あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part253
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら? そんなifを語るスレ。
(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part251
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1252415914/ まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/ 避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/ _ ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
〃 `ヽ . ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
l lf小从} l / ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,. ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
((/} )犬({つ' ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
/ '"/_jl〉` j, ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
ヽ_/ィヘ_)〜′ ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
_
〃 ^ヽ ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
J{ ハ从{_, ・クロス元が18禁作品でも、SSの内容が非18禁なら本スレでいいわよ、でも
ノルノー゚ノjし 内容が18禁ならエロパロ板ゼロ魔スレで投下してね?
/く{ {丈} }つ ・クロス元がTYPE-MOON作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
l く/_jlム! | ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
レ-ヘじフ〜l ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。
. ,ィ =个=、 ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
〈_/´ ̄ `ヽ ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
{ {_jイ」/j」j〉 ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
ヽl| ゚ヮ゚ノj| ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
⊂j{不}lつ ・次スレは
>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
く7 {_}ハ> ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
‘ーrtァー’ ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。
天翔ける乙の閃き
乙です〜
シルバーチャリ乙。
次スレになったんで
8時45分投下します。
本日第二回目
人は熱中すると時間が急激に短くなる。
そんな訳で、得に何も無く、ラ・ロシェールに着いた秋山一行。
「実物を初めて見たがほんに飛ぶんじゃのー、がいじゃのー!」
「はい、すごいですね!」
「本当、田舎者の集団だな。さ、そろそろ出発の時間だ、準備しよう!」
「うむ、はやくのりたいな。」
そのはしゃぎ様といえば初めて三輪車を与えられた子のようなもの。
最初は二輪に補助輪がついてても、勝ち誇った感じになれるが、徐々にはずしたくなる、だが恐怖でよく自転車が倒れて、その痛みからまた恐怖が起こるデススパイラルは、慣れで克服するあたり不思議だ。
余談である。
アルビオンに行く為に今回乗る物は、硫黄をたんまり積んだ商船である。
どうやら、アルビオンは上下しながら浮いてるようで、今の時間が一番風石の消費を抑える事が出来る位に下がっているらしい。
それに乗せてもらう事になった、費用も安く済む。
船長によれば、日も眠る少し前には着くようだ。
出航開始。
「おー、おー!ほんとに飛んどる、ほんとにとんどるぞー!!ガイじゃなー!!」
「ほんとう!初めて乗るけど、すごいです!」
「えらいはしゃぎようだね、ほんとに。」
とにかく船の中を隅々まで、見ていった、風石という物質が浮かしている、というのは説明されてもちんぷんかんぷんだったが、実物を見てもちんぷんかんぷんだったのは
言うまでも無く。
要するに風石がフネを浮かせてるだけである。
「これは少し違うのー。」何が違うとは科学で飛ばしてるのではない、魔力だ。
片手で数えられる程度の砲があった、まぁ近代より少し前の大砲だ、隣に砲弾があって、足りなくなったら弾薬庫から運んでくる、そして弾を中に入れて、火の付いた棒を点火口に入れる。
そういう設計であった。
「ふるいのー。」確かに古い、確かに古いが、日本軍の砲だって秋山がいた世界からすれば遅れているのである。
これを古いといってもしょうがない、だから全力でコルベールに砲の研究にあたらせたのである。
正直、装填の所で時間を早める事が出来るなんて思っていない。
復座機とか駐退機のバネ式を作ってくれさえすれば、一々照準を変えなくて良いという点が生まれる、それにより発射から次の発射までの時間を短縮できればよいと考えていた。
後はコルベールの知識量、運、努力頼りである。
この世界の大砲は、まず飛距離が無い。
だから、自分の持ってる知識をコルベールに渡し、それを元にコルベールが自分で考えるしか無いのである。
砲を適当に見ながら、考え事をしていると、シエスタが慌てた様子でこちらに来た。
「――大変です!海賊が!!」
と、言い、シエスタはすぐさまアキヤマの手を繋ぎながら甲板に出た。
「ほー、あれが西洋式海賊かー、ガイなフネじゃのー、でかいのー。」
「の、ののんきな事をよく言えるね、さすが僕を倒した奴だ、み、見直したぞ。」
「面舵一杯!!」
ギーシュの足は短機関銃の反動のように、震えていた。
なら弾は……。
余談である。
「あしの海賊の血もさわぐのー、じゃが、どんぱちしても勝てんのー。」
「ほ、本当のんきですね、流石です。」
「駄目だ!逃げ切れねぇ!!」
シエスタはがっちりアキヤマの腕に組んでいた。
残念ながらアキヤマは身長を見れば頼れる男とは見れない。
だから彼女とかが「きゃっ、こわーい。」「はっは、そんな近づくなよ。」みたいな図は出来ないのである。
余談である。
「ほ、砲をぶっ放してきました!!」
「フネ止めろ!!」
「ほー、砲の性能はやはり、予測通り煙が酷いな、まぁ空の上じゃからすぐ消えるじゃろう。」
秋山は冷静に分析していく、とにかくこの世界での情報を貪欲なまでに集めている。
「というか本当に空に島がういとるのー。」
海賊いや、空賊から目をそらして、船内にいたため見れなかったアルビオンをはじめて目に入れた。
「さっきから見えていたよ……それよりどうするんだい?」
「どうもできんじゃろうな、捕まるしかないぞな。」
「く、空賊の連中どもが!糞っ!!」
フネが商船にくっついて、空賊のフネから空賊が飛び移ってきた。
無精ひげを生やして片目眼帯、たくましい胸筋を持った男も乗り移ってきた。
どうやら、船長のようだ。
「おー、おー拿捕かー、野蛮じゃのー。」
「おい、船長はどこだ。」
「船長は、俺だが。」
船長も威厳を保つのに精一杯だが、全身が硬直と緊張で震えが止まっていない。
「にしてもでかいのー、たかが賊がこんなフネを綺麗にするもんかの、どこが拠点なんじゃろ、とてもでかいんじゃろな。」
「積荷は何だ。」
「硫黄だが……。」
「よし、買った!てめえらの命を売ってな!」
船長が悔しさに顔を歪ませた。
「考えられる事は軍から色々やってうばったんじゃろーな。」
「おいてめぇ、ちょっと黙ってろ!」
「……。」
空賊たちがせっせと商船を占拠して操縦桿を握る、それが終わると、今度はアキヤマ達も収容した。
収容された場所は一般的な監獄をほとんど木製にしたような物だ。
ギーシュはフードとか平民らしい服を着ていた為、貴族という事はばれなかったようだ。
「大変な事になったの。」
「最後まで呑気ですね、アキヤマさん。」
「あわてちゃーても仕方ないじゃろ。短気は損気じゃ。」
本当は地団駄でも踏みたいものだが、短気を直そうとしている為、そんな事はしないであくまで平常を装った。
すると、空賊の一人が飯を持って現れた。
「飯だ。」
それだけ行ってスープを渡して出て行った、秋山は妙に背筋が伸びている事を不思議に思った。
次にやせ細った空賊の一人が来た。
「お前等は船員でも何でもないそうだが、何をしにアルビオンに行こうとしたんだ?」
「姫殿下からアルビオン皇太子への密書を授かったのだ、いち早く僕達を解放する事を要求する!」
あくまで正直に伝える。
「は?お前等みてぇな奴らが?はっはっは、寝言は寝て言え。」
ギーシュは体に密着させていた薔薇の杖を引き抜くと。
「いいから僕等をアルビオンの港に降ろすんだ、そう船長に言え!!」
「き、貴族!!なんだてめぇ平民じゃなかったのか!」
「もう一度言わせる気か!船長を、呼べ!」
「わ、分かった。落ち着け、今から呼んで来るから……。」
「急げ!」
すぐさま看守とやせ細った男はこの部屋から去っていった。
厳重な身体検査などしていない、適当なとこ触るだけで終わった。
女に対しては触れてもいない。
「ギーシュ、お前はやっぱ何かする男じゃな。」
「はい、今のはかっこよかったです!」
「ふ、ふ、ふいー、いやもう死ぬかとおもったよ……。」
緊張が解けたのか、足から力を失って床に手を付ける。
「にしても、どうしようか。」
「死ぬんでしょうか……。」
「ま、それはないじゃろ。」
「なんでそんな事が分かるのさ。」
「じき、分かる――。」
言い終わると同時に、この部屋に空賊の頭がドアを開けた。
「貴族のぼっちゃんはお前か、良い度胸をしてる。」
「……。」
「で、トリステインのぼっちゃん達が何のようだね?あの廃れた王族に。」
「密書を預かっている、アルビオンの港に連れて行ってくれればいいだけだ。」
床に座りながら、ばっちり杖を船長に向ける。
「威勢のいい若者だ、だが、私も杖は持っているのでね。」
頭が杖を引き抜く、その杖の形はいかにも気品溢れる上品な物、そこらへんの貴族が触れるような物じゃなかった。
そして次に、眼帯を外し、不精ひげの付け髭を取った。
「君みたいな若者が我が国にも多くいればいいがね、さて、私がウェールズ、アルビオン皇太子だ。」
「なっ……!し、知りもせず、さきほどのご無礼をお許しください!」
「よい、よい。さて、まぁこんな狭い部屋に座らせて悪かったね、こっちへ。」
と、言われて船長室に案内された。
「まぁ、ここならまともに話せるんじゃないかな、密書とやらを運ぶ任務なんだろう?見せてくれるかな?」
「は!こ、これです!」
「うむ、ありがとう。」
その手紙を早速広げて、じっくりと読んでいった。
「はは、馬鹿だなぁ、そんな手紙は死ぬ前に燃やすよ……、でも。アンリエッタらしいな。」
ギーシュはずっと直立不動のまま。
秋山はあぐら、シエスタと適当な会話をしていた。
「ふむ、なるほど。まだ、私事と政が混合してる……。ギーシュ君?だったかな、ご苦労様。」
「はい!」
「一旦アルビオンの国まで行く、そしてから君達は姫の手紙を持ってアルビオンが陥落する少し前にこのイーグル号に乗って、アルビオンを脱出させる。安心したまえ。」
「アルビオンは、いつまでもちますか……。」
「城攻めが始まれば、その日に陥落するだろうね。」
自分の命に関する事なのに、その表情はネガティブではなかった。
ようするに死ぬ覚悟が出来ている男である。
じぐざぐと海岸線、空岸線?どちらでもよいが、とにかくそこをジグザグと航行していき、大陸の下にもぐりこみ、王党派空海軍しかしらない秘密の抜け道。
から、この世界で他にだれにもできないような操作をし、ニューカッスル城へ着いた。
イーグル号がまず巨大な鍾乳洞へ入っていき、それに商船が続いた。
イーグル号に一斉にもやいが放たれ、それを船員がフネにくくりつけていく。
その次に木製のタラップがフネの出入り口へつけられる。
そこからギーシュ達を促して、フネから地上へ足をつけた。
「諸君!すごいぞ、硫黄が手に入った!!」
鍾乳洞にいる兵員が歓声を上げる。
まずウェールズの傍に、老メイジがやってくる。
「硫黄とは火の秘薬ではござらんか、しかもこんなにたんまりと……今日ほど嬉しき日は無いですぞ殿下。」
「あぁ、明日の敗北には最高の調味料だと思う。」
「はい……その通りで。それと反乱軍の輩は明日正午から城攻めをはじめるとのうまを通達してきました、間に合ってよかったですな!」
「それは我が生涯最高の運だな!戦場に遅れるなど、武人にあらず。」
「その通りで、今まさに晩餐が始まろうとしております、急いでくだされ。」
「うむ、ギーシュ君とアキヤマとシエスタさんだったかな?美味しいご馳走が食べられる、ついてくるといい。」
「おや、この方達は?」
「うむ、廃れた王国の最後の客人、トリステインからの使者だ。」
パリーという名の老メイジは泣きながら、一人一人に手を握っていった。
「応援してくれる人がいるとは、これこそ最後の舞台にふさわしい……、ささっ、こちらへいそいでください!」
パリーを先頭にウェールズと一緒に城の中へ、流石に腐っても城その作りはとても豪華に、そして広かった。
「さて、ここです。――閣下、ウェールズ皇太子がお帰りになりました!!」
大きな扉を開けると、そこは城のホールだった、簡易な王座によぼよぼな、しかしどこか威風のある爺さんが座っていた。
テーブルには豪勢な料理があって、皆がそれを談笑しながら食べていた。
そこにウェールズがこのホールに現れた時、この部屋全体をつつみこむような拍手が起こった。
ここでも人気なようだ。
「おぉ、ウェールズ、ご苦労じゃった。」
ウェールズは一回軽く礼をすると、ジェームズ一世に耳打ちをした。
それをきいたジェームズ一世は席を立とうとした、が、既に足も老いて、立つ事すらも容易ではなかった。
それをウェールズがささえた。
「さて、この愚鈍な王に反旗を見せた反乱軍が、明日、ようやく我が城へ攻め入るという事、諸君は私によく従って勇ましく戦った。
そんな君達の死ぬ姿を私は見たくない、故に暇を与える、明日イーグル号が女子供を乗せてこのアルビオンから旅立つ、皆はこれにのり脱出するとよい。」
誰も返事はしない、ある貴族が。
「耄碌には早いですな、陛下!」
「私は先の大砲の音で耳がやられておりましてな!全軍前へ、全軍前へ。それしか耳に入らないようになっております!」
その言葉にその場にいる全員が頷いた。
「馬鹿者どもめ……。」と一ついうと咳を一つして、さらに言葉を続けた。
「よかろう、よかろう!なら今夜は飲め歌え食え!楽しもうではないか!今日はよい日だ!なんと、トリステインからのお客が来ておる、まさに奇跡、この奇跡に乗じようではないか!!」
城全体を包むような、歓声がホールから発せられた。
そして、宴が続けられた。
ギーシュは先程、いつもの服に着替えた。
身なりともに貴族になった、為によく王党派貴族が飯を勧めたり話しかけたりする。
それをテンションにあわせ、自分も酔っていった。
そんな中アキヤマの元にウェールズが来た。
「君は、何者なんだい?」
「あしか、あしは日本海軍の秋山真之じゃ、今はルイズという貴族の使い魔をやっとる。」
「人が使い魔になるのか、不思議な国だね、トリステインは。」
「いや、トリステインだけでもあしだけらしい。」
「はっはっは――!うむ、うむ。」
「しかも、この人は貴族を決闘でやっつけちゃった人なんですよ!」
長らく喋っていないシエスタがようやく口を開いた。
「おや、そうなのかい?とても強いんだね。」
「いや、あれはただ運が強かっただけじゃ。」
「ふむ、ふむ。そういえば軍人なんだってね?ここに来たのも視察かい?」
「それもある、もし、たら、れば。という事もある、だから偵察に出た、もう一つは、あしはこの世界の事をあんまり知らんから、様々な事を勉強する為という事もある。」
「勉強熱心はすばらしいと思う。あんまり知らないという事はこの大陸からはなれた所からきたのかい?」
「まぁ、そうじゃ。」
「にしては、いい顔をしてるね、君みたいな軍人がいれば王党派も後一ヶ月は保ってたかな……。」
ホールのドアが突然開けられた、王党派の貴族だ、陛下の前に行くと方膝を床にした。
「何じゃ。」
「報告にございます。夜間に乗じて敵兵士が城壁前を通過していた為、これを捕らえました、すると、一枚の手紙を持っていました。」
「みせい。」
と王党派貴族から差し出された一枚の紙を見ていくと。
「ふむむ。」
と難しい顔をした。
ウェールズが父王の近くへ行った。
「どうしたのです父上。」
「これを見てみい。」
アンリエッタの手紙をみていた時とは違う表情で、その紙を読んでいった。
「王党派制圧後、トリステイン制圧の為の弾薬、補給船、食料の確保を忘れぬよう、これを念頭に置いて城攻めを開始せよ。……。」
「あいつらはわしらの国を制圧した後、トリステインにまで手を付けようという事らしい、まったく貪欲な奴等じゃ。」
「アキヤマ君!」
「なんじゃ。」
「君のいる国にすぐさま危機が迫っている。」
「じゃろうな、だからあしがここに来たぞな。」
「えらく落ち着いているな、頼もしい、一つ手紙を書いてくる、それを無事、アンリエッタの元へ送ってほしい。」
「まかされた。」
せっせかせっせかと、ウェールズはホールを出て行く、されど宴は続いて言った。
「陛下殿。」
「うむ?君は、トリステインからのお客さんアキヤマ君じゃな、なんの用かな。」
普通はたかが平民や一般市民程度が話せる人ではないが、もはやこの城の中にそんなしきたりは無い、王はどんな人にも微笑みながら接していく。
「ご武運を祈ります。」
「うむ、うむ!ありがたい、明日は精一杯戦ってみせようぞ!」
少し時間が経つと、一人の貴族が秋山に駆け寄ってきた。
「ウェールズ皇太子が呼んでおります、ついてきてください。」
「うむ。」
ウェールズ皇太子の部屋はとても質素な作りになっていた。
本棚があってベッドがあってランプに机、椅子がある、それ以外は何も無い。
その椅子に座りながら秋山を待っていた。
「この手紙、どうか渡しておいてくれ。」
「まかされた、一つ聞きたい事があるんじゃが。」
「なんだね?分かる範囲でなら、答えるよ。」
「何故、反乱が?」
この事を聞くとウェールズが、空に指を上げて。
「今上にある、レキシントンっていう我が国の全てを導入した船が、暴動を起こしてからがこの事の始まりだ。」
「そのフネはどんなものぞな?」
「設計図があったな、うむ、これだ。」
「えらく砲をつんどるのー。」
「うむ、すごいぞ砲台数は百門を超える、まさに我が国の全てだ。」
「この設計図、くれんか?」
「あぁ、良いだろう、ゆっくり研究してくれ、だがこのフネは厄介だ、隔壁が大量にあるせいで、生半可な砲じゃ、風石にも弾薬庫にも到達しないんだ。」
「ほら。」とフネの中心を指差した。
「まずこのフネはね、200m近づいて、砲をぶっぱなしても、風石を貫通する事が出来ないくらいに隔壁を多くしてる。」
確かに、見れば分厚い木製の隔壁が、10cm程度の感覚で、風石の周りを囲っているように描いてある。
「ふむ、ふむ。下からは弱いようじゃな。」
「あぁ、下からなんて砲撃できるわけが無い、重力によって砲の距離が狭まるしね、威力もよわまる、貫通なんて出来るわけが無い。」
「ほう、ほう……。」
「で、近づけば片方50近くの門が一気にずどん、やれやれ。」
秋山の目論見が当たった、船の下から攻撃という事を誰も実行しない、技術力が無いからだ。
「そうだな、私も暇だ、少し遊びに付き合わないか?」
と、机の下からなにやら大きなマップを出して、床に広げた。
「昔は、これでよくパリーと机上の戦争をやったものだよ。」
床に置かれたものは、様々なハルケギニアの地図、そこには色々な施設とか、町色々なものが正確に描きだされていた。
そして隣にあるものはちっさなフネの模型、弓を持った兵士、剣や槍を持った兵士だ。
「やり方はわかるかね?」
秋山は首を横に振る、なんとなく予想はついているが。
「そうだね、これはアルビオン空海軍の司令官が、実際の戦闘で作戦を立てるときに使う物だ。」
秋山の世界では、この方式はアメリカ海軍が始めて採用したものだ。
もちろん秋山も知らない、これを知るのは秋山が10年たってからだ。
「この兵士は何人、この兵士は何人。勝利条件は〜〜、といった具合に色々シチュエーションを変えるんだ。」
「おもしろそうじゃな。」
「では、じゃんけんだ。」
秋山が守る側になった。
戦力は歩兵ユニット12内、歩兵6弓6、一ユニット600人本隊に800人、野砲は6門フネは登場しない、野戦である。
ウェールズの方は歩兵ユニット18内、歩兵16弓2、一ユニット900人本隊に1600人
始まった、秋山は背後にある砦から弓兵を速攻で出して、攻撃、引く。攻撃、引く。
を繰り返し、その間に歩兵に砦を中心に丸いUの形にユニットを配置していく。
「なるほど、確かに囲まれて戦うことはできない。」
と、歩兵を退かせたところで敗因が決まった。
ウェールズはこのひかせた時に、長方形のまま引かせてしまった。
16番目になった時に秋山が全部隊を円形に配置させようとする。
18番目、円形が出来た、この時ウェールズもこれを迎え撃つ陣形を構築した。
鋒矢、↑左のような形で配置していく陣だ。
19番目最前線がぶつかる。
20番目円形が右回転をして、最前線の部隊が変わった。
21番目さらに一回右回転をしてウェールズ側の最前線の兵数の被害が広くなったところで。
「まいった、降参だ。」
といって第一試合は終わった。車掛の陣形を用いた秋山の勝利だった。
「なるほど、考えた事もない作戦だった。では次は艦隊戦をやろう。」
「うむ。」
ジグザグに配置していったウェールズに対して、秋山は一直線に艦を並べた。
戦いはすぐ終わった、相手は砲全体を一隻でなく、全体に向けようとした、が秋山は全砲を一隻に向けた。
これにより各個撃破されてしまった為28番目には全艦大破、または消失となった。
その後も4戦した、がそのつど秋山が勝利した
「君は、君は天才だな!君がいれば王党派は革命派を倒せたかもしれない。あぁ、なんという不運だ!さて、最後のゲームだ。これでしまいにしよう。」
「はっはっは、いや、これはただ前からある知識の流用じゃな、まだまだ。」
最後に用意された舞台は陸だった、城があって、守り側は300、攻め側は5万、攻め側にはフネまである。
守り側は秋山になった。
「降参じゃ!はっはっはっ!」
「流石の君も無理かい?はっはっは!」
「いや、はや、これは無理じゃのー流石に。」
「そうだね、でもトリステインにはまだ戦力がある、こうはならないよう、君にトリステインを任せたい。」
「じゃが、あしはトリステイン軍人じゃないただの軍人じゃが。」
「うむ、その手紙に追記しておこう『このアキヤマ君は稀代の天才だ、この者に軍事を任せておけばトリステインは絶対的な平和を手にするだろう。』とでも、付け加えておこう。」
「そんな事で、できるのかの。」
「私の遺言だ、愛しいアンリエッタは必ずこれを守るよ、後はそうだな、私の配下の空海軍を君に任せたい。と、言っても数も少ないがね。」
「そんな、あしはそんな身分じゃ――。」
「友人の最初で最後の頼み事だ、頼むよ?」
「……あい分かった、あしが最強の空海軍にしちゃる、任せちゃらい。」
ウェールズはこくりと頷くと、すぐ机の上で一枚の手紙を書き、もう一枚の既に書いてある手紙に追記していった。
「ほら、これを。」
「うむ。」
「さ、宴ももう既に終わってるだろう。今日は、寝て。明日の朝、イーグル号に向かいたまえ。」
今度は秋山が頷き、部屋から出て行った、ドアを閉める前に一度敬礼をする。
それに、ウェールズも合わせる。
少ない時間だったが、ウェールズと秋山の中にはその少ない時間以上の友情が出来ていた。
日が変わった。
アルビオン王国の滅亡が始まった既に攻城が始まって30分は経つ、外の貴族達が何もかもを使って応戦している、そろそろ崩れるだろう。
「はっはっは――。」
「どうしました皇太子様。」
「いや、昨日の事を思い出してな、アキヤマとあれをやっていたのだ。」
「あぁ、あれですか、私との戦績は確かウェールズ様が23勝6敗5引でしたな、いやはや、本当に強かった、であの軍人とはどのように?」
「なんとな、私が1勝、彼は6勝だ、あれは100年に一度の天才だった。」
「左様で!?皇太子様の負け数のほうが多いなんて……。」
「そうさ、さて……と、パリー、馬を連れてきてくれるかな?もう限界だろう、それと同時に相手の本隊に突撃を仕掛けて、勇ましく死のう。」
「そうですな!王党派の最後、立派に飾りましょうぞ!!」
早速用意された馬に乗り、最後の号をかける。
「諸君、最後の突撃だ!馬をひけ、敵のど真ん中を突っ切れ、しからば勇ましく死のう!」
最後の男達の歓声があがる、砲から手を離し、城壁から降りる、馬の数は足りた、それまでに死んだ人数は40人位。
ただし相手に与えた打撃はそれの100倍はあるだろう。
「アルビオン万歳!!」
馬の駆ける音が無数に轟いた、浮いた大地を踏んで前へ、ただ、敵の大群の中へ。
風を操るウェールズは器用にエアシールド展開を使う最中に詠唱、氷の矢を出し、敵を一度に倒していく。
この騎馬隊は、殆どがメイジの為、たかが傭兵の群衆如き、どうという事はない。
だが、しだいに精神力が切れていくと、一人ずつ槍で貫かれていった。
パリーとウェールズ、その他の数人も、この騎馬隊を崩す事なくただ前進した。
栄光の為だけに走った。
突如、ウェールズの右肩に、エア・ニードルが突き刺さった、見てみれば相手の持ってる魔法の杖がフェンシングで使うそれであった、何かの部隊だろう。
「ぐぅっ……。」
「大丈夫ですかぁっ!」
「この程度……!!」
風に操られるマントを片手で器用に取ると、それを肩に巻いた。
「流石、流石です。皇太子!」
「ウェールズで良い、既に城は無いのだから。」
そのフェンシングのような杖を持った男を無視してそのまま突き進んだ。
死ぬ為に。
「――逃げるか、ウェールズ!!」
馬を反転させて、ウェールズを追う。
詠唱を素早く唱えると、エア・カッターを繰り出した。
「ぐ……くっ…。」
「ウェールズ様!!」
またも右肩に命中、すでに右肩は胴体から切り離されてしまった。
「よくよけるっ……!!」
「このっ、反乱分子風情がぁっ!」
パリーが急遽馬をワルドの方へ向け魔法を唱えた。
「ふんっ、そんなもの!」
軽々しくよけると、それは間も無く、エア・ニードルを放ち、パリーの胴体を貫いた。
「ぐっ、く……陛下、お先に。」
パリーが最後に見た物は、片手を失い、ながらも優雅に奮戦していく皇太子の姿であった。
しかし、この詠唱のすばやい男に一矢報う事が出来た事を、パリーは永遠に知る事は無かった。
そのままその男に向けた馬が、停止もせずそのまま突撃したので、その男の馬はこけてしまい、上の男も落ちてしまった。
「パリー……良い死に様だった、パリーに続け!!」
既に着いてくる貴族は、たったの2人。
だが、既に精神力も切れかけていた。
また一人、走っている時に槍が刺さってしまい絶命。
2人。
「私が最後になりそうだな。」
「王は最後にしぬものですからの。」
「はっはっは、たしかに……な……。」
「皇太子様、皇太子様!?」
どうやら死んではいない、肩から出てる血の量からの気絶だろう。
「こんな死に方を皇太子様は望まないだろう……。」
結構走った、故に兵の塊の端が見えた。
馬を併走させ、ウェールズに紐を通して、レビテーションを掛けた、それを後は自分の馬の後ろに乗せるだけだ。
そして全力で走らすと、すぐに兵の塊から脱出した。
後は市街に入るだけだ。
大分兵を遠ざけると、最後の王党派メイジが馬を止めて、地面に降りた。
ウェールズの腕に止血と増血させる魔法をかけた、既に精神力はない。
「なるほど、ここで死ぬか。綺麗な場所じゃないか。」
と、言って馬の尻を思いっきり叩いた。
馬は疲れながらも、驚いて、走っていった。
上には、ウェールズが乗っている。
「ご無事で。」
既に精神力が切れた貴族は、メイジとはいえない、ただの平民と同じである。
そんな平民がメイジに対抗する為に作った剣を腰から引き抜くと、後から追いかけてきた兵士達を待った。
ぞろぞろと追いかけてきた。
「これぞ、我が最後。」
そういうとただ一人剣を振り上げ、この傭兵達に振り下ろした。
剣が、折れた。
アルビオン大陸より上の空から、この様子を眺め、敬礼する指揮官、ボーウッドがいた。
そしてアルビオン大陸より下の空で、甲板に出てきた異世界の軍人もアルビオン大陸ニューカッスル城に向けて敬礼をしていた。
投下終了でございます。
本当は城内のありったけの場に火薬つめて大勢の兵と死なせようと考えたのですが。
それだと、馬鹿一号に操られるという欠点があるので、いやです。
ワルドに殺されるとかシコシコゆっくり殺されるとか、そういうグロ描写は出来ないですしね。
秋山の人乙です(2回目)
ウェールズ生存か…久しぶりに見た。
そしてヒロインが空気な件。
>>17 日露戦争物語でも坂の上の雲でも
一章、または一巻まるごと秋山が登場しないなんてよくある話です。
日露の人乙です。
そこで兵棋演習ですか。ちょっとネタがかぶったかも(汗
使い魔だけアルビオンへ、というのも珍しいパターンですね。
進路クリアなら22:30頃から12話を投下します。
支援〜
それではいきます。
――ん……ここは……――
気がつくと、ルイズは見たこともない建物の廊下に立っていた。壁も、天井も、見たことの
ない材質で造られ、天井にはランプとは違う、揺らめく炎もない細長い白い明かりが
まっすぐに規則正しく並べられている。そこに、寝ていたはずなのにネグリジェではなく
学院の制服を着ている自分。
その廊下には真っ白い上着を羽織った、いかにも頭脳労働担当という印象の男女が
ひっきりなしに出入りしているが、誰もルイズに気づくことがなかった。
「……どこかしら?ここ」
ルイズがきょろきょろと見回しながら廊下を歩く。規則正しい同じような風景が続く中、
途中にいくつかある窓から外を見ると、トリステイン王国の王都トリスタニアでも見たことの
ない、立派な舗装がされたどこまでもまっすぐな、それでいてある地点でまるで空に
つながっているかのようにぷっつりと途切れるとんでもなく広い道が見える。そうしたものから
何とか自分がいる場所の見当をつけようとしたルイズは、ふと壁に貼り付けられた紙を
見て、あることに気づいた。
「これ、パイン缶に書いてあった文字と似てる……ということは、ここ、ふがくの故郷……なの?」
そう言って壁に見入っていたルイズの後ろを、金糸で立派な刺繍が施された飾りが
ついた紺色の制帽をかぶった紺色の詰め襟姿の中年の男――ルイズでも、その服装と
雰囲気からかなりの高官だと判る――が上等な革靴の音を立てつつ歩いて行く。
そのとき、こんな言葉がルイズの耳に入った。
「――ふがくくんも、あかぎくんのおかげでずいぶんと性格が落ち着いてきたようだな。
これならあのうさんくさい男の戯れ言に耳を貸す必要もなくなるだろう。
私としては彼女に出撃命令を下すことがないことを願っているが……次の作戦、いちこくんでは
届かない空域にも投入できるふがくくんが出撃できれば戦局は一気にこちらが優位に
立てる……だが……――」
そう言って高官は去っていく。
(あかぎ……って確か、ふがくが助けたいって言っていた誰かの名前ね。いちこっていうのは
初めて聞く名前だけど)
ルイズは高官がやってきた方向に歩いて行き……大きな扉の前に立つ。タバサの使い魔
シルフィードが楽々出入りできそうなくらいのぴったりと閉まった鉄の扉。その横にある
普通の大きさの鉄の扉がわずかに開いている。そこから中に入り、ふがくの背中の風車を
大きくしたようなものからよく分からない金属製の物体までが置かれた広い室内を音を
立てないように歩いて行くと、どこからか聞き覚えのある声が聞こえてくる。
「……ふがく?」
ルイズが声の聞こえた小部屋の窓から中を覗く。そこには、背中の翼を外したふがくと、
左肩に肩からあごくらいまでの高さの金属製の塔のようなものがついた肩当てをつけ、
右腰には下向きの金属の筒、そして太ももまで覆う、朱色の紐状のソックス止めが
アクセントになっている白いニーソックスの上から膝まで届く脚甲のようなものを履いた、
ふがくと似たようなデザインの緋色の衣装を身につけた黒く長い髪の大人の女性がいた。
ただ、ふがくと違い肩を露出させて紺色のボディスーツが見えていることと、スカートが
足首までの丈に縦にスリットが入っているふがくとは異なり、スリットこそないもののきわどい
くらいに短い。それに、スタイルもふがく以上のボリューム感――キュルケなんか比べものに
ならない、男を惹きつける、出るところは出て引っ込むところは引っ込んだ姿に、思わず
ルイズは自分の薄い胸に手を当ててしまった。
二人はテーブルの上に箱庭を置き、それぞれ赤と青の駒を持って話し合っていた。
ルイズがそれを知っていればそれが兵棋演習だと理解できたのだが、ギーシュのような
武門の家の出ではないルイズにはそこまでは理解できなかった。
「ふがくちゃんは、とっても優秀な指揮官になるわー。
あら、そろそろ時間も遅いわねー。じゃあ、最後の演習にしましょうか?」
女性がうれしそうにそう言うと、別の箱庭を取り出してテーブルに広げる。そしてふがくと
交代で駒を動かしていき――ある一手をふがくが打ったとたん表情を曇らせた。
「今の……どうしてこうしないの?ここの爆撃隊で、敵を空爆すればいいじゃない」
ふがくの小さな手が青い駒を動かした先は、山岳に囲まれた小さな都市。小さいながらも
城壁があり、実際にそこを攻めるとすればそれなりに苦戦しそうだということはルイズでも
想像できた。ふがくはそこに、フーケと戦ったときに見せたように空から攻撃してしまおうと
考えたらしい。もしトリステイン王国空海軍が同じ状況になっても、同じように上空に配置した
フネから攻撃することだろう。だが……
「そうねー。その通りよ。
でも私なら、地上軍の到着を待ってから、都市を占領させるわー」
女性が言う。ふがくはそれに納得できないという表情を隠さない。
「空爆だけでいいじゃない。
そりゃあ、完全に敵を撃破できないけど、戦力は十分に奪えるわ。そして部隊を別方面に
転進させるのよ」
ふがくが力説する。それは確かに効率的な戦い方。しかし――女性はその言葉に困った
ようにうつむいた。そして、それまでの明るい雰囲気とは打って変わった面持ちでゆっくりと
言葉を紡ぐ。
「……これは、偽善なのかも知れないけど……よく聞いてね、ふがくちゃん」
そう言って、女性はふがくの手に赤い駒――敵の駒を握らせる。
「これは、何だと思う?」
女性は問いかける。ふがくは「敵でしょ?」と即答した。
「もう少し、考えてみて」
さらに女性は問いかける。ルイズは気づく。この女性は、今、大切なことをふがくに教えようと
しているのだと。ふがくもそれに気づき、手の中の赤い駒を見る。それは人を模して赤く
塗られた、小さな木製の駒。それが意味するものに気づいたふがくは、ぽつりと言葉を
口にする。
「……兵士。ううん、人間ね」
「そうよ。
私たちが戦っている相手は、『敵』なんていう得体の知れないものじゃない。人間なのよ」
そう言って、女性は青い駒、ふがくの背中の翼と尻尾だけを形にしたような駒を都市の
上に置く。
「そしてここには、兵士でない人間もたくさん住んでいるわ。
爆撃だけでは、無差別に人を傷つけるだけ。だから地上部隊も行かせるの」
「味方の被害を減らすために空爆し、そして占領した地上部隊は被害の復旧に当たる……
いいことだと思うけど、矛盾と無駄だらけよ」
ふがくはそう言って箱庭と駒を交互に見る。その様子に、女性は優しく微笑みかける。
「ええ。分かっているわ。
でも、私たちは誰のために戦うのか、考えてみて。そして、その誰かと……この街の人が、
どう違うのかも」
ルイズも考える。何が違うのか。敵と味方?生まれた国?話す言葉?文化?歴史?
答えは出ない。ふがくも同じ気持ちなのか、戸惑ったような表情で女性に答える。
支援
「だけど……だけど、人間なんだよね。
アタシたち鋼の乙女は、お国のために、人間のために戦う兵器なのに……」
ふがくは言う。そこでルイズはふがくの一人称が『私』じゃないことに気づいた。ルイズの
知らないふがく。改めてそのことに気づかされた気持ちがする。
そんなふがくの戸惑いを前に、女性は胸に両手を当ててゆっくりと言葉を紡ぐ。
「人間には……いいえ、命にはひとつも無駄なものなんてないと思うの。
民間人、日本人、それから連合軍だって同じ人間の命じゃないかしら」
そうして、女性はひときわ大きな地図を取り出し、そこに駒を置く。それがふがくの世界の
世界地図だとはルイズは知らない。
「たったひとつの奇跡で生まれた命なんだから、無駄なんてないのよ、きっと」
女性の言葉――それはルイズにも思い当たる言葉。ギーシュが決闘で、そして自分が
フーケのゴーレムを前に無謀なことをしたときにふがくが叫んだ言葉。それをふがくに
教えたのは、この女性だったのだ。けれど、ふがくはその言葉に困った顔をした。
「そんなことを考えてたら、戦争なんてできないよ……
誰もがたった一つの奇跡なのに。アタシは戦争をするために生まれたのに……」
どうしていいのか分からなくなるふがく。その髪を女性がそっとなでる。
「……ええ。本当にそうなのにね」
その言葉に込められているのは、哀しみ。それが何を意味するのかまではルイズには
分からない。ふがくは手にした駒を握りしめ、言葉を絞り出す。
「小さくて軽い。すぐに忘れそうよ」
「忘れないで。
私の教えたことは、とても矛盾しているけれど、その重さだけはふがくちゃんに、覚えて
おいてほしいの」
女性の言葉はあくまでも優しく包み込むようで。ふがくはその顔をまっすぐに見つめて――
「忘れない。絶対に忘れないよ」
――言った。それは決意の表れ。ふがくの決意を見た女性は、心から安心したような顔をする。
「よかった。これで安心して行けるわ」
「次の作戦、ミッドウェーだっけ?明日、出発なんだ」
「ええ。だから今日は、もう戻らなくちゃいけないの。もっともっとお話ししたかったけど」
女性が少し寂しそうな顔をする。ふがくは頬を赤らめて、自分の感情をごまかすように
手を振る。
「何言ってるのよ!帰ってきてからでいいわよ!
アタシ、そんなにさびしがり屋じゃないし……まだ一緒に出撃できないのは、残念だけど。
でも、もうすぐ、もうすぐだから。アタシ、もうすぐ一緒に行けるからね!だから、大船に
乗った気で安心しててね!」
そう言ってふがくは女性に抱きつく。柔らかく大きな胸に顔を埋めるふがく。安心しきった、
それはルイズが一度も見たことのない顔。いつまでそうしていただろう。やがて女性が
ふがくを抱きしめてから体を離し、両腕にそれぞれ腕全体がすっぽりと収まる大きな盾を
持って、大人の男でも数人掛かりでも開けるのに苦労しそうなあの大きな鉄の扉を片手で
苦もなく開けたとき――ルイズの視界も真っ白に染まった――
ルイズが目を開けると、そこはベッドの上。着ているものも制服ではなく寝る前に着た
ネグリジェ。
体を起こして部屋を見渡すと、そこはやはり自分一人だけ。ふがくの寝藁はきれいに
片付けられているし、窓の外からは小鳥のさえずりが聞こえてくる。
「……夢?」
ルイズはその言葉を口にしながら、その触感すら覚えているようなリアルな夢を
思い出そうとした。
「あれはふがくの記憶……?それにしては外から見た感じが強かったような気がするけど……」
ルイズは思い出す。おぼろげなところもあるけれど……見たこともない建物、見たこともない
人たち。そして、ふがくのことを案ずる高官と、ふがくが姉のように、母親のように慕う女性
――もしかすると、あの女性が『あかぎ』なのかも知れない。けれど――
「どうして……あの人の背中に、変な陰みたいなのが見えた気がする……」
ふがくが帰りを待っていた女性。一緒に戦える日を楽しみにしていた女性。そこで
ルイズは思い出す。ふがくを召喚して、最初に授業で魔法に失敗した日のことを。
――私にはやることがあったのよ。あかぎを助けて、大日本帝国を勝利に導くはずの私を――
夢の中で、ふがくは『ミッドウェー』という地名を口にした。向こうの言葉だから意味は
全く同じではないだろうけれど、それを無理に訳すとすればアルビオン語で意味は――
道の半ば。
どちらにも進むことのできる道。ふがくの国は、そしてあかぎは……どっちに進んだんだろう。
考えても答えは出ない。ルイズはネグリジェを脱いで制服に着替えると、朝食を食べる
ために部屋を後にした。
「あれ?ルイズ。もう起きたんだ」
部屋を出てすぐにふがくと出会う。その手には洗濯物のかご。ふがくにそんなこと頼んだ
覚えはないんだけど……とルイズが考えているうちに、ふがくは言う。
「シエスタから預かったのよ。ついでだから畳んでおこうと思ったんだけど」
「そう言えば、ふがく、あんた洗濯はどうしてるのよ?洗い替えがあるようには思えないんだけど」
ルイズの言葉にふがくは気分を害したのか顔を真っ赤にする。
「ちゃんとしてるわよ!私の服はそれ自体が装甲だから普通の洗濯とは手順が違うし、
夜中に洗って少し空を飛べば乾くし!」
その言葉にルイズが意外というような顔をした。
「え?乾くの?だって、最初にわたしがふがくに抱きかかえられて飛んだときにはほとんど
風も感じなかったのに?」
「……私が抱えていればそんなことはないわ。言ってみれば機内に座っているようなものだし」
要するに、ふがく本人は外の環境の影響を受けても抱きかかえられたりしているものには
ほとんど影響がない、と。何とも不思議な感じがするが、ふがく自身もその理由については
解っていないようだった。
「とにかく、いつも同じ服っていうのもなんだわね……それに、あんたの銃、威力強すぎだし……
あの一件で家が何言ってくるか……」
ルイズはふがくとロレーヌとの決闘を思い出して身震いする。あの本塔の修繕費、実家に
請求が行っているはずだが、まだルイズには何の連絡もない。それがかえって怖い。
――そのとき、ルイズの頭にひらめくものがあった。
「そうね。次の虚無の曜日、あんたの服と武器を買いに行くわよ。臨時収入はあるし……
剣なんてどうかしら?」
「……はい?」
あまりの展開に、ふがくは目を丸くするしかなかった。
以上です。1回名前入れ忘れましたorz
なお、ゲームでの日本軍司令官のイメージは山本五十六元帥なのですが、
ここではOVA『紺碧』の高野総長で書いてます。
あと、今度発売の続編からも名前だけ出したキャラが...何で日本軍は爆撃娘ばかり
揃えるかなーです。
# いちこは空母・あかぎと同時期に、同じ女性をモデルとして製造された
# 『一式陸上攻撃機・いちこ』という爆撃機型鋼の乙女です。
九七式はくるか……!?
紺碧なら超重爆撃機B−30を蒼莱が撃滅する話が好きだった
Z弾や大王魚雷がロマリアにゴロゴロ転がってたりしたら怖いな
投下時に1行目が抜けてました。Wikiの方で修正しています。
>>28 『紺碧』3話は私も好きなエピソードです。
一応DVD BOX全巻発売時に揃えて特製Zippoももらっていたり...タバコすわないんですけどね。
ただ、今回はゲームの壊れた印象の強い司令官殿よりスマートなイメージで書きたかった、
ということだったりします。
だって、ゲームでの日本軍司令官は貧乳スキー、ドイツ軍指揮官が巨乳スキー、
連合軍指揮官が蘊蓄スキーなので...しめるところはしめるんですけどねぇ...
誰もいない……。
シルバーウィークのドサクサにまぎれて投下するなら今の内……。
ということで、他に投下される方がいなければ5:50から第41話を投下いたします。
支援
おやお久しぶり。紫煙
ドンドンドン!!
「ユーゼスぅ、ユーゼス・ゴッツォぉぉ〜〜!!」
研究室のドアを乱暴に叩く音と、自分を呼ぶ叫び声。
ハッキリ言って騒音以外の何物でもないこの二つの音を止めるため、ユーゼスはドアに向かって歩き出した。
この前にトリスタニアで買った本も読み終わったので、そろそろ睡眠を取ろうと思っていたところだったのだが、まさかこんな時間に来客があるとは思わなかった。
……と言うか、今は夜中の十二時過ぎである。
隣近所の部屋への迷惑も考えてもらいたい。
「……………」
かくしてユーゼスは隣近所の平和のため、その来客を迎えたのだが……。
「おそいわよぉ、ユーゼスぅ! せっかくわたしがあなたに会いに来たんだからぁ、一秒以内にドアを開けなさぁい! ……ひっく」
「……エレオノール?」
開けたドアの向こうに立っていたのは金髪眼鏡の美女だった。
こんな時間にやって来るとは珍しい。
しかし何だか顔がやたらと紅潮しており、目が『トロン』と言うか『ドロリ』としていて、足下がフラフラとおぼつかない様子で、加えて口調もいつもとは違っている。
ついでに言うと、その手にはワインよりももっと強い酒のビンを持っていた。
これらの情報から判断するに、
「酔っているな」
「酔ってなんかぁ、ないわよぉ! ……ひっく」
どこからどう見ても酒に酔っぱらっているエレオノールは、ユーゼスを押しのけて研究室の中に入っていく。
「ジャマするわよぉっ」
「む……」
エレオノールはフラついた足取りのままで研究室を進み、来客用のソファにドカッと腰掛ける。
そして『レビテーション』使って器用に部屋の中にある棚からコップを浮遊させ、手元に引き寄せた。
「ぅう〜〜……ういっく」
コップにドクドクと琥珀色の酒を注ぎ込み、それをグイッと一気に飲み干すエレオノール。
見る者が見れば『なかなかに良い飲みっぷり』と評するであろう飲み方だったが、そのような視点を持てないユーゼスはごく冷静に彼女へと言葉をぶつける。
「酒は身体に悪いぞ、エレオノール」
「うるっさいわねぇ! そんなことは分かってるわよぉ!」
そう言いながらも酒をあおり続けるアカデミーの主席研究員。
……妹のルイズもアルコールには弱いが、どうやら姉であるエレオノールもそうらしい。
ちなみにカトレアは酒を医者に止められているので『酒を飲む』という行為そのものをほとんどしたことがなく、強いのか弱いのか不明である。
「ひっく。ほらぁ、ユーゼス! あなたもこっちに来て座りなさぁい!」
エレオノールはいつもとは違った妙な迫力を振りまきながら、ユーゼスにそう命じる。
ここで断ると何をされるのか分かった物ではないので、ユーゼスは黙ってその言葉に従ってエレオノールの隣に腰かけた。
「……どこからそんな酒を持って来たのだ?」
「ぅあ? えっとぉ……元々はぁ、わたしの部屋に寝酒があったんだけどぉ、あなたのインテリジェンスソードと話しながら飲んでたらぁ、無くなっちゃってぇ、仕方ないからぁ、食堂からいただいてきたのよぉ〜」
「……………」
最近デルフリンガーを見かけないと思っていたら(別に平時においてはいなくても特に困りはしないが)エレオノールが持っていたのか、と納得するユーゼス。
アレは暇な時の話し相手に打ってつけとも言えるので、その方面に有効利用してもらうことに何の不都合もない。
そして『食堂から頂いてきた』というセリフだが、食堂はとっくに閉まっているはずである。おそらく無断で拝借でもしてきたと思われるが……。
(……なぜ、この姉妹はおかしなところで妙な行動力を発揮するのだろう)
ルイズは言うに及ばず、カトレアも割と自己主張する時はしてくるし、目の前のエレオノールもご覧の通りである。
(遺伝か……)
必然的にカリーヌの顔を思い浮かべるユーゼス。
まあ、それはそれとして。
「寝酒のつもりで飲んでいて、どうしてそこまで深く酔うのだ?」
「なによぅ! わたしがお酒を飲んじゃいけないって言うの、あなたはぁ!?」
「……そこまでは言っていないが」
「だったら、理由なんていいじゃないのよぉ!」
エレオノールはそう言うとグビグビゴクゴクプハァ、と酒を飲み、そしてその酒を今度はユーゼスに勧めてきた。
「ほぉらぁ、あにゃたも飲みなひゃぁい!」
「…………ろれつが回っていないが、大丈夫か?」
「んにゃことはぁ、どーらっていいのよぉ〜〜!!」
ぐでんぐでんに酔っぱらいながら杖を振り、棚からコップをもう一つ浮遊させてユーゼスに突き出すエレオノール。
それに対してユーゼスが何かを言うよりも早く、琥珀色の液体がそのコップに注がれ……。
「さぁ〜、グイィッと飲むのよぉ〜! ……ひっく」
「……やれやれ」
ここで断ったら強制的に口の中に酒を注ぎ込まれかねない雰囲気なので、溜息をつきつつユーゼスはコップを受け取り、エレオノールの言うようにグイッと口の中に酒を入れた。
(………………不味い)
苦味と辛味と酸味と、分かるか分からないか程度の甘み。加えてアルコールの焼け付くような熱さ。
それらが渾然一体となって舌の上で複雑微妙に絡み合い、何とも言えない感覚をユーゼスにもたらした。
ハッキリ言って、『心地よい味』とはとても言い難い。
しかも、それを我慢してどうにか酒を飲み込んでも、口の中に残るのは先程の味の残り香のような風味と、アルコールの残滓の刺激とが喉にまで波及してくる。
(……これの何が良いのだろう……)
『酒の美味さ』というものに関して全くと言っていいほど造詣のないユーゼスは、そのような感想を抱いた。
また、味だけではなく成分中のアルコールも問題である。
思考を鈍らせる薬物が含まれている飲料を自分から進んで摂取するなど、ユーゼスにはさっぱり理解が出来ない。
―――いや、その『思考を鈍らせる』のがアルコールを摂取する目的なのだろうと推測は立てられるのだが、そうしたところで何がどうなると言うのだろうか。
「……………」
何にせよ今は思考を鈍らせるメリットなど一つもないので、脳内のクロスゲート・パラダイム・システムを使って因果律を操作し、体内のアルコールを除去する。
ついでに自分の味覚と嗅覚も操作して、この不快な味を無味無臭に感じるようにした。
さて、これで取りあえず泥酔する可能性は排除出来たわけだが……。
「ぅ゛うぅぅうぅぅうぅぅうううぅぅう〜〜……」
ふと気がつけば、エレオノールが顔を真っ赤にして(酔った影響だろうが)唸りを上げ、『私はあなたに言いたいことが山ほどあるのよ』とばかりにユーゼスを睨んでいた。
そしてユーゼスが何かを言うよりも早く、
「あにゃたは、いったい、もう…………なん、何なのよぉ〜〜!!」
よく分からないことを叫ばれてしまった。
「……それこそ、一体何なのだ」
「そのくらい言わなくったってぇ、わかりなさぁ〜い!!」
「…………滅茶苦茶なことを言うな」
理性的とはとても言えない様子で、エレオノールはまくし立てる。
「大体っ、あにゃたは……いっつもいっつもぉ、何を考えてんるんだかよくわかんないしぃ、わたしのことをどう思ってるのかもわかんないしぃっ! ……いいえ、そもそもどういう女が好みなのよぉっ!?」
「女の好みだと?」
どうにも話の流れが読めないと言うか、予測がつきにくい。
と言うか『女性の好み』など考えたことがないので、正直困る。
(『答える必要はない』とか『私も知らん』と言ったところで、今の状態のエレオノールがすんなり納得するとも思えんし……)
それに、問われた以上は可能な限り答えるべきであろう。
(……ふむ)
そうして考えてみるが、どうにもよく分からない。
いや、それ以前に女性を『そういう対象』として見たことが一度もないので、どう考えればいいのかすら分からない。
(むぅ……)
『どういう女が好み』と言われて真っ先に思いついたのは“何故か”この目の前にいるエレオノールだったが……『そういう対象』として見ると、何だか、こう、途端に判断が付きにくくなると言うか、何と言うか。
まあ『好き』か『嫌い』かの二択で言えば『好き』の部類に入るとは思う。
それに『研究者として』とか『一人の人間として』などの視点では好ましく感じてもいる。
一緒にいて悪い気はしないが、いや、しかし、あくまで彼女は同じ研究者というだけの関係であって、それ以前に御主人様の姉なのだから……。
「…………っ」
珍しく、少なくともハルケギニアに召喚されてからは味わうことのなかった懊悩を噛み締めるユーゼス。
(視点を変えよう……)
女性像をエレオノールだけに限定してしまうのはよくないと思うので、ここで角度を変えてみることにする。
そういう訳で『エレオノール以外の女性』でユーゼスの脳裏に思い浮かんだのは……。
(カトレアか)
エレオノールの妹で、ルイズの姉。
柔和な雰囲気を身にまとい、同じ空間にいると少しだけ安らぎを感じる女性。
たまにサイコドライバーの類なのではないかと思うほどの勘の鋭さを見せる時があるが、それはこの際あまり関係がないので置いておくとして。
「……………」
彼女もまた『好み』かどうかと聞かれると難しい。
週に二度は彼女の所に出向いているし、少なくとも嫌いということはないのだが、そこに『そういう対象』としてのフィルターを通してしまうとエレオノールのそれに負けず劣らず、とても名状しがたい感覚に襲われるのである。
(……そう言えば明日はカトレアに会いにいく日だったな)
会いに行っても簡単な診察と会話をするだけ……というのがお決まりのパターンだが、ユーゼスがその時間を貴重に感じているというのも事実。
彼女もまたユーゼスにとっては判断の付きにくい女性であった。
(いや、待て)
何故自分はこのようなことを真剣に考えているのだろう。
ふと冷静になってみると、そんな疑問が首をもたげてきた。
別にエレオノールに問い詰められたからと言って、アレコレと思考を巡らせる必要はないはずである。
(ハルケギニアに召喚されて以降、私のメンタリティが妙な方向にシフトしている気がする……)
一体、何からどのような影響を受けてしまったと言うのか。
……心当たりが多すぎて、対象をある程度の数まで限定することすら困難だった。
と、そんな風にワケも分からず、何について悩んでいるのかも不明なまま悩んでいたら、またエレオノールが声を荒げてくる。
「にゃによぅ、そんなに悩んでぇ〜っ! どうせまた微妙に話題を逸らしてぇ、のらりくらりって、誤魔化そうとしてるんでしょおけどぉ、今回はそうはいきませんからねぇっ!」
「別に誤魔化すつもりはないのだが」
「いちいちぃ、口ごたえするんじゃぁ、にゃいわよぉっ! ……ひっく」
そう言いつつエレオノールはまたコップに酒を注ぎ、ゴクゴクとそれを飲み込んでいった。
「うぃ……ぃっく、けふ。……いいのよいいのよ、どうせユーゼスはぁ、わたしみたいな女は好きじゃないんでしょぉ。ううぅっ、そうよねそうよね、わたしだって自分のこと『いい女』だって思わないもの、あのインテリジェンスソードだってそう言ってたもの。
……そりゃあ、わたしはカトレアみたいに胸がおっきくないわよ。ルイズみたいにかわいくないわよ。あのアニエスって女みたいにカッコよくもないわよぉ。でもねぇ、そんな、そういうのがなくったって……別に、女の魅力ってそれだけじゃないのよぉ、分かるっ!!?」
「分からん」
「うぅぅぅぅうううぅぅぅぅううううぅぅう〜〜〜〜っっ!!!」
ポカポカポカ、と涙目のエレオノールに頭やら何やらを叩かれるユーゼス。
なぜ叩かれるのか、いやそれ以前になぜ自分は今このような状況にいるのかよく分からない銀髪の男は、取りあえず金髪の女性をなだめることにした。
「落ち着け、エレオノール。よく分からないが……とにかく、落ち着け」
「なによぅなによぅ、わたしにだってねぇ、わたしにだって十代の頃はあったのよぉぉ〜〜!! ……ういっく、ひっく」
支援
もうエレオノールがしゃくり上げている音すら、酔いのせいなのか泣いているせいなのか判断がつかない。
そしてユーゼス・ゴッツォには、酔っ払いに対応するためのスキルや経験値が圧倒的に不足していた。
―――よく分からない事象に対して、下手に手を出すことは逆効果になることが多い。
自身の経験からそれを嫌と言うほど知っていたユーゼスは、ひとまず何もせずにただエレオノールから投げつけられる不満や愚痴を受け続けることにした。
「どうせ……あにゃたはぁ、カトレアみたいな女の人が好きなんでしょぉ。そりゃそうよねぇ、姉のわたしから見たってカトレアはきれいだもの、あんな身体じゃなかったらとっくの昔に結婚してるものぉ……。
……ううっ、ぅぐぅぅう〜っ、なによ、結婚がなによぉ〜〜!! うわぁぁああ〜〜〜〜〜んっ!!」
「……………」
自分の口から出た言葉に自分で反応して自分で勝手に盛り上がるな、とユーゼスは言いたくなったが、黙っていた。
「って言うかぁ、あの平民上がりの女もなんなのよぉ! 20年も前のアカデミーのことなんてぇ、その時7歳だったわたしが詳しく分かるわけないでしょお〜〜!!」
「……………」
おそらくアニエスについての文句を言っているのだろうが、それと20年前のアカデミーとがどう繋がるのだろう。
(まあ、あの女の個人的な事情はどうでもいいが……)
それが自分に飛び火しないことを祈るばかりである。
などと思っていると。
「大体ぃっ、あにゃたがこう、いっつもいっつもぉ、思わせぶりな態度ばっかり取るのが悪いのよぉ〜〜っ!」
いきなり不満の矛先が自分に向かってきた。
これにも沈黙で答えるべきではあるのだが、今のエレオノールの言葉には少々聞き逃せない部分があったので、あえて問い返してみる。
「……私がいつ、思わせぶりな態度などを取ったのだ?」
「自分の胸にぃ、聞いてみなさぁぁ〜〜いっ! ……って、だぁれの胸が平坦で起伏ゼロで絶壁ですってぇ!!?」
「誰もそんなことは言っていないぞ」
きぃきぃきぃきぃ、と甲高い声で色々なことを叫び続けるエレオノールの話を聞きつつ、ユーゼスは今さっき言われたエレオノールのセリフについて考える。
(……『自分の胸に聞いてみろ』と言われてもな……)
心当たりがあるような、ないような。
まあ確かに客観的に他者の―――ハルケギニア人の視点から見れば自分には謎が多いように思われるかも知れないが、こんなヒステリックに喚かれるほどの言動や行動をしただろうか。
(………………うむ、していないな)
致命的な部分を履き違えたままでそう結論を出すユーゼス・ゴッツォ。
―――毎度のことではあるのだが、彼は自分を含めた人間の、特に女性の心の機微には異常と言えるほど鈍感なのであった。
そして、酒瓶の中の琥珀色の液体が底を突き始め、そろそろ酔っぱらったエレオノールの相手が負担になり始めた頃。
「ぅ…………むゅ、ゅ……」
「む?」
いきなりエレオノールのまぶたがストンと落ちて、更に彼女の身体全体がガクリと脱力した。
そしてそのままグニャリと隣に座っているユーゼスの方へと倒れ込み……。
とさっ。
―――ぎゅうぅ。
まるでユーゼスに抱きつくようにして、と言うより本当に抱きついて意識を手放した。
しなだれかかって、などという生易しいものではない。
下手をすると何らかの格闘技の固め技に見えなくもないほどの、強固な抱きつきっぷりであった。
「……起きろ、エレオノール」
今の騒ぎで隣の部屋にいる自分の主人や、近くの部屋にいるキュルケなどが起きてしまった場合、この状況を説明するのは非常に困難である。
いや、キュルケならまだいい。彼女は話せば分かる。
問題はルイズだ。
リアクション自体はおおむね察することが出来る。
『エ、エ、エエエエ、エ、エレ、エレエレ、エレオノール姉さまを部屋に連れ込んで!! ぶっ倒れるまで酔わせて!! それで今度は、ナニをするつもりなのよぉぉぉおぉおおおおおおおおおおおお!!!!??』
まあ、傍から見れば『酔ったエレオノールがシラフの自分にしなだれかかっている』ようにしか見えないのだから、こんな所だろうか。
だがその対処については、ハッキリ言ってどうすれば良いのか分からない。
下手をすれば真夜中の大惨事である。
よって、取りあえず自分の体からエレオノールの身体を引き剥がす必要があるのだが……。
「うゅきゅぅ〜〜……」
「……………」
全然離れてくれない。
こうなったら力ずくで……と思って腕力で実力行使に出ても、
「ぐ……く、ぬ……」
「みぃ……ぁぅ、ん……」
しっかりと言うかベッタリと言うかガッチリと言うか、ユーゼスもカリーヌ・デジレやアニエスとの訓練を経てそれなりに筋力は付いている筈なのだが、とにかく引き離すことは出来なかった。
これはユーゼスの力がまだまだ弱いということなのか、それともエレオノールの力が強いのか。
「くぅ…………はにゅ、ん……」
「む…………ぐ!?」
一瞬思考を回転させそうになるが、その瞬間にエレオノールがユーゼスに身体をグリグリと押し付けてきたので、強制的に思考がカットされる。
不味い。
別にエレオノールに対して劣情を催したりだとか、そういう類の欲求は……ない、はず、ではある、のだが、とにかくこれは、この状態でこの状況は非常に不味い気がする。
何が不味いのかよく分からないが、とにかく不味い。
「……んく……」
「…………っ」
この女、まさか被強姦願望でもあるのではなかろうな―――などと乱れた頭でそんなことを考えるユーゼスだが、とにかく今はこの状況をどうにかすることが先決だ。
何せ、どうにかしなくては自分がどうにかなりかねない。色々な意味で。
(……若返った肉体に引きずられて、性欲も強くなったか? 確かに性機能はあるが……)
そう分析しつつ、自分自身の因果律を操作して性欲を限りなくゼロへと薄めるユーゼス・ゴッツォ。
ついでにエレオノールの因果律も操作して、彼女のアルコール分解能力を一時的に強化しておく。これで明日、エレオノールが二日酔いで苦しむことはなくなる筈だ。
「ふう……」
小さく息を吐くと同時に、ストレスもいくらか吐き出す。
……性欲が消失した今だからこそ思うのかも知れないが、なぜ最初から因果律を操作しなかったのか我ながらかなり疑問であった。
「むにゃ……」
エレオノールは相変わらずユーゼスに抱きついたまま睡眠中だ。
「…………まったく」
人にこれだけ迷惑をかけておいて随分とのんきな寝顔だな、と半ば呆れつつも、ユーゼスは今度こそ彼女の身体を自分から引き離す。
―――別に『何が何でも離すまい』として組み付いているわけでもないので、落ち着いて相手の関節や筋肉の構造を考慮しつつ行えば、それほど難しい作業ではないのである。
「……………」
筋から言えばこの後、エレオノールを部屋まで送るなり何なりしなければならないのだが、それも面倒だ。
このまま研究室のソファに寝かせておいた方が労力も少なくて済むだろう。
ユーゼスは取りあえず備えつけの毛布を持って来て、それを寝息を立てるエレオノールの身体にかけた。
そして。
「……………」
スッ、と。
軽くではあるが、指でエレオノールの頬をゆっくりと撫でる。
「ん……」
「……何をしているのだろうな、私は」
どうしてそうしたくなったのかユーゼス自身にもよく分からなかったが、とにかくそうしてしまった。
ユーゼスはそんな自分自身に疑問と軽い自己嫌悪を覚える。
(自己嫌悪、か)
かつて人間の愚かさや醜さを忌み嫌い、同時に自分が人間であることに激しい嫌悪と憎悪を抱き……あらゆる存在を超えようとした。
そんな自分が、今では一人の女の挙動に対して右往左往している。
何とも人間らしいことだ。
「フッ、滑稽だな……」
自嘲しながら椅子に腰掛け、腕を組んで目を閉じる。
取りあえず翌朝エレオノールを起こす時には、酒の飲みすぎは控えるように言っておくとしよう……と考えながら、ユーゼスは速やかに睡眠状態に移行するのだった。
先の流れがおもいだせねぃぜ支援
「……行軍って言うのは、もう少し立派な物だと思ってた」
アルビオンの土をズシャズシャと踏み締めながら、ギーシュはボヤき気味に呟く。
そしてそんな中隊長のボヤきに対し、中隊つき軍曹のニコラが苦笑しながら応じた。
「まあロサイスに五千を残してきたとは言え、それでもまだ五万五千の大所帯ですからなぁ。そんだけの数を一斉に動かすのにいちいち格好を付けてちゃ、ロサイスを出発するのは降臨祭の頃になっちまってたハズです」
「でもなぁ……何と言うか、五ケタの人数が揃って徒歩で敵地を移動するってのも間抜けなような気が……」
「馬を六万頭用意したり、大艦隊で堂々とアルビオンの空を飛ぶわけにもいかんでしょう」
「だよなぁ……」
はぁ、と溜息をつくギーシュ。
トリステイン・ゲルマニア連合軍が浮遊大陸アルビオンに上陸してから、早二週間ほどが経過している。
上陸する際に艦隊戦があり、少なからず損害を出しつつもそれに勝利して以降、アルビオン側からは何の攻撃もなかった。
ちなみにギーシュは艦隊戦の時は船の中で震えていただけだったが(艦隊戦では銃歩兵隊に出来ることなどほとんどない)、きっと上陸してからすぐに物凄い戦いになるに違いない、となけなしの勇気を奮い立たせてもいた。
しかしその予想は見事に外れてしまったことになる。
そしてそれは連合軍の首脳部も同じだったらしく、港町ロサイスに上陸してから起こるであろう『決戦』に備えてすぐに陣地を構築したものの、アルビオン軍が何のアクションも起こしてこないので結局は時間と兵糧を無駄に潰してしまった。
この結果に首脳部はもちろん拍子抜けしたが、兵士の多くもまた肩透かしを食らったような感覚になり、おかげで軍全体の士気は微妙なムードだった。
しかし、それも先日までの話。
トリステイン・ゲルマニア連合軍は長い行軍を終え、今まさに街道の集中しているアルビオンの古都シティオブサウスゴータを攻略するべく陣を構築している真っ最中なのであった。
予定では明日の夜明け前には進軍する手筈になっている。
ちなみにギーシュの所属するド・ヴィヌイーユ独立大隊はかなり前方、と言うかほとんど先頭に配置されていた。
しかもギーシュの中隊は大隊の中でも更に戦闘に配置されている。
これに仰天したのは他でもないギーシュである。
そりゃあ一番槍は名誉なことだが、逆に言うとそれは一番敵と戦う確率が高いという意味だ。
つまり、一番死ぬ確率が高い。
何で僕たちみたいなロクでもない大隊が……いや、ロクでもないから一番先頭なのか。
なるほどなぁと思わず納得してしまったが、そんな素直に納得してる場合ではない。
士官教育終わりたての任官したてで、いきなり中隊長を任せられたと思ったら、初陣で一番槍って。
しかも自分は学生士官。
分不相応にも程がある。
いや、手柄を立てるチャンスが目の前にぶら下がっていることは嬉しいけれども。
正直言って、痛いのや怖いのや死ぬのは嫌だ。
そんな風に功名心と恐怖心とを葛藤させつつ歩いていると、トントンとニコラに肩を叩かれる。
「中隊長殿」
「な……、何だね?」
「そっちにまっすぐ進むとシティオブサウスゴータにお一人で突撃しちまうことになりますが、いいんですかい?」
「え?」
言われて顔を上げてみれば、もうとっくに自分たち中隊が向かうように指示された位置だった。
五リーグほど離れた遠くには、なるほど確かにシティオブサウスゴータの城壁が見える。
「ぎゃあ!」
叫びながら慌てて飛び退くギーシュ。
これだけ距離が離れていればちょっとやそっと飛び退いた程度では全く影響はないのだが、そこは気分の問題だ。
「いやあ、てっきり功を焦って馬鹿なことをしでかしたかと思っちまいましたよ」
「そんなワケないだろ! そりゃ僕だって名誉や手柄は欲しいけど、同じくらい命も惜しいし、死にたくない!」
「素直ですな」
「この期に及んで嘘なんかついてもしょうがないだろ!」
何せ下手すりゃ明日には死んでしまうのである。
下手に虚勢を張ったり取り繕ったりするよりは、なるべく自分に正直に生きていたいと思うのがギーシュ・ド・グラモンという人間なのであった。
「まあどんなに遅くとも突撃は明日の朝になるでしょうから、なるべく早めに腹をくくっておくことですな」
「……くくりたくないなぁ」
ブツクサ言いつつ、ギーシュはごく簡易的な天幕の設営を始める。
これからしばらくの間待機して、夜が更けたら突撃開始点まで移動して、もう一度待機して、突撃のラッパと同時に突撃―――という流れになっているわけだが、夜が更けるまで野ざらしで突っ立っているわけにもいかないからだ。
と言うか、上の方から今の内に休息を取るように命令までされている。
別に命令などされなくとも、休むときには休むのだが。
「さて、それじゃ休憩がてら飯にしますか」
「飯って……またあの肉っぽいアレかね? 正直、とてもじゃないが美味いとは思えないんだが……」
「ですが無いよりはマシですぜ」
「そりゃそうだけどなぁ」
さも食べたくなさそうな顔をするギーシュ。
彼が言った『肉っぽいアレ』とは、豆から作ったパン状の生地に『錬金』の魔法をかけて肉の味をつけた通称『代用肉』と呼ばれているものである。
外見はそれなりに肉のように見えはするのだが、先程のギーシュの言葉にもあったように味や食感の方はあまりよろしくない。
特にギーシュのようにそれなりに舌の肥えてしまっている貴族たちには不評であった。
「肉……と言うか、『肉風味の何か』と言うか、とにかくそんな感じがするんだよ」
「いやいや、金のない平民にとっては立派な『肉の代用品』ですって。値段も手頃ですし、平民の間じゃそこそこ売れてるって聞きますぜ、あれ」
「値段ねぇ」
自分たち兵士に『代用肉』が回されてくるのは、おそらくその辺りの理由によるものだろう。
何せトリステインにもゲルマニアにも金がないのだ。
支援
いや、それなりにありはしたのだが戦のためにほとんど使い果たしてしまった、と言った方がいいか。
よって兵糧や弾薬などの備蓄も少なくなってしまい、必然的に短期決戦を挑まねばならないという状況になっている。
ちなみにこのような兵の不安を煽るような情報は士気に関わるため伏せられるのが普通である。
しかし、いくらひた隠しにしようが所詮は自軍内の情報であり、噂話程度の漏洩はいくらでも起こり得てしまう。
そして人の口に戸は立てられず、噂というものは無責任に尾ひれをつけつつ広がっていく習性を持つ。
そのためトリステイン・ゲルマニア連合軍の多くの兵は『自分たちはかなり切羽詰まった状況に置かれているのだ』という意識を持ちつつあった。
閑話休題。
とにかく配給品として『代用肉』が出されるのに変わりはない。
まあ確かに肉が全くない状況よりはマシだが、あんまり進んで食べたいと思わないのだ。
「いっそのこと、中隊長殿が魔法をかけてあの肉をもっとマシにしてみたらどうです? 戦の前に魔法を無駄使いするのはいけませんが、この戦いが終わってからってことで」
「うーん……それは僕も考えたんだが、前に知り合いに“食べ物への『錬金』は余程の自信がない限りやめろ”って言われたのを思い出してやめた」
「余程の自信? そんなに難しいことなんですかい、あの『代用肉』を作るのは?」
ギーシュの言葉を聞いて、興味深げにニコラが問いかける。
「えーと……確か『錬金』を使うメイジが餓死を意識するくらいの飢餓状態で、かつその状態で『食べたいもの』を渇望するくらいのイメージの強烈さが必要らしい」
「……そりゃまた命懸けですなぁ」
前に聞いたことをどうにかして思い出すようにしながら、ギーシュは説明を続けた。
「『ただ食べられるもの』を作るだけならそれほど難しくはないんだけど、食べものっていうのは割と些細な変化で味や食感が変わるから、最低でもそのくらいしないと『美味い』と感じるものを作ることは出来ないんだそうだ。
しかも下手するとタンパクシツやタンスイカブツとかいう成分を『錬金』し損なって、有害なものが出来かねないとか何とか……」
「はあ。……自分には難しいことは分かりゃしませんが、それが大変だってことは分かりました」
「うん、正直僕にもよく分からない」
「?」
ポリポリと頭を掻いて一応の理解を示すニコラだったが、そこでふとギーシュの言葉に不可解な点が混じっていることに気付き、その点をすぐさま質問した。
「その口振りだと、誰かからの受け売りのように聞こえますが……どこかの学者さんに知り合いでも?」
それを受けてギーシュはやや恥ずかしそうにこの知識の出所を語る。
「まあ……クラスメートの使い魔にちょっとね」
「使い魔? と言うとアレですかい、猫とか鳥とかの? ……はあ、メイジの使い魔ってのはそんな難しいことも勉強するんですなぁ。ってことは中隊長殿のモグラも?」
「ああ、いや、そうじゃなくて…………まあいいか、説明するとややこしくなるし」
説明を放棄して、地面に腰を下ろして取りあえずの休息を取り始めるギーシュ。
これからしばらくすれば、嫌がりつつも待っていた戦が始まるはずだ。
自分にとっては初陣となるが……果たしてどんなものが待ち構えていて、どんなことが起こるのだろうか?
