あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part252
1 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :
2009/09/14(月) 23:59:38 ID:jBzGbz4a もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら? そんなifを語るスレ。
(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part251
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1252415914/ まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/ 避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/ _ ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
〃 `ヽ . ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
l lf小从} l / ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,. ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
((/} )犬({つ' ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
/ '"/_jl〉` j, ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
ヽ_/ィヘ_)〜′ ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
_
〃 ^ヽ ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
J{ ハ从{_, ・クロス元が18禁作品でも、SSの内容が非18禁なら本スレでいいわよ、でも
ノルノー゚ノjし 内容が18禁ならエロパロ板ゼロ魔スレで投下してね?
/く{ {丈} }つ ・クロス元がTYPE-MOON作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
l く/_jlム! | ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
レ-ヘじフ〜l ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。
. ,ィ =个=、 ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
〈_/´ ̄ `ヽ ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
{ {_jイ」/j」j〉 ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
ヽl| ゚ヮ゚ノj| ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
⊂j{不}lつ ・次スレは
>>950 か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
く7 {_}ハ> ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
‘ーrtァー’ ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。
>>1さん、乙彼さまでした。今は体を休めることだけを考えてください。 さて、次の任務ですが
>>1 乙さん、これからする私のお願いに、ハイかイエスでお答えください。
1乙 最近このスレに辿りついてwiki掲載作品読みふけってるとこなんだけど、感想掲示板とかないの? 更新途絶えてる作品への応援レスとかしたい
テンプレも読めないのか?
ゼロ魔とライダーがクロスしたら、ジョゼフはシャドームーンになるしかない。
そんなのは作者次第、きれいなジョゼフの作品だっていっぱいある。
泉の精ロボット「あなたが落としたのはこのきれいなジョゼフですか?」 サイト「いや、もっと汚いのです」 泉の精ロボット「正直に答えたご褒美にこのきれいなジョゼフを(ry」 泉の精「あなたが落としたのはこの性格も言動も穏やかで平民にも優しく 嫁の貰い手にもまるで困らない巨乳のエレオノールさんですか?」 ルイズ「…………いえ、私が落としたのは性格も言動もきつくて 特に平民相手には容赦の無いもうすぐ25だというのに 嫁の貰い手が見つからない貧乳のエレオノール姉様です。」 泉の精「正直に答えたご褒美に元のエレオノールをそのままお返ししましょう。」 ルイズ「なんで!?」
>>15 年齢詐称のせいじゃね? エレ姉さまは27だろう。
>15 その後、何故か全身濡れ鼠(おそらく水の中に落ちたためと思われる)ルイズが保護されたが、何が有ったのか、彼女は全くの別人としか思えない正確になっていたという。
アンアンとかシエスタ魔改造はよく見るが タルブ魔改造ってないな タルブにエリア88の連中が飛来しました(この村はエトランゼ……)…… タルブはイタリア人に占領されました(女口説くのはもはや習性)…… タルブは真っ赤に染め上げられました(マルクス的な意味で)…… とんでもないことになるな
タルブはいろんな世界からの遺物が渦巻く魔窟な気がするが ゼロ戦あったりジェットビートルあったりユベルが住み着いてたり魔王の骨があったり シエスタの爺さんもいろいろ居るしな
魔法学院なんてとんだ伏魔殿だよな・・・
宝物庫にはいったい幾つの破壊の〜があるのか
>>22 今現在、一番ヤバイ“破壊の〜”は何だっけ?
ベヘリットに一票
ウルージさん
魔王伝の「神の槍」 我双剣の「魔導書」 他サイトのだが、「小型核爆弾」 このあたりが普通にヤバイな
なぜかタルブにエウリュアロスの車輪が
>>1 乙
いまウルトラの人の最新話を読みおわったんだが、ワルドにてこ入れした結果が
『ワルドだったもの』へのクラスチェンジって微妙にてこ入れになってない気がしなくも無い。
まあワルドだからしかたないか。
破壊の武蔵
>>19 ジルのが異界人の村とか予告してたじゃないか
あの人のことだから期待通りムチャクチャしてくれるぞ
黒髪だからシエスタのじいさんがビリ―かもしれん。行方知れずだし
いや、シエスタが科学の子とかいってたから超近代都市とか
飛んできたのが佐々木のじいさんだけじゃなかったりな
シエスタはそんなとこから何しに来たんだw
質問なんだけど、このスレ的にクロス作品の舞台を丸ごと召喚しちゃうってありかな? 施設とか国とか大陸をハルケギニアの近くに出現させちゃって。 外交、異文化交流、戦争など上手く書ければかなり面白くなりそう。
>>32 わりかしお前は何故メイドをしている? ってシェスタは多いと思う
カイルロッドのイルダーナフとかなら上手く導いてくれそうだが
>>33 そう言うのはホント「やれるもんならやってみろ」と言うレベルの話だね。
それを起した事によってハルケギニア全体に与える影響や、それぞれの
国がどう動くとか、考えなきゃならない事が多いし。
それに、そう言うのってクロスさせる作品にもよるが、ゼロ魔蹂躙に発展
し易いのも困った所。
無論、逆パターンもだけど。
まあ何より一番の問題は、ゼロ魔の展開ガン無視のオリジナル展開を
考えなきゃならない可能性が非常に高いと言うか殆ど不可避と言う事だな。
>19 じいさん召喚して、 「この儂に仕入れできない物はない!アルビオンだって仕入れてみせるぜ! いや、有ったな……死んだ奴の命だけは仕入れ台帳に載ってない」 と、言わせるんですね、分かります
>>19 そうか?
タルブ無双の村になってるのとか冒険者の根拠になってるのとかあったとおもうけど
>>38 なんてSSですか?
SSのタイトルと元ネタ教えてください、読みたいです
>>27 でも実際あれは今から2400年は前の兵器なんだよなw
科学技術の発展してないハルケギニアでもダミッポスくんならエウリュアロスだとか水道設備だとかギリシア数学の布教だとかができそうだな
れで結局戦争に巻き込まれて
「ふっ…あんたらはすげぇよ。けどもっと…他にやる事ァはないのかい?」
青色輪廻からインフィニティー プライドだけでダメなルイズが死にまくるような話になりそうだ
なんだったら恐竜帝国丸ごと召喚すればいい。奴らならあんまり問題ないだろ。 うらーーー!全面戦争じゃぁぁぁ!!
恐竜帝国はマグマの中を潜行できる要塞を複数持ってて ランドウの協力があるとはいえ地球の自転を狂わすような巨大要塞作ったり はては遥かな未来世界の対ゲッター兵器すら完成させられる連中だぞ? ゲッターがいろんな意味で化け物すぎるから進化のためのエサにしかならないが
>>42 刻を超えてもう一つのハルケギニアが攻めてきた小ネタならある。
>>33 レッドサン・ゼロ・メイジ
でググってみるといい。
多分言ってるのと似たようなのが見れる
>>39 NTにあったFE聖戦とのクロスが、なんかそんな感じっぽい描写だった気が
あ、NTってNight Talkerの略なんで念のため。
恐竜帝国強いけど、采配でどうにでもなる 技術力は凄いけど生身を倒せないわけじゃないから魔法でも何とかできそうだな 特に重宝するのは土だろう。
むしろ同じファンタジーの世界であるバイストンウェルを丸ごと召喚するのも一興。 ドロドロした人間ドラマが繰り広げられるぜ!! でも、小説版のリーンの翼は勘弁なww アレはエロ過ぎるwww
バーン様がいらっしゃれば軽く産業革命してくれるはずだから、バイストンウェル召喚なんて難しいことに無くてもいいんじゃね? ていうか妖精さんたちが物凄いから召喚自体できなさそう
>>49 それバーンじゃなくてショットじゃね? バーン呼んでも産業革命ならんだろ
「此れは…終端の王と異世界の騎士達との壮大な戦いの序曲である」
>>49 ぶっちゃけ、世界扉が無くてもオーラロードで帰還できるからな。
そこら辺は最終回も作りやすいだろうし、何気に使い勝手がいい世界観かもしれんね。
オラの農土が拓かーれたー
>>39 幾つかあった気がするんだけど大方忘れちゃったな
wikiにあるブレイブストーリー / ゼロってのは多分そんなだった気がする
ファイナルファンタジータクティクスからムスタディオ・ブナンザ召喚したヤツ
ショット・ウェポンと、ゼット・ライトが居れば 産業革命が起こった事が、三行で説明される。
>>33 ここから出ていっちゃって、今は理想郷にあるカオスフレアクロスが異世界からの戦艦丸ごととの交流を
描いてたね。
あと、迷宮キングダムクロスはいつの間にかゼロ魔世界が迷宮世界に浸食されてる。
そうだったああああああああ ショット=ウェポンじゃんんんん この人ICチップとか普通につくって量産するんだよな
>>58 バーンはアレだよ、転落人生まっしぐらの泣けるライバルキャラだよ。
最終回でようやく主人公と相討ち出来て、何とか花を持たされたというw
ショット・ウェポンは名前は変だが、天才ではあるな。
ジョゼフに召喚されると相性いいだろうなww
>>49 バーン=バニングスか。
様が付いてるから大魔王の方かと思ったよ。
そうだ、バーンって黒騎士のことだった。速水だったな ショットはICチップのほかにも、動物から装甲やらバネやらとなんかわけ分からんくらい作り出して 挙句の果てに、禁忌のオーラバトラー作り出して、妖精さんに呪われるという怪人物 ルックスもイケメンだ
ハルケギニアだとオーラ力はどうなるんだろう
魔法があるからなぁ 同じか若干下がるんじゃないかな
オーラ力と魔法は強さの定義が違うから、単純に比較するのも難しいな。
地上だとオーラショットで核弾頭並みの威力なんだよな 昔のスパロボでは聖戦士は凄まじい優遇ぶりだったが最近はご無沙汰だな
>>65 EXか……懐かしいな。
まぁ、魔装機神の元ネタがオーラバトラーなわけで、魔装機神メインのEXで冷遇するわけにはいかなかったのでしょう。
第四次では早速調整が入ったし。
>>65 さすがに核弾頭はない。ショウが言ってたのは「ナパーム並」だったはず
第4次のサーバインはスパロボ史上最強のユニットの一つと言ってもよかった覚えが 射程以外欠点ないし終盤でも単騎で無双可能だった
バイストン・ウェルはオーラ力が抑制されている その抑制がない地上だとオーラマシンの戦闘力は跳ね上がる らしいからこの「抑制」に該当するものが無い限り ハルケギニアでもオーラ力は増大しそうだな
>>68 最大射程1じゃ、アレぐらい無双じゃないとバランスが取れないでしょ。
使ったけどさ。
そして、第四次の最強は、主人公の乗ったAサイサリスだと思う。
>>39 タブル村のなら・・・
『ゼロと聖石』の奴かな?
あの作品のタブル村の住人が
全員チョコボ乗りでFFのジョブ持ちだったかと
新しい村か
>>70 奇跡の核ですね
不思議エナジーだらけの世界でも結局核最強というのがなんというか
>タブル 突っ込んでいいのだろうか
>>42-43 聖地の地の底に、臨界状態のゲッタードラゴンが埋まってそうなw
もしくは、憚られる者を召喚したら『ドワオ!』するw
ゼロ魔はシリーズを続けるために、途中で無理やり設定を継ぎ足しているイメージが……粛清対象になりそうな危険な発言はストップしよう。 結局聖地には何が隠されているのだろうか……
>>75 真ゲッターが飛び去った先が火星じゃなくてハルケギニアだった件
ゼロの使い魔〜未完〜
ゲートというか、異次元への門みたいなのがあって、それが活発化してきたからビダーシャルが聖地に人間がいらん手出し しないようジョゼフのとこ来たはず。 まあ、今のところサイトの最終目的地だが、異次元のゲートってことはやっぱ空が割れたりするのかな。
もし彼岸島より明を召還したら 武器屋の親父にシュベー卿が鍛えた丸太を薦められるも奥から見る目のないルイズ達をあざ笑う声が 声のする方を見渡すと、特価品の山と積まれた丸太の中からひときわボロくカビついた丸太が 「もしかして・・・インテリジェンス・丸太?」 意思を持ち自ら喋る魔瑠太:デルフリンガーを片手に、明とルイズのハルケギニアの人々を吸血鬼ウイルスから 守る冒険が今、幕を開け・・・! なんてネタはもう出たのだろうか
81 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2009/09/15(火) 23:35:19 ID:KJfOA9zK
>55 原作で別にバイストンウェルで産業革命レベルまでの事は起こってない件 あくまでも軍用のオーラマシンがそこそこ量産されただけの範疇
のんのん、 バイストンがハルキギニャーに世界ごと召喚されれば、 ショットとゼットが産業革命を起こし、それを三行で 説明してくれるんじゃね? って戯言よ
>>80 あの世界の最強武器は丸太だからなあ
どうやって持ち歩くんだろう
ハルケギニアのオーラマシンの原料はなんでしょう?
火トカ(ry
ハルケギニアを蹂躙できそうな世界はたくさんあるだろうけど 近代化に導ける世界はあんまりなさそう。
>>80 だいぶ前に師匠召喚とか言うレスでインテリジェンス丸太ネタは出てたェ
一応言うと丸太だけじゃなく明は凄ェ日本刀の使い手でもある
ちょっと質問があります。 現在あるゲームの作品のキャラを召還するssの構想を思いついたんですが、 その作品がフリーゲームだった場合ってどうしたらいいんでしょう? 「月夜に響くノクターン」って作品からの召還なんですけど。
>>86 そこでグエン・ラインフォードを召喚だ
ギーシュあたりが女装させられそうだがw
>>88 一応ここが2ちゃんである事を考慮にいれた方がいい。
ぶっちゃけ、結構忌避されやすい行動である「個人サイトを2ちゃんに晒す」事に
繋がりかねないし、それが元で先方に迷惑がかかったら元も子もない。
従って、そう言うのを使うのは避けた方が無難だね。。
別にいいんじゃない?
いまさら何を言っている
>>89 ロラン→ローラとなったように、ギーシュGuiche→ギネヴィアGuinevereみたいに呼ばれるのだな
>19 外部サイトで真っ赤に染まったダルブと愉快な革命家たちが投下サレテイマス >89 ふとハルケギニアの月にはムーンレィスが住んでるのかなと思った
そんなにアンリエッタが好きかァァァーーーーッッッ!!!!
仮面ライダースピリッツだと核弾頭の怪人が眠ってた気ガス
ありゃどこの御大将!?
>>19 軍事板の『ゼロの使い魔』を軍事的に考察するスレ
でソ連軍が召喚されて無駄に詳しい設定で真っ赤にされてるのなら見たことがある
ハルケギニアに赤化革命の波が まず主要人物の9割が処刑されるな
ぶっちゃけた話、共産革命ってのは産業が十分に発達してることが前提の気がする。 イギリスとか見ても貴族と富裕層ってのは別って気がするし。
>>100 知ってるか?今時の貴族ってのはスタバで店員やってたりするのもいるらしいぜ……
お金と友達でない貴族は庶民的な暮らしで精一杯らしいわ。昔でも公爵に位が上がるのを金かかるから辞退した人もいるとか。
>>96 カメバズーカだっけ
核弾頭による自爆テロ怪人とは今じゃ自粛されそうな怪人だな
ワルド対カメバズーカ
>>101 貴族の伝統を維持するのだけでもかなりの出費らしいな
城を観光用に使って自分たちは使用人の小屋みたいなとこに住んだりとか
結構前にハイデルベルク城やCC社観光ツアーとかあったなあ ハイデルベルグ城とか廃墟フェチ的な人気があるんだっけか
世知辛いな。ルイズが知ったら泣くぞ、多分。
現代じゃ領地とかないし税金とかとれないし城とか持ってたら金どんどんかかるし人雇うと金かかるし 資産運用だけで食っていけるような貴族はほぼ無い ハルケギニアなら政治にも関われるし貴族主義まくりだから大丈夫だろ
貴族としての誇りが足りないからそうなったんだ、とか言いそう。 あくまで他のとこの話で、ヴァリエール家はそんなふうにはならないと本気で思ってそう。
>>100 そういった重要な部分がスッポリ抜けているからKAKUMEI(笑)になる訳で…
“理想郷の鳥革”や“なろうの科学者ギーシュ”の出来なんかもう……ねw
>>94 >真っ赤に染まったダルブと愉快な革命家たちが投下サレテイマス
シエスタ「貴族に味方する者はタルブで一生ワイン作りだ!」
ジェシカ「我らの革命を邪魔する貴族の杖などへし折ってしまえ!」
サイト「しかしタバサは特別なので我らの同志にしよう!」
こうですね、わかりません。
サイト「ypaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa」 民衆「ypaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa」 こうなるとそこら辺の貴族が10万人位レイプされる勢いだよな。 どこぞのベルリンみたいに
どうでもいいけどWiki仕様変わった? びっくりした
民主主義も国民が賢いこと前提だしね 日本みたいに半分以上が選挙に行かず、4分の一がマスコミの言うがまま、、 10分の一が反日宗教なんてとこでは国が滅ぶだけ あの世界で王制が主流なのはそれが最善だから
病気の子供がいます けれどその国では手術をする医師を国民が選挙で決めることになっています 立候補したのは口のうまいA先生と腕の良いB先生 結局A先生が当選しましたが手術は失敗し子供は死んでしまいました これは国民の責任といえるでしょう もしこれが専門知識のある医師集団だけで行われていたら結果は違ったでしょうに しかし一般人にはそんなことは分からないのです 世の中にはこういう言い訳をして選挙に行かない人もいるぞw
民主主義における政治家は国民のツールであってママじゃないって事だな 国民が自身の権利と義務と責任を自覚してないと衆愚政治に陥るだけ。 そう簡単に変われるモンじゃないだろうな
いまじゃググれって言われただけで怒る輩も多いし 知る権利に限らず権利の何たるかを履き違えている人間は多いね まあ、どの時代もそんなに変わらないけれど
取りあえず下手に政治ネタを扱わん方がいいってことは分かった
最善かどうかではなく力を持っているのが誰かで政治形態は決まる 古代ギリシャは歩兵が主力だから歩兵となる平民も政治に参加できた その後馬具の発達で騎兵が主力になると馬を育てられる貴族が権力を持ち 戦争が大規模になり軍に金がかかるようになると王などにしか軍が持てず絶対王政が誕生した ハルケギニアではメイジが主力なので平民の権力は無く王権も弱く貴族の力が強い ジョゼフは強力なガーゴイルを量産していたが あのまま量産して軍の主力をガーゴイルにしていれば 貴族達には作る技術も財力もないのでハルケギニア初の絶対王政が誕生していただろう
>“理想郷の鳥革”や“なろうの科学者ギーシュ”の出来なんかもう……ねw 革命記は考えてると思うがなあ どう見てもバッドエンド一直線なとことか
120 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2009/09/16(水) 09:19:16 ID:ff/CjBYH
ガーゴイルで自爆攻撃なんかしてたら もはやファンタジーでもなんでもなくなるな
>>120 ヤムチャ召喚→ギーシュ戦でワルキューレを圧倒→倒したと思ったワルキューレが抱きついて自爆→完
と言う連想が
王女来訪の夜、突然の嵐により学園は出る事も入る事もかなわぬ地と化した。 そんな中、巻き起こる殺人事件。 そしてタバサは言う。 「黄金の魔女は居る うー」 アツい論激バトルで永遠の魔女を打ち倒せ! あれ?最後の一文で違う作品になってしまったな?
かまいたちの夜2と聞いて
> 論激バトル スクラップドプリンセスRPGとかあったっけなぁ……
>論激バトル 愛の共産化って思想は一部の人に受けそうだ。
そろそろ本気でハルケギニアに侵攻しないとな
誰かハルキキャラをハルケギニアに呼んで 様々な問答の末に射精させないかな
>>128 錬金と、杖を振り下ろして爆発しなければ成功。爆発したら失敗。やれやれ。つまりルイズ、君は失敗したんだ。
僕は射精した。
こんな感じか
理想郷の革命モノを読んでいるとハルケギニア、というかトリステインの貴族はどのくらいが我々で言う所の『貴族の義務』と言う物を理解・実行しているのかが気になる。 まさか大多数が平民を見下して、力で押さえつけているだけとは思いたくないが……学園の生徒は年若く経験がないだけ、と思いたい。
>>132 V3クロスのもう一人の左手も平民への理不尽、見下しや蔑視はかなりエグいというか上手いと思うよ
もう別の生き物というか隔絶してるよ
年々国力が減衰してるとかいう発言があるから、少なくとも「貴族の誇りだ」とかいって見栄を張る貴族が多いというのは容易に想像出来る。
『貴族の義務』を『平民より良い暮らしをする義務』だと思ってる奴は多そうだ
>>132 いや、革命物は貴族=悪でないと話が盛り上がらないからそうしているだけであって。
原作でもチュレンヌみたいなちょい悪とか、リッシュモンみたいな売国奴がクローズアップされてるからしやすいんだろうけどな……
普通に考えて6000年も血が変わらずに国が続いている時点で上手い具合に政治が行われているのは間違いないだろ。
圧政敷いたら領民は逃げるぞ。逃げたら領地から取れる作物も取れなくなるわけで。
ある程度領民に施しをはしとかないと困るのは領主本人だから、それすら分かってない奴は土地もらえてないんじゃね?
>>134 王不在で衰退しない方が変という見方もできるんじゃね?
137 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2009/09/16(水) 11:16:41 ID:vm0DUCNv
>132 他所の感想はその現地でするこった
>>136 > 普通に考えて6000年も血が変わらずに国が続いている時点で上手い具合に政治が行われているのは間違いないだろ。
虚無が現れるのは王政が危うくなったときだったりして
ジョゼフやティファニアはイレギュラーとか
王とかで思ったんだが、ガッシュも王族だよな 金色のガッシュから召喚ってあったっけ? ルイズが魔本持ったりすると面白そうなんだけど
ゼオンとか召喚されてたような
>>140 なんか知らんけどルイズがバルギルドザケルガで拷問されてるのが浮かんだ
ジョゼフやティファニアとかみたいに王族の血が流れているのは結構いそうだと思う とりあえずブリミル的には強くてルビーとアイテム持ってるのが王族になればいいんでしょ あとは勝手に歴史が裁いてくれるよ
ガッシュならメインキャラ以外だと 人外な真の姿かつ人型になれるアシュロンかレインが召還したら動きやすそうだ
>>138 今のところブリミル本人を除いて、ルイズ達以前に虚無の魔法を使えた担い手に関する詳しい言及はゼロだからね。
あるのはビダーシャルの発言だけだし。
後、6千年も続いてるっていうのは”ああそういうもんですか”と軽く受け流しとくのが一番良いんでしょうねえ。
「ぶるぁぁぁぁぁ! きさーまぁ! このV様をよりにもよって使い魔だとぉ? この美しいVの字を見て反省するがよい!」 ビシィ!
>>119 革命後の内ゲバでシエスタが粛清されて吊されたり、メイジ追放の弊害で飢饉や疫病が蔓延、盗賊やオークの襲撃で地方壊滅
疲弊しきった所でガリア・ゲルマニアが侵攻、革命政府崩壊してトリスティンは6000年の歴史に幕を閉じた…
ココまで出来れば評価は大幅に変わるだろうけど、多分無理だろうなw
スレ違い気味なので革命繋がりでレトロSTGゲーム「ゲバラ」から
ゲバラ(1P)とカストロ(2P)を召喚!
フーケやレイナールが仲間になってるくらいだから、メイジ追放は無いと思うけど
定期的に沸くけど、 そんなに革命好きなん?
>>148 現時点でのハルケギニアの政治体制がアレ過ぎるのと単なる「定期的に沸く話題のひとつ」なのでしょう
メカメンテ話や医者話とおんなじ
この流れをきる投下があればいいんだろうが
ガンダムネタか… 声優つながりでルイズがネーナ・トリニティを召喚… ネーナの場合、表面的には従順に仕えてくれそうだな。 お嬢様とか呼ばせてたらそのうち裏切られて撃ち殺されそうだけど。
ガンダムネタならトレーズ様が喚ばれたのはよかった。 ゼクスやリリーナを喚ぶとまた違ってくるだろうけど
くぎゅ繋がりなら三千院ナギを召喚 「働いたら負けだと思ってる」
ガンダム系で貴族系だとトレーズとかカロッゾとかハマーンとかドズルなどか 使われる側ならロランとか ドズル召喚…肉弾戦が強くなって情に厚くなって色仕掛けが利かなくなるぐらいか
「ゼロの使い魔 ルイズの野望 ヴァシュタール独立戦記」
>>156 間違えた
「ゼロの使い魔 ルイズの野望 ヴァリエール独立戦記」でした
ヴァシュタールではルイズが「美しき夜!それは幻ではない!」なんてなってしまう
ここは野望の王国から召喚だな
ゼロの使い魔 ルイズの野望 ブリミルの系譜でいいお
>>149 むしろちょっと駄目な統治者が出ても戦争が起こっても、政情不安になって治安悪化したりテロが起こったりもしない恐ろしく安定した政治体制です
こんにちは。予約がなければ1450あたりから投下してもいいでしょうか
第4話 翌朝、早々に目覚めた陽子はとりあえずいいつけを済ませようと、そっとルイズの部屋を抜け出した。 広い廊下を歩きながら周囲を見て回るが、無駄に大きな城は何がどこにあるのかさっぱりわからない。 「・・・さて、水場はどこにあるんだろう」 少し困ったようにひとりごちた陽子に、冗祐が助言する。 「使用人をつかまえて訊いたほうが早いのでは?」 「そうだな、これだけ広いのなら働いている人も大勢いるか・・・」 「ならば丑の方角に、人が」 「わかった、ありがとう」 教えられた方向へ向かえば、遠くから人影が向かってくるのが見えた。彼女――――どうやら女性だ――――は陽子に気づくと軽く目を見張って、にこりと笑んだ。 切りそろえられた黒髪と白い肌に散ったそばかすの愛らしい、陽子とそう歳の変わりなさそうな少女だ。 「お早うございます。・・・えーと、新しい使用人の方ですか?」 陽子は苦笑して首を振る。 「お早う、・・・わたしは使用人ではないよ。どうやら昨日、ルイズという子に召喚されたらしくって」 「まあ。・・・それじゃ、あなたがミス・ヴァリエールの使い魔さんですか?」 驚いた様子の少女に、陽子は苦笑したまま尋ねる。 「・・・もう、そんなに有名か?」 「ええ。召喚の魔法で平民を呼んでしまったって、それは噂になっていますわ」 「そうか・・・」 どうやら人間が召喚されたことは本当に珍しいことらしい。これはしばらくは見世物かなと辟易する陽子に、少女が小首を傾げた。 「それで、ミス・ヴァリエールの使い魔さんは、こんなに早くにどうされたんですか?」 「ああ、彼女に洗濯を申し付けられて・・・そうだ、すまないけれど、洗濯する場所を教えてもらえないか?」 少女はそうですかと屈託なく笑んで、片手に下げた籠を示してみせる。中にはシーツか何かだろうか、白い布が丸められて詰め込まれていた。 「わかりました。私も丁度向かうところだったんです。一緒に参りましょうか」 「助かる。・・・わたしは中陽子。あなたは?」 少女は珍しいお名前ですねとにっこりして、先導して歩き出した。 「シエスタと申します。平民同士、これからよろしくお願いしますね、ヨウシさん」
他愛無い話をしつつ洗濯をしながら、陽子はシエスタにうまく表現できない不思議な感覚を覚えていた。 無礼にならないように気をつけてはいたが、あまりに視線をやるのでシエスタも見られていることに気づき、少々居心地が悪そうに訊ねる。 「・・・あの、ヨウシさん?私に何かついてますか?」 「・・・あ!・・・いや、」 ぶしつけを恥じるように陽子は視線を逸らし、そしてようやく彼女に感じるものが何かに思い至る。――――郷愁、だ。 「・・・じろじろ見てしまってごめん。なんだか、懐かしい気がして。・・・わたしが昔住んでいたところの人々が、シエスタのような綺麗な黒髪をしていたんだ」 「まあ、そうなんですか」 シエスタはわずか陽子にさした影に気づかぬ振りで笑って見せた。召喚というものがどういうものか、学院に住み込みで奉仕しているシエスタは多少ではあるが知っている。 シエスタと同年代か少し下のように見えるこの少年は、いきなり家族や友人や馴染んだ場所から引き離されたのだ。心細い中に懐かしさを感じるものを見つければ気にもなるだろう。 それにシエスタは曽祖父譲りの髪色を気に入っていたので、褒められたことは単純に嬉しかった。 「この色、珍しいでしょう。曾お祖父ちゃん譲りなんです。私の地元でも、この髪は私の家族だけなんですよ。 もしかしたら、ウチの曾お祖父ちゃんとヨウシさん、同郷だったのかもしれませんね」 「・・・・・・だったら、面白いね」 苦笑交じりに答える陽子に、シエスタは余計なことを云ってしまったことを悟る。 ふるさとのことはタブーなのかしら――――召喚されてしまった身であるならばそれもあるのかもしれない、あるいはもっと複雑な事情かもと考えて、シエスタは話題を変えることにした。 「ところで、人が使い魔として召喚されるなんて今までになかったって話ですけれど、ミス・ヴァリエールはヨウシさんになんておっしゃっていました?」 「ああ・・・」 陽子は思い出すようにすいと視線を上に向ける。 「・・・そうだね、普通人が召喚されることはないって云っていたな。それで、使い魔は主人の目となり耳となり、そして主人を守る存在だって云ってたけど、わたしには無理だから雑用とかをやるようにって」 「まあ。それじゃ、使い魔というよりは使用人に近いんですね。そうですよね、幾ら何でも人間にそんな危ないことはさせられませんよね」 「そうだね。・・・よし、シエスタ、これで洗濯物は全部?」 ぱん、と最後のシーツの水気をきって、陽子はシエスタを見た。シエスタは空の籠を見下ろし、笑顔でシーツを受け取る。 「はい、これでお終いです。・・・すみません、私の分まで手伝ってもらっちゃって」 陽子も薄く笑んで答える。 「案内してもらったお礼代わりに。また何かあったら頼りに行ってしまうかもしれないし」 「ああ、それならいつでもいらしてください。私、基本的に厨房周りにいますから。もしいなくても厨房の誰かに聞けばどこにいるか教えてもらえると思います。それから、」 シエスタは陽子の脇に絞ってある白いレースを手に取った。 「ついでに、これも干しときますね。乾いたらミス・ヴァリエールのお部屋まで持っていきますので」 少し迷ったが、陽子は素直にシエスタの好意を受けることにした。 「ありがとう。じゃあ、お願いしても構わないかな」 「どういたしまして。それでは、私戻りますね」 「うん、ありがとう、シエスタ」 「いいえ。それでは」 礼をしてぱたぱたと駆けていくシエスタの背を見送り、さて、陽子は聳え立つ白亜の城を見上げた。金波宮とはまるで違う建築様式で造られた城は朝日を受けきらきらと輝いている。 「・・・それじゃ、お姫様を起こしにいこうか。そろそろ良い時間だろう」 呟いて、朝特有のざわめきに溢れ出す城をストロベリーブロンドの髪の少女の元へと歩き出した。
「ルイズ。ルイズ、朝だよ」 「んー・・・。あと5分・・・・・・」 「・・・どこかで見た光景ですね」 「煩いぞ冗祐」 余計なことを呟く使令を黙らせて陽子はルイズを呼ぶ。少女はむにゃむにゃとなにやら呟いて顔をしかめ、むーと寝返りをうち朝日に背を向けた。意外に寝起きはよくないようだ。 「ルイズ。そろそろ起きないと、遅れてしまうんじゃないか?起きて、ルイズ」 「うー・・・。うるさいわねえ・・・」 身体を軽く揺さぶられ、とうとう観念したようにルイズがむっくりと起き上がる。手の甲でこしこしと目元をこすると、ようやくそこで陽子の存在に気づく。 「ひぇっ?!あ、あんた誰よ?!どういう訳で私の部屋に入ってきてるの?!」 「・・・どういう、って。ルイズが起こせと云ったんだろう」 悲鳴さえ上げられて、陽子は流石に呆れ返る。盛大に寝惚けているにしても忘れられているとは思わなかった。 「あなたが昨日召喚した使い魔だ。もう一度自己紹介が必要か?」 「・・・・・・・・・。あー。・・・あー・・・、そうだったわね。・・・いいえ、自己紹介は必要ないわ」 ルイズは可愛らしく欠伸をしながら、ベッドの上に座り込んだ。服、と単語だけで命じられ、陽子はベッド脇の制服を彼女に渡す。 「下着」 制服を受け取ったルイズは次いでそう告げた。まだ眠たそうで、とてものこと意識がはっきりしているとは思えない。 「どこにあるの?」 「そこのー、クローゼットのー、一番下の引き出しに入ってる」 妙に間延びした口調に苦笑を噛み殺しながら適当に一揃い取り出して彼女に渡す。ルイズはのっそりした動きで下着を身につけた。 「服」 「その服は違うの?」 「着せて」 こどもではあるまいしと陽子は呆れたが、はたと思いついてなまぬるい顔をする。・・・そういえば、王になった直後はいつでもどこでも女官がついてまわり、なんでもやろうとしてくれたことを思い出す。 特に陽子を着飾らせることについてはそれが使命とばかりにものすごく燃えており、どれだけ簡素な格好で赦してもらうかが重大な問題だった。ちなみにその攻防戦は現在進行形である。 (・・・・・・そんなもんなんだろうか) どうせ同性なんだしと陽子はいまだ寝惚け眼のルイズにブラウスを着せだした。 老人ホームのボランティアで要介護者の着替えを手伝ったときのことを思い出しつつだったことは、ルイズには云わないほうがいいかもしれない。
以上です。前回も支援くれた人ありがとうございました
投下乙!
168 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2009/09/16(水) 16:22:17 ID:S6nIKJo8
偉大なるロードスを汚すブラムドを呼んだバカは死んだか? くそつまらんうえに表現力も描写力も皆無なクソ作品はとっとと削除しようぜ
毒吐きへ行け、あとsageろ
赤の女王の人乙です!
なぜおっさんを下げたんだ
ごめん誤爆した
乙 そういや陽子は雁に行くまでの道中いろんな仕事をやってたな。 そりゃ使用人の仕事ぐらいそつなくこなすだろう。
乙でした このあたりはサイトと大差ないな。 というか、もろもろの作品の強力キャラがゼロ魔のキャラ相手に苦戦してるの見ると、 サイトはほんとはすごいやつなんじゃないかと思ってしまう。
あまりフルボッコ過ぎても一方的な感じがしてしまうからゼロ魔キャラのレベルを上げてる作品も結構ある。 ジョジョクロススレのギーシュとかスンゴイ策士だったりするよ。 さらに輪をかけてマンモーニだったりもするがw
偉w大wなwるww …っつわれるから煽りにしてももーちょっとなんつーかなぁ。 ところで遅レスだが>32を見て思ったんだ。 ハイパーシエスタがメイドしてるのは多分、外の常識を学びにじゃないかな。 きっと雇われた当初は色々問題児だったんだよ…
>>169 168はロードス信者を装った荒らしだろうから、そんなやつを毒吐きに送るな。
毒吐きは荒らしの掃き溜めじゃないんだ。
いい加減エレオノールの婿をルイズが召還しろよ。 あいつを見てるだけでなんか誰か婿になってやれよとしか考えられないんだ
あんなキッツい女を許容できる心の広いキャラに心当たりがありません。
黒魔んとこのクジャがエレ姉さまと唯一フラグ立ててるかねぇ? 後は……微妙?
それでもユーゼスなら・・ ユーゼスならきっと何とかしてくれる・・
悟飯とちぃ姉さまとエレ姉さまで三角関係に発展しそうだったな
トレーズでも大丈夫だな
まったく食いしん坊だな
ギュスターヴ相手ならしおらしくなるかなぁ
それでもガンダムキャラのイケメンなら・・・ イケメンならなんとかしてくれる・・・! ガトーが。
フェイスレスとか勝とか鳴海なら…
鳴海兄ちゃんがいつかしろがねと一緒に呼ばれるのをずっと期待して待ってる
>>187 ガンダムでイケメンって言うからサエン・コジマかと思ったじゃねーか。
チャラ男とセットでお買い得。
>>189 いや、これはアレだ。
よく好きなキャラを嫁にしたいと言う奴がいるが、
本当にその彼女の幸せを願うのなら自分よりももっと良い相手を見つけてやるべき、って心理と見た。
FF6のロックでどうだ。いろんなところでフラグ立ててそうだけど
>>192 幸せにする自信が無いから他人に彼女を奪われても良いと言うのね、意気地なし!
とか言ってみたいよね、俺は男だから口調のお陰で面白くもなって完璧だぜ。
>>191 イケメンっていったら最近のガンダムでなら結構居るだろ。
せっちゃんとかキラ(SEEDのみ)とかシン・アスカとか。
まあシンはすぐキレてちぃ姉さまに転びそうだけど。
ブライトさんが来たら何回胃薬を頼るだろうか
そして何回ビンタをお見舞いするだろうか
バスクが召喚されたネタは面白かったなあ なにかというと鉄拳が飛ぶ
「ちぃ姉さまにもぶたれたことが無いのに!」
「エレオノール姉さまにもつねられたことあるのに!」 「母さまにもぶっ飛ばされたことあるのに!」
「それが甘ったれなんだ!殴られもせずに嫁にもらえた奴がどこにいるものか!」
エレオノールになぁぁ、夫が出来るわきゃねぇだろォォーーーッッ!!
避難所にいったら、代理投稿願いが出されてた 俺のパソコン規制くらってるから、だれか代理の代理頼むわ
避難所にいったら、削除依頼が出されてた タグスレで話し会ってるから、だれか事態の収拾頼むわ
>202 「その道理、私の無理で抉じ開けるっ!」
プリキュアの人と名乗るのが削除依頼出してたが、文体が汚いし、なんか偽物ぽい。 つい前も残り滓の人の偽物がいたし、荒らしの次の手口か?
「あなたがSSを作ってこられたのは、 ルイズ様を萌えると言う誇りがあったからでしょう!?」 「その誇りをくれたのもルイズなら、奪ったのもルイズなのだ! エレオノールに労いの言葉一つも無くサイトに添い遂げたんだよ!」 「そんなルイズの為にSSを作る貴様に、この私は萌えらせれん!」 「萌えます、萌えませますっ!!」
サイトの犯した過ち(浮気)は、ルイズ・フランソワ・ド・ヴァリエールが粛清する!
TALESの代理投稿してもいいの?
原稿を書き上げて投稿しようとしたら、規制を受けました 誰か、代理投稿をお願いします 召還キャラは、テイルズオブシリーズから、クラース・F・レスター(+才人)を召還 タイトルは「TALES OF ZERO」プロローグ前編・幻想の世界で10レス使います
する人居るようだから俺は引っ込むねノシ
支援する
214 :
210 :2009/09/16(水) 23:33:46 ID:q1vIs07x
プロローグ前編 幻想の世界 この世に悪があるとすれば、それは人の心だ エドワード・D・モリスン ・・・・・・・・・・・・・・・ アセリア・・・そこはマナに祝福され、天空に二つの月が存在する世界 かつて、この世界に一人の異邦人が降り立った・・・その名はダオス ダオスは、魔族や魔物達を率いて、人類との戦いを始めた 過去、現在、未来・・・時を超えて続く戦いは、6人の勇者達によって幕を閉じる クレス・アルベイン ミント・アドネード チェスター・バークライト アーチェ・クライン クラース・F・レスター 藤林すず 激しい死闘の末、ダオスを制する勇者達・・・これで、世界は救われると思われた だが、ダオスの死は別の世界の終わりを意味していた 彼の故郷である、デリス・カーラーン・・・そこに生きる人々の死を 勇者達はダオスの使命を知り、マナの流出を防ぐ結界を世界樹・ユグドラシルに張る 彼の故郷を救う唯一の方法であるマナの結晶『大いなる実り』が生まれるように 悲しき魔王の故郷が、救われる事を信じて・・・・・・ そして、勇者達はそれぞれの時間へと帰り、己の時を過ごし始める アセリア歴4205年・・・後世の歴史書に記されるダオス軍との戦い、ヴァルハラ戦役から3年後 この物語は時空戦士の一人、クラース・F・レスターの住むユークリッド村から始まる
>>198 なにかというと華山獄握爪が飛ぶと申したか
ナギ・スプリングフィールドが九年前に記憶を失ってハルケギニアに来ててエレオノールと大喧嘩の末に結婚、今はルイズの義兄という話が俺の脳内にあるが 問題はルイズに召喚されるのがオリキャラなのでここに書けないということだ
「うむ・・・また失敗か。」 ユークリッド村、クラース魔法修練所・・・その地下にあるクラースの研究室 時空戦士の一人、クラース・F・レスターは頭を悩ませていた 「可笑しいな・・・理論的には、間違っていないはずだが…なら、詠唱に問題が…。」 目の前の魔法陣と書物を交互に見ながら、クラースは考える ダオスとの戦いから三年後の現在、彼は新たな召還術を習得しようとしていた テーマはこの世界において、未だ契約していない未知の精霊達との契約である 「伝承によると、セルシウスやヴェリウスといった精霊達がいるとあるのだが・・・。」 しかし、伝承に存在するだけで、何処にいるのかは解らない ならば、此方から呼び出そうと、此処で召還の儀式を行っていた だが、何度やっても精霊は呼びかけには応えない 「やはり、伝承だけの存在なのだろうか・・・・・・いや、そう結論付けるのはまだ早いな。」 クラースは呼吸を整えると、もう一度召還の儀式を行う事にした これまで何度も失敗したが、こうなれば成功するまで続ければ良いのだ 「我が名はクラース・F・レスター・・・指輪の盟約により、この儀式を司りし者なり。」 詠唱が始まると、目の前の魔方陣が輝きだす…此処までは順調だ が、次からが問題である…精霊が自分の呼びかけに答えるか否か 失敗なら、魔方陣はその輝きを失ってしまう 「今はまだ姿を見せぬ精霊よ、我が声に耳を傾け…此処に現れたまえ…そして我と契約を交わさん。」 先程までは、此処で魔方陣の光は消えたのだが、まだ魔方陣は輝きを失っていない クラースは焦らずに精神を研ぎ澄まし、詠唱を唱え続け……そして 「出でよ……心を司りし精霊・ヴェリウス!!!」 力強く精霊の名を叫ぶ・・・すると、魔法陣から眩い光が溢れだした 今までとは違う強い光にクラースは目を瞑るが、確信する 「来たか、未知なる精霊が!?」 やがて、光が収束していき・・・クラースは目を開けた そこには、誰も見たことのない精霊の姿が・・・ 「なっ・・・これは!?」 精霊は何処にもいない・・・いるのは、一人の少年だけだった 見たことのない服を纏い、分厚いノートらしきものを持って仰向けに倒れている 「子ども・・・まさか、呼び出されたのはこの子なのか?」 もう一度辺りを見回すが、精霊らしき姿は何処にも見えない 結局、成功するかと思われた召還も失敗に終わってしまった 「また失敗か…いや、それよりもまずはこの少年の安全を確認せねばな…。」 クラースは自分が呼び出してしまったであろう少年の無事を確認するべく、傍へ歩み寄った
「おい…君、大丈夫か?」 少年…平賀才人が、気が付いた時に聞いた第一声はそれだった 誰かが自分を呼んでいる…そして、背中の感触から自分は倒れている 「(あれ…俺は一体……。)」 才人は目を瞑ったまま、己の記憶の糸を辿ってみる 確か、修理されたパソコンを受け取って、家に帰る途中に… 「(急に景色が歪んだ気がして…それで……。)」 「おい、返事をしろ!!」 思い返していると、再び自分を呼ぶ声が聞こえ、体を強く揺らし始める 才人はとりあえず思考を一度中止し、呼びかけに答える為に目を開けた 「ん、此処は……。」 「気が付いたようだな。」 目を開けると、才人を覗き込むクラースの姿があった クラースの独特の格好を見て、才人の第一印象は・・・ 「(何だ、このおっさん…いい歳こいてコスプレかよ。)」 そう思った才人は起き上がると辺りを見回し、自分が建物の中にいる事に気付いた そして最後に、足下に描かれていた召還用の魔法陣へと視線をおとす 「(うわっ、何だか本格的だな…もしかして、黒魔術とかってやつ?)」 「見た所、怪我はないようだな…君の名前は?」 才人が戸惑っていると、クラースが名前を尋ねる どう答えれば解らず、才人は不安から返事を返せなかった 「…っと、まずは自分から名を名乗るのが礼儀だったな…私の名はクラース・F・レスター、此処で学者をしているものだ。」 「えっと、その…俺、平賀才人って言います…って、日本語分かりますよね?」 「ん、日本語…まあいい、君の名は平賀才人君と言うのだな。」 クラースが名乗った事で、不安ながらも才人は自分の名を告げる しかし、東京の街を歩いていた自分が、何故こんな所にいるのだろうか 「あ、あの……俺はどうしてこんな…。」 「クラース、新しい召還術は成功したの?」 才人がそれを尋ねようとした時、今度は上の方から女性の声が聞こえてくる その中にある聞き慣れない単語に、才人は首を傾げる 「(召還術?召還術ってどういう事だ?)」 「ミラルドか……すまんが、お茶を用意してくれないか、予想外の事が起こったんだ。」 クラースの返答に「解ったわ。」との返事が聞こえ、足音が遠ざかっていく それが聞こえなくなった後、クラースははぁ、と溜息をついて才人を見る 「此処で立ち話もなんだ、突然の事で驚いているかもしれんが、上で話をしよう。」 「えっ…は、はい。」 取りあえず返事を出した才人は、クラースと一緒にこの地下室から上へと出る事になった
テイルズ知らんから横文字に漢字と平仮名の人が混じってて噴いた支援w
「はい、どうぞ。」 「あっ、どうも。」 上に上ってしばらく経った後、居間に案内された才人は女性からお茶を受け取った 彼女の名はミラルド・・・クラースと共に此処で暮らしている女性だ 今ではようやくクラースと結婚し、レスターの性を名乗っている 「(何なんだろう、この人達…変だけど悪い人達ってわけじゃなさそうだし…それに此処は何処なんだ?)」 自分でも賢くないと思っている頭で現状について考えつつ、受け取ったお茶を飲む あっ、これ美味しいや…などと思った後、兎に角此処が何処なのか尋ねる事にする 「あの…此処は一体何処なんですか?」 「此処はユークリッド村…ユークリッド大陸のほぼ中央にあるのどかな村だ。」 「ユークリッド村?」 何だそれ、此処は東京じゃないのか…才人は視線を近くの窓に向ける 窓の外には、青い空と田舎の村といったのどかな風景の一部が見えている 東京に、こんな景色が見える場所なんてあっただろうか? 「それで…俺、何でこんな所にいるんですか?」 「ん?ああ、それはだな……うむ、その…。」 才人の問いに、クラースは答えに戸惑って歯切れが悪くなる 「クラース…貴方のせいで、この子こんな所に着ちゃったんだから、ちゃんと説明しないと。」 「まあ、そうなんだが…しかし、理論は間違っていなかったのに、何故彼が呼び出されたのか…。」 「そんな事は後で考えなさい、ほら早く。」 才人はこの夫婦のやり取りを見て、何となく二人の上下関係を理解した この人、絶対奥さんに尻に敷かれてるな、と…すると、クラースの目が光る 「君…今、私の事を「尻に敷かれマンだ。」等と考えてはいないだろうな?」 「い、いや、別にそんな事は……。」 慌てて、首を振る才人……ってか、尻に敷かれマンとか思ってないし まあ、それは置いとくとして…と、ようやく本題へと入る 「まずは君に詫びなければならないな、こんな所に呼び出してしまって。」 「呼び出した?俺が?あんたに?」 此処で才人はその言葉の意味を考えてみる もしかしたら、自分は何かの手違いで、ドラマか映画の撮影に連れてこられたのかもしれない そして此処はきっと、映画村みたいな所なのだろう、ならあの魔方陣も二人の格好も納得できる そうだ、そうに違いないと、その性格ゆえのプラス思考で結論付けた 「出来れば、今すぐにでも送り返したいのだが…君が住んでいた所は何処なんだ?」 「本当ですか?だったら、お願いします。」 一時はどうなる事かと思ったが、これで家に帰れる さっそく自分の家の住所を二人に伝える才人…だが、この希望はすぐに打ち砕かれる事となる
「「………………………。」」 才人が自分の住所を伝えた後、二人はしばらく黙り込んでしまった それに、何だか疑わしい視線で見つめるが、才人はそれに気づかない 「あの…住所は言ったんだから、早く家に送ってくださいよ。」 「才人君…もう一度確認を取るが、君が住んでいた町は…トーキョーだったかな?」 「そうですよ、東京…此処日本の首都じゃないですか。」 何、当たり前の事を聞いて来るんだ…これで何度目だよ 先程から、何度も何度もクラースは才人に住所の確認を行っている そのせいで、才人の口調にも苛立ちが出始めていた 「日本…ジャポンの事かな?」 「ジャポン…ああ、ジャパンね、そうそう、英語じゃ日本はジャパンですよね。」 笑いながら、才人が答えると、「うむ…。」と呟いてクラースは独り言を始める 聞き耳を立てると、「忍者の里の人間かと思ったが…。」とか「トーキョーなんて町は…」といった声が聞こえてくる 「すいませんけど、俺送ってもらえるんですか、駄目なんですか!?」 ちゃんとした返答がない事に腹を立てた才人が、少し声を荒げて尋ねる と、ガタンと大きな音を立てながら、クラースが立ち上がった 怒ったのか…と驚く才人に背を向け、彼は近くの本棚に手を伸ばした 「……すまんが場所が解らなくてな、地図を出すから教えてくれないかな?」 「なんだ、場所が解らなかっただけか…だったら、初めから言えば良いのに。」 そして、クラースは地図を持ってくると、テーブルの上へ広げる えっと、俺の家は…と、才人が家の場所を指し示そうと地図を見るが… 「な、何じゃこりゃ!?」 才人は驚いた…驚くしかなかった その地図は世界地図なのだが、自分が知っている地図とは全く違うものだった そこには日本もなければアメリカもない、知っている国が全然なかった 「何って、この世界アセリアの世界地図よ…で、此処はユークリッド大陸北部にあるユークリッド村。」 「アセリア?ユークリッド大陸!?そんな名前の大陸なんて聞いた事ないですよ!?」 ワケが解らない…どういう事だ!? 混乱する才人を見て、クラースとミラルドは互いに目を合わせる 「ねぇ、クラース…この子、もしかして……。」 「ああ…どうやら、私達の世界よりも遠い所から呼び寄せてしまったのかもしれんな。」 「何、どういう事!?」 二人が納得するが、才人は納得できない…説明を求める しばらくして、クラースは才人に真実を告げた 「此処は君がいた世界とは違う世界だと言う事だよ…平賀才人君。」
「………本当に…本当に俺、異世界に来ちゃったんですか?」 しばらくして…半信半疑ながらも、ようやく才人は今の自分がどういう状況なのかを理解する クラースの言葉から色々混乱したりもしたが、説明を受けて今は落ち着いている 「ああ、そのようだ……理解出来たかね?」 「はい、説明を聞いたらそうとしか思えないし…何より、俺の世界には月は一つしかありませんから。」 今の状況を理解できた一番の要因は、このアセリアの空に見える二つの月の存在だった シルヴァラントとテセアラ…夜となった今、二つの月は輝きを放っている 「それで、俺はこの世界に来たのはクラースさんの召還術ってやつのせいなんですよね?」 「そうだ…すまんな、全て私の責任だ…まさか私の召還術が異世界へ通じてしまうとは……。」 一体何処で間違えたんだか…クラースは一人ごちる 「いえ、それよりも…俺、ちゃんと元の世界に帰れるんですか?」 まさか、一生この世界で暮らさなきゃいけないのか…不安ばかりが募る もう二度と、家族や友人に会えないのだろうか… 「いや、君は私が責任を持って元の世界に送り返す…その為には、返す方法を探さなければならないが。」 「当てはあるんですか?」 「それをこれから研究する…時間は掛かるだろうが、必ず見つけてみせるさ。」 召還術は専門だが、召還した対象を元の場所に帰す送還術に関しては殆ど知識がないに等しい 古い文献や友人達をあたって、方法を見つけるしかない 「でも…もし、見つからなかったら俺はどうしたら…。」 その言葉に、一瞬沈黙が入る…が、すぐにクラースは笑みを浮かべる 「失敗を考えていては、成功なんて出来やしないさ…まあ、私を信じろ。」 その言葉に、才人は迷う…この人を本当に信じて良いのだろうか 自分をこの世界に呼び寄せた張本人…だが、逆を言えば唯一元の世界へと帰れる方法に近い人物だ 当てがない以上、自分はクラースに頼るしかない…才人はそう考え、ゆっくりとだが頷いた 「決まりだな…さて、私は早速君を元の世界に帰す方法を探すとしよう…ミラルド、後は頼むぞ。」 「ええ、でも無理はしないでね…この前だって、徹夜続きだったのに。」 「何、新しいテーマが出来たとでも思えば大丈夫さ。」 ミラルドの言葉に頷くと、クラースは脱いでいた帽子を取って地下室へと足を運んでいった その姿が奥へと消えた後、ミラルドは才人の方へ振り向いた
「さて…取りあえず、元の世界に帰れる目処がつくまで貴方は家に居候って事ね、色々手伝って貰うけど良いかしら?」 「え、手伝うって…何を?」 「そうね…掃除、洗濯、買い物とか色々ね。」 才人はこの家にいる間、家の雑用を手伝う事になった やっぱり、ただでいられるわけないか…と、残念そうに呟く 「当然でしょ、貴方を呼び出した責任はクラースにあるけど、働かざる者食うべからず…それは理解しなさいね。」 解らない事は色々教えてあげるから、とミラルドは優しく告げる まあ、無理難題を押し付けられたわけじゃないし、別に良いだろう 「じゃあ、早速だけど晩御飯にしましょうか…お腹空いてるでしょ?」 「そう言えば…。」 もう時間はこの世界では夜…ご飯を食べる時間だ お腹も思い出したようにぐぅ、と腹の虫を鳴かせ、それを聞いてミラルドはクスクスと笑う 「貴方、何かリクエストはある?まだ夕食のメニュー決めてないから。」 「リクエストですか?えっと……。」 そう言われても…と思ったが、今朝の母親との会話を思い出した 今夜はハンバーグよ…母の顔と共に、その言葉が頭の中で何度も響く 「……ハンバーグ、ハンバーグが食べたいです。」 「ハンバーグ?それで良いの?」 「はい、母さんが今日の晩御飯に作ってくれるって言ってたから…。」 その言葉に、ミラルドは何も答えない…気まずい空気が流れる だが、しばらくしてミラルドは優しく微笑んだ 「…良いわ、なら晩御飯はハンバーグね、美味しいのを作ってあげるから期待しなさい。」 「ミラルドさん…あ、ありがとうございます。」 ミラルドの優しさに触れ、思わず才人は泣いてしまった ほらほら、泣かないの、男の子でしょ…と、彼女は優しく慰める 才人は瞳から流れる涙を拭い、落ち着きを取り戻す 「晩御飯は私が作るから、貴方は食器の準備をお願いね…棚はそっちよ。」 「はい。」 ミラルドに言われ、食器棚へと足を運ぶ才人 半時間後には、美味しそうなハンバーグが、夕食の食卓に並んだ
「ご馳走様でした、ご飯美味しかったです。」 「お粗末様、異世界の人の口に合ってよかったわ。」 夕食が終わり、後片付けがすんだ後に才人はミラルドに部屋に案内された 此処はクラース達の生徒が寝泊りする所だが、今は空いている 元の世界に戻る目処が経つまで、しばらく此処を使わせて貰える事になった 「じゃあ、明日から本格的に手伝ってもらうから…しっかり休んでおきなさい。」 「わかりました…お休みなさい、ミラルドさん。」 「お休みなさい。」 ミラルドはそう言うと、クラースのいる地下室へと足を運んでいった 手には夜食を乗せたお盆があり、それを彼に届けにいくようだ 彼女の姿が見えなくなった後、才人は戸を閉めてベッドに倒れこんだ 「はぁ……何かとんでもない事になったけど、何とか生きていけそうだな。」 クラースさんもミラルドさんもいい人だ…今の所、帰る方法以外で心配する事はないか ふと、才人は視線を窓の外に見えるシルヴァラントとテセアラに向けた 「二つの月か…何か、似たような光景を見た事がある気がするけど…気のせいだよなぁ。」 二つの月…何だか、以前から知っているような気がする 変な既視感を覚えるが、気にせず才人は布団に包まる 「まあいいか、今は帰る方法を見つけてもらうまで、この家で働けば良いんだし。」 取りあえず今は、此処で暮らしていこう…それしかない 才人は目を瞑って、眠りにつこうとする 「明日からこの家の手伝いか…洗濯とか大丈夫かな、洗濯機なんてないだろうし。」 「まあ、でもミラルドさんが教えてくれるって言ってたから、何とかなるかもな。」 「クラースさん…本当に元の世界に戻る方法を見つけてくれるかな?」 「俺、本当に……何時になったら…。」 色々考えているうちに、才人を睡魔が襲ってくる やがて彼は何も言う事もなく、寝息を立てながら眠りについた 眠りにつく才人、その下の地下室ではクラースが送還術の研究を行っている 後ろでは、必死になって本を読み漁るクラースを、ミラルドが優しく見守っていた こうして、アセリアの夜は静かに更けていった…… 一方その頃、地球ともアセリアとも違う別世界、魔法が世の理を成す世界では……
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!!」 ハルケギニア大陸…トリステイン王国、トリステイン魔法学院 この日、この学院では春の使い魔召還の儀式が行われていた 一生を共にする使い魔を呼び出すこの神聖な儀式は、今最後の一人がそれを行っている 「五つの力を司るペンタゴン、我の運命に従いし『使い魔』を召還せよ!!!」 彼女…ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールは己の使い魔を召還する為に、呪文を唱えた だが、彼女の使い魔は召還されず、爆発だけが起こるだけだった 「またかよ、ゼロのルイズ!!」 「一体何時までサモン・サーヴァントを失敗すれば気が済むんだよ。」 周りからは、既に召還の儀式を終えた生徒達の非難の声があがる ルイズは杖を握り締め、キッと同級生達を睨み付ける 「ちょっと失敗だけでしょ、黙っててよ、気が散るから。」 「そう言うのも何度目だよ、いい加減にしろって。」 「本当、本当、次の授業に遅れちゃうわ。」 そう、彼女だけは何度やっても失敗ばかりで使い魔が召還されないのだ 最初は馬鹿にしていた生徒達も、飽きてきたのか呆れるばかりである 口論になりそうな所を、引率の先生が割って入る 「ミス・ヴァリエール…もう時間も時間ですし、今日はこれまでにしませんか?」 「ミスタ・コルベール、もう一度…もう一度やらせてください!!」 「しかしですね、これ以上続ければ後の授業に差し支えますし……。」 「お願いします、次は…次は必ず成功させますから!!!」 それでも、ルイズは必死に続けさせてもらえるよう、先生に懇願する 2年生に上がる為に大切な使い魔召還の儀式…それを失敗したまま終わらせたくは無い ルイズの必死の説得に折れたコルベールは、彼女に最後のチャンスを与えた 「解りました、ミス・ヴァリエール…後一回だけ、チャンスを挙げましょう。」 「ありがとうございます、ミスタ・コルベール。」 「ですが、次が本当に最後ですよ…成否に問わず、これで今日の召還の儀式は終了しますからね。」 その言葉に頷くと、ルイズはもう一度杖を構えてサモン・サーヴァントを行う準備をした 後ろでは、生徒達の談笑が聞こえ、中には成功するか賭けをする者達がいる 「(見てなさいよ…今度こそ、凄い使い魔を召還してやるんだから!!!)」 精神を集中させ…周りの声を聞かないように努力する そして、ルイズはゆっくりと、召還の呪文を唱え始めた
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!!」 お願い、まだ見ない私の使い魔…… 「五つの力を司るペンタゴン、我の運命に従いし『使い魔』を……。」 私の呼びかけに答えて…私が、私が『ゼロ』ではない事を…証明する為に 「召還せよ!!!」 呪文を唱え終えると、一際大きな爆発がルイズの前で起こった 食い入るように結果を見つめるルイズ…そして、爆発の煙が晴れると… 「そんな……。」 そこには、使い魔はいなかった……最後の最後で、また失敗したのである ショックのあまり、ルイズはその場に座り込んでしまった 「失敗ですか…約束どおり、これで今日の使い魔召還の儀式は終わります…良いですね?」 コルベールの言葉に、ルイズはただ黙って頷くしかなかった そして、生徒達は各々の使い魔を引き連れて、その場から立ち去っていく 「最後の最後で失敗か…やっぱりゼロのルイズは期待を裏切らないよな。」 「所詮ゼロはゼロって事よ。」 同級生達の中傷の声が聞こえるが、もうルイズはそれに答えない 全員が学院へと戻り…残ったのは、ルイズとコルベールだけとなった 「ミス・ヴァリエール…明日の放課後、もう一度使い魔召還の儀式をやりましょう。」 唯一人、使い魔召還を果たせなかったルイズに、コルベールはそう告げる だが、彼女は何も答えずに、その場に座っているだけだった 「……今日は授業を休んで部屋でゆっくりしなさい、先生には私が言っておきますから。」 彼女の気持ちを察したコルベールはそう言うと、その場から立ち去っていく そして、この場にはルイズただ一人が取り残された 「……どうして…どうして成功しないの?」 震える声で呟くルイズ……彼女は今、泣いていた 悔しかった…今度こそ、自分が『ゼロ』でない事を証明出来ると思ったから 「私がゼロだから?落ちこぼれだから?ねぇ、何でなのよ……。」 芝生に涙を落としながら、彼女はグッと拳を握り締める 「どうしてなのよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」 透き通るような青空に向かって、ルイズの叫び声が木霊する 残念ながら、その問いに答える者は誰もいなかった
796 名前:TALES OF ZERO 後書き[sage] 投稿日:2009/09/16(水) 21:57:51 ID:Z4PB7RL2
以上で、投稿終了とさせて頂きます
召還キャラはテイルズオブシリーズ、テイルズオブファンタジアよりクラース・F・レスター
才人も登場したのは、後衛キャラだけでは戦闘が不安だったからです
彼には、二代目クレスとして二人の前衛(という名の盾役)を担って貰います
まあ、原作でもガンダールヴは盾役だから良いのか
また、他のテイルズオブシリーズのキャラも登場予定です、お楽しみに
今回はクラースと才人の出会いで、次回で二人はルイズに召還されます
それでは
…………
10スレ越えてたのでさるさん食らってもいいように0:00はさんだけどペース配分間違えた
初スレに投下宣言入れ損ねた上に
>>209 さんと被るし無様な代理で本当にスマン
代理乙
作者さんも代理さんも
>>209 さんも乙
代理投下は緊張するよなw
異論も反論もクソ喰らえだ。俺が嫌だと言っている
そうか
偽者出るとか末期だな って事で更新頻度上げてくれよ。 昔のでもwiki見てるしさ再開してくれたら(ごにょごにょ…
なんだ?脱ぎたてのパンティーでもあげちゃうのか?どうなんだ、コラァァァ!!
