でもね、それは事情を知る私達だからよ。
 もしアルビオンの兵がこの状況を見たらどう思うかしら? どう見たって王子暗殺の共犯よ、アンタ達」
「きちんと話をすればわかってもらえるわ!!」
「暗殺者の言葉に耳を傾ける者がいるかしら? 有無を言わさず抹殺されておしまいよ」
「アンタはアルビオンの皆がどれだけ誇り高いかを知らないから!!」
「貴方は人の性を知らなすぎよ、ルイズ」
 ふん、とルイズはキュルケから顔を背ける。
 ギーシュの使い魔である巨大モグラ、ヴェルダンデがウェールズの遺体をフガフガとまさぐっているのが目に入った。
「こらぁ!! 何してるのよアホもぐら!!!!」
 ルイズは慌てて駆け寄ってヴェルダンデを蹴り飛ばす。
 ぼぅ、と呆けていたギーシュはそこでようやく我に返った。
「こ、こら! ヴェルダンデに何をするんだ!! 君の『水のルビー』の匂いをたどってここまで穴を掘った功労者なんだぞ!!」
「うっさい! 王子の遺体を汚す不届き者を成敗しただけよ!!」

 その時。
「何だ何だ? 騒がしいな」
 礼拝堂の扉を開けて、アルビオンの兵士が顔を出した。

「やや、そこにいらっしゃるのはトリステインの大使殿ですかな? 一体こんな時間に何を……」
 兵士の声が止まる。その目はルイズの足元に倒れ付すウェールズの死体に釘付けになっていた。
「お…う……じ……?」
 わなわなと兵士の唇が震えだす。
「貴様ら……!」
 アルビオンの兵士はその腰に差していた杖を抜いた。
「違う! 違うの!! 話を聞いて!!」
 ルイズは必死に声を張り上げる。
「貴様らぁぁぁぁあああああ!!!!」
 兵士の杖が輝いた。生み出された氷の刃がルイズに迫る。
 ルイズの目の前に迫った氷の刃が炎に包まれた。刃は溶けて水となりその形を失う。
「『エア・ハンマー』」
 タバサは小さく呟き杖を振った。小さく凝縮された風の塊が兵士の顎を撃ち抜き、兵士は意識を失い崩れ落ちた。
43名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 00:17:02 ID:TA1XAuFr
ワルド、カッコ良かったよ!
44名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 00:17:30 ID:Ze2Vljoc
支援

このガッツはガニシュカ戦の後か。
45名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 00:18:58 ID:7hJk1YBu
今更だけど、前スレ使って埋めついでの支援したら良いんじゃね?
46ベルセルク・ゼロ27 16/18:2009/10/04(日) 00:20:06 ID:3p+O7ufj
「あ…あ……」
「何ぼぅっとしてんの!! これでわかったでしょ!! さっさと逃げるわよ!!」
 呆然と立ち尽くすルイズの襟を乱暴に掴み、キュルケは穴に向かって駆け出す。
「おい! ガッツはどうするんだ!!」
 ギーシュがガッツの傍らにしゃがみこんで声を上げた。
「タバサ!!」
 キュルケの声に頷いて、タバサが杖を振る。『レビテーション』の魔法によってガッツの体がふわりと浮いた。
「後はギーシュ、アンタが抱えてきなさい!!」
「剣は!? あれ確かレビテーションじゃ浮かないだろ!?」
「アンタのモグラにでも引っ張らせなさいよ! 穴掘るだけが能じゃないでしょ!!」
「うう、何て人使いの荒い女だ。ごめんよヴェルダンデ、だけど僕はお前の力を信じてる」
 ギーシュはハラハラと涙を流しながら、マントをロープ代わりにしてドラゴンころしの柄とヴェルダンデのしっぽを結びつける。
 ヴェルダンデは「ピキー!」と心底嫌そうな悲鳴を上げた。
「アンタもいい加減自分の足で走れ!!」
 キュルケがルイズのお尻を蹴り飛ばす。ルイズはその顔に生気を感じさせぬまま、よたよたと歩みだした。
「ほら! さっさとする!!」
 キュルケに急かされ、礼拝堂にぽっかり空いた穴にまずヴェルダンデ、続いてタバサ、ガッツを抱えたギーシュ、そしてルイズの順番で飛び込んだ。
「よし、後は私が入って穴を塞げば…」
「待てーーー!!!!」
 最後に残ったキュルケが穴に飛び込もうとした瞬間、背後から呼び止める声があった。
「まさか、もう次の兵士が!?」
 その顔に焦りを浮かべ、キュルケは振り返る。
「待ってくれーーー!!!! 俺っちを置いてかないでくれーーーーー!!!!」
 地面に突きたてられたままだったデルフリンガーが必死にその刀身を揺らしていた。
 キュルケはがっくりとうなだれる。
「あーーもう!!!!」
 こうしてデルフリンガーも無事回収され、一行はアルビオンを脱出した。
47名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 00:21:25 ID:c7zFVbFb
支援
48ベルセルク・ゼロ27 16/18:2009/10/04(日) 00:23:26 ID:3p+O7ufj
 タバサの使い魔、風竜シルフィードの背に乗って、ルイズはゆっくりと遠ざかるアルビオン大陸を見つめていた。
 その傍らには、ぼろぼろに傷ついたガッツが横になっている。
 思い返せば、短い旅路の間に辛いことがたくさんあった。最後まで、ルイズの心は裏切られっぱなしだった。
 散々な旅だった。だけど。
 様々な困難を、心が張り裂けそうになるような悲劇を、それでも何とか超えてこれたのはこの使い魔がいてくれたからだ。
「ありがとう」
 ぼそり、とルイズは誰にも聞こえないように呟いた。
 まあ、しっかりとパックとデルフリンガーには聞かれてしまっていたりするのだが。
「ああ、ヴェルダンデ! よく頑張ってくれた!!」
 ギーシュはシルフィードの背中の上でのびているヴェルダンデを労っていた。
「なっさけないわねー。シルフィードを見習いなさいよ。これだけの人数乗せて平然としたもんじゃないの。ね、タバサ」
 キュルケの言葉にタバサは顔を背けた。
 実はガッツを乗せる時は、かなりぐずるシルフィードにタバサが問答無用で言うことを聞かせていたりする。
「ふん! ドラゴンと一緒にしないでくれたまえよ。あ〜偉いぞ、僕のヴェルダンデ!!」
 そんな風にヴェルダンデの顔にすりすりと頬を寄せてたら、ごりっと固い感触がした。
「ん? ヴェルダンデ、鼻に何をくっつけているんだい?」
 ひょい、とヴェルダンデの鼻に引っ付いていたものを摘み取る。ダラダラとギーシュの額から汗が流れ出した。
「ん? どうしたのギーシュ。顔色悪いわよ」
「なななななんでもないよ?」
 顔面を蒼白にしてギーシュはポケットにヴェルダンデの鼻についていた物を突っ込む。
 キュルケはその態度に何か不審なものを感じたが、基本的にギーシュのことなどどうでもいいので放っておいた。
(それにしても随分ルイズが大人しいわね。まだへこんでんのかしら、まったくもう…)
 ふと、ルイズのことが気になってキュルケは後ろを振り返る。
「あら?」
 いつの間にかルイズは眠ってしまっていた。別にそのこと自体はいいのだが、その体勢がキュルケには気に入らない。
 ルイズはガッツに身を寄せ、寄り添うような体勢で眠りに落ちていた。
「ちょっと! いけしゃあしゃあと抜け駆けしてんじゃないわよ!!」
「いいじゃないか。色々あって疲れてたんだろうし」
「暴れると危険」
 ルイズに掴みかかろうとするキュルケをギーシュが必死に宥め、タバサは淡々と警告した。
49ベルセルク・ゼロ27 18/18:2009/10/04(日) 00:27:06 ID:3p+O7ufj
 ルイズは夢を見ていた。
 忘れ去られた中庭の池。その上をたゆたう小船の上で、ルイズは膝を抱えて身を横たえていた。
 辛いことがあった時、幼い自分はいつもこの場所に逃げだしていた。
 今、自分がここにいる理由はわからない。思い出せない。
 ただ、ひとつだけはっきりと覚えていることがある。
 ワルドは、幼い自分の憧れだったあの人はもうここにはやってこない。
 ここで泣いていたって、もう誰もここへ迎えには来てくれない。

 だから――行かなくちゃ。

 この胸の痛みはここでうずくまっているだけじゃ無くならない。
 戦わなくちゃ。私は、私の戦場で。
 ルイズは立ち上がった。船が揺れて、波紋が広がっていく。
 淀んだ湖面は底なしの沼を思わせて、ルイズを少しだけ躊躇させた。
 軽く頭を振り、嫌なイメージを振り払ってからルイズは小船を降りる。
 ぬちゃ、と足が湖底の泥に沈み込んだ。靴の中に泥が入り込んでくる。
 込み上げてくる嫌悪感を必死に抑え、ルイズは湖の中を進んだ。
 腰の辺りまでが水につかり、湖面を漂っていた藻が制服に貼りついてくる。
 泥に足を取られ、ルイズは盛大に転倒した。全身がずぶ濡れになり、得体の知れない異臭が桃色の髪にこびりつく。
 それでもルイズは足を止めなかった。弱音を吐かなかった。
 霧の向こうで誰かが立っている。きっとあそこがこの湖の端。
 一歩、一歩、ただ前を目指して進んでいく。
 やがてルイズは湖の端に辿り着いた。
 思ったとおりだ。そこにはルイズのよく知る人物が立っていた。
「行くぞ」
 待ちくたびれたと言わんばかりに男が声をかけてくる。
「ん」
 ルイズはその人物に向かって手を伸ばす。
 男は一瞬眉をしかめたが、やがてやれやれと首を振ると、その手を取ってルイズを湖から引き上げた。
 そう、この男は本当に無愛想で、優しくなくて、その上どうしようもなく捻くれ者だけど――これくらいの助けはしてくれるから。
 だから。

 ルイズは駆け出した。霧の向こうには風に揺れる広大な草原が広がっていた。
 振り返る。ルイズの顔には迷いの無い笑顔が浮かんでいた。

「置いていくわよ! ガッツ!!」


 だから私は、精一杯戦ってみようって、そう思った。
50名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 00:27:57 ID:c7zFVbFb
乙!乙!乙!乙!
51ベルセルク・ゼロ27 ??/18:2009/10/04(日) 00:29:41 ID:3p+O7ufj
「が、かは…! かっ…!!」
 ずるずると己の臓物を引き摺り這い回る影がある。
「私は死なない、死ぬわけにはいかない」
 ごふ、と血を吐き出した。
「まだ私は何も成していない……何もやり遂げてはいない……!」
 うわ言のように男は呟く。
 だが、彼は死ぬ。このハルケギニアに存在するどんな魔法でもここまで損壊した体を修復することは出来ない。
 下半身を斬り飛ばされた状態で、意識を保っているだけで奇跡だった。
 コツン、と何かが指に当たる。咄嗟に掴んだそれを男は固く握り締めた。
 それは何でもいいから何かに縋りつきたかった彼の無意識の上での行動だった。
 やがて、執念によって繋ぎ止めていた意識が闇に沈み始める。
(嫌だ、嫌だ、嫌だ!!)
 迫り来る死の恐怖に男はただ震える。
 先ほどまで胸に抱いていた大志も、後悔も、何もかもが吹き飛んでいた。
 何もかもが黒く塗り潰されていく中で、男は唯一つの言葉を繰り返していた。


 ―――死にたくない

























 ドクン、と世界が震える音がして。

 男の手の中で―――ベヘリットが啼いた。
52名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 00:31:04 ID:DjOKls7w
はははまさか
53名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 00:32:33 ID:DveuUz6q
まさかのワルド使徒化ww
なんにせよ乙です。
54ベルセルク・ゼロ27 ??/18:2009/10/04(日) 00:32:52 ID:3p+O7ufj
 ○○日○○時、ニューカッスル城を巨大な竜巻が覆った。
 竜巻が消失したのち、ニューカッスル城内に生存者は皆無。
 三百対五万という絶望的な戦力差にも逃げ出すことをしなかった勇者達は、しかし一切の勇姿を誇示することなく壊滅した。
 ○○日△△時、革命軍レコンキスタより件の竜巻はレコンキスタが擁する虚無の担い手の手によるものだと発表。
 宣戦布告で指定した日時を無視した奇襲で卑劣きわまるといった批判が巻き起こったが、それ以上に人々の心にはレコンキスタに対する恐怖が伝播した。
 現在、レコンキスタ軍はアルビオンのニューカッスル城に駐留。目下、目立った動きは無し。
「以上で、報告を終わります」
 よく透き通った声で報告書を閉じたのは、見る者全てがハッとしてしまうような美少年だった。
「虚無の竜巻、ね。信じるかい? ジュリオ」
 パンパンとその手に持った蔵書の埃を払いながら、報告を受けた青年はジュリオと呼ばれた少年に笑いかける。
「まさか」
 少年は報告書を脇に挟み、肩をすくめてみせた。
「そうだね、わたし達は知っている。あの竜巻の正体を」
 青年は部屋に備え付けられた椅子に深々と腰掛ける。
 天井を見上げたその目はその実、どこか遠くを見据えているようであった。
「僕らの代に至り、遂に扉は開かれた。実に喜ばしいことではありませんか」
「そうだね。神様気取りの悪魔達を、人の理を外れた外道を無に帰すことこそ我ら『虚無』の役目」
 青年は目の前に立つ少年に再び視線を向ける。
「これから忙しくなるよ、ジュリオ」
 そう言って、青年は―――聖都ロマリア教皇、ヴィットーリオ・セレヴァレは笑った。
55名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 00:32:58 ID:RMBPi5S2
いやいやいや
まさかまさかまさか

そういうフラグですか?
56名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 00:33:00 ID:fwIcdFZk
おいおいおい…
57名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 00:34:26 ID:7hJk1YBu
レス数を利用した憎い演出だなw
58名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 00:34:26 ID:1w7EXRPk
ベルセルクの人、乙です。

このワルドは一体何を捧げてしまうのだろうか・・・。
59名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 00:35:52 ID:DveuUz6q
ワルドの大切なもの・・・
やっぱり母親か。
60SeeD戦記・ハルケギニア lion heart with revenger:2009/10/04(日) 00:36:51 ID:Eq00cC4e
ベルセルクの人乙でした。
ワルド・カウンターアタックに期待しつつ……

他にいらっしゃらなければ00:40より投下します。
61名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 00:38:18 ID:DjOKls7w
寝れんのう
事前支援
62ベルセルク・ゼロ:2009/10/04(日) 00:39:10 ID:3p+O7ufj
投下終了。
第一部完!ってとこかしらん。
最後の??/18がやりたくて数字つけたくせにいくつか間違えるこの体たらく。
穴があったら入りた〜い。

ちなみに…原作既読者には冗長になるかと思い、わざと描写をはしょってる部分がいくつかあります。
冒頭の「あの最悪の風景」、ガッツがたびたび言う「アイツ」とかですね。
もし、原作を知らない人がいて、最悪って一体何があったんだ?と原作を手にとってくれたらこんなに嬉しいことはありません。
63SeeD戦記・ハルケギニア lion heart with revenger:2009/10/04(日) 00:39:52 ID:Eq00cC4e
mission11 Lunatic Pandora


 トリスタニア近くに降ろしているラグナロクのブリッジ。
『多なる者と、そこの単なる者があの者達を討ち滅ぼした時、残った力は確かにあちらの方へと飛んでいった』
 此度はアニエスの姿で現界しているラグドリアンが指さす先は西北西の上方。
「……つまり、あの死者達を指輪を使って操っていた奴はやはりアルビオンに居るということか」
 ブリッジから夕焼け空を見上げてスコールは呟く。
「それも、ここまで条件が揃うとなると恐らくは……クロムウェル……オリバー・クロムウェル正にその人物だろうな」
 渋い顔でアニエスが引き継ぐ。
「いくら何でも、そうそう簡単に殴り込める場所ではない」
 魔法は、どうにかなる。ジャンクションシステムを駆使すれば、使用属性の限られる系統魔法はいくらでも防ぎようがある、
 だが、攻撃はメイジだけとは限らない。剣で、槍で、矢で、物理的に集中砲火を受けては手数で押し切られてしまう。長期戦の鬼札となるST攻撃ドレインが使えないことは、女王誘拐事件でよく判っていた。
「直にチャンスは来る。トリステインかゲルマニアか、或いは両方がアルビオンへ攻め入るはずだ」
 その為の軍備を整えているらしいことは情報屋から仕入れるまでもなく、傭兵仲間達の間で噂になっていた。皆手柄を立てんと意気揚々である。
「その隙を突くか。まるで火事場泥棒だな」
「まるでじゃない。火事場泥棒だ……あんたの気が進まないというなら無理に付き合ってもらう必要はない。これは俺が勝手にラグドリアンと交わした契約だ」
「見・く・び・る・な」
 一音ずつ区切って、苛立ったような声をアニエスが上げる。
「今更お前一人でやらせる物か」
「……助かる。悪いな、もうしばらく指輪の奪還は遅れそうだ」
『構わん、元より我にとって時の概念は非常に薄い。明日であろうと一年後であろうと大して変わりはない。だが、もしお前達が二人とも、約定を果たす前に潰えれば、我は再び自力での奪還を試みよう』
「…………」
 アルビオンの高さにまでこの星の水位が到達するのを想像し、スコールは冷や汗を垂らす。
(……帰る手段が見つかっても、おいそれと帰れそうにはないな)
 指輪の奪還の方を優先する方が精神衛生上良さそうである。


 ラグドリアンを収納して、アニエスにジョーカーと三人で依頼探しに夜の酒場へと繰り出す。
 が、今回そちらは空振りで終わってしまった。
 先のタルブ戦辺りから前後して、二人が依頼を受けられる件数は減ってきているのだ。
 擬似魔法の普及がそれに影響を及ぼしているが、それはライバルである他の傭兵達が擬似魔法を修得したから、と言うよりは依頼する立場の傭兵でない平民達が擬似魔法を修得したことで傭兵に頼ることが無くなって来つつあるというのが実情だ。故に
「わりぃな、どうにも不況でねぇ。お前達には、こないだラグドリアン湖の一件を回してやったろう?しばらくは我慢しててくれや」
 こんな言葉を受けることになる。
「どうする?」
 小遣いを稼いでくる、とカード席へ向かうジョーカーを尻目に、アニエスがそう尋ねてくる。
64名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 00:40:54 ID:zS5+XAro
ベルセルクの人乙でした!
GJ!GJ!

そしてSEEDの人支援
65SeeD戦記・ハルケギニア lion heart with revenger:2009/10/04(日) 00:41:04 ID:Eq00cC4e
「……仕事がないなら仕方がない。『そっち』も、目標は一段落してるんだろう」
「ああ……いや、こちらも情報待ちだが、一人掴みかけているのが居てな。こいつはガリアに向かったらしい」
「ガリアに?」
「直接向こうで情報屋を当たってみたいし、もう一度、行ってみないか?お前と同郷の者も居るかもしれんのだろう?」
「……そうだな。もう一度行くか」
 ミルクの入ったコップに口を付けてごくりと嚥下した。


 翌日の朝。ガリア王都リュティス。
「出て行けーっ!」
 野太い男性の声が響くと共に、人々で賑わう界隈に一人の男が放り出された。
「うおぁぁあああああ!?」
 放り出された店の入り口から、別の若い男と少女が出てくる。
「ビッグスさん!?」
「大丈夫ですか!」
「い、いたたたたたた……」
 強かに打ち付けた腰をさすりながら男――もちろんビッグスが上半身を起こす。
「うちの娘を誑かそうったってそうはいかねぇ!いいな!?二度とラーナに近づくなよ!」
 店の入り口からがたいの良い男が顔を出す。
「お父さん!いきなり投げ飛ばすなんて非道すぎるわ!」
「ラーナ、そんなペテン師に構うな!」
 ビッグスを庇う立場を示す娘に、今度は怒鳴る。
「ビッグスさんやウェッジさんはいい人だわ!酔っぱらいに絡まれていた私を、助けてくれたもの!」
 彼女の家は宿屋をしていて、夜には酒場にもなる。そこで彼らに助けてもらったのは半年ほど前になるか。
「それだって全部八百長さ!」
「それなら、わざわざ私に『力』の使い方を教える必要は無いはずよ!その方が用心棒としてあれこれ口出し出来るんだから!」
 娘の思いがけない反論に、父親は口を歪めると店の中に引っ込んだ。「部屋の掃除があるからとっとと来い」という言葉だけは残していったが。
 まだ天頂する前の日の下で、突然の親子喧嘩に時の止まっていた界隈はようやく平常通りの動きに戻った。いささかぎこちなさはあったが。
「うおおお……酷い目にあった……」
 呻きつつ、ようやくにしてビッグスが立ち上がる。
「仕方有りませんね。ルナティック・パンドラなんて……誰も信じませんよ」
 ウェッジが力無く呟く。
「ドロー ケアル」
 ビッグスからドローしたケアルでビッグス自身の怪我を治しながら、ラーナは返す。
「私は、信じてますよ。平民の私に、魔法が使えるようにしてくれたビッグスさん達の言葉だから。
 お年寄り達は、悪魔の力だって忌み嫌ってるけど、私たちぐらいの子はみんなビッグスさん達に感謝していますから」
 でも、と笑みを浮かべながらラーナは宿屋の扉へと後ずさる。
「御免なさい。私はやっぱり行けません。お父さんは、ああだからきっとここを動かないでしょう?お母さんも……だから、放ってはおけないの。教わったこの擬似魔法で、お父さん達を守らなきゃ」
「ラーナちゃん……」
 親を想ってのその言葉に、ウェッジは胸を打たれた様に名前を呼ぶ。
「だからせめて、お二人だけでも、ね?」
 それだけ言って、ラーナは扉をくぐって中に入った。
「ビッグスさん……」
「何も言うな……くそ、わしらの方が気遣われるとはなぁ……」
「せめて……我々がSeeDぐらい強ければ……」
「呼んだか」
『は?』
 後ろから突然かけられた声に、二人は振り返る。
66SeeD戦記・ハルケギニア lion heart with revenger:2009/10/04(日) 00:42:16 ID:Eq00cC4e
「SeeDなら居るが」
 特徴的な武器であるガンブレードを腰から下げ、額に傷を負った青年への過渡期にある少年。
「あんた達が……ビッグスとウェッジで合ってるか?」
「お前は、あの時のSeeD!」
「何でこんな所に!?」
 驚愕を顔に貼り付ける二人に、スコールは怪訝な顔を向ける。
「何処かで会ったか?」
 あんまりといえばあんまりなスコールの言葉にビッグスとウェッジは声を張り上げた。
「一年半前のドール電波塔!」
「貴様らのせいでわしは二等兵に降格されたんだぞ!」


 一通り情報屋を当たってみて、思ったようには情報を集められなかったアニエスが落ち合う予定だった酒場に入ると、昼間故ほとんど人の居ない中、スコールに対面するように二人の男が座っていた。
(あれが、目的の男達か?)
「レオンハート」
「来たか」
 隣の椅子を引き、着席を促す。
「彼女が、アニエスさん?」
「ん……アニエスだ。お前達が、レオンハートの探していた?」
「わしはビッグスだ」
「ウェッジって言います。よろしくアニエスさん」
 ぺこりと二人が頭を下げる。
「こちらこそ……私のこと、話したのか?」
「俺のこれまでの経緯を話したので、軽く名前だけ……拙かったか?」
「いや、それなら良い。それで、彼らの事は?」
「これから聞くところだ……あんた達のことを教えてくれ」
 スコールから促された二人の口から出てくるのは、大まかに言うと次の通りだった。
 オダイン魔法研究所で働いていたところ、上司であるオダインに巻き込まれハルケギニアに連れてこられた。
 この異境の地で衣食住を確保するために、使い魔となった上司の更に部下という立場に甘んじて、上司の主人に使えることとなり、その男の命によって擬似魔法をハルケギニア中へ広めることとなったのだという。
「情報通り、あんた達だったのか!擬似魔法を広めたのは……!」
 説明がそこに及んで、スコールが声を荒げた。
「わかっているのか!?あんた達がやった事は、ハルケギニアを混乱に陥れかねないんだぞ!」
「そんなことはわかっちょるわい!」
 間髪入れず、スコールを上回る怒声を上げながらビッグスが椅子から立ち上がった。
「小僧!わしらがそんなことに気づいていないとでもおもっちょったのか!?」
 酒場の店主がすわ喧嘩かと厨房から現れたが、ウェッジが大丈夫、という風に手で示すと半信半疑そうな面持ちながらも厨房に戻った。
「ほら、ビッグスさんも落ち着いて……」
 ウェッジに促されて、ビッグスは席につく。
「スコールくん、俺たちだってすぐに気づいたよ。ハルケギニアじゃあ6000年もの間メイジと平民が明らかな力の差で分けられてきていた。擬似魔法はそのパワーバランスを崩すってね」
「だがな、わしらには他に選択肢がなかった。生きていくためにはな」
 擬似魔法はハルケギニアにとって確かに危険だが、それは使う者が軍団を構成した時の話である。
 兵士単位としてみれば、ジャンクションシステムを駆使しているのでもなければそこまで突出しているとは言い難く、特に強力な擬似魔法がなければメイジには及ばない。
「君ほどに、SeeD程に強ければ、そんな風に傭兵になるっていうのも有りだったかも知れない。でも、我々は元は単なる一兵士で、ガルバディアと違って機械化の進んでいないハルケギニアではとてもそんな決断は出来ないんだよ。命が惜しいからね」
「…………」
 ビッグスとウェッジの言葉に、スコールは何も返せなかった。
「まぁ……過ぎたことは仕方有るまい。レオンハートも、良いな?」
67名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 00:42:48 ID:7hJk1YBu
>>62
乙、寝る前にじっくり読ませてもらいます。
68SeeD戦記・ハルケギニア lion heart with revenger:2009/10/04(日) 00:43:13 ID:Eq00cC4e
 誰よりも、この地で生まれたアニエスにそう言われては、スコールも頷くしかなかった。
「それに、擬似魔法がなければ私の祖国も無くなっていただろう。その点については感謝もしている。ありがとう」
 アニエスから感謝の言葉を述べられ、二人は軽く微笑んだ。
「そう言ってもらえると、気は楽だがな」
「しかし、一体何を考えて擬似魔法をハルケギニアに広めさせたんだか……」
「……ハルケギニア全土を戦乱に巻き込ませるためにだ」
 半ば愚痴のようにこぼしたその言葉に答えたのは、バツが悪そうに口をつぐんでいたスコールだった。
「以前にも一度、あんた達の足取りを追ってここに来た時、あんた達を呼び出したメイジと話をしたことがある。あの男は、擬似魔法を広めた結果も見越して、あんた達に広めさせたんだ」
「なんじゃとぉ!?」
「あの王様……何考えてるんだ……」
 ウェッジの口から漏れた言葉に、アニエスは目を見開いて、辺りを見回した後小声でウェッジに尋ねた。
「王様……王、と言ったか?」
「あ?ああ。君たちも会ったんだろう?」
 直接会ったわけではないアニエスは責めるような目でスコールを見たが、スコールも驚きの表情を変えずに首を振った。
「会った場所やメイジの部下が居るから貴族だろうとは思ったが……王だとは思わなかったし、そうとも言っていなかった。青い髪の、青い髭か?」
「おう、青かったな。全く、この世界の人間の髪の毛はどうなっとるんだか」
 やれやれとビッグスが首を振る。
「この国の王は……無能王、簒奪王ともあだ名されている。ガリア王ジョゼフだ」
「無能王……確かに、わざわざ擬似魔法を広げ混乱を引き起こそうというのは、統治者として有能とは思えないな……」
 そのあだ名を口に含み、スコールはそう吐き捨てる。
「……そうだ、ビッグスさん。折角ホントにSeeDが居るんです。頼んでみませんか?」
「ん、ああ、そうだな」
「さっき言っていた話か?」
「何だ?」
 話の読めないアニエスがスコールに尋ねる。
「俺が彼らを見つけた時、自分たちがSeeDぐらい強ければ、と言っていたんだ。その件か?」
「うむ。これに関してはお前も無関係じゃないだろうからな」
 渋い表情でビッグスとウェッジは話し始めた。
「ハルケギニアに、ルナティック・パンドラがあるんだ」
「ルナティック・パンドラが!?」
「るなてぃっく……?何だ?」
 スコールの反応から何か重要な物であることはさっせたが、聞き覚えのない単語に首をかしげる。
「『月の涙』を誘発させる代物だ……確かに、時間圧縮終了後俺たちの世界からは消えていたが、まさかこんなところで……」
「『月の涙』?」
 またしても聞き覚えのない単語に眉を寄せる。
「月からモンスターが地上に降りてくることだ」
 それは、スコール達にとっては余りにも当たり前のことで
「……は?ちょっと待て。月?あの、月、か?」
 アニエス達にとっては余りにも奇想天外な事象だった。
 天井を、その上の空を指さしながら惚けた顔をするアニエスに、スコールは凄まじい違和感を覚えた。根本的な部分で、ずれている?
「モンスターが……例えば、俺たちが今まで退治してきたようなオークなどが、月から降ってきたことは無いのか?」
「……聞いたこともない」
 難しい顔でアニエスは返す。
 『月の涙』は元々自然現象だ。ルナティック・パンドラはそれを誘発するための装置に過ぎない。そしてルナティック・パンドラが無くとも、『月の涙』は数十年単位の発生していたのだ。スコール達の惑星(ほし)では。
「そもそも、月に生き物が居るというのも初耳だし、どうやって生きているのだ?あんな風に動いて傾く物の上ではまともに暮らせていないだろう」
69SeeD戦記・ハルケギニア lion heart with revenger:2009/10/04(日) 00:44:13 ID:Eq00cC4e
 そのアニエスの言葉はともかく、スコールはようやく合点がいった。
「……ルナティック・パンドラは……ハルケギニアでは意味がないのか……」
「?……どういう意味じゃ、そりゃあ?」
「『月の涙』そのものが起こらない……いや、多分ハルケギニアの月にはモンスターが住んでいないんだ」
「あ!そうか!」
 ウェッジが納得だと声をあげた。
「?どういう……」
「自分たちの早合点だったんですよ、ビッグスさん!つまりですね、ルナティック・パンドラが無くても……」
 相棒に説明を始めるウェッジを前に、スコールは軽く安堵のため息を付いた。
「?……結局何だったのだ?」
 訳がわからない、という顔で困惑を口にするアニエスにスコールは小さく笑いかける。
「ハルケギニアに住む人間には、これっぽっちも関わりがないと言うことだ」
 人をのけ者にする気か、とアニエスは口を尖らせる。あとでもう少し詳しく話すと返しながら、スコールは別の方向に思考を向けていた。
(一応オダイン博士にもこの件について確認をとった上で……それを抜きにしても、会った方が良いだろうな)
 故郷への道を、見つけるために。


「いやぁ〜!何で気づかなかったんだろうなぁ!そうかそうか!こっちの月にはモンスターが居ないのか!」
「ビッグスさん、照れ隠しが見え見えで見ててこっちが恥ずかしいです」
「やっかましぃわぁぁぁ〜!」
 ホントに喧しい客二人を乗せて、ラグナロクが飛ぶ。
「……お前達の故郷は物騒だな。そんなことが百年以内に一度は起きているのか」
「時と場合にも因るが、過去には一つの国家がそれで滅んだこともある。最近は次に発生する場所が一体何処かが予測出来るようになって、少しはマシになったがな」
 副操縦席に座ったアニエスと、主操縦席に座ったスコールが言葉を交わす。非常時のため、アニエスにも操縦を覚えてもらおうとラグナロクを入手した後から度々訓練を行っていた。
 だが、根本的に機械文明とは縁遠い生活を行ってきたアニエスにとっては想像以上に難しいらしく、なかなか任せることは出来なかった。
「!見えてきたな」
 正面を見据えるスコールの目が鋭くなる。
「あれか……!どれだけ大きいんだあれは!?」
 スコールの視線の先に焦点を合わせ、アニエスは呻く。
 一辺が数百メイルにも及ぶ正方形を底面とし、数リーグはある高さの黒い直方体。それがルナティック・パンドラの外観だ。
 砂漠地帯のど真ん中のため、大きさを比較するモノはないがそれでもその偉容はすぐに察せた。
「あった、突入孔はそのままか」
 以前の作戦で強行突入した際の穴を外壁に見つけて近づく。
「外壁を補修してる暇が無かったんだよ。飛ばすだけでも一苦労だった。モノがでかかったから、内部に換えの効くパーツがたくさんあったのは救いだけどね。おかげでバリアシステムの方は使えなくなっちゃったけど」
(換えのパーツ……)
 そう言えば、このラグナロクも主砲が破損したままだった。
(中にあった機動兵器の残骸が有れば、補修も効くか……?)
 話を持ちかけてみることを思いつきながらスコールはルナティック・パンドラの穴へと機体を滑り込ませた。ラグナロクの脚を展開して、機体を固定しビッグスとウェッジの二人を先導にルナティック・パンドラへ入る。
「ミスタ・ビッグス、ミスタ・ウェッジ!これは一体……」
 異常に気づいて訪れたらしいメイジがラグナロクを見上げて驚愕の声をあげる。
「いや、ちょっと顔見知りに会ったんでな。ここまで送ってもらったのよ」
「顔見知り……?ともかく、オダイン博士が怒っています。勝手に持ち場を離れて。こちらへ」
 スコールとアニエスへ一度目をやってから、手で奥を指し示す。
70SeeD戦記・ハルケギニア lion heart with revenger:2009/10/04(日) 00:45:15 ID:Eq00cC4e
「う……む……なぁSeeD、何とかならんか」
 渋い顔でビッグスが振り返る。
「気を逸らすぐらいならやる。どのみちこちらも話はあるから、それまでの間にあんた達は仕事を再開しておけばいい」
 以前の記憶を頼りに、ルナティック・パンドラの中を歩き出す。
「ジョーカー、念のためお前は残っておけ」
「了解、任されたよ」
 ラグナロクの機首直下。左右の手の裡でダイスを転がしながら、ジョーカーが返事を返した。
 辿り着いた先の部屋に、あの特徴的な髪型は有った。
「お前達一体どこで何を!……驚いたでおじゃる。ラグナの息子でおじゃるか?」
「久しぶりだな、オダイン博士」
 とっとっとっと矮躯がスコールに近づく。その隙に、ビッグスとウェッジは工具を手に修理箇所へと向かう。
「お前もこちら側に来ていたとは驚きでおじゃるな」
「オダイン博士、確認したいことがあるんだが」
 挨拶もそこそこにとりあえず最優先事項を確かめる。何しろこの老人、放っておけば延々と自分の専門分野についてしゃべり続ける。
「この世界の月には、モンスターが居ないんじゃないのか?」
「うむむ、その通りでおじゃる。オダインとしては、この世界のモンスターがどんなものか気になっていたから、『月の涙』前に月を観測してみたのでおじゃるが……。
 このルナティック・パンドラの貧弱な観測機器でもハルケギニアの二つの月いずれにもモンスターが居ないことははっきりしているのでおじゃる。
 オダインは無駄なことが大嫌いでおじゃるのに、ルナティック・パンドラを稼働状態にしなければジョゼフがオダインに研究をさせないと言っているのでおじゃる」
 出てきたジョゼフの名前に、スコールは眉を顰める。
(やはり、ガリア王で間違いないか……)
「オダイン博士、あんたは元の世界に帰る方法を探しているか?」
「探していたでおじゃるが……今はもう探していないでおじゃる」
 あっさりと、オダインはそう言ってのけた。
「?……どういう意味だ」
「オダインもルナティック・パンドラの機器を使って初めて気づいたことなのでおじゃるが、オダイン達の存在因子が時間軸上の未来に存在しているのでおじゃる」
「存在因子……?」
「オダイン達がここにいる理由、もっと簡単に言えば、オダイン達の世界とハルケギニアがこうも濃く繋がっている理由でおじゃるよ」
「それが……未来にある……?」
 言葉にするのは簡単だが、正直、意味は余り掴めない。
「そうでおじゃる。未来でその出来事が起きるから、オダイン達はこうもハルケギニアに関わっているのでおじゃる」
「よく、判らないが……普通は逆じゃないのか?過去があるから、未来が成り立つんだ」
「オダインに言われても困るのでおじゃる。そうなっているのは別にオダインのせいでも何でもないのでおじゃる」
 ふん、とそっぽを向かれた。
「……それで、俺たちの存在因子が未来にあるから、何で帰る方法を探さなくなる?」
「にぶいでおじゃるな。存在因子がその時点に集約していると言うことは、そのタイミングになればオダイン達が何も意図しなくても勝手に帰るのでおじゃるよ」
「勝手に帰る?」
 つまりそれは、確実に帰れるということなのか?
「そうと決まれば、余計なことをしている暇はないのでおじゃる。オダインは少しでもハルケギニアの系統魔法を調べていたいのでおじゃる。だからその為にも、とっととお前らルナティック・パンドラを直すのでおじゃる〜!」
『は、はいぃ〜!』
 オダインの怒声に、ビッグスとウェッジが返す。
「博士、その俺たちが帰れるのは、いつだ?」
「正確に計ったわけではないので絶対とは言えないのでおじゃるが……2年と無いはずでおじゃる。だからオダインは焦っているのでおじゃる」
「……その割にはレオンハートの質問にきっちり答えるな」
 後ろからその様子を眺めていたアニエスがぽつりと呟いた。別に彼女としては返答を期待しての台詞ではなかったのだが、オダインは聞こえていたようだった。
71SeeD戦記・ハルケギニア lion heart with revenger:2009/10/04(日) 00:46:42 ID:Eq00cC4e
「ラグナの息子はラグナの息子でおじゃるからして、オダインとしては予算がもらえなくなると困るから機嫌を損ねるわけにはいかないのでおじゃる」
 至極不機嫌そうにオダインはつぶやく。
「お前の父親は……この老人の上司か?」
「何を言っているのでおじゃるか。ラグナはエスタの大統領なのでおじゃる。ハルケギニアの人間にもわかりやすくいうなら国王とか皇帝なのでおじゃる」
「こっ……国王!?」
 心底嫌そうにスコールは顔を歪めた。
「あとで詳しく説明するが、違うからなアニエス。オダイン博士、誤解を招くような言い方は止してくれ」
「別にオダインは何も間違えてはいないのでおじゃる。っと、危うく忘れるところだったのでおじゃる。ラグナの息子、ルーンを見せて欲しいのでおじゃる」
「ルーン?」
「使い魔としてメイジと契約した時に体に刻みつけられる印のことでおじゃるよ。どこにつけられたのでおじゃるか?左手か、右手か、まさか胸でおじゃるか?」
「……俺はメイジと契約を結んでいない。だからそんなものは無い」
「おじゃじゃじゃじゃじゃじゃじゃ!?何と、そうなのでおじゃるか……となると……」
 ぶつぶつ呟いて、周りが見えなくなったように辺りを歩き出す。
「他の……に……いや、或いは……」
(何が言いたいんだ……)
 やはり相変わらずの魔法バカぶりに深くため息を付く。
「良かったじゃないか」
 ぽん、とスコールの肩にアニエスの手が置かれる。
「何はともあれ、帰れそうだぞ、お前は」
「あ、ああ……」
 そうだ。話の不可解さから流してしまっていたが、オダインは言ったのだ。帰れると。
 性格は兎も角能力は折り紙付きのオダインの言葉だ。
「俺は、帰れるのか……」
 2年以内には確実に。
(リノア……もう少しだけ、待っててくれ)
 ジャケットの内ポケットにあるカード束から、薄く微笑んだ彼女のカードを抜き出して心の中、スコールはそう呼びかけた。




今回はここまで。ベルセルクの人失礼しました。投下完了宣言を見ないうちで……
ルナティック・パンドラを出そうとは決めてたんですが、月の涙については色々と考えてました。
ホントにモンスターが降ってきてカオスにってのも考えたんですが、自分の実力不足で断念。
けど、設定上何十年かの単位で『月の涙』が起きてるって物騒すぎるぜ、FF8の世界は、
72名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 00:48:10 ID:o8xE0izb
ああ、なんという死亡フラグを・・・・・・
73名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 01:09:42 ID:84Q1SPZ/
Seedの人乙です
さて今頃ルイズはどうしてるんだろうか…
74名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 01:32:08 ID:Qzc6dPKQ
ガッツの人GJ!超GJ!!
三浦絵でリアルに…GJ!

スコールの人GJ!
オラwktkして来たぞ。
75名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 01:41:56 ID:aM385jSZ
おばあちゃんが言っていた…。
食べ物と職人には最大限の感謝をしろってな。

乙っした。
76借りてきた猫:2009/10/04(日) 01:44:15 ID:kRiDjS7e
むぅ……7話書いたけど……登場人物少な!
あ、遅れましたが6話をWikiに纏めてくれた方ありがとうございます
他に居なければ2:45に7話を投下します
77借りてきた猫:2009/10/04(日) 01:46:15 ID:kRiDjS7e
 そうしてクロちゃんがルイズに召喚されて一週間余り経った……
 ルイズの生活はと言うとクロちゃんに起こされ、今まで通り授業を受け
 授業が終わるとギーシュと訓練の日々になった……今の所ルイズ全敗中…
 そして今日の訓練でも…
 「はい、これで僕の勝ちっと…ルイズ、もうちょっと自分も
  動いた方が良いんじゃないか?立ち止まってるとただの的にしかならないよ?」
 「うっさいわね〜、ワルキューレのスピードに
  わたしがついていける訳ないじゃない」
 「僕の方は攻守で半々にする分スピードは出てない筈なんだが…
  でも、指示は大分上手くなって来たじゃないか、
  あともう少しで僕の方の帽子が取れるよ」
 「そうそう、ルイズおねえさんも大分上手くなってきたよ
  ギーシュおにいさんも前とは比べ物にならないくらいに
  無駄が無くなってるけどね」
 ルイズの指揮能力成長よりもギーシュのワルキューレ操作能力成長の方が
 上まっているのはかなり誤算だが、今クロちゃんとギーシュが戦ったら互角に
 なるんじゃないだろうか?……もっともダメージは期待できないが……

 そんな訓練風景を影から見る人影が1つ……オールド・オスマンの秘書、
 ミス・ロングビルである……
 「やれやれ…あの子倅とお嬢ちゃんで何かあると思ってたのにただの遊びかい…
  事故でこの壁を壊すとかしてくれればあの子達に責任を押し付けられたのに…」
 ミス・ロングビルは学園に入り込んだ盗賊フーケである、前日からの調べで
 宝物庫の中に目的の物が入ってるのは間違いない事はわかったが宝物庫にかかった
 『固定化』が強力でとてもじゃないがすぐに取れそうにない事もわかった
 最近、この付近で何かをしてる人達が居ると解っていたフーケはその者達の失敗を
 利用して宝物庫に入ろうと思ったのだが……
 「やれやれ…遊びじゃあ期待出来ないかね〜…そろそろお暇頂きたいし…
  強行するかね……」

 そんな影で暗躍がされている頃
78借りてきた猫:2009/10/04(日) 01:47:05 ID:kRiDjS7e
 「そういえば、どうしてルイズは魔法で足止めをしないんだい?
  帽子を被ってるから攻撃しても罰則にはならないんじゃなかったか?」
 「魔法って言ったってわたしのは爆発しかしないじゃない
  それにそんな暇が無いわよ、魔法をやる暇を見つける前にわたしが捕まるわよ」
 「ん〜…ルイズおねえさんの魔法って何でも爆発するの?」
 「そうよ、これまで『錬金』でも『ロック』でも『ファイヤーボール』でも
  爆発が起きていたわ……」
 「ん〜、ギーシュおにいさんちょっと作戦練るからちょっと聞かないでてて」
 「はいよ、僕も次の時の為に作戦を練るよ
  ルイズが帽子を被ったら再開で良いかい?」
 「は〜い、わかった〜……それでおねえさん……あの爆発だけど
  攻撃にじゃなくて煙幕に使えない?」
 「どう言う事?普通に攻撃可なんだから攻撃しても良いんじゃない?」
 「1体だけ攻撃しても意味が無いよ、3体来てるのに1体だけ押さえても
  残りが来ちゃう、ボクが押さえられるのは1体だから1体どうやっても来るよ?
  だけど煙幕なら同じ1人に対象でもワルキューレじゃなくて操作してる
  ギーシュおにいさんが解らなくなると思う……ただ自分の近くにしないと
  効果が薄いけどね…」
 「なるほど…確かに向こうは人を使ってる訳じゃないからギーシュの眼を何とか
  出来れば時間は稼げる訳ね……それにこの爆発って無駄に土埃が舞うしね…
  よし、今回はその稼いだ時間の内にクロちゃんに取って貰うわよ!目指せ初勝利」
 そう言って帽子を被る……
 「お、用意が出来た様だね、それじゃあ行くよ!」
 そうやって始まった訳だが……作戦を練った分ワルキューレの動きに無駄が無く
 ルイズの目論見を大きく外れて追い込まれ始める……
 「もう、囲まれそう!?しょうがない…『ロック』!」
 唱えるや否やルイズの近くで爆発が起こりルイズ付近は土埃が舞う
 「暴発?いや、それよりもルイズ!大丈夫かい!?」
 作戦を知らないギーシュは心配する、まさか自爆をするなどと……
 「……クロちゃん今よ斜め前に前進して!」
 「無事だったか……と、言う事はアレが作戦か…心臓に悪いな…」
 クロちゃんの侵攻から帽子を守りながらルイズの居た場所を見る……そろそろ
 土埃が収まってきて居場所解ってきた……
 「……ルイズ……1つ言って良いかい?」
 「何よ!降参でもする気になった!」
 「煙幕をしたら君も動かないと意味が無いよ……」
 「え゛……」
 そう、ルイズはまったく動いてなかった為ワルキューレに囲まれたままなのだ…
 「わわっ!もう一回『ロック』!」
 今度は慌てて唱えたため近くで爆発せず、ちょっと遠くで爆発し煙幕にならない
 「……え〜と……?」
 「……やれやれ……はい、ルイズこれで詰みだよ」
 「そんなぁ〜〜、やっと勝てると思ったのに〜……」
 その場に座り込み泣き出す一歩手前だ……
79借りてきた猫:2009/10/04(日) 01:47:55 ID:kRiDjS7e
 「作戦は悪くなかったんだがね…ひょっとして前半の簡単に追い詰めさせたのも
  作戦の一つかい?だとするなら十分な陽動だよ」
 「残念ながらルイズおねえさんの前半の追い込まれは素です…
  作戦は煙幕を出す所だけだよ、ギーシュおにいさん」
 「やはり煙幕の方は作戦だったか…正直心配したよ魔法の暴発で怪我でも
  したんじゃないかと思ってね、物は使いようだとは思うけど……アレは!?」
 良く見ると30メイルは有りそうなゴーレムがこちらに向かって来ているのだ…
 それも進行上に……ルイズ!?
 「ルイズ!危ない!」
 「何よ!危ないって…」
 振り返るとでかい何か……??
 「くっ!……ワルキューレ!!」
 ワルキューレ2体を使ってルイズを投げてゴーレムの足から遠ざける……直後
 ワルキューレはゴーレムに踏み潰された…
 「な、何よ…一体?」
 「ゴーレムだ!ルイズ逃げるんだ!」

 下で2人が距離を取ろうとする中、フーケは先ほどの爆発で皹の入った宝物庫の
 壁を見た
 「まさか、本当に何かしてくれるとはね……これで多少は楽になったよ!」
 ゴーレムで壁を2度3度ほど殴ると壁が崩れる…
 「さてと……お目当ての物はっと……」
 フーケが物色してる中……

 「はっ!今まで忘れてたけどクロちゃんは?まさか踏み潰された!?」
 「まさか…彼はそんな鈍重でも無いだろう……だが何処だ?」

 「お、これが……そうだね……結構嵩張るわね…」
 「おねーさん……泥棒はいけない事だって知ってるよね?」
 「!?」
 気配が無かった…いつの間に背後を取られたのか……
 「おやおや……そうかい?でもね……知っているかい?
  泥棒でも捕まらなければ罪じゃないんだよ!!」
 「!?」
 言い切るや否や煙幕を焚いて逃げるフーケ……煙幕が晴れた時には居なかった…
 「……あのLvとパラメーターは……」
 話しながら相手のLvを見た……それは今まで見た人の記憶の中で
 1人とまったく一緒だった…
 「あの人が何故…泥棒を……それにこれは……」
 おそらく盗まれた物と同じ物が有っただろう所に紙が貼ってありそれには……

 『破裂の大筒、確かに領収いたしました“土くれ”のフーケ』

 と、書かれていた……



 翌朝、学院はいつもの様な陽気な空気とは一変した騒ぎだ
80借りてきた猫:2009/10/04(日) 01:49:04 ID:kRiDjS7e
 教師間で誰が悪い彼が悪いと言い合って見てる身からすれば醜い争いだ

 そんな教師達の中に目撃者であるルイズとギーシュが居る
 「やれやれ……言い訳をして他者に擦り付けるとは…
  ここまで愚かしい事だったとはね…過去に自分がやった事が悔やまれるよ…」
 「そうね……今は反省してるんでしょ?」
 「まぁね…十分に恥をかいたしこれ以上は悪くならないから
  周りに謝罪してまわったよ…」
 周りの空気とは別の落ち着いて周りを見れる様になってきた2人……
 これも訓練の成果かもしれない……
 そう言えば昨日はクロちゃんもいつの間にか戻って来てたわね…何処に居たんだろ?

 「えーい!今更誰が悪いとかではないわ!お主等にはこれからどうするかと
  言う言葉は無いのか!良い大人が責任の擦り付けをしおって!」
 いい加減、オスマンの雷が落ちて教師陣は鎮まる……
 「それで、その2人が目撃者かね?」
 「はい、この2人です」
 本当はクロちゃんがしっかり見ているのだが使い魔は証言に入らないらしい…
 「知っている事だけで良いから話してくれるかな?わしらは何も情報がないんじゃ
  今は少しでも情報が欲しい、頼む…」
 そう言って頭を下げるオスマン…
 「え…あ…頭を上げてくださいオールド・オスマン
  まず、フーケは30メイル程の大きいゴーレムを作れるメイジです」
  次にフーケの外見は……黒いローブを着ていた為、顔はおろか性別も解りません
  最後に、宝物庫の壁を破れる程の実力を持っています」
 本当はルイズの文字通り失敗魔法で皹が入っていたのだが……

 「オールド・オスマン!解りましたわ!」
 この場に遅刻してきた女性-ロングビル-が入ると同時に口を開く
 「お〜、ミス・ロングビル…何が解ったのかね?」
 「実は昨日フーケがこの学院に現れたと知ったので急ぎ情報収集をして参りました」
 「うむ、流石は優秀な秘書じゃの、してフーケは?」
 「はい、近在の農民に聞き込んだところ近くの森の廃屋に入っていった
  黒ずくめのローブの男を見たそうです」
 「その場所は?」
 「徒歩で半日。馬で四時間といった所です」
 「すぐに王宮に報告し、王室衛士隊に頼んで兵を差し向けてもらわねば!」
 コルベールがそう叫んだが、逆にオスマンに怒鳴られる
 「ばかもん!そんな事している間にフーケに逃げられてしまうわ!
  その上…学院の宝が盗まれたからには我らの手で解決せねばならん!
  捜索隊を編成する。我と思う者は杖を掲げよ」
 オスマンが辺りを見回すが、教師達は顔を見合わせるだけで、
 誰も杖を揚げようとはしない。
 「おらんのか?おや?どうした!フーケを捕らえて名をあげようと思う
  貴族はおらんのか!」
  誰も杖をルイズが杖を揚げないので自らの杖を顔の前に掲げた
 「ミス・ヴァリエール…君はは生徒じゃ…ここは教師に任せてくれんか?」
 「だって誰も杖を揚げないじゃないですか!それにわたしだってメイジです
  ここに居る以上行く資格があると思っています!」
 「むぅ……しかし……」
 「やれやれ……ルイズが行くなら僕も行かないとな…」
 そう言ってギーシュも杖を揚げる
 「ちょっと、ギーシュなんであんたまで!」
 「レディだけに危険な目には合わせられないな、これでも僕は男だ
  勝てないまでもせめて君くらいはフーケから守ってみせる」
 「やれやれ…ミスタ・グラモンもか……他におらんのか?
  情けない…大人は腰抜けで子供の方が勇敢とはな……」
81借りてきた猫:2009/10/04(日) 01:50:37 ID:kRiDjS7e
 「……ねぇおじいさん…ちょっと良い?」
 「ん……おお、クロちゃんか、なんじゃ?」
 「盗まれた物ってコレ?」
 取り出すのは円筒形の物…
 「おお、コレじゃ…まさか全部は盗まれてなかったのか?」
 「うん、1〜2本しか残ってなかったけどちょっと悪いとは思ったけど
  1本持って来させて貰ったよ、どんな物かわからないといけないし…」
 「そうじゃ、コレが『破裂の大筒』じゃ」
 「そう…じゃあこれと似た物を探してくれば良いんだね?」
 「そうじゃ、取り返してくれ」

 クロちゃんとオスマンが話してる間にも他に杖を挙げる者は居なかった…

 「やれやれ……それではミス・ヴァリエールとミスタ・グラモンに
  フーケ討伐の任を与える…この際フーケを逃がしても良いから
  2人とも生きて帰ってくる様に!」
 「はい!」




以上で今回の投下終了です
82名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 02:01:52 ID:GAhboUv5
おつおつ。顔隠してもパラメータでバレバレかい。
83名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 02:29:50 ID:rpaukeuc
858 :借りてきた猫:2009/09/26(土) 23:38:24 ID:y/DVhSqZ
>>848
自分勝手だとは思いますが>>693は何を伝えたいのかわからないのです
もし、返事をしないのが不快だと見られているのでしたらこの先ずっと
返事を書く→何か言われる→また返さない奴→返事を書く→(以下エンドレス)
の堂々巡りになる恐れもありますよね?後、お礼を言った後は見てなかったので
気がついて無かったのも事実です


860 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/26(土) 23:41:42 ID:RUMYzGK9
>>858
で、携帯だから出来ないの?
覚える気が無いから他人にやらせてるの?


