あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part246
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。
(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part244(重複再利用のため実質245)
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1248652716/ まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/ 避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/ _ ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
〃 `ヽ . ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
l lf小从} l / ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,. ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
((/} )犬({つ' ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
/ '"/_jl〉` j, ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
ヽ_/ィヘ_)〜′ ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
_
〃 ^ヽ ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
J{ ハ从{_, ・クロス元が18禁作品でも、SSの内容が非18禁なら本スレでいいわよ、でも
ノルノー゚ノjし 内容が18禁ならエロパロ板ゼロ魔スレで投下してね?
/く{ {丈} }つ ・クロス元がTYPE-MOON作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
l く/_jlム! | ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
レ-ヘじフ〜l ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。
. ,ィ =个=、 ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
〈_/´ ̄ `ヽ ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
{ {_jイ」/j」j〉 ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
ヽl| ゚ヮ゚ノj| ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
⊂j{不}lつ ・次スレは
>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
く7 {_}ハ> ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
‘ーrtァー’ ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。
ルールじゃないけどマナー上しておく方が良い事・システム上の注意事項
投下時はタイトルをコテハンとする、トリップ推奨
予告でクロス元他必ず説明する(一発ネタ等でばらすと面白くないならその旨明示)
※過去「投下してもいい?・投下します」等の予告から
最低の荒らし投稿を強行した馬鹿者が居たため同類認定されるリスク極大
1時間に一定量超える投下は「さるさん」規制に遭うので注意
連投規制には有効な支援レスもこれには何の役にも立たない
文章量(kB)と分割予定数の事前申告をしておけば、規制に伴う代理投下をしてもらいやすい
投稿量カウントも規制も正時(00分)にリセットと言われている
他スレでの実験により規制ボーダーは8.5kBらしいという未確認情報あり
このぐらいまで単純化できそうな気がする。
爆発召喚
キス契約
「ゼロ」の由来判明(教室で爆発)
使い魔の能力が明らかに(ギーシュ戦)
デルフ購入
フーケ戦
舞踏会
最近はその流れでいかに飽きない話を作るかに凝りがち
>>16 爆発
平民プゲラ
コルベール問答無用さっさと汁
キス契約
フライに唖然とする
説明はぁどこの田舎者?
何者であろうと今日からあんたは奴隷
二つの月にびっくり
洗濯シエスタと接触
キュロケフレイム顔見見せ
みすぼらしい食事厨房でマルトー
教室で爆発片付け
昼食シエスタの手伝い香水イベント
オスマンコルベール覗き見
ギーシュフルボッコ場合によって使い魔に弟子入り
キュルケセクロスの誘いしかし使い魔はインポテンツか童貞w
ルイズ寝取られの歴史を切々と語る
休日街でデルフ入手 キュルケタバサがついてくる
ルイズが爆破訓練宝物庫破壊フーケ侵入お宝げっと
この段階でフーケは絶対つかまらない
翌朝捜索隊保身に走る教師一同
教育者オスマン犯罪捜索を未熟な子供にマル投げ
小屋で破壊の杖ゲットフーケフルボッコしかし絶対死なない
オスマンから褒章 舞踏会 終わり
途中飛ばすけど、
対7万戦と再召喚(一度使い魔契約が切れ、まっさらな状態からルイズとの関係を再構築)
ハルケギニアの暦
→1年は12の月と4の週(1週間8日)で構成される384日
新年の始まり(日本の元旦)から10日間は始祖ブリミルの降臨祭という休暇となる(戦争も休戦とする習わし)
0.虚無の曜日 (1巻p.165) 休暇である虚無の曜日の夜に「破壊の杖」盗難
1.ユルの曜日 (1巻p.141) フリッグの舞踏会は「破壊の杖」盗難の翌日
2.
3.
4.ラーグの曜日(8巻p.221)
5.
6.
7.ダエグの曜日(9巻p.169) 翌日は虚無の曜日
順番不明 マンの曜日(6巻p.150)
イングの曜日(7巻p.125)
1.ヤラの月 (7巻p.164)
2.ハガルの月 (8巻p.221)
3.
4.フェオの月 (5巻p.130)
5.
6.
7.
8.
9.
10.
11.
12.ウィンの月 (6巻p.150)
順番不明 5? ウルの月 (5巻p.145, 12巻p.146)
6? ニューイの月 (3巻p.203) アンリエッタの結婚式
11? ケンの月 (6巻p.20) 夏休みが終わって二ヶ月
第一週 フレイヤの週
第二週 ヘイムダルの週 (5巻p.131)
第三週 エオローの週 (8巻p.20)
貨幣
→金貨 エキュー
銀貨 スゥ 100スゥ = 1エキュー
銅貨 ドニエ 10ドニエ = 1スゥ
新金貨 金貨の四分の三の価値 3/4エキュー(1新金貨で75スゥ)
デルフリンガー 新金貨100枚 = 75エキュー
官能小説 55スゥ
トリステインの生活費 1人1年120エキュー
シュヴァリエの年金 年500エキュー
ハルケギニアの衛星(月)
→大(青)小(赤)二つある。大きい方は地球の月の見た目で二倍ほどの大きさ。
小さい月の軌道は大きい月より内側にある。よって、小さい月の公転周期は大きい月よりも短い。
二つの月が重なる夜を「スヴェル」の月夜と呼ぶ(2巻p.119)。
サモン・サーヴァントの呪文
→原作(何度か失敗)
我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
五つの力を司るペンタゴン!
我の運命に従いし、"使い魔"を召喚せよ!
→アニメ版(一発で成功)
宇宙の果てのどこかにいる私の僕よ
神聖で美しく強力な使い魔よ
私は心より求め訴えるわ
我が導きに答えなさい!
コントラクト・サーヴァントの呪文
→我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール
五つの力を司るペンタゴン
この者に祝福を与え、我の使い魔となせ
コントラクト・サーヴァントの洗脳効果
→現状(11巻&タバサの冒険2)では情報は足りず、荒れるばかりで話題にするだけ無駄っぽい。
スレ住人のスルー力に期待。
長さの単位
1サントは約1センチ(1巻p.39 / 2巻口絵人物紹介)
1メイル=約1m
1リーグ=約1km
夏だな〜
それはそうと 1乙!
ラノベ板からのコピペ
208 :148:2009/02/14(土) 01:21:20 ID:TfhpV9Y+
やっと纏められた。約3時間もかかるとは思わんかったorz
【調味料・甘味料】
ハーブ、ハチミツ、種類は分からないけどいろいろ香辛料があるっぽい(12巻p229参照)、ジンジャー(生姜)I
砂糖(14巻p99でギーシュが砂糖という言葉を出していて砂糖の存在が確定)
【食材】
ニワトリ(ルイズがサイトの藁の寝床を鶏の巣と呼んでたから鶏がいるらしい)
カエル(ハルケギニアではカエルを食する習慣があるかは不明だが)
ヒトデ(同上)、ヘビ(同上)、ハト(同上)、ハム、野うさぎ、山菜、木の根っこ(牛蒡?)
牛、キノコ、豆、ニシン、干し肉、ソーセージ、春野菜、ヤギ(六千年前の世界で存在を確認、現在生息してるかは不明)
【料理】
鳥のロースト、鱒(ます)の形のパイ、パン、白パン、スープ、賄いシチュー、ハチミツを塗った鳥料理、
揚げ物(揚げ物鍋の存在が確認できたがどんな料理かは不明)、あぶり鳥、ワインで煮込んだ肉
塩漬け肉
【飲み物】
ワイン、お茶(緑茶に似た味、東方産)、麦酒(エール)、ゴーニュの古酒、レモン果汁入り炭酸水
多分紅茶、ミルク、ヒッポクラテス(ジンジャーと砂糖をワインに垂らしたカクテル)
【ハルケギニア特有の料理】
ヨシェ鍋、極楽鳥の丸焼き、はしばみ草のサラダ、ムラサキヨモギのサラダ、代用肉(豆が原料)
桃りんごのパイ、桃りんごのジャム、ペストーレ(6千年前の世界で登場した土釜を用いた料理)
【果物】
ブドウ、リンゴ、レモン、ナツメヤシ、蛇苺、桃りんご、11巻p39の挿絵に洋梨、オレンジ、バナナっぽい果物がある、メロン
【菓子・デザート】
ケーキ、ビスケット、クッキー、クックベリーパイ、ミルクとフルーツのプディング、クリーム菓子、カスタードクリーム
【地球にはない食材】
極楽鳥、極楽鳥の卵、はしばみ草、桃りんご、蛙苺、ムラサキヨモギ、タニア鯉、白マス、
【その他】
菓子屋が存在する、東方から輸入したお茶(紅茶?)を出すカッフェという店が人気
>>7 常に張り付くのは年中夏な子だぜ!
それはそうと>1乙
まぁでもありがたいっちゃありがたい。
でも避難所にカキコでおk。
またいつもの荒らしコピペか
それはそれとして
>>1乙
SSを作ろうと思ったけどどうあがいても途中からオリキャラになりそうな話の原案でもいいなら。
ちなみに1レス分。
いりません
即効で断られたな
ガンジー2からガンジー召喚だ
ステーキをくれ!レアでな!
ステーキを食べようとしたら敵兵7万が現れてたべられないんですね
わかります
そんなのが許されるならイタリアンスパイダーマン召喚
間違いなくギーシュは殺される
今回も埋めネタを投下しそびれたぜ
埋めネタという免罪符を利用してゴミを投下するんですね
埋める――その単語でなぜか『平安京エイリアン』という単語が浮かんだ。疲れているんだろうか。
>>24 魂の炎を纏うとその炎となった人間が本来ならどんな人生を歩んだかを見る裏走馬灯を見せ付けられ、
その力を一時的に使えるって話だがルイズが魂の炎を纏ったら系統魔法を使えるようになるだろうか
>前スレ1000
是 非 書 い て く れ
新スレはここでいいのかな?
>>14 テンプレも読めない馬鹿のせいで投下しづらい流れになるんだけどな
掘る…埋める…埋まる…ロードランナーか…。
レトロゲームは大歓迎だ。
穴を掘ってまた埋める仕事をする権利をやろう
今日は8月8日か。よし、八八艦隊物語から八八艦隊を召喚。動けなくても要塞代わりにはなるだろう。
>>26 1000でのエース召喚宣言は前にも無かったっけw
今の状況で召喚されたら白髭涙目だわエースは絶対に従わないわで誰も得しないなw
奪還されないように海軍が隠したと思うだろうから、白髭海賊団と海軍も徹底的にやるだろうな……。
銀英伝からユリアンを召喚したら
ヤンとは違いルイズの身の回りの世話は完璧にこなしそうだ
海賊繋がりでジャキーニ船長とか思い出した
地味に強いのにヤラレキャラでヘタレ、
嫌いなモノは陸と野菜と魚なあの人なら……
B-29召喚
>>30 トリスタニアエイリアン
王都にエイリアンが襲来。
スコップ片手に落とし穴を掘りエイリアンを埋める桃色の髪の少女の物語。
>>32 ならいっそのこと白ひげ海賊団全員をと思ったが1600人は多すぎる上に素直に従うとは思えない
逆にルイズが白ひげの一味に入りそうな気が
>>34 え?シャッキーニ?
シャーロット・E・イェーガー大尉とフランチェスカ・ルッキーニ少尉を呼ぶのか。
と誤読した。
>>38 ウィッチーズは誰よんでも面白そうだな
タルブにあるのはゼロ戦じゃなくてゼロ戦モチーフのストライカーユニットかw
シエスタの祖父が〜じゃなく祖母が〜になるのか
サルゲッチュよりスペクター召還
マジックアイテムで捕獲されるか従うか
人語を操る亜人(猿人)ってルイズ喜びそうだよな
ルイズとしてはどんな使い魔なら当たりなんだろ
やっぱりドラゴンとか欲しいのかな
>>42 とりあえず見た目からして立派な奴でしょ。
ドラゴンとか分かりやすいだろうし。
ご立派様は例外だろうがw
ドラゴン?「お前は身体に良いものを食え。 俺はうまいものを食う」
そこですえぞう召喚ですよ。
ルイズとしてはマンティコアこそが最高の当たりなんじゃないだろうか
>>42 Breath of Fireのリュウは? 5からだと違う奴呼ばなきゃいかんが
ドラゴンなんかは一目で気に入ってるな
後はとらもそれなりに気に入ってたし、やっぱりレアモノが嬉しいんだろうな
ルイズは普通の小動物でも気に入って、かわいがったと思うよ。
>>46 毎日毎日すえきすえぞうを召喚し続けるルイズとか
モンスターファームの連中は 普通に育ててたら すぐ寿命くるからなぁ
そこでドラグレッダー召喚
>>51 多分ね。一般的な犬猫カラスでも人並みであればルイズにとっては大成功だし。
周りが囃し立てなければ、普通にサイトでも満足したと思うがな。
契約後、全力で鏡に逃げ込もうとするドラグレッダーに対して
勝手にどこかに行こうとするなとルイズから強制力が働いて大ピンチのドラグレッダーですねわかります
というか、あの世界ガラスとか少ないから原作ほど凶悪じゃなくなるなミラーモンスター
小動物でドラゴンならドラット三匹を召喚。
もともとペット用の動物だからうまくすれば懐くだろうし、キングギドラへの進化もルーンのおかげとすればOK
ただ調子に乗ったルイズがサングラスをかけだしかねないな
そういやミラーモンスターの主食って人間じゃなかったっけ
正確には「命」を食ってるらしいけど
人間以外を食べた場合ってどうなるんだろうね。
まさかとは思うがリュウガも人間食べたりしてたのかな
人間に限らず生物なら「命」があるんだから人間以外を捕食しても多少は満たされるんじゃないの?
無機物はどうなるかしらんけど
人間が主食というと寄生獣の寄生生物やブギーのマンティコア、
あと覚悟のススメの戦術鬼が思い付くけど、他に何かいたっけ。
>61
作中で人間食いまくってた程度で良いなら
ギャオス・ガイラ
別の意味で食ってたのなら
ZEUS(大石英二)
灼眼のシャナの紅世の従
メガテンの悪魔。
生体マグネタイトの一番効率的な摂取方法が、生きたままの人間を喰うだからな。
ルイズがドラゴンボールを召喚したらやっぱり願い事は使い魔が欲しいで
その使い魔はもちろん・・・
マルコメ「ルイズのパンティーお〜くれ!」
いや、テファのならともかくルイズのは色気もへったくれもないからいらんだろう。
人を食うというか、トリューニヒトは国を食い尽くす。
下着などいらん、中身を寄越せ。
いやいや中身だけ手に入れても
着用権をくれ
ルイズのパンツは臭そうだからいらん
キュルケ・シエスタ・テファのがいい
>>50 そこで最凶の怠け者のモンスターファームのラグナロックスを…
むしろアニエスがいい
>>66 何でも願い敵うなら病気治すんじゃないか。
願い事敵うなら、魔法使えるようにして貰うんじゃないか?
>>73 ルイズのパンツは臭そうだからたまらん、に見えたぜ
何でも願い叶うんなら100回願い叶うようにすればいいんじゃないの
回数制限いらんやん
ドラゴン召喚・・・
ドラゴン召喚・・・
ブルース・リー召喚・・・?
>>73 なんのにおいもついてないパンツなんてどうするの
臭いのがいいんじゃん
>>75 契約前にひと暴れされて魔法学院崩壊か…?
ハムとかライガーとかモッチーなら全力で可愛がるんだろうな。
アンリエッタがアンドリュー・フォーク召喚
骨「今がアルビオンに対し攻勢に出る好機であると?」
フ「攻勢ではありません、大攻勢です。」
トリステイン終了のお知らせ
アンドリュー「アンドルフ伯父さーん!!」しかおもいつかない
フォークは何故か「親父にもぶたれたことがないのに!!」しか思い出せない
ZATから荒垣副隊長を召喚すれば物語の8割ほどマターリ度が増し
逆に足を怪我したダンとかキリヤマとか西条凪を呼んだら殺伐度が8割ほど増しそうだな
レアモノが良いってんなら魔界戦記ディスガイア2からLv9999のネコマタとかな
強すぎて長編にするには厳しいだろうケドw
才人「最近の中学生は発育が良すぎて困るwww」
舞織「・・・?」
すっごいアルカナハート2からまおりん召還。
ルイズが精神的な意味で死ねる
>>90 ある動画のせいでまおりんがピンチになると異次元だろうが異世界だろうが
"キャオン!"の効果音と共に最強の尖兵がやってきそうな気がしてしょうがないぜw
20分から小ネタ投下します
元ネタをどうぞ
94 :
名無しんぼ@お腹いっぱい:2009/08/08(土) 21:21:47 ID:HZixHP3a
寿命か戦闘で死んだワンピースの白ヒゲがアニエスを拾って育てる。
無いなこれは。
電波だ。スマソ
どうした?
サンデーの魔王-JUVENILE REMIX-から安藤召喚
腹話術で相手に魔法を暴発させるとか面白そう
ただマイナーチックだけどな!!!
>>96 スズメバチがマジでエロかったから覚えてるぞ!
スズメバチ呼んだら色々楽しそうだなぁ。ルイズにひざまづいて靴にキスするスズメバチ……ふぅ。
ところで
>>92どうしたー?
>>56 ミラーモンスターは反射するものなら何でもいいから、水たまりや磨いた銀食器とかでもやばいぞ
>>88 凪副隊長を呼ぶんなら、むしろ邪美を
前の画力取り戻した気になったけど、そもそも自信が無い事に気づいたんだぜ・・・
また小林ゆう画伯みたいとか言われないかなって
よーし誤爆の×として
ごめんやっぱ
>>100はスルーして。
解決方法思いついた
>>90 前に考えた事はあるけれど、ルイズが精神的にもたない事、神式の巫女という立場はハルケ世界じゃとんでもなく扱い難いって事でプロット段階で投げた記憶がある。
しっかし、自分も早く書き上げにゃあ……支援絵まで投下されてんのに遅筆にも程があるな。
>>47 間違えてマスティコアを召還するわけですね、わかります。
>>104 毎日毎日餌にされてるスクイーかわいそです
>>97 >>99 読んでた人がいてくれて嬉しいぜ!
ギーシュとの対決でも簡単に参ったって言わせられるし面白そうだけど、
いかんせん主人公の性格に個性ががががが
性格に個性って事でCHAOS;HEADの主人公とかでもイイかも!
大好きなルイズたんの世界に行けたけど現実のルイズは3Dで絶望しちゃうたくみしゃん・・・
もうベルセルクの人は来ないのかな…
>>41 スペクターは亜人や猿人じゃなくて純粋な猿だぞ?
>>47 マンティコアはマンティコアでも、ブギーポップのマンティコアを召喚。
統和機構に追われる心配がないので人間食い放題。
しかしルイズや他の虚無に、自動的存在としてブギーが出現しそうだ。
>>110 スペクターは007シリーズに登場した犯罪組織だろ?
>>112 ところがどっこい。デーブ・スペクターのことかもしれんぞ
伝説のネット小説「僕の日記」から虫を召喚
うわいやだなぁ
>>115 ヤキソバンはマイケル富岡じゃなかったっけ?
>>116 なんかでかいフォーク持った黒っぽい怪しい男役だっけ?
リクエストしたスペクターがマイケル富岡になってる件
えっと……ケトルなんとかって名前じゃなかったっけ、デーブは
スペクターといえばFSSの傍観キメてる役立たずな道化師の創造神のことだろう
>>119 ケトラーだったな。
で、ルイズがヤキソバニーになるわけですね?
ホラーゲームの作品って今のところバイオだけ?
個人的にはSIRENのSDKを押したいところだが
まぁそれは置いといて
未だにジョジョのクロスが無いのには驚いたな
結構よさげなキャラいるんだが、吉良とか吉良とか吉良とかカーズ様とか
>>121 つまりルイズが虚無の魔法の代わりにソースビームとか揚げ玉ボンバーとか使うようになる訳か。
>>122 君はまとめwikiのリンクのページを見てくるべきだ。
>>124 ……ゴメン、リンクの項目って完全にアウト・オブ眼中だった
これだからゆとりは
死ねばいいと思うよ?
無いと思ってたクロス作品がものすごい量あると知ったID:1ywOVg9kは今夜全部読むので眠れないだろう
回復してこれか
腹痛いwww
>>129 はっきり言わせてもらいたいんだけど。
下手すぎる。練習してからこい。リアルチラシの裏に書くレベルだ。
この「悪くないでしょ?私の絵」的な所が小林ゆう画伯っぽい
投下してごめんなさい。
二度と投下しません・・・
>>134 はい、そうしてください。
これ以上投下すると多分数年後死にたくなるよ。
心が硬いから曲がらないのさ。折れちまうけどな。
>>129 とりあえず1日1枚描け
1ヶ月続けろ
話はそれからだ
練習してそれなら…ごめんなさい
>>134 先ずはコップを綺麗に描ける様になれ。話はそれからだ。
それが出来ない、やりたくないなら二度と絵筆を握ろうとするな。ついでに一年はROMれ。
ボールと空き缶と自分の手を一枚一時間かけて描くんだ
それぞれ10回くらい
ここはゼロ魔のクロススレだけど、スレタイからして「他作品の存在の召喚」以外でのクロスオーバーはNG?
世界観のミックスや、クロス先の国や社会、宇宙などをまるごとゼロ魔世界に持ってくるのは×なんですか?
別の場所でやるのが何の問題もなくていいんじゃね
てか自分で違うと思うなら違うだろ
世界設定のミックスとか同一世界に存在するってのは今までにも普通に在るぞ
世界観を大いに混合しているSSも多いので、スレ住人の方々から見たらそれがどこまでOKなのかと思いまして。
>>143 ゼロ魔が完全に食われてるわけじゃなけりゃ気にしない人がほとんどだと思う。
荒れると面倒だから他でやって欲しいな。
外部にはここより緩い所があるんだし、ここに拘る理由がわからん。
お伺い立てた時点でNGだな。
しれっと投下しちまやいいのに。
世界観のクロスか。取り敢えず何とクロスさせるか教えてくれ
>>134 見た感じタッチが安定してないから、それを安定させることを念頭をおくことを薦める。
人を惹きつけられる作品に上手い下手は関係ない
世界観のクロスは上手にやれば極上
でもバランスとかさじ加減を間違えると悲惨
その上普通に原作なぞってるより何倍も苦労が多いから大変だと思うよ
上手にやればなんだって極上だろ
世界観のミックスと言えば最近だとHXLか
最初は特撮ヒーロー的なシェアードワールドものだったのに
他次元からの侵略者やら魔法少女まで同居するカオスの固まりになっちまった
ゼロ魔側でもオルタレイションバースト起こせば何でも出来るし何でもやれる
例えば豚男に変身するマルコメとか
問題は喚ぶ奴なんだよな……
なぁ島本和彦キャラって召喚されたことあったっけ?
富士鷹ジュピロは虚無の使い魔にふさわしいな
鷲の人のはもうこないのかな
仮面ライダーアマゾンこと山本大介召喚
まずルイズと会話が成り立つかが問題だ
アマゾンは偵察班に振り分けられるぐらい優秀な諜報能力を持っているから大丈夫だよ
アマゾンはスーツ着込んで流暢な日本語喋れるくらいに成長したから大丈夫だよ。
アマゾンか…仮面ライダー全般に言えるけど大当たりだよな。
スーパー大切断で真っ二つになったおマチさんゴーレムを幻視したw
アマゾンなら、ルイズと案外仲良くやってけるかもな
>>155 やめてやめて1号に指示されてケケーって言いながら追跡するアマゾンを思い出させないで
>>154 ウチは高校野球で中止だったぜカナシス
しかも雨降ってるから代わりに郷土料理の番組を放送してやんの
そんなんじゃなくて破壊者を流してくれよorz
チラ裏に書けよ そんな愚痴は
>>154 >アマゾン召喚
アマゾン「ルイズ泣イテタ……ツライ……カナシイ……デモ、泣クナ。オレガ居ル!オレガ行ク!」
こうですか(ry
あと、なんだかんだあって、“トモダチ”の指文字を組んでみせるルイズとか。
ここまで作品投下ゼロな件
雑談がおおすぐる
>>153 随分と時間がかかってしまいましたが、次話は9割がた終わっててあと数日で投下できるのでどうかお待ちください。
鷲と虚無氏の新作話を楽しみにしてる俺も期待wktk
ローマ文明おもすれー
今日は虚無の曜日だから投下もふえるはず!
鉄仮面かよw
ラフレシアであぼーん後のカロッゾが召喚されたら色々と面白そう屋根。
貴族階級社会とか好きそうだし。
でもカロッゾを中心に人々のエゴが拡大していって、
その内皆がエゴ剥き出しでぶつかりあうよう富野アニメ的展開に…。
>>164 「あなたの少年の日の心の中にいた青春の幻影」
>>167 毎週日曜日はウルトラマンエースの日
>>170 あの人サイボーグ?らしいからどうやって肉体維持するかが問題だな
予約が無ければ、25分頃から投下したいと思いますッス
宇宙空間を耐えることができてコックピットを生身でこじ開けることができる
ガンダールヴが力を貸せば更に凄いことに
ただ根っからの貴族っぽいから平民扱いされて粛清しかねないのが恐ろしい
昼になり、わたしが食事をしていると、怪訝そうな顔をしたキュルケと、相変わらず無表情のタバサが近付いてきた。
「どうしたのキュルケ? 変な顔して」
わたしの言葉を聞いて、更に表情を変えた後、キュルケが話しかけてきた。
「そりゃ変な顔もするわよ。ねえルイズ、授業も出ずに何してたの?」
なるほど、そういうことか。
納得したわたしが口を開こうとすると、タバサが横やりを入れてきた。
「もっと落ち込んでいると思ってた」
嘘みたいだ。あのタバサがわたしの心配をしてる。少し驚いた。
「もしかして、キュルケもわたしの心配でもしてた?」
「な、なんであたしがヴァリエールの心配しなくちゃ――」
「してた」
キュルケの慌てた声を遮って、タバサが短く告げる。
なんだかいつもと立場が逆になったように感じて、わたしは少しだけ笑った後、二人に昼前なにをしてきたか教える。
「学院長に事情を話したぁ!?」
「声が大きい」
大声で驚くキュルケを注意したタバサが、続けて質問してきた。
「大丈夫?」
色んな意味が込められた『大丈夫?』の一言に、どう返していいものかと思案していると、傍らに置いていたデルフがカタカタ震えた後、ぼそぼそと話し始めた。
「剣の俺が言うのもなんだがね、生きた心地がしなかったがね……」
「もしかして、学院長に喧嘩でも売ったっていうの?」
デルフの言葉に、おどけた調子で返すキュルケの言葉に、無言になるデルフ。
おい、そこまでわたしは酷いことした覚えはないぞボロ剣。
「も……もしかして、ほんとに喧嘩売ってきたのルイズ……?」
「失礼ね。少しお願いしただけよ。デルフ、あんまりいい加減なこと言ってると、燃えないゴミに出すわよ」
そりゃあちょっとは無茶したかなーとか思うわよ? でも、わたしは貴族として礼儀正しく『交渉』しただけよ。
「……なあ、胸のデカい嬢ちゃん。この国の『お願い』ってのは、剣をちらつかせてするもんなのかね?」
デルフの言葉に固まるキュルケとタバサ。
「る……ルイズ?」
「今日はいい天気ね。こんな日はきっと紅茶が美味しいわ」
冷や汗の浮いた顔でわたしの名を呼ぶキュルケの方ではなく、窓の外を見ながら呟くわたし。
そんなわたしの言葉を聞いて、ダネットが一瞬だけ笑うように光った気がした。
「で? どんな約束を学院長に取り付けたのよルイズ」
食事が終わり、外で紅茶を楽しんでいると、キュルケがそんなことを尋ねてきた。
「別に特別なことは頼んでないわ。調べ物とか訓練とかしやすいように、授業をしばらく休ませてもらうだけよ」
「はぁ? 授業を休むってあんた……しかも、調べ物はまだしも、訓練って何よ?」
「訓練は訓練よ。ほら、デルフ重いし」
言ってわたしはデルフを少しだけ持ち上げる。
「とうとうメイジを諦めるのねルイズ……短い間だったけど、胸以外は少しは成長してあたしも嬉しいわ」
「……試し切りされたいのあんた?」
わたしはよよよと泣くようなポーズを取るキュルケをジト目で見た後、残った紅茶を飲み干し、席を立った。
「どこ行くのよ」
「さっきも言ったでしょ。訓練よ訓練」
短く言い残し、デルフを持って席を離れる。
さあ、頑張らないとね。
あたしは、席を離れ、どこかへ向かうルイズを見ながら呟いた。
「無理してるわねルイズ」
あたしの言葉に、コクンと小さく頷くタバサ。
笑ったときにせよ、学院長との交渉にせよ、訓練すると言った事にせよ、あたしがおちょくった時にせよ、以前と違う。
ルイズをよく知らない人が見れば、いい傾向だと言うかもしれないが、あたしには我慢して泣いてるようにしか見えない。
「そこまでわかってんのに……!!」
多分、いや、確実にあたしじゃ力になれない。悔しさでいっぱいになる。
今のあの子を止めることができるのは、今は何も言わない石になってしまった彼女だけなのだろう。
そんなことを考えていると、あたしの肩にポンとタバサの手が置かれた。
「キュルケも無理しないで」
タバサの言葉に、頷きだけ返し、気合を入れなおす。
「愚痴をこぼすだけなんて、あたしのガラじゃないわね。あたし達はあたし達に出来ることからしましょう」
支援
支援
何が出来るかなんてわからない。だけど、何もしないよりはきっとマシだ。
そう考え、あたしはタバサと共に席を立った。
「あつっ!」
鋭い痛みに耐えかねて、わたしはデルフをカランと落とした。
「大丈夫か娘っ子」
「へ、平気よこれぐらい。馬鹿にしないで」
学院から少し離れた広場で、一人デルフを振っていたわたしは、今までデルフを握っていた手のひらをじっと見た。
所々が赤くなり、所々にまめが出来ている。
「なぁ、やっぱ無理があんじゃねえのか?」
デルフの声がわたしの気力を削る。
だけど、同時にダネットの血に塗れた顔を思い出し、顔を振る。
「初日なんてこんなもんよ。さぁ、続きやるわよ」
「へいへい」
痛みを堪えながらデルフを握り、へっぴり腰で振り回しながら思いだす。
『そうだ、いっそのこと、術師を辞めて剣士になっちゃうってのはどうですか?』
『なる訳あるかあああああっ!!!!』
ダネットとの何てことは無い馬鹿なやり取り。
あの時、少しでもこうしてデルフを振るぐらいしてたら、もっと違う未来になっていたのかもしれない。
わたしがもっと強ければ、彼女をあんな目にあわせなかったかもしれない。
「はあっ……はあっ……」
こんなこと言ったら、あんたは笑うでしょうねダネット。でもきっと、笑いながら付き合ってくれるでしょ。
あんたのことだし、貴族のわたしに平気で『なんですかそのへっぴり腰は!』とか言うんでしょうね。
「あいたっ!!」
デルフが手から滑り落ちる。手を見ると、遂にまめが破れたらしく、薄く血が滲んでる。
「今日はやめとけ。その手じゃ無理だね」
なんてひ弱なんだろうわたしは。まだ少ししかたってないじゃないか。
こんなだからわたしは……。
『すみ……ませ……ん……最後……でまもれ……なくて……』
まだだ。まだわたしはやれる。まだまめが破れただけじゃないか。痛みぐらい我慢すればいい。
「おいおい……」
「まだよ! このぐらい……このぐらい!!」
彼女はもっと痛かったんだ。辛かったんだ。それでもわたしを守ったんだ。
そうやって守られたわたしが、こんなとこで止まってどうする。
「くっ!」
だけど、再度デルフを握ったと同時に産まれた激しい手の痛みに、反射的に落としてしまう。
「な、やめとけ。見てらんねえよ」
デルフの心配そうな声に涙がこぼれる。
悔しくて悔しくてたまらない。弱い自分が情けない。
わたしが泣いていると、ポロリと懐からダネットが落ちてしまった。
「いけない!」
慌ててダネットを拾った後、ふと遠くを見ると、見覚えのある広場が目に入った。
自然と足が進み、見覚えのある場所へ向かう。
「ここ……」
ダネットを召喚した広場だ。
目を閉じると、昨日のことのように思い出せる。
『え……エルフ!? あああああんた誰っ!?』
『える……ふ? 何ですかそれ? それよりもお前こそ誰ですか!! ここはどこですか!!』
思わず、口から笑いがこぼれる。
あんたって最初から、わたしのことをお前お前って失礼だったわよね。
一つ思い出すと、後から後から思い出が溢れ出す。
『じゃあ最後……わたしを……わたしを守りなさい』
『そのつもりでしたし、別にいいですよ?』
短いやり取り。なのに、本当に守ってくれた。命がけで守ってくれた。
『お前……誰ですか?』
『あんたの!! ご主人様の!! ルイズ様でしょうがああああっ!!!!』
馬鹿で能天気で駄目駄目なダメット。
使い魔のくせにご主人様を一つも尊敬せずに、貴族のわたしに対して、まるで友達みたいに話す駄目駄目なダメット。
『凄くないわよ……。わたしの二つ名、『ゼロ』っていうの。どんな魔法を使っても爆発しちゃう。だから『ゼロ』。ゼロのルイズなのよ。』
『それ間違ってますよ』
魔法の使えないゼロのわたしを馬鹿にするどころか、あっさり違うと言い切るほどの世間知らず。
『お前、これはやっぱりやめましょう。スースーします』
『凄いじゃないですか! これならキザ男ぐらいなら一瞬で首根っこへし折れますよ!!』
『その……泥んこ盗賊が犯人なんですね! 今日は逃がしましたが、必ず私が首根っこへし折ってやります!』
『はい! はい! 私やります!!』
ほんとどうしようもなくって、筋肉バカで、血の気が多くて、ご主人様に迷惑ばっかりかけて。
『駄目です! もう……もう絶対に殺させません!! 目を覚ましなさいお前!! いえ、ルイズ!!』
そのくせ。いっつも真面目にわたしを助けようとする。
『忘れましたか? 私は……お前の使い魔なんですよ? これから先、ずーっと一緒です。ルイズが嫌だと言っても一緒にいてやるのです。感謝しなさい』
わたしの使い魔。
「デルフ……続きやるわよ」
「はあ!? ちょっ、無理だって無理無……あー……わかった。付き合うわ」
わたしは、いつの間にか頬を流れていた涙を拭うと、ダネットを大切にしまい、痛みを堪えてその場で剣を振り始めた。
それから数日後、キュルケは羊皮紙の束を持ってルイズを探していた。
学院内を探し終わり、それでもいないので外を探していると、召喚の儀を行った広場の傍にある木の下に見慣れたピンクの髪を見つけた。
「あ、いたいた。ねえルイズ、ちょっといい?」
声を掛けるも、ピクリとも動かないルイズを見て、寝ているのかと思い近付く。
「すまねえ。もうちょっとだけ静かにしててくんね? もうじき戻ってくる」
「は? 『戻ってくる』?」
突然のデルフの言葉に、意味がわからないという表情と言葉を返すキュルケ。
そうこうしていると、ルイズがゆっくりと目を開いた。
「ん……ただいま」
「お帰り。つっても俺様も行ってたから、お帰りってものおかしい話だがね」
ルイズとデルフのやり取りの意味がわからず、頭に?マークの浮かぶキュルケの方へルイズが視線を動かす。
「どうしたのよキュルケ。変なものでも見るみたいに」
「そりゃ変だもの。いったい何してたのよルイズ?」
当然の言葉を返すキュルケに、ルイズはどう説明したものかと頭を悩ました後、最も適した答えを返した。
「部屋に潜ってたのよ」
「は?」
ルイズの言葉を要約すると、自分の内面(それが部屋らしい)に潜っていたとのことだった。
「何の為に?」
「訓練よ訓練。効率がいいの」
支援
更にルイズの話を聞いてみると、以前の黒い剣の持ち主がよく行っていた訓練方法らしい。
その持ち主のことを知っていたルイズが、駄目で元々と思いやってみると、黒い剣の持ち主がやっていたものとは違うものの出来たらしい。
「違うって何がよ?」
「……誰もいないのよ。広い場所にわたしだけしかいないの。」
元々は、この訓練方法を行った時、部屋の中には仮想の敵が現れる。だが、ルイズが行ったとき、この敵がいないのだという。
「なんでよ? それに、なんでルイズにそんなことが出来るのよ?」
「わたしに言われても知らないわよ」
だが、誰もいない空間というのは、意外と訓練に適しており、誰かに狙われるでもなく、現実で怪我をする事もなく訓練できたのだという。
どうしてこんなことが出来るようになったのかはわからないけれど、使えるものは使ったほうがいいだろうということらしい。
「でも、現実じゃないんでしょ?」
「そうね……説明するよりも、実際に見せてあげるわ」
言ってルイズは立ち上がり、デルフを自然に持ち上げた。
まるで、重みがないかのように。
「ちょっと離れてて」
今だルイズを疑いの眼で見ながらも、大人しくキュルケが離れると、ルイズは剣を構え、静かに動き始めた。
驚きでキュルケの目が大きく見開かれる。
その動きは、デルフの重みを利用しているのか、くるくると舞っているようにも見える。
そんなルイズの踊りにも似た剣舞を見ながら、キュルケは頭をめぐらせていた。
あの日から数日で、こんな動きができるのだろうか? 自分がやってみせろと言われたら、絶対に無理だと返すだろう。
それほどの動きを、自分より体格の小さなルイズが行っているのは……。
「どう?」
「お見事ね」
「それで? 何か用なのキュルケ?」
慌てて今まで考えていたことを打ち消したキュルケが、頭を切り替えてルイズに話しかける。
「ねえルイズ、宝探しにいかない?」
「はあ? 宝探し?」
キュルケの言葉を理解できないのか、不思議そうな顔で見返すルイズに、キュルケは手に持った羊皮紙の束を差し出した。
「……なにこれ?」
「宝の地図よ」
不思議そうな顔から、うさんくさそうな顔へと表情を変えるルイズ。
「いいから付き合いなさいよ。たまには息抜きも必要よ」
「はあ……まあ話だけは聞くわ」
先を歩き出したキュルケの後を、面倒くさそうに付いて行くルイズを目の端で見ながら、キュルケは先ほど思っていたことが頭の中をめぐっていた。
数日であれ程の動きができるようになった原因は、今、ルイズが手に持っているデルフリンガーの内と、ルイズの内にあるモノのせいなのではないかということが。
以上で24話終了です
俺はあいも変わらずディスP2を延々とやりつつ、GoW2なんかに手を出してニンゲンダーなんて言われてますが、皆さんいかがお過ごしッスか?
ソウルクレイドルがPSPかWiiに移植とかされないかなー・・・・・・ファントム出た事ですし、日本一さんどうか・・・どうか!!
今回も支援ありがとうございました
それでは
ダメットの人乙です。
ルイズが痛々しい…目から水が止まらない。
乙ですー
ソウルクレイドルのシステムは知らないからなんともいえないけど、一刻も早いダネットの復活を待ってます
そしてディスP2についに手を出してしまった…
まだ1話で、初期の5人だけで進めているんだけどどんな風に進めたらいいのやら。
とりあえずアーチャーと魔法剣士を出現させよう。
このあとは、ウルトラ5番目の使い魔!
こんにちは皆さん。それでは、盆休み前に私の分の投下も開始しようと思います。
問題なければ十分後より開始します。よろしくお願いします。
第60話
間幕、夏の怪奇特集 ギーシュとモンモの大冒険! (前編) 魔の山の秘密
怪奇植物 スフラン 登場!
