型月×リリカルなのはクロススレ33

ここは、『ＴＹＰＥ−ＭＯＯＮ関連作品』と『リリカルなのはシリーズ関連作品』の、
キャラクター同士の交流等を想像したり、ＳＳを書いたりするスレです。


【前スレ】
　型月×リリカルなのはクロススレ32
　http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1247325155/

【まとめ】
型月×リリカルなのはクロスまとめwiki
http://www9.atwiki.jp/tmnanoha/pages/1.html


　規制時の連絡・代理投下依頼etc.はこちらに

　　型月×リリカルなのはクロススレ緊急避難所
　　http://www2.atchs.jp/test/read.cgi/tmnanoha/2/

　外部のサイトで掲載されている作品についてはこちらで

　　型月×リリなのSSについて語るスレ
　　http://www2.atchs.jp/test/read.cgi/tmnanoha/4/


【注意】
　・作品を投下される方はトリップの着用をお願いします。
　　（名前・タイトルの最後に『#■■■■』。■は任意の文字列）
　・キャラの強弱、戦う両者の戦闘内容等の議論は荒れる原因にもなるので自重しましょう。
　・次スレは>>980が、反応が無い場合は>>990が立てること。重複を避けるため、必ず宣言をお願いします。

現行テンプレは>>1のみ。

【個人的補則事項】
・基本だけど、sage進行推奨。
・型月用語、リリカル用語共に、知らないものや不明瞭なものについては質問した方がいいかも
・過去二回、上記避難所にて運営議論あり。議論スレを独立させるべき？
・嫁にするならはやてちゃん。異論は認める

その雄姿、我が>>1乙に相応しい




嫁にするなら極道娘が間違いなし

一乙

>>3
ご飯が・・・

嫁は知らんけど、なのはさんやアーチャーみたいな人なら一生付いていってもいい

ランサーの兄貴になら心臓を貫かれていい
なのはさんのＡＣＳドライバーはさすがに勘弁

>>4
極道娘≠虎

>>1乙
さっちんはシオンの旦那でリーズの嫁。

さつき「シオン、はやてさんゴメンなさい。リメイクが私を待ってるの！」

>>8
騙して悪いが型月なんでな
8年待ってもらおう

４「幻と気付かないでずぅ〜っと追いかけるなんて、
　　かわいそうなおバカさん♪」

>10
魔王様「ディバィィィィィィィン、バスタァァァァァァ！！」

「で、でもここは冥王星。ここまで来られる人間なんて...」



「ホギャアアァアアアァ！！！！」

Type-Pluto「……うるさいなぁ、他所でやってよ。どうせ仲間外れになったんだから」

ちょww
お前でばってくんじゃねぇww

型月キャラがヴォルケンのバリアジャケット考えたらどんなのになるだろ？
シグナム＝セイバーはガチだと思うが

士郎だと案外、藤村組の強面軍団を連想
グラサン黒スーツなヴォルケン参上ってなったりして
シャマルが似合わないのが問題か…

>>15
・ギル様作、王気溢れるヘソ出し装備
・晶ちゃんによる他作品のコスp…オマージュ
・カソック、もしくははいてない
・赤い

なるべく強そうなやつの服ということで考えた結果、腰ミノに

アイリッシュ装備一択でしょうjk
個人的には荒耶による坊主装備とかアサシン考案のSAMURAI装備が気になる
ヴィータに袈裟は似合いそうだ（舎○は剃って尼さん）

おいおいキャス子さんのファッションに対する情熱を忘れたのかい。

先生＋胴着＋ブルマ＋1の救済コスで決まりだろうそこは

まてまて、騎士なんだからそこを考慮して――――

ビキニ鎧か。

ああ、過去のヴォルケンリッターに感情が無かったって言われてたのはそういう……

もちろん全裸という変態もいたに違いない
いや、正確には透明な鎧という

…そんな要求をしそうなのは型月では有彦とか遠野の分家さんあたりだな

「あの……主。もっと露出の少ない装備はないのでしょうか」
「それじゃ凌辱が無いでしょ！」

歴代の主の中に一人か二人くらい、現代日本で言うところの『萌え』または『燃え』を理解しているツワモノは居なかったのだろうか。

おそらくバリアジャケットはなしで、拳法家がはくようなズボンに、タンクトップだな
どこぞの達人もこういっている
変なものを着てるから勘がが鈍くなり、空気の流れや気配も肌で感じれれなくなる
あれはマッスルスーツだったが

むしろ、普段から羞恥心を鍛える恰好にすることで、殺気に敏感になるんちゃう？
全身これかんの――感覚器としてやね、ずばあああんと

なるほど、フェイトのBJは理にかなっていたのか

いかん、メイド服×3＋腰みの（はいてない）×1という幻想が…

>>27
居なかったからスレてた訳で

>>32
いや待て
もしかしたら「不遇の扱いを受けて屈辱に耐える美少女萌え」だったのかもしれない

>>33
約一名、空気がいるな　こういう場合は番犬扱いされてるんだろうか

CANAAN

あー、急にザフィーラに完全形態パイルバンカーをくくり付けたくなってきよった！
転生カッコ悪いー

くっ、静まれ！俺の指先！！

歴代の主の中に猫型マスコットがいたんじゃないだろうか

>>37
？？？？？「ヤフオクで猫缶20個で落札したボロッちい本から何か三人と一匹が出てきたニャ。最近の付録はとても充実してて出版社のお財布が心配です。ニボシ一匹分ぐらい」

シグナム：セイバーのフルプレート、ただし赤色
シャマル：キャス子の法衣、ただしサニーグリーン
ザフィーラ：ランサー（五次・四次どちらでも)のレザーアーマー
ヴィータ：武流魔

>>39
四回見直すまで、

ヴィータ：ランサー（五次・四次どちらでも)のレザーアーマー
ザフィーラ：武流魔

だと思ってた。

なのは格ゲーは２ＤがよかったなーとメルブラAAをやりながら思う。
時代だからって何でも３Ｄにするのはイカンと思うのです。

>>41そういう文句は実際にやってから言おう

３Ｄの問題は暗黒空間のなかが再現されているかだ
もっとも、フェイトそんには関係ないか

ゲームで弾幕張ってるなのはを想像した。
どうみてもラスボスです。本当に(ry

東方情魔砲 〜 Overage Cannon Girl.

三次元移動だと、ソニックフォームが某フリーダムみたいなことにならないかな？
フェイトに追いつけるのはフェイトだけ！ってかんじの
格ゲー仕様で演出付きの必殺技攻撃になるかもしれないけれど・・・

ミニゲームはコマンド入力のシャマルハンド、本格派ゲートボールをきボン

ミニゲームはコミック版A'sの魔法訓練とか？
もしくは、仲間のCPUとの連携とか・・・難易度高いか

なのは&ユーノタッグと対戦とか死ねる。
アクセルシューターや誘導弾、時々くるディバィンバスターをかわしつつ接近した所にユーノバインド。

コンビとしては最強クラスだよな、なのは&ユーノタッグ。
つか、ユーノって攻撃手段乏しいだけで、かなりの魔導師だよな。

むしろ攻撃に割り振るリソースを他に回したからこそ、
攻撃以外が成長したのかもな

まぁマジレスするとなのユーコンビよりなのフェイコンビの方が強いと思うが。
なのはと並んで戦うのは自分では力不足とユーノはたしか自覚してたはず。
もちろん弱いとはいわんけど。

ならば、こちらもタッグにすればいいじゃない！
はやてさん（車椅子）の人間弾幕をご覧みさらせ

うお、リロードし忘れたorz
僕も老いたよケリィ……

バインドだけならクロノの方が上だろうけどな

なのはさんは、前衛キャラなら基本誰とでも相性が良い
砲戦主体の高ランク魔導士は登場人物の中でも珍しいし、個人戦もいけるから前衛の負担も少ない

クロスだとセイバー、ランサーとのコンビは面白いよなぁ

殲滅力でみるならギル＆はやてが強そうだけど・・・格ゲーじゃ真価を発揮できんな
無理に突っ込めば宝具の雨にやられ
そこを耐えても時間かけちゃうと広域魔法でアボン


まぁゲームの中でもなけりゃギル様が共闘なんてするはずもないだろうが

エンキドゥ以外の奴と一緒に戦いたくはないんだろうな。
それはそうとピラミッドナイトでのリーズさんが素敵すぎるんだが。

ギル様が互角と認めたエルキドゥ、この二人のコンビでなお強敵だってフンババとか天の牡牛ってどんな怪物なのやら…。
ヴィジュアルなり能力なりが解ったら、リリカル世界でも出せるんだが。

>>57
そんな化け物放したら大変じゃないか

でも天の牡牛が群れでいたら恐怖だな
ムーの如く

Ａ＋宝具の直撃くらっても突進してくるような生命力なんじゃね？
まー、英雄王がチキン戦法とれば一人でなんとでもなったろうけど、都市とかはつぶれされてたかも
そういえば、白天王とか虫なのに単体生命なのかな？

地雷はともかく白天は虫の範疇を超えているような・・・・
そういえばマキリさんちのゾーケンさんも蟲だな・・・・

フンババは森の守護者だから、自然保護とかやってるキャロとエリオが遭遇とかできんかなーと。
守護者的に管理局も敵と判断。
守護者的に戦って二人とも行方知れず。
実は守護者的な力で二人とも死なずに封印というか閉じ込められているだけなんだけど。
それを知ったフェイトさんは仲間たちの協力を得て、管理局の制止を振り切って…という具合に。

別にフンババとか、型月世界にいるのかどうかすら解らない怪物を出す必要はないんだけど。

森ねぇ？


殺人貴「リインちゃん、俺はね、変態（しんし）なんだ」
リイン「…………」
殺人貴「だから、きゃわゆいキミに、この種（アルクの食べ残し）をあげよう」

リイン「―――というわけで、夏季休暇の自由研究に植物をそだててみましたー！」
はやて「リインはかしこいなぁ」
ザフィーラ「…………どうなっても知らんぞ主」

ふと。

【アインナッシュの実】＝【賢者の石】＝【レリック】＝原料は大量の血液

という電波が

>【アインナッシュの実】＝【賢者の石】
この発想は無かった

じゃあオシリスはアインナッシュが出るたびに森に入らなくちゃ
なんて危険な山菜拾いだ！

夏休みスペシャル『ジャングルに賢者の石を探せ！！』

隊長：オシリス
隊員（解説）：ユーノ
エキストラ：ザフィーラ、ネロ・カオス、アルフ、白純里緒、ランサーほか

なんかWiki掲示板からスレが消えてるみたいだけど、俺だけ？

こっちは見れる

>>66
余程のことがないかぎり大丈夫な面子だな

>>69
うん、フェレットと狼二匹が新種でない限り危険はない。

煙草をくわえた黒いフェレット（CV:中田譲治）を幻視した

ネコフェレット・カオス

ネコフェレットって時点でもうカオス

♂♀どっちなのかすら不明だなあ

っていうか普通にスーツユーノを二等身にして
猫耳生やして黒くして煙草くわえて十七分割させれば…
アレ？普通にかわいい？

17分割されてかわいいってどんなｗ

>>71を読んで真っ先にイメージできたのが某オコジョを黒くしたものだったのは内緒

>>76
よう、俺。一番初めに某魔法先生の奴を思い出すよな。

サーヴァント＝ヴィヴィオを幼女状態で聖杯戦争に出してみたい
聖王の鎧を加味した、“学習・成長する”ことを宝具とするサーヴァントとして

カレイドステッキと超融合した、カレイド・ヴィヴィオですね。分かります。

聖王の鎧的にサーヴァントの技術よりも
言峰を参考にしたほうがよさそうだ

最初はガチで幼女、戦闘不能の運ゲーだったらおもしろそう
ヘラクレスやランサーあたりは後回しにしてくれる、か……？
スキルをコピーしてくと、それだけでとんでもなく死にづらくなってくなこりゃ

キャスターが召喚ですよ。
で、水晶から他の参加者の戦闘を見せて育てていったら……上半身裸で腰布のみ、
その豪腕（筋力的な意味）で蛇を使い、アーチャーのような皮肉を言うとｗ

いやいや、士郎が召喚する王道でいこうぜ
ランサーが迷ってるうちにアーチャー到着で

どっかのカメンライダーのようにカメンライドゥ！とモードチェンジとかでも。
ランサーモードとかバーサーカーモード、最後は七つの役職全部でギルに挑むとか。

使用すると魔力を使いきって消滅するとか制限つけてゆりかごを宝具化
衛星軌道上に現れフュージョンして地上への精密狙撃
もしくは固有結界扱いで周囲をゆりかご内部に取り込みAMFやガジェット使用とか

ゆりかご使うならライダーで呼ばないといけなくなるな。

聖王の鎧は消費魔力については触れられてなかったよね？
それで規制かけられないかね、ヴィヴィオ自体の魔力量もそんなに多くないし。

最大魔力量が成長依存で、魔力量一定以上でリリック、鎧、ゆりかご解禁でどうだ？
ゆりかごはちょっと限界以上かもしれない
鎧は制限なしか、ゴッドハンドみたいな純度ではなく威力基準に（呪いとかシラネ）

路地裏同盟が今回のドラマＣＤで陽の下を歩けるようになりました。
これで出番が増えるといいなぁ。

なんか犯罪者だったみたいな言い方だな

>>89
その理論でいくと、琥珀さんはどんどん陽の下を歩けなくなっているな。
メカヒスイ達に世界の敵扱いされたりしてるし。

日の下？
よもや、太陽を克服したのか、さっちんが！？

>>91
琥珀特製のお薬の力です。お値段はリーズのお給料１週間分。それとリーズのバイトはバイオリン関係っぽい。バイオリンスクールの先生？

ふと、確かアリサとすずかもバイオリンを習っていたよなー、と思い出した。

バイオリンを使ったまったく新しい戦闘法を学ぶとかｗ
音を収束して放ち、粉砕しますとか、発した音を物にぶつけソナーのように探知したり、
固有振動数を読み取り、次の攻撃時に共振する音を発して破壊するとかｗｗｗ
ヴァイオリンの弓を高速振動させて高周波ソードとかも。

バイオリンを使った戦いというと勇者ハーメルを思い出す

え？型月的にはバイオリンで撲殺じゃねえの？

>>93
＞固有振動数
なんだそのサイコヴォイスでディスクXな弦と同じ素材は破壊できない使い方はw

>>92
つまりリーズが海鳴に仕事でいき事件に巻き込まれて、そこに路地裏同盟と御神流、ヴォルケンリッターとの三つ巴の戦いになるのですね。解ります。

>>94
すずかのマリオネットで操られるアリサとか想像しちゃったじゃないか

どこぞの殺人鬼みたく、音による精神支配、物理攻撃、楽器での物理攻撃を駆使して戦うのですね、分かります。

>>99
つまりあれか「月村を始めるのも、悪くない」とか言っちゃうのか。

>>100
家族命というわけか
あれ？じゃあ敵になったらとんでもない恐怖に

バイオリンは知らないが、ギター付きステアーＡＵＧを掻き鳴らす吸血鬼なら知ってるぞ

バイオリンといえば、バルトメロイもかまえてたような
貴族のたしなみ？

Asが空戦格闘ゲームになるってまじですか？
ちゃんとみんな出れるかな、『気配遮断のハサンVS画面外のユーノ』みたいにならなきゃいいけれども
リンディが出たら買うかも

バイオリン弾きといえば火炎竜も避けて通る辺境の勇者なんてのもいたなぁ

ここ数レス見ててハーメルンとかドラまたしか思いつかん
レパートリー少ないなぁ(´；ω；`)ｳｯ…

>>103
画面外はむしろなのはだろ　射程的な意味で
ユーノは足元でちょろちょろしてそうだ

ガチで殺しあう式とシグナムが見てえ
両方素手で

式とシグナムの両目潰さないとあかんだろ、それ
それで初めて対等な殴り合いになる

式を縛ってコクトーの前でスプーンで目を抉り出してぇ・・・・

>>107
正直、引く。

>>107
きめぇ。死ね。

>>107
だいたい両目潰したって死の線は見えるっての

>>110
問題はそこじゃないだろ

死の線が胸の奥に見えたのに強大な乳ぢからに阻まれて素手では貫通もとい姦通できずに困っている式
敵対していると思っていた女が今にも私の胸を揉みしだこうとしている状況になんとなくイヤらしくなってしまうシグナム
そんな二人のエロエロでぷるんぷるんな展開をですね（ry

>>111
中身が織だったら…また色々と妄想が変わってくるが…。


なのはさんと織が知り合いだったif。
しかし成長したなのはさんがであった時、織はすでに失われていた――

だからどうしたというネタだが、なんとなく。

式自体にスペックと幹也に惚れていること以外に特徴がないキャラだから

猫なめんな！

あきらかに特徴あるだろ
黒幕も殺せない優しさと意外なまでの誠実さを持つ殺人嗜好の完璧主義ダルデレとかどんだけー

ま、あったとしてもすべては幹也に向けられてるものだから
クロスにしても発展性が基本的にない

間違いを認めない人かｗ
しかもクロススレで言うようなこてじゃないし

>>114
特殊な部類の萌えだがなw

なのはとのクロスだと、月姫よかFateとかに比べて、らっきょはちと難しいからなあ。
難しいというのとも違うか。なんか地味だ。派手さがたりないから、なのはとのクロスはバトルを中心と考えるとやりにくい感じ。
日常メインのほのぼの話しなら違って来るんだろうけど。

>>117
戦闘はともかく都会の闇に潜む怪奇現象に挑む少女たちという見方をすれば双方同じだからそっち方面では無茶と言うほどではないかもしれないな

怪人連中は型月の中でも特化型だからな
一番バランスがとれているのが白純という
たしかに、殴り愛って感じではない
特殊地形なら高ランク魔導士を苦戦させてもおかしくない変態さはあるけど、そこまでする需要がねえ

だから魔法少女サムライリョウギになればいいのに

>>117
端的にらっきょの能力者どもはスーパー系だからなぁ
一撃のすごさって意味ではドイツもコイツもめちゃくちゃだから…

きれた
なんつーか、なのは勢は一撃でも食らえばアウト、な連中ばっかりで。
逆に、ひょいひょいかわされちゃうと今度は見せ場がないわけで

ムツカシイ

ふじのんvsなのはさん　とかは絵になるかもしれん。
絵にはなるとは思う。
しかし――

ひどく無惨な戦いになりそうだw

映画で式が藤乃の凝視をかわしてるの見ると
「凶れ」は発動するまで若干のタイムラグがあるのかも

なら昔みたいに見られた瞬間、リリカル絞り雑巾にされますって事にはならないんじゃ？
むしろ腕や足を潰されても我慢できるほどの精神力がリリカル勢にあれば十分、戦いは描ける

>>124
原作時点でタイムラグはあったよ。
歪曲は、視界に入っているものを藤乃が凶れと念じた時点で藤乃から歪曲の力場が発生し、
それが相手に届くことで曲がる。
その力場は普通の人間には観測できないけど、式は魔眼で観測して、直死で切り払った。

物語の都合を考えなければ、胴体か首を捻って一撃死か、
アクセルシューターでもくらって一撃。
当てたもん勝ちになるから、『戦い』としては描きづらい。
防御無視超攻撃力・身体能力一般人以下と、高火力高防御高機動だからなぁ。基本。

初めの一撃が胴や首ならご臨終だが、ふじのん初めは遊ぶからね

なのは側に「管理局のものです」云々と警告してたら腕か足を捻じ切られて
何とか正気を保って高速で退避→仕切り直し
苦しいがこれで双方サドンデスにならずに何とか話にはなる

まぁ、アレだ
「スーパー系のめちゃくちゃな攻撃力を回避するリアル系（でももらえば一撃撃墜）」
って、文章にすると全然詰まんないんだよね、一方的になりすぎて。

スーパー系同士の戦いって「相手の攻撃を受けきって、更に反撃も相手が受けきる」みたいな
昭和プロレスみたいな「相手の技を魅せる戦い」が基本だし

スーパー系側の避けられる苛立ちに合わせて、リアル系側の被弾出来ない緊張感を描写出来れば……
難しいか……

非殺傷時の魔力ダメージって、『痛い』んだろうか？
ダウン寸前なのに痛みで変なスイッチが入るふじのんが浮かんだんだが

なのはってここではリアル系なのか？

ストフリ＝リアル系っていうくらい無理があるな
逆に藤乃はスーパー系にするには装甲が紙だ

>>129
単純に型月魔法がピーキーな上に威力が単純な物理破壊ってレベルじゃない攻撃だったりするから、
物理破壊、物理防御が主体のなのは勢が相対的にリアル系扱いになるだけかと

直死の魔眼の攻撃を受けて「ＢＪがなければ即死だった」みたいななのはって、
なんか考えにくいしｗ

俺の主観だが、一律に防御能力を高めるBJがある分なのはの方が重装甲という気がするんだが
それになのは本編もよけまくるんじゃなくて攻撃を体で受け止めているって方が結構あったぞ
むしろよけまくるのは型月のような気がするんだが

型月系はＧガン勢みたく、低装甲高火力な感じかねえ。
リリカル勢を高機動・高装甲と分類すると……オーラバトラー？

>>132
でも
「視界に届く範囲中に目に見えない力場を発生させて相手をへし折ります」
「視界の範囲内の対象から熱を奪い去ります。発動までほぼ一瞬です」
「対象を物理的にではなく、『壊れる』という因果を与えて破壊します」
「対象の『死』という概念を視覚化し、それを攻撃します。非生体だって殺せます」

こういう攻撃をしてくる奴らに対して、
なのは勢って基本ビーム攻撃って「射撃物理攻撃」しか持ってないんだよね…
上記みたいな物理的概念を超えた攻撃を「シールドしました！」「バリアで防いだ！」とか
なんか、ちょっと都合よすぎる気がするわけよ

スーパー系は高威力、高出力ではあっても一撃死の概念はない
一発の反撃も許さず相手を沈める型月チート勢は殴り合いになりようがなく
スーパー系からは最も縁遠い

>>134
型月にリリカルを蹂躙させたいんだったらバリアもシールドも無意味、となるんだろうけどな
上手な力関係をつける職人さんが出たらいいんだろうけど

なんか型月の魔術師・超能力者達を過大評価してる人が多い気がする・・・。
超能力はその一点のみ絶大な効果を発揮するけど、基本的にただの人間だから、一般局員の魔法が一発当たっただけでもうダウンなんだぜ？

VS鯖とかが話題に出るのは、型月の人間勢じゃリリカル魔法使いに手も足も出ないからなワケで。

>>136
バリアもシールドも無意味です
しかしアクセルシューター一発で落ちます

って感じだぜ？
蹂躙にはならんだろ。

まあ、どっちが強いか、なんて結論はつかんし、ここまでにするか

手も足も出ないって書くのはどうかと…

秋葉やふじのんとかいるし
結局作者しだいだろ

作品を作る上でのバランス調整的な議論ならともかく○○じゃ××には絶対勝てない、△△は確実に格下
とか言い始めるとこのスレの経験上、荒れ始める前兆。

デスノの月を指してスーパー系というのは無理がある
スーパー系というのはもっと単純に高火力で押し切るものだと思うし

キャラ個別にガンダムで例えると
なのは:νガンダム
セイバー:シャイニングガンダム
闇の書の防衛プログラム:デビルガンダム

>>137
まあ、待て
実力で勝敗を決めるなんて物語らしくもない
悪者・異形の不意打ちや罠による英雄の苦戦ってのも王道だぜ？
らっきょや月姫ならサスペンス系にもできる

見た目の年齢、シャマル先生じゃアルクェイドに勝てないかな？
あれ？こんな時間にだ―――

ガンダムが分からない俺はどうすれば…

>>142
なのははＷかＸ
セイバーは００じゃね？

>>145
ゲッターやジャイアントロボならわかるかな

どちらかが強いというより、相性の問題だよな
真っ向勝負ばかりじゃつまらないしな

相性……

・言峰父娘に弄り倒されるフェイト
・お化けがダメでリィン�Uが苦手な琥珀
・ハイテンション過ぎる日守秋星についていけない常識人ティアナ

人物だけじゃなくて地形や環境の相性もあるからね
SSのなかで、それをめぐる攻防ってのも書ければ……

真っ向勝負・・・
駄目だ、その場面が思い浮かばない

ギルを倒せるシチュばかり考えてる
火力勝負ではなくて奇策を用いた勝利みたいなやつを

でもギルは俺の妄想の中ですら本気を出せないんだよなぁ


FORCEのなのはさんには、ギルの全力全開を凌げるような能力を期待してる

>>152
それはもう……人間じゃない

>>152
ギルガメッシュの全力って一瞬で都市を瓦礫に変えてしまうぞ
王様の蔵にはクリーンバージョンの例のアレがあるんだぞ

>>152
おれも征服王との戦いを考えて、王の軍勢が有る限りタイマンをさせにくいことに気がついた

奇策や工夫で挑むなら27祖のほうがいい気も

昨日は、ID:CbV4TDurやID:sCp4JwlWに濃厚な型月厨臭を感じたなぁ
アニサロ時代の無駄に殺伐とした流れを思い出した

ところでなんでこのスレ型月勢にリリカル勢が挑むシチュばっかりなんだ？
たまには逆も見てみたい

弱者が強者に挑むことはあっても強者が弱者に挑むことはない

征服王と「王の軍勢」を敵に回した場合、ヘルシングで拘束術式零号を開放したアーカードと戦うイスカリオテのようになる、としか想像できない。

>>157-158
つまり、
『リリカル側上位に型月側並〜下位が挑む』
形になるか

……シグナムに竹刀で伸される士郎を幻視した

その軍勢の中に飛行出来る奴が何人いるかによるな
跳べるじゃなくて飛べる事
飛行戦車持ってるイスカ以外ほぼ陸戦タイプなら
大半が空戦魔導士の爆撃でリタイヤじゃない？

野戦でなく魔導士側が拠点防衛する側だったらまた話は違ってくるけれど

軍勢は展開時にある程度配置を決めれるからなあ
飛ばせてくれるかが問題

飛べずとも対空能力があればいいんでしょ？
時代的に竜種をはじめ飛んでるやつもいたんだろうし、一方的にやられることはないでしょう

>>157
型月勢がリリカルに挑むってことはまず次元を超えなければいけないからじゃない？
無印後、海鳴を注視していてA's時に介入ってパターンもあるだろうけど
協会や教会が出張ってくる理由付けが難しいんじゃないかな
それよりも巻き込まれ形の方がはるかに楽だし

リリカル勢は強敵に立ち向かってナンボじゃないか。熱血ストーリー的に考えて

TUEEE!!してるなのはさんより、ボロボロになっても諦めずに何度も立ち上がって最終的に勝利するなのはさんが見たい
不屈の精神が輝いてこそのかっこよさだと思うんだぜ