「何にせよ、明日の夜かぁ……」
配給されたブヨブヨしている『代用肉』をかじり、遠くに見えるシティオブサウスゴータを眺めながら、ギーシュは呟く。
「魔法学院では今頃、何してるのかなぁ……。モンモランシーは元気だろうか……」
謎の缶詰でも喰らえ支援
「ぐはっ!!?」
神聖アルビオン共和国皇帝オリヴァー・クロムウェルは個室にて付き人のデブデダビデに殴られ、盛大に吹っ飛んだ。
そしてそのままゴロゴロと床を転がり、壁にドスンとぶち当たってようやく停止する。
「う、う、うぅ、ぐ……!」
呻き声を上げながら立ち上がるアルビオン皇帝。
その姿からは、威厳や風格といった類のものはカケラも感じられなかった。
「……あぁ、皇帝陛下? 俺の聞き間違いだったら悪いから、先程貴様が口にしたことをもう一度だけ言って貰えるか?」
「ヒ、ヒィ……!」
付き人に凄まれ、クロムウェルはガタガタと震えながらも再びその言葉を告げる。
「わ、私は……私は恐いのです、ミスタ! ミスタ・デブデダビデ!! あのアインストという正体不明のバケモノは我が国の各地に出没し、軍はその対応に手一杯!
その上トリステインとゲルマニアが攻め込んで来ました!! アインストに引き付けられたせいで艦隊の対応は遅れ、奴らとの戦闘によって我が軍の艦隊はほぼ壊滅状態に陥り、しかも敵は要所であるシティオブサウスゴータを今夜にも……」
ペラペラと『いかに我が軍が窮地に立たされているか』を語るクロムウェル。
彼の顔には、追い詰められた切実さや悲愴感がにじみ出ていた。
だがそれを聞いたデブデダビデは不機嫌そうに舌打ちをすると、ヅカヅカとクロムウェルの元まで歩いていき、その身体を無造作に蹴り飛ばした。
「ごぇえっ!!」
叫び声を上げつつ、またもや床を転がるクロムウェル。
そして小太りの男は露骨に呆れた様子を見せながら、痩せた小男に語りかける。
「今更何を言っている。俺も聞いた話でしかないが、『王になってみたい』と言ったのは貴様ではないのか?」
「そ、それは……確かにその通りですが……」
かつての出来事がクロムウェルの脳裏をよぎる。
もう三年も前になるだろうか。
当時ただの司教でしかなかったクロムウェルが、ちょっとした届け物の用事でガリアの首都リュティスに向かった時のこと。
何の気なしに立ち寄った酒場で、物乞いの老人に酒を一杯おごり……。
―――「司教。酒のお礼に望むものを一つ、あなたにあげよう。言ってごらんなさい」―――
―――「望むもの? ハハ、そうだな。それならば王になってみたい」―――
無論、酒の席でのたわむれの言葉だ。
物乞いに『望むものをあげよう』などと言われて、本気にする者はまずいない。
しかしその翌日の朝、宿泊した宿にガリアの魔法騎士が現れ、あれよあれよと言う間にラグドリアン湖まで連れられ、水の精霊から『アンドバリ』の指輪を奪うことになり……。
気が付いたら、一介の地方司教にすぎなった自分は『レコン・キスタ』の盟主となってアルビオン王国に戦いを挑んでいたのだ。
なお、この目の前のデブデダビデという男が派遣されてきたのは、そのアルビオン王国との戦いの末期のことである。
「おお……、空の上のこの大陸だけで、小物の私には過ぎたるものでありましたものを……。何ゆえにトリステインやゲルマニアへ攻め込む必要があったのでありましょうか?」
「『聖地』とやらの奪還のためだろう。……貴様らハルケギニアの人間、特にブリミル教徒にとっては気の遠くなるほどの年月をかけた至上の目的だと聞いているぞ」
「私とて聖職者の端くれであります。聖地回復は夢であることに間違いはないのですが……」
「それならば民の先頭に立ち、その夢に向けて邁進していろ」
こともなげに言うデブデダビデに向かって、クロムウェルは今にも号泣しかねない勢いでまくし立てる。
「わたっ、私には荷が重過ぎるのです! 敵が……我が国土に敵が攻め込みました!! あの無能な王たちのように私を吊るそうと、敵がやって来たのです!! どうすればいいのでしょうか!!?
あのお方は! あのお方は確実にこの忌まわしい国に兵をよこしてくれるので……」
「チッ」
再び露骨に舌打ちするデブデダビデ。
もはやいちいち殴ったり蹴ったりするのも面倒になってきたらしい。
「……だが、その指輪にはもう一働きしてもらわねばならん」
「は?」
デブデダビデは足下にすがり付いてくるクロムウェルの腕を左手で掴み、強引に捻り上げた。
「ぎぃぁぁああああっ!!」
「わめくな。腕がなくとも生きている奴などいくらでもいる」
ミシミシと音を立てるクロムウェルの腕。
その先端、指に嵌められていた『アンドバリ』の指輪に、デブデダビデは視線を集中させる。
「な、何……を?」
クロムウェルはいきなり妙な行動を取り始めたデブデダビデへと問いかけるが、彼はアルビオン皇帝であるはずの男をほぼ完全に無視し続けていた。
「容れ物は……フン、取りあえずアレでいいか」
空いている右手で近くにあった小さめの水差しに手を伸ばし、フタを外して指輪の近くまで持ってくる。
そしてクロムウェルの腕を掴んでいるデブデダビデの左腕が淡く光りだし……。
「ぁ……ぁ、が、ぐぎゃぁぁぁあああああああああああああああ!!!!」
「やはり俺では、干渉による抽出は不可能なようだな……。力尽くで搾り出すしかないか」
ビギビギとクロムウェルの腕から指にかけてヒビが入るかのように裂傷が走り、それに合わせてクロムウェルも絶叫を上げる。しかしデブデダビデは構わずその手を光らせ続けた。
『アンドバリ』の指輪は光に呑み込まれ、やがて指輪自体も光を放ち……、
ぽたっ、ぽたっ。
まるで溶け出していくかのようにして指輪から水差しへ雫がこぼれ落ちていき、その水差しに数滴ほど雫が注がれた時点でデブデダビデの手の発光は消えていく。
なお、水差しにはクロムウェルの血も決して少なくない量が入っていたが、それに関してはやはり無視されていた。
「……こんなものだな。まったく、エネルギーの抽出などという繊細な作業は得意分野じゃないんだが……。まあ我が神は混沌をお望みだからな、仕方がないか」
水差しの中の液体を揺らしながら、デブデダビデは息をつく。
どうやらそれなりに疲れる作業だったらしい。
「さて、どのタイミングで使うのがベストなのだろうな」
そのまま歩いて部屋から出ようとするデブデダビデ。
しかし、そんな彼に腕をズタズタにされたアルビオン皇帝が悲痛な様子で声を荒げた。
「お、お待ちください!! どこへ、どこへ行かれるのですか!!!?」
「あ?」
デブデダビデはいかにも面倒そうにクロムウェルを見る。
「……ああ、少し出かけてくるだけだよ。心配するな」
「本当ですな!? 戻って来られるのでしょうな!?」
「しつこいな。俺にも色々と仕事があって、お前にばかり構っているわけにはいかないんだよ。その指輪は精神安定剤の代わりにくれてやるから、それで何とか上手くやれ」
「そ、そんなことを言われましても……!!」
血まみれの腕を引きずりながら、クロムウェルはまたデブデダビデにすがり付こうとする。
そんなクロムウェルに対してデブデダビデはわずらわしさを隠そうともせず、いい加減に対応した。
「あー……アレだ。確かトリステインの教育機関を占拠して、貴族のガキを人質にしようってプランがあっただろう。それで起死回生でも狙え」
そう言えば決行は今夜だったかな、と首をひねりながらデブデダビデは言う。
だがクロムウェルは納得しない。
「失敗すれば何とします!! 逆に言えば、それしか起死回生の手段はないのですぞ!!」
「別に負けると決まったわけでもないだろう。サウス……なんとかという街も陥落するとは限らんし」
「ミスタ……!?」
まるでこの戦争の行方などどうでもいい、と言わんばかりのデブデダビデにクロムウェルは大いに困惑した。
どういうことだ。
この男は自分の補佐をし、アルビオンを勝利に導くためにガリアから使わされたはずではなかったのか。
口をパクパクと激しく開閉させながら何とか二の句を継ごうとするクロムウェルだったが、しかし小太りの男はそんな暇も与えずに一方的に喋る。
「まあ、いずれにせよ明日だ。……明日の夜が明ける頃には、その二つの結果が出る。その報告を大きく構えて待つのがお前の仕事、ということだな」
そして水差しを持ったまま部屋を去っていくデブデダビデ。
「お、お待ちを!! ミスタ!! せめて、せめてガリアが兵をよこしてくれるという確実な保証を……!!」
アルビオン皇帝は必死に声を張り上げて自分の付き人を呼び止めようとするが、その相手が皇帝の方を振り向くことはなかった。
ラ・フォンティーヌ。
病弱で領地から出ることを許されず、嫁に行けなければ婿も取れない二番目の娘を不憫に思ったラ・ヴァリエール公爵が、
『せめて限られた領地の中だけでも出歩く機会を作ってやろう』
と、自分の領地の一部をその二番目の娘に分け与えた土地である。
これによって二番目の娘―――カトレアはフォンティーヌ家の当主となり、取りあえず体裁だけでも貴族の形を取れるようにもなったため、一石二鳥の方策と言えた。
とは言え、ラ・フォンテーヌは実質的にはあくまで『ラ・ヴァリエールの一部』という扱いでしかなく、領地の管理はほとんどヴァリエール家がやっているのだが。
そんなラ・フォンティーヌの領地にある、ほとんどカトレアのためだけに建てられたと言っても過言ではない屋敷の中。
カトレアは銀髪の男と二人きりで楽しそうに話をしていた。
「それじゃやっぱり姉さまは生徒に厳しいんですか?」
「……エレオノールは基本的に『褒める』ということをしないからな。基本的に打たれ慣れていない魔法学院の貴族の娘には厳しく見えるかも知れん」
「うふふ。ある意味じゃ予想通りね」
ニコニコと微笑んでユーゼスと会話をするカトレア。
会話と言ってもそう大したものではなく、診察の後の世間話程度でしかない。
本当に取るに足らない話題なのだが、しかしカトレアは楽しそうだった。
(……何が面白いのかよく分からんが、まあ構わんか……)
別にカトレアが面白がることが悪いわけではないし、彼女の笑顔を見るのは……まあ、嫌ではない。
そしてユーゼスは、その世間話の新たな題材を持ち出した。
「エレオノールと言えば、昨日の夜は少し苦労させられたな」
「まあ、どうしたんです?」
昨夜に起きた出来事のあらましを話すユーゼス。
その内容を要約すると『昨日は酔っぱらったエレオノールに四苦八苦させられた』となるのだが、それを聞いたカトレアの反応はユーゼスの予想とは異なるものだった。
「…………あら、まあ」
カトレアの周囲にただよっていた空気が、わずかに硬質化する。
なお、因果律の操作だとかエレオノールの頬をうんぬんの部分は隠している。
前者についてはもちろんのこと、後者については『言わない方が良い』とユーゼスの何かが警告していたのだ。
だが……。
「……それで、どうでした? エレオノール姉さまの抱き心地は」
「む? ……いや、私は『抱きつかれた』のであって、決して『抱きついた』わけではないのだが」
逆に言うと、そこ以外の部分は包み隠さずカトレアに話していたのだった。
「そうですか? 手早く振りほどこうと思えばいくらでもやりようはあったのではなくて?」
「下手に力まかせに振りほどいて怪我をさせるわけにもいくまい。ならばひとまず様子を見て抱きつかれたままでいた方が良いと判断した」
「……つまり『振りほどけなかった』ではなく『振りほどかなかった』ということでよろしいのかしら?」
「結果的にはそうなる」
「ふぅん……」
カトレアは興味深そうな目でユーゼスの顔を覗き込んでくる。
―――この時ユーゼスの脳裏に、何故か昔ウルトラ警備隊の人間に尋問された時の光景が頭をよぎった。
何故だろう。
「それと……一応確認しておきますけど。その後でエレオノール姉さまとは何も無かったんですよね?」
「当然だろう。別に私はやましいことなどは全く考えていないし、何も手出しはしていないぞ」
「あら? 私は別に『やましいこと』だとか『何か手出しをした』なんて一言も口に出した覚えはないんですけど。……ということはユーゼスさん、そういうことに心当たりがあるんですか? エレオノール姉さまを相手にして」
「む……?」
何だか、雲行きが怪しい。
他愛もない世間話のつもりだったのに、いつの間にか自分が問い詰められているような空気になっている。
と言うか普通に『エレオノールのこと』を話すだけならにこやかな会話だったのに、『エレオノールに抱きつかれた』という話になったらどうしてこんな空気になってしまうのか。
(……分からん……)
『女心』という単語の存在すら知らないユーゼス・ゴッツォは首をひねるばかりだった。
しかしカトレアが癇に触ったポイントがどこにあったにせよ、この場は切り抜けなければなるまい。
適当な言葉を並べ立てる、という手もあるにはあるが……ここで嘘をつくのも何やらためらわれると言うか、この女性に対しては嘘をつきたくないような気がする。
「いや……まあ、全くないといえば嘘になるが」
自分でもよく分からない感覚に後押しされ、つい誤魔化すことを選択肢から消してしまうユーゼス。
するとカトレアはにっこりと笑い、まるで出来のよい子供を褒めるような様子で感想を述べた。
「まあ、正直な方」
「……………」
とてもにこやかな笑顔なのだが、妙な圧力を感じてしまうのはどういうことか。
今のカトレアの様子を表す適切な表現が思い浮かばないのだが、強いてその言葉を捜すとするなら……。
笑っているけど、笑っていない。
そんな印象である。
「私、ユーゼスさんのそういうところって嫌いじゃありませんよ。……ええ、本当に」
「……そうか」
よく分からないが、この言葉からしてカトレアは一応ユーゼスのことを肯定してくれているらしい。
ならばそう警戒する必要もないか、とリラックスしようとしたが、その矢先に。
「…………じゃあ正直ついでに、今までエレオノール姉さまとの間にあった出来事を全て話してもらおうかしら」
「何?」
「あら、どうしました? 別にやましいことはないんですから、話すのに不都合はないでしょう?」
笑顔のままで、ずいっとユーゼスに詰め寄るカトレア。
そんなヴァリエール家の次女に気圧されつつも、ユーゼスはどうにか反論を試みた。
「待て、カトレア。『全て話してもらう』と言われても、どこからどこまで話せばいいのか……」
「だから『全て』です。ユーゼスさんの記憶にある限りのことを最初から最後まで。全部。いっさいがっさい。何もかも。包み隠さずに。みんな。……分かります?」
「…………今からそんなことをすれば、終わるのは真夜中になるが」
現在はちょうど日が沈みかけている時刻である。
ユーゼスとしてはそろそろ帰ろうかと考えていた頃だ。
今からカトレアの要望どおりにエレオノールとの間にあった出来事をいちいち口頭で説明すれば、下手をすると夜明けまでかかってもおかしくない。
何せエレオノールに初めて会ってから現在まで八ヶ月も時間が経過している。
その情報量も半端ではない。
「いいんですっ。母さまや父さまには、あらかじめ『今夜はもしかしたらフォンティーヌの屋敷から帰らないかも知れません』って言っておきましたから」
女の口から出る言葉としてはかなり凄いことを言われているのだが、しかしユーゼスはその意味に気付かないまま話を続ける。
「しかし私は日帰りのつもりだったのだが」
「………。別にルイズだって鬼じゃないんですから、たまに帰りが遅くなったくらいでどうこう言ったりはしませんよ、きっと」
「夜更かしは身体に障るぞ。特にお前の場合は」
「ちょっとやそっと夜更かししただけでどうにかなる身体なら、私はとっくの昔に死んでます」
「……………」
「……………」
やや怒ったような目つきでじぃっと銀髪の男を見つめるカトレアと、たじろぎつつも桃髪の女性からの視線を受け止めるユーゼス。
二人は二十数秒ほど無言でそうしていたが、やがてユーゼスの方から確認の質問がいくつか投げかけられた。
「……長くなるぞ」
「構いません」
「聞いていて面白い話でもない」
「それはその話を実際に聞いてから判断します」
「睡眠時間が短くなったせいで後々体調が悪くなっても、私には責任が持てん」
「大丈夫です。これでも昔はルイズと一緒によく夜更かししてましたから」
「……やれやれ」
ユーゼスは根負けしたように溜息をつく。
そしてカトレアの要望に応えるべく、取りあえず昔のことを思い出し……。
「……さて、何から話したものか」
「もちろん一番最初からです」
「……………」
どう足掻いても長くなりそうな予感に辟易するのだった。
以上です。
原作の才人は2巻で寝てるルイズを襲おうとしたり気絶しているルイズにキスしたりしてましたが、ウチの子はそんなはしたない真似はしませんのです。
しかし、もうデブデダビデが完全にオリキャラ化しておりますな……。何だこの能力。
ミョズ能力付加でもやっておけばよかったかなとも思いますが、そうすると『能力を付加した意味や意義』みたいなのを考えなきゃならんですし……。
まあ闇脳さまのご加護ということで、お一つ。
ちなみに行軍については完全に私の素人にわか知識によって書かれております。
……それほど的外れではないことを祈るばかりです。
さあて、次回はとうとう戦闘パート……になればいいのですが。
何か私のことだから、その前段階がダラダラ延びそうな気がします。
とりあえずスパロボNEOが発売される前には次の話を投下したいですね。
それでは、支援ありがとうございました。
支援
なんてウザかわいい女共乙
GJ!!
もうユーゼスは長女と次女と結婚しちゃえばいいのよ
おおう、起きたら来てた!うぽつ!
投下乙です。
>「聞いていて面白い話でもない」
いやとても面白いと思うぞ? 最終的にどんな落ちになるか期待してる俺達的には。
………あーそういえばルイズやエレオノールと川の字になって寝た事もあったよなあユーゼス。
タルブ上空でエレオノールにプラーナ補給してもらった事もあったし……
さすがはヴァリエールキラー
他にも色々あったと思うが、一通り喋った後のカトレアの笑顔がどんななのかに期待大だねこれは。
ラスボスの人乙&GJ!
このユーゼスは…w
もう三姉妹と結婚しちまえw
次回に超wktkしつつ正座待機。
才人「俺でさえデレなかったエレオノールをデレさせただと・・・!?」
ま、あれだね? サイトくんもね、あれでよく頑張ってると思うよ?
>49
乙。
フラグの建て方次第でラスボスの三姉妹の順番が変わるのですね。
>>62 どうでもいいけど原作の才人は「才人の頑張り物語」って名づけていいぐらい
頑張ってる
>>65 報われてないけどな。まあ後はルイズの成長如何だな。もちろん体以外の所での。
まぁ、体が成長しちゃったらあの性格だし魅力ゼロになっちゃうからな。
何を言う。そこにコンプレックスを抱いているのが良いのではないか。
ハルケギニアの適齢期から外れてしまっているのを軽〜く責めつつだな(ry
>>68 ルイズって適齢期から外れてたっけ。
もしくはエレオノールのことか
乙でした
×ルイズ
×タバサ以外は珍しいですがおもしろいです
しかしリュリュの代用肉はこんなところまで浸透してるのか
>>53 ルイズの立場ネェッェェェェェェエェェ!?
72 :
借りてきた猫:2009/09/22(火) 17:45:15 ID:xS22ZBvE
ラスボスの人乙です
他に投下予定の人が居なければ17:50頃に投下します
73 :
借りてきた猫:2009/09/22(火) 17:51:21 ID:xS22ZBvE
ギーシュとクロちゃんが躾と言う名の決闘としている時、
学園の責任者であるオールド・オスマンは真面目な顔をしていた・・・・・・
・・・・・・白?いや・・・水色か?もう少し近寄って・・・・・・
「ぎゃっ・・・・・・!」
「どうしました?オールド・オスマン?
ああ、今ネズミを捕まえた所ですよ、
学園にネズミなんて不衛生なので外に離して来ますね」
「いや、それはわしの・・・・・・
おおお、シッポを掴んだまま振り回さないでくれ〜
ちぎれる、ちぎれる〜〜〜〜!!」
ロングビルが扉を開けようとした時に丁度コルベールが入ってくる
「あ、これはミス・ロングビル失礼!」
「いえいえ、入れ替わりですみませんが少し席を外しますね」
そう言ってネズミ ーモートソグニルー を持ったまま出て行く・・・・・・
「オールド・オスマン、大変です!」
「なんじゃ、騒がしい」
「広場でミスタ・グラモンとミス・ヴァリエールの使い魔・・・・・・
扱いのクロちゃんの決闘です」
「また、あのグラモンの馬鹿息子か・・・・・・
どうせ、また女性関係のトラブルじゃろ、ほおっておきなさい」
「しかし、ミスタ・グラモンの実力は解りますが
クロちゃんの方は未知数なのですよ?
念の為に『眠りの鐘』の使用許可を!」
「ほおっておきなさい・・・・・・あの時に見た様子では大事が起こるとは思えん
が・・・・・・見て判断するとしよう・・・・・・」
そう言って鏡を見る・・・・・・丁度対峙した所の様だ・・・・・・
ギーシュは相手を甘く見ていた・・・・・・
サイズが小さいのと召喚したのがゼロのルイズだったからだ・・・・・・
「な!?」
僕のワルキューレが吹っ飛ばされた?
まさか陰でミス・ヴァリエールが手を貸したのか?
しかし、彼女は爆発しか起こせない筈だ?
今のは爆発など起きていない・・・・・・
じゃあ、何故?
ワルキューレを見ると3度程斬られた跡があった
・・・・・・まさか、あの使い魔がやったと言うのか?
「やれやれ・・・・・・どうやらキツイ躾の方が好みの様だね、使い魔くん」
そう言って新たにワルキューレを4体出す
今度は武器も持ったタイプだ
「さぁ・・・・・・第2ラウンドだ!」
74 :
借りてきた猫:2009/09/22(火) 17:52:22 ID:xS22ZBvE
クロちゃんは妙に落ち着いていた・・・・・・
壊しても大丈夫って事は多分作り物って事・・・・・・生き物じゃない・・・・・・
ボクのアタック3回で動かなくなった所を見ると
あのワルキューレってのは能力的にはそんなに強くないみたい・・・・・・
ん・・・・・・今度は4体かぁ・・・・・・でも、
みんな近接攻撃みたいだから大丈夫かな〜
何故かここだとセットしてない覚えてるスキルも使えるみたいだし
多分、凌げるかな・・・・・・
4体のワルキューレがクロちゃんを囲み一斉に攻撃しようとした時
またワルキューレが吹っ飛んだ、4体全部が・・・・・・
「な・・・・・・なんだ?」
また剣の攻撃か?いや、違う・・・・・・彼の爪だ!爪で攻撃されたんだ!
そんな僕のワルキューレ達が子猫の爪にやられる?
僕のワルキューレはそんなに脆いのか?いや・・・・・・違う・・・・・・
ここに認めたくない事実を悟った・・・・・・
彼の方が強いのだと・・・・・・
くっ・・・・・・どうする・・・・・・そうだ最初に出したワルキューレで僕自身を守って
あの使い魔が攻撃して来た所を逆に奇襲してやれば・・・・・・
「もう、攻撃は来ないの?じゃあ今度はボクの番だね・・・・・・」
「くっ・・・・・・ワルキューレ!僕を守れ!」
後はあの使い魔がまたこのワルキューレを攻撃してる内に別ので・・・・・・
「えっ!?」
ワルキューレはクロちゃんを止める事も出来ずに崩れ落ちる・・・・・・
良く見ると電気でも流された様になっているがそれを見る余裕は
ギーシュには無かった・・・・・・
「これからボクがマスターに唯一許された対人魔法を使うよ、
ルイズおねえさん・・・・・・」
「えっ!?えっ!?」
ルイズと同様に周りのギャラリーも不思議に思った・・・・・・
使い魔が魔法を使う?杖も無いのに?まさかあの持ってる剣が杖なのか?
『マリンカリン』
クロちゃんは唱えた・・・・・・その結果・・・・・・
一同は魔法を受けたギーシュの様子を窺う・・・・・・外傷は無いが・・・・・・
「メ・・・・・・」
「メ?」
「メッロメローーーーーー!!!」
みんなこけた
そして、クロちゃんに抱き付き、眼をハートにしているギーシュの図があった
75 :
借りてきた猫:2009/09/22(火) 17:53:37 ID:xS22ZBvE
そう言えばクロちゃんはマスターの意向で攻撃系は無いって言ったわね・・・・・・
ルイズはちょっと忘れていた
「あの子あんなサイズでも強いのね〜、尚更欲しくなったわ」
「同感・・・・・・でもそれ以上にあの子不思議な技を持ってる・・・・・・」
「技?」
「ワルキューレを貫いた時、剣が雷を帯びてた・・・・・・」
「ああ、そう言えば・・・・・・それにしても最後の魔法は何なのかしらね?」
「多分・・・・・・」
「多分?」
「精神操作系の魔法・・・・・・」
冷静に結果を分析をするキュルケとタバサ・・・・・・
キュルケは『マリンカリン』に着目し、
タバサは『稲妻突き』に着目した・・・・・・
広場の様子を鏡で見ていたオスマンとコルベール・・・・・・
「怪我が無くて良かったと見るべきなのでしょうか?」
「かもしれんのぉ・・・・・・」
「しかし・・・・・・あのクロちゃんの強さは一体?」
「さぁのぉ・・・・・・ただ言える事は
彼にはグラモンを殺す意志は無かったと言う事じゃな」
「彼ほどの者を仕えさせる者とはどのような者なのでしょうね?」
謎は尽きない・・・・・・
決闘に近い躾が終わり周りが午後の授業に行く頃になってギーシュは正気に戻った
「僕の負けだな・・・・・・使い魔くん・・・・・・」
「・・・・・・今ならボクの言いたい事を聞いてくれる?」
「負けたからね・・・・・・いいさ、聞こうか」
「まず、女性には優しくしないと駄目だよ」
「あ、ああ・・・・・・」
「次に、自信を持つ事は良いけど慢心しちゃ駄目だよ、常に磨かないと」
「えっ!?あ、ああ・・・・・・」
「最後に・・・・・・男が女性を泣かせて良いのは自分が死んだ時だけだよ」
「!?」
この子はずっと女性の為に戦い続けていたのだと・・・・・・
この子はこの体でずっと女性を守り続けていたのだろうと・・・・・・
今解った・・・・・・なるほど・・・・・・僕などでは勝てない筈だ・・・・・・
「使い魔くん・・・・・・1つ良いかな?」
「なに?」
「キミの名前はなんだい?」
「マスターからはクロちゃんって呼ばれてるよ」
「そうかい、クロちゃん・・・・・・ありがとう・・・・・・」
そう言うギーシュの眼はもう軟派な眼ではなかった・・・・・・
彼がどのくらいの努力をして来たかはわからない・・・・・・
でも、彼に戦いを挑んだ事を笑って言えるくらいに自分を磨こう・・・・・・
「しかし・・・・・・躾けるつもりが逆に教えられるとはね・・・・・・」
笑いながら彼は迷惑を掛けた女性達に謝罪をしに向かった
76 :
借りてきた猫:2009/09/22(火) 17:54:27 ID:xS22ZBvE
夜、ルイズの部屋にて・・・・・・
「クロちゃん、わたしねあなたが強いって疑ってた・・・・・・ごめんね」
「いつもの事だからそれは良いよ、ただこれからは信じてね」
「うん・・・・・・ただちょっと疑問なんだけど・・・・・・最後のあの魔法は何?」
「あの魔法だけがマスターがボクに許してくれた魔法だよ」
「それはあの時にも聞いたけど・・・・・・どんなものなの?」
「魅了する魔法だよ」
へぇ〜、そんな魔法があるんだ〜・・・・・・って・・・・・・
「じゃあ、アレってギーシュがクロちゃんに惚れてたって事!?」
「そうなるかな〜数分で効果が切れるけど記憶に残るんだよね」
なんて瞬間惚れ魔法・・・・・・何と言うか・・・・・・
本当にクロちゃんのマスターは何を考えているんだろう・・・・・・
「まぁいっか〜クロちゃんもギーシュも怪我が無かったし・・・・・・
今日はもう寝ましょうか・・・・・・クロちゃん寝るわよ〜」
「は〜い」
ルイズは気がついてなかった・・・・・・
クロちゃんが来て少しづつ環境が変わりつつある事を・・・・・・
77 :
借りてきた猫:2009/09/22(火) 17:57:14 ID:xS22ZBvE
これで今回の投下は終了です
戦闘シーンは難しいですねー
ちなみにギーシュはLv14で
ワルキューレはLv11くらいの強さだと思ってます
乙。シルバーウィークは凄い連投が続いたなー
>>77 933 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/22(火) 01:31:28 ID:Y7bPAZNP
>>916は、こいつだったのか?
667 名前:借りてきた猫 投稿日: 2009/09/20(日) 03:32:40 ID:R7/LdEC.
投下したは良いけどWikiの編集の仕方がわからない〜(@ω@)
ちなみに一話の投下終了が
>>661で、2009/09/20(日) 03:01:14
その後にされたレスが
>>664と
>>667でそれぞれ03:09:27と04:16:47
916 :借りてきた猫:2009/09/21(月) 22:41:58 ID:L0tGO28r
え〜と、まことに勝手なのですが、
どなたかわたしの作品をWikiにまとめて貰えませんか?
題名は「借りてきた猫」
元ネタは「MMORPG『女神転生IMAGINE』」
召喚されたキャラは「未熟なケットシー」
です
本当に勝手だとは思いますがお願いします
>>77 本スレでも言ったんだからさ、避難所だけじゃなくてこっちでも投下時に礼くらい言えよ……
674 名前:借りてきた猫 投稿日: 2009/09/22(火) 09:15:36 ID:n2vz93WA
Wikiにまとめてくれた方ありがとうございます!
ラスボスの使い魔見た。
あいつに匹敵する朴念仁って誰か居たっけ。
サイトもそうだとは思うけど、他に例えばー・・・ドモン?
82 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/22(火) 19:15:34 ID:ihMcWUTc
ねこねこ乙〜♪
ドットのギーシュがLv14。
トライアングルのツェルプストーがLv32、タバサがLv39(もうすぐスクウェアか?)。
スクウェア(+300歳?)のオールド・オスマンでLv88。
だから大体ドットLv10台、ラインLv20台、トライアングルLv30台、スクウェアLv40台。と言う所でしょうか?
(でもコルベール先生、スクウェアなのにLv38なのね、、、、、衰えた??w)
奇遇だが銀週間だったからラスボス全部読んだ
三姉妹がこんなに出てるのって珍しいな
>>81 バージルとかいい勝負だと思うが…
>>82 普通にコルベールはLv60とかいきそうな勢い
85 :
借りてきた猫:2009/09/22(火) 19:26:44 ID:xS22ZBvE
>>80 そうですね、すっかり失念していました
Wikiにまとめてくれた方、ありがとうございました
>>82 だいたいのクラス=Lvはそんな感じですね
ただコルベール先生はWikiで見たらトライアングルと書いてあったので
あと、ネタバレ的な事ですがLvが高い=必ず強いと言う訳ではありません
19:40から、水の精霊編終了の23話を投下したいと思います。
多分、11レスです。
ネタバレも何も、MMORPGじゃ高Lv=強い。低Lv=弱いなんじゃないのけ
面白ければ別に設定とかどうでもいい
面白ければね
俺はゲームのレベルとかパラメーターとかシステムをそのまま出されると萎える
90 :
借りてきた猫:2009/09/22(火) 19:39:58 ID:xS22ZBvE
メガテンMMOでは操作が上手ければLvの高い人よりも強いです
わたしのLv73のメインキャラはLv40くらいの別アカのキャラに火力負け
しています
この話の中で言うとクロちゃんはキュルケにギリギリ勝てますが
タバサには負ける可能性の方が高いです
これはタバサに戦闘経験が有る為、戦い方が上手いと言った物です
なのでコルベール先生はクロちゃんに圧勝出来るでしょう
支援します。
朝。ラグドリアン湖のほとりで一夜を過ごした一行は、もそもそと起き上がる。
これからもう一度、水の精霊と交渉をしなくてはならないモンモラシーは緊張でよく眠れなかったので眼をこすり。朝の弱いルイズやキュ
ルケは、しかし野宿に慣れてないので二度寝をしようとは思わず、寝不足の頭を揺らしながらも起き上がり。慣れているらしいタバサは、し
かし眼を開ければアプトムの顔が見えるという状況で寝るのは精神的疲労が激しく、よく眠れず、やはり憔悴した顔であり。ただ一人、アプ
トムだけが疲労の色の見えない顔で立ち上がる。
もう一人、元気な顔をしたギーシュがいるが、こちらはすぐにアプトムの毛布に潜り込もうとするので縛り上げられて転がされているので
起きることができない。
「ああ、これがきみの愛なんだねアプトム。でも放置プレイは、あんまり楽しくないよ」
そんなことを言ってるギーシュを、汚物を見るような眼で見るタバサは、昨夜はこんなのにやられかけたのかと、密かに落ち込み自分もま
だまだだなと反省する。
そんなこんなで、起き出した彼らは朝食を済ませると、またモンモラシーが昨日と同じように使い魔のロビンを湖に放して、水の精霊を呼
んだ。
「水の精霊よ。もうあなたを襲う者はいなくなったわ。約束どおり、あなたの一部をちょうだい」
その言葉に答えてか、水の精霊である水の塊が震え、その一部がはじけてモンモラシーの持つ瓶に飛び込んだ。
それこそが、水の精霊の涙である。
それで用は済んだとばかりに湖に沈もうとした精霊に、慌てたモンモラシーが呼び止め話しかけると、水の精霊は沈むのを止め、昨日のよ
うにモンモラシーの姿を写しとったカタチになり、なんだ? と問いかけてくる。
「どうして水位をあげてるの? できればやめてほしいのよ」
できることがあれば力になるという言葉に、精霊はおそらくは悩んでいるのだろう。グネグネとモンモラシーを模した体を動かし、しばら
くして答えてきた。
「お前たちに、任せてもよいものか、我は悩む。しかし、お前たちは我との約束を守った。ならば信用して話してもよいことと思う」
そうして精霊が語ったのは、盗まれた秘宝を探しているとの答え。
水の精霊には長く守り続けてきた秘宝があった。それが盗まれたのは、おおよそ二年前。それを取り返すことを決めた精霊は、水を増やし
世界を沈める事にした。
水は、この精霊にとって体の一部のようなもの。水が世界を覆えば秘宝は自分の手に戻る。そんなシンプル且つ迷惑な思考がそうさせたの
だ。
「それなら、わたしたちがその秘宝を取り返してくれば、水を増やすのをやめてくれるのね?」
横から、というかモンモラシーの後ろから口を出したキュルケに、精霊は頷いたつもりなのだろう体を震わせる。
「それで、その秘宝ってなんなの?」
「アンドバリの指輪。我と共に、時を過ごした指輪」
「なんか聞いたことがあるわ。たしか、水系統のマジックアイテムで偽りの生命を死者に与えるという……」
モンモラシーの呟きに、その通りと精霊が続ける。
この世界の魔法はステータス的に表すなら魔力(足せる系統)+器用さと、いう感じだろうなあ
おっと支援
「誰が作ったものかはわからぬが、お前たち単なるものがこの地にやってくる前から存在した、旧き水の力」
「誰が盗っていったのか、手がかりはあるか?」
アプトムの問いに、精霊は答える。曰く、その者たちには風の力を行使する者がいたと、その中の一人がクロムウェルと呼ばれていたと。
「アルビオンの新皇帝の名前じゃない」
呟いたキュルケに、他の皆が注目するが、言った本人はただの同じ名前ってだけの別人かもしないけどね。と付け加える。
「それで、偽りの生命を与えられた者は普通の人間と違うところがあるのか?」
あるのなら、それが手がかりになるかもしれないと問うアプトムに、蘇った者は何者であれ指輪を使った者に従うことしかできなくなると
答えが返ってきた。
「嫌なマジックアイテムね」
呟いたのはキュルケ。死後のこととはいえ、心を縛られ他人の命ずるままに動く操り人形にされるなど、奔放なツェルプトーである彼女に
は受け入れられない話である。
「わかったわ。その指輪はわたしたちが取り返してくる。だから、水を増やすのを止めてちょうだい」
放って置けば精霊が世界を沈めるつもりだと聞いては、どの道やらないわけにはいかない約束である。それにとルイズは思う。
死者に偽りの命を与え、思いのままに操るなどという人の尊厳を踏みにじるマジックアイテムは人の手にあるべきではないのだ。
その想いが通じたのか、精霊はルイズの言葉を受け入れ水を増やすことを止めると約束する。
そうして、今度こそ水の精霊が湖に沈んでいこうとしたとき、タバサが精霊を呼び止めた。
「水の精霊。あなたに一つ聞きたい。あなたはわたしたちの間で、『誓約』の精霊と呼ばれている。その理由が聞きたい」
「単なる者よ。我とお前たちでは存在の根底が違う。ゆえにお前たちの考えは我には深く理解できぬ。しかし察するに、我の存在自体がそう
呼ばれる理由と思う。我に決まったかたちはない。しかし、我は変わらぬ。お前たちが目まぐるしく世代を入れ替える間、我はずっとこの水
と共にあった。変わらぬ我の前ゆえ、お前たちは変わらぬ何かを祈りたくなるのだろう」
その答えに何を思ったのかは、本人にしか分からない。だけど、タバサは頷くと眼を閉じて両手を合わせた。
それは、静謐にして神聖さを感じさせる姿で、ルイズも同じく眼を閉じて誓いを立てることを決める。
そうして、キュルケも、モンモラシーも、ギーシュも二人に倣う。
アプトムだけが、黙って立っていたがそれに文句を言うつもりはない。
ルイズは誓う。必ず立派なメイジになってアプトムを元いた世界に帰すと自分自身に約束する。
他の三人が何を誓っているのかなど彼女は知らない。知ろうとも思わない。
ただ、ギーシュが何を誓っているかだけは分かる。
何故なら、「ぼくは一生アプトムを愛し続けることを誓うよ!」などと叫んでいるから。
とりあえず、モンモラシーと二人で「誓うな!」と殴っておいた。
アンリエッタは夢を見る。
それは幸せな過去の夢。愛した男性と初めて出会った日の夢。愛を語り合い誓い合った日々の夢。
見ても虚しいだけの、ただの夢だ。
だけど、それくらいは許されていいではないか。ただ一つの恋を失い、王などという重責を背負わされた自分には、もはやそれくらいしか
縋れるものがない。それすら取り上げられたなら、もはや立ち上がる力すら残らない。
そうして、ふとアンリエッタは思う。
彼女は、かつてウェールズとの密会で、二人の永遠の愛を水の精霊に誓約をすることを求めたことがある。だけど彼は、はっきりとは愛を
誓ってくれなかった。
彼に送り、後にルイズに回収してもらった恋文の中で始祖ブリミルの名の元に愛を誓ったりもしたが、それも彼女の一方的なものである。
ウェールズは、本当は自分を愛してくれていなかったのではないだろうか?
それは考えることに意味のない疑問である。だけど、心弱い今の彼女は、そんな埒のないことで自分の心を追い詰めてしまっていた。
あるいは、彼女にも悩みを話せるような心許せる誰かが傍にいてくれたなら、もうすこし健全なことを考えられたのかもしれない。
だけど、そんな人間はいない。彼女が心許せるのは、おともだちのルイズただ一人で、その友人は気軽に呼び出していい相手ではない。彼
女には多大な迷惑をかけてしまっているし、自分より彼女の抱えるその秘密の方が、他の者に知れてはいけないのだから。
そんなことを考えていた時であった。部屋の扉がノックされたのは。
「ラ・ポルト? それとも枢機卿かしら? こんな夜中にどうしたの?」
物憂げに問い、ガウンを羽織るとベッドから降りて扉へ向かう。
だけど返事はなくて、だから彼女は扉の前まで来ても、それを開けようとはしない。
「誰? 名乗りなさい。夜更けに女王の部屋を訪ねるものが、名乗らないという法はありませんよ。さあ、おっしゃいな。さもなければ人を
呼びますよ」
「ウェールズ殿下に仕える者です」
誰何の言葉に答えたのは、若い男の声。聞き覚えのない男性の声は、その言葉だけで彼女の心を縛る。
「それは、どういう意味なのでしょう……?」
震える声で問いかけた言葉に、扉の向こうから聞こえる声は告げる。ウェールズは生きていると。そして、アンリエッタに会いたがってい
ると。本人が来なかったのは、ワルド子爵――彼女自身が送った裏切り者に負わされた傷のせいだと。
男の言葉を信じるに値する根拠はない。だけど、本当だったなら、裏切り者を送り出してしまった自分は、罪を償う機会を与えられたとい
うこと。そこに縋りたいと思う自分を彼女は自覚する。
だが、彼女が唯一信頼する友人は、はっきりとウェールズは死んだと言った。それを信じるなら、男の言葉は偽りでしかない。
どうすればいい? どうすることが正しい? 自分はどうしたい?
そんなふうに自問する彼女は気づかない。扉の向こうの男の狙いは、その自問であると。彼女の他への注意力を逸らすことであったのだと。
頭の中がぼやける。体の力が抜ける。そして、膝から崩れ落ちようとする彼女の体を支える誰かの両手。
窓は、いつの間にか開け放たれ。彼女の部屋には、ローブを纏った数人の男たち。アンリエッタの意識を逸らし、その隙を狙い入り込み彼
女に眠りの魔法をかけた者たち。誰が知るだろう。それが、クロムウェルの送った死人たちであるなどと。
女王、誘拐の報は、すぐに衛士たちの間に伝えられた。
王宮から、誰にも知られずに女王を浚うなど、元々不可能なことである。
だけど、失敗とも言えない。目的を果たし素早く逃げ出した誘拐犯たちに追いつけたのは、魔法衛士隊の中でも、もっとも足の速い幻獣を
騎馬とするヒポグリフ隊のみ。そして、彼らは、街道に屍を晒すことになる。
戦闘経験があるってつまり高Lvなんじゃないのかの。
ま、いいか。
こまけぇこたいいんだよ!