夏の短い夜が過ぎて、森のかなたに日が昇る。夏休み本番二日目、ウェストウッド村の夜が明けた。
ニワトリの声がしたわけではないが、もっとやかましい声が朝の静寂を叩き壊したのだった。
「きゅいーっ! もう我慢できないのねーっ!! きゃーっ!」
すさまじい羽音と、地面に重いものが降り立つ地響きによって、住人たちは早朝の惰眠を破られて、
家の外に飛び出すと、そこでドラゴンが暴れているのを見てパニックに陥った。
「きゃぁぁぁっ!!」
「竜だ、ドラゴンだぁ!」
「助けてぇ、おねえちゃーん!」
子供たちは泣き喚きながらティファニアの元へと逃げていく。なにせ、ハルケギニアの人間にとって
竜とは天災に近い、手の打ちようのない強力で凶暴な幻獣である。地球で猪や熊が暴れるのとは
訳が違う、脅威の規模こそ小さいが怪獣と意味合いは同じなのだ。
「みんな、森の奥へ逃げるのよ。さあ、姉さんたちも急いで!」
「あー、うん、そうね……」
ティファニアは、子供たちの保護者として、皆を少しでも早く逃がそうと急いだが、なぜかロングビルたち
昨日来た客人たちはひきつった笑顔を見せるばかりで動こうとはせず、その視線を一番小柄な青い髪の
少女に一斉に向けて。
「ターバーサー」
「……ごめん、うっかりしてた」
タバサは、思いっきり非難げな一同の顔を一瞥だにせず、軽くため息をつくと、すたすたと竜に歩み寄って、
その手に持っている節くれだった大きな杖で、竜の頭を乾いた音が村中に響き渡るくらいまで強くぶっ叩いた。
「きゅいーっ!?」
「暴れすぎ……それから、しゃべるの厳禁」
後半を目の前の相手だけに聞こえるように言いながら、タバサは空腹のあまり大暴れしていたシルフィードを
なだめた後、後ろを振り向いて何か残り物でいいから持ってきてくれるように頼んだ。この、自分の背丈の
半分ほどしかない少女が竜を黙らせた光景を見て、ティファニアは目を丸くするしかない。
「えっ、えっ……あの、どういうことなんですか?」
「あのドラゴン、シルフィードはタバサの使い魔なのよ。そういえば昨日から何も食べさせてなかったわね」
「ええっー! そ、そうだったの」
ティファニアは飛び上がるほど驚いて、大急ぎで保存食の干し肉をとりに走っていった。子供たちはといえば、
相手が無害だとわかると現金なもので、好奇心に任せてシルフィードの足元や翼や尻尾に群がっていった。
「すげー、本物のドラゴンだ」
「きれいな青い肌、けどざらざらしてる」
「羽、すべすべー」
「きゅ、きゅぃいっ?」
シルフィードは急にわいわいと子供たちに群がられて困惑している。この調子なら、休みの間中子供たちの
いいおもちゃにされるだろう。
それにしても、本当ならあと三〇分は寝てるつもりだったのに、すっかり目が冴えてしまった。ラジオ体操する
小学生じゃないんだから、夏休みの醍醐味はなんの気兼ねもない朝寝なんだがと、才人は目やにをこすって
とると、大きくあくびを一つした。
「ふわぁーあ、まあそりゃ丸一日メシ抜きにされちゃ怒るわな。ん、そういや我慢できないって、誰が言ったんだっけ?」
「あ、な、なに言ってるの、空耳よ空耳、寝ぼけてるんじゃないの!」
シルフィードがしゃべれる竜、韻竜だということは秘密なのだ。才人に疑われて、キュルケは慌ててごまかそうとした。
これがタバサの普段の任務で遠くの村へ行ったときなどは「ガーゴイルなの」と言って言い逃れできるが、
この面子相手にはそうはいかない。
「空耳か、そうだよな、シルフィードがしゃべるわけねえよな」
「そーよそーよ、それよりもさ、朝食ができるまでには時間があるし、いっしょに森におさんぽに、い、か、な、い?」
「こらーっ! キュルケ、あんたって人は朝のすがすがしさを早々に壊すんじゃなーい!」
話を逸らすつもりが、本気で乗ってきたルイズを適当にあしらいつつ、キュルケはそそくさとタバサのところへ
行ってしまった。怒りのやり場のなくなったルイズは才人に八つ当たりの蹴りを一発入れると、憤懣やるかたないと
いった感じで散歩に行ってしまった。シエスタはといえば、人数分の朝食を作るために早々と行ってしまっている。
残された才人は蹴られた尻をなでるほかには特にすることもなく、とりあえず持って出ていたデルフと軽く話をした。
「こりゃまた、朝っぱらから騒々しいねえ、相棒」
「まったく、人様の家なんだから、多少は遠慮しておとなしくなるかと思えば変化なしだもんな」
何度も考えたことだが、トリステイン魔法学院は魔法の教育はよいとして、貴族としての振舞い方や
たしなみについての道徳教育は完璧に落第点だと思う。もっとも、その緩いしめつけのおかげで自分の
ような異分子もさして問題なく溶け込めるのも事実だし、教師がいちいち女生徒のスカートの長さを計る
ような、息苦しいよい子ちゃん教育の学校なんてまっぴらごめんなのだが。
「で、そんな中の唯一の男である相棒は、これからどうするつもりだい?」
「さてどうしたもんかなあ、来て早々ロングビルさんやテファに迷惑かけるわけにもいかないしなあ」
結局、とばっちりを食らうのを覚悟でおれが間に入っていくしかないかと、才人は気が重い気がした。
こういうとき、男は黙って見ているばかりもいられず、男はつらいよと思わざるを得ない。せめてもう一人、
誰か男性がいれば苦労も分散できるのだが、世間一般で思われているほど、女子の集団の中に男子が
一人というのは楽しいものではないらしい。前にやってたロールプレイングゲームで、男勇者一人、残りの
メンバーは全員女というパーティを組んでみたことがあるが、私生活ではさぞ勇者さいとは苦労したことだろう。
「とりあえずは、ルイズを呼んでくるか。やれやれ、こりゃまた蹴り食らうのは覚悟だな」
起きたばっかりなのに、もう疲れた息をついて才人は一足早く、子供たちに物珍しそうに囲まれたままで
朝食をとっているシルフィードの横を通り過ぎて、ルイズの行った森のほうへと歩いていった。
「本当に、まだ二日目だっていうのに先が思いやられるぜ……そういえば、ギーシュの奴はモンモンを
実家まで送っていくって言ってたな。あいつは、うまくやってんだろーか」
ふと、才人は学院を出発するときにあいさつをした二人のことを思い出した。キザ男とデンジャラスな
薬師のカップルのデート、一時は浮気がばれてターミネートされかかったギーシュだが、その相手のほうも
そんなのとよりを戻すために禁制のほれ薬を調合して、モングラーの事件を巻き起こしたんだから
たで食う虫も好き好きというか、送り届けるついでにトリステインを見て回ると言っていたから、今頃は
どこかの男女が結ばれるいわれがあるとかいう名所でも巡っているのだろうか。もっとも、肝心な
ところで詰めが甘いやつだから、いいムードになりかけたところでほかの美女に目移りして苦労が
ぶち壊しになるとか、大いに考えられることだが。
「まぁ、休み明けの土産話でも楽しみにしておくか」
十中八九、美化九九パーセントの話が返ってくるのを想定して、才人はあの二人がどういう顔して
登校してくるか、少々意地の悪い笑みを浮かべ、それから今頃は実家に帰って家族と過ごしている
だろうレイナールやギムリ、水精霊騎士隊・WEKCの皆の顔を思い浮かべた後、森の奥で木に向かって
なにやらふんぞり返りながら独り言を言っていたルイズに声をかけた。
「おーいルイズ、メシに遅れるぞーっ!」
「……っ!」
その後、幸せな妄想を途中で中断させられたルイズが才人になにをしたのかについては、三十分ばかり
してから帰ってきた二人が何も語らなかったので、ほかの者たちには知るよしもなかった。ただ、朝食の
準備中のティファニアとシエスタのところに遠雷のようなうなりが聞こえてきて以来、ウェストウッド村の
周りには一羽の小鳥のさえずりも聞こえなくなったということだけである。
今日の予定は、親睦遠足のように全員そろって離れた小川でのバーベキュー、夏の長い日は、まだまだ
昇ったばかりであった。
…………
さて、ところは移ってウェストウッド村から数百リーグ離れた、トリステインのとある山岳地帯の小さな村に、
当の里帰りと旅行の途中のはずの、キザ男と物好き娘のカップルがなぜかいた。
「あっ、すまない君、何か冷たい飲み物を二人分、そう、できれば甘いものがいいね。急いでもってきてくれたまえ」
村に一軒だけあった、小さなみすぼらしい飲食店、才人が見れば時代劇の茶店かと感想を持つような店先の
テーブルで、ギーシュはモンモランシーを隣に座らせて、思いっきりきざったらしく店主のおじさんに注文していた。
「まったく暑いねモンモランシー、けれど君はその汗のひとしずくさえきらめく真珠のようだよ。さて、ここはぼくの
おごりだ。まずは長旅の疲れを癒そうじゃないか」
「で、わたしたちはなんで実家どころか人里からすら大きく離れた山の中で、薬草茶を飲まなきゃならないのかしら?」
蒸し暑さのおかげでしなだれかかった金髪のロールを怒りで微細に震わせて、モンモランシーは目の前で
汗だくで口説き文句を言っている、もう何回本気で別れようかと思った中途半端なプレイボーイを白目で見た。
間違いの始まりは、魔法学院を出てからしばらく経ってのこと、最初のうちは一頭の馬に二人で乗っての旅や、
ギーシュのすすめで見に行った聖堂や博物館などでロマンチックな充実感を得ていたのは事実であるが、
それで思考停止して、次の目的地を聞きもせずにギーシュにまかせっきりにしたのがまずかった。気がついて
みれば、セミの声しか聞こえず三六〇度どっちを見ても緑ばかりのド田舎に来てしまっていたのだ。
「お茶がぬるくなってしまうよ」
「お茶どころじゃないわよ! なにが悲しくてこんなところで若年寄りしてなくちゃいけないのよ!」
するとギーシュは不敵に笑って、テーブルの上に一枚の古びた地図を広げて見せた。
「なによ、これ?」
「宝の地図さ」
「ごめんなさい、もう一度言ってくれる?」
「宝の地図さ、と言ったのさ」
誇らしげに自慢するギーシュを見て、モンモランシーは目の前が真っ暗になって、真夏だというのに寒気を
感じてしまった。
「ギーシュ、今度という今度はあなたを見損ないました。馬はもらっていくわね、それから学院でももう二度と
わたしに話しかけないでね。さようなら」
一息に吐き出すと、モンモランシーはもうギーシュの顔を一瞥だにしようとすらせずに、乱暴に席を立ったが、
そこはギーシュも彼女の手を握って強引に引き戻すと、反論する間も与えずに一気にまくし立てた。
「モンモランシー、君の言いたいことはわかる。こういう地図の大半は偽物で、貴族をだますために商人が
それっぽく作ったものばかりだということくらい、ぼくでも理解しているさ。ただ、これにははっきりとしたいわくが
あるのさ。そう、これは学院の宝物庫から出てきた品なんだよ」
学院の宝物庫と聞いて、手を振り解きかけていたモンモランシーの力が緩んだ。学院の宝物庫といえば、
以前土くれのフーケが『破壊の光』を狙ってきたところであり、学院開闢以来の様々な秘宝が持ち出し不可で
収められているとして学院では知らぬ者がいない。だが、宝物庫はフーケ侵入以来、厳重に警備されている
はずで、学生にしかすぎないギーシュがやすやすと入れるはずがないのだが。
「ふふふ、あの終業式の大掃除のことを覚えているだろう? あのとき片付け切れなかった生徒の私物が
やむを得ず宝物庫にほおりこまれたが、そのときにね」
「ちょ、あんたそれ泥棒!」
「人聞きの悪いこと言わないでくれたまえ。とってきた荷物の下にこれが貼りついてただけだよ。そんなことよりも
わくわくしないかい、あの学院の宝物庫に収蔵されていた宝の地図だ、絶対本物だよ。ああ、いったいどんなもの
だろう。古代の大魔法使いの愛用した杖か、それともとてつもない魔力を秘めた石か、いやいや、きっと
妖精の作りたもうた巨大な宝玉の首飾りだ。そうだ、手に入れたらすぐに君にプレゼントしよう。間違いなく
君は王女殿下のように美しく光り輝くだろう。そのときが楽しみだ、そうだろう?」
「うん、そうね……」
いつの間にか、モンモランシーはその妖精の作りたもうた巨大な宝玉の首飾りをつけた自分を想像して
うっとりとしていた。実際には単なるギーシュの妄想に過ぎないのだが、こうして口先三寸のくさい台詞で
女の子をその気にさせてしまえるあたりがギーシュの才能と呼べなくもない。そう言われてみると、
この古びた地図も本物めいて見えてこなくもない。端にこの地方の名前が書かれており、このあたり一帯の
ものと思われる地形図と、山一つ越えたところに×印と注略がつけられていたが、そこの文字はハルケギニア語
ではなかったので読めなかった。
「地図によると、お宝のありかは北東の山を越えたところにあるという。メイジのぼくらならたいしたことはないさ、
さあ、ぼくらの栄光のために共にいこう」
すっかり探検家気分である。何度も宇宙人や怪獣との戦いを潜り抜けて、度胸と行動力が上がった代わりに
臆病さと自制心が反比例して減少していた。また、モンモランシーのほうも、この地方の山には危険なオークなどの
害獣もいないことだしと、その気になってきていたが、ギーシュの話を聞いた店のおじさんが二人を制止してきた。
「あの、そこの貴族の坊ちゃんと譲ちゃん、あの山へ登るのはやめたほうがいいですぜ」
「なに? 何か危険があるのかね」
「いえね、あの山は昔からこの村では魔の山と呼ばれていて、村の者も狩りや山菜取りもあの山だけは近寄らない
んでさあ。なんでも、あの山には何百年も前に恐ろしい人を食う竜が住んでいて、あるとき異国の戦士が
それをあの山に封じ込めましたが、今でも竜は封じられながらも生き続けていて、山に足を踏み入れた者を
餌食にしようと待っていると、言い伝えられているんです」
「人を食う、竜ね……」
モンモランシーはごくりと唾を飲み込んだ。おとぎ話に限らず、ハルケギニアで人食い竜の話は珍しくない。
しかも竜は幻獣の中でも最強の実力を持っている。ドットクラスの自分たちなど鉢合わせしたら万に一つも
勝ち目はない。
けれどもギーシュはそれを鼻で笑った。
「あっははは、竜は高山や火山に好んで巣を作るんだ。あんな緑豊かな山に巣食うなんて聞いたことがない。
それに、そんな言い伝えがあるってことは、あの山に人を近づけたくない理由があるってことさ、こりゃあ
ますます地図の信憑性が増してきたじゃないか!」
これが数ヶ月前のギーシュだったら竜の名前を聞いただけで、おじけずいて逃げようとしていたかもしれない。
しかし、数々の戦いを潜り抜けてきたことによって、ギーシュはなんとかなるだろうという自信を持っていた。
それに、天気はいいし体調は万全、なによりせっかくここまで来たのにおめおめと引き返してはモンモランシーの
前でかっこ悪い。
「いや、本当にやめたほうがいいですぜ。ついこないだも、あの山に足を踏み入れたもんがいるんですが、
いまだに戻ってこないんです。ほんとに何かがいるんですよ」
「君、忠告ありがたく受け取っておこう。けれどぼくたち貴族はいずれ国のために身命を投げ出して戦わねば
ならないのだから、この程度のことでは引き下がれないのさ。何が待っていようと、戦場で敵と殺しあうよりは
はるかにましだろう。なあに、いとしのモンモランシーがついてくれているんだ。ちょっとやそっとのことじゃ負けはしないよ」
こうして、ギーシュとモンモランシーは土地の人の親切な忠告を無視して、現地の人でさえ足を踏み入れない
魔の山へと歩を向けたのだった。だが、同じ店の別の席で二人の話を盗み聞きしていた、真夏だというのに
マスクで顔の半分を覆い隠した二人の男がいた。
「おい、貴族のお宝だってよ」
「へっ、そろそろ逃走資金もなくなってきてたところだ。メイジといってもガキ二人、いいカモだぜ」
その二人は小声で話し合うと、銅貨を数枚乱暴に置いて席を立った。
現地住民が『魔の山』と呼ぶ深山は、その禍々しい名称とは裏腹に、さしてけわしくもない傾斜の山腹に
木々が青々とした葉をしげらせている美しい自然の山だった。もっとも、現地の人でも足を踏み入れない
場所だけに道らしい道はなく、草の浅い場所を選びながら、どうしても徒歩では超えられない場所では
『フライ』の魔法で飛び越えて、地図に記された宝の地点へと近づいていった。
「これで、あと半分くらいかな。ほおーらね、やっぱりこんな平和な山に竜がいるなんてうそっぱちだったんだよ。
きっとお宝に人を近づかせないために、埋めたやつが流したデマさ」
「そりゃいいけど、けっこうきついわねえ。タバサのシルフィードがいればあっという間だったのに」
モンモランシーは早くもギーシュについてきたことを後悔し始めていた。考えてみれば、いつもギーシュの
調子のよい美辞麗句にひっかかっては後で後悔しているというのに、我ながら進歩がないことはなはだしかった。
とはいえ、乗りかかった船である。最初からダメで元々であるし、誰でも行くような旅行よりは刺激があると、
彼女は自分に言い聞かせて、何度目かになる倒木を『フライ』で飛び越えた。
森は、人の手が加わっていないために完全に自然のままの原生林が残っており、軽い気持ちで踏み込んだ
二人は意外な苦労を重ねたが、それでも昼過ぎには目的地まであと三リーグほどまでの距離に到達できていた。
「ねえギーシュ、そろそろ休憩にしない。おなか減っちゃった」
「うん、そうだね。そうしようか」
いくら若い二人とはいえ、初めての登山はきつかった。いくら二人がメイジだとはいっても、夏山登山は毎年
死者が大勢出るほどに危険な側面を持っている。メイジでなかったとしたら、多分一リーグほどでギブアップ
していたことだろう。二人は手近な倒木に腰を下ろすと、村で買ってきた黒パンや干し肉などの簡素な
弁当を広げた。
「貴族のわたしが、こんな粗末なものを食べなきゃならないなんて」
モンモランシーはぼやいたが、空腹には代えがたい。才人やシエスタだったら普通にうまいうまいと言っていた
だろうが、仮にも貴族で舌の肥えた彼女には、おなかさえ空いていなければと思うような代物だった。すると、
ギーシュは待っていましたとばかりにカバンから別の包みを取り出して、彼女に差し出した。
「なにこれ、パン? 肉?」
それはどちらとも形容しがたい形をした、茶色いゲル状の塊だった。
「最近平民たちの間ではやってるという、肉の代用食さ。前の町でよく売れていたみたいだから買って
おいたんだけど、さあ食べてみたまえ」
「……本当に食べられるの? これ」
モンモランシーは逡巡した。茶色いスライムとだけ表現しても、うまそうかどうかと聞かれれば、大半の
者がまずそうと答えるはずで、モンモランシーもその例外ではなかったが、それでも愛しのギーシュの
用意してくれたものというわけで一口かじったが、すぐに額に縦筋を浮かばせ、黙ってギーシュの口に
それをねじ込んだ。
「もっ、もごもごっ!!」
「どう、おいしい?」
「ぺっ、ぺっ、ま、まずい……」
茶色いスライムは、見た目どおりの味だった。確かに味付けこそ肉のものだが、食感、匂い、なにより
味の深みなどは大幅に欠けていて、いくら腹が減っているとはいえ、うまいとはお世辞にも言えないもので
あったのだ。
「お、おかしいな。平民たちがけっこう買っていたから、うまいと思ったのに」
ところが、ギーシュの考えは間違っていた。それは確かに平民の間ではそれなりに売れているが、
実際には肉の買えない貧民層がせめて肉の代用にと買っているもので、材料も豆で作ったパン状の
ものに魔法で味付けした、原価が極めて安いものだった。当然、貴族の口に合うようなものではない。
「せめて、味見してからすすめなさいよねほんとに……」
「ご、ごめん」
食事して疲れがとれるはずが、逆に疲れてしまった。モンモランシーはせめて口直しにと、これだけは
うまいといえる山の湧き水をためた水筒を一口飲んで口をゆすいだ。せめてこうなったら、お宝だけでも
ゲットしないことには割りにあわない。そう思ったときだった。
「きゃああぁーーっ!!」
突然、森の奥から絹を引き裂くような女性の悲鳴が響いてきた! 聞き間違いではない、その証拠に
ギーシュがはじかれたように立ち上がり、電光石火の高速詠唱で『フライ』を唱えて飛んでいってしまった。
そう、まるでバナナに飛びつくサルのように本能的に。
「ちょ、ギーシュ待ちなさいよ!」
モンモランシーも慌てて後を追うが、全力で飛んでいるのに全然追いつけない。二人の魔法の技量は
同じドットで大差ないはずなのに、こんなことは前にトライアングルクラスのキュルケやタバサの飛行を
見たとき以来だ。まさか、魔法の力は感情に強く左右されるというが、女の子の悲鳴を聞いてギーシュの
秘めたる才能の一端が発動したというのか、そんな馬鹿な、しかしギーシュならありうる。
「あの馬鹿、よりにもよってこんなことで底力発揮しなくてもいいじゃないの!」
立ちふさがる木々を可能な限りの速度でかわしながら、モンモランシーは見失わないだけで精一杯の
ギーシュの後を必死で追った。
そして十と数秒後、ギーシュは森の先で今の悲鳴の主と対面していた。
「た、助けて!」
そこでは、年のころ一七、八の少女が木々から垂れ下がってきていた太いつたに絡みつかれていた。
束ねられた長い髪が首を振るたびにもだえる蛇のようにのたうち、とび色の瞳には涙が浮かんでいる。
「だ、大丈夫かい、君!?」
ギーシュは目の前の光景に驚いたものの、若い女性の危機とみるやお助けしようと駆け寄っていった。
けれど、無用心に近寄ろうとしたギーシュはまだ事の重大性に気づいていなかった。
「危ない!」
「え? わあっ!」
少女の叫び声でギーシュはとっさに飛びのいたところを、少女に絡み付いているのと同じつたが
蛇のように高速で通り過ぎていった。しかも一本ではない、二本、三本と投げ縄が牛を狙うように
ギーシュめがけて伸びてきて、彼がなんとかつたの届かないところまで逃げると、少女の周りには
十本近いつたがゆらゆらと、動物のように揺らめいていた。
「き、吸血植物!?」
ギーシュはぞっとした思いで、以前生物の授業で聞きかじった、ハルケギニアの危険な生物に
ついての項を思い出した。ハルケギニアの危険な生物は、なにもオーク鬼やドラゴンだけではない。
なかには近寄るだけで死ぬ猛毒を持っていたり、眠り花粉で眠らせた獲物から血を吸う危険な植物も
いくつも確認されており、このつたもその一種ではないかと考え、実際それは当たっていた。
こいつは、怪奇植物スフランといい、ハルケギニアだけではなく、地球でも多々良島やジョンスン島で
生息が確認されているつた状の吸血植物であり、普段は木から垂れ下がってただのつたの振りを
しているが、近くに獲物となる動物が通りかかると動物のように動いてからみつき、動きを封じて
血を吸う恐ろしいやつだ。
「く、苦しい……たすけ、助けて」
少女はまだなんとか自力で立てているが、締めつけがかなりきついらしく息も絶え絶えになっている。
このスフラン、ひ弱そうに見えてかなり頑強で、絡みつかれたら人間の力では脱出できない。
ギーシュは助けようとしていたが、近寄ろうとすると別のスフランに阻まれて、なかなか少女に
近寄れない。ならばこういうときこそ魔法を使えばいいものなのだが。
「あっ……ああん、そ、そこは……いやああ」
「お、おお……」
つまりは、こういうわけである。縛り上げられてもだえる美少女という構図が、思春期真っ只中の
少年の脳髄を直撃してしまったのだ。呆れたものであるが、逆に婦女子の痴態に無反応なギーシュと
いうのも気持ち悪いから、人間の評価というのは難しいものである。
「や、やだ……そんなところ、やめてぇ」
「あ、おおお」
鼻血をたらして見とれている姿は、もはや見苦しいというのを通り越している。実際には、締め付けは
彼女の華奢な体なら骨を砕きかねないほどに強くなり、つた全体に生えた吸血針が何本も突き刺さった
危険な状態であったのだが、そこへようやく救いの女神がやってきた。
「さっさと助けんかい! このバカギーシュ!!」
やっと追いついてきたモンモランシーが飛んでる勢いのまま、ギーシュの後頭部に思いっきり拳骨を
叩き込んだ! ギーシュはでかいこぶを作らされながら前のめりにこけさせられたが、そこでやっと
目が覚めた。
「そ、そうだった。ワルキューレ!」
どうにか正気を取り戻したギーシュは、薔薇を模した杖を振るって青銅の騎士人形ワルキューレを
四体作り出した。それぞれ手には剣を握っており、ギーシュが杖を振るうと一斉にスフランのテリトリーに
進入して、群がってくるつたを切り払い始めた。
しえん
「ようし、いいぞいいぞ」
四体のワルキューレは剣を振るってどんどんスフランを切り払っていく。スフランのほうも絡み付こうとするが、
相手は青銅のゴーレムであるために血は吸えず、腕力も人間より強いために、雑草でも刈るかのように
どんどん地面に落ちていき、少女に絡み付いていた分もすぐに斬られて力を失った。
「よし、そのまま彼女を連れてこい!」
このとおり、スフランはやり方さえわかってしまえばそんなに強い相手ではない。植物であるために、
つたの伸びる範囲しか攻撃できないというほかにも、燃えやすいという弱点もあり、科特隊時代には
スパイダーショットの火炎放射で簡単に焼ききられている。ただし、植物であるためにつたを切られた
だけでは死なずに、地下の根まで絶やさなくてはとどめにならない。こいつらも、ほっておけば
数週間で元通りになってしまうだろう。
「よし、ここは撤退だ」
ギーシュはワルキューレに彼女を抱えさせたまま、スフランの生息地から急いで離れていった。
貴族に逃走はないというが、相手が吸血植物ならこだわる必要はない。やがて、森の中でも
多少は開けたところに、周りを見渡してもとりあえず危険な動植物はいないことを確認して彼女を
下ろすと、すぐにモンモランシーが『治癒』の魔法で治療を始めた。
「幸い、骨に異常はないし、吸われた血も微量だったからこれで十分なはずよ」
「あ、ありがとうございます。このご恩は一生忘れません」
傷がふさがって痛みがやむと、少女は礼儀正しく頭を下げて、二人に礼を示した。はじめは
気づかなかったが、その瞳には強い光が宿り、立ち振る舞いにも高貴さがにじみ出ている。
よくよく見れば、破れた服のすきまから杖がのぞいている。
「君も、貴族だったのかい。危ないところだったね、けれど、なぜ君みたいなお嬢さんがここに?
あ、おっと。先に自己紹介をするべきだね。ぼくはギーシュ・ド・グラモン、トリステイン魔法学院の
二年生だ」
「わたしはモンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ、同じく二年生」
「わ、わたしは、リュリュといいます。ガリアのルションから来ました」
リュリュと名乗った少女は、自分のことを簡単に二人に説明していった。ルションという町は
二人は知らなかったが、ガリア西部にあり、温暖な気候の住みいい町で、彼女はそこの
行政官の娘だった。彼女はそこで、なに不自由なく育てられてきたのだが、そんな彼女が
こんな辺境の山奥にいた理由は二人を驚かせた。
「わたしの趣味は”美食”なんです。世界中のおいしいものをお金に任せて買い求め、ランチを
とるためだけにロマリアやゲルマニアの店まで旅行したこともあります。で、そうしているうちに、
自分で作るほうに興味が移っていきました。けれども、貴族の娘が公然と料理を学ぶとなると
風当たりが強くて、でも、どうしても我慢できなくなったわたしは家を飛び出して、あちこちを
放浪しながら修行を積んでいるんです」
通常、貴族にとって料理は下々の者がやることとして忌避されるために、わざわざ自分から
料理人になりたいという貴族は珍しい。とはいえ、簡単なお菓子作りとかいうのであれば可愛い
ともいわれ、実際王家には宮中ミサの折に女王が始祖ブリミルが最後の晩餐のときに食した
という聖なるパンケーキを焼くという伝統があるらしいが、その味は代々天地ほども違い、女王の
代替わりのたびに上級貴族の背筋を寒からしめるという。
ギーシュとモンモランシーは、とりあえず自分のことは棚にあげておいて変わった子だなあと
思ったが、リュリュの回想はさらに熱を増して続いた。
「それで、各地を放浪しながら旅を続けるうちに、わたしは一つの事実に気づきました……そう、
世の中の大半の人は、おいしいものが食べられないんだということに!」
二人は急に剣幕を増したリュリュにびくっとした。最初はおとなしい子だとおもったが、内には
燃えるような情熱がたぎっているようだ。いや、そうでなければそもそも貴族が家を飛び出して
料理修行などできはしまい。
「旅の途中、いろいろな人に親切にしていただきました……寝るところが見つからずに、うろうろ
していたら農夫の方が宿を提供してくれました。食べるものがなくなって道端で寝転んでいたら、
パンをいただいたことも。それで、確信しました。そういう人たちが、親切でまっとうに生きている
人たちが、かつてわたしたちが食べていたような、おいしい料理を食べられないのは間違っていると!
美食は貴族だけのものであってはなりません! 万人に認められるべき娯楽なのです! そうでしょう!!」
鬼気迫るといったリュリュの表情に、モンモランシーは正直ひいたが、ギーシュは涙まで流して
感動の意を表した。
「素晴らしい! 確かにそのとおりだ。いつでも誰でもうまいものが食える。これほどの幸福はあるまいよ」
ギーシュのことだから、女の子の言葉に無批判に納得したというのはあるが、半分は本音だった。
以前の彼だったら、貧しい平民がどんな粗食を食べていようと気にしなかっただろうが、モンモランシーが、
ルイズが才人へのおしおきの一環としてメシ抜きをすることにヒントを得て、ギーシュが他の女の子に
目移りするたびに、彼のランチを水魔法で味を変えたり、失敗作の香水でしばらく食事がとれないようにしたり、
本当にキレたときはランチそのものを壊滅させたりしたので、飢えの苦しみをいい加減思い知っていたのだ。
こうして、多少ズレながらも理解しあったギーシュとリュリュは手を取り合って”同志!”と友情を
深めていったが、一歩下がって見ていたモンモランシーは冷静にツッコミを入れた。
「で、なんでその美食家志望のあなたが、こんな辺境の危険な森にいたわけ?」
「あ、はい。それで、わたしは平民の方でも簡単に手に入るよう、安価な材料での美食を目指して
試行錯誤しているんですが、豆とか麦とかから作ったいくつかの試作品はどれもおいしいとは
言いがたいので、なのでもっと修行を積もうと、この世のおいしいものをたくさん知ろうと、あちこちを
めぐっているんですが、ここの山腹に世界七大美味のひとつである。虹燕の巣があると聞きまして」
「ああ、あの鳥肉としては最高の美味だっていう虹燕がねえ。それで、身一つで採りに来たというわけ?」
「はい、実は数ヶ月前にも火竜山脈で、極楽鳥の卵を手に入れようとしたんですが、そのときは怪獣が
現れたうえに山が噴火してしまって手に入れられずに、命からがら逃げてきたんです」
二人は、リュリュの無茶さ加減に心底あきれた。火竜山脈の極楽鳥の卵は凶暴な火竜に守られていて、
たとえスクウェアクラスのメイジでも、その採取は命がけであるのに、可愛い顔してすごい命知らずである。
「あんた、早死にするわよ。今も、偶然わたしたちが通りかからなきゃ、誰にも知られずにミイラになってたとこよ」
「それについては、本当にお礼を申し上げます。けれど、わたしもここで引くわけにはいきません。虹燕の
巣の味を再現して、多くの人に味わってもらうという夢のためにも!」
リュリュの目は、情熱と使命感に燃えていた。高価すぎる食材をそのままとはいかないが、安価な方法で
大勢に解放するというのは、カニ味のかまぼこや、養殖マグロなどにも通じる大衆食の理念だ。
無理に天然ものにこだわらなくても、養殖と天然の味を見分けられるほどの食通はそういない。大半の
人間はうまければ満足してくれるのだ。ただし、その味の再現には高度な技術がいるのはいうまでもない。
「すごいね君は、ぼくたちと年はそう変わらないのに自分の道をしっかりと持っている。ようし、ものは
ついでだ。君の目的のものを手に入れるのを、ぼくも手伝おう」
「ちょ、ギーシュ、あたしたちの目的はどうするの?」
「別に急ぐものでもないし、彼女を一人で歩かせて、またさっきみたいなのに出くわしたらどうする?
彼女てこでも引き返さないぞ」
そう言われては、帰り道に彼女のミイラなんかを見つけたら後味が悪すぎるし、ギーシュとリュリュを
二人っきりで行動させるのも問題ありすぎる。
「仕方ないわね。じゃあ、日が暮れる前に帰れるように急ぎましょう。その場所は?」
「あ、ここです」
リュリュは二人に、虹燕の巣があるという場所を示した地図を見せた。
「どれどれ……なんだ、ぼくたちの目的地と一リーグも離れてないじゃないか」
「へぇー、偶然ですね。そういえば、ギーシュさんたちの目的ってなんなんですか?」
「ぼくたちは、夏休みのちょっとした冒険というか、宝探しというか……」
「宝探し?」
「ああいやいや、夢とロマンを若き日に求めるのも、青春の一ページというところだが、君の目的に
比べたらたいしたことはないさ、先に君の目的を済ませちゃおう。お宝はその帰り道で、もしあったら
君にも山分けしよう」
元々、土のメイジであるギーシュにとって、場所さえわかれば宝が地面に埋まっていようと探し出すのは
そんなに難しくはない。ついででも、充分おつりがくるだろう。とはいえ、リュリュも宝というのが
十中八九ガセだということは知っているので、苦笑いで期待していますとだけ答えて、それよりも手助け
してくれることに改めて礼を言った。
「本当に、どうもいろいろとお世話になってしまいまして、すいません」
「いいさいいさ、こんなときはえーっと、ぼくの友人の国の言葉なんだが、袖触れ合うも多少の縁と
いうらしい。じゃあ、善は急げだ。さっそくいこうか」
ギーシュは元気よく掛け声をあげると、リュリュの手をとって歩き出そうとしたが、後ろ手を
モンモランシーにつねられて断念せざるを得なかった。
こうして、思わぬ同行者を得て三人となったギーシュたち一行は、まずは虹燕を捕まえに目的地を
変更して歩みだした。森は、山は緑の木々に覆われて、風と鳥の声が平和の歌を奏でている。
しかし、その平和のヴェールの下に、どんな闇が封印されているのか、魔の山は、まだその全貌を
明らかにしてはいない。
続く
以上です。皆様のおかげでとうとう60話まで来ました。毎週応援どうもありがとうございます。
本来このまま一直線にアルビオン編を進めてもよかったのですが、せっかく現実も作中も夏休みなので
もうちょっとだけ寄り道をさせていただくことにしました。それで、最近めっきり出番のなかったギーシュと
モンモランシーを主役に、以前のタバサと火竜山脈では出番のなかったリュリュも加えて、もうひと冒険
させていただきます。ただ、以前のタバサの冒険や、烈風カリンの知られざる伝説ほどは長くなりません
ので、その後はまたルイズサイドで本編を進めます。
なお、名探偵の泊まった旅館で必ず殺人事件が起こるように、ウルトラシリーズで旅行に出かければ
必ず怪獣に出くわすことになるので、何が出てくるのかはお楽しみに。
ウルトラ乙
今回はこの3人が主役か
ウルトラの人乙でした。
いやー60話ですか、もしかしたら100話も夢ではないかもしれませんね。
スフランがでると言う事は、あのドクロの様な顔をした阿保な怪獣もでるのでは?