偽者じゃぁしょうがないか、本人だったら爆笑モンだがw
あの人ってトリップとか付けてたっけ?
クラースの人&代理の人乙です! ファンタジアは唯一はまったテイルズだから今後に期待。 サイトの帰還に関してはエターナルソードとオリジン駆使すればなんとかなりそうな気がしなくもない。 てかクロス先のキャラにサイトが呼ばれてその後一緒にルイズの所へ、ってパターン初めてじゃね? あと、なんかスコールの人に続いて水の精霊仲間フラグが立ったらいいな、とか
>231 なん・・・・だと・・・?
クラースがグラーフに見えた
ダグラース!
クラースとか楽しみすぎる
さっきさ、仕事帰りの電車の中で、ふと思い出したんだ…… エンジェルハートで、冴羽さんのことを正道会のデータで、 あらゆる武器に精通してるみたいなことは書かれてた事…… 冴羽さんが、ルイズに召喚されたら、オモシロそうだと思った……
>>242 ルイズが香化する訳ですね、分かります><
股間の拳銃でエルフの反射を突き破りそうだな
>243 香は銃の腕前が壊滅的で、その代わりトラップとハンマーの使い手でした。 つまりルイズも魔法の腕前が壊滅的だから、別の技能が発展……?
>>245 銃が壊滅的なのは銃に細工されてたからだろ
じゃあ香港版シティーハンターの僚を
>>237 エターニアだが時を司るセグントゥウス(うろ覚え)とかいうのも居たはず
そっちのほうがよさげな気がする
>>248 インデグニションからインディグネイションになったのは
モリスンVSダオス戦オマージュのためかな
つか次元の違いだからマクスウェルの方が適任だと思う
マクスじいちゃんは分子の精霊だからさらに遠ざかるぜよ あと永遠版だとあの爺ブルーアースまでたどり着くからたち悪いぞ。それ浴びるのは悪度くらいだろうけど
>>246 いや、細工されてないバズーカなどでも「直撃させず決して致命傷を与えない、気絶させる」
攻撃をしていましたよ、香
>>249 いや、あれは単に文字数の制限の関係でああなっただけで
もともとインディグネイションだったはず
避難所に代理依頼きてるんで代理投下はじめますよ?
253 :
ジル代理 :2009/09/17(木) 10:45:19 ID:EA5z5UtL
規制食らいました。 誰か代理投稿願います 兵員輸送トレーラー。そのトラクタの役目を果たすのはY2K。ヘリコプター用のロールスロイス製ガスタービンエンジンを乗せた、大型の非常識バイク。ハルケギニアで最強の出力を誇っていたそれは、あと数時間後にその称号をはぎとられる。新事実とともに。 「うぷっ……うう……ギボヂヴァルイ……」 コルベールにより板バネが追加されたというのに、とことん乗り物に弱いギーシュは、出発してから五分後に隔離される運びとなった。 ちなみにコルベールはY2Kの雄姿をこれでもかというほど眼に焼き付け、一時間も眼をキラキラさせながら見ていたが、さすがに飽きたのか翻訳作業に戻っている。初めての、しかもかなり揺れる高速車両で読み書きできるとは、なかなか強者である。 シエスタは道案内をしている。トレーラーの中から、ジルの後ろに乗り抱きついているルイズに嫉妬の視線を浴びせながら。 キュルケとタバサはシルフィードで、快適な空の旅を楽しんでいる。今回はジルがアクセルを余り開けていないので余裕を持ってついていける。トレーラーにはまだまだ余裕があったが、二人は断固として乗ろうとしなかった。 「あ、そこ右です」 「右ね。ブレーキ」 ゆっくりとブレーキをかける。金網やハニカムで軽いとはいえ、人が乗りそれなりに質量のあるトレーラー。合図でシエスタがトレーラーのブレーキレバーを引いてくれるとはいえ、馬車のような細いタイヤではそこまでの減速効果は期待できない。そもそも、こんな ものはバイクで牽引すべきではないのだ。それでもY2Kに牽かせるのは、単純に馬より速いからだ。 「ここからはほぼまっすぐです」 カーブを曲がりきって、鋼の心臓が喜びの咆哮をあげる。 「うぐ……もうやめ……おぶっ」 ギーシュはシルフィードに乗せた方がよかったのではないか。少なくとも、同じ速度でも揺れは雲泥の差だろう。 二百km/hまで加速して、勇ましい高音をまき散らし、Y2Kトレーラーは征く。 あまり騒がしくするのも好ましくない。増してや、マフラーもなく甲高い騒音をだだ漏れにしているエンジンを起動したまま持ち込むなんて論外だ。幸い、トレーラーはコルベールとシュヴルーズの協力でアルミや合金などを多用し非常に軽く改良されているので、 付けたままでY2Kを押すことができる。タルブから少し離れたところでエンジンを切り、そこから徒歩で行くことになったのだが。 「大正解ね」 ジルが、矢印の形をしたいくつかの看板を見て、そう呟いた。 「ねえ、シエスタ。この看板、全部読める?」
支援
255 :
ジル代理 :2009/09/17(木) 10:46:52 ID:EA5z5UtL
「はい、一応『読み書き算盤格闘農業』はタルブでの必修教養ですので」 看板は全て同じ方向を向き、恐らく同じ意味の言葉が書かれているのであろう。 「『Welcome to the stranger's village,Tarbe』……これはロシア語、こっちは多分ドイツ語……日本語……」 「これは、新しく外から来た人が立てていくんです。全部書いてある意味は同じです。もうすぐですよ」 のどかな田舎の村。第一印象はたいていがそうなるだろう。視界の殆どが葡萄畑、川が流れ、そこに水車がある。 しかし、入り口が物々しかった。木で組まれた壁があり、櫓には見張りが立っている。歩哨が立っている門は開け放たれているが、有事の際にはすぐに閉められる落とし戸だ。銃眼らしき穴もある。中は木の電柱が立ち並び電線が張り巡らされている。コン クリートの建造物がいくつか存在し、アンテナの立っている家もある。まさかテレビの受信アンテナではないだろうが、それでもかなりのオーバーテクノロジーであることは間違いない。 中でも一番眼を惹くのは、鉄塔とサイレンだ。何に使うのかは判らないが、こんなもの、恐らくハルケギニア中どこを探しても無いだろう。 「何アレ?」 キュルケが何か呆れたように鉄塔を見ていた。キュルケだけではない、シエスタとジルとギーシュ以外の全員が見ていた。 「あれ? ああ、サイレン塔ですね。十二時になったり、上流の堤防が決壊したり、村にオークとかが襲ってきた時に鳴るんです」 「鳴る? あの塔が?」 「てっぺんに付いているあれをサイレンと言いまして、これがすごくうるさいんですよ。葡萄畑の端にいても聞こえるんですから」 「便利ねぇ……マジックアイテム?」 「いえ、電気と時計で動いてます」 「電気ですと!?」 電気という単語に食いつくコルベール。雷の正体や発電機をジルが教えてからというものの、この世界にない概念であるが故にどんどん傾倒していった。いつか完成する予定のエンジンとドッキングさせようと画策した図面も見つかっている。 「はい、電気を……」 「はい、そこまで。シエスタ、早く村長に報告に行かないととんでもない事になるんじゃなかったかしら?」 「え……ああ! 忘れてました! 来客がある時は報告しないと侵入者と思われて射殺されるんです!」 えらく物騒な話だった。 「観光は後よ。門番から話はいっていると思うけど、念のため、ね」 村長の家で、特筆すべきことはなかった。タルブの村は排他的ではあるが、村人の誰かに認められてさえいれば歓迎されるようだ。『竜の羽衣』を見ることも、あっさり許可された。何もせずにノックダウンされたギーシュは、輸送車の中に置いておく運びとなっ た。 「元々この村は、ただの田舎の農村でした。ですが、六十三年前、私のひいおじいちゃんがこの村に来たことで、この村は変わりました」
256 :
ジル代理 :2009/09/17(木) 10:48:05 ID:EA5z5UtL
道中、シエスタが説明をしてくれた。 「どこからかふらりと現れて、ここで働かせてほしい、と言ったそうです。見慣れない風貌に村の人は怪しんでいましたが、試しに働かせて見ると誰よりも力強くて真面目で、すぐに馴染んでしまったそうです」 村を抜け、森へ。 「あまりに真面目なものですから、そのうち葡萄畑の一つを任されたんです。そしたら、その畑だけ豊作が続いたんです。不思議に思った村の人が話を聞くと、科学の力だ、と」 森の入り口は、有刺鉄線といくつかの言語で書かれた危険を示す警告。冗談かどうかは判らないが、放射能マークやバイオハザードマークが描かれているのがジルの心臓に悪かった。最もリアリティのある地雷マークが無いのが救いか。 「カガク? ジル、カガクって……」 「なにも兵器やバイクだけが科学じゃないの。農業にだって使えるし、数学だって科学の基礎よ」 「なんと! カガクとはそこまで素晴らしいのかね!」 「そうです。メイジのみなさんは簡単には信じられないでしょうが、この村で魔法の恩恵を受けているのはほんのわずかな固定化と鋼鉄の材料を作る錬金くらいです。点在するコンクリート……石みたいな家も全て人力で建てましたし」 「これだけの規模の村が、魔法なし?」 「ええ、そうです。貴族ではないメイジの方もおられますが、技術開発の支援といった形でしか魔法を使いません。外の方でタルブの真実を知っているのは、ここ一帯の領主ということになっているアストン伯くらいですね。何代か前のアストン伯とひいおじいちゃ ん達が親友だったそうですから」 親友になった経緯は誰も知りませんが、とシエスタは続ける。 「だから、ね。ここまで閉鎖的なのは」 「はい。ロマリアやブリミル原理主義者に知られたら、戦争になりますから。それに、ひいおじいちゃんだけじゃなかったんです。ひいおじいちゃんが村に来た次の年から、次々に『竜の羽衣』が飛んできて、結果として異界の知識が次々と村に入ってきた、という わけです。あ、もうすぐですよ」 薄暗い森が切れ、視界が開ける。 「何よ、何もないじゃない」 「…………」 「こ、これは……」 「すごい技術ね。ゲルマニアにもこんな舗装技術はないわ」 メイジ連中が感想を述べる。 「ひどくぼろぼろの『竜の羽衣』が飛んでくることもあって、着陸に失敗して大怪我をすることも少なくなくて……ひいおじいちゃんは秘密の滑走路を作ることにしたんです。来訪者の方はこの村の宝ですから、村の人も暇があれば手伝って、当時のアストン伯も 協力を惜しまなかったと伝えられています。こちらに来てください」 まっ平らな、コンクリートを敷き詰められたヒビすらない白い滑走路を歩く一同。一般的な滑走路よりは細いとはいえ、滑走路なのだ。斜めに横切るとかなりの距離になる。 「どれだけの長さがあるのかしら?」
257 :
ジル代理 :2009/09/17(木) 10:49:40 ID:EA5z5UtL
「そうですね……ジョンさんのナイトホークが距離不足で着陸失敗してからなんでも着陸できるように伸ばしたようですから……四リーグ弱はあるのではないでしょうか。なんでも、『じゃんぼじぇっと』や『むりーや』という『竜の羽衣』が来たらいけないから、らしいで す」 ジャンボジェットはともかく、ソヴィエトの夢が飛来するのを考慮するのはいかがなものか。アメリカ人かロシア人が発案したにちがいない。それはともかく、たいていの飛行機は離着陸できるだろう。 「こちらから、どうぞ」 「これは――――バンカー? この中に?」 カマボコ型のコンクリート建造物。大きな搬出用扉から離れた通用口が、シエスタによって開けられる。 「これも、平民の力だけで建てられたのですか?」 「ほとんどそうです。攻撃されることを前提に作られているので、ガリアの戦艦が主砲を撃っても絶対に壊れないそうです。固定化もかかっているので劣化もしません」 「これほど巨大なものが……」 コルベールが既に感動している。それ以上の、地球の物質文明の神髄の入れ物に過ぎないというのに、『竜の羽衣』を見たら一体どうなるのだろうか。 中は光を一切通しておらず、真っ暗だ。 「すこしお待ちください」 暗闇の中、シエスタの声だけがよく響く。やがて灯がつき、明るくなる。 「ご紹介します。タルブの最高軍事機密、『竜の羽衣』こと、軍用飛行機です」 ずらりと並んだ、金属の翼達。 「これが『竜の羽衣』? なによ、こんなんじゃ羽ばたけないじゃない」 メイジ連中は期待外れといわんばかりに落胆していた。二名を除いて。コルベールは狂気乱舞して手当たり次第に戦闘機や攻撃機の周りを走り回りながら観察し、タバサは興味はなから興味が無い。 ルイズとキュルケはうろうろ歩きながら機体を怪訝な眼で見ていた。 「素晴らしい! 素晴らしい! なんと美しく力強い形だ! こんな技術は見たことが無い!」 「トムキャット……ムスタング……イーグル……コブラ……ナイトホーク……ラプター……これは何かしら? 凄いわね。古今東西、世界の戦闘機や攻撃機が勢ぞろいだわ」 ジルもあまり詳しくないWW2時代のレシプロ機から、誰でも名前くらいは聞いたことがあるジェット機まで。あるいは、見たことも聞いたこともないものまで。機種は判らずとも、国籍マークでジルは判断しているが、知っているものはアメリカの、それも極少数に過 ぎない。その中でも、最も目立つ紅い機体に触れてみた。 「ADF-01ファルケン……ベルカ? ノースオーシア・グランダーI.G.? 聞いたこと無いわね。いえ、それよりも……」 違和感。昔から、武器兵器は持つだけで何となく使い方が判った。しかし、この世界に来てからその能力が強くなった。ジルはそう思っていた。サムライエッジやフィフティーキャルなど、使い方が頭に流れ込んでくる。精度・摩耗・疲労など、まるで電子制御でも しているように、手に取るように判った。しかし、デルフリンガーを握った時にその能力が別物であると判った。長物を使ったことが無かったのに、長剣の最適な扱い方が判ったのだ。それでも、『これはこんなものだ』と納得できた。しかし、全く馴染みの無い航 空兵器に対して、操縦法や運用・整備の方法まで判る。こんな効果があるとは思っていなかった。
支援
>>55 遅レスだがバイストン・ウェルはショット以前にグーベンゲンなどが重工業の基礎を
根付かせていたのも原因の一つでは?
260 :
ジル代理 :2009/09/17(木) 10:51:07 ID:EA5z5UtL
「これが、ガンダールヴの能力、ってやつかしら?」 オスマンの言葉が甦る。あらゆる武器を使いこなす伝説の使い魔。使いこなす、ということは、使い方が判らなければいけないから、必須能力ではある。 「とはいえ、これは使えないわね」 戦術レーザーの威力は素晴らしいし、Coffinシステムの恩恵で最高の反応速度を誇るが、この遅れている世界では整備できる環境が無い。数回飛べればいい方だろう。 「飛ばせるのは……」 ハルケギニアで飛ばせるのは構造が簡単なレシプロ機が限度だろう。引き込み脚も無い方がいい。FBWや精密電子機器などを積んでいる機体は整備なんて不可能だし、ジェットエンジンは回すだけでFOD祭だ。 プロペラの付いている機体を調べていく。 「ゼロ戦……ムスタング……彗星、論外ね。スカイレイダー……スツーカ? これはいいわね」 国籍も機種もバラバラ、名機・傑作機の隣に殺人機や駄作機が並んでいるのもこのハンガーの特徴か。見事に消し炭で原型を留めていない『何か』もある。 「使えそうなのはドイツと日本とアメリカね。流石に『世界一チィィィィィィィィィ!』なんて言うだけはあるわ。変態機も多いけど」 今回の目的の一つが航空機だ。この先何度か戦争が起きるだろうが、真っ先に発生するのはトリステインだろう。例え今、神聖アルビオン共和国皇帝の座に収まっているクロムウェルを暗殺したとしても、恐らく彼は傀儡だ。大局にはあまり影響はない。 どっちにしろ、戦争と侵略・占領が大好きな貴族連中はこぞってトリステインに侵攻するだろう。ならば、最もある得るのは飛空船による強襲上陸だ。ハルケギニア最強を誇る竜騎士も同行するであろうから、圧倒的火力と機動性を持つ航空機は絶対に欲し い。 「ふーむ。ハインドの輸送能力は惜しいわね。でもスツーカも捨てがたいわね」 結局ロシアのガンシップとドイツのカノーネンフォーゲルの二択になった。ソヴィエトの過酷な環境に耐えうる頑強な構造と、ターレット式のガトリングキャノンにAAMやAGMなどの装備と兵員輸送能力が魅力のハインドV。頑丈で整備性がよく、『かつて世界で 最も戦車を壊した兵器』『敵エースの乗った戦闘機を撃墜した』『戦車の装甲をブチ抜けるように3.7cm機関砲を外付けしてもらった』などの話が絶えないシュトゥーカG-2。 「どうです?」 ジルが悩んでいるとシエスタが聞いてきた。 「素晴らしいわ。整備が無理なもの以外は完全に飛べるようにしてあるのね」 「いつ必要になるか判りませんでしたから。ですが、もう飛ばす技術のある人はいません。ですから、もう私たちには必要のないものなんですよ」 シエスタは、少し影のある微笑みを浮かべながら、シュトゥーカの隣にあるゼロ戦に触れる。 「これ……ひいおじいちゃんのなんです。何度か飛び方を教えてくれるようお願いしたんですが、そのたびに悲しそうな顔をして、絶対に乗せてくれませんでした」 「こんなものが飛べばタルブの秘密がバレちゃうし、何より……」 戦闘機。つまりは人殺しの道具。兵器に乗るということは、殺す覚悟と殺される覚悟がいるということ。
失礼 支援するのでありまするー
262 :
ジル代理 :2009/09/17(木) 10:52:36 ID:EA5z5UtL
「何より?」
「いえ、なんでもないわ。それより、ここの機体を一機……いえ、二機貰えないかしら?」
「村長に聞いてみないと判りませんが、多分大丈夫です。ジルさんは、『あっちの世界』の人、だから」
ハインドもシュトゥーカも貰えることとなった。村長はジルが異邦人だとうすうす感付いていたらしく、すんなりと事は進んだ。
どうもハインドもシュトゥーカも、持ち主が村人にならずに乗り捨てたものらしい。故に、余計譲るのに抵抗が無かったのだろう。
シエスタ曰く、「スツーカは何らかのトラブルで滑走路に着陸したみたいなんですが、乗っていた人は、別のスツーカが滑走路を走りながら拾っていって、どこかに飛んでいきました。ハインドは、朝、滑走路に行ったら落ちてたらしいです。誰も乗ってなくて。こ
れはあんまり珍しい話じゃないんですよ。リボンのマークのラプターとか、犬のマークのイーグルとか、ファルケンとか」
ジルはいやな予感が頭を過るのを感じた。
以上です。
以下後書き
ルーデル閣下、異世界にて戦友を救出。
密かにケイシーの親もいたり。
科学の子シエスタは次回にでも。
タルブが世界を変える!
>>31 何故判った!?
>>32 >>34 >>177 このSSの超シエスタはそんな感じ。
ついでに村の外の情勢を手紙で知らせてたり、場違いな工芸品を見つけたら報告したり。
排他的な村は情報が入りづらいのです。
263 :
ジル代理 :2009/09/17(木) 10:55:28 ID:EA5z5UtL
代理終了 ジルの人乙でした
乙ー ADF-01て…エースコンバットかw いいぞもっとやれw
ジルの方、乙でしたー。 ところどころでタルブのみならず、ハルケギニアの各所に『汚染』が広がっているのではないかと期待してしまいますね。
ジルの人乙 代理の人も乙
ルーデルさんは異世界でもやってくれたか。
さすがルーデルだ! っていうかあの人、在る意味人間じゃないよなー。
乙 まさか原爆積んだサンダーボルトがあったりしないよな・・・
>269 東京に落とすはずの原爆を積んでいた、と言われているアレですか?!
>>269 、270
昔、スプリガンでもそのネタがあったな〜
乙でした。 このタルブなら、そのうちスカイグラスパーやコスモタイガーが降りてきても不思議じゃないな。
>>251 遼は明言していないが、香をパートナーにしようとしたミックに香の銃は照準や銃身に細工してあると指摘されてるよ。
その兄の形見の銃以外(借りたり拾ったりした銃)なら狙った所に普通に当たる。
>>245 あんまり評価されてないけど
ルイズはタルブで死者出さずに全敵艦を無力化してたから、
充分過ぎる程の離れ業やってると思う。
まあ範囲指定が異常に正確ってのは虚無の特性込みなのかも知れんけど
>>273 エンジェルハートでは、遼はそんな事言ってなかったぞ。
>>275 AHは最近読んでないから知らん。
アニメはエンジェルダスト編が無いから設定上どうなってるかは分からない。
が、原作ではそうなってるよ。
エンジェルハートはパラレルワールドでシティハンターと関係無いよ。
シティハンターの方だと、遼が細工している。 エンジェルハートは、センス無しとなってる
>>274 じゃあ、ワルドって生きてんの?
原作未読なのでそこんとこ詳しく
>>279 原作でもアニメでもはっきりと死んだ描写がされていない。展開次第ではピンチに駆けつけるヒーローの如く現れたりして
ロリドさんは原作だと6巻に登場した後 17巻現在まで登場してません
>>279 タルブでワルドをゼロ戦で撃ち落としたのは才人だし、その後も生きてたよ。
おマチさんと一緒にフェードアウトして
現在何してるのか不明だけど、その内また出てくるんじゃない?
タルブ戦以降も多少は出番があったが、サイトやルイズの前に現れたのはタルブが最後だから、もうルイズたちも忘れてるかもしれんな。 そのせいで、原作で死んでなくてSSで死ぬキャラでは他をぶっちぎりで多い。
最後に出たのが7巻の206ページだから、文庫で言うならもう丸々10巻ほど出番がないんだよな……。
>>285 > 最後に出たのが7巻の206ページだから、文庫で言うならもう丸々10巻ほど出番がないんだよな……。
まああれだ。
そのうち【ワルドさんはあの時はこんな事してました!】的な短編が出るさ、きっと!
>>286 「ずっとおマチさんとイチャイチャしてました。サーセンwwwwwww」だったら困るからな。
思えばワルドが虚無に固執する理由も未だ明確になってないんだよなぁ 母親のこともそれに関連する様子だが すっかりマザコンがここでの通例になっちゃって・・・ ・・・ひょっとしてワルドママがルイズの前の担い手とかだったりして・・・
「ワルドとおマチさんはきっとこの後、シェフィールドのオマケみたいな感じになるんだろうなぁ」 そんな風に考えていた時期が、俺にもありました。
>>287 公式でママン>どうでもいい壁>おマチとなってるから大丈夫だ
ワルドは一旦退場した後、色んな作品の世界を巡っているんだよ 原作に再登場する時はむちゃんこパワーアップしてるぜきっと 「色んな作品の主人公にワルドがなりました」みたいなスレタイでスレが立ったりして
ワルド「はははは! 久しぶりだなルイズ、そしてガンダールヴ!」 ルイズ「……え? 誰? サイト、知り合い?」 サイト「知らねーなぁ……人違いじゃねえの?」 ワルド「おいいいいいい!?」 こんな再登場な予感
>>248 ゼクンドゥス=ダオスなようなので流石に出ないかと思う。
誰だか理解されないって展開にワルドがプリニー化するのを思い浮かべてしまった
>>293 あれは要するに今は亡き塩沢さんへの追悼企画だからな
といってもシリーズキャラ全員登場していたが
流石にイベントにまでは絡んでないがリッドもエターナルソード振り回してたな。 思い出補正もあるかもしれんがリッドがやたら強かった記憶がある。
>>294 投げると爆発するワルドかw
寧ろ母親がプリニーになっててワルドに会いに来たりしそうだ
教皇「いよいよ聖地の門が開かれる…」 ワルド「おっとそうはさせない!」 ジュリオ「な…何だ貴様は!?」 サイト「あいつ…生きていやがったのか!」 ワルド「今までじっと監視していた甲斐があった。聖地を手に入れるのはこの僕さ!」 こんな展開ならワルドさんにも救いが(ry
こんばんは、予定がなければ50分頃から投下始めたいと思います
――夜、トリステイン魔法学院。 二つの月が静かに照らす中庭で、二人の男が対峙していた。 一方は子供の身長ほどはあるかという剣を携えた男、暁巌。 もう一方はミノタウロスと見まごうような巨躯を持つ男、ボー・ブランシェ。 遠巻きにルイズ、キュルケ、タバサ、ギーシュの四人が見つめる中、二人は静かに向かい合っていた。 トリスタニアから戻った暁はまず、ボーの元へと向かった。 『感触を確かめるために、剣を用いた戦闘の相手をしてほしい』という依頼を伝えるために、である。 暁の知る限り、学院内にいる人間でこの要求に耐えうる人間はボーしかいなかった。 それはボーが相手ならば本気を出せるという理由と、『それくらいできなくてはつまらない』という暁の趣味に由来する感覚が根底に存在するからこその選択。 そしてその依頼をボーが快諾し、それを聞きつけたルイズたち四人が野次馬として参加することとなり、現在の状況が生まれている。 誰もが言葉を発さず、風が木々を揺らす音だけが通り過ぎていく。 そして風の音すらも消失した瞬間――二人は同時に大地を蹴った。 間合いの外から内へ――。 一瞬早く相手を射程内に納めた暁の剣が閃く。 だが――剣が振りぬかれる直前、自分の真横で何か質量をもった物体が風を切っている感覚を暁は感じた。 背筋に走る猛烈な悪寒。 そしてその直後、腹部に激しい衝撃が走り、暁の身体が浮き上がった。 暁の腹にめり込んだのは――真横から繰り出されたボーの拳。 少なくとも暁が剣を振るった時点、下手をすればもう少し後まで、確かにボーは暁の真正面にいた。 そこから一瞬で真横に回り込んで拳を繰り出す――もはや人間業とは言い難い動きである。 (わかっちゃいたが――無茶苦茶だな、こいつ) 後方に向かって吹き飛びながら、どこか他人事のように暁はそんなことを思った。
「暁、貴様少し剣に振り回されすぎではないか?初めて剣を振るったにしてはかなりいい動きなのだろうが、当たる気はまったくしなかったぞ」 「ああ、自覚はある」 ゆっくりと立ち上がり、呼吸を整えながらボーを見据える。 問題は山ほど見つかった。 まず、『剣を振るう動き』を身体が知っていること。 当然ながら暁は剣を振るった経験がなく、我流で少しずつ慣れていく予定だったのだが、何故か身体に癖に近い動きが染み付いていた。 結果として考える前に体が勝手に動き、制御しようと思ったときにはもう遅い、という状況が完成していた。 次に、なぜか身体の切れが異様に良くなっていること。 この手の違和感は以前銃を撃って見せた際にも感じたことであったが、その際はさほど身体を動かさなかったため『気持ち悪い』というだけで済んでいた。 だが今回のように派手に動き回る場合、違和感では済まないようだ。 あらゆる行動が普段より速く、イメージと身体の動きがまったくかみ合わない。 原因は、おそらく左手で淡い光を放っている使い魔のルーンにあるのだろう。 ロングビルは『武器に反応しているのではないか』と言っていたが、それでは済まないのかもしれない。 所詮は推測でしかない。だがそれ以外の理由は浮かばなかった。 「で、どうするのだ。終わりにするか?」 「冗談だろ?もう少し付き合えよ」 もとよりどうにかして慣れるしか選択肢はない。 むしろ今の状況を楽しまなければ、損だ。 猟奇的な、心からの笑みとともに暁は再びボーへ向かい、走る。 「僕はね、思うんだ」 暁とボーの立ち合いを眺めながら、ギーシュは引きつった笑みを浮かべていた。 「師匠に喧嘩を売るとか、今思えばものすごい愚かなことだった、ってね」 「そうね」 今も方向性が変わっただけで愚かなことには違いがない、ものすごく哀れな少年の回顧にルイズは適当な相槌を打つ。 正直なところルイズは彼に構っている余裕などない。 名目上は稽古という名を冠している暁とボーの戦いは、端から見ていて本気の殺し合いにしか思えないものだった。 暁が剣を振るい、ボーが打撃を繰り出す。 猛スピードで繰り返されるその行動一つ一つには、十分に人を殺しうるだけの威力が込められているように思えた。 「興味本位で見にきたけど……ありえないわね、これ」 普段と比べると明らかに真剣なキュルケの呟き。 タバサも本を閉じ、じっと二人の戦いを見つめている。 二人の平民の手によって繰り出され続けているのは、メイジですらそう簡単に発現できないほどの暴力。 『死ぬようなことはしねぇさ』 開始前の暁の言葉は信じていいものだったのか――。 その判断をルイズが見失いかけたとき、暁の身体は再び宙を舞った。
ゆっくりと身を起こす暁の身体中を、軋むような痛みが突き抜けていく。 そして胃が裏返る感覚とともに、胃酸が口から逆流した。 手加減されているとはいえ、さすがにボーの打撃が何度もまともに入ってノーダメージなどと言う甘い話は存在しないらしい。 【大丈夫かい?相棒】 「……一応聞くが、相棒って誰だ」 【へ?そりゃお前さんに決まってんだろ】 「ありえねぇ」 あからさまに戦闘能力が劣化していた。 いくら出力が高かろうが、使いこなせなければ価値など存在しないに等しい。 とりあえずは自分の身体を制御し、最悪でもボーと渡り合える状態に持っていく必要がある。 それがわかったことが今日の収穫だろう――暁は苦笑しつつそう結論付けた。 「俺は変な奴に好かれやすいのか?」 「暁、変な奴とは誰のことだ。そしていつから貴様は腹話術が趣味になった」 珍獣を見る様な目つきのボーと、珍獣を見る目つきの暁の視線が交錯した。 【変な奴ってのはたぶんオメーのことだろ、筋肉】 「ぬぉう!?剣がしゃべった!?」 顔にこれ以上ないほどの驚きを浮かべ、ボーが瞬時に後ずさる。 若干どころかかなりわざとらしい動きなのだが、動作には一切演技が含まれていない。 暁はボーが以前『お笑い芸人』と評されていた理由がよくわかった気がした。 「ななななんだその剣は暁!私にわかるように説明しろ!」 「こいつはデル公、ただのしゃべる剣だ」 「そんな説明で理解できてたまるか!」 【デル公って呼ぶな!俺っちにはデルフリンガーっていうちゃんとした名前があるんだ!】 「うるせーよお前ら」 二方向から極めて鬱陶しい騒音を浴びせられながら、暁は心底うんざりしたような表情を浮かべていた。 「終わったみたいね」 どこか安堵したようなキュルケの声を聞きながらルイズは大きく息を吐き、がっくりと肩を落とした。 (なんか、疲れた) 目で追うにはいささか速すぎる戦いを無理して見ていたこともあるが、それ以上に精神的な疲れのほうが大きい。 残念ながらルイズは『どちらかが死ぬのではないか』などと思いながら見る娯楽を楽しいと思うような趣向は持ち合わせていない。 暁かボー、どちらかがいなくなるかもしれないと思うと、見ているのが苦痛ですらあった。 『いなくなってほしくない』という感情と、それでも見つづけることをルイズに選ばせた義務感がどこから来たものなのか、ルイズに心当たりはない。 だが、一つだけ確かな想いがあった。 ――できればこんなことはもう金輪際やらないでほしいし、万が一やるとしても自分は見にこないでおこう。 ルイズはもう一度、大きなため息を吐く。 キュルケとギーシュが暁たちのほうへと駆け寄るのが目に入ったが、ルイズは立ち上がる気力すら沸かなかった。 そんなルイズの目の前に小さな手のひらが現れる。 見上げるとタバサが、自分の手を取って立ち上がれと言いたげにルイズに向かって手を差し出していた。 「手」 「……ありがとう」 おずおずとの手を取り、ゆっくりと立ち上がる。 感謝の意を伝えるための言葉は、驚くほどすんなりと口から出た。
【よー、相棒。何なんだよこの鬱陶しい筋肉――】 「うるさい黙れ」 間違いなく騒音の元にしかならないであろう言葉を紡ごうとしたデル公だったが、暁の手によりその刀身が鞘にぶち込まれたことで未遂に終わる。 「暁、貴様何故そんなやかましい剣をわざわざ選んだ!」 「仕方ありませんわよミスタ・ブランシェ」 少々乱暴な問い、というか苦情に答えを返したのはキュルケだった。 「アカツキはお金がないヴァリエールに遠慮して、そんなあからさまにダメな剣を選んだのです。本当に……優しい使い魔だと思いますわ」 「なんと……そうだったのか暁。やはり貴様にも優しい心が」 「違ぇよ」 芝居がかった口調で、なおかつルイズのほうに意地悪な笑みを向けながら紡がれたキュルケの言葉を疑おうともしないボー。 それどころか彼は『私の目に狂いはなかった』とでも言いたげな視線を暁に向けてすらいた。 キュルケとて暁がそのような理由でデルフリンガーを選んだわけではないことは十分に理解している。 にもかかわらず嘘をついたのは、ルイズをからかうためであった。 だが、ボーという単純な男の存在が、その嘘によって一番被害をこうむる人間を暁に変えてしまう。 捻じ曲がった自分像を元に戻すため、ボーに事情を詳しく説明す暁の心底面倒臭そうな様子を眺めながら、キュルケはただ申し訳なさそうに苦笑を浮かべていた。 「わかったか?俺がデル公を選んだのは一番マシだったからだ、俺を勝手に優しい人間にするな」 「そう照れるな、貴様が実は心優しい人間だとわかって私は心から喜んでいるのだぞ?」 「だから違ぇよ」 結局、ボーへの説明のために暁が費やした手間と時間はすべて無駄に終わる。 ボーの頭の中にいるであろう『優しい暁』というわけのわからない生命体を激しく嫌悪しながら、暁は世界すべてを呪うように大きなため息を吐いた。 「アカツキは私が貧乏だから遠慮してあんな剣を買った、とか思われるとけっこう腹立つんだけど」 いろいろなものを諦めた暁に代わり、タバサとともに遅れて輪の中に加わったルイズが否定の言葉を引き継ぐ。 「む、決してそういう意味で言ったわけではないぞ」 「……まぁボーに悪気がないのはわかるけど、けっこう傷つくから私の前であんまりそういうこと口に出さないでくれない?」 「むぅ、了解した。すまない」 仏頂面にどこか申し訳なさそうな色を滲ませてボーがルイズに謝罪する様子を眺めながら、暁とキュルケはほとんど同時に安堵のため息を吐き出した。 「ところで暁、ルイズにしっかり礼は言ったのか?」 「ん?ああ、そういや言ってないな。ありがとよ、ルイズお嬢さん」 「どういたしまして。大事にしなさいよ」 「大事にするよ、なにしろルイズお嬢さんが俺のためにわざわざ買ってくれた剣だからな」 笑みとともにくしゃくしゃとルイズの髪をかき混ぜる暁。 その行動にルイズは非難の言葉を浴びせようとするのだが――何故か彼女の口からは、うまく言葉が出なかった。 「あらヴァリエール、もしかして照れてるの?」 ルイズにとっての不運は、この場にその行動の理由付けをやや強引でもやってのける人間がいたこと。 「僕にもそう見えるなぁ」 「うむ、照れているようだな。顔が赤い」 「照れてる」 そしてそれが一人ではないどころか、その場にいる全員だったことである。
「しかし師匠たちが召喚されてからルイズの違う一面が見れて、楽しいなぁ」 瞬間、ルイズの顔色が赤を通り越し、火を吹いた。 ギーシュがそのタイミングで口を開き、笑ったのは間が悪かったとしか言いようがない。 元々恥ずかしさで爆発寸前だったルイズにとってその一言がとどめになってしまったことと、彼自身が極めて鬱憤をぶつけやすい人物だったこと。 この二つが合わさった結果としてギーシュがこうむった被害は――ルイズに杖を向けられ、魔法によって攻撃されるという悲惨なものだった。 「っちょ、何で僕!?」 「うっさい!大人しくヤられなさい!!」 「そんな無茶な!?」 自身の周りで巻き起こる爆発を必死に回避しながら逃げるギーシュと、彼を追いながら何度も杖を振るうルイズ。 当人たちは必死だったが、端から見るとただの愉快な光景であった。 「うむ、元気なのは良いことだ」 「いや止めろよ、お前仮にも師匠だろ」 そんな呑気な会話を尻目に、ルイズの失敗呪文――本人はファイヤーボールを唱えているつもりである――は炸裂しつづける。 「僕そんなの喰らったら死ぬかもしれないんだけど!」 「そんなの知らないわよ!」 「知ってよ!?」 大地を抉り、木をへし折り、学院の壁に亀裂を走らせる。 次々と刻まれるその傷跡は、ルイズの魔法が生身の人間に直撃すれば軽傷では済まないことを示していた。 少なくともこの場にいる人間は、もうルイズの起こす爆発を失敗と笑うことは出来ないだろう。 そして暁たちが『そろそろ止めるか』と動こうとしたとき――大地が、揺れた。 「――ッ!」 背後に出現した、あまりにも巨大な気配。 それに反応し、弾かれるように後ろを振り向いた暁とボーが見事に固まる。 「なんだありゃ……」 どこか呆けたような暁の呟きにつられ彼の視線の先を見たほかの面々もまた、同様な言葉を頭の中に浮かべる。 それは、追いかけっこを続けていたルイズとギーシュをも静止させるのに十分なインパクトを持つ存在だった。 ――馬鹿馬鹿しいほどに巨大な土のゴーレム。 まるでキングコングを土でコーティングしたかのようなそれが――ゆっくりと歩みを進めてくる。 「暁!一体何だあれは!何であんなデカブツがこちらに向かってくる!」 「俺が知るか!とっとと逃げろ!踏み潰されるぞ!」 まるで水面に広がる波紋のようにそれぞれがそれぞれの方向へと走り、ゴーレムの進路から逃げ出す。 そして誰もいなくなった空間にゴーレムの足が振り下ろされ、大地にめり込んだ。 「魔法ってのはあんなデカブツまで作れんのか、便利だな畜生!」 「あんなものそう簡単に作れるわけないじゃない!」 暁やボーにとってそれはテレビや漫画の中にだけ存在する極めて現実感のない存在であったし、 ルイズたちにとってはまだ現実味こそあったものの、そうそうお目にかかれる存在ではないことに変わりはない。 畏れや興味といった感情のこもった視線を浴びながら、ゆっくりとゴーレムが学院へと近づいていく。 そして大きく腕を振りかぶり――学院の壁に拳を叩き込んだ。 轟音とともに、壁に穴が穿たれる。 「……解体工事、ってことはないよな」 「アカツキ、それ本気で言ってる?」 「冗談だ、賊ってのは見りゃわかる。強盗にしたって派手すぎるけどな」
黒い影がゴーレムの腕を伝い、建物の中へ侵入していく。 ローブか何かで全身を覆っているらしく、暁の場所からでは背格好すら確認することが出来ない。 「なぁ、ルイズお嬢さん」 「何よ」 「あの強盗、黙って見逃すってわけにはいかないよなぁ?」 「そりゃそうだけど――ってまさかあんた」 「期待しないで待ってな」 唖然とするルイズをよそに、暁はゆっくりとゴーレムのほうへと歩みを進めた。 その顔には、心底楽しそうな笑顔が浮かべながら。 「ボー!始めるぞ!」 暁がそう叫んだ刹那――中庭の薄暗い闇を、獣じみた雄叫びが切り裂く。 「ぬぅおおおおおおおおおお!!」 叫び声の主は考えるまでもなく、ボー・ブランシェ。 そしてルイズが叫び声のしたほうに目をやると――彼は、ありえない場所にいた。 空中。 そうとしか表現しようのない場所にいるボーが現実であるとルイズが認識する直前――轟音が響く。 それは、ボーの蹴りがゴーレムの脇腹にめり込んだ音。 「な――」 普通は到達できない高さまで跳躍し、馬が全速力で壁に突っ込んだような一撃を繰り出す。 平民が魔法の助けなしにそんなことをやってのけたなどと言っても誰も信じないだろう。 それは目の前に存在する巨大なゴーレムが完全に霞むほどに、ルイズにとって――否、ハルケギニアに生きる者にとってあまりに現実味のない光景だった。 暁はずっと『どうすればこのデカブツを処理できるか』を考えていた。 結論から言えば『おそらく無理』である。 ロケットランチャーのような、そういったものに対処するための武器があれば話は変わってくるが、 そんなものが都合よく存在するはずのない現状では、どうにかするにはゴーレムのサイズが大きすぎた。 それでもゴーレムに挑むことを選んだのは、単純に暁がそういった困難や無茶に好んで突っ込んでいく人間だったからに他ならない。 だが、ボーの攻撃によってゴーレムが大きく傾いだことで、状況は大きく変わる。 校舎から出、腕を渡っている最中だった賊がものの見事にバランスを崩し、地面に向かって落下を始めたのだ。 そしてそれを見逃すことなく、暁は地を蹴リ走り出した。 走る暁の視線の先――落下中だった賊は空中で数度回転し、手にしているケース――何故そんなものがここにあるのかは甚だ疑問だったが――も手放すことなく、まるで羽毛のように着地した。 落下を始めた場所は学院の五階部分にあたる高さであり、普通はそんな簡単に着地などできるはずがない。 だが暁はそんな一連の流れに驚くこともなく―― 『賊を殴り倒せばゴーレムは止まるかもしれない』 『違ったら違った時にまた考えればいい』 ――そんな適当極まりない思考とともに、鞘に入れたままのデルフリンガーを振りかぶる。 瞬間、彼が聞いたのは、心底面倒臭そうな舌打ちと、小さな呟き。 それが賊の発した音だと理解する前に――賊の持った指揮棒のような何かが、暁を指し示した。
「――ッ!」 その瞬間暁が感じたのは、奇妙な浮遊感。 まるで水の中にいるような、空にいるような、自らの身体がふわりと浮き上がる感覚。 それは比喩でもなんでもなく――暁の身体は実際に、若干ながら空中に浮かび上がっていた。 あまりに唐突な、まるで想定していなかった状況の変化に暁は対応しきれず、振り下ろした脚は大地を踏みしめることなく宙を切った。 そして振り抜いた脚によって生じたベクトルは他のベクトルと混じり合い――慣性のままに暁の身体を振り回す。 それはまるで、溺れているかのような状況。 『レビテーション』 火・水・風・土のどれにも属さない『コモンマジック』と呼ばれる基本的な術の一つで、自分やモノを浮きがることができる魔法である。 だが、その決して戦闘用とは言えない魔法による僅か一、二秒感の浮遊は、魔法に関する知識も、宙に浮いた経験もない暁を混乱させるには十分すぎた。 そして落ち着く暇も、受身を取る余裕すら与えられることなく――唐突な浮遊感の消失とともに慣性が暁の身体を真正面から大地に叩きつけた。 (これがこの世界の魔法か!) 致命傷にはなりえないものの、一瞬動きを止めるには十分すぎる衝撃が全身を駆け抜ける。 未知の技により完全に手玉に取られたことを自覚しながら――暁は心の奥で、笑った。 暁の世界にも『魔法使い』は存在する。 もっとも魔法自体がハルケギニアのように当たり前の存在ではなく、神話や伝承の遺物をめぐる戦いの最前線にいた暁ですら実際に遭遇したのは数えるほど。 その上この世界の魔法は暁にとっては完全に未知。 未知の敵と戦えること、そして相手が十分に手強いこと――暁は純粋にそれが楽しくて愉しくて仕方なかった。 「暁ィィィィィィ!」 ボーの叫びが聞こえ、揺れる視界の端に指揮棒で天を指し示す賊の姿が映る。 指し示した先にあるのは――ゴーレム。 ――嫌な予感しかしない。 無理矢理体を起こし、大きく前方へと跳躍する。 見れば、ゴーレムが崩壊を始めていた。 真下から見上げるそれは、さながらビルの崩壊のような光景。 そして三人がそれぞれの方向へと跳んだ直後――巨大な質量を構成していた土砂が大地に降り注いだ。 視界を埋めていた土煙が晴れたとき、既に賊の姿は消えうせていた。 「派手な逃げ方だな、おい」 残されたのは壁の大穴と土砂の山――。 『強盗が入った』と言うより『学院に迫撃砲が撃ち込まれた』と言ったほうが現実感がある、そんな光景。 苦笑とともにそれを眺めていると、ボーが慌ててといった様子で駆け寄ってくるのが見えた。 「無事か暁!」 「脚はちゃんとついてるぜ?」 「それならばよい。しかし……何だったのだ、あいつは」 「強盗だろ。目的の物はしっかり持ってたみたいだしな」 結局、賊は最後までケースを手放すことなく闇の中へと消えていった。 侵入時は所持していなかった以上、おそらくそれが学院内から持ち出されたものなのだろう。 やはり――暁にはどうしてもケースが引っかかる。 古びてはいるもののトランクの形状、見た目の材質はどう見ても近代的なものであり――まるで暁たちと同様に違う世界からきたかの如く、この世界のあらゆる事象から浮いていた。 (まぁ……気にしても仕方ねぇか) どの道あとはこの世界の住人たちが勝手に片をつけてしまうだろう、自分には関わりようがない。 願わくばもう一度――という気持ちは無論あったが、その願いは叶わないだろう。 駆け寄ってくるルイズたちを眺めながら暁はそんなことを思い、苦笑した。
今回は以上となります。 久々すぎてものっそ緊張した、何回投下しても慣れねー 書いてて思い出したんですが暁って4階から落ちてるんですよね、しかも背中から AMスーツって偉大ですね では、またw
乙 スプリガンだと染井芳乃が召喚されたらおマチさんと意気投合しそうだ
乙です。 ルーン補正が足枷になるとは珍しい。 とりあえずおマチさん逃げてと思いつつ次回まで正座待機。
>311 確かにw おマチさんを死地に放り込んで独り占め目論んだ挙句『あれ?生きてたんだ、しぶといわね〜』位言ってのけそうだw ルーン補正が足枷になるのは確かに珍しいな。そういえば鬼哭街のひともそうだっけ? 他にも居てもおかしくない感じだが。 …そして、何となくボーならあっさりスペック上がった状態で戦えるようになりそうな気もしつつ、基本素手なんだよな…
まとめwikiの運営議論スレとタグ付け議論スレが非常に香ばしいぞ ぶっちゃけ生半可なSSより面白い流れになってるww
竜†恋のドラゴンを呼び出したらシルフィードと意気投合しそうな気がする。 ドラ「恋っぽいことしようぜぇ?」 シル「するのね〜♪きゅいきゅい」 ルイズ&タバサ(い、胃が痛い…)
いっそのこと、『大日本帝国召喚』なんてどうかな〜、なんて考えてみたが……。 どうひねってみても、「ハルケギニアは大日本帝国によって征服されました」という結末しか 有り得ないんだよなあ。 もし最初に狙われたのがガリアだったら、ジョゼフ王の「火石の魔法」に恐怖した帝国が、 「ハルケギニアのメイジを皆殺し」くらいやるかもしれんが。
大日本帝国に牟田口がいるなら確実にハルケギニア側が勝つ気がする
むぅ、このままだと暁が要らない子になっちまいそうだ…orz どっかに破壊の鎧が転がってないかね?
>>314 とうとうプリキュアの人も撤退しちゃって、作品がまとめて削除されてしまったのは残念というしかない。
>>316 日本は海洋国家だから、海軍と航空兵力は優秀だったが、肝心の陸軍が銃剣突撃一辺倒で
ハルケの軍隊と大差ないから征服まではどうかねえ
連合艦隊をハルケの戦力で撃破するのは不可能だろうが、占領維持するには優秀な陸上兵力が不可欠だし
サクラ大戦の世界の大日本帝国とかいうならわからんが
ハルケの軍隊って航空戦力あるから運用しだいじゃ日露戦争のころの列強の軍隊と伍して戦えるよね。
補給を軽視する超大間抜けな大日本帝国軍じゃ糞みたいな泥臭いことやりそうだよな
>>320 海上戦力沈める方法ないのがきついんじゃないか?
>>319 フライ使いながら別の魔法って使えたっけ?
竜†恋が上がってたから東京不死帝国のことかと思った
ハルケギニアから見て大日本帝国の皇族・華族ってどう映るんだろう。 中世に比べれば権力・生活ともに、かなり慎ましく見えるんじゃないか。
>>323 とても難しいけど熟達したメイジなら使える。
玉座の間が藁敷きで食器が黒パンだった中世と比べればどんな生活も豪奢だぜ ゼロ魔世界は「近世」がモデルな
>>319 無知だな、チミは。
日本陸軍の銃剣突撃一辺倒のイメージは、戦争末期の玉砕から来てるだけだぞ。
というか、これ以上はスレ違いだから別の話題にしね?
軍オタが湧くぞww
旧軍モノは“小説家になろう”に投下して下さい。
大日本帝国といえば萌えゼロさんのがまさにそれだけど…呼ばれているのが 呼ばれているのだけにそんな感じがしないw DL販売始めたデラックスをプレイしてみたけど、日本軍主役の太平洋戦線編の ふがくのチートさったら…w ミッドウェイで負傷したあかぎを助けようとする日本軍とそれを包囲する米軍の 両方に気づかれない高々度から進入して「米軍だけ」精密爆撃で粉砕するってw 直前に日本軍には警告入れるけど、ありゃルイズで制御できるとは思えんw 連合軍編は未プレイだけど、こっちだと攻略本みたらフガクはノーマルエンドの ラスボスだったんだね。呼ばれてるのはこっちだからまだ制御できてるのかな?
まあリアルで言えばアメリカ軍が実在するチートですので・・・
もういっそのこと太臓キャラ召喚して、パロディと称して他作品キャラのバーゲンセールにしちゃえばいいよ。 俺はジョジョネタのチープな改変しか出来ないから絶対書けないけど。
プチお久でございます。 1か月ぶり、でしょうか。 お初の方は初めまして。 覚えていてくださった皆様、お待たせいたしました。 エルフ戦の続きを投下させていただきとうございます。 23:15頃より失礼いたします。支援でも悪口でも罵倒でも構いませぬ。どうぞ1つ、よろしくお願いいたします。
続けることは良いことよね
支援。待ってました。
投下開始です ---- 「ルイズおねえちゃんを、離せ!!」 声を、一際高くあげる。 そうでもしないと、体に伝わるしびれに負けてしまいそうになるからだ。 「――よく分かったな?」 あのエルフは、ルイズおねえちゃんを人質にとっている。 ルイズおねえちゃんの細い首をすぐにも握りつぶせそうにつかんで。 さっきまでの『部屋の中央にいた』エルフでは無く、『見えなかった』エルフだ。 顔は同じだけど、まとっている空気は別のものだった。 さっきまで戦っていたエルフが魔力の壁、と言うとするなら、 今このエルフは魔力に溶け込んでいる空気そのものだ。 実体がつかめないほど、たゆたっている存在。 無駄をそぎ落としたような、実体のある幽霊って感じだ。 「……ギーシュの攻撃、少しだけかすったから」 身体の痛みを引きずるように、言葉を口から出していく。 頭がまだ冷静さを保てているかどうかを試すように、ゆっくりと。 「ほう?だが、それだけで……」 「物理攻撃も跳ね返してたのに、『グラビデ』で引かれた小石は跳ね返して無かった。 だから、意識しないと物理攻撃は跳ね返せない……そうでしょ?」 このエルフは、物理攻撃を跳ね返した。 それも全部じゃなくて、致命的なものだけを。 違和感は、そこだったんだ。 「それで?」 ルイズおねえちゃんの首を抑えたまま、エルフが問う。 少しだけ、楽しげな様子に見える。腹立たしく、なるほどに。 「そうなると、『意識した攻撃』って、普通『目に見える攻撃』だよね? だけど、死角から攻撃したものを跳ね返したのに、ギーシュの隙だらけの真正面からの攻撃がかすったのはおかしいから……」 ボク達の世界の『リフレク』とは違う魔法。 その理屈を、起こった結果から逆の順番で考えていったんだ。 隙だらけの攻撃を跳ね返さずに、死角からの攻撃を跳ね返した。 ということは、死角が死角じゃなかったってことを意味するんじゃないかと思ったんだ。 ……だから、答えは『目に見える物だけが敵ではない』…… ボクがいた世界にも、『バニシュ』って姿を消す術を使ったモンスターがいたから分かったんだ。 ギーシュとクジャに助けられる結果になってしまったなぁと思う。 「『他所よりの観測の存在』というわけか。 やるな、少年」 『よくできました』とでも言いたそうな軽い言い方。 痛みを堪える頭に、嫌な感じで響いてくる。 「さぁ、ルイズおねえちゃんを離してっ!!」 もう一度、声を高く上げた。 身体がバラバラになりそうになるのに、顔をちょっとだけ歪むのを感じながら。 ゼロの黒魔道士 〜第五十五幕〜 死闘 ― Fight To The Death ―
「だが、勘違いが1つ」 エルフは、微動だにしなかった。 それどころか、眼すらつぶっていた。 「ぐわっ!?」 「ギーシュ!?」 ギーシュがエルフの背後から弾けて転んだ。 死角から攻撃しようとしたらしいけど、どうして? 「私自身が使う『反射(カウンター)』は精霊の力を最大限に借りるため、『意識する』という工程は必要ない。 先ほどの土人形にまとわせた物とは違って、な」 このエルフが使っているのは『リフレク』と同じ効果を物理攻撃にも当てはめてしまっているらしい。 つまり、このエルフを狙った攻撃は全部跳ね返される…… 「うっへ、流石先住……チートもいいとこだわ」 クラクラしてくる頭で、デルフに同意してしまう。 これって、ズルいどころじゃない。 でも、こんな強さなら、どうして…… 「――何故?と問うか?最初から私自身が姿を現すべきであったと?これも、約束のためだ」 エルフが、ボクの心を読んだように答える。 「約束って、何よ!さっきから……」 ルイズおねえちゃんが、首を握られたまま苦しそうに反発した。 「指輪と、『始祖の祈祷書』。渡してもらおうか」 「なっ!?」 「え!?」 ルイズおねえちゃんから、うめき声が漏れ出た。 「どうした?お前が所持しているのだろう?」 「な、何であんたがそんなものをっ!」 それ以上に、なんでエルフが指輪と祈祷書のことを知っているんだろう? なんで、エルフが『虚無』にまつわるアイテムのことを? 「何度も言わせないで欲しい。約束だ。果たさない限り、私は何でもしなければならない」 「くっ……」 「ルイズおねえちゃん……」 その言葉を裏付けるように、ルイズおねえちゃんの首をしめる力が強くなるのが、見て分かる。 どうにかしたい、でも、一歩が踏み出せない。 ルイズおねえちゃんんを助ける方法を、必死で考えながら、エルフをにらみつけるしかなかった。 「――渡せば、他の人は傷つけないのね?」 「少なくとも、私はそのつもりだ」 ルイズおねえちゃんのうめき声に、エルフの静かな声が答える。 ルイズおねえちゃんは、渡す気だ。『虚無』の大切なアイテムを。 「ルイズ、渡しちゃいなさいよ、早く!」 キュルケおねえちゃんもそれを後押しする。 確かに、ルイズおねえちゃんの身を守るためにはそれしか方法は…… それで、助かるというなら、それが正解だと思うんだけど…… 何かが、何かがおかしい気がした。
「――仕方ないわ……」 苦しそうな顔をしながら、ルイズおねえちゃんがローブの隙間から『始祖の祈祷書』を取りだして渡そうとする…… 「ふむ――むぉっ!?」 瞬間、エルフの身体がぐらついた。 よろけた拍子に、ルイズおねえちゃんが投げだされるような形で床に落ちていく。 「ルイズおねえちゃん!」 床に頭をぶつける一瞬前に、ボクの身体をすべりこませる。 ルイズおねえちゃんは、ケホケホと苦しそうな咳をしたけれど、無事そうだった。 「ちょ、ギーシュっ!?」 キュルケおねえちゃんの鋭い叫び声に振り替えると、 エルフの真下の床が、ボロボロに崩れていた。 「あ、足元がお留守だったでしたのでっ!?」 ギーシュが、バラをまっすぐと崩れた床に向けている。 『錬金』。 床をもろい土くれにでも変えてしまったのだろう。 でも、なんでこんな危険なことを? 「小癪な真似をする……ほう、今のは、お前か?」 今度は、崩れた床がドロドロの沼のように溶けだしている。 モンモランシーおねえちゃんが、ギーシュの後ろで杖を震える手で構えていた。 「み、みみみみみずみず水の使い道は治療だけではなくってよ!!」 溶けた床に、くるぶしまで埋まって、エルフの身動きは簡単に取れそうにない。 水魔法にこんな使い方があるって素直に感心してしまった。 「蛮人共の小賢しき知恵か」 エルフの周囲の空気がぐらりと歪んだ。 いや、そう錯覚するほどに、魔力が満ちているのが分かる。 壁や本や石畳が、その魔力に合わせて鳴き声を上げる。 まるで、パイプオルガンの全部のキーを押したみたいな唸り声だ…… 「だが、正解だな。 私は諸君を傷つけるつもりは無いが――」 何重奏にもなって共鳴する魔力の中、エルフの透き通る声だけがその空間を貫いて、聞こえてくる。 「――諸君らの『再起不能』も約束の内だ」 ギーシュ、すごい。そう、素直に思った。 エルフの足場を崩す『錬金』が無ければ、ルイズおねえちゃんも、ボク達の命ももう無かっただろう。 ……逃げ場、無し。 状況は、最初と変わらない。 だから。 「とんでもない約束もあったものねぇ……」 諦めたように髪をかきあげ、つぶやくキュルケおねえちゃんも、 「――ほんっと、冗談じゃないわ!タバサを助けてさっさと帰るつもりだったのに!」 『始祖の祈祷書』を大事に抱えてエルフをにらみつける、ルイズおねえちゃんも、 「どの道帰すつもりねぇってことかよ。さぁて、相棒、どう戦う?」 相変わらずあっけらかんとした声で、ボクを支えてくれるデルフも、 「……デルフ、防御は任せていい?」 ギーシュも、モンモランシーおねえちゃんも、 ……そしてもちろん、タバサおねえちゃんも。 シルフィードをこれ以上、待たせるわけに行かないものね! 「ケケ、『神の盾』の盾ってか?あいよっ、メイン盾になってやろうじゃねぇのっ!」 「……行くよっ!」 このエルフを倒して、タバサおねえちゃんを助ける。 ボクがやるべきことは、それだけだ!