彼らとて弱いわけではない。だが、誘拐犯たちの手にアンリエッタがいる以上、女王を巻き込むような魔法は使えない。そして、死人は死
なないのだ。
衛士隊の火の玉が爆裂し誘拐犯の女王を連れていない者を馬ごと吹き飛ばす。風の刃が他の者の首を切り裂き、氷の槍が更に別の者の胸を
刺し貫いた。女王を連れた敵の馬に稲妻をぶつけもした。誘拐犯たちは、まるで避けるということを知らないのかのように簡単に攻撃を受け
ていき十騎いた彼らは、次々と倒れていった。
それで、衛士たちは勝利したと油断した。
それは、大きな間違いであり、致命的な油断。切られたはずの者は、それがなかったかのように、杖を振るった。刺されたはずの者は、突
き立てられた氷の槍をそのままに呪文を唱えた。
油断をつかれた衛士たちは、緊張を取り戻すより前に恐怖する。さしもの彼らも、殺しても死なない者を恐れぬ胆力はない。
そして、死ぬ者と死なぬ者。二つの戦いには決まりきった結果しかなかった。
魔法衛士隊を全滅させた彼らは、何事もなかったように、今だ眼を覚まさないアンリエッタに改めて手を伸ばし、その右腕を風の刃に切り
飛ばされる。
「なんのつもりだ? ワルド子爵」
そう言って向けた視線の先には三つの人影。ワルド、フーケ、包帯の男である。
「なに、アンリエッタを閣下の元に連れて行く役目。この僕が勤めてあげようと思ってね」
不敵に笑うワルドに、死人たちは納得すると共に理解する。
そして、思う。愚かなことをと。
死人たちには、手柄がどうとかいう発想がない。
当然だ。彼らには、欲望も信念もない。あるのは、命令を忠実に果たさなくてはならないという道具らしい衝動のみ。
だが、生前の知識はあるし、生きた人間がどう思考するかを理解する知性がある。
だから、分かる。ワルドが、アンリエッタの誘拐を自分の手柄にしたがっていることを。そして、そのために自分たちの口を塞ぎたがって
いることも。
彼らは死人。すでに命がなく、ない命を守ろうという感情もない。だから、ここで処分されるとしても、そのことに不満はないし下手人に
対する恨みも生まれない。
だけど、道具である彼らには役目がある。その役目を果たさずに消えることは許されない。
杖を抜いたのは同時。だが、それを振るい魔法を発動させたのはワルドの方が先。閃光の二つ名は伊達ではない。万全に程遠い体調でも、
早々遅れは取らない。
稲妻が走り、死人の一体を貫く。もちろん、そこで動きを止めたりはしない。魔法を放った直後ワルドは移動し、それまで立っていた位置
に竜巻が生じる。一騎打ちではないのだ。一体を倒したくらいで油断はしない。
両者の実力には大きな隔たりがあったのだろう。ワルドの魔法は全てが死人に直撃し、死人たちの魔法はワルドを捕らえられない。
だが、そんな優位も、ほんのわずかな間のこと。お互いの数の差は実力差を埋めるには充分なものであったし、偽りの生命を与えられただけ
の死人たちは幾度ワルドの魔法を受けても倒れず数を減らさないのに対し、傷が完治していないワルドは動き続けているだけで消耗していくのだ。
「それで、あんたはどうするんだい?」
ワルドと死人が戦闘を始めてすぐの、フーケからの問いかけに答えるように彼は剣を抜く。
「おっ、ついに俺を使ってくれるのか? 今度は、前みたいに途中で捨てないでくれよ!」
支援
インテリジェンスソードの軽口というか、切実な懇願にも聞こえるそれにも言葉を返すことなく、ここでは『ソムルム』と名乗っている男。
包帯の男、アプトムは、ワルドと死人が杖を交える戦場へと飛び込んでいく。
彼にとって、ワルドの手柄がどうのというのは、それほど興味のある話ではなかったが、虚無の系統を使うと自称するクロムウェルとの繋
がりが他にない以上、ここでワルドを見捨てるという選択はありえない。
相手は殺しても死なないようだが、そんなことで恐れはしない。不死身の肉体という意味では、彼も似たようなものなのだから。
そして、フーケはため息を吐く。
彼女としては、アプトムにはワルドを見捨てて欲しかったのだ。さんざん煽っておいてなんだが、傷ついたワルドでは死人たちには絶対に
勝てないだろうと彼女は判断していた。
というか、ワルドにはここで死んで欲しいと願ってさえいた。そうすれば、レコン・キスタとも縁が切れて妹の所に帰れるのにと思ってい
たのだが、当ては外れた。
こうなっては、自分も参加しないわけには行かない。死人と戦うなど冗談ではない話だが、ここで黙って見ていて後で文句を言われるのも
困る。
アプトムが介入した以上、ワルドに負けはない。このバケモノが、死なないだけの死人に倒されるようなら苦労はしないのだ。
それは、閃光の二つ名を持つワルドよりも速く走り、死人を切る。彼が持つのは、切れ味など期待できぬ錆びた片刃剣。それを使い、力づ
くで敵の肉体を断絶する。
不死身だからどうしたというのだ。死なぬのなら動けなくなるまで切り刻めばいいだけのこと。
女が唱える呪文は、ゴーレムを作り出す魔法。生み出されたのは、三十メイルの巨大ゴーレム。それが拳を振るい死人を叩き潰す。
死を恐れず痛みを感じぬ死人たちは、回避よりも攻撃を優先し、ゆえにこちらの攻撃を受けて傷ついていく。
バラバラに切り刻まれた者、潰され全ての骨を砕かれた者、それらは死ぬことはなくとも動けなくなり、戦線から脱落していく。そのはず
であった……。
「なんとかならないかい?」
ゴーレムに自身を守らせ、なおかつアプトムの後ろに隠れながらフーケが問う。
本人に、体術の心得がないわけではないが、相手はかつて百倍以上の兵力のレコン・キスタ兵を相手に、自分たちの十倍の死傷者を出させ
たアルビオン王党派の兵であった者たちである。更に今では死を忘れた存在になったとあっては、白兵戦などやりたくはない。
それはさておき、困ったなと思う。ただ死なない者になったというだけなら、倒すこともアプトムの力を借りれば簡単とは言わないまでも
不可能には遠いことのはずだったのだが、相手は死なないだけでなく傷を負ってもバラバラに解体されても、すぐに再生してしまう。
それでも、数が少なければどうとでもなったのだろうが、相手は十人もの騎士である。倒し動けないほどに傷つけても、次の相手と戦って
いる間に再生されてしまう。
彼ら三人は強い。が、だからと言って、死人たちも弱くはないのだ。一瞬で全員を倒してしまえるわけでもなく、再生の時間を与えてしま
う。
何とかしてくれよというのが、フーケの感想だがアプトムだって困っていないわけではないのだ。例えばここで獣化すれば労せずして死人
たちを全て倒せるのだろうが、その後が問題である。単に死なない相手ならバラバラにした後埋めてしまえば済むのだろうが、この様子では
埋めた後で再生して帰ってきかねない。
それでは意味がないのだ。ワルドが手柄欲しさに死人たちを襲ったなどとクロムウェルに知られるわけにはいかないのだから。
それ以前に、ワルドに獣化を見られるのも都合が悪い。
では、どうすればいい? そう自問する。自分はともかく、フーケやワルドは長く戦いを続けていればいずれ疲労し動けなくなる。折り悪
く雨まで降ってきたようだし、このままでは、それは遠い先のことではないだろう。
そんな時、「あー」と緊張感のない声を上げる者があった。
「思い出した。あいつら、随分懐かしい魔法で動いてやがんなあ……」
突然、何を言い出すのかと、チラリと自身が右手に握った剣を見るアプトムに、デルフリンガーはもっと注目してくれよと言わんばかりに
大きな声を上げる。
「あいつらは、俺と同じ根っこの魔法で動いてんのさ。四大系統とは根本から違う『先住』の魔法さ」
「『先住』だと? 『虚無』ではないのか!?」
思わず振り返り、叫び声を上げてしまうワルドに死人が襲い掛かるが、それはフーケが唱えた錬金により開けられた穴に足を取られ、バラ
ンスを崩したところを蹴り飛ばされる。
「こんなのが『虚無』のわけねーだろ。仮初めとはいえ命を与えるとか、心を操るとかは、どう考えたって『水』だろ? そこんとこは、『先住』
も四大系統も違わねーぜ」
「馬鹿な! では、閣下は先住魔法の使い手だったと言うのか!?」
「いんや。どう考えても、マジックアイテムの力だろ? ほら、あのおっさん。なんか指輪してただろ? ずっと気になってたんだけど、あ
りゃあ水の先住魔法が込められたマジックアイテムだぜ」
そういうことは、早く言え!
そう思ったのはフーケであり、アプトムである。
ワルドは、にわかには信じられないのだろうが、この期に及んで「証拠はあるのか」と往生際の悪いことを言ってくる。
「証拠ったってなあ。燃やしてみればわかるだろ。あいつら水で動いてるから火に弱いぜ」
簡単に言うな。
と思ったのはフーケとワルド。
二人は土のメイジと風のメイジである。
火の魔法が使えないというわけではないが、得意としてはいない。少なくとも、今戦っているレベルの敵を焼き殺せるような魔法は使えな
い。
どうしろと? そう思ったフーケは、険しい顔で剣を睨んではいるが、自分達のように途方にくれたような顔はしていないアプトムに気づ
いた。いや、包帯でよく分からなかったけど、雰囲気でそんな気がした。
「ひょっとして、あんたなら何とかできるのかい?」
できたら、ありがたいような嫌なような複雑な気持ちで聞いてみたら、できなくはないと答えが返ってきた。
ええ、そうでしょうとも。あんたにできないことなんてないわよね。だったら、さっさとやっとくれ。
ヤサグレた想いを込めて睨みつけてやるが、アプトムとしては、その手段を取っていいのか悩むところである。
クロムウェルの『虚無』はペテンであったわけだが、だからと言って、彼が『虚無』に関する情報を持っていないという事にはならない。
彼の持つ指輪が自分にとって役に立たないものであっても、手に入れる過程で自分の欲しい情報を得なかったとはかぎらない。
もちろん、その可能性が低いことは理解している。だが、他に当てがあるわけではない。
となれば、クロムウェルに繋がる糸であるワルドに不信感を持たれる行動は慎んだほうがいいのではないだろうか? ただでさえ色々と疑
いの目で見られているのに。
それが、アプトムの考えである。その結果、ワルドが命を落としたとしても、それは仕方がないことである。
ワルドに不信感を持たれることと、ワルドが死ぬことは、どちらも彼を利用出来なくなるという意味でアプトムにとって同じことなのだか
ら。
そこに、フーケの安全への配慮はない。アプトムにとって、彼女はワルドと同じで自身の目的のために必要だというだけの存在であり、し
かも不可欠というわけではない。安全を保障してもらおうと考える方が、間違いというものである。
だめだ。このままじゃ、殺される。他の誰でもない。アプトムに殺される。今まで、自分の生命を脅かしているのはワルドだとばかり思っ
てたけど、それは勘違いだった。このバケモノは人の命なんとも思っちゃいない。
そう考えるフーケは正しい。現在のところ、彼が打算なしに守る対象があるとすれば、それはルイズとシエスタくらいのものであろう。ル
イズに対しては打算が大きいが。
だから、アプトムに守ってもらいたければ、自分がアプトムに対して価値があることを証明しなければならない。
こんなことなら、ワルドとアプトムが死人と戦闘を始めた時に逃げておけばよかったと後悔するが、もう遅い。だから彼女は、その情報を
口にする。本当なら誰にも話すつもりのなかったことを。
「ああ! もうっ、『虚無』のことなら、私が教えてやるよ! こいつらを片付けたら知ってることを教えてやるから、何とかしておくれ!」
自棄になって上げた叫びに、アプトムだけでなくワルドや死人たちまでフーケを注目するが知ったことではない。この言葉を聞いた者たち
は、全て始末してもらえばいいのだ。
急な言葉に、どういうことかと問いかけてくるアプトムに、彼女は一人『虚無』と思われる魔法を使う者を知っていると答える。
ただし、それは自分にとって大切な存在で、だから多くの人間に知られるわけにはいかない。
その言葉の意味を、アプトムは理解する。
この情報を得た他の者を生かして帰すな。そういうことなのだ。そして、それは彼の自分の正体は隠すべきという方針にも合致する。
だから、彼は獣化する。死人たちを焼き尽くす能力を持つ獣化兵の姿に。
そこに現れたのは、二足歩行するサイを思わせる巨漢の怪物であった。
この場で、それを見て驚かなかった者はいない。死人である騎士たちもである。
見た目には、ただの初めて見る少し強そうな亜人程度である。十人もの死なぬメイジの敵足り得ない。だが、何かが違うのだと彼らは動物
的な本能で感じとった。
そして、それはフーケも同じようなものである。アプトムが変化すると知っていた彼女ではあるが、状況に応じて獣化する姿を選べるとい
う事実までは知らないのだから当然であろう。
アプトムが、融合捕食を果たした者の中に、ダーゼルブという名の超獣化兵がいる。
全ゾアノイド中最強の筋力を誇るその姿になったアプトムは、死人たちの中に飛び込み超重量のトラックでぶつかったような衝撃で撥ね飛
ばし、倒れた一人に向かって口を開き大きく息を吸う。
おそらくは、不吉なものを感じたのだろう。その死人は身構えはしたが、しかし自身がすでに死なぬ存在である事に過信していた。
だから、その結果は必然。怪物の口から吐き出された超高熱の火炎は一瞬にして、死人を焼き尽くし黒い炭に変える。
もちろん他の死人たちも、その業火に驚きはしたが、黙ってみていたというわけでもない。体当たりの一撃を喰らわなかった者たちが杖を
振るい呪文を唱え、竜巻や風の刃で怪物に攻撃を加える。
だけど、それは意味を成さない行為。今回アプトムの獣化したこの姿の持つ防御力は、メイジの魔法程度が通じるレベルのものではない。
また、傷つけられたとしても、アプトムには死人たちをも上回る再生能力があると知れば、それは悪夢のような光景であっただろう。
そんなことを知らぬ死人たちは、それでも口から吐かれる炎にさえ気をつければ死なぬ自分たちに敗北はないと信じる。
しかし、それも間違いだ。ダーゼルブという獣化兵には、全身から超高熱線を放つ能力も有する。それが、どれほどの威力を持つのかアプ
トムは身をもって知っている。獣化していない状態であったとはいえ、彼を撃退した程のものなのだ。たかが、死人を焼き尽くすなど造作も
ない。
そうして、死人たちは焼き尽くされる。ただし、アプトムにも一つ誤算があった。この形態は機動力に劣る。もはや、ワルドたちを倒すこ
ともアンリエッタを浚うことも叶わぬと悟った死人の何人かが逃走を図り、別々の方向へ向かった時、彼には、その全てを追うことが叶ず、
結果として一人の逃走を許してしまったのである。
かくて、クロムウェルの元に、ワルドの裏切り、クロムウェルの『虚無』のペテンを彼らが知ったこと、そしてフーケの持つ『虚無』に関
する情報がもたらされることとなる。
もっとも、今この場において彼らには、先に考えなくてはならないこともある。
もはや、アプトムにとって必要のない存在に落ちたワルドと、今だ気絶したままのアンリエッタである。
ワルドに関しては、問題ない。彼の存在は、元々アプトムにとって大して重要な人間ではないのだ。ここで始末してしまえば済む。別に、
アルビオンでのことを根に持っているわけではない。念のため。
だが、アンリエッタのことはどうする?
こちらのアプトムにとって、アンリエッタはアルビオンに行く原因になった少女という以上の意味のないどうでもいい存在である。だが……、
アンリエッタは夢を見る。
ここしばらくの間に、彼女が見るのは常に愛する男性の夢。ウェールズの夢である。そして夢の中の彼女は三年前の14歳の頃の姿。それが、
ウェールズに恋し逢瀬を重ねた時の年齢だったから。彼女が見るのは、その頃の夢だから。
だけど、今この時だけは、彼女は17歳である今の姿をしていた。そして、ウェールズも。
それが何故なのか。と考えるよりも早く不吉なものを感じた彼女は耳を塞ぐ。だけど、ウェールズの言葉は耳ではなく心に響いて届く。
「お別れを言いにきたよ」
「嫌です。聞きたくありません」
いやいやをするように首を振る。これは自分の夢であるはずだ。ならば、見るのは幸せなものでもいいではないか。
そんなアンリエッタの我が儘に、ウェールズは困ったような顔をする。
「分かっているんだろう? ぼくはもう、死んでいるんだ」
「やめてください! わたくしには、夢を見ることも許されないというのですか!」
「そんなことはないよ。夢を見ることは悪いことではない。だけど、過去の夢に耽溺してはいけない。見るならば未来の夢を見るべきだ。そ
んな風に未来を否定するきみを残しては、安心して眠ることができなくなる」
「それで、いいではないですか! ずっと、わたくしのそばにいてください!」
「ぼくは、もうどこにもいないよ。もちろん、きみのそばにもね」
寂しそうに笑い、ウェールズは続ける。
「きみは、ただ何も見ていないだけなんだ。もちろん、ぼくのこともね」
「そんな! わたくしは、あなたを見ています。いつだって、あなただけを見ています!」
「それは違う。アンリエッタ、きみはね、ただ逃げているだけなんだ。現実から眼を背けて思い出に浸って、自分だけしか見えていない」
「それの何が悪いんですか! 誰も、わたくしを見てくれない! 王宮の者たちは、わたくしをお飾りの女王としか見てくれない。民は、わ
たくしの苦労も知らないで気軽に奇蹟を求めてくる。母さまも、わたくしの幸せを決めつける。あなただって、わたくしを置いて……、わた
くしを捨てて勝手に逝ってしまったではありませんか!」
それが、アンリエッタの本心。
とっくに分かっていたのだ。自分が自身をしか見ていないことも、そんな自分が誰かに愛されるはずがないことも。
アンリエッタが欲したのは、自分を愛してくれる誰か。王女だとか、そんなフィルターなしに自身の心を見てくれる誰か。だから、彼女は
ウェールズに恋をした。彼が自分を見てくれたと信じたから。
だけど、結局は彼も彼女を見てくれてなどいなかった。そうでなくて、自分の思いを踏みにじって命を捨てるはずがないではないか。
そんな彼女にウェールズは、ある事実を告げる。
「誰もと言ったね?」
「ええ」
「では、ミス・ヴァリエールもかい?」
それは、アンリエッタの命により、死地となるかもしれないアルビオンに赴いた少女の名。
「それは……、王女としての命令だから……。それに、この国の命運をかけた使命だったから……」
「本当に、それだけの理由だったと思っているのかい?」
責めるような問いに、アンリエッタは、うつむき答えられない。
本当は、分かっていたのだ。彼女だけは自分を見て、その心を守るために行動してくれたのだと。
いや、母であるマリアンヌにしても、娘の心を見ていなかったわけではない。そのことをアンリエッタは理解している。ただ、認めたくな
かっただけなのだ。自分の言い分が、ただの我が儘だということを。
「アンリエッタ。きみにお願いがある」
「なんですの?」
「幸せになってくれ」
「あなたを失い、もはや生きる喜びをもてなくなった、わたくしがどうすれば幸せになれると言うのですか?」
「ぼくのことを忘れればいい。きみは、若く美しい。ぼくのことなど忘れてしまえば、すぐにでも新しい幸せを掴めるよ」
それだけを言って、自分の役目は終わったとばかりにウェールズは消える。
「意地悪な人」
小さく呟き、アンリエッタは涙をこぼして眼を閉じる。そして、もう一度眼を開けた時、彼女は夢から覚めるのだ。
アンリエッタが眼を覚ました時、最初に見たのは自分を抱き起こしている男の姿。その顔が、ルイズの使い魔のものだとすぐに気づけなか
ったのは、彼女がその男を、ルイズの命令で動く強力な亜人だという記号的な認識でしか見ていなかったからである。
だから、最初アンリエッタはルイズもいるのではないかと思い。しかし、親友がいないことに気づき、男に問いかける。
「あなたが、わたくしを助けてくださったのですか?」
「そうなるな」
支援
そうですか。とアンリエッタは礼を言い。では褒美をと思うが、男は首を振る。
彼の望みは、ここで会ったことをルイズに知らせないこと。それだけである。
だが……、っとフーケに顔を向ける。
「お前は、何か必要か?」
「貰えるものなら何でも貰う。って言いたいところだけどね。私は盗賊だよ。褒美を貰いに行って、そこで衛兵に囲まれて牢獄行きとか御免
だね」
盗賊? そう思って、見た先にはフードで顔を隠した女。そして、もう一人。
「ワルド子爵!? 何故ここに!」
それは、彼女から愛する男を奪った憎き仇。親友のルイズを裏切り、その命を奪わんとした卑劣な男。それが、何故こんなところにいるの
か。
「女王さま。あんたを、かどわかしてここに連れてきたのは、レコン・キスタの騎士だ。それで、ワルドはレコン・キスタの兵。後は、分か
るだろ?」
「つまり、彼もあの騎士の中にいて、わたくしをレコン・キスタに連れて行こうとしていたのですね?」
それは、質問ではなく確認。だけど、フーケは首を振る。
「残念。あいつは、失態続きで干されててね。それで、あんたを誘拐する命令を受けた奴らから手柄を奪おうとしたんだけど、上手くいかな
くて、今はレコン・キスタにも追われる立場になっちまったわけさ」
その言葉に、ワルドはうつむき何かを言おうとして思いとどまり、そんな彼にアンリエッタは口の端を歪める。
「トリステインを、いいえルイズを裏切り、レコン・キスタを裏切り、今は全てを失ったというわけですか。裏切り者の末路にはふさわしい
ですね」
それは、アンリエッタには相応しくない醜い嘲笑であったのだけれど、ワルドに対してなら、今の彼女にはそれも許されるだろう。
「それで、彼はどうなるのですか?」
「しばらくすりゃあ、あんたを迎えにトリステイン貴族共がくるだろ? そいつらに引き渡すさ」
どうせ死刑だろうしねと口の中で呟く。
フーケにとって、ワルドの存在は邪魔なものでしかない。かといって、自分の手を汚す気もない。
ほうっておけば、アプトムが始末してくれると思っていたが、何を考えているのか、そうしてくれる様子はない。
なら、トリステインに引き渡すのが一番いいだろうと彼女は思う。
トリステインという国にとって、ワルドは許されざる裏切り者であろうし、この国にはワルドの他にもレコン・キスタと通じている者がい
る。
そのことが漏れることを恐れる者たちは、ワルドの口を塞ぎたいだろうし、なによりも愛する者を奪われたアンリエッタが彼を許すはずが
ない。
支援
ワルドは、すでに自分がどうしようもない立場にあることを理解していた。
フーケにいいように行動を誘導されて、今ではレコン・キスタに居場所をなくしてしまった彼であるが、今にして思えば、あのままレコン
・キスタに身を置いていても自分の目的が果たされたかどうかは怪しい。
クロムウェルという男には、本気がない。
全てにおいて、大げさに喜んで見せたり嘆いて見せたりの芝居がかった言動をするだけで、本心がどこにあるのか誰にも読ませない。
これまでは、それに疑問を覚えなかったワルドであるが、本当は虚無の系統の使い手ではないという一つの嘘がクロムウェルへの、ひいて
はレコン・キスタという組織への不信感へと繋がってしまった。つまり、聖地奪還という言葉も偽りだったのではないかと今になって疑いを
持ってしまったのだ。
それに、聖地を奪還するために戦わなくてはならない相手は先住魔法の使い手であるエルフだ。先住のアイテムに頼る者を首魁とするレコ
ン・キスタが勝てる道理がどこにある?
だが、それなら自分はどうすればいいのか?
ワルドには、何もない。聖地に行く。その目的のために全てを投げ出してレコン・キスタについたのだ。
別に、そのことに後悔があるわけではないが、何も持たず目的を叶える手段すら失った今の彼には、行動の指針がない。
聖地を目指す。その目的に変わりはないがそのために何をすればいいのか。
それ以前に、このままここにいては最後に残った命すら失うことになるのだろうが、あの亜人――ガンタールヴであってガンダールヴでな
い男が逃がしてくれるはずもない。
そんな彼の心配が無用のものになるのは、そのすぐ後のことである。
アプトムにとって、もうここに用はない。フーケの言った虚無の魔法を使う者に会いに行くという目的ができたのだから、いつまでもここ
に留まる理由はない。
のだが、なかなか立ち去れないのは、何故か彼の着たローブを握り離さないアンリエッタがいるからである。
これはどういう状況なのかと思うのだが、当のアンリエッタの方もよく分かっていないらしい。
アンリエッタにとってアプトムという名の亜人であろう男は、ルイズの使い魔であるという以上の意味を持たない。
なのに、その手を離せない。
何故か、そばにいるとウェールズがいてくれているような錯覚を感じるのだ。この男とウェールズに共通点など見つからないというのに。
その感覚に関して、アンリエッタは自分の感情をこう分析する。
今ここにいるのは、自分以外にはルイズの使い魔のアプトム。レコン・キスタに属していたらしいのに何故か自分を助けてくれたらしいフ
ーケ。そして、愛する男性の命を奪った憎むべき敵ワルド。
この中で、彼女の信用に値する相手はアプトムだけなのだから、そばにいて欲しいと思うのは当然ではないかと。
それが、正しい分析なのかどうかは別として、アプトムにとって、それは迷惑な感情である。だが、ルイズと、その使い魔になっている自
分の事を考えると、ここでアンリエッタを邪険にするというのは賢い選択ではない。
どうしたものかと辺りを見回し、そして彼は気づく。
自身の能力によるワルドの利用価値に。
「俺のことが信用できるか?」
そんな言葉に困惑したのは、アンリエッタだけではなくフーケもである。
だがアプトムは、そんなことを気にせずにワルドに近づいていく。
アプトムには、融合捕食という他の生物を吸収し、その相手の遺伝子情報から優れた形質をコピーする能力がある。
その能力によって、彼は吸血鬼と呼ばれる亜人を取り込み、その能力を奪ったことがある。
その能力とは……。
投下終了です。支援に感謝。
もう誰も覚えてないかもしれませんが、こっちのアプトムの苗床はウェールズの遺体。という話。
では、また書き溜めができた頃にでも会いましょう。
その前に、こっそり、小ネタを投下したりしてるかもしれませんが。
乙であります
すばらしきアンリエッタの女の勘w
アプトム乙。
続きが気になるところでしばらくお別れかよぅ!!
気になるぜ、切ないぜ。
たまには小ネタとか投下してくれると嬉しいでござる!!
それにしても、ワルドの転落人生っぷりは銀魂のマダオみたいだwww
ホームレスとかになったらそのまんまだww
乙です!
ワルド逃げて〜〜 無理か?
私の想像が正しいのなら、これほど悲惨な末路のワルドも少ないのでは。
投下無ければ20:20に一発ネタ投下しま
乙でした。
何だかワルドが凄いコトになりそうな予感ww
某月某日。
昼食後の友人との雑談中、ヴァリエールが召喚したふざけた熊人間のせいで、モンモラシーとケティに誤解されてしまった。
その熊人間は、僕の行いが悪いと責任転嫁してきた。見た目だけでなく、性格もふざけてるらしい。
貴族を馬鹿にするとどうなるか、少々躾ける必要があるようだ。
熊人間にはヴェストリの広場で決闘をすると伝えたはずだが、一向に姿を現さない。
ヴァリエールに使い魔は何処かと聞いたが、知らないと言う。恐れをなして逃げたか。
観衆も集まっている事だし、ここらで勝利宣言でもしよう。
「諸君!あの熊 『くたばりやがれ!』 ぐえあ」
背中に激痛。何時の間に後ろ『でりゃぁ!』
さらに激痛。魔力が抜けていくような妙な感じが…。
とっさに避けようと、思わず倒れこんでしまう。
その際、後ろの方を見やると熊人間が腕を突き出してポーズを取っていた。
「貴様は既にパワブレっている」
汚い、流石短スカ汚い。
ファンタジーアースより生意気声な熊セット短剣スカウトを召喚。
某月某日。
昼食後の友人との雑談中、ヴァリエールが召喚した没落したらしいメイジのせいで、モンモラシーとケティに誤解されてしまった。
そのメイジは、僕に対して「ざまぁwwwwwwww」とふざけた言葉を吐き捨ててきた。芝生やすな。
貴族を馬鹿にするとどうなるか、少々躾ける必要があるようだ。
かくかくしかじかでヴェストリの広場で決闘となった。目の先にヴァリエールの使い魔は居るが、背後もしっかりと気配を探る。
「逃げずに来た事は褒めてやろうじゃないか。僕の二つ名は【青 『サッカーしようぜ!ボールはお前な!』 ぐえあ」
いきなり雷に撃たれたかの様な衝撃と共に、その場から吹っ飛ばされた。
痺れる体を無理やり起こした所をまた吹っ飛ばされる。
「m9(^д^)」
せめて言葉を喋れ言葉を。
そう口を開く前に、また吹っ飛ばされた。
「サンボルサッカーたのしいおwwwwwww」
汚い、流石雷皿汚い。
ファンタジーアースより最低なソーサラーを召喚。
投下終了。
ちょっとわろた
リアクションに困る
これ二次じゃなくて三次ネタじゃねーか
死ねばいいのに
やっぱり思いつきでやっちゃ駄目だね。スレ汚し済まん。
アプトム乙
ワルドが哀れだ…w
ロックブーケ呼んでモンモランシーのポーションと対決みたいにならないかな
アプトムによるワルドサッカー
どうしてくれるwwwww
ワルドはなぜ小悪党に成り下がったのだろう
そこら辺をフォローしてみるとワルドに愛着が湧くかもしれない
だいたいのワルドは原作より落ちぶれるなw
かっこいいワルドもごくたまにいるけど
>>122 それなら
最終決戦で敗れた合体七英雄を召喚したら
その時不思議なことが起こって分離、何処かに元の世界ひいては異世界に渡った同胞の手がかりが無いか探すため
方々に散って、ノエルとロックブーケ辺りがルイズの元に残るとか
とりあえず、ボクオーンがジョゼフの下に
クジンシーがエルザ吸ったり
ワグナスがアルビオンに
聖地は長命種がやってきた場所でエルフは長命種の血が色濃く残った末裔
同化の法はハルケギニアに強力なモンスターがいないので使う必要も無くなって意識改革と共に捨てましたみたいな
・・・水の精霊って同化できんのかな
ワルド、幼少期に悟空を使い魔として召喚。
↓
悟空、基本的に戦闘狂のため、己の相手をさせるために素質のあるワルドを鍛え、修業させる。
↓
偏在を1000体ぐらいだしてカメハメ波×1000をぶっぱなしたり、界王拳を使う魔改造ワルドの誕生。
129 :
( ´w`):2009/09/22(火) 21:59:52 ID:iLufvh18
>127
それは同化なぁ。
アプトムの人乙です。
>もう誰も覚えてないかもしれませんが、こっちのアプトムの苗床はウェールズの遺体。という話。
大丈夫です。覚えていましたから。
ワルドの代わりにアルビオンと空中戦でやられるクジンシーが思い浮かんでしまった
「なんでオレだけが2回もー」
>>127 水の精霊との同化はスービエが適任かと。海王の娘と同化できるし。
ダンタークは一途に竜等と同化に勤しむ。みたいな?
1日ザクとは懐かしい
…っとコアなネタはさておき、3機撃墜したらエースって世界じゃなかったけアレ
速攻生徒会から誰か召喚されればきっとテリーマン現象でワルドもスルーはされなくなるんじゃないかな
下手するとヤムチャ効果でもっと悲惨な立場になるかもしれないけど
み・・・水を・・・
地面を這いつくばってこそ、見える光がある……。
ワルド……、俺の弟になれ…。
ダメだ、兄貴はワルドより年下だ。
>最終決戦で敗れた合体七英雄を召喚したら
合体七英雄ってどう見てもラスボス役でしかないし
追放された後、元の世界を探してる時代の七英雄を偶然召喚した方がシチュエーションとしてよくないか
七英雄と敵対して思いっきりボコられそうなエルフの位置づけもいいような気がする
短命で奴隷とされていた現代人=平民
長命で支配をしていた古代人=エルフ
古代人と現代人のハイブリッド=メイジ
こうか!
前スレ最後のほうで双鞭使いの話
何故鋼殻のレギオスのニーナ・アントークがあがらない!
漢字は同じだが、
ムチとベンは全く違う武器だぞ
投稿してみたいのですが、よろしいでしょうか?
とりあえず投稿してみます。
その前に、以下の注意をお読みください。
※注意!
この作品には当板での投稿上、不適切と思われる描写が含まれる恐れがあります。
性的な描写が苦手な人は読み飛ばすか、「出て行け!」「行け!避難所!」とレスしてください。
構わん!という方のみご覧ください。
ではBoys next door…
145 :
1:2009/09/23(水) 00:31:25 ID:LZz4MLSN
ゼロの使い妖精
第1章 使い妖精!召喚
その瞬間、あらゆる音が消失したかのようでした。
森の木々の葉擦れも、鳥たちのおしゃべりも、風音も消え、森羅万象有象無象陰陽太一が悉く息を呑んだかのようでした。
その数瞬の完全なる静寂が消え、我に返った生徒たちがざわめき始めたのでした。
「ミ、ミス、ミス・ヴァリエール。そ……の…もう一度やり直すかね?やり直したいかね?ぜひ、やり直すべきだと思うんだが。」
担当教師のコルベール氏が、使い魔召喚の儀式では異例なことに、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールに
再度のやり直しを提案しています。
ですが、当のルイズはコルベール氏のせっかくの好意を、少しも聞いてはいませんでした。
なぜならば……
「お、おい。あれって平民……だよな?」
「ああ、あの格好は、たぶん」
「いや、格好って……あれに平民とかメイジとか判断する材料ねーよーな気がするんだが」
「……でかい。盛り上がってる…」
そう、なぜならば。
「な、な、な、なんでパンツいっちょなのよー!?」
ルイズの絶叫が天をも貫いたのでした。その通り!ルイズが召喚したのは、鍛え上げたボディを持つ、白人男性だったのです。
身長は約185サント程度。太くてたくましい胸板。丸太のような腕と脚。割れた腹筋。お好きな人にはたまらないその姿。
いわゆる”ガチムチ”なのでした。
ということで、ここからは男ではなく便宜上、敢えて『兄貴』と呼ぶことにします。
顔どころか首まで真っ赤にしてプルプルと震えるルイズ。その目の前で、召喚された兄貴が目を開け、勃ち…いや立ち上がります。
ここがどこだか確かめるように、首を振って周囲を確かめた兄貴は、ルイズに気づくと笑みを浮かべ、握手を求め手を伸ばしました。
「どうも、木吉さん。」
どうやら兄貴はルイズを誰かと間違えているようです。
「き、キヨシ!?誰よそれ!?違うわ!私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。あなたを召喚したメイジよ!」
突然、見知らぬ人間に間違えられてムッとするルイズ。呼んだ名前が男性のもののようだったからです。
「いやあ、サーセン。」
素直に謝る兄貴。
その二人を見ていたコルベール氏が、慌てて間に入ってきます。
「ミス・ヴァリエール!待ちなさい。本当に、良いのかね?その……この半裸の男性で?」
コルベールがちらりと横目で兄貴を見ます。鍛え上げた肉体を包む布切れはパンツのみです。実に男らしい盛り上がりです。
「なんの問題ですか?」
抗議する兄貴。どうやらやる気満々のようです。
「しかたありません。ここまで37回召喚を試みて、ようやく成功したんです。使い魔の質には多少目を瞑らないといけませんから!」
「ナイスでーす」
兄貴が賛同しています。
「な、ならば良いでしょう。平民を使い魔にするというのは前代未聞ですが……。では、コントラクト・サーヴァントを行ないなさい。」
コントラクト・サーヴァント。召喚した使い魔と契約し、己が従者とする魔術儀式である。
「どういう意味?」
……どうやら兄貴は今までの会話が理解できていなかったようです。
「つ、つまり!アンタは私の使い魔になるの!?」
「なんで?」
「私が使い魔召喚の儀式でアンタを召喚したからよ!」
「どういうことなの……」
「だーかーら!アンタは私が召喚したから、私の使い魔になるの!それで、今から私と契約を行なうの!」
「あぁん?なんで?」
「使い魔にするには契約をしないとだめなのよ。普通なら、接吻を行なうんだけど……」
「どういうことなの……?」
ちょっとイラついてくるルイズ。
「……つまり、儀式としてキスをするの。」
「なんで?」
「キスをしないと使い魔に出来ないからよ!」
「どういうことなの……?」
「キスをすることで使い魔が主人と一体化するからよ!」
「すけべぇ……//」
「やかましい!」
とにかくすったもんだの挙句、なんとか兄貴とルイズはコントラクト・サーヴァントを行なうのでした。
146 :
2:2009/09/23(水) 00:32:39 ID:LZz4MLSN
第2章 妖精の部屋
「さ、行くわよ。」
他のメイジたちが空を飛んで行く中、ルイズと兄貴は歩いて学院まで戻ることになりました。
ゼロのルイズ。魔法が使えないメイジであるルイズについたあだ名です。そう、ルイズは空を飛ぶ魔法が使えないのです。
「あぁん?なんで?」
空を飛んでいけないことに不満を漏らす兄貴。
ルイズが空を飛べぬ理由を説明すると、兄貴は「仕方ないね」と言う気分になり、「いやあ、サーセン」と恥じ入ります。しかし同時に、
不甲斐ないルイズに喝を入れます。
「最近、だらしねぇな!」
「最近って……今さっき会ったばっかでしょ。それともアンタ、私を飛べるように出来るっていうの?」
兄貴は胸を張って「かまわん!」と答えます。
そしてやおらルイズに組み付くと、スカートをめくり上げて下着を掴んだのでした。
「ちょ!?ちょっと!なにすんなよ!こら!変態!キチ○ガイ!」
構わず、兄貴は下着を上に引っ張ります。上に引っ張られてルイズが一瞬飛び上がります。
パーン、とルイズの尻をスパンキングし、さらに空を飛ばすべく、何度も何度も引っ張り上げます。
「変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態ィッッ!!!」
残念ですが今回、ルイズは飛ぶことができませんでした。でも仕方ないね。
「………ここが私の部屋よ。」
先ほどとは打って変わって物凄く気分が悪そうなルイズが、兄貴を部屋に連れてきました。
おそらく夜も遅くなったのでお腹が空いているのでしょう。ですがもう食堂も閉まっています。
「やっぱりね。ゲイパレス。」
満足そうに部屋に入ってくる兄貴。
象もキリンも凍ってしまうような冷たい視線をルイズが兄貴に向けています。どういうことなんでしょう?
よくわかりませんが女の子の日が突然始まったのでしょうか?
「アンタの寝床はそこ。これ、捨てといて」
吐き捨てるように言い、なぜかゴムが伸びきった下着をルイズが投げつけます。
「あぁん?カズヤくん柄パン?」
「だっ、誰がカズヤよ!つーかカズヤって誰よ!それにどう見ても白じゃないの!白!純白!」
「カズヤくん皮パン?」
「シ・ル・ク!100%絹!シルク製!一切皮は無使用!OK?」
「どういうことなの……」
どうやら兄貴は下着の種類がお気に召していないようです。
しかし文句を言ってもしかたありません。その日は下着を処分し、二人は熟睡しました。
147 :
3-1:2009/09/23(水) 00:33:32 ID:LZz4MLSN
第3章 妖精の決闘
朝です。
お腹が空いた兄貴は、今日も続けて不機嫌そうなルイズと、食堂に向かいます。
ちなみに、兄貴が服を着せようとしましたが、ルイズは無視してさっさと着替えてしまいました。
自分のことは自分でする。ルイズのその歪みねぇ態度に感心する兄貴でした。
アルヴィーズの食堂と呼ばれる特大食道では、兄貴とルイズは注目の的でした。どうやら昨日のことは全校生徒に伝わっている
ようです。
兄貴は誇らしげに自分の筋肉を誇示するポーズをとってから、当然のように肉や果物に手を伸ばします。
しかし、ルイズが手で制止します。そして、床を指差しました。そこには皿が一枚。申し訳程度に小さな肉のかけらが浮いたスープ、
皿の端っこに硬そうなパンが二切れ。これが食事なのでしょう。
「あぁん、酷ぅい。」
どういうことなの…?と抗議をしますがルイズはガン無視です。しかし、そこに救いの女神が現れます。
黒髪のメイドさんです。何に釣られて出てきたのかわかりませんが、どうやら特別にご飯をご馳走してくれるようです。
「あの……これ、私の村の郷土料理です。お米っていう植物を使ってます。お口に合えば良いんですが。」
炊いた米を握ったもののようです。兄貴は実にうれしそうです。
「あぁん?餡かけチャーハン!?」
メイドさんは目をぱちくりさせています。
「ちゃ、チャーハン?いえ、そういう名前のものではなくオニギリという祖父が得意だった料理で…」
「あぁん?ホイホイチャーハン?」
「いえ、ですからチャーハンではなく……」
「巻いて食えやプーさん!のう、カズヤ!」
「だからカズヤじゃないっつってるでしょ!」
二人がかりで責められて、兄貴はおとなしく食べることにしたようです。ですが量が足りないようです。
「9時に弁当食べたい」と、メイドさんやシェフに交渉しています。
そんなこんなで朝食を満喫しているときに事件が起こりました。
先ほどのメイドさんが、メイジと揉めたのです。当然、メイジは激怒しました。兄貴は全く興味がないようでしたが、
シェフが飛び出していくと態度が変わりました。なぜでしょう?
ギーシュというらしいその貴族と、兄貴は決闘することになりました。
原因はメイドを叱りつけるメイジに「見せ掛けだけで超ビビッてるな」と言ったことです。
148 :
3-2:2009/09/23(水) 00:34:55 ID:LZz4MLSN
「諸君! 決闘だ!」
ギーシュが高らかに宣言します。薔薇の造花でゴーレムを作り出します。
「僕はメイジだ。だから魔法で戦う。よもや文句はあるまいね?」
「何の問題ですか?」
兄貴も異論はないようです。
「言い忘れたな。僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュだ。従って、青銅のゴーレム『ワルキューレ』がお相手をす……」
兄貴は最後まで話しを聞いてくれませんでした。突然奇襲をかけます。
「いやあ、サーセン」
悪いとは思っているようです。ですがゴーレムを使う以上、仕方ないねということでしょう。
兄貴はギーシュを組み伏せ、地面に押し倒します。
「ナウイ☆息子ぉ」
鼻息も荒く、ギーシュのズボンに手をかけます。
「んな!?何を!こら!ちょっと待て!」
「すぐ脱げる」
ギーシュの細腕では兄貴への抵抗は不可能です。ズボンを引きちぎられながら、パンツごとズリ降ろされます。
「けっこうすぐ脱げるんだね。」
「な、なんてことをするんだこの○○○○!○○○!」
メイジなら普通は口にしない罵倒をするギーシュ。当然前は手で必死にガードしています。
「よ、よくもモンモランシーをはじめとしたご婦人方の目の前で…」
半分泣いているギーシュ。兄貴はまったく意にも介さず「ナウイ息子はスポーツブラ」とアドバイスを送ります。
「池田。くり〜むしちゅー池田。」
兄貴はまたしても、今度はギーシュを誰かと勘違いしている模様です。
「誰だよ……池田って」
もっともな疑問です。しかし兄貴は疑問に答えるような無粋な真似はしません。
「構わん!エッチいこ!」
「なに?」
答えを身体に教え込むべく、必殺フェアリーリフトでギーシュを持ち上げます。
そのままフェアリーテイクアウトでギーシュをいずこともなく拉致していきました。
そして○○した○○○をギーシュの○○○に○○して、○○○が○○され○○○と○○○○して○○○ったのです。
○○○が○○を○○○○○○と○○に○○○して○が○○○○!ギーシュは○○○を○○○で兄貴に○○○○。○○になった
○○○の○○!兄貴が○○○して○○。○○○○○○○○○!○○○。○○○!?○○した!○○!
○○○○!
○○○めに○○した!○○!
:
:
:
帰ってきたギーシュに、誰も何も聞こうとはしませんでした。
優しくなったモンモランシーは、ギーシュを暖かく受け止めます。
ギーシュは数日間泣き続けましたが、やがてモンモランシーに癒され、かいふくしていくのでした。
とりあえず、おしまい。
ダメだこりゃ
わけわからんけどパワフルでよろしい。
でも元ネタ書いてくれ。
場を弁えないニコ厨はほんと救いようがない
これは載せない方向で
次行ってみよう
なんじゃこりゃ
ルイズが、「デスノート」を召喚なんてものも考えてみたが……。
駄目だな。気に入らない人間を殺しまくって、結局最後は自滅する結末しか有り得ない。
>ルイズが、「デスノート」を召喚なんてものも考えてみたが……。
「召喚」されるんじゃノートを手放した死神の思惑を外れてるからルールが一切読めなくて何も起こらない
初期ルイズにンなもん与えたら
とりあえず書く→死ぬ→図に乗るor絶望後発狂の黄金コンボが発生するだろ
激情に任せて姉を殺しちゃって自殺する感じか
平民の苗字のない中世で名前書くと凄いことになりそうだな…
街中ですれ違った人一発で死にそうだぜ
∧_∧ ディスペル!
_( ´Д`)
/ ) ドゴォォォ _ /
∩ / ,イ 、 ノ/ ∧ ∧―= ̄ `ヽ, _
| | / / | ( 〈 ∵. ・( 〈__ > ゛ 、_
| | | | ヽ ー=- ̄ ̄=_、 (/ , ´ノ \
| | | | `iー__=―_ ;, / / /←>> ID:LZz4MLSN
| |ニ(!、) =_二__ ̄_=;, / / ,'
∪ / / / /| |
/ / !、_/ / 〉
/ _/ |_/
ヽ、_ヽ
>>159 顔を思い浮かべないとダメなんじゃなかったっけ?
真面目なルイズはまず自分の名前書くだろうな
アンアンがノート込みで死神召喚。一方ルイズは竜崎を召喚。
政敵や他国の重鎮を次々殺めるアンアン、証拠を掴むべく奔走する竜崎と姫様を疑うことを絶対に許さないルイズ。
まで妄想したが、黒幕が姫様じゃ他国の人間じゃなきゃ裁こうとも考えないだろうし、竜崎が動く動機も薄すぎ。
ファンタジー世界なら説明がつかない事象もご都合主義で納得、みたいな感じになったから断念した。
>>162 持ち物には、まず名前を書いておかないといけないもんな
>>163 L「この事象は不可能です常識的に考えて」
ルイズ「ンなもん魔法使えばすぐできるわよ」
L「」
こういうことか
ルイズ側にメロ
ジョゼフ側にニアを召喚したら
前者は同じコンプレックス持ち同士共感するものはあるだろうが
後者はニアがすぐジョゼフに見切りを付けそうな希ガス
魔法の存在する世界の殺人事件を推理する本格探偵小説が実在してな
本格か、あれ?
アプトム一気読みしてきた。前スレで半年引きこもるとか言ってたけどマジかよう・・・
今更だけど乙っした! 次も期待してやす!!!
うみねこを想像したんだろうが違うぜ
いや、調停の方だが
このスレでの知名度を知りたいんだけどさ、
「龍と魔法使い」って知ってる人居る?
タギなんぞ呼んだ日には、
ルイズがその日に豚にされそうな気がする程度には
知っているよ。
意外と反応が早かった。
全く聞いたことない。
というか知名度を知りたいっておっしゃるならもっと人がいそうな時間帯にですね…
呪文の短さ有利すぎる
ノ
>148
なるほど、森の妖精か。
>155
その前に、契約のキスの激痛で死んでるじゃないか。
ルイズがリューク召喚するも見えないから気付かず
↓
リューク暇潰しにデスノート落とす
↓
拾ったのはワルド
↓
「僕は新世界の神になる!」
これでおk
L役はジョゼフかな
いやいや。
Lには変人が良く似合う。そして本名不肖でなければ拙いはず。なのでジュリオが適当じゃないかと。
>>167 「銃と魔法」だっけ?
ソードワールドの「デュダ」シリーズってのもあるが
超マイナーだけど魔法探偵スラクサスが一番好きだなぁ
続き出る気が全くしないぜ…
ふと思ったのだが、未登場の「記すことすらはばかられる」使い魔の能力が、「あらゆるメイジを自由に操れる」というものだったら……。
それも、「そいつに命令されると、心でいくら逆らっても、身体が勝手に命令通り動いてしまう」というレベルだったら……。
どうなるかはそいつの性格や価値観次第だが、いくらなんでもこんな力を与えられる奴に、悪人や頭の悪い奴はいないだろうから……。
もしそいつがハルケギニアの平民だったら、マジで貴族は滅びるな。
頭悪そうなレスだな
ハイブレンか
>>182 ソードワールドなら「赤い鎧」シリーズだろ。
デュダは好きだけど、あれを「本格探偵小説」と言うのは無理があると思うぞ。
記すことすらはばかられるってあたりにブリミルの浮気相手だろ…
それでエルフと喧嘩してブリミルも「使い魔とダンスを踊るような関係になれるわけないだろ」と、さようなら
そしてその痴話喧嘩がこじれたのが6000年続く敵対関係
>184
LOST+BRAINの氷山漣を呼べという事ですね、わかります
>>187 銃と魔法出したから、一応デュダも挙げただけじゃね?
まあ、銃と魔法も本格探偵小説っていうよりアメリカの刑事ドラマみたいな雰囲気だが……
>>172 知ってるよ
っちゅうか、このスレはどんな作品でも、
まず間違いなく、知ってる人間がいる。
>>178 接近戦なら、盾を忘れンことだな!
接近戦しないダークナイトがよく言うよ。
SAWよりジグソウを召喚。ミョズニトニルンの能力を使い、平民の命を絶やす貴族を次々とゲームと称した拷問にかけていく
「ここはどこだ…?何で僕は縛られているんだ?」
「二股かけるやつは死ね」
マブラブの宇宙人を召喚したらルイズが美味しくいただかれちゃうのかな
>>195 そもそもBETA呼んだらハルケギニア壊滅フラグなんだがwwww
>>195>>196 多分虚無位しか対抗できないだろうしな……
系統魔法は火力&レンジが不足するし、あまり説明されていない先住魔法も対抗は難しいのではなかろうか?
現代火力が圧倒されるほどの人海戦術をハルケでやられるとちときびしそうだ
>>198 現代火力がどれくらい用意できるかにもよる。戦車や装甲車なら轢き殺しもできるし必ずしも火器を使う必要はない
>>196 しかも数回使用したら対策されるという絶望
BETAならハルケギニアの全人類が烈風カリン並のメイジで一切油断せず最初から全力であらゆる地点で同時に殲滅するつもりで戦えば勝てるよ
>>184 フェイスレスの[三解]の3つめのように、散々もったいぶっておいて実はガッカリな能力だったりしてな。
そうか、まあBETAは京の何乗とかいう単位の数だったような気がするがまあ頑張って殲滅してくれ
>>199 ああ、人海戦術取るのはBETAのほうね。
>>204 あんな化け物が人海戦術をとったら苦戦どころか滅亡するだろ
みんなそんなにハルケギニアを滅亡させたいのかw
滅亡したら世紀末かチェンゲか…
BETAが駄目ならBMだ!
【たいして変わらねえ】
バイオミート…
あれ?ルイズが犠牲になってコルベールに焼き尽くされて終わりじゃね?
数だけなら宇宙怪獣にも負けないからな、やつらは
しかもいざとなったら同属食って増えるし
BM呼んだら、ちいねえさまが登場することもなく退場しそうだから却下。
ならシャヘルで。
いままでにない遺伝子がたくさんあるハルケギニアはシャヘルにとって正に宝の山。
キングのミストから怪物を
召喚のゲートが閉じずにただ漏れ状態に
BMの最大の謎は、あの紅一点の第一話のキャラはなんだったかという事だ
>>207 レイズナー第2部が始まるんですね。
【たいして変わらねえ】
僕の名はエイジ、ハルケギニアは、狙われている。
誰も相手にしてくれなくて嘆き悲しみそうだ。
>>209 ふと思ったがあの手の単純な生物(原生動物や昆虫)と契約したらルーンの効果はどうなるんだろ?
しかし、「人海戦術」と聞いてモビルスーツ「サク」を思い出してしまう
わたしはひょっとしてどこか歪んでいるのでしょうか
いきなり自分語り始める奴は大体歪んでるってばっちゃが言ってた
気持ちが悪い
>>218 ルーンには洗脳ないし種によってはある程度知性向上させる効用があるみたいですから
(モクラや火トカゲ、カエルが韻竜の立場を気遣って主に隠し事なんかしてる)
だから、その辺のも普通の知性持つようになるのでは?
アルカナハートのリリカの耳がとんがってた。
字は違うけど「せいれい」の力を借りて戦うし、おもっくそ誤解されない?
まぁ実際戦闘になったら、
「いっくよー いっくよー いっくよー×∞ つまんなーい」
だろうがなw
>>223 アルカナハートの面子は基本聖女だから精霊の力使っとるだろーがにわか
>>223 リーゼたんの人形コンボだろにわかが
ジョインジョイントキィでギャグ狙うときだろうがにわか
>みんなそんなにハルケギニアを滅亡させたいのかw
知的で強大な威風堂々たる異世界の大魔王に挑む一大決戦といった英雄譚ではなく
どうしようもなくバカバカしいモノに世界を埋め尽くされて悲鳴をあげる魔法世界の住人という構図には趣味的にそそるものがある
もちろん召喚した責任を問われ姉に激しく折檻されるちびルイズにもw
>>226 「もっとぉ、もっとぶってくださいぃ」なんておねだりするルイズが目に浮かんだ
>どうしようもなくバカバカしいモノに世界を埋め尽くされて悲鳴をあげる魔法世界の住人という構図
グランパ召喚のアレですね。わかります
ボールズのやつかwww
コードウェイナー・スミスの「人びとが降った日」を思い浮かべた。
ルイズが八千二百万人のチャイネシア人を召喚
(ただしハルケギニアのはるか上空に)
>>198 中世レベルの通信、指揮レベルの軍隊じゃ火力に対して士気維持できません
>みんなそんなにハルケギニアを滅亡させたいのかw
物理的大量破壊能力や圧倒的軍事力による滅亡でなく
ハルケギニアの社会を構成するメイジの魔法を致命的に損なう性質を持ち、なおかつ無節操な繁殖力で
際限なくはびこるクリーチャーを召喚してしまった場合に生じる破滅的混沌を見てみたい。
細かい注文を言うと最初大喜びしていたルイズが真相に気づいてだんだん青ざめていくとなお良しw
つまり「ハルケギニアは核の炎に包まれた!」が見たいんですね、わかります!
>>233 \タタタ〜ン♪タタタタタタタタタタッタタ〜♪/ というわけで拳王軍を呼び出してみるとか
>>232 映画グレムリンに登場するギズモがまさにそんな感じだな
かわいいけれど、ルールを破ると凶悪なグレムリンが大量発生してしまう
>>232 メタルスライムが大発生しました
はぐれメタルが大発生しました
メタルキングが大発生しました
そして筋肉と暴力が支配する世界になりました。ですね、わかります。
>>236 なんか、シエスタが無双しそうな世界だな(何)
こんちわ
1715から投下したいと思います
>>238 をを、えっと……これで締めか。何だか寂しいような。
学院長からの頼みでルイズ達に同行してアルビオンへ向うことになった斎藤。
役立たずだと判断されたギーシュは、その場で医務室送りにされ、その代わりに斎藤の手下となったフーケを密かに尾行させていた。
ラ・ロシェールへ向かう道中で盗賊に襲われるも、これをワルドとともに撃破。
放っておいて良いというワルドを無視し、彼らを尋問した結果、仮面の男に雇われたという情報を得る。
斎藤の戦闘を見ていたルイズに何故刀が直っているのかを問いただそうとするが、ワルドに急ぐよう促され結局有耶無耶になってしまう。
「――つまり、明後日にならねばこの街を出ることは出来ないというコトだ」
ラ・ロシェールで一番上等な宿「女神の杵」の酒場で、乗船の交渉に行ってきたワルドがルイズ達にそう告げる。
「そんな……急ぎの任務なのに」
「確かにこのタイムロスは厳しいが、焦って失敗してしまったらそれこそ意味がない。明日はゆっくり休もうじゃないか」
不安そうに呟いたルイズを気遣うように、ワルドは優しく話しかける。
そして先ほどから一言も発していない斎藤の方へ顔を向け続ける。
「君の使い魔くんも、慣れない乗馬で疲れただろうからね」
ルイズもワルドに釣られて彼を見るが、当の本人は二人を無視してくつろいでいた。
こうして港町での夜は更けていくのだった。
翌朝、斎藤が宿の外で煙草を吸っていると、宿から出てきたワルドに声をかけられた。
「おはよう、使い魔くん。昨日はよく眠れたかね」
「何か用か。用がないなら話しかけるな」
ワルドの目を見ようともしないで答える。
どうやら会話をする気はないようだ。
「おや、釣れないな。まあ用はあるから聞いてくれたまえよ」
そこで初めてワルドの顔を見る。
ニコリと笑っている顔が気に入らない。
斎藤は煙を吐き出し、話を続けるよう目で促す。
「君はあのフーケを捕らえたんだろう? その腕前がどれくらいか知りたくてね。手合わせ願えないだろうか」
「断る」
即答である。
吸い終わった煙草を地面に落とし靴底で踏みつぶすと、ワルドに背を向けて街の賑わいの中へ消えていった。
夜になって斎藤が宿屋へ戻ってきてみれば、そこは傭兵達とフーケが戦っている最中だった。
愉快そうに鼻をならし、先ほどから感じていた背後からの殺気に声を掛ける。
「貴様の差し金か? 全く、面倒なことをしてくれる」
振り返ると、そこには白い仮面をつけた男が杖を構えて佇んでいた。
そして男は彼の問いには答えず、杖で斬りかかってきた。
何度か切り結ぶ内に、剣技では敵わないと見たのか男は距離を開けようとする。
それをさせまいと男に追撃を仕掛けようとするが、エア・ハンマーでそれを防がれてしまう。
(この魔法を喰らって無事でいたヤツはいない。その澄まし顔を恐怖で歪ませてくれる!)
「『ライトニング……ッ!?」
その直後、刃が男の喉笛を凄まじい勢いで突き破った。
それと同時に男の意識と姿は、霧のように消えてしまった。
「こっちは片付いたよ……今のは遍在かい?」
その声がした方を見れば、フーケがゴーレムの肩に立っていた。
どうやら傭兵の掃除は既に完了したらしい。
「相変わらず凄いね、遍在が使えるってことはスクエアクラスの使い手だって証拠なのに、それを瞬殺しちまうんだから」
「世辞はいらん。それよりあいつらはどうした」
「ヴァリエールのお嬢ちゃん達なら、あたしが暴れている間に桟橋へ向かったようだね。きっと今頃雲の上さ」
斎藤はそれを聞いて何らや考える仕草を見せ、ややあってフーケに質問を投げかける。
「アルビオンへ行く方法は何かないのか?」
「え? あ、ああ、そうだね。やっぱり明日まで待たなきゃ無理だろうね」
予想外の言葉だった。
彼のことだから、後は二人に任せて自分はさっさと帰るものだと思っていた。
そう告げると彼は特になんの感情も顔に浮かべず答えた。
「俺はとっとと元いた場所に帰りたいだけだ。コルベールとか言う禿がその方法を探すとほざいていたが全く期待出来ん。
それならばもっと組織力のあるところを使えばいいだけのコト。そして――」
「そこに王女直々の任務がアンタの主人の元へ舞い込んできた、と。なるほどねぇ。王宮の力ならなんとかなるかもだね」
「そんなところだ。明日まで何もできないのなら俺は休ませてもらう」
三時間ほどの短い仮眠をとった後、未だ夢の中のフーケを叩き起こして船が来ているであろう桟橋へ向かった。
ちなみにフーケはアルビオン入りを心底嫌がっていたが、斎藤はそれを無視して強制的に追従させていた。
夜明けと同時にアルビオンへ着いた二人は、フーケの案内でレコン・キスタに見つかることなくニューカッスル城へたどり着く。
フーケと別れて捜索していた斎藤は、礼拝堂から聞こえたワルドの怒号でここが当たりだと確信した。
「やれやれ。力任せに婚約を強要とは……貴族が聞いて呆れるな」
その声に振り替えれば、ワルドにとって最大の障害が立っていた。
何故、どのようにしてアルビオンまで追って来たのか気がかりではあったが、ここいる以上始末する以外ない。
昨夜の一戦から接近戦は危険だと判断し、遠距離からのライトニング・クラウドで一気に勝負をつけようとする。
だが、斎藤はそんな彼の殺気を全く意に介さず、懐から取り出したものをただ投げるだけだった。
ワルドの足もとに落ちたそれは白い仮面だった。
その行動の意味を悟ったワルドは驚いた顔で斎藤を見る。
「何故気付いた」
「気付かれていないと思っていたのか? 御目出度いヤツだな」
ワルドの放つ殺気が一気に膨れ上がる。
その殺気を愉しそうに受け止め、斉藤は話を続ける。
「港町へ向かう途中に山賊と戦っていたお前と、仮面の男の挙動が全く同じだった。分身を使うならもっと頭を使え、ド阿呆が」
「もういい! 貴様は死ね!!」
激昂したワルドは凄まじい勢いで多くの風の矢を放つ。
斎藤はそれらをすべて見切り、さらに追撃してきたワルドの杖を易々と受け止める。
鍔迫り合いの形になり、斉藤と目が合う。
その瞬間、ワルドを今までに感じたことのない種類の恐怖がじわりと包み込む。
(何故だ! 何故俺はやつに勝てない!! 何故俺の攻撃が通じない!!)