そして竜を封印した異国の戦士が何なのか、気になりながらも次回を楽しみにしています。
お邪魔します、予定なければ17:50より投下始めたいと思います
翌日、学院内。
暁は一人、廊下を歩いていた。
学生たちは今現在授業の真っ最中であり、本来はルイズの使い魔である暁も授業には参加しなければならない。
だが暁にとって、教室の一番後ろに数多の珍獣たちとともに立ち、授業を眺めるなどという珍奇な行事に参加するのは苦痛以外の何物でもなかった。
――ボーはまったく気にしていない風だったが、それは彼がおかしいのだと勝手に結論付ける。
いずれにしても暁に退屈に耐えようなどという気概は微塵もなく、授業開始一分後には教室を抜け出していた。
どこへ向かうでもなく学院内を彷徨いながら、暁は昨日の会話を思い出していた。
結局次の虚無の曜日――おそらく日曜日にあたるものだろうと暁は推測している――に城下町に武器の調達に行くことが決まった。
ルイズはどう見ても引っ込みがつかなくなって突っ走った印象だったが、おそらく気遣ってもあの場にキュルケがいた以上引かなかっただろう。
二人の間には何か妙な因縁があるようだった、やはり理由は面倒なので聞こうとは思わないが。
そんなことを考えながら歩いていた暁の目に、妙な光景が飛び込んでくる。
まず、巨大な扉。
その扉は、鉄かそれに類する金属でできており、巨大な閂によって閉じられていた。
またその閂は、これまた巨大な錠前によって守られている。
『この中には大事なものが保管されています』
そんな張り紙があるのと大差ないほどに厳重な扉だった。
学院の石造りの廊下、その一角にあるものとしては明らかに浮いている。
そしてその扉の前にいる一人の眼鏡をかけた女性。
メイジの格好をしているが、生徒という年齢には見えない。おそらく教師なのだろう。
彼女は扉の前で腕を組み、難しい顔をしながら何かを悩んでいるようだった。
その光景はそこまで異常なものでもなかったが、どうしても目に入ってくる、妙にインパクトのある光景だった。
なんともいえない表情で暁はしばらくそれを眺めていると、彼女の方も暁に気付き、目が合う。
数秒の沈黙が流れたあと、彼女が先に口を開いた。
「……初めまして」
「初めまして」
再び、沈黙が流れる。
「そうでしたか、あなたがミス・ヴァリエールの」
「できればとっととやめたいところだがな」
二人は巨大な扉を背景にしながら簡単な自己紹介を済ませていた。
女性の名はミス・ロングビル。
この学院の学院長であるオールド・オスマンの秘書という肩書きらしい。
「それで、秘書さんはこんなところで何をそんなに悩んでたんだ?」
「宝物庫の目録を作ろうと思って来たんですが……鍵を忘れてしまいまして」
「これ、宝物庫か」
「ガラクタとお宝が詰め込まれた、物置みたいな宝物庫です」
改めて扉を見上げる。
扉からは『普通とは違う』そんな気配がした。
「やっぱりあれか?魔法で厳重に閉じられてたりするのか」
「……ええ。それはもう、厳重に」
二人はしばらくの間、静かに扉を見つめていた。
どこか――お互いがお互いを探り合っているような空気が流れる。
「まぁ、秘書さんがここで何をしていたかはこの際置いておくとしてだ」
「そうしてください」
暁が大仰に肩をすくめ、ロングビルは微笑を浮かべる。
端から見れば、談笑に見えるのだろうか。
暁はロングビルと言う女性に妙な違和感を感じていた。
――誰かに似ている。
誰に、と問われても答えは出ない。
そもそも顔とか言動とか、そういうわかりやすいものが似ているわけではない。
おそらく考えても答えは出ないだろう。
いつまでも剣呑な空気をまとうのも楽しくないと判断し、別の話題を探す。
「――ところで、この使い魔のルーンのことを聞きたいんだが、秘書さんでわかるかい?」
左手の甲に刻まれた使い魔のルーンをロングビルのほうへと向ける。
今現在は何の光も発していないそれは、まるでアザのように見えた。
「うーん、基本的なことくらいしかわからないと思います。それで構わなければ」
「『銃を持ったらこのルーンが光るんだが、これは一体何だ?』って質問は基本的なことかい?」
「全然基本的なことではないですね。私はそもそも人間にルーンが刻まれたのを見たことがありません。
普通使い魔になるのは動物や幻獣なので、銃を持つと光るのが普通かどうかすら不明です。ですが――」
ロングビルはそこでいったん言葉を区切る。
彼女の顔に浮かんでいるのは難しい表情、どうやら何かを悩んでいるようである。
心当たりはあるが確証はない、おそらくはそんなところだろうか――と暁は推察した。
実際のところは、盗み聞きした会話を言いふらしていいものか迷っていただけなのだが、暁はそんなことを知る由もない。
そして少しの間を置いて、ロングビルは再び口を開いた。
「コルベール先生によれば、あなたに刻まれたルーンは『ガンダールヴのルーン』と言うらしいです」
「ガンダ……何?」
「ガンダールヴ、伝説の使い魔の名前ですね」
伝説、という言葉のいかがわしさに暁は眉をひそめる。
そして同時に、猛烈な嫌な予感が彼を襲った。
「かつて始祖ブリミルに用いられた、千人の軍隊を一人で壊滅させるほどの力を持った使い魔だそうです」
「胡散臭ぇ」
「私もそう思います」
暁は心底うんざりした声を吐き出し、ロングビルが苦笑でそれに同意する。
一騎当千、その言葉自体は数多の英雄を形容する言葉として暁の世界にも存在する。
だが暁は経験上、『一人で千人もの人間を相手にすることなど不可能』という結論を出している。
御神苗優や、もはや伝説の存在とも言える気功師『朧』でもその桁には到達できないだろう。
――暁の脳裏に『機会があればやってみたい』という言葉がよぎったが、とりあえずそれは思考の片隅に置くことにした。
つまるところ、暁にとって一騎当千とは英雄を大袈裟に修飾する単語の一つに過ぎず、胡散臭いことこの上なかった。
しかもそれが『始祖』という二つ名を持つ何か良くわからない存在の逸話の中に登場するとなると、信じられるはずがない。
「まぁ、逸話の真偽はさておき。コルベール先生に見せていただいた文献には『ガンダールヴはあらゆる武器を使いこなし、敵と対峙した』とありました。
もしかしたら銃を持つとルーンが光る、というのはガンダールヴのルーンが武器に反応しているのかもしれません」
「そこは笑うべきところか?」
「どうぞご自由に。ガンダールヴなどとと言い出したのはコルベール先生ですので」
自分は関係ない――口には出さないものの、あからさまに態度でそう示しながらロングビルは笑顔を浮かべる。
とても爽やかな笑顔だった。
(怖ぇ女だな)
苦笑を浮かべつつ次の言葉を捜す暁の耳に、階段を上り、こちらに向かってくる足音が届いた。
二人がそちらを見ると、現れたのはコルベールだった。
暁とロングビル、宝物庫の前という奇妙な場所で二人のの姿を確認したコルベールはその動きを止めた。
その顔に張り付いていたのはなんともいえない、微妙な表情が。
「お二人とも、ここで何を?」
「宝物庫の目録を作ろうと思ってこちらに来ましたら、ミスタ・アカツキと会いまして。軽く話し込んでいたところですわ」
先程とはうって変わって愛想のいい笑みを浮かべながらロングビルが答えを返す。
その返事にコルベールは『大変ですなぁ』と間の抜けた言葉を呟き、頷いた。
そしてゆっくりと暁のほうへと向き直る。
「ミスタ・アカツキはなぜここに?ミス・ヴァリエールは授業中のはずですが……」
「ああ、退屈だったから抜け出した。授業はボーがいるから大丈夫だろ」
「そ、そんなことでは困るのですが」
コルベールは本当に困った、という表情を浮かべている。
当然といえば当然の反応であった。
「先生がそこまで言うなら、戻るよ。またな、秘書さんに先生」
「もうすぐ授業時間終わってしまいますけどね」
「だから戻るんだよ」
「それは失礼いたしました」
まったく気持ちのこもっていない、どう考えても冗談の延長線上にあるロングビルの謝罪。
それを背に受け、楽しそうな表情でひらひらと手を振りながら暁はその場を後にした。
「と、ところでミス・ロングビル」
「はい?」
「ミスタ・アカツキとはその……何を?」
暁を見送った後、恐る恐るといった様子でコルベールがロングビルに問い掛けた。
ロングビルは一瞬『何を問われたのかわからない』といった表情を浮かべたが、すぐにその表情はいつもどおりの微笑へと戻る。
少なくともコルベールの前ではこれが『いつもどおり』である。
「この宝物庫について話していました。やはりこれだけ頑丈そうな扉が学院内にあると、初見の方は気になるんでしょうね」
「まぁ、確かにそうですなぁ」
「私も最初は驚きましたわ、こんな厳重な――メイジでも破れなさそうな扉、初めて見ましたもの」
「ええ、実際メイジでは破れないと思いますぞ」
この扉は、スクウェアクラスのメイジが何人も集まって設計したものである。
コンセプトは『あらゆる呪文に対抗できる扉』。
そして目論見どおり難攻不落の存在となった扉は、見るものに威圧感を与えながら宝物庫の前に君臨している。
だがコルベールは、この扉にも弱点はあると推論していた。
「この扉を破るには――それこそ物理的な力で破壊するしかないでしょうな」
魔法に対しては無敵の存在といえるこの扉も、所詮は分厚い鉄の扉。
故にそれを破壊しうるだけの力を加えれば、当然ながら扉は役目を果たせなくなる。
もっとも、難易度は果てしなく高いが。
「巨大なゴーレムがこの扉に一撃を加えれば、もしかしたら壊れるかもしれません。そんなことはありえないでしょうが」
呑気に笑うコルベールを見るロングビルの目がスッと細まる。
そしてもう一度扉を見上げると――満足そうに頷いた。
「大変興味深いお話でしたわ。ミスタ・コルベール」
コルベールのほうへ向き直ったとき、彼女の顔には妖艶な笑みが張り付いていた。
場面は変わり、教室前。
授業を終え、廊下に出たルイズはキョロキョロと辺りを見回した。
だが目的の人物の姿は――ない。
「どうしたルイズ、暁でも探しているのか」
「そうよ、自覚の足りない使い魔を探しているの」
若干遅れて教室から姿をあらわしたボーに不機嫌な表情を向ける。
ルイズは授業中に勝手にいなくなった不届きな使い魔――暁を探していた。
「いつの間にいなくなったのよ、あいつ」
「授業開始一分ごろだ、気付いていなかったのか?」
「気付いてたんなら止めなさいよ!」
「むぅ、トイレか何かだと思ったものでな。すまん」
ボーは相変わらず偉そうではあったが、普段の彼に比べるとかなり申し訳なさそうにしているのが見て取れる。
無論、これ以上ボーを怒るってもそれはただの八つ当たりでしかないことはルイズも十分理解していたので、それ以上ボーに対して怒りをぶつけることはしなかった。
「私がいるから大丈夫だとでも思ったのだろう。そういう男だ、暁は」
「ボーは使い魔じゃないじゃない」
ふむ、と呟き何事か考え込むボーを尻目に、ルイズは食堂に向かう進路を取る。
次は昼食の時間である、おそらく暁も厨房で食事をとるだろう。
食事の時間は会うことはできないが、終わったらしっかりと説教しておこうとルイズは決心した。
しかし、その決心は数秒で大きなため息に変化する。
「……暁が真面目に私の説教を聞くとも思えないのよねぇ」
「その通りだな、私もあの男が真面目に説教を受け入れる姿がまったく想像できん」
ルイズは立ち止まり、自分の後ろを歩くボーを見上げた。
尚、その視線には『あんたもね』という言葉が込められている。
そして再び、大きなため息。
「やっぱりあいつに主人と認めてもらうのは、無理なのかしらね」
「無理だろうな」
「……あっさり言わないでよ」
ボーという男なら『大丈夫だろう』などと根拠なく言うのではないか、そんな期待が少しだけ彼女の心の中には存在した。
もちろん『無理だ』というのもある程度予想の範囲内の言葉だったが――心には、刺さった。
「勘違いするな、ルイズだから無理というわけではない。そもそもあいつに主人と認められた人間など私は見たことがない」
気遣うでもなく、諭すでもなく。淡々と事実のみを言い聞かせる落ち着いた口調。
ルイズはただ、それを黙って聞いていた。
「暁は自由、悪く言えば勝手だ。任務より自分の命や趣味を優先する――そんな男だからな」
「最低じゃないの」
「うむ、端から見るとそうかも知れん」
力強く肯定するボーを見上げながら、ルイズは唖然とした表情を浮かべる。
――相棒じゃないのか、お前の。
そんな言葉をルイズの口が吐き出す前に、ボーが言葉を続けた。
「あの男は他人に歩調を合わせる術は知っているが、合わせる気はまるでない。
だが妙に義理堅いところがあるから、なんだかんだで付き合いはいい。今ルイズの使い魔をやっていることが、まさにそれだろうな。
正直なところ、私はあいつが使い魔をやっていると聞いた時、本気で信じられなかったぞ」
――ボーの命の分は使い魔をやってやる。
それは暁がルイズに繰り返し言っている言葉。
ルイズはそれが『嫌々やっている』という意だと思っていたが、ボーにとっては違うらしい。
「もしかしたら暁は気付いたら行方不明になっているかも知れん。むしろそちらの方が可能性としては高いだろう。
だがなルイズ、暁にとってお前は大事な何かになる、そんな気がするのだ。無論根拠はないがな」
自信ありげな笑みを浮かべたボーの大きな手がルイズの頭に乗る。
――根拠が無いのに何故そんな自信満々なのか。
ルイズにその理由はさっぱりわからなかったが、不思議とそれを言う気にはならなかった。
その代わりに口をついて出たのは、まったく違う言葉。
「ボー、あんたはどうなの?あんたも――いなくなる?」
今の自分はもしかしたら捨て猫のような表情をしているかもしれない。
そう思いながらルイズは自分の発言を後悔した。
そもそも、なんでそんな言葉が口から出たのか、ルイズにはまったくわからなかったし考えたくもなかった。
「もちろん私とて元の世界には帰りたい。倒さねばならん宿敵がいるからな」
力強くボーが頷く。
「だが、私はルイズが立派な貴族になるのを見届けるまで、この世界に居座ろうと思うのだ。
そもそも我が宿敵は、その程度の期間で誰かに負けたり死んだりするようなヤワな人間ではないからな」
むしろそんな雑魚ならば、こちらから願い下げだ――楽しそうな笑みを浮かべながらボーが語り続ける。
暁は言っていた。
『ボーはおそらくお前さんのことを気に入っている』
理由はわからない。そもそもボーという男の思考など読めるはずがないのだ。
だが、聞いてみたいと思った。何故――と。
「なんだお前ら、まだ食堂行ってなかったのか」
その時ルイズの背中に投げかけられたのは、授業を抜け出した自覚の足りない使い魔の声。
ルイズがゆっくりと、とてもゆっくりと背後を振り返る。
彼女が見た暁の表情には、悪びれるどころか『何でまだここにいるんだ?』という呆れに似た疑問が浮かんでいた。
「アカツキ――いままで、どこにいたのかしら?」
――できるだけ優しい表情で、怒りを表に出さず、穏やかに話し掛ける。
それがこのときルイズが言葉を吐き出すにあたって心がけ、気をつけたことである。
結果、その心がけ通りルイズの顔にはとても優しい微笑が浮かんだ。
「……なぁ、ボー。ルイズお嬢さん、めちゃくちゃ怒ってねぇか?」
「当たり前だ馬鹿者」
もっとも、その顔を見た暁の表情が引きつったなどというのは、ルイズにとって極めて予想外の出来事だったのだが。
数日後、虚無の曜日。
暁はトリスティン学院の厩舎で非常に困った表情を浮かべていた。
その視線の先では数匹の生命体が不思議そうな表情で暁のほうを見つめていた。
生命体の名は、馬。
ウマ目ウマ科に属する哺乳類であり、暁の世界においても有名な動物である。
「何変な顔してんのよ、早く選びなさい」
一足先に自分の分の馬を見繕ったルイズが、その馬の手綱を引きながら現れる。
「そうだよな……交通手段といったら馬だよな」
一度ルイズを見て苦笑した後、再び視線を前方に戻す。
やはりそこには馬がいた。
「……まさかあんた、『乗れない』とか言わないでしょうね」
「乗れねぇよ、乗ったことないからな」
「あんた、馬にも乗らないでどうやっていど――聞かない方がいいわね、絶対わからないし」
「賢明な判断だな」
買い物はどうやらずいぶんと遠出であり、馬に乗って行かないとどうにもならないらしい。
暁が言い出したことでもないので行かないというのも考えたが、ルイズのほうが意気込んでいるのでおそらくは許してもらえない。
ルイズだけ行かせるという選択肢もあるにはあるが、まぁこれもありえないだろう。
どうするのが楽でいいか、などと考えをめぐらせていると――
「仕方ないわね、この機会に乗れるようになりなさい」
ルイズという主人は、予想以上に厳しかった。
ブルドンネ街。
トリステインの首都トリスタニアにおいて最も大きな通りの名である。
五メイル程度の道幅の通りであるが、道端には露店が立ち並んでおり、老若男女問わず様々な人々で溢れていた。
そしてそこをあからさまに目立つ集団が闊歩している。
人数は四人。
綺麗な身なりをしたメイジの少女が三人と、地味な格好をした平民にしか見えない男という組み合わせだった。
そして前を歩く少女二人はそれぞれ不機嫌と笑みという対照的な感情が顔に浮かんでいる。
「何で城下に来てまであんたに会わなきゃならないのよ、ツェルプストー」
「偶然っていうのは残酷ね、ヴァリエール」
あからさまに不服そうなルイズに、キュルケが心底楽しそうな笑顔を返す。
ルイズと暁が馬で城下町にたどり着いた時、そこではキュルケとタバサが二人を待っていた。
『あら偶然ねヴァリエール、あなたも買い物?』
そんな言葉とともにキュルケから微笑を向けられたとき、当然ながらルイズは爆発した。
それ以降ずっとルイズがキュルケに文句を言い、それをキュルケが受け流すというなんとも一方通行な会話が続いている。
「しかし飽きねぇな、あの二人」
「たぶんあれが日常会話」
その後方を暁とタバサが我関せずという態度で歩いている。
暁の顔には若干の呆れが浮かんでいたが、タバサの方は相変わらずの無表情である。
尚、タバサによるとキュルケはルイズと暁が出かけたのを見計らってから、
タバサの使い魔――ウインドドラゴンと呼ばれる巨大な竜である――で城下に先回りしたらしい。
暁はこっそりその話を聞いたとき、キュルケの発想と行動力に呆れとも感心ともつかない感情が浮かぶと同時に、
彼女に振り回されているであろうタバサという少女に若干の同情の念を覚えた。
それは暁自身がよく似た立場にいるために浮かんだ感情なのかもしれない。
「あった、あそこよ」
その時、目的のものを発見したのかルイズがうれしそうな声を上げる。
彼女が指差した先にあったのは、剣の形をした一枚の看板だった。
石段を登り羽扉を開け中へと入ると、そこは昼間だというのに薄暗い空間だった。
ランプの光がぼんやりと照らす室内には、剣や槍といった武器が乱雑に並べられている。
「貴族の奥様方、うちはまっとうな商売してまさぁ。お上に目をつけられるようなことなんか、これっぽっちもありませんや」
店の奥からルイズたちにドスの利いた声が投げかけられる。
見るとパイプをくわえた店主らしき中年の男が、胡散臭げにこちらを見つめていた。
「客よ」
普通の人間なら気圧されてもおかしくない態度を気にするでもなく、ルイズが堂々と言い放つ。
それを聞いた男は『は?』と間の抜けた声を出した。
どうやらルイズたちのような貴族が客として来ることは稀を通り越して、ありえないらしい。
店主は怪訝な表情を浮かべながらルイズたちを眺めていたが、暁の姿を認めると『ああ』と納得したように頷いた。
「武器をお使いになるのはそちらの従者さまで?」
「そうよ」
「なるほどなるほど。それでしたら少々お待ちください」
店主は来客用と思しき愛想笑いを浮かべ、奥の倉庫へと消えていった。
どこの世界でも社会の裏側に位置する商売をやっている人間は、裏表の表情に差があるらしい。
しばらくして店主が戻ってきたとき、手に持っていたのは一本の細身の剣――レイピアだった。
「最近は宮廷の貴族の方々の間で下僕に剣を持たすのがはやっておりましてね。その際にお選びになるのが、このようなレイピアでさぁ」
「貴族の間で、下僕に剣を持たせるのがはやってる?」
店主の言葉にルイズが首をかしげる。
暁が視線を向けるとキュルケとタバサも不思議そうな表情を浮かべていた。
胡散くせぇ、と心の中で苦笑した暁をよそに店主がもっともらしく頷き、説明する。
なんでも最近『土くれ』のフーケと名乗るメイジの盗賊が出没し、貴族の宝を盗んで回っているらしい。
明日はわが身とそれを恐れた貴族が、下僕にまで武器を与えて警戒している――とそんな話だった。
「まだ捕まってないのか?その『土くれ』さんは」
「いかんせん神出鬼没のメイジの盗賊ですからね、まだ捕まっておりませんや。ええ」
「そいつは大変だな」
気のない返事を返しながら暁は店主からレイピアを受け取る。
間近で見るそれは、やはリ軽く細く心許ない短剣だった。
苦笑とともにそれを店主の方へと返却する。とてもではないが使いたいと思う武器ではない。
これなら自前のナイフの方がよほどマシである。
「もう少し大きくて重いのはないか?最悪斧でもいい」
「へぇ、少々お待ちください」
店主はぺこりと頭を下げると再び倉庫の方へと消える、若干嫌な笑顔を浮かべながら。
そして彼が再度倉庫から姿を現したとき――手の中にあったのはきらびやかな長剣だった。
「これなんていかがでしょう?」
それは、とてつもなく派手な剣だった。
長さは1.5メイルはあろうかという大剣であり、柄は両手で扱えるように長く、立派な拵えがなされている。
そしてところどころに宝石がちりばめられ、両刃の刀身は鏡のように光っていた。
「店一番の業物でさ。貴族のお供をなさるなら、これくらいは腰から下げてほしいものですな。
エキュー金貨で二千、新金貨で三千とお値段は張りやすが、貴族様ならお安いもんでしょう?」
「立派な家と森付きの庭が買えるじゃない」
腰から下げるには明らかに大きすぎる大剣を店主から受け取り、暁はじっとその剣を見つめた。
ルイズは剣の値段に露骨に顔をしかめながら、キュルケは暁の傍らに立ち興味津々といった表情でその剣を見つめている。
タバサは――相変わらず我関せずという態度で、どうやら持ってきていたらしい手元の本に目を落としていた。
「へぇ、いい剣ですのね。これになさったら?ミスタ・アカツキ」
「……いや、いい」
短いため息を吐き、暁は剣を店主に返却する。
その行動があまりに不思議だったのか、表情の読み取れないタバサを除いて、皆一様に不思議そうな、驚いたような表情を浮かべていた。
「だ、旦那?これはかの高名な錬金術師、シュペー卿が鍛えた剣でして、魔法がかかってるから鉄だって一刀両断でさ。
その辺の見栄えだけの剣とはモノがちが――」
「成金趣味すぎる。こんなもん恥ずかしくて持てるか」
あまりといえばあまりな発言に、武器屋の空気が完全に静止する。
そしてそれを打ち破ったのは――笑い声だった。
【ぶはははは!確かに!確かにな!お前さんみたいなゴツくて薄汚い男にそんな煌びやかな剣は似合わねぇやな!】
低い、男の笑い声だった。
だがその声は店主の声ではなく、無論暁の声でもない。
他に客が入ってきた様子も、どこかに潜んでいる様子すらない。本当に『どこからともなく』聞こえてきた笑い声だった。
ルイズたちが声の主を探してキョロキョロと辺りを見回す中、店主だけはカウンターに突っ伏し、頭を抱えていた。
まるで声の主が誰か知っているかのように。
「やい!デル公!お客様に失礼なことを言うんじゃねぇ!」
そして気力を振り絞り、といった様子で怒声を飛ばす。誰もいない空間、強いて言うなら剣が立てかけられている一角に向かって。
この瞬間、少なくとも店の中にいた人物のうち四名は本気で店主の頭のことを心配した。
だが――
【事実を言ったまでだろうが!本人にも自覚はあるみたいじゃねぇか!】
確かに声はそちらの方向――さらに言うなら立てかけられている剣そのものから発されていた。
「それって、インテリジェンスソード?」
「へぇ、おっしゃるとおりこいつはインテリジェンスソードでさ。
ただまぁこいつはやかましいばかりで何の価値もない、いわば駄剣ですがね」
【誰が駄剣だ糞オヤジ!】
「てめえ以外に誰がいるってんだ馬鹿野郎!」
そして、低レベルな罵りあいが始まる。
暁はとりあえず『鬱陶しい』という感想を抱きながら、デル公と呼ばれた剣を観察していた。
長さは柄まで含めると1.5メイルほどときわめて長い、ところどころに錆の浮いた片刃の長剣だった。
(……刀?)
長さの変わらない先ほどの剣と比べると刀身が細く、薄い。
そして、その刃先には日本刀特有の『刃文』と呼ばれる模様の存在が見て取れる。
他にも刀身の反りなど類似点が多く、その意匠は剣ではなく日本刀に近い――少なくとも暁の目にはそう映った。
「オヤジ、ちょっとそいつを見せてくれ」
「へ?デル公ですかい?」
まさかこんな剣に興味を抱くとは思わなかった。
そんなことを言いたそうな表情で店主は暁に通称デル公を手渡す。
先ほどの剣に比べると極めてぞんざいな扱いなのは、おそらく価値のせいだろう。
暁自身もデル公にさしたる価値を見出したわけではなく、この瞬間彼の心にあったのはただの興味だった。
だが実際に手に取った瞬間、それは軽い驚きへと変化する。
「――へぇ」
【何だテメェコラ!持つな!置きやがれ!】
デル公をまじまじと見つめる暁の顔に、楽しそうな表情が浮かぶ。
結論から言うと、それは極めて不思議な剣だった。
「見た目は酷いが――いい剣みたいだな、お前」
まずは重量。
長さ1.5メイルほどの金属製の大剣、という見た目からかなりの重量を想像していた暁の手に返ってきたのは、
重すぎず軽すぎず、俗に『手に馴染む』と言われる極めて扱いやすい重量。
軽く振るってみてもその感想は変わらず、その事実は少なからず暁を驚かせた。
デル公がまんざらでもないといった反応を見せる。どうやって感情を表現しているのかは知らないが、どうやら照れているようだ。
【へぇ、よくわかってんじゃねぇか。ちったあ見る目があるようだなテメェ】
そしてさらに暁の目を惹きつけたのは、その刀身。
錆が派手に浮いているその刀身に、一切の刃こぼれが認められなかったのだ。
刃先に軽く指を走らせると、指先に朱い線が引かれる。
薄くなぞっただけとはいえ、まったく痛みを感じない。水準以上の切れ味といえた。
――錆がまったく刀身を腐食させていない。
『何故』『そんなことがありえるのか』という自問への答えは見つからないが。
「これ、いくらだ?」
「で、デル公ですかい?」
店一番の業物を『派手すぎる』と一蹴した男が、店一番の厄介者に興味を示す。
それは過去に出会ったどんな客よりも奇異な行動であり、『ああなんだ、変人だったのか』と思い込ませるには十分だった。
「へぇ、デル公でしたら百で結構でさ」
「安っ」
後方から様子を眺めていたキュルケが驚いたような、呆れたような声を上げる。
そしてどこか哀れみを含んだ目つきとともに、ルイズの肩にぽんと手を置いた。
「いい使い魔を持ったわねヴァリエール、まともな大剣だったらどんなに安くても二百はするわ。
それをあなたが貧乏なのを慮ってあんなボロい剣を選んでくれてるのよ。ああ、あなたが貧乏なばっかりに苦労して」
「ねぇツェルプストー、ぶん殴っていい?」
露骨に顔をしかめてキュルケを睨みつけるルイズだったが、彼女としても何故暁があんなボロボロで、しかも鬱陶しい剣を選んだのか理解に苦しんでいた。
それこそ自分にあまりお金を使わせたくないという理由くらいしか思い浮かばない。
もっとも『もう少しいい剣を選びなさい』という言葉は、財布の中に新金貨で百しか入っていないという理由で発することができなかったが。
「ルイズお嬢さん、俺はこいつでいい。金は持ってるか?」
そう言った暁の表情には、少なくともルイズから見ると気遣いやそれに類する感情は見て取ることができない。
もっとも、彼がそういう類の優しさを見せるタイプの人間ではないというのは、ここ数日間という短い付き合いながらルイズにもわかっていることだったが。
「ほんとにそれでいいの?それを買うくらいのお金は持ってるけど」
「もう少しいい剣を選んだ方がいいんじゃないかしら、お金でしたら私が払っても構いませんわよ」
「俺はこいつで問題ない。煩いのが難点だがな」
信頼が置けるかどうか、となると剣などまともに振るったことがない暁には判断のしようがない。
だがそれでも、少なくともこの店に並んでいる武器の中でデル公という剣の実用性は抜きん出ているように思えた。
もっとも、それは暁が『日本刀』という刀剣を知る日本人であるということに由来することなのかもしれないが。
「ところでどうせこいつは厄介払いだろ?だったらもう少し安くする気はないか?」
「旦那、それはできかねやすね。いくらガラクタで厄介者でも武器は武器。百で済んでるのが本来ありえませんや」
「それもそうだな。だがこいつを手入れする道具くらいつけてくれたってバチはあたらねぇだろ。そっちはそんな高いもんでもないだろ?」
「むぅ……まぁ、それくらいでしたら」
「決まりだな」
言うが早いか、暁はルイズから預かっていた財布を店主に手渡す。
店主が中身を確認すると、ちょうど新金貨で百入っていた。
「毎度。どうしても煩いと思ったらこうやって鞘に入れてくだせぇ、黙りやすんで」
ボロ剣がそこそこの値で売れたことか、厄介払いができたことか、あるいはその両方か。
店主は若干いやらしい笑みを浮かべながら、財布と剣を暁に手渡す。
暁としても、間違いなく相場以下であろう値段でそこそこの剣が買えた故に、その態度に対しての文句はない。
デル公を鞘の中に納め軽く礼を言った後、少女たちを促し、店から出る。
そして、鞘の中のデル公――正しくはデルフリンガーという名を持つ剣の呟きは、誰にも聞こえない。
【おでれーた】
それは驚愕のような、歓喜のような。
【俺っちを買ったのが『使い手』ってのは、運命ってやつなのかね?】
その呟きは鞘の中の闇に溶け、消える。
今回はこれにて終了です
デルフの形状がいまいち把握できませんでした
日本刀に見えたので日本刀に近い存在として扱いましたが、結果サイトの感想と食い違った気がします
とりあえずインターネッツで調べて書いたいろんな知識が間違ってないことを祈りつつ、お疲れ様でした
片刃だけど直刀だったような気が
日本刀にも一応直刃のは存在するがデルフに反りはなかったような
デルフのあれは倭刀じゃね?日本刀の刃だけどデカくて反りがない所とか。
やはり日本刀ではないんですかね
うまいこと直せたらwikiのほうで直しておきますです
お目汚し失礼しました
そういや、ごくたまにデルフで居合いやるSS見かけるけど、
デルフみたいな直刀で居合いって出来るもんなの?
あれって、刀身に反りがあってこそ初めて出来るってイメージがあるんだが。
居合をするには反りが無いと鞘走りしないので無理
居合刀はそのせいですぐ刃が潰れて使いものにならないらしい
真っ直ぐだとぶら下げても簡単に片手でも抜けるって利点がある
反りがあったとしてもデルフくらいの長刀は抜き打ちしにくいだろうなー
皆様乙です。
>>221 もしかすると「なのは」シリーズの剣の騎士シグナムと炎の魔剣レヴァンティンのイメージがあるかも。
デルフによく似た造形の剣を作中で居合抜き?してましたから。
進路クリアなら19:30ごろから第6話を投下したいと思います。
無理。
直刀で居合いなんてやると刃が折れて最悪腕が飛ぶ。
デルフだと反りがあってもあの口が邪魔で居合いには向かない
頑張ってデルフに反ってもらえばどうにか……
刀身以上の物を軽々と両断するとか、
抜き打ちと鞘へ戻す速度が同じくらい速くて目に留まらないとか、
刀の硬度以上のものを切断するとか、
真空波みたいなので遠隔攻撃するとか、
そんなんに比べれば居合いくらい余裕だろ。
>>225 リロードするもんだね、直前のレスで速攻否定されたよ。
それではいきます。
ルイズたちがアルヴィーズの食堂の厨房に現れたとき、そこはちょっとした騒ぎになった。
何しろ、貴族が厨房に現れることは少ない。ましてそれが6人も一度に会することなど、
滅多にないことだからだ。
「お邪魔するわね」
ふがくがそう言って厨房に入る。すでに夕食の支度の真っ最中であり、料理長を筆頭に
戦場の様相を呈している。そんな中、ふがくに最初に気づいたのは、昼食時に出会った
あの黒髪のメイドだった。
「これはミス・フガク……それにミス・ヴァリエール、ミス・ツェルプストー、ミス・タバサ、
ミスタ・グラモン、ミス・モンモランシ……
み、皆様おそろいでいったいどのようなご用でしょうか?」
明らかに黒髪のメイドは気後れしていた。
「そんなに気を遣わなくても。私は貴族じゃないし、ふがくでいいわよ。
で、ちょっとテーブルと、それにお皿とフォークを6人分借りたいの」
「はぁ、分かりました。ふがく……さん。ちょっと待っていてください」
そう言って黒髪のメイドが奥に下がっていく。その様子を見たルイズが意外な顔をしていた。
「あれ?何も言わないのね?ふがく。わたしたちにはあれだけ名前のことで怒ったのに。
それにオールド・オスマンから准貴族として扱うって言われたの忘れたの?」
「ちゃんと発音できているのにどうして怒る必要があるのよ。
それに、私は貴族とかそういうことはどうでもいいのよ。食事もこっちで食べてもいいし」
「それじゃわたしが困るの!第一、オールド・オスマン直々にお許しいただいたことを無視する
わけにはいかないでしょう?」
そう言われてふがくが憮然とした表情をした。
そうこうしているうちに黒髪のメイドが皿と食器を持って戻ってくる。その後ろには大柄で
立派なあごひげを生やした、いかにも料理人といったエプロンと帽子をかぶった男がいた。
「これは皆様おそろいで。夕食の時間にはまだ早いですが……」
「忙しいときに悪いわね、料理長。わたしの使い魔が変わった食べ物を持ってたから
試食するのよ」
「はぁ、珍しい食べ物、ですか」
料理長は何か腑に落ちない表情をしている。そこに黒髪のメイドが声をかけた。
「マルトーさん、こっちのテーブルを使ってもいいですか?」
「ああ、シエスタ。……それでは皆様、こちらへ」
マルトーがそう言ってルイズたちを案内する。木製の簡素なテーブルだが、ふがくたちが
囲むのには十分な大きさだった。
「さて、このパインカンをどうやって食べるのか、見せてもらうわよ」
ルイズがどんっとテーブルの真ん中にパイン缶を置く。突如現れた見たこともない金属製の
筒に料理長、マルトーは興味を隠しきれない様子だったが、黒髪のメイド、シエスタは
懐かしいものを見るような顔をした。
「……あの、それ、もしかして『カンジュメ』ですか?」
「……えっと、シエスタ、だっけ。缶詰知ってるの?」
「あ、ふがくさんのその発音、ひいおじいちゃんにそっくりです。
えっと、うちにあったのはもっと小さいものでしたけど、ひいおじいちゃんが大切にしていた
ものを私が小さい頃にだだをこねて開けてもらったんです。
『シャンマ』っていう魚料理でしたけど、食べたことがないのに何か懐かしいような味が
したのを今でもよく覚えてます」
「ふぅん。これ、平民でも手に入るものなのね」
支援
メイドのシエスタが食べたことがあると言ったことで、ルイズの興味が薄れていく。
「ミス・ヴァリエール、とんでもありません。私が見た『カンジュメ』は曾祖父が村に来たときに
持ってきたというそれ一つだけです」
「そうよルイズ。ゲルマニアにだってこんなものないわよ」
「ルイズ……だいたいトリステインでも見たことないでしょう?こんなの。
これが平民でも買えるものなら貴族が話も聞いたことがないなんてあり得ないわよ」
「キュルケ、それにモンモランシーまで……そうね、やっぱり珍しいものなのよね。
さぁ、ふがく、早く開けなさい」
「……いろいろ突っ込みたいところがあるけど……まぁ、いいわ」
ふがくが疲れたような顔をしたのはきっと気のせいではないだろう。
ふがくがパイン缶のふたに持ち手の太いナイフ――スイス製のサバイバルナイフ――から
取り出したかぎ爪状のナイフ――缶切りを突き刺すと、ぷしゅ……という音とともに中から
シロップが浮き出す。
「……なんか、これだけでも甘酸っぱい匂いが……」
ルイズが率直な感想を漏らす横で、ふがくがシロップをこぼさないように缶を切り開けていく。
ほんのわずかなつながりを残して切り開けられたパイン缶。缶から皿に取り分けられた、
その黄色いリングを見たルイズたちからは、驚きの声が漏れる。
取り分けられたパインをケーキでも食べるように一口大に切り、口にしたルイズたちは、
その甘酸っぱい未体験の味にしばらく言葉が出なかった。
「…………香りだけじゃなくて味もさわやかね。
しかも大きさがそろっているってことは、大きな実の、それも真ん中のいいところだけ
使ってるのね。
まだあるならわたしがもう1枚もらうわよ」
「ルイズずるい!
でも、これは本当に甘酸っぱくておいしいわね。
『パイナップル』だっけ?東方から来る商人に話をつけたら輸入できるかしら?」
「……多分、ハルケギニアにはない果物。産地がサハラの向こう側だとすれば、これだけ
果汁のあるものを生で運ぶのは絶対無理。
もしかすると『カンジュメ』なら運べると思う……けれど、一度も見たことがないから生産国で
戦略物資として輸出が制限されているか、流通量そのものがとても少ないはず」
「このパイナップルのおいしさもかなりのものだけど――僕はこのカンジュメという方法に
感動したね。
金属製の容器を密閉して調理した状態で持ち運べるなんて、『土』のメイジとしては
研究意欲をそそられるよ」
「確かに瓶詰めだとそんなに保たないものね。落としたら割れるし。
でもこれ、このまま食べてもおいしいけど、別の料理に使っても良さそうね」
「後は料理長とシエスタにお裾分けするわ。こっちの缶も。缶切りの使い方は今見せたので
分かるでしょ?」
ふがくがそう言ってナイフと未開封のパイン缶を一つテーブルに置くと、マルトーは目を
丸くした。
「いいのかい?こんな珍しいもの」
「今日のおいしい食事のお礼と思ってもらってもいいわ。それに、食べてもらった方がいいし。
あと、このシロップもパイナップルの実を搾って砂糖を加えたものだから、中身と一緒に
使って肉料理や魚料理のソースにすることもあったわね。
食べたことのあるものだと白身魚のムニエル パインソース添えとか、マリネに使ったりも
したかな」
「そりゃあおもしろいな」
ふがくが貴族ではないと聞いたためか、マルトーの口調も堅さがなく気安いもの。
もちろんふがくがそんなことを気にすることもない。ひとしきり頷いた後、マルトーはシエスタを呼ぶ。
「シエスタ、こっちのを切り分けてみんなに分けてやれ。手が離せない奴の分はちゃんと
残してな」
「はい!」
シエスタが開封して中身の残ったパイン缶を手にして厨房へ消える。その後でルイズが
残った最後のパイン缶をふがくからふんだくるようにして奪い取ったのは……余談としておこう。
「……そう言えば、あのシエスタって娘、なんで缶詰知ってたんだろ?」
「ああ、シエスタはあのタルブの村出身だからな」
シエスタを見送ったふがくがふと口にした疑問に、マルトーが答える。
「タルブの村?」
「トリステイン王国の南側にある小さな村よ。大きな平原の中にあってワインと薬とお菓子で
有名な村ね。あと……昔お母様から聞いたことのある……なんて言ったか忘れたけど
奇妙なものがあるのよ。あの村」
マルトーに鸚鵡返しで聞き返すふがくにルイズが答えた。
「それに、タルブのワインと秘薬『ミジュアメ』はアストン伯を通じて王家への献上物になって
いるのよ。
亡くなられた国王陛下もタルブの秘薬『アワーメ』の味を大変好まれていたし、
アンリエッタ王女殿下もタルブのお菓子『ドロップ』をこよなく愛されているわ。
王女殿下とご一緒するとテーブルの上には必ずクリスタルの器に宝石のようなタルブの
『ドロップ』が盛られていたのを思い出すわね」
「へぇ。ルイズって、結構すごいんだ。
……でも『水飴』と『粟飴』って……まさか、ね……」
王室に関わりがあると聞いたふがくは素直に驚く。それと同時に聞き覚えのある単語に
似た言葉があることを不思議に思った。
「秘薬を食べるってのはさすがにトリステインの王族ね。『アワーメ』はそんなにしないけど、
最高級の『ミジュアメ』の大瓶は平民の一家四人が一ヶ月暮らせるくらいに値が張るもの。
でも、昔、秘薬『ミジュアメ』が最初に世に出たときはかなりすごかったらしいわね。
どんな傷でも治すという東方の幻の秘薬『コーイ』じゃないかって言われて。しかも作ったのが
メイジの協力を得た平民だったし。
それに……『ミジュアメ』と『アワーメ』は私の実家も扱いたいんだけど、トリステイン王国から
全然許可が下りないのよね。
『ドロップ』も普通の真っ黒なドロップと違って宝石みたいだし、食べると力がわいてくると
評判の『キャラメル』も、見た目はアルビオンのタフィそっくりなのに、あの口溶けと甘さが
たまらないのよねぇ……本当に残念」
「タルブ産の秘薬『ミジュアメ』、『アワーメ』、それにトリステイン魔法衛士隊に配給される
『キャラメル』はトリステイン王国の重要な戦略物資。
輸出は厳重に管理されているし、よほどの理由がないと個人のお土産以上の量の国外
持ち出しは許可されない」
ため息をつくキュルケに、タバサが冷静に突っ込んだ。
「おまけにそれらの製法を知っているのが東方からやってきたらしい一家族と彼らに協力
しているというアルビオン生まれの土のメイジ一人だけだから、王国から村に銃士隊が
派遣されてるくらいさ。
銃士隊が設立される前は魔法衛士隊の分隊を送り込んでいたと聞くからどれだけ重要視
されているか分かるよ。
もっとも、僕が聞いたところによれば役得も多いから、小さな村への派遣にもかかわらず
希望者も多いらしいけれどね」
「役得?」
ギーシュの言葉にふがくが聞き返す。
支援
「休憩時間に『ミジュアメ』や『アワーメ』をお湯で溶いてジンジャーで味付けした薬湯
『アメユー』が振る舞われるからさ。加えて任期満了して王都に帰還するときには『ミジュアメ』の
小瓶が記念品として渡される。
貴族で構成される魔法衛士隊と違って王女殿下が設立された銃士隊は平民の、しかも
女性ばかりで構成されているからね。平民にとって『アワーメ』も貴重な薬、ましてや
『ミジュアメ』を口にすることなんて普通はまずないからね」
「へぇ。アンタ、見かけによらず物知りね」
「で、ギーシュ。どうして貴方がそんなことを知っているのか聞きたいわね」
「そりゃぁケティがお菓子の材料に使いたいって言って、自分で『ミジュアメ』を作ろうとして
失敗したときにコツを聞きに二人でタルブまで……ぶべらぁ!」
ふがくの言葉に紛れるように言葉を継いだモンモランシーにギーシュが墓穴を掘る。
腰の入った右ストレートがギーシュの顔面に炸裂した。
「ふーん。で、あの子は『ミジュアメ』を作れたの?」
「……い、いや、駄目だったよ。原料は米と麦だって分かっているんだけど、単に挽いて
混ぜ合わせただけだと白いどろっとしたスープになるだけで、あの琥珀色の秘薬には
ならなかったし、それに『錬金』しても駄目だった。見た目は近づいても甘みも全くなかったんだ。
だからタルブに行ったけど、結局何も教えてはもらえなかったよ」
慣れたものかギーシュの復活も早い。鼻血をハンカチで拭くと肩をすくめた。
「まぁ、あの子が簡単に作れたらここまで貴重品にはならないわね。
でも……今度そんなことをしたら……」
「わ、分かっているさモンモランシー。ははは……」
ギーシュの顔色は青ざめ、乾いた笑いをそこに貼り付けていた。
「……なるほどの。そうなるとこの味はワシが生きている間にはもう味わえんかもしれんのぅ」
夕食前の喧噪から3日。学院長室で特別料理を味わうオスマンは、料理を運んできた
マルトーからそのときの話を聞いていた。
ふがくの持ち込んだパイン缶は『東方の果物』として学院のごく一部の貴族と平民に
認知され、同時にマルトーの手によって、ふがくから聞いた『白身魚のムニエル パイン
ソース添え』を再現した特別料理『白身魚のムニエル 極東風』として学院長が舌鼓を
打つことになった。
元々沿岸部以外では貴重品の魚料理にそれに輪をかけて貴重な東方の果物を使用
した贅沢な料理は、材料の都合から学院長であるオスマンと、パイン缶をもたらしたルイズ、
ふがくの三人のみ口にすることができ――これがまた新たな火種になろうとは、ルイズたちは
このとき考えもしなかった。
支援
まあ実際の居合いと漫画居合いは別物と言うことで
それはそうと支援
あー
甘味は確かに貴重だよねー
支援
以上です。
今回はちょっと寄り道...ですが、調べても原作で漢方薬は出てなかったので
『幻の薬』としてネタに使ってみました。
ちなみに本物の『コーイ』こと『膠飴(こうい)』は正真正銘の漢方薬として
処方される水飴です。
最後になりましたが、Wikiへの登録、ありがとうございます。
乙
葛根湯持ち込んだだけでも秘薬扱いされそうな気がしてきた
さっきの書き込みで名前消えてましたorz
今回の甘味ネタ...トリステインやゲルマニアの『黒いドロップ』は現実のヨーロッパの
地理にあわせてリコリスドロップや『あの飴』のイメージだったりしてます。
原作でも飴ネタはなかった記憶があります。
実際にフィンランド産の『あの飴』は食べましたが...日本人の味覚には未知のものですね。
サクマ式ドロップスになれた人間にはちょっときつかったです...