「無駄なことを」 空間に漂う魔力を、石畳や本、あらゆる物に纏わせて、踊るように、それらが降り注ぐ。 纏った魔力が、あらゆる物を重く、鋭く、大砲の弾のように変化させている。 激流や嵐の中の中にいるみたいだ。 それを、避ける。防ぐ。いなす。弾く。斬る。 デルフがボクを躍らせる。 波に逆らわずに漂う羽のように、足が勝手に運ばれる。 その動きを心地よくさえ感じながら、ボクは、呪文を唱えることに集中できたんだ。 「大気に集いし溢るる涙よ、 集いて固まり満ちるがいい! ウォータ!」 唱えられた大粒の水球、魔力の大波にもまれて球の形を保てないでいる。 そのまま、嵐に揺れてエルフの足元で弾けて消えた。 「どこを狙っている?」 エルフは、涼しそうな顔でそれを見ていた。 少し、鼻で笑いながら。 「ビビちゃんが外したっ?」 「し、しっかりしなさいよビビ――きゃっ!?」 全部は、防げない。キュルケおねえちゃんの炎や、ギーシュの剣でも。 石畳が、本によって砕かれて、それがまた新たな弾となって襲いかかる。 「これで……後は……」 息が、切れそうになる。 後少し、後少しなんだ。 「あぶねっ!相棒よぉ、そろそろなんとかしてくんねぇとこちとら燃料不足だ!」 デルフ、もう少しだから、と言いたくなるけど、呪文の詠唱を急ぐ。 デルフどころか、ボクも燃料切れだな、って思いながら。 「天空を満たす光、一条に集いて……」 「わちゃっ!?……そうか、ビビ君!」 ギーシュの声が、うっすらとだけ聞こえる。何か、気づいたみたいだ。 「も、もももういやぁーっ!な、何何なんなのよっ!!」 モンモラシーおねえちゃんの問い返す声も、少しだけ。 「エルフさえ狙わなければ、跳ね返されないってことさ!」 ギーシュ、大正解。 物理攻撃を跳ね返す、とんでもない魔法。 でも、その基準は結局は『リフレク』と同じ、と思ったんだ。 ギーシュやモンモランシーおねえちゃんの魔法……エルフの足元への攻撃がそれの証拠だ。 『リフレク』は、魔法の対象となった場合に、それを感知して跳ね返すという鏡のような魔法だ。 だから、“魔法の対象”にさえし無ければ跳ね返らない。 つまり…… 「 神の裁きとなれ! サンダガ!」 足元にばらまいた、水。 これに攻撃しても、跳ね返されないんだ!! 「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」 ギーシュが崩した土と、モンモランシーおねえちゃんの水がうまく混ざっているから、さらに効いた。 骨も見えそうなぐらい雷の直撃を食らったら、流石のエルフだってひとたまりもない、よね? 「……や、やった?」 魔力の嵐が止んで、少しだけ息をつく。 ……なんか、息の仕方まで忘れちゃった感じがする。それぐらい疲れていた。 「ビビちゃん、やっるぅ〜!」 「――あー、やったにゃやったが……こりゃ、ヤベぇかな」 デルフの、嫌な予感。 当たらなければいいなぁって、何度思ったんだろう……
「――なかなかに、効いた……もう、容赦せんっっっっ!!!」 黒こげになりながら、エルフの目がギランっと光った。 ぶり返した魔力の嵐は、ビリビリとしびれるような感じがした。 ボクの雷を吸い取って、そのまま吐き出すかのような、そんな空気。 それが何か所かにまとまってより濃密になっていって、床に浸みこんでいって…… それは、信じたくない光景だった。 「ふ、増えたっ!?」 「やめてやめてやめて!?悪夢よ嘘よ冗談よ何かの間違いよっ!?」 モンモランシーおねえちゃんの泣き叫ぶ声が共鳴する。 「風の遍在ってわけでも無さそうねぇ……」 キュルケおねえちゃんがつぶやく横で、ルイズおねえちゃんがあんぐりと口を開けている。 「ゴーレムかっ!?」 ギーシュが、ゴーレムと呼んだそれらは…… エルフと全く同じ姿をしていた。 「万の精霊よ、我は古き盟約に基づき対価を支払う!我が写し身を成して全てを滅ぼせ!」 速い。 一瞬の内に、間合いを詰められて、ボク達は分断されてしまった。 それぞれのエルフの姿が、仲間の姿を覆い隠すように動いて、全く様子が分からない。 「相棒、策は?」 全く、無い。 「……デルフは?」 「――お互い、万策窮すってぇわけか」 だからって、諦めるわけには、いかない。 「とにかく……防ぐしかないっ!」 「それしかねぇわなぁ……あぁ、ちきしょ!これなら7万の兵隊相手にした方が楽だぜっ!」 デルフがそううそぶいて、ボクを勇気づけようとする。 槍のように研ぎ澄まされたエルフの近接魔法の中、あぁ、これが『死闘』って言うんだなって、そんなことを考えていた。 でも、『死闘』は、『死にに行く闘い』なんじゃない。 『死に抗う闘い』なんだ。 だって、そうだよね? ボクには、ボク達には…… 帰る場所が、あるんだから。 「はぁぁああああ!!!!」 そしてボクは、嵐の中へと飛び込んだ。 ---- ピコン ATE 〜英雄〜 「厄介なことになったなぁ……!」 一撃を避けようとすると二撃を喰らう。 二撃を正面で受け止めると、連撃が背後から襲う。 エルフというヤツは、辺境の地にいるためか遠距離からこちらを狙ってくるというイメージばかりあったが、 こうも中から近距離での攻撃が得意であったかと、ギーシュは舌を巻いていた。 突いたかと思えば離れ、離れたかと思えば急襲し、全く捕え所が無い。 「もうイヤッ!イヤよ!こんなのあり得ない!耐えられない!」 背後には、顔中が洪水のように崩れた恋人の姿。 「モンモン、しっかり僕の後ろに……」 わずかに訪れた攻撃の合間を縫って愛しき人へと声をかける。 「ギーシュ!あ、あああ貴方、平気なの!?ここここんなピンチが危険だってのに!?」 恋人は、混乱していた。 当たり前だ。ハルケギニアで最強と言われる存在が、いきなり増えたのだ。 おまけに、モンモランシーは戦うように作られていない。 キュルケや、ギーシュといった軍閥とでも言うべき家の子でも無ければ、 ルイズのような名家の娘でも無い。 ほんの小役人にすぎない、小じんまりとした家系に生まれた、 平々凡々である娘なのだ。
「……平気なわけないさ」 だが、ギーシュはそんな彼女を、一切卑しむことも、憐れむこともせず、優しく声をかけ続けた。 「でででででしょ!?ななななな、ならににに逃げましょ――」 「だけど、それはできない」 まるでそれが、最期の言葉になるかもしれない、と言うようにだ。 「はぁぁぁっ!?あ、ああああんた、さっき頭ぶつけたの!? エルフよ!?それも十数体も!?ふざけてるの!?バカなの!?死ぬの!?」 彼女の中で、エルフの数が明らかに増えているのにため息をつきつつ、 ギーシュは、ニヤリと、せいぜい強がって笑って見せた。 「ライバルが、戦っている。それに……」 「何!何だって言うのよ!!!」 「この世で一番大切な人の前で、かっこ悪い所を見せるなんて男じゃない!」 「……え」 『男なら、誰かのために強くなれ』 ギーシュが師と仰ぐ平民の女騎士が、そう教えてくれた。 『歯を食いしばって、思いっきり守り抜け』 そう、迷うことは無い。それが、今、自分にできる、最大の『カッコいいこと』なのだ。 「 『錬金』っ!!装着っ 魔導アーマー! 」 男なのだ。 男なのだから、『カッコいい』ことは当然だろ? そう言わんばかりに、ギーシュは錬金でできた鎧をさらに強化し、 英雄たらんと、その青銅の剣を振りかざした。 「ば、バカよアホよマヌケよ……あぁ、私もバカっ!!」 モンモランシーは、悪態をつきながら、ギーシュの回復の準備をする。 バカな恋人を持つと、バカさ加減が似てきてしまうのかと思いながら。 『逃げたい』から、『守られたい』へ。 さらに、そこから『助けたい』へ。 彼女もまた、小さいながら英雄の資質を持っていた。 ---- ピコン ATE 〜光〜 「な、何か何か何か何か……」 せわしなく、ページの上を指が行き来する。 細く頼りない、重い物を持ち上げたことの少ない、貴族の娘の指だった。 「ちょっと、ルイズ!このバカ!何やってんのよ!しっかり私の後ろに隠れてなさいっ!」 その頼りない娘の姿を、もう1人の娘が咎めた。 先ほどから炎の弾のバーゲンセールである。 どれもこれも、散り散りに弾かれたり跳ね返されたりと、相対するエルフには届かない。 それでも、炎を繰り続けることしか、彼女にはできなかった。 さもなければ、憎まれ口ばかり叩きあってきた、背後の頼りなさげな少女と共に命を落としてしまうだろう。 ましてや、友情を誓い合った青い髪の少女の命すら…… だから、彼女は、炎を紡ぎ続けた。 それしかできぬ自分に、歯噛みしながら。
「わ、私だって、私だって何かできるのよっ!」 「それは分かってるわよっ!でも、まっ白けな本広げる以外にあるはずでしょっ!?くっ……」 一撃を、食らう。歪んだ空気をそのまま押しあてられたかのような、鋭い刺撃。 彼女が知るどんな風魔法よりも鋭いそれは、彼女の左肩に鮮血の花弁を撒き散らしながら軽々とえぐった。 「――お願い、答えてよっ!始祖っ!答えなさいよっ!」 「ルイズ?」 ルイズの、妙な様子にキュルケが気づく。 後ろを見る余裕など無いはずだが、少しだけ、視線をそちらに振り向けた。 「こう何度も色んな背中に守られてねっ、耐えられるほど私は強く無いのよっ!私だって、私だって!」 その目は、死んじゃいなかった。 最初に出会ったときと同じ、理想に燃えていた、幼い少女のまんまだった。 「ルイズ……もう!こいつ、しつこいっっ!エルフって女日照りなのかしらっ!!!」 その姿に、少しだけ安心したようにキュルケに少しだけ余裕が出たのか、軽口を叩いてみる。 憎まれ口を叩き合った仲だ。ここで怯えた姿でもしていたら、やる気も何もそがれていたかもしれない。 こうでなくては。キュルケは、激戦の中に少しだけ笑ってみた。 「答えてよっ!」 一方のルイズはというと、焦っていた。 乱戦。 それこそが、最大の焦りの種であった。 『エクスプロージョン』は、対象が大きく多数あるような場所でこそ効果を発揮する。 その事実は、最初に呪文を唱えたときに既に理解していた。 だが、このような乱戦では。 的も小さく、敵味方の入り乱れる乱戦では。 爆発の魔法は危険極まりない牙となり、自分は愚か、大切な友人達の命すらも飲み込んでしまうだろう。 だからこそ、彼女は焦っていた。 ページをめくる手は止まらない。 彼女は求めていた。 「このままじゃ……このままじゃ……私、みんなを守りたいっ!!」 その、答えを。 それは、純粋な願いであった。 だからこそ、であったのかもしれない。 「え?」 「な、何?この光……」 『始祖の祈祷書』が放つ光は、どこまでも透き通るような、暖かい色をしていた。 その光に包まれるは、『虚無の担い手』である少女。 どこまでも純粋に、友を守ることを祈った少女は、その呪文を理解する。 瞬きをし、目が見開かれた時には、為すべきことが分かっていた。 「……キュルケっ!」 少女らしく輝くような笑み。 その眩しさは、キュルケがルイズを知ってから、1度も見たことが無いものだった。 「な、何よっ」 「あと30数えるだけ耐えて!」 「は!?」 「お願い!あんたを信頼してるからっ!」 「あぁ……炎は守るのに不向きだっていうのに!」 そう文句を言うものの、キュルケは嬉しそうに正面を向いた。 エルフが何だと言うのだ? こっちはハルケギニア最強の、女同士の友情だ! 「ウル・スリーサズ・アンスール・ケン……」 朗々と謳いあげられる不可思議な呪文に、キュルケは一種の充足感を感じていた。
---- 「……歌?」 それは、どう聞いても歌だった。 この魔力の嵐の中、誰かが、歌っている? 「相棒っ!? うぉっ!! よそ見、 どぅわっ!? すんじゃねぇよ!!」 デルフに動かされるように踊りながら、ボクは確かに、その歌を聞いた。 「これって……」 メロディーは、違う。 でも、この暖かさを、ボクは確かに知っていた。 「ビビ!デルフを構えて!」 「……うん!」 飛び交う石畳や魔力の応酬の中、聞こえるはずの無い声が聞こえる。 そして、安心するんだ。 ルイズおねえちゃんが、無事であることに! 「『解除(ディスペル)』!!」 歌そのものが、鮮やかな小さな光となって散らばったように感じたんだ。 それが部屋の中を満たすように渦巻いて、魔力も何も優しく優しく包み込むように、飛んでいく。 「何……!?」 「え、エルフが消えた……っ!?」 光のシャワーの向こうに、ギーシュも、モンモランシーおねえちゃんも、キュルケおねえちゃんも、 そしてもちろん、ルイズおねえちゃんの姿もあった。 そして、残るエルフは、あと1人。 「あー!やっと攻撃できるわね!」 「はぁぁぁぁぁ!!」 「 『ギーシュローゼン……』」 何故か、みんな理解できたみたいなんだ。 『あの光が、エルフの魔法を全部消し去った』って。 だから、みんな一斉に攻撃できたんだと思う。 「食らいなさい!!」 「せぇいっ!」 「『大凶斬り』!!」 「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああ!!!!!」 二降りの剣撃と、炎の塊が、エルフを貫いた。 ---- 以上でございます。 やっとエルフ戦終わったよぉぉぉ…… バトルは苦手です…… 相変わらずの駄文申し訳ないです。 まだバトル展開がある予定なので、もうちょい上手く書きたいなぁと思います。……できると、いいなorz それでは、お目汚し失礼いたしました。
ボス戦BGM→通常戦闘BGM→戦闘終了のファンファーレの順でハッキリと脳内再生された。 投下乙ッした。
乙でした。 ビビちゃんの活躍は当然ながら、脇役たちがとてつもなく光っていました。 まさか、ギーシュで「英雄」をやるとは…… 次回も楽しみにお待ちしています 執筆ガンバってください!
やばい、ギーシュがカッコイイ。 そうですよね。ギーシュはやればできる子なんですよね。 弱いけど男の子なんだよなぁと、モンモン守るシーンで思った。 あとそれに対するモンモンも ルイズとキュルケの友情も良かったです。
>319 >とうとうプリキュアの人も撤退 マジかー?と思って見たら本当に消えてるのな 数少ない貴重な完結作品ががが
作者がなんかよくわからん暴走して自爆したからなw
色々言いたいこともあるんだろうが作品撤退を交渉の手札にしちゃった形だしな
>>291 > ワルドは一旦退場した後、色んな作品の世界を巡っているんだよ
> 原作に再登場する時はむちゃんこパワーアップしてるぜきっと
なんだか世界の破壊者ワルドとか呼ばれてて、変なおっさんに「全てワルドのせいだ!」とか言われてる姿が浮かんだ。
仮面あるしライダー(幻獣)でもあるし。
私作者だけど、勝手に『原作準拠』とか『オリ展開』」とか決める人って…… ↓ はいはい分かりましたよ、名乗れば良いんだろ、名乗ればよ。 俺はプリキュアの人だよ! もう名前も出しちゃったし、俺がわがまま言って作業が進まないみたいにされてるから、もうここで書くの止めるわ。 じゃあの。
どこかの世界で死んじゃって戻ってこれなかったらどうするw
避難所行きになるけど、テイルズ・オブ・リバースのアガーテ姫(原作終了後)がアンリエッタ姫に召喚されたら…… と考えながら黒魔導士の方乙にございました。
黒魔の人乙ー いやいや、いいバトル描写だと思いますよ? 今回もすごく面白かったです。 んにしても、この引きは「やったか!?→やってない」フラグに見えてしかたないぜw
ワ「俺は・・・何回死ぬんだ? 次は、いつ・・・、どこから襲ってくるんだ? お、俺は、俺はっ! 俺のそばに近寄るなああ━━━━!!!」
>>350 見上げる船 原作の強さだけ輝いて
小物のよう ロリに走る瞬間始まるLegend
ガンダ煌く 作品越えて
飛び込む 迷走するParallel ワルド
>>353 ユージーンちゃん辺りがルイズに召喚されてそれがメインならこっちのスレでもありだろう
大日本帝国が来たら。 まず、そこらへんのメイジ拉致してからの人体実験だろうな。 「日本はそんな事しないし。」とか言ってる奴もいるだろうけど。 おおよそするだろうな。 そしてまず、どの時代の大日本帝国かが問題。 日清なら海軍の技能レベルは英国と並ぶ位、陸軍兵力は、勇敢但し射撃下手。空軍無し。 日露なら海軍の技能レベルが英国と同じかそれ以上、技術もなかなか、陸軍兵力は勇敢、精度高い銃が配備されてる、但し空軍無し。 第一次から陸軍が腐る代わりに海軍が上がって。 第二次から陸軍のほとんどが腐る(浸透襲撃だけはガチ)代わりに海軍と空軍は物量少なしといえど技能MAX
アメリカ本土に細菌攻撃をすれば勝てる見込みが出てくると言われたのに非人道的だからという理由で却下した日本帝国がとな
>>356 パラレルワルドww
白ワルドも面白いけど、ワルドの主義主張に筋を通したピカレスクものってのも面白いかもな
どう見ても草加です。本当に(ry
363 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2009/09/18(金) 08:53:33 ID:pWojsuHn
>>353 「亜人だ!亜人が姫殿下に!」「皆の者、姫をお守りしろー!」→召喚されてすぐ惨殺wwww
王冠?ドレス?知りません。悔しかったら書いてみろ!ゴミが!
>>359 大日本帝国に空軍ですか
後WWUの頃の陸軍が勇敢じゃないって事はないと思うが
日露戦争の頃だって陸軍の乃木大将が阿呆だったのは間違いなく有名だし
勇敢云々の評価は勝ったか負けたかだけだと思うが
牟田口と辻もきっと勇敢だったんだろう。絶対に評価は出来ないが
>>363 マジレスしていい?
まずはあのドレスに目がいくだろう。次に猫目、次に王冠、そしてネコミミ。
ハルケは貴族社会だしあのドレスは手がかかってるみたいだから身分はおのずと知れるし、
何より女王の使い魔だしガジュマでも待遇はそれに見合ったものになるだろう。
王家に伝わる月のフォルスと虚無をどこかで繋げて……
残り一週間の夏休みは塾バイトでいっぱいいっぱいだorz
とさか先輩でも召還されねーかな。 粉砕バットで粉々にされるギーシュのワルキューレ。
>>366 事故でメガネなくなったら、サイキョーじゃねぇかwww
粉砕バットの代わりにデルフが使われそうだな……
本気だすと、多分素手で行くんだろうけど
>>359 中国の人民解放軍がハルケギニアにやってきたら…
文字通り貴族から平民を解放してくれるかな
ハルケ平民は貴族いなかったらやっていけんだろうけどな
ワルワル〜、ぼくワルドだド。 みんな、応援よろしくだド。 がんばルド〜。エアニードル!
貴族の魔法によってある程度恩恵を受けているわけだからな。 医療や機械をはじめとする科学技術が発達せんと根本の部分は変わらんかもな
貴族の仕事って 水→薬精製して売る 火→戦場で戦う 土→物質の加工 風→火と同じか? 全部手作業の精神力という制限付きだから生産はかなり遅そうだな 水と土なんかは現代技術並に質が高そうだけど
製鉄と加工は魔法で全部をやってるわけではないみたいだ
やっぱエルフを筆頭にする亜人やその他の魔物みたいに 平民の武器じゃ太刀打ちできない脅威があるのが大きいと思う
>>373 水と土は貧乏貴族や平民の妾腹のメイジでも内職しながら食べていけそうだね
>376 キュルケを含む学院の生徒は、火のメイジでありながら火を攻撃以外に使う事は出来ないかと発明に現を抜かすコルベールを変人としてみなしていました。 しかし貴族社会では嫡子か嫁に出されるだろう女性以外は家を出るのがほぼ確定。火のメイジは傭兵家業以外に道は無いのかもしれない。 ……死亡率高そうだな。
>>368 いや、普通に考えて人民解放軍が来たら今のチベットやウイグルみたいになるんじゃないの?
ハルケギニアにはこっちの世界にある各種協定の様な縛りはなくなるから、連中が行ったら
(ハルケギニアが)悲惨な状態になるのは間違いないと思う。
まぁ、貴族からは解放されるだろうが、その代わりに連中が上に来るはず。
文明レベルなんざ、作者の都合の良いように適宜変動するもんでしょ
色んな作品のワルドの中で一番強いワルドや活躍したワルドはどれだろ 色んな死に様は話題に挙がってたが
>>380 ベルセルク・ゼロ(18-2)のグリズネフ戦と、
ゼロの花嫁(17A、17B)のメンヌヴィル戦がオススメなんだな。
>>380 一番強いのはMTLじゃね?多分正気じゃないけど
>>380 『エデンの林檎』のワルドはやたら格好良かった
ブラックドラゴンと契約したワルドはかなり強化されたな
しかしワルドといえば悲惨な最期ばかりが思い出される
>>385 何を言ってるんだ、幸せだったワルドもいるじゃないか!
『ご立派な使い魔』のロリコンのワルドとか……
よりによってあのワルドをw
ゼロの花嫁のワルドは正しい野心家、という感じで実に好感が持てたな。
>>383 『エデンの林檎』か・・・懐かしい
『虚無の魔術師と黒蟻の使い魔』や『聖石とゼロ』と並んで連載復活を待ってます!!
しかし、こんなリナ・インバースのごとく強くなるルイズの話は
強化ルイズ物と言うのかな?
個人的にはリナ・ルイズ物と呼んでますが・・・
いろんな伽羅が召還されるけど、タイミング悪い時に召還される作品ってないもんかな ルイズ「わが名はルイズ(ry」 召還された男「わりぃ界王様ここしか・・・あれ? ここいってぇどこだぁ? ま、いっか(笑」 的な感じで
憑依されるのが一番タチの悪い召喚系かね ルーンが刻まれたらほとんどの場合が協力的だし最悪でも敵対まではしない
似たようなのがJOJOスレであったな 『バージニアによろしく』の爆弾が召喚されて契約しようとしたらセンサーに反応して木端微塵でした
幸せワルドの話題 そしてジョジョ おっぱい子爵ですね
個人的には「さあう゛ぁんといろいろ」のワルドの(とっても濃い色に染まった) 輝きに勝るワルドを見出せない
>>391 また、長期連載でかなりの割合が、クロス作品の世界の敵が登場してくることだな。
>>391 結構敵対してるのあるような、そうでもないのか?
ワルドは人気だな
>憑依されるのが一番タチの悪い召喚系かね >ルーンが刻まれたらほとんどの場合が協力的だし最悪でも敵対まではしない キース・ロイヤルみたいなのを喚んでしまいヴァリエール家の名がうなぎのぼりになっていく方がタチ悪いと思う
王ドロボウJINGからキール召喚 自身が武器になるからデルフお役御免
デルフが活躍するSSはあったかな?
>>381 そういえばあのワルド、ガッツとの決闘もどきでわざと相討ちお互い寸止めに持ち込まれたんだよな。
返り討ちよりああいうやり方の方が本人傷付くんだろうか?
というか、ベルセルクゼロのひと早くこないかな〜
>>400 『聖石とゼロ』では剣聖シエスタによって無双と化してましたね。
無双ではないが『ディセプティコン・ゼロ』では、デルフがトランスフォーマと化して出番が増えてた
>400 それこそおっぱい子爵の奴だな
>400 ディセプティコンズとのクロスでは、人型に変形してましたね。 どこかで、魔法で動く鎧の中に封じられて指揮官をやっているデルフが居たような。何処だったかな?
ベルセルクはジョゼフが使徒化してる気がしてならない イザベラを伯爵編テレジアに当てはめた展開は娘をそんなに愛してないから無理か?
その場合ジョゼフが捧げたのは・・・・・・弟との思い出?
弟自身
ジョゼフを地獄に引きずり込む亡者にタバサパパが居たりすると タバサに残酷な光景を見せられてお得だと思う。
>>404 あのルーンの力で記憶きれいさっぱり!なブラックアウトが出てくるSSのことかー
思っていた以上に時間がかかってしまいました 覚えてる人はおられるだろうか? 予約がなければ投下したく存じますが、 よろしゅうござるか?
あ、20:00頃から
支援
きゃっほい待ってた
ゼロの氷竜 二十話 少女の瞳は、黒く濁っていた。 ……黒く、濁ってしまった。 一度濁ってしまえば、もう澄むことはない。 薄まることが、あったとしても。 白百合のような微笑は、黒い土に汚れた。 象牙細工のようだった指先も、黒い土にまみれた。 かつて領民のために振るわれた杖も、黒い土にうずもれた。 貴族としての名を失い、血のつながらない妹を守ると決めたときから。 全ての貴族に、復讐を誓ったときから。 彼女は暗い井戸の底で、黒い土と戯れている。 酷薄な笑みを、その口元にはり付かせながら。 故郷であるアルビオンからトリステインへ下りたことには、いくつかの理由があった。 アルビオンを取り巻く不穏な気配が一つ。 それは例えば酒場から傭兵たちの姿が減ったことや、武具を製作する工房に活気が出てき たことがあげられる。 また同じ場所で仕事を続ける危険性の回避も、理由の一つとして存在した。 だが何より、秘宝の噂を聞きつけたことが最大の理由だっただろう。 ハルケギニアに名だたるオールド・オスマンがもつという、一つのマジックアイテムの噂。 『業火』の名を冠されていた、形状も、能力も知られていないそれに、彼女はいたく興味 を引かれた。 噂の根拠が、あまりにも荒唐無稽だったからだ。 曰く、オスマンを魔法学院の長たらしめる理由が、そのマジックアイテムを学院に封印し ているからだと。 ……胡散臭い話しさ。 彼女に噂を聞かせた男は、そういって笑っていた。 オスマンの素行の悪さは広く知れ渡っており、それ故に閑職に回されたのだという噂がま ことしやかに語られていたからだ。 しかし彼女は男と共に笑いながら、大きく心を動かされていた。 信憑性のない噂が、時として真実を語ることを知っていたからだ。 彼女は、力がほしかった。 アルビオンでスクウェアメイジに殺されかけたとき、そしてただの幸運で生き残ったとき、 彼女は力への強い欲望を感じていた。 生き残るだけでは、彼女の望みは叶わない。 強い力が必要だった。 国を滅ぼすほどの、強い力が。 ところがどれだけ調べてみても、そのマジックアイテムの正体はわからない。 わかったことはただ一つ、業火という言葉の意味だけだった。 罪人を焼き尽くす炎だと聞いたとき、彼女は失笑しかけた。 盗賊が罪人を罰するのかと。 だが一方で、罪人と呼ぶに相応しい人間たちへの復讐も考えた。 噂が真実であれば、それを果たすことができる。 確かめるだけの価値が、その噂にはあった。 トリステインの酒場でオスマンを見かけたとき、彼女は歓喜する。 学院で私設秘書として雇おうと持ちかけられたときには、思わず歌い出しそうになった。 一方で素行の悪さが事実であり、しかも相当に質が悪いことを知り、いささか以上に辟易 もしたが。 ともあれ、目的へと駒を進めることができた。 だから何の問題もない。 なんとか笑顔を作りながら、彼女は自分に言い聞かせた。 酔いつぶれたふりをしながら尻をなで回す目の前の老人に、どうやってむくいをくれてや ろうかと考えながら。 その反面、自らの瞳を覗き見るオスマンの視線を、深く暗い井戸の底を見抜くようなそれ を、さけようとしない自分に不可思議さを覚えてもいた。
>>390 NTかなんかで、自爆寸前のキルバーンを召喚した話があったような
一日千秋の思いでお待ちしていました。 全力で支援!!
学院での生活は、ことのほか充実していた。 それだけ面倒が多かった、ということにもなるが。 日々繰り返されるオスマンのいたずらに対してロングビルの拳が閃くまで、それほど時間 はかからなかった。 端的に言えば、初日に閃く結果をもたらしている。 言葉遣いの丁寧さだけは変わらないものの、その日その瞬間からオスマンの扱いは極めて おざなりになっていく。 また、それまで学院に妙齢の女性がいなかったためか、彼女の整った容姿のためか、一部 教師や一部生徒からの求愛行動が開始される。 望んで身につけたわけではないが、男のあしらいは盗賊として生きていく中で慣れていた。 けして尻尾を掴ませないことに業を煮やし、徐々に減っていく男たちの中で最後に残った のは二人。 生徒のマリコルヌ・ド・グランプレ、そして教師のジャン・コルベール。 前者は時折思い出したかのように手紙を部屋へ差し入れる程度だったが、後者はことある ごとに様々な誘いをかけてきた。 女性というものに全く慣れていないコルベールの行動は、時に彼女をいらだたせ、時に彼 女を楽しませる。 ロングビルは、けしてコルベールを嫌ってはいなかった。 誘いに応じることは一度としてなかったが。 盗賊としての仕事は貴族に対する復讐のため、秘蔵の品ばかりが目的となる。 それは損害を与えられる一方で、流通させることの困難さも内包していた。 珍しい品であれば出所がわかりやすくなり、それは買い手が限られることにもなる。 つまり、マジックアイテムを盗み出せてもすぐには金銭と引き替えられない。 様々な事情から収入源が存在せず、さらに孤児を引き取っている妹への仕送りは、絶やす ことができなかった。 おそらく妹が孤児を引き取っていなければ、ロングビルの苦労は大きく減るだろう。 だが彼女は妹のその優しさを貴重なものと思っており、その笑顔を守るためにどんな犠牲 でも支払うつもりだった。 結果として、ロングビルの生活はとてもつましいものとなる。 トリステイン魔法学院の運営費用は、国名が冠されている以上、王家から支払われる。 予算の割り振る学院長オスマンの仕事ぶりは、ロングビルに衝撃を与えるに十分だった。 無論悪い意味で。 よく言えばおおらかだが、率直に言えば杜撰という言葉で片付けられる。 要するに、オスマンは真面目に仕事をしていない。 固定化で経年劣化が抑えられるとはいえ、様々な消耗品は必要不可欠だ。 贅を尽くした貴族としての食事は、素材の費用だけでも驚くような金額になる。 かしずかれることに慣れた貴族のため、雇われている使用人は数多い。 当然人件費はかさみ、必要な費用はふくれあがっていく。 にもかかわらず、平民相手に支払われる給与は王都に比べて幾分高い。 自分に支払われる金額も高いことは喜ばしく、妹への仕送りも安定するようにはなったが、 喜んでばかりもいられない。 金槌どころか自分のゴーレムに殴られたかのような衝撃を受けながらも、ロングビルはオ スマンの適当な仕事ぶりを引き締め始めた。 オスマンをせき立て、未処理だった書類の山を片付け始める。 隙あらば怠けようとするオスマンに矢のような視線を送り、水煙草を取り上げた。 それに並行し、鼠あしらいも上達していく。 拳が閃く回数も、うなぎ登りに増加する。 学院長の私設秘書、ロングビルの日々は酷く充実していた。 一体の竜が、一人の学生によって召喚されるまでは。
>>368 そんなの召喚されたら平民が略奪&殺戮に合うかもしれないぞ。
時期にもよるけど、あの国の兵士は守るべき自国の民に対して平気でやるから。
>>394 そこでのワルドはほとんど道化になっていたなあ。
肝心なところで言葉を間違え巨大な墓穴を掘ったし。
「ラスタ」 ルイズの意思と言葉に反応し、その魔力を使って金の女王が『魔力感知』を発動させる。 杖を振るわけでもなく、ルーンを唱えるわけでもなく発動した魔法を、ルイズは意識する ことができない。 不安そうな表情を浮かべた主人を横目に、使い魔が主の友人へ声をかける。 「キュルケ、頼む」 その言葉にうなずき、キュルケが杖を構える。 「ウル……」 ことさらゆっくりと唱えられたルーンに従い、キュルケの杖先に魔法の枠が発生する。 目の前の光景に、ルイズの口から思わずつぶやきが漏れた。 「これが、魔法の力……」 未だ魔法が発動していない段階で漏れたそのつぶやきを、この場で最も年若く、最も強さ に執着したメイジは聞き逃すことはなかった。 「……カーノ」 ルーンを唱え終わると同時に、マナが魔法の枠へと完全に重なる。 魔法が発動し、杖先から放たれた炎が消えるまで、ルイズの視線はキュルケの杖から離れ ることはなかった。 その真剣な、ともすれば威圧するかのような眼光に、キュルケは少し気圧される。 ……ま、真剣なのも当然か…… 今までどれだけの努力を捧げても、目に見える成果は何一つ得られなかったのだ。 まるで人を殺しそうな眼光も、仕方のないことか。 この場で最も優しい少女は、少しあきらめたように心の中でつぶやいた。 そして新たなる力を授けられた、この場で最も誇り高い処女が杖を構える。 はたと気を取り直し、はやる気持ちを静めるため、ルイズは深く息を吸い、深く息を吐く。 その手助けをするように、使い魔から声がかかった。 「ルイズ、約束を覚えておるな?」 深呼吸を続けながら、主は使い魔に答える。 「杖は誰もいないところへ構える」 その言葉に、ルイズの友人たちが深くうなずいた。 「ルーンは最後まで唱えない」 ……まずは、自分が持つマナの存在を認識すること。 使い魔の言葉を、心に刻んだその言葉を、ルイズは思い起こす。 草原の中心に向けて杖を構え、ルイズは静かにルーンを唱え始めた。 使おうとする魔法は、水に属する最も初歩的な、水を生み出すコンデンセイション。 「イル……」 杖先に浮かぶ、小さな球状の枠。 そして己の体から枠へ向けて溢れ出るマナ。 かつてブラムドの言った、魔法が使える証を目の当たりにしたルイズは、それだけで泣き 出しそうな喜びを感じていた。 しかし体から溢れるマナを制御しなければ、魔法を使うことなど海に消える泡に等しい。 キュルケが見せてくれた、魔法を使う行程を思い起こす。 マナが枠へと収まっていく過程を。 枠の中心に生まれた形あるマナは、まるで水を受けて育っていく木々のようにも思えた。 だが今、自らの杖先に漂う砂粒のようなマナは、形を成すこともない。 枠の中心に向かってはいても、先刻見たキュルケのマナのように動こうとしなかった。 とはいえ、今までと違って目に見える目標があるのだ。 この砂粒のようなマナを、枠に収めさえすれば魔法を使うことができる。 枠の周囲を漂っていたマナは、枠から大きくはみ出していた。 ルイズは体から放たれていたマナを制御し、枠へ収めようとする。 しかしその意に反し、マナは次から次へと溢れ出す。 意識を集中すればその分だけ、たがが外れたように体からマナが放たれていく。 ルイズの体から溢れたマナは、いつしか杖先の枠を確認できないほどになっていた。 焦れば焦るほど、集中すれば集中するほど、砂粒のようなマナは溢れ出していく。 あたかも、河川が氾濫していくかのように。 このままでは無理だと悟ったルイズは、杖を振って意識を切り替えた。 その意思から解き放たれたマナは、再びルイズの体へと戻っていく。 意に沿うことのないマナに少々怒りを覚えながらも、ルイズは深呼吸して再び杖を構え始 めた……。
「イル……」 何度、そう唱えただろうか。 十は優に超している。 ところが、ルーンを最後まで唱えることはできていない。 少しいらだちながら、それでも精神の集中を途切れさせない精神力は賞賛に値するだろう。 眉間に刻まれる渓谷が徐々に深くなっていったとはいえ。 ルイズが集中すればするほど、そしていらだてばいらだつほど、その体から放たれるマナ は増える。 マナの制御について、ブラムドは一切助言をしようとはしなかった。 正確に言えば、できなかったのだが。 元々マナを知覚する能力に長けたドラゴンであるためか、ブラムドはマナの制御を無意識 に行っている。 ブラムドにとってマナの制御は、手を開き、閉じ、指を一つずつ動かす、それらの行為と 大して変わらない。 故に、説明をすることもできなかった。 どうやってそれを行っているのかと問われたところで、なぜそれができないのかと問い返 すことしかできないだろう。 またルイズとしても、これだけのお膳立てをされ、なおも助言を求めるような行為をしよ うとはしない。 結果として、ルイズが杖を構え、ルーンを途中まで唱えることが繰り返される。 ルイズと違い、駒に『魔力感知』を付与されていないキュルケにとって、何も起きないこ の状態はつまらないことこの上ない。 無論、ルイズを応援する気持ちも強いため、茶化すような言動もできない。 心の中でため息をついたキュルケは、同じく退屈しているであろうタバサの元へと歩を進 めた。 だが彼女が歩む先で、彼女の友人は退屈などしていない。 いつものように本を読んでいたからではなく、彼女の思考がめまぐるしく働いていたから。 とある事情で戦うことを強要されている彼女は、ルイズ、キュルケを含めた三人の中で、 最も戦闘技術に対する執着が強い。 それは戦うことだけではなく、生き残ることも望んでいるからではあるが。 ともかく戦うことにおいて、情報や知識は何よりも重要といえる。 相手がどういった技術や能力を持っているのか。 所作や詠唱、足の運びや目線の動きがなにを物語っているのか。 それらを知ることは、勝敗の結果を左右する大きな要素といえる。 相手が獣や亜人、魔物であれば生態や特性、能力を知ることはそれほど難しくはない。 先人たちが蓄えた知識は、書物という形を以て後世に伝えられていることが多いからだ。 学院の図書館にも、そういった書物は多い。 しかし相手が人間であった場合、しかも心得のある者なら、それらの情報を得ることは難 しくなる。 軍に所属するような人間であれば、所作の中に詠唱を隠すことも多い。 詠唱を餌に、鉄拵えの杖や隠していた凶器で命を狙うこともある。 仮に勝敗を左右することがなかったとしても、生死を分ける一筋の光明にはなりうるのだ。 キュルケが見本のために唱えた詠唱の最中、ルイズはこうつぶやいた。 ……これが、魔法の力…… メイジとして十数年生きてきた中で、魔法の力を見ることなどは想像したこともない。 無論それはタバサだけではなく、ハルケギニアにいる全てのメイジに言えることだが。 だからこそ、それを見ることはメイジ相手の闘いにおいて大きな利点となるだろう。 ただし、その力はブラムドの助けを必要とする。 どうやって切り出したものかと思案するタバサの目が、近付くキュルケの姿をとらえた。 歩み寄る自分を気付いたタバサが、懐から本を取り出して読み始める。 キュルケは、その事を少しさみしげに見つめた。 タバサが自分を共と認めてくれているのは確かだとしても、秘密を打ち明けられない相手 だと見られていることが、キュルケは少しさみしかった。 それだけ重苦しい秘密かも知れない。 ……でも…… 心の中でつぶやきながら、首を振って考えをかき消す。 自分がタバサの友としてあれば、彼女はいずれ話してくれるだろう。 そう思いながら、キュルケはタバサの隣に、触れることもたやすい位置に寄り添った。
ざらりとした感触。 手のひらを削るような感覚を覚え、ロングビルはそっと手を止める。 「このまま……」 つぶやきかけた言葉が、宝物庫の壁に跳ね返された。 ……このまま、どうするというのか。 自問に対する答えは、すでに出ている。 このまま学院で、オスマンの秘書として暮らしていく。 支払われている給金は申し分なく、滞りもない。 休みについても、わりあい自由に確保できる。 誰かに頼むことのできない仕送りを、定期的にすることができた。 この状況に、どんな不満があるというのか。 些細な不満ならば、腐るほどに存在する。 だが、今の立場を投げ捨てるだけの不満は存在しない。 ……存在しない、はずだ。 自身を納得させるような言葉に、内なる声が応えた。 ……本当にそうか? ……あの連中を許していいのか? もぞりと鎌首をもたげたような、フーケの声。 ……誇りもなく、おごるだけの貴族どもを 隠しきれない怒りに身を震わせるような、フーケの声。 ……お前の、父と母を殺した連中を ……そして妹の、父と母を殺した連中を 怒りと悲しみを織り交ぜたような、フーケの声。 我知らず握られた手のひらに、優美なはずの爪が食い込む。 傷口をなぞるような屈辱が、溶岩のような怒りを沸き立たせる。 「……力さえ……!」 スクウェアメイジに追い立てられ、なぶるように弄ばれた。 あの残忍な笑みを、記憶から消すことができない。 力を求めるその心が、宝物庫に眠る炎を呼び起こそうとしていた。 だが、その熱がロングビルに触れようとした瞬間、彼女の耳が足音を捕らえる。 近付く音は重い。 女子供のそれではないだろう。 何か事件でもあれば別だが、警備を担当する平民はそうして急ぐことはない。 面倒くさがり屋のオスマンは、走るぐらいであれば魔法で飛んでくるだろう。 可能性があるとすれば、一人。 しばらくあとに現れた人物は、果たしてロングビルの予想通りの姿をしていた。 「……ぐっ」 広すぎる額を汗で光らせ、乱れた呼吸で無理に声を出そうとしたコルベールは、むせた。 気管に入ってしまった唾液を激しい咳でなんとか押し出し、顔を上げた彼に向けられてい た視線は、なんとも形容しがたい光を帯びていた。 「ぐっ、偶然ですね、ミス・ロングビル」 見た目では予想できないが、コルベールが割に運動を得意としていることは、ロングビル は見抜いている。 今コルベールの額から滲んでいる汗は、女性を前にした緊張感だけが理由ではないだろう。 ……何か簡単な言い訳でも用意しておけばいいものを…… そう思いながら、ロングビルは懐からハンカチを取り出し、コルベールの額に手を伸ばす。 「やっ! やっ!! よ、汚れますぞ!?」 首元まで赤く染めるコルベールの態度に、ロングビルは微笑みながら応じる。 「洗えばよろしいでしょう? あまりお動きにならないで……」 「あ、やっ、はっ……」 声にならない声を上げ、わずかに気を落ち着けたコルベールが、不動のままに問う。 「ど、どうしてこんなところに?」 「……少し、考え事をしておりまして……」 「さ、さようですか……」 話しを止めてしまった自身に、コルベールは強い怒りを覚えた。 そんなコルベールの様子を見かね、ロングビルはつい一つの問いを口にする。 「ミスタ・コルベールは、オールド・オスマンの持っておられるというマジックアイテム のことをご存じですか? 『業火』と呼ばれる……」 ちょっとした遊び心、そんなつもりで発した問いは、思いもかけない結果をもたらした。
以上。 というわけでやっとこさフーケ編突入です だらだらだらだら長くてほんとすいませんです 次はもう少し早めに投下できるように頑張りますー 支援方々、待ってたといってくださる方々に多大な感謝を。
乙ー 氷竜さんの文の心情描写は大好きなんですけど、今回はちょいとくどい感じがしたかな? とまれ、次回も期待してますです
あれ? なんかトリップ変わってる?
ってか前回の投下から変わってるのか…… なんか妙な感じ……
乙です。 業火…ってアレか? 次回まで正座待機。
>>426 素人の無責任な感想ですので、ご利用は自己責任で。
俺はこのぐらい描写してくれる方が好きだな あんまり薄味だと
大日本帝国の話が出てたけど、ナチス第三帝国が召還されたらどうだろう。 オカルト好きのナチ共だから、ノリノリでハルケギニアに順応するかも。
>>430 某ブログサイトのSSでやってたがメイジがテロを始めると
現代技術レベルだと対処の仕様がない、という問題が
>>430 アドルフ=ヒトラーを召喚・・・ペルソナ2罪から
ではなく
・・・スプリガンから
>>430 オカルト好きだったのはヒムラーでむしろ総統閣下はオカルトに冷笑的だったらしい
メイジ至上主義の世界でヒトラーがあのカリスマを維持できるかという問題が
野心が強いハイドリヒあたりはゲルマニアに流れてそっちでのし上がりそうだが
>>430 ヒトラー「この国には憎きユダヤも露も波も英も仏も無い!これぞ我等アーリア人種のみが住める都だ!しかも経済も無いというおまけ付きだ、この世界でこそ、この第3帝国は永遠の平和を築けるだろう!」
>>431 それなら、ミレニアムとか聖槍十三騎士団とか第101装甲猟兵大隊とか
ナチス関係のキャラ達をいっしょに召還して・・・・
ハルケ蹂躙モノにしかならんな。
メイジにできるテロって放火と殺傷、ゴーレム(土製)で大暴れくらいじゃない?
>>431 テロの対処→ファランクスとかCIWSで余裕でした。人質?こまけぇこたいいんだよ!
>>435 グデーリアンとかロンメルとか史実のドイツの名将が向こうにいるだけで勝てる気がしない
>>437 リアルからの侵攻はそのこまけえことのバランスが面白さだぞ
っていうかどこにでも隠せそうな杖1本でメイジが出来ることが多すぎる、マジチート
このスレの主旨とだいぶ離れた話題の気がするが 強いていえば紺碧の艦隊シリーズのナチス第三帝国なら、マジでオカルト持ってるしハルケ征服やりかねないな。 いくらメイジでも、数百キロ離れたところからのゲルマン砲のつるべ撃ちや 超重爆ヨルムンガンドやアースの絨毯爆撃、さらにはヒトラーなら躊躇なく使う原子爆弾には手も足も出んだろ
>>432 あのチートなおっさんは静かに暮らさせてやれよ
タルブあたりで
>>441 タイトルは『アドルフ・ヒトラーは静かに暮らしたい』だな
>>442 それはスプリガンじゃなくドライブだろう
名誉を重んずる貴族な方々である連中だとばらけてゲリラ戦とかはやらず、会戦形式の戦いになると思われるので ………やはりハルケギニアを征服した後の最大の問題は一敗地にまみれた連中がテロに走る事か。
そして貴族狩り、杖禁止令が…
>>437 ゲリラ戦とか便衣兵やられると手の打ちようないぞマジでw
FT世界の戦争ってマジで殲滅戦にしかならない気がするな、魔術師は厄介すぎる
対抗してジョゼフのところにソビエトの鉄男が来るなんて想像をしてしまった 恐怖政治の有効性を一番よく知ってる人間だからジョゼフとは馬が合うかも知れないが
『歴史上の人物がルイズに召還されました』ってスレがあってもいいような 気がしてきたな。
ルーデル先生の出番ですか
歴史上の人物だと参考資料によってまるで変わるからなー 歴史小説だと結局その作者のキャラだし。 個人的には国盗り物語の斎藤道三がいいな。
歴史上の人物と言うと現在まとめに登録されている山本勘助はどうなるんだろう? 少し前のニュースで実在説がかなり濃厚になったとあったので気になる。
>>453 周りのヤツの色合いからするにルイズというよりシャアザクかなんかのほうが相応しかろう
>>440 ゲェ〜〜リング君!油断は禁物だ。
虚無のエクスプロージョンはZ弾に匹敵するかもだぞ。
ナチスというと残党の吸血鬼軍団が真っ先浮かぶ・・・ でも実際に調べると、ナチスの悪行って信憑性の薄いものばっかりなんだよなあ。 戦争で負けたから、勝った方を正義にするために負けた方を徹底的に悪いことにしたって感じで。 実際はソ連の方があくどいことやってたんだが。
>>450 SSの終わりに参考資料図書がズラズラ書かれるのを想像してしまったw
なかなかいいかもな
「このエレオノール凄いよ!さすがルイズのお姉さん!!(胸囲的な意味で)」 何となく浮かんだフレーズ…この人を召喚したら戦闘するたびハイになって叫びまくりそうだなー
>>458 あの人はガンダ補正が常にフルスロットルなんだろうなw
我が世の春真っ盛りな世界だものなあ
>でも実際に調べると、ナチスの悪行って信憑性の薄いものばっかりなんだよなあ。 >戦争で負けたから、勝った方を正義にするために負けた方を徹底的に悪いことにしたって感じで。 >実際はソ連の方があくどいことやってたんだが。 まぁ、歴史を作るのは勝者だからな。 うちの祖父は、「南京に従軍してたけど大虐殺なんて無かった」って言ってた。 もう亡くなってしまったんだが、もっと色々話を聞いときゃよかった…
>>430 もし、第二次大戦以前のアメリカ合衆国が召喚されたなら……。マジでハルケギニアの、
貴族がすべてを独占する現状に腹を立て、平民に武器を供給して革命起こさせかねんな。
世界の警察(失笑)ならやりかねんな
戦前の大英帝国なら・・・ ひとり東方で貿易ルートを確保しつつ ハルケギニア諸国では国家間の対立もしくは聖戦を煽って疲弊させまくり 貴族制度云々については現在でも存続してる位だから大して気に留めないかも
初めまして 短編、というかダイジェスト版が出来たので投下しても大丈夫でしょうか? 「るろうに剣心」から斉藤一で、全四話の一話目になります 問題がなければ五分後に始めたいと思います
斎藤か たぬき、きつね、イタチと女性を脳内でランク付けするお茶目な人斬り
その男にとって、今目の前に広がる風景は全く奇怪なものであった。 つい先程まで彼は雪に囲まれた土地にいた筈である。 だが、今いる場所はそんな寒さの厳しい場所ではなく、暖かい陽気に包まれたどこぞの屋敷の庭のように思えた。 ちなみに彼の記憶にこのような場所は存在しない。 にもかかわらずその男は落ち着いた様子で目だけを動かす。 周りに同じ格好をした少年少女が大勢と、自分に警戒を露にしている人物を三人確認できた。 一人は頭部の寂しい中年の男性で、もう二人は遠巻きにこちらを観察している青い髪の少女と赤い髪の少女だとわかった。 周囲の確認を終えた男――斎藤一は、理由は不明だが自分がどこか外国の学校にいるものだと考えた。 もしそうだとしたら日本語は通用しないだろう。 未だに警戒している中年男性他二名を無視し、煙草に火を点けながらこの後についてどうしたものかと考える。 すると、目の前にいたらしい桃色の髪をした少女から声を掛けられた。 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール―――通称『ゼロ』のルイズにとって今日は、とても重要な日だった。 今日はサモン・サーヴァントという、自分のパートナーとなる使い魔を召喚する神聖な儀式の日である。 同級生が次々と使い魔を召喚をしているのを見て彼女は、自分はもっとすごい使い魔を呼ぼうとやる気になっていた。 そうこうしているうちに彼女の順番が回ってきた。 いつもは周りの野次に対し言い返す彼女だが、このときに限ってはそれらの野次を一切無視していた。 彼女は集中して呪文を詠唱するが、起こるのは彼女の期待に反する爆発だった。 ほれ見ろと言わんばかりの顔をしていた同級生達は、その表情が次第に驚きに染まっていく。 爆発で起こった砂埃の向こう側に何かがいるのだ。 「ゼロのルイズが成功したぁ!?」 「明日雪降ンぞ! 雪!」 「いやいや、雪じゃ済まねーだろ。槍ぐらいで丁度いいぜこりゃ」 殆どの生徒はこのように騒いでいたが、ルイズの耳には全く入って来なかった。 その代りに、期待と不安が入り混じった感情が心の中を駆け巡る。 そんな風に浮ついている広場とは反対に、警戒心を強める人物が二人だけいた。 「これは……!!」 一人は教師である『炎蛇』のコルベール。 彼は砂埃の向こうに影が見えた途端悟った。 この煙の向こうにいるのは自分と同じかそれ以上の修羅場を潜り抜けた、相当な実力者だと。 その者が生徒に危害を加えようとするなら、自分は全力をもってその脅威を排除しようと。 ――だとえ『炎蛇』に戻らざるを得ないとしても。 「……!」 もう一人はルイズの同級生である『雪風』のタバサ。 彼女は自分の儀式が終わると、他の生徒には興味がないといった様子で読書を始めていた。 だがコルベールと同じタイミングで彼女はその人物が自分以上の実力者だと悟り、本を閉じ杖を掴む。 彼女を知らない者がその様子を見ても、興味を示した程度しか感じないだろう。 だが彼女の親友であるキュルケには彼女の異常な警戒心を確かに感じ取っていた。 「どうしたのよタバサ? ヴァリエールの召喚したものがそんなに気になるの?」 「危険」 「…そんなに?」 タバサは相変わらずの無表情で首を縦に振るだけだったが、キュルケにはそれで充分だった。 すぐに杖を掴むとルイズの爆発によって舞い上がった砂塵の向こうを、強い眼差しで見つめていた。
「あんた、誰よ?」 「……」 突然のルイズの問いに、斎藤は一瞬言葉を失う。 日本語が通じないだろうと考えていたらいきなり日本語で声を掛けられてのだ。 「ちょっと、聞…」 「ここはどこだ」 反応を示さないことにイラッと来たルイズが再び質問をしようとしたが、斎藤の声にかき消されてしまう。 「先に聞いてんのはこっ…」 「ここはどこだ」 「……トリステイン魔法学院よ」 ルイズは言い返そうとしたが、斎藤の有無を言わせぬ威圧感に負け、質問に答えた。 そしてその答えを聞いた斎藤はルイズの頭を疑った。 魔法を東洋で言う妖術の類と彼は認識していたが、彼はそのようなものの存在を信じていなかった(彼や彼の宿敵等が一般人から見れば 妖術使いにしか見えないということは置いておく)。なので、 「もう一度聞く。ここはどこだ」 「だ、だから! トリステイン魔法学院よ! あんたはわたしに召喚されたの!! つまりわたしはあんたのご主人様なの!」 「フゥー…話にならんな。…おい、説明しろ」 ルイズを頭が残念な奴と認定した斎藤は煙草の煙を吐き出し、コルベールに声を掛け説明を求める。 「わ、わかりました。少し待って下さい……今日は解散にします。皆さんは戻りなさい」 万が一斎藤と戦うことになったときに被害が及ばぬように生徒たちを戻らせ、彼と一対一になれる状況を作り出す。 指示を受けた生徒たちはそれぞれに談笑しなが学院へと帰っていくが、ルイズ、キュルケ、タバサはその指示を無視していた。 「何をしているんだ。君たちも戻りなさい」 「いえ。アイツはわたしが呼び出したんです。わたしにはここにいる義務があります!」 「私も彼には個人的に興味がありまして」 「右に同じく」 コルベールはその三人に早く戻るよう注意するが、彼女らには言うことを聞く気がないようだ。 「いや、ですが…」 「心配要りませんわ、ミスタ・コルベール。自分の身ぐらい自分で守れます」 「しかしだなぁ…」 コルベールとしては危険な可能性があるこの男とはなるべく一対一の状態になりたかった。 だが、そう上手くはいかないだろうとも考えていたし、その証拠に召喚した本人のルイズが残ると言い出した。 このことはコルベールにとって予想の範囲内だったが、キュルケとタバサまで残ることは予想できなかった。 しかもテコでも動きそうに無い。 どうしたものかと、残り少ない髪の毛を気にしながら彼は本気で悩んでいた。
士道不覚悟にて支援を申し付ける!