何と言うか、最大限強く描きたいというよりも、最大限かっこよく描きたいというか

>>163
あれだ、型月勢ってアウトローな連中が多いのに対しリリカル勢は殆んどが治安組織なわけだから、型月能力の奇抜さもあって治安組織がアウトローを捕まえようとする方が作りやすい。

あとは型月勢は出会ったら殺ろーぜ、と好戦的な連中が多いのと群れるのが嫌いなのにも一役買ってる。

リリカルの三脳の後ろにキャスターが潜んでいる、なんて事になったら面白いかもしれない。
メディアとレジアスと相性、なんとなく良さそうな気もしますし。

ゼルレッチは管理局員
宝石剣はロストロギア的存在のデバイス
というのが浮かんだ

ゼルレッチ「じつはワシの正体はユーノ」

シグナムって純粋な剣の腕は高いのか？
魔法と組み合わせることが前提の剣術が物凄い強くて、
魔法を抜いた場合だと割りと普通の達人レベルな気もするが。

>>169
そこは各々の解釈次第だと思うけど、魔導師に魔法を使わなければ弱いんじゃね云々っていうのは
すごく不毛な気がする。

なのはさんあたりは魔法使えなかったらガチで一般人レベルだろうけど。

>>164
そっちの方が好みというのは同意だが
三期の芸風には合わないな

何せＳランクの大砲を体で弾き返してピンピンしてんだもの
ボロボロになりようがない
StSでなのはに一番ダメージ与えたのが自己ブーストによる後遺症って時点でおして知るべし

鯖、魔導師の関係は
鯖＞魔導師　鯖＝魔導師　鯖＜魔導師でも
作者の好きなように
公式見解はない

>>171
いや、シリーズ通してそこまで抜きん出てるわけじゃない。
隊長陣でもみんな互角だし。

１期のフェイトもあの時点ではなのはさんより格上だし、２期のヴィータやリインも決着は付いてない。
３期の聖王ヴィヴィオも聖王の鎧+魔力無限配給+魔法ラーニングで魔法使った先からパクられると大概にチート。
それに対してヴィータの駆動炉破壊と敵の司令塔であるクアットロ探索待ちという背水の陣で挑んでたわけで。

……まぁ苦戦の描き方が下手っていうならなのは厨の俺でも、ちと擁護できんけど。

対フェイトはプロレスの如く相手の攻撃受けきった後に大技返しで終了だし、対ヴィータは武器の性能差を埋めたら
普通に押してるし、対ヴィヴィオも設定上は強い聖王相手に背水の陣っぽさがちっとも描けてなかったし。
リインくらいか？あからさまに苦戦してるのって。

>>172
ま、それが正解だな

>>171
＞何せＳランクの大砲を体で弾き返してピンピンしてんだもの

腰簑ひとつで筋骨隆々ななのはさんが脳裏をよぎった

設定や背景ではそうだと分かるが
実際に描写がないと想像の余地がない
おとなのはに関しては地を這った場面がないから実際にやられる所も書きにくい
セイバーなんて逆に厨性能の最強設定なのに
何かとボロ雑巾にされてるから比較的動かしやすい

>>173への返信です

ランサーはなのはと逆だな
見えないところでフォローされまくってる

>>170
そういう意味じゃないんだ。
上の方で士郎を竹刀でしばくシグナムってあったので、
そういえば、魔法無しでの場合はどんな感じなんだ？と思って。
ガチ戦闘で魔法を考慮しないで見るというのはそりゃ間違いだよね。
魔法有るから強いんだもの。

リリカルのキャラクターが「魔法無しで一般人と試合させたらどうなるか」という所ですかね？
シグナムやフェイトは生身でもかなり動けそうですけど、魔法が使えないので決め手にかける……という感じかな。
型月だと魔術ではなく、体術として『対城レベル』なんてカテゴリもあるらしいですが。

そんな感じで。
士郎が相手だとアーチャーの剣をトレースして、既に大分ものにしている場合だと、
下手をするとシグナムは部が悪いかななんて思ったんですよ。
英霊が言う二流ってなんかそれでもとんでもない位置にありそうですし。

>>178
大英雄クラスを戦闘面では引き立て役にまわしてたからな
まあここまで後出しでフォローされてるってのも珍しいくもあるけど

>>180
身体強化は使用可能か？

シグナムが魔法抜きで強いかって話はセイバーにも言えなくないか？
まぁ腕は確かだろうし、竹刀ならたいして気にもしないが
長剣を自在に振り回してる背景には魔力放出なんかが関係してると思うんだ
でなけりゃ10代の少女があんなブンブン振り回せないだろう

>>184
そりゃ素の腕力は士郎以下って言われてるしね。
生前の時点で鯖状態以上の魔力を常に使ってるのがデフォの状態だったわけだし。
ただ、剣の腕自体は(小次郎みたいな化け物じゃないにしろ)剣による戦争が当たり前の時代に数千数万を斬り殺して鍛え上げられたものだから、結構半端ないっぽい。
現実では鬼才とか言われるレベルの藤ねえが、次元違いって感じてるし。

>>184
セイバーの打撃力は、
（女子の筋力）×（莫大な魔力帯電強化）＝筋力B〜A
に魔力放出（〜A）と風王結界（E以下？）が加算されたものっぽいよ

いくら魔法抜きでも士郎とシグナムじゃ士郎に分が悪い気がする
地力の経験差もあるし

シグナムも道場でたまに、外部の人間なのに師範代みたいなことをやらせてもらってたんだよな
純粋な剣道術でも段位相当は確実と思う

シグナムとセイバーに剣道やらせたら間違いなく引き分けになるだろうけどな
勝負がつく前に竹刀を木っ端微塵に砕くだろうから

アチャー「こんなこともあろうかと――――虎竹刀オーバァァァエッジ！！」

>>187
経験さはどうしようもないですが、いい勝負になりそうな気がしません？
魔法を使わないで素で打ち合うということなら、アチャ流二刀の士郎も強いかなと。
技術は模倣でカバーできてますし。

模倣って魔術の類ではなかったっけ？

劣化アチャ剣技で果たしてどこまでやれるかだが

アチャ剣技には獲物失っても再投影
むしろ、わざと失って再投影とかありそうだけどな
彼の剣技は魔術なしだとどこまで通用するのか


超個人的な妄想だけど、二刀＋筋力なんかの身体能力差ってのを考えると
アーチャーとセイバーっていい勝負できるんじゃないか？魔術、魔力使用抜きなら
セイバーが長剣を自在に扱えるとしてもパワーもスピードも本編の比じゃなくなるしな

>>194
アチャが守りのみならな

そもぞも士郎が藤ねぇと勝負してどれぐらいいけるのか？
もちろん魔術なしで

>>196
ボッコボコにされる (公式設定)

剣道で戦えば藤ねえが勝つ

魔術無し：才能と経験が圧倒的に勝る藤ねぇの勝利。

魔術有り：固有結界・タイガー道場で魔術の使用できない空間を作られる。
ちなみに藤ねぇはタイガー道場内でティーガー戦車くらいなら倒せる強さを持っている。

>>199
タイガー道場に引き込まれたらポンチ絵化してタイガの制裁を受けるか、無理矢理花札勝負になるんじゃないの？

藤ねえは真剣に強いからなあ。
単純に剣術の腕前なら式と互角だっけ？
まあ、恐らく音速サムライモードを別勘定にしているんだろうけど。
両儀式とかシエルは鯖に防衛戦ならなんとか、というので一致しているけど、
多分、型月世界では、人間の技量の限度がそこらってことなんだろうな。
そういう風に俺は解釈している。

いずれクロスなんだから、そこらは曖昧でも別にいいと思うが。


書いてる人間がうまく演出すればいい。
読んでる人間が納得いかなかったらあれこれ言われるという、それだけの話だから。

イリヤや凛の技術で宝石剣を参考にしてレイジングハートを改造
魔力の流動・転移を操り、ＳＬＢを抜き打ちで無限回転させるなのはさんの爆誕（リリカル式に使用魔力は空間に残存するものとする）
これなら継続火力でギルの頭を抑えられ続けるんじゃね？

それでSSがおもしろいならいいと思う

個人的にVS本気ギルのシナリオは

・本気ギル蹂躙タイム。
・アルカンシェル発動準備。
・ギルのハイパースカウター発動、アルカンシェルを察知。撤退or発射前にどうにかしようとする。
・みんなの力を合わせてギルを一定時間押さえ込む
・キサマらァァッ！！ って感じに超絶戦闘タイム。
・・・・をやってる間にアルカンシェル発動準備完了
・トリプリブレイカーっぽい感じでギルと力比べ なんとかギルを弾き飛ばす
・アルカンシェル炸裂。おのれぇぇえええ！！ みたいな感じでギル消滅

fin

みたいな。

そしてBGMはBRAVE PHOENIXですね

はたしてトリプルブレイカーでどうにかなるか・・・とか思ったけど

BRAVE PHOENIXがかかって負けはねー！！

流石にアルカンシェルはないな。絵的に
ギルが闇の書防衛プログラムみたいな巨大な化け物になれるってんなら話は別だが

ギルは、大人数で立ち向かう相手としては（体の大きさが）小さすぎるのがネック
よって、タッグを組んだ2対1で考えるのがベターではないかと思う

宝具で巨大化すればいいじゃない

まききゅーＸ

だと

フルボコにされた後
アルカンシェルでひぎぃっ！なＧ秋葉を想像した

>>210
陵辱か・・・gokuri・・・

そうして、例のＧ秋葉ナイトメアが現れたわけか

アルカンシェル耐えきれるのはORTくらいだろう
リインと互角くらいじゃねギルは

慢心ギルならいい勝負かも

ギルとリインが互角だと、9歳なのはさんでもギルとそこそこやりあえることに

ギルはもうなんかアホみたいなチート存在でいいよ
で、そいつをどうにかこうにかぶっとばしたい


俺の中でギルは倒され役にしかなれないけど、なのぎるは良かった
書いた人は凄いと思う

単純にその作品のラスボスと、クロス先の主人公が同格、って言う設定にする
ＳＳ作家の半分以上はオナニー野郎だと思ってる

ぶっちゃけ、相手の作品の強力無比なラスボスなら、別作品のキャラにとっても
強力無比なラスボスであるべきだろう

慢心+愛の力でギルは倒して欲しいな

まぁラスボスは基本的に最強だからな
でも最終的に死闘の果てで主人公達に負けるのもまたラスボス

>>215
それはない。なのはは結局リインに少しもダメージを通せていない
差は大きい
リイン、慢心王はいい勝負だろう

よし、問題児のエアを失くそう

>>219
大体、どっちも持っている武器が異常だしなぁ…

まあ、基本的にラスボスってのは
「相対する相手を完膚なきまでに叩きのめす」のが仕事の存在で
主人公ってのは基本的に
「相対する相手になすすべなく翻弄されながらも、あきらめることなく立ち向かう」
のが仕事なわけよ

ぶっちゃけ、主人公は負けて負けて負けて、でも、あきらめない、っていう
「負けるのが仕事」って立場にある

とは言うものの、昨今の商業作品とか見てると、
「主人公は作中で最強だが、普段はその力が使えないor眠ってる」っていう
安易な万能性が当たり前になりつつあるんだけどね

>>219
ACSでリインが結界を維持できなくなるだけのダメージは与えてることに注目

それに全く勝負になってなかったわけではない
時間稼ぎの防衛戦くらいにはなってた

ラスボスは精神的に負ける＞実力が発揮できず負けるってのが古今の王道かねぇ
スレイヤーズからの必然的に負ける要素を内包したラスボスってのも散見するな
そういや、ＵＢＷのギルに空いた穴を利用したＳＳって見ないな

>>224
昔はラスボスと殴り合っている内に主人公が新たな力に目覚めたり新必殺技を編み出すとかの方が多かっただろ

なのはでもスペック的に足止めくらいはできるんじゃね
油断すればギルが負けるのはいつでもどのキャラでも確定的だけどさ

ラスボスは愛と勇気と友情が起こした奇跡で倒すものだと思っている。

逆に言えば奇跡が起きなければ勝てないぐらいの存在であってほしい。

ギル持ち上げすぎはきもいよトロいヘタレだろ
ラスボスとしての威厳も恐怖も皆無

さて、あえて言うが、
スルー力検定はっじまっるよー！

>>226
スカウターがあるから素で強い人は警戒されちゃうと思うぜ・・・

でも、足止めに成功したら成功したで

「ほう、この我を止めるか」

と、エヌマって来そうだからなぁ、あの金ぴか…
ぶっちゃけ、バビロン（not鼻毛）で相手をしてやってるのは
「バビロンで仕留めようと思えば仕留められるレベル」の相手だけだろうし

>>「主人公は作中で最強だが、普段はその力が使えないor眠ってる」っていう
安易な万能性が当たり前になりつつあるんだけどね

なんというギルガメッシュw

もうエヌマがあればアヴァロンでもない限り誰にも勝てないでいいよ

Fateのラスボス的存在はギルでFA？　コトミーとか黒桜よりもギルの方がそれっぽいよね
月姫だと春夫君改めロア？　意外と秋葉とか出てこない　メルブラはまぁおいといて
らっきょはそもそもゲームじゃないし続編ないし議論の余地はなかろう

なのはだとプレシア、闇の書、ヴィヴィオがそれぞれラスボスになるのかな
でもヴィヴィオって操られてただけだし、立場的にはスカ博士？　黒幕は管理局のモロだしなエロイ人

熱かったのは闇の書戦だけど、どうやって勝つんだこれと思ったのはギル戦だったな
熱い戦いと圧倒的不利からの逆転てのは必ずしも一致しないものなのか

なんというかチートじゃないギルはギルじゃねぇってイメージもあるしな。
『丁度良い悪役』っているんだろうか

>>232
それでいいと思うぞ

闇の書の闇の無限再生を止めきれる奴は型月世界主人公にはいない
ギルがメッシュのエヌマを防ぎきれるなのは世界主人公はいない

これが正しい姿じゃね？

どちらの世界のラスボスにだって、「主人公」は負けるしかない
勝つのはほんのちょっとの幸運と奇跡と、仲間の力があってはじめて、だろう

余裕ぶっこいてたらバインド食らって、目の前でSLBが徐々に収束していく様を見せ付けられるギルが見たい

「お、おのれ〜」



たまにはこんなやつを

野暮なツッコミは無しで

>>233
コンセプト的なラスボスはコトミー。
ボーイミーツガール的にはギル。

月姫：ロア
Fate：ギル
らっきょ：荒耶

がラスボスな感じかねぇ
約一名物語中盤で殺されてたけど、やっぱりアイツがラスボスだろう

>>233
黒桜は一人でラスボスとお姫様を兼用している便利な娘だな

>>236
ふと思ったんだ。
バインドされても、宝具の使用は可能なんじゃないかって。

黒桜はなあ
実際に全身蒸発させて殺したらなんかやばそうな感じもする
イリヤを門として黒化サーヴァントや影があふれてきそう

ＭＢＡＡでのロアの扱い見るとほんとにラスボスか怪しいのが残念。
教授とかワラキアの方がそれっぽいっていう。

だって一番強いのがヒロインなんだもん・・・

なのはって上で言われてる倒れて倒れて、な古き良き時代の主人公に当てはまるのかねぇ
最近の流行りはもっぱら主人公兼ラスボス･･･らしいし
古き良き時代の熱血主人公なんて流行らないんじゃ


そもそも叩きのめされてナンボが全盛だったころって男主人公がほとんどだろ
今は女が主人公のやつも増えたし、無闇に切り刻むわけにもいかないって事情もあるんじゃないか？

>>243
別に肉体的に倒されなくてもいいんじゃないか
「お前の信念はおかしい」
「お前のあり方では何もなせない」
「おまえという存在は間違っている」
という、自らの立脚点をずたぼろにされて、そこから立ち上がる、って言う
精神的ノックダウンからの立ち上がり、もいいと思う


ダイ冒をいまさら読み直してみて、そう思った

それだと明らかにコトミーがその役だな
精神的なものとは別に戦闘も欲しいところだが・・・

在り方とか信念とかをねちっこく説教的に指摘してくる作風って最近な気がするけど

昔はあいつは敵で悪だから戦うっていう単純なものだったと思う

同族嫌悪的にアーチャーにやらせても面白い気がする
深度と根元が違えど方向性は似てるし、士郎となのは

突然だがギルガメッシュがかつての闇の書の主という設定を思いついた

いやぁ、普通に認めるんじゃない？
士郎・アチャがアレなのは、『そもそも自身から生まれた望みではない"正義の味方"』だからだし。
素でみんなの為に何かしようとする人に同属嫌悪はしないでしょ。
本当の意味の同属って、本人以外いないしな。あいつらの精神性的に。

・・・あ、コトミーが居たか。方向性は逆だけど。

>>244
不屈とは決して折れぬということではない！　折れて尚立ち上がる者のことをいうのだ！
って、宇宙時代の超電磁空手家が言ってたYO。

>>215
なのぎるに関しては…中編でのなのはさんとの会話は、もちっと説教色を削りたかったです。
機会があれば修正したいです。
「自分には昔これこれこーこーという知り合いがいてなんたら」
というのはクロス系にありがちな論法なので、なるべく使いたくなかったのだけど、どうしても…。

あと私が凄いんじゃない。
ギルさまが凄いんです。
シリアスなラスボスからヘタレ脇役から全てこなせるギルさまは、最高なのです。
あとなのはさんは割と色んな組み合わせができると思います。シリアスからギャグから百合から色々と。
さすがは、エース・オブ・エース。

その二人の組み合わせならば、みんな色々と書けるよ！
みんな挑戦してみよう！

各作品の年少組だけ集めた短編とか見てみたいな
イリヤや子ギルやレンとなのは(小)たちの掛け合いを想像すると楽しい

>>243
切り刻むったって男主人公もせいぜいけが程度であって手がちぎれ飛ぶとか肉が刻まれるとかってのは例外的だろ
回復魔法だってあるんだしある程度はけがさせてもいいと思うぞ

つーか、みんな俺ルール押し付けすぎ
なのはさんや士郎がラスボス化するのがあってもいいし、リインやギル達が序盤敗退するストーリーがあってもいい

必要なのはその条件で面白いストーリーがかけるかどうかだけだ


個人的にはツンデレ闇の書の主・ギルガメッシュvsなのフェイ士郎セイバー（その他諸々）のガチバトルを実況夜天の主・解説あかいあくま・置物ナマモノで見てみたいのぜ？

ギルは序盤撤退のかませ犬としても優秀だと言うことが原作で証明されているしな

圧倒的に勝てば「さすが王様」「ギルじゃあ仕方ないな」「英雄王マジパネェっす」

うっかりやられても「まあ王様だし」「ギルじゃあ仕方ないな」「慢心せずして何が王か」

こんな美味しいキャラ、他には思い付かん

あのギル様の親友をやれたエルキドゥ。
初対面で戦って互いを認め合い親友となったと言うのだから、もしかすると「昨日の敵は今日の友」の原典かもしれない。
……なのはとフェイトの馴れ初めを聞いて「我と友の過去を模倣するつもりかフェイカー！」と空気を読まない突撃を？

リインもアルクもプレシアも荒耶も味方で勝ってる姿が想像できるのに
ギルはなんらかしらの理由で負けてる姿しか想像できない

ギルは原作者連中に愛されてるからな
作中描写で他キャラを圧倒してるのに、実際は本気の本気でも理論最大よりずっと下
これが作者の妄想を書きたてるのか？
ただ、道端でこけた拍子に穴が開いて動けなくなりえるのもギル

>>256
比較に出されたらこき下ろすかもしれないが、実際は認めるとおも
ヤツは小学生的な意味でツンデレだし

>>258
ギルが本気出さないおかげで本気出せばどんなやつでも一発、余裕で勝利なんていうことになる
クロス考えるときまでそれじゃまずいとは思うんだけどな

リリカルキャラなら転送とかあるし、準備してれば勝率を出せると思う
そもそも、型月キャラはギルの眼力と知識で手の内をすぐバラされてしまうのが搦め手封じになってるのだしね
相手の想定外を出すことが勝利につながるのは当たり前だし、その面でクロスの優位もあるはず

>>259
その本気を出す人間が中々いないのがネックなんだよ。ジルの海魔やランスロットみたいにただ強ければいいってわけじゃない。
奴が本気、というかエアを抜くのは格を認めた相手だけだからただ戦闘が強いからエアを抜く、だと何か違う気がする。

>>260
なんかどうやったらリリカル勢を優位に立たせられるか、と考えが逸れてないか？

ラスボスはどんな策や小細工をしようが、それを無意味にしてしまう程のバランスブレイカーでもいいんじゃないか？
絶望的な状況でも諦めないで立ち上がるからこそ勝利という希望に繋げられるんだと思う。策や小細工の様にちょっと工夫したら勝てました、というのはラスボスだと盛り上がらない。

最も、これは俺の意見で、どんな作品を書くかは作家次第だけどな。

たしかに、作戦通りで勝てましたってのはラスボスじゃねないよね
さらには、最強がラスボス張る必要もないし、決戦が最後の敵の必要もない
世界とか平和ではなく誇りだけをかけて殴り合う姿も見たいもんだ

突然だが、
大人なのはさんと士郎の最大の違いは、自分が死んで悲しむ人のことを考慮するようになったことだと思う
娘のいる帰るべき場所ができたのも大きい

大人なのはさんに一番近いのは桜ルートの士郎かな

そろそろギル厨ウザい

ギルが最強なのは公式設定だろ
リィン厨って言葉が出ないのに、ギル厨という言葉が出るのは何故だ

まあギル最強ってのもあくまでfate内の話だしな
リインはそもそもそんな話題になってないし

>>264
なのはさんには桜ルートの桜や藤ねぇみたいにある意味絶対な人がいない気がする。
他人を優先して守りたいものほど優先から外れていくイメージ。とっさの事なら分からないけど。

自分勝手なイメージなんで押し付けるつもりは無いんだ。
ただ自分の意見を言っておきたかった、それだけ。

なんというか、なのはさんはできることとできないことをキッパリ分けられるようになったと思う
できないことをするのは（周りの皆のために）止めた
つまり、歳のせいで自分の限界がわかるようになっ、ガ――――――!!!!????

ギルなら仕方ないとかないからなー
武器に頼ってばかりで本人が強いって印象全くないし
パワーアップした慎二にしか見えない

それじゃ釣れないだろ
慎二のくだりがなかったら良かったと思う

いつも不思議に思ってたけどなんで、ギルガメッシュを擁護しようとする人は上から目線なんだろう

ギルが弱いと思われちゃうのは仕方ないんだよ
セイバールート以外での負け方が情けないから
確かに宝具を除外したら強いの？っていわれたら疑問ではあるし

>>271
お前のが釣りだって、信者乙

>>273
宝具なしのギルが強いわけがないでしょうにｗ
ギルの財力はキャラクターの一側面。財力のないギルなんてギルじゃねえｗ
転生・無限再生機能のない闇の書とか、魔術の使えない衛宮士郎とか、
砲撃魔法使えないなのはとか、脱がないフェイトそんとかと同じ部類だよ。

あれだ、要はマネーイズパワー

まぁ両作品とも絶対的な強さを体現してるキャラはいないかな
いるとすればなのは側はリインと怖い時のなのはさん
型月でいえばギルよりはバサカ、あとは…思いつかん

そういえばイリヤ、バサカに凛とセイバーを犯しなさいって命令してたよな
俺は個人的にキャロとヴィータ相手に見たい。凶悪性が際立つだろう

普通になのはやはやてがやられるのもいいけど。ヘラクレス様はんぱねっすてな
極太を見せてくれるだろう

逆にスカに実験動物扱いされて、ついでに子だねを仕込まれるシオンとか
も見てみたい

ギルガメッシュはゲートオブバビロンがなくたって強いよ
原作を読んでくれよ
私が読んだ原作はちくま学芸文庫の矢島文夫のやつ

腕力ならアーチャーより上ではある
泥を飲み干したのは本人の気力だし、眼力や人生で培ったものもある
ただ、Fateに原典をもってきすぎてもだめだ

バビロンの中身は某ファミコンソフトの塔で集めたらしいよ

>>279
集めたのはきのこや

なんのかんの言いつつギル話は盛り上がるな
財宝が際立ちすぎて本人の強さがイマイチわからんってのは確かにあるよなぁ

大英雄は確かにわかりやすい強さがあるんだけどギルに一方的にやられちゃったからなぁ
イリヤがいたからってフォローはされてたけどもやっぱ圧倒的過ぎた

バーサーカーにも平時は理性があるって設定だったらもっと活躍できたんだろうか
スバルがもっと簡単にぷっつんしちゃうノリで

>>276
プレシアが忘れ去られとる

そもそも本人からして「我はともかく我の財力をナメるなよ！？」なんて抜かすぐらいなんだから、財力抜きなんて考えても仕方ないわw

>>281

バーサーカー以外で呼ばれて理性有りヘラクレスだったら宝具の12の試練が無くなる可能性があるが、
原作よりギル以外の勝ち目が薄くなりかねないし、彼の伝説の中にに刃物を通さない毛皮とかも
あるからギルでもやばい可能性がある。
…まあ、正確は紳士になるが。

これ書いてて、昔どこかにあったライダーヘラクレスでの牛ネタを思い出してしまった。

バーサーカーってサーヴァントなら、狂化ランクはともかく、だれでもなれるんだよな？





狂戦士シャマル

>>284
>バーサーカー以外で呼ばれて理性有りヘラクレスだったら宝具の12の試練が無くなる可能性があるが
なくなるどころか、戦士としての技術も加わって、より堅牢な十二の試練になるそうだが

>285
ヘラクレスは呪いで理性を奪われたし、クー・フーリンは戦いの時にそれらしい逸話がある。
しかしランスロットはそういった逸話を持たない物の、理性を要らないと思っていたのでバーサーカーになったらしい。

少なくとも経験が有るか希望していないとならない、のかな？　プレシアさんはなんとなくなれそうな気がしますが。

理性がない魔導師が魔法使えるんだろうか
リリカルの魔法ってガチガチの理系技能だし

>>287
実はランスロットの伝承の中で主君の妻との駆け落ちに苦悩して、何度か狂乱した描写があった。そういう意味でもバーサーカーに適合したんだろう。

>>288
もはや肉体の条件反射レベルで刻まれているとか。武術も最初は型を頭で考えながら体を動かして、ついには体に覚え込ませるものだし。

>>288
細かい制御が必要な魔法は使えなくなるんじゃないか。ベルカ式の魔導師以外は恩恵少なそうだが。
レジアスがバサカになっても楽しいと思う。

そういえばプレシアさんってデバイス持ってないんですよね。
インテリジェントなら、例え理性が無くても自動的に適切な魔法を発動させてくれそうですが。

フェイトさんをしばいていた鞭なら、あるいは効果が

スバルがバーサーカー…
常に「ギンネーヲカエセー」としか叫びません

>>293
うたわれを思い出したよ

お久しぶりです
相当、日時が空いてしまったけど
短編の完結編を落としますがよろしいでしょうか？

おっしゃああああぁ!!
投下お願いします

□◆◎●▽▲☆★▽▲◇〒※▼ーーーー！！！！(支援だーーーー！！！！)