865 :借りてきた猫:2009/09/26(土) 23:49:32 ID:y/DVhSqZ
>>860
やはりそれも自分勝手な言い分なのですが実は10回以上作る事を挑戦して
結局出来なくて投げ出してしまった…が事実です
覚える気が無いからやりたくないでも、面倒だから他の人にやらせている訳でもありません
正直に自分の能力で出来なかったのでやってもらっているのです
まぁ10回以上挑戦したとか口だけだろとか色々言いたい事はあると思います
ですが、やってもらって当然と思った事は1度もありません、
だから作ってもらってまとめてもらって感謝をしています
ただ、努力もしないで胡坐をかいていた訳ではない事を信じてください
84名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 02:59:43 ID:BPCRMEAg
O.K!
避難所の毒吐きか運営行こうな。
85名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 02:59:55 ID:cpcp0vcu
遅くなったけどベルセルク・ゼロの人超乙!
あらゆる描写が最高クラスに素晴らしい!
今まで見たネット小説のなかでも間違いなくトップクラスの戦闘描写。三浦絵で完璧に脳内再生出来ました。
ワルドの強さもきっちり書かれてて最高に輝いてた。
大砲斬りやらドラ殺避雷針やらドラ殺高跳びやらと原作の名アクションが次々に飛び出してて熱すぎる。
あと頑張って仇討ったのに勘違いされて憎まれるとか正にベルセルク過ぎてやばい。

ゴッドハンドの存在が伝わっていること、虚無で彼らを葬らんとしてる事、ワルドの使徒転生……。
マジで良すぎる、いい感じになりぎてて感動が止まらない。
興奮し過ぎて自分でも意味不明な程の長文失礼しました。

所で、鎧押さえ込めなかったら間違いなく全滅エンドだよね。
86名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 04:10:18 ID:E1jyCgh/
ワルドの使徒転生の下りでFFTのウィーグラフを思い出した
ウィーグラフが召喚されたらハルケギニアでもやっぱり革命おこそうとするのかな?
87名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 06:50:29 ID:vzzQuOuX
前スレのSS、まとめWikiに登録されてないのがあるな
88名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 07:04:25 ID:yQ+gFELZ
Q:あの作品がまとめに無いんですけど……。
A:気付いた人が積極的にやりましょう。
89名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 07:40:55 ID:vzzQuOuX
電話で登録できるの?
90名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 07:48:08 ID:edAu5fWZ
>>86
聖石持ってたら・・・(´∀`;)
91名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 08:17:08 ID:dbSW7wtO
>>89
音響カプラ使えば可能。ファイト!!
92ゼロの使い魔はメイド:2009/10/04(日) 09:02:18 ID:8Vnzl2XW
ただ今より投下よろしいでしょうか?
93ゼロの使い魔はメイド10 1/5:2009/10/04(日) 09:04:00 ID:8Vnzl2XW
 いよいよ品評会当日。
 ルイズはガチガチに緊張しながら、自分の出番を待っていた。
 何度も、
「落ち着いて? 大丈夫、いけるわ!」
 ブツブツつぶやいている。
 緊張しているのは、まわりの生徒も同じである。
 手の平に使い魔を乗せてしきりに何かつぶやいている女子生徒。
 目玉お化けを抱えて、ひたすら素数を数えている男子生徒。
 お互いが緊張のせいか、妙に遠慮がちになっているような感覚だった。
 それでも中には、例外もいるが。
 貴重な例外の属する微熱のキュルケは、観客席のほうをうかがいながら、獲物を待ち構える野生の猫のような目つきをしていた。
 それとは対照的に、横に陣取るイザベラは野菜やハムをはさんだパンをかじりながら、ワインをラッパのみしていた。
 気持ちいいほどに態度が悪い。
 どう見たって、貴族の令嬢の取る態度ではない。
 初めから、まともにやる気がないようだった。
 むしろこのイヴェントそのものを、小馬鹿にしているようにさえ思える。
 こんな態度では他の生徒から苦情がきそうなものだが、みんな彼女を恐れてか、それともそんな余裕がないのか、黙ったままだ。
「なかなかのものじゃない?」
 客席を観察しつつ、キュルケはその唇に紅を塗る。
 ゾッとするほど色っぽいのに、一本芯が入ったかのような気品が漂っていた。
 それは彼女がどう生まれ育ってきたかを物語っているかのようだ。
 イザベラのほうは、
「どうでもいいさ」
 心のそこからそう言っているのがよくわかる態度で応える。
 横柄が服を着ているような態度だ。
「メイジにとって神聖な半身であるはずの使い魔を見世物にするってか? ガリアでも似たようなことがあったけど、くだらないわねえ」
 その言葉に、他の生徒はさすがに気分を害したようだった。
 折角の晴れ舞台であるというのに、どうしてこいつは水を差すようなことを言うのか。
 ちくちくとした視線がイザベラに飛ぶ。
「あン?」
 それに気づいたのか、イザベラは周囲を見回した。
 No、No……。
 そんな上品なものではない。
 ガンを飛ばすというのがもっとも最適な行為だった。
 その恐ろしい視線を受けて、睨んでいた生徒はたちまち視線をそらしたり、うつむいたりする。
 まともに睨み合おうとする者は皆無だった。
「相変わらず、柄が悪いわね……」
 そんな青い髪の同級生を見ながら、ルイズは呆れ顔だ。
 後ろには普段と違ってオシャレをしたシャーリーが控えている。
 着ているのは、モットという貴族から送られてきた服だ。
 どうしてこんなものをもらったのか、二人にはよくわからないのだが。
 あるいは、わからないほうが良いのかもしれない。
 少なくとも、まだ今は――
「ねえ、ルイズ? あなた品評会で何するか決めたの?」
 キュルケはルイズへと話しかけた。
「ふん。もちろんよ、ま、見てるがいいわ」
 と、ルイズは胸をそらす。
「ふーん……? そう」
 キュルケの視線は、ルイズからシャーリーへと移る。
「……」
 シャーリーはあわてたように顔を伏せる。
「そんなに照れることないじゃない、可愛いわね」
 キュルケは小さなメイドの反応に、楽しそうに微笑んだ。
「暇人が」
 イザベラが悪友の態度をそう評した。
 やがて、品評会は始まり、最初の者がミスタ・コルベールに呼ばれた。
 あるものはバイオリンを弾きながら、使い魔を飛び跳ねさせる。
 あるものは使い魔と一緒に手品のようなことを。
 あるものは使い魔と一緒に決めポーズ……をしているだけ。
94ゼロの使い魔はメイド10 2/5:2009/10/04(日) 09:04:52 ID:8Vnzl2XW
(何だか、サーカスみたいなだなあ……)
 シャーリーは緊張も忘れて、メイジと使い魔の見せるアピールに魅せられていた。
 前にいた場所では、イギリスではどんな偉い人でも見られないような魔法の国の光景を。
「ふ、ふん……。さすがにみんな気合が入っているわね――!」
 ルイズも刺激を受けているのか、ぎゅっと手に力が入る。
「次は、キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー嬢」
 コルベールが、キュルケの名を呼んだ。
「さて、魅せますか」
 キュルケは不敵に笑い、つーっと立ち上がる。
 興奮しているのか、微かに頬が上気しているのがわかる。
「じゃ、お先にね」
 キュルケはサラマンダーのフレイムを伴い、イザベラにウィンクを飛ばす。
「ま、テキトーにがんばってきなさいよ」
 イザベラはひらひらと手を振りながら、ワインボトルから手を離さない。
「そういえば、あんたのモードは? 姿が見えないけど」
「――そのうち、戻ってくるさ。そのうちな」
 眼を閉じてから、イザベラは言った。
 そして、またワインを飲み始める。
「でも、あいつの芸は見ないほうがいいと思うよ? 特に」
 イザベラはシャーリーを見る。
「お前はな」
 びくりと震えるシャーリー。
「……あんた、あのワイバーンに何させる気? まさか、客席を襲わせる気じゃないでしょうね?」
 ルイズは警戒心を丸出しで問いかけた。
「さあねえ?」
 イザベラはケケケ、と笑うばかりで、明確なことは何も言わない。
「おお、怖い、怖い」
 キュルケはおどけた仕草をしてみせてから、舞台へと上がっていった。
 そこでフレイムが見せたものは、吐き出す炎をまるで生き物のようにくるくると変化させるというものだった。
 ある時は螺旋状に、ある時は雲のように、ある時は蛇にように、と。
「……すごい」
 シャーリーは素直に感心していた。
 かつて生きてい世界では、こんなものは想像したことすらない。
 幻獣たちとは、こんなすごい生き物だったのか。
 改めて、彼らの特異性と能力に驚嘆する。
 さて、彼女の『ご主人様』であるルイズはというと――
「いよいよ、次ね。いよいよ……」
 ブツブツとつぶやきながら、キュルケのことなどほとんど目に入っていないようだった。
 キュルケが出番を終えて、優雅な一礼を残して舞台を降りた時、今まで以上に大きな拍手が起こっていた。
 それはキュルケ本人の魅力と、決して無関係ではないだろう。
「次はあなたたちよ、何をするかは知らないけど、がんばりなさいな」
 戻ってきたキュルケは、そっとシャーリーの肩を叩いた。
「は、はい」
 シャーリーは緊張をたたえた顔でうなずいた。
 そして、
「続きましては、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール嬢」
「キターー!!」
 コルベールの声に、ルイズはぴょんと背筋を伸ばした。
「いいわね、いくわよ!」
 ルイズはぎゅっと、シャーリーの手を握る。
 顔を近づけ、そのブラウンの瞳を覗きこんだ。
「はいッ」
 シャーリーも真剣な表情で応える。
 見つめ合う二人の乙女。
 互いに、今にも息がかかりそうな距離だった。
 微笑ましく、美しい光景ではある。
 が、万人にとって正義が存在しないように、万人にとっての美というものも存在しないらしい。
「あいつらひょっとして怪しい仲か?」
 イザベラはかすかに眉を吊り上げた。
95ゼロの使い魔はメイド10 3/5:2009/10/04(日) 09:06:19 ID:8Vnzl2XW
 あまり、同性愛というものを好ましくは思わないのかもしれない。
「まあ、別にいいんじゃないの? 可愛いじゃない」
「可愛いかねえ」
 イザベラは理解しかねるという顔で、首を振った。
 ワインを飲もうとするが、瓶はすでに空になっている。
「ちぇ。ま、頃合かな」
 イザベラは空の瓶を弄びながら、
「おいグランドプレ、これ捨ててきな。それから厨房いって水貰って来い、三分以内な」
 使い魔のフクロウとスキンシップをしている小太りの少年に命令した。
 上官が部下に命令を下すごとく、至極当然という態度だった。
「な、何で僕がそんなこと!」
 マリコルヌ・ド・グランドプレは当然のように反発する。
 が。
「とっとと行けと言ってるんだよ、『微笑みデブ』!!」
「Sir, Yes Sir!!」
 イザベラの一喝でマリコルヌは直立不動となり、訓練された兵隊のような動きで走っていった。
 機敏なデブ。
 その様子を見た人はこんな風に思うのではないだろうか。
「……よく調教されてるわね」
 キュルケは関心と呆れの混じった声でつぶやいた。
「大したこっちゃないね」
 イザベラは笑いもせずに手を振るだけだった。
 そんなおかしな情景が展開されている間――
 ルイズはシャーリーと連れ立って舞台へと上がっていく。
「皆様に、わたくし、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの召喚した使い魔を紹介いたします」
 ルイズは、先ほどの緊張を感じさせない、堂々とした態度で客席を見る。
 このあたりは、さすが公爵家令嬢という育ちと器を感じさせる。
 客席にはモット伯爵とその秘書の姿もあったのだが、ルイズは彼らを良く知るわけではないし、当然気づかない。
「シャーリー。彼女が、私の使い魔です」
 ルイズは初めて社交界に参加する令嬢をエスコートするように、そっとシャーリーの手を取りながら、紹介をした。
 どよめきと、それに笑い声が混じった。
 人間を召喚する、そんな話は何かのジョークとしか思われないのだろう。
 しかし、中には本気で拍手を送っている者もいた。
 ジュール・ド・モット。
 怒涛のモットの異名を持つ貴族である。
「今回は、ご挨拶に代えまして、私と彼女のダンスを皆様にご披露いたします」
 ルイズが宣言すると、裏に控えていた楽手たちの操る楽器によって、艶やかなメロディが生み出されていく。
 それに合わせて、二人の少女が動き出した。
 くるくると円を描き、時に近づき、時に離れる。
 まるで、空を飛びながらで戯れあう小鳥のようだ。
 優しげな、春風を思わせる曲の中を、二人の少女は踊り続ける。
 ルイズほどのわかりやすさや目立つ部分は少ないにしても、シャーリーも見目麗しき少女である。
 二人のダンスは、サラマンダーの炎、宙を駆ける鳥以上に優美であると言えた。
 時が過ぎるに連れて、次第に観客もそれに飲まれていった。
 ルイズが、これを思いついたのは、三日ほど前のことである。
 ヒントといおうか、きっかけはルイズ自身の何気ない独り言からであった。
 品評会は、簡単な挨拶だけすませておこうか、そんな考えに落ち着いていた時だった。
「品評会の次は、『フリッグの舞踏会』かあ……」
 これも学院の行事であるが、ゼロのルイズと揶揄される少女にとっては、あまり心躍るものではなかった。
 舞踏会や社交界の経験は多少あるが、いずれにしても気持ちのいいものではなかった。
 優雅な見た目の裏で行われる駆け引きや陰湿な争い、そういうものを理解しにくい年齢の少女とはいえ、いや、だからなおさら、そこにある悪しきものを感じ取ってしまう。
 いくら美辞麗句を並べられようと、その奥にある『ゼロ』への蔑みを、無視することなどできなかった。
 といっても、ヴァリエールの娘として舞踏会に出ないわけには行かない、というか、これは一応とはいえ正式な学校の行事なのである。
 出席しないと成績にも響く。
「あーあ。……どうせ踊る相手もいないのにね」
 そうつぶやいていると、シャーリーがお茶を持って部屋にやってきた。
 これ自体はもはや日常となったことだが。
「ねえ、あなた、ダンスは出来る?」
 ティーカップを置いたシャーリーに、ルイズは何気なく尋ねた。
96ゼロの使い魔はメイド10 4/5:2009/10/04(日) 09:07:50 ID:8Vnzl2XW
 一瞬シャーリーは脅かされた子猫のような顔をしたが、
 ちょっとばかり時間を置いて、
「……いいえ」
 申し訳なさそうに言った。
「あっ……。べ、別に気にしなくっていいのよ。けど、シャーリーってば、裁縫でも掃除でも、何でもできるから、そういうのも得意なのかなって」
 ルイズは誤魔化すようにお茶を飲みながら、あはあはと笑う。
 しかし、カップが空になる頃、自分で話したことが、ある種の閃きとなった。
「ねえ、教えてあげようか?」
 ルイズはシャーリーを見上げて、にっこりと笑った。
「え?」
 その意図が理解できなかったのか、最初シャーリーは怪訝な顔をしただけだった。
 それと同時に、ルイズは立ち上がり、使い魔である少女の手を取った。
「踊れて、都合の悪いってことはないと思うわよ?」
 この日から、二人の……というか、シャーリーへのルイズのダンス指導が始まってしまったわけだ。
 自分より年下なのに、メイドの仕事も完璧で、物覚えも速いのに、控えめで慎ましいシャーリー。
 果たして、自分はそんな彼女の主人にふさわしいメイジというか、貴族であろうか?
 実は、そんな疑問がないわけではなかった。
 ハルケギニアの文字を教えてはいるが、これは彼女が遠方からの来訪者であるから仕方がない。
 乗馬を教えてもいるが、上達が早いというよりどの馬もシャーリーに対しては名馬になってしまうので、あんまり指導の意味がなかった。
 ろくに調教もしていないはずの若馬も、簡単に乗りこなせてしまう。
 動物に好かれやすいってレベルじゃねーぞ、という感じだ。
 シャーリー本人にあまり自覚がないのが、余計に変だったが。
 が、しかし。
 ここでルイズは発見する。
 そんなシャーリーに、自分が手に手を取って教えられるものがあった。
 物覚えのいいシャーリーだけに、ダンスの飲み込みも早かったが、貴族教育の一環として、幼少時からみっちりと仕込まれたルイズからすればまだまだ。
 わずか三日ですごく上達はしたものの、それもルイズのサポートあってのことだ。
 ちょっと優越感を覚えてしまったルイズだが、シャーリーもダンスをすごく喜んでくれているので、両者共にOK,OKだった。
 曲が終わり、ルイズとシャーリーが頭を下げた時、拍手が上がった。
 真っ先に手を叩いたのは、やはりモット伯であったりする。
「ええもん見せてもらうた!」
 とばかりに、号泣せんばかりである。
 そのせいで周りの人間にすっかり『なに、このオッサン……』と引かれているが、気づいていない。
 気づかないほうがいいのかもしれないが。
 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールとシャーリー・メディスン。
 二人の少女はお互いに微笑みあい、一礼をしてから舞台を降りた。
 それを真っ先に迎えたのは、キュルケだ。
 パチパチと惜しみない拍手をしながら。
「可愛かったわよ、お二人とも」
 賞賛の声に、シャーリーは頬を染めてうつむく。
「もお、いちいちそういう可愛い仕草しないの」
 キュルケはちょんとシャーリーの頬を指でつつく。
「ちょっと、やめなさいよ!」
 それを遮ろうとするルイズだが、
「いいじゃないの、ちょっとくらい! いつもこの子を独占してるんだから」
 キュルケは構うことなく、シャーリーの頭を抱えた。
 勢いで、そのボリューム満点のバストへ、少女の顔が埋め込まれる。
 シャーリーの顔が真っ赤に染まった。
「何が独占よ、やめなさいって言ってるの!」
 ルイズはシャーリーとは違う理由で顔を真っ赤にして、キュルケにつかみかからんばかりだ。
 コルベールの声が聞こえてきたのは、ルイズがシャーリーをキュルケから引き離した時である。
「最後は、イザベラ・ド・モリエール嬢……」
「それじゃ、いくとするかね」
 マリコルヌに持ってこさせた水を飲んでから、イザベラが立ち上がる。
 決して弱くないワインを一本空にしたのに、素面とまるで変わった様子がない。
「がんばってね、木枯らし」
「がんばるのは私じゃなくってモードよ、微熱」
 微笑む悪友に、イザベラはふふんと笑い返した。
 だが二人の笑みも、いきなり鳴り響いた轟音にかき消された。
97ゼロの使い魔はメイド10 5/5:2009/10/04(日) 09:10:32 ID:8Vnzl2XW
 シャーリーはいきなり周囲が薄暗くなり、そうこうするうちにとんでもない音が聞こえてきたので、びっくりして尻餅をついてしまった。
「ゴーレム!?」
 ルイズが上を見て狼狽していた。
 人間に似た形をした土の塊が、学院の塔を殴りつけている。
「な、なに、あれ…………?」
 シャーリーはあまりの異常事態に、怖いというより呆れたような気持ちでゴーレムを見上げていた。
 ゴーレムが殴りつけているのは、学院の本塔だ。
「何してるんだい、ありゃあ」
 他の生徒が逃げ惑っている中、イザベラは驚きながらも、楽しそうな顔だ。
「あそこは確か宝物庫があったはず。多分あそこを破って、宝を盗み出そうっていうんでしょうね。白昼堂々大したものだわ」
 横に並ぶキュルケは感心したような顔で言った。
 しかし、ルイズのほうはそうは言っていられない。
「シャーリー、逃げるのよ!!」
 ぱっとシャーリーの手を取って、駆け出していく。
「……ちょっと意外ね」
 それを見送りながら、キュルケは目を瞬かせる。
「てっきりゴーレムに失敗魔法でもぶつけるかと思ったのに」
「んなことしてりゃ、巻き添えであの使い魔メイドまで潰されかねないわね」
 イザベラはくすくすと笑い、
「状況的には正しい態度だわ。さて、私らもとっとと逃げますか」
「モードは?」
「あいつはでかすぎるし、かといってあんな馬鹿でかいゴーレムの相手なんざ無理だ。しかっし無駄にでかいな? 20〜30メイルはあるんじゃないの?」
 のん気なことを言いながら、青と赤の少女たちは全速力でその場から逃げ出していく。
 いやはや、学院は上に下への大騒ぎだ。
 巨大ゴーレムはそれを嘲笑うかのように塔を攻撃し、ついには壁に大穴を開けた。
 その腕を伝い、ローブに身を包んだ黒い影が宝物庫へと踊りこんだと思うと、何かを抱えて飛び出してきた。
 恐らくは、それが目的だったのだ。
 ゴーレムは体を反転させると、のっしのっしと壁を一跨ぎして、どこかへ行ってしまった。
 荒らされた宝物庫の中には、
『破壊の杖、確かに領収いたしました 土くれのフーケ』
 と、ふざけた一文が刻まれていた。

「ところで……結局あなたはモードに何させる気だったの?」
 ゴーレムが消え去り、まさに蜂の巣をつついたような騒ぎになっている学院内を見ながら、キュルケはイザベラに尋ねる。
「ああ、あいつの狩りの腕前をみていただこうと思ってね。オークを二、三匹取ってこさせてたのさ」
「……お流れになって正解だったわ。まさか生け捕りに?」
「さすがにそこまで器用なことはできないよ。ま、どっちにしろあいつの餌になるから、無駄にはならない」
「ハッキリ言って悪趣味」
「褒め言葉だよ、私にとっちゃね」
「それもそうね、ところで……」
「なにさ」
「あんた、ひょっとしてマリコルヌみたいなのが趣味なの?」
「あいつが豚なら食べちゃいたいほど大好きだったろうけど、生憎人間だからねー」


 ※
 以上で、投下終了です。
98名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 09:17:31 ID:JFYhifQw
マリコルヌ……生きろ
99借りてきた猫:2009/10/04(日) 09:40:26 ID:kRiDjS7e
メイドの人、乙です
あれからずっと書き続けてて今8話が書き終わりました
他に居なければ10:40頃に投下します
100借りてきた猫:2009/10/04(日) 09:41:47 ID:kRiDjS7e
間違えました、9:40です

…時間が過ぎてるので9:45にします
101名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 09:44:57 ID:ycOCTNyU
メイドの人乙です!マリコルヌは大抵どこでもよく訓練された豚なんだなあw
102借りてきた猫:2009/10/04(日) 09:45:16 ID:kRiDjS7e
 『破裂の大筒』奪還及びフーケ討伐の任を受けたギーシュとルイズは
 やや緊張した面持ちで学院長室を出……た所でキュルケに見つかった…
 「あら、お二人さんどうしたの?また学院長に叱られたの?
  そういえば昨夜フーケが出たんですってね?」
 「いや、僕らはこ「ええ、そうよキュルケ、昨日も騒ぎのあった宝物庫の近くで
  ギーシュと訓練してたからフーケ疑惑と注意を言われてたの、勿論そんな事は
  無いから弁解出来たけどね」…ルイズ…」
 ギーシュは小声でルイズに話しかける
 「どうしてキュルケに真相を黙っておくんだい?」
 「キュルケに本当の事を話したらきっと首を突っ込んでくるに決まってるわ…
  そうなったらトリステインは他の国の者の手助けが無いと解決出来なかった
  なんて言われるわ……」
 「ふむ……なるほど……」
 「それでお二人はこれから何所へ行く気なのかしら?もうすぐ授業よ?」
 「学院長の指示でこれからは訓練する為の場所の報告しなきゃいけないんだって
  ……これからミス・ロングビルに訓練してた場所の報告を兼ねて案内よ……」
 「隠れてこそこそやるからこんな面倒な事になったんでしょうに
  まぁ、自業自得よね……じゃ、わたし達は先に行ってるわ」
 「はいはい……行ってらっしゃい……」

 キュルケと別れルイズとギーシュ、それに案内役のロングビルは馬車に乗って
 ロングビルの調べた場所に向かう……のだが……
 「ミス・ロングビル、なぜ御者を自分で?
  手綱なんて付き人にやらせばいいではないですか」
 「いいのですよ、わたくしは貴族の名を無くした者ですから」
 「貴族の名を?でも貴女はオールド・オスマンの秘書なのでしょう?」
 「ええ、でも、オスマン氏は貴族や平民だということに、あまり拘らないお方です」
 「実力があれば身分、過去を問わず雇う…良い事ですね、参考にします……
  さて、ルイズ行き当たりばったりでフーケと戦うのは
  正直僕らではどうしようもない、ミス・ロングビルの実力はわからないが
  ドットレベル2名と言う足枷ではおそらくトライアングルのフーケには
  到底勝てないだろう…最もミス・ロングビルがスクエアなら可能だが…」
 「残念ながらわたしはラインなのですよ…」
 「ふむ……つまりこの3人の中で強いのはミス・ロングビルな訳だが
  それでもトライアングルには届かない、これは僕らでは真っ当に行ったら
  フーケに勝てない事を意味している……だから作戦を練って効果的に戦おう
  その為にはまずこうして……」
103借りてきた猫:2009/10/04(日) 09:46:15 ID:kRiDjS7e
 ギーシュが作戦提案をルイズと相談しながら行動を決めている中……
 ロングビルの膝の上にちゃっかり居るクロちゃんがロングビルに小声で話しかける
 「おねえさん……現地に着いたらちょっと2人ききりで話せるかな?」
 「なあに?甘えたいの?」
 「おねえさんの事だよ……」
 「……何の事でしょうか?」
 「今は言わない…聞かれたら大変だし…」
 「……と言う事でルイズは出来れば僕の援護で魔法を唱えてくれ
  昨日の爆発を見るにルイズがアレを煙幕もしくは攻撃として使えば
  かなりの効果が見込めると思う、フーケが出た時の足止めは
  僕のワルキューレに任せてくれ!」
 「ふむ……わかったわ」
 ここに来てギーシュがわたしを真っ当に評価してくれている事に気が付いた
 彼は先日こそわたしの事を『ゼロ』と言っていたが今は『ゼロ』ではなく自分と
 同格に見てくれている…少し前までは嫌な奴だと思っていたが……
 彼は自分でも出来る事を的確に指示をくれた…そうか!これが人の適材適所!

 そう作戦を練っている内に目的の小屋の近くに来た…
 「情報では、この小道の先にある廃屋で、黒ずくめのローブを纏った人影を
  見たそうですわ」
 「それじゃあ作戦通りに…」
 「あ、ルイズおねえさんごめん、ボクとロングビルおねえさんは周りの
  偵察に行くよ、奇襲を受けたらそれだけでもやられそうだし…」
 「む……その発想は無かったな、すまない失念していた…」
 「じゃあ行ってくるね」
 「クロちゃんも頑張ってね」
 ここで二手に別れた……今思えばもうちょっと警戒してれば良かったな……

 「さて……クロちゃんって言いましたね?話ってなんでしょう?」
 「ロングビルおねえさんがフーケだよね?」
 「何の事でしょう?わたしがフーケなどと…」
 「別に隠さなくても良いよ、他の人に知られない為に態々2人きりになったんだし」
 「わたしがフーケと言う証拠はあるのでしょうか?」
 「これはボクの感覚の事だけどまずおねえさんとフーケはまったく同じだね」
 「同じ……とは?」
 「Lvが同じ人は100分の1くらいだけど他のパラメーターまで同じ人は
  世界に3人居れば多い方だよ…そのくらいの確率なのにそこの部分も同じなんだ」
 「……」
 「それに…もっと言うと匂いだね…一応ボクって動物だから鼻は利くんだよね」
104借りてきた猫:2009/10/04(日) 09:47:27 ID:kRiDjS7e
 「……何が望みだい?金か名誉か?はん、あんた1人に捕まると思ってるのかい?」
 「お金も名誉も興味無い、1人でも捕まえられるけどその辺は実力行使だね」
 「ずいぶん、大きく出たじゃないか?あんたみたいな子猫にわたしが捕まる?
  捕まったらわたしは一生お笑い者だね」
 「ただね、それは捕まえる気だった時の話しだよね?言うけど
  ボクは捕まえる気は無いよ、ただ本音を聞きたいだけ」
 「本音?何の本音さ?」
 「どうしてアレを奪ったのかと理由と奪ってどうする気なのかって所…」
 「はん!決まってるじゃないか、あんな破壊力の有りそうな物
  売ってお金にするのさ!」
 「ああ、やっぱり…ここの人はアレを武器だと思ってるんだね…」
 「……どう言う意味だい?アレは武器じゃないのかい?」
 「アレは武器とはまったく逆の物だよ…使うには注意が必要だけど…
  それで…多分だけど使い方が知りたくてボクらを呼んだって見るけど違う?」
 「そうさ!使い方が解ればアレを上手く売れるからね!」
 「使い方も教えるし欲しければボクがおじいさんに言って貰う様にするから
  今日の所は何もしないでくれるかな?そうすれば学院もおねえさんも丸く
  収まるんだよね」
 「あんな厳重だった物をどうやってあのじじいから貰う気だい?」
 「貰えなかったらボクが持ってる分を挙げるよ」
 「……は?アンタ…アレを持ってるのかい?」
 「うん、何個か数えた事は無いけど持ってるよ、ホラ」
 「……それはあの場にあった物じゃないね……アンタの持ち物?」
 「うん、ボクがマスターに頼み事した時にお礼としてあげる物の1つだよ」
 「ア…ハ…ハ…苦労したのにそんな簡単に手に入るなんてね……」
 「あと、これは重要な事なんだけど……聞いてる?」
 「ああ……聞いてるよ……」
 「ボクはおねえさんにまだ学院に居てほしいんだ、だから捕まって欲しくない」
 「っ!?どう言う事だい?」
 「最初に会った時に言ったけどおねえさんはボクのマスターにそっくりなんだ
  だからおねえさんと会うとマスターの近くに居る気がしてボクは安心するんだ
  ボクの個人的な願望でおねえさんには居て欲しい」
 「はぁ〜……しょうがないね…またセクハラを受ける日々か……」
 「セクハラ?物によってはそれも助けようか?」
 「助けるって……そう言えばクロちゃんは猫だったね…じゃあ助けて貰えるか…
  実はさ…」

 その頃、フーケの邪魔の無いままルイズとギーシュは……
105借りてきた猫:2009/10/04(日) 09:48:11 ID:kRiDjS7e
 「……して、あれが例の小屋な訳だが…奇襲が有り得ると言う事は
  当然罠も有り得る訳だ、ルイズ、君は罠の知識は?」
 「そんなのある訳ないじゃない……ギーシュはどうなのよ……」
 「正直言って僕だって無い…つまり勇んで来たものの僕らでは罠が有ったら
  ひとたまりもないと言う事だ……だから怪しいと思った事は極力避けよう
  ミス・ロングビルが来るまで触れない事だ」
 「そうね、ここまで来て逆にやられましたじゃ本当に笑い者だわ…せめて
  フーケの詳しい情報とかを持って逃げれば話は別でしょうけど……」
 「では、手筈通りに僕のワルキューレで中に人が居ないかどうかを確かめる…
  同時に入口に罠が無いかも兼ねているが……中で何か反応があるか見ていてくれ」
 「了解……」
 そう言って1体のワルキューレを小屋の中に入れる……
 人が入ってるかの様にキョロキョロとしたかの様にしてみる……
 反応無し……どうやら中に誰も居ないのかまだ隠れて奇襲しようとしてるのか…
 見た所入口には罠は無い様だ……これでもうちょっと近付ける……
 慎重に、時に大胆に相手を燻り出す様にワルキューレを動かす…でも反応は無い
 ルイズとギーシュは気に為りながらも小屋に近付く……もし策士ならここで彼らを
 後ろから奇襲で倒していただろうが、残念ながらそんな事はなかった……
 「どう言う事だ?情報通りならここにフーケが居ると思ったのだが…」
 「まったく反応が無いわね……まさかもう逃げてた?」
 「かもしれないな、だが見ると埃がまだ積もっている…おそらく回収に戻ってない
  だけでまだ外に居る可能性も有る……居ないとは思わない方が良いだろう…」
 「ギーシュ……いつもと違って嫌に慎重ね…」
 「流石にこれは僕1人だけの問題じゃないからね、軽率な行動が問題をより大きく
  する事だってある…特に今はルイズ、君と行動だ…個人では無いから慎重になる
  先程は奇襲の可能性を考えて無かったが彼らのおかげで被害は最小限になってる
  可能性もある…ひょっとしたら今もフーケを足止めしてくれているかもしれない」
 文字通り今、現在進行形でクロちゃんがフーケを足止めと言うか説得をしています
 特にこれと言った罠も無く小屋の探索は進み…怪しいのはいかにも何かが
 入ってます的な袋だけになった……
 「流石に袋の中に罠を仕込む事も不可能ではないと思うが…怪しいので
  ミス・ロングビルに調査を頼もう…」
 結果、怪しい物を見つけ、フーケと思わしき人物も居なかった……
 2人でロングビルとクロちゃんを呼びに行きロングビルに罠の有無を調べて貰った
 「…どうやら罠は無い様ですね……」
 「そうでしたか…それで中身は?」
 「はい、盗まれた『破裂の大筒』ですね…」
 「フーケは見つからなかったけど……物は取り返したから良いのかな?」
 「あ〜、フーケと言えば……さっきボクとおねえさんで戦った人がそうなのかな?」
 「えっ?そっちにフーケが居たの?」
 「何か襲ってきた人が居たからボクとおねえさんで戦ってたんだけど…
  おねえさんが結構魔法を使っちゃって疲れてるんだ…」
 ロングビル-フーケ-は他の人に気が付かれない程度に驚いた…
106借りてきた猫:2009/10/04(日) 09:49:30 ID:kRiDjS7e
 「ああ、だからミス・ロングビルがそんなに元気が無いのですか…」
 「そ〜そ〜、でも捕まえるまでは流石に無理だったから逃がしちゃって〜」
 「しかし、トライアングル相手によく2人で無傷だったね…」
 「多少は怪我をしたけどボクが直したよ」
 「ああ、そう言えばクロちゃん治癒の魔法が使えたんだっけ…」
 「へぇ〜それは凄いな」
 こうして一行は危険がほぼ無く『破裂の大筒』の奪還に成功した……


 「と、言う訳で『破裂の大筒』を取り返しました、オールド・オスマン」
 其々の行動をオスマンに報告する…
 「ふむ、2人とも御苦労じゃったな、無事で何よりじゃ、ミス・ロングビルも
  御苦労じゃった、今月の給金は特別手当を付けておこう」
 「ありがとうございます」
 「フーケを捕まえられ無かったのは残念じゃが物は戻ってきたんじゃ
  それはそれで良しじゃ、幸いみな生きて帰ってきておるし
  さて、今夜は『フリッグの舞踏会』を予定通り行うぞい」
 舞踏会と聞いて顔を輝かせた2人は、オスマンに礼をして出て行った……
 クロちゃんを残して…
 「どうしたんじゃ、クロちゃん?」
 「あの『破裂の大筒』って言うのの事だけど……アレ半分くらいくれないかな?」
 「あれをどうする気かね?」
 それまで微笑んでいた表情から一変して真面目な顔になるオスマン
 「多分だけどおじいさんもアレの使い方を知らないんだよね?」
 「…クロちゃんは知っておるのか?」
 「知ってるよ、オマケにアレは武器なんて物じゃないよ」
 「なんじゃと?」
 「どうやって手に入れたかは知らないけどアレは武器なんて物じゃないよ
  作られた目的は武器とは正反対な物だよ…」
 危険度は変わらないけど…と続ける
 「アレを使いたいから半分だけ欲しい…それじゃダメかな?」
 「ふむ……しょうがないわい…後でわしにも使い方を教えてくれよ」
 「うん、わかった……あ、あとお願いなんだけど…今晩はロングビルおねえさんの
  人手を借りて良い?」
 「夜はわたしの管轄では無いな、ミス・ロングビル…良いかね?」
 「何をするのかは知らないですが手伝って欲しいと言うなら手伝いましょう」


 クロちゃんはアレを受け取れると知るとすっごく笑顔になっていた……
107名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 09:52:10 ID:wCblqn7G
ねぇねぇ、その小学生みたいな文章はなんとかならんの?
108借りてきた猫:2009/10/04(日) 09:52:35 ID:kRiDjS7e
これで投下終了です

マチルダさんはクロちゃんのマスターに似ているので戦闘を避けてみました
…まぁ若干マチルダさんの方が年上ですけどね…
109名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 10:22:25 ID:lW9JD54u
『……』使いすぎだね
句読点の代わりに使ってんのか? って思うくらい使ってるな
110名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 10:29:02 ID:Qzc6dPKQ
シャーリーの人乙&GJ。
マルコメww生`
あとイザベラwそれやってたらとんでもないことにw(グロ的な意味で)
111名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 10:34:39 ID:uFBANkPx
シャーリーの人乙でした!
久しぶりに最初から読んでたら続きが更新されてビックリしたw
112名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 11:06:40 ID:M75dGq52
>>54
しかし遅レスだが、こっちの世界にもゴッドハンドの連中は自在に来れるってことだよな
ということは髑髏の騎士もその内出てくるな
113名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 11:33:14 ID:vCORMlVR
単行本未収録のベルセルク83話的に
深淵の神=人間たちが信じている精神的なもの
な、訳だからゴッドハンドはゴッドハンドでもハルケギニアゴッドハンドじゃね?
114名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 11:40:54 ID:5CxVcjJT
まとめページ一通り見てみたら…
まだ「ジョジョの奇妙な冒険」のキャラが珍しく出ていない!
第何部のキャラを出すかが要点だ
115名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 11:41:49 ID:nzpr6Ukf
ジョジョは専用スレがあるからそこで投下されている
興味わいたら見てみるといい
116114:2009/10/04(日) 11:43:51 ID:5CxVcjJT
>>115
確認不足スマソ(・ω・)
117名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 11:48:55 ID:9FPKs3Cm
>>114
他所に専用スレがあるからな
118名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 11:51:37 ID:AUtOIre6
ヒャッハー!聖帝様が仕上がったぁ〜〜〜!

おい、お前。投下の時間を言ってみろ。
12:00←
17:00←
24:00←

前スレで北斗あったけど、あれねぇ……
最初、レイで進めてたんだけど、これケンシロウとかレイの方が圧倒的に難しい事に気付いて詰んだ。
悪党居ないから受動的になって、話の大筋変わらないし、終わりが見えない。
ユダ様はやったから、退かぬ繋がりで自重しない聖帝様だよ!
119名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 11:58:28 ID:nzpr6Ukf
良くも悪くも聖帝様は積極的なのか、なるほど
120名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 11:59:13 ID:M75dGq52
せいていは事を仕損じる
121名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 12:01:31 ID:EAbNWtTH
【審議中】>>120
        ♪      ∧,, ∧            ♪
♪          ∧,, ∧ ・ω・)
         ∧,, ∧ ・ω・)   )
    ♪∧,, ∧ ・ω・)   )っ__フ   ♪    ∧,, ∧
  ∧,, ∧ ・ω・)   )っ__フ(_/ 彡    .∧,, ∧    )
 ( ・ω・)   )っ__フ(_/彡    ∧,, ∧    )   )
 (っ  )っ__フ(_/彡    .∧,, ∧    )   ) Οノ
  ( __フ(_/彡   ∧,, ∧    )   ) Οノ ヽ_)
   (_/彡      (    )   ) Οノ 'ヽ_)
            (    )  Οノ 'ヽ_)
           (ゝ. Οノ 'ヽ_)      ♪
     ♪    ミ  ヽ_
122名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 12:03:21 ID:wV7N90Pe
>>118
任せる。IDがAUtOIre6だから
123名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 12:05:11 ID:ysr2YdrI
それでも…それでもっ!!レイ召喚が見たかった!!
早めの投下よろしくお願いしますだ、聖帝様ぁ
124帝王(貴族)に逃走はない(のよ)!:2009/10/04(日) 12:07:04 ID:AUtOIre6
>>122
俺は嘘が大嫌ぇなんだぁ〜〜〜!

えぐれさんが好きです。でも魔法戦士はもっと好きです。

トリスタニアで聖帝様が大変お楽しみされている頃

時は6XXX年
頭部は核の炎に包まれた!
頭皮は裂け、毛穴は枯れ、あらゆる毛根が絶滅したかのように見えた……!
だが、毛髪は絶滅していなかった!!

「……やれやれ、これでよし」
そんな世紀末の荒野を体言したかのような頭の持ち主であるコルベールが鉄の巨大な扉を閉めながらようやく一息付く。
その扉の先は、宝物とガラクタが入り混じった、まさに玉石混交という言葉が最も似合うであろう学院の宝物庫。
そこにまた一つ何か保管すべき物が増えたのかと聞かれると、正しくもあるし間違いでもある。

「これを宝物庫に入れているところなど、ここだけでしょうな」
少し疲れたような声で扉に閂をかけ、鍵を使い錠前を閉める。
単純にハルケギニアにおいても一つしかないような秘法を収めたかのように聞こえるが、実際はその斜め上。

物ではないが保管が必要。
コルベールが運んできたものは、物ではなく者。
南斗鳳凰拳先代伝承者オウガイの遺体である。

最初はコルベールの研究室に安置してあったのだが、研究室というだけあって様々な薬品などがあり、常に異臭が漂っている。
もちろんコルベールはその遺体がサウザーがこの世で唯一愛し敬った師である事は知らない。
知ってたらもっと早く移している。

木乃伊化しているとはいえ、本来はそういったものを保管するには不適切で
さらにコルベール自身も実験もできないのでオスマンに頼み込んで宝物庫を使わせてもらう許可が降りたのが今日。
まぁ、実際はオスマンが寝ててド忘れしたというのが遅れた原因なのだが。

他にも場所が無いというわけではないが、モノがモノだけに人目に触れない場所である事と、長期保存が可能という事でやはりここが最適な環境だ。
スクウェアメイジ何人も集まって設計し、さらに固定化までかけられた宝物庫の分厚い壁なら巨大なゴーレムの力を以ってしても壊す事は難しく
後は遺体にも固定化をかけておけば朽ちることは無い。
当然固定化も万能ではなく物理的な力には意味を成さず、鼠にでもかじられれば事だが、そこは学院長の使い魔でもあるモートソグニルが仕切っているらしい。
主人に似ずよく働く使い魔である。
125帝王(貴族)に逃走はない(のよ)!:2009/10/04(日) 12:09:01 ID:AUtOIre6
閂をしてから錠前の鍵を閉めるとそれにしても、とコルベールが顔をしかめた。
宝物庫の中には様々な宝がある。
価値の有無などはこの際別にしておくとして、その中に一つだけ異質な物が存在していた。

『炎の杖』
どのような経緯で手に入れたかは知らないが、平民だろうと火のスクウェアメイジにも勝るとも劣らない炎を出す事が出来ると言われているマジックアイテム。
それだけならさして気にも止めはしない。
ただ、炎の杖からあの人の焼けた臭いが微かに伝わってくるのがどうにも気に入らない。
あれは間違いなく人を焼いた事がある。

二十年前に置いてきたはずの経験から、漠然とした思いでそう判断すると階段を上がってくる音に気付いた。
「おや、ミス・ロングビル。こんな場所で奇遇ですな。宝物庫にご用ですかな?」
さっきの緊張感はどこへやら。
上がってくるのがロングビルだと分かった瞬間、かっこいい禿から間の抜けたハゲへと大変貌。
その変わりっぷりは初期と後期のアミバぐらいの差があった。

「ええ、ミスタ・コルーベール。宝物庫の目録を作りたいのですが……オールド・オスマンはご就寝中なのです」
愛想のいい笑みを浮かべられてコルベールのテンションが一気に上がる。
なにせ、ロングビルと言えば、知的かつ物静かで男性教師の間では評判の美人。
当然、コルベールも例外ではなく、食事にでも誘ってしまおうと考えたりもしていたりする。
ロングビルが学院に来てまだ二ヶ月ぐらいという事も手伝って誘う機会は無かったが、今が絶好の機会。

「なるほど、ご就寝中ですか。あのジジ……オールド・オスマンは、寝ると起きませんからな。
  それより、ミス・ロングビル。その、よろしかったらなんですが……夕食をご一緒にいかがですかな?」
「そうですね……特に予定はありませんし、喜んでお付き合いしますわ。
  それにしても、この宝物庫は立派な作りですわ。あれではどんなメイジを連れてきても、開けるのは不可能でしょうね」
「そうでしょうなぁ。スクウェアクラスのメイジが何人も集まって、あらゆる呪文に対抗できるように設計したそうですから、並みの錬金では歯が立たないでしょう」
自分の申し出があっさりと受けられた事に気をよくしたのか、コルベールが間髪入れず多少自慢気に説明をした。
もちろん、設計に関わっていたわけではないが、女性に対して免疫を持たない彼がこんな状況で落ち着いていられるはずもなくテンパっているのである。
126帝王(貴族)に逃走はない(のよ)!:2009/10/04(日) 12:10:04 ID:AUtOIre6
「ほんとにミスタ・コルベールは物知りでいらっしゃる。
ミスタのお傍にいられる女性は、幸せでしょうね。だって、誰も知らないような事をたくさん教えてくれるんですから……」
少々上目遣いにコルベールを見つめるロングビル。
「か、からかってはいけませんぞ!い、いや……研究一筋といいますか、
  暇にあかせて書物ばかり読んでいるような毎日でして。はは、おかげで、この年になっても独身なのですよ、はい」
その効果は絶大で、聖帝様に槍を放たれたシュウの如し。
神が一つだけ願いを叶えてくれたと、横にロングビルが居なければ涙が出ているところ。
色んなゲージが世紀末といったところで、具体的に言うと、二ラウンド目、オーラゲージ240%、ブーストゲージ150%で画面端の赤いジャギ様。
魔法の数字は27。今にも部活動開始と言わんばかりに興奮していらっしゃる次第だった。

「と、ところで、ミス・ロングビルは『フリッグの舞踏会』はご存知ですかな?」
ここまできたら、バスケ開始と言わんばかりに行き着くとこまで行ってしまおうとコルベールが真顔になってロングビルに向き直った。
「は、はぁ。なんですの?それは」
「その、なんてことはない、ただのパーティなんです。ただ、ここで一緒に踊ったカップルは
  結ばれるとかなんとかいう伝説がありましてな!それで……その、よろしければ、私と踊りませんかと、そういう、はい。いや、嫌なら結構なんですが……」
額の汗を拭きながらしどろもどろになんとか言い切ると、ロングビルはにっこりと笑って言った。
「喜んで。その舞踏会も素敵ですが、それよりもっと宝物庫の事について知りたいわ。魔法の品々にとても興味がありますの」
喜んでという言葉を聞いてコルベールの心臓が激心孔でも突かれたかのように動き始めた。
フリッグの舞踏会の事をそこまで説明して申し出を受けるという事は、プロポーズを受けたも同然である。
はっきり言って、本来、四十過ぎて独身の頭の薄いうだつの上がらない中堅教師なんぞが一緒に踊ってくれるはずもない程の相手なだけに
コルベール自身は駄目元で言ってみただけなのだが、これが成功。難度五%のバスケを超ガソでフィニッシュしたような気分にもなる。

宝物庫とロングビルの気を引きそうな話題を語り尽くしたところで、ようやく宝物庫の鍵を持っている事を思い出し、『たわば!』したのが一時間半後だった。


127帝王(貴族)に逃走はない(のよ)!:2009/10/04(日) 12:11:35 ID:AUtOIre6
トリスタニアを出るのが日が沈んでいる頃だったので、風竜の上の聖帝様ご一行が学院を視認出来る頃にはもうすっかり日が落ちていた。
民家も無く電気も無い世界ではあるが、幸いというか二つの月が地上を照らしているので夜でも完全な闇になるという事は珍しい。
とはいえ、今日はその珍しい日らしく薄闇先に学院の光が見える程度。

それぞれが今、考えている事は、ルイズの頭の中はモット伯と鉢合わせになった時どうしようという考えで一杯で
キュルケはキュルケで今夜の相手は誰にしようかとか考えていたり、タバサは何を考えているか分からなかったりする。
そして肝心の聖帝様であるが、その思考は至って簡潔。
YouはShockという歌にもあるように、邪魔する奴は指先一つでダウンってやつである。

風竜が学院に近付くと、本塔がある中庭で土が盛り上がってあっという間に巨大な人型が出来上がった。
「なにあれ!?土のゴーレムじゃない!」
土とはいえ、その大きさはギーシュのワルキューレとは比べ物にならない。
それを見てサウザーが「ほう」と呟く。
存外使える奴も居たものだ。とやっぱり他の三人とはその考えはズレている。

「あのゴーレムが現れたあたりって……確か宝物庫よね」
「土くれのフーケ。街で噂になってた」
トリステインの貴族ばかりを狙う神出鬼没の大怪盗。それが土くれのフーケと呼ばれるメイジの盗賊だった。
その手段は様々で、三十メイルあまりの巨大なゴーレムを使い壁や屋敷を破壊するという手口からも、あれがフーケであるという事は三人には認識できる。
そうなれば当然その目的が学院の宝物庫であるという事も。
「それって学院の宝物庫を狙ってるって事じゃない!と、止めなきゃ!」
まずルイズが率先して、そう提案した。
が、当然と言うべきか、サウザーは器用に風竜の背びれに肘を付いた何時もの姿勢で、ごく当たり前のように言った。
「知らぬな。お前達の国ではどうかは知らぬが、俺の国では力こそが正義。それ程大事な物であれば、まず自分の力で守ってみたらどうだ」
「はぁ!?あんた、この前力貸すって言ったじゃない!!」
サウザーにとって学院の宝物庫なぞどうでもよく興味も無い。
盗まれるのは盗まれた方が間抜けだからで、奪われるのは力を持たぬ方が悪い。
力を貸すとは言ったが、まずは人に頼らず自分の手で掴み取ってみろ、という事である。

「俺を従えさせたいのであれば、あの程度の相手に遅れをとる事はなかろうしな」
あのゴーレムにルイズをぶつけて、現段階でどの程度の力を持っているか測ろうとしているのもある。
もちろん、その言葉の裏には土人形如きこの俺の相手ではない、という意味が含まれているが。
風竜がいれば少なくとも無様に潰されるような事はないし、あの土人形(デク)相手でも互角に渡り合えるだろうというのがサウザーの見立てだ。
128帝王(貴族)に逃走はない(のよ)!:2009/10/04(日) 12:12:47 ID:AUtOIre6
それを知ったこっちゃないルイズはというと、サウザーの言い方に琴線に触れられたのか、まんまと乗ってしまっている。
「ああ、当たり前じゃない!わたしが盗賊なんかに遅れをとるもんですか!」
「お前達も足掻いてみるがいい。今のままでは俺に腕一本しか使わせる事しかできぬぞ?」
「冗談抜きで腕の一本も使ってないんだから余計自信無くすわね……」
完全に諦めたような口調でキュルケが杖を取り出すと眼下のゴーレムを見つめる。
ゴーレムは巨体だが、動きそのものは重鈍で、こちらは機動力に富むタバサの風竜がある。
なによりここ数日はゴーレム以上の化物とやり合っているため、自然その事が三人に冷静さを保たせていた。

「では、俺は下で見物させてもらおう。つまらぬ結果にならぬよう期待しているぞ。くははははははは!」
「下って……まさか……!?」
三人が声を出した頃には俺はお前の拳法では死なん!とばかりに聖帝様が地面へとダイビングを開始。
死兆星が頭上に輝いていたり、北斗十字斬を食らったわけでもないので空中で一回転して地面に着地した。
フライもレビテーションも使わずに平然と飛び降りるあたり、文字どおり桁が違うという事である。
「……あたし、この先ちょっとやそっとの事じゃ驚かないって自信あるわ」
「同感」
エア・カッターの比ではない刃を飛ばし素手で青銅を切り裂く。
そんな世紀末の片鱗を垣間見れば、多少の事では動じなくなるというのは自然の道理。
おまけにサウザー自身は特に否定もしていないため、三人の頭の中では今まで本や人づてでしか知り得なかった
ロバ・アルカイリエという東の地域がCrazyTimeを生きるToughなBoy達が群れをなす修羅の国へと書き換えられていく。

「ま……早いとこ終わらせちゃいましょ。ゴーレムは無理でも、フーケ本人ならあたし達でもなんとかなるわ」
土のゴーレムは周りに土があるなら生半可な攻撃ではすぐに再生される。
炎球を飛ばしたところで崩れ落とせるだけの火力は無く、竜巻を以ってしても吹き飛ぶ事は無い。
ただし、そのゴーレムの肩に乗っている術者本人はそうはいかない。
考える事は同じなようで、三人が同時に杖をフーケに向けた。

129名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 12:13:42 ID:wV7N90Pe
>>124
うはwwwwwばれたwwwwwwwwwwww
支援
130帝王(貴族)に逃走はない(のよ)!:2009/10/04(日) 12:17:25 ID:AUtOIre6
「さて……」
地面に降りたサウザーが少しだけ歩くと落ちていた石を拾うとそれを投げる。
「鼠が一匹隠れているようだが、いかに気配を消そうともこの俺の前では無駄な事よ」
石が植え込みを突き抜ける音がすると、そこから人の声が返ってきた。
「ど、どうしてわたくしが居ると分かったのですか?この暗闇の中こんなにも正確に……」
「下手な芝居はよせ。ロングビル……いや、土くれだったか?あの土人形で目を惹きつけ、その隙に逃げる算段か。俺でなければ成功していただろうが残念だったな」
そう言われると、植え込みからがさがさという音がしてフードを被った女が現れた。
「……はぁ、わたしも年貢の納め時ってやつかね。煮るなり焼くなり好きにしなよ」
その声はまぎれもなく、ロングビルのものだ。
両手を広げて敵意の無い事を示しているが、頭の中ではどうにかして油断させその隙を付いて逃げようと考えている。

しかし、どう考えても活路が見出せない。
一見して隙だらけに見え思わず杖を手にしたくなるが
長年盗賊として培ってきた危険察知能力が下手に動けば取り押さえられるどころか殺されかねないという事を告げている。
「……降参。なにもしないから、あの坊やのゴーレムみたいにされるのはご免被るわ」
どう足掻いても逃げられないと悟ったのか、下唇を噛み顔を青ざめさせるとその場に座り込んだ。
ただ、この場で逃げる事を諦めるだけで、逃げるという事自体を諦めたわけではない。
目の前の男からは逃げる事などできないだろうが、他の場所ならまだいくらかのチャンスはある。
チェルノボーグの監獄にぶち込まれるまでが勝負だと決意を決めたが、生殺与奪を握っている男からは予想もしなかった言葉が飛び出てきた。
「言ったはずだ。俺の障害にならねば貴様がどうしようが、この俺の知った事ではない。それになぜ聖帝である俺自らが鼠の退治などせねばならぬのだ?」
見下した笑みを浮かべフーケの事を鼠と言い放つ。
宝物庫を食料庫に見立てるなら、盗賊という物も食料をかじる鼠と同じというところだ。
そんな事は番人か猫にでもやらせておけばいい。

「……鼠呼ばわりされるのは気に食わないけど、見逃してくれるってんなら好きに呼びなよ」
軽く悪態を付くものの、相手に捕まえる気が無い事が分かり、心底安堵した。
残してきた子達の為にも捕まるわけにはいかず、そうならないのならどう呼ばれようが些細なことだ。
そうと決まればさっさとお宝を持って学院から去ろうと隠しておいた炎の杖を背負うと、ほんの少しだけ驚いたような感じのサウザーに呼び止められた。
「ほう……貴様、それをどうした?」
「それって……この炎の杖かい?そりゃあ宝物庫の中に入ってたのさ。なんでもこれ一つでスクウェアメイジ並の炎が出せるってね。好事家に高く売れそうじゃない」
なるほど。確かにそう言われればそうとも言える。
「ふっ……ふふ……ふははははははは!」
突如高笑いを始めたサウザーを見てフーケが身構える。
ただ、今回ばかりは特に他意は無い。
「くっはっはっはは。よかろう!その杖、貴様にくれてやる。元々俺の物だ。誰にも文句は言わせぬ」
炎の杖と呼ばれた物が、馴染み深くよく知っていたものだからだ。

杖の先から迸る炎は人間などあっという間に焼き殺す。
その光景を見て人々は恐ろしいと額を地にこすり付け、暴風という名の軍団が通り過ぎるのをただひたすらに待つ。
平伏す人々の間を進むのは極星・南斗十字星を旗印としたバイク軍団。
ハルケギニアで言う炎の杖を手にするのはサングラスを装備したモヒカン達。
そして彼らは汚物を見た時にはサングラスを輝かせ決まってこう叫ぶ。

*汚物は消毒だーーー!!

131名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 12:18:09 ID:b5r1AZlH
コルベールおまえ何つーモノを…支援
132名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 12:25:18 ID:M75dGq52
まあ何となく想像はついてたwww
133帝王(貴族)に逃走はない(のよ)!:2009/10/04(日) 12:26:44 ID:AUtOIre6

この炎の杖は聖帝正規軍で使用されていた火炎放射器だ。
小さく聖帝軍のマークが入っている事から見間違えはしない。
まだ燃料が入っているかどうかまでは知らないが、案外この世界と世紀末は近いところにあるのかもしれない。

「それじゃあ、使い方も知ってるって事?それじゃあ、もののついでに教えてくると有難いんだけど」
「ふっ……この俺を前にして抜け抜けと言う。まぁいい、教えてやってもよいが、貴様には一つ働いてもらわねばならん」
「働くって……ここで何を?」
「あの三人。その土人形で構わぬ。奴らの相手をしろ」
月から雲が晴れた空を指差すと、その先には風竜がゴーレムの頭の上を飛んでいるところだ。
「相手しろって、いいの?万が一墜としても」
「構わぬ。貴様、腕前はトライアングルだったな?ならば、無様に敗れるような事はあるまい」
トライアングルが二人に、未知数のゼロが一人。
ルイズの爆発の威力が真に拳王の一撃と同じならば、あの土人形とてただでは済まない。

「はぁ、盗賊に主を襲わせる使い魔なんて聞いたこと無い……って契約してなかったっけ。わかったよ」
呆れながらもフーケが杖を握ると、今まで動きの鈍かったゴーレムの動きが鈍いなりにも風竜を叩き落そうと腕を振り回し始めた。
避けた先からは炎が伸びてもゴーレムの一部を燃やすだけで一向に意に介さず腕を振り上げる。
「いくらここの連中が普段からサイレントかけてるって言ってもそろそろ出てくるだろうから、厄介な事になる前に終わらせて欲しいね」
フーケがゴーレムを出してから五分あまり。
いくら夜とはいえ、まだ寝るには早く、振動も出るから気付かれる頃合だ。
学生連中はゴーレムにビビって出てこないというだけのもあるが、教師達は皆トライアングルクラスなのである。

そうしていると、魔法が放たれたのか、ゴーレムの後ろにあった壁。
丁度、宝物庫があるあたりの壁が爆発した。
ルイズがゴーレムを狙ったらしいが、旋回する風竜から呪文を唱えたため狙いが反れたらしい。
壁にひびが入ったのはここからでも見て取れた。

「ふむ……壁一つ壊せぬか。俺としたことが、いささか過大評価をしていたか」
たかだが、石の壁一つ崩せぬようでは拳王とは比べ物にならぬ。
ルイズに対する評価を改めようとしたが、隣に居るフーケは心底驚いていた。
「あの壁にひびを入れただって?あそこの壁はわたしのゴーレムでもひび一つ入れられないってのに!」
一度下調べであそこの壁の強度を測り己のゴーレムの力でも破壊は不可能と判断したのだから当然の事だ。
おまけに固定化がかかっているのだから、あの爆発が錬金だったとしてもひびが入るという事は一切無いはずだった。

「貴様の土人形でもひびを入れぬ事ができぬだと?よかろう、試してみろ」
それ程までに強靭な壁だというならば、やはり奴の魔法は別格という事になる。
有無を言わさぬ声で試してみろと言われ、フーケがゴーレムに呪文を唱えるとその拳が鋼鉄へと変わる。
そして振りかぶると、拳をひびの入った壁の横へと叩き付けた。

「ほう……確かに、今の一撃でもひび一つ入らぬとは大した物だ」
ゆっくりとゴーレムが拳を壁から離すが、ひび一つ入っていない。
もっとも、ひびが入った壁は拳がぶつかった衝撃で鈍い音がして崩れ落ちてしまったが。
ルイズ本人が未熟な事を差し引いてもあの爆発が異様な事ぐらいはサウザーでも理解できる。
少なくとも、その才はトライアングル以上である事が確認できただけでも良しとせねばと思ったところで、崩れ落ちた壁の先に彼がよく知る人物が見えた。
134帝王(貴族)に逃走はない(のよ)!:2009/10/04(日) 12:28:36 ID:AUtOIre6
「あれは……!」
その姿は決して見紛う筈もなく、忘れるはずもない。
まるで聖帝十字陵の聖室に鎮座しているかのように、師オウガイの遺体が月明かりに照らされていた。
今までオウガイも一緒に召喚されたなど思ってもおらず
崩れ落ちる聖帝十字陵の中に埋まってしまったかもしれないという事が気掛かりだっただけに、思わぬ誤算だった。

「で、もう一回試してみる?」
そんな事など知らないフーケがもう一回やるかと聞いてきた。
「ならぬ。本来なら、我が師オウガイの遺体を傷付けようとした罪、万死に値する。が、そうせねば俺が気付かなかった。よって罪には問わぬ」
自分でやれと言ったくせに随分な言い方である。
差し引きゼロだからよかったものの、万が一あの遺体が傷付いていたらと思うとゾッとする。
かなり複雑な心境のフーケだったが、わらわらとこの中庭に人が集まり始めた事に気付いた。
どうするのかと、フーケが問いたそうとすると、尋常でない悪寒に襲われてその場にへたり込んでしまった。

「ちょうど良い。貴様にも、あの小娘にも今回の礼に良いものを見せてやろう」
そう言うと、少しざわつき始めた中庭によく通る呼吸音が聞こえ始める。
呼吸音が深まるにつれフーケの目にはサウザーの身体がうっすらと光っているように見えた。

南斗鳳凰拳
奥 義
『鳳 凰 呼 闘 塊 天』

サウザーの身体が光っているように見えるのは、その身に纏う闘気。
呼吸法により肉体の潜在能力を極限まで引き出す奥義は、なにも北斗神拳に限ったものではない。
北斗と南斗は表裏一体。北斗に天龍呼吸法があれば、南斗に鳳凰呼闘塊天があり。

「はぁ!」
ゴーレムの胴目掛けサウザーが飛び蹴りを放った。
巨大なゴーレムと、長身とは言え人の身でしかないサウザーでは蟻と象のようにも見えるが、象すら相手ではない。
サウザーの脚がゴーレムに触れると、その足先が少しめり込む。
飛び蹴りで跳ぶ高さではない事は置いておくとしても、分厚い土の壁にめり込むだけで終わるはずだった。

「しぇぇぇらぁぁぁぁぁ!」
ボンッ!というルイズが起こした爆発のような音が中庭に響くと
ゴーレムの背中から大量の土砂が散弾銃の如く飛び出し、石が壁にぶつかり土の塊が窓ガラスをぶち破る。
正面は人一人が通るような小さな穴しか開いて居ない。
だが、背中はそれこそ大穴と呼ぶに相応しい穴がぽっかりと口を空けていて、そこからサウザーが姿を見せ地面へと着地し
巨大な穴を穿たれたゴーレムはというと、再生の限界を超えたのかボロボロと崩れ落ち、土の塊へと還っていった。

「南斗聖拳は、地上のどんな物質をも力で打ち砕く。例えダイヤだろうと、俺の前では小石に等しい」
「じょ、冗談じゃないよ……こ、これじゃあ……」

――素手で火竜を殺すって事も嘘じゃない。

土とはいえ、魔力で固められているはずのゴーレムを飛び蹴りのたったの一発で破壊した事に、いよいよ以ってあの与太話が現実味を帯びてきた。
なんとかして立ち上がろうとしたが力が入らない。
サウザーの闘気を間近で浴びた事と、切り札だったゴーレムが一発で粉砕された事で腰が抜けてしまったのだ。
135帝王(貴族)に逃走はない(のよ)!:2009/10/04(日) 12:31:14 ID:AUtOIre6
畜生ーーーー!塊天テロップが盛大にズレたァーーーーー!!