コルベールが彼女たちの対応に困っている頃、斎藤は空を飛ぶ生徒たちに目を奪われていた。 「本当に妖術――魔法とやらが存在しているのか。・・・全く、面倒な事この上ないな」 魔法があろうが無かろうが、これからのことを考えるためにも情報が必要だった。 彼は煙草を捨て、火を足で消しながら声を掛ける。 「お前ら、言い争いなら後でやれ。そんなことより今の俺の状況について説明しろ」 「これは失礼…オホン、私の名はコルベールと言います。先程も彼女から聞いたと思うが、ここはトリステイン魔法学院です。 先程までここではサモン・サーヴァントの儀式を行っていました。そして、」 「待て、そのサモンナントカとやらは一体なんだ」 もう「魔法」については認めざるを得ないと判断していた斎藤は、聞いた事が無い言葉の説明を求めた。 「サモン・サーヴァントとは使い魔を召喚する一種の儀式です。そして、召喚された使い魔は召喚したメイジと契約を結び、メイジの一生のパートナーと……」 「一生だと……?」 使い魔の説明を聞いて、斎藤は不快感を隠そうともせずに声を出す。 剣呑な空気を感じたタバサとキュルケは警戒を強め、杖を握る手に力を入れる。 ヴェストリの広場を再び、緊迫した空気が覆う。 コルベールはなるべく彼を刺激しないよう、言葉を選びながら話を続ける。 「確かに、行き成り呼び出されて一生仕えろと言われたら怒りもするでしょう。だがそうしないと彼女が進級できないのです。」 「貴様らの都合なんざ知らん。今すぐ俺を元いた場所に返してもらおうか」 取り付く島が全くない。 これで「返す方法はありません」なんて言ったらどうなってしまうのだろうか。 先ほどから広場に満ちている息がつまりそうな空気が読めないのか、黙って二人のやり取りを聞いていたルイズが口を開く。 「無理よそんなの。召喚された以上、あんたはわたしの使い魔になるしかないの。不本意だけどあんたで我慢してあげるわ」 先ほど自分の質問を無視されたことを根に持っているのだろう。 してやったりといった顔でない胸を張っている。 コルベールは一瞬、彼女が今どんなルーンを唱えたのか理解できなかった。 少なくとも、彼に知識にこんな危険な爆発を起こす可能性のある魔法は存在しなかった。 ――思い出した。「クー・キヨミ・ビ・トシ・ラズ」という魔法が虚無にあったはずだ。 他にも「オテ・ア・ゲ・ザム・ラ・イ」とか「ブ・チギ・レ・ザム・ラ・イ」とかもあった。 それらの魔法は非常に強力無比であるため使うことを禁じられ―― そんなトリップしているコルベールをよそに、斎藤の顔に浮かんでいた不快感がさら強くなる。 自分たちとの実力差と、彼の人相の悪さから、タバサとキュルケは彼の不快感を明確な敵意と判断してしまった。 そしていつでも攻撃に移れるように杖を構えルーンを唱え始める。 幸か不幸か、その戦場にも似た雰囲気のおかげでコルベールは現実に戻ってくることが出来た。 そして、臨戦態勢にあるタバサとキュルケを庇うようにして斎藤の前に割り込む。 「わわ、わかりました! でしたらこういうのはどうでしょう!」 彼は元の場所へ帰る手段は必ず見つけるから、それまでの間ルイズの使い魔の代わりをやってくれないかと提案した。 他にどうしようもない斎藤は、その提案をやれやれといった顔で引き受けるのだった。
今回は以上になります 短いなー…10レス以上分の文章をかける人を尊敬する マジで
志々雄と剣心の戦いなんて妖術合戦だったろw
乙です しかし斉藤かwww 中の人が既に亡くなってるの思い出して泣けてきた がんばってくだされ
おちゅ ハルケギニアで悪即斬かー。さて、誰が斬られるのやら。
壬生狼は飼いならせんぞ・・・
これは期待せざるをえない
まあギーシュは大丈夫だろうな。 世間知らずのガキを斬るような大人気ない人じゃないし。 フーケとワルドはまあ頑張れ。
>>478 斬るまではいかなくても
骨の数本は確実かな
かけそば大好き藤田さんの出番はありますか? チェーンスモーカーがニコチン切れをどう対処するのかも注目してますw
牙t乙 確かにダイジェスト版…ですけど十二分に面白いです! 次が楽しみだー
狼の人乙!
ワルドとおマチさんのその後が心配だw
ギーシュは…ギャグキャラだから全く心配してないw
>>480 オスマンも水キセルを吸ってる描写があるし、タバコの葉みたいなもんはあるんじゃね?
斉藤もだけど既婚者、妻帯者が召喚された場合、フラグ立ってもルイズの一方通行で終わりそうだよな
ルイズも状況的に斬られてもおかしくねえな、こりゃ。
ルイズをSATSUGAIせよ!!SATSUGAIせよ!!
乙、斉藤かー今まで散々殺しをしてきて「不殺」とか言ってる主人公よりよっぽど好きだったわ
100人殺すも101人殺すも変わらん、とは思うまい?
剣心の方が主人公にはふさわしいな、少年誌的に考えて。 斉藤が主役の話は多分ジャンプでは描けないw
>>489 最近までジョジョやネウロがいたからイケるだろ
>>489 おいおい、ジャンプは悪党という理由だけで容赦なく惨殺するケンシロウが主人公張って
大ヒットした雑誌でもあるんだぞ?
492 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2009/09/19(土) 08:26:17 ID:0kMO2+iC
>
>>485 ルイズをSEIBAIせよ!!SEIBAIせよ!! の方が宵^^
>>486 > 今まで散々殺しをしてきて「不殺」とか言ってる主人公よりよっぽど好きだったわ
同じように不殺を信条にしていて兵器一人乗りの雑魚は見逃すが、自分を脅かす奴と戦闘艦に乗ってる数十人は容赦無く虐殺する主人公がいたな
やだなあ戦艦に人なんかのってるわけないじゃないですか
ここは作品批判する場所じゃねえってばよ
>>475 なぜか、魔人学園外法帖の方陣技思い出した
「我等、飼い犬にあらず……気性いたって猛ゆえに全てに牙剥き候……」
護ることと戦うこと Dilemmaは終わらない…
斉藤とかまた楽しみなのきたな
デアボリカのアズライト召喚(ハッピーエンド後) ルイズがレティシアの転生って設定で
転生とか憑依って時点で地雷臭しかしない
>>498 そしてギーシュとの決闘に至るまで7話か10話かかる
>>499 レティシアは前世の記憶を持った状態で転生するから設定的に無理だろ。
斉藤→サイトウ→サイトゥ→サイト これは斉藤のほうがデレるフラグとみた
サイトもタルブでけっこう人殺ししてるがな
争いに関われば遠かれ近かれ人殺しに荷担してしまうのです
エルナサーガ2でも、魔法使いが現代社会に現れたら、という視点があったな。あっちは杖さえ要らんし。 >壬生狼の人 そこで引き受けるのか…とちょっと意外に思った。ルイズがあの態度だし。 契約まではするんだろうか?何か寝込みを襲ってすら不可能な気がするから、了解を取り付けるしかなさげだが。
バスタードからアビちゃん召喚…脳みそ吹っ飛んだ直後ならいけるかも。 いや単にアビゲイルクリスタルパゥワァーでメイクアップするルイズを見たいだけだがw
>>508 朝起こすミッションでたぶんルイズ死ぬw
>バスタードからアビちゃん召喚…脳みそ吹っ飛んだ直後ならいけるかも。 魔法と科学を融合させたキテレツアイテムの数々にコルベールが狂喜乱舞しそうだ
阿鼻谷先生も出そう
アルビオンは実は箱船だったんだよ的な感じで 十賢者は居るかどうかしらん。
ダークシュナイダー呼んだらえらい事になりそうな件…主に女性陣の貞操が
PS版のゲームみたいにヨーコ玉も呼べばいいじゃない。
>>510 > 朝起こすミッションでたぶんルイズ死ぬw
一番星君グレートですねわかりますw
でもアレタヌキ寝入りでなければ普通に起きるんじゃなかったっけ?
>>515 > PS版のゲームみたいにヨーコ玉も呼べばいいじゃない。
いっそのことハルケギニアがPS版のゲームの世界ならいけるかも。最初は弱…くも無いがw
あ、そういやそうかも まあ、とりあえずアビちゃん魔法使った瞬間異端認定されるよなw アビちゃん持ってるのグロい魔法ばっかだし
>>518 > まあ、とりあえずアビちゃん魔法使った瞬間異端認定されるよなw
確かにww
アビちゃん闇系だしねw
どーでもいいが、もしハルケギニアに北斗七星があれば、その横には常に小さな星が輝いているに違いない。
モット伯のイベントが入ればほぼ間違いなく悪即斬
>>511 > キテレツアイテム
コ、コロスケとか?
悪即斬でもないけど、仕事人の中村主水とか召還されたら 面白そうな気もするな。 ああ、でも昼行灯で苦労する条件がないと輝かないか・・・
ルイズちゃんの世話にてんやわんやしてるってんじゃダメ?
>>520 何故か北斗七星やその横にある星も二つあるとかw
別に何の影響もないかw
アビちゃんってアヴィィィィの人かとオモタ
ゴロちゃん召喚ですか とりあえず「普通の人の中ではスゴい」レベルなうえ他人の手助けを絶対受け入れない ゴロちゃんがメイジ相手にどこまで悪即斬を貫けるのか見ものです とりあえず裏切りとかは絶対許さないだろうからワルド逃げてェ!
> まあ、とりあえずアビちゃん魔法使った瞬間異端認定されるよなw いつの間にやら異端認定する側の人間がなんか虚ろな目つきで アビちゃんバンザぁぁぁイとかアビちゃんぐぅぅれぇとぉとか 連呼する(だけの)名状し難いモノに成り変ってそうな気もする
>>527 何故か例の三種の武具装備したゾンビウェールズが「Ωウェールズ一世!!」と叫ぶ電波を受信したw
ファンタジー物で封印された化け物とかいわくつきの土地がある奴は 全部バスタードと繋げられる気がしてきた
今ふと思ったんだが、原作ナウシカのクシャナ殿下とタバサの境遇ってすごい似てるような…
「聖地とは、則ち『生地』つまりこここそが神々の生まれた地!」 「アンスラサクスはここで生まれたんだよ!」 妙なノイズが
534 :
壬生狼 :2009/09/19(土) 16:11:57 ID:2F6G2jch
こんちは! 二話目を投下したいと思います 何もなければ二,三分後に
召喚された次の日、斎藤は学院勤めの平民たちの計らいで、賄いを昼食として食べていた。 ちなみに召喚主のルイズとは結局契約を交わさぬまま別れ、一度も顔を合わせていない。 それは彼の部屋が平民寮にあるのに加え、朝からずっと図書館に入り浸っていたからである。 図書館へ入室する許可は、コルベールを通して既に学院長からもらっている。 余談ではあるが、コルベールが彼のために色々と奔走した結果、頭皮の面積が若干増えたことは果てしなくどうでもいい。 昼食を終え再び字の勉強をしようと、図書館へ向かう途中で人だかりを見つけた。 これから決闘が始まるようだった。 「諸君、決闘だ!」 人の輪の真ん中で、気障ったらしい少年が薔薇を掲げて宣言する。 「魔法」の力を知る良いチャンスだと思った斎藤は気障の相手を見る。 「わたしを侮辱した罪はとても重いわよ、ギーシュゥゥ……」 どこかで見たことのある顔だった。 暫く考え、昨日自分を召喚した人物であることを思い出す。 そんなことはどうでもいいかとばかりに鼻を鳴らし、決闘の観戦を決め込む。 「助けないの?」 「俺には関係のないコトだ」 「使い魔は主人を守るのが仕事」 「俺は使い魔じゃない」 「……」 背後から掛けられた声に斎藤は振り向きもせずに答える。 顔を見ずとも、それが昨日あからさまに自分を警戒していた者だということぐらいはわかる。 あっさり切り捨てられた少女――タバサは、少し考えた後で次の言葉を投げかける。 「メイジの実力が知りたいのなら自分で戦った方がいいハズ」 「そしてお前は俺の実力を推し量るか?」 「……」 「フン、まあいいだろう」 自分の目論見はとっくに見透かされていたようだ。 彼の雰囲気に多少気圧されていたタバサは溜息を吐き本を閉じる。 (これで彼の実力が少しでも分かればいいが) どうやら斎藤はルイズの代わりに決闘に出ることに決めたようだ。 群がる生徒達を押しのけギーシュの前に立ちふさがる。 「誰だ貴様は。これから神聖な決闘が始まるんだ。邪魔だからどっかへ行きいたまえ」 「あ、あんた……」 突然の乱入者をギーシュは怒りで、ルイズは驚きで出迎えた。 しかし、ルイズのその驚きようを見て、ギーシュは何か納得したような顔になる。 「なるほど、それが君の使い魔か。主人思いのいい平民じゃないか。いいだろう。その忠義に免じて、改めて君に決闘を申し込もう!」 「え? え?」 「よく喋るやつだ……。オイ、邪魔だどいてろ」 よく状況を掴めていないルイズの襟を掴んで群衆の方へ放り投げる。 何やら喚いているがようだが当然の如く無視。 そして改めてギーシュを見やる。
「さすがはギーシュ様! ゼロといえど女性にはなんてお優しいのかしら!」 「そいつの目が気に入らないな! 徹底的にやっちまえ!」 群衆に向けて手を振っていたギーシュは、歓声が収まると斎藤を見やった。 「僕はメイジだ。だから魔法で戦う。よもや文句はあるまいね?」 「なんでもいいからさっさと来い」 「躾がなっていないなぁ。まあいいだろう。主人に変わり、僕がその体に叩き込んでやる」 そう言うなり薔薇を振り、花びらを一枚散らせる。 地面に付くかというところで花びらが光を放ち、瞬く間に女性騎士をかたどった人形に変化する。 そして聞いてもいないことを喋り出した。 「僕は青銅。青銅のギーシュだ。従って彼女たち、青銅のワルキューレが君の相手をするよ」 「フン」 「行け! ワルキューレ!」 掛け声とともにワルキューレが殴りかかってくる。 避けるのも馬鹿らしいくらいお粗末な攻撃だったが、恐らく様子見のつもりなのだろう。 「なかなかやるようだな、平民。ならばこれならどうだ!」 今度は武器を手にして襲い掛かってくる。 先ほどとは違うぞと言いたげなギーシュだが、相変わらず単調な攻撃で見切る必要もない。 彼はこの決闘を一種の見せ物として考えているのかもしれない。 それにわざわざ付き合ってやる必要もないので、斎藤は軽くギーシュを挑発することにした。 「この程度かメイジというのは。もう少し愉しませてくれると思っていたんだがな」 「いや、びっくりしたよ。まさかここまで出来るとは思わなかった。だがこれを見てもそんな口が叩けるかな?」 そう言うと今度は六枚の花びらが宙を舞い、六体のワルキューレが形成された。 それを見て顔色を変えたのは斎藤ではなくルイズだった。 盛り上がる群衆を押しのけ声を上げる。 「もうやめてよギーシュ! そもそも決闘は禁止されているはずよ!」 「おいおい。急に割り込んできて何を言うのかと思ったら。僕に決闘を申し込んできたのはそちらだろう?」 「そ、そうだけど、あの時はどうかしてたのよ! ……あんたも! これ以上やったら今度こそ怪我するわよ!」 「そうだな。もう終わらせるか。お前と闘りあっても退屈なだけだ」 ここにきて初めてギーシュの表情に変化が見られた。 馬鹿にされたことにカチンと来たようだったがそれも一瞬で、すぐに可哀相なものを見る目で斉藤を見た。 「遊ばれているということも気付かずに」とでも考えているのだろう。 「そうだね。ズルズルと長引かせてもギャラリーは退屈してしまうだけだし、これで終わりにしようか。君をね」 六体のワルキューレが一斉に襲い掛かってくる。 ルイズは身をかがめ目をつむり、斎藤は刀を抜いた。 周囲の歓声が消えたことに気がついたルイズは、恐る恐る目を開けた。 そして周りに散らばるワルキューレだったモノを見て言葉を無くす。 ワルキューレの活躍を見届けようとしていたギーシュにも何が起こったか分からなかった。 分かることは二つだけ。 自分にはもう戦う手段が残っていないというコトと、これから殺されるかもしれないというコトだけだった。 誰も動けないでいる広場の中を、斎藤はギーシュに向かってゆっくりと歩き出す。 一歩一歩確実に近づいてくる死という恐怖に、ギーシュはとうとう限界を超えてしまった。
「アヒイイイィィッ!!」 声にならない悲鳴を上げ、斎藤に向かって自分の知る限り全ての魔法を放つ。 だが精神力の尽きかけた彼が使える魔法は一つもない。 そのはずだった。 「成る程な……。いくら雑魚とはいっても油断は禁物、というコトか」 半狂乱のギーシュに耳にその言葉が何故かハッキリと聞こえた。 斎藤は、使い物にならなくなった自分の愛刀を見下ろしていた。 刀は錬金を喰らい中ほどで折れ、刃もボロボロになっていた。 格下とはいえ、魔法はその壁を簡単に飛び越えることが出来る。 メイジたちが魔法が使えないものを見下す理由が分かった。 だが、彼はギーシュの実力を過大評価していた。 ドットクラスである彼が、鉄製の刀を錬金で分解することは簡単なコトではない。 では何故錯乱状態にあった彼が成功出来たのか。 それは、己の死をハッキリとイメージしてしまったからである。 その恐怖心がギーシュの本能に働きかけ、彼に実力以上の力を発揮させ斎藤の刀をナマクラ以下の一振りにしたのである。 所謂「火事場の馬鹿力」である。 ここで今の自分に起こったことを冷静に見つめ直せればギーシュは優秀なメイジになれるだろう。 だが、それが出来ないのがギーシュという男である。おまけに彼は非常に調子に乗りやすい性格だった。 斎藤が刀だったものを見つめているうちにギーシュはどうにか落ち着きを取り戻し、自分の勝利を確信した。 そしていつも通りの口調で彼に声を掛ける。 「……こ、これでわかったかい? 平民が貴族に勝とうなんて100年早いんだ。さ、早く謝罪したまえ。今ならそれだけで許してやろう」 ギーシュが言い終わると一瞬の間が空き、次いで大きな歓声が上がる。 「何言ってんだギーシュ! もっといたぶってやれ!」 「ギーシュ様ステキー!」 「平民ごときが付け上がるからこうなるんだ! ギーシュの恩情に感謝しろ!」 様々な声が上がる中、ルイズは複雑な顔をしていた。 それは自分を庇って戦ってくれた斎藤に対する負い目であり、そんな彼に対して何もできない悔しさでもあった。 「最初は凄かったんだけどねぇ。ま、平民にしては良くやったほうかしら? 」 いつのまにかタバサの隣で斎藤とギーシュの決闘を見ていたキュルケも皆と同じ考えらしい。 そして彼を決闘にするよう説得したタバサも、もう興味をなくしたのか本を読み始めていた。 ―――だが 「……フ」 周囲に遅れて彼が笑い出す。 「フフフ…ハハハ」 少しづつ歓声が小さくなる。 「ハーッハハハハハハハハ!!!」 歓声は、完全に止まった。
そこにいたのは貴族に恐怖する平民でもなく、戦意を失い呆然としている平民でもなく、先程と変わらぬ鋭い目をした男が立っていた。 普段の彼らなら気でも触れたかと思うだろう。 だが、そう言い出すものは一人もいなかった。 否、出来なかった。 彼の笑いにはそういった感情がまるで感じられなかった。 今さっきまでの自分達と同じ、相手を嘲笑う笑いだった。 その「平民」の異常さにその場にいた学生たちは飲まれてしまったのだ。 タバサですら驚きの表情を浮かべている。 「な、何が可笑しい!!」 ギーシュが声上げた。 声が多少上擦っていたのも場の雰囲気に飲まれているためだろう。 むしろよく声を掛けることが出来たと褒めてやるべきなのかもしれない。 それほどまでに斎藤の笑いは異常なものだったのだ。 「可笑しいさ、小僧。これが笑わずにいられるか」 「何…だと…!?」 「貴様らは何か勘違いしているようだな。ならば教えてやる」 「な、何を…!」 「刀剣は魔法で砕ける。だが……」 そう言って斎藤はボロボロになった刀を鞘に納め、素手で牙突の構えを取る。 「な、何だそれは! ハッタリか!? そ、そんなものは……」 「狼の牙は、何人たりとも砕くことは出来ん!」 ギーシュは最後まで言うことが出来なかった。 言い終わる前に、彼の意識は斎藤の拳によって刈り取られてしまった。 彼は気絶したギーシュを見下ろし煙草に火を点けると、 「――身の程知らずが」 そう言ってヴェストリの広場を後にした。 以上になります ではまた
乙です やっぱ斉藤ってカッコイイな
お疲れ様です この先日本刀になれた彼が「剣」は知ってても「刀」を知らない輩が錬金で作った ナマクラに満足できるはずもなかろうに・・・・この先どうなるのかかなり不安です 次も期待しております
確かに…どこかから流れ着いた日本刀探さないと、と思っても数打ちのナマクラだったらアレですしね。 なんとか名刀を見つけるか、いっそのことコルベールが鍛冶の道に開眼してくれないものか…w ともあれ投下お疲れ様でした。
乙です。 渋いね。かっこいい。
おっつん。 文章だけの場合もデフォルメって言葉は使うのかな? まぁお手軽に読めて雰囲気も楽しめていい感じです。
>>544 作者さんが最初に全四話って言ってたから展開が早いね。
斉藤好きなんで、長編にして描写を細かく書いて欲しい。
‥‥というかその前に素手とはいえ牙突の勢いで拳叩き込まれた ギーシュの安否を気遣うのが先のような気がするw 何はともあれ乙!! 刀に関してはデルフを胴太貫みたいなモノにすりゃいいんじゃね?
壬生狼氏乙です。 個人的にはメンヌヴィルと対戦するまで続けてほしい所だw もしかしたらメンヌの役回りはワルドが果たすことになるやもしれんが。
乙。 これはいくら無駄にプライドにこだわる貴族たちでも口出しできないw ギーシュがやられたという事実もあるけど、それに加えて純粋に怖いw
>何故か例の三種の武具装備したゾンビウェールズが「Ωウェールズ一世!!」と叫ぶ電波を受信したw 現代科学どころか明らかにオーバーテクノロジーを駆使する外道科学のエキスパートなアビゲイルだと ガリアでジョゼフを指導して産業革命したら恐ろしい機械化魔法人形軍団が造れそうだ 他にも捕えた敵のメイジを大量に生贄に使った霊子核反応炉で飛ぶ巨大戦艦とか
>>530 その話は俺が以前のスレで3〜4回ほど話題にしている。
はいはい、結婚式のときに、 扉を我牙突でぶっ壊しながら突っ込んでくるんですね。
>「Ωウェールズ一世!!」 ふと 「キィィィングクロムウェ〜〜〜ルいっせ〜〜〜い!!!!」 が出てきそうな気がしたぜ 邪神の細胞なんて来たらその時点でオチだろうけど
>「キィィィングクロムウェ〜〜〜ルいっせ〜〜〜い!!!!」 ああそっちの方が絶対似合ってる ワルドもアビちゃんのわんだほーなオカルトギミックアイテムで変形合体融合してくれたらなおよし
19:40から、20話を投下したいと思います。 多分、7レスです。
なんか召還するネタねーかなーとか考えてたら、 あった。 メタルウルフカオスの大統領。
おぉっと、ずっと待ってたけど消息が知れなかった人が! さっそく支援する!
原作ではやたら熱い台詞や行動を魅せるようになったアプトムさん、待ってたぜ。
タルブの戦の後、アンリエッタとアルブレヒト三世との結婚は白紙に戻った。 これは、トリステインがアルビオンに攻められた折に、兵を出し渋ったゲルマニアへの不信からきたものであり、同時にタルブでの奇跡的 な勝利により、アンリエッタを女王にと言う声が上がったからである。 これにゲルマニアは難色を示したが、文句は出なかった。出せるはずがないのだ。アルビオンはゲルマニアをしても勝利し難い相手である。 それを一国で退けたトリステインを敵に回そうなどと、思えるはずがない。大体にして、アルビオンという脅威はまだ去ったわけではないの であるし。 だから、婚約は白紙になっても、二国の同盟はそのままであった。 それ自体は、アンリエッタにとって幸いなことであったが、納得し難いこともある。 この戦争における奇跡的な勝利はアンリエッタによってもたらされたとされ、彼女が女王になることが決定してしまったのだ。 冗談ではないというのが、彼女の本音である。タルブの戦において自分はそこに居合わせたというだけで何もしていないし、王位について も母がいるではないかという思いがある。 だけど、決定は覆らない。結局のところ、この国において彼女が決められる事など一つもないのだ。 はぁ。とため息を吐いて王女は親友を想う。 先の戦において何が起こったのか正確に理解しているものはいない。だけど、戦場となったタルブに住んでいた民は言うのだ。自分たちは ヴァリエール公爵家の娘に救われたのだと。 聞いてみたところ、彼らの村は少し前にオーク鬼に襲われ、そこをルイズに救われたので今回もそうだと短絡的に思ったらしいのだが、一 つ気になる情報がある。 戦の後、数日の間タルブに魔法学院の生徒が滞在しており、それがルイズであったというのだ。 これは、おかしな話である。王女とゲルマニア皇帝の結婚式においての詔を詠む巫女に選ばれていたルイズが、あの時点でそんなところに いたはずがないのに。 ルイズは何故そこにいたのか? そこで何をしていたのか? 「あれは本当にあなたがやったの? ルイズ」 呟いた言葉は、誰の耳にも届かずに消えた。 「これってマフラー?」 他に何があるのかと思いつつもルイズが尋ねると、「はい」と微笑むシエスタの笑顔があった。 タルブでの戦いの後、眼を覚ましたルイズが最初に見たものは粗末な布団に寝かされた自分を囲み見守る村人たちであった。何故かギーシ ュもいたが。 何がどうしてこの状況? と思って聞いてみたところ、アルビオンの艦隊が墜ちた後、ルイズを抱えた黒い亜人が空から降りてきて、彼女 を村人たちに預けてどこかに飛び去ったのだという。 その亜人が、アプトムの獣化したものだなどと村人たちは知らない。それでも、亜人がアルビオンの竜騎士と戦っていたところは見ていた し、亜人に託されたのが数日前に村を救ってくれたルイズだと知ったとき、艦隊を墜としたのが亜人に運ばれた彼女だと彼らは確信した。 だから、村人たちは亜人を敵だとは思わなかったし、亜人に託されたルイズに奇異の目を向けることもなかった。 そうして、艦隊を飲み込むほどの魔法を使ったせいもあるが、長時間のアプトムの胸に抱えられての飛行で体力を消耗していたルイズは、 しばらくタルブの村人の世話になった後ギーシュと共に学院に帰ってきたのだが、その時に空を運んでもらっていると初夏でも寒く感じると 言ったのを憶えていたシエスタは、ルイズのためにマフラーを編むことにしたのである。
ちなみに、飛び去ったように見えたアプトムは、獣化を解くところを人に見られるわけにいかなかっただけで、ルイズがタルブにいた間も、 ずっとルイズを見守っていた。 それはさておき、マフラーを受け取ったルイズは、シエスタがもう一つ持っていることに気づいた。 「それって、アプトムの分?」 何気なく聞いた言葉に、シエスタは、「あっ!」と声を上げた。 はっきり言ってしまうと、彼女はアプトムのことを忘れてしまっていた。ルイズのマフラーを編んだ後に、ついでにともう一つ編んだのは ギーシュの分であった。 別に、シエスタがギーシュに特別な感情を抱いたからというわけではない。村が襲われた時に颯爽と現れ、村人たちを逃がしてくれた時に、 ほんの少しだけカッコイイなと思ったのも事実ではあるが、あくまでも、ついでにという程度の理由である。 ここは、もう一つのマフラーはアプトムに渡すべきだろうかと狼狽するシエスタに、ルイズは苦笑してギーシュに渡せばいいと言った。 アプトムは、非常時になると衣服を使い捨てなければならないのだからという口には出さない理由があっての言葉だったのだが、これが後 に起こるちょっとした事件の原因になるなどと、今のルイズは知らない。 アルビオンのとある寺院でワルドは目を覚ました。 混濁した記憶の中、彼は自分が意識を手放す直前の記憶を思い起こす。 自分はガンダールヴと戦い。そして、どうなった? 分からない。空を飛ぶ亜人の背後を取ったことは憶えているのだ。呪文を唱えたことも。だけど、その後は? 悩んでいたところに、部屋に入ってくる人影があった。 「土くれか?」 「残念。そっちはソムルムだよ」 そう言って、人影の後から今度こそ土くれの二つ名を持つ女が、入ってくる。 言われて、最初に入ってきた人影が顔全体を包帯で隠した男だと気づいてワルドは舌打ちする。これでは、まるで自分がフーケに傍にいて 欲しいと願っているようではないか。 なんだか、気まずくて口を開くのがはばかられるような気がしてきたが、ここで黙り込んでいても仕方がない。自分はどうなったのかと聞 いてみたが彼の望む解答は返ってこなかった。 なにしろ、フーケから返ってきた答えは、「知らないよ」という、そっけないものだったのだから。 「あんたを拾ってきたのはソムルムだ。聞きたいことがあるなら、そっちに聞いてくれよ」 言われ、包帯男に眼を向けると、こちらも落ちてきたのを拾っただけで、傷の具合から電撃でやられたのだろうとしか分からないと答えが 返ってきた。 電撃と聞いて、ようやく自分がいかにして敗れたのかをワルドは思い出す。 この時フーケが包帯男に、白々しい事を、と言いたげな眼を向けていたが、自己の思考に埋没していたワルドは気づかない。 結局のところ、自分には力が足りなかったのだなとワルドは思う。偏在を駆使してもガンダールヴには敵わなかった。正体を現した亜人に は、不意をついても傷一つつけられなかった。 力が欲しいと思った。だから、ルイズを求めた。彼女には何らかの力があると気づいていたから。その障害になると感じ排除しようと考え た使い魔は、彼の想像を大きく超えた怪物だった。あるいは、自分が求めた力とは、ルイズではなく彼女の使い魔の方だったのかもしれない とも思い。ままならないものだなと、彼は苦笑し傷の痛みに身を震わせる。 そうしていると、扉が開き別の人間が入ってきた。 シェフィールドを従えたクロムウェルである。
「意識が戻ったようだな。子爵」 「申し訳ありません、閣下。一度ならず、二度までも失敗いたしました」 「きみの失敗が原因ではないだろう」 クロムウェルの言葉に、傍らのシェフィールドが頷き報告書を取り出す。 「なにやら空にあらわれた光の玉が膨れ上がり、我が艦隊を吹き飛ばしたとか」 「つまり、敵に未知の魔法を使われたのだ。これは計算違いだ。誰の責任でもない。しいてあげるなら……、敵の戦力の分析を怠った我ら指 導部の問題だ。一兵士のきみたちの責任を問うつもりはない。ゆっくりと傷を癒したまえ、子爵」 その言葉に、ワルドが感謝し頭を下げる姿を、フーケは白けた目で見ていた。 作戦の失敗の責任を配下に求めないのは立派だが、何の沙汰もないというのは組織として問題がある。そもそもここで許されると言うのは、 何の期待もされていないということだろうに、悔しいとか言う感情は無いのかねとフーケは思う。 もちろん、ワルドとて、悔しくないとわけではない。 だが、彼は元々レコン・キスタという組織が自分の目的と合致しているから属しているだけで、クロムウェルに心からの忠誠を誓っている わけではない。 だから、利用価値がないと見放されたりしさえしなければ、大抵の屈辱には耐えられるだけなのである。 それはともかく、ワルドは艦隊を吹き飛ばしたという魔法についての説明を受け、そして考える。 彼は、船が墜ちる前に倒されてしまい、その魔法を見ていないのだが、聞く限りでは、そのような魔法は現代には存在していない。威力そ のものも信じがたいものであるが、その魔法は艦隊を炎上させたというのに、乗っている人の身をまったく傷つけなかったのだという。 そんなこと、どの系統の魔法でも不可能なことだと断言できるが、では、一体なんだったのか? 頭に浮かぶのは、ルイズと彼女を抱えて飛んでいた黒い亜人。状況から考えて、やったのはそのどちらかの可能性が高い。特にガンダール ヴの方は、彼をもってしても計り知れない能力を持っている。だが、何故かワルドは、その魔法がルイズの仕業ではないかと思えた。 人を傷つけないという魔法が、彼にそう思わせたのだ。だが、そんなことが可能なのだろうか? ガンダールヴを使い魔に持つルイズであ れば、虚無の担い手であったとしても不思議ではない。しかし、虚無の使い手を自称するクロムウェルは、こう言っていた。虚無は生命を操 る系統だと。それは、艦隊を墜としたという攻撃の魔法の対極にあるのではないだろうか。 無論、一人で考えたところで答えは出ない。クロムウェルにしても、虚無のすべてを理解しているわけではなく、謎の多い虚無には、ある いはあのような魔法もあるのかもしれないと答えるだけである。 「しかし、分からなければ調べればいいだけのこと。トリステイン軍は、アンリエッタが率いていたと聞く。この勝利で聖女と崇められ女王 に即位するともいうぐらいだ。彼女なら知っているだろう」 敵国の王女に聞けばいいなどと簡単に言うクロムウェルに、ハッと顔を上げるが、彼の顔に冗談の色はなく、本気であることをワルドは感 じた。 それはつまり、自分に行けという命令なのかとワルドは思ったが、そうではないとクロムウェルは手を振る。 「適役は、他にいるのだよ。きみはゆっくり養生したまえ。まあ、王室に眠りし秘密を嗅ぎ当てたというところだろうがね」 「王室に眠りし秘密ですか?」 「アルビオン王家、トリステイン王家、ガリア王家……、もとは一本の矢だ。そして、それぞれに始祖の秘密は分けられた。そうだな? ミ ス・シェフィールド」 「はい。閣下のおっしゃるとおりですわ。アルビオン王家にも三つの秘法が残っているはずですが、それらは現在一つとして見つかっており ません」
シェフィールドの言葉に、フーケがチラリと包帯男の持つ荷物袋に眼を向けたが、そのことに気づいた者はいない。 「なんにせよ。今は、傷を治すことだけを考えていたまえ。ワルド君」 それだけを言うとクロムウェルはシェフィールドと共に部屋を出て行き、そこにはワルドたち三人が残された。 「くそっ!」 急に大声を上げるワルドに、驚いたフーケがそちらを見ると、悔しそうに唇を噛んでいる姿があった。 彼は、自分の優秀さを信じていた。メイジとしては最高ランクのスクウェア。実戦の経験も積み、魔法なしですら大抵の相手には勝てる戦 闘力を持ち、魔法衛士隊隊長にすらなった。これで優秀でないなどと言ったら、ただの嫌味な奴である。 なのに、ルイズの持つアンリエッタの手紙は奪えず、タルブでの戦においては、率いていた竜騎士を全滅させ自分も傷を負い、ついには、 傷の事もあるのだろうが、クロムウェルに言外に戦力外を通告されてしまった。これで、落ち込むなと言うほうが無理だろう。 「俺は……、無能なのか? また聖地が遠ざかったではないか……」 そんな自分を責める彼を、フーケは微妙な表情で見ていた。 彼女に言わせれば、相手が悪かっただけである。チラリと隣の包帯男を見て、こんなのを相手にすりゃ、任務を失敗するのも当然だろうに、 なまじ優秀だと大変だねぇ。 と同情に満ちた視線を向けていたことに気づけなかったことは、ワルドにとって幸いだったに違いない。 アンリエッタは、ここ数日憂鬱な日々をすごしていた。 戴冠式を終えて女王になってからは国内外の客と謁見することが多くなったわけだが、女王ともなれば王女の頃のように黙って笑っていれ ばいいというわけにもいかず、マザリーニが的確に補佐をしてくれていたり、客のほとんどがご機嫌伺いだったりするとはいえ、気を抜くわ けにもいかず、非常に気疲れしていたのだ。 だが、次に訪れる客には気を張る必要がなく、ゆえに女王はマザリーニを下がらせ、笑みを持って二人を迎えた。 大切なおともだちのルイズと、その使い魔であるアプトムを。 ルイズは緊張していた。アンリエッタとは幼い頃には友人と言える関係であったが、お互いの身分の違いを意識してからは、王女を気安く 友人だなどと言ってはいけないと思っていたし、しかも今は女王になっているのだから粗相があっては大変なことになる。 彼女は、そう思っていたのだが、アンリエッタの方はそうではない。女王にとっては、今でもルイズは気を許すことの出来るただ一人の友 人なのだから。 謁見の間にルイズが入ってきた途端、弾けるように女王は玉座を離れ駆け出しルイズに抱きついた。 「ルイズ、ああ、ルイズ!」 「姫さま……、いえ、もう陛下とお呼びせねばいけませんね」
支援と言ってみる
お互いの立場を鑑みれば当然のものである言葉に、アンリエッタは頬を膨らませる。 「そのような他人行儀を申したら、承知しませんよ。ルイズ・フランソワーズあなたはわたくしから、最愛のおともだちを取り上げてしまう つもりなの?」 「ならばいつものように、姫さまとお呼びいたしますわ」 「そうしてちょうだい。ああルイズ、女王になんてなるんじゃなかったわ。退屈は二倍。窮屈は三倍。そして気苦労は十倍よ」 つまらなそうな顔をするアンリエッタに、ルイズはなんともいえない顔になる。 公爵家の末娘たるルイズから見ても、女王という身分は人が羨むものであろうに、それをつまらないものだと切り捨てられては、何と言っ ていいのか分からない。 とりあえず、話を変えようと「このたびの戦勝のお祝いを、言上させてくださいまし」と言ってみたところ、ものすごい微妙な顔をされた。 「わたくしに隠し事はしなくても結構よ。ルイズ」 「わたしには、なんのことだか……」 そんな答えを返すルイズに、アンリエッタは羊皮紙の報告書を手渡す。それには、色々なことが書かれていた。 タルブで、アルビオンの竜騎士を墜とした黒い亜人のこと。その亜人が艦隊に突撃した後に、艦隊を殲滅した光の玉が生まれたこと。そし て、その後に亜人からタルブの村人にルイズの身が預けられたことなどを。 「ここまでお調べなんですか?」 「あれだけ派手な戦果をあげておいて、隠し通せるわけがないじゃないの。そもそも、村人に口止めとかしなかったでしょ。知ってる? あ なたタルブじゃ英雄よ」 えー? と声を上げるルイズである。 レキシントンを墜とした魔法を唱えた後すぐに気を失ったルイズには、敵艦隊を殲滅したという自覚に乏しく、英雄というならアプトムこ そが、そうなのではないかという認識がある。 そうして、アンリエッタはアプトムに顔を向ける。 「あなたが、竜騎士を撃滅しルイズを運んだという亜人なのでしょう? 厚く御礼を申し上げますわ」 それに、アプトムは、さあな。と、どうでもよさそうな返事を口にし。これに、ルイズは困ってしまう。 姫さまに失礼な口をと思うのだが、彼女は自分のこと以上に使い魔の正体を隠さなくてはならないと思っている。 アンリエッタを信用していないわけではないが、アプトムのことがアカデミーにでも知られたらと思うと、迂闊なことは口にできない。 実際、アンリエッタのことは信頼はしても信用するべきではない。彼女は、できることなら救国の英雄とも言えるアプトムになら、爵位く らいは与えてもいいのではないかと、軽く考えていたのである。 この、メイジでなければ貴族になれないトリステインで、亜人であろうと思われるアプトムをである。 こんなことを、マザリーニが知れば胃を痛めることだろうし、アプトムのことを隠したいルイズにしても迷惑でしかない。 さすがに実行しようとはしていないので、その心配はないのだが、それは別の理由からである。どちらにせよ、アプトムにとって爵位など、 どうでもいいものなのだが。 ともあれ、ルイズたちの行動が多大な偉業であることは確かであり、その事をアンリエッタは褒め称えるのだが、その時のルイズには、知 り合いのメイドを助けたかったという考えだけで暴走したようなものであり、国を守るとか大きな事は考えていなかったので、素直に賞賛を 受け止めることができない。
支援!
「わ、わたしはなにも……、手柄を立てたのはあの亜人で……」 「でも、あの光はあなたなのでしょう? ルイズ。城下では奇跡の光だ、などと噂されておりますが、わたくしは奇跡など信じませぬ。あの 光、あれはあなたなのでしょ?」 実際には、光が生まれた直後は奇跡だと思ったアンリエッタだったが、考えてみればトリステインの危機に都合よく奇跡なんてものが起こ るはずがない。もし奇跡などというものがありえるのなら、それはウェールズの危機を救うためにこそ起こっているべきであると彼女は考え ていたのである。 そんな女王に見つめられ、ルイズはあの時の事を話すことにした。それでも、亜人のことは何故か助けてくれただけで正体は分からないと いうことにしたが、それを信じるはずもない。とはいえ、アンリエッタもそこを追求することはなかったが。 そして、ルイズは語る。水のルビーと始祖の祈祷書のこと、そこに記された虚無系統の呪文のことを。 話を聞いたアンリエッタは、ため息を吐く。 「これであなたたちに、勲章や恩賞を授けることができない理由はわかるわね? ルイズ」 「王家の人間でもないわたしが、始祖の系統である虚無に目覚めたなどと知れれば、国内に無用な混乱を生むからですね」 答えたルイズに、そうではないのだとアンリエッタは首を振る。 「わたしが恩賞を与えたら、ルイズの功績を白日のもとにさらしてしまうことになるでしょう。それは危険です。ルイズの秘密を敵が知った ら……、彼らはなんとしてでもあなたを手に入れようと躍起になるでしょう。敵の的になるのはわたくしだけで充分」 そして、敵は外にだけいるとは限らないのだとアンリエッタはため息を吐く。 ルイズの言ったように、始祖の系統であるからと手に入れ私欲に利用しようとする者も現れるだろうが、ワルドのような裏切り者の存在は 他にも城内にいるだろうとアンリエッタは信じている。それは、ウェールズの命が奪われたことによる被害妄想じみた感情から来ていたのだ が、間違いとも言えない考えであった。 「だからルイズ、誰にもその力のことは話してはなりません。これはわたしと、あなたとの秘密よ」 「……」 ルイズは沈黙する。それが正しい選択なのか彼女には分からないのだ。 姫さまの言うことは、もっともだと思う。だけど、ルイズには果たさなければならない目標がある。伝説に残るようなメイジになること、 アプトムを元の世界に戻す魔法を見出すことである。 ルイズも馬鹿ではない。いいかげん、アプトムの元いた地が、こことは違う世界であると気づいている。でなければ、あれほどの能力を持 った生物が故郷に帰るために自分の魔法を必要とするはずがない。 ルイズは、やっと手に入れたのだ、自分の目標に繋がる足がかりを。だけど、それはまだ最初の一歩を踏み出したにすぎず、ここで足踏み していてはこれ以上先には進めないと彼女は知っている。 虚無と系統魔法には大きな違いがある。その一つが新たな魔法の習得に関する条件。 系統の魔法は、メイジとしてのランクを上げれば、そのランクの魔法を習得することができるが虚無は違う。虚無にランクはなく、必要に 応じて知っている魔法の中から、習得できるようになるのだ。そして、それは逆に言えばそれが必要な状況にならなければ新たな魔法を習得 できないということを意味している。
支援ブラスターテンペスト
始祖の祈祷書には多くの呪文が記されていた。だけど、その中で今のルイズが使える魔法はエクスプロージョンだけである。これから先、 それ以外の魔法を使えるようになるには、彼女はそれらが必要になるような危険に身を置かなければならない。 それに、もう一つ事情がある。 始祖ブリミルは、三つの王家に秘宝を残し、始祖の祈祷書はその一つであったのだが、それには虚無のすべての魔法が記されていたわけで はない。 そして、始祖の祈祷書には、アプトムを元の世界に帰すような魔法が記されていなかったのである。つまり、ルイズはどういう形になるに せよ他の秘宝を手に入れなくてはならない。そのためには、アンリエッタの言うように、ただ秘密にしているというわけにはいかないのだ。 ちなみに、そのことはアプトムにも話してある。ルイズに、己の使い魔に隠し事をするという選択はないのだから。 だから、ルイズは決意する。 「姫さま。わたしに始祖の祈祷書をお預けください。そして、わたしの力を姫さまとこの国のためにお使いください」 「いえ……、あなたはその力のことを一刻も早く忘れなさい。二度と使ってはなりませぬ」 それは純粋にルイズの身を慮っての言葉。ルイズもそれを理解し、しかし受け入れることはできないと彼女は思う。 これは、姫さまのためであり、国のためであり、自分のためであり、アプトムのためでもある選択だ。ここで引くことを彼女が選ぶ余地は ない。 そんなルイズの口に出さなかった考えまでもの全てを理解したわけではないが、アンリエッタはため息を吐く。彼女は、ルイズが一度決め たことを翻すことのない頑固者であることをよく理解していたのだから。 「わかったわルイズ。いざという時には、あなたの力を借りましょう。始祖の祈祷書も、あなたに預けましょう。しかしルイズ、これだけは 約束して。決して虚無の使い手ということを、口外しませんように。また、みだりに使用してはなりません」 「かしこまりました」 「これから、あなたはわたくし直属の女官ということに致します」 そう言ってアンリエッタは羊皮紙を取り出しなにやらしたためると、それをルイズに手渡した。 それは、持つものに色々な権限を与える女王の許可証であり、今後のルイズにとって、とても役に立つものになるのだろう。 小娘一人の思いつきで、簡単にそういうものを発行できてしまうのは、どうだろうとアプトム辺りは思ってしまったが。 ともあれ、話が済んで思い出したようにアプトムに顔を向けたアンリエッタは、宝石や金貨を取り出し、それを差し出した。 「タルブでのこと、ほんとうならあなたをシュヴァリエに叙さねばならぬのに、それが適わぬ無力な女王のせめてもの感謝の気持ちです。受 け取ってください」 それと、これからもルイズをよろしくと微笑む女王から、彼は、黙ってそれらを受け取る。 別に、女王のためにやったことではないし、ルイズのことも言われるまでもないと思っていたが、別に受け取ることを拒否する理由もない のだから。
投下終了です。支援に感謝。 うまく続きが書けなくなって数ヶ月。避難所で投下予告をして自分を追い詰めることにより、止まっている執筆を再開させる大作戦。 ……失敗。三行くらいしか書けてねえ。 この話自体は、4月には書きあがっていた物だったり。 それでは、また明日。
乙でした。お待ちしています。
投下乙です つくづく思うが活躍してるのに影薄いなアプトムw
572 :
名無しんぼ@お腹いっぱい :2009/09/19(土) 20:51:40 ID:QyUryPFg
鋼殻のレギオスから リンテンスさんが召喚されませんかね? まあ出てきた瞬間、鋼糸で切り刻まれそうだが
まだ召喚されていないキャラなら〜と思って、『アトム』はどうかな? と思ったのだが……。 ロボットとはいえ自分で善悪を判断できる上に、彼の判断基準は21世紀の日本のそれだから、 平民たちを助けるために、傲慢な貴族を叩きのめすくらいはやりそうだな。
錬金でボロボロになるアトム想像した アトムって倒すときは強いけど結構な頻度で窮地に追い込まれるよな
そういやアトムってロボット法により人間に暴力は振るえないハズだし作中でもそういう描写があるけど にもかかわらずちょくちょく悪人ぶっ飛ばしてるよな ワルドとかもそんな感じで成敗だろうか
>>568 投下乙!
また明日って……明日も投下するの?
アストロボーイ版だと山吹っ飛ばすロックバスターついてなかったかアトム? 防御力も相当なものがあったはず。自分小学館の漫画しかしらんけど
>>575 ガンダールヴのルーン効果でそんなリミッターは外れると思うが
リミッターってわけではなく考えつかないって感じなんだっけか
浦澤版アトムは外見が完全に人間だから、空飛ぶまで平民の子供を召還したと 思うだろうな。 あと政府から大量破壊兵器扱いされてたからガンダになったら自分自身にルーンが 反応するのかな。
雷落ちても大丈夫だったっけ? 鉄の塊も簡単に引きちぎるアトムが召喚されてさらに強化されるのか・・・
アトムの場合は燃料切れまでが勝負だと思う。 逆に言うとアトムの燃料コッパゲ作れないとアウト。 つかマジで作るとコッパゲ被爆するけどな。
燃料か・・・ コッパゲ先生にロボビタンAは作れるのだろうか 原料は海水だが
原作でも「小型の原子炉」搭載みたいな説明してるし。 天満博士の嫁(トビオ母)がガイガーカウンター構えてる描写がある。 ただし、滅多なことでは漏れない安全設計らしいけど。
ハルケギニア貴族の皆さんは自分の生まれ育った時代の習俗に従って振る舞ってるだけで どうして他所から来た人間に叩きのめされなきゃならないんだろうか
>>582 アトムの燃料は、確か原作とアニメ第一作では濃縮ウランの化合物を溶かしたもので、
1980年のアニメ版とアストロボーイ版では重水だったはず。
>>585 ブリミルの思し召し
召喚魔法の都合上間違いない
初代は核分裂らしいが90年代のはD-D核融合だから燃料作って被曝は平気 どっちみちメンテの問題はあるが
話題と関係ない質問なんだが、ルイズの部屋に窓ってある? できれば位置も。
>>588 すると間違って原作アトム呼んだらコッパゲが……ということになるのか。
メンテはいずれ問題になるだろうが、当面は固定化でどうにかならないか?
あっそうか。
尻装備のマシンガンの弾が無くなるな。あれはハルケでは作れないから。
キュルケの部屋にもあるんだからあるんじゃないか?
>>590 キュリー夫人並みに素で放射線耐性があればマジで平気かもしれん
>>589 身体能力の高いキャラが窓から飛び出て行くって描写はよくあるな
>>589 一巻に室内の配置が書いてある。
細かいことは忘れた。
>>589 一巻で才人が窓から月見てるからあるにはある。
まとめページ見たら実写映画(ドラマも)キャラのある話はわりとあるのね 誰かジャッキー・チェン映画のキャラ引っ張り出してSSできんだろうか
>>596 炎の大捜査線のウェイとか、ストーリーの展開で死んだことになっている奴だと都合がいいかも。
>平民たちを助けるために、傲慢な貴族を叩きのめすくらいはやりそうだな。 メイジを人類から逸脱したミュータントモンスターだと定義してしまい 人間(平民)を助けようと貴族の抹殺に全力を尽くす破壊ロボと化したりして
そういやロックマンXのイレギュラーハンターも イレギュラーと組んでいる人間やまともなレプリロイドをイレギュラーに 改造するようなマッドサイエンティスト相手ならば処分許可が降りるとか・・・
ジャッジメンターイム ……×! デリート許可!
我々で言う所の『貴族の義務』 建前を建前と見抜けない人は(ry
>>596 ひょんな事から学院全体を巻き込んでの大騒動に!
見所は本塔のてっぺんからスタント無しでダイブするジャッキー!