ではお借りします

今回も長いので二つに分けます
完結編エピローグはまた数日後という事で…

では短編「ラストバトル」投下します

―――――　？？？

＜１＞

諸兄諸々

日輪の如く輝く栄えある我らがG・C・Vグループに入社いただき有難う御座います


さて、当グループにて従事する事になる皆々様江

先ず初めに重々承知していただきたい事
それは貴方がたは馬車馬だという事です

我らがG・C・Vグループは
老若男女、学歴、資格等々で
貴方がたを選りすぐる事はありません

何故ならば我らG・C・Vの繁栄の前では俗世の鮮卑な営みなど有象無象の塵芥
一切の意味を追わないものとし
偉大なる祖国の尖兵となって労働に課す以外の機能を貴方がたに求める事は無いからです

各々は先ずは当事項を重々承知した上で
以下の項を完璧に頭に焼きつけて従事に勤しむ事とします

＊　返事はハイではない、サーイエッサと言えこのブタども


＜２＞

一つ、原則として最低限、この先生きのこれる能力を有するものとする

一つ、髪型・服装は各々自由であるが
　　　　四肢を機械化、人形師による非常識な武装を施されているものは事許可せず
　　　　
一つ、固有結界の使用は控えるべし

一つ、野良猫には猫缶を　野良犬には鉛弾を

一つ、吸血鬼のお客に血を吸われても２�gまでは我慢する事

一つ、代行者の一切の出入りを禁止する
　　　　
ｅｔｃｅｔｃ．　―――――

＜３＞

業務用語

・Re．ACT――小休止（10分弱）

・ACT．C――食事休憩（30分弱）

＊　時間は厳守　　少しでも超過した場合、挟む

・シエルが来たぞ〜！――不審者、トラブル対応　（場合によってはスクランブル）

ｅｔｃｅｔｃ．　――――― 　　

〜〜〜〜〜〜〜〜

Ｇ・Ｃ・Ｖグループ社員・派遣社員の皆様がたへオトクな情報

以下のサービスを受ける際、様々な特典が加味されます!!!
お問い合わせは各々支店のネコアルクまで


　個別指導に自身あり!!!　<猫会話のＭＡＴＡＴＡＢＩ>　TEL　０３〜〜〜


　真心込めて金貸します　<まねきネコ・ローン>　　　TEL　０７３〜〜


etcetc．　――――――


空-Ｓｉｄｅｓｔｏｒｙ　Ｂｏｙ＆ｇｉｒｌ　（１）　――――――

「……さあ、どうしようか」

地平線から橙色の日差しを受けながら彼
黒桐幹也は一人、「極秘事項・流出獄門」と書かれた怪文書をパタンと閉じて途方に暮れる
製作者の正気を疑うこのけったいなファイルはどうやら就業マニュアルらしい
研修でこのファイルを渡された時、まず志望者の半数以上が床に叩き付けてボイコットしたのは鮮明に覚えている

その受けた講習でいくつかの業務連絡を教わったが…
ファイルの最後――最重要項目の欄にそれがあった事を思い出す

「貸切」

オーナーは確かに第三釣場「貸切」と言った

それは緊急事態　「オーナーがカチになる」　の隠語であり
従業員は至急速やかに半径数百ｍにおける全ての動産、不動産の安全を確保するべし、と
赤字でデカデカと書かれていたのだ

いい加減、ボイコットされて当たり前の職場だと思う
結局残っているバイトは自分だけ
普段から比較的、無茶で理不尽な雇用主に振り回されていて耐性がついていたのかも知れないな…と青年は一人、思い黄昏る
そもそもこんな所に出稼ぎに来ている原因が、その雇い主の女史の給料使い込みによるもので
急遽、資金調達を余儀なくされたが故なのが世知辛い

已む無く就労する事となった今現場
今日でめでたく物資も潤い、退職だというその最後の最後で―――コレである
ロスタイムで相手に失点を許して決勝行きを逃がしたのは野球だったかサッカーだったか……
とにかくあれの気持ちを痛いほど実感する彼

青年はあくまで平凡な一般人だ
付き合っている人間のとばっちりで何かと非日常の世界を垣間見る事は多い
だが彼は超常的な能力も、才能も、不屈の精神も、コワれた理想も持ってはいない
怪異に襲われれば当たり前のように死ぬ
登場人物Ａ、Ｂ、Ｃと、個体能力においては何ら変わりがない身なのだ

当然死ぬのは恐いし、異常事態を前にすれば恐ろしくないわけがない

「じゃ、とっとと逃げればいいだろ」

「いや、そうもいかない
　いくら何でもここで全部放っぽり出すのは義理と人情に欠けるからね」

時計と辺りを見回し、現在の状況に頭を巡らす

―――時刻は４：５０前後………あと10分で閉館だ

出口付近は相当混雑している

「やれるとこまでやるさ
　逃げるのはそれから――」

あんなマニュアルを真面目に受け取るのも大いに疑問に残るが
さりとて　「きっと大丈夫」　「どうせ何もない」　と、警告を無視した結果
恐ろしい災害を未然に防げず悲しい結果に終わる例も、世には多々あるのだ

しかし、今非常放送なんてかけたら大混乱は必至だろう
狭い出入り口に大人も子供も男も女も関係なく雲霞の如く押し寄せ
どうやっても怪我人を出してしまう

（悩んでばかりもいられないか……ともあれ、動かなければ話にならないな）

マニュアルを片手に迅速に動こうとする青年

「………………ん？」

であったのだが――そこで首を捻る

（あれ？　今の声…？）

不意打ちのようにかけられた、彼にとって聞き違えようのない慣れ親しんだ声
だからか、自然に応答してしまったが……という事は――

「し、式っ！？」

「………」

今この場で聞ける筈のない声がそこにあるという事は――つまりはそういう事である
驚いて素っ頓狂な声を出して振り向くと、彼女――

白い着物に紅いジャンパーを羽織った少女が仏頂面で立っていたのだった


――――――

LAST　BATTLE　（１）　―――

「―――――、」

「……………」

多くの屍を築き
友の亡骸を乗り越えて
夕闇に照らされる二人の戦士の物語は今、終章を迎えようとしている

暁の戦場に立つ
雄々しきものと美麗なるもの

右方、白き衣に身を包み
手に持つは愛杖レイジングハート
遥かな遠方の空に名を馳せた戦女神

左方、半身を包む豪奢な衣を脱ぎ去り
偉大な王の証である古代文様をその身に刻む
古今全ての世に君臨せしむ偉大なる王

共に迎えるは決戦の刻
次の邂逅を以って間違いなく片方が砕かれ
立っていた者が―――最後の勝利者となるだろう

ラスト・10minute――

終わらない
このまま平穏無事に終わるわけがない


「……貴様」

不意のその言葉は左方の男より紡がれた

互いに気炎は充満し、拮抗していた筈の場
本来ならその猛りを吐き出す言葉に不自然なところは何一つない

だが敢えて言おう
それは有り得ない言葉だった

「何を―――　一体、何をした……？」

後に言葉がこう続いたからである

現状、絶対優位な位置にいるのは英雄王ギルガメッシュであった
固有戦力、戦果、残り時間、その全てを鑑みても、今や彼の勝利は全く以って揺ぎが無い
その彼が今、はっきりと疑問と焦燥に満ちた言葉を発し――何かに戸惑うように半歩下がったのだ

「………！？」

なのはが相手の様子に首を傾げる
彼にとって、世にはこびる全てのものは服従させるか、踏み拉く対象でしかない筈
ましてや目の前の自分などがその対象外になれる要素は……悔しいが今の所、皆無だった
「敵」として認識してやろう、という言葉を受けての最終決戦ではあったが
それでも対等ではない………圧倒的な格の違いを自認していたのだが、、

だが今、この取るに足らない自分に明らかに怯み、焦燥の色を灯す目の前の男

（どういう事……？　何って…？）

確かに先程より比べ物にならないほどに
己が体内の気勢は充実に次ぐ充実を見せている
今日だけは、例え相手があの英雄王でも負ける気はしない

しかし――それはあくまで彼女の内にて作用するもので
この相手に直接影響を与えるものではない
相手に作用する類の何かなど、自分は一切していないのだ

かといって自分の気迫で相手を――この最強の魔人を圧倒する事が出来るとは露ほども思わない
そんな生易しい相手ではないと重々知っているなのはだからこそ、、
この相手の不可解な態度に対し、怪訝の色を隠せないのだった

―――重ねて言う

―――高町なのはは「変わった事」など何もしていない

した事といえば――

親友・フェイトテスタロッサハラオウンに心温まる贈り物を――
バレンタイン・チョコとホワイト・マムシドリンクを貰った事

支援

感涙と悔恨と、彼女の尽きぬ友情を一気に飲み干すように体内に入れて
今現在、むせ返るような精力で些かのぼせ気味だという事くらい…

「――――　そ　・　れ　・　だ　・　！！！」

歪んでいた……

聞き至った英雄王の顔が壮絶に
見た事も無いくらいに……

「えっと……な、、何が…？」

「ええい寄るな生臭いッ！！
　何もやらんぞ！　迅速に消え失せるが良いッ！！」

どうやら、、、、

ビンゴだったらしい――――


――――――

先刻の高町なのはには無くて――
今の高町なのはにあるモノ

ギルガメッシュが宣戦布告をし、立ち去った後に――
彼女がおこなった事

泣いて後悔し、友の想いに胸を馳せて奮起し――
フェイトの遺したモノを貪るように体内に入れた

それは友情と、たゆまぬ愛と、、ささやかな贈り物―――

バレンタインのチョコレートと
ホワイトデーのちょっとおどろおどろしいマムシドリンク、、、、

それを彼女は食べて―――飲んだ

マムシドリンク―――

―――ＭＡ・ＭＵ・ＳＨＩ　……


＝蛇

………………………


――――――

「………」

なのはが歩を進める

「―――、！」

すると同じだけ、ズザっと後ずさりする英雄王


それは愛と友情の生んだ一つの奇跡だった――

「……何事もやってみるものだね
　今度、貴方と戦う時の常備薬にしようかな」

「何ィ………貴様も不老不死を欲するというのか！？」

「いや、そんな事はないんだけど…」

シャレにならない事を言う高町なのはに明らかにテンパってる王様
どうやら相当のトラウマらしい

今、彼女が胎内に取り込んだ因子
自身を根底から覆す「蛇」の因子が、最強のサーヴァントを明らかに狼狽させている


―――超常の存在であるサーヴァントはヒトがまともにぶつかって勝てる相手ではない

それは彼らと多数の交戦経験を持つ
この空戦魔道士が重々承知していた事だ
そしてその弱点――歴史に名を遺す英霊である彼らは
遺した記録に自身の弱点を記されている者がほとんどであるという事も
つまり聖杯戦争にてサーヴァントを攻略するという事は
歴史書を紐解き、英霊打破の糸口を引っ張り出すのがセオリー

それは当然、この万夫不当の英雄王を対象にした場合でも例外ではないわけで――

「おのれ蛇―――また我から全てを奪うと……？
　させぬ……断じてさせぬぞ」

「本当にワザとじゃないんだよ……ごめんね…」

何という事だろうか
彼女は今、最強最古のサーヴァント唯一の弱点を
ピンポイントでその身に宿しちゃっていたのだった!!!

「巫山戯るなよ貴様……！
　この我を―――英雄王ギルガメッシュを栄養剤で踏み超えるなど笑い話にもならぬわ！！！」

「う、うーん……」

正直笑い話にしかならない
サーヴァントの弱点をまんまと突いた、とかそんな大層なものでもない
単に人間、誰しも苦手なものはあるという事で……

いいのかなぁ…、という視線を泳がせているなのはに対し
嫌悪感を振り払うように、無礼者に盛大に悪口雑言吐き捨てる英雄王

少し悪い気もするが、、

だがこれも厳しい戦場の掟
勝負は得てして時の運である

そしていつまでもこうしているわけにもいかない
高町なのはの眼光が今また、鋭く引き締まり――

「――――、」

王の表情からも不遜な笑みが消え
今、最強の英雄の相貌を映し出していた

支援

―――　こいつは――この女は「敵」　―――

もはや男をして認めざるを得ない事実がそこにある

今、自身を打破できる全ての要素を身に宿し
この魔道士は偉大なる王に向かい合っているのだ

「………一夜の戯れとはいえ
　よくぞそこまで我が領域を侵した」

最強の彼を以って　「敵」　たらしめる存在が立ちはだかっている
もはや一笑に伏せる相手ではない事を理解したが故に

「褒めてやるぞ雑種―――ならば蹂躙される覚悟もとうに出来ているとみなし
　我も本気を出すとしよう！」

王は自ら、玉座から腰を上げたのだ

そして所持する財宝から躊躇わずに――
最強の力を抜き放った


――――――

英雄王ギルガメッシュ・ネイキッド

spec/skill　：　友との追憶、王の威厳、
　　　　　　　　　原初の英霊たるあらゆる＋補正、　　エヌマエリシュ限定解除!!!!!

２５ＨＩＴ


超・魔法少女高町なのは

spec/skill　：　レイジングハート、不屈の闘志、
　　　　　　　　　愛の力、幸運補正+10、蛇の因子、　　ブラスターモード・リリース可!!!

６ＨＩＴ


――――――

空-Ｓｉｄｅｓｔｏｒｙ　Ｂｏｙ＆ｇｉｒｌ　（２）　―――

「災厄を前に立ち向かう孤軍奮闘のヒーロー……凄いじゃないかコクトー
　まるでどこぞのハリウッドスターか、でなければ英雄だ」

「式！？　……どうしてここに？」

と言いかけて慌てて口を紡ぐ黒桐幹也
すぐに記憶の断片に辿り着いたからだ

（そういえば何日か前、こちらの明け日を聞いてきてたっけ…）

どうやら彼女も「ヤボ用」で出張っていたようで
その帰りのついでに自分を拾って行こうと思っていたらしい
そして外で待ってたら妙な胸騒ぎを覚え、こうして覗きに来たというわけである

果たしてその予感は当たりで外れ…

彼女が迎えに来てくれたという事実は男冥利に尽きるというものであったが
それを密かな喜びとするのは後だ……今、青年にはやるべき事がある

「ごめん式……待たせてしまって申し訳ないんだけど
　今日は残業で少し遅くなりそうなんだ」

少女のカンが「それ」を確定的なものにする
もはや柵の向こうから漂ってくる危険な気配は疑いようもなく…

こちらからはよく見えないが、まるで時限爆弾を包んだ小包を前にした時の様な独特の緊張感を醸し出している

「これで実力が伴っていれば言う事無しなんだけどな…
　一人でどうにか出来ると思ったか、バカコクトー」

少女の口が、無謀な一般人に対して皮肉交じりに尖る

一般人ですら何かヤバイと感じさせるほどの気配である
ましてや修羅場を潜った人間ならば言わずもがな
柵で覆われている中に、怪獣二匹が牙を剥いて睨み合いをしている様をイヤでも感じ取ってしまう事だろう

「悲しいかな……ヒトが不測の事態に陥った際、
　それに即した能力をたまたま有しているって確率は天文学的に低いらしい
　つくづく実感したよ……僕はスーパーマンでも何でもないって」

「なら何で俺を呼ばない？　近くを通るって言っておいたろ？」

「あー、……それにもちょっとした理由が…
　（言えないなぁ…うちの店長が魔眼アレルギーだからだなんて）
　て――――、うわっ！？？」

その時――青年の真後ろから突風が
否、爆風とすら呼べるほどの衝撃波が吹き荒び
彼の体が木の葉のように浮き上がった

それは突如として周囲に牙を剥く人知を超えたナニカ
等しく「怪異」と呼ばれる類のものであり
無力な一般人などは塵芥のように吹き飛ばそうとする暴虐の具現であった

――――　始まったッ！　――――

息を呑む二人……いや、片方の青年は生唾を飲み込む暇すら出来ず
柵の向こうから吹き荒れる突風から慌ててその場に踏み止まろうと踏ん張るのが精一杯

「う、うわぁっ！！？」

だがしかし体を丸める以外に術のない青年に対し
そこらに設置してあった器具、装飾品、備え木などが乱流に任せて地を離れ、彼に襲い掛かる

避けられない！
目を瞑って頭を庇う青年

だが―――

「ハッ！！！」

それは瞬きを許さぬ閃光だった

黒桐青年の肉体を打ち据え、深刻なダメージを与える筈の飛来物は
彼の体に接触する事すら叶わず――
気合と共に割り込んだ少女の右手に握られたナイフの一閃によって

容易く両断され、地に落ちていたのだった

打撃音も斬撃音も無い、まるでバターか何かを切ったような
空気を一切震わせる事のない無音の斬光

素人が見ても認知すら出来ず、達人が見れば神の手の御技かと錯覚するような一芸を披露した少女が
つい、と視線を動かす

「…………ちっ」

目を向けたのは爆風の発生地帯――第三釣場

緑のケージのその向こうで
凄まじい殺気と闘気がぶつかり合っているのが分かる

「……」

常人であれば柵によって、その全貌を垣間見る事は出来ないが
彼女の「眼」にははっきりと写っている
黄金色と桃色の巨大なオーラの鬩ぎ合い
昇竜のように天に突き立ち、互いに存在を誇示するかのように
ガシガシとぶつかり合っている異容が――

「オマエさ……あれを相手に自分が何か出来るとか
　まさかそんな身の程知らずな事を考えてるんじゃないだろうな？」

「あー……うん、どうだろう…」

日頃の芸風から逸脱して
男の目の前で、頭を抱えて地団太を踏んでやりたい気分の少女である

いい加減、その被爆体質をどうにかしてくれないとこちらの気が持たない
一体コイツは何回、自分の目の届かない所で死の憂き目に会うつもりなのだろうか？
あんなのに挟まれたら、一般人に過ぎない彼など
転生も出来ないほど粉々に完膚なきまでに磨り潰されて終わるというのに

青年の顔を睨め付けると案の定、恐さもヤバさも人並に感じてるくせに
それでも勤めと責任を無下に投げ捨てて逃げるわけにはいかないという正義感との板挟みになっている顔をしている

せめて客を避難させるくらいはしないといけない――
それまでこの青年は逃げる事を良しとしないであろう

（ああ、、もう……！）

苛付く少女の後方でまたも爆音と爆風

絡み合い、激突を重ねる力の余波
破散し飛び散る紅い倶風の残滓がこちらに降り注いでくる

それは常人には知る由もない、死界を紡ぐ――この世ならざる風
地獄の箱庭と化した後方の広場から溢れ出した、荒れ狂う瘴気に他ならず
一般の人間を害するに容易い、十分な脅威を孕んだものだ
それが散弾雨のように少女と青年に向かって降り注いだのだからたまらない

「式っ！！」

「たく……お人よしめ！　とんだ寄り道だっ！」

舌打ちをする少女が光沢を放つナイフを手首のスナップで自在に操り
両目に異能の蒼眼を称えながら――
紅き愚風の飛び火を、銀光の刃閃によって一つ残らず薙ぎ払う

その時、比較的近い区画から、ざわっとどよめきが起こった
これだけ大規模な現象だ
気づく人間も当然出てくる
程なくここは大混乱になるだろう

もはや少女にとっても、肉食獣の喰らい合いに遭遇してしまったカピバラの首根っこを掴んで
無為やり連れ帰って終わり、というわけにはいかなくなった

「やりたい事があるんなら早くしろ！　ここも長くは持たない！」

「あ、ありがとう…式、助かる！」

「無茶はするなよ！　人命救助が最優先だ！」

もっともな意見が少女の口から漏れる

緊急の時だと言うのに一瞬言葉に詰まる黒桐青年
それは今自分が言おうとした言葉であったからだ
この少女ならてっきり、騒ぎの元凶である二人を黙らせてくるくらいの事は言うと思っていただけに訝しげな顔を隠せない

そして、当の式はというと
青年が目を白黒させているうちに柵の繋ぎ目を次々と切り崩し
新たな出口を作っていく

「避難はなるべく分散させて一気に出せ！
　非常口も全て解禁しろ！　この規模の建物ならその方が安全だ！
　但し西側のは使うなよ　ボイラーが近くにある――それと…」

「…………」

「…………何だよ」

「いや、随分と手馴れてるなぁと思って」

ギクリ―――

途端、反射的に目を逸らす少女
何かよくない琴線に触れたらしい

「五月蝿いな！　オマエの仕事だろ！　さっさと動けっ！！」

「う、うん！　ごめんっ！！　
―――皆さん！　ここから、この緊急避難口から避難してください！
　―――押さないで！　落ち着いてっ！」

通路を駆け抜け、混雑に突っ込んでいく青年・黒桐幹也

紅いジャンパーを羽織った小さな背中を一度だけ心配そうに振り返りつつ――
だが同時に絶大なる信頼を以って彼女を後にして駆け抜けるのであった


――――――

ＬＡＳＴ　ＢＡＴＴＬＥ　（２）　―――

「……！！！」

王の所持する無限の宝物庫
空間に空いた孔から今まさに取り出されたものを見て
戦慄、、どれほど重ね合わせてもなお足りぬ戦慄が高町なのはの胸を貫く

彼女の表情を凍りつかせたもの――それは
いくつもの円柱を重ね合わせて作り上げたような――歪な、剣だった

空間を捻じ切るような鈍い起動音と共に
周囲に赤き倶風を撒き散らしながら
眼前の獲物を切り裂ける喜びに打ち震えているソレ

「恐ろしいか…女？」

「………」

もはや語るまでも無い――
その戦慄は正しくヒトに左右する
「絶対の死」を連想した時に起こる心身の硬直に他ならず

「恐ろしいであろうな？　目にするのは一度や二度ではあるまい
　故に我がコレを抜き放つ事の意――重々承知していよう？」

先ほどまでの狼狽などどこへやら
男が再び尊大な笑みを取り戻す

当然だ――コレを前にしては、天敵も宿敵も無い

魔道士の口からぎり、、と奥歯を噛み鳴らす音が響く

（ハッタリだ……）

握る手にぐっしょりと汗が滲むのを感じる魔道士

もしアレが放たれればこの店はおろか
付近一帯が、虚空へと飲み込まれ廃墟と化すだろう

敵の正気―――いや、この勝負における彼の倫理を信ずるならば
こんな、自身の勝利をも台無しにするような結末は望まない、、筈……

「―――出番だ」

「！！？」

だが、そんななのはの心中を嘲笑うかのように――
男の手に持つ宝具から勢いよく倶風が吹き荒れる

（ウソ……そんな、、馬鹿なっ！？？）

そう、まるで電動歯ブラシのスイッチを入れるような気軽さで――
彼は宝具を――核兵器のスイッチを起動した

語り好きの男である
ヒトが恐れ戦くのを酒の肴にするような男である
てっきり某かの言葉でこちらを弄ぶ
もしくは駆け引きの類と予想していたなのは
だがその予想は迅速かつあっさりと裏切られ、、

「し、正気なのッ！？」

「ク、―――」

彼女らしからぬ出遅れが、相手の先手に対し
全くの対抗手段を弄す事無く場を進ませてしまう

覇王の剣がうなりを上げて鈍色の光沢を放つ

もはや止められない
王の、止める意思を微塵も感じさせぬ、剥き出しになった巨大な牙――

間違いない……彼は―――本気だ！

今、安寧を貪る全ての愚かなる者を等しく巻き上げる
冥界の魔風が紡がれて――

「やめてっ！　分からないの！！？
　そんなものをここで使ったら…！」

「――――エヌマ」

「駄目ぇぇぇぇえええええっ！！！」

彼女がデバイスを抜き放ち、白い法衣に包まれる
手遅れだと分かっていてもそうせずにはいられない
ＢＪを装着し、完全武装を終えるまで秒を数えぬ早業
デバイスにプログラムを送り込み、暴挙を為す相手を止めるべく詠唱を開始し、

それらの全てが水泡に帰すのを感覚で理解した――


やはり今一歩、遅し
なのはがレイジングハートを構え、一撃を放つよりも早く

「―――エリシュッッ！！」

暴虐の剣
英雄王の持つ最強の宝具

乖離剣・エアの最大出力――天地乖離す開闢の星が――
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｴ　ﾇ　ﾏ　　ｴ　ﾘ　ｼｭ

高町なのはの絶叫を掻き消しすように―――
唐突に、無慈悲に振り下ろされたのだった


――――――

空-Ｓｉｄｅｓｔｏｒｙ　Ｂｏｙ＆ｇｉｒｌ　ｅｐｉｒｏｇｕｅ　―――

―――　あの出来事は夢だったんじゃないかと思う　―――

実際、こうして青年と――
凡庸な、でも気になって仕方が無い青年と――
肩を並べて走り回っていられるのだから――

もしかしたら本当に夢だったのかもしれない――

「その時」は本当に、もう二度と会えないと覚悟していたんだから――

ギルの弱点は以外にもスネークｗｗｗ支援

なら、夢だとしたら――
それは自分の頭の中にあのような自分…
あのような事をしてみたいという願望があったとでも？


――　真逆　――

人殺ししか脳のない自分が、あんな――
わけの分からない世界で
魔法使いと称する得体の知れない連中と
災害のレスキューの真似事やら何やらをするなんて事…

ナンセンスもいいとこだ
青年にも蒼崎橙子にも
みっともなくて到底言えるものではない

少し前にバイトで魔法少女やってました、などと
彼女の性格からして口が避けても言えるものじゃない

そういえば青年は、さきほど少女の行動に
あからさまに疑問を抱いてた――

青年は見た目に反して鋭い

それはそうだろう……
青年は、彼女の事なら何でも理解している、、
と断ずるには彼女は些か複雑に過ぎるのだが
理解しようと日々、努力している

ならばその行動が本来のものに即したものでないのなら
違和感を覚えるのも当然であった

疑問の通り――
「相手が相手」でなければ彼女は現場に斬り込んで
手っ取り早く騒ぎを収める方を選んだのだろう
災厄を止めるには元凶を殺すのが一番早くて確実―――
それが彼女の思考回路にもっとも近い行動であるのだから