そうこうしていると、ゴーレムが崩れた事を見て、上から風竜が中庭へ降りてきた。
もっとも、背中に乗っている三人は目を丸くしているが。
「……今、ゴーレムが凄い勢いで吹っ飛んだとこに、あんたが飛び出てきたんだけど……見間違いじゃないわよね?」
くちなし動物と化していたルイズがようやく口を開くものの、さっき、ちょっとやそっとじゃ驚かないという事に同意したばかりだが、即日撤回である。
「そう見えなかったのであれば、貴様の目は役立たずという事だ」
半分ぐらい嘘であって欲しいという質問をあっさりと肯定する。
三人が三人とも、何があってもロバ・アルカイリエには近付かない決心を固めると、キュルケが腰を抜かしているフーケと背負っている物に気付いた。
「ミス・ロングビル、こんなところで何を。それに、それって……炎の杖じゃありませんか?」
「炎の杖って、宝物庫にあるはずじゃないの?」
「あたし、宝物庫を見学した時に見たことあるの。間違いなく炎の杖よ」
どういう事かしら、と疑問符が浮かんだ所にオスマンと頭に包帯巻いたコルベールが現れた。
「それは、彼女が土くれのフーケだからじゃな」
「オールド・オスマン。ミス・ロングビルがフーケって、ほ、本当ですか!?」
「うむ。宝物庫の中にはしっかりと『炎の杖、確かに領収いたしました。土くれのフーケ』
  というサインが残っておったし、宝物庫に侵入された事については、ミスタ・コルベールが一番よく知っとるからのぉ」
「は、はい。わたしが宝物庫の鍵を閉めて出てきたところを襲われ鍵を奪われまして……いや、本当にお恥ずかしい」
恐縮した様子で説明をするコルベールだが、色仕掛け食らって完全に油断していたという事は言わないし言えない。
幸いフーケは半ば放心状態で、そんな都合のいい説明を聞いてなかったというのも天はコルベールに味方している。
ようやく正気を取り戻した時には完全に包囲され脱出など到底不可能な状況に陥ってしまっていた。

「……まったく、とんだ計算外だよ。こんな化物って分かってたなら盗みになんか入らなかったのにさ」
サウザーは見逃すと言っていたが、こうなってしまっては手の打ちようが無い。
せいぜい愚痴をこぼす事ぐらいしかできず、さっさと逃げてればよかったと悔いるのみ。
「でも、確かにゴーレムの上には人影が……」
「わたしを誰だと思ってるのさ。土くれのフーケ。人の形をした人形を作るなんて事は造作もないよ」
要は自分たちはまんまと騙されていたという事で、サウザーの近くで腰を抜かしていた事から、サウザーも最初から知っていたという事に気付いた。
でも、追求しない。してもどうせ無駄だし、なによち飛び蹴り一発でゴーレムを粉砕したという事実から目を反らしたい。

「騒々しい。一体何事ですかな?オールド・オスマン」
かなりgdgdな雰囲気になってきていると、先ごろサウザーにボロ雑巾にされた人がその場に姿を見せた。
「おや、モット伯。傷の方はもうよろしいのですかな?」
「おかげ様で……それより何事ですか?」
「例の土くれのフーケを捕まえたところでな」
「ほう、それは素晴らしい」
さて、モット伯と聞いて今度はルイズが頭を抱える番になった。
自重しない。この使い魔は実に自重しない。
さらに状況を悪化させそうで見てられないのだ。
そうなる前にサウザーをモット伯の視界から動かそうとしたが、それより先に絹を切り裂くような悲鳴がした。
手遅れである。
136帝王(貴族)に逃走はない(のよ)!:2009/10/04(日) 12:33:32 ID:AUtOIre6
「ひぃぃぃ!どど、どうしてここに!」
「うん?貴様か。この俺を前にして一度ならず二度までも不快な姿を見せるとはどういう了見だ」
二度目の会合から僅か一秒。
あっという間に腰砕けが一人増え、這いずるようにサウザーから逃げ出した。
「えうっ!トワッタ!ワヒィィ!」
よく分からない悲鳴を上げ始めたが、人間真に恐怖した時はそういうもんである。ジャギ様の素顔を見た時とか。
「ふむ。やはり使えんな」
いくら一度叩きのめされた相手とは言え、このように無様に逃げ出すようでは役には立たない。
使い道が皆無というわけではないが、これでは使い道を探す方に莫大な労力がかかってしまう。
使い方を知りたがっていたようだし、あの汚物で試してやるか、と消毒する事を考えると這いずってきたモット伯を見てフーケが動いた。
その手には杖が握られモット伯を人質にこの場を乗り切ろうという意図があるのは明白だった。

――わたしは、あの子達の光を守るためにも、こんな所で捕まるわけにはいかないんだよ!

ここで捕まれば、妥当なところで縛り首。良くて島流しで二度とハルケギニアの大地を踏む事ができなくなる。
そうなれば、世間から大幅にズレた妹や他の子供達が内乱が起こっているアルビオンで無事に生きていけるという保障は無い。
だから、この機を逃すまいと頭で考えるよりも先に身体が他の誰も反応できない絶妙のタイミングで動いていた。

とはいえ、世の中には常に例外という物が存在するのであって、この場合も例外というものがこの場に居合わせているのを忘れてはならない。
ショットガンの弾丸ですら撃たれてから避けることの出来き、逆に射手の懐に飛び込めるだけの踏み込みを持つサウザーである。
その反応速度はまさに神速。人の域を遥かに凌駕した動きで、傍目には動作も見せずかき消えたように見える程。
ルイズ達が声を出した時には、サウザーの手刀がフーケの鳩尾に深々と突き刺さっていた。

「か……っ…は!」
肺から全ての空気が押し出されるような感覚に襲われ視界が暗転し意識が遠くなる。
空気の他に喉の奥から熱い物がこみ上げてくるのは血を吐いたからか。
つくづく化物だ。
薄れていく意識の中でぼんやりとそんな事を考えていると、最後にウェストウッド村の光景が浮かぶ。
「……ごめん、テファ」
残された最後の空気と共に誰にも聞こえない程の声でそう呟くと、手刀を抜かれ支えを失った身体が崩れ落ちるようにして倒れた。

「どぉえへぷ!ぎゃあっはっ!ここ、殺した!」
倒れた先は丁度モット伯の身体の上。
またも悲鳴をあげているが、殺したという声に反応してコルベールが駆け寄って脈を取ってみたが、鼓動は一切無い。
あまりの出来事に全員が声を失い立ち尽くしていると
当のサウザーは悪びれる様子など一切無く言い放った。
「ふん、俺の邪魔をするとは愚かな。だが、命拾いしたな。おかげで興が冷めたわ。俺の気が変わらぬ内に失せるがいい」
「はぁひゃ〜〜!ひょ〜〜!たた助けてくれぇ〜!」
両手を上げて逃げ出す様は、拳王に出会ったモヒカンの如し。

「くはははははははははははは!」
二つの月の下で世紀末の帝王の笑い声が響く。
巨星堕つ。
土くれの盗賊が引き起こした一連の騒動は、フーケの死という形で幕を閉じた。
137名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 12:36:31 ID:M75dGq52
そういえばケンとレイが牙一族の策略で対決せざるを得なかった時に似たような事が…
138名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 12:36:56 ID:ysr2YdrI
支援だぁ
139名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 12:37:57 ID:5twCPPBB
支援。ところで、サブタイは?
140名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 12:38:00 ID:b5r1AZlH
世間から大幅にズレた妹は良かった支援
141名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 12:47:26 ID:jklmR8TR
ヒャッハァーさるさんだぁー!
142名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 12:49:19 ID:jklmR8TR
さるさんに阻まれたから最後代理頼む
143帝王(貴族)に逃走はない(のよ)!:2009/10/04(日) 12:50:13 ID:AUtOIre6
>>137
俺はネタバレが大嫌ぇなんだ〜〜〜!
うんまぁ、聖帝様なら普通に十字拳で切り裂くから分かるよね

>>139
しまった、ゲージが世紀末になってサブタイ忘れてた。
GOLANのありさまだよ!!!

これで第一部風雲虚凰編完!のテロップ流して第二部、狂乱のアルビオンいけたらいいなぁ。
魔法の数字27とか、バスケとかが分からないモヒカン達は中野TRFで検索だ!

これで突破できれば代理は不要。繰り返す代理不要。オーバー。
144名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 12:56:09 ID:M75dGq52
投下乙
>>143
第一部原作ネタなら大体分かるオッサンなもんでw
145名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 12:56:40 ID:c389SYhg

最近ラオウ外伝を見たが、聖帝さまはお声のせいで作品ごとの印象が違いすぎる
146名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 12:56:58 ID:aNsZ2vbG
聖帝様乙
次の投下がwktk
147名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 13:01:30 ID:wbBPe8al
ヒャッハァー!聖帝様のお帰りだー!!
148名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 14:12:50 ID:+cT3Zkt5
乙!!
149名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 14:24:42 ID:uFBANkPx
聖帝の人GJでした
北斗の拳自体は好きなんだけど、あの格ゲーはちょっとなぁ
アークシステムが「バランスは投げ捨てる物」みたいな考えの会社なのかもしれんが酷かったぜ
150名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 15:14:30 ID:M0N8GQy1
某鳥「世紀末と聞いてきました」
151ウルトラ5番目の使い魔:2009/10/04(日) 15:41:38 ID:O0p+ChL4
皆さんこんにちは、いつも応援していただいてありがとうございます。
特に、先週は毒の爪の人をはじめ、大勢の方からご感想をいただけた上に、お絵かき掲示板では
新しい絵まで描いてもらえてとてもうれしかったです。
それに、前回まとめに登録してくださった方も、どうもありがとうございました。

では、68話、決闘編の後編の投下準備完了しましたので、投下開始してよろしいでしょうか。
問題なければ、10分間隔を空けまして15:50より開始します。
152名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 15:43:47 ID:WAD1lD8e
全力で支援する
153名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 15:48:48 ID:3z5etTA4
支援しますです
154ウルトラ5番目の使い魔 第68話 (1/11):2009/10/04(日) 15:51:45 ID:O0p+ChL4
 第68話
 決闘!! 才人vsアニエス (後編)
 
 殺し屋宇宙人 ノースサタン 登場!
 
 
「決闘のルールは、お前が決めろ」
「どちらかがあきらめるまで、それだけでいい」
 人のいなくなった小さな村の、小さな広場で、アニエスと才人がそれぞれの剣を抜いて、
一〇メイルほど離れて身構えていた。才人の左手のガンダールヴのルーンが武器を
抜いたことに呼応して輝き、対してアニエスは自然体で、どこからの攻撃にも対処できる
ように悠然と立っている。
 その二人の姿を、ルイズたちは広場の端からじっと見守っていた。
「どちらも、動かないわね」
「二人とも、相手の実力を知ってるからよ。うかつに手を出せば、カウンターを受けるのは
わかっているからね」
 ルイズのつぶやきにキュルケが答えた。魔法にせよ、剣にせよ、人間が扱う武器と
いうことに関しては変わりなく、攻撃した瞬間こそ最大の隙が生まれる。
 確かに、アニエスと才人では剣術の腕に天地ほどの差があるが、才人はそれを
ガンダールヴのルーンで極限まで高められた運動力と反射神経で補っている。
アニエスといえど、至近距離から人間の反射速度を超えた速さで攻められたら
かなわないだろう。むろん、それは才人にしても同じで、速いだけで突進しても、
剣筋を読まれてやすやす回避されてしまう。
 ロングビルと、彼女に背負われたミシェルも、もはや止めようのない戦いを、息を
呑んで、どちらかが動くのを待っている。
「先に動いたほうが、負けるってやつですかね……」
「馬鹿を言うな、隊長はそんなに甘くない」
 誰よりもアニエスの力を知っているミシェルは、この沈黙が長くは続かないということを
確信していた。
「こないのなら、こちらからいくぞ」
 最初に動いたのはアニエスだった。しかし、一気に距離を詰めるのではなく、一歩
一歩、隙無く構えたままで間合いを詰めていく。才人は心の中で舌打ちし、ロングビルや
キュルケはなるほどと思った。これでは、才人の一番の勝機であるカウンターが
使えない。
「さすが、小手先の生兵法が通じる相手じゃないな」
 才人は心の中で苦笑して、こうなったら真っ向勝負しかないと覚悟した。どのみち、
自分から申し込んだ決闘である以上、逃げるわけにはいかない。二人は、互いの距離が
剣先をつき合わせられるくらいにまでなったときに、同時に地面を蹴った。
 その瞬間、才人の裂帛の気合を込めた縦一文字の斬撃と、アニエスの猫のように
しなやかな跳躍がぶつかって、才人の斬撃が空を切ったときに、アニエスの剣の柄が
才人の腹にめり込んでいた。
155名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 15:52:23 ID:n6uqPJJb
ウルトラッ支援!
156ウルトラ5番目の使い魔 第68話 (2/11):2009/10/04(日) 15:52:51 ID:O0p+ChL4
「甘い、隙だらけだ」
 出来の悪い生徒を酷評する教師のようなアニエスの声が流れたとき、才人は
嗚咽を漏らしながら、地面にひざをついていた。
 やはり、この人はとんでもなく強い、正面きって戦ったら、その予測は見事に上方修正
されて的中し、才人は戦いを挑んだことを後悔はしなかったが、少しでも甘い見通しを
していたことを今更ながらに悔いていた。だからといって、これで終わりというわけでは
決してない。
「まだやるか?」
「当然!」
 起き上がって、再びデルフリンガーを構えた才人は、今度は自分から打って出た。
右上段に振りかぶって、ガンダールヴの力を振り絞っての突撃は、並の戦士であれば
反応すらできなかったであろう。彼は、万一にもアニエスを殺すわけにはいかないと、
片刃剣であるデルフリンガーを峰に返しているが、それでも棍棒と同じなのだから、
直撃すれば骨の五、六本は砕け散る威力だ。
 が、わかっていることではあるが、アニエスは並の戦士ではない。
「隙だらけだと、言っただろうが!」
 デルフリンガーが広場の地面を掘り返したときには、アニエスは才人の顔面を
剣を握ったままの拳でかちあげたばかりか、背後に回りこんで背中を蹴り飛ばしていた。
「痛ーっ……」
 パーカーの前半分を泥で汚して、唇から血を流しながらも、才人は振り返って
悠然と自分を見下ろしているアニエスを見上げた。
 どうも、さっき上方修正した評価もまだまだ甘かったようだ。自分は最初から全力
なのに、この人は剣の刃すら使っていない。本気を出してないどころか、才人を
まともに敵とすら見ていないだろう。
 これならば、宇宙金属の刀や、人間と宇宙人の身体能力の差というハンディが
なければ、一人でツルク星人を倒すことも可能なのではなかったのではと才人は
思ったくらいだ。むろん、それは彼女が宇宙人ではなく、あくまで人間相手の戦闘の
エキスパートであるということを考慮すれば、いささか過大な評価であるのだが、
アニエス自身も、宇宙人相手には生半可な実力では敵わないことを知り、あれから
ずっと鍛錬を欠かさず、その実力はあのときより格段に上がっていた。少なくとも
剣を使った戦いでは、テロリスト星人くらいならば圧倒できるだろう。
「どうした、当然まだやるのだろう」
「当たり前だ!」
 三度目はやはり才人のほうが仕掛けた。小細工は通じない、かといって大降りの攻撃が
当たる相手ではないならば、こちらも動体視力の全てを駆使して、アニエスの手元を見て、
その動きにあわせて小手を狙う。
「さっきよりはましだが、集中しすぎだぞ」
 アニエスが剣を戻して足を振り上げると、剣に視線が集中していた才人の腹に、見事に
カウンターの形でキックが入り、またも才人はもんどりうって倒れ、胃液を逆流させた。
 それでも、才人はくじけない。四度目の攻撃では突きを狙って弾き飛ばされ、五度目では
足元の土をはじきあげて目潰しにしようとしたが、剣を下げたためにできた隙をつかれて、
顔面にしたたかにパンチを食らって鼻血を流した。
「汚い顔だな」
「別に、ハンサムでもイケメンでもないんだ。多少崩れたところで問題にゃなりませんよ」
 せめて、ツルク星人の二段攻撃のような必殺技が自分にもあればと思うが、ゲームじゃ
ないんだから、レベルが上がって○○を覚えました、などと都合のいいことは起こらない。
袖で鼻血と泥をぬぐうと、才人は六度目の攻撃をかけていって足払いを食らわされ、
七度目の攻撃で額から血を流し、八度目で左肩をはずされた。それでもなお、デルフリンガーを
握る手は緩まない。
157ウルトラ5番目の使い魔 第68話 (3/11):2009/10/04(日) 15:54:13 ID:O0p+ChL4
 九回目、十回目、何度仕掛けても才人の攻撃はアニエスにかすりもせずに、
彼女自身は息一つ乱してはいない。
 ぶつかる度に、醜く傷ついていく才人の姿を、ルイズたちはじっと見守っていたが、
やがて十六度目の突撃で、腹部を強打された才人が一時的な呼吸困難に陥って
地面に崩れ落ちると、ついに見ていられなくなったミシェルがルイズに怒鳴った。
「ヴァリエール! もうやめさせろ、いくらやっても隊長に敵うはずがない。お前はあいつの
主人だろう、なぜ止めないのだ!?」
 するとルイズは、一瞬だけミシェルに横目を送ると、すぐに立ち上がろうとしている才人に
視線を戻し、そのままで静かに話し始めた。
「……わたしも、一応あいつの主人である以上、半年にも満たない程度だけど、少しは
あいつのことを理解してるつもりよ。あいつはね、普段は大抵適当で、いい加減だけど、
自分で決めたルールだけは絶対に譲らないのよ」
「自分で決めた、ルール?」
「そう、あいつはね、言ってみれば、弱きを助け強きをくじくといった、そんな子供じみた
ルールを自分に課してる。理不尽だと思えば貴族に物申すことも辞さないし、それを貫く
諦めの悪さを持ってる。単なる意地っ張りといってもいいけどね」
 ルイズは、才人が自分に召喚されてすぐ、まだウルトラマンAと会うより前に、
ギーシュと些細なことから決闘をしたときのことを思い出した。あのとき才人は、
まだハルケギニアのことをほとんど知らずに、メイジであるギーシュと素手で戦って、
青銅のゴーレム・ワルキューレに、今よりもずっとひどく、腕を折られ、骨を砕かれる
ほどに散々叩きのめされた。それでも、たかが平民と見下して降参しろと言ってくる
ギーシュに、「下げたくない頭は、下げられねえ」と、最後まで抵抗し続けて、初めて
ガンダールヴの力を発動させて勝利した。
「理解に苦しむでしょう? けどね、あいつはそれに誇りを持ってるし、何より、わたしも
含めていろんな人を、そのルールで守ったり、救ったりしてきたわ」
 ホタルンガに捕らわれたとき、才人は我が身を省みずに助けに来てくれた。ツルク星人が
暴れたときも、犠牲者が増えるのが我慢できずに飛び出していき、ミラクル星人が
テロリスト星人に襲われたと知ったときも、助けに行くのに一切躊躇しなかった。
「あいつはね、悲劇ってやつが大嫌いなのよ。だから、目の前で誰かが不幸になろうとしたら、
無理矢理にでもシナリオを変えようとする。たとえ、あなたが裏切り者でもね」
「……」
「考えてみれば、あいつは主人を守るっていう使い魔の役目を、誰よりもこなしている
のかもしれないわね。まあ、その対象があたしだけじゃないってのが、多少しゃくだけどね」
 思い起こせば、才人は毎度不服と不平を並べながらも、誰かを助けてきた。
ロングビルがフーケとして捕まったとき、衛士隊に引き渡せば死罪になるとわかった
とたんに才人が大反対したから、ルイズも彼女を擁護しようと思ったし、また、
ギーシュも、才人と決闘して負けて以来、傲慢さがなりをひそめて、馬鹿なのは
そのままだが、憎めない性格になったのも、ある意味では才人に救われたといえるかもしれない。
 それに、ミシェル自身もワイルド星人の事件の際に、崩れる地底湖の崩落から
救われているし、何より、なんだかんだと言いながら、才人はずっとルイズの隣にいてくれる。
158ウルトラ5番目の使い魔 第68話 (4/11):2009/10/04(日) 15:55:10 ID:O0p+ChL4
「ただ、あいつがそうまでして戦う本当の理由は、まだわたしにもわからない。だから、
主人としてわたしはサイトのやることを見届ける。あなたも、たとえこの決闘がどういう
形で終わるにせよ、最後まで見届けないと許さないわよ。あいつは、あなたのために
戦っているんですから」
「……わかった」
 自分に、まだこの世に残った義務があるのならば、せめてそれを成し遂げよう。
今さら歪みきった自分の運命が修正されるとは思えないが、この決闘で、才人がどういう
答えを見せてくれるのか、それを見届けるのが、こんな自分に手を差し伸べてくれた
才人への、せめてもの礼儀だと、ミシェルは二十回目の攻撃をアニエスに弾き飛ばされて、
背中から地面に叩きつけられた才人の姿を、目を逸らすことなく脳裏に焼き付けていった。
 
 戦いは、永遠に続くようにも思われた。
 照りつける夏の暑すぎる日差しの中で、全身砂と泥まみれになり、左手がしびれて
動かなくなって、右手でかろうじてデルフリンガーを握っているだけの状態ながら、
才人は三八回目の攻撃の失敗からも、ようやく立ち上がってアニエスに剣先を向けた。
「まだ、意識はあるか?」
「ああ、一応な」
 すでに目が半分開かなくなって、本能が無意識に立たせているのではと思えるほどに
ボロボロの状態になった才人が、意外にも明瞭な返事をすると、彼とは正反対に、
一太刀も浴びることなく、暑さで流した汗以外は最初と何も変わることなく立つアニエスは、
そろそろ飽きてきたとばかりに、軽くため息をついてみせた。
「まだ、負けを認めんか?」
「全然、おれはまだまだ元気だぜ」
「念のために言っておくが、自分が傷ついてみせて、私の同情を買おうというならば、
無駄な狙いだぞ」
「へっ、アニエスさんが、そんな甘えさせてくれる人じゃないのはわかってますよ。
それに、そんなんじゃ負けたも同然だ!」
 そうして、才人は三十九回目の攻撃をおこなったが、すでに体力は落ちきり、全身に
ダメージを受けている今では、最初の頃のような速度もパワーもなく、アニエスは剣を
使うこともなくかわすと、後ろから才人の首根っこを掴んで地面に引きずり倒した。
「いい加減に、手加減して戦うのもくたびれてきた。これ以上やるというのなら、
殺しはしないが、手足を切り落とすくらいはしてやるぞ、あきらめろ!」
 しかし、才人は顔面を地面に強く押し付けられながらも、決してまいったとは言わない。
「そうか、ならば仕方ない。せめて剣を握れない程度で済ませてやる。覚悟しろ!」
 業を煮やしたアニエスは、いまだデルフリンガーを握って離さない才人の右腕に、
剣を突きたてようとした。それを寸前で防いだのは、それまで無言で見守っていた
ルイズたち、そしてミシェルの彼の名を呼ぶ声であった。
 
「サイト!!」
 
 その声を聞いたとき、才人の中に沈んでいた最後の力が、輝きを増した左手の
ガンダールヴのルーンとともに蘇った。彼は、肺の底辺から搾り出してきた叫び声
とともに、押さえつけていたアニエスの予想を超えた力で呪縛から脱出し、彼女を
払いのけると、動かなくなっていたはずの左腕も使って、デルフリンガーを正眼に
構えなおしたのである。
159ウルトラ5番目の使い魔 第68話 (5/11):2009/10/04(日) 15:57:58 ID:O0p+ChL4
「まだ、それほどの力が残っていたのか……」
 才人に与えたダメージからみて、もう起き上がる力もないと思っていたアニエスは、
はじめて余裕を崩して才人を見返した。さらに、ルイズたちの中から歓声があがり、
黙って使われ続けていたデルフも、「相棒は不死身かよ」と、驚いた声をもらした。
 けれど、才人は皆を見渡して軽く笑い、ルイズたちにありがとよと言うと、
何かを成し遂げたように晴れ晴れとした声で、ミシェルに微笑みかけた。
「ミシェルさん、あんたまだ、それだけ元気な声を出せるんだな、よかった」
「え……」
 思いがけない才人の優しい言葉に、ミシェルはたった今自分が大きな声で
叫んだのを思い出して、まだ自分にそんな気力が残っていたのかと驚いた。
また、意表をつかれたのはアニエスも同じで、いぶかしげに問いかけた。
「お前、まさかこのために?」
 返ってきた答えは、勝ち誇ったようにも聞こえる才人の短い笑い声であった。
「……ミシェルに、生きる気力を取り戻させるために、あえて傷ついてみせたのか、
しかし、それもお前が私に勝たないことには、無駄なあがきに過ぎんぞ」
「いいえ、おれは負けませんよ。絶対にね」
「わからんな、勝機などどこにもない。かといって私を説得できるはずもない。
なのに、なぜあきらめん? お前のその自信はどこから来る?」
 すると才人は、今度はやや自嘲げに笑って、アニエスの顔を見た。
「別に、自信なんてありませんよ。おれごときが逆立ちしたってあなたに勝てないのは、
もう嫌というほど理解しました。単に、おれはおれの理想を裏切りたくないだけです」
「お前の……理想?」
「傷ついて打ちのめされても、何度でも立ち上がって、誰かのために戦うこと! 
だから、おれは絶対にあきらめないし、負けもしない!」
 デルフリンガーを強く握りなおし、才人は一片の迷いなく言い放った。
「そんなことが、私相手にかなうと思うのか!?」
「できる!!」
 このとき、一瞬だがアニエスは才人に気おされた。
 
「どんな強敵が相手でも、どんな卑怯な策略に陥れられようと、ウルトラマンは絶対に
あきらめずに立ち向かって、何度も不可能を可能にしてきた。それが、絶望に打ちひしがれた
人々にも希望を与えて、奇跡を起こしてきた。それが……おれの憧れた、ウルトラ兄弟だ!!」
 
 その瞬間、ガンダールヴのルーンがこれまでにない輝きを見せ、才人の体が
重力を逆に受けたかのように飛び出した!
「なにっ!?」
 万全のときと比べてさえ、はるかに勝る速度と威圧感に、アニエスもとっさに
対応できずに、反射的に剣を上げて才人の斬撃を受け止めざるをえなかった。
二つの剣が、衝突の勢いで火花を散らし、勢いに押されてアニエスの足が後ろに
ずり下がる。
「くっ……まだこんな余力がっ!」
 まさか力で押されるとは思っていなかったアニエスは、それまでの余裕を
かなぐり捨てて、才人の全力に全力で応えた。つば競り合いで鈍い金属音が流れ、
二人の歯を食いしばる音が、それに二重奏となって戦いの旋律を奏でる。
160名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 15:58:16 ID:BfCsuani
しえん
161ウルトラ5番目の使い魔 第68話 (6/11):2009/10/04(日) 15:58:52 ID:O0p+ChL4
 けれど、アニエスも銃士隊隊長としての意地があり、押し切られるのをよしと
しなかった。
「っ、なめるなぁ!!」
 全身のばねを使って、才人の突進の衝撃を吸収しつつ、逆襲に転じたアニエスの
体運びの見事さは、ロングビルやミシェルでさえ感歎を禁じえないものであった。
勢いを殺され、行動の自由をアニエスに回復された才人は、体勢を立て直すには
時間が足りなさすぎ、人体急所の一つであるこめかみに、剣の柄を使った
一撃を叩き込まれてよろめいた。
 だが、急所への攻撃が直撃したというのに才人は倒れない。
「お前……本当に不死身か?」
「おれは、ただの人間ですよ……」
 驚いたことに、この冷徹豪胆な女騎士の顔に、明らかな焦りの色が浮かんでいた。
もうすでに、普通の人間ならば激痛で立っていられないほどのダメージを与えた
はずなのに、どうして立っていられるのだ。
「ちっ、もういい加減にしろ! これ以上戦えば、お前は確実に死ぬぞ、それでもいいのか!?」
 これまで才人はあくまでデルフリンガーの刃の部分を使わずに、峰でのみ戦って
いたので、アニエスもそれに応えて才人への反撃はすべて体術か、柄を使用して
いたが、それでもこれ以上の打撃は致命傷になってしまうだろう。
「……死ぬのは、まっぴらごめんこうむりますね」
「ならばさっさと降参しろ! そうすれば」
「そうすれば、ミシェルさんが殺されてしまうでしょう……そっちも絶対やです」
「ちぃっ……」
 どれだけ痛めつけられても、まったく心を折る気配を見せない才人に、逆に
アニエスのほうが追い詰められているかのように、ルイズたちには見えた。
「アニエスさん、お願いします。ミシェルさんを、見逃して……いいえ、許して
いただけませんか」
「許す、だと……何度も言わせるな。隊の模範となるべき隊長が、造反者を許すなど、
できるわけがない」
「わかってます。けど、それじゃあ銃士隊という組織や、アニエスさんたちの誇りは、
”守る”ことはできますが、たった一人の人間を、”救う”ことはできません。
それに、いろんな消えない傷を残してしまう」
 皆を見渡して、才人は不思議な微笑を見せたように見えた。見えたというのは、
もはや彼の顔が傷つき、汚れすぎて表情が不明確であり、もしかしたら悲しんだのか、
ただうなずいただけだったのかもしれない。
 それよりも、アニエスやルイズたちは、これまで才人が単にミシェルの境遇を
悲しみ、純粋な善意でその生命を守ろうとしているだけだと思っていたのだが、
彼の言葉を聞くと、それだけではないことに気づいていた。
「お前、まだ何か、そこまで意地を貫く理由を隠しているな? もういい加減
白状しろ! お前をそこまで駆り立てるのは、理想だけではあるまい。もう一本、
何がお前を支えている!?」
162名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 16:00:39 ID:DjOKls7w
支援の巻
163名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 16:01:19 ID:uSdQWhcy
支援
164ウルトラ5番目の使い魔 第68話 (7/11):2009/10/04(日) 16:01:38 ID:O0p+ChL4
 すると才人は、今度こそはっきりとわかるようにため息を吐き出し、観念
したように答え始めた。
「……好きに、なっちゃったからですよ」
「なに?」
「ルイズ、キュルケ、ロングビルさん、アニエスさん、ミシェルさん、それにこの場に
いないみんなも、こっちに来てひとりぼっちだったおれと、つながりを持ってくれた
大事な人たちだ。だから、アニエスさんの手が仲間の血で汚れることも、ルイズたちが
人が死ぬのが仕方がないことだとあきらめるようになるのも、絶対に認められねえ!」
 一瞬の時間の空白をおいて、アニエスをはじめとしたその場にいる全員が、
頭をハンマーで殴られたような衝撃を感じたのは、自らの見識が狭隘だったことを
思い知らされたからだけではなかった。
「わたしたちの、ために……」
 才人が守ろうとしていたのは、ミシェルの命だけではなかった。アニエスや
ルイズたちの心に、永遠に消えない暗い影が差さないように、皆の心までも
救おうとしていたのだ。
「だから、おれは負けるわけにはいかない! あきらめるわけには、いかないんだぁーっ!!」
「ぬううっ!」
 最後の力を振り絞って向かってくる才人を、アニエスも今度は本当の全力をもって
迎え撃った。技量がどうとかいうのならば、才人の斬撃は単なる上段からの振り下ろしだが、
そこに込められた気合は、まさに鬼神も退くといった絶大なもので、それはアニエスに
はっきりとした恐怖すら感じさせたのである。
 
 刹那……
 
 二人の激突は、一瞬で終わった。
 共に、渾身の力で剣を降り抜いたとき、剣と剣の衝突の火花が閃光のように見守っていた
ルイズたちの目を焼き、次の瞬間に目を開けたときには、すでに戦いは終わっていた。
 二人の剣のうちの一本が、主人の手を離れて回転しながら宙を舞い、広場の一角に
突き刺さったとき、その主人もまた、全ての力を使い果たして倒れたからである。
「サイト!」
 今度こそ、目を閉じて動かなくなった才人へ向けて、ルイズたちが駆け寄って
助け起こしたが、才人は息はしていたが、すでに意識は完全に途切れていた。
「終わった……」
 死んだように倒れた才人の姿に、ルイズたち、そしてミシェルは才人の敗北を
確信し、つらそうに目を閉じた。
 これで、才人の願いは完全に断ち切られ、同時にミシェルの命運も完全に
尽きた。やはり、伝説の使い魔の力をもってしても、圧倒的な実力差を覆すことは
できなかった。才人の力からすれば、信じられないほど善戦したといっていいが、
決闘は勝たなければ意味がないのだ。
 アニエスは、倒れている才人にゆっくりと歩み寄ると、傷だらけになった彼の
顔を見下ろした。
165名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 16:04:29 ID:n6uqPJJb
おや、さるさん?
166名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 16:05:01 ID:DjOKls7w
まさかのハーレムルート支援
167ウルトラ5番目の使い魔 第68話 (8/11):2009/10/04(日) 16:05:12 ID:O0p+ChL4
「サイト……よくやったとほめてやりたいところだが、決闘に情けは許されん、
わかっているだろうな」
 聞こえるはずのない声を送りながら、アニエスはルイズとキュルケが憎しみを
こめて睨んでくるのを無視し、覚悟を決めてロングビルの背から、なんとか自力で
降りようと苦悶しているミシェルを一瞥して、もう一度才人に視線を戻した。
「この勝負は、私の……」
 そのとき、ルイズたちは不自然なところで言葉を切ったアニエスの表情が、
微妙に変化していたのに気づいた。勝利宣言を前にして、壁にぶつかって
しまったかのように固まるアニエスの姿に、ルイズたちは怪訝な表情を
したが、やがて彼女たちの不審はそのアニエス自身によって破られた。
 
「……なるほど、そういうことか……ふふふ、はーっはっはっは!」
 
 突然堰を切ったように大笑しはじめたアニエスに、ルイズたちは今度は
だらしなく口を開いてあっけにとられる番であった。
「た、隊長?」
 特に唖然としたのがミシェルだったのは言うまでもない。これまで猛禽の
ように目じりを鋭く研ぎ澄ませ、一切の妥協を許さないと冷徹無比な厳格さを
保ち続けていたアニエスが、まるで憑き物が落ちたかのように晴れ晴れとした
穏やかな表情で笑っている。
「サイト! お前この私をハメてくれたな、お前が最初に提示したこの決闘の
ルールは、『どちらかがあきらめるまで』だった。つまり、どれだけ傷つこうが
気を失おうが、お前があきらめない限り、私が勝利することは絶対にない。
すなわち、勝敗がつかない以上、私がミシェルに手を出すことはできない。
そういうことだな!」
 心の底から愉快そうに、最初からこの決闘は、どちらが勝つこともありえないのだと
悟って呵呵大笑するアニエスの言葉に、ルイズたちの顔にも笑みが浮かんできた。
「それじゃあ、この決闘は……」
「引き分け……てことは、改めて勝負がつくまで、どっちも勝利条件を履行する
ことはできないってこと……つまり!」
 頭の回転の速いルイズとキュルケは、それでもう全部を理解した。才人は、
勝利条件にミシェルの身柄を預かるとは言ったが、本当の目的はアニエスに
処刑をやめさせることだったはずで、それは見事に成功した。しかも、どんな
理由があろうとも、一度受けた決闘の条件を反故にすることは、騎士として絶対に
できないのだ。
 アニエスは、手のひらを顔に当てて、こみ上げ続けるおかしさに耐えようと
していたが、あまりに見事にひっかけられてしまったのがおかしくておかしくて、
こらえるのはとても無理そうだった。
「本当に、とんだ茶番劇につき合わせてくれたものだ。まったく、なにが伝説の
使い魔だ、このペテン師め!」
 だが、これほどに優しいペテンはほかになかろうと、穏やかな顔で、アニエスは
眠り続ける才人の顔を見下ろして思った。
 それに、ルイズたちもだまされていたことには変わりないのだが、これほど
あざやかなペテンだと、怒るよりも先に唖然としてしまうし、何よりもだまされた
ことがこれほどうれしいペテンがほかにあるだろうか。
168ウルトラ5番目の使い魔 第68話 (9/11):2009/10/04(日) 16:07:53 ID:O0p+ChL4
「あっはっは! サイト……あんたって奴は、人に心配させたと思ったら……」
「ほんと、それでこそあたしが見込んだダーリンよ! きゃははは!」
「ぷぷ……この私が、こんな簡単にひっかけられるなんて……あなた、詐欺師の
才能ありますよ」
 笑いはルイズたちにも伝染し、才人とミシェルを包んでいく。
 呆然とするしかないのはもちろんミシェルだ、こんな展開、いったいどこの誰が
予測できるというのか。才人とアニエス、どちらが勝とうと、つらい別れが待っている
と思っていたのに、今はみんなでそろって笑っている。
 だがやがて、呼吸を整えたアニエスは才人の前で座り込んでいるミシェルの
視線にまで顔を下げると、その目をじっとのぞきこんで、ゆっくりと話しかけた。
「さて、ミシェル……次は、お前が選択する番だ」
「え……?」
「形はめちゃくちゃだが、サイトは身をもってお前の命をつなぎとめた。しかし、
結局命をどう使うのかは、その人間本人が決めることだ。ここで死ねば、
もうお前は二度と苦しまずにすむ。けれど、もう一本、多くの苦難と、我慢ならない
怒りや憎しみにさいなまされるかもしれないが、新しい道をサイトは作って
くれた。どちらを選ぶか、ここで決めろ」
「……私は」
 彼女は、じっと才人の顔を見下ろした。はじめて会ったときから、こいつには
驚かされっぱなしだが、今回は格別だ。実力もなにもかも違うというのに、
本当に最後まであきらめずに戦い、奇跡を起こしてしまった。
 それに、才人は生きる希望を失った自分に怒鳴った。
「守るべきものなど、いくらでもある、か……」
 才人にとっては、本当にそうなのだろう。国や立場などは最初から関係なく、
目の前に不幸になろうとする人がいれば、手を差し伸べていく。そう、彼が
あこがれたウルトラ兄弟のように、そこには心ある人々を守りたいという
優しさのみがあり、それに特別な資格などは必要ない。
 ミシェルは少しの間考え込むと、やがて決心したようにアニエスの目を見返した。
「私には、もう帰るべき場所はありません。ですがそれでも、生きていいと
いうのであれば、残った人生は、サイトの示してくれた道を、最後まで
駆け抜けてみたいです!」
「そうか、だがお前のこれまでの罪が消えることはない。険しい道だぞ」
「わかっています。ですが、その……できるなら、サイトに恩返しも、したいし……」
 そこで、ふとアニエスはミシェルのこわばっていた顔が、サイトを見ているうちに
なんとなく紅潮してきたのに気づいた。
「なるほど、生きる目的はもう見つけたようだな」
「あっ、いえ……その」
「ふっ、いまさら片意地を張ってもしょうがあるまい。まあ、生きる目的がないよりは
あったほうがいい。だろう、ミス・ヴァリエール?」
「な、なんでわたしに、きき、聞くのかしら」
169ウルトラ5番目の使い魔 第68話 (10/11):2009/10/04(日) 16:09:21 ID:O0p+ChL4
 妙に赤面するミシェルと、反比例して顔をこわばらせはじめたルイズを交互に
見渡して、アニエスは意地の悪い笑みを浮かべた。彼女自身には、そういった
類の経験はほとんどないが、仮にも女ばかりの銃士隊の隊長である。部下の
そういった関係には不干渉だが、自然と目と耳にそういう話は入ってくるので、
意外にも知識はそれなりにある。
「だが、サイトも罪作りなやつだ。意識がなくて、幸せなのか不幸せなのか、
しかし……感謝するぞ」
 アニエスは静かに思った。本当に、たいしたペテン師だ、生きるか死ぬかの
死闘と思わせておいて、負けなかったばかりか、ちゃっかりおいしいところだけを
かっさらっていってしまった。そればかりか、自分も部下殺しという重いかせを
負わずにすんだし、誰の心にも傷をつけずに戦いを終わらせた。
 
 だがそれだからこそ、そんなささやかな幸せを奪おうとする者への怒りは深い。
背後から突然不気味な気配を感じたアニエスは、とっさに護身用の短剣を懐から
抜いて、気配のした方向へと投げつけた。
 
「出て来い、のぞき見など下種のやることだぞ!」
 
 短剣はダーツのように空を裂き、一軒の家の屋根の影に吸い込まれていった。
 しかし、次の瞬間には何かにはじき返されたかのように、真っ二つにへし折れて
戻ってきたかと思うと、続いて影の中から青い色の肌と、鋭く尖った耳、さらに
オレンジ色に不気味に輝く目を持った怪人が飛び出してきたのだ! 
 
「こいつは!」
 突然のアニエスの行動に驚いたキュルケたちだったが、屋根の上から前回転
しながら着地してきた怪人を見て、とっさに才人たちを守るように布陣して、
すぐさまそれぞれの武器を抜いた。
「亜人……じゃないわね。てことはまた、ウチュウジンってやつね……」
「ふん、ミシェルが死んでないのに気づいて送ってきた刺客ってわけね。サイトが
動けないこんなときに……」
 ロングビルとルイズも、その異形の怪人がハルケギニアのものではないと
一瞬で悟り、迎撃態勢を整える。ここで才人の意識があれば、こいつが
GUYSのアーカイブドキュメントMACに記されたノースサタン星人だと
気づいたであろう。等身大の姿を現したことは一度しかなく、写真も残って
いないが、こいつと格闘戦を演じたMACの北山隊員が資料用にと書いた
スケッチが残っていたのだ。
 臨戦態勢を整える一行の前で、青い怪人、ノースサタンは拳法の構えのように、
両腕を上げてじりじりと近づいてくる。
「ウェールズめ……もう完全に人間ではなくなったのか」
「だが、こんな奴が追っ手にかかるということは、裏にヤプールがいるということを
証明することでもある。なんとしてでも切り抜けるぞ」
 無言で一行はアニエスの言葉にうなずいた。追っ手として差し向けられる
ということは、それなりに戦闘力に長けた宇宙人だと見て間違いはないだろう。
今のところ、ブラック星人のように怪獣を引き連れている様子はないが、
つまりは単独で充分戦えるということだ。
170ウルトラ5番目の使い魔 第68話 (10/11):2009/10/04(日) 16:10:24 ID:O0p+ChL4
 ノースサタンは、暗殺対象にこれだけの護衛がいるとは思っていなかったのか、
用心しているようにじりじりと間合いを詰めてくる。けれども、その構えには隙がなく、
相手が相当な使い手だと見抜いたアニエスは、振り返らずに後ろにいる他の
者たちに声をかけた
「ミス・ヴァリエール、ミス・ロングビル、サイトとミシェルをつれて下がれ」
「えっ! なにを言うのよ、わたしだって戦えるわ!」
「馬鹿者! 重傷者を二人も守りながらまともに戦えるか! それに、主人である
お前以外の誰がサイトを守ってやれるというのだ!」
「うっ……」
 また、自分のことばかりに目がいって、才人のことを忘れていたことにルイズは
自らを恥じたが、それでも自分のなすべきことを思い直して、才人を肩に背負おうとする。
「感謝しなさいよ。使い魔をおんぶしてあげる主人なんて、普通はいないんですからね」
 そう言いながら、頭一つ大きい才人をあまり苦もなくルイズは担ぎ上げた。
「い、意外と力ありますね……」
 ミシェルを背負いなおしたロングビルが、平然と先に立っていこうとするルイズを
追いかけながら言った。
 ルイズは、人より小柄だが、普通のメイジなら魔法で済ませられたりすることまで
ずっと自力でやってきたり、あの母親の教育方針で乗馬その他の修練も幼い頃から
積んできたために、シエスタなどには及ばないにしても、相当な体力を持っているのだ。
 
 そして彼女たちを背中で見送ったアニエスとキュルケは、逃げていくターゲットを
追いかけようとするノースサタンの前に立ちふさがって挑発していた。
「ここを通りたければ、わたくしたちを倒してからにしていただきましょうか」
 言葉が通じているかどうかまではわからないが、ノースサタンは瞳のない目を
閃かせて、攻撃目標を二人に変えたようだった。まるで、悪魔のような醜悪な
顔が二人を睨みつけるが、ツルク星人、ムザン星人との戦いを潜り抜けた
二人は臆することはない。
「さて、足手まといになるなよ、ミス・ツェルプストー」
「その言葉、そっくりそのままお返ししますわ。あなたこそ、わたくしのパートナーが
務まりますかしらね」
 減らず口を、と、アニエスは不敵な笑みとともにつぶやき、愛剣を上段に構える。
 また、キュルケもタバサがいないのが残念ですけれど、と、その場に似合わぬ
妖絶な笑みを浮かべると、その身に流れる燃え滾るような情熱を、現実に破壊を
もたらす烈火に変えるべく、呪文を唱え始めた。
 しかし、いくら並ぶもののない剣士とメイジといえど、まったく未知の宇宙人を
相手に、即席のタッグで勝機はあるのだろうか? いや、似ているようであり、
逆に、まったく似ていないともいえる二人であったが、一つだけ、これだけは
絶対に同じものがあった。
 
「私の部下には……」
「ルイズたちには……」
 
 そう、彼女たちに宿る意志もまた、才人と同じ。
 
「絶対に手を出させん!」
 
 
 続く
171名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 16:13:01 ID:n6uqPJJb
ウルトラ乙
172名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 16:13:55 ID:DjOKls7w
ウルトラ乙
173ウルトラ5番目の使い魔 あとがき:2009/10/04(日) 16:14:13 ID:O0p+ChL4
今週はこれまでで、来週に続きます。
決闘編、お楽しみいただけたでしょうか。
思えば、以前の『烈風カリンの知られざる伝説』でも、カリーヌとアスカがエルフのティリーを
めぐって対立しましたし、ウルトラシリーズでも、我夢と藤宮、コスモスとジャスティスなどが、
それぞれの信ずるもののために戦っていますね。
悪と正義の戦いよりも、正義と正義のぶつかり合いというのは難しいものです。
今回も、正式な法と責務を背負ったアニエスの立場は、さぞ苦しかったはずですが、
「仕方がないから人の命を奪う」というのだけは、絶対に間違っていると思います。
 
では、次回でアニエスとミシェルを中心にした話もいったんの区切りです。
彼女たちが最後にどういう選択をするか、精一杯書かせていただきたいと思います。

追伸
>>166
才人の「好き」は意味が違うのでハーレムルートにはいきません
174名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 16:19:12 ID:DjOKls7w
>>173
早計でしたね、失礼しました
ああでも副長かわいいよ副長
175名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 16:23:03 ID:JFYhifQw
安易にハーレムにいかず、熱血主人公なサイトがまだまだ見れるのか……
176名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 16:27:09 ID:PSlmWSlz
ウルトラ乙です。
そして遅くなったけど聖帝も乙です。

ところでジャギのバスケに必要なゲージが逆ですよー
177名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 16:36:02 ID:3z5etTA4
ウル魔の人乙!
今回の話しも本当に面白かったです。
サイトがウルトラマン達に対しての憧れが一時的な物でなく、心の底から、
それこそある意味命を賭けての行為だなと、改めて思います。

178名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 16:41:38 ID:BWWXTP8L
ノースサンタだと思ってました
179名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 16:44:52 ID:7gfmIYab
ウル魔の人、乙です。
正義は人それぞれ、と言う感じの台詞を何かで見ましたが、正しくその通りですね。
自分勝手な事にならまだしも、筋の通っている事に悪とか言えませんし。
にしても、今回の決闘は燃えました。容易く勝利などさせずに話を進める所は現実的で面白かったです。
さてさて、ノースサタン相手にアニエス、キュルケはどう戦うのか? …巨大化されたらお手上げですが。
まぁ、ともあれ次回も楽しみにしてますね。
180名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 16:53:58 ID:sCDjXtV+
>>150
お前の場合はただの虐殺だろーが!
投下乙でございます
181名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 18:39:09 ID:M75dGq52
KYな自分としては、
「決闘なんてしとる場合かーッ!! 追っ手が来るから…逃げるんだよォ!」と突っ込みたいw
182名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 18:54:45 ID:grA1ciTB
>>181
うわぁーッ!なんだこの男!?
183名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 19:11:58 ID:3qzcVNkB
マックスペイン召喚
184名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 19:47:47 ID:EUjNp11C
トリステインに協力しないメイジや平民には怖い怖いファイズさんがお仕置きに来ることになったんです♪
185名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 19:52:28 ID:A/kPVbZR
某ハーフボイルド一行召喚でルイズの部屋で勝手に事務所を構える
186名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 19:53:17 ID:5twCPPBB
>>185
キスするのは翔太郎?
187名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 20:05:21 ID:HM213V8H
特攻の拓から誰か一人頼む
188名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 20:05:46 ID:WHDYR2rE
ま、まさか……あの伝説の嫌ヒロインを擁する、ハーフボイルド・ワンダーガールを召喚するというのか?!
189名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 20:13:27 ID:b5r1AZlH
……ああ、死ぬほど鬱になれるあれか。
190名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 20:14:27 ID:DIR6dlaT
ハーフボイルドっていうと、あれだ、エッグチョップ。しかし届かなかった
191使い魔は紅き薔薇:2009/10/04(日) 20:32:24 ID:V6xV14RQ
何も無ければ35分より五話投下します
192使い魔は紅き薔薇:2009/10/04(日) 20:34:05 ID:V6xV14RQ
「おめでとう、ルイズ」
祝福の声がした。

真っ白な建物。
美しい装飾の施された場所。
美しくも荘厳、始祖ブリミルの祝福を受けたかの様な、神々しい場所。
ルイズはそこに居た。

赤い絨毯の上を歩いて行けば、途中に家族が立っていた。

「それでこそ我がヴァリエール公爵家の娘だ」
「流石は私の娘」
「ちびルイズにしては、やるわね」
「おめでとうルイズ」

父と母、二人の姉が口々に誉め讃える。
それがとても誇らしくて、ささやかな胸を張った。

――そうだわ、私はスクウェアクラス……いいえ、ペンタゴンなのよ!
今までの輝かしい軌跡を思い浮かべる。
そう、確かに自分は『ゼロ』だった。
落ちこぼれ、魔法が使えない『ゼロ』のルイズ。
それが悔しくて悔しくて、何度も草葉の影で泣いた。

しかしそれは全て過去。
変わったキッカケは使い魔召喚の儀式だった。
自分が召喚したのは、神聖で美しく強力な使い魔。
白の翼。 鋭き爪と牙。 その目は蒼く、銀や白に彩られた鱗をしていた。
風竜かと思ったルイズを更に驚かせたのは、その竜が言葉を話した事。
『我が主よ、我は主と共に』と言い、頭を垂れた。
ただの風竜ではない。
絶命したはずの風韻竜だった。 それがルイズに頭を垂れたのだ。
召喚の儀式において最も素晴らしい使い魔を呼んだのは、彼女だった。

それからルイズの素晴らしい奇跡という名の軌跡が始まった。
193使い魔は紅き薔薇:2009/10/04(日) 20:35:48 ID:V6xV14RQ
ルイズは、今まで成功しなかった魔法が使える様になった。
フライやレビテーションなどのコモンから始まり、風の偏在などのスクウェアクラスのメイジレベルの魔法を難なく使ってみせた。
錬金をすれば、黄金や白金、挙げ句の果てにはオリハルコンやミスリルなどの伝説級のものを錬金。
火のスペルを唱えれば、火竜ですら逃げ出すほどの圧倒的火力。
風の偏在を使えば、一気に十五体のルイズが現れる。
水のスペルを唱えればヴァリエール家の力をもってしても治せなかった姉の病気を治す。

これだけではない。
なんと、虚無まで使用可能になった。
伝説の系統、虚無。
王家の血を引いているヴァリエール家ならばおかしくもない。

ルイズは、あらゆる系統においてスクウェアクラス並みだった。
故に、王女ではなく女王となったアンリエッタにより新たなクラス、ペンタゴンが作られルイズは唯一そのクラスとなった。

聖地へ行き、エルフを圧倒。 聖地を奪還。
ロマリアに居る聖下自らの祝福を受けていれば、始祖ブリミルの神々しい姿を見た。
平民の間でもルイズは人気だった。

品行方正、容姿端麗。
胸さえ無視すれば完璧なルイズ。
始祖の再来とまで囁かれた。

そして今。
幸せの絶頂に居た。

歩くは赤い絨毯の上。
飾り気の無い、だがヴァリエール家の娘としてふさわしい最高級の絹で織り上げた純白のドレス。
娘の晴れ姿に男泣きする父から離れ、今後の運命を共にする男性の手を取る。

「美しいよ、ルイズ」

「あぁ……ワルド様」
髭のある青年。
『閃光』と呼ばれるスクウェアのメイジ、若くして隊長になる将来有望な者。
そして、ルイズの婚約者。
194使い魔は紅き薔薇:2009/10/04(日) 20:37:30 ID:V6xV14RQ
しずしずと歩む二人の行く途中には、見覚えのある二人。
キュルケとタバサ。
赤く扇情的なドレスと、青くその体格の幼さを隠す上品なドレス。

「やるじゃない、ルイズ」
「……凄い」

――当然だわ。
しかし一つ不思議なのは、ツェルプストーは兎も角タバサまで、まるで王族の様な服装をしている事。
考えてもみればタバサの家名は不明だ。

絨毯の先には司祭を勤める者。
若く美しい女王、アンリエッタ。
最後に会った時より何年も経ったがその美しさは増すばかり。
その傍には何処かで見た気もするが、よく思い出せない金髪の青年。
しかし何処かアンリエッタの雰囲気と似通い、またその手にする指輪を見て確信する。

――そういえば、そうだったわ。
あの青年はアルビオン皇太子だ。
アンリエッタ女王とは恋仲で……あぁ、違う。
今日から二人も夫婦になるのだ。
アルビオンとトリスティン。
始祖ブリミルの血を継ぐ二人の王族の結婚式はルイズとワルドの次。

――……でもアンリエッタ女王はウェールズ皇太子と恋仲だったかしら。
思い出せない、がそうなっているからにはそうなのだろう。

愛を誓うかの声に、ルイズもワルドも躊躇い無く頷き、指輪を交わし誓いの口づけを交わす。

「さぁルイズ! 新婚旅行だ、ハネムーンだ!」
「えぇ、ワルド様!」
手を取り合い二人は駆け出した。
行く先には、ルイズの召喚した風竜。
その背には一流の細工師による籠。 天井は無いが大きなハートマークがある。

――あぁ、私は幸せよ!
ルイズが強く握れば、ワルドが更に強く握り返す。
二人の愛は不滅!
未来永劫変わる事も無い!
195使い魔は紅き薔薇:2009/10/04(日) 20:41:06 ID:V6xV14RQ
風韻竜の背に乗せた籠に乗り、二人は旅立つ。
行く先は無い。
ただ、二人の気持ちが行く場所へ。

「あぁ、ワルド様……私はなんて幸せなのかしら」

「でもねルイズ。 僕は少し悲しいよ」
ワルドは首を横に振る。

「僕達は、夫婦だよ。 これからの一生を共にするというのに家名で呼ばないでほしいんだ」

「あ……」
言われてみればそうだ。
ルイズは淑女の様に奥ゆかしく顔を赤らめた。

「そうね、……ジャック」

「ありがとう。 僕のルイズ」

「あぁ、ジャック!」
「ルイズ!」
ルイズは繊手をワルド――ジャックの背中に絡めお互いに抱き合う。

二人を祝福するは、虹。
美しい虹。
虹のアーチをくぐり抜けると、雲が紫色に輝いた。
そこから人影が現れる。

「ルイズ……あれは、まさか」
「そうよジャック……見た事があるわ! 始祖ブリミルよ!!」

――あぁ、始祖まで私達を祝福して下さるだなんて!
嬉しさのあまりに涙が流れる。

「ルイズ、どうしたんだ? 涙なんか流して」

「何も無いわ、ジャック。 私は……――――?」
声が違う。
顔をあげればそこには品の無いマントも杖も無い黒髪の平民。
196使い魔は紅き薔薇:2009/10/04(日) 20:46:30 ID:V6xV14RQ
「きゃぁぁ!」
平民を突き飛ばす。
平民は籠の端に軽く背中を打っただけですぐに起き上がる。

「ああ、あんた誰っ!」

「誰って……」
平民はにっこり笑いかける。

「お前の使い魔、だろ?」
「え、え、えぇっ!?」
すると突然足元が揺らいだ。
見ると、輝かしい使い魔の姿が一変している。
白い身体から、赤い衣服。
此方を睨む、赤いドレスの人形。

「おまえは私のしもべよ。 一生仕えなさい」
口を開き、言う。

「う、嘘よ!」
首を横に振り否定するルイズを平民が襲う。

「ルイズぅ……」
平民がルイズにのし掛かる。

「あんなに愛を囁きあったのに……」

「し、知らないわよ、この……!」
杖を振るいファイアーボールを唱える。
しかし、平民を巻き込んで爆発するのみ。

「え、嘘……」
何度唱えても結果は同じ。
爆発爆発爆発爆発爆発爆発。

「優しい夢の時間は終わりよ。 此処からは、悪夢の時間」
ルイズの傍に赤い人形が立っていた。
人形の足元から赤い薔薇の花弁が沸き上がり、ルイズの籠の周囲を覆っていく。

「おまえがペンタゴンになんて、なれるわけが無いじゃないの、おーほっほっほ」
人形の高笑い。

「ゼロ! ゼロのルイズ!」
平民が囃し立てる。
ルイズは両耳を塞ぎ、その場に小さくなった。

「ゼロ! ゼロ! ゼロ!」
しかし声は、はっきりと聞こえた。
聞きたくない、でも聞こえてしまう。

「ち、違う……」
涙が出てきた。

「おまえはゼロ。 平民と同じ卑しき者なのよ」

「違うわ! わ、私は、私は……っ!!」

籠の周囲に仮面を着けた者達が現れる。
多種多様な仮面を着けているが、彼らはルイズの知る人物達によく似ていた。
197使い魔は紅き薔薇:2009/10/04(日) 20:48:43 ID:V6xV14RQ
「平民! さっさと出ていきなさい!」
白い仮面をした金髪の女性が言う。

「なんと汚らわしい。 おまえのせいで私が姦通したなどという噂が立ったのは、死刑では足りませんね」
ルイズに似た、しかし威圧感も何もかもが違う鬼の仮面をした女性。

「恥ずかしいことだ。 我がヴァリエール家の家族と騙る平民が居たとは……」
立派な衣服と立派な仮面の金髪の男性。

「あぁ、私のルイズ、ルイズは何処なの? 偽物じゃない本物のルイズは!」
ピンクブロンドの優しげな仮面をした女性。

「私の幼馴染みが平民だったなんて……許せません。 ヴァリエールにも、厳重な処罰を」
高貴な雰囲気を持つ、白いドレスをした少女。

「あぁら。 ヴァリエール家じゃないのにどうして学院に居たのかしら?」
褐色の肌に赤毛、飾り付けも派手な仮面をした少女。

「…………早く、消えて」
青い髪をした小柄な、黒い仮面を着けた少女。

「なんという事だ。 ヴァリエール家が平民を僕の婚約者にするだなんて失望したよ、侮られたものだ」
髭の生えた、白い仮面の青年。

消えろ、消えろ、消えろ、消えろ。
仮面の彼らは口々に言う。
耳を塞いでも声は消えない。
何度も何度も、ルイズの耳にこびりついて取れない様に。
198名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 20:50:44 ID:EqqUmePZ
しえん
199使い魔は紅き薔薇:2009/10/04(日) 20:51:22 ID:V6xV14RQ
「分かったかしら?
おまえに未来は無いのよ。 私のしもべ――奴隷として仕える運命しかない」
勝者の笑みを浮かべて人形は、ルイズを指す。

「嫌よ、そんなの、違うわ!
誇り高き貴族が、ヴァリエールの娘が!」
誰かの奴隷になるなど絶対に有り得てはならない。

「なぁに? まだ認めないなんて、くだらなぁい」
薔薇の花弁の向こうに黒い影が見えた。

「今更何をしたって、現状は何も変わらないのかしらー!」
金の影。

「まったく、チビで胸も無い人間が偉そうに口を聞くんじゃねぇですぅ」
翠の影。

「君を守る家や家族は、何処にも無いんだ」
蒼の影。

「何処にも居場所が無いなのー!」
桃の影。

「偽りの時間が終わりを告げる……」
そして、白の影。

合計、六つの影がそこにある。
全てがルイズを笑う。

「だ、黙って……黙りなさい……」
がたがたと身体を振るわせる。

「おまえに、未来なんて無いのよ」
目の前の赤い姿が、言った。
残酷な、宣言。
その宣言にルイズは一瞬、目の前が黒くなった気がした。
200使い魔は紅き薔薇:2009/10/04(日) 20:53:32 ID:V6xV14RQ
「う、嘘、嘘、そんなはずがないわ……」

ゼロ、ゼロ、ゼロ、ゼロ。
消えろ、消えろ、消えろ、消えろ。
声は止まず、ルイズの心を蝕む。

――こんなの、こんなの、有り得ないのよ! 夢なんだわ!