「やはり、なんだかんだ言っても主人を守るか! 飼い慣らされた犬めが!! 自分の御主人様がそんなに愛おしいか!!」
自分の攻撃が通じず、混乱気味のワルドが自分を保つために吠える。
召喚とは少し違うけどラチェット&クランクのスペースシップが魔法学院上空から不時着
題して「ゼロの使い魔 ガガガ!ハルケギニア星のコマンドーッス」
しばらくは宇宙に出る手立てを失ったラチェクラコンビがコルベールと組んで
使い魔の傍らガラメカと魔法を組み合わせた武器で戦う
「フゥ……貴様は甚だしい勘違いをしているようだな」
「なんだと!」
「この俺を動かすのは唯一つ」
斎藤の纏う空気が変わる。
ワルドの目に、誇り高い狼の姿が見えた気がした。
「悪・即・斬という俺自身の正義の為だけだ! 故に、金や名誉や契約をもってしてもこの俺を飼う事など何人にも出来ん!!」
彼の発する剣気に、ワルドは一瞬動けなくなってしまった。
そしてそれが彼の人生最期の後悔となる。
ほぼゼロ距離から放たれる必殺の牙突、「牙突零式」。
刀は砕け散り、ワルドは走馬灯も見る間もなく上半身が千切れ飛び、絶命した。
遅れてやってきたフーケがその惨状に息を飲み、すでに事切れているウェールズを見てさらに驚愕する。
そしてルイズも死んだはずのフーケが生きていることに驚愕する。
「い、一体ここで何があったいうのさ!?」
「そういえばなんであんたが生きてんのよ! てかなんでこんなとこにいんのよ!」
気が動転しているフーケとルイズを尻目に、斎藤は今度こそ修復不可能になった愛刀を鞘に納める。
そして、
「阿呆どもが」
理不尽な物言いだとわかっていても、その言葉に二人は反論することが出来なかった。
足を怪我し走れないルイズをレビテーションで浮かべ、砲撃で崩壊していくニューカッスル城内を走り抜ける。
桟橋に残っていた最後の船の甲板から、船員が急げと叫んでいる。
ルイズとフーケが乗り込んだ直後に、今までにない衝撃が走る。
度重なる砲撃の衝撃で土台が耐えきれなくなり、桟橋が崩れてしまったのだ。
「やれやれ…」
崩れていく足場を眺めながら、斎藤はゆったりとした動作で煙草に火をつける。
そして煙を吐き出しニヤリと笑う。
「ちょ、ちょっとあんた何やってんのよ!! はやくこっちへ来なさい!!」
「やめな! ……もう間に合わないっ!」
手すりを乗り越えかねない勢いのルイズをフーケが抑える。
そして何もできない絶望感から、その場にへたり込み、顔を伏せてしまう。
「阿呆が――」
ハッとルイズは顔をあげる。
「貴様らとはくぐった修羅場の数が違うんだよ」
その言葉とともに、斎藤は瓦礫の中へ消えていった。
「いやあああああああぁぁぁぁ!!」
その日、アルビオ王国はレコン・キスタの前に敗れ、その長い歴史を閉じた。
その裏で、孤高の狼が一人、ルイズの前から姿を消した。
以上で、全投下終了になります
駆け足の上に穴だらけでゴメンナサイ!
もし次がああったならもっと繊密な話を書きたいと思います
ありがとうございました!
面白かったのでもう少しゆっくり見たかった、というのが正直な感想
ワルオもメイジなんだから中遠距離戦闘に専念し、ライトニングクラウドのような
広範囲攻撃呪文を上手く使えばもう少し渡り合えただろうに
まあそれって「近距離では勝てません」と認めるだけだから受け入れられないか
ぶっちゃけ暗殺が得意技だから、「地下水」とめぐり合えればかなりステキにムテキになれそう
次も期待しておりますです、はい
間違えた
ワルオじゃなくてワルドです まあワルオでも間違ってないといえば間違ってないけれど
ワルオと聞いて西山浩司を思い出した。
ワルオ吹いた
1文字目がワだったらほかは何でも普通に伝わるのがワルオさんのすごいところやでぇ
ホンとワドルディさんはいいかませだぜ
>>246 「ゲェー!ヴェルダンデが鼻を押さえて痙攣を始めたッ!?」
「このニンニク臭いオナラ、もしかしてッ!?」
「そーだよ!おれだよ!ワルオだよ!」
こうですかわかりません
ワリオ?
>>223 すごカナのパラセ・ルシア召喚して阿鼻叫喚。
白紙:せいいきで1VS7万も大丈夫!
メイジは遠距離魔法使えるし平民は矢を装備してるから聖域はないわ
混乱読んで逃げるのが時間稼ぎもできて安全に逃げられるベストな選択肢
うぐいす「素手バリアー」
サイト「バリアー!」
ルイズ「サランラップのどこがバリアなのよ!」
わかる人ってもう居ないだろーな ネタ古いし
>>258 坂田鋼鉄郎召喚ですねわかります。
何の理屈もなく地球とハルケギニアを行き来できそうなキャラだよね。
>>260 ををっ
話を振っといてナンだが「時空の狭間で遊ぶ男」を知ってる人が居るとはおもわなんだ
いつも思うんだけどさ、「分かる人はいないだろうけど」とか言っちゃう奴って自分はマイナーなものを知ってる特別な人間だ、みたいな思い込みが見えてキモいよな
多分こんなこと言うと今度は「あれは照れ隠しみたいなもの」とか言うんだろうが
純粋な好奇心で聞いてみていい?
それをこの場で言ってどうしたいの?賛同を得たいだけなら君がキモいと言った人たちとあまり変わらないよ?
朝起きたらとなりでルイズが寝ていた。
俺は死ぬほど嬉しかった。何せ夢にまで見たルイズだ。
童貞の俺にもついに彼女が出来て幸せに暮らしていける。
そしてマイホームを買って子供をつくって毎日幸せな生活をする。
そんなことを一瞬にして考えた。
でも、ルイズは「サイトはどこ?サイトどこにいるの?」
って言うんだよ。俺のことは見向きもせずに。
そのとき分かったんだ。ルイズはサイトと幸せになるべきだって。
だから俺は一緒にサイトを探してあげた。
やっぱりルイズの笑顔は俺に向ける笑顔よりサイトに向ける笑顔のほうが可愛い。
俺は二人が幸せになってほしいと願いながら立ち去った。
そんな夢を見た。
起きてとなりをみた。
ルイズの抱き枕があった。
目から涙がこぼれた
そうなのだ
二次元の彼女達ですらが
いや彼女達だからこそ
俺を想ってくれることは無いのだ
なぜなら・・・
彼女たちには好きな人(主人公)がいるのだから
あの告白も
あの笑顔も
すべては俺に向けられたものではない
すべては主人公というリア充に向けられたもの
俺はそれを見てニヤついていただけのきもい男…
もう…生きていられない…
>>262 それが一般的な感性をもつ人の意見と思うけど、同人活動とか特別と思ってる人間の
マイノリティな趣味の集まりなんだよ。その意見には一理あると思うけど少なくともこのスレでいうことじゃない。
「分かる人はいないだろうけど、俺の黒歴史ノートから召喚!」とかでなきゃなんでもいいや
……いやそれはそれで読んでみたい気もするけどw
それは理想郷のオリ主ものになるのかなw
>>265 マリリン・マンソンがカバーしたバージョンの「スウィートドリームス」聴いてみなよ。
どうでもよくなってくるから。
>>262 全員がそうだとは思わないけど、ID:HQBs1NaUが色々と気持ち悪いのは同意する。
でもさ、そんなこと言ってもどうにもならんからスルーしとこうよ。
※このスレにはアラステのチュートリアルがたまにあります。頑張ってかわしましょう。
これもうなくなったの? 便利だろうに
ごめん、誤爆じゃないように見えて誤爆
275 :
狂蛇の使い魔:2009/09/23(水) 20:26:17 ID:m+I2KK8u
こんばんは
予約等なければ20:30くらいから投下したいです
待ってました支援
マッチと紙巻タバコって貴重品な気もするが、
誰も何も言わないんだな。
278 :
狂蛇の使い魔:2009/09/23(水) 20:30:14 ID:m+I2KK8u
第二十一話
部屋で身支度を整えたルイズは、キュルケ、タバサ、ギーシュの三人と共に城のホールへと向かった。
パーティーの開始時刻より少し早く到着したルイズたちであったが、ホールは既に大勢の貴族たちで賑わっていた。
豪華に彩られた会場に負けじと、貴族たちも精一杯に着飾り、ホールの中は目が眩むかのようなきらびやかさに包まれていた。
国が物資に困窮しているという話を聞き、もっと質素なものを想像していたルイズたちは、この光景に目を丸くしていた。しかし、驚きはすぐにパーティーの雰囲気に打ち消され、しばらくするとそれぞれ目当ての場所へと散らばっていった。
そんな中、ルイズだけはその場に留まっていた。
(どうして……どうして笑っていられるの?)
会場内は常に貴族たちの笑い声で溢れていた。明日には国が滅びるかもしれないというのに、会場にいる誰もが悲しむような素振りを見せず、明るく振る舞っている――。ルイズはこの光景に、違和感しか感じることができなかった。
しばらくして、パーティーの雰囲気に耐えきれなくなったルイズは、こっそりとホールを飛び出した。
「まったく……いくら私が素敵だからって、よってたかって話しかけてくるなんて、マナー違反だわ」
疲れた様子のキュルケが、部屋に戻ろうと暗い廊下をひた進んでいた。時には口説かれ、時には料理を勧められ、何十人という貴族たちを休む間もなく相手にし続けた末、ようやくパーティーを抜け出して来たのである。
明日に備えて、今日は早めに寝ようかしら、などと考えながら歩いていると、途中、窓の外を眺めている人影が見えた。月明かりの逆光でも目立つ桃色の髪は、紛れもなくルイズのものであった。
「あら、ルイズも出てきちゃったの? ま、それもそうよね。次から次へと話しかけてくるんですもの」
やれやれといった感じで、キュルケは肩をすくめた。
「しかも変な料理まで勧めてきたのよ? 青いスープの麺料理の上に、フルーツがたくさん乗ってるの。ラ・メーンとかいう名前だったけど、あれはどう見ても人間の食べられる料理じゃ……って、ちょっと! どこ行くのよ!」
話を無視して立ち去ろうとするルイズを、キュルケはあわてて引き止めた。
279 :
狂蛇の使い魔:2009/09/23(水) 20:32:05 ID:m+I2KK8u
「……なによ。今はあんたと話したい気分じゃないわ」
「もう、またしんみりしちゃって。今度は何? 言ってみなさいよ」
「別になんでもないわよ。いいからほっといて」
歩き出そうとしたルイズの目の前に、キュルケが立ちふさがった。腰に手を当て、まっすぐルイズの顔を優しい笑顔で見つめる。
「そんなこと言わないで、ほら。言っちゃった方が楽になるわよ?」
「……」
初めは話すのをためらっていたルイズだったが、しばらくすると、ゆっくりと窓の方を向き直しながら、口を開いた。
「……姫様は、なんで私なんかにこんな大切な任務を任せたのかしら」
窓の外を眺めながら、呟くように言った。ルイズの隣で、キュルケも夜空に目を向けた。
「私より有能な人なんて、王宮にはたくさんいるはずなのに、なんで私なんかに……」
「そりゃあ、親友だからじゃない?」
「そんな理由で? 私には魔法が使えないのよ?」
「他に理由ないじゃない」
素っ気ない答えに、ルイズがむっとした顔で、キュルケの横顔を睨み付けた。当のキュルケは、窓のふちに肘を置き、頬杖をついている。真っ赤な髪が、窓から吹き込む風になびいていた。
「困っていたら迷わず助ける、それが親友ってものよ。いつまで経っても魔法が使えなくて、おまけに使い魔に虐められて落ち込んでるあんたに手を差しのべてあげるのは、親友として当たり前でしょ?」
「それはそうかもしれないけど……だからって、なんでこんな仕事を?」
「あんたに、やればできるっていう自信をつけてあげたかったんじゃない? それか、お姫さまがあんたをどれだけ信用して、頼りにしているのかを分かってもらいたかったのかもしれないわね」
風で乱れた前髪を手で払いながら、キュルケは夜空に輝く月を見上げた。
「とにかく、あんたは姫さまに期待されてるんだから、無事に仕事を終わらせてその期待に応えなさい。あとは帰るだけなんだから、ね?」
「……そうね、そうよね」
不安で固くなだった表情を綻ばせて、ルイズが笑った。
>>226 栗饅頭を召喚して滅びかけたのがあったな。
ところで逆の発想はどうだろう。
聖地に強力な武器が召喚されるとあるが、現代兵器は量産品だけど、ファンタジー世界の武器はそうでもないかもしれない。
つまり「『唯一魔王を倒すことのできる聖剣』が聖地に召喚されてしまったために、
世界は魔王によって滅ぼされた」とか。
投下中に失礼しました。支援
282 :
狂蛇の使い魔:2009/09/23(水) 20:35:01 ID:m+I2KK8u
しばらくの間、二人で窓の外を眺めた後、ルイズが再び口を開いた。
「私、怖かったんだ。明日にはもう何もかもがなくなってしまうのに、笑っていられるこの城の人たちがすごく怖くて、不安になってきちゃったのよ」
「……」
「それで、これまでずっと思っていたことが、頭の中いっぱいに広がって……とても辛かった。でも、キュルケのおかげで楽になったわ。ありがとう」
そう言って、ルイズはにっこりと笑ってみせた。しかし、ルイズに初めて笑顔で感謝されたキュルケは、呆然とその顔を見つめていた。
「なに? 私、なにかおかしいことでも言った?」
「……あんた、やっぱり変わったわねぇ。前はあたしにありがとうなんて、意地でも言おうとしなかったのに。あいつにやられたのが、そんなに堪えたのかしら?」
ルイズは、フーケを捕らえに行った時のことを思い出した。使い魔に牙を向かれ、自分がどれだけ無力な存在なのかを叩きつけられた、あの出来事――。
「……そうね。私は変わったわ」
寂しげな笑顔で、ルイズはもう一度、窓の外に目をやった。
『少しは身の程を知ったらどうだ?』
あの後、アサクラに言われた一言で、ルイズはこれまでの自分の態度を改めようとした。誰の役にも立てず、必要とされないのならば、あまりでしゃばらずにひっそりとしていた方がいい、と。
また、誰かに必要とされたい、と今まで以上に渇望するようになった。アサクラに、ワルドに、そして今のキュルケとの会話によって、この思いは幾分満たされてきたように思えた。
しかし同時に、こんな役立たずの自分が本当に必要にされているのか、と疑心暗鬼に陥ることもあった。結局、不安は募る一方だった。
それでも――
「変わらなくちゃ、いけなかったんだ」
「え? 何か言った?」
「ううん、何でもない。……なんか体が冷えてきちゃったから、先に部屋に戻るわね」
「……ルイズ!」
部屋に向かってそそくさと歩き始めたルイズを、キュルケが後ろから呼び止めた。
「無理はしないでよね。何かあったら、私たちに言いなさいよ?」
「……うん。そうするわ」
返事をすると、ルイズは再び歩き始めた。
その後ろ姿を、キュルケが寂しげな表情で見送っていた。
謙虚なルイズって珍しい支援
284 :
狂蛇の使い魔:2009/09/23(水) 20:37:03 ID:m+I2KK8u
翌朝……。
キュルケ、タバサ、ギーシュの三人は、迫りくる戦禍から逃れるため、ニューカッスルの人々とともに『イーグル号』に乗り込んでいた。トリステインからの使いということで、三人には他の客とは別に、貴族専用の一室が与えられていた。
貴族専用とはいうものの、部屋の中身は平民も貴族も全く変わらず、狭くも広くもない空間に、窓が一つと多段ベッドがあるだけであり、ある程度の華やかさを期待していたキュルケとギーシュは、やや落胆ぎみであった。
「シケた部屋ねぇ。もっと気の利いた家具とか飾りとかなかったのかしら? 仮にも他国の大使なのに、こんな待遇じゃああんまりだわ」
「混んでるんだし、仕方ないさ。他の部屋みたいに、十人近くと相部屋するよりはマシだろう?」
木製の固い床の上に座りながら、キュルケとギーシュが言った。タバサは相変わらず読書に夢中である。
何もない部屋を眺める度に、僕もタバサのように本でも持ってくればよかったな、とギーシュは思うのだった。
「そういえば、ルイズやアサクラの姿が見えないな。彼らはどうしたんだい?」
「ルイズなら、まだやり残したことがあるって言ってたわよ。一緒に行くって言ったのに、思いきり断られちゃった」
キュルケがつまらなそうに答えた。
「アサクラは知らないけど、大体分かる気がするわ。タバサは何か聞いてない?」
隣にいるタバサに話を振ると、タバサは読んでいる本から目を離すことなく、淡々と答えた。
「遊びに行く、と言っていた」
遊びとはなんなのか、その行く先はどこなのかを一瞬で悟った二人は、呆れたように溜め息をついたのだった。
一方、当の浅倉はというと、二人が予想した通り、戦場の真っ只中へとやってきていた。
「まだ始まっていないのか。つまらんな」
王蛇に変身した浅倉が立っているのは、ニューカッスル城にある、最後の砦とも言うべき城門の上であった。見下ろせば、城門から少し離れた場所に、数百人のレコン・キスタ軍がひしめいているのが見える。
アルビオン軍の総員300人のうち、その大部分が城門に当てられているのだが、それでも敵の一部隊には及ばなかった。しかも、後方にはまだ約5万の兵が控えているのである。勝敗は決まりきっていた。
285 :
狂蛇の使い魔:2009/09/23(水) 20:38:54 ID:m+I2KK8u
早朝から睨み合っている両軍は、たまにメイジの魔法による小競り合いがあるものの、未だ目立った動きを見せていなかった。
アルビオン側は、敵の総攻撃に備えて少しでも力を温存しておきたいし、対するレコン・キスタ側は、城を攻略するための本隊が到着するまで、本格的な攻撃をする必要がなかったからである。
お互いにそれが分かっていたため、両軍の間には一時の沈黙が保たれていたのだが、浅倉にとっては、沈黙した戦場ほど腹立たしいものはなかった。
「まあいい。始まらないなら、俺が勝手に始めてやる!」
デルフリンガーを手に取ると、王蛇は城門から勢いよく飛び降りた。
「な、なんだお前は!?」
いきなり現れた謎の敵兵に、レコン・キスタの兵たちは慌てて武器を構えた。紫色の奇妙な鎧を着た王蛇を、レコン・キスタ兵たちは敵と認識し、その周りを囲むと、槍や剣、弓、銃、そしてメイジの持つ杖を、一斉に彼へと向けた。
「この時を楽しみにしてきたんだ……。少しは楽しませろよ?」
敵に囲まれているにも関わらず、王蛇は首を回しながら、嬉しそうに呟いた。そして、一歩足を踏み出すと、手近にいた兵士に、思いきり剣を振り降ろした。
「がっ……!」
短い断末魔とともに、兵士は持っていた剣ごと叩き斬られ、絶命した。返り血をその身に浴びながら、王蛇は次の標的を見つけると、すかさず剣で薙ぎ払った。
吹き飛ばされた兵士を確認することもなく、今度は呆然としていたメイジを捉えると、剣を握った方の手で殴り倒し、続けざまにその隣にいたメイジを左足で蹴り上げた。
兵士たちが唖然としている間に、次々に獲物を見つけては、それを斬り伏せ、蹴り飛ばし、殴り倒す――。
恐るべきスピードで、周りを囲んでいた数十人の兵士を蹴散らすと、本能の求めるがままに、更に敵陣の奥深くまで突っ込んでいった。
我にかえったレコン・キスタの兵たちの中には、果敢にも王蛇に挑んでいく者もいた。しかし、その圧倒的な力と速さの前に、一人、また一人と地に臥せていく。
「もっとだ! こんなんじゃ全然足りねえッ!! もっと戦えッ!!」
瞬く間に半数以上の兵を失ったレコン・キスタの兵たちは、背後から聞こえる雄叫びに怯えながら、一目散に本陣へと逃げ帰って行った。
室縁
まるで水を得た魚のようだw支援
288 :
狂蛇の使い魔:2009/09/23(水) 20:40:36 ID:m+I2KK8u
同じ頃、ルイズはワルドと共に、ニューカッスル城の一角にある礼拝堂にいた。
昨日の晩、急にワルドに結婚式を挙げようと言われ、ろくに準備もできないまま、朝早くからこの場に連れてこられたのであった。着いてすぐにアルビオンの礼装に着替えさせられると、目の前でウェールズが詔を読み上げ、式が始まった。
三人しかいない静かな礼拝堂に、ウェールズの声が響き渡る。その声を聞きながら、ルイズはまだぼんやりとしている頭で考えていた。
(なんで、ワルド様はこんなにも急ぐのかしら……)
確かに、結婚を拒む理由はないのだが、何もこんな忙しい時に結婚式をやらなくてもよかったのではないだろうか。帰ってからでも遅くはないのに、こんな戦場の真っ只中で結婚式を開いたのは、なぜだろうか……。
彼を信じてはいるものの、どこか納得がいかなかった。
「……新婦?」
俯いて考えごとをしているルイズを、ワルドとウェールズが見つめていた。ルイズが慌てて顔を上げると、ウェールズは咳払いをし、再び詔を読み上げ始めた。
「……新婦、ラ・ヴァリエール公爵三女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。汝は始祖ブリミルの名において、このものを敬い、愛し、そして夫とすることを誓いますか」
一瞬、どう答えようかと迷ったルイズだったが、今はワルド様を信じようという気持ちが勝り、誓いの言葉を述べようと、口を開く。
しかし、突如開かれた礼拝堂の扉の音で、ルイズの声はかき消されてしまった。
「何事だ!」
ウェールズが、扉から現れたアルビオンの兵士に向かって叫んだ。
「大変でございます! 城門前にいたレコン・キスタの一部隊が、何者かの攻撃によって壊滅! 撤退を始めました!」
「なにっ!? 城門前にいた我が精鋭部隊が、敗れただと……!?」
ウェールズよりも先に、ワルドが驚きの声をあげた。言い終わった後で、その顔に「しまった」という表情を浮かべた。
ウェールズはその様子をいぶかしみながら、兵士に下がるように命令を下した。
「僕もすぐそちらへ向かう。君は戻って、皆に待機しているよう伝えてくれ」
「はっ!」
兵士が去って行くのを見届けると、ウェールズはワルドの方を向き直り、問いただした。
馬鹿だこのワルドwww
290 :
狂蛇の使い魔:2009/09/23(水) 20:43:21 ID:m+I2KK8u
「子爵。今の発言は、一体どういう意味だ? きみは何か知っているのか?」
無言でたたずむワルドに向かって、ウェールズが鋭い視線を投げかける。ルイズは、目の前の二人を見比べながら、事の成り行きを見守っていた。
しばしの沈黙の後、ウェールズが再び問いつめようとしたところで、ワルドの口が開いた。
「……こういうことですよ。プリンス・オブ・ウェールズ」
ワルドがにやり、と口角を吊り上げた。その意味を悟ったウェールズが杖を構えるよりも早く、ワルドは呪文を詠唱すると、引き抜いた杖をウェールズめがけて真っ直ぐに突き出した。
「ぐっ……!!」
ウェールズが呻き声をあげ、持っていた杖を取り落とす。魔法によって淡い光を纏ったワルドの杖が、その無防備な胸をしっかりと貫いていた。
流れるような動作から繰り出された一撃は、まさに『閃光』の如く、一瞬にして敵の命を奪い去ったのであった。
「殿下!? そ、そんな……!!」
豹変したワルドと、崩れ落ちたウェールズの二人の姿に、ルイズは思わず後ずさった。
「あの男のせいでだいぶ予定が狂ってしまったが……まあ、遅かれ早かれこうなる運命だったのだから、よしとしよう。それよりルイズ、君には見苦しいところを見せてしまったね」
横で呻き苦しむウェールズをよそに、ワルドはルイズに向けて微笑みかけた。いつも通りの優しい笑顔だったが、その眼差しは冷たく、まるで獲物を狙っているかのような非情な目をしていた。
「ワルド様……あなたもしかして……!?」
「そうだ。僕は貴族派『レコン・キスタ』の一員だったのさ」
ルイズは驚愕した。この数日間、ルイズたちと共に戦い、共に進んできたはずのワルドが、実は敵の内通者だったのだ。
特に、ルイズとは婚約者であったのだ。受けた衝撃は計り知れないものがあった。
「本当に……本当に裏切ったのですか?」
「裏切った、だって? 僕は正しいと思う道を選んだだけさ。……それより」
ワルドはルイズの目前まで歩み寄ると、ルイズの顎をくいと上げ、互いの吐息が届くぐらいに顔を近づけて、言った。
「結婚式の続きだ。僕の花嫁になるのか、ここで哀れな骸を晒すか、選びたまえ」
291 :
狂蛇の使い魔:2009/09/23(水) 20:45:45 ID:m+I2KK8u
以上です
少し間抜けなのがワルドらしいといえばワルドらしい
次回はワルドが頑張ってくれそうです。いろいろな意味で
では、支援ありがとうございました
投下乙です
まあルーン効果が惜しいから一応は助けに来るんだろうな
船一杯の硫黄があるから、マッチも何とかなるんだろう。たぶん。
それはさておき、TRPGオンセで使ったキャラを召喚とかいう妄想が浮かんだ。
あっという間に立ち消え……というか他のネタに飲み込まれた。それは二次創作だからという理屈が後から追いついた。
>>280 DQ3でゾーマをドツキ倒したひのきのぼう=ロトの剣ですね、わかります
))293
つーか、オリキャラ召喚だろ、自分の使ったキャラは
乙です
このワルドは駄目っぽいw
>栗饅頭を召喚して滅びかけたのがあったな。
ああいうのがツボだ
でもあれって元ネタでバイバインをかけたのはドラ焼きだったと思うんだが記憶違いだろうか
王蛇の人乙&GJ!
なんか朝倉がすっごく素敵な笑顔でキャッキャウフフと殺戮する姿がががGJ!
口が軽すぎるぞワルド
まあ、ウェールズ暗殺が大抵のワルドの人生最盛期だから先が見物だな
傭兵の癖に精鋭部隊なんて、どこのワイルド・ギース
王蛇の人乙!
ラ・メーンって、カブトのネタじゃねぇかwww
302 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/23(水) 21:55:25 ID:GHbADIJY
>「本当に……本当に裏切ったのですか?」
オンドゥルルラギッタンディスカー?に見えた
>>302 おや、俺がいる
それはともかく王蛇の人乙!
浅倉イキイキしすぎワロタw
>236
領地の畑を荒らすメタルスライム相手に何の役にもたたない魔法をたたきこんでかえって被害金額を拡大させるヘボ貴族を想像した
たまにメラやギラで返り討ちにされてたら貴族の面目まるつぶれだろうな
ギラも積もればベギラゴン
>>236 誰も彼もがメタル狩りしまくって、メイジ平民問わず軒並みレベルアップしまくったハルケギニアを幻視したw
これはベギラゴンでは無い、ギラだ
>誰も彼もがメタル狩りしまくって、メイジ平民問わず軒並みレベルアップしまくったハルケギニアを幻視したw
むしろ平民の方が地道にこん棒でメタル系を殴り殺してレベルアップ
そのうち国家の戦力として無視できない地位を認められ平民の権利拡大につながる、とか
>>307 それをヒロインがやったゲームがあった
設定、ストーリー的に一部のラスボスポジションだったからもあるが
王蛇の人乙
良かった
アルビオン軍がうっかり王蛇に仕掛けないで本当に良かった
どうも。毒の爪の使い魔の55話が書き終わりました。
予定などがその他が無ければ22:55から投下開始します。
狂蛇も毒の爪も支援
激しく支援
では、そろそろ投下開始します。今回少々長いのでさるさんに引っ掛かるかもしれません。
暖かな朝の日差しが照らすアルヴィーズの食堂。
生徒達が朝食を取りながら談笑する、何時もと変わらぬ風景がそこに広がっている――かと思えば違った。
食堂には三つの長いテーブルが並んでおり、正面入り口から向かって左の方から順に三年生、二年生、一年生が座る。
その一年生の席の一角に凄まじい人だかりが出来ているのだ。中心には一人の少女。
流れるような美しい金色の髪に白い肌をした彼女はティファニアだった。
アルビオンからトリステインへと彼女が連れて来られてから二ヶ月ちょっと。
魔法学院の春の始業式並びに入学式から一週間程度遅れ、アンリエッタの取り計らいから彼女はここに編入して来た。
入国手続き、トリステイン王家の方々へのお目通りなど、もろもろな事情も編入に時間が掛かった理由だが、
もっとも大きい物は彼女自身の事だ。
特にそれまで親代わりを勤めていた子供達との別れは、彼女にとってもっとも辛い事だった。
子供達は修道院に預けられる事となったのだが、別れの際には互いに泣いてしまった。
だが、子供達も何時までも甘えてばかりいられない事を十分理解していたらしく、
「村に戻ろうか?」と言った彼女に「自分達は大丈夫」と笑顔で答えた。
そんな子供達の心遣いにティファニアも心の中の不安を拭う事ができ、こうして魔法学院の生徒として生活を送っている。
さてさて、そんなこんなで魔法学院の一員となった彼女だが、心労は絶えなかったりする。
その理由は大きく分けて二つ。
一つは環境の違い。
閉鎖された空間とも言うべきウエストウッドの森と違い、魔法学院はあまりにも交流が多い。
村に殆ど閉じ篭る様にして生活していた彼女にとって、大勢の生徒は見るだけでインパクトがあった。
それに加えて授業の内容や森とはまた違った生活も目新しく、彼女は目が回る思いだったのだ。
そして、もう一つは彼女の容姿がもたらした結果。
彼女はエルフの血を隠す為、尖った耳を覆ってしまうほどの大きな帽子を、入学の時から常に被っていた。
無論、本来ならばそのような格好で授業を受けたりするなど、学校生活を送る事は許されない。
だが、彼女の場合『肌が日光に極端に弱い』と言う表向きの理由で許可されている。
アンリエッタの要請で後見人となったオスマン氏が、教師や生徒に入学式の時にそう説明した。
普通ならば誰もが嘘と解る事だが、彼女の場合は事情が違う。
彼女の肌の白さは雪のようで、日焼けをしていない女子生徒の中でも群を抜いており、
見れば誰しも”この子は日光を浴びれば火傷を負う”と考えてしまうだろう。
そんな彼女の儚い印象や今は無きアルビオン王家とエルフの血がブレンドされた麗しい容姿、
アルビオンからの訳有りな転入などの要素により、彼女は一日で学院中の男子生徒の興味を学年を問わず図らずも独占。
毎日毎日蟻に集られる飴玉の如く、彼女に奉仕をしようと集まる大勢の男子生徒に囲まれる事は、
静かな学院生活を送りたかった彼女には想定外の事態だった。
しかし、悪意の無い彼らを無下に突き放す事など彼女に出来るはずも無く、結果として彼らの対応に苦労する羽目になった。
――そして、今日も彼女は目の色を変えた男子生徒に囲まれている。
「いやはや、それにしても彼女の人気は凄い物だな」
男子生徒に囲まれるティファニアを見つめながら、ギーシュは唐突にそんな事を呟いた。
隣に座っていたジャンガは興味無さそうに大欠伸をする。
そんな彼らの周りには数人の男子生徒が集まっていた。
彼等は近衛隊”水精霊騎士隊”<オンディーヌ>のメンバーだ。
千年以上昔に創設された伝説の近衛隊――その名が冠されたこの近衛隊はアンリエッタが新たに創設した物だ。
最初アンリエッタは、隊長には”シュヴァリエ”の称号を送る事にしたジャンガに勤めてもらおうと考えていた。
だが現在の所、隊長はギーシュが勤めている。
理由は至って簡単……ジャンガが”シュヴァリエ”の称号授与と共に断ったからだ。曰く『部下になるなんざまっぴら御免』との事。
無論アンリエッタもこうなる事は重々承知していたらしく、無理に進めるような事はしなかった。
この新たな近衛隊の創立には”急な用件にも柔軟な対応が出来るように”と言う意味もある。
故にジャンガが隊長でなくともさしたる問題は無い。称号授与と共にアンリエッタの彼に対する純粋な感謝の意の示しである。
加えて騎士団の創立は既に決定事項としてふれを出していたので、今更取り消す事は出来ないのだった。
そんな訳で、隊長にはある程度の家柄や戦果の有るギーシュが選ばれたのである。
ジャンガにしてみれば別に有っても無くてもいい物なので、近衛隊が作られてもさして興味は無かった。
「あれは人気者と言うレベルを超えている。まるで崇拝だ」
水精霊騎士隊の実務担当をするつもりの少年レイナールがメガネを直しながら言う。
彼の言う事ももっともだった。ティファニアの周りに集う男子生徒は彼女の一挙一動にすぐさま反応を示すのだ。
紅茶のお代わりを注ぎ、肉を代わりに切り分けるなど、彼女のしようとした行動を率先して行うのだ。
それだけならばお姫様と召使の関係だが、零れた紅茶を自らのハンカチやマントで拭き取ったり、
埃が掛からないように壁となったりするのは少々行き過ぎだろう。
ガタンッ、と音がした。
ジャンガが目を向けると、ティファニアがその場を走り去って行くのが見えた。
男子生徒が手に手に帽子を持っているのを見て、ああそう言う事か、とジャンガは納得する。
おそらくは帽子をプレゼントされ、被らねばならない状況になりそうだから逃げ出したのだろう。
帽子の下には尖った耳…、エルフの特徴が隠れている。
もっとも彼女はハーフエルフなのだが、そんな事は些細な問題だろう。
「案外苦労してるみたいじゃねェか、アイツもよ…」
そう呟き、ジャンガは再度大欠伸をした。
そんな感じで今日も一日が過ぎる――かに思われたのだが……。
夕暮れ時、ジャンガはヴェストリの広場でベンチを占拠し、鼾を掻いていた。
殆ど人が寄り付かず、静かなここもまた本塔の屋根の上同様、昼寝には絶好の場所なのだ。
無論、一日中誰も近づかないなどありえない事だが、生徒達はジャンガが眠っている間は寄り付こうとしない。
以前にジャンガの傍で騒ぎ立て、彼を起こしてしまった生徒が筆舌にし難い仕打ちを受けた事があるからだ。
そんな訳で今日も彼は静かなこの場所で、思う存分惰眠を貪っていた。…そんな彼の耳に届く雑音。
何処かで誰かが騒いでいるのは解った、それが女生徒なのも解った。――解りはするが…正直うるさい。
まさか、今更騒ぎ立てて自分を起こそうとする命知らずがいるなどジャンガは思ってもいなかったのだ。
ジャンガはイライラしながら目を開けると身体を起こし、雑音のする方へと顔を向ける。
見れば帽子を押さえながらおずおずと後退っているティファニアの姿が見えた。
すると、学院の方から褐色、黄土、緑の髪をした三人組みの女生徒が姿を現す。
何れもマントは紫色をしているから一年生だろう。
紫は三年の色だったが、新しく入った学年は卒業した学年の色が使われるらしい。
なるほど…、新しく入った一年生ならば事情を知らなくても不思議では無いだろう。
それにしても目付きが悪い…、如何にも性格が悪そうだ。
すると、三人の後ろからまた一人一年生の女生徒が姿を見せる。
金髪をツインテールにした少女だ。
こちらもまた性格が悪そうな目付きをしてる。…しかも物凄くガキっぽい。
ジャンガは耳を傾けると話の内容が耳に入って来る。
…どうやらティファニアがツインテールの少女に挨拶をしなかった事を怒っているようだ。
”無礼者”だとか”謝罪しろ”などティファニアに向かって非難轟々だ。
金髪の少女も冷たい視線をティファニアに投げかけている。
それらを見ていてジャンガは腸が煮えくり返りそうな感覚に囚われていた。
別にティファニアが苛められているのを気の毒に思ったからではない…、幼少の頃に受けていた苛めを思い出したのだ。
指の代わりに爪が生えた手が気持ち悪いと言われ、化け物と罵られる。
当時は小心者な性格だった彼にはそれは物凄い恐怖だった。
小さい頃に受けたそれはトラウマとなり、大抵の奴は黙らせられるようになった今でもふと思い出される悩みの種。
例え自分に関係の無い事でも、これだけはジャンガも克服しきれない。
自分で苛めるならまだしも(最早ありえないが)自分が苛められたり、他人が苛められているのを見るのは我慢が行かない。
「許して、お願い」
ティファニアの声にジャンガの思考は現実に戻る。
考え込んでいる間に話はエスカレートしたらしく、苛めっ子グループが帽子を掴んで引っ張ってる。
ティファニアも必死に抵抗しているが多勢に無勢…、帽子が取られるのは時間の問題の様だ。
そんな彼女が昔の自分とダブり、ジャンガは音がするほど強く歯を噛み締めた。
不意に帽子を掴んでいた手が離され、ティファニアは後ろによろめいた。
どうしたのか、と思って顔を上げると彼女達は呆然と広場の方に顔を向けている。
ティファニアもそちらに顔を向けると、そこには彼女の知っている亜人が立っていた。
「ジャンガさん?」
亜人――ジャンガは答えず、女生徒達を睨んだ。
冷たい刺す様な視線に女生徒達は震え上がる。
「あ、あなた…誰よ?」
ツインテールの少女が震える声で言った。
「ギャーギャー、ギャーギャー、ウルセェんだよ…ガキが」
吐き捨てる様に呟くジャンガ。
その言葉に褐色の髪の少女が声を荒げる。
「無礼者! 誰の使い魔か知らないけれど、この方を何方と心得ているの!?」
「ガキはガキだろうが。なんなら他の呼び方にするゼ? 小娘、クソガキ、なんちゃって貴族、…リクエストが在るなら聞いてやるゼ?」
褐色の女が噛み付くような勢いで詰め寄ろうとして、ツインテールの少女に止められる。
少女はジャンガを睨み返す。だが、その目には恐怖の色が見て取れた。
「ンだ?」
「…あなた、わたしを誰だとお思い?」
「生意気なクソガキ…、それ以外の何だってんだ?」
少女は怒りに顔を歪ませる。
「ベアトリス・イヴォンヌ・フォン・クルデンホルフよ! トリステインと縁深き独立国クルデンホルフ大公国の姫殿下!」
その説明にジャンガは、ああ、と納得したように頷く。
「なるほど…そう言う事か」
――世間知らずの無礼な亜人かと思えば、クルデンホルフの事は知っていたか。
ベアトリスはしめたとばかりに言葉を続ける。
「そうよ、わたしはアンリエッタ女王陛下とも縁は深いの。解ったなら、今の無礼を謝罪しなさい!」
指を突きつけ、謝罪を迫るベアトリス。
だが、ジャンガはそんな彼女を見下ろすのみ。その目はまるで汚物でも見るかのようだ。
その視線に不愉快になり、ベアトリスは声を荒げる。
「謝罪をしなさいとわたしは言っているのよ!?」
「…ドブネズミ風情に何で謝らなきゃならねェんだよ?」
ジャンガの言葉に女生徒達は絶句した。
ベアトリスは見て解る位に顔を怒りで真っ赤に染める。
「あ、あなた…誰に向かってそんな口を叩いているか解ってるの!?」
「テメェこそ、外から来た分際で偉そうにしてんじゃネェよ…」
ジャンガは静かに呟く。
その言葉に何か危険な物を感じ、ベアトリスは震えた。
細められた両目は獲物を狙う肉食獣のそれと変わり無い。
「…人の縄張りで好き勝手すんじゃネェよ」
ジャンガの腕がゆっくりと振り上げられ――
「わあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」
――腕が振り下ろされる寸前、ギーシュが叫び声を上げながらワルキューレと共にジャンガに飛び蹴りをした。
完全に不意を突かれた形になったジャンガは、もんどりうって地面を転がる。
ギーシュは荒く呼吸を繰り返しながらそれを見届け、ベアトリスへと向き直る。
「ハァ、ハァ、おお、これはこれは、クルデンホルフ姫殿下ではございませんか!?」
いつもの態度は何処へやら…妙に畏まった態度でギーシュはベアトリスに挨拶をする。
「あ、あら…ミスタ・グラモンじゃない。コホン、お久しぶりですわね」
ベアトリスは目の前の相手が自分の実家がお金を貸している相手だと解るや、先程までの調子を取り戻す。
すると、彼に付いて来たのであろうモンモランシーがベアトリスの身体を見ている。
「お、お怪我とかはございませんか?」
モンモランシーは心配そうな表情で尋ねた。
「別に」
ベアトリスはあくまでも平静を装ってそう言った。
>270
>265は、コピペ
モンモランシーはその答えを聞くや、安堵の息を漏らす。
当然だろう。独立国の姫に怪我を負わせよう物ならば事は国際問題に発展する可能性が高い。
例えジャンガの性格は解っていようとも、それだけは避けなければならない事態なのだ。
ギーシュが広場で倒れるジャンガを指差す。
「あいつはジャンガと言いまして、アンリエッタ女王陛下のシュヴァリエの称号授与も断る位の無礼者なんです。
ですから、姫殿下とあろう方があのような奴と立ち話をするのは高貴さが損なわれてしまうかと…」
「でも、あの亜人が先に…」
尚も食い下がろうとするベアトリスの耳に口を近づけ、ギーシュは小声で言う。
「少しの無礼を許容出来る、出来ないで大人のレディは変わりますよ?
今此処で許容出来れば姫殿下は大人のレディとして大きく成長されるでしょう」
そのギーシュの言葉にベアトリスも満更ではなかったのだろう。
僅かに頬を染めると”この場はこれで終わり”とあっさりと引き上げた。
…去り際、ティファニアに対して「次からは帽子を取れ」と言い残して。
――当然と言えば当然だが、ベアトリスが去った後でギーシュはジャンガに責められる事となった。
胸倉を掴み上げられ、ギーシュは苦しむ。
そんな彼にジャンガはそれだけで人も殺せそうな視線で睨み付ける。
こんな風にされるのは随分と久しぶりな感じがするが、懐かしむ必要も無ければ懐かしむ余裕も無い。
ギーシュはジャンガを落ち着かせるべく言葉を選ぶ。
「ジャ、ジャンガ…落ち着いてくれ」
「ホゥ? 派手にぶっ飛ばしておきながらその言い草か。…舐めんじゃネェぞ、気障ガキ?」
胸倉を掴む爪に力が籠もる。
首が絞まって息が苦しくなり、ギーシュはもがく。
モンモランシーが慌ててジャンガの腕を掴んだ。
「確かに説明も無しにいきなり吹き飛ばしたのは悪かったと思うわよ! でもね、事情が事情なのよ!」
必死に説得するモンモランシー。
ジャンガはそんなモンモランシーとギーシュを暫く見比べる。
やがて忌々しそうに舌打をし、ギーシュを乱暴に地面へと放り出した。
背中から叩き付けられ、ギーシュは苦痛に顔を歪ませる。
「あ、あ痛たたたた…」
「ちょっと、大丈夫?」
「な、何とか…」
心配そうな表情で安否を気遣うモンモランシーに、ギーシュは何とか笑顔を返す。
そんな二人を見下ろすジャンガ。
「…どんな事情が在るってんだ? 下らないのだったら容赦しないゼ?」
「全然下らなくなんか無い! 寧ろ重大だ!」
ギーシュは深呼吸をし、口を開く。
「彼女は小国とは言え独立国の姫だ。そこらの貴族とは格が違うんだよ、格が」
「ンなもんテメェらだって同じ穴のムジナだろうが」
ジャンガの言葉にギーシュは苦笑いを浮かべる。
「その言葉は嬉しくないが、言いたい事は解る。確かにぼくのグラモン家は代々王家に使えてきている。
格の上では大公国と同格と言っても差し支えは無い」
「モンモランシ家もそうね」
「…じゃ何であんなに頭が低いんだよテメェら?」
「現実は歴史に勝る」
「あン?」
「グラモン家は名門だが、領地の経営に疎い。過去にお金を使い過ぎた所為でね…財政難なんだ」
その言葉にジャンガは事の次第を理解し…、同時に呆れ返った。
「…金を借りてるって事か」
ギーシュは乾いた笑いを上げる。
モンモランシーもまた恥ずかしそうに顔を染めた。
「モンモランシ家も似たような物ね。以前に領地の開拓に失敗してるから…」
「まぁ、君も仲良くするに越した事は…」
「すると思うか?」
思わないさ、とギーシュは首を振って答える。
「他所から俺の縄張りに勝手に紛れ込んで、好き勝手するドブネズミとどうして仲良くしなきゃならねェ? ”始末”する方が楽だ」
そう言ったジャンガにギーシュは必死な表情で詰め寄る。
「いや、だからそれはダメだ! 彼女は一国の姫! その彼女に手を上げるのは確実に国家間の問題に発展する!
しかもだ、彼女には自前の親衛隊がついている。彼らとの争いは正直御免だ」
ジャンガは怪訝な表情を浮かべる。
「親衛隊…ってのは何の話だ?」
「知らないのかい?」
尋ねてくるギーシュにジャンガは頷いて見せた。
ギーシュはジャンガとティファニア、モンモランシーを正門の前まで引っ張っていった。
「見たまえ」
そう言ってギーシュは草原を指差す。
ジャンガは僅かに眉間に皺を寄せる。
魔法学院の周辺に広がる広大な草原…、そこに何時の間に作ったのか、幾つもの天幕が設けられていた。
天幕の上には空を目指す黄色の紋章が描かれ、周囲には大きな甲冑を着けた風竜が何匹もたむろしている。
「…ンだ、ありゃ?」
「あれがクルデンホルフ大公国親衛隊、その名も”空中装甲騎士団”<ルフトパンツァーリッター>だ」
ふぅん、と詰まらない物でも見るかのような目でジャンガは騎士団を見渡す。
ギーシュの説明が続く。
「クルデンホルフ大公国は、あの騎士団を「虎の子だ」と言う理由で先だってのアルビオン戦役には参加させなかった。
だから今も健在。アルビオンの竜騎士団が壊滅した今となってはハルケギニア最強の竜騎士…とまで言われているんだよ」
「最強ね……ふ〜ん」
ギーシュの説明にもジャンガは生返事を返すだけ。
「その虎の子の騎士団を留学した娘一人の警護につけるとはな…どんな親バカだよ?」
呆れたような声で言う彼にギーシュは顎に手を沿えて答える。
「金持ちと言うのは見栄を張りたがる者だからな…」
「テメェが言えた義理かよ…気障ガキ?」
「ぼくはカッコつけたいだけだ。それに、今では無意味なアプローチは極力控えるようにしている」
「ああそうかよ…」
そう言ってジャンガは踵を返す。
「何処へ行くんだい?」
「…寝直すんだよ」
そう言ってジャンガはその場から消えた。
「いいかい!!? 絶対に彼女には手を出さないでくれよ!!!?」
ギーシュは既に姿を消したジャンガの耳に届くように、精一杯声を張り上げて叫んだ。
それを見ていたティファニアは申し訳無さそうにポツリと呟く。
「すみません、色々とご迷惑を掛けたみたいで…」
「え? ああ、別にあなたは気にしなくていいわよ。あいつはいつもの事だし」
「でも、迷惑をおかけしたのには変わりません…。わたしがシッカリしていればこんな事にはならなかったし…」
そんな彼女の様子を見かねたのか、ギーシュが口を開く。
「まぁ…その、なんだ。君もそんなに落ち込まない方が良い。折角の美貌が台無しだよ?」
「ギーシュ…」
モンモランシーが目を細めて見ている事に気が付き、ギーシュは取り繕う。
「別に卑しい意味で言ったわけじゃないさ。純粋に彼女を元気付けたくて言っただけさ」
「…それは解ってるわよ。ちょっとばかり気になっただけよ」
そう言い、モンモランシーは小さく咳払いをする。
「ま、ギーシュの言う事ももっともね。あなたも元気出しなさい。そりゃ、大公国の姫に目を付けられれば困るでしょうけど…」
モンモランシーの気遣いの言葉にティファニアは首を振る。
「お気遣いありがとうございます。わたしは本当に大丈夫ですから…、では失礼します」
ぺこりと二人にお辞儀をし、ティファニアは帽子を押さえながら学院へと戻って行った。
そんな彼女の後姿を見送りながら、残った二人は顔を見合わせた。
「大丈夫かしら?」
「何とも言えないな…」
「ジャンガもそうだけど…、ベアトリス姫殿下にも困ったわね。幾ら姫殿下でも我侭が過ぎと思うわ」
「それは同感だが、だからと言って僕達に出来る事は無い。…彼女が上手く対応するのを願おう」
「もう一つ願う事は在るんじゃない?」
モンモランシーがそう言い、ああ、とギーシュは頷く。
「ジャンガが問題を起こさない事か…。…願うだけ無駄な気もするがね」
ギーシュはため息を吐く。
同感、とモンモランシーもため息混じりに呟いた。
翌日…ジャンガは昨日と変わらずヴェストリの広場のベンチで昼寝をしていた。
あれだけ脅したのだから、もう二度と問題は起こさないだろうと、考えていたジャンガは再度此処を昼寝の場所に選んだのだ。
今日は最後まで寝れるだろうと考えながら。
しかし、万事思い通りに進まないのが世の常であり…。
大勢の学生の悲鳴が耳に届き、ジャンガは歯を噛み締める。
授業中だというのに何故このように叫ぶのだろうか?
しかし、ジャンガには理由など関係無い。ただ喧しいだけだ。
帽子を深く被り、騒音を掻き消そうとする。
すると、今度は突風が吹き、何かの唸り声が聞こえた。
ガチャーーーンッ!
立て続けに派手に窓ガラスが破られる音が響き、生徒の物ではない男達の声が聞こえてきた。
「ルセェ…」
更に帽子を深く被り、極力騒音を排除しようとする。
だが、騒音は耳に届き続け、ジャンガは次第にイライラを募らせていく。
そして、トドメとばかりに猛烈な突風が吹き、ベンチごとジャンガを吹き飛ばした。
吹き飛ばされたジャンガは背中から塔の壁に叩きつけられた。
遂に我慢が限界を超え、ジャンガは目を開ける。
飛び去る無数の甲冑を着けた風竜の背中が見えた。それは昨日ギーシュに見せられた騎士団の連中のだ。
風竜の背中には竜騎士の姿が勿論在ったが、それ以上にジャンガを苛立たせる姿が目に入った。
一匹の風竜の足に掴まれた尖った耳をした金髪の少女、
そしてその風竜の背に竜騎士と共に乗った金髪をツインテールにした少女だ。
それを見ながらジャンガは亀裂の様な笑みを浮かべた。
魔法学院の正門前、そこの草原に設けられた空中装甲騎士の天幕の前の地面にティファニアは乱暴に転がされた。
痛みを堪えながら身体を起こし周囲を見回す。
甲冑を着けた表情すら伺えない騎士達が自分の周囲を取り囲んでおり、
その輪の外では更に恐ろしい風竜達が唸り声を上げて威嚇している。
現状逃げる術は無いに等しい。
これだけ大勢の人間が居る場所で”忘却”の魔法は使えない。
先程、人間の父を”悪魔に魂を売った者”とベアトリスに言われて反論した時も、すぐさま周囲の騎士達が駆けつけて来た。
そんな騎士達に囲まれている今の状況で魔法を唱える素振りなど見せようものなら、周囲から魔法で蜂の巣にされてしまう。
かと言って二重に囲まれている為、退路など在るはずもなし。
やはり正体を明かすべきではなかった…、とティファニアは後悔する。
自分の事を受け入れてくれた人が居たからと言って、全てのハルケギニアの人がそうだと言えるはずもない。
大体、自分を従妹だと言って受け入れてくれたアンリエッタですら、最初は自分を見て驚いていたではないか?
それほどまでにエルフとハルケギニアの人間の間の溝は深い…。少し話をした位で解りあえるような物ではない。
周囲を取り囲む騎士達が、エルフの母の命を奪った騎士達の姿とダブって見える。
怯えるティファニアの下にベアトリスがやって来た。
勝ち誇ったような表情で彼女を見下しながら宣言する。
「今から異端審問を執り行うわ。わたし司教の肩書きを持っているの」
騒ぎを聞きつけて集まった周囲の生徒達がざわめいた。
生徒達の反応に満足したのか、ベアトリスは嬉しそうな表情でティファニアを見る。
「先程も言ったけど、わたしたちと仲良くしたいと言うなら同じ神を信じると言う事を証明してもらわないとね」
「どうしろって言うの?」
「あれに入るのよ」
ベアトリスは顎で示すので、ティファニアは自分の背後を振り返る。
大釜がそこに置かれていた。大釜の中の水は強力な炎の魔法で既にグラグラと沸騰している。
「あの湯の中に一分間浸かるの。大丈夫よ、始祖ブリミルを信じている者なら丁度良い湯加減に感じるから。
でも、あなたの”信仰”が本物で無い……つまり”異教徒”なら、あっと言う間に茹で肉になってしまうでしょうね」
楽しそうな顔でベアトリスは言う。
勿論、彼女の言葉は嘘だ。信じていようといまいと熱湯は熱湯でしかなく、浸かれば命は無い。
要するに、異端審問とは名前を変えた処刑に他ならないのだ。
何も知らないティファニアは呆然と大釜を見つめる。
そんな彼女にベアトリスは言った。
「できない? なら今直ぐ田舎に帰りなさい。そうすれば今までの事は無かった事にしてあげる」
暫しの沈黙が漂う。大釜の中の湯が沸騰する音と、燃える薪が立てるパチパチと言う音のみが辺りに響く。
その場に集まった生徒の中にはギーシュを初めとした水精霊騎士隊の面々にルイズやタバサも居た。
「ああ…やっぱりこういう事になったか…」
ギーシュがため息混じりに呟く。
「でも、あの子がエルフだったなんて驚いたわ?」
モンモランシーは信じられない物でも見るかのような表情でティファニアを見た。
まぁ、エルフはメイジの魔法を軽く凌駕する先住魔法の使い手である恐ろしい砂漠の悪魔…と呼ばれている。
それが目の前の少女だとは思えないのも致し方ない。
「ねぇ…、あなた達は知っていたの、あの子がエルフだって事?」
キュルケがルイズとタバサに尋ねる。
ルイズとタバサは頷いて見せた。
「正確にはハーフエルフなんだけどね」
ルイズのその言葉にキュルケは興味深げな声を上げる。
「へぇ…純粋なエルフじゃないの。でも、こうして見てる限りでも、恐ろしいって感じは全然しないわね…?」
キュルケもまたモンモランシーと似たような感想を抱いていたのだ。
さて、ルイズとタバサはアンリエッタからティファニアの事を任されている。
もっともなるべく問題は彼女自身に向き合ってもらいたいと言うのがルイズの本音だったりする。
ティファニアはハーフエルフであり、更には”虚無”の担い手である。
そもそも普通の貴族としては暮らしていけない身の上なのだ。
そんな彼女が魔法学院に来れば、どんな事態が起きても可笑しくはないのである。
それで一々助けていては此方が大変なばかりか、彼女自身にとってもためにならない。
本当にどうしようもなく、どうしても助けが必要な場合、その時にだけ手を差し伸べようとルイズは心に誓ったのだ。
そしてその旨はアンリエッタもタバサも、後見人となったオスマン氏も承知してくれた。
そんなルイズはそろそろ口を出すべき時だろうかどうか悩んでいた。
どんな事態が起きても可笑しくは無いと思っていたが、これは些か事が大きすぎる。
まさかこの魔法学院で異端審問を執り行う者が出てこようと流石に思わなかったのだ。
だが、非常に怪し過ぎる。あの一年生は司教の肩書きを持つと言ってはいるが、肝心の免状や審問認可状が見当たらないのだ。
何より目が悪戯をしている子供と大差ないのだ。
それらの事から、おそらくは嘘だろう、とルイズは当たりをつけていた。
では直ぐに口を出すべきだと思ったが、ティファニアの目からは怯えが消えていたのだ。
まだ何か言う事があるのだろう、とルイズはもう暫く様子を見る事にした。
「いや。絶対にいや」
その時、ティファニアの声が静かに響いた。全員の視線がティファニアに集中する。
ベアトリスは一瞬呆気に取られた。
「わたし、外の世界を見てみたいって願っていたの。それをジャンガさんやアンリエッタさんが叶えてくれたの。
ここで帰ったら、願いを叶えてくれた人達だけじゃない…、笑顔でわたしを送り出してくれた子供達にも合わせる顔が無い。
だから、絶対に帰らない」
ベアトリスは歯噛みする。これだけ脅してやれば帰るだろう、と思っていたのに相手は「帰らない」と言ってきたのだ。
どうして命を落とすかもしれないこの状況で、あんな言葉が言えるのだろうか? と悩む。
それだけの覚悟がティファニアには有るのだが、理解出来ないベアトリスは苛立つだけだった。
幼少期からちやほやされて育った彼女は未だに精神年齢が未熟なままなのだ。
「わたしが帰れと言ったら帰るの! それに、何よ今の!?
わたしの生まれであるクルデンホルフ大公家と、現トリステイン女王陛下であらせられるアンリエッタさまは縁が深いの!
それを言うに事欠いて”アンリエッタさん”ですって? 無礼にも程があるわ!
やはりあなたは異教徒ね! わたしやアンリエッタさまへの礼儀もなっていないあなたは即刻ここから出て行きなさい!」
ベアトリスはヒステリックに喚き散らす。
しかし、ティファニアは全く動じなかった。寧ろ、ベアトリスを哀れみの目で見つめている。
「な、何よ? 何なのよ、その目は!?」
ティファニアはポツリと呟く。
「可哀想…、子供なのね」
「なっ!?」
ベアトリスは呆然とする。
そんな彼女を見つめながらティファニアは続ける。
「ずっと大勢の子供達の世話をしてきたから解るわ。…あなたは全てが思い通りに行かないと気がすまない子供。
きっと、家に居た時は何でも他の人がやってくれたのね…。どんな我侭でも全て聞いてもらって、欲しい物は何でも貰う。
そんな甘やかされた生活が続けば子供のままで当然よね…。だから、あなたにはああ言う人しか集まってこない…」
ティファニアはそう言って離れた所で見ている三人組の女生徒を見た。
彼女の真っ直ぐな目で見つめられ、三人は動揺する。
保守オゥアアアォゥ
そのままティファニアはベアトリスに視線を戻す。
「もっと…叱る時には叱ってくれる、ちゃんとした親の所に生まれていればこうはならなかったと思うわ。
可哀想に…。わたし…あなたがとても気の毒だわ」
直後、乾いた音が響き、ティファニアは地面に倒れた。
苛立ちが頂点を越えたベアトリスの平手打ちが飛んだのだ。
顔を真っ赤にさせながらベアトリスは叫ぶ。
「この者を釜に入れて! 今直ぐに!」
後ろに控えていた空中装甲騎士の二人がティファニアへと手を伸ばす。
ルイズは頃合と見て、止めるべく声を上げようとした…その時だ。
「ガアッッッ!!!?」
突然悲鳴が上がり、悲鳴の方に視線が集中する。
騎士の一人が杖を放し、ビクビクと身体を痙攣させている。
やがて、騎士は両膝を付き、ドサリと前のめりに倒れ込んだ。
その背中には三本の切り裂かれた傷跡が付いている。
悲鳴が上がったが、倒れた騎士の背後に立つ者の姿を見るや、それは直ぐに治まった
「ジャンガ…」
ルイズは呆然と呟く。
タバサは彼の姿を見るや目を細める。
立ち尽くすジャンガの身体からはどす黒い殺気が放たれている。
生徒達はそれを肌で感じ取ったのか、ジャンガから逃げるようにして離れていく。
それは風竜達も同様で、身体を小刻みに震わせながらその場に蹲る。
そんな周囲の事はジャンガは目にも入っていない様子。
その鋭く血走った視線はベアトリスだけを見つめている。
ベアトリスは身体が反射的に震えるのを感じた。
昨日の事が思い起こされたのだ。
ジャンガはゆっくりとベアトリスへと歩み寄る。
その動きに空中装甲騎士団が動く。
「止まれ! それ以上殿下に近寄るな!」
一斉に杖を突きつける。
だが、ジャンガは立ち止まらない。
騎士達は更に声を荒げて叫んだ。
「止まれと――」
瞬間、無数の血の花が咲き、騎士達が宙を舞った。
重い音を響かせながら、次々と騎士達が地面に落ちていく。
全ての騎士が空に打ち上げられ、落下するまでそれほどの時間は掛からなかっただろう。
だが、その場に居た全員には随分と長く感じられた。
それを見ながらベアトリスは呆然と立ち尽くしている。
あの亜人が歩いて来たのを見て空中装甲騎士が自分の前に壁を作った。
だが、その壁は次の瞬間には無かったのだ。そして間を空けずに降り注ぐ騎士達。
一様に真っ赤な血を滴らせて地面を赤く染めている。
何が起こったのか…まるで解らなかった。
呆然と立ち尽くすベアトリスの前にジャンガが立った。
有無を言わせず胸倉を掴み上げるや、そのままベアトリスを連れて大釜の方へと歩いていく。
何をするつもりなのか…その場の全員が理解し、息を呑んだ。
「ね、ねぇ…流石にあれは不味いんじゃないの?」
キュルケが冷や汗を垂らしながらルイズとタバサを見る。
傍らではギーシュやモンモランシーも不安な表情を浮かべている。
「ああ、そうだよな…万が一にもそんな事は無いと思ったけど、そうなるよな…。
あ〜あ…トリステインはどうなるのかね?」
「それよりも姫殿下の命が危ういわよ…。ジャンガのあの目…殺す気満々の目よ」
「じゃあモンモランシー…、聞くけど…君はああなった彼を止められるかい?」
ギーシュの問いにモンモランシーは首を振る。
そんな風に慌てる彼らだが、意外とルイズとタバサの二人は落ち着いていた。
「ねぇ…あなた達はどうしてそんなに落ち着いていられるの?」
タバサは騎士達を指し示しながら呟く。
いつからジャンガのターン!?にwktkしながら支援
「派手に出血しているけど、命に別状は無い」
キュルケ達は倒れた騎士の方を見た。
なるほど…、確かに騎士達は派手な出血と怪我を負ってはいるが、絶命してはいない。
その証拠に騎士達の何れもが苦しそうな呻き声を発し、手足を僅かながら動かしている。
「どう言う事?」
キュルケの言葉にルイズは大袈裟なほど大きなため息を吐く。
「わざとやってるのよ…」
「そう、わざと」
ルイズは呆れた様子で、タバサは全く動じずにそう言う。
「要するに怖がらせたいだけなのよ。性格の悪いあいつの事だからね」
「だが、それならば……こう言っては何だが、どうして止めを刺さないんだ?