東洋産の薬草は現地ですら貴重だしねえ
ああ
あの黒いドロップ
石油の味がするのよね
地震で詰ん読城壁が決壊した
あああああ
徹夜かなぁ・・・・・・
すんでる場所どこだよ
埼玉中部だがそこまで酷く無かったぞ
世界最強コンビの人乙です。
何故だろうおマチさん涙目の図しか浮かばないw
ふがくの人乙です。
読んでたら甘いものを食べたくなった。ちょっと飴買ってくる。
住んでる場所どこだよ。
埼玉北部だがそこまで酷くなかったぞ
>>174 あのひとは婿養子なのに嫁に逃げられちゃったから、義父に嫌われないために貴族に拘ってるだけじゃね?
……悲惨なんだよな裏設定が、鉄火面
というか逃げられた理由って何なんだろ?
シオやナディアとのやり取りとか、御大の性格から「男として」負けたというのもあり得るんだよなぁ……
ふと思ったんだけど
鉄仮面付けてたらコントラクト・サーバント出来ないんじゃ・・・
あぶない刑事からタカとユージ召喚
フーケを捕まえる時に無駄に被害を広げまくってルイズ涙目
実にどうでも良いが、「世界最強コンビ」が「世界最強コンビニ」に見えてしまうのは俺だけなのか?
という訳で、コンビニDMZからポイント・チャーリー店の3名を店舗ごと召喚したら……?
>>249 性格の不一致とかそういうのじゃなくて、寝取られたと?
まさかセシリーは鉄仮面の娘じゃないという裏設定とかあるんじゃなかろうか
>>253 実際鉄仮面自身の台詞にある。「私は妻をあのシオに寝取られた情けない男だ」ってな。
問題なのはこれが比喩じゃなく直喩の可能性があるってこった。
将来コルベールがそうならんか心配だ……
飴の人…じゃなくて萌えゼロ大戦の人乙1
甘味で溢れる現代日本と違って、中世ヨーロッパ位の文明だと
甘い物は現代人が考える以上に貴重品なんやね。
ただ甘いだけじゃなくて、フルーティーな風味が加えられたハイチュウとか
持ってったら一粒が宝石1個分位の価値になりそうw
そういえばゼロ魔クロスオーバースレでも似た様な事件があったな
あれはスレが存続の危機になる程だったけど
余所のスレに投下しようとして誤爆したんじゃね?
>>255 ふしぎ遊戯で古代中国に召喚された主人公が
たまたま持ってた風船ガムにバカみたいな高値がついた話を思い出した
明日アニメ版しか見てないから図書館でゼロ魔読んでくるぜ。
そんだけだけど、もしSS作るならここは2回読んでおけってところはある?
>>260 うんこ画像の次は最低SS書くの?いい加減にしとけ。
>>260 全巻2冊以上買って保存用セットを作りつつ全部10回以上読むといいよ
つーかSS書くのに手元に無いとかw
>>260 間違っても練習に読書感想文にはするなよ
図書館であの表紙の小説積み上げて読みまくるなんて俺には到底できない
265 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/09(日) 22:08:16 ID:5F4PTiRo
デビルメイクライ系の小説が止まっているけど・・どうなってるのかな?
特にネロやダンテ。
>>260 正直言って小学生の時の同級生の絵より下手糞だったここ以外でも投下しない方がいいと思うよ。
まあSSはどんなものか見てみなきゃ分からんから何も言えないけど。
>>254 そういえばルイズが鉄仮面召喚したSSってあるの?
有るんだったら見てみたいんだが……
化け物か?!
>>267 無い、ガトー・シーマ・トレーズ・ガロード&ティファならあるけど。
私的にはロランが呼ばれたら面白くなるだろうと思っている。
貴族の面倒見るの慣れてるし、ギンガナムに勝てる程度には剣も扱えるし。
誰かヱヴァのシンジ君呼んでくれ。初号機付きで
破バージョンですね、わかります
>>269 俺が初めて覗いた時にはロランがあった気がする
尤も書き直し中で内容は見れなかったが。いつの間にか消えて無くなってたが
273 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/09(日) 23:07:58 ID:yG/1kEQt
ロマサガのガラハド
>>266 レスだけで見当つくだろw
>>260 >明日アニメ版しか見てないから図書館でゼロ魔読んでくるぜ
最近の小学校は、こんな文書く奴を矯正しないんだな…
最近の図書館は、税金でゼロ魔なんて購入しやがってんだな…
>>274 公共の図書館に本当にラノベが置いてあるから困る
むしろろくでもない本置くよりよっぽどマシじゃね
と思うが
主に図書館を使う層から見れば、ゼロ魔も十分ろくでもない本なんじゃね?
荒山徹のような怪文書を置いてる時点で何があってもいいやという気になる
萌え萌えさん、乙です。
鷲もそうだけど、異文化交流ネタは面白いな。
常識のギャップが楽しい。
ところで、甘味って戦略物資になるようなモンなの?
アメリカ軍は前線基地にもコーラとクーラー、アイスクリームを持ち込むってジョークは聞いたことあるが。
ジョーク?
はははご冗談を
>>251 逮捕時に無駄に被害を広げるといえばダイナマイト刑事。
オカルトや疑似科学が科学の棚においてあるのは何とかならんのかね
創価マンセーの本が置いてあるよりはマシ
高校時代、図書館に入ってきた青心社のクトゥルー神話、
危うく哲学・宗教書のコーナーに入りかけたことが。
酒や麻薬もそういう目的で使われていたけど、
後遺症や依存症が酷いので最近は使われなくなった。
甘味は甘味で今度はメタボが問題なんで、
米では少し前からゲーム機配り始めたらしい。
いわゆる任天堂最強伝説のひとつのアレw
>>269 ロランは確かにいいな。
脳内で「(貴族であろうと平民であろうと) 人の命を大事にしないと人達とは誰とでも戦います」
とロランと叫んだ気がする。
個人的に書きたい読みたいのは木々津克久の「ヘレンesp」。
ただ、三重苦(視覚、聴覚、口話)の主人公が捉えるセブンセンシズ(仮)を
読んでいて今ひとつ理解しきれないため、自分では書き出せない。
>>222 遅いレスだけど、鞘走りで加速は漫画だ…。
実際にあんな風にやってたらひっかかって抜けない。無理に抜いたら鞘を傷める。
日本刀に反りが一番あったのは鎌倉から南北朝くらいにかけてじゃなかったかな?
江戸時代は携帯性を重視したために短くなって、反りもあんまりなくなっていく。
>>275 知り合いが最初に読んだラノベはスレイヤーズ!で、読んだのは近くの図書館と言ってた、な…。
ヘレンの代わりにルイズが三重苦の「ルイズesp」なんてのはどうかな。
使い魔はもち犬(盲導犬)で。
亀ですが、ウルトラの人乙。
スフランとはまたメジャーな吸血植物を…。
自分的にはグリーンモンスやケロニアが当時は凄く怖かった。…ちょっとしたホラーだよ、あれ。
てか、ギーシュはエロパワー全快しすぎ。こういう場面だけでいいから、ちょっとは真面目にやって欲しい。
>なお、名探偵の泊まった旅館で必ず殺人事件が起こるように、ウルトラシリーズで旅行に出かければ
>必ず怪獣に出くわすことになるので
最早、ジンクスですな…それ。
にしても…異国の戦士に山に封印された人食い竜ですか…。
自分は80のそっくりさんに山に封じ込められた、100mの舌を持つ怪獣を思い出しました。
ま、それは兎も角…、次回も楽しみにしてます。
今日は食い物からみのネタ多いな。
戦略物資うんぬんは知らんが、ハルケギニアは極楽鳥だの地球にはない珍味が多そうだから、大食いキャラはなじみやすそうだ。
いっそハルケギニアいただきます! というのもありかも。
>>290 書き込み時間ドンピシャとな・・・奇遇だなぁオイw
>>279 イタリア軍の最重要設備がジェラードの製造機だという話はきいたことがある。
曰く、
「これがないと反乱がおきるかもしれない」
まあ、ただのジョークだと思うけど。
砂漠でパスタみたいな。
戦争中にバカンスやる国だから冗談に聞こえんな・・・
砂漠でパスタと言われるとストパンのラスト思い出しちゃう
正直イタリアがらみのこの手の話はどこまでがジョークでどこからがマジなのかがさっぱり判らん……
じゃあそろそろヘタリアの皆さんにご出動願おうぜ!
>>297 ほとんど美青年ばかりの作品だから・・・
キュルケ・・・
>296
捕虜収容所から見える山に登りたくなって装備を整えて(自作!)収容所を脱走して登頂制覇、収容所に戻ってきたイタリア兵とかいるらしいが。
……ホントか?ジョークじゃ無くて?
なんかえらい高い山でそのイタリア兵が世界初登頂だったらしいが
イタリア人は11人以下なら最強だからな
女性の為でも最強かも……ならサイトポジションなら伝説のローマ時代の力を見せてくれるかも
ふとモンシア中尉を思い出した
>>269 サンクス。それと調べてもらってすまんが多分それ全部読んでる……。
ごめん。
>ロランの件まとめて
ロランは理想郷で召喚されてる。
結構相性イイみたい。
中の人の組み合わせ的には『鋼の錬金術師』なんだよな。
結構読みやすかったが途中で止まってる。
イタリア系マフィアが一番怖いらしいな
アメリカの海軍を打ち負かすイタリアは弱くないよ
たまに貼られるようなコピペは大体デマか誇張だよ
ルイズ、ウルトラ5つの誓いを言ってみろ
朝ごはんを食べよう
挨拶をしよう
廊下は走らない
あと、あとなんだっけ・・・
ごみはごみ箱へ
悪即斬
うっかりガラスの破片を踏んでしまうこともあるから、土の上は裸足で走らない。
「ぶっ殺す」という言葉を使わない(ただし「ぶっ殺した」なら使っても可)
314 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/10(月) 01:52:36 ID:dDzjKe6f
>>305 マフィアじゃない。カモッラだ。
あの世界ってか成田良悟のキャラは扱い辛いな……
死んでも平然と生き返ったり、
血だけの吸血鬼だったり、
首から上が無いのにヒロインだったり、
動物みたいに扱いが難しかったり。
まずった。すまん
もっとカモッラっぽい謝罪をしてくれ
強いイタリア軍を読みたかったらデュアル・パシフィック・ウォーがオススメ
迷将コロンビーラ提督が戦艦インペロとともに勇敢? にイギリス軍などと戦います。
それはともかく晴れた日には布団を干すこと、最近の天気じゃ難しいが。
転んでも泣かない
出されたものは食べる
おいらのギャグには大爆笑する
じゃないか?
>221
スレイヤーズに出てくる斬妖剣みたいな基地外じみた切れ味なら可能じゃなかろうか
音も無く鞘ごとぶった斬るのを居合いと言っていいのなら
ちなみに近場の図書館にはシャナが揃ってた
>>288 実際居合いやってみたけど鞘走り?みたいのはあったよ
ただ居合するなら普通に両手で持ってきちんと振った方が速く振れるけど
やってみたじゃなくてやってただな…
これじゃ刀を常備してる犯罪者だ
>>304 トレーズ出てるのってあったっけ、wiki検索しても出てこないけど
リンクを探してみればいい
>>320 そらそうだ。
居合いは鞘に納めたままの時に、いきなり抜いて攻撃する不意討ちの為の技であり、
同時に、不意討ちに咄嗟に対応してそれを防ぐ技でしかない。
以降はただの剣術勝負。
>309
エミュレーター、カッコ悪い。
後は、適当に。
>>322 まとめwikiのリンクからガンダムキャラwikiにとんで、
長編短編(元ネタ別)って所に入ってる。
全部短いから期待しないこと。
まあ居合いって聞くと漫画とかの影響でもの凄い速い抜き打ちとか思っちゃうよな
しかし俺が楽しみにしてる奴は大抵更新が途絶えちまうから困る・・・
思いきり明るく 叫べ 笑え…とかw
亀だが甘味関係
日本では女子供の食物と思われがちだが西ではむしろ逆
中世のオスマントルコや欧州では砂糖は貴重品だった為、家長にこそ食う権利があった
それも砂糖を大量に使う程贅沢って感覚
今でも髭ターバンのオッサン達はカフェで堂々とゲロ甘い菓子を食う
その2、終戦間際の物が無い時代でも特攻では菓子が配られてたらしい
当時小さかった親戚が、特攻に配属された家族がいつも菓子をくれたって話をしてた
よってハルケでも、チョコやキャラメルみたいな非常食にもなる菓子が
一部の精鋭部隊に特別に与えられるってのは大いにありそうだと思う
そもそも小説とか漫画の主人公のメインウェポンに剣が古今東西多すぎる
槍の主人公なんていない…
そういえばたしかイレズミの使い魔って感じのタイトルで
メガテン3の人修羅召喚のSSがあった気がするんだけど、あれって消されたのかね?
ルイズ、県大会優勝おめでとう!
>>327 ならば朧村正から鬼助か百姫を召喚だな。村正鋳造の刀は折れても鞘に入れておけば直る上に
鬼助・百姫(陣九朗)共に二段ジャンプできたり居合いは画面全体を斬れたりと驚異的だし。
>>329 ゲームだけどFE聖魔の光石のエフラムやドラクエ8の主人公、
あと槍使いと云うよりは万能型に近いけどロマサガ3のトーマスや
棒術だけどソウルキャリバーのキリクも中々の使い手だぜ。
>>309 犬を食べない
食事の誘いを断らない
>>328 面白いことが大好きで、悪いことが許せません。
遅レスだが、へたれじゃないイタリア人を見たかったら
ガンスリンガーガールもオススメ。
>>336 たしかアンジェリカが呼ばれてたな
どんどん死に死に近づいていくアンジェがやばかった…
「貴方って、最低のクズだわっ!」
ここでまさかの姫騎士
陣痛ィィィ
>>338 サイトと一緒に呼んでサイトに調教役をだな。
アンジェリカは兎も角として、エルネストの方召喚は考えたことがある。
ただ……誰が呼んでも、何時呼んでもエルネストからは恨みしか買えそうにないしな。
特にハーフエルフのテファが呼びでもしたら……
>>328 常々思ってるんだが、「世界間を自由に移動できる」という能力さえあれば他に何もなくても億万長者確定だよな。
寝起き二分で打ち込んだ。
テファに召喚されて、フーケに切りかかったサイトに向けて毒を吐く姫騎士を
>>350が書くことを期待する
アンジェリカ「あひいぃぃっ、むはぁぁはぁはぁ!
桃髪ロリの言葉責めで潮吹いちゃったぁ!
ぬはっ、鞭打たれてるのにめちゃくちゃ興奮してきたぁ!
私はインテリジェンスソード以下のエロエルフ姫ぇえええん!」
エレキングの赤さん
これまで幽白が挙がってないのは何故?
週刊連載漫画家は救済しちゃいけないんだ
桑原なら召還されたぞ
数行だけ、しかも小ネタだが
最近の図書館は801本が置いてあったりするんだぜ
撤去したら「表現の自由を侵害するものだ」と市民団体が抗議するし
>>330 消されちゃったね、刺青。
あの人修羅はムスビEND後っぽかったっけ……
鉄仮面鉄仮面と聞いてるうちに銀仮面のヒルメス卿(アルスラーン戦記)呼び出したらヒドイ事になりそうな気がする…と思った。
どんな修羅場になるか怖くて想像したくもないが。
>299
イタリア兵すげぇww
検索したら割と引っかかるんだな…ホントかジョークかはっきりしないがw
ちなみに我らが大日本帝国海軍の大和にはサイダーの精製設備施設があったとさ。
>>351 ルイズ「ち、ちがう。これはただの豊胸剤よ………」
サイト「ルイズ、うそをつけっ!!」
>>293 イタリア軍のジェラード製造器で思い出したが
戦艦大和にラムネ製造器が搭載されていたのは有名な話だよな。
アメリカの空母には床屋があるという都市伝説が
空母は何でもあるよ
艦長にはアイスのフレーバーを決める権限があるとか。
艦長と好みが合わない乗員はちょっと憂鬱らしい
またまたご冗談を
ジョークだろ
>>357 教会だってあるんだぜ。ありゃもう動く街だな
>>357 ラーゼフォンのリーヤァ・リドヴァクにもあったな。
無人戦闘機が存在する未来の話な上に最新鋭の空母だからこそあるのかもしれないがな。
でかい空母には五千人ぐらい乗ってるんだからアイスの製造機程度は当然
マクドナルドやケンタッキーやプラモデル屋まである
何ヶ月も潜りっぱなしの原子力潜水艦には艦内プールまであるよ
娯楽がなけりゃ仕事に差し支えるしな
>>361 飛び込み自殺計る船員が後を絶たないから非常に忙しいという
アメリカの空母だかでアイス食べ放題というのは聞いたことがあるが…。
赴任直後の士官がアイス食べようとしたら長い列が出来ていて、
「下士官ども! そこをどけ!」
みたいな命令したら、
「順番は守れ」
と後ろにいた艦長だか提督だかに怒られた――なんて話も聞いたことがある。
…しかしこの手の話は何処までが本当で何処までが嘘なのかよくわかんないからなあ。
「信じられないが本当だ」のまとめにも、実は伝説というか嘘も結構混じっているという噂。
イタリア人の「砂漠でパスタ」も実は嘘らしいからな
まあでも、それを差し置いてもイタリア軍の弱さは伝説的
黒の騎士団もイタリア&朝鮮の二大「味方にすると負け」半島国家を
味方に組み込んだのが敗因に違いない
だれかGANTZの千手観音を召喚してくれ!
ジャンプ放送局からえのさんを召喚
シルィと一緒になのねなのねんとうるさいのねん
ルイズ「くやチチ〜!」
>>368 いや、それがさ、常備はしていないが一般市民に開放する日ってあるだろ?
その時に臨時で設置されたのは確かなんだ。
もちろん来訪市民の胃袋と、「かっこいいせんとーき」を欲しがる男の子を満足させるため。
あと、床屋や数軒の食い物屋が常設されてるのは本当。
ケンタッキーかどうかまではしらないが。
あと、売店で暇つぶしのおもちゃも売っている。
その一角に接着剤を使わないプラモデルコーナーがあっても驚きはしないよ。
>>366 それは猛牛の名で有名なハルゼー大将のことらしいが、どうやら真実らしい。
逆の話だが、無理な改造をして竣工させた日本の伊勢級戦艦は居住区が狭すぎて大変居心地が悪かったそうだ。
また、大和に冷房があるのが贅沢だというが、南方で作戦行動をとる以上本来あって当然で、他の艦は焦熱地獄の上換気も悪くて大変だったらしい。
旧日本海軍の艦の居住レベルじゃ、ルイズは一時間で逃げ出すな。昔の軍人の皆さんは本当にすごかった。
昔の日本人は身長こそ低いけど、現代人より遥かに丈夫な体をしてたのかもしれんね
明治時代の相撲取りとかの写真を見ると、
脂肪が少ない代わりにどこのボディビルダーやねんってくらいムッキムキやぞ!だし
まあでも白人系のハルケギニア人と比べるとやっぱりガタイの差は歴然としているだろうから、
佐々木さんも存命当時はさぞかしチビ扱いされたんじゃないかなと思う
>>369 殺す気かっ!
そんなもん召喚したら、その人が死んじゃうだろ!
>>367 日清戦争の時の清軍は昼飯時にわざわざ火を起こして一斉に飯作りするから【今、食事するので隙だらけです】と日本軍に察知されてボコボコにされたとか。
……そろそろ【雑談ウゼェ】の自治厨が湧く予感
自覚あるんなら止まれよw
>>373 白人が東洋人よりガタイがよくなったのも、わりと最近らしいので、近世レベルのハルケでは昭和人の佐々木さんはそれほどでもないと思う。
体格は食生活に関わってくるから。
ストライクウイッチーズからの召喚というのはあったっけ?
と思ってまとめみたら一話で止まってた。
小説版がたしかノボルだから、そっちから召喚というのはどうなんだろうか。読んだことないけど。
確かに今でこそ白人の体格は良いですけど、中世の頃の食生活じゃ現代ほどの体格は望めなかったでしょうね。
いやまてよ? 魔法学園での食事風景を思い出すと、平民と貴族でかなりの対格差が発生している可能性はあるな。
まぁ、シエスタとテファ、ヴァリエールの長女と三女のように、体格の一部に富の偏在が発生する可能性はあるか。
>>377 一冊だけ読んだが、ノリはラブ米を抜いて軍事関連をネタにしただけで、いつものノボルだったな。
2冊目以降はレズ乱舞らしいが読んでない。
>>375 ゼロ魔キャラ召喚に関係ないから仕方が無いんじゃないか?
亜人扱いだったりしてな
>>372 大和の艦内冷房は砲塔装填部の冷却のおまけ、らしい
ストライクウィッチーズから召喚となると衣服文化の相違の問題があるな
娯楽施設といえば、ヤマトやナデシコには立体映像でホームシックを慰める施設があったな。
ほか、潜水艦機能に加えて艦内に岩風呂まで作った宇宙戦艦もあったし、マクロスはもはや戦艦というより文字通り要塞だからな。
同じ点ではイゼルローンも大都市並みの機能を有しているらしい。どのみち、人間である以上過酷な環境に耐える忍耐にも限度があるってことだな。
>>378 FSSの騎士と一般人の差を思い出した。
>>383 ノボルの書いてるいらん子隊は寒い土地のウィッチーズなので大体の奴がズボン重ね穿きしてるから問題ない
>>386 だが、扶桑の連中は海軍はスク水+軍服、陸軍は上だけ巫女服+下ふんどしだぞw
そもそも西洋人だから体格が良いというのは間違い
古代ローマでは裕福な地中海を征した時でも小麦と乳製品を主食にしていた
そのため主食が肉のゲルマン人と戦ったときに「なんでこんなにも体格差があるのだろう」と悩んだそうだ
因みにアメリカ人とかが肉好きなのはゲルマン系の血筋がきているからだとか
>>378 昔暇潰しに見てた教育大学でフランス人の階層による体格の違いを講義してたよ
残念ながら詳細を覚えてないが、多分中世〜近世の遺骨でも調べたんだろう
それによると成人男性の平均身長は、貴族階級→中産階級→農民 の順に5cmずつ差があったそうな
貴族と貧乏人では10cm違う事になる
更に骨格や顔付きにも触れていて、今でも農村・漁村の人と元貴族じゃ別人種だって言ってたな
魔法っていう厳格な基準で6千年隔てられてるハルケ貴族と平民はもっと酷そうだね
>>377 アホネン大尉召喚で、スーパー百合タイムでつね。わかります
>>389 貴族と平民の食生活に大幅な差があるのは、タバサの冒険の極楽鳥の話で証明されてるからな。
そうすると、平民の食生活の改善のために家を出てまで料理修行しているリュリュはやはり相当な異端児なんだろう。
某コーラサワー氏を召喚したら
遂にエレオノールに春が到来か
そんな事よりうみねこのなく頃の七杭召還させようぜ!
零の魔女「ルイズ・ベアトリーチェ」の完成。
394 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/10(月) 18:19:56 ID:yJnXIC0q
幽遊白書、GTO、中華一番!などネタは尽きないな
あげてしもた
中華一番ならレオンとかシェル呼んだら強いし未知の味を求めたり楽しそうだな
チョウユさんとか呼んだら更に凄いことに
包丁は武器にカウントされてしまうのか
七星刀は十分武器として使われたし鋼棍も使われてた
中華包丁も
と思ったがあの料理人が包丁で人切るわけがないな
自称正義の味方ことキム・カッファンを呼ぼうぜ
キムつながりでGoWからキム中尉
フル装備で動き回れるほどガチムチだがそれほどスペックは高くないな
あの世界の人間はやたら頑丈だけど
正義の味方といえば、正義の味方になる前の早瀬弘一が呼ばれたことはあったが
さて、試しにラインバレルから誰か呼ぶとすれば・・・
・・・いや、いっそアニメ版一話で浩一潰す前のラインバレルと城崎を召喚してルイズをファクターにすれば・・・
初期ルイズがいきなり不相応な力を得て暴走とかは容易に想像できるなぁ
近いネタはわりとあるし
あと世界最強コンビが居ることだし
兜光一とか・・・
>>400 いっそマーカス・ドム・コール・ベアードの四人呼んでしまおうぜ。
全員チェーンソー付き銃持ってるからデルフの出番が減ってしまいそうではあるけど。
「うみねこのなく頃に」の紗音召喚。
>>402 それだったらいっその事
ローカスト召喚して
COGボジションにレコン・キスタを持ってくるのはどうだろうか?
>>406 ルイズがローカストの臭いを嫌がってキスを拒んでている間に、
ニンゲンダーって言いながらチェーンソーでバラバラにされるか、
蜂の巣にされたあとストンプキルされて終わるだろw
TPS系ならバレッチのアリシアのが向いてそう。魔法使えるし。
20トンメックかとおもた
「忍空」から召喚
風助 →カエルの亜人かと思ったらただの子供でガッカリ
大喰らいでルイズの財布にダメージが
藍? →女嫌いなので初っ端から「ぶっ殺すぞ」発言。
ルイズ、キュルケ、シエスタが涙目に
橙次 →見た目がフンドシ一丁の変態でルイズ涙目
そして屁の匂いで気絶
黄純 →初っ端から気絶
赤雷 →起きやしねぇ
風助以外はほぼ人はためらいなく殺すな…ってか殺さない方が難しいのか
それぞれトライアングル以上のメイジの実力は軽くありそうだ
鉄仮面で思い出したが、タバサの双子の妹の元ネタは三銃士の鉄仮面だわな
カエルの亜人か
確かにあれは人の顔じゃない
>>409 藍ちょう(月+兆)さんはギーシュでも「ぶっ殺すぞ」って言いそう
黄純ってあれだよな
頻繁に自殺未遂する人、どっちかっていうと柴田キャラのようにも思えるような
アニメで随分とキャラ変わっててそれが原因で見るのやめたような記憶が
アニメでキャラ変わったといえば、ラインバレルの中島さんもだなぁ
原作で出番少ないから呼んでも影響が(ry
漫画版黄純 →やたら病弱でメンタル面も弱し
しょっちゅう自殺未遂する
アニメ版黄純 →バサラと名乗って風助の敵として登場
やたらシリアスでかなり強いキャラになってる
こんな感じだっけ?
>>414 黄純は50話のエンドローグでは体力の無さから原作さながらにパタッて倒れる演出があったはず。
同じく赤雷も大口を開けて欠伸をする演出があった気がする。
起きない・・・
太上老君召喚
スクウェアスペルや先住魔法でも微動だにしない怠惰スーツにハルケギニアは震撼する
封神からだったらブキチ君かなぁ
ハルケレベルなら肉弾戦で最強になれそうだ
郵便のアルバイトでついでに走って聖地まで行ってきましたとかやりかねんが
ハルケは普通の人間が魔法を使えるようになった感じだしな
今ワンピース最高に面白いから誰か召喚したいな〜とか思うけど、
なんかどのキャラも非常に動かしづらい印象を覚えるんだよなぁ、なんでやろ。
幽白から戸愚呂弟や仙水忍と言った悪役を召喚してハルケギニアを滅亡に追い込みたい。
黄泉や躯なんか召喚してしまった日には・・・。
ヘイトはこのスレの管轄外です。
>>422 海賊だからか我が強いのしかいないからじゃね?
または現在進行形の作品だから召喚するのはまだ早いと薄々感じているとか。
バキシリーズから今まで
一人も召喚されていないのに驚いた
428 :
MtL:2009/08/10(月) 21:47:42 ID:6/veyNLX
こんばんは。
何事も無ければ午後10時から投下をさせていただきますー。
>>422 誰を召喚してもハルケギニアで生きる理由も意味もないからだと思われ
デスノからL召喚
下がる男マダー?
独歩ちゃんはルイズの面倒をよくみてくれそうな気がする
最近ここを知って楽しませてもらってますが、
TYPE-MOON作品が危険な理由がいまいち分かりません。
どなたか教えて頂けると嬉しいです
お前みたいなのがいるからだよ。
435 :
MtL:2009/08/10(月) 22:01:11 ID:6/veyNLX
マジシャン ザ ルイズ 3章 (59)炎蛇の教示者
ウルザが常に肌身離さず携帯し続けた大剣。それには意味があった。
何もウルザは伊達や酔狂でそれを放さなかったのではない。軽々しく放せなかったというのが正しいのだ。
ハルケギニアに来てからこれまでの短い期間では、プレインズウォーカーといえども、ルーンのエンチャントを完全に解明しきることは適わなかった。
だがその効果の中に、対象者に対する精神汚染に類する効果が存在する『可能性』があることは、早い段階で判明していた。
仮にそのような効果があったとしても、パワーストーンを眼窩に納めたそのときからグレイシャンの呻きに四千年晒されてきた彼である。影響を受け付けない可能性も十分にある。
だが、どのような小さなリスクでも、それが使命を阻害する可能性があるのなら慎重を期すべきだと、ウルザはそう考えた。
その結果、彼はルーンと自分自身とを切り離すことを思いついたのだ。
しかし、使い魔の感応でもって、繋がっているルイズの状態を常に把握しておくことは、ウルザの行動計画において非常に重要度の高い事項であるのもまた事実。
その意味において『ガンダールヴ』のルーンは、手放しがたい実益ある代物であるのも確かであった。
そこでウルザは『ガンダールヴ』を活用しつつも、精神汚染の可能性を完全に排除する方法はないかと考えたのである。
そしてその末に思いついたのが、ルーンの転写であった。
常に帯剣するアーティファクトにルーンを移植しておいて、必要に応じて活用することにしたのだ。
だがここに至り、その力がギーシュに力を与えることとなった。
ウルザにとって共感能力の活用と、精神汚染の可能性の排除という思惑しかなかったルーンの移植が、一人の少年によって盗み出されたいまとなって、『ガンダールヴ』本来の力によって、彼を助けているというのは、なんとも皮肉な結果であった。
昔からギーシュは、体を動かすこと自体は嫌いではなかった。走ることも、跳ぶことも、無論自分を鍛えることも別段苦手ではなかった。
だが、かつてこれほどまでに肉体が思い通りになったことがあっただろうか。いや、ない。
素早く体を動かしながら、そんなことを思った。
手にした長大な剣が、羽毛のように軽い。ペーパーナイフのような気安さでそれを二度振るい、×の字を描く。
すると一呼吸遅れて、正面から襲いかかろうとした三体のゴブリンが崩れ落ちる。これまでどれだけ倒したか、良く覚えていない。
ギーシュはゴブリンが崩れ落ちる様を見届けず、すぐさまそこから横っ飛びにワンステップ。
彼がいた場所を石槍が素通りするのと、跳んだ先で更にゴブリン二体を撫で斬りにしたのがほぼ同時。
しかし、それでも終わりは見えない。
打ち倒すべき敵は山といるのだ。
まだまだ縦横無尽に駆け回らねばならない。この戦場で生き残るためには。
だからギーシュは駆ける。
その手に、『剣』を携えて。
両軍共にまだ何とか連携を保って戦っている空戦とは違い、このとき既に地上戦は、敵味方入り乱れた混迷の坩堝へと突入していた。
悲鳴、怒号、金属同士がぶつかり合う音。それらの喧噪が戦場を支配している。
様々な魔獣や亜人、不死人、そして鎧を着た人間たちがそこかしこで命を叩き付け合っている。
隊列もなく、戦術もなく。ただ必死に、敵も味方も、傷つき、傷つけ、倒れ、倒し、泥沼の闘争を続けている。
圧倒的な物量を投入して敵を殲滅・圧倒せんとするアルビオン軍に、それを突き崩して虎の子である対空砲を無力化させようとする連合軍。
互いに退けない、決死の戦い。血で血を洗う争い。
そこではとうに、騎士の理想や戦いの矜恃といったものは失われてしまっている。地に墜ち尽くしている。
まさに混沌。
だがそのような泥沼の戦いの中、人々は燦然と輝くものを目にすることになる。
ある平民の歩兵は目撃した。多数の敵を相手に、単身果敢に立ち回る勇者の姿を。
ある貴族の騎兵は目撃した。閃光の如き一撃をもって、巨躯を下した豪傑の姿を。
彼らは周囲の目を引きつけてやまない英雄の姿を、しっかと目に焼き付けた。
その戦いぶりを見た連合軍は嫌がおうにも鼓舞されることとなった。
そうして戦術と連携が再び機能し始める。
小さな変化。だがこの戦場においては、初めての好転であった。
無論、そのようなことを当のギーシュには知るよしもないのだが。
436 :
MtL:2009/08/10(月) 22:04:43 ID:6/veyNLX
「す、凄いぞ僕。やればできるじゃあないか!」
最初に比べてかなり数を減じた敵を前に、ギーシュはやや興奮してそう言った。
服こそ所々血に汚れているが、それら一切すべては返り血によるもの。
ギーシュ自体はまだ怪我一つ負っていない。それどころか、あれだけ動きを見せたあとだというのに、息の乱れ一つない健在ぶりである。
「くそっ、剣を使うのがこんなに簡単だと知っていたら、もっとモンモランシーにいいところを見せつけたのにっ!」
叫んで一閃。バタバタとゴブリンが地に伏せた。
あるときは苛烈に、あるときは優雅に、手にした武器を振るう。緩急を付けながら、翻弄して敵を仕留める。
その強さたるや、まるで戦場に降臨した闘神。
だが、そんな動きを魅せる彼をして、つい先ほど初めて剣を振るった正真正銘の素人だなどと、誰が信じるであろうか。
けれども、それがまごうことなき真実なのである。
いま、彼の体は軽快という言葉一つで表せないほどの、俊敏さを発揮していた。
一歩踏み出せば軽く三歩分は踏み出している。跳躍すれば二メイルは楽勝。走って駆ければ鳥より速い。
また、肉体だけではなく、感覚もかつてないほどに研ぎ澄まされていた。
周囲数メイルの内にいるものが、いまどのような動きをしているのか、それが音と気配で手に取るようにわかるのだ。
だが、そんなことすら色あせてしまうような驚きは、己の有している技能によってもたらされた。
ブレイドの使い方もろくに知らない素人同然の自分が、剣を持った途端に、歴戦の勇士のような技術を発揮したのだ。
これには驚いた、流石に驚いた。
先ほどから驚きの連続だが、だがそれでも驚かずにはいられなかった。
驚天動地とはこのことである。
けれどこのときばかりは、ここまでお膳立てされた状態がありがたかった。
(やってやる!)