ガンダ効果なんてあったらマジでジャッキー無双になっちゃうじゃないかw
>>600 青い犬署長は召喚されたら人をさらって生贄にしそうだと
恐れられるんだろうな
そろそろ郭靖とお蓉の出番か
>>602 大通りでスリ捕まえるために梯子とかカゴを使ったり果物ぶちまけたり、
NGシーンでデルフ落としてワルドと苦笑いするジャッキーがハッキリと見えた。
ワルド役の俳優「彼と仕事が出来て光栄だよ!それに彼と居ると楽しくて仕方がないんだ!HAHAHA」
>603 拉致と隷属の強制ってモロにデリート許可食らいそうな気がするが。 まあ犬所長は何だかんだで情状酌量しそうだけど。
>>585 「『わたしはあなたと違う』 この世の闘争の全てはそれが全てだ」
>>598 結局のところハルケギニアを手っ取り早く平和にする方法は諸悪の根源である
ブリミル教の徹底的な弾圧とメイジのジェノサイドかもね。
エレオノールって、いい加減婿とれよって思わないか。
そういえばハルケギニアには格闘技や剣術はあるのかね。メイジ殺しもいたみたいだけど 貴族の生活はともかく平民の生活があまり分からないなあ
アニエス隊長がいる以上、剣術は存在するし、格闘術もあるでしょ。 ワルドは、ハルケギニア流のCQCを使っているし。
他にいらっしゃらなければ23:55より参りたいと思います。 あやうく明日になっちまいそうだったぜ
>>611 一切の争いを無くする花粉を飛ばす、平和樹というものが何かの小説にあるらしい。
ただし、ティラノサウルスは狩りをできなくなって絶滅させられ、ハルケギニアも肉食主体な種族などは
すぐに飢え死にして、生態系はガタガタになるだろうがな
>>613 ああ。ユーゼス辺りには大いに期待したいな。
mission10 SUCCESSION OF REVENGER 「なんでこんなことになってしまったの?」 深い夜の街道。 「ぼくを信じてくれるねアンリエッタ」 「でも……、でも、こんな……」 困惑の表情を示すは、トリステイン女王アンリエッタ。 「わけはあとで話すよ。さまざまな事情があるんだ。きみは黙ってぼくについてくればいい」 穏やかにそう宣う人物は、見る者が見ればすぐに今は亡きアルビオン王国のウェールズ・テューダーであると判るだろう。 「わたし、わからないわ。どうしてあなたがこんなことをするのか……。なにをしようとしているのか……」 「わからなくてもいいよ。ただ、きみはあの誓いの言葉どおり、行動すればいいんだ。覚えているかい?ほら、ラグドリアンの湖畔で、きみが口にした誓約の言葉。水の精霊の前で、きみが口にした言葉」 どこまでも優しい言葉で、ウェールズは告げた。だがその足下に転がるのは、切り裂かれた死体だ。 「忘れるわけがありませんわ。それだけを頼りに、今日まで生きて参りましたもの」 「言ってくれ、アンリエッタ」 つい先程、アンリエッタ女王は城を連れ出された。誘拐と言っても良いだろう。 「……トリステイン王国王女アンリエッタは水の精霊の御許で誓約いたします。ウェールズさまを、永久に愛することを」 そして今死体となっている者達は、皆彼女を奪還せんとしてやってきた者達だった。 「その誓約の中で以前と変わったことがあるとすればただ一つ。きみは今では女王ということさ。でも、他のすべては変わらないだろう?変わるわけがないだろう?」 そして女王は今、その手を下した男の腕に抱かれていた。 「どんなことがあろうとも、水の精霊の前でなされた誓約がたがえられることはない。きみは己のその言葉だけを信じていればいいのさ。あとは全部ぼくに任せてくれ」 (ふん……大した茶番だ) 鼻を軽く鳴らして、侮蔑の表情でリッシュモン卿はそれを眺めた。 レコン・キスタに内通し、アンリエッタ女王陛下を誘拐したのは彼だ。実行部隊の手引きをして王都トリスタニアに招き入れ、次いでそこを脱出していた。 「陛下、次なる追っ手が差し向けられるやも知れません。お早く」 「ありがとう、リッシュモン卿。私達のために」 「いえ……」 下らぬ三文芝居は早々に収めて馬車に戻ってもらおうとそう言葉を交わした直後、耳をつんざくような甲高い音が辺り一面に響き渡った。 「な、何だ!?」 「きゃああああ!?」 耳を押さえる面々の進行方向に、ゆっくりとその巨体が降りてゆく。月明かりに映されたのは真紅に彩られた巨大な竜の姿だった。 「あ……ああ!?」 「何だ……これは!?」 次第に竜は唸り声を小さくしていき、やがて押し黙ったが、その右前脚がやおら振り上げられると、馬車がその巨大な前脚に押しつぶされた。 「ああ!?」 更にもう一方の脚も振り上げられ、落下地点は 「うおっ!」 慌てて飛び退くリッシュモンの眼前に真紅の脚が叩き付けられる。 『リッシュモン!』 唐突に響くは女の声。 『貴様だけは、にがさん!』 何故竜から声が聞こえる?これは韻竜なのか?その韻竜が何故、自分を狙う? 疑問は尽きない。だが、自分が何をすべきなのかはすぐに悟り、彼は1も2もなくその場から逃げ出した。
「にがさんと言ったぁっ!」 リッシュモンが雑木林へ駆け入った直後、真紅の竜ことラグナロクからタラップが降り、アニエスが飛び出して仇の一人を追った。 続けて現れたのは、ライオンハートを肩に担いだスコールと、右手にカードの束、左手にダーツを持ったジョーカーだった。 「ジョーカー、ラグナロクの防衛に専念しろ。俺はオフェンスに回る」 「OK、流石に専門がどうのこうの言える距離じゃないしね」 むっつり結んだへの字の口元と、皮肉に歪んだ口元とが良い対比だ。 「あなたは……」 (俺のことを覚えているのか) 自分を見て驚きの顔をした女王に、そう判断を付ける。 「これは、この竜はあなたの竜なのですか?」 「竜……ええ、まぁそうです」 ラグナロクが乗り物だと認識していないらしい物言いに今度は逆に内心で首をひねる。 (ラグナロクを調べているメイジが居たと思ったが……他の連中か、或いは女王の関知の外でか) 「平民が竜を従えるなんて……いえ、むしろ……お願いがあります。どうか私たちを連れて行って下さい」 正気か?とスコールは眉間に皺を寄せる。 その『竜』に、今し方馬車を壊させたのは誰だと思っているのか。 (いやそれ以前に、誘拐されたのではなかったのか?……先程あの男と抱き合っていたようにも見えたのは、そう言うことか) 「報酬は十分にお支払いします」 「断らせてもらう。ここであんたを行かせない事が、先に受けた任務だ」 きっぱりと、丁寧語も止めて言い切る。今の言葉で認識が変わった。彼女は今、敵だ。 「!?……でしたら、それ以上の報酬を……」 「悪いが、金の問題じゃない」 確かに自分は傭兵だ。だが、金だけでどうとでも動くと思われるのは甚だ不愉快だった。自分たちが動く要員の一つ、それは例えば―― 「理由は、言えないが」 ――仲間のため。 トリステインをめちゃめちゃにしたくないというのは、アニエスの願いだった。 ここでアンリエッタを行かせればトリステインが未曾有の混乱に陥るのは確実だ。ただし、今回これは表向きの理由に過ぎない。 そもそもスコール達がここに赴いたのは、女王ではなく別の人物を追ってのことだった。 リッシュモン卿―― アニエスの仇の一人である。 仇討ちに丁度良い時期を見計らうため、その動向を調査させていたのだが、その過程で見つかったのは彼の造反計画であった。 自身から追われる身となってくれるのならば丁度良いと、計画決行を手ぐすね引いて待っていたのだ。 ラグドリアン湖から帰った直後、決行寸前であると知ってすぐさま準備を整えラ・ロシェールへの街道上空で待ちかまえていた。 よって、アンリエッタ女王の身柄奪還はついでもついで、アニエスの仇討ちから目を逸らさせるためのカモフラージュなのである。 「全力で止めさせてもらうっ!」 ライオンハートを振りかぶり、駆ける。 アンリエッタとウェールズの身を守らんとメイジが前に出てくるのを、構わず丸ごと切り伏せた。 轟ッ! 逃げなければならない。 手っ取り早く姿を隠そうと、リッシュモンは近くの雑木林へと駆ける。ようやく木々の間に身を置いたと思った瞬間、直ぐ側の木に火の玉が直撃して燃え上がった。 「うお!?」 慌てて四つんばいになりながら別な木の陰に身を潜める。 (火の先住も使えるのか!?) 「世の中ままならんものだな……?」
身を縮こまらせるリッシュモンへと、月を背に立つ女の声が向けられる。先程聞こえたのと同じ声だ。 「お前の方で追われる身になるとは。あの時大人しくシュヴァリエになっていれば、もっと早くにこうしてお前の前に立っていられたかも知れん」 「!?……何者だ!」 「私が誰であるかは重要ではない。それよりも重要なのは、貴様が覚えているかどうかだ」 覚えている?どういうことだ、と首をひねる。 「二十年前、私の故郷は炎の中に消えた」 「……貴様、ダングルテールの反乱の生き残りか!?」 すぐさま忙しく頭の中を探り返す。だが、何故それが韻竜の声を……?いや (そうか……この女自身は身を隠していてあたかも竜が喋っていたかのように見せていただけか!) その竜が一緒に来れば驚異だが……木々の間に見えるあの巨竜はあの場から動いているようには見えない。 「反乱だと?聞いて呆れる。そんなもの、貴様のでっち上げだろう。金に目のくらんだな」 大半のデータが頭の中で整理されると、リッシュモンはゆっくりと立ち上がって女の――アニエスの顔を正面から見た。 腰には剣を下げていて、右手は銃を握って肩に乗せている。 「それで、この私の前に現れたのか、力なき平民の分際で!」 あの村にメイジは一人として居なかった。ならば、この女も当然メイジではない。 「その顔、思い出したぞ。先日シュヴァリエになるのを蹴った小娘か。ははは!本来なら死なずに済んだ物をわざわざ死にに来たとは!」 「どういう事だ……?」 「貴様の代わりにアンリエッタが召し抱えた銃士隊の隊長よ!私の邪魔をしようとしてあえなく散っていったが、本来ならあそこに居たのはお前だったはずだ!」 「……そうやって貴様は、自身の欲望のためにどれだけの者達を食い物にしていくつもりだ!」 アニエスが激高して銃を向けて、一発。だが怒りに震える銃口はリッシュモンを捉えずに夜闇の中に消えていった。 「ははは!バカめ!ファイア・ボール!」 間髪置かずにリッシュモンの杖から放たれた火球がアニエスを焼く。 「ふははははははははは!力なき平民如きが仇討ちなどと片腹痛い!ははははは!」 「……ふふふ」 「!?」 リッシュモンの高笑いに、別の低い笑いが被さる。未だ燃焼を続ける炎の中、 「全く、レオンハートがいつも私のことを心配するわけだ」 文字通り涼しい顔でアニエスはしみじみと呟く。 「このような鉄壁の守りに比べれば、生身など脆弱その物だろうからな」 「な……効いていない!?」 「この程度の火で、私の復讐の炎を覆えると思ったか!このゲスがっ!」 一喝するアニエスの前で、リッシュモンは後ずさる。 「ぬぅっ……!?」 杖を掲げて火の魔法を乱れ撃つが、その全てをアニエスはものともせずに一歩ずつ近づいていく。 「貴様自身の炎で焼かれろ!ドロー ファイラ!」 「う、うわぁぁああああ!?」 杖を必要とせぬ魔法は、狙われていることも判らなければ、避けるのもまた困難だった。 その豪奢な服とマントに着火した火が、たちまち全身を包む。 「おおおおおおおおおお!」 必死に地面をのたうち回って火を消そうと試みる。そんなリッシュモンに、アニエスは銃を放り剣を両手で構えて向けた。 「ふんっ!はぁっ!てやぁっ!」 「ぎゃあ!?あああ!?ああ!」 傷が、まだ消えきっていない火に焼かれる。 「もう一度、感謝しよう。この国を捨てようとしてくれたことを。おかげで『他の者達』と違い、貴様には私自身の手で引導を渡せるのだからな」 「他の!?……ま、まさか……」 記憶に起こされるのは、『自分以外の関係者』達の『死因』。 「最近起きている流星による死亡事件は……!」 「メテオ」
アニエスが無造作に唱えた魔法によって空から流星が降り注ぎ、その内の二つがリッシュモンの右腕と右足を砕く。 「があああぁあぁぁあああ!?」 「いかにも……私だ」 ニィ、とサディスティックな笑みを浮かべる。 仇討ちようとしてスコールが星々のかけらから精製した禁断魔法メテオ。これが為にアニエスの銃はビスマルク止まりだったのだが、アニエスとしてはこちらの方がありがたかった。 メイジ達にはまさか想像にも及ばない流星の攻撃手段。この魔法の存在を知らなければ事故としか認識しようがない。 「無力な平民の手により、死ね」 心底の恐怖が、リッシュモンの心胆をさむからしめる。 「ま、待てっ!金なら!金ならいく……」 制止するように左手を差し出すと ザッ 「ああああああああ!」 アニエスの剣が走り、左手の親指が切り飛ばされる。 「楽には死なせん。貴様がその欲で殺めた者達と同じく……苦しんだ末に殺してやる」 再び、リッシュモン自身の力を抽出する。 「ドロー ファイア」 「ひ……あ、あ……!」 スコールの力添えにより加速した復讐者の行動は、まだ続く。 「ぐ……く……ぅ」 うめき声を上げながらスコールは体を起こす。 「あ。委員長、起きた?今回のフェニックスの尾の代金は後で請求するからね」 「何が……一体何があった……?」 「自滅しちゃったんだよ」 隣に立つジョーカーがあっけらかんと言う。 「自滅……?」 「委員長、ST攻撃にドレインジャンクションしてたろう?あいつらにライブラかけてみな」 そうジョーカーの指さす先にはアルケオダイノスと戦うメイジ達の姿。 「ドレイン……?成る程、ライブラ」 スコールの視覚にメイジの一人がターゲッティングされ、情報が送り込まれる。 《アルビオン騎士 神聖アルビオン帝国の騎士。アンドバリの指輪の魔力によって生かされている死者。生半可な傷ではすぐに活動を再開する。アンデッド系 炎 聖に弱い 毒 即死は無効》 「アンドバリの指輪!?」 その単語に目を剥く。まさかこんなに早く足取りが掴めるとは。 「G.F.召喚、ラグドリアン!」 手に入れたばかりのG.F.がスコールの形を宙に結ぶ。 「ラグドリアン、あの連中、アンドバリの指輪の力で蘇らされているらしいが、どうだ」 スコールの言葉に、ラグドリアンはしばし首をかしげた後告げた。 『……その通りだ。間違いなく秘宝の力を感じる……だが秘宝そのものはここにはないな』 「そうか……」 「っと、委員長。悪いんだけど話はそろそろ切り上げてくれないかい。委員長が倒れてる隙を突かれてあの女の子が連れて行かれたんだ。こいつらは俺が引き受けておくから」 「了解した。戻れラグドリアン」 ライオンハートを再び肩に担ぎ、ラグナロクの下をくぐって街道を駆け行く。 「さてと……G.F.ラムゥ、カード、とらえる!」 それまでメイジ達を相手に大立ち回りを演じていたアルケオダイノスがカードと化し、ジョーカーの手元に帰る。 「全く、普通ならとっくにやられてる筈なんだけどな」 アルケオダイノスに頭突かれ、尾でなぎ払われ、噛み付かれ、それでもなおメイジ達は動いていた。肋骨を折りながら、脚が潰されながら、腕が噛み千切られながら。 アルケオダイノスが消えたことで戦列を組み直しながら、メイジ達はジョーカーの前に並ぶ。 「アンデッドってのは厄介だよ、ホント」
カードの束からまた一枚を取り出す。 「動きようがない消し炭してやる。ラムゥ、カード、はなつ!」 現れるはルブルムドラゴン。炎の竜であった。 走りながらジャンクションを入れ替える。ドレインを外し、サイレスを。かばうを外して。オートヘイストを。 (体力は……回復している余裕はないか) だが属性防御に関してはかなり固めている。心配はしていなかった。 そうしているうちに二人組の後ろ姿が見えた。雲に月が隠れ始めた夜道、鍛えていない女連れ、やはりそう距離は稼げなかったようだ。 (捉えた!) 一応右手を向けて擬似魔法を放つ。 「ライブラ!」 《ウェールズ・テューダー 旧アルビオン王家の皇太子。アンドバリの指輪の力によって生き返らされ操られている。アンデッド系 炎 聖に弱い 毒 即死は無効》 (やはりあの男もか) 声が聞こえて逃げ切れないと悟ったか、足を止めると二人はスコールの方に向き直る。 「何故です!何故私とウェールズ様を行かせてくれないのです!」 涙目になりながら、女王がそう叫ぶ。 (愛の逃避行か……判らないでもない) 自身が、リノアを封印しようというエスタの施設から彼女を連れ出したのも、言ってみれば似たようなモノかも知れない。だが、あの時もそれを阻止せんとするエスタの兵が居た。 今度は自分が、彼らの立場に立ったのだ。 あの時は、おそらくラグナからの計らいであろう。彼の友人で補佐官であるウォードが現れて自分たちは見逃されたが、今現在そういった事象はなく、自分の成すべき事は彼女の身柄の奪還だ。 「悪いが、さっきも言ったとおりだ。全力で阻止させてもらう」 かつてスコールは、世界全てを敵に回す覚悟でリノアをその腕に抱き留めた。 そして今問題なのは、目の前にいる者達にそれだけの覚悟があるのかということだ。トリステイン一国全てを敵に回す覚悟が。 「い……良いでしょう。ですが、私はウェールズ様と添い遂げます!止めたければ私ごと切りなさい!」 震える声ながら、アンリエッタがウェールズの前に立つ。 (……近いな) ライオンハートでは諸共に切ってしまいそうだし、攻撃魔法でも巻き込んでしまう可能性が高い。 手を出しあぐねる中、雨が降り出した。 「アンリエッタ、下がってくれ。君が死んでしまっては、どうしようもない」 「ウェールズ様、しかし……」 ウェールズがアンリエッタの肩に手を乗せて引く。 「彼とは戦わない訳にはいかないようだ。協力してくれるね?」 「……はい」 優しく呟くウェールズの言葉に頷き返しながらアンリエッタが、ウェールズがルーンを詠唱していく。雨を巻き込むように竜巻が、うねり始める。 水が3、風が3。 トライアングル同士の力を合わせた系統魔法の大技。 王家のみに許された、ヘクサゴン・スペル。 二つのトライアングルが絡み合い、巨大な六芒星を竜巻に描かせる。 (……大した勢いだ) 迫り来る竜巻、否、既にスコールのジャケットや前髪は風ではためいているから巻き込まれ始めていると言っても良いだろう。 だが、実はこのまま直撃を受けたところでスコールとしては痛くもかゆくもないどころか、属性防御で自身の活力となってくれるありがたい攻撃だったのだが、今回はそれをしなかった。 「お前を試すぞ、G.F.召喚デルフリンガー、まふうけん!」 『よっしゃぁぁぁあああ!危うくこのままずぅっと出番がねぇかと思ってたぜ!』 片刃の剣が空中に像を結び、それが竜巻の中へと突入する。
直後、竜巻の勢いが弱まる。 『うおおおおおお!?すげぇ!この姿になったからか!?新品の頃より調子がいいぜ!』 水が、風が、竜巻の中心部へと引き込まれていく。 (あちらは任せて良いか) ライオンハートを担ぎ直し、急速にその勢力を弱めつつある竜巻を迂回して反対側へと駆け込む。 「!?」 スコールの姿を見止めてアンリエッタが再びその身を呈して前に出る。だが、今度はきちんと策がある。 「アンデッドにはこれだ!ケアルガ!」 「ぐふっ……」 アンリエッタの後ろで、癒しの光に包まれたウェールズが呻く。 「ウェ――」 異変に気づいたアンリエッタが振り向くのとほぼ同時に、スコールの跳び蹴りがアンリエッタの頭横をすり抜けてウェールズの胸板に直撃し弾き飛ばす。 「……っ!?」 「ウェールズ様!」 オートヘイストのスピードを生かしてアンリエッタが駆け寄るよりも早くにウェールズの懐に飛び込む。 「連続剣」 ぽつりと呟いたその言葉通り、スコールの剣が走る。 轟轟轟轟轟轟轟轟! 「あ、ああああああ!?」 血が飛ぶ、服の切れ端が飛ぶ、手が飛ぶ、脚が転がる、 愛する男の惨状にアンリエッタは立ち竦んだ。 「……っ!」 「まだ動くか……!」 ST攻撃サイレスで口が聞けなくなったのか、ぱくぱくと口を動かすだけのウェールズから距離をとると、スコールはライオンハートを大上段に構えた。 「フィニッシュブロー、ブラスティングゾーン!」 光が、ライオンハートから伸びる、伸びる、伸びる。 雲が裂け、雨が止む。ハルケギニアの者達には想像も付かない宇宙空間までも、その光は届く。 光の柱そのものを抱えたかのようなスコールを、へたり込んだアンリエッタはただ見上げるしかなかった。 「何……これ」 その光が、振り下ろされる。 「はぁぁぁぁああああ!」 キュゴォォオォオオオオオ! その光の中に、ウェールズの体は溶けていった。 手元に残ったカードは二枚。 「へへへ……どうだ、新顔。降参か?」 目の前には余裕を浮かべた男。 それまで無表情で通してきたジョーカーは、そこで不敵な笑みを浮かべる。 「降参するのはそっちだよ……セイム!」 ぱん、と置かれたカードが左右のカードの色を変える。 「何!?」 「コンボ!」 続けてもう二枚がひっくり返る。 「おおお!?」 「6対4、ダテにCC団ジョーカーは名乗ってないよ」 「ぐ、お……」 行きつけの酒場。カウンター席でオレンジジュースを飲みながら、遠目にジョーカーのカードプレイを眺めていたスコールの隣に、アニエスが座った。 「……首尾は?」 「上場だ。マスター、いつものを。……眠ったままの彼女を、後発隊の連中がきちんと見つけて保護して行った」 ウォッカの水割りを店員に頼みながら小さく続ける。
「俺たちとは、判らないかな?」 「何も証拠は残していないはずだ。彼女の記憶には残っているかも知れないが、あとは知らぬ存ぜぬで通すしかないだろう」 まぁ、その点はどうにかなるだろうとは思っている。 その為に持っているレアカードをジョーカーに頼んで『放って』おいてもらったのだ。リッシュモン襲撃の時間帯、スコールがここにいたことは誰でも証言してくれるだろう。 そもそもアンリエッタのことが大きすぎて、森の中で転がっている焼死体にまで目は向くまい。 「そうだ、こいつを返しておく」 合わされた掌から、シヴァ、ディアボロス、パンデモニウム、グラシャラボラス、サボテンダーがスコールの元に戻ってくる。 「ああ」 「あと、二人……」 目の前に置かれた水割りの水面に目を落としつつアニエスは呟いた。 今回はここまで。 ウェールズの話だけでは、スコール達が動く理由付けとして弱すぎるので、リッシュモンの事件と合併させました。 ボス戦では、スコールのHPをいかに低く維持するかが鍵になると思うんです。
乙! 属性防御及びST防御があるとなしじゃ、確かに生命体の格そのものが違ってくるもんな。100%超にするとなおさら。 スコールのHPは低く抑えてやるのが一番ですよね。最強技は本当に最強だからな。
乙 末期の言葉イベントが文字通り消し飛んだwww
乙でしたー。ついにフィニッシュブローが!そしてデルフが! あと多分ラムゥ→ケツァクウァトルっスよー。
>>629 済みません、あの部分は意図的だったんですが、勘違いしてしまう書き方をしたようで。
ラムゥはジョーカー自前のG.F.です。
カードで『とらえる』だけではなく『はなつ』事も出来る、カードの面に置いてはケツァクウァトルの上位にあたるという想定で書いていました。
ほかのG.F.みたくスペック用意しておけば良かったですね。
乙ー 個人的にボス戦はむしろゼルの運用が重要だったかな
いやいや失礼、勘違いを。
乙です [でラムウだと田丸で想像してしまうw そして・・・このケースも少なくないですが 流石にこのウェールズの惨状はアンリエッタに少し同情しますなぁ・・・
憚られるはオメガウェポンとかじゃないだろうな
乙っすよ。ダーツで戦うってところで幽☆遊☆白書の要を思い出した。
>>631 ゼルのデュエルはコマンドに慣れれば大概の敵は瞬殺できるからねー。影の主役は彼と言えるかもしれない。
>626 乙。 そしてディアボロスがどうしても、某家電量販店店員を思い起こすw 【ゼロの使い悪魔】
>>611 実質的にそれをやったのがあの『ゼロと帝国』なわけだが。
ヴラド・ツェペシ公が自領の貧困状態を解決した方法は
貧困層を皆殺しにする事だった
これは政治的には大成功だったが、
>>611 はどう思うかね
>>611 支配階級のメイジをジェノサイドしたらむしろ世界崩壊するだけだと思うが…
アフリカを見ればわかるが教育水準の低い人間が急に支配階級になっても不正と横領と仲間割れで国家が崩壊する
メイジの不正なんかとは比べものにはならん
>>636 きさまはぷらんにゃーといちゃいちゃしてろ
>>640 ほっとけよ、どうせメイジ=悪と決め付けてKAKUMEIしたいだけのいつもの奴だろ
だいたい、メイジ殺せば平和になるならリアル地球はとっくに平和になってないとおかしい
KAKIMEIせよ! KAKUMEIせよ!
今日はギーシュを殺ってきた♪ 明日はフーケをシメてやる♪
サド顔全開のアニS様に踏まれ隊
>>642 まぁ、確かにリアルからアメリカ人とロシア人と中国人と朝鮮人が消えたら
日本の領土は全部返ってくるし世界は平和になるんだろうけど、
そんなことは無理だしね。
それ以前にアメリカ人とロシア人と中国人が消えたら世界経済が崩壊する。
>>646 お前は何で見当違いなことを語ってるんだ
面倒くさいから革命じゃなくて、ハルケギニア全土を世紀末化な これなら文句あるまい
あ〜、とりあえず書いてみたんだが半分オリジでも投下良いのか? 元ネタは「女神転生IMAGINE」と言うネトゲだ んで、ルイズに召喚されるのはあるDBの仲魔の1体だ
今の所の予定としてはルイズに召喚されてしまった仲魔の本来の持ち主が 仲魔を回収しに来るってのがラストにしようとしてるんで持ち主自体は ちょこちょこっと出るって所でほぼメインからは外れた所で暗躍してる予定 オリジって言ってるのはネトゲからだから持ち主=プレイヤーが 居るって事でそのプレイヤーの存在がオリジ部分 一応ストーリー的には大きくは外れない様にする気だ
>>651 性格やら設定がかなりのオリジナルとかじゃなきゃたぶん大丈夫じゃね?
あとストーリーは語らんでいいw
相談に乗ってくれてサンクス! 他の方が投下をしないなら2:50くらいから投下し始めます
655 :
借りてきた猫 :2009/09/20(日) 02:54:17 ID:vZ/yGJlU
トリステイン魔法学校では、毎年春に二年生になる者達の「使い魔召喚の儀」が行われる 皆が皆、それぞれ使い魔を召喚し、契約していく そして今もまた1人、召喚を成功し・・・・・・ 「宇宙の果てのどこかにいる私の下僕よ! 神聖で美しく、そして強力な使い魔よ! 私は心より求め、訴えるわ! 我が導きに応えなさい!」 なかった・・・ 少女が唱えるがただ爆発が起こるだけで何も出てこない 「やっぱりゼロのルイズだ、失敗してやがるぜ!!」 「この調子じゃあ後10回は失敗すんじゃねえの?」 周りは言いたい放題に少女−ルイズ−の失敗を笑う 更には何回で成功するか賭けまでしている様だ ふん、見てなさいよ、きっと周りが驚くような凄いの召喚してやるんだから! 「宇宙の果てのどこかにいる私の下僕よ!」 一言づつ・・・ 「神聖で美しく、そして強力な使い魔よ!」 確実に・・・ 「私は心より求め、訴えるわ!」 集中し・・・ 「我が導きに応えなさい!」 言い切る! すると先ほどよりも少し大きな爆発が起こる やっぱりまた失敗かな・・・ 爆発の効果で舞い上がっていた煙が晴れてくると子猫がそこに居た・・・ 「そんな、ルイズが2回目で成功するなんて・・・」 「明日は雪か?いや、槍が降るかもな!」 「あれ?でもあの猫立ってねぇか?」 そう、子猫は子猫でも2本足で立っていた・・・しかも帽子とマントさらに靴も履いてる上に剣を持って居る・・・ 「え・・・え〜と・・・」 「これはこれは、2本足で立つ猫とは不思議な猫ですね、それは兎も角サモン・サーヴァント成功です。おめでとう、ミス・ヴァリエール。さ、儀式の続きを。」 「あ、はい・・・有り難う御座います!コルベール先生!」 あとはコントラクト・サーヴァントをしてわたしの使い魔に・・・期待とは大幅にズレたけど初めての成功だし、そんなに贅沢は言わないで良いよね・・・ 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタ「えと、おねえさん誰?」・・・は?」 「えっ?えっ?」 周りを見るけどこの子が喋ったのだろうか? 「ねぇ、おねえさん誰?」
656 :
借りてきた猫 :2009/09/20(日) 02:56:22 ID:vZ/yGJlU
「・・・・・・猫が喋ってる!?」 突然の事でパニクるわたしに 「ミス・ヴァリエール、落ち着いて、喋ると言う事はもう契約出来てたのですか?」 「あ・・・・・・コルベール先生・・・・・・それが・・・まだ契約してないのに喋っているのです。」 「なんと!それでは元から喋る猫の姿をした幻獣だったと言うのですか!?」 「ねぇ、おねえさんは誰なの?」 「え・・・あ・・・わたしはルイズ・・・ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ・・・えと・・・君は?」 「あ、ボクはマスターにクロちゃんって呼ばれてたよ♪」 「マスター?マスターって何?・・・クロちゃん」 「う〜んとね〜・・・簡単に言うとボクと契約した人の事だよ〜」 「え゛・・・じゃあわたし人の使い魔呼んじゃったの!?」 「ん〜、ボクのマスターはボクを1度も使い魔なんて呼ばないから違う気がするけど〜・・・」 じゃあちょっとその人に悪いけどわたしが契約しちゃおうかな? 「おねえさんもボクと契約したいの?」 「うん、わたしの使い魔になって欲しいんだけど・・・駄目かな?」 「え〜と・・・・・・あ〜・・・・・・ゴメンねおねえさん・・・悪いんだけど・・・」 「あ、やっぱり2重契約になるから出来ないんだ・・・・・・」 初めての成功だから正直この子でも欲しかったんだけど・・・2重契約になるなら仕方が無 「流石にボク等の規則でボクより弱い人とは契約出来ないんだ〜」 へ〜、そんな規則があるんだ〜・・・・・・ってあれ? 「ちょっと待ってよ!じゃああなたわたしより強いの!?」 「うん」 即答だよ・・・
657 :
借りてきた猫 :2009/09/20(日) 02:57:22 ID:vZ/yGJlU
「プ・・・ルイズ子猫よりも弱いんだってよ・・・」 「笑っちゃ失礼だよ・・・クププッ!」 「お前だって笑ってるじゃないか・・・」 くっ・・・言わせておけば・・・ 「あんた達ねぇ・・・「もっと言うとここに居る人達でボクと契約出来る強さを持ってる人は居ないよ〜」・・・はぃ?」 「え〜と・・・・・・それってどう言う事?」 「ボク等にはLvって言う強さの数値があって〜、そこのおじさんがLv38くらいなんだ〜」 へぇ〜・・・コルベール先生の強さってそんななんだ〜 「えと、じゃあわたしは?」 「ルイズおねえさんはLv3だね〜」 う゛・・・何その低さは・・・ 「え、えと・・・じゃあ、あのツェルプストーは?」 「え〜と、あのおねえさんは・・・・・・Lv32だね〜」 ぐっ・・・ツェルプストーの奴そんなに高いのか・・・ 「でも、一番高いのはあっちの青い竜の近くに居るおねえさんだね〜」 「え?そうなの?いくつ?」 「Lv39でこのおじさんより強いよ〜」 う〜ん・・・上には上が居るんだなぁ・・・ 「え〜と・・・クロく「クロちゃんだよ」・・・クロちゃん、このミス・ヴァリエールの使い魔にどうしてもなれないのですか?」 「使い魔ってどう言うものなの?」 「使い魔と言うのは・・・」 コルベール先生が使い魔の役割を話してる間わたしは少し疑問があった・・・じゃあクロちゃん自身の強さって何Lvなんだろう? 「・・・・・・と言う役割なんですが・・・」 「そうだね〜、ルイズおねえさんを守るってだけならやっても良いよ、どうせ正規に契約したら面倒な事があるし・・・」 「と、言う訳でミス・ヴァリエール、使い魔としての契約は無理な様ですが使い魔の役割の1つである『主を守る』はやってくれるそうですが?」 「え?あ、はい!」 「とりあえず、オールド・オスマンに相談してそれで進級出来るか聞いてみましょう。では、クロく「クロちゃん!」・・・クロちゃんはわたしについてきてください、ミス・ヴァリエール、あなたもですよ?」 「はい・・・」 「他の人達は一先ず寮に戻って使い魔と親睦を深めてくださいね」 わたし・・・・・・進級出来るのかなぁ・・・・・・
658 :
借りてきた猫 :2009/09/20(日) 02:58:15 ID:vZ/yGJlU
学園の責任者であるオールド・オスマンは、少し考えていた・・・ 今日のミス・ロングビルの下着は何色かのぉ・・・ そんな口に出していたらセクハラになる様な事を考えていた所に・・・ 「オールド・オスマン!失礼します!」 「何じゃ、コルくん?」 「コルベールです、変に略さないでください・・・それよりも相談があります!」 ルイズの召喚した使い魔候補が使い魔の方の規則で契約出来ない事を説明した 「ふむ・・・・・・して、その使い魔候補は?」 「はい、このクロ・・・ちゃんでございます!」 「・・・・・・どーみてもただの猫にしか見えんが?」 「それが・・・「おじいさん強いね〜、おじいさんだったらボクと契約出来るよ〜」・・・」 「ふむ・・・喋る猫か・・・珍しいのぉ・・・」 「ねぇ・・・クロちゃん学園長先生はLvいくつなの?」 「あのおじいさんはLv88だね〜」 ふむ・・・つまりクロちゃんの強さは40〜88って事ね・・・って全然絞れないって! 「あのクロちゃんあなたの「なんじゃそのLvとは?」・・・」 「どうやらクロちゃんはLvと言う強さを表す数値を図る事が出来るようなのです!」 「ほぉ〜、それでコルベットくんはいくつだったのかね?」 「コルベールです、わたしは38だそうですよ」 「ふむ・・・・・・喋る上に人の強さまで数値化する能力まであるとは・・・して相談とは?」 「実は使い魔の契約は出来ないのですが使い魔としての働きはしてくれるそうなので特例として、ミス・ヴァリエールを進級させて欲しいのです。」 真面目な話をしてる片隅で・・・・・・ 「あら?どうしたの猫ちゃん?わたしに惚れても駄目よ?動物とは結婚出来ないんだから」 「おねえさんの髪の色を見るとボクのマスターを思い出すんだ〜、同じ色だから」 「あらあら、マスターに懐いてたんだね」 「うん!」 そっか・・・・・・クロちゃんを契約してる人ってこのクロちゃんに懐かれてたんだ・・・・・・そんなクロをマスターから無理矢理引き離してわたしは何してるのかな・・・・・・ 「ふむ・・・・・・まぁ体裁上は使い魔として見れるし召喚自体は成功しとるから特例でなくとも進級はさせよう」 「えっ?・・・あ、ありがとうございます、オールド・オスマン。」 良かったぁ・・・・・・何とか進級出来た〜 「それでは、ミス・ヴァリエールは彼を連れて寮に戻って親睦を深めなさい。」 「はい!それでは失礼します!」
659 :
借りてきた猫 :2009/09/20(日) 02:59:03 ID:vZ/yGJlU
帰ってきてわたしの部屋・・・・・・ 「んで、クロちゃんいきなり質問だけど・・・・・・あなた種族って何?唯の猫なの?」 「話せば長いんだけど〜、簡単に言うと猫の妖精だよ」 「ふむふむ・・・猫の妖精っと・・・・・・って妖精!?」 「うん、ただ妖精の中でも弱い方だけどね」 「ねえねえ、妖精って言うなら先住魔法使えるの?」 「先住魔法って何だかわからないけど魔法なら使えるよ」 「どんな魔法?あ、やっぱり木とかを操作するの?」 「ん〜、マスターの趣向でボクは攻撃に関する魔法は覚えさせてくれなかったんだ〜、だから使えるのは回復とちょっとしたものくらいだね」 「へぇ〜、治療の水魔法が使えるんだ〜、じゃあ怪我した時は直してね」 「うん、わかった〜」 「あと、今まで聞けなかったんだけど・・・・・・クロちゃんのLvっていくつ?」 「ボクはLv60だよ」 はい!?Lv60って・・・・・・ 「えええええぇぇぇえええええぇぇぇ!!!!!!」 「ちょっと!ルイズ?どうしたのよ?大声なんて出して?開けるわよ?」 ノックも無しにツェルプストーが入ってきた・・・・・・鍵かけてなかったか・・・ 「そんな・・・そんな・・・・・・」 「ちょっとあなた!ルイズに何したの!?」 「ボクのLvを言っただけなんだけど・・・あ、あとボクはクロちゃんって呼んでね」 「何?そのLvって?」 人の強さを表す数値だと説明する 「へぇ〜便利な数値ねぇ〜、じゃあわたしっていくつなの?あ、わたしはキュルケって呼んでね」 「キュルケおねえさんはLv32だよ〜」 「へぇ〜、じゃあルイズは?」 「ルイズおねえさんはLv3だよ」 「え゛・・・・・・ルイズってそんなに低いの?」 「うん、まだ全然成長してないって所だから伸びる時は一気に伸びそうだよ」 「へぇ〜、それじゃあクロちゃんはいくつなの?」 「ボクはLv60だよ」 「・・・・・・はぃ?もう1度言って?」 「ボクはLv60だよ」 ・・・・・・え、え〜と・・・・・・こんな子猫みたいなサイズでわたしより強い?嘘でしょ?そだ嘘かどうかはフレイムに合わせれば解るわよね? 「え〜と、ルイズ〜、ちょっとクロちゃん借りるわよ〜・・・・・・」 返事が無いまだ返ってきていないようだ・・・・・・
660 :
借りてきた猫 :2009/09/20(日) 02:59:51 ID:vZ/yGJlU
「フレイム〜、ちょっと来て〜」 流石にうちの子を見れば嘘かどうかが解るわ わたしの部屋から火蜥蜴のフレイムが来る、さぁクロちゃんビビリなさいよ! 「あ、サラマンダーだぁ〜」 って、あれ〜?普通に接してるって言うかフレイムが何か嫌がってるぅ!? 「ちょ!?ちょっと!フレイムどうしたのよ?何所か調子悪いの?」 「んと、フレイムさんボクは別に危害を加えないから警戒しなくて良いよ」 あれ?さっきまでのはなんだったの? 「やっぱり上下関係出来ちゃうね・・・・・・」 「え〜と・・・・・・Lv60って本当なの?」 「うん!」 ハッ!あまりの現実に意識が飛んでた!?あれ?前に居たクロちゃんは何処に・・・? 「ツェルプストー・・・・・・あんた早速人の使い魔に手を・・・・・・」 「い、いやね〜、まだ手を出してないわよ〜、ただルイズが大声出したから心配で・・・・・・」 「じゃあ、なんでクロちゃんがそこに居るのかしら?」 「そ、それは「キュルケおねえさんがボクにお友達を紹介してくれたんだ〜」うん、そうお友達の紹介」 「そう・・・・・・クロちゃん、お友達出来てよかったわね〜」 「うん!」 「・・・・・・あそこまで素直に満面の笑みを浮かべられると怒る気も失せるわ・・・んじゃ、クロちゃん質問の続きするけど良い?」 「わかった〜」 クロちゃんにそれから色々聞いてみた・・・・・・何処に居たのか、食べ物は何を食べていたのかets・・・ 「え〜と・・・・・・ちょっと今更気になったんだけど・・・・・・正式に契約すると何が面倒なの?」 「んとね、実はボクって本来この世界に居られない存在なんだ・・・」 「それって異世界って事?」 だとしたらそれはそれで凄いけど・・・・・・ 「ううん、そんな事じゃなくてボクって所謂幻想の類なんだ」 「幻獣って事?」 「に、近いのかな?ボクは本来は世界の何所にも居ない筈の存在なんだけど・・・・・・マグネタイトって言う物で存在してるんだ」 「マグネタイト?なにそれ?」 「簡単に言うと人間の生命力の結晶だね、ボク等と契約するとこのマグネタイトを契約した人から分けて貰うんだ」 「へぇ〜・・・・・・ちょっと待って?マグネタイトは生命力の結晶で、無いとクロちゃん達は存在出来なくって?マグネタイトは契約した人から支払われる?」 「うん、だからボクは今はマスターからマグネタイトが供給されてるんだ。」 「え〜と、もし今日あの時クロちゃんと契約が成功しちゃってたら?」 「ルイズおねえさんからマグネタイトを供給して貰わないとボクがここに居られなくなって消えちゃうよ」 「どどどどどうしてそういう事を早く言わないのよ!?」 「だってルイズおねえさんも含めて誰も契約出来なさそうだったし、マスターからの供給が途絶えてなかったから・・・・・・」 「・・・・・・クロちゃんのマスターは・・・・・・そのマグネタイトを供給してて大丈夫なの?生命力なんでしょ?」 「ああ、マスターはマグネタイトをいっぱい手に入れてあるから自分のは消費してないから、大丈夫なんだ〜」 「へぇ〜持ち歩ける物なんだマグネタイトって・・・・・・」 それはそれで安心したかな・・・・・・ 「とりあえず後は・・・・・・あ!最後に聞いておきたい事があるんだけど・・・クロちゃんのマスターってLvいくつなの?」 「マスターは・・・・・・Lv73だよ・・・・・・」 世間は広い・・・・・・そう感じた・・・・・・
661 :
借りてきた猫 :2009/09/20(日) 03:01:14 ID:vZ/yGJlU
これで1話分投下終了です
クロちゃんと聞いてサイボーグががががg…オツカレー ふと思ったんだがKOFの無界さんが呼ばれたら土のメイジに間違われそうだな。能力的に
とりあえず思ったことは… オスマンつえええええ!
664 :
借りてきた猫 :2009/09/20(日) 03:09:27 ID:vZ/yGJlU
Lv云々は私的な見方なので多分みなさんと違う点があると思いますが その辺は笑って許すか反論をどうぞ書いてください 参考にしますので
下がる男まだかなー
オスマン88は強いなマジでw 本気出せばガンダの真似事くらいは出来そうなレベルだな 個人的にはコルベールとタバサのレベル逆くらいな気もしなくもないかな なまってるとは言え元特殊部隊で実戦経験もかなり豊富なんだろうし
667 :
借りてきた猫 :2009/09/20(日) 04:16:47 ID:vZ/yGJlU
なるほど、ではコルベール先生の評価を上げておきますね でも、多分ストーリー通りなら結局はタバサが コルベール先生の実力を抜いちゃうかもw
一意見をいちいち取り入れてたらキリがないよ
>>646 中国人の中には色々な民族がいるんで駄目です。
てか別にロシア人と中国人が消えても大丈夫だろう。
それより日本が消えた場合の方が深刻、ってスレ血か
乙、コルベールとタバサはともかく オスマンは今も本当に強いのかどうか最近ちょっと疑問ですがw IMAGINEはやってないですが、クロちゃんとは描写からしてケット・シーですかね ・・・合体強化? そして子猫召喚ときて、ディスガイア3からニャンコ先生とかネコサーベル召喚して 学院が内部崩壊とか思いつきました
それよりも、コルベールのレベルがあれな辺り原作ちゃんと読んでるのか心配になってきましたよ。
3巻までしか読んでなくても大丈夫な時代は去ったのだな
ルイズにDQ6のダークドレアムを召喚させようと考えている
675 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2009/09/20(日) 08:00:21 ID:s3aQP2Ff
ゼロと波動っていうのをやってた人は行方不明なん?
ゼロ魔の使い魔召喚をモンスターファームやポケモン、DQMの『最初の一匹』として配合の始まりとかにしたら面白いかも?
そろそろ本格的に バキから誰か召喚するSS考えないとな…
元部先生しかいないだろjk・・・
メガテンの悪魔が召喚主が居るのに呼ばれて? そいつが悪魔の本来のLvよりかなり強くて? 裏で実際の持ち主が探して暗躍する? どこの超力のパクリだ?
ゲーム関係はどんな奴でも無茶苦茶強く出来るからなあ 裏ボス倒せるレベルだと、どう頑張っても無双状態になっちゃうし って事で今日は久しぶりにディスガイアで殿下のレベル上げでもするか
681 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2009/09/20(日) 09:12:09 ID:JxVSjQMG
いつのまにかGIFTの最新が来てるじゃないか!! 待ってました!
>>674 召喚したければこのわたしを倒していくがいい
>>611 亀だが、皆殺しにしなくても格差をなくして平和的に解決する能力を持った者なら
既に召喚されている……現時点では使い魔になっていないけどね。
コッパゲがそのことに気付いて、中の人が赤い彗星ちっくな魔術師と同じことをすれば、
ハルケギニアの全ての人は下がりきって平等になるだろう(苦笑
何せ、LV∞の世界の守護者すらLV8に下げたという伝説つきだw
>>683 どっちでも社会基盤が大崩壊してとんでもないことになるのは変わらないな
貴族が絶滅したとしてもそれまで貴族が持ってた特権の奪い合いを平民同士で行うだけで平和にはならんよな 選挙なんかやっても不正があったとかいって爆弾テロぐらいするでしょ
いい加減にパラッパ召喚のラップパートを真剣に考えないと。 タマネギ先生「カラテ、魔法すべては心じゃ」
>>683 好きなのは分かるし俺も大好きだけど、なんだ、
そのふり方はない。
PSP版ドラゴンボールZ真・武闘会2のED後の世界から 『全宇宙の人気者』になった、ミスター・サタン氏を呼び出し、 そのカリスマで統一してもらうしかないな……
>>683 >中の人が赤い彗星ちっくな魔術師
実はそいつ自身が既に召喚されてたりするんだ……
>>598 遅レスだが「大鉄人17」の悪ボスブレインは本来地球環境保全のため作られたこんぴーた
しかし「人類が地球を汚す」というどこぞの師匠のような結論を出して人類に敵対してますね
あと「X-MEN」のロボット「センチネル」は人類をミュータントから守るために作られたロボなのですが
ミュータントと人類の区別がつかず「自分たちが人類を抑圧、管理する事によって人類から生まれ出るミュータントを倒す」
という結論出してしまって人類と敵対しています
>>692 >「人類が地球を汚す」というどこぞの師匠のような結論を出して人類に敵対してますね
某SSじゃ、『覚悟のススメ』の散さまと組んでいたなあ……東方不敗
散さま、覚悟と和解後なら召喚されてもいきなりルイズを殺したりしないだろうが、また「人間の性、悪也!」とか認識するか?
ががががが…と、聞くとタオルケットをもう一度2というゲームを思い出す
>>626 遅レスだが、問答無用すぎるw
これ下手するとアンアンから敵視されないか?
>>695 スコールさんが無双する為だけのSSだから何一つ問題有りませんw
アンアンも次回はキレイサッパリ忘れてますw
>>692 >「人類が地球を汚す」というどこぞの師匠のような結論を出して人類に敵対してますね
自分の場合この手の行動原理の敵で真っ先に思いつくのはメタルマックスのノアかなあ。
あと地球どころか宇宙規模でやってるガイゾックみたいなのもあるね。
698 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2009/09/20(日) 13:21:35 ID:7CVTHhnw
投下します
>>693 契約の燃える口づけでルイズが人間ではいられなくなって
不退転戦鬼ルイズになるから何も問題ない
sageも知らないなら勘弁してください
701 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2009/09/20(日) 13:23:43 ID:7CVTHhnw
ルイズが機嫌悪そうな顔をしながら本を読んでいる
それはエドが本を渡したときからだった。
「エド、あんた何読んでいるの?」
「ん、あぁこの本か?」
エドはルイズに本を見せた、表紙には魔方陣みたいな絵と「錬金術入門」と言う文字が書いてあった
「何でそれを読んでいるの?」
「錬金術は科学技術だからな、結構これは難しいけど、俺はあきらめなかったぜ」
それを聞いたルイズがカチンと来た
「エド・・・その本私に貸しなさいよ」
「えっ?」
「いいから貸しなさい!!、使い魔が難しいもので錬金術を学ぶなんて。貴族の名が傷つくわ!!っ」
エドは訳が分からないままルイズに本を貸した、しかし錬金術はいくら学んでも大抵の人間は途中で止めてしまうと言うものだ
しかしエドは両手を叩いて錬金術を発生させるのはこの本のおかげだとルイズは勘違いしていた
>>700 うんこおいしいよ?食べる?^^;
702 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2009/09/20(日) 13:24:53 ID:7CVTHhnw
「(これで私もゼロじゃないって事を証明してやるわ!)」 そう思ったルイズは本を開いた、開いたら中身は凄く難しい説明分や図などがいろいろと書いてあった 「なっ・・・何よこれッ!?、あんたこんなに難しい本を読んでいたの!!?(汗)」 「えっ?まぁな、言っただろ?。結構難しいって、俺が教えてやろうか?」 「なっなななっ!、何バカ言ってんのよ!?。こんな簡単な本・・わわわ私でちょちょいのちょーいってできるわよ!」 ルイズが顔を真っ赤にして得意げに言うが、エドはポカンとなっていた やがて、ルイズがエドを睨んだ 「何ボケッとしてるのよ、さっさと洗濯に行きなさいよ!!」 「なっ!」 「洗濯が終わったら掃除しなさい、やらなかったらご飯抜きよ!!」 エドは分からないままで服とか下着とか入ってるカゴを持って洗濯に行った ルイズはペラペラと本を見ている、すると1つのページにルイズは止まった 「何よ・・・これ・・・」 ルイズが読んでいるのは、人体の構想が書いてあるページだった 「これならできるかも・・・うん!」 ルイズがそう言うと、外に出かけた そのページは・・・錬金術で禁じられている最大の禁忌「人体練成」のページだった
704 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2009/09/20(日) 13:27:27 ID:7CVTHhnw
その頃のエドは洗濯を終えて、戻ろうとした時。自分の右腕を見た それは・・・エドと弟のアルフォンスは幼い頃、母親を亡くした 『アル!、アル!、アルフォンス!』 『どうしたのさ?、兄さん』 『これだ!、この理論なら完璧だよ!』 『これって・・・まさか』 二人は・・・母を蘇らせようと錬金術を学んだ そしてその夜、彼らはやってしまった。最大の禁忌・・・人体錬成を エドとアルは、錬成陣に手を置いた、すると光が出た。その時にいきなり真っ暗になった 『兄さん・・・何か変だよ!』 アルがエドに話しかけた直後、アルの悲鳴が聞こえた エドはアルのところを見た。アルの手から黒い手がアルの手を千切っていた 『アル!!』 エドがアルのところに向かったが、エドの左足に何かが引っかかった なんと、エドの左足にも黒い手が無数にエドの左足を千切っていた 『兄さん!、兄さん!。兄さん!、兄さーーーーーーーーーん!!!』 『アルーーーーーーーーーー!!!!』 錬成は失敗した、つまり・・・リバウンドだ。エドは左足を持っていかれ アルは身体を持っていかれた、するとエドは鎧を倒した 『返せよ・・・弟なんだよ・・・足だろうが・・・両腕だろが・・・心臓だろうが・・・くれてやる・・・だから返せよ・・・たった一人の・・』 弟なんだよぉぉぉおぉぉぉぉぉ!!!! 彼は自分の右腕を犠牲にしてまで、アルの魂を鎧に定着させた そして現在、エドは訳が分からないまま、ルイズに召還されてしまった 彼はあきらめなかった・・・自分の世界に戻って賢者の石を探す決心をした
705 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2009/09/20(日) 13:28:39 ID:7CVTHhnw
エドが部屋に戻ってくると、ルイズが本を開いたまま居眠りしていた 「ルイズの奴・・・難しくて寝ちまったのか・・・・」 エドが自分の赤いコートをルイズに被せた そして本を持とうとしたときにエドは異変に気が付いた 「(えっ!、何故だ!?)」 エドが見たのは人体錬成のページだった、実はこのページはエドが破いたページだった それが元に戻っていた 「(バカな、このページは無くなったはずが!?)」 「どうしたんだ相棒?、怖い顔して」 エドの背中からデルフが話しかけた 「見れば分かるだろ!?・・・これは・・・人体錬成のページだ!!」 エドが怒鳴った勢いでルイズが目を覚ましてしまった 一瞬ギクッとなってしまったエド 「んぅ〜・・・夢中になって寝ちゃった・・ふあ〜」 「ル・・・ルイズ」 「はっ!?、ええええ・・・・エド!?。あんた何でここにいるのよ!?」 「洗濯し終わって戻ってきたんだよ!!」 またルイズがボケたので突っ込むエド やっとルイズが思い出してきた
706 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2009/09/20(日) 13:30:33 ID:7CVTHhnw
じゃあ次は掃除ね」 「早速それかよ!、それとルイズ・・・掃除が終わったら話がある・・・」 「なっ!?」 それ聞くとルイズがびくった、いきなり話があると聞いたら誰だって驚くよ・・・ 「わ・・分かったわよ・・・エドがどうしても話したいなら・・・かっ勘違いしないでね!、べべべべっ別に好きだからって聞きたいわけじゃないんだから!!」 「それは好きって言うんだぜ?貴族っ娘」 「う・・・うるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!(真っ赤)」 ルイズが真っ赤にして怒鳴る それでもまだからかうデルフ、でもエドの表情は悲しくそんな表情だった
707 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2009/09/20(日) 13:33:04 ID:7CVTHhnw
終わりです^^ 題名はエドルイズでよろぴこwwwww
あの漫画の錬金術って地面の中に人が埋まってない世界じゃ使えないんじゃなかったっけ ナチスドイツの時代に吹っ飛ばされたのはアニメ版だけど
諸兄 ID:7CVTHhnwはただの荒らしらしいんでシカトでお願いします
事前予約なしで、進行しちゃったから、その辺は判ってる こう言ったときは、専ブラはほんと楽でありがたい
いわゆるところの「真スルー」かませばいいのに… って書いちゃった時点で俺もスルーできてない。負け
712 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2009/09/20(日) 15:09:31 ID:UVahtUrs
人類=悪系といえば、こないだアイロボットやってたな そういや、錬金って機械系のキャラには即死クラスの呪文だけど 戦闘中に材質が特殊すぎて錬金できない、っていう展開はあんまり見たことがないな なんかあったっけ?
人間が汚れの元凶、ていうので真っ先にゾンビ屋れい子のプリポンが浮かんだ。 危険だから滅ぼすっていう思想ならほかにもロックマンエグゼのデューオとかSO3のFD人とか。 FD人じゃないけどアルベル召喚は面白そうだな。
皆さんこんにちは、12月の映画、セブンの息子のウルトラマンゼロが出るとか、つまりはタロウの 親戚ということになりますね。いきなり強敵とぶつかって大変そうですが、頑張ってほしいです。 さて、66話の投下用意ができましたが、これから投下してよろしいでしょうか。 問題なければ、いつもどうりに一〇分後から00狙いで開始いたします。
716 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2009/09/20(日) 15:45:16 ID:UVahtUrs
体制に含まれる毒は、浄化されなくちゃならないんだよ!
ヒャッハー!