「可哀想な人間。
おまえを庇う人も居ないなんて、人望が無いのかしら?」
人形が嘲笑う。

爆発に気絶していた平民の姿がどろりと溶けた。
肌の色と青、そして黒の泥となりルイズに触れようと襲う。

「ルイズ……ル、イズ……ル…………イ……」

「嫌、嫌!!」
泥が足に絡まろうとする。
必死で逃げようとするが、籠は狭く逃げる事は出来ない。
いっそのことと飛び降りようとすれば、仮面を着けた二人に阻まれる。

「嫌、嫌! 助けて、助けて!!」
手を伸ばしても、誰も助けてはくれない。

足に泥が絡みついた。
人肌と同じ温度で身体を這う。

「いや、嫌よ。 誰でも良いの、助けて、助けて……!!」
涙で前が見えない。
涙と薔薇の花弁が視界を遮る。

泥は、やがてルイズの下半身を覆う。
上半身まで絡み、覆わんとする。

「いや、いやぁぁぁ!!」
懇親の、叫びを上げた。

薔薇の花弁から誰かが現れ、ルイズの手を掴んだ。
その姿は花弁と同じ色彩の…………。



201使い魔は紅き薔薇:2009/10/04(日) 20:56:50 ID:V6xV14RQ
「あぁぁぁっ――!!」
ルイズは跳ね起きた。
見覚えのある天井。 気持ちの良いベッドと枕は汗で濡れている。

「はぁ、はぁ……」

――ゆ、夢……?
窓を見れば、まだ夜も明けたばかり。
生徒も寝ている頃だ。

夢であると判断し、肩の力を抜いた。

――良かった……。
あれか現実だなんて思いたくもない。

ベッドの傍にあるドレッサーの椅子に、真紅が座っていた。
ルイズを見ていない。

「随分とうなされていたわね。
眠りが妨げられたわ」

「う、五月蝿いわね」
ルイズは窓の外に視線を移す。
見れば、使用人が働いていた。
それも静かに。 貴族を起こさぬように。

「悪い夢でも見たのかしら?」
真紅が問う。

「…………」
ルイズは黙る。
答えるつもりがないのではない。
答えられないのだ。

悪夢だった。
だが、どうしてだろう。
悪夢だと断言出来るのに、内容が思い出せない。

覚えているのは、最後に誰かが助けてくれた事。
それだけ。

「貴族か悪夢なんて見るはずがないわ。
うなされていた? そんなはずがないじゃないの」
精一杯の虚勢をはる。

202名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 20:58:34 ID:DIR6dlaT
懇親のしえん
203名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 20:58:35 ID:kPvDws8u
ちょっと夢長いな支援
204使い魔は紅き薔薇:2009/10/04(日) 21:00:38 ID:V6xV14RQ
「そう」
と、真紅はさして興味も無い様に言う。
椅子から降りると、昨日の夜二人で紅茶を飲んだ机の上に置いた箱――トランクの前に行く。

「今度からはうなされないでちょうだい」

「うなされてなんか無いわ!」
ルイズが言うと真紅は優しく微笑み、トランクの中に戻った。

トランクを閉める音。
ルイズは一人になる。

――誰だったのかしら。
あの時、助けてくれたのは。

――もしかして……ワルド様?
しかし、すぐに違うと思い直す。
ワルドにしては手が小さく、そして柔らかい。

ワルドの手があんなに小さく柔らかいだなんて、信じられない。
あれは、女性――少女の手だ。

「……そういえば」

――真紅はどうしてドレッサーの椅子に座っていたのかしら。
化粧品など少ししか無い。
あとは櫛などだ。

ドレッサーの上は片付いており、鏡に埃は無い。
彼女は、ただ座っていただけなのだろうか?
分からない。

「ふ、あぁ……」
安心したら、睡魔が襲いかかってきた。
目がとろんとしてくる。

ルイズは再び、横になる。
眠気は深くなり、眠りという名の暗闇に沈んだ。
205使い魔は紅き薔薇:2009/10/04(日) 21:03:16 ID:V6xV14RQ
ちょっと時間がかかってしまいましたすいません。
投下は以上です。

あと、何話だったかwikiに書いてくださった方、ありがとうございます。
自分でもやるようにはしてますが、何分携帯からの投下でパソコンはあまり出来なくて……。
とにかく、ありがとうございました。
206名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 21:05:41 ID:/NgQQJ+q


>――そうだわ、私はスクウェアクラス……いいえ、ペンタゴンなのよ!
ペタンコなのよ!に見えた俺を殺れ
207アノンの法則:2009/10/04(日) 21:09:49 ID:7h2hgBWC
お久しぶりです
どうにか就活が一段落しました

予約がなければ投下させていただきます
208名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 21:10:36 ID:SKC4tCN4
アノンキターーー
支援!
209名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 21:12:35 ID:IOnyAlON
真紅乙
なんとも夢のない悪夢だな
210アノンの法則:2009/10/04(日) 21:14:23 ID:7h2hgBWC
翌朝、トリステイン魔法学院は大騒ぎとなっていた。
巷で噂になっていた『土くれのフーケ』が宝物庫の壁をぶち抜いて、学院が保管していた秘宝『奇跡の木札』を持ち去ったのだ。
壁には、『土くれ』のフーケの犯行声明が刻まれている。
『奇跡の木札、確かに頂戴いたしました。土くれのフーケ』
事件現場となった宝物庫には学院中の教師が集まり、醜く責任をなすりつけ合っていた。
「土くれのフーケ! 貴族たちの財宝を荒らしまくっているという盗賊か! 魔法学院にまで手を出しおって! 随分とナメられたもんじゃないか!」
「衛兵はいったい何をしていたんだね?」
「衛兵などあてにならん! 所詮は平民ではないか! それより当直の貴族は誰だったんだね!」
「ミセス・シュヴルーズ! 当直はあなたなのではありませんか!」
その様子を、事件の目撃者と言うことで呼び出されていた、アノン、ルイズ、キュルケ、タバサ、シエスタの五人は、あきれたように見ていた。
さっさと捜索隊を組んで犯人を捜しにいけばいいものを、いつまでも誰が悪い、誰が責任を取るだのと騒いでいるのだ。
これではフーケも楽々逃げおおせてしまうだろう。
「喝ぁッ!!!」
宝物庫での様子を黙ってみていたオールド・オスマンが、我慢できんとばかりに教師達を一喝した。
「責任のなすり合いはやめなさい、見苦しい! 私を含めてじゃが、誰もまさかこの魔法学院が賊に襲われるなど、夢にも思っていなかった。
つまり、我々は油断していたのじゃ。責任があるとするなら、我ら全員にあるといわねばなるまい」
教師たちは、恥ずかしそうに顔を伏せた。
「で、犯行の現場を見ていたのは誰だね?」
オスマンが尋ねると、コルベールが自分の後ろに控えていたアノン以外の四人を指差した。
「この四人です」
ルイズ、キュルケ、タバサが進み出て、シエスタその後ろに続く。
こんな場は初めてで緊張しているのか、シエスタの動きが妙にぎこちない。
そんなシエスタを見ながらアノンは、使い魔って数に入らないのか、と小さく漏らした。
「ふむ……、君たちか」
オスマンが進み出た四人より、アノンを興味深げに見ているのは気のせいだろうか。
「詳しく説明したまえ」
オスマンに言われ、ルイズが見たままを述べた。
「あの、大きなゴーレムが現れて、ここの壁を壊したんです。肩に乗ってた黒いメイジがこの宝物庫の中から何かを……、その『奇跡の木札』だと思いますけど……、盗み出したあと、またゴーレムの肩に乗りました。
ゴーレムは城壁を蹴り崩して歩き出して……、最後には崩れて土になっちゃいました」
「それで?」
「後には、土しかありませんでした。肩に乗ってた黒いローブを着たメイジは、影も形もなくなってました」
「後を追おうにも、手がかりナシというわけか……」
オスマンはひげを撫でた。教師達も秘宝の奪還は不可能では、と場の空気が重くなる。
211アノンの法則:2009/10/04(日) 21:15:16 ID:7h2hgBWC
「失礼します」
その時、静まり返っていた宝物庫にミス・ロングビルが現れた。
「ミス・ロングビル! どこに行っていたんですか! 大変ですそ! 事件ですぞ!」
興奮した調子で、コルベールがまくし立てたが、ミス・ロングビルは落ち着いた態度でオスマンに告げた。
「申し訳ありません。朝から、急いで調査をしておりましたの」
「調査?」
「そうですわ。今朝方、起きたら大騒ぎじゃありませんか。そして、宝物庫はこのとおり。
すぐに壁のフーケのサインを見つけたので、これが国中の貴族を震え上がらせている大怪盗の仕業と知り、すぐに調査をいたしました」
「仕事が早いの。ミス・ロングビル。で、結果は?」
「はい。フーケの居所がわかりました」
「な、なんですと!」
コルベールが、驚いて声をあげた。
「近在の農民に聞き込んだところ、近くの森の廃屋に入っていった黒いローブの男を見たそうです。おそらく、それがフーケで、廃屋はフーケの隠れ家ではないかと」
「黒のローブ? それはフーケです! 間違いありません!」
ルイズが叫んだ。
オスマンは、鋭い目で、ミス・ロングビルに尋ねる。
「そこは近いのかね?」
「はい。徒歩で半日。馬で四時間といったところでしょうか」
「では、捜索隊を編成する。我こそはと思う者は、杖を掲げよ」
だが、誰も杖を掲げない。皆、トライアングルクラスの腕と、数々の恐ろしい噂を持つフーケにしり込みしているのだ。
「おらんのか? おや、どうした! フーケを捕まえて、名をあげようと思う貴族はおらんのか!」
情けない教師陣に、オスマンが眉をひそめる。
すっと杖が掲げられた。
「ミス・ヴァリエール!」
コルベールが、驚いた声をあげた。
教師達の杖が上がらぬ中、フーケ討伐を志願したのは、ルイズだった。
「何をしているのです! あなたは生徒ではありませんか、ここは教師に任せて……」
「誰も杖を掲げないじゃないですか」
唇を強く結んで、ルイズはそう答えた。
「ふん。ヴァリエールには負けられませんわ」
そう言って、今度はキュルケが杖を掲げる。
キュルケが杖を掲げるのを見て、タバサも掲げた。
驚いて見つめる二人に、タバサは短く、
「心配」
とだけ言った。
「ありがとう……。タバサ……」
感極まったように、ルイズとキュルケはタバサにお礼を言った。
212アノンの法則:2009/10/04(日) 21:16:12 ID:7h2hgBWC
「アノンさんも、行くんですよね?」
なんだか場違いな気がして、居心地の悪い思いをしていたシエスタが、こっそりとアノンに尋ねた。
「たぶん、連れてかれるんだろうね」
「じゃ、じゃ私も……!」
「やめときなよ、きっとあのゴーレムに踏み潰されるよ?」
アノンに止められ、シエスタはしゅんと肩を落した。
意志の固い三人を見て、オスマンが、
「そうか。では、頼むとしようか」
と言うと、コルベールが声を上げた。
「オールド・オスマン! わたしは反対です! 生徒たちをそんな危険にさらすわけには!」
オスマンは、まあまあとコルベールをなだめる。
「彼女たちは、敵を見ている。その上、ミス・タバサは若くしてシュヴァリエの称号を持つ騎士だと聞いているが?」
シュヴァリエとは金では買えない、実力の称号。教師たちは驚いたようにタバサを見た。
オスマンは次に、キュルケを見た。
「ミス・ツェルプストーはゲルマニアの優秀な軍人を数多く輩出した家系の出で、彼女自身の炎の魔法も、かなり強力と聞いているが?」
キュルケは得意げに、髪をかきあげる。
そして次にルイズを見て……目を逸らした。
「その……、ミス・ヴァリエールは優秀なメイジを輩出したヴァリエール公爵家の息女で、その、うむ、なんだ、将来有望なメイジと聞いている! しかもその使い魔は!」
真剣さの篭った目で、オスマンはアノンに視線を移した。
「平民ながらあのグラモン元帥の息子である、ギーシュ・ド・グラモンと決闘して勝ったという噂だが」
オスマンは思う。彼が、本当に伝説の『ガンダールヴ』なら……。
土くれのフーケにも、後れを取ることはあるまい。そして、この機会に、彼がミス・ヴァリエールに御しきれるものか、見極める。
「この三人に勝てるという者がいるのなら、前に一歩出たまえ」
そう言って、誰も名乗り出ないのを確認すると、オスマンはアノンたちに向き直った。
「魔法学院は、諸君らの努力と貴族の義務に期待する」
ルイズとタバサとキュルケは、顔を引き締めて直立すると「杖にかけて!」と唱和した。それからスカートの裾をつまみ、恭しく礼をする。
アノンも三人を真似ようとしたが、スカートをはいていなかったので、やめておいた。
「では、馬車を用意しよう。それで向かうのじゃ。魔法は目的地に着くまで温存したまえ。ミス・ロングビル!」
「はい。オールド・オスマン」
「彼女たちを手伝ってやってくれ」
ミス・ロングビルは頭を下げた。
「もとよりそのつもりですわ」
213アノンの法則:2009/10/04(日) 21:17:21 ID:7h2hgBWC
 
馬車は、襲われたときに、すぐに飛び出せるほうがいいということで、屋根の無い荷車のようなものが用意されていた。
「はい、ダーリン。これ使って」
馬車に乗り込むアノンに、キュルケが例のアノンのために買ったという剣を差し出した。
「あのフーケを相手にするのに、その剣だけじゃねえ?」
横目にルイズを見ながら、キュルケがアノンに剣を持たせる。
決闘はうやむやになってしまったが、確かにあのボロ剣だけでは心もとない。
ルイズは不愉快そうにそっぽを向いた。
(コレ、デルフがナマクラって言ってた奴だ…)
そう思ったアノンだったが、とりあえずデルフと一緒に、その剣を背中に背負った。
これで、アノンの装備はデルフリンガーと金ピカの剣。それに、モット伯の屋敷から持ち帰った魔法の杖だ。
ルイズたちの杖と違い、簡単に隠し持てるサイズではなく、かといって他の武器に偽装するには小さすぎるこの杖を、アノンは服の下、背中に差し込んで持ち歩いている。
「さて、全員乗りましたね?」
皆が乗り込み、出発しようとした時、シエスタがバスケットを持って駆けてきた。
「途中でおなかがすいたら、皆さんで召し上がって下さい」
そう言ってアノンにバスケットを渡す。中にはサンドイッチが入っていた。
「あんた、ピクニックじゃないのよ?」
ルイズがじろりとシエスタを睨む。
しかしキュルケとタバサは、
「あら、いいじゃない。おなかが空いてちゃ戦はできないわ」
「ハシバミサンドはある?」
「あんたたちねえ…」
渋い顔をするルイズをキュルケが笑う。
「ふふ、自信が無いのね。そんなにメイドにアノンを奪われるのが怖いのかしら? 」
「そんなわけ無いでしょ!」
「う、奪うだなんて、そんな、私……」
「だからなんであんたは赤くなんのよ!」
「あの、そろそろ行きませんか…?」
ミス・ロングビルが、すまなさそうに言った。
214アノンの法則:2009/10/04(日) 21:18:25 ID:7h2hgBWC
以上です
ではまた
215名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 21:24:39 ID:SKC4tCN4
アノンの人乙です、今回は短め
そのうちアノンが水魔法使って不思議がられたりするのだろうか
216名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 21:57:14 ID:FaTIbYYi
乙です。そういえばモット伯取り込んでたなぁ、アノン。
しかしモット伯もワルドやデルフよりはちょっと落ちるくらいには不幸な人なんじゃないだろうか。
作品によっては戦闘の余波で屋敷が吹っ飛んだり、殺されたり、獣化兵になったりするし。
あの人ってアニメ版オリジナルのキャラだっけ?
217名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 22:12:40 ID:bLGHE994
>>216
そう。アニメオリジナル。好色な蒐集家って感じだからキュルケの家の家宝で
囲ったシエスタを返すんだよな。
でもあのエピソードは後先考えず突っ込んだサイトを自分の非だと詫びるルイズが
よかった。
218名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 22:14:36 ID:OnHp7sTd
モット伯はねぇ…、扱い(生死)は違っても話の流れは変わらない場合が多いから割と酷い目にあうねぇ。
出てこなくても問題ないけど、出てきたところで高待遇じゃない。そんなキャラ。

わかりやすくいうならスピードワゴン。
219名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 22:15:26 ID:JJAFTjQv
スピードワゴンいなかったらおまっ、大変なことになるぞ
220名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 22:17:51 ID:5twCPPBB
スピードワゴンいなかったら父さんも死んでディオに家を乗っ取られる
221名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 22:18:00 ID:wxLEcMHY
スピードワゴンがいなかったら2,3,4,6部が成り立たないぞ
222名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 22:31:06 ID:MegLx5CC
意外と支持されてるんだな
スピードワゴン
223名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 22:31:51 ID:EAbNWtTH
スピードワゴンはクールに去ったからな。
224名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 22:34:00 ID:+6YNLOu+
ああ悪い、劇場版のスピードワゴンのことだ。
225名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 22:41:09 ID:jEqXJzsS
劇場版はソフト化されて無い上に上映も速攻打切られてたから見たやつ殆どいないだろ
226名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 22:43:47 ID:wbBPe8al
>>220
つまりスピードワゴンいなかったら家が乗っ取られるだけで電波神父は生まれなかった…
世界を滅ぼしたのはSPWだったのか
227名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 22:46:07 ID:I/bh+pGE
>>226
スピードワゴンが居なかくても石仮面かぶって吸血鬼化して

そういえば倒されて海中で眠って無かったら柱の男に食われてたか…
228名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 22:46:27 ID:7siXpK1r
劇場版なんて存在しない。
いいか。
ジョジョの奇妙な冒険には、劇場版なんか存在しないんだよッ!
229名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 22:47:04 ID:JJAFTjQv
DIOがいなくてもストレイツォが容赦なく世界を滅ぼしてたかもしれん
230名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 22:58:19 ID:RmV0wyPL
一巡しただけで滅んではないのだが・・・
231名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 23:02:17 ID:8s83+Ss9
>>225
見ましたがなにか
232名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 23:06:06 ID:FaTIbYYi
JOJOファン多いなまたw
まあ一巡した時点で前の宇宙の住人は一掃されてるわけだから、
滅んだといっても過言ではないよなぁ
それはそうとして、ハルケギニアに来たら面白そうなJOJOキャラってどんなんいるかね
あの世界だとスタンド見えるかどうか怪しいけど
233名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 23:07:59 ID:8s83+Ss9
スタンドが見えるのはスタンド使いだけ
あとは作者の采配しだい。基本的には見えない
234名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 23:08:27 ID:dcby24nk
誰にも見えないかメイジにだけ見えるかで分かれる所かね
さて、続きはジョジョスレでやろうか
235名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 23:08:54 ID:LvFwBUR0
まあ何にせよ別スレなんですがね
236名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 23:10:16 ID:8s83+Ss9
あっちはあんまり人いないから、話題だけでもあればうれしいね
あっちで盛り上げてくれ
237名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 23:10:44 ID:RmV0wyPL
>>232
最後に、一巡の過程で死んだ者を除いてそのままだぞ
238名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 23:18:21 ID:USSoSjNA
只今書き溜め中。今後の展開でゼロ魔ゲームのキャラ出そうかなと思ってるんだけど、
それはアリなのかな?話の整合性が合えばOK?
239名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 23:22:35 ID:xFoMRCR/
まぁアニメキャラのモット伯とか出てるし、悪くはないと思うけど。

ゲームなんてそもそもやってる奴少なそうだから、無理に出すのはどうかなとは思う。
240名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 23:22:43 ID:SKC4tCN4
>>238
まるで以前から投下してたような言い方だけどなんの作品?
241名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 23:25:03 ID:7Rk62wIO
>>216
毒の爪やガンスリのアンジェリカ召喚物なんかは
惨めなくらい悲惨な殺され方だからな…




珍しいといえばシャーリーのヤツのモット伯
あの作品ほど白いモットは他にいない。
242名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 23:26:00 ID:vCORMlVR
あーあ、ハルケギニアで不思議な踊り踊りてえ
243名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 23:26:06 ID:Y1zpfeQ1
展開上問題なければ出して良いと思う
ただ、ゲーム版知らない奴もいると思うから
出したときにオリキャラじゃなくてゲーム版のキャラって説明は欲しいかな
244名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 23:30:36 ID:pWi9I1Wb
>>241
ファンのつくキャラでもなし、ひどい扱いしても怒る人は少ないだろうからな。
展開次第でどのように料理しても問題ないので、バイオレンスなキャラを召喚すると
格好の相手にされてしまいがち。
245名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 23:31:24 ID:P+Bhu3bp
モット伯は原作キャラだと思ってる人もいるくらいに登場率高いよな
ギーシュ、フーケ、ワルド、そしてモット伯を合わせて、噛ませ犬四天王
246名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 23:35:47 ID:dqL8W7uI
しかし、最近のワルドは使徒化したりと意外と良い役どころなのかもしれない
247名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 23:37:21 ID:SKC4tCN4
作品によっては白だったりするし
悲惨なやられ方も多いが
248名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 23:41:21 ID:dqL8W7uI
おマチさんもワルド並に致死率高かったような。
だけど、時折ヒロイン化したりすると急にかわいくなるから困る。
249名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 23:47:47 ID:pWi9I1Wb
おマチさんそんなに死んでたっけ・・・。
インパクトある死に方が多いだけで生存率は高い気がする。
ワルドはまあ原作でも死んでるようなもんだし。
250名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 23:47:59 ID:MegLx5CC
逆にその4人が救われたパターンてのはどれぐらいあるのだろう
251名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 23:52:38 ID:fwIcdFZk
変態紳士なモット、有能二重スパイなワルド、ヒロインなマチさん
ギーシュはレギュラー枠としても白化して救われたのはこの三ケースくらいか?
252名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 23:53:29 ID:GfTJfEGy
>>250
つ【エデンの林檎】
253名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 23:59:34 ID:dqL8W7uI
死亡回数少ないけど、死に方が悲惨なだけだったかも。
今現在だと、デモベ系で致死率ほぼ100%だったか
254名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 00:03:14 ID:jMrpyaIK
出番がなけりゃ生存

つまり学院外のキャラが召喚してるやつなら大抵生存じゃね
255名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 00:05:03 ID:j0LYR4Ua
元々おマチさんが一番好きだからおマチさんがヒロイン枠にいる作品は無条件で良作判定してしまう俺。

別スレだが兄貴の人の作品とか可哀想で可愛い。あと鉄の人とか。
256名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 00:06:33 ID:ueuMJ/1T
>>240
それは秘密。
反応を待ってまた来てみたけどどうやら問題無いみたいだね。良かった。
257名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 00:10:12 ID:vWmua7Ld
>>255
同じく
258名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 00:11:23 ID:rQptR6Xq
>>249
結構名の知れてる作品で死んでることがあるから印象が強いんじゃないかな?
確か蒼い使い魔と毒の爪の使い魔では死んでた記憶
259名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 00:12:54 ID:+E5diNuS
>>255
やあ、俺。

>>258
ああ、そうかもしれない・・・・
260名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 00:17:18 ID:z9oRvI10
>>258
そして聖帝様に鳩尾を突かれ死亡…
261名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 00:21:36 ID:wEBRBMte
>>255
仮面の人のも好きだよ
本来のお姉さんキャラが生きてる

>>258
破壊の杖で木っ端微塵にさせられたり(復活させられたが)
リベンジにきたとこを怪物の餌にされたり…
262名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 00:22:40 ID:IBpcM0fT
久しぶりにモンハンのティガレックスの奴読んでイビルジョーだとどうなるか想像したら
近寄ってくるイビルジョーの顎にあたって昇天するルイズが思い浮かんで吹いた
263名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 00:39:17 ID:j0LYR4Ua
オレ、就活が終わったらおマチさんヒロインでSO2のアシュトン召喚するんだ…。
264名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 00:46:45 ID:2WgalFTa
>>262
sagegeとかやっても上がらないの?
265名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 00:54:33 ID:IBpcM0fT
ごめん、変なんなってた
266名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 01:13:46 ID:rQptR6Xq
おマチさん人気だな……
ときにおマチさんとはやっぱりご立派な使い魔から取られているのだろうか?
あと、俺今SSを描いてるのだけれども、
投稿する時のモトネタの記載は投稿終わってからでもいいのかな?
小ネタとかみる限りだとそんな感じっぽいけれど……
267名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 01:16:23 ID:Api3kIsi
厳格なルールは無いかもしれないけど先に元ネタ表記してないのは大体駄作だからその時点で読まないって意見は時々見る
268名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 01:28:25 ID:1uBGSn/l
デスピサロ召喚なんか面白そう。エルフとも繋がりがあるし。
269名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 01:30:01 ID:7WBMO2Iw
>>201
> ベッドの傍にあるドレッサーの椅子に、真紅が座っていた。
> ルイズを見ていない。
鏡を使ってルイズの夢を見てたのか……?
270名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 01:31:28 ID:rQptR6Xq
>>267
なるほどなぁ。まあそれも道理か。
過去ログとかも見ながらやってみるよ。
もう暫くはかかりそうだから早くて次スレ、次々スレあたりになりそうだけど。
271名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 01:33:18 ID:2WgalFTa
>>266
記載は終わってからでもok。
ただし>>267みたいな意見はあるし、俺も経験則から同意するw

というか、そもそも記載しないでもok。
272名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 01:43:56 ID:zZJLzM9W
W召喚だとフィリップは学院の図書館暮らしか
273名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 01:48:54 ID:rQptR6Xq
>>272
むしろ検索が役に立たないとかありそう
星の本棚の中には原作に忠実に行くなら「地球上の知識」しかはいってないわけだし
274名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 01:50:25 ID:QE+TZvUw
最初に元ネタは後で記載するとを言っておけば突っ込まれにくくなるだろうね
275名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 01:59:11 ID:t32ZG2Qi
>>273
キーワードは ハルケギニア トリスティン 魔法
でゼロの使い魔をひき当てるフィリップ
276名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 01:59:46 ID:G3FvrUN9
>>262
他の使い魔を喰うだろうな
常に何か喰い続けないとスタミナ切れ起こすらしいし
277名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 01:59:47 ID:ZAJnN7dB
でも、最後に表記なら全部投下されてから読むという人間もいるのであまり意味がない
278名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 02:04:30 ID:Api3kIsi
後で記載するってのを読んだ時点で読み飛ばすけどね
279名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 02:14:24 ID:P66U20Lu
蒼い使い魔の人はもう帰ってこないの?
280名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 02:15:04 ID:dR5Bib+G
あーん!おマチさんが死んだ!
おマチさんエロ同人&おマチさん単独スレ立てようと思ってたのに…
くすん…美人薄命だ…
うっうっう…ひどいよぉ…ふえーん!!
この間「今、時代は土くれのフーケだ!」の葉書きを出してまだ二週間じゃないですか!
どーして、どーして!?あれでおわり!?嘘でしょ!?
信じられないよお!あんな使い魔ごときに殺られるなんてっ!!
テファと差がありすぎるわっ!!生き還りますよね?ね?ね?…泣いてやるぅ
私はあのおそろしくはすっぱな彼女が(たとえ意外と乙女でもさ!純白!)大好きだったんですよおっ!!
おマチさんっ!死んじゃ嫌だああああああ!!!
職人さんのカバっ!!え〜ん
281名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 02:27:28 ID:Uz2n5OXC
汚物は消毒だぁーっ!!
と、聖帝さまの人乙
まさかあの名ゼリフの根源となったアイテムがくるとは予想外
それにしてもギーシュは聖帝号ごとトリスタニアに置き去りか? 哀れな…
282名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 04:00:48 ID:TOpjSvLV
今更だが借りてきた猫乙。
名前がクロちゃんなせいでどうしてもトロステのオタ臭い方を思い浮かべてしまう・・・
283名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 04:24:02 ID:N+bIgmQe
>>280
ジョジョ二部の単行本巻末で恥をさらされ続けてる読者のハガキだったか
284名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 07:19:09 ID:HqYWKUV/
モンハンからキッチンアイルー召喚してハルケギニアの住人にモンハン世界の料理を食わせるというのはどうだろ?

ワルド「ガッツチャーハンというのかい?何とも不思議な味だね、何を使ってるんだい?」
つ米虫

ワルドは心に傷を負いました
285名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 07:30:20 ID:SlxhU+kj
>>275
最強だなwww
286名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 08:41:52 ID:IkjX0lbb
>>284
小ネタにあったよおなあ。小ネタだから学院周辺から出ていなかった気はするけど
287名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 08:42:09 ID:TUrqCWhg
モットは便利キャラだからな。
アニメオリジナルが故に完全に一発キャラ。一体どうなろうと展開には全く影響なし。

似たような状況はギーシュの香水拾うのがシエスタになっている事か。
あまりにも多くて自分の記憶違いと思った事がある。
288名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 08:44:11 ID:Cjulu61/
基本的に人に無関心なキャラが香水拾うのもおかしいしシエスタのおかげで決闘まではスムーズに進むからじゃね
289名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 08:54:28 ID:RAgT5Hae
シエスタが人柱みたいになってるじゃん、それ
290名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 08:58:33 ID:uC/us0Dd
>>289
たくさんのワルドがもっと言ってやれと目で訴えてるぞ
291名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 09:00:57 ID:AIOU8+jy
>>290
おっと、その流れはなしだ
292名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 09:50:39 ID:BiF3SLmp
ワルドは良くも悪くもハルケギニアでは結構スペック高い方だと思う(虚無関係を除いて)
でもクロス側の方が強くてただのやられキャラと化してしまったのは悲しいねぇー…
293名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 10:26:53 ID:aimWLdFH
かなり強い、というかハルケギニアのメイジとしてはトップクラスの強さを持つというのに
なんであそこまで小物臭いんだろう
294名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 10:35:04 ID:S/4biAFz
>>293
ずばり言っちゃうとマザコンだから。
聖地に行きたいのも何かの大義のためじゃなくて、ママンのためだもの。
295名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 10:56:17 ID:i/xEbSBF
たまには『悪の華』ってワルドが見てみたいですね。
ピカレスクロマンの世界って感じで。
296名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 10:57:35 ID:i4qAOsAG
>>93
ワルドだからさ……


もしワルドが他作品キャラ召還するとしたらシャアとかだろうな、似通った性癖的に
297名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 11:09:38 ID:/UEIDU8O
昔、ワルドってシャアに似てるよねって言ったら、「シャア馬鹿にすんな!」ってえらい剣幕で怒られたんだ……

まあ、小物臭いのはやってることがみみっちいからでしょうね。
サイトいじめてルイズに見栄張ったり、下手な変装で自作自演してみたり、人質で脅して一度やられたキャラ使いまわしてみたり。
298名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 11:14:11 ID:iIhqKBOe
ワルドはスペック的に問題ないんだが……
任務の最中に決闘申し込んだり
嫁入り前の婚約者と同室で寝ようとしたり
船直前で自演乙したり
マザコンだったり
と、才人を目立たせるための小物臭が満載だから仕方がない
299名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 11:29:37 ID:WcZZWJ3o
あとは、裏切ってついた先のクロムウェルが実はさらに上位者の操り人形だったりとかか。
そこからジョセフや教皇に次々取り入っていったりすればよかったんだろうけど……。
やっぱ遍在がチートすぎるんだろうなあ。
300名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 11:36:42 ID:Kc1c/Sh7
本編で再登場する機会を逃したのが原因な気がする
このまま最後まで出なかったりして
301名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 11:40:36 ID:iIhqKBOe
いっそ才人の代わりにワルドが召喚されてたら……
決闘イベントなし
フーケイベントなし
アルビオン訪問微妙
タルブ訪問なし

……あれ? ゼロ戦使えないせいで敗北する可能性が高すぎる?
302名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 12:09:45 ID:gGTQLM2Y
スーパーワルド
303名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 12:20:36 ID:fPc5C3+H
そもそもワルドは髭のせいか実年齢より老けて見えるから、ルイズを口説く姿が更に怪しく見えるよね。
304名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 12:23:21 ID:sK4qEO7M
ずっと偏在だけで戦ってれば良いのに
305名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 12:24:46 ID:Uz2n5OXC
>>301
それはifスレ向きだろう
つか、ゼロ魔の悪役って、ワルドにしても、ジョゼフ、メンヌヴィル、ヴィットーリオと、人格破壊してるのが多いな。
シャアみたいなライバルキャラや、デスラーみたいなカリスマキャラ、ラインハルトみたいな対極の思想の宿敵のような
その手の敵ながらも尊敬できるみたいなキャラはたいしていないな。
306名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 12:36:37 ID:1P1QHVgm
>>302
その言葉で連想したのは……
キノコ食ってパワーアップしたワルド……フラワーでファイヤーワルド……
307名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 12:42:12 ID:Cjulu61/
偏在がチートってので考えたがNARUTO関係のキャラ呼び出して白ワルドに忍術を教えて偏在(多重影分身)でチート修行
風系だから螺旋丸とかそのまま使えそうな強いワルドも夢じゃない

ただナルトのキャラを呼びだしたいとは思わんが
308名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 12:43:47 ID:Vq1cBfad
>>305
その例に出した3つのキャラもかなり人格破綻者のような気がするぞ
309名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 12:55:43 ID:IkjX0lbb
ワルドって何歳だっけ
ベルセルクのガッツは22歳くらいであの顔だけど
310名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 12:58:42 ID:UwvQiatv
>>307
アレ実際どういうものなんだろうね?
俺は人型の風を作ってそれを光の屈折で
見た目を誤認させる風王結界みたいな物だと風で出来そうかと思ってたが
知覚的な共有ができてるみたいだし・・・
311名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 13:54:44 ID:HAInC5Jt
>>268
ピサロなら日替わり使い魔でテファに召喚されてた
312名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 13:58:09 ID:gPUBj7ZH
スーパーワルド、ハイパーワルド、ウルトラワルド、キングワルド、グレートワルド、ミラクルワルド
ニューワルド、ネオワルド、ワルド2、ワルド改、改造ワルド、強化ワルド…
313名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 14:03:36 ID:IkjX0lbb
風が地球のエネルギーバランスを司るみたいにそれをちょちょいと借りて動く人形を作っているんじゃない?
ちょっと環境が崩れそうだがw

しかしそうなると熱力学を支配した風メイジが何もない空間から云千度の熱気や冷気を生み出しそうだなw
314名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 14:09:24 ID:y01f8imp
>>312
ワルドセブン、帰ってきたワルド、ワルドA、ワルドタロウ、ワルド80、ワルドグレート
ワルドパワードとか
ワルド1号、ワルド2号、ワルドV3、ワルドマン、Xワルド、スカイワルド、ワルドアマゾン
、ワルドストロンガー、ワルドスーパー1、ワルドZX、ワルドブラック、ワルドRX、ロボワルド、バイオワルド
こうだろ。
315名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 14:17:23 ID:4+P4NB2x
最初のワルドセブンのせいで、ワルド?レコンキスタの騎兵隊?
ワルド&ブレイブス?盗賊と虚無とエルフの予言?を思いついてしまった
316名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 14:20:04 ID:gPUBj7ZH
何かありそうな ワルドセブン〜♪
317名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 14:21:44 ID:aimWLdFH
>>309
26歳
年齢的には27歳のエレオノールの方が近いのだが・・・・・・
恐らく婚約を交わした頃はエレオノールはもう「その頃の誰か」と婚約してたんだろうな
その人はどうなったかは知らんがまあ大体想像はつくな
318名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 14:22:54 ID:y01f8imp
>>316
ハルケギニアのどぶさらい〜♪
319名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 14:25:05 ID:6Mj5c63F
>>309
ワルドはガッツよりちょっと上くらい(25.6)じゃない?
ガッツはあんな生活つづけてた上に鎧までつかっちゃってるから老け込んでもしょうがない。
しかし使徒化したワルドってどんな風に変貌するんだろうか?
翼がある飛行系になったりして。
ロシーヌ以上の速度で飛翔、元軍人で有るが故の洗練された動き、しかも偏差で分身して襲ってくる。
……うん、どう考えてもチートです。

それにしても虚無でゴッドハンド倒すつもりとか、過去にどんな因縁があるのやら。
320名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 14:30:11 ID:cCAqnAI6
なんというか>>312のせいでスパロボとかGジェネとかで雑魚ユニットに乗っている名無しパイロットやAIみたいなイメージが
ワルド兵、エリートワルド兵、ベテランワルド兵、ワルド仕官、上級ワルド仕官、強化ワルド兵、ワルド親衛隊(NT)…
321名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 14:30:25 ID:NKqvvRcw
∀ワルドってかくとすごい強そうな気がする
322名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 14:33:43 ID:4+P4NB2x
お兄さんもいそうですね。

>>320
遍在を駆使すれば……!?
323名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 14:36:20 ID:y01f8imp
>>320
たまに能力が全キャラ中最高だったりするから地味だが侮れない。
324名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 14:40:03 ID:djGyvy7m
アルティメットワルドとかワルドインフィニティとか強そうだな
メカワルドやメタルワルドとかもいいかも
325名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 14:43:48 ID:cCAqnAI6
クローンワルドとかバイオワルドとかになると不気味な実力者といった風情に
『ワルドだったもの』だとまた違う方向に。具体的にはデモンでベインな巨大ロボに斬魔されるよーな方向
326名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 14:43:48 ID:WVBqfOt6
エリートワルド「踏み込みが甘い!」
327名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 14:52:36 ID:I+aUIVPn
フルアーマーワルド パーフェクトワルド markU Zワルド ZZワルド 
Sワルド EXsワルド ワルドmarkX νワルド HI-νワルド 三ワルド
ワルドF90 ワルドF91 Vワルド V2ABワルド…これで撃ちもらしは無いな…。
328名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 14:58:52 ID:aimWLdFH
Oワルド、ワルドエクシア、ワルドデュナメス、ワルドヴァーチェ(ワルドナドレ)
OOワルド、ケルディムワルド、アリオスワルド、セラヴィーワルド、セラフィムワルド、ワルドスローネ



もう自分が何を言っているのか判らなくなってきた
329名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 14:59:11 ID:iIhqKBOe
ワルド一号「私を倒しても第二、第三のワルドが……」
ワルド二号「私が死んでも、代わりはいるさ」
ワルド三号「うぼぁー」
330名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 14:59:29 ID:rIVlNWk2
グローイングワルド、マイティワルド、ドラゴンワルド、ペガサスワルド、タイタンワルド、
ライジングマイティワルド、ライジングドラゴンワルド、ライジングペガサスワルド、ライジングタイタンワルド、
アメイジングマイティワルド、アルティメットワルド(赤目)、アルティメットワルド(黒目)。
331名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 15:00:41 ID:6tkdi9ti
いいよガンダムはスレ違い
それにセンスない

ネーデルワルド
332名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 15:01:14 ID:1P1QHVgm
シャイニングワルド ゴッドワルド マスターワルド ワルドマックスター ドラゴンワルド ローズワルド ボルトワルド
ワルドシュピーゲル マーメイドワルド マンダラワルド ノーベルワルド

……疲れた……パトラッシュといっしょに寝てくるか……
333名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 15:04:20 ID:cCAqnAI6
>>332
アメリカ版ではゴッドワルドがバーニングワルドになるのですねわかります
334名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 15:07:17 ID:aimWLdFH
じゃあガンダムやめて
ワルドムーン、ワルドマーズ、ワルドマーキュリー、ワルドジュピター
ワルドビーナス、ワルドサターン、ワルドウラヌス、ワルドネプチューン、ワルドプルート

「せぃらあ服だと!こんなものが着れるか!          でもスカートってちょっといいかもしんない」   
で、こっそり着てる所をルイズに目撃されるんだな
335名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 15:07:44 ID:ixPMOdIk
偏在を使って吉本新喜劇ばりのローテーショントークが見たい
336名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 15:09:06 ID:djGyvy7m
キュアワルド、シャイニーワルド、ミルキィワルド
337名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 15:09:20 ID:fPc5C3+H
この摩訶不思議な流れを見てたら、ふと頭に浮かんできたんだが…

『マクドワルド』

何だろこれ…w
338名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 15:10:50 ID:aimWLdFH
>>337
とりあえずモニターに吹いたコーラをどうしてくれる
339名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 15:13:19 ID:1P1QHVgm
>>337
メニューはスマイル(悪人的な)一つで経営される店かな?
340名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 15:13:25 ID:NKqvvRcw
ワルド←よわい
あなぐらワルド←よわい
洞窟ワルド←超強い
341名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 15:14:36 ID:cF91F2aR
>>310
「風はどこにでもあるから、自分を風に変えることで、自分もどこにでもあるようにする」
という魔法だと思う。
342名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 15:19:02 ID:cF91F2aR
「自分を『風のようにどこにでもあるもの』に変える」魔法かもしれない。
343名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 15:26:03 ID:aimWLdFH
「自分を『黒くてカサカサ音立ててどこにでもいるアレ』に変える魔法」

ヤな魔法だな
344名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 15:26:55 ID:iIhqKBOe
誰だ、ワルドネタ振ったの
345名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 15:27:40 ID:gNrfSahe
原作でちょっと小物臭溢れてたからってここまでこき下ろされるワルドかわいそすww
まあでも、ワルドだもんな
346名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 15:35:00 ID:N+bIgmQe
>>342
あ、ワルドくんいたんだ
347名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 15:48:59 ID:aimWLdFH
>>346
やめろよぉやめろよぉ オイラのちっちゃなハートに刺さったトゲのような
古傷をえぐる様なまねはやめろよぉ
348名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 16:09:04 ID:dMtqiCR6
ネギま読んで思いついたのが、
偏在を雷に錬金することで150km/secの速度で移動攻撃可能な雷速偏在
ワルド無双
349名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 16:11:06 ID:TUrqCWhg
コワルドとか、カワルドとか、マワルドとか。
350名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 16:11:13 ID:i4qAOsAG
>>337
これがワックか…
351名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 16:12:49 ID:5jKCyy49
ネギまの魔法は精霊の力を使ってますからね……いや待てよ? 発動のために媒体は必要だし、無詠唱が可能とはいえ詠唱することもあるし、偽装は可能か?
ゼロ魔だと、系統魔法か先住魔法かは詠唱や発動媒体の有無で見ているっぽいですし。
352名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 16:36:29 ID:O7Ga2bN0
そういや魔改造なワルドってどれだけいるかな?
パッと思いつく限りでは、MtGやサガフロ2、このスレで投稿のあったベルセルク・ゼロのワルドなんだが。
353名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 16:39:14 ID:1P1QHVgm
>>352
魔(王様の)改造で『ご立派』のワルドが思いだされた
354名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 16:40:48 ID:XRuZwMba
偏在なんて言葉使うぐらいだしどう考えても量子論的な分身だと思うが
355名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 16:42:53 ID:4h9xPsqC
>>352
DOD&Mのワルドも魔改造だな
356352:2009/10/05(月) 16:45:56 ID:O7Ga2bN0
しまった、付け忘れ。
魔改造(誉め言葉的な意味で)、ですw

もしかすると単語自体にいい印象をもってない人がいるかもしれないので、念のため。
357名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 16:58:43 ID:xOUIxFYu
ワルドの本体はヒゲ
358名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 16:59:56 ID:rQptR6Xq
>>353
あのワルドはほんと限界超えたってレベルじゃないよな
あの連射性能ならアルビオン7万の大軍を単騎で殲滅できるやもしれん
359名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 17:05:58 ID:Uz2n5OXC
分身使うくらいだから、何度倒されても二代目三代目がやってくる執念深いワルド
もちろん笑い声はフォッフォッフォッ
360名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 17:10:44 ID:5PeP5eUo
勝手な事を言うな、ワルドを誘き出したのはあんた達だ・・・
361名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 17:19:11 ID:ErEo5eRj
バルバトス「ワルドデストロイヤー!!」
362名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 18:12:15 ID:Yohex9Qn
チートな偏在だが破滅的欠点というものを付与してやるのはどうだろう
偏在を呪縛することで一種の呪いの藁人形的存在として本体に苦痛を与えるとか
行動を逆支配するとか、スキルニルのような偽の肉体を与えることでどこまでも
本体を追尾、抹殺しようとする最悪の暗殺者ができるとか
363名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 18:14:33 ID:RAgT5Hae
偏在って四身の拳に似てるな。もっとも、天津飯のじゃなくてアニメ版セルのだが
364名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 18:17:09 ID:iIhqKBOe
風の集合体なんだから、衝撃には弱そうだな>遍在
365名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 18:20:37 ID:rQptR6Xq
>>364
原作でもルイズの爆発で消えてたな。
強い衝撃を受けると消える性質なのかもしれん。
たとえはアレだけどNARUTOの影分身みたいなもんなんだろうな
366名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 18:25:10 ID:4+P4NB2x
>>362
なんかスレ違いじゃね?
367名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 18:27:40 ID:gg+IgU31
機械獣ワルド子爵、機械獣モットV2シュナイダー
368名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 18:38:17 ID:qc49Owca
>>365
あれはルイズの虚無だからって可能性もあるけどな。
固定化かけた塔だって罅入れるし。
369名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 19:00:30 ID:mRp+nZcr
聖地の扉の先はヤマノボ先生の部屋に続いていました、みたいなネタをやって欲しいね。
教皇がどんな反応をするのか気になるけど、それ以上にヤマノボ先生自身がショクを受けるように思う。

最初はビックリするだろうけど、その内ヤマノボ先生のイタズラ心が芽生えてきて、
量産型ブリミルとかの設定をでっちあげて全国のブリミル像に命を吹き込んだりとか、
シャルルを生前の姿のまま唐突に生き返らせて、火石であぼーんしようとする前のジョゼフの前に放り込んだりとか、
タバサには実は双子の妹がいたとかいう事にしてみたりとか・・・って、これは既にやってるかw

この手のネタをテーマにした小説があったら是非教えて欲しいな。
370名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 19:03:05 ID:rQptR6Xq
>>368
あー、そういう可能性もあるか。
まあ一撃で消えるのはナシとしても、
ダメージなら消せる可能性は無いではないんじゃなかろうか。
才人の攻撃でも消えてたわけだし。
原作で言及されてないようだからはっきりとはいえないけど
371名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 19:07:41 ID:7SCxxK7U
ワルドレッド、ワルドブルー、ワルドグリーン、ワルドイエロー、ワルドピンクで
かませ戦隊ワルドマン
372名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 19:13:09 ID:FAIEmTDC
ふと、ランス以外のアリスソフトのキャラが召喚されたらどうなるか考えてたんだが、
逆にルイズがままにょにょの召喚装置に召喚される話を考えてしまった
ちなみに考え付くまでに出た候補は
マーティス(恋愛神・女性Var)、志津香+マリア(戦国ランス後)、アリエッタ、
星川翼(夜が来る終了後、大悪司前)、斬真豪(最終決戦前)、ストーリン(ED後)
比良坂初音(本編前)、バルキリー・少女Yar(女の子モンスター)
……よく見ると変な人選だな、まともな奴が志津香+マリアとストーリンしかいねぇ!!
373名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 19:20:32 ID:Uz2n5OXC
>>371
ワルドピンクはカマバッカ王国出身だったりするのか?
374名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 19:20:42 ID:1P1QHVgm
>>372
気の強い女性にある程度なれてるレオ君が抜けてるぞ
375名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 19:26:49 ID:VD/nLbVq
>風の集合体なんだから、衝撃には弱そうだな>遍在
洞窟や建物内だと単独行動範囲や持続時間が大幅に限定されるくらいの縛りは欲しい
あるいは偏在の人格や心に秘めた欲望が極端化するとか
376名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 19:27:23 ID:FAIEmTDC
レオも考えたんだが単体だとちょっとインパクト薄いんで
きゃんきゃんもセットにしようとおもったんだ
そしたらめっちゃ発禁になったんで却下したんだよ
377名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 19:28:28 ID:rQptR6Xq
>>373
酷い話もあったもんだw
ワンピ系といえばデルフを使うことまで考慮に入れるとブルックとかゾロがいいのかねぇ。
ゾロの場合スリラーバーク前のがデルフを使う必然性も出来て良さそうなんだが。
ワンピって武器使いがそれほど多くないんだよな……
小ネタでもあったが基本的にメイン所は肉弾戦多めだし。
378名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 19:33:50 ID:FAIEmTDC
>>377
ゾロが召喚されてデルフを使うなら口に咥えられてデルフが喋る度に「うるせぇ!」だな
379名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 19:35:03 ID:FDOqJG9P
エロゲー…土見稟しか浮かばないorz。
380名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 19:43:12 ID:7SCxxK7U
>>373
ワルドイエローもカマバッカ王国出身だ
381名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 19:45:25 ID:GJMQxeL7
今まで偏在越しに本体へダメージ与えたのってジルぐらいだろ


股関を蹴り潰した精神的ダメージだが
382名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 19:51:22 ID:iIhqKBOe
そろそろ考察スレ行く?>遍在
383名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 19:57:49 ID:dbKeyU7R
ここまでオズワルドなし
384名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 19:59:39 ID:xOY6S6d6
鬼ワルド?
385名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 19:59:45 ID:xG2Cc1qj
>>379
あやかしびとの主人公、双七君だったらデルフと仲良くなれるな、先祖が先祖だし
行く行くはガーゴイルとか取り込みまくったメカ九尾の一部として....
386名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 20:07:12 ID:w4bO2tvG
双七くん召喚は考えたなぁ、ガンダの相性がこれ以上ないほどにバッチリだし。
387名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 20:29:36 ID:rDh6FqOb
>>383
ルイズが召喚魔法に失敗して謎の世界に飛んでいって、
そのときに全身緑の女メイジを殺してしまうところから始まる一大ファンタジーだな
388名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 20:31:48 ID:aimWLdFH
>>383
謎の「魔法の銃弾」の使い手?
389名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 20:33:35 ID:gg+IgU31
>>381
確か破壊輪で殺ったのがあったような…
390名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 20:36:00 ID:bjTxMnrk
>>389
小ネタのバンデットキースのデッキ召喚したやつだ
391名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 20:37:07 ID:gg+IgU31
ああそれだ
392名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 20:38:20 ID:KChKHzXb
男達の使い魔みたいに、個人じゃなくて集団で呼んだほうが面白いって作品はないかな。
幻想水滸伝の108星たちを城ごと呼んで活躍させたりとか考えてたことあったんだが。
393名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 20:46:47 ID:FAIEmTDC
>>392
つ「男塾」
394名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 20:52:22 ID:E0y2YFpT
300
制御不能
395名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 20:57:48 ID:oipCNXtH
ハーデス崩御、冥界が崩壊してリストラされた108の冥闘士
396名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 21:04:35 ID:TUrqCWhg
>>369
聖地の扉が異世界に続いているというのは面白いかもね。
そこはルイズが召喚したキャラの世界でブリミルは元々そっちの世界の人とか。
397名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 21:19:47 ID:zfAX+f/p
ワルドラマンとか? 思いっきり目が吊り上ってそうだ…。
遍在使えば何時でも何処でもウルトラタッチ!
ウルトラアイは仮面で代用!
杖はベーターカプセルだ!
398zeropon!:2009/10/05(月) 21:21:01 ID:pzxERIvQ
つづきを投下したいと思います
25より投下します
399名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 21:22:54 ID:1oXlJzj4
>>377
>ワンピースの武器使い
たしぎ軍曹を忘れるとは何事か?!
400zeropon!:2009/10/05(月) 21:25:19 ID:pzxERIvQ
zeropon

第12話

さよなら傭兵さん

キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーにとって、
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは親友である。
他人が否定し、相手が否定しようとも知ったこっちゃなく彼女にとっては親友である。
最も恥ずかしくて本人に面と向かって言ったことはないが。
キュルケには友人が少ない。
言い寄る男は数多くいる。しかし彼らの目に映るのは、
キュルケではなくゲルマニアである。
トリステインとゲルマニア、国家間の婚姻が成された際、
ゲルマニアに有用なコネがあれば、その分だけ有利な地位が得られる。
キュルケはトリステインの男貴族にとって、とても魅力的な『駒』であった。
見え透いた魂胆。だからキュルケはその男達に、適当に付き合い、適当に貢がせていた。
そんなキュルケを面白く思わないのは、トリステインの女貴族である。
『ちやほやされていい気になっている』『ゲルマニアの淫売』などなど、浅ましい陰口を叩く彼女達に辟易していた。
だから唯一の話相手といえば同じ留学生のタバサであった。
入学して一週間、トリステインの貴族を早々に見限っていた彼女はふと思い出した。
ヴァリエール。そう、ツェルプストー家と多少、因縁があるトリステインの公爵家。
その三女が入学していたはずだと。
そして彼女が目的のものを探し、見つけたとき、そこにいてのは最も貴族から遠く、しかし、
キュルケが会ったどのトリステインの貴族よりも高貴な貴族がいた。
日々『ゼロ』と蔑まれようとも、貴族の証である魔法が使えなくとも、
しかし顔を上げ胸を張り、気高く生きるその心。その心が誰よりも貴族らしかった。
キュルケは思った、彼女と友達になりたいと。ちょっかいを出して彼女と遊んでいた?彼女。
あのフーケとの戦い以来、ルイズは彼女の心の大切な一かけらとなっていた。
ならば、ならばである。その大切なルイズを害とそうという輩を彼女が許すはずもなかった。
彼女はその口元に『微熱』の二つ名にふさわしい、柔らかな微笑を浮かべ、
その身を焦がす怒りを杖に込め、呪を紡ぐ。それは、大きく、熱く、まばゆい光を放つ火球。
ただのファイヤーボールなのだが、メデンが渡した『炎の杖』の力も相成って、それは最早、小さな太陽。
それをキュルケは放つ。情けも容赦もない。躊躇いもない。ただひたすらな静かな怒りを込めて。
「とりにくうううううううううかえせえええええええ!!」
…あんまりルイズとは関係ない激烈な怒りを込めて。
轟音、爆音なんでもござれ、吹き飛ぶ傭兵。飛び散る傭兵。
キュルケの火炎は容赦なく傭兵をなぎ倒す。そんななか、
かろうじて避けて脇道に入った傭兵達もいた。
「なんなんだありゃ!トライアングル、いやスクウェアクラスのメイジじゃねえか?!」
「畜生!こんなの聞いてねえ!」
「聞いてない、つまり聞いた人間がいるということか」
「だ、だれだ!」
脇道の暗がり。4人の傭兵の背後から現れたのは、巨大な目玉。
401zeropon!:2009/10/05(月) 21:29:08 ID:pzxERIvQ
「ひい!?」
「な、こいつがあいつの言ってた奴か?」
一斉にその手に持つサーベルや、槍を向ける傭兵。
に、対して目玉ことジョン・ドウはその巨大な鋼鉄の腕をすうっと上げるのみ。
「来い、若いの。少し遊んでやろう」
余裕のよっちゃんで構えるジョン・ドウ。
「くそったれええええ!」
「死ねやっ!」
まずは二人。槍を突き出し、剣を振りかぶる。が、突き出された槍はジョン・ドウが手の甲で
柄をいなしそのまま脇に抱えられる。そしてそのまま右から剣を振り下ろそうといしていた男のほうに
槍を振る。自然、槍を持った男の体は振りかぶられたサーベルの前へ。
「うぎゃ?!」
近すぎてサーベルの刃ではなく柄で殴られる槍の男。そのままジョン・ドウが軽く押しつつ槍を放すと、
二人の男はもつれ合ってもんどりうつ。
「二人同時に攻撃する場合は前後からだ。同一方向からでは同時の意味がない」
「おおおおおおおっ!!」
講釈すらするジョン・ドウに次は大斧を持った大男がその剛力を叩きつけようと斧を振り上げる。
しかしついっと一瞬で間合いを詰めたジョン・ドウ。それに対応できず近すぎて大斧をふりおろすこともできない男。
密着したジョン・ドウが男の顎を手のひらで突き上げる。ふわりと浮いた大男。
ジョン・ドウはそのままその顔をガシリと掴み、頭から地面に叩きつける。
「うわああ!ば、化け物め!」
最後の一人。その男が構えるのは最新型の携帯式の火銃。ジョン・ドウとの間は僅かに2メイル。
外しようのない距離。しかしジョン・ドウはその余裕を崩さない。
「ひ、ひひひ。こ、こいつでぶっ殺してやる!」
「慣れない武器を使ってるな新兵?セーフティが掛かったままだぞ?」
しまった!男はそう思った。確かにこの武器は二日前に買ったものだ。買ったときに使い方を習い、
確実にセーフティをはずすように言われてたのに!。男は慌てて自分の銃を見る。が。
「な、なんだ。ちゃ、ちゃんと外れてるじゃねえか」
「そうか、ならいいんだ」
ひたり、と銃を持つその手に重ねられた巨大な鋼鉄の手。
「あひい?!」
なにをどうしたものかくるりと男の体は一回転。
軽い衝撃と共に気付けば背中が地面についている。
「職を代えるんだな、若いの」
振り下ろされる鋼鉄の腕は石畳を砕き散らす。
しかし、男の頭はまだ原型を留めていた。振り下ろされた拳は男の顔の横にあったからだ。
不殺。それがジョン・ドウのポリシーであった。
「な、なんじゃこりゃあああ?!」
「こ、こいつ目玉野郎だ!いたぞおおおお!目玉がいたぞおお!」
「目玉目玉と失礼な。うじゃうじゃと出てきおって」
402zeropon!:2009/10/05(月) 21:32:08 ID:pzxERIvQ
ジョン・ドウがうんざりした様子で手を壁につける。
路地の奥からはぞろぞろと傭兵が現れてきていた。
「あんまりスマートなやり方じゃあないんだが」
ジョン・ドウがむん、と力を込めると手を置く壁が砕け散る。
ロボポンたるジョン・ドウの本領は攻城戦における障害物の除去である。
民家の壁などそれこそ薄皮のようなもの。砕け散った壁は無数の破片になり、
その中の大きな破片をジョン・ドウが持つ。そして振りかぶり、
投げる。
瓦礫は砲弾となり一直線、群がる傭兵を直撃はしないが、着弾の衝撃と、
それによって生まれた破片だけでも十分な威力を持っていた。
撒き散る傭兵、フライング傭兵。
最早、これまでと逃げ出す傭兵もいた。いたことはいたのだが、
「はしばみ草」
その一言ともに吹き荒れるは地獄の吹雪。刹那の間を置かずに哀れ傭兵達は氷漬けにされていく。
そんな彼らの前には青髪の少女がいた。青髪の少女は微笑んでいた。
微笑んでいるのだ。普段から表情を見せない彼女が微笑んでいるのだ。
知らぬものが見ればそれは天使の微笑であろう。しかし彼女を知るKさんはこういう。
「あのときのTバサの顔に浮かんでいたのは間違いなく、狂気の笑みだったわ…」
と。
輝く傭兵、凍てつく傭兵。
あつめられた傭兵、140。無事に朝日を拝めたものはいなかった。
403zeropon!:2009/10/05(月) 21:34:09 ID:pzxERIvQ
投下終わりです。
404名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 21:39:58 ID:x5GIJnKn
おつかれー

そういや名前が出て軽く疑問が浮かんだけど、はしばみ草の味の詳細って原作に出てたっけ?
405名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 21:42:52 ID:w4bO2tvG
>>399
もう少尉だぜ
406名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 21:45:29 ID:Uz2n5OXC
余裕のよっちゃん乙
この傭兵たちもワルドと同じく名かませ犬だな
407名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 21:47:20 ID:IkjX0lbb
ジョン・ドウってオリジナルキャラ?
408zeropon!:2009/10/05(月) 21:50:00 ID:pzxERIvQ
パたぽんではオリジナルですが元キャラは蛇の人(親父のほう)です
409zeropon!:2009/10/05(月) 21:58:36 ID:pzxERIvQ
すいません、妙な日本語になってました。オリジナルですが、
元キャラは蛇の人です。3の通信でふざけてジョン・ドゥと名乗ってます。
410名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 22:12:38 ID:gsPvO3p3
ジョン・ドゥ=名無しの権兵衛、或いは身元不明の男性死体の名称
だったな確か
女の場合ならジェーン・ドゥだ
411名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 22:14:00 ID:qm5uawRx
乙。

因みに、英語圏では身元不明の死体が出た時などに、男ならJohn Doe、女ならJean Doeと書類に書いておきます。
日本語でいうと『名無しの権兵衛』ですね。
412名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 22:15:22 ID:eRd6quG6
サガ2で小ネタを書いたんだけど、投下して大丈夫かな?