彼ならばそうしても可笑しくないと思うんだが?」
ギーシュの問いにタバサが答える。
「単純に死人が出たら面倒なだけ」
「あっ、そう…」
ギーシュは諦めとも呆れともつかない声で呟く。
「ま、本当に危なくなったらわたしとタバサで止めるわよ」
ジャンガは跳び上がると、大釜の縁に降り立った。
立ち上る水蒸気だけでも熱い。中の熱湯がどれだけの温度なのか容易に想像は付いた。
その熱湯の真上にベアトリスを持って行く。
ベアトリスは恐怖に顔を歪ませる。
真下には例の大釜…、その中には煮え滾る熱湯…。
落ちれば命が無い…。ベアトリスはジャンガの腕を掴んだ。
「あ、あなた…、こ、こんな事をして…、た、ただで済むと思ってるの!?」
精一杯の虚勢を張り、ベアトリスはジャンガに向かって叫ぶ。
ジャンガはベアトリスを引き寄せ、真正面から睨み付けた。
「ただじゃ済まない? キキキ…どうするってんだよ?」
「そ、それは…」
ジャンガは後方で倒れる空中装甲騎士の面々を肩越しに見る。
「あの連中…今の所、ハルケギニア最強の竜騎士とか言われてるんだってな?」
再びベアトリスに視線を戻す。
「そんな連中がああじゃ…俺をどうにかできる奴なんかいないと思わネェか?」
ベアトリスは言葉に詰まった。
確かに空中装甲騎士は現状、クルデンホルフ大公国が有する最強の騎士団であり、
ハルケギニアに現存する最強の竜騎士団である。
それが破られたと言う事は、殆どのメイジが太刀打ち出来ないという事に他ならない。
落ち込むベアトリスに対し、ジャンガはニヤリと嫌みったらしい笑みを浮かべる。
「まァ、湯にでも浸かれば気も落ち着くだろ? ちょうど良い感じにここには”風呂”も在るしよ」
ベアトリスは驚愕する。
目の前の亜人はやはり自分を釜に放り込む気なのだ。
必死でベアトリスは暴れる。
「や、止めて! し、死んじゃうわよ!!?」
ジャンガは首を傾げる。
「何で死ぬんだ…、”ブリミル教徒には良い湯加減”なんだろ?」
その言葉にベアトリスは更に言葉に詰まった。
確かに自分はそう言ったが、そんな物は嘘である。異端審問ではこのような虚言は日常茶飯事。
潔白を証明する為の方法も、相手を異教徒として認めさせる為だけの拷問なのだ。
無論、ジャンガはそんな事は百も承知であり、承知した上で言っていた。
羽目を外しすぎたガキを甚振るには十分すぎる理由だ。
「異教徒とかじゃねェんだったら問題は無ェよな? だったら遠慮無く湯に浸かにな、キキキ」
ベアトリスは必死でジャンガの腕を掴んだ。
「粘るんじゃネェよ…ガキが」
そう言って、反対の腕の爪をベアトリスの首筋にチクリと刺す。
軽い痛みを感じた直後、ベアトリスは身体から力が抜けるのを感じた。
ジャンガの腕を掴んでいた腕が、足がダラリと下がる。
だが、ベアトリスは生きていた。意識もハッキリとしている。
ただ、身体が動かないのだ。
「な、何よこれ?」
「キキキ、ちょいとお前の身体を動かなくしただけだ。なァ〜に、暫くすりゃ動けるようになるゼ」
ジャンガは不適な笑みを浮かべながらベアトリスを見つめる。
「…それまでゆっくりと湯に浸かってな」
胸倉を掴んだ爪の一本が外れた。
ガクンと体が傾きベアトリスは、ヒッ、と悲鳴を漏らす。
更に一本が外れ、更に体が傾いた。
ベアトリスは恐怖に身体を震わせる。ガチガチと歯が小刻みに噛み合わさって音を立てる。
そんなベアトリスを満足げに見つめながら、ジャンガは最後の一本を外そうと動かす。
「ご……、ごめんなさーーーーーーいっっっ!!!」
突然のベアトリスの叫びにティファニアや生徒達、飛び出そうとしたルイズとタバサも目を見開く。
ジャンガは怪訝な表情でベアトリスを見る。
「あン? ごめんてなんだよ?」
「わ、わたし、本当は司教の肩書きなんて持ってない! 異端審問なんて行えないの!
ぜ、全部……全部嘘なの!!!」
ベアトリスは必死になって真実を語る。
「わ、わたし…あのハーフエルフが羨ましかったの…。何もしていないのに、色んな人に囲まれているあの子が…。
大公家の娘だからって…最初はわたしが注目されていたのに、あの子が全部人気を持っていっちゃうから…。
それだけじゃない…あの子はわたしに注目していた人だけじゃなく、もっと大勢の人から注目されていた…。
それが羨ましかった…、どうしようもなく悔しかった…。
大公家でも無いのに…特別な家柄でも無いのに…人気者なあの子が羨ましかったの…。
わたしだって…わたしだって…友達が欲しいかったの…。
大公家の娘だから持ち上げる相手だけじゃなく…本当の友達が欲しいかったの!」
取り巻きの三組みが気まずそうな表情を浮かべながら顔を見合わせる。
「…だから……あの子がハーフエルフだと解って、つい…異端審問なんて言っちゃったの…。
…ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……。わたしが悪かった……ごめんなさい…」
涙ながらに謝罪を繰り返すベアトリス。そこには最早、先程までの高慢な悪ガキの姿は欠片も無かった。
「ベアトリスさん…」
ティファニアは何とか立ち上がる。
と、ジャンガが高らかに笑った。
「キーーーッ、キキキキッッ!!! なるほどなァ〜? そいつはまた可哀想だゼ。いやいや、俺も似たようなもんだしよ」
そう言ってジャンガは腕を振り上げ、ベアトリスを地面に叩き付けた。
「痛ッ!?」
身体が動かない為に受身も取れず、無防備に地面に叩きつけられたベアトリスは痛みに悲鳴を上げる。
ジャンガは地面に降り立ち、大釜に足を付ける。ちょっとでも力を込めれば簡単に大釜は倒れるだろう。
その先には…。
「な、何をする気…?」
怯えるベアトリスにジャンガは冷たい笑みを浮かべて見せる。
「そりゃ勿論、お前に向かってこれを押し倒すのさ」
「なっ!?」
「テメェがこんな事した理由は解った…。だがな、俺としてはこのまま済ませる訳には行かねェんだよ。
この先、他にも出ないとも限らないしな…。何より、俺の面子って物が在る。
だから、罰は受けてもらうゼ。なァ〜に、安心しな。この大釜の湯をぶっ掛けるだけだ。
何時間も湯に浸かるよりはいいだろ。ほんの一瞬だけ耐えれば良いんだからよ〜?」
簡単そうに言うが、如何考えても楽ではない。ゆっくり浸かろうと、一瞬だけ浴びようと熱湯は熱湯。
あれ程の温度の物をあれだけ大量に浴びせられれば勿論命は無い。
「待ってください、ジャンガさん?」
そう言って止めたのはティファニアだった。
ジャンガはゆっくりと彼女を振り返る。
「ンだ? お前…あのガキを庇うのか?」
「はい」
ジャンガは盛大にため息を吐く。
「たかだかガキの癇癪で、この熱湯に浸けられて殺されかけたくせに…それでも庇うとはよ…」
「確かにベアトリスさんのした事は間違っているかもしれません。
でも、わたしもまた自分の事を理解して欲しいとわがままを言っていただけなんです。
ハルケギニアの人がどんなにエルフを怖がっているかとか…他の人の気持ちをわたしは考えようとしていませんでした。
だから、悪いのでしたら…わたしもです。ベアトリスさんだけを責めるのは止めてください」
そう言って真正面からティファニアはジャンガを見つめた。
ジャンガも静かにティファニアを見据える。
互いに一歩も譲らない状況で暫しの時が流れた…。
ハァ〜、とジャンガがため息を漏らす。
「ったく…、あいつみたいなタイプがどうしてこうもゴロゴロしているんだろうな…?」
呆れたような表情でジャンガは呟く。
「ジャンガさん?」
「負けたゼ…お前にはよ」
ジャンガは大釜から足を離す。
ティファニアの顔に笑みが浮かぶ。
――瞬間、ジャンガは力任せに大釜を蹴り飛ばした。
――グラッと大釜が傾いた。
――ティファニアが目を見開く。
――生徒達が驚愕の声を上げる。
――大釜の傾きが激しくなり、中から熱湯が顔を出す。
――ベアトリスは恐怖のあまり目を閉じた。
――駆け出すティファニア。
――熱湯がベアトリスに降り注ぐ直前、ティファニアがその身で彼女を覆い隠した。
――熱湯が降り注いだ直後、凄まじい氷嵐が熱湯ごと二人を覆った。
膨大な水蒸気が立ち込め、圧倒的な熱量が急速に冷やされた事を物語る。
倒れた大釜の上に乗ったジャンガはそれを静かに見下ろす。
「キッ、タイミング良いじゃネェか?」
「あなたの行動は解っているから」
大釜の横にはタバサが立っていた。無論、彼女が氷嵐を唱えたのだ。
タバサは杖を振り、風を吹かせる。水蒸気が払われ、ベアトリスに覆い被さったティファニアの姿が現れた。
急いで彼女達に近づくタバサはモンモランシーを呼んだ。
言われるまでも無かったらしく、モンモランシーは治癒を唱えた。
氷嵐で急速に冷やされたとは言え、熱湯を被ったのである。
その際に負った火傷は可也酷く、ティファニアは重傷だったのだ。
そして、ベアトリスの方は軽傷だった。直ぐに冷やされた事もあるが、
ゆったりとしたローブを羽織ったティファニアが、その身で庇ってくれた事が大きかった。
ベアトリスは未だ生きているのが信じられないのか、呆然と倒れたティファニアを見つめている。
やがて、体力が回復したからか、ティファニアは目を覚ました。
「わたし…」
「良かった…目を覚ましたのね?」
モンモランシーが安堵の息を漏らすと、周囲の生徒達もそれに習った。
ティファニアは何とか身体を起こすとベアトリスを見た。
ベアトリスは一瞬身体を強張らせる。
自分がした事は許されない事であるのは既に承知しているが、やはりどんな罰を受けるのか怖かったのだ。
と、ティファニアが手をベアトリスへと伸ばす。
打たれるのではと思い、ベアトリスはいつの間にか動けるようになっていた身体を縮込ませる。
だが、ティファニアの手はベアトリスの目の前で掌を返した。
それは”握手”を求めて差し出されたと言う意味。
ベアトリスはティファニアの顔を見る。
彼女はニッコリと笑い、こう言った。
「お友達になりましょう」
その言葉にベアトリスはついに堪え切れなくなったようだった。
決壊した堤防の様に押し寄せる感情の波が後から後から溢れ出していく。
全く意図せず、自然に彼女は泣いていた。
怖い目に遭った幼児の様に、彼女は泣いた。
そして、ティファニアはそんな彼女を母のように宥めた。
気に入らないから自分を苛めていただけかと思った少女は、実は孤独に苦しんでいた。
自分は周囲から構われるのを疎ましく感じてしまったりしていたが、全く構われなくて寂しい思いをしている人も居るのだ。
その事を考えなかった自分は何て愚かなのだろう? とティファニアは自分を恥じた。
確かに彼女のした事は正しくは無い。だが、だからと言って彼女だけが悪いと誰が言える?
彼女の事を真に理解しようとしなかった者達にも十分に責は在るのだ。
ティファニアはこれからは周囲の人間の事もちゃんと理解しようと心に決めた。
目の前の泣きじゃくる、この学院で初めてちゃんと語り合った”お友達”を宥めながら…。
「……」
ジャンガは無表情のままそんな二人のやり取りを見ていた。
そこにルイズとタバサがやって来た。
「ねぇ…、あなたタバサが何とかしなかったらどうするつもりだったの?」
「ン? どうするって…何が?」
ルイズはため息を一つ吐く。
「ティファニアとあの一年生の子よ。一歩間違えたら死んでいたわよ?」
「死んでなかったんだからいいだろうが?」
何とも無責任な発言である。
ルイズは慣れているとは言え、絶句するほか無かった。
「あ、あんたねぇ…」
「フンッ…」
背を向け、ジャンガは立ち去ろうとする。
その背に向かってタバサは呟いた。
「もっと素直になるべき。それと、やり方が乱暴すぎる」
「…テメェが大手振って本名を名乗るようになったら、考えてやるゼ?
あと、これ位やらなきゃ生意気言い出す奴がまた出るんだよ」
嫌みったらしくそう言い残し、ジャンガは今度こそ歩き去った。
タバサはポツリと呟いた。
「本当に素直じゃない」
――ジャンガが去った後、負傷した空中装甲騎士の面々とティファニアは水の塔に在る医務室へと運ばれた。
空中装甲騎士の面々はともかく、ティファニアの方には見舞いの生徒達が殺到した。
恐ろしいジャンガを目の前にしてもまるで気後れしない彼女の強さ、
そしてベアトリスを許した彼女の温かさに誰もが心引かれたのである。
だが、中でももっとも熱心に看護をしていたのは他でもないベアトリスだった。
あれほどまでに侮辱し、命の危険にまで晒した自分を許してくれた彼女にベアトリスは本当の友達を感じ取ったのである。
それはもう、恋人同士と取られかねないほどのベッタリさである。
転じて取り巻きだった三人とも本当の友達として打ち解けたらしく、いつも仲良く四人で彼女の看護をしていた。
さて、そんな風に皆と打ち解けていったティファニアだったが…気がかりな事があった。
――ジャンガはどうしているのだろうかと…。
ティファニアは彼の姿をまだ見ていないのだ。見舞いに来る様子も無く、聞いたとしても皆は食事の時以外見かけないと言う。
無論、ティファニアの一件でその恐ろしさを再認識させられた事もあったのだが…。
ジャンガに関わらない方がいいとも言われたが、彼女はそれでも会いたかった。
ある夜…、多少満足に動けるようになったティファニアはハープを手に取り、窓際に椅子を持っていって座った。
窓を開けると涼しい風が吹き込んでくる。身体のまだ残っている火傷に実に心地良かった。
ティファニアは椅子に腰掛けると、ハープを奏で始めた。
心地よい音色が夜風に吹かれ、学院中に響き渡っていく。
そのままティファニアはハープを奏で続ける。
――誰かの気配を暗がりに感じた。
しかし、ティファニアはハープを奏でる手を止めない。
暫くの間ハープの演奏のみが夜の学院に響き続けた。
…ふと、気が付けば誰かの歌声が混じっている。
どうやらそれは子守唄のようだった。
ティファニアは演奏を続けながらその歌に耳を傾ける。
支援
何とも心地良い、心安らぐ歌…。それは自分の奏でる音色と実に良く合った。
「…良い歌ですね」
そう語りかける。
暫く答えは無く歌だけが続いたが、やがてため息混じりに返答があった。
「まァな…」
「自分で作った歌ですか?」
「違う…、知っていた女が作った歌だ…」
「そうですか…」
”知っている”ではなく”知っていた”と過去形だった所から、
歌を作った人が既に居ないのだろう事を彼女は察した。
「その方は大切な人でしたか…?」
「……ああ」
「そうですか…すみません」
謝罪の言葉が口を突いて出る。
チッ、と舌打が聞こえた。
「別にテメェが気にする事じゃネェだろうが…、余計な同情は要らねェ」
そこで会話は途切れ、暫くの間演奏と歌が続いた。
「…この間はありがとう」
「何がだ?」
「助けてくれて…。
笑い声が聞こえた。何処か自嘲的な感じがするそれは暫く続いた。
「…勘違いするなよ。俺は別に気に食わなかったからあのガキを脅しただけだ。
お前を助ける為じゃねェよ」
「どうしてそうやって悪ぶるんです?」
「あンッ?」
「…あの時だって、あなたの目には哀れみがありました。
他人の事を理解できなかったわたしが唯一人、理解できたのがあなただけ。
見間違うはずがありません」
「バ〜カ、そんな不確かなモンで他人を図るんじゃネェよ。
そんなんじゃこの先、どれだけの奴に騙されるか解ったモンじゃねェゼ…。
少しは気をつけたらどうだよ?」
クスリ、とティファニアは笑い声を漏らす。
「何が可笑しい?」
「…やっぱり嘘が下手ですね。そんな風に注意してくれるのが優しい証拠です」
「……ウルセェ」
少し声を低くしたようだが、彼女には微塵も恐怖を与えない。
「やり方は少し乱暴ですけど、やっぱりあなたは優しい人です。
だって、あなたのお陰でこうして皆と分かり合えたんですから」
「……」
相手は答えなかったが、歌が響いて来た事が何よりの答えだった。
ティファニアも演奏に集中する。
何時の間にか部屋から気配は無くなっていたが、その歌声は何処からとも無く聞こえ続けていた。
「ありがとう…」
ティファニアはもう一度感謝の言葉を呟いた。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
以上で投下終了です。
今回はベアトリスにキツイお灸をすえました〜的お話でした。
やっぱり子供は叱る者がいなければ我侭になります。
では、アディオ〜ス♪
乙。あの場面であえて釜を倒すのがジャンガクオリティかww
投下乙です。
偽善も偽悪も行き過ぎれば嫌味ったらしくなるだけなんだけど、
ジャンガのそれは見ていて何だか(・∀・)ニヤニヤしてしまうなw
それと何気に本当に釜茹でにしたのはこれが最初じゃないか?
まさか2人揃って釜の湯ぶっかけるとは思わなかったがw
>>258をみて不意に出てきた。
使い魔「バリアーだッピ!」
使い魔「ギエーッピ!!」
ルイズ「何なのよ、コレ……」
>>333 コロコロのピッピかw
何人か料理されたりして倒されそうだw
毒の爪の人、投下お疲れ様です
しかし、確かに最初は助けに入ったけど、熱湯を掛けられた相手に有り難うと言えるテファの精神はタフだなぁ
>>333 ジャンプ連載時の蟹座のデスマスクかとばかりw
何であいつ、のりぴー語喋ってたんだろ
バリアーといえばやっぱりあれでしょう
1.パリンと割れる光子力バリア
2.オボロ防壁
3.愛がひかるゼパ爺様
うんこ踏んだ小学生の近くにいるクラスメイト
コロコロのピッピ懐かしいな。
コロコロ繋がりでゲベとかちゃむらい召喚してみたら?
一発ネタを考えたので5分くらいから投下しようと思います
6レスぐらいです
340 :
1/6:2009/09/24(木) 01:05:17 ID:zM1FFP7i
ヘイセイシボウチャンス
「どうもゲームセンターCX。課長の有野です」
ゲームセンターゼロ 〜ルイズの挑戦〜
「今日、挑戦するのはこれ、『ゼロの使い魔』……知らないですね〜」
疑問顔の有野にすぐさまプロデューサー兼ナレーションの通称『管さん』が解説を入れる。
『ゼロの使い魔。2004年にメディアファクトリー文庫から刊行されているヤマグチノボル原作
イラスト兎塚エイジのラブコメファンタジー。現在までに17作出版している内の記念すべき第一作。
特徴的なツンデレ描写と、ファンタジー世界の融合が高い評価を受けている。
外伝だけでなく漫画やアニメなどのメディアミックス展開も広くされており、
特にアニメにおいては数多くの釘宮病患者を生み出したといわれている。
果たして攻略はできるのか?』
「うーん。つまり恋愛シュミレーションなんですかねー?ときメモみたいな……」
『今回、課長には実際に召喚されてもらいます』
「どういうことなん……?とりあえずゲームセンターCX!課長〜ON!」
『スタートと同時に課長の目の前に、何やら怪しげな銀色の鏡が出現』
「これ触ったら、なんか起こるんちゃうん?いややわー触りたくないわー」
『しぶしぶ手を触れる有野。すると一気に鏡に引きこまれてしまう!』
「ほらなー。課長の言った通りやん」
「あんた、誰?」
『課長が気づくと見知らぬ場所で、見知らぬ女の子が目の前に立っている』
「あ、けっこうかわいいやん。誰や」
「ちょっと質問してるのは私でしょ!?」
「うわ、めっちゃ怒っとるで」
『相変わらず説明書を読まない男有野。さっそくヒロインであるルイズの機嫌を損ねてしまう手痛いスタート。気を取り直してプレイ再開』
「あんた名前は?」
「アリノ シンヤです」
「あんた、感謝しなさいよね。貴族にこんなことをされるなんて、普通は一生ないんだから」
「え、なになに……うおーい!ええんこれ!?犯罪ちゃうん?課長もう37やで?」
「うるさい!」
『突然のヒロインのキスに大興奮の有野37歳。二児の父』
「ていうかさっきからコレ誰の声なの?」
「浮気なるんちゃうコレ?」
『課長はルイズの使い魔としてファンタジー世界ハルケギニアに召喚されたと説明を受ける』
「給料いくらぐらいなんやろ」
「そんなの出るわけないでしょ」
「ええー課長、家族養ってんやで。一家の大黒柱やで?ていうか元の世界戻れるんかコレ」
「平民のあんたの都合なんて知らないわよ!泣きたいのは私なんだからね!」
「あかん。話進んでないのに、めっちゃ怒っとる」
『うろたえまくりの課長。と、ここでルイズの部屋のドアが開き、あの男が登場』
341 :
2/6:2009/09/24(木) 01:08:11 ID:zM1FFP7i
「!? だ、誰よ!?あんた!?」
「こんばんわ。東島です」
「東島?何しにきてん」
「有野さんが心配で僕も来てしまいました」
『なんとここでアメリカ帰りの初代AD東島が登場』
「有野さん、ルイズちゃんはかなりのツンデレなので、最初はガンガン攻められても気にせずいってください」
「えー課長どっちかというとSなんやけど」
『それを聞いて苦笑いの東島は、そそくさと部屋から退場』
「だから誰なのよ!?ちょっとシンヤ説明しなさいよ!」
「ええんかなールイズめちゃくちゃ怒ってるやん」
「あんたが怒らせてんでしょーが!」
『心配性の有野だったが、東島の助言を信じ、一気にペースアップ。
しかし、それに比例するかのようにルイズのツンツン具合も上昇していく。
そしてとうとう事件が起こる』
「あかん!!」
『ルイズの唱えた呪文とともに石が大爆発。教室は一気に地獄絵図と化してしまう』
「ちょっと失敗しちゃったみたいね」
「ちょっとじゃないやろ〜」
『ここでも余計なひと言が多い有野。当然のように……』
「かたずけはあんたがしなさい!」
『ゴミだらけの教室に有野を残しルイズは出て行ってしまった』
「え〜これ一人でやるん?」
『しぶしぶ片づけを始める有野。もともと地味な作業を淡々と続けることは得意な有野だったのだが問題が発生』
「これ一人では無理やろ。こっちただのおっさん一人やで」
『真っ二つに割れた巨大な教卓の一部。こればかりは一人でどうすることもできない。すでに有野の額には冷えピタが張られている』
「し、しょうがないわね……私が手伝ってあげても……」
「有野さん、ここは俺が」
「おおお!さ、笹野か!?」
「……」
『過去何度も天性のセンスで課長を救ってきた笹野登場。二人の協力プレーで部屋の片づけはすぐに終わらせることができた』
「笹野手伝ってくるのはええけど、手汗でべちゃべちゃなんやけど」
「……すいません」
「あ、終わったで、ルイズちゃん」
「何手伝ってもらってんのよ!このバカ犬!」
「あかん!」
『さらに悪化したように見える課長とルイズの関係。このままでエンディングを迎えることはできるのか?』
342 :
3/6:2009/09/24(木) 01:13:00 ID:zM1FFP7i
『部屋の掃除をしたにも関わらずルイズの怒りを買ってしまった有野は昼食を抜きにされてしまう』
「怒っとたなーあの子。にしても腹減ったわ笹野。ロケ弁とか出ないん?」
「有野さんイカありますよ」
「ファンタジー世界でもイカかー……まあええけど」
『笹野と一緒にイカを噛みながら学園をブラブラ探索。そこで有野に新たな出会いが訪れる』
「どうされましたか?」
『後ろから声をかけられ振り向いた課長が見たものは……』
「萌えー!」
「!?」
『シエスタ。学園のメイドで、主人公を様々な面でサポートしてくれる』
「えと……あのもしかしてミス・ヴァリエールの使い魔さんですか?」
「そやけど。なんでしっとはるんですか?」
「ミス・ヴァリエールが平民を召喚したって噂になってまして」
「わーお、課長有名人」
「有野さん、イカ食いながらは失礼ですよ」
『しばらく話して、人の良さそうな雰囲気を感じ取ったのか、シエスタは有野を食事に誘う』
「もし、お腹がすいてらっしゃるのでしたら、厨房に来られませんか?」
「いや、イカあるから大丈夫です」
『無下に断る有野。そこに慌てて東島が助言に入る』
「有野さん。ここは断っちゃだめです」
「あれ、東島まだおったん?」
「あ、はい。あの、ここ断ったら大事なフラグが立たなくなっちゃうんで誘いに乗ってください」
「えーでも危ないんちゃう?壺とか買わされたら嫌やで課長」
「いや、そういう話ではないんで」
『ここは東島の助言通り、メイドシエスタに付いていき食事を振舞ってもらうことに』
「なんで、東島と笹野も一緒に食べとん?誘われたん課長だけやで」
「そんな、いいじゃないですか」
「いっしょに使い魔した仲じゃないですか」
「部屋の掃除しただけやん」
『和気あいあいと食事を楽しむ使い魔一行。しかしこの後有野は地獄を見ることとなる……』
支援
344 :
4/6:2009/09/24(木) 01:17:10 ID:zM1FFP7i
『シエスタの食事のお礼にと、配膳の手伝いをすることとなった使い魔有野、しかしそこで問題が発生』
「あ、なんか落としたで?」
『課長が小瓶を拾い、先ほどからキザッたらしいことを語っている少年に渡そうとする。
すると、目の前の少年が二股をしていたことが判明。一気にその場が修羅場化する』
「昼ドラみたいやなー」
「君の軽率な行動のせいで二人のレディの名誉が傷ついた。どうしてくれるんだね?」
「えー課長のせいなん?それはおかしいやろ」
『課長の必死の弁明空しく、決闘をするという流れになってしまう』
「うわ、なんかやばい雰囲気やで」
「シンヤさん……殺されちゃう……殺されちゃうわ!」
「ちょっとシンヤ!あんた何勝手に決闘の約束なんかしてんのよ!」
「課長がんばってください」
「戦闘あるんや、これ……」
『中ボス、ギーシュ。7体ものゴーレムを操り連携攻撃をしてくる強敵。一度でもコンボを食らうと大ダメージは確実』
「僕はメイジだ、だから魔法で戦う。よもや文句はあるまいね?」
「文句あります言うても駄目なんやろコレ」
「行けワルキューレたち!」
『ギーシュによる波状攻撃』
「あーあかん!うわっ!めっちゃダメージくらうやんこれ!」
「シンヤ!」
「課長!」
「痛!あ、これ全滅イベント?」
「違います」
『慌てる課長に冷静に応える笹野』
「平民が貴族にたてつくからこうなるんだよ!」
「あーあかーん!」
『ギーシュの連続攻撃にみるみる体力を減らされる有野。そして』
「これで止めだ!」
「シンヤー!」
「ああああ!」
G A M E O V E R
「ガメオベラやー」
『見せ場なくあっさりとゲームオーバーの有野。再開は……』
「あんた、誰?」
「うわー最初からやー!!」
「な、なに!?急に大声出さないでよ!」
『衝撃のコンテニュー無し!はたして有野に攻略可能なのか!?』
345 :
5/6:2009/09/24(木) 01:20:32 ID:zM1FFP7i
『一日を掛けて同じギーシュ戦の所まですすめた有野。しかしギーシュ攻略のカギの糸口すらつかむことができない』
「行け!ワルキューレ!」
「シンヤー!」
「うわっ!あかん!」
『そして……』
「あんた誰?」
「あなたのシンヤです」
『ルイズと3度目の使い魔契約のキス。そんな有野を見かねて笹野が動く』
「有野さん。ギーシュは武器を持たないと倒せません」
「それはピストル的なもの?」
「いえ、とりあえずギーシュ戦は攻撃を受けないよう立ち回ってください。それで展開が変わるので」
「くあー、やっぱり最初は倒せれんのや」
「ちょっとあんたたちさっきから何?ご主人様を無視して何ブツブツ言ってんのよ」
「あ、ルイズさん。下着洗ってきました」
「東島、なんか犯罪っぽいで」
「決闘だ!」
『ギーシュと3度目の決闘。今回は助言通りよけることに専念し、大ダメージを受けながらも逃げ回ること数分』
「平民にしてはなかなか粘るね。このままじゃ可哀想だし、これを使うといい」
ギーシュが呪文を唱えると有野の目の前に剣が現れる。
「お、剣きたで」
「シンヤ!駄目よそれを抜いたらギーシュは本気で来るわ!」
「ええ、今まで本気やなかったんかい……それはないでー。こっちあと一発で死ぬんやで?」
『本気でビビる有野。そんなビビり有野を見かねたのか、4代目ADのあの男が立ち上がる』
「有野さん、お手伝いさせてください」
「えーイノコMAXー?……」
「あのロケハンはしたので」
「自信あるん?」
「普通です」
「……なに勝手に決闘に乱入しようとしているんだい?」
「ギーシュあんなこと言うとるで」
「乱入しちゃえばこっちのものなので」
「……そうか……なら、二人もろとも死ぬといい!」
「あ」
「シンヤー!」
『叫ぶルイズ。暗転する画面。これが意味することは……』
346 :
6/6:2009/09/24(木) 01:24:43 ID:zM1FFP7i
「あんた、誰?」
「井上ー!」
「すいません……」
『有野さん』
「はい」
『実は、助っ人はもう一人います』
「ほう!」
『とりあえずルイズちゃんとキスしちゃってください』
「あ、はい。毎回これ緊張するわ」
「ちょっとこれどういうことか説明して……ん」
「……で、助っ人は?」
『3代目AD、エース浦川を投入します!』
「有野さん……一機やらせてもらってよかですか」
「おお、ついに投入しますか!」
『あの超難関ソフト「高橋名人の冒険島」を攻略したこの男と共に、ギーシュの攻略。お願いします!』
「いきますかー」
『……と、言いたかったのですが……時計を見てください』
「え、うわー、もうこんな時間ですか」
『すでに1時を超えています。続行かギブアップか有野さんが決断してください』
「なんでご主人様の私を差し置いて!?」
「んールイズちゃん、すごいこっち見てるしなー……………………ギブアップでお願いします!」
「ふざけんじゃないわよー!!このバカ犬ううう!!」
チャララッチャチャーチャチャチャチャー
王様は謎の呪文をつぶやいた。
「ワシも ルイズたんと チュー したい」
『終』
以上です
「有野課長」というある程度キャラクターができているとはいえ、実在の人物を元ネタにすること
CXの雰囲気を出そうと、地の文ですべき説明をナレーションに喋らせることなどを考慮し
一発ネタで終わらせました。
と、いってもこの後続けても
「なんで?フーケのゴーレム倒したやん」
「それがフーケの恐ろしいところなんです……」
「お前フーケの何知ってんねん!」
ぐらいしかネタが無いわけなんですが
最近見始めたから声がナレーターまでフルで再生されるwwwこれは良いw
乙
腹痛ぇwww
これは良い意味で馬鹿らしいわwwwww
乙
たまに行くならこんなハルケギニアでもやってくれ
352 :
借りてきた猫:2009/09/24(木) 02:00:56 ID:b5ByHeVL
小ネタ乙です
あと、またもやWikiに編集してくれた方ありがとうございます
5話目が書き終わったのでどなたもいなければ2:05頃に投下します
353 :
借りてきた猫:2009/09/24(木) 02:05:46 ID:b5ByHeVL
ギーシュとの決闘の後、クロちゃんは1つ考えていた・・・・・・
・・・・・・今回はボク1人で何とかなったけど相手が戦闘経験のある人なら
逆にやられてたかな・・・・・・やっぱりルイズおねえさんに
指示を出して貰う事が出来れば効率良く動けそうかな・・・・・・明日頼んでみよう
次の日の朝食の時間・・・・・・
「は?・・・・・・クロちゃんもう一度言って?」
「昨日の戦いで解ったんだけどボクって視野が狭いから
後ろからルイズおねえさんにどう動けば良いのか指示を出して欲しいんだ」
「う〜ん・・・・・・クロちゃんの頼みだから叶えてあげたいけど・・・・・・
わたしってそんな事したことがないし・・・・・・」
「ボク等は指示を出す人の技量によって能力を最大限に出せる様になるんだ
それにこの先あのおにいさんみたく素人みたいな人が相手とは思えないだ」
遠くの席でグサッと言う音が聞こえたが無視しておこう・・・・・・
「でもねぇ・・・・・・わたしも素人だから上手く指示が出来るかわからないわよ?
ひょっとしたらわたしが指示するよりもクロちゃんの判断の方が良いかも
しれないし・・・・・・」
「最初はみんな失敗ばかりなのはわかるよ、マスターも何度も失敗してたし、
でも経験を重ねれば何が有効で何か効果無いのかとかの区別や似た状況で
適切な判断が出来る様になる、昨日のはボクがマスターから指示された
一部を思い出した行動からだよ」
「う〜ん、でもねぇ・・・・・・」
「それに・・・・・・これはボク等が信頼する人への忠誠の証なんだ」
「わかったわ・・・・・・初めはギクシャクするだろうけど頑張ってみるわ」
内心ルイズは喜んでいた、使い魔では無いけど使い魔の様にしてくれる
クロちゃんが自分を頼りにしてくれた事を・・・・・・
昨日の行動は褒められる物では無かったかもしれない
でも、彼には優しさがある、強さもある
そんな彼が自分を頼ってくれたのだ、喜ばない方がおかしいだろう
しかし、同時に少し悩んだ、どうやって指示の経験を上げるのだろう?
敵と戦う・・・決闘を申し込む?昨日のは不問だったにせよ
今後も不問になるとは限らず、下手をすれば逆にお叱りを受けてしまう
だとすれば練習だが・・・・・・どうやれば良いのかわからない・・・・・・
ただ、アレやれコレやれでは本当にただの使い魔だ・・・・・・
354 :
借りてきた猫:2009/09/24(木) 02:06:52 ID:b5ByHeVL
授業中も身に入らず先生に注意されるまでそんな事を考えていた
そして昼食・・・・・・
「う〜ん・・・・・・」
「ルイズ・・・・・・悩みながら食べると消化に悪いわよ・・・・・・」
「うっさいわね〜、何が体が成長しないってのよ!」
「いや、それは言ってないから」
いつの間に同じテーブルに来たんだツェルプストーの奴は・・・・・・
「何言ってるの?ルイズがわたしの所に来たんじゃないの」
むぅ・・・・・・声に出してない筈なのに何故会話になっているのだろう・・・・・・
「そんな顔をされれば言いたい事は解るわよ・・・・・・」
そんなにわたしって顔に出易いの!?
「そうね〜、結構解り易いかしら〜」
むむ〜・・・・・・ポーカーフェイスでも先に取得しようかしら・・・・・・
「ルイズが?無理だって、すぐに怒るし・・・・・・それより何を悩んでるのよ?」
・・・・・・最近、仲がそこまで悪くなくなったとはいえ、言うべきか・・・・・・
「あーん・・・・・・」
「ちょ、ちょっとおねえさんボク自分で食べられるから!」
「タバサ・・・・・・抜け駆けは良くないわよ〜、ほらクロちゃん、あ〜ん」
「いや、キュルケおねえさんも!?」
「あなた達ねぇ・・・・・・クロちゃんはわたしからしか食べないのよ!!」
瞬間・・・・・・耳鳴りがするくらい静かになった・・・・・・
「え〜・・・・・・あ〜・・・・・・基本的にボクは自分で食べるんだけど・・・・・・」
その日はいつもと違う事で笑われたルイズでした
午後の授業が終わって
「じゃ、ルイズおねえさんちょっと行ってくるね〜」
「はいは〜い・・・・・・って何所へ?」
また、決闘とかしないわよね?昨日の今日よ?流石に2日連続はヤバイんだけど・・・
「おにいさん、おにいさんちょっといい?」
「やぁクロちゃんどうしたんだい?」
「実はおねえさんの為におにいさんに協力してほしいんだけど・・・」
「ふむ?どう言った事なのかな?」
「昨日のおにいさんの能力を見てそれから考えて
今日のおねえさんの訓練に協力して欲しいんだ」
あの子・・・・・・ちゃんとどうやるか考えてくれてたんだ・・・・・・
「ルイズの訓練?それにワルキューレを使ってかい?」
「うん、おねえさんがボクに指示を出す訓練だよ」
「ふむ・・・・・・面白そうだな、わかった昨日の事もあるし協力しよう」
「ありがと〜」
いや・・・・・・だからその満面の笑顔は反則だって・・・・・・ギーシュまで赤面してるし・・・
「それで、訓練する場所は何処にするんだい?」
「昨日の広場で良いんじゃないかな?」
「了解、準備出来たら向かうよ」
「こっちもおねえさんに伝えてくるね〜」
あ、こっちに戻ってくる・・・・・・ヤバ!逃げ・・・・・・
「おねえさん、と言う事です」
れなかった・・・・・・しかも聞き耳立ててたのバレてるーーーー!!
355 :
借りてきた猫:2009/09/24(木) 02:08:15 ID:b5ByHeVL
とりあえず、決闘とは別で広場へ移動
「それで?クロちゃん、ワルキューレを出すのは良いけど
どう言う訓練にするんだい?まさかルイズの指示で戦う訳じゃないよね?」
基本スペックでクロちゃんが勝ってる以上ワルキューレでは勝てない
それでは指示も何も無いだろう・・・・・・
「とりあえず、おにいさんコレをワルキューレの1体に被らせてね
あと、ルイズおねえさんも被ってね」
渡される赤い羽根付き帽子・・・・・・
あ、コレってクロちゃんが被ってるのと同じ物だ
「この帽子を?・・・・・・そうか!攻撃ではなくこの帽子を取れば良いんだね?」
「うん!そうすれば2人とも攻撃しないから怪我がないでしょ?
それにルイズおねえさんも指示する練習になるし、
あ、ボクはルイズおねえさんの指示以外では行動しないからね」
「う゛・・・・・・結構責任重大・・・・・・」
ここに訓練と言う名の帽子取りゲームが始まった・・・・・・
ここでルールの確認
一、クロちゃんはルイズの指示以外では動かない
一、基本的にワルキューレは攻撃禁止
一、勝敗は帽子を取った方が勝ち
一、帽子を被った者は動いても良いが出来るだけ守りの行動を取る事
一、帽子を取れる者は帽子を被ってない者である事(例外:クロちゃん)
一、守る為とは言え攻撃をした場合は罰則とする
(クロちゃん以外の帽子を被ってる者を除く)
一、体当たりは攻撃とはみなさない
「でも、これだと僕の方が有利じゃないかい?1体は帽子を被っているから
攻勢に出ないにしても計5体まで動けるわけだが?」
「その分ボクが素早い訳だし、ボクとルイズおねえさんしかいないから
ボクが攻撃出来ないだけなんだよ?」
「ふむ・・・・・・つまりこちらも攻撃と防御のバランスを考えないといけないのか
まぁ、とりあえずやってみようか」
356 :
借りてきた猫:2009/09/24(木) 02:08:56 ID:b5ByHeVL
「クロちゃん、右のワルキューレを防ぎに、いや左の・・・・・・」
こうして・・・・・・
「やば、クロちゃん危な・・・・・」
ルイズの・・・・・・
「きゃ〜、どうしてこんなに接近されてるの〜」
クロちゃん指示訓練が・・・・・・
「もう、こんなに押し込まれて・・・・・・」
始まった・・・・・・ついでにギーシュの訓練にもなっている
「1回目ルイズおねえさんの負け〜」
無情にもルイズの完敗・・・・・・
過程等を見てもかなり指示が酷い上に
周りを良く見れていない
「ううう〜・・・・・・こんな、こんな・・・・・・」
「まぁ最初はこんな物だよルイズおねえさん、
おにいさんは元から指揮官の素質があるのかな?
追い込みが上手かったよ〜」
「そうかい?今回は上手く行っただけな気もするけど?」
指揮官の素質が有る・・・・・・軍人、それも父に誇れるかもしれない事だ
使い魔とはいえ歴戦の勇士に言われると嬉しいものだ
「わたしはまだギーシュにも勝てないなんて・・・・・・」
「ルイズおねえさん、最初はみんな下手なんだって、
最初から上手くいってたら訓練の必要は無いし必要な物も見えないよ
そういう意味ではおにいさんはもう広い視野を持っているんだ
ボクから言えばまだ安心出来るとは言わないけど基礎は出来てる
後は相手の兵を良く見たり慢心しなければ良いし・・・・・・」
そう・・・・・・ギーシュも決して天才と言うほどでは無く
まだ卵から生まれたひよこと同じでまだこれから伸びる所なのだ
だがルイズは今日生まれた卵なのだ、勝てる訳がない
最初から勝負は解っていたのだ・・・・・・
「んで、おにいさんの方にちょっとキツイ事を言うよ〜」
「ん?」
「今回はルイズおねえさんが指示に慣れていない分で勝ったけど
こことここと・・・・・・」
「う〜ん、まだそういう所が甘いのか、じゃあその為にこうすれば・・・・・・」
クロちゃんとギーシュの先ほどの訓練の会話が飛び交う中・・・・・・ルイズは思った
わたしって人遣いも下手だったの〜?
ルイズは公爵家の三女、ひょっとしたら人の上に立つかもしれない家柄だ
ある意味今の段階で気がついた事に感謝しなければならないが
それ以上にショックだった・・・・・・まさか人の上に立つべきではないとは・・・・・・
「ああ、ちょっとほおっておいたら
ルイズおねえさんが体育座りで何かブツブツ言ってる!?」
「ちょっ!ルイズ!しっかりしたまえ!?」
ルイズが復活したのは夕食の時間になってからだった・・・・・・
357 :
借りてきた猫:2009/09/24(木) 02:11:21 ID:b5ByHeVL
「あっはははははは!ルイズったらそんな事で落ち込んでたのね〜」
キュルケにとっては大笑いの出来事だ
「うっさいわね〜、誰だって最初は失敗するでしょうに・・・・・・」
クロちゃんの受け売りである
今回テーブルにはルイズ、キュルケ、タバサ・・・・・・そしてギーシュが着いている
「ま、ボクも最初は一体しかまともに動かせなかったし
クロちゃんとの戦いの後で動かし方が荒いと気がついたんだ
と、クロちゃんコレ、食べるかい?」
「ボクはこれでお腹いっぱいだからいらない〜」
さりげなく、ハシバミ草をクロちゃんに押し付けようとするギーシュ
ハシバミ草を食べないのでギーシュをタバサが睨む
ルイズのいつもとは違う賑やかな食事風景になった
夜、ルイズの部屋にて・・・・・・
「あ〜も〜、何でなのかしらー」
「おねえさん、指揮を取るにあたっての基本的な事だけど
味方側のやれる事は理解してる?」
「どういう意味?わたしがクロちゃんの能力を理解してないって事?」
「能力と言えば能力だけどおねえさんはボクが何をやれるか解る?」
「え〜と・・・・・・そう言えば何も知らない・・・・・・戦えるのは見たけど」
「個々の能力を見て、最適な指示を出す事も必要なんだよ
おにいさんは自分の作った兵だからおそらく出来る事を理解してると思う」
それでもまだ操作が荒いけど・・・・・・と続く
「他の人を使うと言う事はその人の能力を使うって事なの
だからその人が何を出来るか、何が得意か、どんな運用法があるか
これらを全てを理解し行動させられれば他の人を効率良く使う事が
出来る様になるんだよ」
「あ・・・・・・そう言う事ね」
つまり、メイドに家事をやって貰うにしても洗濯の得意なメイドも居れば
掃除の得意なメイドも居る、ひょっとしたら料理の出来る者も居るかもしれない
逆に苦手な事をさせたら効率はすごく悪くなる
適材適所の指示を出せば効率良く、無駄が無くなると言う事
「なんとなくわかったかもしれない、指示の仕方が・・・・・・」
「それでボクが出来る事だけどマスターがボクを一番使っていたのは・・・・・・」
クロちゃんの経験から来る指導の元、ルイズは指揮官としての一歩を踏み出した
358 :
借りてきた猫:2009/09/24(木) 02:14:18 ID:b5ByHeVL
これで投下終了です
銀週間も終わったので次回からは土〜日くらいになります
あと、クロちゃんが渡した帽子は実際のMMOでケットシーから貰えます
「・・・・・・」が多すぎる
確かに、「・・・・・・(中点×6)」が多いかもしれませんね。
同じ表現を使う場合でも「……(三点リーダ×2)」の方がいいかもしれません。
それはそうと、クロちゃん可愛いよクロちゃんw
人間以外のキャラが召喚された場合はルイズのデレ期到来が早く、
彼女の本来の魅力と使い魔の魅力が相まっていい感じになりますね。
次回の更新も楽しみにしています。
361 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/24(木) 06:30:28 ID:qYsdDt9a
ぅう〜ん、クロちゃん可愛いよクロちゃんw
ふと思ったのだが、のらくろ二等兵の召喚はどうだろうか?
犬、というか亜人(コボルト?)風だし、軍人だし、意外と強い?のでルイズもマンゾク??
圧倒的っ……!
圧倒的濁点っ……! ざわ…… ざわ……
>>361 亜人で犬って少ないよな
猫はいくらか思いつくんだけど
犬派の俺には辛いぜ
>>363 エスカフローネのジャジュカしか思いつかなかった
亜人じゃないけどワンピースのCP9のジャブラとか
アニメ名探偵ホームズの皆様とか
犬獣人は真鍋譲治の定番だな
>>363 デカレンジャーのボスことドギー・クルーガー
犬型宇宙人で宇宙警察地球分署署長で変身ヒーローな頼れるナイスガイ
百人斬りもできるでよ!
二重螺旋の悪魔から犬を
犬人間ならねぎまの小太郎とかブリーチのやつとかGSのシロとか・・・
なんか少年誌ばっかりだな
犬夜叉や殺生丸はもそういや犬か
猫乙
猫に指導される図……なんかシュールだ
犬の獣人ならマジカルバケーションのピスタチオ・メイプルウッドとか
精霊コンボは先住の使い手からも微妙に受けが悪そうな気がしてきた
>>371 まて、その連中はみんな狼だ
わんこ隊長がきたらルイズはものすごく喜ぶだろうな
ルイズにブラシ掛けてもらって満更でもないわんこ隊長
犬獣人なら、テイルコンチェルトからシアン騎士団長だろ・・・
最新のナイトロボに乗ってるから戦力も十分
犬ならはいぱーぽりすにドMの犬獣人いたな
犬でも狼でもどっちでも良い様なので犬神明とか
イヌ科キャラって主(上司)に従順なのが多いから、下手したら「きれいなサイトを召喚しました」状態になりかねないよね。
前の上司を盲信してるようなキャラ(鰤の一角みたいなの)なら、召喚初期に反発するくらいやりそうだが。
このはって犬だったっけ?
テイルコンチェルトのイヌヒトの皆さんを思い出した
ネコならガリィちゃんがいるんだがな
使い魔にもならないし、思い切り良く殺すし
382 :
380:2009/09/24(木) 11:04:28 ID:eZJtyIpN
…376氏と重なってた orz
ということで、ここは”まじしゃんず・あかでみい”のエーネウス・ザ・バージェストを
こっちなら、プチ&メガネウスもついてくるし(w
犬なら勝手に桃天使のお狗(犬の化身)とか……公丸(主人公)居ないと展開させづらそうだが
あと天使のしっぽの犬のナナとか
狼系有りなら
なのはの出番少なかったザッフィとか
ブラッディー・ロア・ザ・ファングのファング(女難の相出まくり)、
サモンナイト系のユエルとかキリがないな
ちゃちゃのところのらぶりーわんわんが召喚されとるな
扱いやすそうな狼さんならミーナさんじゅうはっさい
お嬢様とメイドさん的な意味でルイズともしっくりくる筈wあと何故かペットなジョゼフ
うたわれるものなら何人かいるな。
男なら、オボロにべナウィ、あとクロウも犬系だったか。
女だと、エルルゥとアルルゥ位だったと思う。
そういえば、ドリィとグラァも犬系だった。
しかし、この中でルイズ的に当たりというと……直接的な戦闘能力ではべナウィ。
特殊能力込みでいくと、アルルゥという事になるのか?
毒の爪の人乙
昼寝の邪魔されるのってすっげー腹立ちますよねえ、しかしジャンガはドSだわ
ベアトリスが登場する話はほとんどないので新鮮でした
それはともかく獣人なら冒険航空会社モンタナからモンタナたちギルトの弟子がいるな
んでもってハルケ中の考古学的遺産を狙うゼロ卿一味を相手にケティに乗って今日も大冒険に出発
魔人学園から犬神先生召喚とかもオモシロそうだ……
いや、あの人狼戦闘力おかしいからだめか……
北欧の雷神トールを腕一本で持ち上げて喧嘩売ったり
ヤマタノオロチ(不完全)を歯牙にもかけず倒したり
犬なのが、名前だけなのは見逃して
犬?アマ公か。人の話聞かないけど
>335
車田御大がファンだったんじゃない?どっかでそんな話を聞いた気が。
>336
『ダメージは…ゼロじゃ』はあまりにもプレッシャーだぜ…
下手するとヨルムンガンドの拳を受け止めて平然としてそうだし。
>>386 ルイズじゃアルルゥと仲良くなれるかどうか……
あと大将も武人で文官な人だからルイズにはキツくね?
亜人ってだけでルイズ的には大当たりなんだろうがクロウならちっこいのやツンデレの扱いに慣れてるしイケるんじゃねーかな?
ドッコイダーを召喚
「メタルインザシーホワイトストームウインドツイスターインザ瀬戸内海タイフーン!!」
ギーシュのゴーレムは錆付いて動けない!
「岩をも砕いて発泡スチロールキック!!」
フーケのゴーレムは粉々に砕け散った!
「ドッコイダーのラッキーでストライクなスリーセブンでフィーバーしてるからお客さ〜んもう勘弁して下さいよ幸運の女神アタック!!」
なぜか流れ弾が飛んできて教会の屋根を突き破り、ワルドを押しつぶした!
ドッコイダーの中の人がそんな長い技名を覚えて、その場に合わせて使えるわけがない。
>>363 大長編ドラえもんのクンタック王子とか。
>>393 ガンダールヴになればできるんじゃない?
「ひみつの犬神くん」から犬神鷹介召喚。
ルイズとの相性だけで言えばバッチリかと。
>363
「紅い眼鏡」「人狼」から、「特機隊」の皆さん
…は 一応人間だったか?
あの戦闘服着込んだ状態で現れたらどう思われるだろ?
黒ずくめで目が赤いとなると一番に思いつくのは吸血鬼か?
黒ずくめで眼が赤いとなるとアメイジングマイティが真っ先にでてくる
黒いボディに真っ赤な目っていったら・・・あれだろ。
真紅眼の黒竜だな
ゴーレムかガーゴイルと最初は思うんでない?
やばい!真紅眼の黒竜(レッドアイズブラックドラゴン)だ!
レッドアイズ生贄2体必要なのになんで生贄1体のデーモンの召喚にやられてまうん?
>>399 人類を愛する光太郎は戦争で戦ったりできるのかが疑問
406 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/24(木) 16:11:47 ID:zSFyzEdW
かみちゅなら大和さんをだな
>>400 ???「こんな場所に跳ばされたのもゴルゴムの仕業か?!」
それも私だ
犬なら、クロスカディアの、ラフラリフラだな
主従関係も成立し易く、かなり強力
ワイルドガーディアンの黒髪さんも召喚されたらオモシロそうだ
コヨーテはシエスタの祖父とかで
メインの武器鞭だけどな
つまり拳を握るだけでガンダールヴのルーンが反応するわけですね
戦闘サイボーグとかは全身が武器なんだからヤバイな。
そういえばアニメじゃ「武器として作られたものに反応するからシュペー卿の剣みたいな飾りには効果がない」ってデルフが言ってたなあ
原作じゃないから公式設定かは不明だけど
ならば拳を武器として鍛えて作る格闘家なら…
つまりサイボーグクロちゃんか
犬キャラなら彼女がいいだろう
月が二つあるのがどう影響するか判らないが
「犬ではござらん!狼でござる!」
スーパー独歩ちゃんだな。
戦闘サイボーグ
チェンジ!サイボーグ!で変身するジーグ
そういえばあの世界の亜人の定義ってなんだ?
昔のヒーローの変身とかは先住魔法として見られたりしたりするかな
なずなのおっぱいわしづかみ!
ルイズのおっ・・・ぱい?ぺたんぺたん!
なんでなずなってロリやのに胸あるん?
犬キャラと言ったら武装神姫のハウリンだろJk
お前らワイルドハーフを忘れてもらっちゃこまるぜ
スプリガンにライカンスロープいたよね
キリがないわw
獣人なんて大概のファンタジー作品にはいるもんだろう。スターオーシャンなんて地球人2人以外は全員尻尾つきだw
>>409 リワーダーは武器使わないからなぁ。てか月のない世界でも獣化できるのか?
犬キャラでパプワのチャッピーを思い付いた俺は異端なのだろうか。
いや、パプワ島丸ごと召喚したほうが面白いか…
天体戦士サンレッドから
満月の時"だけ"最強のヘルウルフくんとタイザくんを呼んでみようか
オービットベースごとGGGを召喚
メイジの力を取り込んだゾンダーを相手に勇気を以って戦う
虚無の連中はゾンダー化して浄解されると軒並み役立たずになるだろうな。
431 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/24(木) 19:43:58 ID:qYsdDt9a
361です。書きコして寝て起きたらなんだか犬祭り?にww
>>383さんの“天使のしっぽの犬のナナ” その発想は無かったw
・・・では、モンモンのカエルも、守護天使に♪
犬キャラといえば……火の鳥・太陽編の犬上宿禰
犬とか狼ならソウルイーターのフリーがいるぜ
不死身+氷系魔法+魔眼
他にも怪力やらなにやら、加えてうっかり屋さんという可愛い部分もある
いぬイヌ犬。・・・・ダメだデカレンジャーのボスことドギーしか浮かばねえ。
そういえばデカレンジャーの世界観からいえばハルゲのメイジはアリエナイザーになるな。
なんか、ガンバーチームの父ちゃんでもいい気がしてきた……
ん? 父ちゃんがルイズと不倫することになるのか? とか思うけど俺は気にしない
犬ならクレヨンしんちゃんのシロを召喚
ルーン効果で芸に磨きがかかる
>>434 そういえばドギーの中の人はちょうど4人犬系獣人キャラの中の人をやっていたな
それぞれで召喚されたらカオス化しそうだ
>>435 ガンバの冒険かと思った。
古釘つかってネコをやっつけるようなネズミだから、少しは役に立つかもね
マジレンの冥獣人コボルト・ブルラテスも犬型だな。しかも声がオスマンと同じ
TOLのギートとかSHのブランカとか神犬伝説のパルとか
たぶんどいつもチートレベルに強いがロリコン以外は忠誠誓いそうにないな
銀牙外伝-甲冑の戦士-雅武から牙忍雅武を召喚
兜に仕込んだ針のおかげで武器や忍術以外に会話や乗馬も可能
高橋よしひろは55歳の地図では犬の格好で漫画を書いていたな
>>409 名前を呼ぶときフルネームじゃないと駄目な価値観もってるからウザイぞ
犬だっつってんのに狼出す奴はいっぱいいるのに狐出す奴がいないのはちょっと不思議
別に「僕の知ってる狐キャラはこんなのがいるよ!」とか言われても「で?」としかなんないからいいんだけどさ
狐獣人か…
昔のゲームのフェーダに2人ほどいい女の狐獣人がいたな
>>443 犬とオオカミは近いイメージがあるからだろ
フォックスでも喚ぶか
お人好しなイヌ科系獣人か……誰かいたかな?
ルイズの性格&外見年齢だと、世話焼きおねーさんか素直なおじょーちゃんとつるませるのが最も微笑ましい事になると思っているが、
寡聞にして伝法姐さん型か
お侍さん型くらいしか思い浮かばんorz
>>443 犬と狼は犬神繋がりで一括りにできるけど
狐はお稲荷様で別枠扱いだからじゃね?
と適当な事をほざかせてもらう
グレイ・フォックスか
ああ、昔ジャンプでワイルドハーフっていう犬獣人漫画あったな
>>446 ティル・コンチェルトの主人公わっふる…もといワッフルならツンデレの対応には慣れてるし
発明家のはしくれだからコッパゲとも相性いいぞ
>>446 狛村隊長とかどうだろう。
人がいいし、ルイズももふりがいがあるだろうし
>>449 警官のにーちゃんか
いや女性キャラでお願いしt(ry
カトレアさんかティファニアに犬耳尻尾+長鋭い糸切り歯が生えてりゃドンピシャリなんだけどな(w
>>450 スマン、リロード忘れてた
義理堅い武人気質か世話焼き気質が多いから、イヌ科系は男女問わずルイズと合うか……
個人的には、MF文庫繋がりで魔界ヨメの犬耳メイドをルイズと合わせてみたいかな
……ちょっと人狼にありがちな持病的体質持ちだが
犬ネタまだ続いてるのか。
古い漫画だが魔獣結社のレイク・ダウニングを推してみる。
超再生能力(胴が千切れてもくっ付く)持ちの人狼で、サイトに勝るとも劣らぬエロ駄犬成分持ちだぞw
死にかけのグレイフォックス呼んでも水の秘薬で蘇らせればなんとかなりそうだな
あいつならナイフ一本持たせれば飛んでくる矢や魔法くらい切り落とせるだろう
ロデム一択だろ犬科なら
次点でランシャオ、飼い主付きなら無限説教コンボが拝める
>>443 狐キャラっつったらホロと白面系くらいしか知らん
殆どが「白面系」で括られてしまうのよな
なんか狐キャラって蛇キャラと似たポジションが多い
つまり白面の御方様が御降臨されるのですね
( ◇)我の出番と聞いて
狐か…
つ蔵馬
つようこ
つ大妖狐
つくーちゃん
つ足洗邸の狐夫婦
とりあえずこれ位か?