しかしあそこには――出来れば近づきたくないと彼女の本能が告げていた

あの桃色、、、何かよろしくない……

「鬼教官…」

いい年こいたツインテールの教導官を思い出して
あのえげつないシゴキを思い出して
胃がでんぐり返る錯覚に陥ってしまう彼女

「まさかな……はっちゃけ過ぎだろ――あいつだとしたら…」

「え？　何だい式？」

「何でもない…」

人畜無害と二人――共に場内を駆け回り
降ってくる突風や爆風、流れ弾を残らず払い続ける中
チラっと、柵の向こうで暴れまわる二つの力の一方

迸る「桃色の魔力光」に今一度、蒼く光る眼を向け――
誰の耳にも入ることのない心底げんなりした声を漏らす両義式なのであった

―――あるいは阿鼻叫喚の地獄と化したかも知れない、この地方の釣り堀場にて

影で奔走した彼ら二人の活躍が
これから起こるであろう幻魔大戦の被害において
死傷者０という奇跡を起こしたのだという事実は―――


歴史の闇に埋もれ、決して知られない事実であった


――――――

ＬＡＳＴ　ＢＡＴＴＬＥ　（３）　―――

謳うように紡ぎ上げるは乖離剣
謳うように紡ぎ上げられた真の真名

円柱と円柱の隙間から溢れ出す、抑え切れないほどの赤風を
前方に叩きつけて発生する、黄泉へと誘う巨大な大河―――
それこそ極限まで圧縮された魔風の生み出す「空間断層」

王の眼前に立つ愚者をその断層の狭間に飲み込み
全てを虚空へと追放する、これぞ英雄王が最終奥義


―――　天地乖離す開闢の星　―――
　　　　　　ｴ　ﾇ　ﾏ　　ｴ　ﾘ　ｼｭ

――有り得ない
――信じられない

まさかここでそれを放ってくるなど想定外どころの話ではない

彼にとってエアを抜くという事は
少なからず敵を屠る以上の意味を場に認めた場合のみ

今、その条件に抵触する何かがあるとは到底思えない
第一、力押しによる勝利を今日に限って封印してきたからこそ
此度の戦いは成り立ってきたのではなかったのか？

今の今まで仮初ながらも守り続けてきた不文律を何故崩す？　
それは英霊として恥すべき事ではないのか？
この苛烈な王の暴虐の量を、彼女は……計り間違えてしまったというのか？

驚愕と後悔と戦慄で頭が混乱しつつも
反射的に丸まって多重の防壁を張るなのは
というよりは、あの一瞬でそれ以上の抵抗の術を見出せなかったのだろう

だが彼女自身、痛感している
それはこの究極の一撃を前にしてあまりにも無力だという事を
何故ならアレは、一旦展開されてしまったら最後
防御という概念すら通用しない、世界を真っ二つに割る究極の天変地異発生装置だ

発動させたが最後、自身の敗北の瞬間を甘んじて受け入れるしかない――
英雄王にエアを抜かせるとはそういう事であった

「…………！　　？？」

ＥＸランクを破るのはＥＸランクのみ

「規格外」に対する対抗手段を持たない今の高町なのはでは事の顛末を――
対界宝具によって切り裂かれる世界
その余波で訪れる破局に、ただ身を固めるしかない

仮にミッド式魔道士がアレに対抗するには
アカシックレコード・「根源」等と言われる、この世の果てに到達し
（一説ではそれが先史文明アルハザードとも言われているが）
世界そのものを構築する程のプログラムを要した大魔法を以って対抗するより他は無い

それはミッドの歴史において未だ人類の成し得ぬレベル
理論上こうすれば――としか言えない幻想上の領域だ
ヒトには到達不可能と言われるSSSランクの御業とは、きっとそういう「レベル」を言うのだろう

英霊ならば――
仮に将来、この稀代の天才魔道士が生涯の果てに
「英霊」とうクラスに辿り着けたのならば――
エアに対抗する手段をあるいは見出せていたのかも知れない……


―――全ては詮無い仮定だった

戦いにおいて「たられば」を言い出せば際限がない
そして「たられば」を口にする時は自身が敗北を意識した時

故に今、歯噛みする彼女の心を支配するのは
後悔と悔しさと不甲斐なさに他ならず――

「！！　……………？？？」

（……………あ、あれ？）

それより一刻遅れて沸いた―――違和感であった

乖離剣発動の赤い烈風が場を覆い
男の眼前にある堀の水面に巨大な亀裂をつくる

それは鮫や鯨でさえ一呑みにするほどのクレヴァスだった
まるで堀そのものに巨大な生物の顎が出現したかのようだ

あの光景を見て生きていられるモノはいない
圧壊の力が、周囲数100ｍに位する全てのものに降りかかり、塵芥の様に磨り潰してしまう

出力全開のシールドで全身を覆っているとはいえ
それはこのEX宝具を前にしてはあまりにも無力な防壁だという事は重ね重ね承知している
世界という概念を裂くあの剣は、なのは達ミッド式魔法が基盤とするモノをも斬棄してしまう

だからこそ――故に違和感

その現象が――
その衝撃が――

いつまで立っても全く来ない事への違和感―――？

それがなのはの表情を怪訝に染める

支援

支援

もう既に、全身を苛む断層の引力で
自分はおろか、この周囲一体が破滅に進んでいてもいい筈だというのに、、


「ク、―――」

空間を切り裂くチェーンソーのような音を周囲に巻き散らしながらも
王の愉悦の嘲笑は相変わらず忌々しいほどによく通る
身を硬くし、唇を噛み締めるなのはを
愉快そうに、楽しそうに見つめる真紅の両眼がそこにあった

「たわけが――何を勘違いしている？
　王が自らの領土を容易く焼き払う筈もなかろう」

「ど、どういう事なの？　これは、あの技とは……違う？」

「己が財をみだりに焼き払うは暗君の所業
　我を誰と心得る？　古今最も偉大な王――
　英雄王ギルガメッシュであるぞ」

「………分からないよ！？　ちゃんと説明して！？」

「これぞ我が最大の奥義―――シュメール式釣術・大海隔離……」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｴ　　ﾇ　　ﾏ　　　　ｴ　　ﾘ　　ｼｭ

男は尊大な態度のまま胸を張り、、

「ひ、さっしょうせってい、だ――」


皮肉たっぷりに―――――――ふざけた事を言いやがった


――――――

大海隔離―――

ウルクの王・ギルガメッシュ・アングラーの編み出した究極の釣法

釣りとは言うまでもなく、当てて（HIT）釣り上げる（Ｆｉｓｈ）という二つの動作からなるが
これはその既存の概念を切り裂く規格外の難技

常に本能のままに生き、糧を追い求める魚に対し、ＨＩＴを奪う事はさして難しい事ではない
問題は当てた後、全霊で暴れまわる彼らを重力に逆らって釣り上げる事にある
つまりはHIT〜Ｆｉｓｈに至るまでの過程に、釣りの難しさが集約されているといっても過言ではない

ならばそんな過程をひっくり返してしまえば良い――

そう思い立ったとある王様は、水中で我が物顔で泳ぎ回る魚たちを纏めて叩き込む孔を作り上げ
そこに落としてしまう事で成り立つこの釣法を編み出した

規模によっては鯨や鮫の類すら一撃の下に捕縛する事が可能であり
ましてや手の平大のフナが逃れる術などありはしない

「故にこの覇王の竿を抜いた我に敵は無し
　誇るが良い雑種――未熟者が我にコレを使わせた事を」

と、、解説は締められ……
どう見てもエアの先端に釣り糸と針をぶら下げただけのシロモノを
自慢げにちらつかせながら、悠々と誇らしげに語る王

（か、乖離……竿…？）

そのプラプラ垂れてる糸と針に何の意味があるのか…？
これでは餌すら意味を成さないだろう
こんなものが果たして釣りと言えるのか？

堀の中は相変わらず阿鼻叫喚――
水面に突如現れた亀裂に吸い込まれまいと
必死にエラをビチビチ動かして逃げ惑う魚たちの姿がある

「ちょっと待って……」

だが取りあえず、、そんな事はどうでもよかった

「今……よく聞こえなかったんだけど…」

「何のことだ」

「貴方が何でそれを使えるの？」

「それとは何だ」

「だから…………非殺傷設定、、」

「何を疑問に思う事がある？　雑種に出来て我に出来ぬ道理などなかろう
　既に邂逅を果たして幾年――
　貴様ら自慢のデバイスとやらの雛形は既に我の宝物に納められている」

と、要はそこらのデバイスをチョロマカしたという意味の言葉を悪びれもせずに言う王様
しかしながら……

（あれのどこが……）

あの殺る気満々の空間……否、水面断層のどこに非殺傷の要素があるのだろう？
あからさまにヤバイ孔がぽっかり空いている
当然、飲み込まれればただでは済むまい…
現にお魚さん達は、形相があったならばそれはもう必死の形相で流れに逆らってもがいてらっしゃる

確かにあの宝具の真名を紡いで、未だこちらの身に何の影響も降りかかって来ないという事は
何某かのリミッターがついているのは確実だが……まさか、、

（あの糸と針が………リミッター…？）

…………

そこに脱力して座り込まなかっただけでも、改めてエースオブエースの胆力を褒めるべきだろう

「ギルガメッシュさん……科学の知識は？」

「我に俗人の理を説くか」

「精密機器の免許は？」

「民に資格を与えるは王の特権――我に対して許しを与える者など存在せぬ」

「………ミッド式魔法の知識は、、あるわけ無いよね…」

「くだらん……こうして形にして見れば実に他愛のない代物よ
　不殺――我にとっては未来永劫、縁のない概念であったが
　ふん、貴様のような端女との余興には丁度良い」

流石は神代の時代を生きた英霊

小学校の図工レベルの工作で……
糸と針を付けただけで……
あの皆殺し宝具に全く別の概念を持たせてしまった

乖離竿・エアはさしずめ、魚のみを対象に作用する究極の一
アングラー最強の宝具という事か

流石のエースオブエースもここまでされては
目の前の男を憧憬の眼差しで見ざるを得ない――


―――――――　、ぶち

―――なんて事はなかった、、、


――――――

何かの切れる音が白き魔道士のこめかみ辺りから発せられ
明らかに口をへの字口にした不機嫌そうな高町さんの顔がそこにあった

――当然である

非殺傷設定はミッドチルダ式魔法の叡智の結晶
傷つけずに制する事を誇りとする、彼ら魔道士にとって誇るべきもの――
相当の歴史と研鑽を積んできた彼らの文化そのものなわけで…

生まれは異なれど、それに人生の大半をかけてきた彼女
高町なのはが、こんな文化そのものに対して舐めた真似をされて不快に思わないはずが無い

戯言で根底から馬鹿にされたミッドチルダ魔道士代表
胸に感じる憤りは決して間違ったものではないだろう

要するに調子こきすぎって事だ……この原始人は

「………………レイジングハート」

<Yes ｍａｓｔｅｒ I，m ready anytime>

というわけで、彼女はそろそろ反撃の狼煙を上げようと思う

それはもう静かに―――
うちに滾るマグマのような、愛憎哀怒の思いを込めて

こちらに害を及ぼさないと分かっていても
あの宝具を前にして脅威を感じないわけではない

冷静を心情としているなのはの顔が今、何時になく険しい

アレが紡ぎ出すは死界の原点
全てを飲み込む圧倒的な力、最強の力である事に相違なく――
自身、その威力を何度となくこの目に焼き付けてきたのだから当然だ

――これさえあれば必ず勝てる
――そんなものはそうそうない

という彼女自身の持論を、粉々に砕くモノであるのだから

…やはり英雄王ｗｗｗ
子供思考だわｗｗｗ

随分楽しい旅をしたんだろうなぁ…式さんは……

…とうかがない　さるじょうたいの　ようだ

支援

原子人ｗｗ

なのはさんガンバレー

―――ならばやはり、反撃の術は無い？


「………………モード・リリース」

否――そんな事はありえない

あくまでも初戦の彼女なら圧倒されていただろう


その力を前にして――

魔道士は静かに―――


己がリミッターを解除した


―――――――

吹き荒れる風が彼女の精悍な顔を叩き続け
栗色の髪が後ろに靡く

台風のような突風があらゆるものを吹き飛ばそうと猛威を振るい
そこはさながら紅い風で構築された洗濯機の内だ

だがそんな普通ならば目も開けていられないような紅蓮の嵐に晒されながら
彼女の――エースオブエースの瞳には一点の曇もない
見開かれた瞳がただ、「ソレ」だけをつぶさに迅速に捉え続ける

そう、彼女は負けるつもりで此処へ来たわけではない
もはや差は歴然だとしても
普通にやっていたのでは覆せない差を理解していたとしても
それでも勝つために、決戦の地に足を踏み入れたのだ

そして敵がヒラの勝負ではなく「こういう」戦いを仕掛けてきた――
これは高町なのはにとって有利に働く展開に他ならない

何故なら、ヒラの釣り勝負では所詮、彼と彼女の立場は素人と玄人
どんなにコツを掴もうと一日二日では埋められない差が生じていた

対して、己が全ての業をここに示して良い戦いならば話は別だ

魔法――
自身の持つ唯一無二の
己が意思を貫く力
それを解放出来る戦いであるのなら、、

なのはは自身に含有した力のほとんどを発揮出来る
「１：１０」の戦力差を少なくとも「５，６：１０」ほどには縮められるという事だ

そして故に、そう……


――――　一撃　――――


ここに至って彼女は一撃で……全てを決めるつもりだった

今、勝利の光がはっきりと見える位置にある

敵の切った札はジョーカー
切り札というものは強力無比だが
逆にそれを真っ向から返されればあっさりと逆転を許してしまう諸刃の剣

そして自分の今の状態は最高――150％全力全開

決して屈さぬ不屈の心に
友の願いが生んだ奇跡が織り込まれ

勝利の道を決して見紛わぬ両の目と
その奥に宿した蒼炎の魂が煌き

彼女の眼は虚空に舞い上げられた対象―――計３７尾の魚を余さず捕らえて逃さない

（６時方向に１０、いや１２……右区画に６……
　更にその後方に重なるように３…
　逆方向、左下区画に８……これを最優先――）

<Yes ａｌｌｒａｎｇｅ ｌｏｏｋ ｏｎ>

それはさながらミサイルの多重ロックの如し
次々と、彼女とその相棒のデバイスにデータが送られる

今、完全トランス状態に入る高町なのはの思考は
外界の如何なる雑音、騒乱も彼女の心胆を揺るがす事は叶わない

決して恵まれた体躯でもなく、頑健な肉体でもない
しかし彼女には空戦闘者としてこれ以上無いほどの天から送られたギフトがある

――――空間把握能力

同魔道士達と比較しても異常なほどに特化していると評された彼女のそれが
眼前に広がる対象全ての位置を把握、否、掌握するのにかかった時間は僅かコンマ数秒

よって刹那を許さぬ制限時間付きの反撃の機会を今、彼女は見事に自分のものとする

「ブラスタービットッッッッ！　　全射出ッ！！！」

そして鈴のような声と共に紡がれるは高町なのはの最終兵器

ブラスター２――

本来ならば心身に相当の負荷をかける限界突破モードの第二形態であるが
気力、体力、精力全てのメーターを振り切っている今の彼女ならば
猛馬の如きパワーをほぼ完璧に押さえつける事が可能

モードリリース２によって跳ね上がった魔力が五門のビットに余すとこなく注がれて
今、なのはの元より解放され、黒海の滝と化した堀に飛び込んでいったのである

「ぬうっ！？」

勝利を確信した――いや、元から勝利を疑っていなかった英雄王ギルガメッシュが
今宵初めて驚愕の声を発する

支援

ブラスタービット――

砲撃特化型にして、決してバランスが良いとはいえなかった彼女が
自身、単騎で任務をこなすオールラウンダーとして戦い続ける際に出した一つの答え

浮遊する、杖の先端より放たれた物体はそれぞれが爆発的な魔力を消費するため
通常モードではおろか、エクシードモードでの運用すら困難な、紛う事無き彼女の短期決戦兵器である

その一つ一つが攻撃、防御、術者の補助を要する非常に高度な戦術武装
操作技術、掌握度によってはまさに術者の分身――
自身を複数に増殖させたかのような効能を得る事が出来る
つまり、高町なのはが瞬時に複数に分裂して行動するが如き戦果を得る事も可能なのだ

その分身たちが今、水面に生じた裂け目
乖離竿によって生み出された死の滝に、決死のダイブを敢行する

空間断層のクレパスに左右上下に飛来するブラスタービットは
互いに離れ、寄り添いを繰り返し、それぞれの周囲に魔力の幕を形成
四方に散らされ、断層に叩き落されるのを待つだけだった魚たちを
ヴェールのように優しく、確実に包み込み、一箇所に集めていく

まるでバレーボールのレシーブやトスによるラリーだった

しかもボールは複数――

さながら五人のプレイヤーが、30以上のボールを
その一つたりとも落とさずに、繋いで繋いで中央へと誘っていくかのような光景だ

本来、逃げる対象を捕縛するために用いられるケージ型バインドの応用、、
と言えば簡単だが……実演するは至難の極み

こんな、ヤワで脆い生物……もしビットに直接接触させてしまったら
容易く木っ端微塵にしてしまうだろう

だが見開かれた彼女の目は、前方に広がる全ての対象を把握している
故にそんなミスは有り得ない
豪快でありながら精密極まりない運用は救助を行う際、必要不可欠なスキルである

滝に飲まれようとしていた魚たちが、空中で蒼い鱗をばたつかせながら一所に集まっていく様は
まるで銀の羽吹雪のように幻想的な光景だった
やがて高速で縦横無尽に飛んでいた五つのビットが麗な五角形を形成し
体現されたのは巨大な―――桃色の投網

ビットとビットの間に張り巡らされた桃色の魔力光が
そのままフィールドとなり、魚達の落下を防ぎ
拾い、掬って、完全に包み込んでいく

「取りこぼしは無し………全部頂くよ、レイジングハート！」

<ｙｅｓ　ｅｘｃｅｌｌｅｎｔ!!!>

なのはが魅せる、それは芸術とも言える職人技
見るものを唸らせる匠の絶技だった

これだけの暴風に攫われ、落下に次ぐ落下に翻弄された魚を瞬時に一匹残らず把握し、捕獲する
高速のビットを併走させて救命具のように魚を包み込むという離れ業を駆使してである

王と魔道士、これだけの力の行使に晒されながら――
真綿のクッションに包まれた魚には傷一つついていない

彼女がその戦闘力だけでなく災害救助においても
卓越した任務遂行能力を有する事の証明だった

ミシミシ、と鈍い音を立てて軋む彼女の分身たち――

男は非殺傷などと嘯いていたが
やはり孔の中は風の断層による巨大な圧搾機そのものだ
五つのビットにかかる負荷は見た目だけでも相当のものであろう

だが彼らは紛う事無く、エースオブエースの分身だ
滅びの空間に身を投げ出したとはいえ、一瞬で為す術なく堕ちるものは一つとしていない

まるで彼女自身を体現するかのように、刹那の瞬間を力強く飛びながら――
宙空に展開された投網漁は今、亀裂の底から根っこごとぶっこ抜くほどの豪快な規模で
堀中の獲物である魚たちを掻っ攫わんと唸りを上げていたのだった

この間――僅か10秒にも満たない出来事だった

目を見張る英雄王の前で大胆不敵な、いぶし銀の神業が炸裂する

常軌を逸した発想を現実のものとし、己が勝利を掴み取る
華麗に、鮮やかに、大胆に――
故に彼女はミッドチルダにおいてこう呼ばれるのだ


―――　奇跡のエースオブエース、と　―――

王の蔵に放り込まれる筈の全ての獲物を
白き魔道士が横からぶっこ抜いた、その瞬間――


「――――――貴、様ァァァァァあああああッッ！！！」

王の真なる怒りの咆哮が響き渡っていた


―――――――

天を突くほどのギルガメッシュの怒りが黄金の王気となって場に迸る

眼前にて行われた狼藉を憤然と見ていた
（実際にはものの数秒、電光石火の早業）彼であったが
今日初めて、はっきりと、高町なのはに敵意を見せたのだ

ビリビリと震える大気は王の激情に恐怖する世界の震撼そのもの

当然である
いくら遊戯とはいえ、無礼講とはいえ、、流せる事と流せない事がある
よりによって王の上前をハネるなど―――万死に値する行為どころではない

<Warning!　Warning!>

「なっ！？？」

５つのブラスタービットの操作により
他に集中力を一切避けない魔道士のその脳内に
デバイスの緊迫した警告の声が響き渡る

背筋にゾワリという、身の毛のよだつ感覚――

第六感に直接働きかけられる身の危険を察知したなのはが身を翻すが
その時には既に手遅れだった

周囲に赤い、虚空より繋がる孔が次々と出現し、彼女を取り囲む

この孔が何であるかなど考えるまでも無い
王の財宝――ゲートオブバビロンの射出口だ！

咄嗟の事で回避も防御もままならない高町なのはが息を呑むのとほぼ同時

「あッッッッ！？？」

自身の右腕、左腕、右足、胴体、そして首に――
英雄王有する縛鎖の宝具、天の鎖・エルキドゥが巻き付いていたのだ

「させると思うか！　雑種ゥゥゥゥ！！！」

カラン、―――と
甲高い音が地面を叩く

それは不意の襲撃で魔道士が
その命であるデバイス・レイジングハートを手から離してしまい
前方に取り落としてしまった音だった

デバイスの補助無しでは、あのブラスタービットを制御する事も
限界突破の自己ブーストを維持する事も出来はしない

なのはが束縛された身を捩じらせながらキッと男を睨みつける

「くっ……直接加撃っ………正々堂々の勝負に水を差す気なの！？」

「たわけが！　釣堀場において他人の投擲した釣り糸が風に晒され
　他者に巻きつく事など日常茶飯事――珍しい事ではあるまい！」

「珍しい事って……こ、これ明らかにワザと、、」

「よくある事故だ―――死ねィ！！！」

「……！　　か、はっ、！？」

不平を紡ぐ喉が圧迫され
彼女の口からは苦しげな吐息となって呼吸が漏れるのみ

苦悶に喘ぐなのはの顔には　「これのどこが糸……！？」　とありありと書いてあるが
本人が糸というからにはそうなのだろう
その首に、胴に、四肢に絡みつき、ギリギリと締め上げてくる鎖が
かつて天より使わされた怪物をも締め降したといわれる縛鎖であったとしても、、

武装時の魔道士の肉体はＢＪによる防御幕によって常時守られてはいるものの
伝説にその名を遺す宝具はやはり伊達ではない
発生しているフィールドごと捻じ切らんとする圧迫感は
生身に過ぎぬなのはの肉体に影響を与えるに十分な力を持っていた

ただでさえ全身に多大な負荷をかけるオーバードライブ中に受けた
この不意のダメージは決して小さくない
急激に体力を削られ、なのはの意識が遠のいていく

「…………ぅう………あ、、ああぁッ！！！」

英雄王の怒りの縛鎖は、直接の攻撃ではないにせよ本気でなのはを殺しかねないものだった
逆に言えば、もしBJを纏っていなければ――
なのはの体は容易く捻じ切られていただろうから不幸中の幸いであったのだが…

手足を逆方向に引き伸ばされる強烈な牽引に必死に抵抗する魔道士
少しでも力を緩めればたちどころに、彼女の体は十字架にかけられたように四方向に伸びきってしまう
必死の面持ちで首と胴に巻きつく鎖を解こうともがくが
暴れれば暴れるほどその宝具は強烈に、執拗に彼女に絡みつき、その四肢を捻り上げる
彼女はまさに、クモの巣に絡めとられた白い蝶だった

常時、歌うような美声を発する彼女の喉が、精一杯の怒声を張り上げ
それが悲鳴めいたものに変わり、やがてか細い嗚咽へと変化するのにさしたる時をさず

「ぁ、、、、、、か―――」

その表情から力が抜けていくと共に瞳孔から光が徐々に失われていく
最後の逆転の切り札だったブラスタービットの推力が減退し、その力を失い始める

このような大出力魔法において
杖のオート航行による運用など術者の魔力供給を断たれては長く持つ筈もない
高町なのはが地に伏せば――この一世一代の逆転劇はあっさりと幕を閉じる

「ここまでだ――狼藉の咎を償って貰おう
　まずはひざまづいて許しを請えぃ！！！！」

絡みつく金の鎖の重さで膝をつき、前のめりに倒れ付そうとするなのはの身体
這うように地についた四肢は、まるで引き摺り倒された咎人のようだった

「―――ト………ん、、」

黄金の蛇が頚動脈に食い込み、真っ赤になったなのはの顔が急激に蒼みを増して行く
視界が暗くなり、全ての意識がシャットダウンしていくのが分かる

パク、パク、と何か言葉が漏れるも、それが音になる事は無い

「無様な――」

嘲笑う王などまるで構わずに、這うように、這うように
ほとんど自由にならない腕を前方に伸ばす
目の前の空間を掻きむしるように、何かを求めて腕を伸ばす

「――イ、ト……ちゃ、、」

脳に酸素が行き渡っていない
見開いた目には、彼女の前方に広がる光景――

滝のように割れた堀
その中で自身が生成した巨大な魔力の投網がその効能を失い、五つのビットがまさに陥落寸前
保護された魚たちが、再びあの虚空に落とされる恐怖に悲鳴をあげ
投げ出されたデバイスが必死に、必死に自分の名前を叫んでいる

その全てが彼女の耳に――――目に入ってきていなかった

彼女が足掻いている理由
彼女をもがかせているモノ
彼女を誘っている存在――

それは――

大人気無さ杉ｗ

「フェイトッッ……ちゃあああん！！！」

既に視力の機能しない眼が確かに捕らえた友の幻影

必死に自分の名を呼び
こちらに手を伸ばす――綺麗な金の髪の親友

その幻に向かって咆哮する白き魔道士

伸ばす手の先にフェイトテスタロッサハラオウンの姿を確かに垣間見ながら
エースオブエースが体内から搾り出すように獣のような絶叫を上げていた


――――――

「なのはぁぁあああああああああああああああああああああっっっ！！！」

「Ｏｕｃｈ！？」

それはここより遥か地下――地底帝国より放たれた魂の絶叫だった

おぞましい器具やオブジェに彩られた部屋で監禁されていた金髪の魔道士
物静かな口調を決して崩さぬ彼女が普段決して見せぬ激昂を――
いや、怒りではない……何かを死に物狂いで求めるような
目前に崖から落ちそうになっている我が子を、恋人を前にした時のような
そんな形相と共に、虚空に向かって手を伸ばして叫ぶ

そしてびびる猫

「痛ッ！　いきなり耳元でシャウトするにゃぁぁあっ！
　お前はすでにあちしの虜！！　大人しく恐怖と苦痛に打ち震えていればいいにゃ！！
　さあ反省の言葉を紡ぐが良い――取りあえず　「ひぎい」　と　「らめえ」　からイッてみよぉ♪」

「うう、、、」

ナマモノの執拗な嫌がらせがフェイトを責め苛む
栄えある祖国を侵そうとした罪は重い
その尖兵たる猫モドキに一切の情け容赦はなく
故に、侵略者とされたフェイトの受ける責めも相当のものだろう

「なのはッ！　頑張れなのは！！　私はここだよ！！
　ここにいる！！　超好き、愛してるッ！！！」

なのにっ……なのに嗚呼、何たる事か！
初めは相手の気丈な顔に、微かな恐怖心を灯した表情に嗜虐心をそそられていた猫が
今は真っ赤な顔で怒声を上げる、、不可解に喘ぐように金切り声をひり出す！