重大なネタバレはないけど
リメイク版が発売したばっかだし、避難所に投下した方がいいのかな?
413名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 22:18:29 ID:uC/us0Dd
このスレでネタバレ気にする奴はいないよ
414名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 22:20:18 ID:lyPXn3qn
そのては くわんぞ
さあ これから とうかがはじまる
415 ◆kjjFwxYIok :2009/10/05(月) 22:23:16 ID:eRd6quG6
おk
なら、5分後から投下する

元ネタは『サガ2秘宝伝説GOD』からエスパーガールです



久しぶりの投下なので緊張するなぁ
 
 ※フェオの月 ティワズの週 ラーグの曜日

 とうとう明日が使い魔召喚の儀式だ。
 ついにこの日がやってきてしまった。
 明日という日に、私は試されるのだ。この魔法学院に、強いては貴族というものに相応しいかどうかを。
 始祖ブリミルよ、お願いします。明日の使い魔召喚の儀だけは、どうにか成功させてください。
 もし、儀式を無事終える事が出来たなら、この先どのような苦難が待ち受けていようと、私はそれを受け入れます。
 ですから、なにとぞわたくしめの願いを受け入れて下さい。お願いいたします。


                               ルイズと彼女と運命の糸

                  = サガ2 秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY 異伝 =


 ※フェオの月ティワズの週イングの曜日

 ―― 午前

 結果から言うと、儀式は成功した。
 そして、私が詠唱した通り神聖で美しく、そして強大(たぶん)な存在が召喚に応えた。
 召喚されたのは、私と同い年くらいの少女だった。
 肩にかかるほどの金髪が片目を隠し、体の線が良く分かるピッチリとした服を着ている。
 よく観察すると、その服はかなり大胆なデザインで、胸の谷間がはっきりと見えてしまっている。
 しかも、凄いミニスカートだ。走りでもしたら、容易に中が見えてしまうだろう。
 そして、二の腕半ばまであるグローブと、太もも半ばまであるブーツを履いている。
 全体的にみれば肌の露出は少ないが、きわどい部分が多々見受けられる。
 褐色の肌が色気を振り撒き、男の目を釘付けにしてやまないだろう。
 しかし、彼女の姿を直視する者は殆どいなかった。

 なぜなら、金の髪から鋭く尖った耳が覗いていたからだ。
 つまり、彼女はエルフだった。一人で優れたメイジ数10人分にも達するとも言われるエルフだった。
 かくいう私も、冷静に観察できているわけではなく、恐怖で足が竦みこの場から離れなくなったにすぎない。
 彼女は、キョロキョロと周りを見渡し首をかしげている。
 一見、何の害意も伺えないが、油断してはいけない。気を緩めれば最後、頭からマルカジリにされるのがオチだ。

 永遠に続くかと思われた緊張を絶つ者がいた。
 その救世主の名は、ミスタ・コルベール。私たちの先生だ。
 心の中で拍手喝采をする。ひそかにコッパゲとか言っててごめんなさい。これからは真面目に講義を聞きます。
 多くの者が固唾を飲んで見守る中、ファーストコンタクトは無事果たされた。
 どうやら、いきなりこんなところに出てきてビックリしていたらしい。
 ミスタ・コルベールとも普通に受け答えしていたし、意外と怖くないのかもしれない。少しだけホッとした。
 そしたら、ミスタが近寄ってきた。

「ミス・ヴァリエール、彼女の事で話し合わねばならない事がありますので一緒に来て下さい。
 オールド・オスマンの指示を仰ぎます」

 まあ、そりゃそうよね。
 エルフが使い魔なんて聞いたことがないし、何より私も嫌だ。
 近くにいるだけで生きた心地がしない。



◆◇◆

 
417名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 22:28:44 ID:qWsqNVry
>>372
アリスソフトならばにしゅとかマイナーだがいいんじゃないか
ルイズ・タバサと結託しておっぱい消滅の魔法を発動させようとするネウス様とか
アン様とエロトークに花を咲かせるエロ姫とか
418名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 22:29:11 ID:sK4qEO7M
小ネタで25レス、だと……?
 
 ―― 午後

 そんなこんなで学院長に会いにいき、事情を話し合った結果、様々な事が判明した。
 まず第一に、彼女はエルフではないそうだ。エスパーという種族らしい。
 人にはない特殊な能力を使う事が出来るそうだ。 ……エルフと何が違うんだろう?
 そして、私たちに最大の衝撃を与えたものが彼女は違う世界から来たそうだ。
 最初は眉唾で信じる気など更々なかったのだが、
彼女が語った世界を股にかけた冒険は真に迫っており、私はすっかり信じてしまった。
 ミスタ・コルベールやオールド・オスマン、
そして同席していた学院長秘書のミス・ロングビルも、いくらかは彼女の話を信じているようだ。
 そして、これからどうするのかと問うと、天の柱を探すのだそうだ。
 天の柱というのは、世界と世界を繋いでいるそうで、それさえ見つければ元の世界に戻れると彼女は言った。

 だが、ミスタ・コルベールが食い下がる。
 聞けば伝統が云々、サモン・サーヴァントで呼び出されたモノは必ず使い魔にしなければいけないとか言っていた。
 伝統や慣習も大切だと思いますが、それにこだわり過ぎるのはいかがかと思いますよ。
 ていうか、ホント勘弁して下さい。

 私が困った顔をしていると、オールド・オスマンが助け船を出してくれた。
 曰く、保留にすればいいんじゃね? と。
 それから話し合い、コントラクト・サーヴァントをするにしても、
再びサモン・サーヴァントを試みるにしても、時間を置いてからという具合に落ち着いた。
 そして、とりあえず彼女は、三ヶ月の間は私の使い魔として振舞ってくれると約束してくれた。
 その代わりに、彼女の捜索を出来る限り手伝わないといけない。
 そして三ヶ月後、新たに使い魔を召喚する事に決まったら、エルフの不思議パワーで契約を絶ち切られたと言う事にするらしい。
 なんか適当だ。

 だがその場合、私は使い魔に逃げられたという不名誉な事実を得るわけで、
なんとしてもこの三ヶ月で彼女を籠絡しなくてはならないわけだ。
 エルフが使い魔…… よく考えたら凄いメリットがあるのではなかろうか?
 メイジの、いや、人の天敵ともいえるエルフを使い魔にするなど前代未聞だ。
 そしたら、私は『ゼロ』などと蔑まれなくても済むのではないか?
 それどころか、羨望の的だろう。少しやる気が出てきた。
 よし! 彼女を使い魔にする。これが私の目標だ。
 そう決意を新たにしていると、彼女がポンと両手を打ち鳴らした。

「ああそうだ。使い魔にはなれないけど、友達にならなれるよ。
 よろしくね、ルイズ」

 そう言って笑顔で手を差し伸べてきた。
 友達…… か、いい響きね。

「よろしく……」

 私はちょっとだけ恥ずかしくなって、言葉少なに握手をした。


 
 
◆◇◆


 ―― 夜

 彼女にも名前があるのだが、後々に名前を残していいものか判断に迷うので、日記では『彼女』で通そうと思う。
 不都合があるとも思えないが、何となく気になってしまったので、そういうルールを自分で敷く。
 晴れて使い魔に出来たなら、彼女の名前を日記に記そう。
 なんだか、その時が来るのが楽しみになってきたわね。
 話し合いが終わり学院長室から出ると、既に日は暮れて夜になっていた。
 以外と長時間話し合っていたんだ。

 夕食を済ませた後、部屋で彼女と今後の打ち合わせをした。
 使い魔のフリをしてくれるのだから、使い魔がなんたるかを話しておかなければならない。
 といっても、本当の使い魔じゃないから五感の共有など出来はしないし、秘薬集めも私自身が必要としていないので意味がない。
 そういうわけで、彼女に要求するのはただ一つ。すなわち、私を守る事。これに尽きる。
 何が出来るのかと聞くと、彼女は4つの特殊能力を使えると答えた。

「まずはね、炎の能力ね。辺り一面を火の海にしたり、一定範囲内のモノを消し炭に出来るわ」
「なんだか物騒ね…… 他には?」
「傷の治療かな。致命傷じゃなきゃ、ある程度までは治せるよ」
「便利ね―。水の秘薬いらずじゃない」
「あとは、指からビームを発射できるよ」
「ビーム? 何ソレ?
 まあいいわ。戦闘力は申し分ないみたいね。
 今日は色々あって疲れたわ。もう寝ましょう」
「私のベッドは?」
「ソファでいいでしょ。じゃ、お休み〜」
「……お休みなさい」

 彼女は不満顔だったけど、気にしない気にしない。
 それにしても、今日の日記は長いわね。十日分は書いたんじゃないかしら?
 さ、寝よ寝よ。お休みなさ〜い。


◆◇◆
 
 ※フェオの月 ティワズの週 オセルの曜日

 ―― 午前

 今日は朝からキュルケに出会った。最悪だ。
 アイツはこれ見よがしに、自分が召喚した火蜥蜴を自慢してきた。うんざりする。
 そして彼女にも目をつけて、色々と話していた。
 彼女がエルフ(エスパーだけど、キュルケは知らない)だという事は昨日のことで知っているはずなのに、物怖じしていない。
 まあ、厚かましいだけよね。
 ちなみに彼女の耳は、ヘッドバンドで抑えて目立たないようにしてある。
 少しは騒がれずに済むはずだ。

 午前の講義はミセス・シュヴルーズのものだった。
 ミセス・シュヴルーズは講義室内を見まわしてから、使い魔の話を切り出した。
 召喚された使い魔を見る事が毎年の楽しみだとか。
 そして、ミセス・シュヴルーズは彼女を見ると僅かに顔をひきつらせたが、なにも言わずに授業を開始した。
 たぶん、オールド・オスマンから聞かされていたのだろう。
 騒がれないのに越したことはない。クラスの連中も、彼女の事を遠巻きにちらちらと観察しているようだ。
 その視線がうっとおしいが無視することにする。
 そして講義中に彼女と少し話しをした。
 どうやら彼女も学校に行っていたことがあるようで、この空気が懐かしいらしい。
 そう言えば、エルフは人間と比べて非常に長命だと聞く。
 もしかしたら、彼女もこう見えて私よりもかなり年上なのかもしれない。

「失礼ね。まだ十六歳よ」

 どうやら声に出てしまっていたようだ。
 しかし、同い年じゃないか。少し身近に思えた気がする。
 そうして彼女とお喋りに夢中になっていると、ミセス・シュヴルーズに指名されてしまった。
 錬金で石コロを望む金属に変えろというのだ。
 よし、やってやろうじゃないか。
 サモン・サーヴァントは成功したのだ。錬金もきっと成功する。


 
 
 ―― 昼

 結局、錬金は失敗した。
 失敗の爆発は講義室内をしっちゃかめっちゃかにして、ミセス・シュヴルーズを吹っ飛ばしてしまった。
 そのおかげで、午前の授業は潰れたが、私は講義室の片づけを命じられてしまった。
 彼女が手伝ってくれたのでそれなりに早く終わり、昼食には間に合いそうだ。
 そして、アルヴィーズの食堂に行く道中、彼女はこんなことを言った。

「それにしても、凄いねルイズ。
 あんな爆発が使えるなんて。私には真似できないよ」

 皮肉だろうか?
 彼女はニコニコ笑っているので、本気なのかからかっているのか良く分からない。

「私ももっと頑張れば使えるようになるかな? アレ。
 どうやったのか教えてくれる?」

 ああ分かった、コイツ天然だ。悪気はないんだろうけど、それが殊更私の神経を逆撫でる。
 ムカついたので昼食は抜きにしてやった。
 彼女は不平不満を言っていたが、知ったことか。
 これに懲りたら、不用意な言動は慎んでほしい。



                                   ●

                                   ●

                                   ●



 用意された食事に舌鼓を打っていると、彼女がデザートを配っていた。
 なんでそんな事をしているのかと聞くと、お礼だそうだ。
 どうやら、メイドが彼女に食事を用意したらしい。
 その事に不満を感じるが、彼女はまだ正式には使い魔ではないのだ。
 威張り散らして愛想を尽かされたのではたまらない。彼女を使い魔にすると決めたのだから。

 そんな事を考えていると、騒ぎが起こった。
 振り返るとギーシュが何かを喚き立てている。
 その対象は彼女だ。
 事情はよく分からなかったが、どうにも八つ当たりらしい。
 周りのクラスメイトはギーシュを何とか諌めようとしているが、事情を知らない者は囃したてている。
 マズイ、なんとかして止めないと。でも、野次馬の所為でうまく近づけない。
 にしても、ギーシュは何を考えてるのかしら? 彼女がエルフだという事は、アイツも知っているはずなのに。
 だけど、仲裁に入る間もなく、ギーシュは一方的に決闘宣言をして食堂から出て行ってしまった。
 彼女に話しかけると、かなり怒っていた。
 もう止めるのは無理そうだが、一応注意だけはしておく

「くれぐれもギーシュを殺さないでね?」
「善処するわ」

 大丈夫かしら? すごく不安だ。
 
 

 ―― 午後

 午後の講義はもう始まっているというのに、ヴェストリの広場には多くの人間でごった返していた
 人垣はギーシュを中心に円となっている。彼女と対峙している。
 ギーシュが気障ったらしく前口上を述べていたが、私の耳にはほとんど入ってこなかった。
 ただただ、彼女が人殺しをしないように祈っていたから。
 杖さえ取り上げれば決闘は終わりだと教えたけれど、上手くやってくれるだろうか?

 そして、ギーシュが杖を振ると七体の青銅製のゴーレムが生まれた。
 彼女はビックリしていたようだけど、慌ててはいない。
 それにしても、決闘の前に魔法を使うのはルール違反じゃないかしら?
 おもむろに、ギーシュは自分の魔法の特性を教え始めた。なるほど腐っても貴族、決闘は公平にという事か。
 それに倣って、彼女も自分の魔法をギーシュに教えるため指を上に向けた。
 そして……

「貫通光線!」

 その叫びと共に一条の光が空を貫き、上空の雲にポッカリと穴が開けた。
 予想外の光景に、辺りが水を打ったように静かになる。ギーシュを見ると、顔が青ざめ明らかに腰が引けていた。
 あらかじめ聞かされていたとはいえ、これには私もビックリだ。
 自然と彼女の対面からは、野次馬が潮が引くようにいなくなる。巻き添えを喰らわないためだろう。
 あんなもので手加減なんて出来る筈がない。
 辞めさせようと決心するのと同時にギーシュが吠えた。

「くぅ…… 中々やるようだな!
 しかし、貴族は退かぬ媚びぬ、顧みぬぅ!
 我が名はギーシュ・ド・グラモン! 押して参る!」
「その意気やよし!」

 アンタ男だよギーシュ。そう、退かぬものを貴族と呼ぶのよ!
 玉砕して来なさい、骨は拾ってあげるわ!

「行けっ! ワルキューレ!」

 ギーシュが七体のゴーレムに合図を送った瞬間、彼女は指を突き付けた。
 その瞬間、光が瞬き、全てのゴーレムは蒸発してギーシュは黒焦げになった。

 
424名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 22:36:19 ID:8hxBS4qQ
支援
425名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 22:42:37 ID:lyPXn3qn
この しえんで
きみらのさるさんは ふせぐぞ
426名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 22:43:47 ID:sK4qEO7M
しえんをよこせ おれはかみになるんだ!.
 ―― 夕方

「杖だけをふっ飛ばすつもりだったんだけど、失敗しちゃったわね」

 彼女は肩を竦めながらこんな事をのたまいやがった。
 あんなもの、直撃しなくても近くを通っただけで大火傷するに決まっている。
 その事を告げると、『ああそういえば……』とか言っていた。気づいていなかったようね。
 幸いギーシュは、火傷はヒドイものの命に別条はないそうだ。
 でも、私には止められなかったという罪悪感があり、彼女にはやり過ぎたという罪悪感があるので、
お見舞いに行く事になった。
 手土産として、フルーツの盛り合わせを持っていく。

 医務室に入ると、クラスメイトのモンモンシーと栗色の髪の一年生がいた。
 私たちが入室すると、二人とも涙目で睨んでくる。
 ギーシュの浮気が原因で自業自得だというのに、放って措けないみたいだ。
 これが惚れた弱みというヤツか。
 長居するのも何なので、フルーツをモンモランシーに押し付けると、私たちはそそくさと医務室を後にした。
 ギーシュとはいうと、一年生の膝の上で幸せそうに眠っていたので問題ないだろう。



◆◇◆


 ※ウルの月フレイヤの週ダエグの曜日

 アレから1週間が過ぎた。
 学院長室に呼ばれて決闘の件を注意されたが、それ以外は特に何事もなく過ぎていった。
 この1週間でそれなりに彼女の事を知ることが出来た。
 聞く所によると、彼女は秘宝というモノを探しているらしい。
 秘宝というのは、持っているだけで力を与えてくれるもので、今では存在しない古い神々が残した遺産なのだそうだ。
 彼女も幾つかの秘宝を持っているようで、その中の1つの鏡を見せてくれた。
 鏡には『0』と数字が浮かんでおり、これはこの世界に秘宝が存在しないという事を示しているらしい。

 彼女が秘宝を集める切欠となったのが、父親の存在らしい。
 その父親は、秘宝を悪用させないため、彼女と母親を残して世界中を飛び回っていたそうだ。
 そんな父親を彼女は尊敬し、父に追い付くために秘宝を集めていたそうだが、その過程で現地妻の存在を知ることになった。
 それを知って彼女は激怒し、今では父親を見返すために秘宝を集めているらしい。
 酷い父親もあったものだ。彼女の感情には大いに賛同する。

 あと、自由時間に学院の外に出て周囲を探索していたらしいが、天の柱というものは見つからなかったそうだ。
 そりゃそうよね、そんなに高い塔なんて見たことがないもの。
 少し落ち込んでいたので、町に行ってみないかと誘った。幸い明日は虚無の曜日だ。
 そうすると、彼女は喜んでくれた。
 ならば話は早い、明日に備えて早く寝よう。
428名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 22:47:40 ID:sK4qEO7M
まだとちゅうなのか
 
◆◇◆

 ※ウルの月 フレイヤの週 虚無の曜日

 ―― 日中

 久しぶりの城下町だ。相変わらず大勢の人が居て活気がある。
 この光景には、彼女も目を見開いている。連れてきた甲斐があった。
 今日は楽しもう。

 観光名所を梯子して、彼女にこの国を紹介して回った。
 彼女は私の説明にしきりに頷き、感心していた。トリステインがいい国だと分からせるのも大切だと思う。
 だが、観光もいいがそれだけでは息が詰まる。
 年頃の女の子らしく、午後はショッピングだ。

 服や身の回りの小物を見て回り、気がつくと秘薬を取り扱っている店にいた。
 『ピエモンの秘薬屋』は、路地裏にあって大して大きくない店だが、中々どうして掘り出し物が多い。
 出来合いの秘薬も質が良く、知る人ぞ知る隠れ家的な良店なのだ。
 冷やかし程度で秘薬屋を出ると、向かいの店が武器屋だという事に気がついた。入る前は気がつかなかった。
 彼女は興味を持ったらしく、私は手を引かれて武器屋に入った。

 店内は薄暗くて黴臭くて埃臭くて辛気臭くて、すぐにでも出て行きたかった。
 でも、彼女が並べられている武器を眺めているので、私も仕方なく横に並んで見物する。
 店主が色々と話しかけてきたが、吹っかけてきているのが見え見えだった。まあ、少しは為になる話も聞く事は出来たけど。
 どうやら、巷では従者に武器を持たせるのが流行っているらしい。
 というのも、『土くれフーケ』なる怪盗が猛威を奮っているらだそうだ。
 怪盗なんてどうでもいいが、彼女も建前上は私の使い魔なのだから武器の一つくらい持っていた方がいいだろう。
 毎回あのビームを打たれたのでは、たまったものではないというのも理由の一つだけどね。

 そういうわけで、扱いやすそうな細剣をプレゼントした。彼女も喜んでくれたようでなによりだ。
 あと、彼女自身も短剣を買っていた。
 店主が言うにはナマクラらしいが、彼女はそんなことは気にしていないようだ。
 持たせてもらったが、刃に指を立てても全然切れそうにない。これなら、ペーパーナイフの方がマシだ。
 何故こんなモノを買ったのかを聞くと、どうやらこの短剣、彼女の世界の物らしい。
 魔力を込めることで切れ味を発揮する武器なのだそうだ。
 なるほど、それなら平民にはそれが分かる筈がない。私も言われなければ気付かなかっただろう。
 試しに魔法を使う要領で集中しながら短剣を振るうと、バターを切るように石壁に裂傷が走った。
 急いでその場から走って逃げた。切れ味が良すぎる。

 そうそう、どうして彼女がお金を持っているのか不思議に思ったけれど、
偶々持っていた金塊をオールド・オスマンに売り払ったからだそうだ。
 なるほど、だから結構な額を持っていたのか。
 でも、金塊って偶々持ってるようなものだっけ?
 
◆◇◆

 ―― 夜

 何故かキュルケが私の部屋に来た。(何故か蒼髪の少女を連れて。クラスメイトだけど、名前を知らない)
 どういうわけか、彼女にプレゼントを持ってきたようだ。
 プレゼントは剣だった。しかもただの剣じゃない、インテリジェンスソードだ。
 たしか、あの武器屋にあったものではなかったか? 話しかけられた記憶がある。
 でも、どうでもよすぎるので、今の今まで忘却の彼方に追いやっていた。
 剣は身売りされたとシクシクと情けない声で泣いていた。気持ち悪い。
 事情を聴くと、相場の倍の値段で買い取ったらしい。そりゃ剣も泣くわ。

 彼女はこの剣が気にいったようだった。たぶん、同情もあるのだろう。
 だがしかし、そうは問屋がおろさない。
 ツェルプストーから施しを受けるなど、ヴァリエール末代までの恥。
 断固拒否。絶対にノゥだ。
 そんな私に、彼女はあきれた様子で呟いた。

「そんなムキにならなくていいのに……」

 そうは言うけどね、人には譲れないものがあるのよ。


 喧々諤々と口喧嘩をした結果、決闘で決着をつける事になった。
 決闘方法はロープでつるされたデルフリンガー(インテリジェンスソードの名前)を魔法で地上に落とすというものだ。
 デルフは喚いていたが、鞘に納めると静かになった。鞘に納められると喋れなくなるらしい。

 決闘は私が先行で有利に思えたが、結果はキュルケの勝ち。
 私は無意味に学院の壁を爆破しただけだった。
 悔しがっていると、三十メイルはあろうかというゴーレムが現れた。
 そのゴーレムは、あっという間に学院の壁を破壊し、その穴に何者かの人影が飛び込むのが見えた。
 私たちは逃げるのに精いっぱいで、何もすることが出来なかった。
431ハムスター:2009/10/05(月) 22:49:47 ID:Tl+JrGsu
おとぎ銃士赤ずきん。
 
◆◇◆


 ※ウルの月 フレイヤの週 ユルの曜日

 ―― 朝

 早朝、私たち4人は学院長室に呼び出された。
 昨晩の事情聴取の為だ。

 一通り事情を説明し終えると、オールド・オスマンが昨晩の犯行は『土くれフーケ』の仕業だと切り出した。
 犯行声明が残っていたらしい。
 それからは大変で、先生方がお互いに責任を擦り付け合って、見るに堪えない光景が展開された。
 そんな騒ぎも、オールド・オスマンの怒声でピタリと止んだ。

 オールド・オスマンが言うには、宝物庫が破られたとはいえ、盗まれたものは何もなかったらしい。
 なら、一体何のためにフーケは宝物庫を破ったのだろうか? 皆もそれが疑問らしく、一様に首を捻っている。
 その答えは、宝物庫にあった。
 宝物庫の壁には、こう記されていたとミスタ・コルベールが説明する。

『誰にも破れぬ宝物庫の信用を確かに領収いたしました。土くれフーケ』

 なるほど、確かに信用は丸つぶれだ。
 しかし、フーケも変な事をするものだ。宝物の一つも取らないとは。
 オールド・オスマンは苦笑しながら、自身の予想を語ってくれた。
 それによると、フーケは目当ての物を盗み出せなかったので、そんな機転を利かせたのだろうと。
 そして、フーケは『破壊の杖』を盗もうとしていたのだろうと、オールド・オスマンは言う。
 フーケが盗み出せなかったという『破壊の杖』とは、一体何なのだろう?
 それを尋ねると、説明するよりも実物を見る方が早いと宝物庫に案内された。
433名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 22:50:42 ID:lyPXn3qn
わたしには ひるいなき
しえんが みについた
 
 『破壊の杖』を見て、なるほどと誰もが納得した。
 『破壊の杖』は大き過ぎたのだ。一人で持ち出せるわけがない。
 オールド・オスマンによると、この『破壊の杖』は数十人がかりで『レビテーション』を使わないと移動させる事が出来ないらしい。

「フーケも『破壊の杖』がこんなモノだとは思わなかったのでしょうね……」

 そう言ったのは、学院長秘書のミス・ロングビルだ。その言葉に私も頷く。
 そもそも、どうしてこれが杖なのか?
 鉄で出来た箱から、これまた鉄で出来た管が突き出しているようにしか見えない。
 これに杖などという名が付いているのは、詐欺でしかないと思う。

「これって、『レオパルド2』?」

 キョトンとした顔で彼女が呟くのが聞こえた。
 どうやら、彼女はこれが何なのかを知っているみたいだ。
 なんでも最新鋭の搭乗兵器らしく、戦車という物らしい。
 オールド・オスマンはコレを手に入れた経緯も話してくれたが、長ったらしいので割愛する。
 要約すると、命の恩人から譲り受けたものらしい。髭がダンディなおじさんだとか。

 さて、フーケについてはこれぐらいにしよう。
 今夜は『フリッグの舞踏祭』だ。彼女にもドレスを見繕ってあげないとね。
 夜が楽しみだ。



 ―― 夜

 気合を入れて着飾ると、普段は私の事を馬鹿にしている奴らがワラワラと寄ってきた。
 でも全員振ってやった。わたくし、そんなに安くなくってよ。
 そして、彼女と踊った。女同士で踊るのはどうかと思ったが、ロクでもない奴らと踊るよりはましだ。
 彼女は踊った事がないらしく、たどたどしいステップだったので私がリードした。
 双月が綺麗な夜だった。
 
◆◇◆


 ※ウルの月 エオローの週 ラーグの曜日

 ―― 午前

 今日は特別な日だ。
 なんと、姫殿下が学院に視察に訪れるというのだ。
 気合を入れて盛大にお迎えしなくては。
 そうそう、彼女はというと天の柱を探すため、学院の馬を借りて遠出をしている。
 戻ってこないかもしれないとも思ったが、一度結んだ約束を反故にしたりはしないだろう。
 この数週間で大体の人柄は掴んでいる。
 どうせ、私の使い魔にするのだから今の内に自由を満喫しているといいわ。

 姫殿下を歓迎しているのに、最初に降りてきたのは鳥の骨だった。空気を読んでほしい。
 ユニコーンに牽かれた純白の馬車から姫殿下が姿を現すと、割れんばかりの歓声が巻き起こった。
 勿論、私も声の限り姫殿下を讃え歓迎した。
 だが、キュルケとタバサはあまり関心がないようだ。外国からの留学生だから仕方がないか。
 キュルケは不遜にも自らの容姿を姫殿下と比べていたので、鼻で笑ってやった。
 キュルケと口喧嘩をしていると、視界の端に見覚えのある人物が映った気がした。



 ―― 夜

 昼間の出来事をボーっと思い出していると、部屋にノックの音が響いた。
 聞き覚えのあるノックの音だ。長く間を置いて2回と短く3回、もしかして……
 覗き窓から誰かも確認せずに私は弾かれる様にして扉を開けた。

 来訪者は、思った通りの人だった。姫殿下だ。
 姫殿下は、昔を懐かしみ私に会いに来たのだという。こんなにも嬉しい事はない。
 昔話に花を咲かせていると、不意に姫殿下の顔が陰った。
 理由を聞き出してみると、結婚が決まったのだという。相手はゲルマニアの皇帝、アルブレヒト三世だそうだ。

 結婚が決まり憂鬱になっているのだと思ったが、そうではないようだ。
 詳しくは書けないが、婚姻を妨げるモノがあるらしい。
 そして、それを見つけようと血眼になっている奴らがいるそうだ。
 名を『レコン・キスタ』、アルビオンの貴族が中心になって出来た組織で、王党派を相手取って主権争いを繰り広げている。
 しかも、その婚姻を妨げる物証を持っているのがよりにもよってウェールズ皇太子殿下ときたものだ。
 すわ、王家の危機! 今こそ王家への忠義を示す時。
 お任せ下さい姫殿下。見事わたくしめが、その生涯を取り払ってみせましょう。

「ただいま、ルイズ。
 あれ、お客さん?」

 いいタイミングで彼女が帰ってきた。
 さあ、使い魔として最初の仕事をしてもらうわよ!



◆◇◆
 
 ※ウルの月 エオローの週 イングの曜日

 ―― 早朝

 私たちは学院の裏門にいた。
 人目を避けて出発するためだ。
 旅の道連れは私と彼女、そしてギーシュだ。
 なんでギーシュがいるのかというと、盗み聞きしていたのだコイツは。
 それにより、昨晩私の部屋に乱入してきたのである。姫殿下もグラモン元帥の息子だと聞き、同行することを許された。
 まあ、盾ぐらいにはなるか。

 ギーシュの使い魔はジャイアントモールなのだが、これは最悪だ。
 何故最悪かというと、私を押し倒したからだ。
 しかも、姫殿下より賜った『水のルビー』にその汚らしい鼻を擦りつけやがった。
 本当に最低だ。姫殿下の信頼の証ともいえる『水のルビー』に鼻を擦りつけるなど、許されるはずもない。
 なのに、だ。
 ギーシュは馬鹿みたいに笑って、一向に止めさせようとはしない。自分の使い魔の躾ぐらいしろ!

 その不逞モグラに制裁を加えたのは、突如現れたワルドだった。
 そして、尻餅をついていた私に、ワルドは優しく手を差し伸べてくれた。凄くドキドキした。
 10年近く会っていなかったのに、私の事を未だに婚約者と呼んでくれたのは素直に嬉しかった。
 今も昔も、ワルドは私の憧れだったのだから。

 ワルドとグリフォンに乗って空を行く。
 彼女とギーシュは遥か下だ。
 だが、グリフォンと馬では速度が違いすぎる。グリフォンはまだ余力がありそうだが、彼女たちとは距離が開いてきている。
 ワルドは二人を置き去りにしてでも急ぎたいようだったが、ラ・ロシェールまでは馬では二日もかかるのだ。
 私の説得で速度を緩めてもらう。
 そりゃあ、手紙の回収なんてワルド一人でも余裕だとは思うが、姫殿下から命を受けたのは私たちだ。
 出来る限り、置き去りになんてしたくない。
437名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 22:53:47 ID:lyPXn3qn
しえんの きれあじを
きみらのからだで あじわうがいい!
 
 ―― 夕方

 街道に沿って半日ほど進むと、渓谷に入った。彼女たちは何度も馬を変え、辛うじてついてきている。
 しかし、空を飛ぶグリフォンと山道を進む馬とでは、平坦な街道を進むよりも差が出てしまう。
 もうすぐアルビオンとの玄関口である『ラ・ロシェール』だ。
 遅れても、上手くすればそこで合流できるかもしれないが、フネが出航するまでに間に合うだろうか?
 何か不測の事態が起これば、彼女を置いていってしまう。

 そう不安に思った時、事件は起きた。
 彼女たち目掛けて崖の上から松明が投げ込まれた。ついで、幾本もの矢が射かけられる。
 危ない! と、思った瞬間、矢は小さな竜巻に飲まれて弾かれた。
 ワルドだ。ワルドが魔法で助けてくれたのだ。
 そして、襲撃者の姿を見ようと崖に視線をやる。
 私の目が捉えたのは、赤々と燃え上がる炎と小型の竜巻だった。
 ワルドの魔法じゃない。だとすれば誰が……?

 襲撃者を蹴散らしたのは、キュルケとタバサだった。
 どうやら、出発するところを見られていたらしい。タバサの風竜に乗って追いかけてきたようだ。
 お忍びなんだからと告げると、そうならそうと言えと文句を言われた。お忍びなんだから、部外者に言うはずがないでしょ。
 あと、タバサはパジャマのまんまだった。きっと、寝ているところを叩き起されたのだろう。

「アンタも大変ね」
「平気。もう慣れた」

 どうしてこの二人は友人をやっているのか不思議だ。静と動で正反対なのに。
 あと、襲ってきた連中は簀巻きにしておいた。運が良ければ夜を越せる筈だ。
 物取りだったらしいが、馬鹿な奴らだ。数を揃えた所で、メイジにかなうはずがないのに。



 ―― 夜

「船は明後日にならないと出航しないらしい」

 『女神の杵亭』で寛いでいると、船着き場から戻ってきたワルドにそう告げられた。
 何故かと理由を尋ねると、明日の夜は双月が重なる『スヴェルの夜』で、その翌朝にアルビオンが最接近するらしく、
船乗りたちは風石の消費を抑えるため、今日明日は絶対に船を出さないのだそうだ。
 ワルドはかなり食い下がったようだが、船は出せないと断られたらしい。
 その気になれば、魔法衛士隊隊長の権限で無理に出航させることも可能だが、お忍びなので目立つ事は避けたいそうだ。

 そういうわけで、予定が狂ってしまった。
 本当ならば、明日の朝には出発する筈だったのだが、一日ここで足止めとあいなった。
 二人部屋を三つ取り、私と彼女、ワルドとギーシュ、キュルケとタバサという部屋割だ。
 ワルドは婚約者だからといって、私と相部屋を望んだが、ギーシュを他の女性陣と一緒にさせるわけにはいかないと言うと
大人しく引き下がってくれた。婚約者とはいえ、まだ学生だしそういう事は早いと思うの。



◆◇◆
 
 ※ウルの月 エオローの週 オセルの曜日

 ―― 朝

 翌朝、何故か彼女とワルドが模擬戦ををする事になった。
 止めるようワルドに言ったのだけれど、「彼女の実力を知りたい」の一点張りで聞く耳を持ってくれなかった。
 婚約者を蒸発させられてはたまらないので、手加減するよう彼女にお願いした。

「分かったわ。能力は使わず剣で勝負するよ」
「よっしゃ! とうとう俺っちの出ば……」
「このレイピアでね」

 そういや居たわね、喋るしか能のない駄剣が。
 でも、アンタ凄く重いんだから、彼女が振りまわせるわけないでしょ。

 結果は、当然ワルドの勝ち。
 ウィンドブレイクで吹っ飛ばした彼女に実力不足だとか言っていたが、女の子相手にやり過ぎだと思う。少し幻滅だ。
 非難の眼差しを向けると、ワルドはサッと目を逸らす。少し動揺したのか、説教もそこそこに去っていってしまった。
 しょうがないので、倒れたままの彼女に手を差し伸ばして立ちあがらせた。
 彼女は擦り傷と軽い打撲を負っていたが、やおら淡い光に包まれると、傷一つなくなっていた。
 軽い怪我だったとはいえ、あんな一瞬で治るなんて驚きだ。
 断然、彼女を使い魔にしたくなった。



 ―― 夜

 あの後は特に何事もなく、素直に時間は流れ、夜になった。
 宿の酒場で夕食を摂りながら歓談に興じる。
 そして、彼女がワインを飲んだ事がないという事を知った。
 彼女の世界ではどうか知らないが、ワインなんて普通の飲み物だ。
 むしろ、綺麗な水の方が下手なワインよりも高級品の場合がある。
 試しに一口飲ませてみると、意外といける口だったようで、あっという間にグラスを空けてしまった。

 食後も酒場に残って騒いでいる彼女らを残して、私は部屋に戻り夜風に当たっていた。
 窓から重なった双月を見上げていると、部屋にワルドが入ってきた。
 そして、結婚しようと言われた。
 いきなりの言葉に、頭が真っ白になる。他にも色々と言っていたが、憶えていない。
 それだけ、その言葉の威力が高かったのだろう。
 返事をせずにいると、ワルドは「諦める気はない」と言い残して部屋から出ていった。
 婚約者なのだから、いずれはそういう事になるだろうと思っていたが、これは不意打ちだ。
 任務の事で精いっぱいだというのに、人生の岐路に立たされてしまった。一体何を考えているのだろう?

 熱で上手く働かない頭をフル回転させていると、宿に衝撃が奔った。一体何事!?
440名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 22:56:12 ID:kPJUkdu8
へーちょ
441名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 22:57:52 ID:sK4qEO7M
しーえーんーだー!
442名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 22:58:21 ID:cF91F2aR
デルフかなり哀れだ……
 
                                   ●

                                   ●

                                   ●



 一階の酒場に駆け込むと、何故か彼女が仁王立ちをしていた。
 酒場を見渡すと、テーブルがひっくり返り酷い有様だ。床には投げ出された料理が散乱している。
 入口の扉に至っては、吹き飛ばされて無くなっていた。周囲の壁は黒く焦げている。
 そんな惨状なのに、酒場は酷く静まり返っていた。外からは、傭兵みたいなやつらがおっかなびっくり遠巻きにこちらを見ている。
 視線を戻すと、彼女の顔は真っ赤だった。目は座っている。

「きしゃまら! いきなりなにをしゅるのよ!
 このわたしがせいばいしてくれりゅう!」

 見事に酔っぱらった声で彼女が叫ぶ。同時に、指からビームを乱射した。
 ロクに狙いを定めていないビームだが、それだけで驚異であった。
 なにしろ、石壁を簡単に蒸発させるのだから、襲撃者たちは逃げ惑うしかない。
 中には果敢に突撃してくるものもあったが、そいつらは炎で焼き払われた。
 襲撃者の中にはメイジも混じっていたらしく、三十メイルはあるゴーレムが出現したが、
彼女によってあっという間に穴あきチーズみたいになってしまった。
 それにより、襲撃者たちは蜘蛛の子を散らすように逃げていき、辺りには再び静寂が戻る。

「あはははは! せいぎはかつ!」

 彼女は上機嫌に腕を振り上げて勝鬨を上げた。
 酔っ払いは勘弁してほしい。今度からは飲みすぎないよう見ていないとね。
 それにしても、こんな大掛かりな襲撃があるなんて、私たちを狙う存在がいるという証拠だ。レコン・キスタか?
 とりあえず一難は払えたが、急いでココから離れないといけない。
 私たちはワルドの誘導に従い、船着き場を目指した。



◆◇◆
 
444名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 23:03:48 ID:XRuZwMba
しえんでかみをこうげき!かみはバラバラになった
445名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 23:03:57 ID:lyPXn3qn
きたぞ きたぞ!

アポロンのしえんが かわった?!
446名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 23:04:12 ID:GJMQxeL7
すげぇなこれ
 
 ※ウルの月 エオローの週 ダエグの曜日

 ―― 明け方

 私たちは船に乗り込みアルビオンを目指していた。
 昨晩の襲撃の後、ワルドの権限を使い商船を徴発しラ・ロシェールを発ったのだった。
 船着き場へ向かう途中、仮面を被った白尽くめの男が襲ってきたが、一瞬にして彼女によって蒸発させられた。
 アレだけの力を見せられてまだ襲ってくるのは、無謀というかなんというか……
 冥福を祈っておこう。

 フネには風石が足りないとのことなので、ワルドがその代わりを務めている。
 そして、アルビオンまであと少しというところで空賊船に出くわしてしまった。
 アルビオンは今、内乱の所為で治安が乱れに乱れている。なので、こういう無法な連中が野放しになっているのだ。
 私は断固抗戦を主張したが、あえなく却下された。
 理由としては、こちらの船には武装がなく、非戦闘員を多く抱えているからだそうだ。
 それに……

「う〜ん…… 頭がガンガンする……」

 彼女は二日酔いだった。万全の状態なら、どんな遠距離からでも蒸発させれたはずなのに。
 今は大人しく従う他ないようだ。ワルドはヘロヘロで役に立たないし。



 ―― 昼

 ありのまま起こったことを話すと、空賊が皇太子殿下で王党派だった。
 何を言っているのか分からないと思うけど、私も何が起こったのかすぐには分からなかった。
 それこそ、頭がどうにかなりそうだった。
 カモフラージュだとかゲリラ戦法だとか、そんなチャチなもんじゃない。もっと恐ろしいご都合主義の展開を味わったわ。

 テンパるのはこれくらいにして、状況を整理しようと思う。
 私たちは姫殿下の使いで、アルビオンに赴いた。目的はある手紙を回収するため。
 道中、襲撃をかわしあと少しでアルビオンというところで空賊船に拿捕された。
 私は空賊の頭の前に通され、尋問をされた。あまりにも失礼な輩なので、大いに啖呵を切ると空賊の態度が一変。
 空賊の正体は、アルビオンの王党派。まさしく、任務の目標だった。

 そして今、秘密の航路を使い王党派の居城『ニューカッスル城』にたどり着き、ウェールズ殿下より手紙を回収したところだ。
 手紙の内容は見ていないが、殿下の態度を見てある程度の予想はついた。


/ヽ/W\/Mvヘ/ヽ/ヽ/W\/Mvヘ/ヽ/ヽ/W\/Mvヘ/ヽ/ヽ/W\/Mvヘ/ヽ/ヽ/W\/Mvヘ/ヽ/ヽ/W\/Mvヘ/ヽ/ヽ/

                      (ここから先のページは破り取られている)
 
448名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 23:05:03 ID:sK4qEO7M
なんでとうさん いつもまどからしえんするんだろう
 
 ―― 夜

 ニューカッスル城のダンスホールにて、最後の晩餐会が行われていた。
 既に覚悟が出来ているのか、王党派の人々は底抜けに明るく騒いでいる。
 その光景が悲しくて痛々しくて、私は会場から逃げるようにして抜け出した。
 暗い廊下の隅でさめざめと泣く。

 私には分からない。明日死んでしまうのに、ああやって明るく振舞えるのが。
 どうして、自分から死を選ぶのが分からない。逃げれば、愛する人とも一緒にいられるというのに……
 そうやって泣いていると、廊下の奥から燭台を持った彼女が現れた。
 泣き腫らした目を擦り涙を拭う。どうやら、いなくなった私を心配して探しに来てくれたらしい。

 感情を抑えきれずに、彼女に疑問をぶつける。
 どうして、あの人たちが死を選ぶのかと。
 その質問に彼女は口ごもり、建前通りに誇りとか守るためとかと口にしたが、私が聞きたいのはそんなことじゃない。
 でも、誰にも分からないわよね。分かるはずがない。
 だけど、残された人は一体どうすればいいの?

 早く帰りたい。トリステインに帰りたい。



                                 ●

                                 ●

                                 ●



 彼女が去ると、入れ違いでワルドがやってきた。ワルドなら私の疑問に答えてくれるだろうか?
 そう期待を込めて見上げる。

「ルイズ、結婚しよう。ウェールズ殿下も祝福してくれている」

 どうしてそんな事を言うのだろうか?
 私は拒否したが、ワルドは結婚式を挙げると言ってきかない。
 いろんな事が起こりすぎてワケが分からない。大声をあげて泣きたい。
 バカ。


◆◇◆
 
450名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 23:05:42 ID:8hxBS4qQ
しえんを よこせ
おれは かみに なるんだ!
 
 ※ウルの月 エオローの週 虚無の曜日

 ―― 朝

 礼拝堂に連れていかれ、半ば強引にウェディングドレスに着替えさせられた。
 結局状況に流されてしまった。
 どうしてこうなってしまったのだろう? 何度も溜息をつく。
 部屋で待機していると、彼女たちがやってきた。

「こんな状況で結婚式なんて、アンタたちは何を考えているのよ?」
「なあルイズ、急すぎやしないかい。いきなり結婚だなんて。
 大体まだ学生じゃないか」
「……非常識」

 口々にこの結婚式に対して否定的な意見を言う。
 だけど、私だってどうしてこうなったのか分からないのだから、答えられるはずもない。

「ねえルイズ、アナタはこれでいいの?
 この結婚式に納得してるの?」
「それは……」
「だったら言わなきゃ。
 じゃないと、どこまでも流されるだけよ。
 自分の事なんだから、自分の意見を言ってやらないと」

 そうよね。分かったわ、自分の意思をはっきりと伝える。
 ワルドには悪いが、結婚なんて私にはまだ考えられない。
 そう決心すると同時に、準備が整ったとの連絡が来た。



                                   ●

                                   ●

                                   ●
 
 
 一瞬、何が起こったのか分からなかった。
 目の前には、胸から大量の血を流して倒れているウェールズ殿下がいる。
 ワルドが顔を醜悪に歪めさせて何かを言っている。
 情けない話だが、私は腰を抜かしてしまっていた。
 誰かが茫然とつぶやいた。

「レコン・キスタ……」
「そうだ、僕はレコン・キスタのスパイだ」

 誰かの怒声が聞こえた。
 ワルドが立っていた場所に炎と氷刃が奔り、私の周りに七体のブロンズゴーレムが現れる。
 キュルケにタバサにギーシュ、そして私の横に立っているのは彼女だ。

「ふん、手紙は貴様らを皆殺しにしてから回収するとしよう」
「スクウェアとはいえ、五対一で勝てるつもり?」
「貴様ら程度を相手取れぬのでは、魔法衛士隊隊長は務まらぬよ。
 まあ、その使い魔君の相手は骨が折れそうだが……」

 そう言うと、ワルドの姿がぼやけた。虚像が幾重にも重なり、陽炎のように揺れている。

「ユビキタス・デル・ウィンデ。
 さあ、これで五対五だ。君らの勝ちはなくなったな」
「風の遍在……」

 風の遍在。それは、術者と等しい力を持つ分身を作り出す風のスクウェアスペルだ。
 五人のワルドと彼女たちが戦っている。
 それなのに、私は見ているだけでいいのか? 泣いているだけでいいのか?
 いい筈がない。
 
453名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 23:07:08 ID:sK4qEO7M
しえんかね チミは
454名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 23:07:33 ID:GJMQxeL7
着地点はどこだろう
455名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 23:07:40 ID:lyPXn3qn
な なんだ これは!
わたしの しえんが!
なにが おこったんだー!
456名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 23:07:45 ID:XRuZwMba
おれはしえんだ!
457名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 23:07:52 ID:cF91F2aR
しえん
 
 だから、私は杖を振り上げ呪文を唱える。
 成功するなんて思っていない。でも、爆発は起こる。今、私が出来る精一杯だ。
 当たるなんて思っていない。でも、意思は示せる。
 彼女が言ったのだ。自分の意見を言ってやれと。
 だから、私は力の限りぶつけてやる。ワルドに限りない拒絶を。
 死んでもお前のモノなんかにはならないのだと。

「なんだとっ!? ルイズ!」
「え、なに? 当たったの? うそ?」

 遍在の一体を一撃で消されワルドは、一瞬動揺する。私だって驚きだ。
 その隙を見逃すはずがない。
 礼拝堂に氷嵐が吹雪いた。視界を真っ白に埋め尽くす。
 しかしそれも一瞬の事、吹雪はすぐにおさまった。だが、その一瞬で十分だった。
 ワルドの動きは止まっている。既にギーシュのブロンズゴーレムがワルドに肉薄していた。
 ワルドは巧みな体捌きと杖を剣のように操り、ブロンズゴーレムをいなすが、反撃は小さな火球で邪魔をされる。
 打ち合わせたわけでもないのに、澱みなく流れる連携にワルドは思わず飛び退いた。
 気がつくと、四人のワルドは一ヶ所に集まっていた。
 そして、全員の視線が彼女に集中する。ワルドの表情が凍るのが見えた。
 散開しようとするが、遅い。

「くっ……」
「スターライトブラスト!」

 その瞬間、光が視界を塗りつぶした。
 
459名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 23:08:53 ID:sK4qEO7M
しえんはとぎれる? とぎれない?
 
                                    ●

                                    ●

                                    ●


 ―― 午後

 私たちは学院へと帰ってきていた。
 アレからどうなったのかというと、絶体絶命のピンチに陥っていた。
 ワルドが塵も残さず消滅したとはいえ、危機が去ったわけではないのだ。
 王党派とレコン・キスタの戦闘が始まり、城は砲撃で激しく揺れている。
 ここから逃げるのは、至難の業だ。
 秘密の航路を使おうにも、ワルドによってリークされている可能性が高く危険だ。
 どうすれば逃げ出せるか算段を立てていると、彼女がこう言った。

「大丈夫私に任せて」

 彼女の提案を聞くと、その内容に笑う事しか出来なかった。
 ズルイというか、非常識というか、ご都合すぎる。
 その方法とは、テレポートという能力を新しく覚えたのでそれで帰ろうというのだ。
 テレポートとは、瞬間移動の事らしい。一度行った事のある場所なら、一瞬で移動できるのだそうだ。

 そんなわけで、そのテレポートを使い学院に帰ってきたわけだ。
 勿論、タバサとギーシュの使い魔も回収して。
 これから姫殿下に報告に行かなくてはいけない。

 
 
◆◇◆


 ※ウルの月 エオローの週 ユルの曜日

「ごめんルイズ、話があるんだけどいい?」

 彼女が神妙な面持ちでそう切り出してきた。
 彼女が言うには、テレポートを覚えたので天の柱を探す必要はなくなったらしい。
 やっぱりそうか。
 何となく、そうなのではないかと思っていた。

「三ヶ月っていう約束だったけど、出来るなら早く帰りたいの」
「いいわよ」

 頭を下げる彼女を制止して、ぶっきらぼうに告げる。

「いいの?」
「いいのよ。
 だって、アンタを使い魔にする気なんてもうないもの」

 だってそうでしょう? 友達を使い魔なんかに出来る筈がないもの。

「だから、どこにでも行けばいいわよ。さよなら」
「ありがとう、ルイズ。私の旅が終わったら、また会いにくるから」
「……ふん」

 彼女は私に糸の束を渡してきた。
 不思議な糸だった。オレンジ色の、見ているだけで心が温かくなるような糸。
 これが、彼女と交わした最後の会話だった。
 
462名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 23:10:35 ID:lyPXn3qn
しえんが ・・くず・・・・れる・・
 
◆◇◆



「う〜ん…… この彼女ってのはどんな奴だったんだろ? これだけじゃ、よくわかんないな。
 なあデルフ、お前は知ってんの?」
「なあ相棒、人の日記を勝手に読むのはどうかと思うね」
「そうは言ってもよ、ルイズにきいても教えてくれねぇんだもん。
 だったら、自分で調べるしかないだろ?」
「だからって、この行動はないと思うね俺は」

 何処に居るのかと探しにきてみれば、何をしているのだコイツは。
 よりにもよって、私の日記を読むなんて。怒りで腕が震える。
 おしおきね。久しぶりの。

「こっの、バカ犬!」
「キャイン!」

 手にした馬上鞭で打ちすえると、サイトは叫び声をあげてのた打ち回った。
 久しぶりだけど、相変わらずいい声で鳴く。ゾクゾクきちゃうわ。
 両手を腰に当て、倒れこんだサイトを上から睨みつける。

「アンタね、人の日記を勝手に読むなんて何考えてるのよ!」
「相棒はね、アイツの事が知りたいんだってよ」
「アイツ? ああ、彼女の事ね」

 彼女が去ってから、一年以上が経つ。
 アレから色んな事があった。使い魔としてコイツを呼んだ時はガックリときたが、今では大切なパートナーだ。
 暫くは日常を過ごしていたが、程なくして戦争が起きた。
 レコン・キスタとの戦争、それが終わった後にはガリア。
 でも今は、このハルケギニアで戦争をしている国はない。なぜなら、そんな余裕がないからだ。
 ハルケギニア全土を揺るがす大地震によって、各国はことごとく力を減退させ、戦争をしている余裕はなくなった。
 瓦礫に埋もれる町を復興させなければならず、エルフとの聖戦を煽っていたロマリアも休戦する他なかった。
 学院もかなりの部分が破損し、まだ完全には復興仕切っていない。
 
464名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 23:11:30 ID:sK4qEO7M
よしわらにでも しえんにいったんじゃないかい?
 
 駄犬と駄剣に説教をしていると、私の後ろの扉が開いた。
 何の断りもなしにキュルケが入ってくる。

「ちょっとちょっと、こんな日にも喧嘩なわけ?
 仲が良いのも分かるけど、少しは落ち着いたらどう?」
「ふん、アンタとも今日でお別れね。清々するわ」
「あら? 実家に帰っても隣同士なんだから、いつでも会えるわよ。
 ふふふ、さびしい?」
「誰が」

 世界がどうなっても、私たちの関係は変わらない。
 多分十年後も同じことを言っている気がする。なんせ、先祖代々の宿敵なのだから。
 さて、そろそろ時間だ。

「ほら、行くわよ犬」
「わ、わぅ〜ん……」

 まだ寝ころんでいるサイトの頭をふみつけると、犬語で返事をしてきた。
 溜息を吐き、鳩尾を思いっきり踏みつけてから部屋を出る。
 今日は卒業式だ。
 この間、竣工したばかりの本塔にて行われる。
 本塔は宝物庫の床が抜け落ちていたので、再建が大変だったらしい。
 廊下を進む。この寮塔とも今日でおさらばだ。

「う゛っ、ごほっ……
 待ってくれよ、置いてかないでくれ」

 後ろからサイトが咳き込みながら追いついてくる。
 軟弱な使い魔だ。しょうがないから、落ち着くまで待ってやろう。
 そうしていると、不意に後ろから声をかけられた。

「久しぶり、ルイズ。今日卒業式なんだって?
 丁度いい日に来たものね」

 ああこの声は、忘れる筈がない。私の友達の声だ。
 振り返り微笑む。

「ええ、本当に久しぶり」

 今日は良い日になりそうだ。



 = ルイズと彼女と運命の糸 ・ 終わり =
 
466名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 23:13:12 ID:sK4qEO7M
いまのあんたが いちばんGJだぜ!
467ルイズと彼女と運命の糸 ◆kjjFwxYIok :2009/10/05(月) 23:15:39 ID:eRd6quG6
これにて終わりです。途中、代理投下をして下さった方はありがとうございました。
久しぶりのSSなので投下する際にすごく緊張しました。

エスパーガールの外見はタイプ3のカラー4です。
召喚されたタイミングは、山の神を倒した後です。

多大な支援をありがとうございました。
468名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 23:16:06 ID:lyPXn3qn
GJすぎる…取り敢えずレオパルド2は予想していたにも関わらず噴かされた。
469名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 23:17:44 ID:fLsodLIi
ルイズの日記形式とか大佐のレオパルドとかオチの特殊能力とか地震と天の柱で世界融合。
どれも面白いと上手いが同居してたとにかくGJ!!
470名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 23:19:33 ID:MsMBcy3N
1レスを極端に短くしてレス数を稼ぐのは何かの流行なんだろうか?
471名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 23:50:53 ID:5PeP5eUo
メイツ星人を呼んだらハルケの空気に馴染めるだろうか
少なくとも地球ほど深刻な環境破壊はないし
472名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 23:58:48 ID:+aWxktOW
ワルドフォースエグゼ
・・・なんでもない
473名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 00:16:22 ID:gH9nAaB3
GJ
面白かった
474名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 00:16:48 ID:zoq5UrRO
クロックワーク・ワルド・・・・
475名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 00:17:35 ID:RcVamTLW
ザ・ワルド!
476ルイズと彼女と運命の糸 ◆kjjFwxYIok :2009/10/06(火) 00:18:53 ID:6Eh1g6pa
出番は停止する!
477名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 00:19:17 ID:LVhDf0/H
俺が思うに1レスの量と言うより改行制限対策じゃ?
478名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 00:19:36 ID:6Eh1g6pa
トリ消し忘れた……
479名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 00:25:23 ID:XJOWcrdC
>>474
ワルドはルイズの夢の中にいます
ワルド パンツァードラグーンRPG
バーニングワルド GO!