彼は決意のまま、自分の意志で一歩を踏み出した。
それから四半刻、ギーシュは戦った、戦い続けた。
戦場というキャンバスにアートを描くように、思い描いた戦いを繰り広げた。
それらすべては、愛する彼女のもとに帰るために。
「これはあれかな。僕の中でこれまで眠っていた隠れた才能が、なんやかんやの危機によって、突如として呼び覚まされたとか、そういうことかな!?」
余裕が出てきたギーシュは、左手を顎に添えて、現状をそのように分析していた。
口を動かしつつも右手は大剣の柄を掴んでおり、いまはそれを刺突剣のようにして鋭い突きを繰り出している。
正面には醜悪なゴブリンの戦士が数体。戦闘は未だ継続中である。
だがその口ぶりに、もう焦りや驚きはない。
驚きが一回転して、実感を伴った静かな興奮がその身を包んでいる状態だった。
「うーん、やっぱりそうとしか考えられない。うん、そういうことにしておこう!」
脳内麻薬からくる一種のハイ状態でそうやって納得するギーシュは、己の左手が光り輝いていることなど、露とも気にしていなかった。
「とっ、と」
しかし流石に油断が過ぎていたのも事実。ギーシュは敵の打撃が背後から迫るのを感じ、一端剣を両手で握り直した。
目を細める、呼吸を整え、タイミングを計って――体を翻す。
ターン、背後の敵に向き直る。
そしていまぞ振り下ろされる打撃の衝突点に、ギリギリで剣を割り込ませることに成功させる。直後にガキンという音。両手から肩へと衝撃が伝わった。
結果、棍棒は大剣で受け止められていた。
だが危機は去っていない。今度はいま背を向けた側にいる敵たちがギーシュの無防備な背を狙うのがわかった。
対処するべきは二方向からの攻撃。これに対してギーシュの頭脳は、本能的に最善の動きを導き出した。
大剣の刀身に右手を延ばして、その一部分、突起のある一画に施された細工を操作する。
突起を掴んでスライドさせ、刀身を接続しているアタッチメントを外し、中から極細の繊維を取り出し指で絡め取る。そしてギーシュは滑らかな動作で、それを動かし操作した。
すると手元でカシャリという音。同時に、大剣の一部が突如外れて分解されていた。いや、より正しくは分離されていた。
準備は整えたギーシュは体を半歩ずらし、前後の敵を左右に捉えた。
右手は流れるような手つきでその外されたパーツを掴み、それを勢いよく突き出した。
左手は大剣を盾にして、ゴブリンの攻撃を受け止めた。
時間にして半秒。一連すべて、目にも止まらぬ早業であった。
支援
438 :
MtL:2009/08/10(月) 22:08:01 ID:6/veyNLX
ウルザが『剣』に施した処置は、ルーンの移植のみに留まらなかった。
むしろそちらの方が後付けで付与されたもので、本来は別の意味を持つアーティファクトであったのだ。
それはウルザがかつて目にしたアーティファクト『梅澤の十手』に対して、彼がアーティフィクサーとしての導き出した回答であった。
組み替えることで、様々な形状、様々な機能を持ち、適宜最適な形での運用を可能とする変幻自在の万能兵装。
彼が手を加え、原形も残さぬほどに改造し尽くされたシュペー卿の剣の、現在の姿であった。
『剣』に付与された特性・発想自体は目新しいものではない。
現に、ウルザ初期の作品である『ウルザの復讐者』も、同様の基本理念に基づいて作られている。
その時々、局面に合わせて姿形を変える多相の戦士。それが戦いというものに対する一つの終着点であるというのは研究者にとっては周知の事実である。
ウルザはそれを武具に応用したに過ぎない。
あるときは大剣、あるときは小剣。槍、斧、鞭、その他様々な形状に組み替えることで、戦局に応じた戦い方を可能とするアーティファクト。言うなれば『多相の武具』。それこそが、ギーシュが手にしているアーティファクトの正体だった。
「む……ん、むむ?」
左右の大小を用いて敵を屠り、一方で攻撃を受け止めることに成功した、ギーシュは怪訝な顔をした。
刃の中から現れた刃。右の小剣で貫いた敵の姿、それが予想と大きく異なっていたためだ。
心臓を一突きにされて崩れ落ちたのは、曲刀を手にした黒い鱗のヘビ人間であった。
見たこともない亜人種。だがそれに、おやと思う暇も与えられない。
危険を察知して跳躍。即座にその場から飛び退いた。
直後、上から下へ叩き付けられる戦斧の、強烈な一撃が見舞われる。それはその場に残ったゴブリンもろとも巻き込んで、大地を深く抉りつけた。
そして退いた先で、ギーシュは見た。そこにいたのは赤銅の巨体。凶悪凶暴の代名詞とも言える怪物、ミノタウロスであった。
「くそっ、なんなんだいきなり……っ!」
吐き捨てたギーシュは、またゾクリとした悪寒が背中を走ったのを感じた。
――何かおかしい。
予感じみたものを感じて、ギーシュは顔を左右に巡らして周囲を見た。
するとどうだろう、周囲の状況が先ほどまでと一変してしまっていた。
先ほどまで取り囲んでいたゴブリンの軍勢の姿ない、その代わりいまはそこに様々なものがいた。
青い肌をした一つ目の巨人がいた。山羊と蛇の特徴を有した獅子がいた。猿の顔を持った人間大の蝙蝠がいた。翼を持ったピンクのヒポポタマスがいた。怒り狂う猿人がいた。炎でできたヒトガタがいた。異様に長い針金のような手足を有した真っ黒な蜘蛛がいた。
他にも何匹もの怪物どもがギーシュの周りを取り囲んでいた。
「くっ!?」
そこはまるでモンスターの博覧会だった。
ギーシュは状況を把握したときに、さしあたりいま最優先でなにをしなくてはならないのかを考えた。
それは、『戦う』か『逃げる』かの二択。
心も体も充実している、本能はまだまだ戦えると吠えている。だが、理性はこの場は全力で逃げるべきだと言っていた。
先ほどまでゴブリンの軍勢を相手に有利に戦えていたのは、徒党を組んでいただけで連携をしていなかったということもあったが、個々の能力が貧弱であったことが大きかった。
ギーシュはその点を突いて、数の有利さを利用されないように攪乱しながら、素早く、確実に各個撃破をしていったのだ。
だが、いま周囲を取り囲んでいる敵にはそれは通じそうもない。
ただのモンスターの集団に連携などあろうはずもないが、個々の強さは先ほどまでの小兵とは比べものにならないほどに強靱そうな個体が集まってきていた。
では、逃げられるかと言えばそうでもなかった。
周囲を取り囲まれているのはもちろんだが、見えている中にも足が速そうなモンスターが何体もいるのが見える。
例えうまく囲みを抜けたとしても、それで終わりではない。
タイムアップ。
『―――ッ!!』
耳をつんざくような吠え声、ミノタウロスが戦斧を振り上げる。直撃を受ければ、どんな人間であろうと真っ二つにするだろう恐るべき一撃が再び振り下ろされようとしている。
ギーシュはそれを見た。恐れずにしっかりとそれを見て、それから行動した。
決められた動作で手にした大小を組み合わせて、一度元の大剣の形状に戻す。
そうしてから再び分解、分離、組立、一瞬。
今度手に握られているのは杖。
そして少年は叫ぶ。
「ワルキューレ!」
しえん
440 :
MtL:2009/08/10(月) 22:12:24 ID:6/veyNLX
◇◇◇
「……私を、彼女のもとに連れて行って下さい」
男はそう、もう一人の男に言った。
「連れて行く? それは構わない。けれど君はそれでなにをするつもりなんだい?」
黒い肌をした男は応えた。
「約束を果たします」
「なるほど……。それでなにが変わると?」
「………」
「ただの罪滅ぼし?」
「……いいえ」
「本当に? 誰かを言い訳にした贖罪ではないと?」
「はい……。私は行って、私の過去を変えてみせます」
現在に惑うものは、そう言った。
◇◇◇
「シィッ――!」
膝立ちからクラウチング。巨躯に似合わぬ敏捷さを発揮して一足飛び。メンヌヴィルがインファイトの距離に肉薄する。
対するのはローブを纏った禿頭の中年。
一見して冴えないその男こそは、伝説の傭兵≠フ異名を持つメンヌヴィルが二十年間探し求めていた、討ち果たすべき目標であった。
「フッ!」
近づきざまのワンツー。続けて見せ拳の左でフェイントを入れつつ、右脇腹を狙ったボディブロウに繋げる。
鮮やかな攻撃。
だがそれらは、コルベールの構えた両腕の上下ですべて阻まれてしまう。
鉄壁の防御。ならばそれを越えてやると、メンヌヴィルの闘志が勢いを増す。
軽くローキックを入れると見せかけて、一歩後退。
寸間を計って膝を曲げる、腰を捻る、上体を傾かせ――それでいてどっしりとした安定感。
肩を入れ込み、重心移動によって生み出された破壊力を拳に込める。
次の瞬間、破城槌のような打撃が風を纏って突き出された。
牛でも殺せそうな一撃。人が受けて無事でいられるような代物ではない。
けれどコルベールは、メンヌヴィルの犯した決定的なミスを見逃さなかった。
それは距離。
決定的に踏み込みが甘い。真の必殺には半歩足りない。
コルベールは人体を破壊するに十分な攻撃力が乗せられた拳撃に対して、守るより避けることをした。
予備動作無しに、膝のバネだけで後ろに跳ぶ。往年のキレを失わない、見事な回避運動であった。
だがしかし、この化かし合い自体は、戦場経験の長いメンヌヴィルに軍配が上がった。
「ウル・カーノ!」
腕が伸びきる寸前、傭兵がルーンを叫んだ。
続くゴウっという音。
力ある言葉に従い、拳が空中を擦過して白い炎が発生。一瞬遅れて、突き出した腕を追随する炎が、コルベール目指して一直線に走ったのである。
射程は伸びた。メンヌヴィルは目算を誤ったのではなく、最初から距離を水増しするつもりで拳を放ったのだ。
男の口元が凶暴につり上がる。防げるはずがない=@確信の笑み。
441 :
MtL:2009/08/10(月) 22:17:00 ID:6/veyNLX
けれども彼は、メンヌヴィルが長年追い求めてきたこの男は、期待通りにその確信すらも上回ってみせた。
「カーノ!」
炎が到達して焼き尽くすと思われたすんでのところ、コルベールは右手に握っていた杖を左手にパスして持ち替える。そしてその手でポール型の杖を振り降ろし、軽く叩くようにして、先端で白炎を打った。
続く呪文の発動。
瞬間、白と赤の炎がシャボン玉のように膨らみ、破裂した。
それはまるで、これまで幾度となくくり返してきた動作をなぞるかのような、淀みのない動きだった。
完璧に不意を打ったはずだった。杖無しでの徒手による魔法行使、予測できる訳がない。
だが実際、現実として不意打ちは失敗に終わった。
思えば二十年前にも、この男は自分が放った背後からの不意打ちを、難なく防いでいたではないか。
そのことを思いだして、メンヌヴィルは――
「素晴らしい!」
と、『驚嘆』と『歓喜』と『賞賛』で相手を讃えた。
極至近距離で発生した莫大な熱量に、視力を失ったはずの目が『くらむ』感覚を覚えるが、メンヌヴィルはそれを堪えて思い切り体を捻った。
そして跳躍する。追撃を諦め、躊躇せず後退を選択した。
蛮勇を持って立ち向かおうとするほどには、メンヌヴィルは目の前の男を侮ってはいなかった。
再び睨み合う。仕切り直して男たちは対峙する。
果たして、変化はあった。
「は、はは……」
知らず、メンヌヴィルの口から笑い声が漏れていた。
メンヌヴィルの心中は、先ほどよりもずっと昂ぶっている。
追い求めてきたものに、ついに追いついたという高揚感が、全身を包み込んでいた。
体中に力が漲る、気力が充実している。
宿敵を前にして、いまが自分の人生で肉体・精神共にピークであると、メンヌヴィルをとりまくすべてが告げていた。
神など最初から信奉していない彼であったが、いまこのときに巡り合わせてくれた神の采配に、心から感謝を捧げた。
「はっ、はは! 楽しいなぁ! 嬉しいなぁ! 隊長殿! それでこそ俺たちの隊長殿、俺たちの炎蛇だ! 良かった、本当に良かった!! この二十年間信じていたかいがあったっ!
お前は、お前だけは、絶対に衰えていないと信じていたかいがあった! さあ始めよう! あの夜の続きを! 二十年前の続きを! 俺たちの始まりの夜を、もう一度! ここで!!」
ずっと待っていた饗宴の始まりに、男の全身が震えている。
その顔は、熱に浮かされたように狂笑が張り付いていた。
腰に括られていた魔法の発動体たるメイスを手に取り、前傾に構える。
そしてすり足でジリジリとメンヌヴィルは前進する。その様子は獲物を前にした猛獣のようにも見える。
そんないつ本気の殺し合いが始まってもおかしくない緊張感の中だった。
コルベールが、ぽつりと言葉をこぼした。
「君は二十年前と、何も変わっていないのだね……」
その言葉に、メンヌヴィルは動きを止めぬまま応じる。
「そうだ。俺はあの夜以来、ずっとお前を追い求めて生きてきたのだ。お前のために生きてきたのだ!」
「……そうか」
「俺は二十年前から、今日のこのときのことばかりを考えて生きてきた。朝も昼も夜も寝ているときも起きているときも! いつも考えてきた! お前という炎を、俺の炎で焼き尽くす日のことを考えてきた!」
「それは……悲しいな」
その一言で、メンヌヴィルの足が止まった。
442 :
MtL:2009/08/10(月) 22:22:20 ID:6/veyNLX
「……なんだと?」
「君はこの二十年に、何も得るものがなかったというのか? 何も変われなかったというのか? 何も手にできなかったと? ただそうして……止まったままで過ごしてきたというのか?」
「違う。俺はこの二十年、己を焦がし続けてきた。戦いを糧に腕を磨き、力を手に入れ、失われた視力に代わるものも手に入れた。だがそれもこれも、すべてはお前の背に追いつくためだった!」
「やはり君は何も変わっていない。何もかも、あの頃のままだ。……でも、私は君とは違う」
「やめろ、それ以上言うな!!」
続く言葉に戦くようにして、メンヌヴィルが声を張り上げる。
その先は聞きたくないと、大音声で叫ぶ。
だが、コルベールは残酷に言葉を紡いだ。
「いいや、言うよ。私は言う。君は二十年前の私と戦いたいようだが、私はもうあの頃とは違うのだ。私がここに来たのは、二十年前の続きをするためでも、過去を精算するためでもない。私は、現在の私として、自分の生徒を守るためにここに来たんだ。
例えその結果、君と戦うことになったとしても、それは決して過去を言い訳にした戦いなどでは決してない」
凛とした声が、大空洞に響く。
それはコルベールからメンヌヴィルへの、決別の言葉だった。
「馬鹿な! ではなぜ俺の前に立っている! 俺を倒すためだろう!? そうなのだろう!?」
「……私は、私の二十年を捨てる気なんてない。二十年前に戻るつもりもない。私は、一教師コルベールとして、生徒を守るためにここに来たんだ! そしてそれこそが現在の私の戦う理由でもある!」
その言葉を聞いて、メンヌヴィルの笑顔が崩れた。その顔が嘆きの様相に変わった。
「おお……おおっ! 隊長殿、隊長殿は俺のためではなく……そんな小娘一人のために戦うというのか!?」
「そうだ!」
「なぜ、なぜだ……っ! 闘争とは常に己のために行われるべきもの! 隊長殿はやはり腑抜けになってしまわれたのかっ!?」
「いいや、私と君の戦う理由、そここそが私と君とを隔てる二十年そのものなんだ!」
その宣言、己の理想を否定する言葉を耳にして、メンヌヴィルは杖を落としていた。
尋常ならざるショックを受けて、両手で顔を覆っていた。
そして、嘆きの面で叫ぶ。
「なんという……なんということだ! こんなことは認めん、到底認められん! 俺が望んだ戦いは、炎は、そんなものではなかった! 俺の理想はもっと崇高なものであったはずだ!」
「……そう思うならば、君は君の正しさを証明したまえ。私は私の正しさを全力で証明する!」
「良いだろう隊長殿! 結局は戦うことになるのだ。互いの二十年、どちらが正しかったのか、はっきりさせようではないか! そうして私はお前を下し、お前を堕落させたすべてを焼き尽くす!」
床に落ちたメイス型の杖を拾うメンヌヴィル。
その姿はどこか緩慢で、悲しみに暮れているようでもあった。
その前で、コルベールは毅然として立ち、相手に向かって手招きをする。
「来たまえメンヌヴィル『君』。講義の時間だ」
「炎の色は、温度によって変わる。わかるかね?」
――炎蛇≠フコルベール
443 :
MtL:2009/08/10(月) 22:24:21 ID:6/veyNLX
以上で投下終了です。
途中、文章が長すぎて修正する箇所が出てしまった為、投下に時間がかかってしまいました、申し訳ありません。
暑くなってきました。
エアコンの効かせすぎで、夏風邪などひかぬように注意したいですね。
ではー。
乙。
しびれる事言うじゃないかコルベール先生よぉ……!
お疲れ様です
盛り上がってまいりました
かつてこれほど活躍したシュペー卿の剣(魔改造)があっただろうか
乙です
MtLの人乙!
コルベールの『授業』、テラカッコヨスwww麺のびるに死亡フラグがw
最強コンビの人のに出てきた馬でふと思ったのだけど、誰かファイズから木場を召喚しないもんかな。
ルイズならきっと自分の使い魔の正体が怪物でも絶対裏切ったりしないだろうし、
そういう人間の下で暮らすなら木場も安心なんじゃないかな。
剣使いだからデルフも活躍出来るし、ケンタウロス形態になればルイズを背中に乗せてあげれるぜ。
「自分はケンタウロスを召喚したんだ!」と喜ぶルイズの顔が目に浮かぶのう…。
ヨルムンガントあたりに出てこられると流石にオルフェノクの力では太刀打ち出来ないかもだけど、
ロマリア辺りに保管されてそうなオーガドライバーをゲットしてよしこれで勝つる、みたいな展開キボン
>>402 マーカス「アルビオン行きの船はもう行っちまったか…
じゃあプランBでいこう、プランBは何だ?」
ドム「あぁ?ねぇよ、そんなもん」
ロールシャッハやバットマン、パワパフガールズは召還されてないのか・・・
ボルボ西郷召喚
いつでもフル装備のせいでルイズの周りに誰も寄らなくなり、
テファを見ただけで再起不能
よいかルイズ。
我々はインペリアルクロスという陣形で戦う。
防御力の高いギーシュが後衛、
両脇をタバサとキュルケが固める。
お前は私の前に立つ。
お前のポジションが一番危険だ。
覚悟して戦え。
【ルイズがベアを召喚しました】
\パリィ/
MtLの人おつかれー
ところでGIFTとかライブ・ア・ライブみたいなルイズ本人が強くなるSSが好きなんだけど、
そういう系のSS他にないかな?
元ネタあまり知らないんで教えて欲しい
乙でした。
メンヌヴィル……
しかし、狂気も突き詰めれば、ある一種の美しさと見えることもあるな。破滅の美学というべきか……
うみねこ410partスレで410が家具に取られてたから、
シエスタ410とシエスタ45でも召還しようぜ
>>452 ぱっと思いつくところでは、ZOEのADAとかワンピースのボムボムの実とか。
>>452 ジョジョクロスメインのゼロの奇妙な使い魔スレには結構あるぞ
DIO様召喚して悪に染まったりホワイトスネイクでスタンド能力得たり石仮面被って吸血鬼になったり
特に石仮面の奴はおすすめだ
>>401 森継さん喚んでギーシュ相手に 本当の暴力を教えてやる フラグとか…
まあ普通に長編やるなら山下君あたりが適任じゃないのかね?
ただカインド無双出来そうなのが問題か
シエスタの祖父が宗美さんで普通に出て来たりとか
ジョゼフに召喚されたのが桐山社長だったりして
なるほど
>>434のように脊髄反射する人が批判して荒れるからからですね
>脊髄反射する人が批判して荒れるからからですね
それもあるが、タイプムーン作品のクロスやるとものすごい批判とか荒らしでまともにスレッド機能しなくなるから
あと雑談が今の二十倍くらい多くなって全部タイプムーン話になる
ついでに言うと、腕の無いやつが無理に話ひねりだそうとして酷いSSが大量に投下されてしまう
つarcadia
>>460 丁寧にどうもありがとう
雑音を出してしまってごめんなさい
まあ専用スレッド&まとめwikiが作られている作品のSSを
浅く広く作品を受け入れる本スレでわざわざやって風評被害を広げる意義は無いわな。
>>451 知ってるか?あの説明は間違えでシステム上だと実はベアの位置は行動『後』に防御ボーナスがつくんだ
ベアは皇帝陛下の恨みを買っていて合法的に殺されようとしてたんだよ!
皇帝ラインハルトを召喚
身一つで呼ばれて一瞬かつてキルヒと遊んだ時代に戻れた感慨に浸るが
ハルケの貴族主義の風潮を知り即潰しに掛り、平等な専制国家を成立
銀英の専制は良い専制なのですね
皇帝ぬぁぁぁらばぁぁぁぁ。この、地球ぅぅぅぅぅ皇帝ぃぃぃいぃぃ! アァァァァァウグストゥスがぁ、いるではあああないかあああ!!
>ハルケの貴族主義の風潮を知り即潰しに掛り、平等な専制国家を成立
根回し出来て人望もある優秀な部下と姉贔屓の最高権力者がいたからこその初期の立身出世があるので
高慢でつっかかるばかりのラインハルトが政治に口出せるようになるのはまず不可能
世渡り上手で何らかの術か技が使えればルイズからどんどんコネを作れるんだろうが
力じゃなく政治で一気に国を治める作品ってあったっけ?
お久しぶりです
はれぶたのアレでございます
散々遅れてアレのナニでございますが、とにかく有明まんがまつりを2回も挟む前に出来上がりました
ところでルイズをアニメのはれぶたのビジュアルに変換すると何故か大統領が思い浮かんでしまうところです
よろしければ5分後に投下してよろしいでしょうか?
デュッデュワ〜ピンク髪
第4話 今そこにいる丸顔
私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブランド・ラ・ヴァリエール。昔ワルド様とアンリエッタ姫殿下が語られたところによれば、『聖地』というのは、逆三角形の造形が連なった建物のある土地で、この世のあらゆる性癖と組み合わせを網羅した春画の数々が売り買いされ、
色とりどりの仮装をし、カレーなる食べ物が売られ、始祖の祈祷書ばりに白紙の円盤が売られ、マジックアイテムで離れても会話が出来、売り子さんは徹夜でハイテンションになり、テーブルに変な人形が並び、オジサンが少女の絵入り子供向けリュックを前掛けしてたり、
ピンク髪が悪目立ち過ぎたり、姫様がなんかビッチ呼ばわりされ、少女の腹筋美について真剣に語り合ったり、看板を高く掲げ過ぎて怒られたり、差し入れのお茶が有り難かったり、そうしてトリスタニアの人口を超えた延べ人数の集団が数日に渡りお祭り騒ぎだという。
はははご冗談を。
さて無事ラ・ロシェールに着いた我ら使節団である。どうやら件の国の皇太子様はニューカッスル城に立て籠もっているという。無駄を省きここは一気にシルフィードで直接乗り込む事となった。そのためには充分な休養が必要なので、一泊と相成った。
まぁ昼飛び立って今夕方だもの。
夕食にはギュードンなる物を頂く事となった。タルブ方面から伝わったという。妙に甘い謎の穀物をボウルに敷き詰め、よく煮込んだ牛肉&オニオンを乗せ、魚を発酵させたこれまた謎のソースで作ったスープを掛けた、何とも奇妙なメニューだ。
何種類もの甘みが重なる辺り、実に深い。付け合わせに出されたガベッジ(白菜)のピクルスが後味をサッパリさせる。巧妙だねぇ。
尚、タバサはカツドンなるメニューを頼んだが、生憎食材を切らせていると断られギュードンで妥協した。カツドンとはどういう物なのだ? だがそれよりも、ギュードンを掻き込みながらはれぶたをガン見するのは勘弁して欲しい。いや勘弁してください。
その夜、私は夢を見た。幼い頃の思い出だ。魔法が出来ていないと方々から怒られ、ボートに乗って湖の真ん中に逃げ込み毛布を被るという、虎と馬がブレイクダンス踊りまくるような嫌〜な夢だ。
「泣いているのかい、ルイズ」
湖に立って手を差し伸べてきたのはワルド様だった。優しいイケメンであった。子供に付け入る典型的なロリコンの言動と言ってはいけない。
だが次の瞬間ワルド様の両手に手錠が掛けられ、何かに弾き飛ばされた。何かとは、輪になって大回転しているザ・国家権力アンリエッタ姫様だった。勢い止まらず、私の名を叫びながら遠ざかっていく。
驚くいや呆れる間もなく、気が付けば誰かに毛布ごと引き摺られていた。はれぶただった。しかもいつの間にか天下の往来にいた。うわ公衆の面前だよ。
嫌がる私を引き摺って、辿り着いたのは断崖絶壁に掛かった吊り橋の上だった。
バンジージャンプださぁ飛べよと数多の見物人が促すが、バンジージャンプって何だ? 何で私に兜を被らせる? 足に巻き付けてるロープはどういう意味ですか皆さん? まさか飛び込めってか?
自分は震えて見てるだけ、とはれぶたの目が訴える。というかそれ何かを期待する目やん。
男の勇気は優しさだ、とメガネのオッサンから声援が届く。誰が男だ! あれですか体型的にそう見えますか畜生。
怒りのあまりつい足を滑らせて真っ逆さまに落ちていく。恐怖を存分に味わった直後、足元のロープが伸びきって、元の釣り橋まで真上にすっ飛んでいく。
よくもやってくれたなあんたら。このままいいように流されてなるものか。とりあえず、男呼ばわりしたオッサンを殴るため、拳を振るった。諦めが人を殺すんだ。
だが無茶な姿勢のためリーチが浅く、メガネを弾き飛ばしただけだった。そして現れた素顔に恐怖した。眼力が人を殺すんだ。んな馬鹿な。
ガッキリ目が覚めた。はれぶたと同時に飛び起きてしまった。お互い冷や汗を滝のように流す。まさか同じ夢を見ていたのだろうか?
いざ起きてしまうと、あの怖い夢は何だったのか思い出せなくなる。すっぴんを見られたエレオノール姉様級の、怖い何かだったような。
やぁ朝だ。出発だ。目指せニューカッスル城。タバサ曰く、シルフィードで真っ直ぐ突っ切るのが確実だと。無茶な。と思ったが、城で砦ならば隠し通路の一つくらいあるだろうという実にアバウトな根拠であった。いいのかそれで。
行けました。
あっさり隠し通路を発見し、そのまま突っ込んで城内に躍り出た。
想像するまでもなく、王党派の皆様はそれはもう驚き、杖を向けてきた。レコン・キスタの急襲だと思うよねそりゃもう。
「貴っ様ら遂にここまで来やがったか!」
「この卑っ怯物めら!我らぁはこんなきったないやり口なんぞに屈せぬわ!」
さすがに追い詰められてるだけあって、王党派の皆様は無駄にテンション高い。
そこで止せばいいのにアフロのギーシュが説得を試みる。
「落ち着いてください!僕達は敵ではありません!トリステインの大使です!」
「信じられっかそんな怪しい頭で!」
「僕はグラモン家の者です!」
「知るかボケェ!」
そりゃまぁ、外国人がトリステインローカルな貴族の家名なんて知らないなんて事もあるだろう。それ以前に髪型がアレだ。
かくしてアフロ野郎はヘコんだ。膝を抱えて黄昏れている。きゅいきゅいの上で器用な奴だ。きゅいきゅいが「このモジャ公落としていい?」て顔をしていた。気がする。
殺気渦巻く中で、さてどうしたものかと悩んでいたら、割とあっけなく向こうから突破口が開かれた。
「マチルダ!? マチルダじゃないか!?」
果たして呼びかけたイケメンはウェールズ皇太子その人であった。呼ばれた当のミス・ロングビル改めマチルダ・オブ・サウスゴータは苦虫を噛み潰している。目の前の連中は親の敵とも呼べる集団なのだ。本人の中で決着は付いているだろうが、
かといって内心穏やかでもなかろう。
そんなマチルダさんをがっそり置いてけぼりにして、いい歳した大人達は「マチルダ殿! マチルダ殿!」と騒ぎむせび泣く。マチルダさんが落ちぶれた原因の事件は皆内心では忸怩たるものがあったのかもしれない。
さて所変わって、ウェールズ皇太子の居室だ。質素ながらもそこそこ広い部屋だが、私ら使節団が雁首揃えてゾロゾロ入ってしまうとさすがに狭苦しい。まー私ら大使だし、超恥ずかしい手紙を取り返さないといかん訳で。
ちなみにマチルダさんは戦前パーティとやらで有象無象の大人達に拉致られた。大丈夫かなぁ。
「まずは大使の証を」
と皇太子が促す。そこで取り出しましたるは、姫殿下から預かった水のルビーの指輪。賜った時何の説明ももらえなかったが、王家からの使者だという証明にはなるだろう。
そのルビーの指輪を指にはめて掲げて見せる。殿下も風のルビーの指輪をはめて掲げ、向かい合わせる。さすが国宝。自分でブランドを証明出来る代物なのね。
指輪の間に虹が架かる。…妙に頭が潰れた土気色の小さい亜人の幻が見えた気がしたが、見なかった事にしよう。
「妙に頭が潰れた土気色の小さな植物学者が見えた気がしたが、気のせいだねははは」
爽やかに流す皇太子殿下であった。見えましたね?見えましたよね?
ともかく大使だという信用は得られたようだ。
そして密書を手渡し、目的が皇太子宛の手紙を返却する事だと告げる。ブツの地雷ぷりをちゃんと判っておられたのか、しっかり了承して頂けた。あの姫殿下にはもったいない方だ。
密書を読まれた皇太子は明らかに動揺していた。あのアンリエッタが嫁ぐのか? 野蛮なくそゲルマニア野郎とだと? てな感じで。あの、ここにはそのゲルマニアん人もいますので自重してください。
怒ってるだろうな、とキュルケを見たら、やけに生暖かい目線を皇太子に向けていた。向き直ってイケメン殿下を見ると、手紙を納めた小箱を開けていた。蓋の内側に姫殿下の肖像画が張られた辺り、大事なものだろう。
ところで何で肖像画が妙にガビってるんだろう?後でキュルケに聞いてみよう。
さてあの姫殿下である。いくら公人として私人としてナニであっても、やっぱり普通の恋する乙女。その点は人としてマシな部分だ。少なくともそう思いたい。
という事で、皇太子殿下に疑問というか個人的願望を申し上げてみた。
「あの、ぶしつけながら申し上げます。もしかしてその手紙には亡命を願うようお書きになられてませんか?」
しかし現実は非情だった。殿下は爽やかに答えてくれた。
「いや、それは、ない。婚約の件と、貴族派を殲滅してついでに自分をかっさらっちゃってと描いてあるよ。ほら」
と示して頂いた手紙には、荒野に立ってガッツポーズを決めた、マッチョで金髪が逆立って何かオーラだだ漏れの「ウェールズさまぁ!」(原文ママ)…の自作イラストが描かれていた。背後でウェディングドレスを着た姫殿下の自画像?が手を差し伸べている。
そして背景の荒野が地理的と建物的にアルビオンとゲルマニアっぽい。死屍累々諸々崩壊で。
ちなみに絵柄はガリア在住の人気ベテラン作家シバタァーミ・ド・グサーレ伯の絵によく似ていた。あの方はあの女流作家のファンなのでこうしてよく絵柄を真似ていたのを思い出す。
…わからん。というか判りたくない。ありとあらゆる点で突っ込みどころしかない。とはいえ遺漏無く判った皇太子殿下は間違いなく病んデター・ド・トリステインの恋人だ。変人ではない。断じて。
まぁ気を取り直して、そろそろ事態を何とかする算段でも付けてみようか。恐少女Aにウェールズ様という歯止めがいれば、トリステインが少しはマシになってついでに私への脅威が減るかも知れない、なんて打算で。
王党派と貴族派の戦力差は300対5万。何をどうすればそんなヤケクソな差が付くのか、門外漢の私にはさっぱり見当が付かない。が、ひっくり返せる自信はある。まぁ手としてはうちのはれぶたとコンビでってところ。
などと考え、皇太子殿下に反撃とプランを提案したが、微笑んで軽く受け流された。まー常識という物があるからねぇ…。しかして皇太子殿下は、手紙の件はそれはそれとして、最期まで戦うという。何とも釈然としない。
そんなサプライズかつグダグダな会見になりつつも、最期のパーティへどうぞなどと物騒なお勧めにより、大ホール「雲の間」に向かった。
途中、厨房の近くでガリアんの青粒娘に拉致られかけたはれぶたを救い出した。タバサ様、悔しそうにちゅーぅかっかっかと抜かすのは止めてください気味悪いからマジで。
会場は酔っぱらいのるつぼだった。マチルダさぁんは揉みくちゃにされ国王ジェームズ1世はモードよモードよと呟き徘徊する。馬鹿高い士気×明日全滅の命×酔っぱらいと掛け合わさった大人は歯止めが効かない。覚えておこう。
ちなみに今は真っ昼間だ。
ふと、そこの年老いた誰かさんに、実際の所どうなのかって聞いてみた。明日の総攻撃の事を聞いたつもりだったのだが、酔っぱらいは別の意味に捉えられてしまった。
Q.城に残った300名の心境として実際の所はどうなのか?
A.
皇太子殿下について行きます 90%
マゾ 9%
国王陛下について行きます 1%
ジェームズ1世陛下には1%、つまり3名かそこらしかガチ忠誠誓っていないという事になる訳か。マチルダさんが落ちぶれたあの事件でここまで忠誠が揺らぐとも思えないが、今の内乱といい、積もり積もって思うところはあったのだろう。大人って大変だ。
ところで9%のマゾって何ですか?
『ほーっはっはっはっほぅ!ほーっはっはっぱっぽぅ!』
唐突に場外から大音量で何か響いてきた。人の肉声で出せる音量ではないので、風の魔法で増幅したのだろう。
テラスから、はれぶたと一緒に外を覗いてみる。でっけぇフネがいた。そこから笑い声が聞こえる。その周囲には有象無象のフネというか軍艦が並んでいた。
「あれは!ロイヤル・ソヴリン号!」
アルビオン軍の旗艦だったが反乱の初っ端から貴族派に拿捕されて今や敵方の旗艦となり「レキシントン号」と改名させられた。と隣の王子様がゆってくれました。
『私はレコン・キスタのオリヴァー・クロムウェル!』
アルビオン王家に反旗を翻したスーパー貴族連合改めレコン・キスタの代表。とフネのハウスプリットに立った緑のオッサンがゆってました。レンコン喫茶?
『早速だが、歌を歌おう』
…はい?
総攻撃は明日だと宣言していたと聞いたが、約束破るなんて、プライドのない集団なのだろうか? もしかして本当に歌を歌いに来ただけだったりするのか? しかし地上にはどう見ても万単位の軍団が整列している。
軍楽隊による演奏が響き渡り、本当に歌い出した。典型的な家族関係を並べ立て、歯磨いておけとか、Nattowgofanとか、意味不明な単語が現れ、仲良くしようとか自分や家族は幸せだとか訳判らん。
ただ、締めがオヤスミとか本日は終了って歌われるに至って、この戦いでケリが付くぞって宣言していると解釈した。手の込んだ嫌な挑発だ。
しかも地上の軍団が一糸乱れず演奏に合わせてリズミカルに足踏みをする。結構怖い。
改めてクロムウェルという男を観察してみた。服が緑づくしだった。緑といえばやられ役か、目立たないか、子供を誘導する変…いやいやいや、あのオッサン着てるの法衣だから聖職者だ。
何だかんだで有象無象の集団を纏めているのだから、結構な手腕の持ち主と見るべきだろう。
『あの、ちょっと? お客人!?』
ロイヤル・ソヴリン号の甲板で何かトラブルだろうか? クロムウェルの狼狽した様子や他の連中の騒然としたがそのまんま大音量で流されている。
『はれぶた!?』
何ですとー!? つい隣にいるうちのはれぶたを見る。「わかった!」って顔をしていた。まさか今の子供の声の主を知っているのか?
『はれぶたー!!』
『お客人・カム・ブワァァァーック!』
クロムウェルを振り切って、子供が風竜に乗ってやってきた。一直線にこちらへ。今度はこちらが騒然とする番だよ。周囲のメイジ達が、酔いも吹き飛んで杖を構えてる。
子供が風竜から飛び降り、こちらのテラスへと一直線に飛び込んだ。というかはれぶたへと。
一人と一匹が抱き合った。ぐるぐる廻る。何かムカつく。ロイヤル・ソヴリン号にいる軍楽隊が感動的な音楽を流す・空気読めるんだか読まないんだか。
で、この酒くせぇホールに男の子が立っていた。周囲では二重三重四重五重に取り囲んでメイジ達が杖を掲げている。黒眼鏡のオッサン二人組の幻が何故か見えた気がするが気のせいだろうきっと。
はれぶたは私が抱いている。相手は常識的に考えれば敵方なのだから安易に近づけさせる訳にはいかない。
しかしはれぶたも子供も「まー仕方ないねー」て顔で苦笑いしていた。もしかしてこいつら、こういう荒事に慣れてるのだろうか。そういえば私ははれぶたの過去を知らない。どこから来たのかすら知らない。今更というか。
「あ、初めまして。僕、畠山則安と言います。渾名は十円安」
彼の言う「ジューエンヤス」という渾名がどういう意味かは判らない。そのパーフェクトに真円を描く丸頭に関係があるのだろうか?
「で、あなたはうちのはれぶたとどんな関係?」
前置き抜きでズババッと聞いてみる。この間はれぶたは意地でも離さない。十円安は「羨ましい」という表情をありありと浮かべている。
「あー、一月前、僕とはれぶたは友達で、旅をしていたらはぐれちゃいました」
一月前と行ったら私がはれぶたを召喚した時期だ。もしかして私は悪い事しちゃったのだろうか。私が召喚してしまった事を正直に話した。笑って済ませて貰えたが、どうにも私は心苦しい。
「で、僕はティファニアさんに喚び出され、かと思えばロマリアのヴィットーリオさんに喚び出され、かと思えばガリア王のジョゼフさんに喚び出されちゃいました〜。お陰で3人の使い魔になっちゃいましたははは。
そんでもってガリア王さんからクロムウェルの面倒見ろってあのオジサン何考えてんでしょーねーこんな丸顔小学生にははは」
「いやいやいやいや! 何そのデタラメ! 嘘言うな丸頭!」
世の中には常識という物がある。私の使い魔兼彼の友達がザ・非常識である事をまるっと忘れて反論してしまった。
しかも挙がった名前の内一人は個人的に知ってる名前、後の二人は世界的セレブですやん。
「まぁ信じて貰えませんよね〜。あの人達虚無の使い手で僕が虚無の使い魔と言われてもやっぱ信じて貰えませんよね〜」
「…マジでスか?」
そういえば私自身、属性が虚無っぽい?と疑われてたのを思い出した。根拠はうちのはれぶたのルーンが虚無のそれにソックリだったからだ。
そういえばストナー・サンシャインの、いやいや炎蛇のコルベールせんせぇが
「始祖ブリミル使い魔は4体おりまして、一人が神の左手ガンダ…」
むぅ、そんな感じで説明してたなぁ。丁度残り3体分で数は合うか。
「それでは見て頂きましょう!」
見せたいのか? あぁ見せたいのか?
「神の左手ガンダールヴ!」左手の甲を掲げる丸頭児童。
「神の右手ヴィンダールヴ!」右手の甲が光って唸る丸頭児童。
「神の頭脳ミョズニトルルルルルル…」デコが光り、舌噛んで転がりまくる丸頭児童。人それを自爆芸という。
ほっぺをさすりながら、仕切り直しだと言ってきた。まだやんのか。
いきなり歌を歌い出した。あぁ、緑のオッサンはこの子の悪影響か。
神の左手ガンダールヴ 勇猛果敢な(以下略)
…
「ううう上手いじゃない男の癖に! というか男の子の癖に何で女のような美声が出んのよ!? 私への当てつけ? あぁん?]
しまったつい声に出してしまった。
「まぁまぁそんな事言わないで〜。ほら中の人も苦笑いしてますよルイズさん」
丸頭は訳のわからんフォローをする。中の人って何ですか。
ふと気配を感じ後ろを振り返った。ホールじゃない謎の部屋にいた。冊子を持った3人の女性が苦笑いしている。
はっっ! と気が付けば元のホールにいた。今深淵を覗いたかもしんない。凄く追求しちゃいけない気がしたので見なかった事にしよう。
ところでこのジューエンヤスは先程もっと致命的な事を語っていた。
「で、ところで何で私の名前を知っているの?」
「えー、そりゃまぁ旅行先の基礎知識は事前に見ておく物ですし」
イマイチ要領を得ないというか歯切れが悪い。そこで1冊の小冊子を差し出された。旅行と言うからハルケギニアのガイド本かと思ったが、表紙にピンク髪の女の子が描かれている辺りイマイチ判断に迷う。
ただ、随分と精密な字と、その字そのものがハルケギニアで見ないえらくゴチャゴチャした代物だった。
「あー、で、これが何? これで何をどう証明しろというの?」
「おーはれぶたのルーンはブリミル第四の使い魔かー。ガリア王さんの言った通り」
「今話逸らしたわね? めっさ逸らしたわね?」
まぁ雲を掴むような話に付き合ってもしょうがない。ここは雲の中の国ですけど。ついでにはれぶたは胸を張ってルーンを輝かせまくっている。
「ともかく、なんやかんやでハルケギニアに旅行に来て、はれぶたとはぐれてガリア王に匿われて今に至るって訳ね?」
事の真贋はともかく、結論だけを言えばそういう事だろう。
「はぐれた友達探してるって言ったら、王さん気前よく調査してくれて、であのオジサン虚無ですもんで、同じ虚無候補がトリステインにいるから使い魔として召喚されてるかも知れないからって言われて、調査したらその通りでした」
「筋は通ってるけど胡散臭さ大爆発の話ね。そんな話信じろって方が無理…」
気が付けば、はれぶたと真球ガキはお互い手を合わせている。そしてはれぶたは納得したように頷いている。何だか寂しくなってきた。はれぶたは「友達を」信じているのに。いやはやどうも、いかんね私。
「ミス・ヴァリエール。済まないがそこから離れてくれないかな?」
イケメン皇子様が妙に物騒な雰囲気で私達に杖を向けていた。周りの皆さんも杖を構えている。
よ〜く思い出してみたら、ジューエンヤスは貴族派の一人でした。つまり傍目には敵がトッカンしやがった、なんて状況だ。
更に虚無だの何だの罰当たりな事を語り、更に貴族派のバックにガリアがってバラしまくってございますです。
一口で纏めると、胡散臭い敵。ウン、いかんね私&はれぶた&丸頭。
ところで何でタバさんはものごっつう殺気振りまいて杖向けてんだろう?