「何故朽ちぬぅぅぅ！？？　何ゆえ我が地獄の責め苦が効かぬのか！？」

「こ、こんなものより……母さんの鞭の方が百倍痛かったからだ！！」

「にゃにぃっ！！！？？　ドメスティック！！　　猫では駄目だというのかぁぁ！！？」

「なのはぁぁぁ！！！！」

地上の豪奢で華やかなものとは程遠い
地の底深くで行われる暗闘は続く―――


――――――

なのはとフェイト
どこにいたって彼女達の想いは同じ

そして彼女らが共に
互いの存在を感じながらに戦う以上――

数100ｍほどの隔離が何の壁になるというのか！


―――聞こえる

両膝を付き、力尽きる寸前の高町なのはの耳に
地の底から確かにフェイトの声が届く


―――　戦ってるんだ　―――

―――　フェイトちゃんも戦ってるんだ　―――


「う、う……」

自身の身に幾重にも絡みつく宝具の鎖にその身を潰されようとしていた体が
消え入りそうな呻き声と共に一歩――――

「んん、、ん………」

また一歩――――

のそり、のそり、と動き出す

「―――、」

英雄王の灼眼が忌々しげに歪む
もはや勝負は決した
人間風情が宝具エルキ・ドゥから逃れられる筈は無い
その前進は芋虫のようにのろく、頼りなく、、
いつもの悪足掻きか…、と男に溜息をつかせる以上の価値を示さない

一歩――

一歩―――

また一歩――――

ズリ、ズリ、と、靴底を擦るように前進を続けるなのは
彼女の底力をしてこれが精一杯……
最後の蝋燭の灯火は今にも――次の瞬間にも容易く吹き消えて、幕を下ろすと思われた

そんな筈は―――



そんな筈は―――――無いのに！！！！！！

フェイトww

「んん、ん………んぅぅぅうううっっっ〜〜〜！！！！！！！！」

ズリ、、ズリ、、
ずり、ずり、ずり、
ずりずり、ズリズリズリズリ、

ズリズリズリズリズリズリズリズリズリズリズリズリズリズリズリズリ、！！！！！！

「な、何だと―――！？」

幾重の鎖の束を握り、獲物の力尽きる寸前の吐息を手の平に感じていた英雄王
その手に、今　明らかに力を灯した負荷がかかり、、彼は声を荒げざるを得なかった

死にぞこないに過ぎぬ女の突然の蘇生
それはまるで巨大な黄金の蓑虫――ほぼ簀巻き状態だった魔道士、高町なのはが
四肢を拘束されているにも関わらず、強引の極みとも思える重厚さを以って
戦車のような不退の強行前進を開始したのだ！

鎖に巻き付いたまま歩を進める彼女の肢体は
もちろん、表情の半分までもが天の鎖エルキドゥによって隠れている
そんな中、辛うじて頭半分はみ出た栗色のツインテールだけが勢いよく振り乱され――
それが左右に揺られる度にぞり、ぞりぞり！と前に進む轟天・なのは号

「馬力だけは一人前か―――！！」

憤怒に染まる英雄王の相貌は同時に心内に、かつての伝説の戦いの光景を――
彼と友の二人で天の雄牛を制したあの壮絶な戦いをオーバーラップさせていた

未だこちらにも余裕はあるとはいえ
女の膂力は凄まじいもので、とても死にぞこないとは思えぬほどだ
信じられない事に自身が地を食む足ごと、徐々に、徐々に、相手の牽引に引き摺られていく

――天の雄牛ならぬ魔法の雌牛か……

「ク、クク…」

などと含み笑いを浮かべてしまうのも、あの激戦が彼の持つ記憶の中で
数少ない、友と過ごした楽しい記憶だったからに他ならない

ずりずりずりゃりゃりゃりゃりゃざざざざざざ、！！！！！

「ぬ、、おおおおっっっ！？」

ただしそんな事情は高町なのはにはどうでも良い事である

……多分、乙女のカンだろう
朦朧とした意識の中で原因不明の憤りを感じ
こめかみに怒りマークを灯しながら、彼女の進行は激しさを増すばかり

それは当然だ
牛扱いなんてされたら乙女ならば憤慨して当然
男の郷愁が、怒れるなのはさんに更なる推進力を与えてしまうのはただ皮肉の為せる業

「ち、ち――！」

王の口から歯軋りが漏れる

魔道士の進む先――

ガムシャラに進んでいるように見えた女であったが
その求めた先に手から零れ落ちた彼女の杖
デバイス――レイジングハートの姿があるのを認めたからだ

<master! 　It is here! 　Do its best!>

電子音とは思えぬ切実さで叫ぶ紅玉の杖

更に険しくなるギルガメッシュの表情
この宝具は本来、王が神界と袂を別った際
天より遣われしものを相手にする時に使用する、世にも稀なる対神宝具だ
故に神性を持つ相手になら無類の力を発揮し、決して弛まず相手を逃がすことはない――

だが、単純な物理強度に換算した場合
現代ではこの鎖を断ち切る事は決して難しくない

無論、生身の人間の膂力では到底不可能だ
獅子や熊などの自然界に巣食う猛獣を以ってしても難儀な所業であろう

だが、、ヒトの叡智の生み出した近代兵器ならばどうか？

知恵と火を与えられたニンゲンは、神代の神秘の力を徐々に失っていったが
代わりに圧倒的な科学技術を手に入れ、ヒトの身では到底不可能な馬力を、火力を手に入れるに至った

幻想上の生物や、地球に現存する生物達には無理でも1000馬力を超える戦闘兵器――
そのマックス出力は、物理的な力に限れば伝説の武器、魔法を凌駕する

ましてや彼女を守護する力――
ミッドチルダ式魔法は地球を遥かに超える科学技術によって編まれた
オーバーテクノロジーの産物だ

それを行使する彼女が、真にリミッターを解除したとき――

「ぬ、う――――友よ……！」

鎖は切れる、、
圧倒的に！！


そう、彼女は牛ではない――
もはやそんな可愛いモノでは断じてない

オーバーブーストによって運用、増幅されるエースオブエース高町なのはの周囲から
桃色を焦がした鈍色の紅の魔力が立ち込める

それはエンジンがオーバーヒート時に吹き出す危険な硝煙と酷似するものであり
しかし同時になのはの全力全開・限界突破を示す、搾り出すような魔力光

更にフェイトの思いを背負った彼女はもはや推定１０万馬力―――
いかに天の鎖であろうとも―――


フルブーストするロケットを拘束するには至らない！！！

なのは　LIMIT BRAKE!!
いろいろとｗｗｗ

さるさんこわいさるさんこわい

しえんんん

なぜ俺が支援する度さるになるのだろうか…orz

>>343
お前だったのか

支援！しえん！！ＳＨＩＥＮ！！！

というか、なんでリリブラの人は一番さるさんにひっかかる率が高いのに、避難所を使わないんだろう…？

初めの投下から優に一時間は越えてる…
さるって恐ろしい…

復帰マダー？

>>347
2時間に訂正

「ひざまづけというのだ………この―――！！！」

反射的に手を伸ばす王
後ろに控える数々の宝具をまさぐり
呪縛から逃れようとする魔道士の体に叩きつけようと猛る

「――――、」

が、、

常であれば何の躊躇いもなく彼女の身を蹂躙していたであろう宝具の数々は
ついには虚空から姿を現す事はなかった

今更感はあるにせよ、彼らには彼らなりの法があり矜持があった
そして暗黙の取り決めが存在し、そこにどれだけ抵触せずに踏み込んでいけるか――
それが今回の勝負のキモとなっていた

ならばこの場において、鎖以外での女に対しての直接加撃――
シミュレートした結果、釣堀場においてアングラー同士の戦いで
その行動はダウト……どう取り繕っても言い訳の利かない行為でしかない

反則だ
それをしてしまえば間違いなく――
故に躊躇する、、歯噛みする

万夫不当の王の攻め手がここで、――止まる

「………小娘―――小癪な、」

その躊躇は本来の彼――天上天下に唯我独尊・英雄王ギルガメッシュをしてあり得ない思考
古今最強にして最も偉大な王である自分が何故、そのような下らぬ取り決めに従わねばならないのか

敵は滅す
従わぬものは罰す
気に触れたものは誅す
それらが総じてこの男の動かざる行動原理だった筈だ

故にその躊躇は………一人の誇りある釣り士
アングラー・ギルガメッシュとして新たに生まれたものであるに相違ない

彼は従来の己を廃してでも、今ここにあくまで釣りのみでの勝利を選んだのだ

「―――、！」

「…………シ、、…」

しかしながらそれが―――

それが勝負の分かれ目

ギルガメッシュと、彼に対し後ろを向けている筈の高町なのはの目線が合った

王として戦えば無敵、最強のサーヴァントであったろうに
その僅かばかりの揺れが、弛まぬ縛鎖に一瞬の隙を与えてしまう

「シューーーートッッッッッッ！！！！」

ギルガメッシュの眼前が桃色の閃光に包まれた

　　　　　　　　　　支援

その散弾めいた桃色の魔力のつるべ打ちこそ
魔道士・高町なのはの18番――アクセルシューター

三十発近い魔力の塊の雨あられを今、後方の英雄王にぶっ放したのだ

「貴、様―――――」

予期せぬ反撃に眼を見張る英雄王

先ほど運用していた黄金のパラソルを全面に展開し
盾とした彼の身に容赦なく叩きつけるマシンガンのような射撃魔法

男の憎悪に満ちた目が、死を連想させる怨嗟の声が、閃光と爆音に掻き消される

「撒いた餌が風に、飛ばされて、散乱……
　釣堀場では、よくある事、だよね……」

先ほどの趣向返しである
なのはの苦悶の表情の中に、してやったりと不適な笑いが点る

「たわけがぁ―――ソレのどこが餌だと言うか！？　
　煮ても焼いても食えぬものを蒔き餌にするなど言語道断！！」

「光るルアーを餌代わりにして、魚の群れを誘き寄せる海釣りがあるって本で読んだ…
　それに蓼食う虫も、好き好き……食べられない事はないよ……」

「戯言をほざくな―――王を前に稚拙な言い逃れは出来ぬぞ！！
　ソレを餌と言い張るのなら貴様、今この場で食してみよ！！！」

ぺろ、ぺろ、――もぐ

「ぬ、―――な……！？」

英雄王が言うが早いか、彼女は桃色の魔力玉を口に持っていき悠々と舌で転がす

まるで物分りの悪い生徒に見せ付けるように暫く口で遊ばせた後
何の躊躇いもなく、魔力ダンゴを飲み込む

そんななのはを前に絶句するしかない王であった

「本当の非殺傷設定を甘く見たね……
　大丈夫……魔力弾は、体にも胃腸にも、優しいん、だよ」

グルメで王宮の食卓三昧だった王様にとっては二重の意味でショックだったのだろう
化け物でも見るような双眸でなのはを眺める、しかめっ面の王様


「ルール抵触」のために飲み込んだシューターだが、無害である筈がない
人体に物理的な破壊はもたらさないとはいえ、体内に直接打ち込まれた魔力弾
言うまでもなく全身にかかる衝撃は相当なもので、下腹部から脊椎、指先に至るまで凄まじい痺れが走り

気分は文字通り、反吐の出る思いだったに違いない

だが常人ならば三日は何も食べられないほどのダメージを負う行為をしていながら
なのはの顔にダメージを現す色は見受けられない

我慢強さ
勝利に向かうモチベーション
不屈の闘士で押さえ込んだ、、というだけではない

今でこそ彼女は最強のエースオブエースと呼ばれ
堕ちる姿を見る事など宝くじに当たる確率ほども無いと言われる昨今だが――

教導隊入隊初期のなのはは苛烈な猛練習、乱捕り稽古のような徹底した実戦主義の模擬戦で
毎日のように撃墜されていたのだという
浴びるように魔力弾を受け、蜂の巣にされて、地を転がり、泥だらけになり
何度と無く失神を繰り返してきたという

故に…彼女は慣れているのだ――魔力ダメージに
内蔵の奥まで鍛え抜かれているのだ

一トンのパンチを撃てるヘビー級ボクサーは
同時に一トンのパンチに耐え得る頑健さをも誇るという

だからこの程度の悪食、エースオブエースにとってはダメージのうちにも入らない！！

「こ、―――の……ゲテモノ食いめがッ！
　釣堀屋におけるマナーを何と心得る！」

「何分、初心者だから多少の粗相は大目に見て欲しい、かな……」

自分の事を棚に上げる王様に開き直った悪魔
つくづく酷いやり取りである


「やああああぁぁあああっっっ！！！」

「ギ―――むおおおおっ！！？」

ともあれ、綱引きならぬ鎖引きによる力比べはいよいよ佳境を迎えていた

鎖を握り、引き絞る王の手の平から鮮血が飛び散る
敵の馬力に耐えられずに王が鎖を握り切れなくなった瞬間
なのはを取り巻く縛鎖が勢い良くたわんでいく

王の姿はさながら、カジキを引っ掛けておきながらみすみす逃がした猟師の如く――

そして締め付けが緩くなったこの期を逃がすエースオブエースではない

屈辱に染まるギルガメッシュの相貌を後ろ手に飛び立つ白き翼
地の底から、紡がれた友達のエールをも力に買えて、一度は取り落とした杖にしかと手を伸ばす

酸欠によって霞んだ視界も、目の前の愛すべき紅玉を
彼女の最も頼りにする相棒――レイジングハートを見間違う事はない

「――――、！！！」

しかして、なのはの手に再び戻る紅玉の光

握り締める純白の柄の感触は１０年来の付き合いだ
勇気を冠する杖が、今再び高町なのはの手に戻る

歯噛みする英雄王
他人の決めた法になど生涯従った事のないこの身にとって何という歯痒い戦いか――
常時ならば相手にこのような反撃の機会など与えはしない
指の一つを弾くだけで敵はチリも残さず消え去るのみだというのに…

何か無いか？　何か……
釣り師同士の戦いにおいて全く抵触しない
それでいて目の前の女を留める手段――

なんかギルが可愛そうにすら思えてきた…支援

右手で持つ鎖の束がどんどんその効力を失っていく
女が自由になっていく――右手、右足、胴体ッ！

王の左手が虚空に消え
己が宝物蔵の中をまさぐって思案――
思案に次ぐ思案―――――

……………………

「―――――――――、ク」


――――　　在った　　――――


この局面を推し留める状況と、それに見合う宝具が…

カッと見開かれたウルクの魔人の相貌が
今にも飛びたたんとする白き翼を見据えて猛る


―――極稀に素人がやってしまうミスの一つとして「スロウイング」というものがある

これは釣り針を水に投げ入れる際、手のグリップが甘く
竿ごと投げ入れてしまうという痛恨の失敗である

やると分かるが、これがひたすら恥ずかしい

周囲の目線も痛いわ、竿は沈めるわで
釣り界において最悪の凡ミスとして数えられる行為の一つであった

――ほくそ笑む王

それは玄人の威厳に関わる愚行な事は否めないが、このルールにおいては妙手である
むしろ代わりにＫＯ勝ちを手に出来るのなら安いものだ

王が虚空から「竿」を悠々と取り出す

――　手に握られるは大神宣言・グングニル　――
　
一撃でこの勝負の幕を下ろすに相応しい北欧神話の主神の極大槍

その神槍の柄に釣り糸をつける――

餌は……必要ないのだが手向けだ――伊勢海老でも付けてやろう

そら出来た――どこからどう見ても釣竿だ

準備は万端――
極大宝具を背中越しに振りかぶり――

壮絶な笑みを浮かべる英雄王

「グリップが甘かった――許せよ雑種
　せめてもの謝意に跡形もなく吹き飛ばしてくれよう――」

釣…り…？

このギルはドラえもん思い出しちゃうｗｗｗ

フォローと後始末が大変だ…
そんな周りの人たちに支援

ここでグングニルｗ
釣りじゃねえｗｗｗ

「…………いいよ、、こっちも謝る手間が省けた」

「な、―――にィ、！？」

だが、それを上回る展開が待っていようとは露知らず
王が今度こそ――目の前の光景に身を震わせた
それは男が生涯において数度と感じなかった「戦慄」と呼ばれるものだろう

牛が――

待ち構えていたかのように――こちらを向いている

その猛き角――

―――　レイジングハートの先端をこちらへ向けて　―――

未だ全身を幾多の鎖に拘束されながら…
既に魔法のフルチャージを終えた高町なのはの姿がそこにあった

「鈍牛、――――！」

「牛じゃないよ」

圧倒的な攻撃力を持つ者ほど
後手後手に回ってしまうと以外に脆い
それは、度々あっさりと敗北を喫するこのサーヴァントにも言える事

ならばこの期に畳み掛けなくてどうするというのか？
エースオブエースは――管理局の白い悪魔は――
詰めの苛烈さこそ定評がある

「ディバイィィィィィン…………」

しかも今度は散弾ではない！
己が牙を取り戻した魔道士が放つ次の札は言わずと知れた彼女の代名詞

―――――砲撃！！！

満を持して打ち放つブラスター２・ディバインバスター！
そのチャージを今、宿敵、英雄王ギルガメッシュの前で終えたところであった

（撃てる……これで………）

<Master!!!　Please shoot it!!!>

（お終いッッ！！！）

人を撃つ事に喜びを感じているわけでは断じてない
だが、それでも彼女はこのトリガーを引くのを夢にまで見た

彼とは同じアーチャー（狙撃手）の資質を持った者同士
されど今まで大きく水を空けられてきた
その無念、悔しさは当然あったし
あまりにも完成された一斉射撃と防御不能の大砲のコンビネーションは強固で、不落で、
初めて目の当たりにしてよりずっと――超えたくて超えたくて
でも決して超えられない山のようだった

来る日も来る日も、男との戦いをシミュレートし
どうやっても数分以上持たせる戦術さえ立たない
この男を前にしては―――自分は一生、一発も撃たせてもらえないのではとさえ思った

ま　た　さ　る　か

その彼を、曲がりなりにも、仮の戦闘とはいえ上回る瞬間なのだから
それはテンションもあがるというものだろう

故に今、その万感の思いを乗せて、、

「バァスタァァァァァーーーーーーッッッッ！！！！！！！」

放たれたのだ――高町なのはの必殺砲撃！！

「ガッ、ッッ――――！！！？？？」

いかに男の蔵を埋めていたとはいえ
遊興に馳せるためのパラソルなど盾にもならない
巨大な魔力の迫撃砲は
かつて彼自身の体を両断したあの聖剣の輝きにも劣らぬ威容を以って―――


男の体を丸ごと飲み込んだ―――


――――――

―――時には100キロを越す巨大な獲物をも繋ぎ止めなければならない

そんな釣り糸は、今や様々な技術での硬さ、弾力の強化が研究されてきた
アラミド繊維等、凄まじい硬度を誇るもので編まれた商品も数多く存在する

だが、その硬化された糸が時として持ち主本人に牙を剥く事がある

もしそんなものが「今回のように」　何かの手違いで体に巻き付いてしまったら
市販のハサミなどで除去するのは大変困難である事は言うまでもない

そのような不測の事態に陥った場合の対応策は色々あるが
いっそ思い切りよく、バーナー等で一気に焼き切るくらいしなければ埒が明かない


――――つまりはそういう事だ

一見、直接加撃の反則に見えた彼女のブレイクシュート
だがこれは自身に巻き付いた糸を強力な火力を持つバーナーで吹き飛ばした行為に過ぎず
故に高町なのはは何らルールに抵触してはいない

そして、その撤去行為に「運悪く」巻き込まれた通行人Ａがいた……
気の毒だが、その被害者は蛇に噛まれたと思って諦めるしかないだろう


――――　RESULT

慢心油断躊躇王・ギルガメッシュ

２５ＨＩＴ　　ｓｔｏｐ

――――――

砲撃魔道士は本来、その発射時に土台を作り
両足を完全にロックしてから撃つのが基本である

「何故か？」などと問うまでもないだろう
それほどの火力を放出した際、土台である術者が全く身を固定していなかったらどうなる？
その身はロケット花火のように、凄まじい推力に翻弄されて吹き飛ばされていってしまうからだ

「く、、あッ！！　　〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ！！！」

――――　そしてなのはは、、今、ソレをやった　――――

ミッド全域でも並ぶ者のいないと言われる総火力を持つ彼女が
その全身をロックせずに撃ち放った砲撃
この瞬間、なのはの肢体はロケット花火ではなく本物のロケットになる

ギリギリと締め付けられる全身は未だ残った鎖の呪縛
それが彼女の体に食い込み、激痛を与えるがそれも一瞬――
もはやそんな切れ掛かった鎖など、この出力を前にしては糸クズ同然
王の友の名を冠する黄金の鎖がブチブチブチ、と一切の抵抗を許さずに破綻する

締め付けられた全身がＢＪに血を滲ませる
無骨な鎖で捻られた全身にはさぞや痛々しい痕跡が残っている事だろう
だがその痛みも、涙すらも、彼女が今受けている推力の前では些細なものだ

「〜〜〜〜、、、、くっ………くッッ！！！」

砲撃の反動を利用してロケット加速――

漫画などでよくある光景だが、彼女をしてこんな無茶苦茶をしたのは始めてである
斜め後ろに吹き飛んでいく景色の凄まじさに、流石の空戦の雄ですら下腹部にこみ上げるものを感じてしまう
それは制御不能に陥った機体が、管制に発するアラームのようなもの
宝具の鎖を容易に引き千切るほどの推進力が、そのまま彼女自身に襲い掛かっているのだ

まるで木の葉のように無軌道に回転しながら宙へと放り出され
高速で、危険な角度で地面に突き刺さらんとする術者の身体

<Master!!　Master!!!>

「だ、、、、大………丈夫…ッ！」

だが、どんなに危険に見えても無茶に見えても、彼女は勝算の無い行動は取らない
成功確率の低い軌道など決して取らない

常人には爆着必至のロケットスタートに見えたそれですら
高町なのはには見えている

理想的な軌道――勝利へのフライトの軌跡が

空戦Ｓランクの魔道士はいかに不十分な体勢であろうとも己の飛行状態を失念する事はない

ズダァァァァァァンッッ！！！！！！――――

落雷のような音と共に周囲の地面が、確かに揺れ動く

それは上下不規則にきりもみ回転しながら
それでも地上に叩きつけられる事も無く、寸でのところで制御を取り戻した高町なのはが
地面に着陸、否着弾した音であった

降り立った両足が地面に亀裂を――いや、地割れを作る

「………………っっは、、」

彼女の全身を襲うＧや衝撃たるや相当のものだった
脳と視界と、内蔵が競り上がる感覚に顔をしかめる魔道士であったが
だが同時に自ら、もはや誰にも邪魔をされないウィニングポジションについた事を知る

魔道士の眼前に広がるは堀
堀を真っ二つに割る滝
風の断面が形成する大河の中心

全てを一望出来る位置にて――白き魔道士はゆっくりと杖を傾ける

いつもの彼女のフォーム――砲撃の構えではない
それは杖の柄を両握りで正眼に構えた、見間違いようの無い「釣り」のフォーム

眼下には今にも四散しそうな彼女の分身――ブラスタービット
それらが形成する巨大な投網はボロボロで頼りなく
しかし術者の闘志に答えるように破綻を凌ぎ、その役目を未だに果たしていた

その中でピチャピチャと蠢く魚たち

下方に広がるは死海の断層
きっと恐怖に押し潰され、阿鼻叫喚の思いだっただろう

「よく持ち堪えたね………偉いよ」

最強のサーヴァントとの戦いで自身も倒れ付したいほどに傷ついているだろうに
彼女は頑張った彼らに、踏み止まった彼らに、女神のような微笑を落とす

知性の無いフナ達であるが、彼らとて闇の底に叩き落されるよりは
女神の手によって釣り上げられる方を望むに違いない

堀の前に両の足をしっかりと食み、スタンスを広げる白衣の女アングラー
不動のエースオブエースの貫禄そのままに――

―――　さあ、、最後の仕上げだ　―――

五つのビットとレイジングハートの先端が魔力で紡がれた縄――
否、釣り糸を形成し、しかと繋がる

どんなにか細かろうとそれはＳランク魔道士の魔力で編まれた強固な命綱
決して切れる事はない

「行くよ―――全力…………全開ッッッ！！！」

小柄で華奢な肩口が震え、最後の力を振り絞って蠕動する
途端、彼女の何１０倍もの質量を誇る投網が一気に引き上げられていく

「魔法少女の一本釣りぃぃぃぃいいいいっっ！！！！！」
　ｽ　　ﾀ　　ｰ　　ﾗ　　ｲ　　ﾄ　　ﾌﾞ　　ﾚ　　ｲ　　ｶ　　ｰ

背負い投げのようにデバイスを肩口から抱え込み
両足に、四肢に、渾身の力を込めて引く――


否、渾身の力を込めて担ぎ上げる！！

…ここまで鬼畜なのはさん久しぶりに見た…

―――本日はご来店頂き有難う御座いました

―――当店は１７：００を以って閉店とさせていただきます
―――またのご来店を、、


それはこの神代の遊戯

非凡なるアングラー二人の激戦の幕を下ろすにおおよそ似つかわしくない
しかしながら非日常から日常へと返る者達を優しく送り出す場内アナウンス

「蛍の光」を背景曲に、他に誰もいない戦場に事務的に鳴り響く――


「いっけえええええええええええええええええええええええええ！！！！！」

それを掻き消す高町なのはの絶叫と共に
夕闇に輝き始めていた星の光よりもなお猛き
強き輝きを以って北天を覆いつくす桃色のヴェール

焼けた橙色の空へと――


計３７尾の銀の鱗たちが、見事に舞い上がったのだった


――――　RESULT

エースオブアングラーズ・高町なのは

４３ＨＩＴ　　　ｓｔｏｐ

――――――

支援

長くなったのでエピローグはまた後日
番外編も２話あるから、結構手間です…

しかし夏休み中に終わらせられなかったのは偏に自分の遅筆なので
それは反省しなければ
ではまたﾉｼ


>避難所

残り少ない時ならそれでもいいんですけど
50レス分くらい残ってる状態で丸投げした場合
その代理人さんがさるさんになっちゃう…
なら自分でやった方がいいかなと思いました

>>368
GJ！とりあえず……釣りをする時は他人に迷惑をかけてはいけません。

GJ!
そして支援終了。
感想を今すぐ書きたいが瞼が重く、頭が鈍痛にさいなまされているため
本官は早々に離脱する…

乙でした！
某テニヌを彷彿とさせる熱戦に感動しました！wwwwwwwww

>>368
GJです!!
いつも楽しく読ませてもらっています
今回も凄く面白かった


それにしても、なんて子供地味た争いｗ

スロウイング→グングニル
釣り糸の切除→ディバインバスター
この発想、このくだりはかなり笑えましたｗ

後日談も楽しみにしてます

なんだこれwwカオスww
これ読んで神話の時代の釣りもこんな感じなんだろうなと思ったよww！

エピローグ楽しみにしてます!!