まで連想した
480名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 00:48:29 ID:FT/jTsHD
ヨイド ワルイド フツウノド
481名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 00:48:40 ID:wMaVT1f2
デジモンワルド
482名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 00:52:57 ID:l80Vafkc
スーパーマリオワルド
ヒゲ的な意味で
483名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 00:57:34 ID:M6bY76k6
半月ぶりに来たのだが今の旬は何だろう
てか、蒼い使い魔止まってるのか
484名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 00:58:48 ID:M6bY76k6
おぉっと、半年だ
485名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 01:15:21 ID:W2hhdL9H
ワルド
ワルドスーパーフェニックス
ワルドマリポーサ
ワルドゼブラ
ワルドソルジャー
ワルドビックボディ

この六人で爵位争奪サバイバルマッチを…
486名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 01:20:40 ID:zoq5UrRO
>>485
それって

ワルド・ホワイトシーズン
ワルド・感謝パック
ワルド・プラスシチュエーション
ワルド・プラスコミュニケーション
ワルド・サマーバケーション



以下略、って感じに続くんだよな?
487名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 01:25:15 ID:0OabsWep
>>471
メイツ星人みたいに地球人以上に善良な宇宙人には人間の醜さこそ問題になるだろうな。
ルパーツ星人やミラクル星人も人間に変身して住み着いてたし、シリーズ中地球が宇宙人に
迷惑をかけて起きた事件は数知れず、昭和だけでも
ギエロン星獣、ペダン星人、アンノン星人、ムルロア、クリーン星人
地球は宇宙にとって危険な存在になると、ウルトラマンが仲裁に入ってくれなければ何度地球滅んでることか
そのうちハルケギニアの上空にギガエンドラが来るのも時間の問題だろう
488名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 01:46:18 ID:E6IWXD2y
>>476
コーラ吹いてキーボードがビシャビシャだw
489名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 01:52:28 ID:E6IWXD2y
>>483>>484
蒼の人は色々あって撤退した。

最近の旬か……、コンスタントに投下されているのはウルトラと毒の人かな?
後、GIFTの人が帰って来ていた。
490名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 01:55:25 ID:RcVamTLW
鷲も最近コンスタントに投下してくれて嬉しい
491名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 02:21:51 ID:eCvll6x+
>>392
そんなにたくさんのキャラを動かせられるの?
492ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2009/10/06(火) 02:40:37 ID:28qBkLrj
お久しぶりです
空いてるようなので45分頃から投下
493名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 02:43:19 ID:ooZvnssx
おぉ久々。アニメ版しか知らんけど楽しみにしてたよ
494ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2009/10/06(火) 02:45:23 ID:28qBkLrj
 

 ――『コントラクト・サーヴァント』で使い魔とする。
 それを聞いても心が揺れなかった、と言えば嘘になるだろう。
 人間だったとはいえ柊達はルイズ自身が召喚したのは紛れもない事実であり、それと契約を交わして使い魔にするのは当然の事だ。
 加えて言えば、召喚した二人の内の片方――柊はドットとはいえメイジを軽く一蹴するほどの人間である。
 そんな強力な人間を召喚したとあれば(現状はともかく)彼女の才を周囲に認めさせる事ができるだろうし、
彼を使い魔として従わせればつい先程のギーシュのような侮蔑の声もなくなるはずだ。
 そして何より……『コントラクト・サーヴァント』を済ませれば、紆余曲折があったとはいえ使い魔の儀式は完了する。
 つまり、これまで何一つ満足に魔法が使えなかった彼女が、生まれて初めて『成功』した事になるのだ。
 たった一つだけではあるが、それは間違いなく『ゼロ』ではない。
 周囲には否定しながらも内心では認めざるをえなかったそれを、ようやく払拭できるのだ。
 それで何が変わるかはわからない。回りの人間から見ればほんの小さな一歩かもしれない。
 けれど、一歩でも踏み出せさえすれば、きっと今までとは違うものが見えるような気がするのだ。
 そして今、ルイズの目の前にはその一歩を刻む状況がある。
 何もためらう必要などない。
 ……そのはずだった。


「どうしたのかね、ミス・ヴァリエール」
 ギトーの声で我に返ったルイズは、何かを振り切るように小さく頭を振った。
 瞑目して一つ大きく呼吸する。
「……いえ、なんでもありません」
「そうか。ならば早く済ませたまえ。私も暇ではないのだ、こんな事で長々と時間を割いていられない」
「……」
 ギトーの言葉を聞いてルイズは僅かに眉を歪めてしまった。
 日をまたぐ事になってしまったがこれも使い魔召喚の儀式の続き、神聖なモノなのである。
 まるで押し付けられた厄介事のような言い振りに反論してやりたい気もしたが、彼は一応教員であり上の立場の者だ。
 憤懣を胸の裡に収めてルイズはギトーから目を切った。
 さっさと済ませるのは彼女の望むところである。立会人に用はなかった。
 そしてルイズは少し離れている柊に目を向けて――僅かに息を呑んだ。
 数メイルほど離れた場所にいる柊は、僅かに身を低くして油断なくこちらを睨み据えていた。
 殺気や敵意は感じない。ただ、警戒している気配はありありと感じられた。
 当然といえば当然だろう。いきなり魔法(おそらく『エア・ハンマー』だ)を叩きつけられたとあっては警戒しない方がおかしい。
 ルイズが息を呑んだのは柊の様子というより、むしろその緊張の漂うこの空気に対してだった。


495ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2009/10/06(火) 02:48:49 ID:28qBkLrj
 

「抵抗は無駄だ、大人しくしておきたまえ」
 その空気を悟ったのか、横合いからギトーが声を上げた。
「使い魔とはいえかのヴァリエール家の禄を食む事になるのだ、平民のまま生きていくよりは破格の待遇だと思うがね」
「……あいにく、首輪はめて誰かに飼われるのは趣味じゃないんだよ」
「――っ」
 唸るように返した柊の声が、ルイズの胸を打った。
 そんな事はない、と返す事ができなかったのだ。
 使い魔は愛玩するだけのペットではない。主と一心同体のパートナーなのだ。
 だが仮に平民を使い魔として、それが反抗的だったとしたらどうしていただろうか。
 躾と称して床の上に座らせ、犬猫が食べるような餌でも与えていたのか。
 つい先程、食堂でそんな事を考えていたような気がする。
「野良犬……いや、噛み付く牙は持っているようだからさしずめ野犬と言ったところか」
 言いながらギトーが杖を構えると、空気が更に剣呑さを増した。
 ルイズは重くなっていく空気から逃げるようにして視線を巡らせる。
 ふと、隣で固まっていたエリスと目が合った。
 エリスはルイズの視線に気付くと僅かに肩を震わせ、一歩後ずさる。
 昨夜の馬鹿みたいなやり取りとは違う。
 食堂での気勢に任せた空気とも違う。
 明らかに重たい空気の中、エリスは怯えたような仕草を見せた後……ぎゅっと唇を噛んでルイズを見つめ返した。
 大人しく従順に見える普段の彼女とは違う、柊のそれとよく似た意志のこもる翠の瞳がルイズの鳶色の瞳を捉える。
(なんなのよ、これ……)
 それを見てルイズは心の中で呻いた。
 契約を強行しようとしているギトーと、それに乗っかる形になっている自分。
 そしてそれに反抗の意思を見せている柊達。
 まるでこちらが悪役――実際彼等から見ればこちらが悪役なのだろう――のようだ。
 使い魔の儀式はメイジが信頼の置ける使い魔を召喚し、契約と祝福を刻む神聖な行為ではなかったのか。
 なのになんでこんな息苦しい雰囲気になってしまっているのだろう。
 人間を召喚した事も含めて、他の生徒達は誰一人としてそんな事にならなかったのに。
 どうして自分の時だけこんな事になってしまうのか。
 どうして自分だけがいつもいつも――

 ルイズは思わず叫びだしたい衝動に駆られた。
 しかしそれは幸か不幸か、実現する事はなかった。
 光を纏う風が吹き上がった。


496ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2009/10/06(火) 02:51:54 ID:28qBkLrj
 

「……かっこわる」
 対峙するルイズ達と柊をぼんやりと眺めつつ、キュルケは小さく呟いた。
 決闘という茶番劇はそれなりに盛り上がりを感じられたのだが、第二幕となったこの光景は果てしなく下らない。
 諸悪の根源は言うまでもなく――主役であるルイズである。
 契約を拒否されたというのは確かに彼女にとって……というよりメイジにとっては想定外だろう。
 自分だって召喚したサラマンダーに契約を拒否されれば、驚きもするしショックを受けもする。
 だがそうなったらそうなったでやりようはある。
 使い魔に自分が主足り得ないと判断されたというのなら、主たるに相応しい事を認めさせればいいだけの話である。
 力で捻じ伏せる……のはゼロのルイズならずとも柊相手には難しいだろうが、それならそれ以外の部分で納得させればいいのだ。
 むしろ相手が人間であればそちらの方こそが重要だろう。
 キュルケの目には今のルイズが他の生徒達と同じように見えた。
 色恋沙汰になってしまうが、与えられる事に慣れきって何一つ自分で掴み取ろうとしない凡百の女生徒達と全く同じだ。
 周囲に嘲笑されながらも決して折れず、躍起になって努力して見えない何かを掴み取ろうとしていたルイズの気概に、
キュルケは彼女をツェルプストーの怨敵たるに相応しいとも思っていた。
 だが少なくとも、今の彼女にはそれを感じなかった。
「これで契約『させてもらう』ようじゃ、正真正銘のゼロね……」
 もっとも今の状態から覆す事などできそうもないが。
 他の生徒達と退散するべきだったか、と思いながらキュルケはなんとなく隣にいるタバサに目をやり、眉をひそめた。
 タバサは柊達を見ていなかった。手にした本に目を通しているのでもなかった。
 彼女は柊達とは全然違う、あらぬ方向に顔を向けたまま微動だにせずに虚空を凝視していた。
「……タバサ?」
 声をかけても反応しないので、キュルケはタバサが見ている方向に目を向ける。
 が、そこには何もない。何の変哲もない青空が広がっているだけである。
 よくよく観察してみれば、どうにもタバサは空を見ている、というより何か別のモノを見ているような気がする。
(……猫みたいね)
 そんな事をキュルケが考えると、不意にタバサが視線を柊達に向けた。
 彼女は一歩を踏み出し、手に握っていた杖――彼女の身の丈を越える大振りのモノだ――を地面に向け、小さく呟いた。
「イル・アース・デル」
「……!?」
 錬金のスペル。
 キュルケが目をむくのを他所に、タバサの声と共に地面から一振りの剣が生み出された。
 造詣はギーシュの作り出したモノと似ているが、トライアングルのタバサが生み出した剣は一目で土のメイジであるギーシュのそれよりも洗練されている事がわかる。
 タバサは手にしていた本をキュルケに放り投げると、作り出された剣の柄を握り、引き抜く。
「ちょ、タバサ、何してんの!?」
「……」
 慌てるキュルケを委細無視したまま、タバサはその剣を柊に向かって力いっぱい投げつけた。

497ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2009/10/06(火) 02:55:06 ID:28qBkLrj
 

「ちょ、タバサ、何してんの!?」
 響いた少女の声と、空を切る音で柊はギトーから僅かに目を離し、そして見開いた。
 赤髪と青髪の少女達の方から、風に乗って剣が飛んできたのだ。
 同時にギトーがそれに気付き、杖を振った。
 柊を狙ったのか、あるいは飛来する剣を吹き払おうとしたのかはわからなかったが、ギトーの狙いはいずれにしろ目的を果たされる事はなかった。
 剣に気付いた瞬間に地を蹴った柊が、中空でそれを掴んだ。
 柄を握り締めて感触を確かめ、そして着地と同時にプラーナを解放する。
 地が爆ぜ、剣を手にした柊は一直線にギトーに向かって疾走した。
 エリスの元へ向かう選択肢はない。
 何しろ相手はメイジなのだ、昨夜ルイズから聞いた障りだけではいかなる魔法を使うのかさっぱり判断できない。
 最優先事項は相手の無力化だった。
「疾さで風のメイジに挑もうなどと!!」
 ギトーが地を蹴ってまさに風のように後退する。
 メイジ――キャスターならば当然の選択だろう。
 エリスを人質にする、という手を取られなかっただけ僥倖というものだ(間にルイズがいたのでその可能性は低かったが)。
 柊は更に一歩を踏み込んで間合いを詰める。
 その前にギトーが杖を振りかざし、真っ向から向かってくる柊に向かって雷光が迸った。

 ギーシュが相手を倒していれば手間が省ける、と決闘を黙認していたギトーは柊が平民にしては『できる』事を既に把握していた。
 奇妙な光によって動きが早くなるのも既に見て取っている。
 故にギトーにとっては柊の動きは想定の範囲内のものでもあり、対応の余裕は十分だった。
 放った魔法はライトニング・クラウド。
 風のトライアングル・スペルであり、直撃を受ければ致死の可能性もある強力な魔法だ。
 威嚇のために使うはずであったが、素手ならまだしも剣を持って向かってくるなら話は別である。
 最悪死に至っても無礼打ちで済むだろうし、ルイズの契約の相手は二人いるので問題はなかった。
 放たれた雷撃は愚直に突っ込んでくる柊に叩きつけられ――

 ――振り下ろされた刃によって、斬り払われた。

「な――!!」
 それはギトーの理解を遥かに越えた現象だった。
 否、ギトーならずともハルケギニアのメイジならば誰一人として考えられまい。
 ライトニング・クラウドは回避が困難な事に加えて、魔法以外での防御は一切できないのだ。
 剣で受けようが盾で止めようが、それごと相手を貫き打ち倒す。
 それが魔法の付加された武器であったならまだしも、柊が手にしているのは錬金で創られただけの何の変哲もない剣なのだ。
 だが、目の前で起こった光景は間違いなく現実。
 ただの平民が、ただの剣で、ライトニング・クラウドを切り伏せた。
 『常識』ではありえない事が起こり、その当事者であるギトーにこの上で冷静な対処を求めるのはいささか酷というものだ。
 彼は柊の持つ剣の刃に光で描かれた奇妙な文様が浮かんでいた事に気付かず――そして、翻した刃の一撃によって自らの杖が叩き切られた事にも、気付かなかった。

498名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 02:57:32 ID:XJOWcrdC
何したんだ支援
499名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 02:57:47 ID:OvJpMrTR
しえんー
500ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2009/10/06(火) 03:05:04 ID:28qBkLrj
 

(……っし!!)
 魔法の発動体である杖を斬った事で、柊は快哉を上げた。
 ギトーが柊の行動を想定したように、柊もまたギトーが何らかの魔法を使ってくる事を想定していた。
 それを避ける、というのも手ではあったが、それで距離を置いてしまうとどう状況が転ぶかわからない。
 故に狙いは出会い頭の一発勝負だった。
 攻撃の威力を魔法的な抵抗力に変換させる《護法剣》。
 それでギトーの放った魔法を完全に受け止められるかは正直賭けと言うしかなかったが、幸いにして吉凶の出目は柊の方が勝っていたようだ。
 とはいえ状況が完全に優勢に傾いたと言う訳ではない。
 杖を斬る事はできたものの完全に破壊されなければ魔法が使えるのかもしれないし、もう一人のメイジであるロングビルもいる。
 彼女は今の所静観していたようだったが、どう動くかはわからない。昨晩親切にしてくれた時とは状況が違うのだ。
 とりあえずエリスを確保しようと柊は視線をめぐらせ、
「……!?」
 いつの間にかエリスの下に青髪の少女が走りこんで来ていた。
 柊がもといた場所を挟んで反対側にいたはずの彼女がギトーとの接触の間にここまで移動していたのだ。
「え……!?」
「あ、あんた……!」
「――」
 突然の闖入にエリスとルイズが声を上げる。
 しかし彼女は何事かをルイズに向かって呟いた後、エリスの手を取って走り出した。
 その刹那、少女は僅かに顔を傾け柊に向ける。
 まっすぐに射抜いてくる青い視線を受けて、柊は共に闘った事もある仲間の一人――緋室 灯を思い出した。
 だからだろうか、柊は彼女の意図をなんとなく察し、彼女を追って地を蹴った。
 杖を斬られたギトーと、呆然としているルイズと、呆気に取られたままのキュルケ。
 そしてそれを静かに見守っているロングビルの視線を受けながら、柊達はあっという間にその場から走り去った。

501ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2009/10/06(火) 03:06:59 ID:28qBkLrj
 

「ぐっ……!」
 ギトーは怒りに肩を震わせて機能を失った杖を地面に叩き付けた。
 ハルケギニアに来たばかりの柊が知るよしもないが、メイジにとって杖を斬られると言うのはこれ以上ないほどの屈辱なのだ。
「ミス・ロングビル、何をしているのだ! 何もせずに逃亡を見過ごすなどと!」
 平民に敗北したという事実を認めたくないのか、ギトーは声を張り上げてロングビルを睨みつけた。
 だが彼女はまったく悪びれた様子もなく、むしろどこか楽しそうに口を開く。
「申し訳ありません。まさかスクエア・メイジともあろう者が平民に遅れを取るとは思いませんでしたので」
 つい先程彼自身がギーシュに言った台詞をそっくりそのまま返すと、それが聞こえたのか後方にいたキュルケがぶふっと吹き出す。
 ギトーは普段の青白い顔を羞恥と怒りに紅く染め、何事かを言おうかと口を開きかけた。
 が、上手い台詞が浮かばないのかややあって苛立ちも露に地面を蹴りつけキュルケを睨みつけた。
「ツェルプストー、何を笑っている! そもそもあの生徒は一体なんなのだ!?」
 タバサは一度ならずギトーの講義を受け人並みならぬ魔法の腕前を彼に見せ付けているのだが、どうやら彼の記憶には残っていないらしい。
 八つ当たり丸出しで睨みつけているギトーにキュルケは僅かに呆れを含んだ息を吐き出すと、タバサから投げ渡された本で軽く肩を叩きながら口を開いた。
「さあ。生憎あたしは彼女じゃありませんので、どういう心境で事に及んだかは分かりかねますわ」
 実際キュルケにとってもタバサの行動は理解の範疇を超えていた。
 普段は積極的どころか消極的にすら他人と関わろうとしない彼女が、こんな形で他人に関わるとは思いもしなかったのだ。
 決闘の後タバサは食い入るように柊を見やっていた。
 彼に何か興味を引かれる事でもあったというのだろうか。
 キュルケに思い当たる事はその程度でしかない。
「ただ、たかが生徒一人の横槍ではその杖の有様を説明する理由にはならないと思いますけど、ミスタ?」
 満面の笑みを称えて言ってやるとギトーはぐっと言葉を詰まらせ、逃げるように踵を返した。
「ミス・ロングビル、直ちに教師達を集めて奴等を追うのだ!」
「はぁ……しかし、他ならぬ貴方が一人でいいとおっしゃっていたので、他の先生方は皆授業の準備などで散っておりますが」
「……不意をつかれたとはいえ、遅れをとった事実は認めよう。だが、だからこそ奴を野放しにはできん。これは魔法学院の名誉に関わる問題だ!」
「……分かりました。手の空いている方に応援を頼みましょう」
 言いながらギトーは足早に歩き出し、ロングビルは小さく溜息を漏らしてその後に続く。
 よほど気が立っているのか、ギトーは当事者であるはずのルイズを置き去りにしたまま立ち去ってしまった。
 ルイズはしばらくの間言葉もなく、柊達が走り去った方を見つめていた。
 やがて彼女は僅かに顔を俯け、ついで胸を張ってそちらの方へ歩き出した。
 もしこの場に他の人間がいればその姿は毅然と見えただろうが、唯一その場に残っているキュルケから見ればいかにも脆く、一突きすれば壊れてしまいそうにも見えた。
 キュルケは歩き去るピンクブロンドの少女を見届けた後、溜息をついた。
 なんとなはしにタバサに渡された本に向ける。
 その表題には『使い魔召喚の儀式について』と、記されていた。



 ※ ※ ※


502ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2009/10/06(火) 03:10:55 ID:28qBkLrj
 
 ヴェストリの広場から逃げ出した柊達は、そのまま学院の外へ出てとある草原に辿りついていた。
 そこは先日召喚の儀式が行われ、柊達が初めてハルケギニアに一歩を刻みルイズと出逢った場所でもあった。
 昨日の今日で何が変わるという訳でもなく、追いかけっこでそこら中に空いた失敗魔法の傷跡が至るところに残っている。
 柊はそんな草原を見回し追っ手がない事を確認すると小さく息を吐き出して振り返り、エリスに声をかけた。
「……大丈夫か?」
「だ、大っ……大丈夫、です……ちょっと腰が……」
 ぼーっと突っ立っているタバサの脇でエリスは地面にへたり込み、息も絶え絶えに返す事しかできなかった。

 ――この場所に辿りつくまで、タバサとエリスは常に柊を先行して走り続けた。
 別段柊が手を抜いていた訳ではなく、タバサがエリスの手を引いてなお柊よりも早かっただけだ。
 ごく普通の学生相当の身体能力しかないエリスは本来ならタバサの動きの足かせになるはずなのだが、そうはならなかった。
 というのも、走り始めてからここに辿り着くまでの間エリスはずっと『宙に浮いたまま』だったからだ。
 おそらくは物体を浮遊させる魔法でも使ったのだろう、エリスをそれで浮かせた後タバサは延々と彼女を引っ張っていたのである。
 タバサに引っ張られながら風船のようにふらふらと揺れ動き、目を白黒させながらも必死になってスカートを押さえつけるエリスの姿は中々シュールだった。

「せ、先輩……あの……み、見えちゃいました?」
 あえて何を、とはエリスは言わなかった。
 柊はそっぽを向いて小さく呟く。
「………………………いいや、ちっとも?」
「うぅっ……!」
 くぐもった呻き声を上げてエリスは地面に突っ伏した。
 タバサが先行していたという事は、柊はタバサ達の後方にいたと言う事だ。
 そしてエリスは浮いていた上に引っ張られていて体勢を整える事さえままならなかった。
 つまりはそういう事だった。
「……あー、えーと……」
 激しく気まずくなってしまったので、柊は苦し紛れにタバサに向かって声をかけようとした。
 そこで柊はようやく目の前の青髪の彼女(と、赤髪の少女)の名前を知らない事に気付いた。
「タバサ」
「そっか。ありがとな、タバサ。おかげで助かった」
 柊の声にタバサはさほど興味もなさそうに一つ頷いて返した。
 それを確認した後、柊は所在無さげに頭を掻くとおずおずと彼女に向かって問いかける。
「けど、よかったのか? あんな事して」
 どうやらハルケギニアの常識では使い魔召喚の儀式は神聖なもので、呼び出した生物は契約して使い魔とするのが当たり前であるらしい。
 ルイズが事あるごとに散々言ったことでもあるし、ギトーの態度からしてもそれは窺うことが知れた。
 その例から言えばタバサのやったことは明らかにそれに反することのはずだ。
 しかし彼女は青の瞳で真っ直ぐに柊を見つめると、言った。
「……貴方達はよかったの?」
「いや、そりゃ良くねえけど……」
 そう言われると反論のしようがない。
 もしも柊自身が同じ状況に出くわせば、間違いなく彼女と同じ行動をとったはずだ。
 自分を棚上げしていたことに気付いて柊は思わず黙り込んでしまうと、三人の間に奇妙な沈黙が下りてしまった。
 どうしようかと頭を抱えかけた柊に声をかけたのは、タバサの方だった。
「聞きたい事がある」
「? なんだ?」
「決闘の時とかに貴方が出していた光。あれは何?」
「……」
「それと、ライトニング・クラウドを切り払った時、剣が帯びていた光も」
 柊はわずかに眉をひそめて彼女を見つめる。
 真っ直ぐに見返してくるタバサの翠眼にはほんの僅かに感情の色が篭っていた。
 流石にそれが具体的にどのようなモノであるかまでは分からなかったが。
「……あれは俺達の住んでた場所で伝わってる……技みたいなもんだ」
 異世界を知らない人間のためにいちいち言葉を組み替えるのは面倒だったが、堂々と言いふらして益のある事でもない。
 柊がそう言うと、タバサの目が僅かに細まった。
 刺すような視線を受けて柊は思わず少し気圧されてしまう。
 この類の目つきは緋室 灯もすることがあるので柊はタバサの視線の意味するところが理解できたのだ。
 ――ようするに、自分が『誤魔化している』事が彼女に悟られているのである。

503名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 03:10:58 ID:XJOWcrdC
>吉凶の出目

ダイス判定ですね! 分かります支援
504ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2009/10/06(火) 03:12:47 ID:28qBkLrj
 

「技、というなら。学べば誰にでも使えるものなの?」
 問い詰めてくるタバサに柊は小さく嘆息し、肩を落とした。
 この類の手合いには半端なごまかしなど通用せず、そして柊にはそれを押し切れるほど権謀術数に長けている訳でもなかった。
 半ば諦めたように柊はタバサに向かって言葉をつむぐ。
「《護法剣》……あの魔法を斬った奴は無理だ。アレは俺にしか使えねえ。その前に見せてた光はプラーナっつってな。こっちは正直わからねえ」
 プラーナは『存在』を司る根源の力。
 その性質上この世に『存在』するモノならば多かれ少なかれ例外なくプラーナを含んでいる。
 とはいえ、それはあくまで柊達のいる世界――『主八界』における法則だ。
 外世界であるハルケギニアにもプラーナがあるかどうかは柊には分からない。
 プラーナを放出している際を除けば、基本自分以外のプラーナを感知することは極めて難しいのだ。
「けどな、」
 言って柊はタバサを真正面から見据えた。
 彼女がそうしているように、柊もまた真っ直ぐに彼女を捕らえたまま言葉を継ぐ。
「興味本位で知りたいだけなら、教えられねえ」
「……」
 プラーナのことは別段隠すような事でもなかった(隠すつもりならそもそも決闘の時にも使わなかった)が、だからといって軽い気持ちで広めていいものでもない。
 言外にその意を込めた柊の瞳をタバサはしばし窺うように眺めた後、
「……ならいい」
 とだけ言って目を反らしてしまった。
 それを見て柊は小さく安堵の息を漏らす。
 彼女が興味本位で聞いているのではない、というのは彼女の視線を受けてとうに気付いていた。
 ここでもしタバサが『興味本位でない理由』を語ってしまっていたら、彼は性格上協力せざるを得なかっただろう。
 だが幸いにして柊は彼女にとってそれを語るほどの相手ではなかったらしい。
「……もしかして、それを聞くために俺達を助けたのか?」
 柊はなんとなく浮かんだ疑問をぶつけてみた。
 すると彼女は、首を小さく左右に振って答える。
「……ついでに聞いてみただけ」
 そしてタバサは今までとは違う……というよりはギーシュとの決闘の際に見せていた全く無関心の表情に戻り、黙り込んでしまう。
 あの時は持っていた本に目を落としていたが、本を持っていない今は空をぼんやりと見つめたまま動かない。
 どうやらついでの用件が終わったので、会話をする気もなくなったようだ。
 そこで柊は首を捻った。
(だったら本当の用件って何なんだ?)
 自分達をここに連れてくるのに一体何の意味があるというのか。
 沸いた疑問を口に出すよりも先に、横合いから小さく声が上がった。
「あ、あの……これからどうするんですか?」
 二人の会話が終わるのを見計らっていたのか、ショックから立ち直ったらしいエリスがおそるおそると言った風に柊達を見ていた。
「あー……どうすっかな」
 彼女の言葉で柊は自分達が置かれている状況を思い出した。
 何しろルイズや教師達を振り切って逃げ出してきたばかりなのだ、タバサの事を気にかけている場合ではない。
 今の所ファー・ジ・アースへと帰還する手がかりがありそうなのはあの魔法学院しかないのだが、調べる間もなくこんな事になってしまった。
 今更のこのこ戻っても無事に済まされるとは思えないし、それどころか下手をすれば追っ手がかけられているかもしないのだ。
 そんな事を考えていると、
「来た」
 心でも読んだかのようなタイミングでタバサがそんなことを呟いたので、柊は思わず身を硬くして学院の方に目を向けた。
 それはある意味では追っ手といっても差し支えはなかっただろう。
 遠目からでもすぐに判別できる、特徴的な髪の色。
 陽光を受けて艶やかに輝くピンクブロンドを揺らして、ルイズがこちらに向かって歩いてきていた。

505ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2009/10/06(火) 03:15:30 ID:28qBkLrj
 

 待ち受ける三人の下まで辿り着いたルイズは、無言だった。
 怒りとそれ以外の感情がない交ぜになった顔でじっと柊達を睨みつけている。
 だがそんな空気の中で一番最初に動いたのは、三人とはかかわりのないはずのタバサだった。
 彼女がルイズと柊達の間に立ちふさがるように歩み出た事で、ルイズの眉間に皺がよった。
「……なによ、あんた」
 威嚇するように低く言ったものの、タバサの表情は微塵にも変わらない。
 彼女はじっとルイズの顔を見つめた後、静かに口を開いた。
「……使い魔はメイジのペットじゃない。主人を全肯定するだけの下僕でもない」
「……っ!」
 瞬間、ルイズの顔が紅く染まった。
 彼女は怒りも露に肩を震わせて、地面を蹴りつけてタバサに詰め寄る。
「あんたには関係ない事よ!」
「そう、私には関係ない。そしてあの教師達も関係ない。これは貴女達が解決すべき問題」
 さほど感情を浮かばせずに言うタバサの態度で、ルイズはようやく目の前の少女の事を思い出した。
 彼女は昨日行われた使い魔召喚の儀式で、幻獣としては最高位とも言っていい竜――風竜を召喚したのだ。
 回りの生徒達が大騒ぎしていた中、彼女ただ一人がまるで当然と言う風に……あるいはさほど興味はないという風に淡々としていた。
 今目の前で、使い魔を使い魔とする事ができないルイズにそうしているように。
 気付けば、ルイズは手を翻していた。
 乾いた音が草原に響く。
 エリスが僅かに息を呑み、柊は僅かに眉を寄せた。
 しかし頬を強かに叩かれたタバサは、表情の変化も見せずにルイズを見据えていた。
「……なによ……」
 ルイズは呻いて、唇を噛んだ。
 両の手を握り締め、顔を俯けて身体を震わせ……弾けるように叫んだ。
「……自分は風竜を使い魔にできたからって、偉そうに言わないで!!」
「――」
 そこで初めて、タバサの表情が変わった。
 僅かに目を細め、その目に表情を滲ませてルイズを射抜く。
「……私は、風竜を使い魔に『してしまった』。だから言っている」
「……?」
 タバサの言葉にルイズが怪訝そうに眉を寄せた。
 だが青髪の彼女はそれ以上ルイズには何も言わず、ただ瞑目するだけだった。

506ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2009/10/06(火) 03:17:23 ID:28qBkLrj
 

 ―― 一般的に、『サモン・サーヴァント』で呼び出される生物は、使い魔になる意思のある者が自らゲートをくぐるとされている。
 だが、実際の所それが『本当』であるかを確かめる事は今の所できていない。
 何しろ魔法の性質上『メイジが使い魔を召喚する』現場に居合わせる事はできても、『使い魔がメイジに召喚される』現場に居合わせる可能性は極めて低く、
本当にその生物が自分でゲートをくぐったのか確認できない。
 加えて召喚された生物はほぼ例外なく厳密な意味で相互の意思疎通をできないため、その時の事情を知ることが困難なのだ。
 犬猫と言った類ならば人語を解するようにもなり事情を伺う事もできるが、それも『使い魔になった後』での話。
 『使い魔は主の都合の良いように記憶を造りかえられる』という説まであっては、その『使い魔』の意思を客観的な事実として断ずることは難しい。
 結局のところ召喚される生物の側の行動と意思は、あくまでメイジの主観に基づいて結論づけられているのだ。
 そしてタバサもまた多くのメイジ達が通例として述べているのと同様、使い魔召喚の儀式に関して何一つとして疑問を浮かべなかった。
 『サモン・サーヴァント』で風竜が召喚された時にも、風竜と『コントラクト・サーヴァント』を交わして使い魔とした時も、それが当然だと思っていた。
 だが、その後にルイズが召喚した人間達は、使い魔となる事を拒絶した。
 更にはその夜、他ならぬ彼女の使い魔である風竜――人語を解する風韻竜が、契約に対して愚痴を漏らしたのだ。
 それは愚にもつかない不平不満だったが、少なくとも『彼女』が自分を主人とするのに満足していないと悟るには十分だった。
 ――ルイズとタバサは、『使い魔』という既成事実があるかないかという違いしかなかった。

 だからタバサは、契約を拒絶する柊達と契約を拒絶されるルイズを見て思う。
 もしもあの時。
 『コントラクト・サーヴァント』を行う前に契約の是非を問うていたら。
 果たして彼女はこんな『ちびすけ』の使い魔になることを諒解していただろうか――


「――私は機会を自分で摘み取ってしまった。貴女はまだ間に合う」
 タバサは訝しげに見つめるルイズに言うと、入れ違うように彼女の脇を通り過ぎて歩き出した。
 言われた意味が分からずルイズはほんの僅かに忘我したまま、タバサの背中を目で追い、そして我に返って叫ぶ。
「ま、待ちなさいよ! 何処に行く気!?」
 タバサはルイズが来た学院の方には向かっていなかった。
 学院から続く街道の先――首都トリスタニアの方向に向かって歩いていたのだ。
「……『コントラクト・サーヴァント』」
 かけられた声にタバサは立ち止まり、そして振り返らないまま答える。
「私のパートナーに、信頼と祝福を刻みに」
 先程自らが言ったとおり、これから先はルイズ達の問題だ。
 タバサはその言葉を最後にルイズ達から意識を切り、トリスタニアに歩き出す。
 『彼女』の主人として、自分自身の問題を解決するために。

507ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2009/10/06(火) 03:19:13 ID:28qBkLrj
今回は以上です
タバサに関しては外伝3「タバサとシルフィード」をふまえて描写しています・・・していると思います
ちなみに《護法剣》は超簡単に説明すると魔法ダメージを抗魔(魔法防御)ではなく攻撃力で軽減する能力
柊はこれの物理ダメージ軽減版である《金剛剣》も持っています。安心しろデルフ、この能力は回数制限があるから
文量の関係でどえらく中途半端な所で切ってしまいました。でもキリをよくすると半端なく長くなる(何しろここまでで半分)

余談。
後半書いてて思ったこと。
原作スレなどでサイトが度々言われてるのと同じように、このスレのSSでも度々示唆されてるのと同じように。
シルフィードのタバサに対する感情も洗脳効果である可能性が否定できないんですよね。
これはこれで中々おいしい設定だ・・・
508名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 03:23:38 ID:XJOWcrdC
乙乙!
書き溜めしてますな。まぁ区切りはこんなもんでいいんじゃね?
次も待ってますよー
509名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 03:31:42 ID:E6IWXD2y
乙ー
後書き読むまで、シルフィードが魔王の誰かだったのかと勘繰ってしまったw
次回も楽しみにしています。

しかし、今書いてる分が書いても書いても終わらねぇ……orz
510名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 05:19:56 ID:ZUQazgq4
おお、来てた。
乙乙
511名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 08:10:48 ID:YuJ7dTmu
下がる男、乙乙。
不幸街道まっしぐらの柊連司も、土壇場の見せ場では不幸じゃなくなるのですよねー(しみじみ

GM=きくたけ 矢野=柊連司の中の人 小暮=アンゼロットの中の人

GM「と、このギトーという教師はキミに向かって魔法を撃とうとしている」
矢野「よし、≪護法剣≫で防ぐ……普通の剣で使えるかぁッ!?」
GM「ふひひ、それもそーだ。よし、攻撃判定で達成値50を出したら特別に使えることにしよう」
矢野「プ、プラーナ開放! 50なら何とかなる!!」
小暮「大丈夫、柊ならここでファンブル出すから♪」
矢野「てめぇがそれを言ったら本当に出てしまう気すんだよ!! そーいうことは言うな!! 
(ダイスロール)……よし、達成値58!」
小暮「ちぇー、つまんなーい」

こんな舞台裏ですね、分かります。
512名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 09:50:05 ID:61uUUlnp
乙ー
>>489
サンクス
GIFTの続きから読み始めていくよ
513名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 10:51:36 ID:igJ1GP8B
乙でした。
そういえば柊も第一属性は風だったなぁ。ギトー、タバサと風に縁がある
のかな。
しかし、ここまで一回も魔法は使ってないな。エルフと勘違いされると
ややこしくなるとかだろうか。クレバーだし。
514名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 13:37:44 ID:CSjUFACj
きくたけはセブンフォートレス序盤(カニアーマー)までが華だったなぁ

あとはじわじわ面白くなくなって今じゃ凡人に毛が生えた程度だ
515名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 14:07:47 ID:RfSdK+rr
作品の悪口は軽い気持ちでも、好きな人が不愉快になるからやめたほうがいいと思うぞ。
 
>>489
旬はほかにも、黒魔導師の人や、聖帝の人やラスボスの人はゆっくりめでもちゃんと続けてくれている。
帰還希望は攻撃力0の人やグルグルの人とかだな。
516名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 14:11:10 ID:kbq8t3Re
プリキュアの人は撤退したんだっけ?
517名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 14:21:03 ID:96Rnu4Wq
俺様的には爆熱の人の帰還を待ち望んでいる
あとブータ
518名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 14:58:48 ID:tNkVPUs7
DOD&Mの続きが見たいよオガーザーン
519名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 15:02:24 ID:o941vh4G
熊の爪の人の帰還希望だな
520名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 15:07:15 ID:txgrJKzb
ギルティギアのザッパを召喚
S子さんVS使い魔のルーンどっちが強いんだろねw
521名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 15:26:09 ID:RfSdK+rr
>>516
タグつけに反対して全作品削除して完全撤退した。
もうタグづけ論争もだいたいすんだんだし、戻ってきてくれたらありがたいんだけど。
522名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 15:30:49 ID:lbfgsXme
あんだけテンパって暴走した後じゃ、恥ずかしくて帰って来れまい。
523名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 15:31:09 ID:U6hdN9Aq
やってる事は、たった一つのお店がストライキ起こして撤退したような物。
誰にもダメージが来ない。
524名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 15:32:38 ID:o941vh4G
プリキュアならブンビーさん召喚がみたい
525名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 15:41:50 ID:RfSdK+rr
>>522 >>523
まあそうなんだけど、個人的にダークドリームの冒険とかはファンだったので、もう一度読みたい。
もし作者の方が読まれてたら、惜しんでいる人がいるということだけは覚えておいてください。
526名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 15:46:46 ID:x4140uP2
プリキュアの人は良作が多かったからな。
タグはなくてもいいが、
プリキュアの作品は読みたいというのが自分の本音だ。
527名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 15:51:39 ID:RYh6WbJd
作者の人間性と作品の質は別だからな
528名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 15:54:45 ID:C+GTy7v7
ハンターハンターだって冨樫はあれだけどおもしろいもんな
529名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 15:56:27 ID:RYh6WbJd
そのハンターハンターで、殺人鬼のナイフについて似たような事が言われてたのがまたねw
530名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 16:00:15 ID:zrJt8P6Z
ハンターはヌコが何でも言うこと聞いちゃうとかいってゴンに調教されそうになったところまでしか読んでないんだが今はアレが最新巻?
531名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 16:04:13 ID:0RBRtUm2
>>521
タグつけ反対ってどんな感じの意見だったの?
532名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 16:05:11 ID:o941vh4G
ここでするべき話題じゃない。該当スレに行くべき
533名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 16:05:46 ID:Z2BshDf9
534名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 16:10:28 ID:0RBRtUm2
>>533
したらばの方だったのか。誘導ありがとう早速読んでくる
あと蒸し返してごめんなさい
535名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 16:16:20 ID:n4TCJgLO
作者という最強をカード使って自分の意見を通そうとしたら、本当に作者か分からないから名乗れって言われて、
何故かテンパったり逆切れして話し合いをの余地なく言いたいこと言って逃げたんだっけ?
536名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 16:23:09 ID:yNUV2EMm
>>535
落ち着け、お前も十分テンパってる
537名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 16:24:59 ID:FHv4CFf9
逃げたっていうか、テンパって作者バレした所為で引っ込みつかなくなり、色眼鏡で見られるのは確実だから、もうやめますって感じかね
538名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 16:27:18 ID:sRETkYW1
あのテンパりぐらいじゃな
539名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 16:35:42 ID:GsMMAxYp
したらばでやれって
540名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 16:52:32 ID:n4TCJgLO
>>536
いやぁ自爆する作者さんにゃ敵いませんよw

>>537
あいつは何であんなにテンパってたんだろうね。
541名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 17:00:11 ID:l80Vafkc
>>540
だからって作者の人にあれこれ言っていいって法はないぞ?
程度の問題じゃなくてとりあえず頭冷やせと言いたいんだろう、>>536
過ぎた話を蒸し返すもんじゃない
542名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 17:01:44 ID:zVK4RV/5
帰還希望の流れに沿って、俺は焔の燃えかすの人とアティ先生の人、
そして一番帰ってきてほしいTAPの人を挙げるぜ。
543名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 17:06:43 ID:n4TCJgLO
>>541
作者の人ね……、好き勝手言って消えた奴なら良いんじゃない?
もう作者じゃありませんから!とか嫌味な捨てセリフを吐いてたしね。

それで伝わるわけないだろw
544名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 17:13:21 ID:RcVamTLW
どう思ってようがかまわんがとりあえず引っ込めよ
いい加減スレ違いな事に気付け
スレチなことわめいてる時点でカスだ
545名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 17:17:43 ID:n4TCJgLO
>>544
そう思うなら、>>543で終ってたんだから蒸し返すなよ、バカだなw
546名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 17:26:26 ID:9PcLjm2K
作者の悪口で終わりにするのもどうかと思うが。意見の合わない人がいても
あからさまに敵対する発言は控えましょう。ていうので締めればいいんじゃない?
547名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 17:31:28 ID:yVTQkbZN
そんなことより特撮の話しようぜ
548名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 17:33:24 ID:n4TCJgLO
>>546
その点は問題ないよ、作者じゃないからね。
549名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 17:33:51 ID:CTd46gyE
何人か虚空に向かって叫んでるようだが、NG設定ですっきりした俺に死角はなかった。

…タルブ村に紅の神像が眠ってるようなのを書いてみたいが、いっぺん書く練習してみるかな…
でもタルブ消滅フラグは立てたくないから別のを呼ぶべきか。
550名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 17:34:38 ID:9z+38akR
こういうときは長女と三女の俎板は母親の遺伝子が理由と言う事を
嘆くべきか喜ぶべきかを論議するのでは?
551名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 17:44:52 ID:Jr0fDyFP
俺はボインちゃんが大好きなんでね
552名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 17:45:31 ID:+05zdSaw
止めさせようとしてるのに口汚く煽ったり、NG登録したから関係無いと煽ったり、
スルーできないにしても、せめて煽るのくらいは止めてくれよ……
553名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 18:09:29 ID:UXiOssV/
そういえば真・女神転生シリーズからは結構呼ばれてるけど、デビルチルドレン系列からは誰も呼ばれてないな

などと流れを切って別の話題を振ってみるテスト
554名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 18:12:16 ID:0OabsWep
フェンリルとアバドンのアホコンビでも呼んでみるか?
555名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 18:12:48 ID:OkCYdE7h
>>553
それはまた漫画版から呼ぶか、アニメ版から呼ぶか、原作版から呼ぶかで随分と変わりそうだな
556名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 18:15:51 ID:l80Vafkc
>>553
漫画版デビチルから召喚されたならギーシュのゴーレムなんか目じゃないよな
ゼブルあたりなら単騎で3巻のアルビオン艦隊ともやりあえそうだ
問題と言えばタルブ村に何があるかなんだけど、何が良いだろうなぁ、
ゼロ戦のまんまでもいいとは思うけど、何かしら原作ゆかりにものがあった方がいい気がするし
いっそ他のメガテン作品から持ってくるのもありかね
557名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 18:17:39 ID:wsaWKzlS
>>549
ガンドライバーとか懐かしいな
確かに、色々と設定のすり合わせが出来そうな作品ではあるし

ただ、神像の性能がチート過ぎるよなあ……
558名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 18:20:00 ID:UXiOssV/
>>556
いっそ白の書かGBA版のパートナーデビルでも配置してみたらどうだろう
559名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 18:23:47 ID:l80Vafkc
>>558
実は俺漫画版とアニメ版しか知らんのよ。
ゲームは4コマのを見た程度でなぁ……
でもそういうのもいいかもしれないな。
そうなるとあれか、フーケが盗み出すのはヴィネコンとデビライザーとかいいかも
560名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 18:45:37 ID:yqN2aXyV
ノルンの鍵(だっけ?)でも置いといたらどうだ
561名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 18:45:46 ID:VQwoH7he
>>557
そりゃ本来の目的が惑星改造用だからな。
ウィドーメーカー以外の神像は戦闘力が洒落にならんわ。
562名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 19:00:49 ID:XeXB52Q6
>>551
乳揺れと申したか。
人間キャラで一番胸でかいの誰だ?
キュルケ? カトレア?
563名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 19:06:38 ID:l80Vafkc
>>562
キュルケは94とあるが、カトレアは正確な数字が不明なんだよな
挿絵からの目算で行くとキュルケのほうがデカそうだが
564名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 19:19:08 ID:DG5CBJ+u
>>554
アニメ版のオカマ野郎だけは絶対に許さんぞ。
565名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 19:30:40 ID:lQ3muxNc
ゼロの魔王伝の続きはまだかいのぅ
566名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 19:47:11 ID:7sDEHFv4
キュルケがメインヒロインのSSっていくつぐらいある?

当て馬orビッチな扱いが多くて不憫でならない
いや大して好きなわけではないけど
567名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 19:47:34 ID:txgrJKzb
>>562
ダークホースで「盗みするのに邪魔で仕方ない」と愚痴る着痩せタイプなおマチさんとかどうよ?
568名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 19:52:26 ID:f1ZPCjUY
ルイズが誤って殺してしまう系の短編ではだいたい一番後悔度が高いからヒロインと言えるかも知れん
キュルケ
569名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 19:54:53 ID:Jr0fDyFP
本命はバストレボリューションかな
570名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 20:01:54 ID:Jr0fDyFP
見間違えちまったぜ
571名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 20:05:28 ID:XeXB52Q6
シエスタも段々と大きくなってるからな
カリーヌはどうだろ
572名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 20:08:49 ID:aCm8RArP
キュルケ自体本編でどーも空気気味だからねぇ・・・
序盤の活躍がなつかしいぜ。
573名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 20:13:11 ID:U6hdN9Aq
ていうかもうね、今じゃあれですよ。
ルイズいないと駄目、ルイズがいないと僕うごけないんでしゅ〜。
になった時点で他のヒロイン殺しても全く問題ないよ。
だってルート確定してんじゃん。
574名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 20:22:08 ID:QVkH46GO
サイヤの使い魔を読んで思ったけど、最初期の悟空召喚とかも面白そうだなあ
575名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 20:29:56 ID:YjyHov3y
最初期だと破壊力とかは流石にそんなに高くないけど、拳銃くらいじゃ死なんタフさを持ってるから
ライトニング喰らっても数分で復活できそうなのが恐ろしい
戦闘力なら中盤の才人とどっこいだと思うが、タフさでは比べ物にならんw
576名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 20:30:43 ID:RcVamTLW
電撃喰らってもちょっと痛いですむレベルだな
577名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 20:33:51 ID:ooZvnssx
レッドリボン壊滅させた時期まで行くとアルビオン無双ができちゃうからな。
パワーバランス的には最初期がいいだろうね。
578名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 20:39:42 ID:U6hdN9Aq
「気が高まる……、溢れる……。」
579名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 20:41:08 ID:f1ZPCjUY
パワーバランスとか考えて書いてる人なんてそういないと思うがなあ

悟空の最大の問題点は本編ではギャグで済まされてる異常な食欲が
セミリアルなゼロ魔世界では冗談ではすまない事
580名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 20:42:17 ID:YjyHov3y
というか才人も召喚して、才人をクリリンポジションにしてみたい
悟空じゃなくて亀仙人でもいいけどw

才人  「俺を弟子にして下さい!」
亀仙人 「じゃがワシは滅多に弟子は取らんでのう、悪いが別の」
才人  「これはこっちの世界に来る時に持ってきたPCのエロ画像の詰め合わせZIPなんですけど。」
亀仙人 「おうっ!これは!! …ええじゃろ、弟子にしよう。」
ルイズ 「……なんでこんなロクデナシが二人も召喚されたのよ。 orz」
581名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 20:49:21 ID:QVkH46GO
>>579
初期悟空は恐竜や狼の丸焼きとか、虫とかそんなもん捕まえて食ってるしなあ
食事抜きとかされても、そのへんでオーク鬼とか捕まえて飯にしてそうだ
582名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 20:49:42 ID:V8H0/vhA
亀仙人の爺ちゃんはルイズじゃ食指が動かないだろうな
583名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 20:53:40 ID:RcVamTLW
キュルケに飛びつくなw

こうしてみるとゴクウより亀仙人呼んだほうが面白そうなんだがw
584名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 20:55:03 ID:UO4ueFX3
亀仙人楽しそうだなあ
戦力的には鬼当たりだし
585名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 20:56:22 ID:V8H0/vhA
ここぞという場面で大物ぶりを見せてくれるしな
586名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 20:57:34 ID:RcVamTLW
ワルドがチェン戦時のヤムチャ役におさまりそうな予感
587名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 20:57:52 ID:xLIzeyx4
亀仙人召還ってなろうにあったよね
588名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 20:58:32 ID:GiEB4Jpu
やられキャラの代名詞・ヤムチャ(初期の頃)も面白そうだな……
(ワルドわ勿論、ギーシュにも勝てなさそう)
589名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 20:58:40 ID:l80Vafkc
>>580
確かにロクデナシだけど、戦闘能力でいうならかなり高いよな。
亀仙人、性格はアレだけど実力はあるし、年の功から来る知識もそれなりにありそうだし
まあ何より俺が見て見たいのはオールド・オスマンとコンビを組んでのセクハラ三昧なんだけど。
おマチさんがブチ切れないか心配だなぁ。
590名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 20:59:54 ID:bPlxpazy
>>581
ヤジロベーならオーク鬼を絶対に食べるな
591名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 21:00:59 ID:RcVamTLW
>>587
マジか、タイトル教えてくれ
592名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 21:02:45 ID:q1WXROec
亀仙人か…
普通に月消し飛ばすからなw7万どころか元素の兄弟相手にしても無双確定だなw
593名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 21:02:58 ID:xLIzeyx4
>>588
銃弾をあたまに食らっても死なない最初期の悟空と闘えたヤムチャ
フーケのノロマなゴーレムくらいならルーンなしでも余裕で勝てそうだが
ワルドには…無理っぽいな('A`)
594名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 21:04:12 ID:xLIzeyx4
>>591
ゼロの亀ちゃん
595名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 21:04:20 ID:3mIJUL6u
ヤムチャだったら何処の時系列からの召喚でも、ルイズの爆発で1発KOしそうだけどな(ヤムチャ氏また死亡のアレで)

そういや思ったんだけど、このスレで一番美味しい立ち位置なキャラってギーシュだよな。
ほとんどの場合、勝負後に和解してしまうから悪い関係にはならんし、使い魔によっては弟子入りしてパワーアップもするし…

全作品で習得した技術・知識を統合したら結構な強キャラになるんじゃね?
596名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 21:07:03 ID:U6hdN9Aq
そんな、最終的には戦闘力50000以上になるヤムチャがワルドに負ける?ご冗談を。

正直言えばあの世界観ではパワーインフレに取り残されて最弱になったが、ルイズの世界だったらry
597名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 21:08:02 ID:wQFTvRYG
ギーシュを殺っちまって伝説となった兄貴がいてだな…
598名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 21:15:26 ID:8QWIjLsi
>>597
頭を握りつぶされるあれか?
599名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 21:16:30 ID:xLIzeyx4
>>596
あ、>593は最初期のキャラ召還の話ね
天下一武道会以後はもうみんな別物といえるバケモノだし
気を察知する武道家には偏在ではめくらましにもならんだろうし
600名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 21:19:31 ID:RcVamTLW
>>594
サンクス

>>596
修行しなくて取り残されるかゴクウいないから強くなるきっかけなくなって中途半端になるかなw
601名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 21:22:19 ID:QVkH46GO
よく考えると別にルイズの召喚にこだわらなくってもいいんだな
ジョゼフが亀仙人召喚とか、テファがウーロン召喚とか、教皇がランチさん召喚とか
イザベラ様がカリン様召喚とか、モンモンが海亀召喚とか、色々できるわけだw
602名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 21:23:00 ID:0CAaNHio
でも満月になって大猿化したら初期悟空でも止めれる奴がいないぞ?
いくら烈風とか虚無でも月を吹っ飛ばす(ハルケギニアは二つあるし)のは無理だろ
603名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 21:23:50 ID:V8H0/vhA
尻尾を切ればいいじゃないか
604名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 21:24:57 ID:0CAaNHio
あ、そうだった
605名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 21:26:11 ID:fkfhvT+1
ハルケの月はブルーツ波を出してないとすればおk
606名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 21:26:58 ID:RcVamTLW
テファやイザベラにウーロンもなんか違和感ないな
初期ヤムチャがテファに召喚されたら出血多量で死ぬかも
607名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 21:27:13 ID:f1ZPCjUY
わざわざ尻尾を狙うとかありえんよなあ
608名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 21:28:37 ID:O0V7KI/1
>>589
一瞬オスマンの声にビクッとなりそうだな、亀仙人。
609名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 21:36:59 ID:zrJt8P6Z
キントウン召喚→だが乗れない


というかゼロ魔だとカトレアぐらいしか乗れそうにないw
610名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 21:43:13 ID:y/rmvsBN
>>608
オスマン=青野武=神様だからか?
亀仙人=宮内幸平だったっけ
611名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 21:47:11 ID:V8H0/vhA
むしろピッコロ大魔王だからじゃ?
612名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 22:01:19 ID:5YkNaxIL
ミョズ公のケツをバックからガンガン突いてヒイヒイ言わせたい
613名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 22:07:58 ID:y/rmvsBN
>>611
魔封波を仕損じたことがあったからなぁ。そっちの方が印象が強いか

>>612
なんでそこでジョゼフを差し置いてミョズ公なんだよ?
614名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 22:23:17 ID:xLIzeyx4
ミョズはエロいマジックアイテムを沢山もってそうだな
615名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 22:28:27 ID:3mIJUL6u
たまにジョセフに召喚されるサイトってあるが…
あのオッサンにキスされるんだよな…サイト生`

逆にジョセフが阿部さんとか召喚したらヤバイなwww
616名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 22:31:14 ID:WgF9OoAE
>>615
ヴィットーリオが熊先生かw
617名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 22:31:51 ID:f1ZPCjUY
おまえが思ってる阿倍高和はふたばで怪物にされた阿倍なんだろうなあ。
618名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 22:32:05 ID:0CAaNHio
亡き弟一筋のあの変態は阿部さんに心を動かされる事はないだろう

あの真性ブラコンがなんで女に勃起できたのかが不思議でならない
619名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 22:37:49 ID:LVhDf0/H
そろそろパズルゲームから喚ぼうぜ

いや上空からテトリス落とすとかじゃなくてソロモンの鍵の主役とかだよ?
620名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 22:41:23 ID:KLJ/NHzb
パズル・・・

虚無のパズルの続きはまだかな・・・
621名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 22:42:11 ID:v43wuCZH
いや、ボンバーマンだ。
ある意味ではルイズにふさわしい。
622名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 22:43:52 ID:sKlJaKSy
ラーゼフォンと神名綾人を召喚
623名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 22:45:00 ID:RcVamTLW
ロードランナーギーシュに召喚されるとか
624名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 22:45:43 ID:QVkH46GO
>>615
逆に考えるんだ
むしろぴこシリーズから召喚すればいいさと
ジョゼフがぴこ、教皇さんがちこ、テファがCoCo、ルイズはそのまんまサイト(ただし小学生Ver.)と……
625名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 22:47:26 ID:LIthyFBs
>>619
ソロモンの鍵とか懐かしすぎるwww
しかし魔法使いな主人公だけど、ブロックを精製するだけの能力とかあの世界じゃ微妙だw

パズルボブルとかいいかもしれん バブルボブルとしての能力もあるなら、
愛くるしい二足歩行トカゲな外見でそこそこの戦闘力もあって、ルイズが喜ぶかもしれん

バベルの塔なら……えーと、単なる力自慢のオサンか

ぷよぷよだと、まぁ普通にお話作れそうだな

個人的にはクレオパトラ・フォーチュンからパトラ子を呼んで、あの世界にコスプレ旋風を(ry


むう、ほかにパズルキャラって何がいるかな。サクラ大戦コラムスとかときメモやツインビーの
パズルとかはあったけど
626名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 22:50:16 ID:ooZvnssx
ヨッシーのクッキーのヨッシーとか。
あとはドクターマリオ? どっちにしろキャラが弱いからかきにくいなあ
627名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 22:57:40 ID:e2z1G4RC
四人のメイジ全員がぷよ(同色)を召喚して、4人の使い魔が集まったときぷよ消失
628名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 22:58:39 ID:txgrJKzb
ACとかネクストが人間大の大きさで召喚される…って、さすがに無茶かな?
重攻の使い魔を見てて閃いたんだが…
629名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 22:59:20 ID:/eiZb96n
チラ裏
630名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 23:18:25 ID:jFHIkfKt
>>627
虚無の魔法の初歩の初歩の初歩がオワニモだっだりするのか
631名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 23:18:42 ID:kpsqWMjI
隠れた名作ゼロヨンチャンプDoozy-Jから新城を召喚。

アイツ意外になんでも出来るぞw
632名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 23:18:54 ID:RcVamTLW
ゼロの亀ちゃん読んできたけど酷い出来でワロタw
話の流れはともかく亀仙人の口調とキャラぐらいしっかり把握して欲しかったな
633名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 23:21:38 ID:zrJt8P6Z
初期DBクロスでしっかりした出来の作品読みてえなぁ
634名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 23:21:41 ID:lIlpo9Cv
場合に寄るんじゃね?
とりあえず以前召喚された人間サイズのソウルゲイン(アクセルの意識入り)は
ボロ糞に叩かれてたような気がする
635名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 23:23:21 ID:50+VLR38
>>628
キサラギ「AMIDAなら許可する」
636名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 23:31:31 ID:LBhjn+Mq
>>628
そう言う必要性が疑問視される魔改造は反発が強いと考えた方がいいと思うよ。
最悪「名前や設定の一部を借りただけのオリキャラ」の謗りを受けても不思議じゃないし。
637名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 23:32:27 ID:cWnhQzQ5
>633
バクテリアンと契約できるメイジが果たしてハルケに存在するかどうか
638名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 23:36:51 ID:LVhDf0/H
人間サイズのパワードスーツならヒーロー戦記のギリアムとゲシュペンストを呼べばいい
時空をさまよっているって設定だし
639名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 23:41:43 ID:J24cZlzc
例えば重攻のネタ元のバーチャロンの場合、リバースコンバートとかいう謎技術で
虚数空間から事象を引き出して巨大ロボを構築してるという設定だし
人間大←→巨大ロボサイズに変身するのも有ったりするから、
ちょっとぐらい縮んでたりしてもそれ程おかしくないと言えなくもないんだが
そういった理由付けが出来なければ厳しいと思う
640名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 23:43:56 ID:V+z/fCZK
「ぷよぷよ(魔導物語)」のかーくんとかどうだろう<パズル
641名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 23:44:04 ID:L2TQZ7Km
DBならブルー将軍の召喚が面白そうかな。
642名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 23:44:54 ID:3m5nGfQZ
「あさりよしとお」の漫画『ただいま寄生中』からさなだ虫&さなだ十勇士を召喚
正義の心に燃える寄生虫の使い魔と一体化する変身ヒロインとして活躍する
643名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 23:47:58 ID:PRQJgwS9
パワードスーツならレンタヒーロ。
人よりちょっと大きいけどアイアンリーガー。
644名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 23:49:47 ID:3vKqsHMG
>>630
普通にじゅげむだと思うが。
オワニモは封印解いたら同種同色のモンスターがそろえば勝手に消える呪文だぜ。