犬系ね…
同じMF文庫の「かのこん」では狐獣人と狼獣人何人かいたな
ナムカプの駄フォックス2匹、
はいぱーぽりすの…名前忘れた。
ゲ…もといレイヴンのジャック・Oが召喚されましたとか?
興<遅かったじゃないか…
なんかハルケでもVERTEX作ってレコン・キスタと競合してそう
狐系と聞いて
???「ナムカプは、ワシの人気で持っておる」
???「帰るぞ。シャオムウ」
梃子摺っているようだな 尻を貸そう
>>453 胴体どころか頭つぶされても再生可能じゃなかったっけ?
ただ、その場合再生後しばらく記憶喪失状態になるけど。
>>453 あの作者のマンガってどれとどれがくっついてるのか時間軸どうなってるのか
よくわからないんだよなー
犬が欲しいのかい?
なら一つディンダロスでも…
赤井「イヌ科キャラの流れ!?男爵校長が」
青井「ウェルシュ・コーギーに早変わり!!」
校長「ウェルシュ!!ウェルシュ!!」
>>460 くーちゃんいいよね。
子狐→幼女(一尾)→少女(五尾)→身の丈30メートルの巨大狐(九尾?)に返信可。
某アニメじゃ淫獣フェレットに役を取られちゃったけれども。
(なにか違うけれども気付かないフリ)
>>469 ティンダロスでは?
とりあえず私は角のない部屋に閉じこもります。
>>469 うろ覚えだが、もう呼ばれてなかったっけ?
猟犬は
狼・・・ウルフ・・・・・・キョウスケとかアルベロとか・・・呼んでそれでどうしようてんだー
普通にJ9呼んだほうが楽しそうだわな
あ、そういや士狼さんなんていたか、あのゲームの店番で唯一戦わない人
あと城は自己主張激しいけど出会う機会が少なすぎて印象の薄い・・・なんだっけ
ル・・・ルルーシ・・じゃなくて、ル・・・ボ・・・
ル=コボル?って王様
>>467 頭潰されてもヘッチャラなのは相棒の不死者のガス・J・加藤だった筈(奴の場合再生ではなく復元)。
コイツが喚び出されても周囲がパニクりそうで面白そうでは有るw
まだ続いてやがるw
>>460 くーちゃん入れてたまちゃん(銀狐玉葉)を抜くとは何事だ
あとは羽衣狐(@ぬらり)とかかの靴(九十九神の一種@怪異いかさま)とか
色々居すぎて数え切れんな
犬いぬinu・・・日向玄乃丈?
ヒロインに犬呼ばわりされている、サイトって奴がいるらしい
480 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/24(木) 22:20:46 ID:PQ5Ch/eP
>>460 狐だったらだっきちゃん忘れちゃ駄目だろjk・・・
もうどんべえ食って寝なさいお前ら
ラオウ食って寝るわ
そんなんされたらユーじゃなくてミーがショックだわ
いっそ犬ってかマゾ奴隷でも呼んだほうが
ルイズ的には幸せかもしれん
好きなだけ殴って蹴って罵っているうちに空しさを感じ始めて
己のやってることの小ささに気付くかもしれん
ヘイト禁止言うが最初から真人間のルイズってのはそれはそれでどうもな……
狐なら穆C院門前稲荷桜
18禁同人ゲーから雨傘日傘事務所の「雪神一雫」のコンちゃん。
DQ3からアニマルゾンビ
獣人ゲーといったらなんで誰もブレスオブファイアを言い出さないんだ?
トミー・パリスとコマンドウルフ召喚とか
某ジャーナリストが新作の格ゲーでアホみたいに強くなってた
これで異世界に召喚されても大丈夫だね
セガールを召還
>>455 マルコが獏兄ちゃんから離れてロデムモード突入したら死体が幾つできる事やら
>>495 あまりにも唐突な異世界への召喚に、
ただただ呆然とするしかないマルコであった
後半へ続く
↓
犬っつーか狼っつーか、ネコミミっつーか、
X−MEN映画版からウルヴァリン
2以降でうまく行けばあれならあーだこーだ言いつつ巻き込まれてくれるはず。
タルブにはブラックバードとミュータンツの集落があればいいよ。
あ、デルフ無駄になるな。
ウルヴァリンはアナグマだぜ
>>484 鞭で叩かれて逆に喜んでしまった変態仮面召喚を思い出してしまったw
あれは逸脱だったのになあ
狐キャラの話で八雲藍が出なかったか
まあ既に式神≒使い魔みたいなもんだし扱いにくいよね
MAJORから本田吾郎呼んで速球で敵を倒すガンダールヴに
我が強いから言うこと聞きそうにないけどw
狐なら我が家のお稲荷さまの天狐空幻がいるぞ。
>>496 X-MENと聞いてTMNTを連想した。
あいつらはとりあえずピザさえあれば言うこと聞いてくれそうだ。
ドナテロはコルベールと意気投合しそうだし。
>>496 デルフ持って俺は忍者だーってやってくれるかもしれんぞ
黒い猟犬、キリーク・ザ・ブラックハウンド
聖地に眠るダーク・ファルスの影響で暴走します
シロだって犬談議で出てきたのに、狐談義でタマモが出てきてないことに絶望したw
まあハルケにお揚げはないだろうけど。
ハルケにピザがあるとも思えんが・・・ミケちゃんがシエスタと共同で作りそうな気が滅茶苦茶する
無いのなら作れば言いだけのことよ
そしてハルケに起こる空前のお揚げブーム
犬で忍ペンまん丸の伊賀思い出したが
クマの念賀さまもいいな
>>484 オオカミさんシリーズの野球部の犬塚とか同じ作者のマゾ番長とか?
>>503 イザベラには召喚されてたな(ヒースじいちゃん召喚の話の番外編)
「天国に涙はいらない」なら主人公が狐だぞ
ごんぎつねからきつねを
>>477 怪異いかさまからなら狐に対抗して豆狸を召喚してルイズの胸を巨乳に!
中山雅史物語からゴンを
かいけつゾロり
シャドウフォックス
>>513 直に触ったら毛と皺だらけで膨らんだ胸は実は豆狸の…
延々とどうでもいいマイナーキャラの名前を上げ続けるだけとかお前ら清々しい程に腐った蜜柑の詰め合わせだな
なんかもう割り切って自分も参加しちゃうとほのかに自己満足感が得られなくもないよ。虚しいけど
投下があったら読む
投下がなかったらぐだぐだする
それでいいじゃないか
>>518 いろんなキャラが召喚される事を考えて話しが出来てくるからそのうち1話分になるんじゃね?
それにマイナーキャラ程、人に愛されてるものだ
もういいからみんなとりあえず一回書いてみようぜ。もちろん自分なりにちゃんと推敲してから。
そんで「つまんね」とか「性格に無理がある」とか言われて落ち込んだりしようぜ。
当然俺もだ。
そんなこと言われて酒飲んでくだまくハクねーさん...駄目だ。
こっちでも自虐ボヤキの姿しか見えない。
書きたいのは山々だが原作未読なんだよな・・・
やっぱSSとwikiだけじゃ無理があるかな。
HEROSのサイラーネタで書こうと思ってるんだけど重要無いかな
犬娘といったらあっし……『アリアンロッド』のベネット様を忘れちゃ困るでやんす。
何しろクランベルの4英雄の一人として名をはせ、身分の高い女性のお仕えするのには慣れているでやんすよ。
よし、小ネタ的に東方の八雲藍を召喚してみたを書いてみた
1:00に投下予定です
「宇宙の(略)」
ルイズがそう唱えた瞬間爆発が起こる…そして…
狐の様な尻尾が九本生えた女性が召喚された
「おや?ここは?」
「あ、亜人!?」
「しっ!大声を出すな、橙が起きるだろ……」
「橙?」
見ると尻尾を枕にして気持ち良さそうにに1人の少女が寝ている
更に良く見るとこちらの少女も猫の尻尾が2本生えている……
すごく…気持ち良さそうね…
「わ、わたしもちょっと良いかしら?」
「本当は良くないが動けないわたしに選択肢は無いのだが?」
「じゃあ、ちょっと失礼して…」
わぁ…見た目通りもふもふして気持ち良……い……
度重なる魔法の失敗と尻尾の気持ち良さでルイズはすぐに寝てしまった
「やれやれ…わたしの尻尾は枕では無いのだがな…」
ふと藍の後ろの空間が割れる
「藍、そろそろ晩御飯作ってくれない?」
「ああ、紫様、今動けないのでもう少し後にして貰えますか?」
「ん〜、待てないから藍をそのままのスキマに入れて呼ぶわ」
「え、ちょっ…!?待っ…!」
橙とルイズも含めてスキマに入れられる
「何も物事に突っ込めませんでした…それにミス・ヴァリエールは何処へ?」
あきれ返るコルベール・・・・・・
「しくしく……ここは何処?」
「ね〜……藍、あの子誰?」
「わたしに聞かないでくださいよ、後で帰すの手伝ってくださいよ」
「藍様〜、あの子新しい仲間〜?」
「橙、残念ながら仲間では無いよ、どちらかと言うと紫様が攫ってきた子だよ」
幻想郷で泣くルイズ……はたしてハルケゲニアに戻れるのか…
続かない♪
ああ、宣言を忘れてましたけど投下は528分だけです
>>524 原作既読だが9割近く忘れてるような俺もいるぞ
>>528 乙
八雲紫召喚なら以前にもあったけどやっぱり逆に拉致されるんだなw
>>532 まぁ、滅茶あの話のパクリだってわかってるし混沌より癒しに重点を置いて書いた気だが
藍だけを召喚ってやろうと思うとまず橙か紫のどちらかが出る率高いと見た、結局は両方出したが
オチは藍の立場的にも紫に呼び出されがベタかとも思ったし、ルイズが拉致されたのは小ネタ故だw
???「シロ、おすわり♪」
???「拙者は狼でござるよ!グータラ狐!」
>>528 勝手に帰るのはちょくちょく居たが、これは新しいなw
>>524 大丈夫だ。
以前書いてた時に俺は未読だったが、毒吐きスレでも「ヘイトか」「俺TUEEEEEしたいだけだろ」等々色々言われたものの
「てめぇ原作読んだことねぇだろ」とは一度として言われたことがなかった。
つまり、無理があるかないかというと、別に無理はない。
まぁ、読んでた方が変にびくつかなくて済むからずっと良いけどな。
>>524 いや、一応クロスSS書くのなら原作位は読んでおこうよw
SSで出ているルイズ達の性格にしたところで、SS作者のフィルターがかかっているんだから、原作キャラの
性格をつかむ為にも一通りは呼んでおいたほうが良いと思う。
(後、wikiでは補えない描写とかもあるから、というのも理由の一つ)
>>524 そもそも、そんな相談はしないで欲しい。
540 :
528:2009/09/25(金) 07:29:34 ID:rAOX4pZN
>>524 ちなみにわたしは原作未読だったりする(だから小ネタにした)
わざわざ自己主張すんなよアホ
まあ所詮そんなもんよな
>>524 おいおい爆釣りだなwww
……釣りだよね?
ま、原作未読でもプロローグくらいは書けるものだ
流石にクロスする作品も知らないわけじゃないだろ?
ルイズの失敗魔法を有効活用出来るキャラってどのくらい居るかな?
とりあえず山岡さんなら料理から材料調達まで有効に使って暮れるよね!
Mr0の使い魔とかは爆発を有効に使ってたが
原作読んでないカスは消えろ
っていうか、ここまでの間にサモンナイト2のハサハが出てこないたぁどういう了見なんだ、おまいらw
原作未読だと大概駄作になる気がするんだが
例外なく駄作になるわ
ここまでテンプレ
原作未読が成功する可能性は二次創作にジュリオが登場する可能性と同じくらい
原作よりここのss読んでる方が面白い罠
>>538 そうそう、某御大もコピーのコピーでモノを作っちゃう姿勢に対して憤慨してたよね。
ゼロ魔の二次創作の場合、まずそれ自体がゼロ魔原作のコピーで、
更に原作未読の人がそんな二次創作のみを参考にSSを書いたら
それこそ『劣化コピー』にしかならない訳で…。
(アニメ版や漫画版もいわば原作のコピーやね)
>>511 てんなみならアブデルだろ常識的に考えて‥‥
しかしそういったら今ある日本でウケてるファンタジーだって海外の大御所のコピーのコピーを更にコピーみたいなもんだしなあ
指輪のガンダルフなんて魔法使いなのに魔法らしい魔法は使わないし
白から灰色になってもさして変わらないし
欧米のファンタジーがいいモノだってのは幻想なんだがなー
上澄みだけが入ってくるからそう見えるだけで
ってか、そもそも物語なんて過去からの影響なしに作れるもんじゃないよ
スゲー人の噂話から英雄譚、神話、古典から現代の物語まで全部繋がってるんだから
あからさまなパクリ以外非難する意味もないと思うんだが
日本のファンタジー自体欧州の劣化コピーなんだからゼロ魔くらい読まなくても問題なく書けるって?w
劣化コピーって言葉がよくないと思うんだよね
尤も原作を読まなきゃコピーじゃなくて別物になるよ
>>554 アブデルが召喚できた場合、アイツはルイズの実年齢を知って絶望するだろうか、それとも年齢に比して
未だロリな容姿を保っている事に主の御業をみるのだろうかw
けどまぁ、あれだ。最終的には更にロリな容姿を持つタバサの方へ流れていくんじゃないか?
ゼロ魔自体が三銃士とハリポタのハイブリッドじゃろ?
(キリッ を付け忘れてるぞ
やる夫とやらない夫が召喚されたら……
原作見てなくてもアニメ見てるなら書けるだろ
特にここはアニキャラ総合だし
>>560 それを言うなら三銃士も盗作、というか他人が書いた下書きを元にしてるんだし。
ちなみによく言われることですが「確かに盗作だが俺が書いたほうが面白い」とデュマが言った
というのはウソです。
少なくとも信用できるソースは存在しません。
ただ共作した人物が「著作権放棄するから十分報酬を払う」という約束を破られ、裁判を起こしているのは間違いないです。
まあ何が言いたいかというと、「読むだけならともかく書くなら原作は読んでおいたほうがいいよ」
ひょっとしたら「モット伯爵がサイトと激しいバトルを繰り広げた」などと思ってる人も居るかもしれませんし
>>559 たまちゃんが高校生なことを思い出してくれ、
つまり、ルイズも許容範囲内だ!
タバサにも愛を振りまくだろうがな
原作だとモット伯とか出てないはず
モット伯はアニメオリジナルキャラだからな。
原作読んでないと分からんよなー。
>>566 出てない上にアニメ版ではエロ本渡したらシエスタ放棄した、その程度の相手
しかしここを初めとするSSでは初の「敵対するメイジ」(ドット程度のギーシュは除く)なので
使い魔の強さを見せつけるためボコられることが多い
>>568 極悪非道で平民の女性を陵辱拷問してたり、不正な金集めしてたり
ぶっ殺されても仕方ないレベルの悪党になってるよね
実際ストーリーに影響少ないから酷い死にかたすることも多い
あのエロ本はあの世界に一つしかない「男の情欲を駆り立てるマジックアイテム」じゃなかったか?
酷いよね、『武器を持って屋敷に乗り込んできた平民の強盗』をエロ本を条件にだけどあっさり許してくれた、えらい太っ腹な貴族なのに
シエスタの件は現代人の常識を持ち込んじゃ駄目なんだが、その辺り作者はどう考えてんだろ?
犬談義を読みおえてリロードしたらいつのまにかモット伯談義になってたでござる
にしてもここまでこいつの名前が出てこなかったことにある意味安心した
つ ヌワンギ
>>563 乱暴な理由だなぁ……
それともアニメを参考にするのは二行目を言わなければならないレベルだと分かっているんだろうか
原作を読んだ人間からツッコミが入るだけでなく、詰んでると思われるような状態にしたと思ったら
かなり強引というか、読んでいない人間からも無理があると思われる方法で解決したり
原作だったら絶対に有り得ないことをギーシュやキュルケといった出番の多いキャラにさせてるような出来だもんなw
>>571 エロ本つってもあの世界じゃ並大抵のお宝じゃないんだが
どんなジャンルであれ異世界の未知の書物なんざ普通億単位の金出しても買い取れんぞ
>>562 やる夫板U(だと思うが)で連載中だぞ
もっとも話がとんでもない方向にズレつつあるがw
(厨二病で策士でトライアングルのギーシュ、うぶなキュルケ、中の人がルイズと同じなお姫様とか)
あとデルフがこなたでシエスタが貧乳のつかさ
>>575 なんぞそれwwwwwww
スレタイプリーズ
>>エロ本
いや、あの世界にとっては本当に凄いものなんじゃないか?
製紙技術や印刷技術は元より、実物と変わらない絵であるところの写真が多数掲載されているからね。
後、どの雑誌かは知らないけれど、ある程度の萌えやフェチ的なモノの布教になっているのかもw
>>569 それを逆手にとって、実はいい人だったり子悪党もしくは変態だけど憎めない
キャラに設定する人も増えてきたと思う。
>>579 どっかだと、オスマンのエロ友達だったのもあったな
平民の女に学ばせてから故郷に返して、故郷が発展するようにサポートしてるとか
何処で読んだのかマッタク思い出せんのがむなしいところだが
>>579 超改心した作品もあったよね
孤児院作ったりその孤児院が戦争に巻き込まれたから出兵してみたり
ワのひともそうだけど作品によって結構差がでる人だ
モット伯イベントは独立してるからか好きに改変してる人多いね。
中にはシエスタがしっかりやられてるとこもあったな。
>>582 へーそんなのもあるのかー
参考までに、参考までにタイトルを教えてくれないかな
>>584 ありがと
でもコードギアス見てねーや
ちょっと無駄話しすぎたから書き込み自重する
>>577 やる夫板Uの『やる夫が召喚されたようです』
あと言い忘れたがやらない夫はまだ出てないよ(今後も出てくるか不明w)
他にはやる夫観察日記に、やる夫とやらない夫とJOJOの露伴先生が
ルイズにくんかくんかもふもふしにいく為に魔法の世界(ハルケギニアじゃない)に行く話もある
こっちはルイズ以外のゼロ魔キャラは出てこないんだが
>>580 真・女神転生の人修羅を召喚した「アクマがこんにちわ」
人修羅はけっこうな人気者で、もう三回ばかり召喚されてます
>>588 おお、ここのまとめとは……不覚……
すまない、情報感謝だ、ほんとうにありがとう
>>537 未読だったから原作の魅力を知らず、ヘイトや俺TUEEEEEな駄作しか書けなかったんだろ。
現実を見ろ。
何も無ければ30分から三話投下予定
学院まで移動する時、真紅は歩きたがらなかった。
しかしルイズは抱く気にもならず放って行けば、真紅との距離は離れて行く。
一歩一歩の歩幅が違うのだ。
なので仕方なく抱く。
その抱き方も、単に人形を抱くものではなく上品に。
周囲からの妙な目線に耐えつつも自分の部屋に着き、一息を入れた後である。
「ルイズ」
椅子に座るルイズに真紅が声をかけた。
「何よ、言っておくけど寝床はそこよ」
そう言って指差すのは藁を敷いた場所。
本来ならばそこに、フクロウや猫や蛇、良ければグリフォンやサラマンダーなどの使い魔が眠るはずだった。
だが召喚したのは、大きさ以外は人間とほぼ同じと言っても過言ではない真紅である。
――だからって、『使い魔』である限りは変えないわ。
ルイズは思う。
藁の束を見て、真紅は言う。
「レディをあんな所で寝させるつもりなの、おまえは?
私が言いたいのはそんな事ではないわ」
そう言いながら真紅はルイズの向かいにある椅子に座る。
『座る』と一言で言っても、ルイズには簡単だが真紅には多少難しい話だ。
難儀そうに座る真紅を見て、ルイズは一瞬笑いかける。
だが、止めた。
直後に真紅が、『何か問題でもあったかしら』と言わん限りの目線を送ったからである。
「紅茶」
「紅茶が何よ」
怪訝そうに真紅を見る。
だがそんなルイズなどお構い無しに真紅は、
「紅茶を淹れなさい」
と、あっさりと言った。
「貴族である私に使い魔の分際で命令だなんて無礼ね。
でも私も紅茶が飲みたいわ。
こういうのはあんたみたいな使い魔の仕事よ、行ってきなさい」
ルイズに淹れるつもりは全く無い。
使用人を探す気すら無い。
支援
「使い魔の仕事は、
主の目となり耳となり、主の望む秘薬を持って来、そして主を護る事とはっきり言ったわ。
それにおまえは、私のしもべでもあるのよ」
「あんたは私の使い魔じゃない!」
「おまえは私のしもべよ」
両者に譲るつもりは無い。
どちらにもプライドはあるのだ、他人から命令されるなど論外。
しかし、そこらを歩いている使用人に命令すれば良いだけの話。
だが『使用人に命令する』という命令をどちらが出すかの問題である。
ルイズにとっても、相手が平民ならば容易に命令をしていた。
真紅にとっても同じ。
そこらに居る様な、ただの少年ならば容易である。
だが相手は貴族然としている。
そして、他人に命令され使役されるのを是としない。
「あのね、貴族に命令出来るのは王族くらいなものなのよ。
愚かな平民は貴族に従う、これは絶対よ」
「なら平民にそうしなさい。
でも私は平民ではないわ、誇り高きローゼンメイデンの第五ドール」
「でも、あんたは使い魔なのよ!」
「そしておまえは私のしもべ。
……この関係は対等なものよ。
私はおまえの使い魔でありおまえは私のしもべである。
どちらも主でどちらも使役される者、とても対等だわ」
「……っ!」
真実だ。
ルイズはそれを確かに受け入れている。
はっきりとは認められなかったが。
「そうね、言うなればこれは『主人』と『客人』の関係。
ルイズ、おまえは自分が呼んだ客人に『お前が紅茶を淹れろ』と命令するのかしら?」
「そんな事、するはずが無いわ!」
父や母、姉二人の客人にそんな無礼な真似は出来ない。
それは貴族としての品位と、教養を疑われてしまう行為だから。
「そう。
私は、その『客人』。 おまえは『主人』。
主人は、客人をもてなし客人は主人の手際を誉めて認めるもの。
どちらも対等でありながらお互いを高めあう関係こそが、私達の関係でなければならないわ」
「……」
ルイズは考える。
真紅の述べる『主人』と『客人』の関係。
お互いを高めあい、内心どうあれお互いを下に置く事は決して無い。
主人と使い魔という上下関係は築けずとも、対等の関係ならば無益に貶めあう事は無くなる。
理想ではないが、最低でもない。
プライドの高いルイズとしては、受け入れ難くもない話だった。
「…………分かったわ。
あんた……貴女がそう言うなら、そうするわ。 真紅。
私達は対等な関係よ」
ルイズは笑む。
同様に、真紅も笑む。
「ご理解いただけて嬉しいわ。 ルイズ」
二人の間に、一瞬だが火花は散った。
対等な関係は認めるが、それをいつまでも行うつもりはない。
二人の笑みによる交戦が終わった後、真紅が口を開いた。
「それで、ルイズ。
紅茶はまだかしら?」
「そうね、使用人に淹れさせるわ」
ルイズは椅子から立つ。
「九十五℃以上で抽出して、ミルクも付けてくださるかしら?」
「分かったわ」
そう言って、ルイズは部屋を出た。
使用人に命令する為に。
――……これは『命令』じゃないわ、招いた主人としての『義務』よ。
そう、自分を納得させながら。
ルイズが部屋を出た後、真紅は一人になった。
……否、正確には一人ではない。
椅子から降りると、部屋の中を歩く。
真紅が立ち止まったのは、ルイズのベッドに置かれた人形。
よく出来たものだ。
家族からのプレゼントだろうか。
少し豪華な飾りの付いた、ドレスを纏う人形。
大切に扱われているのが、一目で分かる。
――悪い子ではないみたいね。
人形が告げるルイズを聞いて真紅は思う。
ルイズは努力家だ。
人の何倍もの努力をし、座学ではトップ近くで居る。
その知識に敵う生徒は数少ないだろう。
家柄、教養、知識。
これらは完璧だ。
だが、ルイズにはたった一つ欠けているものがある。
ルイズは魔法を使う事が出来ない。
魔法を使えない貴族は貴族ではない。
それをバカにされ、愚弄され、影では本当は平民の子ではないかと嘲笑され。
夜に一人、ベッドの中で悔しさに泣いて枕と人形を濡らす。
誰も知らなくても、人形は知っている。
ルイズの事を、とても良く。
それを理解した真紅は、微笑む。
そして窓から見える二つの月を見る。
「……月が二つなんて、変わっているわ」
nのフィールドならば分かるが、此処は現実。
月が二つあるなど、真紅は知らない。
月の光を浴びながら、真紅は呟く。
「……どの姉妹が、目覚めているのかしら」
アリスゲーム。
それは七のドールが争うもの。
ローザミスティカを巡る、争い。
真紅の他に目覚めているドールは何処かに居るはずだった。
支援が必要かしらー?
ルイズが真紅を召喚するより何年も前に、彼女は召喚され、ネジを巻かれていた。
「おぉ……お前が、神の左腕! ガンダールヴ!」
彼女を召喚した男、ガリア王ジョゼフが子供の様に興奮した声をあげる。
まるで、演劇であるかの様な大げさな手振りと共に。
彼女は思う。
変な人だと。
だが、それでも構わない。
彼が彼女のマスター。
彼女はマスターに従う。
「はは、ははははは!!」
狂うかの様な声。
「虚無! 虚無か!
始祖ブリミルより継ぎし力!」
一頻り哄笑。
そして笑い終わった、ジョゼフは思考を巡らせる。
水の精霊より奪ったアンドバリの指輪。
これを、あの坊主に与えてやろう。
そしてハルキゲニアに混乱をもたらそう。
まずは、あの国、アルビオンから。
アルビオン国王が、自らの弟である大公を処刑した為に貴族達は不安を抱いている。
そこを刺激してやろう。
無能な王達は対処出来まい、なにせメイジが裏切るのだから。
掲げる理想は『聖地奪還』。
国力が低下しているトリスティンに、常に浮遊しているアルビオンを助ける術は無く、いずれあの枢機卿がトリスティン王女とゲルマニア皇帝との婚姻を結ぼうとするだろう。
最初は小さな火種。
だがやがては、大きな大きな火災となる。
アルビオンがどうなった所で、ジョゼフにはどうでもいい。
あの坊主を皇帝にでもしよう。
「――そう、組織名は」
レコン・キスタ。
聖地奪還を掲げる者達。
「ガンダールヴよ、アルビオンに行ってもらうぞ。
あくまでも、あの坊主の補佐として」
「はい、マスター」
彼女は言う。
「騒ぎに誘き寄せられお前の姉妹だとかいう者も現れよう。
さすれば、『お父様』に会えるというお前の悲願も叶うのだろう? 我が、蒼き薔薇よ」
「マスター。
あなたが望むなら」
彼女は一礼をする。
肩より上に揃えた茶色の髪に、蒼い服。
その瞳は、赤と緑。
彼女、ローゼンメイデンが第四ドール。
左手に刻まれたるは、ガンダールヴのルーン。
その名を、蒼星石という。
これは、ルイズが真紅を召喚するより前の事。
そして、アルビオンが二つに分かれるより前の事。
投下は終わりました
ありがとうございました
乙です。あー、ガリアは蒼の子かー。色繋がりか。
蒼の子じゃジョゼフを止めようとはしないよな…。
乙でしたー、ジョゼフに召喚されるとしたらマスターに従順な蒼の子か狂気を秘めている雪の子位だよねぇ……。
まぁ、他の連中(具体的には金、翠、苺辺り)を呼んでまったりさせるのも良いかもしれんがw
しかし、そうなるとヴィットーリオに呼び出されるのは雪の子か銀様になるわけか?
けど個人的に銀様はテファ辺りが合っているかもしれん。
2ちゃんねるのスレを纏めてるような所ならまだしも、無関係な外部のサイトを晒しちゃって良いの?
あのスレって荒らしもアンチいないし、かなりのほほんとしてるから、URLが晒されるのは好ましくないと思われ。
まあ、もう過ぎたレスだし、以後スルーでいいかと。
乙でした
とりあえず、もしルイズが煎れた紅茶を飲んだら真紅ぶったおれると思う
ところでローゼンメイデンはゼロのミーディアムの影響で最近コミック集め始めたんですが
なんで水銀燈は銀さまなんて呼ばれてるんですか?
そういや、余計なお世話かも知れんが、薔薇の人はトリップをつけなくてもよろしいのか?
名前の後ろに半角のシャープつけて、テキトーなキーワードでついたはずだが……
このスレって、トリップ付けてる人の方が少ないくらいじゃないっけ?
そう考えるとすごく平和なスレだよな……
そうなのか、すまない、コチラの考えすぎだった……
>>606 なんか人ごとみたいに言ってるけど、IDからすると晒した本人だよね?
一行目も「のほほんとしてるから」までとそれ以降で繋がってないし、何なの?
このスレは時たま極端にスルースキルが激減するから困る
ご新規さんがよく来るってことでしょう。いいこと……じゃないな。
>>611 考え過ぎというか、非常識にも余所の常識で余計なお世話をしちゃっただけだよ!
悪いね、今日はこのままROMるわ
そんなことより お尻 の話しをしようぜっ!
ルイズの御尻はとても貧相そうですね。
尻の動きが、魔法陣になっているんだ!
キュルケあたりは開発済みなんだろうか
>>619 ルイズに向かって『だがそれが良い』って言ってる花の慶次の慶次が浮かんだ
尻のすごい使い魔なんかいるのか?
>>623 巨乳キャラは乳に伴って尻にも肉が付いてるんじゃないか?
誰の尻を叩きたいかと問われれば回答に困ってしまう。
>>誰の尻を叩きたいか
やっぱりギーシュだろうw
二十分以上経ってるので空気を読まずに召喚してほしいキャラを言う。
ベルセルクからフェムト召喚。ハルケギニアで自分の国作りを目指す。
……てか書いてる途中で思ったけど、ゼロ魔の世界ってまさしく『ファンタジア』
そのものなんだよなあ……作中で何を目的にあんな世界作ったのかまだ明かされ
ていないけど、でもそう考えるとゼロ魔の世界ってフェムトにとってはまさにうってつけか?
と言うかベルセルクゼロはどうも幻造世界のその後っぽい件
17巻の才人の言によればルイズは「胸以外は妙なヴォリュームがある」らしいけどね。
つまりルイズは尻とか内股とかがむっちりしてると
…「隠れ肥満」という単語を思い浮かべてしまった自分はちょっと爆砕されてくるノシ
>>628 「迫力」と解釈しました。17巻未読な俺
と言っても、同じ巻でタバサが
「自分の身体はまるで子供でダンスの相手は幻滅してしまうに違いない。
でもサイトはそういうのが好きなんじゃないのか。だってルイズもお世辞にも体形に恵まれているとは言いがたいし。
なら別にいいんじゃないだろうか(意訳)」
みたいなことを考えてるんですけどね
サイトは巨乳は好きだが、望んでるのはルイズが巨乳になる事で
巨乳の娘と付き合う事ではない?
・サイトの贔屓目説
・タバサ胸意識しすぎ説
好きなほうを選びたまえ
>>625 ギーシュの尻を叩いた作品ってどこかになかったっけ?
貴族の朝食とか見てると外見は小柄でも内臓脂肪がすごそう
ろくに運動しないだろうし
サイトは胸の話ばかりしたり胸を見る度に学習能力がないのかと疑われるくらい理性が飛ぶところから
胸好きを通り越して何か過去のコンプレックス的なものがあるのではないかとも考察できる
さしずめ母親か子供の頃にあった年上の女性と何かだろう
という有り得なさそうな拡大解釈
犬系キャラの話が出てたが、逆に猿系のキャラはいただろうか?
DBでなく本家本元孫悟空とかか
堺マチャアキ版がいいなー
>>634 日替わりさんのフローラがやってた気が……
間違ったらすまん
>>634 日替わり使い魔のフローラ奥様が笑顔でぶっ叩いてました。
>>625 解る。なんかそういうお仕置きしたくなるものがあるよな。本当は叩くよりも掘る方が見たいが
>>638 孫悟空はどのバージョンの奴を呼ぶかでかなり変わりそう
というか本家に忠実だとあまりにもチートすぎるんだよなー
ハルケに本家に出てくる芭蕉扇とか瓢箪みたいなマジックアイテムがゴロゴロしてるってな設定ならともかく
そこで中を取って、孫悟空のモデル説もある猿神ハヌマーンを召喚ってことで
>>641 あっ、801板におかえりください^^;;
サイトとギーシュのガチマンをトロマンになるまで野郎汁で種付けしたいと思います。
虚無を粗末に扱うやつは死ぬべきなんだ!
こうですか?分かりません
>>635 そういう生活送ってたせいでPT一のぽっちゃり体型な聖女さまがいたな
>>641 薔薇と穴を掘る使い魔があるじゃないか
呼んで欲しいキャラはパタポンからゴーン将軍かな
あの人は単騎でも強いし竜巻を起こせる挙げ句、「おくのてだ!」「ぶんしん」
とワルドそっくりの性能を持っている
ストーリーからして思想はパタポン族と違って宗教や一神教、侵略戦争がそんな好きじゃなさそうだし
ジゴトン族が戦車を使うあたりエンジンやタルブ戦でのメカに関しても問題なさそう
外見上バックベアードの亜種みたいなもんだから馬鹿にもされないだろうし
>>638 斉天大聖か。
時期にもよるけど言うことを聞かせるのが大変そうだ。
尻を叩くの流れで薔薇につながるとはまったくけしからん。
ケツといったらザンキさんだろうが!!
一度死んでから反魂の術でウェールズと共に一時的に復活。
ルイズと姫さんふたりで「「もう、大丈夫っすから。」」とか。
>>649 痩せてえ、けど運動したくねえ。
敵からアイテム奪ってやったからこの金で飯食いに行こうぜ! 泥棒? これは神に貢がせてやったんだよ
夢は食べ物が美味しい田舎町の教会に住みながら、信者からの御寄進で美味く生きること
こんな人だし、プリミルの教えがある意味絶対のハルケギニアでどう立ち回るか面白そうではあるが
基本はことなかれ主義だし、信仰の押しつけもしないし、食い扶持確保できたらそのままプリミル教に改宗しそうでかなり動かしづらいんだよな
つかリアリストな聖職者を召喚した作品ってあったっけ? ニコ兄は違うよな
物理無効のセイテンタイセイか
>>655 全巻持ってるのに間違って覚えていたとは思わなんだ
>>655 プリティで♪
ミルミル♪
ふたりは♪
プリミル〜〜
>>623 笑顔がすてきな伊藤慎もしくは高岩氏を…
いけね、ご本人はまずいな。
>>629 隠れ肥満とかを否定できる要素ではないが、乗馬とか得意だし、ゼロ戦飛行中の才人に肩車されつつ呪文唱えてるとか凄いバランス感覚だし。
運動能力はかなりある方だと思うよ。多分。むしろあの細くて成長のとぼしい肢体は、筋肉のつきすぎによる成長阻害の可能性も…さすがにそれはないが。
>>659 華奢な怪力や運動能力の高いデブなんて学生レベルならざらにいるからなあ
>660
まさか神風の術が使えるマリコルヌが現れるのか……?
そう!マリコルヌは機敏なデブなのだ!
マリコルヌは原作の描写からして間違いなく最強クラスのメイジになるな
聖職者と聞いてスソ……もといロリコン神父アダム・ブレイド召還とか連想しちまった………
ブレイドが練金とかの魔法覚えたら大変だろうな……(衣服分解とかシースルー化的な意味で)
つか聖職者で何故ベルケンスのおっちゃんを第一に連想しなかったんだ俺orz
>>642 ハヌマーンと聞くと神格筐体を思い浮かべる私がいる。
動けるデブか、マリコルヌはスイカ頭と呼んでやることにしよう
>>662 説明しよう!!
エロに限界はないのだ!!
…マテパの人帰ってこねぇかなぁ
マテパの他の魔法使いを喚ぶなら誰だろう
能力の詳細がわかればジャンクーア喚びたい
シャルロックとかヨマとかエイキとかも捨てがたいが
>>668 ドラゴンスフィアとかムーンアデルバとか妖老裸骨蛇はハルケだと先住魔法扱いされそうだ
>>668 カイザートさん
とにかく超凄い属性からして超凄い
カイザード召喚の最大の問題点
本人は魔法を使おうとするのに、その魔法が「超凄い」って以外は全くの謎だという事
犬と言えばフルメタルパニックの宗介
ルイズを上官と認める展開されクリアできれば良いんだが
>>672 他にもわかってることはある!
魔法名:超覇導天武刻輪連懺吼(ちょうはどうてんぶこくりんれんざんこう)
魔法レベル:60
魔法器具は額の飾り
そういえばまだドラクエ\からはないな、さすがに早過ぎるか
すれ違い通信で身元がバレる手紙奪還作戦。
>筋肉のつきすぎによる成長阻害の可能性も
なにそのグランドマスター
細身で筋肉・・・・・・警視庁密葬課の箕輪さんを
ラチェット&クランクシリーズからキャプテン・クォーク召喚
ルイズ相手に貴族と知って媚を売るかハッタリで丸め込むか
腹筋が割れてるルイズかよ
鞭でシバかれたら洒落にならん
>>673 ソースケは極めて現実主義者だから、異世界に召喚されたと理解すれば取りあえず生き延びる為に下着洗いだってなんだってするぜ。
帰還は絶対に諦めないだろうけどな。
>筋肉のつきすぎによる成長阻害の可能性も
魔術師オーフェンにそんなのいたな。
先天的な異常筋力で、下手に動くと筋肉が自分の骨を押し潰しまうやつ。
そのためルイズは普段から超重量の武者鎧や面当、兜を装着しています。
こうしないと自身の筋肉で内蔵や頭蓋骨がつぶれるからです。
ルイズ「女の価値は上腕二頭筋で決まる」
685 :
借りてきた猫:2009/09/26(土) 01:27:53 ID:y/DVhSqZ
もし他に居ないのでしたら1:30に第6話を投下します
686 :
借りてきた猫:2009/09/26(土) 01:29:28 ID:y/DVhSqZ
今、わたし ールイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールー は
後悔していた……
どうしてわたしが街でこんなに注目されないといけないのだろう……
原因はわかっている…
頭の上に居るこの子猫ークロちゃんーだ……
本当にこの子のマスターはクロちゃんにどういう教育をしてるのだろう…
クロちゃんが召喚されて初めての虚無の曜日
今日はクロちゃんに感謝を込めて街へ行って何か買ってあげよう
「クロちゃ〜ん、今日は街へ出掛けるわよ」
「は〜い」
さて、街へ行くのに足は馬で良いかな、クロちゃんは馬に乗れるかな?
「クロちゃん、あなた馬に乗れる?」
「乗れるには乗れるけどお馬さんの操作は出来ないよ」
このサイズだし…
「う〜ん、じゃあどうしようか…」
「おねえさんがお馬さんの操作が出来るなら方法はあるけど?」
「わたしは乗れるわよ、じゃあその方法で行きましょう」
今思えば方法を聞いてから返事をすれば良かった……
そうすればこんなに注目される事も無かったのに……
そう、クロちゃんの言った方法とはわたしの頭の上の乗っかって行く
と、言う途轍もなく恥かしい上に目立つ方法だったのだ
しかも街に着いても降りてくれないし……
まぁ良いわそれよりも何処に行こうかしら
「クロちゃん、何処か行きたい所はある?」
「ん〜、洋服屋さんかな〜」
「服飾店ね、わかったわ」
実はルイズを見る視線のほとんどが
憧れや羨ましいと言った感情だった事をルイズは知らない
687 :
借りてきた猫:2009/09/26(土) 01:30:21 ID:y/DVhSqZ
その頃、暇なキュルケは……
「クロちゃ〜ん、おねえさんとお話しましょ〜…って居ない!」
見事に肩透かしを喰らっていた
「何処に行ったのかしら…?街かな?」
こういう所が鋭いのは女性だからなのか……
「そうと決まれば…」
足にタバサの風竜を使わせて貰おう…どうやって、あの子を炊きつけようかな〜
タバサはいつもの様に本を読んでいた
今読んでいるのは『長靴を履いた猫』だ
扉の方で誰か叫んでいる…うるさいのでサイレントで静かにした
鍵を閉めていた筈なのに開けて入ってくるのは友人のキュルケしかいない
何か言っている様だがサイレントで聞こえない
肩を捕まれて聞く様にされては落ち着いて読めないので解除する
「タバサ、これから街に行くわよ!」
「虚無の曜日……」
「わかってる!あなたにとって虚無の曜日は読書をする貴重な時間だって!」
タバサはやれやれと言った感じでもそもそと出掛ける用意をし始めた…
「クロちゃんもルイズと一緒に街に行ってるみたいだし……」
「…!?……出来た」
物欲で支度をする速度が早くなった様だ
「さて、ここが服飾店だけど……欲しいって新しい帽子?マント?何なの?」
クロちゃんは無言で『アレ』と言わんばかりに指を指す…その先には…
「メ……メイド服?」
が、あった…
ルイズの中にメイド服を着たクロちゃんが想像される……そして…
ルイズは倒れた……鼻血を流しながら……
688 :
借りてきた猫:2009/09/26(土) 01:31:42 ID:y/DVhSqZ
タバサの風竜で街へ着いたキュルケとタバサ
「さて…ルイズ達は何処に居るのかな?」
…元から何処に行ってるかも分からないのに適当に歩いて行くと
ちらほらとそれっぽい様な話が耳に入る
ーあの子猫可愛かったなぁ〜ー
-ピンクの髪の女の子が羨ましい…-
-あのピンクの子も可愛かったけど子猫と合わせると更に可愛くなってたな-
などなど…知ってる者から見れば確実にあのコンビに違いない
話していた人の1人にどちらに行ったかを聞く
「どうやら服飾店の方に行った様ね…」
「少し…血の匂いが…」
「えっ…何かあったの?」
「こっち…」
行先はやっぱり服飾店で中で…ルイズが倒れて血が流れている
「ちょっと!ルイズ大じょ……」
うぶ?…と続けようとして……鼻血?
「ちょっと!?クロちゃん何があったのよ!」
「ルイズおねえさんが何が欲しい?って聞くから『アレ』が欲しいって言ったら…」
そう言ってメイド服を指すクロちゃん
途端にタバサも倒れ、血が流れる……
「ちょっと!タバサあなたもなの!?」
あまり恋愛経験の無い者にはこの想像は毒だった様だ……
…
……
………
689 :
借りてきた猫:2009/09/26(土) 01:32:56 ID:y/DVhSqZ
気がついた3人でお店に謝りながら3人で話し合う
「今回ばかりはキュルケに感謝しないとならないわね…不本意だけど」
「こっちも追ってきてまさかこんな事になってるとは想像もつかなかったわよ」
ちなみに今回ばかりはルイズが恥ずかしいとの事でクロちゃんは反対しなかった
タバサの頭の上に居る
「それで、ルイズはクロちゃんが欲しがってる物をどう買う気なの?
また行ったら鼻血が出るんじゃない?」
「もう、出ないわよ……と、言うか出たら生命の危機だわ……」
でも、本当に出ないとは限らない……
「あの〜…おねえさん達、勘違いしてると思うんだけど…メイド服はボク着ないよ」
「!?」
3人が3人クロちゃんが着る物と考えてたらしい……
「ボクのマスターが着たがってたから手に入れておこうと思ったんだけど……」
「えと……マスターって女性?」
「うん」
「貴族じゃないの?魔法を使うんでしょ?」
「貴族じゃないよ、魔法を使うけど」
「そーいえばルイズ、気になったんだけどマスターって何の事?
ルイズの事じゃないの?」
「この子他の人の使い魔みたいなものでわたしとは使い魔契約してないのよ…」
「どうしてしてないの?すれば良いじゃない」
「どうやらこの子よりもLvが高くないと契約出来ないみたいなのよ……」
「ふ〜ん……そうだ、クロちゃんタバサはLvいくつなの?」
「タバサおねえさんはLv39だね」
「わぁお、流石タバサね強いと思ってたわ」
「クロちゃん……聞きたい事があるんだけど……良い?」
「ん?なにタバサおねえさん」
「決闘の時の雷を纏った突きは何?あれも魔法?」
「ん〜と、アレは技の1つなんだけど…
ボクの得意技で『稲妻突き』って言う技なんだ」
「どうやってるの?」
「あれは……」
タバサに『稲妻突き』の原理と仕組みについて教える
「に、してもアレでまさか契約してない使い魔とはね〜」
「言っておくけどキュルケでも契約出来ないしタバサでも無理よ」
「Lvが上で無いと無理って言うならそうでしょうね」
「あと無理に契約するとこの子が消えるか自分が苦しむだけだからやらない様にね」
「どう言う事?」
「クロちゃんがこの世界に存在するのにマグネタイトっていう
生命力の結晶が必要なのよ、それで今はマスターから
供給されてるから消えないんだって」
「ふ〜ん」
以前、ルイズがクロちゃんから聞いた情報をキュルケにも言う
これで無理にでも持って行こう等とは思わないだろう…
690 :
借りてきた猫:2009/09/26(土) 01:35:09 ID:y/DVhSqZ
「と、言う仕組みでやってる訳なんだけど…タバサおねえさんやるの?」
「少しでも力が欲しいから……」
「何か手伝えるならルイズおねえさんから許可が出れば手伝うよ」
「ありがと……」
「と、言うかメイド服なら自分の家のを渡すか
学園のを貰うかで良いんじゃない?」
「そうね、今はさっきの事もあって行くに行けないわね
クロちゃん、悪いんだけどメイド服は別ので我慢してね」
「わかったー」
寮に戻ってまた不思議に思った事をクロちゃんに聞いてみる
「ねぇ、クロちゃん」
「なに?ルイズおねえさん」
「クロちゃんはマスターに会いたい?」
「ん〜、ボクがって言うよりもマスターの方がボクに会いたがってるかも
あの人、意外と泣き虫だし…」
「クロちゃんからは会いたいとは思わないの?」
「それは会いたいとは思うけどボクが見つけに行くよりマスターが来る予感が
するし、マスターなら絶対に見つけに来ようとするしね」
「マスターが来たらクロちゃんは行っちゃうの?」
「わかんない、マスターが許してくれればまだおねえさんと居られるだろうけど
多分、許してくれないけどね……」
「わたしがお願いしても無理かな?」
「マスターは結構頑固だから無理だと思う、それに……」
「それに?」
「いや、これはこっちの憶測だから……」
ここまで育てて貰って、約束も守って貰って、それをボクは裏切れないなぁ…
流石にマスターの事だから2代目とかは入れてないだろうし……
「おねえさんはボクがマスターに連れていかれたらどうするの?
もし使い魔みたいなのが欲しいって言うなら
マスターから1人くらいは貰えるかもよ?」
「マスターさんはクロちゃんみたいなのをいっぱい持ってるの!?」
「確かボク含めて7人まで居たかな?」
7人まで使い魔を連れる程の実力の持ち主……
「ただボクと同じ種族は居ないけどね」
「え〜……」
後日、街でピンクの髪と青い髪の女の子が子猫を乗せていたと言う噂が流れた…
更に服飾店には2人はしばらくの間行けない事になる……
691 :
借りてきた猫:2009/09/26(土) 01:37:24 ID:y/DVhSqZ
以上で投下終了です
Wikiに5話をまとめてくれた方感謝してます
文中のルイズの鼻血ぶっ倒れは現実の方でわたしが鼻血を流した所です
トリブラからアベルとかでも面白そうじゃね?結構順応早そうだ
そんで天然なぼけにムチ持って追いかけ回すルイズとかいうでむぱを受信したw
>>691 674 名前:借りてきた猫 投稿日: 2009/09/22(火) 09:15:36 ID:n2vz93WA
Wikiにまとめてくれた方ありがとうございます!
675 名前:名無しさん 投稿日: 2009/09/22(火) 10:33:19 ID:zgJFkIUw
>>674 次からは自分でやるか大人しく待っててくださいね
676 名前:名無しさん 投稿日: 2009/09/22(火) 19:50:49 ID:.K1HhAaU
>>674 携帯だから出来ないとか、そういうことなの?
679 名前:名無しさん 投稿日: 2009/09/25(金) 21:08:12 ID:dWmnrTlc
>>674は何故返事がないのだろうか
最初の投稿からそうだったけどもう少しルールを理解したほうがいい
遅レスでスマンが
>>626 せめて人間のときのグリフィスじゃないとチートってレベルじゃないと思うんだ。
いや、生身のままでものしあがって国取ってしまいそうな奴だが。
グリフィスが無理無く国取りできるまで行かせるには虚無アンアンが召喚ってのが一番楽か。
そういえば昨日ベルセルク連載再開&新刊発売だったよな。
記念にベルセルクゼロの人来たら嬉しかったんだけど……
ぬこ乙
>>695 多分じっくり読んで話練ってる最中じゃね
>>681 帰還をあんまり急がせ過ぎないように、
かなめと出会う前ぐらいに召喚が良いかもね
後、引っ掛かりそうなのはギーシュとの決闘前に
上官ルイズに「謝って来い」と言われたら謝ってしまいそうな所か
>>650 レスが前後したが
召喚された時に、孫悟空が自分のコントロールを離れて好き勝手する事を危惧した三蔵が
ルイズに頭の輪っか締め付けるお経だけでも何とか伝えるとか
>>677 あそこまで極端でなくても、子どもの頃に全身運動していると、あんまり背が高くならないとかは聞く。
まあ程度問題だろうけど。
とりあえず猫の人乙。
>>683 スラムキングかよ!
ジャンヌタイプじゃないのが辛いな
>>701 永井豪のいろんな作品のキャラが集合してくるんですね。
>>683 >>701 まぁ嘘なんだけどな!!>筋肉が云々
・・・もしスラムキングなんて召喚したら、ひょっとしてあの世界っていうか了は救われるのだろうか
息子がいるけど
実写版キャシャーンの新造人間も筋肉が異常発達して弾けるんだっけな
あの死体プールとか蘇生直後の鉄也呼んだら
いつぞやのナウシカみたいな出オチになってしまいそうだ
マジンガーをベースに永井豪作品からいろいろとクロス
>>704 タルブがいかつい顔だらけで超合金Zの武器庫になってるわけだな。
マジンガーならともかくジャックとか呼んだら悲惨なことにしかならんな
どうせ言うだけ言って誰も書きゃあしないんだから問題ないニダ
>>670 ドラゴンスフィアはエンペルドラゴンの肉を食らうことで得たんだよな
その話を聞いてなぜかシルフィをチラ見するルイズ
竜を食らうといえば打ち切り漫画だけど
ブラッドラインのヘビとか
>704-705
「真ゼロの使い魔!衝撃ガンダールヴ編」ですね? 別名スーパーノボル大戦で。
>>668 シャルロックは、このスレの主旨とズレるんだがタバサに召喚させたい
色々似た者どうしだし
でもシルフィがいなくなるのは足的な意味でキツいんだよなぁ
>>668 その面子じゃ、エイキ以外は魔法無しでもハルケで無双可能レベルのような気がするw
>>710 そこはゼロの騎士団みたいな感じで登場させるって手がある
>642
何故か純白の球体が召喚される図を想像したよ…そして>665とは友達になれる気がする。
>現実の方でわたしが鼻血を流した所です
いったいなにがあったww
ギルティギアのスレイヤーを召喚したら、どんなシリアスバトルでもオールデッドでぶち壊してくれるよなw
『服脱いで 身の毛もよだつ うちのオカン』 スレイヤー 心のHAIKU
>>713 まず使い魔になってもマントからご帰宅なさる上に立ち振る舞い(喧嘩除く)や言動が貴族だし
何よりも吸血鬼だぞアレ
>>714 吸血鬼か……安全そうだし、マスター・モスキートンから、モーちゃん呼ぶか……
アルカードだと、強すぎる気がするし……
>>638 原作からとなると孫悟空無双だな
猪悟能ならいけそうな気がする。不真面目で女好きで大食らいで適度に弱い。
やっぱり従うかどうか微妙なところだけど。
デミトリ呼ぶよりはきっとマシ。たぶん。
西遊記ってふと考えるとすごいよねぇ
神が手を焼くレベルの孫悟空、それとわたり合うレベルの妖怪もいる
そんなかで、生活する大陸の人々……すごいよね……
スレイヤーにお手玉されるギーシュが見えた
ていうかギーシュってあのゲームにいたらすごい強そうな気がする
分身7体とかどんだけ〜
ダン国王は?
再生能力以外は特殊能力持ってない代わりに、強靭な肉体による格闘能力がチートな真祖の吸血鬼。
ケルベロスに操られていた時の罪滅ぼし感覚でルイズに従ってくれるかも。性格もオスマン似だし。
>>718 西遊記の強キャラ妖怪のほとんどは元・天界の住人の上に、天界の特殊アイテム持ち出していることが多い。
逆に言えばその特殊アイテムが無きゃ、悟空に手も足も出ないんだよな。
牛魔王も原作じゃエピソードこそ長かったが、ほとんど雑魚あつかいだし。
>>720 素のあの人は本当に良いおっちゃんだった・・・
『礼拝堂などの始祖の石造の顔面を削ったのもワシだ』とか大ボラ吹くんだろうなw
>>715 吸血鬼か……
上の方の真紅とルイズのやり取りで、真紅のセリフがチワボイスで再生されてしまった。
と言う訳で葉月を喚んでハルケにネコミミを流行らせよう。
ルイズというか、虚無な人は吸血鬼の恋人ってことで。
>>722 ルイズ「それホント!?」
「ウ・ソ」
あの顔を文章で表現するのは不可能だろうか
孫悟空だと破壊の杖は如意棒になるな。
が、あのとんでもなく重いモノをどう扱うかだな。(重さはトンいっている)
パタリロ西遊記で8tとか書かれてたな
フーケのゴーレムの手の方が持って行かれそうだな。
>>668 やはり平民でも魔法と同じ力を操れるって点でミカゼみたいな格闘系が欲しいよな
レビテーションで解決出来るかな?
t単位の物は無理とかって描写があるならどうにも出来ん
如意棒には無理じゃね?
あれマジックアイテムみたいなもんだし、8トンでも本来の用途からすれば軽すぎるくらいだから軽くて丈夫な神秘をすでにかけられてそう
14巻でタイガー戦車運ぶのに凄い苦労してた描写があったなー。
トライアングルメイジ数人がかりでやっと浮く、という。
56tの数分の一とはいえ、フーケ一人のレビテーションじゃ浮かないきもする。
このままだと、そもそも30Mのゴーレムすごい重そうだけどあれどうやって動かしてるんだ?って話になるよ
>>729 14巻でタイガー戦車に20人がかりでレビテーションをかけて、もういっぱいいっぱいだったけど。
はいそこまで、続きは設定スレで
2トン程度の零戦運ぶにも竜騎士隊が必要だったくらいだから無理だろう
糞くだらねぇ○○を召喚したらどうだろう垂れ流し談義したっていいんだから、設定・考察談義もいいだろう。
なんちゃらを召喚したらどうのこうのってのは、元ネタを知らないと入りにくいってのは正直ある。
元々そんな「糞くだらねえ」ifを語るスレなんだから別に問題ないだろ。
考察は明らかにスレ違い。
「悟空道」の悟空が人間形態で170cm・88kg。
岩石を纏って人外大魔猿になると40m・1080tだが、身長体重の比率はほぼ人間形態のまま。
如意棒は原作どおり1万3500斤で、1斤が明代では約600gなので8.1t。魔猿悟空の体重の7.5%程度。
88kgの人間が6.6kgほどの鉄棒を振り回すようなもので、それほど無茶な重さでもないことになる。
稲妻突きの原理を聞くタバサを見て、呼び出された使い魔の技に興味を示すタバサってパターンを結構見かけるけど
タバサが持ってる力への渇望ってどのくらいのレベルなんだろうな?
例えば呼び出されたのが某ヨガの人で戦いに役立ちそうだからと、手足の伸ばし方とかを教えて欲しいとか言い出すんだろうか?w
>>737 入りにくいなら別の話題を出せばいいわけで
>>741 うん、それでスルーされた回数は2ケタに届いてるんだ。
>>716 猪八戒だとオークと間違われるんじゃね?
沙悟浄は……地味すぎるし、馬になってる白竜が一番当たりじゃないかな、ルイズ的には
ついでにガリアには三蔵法師が呼ばれてたりして……
>>740 さすがに亜人とみなして自分には無理と判断するだろうw
波紋使いのズームパンチくらいならなんとか
それは食いつかない話題出すほうが悪いだろw
>>737 そうは言っても、ここは「なんちゃらを召喚したらどうのこうの」ってのを話すスレだからなぁ…
>>742 逆に考えるんだ
君の出した話題が他の人には入りにくい話題だったと。そう考えるんだ
変態ネタならくいつきがいいんじゃない?
つかこのスレってssの内容と誰を召喚すれば面白そうかを妄想するのが基本?だし
なんちゃらが特撮と忍者の話題の場合はよく伸びるね
前は銃の話が多かったけど
>>743 釈迦の艱難辛苦は異世界にまで及ぶのかw
悟浄は全身真っ黒な男ってだけだからなぁ。
馬は元の竜の姿に戻ったり美女に化けたり、馬の姿で悟空たちと喋ったシーンがあるから、
やっぱりあっちでは韻竜の扱いになるんだろうな。
>>721 悟空単体で解決した事例はかなり少ないんじゃない?
神や仏の助けを借りて解決してるパターンの方が多い気がする。
紅亥児の三昧真火なんかは菩薩の助けを借りてやっと消せたわけで。
ついてけない話題だったらほかのことをするって選択肢はないのかw
物だけ召喚ってのもありだっけ
宝貝召喚、ただし使うと敵の脳漿をぶちまけて魂をどこかへと飛ばす
三蔵「餓鬼に用はねえ、此処が何所か教えやがれ
でなきゃ殺すぞ」
え、三蔵って言ったら牧瀬里穂じゃないの?
モノの召喚はアニメオリジナルのモット伯のエピソードで
「こんなのやってもいいか」とノボルと相談した上でエロ本(とか)がハルケギニアに行ってるという設定があるんで
使い魔として、ガンダールヴの槍として以外でも色々ありそうな気はする
>>753 せっかくだからそれぞれのメンバーを虚無に呼ばせて……呼ばせて……
どう穏便に契約させようか
>>742 お前2chをなんだと思ってんの? レス書けば必ず相手してもらえる場所だとでも思ったの?w
話題振ってスルーされるなんて当たり前の事だから、いちいちスルー回数が数が2桁とか気にしてる時点でお前勘違いしてるw
とりあえず「2chってのは〜なところなんだよバーカ」みたいなレスもなんだかなぁって思う
みんながなまかの西遊記をスルーするのは優しさか
>>757 俺はエロ本が兵器と認定されたから飛ばされたのかと思ったぜ
スネークも兵士相手に使うしな
あーだこーだ理由付けてるけど要するに俺の気に入らない話題すんなってだけだろ
小学生かよ
場所わきまえろって言われてるだけだと思うがw
「○○を召喚したらどうなるか」から「作中の描写やスペックの考察」にシフトする雑談がダメなんだろ。
よく荒れる特撮の話題なんかが特にそう。
オレ便乗してたクチだからあんまり偉そうなこと言えないけどさ。
767 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/26(土) 15:39:04 ID:cghfZBHN
>
>>740 タバサが持ってる力への渇望ってどのくらいのレベルなんだろうな?