『貴様らお客人を拉致りやがりますか。許しません。すっぱり殲滅させて頂きます!』
あぁ、忘れてた。オッサンがではなく今置かれている状況ね。城落とされる5分前だ。
王党派の皆さんは散り散りに、かつ整然と走り出した。無論逃げるためではなく防衛するためだ。私達なんぞにいちいち構ってる暇はもうない。
そして私達2人&1匹はテラスに並んでフネの大軍を睨み付けていた。そして揃って腕組んでいる。
「さて、どうする? 私は勝手に『はれぶたと』やらせて貰うけど?」
言外にはれぶたの能力をほのめかした。さすがに知らない訳もなかろう。
「僕ははれぶたに会えれば後は構わないよ。あ、王さんにはゴメンナサイしないとな〜。あとあの人達あんまりなんで止めちゃおう。『はれぶたと』」
「やっちゃう?」
「やっちゃおうか?」
「ぶい!」
目線だけをお互いに向ける。端から見たらすんげぇ横目で更にニヤついててキモいかもしんない。あとはれぶたさんはここへ来て初台詞よね。
グワッシャァ!と効果音が出んばかりに円陣を組む。二人だけど。更にデコ同士も派手にぶつけ合う。一瞬お互い倒れかけたが持ち直した。身長差は、聞くな。
空中で三回転捻りしたはれぶたが私達の頭上へ降りてくる。
はれぶたが私とジューエンヤスの頭を吸った。
ぶー!
はーれぶぅた大回っ転!(光量50%オフ) 胸のルーンがフラッシュアウツ!(しかし光量50%オフ)
アルビオンの大地に、白くて強大な何かが降り立った。地響きがトドロキまくる。片膝立ちから立ち上がるその姿は、地上の連中には恐らく雲に阻まれて半分も見えないだろう。
全長2222メイル、ちょー巨大〜いな、マーチル〜ダさん、ダー!! ぶた鼻付いた。
「カワサキ監督ごめんなさい」
すみませんそれ誰ですかねぇタバビーさん!?
次回
バトルスター・マチルダさん アルビオンを踏む者
バトルスター・マチルダさん アルビオンを踏む者
-------------------------------
投下完了
そういえばはれぶたのキャラって、ルイズの周囲の人間関係とはその気になれば共通項見つかるもんですね
アンアンは色々混ざりまくってる気がしないでもないですが
あの姫様強いよ便利だよオールマイティだよ
ときに、当初から考えていたストーリー通りに進めば、あと2回で完結の予定です
次こそはもっと早く書こう
乙
晴れブタは特殊な力を持った王家の血筋で
壁を越えた宇宙から日本に来たんだっけ
真逆って感じだw
こげ〜なトコまで丸頭〜♪
はれぶたの人乙です!
なにげに主題歌のフレーズ入ってるのね。gj!
あー、くぎゅ&かない&おみの掛け合いか……すっげぇ見たい(聞きたい)ぞそれw
はれぶたの人お久しぶり&乙
相変わらず突っ込んだら負けなカオス空間だw
はれぶたの人乙&GJ!
タバサww
あとおマチさんww
もう何からツッコミ入れればいいのやらwwwwGJ!
フーケが使い魔を召喚する話は未だに見た事がないのだけど、
どこかにひとつくらいはあるんかねぇ。
ジャンパーソンを召喚するルイズ
ビルゴルディを召喚するジョゼフ
ガンギブソンを召喚するティファ
超獣神を召喚するヴィットーリオ
積み上げる際に紙のカバーつけた文庫本ははずしといたほうがいいと判明。
もう地震嫌い。あと2時間で出勤しなきゃいけないんだが・・・・・・
雪崩でびっくりして飛び起きた。2メートル四方に散乱してて、玄関までの道作るだけでもどうすりゃいいのか・・・・・・
フーケの使い魔として絡めやすそうなのはキャッツアイやルパン等の同業か
内海刑事や銭形のとっつぁんみたいな泥棒に異常な対抗心を持つ警察あたりか?
シティーハンターなんかとも絡めやすいかもな
>>483 超乙
茨城だとちょっと揺れたくらいだったけど
以外にでかい地震だったみたいやね
少女時代のおマチさんがカミナ召喚するやつはあったな。2話くらいで途切れてたが。
>482
幾つかあるだろ
ルパンの短編とかも有った気がする
けど基本的に人を呼べるのは虚無限定
異世界となるとガンダ限定
って設定が昔と違って明らかになってるから古いの以外は基本的に出てこないと思われ
ガンダルフ限定!
はれぶたの人お久しぶりw
ぶっちゃけ前の話は覚えて無いからまとめて読みます。
(´・ω・`) ………………仕事終わりの夕方までおあずけだけどね
>>485 揺れる前に警報がなってビックリした。
ちゃんと警戒警報が機能してるんだな〜と感心したよ。
>>484 ナイトウィザードTheAnimationの魔王”窃盗と破壊の侯爵”ラーラ=ムゥがゴーレム使いでぴったり
>>482 カミナの兄貴召喚があるよー。途中で止まってるけど。
「ころしてでもうばいとる」
この思考ができるやつらこそ盗賊に相応しい
>491
Postalさん召喚と申したか
だが本命は98のサクサク大強盗
先約が無ければ8:35〜8:40くらいから投下開始するよ
遊戯王デュエルモンスターズGX の ユベル 攻撃力0の使い魔
ルイズと連れ立って教室へ向かうあいだ、ユベルは 自分の体に少しずつ力が戻りつつあるのを感じていた。
タバサの「心の闇」が、さっきユベルが彼女との間に作った「繋がり」を通して、ユベルの中に染み込んでくる。
実に心地良い 憎しみと悲しみ……哀れな娘だ。その短い人生で、いったい どれほどの苦痛と屈辱を味わってきたのだろう。
ユベルがタバサの心の闇から読み取った情報によると、タバサの母は エルフの薬によって心を壊され、人形を自分の娘だと思いこんでいるらしい。
そして、あろうことか 自分のことを誰よりも想ってくれているハズの実の娘をも敵だと思いこみ、激しく拒絶するのだそうだ。
そんな母を人質にとられている タバサこと シャルロット・エレーヌ・オルレアンは、現ガリア王朝に逆らうことができず
「北花壇騎士・七号」として、服役中の死を目的とした危険な任務を強制されている、とのことだ。
……あー、くだらない。
つまり、タバサの母の 娘への愛情など、その程度……所詮 薬で壊せるレベルのものだったということだ。
薬の毒に負けて 愛する者のことすら正しく認識できなくなるとは、失望を通り越して興醒めすら感じる。
それに対して、娘のほうは なかなか立派なものだ。愛する者のために、どれだけ自分の手を汚してきたか。
だが どのみち、叔父への復讐を果たし 母を救ったところで、タバサが元のシャルロットに戻ることは叶わないだろう。
まあ、それも悪くない。彼女が今以上の闇に堕ちれば、自分の力も さらに高まることになる。
いっそ、彼女の心の闇を作った元凶であるジョゼフとやらにも力を与え、お互いに憎しみを思う存分ぶつけ合える舞台を用意してあげようか。
それに「無能王」と呼ばれる者の「心の闇」にも興味がある。
彼らを争わせ…傷つけ合わせ……彼らの ちっぽけな世界を 苦しみと悲しみで満たすというのもステキな考えだ。
だって、それこそが「愛」なのだから。十代が この身に刻みこんでくれた「愛」の表現なのだから。
じわじわとタバサの心の闇を取り込み、ユベルの「力」と「狂気」が再生していく……
ユベルの中で、次元移動の際に消費した力が回復するにつれ、その力と共に失っていたハズの狂気までもが取り戻されようとしていた。
■■■■■■
ユベルと連れ立って教室へ向かうあいだ、ルイズは 今朝の「心の闇」談義について ユベルに質問しようかどうか迷っていた。
歩きながら、時々 ユベルのほうをチラっと見ては、そのまま何も言わずに 足元に視線を落とす。という動作を繰り返す。
ルイズが 今朝の「心の闇」談義について質問したいことは 2つ。
まず1つめは、自分の同級生に「心に深い闇を抱えた」らしい優秀なメイジがいるということについて。
これは…まあいい。そのメイジというのが 誰を指しているのかはともかく、貴族の世界の「闇」であれば、ルイズにも ある程度 見当がつく。
今さら深く考察するまでもないし、他人の家の都合にまで首を突っ込むような お節介な真似をするつもりは無い。
そして 2つめ。さっきから ルイズが 最も気になっていること……ユベルが見たという ルイズの心の闇について。
(やっぱり…まず間違い無く『あのこと』よね……)
自覚はある。貴族のくせに魔法が使えないメイジ:ゼロのルイズ。落ちこぼれ、ヴァリエールの面汚し、出来損ない。
努力が足りないと母親に叱られ、平民の使用人に陰で蔑まれ、デカ乳女に嫌味を言われ、クラスメイトに罵倒と嘲笑を浴びせられ……
ネガティブマインドが込み上げてきて、無意識に顔を伏せ 俯いてしまう。
(……って! だから使い魔の召喚と契約は成功してるじゃない!)
そう思い直して 背筋を伸ばす。
自分の召喚した使い魔のほうを見る。翼があるのに それらを動かすこともなく、立ったままの姿勢で低空飛行…いや 低空浮遊している。
……左右非対称の亜人の姿は、なんというか禍々しい。このナリで 攻撃力0とか言われても、にわかに信じがたい。
だが まあ 本当に攻撃力と守備力が「ゼロ」なのだとしても、それが使い魔の価値を決めるわけではない。
事実 ユベルは、人間に憑依するという 極めて厄介な先住魔法…らしきものを扱う。
「使い魔を見ればメイジの実力がわかる」というのが本当なら、魔法成功率が「ゼロ」の自分にだって、何らかの特殊能力がある…かもしれないのだ。
ルイズは 頭の中から劣等感を追い払うと、自分の顔と思考に前を向かせ、普段以上に胸を張って教室へ乗り込んだ。
■■■■■■
魔法学院の教室は、半円形…というか半すりばち形のホール的な作りになっている。大学の講堂に近い。
いちばん低い高度にある教壇と黒板を中心として、それを取り囲むように 座席が階段状に並んで広がっている。
使い魔の召喚後 最初の授業ということもあって、それぞれの使い魔を披露するため、教室の内外には多数の使い魔たちがいた。
教室に入ると、ルイズは 普段よりも ほかの生徒たちからの軽侮の視線が少ないことに気がついた。
そのことに 多少 気を良くする ルイズだったが、いつもと同じように いちばん後ろの席に着いた。
なぜか ユベルが ほかの使い魔たちに やたらと警戒されていることにも気づいたからだ。
ユベルは…と言うと、身長の問題なのか そもそも座る気が無いのか、ルイズの座席の背後で 腕組みをして立っている。
ほかの使い魔たちに警戒されてることについては、興味も無いようだ。
「ほう……」
何か思うところがあるのか、ユベルは さっきから教室の中を観察している。
「デュエルアカデミアの教室に似ているな……」
教室内を しばらく観察した後、ユベルが呟いた。
「でゅえるアカデミー?」
「あぁ、十代の通っていた学校のことだよ」
「え……? ジュウダイって、メイジなの……!? てっきり あんたと同じ種類の生き物だと思ってたんだけど……」
ルイズにとって「学校」とは、いわゆる魔法の学校のことだ。そこに通っている者といえば、当然ながら メイジである。
そもそも、ルイズは未だに自身の使い魔の素性を ほとんど知らない。昨日 ユベルが説明を省きまくったせいだ。
そのため ルイズは、ユベルが友達だと言う「ジュウダイ」という者について、ユベルと同種族の亜人だと 勝手に脳内補完していた。
「何を勘違いしているんだ。十代は人間だよ。それに彼は魔法使いじゃない……デュエリストだ」
「でゅえりすと?」
「そう……デュエリストとは、文字どおりデュエルをする者。デュエルアカデミアとは、デュエルを学ぶ場所。
そして デュエルとは、モンスター・魔法(マジック)・罠(トラップ)を使って行う決闘のことだよ」
「モンスターと、マジックと、トラップで…決闘……」
ルイズは想像してみようとする。モンスター…幻獣や亜人を使役し、魔法を操り、戦場に罠を張る、戦士の姿を。
罠については ともかく、幻獣と魔法で戦うということは、魔法衛士隊のようなものだろうか。
マンティコア隊の隊長だった偉大な母と グリフォン隊の隊長である憧れの人の姿が 頭に浮かぶ。
自分の使い魔が慕う「ジュウダイ」という男について、だんだんとイメージが固まってきた。
学校に通っている以上、まだ若く発展途上ではあるのだろうが、おそらく魔法衛士隊を目指せるようなエリートに違い無い。
しえん
(それに比べて 私は……)
また少し 思考がネガティブな方向に傾き、会ったことも無い人物に対して 軽い嫉妬を覚える。
そんな自分が、また ちょっと嫌になった。
そうこうしてるうちに 扉が開き、教師らしき ふくよかな女性が入室してきた。
もちろん 彼女は教師なので 教壇に立つ。
「皆さん。春の使い魔召喚は大成功のようですわね。
このシュヴルーズ、こうやって 春の新学期に 様々な使い魔たちを見るのが とても楽しみなのですよ」
そう言いつつ教室を見渡していた シュヴルーズは、微妙に使い魔たちに落ち着きが無いことに気づく。
が、召喚されたばかりで まだ馴染んでいないだけだろう、と 気にせず 授業を始めることにする。
「私の二つ名は『赤土』。赤土のシュヴルーズです。『土』系統の魔法を、これから一年、皆さんに講義します」
そうして、授業が始まった。
新学期1発目の授業だからか、情報収集目的で授業に参加しているユベルにとっては ありがたいことに、昨年度の復習のような内容の話だった。
もっとも、昨日 ルイズから受けた説明とも たいして変わらなかったのだが。
まとめると、この世界の魔法には「四大系統」と呼ばれる「火」「水」「風」「土」の4つの基本的な属性のようなものがあるらしい。
さらに「虚無」という系統もあるにはあるが、今は 使える者のいない 失われた伝説の系統なのだそうだ。
これに対して、ユベルの知る デュエルモンスターズの属性は、全部で7つ。
「炎」「水」「風」「地」「光」「闇」の基本属性6つに、この世に3種類1枚ずつしかカードが存在しない「神」という属性。
四大系統については、そのまま「炎」「水」「風」「地」に当て嵌めて考えても差し支え無いだろう。
問題は「虚無」の系統だ。残った「光」「闇」「神」のどれかに当たるのか、それとも複合的なものなのか、はたまた第八の属性なのか。
とにかく、これだけ共通点があるのだから、この世界でもデュエルモンスターズの精霊の力は有効だろう。と、ユベルは仮説を立てる。
事実、昨日 ルイズの魔法によって ユベルの額にルーンが刻まれる際、ルイズも額に痛みを感じている様子があった。
それこそが「表側攻撃表示のユベルが相手に攻撃された場合、その攻撃力分のダメージを相手ライフに与える」というユベルの能力が発動した証拠だ。
ふと、ユベルはルイズを見る。
シュヴルーズの話は いつのまにか 自身の専門である土系統の自慢話のような内容にシフトしていたが、ルイズは生真面目にメモを取り続けている。
「……キミは真面目だねぇ。十代とは正反対だよ」
その言葉に反応して、ルイズが手を止める。
「ジュウダイって…不真面目だったの?」
意外だった。ルイズは ジュウダイという男に対して 魔法衛士隊のようなエリート的イメージを抱いていたからだ。
「あぁ……授業は すべて居眠りして、いつも落第ギリギリだったみたいだね」
「そ、そうなんだ……」
ルイズの中で、ジュウダイのエリート像が崩れ去る。
だが……
「でも、十代は……アカデミアで いちばん強いデュエリストだった」
「え……!?」
ルイズは耳を疑った。不真面目で落第ギリギリの人物が、学校で いちばん強いなんて。
「そのことを不満に思い、彼にデュエルを挑んだ教師もいたけど……十代は、どの生徒や先生よりも強かったからねぇ……」
さらに耳を疑う。
片や、まともに授業すら受けず 落第ギリギリのくせに、教師すら凌ぐ 学院トップの実力の持ち主である ジュウダイ。
片や、どれだけ勉強しても どれだけ練習しても どれだけ努力しても、魔法が使えない ゼロのルイズ。
……まさに正反対だ。
悔しかった。腹立たしかった。妬ましかった。
使い魔が、自分よりもジュウダイという友達のほうを慕っていることが。そのジュウダイという人物が、圧倒的な天賦の才を持っていることが。
そして 何より、不甲斐無い自分自身が許せなかった。
ルイズは、無意識に 歯を食いしばり 拳を握り締めながら、教壇のシュヴルーズが『錬金』の実演として 小石を真鍮に変えるのを 眺めていた。
「ん……?」
すぐ傍の少女の 後ろ暗い心の機微を、ユベルは目ざとく嗅ぎつける。
この少女の心の闇は、自身や周囲の人間に対してだけではなく 会ったことも無い十代のほうにまで向こうとしている。
もしかしたら、十代を苦しませて 喜ばせるために 一役買ってくれるかもしれない。
「それでは……ミス・ヴァリエール」
「……!? は、はいっ!」
シュヴルーズがルイズを指名する。基礎的な『錬金』を生徒にも実演させてみるつもりらしい。
教室が ざわつき、キュルケが 魔法の実演をやめさせようと ルイズとシュヴルーズの両者に懇願する。
だが、ルイズは気にせず教壇へと向かう。シュヴルーズのほうも、やめさせるつもりは無いらしい。
その様子を見て、あきらめた生徒たちは机の下に避難を始める。
(なるほど……ルイズの起こす爆発から身を守ろうとしているのか)
ユベルがルイズの心の闇から読み取った情報によると、ルイズの使った魔法は成功せず 爆発を引き起こすらしい。
どんな魔法を試しても 正しい効果を発揮させられず 爆発させてしまうことから、彼女は「ゼロ」のルイズと呼ばれている。
(彼女の心の闇……1度、この目で確認しておかないとね……)
ルイズが教壇に到達したときには、すべての生徒と使い魔たちが避難を完了していた。
今 この教室の中で 身を守る準備をしていないのは、ルイズとシュヴルーズ…そしてユベルだけだ。
ルイズは、意識を集中させて呪文を唱え、教壇の上の小石に杖を向ける。
顔も知らないジュウダイという男への対抗意識が、普段以上の集中力を生み出していた。
「……? あれは……!?」
ユベルが それに気づいたときには、もう遅かった。ルイズの魔法を受けた小石が爆発したのだ。
石ころの乗っていた教壇は 跡形も無く吹き飛び、凄まじい爆風が教室中を襲う。
「っ!」
ユベルは とっさに背中の翼を盾にして 身を守った。
だが 次の瞬間、どこか馴染みのある感覚が、ユベルの体を翼ごと貫いた。
直接 命を削られるような……存在そのものを壊されるような……そんな感覚だった。
(なに……!?)
今回、ルイズが発生させた「爆発」は、過去最大級の威力だった。
当然ながら、被害も過去最大級で、爆心地に近いほど被害は大きい。
最も爆心地に近い列の机は、コナゴナの一歩手前までボロボロになり、そこに隠れていた生徒たちを守ることができなかった。
2番目に近い列の机は、かろうじて生徒を守ることはできたが、机・生徒ともに それなりのダメージを受けていた。
爆心地にいた ルイズとシュヴルーズは、さらに悲惨な有り様だった。
両者とも、爆風によって吹き飛ばされて 壁もしくは床に叩きつけられ、身体・衣服ともにボロボロになり、気を失っている。
普段なら教室中から聞こえてくるハズの ゼロのルイズに対する罵倒や嘲笑も、今回ばかりは 悲鳴に掻き消されてしまっている。
凄まじい爆音と衝撃を聞きつけて、数人の教師たちが教室へ駆け込んでくる。
(このボクが…ダメージを……)
ルイズ、シュヴルーズ、そして最前列にいた生徒たちが、応急処置を受けて医務室に運ばれていく中、ユベルは戦慄していた。
ユベルは「戦闘では破壊されない」「戦闘を行う場合、受けるダメージを0にする」という能力を持っている。
このハルケギニアでも デュエルモンスターズの精霊の力が有効だとするならば、ユベルがダメージを受けることはありえない。
だが、ルイズの発生させた「爆発」は、確かに ユベルに「ダメージ」を与えたのだ。しかも、爆心地から最も遠い位置にいた ユベルに。
(バカな……どういうことだ……!?)
ユベルは、ルイズの爆風を受けたときの感覚を思い出す。
直接 命を削られるような、存在そのものを壊されるような、そんな感覚。
デュエルにおける「ライフにダメージを与える効果」や「モンスターを破壊する効果」を受けたときの感覚に よく似ていた。
(それが彼女の『効果』だと言うのか……)
ルイズの「爆発」が、ただの魔法の失敗による偶然の産物なのか、それとも 彼女 本来の能力なのかは わからない。
また、この世界で いったい どれだけのメイジが あの「爆発」を扱えるのかも わからない。
だが、相当な実力者であるハズのタバサでさえ、授業前に出会ったとき 頭に流れ込んできた情報によれば、そんな能力は持っていなかった。
ただ1つ ハッキリしているのは、ルイズの「爆発」を使えば、デュエルを介さずに ユベルを倒すことができるかもしれないということだ。
(いずれにせよ……厄介だな……)
しばし熟考。そして、ユベルは1つの策を得る。
「爆発」への対抗手段が判明するまで、ルイズに魔法を使わせるわけにはいかない。もちろん 練習もだ。
だが、彼女が そう簡単に魔法を手放すとは思えない。
ならば、魔法以上に強く魅力的な「力」を示してやればいい。魔法を忘れるくらい、その「力」に夢中にさせればいい。
ルイズが 十代のことをライバルとして意識し始めていたのも、好都合だ。
何より その「力」なら、いくらでも対抗することができる。こんな小娘に後れは取らない。自分を倒せるのは十代だけだ。
(ルイズ……キミには デュエリストになってもらうよ……)
-------------------------------
投下終了
乙
宝物庫のカードはルイズの物になるのか。
ということは、ユベルは自分のデッキを持った状態で召喚?
そういえば、精霊達ってどうやってカードを調達してるんだろ
ユベル乙
デュエリストルイズか、楽しみだ
>>501 ユベルにディスクみたいに体からぐにょって出てくるんじゃね
破壊の杖のポジションで色々原作のアイテム出てくるけど
どの程度の物まで出していいのか最近ちょっと気になってきた
原作世界で影響が出るレベルの物でもいいんだろうか
乙
お前らあまり深読みするなよ
ネタが被ったみたいになって書きにくくなるだろ
話の展開の仕方次第だろうがそこそこ使えて影響の出ない程度のものが多いな
宝物庫アイテムとシエスタの曾おじいちゃんの柔軟性は異常
なんかドラえもんのセワシ的なモノを感じる
のび太の結婚相手が変わっても普通に生まれてくるセワシくんマジ特異点
大体の場合、使い捨てか
実は凄いのはアイテムではなく恩人&使い魔自身ってのが多いな
逆襲のシャアならぬ逆襲のサイトってのはどうだ。
サイト以外で召還されたキャラが居る世界でサイトがハルキゲニアにアクシズ落としをしようとする奴。
なんか知らんが「血縁に魂引かれた者を粛清せねばならない!」みたいな。
そしてルイズがアムロ役。
それはこのスレの管轄じゃないと思うが。
後年2人の意思を継いだタバサがテロの指導者になるのか
ルイズを肥らせたい
テロリズムで歴史は動かない。
>>513 お腹も胸も二の腕も太股もポチャらせてこそ意味がある
美味い物食わせまくれば
>>509 サイトはこのスレでは空気に近いんだ。いや一応彼が登場していてカッコいい作品も
あるだろうけど、ほとんどでは出てないじゃん。
だからこれぐらいはっちゃけてもいいはず・・・!
まあ空気が無くなったら生きていけないけど
>>465 カイザーで変革を描きたいとは思わんが、キルヒアイスと道を違えた後のストーリーは読んでみたいな
原作では片方が死んじまって、作者が投げ出した題だ
問題は、二人に挟まれたルイズの役割だな
ルイズがキルヒアイス、ジョゼフがラインハルトで面白くできそうか
キルヒアイスとの交流で、誰かに認められるのではない、自分の足でルイズを立たせる
それを両者に反映させるのが、双方の作品に対する礼を損なわずに済む方法か
>>516 逆に考えるんだ
確かに出番は少ないけど、酷い目にも遭ってないし悪役にならないからいいやとw
ルイズやタバサはレギュラー陣では出番も多いけど酷い目に遭う事も多いんだぞ
(心中にコンプレックスや憎しみを抱えてるから、悪党召喚したらそこを見透かされて利用されるケースが少なくない)
サイトといえばタバサと組んでロックマンっぽい戦いをするって話があったな
どれだったっけ?
>>518 ああ、なるほど。
じゃあやっぱりサイトを逆襲させなくてもいいし理由も無いな。
本家主人公が悪役になるってのは熱いなとか思ったりしたけど別にそんな事無かったぜ。
じゃあ、あれだ。召還されたらハルキゲニアに静粛しようとするキャラ居ないかな。
ハルキゲニアには静粛されてもおかしくない世界だし。
もちろん力で静粛とかじゃなくて最終的にアクシズ落としみたいな事が出来るほど権力持つようになるとかそういうの。
とりあえずID:qe1M3mdKは粛清が大好きなのがわかった。
というか粛清されてもおかしくない世界…どんなだ。
レコンキスタとかロマリアの思想はそもそもそっちに近いような気がするけど
要するに革命を起すって事か?
それなら理想郷にトリステイン革命記ってのがあるけど
いつもの革○派だろ、スルーしろよ
てか、このスレは才人ではなく、他の誰かが喚ばれたらってスレだ
と言いたかったんだが。
ごめんROMってくる
ラハール様でも呼び出しとけ。Lv1000over状態で
ぷち切れて世界を滅ぼしてくれるぞ。
「オルバ、ギーシュの靴に画鋲を仕込んでくるのだ」
「わかったよ兄さん、勝負の前の下ごしらえは大事だからね」
ルイズではなく、サイトを他作品とからめて魔改造だ!! ……は、スレチか。
GTOから鬼塚英吉を召喚。
GTO(グレート・ツカイマ・オニヅカ)
文才ないから書く自信ないな・・・。
何度でも言おう
文才が無いじゃない
やる気が無いんだ
やる気があれば練習という言葉を思いつく
頑張れ
超頑張れ
で、上手くなったら来てくれw
サイト「あの世で俺に詫び続けろルイズー――!!!!」
セントアンアンですか
お久しぶりの方はお久しぶりです。初めての方は名前だけ覚えて帰ってくれたらなー思います。
どうも、踏んだり蹴ったりですが、最近それが快感になりつつあるかもしれない黒魔です。
うん、ポジティブに行かないと涙があふれそうですが気にするな!
さて、外付けHDDさんがお逝きになった分の書き直しがやっとこさできたので、投下しようと思います。
15:30頃より失礼するかと思いますが、どうか生温かい目で見てやってくださいませませ。
おお! ビビの人お帰りなさい。
投下開始ですよっと
-----
タバサおねえちゃんが、さらわれた。
その報せを聞いて、驚かなかったのはキュルケおねえちゃんぐらいだった。
キュルケおねえちゃんは、色々知っていたらしい。
タバサおねえちゃんの、本当の名前も。
おとうさんが殺されて、おかあさんも毒を飲まされて、ひどいことをされたことを。
そんなひどいことをしたヤツに、言うがままに従っているしか無いことを。
“人形”。
キュルケおねえちゃんは、ボクに少しだけ遠慮するように、
その言葉で、タバサおねえちゃんの全てを表現したんだ。
……ボク達は、すぐに、シルフィードに乗った。
・
・
・
空気がとても乾いている。
空気までがジャリって音のするぐらい、砂ホコリにまみれている。
「――っと、いうわけで、お姉さまをかっさらった酷いヤツはこの城の中なのねっ!」
シルフィード(今は人間の姿になっている。街中にドラゴンがいるのって、目立ちすぎるものね)が指し示す先に、
白い城壁に囲まれた、大きなお城があった。
壁には、植物のツタを真似したようなグルグルの模様がクビが痛くなるぐらいの高さまで続いていて、
その奥には真四角を重ねたような、どっしりとしたお城の本体が見える。
「あぁ、お姉さま!今すぐシルフィがお助けするのねっ!者どもシルフィに続いて進めなのねぇ〜〜っ!!!」
「ちょ、だ、ダメだよ!勝手な行動は……」
シルフィードは、さっきからこんな調子だ。
……仕方のないことだとは思う。ボクだって、今すぐにでも助けに入りたい。
でも、キュルケおねえちゃんも、ルイズおねえちゃんも、ギーシュまでもがそれに反対したんだ。
『敵の実力が分からない以上、しっかりと準備を整えなくてはいけない』って。
シルフィードも、ボク達を乗せて3日3晩飛び続けた疲労がたまっているはずだしね。
(もちろん陸路もかなり使った。見つからないように旅をするって、本当に大変だ!)
……だからといって、シルフィードが宿で大人しく待っている訳は無かったんだけど……
「作戦不要なのねっ!ビビちゃんさえいれば元気100倍クックベリーパイマンなのねっ!
今すぐあのトンガリ耳食いちぎって……」
「だ、だめだってばぁ〜……」
シルフィードに、ズルズル引きずられるように、今日も城壁のところまで連れて来られてしまった。
ドラゴンの力って、本当に強い。人間の姿になっても、その強さはちっとも変わらない。
「竜の嬢ちゃんよぉ。ここはこらえた方がいぜ?そのトンガリ耳にコテンパンマンになっちまったのは誰よ?」
「うきゅ」
……そのドラゴンを、あっさりとやっつけてしまった、エルフってが、いうのタバサおねえちゃんを連れ去った実行犯らしい。
エルフ。トンガリ耳の、すっごく強い種族。
……タバサおねえちゃん、大丈夫だよね?
「きゅるる……うぅぅ待つ身は辛すぎるのねぇっ!!」
敵のすぐそばで、こんなに叫んだりするのってダメ、だよね?
……シルフィードをなだめようと必死だったから、全然気付かなかったんだ……
「動くな!」
「きゅいっ!?」
「わっ!?」
その、槍を持った兵士に……
ゼロの黒魔道士
〜第五十二幕〜 辺境の妖塞 アーハンブラ城
目と目の間に、槍の先端が突きつけられる。
銀色の槍の先端が、太陽の光を鋭く跳ね返してギラリと光っている。
それが、するりと持ち上げられて、振りかぶられて……
「――な〜んて、ね」
鎧の兵士が、笑った。
その声は、もうお馴染って感じがする。
「ギーシュ……おどかさないでよう……」
ホッとしたけど、あんまりびっくりするようなことはしてほしく無いなぁって思うんだ。
ここって、一応敵の本拠地なんだよね?
ギーシュが、調子に乗って槍をくるくる回す。
「ははっ、ゴメンゴメン!しかし、君にも見破られないとは、僕って天才かも?」
確かに、見破れない。兜のかぶり方のせいか、顔すら全く見えない。
どこからどう見ても、『ガリアの兵士』に見える。
「……ビビちゃん。コイツ、かじってもいいかしら?きゅい」
「……できれば、やめておいてくれるとうれしいかなぁ……」
鎧をかじるのって、歯を痛めちゃうと思うし、ね。
「はっはっはっ、いやぁ、天才の所業に嫉妬しないでおぐぼぁっ!?」
ぐわーんって、良い音がした。
銅鑼の音、って言うのかな?クワンおじいちゃんも持ってたっけ。
あの音に近い感じで、ギーシュの兜が鳴り響いたんだ。ぐわーんって。
「バカやってんじゃないわよっ!あっついのにっ!」
「い、痛いよ、モンモン。鎧でも痛い物は痛いんだから……」
「ビビー、荷物半分持ちなさい!あ〜、重い!」
「あ、うん……」
モンモランシーおねえちゃんと、ルイズおねえちゃんは、買い出しに行ってたんだ。
両手に、大きな荷物を持っている。
受け取ろうとして、少しよろけてしまった。
おねえちゃん達の服装は、シルフィードと同じく、ちょっとごわついたような素材のローブの下に、
薄手の布でできた動きやすい服を着ている。
砂漠地帯に合うように、目立たないように、服装は選んでるんだって。
貴族って分かってしまうと、色々ややこしそうだもんね。
「よぉよぉ?盛り上がんのはいいけどよ、そろそろ目立っから宿帰った方が良くね?」
「きゅ、きゅい……戻るのね?」
デルフの提案に、シルフィードが、残念そうな声を上げる。
今すぐにでもタバサおねえちゃんを助けたくてしょうがないみたいだ。
「作戦会議をしなきゃいけないもの。シルフィード、我慢なさい」
「あら、ルイズにしては冷静な意見ね」
「当っ然でしょ!いつ私が自棄になったりしたの?」
ルイズおねえちゃんが威張るように胸を張る横で、モンモランシーおねえちゃんが指を折って数え始める。
「……ゴメン、両手じゃ足りないから、貴女の手も貸してくれる?」
「酷っ!?」
「はいはい、撤収撤収〜……続きは宿でやろーぜー」
「賛成。鎧が暑くなってきた……」
確かに、ものすごく暑い。
宿に帰ったら、水が欲しいなって思ったんだ。
・
・
・
「あら、遅かったわねぇ」
ほんのりと、甘酸っぱいフルーツの香り。
「ただいま〜……キュルケおねえちゃん、もう戻ってたの?」
キュルケおねえちゃんは、もう先に帰ってきていた。
堅そうな南国の果物の上だけを割って、そこに麦わらを挿してチューチューと吸っている。
……なんか、すごく美味しそうだなぁ。
「貴方達が遅かっただけよ。このクソ暑いのによく長い時間ブラついてられるわねぇ」
「お酒買えるだけ買ってこいって言ったのはどこの誰よ!?お店がいくつあると思ってるのよ、まったく」
この町、アーハンブラって言うらしいんだけど、観光名所ってことでそれなりに規模は大きいんだ。
「で?ちゃんとお使いはちゃんとできたの?」
「今はこれだけ。残りは後で届けるって言ってたわ」
どさっと荷物を床に置く。床とガラス瓶の触れあう音がガチャッといくつも重なった。
あぁ、重かったなぁ……
「そ、ごくろうさま♪」
「で、これだけの量、どうするつもり?まさか飲むんじゃないでしょうね?」
「まさか!そこまでウワバミじゃ無くてよ!潜入の小道具として必要なの!」
潜入にお酒を使うっていうのも、ちょっと分からないけど……
「うわばみ?」
「酒好きの例えだな、蛇のこった」
お酒好きの例えに、蛇が出てくるってのもよく分からなかったんだ。
「蛇……ラミア、みたいなのかなぁ……?」
上半分が女の人の格好をした蛇のモンスター、ラミア。
あれがお酒を飲んでる姿を想像すると……ちょっとだけ寒気がしちゃった。
確かに、お酒が似合いそうだなぁとは思うけどね。
「それで?そっちは?」
『錬金』で作り上げたガリア兵の鎧を解除しながら、ギーシュが羊皮紙の切れっぱしをバンッと叩きつけた。
「兵士の配置と、おおよそのタバサく……いや、ミス・オルレアン親子、とお呼びすべきかな?彼女達の幽閉されている場所の見当はついた」
いつになく、真剣な顔つき。
ギーシュが、こういう本気の顔つきになったときって、すっごくかっこよく見える。
普段のギーシュからは、全然想像ができないくらいに。
「やるじゃない。ギーシュのくせに」
「ギーシュをそんなにバカにしないでよね!」
「はいはい、ごちそうさま。ノロケたりして、出発前に散々怖い怖いゴネてたのがマシになったかしら?」
からかうように、キュルケおねえちゃんがモンモランシーおねえちゃんに挑発した。
確かに、モンモランシーおねえちゃんは、一番最後までここに来るのを嫌がっていたんだ。
「マシになるわけないでしょ!?怖いわよ!怖すぎるわよ!? 震え止まらないわよこの暑さだってのに!!」
モンモランシーおねえちゃんが、自分で自分の腕を抱いて、体を小さく折りたたむように小刻みに震えた。
この暑いのに、変装用に着ているローブを脱ごうともせずに。
「エルフよ、エ・ル・フ!? どこのバカが好んで喧嘩売るのよっ!?」
一瞬、部屋を沈黙が包みこんだんだ。『サイレス』がかけられたように。
それだけ、エルフはこのハルケギニアでは怖がられてるらしい。
沈黙を破ったのは、いつもより何倍もかっこいい、ギーシュだった。
「――バカですまない。それと、君をこんな場所まで連れてきてしまって……
でもね、誘拐された級友を見逃せるほど、賢くなりたくはないんだ。グラモン家の名が廃ってしまうからね!
……今からでも遅くない。モンモン、君だけでも帰りたまえ。君にそこまで責任は無い」
それは、優しく、ちょっぴりさびしそうな笑みだった。
「――っば、あんた本当にバカね!?今更帰れるわけないじゃない!! あんたがそ、そのけ、怪我したら誰が治療するっていうの!?」
「モンモランシー……っ」
「……ギーシュっ!」
抱き合う、2人。
あぁ、この2人って、本当にお芝居のヒーローとヒロインだなって思ったんだ。
カッコいい。セリフとか、お芝居みたいにカッコいい。
ほんのちょっとだけ、現実離れしてるっていうのもあるのかもしれないけど、
英雄物の主人公そっくりだなぁって、そう思ったんだ。
ちょっぴり、ジーンとしてしまった。
「あー、ホントごちそうさまだわ」
「まったくよねー」
ルイズおねえちゃんと、キュルケおねえちゃんはそういうお芝居にはまったく興味が無いのか、
淡々とギーシュの描いたアーハンブラ城の見取り図を検討しはじめていた。
ボクも、ずっとギーシュ達を見ているわけにもいかないし、買ってきたものの整理をすることにした。
「――ルイズは、平気?」
キュルケおねえちゃんが、ポツリ、とつぶやいた。
「ん?平気って何がよ?怖いかどうかってこと? 珍しいわね、あんたがそんな心配してくれるなんて」
ルイズおねえちゃんが、見取り図から顔を上げて、首をかしげた。
「――正直、私は怖いわよ?」
「平気そうなのに?」
ボクにも、全然そう見えなかった。
シルフィードの報せを聞いて、真っ先に来ることを決めたのはキュルケおねえちゃんだったし、
「怒りが上回ってるだけよ……」
そうつぶやくキュルケおねえちゃんの横顔は、ちょっと不思議な顔だった。
今にも泣いてしまいそうなのに、無理やり笑っているようでもあり、でも目はすっごく怒っていて。
多分、キュルケおねえちゃんが、今度のことで一番気負ってしまっているんだろうなって思うんだ。
キュルケおねえちゃん、タバサおねえちゃんの一番の友達、だったから。
「あんたこそ、もっとこう、ほら泣きわめくとか、無鉄砲に突っ込むとかどっちかだと思ったけど?」
キュルケおねえちゃんに言われて、気がついた。
確かに、今までのルイズおねえちゃんでは考えられなかったと思うんだ。
じっくり、冷静になって色々考えるっていうのは。
「……使い魔に似るって言うのかしらねぇ」
「……ボクに?」
キョトン、としてしまった。
ルイズおねえちゃんと、ボク、似てるのかなぁ……?