実はぷよぷよは設定上出来てすぐのゲームだったりする。
アルルが16歳のときにオワニモの封印を解いてできたゲームなのにまだアルルが16歳ってことを考えると。
645名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 23:52:22 ID:sKlJaKSy
モロボシ・ダン召喚

ハルケ原住民エルフ殲滅、新魔法開発競争による環境汚染等が描かれる
646名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/06(火) 23:56:16 ID:c8U6mxAE
>645
今書いているけど、その方面は考えてなかったなぁ。
647名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 00:00:37 ID:0CAaNHio
>エルフ殲滅
そんな簡単にできるんならとっくにやってると教皇がそっちを見つめている
648名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 00:16:33 ID:7dX9fUSo
太原雪斉召喚という電波がとどいた。
ジョゼフの使い魔だがイザベラの将来性を見抜いて家庭教師を買って出る。

雪斉「御嬢、貴殿を戦国大名にしてやろう」

レコン・キスタは原作よりくすぶり続けトリステイン、ゲルマニアの国力を削り
ガリア継承戦争ではロマリア・トリステイン連合を破りイザベラ勝利。
ここにハルケギニア初の真・戦国大名が誕生したのである。
649名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 00:23:22 ID:tjqUnmEi
ゼロの使い魔のSSを語るスレ 7
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1254799151/

14 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/10/07(水) 00:21:40 ID:7dX9fUSo
太原雪斉召喚という電波がとどいた。
ジョゼフの使い魔だがイザベラの将来性を見抜いて家庭教師を買って出る。

雪斉「御嬢、貴殿を戦国大名にしてやろう」

レコン・キスタは原作よりくすぶり続けトリステイン、ゲルマニアの国力を削り
ガリア継承戦争ではロマリア・トリステイン連合を破りイザベラ勝利。
ここにハルケギニア初の真・戦国大名が誕生したのである。



なにマルチしてんの?死ねば?
650名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 00:25:19 ID:srp53IuN
おマチさんによくウルトラアイをスられそう
651名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 00:43:31 ID:IhlmxOe3
>>645
どっちかつーとキリヤマ隊長、あるいは地球防衛軍の幹部のしでかしたことではなかろうか。
652名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 00:50:00 ID:Ivo65bCY
>>621
初代の超メカメカしいやつか
スパボンからのロボット型か
ボンバー星人か
あの名作ガイドラインのィェァ ィェァな奴か
どれかで結構変わりそうだな
初代は奴隷生活に嫌気がさして逃走まで企てたやつだから契約を断固拒否しそうだ。
スパボンの彼らは悪は許さないタチだから従ってくれそうだし、
ボンバー星人の場合はアルビオンがブラックシティだったとか出来そう。
653名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 00:56:28 ID:aZXBSQ6Z
>>621
そこで爆外伝から召喚とかどうだろう
654名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 00:58:15 ID:IOVq8aOW
爆外臀?
655名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 01:01:10 ID:o68gOALA
4コマだっけ?懐かしい
656名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 01:04:33 ID:yii2mlvk
>>653
ビーダマンのか

>>655
にせあおボンとか爆ちゃんとかか
657名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 01:10:29 ID:GHbCsx3d
戦国武将に、ハルケギニアで戦国時代と同じような
活躍を求めるってのはどうなんだろ。
結局のところ、家名を残すためとか、一族郎党を食べさせるためとかで
必死に戦ってたのではないの、あの人らは。
天涯孤独の根無し草となった状態で、積極的に戦おうとするのかね。
658名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 01:17:02 ID:aZXBSQ6Z
>>656
そうそう。腹からビーダマ(?)撃てるし、戦闘力はそこそこあるぞあいつら
爆外伝Vの奴らは一応警察だし、ワルドはともかくギーシュの辺りには
素手でも負けなさそう
659名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 01:18:36 ID:cofVFuzP
本人の気質もあるだろうが何らかの方法で

「天下取ったる!!!」

と思わせればいいんだよ
660名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 01:20:02 ID:rVz2DemD
>>652
64〜のボンバー星人は平和好き設定のくせに爆弾を使った模擬戦(?)が大好きなんだよなw
案外無口だが面白いかもしれん
661名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 01:21:16 ID:HQbBwpqi
>>644
ルイズがじゅげむ…そりゃ詠唱も長くなるわ
しかもルイズって興奮するとオートでダイアキュートがかかってるんじゃないだろうか
ぷよぷよじゃなく魔導物語になるけど

テファはブレインダムドかばよえ〜んあたりかな
ばよばよ使いがいたら怖すぎるぞな
662名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 01:23:09 ID:w2KN056L
山風版の秀吉辺りなら大喜びで働きだすんじゃないか
山風秀吉の根本にあるのは「女が欲しい」という強烈な欲望だから
美少女揃いのハルケギニアならどんな外道な手を使ってでもヒロイン達をモノにするため頑張るだろう

あの秀吉の性格上どう考えても避難所行きの内容になるだろうが
663名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 01:26:40 ID:PvDN3mjo
>>628
ムゲフロ版のPTなら最初から小さいうえに自意識まである。
しかも機体再生や数ヶ月間単独で暴れまわっても平気なエネルギー機構も完備だ
・・・あれ、完璧じゃね?
664名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 01:29:18 ID:c1P/CjuT
五代雄介召喚がまったく進まねえ…
戦わないでずっとジャグリングやストンプやペーパークラフトやってる…
665名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 01:31:22 ID:dhfNrMgO
>>657
自身の野望や欲で戦ったのも多いはずだが
666名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 01:44:08 ID:HQbBwpqi
>>665
時代背景にそういう土台があったからだとも言える
乱世、下克上、群雄割拠、立身出世、アメリカンドリーム(笑)
そういう意味ではハルケに召喚された戦国武将にテンションを維持させるのは難しいだろう
667名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 01:45:40 ID:eQLePjHn
>>664
五代さんがグロンギ以外を相手に変身するなんてほぼありえないだろうからなw
668名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 01:49:19 ID:srp53IuN
帰ってきたウルトラマンから郷さんを召喚したら
コルベールと流星号を完成させるだろうか
669名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 01:50:31 ID:dhfNrMgO
その育まれた欲が状況だけで簡単に消えるわけないでしょ
育ちや文化からくるものはもっと強烈だと思うが

っつか、ぬるすぎるトリスティンやアルビオンに呼ばれたら
即策謀し始めるくらいの強かさ、癖の強さは大方の戦国武将が持ってそうだが

そもそも、ハルケでの自分の身分知ったらかえって戦意上がりそうな気がするが
他人に生殺与奪の権限握られたまま、不安定なままで良しとはしないだろ
670名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 01:55:37 ID:bKxpV1Dx
遅れたが夜闇の人乙
契約する段階で長丁場になるのって珍しいな
面白いからいっこうにかまわないけど
671名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 01:58:24 ID:rVz2DemD
戦国武将なんか呼んでどうするんだ

後ろ盾はないし異邦人だし一応は近代レベルのハルケギニアで、魔法を使わない行動に関しては優位に立てるものの制度や文化的に様々な違いが存在して
魔法や大陸に関する知識や裏側についてはなにも分からずに、
そこから準備し始めてるうちに何年かかるかは知らないけどそのうちにテンプレストーリーが終わってしまうぞ
672名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 02:01:30 ID:dhfNrMgO
テンプレ無視で成り上がり+陰謀でジョゼフと対決のほうに持ってくとか
まあ書くのはスゲえ難しそうだが
673名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 02:28:25 ID:IhlmxOe3
せいぜい「捨て童子松平忠輝」の召喚でガマンしとれ、あいつ幼女にトラウマもちだからルイズに優しそうだし。
674名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 02:29:27 ID:TiJOj047
ドリフターズの信長なら国取りに動くだろう
675名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 02:32:27 ID:w2KN056L
鬼っ子様ならまず使い魔なんて嫌だと即効どっかに雲隠れだろうなw
676名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 03:07:57 ID:j67XTcQP
>>674
やたら首を欲しがる人や、若さで勝つとガッツボーズする人も欲しい
更に現代人代表としてサイトも召喚されると面白いかもしれない

時代が違うとかそういうのは、廊下を使えばなんとかなるだろう
何にせよ、有る程度の設定が分からないと困るか
キャラ自体もまだ分かりきっちゃいないしな
前作の誰かさんみたいに裏切ったり、幼女だったり、一食でも抜くと餓死するのにロボだったりするかもしれないからな
677名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 03:19:49 ID:aZXBSQ6Z
>>676
最後のは少佐かw
まあ彼の場合気分的なもんなんだろうなぁ、
アクマがこんにちわの人修羅みたいな感じで
自分が人間だと忘れない為の行動というか
678名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 06:33:56 ID:jQ7RbdzH
>>640
カービィ並みの食欲の癖して義侠心的なモノはほっとんど持ってないぞ、あの黄色い生物はwww
まぁ、ワルドにはあのサタンすら倒すレーザーをぶち当ててくれそうだが。(主役のヒロインに対する求婚的意味で)
679名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 07:36:07 ID:cMLFD6Ux
>>664に期待
680名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 08:40:41 ID:rVz2DemD
>>678
サタンとシェゾ役やらなきゃならないワルド可哀想
でもはまり役だよな
681名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 08:49:31 ID:MXU0qx4b
ワルド、ギイ・クリストフ・レッシュ化計画と聞いて
682名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 09:24:17 ID:ATOFHswE
>>681

ワルド、ギイ「「ママン…」」という光景を想像して緑茶噴いたww
683名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 09:49:32 ID:0036dOBu
宝物庫には「破壊の人形」と題されたオリンピアorあるるかんが保存されているのですね?
684名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 10:05:04 ID:TLl05m30
しろがねを召喚して本名にビビっちゃうルイズ
685名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 10:06:08 ID:eQLePjHn
ゼヒーゼヒーゼヒー
686名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 10:11:30 ID:j67XTcQP
そんなに興奮してどうしたんだい? マリコルヌ
687名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 10:19:45 ID:rVz2DemD
「空から裸の女の子が落ちてくることを想像してたんだ」
688664:2009/10/07(水) 10:23:57 ID:AB44ML9x
>>679
アマダムが海外冒険中に再生→ルーンを拒否、ギーシュとの決闘イベント回避、おマチさん学園に残留…。
もう俺の手にはおえない。
689名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 10:31:08 ID:CVfN2c3m
アミティ「ぷよぷよからの召喚と聞いて歩いてきました。主人公として」
ルイズ「なんであんたがやってくるのよ!ここはアルルが出てくる場面でしょ!?せめてルルーが来なさいよ!」
ドッペルゲンガー・アルル「よんだ?」
アミティ・ルイズ「「おまえちがう!」」
690名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 10:33:14 ID:rVz2DemD
ぷよぷよクロスだったら戦闘前に必ず漫才デモが入るんだろうな
なんかシュールだ
691名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 11:03:36 ID:hP83DID+
ワルド「ルイズ、結婚しよう」
アルル「 へ ん た い だ ! 」
692名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 11:14:10 ID:j67XTcQP
>>687
マリコルヌはイっちゃってるよ。あいつ未来に生きてんな。

こっちの世界の人間じゃないんだぜ、その発想は斬新過ぎるだろw
ラピュタが無いのにそんなこと言ってる奴が居たら完全にイカレてるだろw
ということは、それを考えたはy
693名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 11:17:31 ID:nmrZuQir
ぷよはサタン本人を召喚しても楽しいかも
694名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 11:33:08 ID:jQ7RbdzH
アルルに会う前、10万12歳頃のサタンが一番おもろいかな。
ルイズに「我が后!」ってまとわりついてくるサタン。
ツノ付き魔界の貴公子につきまとわれたら流石にびびるかな。
695名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 11:36:00 ID:nmrZuQir
ルイズに一目ぼれしたら使い魔も了承するだろうなw
696名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 11:50:59 ID:sv5J4kOh
>>691
IQ179キルノートンを思い出した
697名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 12:04:24 ID:rVz2DemD
マザコンでヘンタイ呼ばわりのシェゾ
自称婚約者で変態扱いのサタン

しかしワルドと聞いてアルルのドッペルゲンガー、「ワルル」を思い出してしまった
ルイズのドッペルゲンガーならワルイズだろうか
698名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 12:31:01 ID:FtxpdgIl
同じピンク色つながりでモンハンからババコンガを召喚

ワルドがウ○コまみれにされるビジョンしか浮かばんがなw
699名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 12:35:06 ID:j67XTcQP
う、鱗まみれ!?
700名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 12:41:48 ID:CVfN2c3m
ルイズの顔が徐々にインスマウス顔になっていくんですねわかります
701名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 12:44:39 ID:cMLFD6Ux
ワルドから小物臭を消すにはどうしたらいいのか
702名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 12:46:07 ID:4Sw7NE6B
きれいなワルド
703名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 12:46:30 ID:3WclTzHh
ティファニアが呼んだキャラ辺りから力をもぎ取って自分の力とする白ワルドなら小物臭も消えるかもしれない
704名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 12:47:54 ID:TcxoNjkh
>ワルドから小物臭を消すにはどうしたらいいのか
巨大化させるというのはどうだろう
705名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 12:50:47 ID:ZEM4hJBT
>>683
>宝物庫には「破裂の人形」
と読んでしまったブボボボ ボイボイ モンモンモンモンモンン
ん?昼間から外が騒がしいな。
706名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 12:51:06 ID:PJEzy8m6
ワルドを出さない
出ないなら小物にも大物にもならない
707名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 12:59:56 ID:w2KN056L
いい事考えた
お前アニメ版でウンコがピンク色にされてた浦安の国会議員呼んでみろ
708名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 13:02:07 ID:7LIXB5MW
ワルドにも何か憑依させるかすればいい
もしくは大幅な強化・改造処置
709名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 13:06:20 ID:TcxoNjkh
パワーアップよりまず生き様を変える方が先決だと思う
710名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 13:07:18 ID:M9w9YYv/
ワルドはもう少し冷静になるべき、諦めが悪すぎる
711名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 13:15:16 ID:L8U5SKxo
>>700
ブリミルは旧支配者だったのか!
712名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 13:15:41 ID:m86pOFP2
声優を若本に変更するとちょっと大物っぽくなるよ
713名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 13:19:25 ID:3qEIKijr
>>712
こうだな?
ワルド「キャッチ・マァイ・はぁ♪ ベリィ・メロン♪」
714名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 13:21:41 ID:JEjjbp3B
>>704
魔導馬なる巨大馬と合体するってのはどうよ?
715名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 13:28:50 ID:IrE/kP8e
ラスボスに近い存在に魔改造してみるのはどうだろう
ダグバのバックルを付けたワルドとか
716名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 13:29:28 ID:L8U5SKxo
>>713
そこはむしろ
ワルド「俺の後ろに立つんじゃねぇえ!」
ワルド「(マジック)アイテムなんぞ使ってんじゃねぇぇえ!!」
ワルド「術なんぞ使ってんじゃねぇぇぇえ!!!」
ワルド「ぶるああああ!」
な感じで
717名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 13:32:13 ID:lBoNE/sh
>>704
ワルドのジャンボ偏在とかもいいなw
ワルド主人公のSSがあったら是非紹介して欲しいんだが・・・皆知らない?
718名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 13:38:07 ID:j67XTcQP
>>701
「それはごもっともだが、俺の考えは違った」とか「誰が帽子は一つって決めたん?」とか言わせれば……
719名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 13:42:50 ID:ATOFHswE
>>715

むしろワルドの中にアークオルフェノクが…
720名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 13:43:29 ID:f20yrT+R
“風に乗りて歩むもの”イタクァ・ザ・ウェンディゴにワルドを改造してもらう
たぶん属性的にも大幅なパワーアップが見込める
721名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 13:45:13 ID:T1TTtvbV
ワルドがハスター召喚すればいいんだよ。
狂気に包まれるかもしれないが。
722名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 13:46:21 ID:eQLePjHn
まともなワルドなんかルパン小ネタでしか見たことない
723名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 13:47:29 ID:dhfNrMgO
不安の種から病院のアレ召喚
724名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 13:47:30 ID:EPVOvpq2
>>704
エボリュウ細胞を移植するとか、水のない星で進化させるとか、吸血怪獣に怪光線を当てられるとか、
変身超獣に乗り移られるとか、超古代の石像と合体するとかすればいい。
725名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 13:49:30 ID:f20yrT+R
クトネタで召喚パワーアップならイゴールナク様にお越しいただいて憑依していただくという手もある
ただし小物臭は消えない
726名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 13:49:45 ID:6AJK/RBv
>>715
アギトの因子が埋め込まれてアナザーアギトっぽいのになるとか
単純にショッカーの改造メイジでもいいんだが
727名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 14:07:36 ID:sv5J4kOh
たまにワルドがなんか召喚ってあるけど
ワルドの使い魔ってグリフォンじゃないの?
728名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 14:08:13 ID:aZXBSQ6Z
>>701
上でも言ってるが性格と言うか、有り方から変えていくのが大事じゃないかなぁ。
ワルドが原作で何をしたいのかがいまいち見えてこないから動かしづらいかもしれんけど、
そこに色々過去とかねじ込んで根性叩き直せばあるいは味方になるやもしれん。
729名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 14:08:47 ID:cRbFQIEU
グリフォン隊に入る条件が使い魔にグリフォン呼んでることになりかねないが
730名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 14:09:33 ID:sv5J4kOh
>>729
グリフォンを使い魔にできたからこそ隊長になれた、とか
731名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 14:11:32 ID:aZXBSQ6Z
>>727
確か原作では描写されてないはず。
竜騎士とは使い魔に乗るパターンとそうじゃないのがいるから、
ワルドは後者なんじゃないかな。
特にあいつ途中から風竜乗ってたし。
732名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 14:12:51 ID:cRbFQIEU
可能性はあるがグリフォンが使い魔とは限らないだろ
733名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 14:30:23 ID:TXi1Mq4w
>>701
小物臭を消すためには、匂いの元を断つしかない

・そもそもガリアの傀儡に過ぎない蓮根の駒
・自分の方が優れている事をルイズに見せ付けるためにサイトに決闘ふっかける
・酒場の襲撃で学生三人に後を任せて自分はルイズと脱出
・結婚式を強行した挙句ルイズに拒まれて逆切れ
・ゼロ戦乗ったサイトを半ば私怨で追い掛け回した挙句、艦隊相手に虚無撃つ前座として撃墜される

この辺り何とかすれば…もはやワルドじゃないな、それ
734名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 14:39:49 ID:m86pOFP2
ワルドさん決闘でサイトを殺害すればインパクト大だよ
735名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 14:45:17 ID:j67XTcQP
後先を考えていない出落ち状態の若手芸人じゃないんだからw
736名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 14:45:45 ID:EPVOvpq2
>>733
最後にやらされた仕事がパシりの宅配便って点もな。
737名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 15:04:46 ID:yYJseL/+
総合すると「ワルドだから仕方ない」ってことか
738名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 15:12:39 ID:0cgDp85z
>>718
ワルド△
739名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 15:16:15 ID:zwMsXZIN
ワルド「俺のことを好きにならない奴は邪魔なんだよ」

もちろん最期は「首コキ」ね
740名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 15:22:58 ID:j0bwq+BT
ただのパワーアップじゃ小物臭さは抜けない
ダイスレで超魔生物に改造してもらって人格的にも一皮剥けよう
ただし人間にはもう戻れないけど
741名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 15:28:04 ID:yYJseL/+
やっぱり二重スパイとかじゃないと小物臭は抜けないよな
でもそういうのだと普通に悪役してるワルドが見れない気がする
742名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 15:36:04 ID:cMLFD6Ux
ワルドさん愛され過ぎっす
743名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 15:55:05 ID:j67XTcQP
>>741
……三重スパイか!
744名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 15:55:24 ID:ATOFHswE
>>739

ガリア=スマートブレイン
サイト=木場ポジション
ならいけるかも?
745名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 16:05:50 ID:45i2zOOd
>>740
「人間に戻れる能力」を維持しておけばいいんですよ
超魔生物に変身した際は魔法が使えなくなるけどまあ普通の人間が相手なら
十分すぎる戦闘力あるし

死んだときは塵芥と化す上ルイズに哀れみの目で見られるだろうが
746名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 16:08:23 ID:j67XTcQP
>>745
人間に戻れないからこそ、人格的に一皮剥けるんじゃないのか?
747名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 16:11:14 ID:j67XTcQP
スマン、途中で書き込んだ。

もちろん人間には戻れるし、超パワーアップしたぜー! ヘヘーん!ってのと、
俺は人間をやめるぞー! ガンダールヴゥウウウウウ!ってのじゃ覚悟が違うぜ。
748名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 16:12:11 ID:yii2mlvk
大量にワドルディ召喚してその隊長にしちまおう
749名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 16:19:10 ID:C2ePoZ3g
その発想はなかった
750名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 16:24:25 ID:EPVOvpq2
ふむ、ならばここは黒装束で水晶玉を持ってアルビオンを壊滅させてもらおう
751名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 16:52:20 ID:L8U5SKxo
・人間を超越した存在になる
・人に戻る(擬態)ことができる

つまり使徒ワルドですね。
あのワルドはガッツとのバトルで鎧が暴走する寸前まで追い込んでたし、ガッツ一人じゃ厳しいレベルの使徒になれそうだ。
どんな姿に変貌するのか楽しみ過ぎる
752名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 16:53:32 ID:/fjjifLu
ワルドがハルケギニア皇帝になればいいのさ
753名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 17:05:22 ID:8NmklTNS
いっそカオスヒーローばりに悪魔と合体させちまえ
754名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 17:15:01 ID:yAXArwsT
悪魔と相乗りだって?
755名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 17:16:24 ID:8NmklTNS
>>754
ルイズ・サイト「「変身!」」
『サイクロン!』『ジョーカー!』

こうですね、わかります
756名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 17:26:58 ID:yii2mlvk
マチルダさんとワルドが死にました
→ガリアのミョズな科学者が回収しました
→それぞれ半分しか死体の状態がよくありません
→無事な半分ずつをくっつけて一人の人間として蘇らせて使う事にしました
→色々と都合がいいので男爵の地位を与えました

誕生!あしゅら男爵!
757名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 17:34:36 ID:Gw3jcDPe
>755
つまり、メイジの使う魔法はどれもこれもガイアメモリによる物なのですね?
758名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 17:35:44 ID:aZXBSQ6Z
>>755
そうなるとワルドはあの良いケツしてた婿養子ポジションか?
あのベルトやガイアメモリが流れ着くという可能性もないではないんだよな
759名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 17:52:36 ID:m86pOFP2
ワルドをガチホモとかにしたらキャラが立って出番も増やしやすいんじゃないだろうか
たいした役でもないスカロンだってオカマキャラを売りにしてちょくちょく出番があるんだからさ
ワルドはいまいち特徴が無さ過ぎるんだよ
760名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 17:57:56 ID:MXU0qx4b
もういっそワルドにギイさんを召喚してもらえばいいんだ
もしくは?(ひょう)さんを
家族の苦しみを知ってる二人ならワルドもいい漢に成長すると思う。というかそうであって欲しい
761名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 17:58:10 ID:aZXBSQ6Z
>>759
ワルドの特徴といえば……
ヒロインの婚約者、超一流のメイジ、特殊部隊の隊長、美形、敵組織に内通
このくらいか。ヒロインの婚約者って時点でかませ犬臭漂ってるからなあ。
ご立派な使い魔のワルドくらいはっちゃけてるとキャラも立つんだけどな
確かにメインキャラに躍り出るにはいまいち要素が足りない
762名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 18:03:09 ID:MXU0qx4b
>>761
裏切り者とそしられるが、実は二重スパイでした、ってのが素晴らしい展開だと思わないか?
763名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 18:04:26 ID:8NmklTNS
>>762
場所とタイトル忘れたが、SSで見覚えがある件
764名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 18:04:34 ID:olERmLYI
加持さんポジか
765名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 18:04:54 ID:aZXBSQ6Z
>>762
カッコイイ方面でキャラを立てるならソレもありだよな。
その場合おマチさんフラグが立つのかね、なんだかんだで一緒に居る期間長いし。
766名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 18:05:21 ID:QerVkTft
たまにはルイズと結婚させてやりゃあいいと思うんだ
767名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 18:07:50 ID:MXU0qx4b
表舞台に立てないで、暗躍してるとなお格好いい
それを引き立てるため、見方だと匂わせずいかにワルドに怒りを向けさせるかがポイントだな
で、最期は劇的な退場劇
768名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 18:14:50 ID:b1VB2W9x
理想郷みたいなSS投稿サイトってほかにないの?
769名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 18:17:14 ID:MXU0qx4b
>>768
便利な言葉を送ろう
つググレ
770名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 18:18:47 ID:m86pOFP2
理想郷とNTと小説家しかしらんなぁ。NTは過疎ってるから実質二つだな
771名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 18:19:00 ID:g8ODzJ2M
>誕生!あしゅら男爵!
ワルダかマチルド男爵にしてあげやう
頭部分離機能付き伯爵に改造という手もあるな
772名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 18:22:18 ID:olERmLYI
サマーウォーズのOZの一部にハルケギニアが入っててそこから健二が召喚されたら
773名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 18:24:51 ID:45i2zOOd
>>伯爵に改造
マジン・サーガ版だとなおキャラが立ちますワルドの顔が観音開きして、小さなおマチさんが出てくるとか
あるいはワルドの体におマチさんの上半身とか。


再開してくんないかなぁ
774名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 18:28:25 ID:1p0v2ePq
意外にもイースシリーズのクロスはないんだな
赤毛の種馬ならきっとハルケギニアでも現地妻をこさえてくれること間違いない
775名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 18:59:37 ID:DpSTLtyz
>>762
かっこいい二重スパイってので思い出したが、ハリポタのスネイプみたいにしてみたらどうだろう
776名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 19:32:40 ID:45i2zOOd
とりあえずあの胡散臭げなヒゲを剃る事からはじめるべきだ
777名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 19:39:44 ID:OMMMxLMh
ワルドのあの象徴的な立派なヒゲをカイゼル髭に変えるんだな?わかった
778名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 19:46:05 ID:eEAIp7fP
伝説の青いヒゲを生やせばいいじゃない
779名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 19:48:03 ID:FtxpdgIl
つーか出番が無くなって忘れてたけど、原作でもおマチさんにキスして貰ってたなワルド

アレがワルドのファーストキスだったら笑うがw
780名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 19:49:34 ID:MXU0qx4b
つまり童貞か
781名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 19:52:48 ID:AUbrRJyB
ワルドがヒゲ生やしてるのって若輩と侮られないためのモノだっけ
テイルズにもそんなのが居たなぁ、ラスボスなのに変形控えめな

それはそうと、ワルドの強化?
1.秘宝77個
2.新造細胞
3.ペルソナ発動(制御剤服用)
4.ギアス能力付加(ナナナ版C.C.細胞)
5.パナケイア流体注入

これならゼロ戦に撃墜されようとエクスプロージョンに巻き込まれようと大丈夫!
782名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 19:53:50 ID:CPOHHcKe
>マジン・サーガ版だとなおキャラが
選べるものならきっとワルドは下半身グリフォンの大公に出世したいだろうな
783名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 19:54:52 ID:wbdG9Ov+
>秘宝77個
自滅フラグじゃねぇかw
784名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 19:56:08 ID:UiDUoe7x
付け髭をしている姿ををタバサに見られたイザベラ様
785名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 20:02:48 ID:CPOHHcKe
>これならゼロ戦に撃墜されようとエクスプロージョンに巻き込まれようと大丈夫!
ところで本題の小物臭さは多少なりとも改善するのだろうか
786名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 20:03:52 ID:jQ7RbdzH
>>778
めそ……げふんげふん!
787名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 20:19:23 ID:AUbrRJyB
>>783
制限付きパワーアップって燃えだと思うの
>>785
死を覚悟したパワーアップを選び取って決戦に挑む悪党を
誰が小物とそしれようか

おお、ブラスター化というのもあったなぁ〜
788名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 20:21:58 ID:lBoNE/sh
ヤマノボ先生「スマン!どうしても描きたいヤツに出逢っちまった!」

ゼロの使い魔スピンオフ外伝 『ワルドの冒険 ジャックと豆の木』
来春発刊予定〜
789名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 20:23:34 ID:+bRCZF7i
そういえばゼロ魔にはかっこいいライバルキャラっていないなー
790名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 20:26:27 ID:MXU0qx4b
まず格好いいキャラがい(ry
791名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 20:27:41 ID:QerVkTft
重要度が高ければ高い程変態度も高い気がする
792名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 20:28:34 ID:sSjDtKFI
あて馬がヴィンダールヴの坊ちゃんくらいしかいないしね
793名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 20:30:13 ID:jQ7RbdzH
>>790
そこなんだよなぁ、サイトから見て頼れる兄貴的な格好いい人が欲しい。
強いて言えばデルフが近かったけど、いなくなっちまったしなぁ……
794名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 20:35:32 ID:cj1ak33k
>>781
>ワルドがヒゲ生やしてるのって若輩と侮られないためのモノだっけ

つまりルイズに結婚を断られて
「その目、敵対をやめぬ瞳……ならば体裁を取り繕う必要はないな。
 威厳を得るために変えていた…この顔でいる必要も…ない!!!
 そうだ!!! これが本当の私
 ジャン・ジャック・ド・フランシス・ド・ワルド
 設定年齢19歳 蟹座のB型ッ!!!」
795名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 20:36:17 ID:UiDUoe7x
ワルドがハイパー化したらなぜか遍在が巨大化しそうだな
796名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 20:36:20 ID:+bRCZF7i
クロスものだとそういうこともできるんだよなあ
クロス先のキャラを、本編にはいなかった好敵手や超えるべき壁にするとか
797名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 20:36:40 ID:E6z3FAQM
「これが俺の本当の正体、ハンサム顔だっ!!」
798名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 20:40:21 ID:nmrZuQir
このスレはルイズがサイト以外を召喚前提が多いけど、
ジョゼフや教皇に敵役として良キャラ召喚も楽しいか
799名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 20:40:27 ID:m86pOFP2
失った左手をサイコガンに変えて・・・
800名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 20:41:24 ID:Qd93oDBa
右手には制御棒
801名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 20:42:20 ID:xASxjyCM
ワルドが童貞なのか…って、婚約者の両親(特に母親)がアレだぞ?
婚約者以外の女性との間にその手の噂が…とかなったら命が幾つあっても足りんわwww
802名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 20:48:41 ID:IOVq8aOW
現代日本の貞操観で考えるなぃ、チェリーボーイズ
803名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 20:49:24 ID:Qd93oDBa
どどどっどどおどどどおお
804名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 20:50:29 ID:+bRCZF7i
>童貞
逆にとっととすませているってことも考えられるんじゃね?
別に恋愛とかそんなんじゃなくって、教育の一環として
805名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 20:58:22 ID:MXU0qx4b
つまり童帝がふらりと来るわけだ、鍵爪を追って
ワルドのママン(かルイズ)が鉤爪に殺されたことにして、ガン×ソードの再現としゃれ込むわけだな
806名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 20:59:44 ID:lBoNE/sh
悪童貞
807名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 21:05:13 ID:I555VlWN
>失った左手をサイコガンに変えて・・・
だがワルドだからな
「右腕にブラスターを持つ男・ドーベル」くらいにしかならんと思う
腕一つとケチらずいっそ全身クリボーみたいな身体に取り換えてあげたらどうだろう
808名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 21:05:54 ID:aZXBSQ6Z
>>798
そういえばゼロの英雄ではジョゼフにサイトが召喚されてたなぁ。
サイトがルイズ以外の虚無の担い手に召喚されるというのも面白そうだ。
ついでにルイズに召喚される使い魔をカンダールヴ以外のものにしてみたりとか。
原作とは大分流れが変わるけど、そういうのも新鮮で良いよな。
809名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 21:09:14 ID:Ivo65bCY
>>807
1-1の最初に出てくる奴という大役を任されるのか
810名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 21:09:14 ID:cMLFD6Ux
ワルド「俺は既に未来を掴んでいる。そしてこれからも掴み続ける!」
811名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 21:20:36 ID:yii2mlvk
>>809
そういえばクリボーも売国奴だしある意味あってるか
812名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 21:21:55 ID:6DKofGIc
>>807
《増殖》+《機雷化》のコンボですね
813名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 21:31:52 ID:MXU0qx4b
ドグラとでもくっつけるか
814名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 21:43:19 ID:I555VlWN
ドーベルで思い出したんだが
シエスタを惨殺、生皮を剥がしてサイトに見せつけてやればインパクト大だな
小物臭は全く消えないが
815名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 21:53:05 ID:ZEM4hJBT
>>757
W劇中に「ゼロ」のガイアメモリがあったが、あれはルイズ専用だったのか…!
816名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 21:58:19 ID:nnXB+P8H
シェゾ・ウィグィィ召喚だとアルビオンで7万の軍勢と戦うと生首シェゾが登場しそうだ
817名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 22:00:03 ID:Rcm+oOzg
ぷよ勝負って空間宝貝みたいなものなんだろうな
818名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 22:06:12 ID:nnXB+P8H
>>817
負けると自分の上にぷよぷよが降ってきて気絶すると書かれていたので魔法か道具で
テレビ局みたいなセットを使ってやっているのだと俺は思っている。
819名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 22:14:30 ID:rVz2DemD
>>816
あいつ魔法使いの力を奪うんだよな
きっとルイズやワルドにも「お前が…欲しい!」というのだろう

ぷよ勝負は古の呪文オワニモが解放されていることで可能になって、
ぷよを4つ揃えて異次元へ飛ばすことができるようになり、そうすると時の女神の力で魔力なしで魔法が使えるようになるという戦いだったはず

だから虚無使いもぷよを連鎖さえすれば「エエエエエエクスプロージョン!」と、強力な状態の魔法が使えるだろう

ただサタンがぷよ地獄を作るとかいってぷよを沢山喚んでくれないと使えないいらない呪文なんだよな…オワニモ
820名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 22:26:35 ID:jQ7RbdzH
オワニモ発動条件は正確には『同色の魔物四匹が揃えば』だからぷよには限らないんだけどね。
まぁそんなのぷよかスライムぐらいしかいないから実質専用になってるんだけど。
821名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 22:28:53 ID:aZXBSQ6Z
>>820
流石に同色の人間じゃだめだよな、ワルドとか
偏在使えば最大5人まで分身できるからあるいは偏在だけ消えるかもと思ったんだが
822名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 22:30:43 ID:2n5mstlq
遍在ワルド4人くっつけたんじゃ駄目なのか
823名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 22:39:08 ID:nnXB+P8H
>>819
オワニモの呪文は時の女神の力を使うが大した魔法ではない。
それが理由に長年封印されてた。
アルルの暇つぶしによって封印が解かれ、そののちにサタンがゲームを作った。
あれは単に掛け声だろう。
824名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 22:42:24 ID:3WclTzHh
そういやヒロインってなんかタバサよりのような気がするけどこれまで珍しいヒロインものってあったっけ?
おマチさんとかエレオノールがヒロインっぽいのはいくつか見た気がするが
825名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 22:44:03 ID:PJEzy8m6
偏在は分身を作るのを目的とした魔法ではなく
本来は偏在を吸収することで術者がパワーアップする魔法なのだ
826名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 22:44:27 ID:AUbrRJyB
じゃあモンモンをメインヒロインにする感じで
クロノからカエルでも呼ぶか
もしくはジュエルビースト
827名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 22:47:42 ID:m86pOFP2
モンモンはバブルスライムとかのほうがいいな
828名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 22:48:20 ID:wbdG9Ov+
それなんて邪王炎殺拳?
829名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 22:55:15 ID:OEH2UCry
モンモンはハムスターを召喚すべk(ry
830名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 22:59:18 ID:hP83DID+
今ちょうど買ってきた「みんなアニメが好きだった 青盤」を聞いてた俺は、
モンモンと言う名前を見た瞬間「天才バカモン」という悪魔合成が

831名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 22:59:23 ID:i0ggxqTV
イザベラ様がヒロインの作品も結構あるぞ
異常ではた迷惑なモノを呼び出してくれるとルイズ以上に楽しめる
832名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 22:59:55 ID:srp53IuN
相棒から杉下右京を使い魔に
833名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 23:05:38 ID:+78OaoIi
>>815
ハテ? んなもん出てたっけ?
まあそれおいといてもメイジの魔法=ガイアメモリーってのはおいしいネタだとおもう
834名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 23:07:54 ID:82w+IKEf
モンモンがメインヒロインならギーシュは当て馬だな
使い魔と決闘したり、小細工で足を引っ張ったり…

なんだワルドじゃないか
835名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 23:10:12 ID:xQPMLzyU
Qちゃん召喚したら面白そう
たいして役に立たないどころかはた迷惑な辺りが特に
836名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 23:10:37 ID:aZXBSQ6Z
>>833
ドーパントとしては未登場
ただ例の婿養子のもってたトランクの中にそういうのがあったよ
837名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 23:21:00 ID:i0ggxqTV
>たいして役に立たないどころかはた迷惑な辺りが特に
タバサ相手には致命的ではないか
それだけでイザベラにとってこれ以上の使い魔はおるまい
838名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 23:23:44 ID:8YX97I1s
ルイズがMP・オーライーターを召喚したら歓喜すると予想

大して変わらない可能性もあるが
839名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 23:30:17 ID:vfYHIrO9
>>808
どれだかは忘れたがサイトがハルゲ世界の住人になっていたSSがにあった。
多分まとめにある。
840名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 23:33:18 ID:aZXBSQ6Z
>>837
そういえばタバサがオバケとか苦手なのって何巻に出てたんだっけ
今1巻から見直してるところなんだが今のところそういう描写ないし

>>838
姉が両極端だからなあw
エレオノールのようにまな板なのか、カトレアのように巨乳になるのか
あの体格で16歳だしもうこのまままな板なんじゃないかね、
虚無(ゼロ)のルイズなだけに胸もゼロと
841名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 23:34:35 ID:xQPMLzyU
タバサがお化け苦手って嘘みたいだし…
842名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 23:39:00 ID:dADex2IN
>>841
そんなのは気のせいさ。
外伝の後付け設定なんてなかった。タバサはお化けが苦手なんだよ
843名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 23:44:35 ID:gKj+hJrP
11巻か12巻辺りじゃ無かったかな
でタバサ冒険3巻で実は嘘付いてたって事になってる
844名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 23:45:55 ID:xQPMLzyU
>>842
それアリなんだなw
845名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 23:46:30 ID:8YX97I1s
>>840
ふと思ったがあの世界でのオーライーターってかなり強力なんじゃないか?
負の感情溢れてるしっぽいし
846名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 23:46:36 ID:m86pOFP2
本文じゃなくて巻頭キャラ紹介みたいなところでなんどかオバケヤバイって書いてあったきがする
847名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 23:51:01 ID:MMG1zvc+
お化けが怖いって嘘ついた理由が、
サイトに抱きつきたい、離れたくないからだからな
これをよしとせずになんとする
848名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 23:52:27 ID:Lg+BYsnh
>>840
風呂覗きの巻
でもあれは幽霊が怖くて気絶したんじゃなくて、
サイトと密着してイッちゃっただけ。
849名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 23:54:36 ID:NtidsI0/
しかもその時、裸だったしな。
850名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 23:55:03 ID:ENJvsf7q
>>844
そんな設定くらい、僕らナイアルラトホテップにかかればお茶の子さいさいさ
851名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 23:55:18 ID:aZXBSQ6Z
>>848
風呂覗きか、12巻辺りだっけ?
本当に怖い、じゃなくて要するにその場しのぎの嘘か。
ありがとう。他のみんなもどうもありがとうー。
852名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 23:56:13 ID:m86pOFP2
しかし抱きついただけでイっちゃうとか本番やったらどうなるんだ
853名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 23:57:39 ID:aZXBSQ6Z
>>852
そりゃもうイきっぱなしだろう
854名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 00:01:51 ID:FK5lwt4S
あんなロリと本番とか頭おかしいんじゃないの?
855ぜろろ:2009/10/08(木) 00:03:21 ID:PuhmfFLP
忘れられてないか心配なぜろろです。投下したいのですがよいですか?
00:10から行きたいです。
856名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 00:06:03 ID:3qZfM4vy
ぜろろの人キターーーーーー!!
これで勝つる!!
857名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 00:08:11 ID:eUGUoPS0
待ってました! ワクワクがとまらねえ!
858ぜろろ第二十夜 1/8:2009/10/08(木) 00:11:13 ID:PuhmfFLP
その声嬉しいです。では以下本文



「ヒャッキマル君を使い魔と?彼は人間じゃぞ?」

オスマンは頭を抱えたくなった。何故彼ら、ルイズと百鬼丸はこうも自分にとって望ましくない方へ一々進んでいくのか。
この会話だけでは断定できないが、百鬼丸がルイズに召喚されたという事実を、恐らく彼女は知ったのだろう。
それをオスマンが知っている、というあたりをつけた上での提案なのだろう。
とぼけるでもなく、隠すでもなく、余計な詮索を入れられぬよう、オスマンは話す。
だが、賢い生徒だ。きっと何かに感づいている。

「やはりご存知……いえ、失礼しました。その、あいつは、ヒャッキマルは私に召喚されたのでしょう? 使い魔にしても問題はないはずです」
「確かに彼はおぬしに召喚された。しかし彼には自らの意思がある。彼が合意すれば問題はないがの」
「でも……でもあいつは平民、です」

俯き、尻すぼみにそう返したルイズを見て、彼女達の交渉が決裂した事をオスマンは理解した。予想通りである。
といってもこちらも恐らく、最悪な結果での予想通りだ。若く、強情な二人だ。言い争った事だろう。

「人間を使い魔に召喚したなぞ前例がない。彼は召喚に巻き込まれた、とわしは考えておる」

方便である。オスマンとて彼女達の契約には賛成だが、百鬼丸が望まぬのであれば、諦めざるを得ない。魔神に関わる重要人物である彼の機嫌をこれ以上損ねたくはない。ルイズの後押しは出来なかった。

「それに幻獣たちを使い魔にした方が体裁もよいぞい? なにも平民の使い魔を選ぶ事はあるまい」

これはオスマンの正直な感想だ。百鬼丸には悪いが、彼を使い魔にするよりは、話に聞いた魔神のほうが、使い魔としては評価されそうなものである。早く使い魔を得たいというルイズの欲求は理解できるが、百鬼丸を使い魔にしたいという提案は意外であった。
だがオスマンは魔神と向かい合ってはいない。おぞましい化け物を使い魔になぞしたくないというルイズの心情までは読めない。ルイズもその時の恐怖を上手く伝える事はできないだろうと諦めていた。他に言い返せず、ルイズは黙るしかなかった。
859ぜろろ第二十夜 2/8:2009/10/08(木) 00:12:29 ID:PuhmfFLP
 


学院長室でオスマンは独り、ぐったりと椅子に身を預けていた。疲れたのだ。

百鬼丸をルイズが召喚したという事を、何故教えなかったのか。

その問いがなかったことにひとまずは安堵した。だがルイズは疑問に思っているはずだ。尋ねるべきでないと勘が働いたのかもしれない。
上手く誤魔化せる自信がオスマンにはもう無かったので、これは正直助かった。というより嘘をついても直ぐにばれる気がしてならない。オスマンが最も望まない方向へ、ルイズも百鬼丸も、わざわざ向かっているような気がしてならない。
魔神討伐の事は置いておくも、ルイズと百鬼丸の件は実に扱いが難しい。散々気を使っても今の様だ。
召喚者と使い魔との間に何か特別な力が働いてるとでも思われて、無責任だが、手を出す事が無駄に思えてしまう。

「なるようになる、かの……」

遠見の鏡の件もあるため、彼らを四六時中監視出来るわけでもない。これ以上こじれない事を始祖にでも祈ろう。
本当に無責任だが、二人の関係に干渉する事をオスマンはやめることにした。

「だってわし、忙しいもんね?」

自分にそう言い訳する。秘書の机の下で彼の使い魔のハツカネズミ、モートソグニルが鳴いた。


第二十夜 逃走


ルイズと言い争った百鬼丸は部屋で思索に耽っていた。魔神の事は勿論であるが、ルイズとの諍いも彼の心を掻き乱す。裏切られたような気分であった。出会いから、この部屋でのやり取り。そしてシエスタを助けた勇ましい姿を思い出すと、彼女を悪く思うことは出来ない。
860名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 00:13:25 ID:3qZfM4vy
オスマンがまともに見える…
支援!
861ぜろろ第二十夜 3/8:2009/10/08(木) 00:13:58 ID:PuhmfFLP
だがそれは結局偽りだったのだろうか。自分をメイジだと思っていたからこそ対等に談笑できたのか。だが平民のシエスタを助けようとした姿は紛れも無く本気だった。心優しく、そして気高い貴族、そう思っていた。
しかし、平民の癖に、とそう叫んだ時のルイズは彼の嫌う横暴そのもの。どちらが彼女の姿なのだろう。
出会ってまだ一日しかたっていない程度の彼女を、何故これほどまで気に掛けるのか、自身の事でありながら、彼は困惑していた。

考えても仕様が無い。そう思っていたところへ、ドアを叩く音。
そろそろ夕飯の刻限であった。部屋へ通すと、やはり昨晩同様シエスタだ。が昨晩と違い、料理は持って来ていない。疑問に思ったが、別のところに用意してあるとのこと。
何でも助けてくれた礼がしたいとの事である。そしてそれは彼女のみならず、学院で働く平民達、彼女の友人や上司からの誘いであった。

学院の厨房に連れられ、下にもおかぬ扱いを受ける。どうにも居心地が悪い。だが不当な扱いを受ける少女を助けるため、勇敢にも剣一本で貴族に立ち向かい、これを撃退した百鬼丸は正しく平民達の待ち望んだ英雄の姿だったのだ。
中でも料理長のマルトーの興奮といえば大層なものであった。「我らの剣」なぞと呼ばれてはたまったものではない。

そして山のような料理。腹は減っていた。勢い良くかきこむと、うまい、と一言。味は感じぬが、マルトーが精魂込めて作ってくれた料理である。そう返すのが礼儀であろう。
だがうまい、と言ったのは決して形だけではない。使われている野菜は、虫食いもなく、きれいに切り揃えられ、歯応えも絶妙。肉は果たして肉とも思えぬほどに柔らかく、その食感だけで、使われている食材が上等である事が百鬼丸にも理解できた。
そんなものが大小十品近く出されれば、如何に自分のために手間を掛けてくれたのか推し量れよう。味もきっと『うまい』のだろう。百鬼丸には味覚がない。口惜しいとはこの事だった。改めて、自分の体を早く取り返したいという思いに百鬼丸は駆られる。

「ところでよ、どうしたらそんなに強くなるんだい?なあ、おれにも教えてくれよ」

マルトーは貴族が嫌いであった。平民を平気で足蹴にする貴族というのは実に多く、昼の件を見ても、この学院にすら少なくないという事が分かる。
862ぜろろ第二十夜 4/8:2009/10/08(木) 00:15:46 ID:PuhmfFLP
公職に付く貴族達でさえ、不正、賄賂は当たり前である。そしてそのような貴族の殆どが、自ら苦労してその立場まで上り詰めたわけでなく、先祖代々受け継いだ地位と財産の上に胡坐をかいているだけなのだ。
地位も持たぬ只の平民から国立学院の料理長にまで上り詰めたマルトーである。叩き上げの彼にとっては多くの貴族が軽蔑すべき存在であった。
では何故そんな貴族達の食事を賄う今の職にマルトーが付いているかというと、彼の料理を気に入ったオスマンの依頼によるためである。国の未来を担う人材を養成する学院の料理長だ。
これほどの名誉はそうそうなく、己の料理の腕を買ってくれたという事実に感激したマルトーは、二つ返事でこの話に飛びついたのだった。
その選択に後悔はしていないのだが、貴族というのはやはりいけ好かないという思いは変わらない。むしろ学院の子供を見ると増すばかり。
話がそれたが、そんな貴族の鼻を明かした剣技というものにマルトーはちょっとした憧れを抱いたのだ。熊のような体格のマルトーだが、荒事はそれほど得意ではない。

「どうしたらといわれてもな……、毎日命がけで剣を振り回してりゃ扱い方も上手くなるんじゃないのか?」

そう話す百鬼丸は実に自然で気負った様子はない。だが、その答えを聞く限りでは、若いながらにかなりの場数を踏んでいるのだろう。彼がくぐって来たのであろう修羅場を想像してマルトーはうんうんと大きく頷いていた。
確かにマルトーとて、どうしたら、と聞かれても困る。マルトーにとって料理とは生きていく術である。貧困に喘いだ青年時代を過ごした彼にとって、料理とは彼の命をつなぐ術だった。
毎日命掛けで厨房に立つうち、気が付けば、この魔法学院の料理長として雇われるほどの腕になったのだ。
そう考えるとこの若さにして、メイジに立ち向かえる腕前に至った百鬼丸の人生というのは波乱に満ちた並々ならぬものに違いなかった。

「なるほどねぇ、俺には無理そうだな」
「無理でいいだろ。こんなもの持たないですむに越した事はない」
「はあ、お前さんも苦労してんだなぁ。よし、なんか困った事があったら何でも言ってくれ、我らの剣よ」
「その『我らの剣』てのは止めてくれないか?」
「だから照れるなって。貴族に勝ったんだぜ?」
「照れてない。柄じゃないから止めてくれ」

戦いが嫌いだとまでは言わないが、百鬼丸とて好きで魔神との戦いに身を投じた訳ではないのだ。己の体を取り戻したい。人間として、みなと同じように生きていきたいだけである。
863ぜろろ第二十夜 5/8:2009/10/08(木) 00:16:47 ID:PuhmfFLP
もし魔神と関わることなく、五体満足で生まれていれば、と未だに夢想することがある。それは彼にとっては手に届かぬ憧れなのだ。

最早魔神を討つことでしか己は人になり得ぬ。

「そうか?ヒャ、ヒュ……お前さん謙虚なんだな」
「百鬼丸だ」

わはは、とマルトーが熊のように笑うと、百鬼丸もつられて声を上げて笑った。




しばしの談笑の後、お開きとなり百鬼丸は些か良い心持であった。

さて、部屋へ戻る道すがら。百鬼丸は己をつける存在に気が付いた。
わざと歩みを落とし、おびき寄せる。
キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。ルイズの悪友であり、学院で数多の男を虜にする、自他共に認める恋多き女性。
胸元を少し広げたブラウスと短いスカートは女性らしい肢体を余すことなく見せつけ、浅黒い肌が野性的な色気を醸し出す。燃え上がったかのように赤い髪と、情熱を秘めながら僅かに潤む赤い瞳は扇情的ですらある。
その男好きのする容姿を持ちながら魔法の実力も学院で一、二を誇るという才媛。
ただし惚れっぽく飽きやすいという厄介な性質も持っている。彼女を囲う男も、飽きて振られた男も最早どれほどいるか分からない、という始末なのだ。ともかくその恋多き女性は、今は異国の剣士に首っ丈なのだった。


「見つけた! ダーリンッ!」


己の女の部分に自信を持つ彼女は、まずは出会い頭に抱きつく事で彼女の魅力を分からせようと、異国の剣士に飛び付いた。
勢い良く頭を抱え込もうとした手は空を切る。立ち直り、剣士を探そうと首をひねると、まず目に飛び込んできたのは濡れた様な刀身から放たれた銀の光だった。

「えっ?」
「何の用だ?」
864ぜろろ第二十夜 6/8:2009/10/08(木) 00:17:40 ID:PuhmfFLP
「あん、もう避けられちゃったの?つれないお方……」

後ろから忍び寄り、手の届く距離から飛びついたのだ。だというのに一切触れる事が出来いとは恐れ入る。突きつけられた剣先に、キュルケは軽口とは裏腹に幾分か背筋が冷えていた。
ただ、キュルケの行動がそうであったように、剣士、百鬼丸にも攻撃的な気配は少なかった。突然飛び掛ってきた相手を牽制しているに過ぎないのだろう。

「おい、だから何の用だ?」
「驚かしてごめんなさい、でもその前にその危ないものをしまって頂けないかしら、ミスタ。女性に向けるには些か物騒じゃなくって?」

両手を上げ、敵意が無い事を表す。

「む、確かにそうだな。すまん」

意趣返しの意味もあって剣を抜いたが確かに大人気なかったかもしれない。百鬼丸は剣を納めるとばつが悪そうに軽く頭を下げた。突然飛びつかれたとは言え、敵意が無いのは百鬼丸には分かっていたのだ。
キュルケはほっと安堵の息を漏らす。傷つけるつもりは無かったのだろうが、気持ちの良いものでは到底無い。たかだか平民、たかだか剣と見くびっていた。メイジといえど脅かしうる剣士、その上案外素直で紳士的。ますます惚れてしまう。

「で?」
「でって?」
「だから、用があるんじゃないのか?」
「そうそう。あたしはキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。ゲルマニアの留学生よ。二つ名は『微熱』。『微熱のキュルケ』よ。素敵でしょ」
「百鬼丸だ」

名前が長い、とは今回は口を滑らせなかった。

「ええ、あたしあなたの事知ってるの、ミスタ・ヒャッキマル。ねぇえ、あたしに仕えない?」
865ぜろろ第二十夜 7/8:2009/10/08(木) 00:18:58 ID:PuhmfFLP
「何処から聞きつけたかは知らんが、おれは誰にも仕えるつもりは無い」

髪を掻き揚げ、色めいた調子で話しかけるキュルケの様子も無視して、いい加減にして欲しいと百鬼丸は呆れ顔で受け答えする。
ハルケギニアにやってきて、このやり取りを何度も行っている百鬼丸である。だがキュルケはそんな事は知らない。

「なんだってそんなに……」

自分を家来にしたがるのか。ぶつぶつと独りごちた。

「あら?ルイズの使い魔じゃないの?」
「ちがう。使い魔なんかじゃないし、誰にも仕えん」
「そうなの?でもルイズに召喚されたんじゃないの?」
「召喚されただけだ。だれがあんなやつ……」

募る苛立ちを隠そうともしない百鬼丸の顔を見ながら、キュルケはこの手の話題には触れない方がよいと理解した。元来好奇心旺盛な彼女ではあるが、今尋ねなくとも、陥落させてしまえば後でいくらでも聞きだせる。
ルイズを嫌っているようなその口調は気にかかるものの、後回しでかまわない。むしろ百鬼丸への関心こそどんどん膨らんでいった。

「ふーん、そうなんだ。ごめんなさいね?気に障ったみたいね」

百鬼丸の顔を覗き込むように上体を傾け、後ろ手にゆっくりと歩いてくるキュルケ。
百鬼丸は僅かに警戒する。習性だった。


だが、この後彼を襲ったものはかつて無い衝撃と戸惑い。どれ程の闇を払ってきたか知れぬ彼にしても、如何に応じるべきか答えの見えぬものであった。




彼女は百鬼丸を手に入れたい。貴族相手に物怖じもせず、自信に満ち溢れた態度。数多の男を虜にしたキュルケの肉体に、全く関心の無い毅然とした表情。見事としか言いようの無い美しい黒髪。
それでいながら獣のような逞しさを感じさせる身のこなし。化け物を殺した、平民とは思えぬ強さ。
866ぜろろ第二十夜 8/8:2009/10/08(木) 00:20:47 ID:PuhmfFLP
どれも彼女の経験したことの無いものであった。なんとしても、手に入れたい。

にじり寄るキュルケ。
全身全霊を持ってキュルケは百鬼丸を誘惑する。それだけキュルケを本気にさせるものを百鬼丸は持っていた。

「だったら……」

耳に聞こえぬのに鼓膜から脳を撫ぜる熱を帯びた声。

すでに手の届く距離。

「あたしの……」

嗅覚を持たぬ百鬼丸をして鼻腔を溶かすような芳気。

もはや一足先。

「恋人に……」

首元に回された柔らかな腕は焼け付くようで。
吐息が感覚を持たぬ皮膚を撫ぜた。
盲人に認識できぬ筈の瞳が脳髄から背骨を貫く。

「なって、くださらない」
「……う、……」






「?」








微塵も動かない百鬼丸を訝しく思い、抱きすくめた腕を僅かに緩めると、乱暴に振りほどかれる。尻餅をついてしまった。

「きゃっ」

素っ頓狂な声をあげ、百鬼丸は

「あん、もう……意外と初心なのね。可愛い……」

逃げ出した。


以上。逃げちゃった
867名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 00:34:46 ID:3qZfM4vy
ぜろろの人、投下乙です!