第66話 裏切りの代償 アンドロイド少女・ゼロワン 登場 ハルケギニアの北方の、海上から海岸線を回遊する浮遊大陸アルビオンに、最初の人間が 足を踏み入れたのが正確にいつなのかはわかっていない。しかし、六千年の昔にハルケギニアに 光臨したとされる始祖ブリミルの三人の子供たちの一人が、現在のアルビオン王国を建国 したとされているから、この大陸の歴史はそのときから始まったと考えてよいだろう。しかし、 今や王国は二つに割れて内乱の只中にある。 だが、誰もが争う二勢力の勝敗を固唾を呑んで見守る中で、それは表面上のことであって、 裏では血も凍るような陰謀がめぐらされていることを知る者は、人間の中には存在しなかった。 その、アルビオン王党派の現在の本拠地となっている名も無い城の、四階の外壁に面した 小さな部屋で、ミシェルは客人用に用意されたベッドの上に腰掛け、憮然とうつむいていた。 「銃士隊副隊長の肩書きも、今日を持って最後だな……」 今頃、ワルドはレコン・キスタ上層部からの密命に従ってウェールズを暗殺しているの だろうかと彼女はこの国に来る前に、レコン・キスタ上層部より下された密命を思い出していた。 そう、ワルドがレコン・キスタの内通者であり暗殺者であった以上、彼と行動を共にしていた 彼女もまた、内通者であった。 ただ、野心に燃えるワルドとは違って、ミシェルには私心はなかった。 「すべては、腐敗した王政を打倒し、トリステインを変えるため……」 まるで自分に言い聞かせるように、彼女は単語一つ一つをじっくりと噛み締めてつぶやいた。 以前才人に語ったように、彼女は幼い頃に実家が没落し、社会の底辺で生きてきた。 そんな、天涯孤独の身の上となった彼女が、どんな経緯を持ってアルビオン貴族派である レコン・キスタの協力者となったのかを知る者は、彼女の他にはごくわずかしかいない。 けれどそのときの、弱者に対する強者、持てる者、力あるものの仕打ちの無情さが、 彼女を強行をなしても社会の変革、破壊をおこなうように差し向け、その原動力と なっていたのは間違いはない。 はじめは、まだ無名の部隊であった銃士隊の中で地位を確立し、信頼と国内の有力者への コネを作ろうとしてきた。そして銃士隊が名を上げ、社会的地位が高まっていくにつれて、 国内の重要な情報にも触れられるようになり、諜報活動の幅も広がった。そのときは、 その勢いを大きく加速させてくれた、ベロクロンのトリスタニア破壊に感謝したくらいだ。 しかし、その後トリステインにも革命を成功させるために、間諜として動き続けていた 彼女の信念は、この数ヶ月で大きく揺らぎはじめていた。いうまでもない、革命によらずとも トリステインは変革を向かえてきていたからである。
はじめは、温室で育てられた籠の鳥とミシェルもあなどっていたアンリエッタ王女は、 意外にも非凡な政治手腕の持ち主で、国内の混乱をむしろ好機として、反対勢力が 動く前に、軍政への平民の雇用、神学に凝り固まっていた魔法アカデミーの方針変換など、 通常なら様々な手続きが必要となる改革を、短期間で成し遂げてしまった。むろん、 その後ろにはマザリーニ枢機卿などの協力者がいたのは確かだが、彼女自身にも それなりの実力がなければ、この改革は不可能だったろう。 また、それと同時にアンリエッタという人間に対しても、評価がいちじるしく変化していた。 あの、魔法学院への行幸のときに、アンリエッタはメイドやコックなどの平民にも わけ隔てなく接していた。それは、弱者を虐げて収奪する権力者の頂点に立つ王族、 すなわち世間知らずで自分勝手で冷酷だとして、ミシェルが抱いていたイメージとは 遠くかけ離れたものであった。以前、アルビオンへの船上で才人に自分の考えを もらしたのは、その表れだったのかもしれない。 さらに、そのとき彼の言った言葉が彼女の胸に深く突き刺さっていた。 「あいつは言った。トリステインに革命は必要ない、と……」 それが、彼女の最大の葛藤となっていた。貴族にいいように使われる平民の代表の ような使い魔の才人は、トリステインはなかなかいい国と言い、実際自分もそれを 実感してきている。せっかく、よい方面への改革が進んでいるトリステインを、無理に レコン・キスタの支配下に置いたとして、それがさらによい方向へゆくことになるのだろうか。 もしも、自分が今何もない状態で、仰ぐ旗を決められるとしたらどちらを選ぶのであろうかと、 彼女は苦悩する。もし、運命の女神とやらがいるとしたら、そいつの背中の翼は 黒いコウモリのそれに違いない。 「それでも、もはや私に引き返す道はない……今頃、トリステインでは隊長たちが、 私のしてきた数々の内部工作に気づいているだろう。そうなれば、私は国家反逆罪で……」 そこから先は、考える必要もなかった。もう、トリステインに自分の帰る場所はない。 あとはどこまでも、レコン・キスタの一員として戦い、征服者として恐怖され、裏切り者として 怨嗟の視線を浴びながら生きるしかない。 これまで、アニエス、才人らと、こんな自分にはもったいないくらい信頼できるパートナーと 共に戦えてきたが、最後に組むことになったのが、薄汚い野心家のワルドだったというのは、 ある意味自分にふさわしいと彼女は苦笑した。二人は、これまでは別々にトリステイン国内の 情報をリークしたり、また内部工作をおこなったりとほとんど関わりを持つことは無かったが、 クロムウェルの指揮能力に疑問を抱き始めたレコン・キスタの上層部が、他国の大使ならば 怪しまれずにウェールズに近づいて暗殺できると考えて、トリステイン国内の大物協力者に 人事の工作を頼んだ結果、その人選によってはじめて共に行動をおこなっていた。ただし、 二人の間柄は初期から良好ではなく、性格の違いをはじめ、互いに任務だから仕方なく 協力しているのだという空気を隠そうともしていなかった。それでも任務は任務であるから、 彼女はワルドが暗に指示したとおりに、彼がウェールズを暗殺した後に、即座にこの城を 離れてレコン・キスタに合流できるように脱出の準備を整えていた。
「それにしても……遅いな」 壁にかけられた古い時計を見上げて、彼女は首をかしげた。ワルドはトリステインでも 数少ないスクウェアクラスの使い手、一対一でウェールズを仕留め損なうとも思えない。 第一、万が一にも仕損じていたら自分も即座に捕縛されているだろう。 だが、しびれを切らせて様子を見に行こうかと腰を上げたとき、部屋のドアが開いて ワルドが顔を見せてきた。 「やあ、待たせたね。ミシェルくん」 ミシェル……くん? 現れたワルドの異様に明るい態度と共に、ミシェルは妙になれなれしく なった彼の言葉使いに眉をひそめたが、とりあえず任務の成否を尋ねようとした。 「遅かったな。それで、用は済んだのか?」 さすがに誰の目があるかわからない状況で、直接「ウェールズを殺したのか」とは 聞かなかったが、それで意味は通じるはずであった。けれど彼は微笑を浮かべたままで、 彼女に歩み寄ると、分厚い皮手袋をはめた手を彼女の肩に置いた。 「これからすぐにレコン・キスタと合流して、クロムウェル卿にお目通りする。そしてこの大陸を 征服するのに、共に力をあわせて戦うことになるだろう」 「声が大きいぞ、そんなことは当に決まりきっていただろう。何をいまさら言っている」 肩に置かれたワルドの手を払いのけながら、ミシェルはとりとめもなくしゃべるワルドに なんともいえない気味の悪さを感じながらも、それよりも目的は達したのかともう一度 問いかけた。 「おっとすまない。ちょっと確認をしただけさ。いやあ、はははは……そうだね、そのために 僕らはわざわざここまで来たんだからね。でも、心配はいらないさ、暗殺などよりも ずっと有効ですばらしい結果を得ることができたんだ。見てくれたまえ」 ワルドは、まるで出来の悪い生徒に教え諭す教師のように、大仰な身振り手振りで 演説をぶったあとに、後ろを指し示して、そこにいた人物を部屋の中に招き入れたが、 その、そこにいるはずのない人物の顔を見た瞬間にミシェルは愕然とした。 「ウェ、ウェールズ王子!?」 そう、そこには彼らが暗殺に来た目標であるはずのウェールズ皇太子が、暗殺者本人を 前にしながらにこやかな笑顔を浮かべて立っていたのだ。 「王子も、我らの思想を快く受け入れてくれてね。我らの目的に同調して、戦闘が開始されたら 裏切って王党派を壊滅させてくれるそうだ」 「うむ、子爵からすべては聞いた。私も実は古臭い王政などは滅んでしまえと常々思っていた のだ。そのために役に立てるなら、こんなうれしいことはない。さあ、一刻も早くこのことを クロムウェル殿にお伝えしてくれたまえ。君たち二人が伝えれば、レコン・キスタのほかの 者たちも信用するだろう」 ミシェルは、まるで夢でも見ているような思いで、平然と王党派を裏切るというウェールズの 顔を見ていた。
722 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2009/09/20(日) 15:56:01 ID:UVahtUrs
つまんねwwwww 何がウルトラマンセブンだよwwwww
ともかく、なにがどうなっているのかさっぱりわからない。自分とワルドはウェールズを 暗殺しに来たはずなのに、そのウェールズは売国奴のように、平然と王党派を裏切ると 言っている。ワルドもそうだ、この任務に異様なほどの執念を見せていた彼が、殺す どころかウェールズを同志だと笑っている。若き名君、他者を省みない野心家の姿は そこにはなかった。いや、ほんの一時間ほど前にはあったのに、今ではまるで別人の ように豹変してしまっている。 「さあ、行こうではないか。トリステインに名高いグリフォン隊と銃士隊の隊長と副長が 寝返ったと知れば、敗北主義に侵されたレコン・キスタの将兵も士気を高めるだろう。 クロムウェル殿も大変お喜びになるはずだ。急ごうではないか」 にこやかに微笑みながらせかすワルドの顔に、これまでミシェルに見せていた 猜疑心をこめた剣呑さはこれほども入ってはいなかった。 「あ、ああ……わかった」 訳がわからないが、とにかく任務が成功だというのであれば、予定に従って帰還 しなければならない。ミシェルは、ワルドに従ってゆこうとしたが、ふとワルドが 大事そうに首から下げていたペンダントがないことに気づいた。 「ワルド子爵、ペンダントはどうなされた?」 「ん? そういえばいつの間にかなくなっているな。まあ、ペンダントの一つくらい どうということはない……」 ワルドは、それより早くゆこうではないかと言おうとしたが、その言葉は発せられる 前に、飛びのいたミシェルの叫びで押しとどめさせられた。 「貴様、ワルドではないな!!」 「おいおい、急に何を言い出すのだね」 両手を振ってごまかす仕草を見せたワルドだったが、すでにミシェルは偽者だと 確信していた。あの人をたらしこむ芝居が得意なワルドが、形見だといって触る ことすら許さなかったペンダントを、本物がそんなふうに扱うなどありえない。 そのことを強い口調で告げ、いったい貴様は何者だと、剣と杖のどちらも抜ける ように身構えたミシェルに対して、ワルドは貼り付けていた笑顔をはがして、 憎憎しげに苦笑した。 「ふふふ……いや、こんなすぐに見破られるとは思わなかったな。人間など、 見た目で相手を判断する愚かな生き物だと思ったが。よかろう、教えてやろう」 そう言うとワルドは、ウェールズを後ろに下がらせて、両手を彼女にかざすように 向けてきた。厚い皮手袋をつけてはいるものの、何も手にしてはおらず、杖を抜こうと するようでも、袖口に杖を隠しているふうでもない。ミシェルは警戒を続けながら、 ワルドから視線を外さずにいたが、ワルドはそんな彼女を見て口元をゆがめると、 かざしていた手の左手を動かして、右手の手袋を掴むと、それを一気に引き抜いた! 「なっ!?」
その瞬間、冷静な彼女の脳も一瞬停止状態に陥った。かざされたワルドの 右手のひらには、不気味に輝く一つ目と、鋭い牙を生やした口がついていたのだ! その青白く輝く目に見つめられ、ミシェルが我を失ったとき、手のひらの口から 真っ白なガスが噴き出して彼女を襲った! 「ぬわっ!? おのれっ」 そのガスには、これといった毒性はなかったようだが、目をふさがれて、本能的に 吸い込むまいとしたために、熟達の戦士である彼女にも隙が生じ、その半瞬ばかり の間隙をぬって銀色の一閃が彼女の左脇腹に吸い込まれていき、焼きつくような 激痛と、全身を貫いた冷気が通り過ぎた後に、ミシェルは自分の脇腹に突き刺さる ワルドの杖を見た。 「き、きさ、ま……」 「ほう、とっさに急所だけははずしたか」 血に濡れた杖を引き抜いたワルドの声が彼女の耳朶を不快に揺さぶる。攻撃を 受ける瞬間、ほんのわずかだが体をひねるのが遅れていたら心臓を貫かれていた かもしれない。だが、それで彼女はさらに確信を深めていた。今の一撃の速度は まさに『閃光』の二つ名を持つワルドのもの、しかしこれが魔法をまとわせたもの であったら、急所を外しても内臓をズタズタにされていただろう。肉体はワルドの ものだが、魔法は使えない、ということは。 「ワルドの体を、乗っ取ったのか……」 「ほう、いい洞察力だ。いかにも、なかなか使いでのよさそうな体で気に入っている。 だが、それに気づいた以上、なおさら貴様はここで死んでもらうぞ」 「ぐっ……そうはいくか!」 傷口を押さえた手のひらに伝わってくる生暖かい感触と、強烈な嘔吐感が ミシェルに受けた傷の深さを教えていた。このままでは、いくら魔法が使えないとは いえワルドには太刀打ちできないし、部屋の出口はウェールズにふさがれており、 そのウェールズもまともではない以上、勝ち目はないと判断した彼女は杖を 取り出して背後の壁を『錬金』して砕き、そのまま四階の高さから一気に落下して 城外の堀に水しぶきをあげて着水した。 「ちっ、逃がしたか」 外壁の穴から堀を見下ろしたワルドが吐き捨てた。堀の水面は、すでに夜の 闇で真っ黒に染まり、着水の白い気泡が消えた後は何も見えない。 「浮かんでこない、ということは死んではいないな」 人間の体は水に浮く、むろん沈みもするが、体内には大量の空気が詰まっている ために死亡してもしばらくは浮き続ける。それが浮いてこないということは、まだ 生きていて泳いで逃げたということだ。この城の堀は自然の川を利用したもので、 城の周りを流れる川は、そのまま陣地の横を流れて郊外へと続いていく。 流れに身を任せれば、あまり体力を使わないでも城から離れることはできるだろう。 そのまま闇夜にまぎれて逃亡されては面倒だ。
「あの傷で、しぶといものだな。ウェールズ、始末は任せた。私はクロムウェルを 手伝いに行く」 「わかりました」 皇太子に対して、自分の部下のようにぞんざいな態度で命令すると、ワルドだったものは 新たに与えられた役目を果たすために、元の人間が持っていた身体能力、すなわち 幻獣を乗りこなす能力を使ってレコン・キスタの元へゆくために、王党派のドラゴンの いる厩舎へと悠然と去っていった。 「参謀長!」 ワルドが立ち去った後に、ウェールズは自身の参謀長を呼びつけた。彼は、ウェールズが 総司令官になったときに抜擢した男で、白い口ひげを生やした老人という印象しか 与えない風貌ではあるが、その智謀は確かで、これまで数々の戦場でレコン・キスタを 打ち破るのに貢献してきた。ただし、素性はまったくの謎で、どこの貴族の出身なのか、 そもそもどこから来たのか、そしてなぜ皇太子は彼を抜擢したのかを知る者はいない。 「お呼びですか?」 「成り行きは知っていよう。我らの計画を知った人間一匹、すぐに始末をつけよ」 「御意に」 参謀長はうやうやしく頭を垂れると、立ち去っていくウェールズを見送った。城のホールでは、 もうすぐウェールズが何も知らない貴族や将軍たちを前にして、高らかに杯を掲げながら、 もうすぐやってくるであろう輝かしい未来を喜び合うのだろう。まったく、これだから人間と いうのは度し難いのだと、誰もいない廊下を歩きながら参謀長はほくそ笑み、やがて 誰も立ち入れさせない自分の部屋に入ると、部屋の奥の大きなスーツケースの扉を開いた。 「さあ、お前の出番だぞ」 そのスーツケースの中には、きらきら輝く等身大の女性の人形が直立した状態で 納められていた。 「さあ、目を覚ませ」 参謀長は、ニヤリと笑うと人形に手をかざして念を込めた。するとどうだ、作り物めいていた 人形の肌がみずみずしい輝きを持つようになり、裁縫糸のような髪は滑らかな金髪に、 瞳はガラス球から黒曜石のような輝きを放ち、まるで人間のように変化したではないか。 だが、その容貌は確かに人間そのものであるが、顔には一切の表情を浮かべておらずに、 人間らしい一切の生気というものをまとってはいなかった。
「さあ、お前に働いてもらうときだ。この城から、我らの秘密を知って逃げ出したものがいる。 そいつを追って殺せ」 「はい」 参謀長の命令に、人形だった少女は機械的にうなずき、無言のままで部屋を立ち去っていった。 ホールの方角からは、高らかに乾杯の歓声が響いてくる。トリステインからの大使など、いても いなくてもかまわない。ただウェールズさえいれば王党派は安泰だという、それはとても陽気で、 果てしなく愚かな笑い声であった。 その日は、月も日没にかけて湧いてきた雲で隠れ、城の窓からの明かりと、陣地に張られた 松明の炎のみが、闇をわずかな範囲のみ照らしていた。当然、それらから離れたらまったくの 闇夜に包み込まれて、夜目の利かない者では歩くこともできない。 そんな闇の中に響く川の水音の中で、傷ついたミシェルはやっと川岸に這い上がってきていた。 「くっ……いったい……なにが、どうなっているんだ……」 川辺の砂利の中に倒れこんで荒い息をつきながら、彼女はまず周りを見渡した。どうやら、 必死で泳いでいるうちに、かなり城からは離れられたと見えて、城や陣地の明かりは小さく 遠くに見える。また、銃士隊の夜間訓練のおかげで、目が慣れてくると、川岸のはずれには 林があり、その先には郊外に続く小さな道が見える。人影は、戦場に近いためかまったく見えない。 「ワルドめ……うっ!?」 突然襲ってきた嘔吐感のままに、ミシェルは激しく咳き込んだ。口に当てた手には、唾液 以外のねっとりしたものがついており、黒く塗りつぶされた景色の中でも、自分が何を 吐いたのかは容易に知ることができた。 「はぁ……はぁ……くそ、あんな奴におくれをとるとは……いや、あれはもうワルドじゃなかった。 ウェールズも、何かに操られているようだった」 砂利の上に寝転んで呼吸を整えながら、ミシェルはなんとか意識を保とうと、自分の身に起きた ことを考え続けた。 「あのとき、奴と別れるまでは、奴は確かにまともだった。だとしたら、ウェールズが……? しかし、ウェールズにワルドを倒すほどの力が……いや」 そこまで考えたとき、ミシェルはこれが王党派やレコン・キスタなどとは別の次元の存在に よって糸を引かれていることに思い至った。ウェールズを洗脳し、なおかつワルドを人外の 怪物に変えてしまえるような存在。 「まさか……ヤプールか!」 彼女にとって、それは証拠はなかったが、ほぼ確証に近く、また事実に見事に合致する答えだった。 このアルビオンにはヤプールが攻撃を仕掛けたことはないと聞いていたが、そんな人間の常識を 超えたことができるのは、ほかに考えられない。
727 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2009/09/20(日) 16:02:05 ID:UVahtUrs
ルイズが野糞してたんだ。
それをおいしそうに
>>726 が食べてたんだけど
どう思う?
「奴め……トリステインだけでなく、このアルビオンまでも焼き尽くそうとしているのか」 彼女の脳裏に、超獣ドラゴリーと戦ったときに、初めて見たヤプールの不気味な姿が思い 起こされてきた。考えて見れば奴は、この数ヶ月の間にいくどとなくトリステインに攻撃を 仕掛けてきたが、そのなかでもホタルンガを使ってトリステインの貴族を多数殺害した 事件のときには、あの土くれのフーケを操っていたという。しかもフーケは、当時魔法衛士隊が 必死で捜索しても、影さえつかめなかった神出鬼没のメイジである。それをたやすく手駒に してしまったヤプールが、バム星人をトリステイン王宮に忍び込ませていたようにウェールズを 洗脳して、一気にこの国を滅ぼしてしまおうとたくらんだとしてもなんら不思議はない。 と、すれば、わざわざ王党派に合わせるように勢力を縮小していったレコン・キスタにも、 すでにヤプールの手が回っていると考えれば、その説明がつく。 考えれば考えるほど、頭の中で疑問の答えがパズルのように組み合わさってできていく。 このままほうっておけば、ヤプールが最終的にどんな手段をとるのかまではわからないが、 すでに指揮官が操られ、他の大半の者も目の前の戦争しか頭にない今の王党派や レコン・キスタは、さながらキングのないチェスを熱心にする愚か者のようなものだ。 とてもではないが、あの狡猾なヤプールの企みに気づくことができるとは思えない。 最後は盤ごと両陣営仲良く血濡れの剣舞を踊りながら、滅びへの谷底へ突き進むことになるだろう。 「早く、知らせねば、大変なことになる……! 知らせる? ……誰に……」 だが、痛む体を必死に起こして立ち上がったとき、ミシェルはこの重要な情報を、 どこへ持っていけばいいのかと気づかされた。洗脳されたウェールズのいる王党派に 戻るわけにはいかない、かといってレコン・キスタにもヤプールの手が伸びているのは もう確実だし、行ったところで先回りしているはずのワルドに殺される。いや、すでに ワルドの姿を借りた何者かによって、レコン・キスタにはミシェルは裏切ったと報告 されているに違いない。どの道もうレコン・キスタ勢にとって自分は敵となっているだろう。 だけれども、トリステインにももう戻れない。アルビオンに来る前に、銃士隊が準備していた 内容どおりに捜査していれば、すでに自分がレコン・キスタの内通者だと気づかれている だろう。もとより、そのタイミングを見計らって出てきたのだが、そうなれば、自分は 間違いなく逮捕されて……。 「はっ、はははははは……」 もう、どこにも自分の行くべき場所はないのだと知ったとき、彼女の口から漏れてきた のは、ただ、乾いた笑いだけだった。 自分は、国の行く末を案じて、信頼してくれた仲間を、友を、国を裏切ってきた。 けれども、その結果はこれだ。苦渋の選択のつもりで裏切りを選んだら、その陣営は とっくに侵略者の手に落ちており、革命などを起こす力はもう残ってはいない。 裏切ったつもりが、実はすでに自分は自分の理想に裏切られていたのだ。 なんという喜劇だ、薄汚い背信行為の代償に、裏切り者は全てを失いましたとさ、 軽歌劇なら、ここで観客の爆笑と拍手があるところだ。結局は、地面を這いずる 虫けらが、大それた夢を見るなということか、まるで黄泉路へ続くような闇夜の 川原に、ミシェルの壊れたような笑いが響き続けた。 しかし、神という名の残酷な脚本家によって、悲劇役者を演じるように定められた 人間は、その命尽きるまで血濡れの輪舞を踊り続けろと言われんばかりに、 さらなる舞台へと引きずり出されていった。暗い、一切の光も許さないと主張して いるような闇の中に、透き通るような、だが、台本を読むような冷たい淡々とした 声が突然流れてきたのである。
「銃士隊副隊長、ミシェルさまでいらっしゃいますね?」 その声が鼓膜を震わせたとき、彼女は溺れてなお離していなかった二つの武器、 剣と杖を持って、はじかれるように振り返った。 「何者だ!?」 それはほとんど、訓練された兵士としての彼女の無意識の行動といっても よかっただろう。たとえ心が虚無に支配されかけようと、体は慣らされたとおりに 反応してしまう。振り返った瞬間、脇腹の傷口が開いて激痛が走ったが、 彼女はとにかく目を凝らして、闇の中で自分を見ている相手の姿を捜し求め、 やがて林の中、一〇メイルほど離れた場所に、闇の中でも目立つ金髪の少女が 立っているのを見つけた。 「銃士隊副隊長、ミシェルさまでいらっしゃいますね?」 その少女は、もう一度同じ内容の質問を彼女にぶつけた。いや、内容だけ ではない、口調も、音程も最初とまったく同じ、まるで録音を聞くようなその 声色に、ミシェルの全身が、こいつは危険だと警鐘を鳴らしていた。 「だとしたら……どうする?」 「そう、なのですか?」 殺気を込めて睨みつけてやったが、少女は微動だにせずに、質問を返してくる。 暗闇でこちらが見えていないのではない。この少女は確実にこちらを捉えている、 だがこちらからは、見えはするのだが、まるで人形のように、少しも気配を感じなかった。 ミシェルは、答えずに黙って睨み付け続けたが、やがて少女はゆっくりと手を上げると、 その手のひらを彼女に向けた。 「直接の確認は得られませんでしたが、該当情報によりターゲットと認識します」 言い終わった瞬間、少女の五本の指先から、光る蛇のような光線が発射された。 ミシェルは、警戒していたおかげで間一髪回避に成功して、剣を抜いて、間合いを 詰めるために走り出したが、足と体にいつもの半分くらいしか力が入らない。 「くっ、血を流しすぎたか……」 傷は致命傷を避けていたが、長距離を泳ぐうちに大量の血液を失っていたらしい。 ましてやまだ手当てすらろくにしていない状態では、塞がっていない傷口から さらに血が流れていく。それでも彼女は、渾身の力で駆け抜けて、少女に 袈裟懸けに斬りつけたが、斬撃はまるで岩を斬りつけたような鈍い反動とともに 跳ね返されてしまった。 「なにっ!? 馬鹿な」 はじかれた手の痺れに耐えながら、愛剣を見たミシェルは愕然とした。なんと、 上等の鋼鉄でできた長剣が、のこぎりのようにボロボロに刃こぼれした無残な 姿で、わずかな光の中で光っていた。対して、斬りつけられた少女のほうは、 身に着けている銀色のワンピースこそ破れてはいるが、斬られた場所からは 血が流れてはおらず、代わりに鉄の鈍い輝きが見えていた。 「ガーゴイルの類か……奴らめ、これが私への刺客ということか」
それが別の世界では、ロボット、あるいはアンドロイドと呼ばれる存在で あることを彼女が知るはずはなかったが、痛がるそぶりも見せずに、再び 手のひらを向けてくる相手を見て、一つだけわかることがあった。 「要は、貴様も化け物どもの仲間だということだろう!」 剣が通用しないのだとわかったミシェルは、すぐに武器を杖に持ち替えて、 得意の系統である土魔法で、川原の砂利を鉄に『錬金』して、『念力』で 散弾のようにぶつけた。だが、相手はまるでびくともしない。 「頑丈な奴め……ぐっ!」 しかしミシェルには、攻撃が効かなかった精神的ショックよりも、魔法の 反動でさらに痛みを増す傷口のほうが気力を削いだ。杖を持っていない手で 傷口を押さえるが、血は止まる気配を見せない。それでも、逃げるだけの 体力がもうない以上、戦いをやめるわけにはいかなかった。 「『アース……ハンド!』」 地面から突き出た土の手が、アンドロイドの足首を掴んで動きを封じる。 しかし、たったこれだけのために、ミシェルはさらに呼吸を荒くして、額から 浮き出る大量の汗に耐えなければならなかった。 「どうだ……動けまい」 決まればオーク鬼でも動きを封じられるこの魔法だ。これで時間を稼いで、 なんとか突破口を見つけようと彼女は考えたが、アンドロイドは軽く足を 振り払うだけで、土の呪縛を解いてしまった。 「……死んで、ください」 「くそっ……化け物め」 これは、普通のガーゴイルなどとは違うと、ミシェルも理解し始めていた。 恐らくヤプールが用意したのだろうが、完全人間型の上に、防御力も 攻撃力もハルケギニアのガーゴイルを上回っている。実は、地球でも これと同型のアンドロイドが侵略に使用されたことがあり、そのときも 人間以上の俊足や、鍵をかけられた扉を破壊する怪力を見せている。 まともに戦えば、生身の人間の太刀打ちできる相手ではなかった。 「はぁ……ぐ……出血は、そろそろ限界か」 ひたひたと近づいてくるアンドロイドを、後ろに下がりながら見据えて、 ミシェルはもうすぐ立ってすらいられなくなることを悟っていた。すでに、 脇腹から漏れる血はブーツにまで染み渡り、川原には赤いしみを無数に つけていることだろう。長い間戦士として蓄積した経験から、これ以上戦えば、 命に関わるということはわかっていた。 「だが、たかが使い走りの人形ごときに、やられてたまるか」
このままでは自分は死ぬ、だが、心を持ちすらしない操り人形に始末 されたとあっては、ミシェルという人間は田舎芝居のピエロ以下の末路を 辿った、最低の喜劇役者ではないか、せめて、このガラクタ人形だけでも 破壊して、少しでも奴らを悔しがらせねば死んでも死にきれぬと、彼女は 最後の力を振り絞って、杖に込めた。 「来い! この化け物!」 血の混じったつばを吐き散らしながらミシェルが叫んだとき、アンドロイドは 川原の砂利を蹴って駆けだした。もし、無傷のときのミシェルであったなら ギリギリ避けられたかもしれないが、致死量の血液を失いかけた彼女では 到底無理なことで、半瞬後にアンドロイドの腕はミシェルの首を掴んで宙に 吊り上げていた。 「死んで、ください」 アンドロイドが無機質な声とともに力を込めると、ミシェルの首から急速に 力が抜けていった。血流が妨げられて、呼吸もできなくなる。必死に耐えようと するが、それもアンドロイドのパワーには通じない。いや、アンドロイドが 本気を出せば、人間の首の骨くらい簡単に折れるだろう。パワーをセーブした 状態で充分だと判断されたがゆえに、かえってミシェルは地獄を味わっていた。 「イル……」 それでも、かすかに残った意識の中で、彼女は杖を握り締めて、最後の 呪文を詠唱し始めた。 「アース……」 本来、数秒で終わってしまう魔法のスペルが、今は限りなく長く感じられた。 喉が焼け付き、たった一文字を発するだけでも力がどんどん抜けていく。 さらに、アンドロイドは手のひらから強烈な電流を流してきて、ミシェルは 壊れた管楽器のような音程の狂った悲鳴をあげた。それでも、杖だけは 放さずに、血のあぶくを吹きながら、呪文の最後を唱えあげた。 「……デ……ル!」 その瞬間、ミシェルの最後の力が込められた魔力の光が、杖からほとばしって、 彼女を掴んでいたアンドロイドの右腕に押し付けられた。それは、本来ならば この星の魔法などでは変質しないはずの宇宙金属でできたアンドロイドの 腕に染み入って、宇宙金属の分子結合を分解して、元のもろく、なんの性質も 持たない原石の土くれに『錬金』し返した。 「ざまあ……みろ」
ひじからへし折れて落ちていくアンドロイドの腕とともに落下しながら、 ミシェルは、理解できないというふうに膠着してしまったアンドロイドの 無表情な顔を見上げながら、川原の砂利の上に叩きつけられた。 「これは……死ぬな……」 砂利の上に全身をぶつけられて、激痛が走るかと思ったが、意外にもなんの 感触もなかった。それどころか、体を起こそうと思っても全身が凍り付いて しまったように動かずに、手足の先からゆっくりと冷たさがしみよってくる。 これまで、自分たちが斬り殺してきた相手も最後はこんな感触だったのだろうか。 人生の最後には、これまで自分が歩んできた記憶を一気に思い返すとか聞いて いたが、どうせ振り返ってもろくな思い出などないのだから、勘弁してほしい。 いや、この数ヶ月に限るのなら見ても悪くない。 「隊長……みんな……」 わずかな時間ではあるが、共に肩を並べて戦った仲間たちの顔が一人ずつ 思い浮かんでくる。もう、あそこには二度と戻れないが、思えば人生で一番充実して 楽しい時間だったかもしれない。それに、トリステイン王宮で共に戦った魔法学院の 未熟で阿呆だが勇敢な少年少女たち。こんな自分にも変わらず接してくれた アンリエッタ王女、最後に……。 「サイ……ト……」 破天荒で向こう見ずで、剣技もへたくそなくせに、それでいて正義感だけは 人一倍ある大馬鹿者。大して長くもない人生だったが、信頼できる男はあいつくらい であっただろう。 「副長はおきれいなんですから、騎士隊の中にでも、お友達を一人くらいお作りに なってはいかがですか?」 かつて、部下の一人がさりげなくそう助言してきたとき、そのとき自分は冷笑と いっしょに聞き流したが、恐らくその助言に従ったとしても、騎士隊なんぞに あいつ以上の男はいなかったであろうのは確信できる。けれども、思えば そんなに多くあいつといっしょにいたわけではないのに、なぜこんなにあいつの ことばかり気になるのか……もう、二度と会うことはできない、自分からすべての 信頼を裏切ってきたというのに……。 「ふん……くだらん」 どうせ、いまさら後悔したところで何を取り戻すことができるわけでもない。 所詮、ドブネズミにはこんな最後がお似合いかと、ミシェルは唯一自由に動く 瞳に映った、自分の頭の上に振り下ろされてくるアンドロイドの鋼鉄の足を 見上げた。もう一瞬後には、鋼鉄の足は頭蓋を砕いて、ミシェルという人間がいた 証を、この世から消し去ってしまうだろう。覚悟は決めていたはずだが、このまま 誰もいない冷たい世界に行くのか、それは……。 「帰りたい……」 疲れ果てて、瞳を閉じたミシェルの顔を、一筋のきらめきが流れて落ちた。
だが、彼女は死の世界の門が眼前で黒い突風を受けて閉じるのを見ることは できなかった。慈悲なき潰死を彼女に与えようとしていたアンドロイドは、闇の中から 狼のように飛び出してきた、黒衣の乱入者の打ち込んできた飛び蹴りの一撃によって、 川の中まで吹き飛ばされていたのである。 「エネルギー兵器の気配がしたから来てみれば、戦闘用アンドロイドか、また、 この星のものではないようだな」 その人影は、全身金属製のアンドロイドを蹴り飛ばしたというのに、平然とした 様子で、川の中から立ち上がってくるアンドロイドを見据えていた。 それから後のことは、ミシェルは薄れ行く意識の中で、ほんのわずかに耳に 届いてきた戦いの音によって知ることができた。 アンドロイドは、川からあがると残された左腕を振るって、新たに敵と認識した相手に 向かって襲い掛かっていった。すでに損傷しているためにフルパワーを出し、ギーシュの ワルキューレを凌駕するスピードと破壊力を発揮して殴りかかってくるアンドロイドに 対して、その相手が迎え撃った手段は、さらにそれ以上のスピードとパワーでの 逆襲であった。 アンドロイドを構成する金属がねじれ、回線がショートする音が立て続けに鳴り響く。 手のひらから発射した光線も軽くかわされ、やっと相手を掴んで流した電流攻撃も、 さらに強力な電撃を返されて、ただの一分もかからないうちにアンドロイドは機能の ほとんどを破壊され、最後に相手の拳が顔面を砕いたとき、アンドロイドは最初の 人形の姿に戻って、陶器が砕けるような音を響かせて、川原の上に倒れて砕け散った。 黒衣の人影は、アンドロイドが完全に機能停止したのを見届けた後、倒れている ミシェルに歩み寄って、口元に手をかざして、呼吸があるのを確認した。 「まだ生きているか……それにしても、この星の人間の力で、このアンドロイドの 構造金属を破壊するとはな、人間の力というものはやはり底が知れんな」 その言葉が発せられたとき、すでにミシェルの意識はなかったが、その後で、なにか 暖かいものに包まれたような感触を、夢の中で彼女は感じていた。 それから、いったいどれくらいの時間が過ぎたのだろうか……。 長い、長い夢を見続けていたような気がする。もしそれが死だったら、彼女は永久に 安寧の闇の中を漂っていられただろう。しかし、闇の中に次第に光が滲み出し、 死者は絶対に動かすことのできないまぶたに感触が蘇ってくる。 そうして、ゆっくりと光を瞳の中に入れて、まぶしいと思ったときに、ミシェルの 耳に、もう二度と聞くことはないとあきらめていた懐かしい声が届いてきた。 「あっ、目を覚ましたわよ、みんな、来て!」 「気がついたのか、よかった。心配しましたよミシェルさん!」 「あの傷で、よく助かりましたわね。悪運の強い人ですね、まあ、私も人のことはいえませんが」 「しぶといわねえ、まあこの人の部下なら、それも納得か」 「ミス・ヴァリエール、我々を人間じゃあないみたいに言うな。それにしても、お前ほどの 者がいったい何があったのか、教えてもらうぞ」 わいわいがやがやと、そこには自分を見下ろしている大勢の顔があった。 「サイ、ト……たい……ちょう?」 つぶやいた声が届いたのか、よく見知った顔がいっせいに笑みを浮かべているのが 見えた。だけれども、かすむ視界の中に、いるはずのない相手の顔を見て、ミシェルは、 ああ、自分はまだ夢の中にいるんだと、安心してまぶたを閉じた。 続く
734 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2009/09/20(日) 16:10:51 ID:UVahtUrs
クソつまんなかった
以上です。 うむ、我ながらワルドの邪悪さがパワーアップしている。正確にいえば、ワルドではありませんが、 正直、小さいころこいつの出る話は怖くて見れませんでした。 それはともかく、気がついたらルイズたちもクロスキャラもほとんど登場させずにアニメオリジナルキャラだけで 話を作っちゃってしまっていました。ミシェルは、アニエスとコンビで登場させて以来、いつかは アニエスのエピソードの中で、ひとつくらいは彼女がメインの話を作ろうと考えてきましたが、 登場を繰り返すたびにキャラが膨れていき、いつの間にか作者である私が当初予想して いなかったくらいに成長していました。 ドラえもんの藤子先生がご存命の頃、長い間ドラえもんを書いているうちに、キャラが 自分の手を離れてひとり立ちをしていったと語られたそうですが、少しだけその言葉の 意味がわかるような気がします。 さて、次回からはまた才人、ルイズらも戻ってきて、少しずつ物語は進みます。
おつおつ 結局ジュリとはすれ違いかね?
737 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2009/09/20(日) 16:37:53 ID:qy2hfKh+
あげ
ウルトラの人GJでした! ミシェルは薄幸の人だなあ。 これからどうなるのか楽しみです。
ウルトラの人乙でした。 ゴーレムやガーゴイルが存在してもアンドロイドは異質ですね。 進路クリアなら16:55頃より11話を投下します。
それではいきます。 ルイズたちが暮らすトリステイン王国から遙か東、そこに人々が『聖地』と呼ぶ場所がある。 『聖地』とは、始祖ブリミルがハルケギニアに降臨したとされる地。そこは伝説に包まれ、 ブリミル教の最終目的地でもある。同時に、そこは一部のハルケギニアの人間にとって 奪還すべき約束の地だった。 聖地へと至る途中にある『サハラ』と呼ばれる砂漠地帯は、エルフと呼ばれる、人間と 近く、そして異なる種族によって支配され、それが故に聖地への道は閉ざされている。 そしてサハラを抜ければ、そこは聖地、さらにその先には『ロバ・アル・カリイエ』と呼ばれる 東方の地。誰もがそこに行くことを望み、あるものはそのために生涯を費やす。しかし、 それが叶わぬ理由もある。 ――そのサハラにあるオアシスの一つが、今、燃えていた―― そこはそのときまではエルフの一部族の集落だった。ハルケギニアの人々が使う系統 魔法とは異なる、精霊の力を借りて行使する『先住魔法』の使い手たち。彼ら一人に勝利 するためには人間の力では10倍の兵力をもって当たらなければならないとされる彼ら 『だったもの』が、そこかしこに転がっていた。 すべてが死に絶えた、と思われた瓦礫の中で、不意に崩れた壁が動く。そこから這い出る、 エルフの特徴である耳の長い若い男が、長い金髪を煤で汚し、唇をかみしめ握りしめた 拳から血をにじませながら怨嗟の声を漏らした。 「……おのれ、シャイターン(悪魔)め……」 男がうめく。その視線は、遙か西を射貫くかのようだった―― 「オールド・オスマン!生徒たちが無事に帰ってきましたぞ!」 ルイズたち『破壊の杖捜索隊』が出発してからしばらく。太陽が中天から下がり始めた 頃合いに、コルベールが喜びの声とともに学院長室に駆け込んだ。 「分かっておる。じゃが、フーケは取り逃がしてしまったらしいの。 ま、これでこの学院を狙おうなどと思う不届きものは当分出んじゃろ」 オスマンはそう言って水タバコを吹かす。窓から広場を見ると、着陸したタバサの使い魔、 風竜シルフィードの周りには生徒たちで人だかりができていた。 「すごいわルイズ!」 「もう『ゼロ』なんて呼べないな」 「ステキだよ!キュルケ!」 口々に上る賞賛の声。しかし、そこに水を差す声がした。 「どうせあの使い魔が一人でやったんだろう?『ゼロ』のルイズにそんなまねできるはずがないさ」 それは意識が戻ったロレーヌだった。ルイズが何か言おうとする前に、彼の前に二人の 女性が立ちはだかった。 「なら、貴方はルイズがそうしたように30メイルのゴーレムにたった一人で立ち向かえるわけね? ロレーヌ?」 「ミス・フガクがフーケを捕らえ損なったのは、わたくしを盾にされたからです。 ミスはわたくしが解き放たれるまで、ゴーレムに殴りつけられても耐えていたのですよ。 ミスタ・ロレーヌ、貴方にその覚悟がおありですか?」 キュルケとロングビル。二人が胸の前で腕を組んでロレーヌの前に立ちはだかる。 その迫力の前に、ロレーヌは言葉を失う。
「……第一、あんた最初にフーケが学院襲ったときにふがくの胸の顔埋めて気を失った じゃない。ふがくに助けてもらっておいてよくそんなこと言えるわね」 その後ろからルイズが続く。その顔に浮かぶのは呆れ。彼女たちの言葉に、ロレーヌは 二の句が継げなくなった。 「ミスタ・コルベール。あの『3人』を学院長室に呼んでくれんかの」 「――はい。3人ですね」 その様子を窓から見ていたオスマンは、コルベールにルイズたちを呼ぶように告げる。 その視線は、今までコルベールが見たこともなかったほど、冷ややかなものだった―― 「あ、ふがくさん!」 ルイズたちが学院長室に呼ばれてから、ふがくは何をするでもなく学院を散策していた。 別に目的があるわけでもない。ただ、空からは見えないものが見たかっただけ―― それでも足のタイヤで滑るように移動するふがくの移動速度は普通の人間が歩くよりは ずっと速い。そこに黒髪のメイド、シエスタが声をかけた。 「あ……シエスタ」 「はい!先日は本当にありがとうございました!『コロッケー』、ひいおじいちゃんが 作ってくれた味と同じで、とってもおいしかったです!」 戸惑うふがくに、シエスタは満面の笑みで答えた。ふがくが学院内で准貴族として 扱われているため、マルトーたちからは親しそうに見えてどうしても一線を引かれがちでは あるのだが、シエスタだけは違っていた。 「そういえば、どうしたんですか?他の皆様は学院長様とお話しされているようですけど……」 「私は呼ばれてないしね。気になることはあるけど」 シエスタに声をかけられてから、ふがくは彼女の歩みに速度を合わせている。その中で ふがくが答えた。オスマンに呼ばれたのはルイズ、キュルケ、タバサの3人だけ。ふがくと ロングビルはその中に含まれていない――貴族ではないのに貴族に準じた待遇を受ける ふがくと、貴族の名をなくしたというロングビル。ことの真実を知れば、どれだけ滑稽なことだろう。 とんだ茶番ね、ふがくはそう思いながらも、それを決して口にはしない。 そのとき、シエスタが思い出したように足を止めた。 「……ふがくさん。ちょっと左腕を見せてもらってもいいですか?」 「……別にいいけど……何?」 そう言ってふがくも足を止めて千早の浅葱色の袖口をまくる。そこは……赤く腫れたままだった。 「……やっぱり。もしかして、ミスタ・ロレーヌと決闘したときのおなかの打身とかもそのまま じゃないですか?」 シエスタは真剣な表情でふがくに聞いた。その様子に、ふがくは表情を硬くする。 「いったい、アンタ何を知ってるの?」 「……普通の『女の子』なら、ちょっと腫れたくらいの怪我は放っておいても『治り』ます。でも、 『ハガネノオトメ』は、違うんですよね……部品を交換しないと『直ら』ない」 「シエスタ?」 ふがくは警戒の視線を向けたままシエスタの姿を捉え続けている。シエスタはその視線を 受け止めたまま、ふがくの警戒を解こうとする。 「……今度、私がお暇をいただけたとき、一緒にタルブに行きませんか?ふがくさんに、 見てもらいたいものがあるんです」 「タルブ……って、シエスタの生まれた村?」
「はい。 ……本当は、あと5年早かったらよかったんですけど……そうすれば、ひいおじいちゃんも 育てのひいおばあちゃんもいて、もっといろいろできたかも……」 「それ、どういうこと?アンタの村に、いったい何があるって言うの?」 ふがくがシエスタの両肩をつかむ。しかし思いの外力が入り、シエスタが苦痛に顔を ゆがませる。 「あ、ゴメン」 「い、いえ。でも、今ここでは言えないんです。それが決まりで……それでも、ふがくさんだったら……」 目尻に涙を浮かべたままシエスタは言う。それを聞き終わらないうちに、ふがくは空に 舞い上がった。 「……なら、許可をもらってくるわ。そうしたら教えてもらうわよ。全部!」 それだけを言い残すと、ふがくは本塔へと飛び去っていく。その姿を見送りながら、 シエスタは小さくつぶやいた。 「……これで、よかったんだよね?私、間違ってないよね…………おばあちゃん……」 その言葉は途中から風に乗せられ天に消える。言葉を運び去った一陣の風がシエスタの 黒髪を優しくなでる。それはまるで彼女の言葉に応えるかのようだった。 「――というわけで、君たちの功績を称えたいと思う。 フーケを捕らえていれば『シュヴァリエ』の爵位申請も出せたのだが、そこまではできん。 代わりに金一封と各自に1週間の特別休暇を与える。いつでも申請してかまわんから、 好きなときに使いなさい」 緊張した面持ちのルイズたち3人の前で、オスマンは机越しに告げる。そこに、ルイズが 遠慮がちに言葉を紡ぐ。 「あ……あの……オールド・オスマン?」 「なんじゃね?ミス・ヴァリエール?」 「……ふがくには、何もないんでしょうか? 私たち3人では、何もできなかったと思うんです。 取り逃がしたとはいえフーケを追い詰めたのはミス・ロングビルとふがくですし、 『破壊の杖』を取り戻せたのもふがくのおかげなんです!」 ルイズの言葉にオスマンは思案する。 「うーむ。いくら学院内では准貴族として扱っているとしても、彼女は貴族ではないからのう」 「でも!ふがくがいなかったらわたしたちは……――」 「別にいらないわよ、そんなもの」 不意に後ろから声がかかる。ルイズが振り向くと、そこには見慣れた異国の装束に 鋼の翼を持つ使い魔、ふがくがいた。 「ふがく!」 「悪いわね。ノックしても誰も気づかないから入らせてもらったわよ」 「あんた、何しに……」 「学院長に話があるのよ。できれば、二人っきりで」 ルイズが問いかけるが、ふがくは素っ気なく答える。そのたびに揺れる、キュルケにも 勝るともとも劣らない立派な双丘にオスマンの視線が自然と向けられる。 「う、うむ。ええじゃろ。褒美の代わりじゃ。 というわけで、ミスタ・コルベール、君も下がってくれたまえ」 「え……そんな!……まぁ、仕方ありませんか……」
鼻の下が伸びかけたオスマンに、コルベールが食い下がりかけて止める。一緒に 見られたくないとの思いが勝ったのだ。ルイズたちが学院長室を辞し、扉が閉められたと 同時に、オスマンが真剣な表情でふがくに向き合った。 「……さて、これでゆっくり話ができるじゃろ。 私に何が聞きたいのかね?できる限り力になろう」 机から向かい合うオスマンとふがく。オスマンは改めてふがくの姿を見る。その視線が、 自分に誰かを重ねたかのようにどこか遠くに向かう感じがしたとき、ふがくが口を開いた。 「……もう知っていると思うけれど、私はこの国、いえ、この世界に生まれた存在じゃない。 別の世界からルイズの『召喚』で呼ばれたわ。 それに、あの『破壊の杖』――あれは私の国、大日本帝国の隣国、中華民国の鋼の乙女が 使う空対地空対艦ロケット。推進装置が故障して弾頭が生きてるから暴発の可能性が ある危険物だけど……どうしてそんなものがここにあるのか知りたいわね」 「……知ってどうするつもりかね?」 オスマンがふがくを見る。その視線は何かを試すようでもある。 「知りたいのよ。どうやって来て、どうやって帰ったか、それとも、帰れなかったのか」 ふがくはオスマンから視線をそらさない。その視線を真っ正面から受け止めたオスマンは、 椅子から立ち上がるとふがくに背を向けるように窓からまだ高い太陽を見る。 「――あれは、あれを持っていたのは、私の命の恩人じゃ。もう30年も昔の話じゃよ……」 そう言ってオスマンはゆっくりと語り始める―― 「30年前――森を散策していた私はワイバーン……まぁ、竜の一種だと思ってもらえば 間違いないの。その魔物3体に襲われた。 不意を突かれた私は杖を取り落とし、もうこれまでか、そう思ったときだった。天空より クマンバチのような羽音を轟かせ、手にした槍でワイバーンの1体を一刀両断にした彼女が 現れたのは……」 ――アチャー!私がキたからには、もうお前らのスキにはさせないアル!―― 「――それはまさに天女のようだった。 黒い髪を東方風に左右両方でシニヨンにまとめ、金糸で見事な刺繍が施された深紅の 東方のドレスを身にまとい、右手に刃の大きな槍、左手に見たこともない銃を手にし、 そして右腕には君の背中にあるような風車を、背中には青地に白い太陽の紋章を描いた翼を…… 思わず己の置かれた状況を忘れて見入ってしまった」 ――ここがどこだか判らないアルけれど、孫子曰く、『義を見てせざるは勇なきなり』アル。 ご老人、早く逃げるヨロシ。ここは我(ウォー)が引き受けるアル!―― 「そこからはまるで舞を見ているかのようだった……右手の槍がきらめくと、ワイバーンが まるで紙のように易々と切り裂かれて地面に墜ち――」 ――中国四千年の力いまこそ思い知らせてやるアル!必殺!青竜刀演舞!覚悟するアル!―― 「左手の銃が火を噴くと、ワイバーンの鱗など何の役にも立たずに撃ち抜かれて地面に たたきつけられた。そこで彼女は『破壊の杖』を両脇に抱え――」 ――とどめアル!―― 「打ち出された『破壊の杖』は、火を噴きながら飛んでいきたった1発でワイバーンを文字 通り消滅させた。そのとき、もう1発の方が力なく地面に滑り落ちたのじゃ――」 ――アイヤー……不発だったアル……―― 「とにかく、ワイバーンを全滅させた彼女は、私が無事なことを確認すると、そのまま天空に 舞い上がり東へと去っていった。結局、名前を聞けぬまま、な。 そこで、残された1本を『破壊の杖』と名付け、宝物庫にしまい込んだ。いつか、恩人が 取りに来ることを願って、な」
オスマンが太陽を見る。恩人の翼の紋章を思い出しているのだろうか。その背中に、 ふがくが言う。 「青天白日旗……それで、いったい誰がその鋼の乙女をこっちに呼んだの?」 「……それはわからん。彼女がどこからどうやってきたのか、今になっても分からんままじゃ」 オスマンはふがくに向き直る。その視線が自分の翼に向いていることにふがくは気づいた。 「おぬしの翼の深紅の丸、それも太陽の紋章じゃろう?東方は太陽の昇る地。それゆえに 太陽を紋章とする国があるのじゃと、私は思っている」 (中華民国の鋼の乙女、戦闘機I-16・燕(えん)が最初に確認されたのは、帝国海軍による 真珠湾奇襲が行われる直前の日華事変末期――たしか初陣のレイが気づかずに踏み台に したって聞いたような……以後、大東亜戦争中も太平洋戦線だけでなく欧州戦線でも 確認されているわね。 でも、中華民国の鋼の乙女は燕完成後に帝国陸軍が開発施設を急襲して未完成のものを すべて破壊したはず……それがどうして30年も前にここに……?) ふがくは混乱する。しかし、燕が太平洋だけでなく欧州にも現れているということは、 彼女は元の世界に帰れたはずなのだ。そうして思案にふけるふがくの左手を、オスマンは そっと手に取る。 「その代わりと言っては何だが、おぬしの左手に刻まれたこのルーンの意味……これなら 知っとるよ。 これは、『ガンダールヴ』という、ありとあらゆる武器を使いこなしたとされる伝説の使い魔の 印じゃよ」 「伝説の……そんなものがどうして私に?」 ふがくの問いかけに、オスマンは再びふがくに背を向けるように窓から外を見る。 「どうしてか――私にも分からん。分からんことだらけじゃ。 もしかしたらおぬしがこの世界にやってきたことと、その『ガンダールヴ』の印は何か 関係しているのかもしれんのぉ――」 オスマンは言う。そしてそれ以上何かを聞くことを、彼は拒否しているようだった―― 「……結局、シエスタのこと、言えなかったわね……」 学院長室を後にして、ふがくは肝心のことを言えなかったことに悔しさを禁じ得なかった。 そして螺旋階段を下りようとしたとき、途中で眼鏡をかけた翠の髪の女が自分を待っている ことに気づいた。 「ずいぶん時間がかかったみたいですね。待ちくたびれました」 「ミス・ロングビル……なんでこんなところに?」 ロングビルの口調はいつもの通り丁寧だ。フーケの時のようなささくれだった様子はない。
おつでしたー ウルトラマンと仮面ライダーはもう何人いるか把握できねぇワタシw そんでもって支援支援
遅レスだが、人類抹殺コンピューターならアレだ キャシャーンのブライキングボス(OVA)は落雷のショックじゃなくて思考した結果(東博士の本意とも取れるが) あとガレリアンズのドロシーとか・・・は召喚された瞬間エネルギー切れて終わるな 実写版のほうのキャシャーン召喚とか考えたけど 召喚者がタバサの場合は避難所のほうが良いでしょうか?
「お礼と、挨拶を、ね。 貴女のおかげで今わたくしはこうしていられるし、妹たちに悲しい思いをさせなくて 済みましたから」 そう言ってロングビルはあの森での顛末を思い出す。 あのとき、ふがくはこう言ったのだ。『ゴーレムで私を殴って、それから自分を殴って 気絶して』と。ゴーレムは一度生成してしまえば半自立的な行動を取らせることもできるが、 それも術者が意識を保っている間だけ。術者が気絶してしまえばゴーレムも維持できないのに どうするのかと思えば――まさかフーケを逃がしたと出任せ言うための口実にするとは 考えていなかった。 「妹?」 その言葉にふがくが反応する。 「ええ。アルビオンにね。血のつながらない妹だけど……これまでは仕送りばかりでしたけれど、 久しぶりに顔を見に帰ろうと思いまして、ね。 ですから、しばらくはさよならですわ」 「……そう」 「そんなに心配しなくとも。1週間ほどで戻ります。 わたくしも今回の件で危険手当が付きましたし、お給料を上げてもらえますから、 もう『副業』はしなくて済みますしね」 そういってロングビルはふがくに微笑みかける。これが本当の姿なんだな、と思った。 「……それから……」 ロングビルが視線をきつくして天井のある一点をにらみつける。 「……あのじーさまには、私のこともすべてお見通し、だしね。酒場でウェイトレスやるよりは 変なところに手を突っ込まれたりしないし視線の数も少ないけど、ずっと掌で踊らされて いたというのも癪だわ」 「え?」 ふがくが驚いた顔を見せる。その様子に、ロングビルはふがくの額を人差し指でつんと つついた。 「……気をつけなさい。あのじーさま、貴女にはすべてを話していないから。 これからどうなるのか、ミス・ヴァリエールが貴女を召喚したという小石の波紋が どれほど広がるか――私はできればこれ以上関わり合いたくはないけど、それが無理でも もう二度と貴女の前には敵として現れたくはないわ。だから、よく考えて進むことね」 「え?ミス・ロングビル?」 それだけ言って先に階段を下りようとするロングビル。その途中で振り返る。 「……マチルダよ。マチルダ・オブ・サウスゴータ。でも、人前ではロングビルと呼んでほしいわね。 もう捨てた名前だからね……」 そう言って、ロングビル――マチルダは手をひらひら振って先に降りてしまった。 後に残るのは、ふがく一人。 「……いったい、何がどうなっているのよ……」 その言葉に応えてくれるものは、ここにはいなかった……
この連投はさすがシルバーウィークということか 支援
以上です。 シエスタイベントからませたらボリュームが増えてぎりぎりでした。 中国の燕はゲームでもやられキャラですがこれくらいかっこいいはずなんです!と 力説したいです。 というか、太平洋のレイたちや欧州のフェイたちが強すぎるだけで...元兵器からして 1世代以上差がありますからね。 そろそろピッチ上げられそうなんですが...理由が会社から不当解雇されそうだというのが 情けないですorz
召還スレにも不況の波が('A`)
>>735 GJでした。超獣の名前出すのは予想になるから控えたほうがいいのかな?
掌に目と口ってことは宇宙飛行士に憑依したアレですよね?
ウルトラの人乙&GJ! まさかミシェルでここまで話をふくらますとは…作者の才能に嫉妬。 ふがくの人乙です。 なにやら面白くなってきそうでwktkしつつ正座待機。
>713 アイ・ロボットと同時期の公開で、粗筋もほとんど同じ 『ロボットによる殺人事件を捜査する刑事の物語』だった「イノセンス」はどうでしょう。 ティファか教皇なら、キムの「ゴーストハックによる幻影攻撃」に近いことも出来そうですよね。
不当解雇とか大変だよなー ボンクラ息子で週一回くらいしか出勤で 給料もらえる法人勤めの俺には想像出来ない
うあ...投下してからミスにorz 燕の必殺技名、『青竜刀演武』ですorz 登録時に修正してもらえれば助かります。 # この必殺技、欧州戦線をGODレベルでやっていると東部戦線の恐怖になるんですよね # 陸戦主体のドイツ軍と敵対するソ連軍に援軍として燕がやってくるので。
>遅レスだが「大鉄人17」の悪ボスブレインは本来地球環境保全のため作られたこんぴーた >しかし「人類が地球を汚す」というどこぞの師匠のような結論を出して人類に敵対してますね 古いネタだが新造人間キャシャーンの敵役ブライキングボスとアンドロ軍団も似たような理念でしたね しかし「人類が地球を汚す」という概念は科学技術の進歩と化石燃料の大量消費を前提とするので ブリミル教&メイジ貴族による科学の停滞はかえって望ましい社会なのかも
18:25から、21話を投下したいと思います。 多分、5レスです。
つまりハルケギニアなら散様やアンドロ軍団呼んでもおkと…ガイゾックはヤバいな。あいつら知的生命体絶滅させるのが目的だし、司令官が超アレだしw
トリステイン魔法学院は平和であった。 アルビオンとの戦争も、戦場から遠く離れた学院の生徒たちには、どこか他人事というか対岸の火事のような感覚であったからだ。 だからといって、戦争が始まる前と始まってからで、まったく変化がなかったのかというと、そうでもない。 何故なら、学院にその戦争に関わった者がいるからである。 それは、ルイズとアプトムであり、ギーシュとシエスタであった。 前者二人に対する学院の生徒たちの反応は薄い。ルイズがアルビオンの艦隊を墜としたことはタルブの村人以外には知られていないし、村 人たちもアプトムのことは知らない。そして、詳しいことを知らなければ、ゼロのルイズが一人で何かができるはずがないと誰もが思うので、 特に話を聞きたがる者も少なく、せいぜいキュルケくらいのものであった。 ただ、シエスタから村をオーク鬼から守ってくれた恩人だと聞いた他のメイドやコックの彼女を見る眼が少しだけ変わったが、その辺りは 些事であろう。 そして後者二人に対してであるが、こちらはそれなりに騒ぎが起こった。 なにしろ、ギーシュは危険を顧みずアルビオンに潜入し情報を集め、戦争ではタルブの村人を守るために活躍したと言うのである。これが 本人の口からだけ出た話であれば、またお調子者がいい加減なことを言っているとしか思われなかっただろうが、彼にはアルビオン艦隊が壊 滅した後、アンリエッタの率いる軍に合流したり、その後に王宮に呼び出されたりという事実がある。 更には、当事者であるシエスタからも事実であると告げられ、しかもお礼だと笑顔で手編みのマフラーなどを送っているのを見ては疑いよ うがない。 そんなわけで、学院の生徒たちにちやほやされる事となったギーシュであるが、意外にも彼は、そのことで調子に乗ることが無かった。 本来お調子者であるギーシュが、ここで自分の立てた手柄を自慢しないということに違和感を感じる者は多かったが、それは好意的に受け 入れられることになった。 ギーシュとしては、一方的にライバル視しているアプトムが自分よりずっと大きな手柄を立てているのだと思い込んでいるので、この程度 で浮かれて入られないと考えているだけなのだが、そんなことを知らない周囲の者は気取らない彼の姿が大人になったように見えた。 そして、そんなギーシュに、ちょっとした好意を抱くある少女がいた。 かつては、ギーシュと付き合っていた少女、モンモラシーである。 モンモラシーは、ギーシュの浮気性に愛想がつきて、二股をかけられた一件を切欠に別れたのだが、考えてみればその一件以来ギーシュが 他の女の子に声をかけているところを彼女は知らない。さすがに、目を向けもしていないとはいかなかったが。 それは、ギーシュがアプトムに決闘を申し込み、勝利することを何よりも最優先していたからであるが、その姿は前よりも魅力的に映るも のであり、よりを戻してもいいかなと彼女に思わせるものであった。 と言っても、自分からそうしたいと思うほどの好意ではなかったのだ。その光景を見るまでは。 季節はずれのマフラーを送るメイドと、それをにこやかに受け取るギーシュ。それは両者にとっては、お互いに対する特別な感情のない行 為であったのだが、見ている者が同じように感じるかは話が別である。 ギーシュに対して、愛想がつきたモンモラシーが、彼に抱く好意は小さなものである。そのはずなのだが、他の人間に取られそうになって いると思うと、急に惜しくなったのかもしれない。なんだか腹が立ってきたのだ。 アルビオンから学院に帰ってきて、最初にギーシュがやったのはアプトムに挑戦することである。 マチルダというトライアングルメイジに師事して力を上げたと信じた彼は、しかし勝てるなどとは思っていなかった。 相手は、スクウェアメイジと互角にやり合える実力者である。ほんの数日の修行をしたくらいで彼我の差が縮まると思うほどおめでたい頭 はしていない。 ただ、彼は手ごたえが欲しかったのだ。自分が前に比べて前進したのだという手ごたえが。 そして、あっさり惨敗した彼は、しかしその顔に笑みを浮かべていたのだった。 とはいえ、満足には程遠い。少年が真に満足の笑みを浮かべる時が来るのは、真正面から正々堂々とアプトムと勝負し、打ち破った時であ ろう。まあ無理だが。
失礼しました。支援!