ルイズおねえちゃんみたいに、ボクはしっかりと自分の意見を言えないし、誇りとかも、多分、全然無い。
似てるって、何がだろう……?
腕組みして色々と考えちゃうんだ。
そんなボクを見て、ルイズおねえちゃんが、クスッと笑ったんだ。
「あんたの前だと、『良いお姉ちゃんでありたい』って思えちゃうのよ」
「え……ルイズおねえちゃん、十分すぎるぐらい、良いおねえちゃんだと思うんだけど……?」
どういう、意味なんだろう……?
ポンポンって背中を優しく叩かれたけど、ボクにはよく分からなかったんだ。
「なるほど、ね。 ――うん、同感だわ♪ビビちゃん、お姉ちゃん達、頑張るからね!」
「わわっ」
キュルケおねえちゃんには抱きつかれるし……あ、でもこれはいつものことかなぁ?
んー、でも、やる気になるっていうのは悪いことじゃないと思うから、良いことなんだよね?きっと。
「きゅいきゅいっ!シルフィもがんば――」
ベッドの上で足をブラブラさせていたシルフィードが胸を張る。
「シルフィードは外で待機をお願いするわね」
「きゅいっ!?」
でも、キュルケおねえちゃんの言葉でガタッと音を立てて跳ね起きたんだ。
「……用心のためよ。いざというとき、逃げるときや体勢を立て直さなきゃいけなくなったとき、誰が足代わりになってくれるの?」
「きゅ、きゅぃ……」
いざというとき。
できれば、そんなときが来ないで欲しいとは思うけど、安心して戦えるかどうかが、ここにかかっている。
シルフィードの役目は、とっても重要なんだ。
「大ぇ丈夫だって!おれっちや相棒がいりゃエルフの1人や2人ぁなんとかしてやらぁ!」
こういうときのデルフは、本当に頼もしい。本当に1人や2人は……なんとか、できるといいなぁ。
「お願いするのね!ほんっとにお願いするのね!!きゅいきゅいっ!!」
「――で?肝心の潜入方法は?」
ルイズおねえちゃんと、キュルケおねえちゃんは作戦会議に戻った。
「それなのよねぇ……うーん、ここまで分散して配置されてるとは……これだと1人は辛いかしら……」
地図には、兵士を示す黒い丸がいくつもいくつもつけられている。
……全部を倒すっていうのは、無理そうだし、援軍も考えなきゃいけない。
流石にお城って言うだけあって、攻略は難しそうだった。
「1人ってどういうことよ?」
「色気を出せるの、私ぐらいだからどうしようかなって」
ボクの聞き違いじゃなかったら、確かにキュルケおねえちゃんは『色気』って言ったんだ。
作戦に、色気とかって、関係あるのかなぁ……?
でも、キュルケおねえちゃんの顔は、マジメそのものだったんだ。
「……あんた、暑さで頭やられた?色気なんてどうしようってのよ!」
ルイズおねえちゃんは、あきれ顔だ。
「私は至って本気よ?それとも、ルイズ、貴女が殿方を一目で魅了できるとでも?」
「ば、ばっか言うんじゃないのよ!チップレースだって優勝して……」
チップレース……あぁ、そういえば、優勝したんだ、ルイズおねえちゃん。
アニエス先生に倒された人の、お金で。
「あのチンチクリンでっ!?嘘でしょ!?それこそ嘘って言ってよ!」
「魅了……」
なんとなく、心当たりがある言葉だった。最近、どこかで聞いたような……
「まぁ、確かにありゃぁマグレも良いとこで……」
「デルフは黙ってて!」
「あ」
思い出した。
「……ルイズおねえちゃん、もしかして、持ってきた?」
魅了って言うなら、“アレ”があるんじゃないかなぁ?
-----
ピコン
ATE 〜白鳥の湖〜
「ふぁあ〜あ、っとくらぁ……眠ぃ……」
男は、退屈していた。
真面目に警護なんぞやってられるわけがない。
大体、である。
「女っ気が無いのがダメなんだよなぁ〜……軍人やめよっかなぁ〜……」
こんな砂漠の境目の、辺鄙な田舎の、
城の警護というどーしようも無い任務を、
血気盛んな若者が、ただボーと突っ立って担うというのは、いかがなものか。
これでも、彼には彼なりの理想があったはずなのだ。
まぁ、理想と言っても、ごくごく普通の青少年が抱く、桃色の未来と言うものではあるが。
身を呈して女の子を守り、その女の子に惚れられて、ラブラブイチャイチャする。
そんな甘酸っぱい夢を描いていたのだ。
だからこそ、世の中の女の子を身を呈して守るために、軍人になったというのだ。
それなのに何ということだろうか。
一番上の王様は無能と言われて久しい昼行燈、
直属の上司は、夜の活躍以外は聞かないダメ男爵。
かつての情熱の炎とやらも、今や風前のともしびだ。
おまけのおまけで、今度の任務は要人警護だか知らないが、あの憎きエルフとその連れを守らねばならないらしい。
エルフである。ハルケギニアの敵であるエルフである。別に軍人が守らなくとも一個連隊ぐらい片手でひねれるはずのエルフである。
重要任務とは上から聞いているものの、真っ暗な先行きの見え無さに、ストレスはたまる一方だ。
「あ〜……酒とか女とか、その辺から湧いて来ねぇかなぁ〜……」
せめて飲んだりヤッたりしないとやってられない。
彼の思考回路は、紛れもなく健全な青年のそれであった。
それが健全な軍人であるかはともかくとして。
「ま、そんな美味しい話なんざ……」
「あ、あの〜……」
声がしたのは、ほぼ、真下。
視線を垂直降下させれば、そこにいたのは。
「……(女と酒、湧いちゃったよ。おい。)」
可憐な少女が酒瓶を持っている姿。
「(何、俺そこまで疲れちゃってるの?俺、幻覚見るぐらい疲れてるの?
欲望むき出しな幻覚見ちゃうの、俺?いやそりゃちょっと小さい娘の方が好きですけどー)」
男自身がブツブツつぶやくとおり、少女は小さかった。
あまりにも小さかった。
両方の手ですっぽり埋まってしまうぐらい小さく、たやすく折れてしまいそうだった。
そんな少女が、うらぶれた要塞の廊下にいる?
幻覚にしても、もうちょっと現実味があって欲しいところであった。
「あ、あの、ミスコール男爵様のお部屋は……」
「ミスコール……え、まさか、君、あのオヤジに呼ばれて!?」
「……はい……」
2、3のやりとりで、これは現実であると男は悟り、
彼女に待ちうける悲惨な運命を悟る男。
男爵は、軍人であり、メイジであり、低いとはいえ爵位を持っている。
それをいいことに、手当たり次第に金貨袋で頭をぶん殴り、女を買い漁るという噂が後を絶たない。
また、男爵自身も、『女は後腐れの無い平民に限る』などとのたまっている。
つまり、彼女も、わずかばかりの日銭のために、あの色ボケ男爵に『売られた』ということだ。
なんということだろう。なんという悲劇であろう。
可憐なる妖精のような少女が、老獪な魔物の生贄となろうとしているのだ。
「そ、その……なんと言うか……」
「言わないでください……つ、辛く、なってしまうから……」
長いローブの隙間からのぞく、下着同然の黒いビスチェを垣間見て、男は『ゴクッ』と生唾を飲み込んだ。
桜色の頬に、同じく桃色のいい香りのする髪の毛、仄かに濡れた淡紅色の唇。
わずかに上気した少女の柔肌と同じぐらいピンクの魅惑に、脳味噌がとろかされそうになる。
だが、その色気とは全く反対のところに、男はあることに勘づく。
少女の、稀有なほどの純粋なところに。
彼女が、まだ『少女である』ということに。
「まさか君……その……男を知らないのかい?」
「え?」
「あ、いや、だからその……こんなこと、はじめて、なのかい?」
少女は、言葉を発する代わりに、小さくこくんと頷いた。
それは、雨に濡れたコスモスが小さくお辞儀するように、可憐な動作で。
心なしか、彼女の瞳が潤んでいた。
その雫が、男の心に火をつけた。
男は激怒した。
必ず、かの邪智暴虐(じゃちぼうぎゃく)の男爵を除かなければならぬと決意した。
男には政治がわからぬ。
男は、一介の軍人である。
漫然と任務をこなし、槍を磨いて暮らしてきた。
けれども乙女のピンチに対しては、人一倍に敏感であった。
「あの……」
「大丈夫。僕が、守る」
「は、はい?」
「僕が、何とかするから、君は、お家に帰りなさい」
彼の脳内では、かつて彼が夢見ていた勇者の姿があった。
乙女のピンチを救う、すばらしき英雄の姿が。
例え軍人をクビになっても構うものか!
この少女の貞操を守るためならば、例え竜とだって戦える気持ちだ。
「そ、そういうわけには……」
焦る少女。それもそうだろう。
おそらく、彼女を売ることになってしまった家だ。お金には困っているに違いない。
「……よし!こうしよう!その酒瓶、これで買った!」
なけなしの給料だが、どうせ休日に飲んで使い切ってしまうものだ。
ならば、この少女のために役立てた方がいい。
「え!?え、あの、その……」
「君のような妖精を守るのが、僕達軍人の使命だからね!」
「こ、困ります、その、お酒は、あのその……」
少女は、目に見えるほどうろたえている。
男は思う。言葉ではなく、態度で示さねばと。
「よいしょぉおっ!!」
「キャッ!?」
少女から無理やり酒瓶を奪い、一気に飲み干す。
男らしく、腰に手を当てて。
少し変な味な気もするが、安い酒ならばこんなものだろう。
「……プハッ!これで、もうお酒は無い。だから、君はお家に帰るんだ」
「え、え、えーと……」
「安心しな、男爵には、俺がうまく言っておくから」
キザなウィンクを彼女に贈る男。
少しだけ、『俺ってバカだなぁ』と思いながら。
だが、少女に惚れてしまったのだ。
そして、女に惚れた男というのは、バカになりきるものなのだ。
「あ、は、はい……そ、そのー……」
「礼ならいいさ……あぁ、君の、名前だけ、教えてくれないか?」
「な、ななななな、名前!?」
「そう、妖精のような、君の、名前……」
少し、ためらいながら、彼女は、サクランボのような小さな唇を動かした。
「あーえー……ら、ラミア……」
「そうか、ラミア……良い名だ……また、会えるといいね」
「え、えぇ……そ、それじゃっ!」
あまりにもうれしかったのだろうか。
彼女は、彼に軍人を志した気持ちを思い起こさせた彼女は、
あっと言う間に去って行ってしまった。
まるでそれは、桃色の蜃気楼のように。
「さて、どうしようかな……」
彼は今や『反乱軍人』に他ならない。
上司が買った娘を、独断で帰してしまったのだから。
「……まぁ、なんとかなる、か……」
それでも、彼の心は晴れやかであった。
邪心の無い、全く晴れやかな心であった。
「うー……案外あの酒、効くなぁ……」
少し、眠くなってきた。
まぁ、構うもんか。もう辞めたも同然の軍職だ。居眠りぐらいどうってことないだろう。
「目が覚めたら、考えよう……グゥ」
そして、彼は眠りについた。
少女と築く優しく小さく温かな家庭と、それを成しえる平和な世界を夢見ながら。
----
そのガリア兵士は、幸せそうな顔で眠っていた。
何か、良い夢でも見ているのかなぁ?
「これで、最後よね?」
「ルイズおねえちゃん、おつかれさま……」
「いやいや、大ぇしたもんだなぁ、『魅惑のビスチェ』ってのも!娘っ子の猿芝居でもなんとかなるもんだなぁ!」
ルイズおねえちゃんは着るのを反対してたけど、キュルケおねえちゃんの『そこまで自信あるの?』って言葉で折れたんだ。
恥ずかしいから、ローブで隠しているけど、チラチラっと、隙間から中が見える。
『色っぽい』とか、『イカしてる』ってこーいうことなのかなぁ……?
ちょっと、ボクには良く分からない。
ルイズおねえちゃんはルイズおねえちゃんらしい格好しているときが一番良いと思うんだけど。
「馬子にも衣装って正にそのことねぇ」
「ば、ばっかにしないでよね!わ、私が着たからこその効果よっ!!」
色気で誘って、眠り薬入りのワインを飲ませていく。眠り薬は遅行性だから、ボクの『スリプル』でそれを補う。
これが潜入作戦の中身だったんだ。
……なんか、とっても単純な割に、すっごくうまくいったと思うんだ。
キュルケおねえちゃんなんか、『魅惑のビスチェ』無しだったのに、ルイズおねえちゃんの2、3倍は早くノルマをこなしてしまった。
「うぅむ、しかしながら。ルイズ君、実になんというかその、そそるねぇってぐぇっ!?」
「あんたまで魅了されててどうすんの、ギーシュ!」
……ギーシュが鼻の下を伸ばしているってことは、効果があった、ってことかなぁ?
ボクには、『魅惑のビスチェ』の効果はよく分からなかったんだ……
「い、いやいやいや、う、うん!実に危険だね!実に凶器だ!その装備は!エルフにも、きっと効果はあるんじゃないかなぁ?」
ギーシュが『エルフ』の名前を出した途端、また沈黙がその場を支配したんだ。
残るは、エルフ。
ルイズおねえちゃん達によると、メイジ何百人が合わさってやっと互角に戦えるかどうか怪しいって相手。
「……エルフ……そんなに、強いの?」
冗談みたいだなって、本当に思う。でも、この感じからすると、きっと本当のことなんだろうなって、そう思うんだ。
「そ、そうよ、まだエルフがいるのよね……うぅ……」
モンモランシーおねえちゃんの表情は暗い。
もちろん、他のみんなも。
でも、キュルケおねえちゃんは、暗い顔を無理やり破り捨てたような、力強い笑顔を見せたんだ。
「大丈夫、エルフなんて恐るるに足らずよ!」
その言葉に、ギーシュが首をかしげた。
「キュルケ君、まだ隠し玉でもあるのかい?眠り薬入りのお酒以外にも……」
「あら?私の隠し玉は……」
「え?」「わっ!?」
ボクが抱きつかれるっていうのは、いつものことなんだけど、
今度は何故かギーシュも抱きしめられたんだ。
「あんた達よ。タルブの英雄さん」
エルフ相手に、どこまでできるか分からない。
それでも、タバサおねえちゃんのために、やらなきゃいけないんだって、そう思ったんだ。
『この手の届く範囲ぐらいは守りたい』って、昔ジタンが言っていた。
ボクの手の届く範囲は、ジタンよりも、ギーシュよりも狭いかもしれない。
だから、タバサおねえちゃんの所まで、精一杯伸ばそうって、そう思ったんだ。
それが、ボクのすべき選択だと思う。
「――……はは、僕達次第か。悪い気はしないけど、いざ頼られると不安だなぁ……」
「が、がんばるねっ!」
キュルケおえねえちゃんは、ボクとギーシュの言葉に満足したようにうなずいて、
ルイズおねえちゃんの方に向き直ったんだ。
「……それと、貴女よ。ルイズ」
「え?――どういう心変わり?あんたがそんなこと言いだすなんて」
ルイズおねえちゃんは、きょとんとしている。
あまり、キュルケおねえちゃんに頼られたりしたことが無いから、かな?
「タルブの『白い奇跡』……貴女なんでしょ?」
それは、アンリエッタ姫に秘密にしておくようにって言われたことだったんだ。
なんで、キュルケおねえちゃんが、知っているの?
「あ!……あー、え、えっとね、それはキュルケおねえちゃん……」
「な、ななな何のことかしら?」
慌てて、隠そうとするけど……ボクもルイズおねえちゃんも、嘘をつくって下手だからなぁ……
あ、使い魔と主人が似るって、こういうことだったのかなぁ?
「甘く見ないでよね。状況とか考えると、あれは貴女しかあり得ないのよ」
「……あー、やっぱりそうだったの。薄々そうじゃないかなーとは思ってたけど……」
「モンモランシー?」
モンモランシーおねえちゃんも気づいていたみたいだ。
どうして分かったんだろう?
ボクも、ギーシュと同じように首をかしげるだけだったんだ。
「あれが、何なのか、私には全く分からない。分からなくても良い」
そう言うと、キュルケおねえちゃんは、ルイズおねえちゃんに向かって、跪いたんだ。
そこには、何のためらいとかも、何の戸惑いとかも無かった。
「だから、ルイズ……いえ、ミス・ヴァリエール、仇家の者ですが僭越ながらお願いいたしますわ」
「きゅ、キュルケ!?」
「キュルケおねえちゃん……?」
いつもの、キュルケおねえちゃんらしくない、って思った。
けども、キュルケおねえちゃんの真剣な目を見て、分かった気がした。
「奇跡でも、何でも良いの。私の友達を――タバサを、助けてください!」
キュルケおねえちゃんも、エルフがきっと怖いんだと思う。
それでも、タバサおねえちゃんを助けたいんだ。
何が、何でも。
ルイズおねえちゃんが持つ力が何であっても、それでタバサおねえちゃんが助けられるなら、
何だってするって、そういう決意をもった顔だった。
……何か、ものすごく、かっこよく見えた。
「――た、頼まれなくたって、助けるわよっ!ば、ばっかじゃないの!!」
ルイズおねえちゃんは、素直じゃないなぁって、ときどき思う。
それでも、『助けない』なんてことはきっと絶対に言わないだろうなぁって思うんだ。
だって、ルイズおねえちゃんも、タバサおねえちゃんの、大事な友達、だもんね。
ボクは、帽子をかぶりなおした。
この廊下を抜けて、階段を登れば、いよいよタバサおねえちゃんが閉じ込められているらしい場所だ。
とてもじゃないけど、気は抜けない。
「――助ける。 誰を、かな?」
そのときだったんだ。声が、ボク達のすぐ真後ろ。
暗闇の奥底からしたのは……
---------
以上でございます。
不定期更新になっておりまして誠に申し訳ないです!
こんな駄文ですが、終幕には着実に向かっておりますので、
どうか今後も一つ、お付き合いのほど願いたく存じます。
それでは、お目汚し失礼いたしました。
GJでした!
続きを気長にお待ちしています。
>>534 それ何か元ネタがあったり、コピペだったりする?
黒魔乙
この口調からすると出てきたのは奴か
そうか奴が来たのか
で奴って誰だ
呂布
553 :
ゼロと魔砲使い ◆IFd1NGILwA :2009/08/11(火) 19:27:10 ID:abzw2VQh
長らくお待たせいたしました。
続きが出来たのですが、これから仕事でうpする時間がなくなってしまいました。
明日の午後早めくらいに掲載しますですので、もうちょっとお待ちください。
↑sageが消えていました。ごめんなさい。
ヅラじゃない桂だ
やっぱりヅラじゃないか
>>549 元は無いよ
頭痛が痛い頭で考えたらなんか出た
変な電波を受け取ってない限りオリジナルだよ
お、魔砲使いさんだ。
続き待ってます。
さて、一つ書いてみたので投下させてもらおうと思います。
長編の一話ということで。
召喚されるのは『うしおととら』より「はぐれ外堂」です。
問題がないようでしたら十分後あたりから投下させていただきます。
問題ないよ
ではぼちぼち行きます。
それはきらきらと日の光を反射して輝いていた。
小さなアクセサリー。イヤリングだろうか。
親指の爪程しかない大きさの銀色の箱が、三つ連なっていた。
宝石箱に納められているわけでもなく、また本来あるべきだっただろう番いもここには居ず。
何もない草原の上でぽつりと独り寝っ転がっているそれは、いやに美麗な輝きを持って存在し、だがその煌めきのせいで余計に滑稽に見えた。
ルイズは誰に悟られることもなく下唇を噛む。そして同時にどこか納得もしていた。
これが結果だ。やはり自分には持ち得ることはなかった。
春の使い魔召喚の儀式。
これからの人生を共にするパートナーを歓迎する宴。
夢想していた。心が躍っていた。
昨夜は楽しみで目が冴えて仕方がなかった。
どんな素晴らしい使い魔が呼びかけに応じてくれるのかと。
ドラゴンやグリフォンなんかだったら素敵だった。
ありきたりだが、ネコやイヌも可愛らしくて良いかもかもしれない。
いや、応じてくれるのならばネズミでも、それこそ苦手なカエルでも大切にしてやれる。
餌は何を与えればいいのだろう。
グルメな使い魔だったら食費も大変かもしれない。
寝床は藁だけで大丈夫なのだろうか。
もしかしたら厩でも借りなければいけないかもしれない。
実家に報告の手紙を書かなければ。
父も母も、二人の姉だってきっと喜んでくれる。
だが。
全て無駄だった。
現実はいつだってこんなものだ。
目の前にある――そう、いるではなく『ある』――己の使い魔は生き物ですらなかった。
周囲の嗤い声が聞こえる。それはいつだってルイズを不快にさせるものだった。
風邪をひいたようなダミ声はマリコルヌのものか。高飛車で煩わしい甲高い声はモンモランシーのものだろう。
――ええそうね。あなたたちはきちんとした使い魔を喚べたものね。
――マリコルヌはフクロウ? モンモランシーはカエルだったかしら?
――それぞれちゃんと自分の属性に合っている使い魔ね、とても素敵よ。
――でも見てごらんなさい。私の使い魔の方が綺麗だわ。
強く唇を噛む。舌先に鉄の味がした。
「ミス・ヴァリエール」
横合いから声をかけられる。
そちらに視線を向けると、召喚の儀式の監督役であるコルベールが、何と言ったものか解らなさそうな表情で立っていた。
「その……コントラクト・サーヴァントを。無事に召喚できたのなら、あなたは契約しなければなりません」
「契約?」
ルイズは首を傾げる。そして一つ間を置いて頷く。
そう、自分は使い魔を召喚したのだ。召喚したのならば契約しなければならない。
その場にしゃがみ込み、足元に落ちている使い魔を拾い上げる。
冷たかった。軽かった。小さかった。
手の平にすっぽり納まるそれに杖を当てて、契約の呪文を紡ぐ。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」
周りの目にはこの自分の姿がどう映っているだろう。
「五つの力を司るペンタゴン」
思わず笑いが込み上げてくる。
「この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
唇を落とす。
小さな箱は光に包まれ、やがて何事もなく収束した。
「契約は成功、したのかな? ミス・ヴァリエール、見せてくれないか?」
こちらの差し出されたコルベールの手の平に、ルイズは己の使い魔を乗せる。
コルベールは何度かそれをひっくり返し、顔を近づけ目を細めて難儀そうにじっと眺めた。
「ああ、刻まれているね。小さくてよく見えないが、ルーンはきちんとあるようだ」
そういうと、彼はルイズにそれを返した。
「では春の使い魔召喚の儀はこれで終わりだ。皆、教室に戻るぞ」
コルベールはフライを唱えて飛び立つ。周りの生徒達もそれに続く。
彼らは飛び立つ際に、それぞれ決まり事じみた罵倒をルイズに浴びせて行った。
しかし、ルイズがそれに反応することもなかった。
ルイズは己の手の平に視線を落とし、上手く焦点の合わない目でずっとそれを見つめる。
やがて誰も居なくなった頃、ルイズは強く手を握り締めて歩き出す。
足取りは重い。粘度の高い水の中を進むように、ルイズの歩みは鈍かった。
唇から血が流れていることに気づき、少し舌を出して舐めとる。
苦い味がした。
手の平には、常日頃整えている爪が食い込み、鋭い痛みが走った。
そこからもまた、血が流れ落ちてくる。
しかし、そちらも拭う気は起きず、ルイズは赤い滴を垂らしながら学院の門をくぐった。
彼女の手の平から流れ出した血は、地面と、そして握りしめられている箱に滲みこみ、吸い込まれていった。
その夜、ルイズは明かりも点けずにベッドに座り込んでいた。
窓から差し込む二つの月の光が、手の平の使い魔を照らし出す。
制服も脱がずに、手は膝の上に置き項垂れる。
一時間も二時間も、ルイズは気のない表情で、ずっとそのままの体勢でいた。
もう夜も深く、寮にいる誰もが寝静まっただろう時刻になり、ようやくルイズは顔を上げる。
そして一度手の中の物を強く握りしめ――力の限りを込めて壁に投げつけた。
それは壁にぶつかり小さな高い音を立て、しかし壊れることもなく床に落ちる。
ルイズは肩で息をしながら、有らん限りの憎しみを込めたかのような瞳でしばらくそれを睨みつけると、視線を外し勢いよくベッドに倒れこんだ。
枕を引き裂けそうなほど強く握りしめ、歯軋りをする。
「なん……なのよ……ッ!!」
ルイズの目尻には一粒の涙が浮かんでいた。
なぜ、自分がこのような目に会わなくてはならないのか。
必死に努力をしたはずだ。
勉強は人一倍してきた。何度失敗しようとも魔法の練習も諦めなかった。
普通に魔法を使える同級を、羨みそして妬み。
それでも必死に歯を喰いしばって、けして表には現さないよう我慢し、このときを迎えたはずだ。
使い魔を召喚できれば、何か変わるんじゃないかと。
最後のチャンスのようにすら思って、この時のために努力を重ねてきたはずなのに。
なのになぜ――
溢れる涙は止まらない。
乾きかさぶたができていた唇と手の平からは、また血が流れ出ていた。
やがて。
ルイズは泣きつかれたのか、意識を失うようにそのまま眠りについた。
◇
天……を……し――れ
――を捲き――ねて来た……
昔日――渺と……き野の啼く
遠くサイレンが聞こえる中、女は病に蝕まれた体で、独り倒れ伏していた。
掟を嫌い故郷から逃げだし、華やかな都会に憧れて出てきた。
しかし、そこには女が望んだものなど何もない。
友人も、恋人も。
都会は女が一人で生きて行く環境ではなく、必死に働いたものの食料事情もあって、女は病んだ。
……の時を想え――よ
時は――きて留ま……と能は――なお
『欲しいなあ……欲しいよう……』
女は手を伸ばす。
『きれいな服……おいしい御飯……』
満足に動かぬ体で。
『そして……』
遠く捨ててきたモノに思いを馳せる。
『もう……わたしには……』
しかしそれは女の手に戻ることはない。
侍髪……て長――形の型
――を幾重に……め刻――
いささかの縛りはあったものの、温かいモノに囲まれていた場所から逃げ。
夢を見て未知の都会へと進んだ先には何もなく。
努力の果てに、渇望したモノはいずれも手に入れることもできなかった。
『もうわたしには……これしか――』
奈落の底へと落ちて行く女の手の先には。
一つの小さな、
――より汝――ふの……き箱
以っ……に出――とを……はず
箱。
◇
酷い夢を見ていたように思う。
「気持ち悪い……」
ベッドの上で身を起こしたルイズの目覚めは、お世辞にも良いとは言えないものだった。
背中にはじっとりとした汗が浮かんでいる。少し頭も痛い。
体を見下ろしてみると、皺だらけになった制服が見えた。
顔を顰める。これは後でメイドにでも頼んでおこうと思い、ルイスはベッドから立ち上がった。
しえん
新しい制服に着替え、鏡台に向って髪を整えると、幾分ささくれ立っていた気持ちが和んだ気がする。
しかし、改めて立ち上がったルイズは、視界に入ったものを確認してまた機嫌を損ねた。
床には一つのアクセサリーが落ちていた。
昨日、自分が召喚した使い魔だ。
苛立たしげにそれを睨みつける。
だが少しすると、不意に何かを思いついたように若干表情を明るくさせた。
もしかしたら、このアクセサリーを壊せば再度使い魔の召喚を行えるかもしれない。
サモン・サーヴァントは、自分の使い魔が無事にルーンを刻まれている限り唱えることすらできない。
ならば、そうでなくせばいいのだ。
もしこれが何であれ生き物であれば、気に入らないかといって故意に殺すことなどできない。
しかし、これはあくまで無機物、無生物だ。
壊すことに何ら罪悪感など持つことはない。
ルイズにはそれが妙案のように思え、さっそく行動に移そうと足を振り上げ潰そうとする。
が、しかしルイズは何をするでもなく、足を元の場所に戻した。
額を押さえる。ちくちくと頭が痛んだ。
ぐるぐると体内で何かが動いている気がした。
『消……たく、ねえ……』
壊すのは駄目だ。再召喚が必ず成功するという自信はルイズにはない。
気概はある。しかし、今まで成功させた経験など、昨日の二つしかないルイズには確信を持ちようがない。
再召喚を認められたとしても、もし失敗するれば待っているのは留年だ。
それはプライドの高いルイズには認められものではない。
何より、実家に泥を塗るような真似は出来るはずもない。もしも留年なんてことになったら、両親や二人の姉に何と詫びればいいのだろう。
拾い上げ考える。
なぜこんなことで悩まなければならないのだろうか、と。
もし、優秀な姉の一欠けらでも、自分に魔法の才能さえあれば、と思わずにはいられない。
何度欲しいと願ったか。何度羨ましいと思ったか。
なぜ自分にはないのだと――呪ったか。
「ルイズ、起きてるの?」
扉のノックとともにそんな声が聞こえ、ルイズは我に返る。
「ルーイーズー? まだ寝てるのー?」
この声はおそらく隣室のキュルケのものだろう。
時計を見てみると、すでに朝食の時間も始まろうかという時刻だった。
「ルーイズ! 入っちゃうわよ、いいの?」
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」
ガチャガチャとノブが回される音を聞き、ルイズは慌て気味に扉に駆け寄る。
とりあえず使い魔の件は保留だと、咄嗟にポケットに突っ込んでおく。
鍵を開け扉を押すと、やはりそこには浅黒い肌に赤い髪をしたキュルケが、相変わらず露出の多い服装で立っていた。
「はあーい、おはようルイズ。あいかわらず寝ぼすけねえ」
「うっさいわね」
「あら、随分なごあいさつ。ヴァリエールのご令嬢は朝のあいさつもできないのかしら?」
うっすらと笑いながら、キュルケはルイズを見下ろしてそう言った。
解りやすい挑発に、しかしルイズは理解していても頭に血が昇る。
「お、おはようキュルケ。あいかわらずケバケバしいわね」
つい怒鳴りそうになるのを堪え、ルイズは何とか嫌味らしい言葉を添えてあいさつをした。
しかし、キュルケは特に気にした様子もなく薄ら笑いを浮かべたまま、何かを探すように辺りを見回す。
「何よ?」
「ルイズ、あなた使い魔はどこにやったの?」
その言葉に、ルイズは口の中で小さく舌打ちをした。
相も変わらず嫌な女だ。一番聞かれたくないことを聞いてくる。
「別にどうだっていいでしょ。どいてくれない? そんなところに突っ立たれたら邪魔でしょうがないわ」
「ちょっ……んもう、なにするのよ」
無理やり体を押しのけると、キュルケは抗議の声を上げた。
それをシカトして食堂に向かおうと廊下に出ると、キュルケの体の後ろから出てきた何かが視界に入る。
大きい、虎ほどもある、赤い鱗を纏った生物。
「サラマンダー……?」
「そうよ、わたしの使い魔。フレイムっていうの、いいでしょ?」
キュルケがフレイムの背を撫でながら嬉しそうな声を上げる。
喜んでいるのだろう。本当に嬉しいのだろう。
――それが酷く妬ましかった。
「そりゃよかったわね」
「間違いなく火竜山脈のサラマンダーよ? ブランドものよ?」
「そうね」
「好事家に見せたら値段なんかつかないわよ?」
「そうでしょうね」
「……何よ、つまらないわね」
ルイズが意識して気のない返事をしていると、キュルケも興を殺がれたのか、気が抜けた表情になると踵を返す。
「先行ってるわよ。寝ボケてないなら、あなたもさっさと行きなさい」
軽く手を振りながら、キュルケはフレイムを引きつれて離れて行く。
ルイズはその後姿を見つめていた。
キュルケ。
ルイズの実家のラ・ヴァリエール公爵家と張り合えるほどの大家、ゲルマニアはツェルプトー家の生まれ。
彼女自身も魔法の才能に恵まれ、若干十八にして既にトライアングルメイジ。
社交的で誰にだって物怖じしない、自身に満ち溢れた性格。
自分にないものを沢山持っている。
それが酷く癇に障って、その想いが煩わしくて、だけど――確かな妬みもあって。
「わたしにもあったなら……」
言ってから、らしくないとルイズは頭を振った。
負けを認めたような発言。普段なら意地でも口にしない言葉だ。
やはり夢見が悪かったせいか、どうにも調子がおかしい。
朝食が終わっても戻らなかったら、今日は休ませてもらうことにしよう。
そう考えルイズは食堂に足を向ける。
頭の中で何かが囁いている気がした。
----
以上で一話終了です。
恵美先生のイヤリングinお外堂さん(死にかけ)みたいな感じです。
お付き合いありがとうございました。
GJ。
このままどういう展開になるのか…楽しみにさせてもらうんだぜ!
おげどう様キタ―――!!
死にかけってことは潮&とらコンビに敗北して、設楽の御外堂さんに殺られかけた状態からの召喚?
ああ、あの妖怪か
「ルイズ」と「お外道さん」ッ! この世にこれほど相性のいいものがあるだろうかッ!?
まさに外道ですね、分かります
こんな事書くとヘイター扱いされそうだけど
ルイズは変に美化・魔改造強化されるより暗黒面に落ちるほうがらしいと思うので期待
つーかこの手の、憎しみやコンプレックスを利用したり増大させて力にするような存在と
虚無関係の連中(除くテファ)関わらせると大抵暗黒面に落ちるな
とりあえず乙。
暗黒面に堕ちて行くのは結構いいかも解らんね。
たとえば、ゾンダー化していくルイズもなかなかいけるかも
乙です。
暗黒面はまだいいんだ...韓国面にさえ堕ちなければ...
ツェルプストー家に謝罪と賠償を要求するルイズ。
そこで街の七曜会から日曜日や正志の出番ですよ
いつしか脅迫の快感に目覚めてギーシュをはじめアンリエッタやモット等をハルケ版七曜会へと引きずり込んでいくルイズとか
>>576 アレの脅迫ネタは物凄く下らないものから物凄くヘビーなものまでかなり差があるぞww
やはりそんな不安定な系統の魔法を使う方々は気をコントロールして舞空術を覚えられないな
お外道さん……しかも、真っ黒なまでに欲に染まったあの先生のお外道さん……そして特に強い劣等感に苛まれている使い魔召喚直後のルイズ……なんという愛称の良さッ!
これは期待感からGJと言わざるを得ないっ!
休みで暇だから投下してみる。
ゲームジャンル アクションボードカードゲーム
R40
より償還します。
主人公の名前 プーデリア・あれクサイ
主人公の外見 えなり
主人公の趣味 オナ禁
主人公が冒険に出たきっかけ・理由 どんな二次元エロ画像を見てもレイプ目でないと抜けない、という呪いをかけられてしまったため。
主人公の年齢 ひ・み・つ
主人公の性別 心は女
主人公の本当の性別 明かすと殺される
主人公の必殺技 土下座
主人公の決め台詞 突く突く奉仕!突く突く奉仕!とっても良いよぉ!とっても良いよぉ!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!
夏だな
夏か、去年までは夏といえば幽霊、幽霊といえばタバサということで盛り上がれてたんだが、設定改悪がうらめしい。
逆に考えるんだ。
本当は苦手ではないタバサが苦手な振りをしていて、
本当に本物の幽霊に遭遇して、本気で苦手になってしまう話を書けばいいと。
そう考えるんだ!
幽霊が苦手といえば・・・先週40周年で復活したゲューの後藤紅男でも・・・
身体能力は元から凄い、そして人情派の人格者
わりと・・・よくね?
幽霊か、じゃあ霊験あらたかな将門公か崇徳上皇を・・・・
誰か書いてみてくれ、俺はさすがに怖くて書けん
>>576 街とのクロスはボクも是非読んでみたいノデ
今タバ冒3確認してみたけど、『昔は幽霊怖かったけど今は怖くなくなった』って言っても、その理由が明言されてないんだよな。
もし幽霊が怖くなくなった理由が、『幽霊なんているわけない』って意味だったら……
>>587 将門公の文字が改行で割れたらどうなることか…
>>584 幽霊は苦手だが、存在しないと理解してるから怖くない
的な感じじゃなかった?
あと俺も幽霊怖い。物理攻撃きかないから。
ベーダー卿を召喚。ただし『ナイトミュージアム2』の。
スミソニアンで何やってんだベーダー卿、エンタープライズ号と宇宙の覇権でも争ってるのかベーダー卿。
つまり、幽霊はいると判明するようなのを召喚すれば、幽霊が怖いタバサが帰ってくるんだな。
自由人HEROから忍を召喚して一万年くらい、こっくりさんをやってもらえば。
>>593 俺はそう信じている、
だから鬼太郎とかぬ〜べ〜とか耳雄とか
その他ネクロマンサーな方々とか呼ばれる日を祈っている。
>>594 シャーマンキングの面々がいい例だな。
ファウストなんかが一番わかりやすいな。
動く骸骨とか失神以外のオチが思い浮かばない。
スレチになっちまうが
ジョジョのプロシュート兄貴のグレイトフルデッドならビビるだろうな
>>591 ロードオブザリング王の帰還の幽霊軍団喚んだらタバサ気絶しそうだな。
物理攻撃効かないし動き早いし数も半端無いから小ネタにしかならなそうだが。
>>593 たしか幽霊といったら孫悟空が召喚されてなかったか。
ゼロ魔世界に幽霊が実在すると仮定して――幽霊はいないから平気だと主張しているとして――それでも本当に出会ったらパニックを起こすだろうなぁ。
……特にルイズはハプニングに弱いし。
夢を見続けることが俺のファンタジー
信じる奴がジャスティス
俺の妄想はフリーダム
>>596 スタンドが見える見えないって書く人によって変わるよな。
完結した承太郎のはメイジなら見える設定だけど
ホル・ホースのは見えないから不意打ちできる、などもある。
>>594 怪異いかさま博覧邸とクロスした場合榊を読んだら便利アイテム小袖の手と
萌え九十九神軍団とヤタとか出て来るがそれでもビビルんだろうか?
なんとなく榊の眼鏡を付けて見た途端(変化した)眼鏡蛇に巻き付かれて困惑するタバサとかが脳裏に浮かんだ
ブラックマトリクスからのキャラを召喚したらハルケは天国に見えるだろうな
向こうじゃ人を愛するだけで大罪になるし
>>594 ぬ〜べ〜呼んじゃったらお話の都合的に
その日から霊障に悩まされる生徒とかが続出するなw
貴族を恨んで死んだ平民の怨霊なんてのもあの辺だと普通にワンサカいそう。
>>605 こんな悪人だれけの世界にいられるか。
私は、元の世界に帰らせてもらうぞ。
思ったんだか幽霊キャラ喚んだ場合は再召喚をする為の
使い魔の死ってのは成仏する事で合ってるんだろうか?
>>608 >幽霊キャラが成仏
即座に、「天国にて割腹!」を思い出してしまったorz
虚無と賢女に期待
「やれやれ、やっと生き返ったと思ったら異世界とはね。
てっきり舞台演劇の類かと思ったがそうでは無い様だな」
「なんなのアンタは。私はドラゴンとかグリフォンとかを呼びたかったのに
なんであんたみたいな平民が私の使い魔なワケ!?」
「オレが気に入らないのかい?