うーむ、やっぱりルイズに反感持ってますね、百鬼丸。
百鬼丸から見ればルイズみたいに平民というだけで人を見下す貴族は、暴虐な侍と何ら変わりがないですからねー
シエスタの時のルイズの態度を見てる分その落差が酷く見えてるんだろうなぁ…

キュルケは相変わらずだなぁw
接吻ひとつで逃げ出す百鬼丸に笑えるw

そろそろタバサも登場するかな?
体を奪われ作り物の『人形』みたいな百鬼丸と、心を凍てつかせ『人形』のようなタバサ。
この2人の邂逅はどうなるか楽しみです。
868名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 02:05:36 ID:k9twFEis
やった!ぜろろキタ!これで勝つる!
ルイズとヒャッキマルとの関係が
今後どう展開していくのかが気になりますねぇ。
869名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 05:14:19 ID:y1NWngaX
投下しまっす
870アクマがこんにちわ:2009/10/08(木) 05:15:14 ID:y1NWngaX
ロングビルを肩に抱えた人修羅が、風のような早さで人気のない街道を走り抜けていく。
空を見上げると、シルフィードが常人には目視の難しい距離で旋回を続けていた、慌てた様子もないのを見ると、ルイズ達は今のところ無事なのだろう。
人修羅は建物の間にある階段が桟橋への道だと気付き、すぐさまそれを駆け上がった。
長い階段を上っていくと、カグヅチへ向かう塔を思わせる巨大な樹木が目に入った、四方八方に伸ばされた枝の先には船がぶら下がっていたが、小さな実のように見える。
途方もない大きさの木を見て、思わず「ファンタジーだ」と呟いた。

丘の上に出ると、木の根本に向かうルイズ達の姿が見えたが、ルイズとワルドの二人しかいない。
そこで人修羅に一瞬の迷いが生じた。やはり裏口にも待ち伏せがあり、キュルケ達が突破口を開きルイズとワルドだけが脱出したのだろうか。
しかし、シルフィードは相変わらず上空を旋回している、その様子からはタバサ達が窮地に陥ってるとは考えにくい。
人修羅はロングビルを肩から下ろし、両手で抱きかかえると、ルイズ達の後を追った。

「ルイズさん!」
「人修羅っ…って何してんのよ!」
追いついた人修羅が声をかける、ルイズは人修羅の姿を見て安堵したが、抱きかかえているロングビルの姿を見て思わず怒鳴り声を上げた。
「傭兵に捕まっていたんだ、助け出したが(自分が攻撃したせいで)気絶したままだ。他のみんなは?」
「仮面を付けた凄腕のメイジが現れた、彼らは足止めをしている頃だ、船へ急ごう」
人修羅の問いにワルドが答えた。
三人はすぐさま走り出し、樹の内部をくり抜いて作られた空洞へとを駆け込んでいった。
樹の内部を見上げると、巨大なビルの吹き抜けと同じように目がくらみそうな高さまで階段が続いていた。
枝に通じる階段には鉄製のプレートが下がっており、ワルドがラ・ロシェール行きの階段を見つけ駆け上がり人修羅とルイズを先導した。

階段を駆け上り、木の幹から外へ出ると、一本のこれまた巨大な枝の上が通路になっていた、その枝に沿ってぶら下がるように一艘の船が停泊している。
船は帆船のような形状だが、舷側から羽が突き出ているのを見ると、空の船といった感じがする。
人修羅達は枝から伸びるタラップを伝い甲板へと足を踏み入れた。

「な、なんでぇ? おめえら!」
甲板で寝込んでいた船員が、突然やってきた貴族に驚いて起き上がった。
「船長はいるか?」
「寝てるぜ。用があるなら、明日の朝、改めて来るんだな」
別の男が船室から現れ、そう答えた。ラム酒を瓶でラッパ飲みしながら答えるのを見ると、この船は貴族の好みそうな船ではないらしい。
ワルドはスッと杖を引き抜き、他所声の調子を低くし、答えた。
「貴族に二度同じことを言わせる気か? 僕は船長を呼べと言ったんだ」
「き、貴族!」
船員は驚いて一目散に船長室へすっ飛んでいった。
しばらくすると、寝ぼけ眼の初老の男を連れて甲板へと戻ってきた、船長らしき帽子をかぶった初老の男は、胡散臭げにワルド達を見た。
「なんの御用ですかな?」
「女王陛下の魔法衛士隊隊長、ワルド子爵だ」
船長が目を丸くして驚く、魔法衛士隊に直々に声をかけられることなどほぼあり得ない、船長は驚くほど身分の高い貴族が相手だと気づいて、急に言葉遣いが丁寧になった。
「こ、これはこれは。当船へはどういったご用向きでございましょう…」
「アルビオンへ、今すぐ出港してもらいたい」
「そんな!無茶でございます!」
「勅命だ。王室に逆らうつもりか?」
「滅相もありません!ただ、朝を待って出向しなければ、風石が足らなくなるのです!」
「どうしてだ?」
「アルビオンが最もここ、ラ・ロシェールに近づくのは朝です! その前に出港したんでは、風石が足りず落っこちてしまいます」

人修羅は、ワルドと船長のやりとりを聞きながら、自分達の弱点について考えていた。
ルイズはかろうじてレビテーションが使えるが、まだ不安定で失敗も多い。
自分はそもそも空を飛べない、地面から飛び上がることはできても、空から落ちた場合為す術がない。仲魔を召喚できればその問題も解決するのだが、それも今は不可能だ。
ちらりと甲板の向こうを見ると、シルフィードがゆっくりと地上に降りようとしていた、キュルケ達が、追っ手を撃退したか、時間稼ぎができたと知ってシルフィードを呼んだのだろう。
もし彼女らに怪我があれば、シルフィードは急いで距離を取るか、皆を助けに行くはずだ。
871アクマがこんにちわ:2009/10/08(木) 05:16:00 ID:y1NWngaX
(シルフィードがいれば、空で何かあっても対処できるかもしれない…なら、風竜か火竜を仲間に引き込むべきだな。しかし、都合良く見つかるわけでもない。船が襲撃されぬよう気をつけるしかないな…)

人修羅がそんなことを考えているうちにも、ワルドと船長の交渉は続いていた。
「風石が足りぬ分は、僕が補う。僕は『風』のスクウェアだ」
船長と船員は顔を見合わせると、一つ頷いて、船長がワルドの方を向いた。
「ならば結構でございます。料金ははずんでもらいますよ」
「積荷はなんだ?」
「硫黄でございます。アルビオンで新しい秩序を建設なさっている貴族のかたがたは、高値をつけてくださいますから。秩序の建設には火薬と火の秘薬は必需品ですのでね」
「その運賃と同額を出そう」
「黄金と同じ額になります」
「かまわん、すぐに出してくれ」
船長はにやにやと下卑た笑みを浮かべて頷いた、思いがけない商談が成立したので、船長は張り切って命令をくだした。
「出港だ! もやいを放て! 帆を打て!」
予定を狂わされた船員達は、ぶつぶつと文句を言いながらも訓練された動きで命令に従い、手際よく出向の準備をする。
枝から船をつり下げるロープをはずした瞬間、船は一瞬空中に沈んだ。
「うお…」
慣れない感覚に、しかしどこかエレベーターを思い出す浮遊感に、人修羅は思わず声を出した。
船は風石の力で宙に浮かぶと同時に、帆と羽が風を受けてぶわっと張り詰めた。
「アルビオンにはいつ着く?」
「明日の昼過ぎには、スカボローの港に到着しまさあ」
ワルドの質問に船長が答えた。

人修羅はワルドが話し込んでいるのを見て、ルイズに近寄る。
「ルイズさん、ロングビルさんを船室に寝かせたいんだが、付いてきてくれないか」
「え? う、うん、わかったわ」
ルイズは人修羅の腕に抱かれているロングビルを見て、心の中にもやのようなモノがかかるのを感じた。
人修羅が船員に船室の場所を聞き、船の中に入っていく、ルイズもそれに続いた。



◆◆◆◆◆◆
872アクマがこんにちわ:2009/10/08(木) 05:16:49 ID:y1NWngaX

時は少しばかり遡り、キュルケ達は…

人修羅に酒場の表を任せ、裏口から脱出した一行は、白い仮面を付けた男に襲撃されていた。
桟橋へと向かう途中、真っ正面から放たれた『ウインド・ブレイク』が一行へと襲いかかる。
「うわああっ!?」
ギーシュが情けない悲鳴を上げて転がったが、怪我はない。キュルケ達はすぐさま体勢を立て直したが、敵は小規模の竜巻を起こし、周辺にある木片や樽などを吹き飛ばしてきた。
「………」
タバサは、この戦い方に各乱戦の慣れを感じた、ごく少数のメイジで、多勢を演出するときに似た雰囲気を直感していた。
「足止めを頼めるか?」
ワルドが呟く、キュルケは仕方ないといった様子で杖を出した。
ギーシュもそれに続き、杖を構えたが、敵の姿は見えない。
「どこへ行ったんだ…」

と、次の瞬間、タバサの頭にシルフィードの声が聞こえた。
『上なのね!』
タバサは風の魔法で防御しようと、詠唱を開始したが、ワルドがルイズを抱きかかえ前に飛んだ。
タバサはその動きに不審なモノを感じ、風のラインスペルではなく、風風水のトライアングルスペルを詠唱した。得意の『ウインディ・アイシクル』である。
仮面の男は、上空からタバサ達に杖を向けていた、キュルケは杖にほとばしる電光を見て危険を悟る。
「やばっ」
次の瞬間、タバサの『ウインディ・アイシクル』と、仮面の男の『ライトニング・クラウド』が激突した。

氷の刃が加熱され、水蒸気と化す。
空中に散らし切れぬ電撃がタバサの体を襲うはずだったが、ダメージはない。
タバサはすかさず距離を取り『ウインド・ブレイク』を放つ、キュルケはそれに続いて『マジック・アロー』を放った。
仮面の男は空中で魔法を避け、反撃に出るべく詠唱をはじめた。
「またアレが来るわよ!」
「……」
キュルケとタバサに焦りが浮かぶ、トライアングル・スペルを何遍も放っており、タバサの精神力にも余裕がない。キュルケは攻撃範囲こそ広いものの、相手が予想以上に素早いので魔法を生かし切ることができなかった。
そうこうしているうちに詠唱が終わり、仮面の男からまばゆい電撃が迸る。
「ワルキューーレェーーッ!」
ギーシュが叫んだ、同時に、ギーシュの作り出すゴーレム『ワルキューレ』が青銅のスピアーを投げる。
『ライトニング・クラウド』が空中でスピアーに命中し、粉々に砕かれた。だが魔法の力は相殺され、仮面の男に大きな隙ができた。

「今よ!」
キュルケが炎をふくらまして壁を作る、膨張させすぎたそれは炎としての力を失い、タバサが作り出した氷の槍を容易に貫通させた。
「ぐあっ…」
氷の槍を胸に受け、仮面を被った男は地面に落下しそうになり…消えた。

「消えたわ…」キュルケが呟く。
「遍在」タバサがそう答えると、キュルケは少し悔しそうに頷いた。

タバサはシルフィードによって、ルイズ達が桟橋へ到達したことを知ったが、あまりにも敵の詰めが甘い。
敵の目的は戦力の分断だったのだろう。
だからルイズ達は船に乗ることができた。

これからシルフィードを呼んで船を追いかけるのは難しい、風向きと雲の出方が悪ければ空の上で遭遇できず、下手をすれば貴族派の船や火龍、風竜に襲われるかもしれない。
どうすればよいか…と悩む二人の脇で、脳天気な声が聞こえてきた。

「はははは!どうだ、やったぞ!トリステインを乱す悪党を退治したぞ! 痛てへへへへへ!」
見ると、勝利に浮かれたギーシュの頬を、キュルケがつまんで引っ張っていた。
「あんたねえ、助けられたことは感謝するけど、それ以外何よ、何もしてないじゃない。」
「痛いじゃないか!しかしだね僕がいなければ君たちはね」
「はいはいありがとうございました元帥のご子息さん」
「くっ」

「………ひとしゅら」
タバサは、人修羅にバックアップを期待されていなくても、母を治す手がかりを失わないため、一行を追いかけるつもりだった。
だが、上空を旋回するシルフィードと人修羅の目があった瞬間、こちらを気遣うように頷いた気がした…タバサは、改めて人修羅達を追いかける決心をした。
873アクマがこんにちわ:2009/10/08(木) 05:18:21 ID:y1NWngaX
★★★★★★★★★★★


所変わって、ガリア。プチ・トロワ宮殿。

イザベラは自分の背より高い杖を持って、城の中を移動することが多くなった。
その様子を不気味に思っていた従者達だったが、代わりにイザベラの癇癪癖が爆発することが少なくなった。
それに気づいてからは、面倒が減ったと思ったのか、イザベラを訝しがる視線はだんだんと減っていった。

夜、イザベラは城の中庭に出て、噴水に近づくと、スカアハから貰った杖を水面に当てた。
「…あ…聞こえる」
「聞こえるホ?」
「ああ、聞こえてくるよ、これは…地面の中から出てきたのを喜んでるのかね」
「イザベラちゃん凄いホ!」
「へへへ」
イザベラはほんの少し照れつつ、笑った。

あの日、夢の中でスカアハと名乗る女性から貰った杖は、空気を絡め取るだけにしか使えなかった。
しかし使い慣れてくると、様々な場所の声を感じるようになっていった、地面の声、空気の声、水の声、植物の声など、ありとあらゆる所に『声』があると気づいた。
「これが精霊の声なのかい。今までこいつらの声が聞こえなかったなんて、不思議だねえ。こんなに周囲にあふれてるのに」
「そーだホ、ニンゲンは精霊の声を聞きたがらないホー、見えないから怖がって耳を塞ぐんだホ! ってスカアハが言ってたホー」
「そんなもんかね…」

イザベラはちくりとした痛みを胸に感じた。
見えないから怖がる、これはまさに自分のことではないか、見えない、解らない事から目を背ければ、背けただけ闇が深くなる。
今のところ最大の闇がシャルロットだ、人形七号と呼んでいるが、それはもしかしたら自分の弱さかもしれない。

彼女は感情を失ったわけではないとしたら…
人形のように振る舞って、自分の油断を誘っているのだとしたら…

ぶるり、とイザベラの身が震えた。

「どーしたホ?」
「あ…いや、何でもない、なんでもないよ」
イザベラは杖を引くと、心配そうに見上げるヒーホーを抱き上げた。
「次は、どんなことをすればいいんだい、あたしはもっとこの力を使えるようになりたい」

イザベラの目に、タバサを虐めようと躍起になる凶暴さは無かった。
精霊と通じ合うことで得られる精霊魔法、それこそがイザベラの世界を広げた。
魔法の才能に恵まれず、努力しても報われず、絶えず劣等感にさいなまれてきたイザベラに、ようやく現れた『報われる努力』だった。

「それじゃ氷を作ってみるホ!おいらが氷を作るから真似して欲しいホね。さいしょは噴水のお水さんに手伝って貰うホー」
そう言うと、ヒーホーはイザベラの腕から飛び降りて、噴水に指を突っ込んだ。
しゃっ、と引き出した指には、凍りついた噴水の水が付着し、指先から噴水へと一本の氷の棒を作り上げていた。
「ゆっくりやってみるホー」
「よし…やってやろうじゃないか」

ヒーホーと一緒にいるイザベラの顔には、笑みが浮かんでいた。
誰も見たことのない、努力を楽しむイザベラの笑顔だった。


ーーーーーーーーーーーーーー
今回はここまでです。
874名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 05:52:39 ID:lfcQWYYD
人修羅乙

いやー、ヒーホーのおかげで
イザベラ様の心の闇が少しずつ晴れてきてるな
イザベラ様、ガンガレー
875名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 06:10:46 ID:0UFNnG+o
乙!
早起きしたら投下されてて嬉しい
876名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 06:36:41 ID:DHd6vOIB
ああっ!アクマの人が投下していたっ!?
ちくしょう仕事が休みだからってGジェネプレイしてる場合じゃなかったぜ!

そんなことはともかく乙ですー
きれいなイザベラさまもステキ
877名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 06:43:51 ID:sLLdMzS9
またジャベリンレイン支援出来なかったぜ……orz
878日露の人 ◆nS4CkbLFTA :2009/10/08(木) 08:22:18 ID:F/ktwQdr
0825に投下します。
879日露の人 ◆nS4CkbLFTA :2009/10/08(木) 08:25:27 ID:F/ktwQdr
「はぁ……なんで僕が砲兵の隊長なんだ、もっとこう騎馬兵とか竜騎兵とか、最低でも歩兵とかさ。」
「まあまあ私達も、アキヤマ殿に言われていきなり砲を操れなんて言われましたからね、仕方ないです。」

場所はタルブ、アルビオンに近く広い平原を持つ場所といえば、ここが最適だった。
現時点、製作所をフル稼働させてはいるものの弾は少ない、120発の弾はとにかく保存し、そこからどんどん作られる弾は訓練用に回された。
とはいえ5日後には既に決戦である、こんだけ少ない訓練が何になるのか。
そもそも何故、こんな手遅れとも言える時に訓練なのか。
弾が無いからとしか言いようがない、普通の砲弾を空中に向けたって、訓練にはならない。
当時の日本もだが、この国も、貧乏国、宿命であろう。
砲身を無駄に消費しないよう、一門だけ訓練に回される。
秋山の観察の元、訓練は開始される、正直訓練と言えるかどうかははなはだ疑問であるが。

何故ただの一生徒である、ギーシュが砲の訓練にまわっているかには、色々説明がいる。
「トリステインの生み出した砲をトリステインの人が指揮し、アルビオン艦隊に打撃を与えた。」と、言う事を国内に報告する準備。
なら、何故もっと老練な者を使わないか。
トリステインに柔軟な頭を持った将校・士官が少ないのだ。
外国の人を扱うのには、やはり凝り固まっていない頭を持っているものを使った方が良い。
そして、戦争の事を何も知らない、これが一番大事だ。
「私は何でも知ってるから、お前の意見はいらない。」という奴を上に持つと、下の優秀な奴等が自由に息をできなくなってしまう。
それなら「私はそこら辺知らないから、その意見を入れよう。」という奴の方が、下も働き安いだろう。
それに、ギーシュはグラモン家の子で父は元帥、やはり道が揃えば子も同じように軍への道へ進む事になるであろう。
なら、今のうちに経験させるのも、未来のトリステインの国防にも関わってくるのではないか。
枢機卿は、そう踏んだのである。
実質の所、この世界では砲に対する関心が薄く、引き受けてくれる人がいなかったのが大方である。

秋山はまず、この砲の命中力が低い事を予測していた。
故に、赤い球をレビテーションで浮かせて、砲から300m離した。
まず、用意された訓練弾は12発、2発は榴弾、その他は実体弾である。

まず3発撃つまでの時間計測を始める。
もちろん狙いも定める。

「風、左微風!仰角70、右に7調整!」

アルビオン空海軍の兵員達は、その通りに1門の砲を調整。

「火薬装填後に砲弾装填。弾種、実体弾!」

1人の兵が台に乗り、火薬の入った円柱紙を下にいる兵から受けとり、身長に砲身の中に投入する。
次に円錐形の弾を装填、金属と金属の擦れる音がした。
1人がすぐさま台から飛び降り、砲の後ろ側にまわる。
それを見ると同時に空海軍中尉は手を振り上げて、下ろした。

「発射!」

点火、後に射出。
当たる事なんて無い、距離が近いとは言え、それでもライフリングすら無い砲に当てる事を望む事事態酷なのだ。

「目標より左におおよそ7メートル、下に2メートルの誤差!」

ここからが勝負。

「仰角更に4増し、右に13調整!」
880日露の人 ◆nS4CkbLFTA :2009/10/08(木) 08:27:02 ID:F/ktwQdr
砲の後ろに回っていた兵がまた台に上ると、さっきとおなじ動作をする。

「装填完了!」

1人が叫んだ、それを聞き終えると同時に中尉は。

「発射!」

ここまでの時間おおよそ14秒、予測スペックより2秒遅い。

「まぁ、十分じゃろう、が。やっぱし、精度が酷いの――!くーっ!」

次の弾は目標より右に4メートル、上に3メートル。
微妙に近づいてはいるが、弾道が安定しないのだ。
それに、風が微風だからこそ、ここまで近づいているが。
これが強風にでもなれば、絶望的である。
これでは1kmから2kmにいる上空の艦隊に当てるのは至難の業だろう。
やはり陸戦が決めになるか、秋山はそう予測した。
ただ、それでも相手の士気と兵を減らす為に、レキシントン号だけは潰さねばならない。
しかし、弾の数で圧倒する事も出来なければ、精度も悪い。
なら、陸で運用した方がいいのではないか。
それも考えたが、やはり陸上される前に出鼻を挫かなければ、勝てないのだ。

「まず、この兵器の威力を相手に実感させんと、相手は士気高々の状態で、占領そして士気向上の連鎖になってしまう、それはいかんのじゃ。」

目標物からどれだけ離れたか、をメモして行く。
これだと単純な計算で行くと、1kmで18mの誤差、ここに砲弾の威力が弱くなり、風の影響を受けやすくなる為、18mの誤差なら精密射撃の粋だろう。
おおよそ誤差30mは覚悟した方が良い。

これだと、まず制空権は相手に取られるであろう、これは仕方ない。
なら、地上に砲を隠して、陸で兵を倒すしかない、しかし煙でばれるだろう。
なら、効果的な運用はフネが兵を降ろしている時を突くしかない。

考えられる策は。
第一に艦隊に向けて空中砲撃。
第二にフネから兵を降ろしている時に、艦隊からはずした大砲による集中砲撃。
第三砲撃停止と同時に混乱している兵に対し、自軍の攻勢、降伏を勧告。
第四応じずに、こちらの損害が酷くなれば遅滞戦闘。
第五体勢を整えて、再攻勢。

ここまですれば十分だろう。
相手の状況を見れば第三で作戦は終了すると思われる。
予定では……の話だ。
まず第一で損害を広げなければならない。
これ自体が運だ、レキシントンを撃沈できれば、大吉。
中破なら中吉、小破小吉、他艦艇を撃沈なら吉、全艦隊無傷は凶と言った所か。
とにかく出鼻を挫けなければ駄目なのだ。
運にしか頼れないのはとても、情けないが、しょうがない。
戦術なんてそんな物だが、どこでも。
881日露の人 ◆nS4CkbLFTA :2009/10/08(木) 08:28:46 ID:F/ktwQdr
「アキヤマさーん!」

遠くからこちらへ走ってくる人影、シエスタだ。

「凄い爆音ですね、皆びっくりしてますよー、それと昼食の時間です!」
「ん、おぉ、ありがたい。」

訓練地(仮)から秋山場外。

「ちくしょう……なんで俺等はサンドイッチで、あいつは手料理なんだ……!」
「まぁ、麦生齧りとかよりはましですよ。」

余談だが。
食料の無い軍隊ほど、悲しい物はないと言える。
特に日本は、日清から大東亜まで、食料に悩まされた事は多い。というか日清から日露は物資を運ぶのに適さない土地が多すぎたのが原因だが。
後者の場合は完璧に、輜重隊を編成してない事が問題だろう。
トリステインは平地が多い、補給はまったく問題ないだろう、味方にも、敵にも。
つまり攻め安く守り難い土地なのだ。アルビオンからは海を挟んでいても、空海軍戦力が違う。ゲルマニアと対するにも、平地が最前線、あっても森、山が無い。
ガリアからも同じ。丸裸にも程がある。
なら、外交力、有効な外交が出来る条件、各国に対する影響力、ならそれは軍事か経済力。
どちらを取るべきか。
トリステインなら経済力だろう。
秋山はそれを望んだ。

王宮内部。
現在王宮は情報漏洩を防ぐ為に、王宮にいる貴族全員を外に出す事を禁じている。
もし出る場合は、1人軍人をお供に行く事が原則になっている。
もちろんこれを無視して1人で外に出れば禁固刑である。
それと、お供の軍人達には、もし相手の貴族から賄賂を出されたら受け取る事を言った。
賄賂を貰った場合はその賄賂を出した貴族を王宮に密告しなければならない。
そうすれば、王宮の方からも、賄賂の分もお供役が手に入れる事が出来る。
裏切る事はまずないだろう。
そして、この25日間、竜騎士隊は警備、訓練と大忙しである。
王宮内の裏切り者が逃げた場合、これを追い、捕まえる事が出来なければこれを殺害せよ。
との任務もある。

何故ここまで気をつけるのか。
ただ単にアルビオンにこちらの動きが悟られたくないからである。
とはいえ、平民の間諜等もいる事は誰でも知っている。
主にそれは首都の周りにいる。
だから、それに対しての行動もしている。
まず、軍隊が訓練している事を隠す、主にタルブとか、他だだ広い土地を借りて、そこで訓練をする。
下手に間諜を始末すると、逆に怪しまれるからだ。
しかし、やはり自由を拘束されるのは嫌らしい。

「皆、不満ばかり、呆れちゃうわね。」
「確かに……、裏切り者どもより、あれらの方が厄介ですな。」
「自分すら安全なら良いなんて、貴族の誇りはどうなってしまったんでしょう。」
「姫様、上に立つ者なら、不満を言わず、希望を良いなされ。」

上に立つ者が、不満ばかり言うと下の者にも段々伝染していくのだ、マザリーニはそれを何度か見ている。
882日露の人 ◆nS4CkbLFTA :2009/10/08(木) 08:30:27 ID:F/ktwQdr
「希望、ですか。そうですね、平和ならそれ以外は要りません。」
「その調子です。」

マザリーニには一応希望があった、あの砲台の効果だけじゃなく。
秋山の作戦立案能力だった。
この20日間の間、武官や文官を集めて、会議をした、そこに一応秋山を呼んでみたのだが。
会議の収拾がつかめなくなった時、彼はいきなりトリステイン本土の地図を机の上に置きだすと、定規とコンパスを手に取り、大まかな作戦を言ってから。
それを理論的に説明していったのである。
ある武官が冗談みたいな作戦を、言った時。
周りは「そんな事する必要あるのか。」と笑いながら言うのだが。
秋山は笑わず、それを真剣に聞いた後に。
それを一つ一つ理論的に解いて、効果的な作戦へと昇華させていくのである。
その会議にいる皆は、沈黙せざるを得なかった。

「マザリーニ。」
「はい、何でしょう。」
「後、5日でしたね。」
「はい、そうです、5日後には、ゲルマニアに向かわずに、そのまま兵を率いて頂きます、そうですね、アキヤマを付ければ、まず負ける事はないでしょう。」
「やはり、それほどまでにすごいですか?」
「私はこの生涯の中で、あれほどの天才を見た事がありません。」
「それほどですか……。正直、私には凄さが分かりませんでした。」
「まぁ、戦争と縁の深い姫などいないでしょう。」

戦う姫、戦姫……細川ガラシャか、千姫、いや、後者は――。
余談がすぎた。


王宮から場面を戻す。

「そういえば、この村にはですね、私の無き曾祖父が持ってきた不思議なものがあるんですよ、見ますか?暇つぶし程度に。」

この発言から始まった。
その時、歴史が動いた。

「こりゃ――。」

この世界のものではない、深緑の胴体に、太陽のような日の丸が描かれている。
絶対にこの世界じゃ作れないような、技術が大量にある、所謂ブラックボックスである。

「こりゃ……烏型模型、か?忠八、これは飛行器か?飛行器なんじゃな!お前か!」

残念ながら、二宮忠八は……作れなかった。飛行器は、ライト兄弟によって初飛行が行われた。
これにより、忠八は、研究を断念してしまった。

「かー!ガイじゃのー、こりゃ、ガイじゃなー!ガラスをこんな曲げる事が出来るなんて!」
「知ってるんですか?これ。」
「おう、しっとる、しっとるぞ!ほー、こりゃ銃器か、戦闘飛行器と言った所かな!やはり、戦争で使われるんじゃのー、悲しいのー、しかし、それ以上にガイじゃのー。」
「で、それ、何ですか?」
「―――あぁ、シエスタ。」
「は、はい?何でしょう。」
883日露の人 ◆nS4CkbLFTA :2009/10/08(木) 08:32:25 ID:F/ktwQdr
ゼロ戦を各方面から見回した後に、まじまじとシエスタを見つめた。
何故かシエスタは頬を染める。

「そんなに見つめられると恥ずかしいです……。」
「御見さん、曾祖父さんと同じ髪と瞳をもっとるじゃろ。」
「は、はい、良く知ってますね?」
「こりゃ、多分わいらの所のもんじゃ、飛行器じゃ。」
「飛行器……飛ぶんですか?」
「飛ぶ、が、もう飛べるか分からん。」
「はぁ……曾祖父さんは、それを飛ばす事が出来なかったようですよ?」
「なら、燃料か、故障じゃろうな、にしても、こりゃ、ええのぉ。」

と言ってから、零戦の胴体の日の丸を撫でた。


ルイズは授業を聞いていた、世界の時間にして一秒。
飛行器の歴史が、右目に移されていった。

ことごとく失敗している、羽ばたかせて飛ぼうとしたものは、羽が壊れた。
動力もないのに、飛ばそうとまでしている人もいた。
やっと飛んだ、皆が歓声を上げた。
そのニュースを見て、落胆してる人が何故か写った。

その飛行機は何か火を噴いている、すると、目の前にいた機体が火を出しながら落ちていく。
はやい、目で視認出来ない物があった。
人を大勢乗せて、飛んでいっていく物も写った。

一体何なのか理解できない、理解する前に忘れてしまう。
だけど慣れたのか全開ほどの不快感は無かった。
これが起こる原因が全く分からない。


それと同時に秋山もルーンが光ると同時に情報を受け取った。

零戦、飛行機だ。
自分が知るはずの無い機体、生産時期は、自分が暮らす時代の30年後。
だが、飛行機自体は何故かよく知っている。
これを触って知った?それとも自分が良く知っているのか?
じゃあなんで自分は知ってるのか。
関連がある気がする。
操作法も頭の中に入っていく。

「シエスタ。」
「はい?」
「これ以外に曾祖父が持ってた物はあるじゃろか。」
「ありますよ?ついてきてください。」

ついていき、たどり着いた所は、その人の墓だった、その墓は他の白い墓じゃなく、石を削り出来た、変わった墓だった。
だが、これを秋山は知っている。

「これです、他にもこんなものとか。」

ゴーグルだった、秋山はこれを知らない。
だが、しみじみとする。
理由は無い、ただ、故人の物を粗末に扱う事はしない。
884日露の人 ◆nS4CkbLFTA :2009/10/08(木) 08:33:25 ID:F/ktwQdr
「それと、この墓ですね、誰にもこの文字が読めないんですよ。」

秋山は突然、その墓の前に膝立ちすると、墓を撫でながら呟いた。

「海軍少尉……佐々木武雄、異界に眠る。」
「はい?」
「無念じゃなぁ……、なぁ、どこと戦争しとったんじゃ?日本はどうなっておった?戦争に明け暮れてたか?いかんなぁ……。今の日本はどうなってるんじゃ……。まさか、アメリカと戦争しとらんか?、天皇はどうなっとる……。」
「文字……読めるんですか?」
「あぁ、この人は、あしと同じとこ出身なんじゃ。」
「道理で……、お父さんに、これが読める人がいたら、この竜の羽衣って奴を、その人にあげるように言われてたんですよ。」
「ほうか。」
「後曽祖父の遺言で、陛下にお返ししてくれと言ってたそうです。」
「……ほうか。むしんじゃなぁ……、こんな地に……1人で。」

秋山はすっくと、立ち上がると、ただただその場で敬礼をした。
それを少しの間、続けると。
シエスタのほうを向いた。

「用事が出来た、すまん。それと、あの飛行機、もらうぞな。」
「どうぞ、それと、また来てください。私は、もう少し休暇がありますから。」

墓の前から立ち去る、向かう場所は砲訓練地。
この零戦を運びたい、運びたいのだが、手段が無い。
フクロウかハトか、とにかく連絡できる物が欲しい。
そうなると、やはり貴族の出番だ。

「おぉ、おったおった。」

秋山が砲訓練地に着いた。
その存在に気づいた瞬間、全員がこちらを向いて敬礼する。

「そのまま、そのまま。」
「いかがしました?もう訓練は終わりました。」
「ギーシュはおるか。」
「ん、あぁ、アキヤマか、何かね?」
「お前、使い魔は?」
「ヴェルダンディかい?ここにいるけど。」

ギーシュの足元にべったりくっついていた。
モグラである、宝石が好きだとかなんとか。

「む、そいつは速いか?」
「速さ?速さは土の中なら誰にも敵わないさ!」
「そうか、おつかいを頼んで欲しいんじゃが。」
「僕のヴェルダンディはそんな――。」
「いいから、いいから急用なんじゃ、な?ヴェルダンディ?」
「なんで、僕じゃなくてヴェルダンディに聞くんだ!?」

ヴェルダンディは一つ首を縦にふる。

「おぉ!やってくれるか、頼もしいのぉ!じゃあ、オスマン氏の所まで言って、とても大きな物を運びたかったら、どうすればよいかと聞いて来てくれんか!」
「ヴェルダンディがいいなら認めるしかないか……たはー。」
885日露の人 ◆nS4CkbLFTA :2009/10/08(木) 08:34:12 ID:F/ktwQdr
ギーシュ肩を落として溜息。
ヴェルダンディは主人を余所目に要件を聞くと、すぐに学院まで土に潜り、高速で移動していった。

「はやいのー。」
「そりゃ、僕のモグラだからね。」

数時間、モグラは走る。
ヴェルダンディは運良く、学院内でモートソグニルを見つけた。
モートソグニルはそれを聞くと、すぐさまオスマンに伝える。

「ふむ、ふむ。アキヤマが、タルブで、大きな荷物を運びたがってる、か。」

すぐに羊皮紙をとると、筆を走らせた。

「まぁ、まず王宮に竜騎士隊の応援を頼まんといかんな、金はまぁ学院持ちにでもしようか、どうせ王宮から来る資金で賄えるじゃろう。」

さらさらーっと、手早く手紙を書き、包むと、ふくろうに持たせて、王宮へと向けて飛ばした。

「さて、ロングビル。」
「なんでしょうか。」
「野球拳でもしないかね。」

ロングビル、微笑みながら、雄を蹴る。
最近は、戦争が起こりそうだとか、色々噂もあり、貴族が慌ててたりして。
盗みを働きにくくなっていた。
アルビオンにいるあの子が少し心配だった。
といっても、秘書自体給料は困らない額がある、生活を心配してるのではなく、戦火に巻き込まれないかどうかが不安要素だった。
もはや足を洗ったほうがいいんじゃないかと、最近思うようになる。
まず、ありえないが、私が捕まったらどうなるか、あの子は1人でやっていけるか。

そんな心配をよそに、秋山達の下に竜騎士隊が来るのはまた数時間掛かった。
短くも長くも無い時間だ。
結局費用は間接的にだが王室持ちになった。


「おー、かっこいいのー、あれが竜かー、中国の龍たぁちがうのお……見たことないけど。」
「おい、お前がアキヤマだな!」
「あぁ、そうじゃ、荷物はこっちにある!」

着いて来いと身振りで示す、そしてタルブの村にある、龍の羽衣の所に行く。
これを最初に見た、竜騎士隊は「カヌーだとか」「何でこれを運ぶのか」とか。
色々不満をもらしていたが、既に金をもらえる手配がされているので、早速準備に取り掛かった。
金を貰えば仕事はする、ヨーロッパ人の特性と似ている所がある。
貧乏人に金をやれば命を賭けてでも仕事をすると思われる。
とにかく、竜騎士隊の連中は網をかけたり、その網から出る紐を括ったりと手早くすませると。
竜で竜の羽衣を持ち上げていく。

「どこまで持っていくんだ!」
「学院まで頼む!ついでにあしも乗せてくれんか!!」
「……まぁ、追加料金とればいいか。」

複数いる竜のうち、指示をしている人の乗ってる竜が地についた。

「とっとと乗れ!」
「おー、ガイじゃなー。」
「落ちてもしらんからな!」
886日露の人 ◆nS4CkbLFTA :2009/10/08(木) 08:34:55 ID:F/ktwQdr
これが学院に届けられた時、コルベールが興味津々に零戦を研究した事はいうまでも無い。

場面が大きく変わる。
ここはガリア、トリステインより10倍の国力を持った名実ともに大国である。
ただし、王は魔法が点で出来ないジョゼフが収めている。
政治の手腕は、大臣等に任せている所がある為、国民もいたって普通の生活ができている。
軍事力に関しては物量、質ともにトリステインを現時点上回っているのが特徴である。
ただ、軍隊の中の貴族の率はトリステインより低く、忠誠も前陛下、つまりジョゼフの父だが、その人に対して忠誠を向けている人も多い。
つまり、人望が無いのが問題点なのだ。
そんなジョゼフはチェスのようなルールの、それを大きくした物で遊んでいた。
相手がいないため、たった一人で。
そんなジョゼフがそれで遊びながら横にある水晶から発せられる音に耳を傾けていた。
そこに写っているのは女性だった。
女性がなにやらトリステインとアルビオンの情勢を語っている、そして。
トリステイン王国の土地の細かい所まで、写生したものを水晶の前に出した。
どうやら間諜が書き出した物らしい、そこにはあの砲も写っていた、ドックの場所までもばれている。

「まぁ、まずトリステインは負けんだろうな。」
「はい、アルビオンは敗れます、必ず。」
「あー、まったく、アンドバリの指輪を取って、アルビオン新政府のトップにしてやったのに、骨折り損だなぁ、こんなんじゃ余興にもならん。」

どうやらこの2人には先のビジョンが見えているらしい。

「まったくです、ま、予想はしていました、国民は新政府に協力的でなく、軍の中にも、実は王制派って輩も結構いるでしょう、これでは勝てません。」
「だろうなぁ、さて、次の遊びはどうしたら良いと思う。」

ジョゼフは耳だけを水晶に向け、前にあるフィールドと駒の用意された遊びをたった一人でやっていく。

「そうですね、このまま少しの間、アルビオンからトリステインに嫌がらせをさせて、そしてトリステインが絶対勝つって場面でガリアがレコン・キスタに―――。」

手を顎にあてがって、突然その女性は少し考え始めた。

「ジョゼフ様。」
「なんだね。」

用意された遊びから一切、手を離そうとしない、たいした集中力である。

「遊び、余興は派手なほどよろしいでしょうか。」
「そうだな、ぱぁーっとやってくれた方が楽しい。」
「でしたら、トリステインを劇の主人公にさせましょう、役どころはやはり、いくらぼろぼろになりながらも国に対して刃を向ける勇者。
 我が国が魔王、どうでしょう。」

ジョゼフが用意された遊びを終わらせ、水晶の方に体を向けた。

「よかろう、あの小国と小姫が、どこまで国を守りながら戦う事が出来るか、試してみるのも良いかも知れんな。良い案だ。」
「もったいないお言葉。」
「よいよい、では早速準備だ、これ以上に働いてもらうからな。」
「了解です、早速レコン・キスタの弱点を開けてきます。」
「うむ。」

女性が水晶から消えると、水晶はただのガラスの球体になった。
そして女性は、レコン・キスタ統率者クロムウェルを見つけた。

「あ、これはこれは。」

クロムウェルはこちらを見つけると軽いお辞儀をしながらこちらへ来た。
887日露の人 ◆nS4CkbLFTA :2009/10/08(木) 08:37:12 ID:F/ktwQdr
それをお辞儀も返さず。

「率直に言います、この城の下にある隠し港、あそこをもう一度開けなさい。」
「え、何故です?」
「あそこはもしもの時の脱出ルートになるでしょう、説明はあまりいらないとおもいますが?」

眼光が鋭い、このような眼差しで見られたら、誰でも後じさるだろう。

「は、はぁ……ですが、あそこから敵が侵入する危険もありますが?」
「相手だって馬鹿じゃありません、そこの港を潰した事位誰でも了解しているとおもいます、そこの裏をつくのです。」
「あぁ、なるほど、なるほど、もしもの時ですね、あなたはアルビオン新政府には関係が無いですものな、戦火が来るのが――。」
「ぐだぐだ言わずに、とっとと許可を頂きたいのですが。」
「あ、あぁ。はい、分かりました。」
「よろしい、私が周辺の兵士に警備につく様、言って置きます。」
「あぁ、そんな面倒な事は私が――。」
「私がやります、居候の身ですから、ね。」
「は、はい……。」

どうもこのクロムウェルという人物、この女性に頭が上がらない。
何かあったか、はまた後で語る物とする。
潰した港の入り口の所には固定化のかかった扉、そこをあけると大きな土砂の壁、そこを錬金で固めて固定化、等
なかなか手の込んだ事をしている。
これでは隠れ港からの進入は全くできない。
どのような魔法を使ったとしても、ここを打ち破る事は出来ない、だが。
封じた方からなら、壊し方がある、この女性はそれを知っている。

「神の頭脳は、本当に役に立つわね――。」

そう言った。後、爆発。
隠れ港と城を繋ぐ道を一撃で粉砕した。
もちろん少し城に振動が来る、衛兵達がすぐに来るが。
それらをすぐに持ち場に返す、数が多いので少し面倒臭い。

「後、する事は……、指輪が少し必要か。後、手紙も書かないと。」

トリステインから数人の間諜がいた、まだ2・3人しか捕まえていないが、十分だった。
今クロムウェルが持ってる、アンドバリの指輪は、人を洗脳させる事が出来る効果がある。
後はこの間諜に手紙を持たせて、洗脳、すれば。
この偽情報を信じると思われる。

「ディテクトなんて無駄だし、飯に仕込むか、飲み水に仕込むか、迷うとこだけど、どうでもいいか。」

既にジョゼフはこの小さな出来事に飽きた。
ならとっとと終わらせて、次の娯楽を始めれば良い。
だが、私の主人は、何をすれば隙間を埋めれるのか。
そんな事は考えても仕方ない、自分は彼の使い魔、彼の言う事を忠実に尽くせばいい。

「そうすれば……。」

少し俯き、何故か頬を染める。

「いつか……。」

先ほどまで、冷酷な眼をしていた、この女性が、今は少女のような瞳になっていた。
「ふふっ。」と少し鼻を鳴らして気持ち軽い足取りで廊下を歩いていった。
888名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 08:46:31 ID:gQ/jQGZN
代理依頼は無いけど、猿ったのかな?
889名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 09:01:06 ID:F/ktwQdr
代理のほうに書いてしまいましたが、解けたので。
投下終了です。
890名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 09:08:13 ID:vOMLe2H4
悪魔作品二作と日露乙
特にぜろろと悪魔はお久しぶりです。台風が呼び寄せたのか、非常にwktkです
メガテン発売と同時というのは感慨深いものが
891名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 09:09:21 ID:x8Rgcof3
アクマさん乙です。
氷のアクマとの交流で心の氷が解けるイザベラ、って感じで面白いですね。
892名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 09:14:30 ID:vOMLe2H4
>>891
もしかしたらシャルロットママンフラグかもしれん
893名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 09:50:03 ID:MObJyhX4
>>892
なるへそ。人修羅が治療するとみせかけてイザベラが治療
ってのはアリだな
894名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 09:50:41 ID:Rb2iQDJH
メガテンの精霊が出てきたらどうなるんだろうか。
逆にゼロ魔の精霊が人修羅の前に出たらどうなるんだろうか。
895名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 10:00:13 ID:vOMLe2H4
メガテンの精霊ってアーシーズとかだったよね。錬金術でいう元素とかあれを体現したもの

どうなるか予想がつかない。人間と同じように扱うのだろうか
896名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 10:12:02 ID:DHd6vOIB
秋山さん乙です。
最後に出てきたがリアコンビがいい味出してるんだけどそれ実にやばいフラグだよね…

メガテンの精霊も上位のものは自我を持ってるっぽいので(葛葉ライドウシリーズだと特に)普通に扱っても良いのではー
ぶっちゃけシルフもウンディーネもかなりの当たりかと。
897名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 10:58:34 ID:vOMLe2H4
正直ただの餓鬼でも人知を超えたものなんだから当たりではあるな
魔王、魔神クラスだともはや天変地異のレベル
898名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 11:31:23 ID:F5hVd/aD
>>876
Gジェネか……マーくんとか好きだけど、ここで呼ぶのは難しいな。
キャラ付けは結構あるけど、独自のストーリーは持ってない。
このスレでのグレーゾーンな代物かも知れん、Gジェネオリジナルは。
899名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 11:45:18 ID:sP3utDtW
ほぅ、ハロ召喚か
900名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 11:59:40 ID:ivw4zYuR
ブシドー召喚ですか?
901名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 12:03:52 ID:S+i9I7J2
イアイドー召喚?
902名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 12:26:19 ID:eUGUoPS0
お、寝て起きたら新作来てる。
昨夜は書き忘れたけどぜろろの人乙です。
アクマと日露の人もお疲れ様です。
どれもこれもホント続きが楽しみだ。無理しない程度に頑張ってくださいー。

そういえば、このスレ的には二次設定とかってどんなもんなのかな。
やっぱりできる限り控えた方がいいのかな?
903名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 12:28:15 ID:S+i9I7J2
>>902
個人的考えだけど作者の人に許可を貰えばいいんでないかと
904名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 12:33:49 ID:eUGUoPS0
>>902
ああ、そういうのではなく、
「二次創作でのオリジナル設定だけど同人業界とかで当たり前のように使われてる設定」
って感じのやつ。
ちょっと分かりづらい例えだけど東方シリーズとかの「中国」とか「PAD長」とかそういう方面の。
コミカルなシーンで使うのならあるいはいいかなと思うんだけど、
やっぱりそういうのって嫌がる人も少なからず居るだろうし。
905名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 12:36:20 ID:Pl4fZdo+
召喚されたキャラがルイズに「ルイズルイズうわあああ」とか言い出したりしたらダメかってことか
どうなんだろうな
906名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 12:38:15 ID:S+i9I7J2
>>904
なるほろ
ナデシコで「サレナが相転移エンジン搭載」とかですね
ストーリーに絡まないちょっとしたネタでならいいと思います
907名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 12:39:01 ID:16DP7EU2
>>904
そう言うのだったら「止めとけ」としか。
ぶっちゃけそう言うのはここでは三次創作と言われて忌避される恐れが高い。
908名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 12:40:57 ID:gQ/jQGZN
>>905は、小ネタでなら受け入れられるんじゃないか?w
>>904>>907だろうね。
909名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 12:44:37 ID:cQ9zuQ3h
ぜろろにアクマの人に日露の人か。今日はえっらい豊作だな。
910名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 12:45:26 ID:eUGUoPS0
>>905-908
やっぱそうだよなー。小ネタとかでならともかく、
長編でそういうのをやるのは色々とあれだよな。
今書いてるの奴の作品がそういうの多い奴だから、ふとその辺が気になって。
レスしてくれて有難う。
911名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 12:46:38 ID:DscVtPDS
シエスタが香水のビンを(ry
912名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 13:15:58 ID:/14hs+30
萌え萌えさんは手紙だったな。
あれの元ネタはどこだ?
913名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 13:59:47 ID:IiatywHf
Gジェネか…召喚するならDS版ならいけるかも?
キャラとストーリーがある程度出来てて、自己再生付きMSも出てくるから。確実に無双になるけどw
914名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 14:05:59 ID:DHd6vOIB
Gジェネオリジナルだとレイチェル=ランサム一択だろうjk

などという戯言はともかく。
GジェネDSのディー=トリエルと乗機トライアは本気でチートだからやめてやんなさいw
ニュータイプとスーパーコーディネイターのDNAをハイブリットして作ったクローンに、
DG細胞を元にしたナノマシンで強化処置というわけわからんことになってるから
915名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 14:14:01 ID:b/M+Fav/
>>914
> ニュータイプとスーパーコーディネイターのDNAをハイブリットして作ったクローンに、
> DG細胞を元にしたナノマシンで強化処置というわけわからんことになってるから
こんなん二次創作でやったらボロクソに言われるよなw
916名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 14:20:56 ID:eUGUoPS0
>>914
それを公式でやらかすとはバンダイもやるなぁw
一瞬目を疑ったよ
917名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 14:23:21 ID:KTiZRv9h
むしろ公式だから許されるネタっつーか公式しかやっちゃいけないネタなんだよ
918名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 14:26:44 ID:F/ktwQdr
そこに東方不敗の弟子でした設定があったら10個位は買ってたかな。
919名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 14:27:58 ID:MCQIBcv4
公式だからこそ許されるネタ?
……二次創作だと、結構あるような気がするな。
920名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 14:34:02 ID:MNhXaof3
ゼロ魔で言うと
王家とエルフの血を引いていて
おまけに虚無のメイジで顔立ちもプロポーションも抜群みたいなもんか・・・・・・あれ?
921名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 14:35:06 ID:f+UmEmGC
スパイダーマッ!!
922名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 14:35:45 ID:F/ktwQdr
>>920

おっと、ティファ(ピー!)アの悪口はそこまでだ
923名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 14:41:33 ID:KTiZRv9h
>>919
そして叩かれるコンボまで何時も繋がってるじゃないか
924名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 14:45:05 ID:+nRTOP/y
>>920
最初から虚無の魔法をひとつとは言えちゃんと使いこなせてるってのもすごいよな。
なんという優遇措置。しかも強力な回復アイテムも持ってる。
925名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 14:48:09 ID:MNhXaof3
>>924
それでもオルゴール聞くまでは
どんな魔法を唱えてもなぜか誰かが何かを忘れてたんだろうな
926名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 14:50:23 ID:Pl4fZdo+
俺がテストで悪い点をとったらティファニアのせい
927名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 14:53:23 ID:zs3qzXrm
あなたに、力を
928名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 15:01:25 ID:7BF07/9H
アンドバリの指輪、売るよ!
929名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 15:03:02 ID:YFipHslv
>>927
そのひとはティファ・アディール

ん・・・?
ティファ・ア・・・なるほどティファニアか
930名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 15:09:13 ID:eUGUoPS0
>>928
そこは「ゼロ戦、売るよ!」だろうw
コッパゲ先生が全財産はたいて買いそうだな
931名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 17:22:35 ID:nOJDXsDQ
ワルド「私の愛馬(グリフォン)は凶暴です」 ってか? 弟誰?
932名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 18:42:26 ID:vmO2RnA9
>>931

ワルドは双子の弟が欲しかったから遍在を習得したんだよ。

遍在1「いくよ兄さん」
遍在2「兄さんの敵は僕の敵だ」
遍在3「僕と兄さんが世界を支配するのさ」
遍在4「どうする、兄さん?」

才人「遍在が本体と似てねえし、兄さん兄さんウゼェ」
933名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 18:46:02 ID:2VpzG3XI
コルベールとワルドの名前が同じなのは何かの伏線だと思う
934名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 18:51:24 ID:3ARpFM/w
>>933
コルベール「えっ」
935名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 18:57:01 ID:4AsGFrEt
教えてあげないよ

ジャン
936名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 18:57:58 ID:ORH+1zSq
>>935

その三人組は旅に出たと聞いたが
937名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 19:01:52 ID:Pl4fZdo+
ポリンキーの秘密を探ってた友人が死んだ。
死因は老衰…。まだ20なのに。
938名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 19:03:45 ID:eL3bysK+
校門の前で探ってた友人の少女が跳ねられて死んだよ
バンダナが可愛かったのに…
939名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 19:28:26 ID:R+vAhaP1
仲良くなったと思ったら、すぐそれで死んじゃうんだよね森さん…
940名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 19:29:38 ID:XcnqVRAs
>>938
整備の人かぁぁぁぁぁぁ!?

中村召喚でジョゼフ、モット伯、ウェールズが覚醒するとこまで再生された
オチは当然モリエール夫人に土下座するジョゼフ
941名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 19:36:55 ID:eL3bysK+
ガンパレなら短パン召喚でも面白そうだな
ギーシュ戦でボコボコにされそうだがw
942名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 19:39:43 ID:K59P/fL7
そろそろ次スレかな?
943名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 19:41:16 ID:liNsz4DP
来須召喚が結構設定的にも無難そうな気がする
スカウト(歩兵)だから、ほぼ己の肉体のみで戦えるし
精霊手だけが非常にチートくさいが
944名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 19:43:27 ID:eL3bysK+
クルスは安定感ありすぎるのがなー
まだカオリの方がいいかも
まあ、こっちもチートだけど
945名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 19:52:19 ID:AVgdQRz0
靴下に目覚めるギーシュ&マリコルヌ・・・・・・・
946名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 19:58:26 ID:zs3qzXrm
落ちぶれたワルドとギーシュで地獄兄弟を
947名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 19:59:53 ID:EjW0hJjh
ガンパレの人らって非戦闘員含め身体能力ぱねぇんじゃなかったっけか
948名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 20:00:41 ID:AnDNMC7N
クローンで量産されてるハズ
949名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 20:05:11 ID:Hpe7Q01G
遺伝子改造でオリジナルの人間からはかけ離れてるからな、あの連中
厳密な意味で「人間」なのは芝村だけだったはず
950名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 20:10:30 ID:eL3bysK+
第6世代の主人公組なんかは骨が強化プラスチックだかなんだかだったりはするな
筋力やなんかも相当強化されてるはず
力翼なんてわけわからんものもあったりするし
951名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 20:14:18 ID:BV3n83xE
そろそろ次スレ立てる時期じゃないのか?
952名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 20:15:47 ID:g4ZeTuiJ
>>932
もう一人偏在を出せたら六つ子になれたのに。
おそワル
一ワル
カラワル
チョロワル
トドワル
十四ワル
953名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 20:20:10 ID:kPfE9zez
954名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 20:21:52 ID:BUUWNjU+
955名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 20:23:07 ID:wUOMrKSp
ワルドをいじってたらあっという間だったな
かませ犬の分際でどんだけアイされてんだ
956名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 20:33:37 ID:cQ9zuQ3h
>>870
(自分が攻撃したせいで)
wwwwwwwwwwww
957名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 20:39:31 ID:wTgPH9Zc
>>953
> ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。

というわけだから、次にスレ立ての機会があったら気をつけてくれ。
958名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 20:42:20 ID:kPfE9zez
>>957
すみませんでした、次から気をつけます
959名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 20:42:41 ID:6iurEz5g
中村を召喚……
但し、東亜総統特務隊から
中村、喜びそうだな
960943:2009/10/08(木) 20:53:23 ID:liNsz4DP
そういや来須って自力で帰れる奴だったな
召喚されてやるべき事が終わったら、人知れずまた世界を渡って
残された人達は訳の分からない寂しさに襲われると
961名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 20:55:22 ID:eL3bysK+
そんな寂しさなんて憧れの先輩を追っかけてきたニーギが粉々にふっ飛ばしてくれる筈w
962名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 21:09:22 ID:DHd6vOIB
豪華絢爛にしか生きられない女が来ると鬱イベントは全てぶち壊してくれるからな

なお、ガンパレ世界では自然生殖では子供が生まれなくなってしまったので
クローンを工場で生産して各家庭に出荷すると言う設定がある。
育児放棄や児童虐待なんかも結構問題になってるとか。
963935:2009/10/08(木) 21:10:23 ID:4AsGFrEt
伏線→秘密

ジャン(元ネタでは正しくは「チャン」)
=ワルドとコルベールのファーストネーム

と言うネタの振り逃げ狙いだったんだが
どんだけ微妙な結果だよこれ
964名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 21:17:39 ID:9IIXA/DW
>>962
舞だけは唯一生身なんだっけ
他の奴らは骨格とかから別物だから現実世界とかに比べるとちょっとでかいとか


>鬱イベントは全てぶち壊してくれるからな
鬱ブレイカーな人々ってそういや召喚されてないよな
965名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 21:17:47 ID:UAKpESjz
ガンパレの連中は重機関銃を片手持ち二挺拳銃で普通に戦えるんだぜ
半ズボン野郎でも素手でギーシュなんかあっというまにひねれる
966名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 21:19:01 ID:Y9Adq2N7
>>965
ウォードレス着てればね
967名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 21:23:32 ID:2VpzG3XI
欝ブレイカーっていうと逆境ナイン的なキャラが召喚されるのか
968名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 21:34:13 ID:OGIEAHFI
コブラさんとランスさんか。
元ネタ的に、シエスタ攫おうとしたモット伯が涙目になる状況しか浮かばないが……。
969名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 21:41:09 ID:8hAS//iD
>>967
たかが七万人! ですね、分かります。
970名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 21:44:10 ID:gLJY+9cs
>コブラさんとランスさんか。
モット伯が実はクリボーだと全く無害かもしれない
971名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 21:45:10 ID:5NLdwHiB
>>970
配管工に踏まれそうな…
972名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 21:47:04 ID:VCFgXUBM
>>967
うしお、とら、とかとか
973名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 21:49:22 ID:eL3bysK+
>>972
連中は鬱の中で踏ん張るタイプじゃね?
どろなんてなんだい!
974名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 21:49:59 ID:XcnqVRAs
欝クラッシャーのランスさんか
他に二人ついてくるほうね・・・小ネタ書いたけど
何処にしまったか・・・っていうかここで出していいネタだろうか
975名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 21:52:05 ID:eL3bysK+
ランスも鬱クラッシャーと言うか本人感じないだけな気がするな
たいした理由もなく突如殺される武器屋とか鬱すぎるだろw
976名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 21:57:14 ID:qB5m+5nu
>>967
ジョゼフを主役にした『逆境ガリア』というネタなら考えたことがある。
977名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 21:57:44 ID:j6IwWuYF
半ズボンで金田正太郎とか。
978名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 21:57:59 ID:hspvX1o4
>>901
そんな1987年にアメリカのFTL GAMESが開発した、当時画期的だったリアルタイム性や時間経過による
空腹や餓死などを再現したサバイバル性の高いコンピューターRPGの登場キャラの一人で、
そのサムライを思わせる外観から印象は強く栗橋伸祐によるコミック版では主役を務めたものの
その微妙なステータスにより「傘張りの内職でもやってろ」との呼び声高い使えない代表キャラなんて
誰が知ってんだよ
979名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 21:59:36 ID:UAKpESjz
ヒッサーなのかヒッササササアなのかよく判らん名前だったな
980名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 22:00:31 ID:vOMLe2H4
>>967
どう考えても俺の中では不死身のスーパーヒーローコブラと
極道連合初代会長極道兵器岩木将造くらいしかでてこない

>>973
うしとらはそんな感じの強いやつだな
981名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 22:09:35 ID:+c1cFVT2
ダンマスは漫画と小説があるからそっちからなら召喚しやすいだろうな
特にどっちにも出ていて小説版の実質主役のヒッサー
982名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 22:13:24 ID:HtTr44CO
漫画のイアイドーだとさっさと出て行くが、道に迷って結局戻ってきそうだw
983名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 22:29:18 ID:eL3bysK+
スター・ハンドラーのミリとポチなら鬱ブレイカーかも
職業的にモヴィンダールブ向きだし

問題はマイナーすぎて誰も知ってそうにないことぐらいかw
984名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 22:44:11 ID:madbszwO
日本人召喚物で零戦知らないのって初めてじゃない?
日露の頃だと空母はまだないし前ド級時代か
985名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 22:59:36 ID:vOMLe2H4
日本人か…今が旬のタダノヒトナリはいかがですか
986名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 23:11:27 ID:zs3qzXrm
タルブにGX保管
学院宝物庫にGコン
987名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 23:12:22 ID:madbszwO
DOMEのないGXもしくはDXに価値はあるのでしょうか
988名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 23:18:26 ID:7ZoxP7Jq
機体性能自体も確かAW世界で上位クラスに入るから
十分価値はある。
というかMSって現代のMBT以上の性能の戦車とガチでやり合って
圧勝できる性能持っているから
ゼロ魔世界ではマジ無双化するから出すのは難しいと思うぞ。
989名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 23:25:30 ID:dtkJWIqt
>>988
スレチだがそれはミノフスキー粒子下での話だ
990名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 23:39:55 ID:Pl4fZdo+
鬱を破壊するなら完全ギャグモノにストーリー魔改造だな
「清村くんと杉小路くんと」から杉小路召喚で頼もう

清村役はルイズ、迂島役はキュルケ、安井役はギーシュに工藤がタバサで要素はピッタリだ
991名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 23:44:40 ID:qB5m+5nu
>>990
それはただ単にクロス先のキャラを置き換えただけなんじゃないの
992名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 23:47:01 ID:Hs9ds61X
ランスさんと聞いてテッカマンランスだと思ってたのは俺だけで良い……


あとGXはAW上位の性能って言うがサテキャ有りきの機体で
サテキャ無ければオーソドックス過ぎて尖ってるエアマやレオパのが使い易いんだよな
993名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/09(金) 00:03:22 ID:ilIKgDnV
ダンジョンマスターネタへの食いつきのよさにワラタw
994名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/09(金) 00:05:28 ID:QqJfgFxA
みんながワルドネタで盛り上がっていると、3巻終了時点で退場させちゃった自分としては何だか申し訳ないような気分になったりする。
995名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/09(金) 00:08:04 ID:gesSNBSf
今のとこワルドはルイズとくっつける方向でSS書いてる俺もいるぜ!
美少年とロリが大人になって約束通り結婚するのとか大好物です
996名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/09(金) 00:09:30 ID:rzRDD6rK
美少年……だと……。

と思ったけど、そういやワルドって外見はかなり良い方なんだということに気付いたww
997名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/09(金) 00:09:36 ID:fEcoAknt
まさかノボルもワルドがこんなに愛されてるとは思わないだろうな
998名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/09(金) 00:09:38 ID:VN0aAkjX
>>992
欝ブレイカーのランスさんといえばテッカマンランスに決まってるだろうjk。お前だけなんて寂しい事いうなよ。
999名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/09(金) 00:18:56 ID:kQvFAryC
1000なら爆熱の〜復活
1000名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/09(金) 00:30:37 ID:WRo9OcZK
ワルドはヒゲとロン毛を無くしてスッキリするべき
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