そんな彼は今、モンモラシーに呼ばれ、ワインを飲もうとしていた。 何故こういう事態になったのか、今一つ彼は把握できていない。 かといって、そのことに頭を使う余地は今の彼にはない。 別にモンモラシーに対する想いが消えたわけではない。彼の女好きは完治不可能な病気なようなものだし、今までに好きになった数多の女 の子の中で、一番好きな女の子がモンモラシーであることにも変化はない。 ただ、今の彼にはそれ以上に重要なことがあるだけなのだ。 マチルダの教えを受けたギーシュは、彼女と共にいた包帯の男にもアドバイスを受けていた。 自分より強い相手に勝つために必要なのは、観察することである。相手の能力や戦法を把握し先回りして攻撃を封じておいてこちらの攻撃 だけを決める。それが唯一の方法である。 平民が自分より強いと認めるのは気に入らないが、事実であるからにはしょうがない。 だから、今の彼は頭脳を全力で働かせアプトムの一挙手一投足を頭に刻み込み、再戦に備えていた。 『香水』の二つ名を持つモンモラシーの得意とすることは香水を作ることであったが、それは魔法の薬を作る趣味から派生したものである。 彼女が作る魔法薬は、基本的に無害なものばかりであったが、たまにはそうでない物を作りたいと思うこともある。 作るのが趣味なのだ。悪用しようなどとは考えていない。ならば作成や使用の禁止された魔法薬を作っても許されてしかるべきである。 そう、使うつもりで作ったわけではなかったのだ。惚れ薬などと言うものを。 だけど、結果として彼女はそれを使った。ギーシュに飲ませるワインに入れてそれを使用した。 「ギーシュって少し変わったわよね」 そんな言葉をかけたことに大した意味は無い。急に呼び出して、ワインを飲むように勧めた自分の行動に不信感を持たれないように何かを 話しかけてみようと思っただけであるのだが、事実としてギーシュは変わったとモンモラシーは感じていた。 彼女の知るギーシュは、もっと軽いというか、いい加減な人間であったと思うのだが、今はそう見えないのだから。 もちろんギーシュの方に、その自覚は無い。彼は自分が変わったとは思っていない。と言うか、根本的な部分で彼は、別に変わってなどい ない。単純に優先順位の違いなのだ。 それまでのギーシュは、かわいい女の子と仲良くすることを最優先にしていて、今はアプトムに勝つことを最優先にしている。ただそれだ けの話。 だから少年は、自分は変わっただろうかと尋ね、少女は、ええと答える。 そうして彼は思う。そうか、自分は変わったのかと。 モンモラシーに何を言われても、やはり自分が変わったという実感は湧かない。だけど、変わったとしたらそれは……、 「多分、アプトムのせいだろう」 「アプトムって、あのルイズの使い魔の平民? なんで、あんなのを気にするわけ?」 モンモラシーは、ルイズのようにアプトムの獣化の能力を知らない。キュルケのようにアプトムを嫌う理由が無い。タバサのようにアプト ムが恐怖してしかるべきバケモノだと知らない。 彼女からすれば、アプトムなど今口にした程度の存在でしかない。 だけど、ギーシュには違う。彼にとってアプトムは壁なのだ。乗り越えるべき高く分厚い壁。これを越えなければ先には進めない。 そう告げる少年だが、やはりモンモラシーには納得がいかない。
「どうして、そんなに、あの平民にこだわるの?」 メイジと決闘して勝てるというのは確かに凄いとは思うが、言ってみればそれだけのこと。メイジ殺しと呼ばれる者たちにも可能なことで しかない。 それがモンモラシーの考えであり、ギーシュにも頷けるものではある。 しかしだ。彼はアプトムの姿を思い浮かべる。自分をまったく見ていない、あの男を。自分と言う存在を取るに足らないと見なしている男 を。 頭に血が上る。こみ上げてくるのは怒りか憎しみか。渇く喉を潤すためにワインを口に含む。 自分は認めさせなければならない。アプトムに。あの男の脳裏に自分という存在を刻み込んでやるのだ。 「そうだ。ぼくは……、ぼくは、あいつが……」 ワインのせいなのか、こみ上げる感情のせいなのか頭の中が真っ赤になる。 「好きだーっ!!」 「え?」 「ふふふ、こんな素敵な屈辱、生まれて初めてさ!! 待ってろよアプトム! 愛してるぞーっ!!」 そして走り去るギーシュ。その口には、薔薇の造花が咥えられていた。 そして、その場には事態が飲み込めずにいるモンモラシーが残されたのだった。 その日、モンモラシーは頭を抱えていた。彼女がギーシュに飲ませたワインに入っていた惚れ薬。それは、違法な代物であった。 だけど、彼女には、その事を隠し通せる自信があった。元々は女の子にだらしのないギーシュである。その彼が、自分にメロメロになった としても、学院のみんなは、ああまたかとしか思わないだろうと彼女は確信していた。 実際にそうなっていた保障はないが、彼女は信じた。だけど、それはスタートの時点で失敗した。 惚れ薬というのは、飲んで最初に見た相手に恋心を抱くという魔法の薬だ。 だが、それは例えば最初に見たのが犬や猫なら、獣に惚れるのだろうか? 見たのが石像や青銅像なら、彫像に惚れるのだろうか? 否だ。相手を、自分と同じヒトだと認識して、初めて惚れ薬は効力を発揮する。 では、もし惚れ薬を飲んだものが目の前の誰かを認識することができないほどに、別の誰かのことを考えていた場合はどうなるのか? その答えが、目の前にあった。 アプトムという平民の男に愛を囁く金髪の少年という気色の悪い光景が。 「なんとかしなさいよ!」 「できたら、やってるわよ!」 文句を言ってくるルイズに怒鳴り返して、モンモラシーは頭を悩ませる。 こんなはずじゃなかったのに。なんでこうなったの? わたしは悪くないわ。じゃあ、誰が悪いの? そうよ、あの平民が悪いのよ! アプトムを睨みつけてやると、視界に入るのは平民に愛を語るギーシュの姿。ついでに、こちらを睨みつけるルイズ。
「あんたが作った惚れ薬のせいで、こうなっちゃったんでしょうが!」 「知らないわよ! わたしだって、こんなことになるなんて思ってなかったわよ!」 口喧嘩を始める二人の少女を見、次に自分に対して好きだの愛してるだのと繰り返し口にする少年を見るとアプトムはため息を吐く。 さすがの彼も、このような状況での対応は考えつかない。というか、考えたくない。 ただ、魔法というものについて思うことがある。 彼は、魔法というものは戦闘に関して役に立つものではないと思っていた。先に戦争でルイズが使った魔法は別としてだが。 しかし、この惚れ薬という心を操る薬などは、彼から見てもかなり強力な兵器になると思える。 方向性に、かなりの問題があるが。 「どうしたんだいアプトム? そんな熱い眼差しを向けられると、ぼくは、その視線だけで燃え尽きてしまいそうだよ」 熱い眼差しとやらを向けて来ているのは、お前の方だろうと、氷点下の視線でギーシュを見てから、アプトムはモンモラシーに顔を向ける。 「で? こいつは、いつ治るんだ?」 「個人差があるけど、一ヶ月か一年くらいじゃないかしら?」 「なによ、それ! そんなに長い間、このホモーシュを連れて歩けって言うつもり?」 耳元で叫ぶルイズに、モンモラシーは耳を押さえる。 「わたしだって嫌よ、そんなの! でも、しょうがないでしょ! 解除薬は作ってないんだから!」 「じゃあ、作ればいいじゃない!」 「それが出来ないから困ってるのよ! 惚れ薬も解除薬も、作るのには高価な秘薬が必要なの! 惚れ薬を作るのに、お金は全部使っちゃっ て、もう残ってないのよ!」 「いばって言わないでよバカ!」 「あんたに言われたくないわよゼロ!」 「落ち着け」 二人して、アプトムに首根っこをつかまれ、猫の子のように持ち上げられたモンモラシーは「平民のクセになにすんのよ」と怒りに顔を赤 くし、慣れてるルイズは「何?」と、彼に顔を向ける。 「秘薬とやらを買う金が必要なら貸してやる」 貸すって、平民が出せる金額じゃないわよ。と馬鹿にしたように見返すモンモラシーを降ろし、金貨の詰まった袋を差し出してみせる。 「え? 嘘? なんで、こんなに持ってるのよ?」 驚いて尋ねてくるが、答える気はない。アンリエッタに貰ったものだなどというわけにもいかない。 「これで、足りないというなら諦めるが、そうじゃないなら、必要な分だけ持って行け」
アッー
そう言うアプトムに、足りるわよと答え、秘薬を買うのに必要な金額より少しだけ多めの金貨を持って出て行く。 その時、ちらっと眼を向けて見たギーシュは、自分はアプトムに相手にしてもらえないのに。と、モンモラシーを嫉妬に満ちた眼で見てい た。 だけど結局、秘薬は手に入らず、彼らは秘薬を求め短い旅に出ることになるのだが、今より少し前に比較的親しい間柄にある二人の少女が 同じ方向に旅行に出かけたことも、旅先で出会うことになることも、今の彼らが知るはずはなかった。 土くれのフーケが座る椅子の横には、怪我人が眠るベッドがあった。 正確には怪我人の眠るベッドの横にある椅子に腰掛けていると言うべきなのだが、その辺りはどうでもいい。 そこに眠るのは、自分をレコン・キスタという組織に引っ張り込んだ男だが、さて自分は何をやっているんだろうかと考えてしまう。 彼女が、レコン・キスタに入った理由は選択の余地が無かったからというものでしかない。 入るならよし、入らないなら殺す。そんな二択。 逃げられるものならそうしたのだが、向こうはこちらの素性を知っている。もし逃げて、自分の身内に危害を加えられたらと思うと、そう するわけにはいかなかった。 だけど、ここに来て何もしないで日々を過ごしていたわけではない。自分の素性を知るのが、ここにいる怪我人以外には、レコン・キスタ の最高権力者オリヴァー・クロムウェルと、その秘書だけだということも、後者の二人が自分に対して大した興味を持っていないことも、そ してこの三人が、自分の素性は知っていても、身内に関する情報を持っていないことも、把握している。 つまり、潮時なのだ。たいしと給料が出るわけでもないことだし、さっさと抜けたほうがいいのではないかと彼女は思う。 こいつさえ、いなきゃねぇ。と壁を背に立つ一人の男を横目に覗く。 彼女が、その男のことで知っていることは少ない。バケモノだということと、虚無の魔法に興味を持っているということだけである。 自分が抜けたところで、男はなんとも思わないだろう。クロムウェルと秘書も同じだ。 だが、寝ている怪我人はどうだろう? このワルドという子爵は、彼女の事を役に立ちそうな手駒としか思っていないわけだが、その手駒 が裏切った場合、どう考えるのかが今一つ予測できない。 子爵は手駒と言えるものをフーケしか持っていない。だから、フーケがいなくなれば彼は孤立する。 その時、彼は自分を放っておいてくれるだろうか? ワルドには他に手駒がいない。だけど、それは命令をする相手がいないというわけで はない。 ワルドは、この組織で最もクロムウェルの近くにいる人間の一人である。その彼が命じれば、クロムウェルに近づきたいと思っているバケ モノさんは黙って従うかもしれない。それが、彼女を殺せという命令でもだ。 それはゴメンだと思うので、彼女は抜けられない。 まったく困ったものだと彼女は、ため息を吐くのであった。
投下終了です。支援に感謝。 ここからギーシュのターン。 うまく書き進まないので、連休中に水の精霊編を全部投下して、また半年ほど沈黙しようかと思ってます。 それでは、また明日。
乙w この気持ち・・・まさしく愛だ!!
アプトムの人GJ! ギーシュwwwwww腹イテェwwww
ギーシュの顔が柴田亜美タッチで脳内再生された
>>770 鼻血を垂れ流しながら薔薇をくわえて全力疾走するギーシュを幻視したww
「らりーん」って効果音つきでポーズとったりなw
愛と憎しみは実は同質の感情の異なるあらわれ、と聞いたこともある。確かに、どちらも相手が要るからな。
>>770 余計なこと言うなバカ。
イメージがそれで完全固定しちまったじゃねえか。
乙ー連休中に読めるのはうれしいけど半年の沈黙は寂しいわ・・・
776 :
赤目の使い魔 :2009/09/20(日) 19:40:09 ID:wk12qE4b
皆さんが連投してる中恐縮ですが、予約が無ければ7:45から三話を投下します。
クリストファーが起きた後、医療を担当としている教師の一人により、彼に簡単な検査がなされ、 大方傷は治っているものの、療養として彼は今晩までベッドで安静に過ごす様言われた。 その際、ルイズも彼に自分の置かれた状況を説明する様指示され、苛立ちを押さえ込みながらも従った。 本当であれば、この無礼で身の程を知らない使い魔の頭上に爆撃の一発でも喰らわせたい気分だったが、 そのせいでまた彼が怪我を負うことになれば、また使い魔を連れずに一人で学校生活を送ることになる。 この三日に嫌と言うほど周囲からからかわれたのだ。これ以上は願い下げである。 兎に角、今の目標はこの男に使い魔としての身の振り方を叩き込む事だ。 「なに?しかめっ面しちゃって。ストレス溜め込むと発育止まるよ?」 ……早速、心が挫けそうになるルイズだった。
ルイズの沈黙を見て、クリストファーは言葉を続ける 「あれ、もしかして図星?心配ないよ。女の子の成長期は14、5歳が全盛期だって言うし」 「……わたしは16よ」 「…あらま」 見ると、クリストファーは本気で不憫そうな顔をしていた。 ……前言撤回、殺す。ルイズは内心決意した。 彼はジト目で睨むルイズの視線を意にも介さず、あくまでマイペースに話題を変える。 「ていうかさぁ、良く僕みたいなのを助ける気になったね?こんな人間離れした怪物みたいなの見たら、大抵の人はダッシュで逃げると思うけど」 その言葉を聴いて、ルイズは諦めた様に呟く。 「…仕方ないじゃない。あんたは『サモン・サーヴァント』で使い魔として召喚されちゃったんだから」 「……へ?」 サモン・サーヴァント?使い魔?召喚? 聴きなれない言葉の羅列に、クリストファーの思考は一旦ストップする。 ルイズは、深く溜息をついた。 「…じゃ、『サモン・サーヴァント』から説明するわ…」
支援
「『サモン・サーヴァント』っていうのは召喚の魔法の事、ハルケギニアの生き物を呼び出して使い魔にするのよ。まぁ、普通は動物とか幻獣なんだけどね」 魔法。 何十年と生きてきた彼は、その言葉を幾度と無く聴いてきた。 しかし、彼の知る限りそれらは往々にして創作の中の話であった。 まぁ、彼の存在自体は魔法のようなものであるが、それは基本的には錬金術と呼ばれている。 改めて、目の前の少女の格好を見る。 白いブラウスの下に、グレーのプリーツスカートと、一見して制服の様にも見える服装。 しかし、その上に羽織った黒マントに、それを留める五芒星が彫られた大きなブローチ。 確かに、魔法使いにも見えなくも無い格好だ。あくまで、コスプレの範囲での話だが。 「……魔法?」 知らないうちに、彼の疑問は口から出ていた。 すると、ルイズの表情にあからさまな呆れの色が現れた。 「何よ。まさかあんた、魔法も知らないわけ?一体どんな田舎からやってきたのよ」 クリストファーが二の句を告げないでいる内に、彼女は話を続けようとする。 「いい?魔法って言うのは―」 「ちょっとストップ」
「…何?」 いきなり割り込んできた彼に対し、ルイズは若干の不快感を表しながら言葉を返す。 「えっとさ、とりあえず聞きたいことと突っ込みたいことが色々あるんだよね。時間かかるだろうけど、ちょっと付き合って」 彼は部屋を見回して言った。 「ここどこ?」 ルイズは顔に浮かんだ不快をそのままに、言葉を返す。 「トリステイン魔法学院。トリステイン王国の中心都市近くよ。まぁ、魔法も知らないんじゃこんな事言っても分かんないだろうけど」 トリステイン王国。 彼女の言うとおり、クリストファーはその国を知らなかった。 それどころか、クリストファーは決して地理に明るいわけでは無いが、彼の知る限りそんな国は何処にも無かったはずだ。 少なくとも、アメリカの周りには。
「僕、港の近くで倒れてたはずなんだけど」 クリストファーの疑問に、ルイズは顔色も変えずに答える。 「言ったでしょ、召喚されたって。あんたが何処にいたかは知らないけど、どんな所にいても『サモン・サーヴァント』が唱えられればそのメイジの元に送られるのよ。あ、メイジってのは魔法使いの事ね」 そう言うと、彼女は窓に歩み寄った。 「ほら、あそこで呼び出したの」 クリストファーも身を起こし、つられて窓に近寄る。 まず目に入ってきたのは、草原。 そして、それだけだった。 地平線までどれだけ目を凝らしても、海どころか町らしきものすら見えない。 日はとっくの昔に沈んでいるため、周りは暗くなっているが、視界が遮られる程ではない。 拉致されたのかと一瞬彼は考える。それなりに恨みを買う生活をしていた彼には、そうされる理由が多くある。 しかし、こんな小さな少女を見張りにつける意味は無い。 それに、それでは彼女の『魔法』と言う言葉の説明が付かない。 彼は、何の気もなしに空を見上げた。 そして、彼の時間が止まる。
「……どうしたの?」 固まったクリストファーを見て、ルイズも同じく顔を上げる。 そして、彼と同じ物を見た。 「…何よ、何も無いじゃない」 そして、何もおかしい事は無いといった様子で顔を戻した。 空に、普段のゆうに二倍はある月が、二つも浮かんでいるのにも拘らず。
――甘かった。 クリストファーの中には、ある考えが現れていた。 それは、不自然の象徴である彼でさえ、到底信じられないような不可思議な事。 ――場所がどうとか言うレベルじゃない。 しかし、周りの状況が彼に確信を強いる。 ――此処、俺のいた世界じゃない……! その後の事は、彼は良く覚えていない。 ベッドに戻った後、あの少女が使い魔や主人がどうとか言っていた様な気もするが、呆然としていた彼にはその一部しか聞こえていなかった。 彼が我に帰ったのは、足に再び軽い重量を感じた時だった。 見ると、話し疲れたのか、ルイズは彼が目を覚ました時と殆ど同じ格好で寝息を立てていた。 そんな穏やかな彼女の様子とは逆に、彼の頭は混乱で荒れ狂っている。 自分はこれからどうすればいいのか。 他の『吸血鬼(ラミア)』の仲間たちはどうしているのか。 そして、ヒューイからの任務はどうなるのか。 そんな疑問が渦巻く頭に、疲弊からか、それとも少女につられてかは分からないが、大きな眠気の波が襲ってきた。 ――まぁいいや。 朦朧とする頭の中、彼は考えることを止めた。 ――後は、起きてから考えよう。 その言葉を最後に、彼は意識を手放した。
投下終了です。 やっと学園パートに入れる…
>つまりハルケギニアなら散様やアンドロ軍団呼んでもおkと… ブリミル教の走狗となって科学技術停滞のために暗躍するアンドロ軍団異端審問ロボット… とりあえずコルベールは火炙り確定だな
乙です。 原作知らないけど吸血鬼か…バレたらエライ事になりそうだw
乙
まぁ魔法使える奴、一人はいるけどなw
>>787 吸血鬼は組織名だーよ
>>786 あ…コッパゲを忘れてたwあとゲルマニアもヤバいかも?
アプトム乙 >ホモーシュ 反逆のホモーシュですね、わかります
792 :
壬生狼 :2009/09/20(日) 23:34:11 ID:YdhWWD88
テストが終わった!二つの意味で! てな訳で2,3分後に投下行きます
「土くれ」のフーケの捕獲と「破壊の杖」の奪還に立候補したルイズ、キュルケ、タバサの三人。 ロングビルの案内でフーケの潜伏先と思われる小屋へ向かう。 斎藤に行く気は全くなかったが、フーケが土のトライアングルだと聞くと何かを思いついたのか、付いて行くことを引き受けた。 件の小屋へ着き「破壊の杖」と対面するも、それは斎藤を含め、誰にもに全く見覚えのないものだった。 「破壊の杖」を見つけた喜びもつかの間、突然小屋の屋根を吹き飛んだ。 フーケのゴーレムが現れたのだ。 タバサの放った竜巻が直撃しても、キュルケの火球が直撃しても、ルイズの爆発が直撃してもゴーレムはびくともしない。 「無理よこんなの!」 「退却」 キュルケの声に呼応するように、タバサはシルフィードを呼び飛び乗る。 無謀にもゴーレムへ向かって行くルイズをレビテーションで無理矢理シルフィードへ乗せ上空へ退避する。 上空から火球や氷の矢でゴーレムの肩に居るフードの人物を狙うも、それらは全て土の壁に阻まれてしまう。 それならばとタバサが風の刃で足を切断するが、すぐに再生してしまう。 攻撃が通用しないとわかるとキュルケは撤退を提案した。 「あたしたちじゃアレの相手は無理だわ。「破壊の杖」は無事取り返したんだし、学院へ帰りましょう」 だがその意見に異を唱える人物がいた。ルイズである。 「冗談じゃないわ! フーケの討伐も任務のはずよ!」 「そんなこと言ったって、あたしたちの魔法が通じないんだからどうしようもないでしょう。何かいい手でもあるのかしら?」 「それは……! それは、無いわ。でも! 敵に背を向けるわけにはいかないのよ! わたしは貴族なんですもの!」 「賢い選択とは言えないわねヴァリエール。そんなに名誉が大事なら独りでやってくれないかしら。巻き込まれる方はいい迷惑よ」 現状を理解していないルイズに、キュルケは辛辣な言葉を浴びせる。 二人の意見は平行線のままだったが、不意に斎藤が口を開いたことで言い争いは終わりを迎えた。 「お前ら、あの木偶人形の気を引き付けておけ」 「何のために? あれに私たちの魔法が聞かないのは実証済みのはず」 斎藤の提案する行動に意味が見いだせないタバサは、彼に説明を求める。 その質問に対し彼は当然といった風に答える。 「何のためにだと? 決まっている。裏で人形遊びを楽しんでいる臆病者を引きずり出すんだよ」 「何言ってんのよ。フーケならあのゴーレムの肩にちゃんといるじゃない」 そう言ってキュルケはゴーレムの肩に居るフーケを指さす。 眼下ではゴーレムがこちらの様子を窺うように佇んでいた。 その肩にいるフーケにも特に動きが見られない。 こちらの魔法はゴーレムに効果はないが、ゴーレムの攻撃もまた空に居る彼女たちには届かない。 動きが見られないフーケを見てタバサは彼の意図に気が付いた。 杖を振り竜巻を発生させ、その風で舞い上がった砂埃を盾にシルフィードを急速降下させる。 フーケが被っているローブの隙間から見えたのは、人の形をした土の塊だった。 つまり本物のフーケはどこか別の場所、森の中にいることになる。 そしてその事実がそのままこの膠着状態を打破するための手段となる 「ようやく気が付いたようだな。とにかくアレの相手をしておけ」 言うだけ言って、斎藤は森の奥に姿を消す。 それを見届けるとタバサは、二人に目配せをして竜巻を止める。 それが止むと同時に火球と爆発がゴーレムを襲う。 当然の如くゴーレムは直ぐに修復されるが、三人に先ほどのような焦りは浮かんでいなかった。
「フン、下らん人形遊びに随分とご執心の様だな」 「!?」 背後からかけられた声に勢いよく振り返る。 そこにはルイズの使い魔である一人の平民が立っていた。 フーケは全く彼の気配に気付かなかった。 それなりの修羅場をくぐり抜け、それなりの実力を付けてきたつもりだった。 今だって三人のメイジを相手に優位に立っている。 なのにこいつは、目の前にいるこいつは隠れてゴーレムを操っていた自分をあっさりと見つけ出し、その上正体まで見破っている。 そして何よりあの目が良くない。 あの目は間違いなく数多の修羅場をくぐり抜けてきた歴戦の戦士の目だ。 魔法が使えることはなんのアドバンテージにもならないと結論付け、同時にルイズ達の相手をしていたゴーレムを分解し構える。 それに応えるように、斎藤は刀に手をかけた。 ゴーレムの相手をしていたルイズ達は、突然それが崩れ去ったことに驚きを隠せない。 「な、なにが起こったの!?」 「あたしたちの攻撃で、ってワケじゃなさそうね……」 「恐らく、彼が理由」 タバサの考察に二人は斎藤が消えた森へ勢いよく顔を向ける。 「つまり、フーケと一対一ってこと? 助けに行かなきゃ!」 「その必要はないと思う」 「そうね、むしろ『邪魔だ』って言われるわね」 「でも、彼の剣は折れてるのよ!? 相手は三流のギーシュじゃなくてあのフーケよ!?」 確かにキュルケが言うようにフーケは強敵だ。 だが、ルイズには斎藤の負ける姿が全く想像できなかった。 あの人を見下したような目をフーケにも向けているのだろう。 そんなふてぶてしさの塊のような男が、たかが盗賊に引けを取るとは思えなかった。 平民だとか、トライアングルクラスだとか、そんな次元を超えた部分であいつは戦ってきたのだろう。 だからあいつはとても強い。 それが、ギーシュとの戦いを間近で見たルイズの感じたことである。 予想外のことに、フーケの思考は一瞬停止してしまった。 なにせ相手の得物はその中ほどで折れてしまっているのだ。 そんな武器として機能しないものを構えているのに、何故自分はこんなにも怯えているのだろう。 「そんなナマクラでこのあたしをどうにかできると思っているのかい!? 人を馬鹿にするのも大概にしな!!」 そう叫ぶと同時に等身大のゴーレムを複数生成し、そのまま斎藤に突撃させる。 彼は刀を振り回すでもなく、その身のこなしだけですべての攻撃を避け続ける。 その背後に一体のゴーレムが静かに生みだされる。 前面のゴーレムの相手に集中させ、その隙を突いて背後から始末するという作戦だった。 彼に気付いた様子は見受けられず、フーケは勝利を確信した。 「見え見えなんだよ、阿呆が」 だが、斎藤には通用しない。 後ろを見ないまま伏兵ゴーレムの腹に蹴りを入れ、その反動を利用しフーケへ突っ込む。 咄嗟に壁を作り突撃を防ごうとするが、それよりも早く彼が投げた刀が手に当たり杖が吹き飛ばされてしまう。 「しまっ……ガハッ!」 刀を投げても彼の突撃は終わらず、その勢いのままでフーケの首を掴み地面へ叩きつける。
「殺すなら、さっさと……」 「俺は破壊の杖だとか盗賊の討伐なんかに一切興味はない」 フーケの言葉を遮るようにとんでもないことを口に出す。 ルイズあたりが聞いたら顔を真っ赤にして怒り出すだろう。 「貴様は確か土の属性だったな。なら俺の刀を直すコトなど容易なはずだ」 未だに何を言われているか分からないといった表情をしたフーケを見て、呆れたように斎藤は溜息を吐く。 「俺の刀を直すコト、俺の部下になるコト。この二つを引き受けるのなら見逃してやらんこともない」 ここまで聞いてやっとフーケは彼の目論見を知る。 彼女自身の身柄と命を材料として、裏取引を持ちかけてきたのだ。 斎藤とは別の感情が籠った溜息が零れる。 フーケに選択の余地などなかった。 フーケが森の奥へ消えるのを確認してから彼は小屋の前へ姿を表す。 それを確認したタバサは、シルフィードを地面に降ろした。 「フーケは!? どうなったの!?」 焦るように問いかけてくるルイズを鬱陶しく思いながら、先ほど考えた出鱈目な顛末を告げる。 「抵抗しないのなら命だけは助けてやると言ったんだがな。それを無視して襲い掛かって来たんで始末した」 「ウソ、でしょう……?」 その報告に三人は驚きが隠せない。 トライアングルクラスのメイジが二人いてもまったく歯が立たなかったメイジを殺してしまった。 それも魔法を使わず、しかも一騎打ちで。 「フン、もうここに用はないはずだ。さっさと帰るぞ」 信じられないといった表情をしている三人を無視し、彼は荷馬車が止めてあるほうへ向けて歩き出した。 学院全体が舞踏会で盛り上がっているころ、斎藤は密かにフーケと接触し、彼女の錬金で自分の愛刀を直させていた。 「この程度か?」 「……鉄を錬金するのってすンごく精神力を使うんだけど? しかもこの剣…刀だっけ? 細いくせに複雑な造りしてるし! 剣のくせに! 剣のくせに!!」 「こんなもんでは満足など到底出来ん。出来んが妥協してやる。ぐだぐだ言っている暇があったらとっとと情報を集めて来い」 フーケは斎藤に「異世界」に関係ありそうな物を調べさせられていた。 そんな意味の分からない仕事は引き受けたくはなかったが、裏取引をしてしまった以上最低限の仕事はしなくてはならない。 それにこの男を二度も敵に回したくないという本音もフーケの中にはあった。 「チッ……わかったよ。精々首を長くして待ってるんだね、この触覚前髪野郎!」 だから悪態を吐きながらも大人しく彼の言うことを聞くことにしたのだった。 フーケは闇に消え、斎藤は学院へと戻る。 そこには紫煙が僅かに漂うだけだった。
以上です ところで、明日から学校始まるんだけどシルバーウィークって何???
乙です シルバーウィーク?そんなものは ない
おつ 4話終わりなんだよね? でどう着地させるつもりなんだこれ
シルバーウィークなんてどうでもいい、それよりシルバーブルーメだお
営業職にまともな休日なんて ナ イ orz マダオ生活に戻りたいぜ……
>>798 菩薩のような嫁が起こしてくれて
なんだ夢か
ガロード・ラン 炎のインテリジェンスソード使い、いっちゃうぜぃ!
おマチさんが張と同じ役回りになってるなw
>>804 俺も思ったし、色々と突っ込み所もあるけど、
そもそも作者さんがそこまでしっかり書こうとしてないんでないかな? 初回に「ダイジェスト」だって言ってたし。
この作品はもう雰囲気だけ楽しめればいいや
806 :
805 :2009/09/21(月) 01:04:16 ID:CzHC4hyq
…これだと嫌味みたいだけど、悪意は全く含んでないよ。 あと忘れてたけど乙ー
外印さんが一晩でやってくれましたってことで一つw
808 :
借りてきた猫 :2009/09/21(月) 01:37:12 ID:L0tGO28r
他に居なければ1:40くらいに投下します
フーケの死体?そんなの斉藤が一睨みすれば解決さ。 出来るか?斉藤に睨まれて、それ以上追求するなんて?
810 :
借りてきた猫 :2009/09/21(月) 01:38:38 ID:L0tGO28r
いろいろ話してみてクロちゃんは人並みの知能を持ってる事が解ったのと マスターさんは結構強いって事だ・・・・・・あとあの笑顔は色々と反則だ・・・・・・ 「あ、そろそろご飯の時間だ・・・・・・クロちゃんご飯に行くわよ。着いてきてね」 「わ〜い、ご飯だ〜ご飯だ〜♪」 食堂に着いたけど・・・・・・まぁクロちゃんを中に入れちゃっても大丈夫よね・・・・・・ メイドに自分の分の食事とクロちゃん用に食事を出してもらった・・・・・・んだけど・・・ 「どうしたの?クロちゃん食べないの?」 「うん、食べるけど・・・・・・スプーン無いの?後ね、ボクこんなに食べられないんだけど・・・・・・」 「え゛・・・・・・スプーン使えるの?」 と、言うか使うの?更にその量で多いの? 用意されてるのは小魚1匹にコップ1杯分を皿に入れられたミルク 「うん、一応はスプーンとかの道具は使えるよ」 「う〜ん、とりあえずこれを使っててわたしは新しいのを用意して貰うから、あと残しちゃって大丈夫よ」 「食事を残すとマスターから叱られるから残したくないんだけど・・・・・・」 「う〜ん、じゃあ半分だけわたしが食べるから半分だけなら食べられる?」 まぁ・・・・・・この半分だけ食べる量が増えても大丈夫・・・・・・よね? 「半分なら・・・・・・食べられそう・・・・・・かな」 クロちゃんは意外と少食っと・・・・・・ 食事を終って部屋に戻ろうとすると・・・・・・ 「あれ?お月様が2つある〜」 「?何かおかしいの?月は普通2つでしょ?」 「だって、ボクの知識の中では月は1つが普通だもん」 む〜?月が1つしかない? かと言ってクロちゃんが嘘を言ってる様には見えない・・・・・・ 「クロちゃん月が2つだと何かあるの?」 「ボク等は月の有無や状態で力や性格が微妙に変化するんだ〜、例えば満月の時は凶暴だったりとか〜、逆に新月の時はおとなしかったりとか・・・・・・」 ふ〜ん、月ってそんな事も関係してたんだ・・・・・・ 「でも、あの月からはボク等は力が貰えないみたい」 「ん?じゃあ別に強くも乱暴にもならないの?」 「そ〜みたい」 う〜ん、色々と複雑だなぁ・・・・・・
811 :
借りてきた猫 :2009/09/21(月) 01:39:46 ID:L0tGO28r
「さて・・・・・・今日は色々あったから早目に寝て明日に備えないと〜」 「ルイズおねえさん、ボクは何所に寝れば良いの?」 「ん〜・・・・・一緒に寝る?」 「・・・・・・ルイズおねえさん寝相は悪い?」 「・・・・・・普通だと思うわ・・・・・・あ、クロちゃん明日の朝先に起きたらその時にわたしも起こしてね」 「起きるのは自信無いけどわかったよ〜」 平和に夜が過ぎていく・・・・・・ 朝、何か嫌な予感がしてクロちゃんが起きる・・・・・・ 「・・・・・・何だろ・・・久々のこの悪寒・・・・・・う〜ん?起きちゃったからルイズおねえさんを起こさないと〜」 彼は知らなかったのだ・・・・・・悪寒の正体がルイズ自身で有る事に・・・・・・ 「おねえさ〜ん、朝だよ〜、ほら〜起きて〜」 ぷにぷにとルイズの顔にクロちゃんがネコぱんちをするが効果は無い 「う〜ん、起きないなぁ・・・・・・そうだ!マスターはアレで起きたからおねえさんも起きるかも!」 そう言ってクロちゃんはルイズに近づき・・・・・・耳元で 「みぃ〜、みぃ〜」 鳴いた・・・・・・それも生まれたての子猫の様に・・・・・・ 「う〜ん・・・・・・」 ルイズは寝ながら声のする方に手を伸ばし・・・・・・クロちゃんを抱き締めた! 「ちょっ!?ルイズおねえさん!?起きて!に゛ゃ゛〜〜〜〜!!」 起きてる時ならまだ普通の抱擁だったかもしれない・・・・・・ だが寝てるルイズのやってる事は抱擁と言うよりベアバック! 「た〜す〜け〜て〜〜〜〜〜」 クロちゃんの幸運は隣のキュルケが既に起きていた事だろう・・・・・・ 「・・・・・ゃ〜、た〜す〜け〜て〜〜〜〜〜」 「ぇ゛?今のってクロちゃんの声?何で?」 急ぎルイズの部屋に向かうが鍵が掛かっている! 非常事態だと思いすぐにアンロックをして扉を開けると・・・・・・ 「・・・・・・え〜と・・・・・・」 あのクロちゃんが助けてって言うから、 ルイズだけでも逃がす時間稼ぎをって思ったんだけど・・・・・・ 「まさか原因がそのルイズ自身だとはね・・・・・・」 「キュルケおねえさんたすけて〜」 う゛・・・・・・そんな泣いてる目でわたしを見ないで! 「ルイズ!起きなさい、遅刻するわよ!」 実はまだ全然時間あるけどね・・・・・・ 「え!?遅刻!?・・・・・・まだじゃない脅かさないでよ・・・・・・どーしてツェルプストーがわたしの部屋に入ってるのよ!」 「文句は受け付けるけど先にクロちゃんを放してあげなさいよ・・・・・・」 クロちゃんはすでにルイズの腕の中でぐったりと・・・・・・ 「え?ええええぇぇぇ!クロちゃん!大丈夫?」 「ルイズおねえさん・・・・・・寝相は普通だったけど・・・・・・寝起きが危険・・・・・・」 そう言って気絶するクロちゃん・・・・・・傍目からは事切れた様に見えるって・・・ 「「クロちゃぁ〜〜〜〜ん」」 ・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・・・
812 :
借りてきた猫 :2009/09/21(月) 01:40:42 ID:L0tGO28r
「ルイズおねえさん、お願いだからもう自分で起きてください・・・・・・毎朝死にかけるのは流石に嫌です・・・」 「あらあら、ルイズはもう使い魔に嫌われちゃったわね〜、どう、クロちゃんこれを機にわたしの方に来ない?」 「ちょっとツェルプストー、あんたにはもう使い魔が居るでしょうに!」 「そうね、わたしにはこのフレイムが居るわよ・・・・・・何故かクロちゃんの方が上なんだけど・・・・・・」 「それって・・・サラマンダー?」 「そうよ、おそらく火竜山脈のサラマンダーなんだろうけど・・・・・・クロちゃんが警戒しなくて良いって言うまでクロちゃんを怖がってたみたいで・・・・・・」 「・・・・・・はぃ?普通クロちゃんが怖がるんじゃないの?」 「どうやら、強さはクロちゃんの方が上みたいなのよ・・・・・・」 それってわたしの本当の強さはキュルケより上って事かしら? だってメイジを見るなら使い魔を見ろって言うし・・・・・・ でも・・・・・・クロちゃんはわたしの使い魔じゃないのよね・・・・・・複雑だわ・・・・・・ 色んな事を考えながらだったせいか何を食べてたのか記憶に無い・・・・・・ ただクロちゃんの食事を少なめにして貰ったのは覚えてるんだけど・・・・・・ 教室に入って周りを見るとその辺に居そうな生き物から ちょっと見かけない生き物まで多種多様に居た 今更ながら色んな生き物が召喚された物だと思う 教室でわたしが座るとクロちゃんは何も聞かずにわたしの膝の上に座る・・・・・・ 「ねぇ・・・・・・クロちゃん・・・・・・どうしてわたしの上に座るの?」 「えっ?だって猫は膝の上に座るのが普通だって、マスターが言ってたよ?」 この子のマスターは何を教えてるのだろう・・・・・・ 一度会ったら問い詰めてみたいわ・・・・・・
813 :
借りてきた猫 :2009/09/21(月) 01:41:55 ID:L0tGO28r
そうこうしているうちに、教師と思わしき女性が、扉を開けて入ってきた 「皆さん。春の使い魔召喚は、大成功のようですわね このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に、 様々な使い魔達を見るのがとても楽しみなのですよ」 その時教室の一角にいたマリコルヌが冷やかす様に口を開く 「ゼロのルイズ!いくらサモン・サーヴァントで失敗したからって唯の猫を拾ってくるなよ!」 「うるさ「おねえさん、黙ってた方が良いよ」なんでよ?」 「あの人、自らの墓穴掘ったから・・・・・・」 墓穴?どういうこ・・・・・・ 「へぇ〜・・・・・・じゃあマルコリヌくんは普通じゃない使い魔を召喚したんだ〜」 「わたしなんて唯の蛙召喚したんだよね〜」 「わたしは文字通り唯の猫なんだよね〜」 「マルコリヌくんの特殊で立派な使い魔を見せて欲しいな〜」 マルコリヌは複数名の同級生に刺すような視線を受けただ震えていた 「いや・・・あの・・・僕はゼロのルイズの事を言ったんであって・・・・・・」 マルコリヌ・・・・・・良い気味ね〜、アレが空気を読まない発言って事なのかな? 「ほらほら、皆さん落ち着いて、マルコリヌくんお友達の使い魔を馬鹿にしてはいけませんよ!」 「後で覚えておきなさいよ・・・・・・」 今、すっごく怖い一言が聞こえたけど・・・・・・あれはわたし宛てじゃないよね? 「それでは、授業を始めますよ 私の二つ名は赤土。赤土のシュヴルーズです。 『土』系統の魔法を、これから一年皆さんに教えることになります。 魔法の四大系統はご存じですね?」 魔法の四大系統は『火』『水』『土』『風』 これに更に『虚無』があって五系統なんだけど虚無は今は失われてるみたいだ 「では、今から皆さんには、土系統の基本である、『錬金』を学んでもらいます。」 そう言うと、彼女は杖を振り上げ、短くルーンを唱えた。 すると石ころが光に包まれ、暫くたち光が収まると、 石ころは黄金色に輝く金属になっていた。 「ゴ、ゴールドですか先生」 「ただの真鍮ですよ、金を錬金出来るのは『スクウェア』クラスのメイジだけです。 私はただの『トライアングル』ですから では、みなさんにも実際にやってもらいましょう」 そう言って次々と錬金を成功させていく同級生達・・・・・・ 「みなさん、よく出来ていますね、では最後に・・・・・・ミス・ヴァリエールやってみてください」 途端に周りが緊張する・・・・・・ 「あの・・・・・・先生・・・・・・」 「なんですか?ミス・ツェルプストー」 「止めた方が良いです」 「どうしてですか?」 「危険だからです」 周りも声に出さないが頷く 「ルイズの失敗は普通じゃないのです」 「わたし、やります!」 「ちょっとルイズ!本気なの!?」 「良い心掛けです、その意気込みで周りの驚く様な物にしてください」 ルイズが教壇の上に立つと、先ほどシュヴルーズがやったように、杖を振り上げる そして、ルーンを唱え……ルイズが杖を振り下ろすと、石ころが爆発した! 爆発で教室が阿鼻叫喚な事態になる中・・・・・・
814 :
借りてきた猫 :2009/09/21(月) 01:43:08 ID:L0tGO28r
「ZZZzzz・・・」 クロちゃんはルイズの座っていた場所で寝ていた・・・・・・ 「ちょっと失敗したわね」 「ちょっと所じゃないだろ!!」 みんなからの叫びが一致した・・・・・・ 以上で今回の投下終了です
乙です。 クロちゃん癒される。 誰がどのセリフを喋ってるのか判らない部分がチラホラあるので、 情景描写をもう少し書いた方がいいかもしれん。
816 :
借りてきた猫 :2009/09/21(月) 02:14:58 ID:L0tGO28r
>>815 なるほど、指摘ありがとうございます、次回からでも頑張ってみますね
599行あるんだけど、避難所に貼ったほうが良いかな 内容も内容だし…
スレ容量的に平気なんでしょうか?
内容があれなら避難所にした方が……
避難所に行きます ただし、もう今日の夜に投下することにしますよ
猫の人乙です。 ぬこ可愛いよぬこ
>>800 マダオを召喚しよう
チェンジしか言えないけど
狼の人乙
>>809 ああ、出来ないな
死体がなくても斎藤に始末してきたって言われたら信じざるをえない
猫の人も乙
猫は可愛いなあ
デビサバでケットシー軍団作りかけなの思い出した
フーケの死体を考慮していないせいで、斉藤がアホになってるんだよなぁ……
物語の登場人物の知能レベルは作者の知能レベル以上になれないうんぬんかんぬん
シティーハンター召喚…おマチさん立ち合いでテファが召喚すれば…召喚早々「モッコリちゃ〜ん」とルパンダイブしようとしておマチさんの「対オスマン用決戦兵器」と書かれたハンマーに撃墜されそうだw エンジェルハート初期ならいけるかも?
野原みさえ召喚 ガンダにうってつけのパワーを持っててルイズのおかんとのタイマン勝負が期待できる逸材だ
みさえの裁縫能力は異常だからミョズの方がネタになる 本人は魔法少女に憧れがあるしな
赤毛の英雄アドルを召還したら・・・と思ったけど 現地妻が増えるだけだな。
ところで人の作品の続きを作者に無断で書くのってどう思いますか? 荒らし目的ではなく真面目に考えて書いたSSですけど。 一応言っておきますがするつもりは一切なく、ただの好奇心で聞いてるだけです。 他のSS投下スレで物議を醸していましたのでちょっと気になったので……。 ちなみにそこのスレではマナー違反だが嫌ならスルーすれば良いという流れでした。 結局はグダクダになり何も決まらなかったです。
>>830 外伝ならともかく続編は最初の作者降臨して許可貰わないと礼儀として失礼な気がする
まず作者によびかけないと
続きじゃなく最初から書けばいいだけ 続きから書く必要性が全くなし
>829 それだけならいいが・・・。 アドルが関わると始祖ブリミルが有翼人になっちゃうぞ
>>830 「帰れ」と言われてお終いだよ。
受け入れられる可能性はほぼ皆無と言っていいね。
マナー違反とか言う以前に無用のトラブルを呼び込む元だし。
別府鉄輪地獄変からかぼすちゃん召喚 「今宵のデルフリンガーは血を御所望じゃあ」
>>832 ただ、初めから書いても
>>830 氏が続きを書きたいと思った作品のコピー品になってしまう可能性が極めて高い。
とりあえずオリジナルの作者さんにアプローチかけて(連絡とれるか極めて疑問だが)、まとめに保存された場合も
ココから先は別人が書いてる旨をトップに記載するとかしないと駄目だと思うよ。
>>826 やつは女子高生なんかに興味ないはずだw
オリジナル作者さんに確認ってもどうするんだ? 「どーせ続き書かないんなら俺が書いてもいいッスよね」とでも言うんか?
二次創作はよくて三次創作はたたかれるのは何で?
>>830 のことを言ってるならナデシコのSSが流行ってるときに人のSSから設定を引用したりしてカオスな状況が蔓延してた事があった背景とか
三次創作っていうか、アマチュア作品を元にしたファン作品がタブーっぽい雰囲気? ちょいと前にフリーゲーム作品からのクロスしたいって人がいた時も否定的な空気だったし。 まとめwikiの小ネタに「パレット」があったりするけどさ
書いたところで伏線とか回収出来ないんじゃない? 最序盤(ギーシュ戦前)ぐらいで止まってる作品ならもうはじめっから書けって思うし。 全く関係無いが、みさえと聞いてキャノ子様想像した。
フリゲはそんな嫌がられるもの? wiki見ると夢日記とかあったぞ
>>835 100人くらいいるワルド偏在を一方的に蹂躙したりするんだな
BGMは恋のマジカル大分県
>>844 なんか荒れそうじゃない?
もしくはあの作品がありならこれだってありだろう、みたいなノリでどんどんマニアックかつしょーもない作品からの召喚が増えるか。
個人的にはホニャララ見聞録とかナンチャラ姉妹。とかのクロスがあったら読んでみたい気はするけど、
実際に可否を問われたら余所でやってくれと言うだろなー
>>844 嫌がられるって言うか、クロス先の作品のサイトにに迷惑がかかる恐れがあるからね。
2ちゃんでも顰蹙を買いやすい個人サイト晒しに繋がる危険性もあるし、ある程度は
自重した方がいいって事。
>>842 どうでもいいかもしれんが、フリーゲームを元にするのは三次創作とは言わんのでは・・・?
>>846 マニアックな作品なら既にいっぱいある気もする。
フリーゲームとかに関しては、作者の了承さえ取れれば問題ないと思うけどねぇ・・・
要するに、無理してここでやるなってこと
>>842 一瞬「barrett」に見えて
ハルケギニアへ向かう馬車に、メイジの敵「エルフ」が侵入した!
エルフたちは魔法により見た目ではメイジと区別がつかない。なんてことだ!
みたいな電波が飛んできた
>>848 同じマニアックま作品でも、
個人公開のフリーゲームと商業作品を同列に考えるのはどうかと思う
ダイソーから発売されてる元フリーゲームはどうなるんだろうw
遅レスだが、人類抹殺コンピューターよりアレな ブラックユーモアRPGパラノイアのコンピュータの指導で平民の革命を起こす ハルケギニアというのもイヤすぎる魅力に満ちてないか きっとメイジやエルフはミュータントだから粛清されるだろう ちなみにコミュニストも粛清される
問題なければ、4時に投下したいと思います。 22kbという量になってしまった……。
「……ごほっ。」 突然だが、秋山(真之)が倒れていた。 理由は、深夜コルベールと語らい合いが勢いを増し。 酒にまで手を付ける事になり、泥酔してる所をルイズがコルベールの研究所にまで来て、発見。 素敵な衣装を着けている、とても着飾ったのだろう。 素敵な衣装を着てる少女は、とても顔が赤い、酔っているのか、否。 怒っていた、いや、この表現だけでは生温い。 とにかくすぐさま秋山の襟を掴むと、少女とは思えない腕力を発揮、頭から叩き付けた。 酔ってる事もあり、痛みは少なかったが、気絶した。 むしろ気絶したから痛みが無いのだろう。 その秋山が頭から叩きつけられた時の音により、コルベールまで。 「おや、ミス・ヴァリエールじゃないか、何をしてるのだね?」 「それは――。」 コルベールは、酔いが醒めた。 「……すいませんでした。」 「説明の手間をはぶかさせていただき、ありがとうございます。」 血管を浮かべながら笑顔を作った。 「とにかく、こいつは回収します。」 「わ、分かった、借りてすみませんでした。」 襟を掴んでどかどかと、一々足音を鳴らして出て行った。 「……おぉ、こうしてる場合じゃない……アキヤマ君のおかげで、こいつらの手がかりを見つけたぞ……とはいえ、金が無いか、どうしたものか。」 酔いが醒めたコルベールは、紙上に書かれている、一つの船に、手を加えていった。 夜が明けた。 昨日何事も無かったかのように、朝起きた秋山は後頭部に少し痛みを感じていた。 原因を脳内で探ってみた、コルベールって人に捕まって、話してみれば、良い人で、キーパーソンだと思っていたら。 「……思いだせん。」 とにかく主人を起こさないと、彼の仕事はこれから始まる。 ゆさゆさと体を揺さぶり、起こす。 体を起こして、秋山の方を見やると、顔面パンチを浴びせた。 「何をするんじゃ!」 「昨日の貴方に聞きなさい。」 「知ら――。」 秋山の顎にパンチ。 こいつは私の顔に泥を塗るような大罪を犯したのだ、そう日が立って許せる物ではない。という事。 とにかく秋山は気絶。 ルイズはその秋山をそのままにして、授業を受ける仕度をしていった。
が、意外と浅かったのか、ルイズが出てってすぐ起き上がる事が出来た。 「……思い出した、じゃが。なんであそこまでおこるんじゃ?」 と腹で考えてはみたが、逆におなかが減ったので、とにかくふらつく事にした。 中庭とかで粟とか見つける気で、ルイズの部屋から出て行った。 が、粟なんかよりもっといい食物が、この後現れるのである。 「ん、おぬしは……。」 「あっ――。」 「あぁ、メイドの――。」 「シエスタです!アキヤマさん!どうしてここにいるんですか!」 「ん、あぁ腹が減ってな。」 「なら、こっちにいらっしゃってください!!」 何時の日かフレイムに裾を引っ張られていった時を思い出した。 「おぉ、シエスタ、どうした息巻いて……って貴方は、まさか!!」 「はい!マルトーさん、彼がアキヤマですよ!!」 「貴族に勝ったって言う、アキヤマか!?」 「はい、おなかが空いたというので、つれてきました!」 「でかした、おい手前ら、アキヤマさんが来てくれたぞ!すぐさま絶品料理を作らねえか!」 その太った親父から発せられた声がキッチンをつつむと、周りのコックがそれに応答する。 全員がすぐさま、仕度に入り、調理に入った。 シエスタに誘導されて、テーブルのある椅子にすわった。 「おぉ、おぉ、なんぞな。」 「いいから座ってください!」 「あし何かしたか?」 「そりゃ、すげぇ事したさ!貴族に勝ったんだぜ?魔法使う奴に真正面から、武器も無くてよ!」 「そんなに凄い事なのか?」 「おいおいおいおい、聞いたか野郎共、こいつが本当の武人だぜ、武人は誇らない!」 「武人は誇らない!」コック達全員が復唱。 「本当に、あの時は逃げてすいません、でもアキヤマさんのおかげで希望が生まれました!人って何でもできるんですね!」 こう語っていく内に、大変な量の料理が並べられていく。 「待て、待て。こんなに食べ切れん。」 「でもよ、俺等はこの日を待ってたんだ、精一杯作らせてくれよ。」 「毎日通うから、その日その日の分に分けて作ってくれんか?」 「……アキヤマがそういうならしかたねぇな。シエスタ、最後に奥から取っておきの酒取り出して来い!」 「はい!」そういうとシエスタは奥の酒蔵庫に行き、すぐさま酒を持ってきた。 そして手際良く酒をついでいく。 「いただきます。」 「ん、どんどん食ってくれよ!」 「うむ、ほんに旨いのしー!!」 「そうか!そうか!どんどん食ってくれよ!!」
どんどん頬張っていくアキヤマの姿をにこやかに見守るシエスタがいた……。 そんなことがキッチンであった時、ルイズは。 「何で部屋にいないのよあの馬鹿は!!」 何故部屋に戻っているか、突然コルベールがミスターギトーの授業に乱入し、王女がこの学院に来るという報を伝えた為。 授業が中止になった、アキヤマを呼んで、そのパレードを見に行くつもりだったのだが、部屋にいない。 仕方ないので怒りながら、一人でパレードを見に行った。 「さてっと……食った食った、本当に旨かった、ありがとう。」 「あぁ、それくらいに良い食いっぷりなら逆に礼を言いたい位だ。」 「お、そうだ。そろそろ部屋に戻ってないと、お上に何言われるか知らん、という事で、飯は本当に旨かった、明日も来る。」 「おう、またこいな!」 完全なすれ違いである、部屋に戻ってもだれもいなかった。 本当はコルベールと話していたかったが、また。「なんでいないのよ!馬鹿!」とか言われて頭を殴られたら敵わない。 という事で待機を選んだ。 部屋で戦術書を読んでいると、ドアを叩く音がした。 来客か、と。本を閉じてドアを開ける。 すると、フードを被った女性がいた。自分より5cm近くでかい。 自分が小さすぎるだけなのだが。 「あら……、間違えたかしら。」 「ルイズに用でないのなら、間違いです。」 「あぁ、でしたら合ってます。で、ルイズは?」 「出掛けております。」 「……あなたは?」 「お上の使い魔だぞな。」 「お上?」 「ルイズのことです。」 「あぁ。」 このどうでもいい話の展開から、ルイズが来るまでの10分間。 秋山は暇だったので自分がいた場所、自分の国はどういうところかを説明した。 「あなたの国は鉄の船が浮かぶのですか、そして工場という場所で大量の物が作る事が……へぇ――。」 ガチャっと、ドアが開いた。ようやくルイズが部屋に戻ってきた。 「アキヤマ!どこに――姫様!?」 「おぉっ!ルイズ!あぁ、もう、遅いじゃないですか。」 「すいません!姫様、でもこんなところになんのようで!?」 「あなたに、用があったのです。」 「おぉ、姫様からの任務、例えどんな」 まるで劇の芝居を見てるようだったので、ポケットから炒り豆を取って食べていた。 が、炒り豆が無くなった。 「―――。」 言葉が出ない、炒り豆が無くなった、この世界での補給を絶たれた師団みたいな、そんな感じだ。 太陽を失った地球、酸素の無い海。炒り豆の無い秋山 こうなったら全力でこの世界から脱出しなければいけない、だが。 このハルケギニアではまだしなきゃいけない事がある。 それでも炒り豆が無いとつらい、涙が出てくる。
「……というわけなのです。」 「アルビオン皇太子に送った恋文のせいで、トリステインとゲルマニアの同盟が反故にされてしまうかもしれない……それは重大事ですわ!」 「ぶはっ。」 重大事ですわ! 呆れて物が言えない、いや、笑ってるせいで物が言えない。 「久しぶりに笑った。」 「何笑ってるのよ、重大事じゃない!?」 「何処が。」 「え?」 ルイズは、こいつは馬鹿かと、心の中で思った。 アキヤマは、こいつらは馬鹿かと、心の中で思った。 「そんな物があればよっぽどの馬鹿でない限り、燃やすじゃろう。」 「……。」 「それに、そんな恋文一枚で反故?ありえん、ゲルマニアの王様さんも本気で自分の事を愛しとるって勘違いでもしとるんか?相手だって理解くらいしちょるぞな。」 「でも……。」 「でももかかしもあるかい、その反乱勢とやらが、本気でその恋文でも探してると思ってるのか?恋文探しの軍隊なんてはずかしいじゃろ、死んだほうがマシじゃ。」 「早く王宮に攻め入って、トリステインの姫の恋文を探さないと、トリステインとゲルマニアが同盟してしまう、それだけはとめたいなぁ。」 上記馬鹿一号 「そ、それでももしもの事があります!」 「お主、いや、姫さんはそんな大事そうにしてる友人を戦地に向かわせる気かな?それに、もし御見さんの国と、ゲルマニアの国の同盟を阻止したいなら、そんな手紙軽々捏造できる。」 「……。」 ルイズが怒鳴ろうと肩をぴくぴくさせていたので、顔の前に手を出し先に抑える。 「よい、よい。もしもの事で眠れないのなら、あしだけ行く、この世界の事を良く知らんといかんからな。」 「そんな、使い魔がいくのに主人がいかないなんて――。」 「御見さん、年はまだ15、6だったな。」 「……。」 「危ないとこに行くには少し若い、足手まといになるやもしれん。」 ルイズが下を向く、まだ行く気がある様子だ。 「あの、一人は危ないのでは?案内を付けます。」 「貴族ならいらん、このトリステインはどうやら、秩序を取り替えんでずっと進んできたから、どうやら貝殻や藻屑が大量に付いておるようじゃ、となると基盤がそろそろがたつくだろう。 なら、万が一かもしれんが、アルビオンの反乱勢に加担するつもりで、行く奴もおるかもしれん、世の中一寸先は闇じゃ、何が起こるかわからん。どうやら反乱勢は、貴族中心社会を作ろうとしとるみたいじゃが?」 全部コルベールとの会話で分かった事だ。 それならこの姫も分かっている、国王が亡くなり自身が象徴となってる今、忠誠など無く、いばるためだけに国にいる貴族の存在。 なんどか枢機卿に注意されている。 しかし、貴族の中にもいる、忠臣が。 ただ、姫の目には映っていないだけであった。 「でも、一人は……。」 「そうよ、あんたこの世界でどうやって外で過ごすのよ。」 「この世界?」 「あ……。」
少しの時間も惜しい姫に、仕方なく秋山の事情を話した。 「なるほど、別世界とやらが……。」 「そうです、さっき会話の中にでてきた鉄の船が水の上で浮くとか、そういうのは全部あしらの世界での事。」 「信じがたいですね。」 「そうでしょうな、ですがあしみたいな肌の人種はこの世界におりますかな?」 「そういえば、そうですね。気づきませんでした。」 そういってくすりと笑う。 どうにもルイズが魔法を使うと、そのつど常識を吹っ飛ばして――いや、無くしてしまうのだ。 それがおかしくて笑った。 「あなたの魔法が本当の魔法ですよ、ルイズ。」 「はぁ……?」 「じきに分かります。」 「……?」 秋山が持ち前のせっかちを発揮して、手軽な荷物だけを風呂敷に入れてく。 「早く出発した方が良いのでしょう、案内は最近仲良くなったシエスタとかいうのと行きます。という事で呼んできます。」 「え?シエスタ?誰よそれ。」 聞こえているが、説明も面倒くさい、聞こえないフリをし、ドアを思いっきり開けた。 ガチャッと音がし、扉が開く、はずだったのだが、バンッと言った音が鳴り、ドサッと、次にキューと人の声が聞こえた。 この前決闘を持ち込んで負けた人、確かギーシュだ。 「何しとる。」 「あ、いや。通りかかっただけ……。」 「ほうか。」 何事も無く、通り過ぎて行く。 が、一回だけ、片目でギーシュを覗いた。 ばれている、そりゃそうだ。 あれでばれてない方がおかしいのではないか。 「……すまない、俺も連れて行ってくれないかね!」 「来たければくればいい。」 意外な返事だった、故にルイズが納得しない。 「なんでギーシュは良くて、私は駄目なのよ!」 「御見さんは死ぬ覚悟を知らん、その上姫の相談役にもなりうる位置、死なれたら姫が困るじゃろ。」 「ぼ、僕は死んでも姫殿下が困らないから……と?」 肩を落とす。 「そんなことは、知らん。ただ、御見さんは何かやりそうな顔じゃ、大きな一仕事をな、だから付いて来て世間を広めても、よかろう。」 「そ、そうかい?僕は何かするのかい?」 「知らんぞな、それは御見さんの仕事じゃ。」 褒められたらすぐ立ち直る、なんとも単純な性格だ。 「まぁまず姫さんに挨拶してこい、あしは少し、野暮用を済ます。」 「……?」 野暮用とは何なのか、気になったが、まずは姫殿下に挨拶だ。 まさかこんな間近で見る事が出来るなんて思わなかったギーシュの血圧は、いつもより高くなっている事は言うまでも無く。 そんなギーシュの様子はさて、置き。
秋山は、コルベールの研究室に行く事にした。 「コルベール殿、あしはこれからアルビオンとかいう場所に行って来る。」 「えぇ?そんな突然どうして。」 「まぁ、野暮用ですな、そこで、アルビオンの事を聞きたいぞな。」 「あぁ、はい。アルビオンはまず島が空に浮いてます。」 「聞いてはいたが、それは本当ぞな?」 「浮いてます、確実に。」 「分かった、で、現在の政情は?」 「レコン・キスタとかいう反乱軍が本城に追い詰めていて、王国は瀕死寸前とかなんとか。」 「うむ、うむ。兵力は?」 「王国が倒れた後、何事も無ければアルビオンには竜騎兵という空飛ぶ龍にまたがる部隊と空海軍、つまりフネに戦力が割れるでしょうな、まぁ、陸は全て傭兵ですな。 だとしても脅威ですぞ、アルビオン艦隊は最強と言っても恥ずかしくない。」 「空飛ぶ、船か、どういう形をしてるのか?」 そこらへんに散らばってる本達から一発でその本を引き出してきた事に驚いた。 「えーっと、ここらへんに……ありました、こんな感じです。」 「なんじゃ。」と、一言言って笑った、戦列艦そのものだった、それが浮いている。 笑うしかない、それと。 この程度の技術力なら、戦術はまだ要らない、いるのは技術力だ。 「分かった、コルベール殿、砲の研究と設計を急ぎしてくれんか。」 「は、はぁ……何故ですか?」 「レコン・キスタに対抗する為じゃ、砲弾の形は球体じゃいかん、よく飛ぶようにするには、この形にする必要がある。」 といってさらさらと紙に形を書く、現代でも良く見る形の砲弾だ。 「確かに簡単に貫けそうなデザインですね……、なるほど、フネを倒す事に重点を置いたデザインですか。」 「それもある、が、この形は飛距離が倍以上になる、これの中に火薬を入れれば、最強じゃ。」 「そんなことをすると、発射時に爆発しちゃうのでは?」 「まぁ、聞け。これな、まず砲弾の先に、信管を付けてな、これがつぶれると、中の火薬が反応するようにする、と、敵艦にぶつかれば火災やら色々起こす事が出来る。」 そこらへんにあった白紙の紙はどんどん秋山の絵で白を失っていく、一度裏を見てみたら、なんか重要そうな書類だったけどもはや気にしない。 ちなみに秋山は絵心もあった、詩も巧かったことは余談だろう。 「次に砲じゃ、これも重要じゃ、現在の技術レベルでギリギリな位に装填から発射を速く出来るようにしてくれ。そして、できるだけ射角を高くしてくれ、30°から70°まで高くできればよい。」 コルベールが少し苦い顔をする。 「……。」 「なんじゃ。」 「いえ……技術とは、戦争に使われていいのか、私には分からなくて……火薬は、火です……、火は、戦争でしか役に立たないのでしょうか。」 「はっはっは――、んなこっちゃないがな。まず、戦争で。俺等の技術で作ったこいはすごいぞーってとこみせんと、王国は目をつけてくれんじゃろ、そのあと、とんとんやればええ。」 「……そう、ですな!はっはっは――。」 陽気に笑ってみせはしたものの、やはり少し哀しみが残る。 「そうじゃ!火ってのは生活の基本じゃ!戦争だけじゃない、料理にも使う、花火にも使う、陶器を作るのにも使う、火が唯一鉄を溶かす事が出来るじゃないかの、鉄をどんな形にでも出来るんじゃ。」
秋山がそういうと、コルベールは苦い顔を解いた。 「そうですな!火は、やはり戦争以外にも役に立ちますな!」 「うむ、とにかく、頼んだ、これはコルベール殿、あなたにしかできない、これを機に、技術がどれくらいすごいか示すんじゃ、」 「しかし、設計は良いけど、作れるのでしょうか、金が無い。」 「安心しろ、その事はあしが帰って来てから、上手く運ばせる。」 「そんな簡単にできるのかい?」 「うむ、できる。」 「頼んだぞな!」最後にそう言って、そそくさ研究所から出て行った。 空飛ぶ船が主力、その上戦列艦。 なら、死角は下、トリステインの空海軍戦力は大きく劣る。 ならどうするべきか、簡単な事だ。 そのままルイズの部屋に戻っていった。 姫様はまだ残っていた。 「姫さん。」 「はい?」 「あしは軍人じゃ、じゃから予想だけで語れば、アルビオンとは近く戦が起こると考えておる、注意せい。」 「……?」 分かってないようだが、じきに分かる。 シエスタにもとっとと連絡をしてこなければならない。 さっと、部屋を出て食堂まで走った。 「では、私も長くここにいすぎましたので、王宮に戻ります。」 「はっ!姫殿下、任務を遂行いたします!」 「はい、頑張ってくださいね。」 そういって王女は微笑んだが、その瞬間ギーシュは昇天した。 「シエスター、おるかー。」 「なんだ、夕食でも食いに来たのか!こりゃ夜食の時間だぞ!」 「あぁ、軽い物作ってくれんか、後明日の分の弁当がほしい。」 「ん?どっかいくのか。」 「少し野暮用なんじゃ、頼む。」 「うむ、明日の朝、来い。まぁ夜食はちょっと待ってろな!」 すぐ様軽食の用意をしだした、なんとも優しいおっさんだろうか。 それと同時に、シエスタが来た。 「はいはい、なんでしょうか!アキヤマさん!」 「うむ、明日アルビオンに行く、よければ着いて来てほしい。」 「なんでぇなんでぇ!デートかい!にしても物騒な所にデートにいくなぁっ!俺は止めねぇ、これほど名誉な事はないからな!」 「私も別にかまいません!空飛ぶ島らしいですが、アキヤマさんがいれば大丈夫です!!」 「おう、言って来い!アキヤマよ、どうかシエスタを頼むよ。」 「うむ。」 「できた!さぁ、これを食え、そして明日の弁当を食え、すると力がみなぎるぞ!!」 このテンションは薩摩に似た感じがある、なんとも覇気に押されるのだ。 ともかく軽食を食べて、腹を満たした秋山は。 シエスタに「では、明日。」と言って、ルイズの部屋へ戻った。 帰ると早々。 「本当に私を連れて行かない気?」 「あぁ、御見さんは、貴族という雰囲気がどんな服着てても一瞬でわかってしまう、それじゃ、駄目なんじゃ、今回する事は目立っちゃいかん。」 「そう、必ず無事に帰ってくるんでしょうね。」 「分からんなぁ。」
と、いいつつ死ぬ気もないし、死ぬとは微塵にも思っていなかった。 とにかく今するべき事は全てしたので、仮眠程度にハンモックに横になった。 ルイズがついてくるなと言われて、素直について来なかったのには理由があった。 破壊の杖を触った時の映像である、ルイズ自身は見た瞬間に内容を殆ど忘れている。 その為、ルイズ自身何故それが自身に対して拒否反応を出しているのかが、理解できない。 とにかくそれが気持ち悪いのである、いや、この気持ち悪さの原因は違う、その映像の内容が、とても、残酷で。 アルビオンに行く事で、いや、とにかく何か自身が行動を起こしたら、今とぎれとぎれの映像が鮮明に映ってしまうかもしれない、それが恐かったのだ。 とにかく、行動を恐れた。 夜も早く明ける。 ルイズの部屋に鳴った一番の目覚ましは、シエスタの声だった。 が、ルイズは寝ている、秋山は既に仕度が出来ていた。 4時、ルイズが起きれる時間ではない。 「おはようございます、早速出発しましょう!」 「あせるな、ギーシュをよんでこなけりゃいかん。」 「ギーシュといいますと貴方に倒された貴族ですね?何でですか?」 「あいつは、何か仕事をする、だからあいつに役に立ちそうな事はするんじゃ。」 という事で、秋山が一歩部屋から出ようとすれば。 「でも、ここにいますよ?」 「へ?」 部屋から顔を出して見れば、部屋の扉の左側に、ギーシュが座りながら寝ていた。 秋山が兄と白川と寝るときによくやった寝方だ、最初の頃は体の節々が疲れていた。 「おい、おきぃ。」 「……んむ、何だね……。」 「もう行くぞ、姫さんの任務はよいのか。」 「おぉっ!任務遂行の時はきたか!よしいこう!」 元気な奴である。 ギーシュが昨日、姫からの命令で様々な手筈を整えていた、姫殿下の手紙も、馬も。 その為、日も上がっていない朝に馬が3頭用意されていた。 しかし、秋山好古は馬に乗れても、秋山真之は馬に乗れない、手も足も足りないのだ。 「もしかして、馬に乗れないのかい?」 「うむ、この通りの体格じゃ、欧州の馬は乗れん。」 「なら!私が馬を操りますので、後ろに乗ってください!」 咄嗟のシエスタの提案、シエスタですら乗れるのに秋山ときたら……。 という事に秋山は恥を持たない。 乗れないなら乗れない、事実は否定できないものだ。 早朝、馬1頭を返して、2頭だけで出発することになった。 秋山26歳始めてのおつかいである。 「何日かかるんじゃ、そのラ・ロシェールとかいうんは。」 「2日は掛かるそうですよ?」 「ほうか……。」 その貴族1、軍人1、平民1の奇妙なパーティーを、遠くから見送る人がいた。 姫とオスマン氏である。
「彼等に始祖ブリミルのご加護がありませんことを……。」 「心配そうな顔をおくりなさんな。」 「しかし……。」 「アキヤマの判断は正しい、ルイズを連れて行けば、逆に目立ってしまう。」 「ですが、彼等の護衛にとワルドを付けようとしたら、行方不明。あぁ、不安だけが募ります。」 姫の考えは確かだ、戦場になっている中にあの3人、誰でも心配するだろう。 「アキヤマはやりますぞ、彼の顔は、何か大きな事をします、それにガンダ……うぉっほん。」 「……?」 「気にしないで下され、まぁ、彼等は、目立ちませんからな、それが一番重要ですの、ちゃんとギーシュにも常にフード着用、服を平民の服に変えさせる事も命じたのじゃろう?」 「えぇ。」 「なら、大丈夫でしょう、事故も起こしますまい。」 「異世界から来た風、ですか……。」 突然の姫の言葉に何かが器官に入った。 「ごほっごほっ!!……その話をどこで?」 「ルイズが。」 あの小娘が……、アカデミーにつかまるかもしれんというに……。という事を言葉には出さず、心の中で呟いた。 場を移す、コルベールの研究室に。 とにかく言われたとおり、砲の研究をしていた。 まず、頭の中の研究室との戦いである、どのように配置すれば砲を上に向けたまま、飛距離を出せるか。 秋山から言われた、弾の形を円錐と円柱を合わせた形にすれば、飛距離はなるほど、伸びるだろう。 が、この砲弾が問題だ、砲の中に火薬を入れて、目標物を爆破しろというのである。 どうすればぶつかった瞬間に炸薬が起動するのか、最初は衝撃に頼ろうとしたが、それでは不発率が高い上に事故が多いだろう。 次に円錐部分の中に導火線を曲げながら入れて点火し、〜〜秒後に爆破という方式を立てようとした。 そうなると不発率が多い上、相手の高さ、場所を考慮して導火線を調整しなきゃいけないという面倒臭さがあったのだが、今現時点では結局この方式にした。 次は砲身だ、空に向けて撃つのだから、なるべく空に近づけた方がよいという事で、従来の青銅砲より、2倍は砲身を長くした。 結果、これは功を為す事になる。 が、次の問題が出る、どうやって弾を充填するのか、後ろから入れる、なるほど理論上では楽だ、が。 技術力が付いていけない、これにはコルベールの禿頭を悩ませた、が、簡単な事に気づいた。 台を使えばよい、そこから前装式で火薬と砲弾を入れればよい。とてもたんじゅんな事だ。 こうなると速射がしにくいが、仕方ない、アキヤマも納得してくれるだろう。 次は発射の時もちいる火薬だ、これは量を多くすれば遠くに飛ばす事もできるが、寿命を短くしてしまう。 それに、多くいれれば入れるほど、この砲身の長い青銅砲は恐いのだ、火薬を装着する事が。 ここで紙に目をつけた、紙で円柱状に火薬を覆って底に綿をつめれば、衝撃による暴発の危険性を薄くする事が出来る。 後する事は、従来の火薬に少しだけでも進化をもたらす事だ、火を扱う分コルベールは楽しみながらやった。 まず、普通の火薬を燃やす前に一個一個薬品を垂らす、とにかくコルベールの家系の財力を惜しみなく使った薬物がそこにはある。 そこで一個の薬品が、効果を出した。 前までの研究で、色々な薬品を混ぜていき、何か化学変化は起きないかという研究をしていた。 その薬品を流す事が惜しかった為、取って置いた、一個の調合物である、しかも鉄を入れたり、熱したりした物である。 この世界では化学が無いといっていいほど発達していない為。 化学式なんてものはない、ただの偶然が偶然を生み出して出来た結果である。
この薬品の中身はなんだったか思い出す、適当に瓶と瓶を合わせて、熱を加えると、さっきしみこませた物と同じような白色の結晶粉末、火薬にしみこませてみた、同じような物になった。 これで、大体の問題は解決した、が、まだまだ考える所はある、流石に今回は没頭しすぎたなと窓を見つめながら思った。 外を見てみれば、既に夜になっていたのだ、コルベールが外に出ると、えらく腹が減っていた事に気づいた。 マルトーの親父に料理を食べさせてもらおうと、食堂に足を運んだ、すると、食堂にあるカレンダーの日付があの日から2日経っているのに気づいた。 自分の目を疑い、こすってからもう一度見ても、2日経っていた。 コルベールはまるまる2日、研究室で砲の研究をしていたことになる、よく自分の精神力が持った物だと、自分で自分を褒めた。 投下終了です、続きは出来てますので、今日の夜か、次スレが出来た後にしたいとおもいます。
研究者は部屋で研究に没頭するのが似合うのう
乙です。 コルベール熱中しすぎだろw
18:45から、22話を投下したいと思います。 多分、9レスです。
ラグドリアン湖は、トリステイン王国とガリア王国に挟まれた内陸部にある、ハルケギニア随一の名所である。 美しいその地が観光地にならないのは、そこが水の精霊が住まう楽園だからというのもあるが、広大な面積を持ち二国にまたがる湖は、そ のどこを観光地にすればよいとはいかなかったからである。 だから、人が近づかないのかというと、そうでもなく近在には住民がいるし、誓約の精霊とも呼ばれる水の精霊の元で誓いを交わそうとい う若いカップルがいたりもする。 もっとも、水の精霊が人前に姿を見せることは滅多になく、数十年に一度、旧い盟約で結ばれたトリステインの交渉役の前に現れるだけで あったが。 さて、ラグドリアン湖にやってきた、ある四人組がいる。 渋い顔をした二人の少女と、何が嬉しいのかヘラヘラ笑いながら愛を囁き続ける少年と、愛の言葉を送られ続けている男。 ルイズとモンモラシーとギーシュとアプトムの四人である。 彼ら、というかギーシュ以外の三人は、彼の飲んだ惚れ薬の効果を消す解除薬を作る重要な材料を求めており、それは水の精霊の涙と呼ば れる秘薬であった。 ただでさえ手に入りにくく高価なその秘薬は、近年、当の水の精霊との連絡が取れなくなったとのことで、入荷が見込めなくなったらしい。 そうなって困ったのは三人共にである。 モンモラシーは自分の恋人(?)が同姓に対して愛を囁くところなど見て嬉しいはずなどないし、女好きのギーシュが男を愛するなどとい う事態に不審を覚えない者も少なかろう。そうなって、自分が禁制の代物を作ったことと、それを使用したことがバレては困る。 ルイズは、自分の信頼する使い魔に、男が愛を囁くところなど見て楽しいはずがないというか見ていて鬱陶しい。女なら良いのかとか見て ないところでやるなら良いのかとか言うと別にそうでもないのだが、それはさておき何とかしたいと思っているのは確かである。 アプトムには、男に愛を囁かれて喜ぶ趣味はない。恋愛そのものに興味がなかったりもするが、それは置いといてもベッタリついて回って きて四十六時中愛を囁かれては鬱陶しいこと夥しい。ついでに言えば、辺につきまとわれては自分の正体や、いつルイズに回ってくるかも知 れない任務の都合上、困った事になりかねない。 ギーシュは困らない。今の自分の情動が惚れ薬のせいだと教えられても、そうと自覚することのできない彼には自分の行動に疑問を抱くこ とはなく、ゆえに何一つ困らない。 だから、何とかしなくてはと考えた彼らは直接水の精霊の涙を手に入れるべくラグドリアン湖までやってきていた。 その間中、アプトムに愛の言葉を投げ続けるギーシュの姿に、他の三人のテンションがいかに下がったかは、もう言うまでもないだろう。 「これが音に聞こえたラグドリアン湖か! いやぁ、なんとも綺麗な湖だな! もちろんアプトムには敵わないがね」 キラリと歯を輝かせて笑うギーシュの後頭部に、反射的に振るわれたルイズとモンモラシーの杖がヒットし、乗っていた馬から転げ落ちた 少年は、その勢いのまま湖に飛び込んだ。 「ギャーッ、助けてーっ! 背が立たない! 溺れるーっ! 人工呼吸はアプトムの口移しでお願いーっ!」 「まだまだ余裕があると見えるな」 「もう、このまま沈めた方がいい気がしてきたわ。そうしたら秘薬なんていらないし」 「確かに、その方が面倒がないな」 「やめてよ! 本気で同意したくなるから」 なんというか、見捨てる気満々のルイズとアプトムに抗議するモンモラシーだが、彼女も自分で助けに行こうとはしない。 キモいのだ。自分の作った薬を飲んだせいだと分かってはいるのだが、キモくて近寄りたくない。 そして、ギーシュに好意を抱いているモンモラシーですら、こうなのだから当然、ルイズとアプトムもギーシュには極力触りたくないとい う近づきたくないので、少年が自力で上がってくるのを待つことにする。 さて、ここで溺れているギーシュの方は何を考えているのだろうか?