GJっすｗｗ
英雄王はやっぱり英雄王だったｗ

ラストのなのはが釣り上げるシーン
赤い彼がKYにも出張ってたらどうしようといらん心配をしてしまいましたｗｗ

書き込めるか？

失礼

グッジョブ！
しかしなのはさん...ぎるさん殺ってしもたん？
続きが気になって仕方がない

>>266
セイバー及び他鯖はいくら優遇しても誰も文句言わないけどギルだけは少しでもプラス描写入れたい的な話になるとたちまち>>265みたいなのが涌くんだよなー
敵ではあるが別にそこまで人気の低いキャラなわけでもないのに何故なんだろう
例の３割アルクに勝てる発言で混乱が起きたせい？

って釣りの続き来てたのか
まだ読んでないけどとりあえずGJ

>>377
ギルは本編の地の文でも実力は最強とされる一方で自身はセイバーと同等かそれ以下だとか剣技に劣るとか本人がけなされる事も結構多いからな（士郎視点だから仕方ない面もあるけど）
ランサーが鯖の強さ＝宝具だと言ってたし実際セイバーも魔力通さないと凜以下の筋力で相当宝具頼りな鯖だからそれが悪いことでも弱さでもないんだが、ギルの場合ラスボスなのとヘラクレスとの比較（伝承のギルがヘラクレスみたいな怪力男な分余計に）とかで色々損してる。
ホロウやゼロで救済措置が取られる前までは二次界隈でも滅茶苦茶扱い低くてしかもそれが当然と思われてた節も現実にあった

ギルの強さに関する話題はエミヤ厨とかアルク厨とか他の連中も色々呼び寄せるからあんま語らないのが吉
基本ジョーカーキャラ、でも道にバナナの皮が落ちてたら大抵転ぶよ的な立ち位置で

>>377
ギルに弱点がなさ過ぎるからだろ
正確にはあることはあるけど簡単にカバーできる程度のもので事実上無いのと同じ
しかもクロスのことを考えるとギルがリィン�Tや防衛プログラムを簡単にぶっ飛ばすのは許されても逆は許されない雰囲気がある
てことはギルを倒した士郎やセイバーがいればなのはなどいてもいなくても同じになるんだよ
そういうところでこれ以上強くなられてはかなわんってのがあるんじゃないかな

>>368
ＧＪ!!

ギルガメッシュさん、ひさっしょうせっていすごいですね――――楽園を返しやがれコノヤロウ
なのはの適応力もびっくりだが、レイハさんもがんばった
しかし、このリリブラ氏の発想法、　き　が　く　る　っ　と　る
個人的にはグングニルの伊勢海老がラブリーｗ

これ釣りである必要性皆無じゃん・・・
て突っ込みは野暮なんでしょうかねｗ

くにおくんドッジボールを見た時に思った感想がそのままオーバーラップして・・・

羅倶美偉
怒馳暴流
を思い出したぜ

>>384
浮逸針倶(ふいつしんぐ)

古代ウルクの漁法が発祥と言われる格闘技。
天の雄牛による飢饉の際、英雄王とその友がこの漁法で捕らえた魚を民に振る舞った事を記念してつくられたとの伝説がry

神話時代の英雄の体力に吹いた
日が落ちるまでに500kmも行軍できるってどんだけえ
あとギルガメッシュとエンキドゥの友情が泣けてくる

>>381
>ギルがリィン�Tや防衛プログラムを簡単にぶっ飛ばすのは許されても逆は許されない雰囲気がある

ないないw

>>387
や、ありうるぞ
一度完璧に防いでフハハハととか笑ったあと
今度は簡単に吹っ飛ばされるという油断慢心王ぶりを強調する場合なんかに

シリアスな場合は書き手（魅せ方）次第でしょうけどね

>>368
GJ！
これでさらにエピローグつきかw
どういうことになるやらw

あと避難所はまさにさるさん対策のためにあるようなもんなんだから、やっぱり使ったほうが言いと思う。
代理の人がさるさんになったのなら、またその代理がたてばよいわけで。
実際、他にSS投下しているスレでは、そういうことはままあるし。
つかリリブラさんの投下は、下手したら三時間とか普通にかかるんで、代理投下がないとやっぱりキツいよw

小次郎の燕返しってスキルだよな
固有の奇跡である宝具じゃないってことは、理論的には誰でも習得可能ってことかな
もちろん、心技体に相性が必要だろうけど、魔法で補正してヴィヴィオが真似できないか？
……流派ナインライブズ（地面叩きレーザー）はヘラクレスの神秘的漢補正の賜物だから遠慮な

>>390
真似するもなにも、刃を三本用意すればそれで済む技なんで
魔法でなら普通に再現可能だろ

まあ、型月の魔術（魔法にあらず)ってのは悪いいいかたをすれば

「他に道具があれば簡単にできることをものすごく面倒な方法で再現する」

であるからなあ
大気中のマナを自身のオドで制御して目の前のスイカを綺麗に４等分にすることができます！
いや、それ包丁があれば出来るから、的な

>>389
と、いうか実際今回は三時間かかった

>>391
そうじゃなくて「一本の剣で」、「三つ同時に斬撃を出す」って事がすごいんじゃね？

>>392
それはリリカル魔法にも言える事じゃね？

人間が空を飛べてビームを撃てます！すげー！
すごいけど……戦闘機に乗ればいい話しだな。質量兵器は禁止だから仕方ないが。

一本に込める全力をそのまま三乗できる面で優秀かな、とね
実際に数で押す二本槍やガトリング攻撃はfateにもあるでしょうけど、それらより近接では脅威に描写されてたし

それがすごいのはわかってるけど真似する意味はないじゃね？ってことじゃないの？
極端にいっちゃえば三方向からの同時攻撃でしかないわけだから

一方向、一門しかないはずのもので三つの全力攻撃を重ねるのが脅威なんだろ
初めから三門ありゃいくらでも読める

>>397
あとは小次郎のスキル『宗和の心得』で同じ技、（多分）同じ軌道なのに命中精度が下がらない、攻撃が見切られないだからな。
そういう意味では小次郎しか意味がないのかもな→燕返し

>>394
その代理となる殆どの物を規制してるからリリカル魔法は重宝されてるんだろう

はやて「わたし、ちょー天才やから、燕返しマスターしたったわ！」

はやて「同時に存在する三つのポーズから放つナグナロクブレイカー！！あいては死ぬ」

>>399
重宝されるかどうかじゃなくて、代用は可能ということ。一般人からすれば誰でも使える技術の方がいいだろうし。

ふと、管理局は魔術協会の未来型という妄想が過った。まあ在り方からして全く違いますがね。

もし型月世界で魔力を科学で観測する事に成功し、それに干渉する方法を科学を基礎として模索し始めた場合、魔術師はどのような行動に出るでしょうね。
論文として公表されたあとだった場合、裏側から管理するための団体に路線変更したりしそうな気もしますが。

>もし型月世界で魔力を科学で観測する事に成功し、それに干渉する方法を科学を基礎として模索し始めた場合
それはただの魔術では

と、いうかそもそも魔術師の大半は科学による産物を嫌っていてだな

そのときこそ、魂を有する魔術兵器が英霊となり、人間に反旗を翻すのだな
で、内ゲバしているところに………

>>405
漁夫の利、と見せかけた良い汚れ役の登場
地球の全員が手を組んで奴等に…

あれ、それなんてnotes.？

魔術協会ばかりでなく、アトラス院も思い出してください。

オシリスとか、どうみてもマジカル＆メカニカルなんだが

>>408
アルケミカルというんだそれは

Fateで時計塔、メルブラでアトラス院の内情が分かったから魔法使いの夜では彷徨海に出てほしいな。
ネロがそこで鬼子と呼ばれていたくらいしか分からないし、複合協会と言われても今一ピンと来ないからな。

>>969
アニメではないがスターオーシャン３とか。シリアスだから亜人種を入れるのが難しいとは限らないが。というかStSってシリアス？

誤爆

StSアンチスレか

>>413
そういうのはやめようぜ
犯人の追跡は死亡フラグだ

でもわざとなんじゃってくらい定期的にアンチスレから誤爆があるよなぁ
正直アンチスレからの誤爆っていい気分しないし

リリカルのキャラがフルボッコにあうのを期待している連中が見てるんだろうな

アンチってのはよく言われるように、こだわりの裏返し
メジャーの宿命だよ

そんなことはどうでもいい


俺が思う確かなことは――俺自身はなのはも、型月も、愛している、、、ということだけだぜ――


来やがれ――――劇場版...!

俺は両作品が対等であれば満足
蹂躙は勘弁な

私が読んだ両作品のクロス物は、熱血系ばっかりなのでたまには虚淵さんのような純愛
ものが読みたい
あるいはZeroのような全滅物

>虚淵さんのような純愛ものが読みたい
純愛･････････
まあ…純愛だな、うん。感覚異常者と肉塊の純愛とかそんなんばっかだが。いや、沙耶の唄好きですよ？読むのキツイけど。

虚淵の純愛＝殺したいほど愛してる。愛されるよりも殺したい

そんな世界だと認識しているが…よろしいか

何を言うか。体を張ってお兄ちゃんの気を惹こうとする妹の話とか書いてるじゃないか！

ウロブチはＳ
きのこはＭ
都築はロリ魂

メイドスキー武内

最近はリリィに浮気してるみたいだぜ？

>>424
お前ぜんぶだろｗ

都筑できのこで虚淵……だと……？

>>428
悪魔なのはちゃんと、
ロリアーカード化アルクだと？

ジョージボイスのヴィータ…だと……？　



―――違和感ねえな

いやむしろジョージボイスのグラーフアイゼン

ネコアルク化した守護騎士とか……管制プログラムはネコカオス。

クロノ「僕の父さんはネコミミになったって、グレアム提督が教えてくれたんだ」

クロノって猫っぽい名前だと思った

クロノの親父はネコミミの言峰か。

リーゼ姉妹といい、クロノどんだけネコまみれなら気がすむんだ

レン「………………」

ネコアルクカオスのペンフレンドが一人増えました

家で嫁と子供に相手にされないクロノの手紙を出す先がネコアルクなのか

妹も、たまの休日は、なのはにべったりだからな
癒しを求める気持ちもわかろうというもの

整理してみよう
・師匠筋のリーゼ姉妹
・ペンフレンドのネコアルク
・ペット（？）のレン
・親父はネコミミコトミー
・友人のデバイスの管制プログラムはネコカオス
・友人の家族のデバイスはジョージ

・・・いつからあいつはGCVへ迷い込んだんだ

>>441
レンには家にも帰れないような忙しいときにストレスを発散させてもらうんですね






シャーリーが

>>442は「旦那の方が」家にも帰れないようなとき

クロノ旦那が家にも帰れないようなとき、シャーリーをネコミミにして手慰みしてる、だと？！

もう収拾がつきません

>>444
妹の紹介で知り合うんだな。
で、子育てに忙しいエイミィは営みを拒否するので、不倫とｗ

言うまでもないと思うが







つ　ヒント:淫夢

>>447
現実でカオスな面子との関わりで疲れてるクロノ
そんなクロノを夢の中だけでは楽しませるために頑張るレン



余計に心労が溜まりそうなのは気のせいか

ネコミミリンディと赤ちゃんプレイ――――――！？

>448
一向に減らない大量の仕事に忙殺されたクロノを慰撫しようと、レンは連日連夜、淫夢を見せ続けます。が、見続けてテンションが上がり続けたクロノはついに暴発してしまいます。
そして１０ヵ月後、妻と一緒に新しい家族を抱きしめて幸せをかみ締めるのでした。めでたしめでたし。

>>446
ひょっとしておまいはネコ歩く氏の…

>>448
根が真面目な若き黒提督はKENZENな魂で葛藤しつづけるも
しだいに、お相手にひきだされる
嫁と母とプロポーション爆発の義妹から押し寄せる快楽の波に…
あれ、これなんて逆ベクトルのエロゲ？

レン自身が出てきたら精神崩壊するかもな
クロノは

出てきた義妹とその親友は９歳だから
レンでも問題ない

クロノ「ねんがんの ねこようじょを てにいれたぞ!」

ころしてでもうばいとる　というか　ころす


おーい、誰かルールブレイカ―もってこーい

>>454
まて、そこは「ぬこようじょ」だ

>>455
OK、まずは妄想心音かゲイボルグを用意して落ち着け

殺しなど生温い
ハルペーでチョン切ろうぜ
神話的にもクロノにぴったりだろ？

「りーぜしまいがなかまになりたそうにこちらをみている」

>>451
白に手染めにされたス○イですね分かります

>>458
クロノ「………………」

へんじがない
ただのしかばねのようだ

おぉクロノよ死んでしまうとは情けない

カレイドスコープ十五話『猛犬』の準備が出来ました

反応無いなぁとおもいつつ投下開始

＃１

ミッドチルダ北部ベルカ自治領聖王教会本部

「なんや、随分と人が少ないな」

観光名所としても名高いベルカ自治領は信者だけでなく観光客でも賑わう場所である
なじみの老信者に案内されながらはやては首をかしげた

「実は諸事情から信者や一般の方々の出入りを制限していまして、
詳しい話は後ほど、騎士カリムからお聞きください」

そうですかと納得し、周りを見てみると
どこか緊張した様子の教会騎士が足早に歩き回っているのが見て取れる

「これはシスターシャッハ達も急がしそうやね、
エリオには無駄足やったか」

「いえ、折角ですから何かお手伝いします」

傍らにいた付き添いの少年はそう言うと、
老信者にことわりを入れてから近くの教会騎士についていった

「カリムおまたせ」

教会騎士カリム・グラシアの執務室に入ったはやては
カリムの隣でテーブルに着く見知らぬ教会騎士に首をかしげた

「聖王教会教会騎士ユスティーツア・ヴォルフガング・ノイエシュタインだ、
時空管理局本局所属特別捜査官八神はやて一等陸佐でよろしいか？」

「あ―――はい、
八神はやて一等陸佐です、はじめまして」

騎士ユスティーツア―――現在聖王教会ヴォルフガング派の指導者の中で
カリム達とそれなりに話し合いが出来る人物とは聞き及んでいるが
同時に最も油断ならないとも噂されている人物でもある

―――この暗い目を見ると後者の印象のほうが強いなぁ
などと思いながら席に着く

「先日のアイネプッペだがな―――」

はやてが席に付いたのを確認するなりユスティーツアは前置きなしに切り出した

「少なくとも私の管轄ではないな、
派閥の全体にしても現在混乱状態で調べようも無いときた」

「混乱中？」

鸚鵡返しにたずねるはやてにカリムが思い口調で答えた

「クラナガン郊外の聖王教会支部で、
ヴォルフガング派の長老が殺害されているのが確認されたの
その数日前に騎士ユスティーツアが謁見したときはまだ健在だったそうだけど」

「それを証明できへんって訳やな？」

騎士ユスティーツア自身も容疑者と言う訳である
時空管理局でもJS事件時の最高評議会殺害の現場は誰も把握しておらず、
事件後に一部の証言などにより戦闘機人によるものと断定された経緯がある
今回の場合も似たようなものだろう

「あぁ、―――もっとも、
脳みそそのものが直接爆発したとでも考えないと説明が付かない状況だったがな」

彼女がこうしてこの会談に参加する自由を得ているのも、
それが彼女に実行できないことである確証があるからである

「爆発物ではなく、脳が？」

「物質置換で脳を爆発物に変換したというのが現在の見解だ、
もちろん物質置換は非常に高度な技術だが―――」

腕を組んで背もたれに身を預ける、
その間の取り方に、はやては相手が本題を切り出そうとしていると察し表情を硬くした

「これがロストロギア―――宝具によるものであれば不可能な話ではない」

アイネプッペの一件を脇に置きながらも
ロストロギアだけで済むところをあえて“宝具”という単語に言い直したことで
ヴォルフガング派、もしくは彼女個人がこの事件に一枚噛んでいると
言外に認めたことになる

とは言え簡単に取り押さえることは出来ない
今この部屋にいる中で実際に“強い”のは彼女なのである

「まぁそれはさておき、
―――騎士カリム、この教会本部の騒がしさは何だ？」

はやてにとってもそれは気がかりである
ここにくるまでの物々しさはやはりただ事ではない
ユスティーツアも曲がりなりにも聖王教会本部の大事となれば
放置するわけには行かないようだ

「実は―――」

深刻な顔でカリムはそれについて話し始めた

漢は黙って支援

＃２

「これ、かな？」

外壁に刻まれた魔方陣を確認し、エリオは一人つぶやいた
デバイスに入れたデータと照合し通信で場所を報告する

聖王教会本部の建物のいたるところに魔方陣が刻印されるという
怪現象が起こっていたのである

ミッド式ともベルカ式とも違う形態であり、ひとりでに浮かび上がるということもあり、
現在聖王協会は一般人の立ち入りを制限し、原因を調査していた

気分転換を兼ねてシスターシャッハらと鍛錬するつもりで
はやてに同行したエリオであったが、話の流れで調査に加わることとなった
とは言え魔力そのものをどうにかできる訳も無く、
報告を終えてしまえば出来ることなどない
いささか覇気の無い顔で次の刻印を探そうと首をめぐらせたその時だった

「なんだ随分しみったれたツラしてんじゃねぇか坊主」

十メートル以上はある塀の上から誰かが声をかけてきた

「誰だ！？」

反射的に身構えながら武装する
声をかけてきた男は躯の線に沿ったピッタリとしたボディスーツを身に纏っており
少なくとも普通の教会騎士ではない

「その歳で一人前に得物を持つか―――
いいねぇ」

ひらりとそれだけの高さを意に介さず飛び降りると、
口の端を吊り上げ、その手に一本の真紅の槍を手にしていた

「その槍―――ランサーさんと同じ？」

穂先や石突のこしらえこそ違うがランサーの持っていた二振りの魔槍と同じものであった
（ちなみにエリオは二週間前の地上本部襲撃時には直前の会議時には参加していたが
技術部から汎用デバイスを手に現場である正面玄関に出ていた）

「ほぉ、同郷の英霊に会ったのか
―――親父殿は神霊だから呼ばれるわけが無いとして、
さしあたり、マックールの小僧のところの色男あたりか」

口の端を吊り上げて楽しげにそういうと「まぁそれはそれとして」と、
改めて槍を構え直した

「打ち込んできな坊主、
互いに得物を抜いておいてやりあわねぇって訳にもいかねぇだろう？」

「あ、えっと？」

敵意や殺意といった雰囲気の感じられない態度に毒気を抜かれて、
エリオは思わず反応に戸惑った

笑みを貼り付けた顔でどうやらこちらを値踏みしているらしいというのは判るのだが
はたしてやっていいものかどうか？

「やれやれどういう教育したのかしらねぇがお行儀のいいこった、
なら―――こっちから行くぞ、動くなよ？」

言い終えるのと赤い閃光がエリオの顔の横をかすめたのはほとんど同時だった
当てる気の無い一撃であることがありありと見て取れる一撃だったが、
直撃していればエリオの顔には風穴が開いていたはずである

「上等、なら次は―――当てるぞ」

反応すら出来なかった一撃に、
冷や汗を流しながらも怖気づかなかったことに気を良くしたのか
引き絞る動きとともに眉間、心臓、わき腹と三連で槍が繰り出される
とっさに身構えたストラーダで眉間と心臓は防いだが、
わき腹を防ぎきれず、エリオは傷を庇いながら数歩男から距離をとった

遊び半分に命を奪いかねない男の態度だが
其処にはどこまでもまっすぐな戦士のスポーツ的な空気さえ感じられ、
エリオはさらに戸惑い、一拍おいて理解した

―――いや、そうか
この人の戦闘はなのはさん達の模擬戦と同レベルの“比べあい”なんだ

その違いはせいぜい命がかかっているかどうかだけである
それそのものは果てしない違いであるのだが
ようは死ななければいいのだと納得して身構える
そこに納得できるあたり異常な心理状態なのだが、そこは男の持つ空気ゆえだろう

少なくともこの男が強いのは確かだ、遠慮は要らない

「行くよ、ストラーダ！」

まっすぐに穂先を相手に向けて構える
モード２セット、カートリッジ二発ロード

「いきます！」

「おう、こい！」

変形する槍に目を見張ったものの口元に浮かんだ笑みは変わらない
むしろ一層きつく口の端を吊り上げ、立ち向かう少年を迎え撃つ

「でやぁ！」

ドンと石突から噴出す魔力に打ち出され、一瞬にして間合いをつめる
各部から飛び出し複雑に可動する噴射機構によって強襲能力を上げた一撃を

「なんだ、結構やるじゃねぇか坊主」

身をひねるようにして振り回した槍の柄で受け流し、
そのまま石突で打ち据え、さらに―――

「うわっ！？」

返す刀で振り上げた穂先の一撃を必死に受け止めた死角から蹴りが繰り出され、
エリオは受身を取りながら地面をごろごろと転がった

「打ち込みは上々、思い切りもいい、この歳で自分の業を心得てるとなれば、
これは師の方は相当かね？」

立ち上がるエリオを見ながら仕切りなおすようにして一人呟く、
惜しむらくは歳か、流石に若すぎるなどと余裕を見せていた男が、
不意に何かに気づいて横へと視線を向けた

「そこまでです」

視線を向けた先に長髪のシスターが両手に二振りの剣を構えて立っていた

「確認しておきますが、この刻印は貴方によるものですか？」

「いいや、こそこそ仕込むのは魔術師の領分だろ、
ま、心当たりが無いとは言わねぇがな」

飄々と槍を弄びながらシスターの問いに答える

「本当ですか？」

「おう、嘘をつく理由もねぇだろう？
まぁ折角だ、教えてほしかったら―――俺に一発当ててみな」

悪戯を思いついた子供のような顔でそう言うと、
男は弄んでいた槍を再び構えなおした

支援でござる

＃３

同じ頃、聖王医療院

「―――それほど、ですか」

シャッハの驚愕にシグナムは重い息を吐きながらうなづいた

「えぇ、正直に言ってこれ程の完敗は覚えが無い、
特に最後の一撃、あれに対抗できる魔導師はおそらくいないでしょう」

単純な威力だけなら対抗できる広域砲撃魔法もあるかもしれないが、
魔力の収束にかかる時間が短すぎる
シグナムの知る限り同等の速度で同じだけの威力を叩き出せる魔導師などいない
物量で押せばどうにかならなくは無いかもしれないが、
なるまでの間にいったいどれほどの犠牲が出るか

「ところでシスター、
教会の方はいいのですか？」

「セインはともかく、
オットーやディードも大分使えるようになりましたし、
それに、今日は別件のついでですから」

「別件、ですか？」

シグナムがいったい何だと首を傾げたそこへ

「あぁ、シスターシャッハこちらでしたか」

金砂の髪の見知らぬ少女が姿を現した

「―――っ？！」

いや、見知らぬというのは間違いというべきか
碧の瞳や肌の色などの違いはあるが、そうした要素を除いて造詣のみを見れば、
少女の外見は黒騎士と瓜二つといって差し支えない容姿である

シャッハの言うところによると次元漂流者のようなのだが
本人曰く本体ではなく写し身であるらしく、
おそらくこの世界におきている何らかの歪みが原因ではないかと言う事らしい

「―――歪み？」

セイバァァァァ――！

「はい、詳しいことはまだ判りませんが、
この世界に何らかの歪みが起きているのは確かです」

それが何かは判りませんがと言いながら少女は言葉を濁した

「それよりシスター、
教会の方から呼び出しがかかっているようですが」

「えぇ、承知しています
病院内ですから通信には出ませんでしたが、
おそらく教会の騒動に関するものでしょう」

「騒動？」

席を立とうとするシャッハにシグナムが疑問を口にする
空間モニターを開きながらシャッハは教会におきている魔方陣刻印騒動について説明した

「魔力に反応して浮かぶのが“完成したもの”だとすれば
教会本部の建物全体にかなりの数が刻印されていることになりますね」

そう説明を締めくくるシャッハの隣でモニターの画像に見入っていた少女が
「ブラッドフォート……」とつぶやき、厳しい顔で彼女を振り返った

「シスター、
この刻印は二週間ほど前から見られるのですか？」

「そうですが、どうしたのですか？」

問い返すシャッハに答えず少女は難しい顔で思考に没頭すると
ややあって意を決したように口を開いた

「マザーカリムに連絡を、これは魂喰いです」

「魂喰い？」

聴きなれない言葉に鸚鵡返しに問い返す

支援

「はい、その昔知り合いの魔術師に聞いたところによれば
魂どころか内にいる者をその躯まで溶解し魔力として取り込む悪質な結界だそうです」

術式が施された土地を完全に侵食するのが敷設から二週間程という話ですから、
いつ発動してもおかしくないでしょうと続ける少女の説明に絶句する

リンカーコアに干渉しての魔力収集などというレベルの話ではない
コレを施したのは文字通り“人を喰う怪物”ということだろう

「しかしおかしい、
この術は“彼女”の宝具のはず……」

絶句するシャッハ達にたいし、説明とは別に個人的なことをつぶやく
どうやら使い手に心当たりがあるらしい
それは大いに気になるが、ひとまず後回しにしようとシャッハは口を開いた

「では、とにかく一度教会に戻りましょう
詳しい説明は騎士カリムのところでお願いできますか？」

「わかりました」

礼儀正しくシグナムに暇を告げると二人は慌しく病室を後にした

客人の去った病室でシグナムは先ほどの少女の言動を反芻していた

おそらく彼女はサーヴァントによる一連の事件とは無関係ではあるまい、
むしろ核心に近いところにいると見て良いだろう

その存在が吉と出るか凶と出るか
どちらにせよ彼女が今後の鍵なのは間違い無い

「いずれにせよ、早く治さねばな」

他人のモノかと思う程動きの鈍い我が身を見回して息を吐くと、
シグナムはベッドに身を横たえた

今回は以上です

乙
シグナム姉さん！早く復帰してくれ！
貴方の魅せ場の為に毎日来てるんだから！(爆

それはそうとwikiが更新されてねーぞ。なんでだ？

乙乙

GJ!

GJ!!です。
あぶねー結界を教会に張るとはｗ
不完全でも、相手のステータスに異常をもたらすから厄介だなぁ。

>シグナムはベットに身を横たえた
…そしてその後、深い眠りに落ちた筈の彼女の目に写ったのは



銀色の世界だった




アッー！
いつまでレンネタ引っ張ってるんだ俺はｗｗ

兄貴キタ！！

姐さーーん！
まだベッドの上とはオルタ半端ねーなｗ

オルタと言えば、ホロウで反転したとき
ひょっとして、こいつはギルとくっつくのか?!とか結構マジメに心配したｗ

>>483
アンコでは
「雑念に溺れたか…セイバー！」
と、英雄王はお怒りの様子でした。
暴君と慢心王では方針が違って相性はよろしくないようで。

>>477
今回の分は登録しておきました。
ほかに何か登録されていないものはありますでしょうか?