例えば呼び出されたのが某ヨガの人で戦いに役立ちそうだからと、手足の伸ばし方とかを教えて欲しいとか言い出すんだろうか?w
・・・・・なんだったか“仮面(石仮面に非ず)”を着けると強くなる話が結構有るのだが。
強くなるなら有りなんだろうか?? バリ島の仮面とか長さ一m超えの仮面とか。こんなタバサは有りでしょうか?
>>763 父親を生き返らせるとか凄いお宝の転がってるすごろく場を作るのと同等のアイテムだからなエロ本
エロ本は武器になる、いろんな意味で
ドラクエでもエッチなほんがアイテムとしてあるし
また、OVAでは地球の水着があったりする(しかも際どい)
ようするに、非生命体透視メガネとかが召喚されてもいいだろうということだ(ギーシュとかに)
スカウターが召喚されたようです
エッチな本?いいえ、「エッジの本」です(FF的に)
まぁ、そんなFF小ネタをときどき挟んでいる駄作でございます。
「原点回帰」を謳った作品とのクロスなんで、マニアックなネタがときどきあるのはご了承くださいませ。
さてさて、やっとこさ第56幕が書けました。
何事も無くば17:40ごろより失礼させていただこうと思います。
なにとぞ、よろしくお願いいたします。
投下開始でございます
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ピコン
ATE 〜タバサと暁の勇者達〜
『こうして 世界は救われたのでした』
長い、物語の終わりに、タバサは「ふぅ」と何とも言えない吐息を漏らした。
心地よい充足感が、身体を覆い尽くしていく。
最高の作品を読み終えた後というものは、いつも極上の風呂に頭まで沈みこんだときと同じような感覚になるものだ。
とりわけ今回は、その湯が己の身のさらに深い所まで浸み渡っている。
死んだ者は、蘇らない。
それは、いかなるマジックアイテムや、回復の魔法を用いたところで、変わらない。
勇者とて、その事実を覆すことは、できない。
物語は、悲痛なまでの悲劇で、それを描いていた。
彼女が読んでいた『イーヴァルディの勇者』は、主人公が知に伏す様を仲間の悲痛な叫びで彩り、中巻を終えていた。
絶対的な悪を倒すことなく、はたから見れば、無駄死にとしか言いようの無いような状況。
かつて勇者であった老人は、無力なままに孫娘の目の前で、その命を無と帰したのだ。
もし下巻がこの場に無ければ、タバサの心に言いようもない悲しみが訪れていただろう。
それほどまでに、彼女は物語の世界に入り込んでいた。
だが、悲劇は永遠には続かない。続くわけには、いかないのだ。
大樹より産まれし悪しきメイジを、倒さねば物語は終えることができない。
例え、勇者が死のうとも。
勇者が死のうとも?
いや、違う。
勇者というものは、やはり死なないのだ。
下巻は、そう。生きている勇者達の話であったのだ。
『物語は、父から むすこへ。
意志は、 祖父から 孫へ。
いつまでも、 いつまでも 続いていくのです』
『イーヴァルディの勇者』の想いも、願いも、全ては彼の孫娘が背負った。
それは、決して重荷となることはなく、夜明けを導くような、暁の光だった。
その光に導かれるように、彼女とその仲間達は、悪しきメイジを時空の彼方にて葬ることに成功したのだ。
死んでも、残せる物は、必ずある。
例え死んだとしても、物語として紡がれ続け、その意志を継ぐ者がいる限り、勇者は死なない。
いなくなった人達の、優しい心が、強い志が、変わらぬ愛が、行間からあふれ出して体を包み込む。
そんな輝くような本を一度閉じ、タバサは自身の小さな胸を押さえつける。
小さな体の中に、どれほどだけの父の想いが生きているだろうか。
今の自分は、どれだけ父の願いを叶えることができたというのだろうか。
きゃほほい支援
胸が、しくりと痛む。
復讐を求める、今の自分に、かつての父は笑ってくれるだろうか。
今の自分は、父の望んだような娘に育ったというのだろうか。
果たしてここにいる私は、父の意志を受け継いだと言えるのだろうか。
強く、優しく、王族に相応しい才気をもった父。
いくら望んでも、死んだ者は蘇らない。
もう戻らないあの日を思い、今の自分から目を背ける。
背けた先に、母の寝顔。
狂ってしまった母を助けたくて、自分まで捕まって。
どうしようもないほど愚かな己を、いくら叱咤しても始まらない。
美しく、賢く、貴族に相応しい慈愛をもった母。
唯一の家族となってしまった彼女を、守れないというのだろうか。
苦しい。
一人がこんなに苦しいなんて。
物語で得た充実感が、温もりと力への渇望で削られてゆく。
閉じ込められた雪風は、暖かさをこんなにも望んでいた。
床に置いた『イーヴァルディの勇者』のページが、
もぞりと動かしたタバサの手にコツンと当たり、
最後のページがパラリと開かれる。
『親愛なる友へ』と題された、編者のあとがきだ。
『――例え勇者でも 寂しい時、辛い時は訪れます。
あなたも、そんなときがあるかもしれませんね。
え? どうすればいいの、ですって?
大丈夫ですよ。 きっと、あなたにも――』
部屋の外の嵐は、いつの間にか止んでいる。
何が合ったかは一切分からないが、それが終結を迎えたことだけは判断もつく。
抱えていた毛布をぎゅっと抱きしめなおし、ドアをそっと見る。
内側からは決して開くことの無い、特殊な鍵で閉じられた鈍重な鋼の扉。
『素敵な 仲間が いるはずですよ?』
仲間――
自分には、いるのだろうか。
イーヴァルディの勇者や、その孫娘のように、共に歩んでくれる仲間が。
窓の外から仄かに明るく。
地平線の向こうは、暁の空が燃えてきているというのに、タバサの心は未だ宵闇の中にあった。
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ゼロの黒魔道士
〜第五十六幕〜 夜明けの晩に
互いに、もう動けない。
目がかすんで、息がかろうじて体の中を行き来しているという感じだ。
キュルケおねえちゃんも、ギーシュもそうだ。
ふりしぼった、力。
全てを、エルフにぶつけた。
そんな感じがした。
「シャイターン……これが世界を汚した悪魔の力か!」
それでも、エルフはこう叫んだんだ。
焼けつくような痛みも、大きな切り傷もものともせず、叫んだんだ。
悪魔の、力?
それが、ボクのガンダールブの力や、ルイズおねえちゃんの虚無の力を指すのか、
それとも他の誰かの魔法を指すのかはさっぱり分からなかった。
でも、世界を汚すって、何か穏やかじゃない感じがしたんだ。
「悪魔の末裔よ!警告する!決して『シャイターンの門』へ近づくな!そのときこそ、我らはお前達を打ち滅ぼすだろう!」
エルフの指輪が、きらりと閃いたような感じがした。
ただのアクセサリーじゃない。
そう思ったときには、もう遅かったんだ。
地鳴りにも似た、風を切り裂くような音。
ガレキの粒も、ボロボロになった本も、全てを塵や埃になって、視界がふさがれてしまう。
「きゃっ!?」
「うわっ!?」
体ごと、部屋の真ん中に引きずられるようだった。
目も開けてられないけど、足を踏ん張って、その場にとどまろうとする。
ボクは、帽子をぎゅっと握りしめているぐらいしか、できることは無かったんだ。
それが、一瞬だったのかもしれないけど、永遠にも近い長さに感じられて……
始まった時と同じように、急に終わったんだ。
「な、ななんなになになん何事だったのよ!?」
モンモランシーおねえちゃんの、綺麗にくるくる巻かれていた髪がボロボロになって、あちこちに紙や石の屑が絡まっている。
「わ、分からない…… 風、かな……」
ギーシュは、キョロキョロあたりを見渡すばかりだ。
「……エルフの姿は無いけど、最初みたいに隠れてやしないでしょうね?」
ルイズおねえちゃんは、『始祖の祈祷書』をぎゅっと握りしめて杖を構えている。
「んー、どうやら、逃げたみたいよ?尻尾巻いて」
そんな中、キュルケおねえちゃんがあっけらかんとした声が響いたんだ。
「キュルケ、どうしてあんたに分かるのよー!」
「あら、ルイズ。 じゃぁこの穴、他に説明は?」
「あ」
キュルケおねえちゃんが指差した先、そこにはぽっかりと大きな穴ができていた。
ちょうど、大柄な人が一人、すんなりと通れそうな穴が。
丁度、穴から外の風がほんのり入ってくる。
さっきまでの嵐が嘘みたいな、乾いているけどふんわりとした風。
紫色の夜空のカーテンの中、朝日がちらりと尖塔の影から顔を出して見える。
「ははぁーん。 するってぇとさっきのはエルフの『風石』ってなとこか」
「風石?」
「まぁ、アレよ。風の魔法っつーか精霊の力?そいつをギュッと固めて作ったようなもんだわな。
エルフの地元にゃこいつがわんさかあるらしいぜ?
普通はフネの燃料とかにすんだけどよー、脱出用に使うたぁ、結構贅沢なことしやがんなぁ」
デルフは、こういう知識がすごくあるなぁってときどき感心する。
……もっと早く言ってほしいなぁって思うのは、それよりもずっと多いんだけどね。
「って、いうことは……か、勝ったのか!?勝った!?勝ったんだ!?うぉお!僕は勝ったんだ!」
ギーシュが、すごくうれしそうだ。
よく、元気があるなぁって思ってしまう。
「エルフに!エルフに勝ったんだ!僕はやったん だぁっ!?い、痛いよモンモランシー!?」
ギーシュ、あんまり騒いだから、モンモランシーおねえちゃんに頭をはたかれちゃった。
うーん、確かに、ちょっと騒ぎすぎ、かな?
「あのねぇ、まだ終わったわけじゃないでしょ!」
「そうね。 早く行きましょう」
「タバサを助けなきゃね!」
お姉ちゃん達は、3人ともしっかりしている。そのことに、少し安心した。
……まぁ、ギーシュがしっかりしてないだけ、なのかもしれないなぁとちょっとだけ思っちゃうんだけど、ね。
本当に、ちょっとだけ。うん、ちょっとだけ……
・
・
・
「や、やっとついたぁぁ……」
エルフが砕いた穴から見えた尖塔、そこが、タバサおねえちゃんが閉じ込められているところ、らしい。
ぐるぐるとした階段を何段も何段も上がっていくうちに、目が回っちゃいそうになる。
……あまり、窓からの景色は見たくない。
ちょっとだけ、怖いから。
「結構登ったなぁ」
ギーシュは、『魔導アーマー』の原理で足だけ強化して、少しだけ楽をしている。
ちょぴり、うらやましい。
「こんなことならシルフィード連れてくれば良かったわね。 バビュッと飛んで来れたのに」
うなずきたくなる。キュルケおねえちゃんの言うとおり、シルフィードがいれば、ここまで一瞬だったんだろうなぁ。
……あ、でも怖いから、歩いて登ってる今の方がいいかなぁ?
「ギーシュぅぅ……ここじゃなかったら怒るわよ?」
モンモランシーおねえちゃんが、ぎろりとギーシュをにらみつける。
ここじゃなかったら……もう一回降りるのかぁ。
ちょっとだけ、嫌だなって思ってしまう。それだけ、疲れていたんだ。
「ま、間違い無いよ!警備状況と、警備兵のしゃべっていた内容から推理するに、
まず確実に……いや多分、きっと、そうだったらいいなぁ、なんて――」
「……ギーシュ、自信無いの?」
慌てて最後の方濁すギーシュに、呆れてしまう。
……調べるなら、確実にしてほしいなぁ。
「おいおい、しっかりしてくれや」
「し、仕方ないだろう!潜入調査なんて初体験で!」
でも、仕方ないかもしれない。
ギーシュ、がんばったんだもんね?
兵士のフリをして事前に潜入して調査してたんだもん。
……でも、お願いだからここで合ってて欲しいなぁ……
「どうやら、正解みたいよ」
キュルケおねえちゃんが指差す先、それは、螺旋階段の一番上。
最初は、行き止まりだと思ったんだ。
でも、行き止まりなわけはないんだ。
行き止まりしか無いんなら、こんな風に階段なんて、あるわけないもんね。
真っ黒でつやつやした、周りの石壁とは全然異質の物。
「……おっきな、扉だなぁ……」
それは、ボクの知っているドアや扉とは全然違う形だったけど、それが扉だって、理解するのに無理は無かったんだ。
でも、スルスルの真っ平らで、ドアノブも無い。
カラスの濡れた羽みたいな色の扉には……
「しかも、何、この模様みたいなの?」
うっすらと光る、文字のような、絵のような変わった物が描かれてたんだ。
なんだろう。何となく、植物の絵のようにも見える。
くるくるっと渦巻いて、枝分かれしていって、それが上や下に伸びていっている。
「エルフの魔法的なもんじゃね?」
デルフの意見は、勘かもしれないけれど、多分、当たっている。
当たっていると思うのも、勘なんだけど、ね。
「簡単には開いてくれないってことかしら……」
キュルケおねえちゃんが眉を寄せて考え込む。
魔法による結界だとしたら、開くのは結構難しい。
例えば、本人やその一族しか開けられない、とか。
エルフしか開けられないっていうんだったら、厄介だなぁって思うんだ。
どうしたらいいんだろう、って考えていると、ルイズおねえちゃんが他の人を押しのけて、一歩前へ進み出たんだ。
「ルイズおねえちゃん……?」
「私にむぁっかせなさいっ! ハイ、全員一歩お下がりくださーい!」
何か、自信満々だ。何か、頼もしい。
「な、何よ、何しようってのよ」
「あー、ルイズ?もしかして、そういうことかい?」
モンモランシーおねえちゃんは、そんなルイズおねえちゃんに首をかしげていたけど、
何か納得したらしいギーシュにひっぱられて、一歩後ろへ下がったんだ。
「手っ取り早いわねぇ。その方が……って、ちょっと待ちなさいよ。ルイズ、あんたのノーコン失敗魔法で!?」
ルイズおねえちゃんの、失敗『爆発』魔法。
どんなに分厚い宝物庫の壁だって穴を開けてしまうあの魔法なら、確かにこの扉も消し飛んでしまうかもしれない。
でも、キュルケおねえちゃんの心配どおり、あの『爆発』魔法って、どこにどう爆発するか分からないんじゃないっけ……?
「だーいじょうぶよ!絶対に、外さないわ!」
それでも、ルイズおねえちゃんは胸を張る。
しっかりと扉を見定めてから、深呼吸をして、腕まくり。
何が始まるんだろうって、ちょっとワクワクしてしまう。
「エオルー・スーヌ・フィル・ヤルンサクサ……」
それは、柔らかい歌声だったんだ。
あんまりにも、綺麗なメロディーだったから、
呪文って気づくのに少し時間がかかっちゃったんだ。
それぐらい、聞き入ってしまいそうだった。
「あれ、この歌……?」
「歌じゃなくて、呪文じゃない?でも、なんか聞いたことがあるような……」
ギーシュも、モンモランシーおねえちゃんも、聞いたことがあったみたい。
……そうだ、これは、タルブ戦のときと、全く同じメロディーなんだ……
「――『エクスプロージョン!』」
支援
真っ白な、光。
それは、タルブで見たような空を丸ごと飲み込むような大きな物なんかじゃなくて、
扉をすっぽり包み込むだけの、ほどほどの大きさ。
それが、ふんわりと膨れ上がって……包みこんだ物を溶かすように、弾けて消えた。
「よし!」
ルイズおねえちゃんが、もう一回胸を張る。
ルイズおねえちゃん、自分の魔法をコントロールできるようになったんだなぁって、見てるボクまで嬉しくなる。
それも、こんなに綺麗な魔法を。
光が消え去った後に、人の姿がうっすら見えた。
その人影は、少しだけ驚くように立ち上がって、こっちを見ている。
「タバサおねえちゃん!!」
それが誰かは、すぐに分かったんだ。
「……来て、くれたの?」
タバサおねえちゃんらしくない、何か、壊れそうな、そんな涙顔だった。
シルフィードや、キュルケおねえちゃんが話してくれた、タバサおねえちゃんの過去を思い出してしまう。
それは、酷いどころのの話じゃない。
むしろ、今までこんな顔を見せなかったことが不思議なぐらいなんだ。
それだけ、無理をしてたんだなって思うと、何かやるせない気持ちになる。
「タバサぁぁあ!タバサ、タバサっ、タバサぁあああ!!良かった!本当に良かった!!」
「……ん」
そんなタバサおねえちゃんを、キュルケおねえちゃんが飛びつくようにして抱きしめた。
タバサおねえちゃんは、ほんのちょっぴりだけ迷惑そうに、それでも、優しくそれを受け止めた。
……いつもと同じような、固く結んだ口なのに、何となく、笑顔に見えたんだ。
「モンモランシー、タバサ君とお母上の体を」
「分かってるわよ!それぐらいはやらせてもらうわよ!……あんまり、役に立てなかったしね」
その間に、ギーシュとモンモランシーおねえちゃんは、
タバサおねえちゃんのさらに後ろで寝ている女の人……タバサおねえちゃんのお母さん、かな?
その人の体の具合を見るために、キビキビと動いている。
でも、ここから見る分には、何の問題も無さそうだ。
すやすやと、よく眠っている。
「一件、落着だわなぁ!だっはっはっはっ!俺様大活躍!」
「……うん!」
デルフの大笑いが、嬉しく思える。
あぁ、みんな無事なんだなぁって。
本当に、良かった……
「あぁぁぁぁぁああああ!?!?」
「わぁっ!?」
「お、おぉととととっ!?」
そう思っていたら、ルイズおねえちゃんの真横で急に叫ぶものだから、驚いて尻もちをついてしまったんだ。
「ちょっと、ルイズ……感動しているところに水差さないでよ……」
キュルケおねえちゃんが、文句を言う。
「……苦しい」
タバサおねえちゃんは、そんなキュルケおねえちゃんにほとんど埋もれているって感じだった。
ボクもやられたことがあるから分かるけど、ちょっと苦しいんだよね、あれ……
キュルケおねえちゃんの香水の匂いに埋まって息ができなくなって……
「え、あ、ゴメンなさいね!ついつい力が入っちゃって……」
そんなことはともかく、今の叫び声はただごとじゃない。
「ど、どうしたの、ルイズおねえちゃん?」
ルイズおねえちゃんの顔が、大理石のような灰青色に変わっていく。
「ゆ、指輪が――『水のルビー』が……無いっ!?」
「え!?」
ルイズおねえちゃんが震える手で見せた左手の甲。
その薬指の指輪には、おさまるべき宝石を失った、台座だけの指輪があったんだ。
……お姫さまから預かった、大事な『水のルビー』だけが消えた指輪が……
「……どうやら、タダで逃げてったわけじゃぁ無さそうだなぁ、あのエルフ」
デルフの嫌な勘は大体当たる。
……当たって欲しく無いって思うのは、何度目なんだろう?
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ピコン
ATE 〜いついつ出やる〜
「きゅい〜……待つ身は辛いのね……」
アーハンブラ城の外、その少女はブラブラと待っていた。
まだかまだかと、いついつ出てくるのかと、充血した目で待っていた。
「お姉さま、無事なのかしら……」
ハルケギニアで最強クラスに属する韻竜の子、シルフィード。
だが、現在のお仕事は『外で逃走に備え待機』である。
仕方なく、人間の少女の姿に化けて砂っぽい通りに座り込んでいた。
しかし、人間の服の何と窮屈なことか!
よくもまぁ、お姉さまも、みんなも耐えられるものである。
いっそ、みんな裸になってしまえばいいのに、とシルフィードはそう思った。
そんなこんなで、行き先の無い怒りと力が、うずうずと蠢いている。
つまるところ、『退屈』、の一言につきるのだが。
「みんな無事だと良いのだけど……お前もそう思うのね?きゅい?」
朝になり巣へ帰ろうとしているのか、足元をチョロチョロしている砂ネズミに話しかけてみる。
人間様にはあんまり好かれてないらしい砂ネズミだが、
こうしてみるとコロコロと丸っこく、つぶらな瞳に薄茶色の毛皮でなかなかに……
「おいしそ……じゃない、可愛いわね、お前。食べちゃいたいくらい。きゅい」
そういえば、一睡もせずに朝が来てしまっているということに気づかされる。
ゴハンも食べずに、朝までずっとその場で待機。
これはもう、大食漢で早寝早起きを身上とするシルフィードにとってはあり得ない異常事態である。
どのくらい異常事態かというと、お姉さまが大爆笑をして腹筋をつってしまうぐらいの異常事態だ。
つまり、そんなことあり得ない。
しかし、あり得ないことが現在進行形で起きている。
それもこれも、お姉さまへの愛がなせるワザかと、幼い頭でしみじみと考えてしまう。
「……お前は、どう思うね? きゅい」
しみじみしたついでに、何となく、他者にいつも以上に優しくなってしまうのは人と竜も同じなのであろうか、
ついついしゃべることもできないはずの砂ネズミとですら会話をしたくなってしまう。
そうやって砂ネズミにそっと手を伸ばしたところ……
「きゅ、きゅいいいぃぃぃい!?か、かまれたのねっ!?ガブリといかれたのね!?」
ガブリと、鋭い一撃。
伊達や酔狂で環境の厳しい乾燥地帯で生活しているげっ歯類では無い。
身の危険を感じたら、いつでも鋭い牙を抜く覚悟はできている。
そんなことを知る由も無い竜の子はというと……
「きゅいいいい!!せ、せっかくお友達になっても良いと思ったのに!も、もう勘弁ならないのね!
ちっちゃいのは正義じゃないのねっ!食ってやる!お腹の足しにもならないけどパクリといっちゃうのねぇぇええ!!」
徹夜明けのテンションなのか、お姉さまを助けに行けないストレスなのか、はたまた空腹なだけなのか。
ともかく、その日の早朝、アーハンブラ城の近くでは、砂ネズミを親の仇のように追う青髪の妙齢の美女の姿が見られたそうな。
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ピコン
ATE 〜籠の中の鳥は〜
その晩、彼女は手紙を手に入れた。
それは、ごくごく微細な偶然の積み重ねが彼女と手紙をつないだかのようであった。
いや、神はサイコロを狙って投げるとする運命論者に言わせれば、これも、必然であるのだろう。
水滴がいくつもの道のりを経てもやがて大河となり湖や海に辿りつくことと等しく、あらゆる運命はやがて結びつくものだ。
その必然を起した事由を、いくつかご紹介させていただこう。
第一に、その夜は少々蒸し暑かったこと。
夏でも肌触りの良い夜風が吹くトリスタニアではやや珍しい天候だ。
そのため、その窓は大きく開け放たれていた。
これについては全く持って偶然であろう。
此処に意志が介在するとすれば、それこそ神の御業とでも言えるものだ。
第二に、悪徳徴税官チュレンヌの取り調べが遅々として進まなかったこと。
チュレンヌ自体は、小金を溜めこんで威張るだけの小物であったが、
その背後には国の中枢部に携わる大物が存在すると目されていた。
そうした事情から、銃士隊隊長であるアニエスは、チュレンヌの尋問に全精力を注力していた。
(最も、アニエスの熱心ぶりは尋問から得られる成果以上に、
チュレンヌ捕縛に至る経緯で受けた辱めの腹いせに起因する、という可能性が高い)
アニエスが不在により、城の警備はやや緩くなっていた。
この尋問はいずれ起こるはずであった運命である。
それがこの夜に起こったことこそ、あるいは神の為す悪戯なのであるやもしれない。
第三、これが最も偶然に近く、また必然とも言えるのだが、ラ・ロシェールの幽霊騒ぎである。
『ラ・ロシェールにおいて、若くして死したアルビオン皇太子、ウェールズ・テューダーの幽霊が彷徨っている』
よくある幽霊話の話だと、一笑のもと切り捨てることも可能だ。
古来より、戦乱の直後の幽霊話は風物詩であると言われ、死んだはずの夫や息子が何人も蘇り、そのあたりをうろついたものだ。
大体にして、その多くは見間違いであると言える。
本当に死んだのだろうかという疑問。あるいは、生きていて欲しかったという願望。
人々の儚く脆い心が、彼ら自身に残酷な幻影を見せるのだ。
だが、今回は少しばかり勝手が違う。
そのように、何故か彼女は感じていた。
彼女の名前は、アンリエッタ。今やこのトリステインの女王となられた御身である。
『鳥の骨に閉じ込められた、哀れで可憐な籠の鳥』と市井で歌われるように、
昔ほど自由に羽を動かせるような状況では無くなっていた。
ゲルマニアとの婚姻を断りつつ、諸国の協力をとりつけての国家運営は予想以上に激務であった。
財政、農業、工業、商業、物流、軍事、教育、医療、学術、文化……
やるべき仕事も、顔を出さねばならぬ場所も夜空を彩る星の数ほどもあった。
それでも、彼女はそうした現状に満足していた。
彼女は、決意したのだ。
自身の恋人の訃報を聞き、泣きに泣いた、その直後のことである。
彼女は、生きて、自分の国を守る、と。
彼女の恋人に恥じぬ戦いを、彼女なりの戦いをする、と。
とは言うものの、である。
片手には、年代物のタルブ名産『黒猫印』のワインが入ったグラス。
そして反対側の手には、一片の報告書の束。
内容は、ラ・ロシェールの幽霊話の詳細。
この風聞を耳にしたのは、何度目かのラ・ロシェール町長との戦災保証会談の折である。
女王自ら出向かなくとも呼びつければ用は足りるはずであったが、彼女はそうしなかった。
城の外の空気を吸いたかったという欲求と、
少しでも、かつての恋人がかつていた場所へ近づきたかったという仄かな願望が組み合わさったためだ。
その道中、耳にした幽霊騒ぎ。風に乗って聞こえた、懐かしき人の名前。
その場では気にもしない素振りこそはしていたが、鼓動だけは早鐘のように鳴り響いていた。
トリステインに帰るや否や、即座に秘密裏に調査依頼を出した。
情報屋を生業とする者に、わずかながらのへそくりを渡してである。
求める情報がはっきりと決まっていて、いくらか緊急を要する場合には、
金銭による契約を交わした方が安心して情報が手に入るということを、
アニエスから聞いて知っていたのだ。
その際、あくまでも市井にはびこる噂を聞きたいという風を装った。
その結果が、今手にしている報告書である。
それを今一度熟読しながら、反対の手に持ったワインを一気にあおった。
最近酒量がやや増えたように思う。
激務の反動か、あるいはこの報告書の衝撃かは分からない。
『美しい金髪の美しい男性が、昼夜問わず目撃されている。目撃した絵描き志望者のペン画を添付する』
一枚目は、そのような内容が簡潔に。
二枚目からしばらくは、具体的な目撃情報のリストである。
木々の後ろを通り過ぎたといういかにもな証言から、酒場で一緒に酒を飲んだとする眉つばな話まで、
雑多な情報が何枚も連なっていた。
それらの1つ1つに目を通し、そしておもむろに、最後の報告書を再び開ける。
ペンで描いた、下書き同然のイラスト。
だが、そこに描かれた横顔は、どんなに崩して描いたところで、もとの美しさを失うことは無かった。
柔和で、知的で、気品のある横顔。
アンリエッタが最初で最後の恋をした横顔が、そこに描かれていた。
久々にまとめの ゼロのガンパレード を読んでたんだが、これ以外に
”きれいなルイズ”がでる話ってありましたっけ?
アタシが覚えてる中だと長編だと『魔砲』、短編だと『悲しき使い魔』
ぐらいしか出てこない。
(どちらも リリカルなのは 絡みだ。)
支援
「会いたい」
そう小さくつぶやきながら、アンリエッタは自らワインをグラスに注ぎ入れ、作法などかなぐり捨て、またあおった。
誓ったはずであるのに、
諦めたはずであるのに、
もう忘れたはずであるのに、
こんなにも、愛おしい。
涙が、自然とあふれた。
寝具の上に、水玉の模様が描かれていく。
死んだと思っていた恋人が、生きているかもしれない。
いや、幽霊でも良いとさえ思った。
それならば、それなのに、何故彼女に会いに来てくれないというのだろうか。
その悔しさに、彼女は涙した。
悔しさのあまり、落書きの横顔をにらみつける。
にらみつける内に、恨みよりも、愛おしさや寂しさが勝り、また涙する。
涙の分だけ喉が渇き、またワインをあおる。
月明かりが、彼女の泣き顔をなでる夜だった。
それを何度か繰り返していると、窓から射す月灯りに、さっと影がよぎった。
雲にしては早すぎるその動きに、やや酔いが回っていたアンリエッタが、ゆるゆるとその方向を見た。
それは立派な体格をしたカラスであった。
翼を広げれば、アンリエッタの両腕を広げるものの2倍近くはあろうかという堂々たる姿だ。
そんなカラスが、開いていた窓から部屋の中に入り込んでいた。
無礼者、としかりつけても良いのだが、人恋しくなっていた夜のこと。ましてや相手はカラスである。
泣き顔のまま、じっとカラスを見つめるに留まっていた。
理知的なカラスの瞳に、想い人の眼を重ねていると、ふとそいつの足元に目がいった。
それは、小さい布の切れ端のようなものだった。
黒羽のカラスに映えるような、深紅色の布。
何なのかと気になって、ゆるゆるとした動きでワイングラスと報告書をベッド脇に置き、その布をほどきにかかった。
なかなか堅く結ばれているのか、あるいは手先にまで酔いが回っているのかは分からないが、
ともかくかなりの時間を要して布をほどききる。その間もカラスは一鳴きすら立てず大人しい物だった。
ところが、布をほどき終わった途端、「カァー」と一声上げて、
用は済んだとばかりに、開け放たれた窓から再び月夜に吸い込まれていってしまった。
何だったのだろう、と首をかしげるアンリエッタの手には、真っ赤な布。
手にした物を裏へ表へと返し検分していると、酔いも覚めるような文言を発見してしまった。
慌ててキョロキョロと周りを見渡す。
女王の部屋には、もちろん彼女が1人だけだ。
その事実を確認すると、もう一度、その文言をじっくりとかみしめるように、1文字1文字追っていく。
それは短く、文法の本にでも載りそうなほど簡単な単語で構成されていた。
「風吹く夜に
最初に出会ったあの場所で」
溢れるような真珠の雫が、トリステイン王女の双瞳からこぼれ落ちた。
あの人は、生きている。そう確信することに足りる文章だった。
筆跡も、もちろんそうだが、内容も彼しか書きようが無いものであった。
「風吹く夜に」、これは、彼女と彼だけにしか分からない、秘密の暗号。
言わば、逢瀬の合言葉のようなものだったのだ。
会いたいと願った夜に、会いたいと思っていた人から、会いたいと手紙が届いた。
その晩、彼女は手紙を手に入れた。
それは、偶然なのか、必然なのか。
だが、彼女は手紙を手に入れた。
それは、彼女に今までとは別種の決意をさせるのに充分であった。
窓が開いていた。
城の警備が緩かった。
彼女は、『フライ』の呪文を静かに唱え、窓の外へと飛び出した。
「風吹く夜に、最初に出会ったあの場所で」愛しき人に再び出会うために。
----
以上でおます。
順序はおかしいですが、イベントを消化できるよう努力しておる次第でございます。
さーて、どうなることやら……
毎度支援等ありがとうございます。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
では、お目汚し失礼しました。
追伸:途中さるさん喰らって遅くなったことをおわびいたします。
乙
あーやっぱさるさんだったか。乙ですー
タバサかわいいよタバサ
黒魔の人、乙でしたー。
良い感じに話が進んできて、タバサの所で引き込まれて……最後に「やっぱり姫様か」と思わせられました。
最遊記は…主役4人はなーw
全て終わった後ならルイズとテファはいけるかも?
その他は…額に風穴空いたジョゼフと教皇が見えたw
後面白そうなのはカミサマと紅ぐらいか?
>>756 悟空が唐沢寿明だったっけ?
後のメンツは思い出せないや。
黒魔の人、乙でした。そして皆さん、お久しぶりです。
スクエニ繋がりというわけではありませんが、18:45ぐらいからこちらも12話を投下させていただきます。
消費レス数は9を予定してます。
ちなみに前回の投下からまた一ヶ月も経ってしまったことと、ドラクエ9は、特に関係はありません。ええ関係ありませんとも。
しえんを しますか?
=ァ はい
いいえ
支援はおれにまかせろ!
「ちょっと、本気!?」
「大丈夫だって! 見ててよ、ルイズ!」
明けて翌朝――『女神の杵』亭の物置部屋。
昔は錬兵場として使われていた広大なその部屋で、制止するルイズにレックスは何を勘違いしたのか、自信満々な笑顔で返した。
そんな彼の視線の向こう側には、「やれやれ」と肩をすくめるワルドの姿。今、彼はワルドを相手に、決闘をするところであった。
任務を遂行するにあたり、互いの実力を知っておくため――という建前である。
その場にいるのは、レックス、ルイズ、ワルドの三人だけではない。どこから聞きつけてきたのか、他のメンバーも全員揃っている。早朝であるため、何人かはいまだ眠たそうにしていたが。
――レックスは一晩考えた。ルイズの気を引くにはどうすれば良いか、と。
あてがわれた部屋ののベッドの上で「うーん、うーん」と寝るまで悩み、そして日の出と共に起きてからも更に悩み、そこまで考え抜いてようやっと出た結論――それは、『自分がどれほど頼りになる存在か』をアピールする、という手段だった。
さんざん悩んで至った結論が、結局そんなシンプルなものでしかないことに、彼の単純さ加減が見えてくる。だが彼の人生経験が11年しかないことを考えれば、それも妥当なところであろう。
しかもレックスにとって都合の良いことに、彼自身の戦闘能力は、このメンバーの中でもずば抜けている。
それを正確に知る者は、今のところ妹のタバサのみ―― 一応、ルイズ、キュルケ、シャルロットの三人はレックスの力の一端は見たことはあるが、おそらく魔法衛士隊の隊長たるワルドほどではないと思っていることだろう。
大人のワルドと子供のレックス――客観的に見てどちらが頼りになるかなど、いくら子供のレックスとて、わからない話ではない。感情的に納得できるか否かは別として。
そしてその認識を覆すことが、ルイズの気を引く手っ取り早い手段であると、彼は考えた。
――というわけで、そのために朝一番にワルドに決闘を申し込み、この場面に至る――
「……子供のわがままに付き合う趣味はないのだがね……」
一方ワルドは、この決闘に対し、モチベーションを上げる気にもなれなかった。
この重大な任務に、同行するのは実戦経験のない学生メイジが二人と、幼いとすら言える子供が二人。戦力的に考えれば、頼るべき者は魔法衛士隊の隊長たる自分しかいないのは明白である。
彼からしてみれば、自分とルイズさえいれば十分――むしろ他の三人は、足手まとい以外の何物でもないとすら思っていた。互いの実力など、知る必要すらない。体力の無駄である。
(とはいえ、自意識過剰な子供には早々に現実を知ってもらうべきか。いざという時に独断専行されても困る)
そんなことを考えながら、ワルドは自身の杖でもあるレイピアを構えた。未熟な新兵相手に最初の心構えを叩き込むぐらいの心積もりで、奇妙な形状の剣を構えた眼前のレックスを見やる。
その横で、ルイズが「ワルドも止めてよ!」とレックスの制止に協力するよう呼びかけるが、おそらく彼は引きはすまい。やる気に満ちたその目を見れば、そう簡単に説得できるとも思えなかった。
「準備はいいかな、おじさん?」
「……これでも僕は26だ。おじさんと呼ばれる歳ではないと思っているのだがね」
「15歳も年上の髭モジャな人、ボクから見ればおじさんでしかないって」
「ひ、髭モジャ……」
彼とて毎日の髭の手入れは欠かしていない。『モジャ』などと形容されるような髭などでは、断じてない。
そもそも青年とさえ言えるこの歳で髭を伸ばしているのは、ひとえに魔法衛士隊の隊長としての威厳を保つためである。立場上、せめて見た目だけでも『若輩者』などと見られるわけにはいかないのだ。
その髭を、よりにもよって『髭モジャ』などとは――
「……気が変わった。少々胸を貸してやるだけのつもりだったが、躾のなっていない子供には年上に対する礼儀を叩き込まねばならんようだ。後で泣きべそかいても知らんからな」
「ワルド……本気?」
「ルイズ、君の言いたいこともわかる。大事な任務を前に、味方同士で潰しあう必要はないと言うのだろう? 心配はいらないよ、すぐに終わる」
互いにやる気になってしまったことを察し、ルイズは渋々といった様子で引き下がった。
それと入れ代わりに、レックスの妹であるタバサが二人の間にやってきて、二人を交互に見やる。そして五歩ほど後ろに下がり――
「じゃ――はじめ」
やる気なさそうな声で告げられ――
――その直後、「べっちーん!」という豪快な音と共に、ワルドの意識はそこで途切れた。
「あっれー?」
決闘が一瞬で終わり――天空の剣を手にしたレックスは、しきりに首を傾げていた。
そんな彼の目の前では、「ワルド!? ワルドーっ!」と、ルイズが倒れたワルドへと向かっていた。ギャラリーとして同席していたギーシュ、キュルケ、シャルロットの三人は、あまりの事態に理解が追いつかず、ただただ唖然とするのみであった。
そこにいるワルドといえば――端的に言って、白目を剥いて気を失っていた。
レックスのやったことは、単に剣の腹をワルドの顔面に叩き付けただけである。ただ、踏み込みのスピードと攻撃の威力が尋常ではなかっただけで。おそらくワルド当人は、何が起きたのかすらわかっていなかっただろう。
レックスの所業の証拠とでも言うべきか――倒れたワルドの顔面には、特異な形状をした天空の剣の形がくっきりと赤く描かれていた。前歯も何本か折れていて、はっきり言って無様としか言いようのない顔である。
「残念だったね、お兄ちゃん」
と――そのレックスに、後ろからタバサがポンと肩を叩いた。その表情は、どこか勝ち誇ったように得意げである。
「……なんで、ルイズは負けた方に行くんだろう?」
「そんなの当たり前よ。ただ強いだけがカッコいいわけじゃないんだから。弱い者いじめって、大人気なくてみっともないのよ?」
「そーゆーもんなの? ……手加減してあげた方が良かったってことなのかな? 相手が弱いと加減が難しいや」
妹の言葉に、理解できないとばかりに眉根を寄せ、難しい顔をするレックス。
そんな双子の会話に、後ろで聞いていたギーシュとキュルケは、思いっきり顔を引き攣らせていた。
「…………仮にも魔法衛士隊の隊長を『弱い者』呼ばわりできる君らって、一体……」
「もしかしてこの子たち、実はとんでもない子たちなんじゃ……」
二人の言葉に、ほとんど表情を動かさないシャルロットですら、こくこくと首を縦に振って一生懸命同意していた。
時間は移り、その日の夜――ワルドは『女神の杵』亭一階の酒場で、一人でワインを呷っていた。
「くそっ……! この僕としたことが、とんだ不覚を……!」
仲間が周りにいないのをいいことに、彼は忌々しげに悪態をつく。
彼が言っている『不覚』とは、もちろん今朝の決闘である。タバサによって開始の合図がなされたところまでは覚えているが、そこから昼過ぎに意識を回復させるまでの間の記憶が、まったくなかった。
起きた後に鏡を見て、何本かの前歯が折れた自身の顔を見た時には、決闘で自身が敗北したことを悟った。同時、こんな無様な顔になってしまったことに、筆舌に尽くしがたい悔しさを覚えた。
今はギーシュの錬金で作ってもらった差し歯を、抜けた場所に差している。
「子供と思って油断した……ええいっ!」
そう。子供と思ってノーマークだったのが、そもそもの間違いであった。
彼がこの旅で目的とするものは、三つある。そのうちの一つが、ルイズの心を自分のものとすることだった。
だがしかし――彼はこの任務で同行するメンバーを見て、自分がルイズの気を引くのに障害となる人物はいない、と判断していたのは、早計であったと言わざるを得なかったことを思い知った。
レックスは要注意である。自分の顔の惨状からすれば、決闘中の記憶が飛ぶほどの衝撃を受けて敗北したことは想像に難くない。どのような試合運びだったか、どのような動きをしていたか……それを思い出せないのは、手痛い失敗である。
まあ実際のところは、思い出す以前の問題であったのだが――幸か不幸か、ワルド自身にその自覚はない。
ともあれ、彼が自分より実力が上であることは間違いない。そんな彼を野放しにしていては、自分が活躍する機会が失われる。そうすれば、ルイズの気を引くことなど夢のまた夢――それどころか、今朝のような無様な姿を、再び見せることになりかねない。
「子供の彼にルイズが惹かれることなど、まず有り得ないとは思うが……だがこのままでは、ルイズが僕に幻滅しないとも限らない。なんとかして、奴だけでも別行動にさせなければ……!」
幸いにも、ここに来るまでに仕込んでいた『イベント』は、それを実行するのに最適である。そしてその『イベント』は、予定通りならばもうすぐのはずだ。
ワルドはワイングラスを飲み干すと、ニヤリと唇の端を吊り上げた。その笑みの歪み方は、タバサでなくとも邪気を感じるに十分なほどであった。
と――その時。
「へぇー! アルビオンって、空に浮かんでるんだ! 天空城よりおっきいのかな?」
「そ、空ですか……? 私、高いところ苦手なのに……」
レックスの感嘆の声と、タバサの怯えを含んだ声が、ワルドの耳に入った。
ワルドが邪気の含んだ笑みを消して振り向いてみると、そこには階段を下りてこちらに向かってくる仲間たちの姿。ルイズたちから聞かされたであろう浮遊大陸アルビオンの話に、レックスはキラキラと期待に顔を輝かせ、タバサは不安に表情を曇らせている。
「ワルド、一緒にいい?」
「もちろんだとも」
ルイズが同席を申し出てきたので、ワルドは先ほどまでの態度の悪さなど微塵も感じさせない笑顔を作り、にこやかに了承した。
そして皆が思い思いに腰掛け、それぞれ料理や酒を注文する。運ばれてきた料理に舌鼓を打ち、ワインの芳香に感嘆の声を上げ、今後の予定を話し合ったり思い出話などで談笑したりをする。
また、今朝の決闘について、ルイズがレックスに文句を言ったりもした。いわく、「大事な任務なのに、味方を不必要に傷付けないでよ! おかげでワルドが歯の抜けたオモロ顔になっちゃったじゃないのよ!」とのこと。
そして、そのルイズの叱責を受けたレックスが、「ごめん、もっと手加減するべきだったね。弱い者いじめはみっともないって、タバサにも言われたことだし……ごめんね、ワルド子爵」などという言葉で素直にワルドに謝った。
髭www支援
「……お、オモロ顔……弱い者いじめ……この僕が……グリフォン隊の隊長が、よ、弱い者……」
さすがに『弱い者』呼ばわりには反論したかったが、実際に負けたのは事実なので言い返せない。
中途半端な優しさがワルドの男としての矜持に傷を付けていたことなど、女のルイズや子供のレックスにわかるはずもない。二人はあくまでも、悪意などひとかけらも持っていないのだ。
そんな二人のフォローという名の追い討ちに、ワルドがずーんと落ち込んでテーブルの上で『の』の字を書き始めた、まさにその時――
――バタン!
「「「「「!」」」」」
宿の玄関の扉が乱暴に開け放たれ、七人中五人が即座に反応した。直前まで落ち込んでいたワルドですら反応できていのだが、まだまだ実戦経験の浅いルイズとギーシュは、さすがに反応が遅れていた。
そして、彼らが視線を向けた宿の玄関。そこには、これから戦争にでも行くかという風体の、完全武装した傭兵の一団がいた。
「やれ!」
一団の中のリーダーらしき一人がそう号令をかけると、一斉に酒場の中に矢が飛んだ。
突然のことに慌てふためき、蜘蛛の子を散らすように逃げて行く客達。その中でワルドたちは、即座に床と一体になっているテーブルの足を折り、即席の盾とした。
「なによこれ!」
「おそらく昨日の連中か、その仲間か――いずれにせよ、あいつらはやはり、ただの物盗りなんかじゃなかったわけだ」
悪態をつくルイズに、冷静に分析するワルド。テーブルの陰から周囲を見回してみれば、血の跡こそ見えるものの、幸いにも死体は一つもない。どうやら無関係な他の客は全員、無事逃げるか隠れるかできていたようだ。
「アルビオンの貴族派?」
「わからないが、その可能性は高い。どうやら彼らは我々を標的にしているようだが、このタイミングで我々を襲うとなれば、それ以外にあるまい」
シャルロットの問いに推論で答えるワルド。そんな彼を横目に、キュルケは胸の谷間から杖を取り出した。
「奴らはちびちびとこっちに魔法を使わせて、精神力が切れたところを見計らい、一斉に突撃してくるわよ。そうしたらどうするの?」
彼女はそう疑問を投げかけるが、即座に返ってきたのはギーシュの「ぼ、ぼくがやってやる!」という無謀な言葉であった。
キュルケはそれを鼻で笑って一蹴し、二人の間で二、三ほど問答が繰り返されたが、結局ギーシュの突撃作戦は満場一致で却下された。
「なら、ボクに任せてよ」
そして次に名乗りを上げたのは、レックスだった。
ギーシュと同じようなことを言い出した彼に、ルイズが「ちょっと、あんたまで……!」と制止しようとしたが、そんな彼女をワルドが「いや、待ちたまえ」と制した。
「こうなった以上はここを脱出し、桟橋へと向かいたいが――そのためには奴らを足止めする囮が必要だ。そしてこのような任務では、半数が目的地に辿り着ければ、成功とされる。ゆえに人数を割くのは痛手ではないが、問題は誰を残すかだ。
魔法衛士隊グリフォン隊の隊長としては悔しいが、おそらくこの中での最大戦力は君だ。君ほどの実力ならば、これだけの人数が相手でも、我々が脱出できるだけの時間は稼げるだろう? 悪いが、君に囮の役目を引き受けてもらいたい――頼めるかね?」
「もっちろん! 任せて!」
ワルドの言葉に、レックスは得意げに胸を叩いた。
少しおだてられただけで、得意になって軽々しく囮を引き受ける単純なレックスに、タバサが呆れたようにため息をつく。
「もう……お兄ちゃんったら調子がいいんだから。だったら、私も残るわ。二人でやった方が、楽に切り抜けられるでしょ?」
「な、ならぼくも残ろう」
言って、彼女はグリンガムの鞭を構えた。その時、隣でそれを聞いていたギーシュが、咄嗟に口を挟んだ。
「いくら実力的に君たちより劣っているとはいっても、子供だけにこんな場面を任せたとあっては、貴族の名が廃る。及ばずながらこのギーシュ・ド・グラモン、見事囮の役目を果たしてみせよう」
「膝が笑ってるわよ」
「む、武者震いさ」
キュルケの指摘に、ギーシュは慌ててバラの造花を口に咥え、取り繕った。その見え見えな虚勢に、キュルケは思わず呆れの混じった苦笑いを漏らす。
「まったく……このヘタレだけ残したんじゃ、彼らの足手まといで終わるのが目に見えてるわ。私もフォローに回るわよ」
「心配」
憎まれ口を叩きながらも、残ることを申し出るキュルケに、それに追随するシャルロット。
だがこのままでは、五人と二人という、かなり偏った編成になってしまう。それでは半数どころの話ではない。仮に無関係なキュルケとシャルロットを勘定に入れないとしても、桟橋に向かうメンバーが半数以下であることには変わりないのだ。
さすがにルイズも、それはまずいのではと思ったが――
「……ならば、君たちに任せよう。僕たちはすぐに裏口に向かう」
「ちょっ、ワルド――」
その編成に異を唱えるどころか、『半数』がどうのと言い出した当人であるワルドが、即座にOKを出してしまった。
ルイズは抗議の声を上げようとしたが――その声は、他ならぬワルドに急に手を引かれたことで、強引に封殺されてしまう。
「ルイズ!」
迷いながらも、ワルドに手を引かれるままにその場を後にしようとするルイズ。そんな彼女の背に、レックスが声をかけた。
「すぐに追い付くよ!」
「わ、わかったわ!」
後ろ髪引かれる彼女の迷いを断ち切るような、力強い断言。その言葉に背中を押され、ルイズは頷き返して裏口へと向かった。
――『女神の杵』亭の裏口から脱出し、ルイズとワルドは街を走る。
人気のない場所を選んで進み、慎重に、しかしなるべく急ぎながら、時には登り、時には下り――建物と建物の間を縫うように走り続ける。
「桟橋はこの上だ」
ワルドはそう言いながら、とある建物の間にある階段を昇り始めた。ルイズは無言で頷き、その背を追う。
ここを登り、ラ・ロシェールで一番高い丘に出れば、天を衝かんばかりの巨大な樹が見えるはずだ。そしてその巨木こそが、アルビオン行きの飛行船が停泊する『港』である。
と――
ドゴォォォンッ!
「「!」」
背後から聞こえてきた爆音に、二人は揃って足を止めて振り返った。
見れば、街の一角で大規模な爆発が起こったところだった。しかもその位置は、ちょうど『女神の杵』亭のあった方角だ。
「な、何が……みんな!」
「待つんだルイズ! 僕たちは先を急がないと!」
「でも!」
宿に残してきた仲間を心配し、戻ろうとするルイズ。ワルドがそれを押し留めるが、ルイズは簡単に聞きそうになかった。
「いいかいルイズ。ここで僕らが戻れば、囮を買って出てくれたみんなに申し訳が立たない。僕らが彼らにできることは、ここで引き返して彼らを助けることじゃなく、目的を達成するために先を急ぐことなんだ。そうでなければ、彼らの行動が無意味になる」
その言葉に、ルイズは唇を真一文字に引き結んだ。
足を止め、目を閉じ、指に嵌めた『水のルビー』にそっと手を触れる――数秒もたたず、ルイズが再び目を開けると、彼女はコクリと頷いた。
「それでいい。急ごう」
にこりと笑って再び階段を昇り始めるワルド。ルイズも、今度は足を止めることなく、彼の後を追った。
彼女が素直に付いて来ていることを確認し――ワルドは一人、ほくそ笑む。
(よし、順調だ。これなら――)
目論見通り、レックスを引き離すことができた。しかも彼だけでなく、他の全てのメンバーまでも残すことができたのは、ワルドにとって僥倖と言うより他ない。
今、ルイズと一緒にいるのはワルド一人。つまり、ルイズを守る役目はワルド一人のもの。
賊の襲撃はまだ終わっていない。この後、賊を裏で操っていた男が『襲撃してくる予定』である。彼がルイズを攫おうとしたその時、颯爽と彼女を救出すれば、ワルドの株は急上昇だ。いわゆる『吊橋効果』というやつである。
そうして自分に気持ちを傾けた彼女と一緒に船に乗り込み、多少強引にでも出港させ、二人っきりのクルージングへと洒落込めば――そこまでシチュエーションが出来上がれば、ルイズを一晩で口説き落とすこともたやすいだろう。
長い階段を昇りながら、ワルドはそんなことを考える。
ひたすら上り、昇り、登り――やがてルイズが疲労を感じ始めた頃、唐突に視界が開ける。見上げても頂上すらかすむほどの巨木の威容が、階段を昇り切った二人を出迎えた。
二人は足を止めることなく、そのまま樹の根元へと走った。船がぶら下がる枝一つ一つに、それぞれに続く階段がいくつもある。それぞれの階段の入り口にある看板を一つずつ確認し、目的の階段を見つけ出すと、迷うことなく階段を昇り始めた。
が、その時――
「ルイズ! 後ろから誰か来る!」
「え!?」
ワルドが唐突に振り返り、ルイズに警告を投げかけた。
が――ルイズがその言葉の意味を理解して背後を振り向いたと同時、その体がふわりと浮いた。
――否、白い仮面で顔を隠した追っ手の手により、その身を抱え上げられたのだ。
「きゃあっ!?」
「ルイズ!」
悲鳴を上げるルイズ。ワルドは焦った声で彼女の名を呼ぶも、しかしその内心では「予定通り」と笑っていた。
賊はルイズを抱えたまま、軽業師のような身のこなしで地上へと落下する。ワルドはルイズを救出するべく、『風』の魔法を唱え始め――
――その時。
「ルイズを――放せっ!」
突如として聞こえてきたその幼くも勇ましい声と共に、ワルドの脇を背後から疾風が駆け抜けた。
支援
どこぞの戦闘民族よろしく、息子の代にインフレするのはお約束w
主人公が子供の頃なぞ、父親に助けられぱなっしだったのに
「なっ――!?」
「てぇりゃああああああっ!」
咆哮を上げながら賊へと迫るのは、純白の鎧に身を包んだ小さな人影――つい先ほど別れたばかりのレックスであった。一体どれほどの脚力で階段を蹴ったのか、追い縋るそのスピードはまるで流星である。
だが敵もさるもの。慌てずに呪文を唱え、迫るレックスに向けて『ライトニング・クラウド』の呪文を放った。並の人間であれば即死は免れないほどの電撃が、レックスを襲う。
「レックス!」
最悪の未来を予測し、ルイズが悲鳴じみた声を上げた。
が――その電撃の中で、しかしレックスは生きていた。のみならず、その瞳に宿る強い戦いの意志は衰えを見せていない。
彼は『ライトニング・クラウド』の直撃を受けたことなど、まるで無かったかのように剣を構え――
「バカな、直撃だったはず――」
賊の驚愕の声を遮るかのように、突っ込む勢いに任せて、剣の柄をその白仮面に叩き付けた。
――バキッ!
仮面が砕け、その下に隠されていた髭が一瞬見えた。賊はたまらずルイズを手放し、晒されかけた素顔を両手で隠す。そして放り出されたルイズを、レックスが受け止めた。
ルイズを横抱きに抱えたまま、レックスと賊は同時に地面に降り立つ。
レックスはルイズを降ろして賊を睨むが――
「……くっ!」
――賊はすぐさま身を翻し、走り去った。
よほど素顔を見られたくないのか、その手は最後まで顔を隠し続けていた。
そして、その背が見えなくなるまで油断なく見送り――
「……行ったみたいだね」
「レックス、大丈夫なの!?」
「え? ……ああ、これね。へーきへーき」
『ライトニング・クラウド』の直撃を受けたレックスを心配するルイズだが、返ってきたのは能天気な笑顔だった。彼はすぐさま「ベホイミ」と唱えると、顔に出来ていた火傷が見る見るうちに癒されていく。
「この程度の攻撃なら、何度も食らったことあるからね」
「この程度って……」
言葉通りにまったく堪えていない様子のレックスに、ルイズは信じられないものを見るような目で彼を見た。普通の人間なら即死レベルの強力な魔法を食らってそう言える人間を、ルイズは今まで見たことがない。
一瞬で『ライトニング・クラウド』のダメージを癒した魔法も気にならないわけではなかったが、それよりも彼のその人間離れしたタフネスが、ルイズには信じられなかった。
それに、疑問はそれだけではない――
「レックス……あんた、宿を襲った連中はどうしたの?」
そう。彼は本来なら、今頃『女神の杵』亭で戦っている真っ最中のはずであった。
だがその問いにレックスが答えるより前に、彼らの後方から「待ってよお兄ちゃん!」とタバサが追ってくるのが見えた。
レックスは彼女が来るのを見ながら――
「――ほとんど片付けてきたよ?」
「へ?」
事も無げに告げられたその言葉に、ルイズの思考は理解が追いつかなかった。
そうこうしているうちに、タバサがすぐに追い付いてきた。「もう! 先に行っちゃうなんてズルいよ!」とプリプリ怒っている妹に、「まあまあ」となだめすかせる兄。二人とも、大規模な戦闘をやって走ってきたわりには、息一つ乱れていない。
「えーと……どういうこと?」
「それはね――」
改めて尋ねたルイズに、レックスとタバサは身振り手振りを交えて答える。
彼らが言うには、ルイズたちと別れた後、すぐさま傭兵たちのド真ん中に向かって二人で突撃したらしい。
天空の剣やグリンガムの鞭を振るいながら中央突破で宿の外に出て、何十と群がる傭兵たちの中心に到達した時、タバサが『イオラ』を頭上に向けて放ったのだそうだ。
「イオラって……確か前にピエールが見せてくれた、あの爆発魔法? ってことは、さっき『女神の杵』亭の方角で見えた爆発は――」
「そうだよ。タバサの呪文」
直撃はさせなかったので、直接的な怪我人は出なかったはずである。だがあの爆発による爆風や爆音で、ほとんどの敵は吹き飛ばされたり鼓膜にダメージを受けたりして、戦闘不能に陥ったそうだ。もちろん、統制などあっという間に崩れたのは、言うまでもない。
そうして戦況が掃討戦へと移り変わった時、キュルケたち三人がその役目を引き受けてくれた。彼女たちに背中を押され、二人はすぐさまルイズたちを追い――そして今に至るというわけである。
「ルイズ、キュルケさんから伝言です。『何をしに行くかは知らないけど、頑張りなさい』ですって」
「まったく……余計なお世話よ」
タバサからキュルケの台詞を聞いたルイズは、そんな悪態をつく。だがその言葉とは裏腹に、彼女の顔は少しだけ綻んでいた。
そんな素直でないルイズに、レックスとタバサは顔を見合わせ――くすりと微笑をこぼすのだった。
ちなみに、そんな三人の様子を、階段の上から降りないまま見下ろしていたワルドは――
「……うそーん……」
――ことごとく目論見が外れてしまう現実を前に、呆然と間抜け面を晒していた。
わるどさまがんばって
「――なんだって?」
場所は変わり、グランバニア王宮の執務室――そこでリュカことリュケイロム王は、クックルとメッキーの言葉を聞くなり、険しい顔付きになっていた。その隣では、長年の相棒であるプックルも、腰を降ろして二匹を見ている。
「ルイズとレックスとタバサが、アルビオンとかいう内戦中の国に向かった――だって?」
確認するようなその問いかけに、二匹は怯えた様子でコクコクと首を縦に振った。
それを受け、リュカは顎に手を当ててしばし考え込む。そして――
「誰か!」
唐突に顔を上げ、部屋の外へと向けて呼びかけた。すぐに扉が開き、そこで待機していたであろう二人の衛兵が入室してくる。
「一人はモンスター爺さんのところに行って、シーザーとホイミンを連れて来てくれ。もう一人は倉庫に行って、プックル、シーザー、ホイミンの装備を。大至急だ!」
「「はっ!」」
二人は敬礼し、即座に駆けて行く。
それを見送り、リュカは険しい顔のまま部屋の隅――コートハンガーに掛けてあった『王者のマント』を手に取り、羽織った。次いで、壁に飾ってある『ドラゴンの杖』『光の盾』をそれぞれ手に取る。そして最後に、執務机の上の『太陽の冠』を懐の中に納めた。
これらはリュカの王族としての身分を示す正装であるだけでなく、戦いの場に赴く際の装備でもあった。極めて高い性能を誇るこれらを身に纏った時、リュカは『天空の勇者』である息子に勝るとも劣らない、世界最強の戦士となる。
そして彼は、窓の外――銀色に輝く月を見上げ、ぽつりとこぼす。
「人間同士の戦争……か。この僕ですら体験したことないのに、まだ幼いあの子たちがその大規模な『悪意のぶつかり合い』に、果たして耐えられるかどうか――」
人間と人間との戦争は、彼らが嫌というほどに経験した『人間と魔物との本能的な生存競争』とは、まったく違う。
その内戦とやらが、相反する『それぞれの正義』同士のぶつかり合いならば、まだ子供たちにとっても受け入れることが可能だろう。だがもし、それが単なる『利権の奪い合い』でしかないとしたら――
「……それを受け入れるには、まだあの子たちは純粋すぎる」
――つぶやいたリュカは、ルイズや子供たちを心配するあまり、脳裏に浮かんだ一つの疑問を棚上げしていた。
その疑問とは、つい先ほどクックルとメッキーの密告を聞いた時に浮かんだもの――今まではタバサにしかできなかった『モンスターとの会話』が、自分にも出来ていたことである。
そんな彼の右手では、使い魔のルーンが淡い光を放っていた――
以上で投下終了です。
しかし書いてて気付いた。今回の表現だと、『原作ワルドの発想は11歳の子供と同レベル』って意味になっちゃいませんかね?w
とりあえず、ワルドをそこそこ弄り回せたので、作者的には満足ですw そして次回あたり、主人公が本格的に参戦してきます。
……最近、「デボラとエレ姉を引き合わせたら、一体どうなるんだろう」とか考えてしまう自分がいるw
乙
コミカルなノリだとチートでも面白い
日替わりの人乙&GJ。
ワルドwww弱いもの扱いされてるしwww
リュカ本気モードにwktkしつつ正座待機。
日替わり氏乙です。
危急の事態に呼び出されるってことは、プックル達3名が現状でのスタメンなのかな?