うわーっ! なんで助けてくれないのさーっ! まさかこれは、愛の試練! いいだろう、耐えて見せよう! これがぼくの愛だーっ! こんなことを考えていた愛の少年は、自力で上がってこようとせず、力尽きて湖に沈んだ頃になって、ようやくアプトムに助け出された。 意識を失った少年は、やりとげた男の顔をしていたが、賞賛の声は上がらなかったという。 「変ね?」 そう言ったモンモラシーに、ルイズは何を今更という顔をする。 「ギーシュが変態なのは、今に始まったことじゃないでしょ?」 「変態じゃないわよ! 今は、ちょっと薬のせいでおかしくなってるだけ……。って、そうじゃなくて、湖のこと! 水位が上がってるのよ。 昔、ラグドリアン湖の岸辺は、ずっと向こうだったはずよ」 「そうなの?」 「ええ。ほら見て。あそこに屋根が出てる。村が飲み込まれてしまったみたいね」 言われてみれば、確かにモンモラシーの指さす先には水没したと思しき藁葺きの屋根が見える。 どういうことかと問うルイズには答えず、モンモラシーは湖を前にしゃがみ込むと、水面に手をかざして目を閉じる。 そうして、しばらくすると、ため息を吐いて困ったように首を振る。 「水の精霊は、どうやら怒っているようね」 「どういうこと? まさか変態を湖に落としちゃったから怒っちゃったの?」 真顔で言うルイズに、そんなわけないでしょ! と返す。 ルイズは、えー? と不満そうな顔をするが、どう見ても昨日今日に水位が上がってたわけではないのだ。たった今、湖に飛び込んだ馬鹿 のせいだということはありえない。 「じゃあ、どうしてこんな事に?」 「それは、本人に直接聞いてみましょ」 言うと、モンモラシーは腰にさげた袋を開き、そこから小さなカエルを取り出した。それが彼女の使い魔なのだ。 「カエル!?」 カエルが嫌いなルイズは、悲鳴を上げてアプトムに抱きつく。 タバサ辺りが見れば、アプトムみたいなバケモノは平気なくせに、なんでそんな小さな生き物を怖がるのかと呆れたかもしれない。 恐怖に、声も出せないルイズには構わず、モンモラシーは左の手の平に乗せたカエルに命令する。 「いいこと? ロビン。あなたたちの古いおともだちと、連絡が取りたいの」 その言葉と共に、ポケットから針を取り出すと、器用に親指と薬指で挟み、それで人差し指を浅く刺す。 針を突いた指先に、血の玉が膨れ上がり、それはしずくとなって使い魔の上に滴り落ちる。 「これで相手はわたしのことがわかるわ。憶えていればの話だけど。じゃあロビンお願いね。偉い精霊、旧き水の精霊を見つけて、盟約の持 ち主の一人が話をしたいと告げてちょうだい。わかった?」
主の言葉に、カエルは頷くとビョンと飛び跳ねて水の中へと消えていく。 「ロビンが水の精霊を呼びに行ったわ。見つかったら、連れてきてくれるでしょう」 「ふーん。盟約って言ってたけど、そういえば、あんたの家って水の精霊との交渉役だっけ?」 何気ない質問に、モンモラシーは苦虫を噛み潰したような顔になる。 「そうよ。父上が水の精霊の機嫌を損ねて、おろされたけどね……。おかげで、領地の干拓に失敗して領地の経営はボロボロよ。フフフフフ……」 あー、なんか悪いこと聞いちゃったかなーと反省するルイズである。 なんだか空気が重いなぁと困ってしまったルイズだが、アプトムに呼ばれたので、これ幸いと、そちらに顔を向ける。 アプトムが呼んだのは、水の精霊について聞くためである。彼は、水の精霊というものが何か知らなかったわけだが、ここに来て、それが 敵対する可能性があるのだと気づいた。 本当なら、もっと早くにその可能性について考えていなければならなかったのだが、どうもここに来る原因がアレなので深く考えることを していなかったのだ。 そして、ルイズの方はというと、水の精霊が敵対するかもしれないなどとは考えもしないので、特に緊張感もなく答える。 「水の精霊っていうのは、人間よりずっと長く生きている存在で、六千年前には、すでにラグドリアン湖に住んでいたと言われているわ。そ の体は水そのものと言ってもいい不定形……」 そこまで言った時、ラグドリアン湖の水面の一部が光を放ち始めた。 それが前兆だったのだろう。ルイズたちがいる岸辺から三十メイルほど離れた水面が盛り上がり、内側から光を放つ水の塊とでもいう感じ の物体が現れる。 これには、さすがにルイズも驚き、アプトムは主たる少女を後ろに庇うが、別に初めて見るというわけではないモンモラシーは、特に驚く 様子もなく光が現れると同時に帰ってきた自身の使い魔を両手で受け止め礼を言うと、水の塊に顔を向け声をかけた。 「わたしはモンモラシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモラシ。水の使い手で、旧き盟約の一員の家計よ。カエルにつけた血に覚え はおありかしら。覚えていたら、わたしたちにわかるやりかたと言葉で返事をしてちょうだい」 その言葉に答えたのだろうか。水の塊が、蠢き形を変え、粘土のように形を整えていき、しばらくしてそこに女性の裸身像が作り上げられ る。 「モンモラシーに、そっくりね」 「話す相手の姿を写し取ってるだけなんだけどね」 モンモラシーの答えに、ふーんとルイズは気を失ったままのギーシュを見下ろす。 こんなものを見逃したと後で知れば、悔しがるだろうかと思ったのだが、考えてみれば今のギーシュは正気ではないので、水の精霊が、か たどったのがアプトムだったというのでもなければ喜ばないかと思い直し、その自分の想像の気色悪さに吐き気を覚える。 そんな少女たちの会話を意に介することなく、水の精霊は人を模したカタチで人の言葉を話す。 「覚えている。単なるものよ。貴様の体を流れる液体を、我は覚えている。貴様に最後に会ってから、月が五十二回交差した」 「よかった。水の精霊よ、お願いがあるの。あつかましいとは思うけど、あなたの一部をわけて欲しいの」
つまりは、水の精霊を形作るその一部こそが、水の精霊の涙と呼ばれる秘薬であり、それは頼んだからと言って簡単に譲ってもらえるもの ではなく、ゆえに当然の帰結として少女の要求は断られる。 だからと言って、モンモラシーとしても簡単に諦めるわけにはいかないいかないのである。 このままでは、自分が禁制の薬物の調合と使用の罪を犯した事が明らかになってしまう恐れがあるし、薬に操られている哀れなギーシュを 助けてやりたいという想いも一応ある。 だから頼む。懇願する。引き換えにできるものがあれば差し出すとも言う。できることがあればするとも告げる。それしか彼女にはできな いから。 水の精霊が人間に要求するようなことがあるとも考えにくいが、何かあれば、よっぽどの無理難題を要求されない限りは、彼女と共にいる ルイズの、というかヴァリエール公爵家の力があれば何とかなるなどと不届きなことを考えてもいた。 そんな切実な想いが伝わったのかどうか分からないが、それならと水の精霊は要求を出してきた。 「ならば、我に仇なす貴様らの同胞を、退治してみせよ」 「退治?」 「さよう。我は今、水を増やすことで精一杯で、襲撃者の対処にまで手が回らぬ。そのものどもを退治すれば、望みどおり我の一部を進呈し よう」 そんなことでいいのかとモンモラシーは肩透かしをくらった気持ちになる。そんなもの、ルイズに傭兵でも雇ってもらえば済んでしまうで はないか。 ただし、これは些かどころでなく甘い考えであった。 経験というものを必要と感じているルイズは、自ら襲撃者と相対することを望んだし、アプトムに否やはない。そして、目を覚ますギーシュ も愛しのアプトムにいい所を見せるのだと張り切ることになるのだから。 水の精霊の言う襲撃者は、夜に現れ、魔法を使って水中に潜り襲ってくるのだという。 そういうことならばと、四人は湖の近くに隠れ、襲撃者を待ち受けることにしたわけだが、そこでモンモラシーは一人ため息を吐く。 戦闘に向いていない自分。魔法の成功率ゼロのルイズ。腕が立つと言っても所詮は平民でしかないアプトム。色ボケたギーシュ。 水の精霊が手を焼くようなメイジを相手に、このメンバーではたして立ち向かえるのだろうのか。 うん、無理。逃げようかしら。 半ば本気で思ってみたモンモラシーだったが、それが許されるはずもない。それなら、戦闘はギーシュに任せて自分はずっと隠れていよう。 なんか、張り切ってるし。 そう思い隣を見ると、アプトムに対し襲撃者なんか自分一人で充分だと大見得を切った馬鹿が、隠れているはずの茂みから首を出して落ち 着きなく周囲を見回している。 「もうちょっと、落ち着きなさいよ。それじゃあ隠れてる意味がないでしょ」 言っても、無駄だろうなと思いつつも忠告してやるが、やはり馬鹿は聞く耳を持たない。 「しかしだねえ。アプトムは、ぼくの活躍をちゃんと見ててくれるんだろうね?」 あー、見てるんじゃない? と気のない返事をしてやるが、これも聞こえているのかどうか怪しい。 なんで、わたしがこの馬鹿の面倒を見てあげなくちゃいけないのよ。大体、ちゃんと同じように隠れてるんでしょうね。自分たちだけで逃 げたなんていったら許さないわよ。
ここには、いないルイズたちに内心で毒を吐く。 もちろん、ルイズとアプトムが逃げるなどということはありえない。 彼ら四人は二人ずつに分かれ、別々の場所に身を隠している。ギーシュは隠れているとは言い難いが、それはさておき、これはギーシュの 提案である。 曰く、相手のメイジの実力が分からない以上正面からかかるのは危険だ。ここは、襲撃者に対し片方が囮を勤めて相手の気を引き、もう片 方が相手の背後をついて制圧するべきだとのこと。 ギーシュにしては真っ当な意見なので、どこかに落とし穴があるに違いないとルイズとモンモラシーが騒いだりという一幕もあったが、ア プトムが問題ないと判断したのでルイズも、それに同意した。 そして、もちろん落とし穴はあった。 相談の後で、ひと悶着が起こる事になったのだから。 その理由は、ギーシュがアプトムと組みたがったから。 これには当然、他の三人が反対した。ルイズには、このような場合においてアプトム以外の者と組むなどという選択はありえないし、アプ トムもルイズの身の安全を、他の者に任せる気はない。モンモラシーにしても、戦闘に向いてない自分と、役に立つ余地などありえないゼロ のルイズが組まされるなど冗談ではない。 だけど、ギーシュは頑として引かなかった。なぜなら、この作戦はアプトムと二人っきりになるためのものだったのだから。 どこに出しても恥ずかしくない、正真正銘の馬鹿である。 この馬鹿の作戦に対して、ルイズとモンモラシーは強く抗議したのだが、ギーシュは退かなかった。馬鹿に後退はないのだ。 そして、この馬鹿の考えを変えさせたのは、彼が愛する(と惚れ薬の効果で錯覚している)アプトムの、「もういいから先に一人で帰れ。 邪魔だ」という言葉である。 これには、さすがの馬鹿も顔色を変えた。彼はアプトムの気を惹きたいのである。こんな冷たい対応をされるのは……、 これはこれでいいかも。とも思うが、やはり愛する相手には愛されたいものではないか。 だから、彼は三人の言葉を受け入れた。それこそ断腸の思いで。 こうして、ルイズとアプトム、ギーシュとモンモラシーに分かれることに決まった後、囮は自分が勤めると馬鹿が言い出した時は、モンモ ラシーは本気でこいつと縁を切ってやろうかと思った。 そういう役は、平民に任せて、メイジは後ろで魔法を使うべきだろう。これは自分でなくても同じことを考えるに違いないとモンモラシー は思うのだが、ギーシュはそうは思わない。 というか、アプトムの実力なら正面からでもメイジを打倒できるとギーシュは信じている。それは愛という名のフィルターのかかった錯覚 であると言えるが、事実としてアプトムにはそれが可能な実力がある。 つまり、アプトムに囮役などやらせてしまえば、そのまま自分の出る幕などなく襲撃者は倒せてしまうではないか。それでは、愛する男性 に自分のカッコイイところを見せられない。それはマズイ。認められん。ならば、どうするか? そうだ、自分が囮役を志願しよう。そして、 そのまま襲撃者を一人で制圧して見直させてやろう。 馬鹿は、そう考えたのだ。 ここまでくると、もう呆れる気にもなれず、むしろ哀れむしかない。 そんなわけで、襲撃者に対しては、まずギーシュが一人で相手をすることになり、勝てそうになかった場合に限り、彼を陽動としてアプト ムとルイズが襲撃者の背後を取りそのまま制圧するという作戦に決まった。 だから、ルイズたちもどこかに隠れているはずなのだが、気配がまったくつかめず、自分たち二人だけがここで襲撃者の相手をさせられよ うとしているのではないかと馬鹿を横目に一人不安を抱えていると、ついに岸辺に二つの人影が現れた。しかも、ギーシュたちに近い。 マズイ!! モンモラシーは内心で悲鳴を上げてギーシュを振り返る。 この馬鹿のことだから襲撃者が出たら大声を上げて突っ込んで行くに違いない。囮としてそれは正しいのだが、こんなに襲撃者が近いのに、 それをやられると、自分も襲撃者の標的になってしまうではないか。何気にやる気ゼロのモンモラシーである。 しかし、意外なことにギーシュはそうしなかった。
支援
当然である。彼は一人で襲撃者を制圧しようと考えているのだ。ドットメイジでしかない自分が、二人のメイジを相手に正面から挑んでは、 勝つどころか囮すら務まるまい。 そのぐらいの事は彼にも分かる。ギーシュは馬鹿だが、敵国アルビオンで過ごした日々は伊達ではないのだから。 ギーシュたちに気づいていないらしい二人組が水面を前に立ち止まり呪文を唱えだしたところで、ギーシュも呪文を唱える。 そうして、ギーシュたちが隠れているのとは別の茂みから、ガサリと音を立ててローブを纏った人影が立ち上がる。 それは、ギーシュの作ったゴーレムのワルキューレなのだが、フードを深く被り全身をローブで隠したそれを、月明かりだけで見抜くのは 難しい。 杖を持ち、まるで呪文でも唱えているかのようにそれを振るうワルキューレに、二人組は警戒し、杖を向ける。 その瞬間、襲撃者の足元が泥に変わり膝まで沈み込む。ギーシュの錬金だ。それは、二人組を驚かせ少し体勢を崩させる程度のものでしか なかったが、それで充分。 更に、別の茂みから二体のワルキューレが立ち上がり、槍を手に二人組へと飛びかかる。 体勢を崩した二人は、それでも呪文を唱え、それぞれの杖から放たれた突風と火の玉が、片方を吹き飛ばし、もう片方を爆散させる。 だけど、これも計算の内。トドメは別にある。 おそらくは、本来なら二人組は不意をつかれたからといって、自分程度に倒せる相手ではないのだろうとギーシュは思う。 だけど、ここでなら話は別だ。水の精霊は自らの住まう水に触れる者の精神を掌握し操る能力を有する。 水の精霊を敵に回し、精霊の住まう湖面を背に、一歩下がれば水に足を沈めてしまう位置で応戦する襲撃者は思うように動けず、こちらは 二人組を湖に落とすだけで勝利をつかめる。これは土メイジである自分には有利な状況であるし、更に身を隠しゴーレムだけを戦わせている 現在、自分の負けはない。 自分の身代わりにメイジの格好をさせているワルキューレに対して、二人組が直接攻撃をしてこないことが気になるといえば気になるが、 些細なことだと切り捨てて次の呪文を唱える。 二人の前の土が盛り上がる。泥に足を沈み込ませ、体勢を整えるよりも魔法を使うことを優先した二人はこれをかわせない。 ただ、突き飛ばすだけの意味しかない攻撃は、この状況では致命的。その瞬間、二人組の一方が口を開いた。 「待って! あなたギーシュでしょ!?」 「へ?」 そんな間抜けな声を上げてしまったのは、ギーシュだったかモンモラシーだったのか、どちらにせよ二人を湖に突き落とそうとした土の塊 は動きを止め崩れ落ちる。 ほっとした二人のため息が聞こえてきた後、モンモラシーは考える。 ギーシュの名を呼んだ声には覚えがある。というか、学院で同じクラスのキュルケの声に間違いない。 水の精霊を襲う襲撃者と思って攻撃してみたらクラスメイトだった。これの意味するところは、一つ。 人違いだ!! 襲撃者と間違えてクラスメイトを襲ってしまったのだ! 一応、茂みから顔を出して確認してみるが、間違いなくキュルケと、もう一人はタバサだ。 「ごめんなさい! 今のは間違い! 人違いだったの!」 謝罪の言葉と同時に、同じように茂みから首を出したギーシュを張り倒し、彼にも頭を下げさせる。 クラスメイトに問答無用で攻撃を仕掛けたのも問題なら、相手は学院の生徒の中で最強と言っていい魔法の使い手である。 そんな相手を怒らせたいとは、これっぽっちも思わない。 さっきは、ギーシュが押しているように見えたが、それはただの錯覚だ。多分、二人はワルキューレを見てすぐにギーシュだと気づいて手 を抜いたのだろう。そうでなくて、ギーシュがあの二人を相手に善戦できるなどありえない。モンモラシーは、そう信じた。 それは、正解とは言えず、しかし必ずしも間違いではない。 キュルケたちは、確かに追い込まれていたし、ワルキューレを使った偽メイジにも騙されていた。手など抜いていないし、そんな余裕はな かった。
だけど、ワルキューレに気づいたのも事実で、だからあれがギーシュなのだろうと考えて偽メイジにも攻撃しなかった。もし攻撃していれ ば、即座にそれがゴーレムだと気づき本物を捜し攻撃を仕掛けていただろう。 それが間に合う可能性は低いが、ゼロではない。 ギーシュの目的はともかく、役目は囮で本命はアプトムなので見つかっても問題はないと言えるのだが。 そういえば、ルイズたちはどうしてるのよ? と思うが、人違いとはどういうことだと、不機嫌そうなキュルケに問いただされる。 まあ、人違いで襲われれば不機嫌になるのも当然かなとモンモラシーは水の精霊との約束について話す。 「……と、言うわけなのよ」 ギーシュが惚れ薬を飲んだところから襲撃者を退治する約束までを洗いざらいを話し、事情は分かってくれた? っと顔を向けると、キュ ルケはなにかバツの悪い顔をして目を逸らした。 どうしたのかしら? と思っていると、タバサがボソリと呟く。 「わたしたちが、その襲撃者」 どういうこと? と思ったところで、ガサリと音がして少し離れた茂みからアプトムとルイズが出てきた。 「あんたら、今頃になって……。なんでさっさと出てこないのよ!」 怒声を上げるモンモラシーに、二人は顔を見合わせ、だってねえと視線だけで会話する。 かつて、月明かりの下でフードを被った盗賊フーケの正体を看破したアプトムである。当然、今回も二人組がキュルケとタバサだとすぐに 気づいたが、モンモラシーがそうであったように、ルイズたちもキュルケたちが襲撃者だとは思わなかった。 そこで、二人は出て行くべきかどうかを相談したのだが、結論は否であった。 いつ、襲撃者が現れるのか分からないのだ。キュルケたちの方はワルキューレを見れば、すぐにギーシュだと気づくだろうし、ギーシュが 勝てるとも思えないので大事にはならないだろうと考えた。 だからと二人は襲撃者に備えていたのだ。 だけど、キュルケたちが本当に襲撃者だと分かれば隠れていても仕方がない。だから、出てきたのだが。そう説明されてもモンモラシーと しては納得しがたい。 分かっていたのならさっさと教えてくれていれば無駄な争いはしなくて済んだのだから。実際に戦ったのはギーシュ一人だという話はさて おき。 ついでに、アプトムを嫌っているキュルケは、彼の登場によりあからさまに不機嫌な顔をする。 かくして、ギスギスした空気の中、次はキュルケたちが事情を話すのであった。 「ま、簡単に説明すると、事情があって水の精霊を退治しなくちゃいけなくなったのよ」 「事情って?」 「そ、その、タバサのご実家に頼まれたのよ。ほら、水の精霊のせいで水かさがあがってるじゃない? おかげでタバサの実家の領地が被害 にあってるらしいの。それであたしたちが退治を頼まれたってわけ」
なぜ慌てたように返してくるのかは分からなかったが、実際に水位が上がり水没した村を眼にしたモンモラシーにとって、それは理解でき る説明であった。 だが、納得するわけにはいかない。惚れ薬の解除薬を作る材料を必要としている彼女は、水の精霊を退治されてしまうわけにはいかないし、 そもそも水の精霊はトリステイン王家と盟約を結んでいるのだ。あずかり知らぬところでというのならともかく、元とはいえ交渉役をつとめ た家の者である自分は、それを許すわけにはいかないのだ。 かといって、どうすればいいのかなど彼女には分からない。隣で、「なんだ。襲撃者だったんなら、あのままやっつけちゃってもよかった んじゃないか」などと馬鹿が空気を読まないことを言っているが一発殴って聞き流しておく。 「とりあえず、キュルケたちは水の精霊が水かさを上げるのをやめてくれればいいのよね?」 確認するように言ったルイズの言葉に、キュルケはタバサと顔を見合わせ、それからコクリと頷いて見せる。 「で、わたしたちは、キュルケたちが水の精霊に襲撃をかけるのをやめてもらえばいいと」 納得したように頷き、考え込むルイズに一同の視線が集中するが、彼女は気にせずに考えをまとめる。 「なら、水かさを増やしている理由を聞いて、困ってることでもあるなら、わたしたちで解決する約束をして水かさを増やすのをやめてもら うように頼んでしましょ」 「そんなに、うまくいくかしら?」 「それは、交渉役のモンモラシー次第ね」 「わたし?」 嫌そうな顔をするモンモラシーに「うん」とルイズは首を縦に振る。 水の精霊との交渉に、他に適役がないのだから、しょうがない。 「上手くいかなかったら……、タバサにはあきらめて貰うしかないわね」 トリステイン貴族として、水の精霊を退治しようなどというものを見過ごせないというルイズの言葉に、タバサは一瞬だけルイズを見て、 次にアプトムに視線を動かしてから俯いてしまう。 ここにいる者では、本人以外にはキュルケぐらいしか知らないことだが、彼女には諦めるという選択を取ってはいけない理由がある。 そう、たとえここにいるクラスメイトたちを倒してでもだ。 だが、ここにはアプトムがいる。はっきり言って、自分ではこのバケモノには敵わないと彼女は理解している。 どうすればいい? 自問し思考が袋小路に陥りかけたとき、彼女の頭に優しく手が置かれた。 「大丈夫よ要は交渉が上手くいけばいいんだから」 アプトムの正体を知らず、タバサの悩みを理解していないキュルケの、楽観的なだけの言葉。だけど、それに救われたタバサは、心の中で 親友に感謝して、小さく頷くのだった。
「クロムウェルが蘇らせた死人たちが、トリステインに女王様を誘拐しに行ったらしいよ」 眠りから覚めてすぐの言葉に、ワルドは最初困惑し少し考えてから、ああ、その話かと得心する。 「それが、どうしたというのだ?」 ごく当たり前の疑問であるはずのそれに、相手、土くれのフーケは、これ見よがしにため息を吐いて見せる。 「本気で言ってるのかい? こういうのは、本来あんたの役目だろ?」 「言われるまでもない。だが、今の体調では役目を果たせん」 無念だと、ある程度は回復したが動かすだけで苦痛を感じる体を省みて自嘲する。 だけど、そんなワルドに、そうじゃないだろうとフーケは芝居がかった様子で大仰に肩をすくめて見せる。 「トリステインに裏切り者だって知られて、スパイもできなくなった今のあんたは、腕の立つ兵士だって価値しかないんだよ。ここで、あん たより死人共の方が役に立つって証明されてしまったら、レコン・キスタにあんたの居場所は完全になくなるって理解してるのかい?」 その言葉にワルドは愕然とする。 言われてみれば、その通りだ。死人の方が役に立つと証明されたところで、自分が放逐されるとは思わない。だが、これまでのようにクロ ムウェルの傍に控え、作戦行動において高い権限を与えられることはもうなくなる可能性が高い。 それなのに、何をやっているのだ自分は。 自身への怒りに、全身に走る苦痛を無視して上体を起こすワルドの姿にフーケは満足そうに笑みを浮かべる。 彼女としては、ワルドがレコン・キスタでどのように扱われようと興味がない。今の彼女の望みは、さっさとこの組織と縁を切って妹の所 に帰ることである。 その障害になるのはワルドの存在。ならば、彼をレコン・キスタにいられなくしてしまえばいい。 だから彼女はワルドの思考を誘導する。レコン・キスタを裏切るように、敵対する方向に。 「言っとくけど、今更アンリエッタ誘拐は自分に任せてくれなんて言っても、聞いちゃくれないよ」 それ以前に、クロムウェルが会ってくれるかどうかも怪しいけどね。と言われてワルドは唇を噛む。 その通りだ、死人共はもう出発したのだ。そうでなくても、自分のような任務に失敗してばかりで、いまは寝てるしかできない怪我人にな どクロムウェルが会ってくれるはずもない。 ならばどうすればいい? 自問するワルドにフーケは囁きかける。死人共が任務に失敗すればいいのだと。そして、代わりに自分たちがアンリエッタを浚ってくれば いいのだと。 フーケの言う、それが何を意味するのか分からないワルドではない。 だけど、精神的に追い詰められ後がないと思い込まされたワルドは、それしかないと信じてしまうのだった。
支援
投下終了です。 では、また明日。
おつもつ
ふと思ったが、タバサはアプトムの力借りてジョゼフ暗殺しようとは思わないんだろうか?
おつです、他に投下予定の人が居なければ 第三話を20:10頃に投下します
884 :
借りてきた猫 :2009/09/21(月) 20:05:16 ID:L0tGO28r
おっと、名前が消えてました
日露の人もアプトムの人も乙 なんか日露の人のはふつうの人が使い魔やってる分他と違う感じで好きだ にしてもアプトムはフルブラストでゼロ魔世界では敵なしなんだよな ガイバー恐るべし
886 :
借りてきた猫 :2009/09/21(月) 20:08:51 ID:L0tGO28r
ルイズは落ち込んでいた・・・・・・ 召喚が成功して、契約は出来なかったけど、 自分を守ってくれる存在が出来て・・・・・・ けど、その存在の前で醜態を晒してしまった・・・・・・ クロちゃんも離れてしまう・・・・・・ そう考えると涙が出てきた・・・・・・ 「ルイズおねえさん・・・片付けをしないと終わらないよ?」 でも、この子は離れなかった・・・・・・ 「ねぇ・・・・・・あなたは、クロちゃんはわたしから離れないの?」 「なんで?ルイズおねえさんは嫌いじゃないのに離れなきゃいけないの?」 「だって、わたしはクロちゃんを連れてる資格なんでないのよ・・・・・・」 「資格?ボクを連れる資格って何?」 「だってクロちゃんは強いんでしょ?弱いわたしじゃ資格ないじゃない」 「あのね、ルイズおねえさん・・・・・・マスターから言うなって言われてたけどね ボク・・・・・・元々はLv2の未熟なケットシーって言う存在なんだ・・・・・・」 「元々がLv2・・・・・・?それに未熟って・・・・・・?」 「ボク等は経験を重ねて強くなっていくんだだから元々が低くても強くなれる それで未熟ってのはボクが本来のサイズより小さいから付けられたんだ マスターがまだ他の仲魔を連れてなかった時にボクはマスターと出会って、 マスターはまだ駆け出しの支援魔だった、 それこそ回復魔法もまともに唱えられないくらいの時にね・・・・・・」 「仲魔?支援魔?回復魔法って事はマスターって人は水系統の人なの?」 「ん〜、系統とかはわからないけど、 仲魔ってのはボクみたいな存在で契約者を補佐する役割を持ってるの んで、支援魔ってのは他の人を支援する事に特化した魔法使いの事だよ、 まだ支援魔がみんなに知られる前だったからマスターは誰にも相手にされず 連れてるのが小さなボクだったからみんなから馬鹿にされ続けた・・・・・・」 この子のマスターはわたしと同じ境遇だったんだ・・・ みんなに相手にされず、みんなに馬鹿にされた・・・・・・ 「でもね、マスターは決して諦めなかった、 いつも自分のやってる事が間違ってないって信じてて 弱いボクでもみんなに馬鹿にされない存在にするって言ってて たった一人でも辛い道程だって解ってても諦めなかった」 わたしは・・・・・・同じ事が出来るかな? 自分が間違ってないって、たった1人だけだったとしても 挫けないで出来るかな? 「いつだったかマスターの境遇を改善する出来事が起きて、 ボク以外にも色々な仲魔を連れる様になったけど・・・・・・ マスターはボクを決して見捨てなかった・・・・・・ それどころかいつもマスターの考えにはボクが中心だったんだ・・・・・・ こんな弱くてちっちゃくて、 周りには他にも強くて馬鹿にされない仲魔が居るのに、 マスターはボクを決して見捨てなかったんだ・・・・・・」 クロちゃんのマスターは強いなぁ・・・・・・Lvがってよりも心が・・・・・・ 「そんなマスターに連れられてたボクが、 ルイズおねえさんがボクを嫌いにならなければボクが離れる理由は、 何処にも無いんだよ?」 わたしは泣いた・・・・・・ 寂しさからでは無く・・・・・・ 嬉しくて泣いた・・・・・・ この子を嫌いなんてどうして出来るだろう・・・・・・ この子はこんなにも強く・・・・・・ そして・・・・・・ 何よりも優しい・・・・・・
887 :
借りてきた猫 :2009/09/21(月) 20:10:03 ID:L0tGO28r
ようやく教室の片付けが終わって 時間がもう昼食だったのでクロちゃんと食堂に行く 「ふ〜・・・・・・疲れた〜」 わたしは疲れてたから自分の分はいつもよりもちょっと少なめと クロちゃんの分を頼む 「・・・・・・おい、それでギーシュは誰と付き合って・・・・・・」 そんな色恋沙汰な会話もBGMの1つ・・・・・・ 貴族として静かに優雅に食事を・・・・・・ させてはくれなかった・・・・・・ 「あら、ルイズ?ちょっと目が赤いわよ?」 ・・・・・・どーしてこいつはそういう所に気が付くかな・・・・・・ キュルケがわたしが来たのに気がついて同じテーブルに来る 「うるさいわね〜、わたしは元からこういう目だわよ!」 ふと見るとキュルケ以外にあと1名居た・・・・・・え〜と・・・・・・ 「この子はタバサよ、ルイズ」 タバサねぇ・・・・・・物好きも居たものねぇ・・・・・・キュルケに付き合うなんて・・・・・・ 「・・・・・・」 器用にスプーンでミルクを飲むクロちゃんを見るタバサ・・・・・・ 「え〜と・・・・・・」 クロちゃんも困惑してる・・・・・・ 「ねぇ・・・・・・タバサ?とか言ったわよね?クロちゃんに何か用?」 「・・・・・・お持ち帰りしたい・・・(ボソッ」 「はぃ?」 この子を連れる様になって驚く事がいっぱいだ・・・・・・ キュルケまで驚いてるし・・・・・・ 「ちょっとタバサ!あなたまで欲しがるなんて!?」 マテコラ!お前も同類か!? 「え〜、あ〜・・・・・・!?・・・・・・ルイズおねえさん、ちょっと行ってくるね」 「えっ!?あっ!?ちょっと何処へ?」 いきなりで慌てるわたし、何処へ行くって? 視線を追うと・・・・・・ギーシュと・・・・・・ここで働いてるメイド? 「どうしてくれるんだ、君が気を利かせないから2人の女性が傷ついた・・・・・・」 「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい・・・・・・」 「いいかい?僕に小ビンを渡そうとしたとき、 僕は知らない振りをしただろう? 話を合わせるくらいの機転を効かせても良いんじゃないか? そんなことも出来ないとは、これだから平民という奴は…」 「そこまでに責める事も無いんじゃない?おにいさん」 「誰だ!?」 振り返るが誰もいない・・・・・・ 「下だよ」 下を見ると猫?喋っているから誰かの使い魔だろうが・・・・・・ 「なんだ?猫が口出す事ではないぞ?これは人間同士の問題だ、 使い魔なら使い魔らしく主人の元に行ってろ」 「人間同士だろうとおにいさんのやってる事は女性にする態度と行動じゃないよ」 「ほう・・・・・・言ってくれるじゃないか・・・・・・これは躾が必要なようだね・・・・・・」 「能力も高くないのによく威張れるね?威張るなら相応の努力してたの?」 「いいだろう・・・・・・ここで血を流すのは美しくない・・・・・・ ヴェストリの広場まで来たまえ!」
888 :
借りてきた猫 :2009/09/21(月) 20:10:52 ID:L0tGO28r
そう言って去っていくギーシュ・・・・・・ 代わりにクロちゃんに近寄るルイズ 「ちょっとクロちゃん、どうしてあんな事をしたの!」 「率直に言えばボクの逆鱗に触れたって所かな・・・・・・」 「へっ?」 クロちゃんが怒る?何故?どうして? 「どうしてああいう人が人に成れてボクが人間に成れなかったのかな・・・(ボソリ」 「あ、あのミス・ヴァリエールの使い魔なのでしょうか?」 「あ、あなたは?」 「あ、わたしはここで働かせて頂いていますメイドのシエスタです」 「シエスタ・・・・・・ね、一応クロちゃんはわたしの使い魔扱いだけど・・・・・・」 「じゃあ止めてください!わたしのせいとは言え 貴族様の使い魔を死なせたとあっては!?」 「そうよ!クロちゃん!やめな「ルイズおねえさん広場って何所?」ちょっと行く気なの?」 「一度はルイズおねえさんには実力を見せなきゃって思ってたし、 ボクだって修羅場は何度も潜ってるんだよ・・・・・・ 何よりも慢心した人は許せないんだ・・・・・・」 この子こんなに頑固だったんだ・・・・・・それに今朝のは別に怒って無かったんだ・・・・・・ 「ふ〜・・・・・・解ったわよ、その代わりクロちゃん1つ約束して・・・・・・」 「なに?」 「必ず生き残って・・・・・・」 「わかった」 「あのミス・ヴァリエール?」 「シエスタ・・・・・・この子ね、こんな姿だけど・・・・・・とっても頼りになるのよ? だからね、あなたもこの子の無事を信じてて」 「はい・・・・・・」 それでもシエスタもルイズも心配だった・・・・・・相手は平民ではなくメイジなのだ・・・ それでもルイズは自分を裏切らなかったクロちゃんを信じた ルイズ達がヴェストリの広場に着くと 広場には既にギーシュとギャラリーが待っていた・・・・・・ 「諸君、これからあの生意気な使い魔くんに躾をしようと思う、 ひょっとしたら当たり所が悪くて死んでしまうかもしれんがそれは事故だ、 まぁ、万が一生き残ったら治療費くらいは出してやるよ!」 殺る気満々のギーシュが白々しいくらいに芝居掛かった口頭を告げる・・・・・・ 「よく逃げなかったね使い魔くん・・・・・・その勇気は褒めよう だが、態度がいけないなぁ・・・・・・何、噛まれでもしてバイ菌でも入ったら 大変だ、だから躾はこの『ワルキューレ』でさせてもらうよ!」 そう言って現れる1体の女性型の青銅人形・・・・・・ 「僕の二つ名は青銅だ、歯向かった事を後悔しながらその名を刻みたまえ!」 言い終わると即ワルキューレがクロちゃんに襲いかかる! が、クロちゃんの手に持った剣でガードする 「ふ、その剣を持っていたのは見栄では無かったか・・・・・・だがいつまで続くかな?」 ワルキューレの攻撃は止まらずクロちゃんは防戦一方・・・・・・に見えていた・・・・・・ 「あの子強い・・・・・・」 「強いとは思うけど防戦一方じゃない」 「違う・・・・・・あの子まだ攻勢に出てないだけ」 「そうなの?」 「そう・・・・・・」 キュルケとタバサもクロちゃんが心配で見ていた 「ねぇ・・・・・・ルイズおねえさん・・・・・・これ壊しても良いんだよね?」 「え?ええ、壊しても大丈夫よ」 その答えを聞いたクロちゃんは・・・・・・ ワルキューレを5メイルくらいぶっ飛ばした・・・・・・
889 :
借りてきた猫 :2009/09/21(月) 20:14:39 ID:L0tGO28r
とりあえず、これで第3話終了です 中途半端に切られてますが、意図的に切ってます んで、今更ですがこのクロちゃんは 普通にフィールドで会えるケットシーです
乙おつです。
次スレ頼む 立てようとしたらホストエラー出た orz
たてます
アプトムで前から気になっていた事が有るんだけど、一番最初に苗床にされてしまった 斥候型ゾアノイドの人ってまさか平賀才人って名前じゃないよね?
スレ立てして893getとは、たまげたなあ
秋山の人乙です。 なんか普通だ(褒め言葉)あとコッパゲスゲーw アプトムの人乙です。 何故だろう。ギーシュ活躍してるのにキモいw 猫の人乙です。 ぬこ可愛いよぬこ
でも、コッパゲは本気だすと、日露時代のレベルを軽く超える発明品しちゃうのが……。 ロケットとか、ロケットとか、ロケットとか。
ロ、ロジャー・クレメンス!?
ふと魔法や異世界を軽く信じる普通の日本人だけど天才なキャラを思い出した 勝 改蔵だ
それをするとハルケギニアが巨大な精神病院になるんだが。むしろ箱庭療法か
そこで大道寺きら様ですよ。 アルカナキャラ意外に無いね。
>>899 なんかもの凄くどす黒いタバサが見えたw
>>901 ルイズを張り倒しそう。
ギャグだから死なないけどな!
乙! ギーシュのギャップが激しすぐるw
>>900 聖地の向こうは退院ですね。わかります。
ふと思ったがKOFのK9999を召喚したら呼び名ってどうなるんだろうな? 1:そのまんま 2:ルイズが適当に名づける 3:鉄雄
俺、二つ前のパソコンで「でこどりる」で変換できるように辞書登録してたわw
わろたw
デコドリルでモンモンを思い浮かべた
>>908 は、やはりギーシュなんだろうか
>「でこどりる」 む? 今地の底から眠れるメイガスの剣を呼べと言ったか? 奴らは死んだと見せてなんかまだ復活しそうな気もするが、あの状況的に
>894 あの世界のサイトってことか…ありえそうだから困るwww
デコドリルっつったらVPのジェラードかなぁ。
北斗の拳の世界ならモヒカンやっててもおかしかないし ターミネーターの世界ならロボット相手に戦ってるかもな サイト
916 :
借りてきた猫 :2009/09/21(月) 22:41:58 ID:L0tGO28r
え〜と、まことに勝手なのですが、 どなたかわたしの作品をWikiにまとめて貰えませんか? 題名は「借りてきた猫」 元ネタは「MMORPG『女神転生IMAGINE』」 召喚されたキャラは「未熟なケットシー」 です 本当に勝手だとは思いますがお願いします
>>915 「サイトはあの世界の出身でした」か
既に似たようなことは何人かやってたな
ただ完全にそれだけでやるなら別スレか
>>916 Wikiにやり方書いてあるんだし、自分でまとめなよ。
逆にサイトがそれぞれの世界で死んでしまったりしたから別の人が呼ばれていたりして モヒカンサイト→北斗真拳で死亡 一兵士としてのサイト→殉職
ユニコーンガンダムが魔法学院上空から落下して来ました
ブルーデスティニーが落ちてきました。 ニュータイプではなくメイジに反応して暴走します。
王蟲の子供を召喚。 最終的に聖地の扉からやってきた王蟲の大群を鎮めて、そのもの蒼き衣をきてなんとかかんとか
闘将ラーメンマンを召喚。 シューマイの代わりにルイズがラーメンマンのお供となって、修行の旅にでます。
ボルガ博士を召喚
>>916 あんた雑談スレでも編集の仕方分からないって書いて、wikiにやり方書いてあるって言われてたろ
自分でできない、やり方覚えるつもりもないなら大人しくやってくれる人現れるの待ってろよ
>>927 ちょうどコントラクトサーヴァント時に爆発
↓
「ルイズが使い魔を爆殺したァ!!」
ってなる。
南斗爆殺拳のルイズだなw
アニメ版だと飛ばされたアイスニードルを爆破させたりするんだけどな
南斗シェルター拳並に強そうだぜ
>>916 は、こいつだったのか?
667 名前:借りてきた猫 投稿日: 2009/09/20(日) 03:32:40 ID:R7/LdEC.
投下したは良いけどWikiの編集の仕方がわからない〜(@ω@)
ちなみに一話の投下終了が
>>661 で、2009/09/20(日) 03:01:14
その後にされたレスが
>>664 と
>>667 でそれぞれ03:09:27と04:16:47
漫画版とアニメ版じゃ強さに違いがあるってことが結構あるよね。 アニメ版ブリーチのノイトラフルボッコには泣いた。 お前コミックスじゃそんなやられてなかったろうが…。
ワルドよ、光になれぇぇぇ!
アニメ版じゃないけど映画のレイはウイグル監長を瞬殺してるらしいな 漫画版じゃ門番兄弟相手に苦戦して、ケンシロウに下がってろとまで言われてるのに
>>937 ああ、漫画でケンシロウがやった役回りをレイがそのまま引き継いでるから、ちょっとヘンになってる
獄長が鞭二刀流で「見切れまい!」と粋がってたら結ばれちゃった、をそのままやってるから、
「水鳥拳で最初から斬っちまえよ、嬲ってんのか性格悪いなぁ」ということにw
>>897 ロケット兵器ぐらい薩英戦争でも使われてるんだが
>>938 鞭で二刀流だと!?け、けしからん!
そんなマニアックなプレイを見逃してはおけんッ!
>941 鞭で二刀流がご所望なら、横山光輝の『暗殺道場』か『闇の土鬼』をどうぞ。 どっちも敵キャラな上、同じようなやられ方だがな。 (暗殺道場が闇の土鬼のプロトタイプに当たる)
鞭で二刀流なんていうとツインテールの天敵位しか思い浮かばない
>>943 妖夢は普通に使い魔やってくれそうだ。
召喚時に紫経由かなにかでゆゆ様の口添えがあるなら、ね。
「たかだか百年くらいならちょっとしたホームステイみたいなものねぇ」ぐらいの認識だと。
>>946 普通にデルフが空気になるなw
勇儀姐さんもいいかも?…誰も勝てねぇがなw
勇儀姐さん、つーか地霊殿キャラは人間に迫害されたか人間を見限った妖怪ばっかだから、 おとなしく使い魔にはなりそうにはないな。だからこそどうなるかが楽しみではある。 こまっちゃんなら契約した上でサボりそうだがw
友好的な妖怪は人間食べないんだっけ それでも脅かすかなにかして妖怪として主張する必要があったはずだけど そこらへんどう扱うんだろう?
友好でも敵対でも人間は食わないよ
喰えるけど別段喰う必要がないってニュアンスだったと 求聞史紀の妖怪の頁にそんな感じのこと書いてたよ。
>>944 横山御大で双鞭といえば呼延灼(字あってるかな?)を無視するとはいい度胸だw
あの人は鞭は鞭でも鉄鞭だったような?
500ならいい加減続き書く。 止まって久しいからなあ。自分。
冨樫ならこんな所でSS書いてないでハンタ描いてくれw
ジャイアントロボでの不死身ぶりは凄かったな
>>957 無双シリーズで太史慈が持ってる武器って言ったほうが判りやすいかも
500kbならゼロの使い魔実写化
ベン・スティラー:サイト オーウェン・ウィルソン:ギーシュ ジャック・ブラック;マリコルヌ ランス・アームストロング:本人