>>485
乙乙

>>485
登録乙でゴザル
あとは他の人の作品かな？
具体的にリリブラ氏とか。

>>476
GJ!!

さて、完成した蛇さんの結界の最大広さと効果は折り紙つきだが、わざわざ目立つ教会施設に……？
これは空気を読んだ兄貴に解説してもらうしかあるまい
シグナムは休憩タイム――――作戦タイムですか
プログラムに少しダメージを受けたのかな？
とにかく、つづきを期待

そういえばこれで１２人そろいましたね。

アルトリア
黒アルトリア
ギルガメッシュ
クーフーリン
ダーマット（脱落）
イスカンダル
メドゥーサ
ジル・ド・レ
メディア
ランスロット
ヘラクレス（脱落）
ハサン

>>476GJ！

>>489
足りない分は再召喚されるんじゃなかった？
ところで、ヘラクレスは最初にフルボッコ食らって死んだんだっけ
忘れてたわ南無〜

さすがにアヴぇンジャーは出ないだろなあ

というか、教会施設内に見た目不審人物多すぎるｗ

弓の比率が…(/;ω;`)

弓の比率…だと……？
つまり―――――――、どういうことだ？　（´･ω･｀）

漢(おとこ)分が足りない

ハサンじゃだめなのかよう
イスカンダルじゃだめなのかよう


３次アサシンも出てきてるっぽいよな

ハサンはランサーの心臓食ったからああなったのであって、
征服王は…うん、なんというか…「おやっさん」的な感じかな、俺には。

赤外套の弓の漢オーラは独特なんだよなぁ。
皮肉屋でキツくて、でもお人好しっていう

>496
仮面ライダーＷの主人公が公式で『ハードボイルドになりきれないハーフボイルド』と評されていた。
アーチャーも所詮士郎の成れの果て、どこかハーフボイルドなのでしょう。

ところでリリブラ氏の作品はまだ登録されんのか？

やりたくても当方携帯につき編集不可
ＰＣの方誰かお願いします

エピローグが来てからで良いのでは？

>>497
半熟英雄ってフレーズが頭をよぎった
ゲームはプレイした事ないけれど

なのはさんとアーチャーの過去が楽しみ

今日辺り投下来ると思ったんだけどなリリブラ氏

>>502
「後日」投下するって言っとったしな。
てか、釣りバトルも登録せんと。何話か登録されとらん気ガス。

というより、リリブラ氏は「自分の作品は自分で登録する」
って、前に言ってなかったか？

>>504
言ってたはず。行間をどうするかって時に自分で登録しますと言ってたような？違う人かな

最後まで投下してから一気に登録、かな？

LOBのなのは対ギルガメッシュ　決着が付いたな
面白かった

>>507
やはりあれは素晴らしいものだな








ネタ的に

虚淵Fateにあって奈須Fate、なのはに足りないもの
それは、血だ、暴力だ、二丁拳銃だ、二刀流だ、殺愛いだ

なのはにはディードがいるよ……二刀のよさはなかったがｗ

＞二刀流だ
エミヤ「……」

きっと男でも女でもイケちゃう的な意味なんだよ＞二刀流

>>509
硝煙の匂いはないけれど血はあるよ！
後スパークライナーハイは良い殺し愛

>>512
やめろよ…某所で読んだ、「御神の剣士は二刀流」を思い出しちまっただろうw

>>513
スパークライナーハイは凄かった。さすがＨＦにおけるセイバーエンド。

きのこに血が足りないって？
イリヤがミンチになったりしてるのに？

>>507
描写が熱く、尚且つ文が上手いってのは貴重だな

おお……大気が血を求める声で満ちておる

リリなの側で特に血を流して戦ってたキャラは

スバル
ヴィータ
かな

というかスターズは酷かった

型月はハルオが血みどろ賞かな

スターズの（不文律の）基本方針は正面突破にちがいない

流血大賞はライダーだと思う
宝具のたびにネックカットだからな彼女の場合

それはそうとＬＯＢ読んだ
凄かった
あそこまで突き抜けるとある種の清々しささえ感じる

あれがＳＳＳランクの領域だとしたら
はやてらＳＳとの間には天と地ほどの差があるな

ここ以外のSSは避難所で語りんさいベイベー
でないと怖いおばちゃんがやってくるぞ？

SSSはヴォルテールとかじゃないのか？

血液ならワラキーだろう。
飲みまくった量なら（多分）教授やロア以上だ

ワラキアは自分の血ではないから……
あと、活動期間の少なさと孤立したコミュニティってのでネロやアインナッシュのが上かもしれへん

>>523
まとめ掲示板のＳＳ語りスレな

>>525
でもラストの流血しながら泣き笑いの告白に感銘を受けたのは俺だけじゃないはず。それと……リリカル側からギン姉が出ないのはどういう了見かね？
流血どころか腕が千切れるオマケ付きだというのに。

>>526
それを聞いたリリカル勢はどう考えるんだろう、っていう話題は何度も出たけどＳＳは小ネタが一つなんだよなぁ
そういえばまとめには載ってなかったな。何スレ目に出たかは忘れたけど

リンディあたりに女性としての意見を聞いてみたいな
こう生生しいやつを

失礼
また夜の２，３時間、ご迷惑をかけますよ

完結編エピローグと、補完的なオマケストーリーを三つ描いているのですが
そのうちオマケの二つ（その一つはなのはとアーチャーのやつ）はまた次回という事で…

いい加減、本編に戻らなくてはと思うので
本当に次回で全てかたをつけたいと思います

では休日完結編
投下します

眼前に広がる滝――
いや、それを果たして滝と言ってもよいものか

明らかに人ならざる超常の現象によって作られた
それは虚空へと続く滝――その深さは計り知れず
地獄の底へ繋がっていると錯覚させるほどの堀に生じた裂け目

そんな水面に生じた断層が、かの賢人モーゼが渡り終えた後の十戒の海のようにゆっくりと閉じていく

それを見据えて……いや、実際には見据える余裕もなかったのだが、

「　、　　、　　、　　………ふ……」

彼女、高町なのははまるで長距離マラソンを走り終えたランナーのように
その場でガクリと膝をつく

<master!　Are you all right?>

「大丈夫、と……言いたいところだけど、」

自らのデバイスに精一杯の強がりを言うも、そんな余裕があるわけが無い

自分の呼吸の音が感じ取れない――
息を吸っているのか吐いているのかすら分からない
点滅する視界に、キーンと鼓膜の奥からの耳鳴りが止まらない

体の至るところから鳴らされる警報は、自身の肉体が限界を超えて稼動してしまった事の証明だった

白き衣を纏った空戦魔道士のその後ろには、五問のビットによって形成された投網があり
否、それは術者自身の意思によって自在に変化し、既に巨大な魔力の水槽と化している

その中では今宵彼女と争った相手
英雄王ギルガメッシュが落とし込む筈だった戦利品
堀の中の全ての魚が悠々と泳いでいる

これ以上ないほどの大逆転劇のうちに彼らの勝負は幕を閉じ
後ろのソレが、軍配がどちらに上がったのかを如実に現していた

もっともそんな自身の戦果を確認できる余力すら今のなのはにはない

その小さい肩が大きく上下していて
ヒュー、ヒュー、と喘息のような、搾り出すような呼吸音を喉から漏らしている

地面に滴り落ちる大量の汗はまるでサウナに入った後のようだ
自身の杖にすがり付く様に、辛うじて倒れないように立つのがやっとの姿を晒している彼女は
朦朧とする意識の中で事の顛末を―――ただ静かに肌で感じていた

他ならぬ自分の勝利が決まった瞬間を―――
この馬鹿馬鹿しい遊興の終わりの光景を―――

終わってみれば――やはりそれは単なる遊びに過ぎなくて

悪餓鬼同士の砂玉のぶつけ合いや陣取り合戦と何ら変わらない
つくづく大人げないやり取りだったと認めざるを得ない

子供は大人になるにつれ分別を持つに至り
代わりに心身の鮮度は反比例するかのように殺がれていく
新鮮な驚きに出会う機会はどんどん減り、全ての事に全力で当たる事が難しくなっていく

それはとてもとても悲しい事で、心はいつも少年少女で居続けたいと思うのはきっと全ての人間が持っている願いであろう

――　リリカル　――　マジカル　――

それは彼女が一つの出会いを果たし、初めて口にした魔法のコトバ

この情熱的で不思議な出会いをいつまでも忘れないで――
そんな幼少の彼女なりの願いが、そのコトバには込められていたのだろう

しかしながら、、

「いや、だけど………
　これはやり過ぎだと思うよ……我ながら」

やっぱ物事には限度というものがある―――と
ゼイゼイと深呼吸もままならない真っ青な顔で彼女はつくづく実感していた

「うん……間違いなくやり過ぎた…」

どんなにリリカルであっても
毎回こんなんやってたら情熱的に心臓発作で死んでしまう……
どこかの記事で、友達同士の水泳勝負で意地を張り合った結果
全身引き付けを起こして溺死しかけたという例もあるのだ

正味な話、人がとことんリリカルになった時
遊びと真剣勝負の境界などはあっさり崩れ去る
いつの間にやら命をかけた大勝負になっていたりするのだ
故にこの世の中は実に恐ろしい…

まあ――今回は相手が相手だけに、しょうがないと言えばしょうがないのだが…

何せ誰だって負けたくない相手はいる
引くに引けない相手がいる
高町なのはにとって本日、相対した男はまさにそれ
たとえ遊びでも絶対に屈したくない部類の敵であった

彼――英雄王ギルガメッシュは自分をして
いずれぶつからねばならない相手なのだと思う

あの強大な王と、いつかは雌雄を決さなければならない
故に寝ても覚めてもギルガメッシュ攻略法なんかを考え続けてきた

この一途な想いは、その強さだけを見て強烈な恋心などと比べても遜色の無いものであろう
脳内でシミュレーションを立て、その度に串刺しにされる自分を見て
悔しさに身を焦がれ、そんな思いを幾晩幾日と過ごしてきたのだから

余談であるが、常に最悪の事態を想定し
一切の妥協を許さない高町なのは式イメージトレーニングにおいては
英雄王特有の「油断」や「慢心」を考慮に入れた事は無い

そんなものにつけ込むのは不確定すぎる……それでは運任せと同じでとても攻略法とは呼べない
だから彼女はいつだって―――男の「最大戦力」を想定してシミュレーションを立てていた

アンノウンのステータスを最大に設定していたのだから
彼女の目にこのサーヴァントがどれだけ巨大に写っていたか想像に難くない
そりゃボコボコにされるだろう……聞けば聞くほど彼女らしいというか、無理も無い話である

ただそんな中――教導官・高町なのはが立てた戦術の一つとして
兎にも角にもまずはエアを――あの最強宝具を男に抜かせるという前提条件があった

本来ならばあれを抜かせたら終わりというのが真っ当な見解であり
切り札をあえて抜かせるというのは――　一見、矛盾している理論なのかも知れない

だが彼女のスタイルは昔から相手の切り札を凌ぎ切り
引っくり返して勝利をもぎ取るのが動かぬセオリーとなっていた
未だ全貌は五里霧中なれど、結果的にそれが最も勝率の高い戦術と直感で判断し、結論付けたのは英断といえよう

そして今回、期せずしてフェイトからの贈り物――
栄養剤に含まれたヘビの因子が偶然、その状況を作り上げてしまった
天敵の要素をこちらが取り入れた事によって、否応無しに王は慄き猛り
危機感から乖離剣（性格には竿）を取り出してしまったのだ

「ちょっと出来過ぎ……」

ぼそっと紡いだ一言に彼女の今回の戦いの感想の全てが集約されている

あとは終盤からの怒涛の展開をご労じろ、としか言えない
まさに奇跡のような展開であったからだ

まったく偉そうな事を言っておいて、これでは運任せと代わらないではないか…

神がかり的な展開に助けれての勝利は
きっと女神様がこちらに全額ＰＥＴでもしてくれていたに違いない、が…

もし本物の戦いだったらこうはいくまいと考えると気が重くなる
後のためにデバイスに記録していた今日の勝利データは――
故に「本番」では微塵の役にも立たないだろう

「はは……」

知らず苦笑いが漏れてしまう高町なのはの表情

こんな所で運を使い果たしていいのだろうか？
出来れば今回のようなのは「本番」まで持ち越しておきたかった幸運だ
ちょっと勿体無かったと言わざるを得ないが……

まあ、運というのは取捨選択できないから運なのであって、、

乾いた笑いしか出ない己が表情に溜息を付きつつ
今回はこの幸運と勝利を遠慮なく拾わせて貰おう、と――――


<!!　　Ｍａｓｔｅｒ!!!>

「、っ！！！？」

そう思い立って体を起こそうとした、なのはの後方から突如の異変――

疲労によるものか、勝利の余韻に弛緩していたのか
彼女はその気配にすら気づけなかった

空を切り裂く白刃――もしソレが「その気」なら
自分は絶命していたに違いない

今まさに高町なのはの首の皮一枚のところに突きつけられた
凶悪な刃によって

ｅｐｉｒｏｇue　―――

彼女の右後ろ
満身創痍の魔道士を見下ろすように

ソレは立っていた


――　何故気づけなかった？　――

これほどの憤怒の塊

これほどの怨嗟の念に


鬼相とも言うべき歪んだ形相を灯し
手に禍々しい断頭の釜を称えたモノ―――

「………、―――」

蔵から取り出したる宝具はハルペイの鎌

その切っ先を勝者である高町なのはの喉元に突きつけて
彼――英雄王ギルガメッシュが再び立ちはだかる

王の戦利品を投網で掻っ攫っていった女――

堀ごと叩き割るという、王の所業に相応しい力を以って戦った自分に対し
その威容に一欠の敬意も払わず、横合いから手を刺し込み
一切合財をぶっこ抜いて行った女――

王の力の間隙を縫った姑息な狙い撃ちによって、この戦いは既に決着を見ているが
当然、、それを男が納得するかはどうかなど……誰にも知る由も無い

「――――、」

彼女の喉に突きつけられた冷たい感触
その妖気を伴った紫紺の金属は、多くのニンゲンの魂を無造作に刈ってきたのだろう
刃には犠牲者の絶望と怨嗟の魂がこびりついているかのようだった

「髪型、変えたんだ…」

ゾッと背筋の凍るような冷気に晒されながら
辛うじて言葉を返すなのはだったが

―――ビキビキ、、と
男のこめかみの辺りから異音が、比喩ではなく本当に歪な音が響く

地雷、踏んだらしい…

それもそうである
先ほどまでは綺麗にセットされ、天にそそり立つ様に撫で付けられた彼の髪は
彼女の指摘通りに前髪ごとざんばらに降ろされている状態だった

これは言うまでもなく――急遽思い立ったイメチェンなどによるものではなく
機先を制してカマされた、あの濁流のような魔道士の砲撃に巻き込まれてのものに他ならない

（完全に怒らせちゃったかな…）

本気でここで殺されるかも知れない――

と、宝具の切っ先を向けられながらに思う彼女
もっとも、心の中はどうあれ、そんな臆した態度を相手に見せる高町なのはではない
目は凛と一直線に英雄王の双眼を見据え――背筋を伸ばして対峙する

息も絶え絶えながら威風堂々とはこの事だ

後にどんな暴力を振るわれようと勝負の結果は引っくり返らない
サイの目の結果は塗り替えることは出来ないのだ……何人たりとも

それでもやれるものならやってみて――と

それを貴方が、英雄王の名に恥じぬ行いと思うなら――と

エースオブエースは爛々とした眼光を男に向け続けた


「――――ク、、」

すると怒りに染まった男の表情が奇妙に歪み
辛うじていつもの冷笑を称えた相貌に戻っていく

あるいはなのはには分かっていたのかも知れない
その刃が――決して振り下ろされる事は無いという事を

彼とて英霊、、十重に承知していよう
そんな事をしても恥の上塗りになるだけなのだという事を

そう――

「認めよう――確かに今この場では貴様が上回った」

認めるしかないのだ――

正々堂々と自分を打ち破ったこの若い女の英雄を

死神の鎌を引いた男の口から出た言葉が今
ようやっと、真なる意味での戦いの終了を告げたのだった


――――――

（……………、）

緊張に緊張を重ねていた肉体が、精神が
今、本当の意味で脱力し弛緩する

大きな溜息をついてその場にヘナヘナと腰を下ろすエースオブエース
人目がなければその場で地面に大の字に倒れこんでいたかも知れない

彼女を責められるはずもない
それほどの疲労、それほどの激闘だったのだから

「そ、そんな事…」

ないよ、と――

いつもなら謙遜の言葉を返すなのはであったのだが
今回は嬉しさと達成感でそれどころではない

この英雄王自身の口からはっきりと―――「お前の勝ちだ」と言わせたのだ

それは登山者が国一番の高度を誇る山を登りきった時に感じるカタルシスにも似ていて――

（…………ん）

左手をぎゅっと握り締めて
やった…という感情で満たされる彼女の心内

自分は曲がりなりにも勝ったのだ
あの英雄王ギルガメッシュに――

夕焼けは戦士の頬を優しく照らし

栗色の髪が風にたなびいている

既に顔を出している星が、月が、場に煌々と冴え渡り

この素晴らしい勝負に祝福の光を落とすだろう


「あ……」

満たされていく感情を抑えきれず
彼女の目に涙すら浮かんでいる
その声は昂ぶる気持ちで少し震えてた


　　　ありがとう――ございました


感謝と、互いの健闘を称えて、その言葉を紡ごう

例え次に会った時は血みどろの殺し合いをする仲だったとしても
今だけは尊敬するライバル――英霊の中の英霊
自分もその生涯をかけて目指す事になるだろう、黄金の雄姿に対して――


「――――さて、次だ」


……………………


そんな感動と友情の篭ったラストシーンは、、
あとはスタッフロールが流れてハッピーエンドの筈だった………

なのに、その一切合財を―――


絶対零度の冷気を伴った一言が―――

―――　全て、ぶち壊した　―――

……………………

「………………は？」

はにかんだ笑顔がピシっと凍りついた表情のままに
間の抜けた声が魔道士の口から漏れる

感涙に濡れた瞳は今、完全に瞳孔が開ききり
高速回転する思考は、それでも相手の真意を全く汲み取れず

今なら握手なんかしてくれるかな…などと
おずおずと手を差し出した姿勢のまま――彫像のように固まるなのはさん

「―――どうした？　よもやこれで終わりというわけではあるまい？
　ここまで我を煩わせたのだ　最後の意地を見せてみよ」

事ここに至って、「引き続き、我に挑んで来いヌハハ！」、みたいな事を言ってくる彼

相変わらず高圧的に――
見下すように――

おかしい……何だろう……

会話が全然、噛み合わない
何か根本的な部分がずれている気がする

「あ、あの……あの、さ…」

出した手を所在無くニギニギさせながら
乾いた声で問う高町なのは

「許す―――申せ」

「私の、勝ち……だよね？」

「そうだ、認めよう
　忌々しいが確かに今の邂逅では貴様が上回った――――この場ではな」

快晴のような雰囲気だった場に
感動のラストシーンの筈だった場に
何やら怪しい雲行きが立ち込める

猛烈にやな予感がする――

「何を呆けている？　喜べよ雑種―――この我が　<一回戦>　は譲ると言ったのだ
　常に完全・完封による勝利こそが我が紡ぐ闘争の結果であり、それ以外を認めるは屈辱の極みなれど……
　英雄王に食い下がった健闘を一応は称えてやるというのだ――これ以上の栄誉はあるまい」

「…………」

「それとも貴様、まさかこれで終わりだなどと思ってはいまいな？
　この我が治むる強大な領土の、端の、端の、僻地を、切り取った程度で我に勝利したと？
　ハッ！　これは笑止千万！！　どこまでお目出度いのだ女ッ！！」

盛大に手を広げて何か言ってる王様
その彼の指し示す眼前には、、

「周囲を見てみよ！　未だ手付かずの堀がそら、そこにも、あそこにも、残っているではないか！！！」

「………」

さぁ、―――と、、血の気の引いていくなのはの表情には
もはや健闘を称え合うとか
次に会う時もこんな出会いであればいい…などという
爽やかな気持ちなどとうに霧散していた

「矮小な雑種――教えてやろう　
　王の敗北とはすなわち、己が所持する全ての領土を蹂躙される事にある
　ちなみに我の所持する釣り場は出張店舗も含めてあと108場はある
　貴様が我を打破するにはつまりはあと108回――我を上回らねばならぬという事だ……理解したか？」

「もう営業……終了してるじゃない
　制限時間はどうするの…？」

「営業時間延長だ――ナイター施設もあるので問題はない」
　
「…………」

曲がりなりにも平静を装っていた彼女
どんな時も冷静沈着、同様の兆しを一切見せなかった不動のエース

そんな高町なのはの肩が

ついには小刻みに……

プルプルと震え出し――


「ズ、ズ、、ズルいっっっっっっっっ！！！」

「フハハハハ……はーーーーっはっはっはっはっは！！！」

「卑怯者！！　　卑怯者っ！！！！！」


最後には耐えかねたように真っ赤になって批難の声を上げるなのはさん
それを掻き消す王の高笑いがいつまでも場に響いていた


いつまでも――


いつまでも――


――――――

分かっていた事だが――

やはり聖杯戦争を殺しあうサーヴァントに
スポーツマンシップなどあるわけもない

そして亀の甲より年の功
常に保険をかけておくのが賢いオトナのやり口だ
化かし合いでは、やはり年若い女魔道士よりも
人生の甘いも辛いも味わってきた英霊諸処に一日の長あり

この世の全てを支配した元祖・王様は―――実に汚かった
断言できるが古今にはこびる悪徳政治家たちの元祖もきっとコイツだろう、、マジで

リリブラ氏キテター!

支援

さるくらったらちゃんと避難所いってね
支援

<ｍ...Master...>

「ううう………う〜〜〜〜〜！！」

猫のように獰猛に
しかしどこかに愛着を感じさせるような
そんな唸り声を上げるなのはさん

完全に一本取られた彼女であるが
ならばなおの事――これで終わりになどするものか！

不屈の名は伊達ではない
小賢しい大人の策略でお株を奪われたのならば
こちらはあくまで若さと勢いで正道を貫くまでだ
現代の仕事に生きるキャリアウーマンのバイタリティを舐めるな英雄王っ！

「いいよもう……とことん付き合う……
　レイジングハート、やるよ……」

ゆらり、――と体を起こし、王と再び相対する高町なのは

本日最大の怒りのオーラを身に纏った彼女の風格は
もはやラスボス以外の何物にも見えなかったりする

<Ｂｕｔ　ｍaｓｔｅｒ...Your ｅｎｅｒｇｙ is already...>

「やるよ」

<Y、Ｙｅｓ>

その殺気に長年付き従った紅玉の杖すら口を挟めない

打ち止めとなった堀を後にし
向かい側の釣堀に並んで向かう覇王と魔王

不遜な佇まいを崩さぬ男と
目に爛々とした光を称えた女が
のっしのしと歩を進める

「「さあ、次だ　（よ）」」

詰まるところ、二人の戦いはエンドレス何たら――

周りがもうやめてくれと頼むまで続けられる類のもの
つまりは行くとこまで行くしかないという事で……

新たに持ち替えた竿を蹂躙の爪牙に変えて
王と魔道士が次なる狩場にまかり通る


―――時刻は17：15分

残りの獲物を喰い尽くすには―――十分過ぎるッッ！


夜桜に彩られた帳の中
祭はまだまだ終わらない


――――――

その戦いの目撃者はかく語りき――


――　あれは神様と女神様の夫婦喧嘩だったべさ、と　――


決して歴史に残ることのない
神話に記された戦いに匹敵する規模の
とある一夜の総力殲滅雷撃釣り合戦

現世に降臨した偉大なる王様と
遠いどこかの空で、無骨な箒を手に飛ぶ魔法少女

田舎の団地裏にひっそりと立った釣堀場にて
まるで磁石で引き寄せあったかのように出会い

互いに一歩も引かず譲らず、真っ向からぶつかりあい、貪欲に貪るように
打ち鳴らされる神話の道具と不思議な魔法の鬩ぎ合いの末に
全ての戦場は二人によって瞬く間に制覇された

数少ない目撃者は幸せだったのかも知れない――

この世に人知の及ばぬ「怪異」は数あれど
これほどまでに人の胸を打つ
美しく楽しい不思議は滅多にお目にかかれないだろうから

リリカル、マジカル――おめでとう

この戦いを繰り広げた美しき女魔道士は
結局、名前も明かさずに去っていったが――
数少ない目撃者の間からは尊敬と畏敬の念を込めて

フィッシング・メイデン――

「魚に愛された乙女」と呼ばれ
長く語り継がれていく事になったとかならなかったとか


――　ちなみに舞台となった戦場は既に無い　――

地域住民に長く愛された憩いの場は
某オーナーの　「しばらくは満たされた」　という一言で出資が打ち切られ
瞬く間に全店閉店となったらしい

そんな物悲しい廃墟となった建物には
夜な夜なすすり泣く化けネコの声が木霊するのみで…

その正面に仰々しく貼られた張り紙―――

出禁になった女客二人

修羅の光をその眼に点し
一心不乱に銀の鱗を刎ね上げている白い法衣の女性と

下着一丁のあられもない姿で
猫モドキを鞭でしばき倒す金髪女王

その顔写真によって、かの聖戦の残滓を残すのみなのであった―――

――――――

……………

「…………とまあ――」

そんな魔法少女（20歳）二人のハッスルした姿がでかでかと載ったチラシを
目の前でヒラヒラ弄びながら、

「色々と秀逸なシナリオだと思うよ
　特に魚に愛された乙女のくだり……
　なのは、、キミはいつから魚屋の看板娘に転職したのかな？」

机に座を構えた若い男が聊か震えた声で言葉を続ける

「まあこちらとしては、その残滓とやらの一欠まで
　処理するのにかかった手間をこそ表彰して貰いたいんだけどね……
　ああ、それはそうと二人とも羽を伸ばしてきたようで何よりだ、お疲れ様」

「「………」」

表面上は静かな労いの言葉にも写るだろう

だが、その奥に隠された剣山のような鋭い皮肉が場にグサリグサリと突き立っていく

男の対面には直立不動で並んで立つ二人の女性局員がいた

気をつけの姿勢を崩さぬその姿勢は凛としたものなれど――
彼女たちには、全身にかいた冷や汗を拭う手拭いすら持つ事を許されず
また赤面の極みに達した顔を、下を向いて隠すより他の術を持たなかった

二人の美貌の女魔道士――彼女達は他ならぬ
男のちらつかせる広告のトップを飾ったお二方に相違なく
名前を高町なのはとフェイトテスタロッサハラオウンといった

局にその名を知らぬ者はいないほどのトップクラスの魔道士二人
その両者が節目で黙して男の次の言葉を待っている……神妙に


ここは星々の海原に巨大な船影を称える時空管理局・第２８艦隊
闇を塗り替えるように航行する大船団の旗艦の一室
男はその船団を新たに任されている若き艦長
当艦隊のリーダーを勤めるクロノハラオウンその人である