ピエール好きな俺は少ししょんぼりだけども、何せ続きが楽しみです。
>783
「きれいな」と言うと 基準が難しいですよね。
例えば「ゼロの花嫁」のルイズは、「ガンパレ」のルイズに負けないぐらい「誇り高く」「前向き」で
何があってもくじけません。
でも「男前(英雄の詩!)だし血塗れだし、とても「きれい」とは言えません。
(モット伯への対応を比べると…)
このあたりは、どうでしょう。もう少し説明を願います。
日替わり氏が来てたーっ!?
ラ・ロシェール出立編の投下乙です。
王子王女とワルドのコミカルなやりとりがすごくいいですね。
オモロ顔のワルドがんばれワルドw
そして、
>極めて高い性能を誇るこれらを身に纏った時、リュカは『天空の勇者』である息子に勝るとも劣らない、世界最強の戦士となる。
所詮、僧侶に過ぎない息子さんに「勝るとも劣らない」とはまたまたご謙遜をw
ガチンコモードのリュケイロム陛下の活躍にwktkしながら次回の更新をお待ちしています。
湖に落として正直に答えると出てくるルイズ
それが「きれいな」ルイズだ!
>>811 たしかまだ8歳だしありえないことでもなくないか?
>>783 ゼロの軌跡のルイズがそうだな。
英雄伝説からレンとパテル・マテルが召喚されて
魔法学院を退学する作品
> 所詮、僧侶に過ぎない息子さん
勇者至上主義の俺は主人公を僧侶ポジにして欲しかった
別にそれなりに絵になる役割分担だと思うんだけど、
プレイヤーキャラはやっぱり攻撃の要じゃないと不満が出るか
ワルドがレックスと同レベル?
ここまで残念なワルドも珍しい・・・・かな?
あいかわらずのワクワク感が素敵です
あ、そうか 仲間と合流する「リリルーラ」は漫画のオリジナル呪文だったか。
王子の脱出をあっさりこなせるルーラの呪文がどのような影響を与えるか、期待しておりますですはい
817 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/26(土) 20:12:50 ID:N0btqbaK
ワルドはゲームシステム的には結構強いかもしれないんだけどな〜
偏在で4回行動OR4体分身だし
まあボス敵と考えるにはHPが足りないか?
3人そろったらレコン・キスタなんて壊滅できやせんかい?
ギガデインで船掃討してイオナズンで歩兵蹂躙。親父は杖でドラゴラム・・・・・・
怖すぎ。
>>818 嫁さんと仲間モンスター全部を+したら
ハルケギニア全土でも行ける気が…
はぐりん辺りならメイジの魔法もたぶん通用しないからな
むしろトリステイン組でミナデインかましてアルビオン撃墜だな
サイト「ぶったな!親父にもぶたれた事が無いのに!」
うわ、違和感ねえな。
>偏在で4回行動OR4体分身だし
>まあボス敵と考えるにはHPが足りないか?
偏在は天空の剣の特殊効果凍てつく波動でまとめて消し去られそうな気がする。
それよりアンドバリの指輪の死者蘇生・洗脳効果が消し去られて一気に形勢逆転の可能性の方が戦略的に問題なんじゃないか。
>むしろトリステイン組でミナデインかましてアルビオン撃墜だな
狭いダンジョンで使っても薄い壁一つ壊れないから無理だろ
分身って言ってもワルさん結局劣化ドルマゲス第一段階だし・・・
おおう、久しぶりの日替わりさん!
……いかんなぁ、ついついレックスとタバサを金髪で想像してしまう。
能力的に言うと僧侶+戦士だから、多分パラディンですよねリュカは。
日替わりの人乙です。
ワルドが決闘を申し込むのではなく、決闘を申し込まれるとは珍しいパターンだな。
それにしてもレックス御一行って・・・あんた達は本当に人間なのか?
>>817 プレスターンアイコン4個のワルドを想像した
風の魔法を衝撃リフレクトで跳ね返されてアイコン全部失ってた
日替わりさん乙ー
うわぁw
これはあれだ、魔王ジルの人のと同じ系統のコメディなのだな。
とりあえず前歯くらいベホマで治してあげてーw
やはり奥の手の分身と風の攻撃でPATAPON!の鷹の目のゴーンを思い出すなあ
パタポンの人ではまだでていないけどやつらの能力の突撃や超回避以外の
地震や雷や凍りつく雪を操る精霊魔法に近いキセキがいつでるのか楽しみ
日替わりの人乙!
リュカ気合入りすぎw
833 :
借りてきた猫:2009/09/26(土) 22:26:55 ID:y/DVhSqZ
かなり遅レスですが
>>712 猫好きにとってはメイド服を着た子猫を想像すると出るって事ですよw
>>740 タバサにはある事をさせたいので力への渇望と言う形を取らさせていただきました
プックル:地獄の殺し屋キラーパンサー
シーザー:全て焼き尽くす最強生物グレイトドラゴン
ホイミン:限界まで育てればベホズンをも凌駕する回復のスペシャリスト・ホイミスライム
悪夢のパーティだな。
>悪夢のパーティだな。
そうでなくともマホカンタかけたゴレムス1体だけでも対処に困りそうだ
城門みたいなところに陣取らせたら特に
他にいなければ22:55より投下したいと思います。
intermission02 Slide Show Part 1
目が覚めた時、女王は半狂乱だった。
あの男を討てと、ウェールズ皇太子を殺めた男を討てと。
マザリーニ枢機卿はすぅっと全身の血の気が引いていくのを感じていた。
アンリエッタ誘拐犯の中にウェールズらしき人物が居たことは追撃隊の生き残りから確認していたが、つまりそれは、誘拐犯を殺した男を処罰しろと言うことだ。
――この娘は何を言っている
敵の侵入と脱出のために衛兵が多くやられた。奪還のための追撃隊もほとんどが返り討ちとなってしまった。経緯はわからないが、彼女の身柄が確保できたのは僥倖だった。
それなのに、多くの死傷者達を無にするかのような言葉に、マザリーニは怒りで手が震えていた。
その下手人とやらはすぐに彼女の口から出てきた。
スコール・レオンハート
異国の出だというあの男が、紅い竜を伴って立ちふさがったらしい。
紅い竜のことは、もちろんマザリーニは知っている。スコールと、彼の相棒であるアニエス、それに最近ちらほら姿の確認されているという別な男が根城にしているフネ……であるらしい。
帆も翼もない珍妙な形をしているが、餌を与えている様子もないし人が中に乗るのだからそれはフネだろう。おまけにこれがとんでもない速度で飛び回るのだとか。調査に向かわせた竜騎士が、あっさり振り切られたことにしょげていた。
(判らんのは、何故わざわざあの男が女王奪還を行い、しかも報酬の請求にも来ないのかという事だ……)
あの男は故郷での立場がどうであれ、ここハルケギニアでは一介の傭兵に過ぎない。依頼を受けずに行動を起こすのは、まぁ判らなくもない。だが、女王奪還を完遂させた上で報酬の請求にも来ないとはどういった思惑なのか?
(仮に莫大な額を吹っ掛けられたとしても、我々は口止めのことも考えて応じないわけにはいかんのに……。いや、或いは……)
思い出されるのは、スコールとアニエスの二人が登城した時、別室で行われていた会話だ。あの時人を回して会話を探らせていたのだが、そこで交わされた台詞。
――それにさっきの貴族の反応を見る限り、デメリットのほうが多いようだ。
スコールの方は、あまりこちらに関わりたがってはいないと思える。
(……もし下手に自分の力を誇示して手柄顔をすれば、他の貴族達に睨まれる。それを疎んでいるとも考えらるか……)
その想像は、余り愉快な物ではなく、しばし考えてその理由に思い至った。
彼は貴族達に能力を評価されることを全く望んでいないのだ。つまりそれは、彼から見て貴族たちが評価されていないことにも等しいと思える。
(……いや、今はそんなことを考えている場合ではないな)
もっと重要なのはあの誘拐犯達を、メイジで構成された追撃奪還部隊を返り討ちにした連中を、あっさりと討ち取り、女王を無傷で奪って見せたその戦闘能力だ。
(あの男、もう少し探ってみる必要がありそうだ)
そうしてスコールの調査を命じたマザリーニは、スコールは当時酒場で確認されていたという報告に、更なる混乱を覚えさせられるのだった。
エスタ大統領官邸。
「過去?」
「はい。SeeDのレオンハート委員長が居るのは過去であると考えられます。それも、少なく見積もっても約20年以上は」
ラグナ・レウァール大統領に、技師が図を示す。
「大統領はご存じの事だとは思いますが、エルオーネさんの『接続』は過去、どれほど近くとも同時刻に対してのみ行える物で、未来へ『接続』することは不可能です」
「そうだな。もしそれが出来てるんなら、エルは昔の俺を今に送り込むことで俺たちがバラバラになるのを防ごうとするはずだもんな」
「それで……ジャンクション・レーダーのデータ収集用に、レオンハート委員長をこちら側へ接続させようとしたのですが……」
技師が難しい顔をする。
「……出来なかったのか?」
「はい。こちら側での救出計画の説明、そして出来るならば同じく向こうに行ってしまっているオダイン博士の捜索も依頼したかったんですが……」
深くため息を付きながら、ラグナは背もたれにもたれ掛かる。
「また20年、という年月は最低限の見積もりに過ぎません。『接続』の際に、エルオーネさんが迷わない事から、同時に二人の委員長が存在していないことから推測される年月です。
下手をすれば、何千、何万年も昔の、しかもここ以外の惑星、或いは本当の異世界である公算が高いんです。そうなってしまえば、魔女の空間転移魔法でも、果たして目標の場所にたどり着けるのか、たどり着けたとしても、目標の年代に行けるのかは……」
「わかった、ありがとう……」
力無く、ラグナが腕を上げ、技師は何らかの解決策の発見を模索することを表明して退出しようとした時、
「手ならば有ります」
扉が開かれ、先代の魔女イデア、今代の魔女リノアが執務室へ入ってきた。
「クレイマー夫人?何故ここに」
キロスが驚きの声をあげる。
「そちらの技術者の方に、先日質問を受けたのです。魔女の力で時を越えることは可能か、と。私はそれに対して否を答えたのですが……一つだけ。先程確認しました。私には出来ませんが、リノアさんにならば出来る方法があります」
「ホントか!?」
椅子から立ち上がって、ラグナが身を乗り出す。
「はい。たった一つだけ」
「……時間圧縮です」
何らかの決意を伴った目で、リノアはまっすぐにラグナを見据えた。
「おかしいなぁ……前にもこんな事しとった気がするが……」
「気だけじゃありませんよ。ビッグスさん、忘れたんですか?前にもここの整備を任されてたじゃないですか」
「しっとるわいそんなことぉ!」
がっと立ち上がりながらビッグスはウェッジに叫ぶ。
「ここで軍を辞めることを決意したことだって覚えとるわい!ワシが言いたいのは、何で軍を辞める決意をしたのと同じ事をしとるのかという事じゃ!」
「そりゃあ、何故かハルケギニアにルナティック・パンドラが有ったからでしょうねぇ……」
どこか遠い目をしながらウェッジが呟いた。
「ああ、もう!生意気な小僧の次はおかしな爺さん、そして今度はいけ好かない王様!ワシの人生はどうなっとるんじゃあ!」
「そこ、さぼるなでおじゃる!」
現在、彼らの直接の上司である老人からの檄が飛ぶ。
「どうして……どうしてこんな事に……」
(あ、今度は辞めようとは言わないんだ)
まぁ、ここで放り出されれば路頭に迷う。向こうの方も技術力を持った二人のことを重宝してはいるようだ。
「でもオダイン博士、こんなもの直してどうするんです?」
顔を上げてウェッジは上司に尋ねる。
「オダインは知らんでおじゃる。ルナティック・パンドラの使い途をジョゼフに教えたところ、使えるようにしろと言われただけなのでおじゃる」
やれやれと首を振りながらオダインは暢気に言った。
「こうしなければオダインに研究材料も与えてくれないというのだから困ったものでおじゃるよ」
今回はここまで。
二度目のintermission。ビッグスの口調って難しい……。
>あの男を討てと、ウェールズ皇太子を殺めた男を討てと。
やっぱりこうなったかw
というかこの影響というか尻拭いが、出番が無いルイズに回ってきそうな悪寒www
乙。
やっぱりアン様はこうじゃないと。
シコール乙^^
タルブのゼロ戦の代わりになぜかキラーマジンガが置いてあって全滅してしまえぇーーーー
SeeDの人乙でした。
ルナパン…使用可能にしても、まさか月の涙は起こせないだろうしなあ…
(ジョゼフなら喜んで起こしそうだが。)
845 :
mokukami:2009/09/26(土) 23:14:34 ID:J1k7fX+B
最近、これに影響されてFF[を買いました!!
ゲームでやってて面白いし、こっちの世界も目が離せない・・・
大学のレポートまみれの人生ながら、生活はかなり充実してます!!!
SEED戦記最高!!!
SEED乙
ルナティックパンドラまできてたんですかい・・・
ハルケギニアの月にも色々ひしめいているんですかねぇ
今まで落ちてこなかったけど、これで・・・とか?
っていうか、これに関して原作設定忘れてるんですが
意図的に月の涙を起こして敵国にモンスター降らせる事を目的とした兵器なんでしたっけ?
うぬぅ。またしても姫様がKYに。
先生、きれいな姫様が見たいです……。
キレイな姫様を見たい?
逆に考えるんだ。他のキャラを姫以上に汚せばいいんだ!と考えるんだ
きれいな姫様は、ただの姫様だ。
乙っした。
綺麗な姫様なんていませんよ。
メルヘンやファンタジーじゃないんですから。
…いや、おもっくそメルヘンやファンタジーですけどね。
KYで自己中、原作に忠実な姫様じゃないか
何か問題でも?
きれいな姫様なんて魔改造にも程がある
原作キャラの蹂躙は許しません
>>854 過去作品の殆どが削除対象になるわけですね
ここって姫様なら叩いても良いスレだったの?
いつも思うんだけど、どうして大抵の作家さんはアンリエッタを良い方向に動かそうとするのか。
858 :
借りてきた猫:2009/09/26(土) 23:38:24 ID:y/DVhSqZ
>>848 自分勝手だとは思いますが
>>693は何を伝えたいのかわからないのです
もし、返事をしないのが不快だと見られているのでしたらこの先ずっと
返事を書く→何か言われる→また返さない奴→返事を書く→(以下エンドレス)
の堂々巡りになる恐れもありますよね?後、お礼を言った後は見てなかったので
気がついて無かったのも事実です
あるかぁ?
>>858 で、携帯だから出来ないの?
覚える気が無いから他人にやらせてるの?
いや別にエンドレスなんかにはならないでしょ…jk
姫様は天然で白黒してるのがいいんじゃねーか
黒がない姫様なんか前回のあらすじがないドラゴンボールみてぇなもんだ
>>862 前置きがない分、本番に移るのが早いと
余計エロイな
>>858 wikiの登録を人様に頼んだ時のスルーとかマルチ行為のお陰で、都合が悪いから適当に理屈を並べてスルーしてるようにしか見えないよ。
「次からはそうします。」とか、「携帯だからです。」もしくは「PCだけど面倒だから人様にやらせてます。」と答えれば良いじゃない。
どうもSSの内容以外で自分の印象を悪くするのが目的みたいだけど、何か狙いでもあるの?
865 :
借りてきた猫:2009/09/26(土) 23:49:32 ID:y/DVhSqZ
>>860 やはりそれも自分勝手な言い分なのですが実は10回以上作る事を挑戦して
結局出来なくて投げ出してしまった…が事実です
覚える気が無いからやりたくないでも、面倒だから他の人にやらせている訳でもありません
正直に自分の能力で出来なかったのでやってもらっているのです
まぁ10回以上挑戦したとか口だけだろとか色々言いたい事はあると思います
ですが、やってもらって当然と思った事は1度もありません、
だから作ってもらってまとめてもらって感謝をしています
ただ、努力もしないで胡坐をかいていた訳ではない事を信じてください
HEROSのサイラーで少し書いてみたので投稿します
もっと回避の値を上げるか「スルー」をジャンクションしろよお前ら
>>865 最初に言ってなかったことなんて信じれるかよw
10回以上も挑戦ってどんだけだよw
ちゃんと説明を読めば誰だって出来るわw
そんなに失敗したのに、失敗ページすら残らんのかw
小学生でも出来るまとめができないとかwwwどんだけ馬鹿なんだよw
アホらしくなってきたわw
871 :
眉毛な使い魔:2009/09/26(土) 23:57:01 ID:VWnZsmQJ
HEROSシーズン0 第一話「旅立ち」
「いい能力だ・・・貰うぞ」
そう言って男は私を”特殊能力”を使い、宙に浮かせ壁に押しつけた。
お前は・・・。苦し紛れに私は問う、私にはわかっていた命乞いをしても無駄だと。
男はニヤリとし、首を傾けて言った
「俺か・・・?俺の名前は」
私がはっきり聞こえたのはここまでだった。額からネットリとした液が流れている
視界が真っ赤になったときポツリと聞こえた
「”サイラー”だ」
そして私の意識は途切れた
サイラーと名乗る連続殺人鬼は自身も持つ”特殊能力”で
同じ”特殊能力”を持つ人間を殺し脳を見ることによって見た脳の
”特殊能力”を使えるようになるのだ。
そして能力者と共感することによって殺さずに能力を手にいれることも可能である。
一概に”特殊能力”と言っても多種多様で色々な能力が存在する
自身が仕様する、物を切ったり、操ることのできる能力”テレキネシス”も
別の能力者を殺し、脳を見ることによって得た能力である。
しかし連続殺人鬼サイラーは元々ガブリエル・グレイという普通の時計職人だった
だがそんな普通の生活は能力者を捕まえ隔離しようとする”組織”により崩れた
一次的に命を狙われ、信頼していた人間に裏切られサイラーは殺人鬼となった。
さらに自身の元々持つ能力”直観”には”飢え”がありその飢えにより
「新たな能力がほしい」と言う欲求が更にサイラーの殺人衝動を刺激していた。
そしてサイラーは生みの親が別に存在し、自身が捨てられた子供という事実を知り
父親に復讐することを誓った。
そして道中サイラーは自称ストリートマジシャンという男と出会った。
その男は「タネも仕掛けもありません」と言わんばかりに
サイラーに”手品”を見せた。
それは右手に握ったボールが左手にワープするというよくあるような”手品”だった。
しかしサイラーはわかっていた。
本当にその”手品”にはタネも仕掛けも存在しないことを
そうストリートマジシャンは”特殊能力”を使ってボールをワープさせていたのだ
サイラーはマジシャンをテレキネシスで押さえつけ、額を切り裂いた瞬間、
マジシャンは声にならない声を出し、自発的に強力な能力をサイラーにぶつけ・・・・、
「ワープ」
サイラーはどこか闇の中に飛ばされてしまった。
873 :
眉毛な使い魔:2009/09/26(土) 23:57:51 ID:VWnZsmQJ
「ううううううるさああぁぁああいいぃぃいいぃいいいい!!!!!!」
どこか別次元の世界、魔法と貴族が支配する大地「ハルケギニア」
たくさんの貴族が集まり魔法を学ぶ学校、トリステイン魔法学院。
そこには”ゼロ”のルイズと呼ばれるピンクの長く美しい髪が特徴の小柄な少女が顔を真っ赤にし
殺気丸出しで怒鳴っていた。
「ぎゃははは!!ゼロのルイズがまたやらかしたぞ!!!」
「ルイズが平民を召喚したぞ〜〜〜フヒヒ」
「いやあれはきっと眉毛の神様に違いない!!」
心無い罵倒がルイズの怒りを更に上げていく、
これは”使い魔”と呼ばれる自分のパートナーを召喚する神聖な儀式であった
同学年の学生はドラゴンやサラマンダーなどのモンスターを召喚していたが
ルイズが召喚したのは”平民”
そうただの平民、ただの”ヒト”だったのだ。
特徴を上げるとすればまず”眉毛”である
海苔でも貼り付けたかのような立派な”眉毛”だった。
罵倒が続く中その平民は目を開いた
その瞬間ルイズが宙に舞った、
何が起こったか理解できなかった、突然、宙に打ち上げられたのだ
「きゃあああああああああああああああああ!!!!!」
ルイズが悲鳴をあげ終わる頃には地面とキッスしていた。
さっきまで騒がしかった群衆は凍ったかのように沈黙し、
眉毛は叫ぶ
「お前らは・・・何者だ・・・!」
つづくかも
乙
つ■
これは眉毛じゃなくて海苔なんだからね!
875 :
眉毛な使い魔:2009/09/27(日) 00:00:00 ID:yLtzFNQG
投稿終了です
乙
どうでもいいけど作者も特殊能力が使えるのか…?
877 :
眉毛な使い魔:2009/09/27(日) 00:04:59 ID:yLtzFNQG
>>876 ルイズたんと画面越しにチュッチュする能力です
00:00:00
なんて完璧な
ところでこのスレって実写映画とか召喚してもいいのかな
ヅラ刑事召喚してみたいんだが
元ネタ知らんけど『眉毛』で笑いが…
このまま眉毛で行くのか主人公w
実在の人物をそのままとか、三次創作にならなければokじゃなかったかな?
他にも何かあるかもしれんから、気を付けるんだ!
どう気を付ければ良いかは分からないけど、気を付けるんだ!
実在の人物じゃなきゃいいんじゃね?
HEROSは観たいと思いつつ観れてないんだけど、眉毛弄りするようなドラマだったの?
>>813 日替わりさんとこの双子は本編終了後で11歳ですよ
884 :
眉毛な使い魔:2009/09/27(日) 00:10:56 ID:yLtzFNQG
そういえばDQ5のエンディング後では
魔界が浄化されて出来た月と元々あった月の二つあって
二つの月が寄り添うように輝いているから、二つ目の月を「天空の花嫁」と呼ぶようになった
って設定が小説版にあったような
映画のキャラなのね…なら召喚しても構わんわな
ターミネーターとかも既に召喚されてるし
>>884 ありがとう、サイラーという単語に眉毛という意味が加わった。
ほんでもって、ドラマでも弄られてるの?
888 :
眉毛な使い魔:2009/09/27(日) 00:23:15 ID:yLtzFNQG
ストーリーの中では言われませんが一部ファンの方々がネタにしてるんで
ネタ的な意味で眉毛を使ってみました
ありがとうございます
レンタルして観ようと思っていたので眉毛弄りがあるようなドラマなのかと不安になりましたw
相棒シリーズから杉下右京を召喚
あの飄々振りをハルケでも発揮して欲しい
まとめwikiに登録って基本的に作者がやるものなんですか?
作品のファンがやる
つまり登録が遅い作品は……お察しください
>>891 作者がやってますが何か?
そこまで読者さんのお手をわずらわせるわけにもいきませんもの。
読んでくださるだけありがたいですわ
作者がやる場合も読者にやってもらう場合もあるけど
やってもらったらお礼は言わないとね
>>891 誰かがやってくれることもあるけれど
基本自分でやると考えて良いと思う
>>891 テンプレの感じでは、別にそんなわけでも無いはず
> ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
ついでにこんなFAQもあるw
Q:あの作品がまとめに無いんですけど……。
A:気付いた人が積極的にやりましょう。
すいません、書き忘れてしまいましたがFAQはテンプレではなくまとめのです。
899 :
891:2009/09/27(日) 00:45:42 ID:pdj98ZYx
回答ありがとうございます。
まとめのことで話題になっていたので質問しました。
要するに、誰が登録してもいいが、読者にして頂いた時に感謝を忘れずに。
ということですね。
このスレじゃ作者自らが登録すること多いけど、作者ではない第三者が登録するのがルールというかマナーになってる所も多い。
投稿してるだけしかしてなかったはずなのに、まとめに更新されていたぜ!
な、何を言っているかわかんねぇだろぅが…ありがとうございます。
>>900 こらタケシ! うちはうち、よそはよそって言ってるだろ。
(母ちゃんに都合が良ければ、よそのルールを採用することもあります)
まあ、面白いと思ってくれた人がいれば登録してくれるだろう。
だれも、登録してくれないんなら、そりゃ登録の必要のない面白くないブツだってことさ。
と考えてる作者もいる。
改行とかの関係もあるから自分で登録している
所詮空気作品なので誰も登録してくれないだけかもしれんけどw
小ネタとかは自分で登録するが、連載作は敢えて登録してない。
あぁ、手間を掛けてまで登録してくれる人がいるんだなというモチベ上げに繋がるバロメータになるから。
その後で修正するところあれば、編集するけどね。
作者さんは誤字の編集もついでにやっちゃえ
初めて小説完成させて、子ネタとして投下したら、
すぐに誰かが登録してくれた。
もう嬉しくって、そのおかげで連載しようって気になったんだと思う。
作者を応援したいなら、感想の他に、登録してあげるってのもいいかも。
そもそもまとめ登録は義務じゃない
クロス作品でいまいちなのはまだ作中で本気じゃないだけ
あと何年かしたらワルドさん惑星破壊できるよ
910 :
提督作者:2009/09/27(日) 04:46:58 ID:hmLihLpq
相変わらずですね
日替わりの人のワルドは超当て馬というか、割と散々だな・・・
次も期待してるぜっ!!!
ワルドも何気に弄られるキャラなのかな
サムスピの右京さんを呼んで美形会議ネタしても、ワルドって絶対に庵のポジションに入りそう。
「ワルド空気読め!!」
日替わりの人、SeeDの人もお疲れ様ー、GJ。
…しかしワルド…www
11歳の子供と張り合ってるのもなんですが、ある意味歴代ワルドでも指折りの屈辱じゃなかろうかw
しかしこの人、最終的に裏切る決断できるんだろうか…
ワルドワルドって見てたらワルドって何だろうって気分になった
これがいわゆるゲシュワルド崩壊というやつなのか…
>>913 右京さん「ガハァ!」
カトレア「ガハァ!」
ルイズ「右京さんとちいねえさまが血を吐いた!」
>>916 そこにパピヨン(武装錬金)も混ぜてみたくなったw
じゃあ、あとメタルスラッグも
(それはゾンビ化状態だ)
吐血といえばハイアット
ところでシコールって何?
>>918 メタスラか……
マルコ→趣味のプログラムが出来なくてがっかり
ターマ→メカ好きだからコルベールと意気投合してスラッグ作ってそう
エリ→爆弾物のスペシャリストだからルイズの失敗魔法に興味を持ってそう
フィオ→第二のちいねぇさまポジション(胸と天然的な意味で)
>>921 トレバーとナディアの事も忘れないでください
>>920 避難所の毒吐きスレで生まれたSeeD戦記の蔑称。
基本的に毒吐きスレのみで使われるもので、本スレに持ち出すのはKYか荒らしと見られるから、使わない方がいい。
>>923 荒らしにレスすんなよ……。
せっかくみんな無視していたのに。
>>922 トレバー→テコンドーで大活躍!するもマルコと同じくコンピュータが無くてがっかり
ナディア→大食いなため厨房が戦場になる。
この2名の再登場はいつになるやら……
>>916 ついでに周喩(横山三国志)も入れてやれ
>921
百太郎→浮浪者と思ったら気弾を撃てる潜入工作員
当たり判定は無いがルイズが1ミスするとどこかへ帰る
吐血といったら首領パッチ。
正確にはボーボボキャラ大半が吐血キャラ持ち。
まあスコールそのものはキャラデザの自己投影オナニーキャラだから間違ってはいないけど、
本スレで言うとSEED戦記のアンチに思われるから言わない方がいいな。
メタスラのマーピーに襲われるハルケギニア
プレイキャラはルイズ、キュルケ、タバサ、ギーシュ
>>929 アンチ多いよなFF8
俺?俺は途中で秋田
カードゲームがメインのゲームだった
だってカードはアイテム入手の重要な手段だし。
個人的には8が一番好きなんだよなぁ。魔法を装備するってのがなんだか新鮮だった
8と9って評価低いような気がするんだよなあ・・・俺はどっちも好きなんだが。
8はストーリーがちょっと…
まるで推理小説と銘うったものを読んでいたら最後の最後のトリックを超常現象ですませてしまわれたような感覚
8はストーリー覚えてないぐらい印象が薄い
>>935 その例え、実例をどっかで見たような気がするぞw
8だけの話はスレ違いだから、この辺で止めといた方が良いんじゃね?
どうみてもひぐらしです
西尾維新がアップを
流水ではないのか
何気に昨日はスクエニの日だったんだな、投下的な意味で。
>>934の言うように、FFの8と9は評価低い気がするが、
8はアンチが多いイメージ、9は空気なイメージだなぁ。
え、京極夏彦じゃねえの?
>>944 この世には不思議なことなど何もないのだよ
この世は分からないことがたくさんある
どうも9は八頭身美形キャラが気に入った人たちに受け入れて貰えなかったイメージがあるね
もっとも魔法とクリスタルがあればFFだからいいけどさ
皆さんこんにちは、67話の投下準備完了しましたので、進路上よろしいでしょうか。
問題なければ、10分おいて15:50より開始します。
事前支援
容量・残りレスとも結構ギリギリだな
第67話
決闘!! 才人vsアニエス (前編)
殺し屋宇宙人 ノースサタン 登場!
どこともしれない民家のベッドの上で、窓枠から差し込む日差しに目を細めて、温かな
スープの香りをかぐことができるときが訪れたことを、全身の半分を包帯で覆われて、
傷ついた体をゆったりと横たえさせてもらっている、青い髪の娘は、最初信じることが
できなかった。
「アニエス隊長!? それに、お前たちは!?」
二度目に目を覚ましたとき、そこで自分を心配そうに見守っている見知った顔の数々が
幻覚でないことを知ったとき、ミシェルは思わず飛び起きようとしたが、全身を貫く激痛に
阻まれて、ベッドの上に見えざる手で押し付けられてしまった。とたんに、珠のような汗が
額に浮き出るのは、彼女の今の姿からすれば当然の肉体的反応だったが、その傷の
一つ一つの痛みが、彼女にようやく今が間違いなく昨日からつながっているのだということを
教えてくれた。
「無理をするものでは、ありませんことよ」
苦悶のうめきを漏らすミシェルの額を、赤毛の少女がハンカチでぬぐってくれると、
不思議と痛みも汗といっしょにぬぐわれていくように、次第に苦痛は地平の果てにまで
後退していってくれた。
「ここは、どこだ? なぜ、私はここに?」
呼吸を整えて、室内を見渡したミシェルは、とりあえず自分の状況を確認しようと思った。
自分の記憶は、昨日の、恐らく昨日だと思うが、闇夜の川原で途切れており、なぜ、
あれから今の状況になったのか、まったく見当がつかなかった。
その答えは、彼女の枕元で腕組みをして立つ、彼女自身の上司、いや、もはや、だったと
過去形で呼ばれるべき人物から与えられた。
「王軍陣営近くの集落の一つだ。街道で見つけたお前を、私がここに連れてきたのだ。
もっとも、村人はすでに軍に徴用されてしまったらしく、勝手に家を借りているだけだがな」
「隊長が、私を……?」
見渡せば、そこは元は女性の部屋であったのか、花瓶に花が活けられているなど、
どことなく女性的な雰囲気があった。けれど、勝手に家を借りても誰も文句を言わないとは、
ずっと城の中で足止めを食らわされていた彼女には信じられなかったが、才人たちから
この近辺の町や村から住人が、法外な税金の代償に労働に駆り出されていると聞かされて
さらに驚いた。外では、そんなことにまでなっているとは。
「いったい……奴らは何を企んでいるんだ?」
また一つ、理解不能なことが加わってミシェルは混乱した。あの、正気を失った
ウェールズならば、何をやっても不思議ではないが、少なくともいい予感はまったくしない。
「ミシェル、やはり何か知っているんだな?」
「あ、いえ……」
設問されるようにアニエスに睨みつけられて、ミシェルは言葉に詰まった。
あの、ワルドや川原のガーゴイルのことをどう説明すればよいのか。しかし、
そこで思わぬ方向から助け舟が来た。いったん部屋の外に出ていたロングビルが、
トレイの上に、温かな湯気を立ち上らせる、大豆のスープの皿を持ってきたのである。
「まあまあ、けが人を相手にそう一気に話さなくても。とりあえず、ありあわせの
材料ですけど、これなら食べられると思いますわ。食欲はありますか?」
「あ……すまない」
最初は断ろうかと思ったが、スープの匂いをかいだら、すぐに空腹の虫が襲ってきて、
あっさりと牙城は陥落した。そういえば、昨日の晩から何も食べてない。
けれど、トレイを受け取ろうと思ったら、両手も包帯で厚く巻かれていて、受け取る
ことも、スプーンを握ることも、とてもできそうもなかった。そこへ、代わりにトレイを
受け取って、彼女の口元にスープをすくったスプーンを差し出したのは、やはり
赤毛のおせっかい焼き娘であった。
「はい、あーんしてください」
「え!? おっ、おいお前!」
慌てるミシェルだが、空腹には耐えがたく、ほとんど反射的にぱくりとスプーンを
くわえ込んでしまった。その赤ん坊のような姿には、周りで見ていた才人やルイズからも
笑いがこぼれて、彼女は赤面するばかりであった。
「はいはい、けが人は素直に甘えておけばいいんですよ。そのほうが、可愛いですからね」
「むぅ……」
開き直ったように、憮然と運ばれてくるスープを口にしているミシェルに悪いので、
才人たちは仕方なく話を一時中断して、食事が終わるのを待った。だがそれにしても、
キュルケはいつもタバサといっしょにいるためか、誰かの世話をしている姿が非常に
絵になっていると彼は思った。もしかしたらキュルケは幼稚園の保母さんなんかが
似合うのではないか? 子供たちといっしょに庭を駆け回るだけでは飽き足らずに、
川原や裏山に飛び出ていって、園長に心配をかけてばかりな、どちらが子供か
わからないような、けれど、誰からも嫌われることのない、そんな先生。
さて、そんな他愛もないことを考えているうちに、スープの皿は空になった。量は
少なかったが、内臓や食道をやられている危険もあるので、あまり多くは与えられなかった。
それでも空腹は去って、一息をついたミシェルは、部屋の隅でじっと立って見守っていた
アニエスに恐る恐る話しかけた。
「あの、ところで隊長がなぜ、アルビオンに……」
「姫殿下の命令だ。昨日の夕方トリスタニアから竜籠でラ・ロシュールまで飛び、
手近な船がなかったので、輸送用の竜を借りて夜のうちにスカボローについて、あとは
ひたすら馬を飛ばした。だが、驚いたぞ、王党派の陣に向かって急いでいたら、街道の
向こうから血まみれのお前をかついだ女が歩いてきたときは、すでに死体かと思った」
「女……?」
「ああ、全身を黒衣で包んだ、風変わりな女だったな」
そのときのことは、アニエスにもうまくは説明できなかった。
一刻も早く、アルビオン王党派の元へ駆けつけようと馬を走らせていたアニエスの前に、
反対側から、肩に気絶したミシェルを担いだ女がやってきて、仰天した彼女は馬を
止めると、その女を呼び止めた。
「おい貴様! そこで止まれ! その肩のものはなんだ!?」
「……お前に答える義務があるのか?」
「なにっ!?」
女が怒鳴りつけられても泰然としているのに、焦ったアニエスは剣を抜こうとしたが、
柄に手をかけた時点で思いとどまった。ミシェルがいるからだけではない、彼女の
磨き上げた戦士の感覚が警鐘を鳴らしていた。なんだ、まるで隙がない、こいつは
いったい何者だ、と。
「用件があるなら、手短に言え」
剣に対して、まったく恐怖した様子もなく、無防備なようでいて、それでいて
いつでも攻撃ができる体勢を保つ相手に、アニエスは激情を抑えて武器から
手を離すと、今度は騎士として礼節をもって答えた。
「私はトリステイン王軍、銃士隊隊長アニエス・シュヴァリエ・ド・ミラン、その女は、
私の部下だ。名はミシェル、その者に会うために私は急いでいた。なぜ貴女が
その者を連れているのだ?」
「……私はただの旅の者だ。この娘は、この先の川原で倒れているのを拾っただけだ。
捨てておくわけにもいかんから、近隣の村にでも預けようと思ったが、身内ならば
ちょうどいい。引き取ってもらおう」
女はそう言うと、担いでいたミシェルを軽々と両手に抱き上げてアニエスに
差し出してきた。むろん、断る理由もなく、ミシェルを受け取ったが、真近で見ると、
彼女は全身がズタズタになった痛々しい姿であり、アニエスはよくこれで生きて
いたなと息を呑んだ。
「応急手当はしてある。しばらく安静にしていれば助かるだろう。ではな」
「あ、待て! この者がこうなった原因を、貴女は知っているのか?」
「さあな、だが私が立ち寄る前に、戦う音が聞こえたから、それで受けたのだろう」
「戦っていただと? 相手はどうしたんだ?」
「さてな、私が見つけたときにはすでに戦いは終わっていた。恐らく彼女が
刺し違えて倒したのだろう。気になるならこの先の川原を調べてみろ、まだ
残骸が散らばっているはずだ」
それは半分嘘であったが、口調を音程の一つも変えずに話されたので、
さしものアニエスも見抜くことはできなかったが、ミシェルが何者かと戦っていた
ということだけは分かった。
「その、戦っていた相手というのは王軍の兵士かメイジか?」
すでに、ミシェルがレコン・キスタの間諜で、ウェールズ暗殺の実行犯の
一人だと知っていたアニエスは、ミシェルが王党派に正体を見破られて追われて
いたのではないかと予測したのだが、相手から返ってきたのはまったく別の
答えだった。
「人間ではない。動く人形、だいたいそんなところだな、お前達の言うガーゴイル
とかいうものに似ているが、はるかに強力だな。よく、あんなものに襲われて
助かったものだ」
「ガーゴイル?」
「のようなものだ、似たものをいくつか知っているのでな。しかし、この娘の
生きようとする執念はたいしたものだ。アニエスといったか? ずっとうわごとのように、
お前の名や、ほかにサイトとかなんとか、何人かの名をつぶやき続けていたのだ。
よほど、帰りたかったのだろうな」
そう言われて、はっとしてアニエスは腕の中で眠り続けているミシェルを見つめた。
すでに苦しむことにさえ疲れきってしまったかのように、深い眠りについているが、
アニエスの腕に抱かれているのが無意識にわかるからか、穏やかな顔で静かに
寝息を立てている。
「ミシェル……」
「精々大切にしてやることだな。では、私はゆくぞ」
「あっ、待て! もう一つだけ答えろ! 倒れていたのはミシェルだけか、ほかに
誰かいなかったか?」
「その娘だけだ。ほかには誰も見あたらなかった」
それだけ言うと、黒服の女はアニエスが礼を言う間もなく、無言のままで立ち去って
いった。残ったアニエスは、このままアルビオン王党派の元へ向かうかどうか迷ったが、
ミシェルの身に異常な事態が起こったのは確かだし、重傷者を連れて行くわけには
いかないと、わき道に入って、無人となった宿場町に立ち寄ったのだが、そこで
偶然休息をとっていた才人たちと出会ったのであった。
そこまでのことを、アニエスは噛み砕いて説明し、かたわらの椅子に腰掛けて
一息をついた。
「と、いうわけだ。実際、わからないことだらけだがな。特にあの女、王党派でも
レコン・キスタの手の者でもないようだが、ただ者ではなかった」
アニエスにとって、素手で自分を圧倒した相手が何者であるのか気になる
ところであったが、とりあえずは今必要とされることではなかったので、その一言で
それを記憶の内側にしまいこんだ。
ただ、アルビオンと一言に言っても何十万人もの人間がいるために、確証とまでは
いかなかったので口には出さなかったが、才人たちはその黒服の女が誰なのかを、
薄々勘付いてはいた。
ともかく、アニエスがミシェルを拾えたことはまったくの幸運であって、もしその黒服の
女がいなければ、街道を外れた川原で倒れているミシェルにアニエスは気づきえず、
実際には、見つけていてもすでに死体であっただろう。
けれども、それ以上にミシェルを不思議がらせたのは、こんな場所に才人たちまでが
いたかということであった。目的地が同じサウスゴータ地方ということぐらいは聞いて
いたが、学生が遊びに来るにはここは戦場に近すぎる。それについて、才人たちは
ウェストウッド村が役人に化けていたブラック星人に襲われたことなどを説明し、
それで王党派が怪しいと睨み、探りを入れようと考えて、この地方の出身のロングビルに
道案内を頼んで、ここまで来たと語った。
「ただ、ブラック星人が倒されたことで、別のヤプールの手下が留守中に
ウェストウッド村を襲っては大変ですから、タバサに護衛してもらって、村のみんなや
シエスタには一時別の街に避難してもらってますけどね」
よく見渡せば、船で見た小柄な眼鏡の少女と、黒髪の少女がいなかった。
「そうか、お前たちも大変だったんだな……」
どうやら想像以上にヤプールはアルビオンに根を下ろしているらしい。
トリステインやゲルマニアなどでは、白昼堂々怪獣や宇宙人が破壊活動を
おこなっている分、かえって表面上は怪獣が出現しないから、この国の人々も
目の前の内戦に気をとられて、多少の変事も雑多なニュースにまぎれてしまうのだろう。
「さて、これでこちらが言うべきことは伝えたが、今度はお前が答える番だ。お前ほどの
者に、いったい何者がそれほどの傷を与えた。任務の途中で何があったのだ?」
厳しく問い詰めるアニエスに対して、ミシェルは恐れていたときが来たと感じた。
才人たちの手前、公言はしなかったが、彼女の言う『任務』のことが、トリステイン大使
としてのものではないことは、その目を見れば明白だったからだ。
「あ、ええと……」
冷や汗が背中をつたるのが、いやというほど自分で自覚できた。どう言えばいいのか、
すでに隊長は自分のことに気づいている。しかし、才人たちにまで自分が裏切り者だと
知られたくはなかった。
だが、口ごもっていても、アニエスの苛烈な視線は変わらない。どんな嘘をついても、
到底ごまかせるようなものではなかった。
「どうした? 言えないなら、言えるようにしてやろうか?」
無言の抵抗の末に、ミシェルに突きつけられたのは、アニエスがトリスタニアで
間諜から奪った密書だった。
「それは!」
「ん、なんですそりゃ。ルイズ、なんて書いてあるんだ」
「んー、なにこれ? 文字が雑多に書かれてて訳わかんないわ。キュルケ、
あんた読める?」
「ふーん、なんか軍の暗号文に似てるわね。残念だけど、解読するためのキーが
わからないと読めないわ。で、ミス・アニエス、なんなんですのこれは?」
首をかしげたルイズたちは、アニエスに説明を求めたが、彼女はその密書を
ミシェルに突きつけたままで無言であった。けれど、当然ミシェルはそれを読むことができ、
最後に記された暗殺者の名に、自分の名前がワルドと並んであることを見ると、
もはや逃げ道がなくなったことを理解して、観念せざるをえなくなった。
「すべて……お話します……ですが」
もう、隠し事は通用しない。それでも、せめて裏切りの事実をここで才人たちに
までも知られたくなかったが、アニエスの態度は冷断だった。
「だめだ、どうせいずれ知れることだ。お前が選んだことなら、最後まで責任を持て」
「……はい」
一時ごまかしたとしても、すでにトリステインでは知られている以上、遅かれ早かれ
彼らの耳にも入る、誰のせいでもない、自分で選んだ道なのだから、その落とし前は
自分でつけるしかないのだ。
「ちょっとアニエス、話が見えないわよ!」
二人の間だけで、意味のわからない話が続いたことにいらだったルイズが怒鳴ったが、
アニエスは黙ってミシェルに目配せしただけで、やがてミシェルは覚悟を決めたように、
うつむきながら、血を吐くように告白した。
「皆……私は、実はレコン・キスタの内通者、間諜だったんだ……」
たったその一言を告げるのに、どれだけの勇気と覚悟が必要だったのかはわからない。
才人たちの反応は、最初は沈黙で、やがて言葉の意味を理解して「なんだって!」
という叫びの後に、「嘘でしょう」というのが続いた。
「嘘じゃない……私の父はトリステインの法務院の参事官だったが、十年前、身に
覚えのない汚職事件の主犯とされ、貴族の身分を失った。父は、国に裏切られたと、
自ら命を絶ち、母も後を追った。幼い私は帰る場所を失い、路頭に迷った。そんな
私を拾ってくれたのが、トリステインでレコン・キスタに通じている、ある人だったのだ。
それ以来、恩返しと、腐敗した国を変えるために、内通者として軍に、銃士隊に入った」
慄然として才人たちはミシェルの告白を聞いていた。特に才人は以前ツルク星人を
倒すために、共に特訓をしたときと、アルビオンへの船上で聞いたミシェルとの会話を
思い出して、そういえば恩人がどうとか、レコン・キスタのあり方がどうかと聞かれたな
と、「信じられない」という一言さえも言い出せずにいた。
また、彼女の口からは同時にワルドもレコン・キスタの一員であったということが
語られて、昔馴染みで許婚だったルイズを一時愕然とさせたが、他の者たちにとっては、
とうにアルビオンへの『ダンケルク』号での一件で彼を見限っていたので、
やっぱりなと逆に納得させるものであり、ルイズも心を落ち着かせると、幼い頃の約束を
そこまで真剣に考えていたわけでもなく、また『ダンケルク』の件で彼への評価を
落としていたことには皆と変わりなかったので、脳内の好意的な人名語録のワルドの
名に墨を塗って終わらせた。
「それで、お前の後ろで糸を引いていた、ある人というのは誰だ?」
「それは……それだけは言えません。父の古い友人で、あの人だけは父の
無実を信じてくださいましたから」
「リッシュモン高等法院長か」
「え!?」
愕然と、自分の顔を見上げたミシェルの顔を見て、アニエスはやはりとうなずき、
そして彼女にとって恐るべきことを教えた。
「十年前の、お前の父の事件は私も調べた。証拠はないが、首謀者はリッシュモンだ」
「ば、馬鹿な! でたらめを言うな」
「本当だ。私は奴に関することはなんでも調べた。なぜなら、リッシュモンは私に
とっても仇だからだ!」
きっとして見返すアニエスの顔には、明らかな怒りと憎悪の影があり、ミシェルは
それに圧倒されて、その言葉が嘘ではないと感じた。
「二十年前、奴は権力争いの中で、公然とした手柄を欲していた。それで生贄に
選ばれたのがダングルテール地方の私の村だった。奴は新教徒狩りとありもしない
罪をでっちあげて、村を焼き尽くした。生き残ったのは、私だけだ」
「……」
「お前の父のことも、奴は出世の邪魔だったから濡れ衣を着せたのだ。奴はそうして、
敵を排除して、今の地位を手に入れた」
「嘘だ……」
「ならばよく思い出してみろ。お前の父が失脚して、誰が一番得をしたのか、
当時参事官補佐で、お前の父のやってきた事業をむだにするわけにはいかない
などとほざき、結局役職の後釜に納まったのは、リッシュモンだったではないか。
奴は何もせずに、お前の父の努力の結果だけを手に入れた。それも一度や二度ではない。
奴の出世街道は、まさに他者の地位の強奪の連続だ。もはや、簡単に手を出せる
身分ではなく、確たる証拠を残さない用心深さから逮捕できずにいるが、いずれ奴は
私のこの手でひねり殺してやる!」
毎週日曜はウルトラの日
月曜にone piece読むくらいワクワクしてくるぜ!
と・いふワケで支援
今まで見せたことのない強烈な憎悪の決意は、その場にいた全員を震え上がらせた。
しかし、もっともショックを受けたのは、当然ながらミシェルであった。
「……そんな、それでは私は」
「甘い言葉で誘惑するのは、奴の常套手段だ。奴にとって、自分以外の人間は都合よく
利用するための道具にすぎん。つい先日も、奴の情報を聞き出そうとした奴の家の
使用人が事故死した。お前も、利用されていたんだ」
「……じゃあ、私がこれまでやってきたことは……」
「全て、無駄だったということだ」
その瞬間、堰を切ったかのようにミシェルは狂った音程の悲鳴をあげて、のどを
かきむしりながら泣き喚き始めた。包帯が破れて、開いた傷口からまた血がにじみ始める
のを見て、慌てて才人やキュルケが彼女の手足を押さえにかかるが、ミシェルの狂乱は
収まらずに、のども張り裂けんと叫び続ける。
「アニエスさん! いくらなんでもひどすぎます!」
壊れてしまったように暴れ続けるミシェルを必死で押さえつけながら、才人はアニエスに
向かって怒鳴った。
「ひどいものか、このまま何も知らずに、哀れな道化として踊り続けるより、床に落ちて
壊れてたとしても糸を断ち切ってやるべきだろう。違うか!!」
苛烈で、冷断ではあったが、その言葉には、自分の目で見て、考えて、そして決断して
一人で生きてきたアニエスの強さが込められていた。
やがて、十数分後にミシェルは顔を涙と鼻水でぐっしょりと濡らしながら、錯乱から
覚めて、見かねたロングビルが濡らしたタオルで顔を拭いた後に、彼女は訥々と、
順を追いながら、自分でも確認するように、昨晩起きたことを語り始めた。
「私は、ワルドといっしょに、この先の城へとウェールズ皇太子に会うために赴きました……」
ウェールズ皇太子と会い、大使としての任務を果たし、夕食前にワルドとウェールズを
見送ったが、次に現れたときには二人は変貌しており、手の中に目と口があった
ワルドに手傷を負わされ、必死で川に落ちて逃げ延びたが、追っ手のガーゴイルに
やられて、その後のことはここで気がつくまでわからない。
そこまでのことをざっと聞かされて、一同はぐっと息を呑んだ。ある程度の予想は
していたが、それは甘い予測を悪い形で見事に裏切ってくれた。ルイズは、
ワルドが取り付かれてしまったことに多少驚いたが、すでに内通者だったということを
知っていたために、それ以上はショックは受けなかった。
むしろ、ワルドの変貌に驚いたのは才人のほうである。
「手に、目と口が?」
それは才人だけでなく、彼と同化しているウルトラマンA、北斗星司にとっても
忘れがたい記憶であった。ヤプールの配下で、そんなことのできる奴はただ一匹、
そいつのために、かつてTACは新型超光速ロケットエンジンを破壊されてしまったことがある。
「また、やっかいな奴が……」
もし、予測が当たってワルドがそいつだとすれば、これまでにない強敵となるだろう。
時間が経つにつれて、ヤプールの戦力が次第に強大になっていくことを才人は
実感せざるを得なかった。
それに、川原で戦ったというガーゴイルも、ロボットに違いないと彼は確信した。
こちらのほうは、単に等身大の人間型ロボットというだけで、それ以上はわからないが、
他の宇宙人も敵の中にまぎれていると考えたほうがいいだろう。
最後まで話し終わったミシェルは、それっきり人形のようにうつむいて動かなくなった。
彼女にとっては、これまでの人生すべてを否定されたに等しく、それまでの自分を
正当化してきた意義も、誇りも、さながら球根を水栽培していた鉢の底に、穴を
空けられたかのように、根こそぎ零れ落ちてしまって、残った球根を包むのは
空虚でしかない。いや、育てようとしていた球根も、見た目は変わらないが、
すでに細菌に侵されて腐り果てており、芽を出すことなどもはやありえない。
「ミシェルさん……」
才人は魂の抜け果てた、生ける屍のようになってしまったミシェルを見て、
人間はここまで残酷に打ちのめされることができるのかと、憤然たる
思いを抱き、自らの無力さを痛感していた。もはや、どんな慰めの言葉も
彼女には意味を持たないだろう。こんなとき、ウルトラ兄弟ならどうするの
だろうか、どうすれば彼女を救えるのだろう……
けれどそこへ、剣を腰に挿し、ミシェルの前に立ったアニエスが皆を見渡して、
全員外へ出て行くようにうながすと、才人以外の三人の顔に、さっと緊張が走った。
「えっ、どうしてですか?」
才人は怪訝な顔をしたが、アニエスが再度反論を許さない口調で命令したので、
仕方なくこの小さな一軒家の外へと出て、無人の村の広場に降り注ぐ日光に身を晒した。
「どうしたんだろう? アニエスさん」
追い出されて、暑い日差しを手でさえぎりながら才人はいぶかしげにつぶやいた。
まだ、ミシェルさんから聞きたいことがあったのだろうか? けど、それならば別に
自分たちを追い出さなくてもよかったのに。
才人は、何かわからないが二人だけの話をするのだろうかと、ロングビルや
キュルケに聞いてみたが、二人とも不思議なことに視線をそらすばかりで、
仕方なくルイズに問いかけてみると、ルイズもまた、気まずく、沈痛な面持ちで
顔をそらそうとしたが、才人の何にも気づいていない顔を横目で見ると、ぽつりと
苦しげに答えた。
「サイト、ミシェルはいまや、トリステインにとっては反逆者、銃士隊にとっても
恥ずべき裏切り者なのよ。アニエスは、その銃士隊の隊長として……」
最後まで聞くことなく、才人は韋駄天のごとく駆け出していた。
アニエスとミシェル、二人だけになった部屋の中で、アニエスの抜いた剣が
ミシェルののどもとで冷たく輝く。
「ミシェル、わかっているな?」
「はい……」
乾いた声で返事をしながら、ミシェルは来るべきときが来たと、不思議と
明瞭な思考の中で、アニエスが突きつけてきた剣の意味を違えることなく
理解してうなづいた。
裏切り者には死の制裁を、それは軍隊という救いがたい残酷な組織の
中で、統率を守るための非情の掟。この前には、たとえ銃士隊といえども
例外ではない。
それに、かつてミシェルはワイルド星人の事件のときに、メイジであることと、
素性を偽っていたことをアニエスに知られてしまったときに、「どんな理由があるにせよ。
お前がこの国に仇なす存在になったら、私はお前を殺す。それだけは覚えておけ」
と、見逃してもらったときの約束も破ってしまっている。
「思い残すことは、ないか?」
「いいえ……」
「そうか……」
アニエスは、ミシェルの心臓に狙いをつけると、ゆっくりと剣を振りかぶっていった。
その剣先に焦点の合わない視線を向けても、もうミシェルの心に恐怖はわずかも
浮かんではこなかった。
「目をつぶれ」
それは、アニエスからミシェルへ向けた、せめてもの情けだったのだろう。
アニエスにとって、リッシュモンによって同じ苦しみと悲しみを味わわされてきた
ミシェルは、いわば鏡に映したもう一人の自分であったといってもいいのだ。
しかも、復讐を決意した自分とは裏腹に、真実を知らずに、もっとも憎むべき者の
ために人生の全てを利用されてきた。せめて、もうこれ以上苦しまなくてすむように、
安らかな眠りを……
だが、そこへ部屋のドアを蹴破るようにして、怒気を顔全体に張り付かせた才人が
飛び込んできて、アニエスに掴みかかった。
「なにをやってるんだ! あんたはあっ!!」
あと半瞬遅かったら、アニエスの剣は確実にミシェルの心臓を貫いていたことは
疑いようもない。しかし、アニエスは胸倉を掴もうとする才人を、彼よりずっと強い
腕力で振りほどき、昂然と言い放った。
「邪魔をするなサイト! これは我ら銃士隊の問題だ、お前には関係ない!」
その、烈火のような強烈な怒声は、いつもの才人であったなら、それだけで
腰を抜かしてしまいかねない圧倒的な迫力を噴出していたが、すでに怒りの
臨界点を超えている今の才人はひるまなかった。
「目の前で人が一人死ぬかどうかってときに、関係ないもなにもあるもんか!
あんた、自分が何しようとしているのかわかってんのか!!」
「当たり前だ! 誰が好き好んで自分の部下を殺したいなどと思うか!
だが、裏切り者を放っておいては銃士隊の規律が維持できん。それに、
どうせトリステインでは、すでにミシェルは反逆者として死罪が確定している。
ならばせめて、私の手で引導を渡してやるのが幸せという……」
「ふざけるな! 死んでなにが幸せだ、誰が救われるっていうんだ!!」
一歩たりとて譲らず、ミシェルをかばうようにアニエスの前に立ちふさがる
才人を、アニエスだけでなく、戻ってきたルイズたちも見つめる。誰も、
ここまで才人が怒りをあらわにするのを見たことがなかった。
支援です
えーと、すみませんがスレ残量を読み違えて、残りが投下できなさそうなので、新スレを立てて、そちらで続きを投下することにします。
「サイト、気持ちはわかるけど、これはもう個人の感情じゃどうにもならないのよ。
どういう理由があるにせよ、彼女はトリステインの法と、彼女を信じていた
人々の信頼を裏切ったんだから」
ルイズが、ミシェルを粛清するのはもうどうしようもない、決められた筋だと
言い聞かせようとしても、そんな正論で納得するほど才人の怒りは半端ではなかった。
「それがどうした! 私利私欲で裏切ったとかいうならともかく、ミシェルさんは、
ただだまされてただけじゃねえか! 散々苦しんで苦しんで、それでも悪い
世の中を変えようと、自分の全部を捨ててまで戦おうとしたのはなんのためだ、
そんな人がこれ以上、なんで貶められなきゃならないんだ!」
たとえ理不尽であろうが、そんな簡単に人の命を奪うことは絶対に許されない。
その身を唯一の盾として、才人はアニエスの白刃の前に立ち続けた。しかし、
その壁は内側から、守られるべき者の言葉の一弾によって揺さぶられた。
「サイト……もういい、私なんかのために、そこまで怒ってくれて本当に
うれしく思う。けれど、もうどこにも私のいる場所はないし、生きている意味も
なくなった。もう、疲れたから眠らせてくれ……」
全てをあきらめ、死の安寧を求めようとしている人間の願いを、しかし才人は
聞き入れはしなかった。
「寝とぼけたこと言うんじゃねえ! おれだって、着の身着のままで、このバカで
無茶で気まぐれで、嫉妬深くて、人使い荒くて気位ばかり高い貴族のとこに
召喚されたけど、それでも一応はうまくやってんだ!」
「こらサイトぉ! そりゃどういう意味よ!」
ルイズが怒鳴るのをとりあえず聞き流して、才人はなおも言う。
「生きている意味がないだって? たとえ裏になにがあったにせよ、あなたは
これまでずっといろんなものを守るために戦ってきたじゃないか、命を懸けて、
大勢の人を救ってきたじゃないか!」
「……けれど、もう私には、守るものなどなにもない」