艦長と言っても二人と年はそう大差はない
特徴的とは言えない顔つきだが、整った容姿は十分に美男と呼べるものであり
優しさと厳しさ、威厳と柔らかさを同時に持ち合わせたような精悍な雰囲気は相応の経験を積んだもののそれで
英雄ハラオウン家・直径の男児たる資質を十二分に受け継いでいた

そして男の両脇には、この二人の休暇をプロデュースした仲間達の代表として
総合SSランク魔道士・夜天の書継承者――八神はやてと
その固有戦力である同じくSランクの資格を持つ古代ベルカの騎士――シグナムが付く

「……………」

「テ、テスタロッサ……」

だが、両者ともそのチラシを――
紙面に移る同僚のあられのない姿を見て二の句を繋げない

粛々という言葉が似合う戦友のまさかの痴態に呆然とする女騎士と
奇妙に歪んだ顔を平静に保つのに必死で
横目に見ても爆笑したいのを堪えているとしか思えない元・奇跡の部隊の部隊長

「「す、すいませんでした…」」

そんな三人の視線に耐えかねたのか
直立のままに頭を下げ、消え入りそうな声で謝罪を申すなのはとフェイト

白と茶色の制服が対照的な両者はそれぞれが教導官と執務官という職に付いている
いずれも局内で屈指のエリート集団と言われる品行方正・優秀な魔道士の集まりだ
その中でも特に有名な若手有望株の美貌のコンビはもはや局内で知らぬものはいない

さて――そんな二人が今
苦渋に満ちた表情に染まっているのは幻覚か何かであろうか？
珍しい光景どころの騒ぎではない

「管理外世界だったのがせめてもの救いだった
　他の局員の耳に入る事がなかったのは幸運というしか無い」

本当に泣きそうな二人を前に淡々と言う男
彼をして彼女達とは浅からぬ付き合いで、見積もり10年来の間柄である
彼女らが幼少の頃より、妹のような感覚で見守ってきた事もある

故にだからこそ公私混同は出来ない
厳しい口調で、引き続き沙汰を述べるクロノ艦長である

「映画撮影、アトラクション、そう言い張るにはどう考えても無理のある惨状だった
　局の覚えめでたい教導官と執務官が揃いも揃ってあり得ない不祥事だぞ……分かっているのか？」

「「返す言葉もありません…」」

「BJを換装してくれたのが不幸中の幸いだったな……現地の人にはアレ、どう見てもコスプレ衣装だそうだし
　素であんな格好をする奴は映画の俳優かアトラクションのスタッフ
　それか特殊な趣向の持ち主と相場が決まっているらしい、、、取っ掛かりが見つかったのは奇跡だった」

眉間に皺を寄せてザクリザクリと二人の胸を抉るクロノ

対面の二人は赤くなったり蒼くなったりで大忙しである
恥ずかしくて死んでしまいたいとはきっとこういう時に使う言葉だ…
終いにはシュンと肩を落として小さくなっていく両魔道士

（クロノくん……キツイ、、）

（本気で怒らせちゃったからね……これくらいは当然だよ）

要領の良い人間ならば上司の小言など聞き流して終わりなのだろうが
この生真面目な二人にそんな不謹慎な真似が出来るはずも無い

小学校の時ですら先生からの叱咤などほとんど貰った事の彼女らが
いつにない小言の嵐を受け続け、一切の反論をしないでいる

例え何と遭遇し、どんな事情があったにせよだ
管理局の秘匿性を犯したという事の重大性には何ら関係が無いのだから

ちょｗｗｗネコがやられる方かよｗwwwww
支援

「現地の従業員の協力もあって何とか最悪の事態だけは回避したが…
　まったくここまでの不祥事は久しぶりに見た
　普段、仕事で目覚しい成果をあげているからといってもやって良い事と悪い事があるぞ」

「「そ、そんなつもりじゃ…」」

（ギロリ）

「「………」」

いつになく厳しい、尊敬する先輩魔道士の
怒り心頭の顔を前にエースオブエースも一流の執務官もたじたじだ

正味小一時間にも渡る説教タイムの後――

大きなため息と共に肩をすくめるクロノ

「まったく気をつけてくれ……キミらに限ってもう二度と無いと思うけれど
　これほどの事態、次は流石にお咎め無しとはいかないぞ？」

「え？」

数ヶ月の謹慎では済まない
最悪、査問にかけられるとさえ覚悟していただけに
彼のこの言葉に意外の念を隠せないなのはとフェイト

「あ、あの……クロノ、それって」

「幸い上の方には全く漏れてない
　なので今回はこちらで揉み消したよ」

「そ、そんな……いや、クロノ君！？」

難色を示す両魔道士である

当然だ……自分達は子供ではない

既に一人前の魔道士として立っているにも関わらず
よりによって周囲にこれだけの迷惑をかけてしまい
あまつさえ犯した罪を身内に尻拭いをさせる

潔癖な二人をして、そんなのは言語道断だ
己が行いを恥じ、それを償わずに知らぬ顔で
明日から職務に従事出来るほど二人は厚顔無恥ではない

「勘違いして貰っては困るな……公私混同してるわけじゃない
　知っての通り、局内は常時人手不足で火の車
　優秀なSランク魔道士を二人も遊ばせておくほどの余裕はないんだ」

対するクロノはピシャっと一言で
二人の迷いや戸惑いを切って捨てる

この辺は勝手知ったる何とやら
流石の一言に尽きるだろう

責任感の強い二人は、こう言えば頷かざるを得ないと初めから読んでいるのだから

そしてこれは内緒だったが
実は彼もまたこの計画を裏で援助したスタッフの一人なのだ
そのリフレッシュ休暇でのよもやの事態が原因で二人に稼動停止されるのは本気で困る
責任は自分にもあるのだ

「心配せずとも埋め合わせはして貰う
　なのはには処理して貰いたい書類がたんまりあるし――」

「艦長、あとは私が」

「ああ…頼む」

そう言って、ずいっと前に出るのは

先ほどまで袖で控えていた烈火の将シグナムだった

「さて…」

爛々と炎のように輝く瞳は誰でもない――戦友、フェイトテスタロッサハラオウンにのみ向けられている
普段はほとんど笑わない騎士の、にんまりと口元を歪めた表情は――とにかく恐い、、恐すぎるっ！

「テスタロッサ……お前がこれほど刺激に飢えているとは思わなかった
　友として気づいてやれなかった私の不徳だ―――許せ
　………ところで約束は覚えているな？」

「う……うう、、」

「丁度良い、鞭の効果的な使い方を教えてやろう
　何、蛇腹剣は鞭術の応用……今のお前よりはよほど使えるつもりだ
　今夜から一週間、とことん付き合ってもらうぞ」

「お、お手柔らかに……」

「柔らかいわけがなかろう、ふざけるなバカ
　気を抜くと命の保証はせんからそのつもりでいろよ？」

と、言うが早いかフェイトの首根っこをむんずと掴み
そのまま鍛錬室へと引き摺っていく美丈夫の剣士

「はうう……な、なのはぁ〜」

フェイトの本当の地獄はこれからだ――
シグナム初め、彼女子飼いの航空隊騎士が手薬煉引いて待っている中へ
子牛のようにズーリズリと連れられていく金髪の魔道士が、涙声でなのはを呼ぶ

が、事ここに至って……あの釣り場の奮闘の再現をするわけにもいかない
流石のエースオブエースもお手上げである

「フェイトちゃん……あとでマムシドリンク持っていくから…」

ここは二人して絞り粕になるまで
埋め合わせに奔走するしかないだろう……合掌

「じゃあ、高町なのは空尉、、キミもすぐにでも取り掛かってくれ
　今後の予定を含めた書類はキミの部屋にあるから」

「分かった……本当に迷惑かけちゃって、ごめん」

真摯な瞳でもう一度
深々と頭を下げる教導官である

「……私がいけなかった
　どんな理由があるにせよ、羽目を外したのは私だ
　何でもするよ、、許してくれるのなら」

「ん……」

こう言われてはクロノにこれ以上の追求など出来るはずも無い

何だかんだ言っても、この妹分二人にはとことん弱いのだ――彼は
フウ、と今日何回目かのため息を再びついた後、

「なのは」

その最後にかけられた声は上官ではなく
一人の先輩としての温かい声色であった

「楽しかったかい？」

そんな他愛の無い質問をかけたのも
彼女を一目見て分かったから――

疲れたようでいて、どこか憑き物の落ちたような高町なのはの表情――

紆余曲折あったこのリフレッシュ休暇も
どうやら酷いオチばかりではなかった、という事だ

「……うん」

彼女の瞳には、静かながらも強い意志が灯り
旅行前の、どこか迷走していたような濁った光も既に無い

即ち、いつもの彼女
エースオブエース――高町なのはだ

「ありがとう……みんな
　また明日から飛べる――頑張れるよ」

そう言い残して彼女は部屋を後にする

短い言葉にはこれ以上ないほどの感謝が篭められた
彼らとて、それを汲み取れぬほどに短い付き合いでもないだろう

この言葉が聞けただけでも――
休暇をプロデュースした者にとって感無量な事はない

厳しい表情を崩さなかったクロノの破顔とはやての苦笑が、、
職務に戻って行くなのはの背中を温かく見つめていたのだった


――――――

――簡易ながら二人の喚問は終わり

数ヶ月の減給＆山のような埋め合わせの数々、という形を以って
今回の騒動は晴れてお開きとなった

「事後処理はこれで大方済んだ訳か……
　ともあれ、はやてが近くにいてくれて助かったよ
　良いフォローだった」

「いやいや、私は何もしてへんよ
　クロノ艦長のアドリブ能力あっての見事な着艦……勉強になります」

「母さんにも協力してもらったからね
　しかし、久しぶりに胃が痛くなったのは事実だが…」

何せ羽目を外すという言葉からもっとも縁遠い二人なのだ
それがこんな事件を起こすなど誰が予想できようか？

知人ならば耳を疑った後――ここ笑うトコ？と疑問に思ってしまうだろう

「ふふ、、本当にお疲れ様です
　でもあんな姿のなのはちゃんやフェイトちゃんが見れただけでも私は眼福や
　正直、さっきまで込み上げてくる笑いの渦で窒息するかと、、ぷ、くく……」

「まあこの胃痛も心地よい痛みではある……あれだけ怒っておいて何だが
　あの二人は今まで全くこちらに手を焼かせてはくれなかったからね
　先輩としては寂しい限りさ」

「はぁ…複雑ですねぇ」

言葉通り、なのはとフェイトは局入りから本当に手の掛からない二人であった
先輩兼兄貴分のクロノとしては少し寂しい面も感じていただけに叱り付ける言葉にもつい、力が篭ってしまった

それは半面に滲み出る嬉しさ故の事だろうか――

たまには後輩の不始末に奔走するのもいい
これは可愛い部下を持った上司にしか分からない感情であろう

「それはそうとキミの方も大変だったらしいが…」

そう、彼女らの休日中に同惑星
地球での曰くつきの地に赴いた八神はやて

聞いた話によると会談・交渉はかなりの難航を極めたとか

「いやいやおかげ様で何とか上手く纏まりました
　まあ実際には精根尽き果てるまで徹夜で麻雀してただけですが……
　その後、当地の管理人の娘さんと二人で更に三日三晩の杯や
　いやいやあの子――遠野秋葉ちゃんっていうんやけど、なかなか苦労人でなー」

腕を組んでしみじみと話し出す八神はやて
口調が半トーン軽くなったところを見ると何かのスイッチが入っちゃったらしい

「かわいいなぁ秋葉ちゃんリアルツンデレやで♪　初めてみましたわ
　おっぱいの事で頭を抱えてる姿があまりにもプリティで思わず私自ら育ててやろうかと、――」

「ど、どうする気だ…」

「そりゃもちろんバインドで縛り付けてこう、脇の下から抱え上げるように――」

「ぅおいっ！！」

「ひゃいっ！？　い、いやだなぁ…！
　冗談ですよ冗談、そんな青筋立てんでも…」

耳まで真っ赤になって窘める純情ロマンティカ・CUＲＯＮＯ・ＫＵＮ
朴念仁には少々、刺激が強すぎる内容である事は否めない

対して、何かを掌握するように両手をわきわきさせるセクハラタヌキの口調は
相変わらず冗談にまったく聞こえないから困りものだ

「いくら私がＳＳＳランクのおっぱいソムリエでも一般人にバインドなんてせえへんです
　あ、それはそうと――何でも秋葉ちゃん、タチの悪い恋ガタキを　亡き者　にしたいんだとか…
　コレで手を打たないか？って、私に交渉を頼んで来たんですが、どうしましょ？」

飲みかけのコーヒーをブーー！と机に吹き出すクロノ

ひーふーみーと指を立てながら
独特のイントネーションで綴る関西弁はある意味最強だった

「どうって……バ、バカ言え！　そんな事出来るわけがないだろう！」

真っ青になって叫ぶ艦長である

「それがいずれも管理局が出張るに相応しいバケモノさんらしいですよー？
　片や星系最強のアルティミットワン――真祖の吸血鬼
　片やフルメタルジャケットの不死身のシスター兼ターミネーター
　そこに路地裏同盟を名乗るホームレスが、想い人を拉致しようと狙っているらしくて…
　いや、そんなもんとタメ張る秋葉ちゃんも大概や♪　うちの部隊に欲しいなぁ、あのコ♪」

からからと笑う本局特別捜査官・八神はやて陸尉
やはりどこからどこまでが冗談なのかまるで分からない

かつて闇の書に蝕まれていた薄幸の車椅子少女
その成れの果て――もとい、元気になった姿がこれである

月日は人間をこうまで変えるのか…
いや逞しく育ってくれて何よりだ、、全く本当にそう思う

「あ、ちなみに秋葉ちゃんの好きな男の子っちゅうのが
　他ならぬ、彼女のお兄さんなんやけどな――
　クロノ君、もしフェイトちゃんから告白されるとしたら、どんな言葉なら堕ちるん？」

「僕は既婚者だっっ！！！」

つ、、付いていけない……
自分の頭が固すぎるのか――！？

全開のＧｉｒｌｓ・トークに目を回す二児の父
絶え間なく張られる狸女の弾幕から逃れるように、話題を無理やり逸らすしかない

「そういえばッ！！　ゲンヤ総指令はどうしたんだっ！？
　確か一緒だったハズだろう！？」

「あ、お師匠ですか？　　………………うーん
　それが秋葉ちゃんのラス親で私が大ミンカン決めた瞬間、泡吹いて引っくり返ってしもうた…
　相当、お体の調子が悪かったんやろね、言ってくれればよかったのに」

ああ、そうか――

（この胃痛をあの人も味わったわけか…）

ナカジマ司令――お疲れ様です


心の中であの老兵の先輩にも合掌するクロノであった

「………キミも、大概楽しんできたようだな」

「………はいっ！　麻雀って楽しいよねっ！」」

辛うじてそう返すクロノに満面の笑みで答えるはやて

―――これからは女性の時代だ…

なのは、フェイトに続き、この彼女を見やりつつ
そんな事をしみじみと実感する

額に手をやって唸るクロノ艦長

取りあえず、彼にも合掌を―――

此度の祭を裏方で支えた者達の舞台裏がこれである


彼ら彼女らの他愛の無いやり取りもまた――
こうして大騒ぎのうちに幕を閉じていくのだった


――――――

フェイトはいつナマモノに逆転したんだろうｗ

てか釣りバトルは何勝何敗ぐらいだったのか気になる

>秋葉は一般人
それはひょっとしてギャグで言っているのか！？ｗ

赤い奴が完全に消えとるｗｗｗ
支援

およ、さるった？

ｏｍａｋｅ１　―――

「――――時に端女、一つ言っておく事がある」

「……何？　下らない事なら後にして」

時間は少し巻き戻り、二人の釣王が肩を並べて
無人の野でやりたい放題していた時の、これはとある一シーン

「娘に毎日、キャラメルミルクを飲ませているそうだな」

「……それがどうしたの？」

不意にかけられる男の言につっけんどんに答える魔道士
普段の彼女からは想像もつかない不躾な返事――

完全に怒ってらっしゃる…
肩は怒りで競り上がっていて
まるで外敵を威嚇する猫のようだ


――　9回裏だと思ったから全力出したのに、実は1回表でしたプーン（笑）　――

そりゃこんな事を言われれば……どんな温厚な人でも怒るだろう
スポーツマンシップもへったくれもない
今時、子供でも使わないやり口だ

「ヴィヴィオが糖尿病になる―――やめよ」

「大きなお世話だよ……ちゃんと糖分計算はしてる」

何を言い出すかと思えば、、
もはやこんなイカサマ男と話すことなど何も無い
寝言に耳を貸すいわれもない

だがそんな彼女のにべもない態度に
少なくとも表面上はさして気分を害した様子も無く、ずんずんと歩いて行く英雄王

それに対してべーっと舌を出すなのはだったが…

大股で歩く男に比べ、必死について行く彼女の体は流石に重い
足がもつれるごとにその背中が遠のいていってしまう
気合は十分なれど体力・魔力切れで朦朧とする意識は
故に頭を強制的に冷やさざるを得ない状態にあった

そんなクールダウンした頭の中で魔道士は――

――　この人、本当に子供は好きなんだ…　――

などと考えていた

信じられない事だが
その一点だけは疑いようもないようだ

「………あの、さ」

「何だ」

「もし……」

傍若無人で冷酷で

救い様の無いほどに不遜で

何度と無く刃を打ち重ねた最強の英霊


でも、そうだ……

もし、出会ったのが「自分」でなく
もっと幼かった時の自分――子供のころの自分であったなら
高町なのははこの男とも良好な関係を築けていたのだろうか？


……………………

などという妄想が、ふとなのはの頭を過ぎった――


――――――

むかしむかし――

幼くて何も出来なかった非力な少女がいました

そんな少女がふとある日
一人のおうさまとの出会いを果たしました

その人の大きな黄金の背中の後ろを
何の気なしに一生懸命、トコトコついていくのが日課になりました

出会った場所は翠屋――
きっかけは少年ジャンプとシュークリーム――

とってもえらそうなおうさまだなと子供心に感想を抱きました

でも、おうさまとの他愛の無いお喋りは信じられないほどにスムーズで自然で――
ヴィヴィオの件でもそうですが
このおうさまは自分に逆らわない、自分を恐れず素直に接してくる子供にはとことん寛大でした

だから無邪気に何の臆面も無い子供の頃に出会っていたのなら――

大人になった時、そのおうさまと少女は
たとえ関係が敵同士であったとしても
戦う事なんてなかったんじゃないかと、そんな気がするのです


―――――――

………………
………………
………………

復活支援

「………………っ！？」

――――そんなユメを幻視した


「……………え、う、、？」

そして白昼夢から現実に引き戻され、
ガマガエルのようなみっともない呻き声と共に唖然とする高町なのはである

（な……何、今の？）

ぶんぶんと頭を振る魔道士

何でこんな妄想――？

ちょっとした「Ｉｆ」を思い描くつもりが
即興でこんなに具体的に鮮明に思い描けてしまった
その事実に彼女は驚嘆の意を隠せない

こんな事が果たしてあるのだろうか――？

奇妙に歯痒い思いに身を支配され、全身で身震いする彼女
これは、、ひょっとしてデジャブとかそういう感じのものか？

まさか、そんなバカな…？
幾らなんでも……そんな事

そんな温かい関係を彼と築ける？
子供の頃の自分だったなら――？

本当に――？

……………
……………


未だ男に対する闘志は衰えていないなのは
白黒はっきりつけようと飛び出したのだから当然だ
今更、後に引ける筈が無いないだろう

だがしかし――

彼女は今、闘志とは裏腹の
全く相反する思いをその胸に抱くに至る


でもどれだけ思い巡ろうと

その思いが真理に到達する事は無い

それを構築するユメには、根本となる部分が抜けていたから

だからそれは「自分」には決して思い出せないＩＦ――

それはもう何の意味も為さない「もしも」――

あったかくて、でも悲しい妄想――――


それはやっぱり「有り得ない」事だから

だって自分は今、彼の「後ろ」ではなく「隣」にいる
肩を並べて競う位置にある

一人の戦士として彼と出会ってしまった「自分」は
もう決してこの男の後ろは歩かない――――歩けない

子供の頃の「自分」は、物心付いてから
とある出来事を境に、何も出来ない事を呪い
無力な「高町なのは」を忌むべき存在として嫌う事となった

頑なに皆のためになりたい
そのための力を求めた

高町なのはにとって……子供時代は決して思い出したいものではなかったのだ

楽しい事もあっただろうし嬉しい事もあっただろう
それでも、自分は――早く大人になりたい…早く皆の役に立ちたい
両親の、皆の迷惑になりたくないという思いが先行するようになる

そして、、

魔法の力を手に入れて
何も出来ない幼い自分と決別した「自分」は


――　いわば全く別のもの　――

エースオブエースとして異郷の空を駆け抜ける
いずれはそうなる一人の英雄の雛形として転生を果たした


王の立場に立った場合を考えよう

仮に彼の前に立った者が
幼少の頃に他愛の無い話をし
世話をした子供だったとしても――

昔話に花を咲かせて手心を加えるであろうか？

きっとそれはない……断言できる


彼は容赦しないだろう
何故なら、彼はおうさまだから
並び立つものを決して容赦しない

どんな相手だろうと対面についた以上
冷酷に、微塵の容赦もなく叩き潰す

彼にとってソレは
等しく万民に対して敷く「施政」

幼女のエロさは世界一ィィィィィ！
支援

この自分も、男の前ではその対象の一つに過ぎないのだ

だから――――――


…………ぎる、さん―――


「―――、む？」

「っっ！！！」

それは彼女の口から無意識に出そうになった言葉
男の耳には多分、はっきりとは聞こえなかったに違いない

高町なのは自身ですらそれを口に出しそうになった事を心底後悔し
意味不明に、ゆでだこのように真っ赤になった顔面を両手で必死に隠す


そんな事は有り得ない――

だってそうだろう

そんな事は「無かった」んだから――

この自分は、この高町なのはは、
子供の頃に「出会わなかった」んだから


「――――どうした？　今更怖気づいたか？」

「誰が…！」

―――だからもう考えない

振って沸いた妄執を再び、ぶんぶんと頭を振って追い出す

例えその事実があってもなくても
今この私がやる事は同じだ

このおうさまに自分を――
貴方の対面に立派に立っている自分を見せてあげるだけ


―――　今はそれだけ　―――

「行くよ、レイジングハート……！」

<Yes　Master>

肩に担いだ紅玉の杖と共に虚空を照らして輝く道を進む

「―――、ク」

そんな彼女が王の目にどう映っているのか
必死に背伸びをしてくる栗色の髪がようやく自身の肩口に届いた事をどう感じているのか


それを伺い知る事は出来ない――


愉悦の哂いを浮かべるギルガメッシュと
威風堂々と闊歩する高町なのは

彼らが再び戦端を開き
眼前の堀という堀を掬い上げるその幕間――


次の瞬間には泡沫の夢の如く消えてしまう想いだったとしても――


それは王と魔法少女の休日のひとときの
運命と平行世界からの――

ほんのささやかな贈り物だったのかも知れない


――――――

さるが怖いから必死に支援

次回でオマケ２，３と投下して休日編は完全に終了です
今日もまた他の職人さんとクロスさせてもらいましたが…
不愉快でなかったでしょうか？　


あと避難所なんですが、すいません
色々事情がありまして…

理由の一つに規制の合い間、投下のギリギリまで
添削や手直し、読み返しを行っているので
自分としても出来ればこのインターバルは欲しいのですよ……

でも住人の方に迷惑でしたら次回から
規制にかからない程度の長さに分けて投稿しますがいかが致しましょう？


しかしながら某HPの作品を拝聴させてもらい
こんなシャレみたいな展開で、本来命を賭して解放するブラスターを使わせちゃっていいのだろうかと
本気で思い悩んでいる次第です、、ではまたﾉｼ

ああ、そうでした
ｗｉｋｉへの登録は次回、自分で一気に行いたいと思っておりますので

ではﾉｼ

>>566
いつもながらGJ！さるさんの時間を利用して推敲を行っているとは。自分は待つのは嫌いではないので構わないですよ。
それと……なのはさんはギャグだろうがシリアスだろうがどんな時でも全力全壊です！……ん？

ＧＪ！
いやーー釣り編終了乙！
長かったなぁ。コレホントに番外かよ！？
もう俺の脳内では

リリブラ氏＝綺麗な色の火を見せてくれるボイラー。僅かな燃料でも歯止めが効かなくなる。
それでも火を見たいがためにwktkしちまうのが男のロマン！

という図式がｗｗｗ

しかし今回ツッコミどころが多いｗ
なのはさん浮かばれんな…せっかくブラスター使ったのに…
てか本当にこの世界のなのはさん大丈夫か！？先生ん時でも使ってたし…
黒い人！面の方よりもっと大事な説教があるだろ！

あと他にもいろいろな作品のクロス臭が漂っていますな。
明確には言えんが…まさかあのほのぼの代表を出すとわ

脱字もいくらか見かけましたよー。
特に「の」とか重要な動詞が。
避難所を有効活用できるようになるよう待っています！

それでは次と本編を待って寝るか

>>566
GJ!
まあ、アレだフェイト君、その、落ち着きたまへ？
――――この小娘、自重という言葉をまったくシラネー？！
最後はクロノのいいとこ取りで締め…………この幸せ者めっ！！

誤字はそこそこ散見しましたが、特に一つ
アルクが“星系”最強っていうのは……
（もし、管理局の入手情報の表現ということなら無粋でした）

>>566
リリブラ氏GJです!!

勝負の結果まで屁理屈を押し通す英雄王マジ卑怯ｗ
ヴィヴィオ逃げてー

対して、なのはさんの不屈は本物だった。108てｗ
この人は妥協を許しそうに無いですよね。ネイキッドを想定して戦うとはなのはさんらしい
てか魔法少女の隣の数字は余計ですｗ


「なのぎる」を読ませてもらった者としては、別に不快ではありませんでした。というか絡ませ方が上手いですよね。良かったと思います。

それと、こういうのはギャグだからできるわけですし、ブラスターもおkだと思います。ギルなんかエア竿(ｗ使ってますしね。
むしろ、ブラスタービットのもっとおバカな使い方を見たかったですね。

今回も面白かったです。次回も楽しみにしてます。

リリブラ氏ＧＪ！！

不覚にもナマモノに同情
客人はエイリアン過ぎた！
ところでチラシの写真を撮ったの誰よ？

>>533の
>手に禍々しい断頭の釜を称えたモノ―――

のところでなのはの頭にお釜をかぶせたギルを幻視してちょっと和んだｗ