だったら早いとここの使い魔の契約って奴を解いてオレを元の世界へ
返して欲しいんだがな」
「ムリよ。契約は使い魔が死ぬまで解かれはしないし送り返す方法なんて聞いた事も無いわ。」
「…随分と一方的なんだな。本当に死ななきゃ解除出来ないのかい?」
「えぇ、そう、ムリ!ムリなの!!そんな方法あるならとっくの昔にやってるわ!
私だってあんたみたいな平民の使い魔なんてまっぴらごm」
ターン
:y=-( ゚д゚)・∵;;
「( д) ゚ ゚」
「……変な模様が消えないな。
やれやれ。『死ねない』から解除も出来ないって事なのか。
ん?どうした、ルイズのお嬢ちゃん…なんだ気絶しちまったのか」
『ジャイアントロボ』より
国際警察機構エキスパート『不死身の村雨』を召喚
いきなりwwwww
あの人は不死身であることを証明する方法、もっと軽いのにしたほうが言いと思うんだw
ジャイアントロボ系は誰呼んでも無双になりそうだなー
大作くん単体なら無双にはならないぞ
十傑衆・九大天王クラスじゃなきゃトライアングル・スクウェアとそんなに差はないだろう
全長数十mのガーゴイルとか石造りのゴーレム相手に鉄牛とかが太刀打ちできるとは思えん
>>615 ガンダールブの能力を発揮して先に異世界に送られた巨大ロボを操るのか
だとするとシエスタの村の遺品はロプロスかな
でもそうなるとフーケはロボット戦になっちまうしデル公も必要ねーな
くろがね五人衆を召喚してもさすがに無双にはならないか
タバサの弱点が論理的に説明できないものなら、ウルトラマンガイアからガンQを呼んだら一切の分析ができないからパニックになるかもな。
なにせ呪いから生まれた代物だから行動原理以外分からないし、あの我夢が我を失ったほどの不条理の塊だ。
特に吸収しての精神攻撃はタバサには効くだろう。で、これを機会にお化け怖いになってくれたらもうけもの。
>>615 大作君は生身なのにロボの取っ手に詰まるだけで地球のどこへでも飛んで行くんだぞ。
人間の体力じゃねえよ。
大塚署長だとどうかな。やはりかつ丼でフーケとかワルドとか自白させちゃうんだろうか。
>幽霊キャラが成仏
主人公「幽霊が殺されたらどうなるんだ?」
ビートルジュース「ンな事知るかァ! 丹波に聞け丹波に!」
サトシ「いけっ!ゴースト!」
ゴースト「ゴースト!」
タバサの目の前が真っ暗になった・・・
ゴースト所有時だとまだトレーナースキルの低いサトシ君を呼ぶハメになるぞ
ゲートからゴーストX-9が超音速で飛び出してくるとな?
「足洗邸の住人達」の味野さん召喚したら
まぁ味野さんはタバサに懐くだろうが、タバサは・・・
てか前にも同じこと言った?
味野さんみたいな人骨丸出しはタバサじゃなくてもきついだろう……
それは別にして足洗邸の登場人物を召喚ってのは呼んでみたいな。
ゴーストよりYF-25プロフェシーをだな
設定がはっきりしてない?
d
VF-1以降の可変戦闘機なら燃料はいらんからメンテと武装の問題だけになるんだけどなぁ
>>628 魅力的なキャラが多い行けど扱いにくそうだな。
福太郎召喚とか考えた事はあるけど。書く気が無いです。
でも福太郎本人の言った、自分が伝説の再来だとしても逃げます。はネタとしておいしすぎる。
むしろ、ジョゼフの召喚魔法が『大召喚』に繋がって、ハルケギニアが他の世界と混ざり合ったら……殆どオリか
>>627 クロノス=クロノス時の教授がタバサママンの時間巻き戻して呪い受ける前の状態にするってアリなんだろうか……?
.....アリなら親子丼ルートもゲフンゲフン
>631
オーガスですね、わかります
ルイズが神様を召還
ただし、 天 乃 滅 日 乃 命 を
召還当時のコンプレックスの塊なルイズには相性が良さそう
堕辰子みたいに呼んだら更に別のモノ(赤い水とか)を呼んで世界ごと変えてしまう(異界に飲みこむ)
そんな性能を持ったキャラを呼んでしまえばいいんだよ
>>629 AVFなら、ピンポイントバリアパンチで武装もかなり補えるぜ。
エイジス・フォッカー……呼びたいなぁ……
ナゼだ、マクロスシリーズのパイロット+愛機より
熱気バサラ単体の方が絶対凶悪だと思ってしまう。
マクロスUの存在も以外と…
一条輝を呼んだら
おマチさんやエレ姉様をおばさん呼ばわりして顰蹙買いそうな気がしてくる
玉兎召喚…
そしてエロ小説のネタにされる学院の面々w
義鷹召喚…
義鷹が従う図が浮かばないw下手すると食われるかも?
メフィスト召喚…
そしてハルキゲニアにされるルイズ
こま召喚…
この中では一番の当たりと思われ。たぶん亜人扱いされるし。
時計男は
まず召喚・契約が一方的すぎてブチギレ。
つかあの人の妖精魔法(?)はある意味先住の魔法に近いのか?
義鷹はルーンの刻まれた手を切り離して・・・いやいやいや
マサライとか神の盾というより、盾の精霊(神?)じゃん。
ビダーシャルと対面させてぇ!!
>>629 そのメンテが鬼門だよ
基本的に乗り物ってのは部品は摩耗するし歪みだって起これば
錆止めも頻繁にしなきゃならず特殊な工具も山程居る
専用の施設もいる
固定化掛けても減る物は減る
ってくらい真面目に考えると大変なので、アラブの石油王が使うリムジンみたいに
乗り潰す事が前提になるか、コッパゲに練金地獄に遭って頂くか
うおぉぉぉ、メイジよハルゲニアよ俺の歌をきけぇー
何気に小ネタでバサラは召喚済み
>>595 ファウストとエリザはあの後子供を「作った」らしいぞ。
>>610 いらん
マクロスならパイロットよりも歌姫じゃ(ry
ふむ、とりあえず歌エネルギーの出力がミンメイやバサラ以上ならアンドバリの指輪の効果を打ち消すぐらいは出来そうだな。
歌姫と聞くと某ピンクの人を思い出しますね(滝汗)
>>649 アニマスピリチアを上回る歌エネルギーなんてマクロス世界にゃ存在しねーよ、多分ww
しかしバサラはともかく、ミンメイの歌にはあんまり歌エネルギーはない気がする。
特に「正史」であるTV版は。
DXのディアボロスを召還
>>647 どうやってだ?と思ったが巫力だのオーバーソウルだの使えばどうって事ないわな
シャーマンすごいですね
>>644 剛田武召喚ですね、わかります
彼の歌なら七万が十万であっても単身圧倒できそう
広場に集まった野次馬とギーシュの前でジャイアンリサイタルか
>654
むしろカウンターの契約した精霊その物をノックアウトできかねん
魔界の魔獣も一撃ノックアウトだしセイレーンの歌声圧倒してかき消すしな
ジャイアンすげえwww
戦闘経験豊富だしな
>642
まして戦闘するとなれば一回動かす度に点検が要るしね
ところでシアースってメンテ必要だったっけ
魔神のマイクを装備したジャイアンは敵全体に50ポイントものダメージを与える。
バサラはどうなんだろう。メルトランディには絶大なナンパ攻撃になったけど。
他は熱血高揚でしかないんだよね。だとすると男主体のハルケじゃ効果薄い?
シェリルだと完全にルイズとかぶるな。しかもボディがとってもせくしーだから
ルイズの上位互換になる。戦闘は、ヴァジュラの一匹も召還すれば圧勝だし。
ヴァジュラを呼ぶ点ではランカも同じか。しかし貧乳コンプレックスでいいコンビになりそう。
>>642 安心しろ、次世代機=VF17以降のメンテナンス性はものすごくいいぞ。
そもそもVF1からしてろくなメンテナンスもせず数週間使い続けて問題なく、
海面すれすれのホバー移動〜海に漬けとく状態で待機するのも可能だ。
プロトカルチャー技術は基本的にメンテナンスフリーで、
その技術を取り込みつつあるからメンテナンス性がいいんだ。
大型戦艦ともなると10万年もメンテナンスフリーで動いたりする。
>661
お陰でゼントランはメンテという概念が無かったりする
そういえばカウンターってどの程度の攻撃を防げるのだろうか
術者の力量や精霊の数によっても違うのだろうがアハト・アハトは防げなかった
虚無の「エクスプローション」は防げないのだろうか
呪術の類とか(呪術なんてモンがハルケギニアにあれば、の話だが)
ヘッドライナーの「光速の剣」とか・・・・・・
>>663 毒爪の使い魔…微量の毒を少しずつ空気中に散布してビダーシャルに吸わせる
削除された男塾召喚の話…富樫が自分の腹に刀を突き刺して
ビダーシャルを攻撃する事でカウンターを発生させない
ここに投稿されたSSでは間接的な攻撃は大方防げないという見解で一致しているな。
665 :
代理希望者:2009/08/12(水) 11:39:36 ID:M6isrh13
この先、特に予定等がありませんでしたら、舵輪(ヘルム)”の使い魔の代理投下を開始したいのですがよろしいでしょうか?
問題ありませんでしたら10分後に開始します。
第7話 『伝承』
「諸君!決闘だ!」
ギーシュは薔薇の造花を掲げ、高らかに謳う。
ヴェストリの広場にギーシュの友人達と食堂に居た野次馬、さらに噂を聞きつけた生徒で溢れ、歓声が巻き起こった。
ギーシュは手を振って歓声に応え、ミュズの方を向いて冷ややかに仕置きの開始を告げる。
「さてと、では始めるか」
ミュズが目を見開いて周囲の様子を見ていると、ギーシュは薔薇の造花を振り、花弁を一枚、宙に放った。
ミュズがひらりと舞うそれを目で追うと、地面に着いた途端、甲冑を着た女戦士の人形となった。
硬い金属製の肌を淡い陽光で煌めかせ、人間大のそれは小さなミュズの前に立ちはだかった。
「言い忘れてたな。僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュだ。従って、青銅のゴーレム『ワルキューレ』がお相手するよ」
立ち遅れたルイズが人込みの中から飛び出すと、ギーシュのワルキューレが右腕を振り上げて、ミュズに向かって突進していた。
ヴェストリの広場に来るまでルイズは、決闘は禁止だと怒鳴りつけて止めさせようと思っていたが、もう間に合わない。
振り下ろされた拳に、ルイズはミュズが殴り飛ばされるのを想像して目を両手で覆った。
予想していた鈍い衝突音やミュズの悲鳴がルイズの耳に届かず、虚空を削いだ風切り音が聞こえた。
既の事に当たらなかったのを、ギーシュは内心で歯噛みしつつも余裕の態度をした。
「おやおや、避けるとは思わなかったな……手加減が過ぎたかな?」
ギーシュが指示を出すと、ワルキューレが間合いを詰め、両腕をぶんぶんと振り回した。
その青銅で出来た腕を間一髪でミュズは避け続けた。
ルイズはその光景をひやひやと見つめながら、昨晩、ミュズが『ぼく単体でも、十分に戦えます!』と言ったのを思い出していた。
「ええい、ちょこまかとっ!」
一発も当たらない事に焦れたギーシュは声を上げ、造花の薔薇を振るい、二体目のワルキューレを出現させた。
二体に増えたワルキューレの手を機敏にかわしながら、ミュズは瞳にチカチカと光を走らせてワルキューレを観察した。
表面は青銅の割合が大きいが、質量の大半を土や石が占めているのを優れた感覚で捉えた。
関節部分はそれらの粒が念力で纏められていて、身体の芯が中空である事を感知した。
二体のワルキューレでもひょいひょいと動くミュズに触れられず、ズルズルと三体目、四体目のワルキューレをギーシュは造り出していた。
挟撃・時間差・フェイントのコンビネーションを使い、考えを攻撃から捕獲に変えて、やっとワルキューレがミュズの手首を掴んだ。
しかし、そのワルキューレの手もミュズが振り払うと、スルリと外れてしまった。
その様子にギーシュは驚き、額に冷や汗が伝った。
大の大人でも悲鳴を上げる位に力を込めて、腕を折るつもりで捩上げた筈なのに、それをミュズは易々と振り払ってしまったのだ。
カウンター返し
ヴェストリの広場の隅に、キュルケとその友人である眼鏡を掛けた青い髪の少女が居た。
「まったく…。小さなミュズちゃん相手にゴーレムを四体も出すなんて、ギーシュも大人げないと思わない、タバサ?」
キュルケはギーシュの行動に呆れながら友人のタバサに同意を求め、ミュズを心配する言葉が口から出る。
「大きい怪我にならない内に終わるといいけど――」
「大丈夫」
「えっ、ほんと?」
いつも冷静なタバサの一言にキュルケは驚いた。
「息が乱れていない。それに……」
タバサはヴェストリの広場にできたリングの一カ所を指差した。そこには周りの小石とは違った光沢を放つ物が見える。
「あれって…。もしかして、ギーシュのゴーレムの指!?」
キュルケの言葉に首肯して、タバサは囁く。「まだ、力を隠している」
タバサはミュズがワルキューレの手を振り払った瞬間、青銅で出来た指が折れて地面に転がるのをその青い瞳で捉えていたのだ。
「でも、ミュズちゃんが攻撃しないのが気になるわね?」
キュルケの疑問にタバサもコクリと頷いた。
ギーシュは引き攣った顔でミュズを見据えながら、五体目のワルキューレを出現させた。
ギーシュは五体のワルキューレにミュズを取り囲ませると、一斉に躍りかかる様に指示を出した。
ミュズはわらわらと襲い掛かるワルキューレ達を捌き切れず、背後から足元に飛び掛かったのを皮切りにワルキューレ達に捕まってしまった。
両腕に一体づつ両脚に一体づつの計四体で、ミュズをがっちりと抑え込み、残りの一体が眼前に立ち塞がった。
「ちょこまかと逃げ回るから、手間取ってしまったじゃないか?」
ギーシュは薄く笑みを浮かべながらそう言うと、ワルキューレはミュズにびんびんと往復ビンタをした。
「どうだい?この全て青銅で形作られたゴーレム、ワルキューレは?」
ミュズは両頬が赤くなった顔をギーシュに向けて、あっさりと答える。
「全て青銅じゃないです。中はからっぽで、隙間だらけです」
ギーシュの顔から笑みが消えた。
先程まで往復ビンタをしていたワルキューレが、ミュズと距離を取ると助走を付けてタックルをぶちかました。
>>623-624 遅レスだが、ゴースト呼ぶなら『電撃!ピカチュウ』からブラックフォッグ呼ぼうぜ
ジムリーダーであるナツメをあっさり倒す実力の持ち主だから超当たりだぜ!
間違いなく言うこと聞いてくれないだろうけど
おおっと、すまん
支援だ
モロに頭にぶつかってゴォンと重く鈍い音を立て、ミュズの手足を掴んだワルキューレの縛めが外れ、ミュズは勢い良く吹っ飛んだ。
「ミュズ!!」
吹っ飛ばされたミュズを見て、ルイズは悲鳴の様な声で名前を呼んだ。
地面に倒れたミュズに駆け寄ると、ルイズは鳶色の瞳を潤ませて心配そうに見つめた。
「あっ。初めて名前で呼ばれました」
ミュズは、立ち上がりながら緊張感の無い声を上げて、ルイズに向かって微笑んだ。
「寝てなさいよ!バカ!どうして立つのよ!」
ルイズは立ち上がったミュズの肩を掴んで大きな声で叫ぶ。
そんな二人に、ギーシュの声が飛んだ。
「終わりかい?」
「まだ、大丈夫です」
ミュズは肩をぐるぐると回しながら、ギーシュに答えた。
ギーシュは口角をひくりと釣り上げた。
そして、造花の薔薇を振った。一枚の花びらがミュズの前に落ちると、花びらを核に地面が盛り上がり、長く鋭い形に変化していった。
「君。これ以上続ける気があるなら、その剣を取りたまえ。
そうじゃなかったら、一言こう言いたまえ。ごめんなさい、とな。それで手打ちにしようじゃないか」
――それは、剣と言うには余りに大き過ぎた。大きく、分厚く、重く。そして、大雑把過ぎた。それは正にてっ……青銅塊だった。――
「ふざけないで!」
見た目だけであれば、それは鍔の無い両刃のブロードソードと言った雰囲気であるが、サイズが桁外れなのだ。
オーク鬼やトロール鬼が持つなら分かるが、人間の、特にミュズの様な小さな女の子が扱える物では無い。
ルイズは無茶苦茶な事を言ったギーシュに怒鳴った。
しかし、ギーシュは悪びれる様子もなく、言葉を続けた。
「わかるか?剣だ。つまり『武器』だ。
平民共が、せめてメイジに一矢報いようと磨いた牙さ。未だやる気があるなら、その剣を取りたまえ」
ミュズはその大剣に、そろそろと左手を伸ばす。
その左手が、ルイズによって止められる。
「だめ!絶対、だめなんだから!それを握ったら、ギーシュは容赦しないわ!」
ルイズの制止が効かず、ミュズの掌がその分厚い刀身に触れた。
ミュズの左手に刻まれたルーン文字が光りだし、頭に使い方の情報が流れ込み、ミュズはハッとなり左手を引っ込ませてその甲を見つめた。
ミュズは頭に流れ込んだ情報を咀嚼し、左手をぎゅっと握り締めると、ルイズに真剣な眼差しでミュズは申し出る。
「マスター、これの意味が分かりました。これを使ってみたいです。」
ルイズは大剣に触れたと思ったら、手を引っ込めて上の空のミュズがこれまで無い位に強くお願いをしてきたのに驚いた。
そして、ルイズの脳裏でシエスタに食堂で言われてから考えた、主としてミュズを信じる思いが浮かび上がった。
「分かったわ……。戦えるって言っていたものね。でも、ゴーレムの攻撃を受けたら止めに入るんだからね!」
ルイズは諦め気味に大剣を取るのを認めつつ、口喧しく注意をした。
「はい」
ミュズはシャンと背を伸ばして答えると、地面から生えた大剣の柄に手を伸ばした。
所変わって、ここは学院長室。
コルベールは使い魔召喚の際に、ルイズが少女と黒い甲殻の韻竜を呼び出し、韻竜が溶けて死に少女と『契約』を行った始終を、オスマンに説明した。
その証明として現れたルーンが死んだ韻竜と共に気になり、一晩中掛けて調べた結果、始祖プリミルの使い魔『ガンダールヴ』に辿り着いたのだった。
オスマンは、ミュズを伝説の使い魔の再来とまくし立てるコルベールに、結論を出すには気が早いと諌めた。
そこにドアをノックする音が響き、扉の向こうからロングビルによって、ヴェストリの広場で決闘騒ぎが起きたと言う報告が齎された。
しかも貴族であるギーシュの決闘相手が、今まで話題にしていたミュズだと言うのだ。
オスマンとコルベールはハッと顔を見合わせた。
決闘を止める為に『眠りの鐘』の使用許可が教師達から上がっているのを、ロングビルはオスマンに伝えるが、必要無いと放任する様に突撥ねた。
ロングビルが了解して去って行くとコルベールは決闘の様子を見る様に促し、オスマンは杖を振るって壁掛けの大鏡にヴェストリの広場を映し出した。
ミュズは大剣の柄に手を伸ばした……が、見えているだけでもミュズの身長より大きい刀身のせいでその柄を掴む事が出来なかった。
ルイズは格好良く決めたつもりだったのに、んしょんしょと全身を伸ばして柄を掴もうとしているミュズの姿にズッコケてしまった。
「何やってるのよ?こう言うのは、こうやって――」
うろちょろするミュズを後ろに下がらせ、ルイズは剣とは思えない青銅塊の前に立ち、その鎬と思われる所に前蹴りをかました。
足の裏から骨を通して全身が痺れるが、大剣はびくともしなかった。
それでも気にせず、ゲシゲシと何度も蹴り続けると、僅かに傾いた。
「――傾ければ……、良いのよ……!」
ルイズは「はあはあ、ふうふう」と肩で息をしながら、体をだらりとさせて威厳もへったくれも無い姿で、柄を掴む方法を教えた。
見様見真似でミュズが行うと、一蹴り目で大剣が30度ほど傾き、更に勢い良く踏み降ろした二蹴り目でゴギンと音立てて倒れ、地面にメリ込んだ。
ミュズは柄を拾い上げ、ギザギザの切っ先を下に大剣を斜に構え、片手で横に薙ぎ払った。
その一降りで長い剣の間合いにいたワルキューレを2体、ガギギンと真っ二つに断ち切ってしまったのだ。
ギーシュはその光景に面食い慌ててふためき、急いで呪文を唱え造花の薔薇を振った。
六体目のワルキューレとギーシュが一度に生成出来る最大限の数である七体目のワルキューレを己の前に立たせた。
ギーシュはグラリと風景が揺れる様な目眩を感じた。
平民の兵士と変わらぬスピードで動く四体ものワルキューレ達を、機敏な動きでかわす。
青銅製のワルキューレの勢いを付けた体当たりをくらっても、ケロリと立ち上がる。
我ながら青銅塊と思う剣を片手で、目で追う事が適わぬ速度で振るい、ワルキューレを粘土の様に切り裂く。
あの少女は本当に見た目通り、平民の小娘なのだろうか?
ワルキューレを通して間接的に掴んだりぶつかったりした時の感触が、岩や鉄のそれなのだ。
以前にワルキューレとは呼べぬ8体目の青銅塊のゴーレムを作った時の様な、精神の倦怠感が纏わり付く。
そう考えている内に、足止めのつもりで作った大剣でワルキューレを切り捨てながら、少女が疾風の様に素早く近づいて来た。
応戦しようと残ったワルキューレ達の手に、剣より間合いの長い鎗を錬金して持たせると、視界が暗くなり膝が崩れた。
地面が近付くのを感じながら、ギーシュは青銅塊の剣で精神力を大量に消費していた事に、薄れゆく意識の中でやっと気が付いたのだった。
「白じゃな」
『遠見の鏡』でヴェストリの広場での決闘の一部始終を見終えたオスマンが、開口一番に呟く。
「は?『あの少女がガンダールヴか?』と言う疑いに関しては黒だと思いますが……」
「何故、しましまじゃないのかのぉ?」
その二言目でハタと気が付いたコルベールは、オスマンに犯罪者を見る様な軽蔑した視線を刺す。
「オールド・オスマン」彼が炎の使い手である事を忘れそうな程、冷え冷えとした声が学院長室に響いた。
「カーッ!それが目上の者に向かってする態度かーッ!」
オスマンは目を剥いて怒鳴った。年寄りとは思えない迫力だった。
「それにしても、無闇矢鱈に魔法を使って気絶してしまうとは、凡戦以下じゃの」
オスマンは真面目な顔で話しを逸らした。
「それ程までにあの少女の力に追い込まれたのでしょう。ギーシュはドットメイジですが、それでも只の平民に後れをとるとは思えません」
オスマンの誤魔化しに敢えて乗って、コルベールは話しを繋げた。
「あの身かわしと剣捌き!あんな平民、見た事無い!やはり、彼女は『ガンダールヴ』!
オールド・オスマン。早速、王室に報告して、指示を仰がない事には……」
コルベールは興奮した調子でまくし立てた。
「それには及ばん。それに黒い甲殻の韻竜の事もある。お主の事だから、そちらも調べてあるのじゃろ?」
オスマンはコルベールに、もう一つの謎である『黒い甲殻の韻竜』について調べた結果を報告する様に促した。
「はあ。そちらについては、やはり幻獣に関する書物には載っていませんでした。伝承に幾つか有りましたが……」
「うむ、それがどうしたのかね?」
先程からの勢いが一気にトーンダウンしたコルベールの言葉に、オスマンは相槌を打った。
「『昔々』や『数千年前』と言った時代に現れ、『国を滅ぼした』とか『サハラを沙漠に変えた』とか『野蛮な亜人を殖やした』とか悪い行いをしたそうです。
そして、『始祖ブリミル』か『イーヴァルディの勇者』か『大いなる意思の下に集った戦士達』かによって討ち倒されたとされています」
「うむ。伝承と言うよりも、お伽話の様じゃの」
「ええ、生徒が閲覧可能な書架の『お伽話』が書かれている本の中に有りました。
『フェニアのライブラリー』の歴史書にはその様な記述は無く、想像上の生物が存在したとしか考えられません」
「偽物、作り物と言う可能性は無いのかね?」
オスマンは重々しい雰囲気のコルベールに問い質した。
「召喚に立ち会った生徒達は、見世物小屋から持って来たハリボテのドラゴンだと口々に言っていました。
しかし、不可解な点が多い言動や死に様でしたが、作り物ではありえない生々しさが有りました」
重ねてオスマンは尋ねる。
「お主は韻竜のその不可解な言動を見聞きして、どう感じたかね?」
「不可解としか言えません。ただ、その雰囲気が……」
コルベールは言い淀むと、表情が陰り、悲痛な空気を漂わせた。
「実験小隊……かの?」
オスマンはコルベールを気遣う様に言った。
「ええ。あの小隊に所属する幾人かの者の様な、焼尽や破壊に魅入られた雰囲気がありました。それに……」
また、コルベールは言い淀むと、今度は顔を赤らめて恥ずかしがった。
オスマンは気持ちの悪い物を見た顔をして、コルベールに聞き直す。
「どうしたのかね、コルベール君?」
「何と言いますか……。私の様に寝食や、時に社会の常識すら蔑ろにして、興味や知識を満たす様な気配がありました。」
「うむ。狂戦士にして狂科学者の、想像上の悪いドラゴンと言った所かの?生きておったら厄介な存在じゃ」
「そうですね……」
相槌を打ったコルベールに、オスマンは真剣な顔で言い渡す。
「兎に角、王宮のボンクラ共にそんな曰く付きの韻竜と一緒に召喚された『ガンダールヴ』を渡す訳にはいくまい。
宮廷で暇を持て余している連中に与えてしまっては、またぞろ戦でも引き起こすじゃろうて」
「ははあ。学院長の深謀には恐れ入ります」
「この件は私が預かる。他言は無用じゃ。ミスタ・コルベール」
「は、はい!かしこまりました!」
オスマンは杖を握ると窓際へと向かった。死んでしまった韻竜の言葉に想いを馳せる。
「”宇宙の全ての神秘と真実”か……。一体、どの様なものなのだろうなあ」
コルベールは夢見る様に言う。
「”黄金の船”ネクシート号に乗り、”黄金の地図”ネクストシートを元に探すのでしょうから……」
「ふむ」
「さしずめ、黄金の装丁がされた古文書と言う所でしょうか?」
「その程度の物だとと良いのじゃがな」
想いを馳せる中で、何故か60年前に自らにそして世界中に起きた怪異の事を思い出し、オスマンは呟いた。
以上で、投下終了です。
……原作(ネクストシートの方)の展開がいい意味でヤバいので、多分1巻までやったらお終いしそうです。
いや、まさか……、ミュズの知っている地球が温暖化で東京が沈没して街を恐竜が闊歩しているとは思いませんでしたよw
P.S.今回の話の中でベルセルクネタを出したのは、ラノベ版マップスで口絵を描いて頂いてる関係だからだ!
乙
>>663 カウンターといえば、遊戯王GXのユベルも厄介な能力持ってるな
相手の攻撃力をライフ(命)へのダメージに直接変換してしまうからビダーシャルより数倍タチが悪い
>>677 ユベルは能力より
ドMでドSでヤンデレでオッドアイで三つ目で僕っ子なあしゅら男爵とか本人がやば過ぎる
どんだけ混ぜるんだよと
>>653 日本昔話の雪女とかをマンキン解釈すれば雪の聖霊が人の子供を産んだ訳で……
ホロホロも頑張ればダムコロロと子供作れるしサっちゃんも千手君と子供出来る
>>660 シェリルならアルトも喚ばんとな
個人的には鳥の人(サラ付き)と半壊したVF-0フェニックス乗ったシンの組み合わせも良いと思うが
>>679 シェリルが歌を歌ってアルトが戦うのか。
歌の力でガンダールヴもパワーアップ。
ヘルムさん乙
公式アンソロジーカラー挿絵のウラケンによるリプミラ号は反則でしたな。
>>678 確かに性格もヤバいが、十代以外の前では結構マトモなんだよな
冷静に利用or排除の対象としか見ていないからなんだろうけど
ご無沙汰していました。魔砲の人です。
どうにか執筆可能になり、こうして続きを短めですがUP出来るようになりました。
あと、ちょっと哀しいですがこんな注意書きが必要になってきたようです。
この話は、13巻の時点までの情報に基づいてプロットが立てられています。
そのため、14巻以降の内容とは、幾つか矛盾する点、表現などがあります。具体的なところでは、
アカデミーは真面目に魔法のことを研究している学術機関です。くだらない宗教関連のことなど殆ど研究されていません。
シャルルは天然いい人です。影でジョゼフを恨んだりしていません。
虚無のスペアはありません。ましてやタバサに姉妹なんかいません。
最近の原作は、末期のジャンプ漫画臭でたまらなくなります。いくらメインテーマがラブコメとはいえ……
作者が悪いのか、編集者が悪いのかは判りませんが。
それでは 13:40より投下開始します。
待ってました!
第26話 祈願
ロマリアを飛び立って二日後。途中再びオルレアン邸で一泊したルイズ達は、何事もなくトリステイン王宮へと到着した。
前回のことがあったためか、ルイズの顔を覚えていた門衛は、ルイズの要求通り直ちに上へのつなぎを取ってくれた。
シルフィードも今回は王宮内の厩舎で、たっぷりとお肉がもらえるのでご満悦である。
但し、タバサから念話で(しゃべったら実験動物として捕まる)と脅されているせいで、いまいち挙動におびえが見えていたりするが。
厩舎の世話係は、「大丈夫。怖がらなくてもいいよ〜」と話しかけてくれるものの、その優しさについ話しかけそうになるのを押さえるのに必死と、あまりにもぐだぐだな悪循環があったりするのだがそれは別の話。
まあタバサが付いていられたので、実際には何も無かったのだが。
そしてルイズとなのはは、再びこの国の三巨頭、マリアンヌ大后、マザリーニ枢機卿、アンリエッタ王女の三人と対面していた。
「ご苦労であったな、ミス・ヴァリエール。して、首尾の方は」
「恐れ多くも、今回の件についての、返答の書状を預かって参りました」
教皇からの手紙を差し出すルイズ。この場ではもっとも上席となるマリアンヌが、丁寧に手紙を開き、内容に目を通す。
その瞬間、思わず体がぐらりとなるが、何とかそれを立て直すと、幾分震える手でその書状をマザリーニに手渡した。
その様子から予測が付いたのか、枢機卿の顔色に変化はない。しかし、読み進めるほどに鋭くなるその瞳が、事態の重さを物語っていた。
「これは……少々掃除を早める必要がありますな」
「どういうことですか?」
ただ一人事情のわからないアンリエッタが、マザリーニに問い掛ける。
「教皇聖下は、アルビオンの戦いに、我々の側の味方として立っていただけるとのことです。それも直接」
「本当ですか! でも……直接?」
喜びを表明したものの、今ひとつうれしくなさそうなマザリーニに、アンリエッタはその原因が『直接』と言うところにありそうだと思い、彼に問い返す。
「ええ……聖下は直接、その御身を持って戦場に立ち、ミス・ヴァリエールの『虚無』が間違いなく正当であり、また、クロムウェルが名乗る虚無が偽りであると、自らの名にかけて示すというのです」
「え……」
さすがにアンリエッタの顔が蒼白になった。それは事実上、聖下ともあろうお方が、戦場の最前線に立つことを意味する。
そうなるとそれを守らねばならないアルビオン=トリステイン同盟軍の責任は重大どころではない。髪の毛一筋の傷でも聖下につけようものなら立場はない。
「それに当たって、準備や時期あわせのため、聖下はお忍びで我が国を訪問するそうです」
とんでもない追い打ちが来た。
お久しぶり支援
「それは……大変な名誉ですね」
そう返すので一杯になっている。
「ええ。まあ、お忍びでもありますし、お迎えの準備の方は、むしろ質素かつ厳粛なものであるべきです。元々今の聖下は派手な浪費を嫌いますからね」
だが、とマザリーニは言葉を続ける。
「逆に訪問の事実は厳重に秘匿しなければなりません。いろいろな意味でこの事実が漏れると問題が起きます」
そういって彼はその問題点を列挙する。
一つはロマリアとの関係。聖下はこっそり抜け出してくる気らしいので、ばれるのは国際問題になる。
続いてアルビオンとの関係。レコンキスタと繋がりのある人物に漏れたら言わずもがなである。
それに加えて、刺客の心配などもしなければならなくなる。
そう考えた場合、この場合の最善手は。
「少々強引な手を打ってでも、内部意思を統一しなければなりませんね。たとえ官僚の半数を誅殺することになろうとも」
その目は真剣で、ルイズといえども肌寒さを覚えるほどであった。
その彼がルイズの方を見つめる。
「場合によっては、あなたに一肌脱いでもらう必要があるかも知れません」
「は?」
「いえ、何せこの国に救う毒虫は隠れるのが上手ですので。少々強力な薬を使わねばならないかも知れません」
さすがに経験の差、ルイズにはマザリーニのいっていることがよく判らなかった。ちらりと後ろのなのはの方を見ると、何とも微妙な顔になっている。なのはにもはっきりとした確信はないのね、とルイズは思った。
こういう場合はどうしたらいいのか。ルイズは、
「マザリーニ様には何か策があるみたいですね。私に出来うることならば何なりとお命じください」
丸投げした。この時ルイズが考えていたことを言葉にすれば、餅は餅屋である。
「特別に頼みたいことは今のところありませんよ。まあ、せいぜい囮ですな。一番いいのはあなたが次期国王として戴冠するという情報なのですが、これはあなたの虚無と表裏一体なので今回は使えませんし」
「当然ですね」
ルイズも頷く。マザリーニはそんなルイズを、頼もしそうに見つめて言った。
「今しばらくは英気を養っておきなさい。その時が来たら、あなたの背中にはこのトリステインとアルビオン、加えてロマリアの一部まで加えた、途方もない重圧がその背にかかることになりますから」
「はい」
力強く答えるルイズ。その様子を見たマザリーニは、大事なことを忘れていたことに気がついた。
「そうそう、うっかりしていました。ミス・ヴァリエール。あなたに一つ大事な使命を与えましょう」
「なんでしょうか」
ルイズはちょっといぶかしげに思った。今の言い方からすると、これから言われる任務は、今思いついたように聞こえる。枢機卿の性格とやり方からすると、こういう思いつきで何かをさせる人物とは思えない。
だが聞いてみれば何ということはなかった。
「あなたに関することをヴァリエール公爵に伝えて、あなたをある意味利用し尽くすことをお伝えするのを忘れていました。
ミス・ヴァリエール、ちょうどいい機会でしょうから、里帰りして今までのことを説明すると同時に、参戦許可をもらってきなさい。あなたにしても心を決める時は必要でしょう」
そしてルイズとなのはは、馬車に揺られてルイズの故郷たる、ラ・ヴァリエール領へと向かうことになった。
今まで移動する時は馬かシルフィードの背中だったことが殆どなので、こうして乗り物に乗るのはどちらにとっても久しぶりのことであった。
幸い、実家までの道行きはそれほどかかるものではない。おまけに今回は御者や護衛、使用人まで付いている。到着まで二人は何もすることがなかった。
「考えてみると、ここしばらく、ものすごい勢いだったのね、私たち」
「私はもう少し余裕ありますけど」
訓練業務の間に高レベル魔導師として何かと用事が挟まる上、ワーカーホリック気味のなのはにとって見ればこの程度のことなど忙しい内には入らない。
だが魔法はあれど産業革命も情報革命もない上、実家が裕福である世界にいたルイズからすれば、なのは召喚以降の人生はまさに疾風怒濤であったといえよう。
ほんの一、二ヶ月のことなのに、まさに自分の人生が一変してしまっている。
「ねえ、なのは」
「どうしました? ご主人様」
「考えてみると、あなたと出会ってから、まだ大して時間経ってないのよね」
「ええ、そうですね」
ルイズはゆっくりと流れる景色に目をやりながら言葉を続ける。
「それなのに、あなたと出会ってからの方が、それ以前より長く生きているみたいな気がするわ」
なのははそれには答えなかった。
「……いずれあなたは私の元を去る。私にはあなたをあの子から離す権利なんかないわ。でも、お願い」
外を見たまま、ルイズは続ける。
「今回の戦いが終わるまでは、一緒にいてほしいの。叶うなら、もっとずっといてほしいけど、それは私のわがまま。でもね……この戦いが終わるまでは」
「帰りませんよ」
ルイズの言葉は、なのはによって遮られた。
「もちろん、選択の余地があれば、ですけど。それでも……もし、戦いのさなかにあの子かあなたを選べと言われたら……私は多分、あなたを選びます。決着が付いた後なら、あの子を選ぶとは思いますけど」
そしてそこで言葉を切るなのは。ルイズは振り向きもせず、外を見つめている。
そんなルイズの背後から、なのはの声がふわりとかぶさる。
「そしてそれが……唯一無二の機会だったとしても、です」
「……!」
言葉はなかった。いや、出なかった。
振り向きざまルイズは、なのはの胸に顔を埋めた。
「……本当のことを言うと、怖い……何もかもみんな。どうしていいかなんて、判んない。でも……あなたがいてくれれば、きっと乗り越えられる」
「……使い魔というのは、きっとそういう存在が選ばれるんですね」
掛けられる、あまりにも心に優しい言葉。だがルイズは、その内容とは裏腹の感じを、今のなのはから受け取っていた。
その違和感が、ルイズの心をしゃっきりとさせる。埋めていた顔を上げ、そらしていたなのはの方を見る。
そこにあったのは、予想通りというか予想外というか……静かな顔をしたなのは。
だがその静けさは、『静かな怒り』と表現されるようなのものであった。
喜びも恐怖も、全てが吹き飛ぶ、そういうたぐいのものだ。
現にルイズの心からは、そういった感情の何もかもが、まるで夢であったかのように抜け落ちてしまった。
ルイズは思う。もし、この怒りが向けられる対象が自分であったら。
おそらくは蛇に射すくめられる蛙のように、身動き一つ出来なることは間違いない。そしてそのまま、抵抗することすら思いつくことも出来ないままに呑み込まれてしまうのだ。
ルイズにははっきりとそれが判った。だが、それが『何故』かなのは判らなかった。
「ねえなのは、あなた、何に怒りを向けてるの?」
そう聞いたルイズに、なのはは何も答えなかった。いや、正確には直接答えなかった。
「人生、こんな筈じゃなかったことばかり。親友のお兄さんが言った言葉なんですけど」
静かな怒りが解け、ふっと優しい顔になるなのは。
「そしてメイジと使い魔、それは運命にも近い契り。そう『なるべき』存在なんですよ」
ルイズは少し混乱した。言葉の前後のつながりに、脈絡がまるで無い。それゆえ、なのはの言葉にあった、わずかな変化……『なるべき』の部分に、不自然に籠もっていた強調に気づかなかった。
「何言ってるの?」
「判らなくてもいいんですよ。というか、判っちゃいけないことなのかも」
そういうなのはの顔は、優しいものから哀しいものへと変わり、そして再びあの静かな怒りを湛えたものに戻る。
「そう、世間って、世界って」
そこで今度はなのはがルイズから視線を外し、外を見た。
それはルイズの目を見るのがつらかったのか、それとも外の『世界』を見たかったのか。
「こんな筈じゃなかったことばかり、なんです」
ルイズには判らなかったが、なのはがその言葉の意味する何かに怒っている。それだけは理解できた。
ルイズの知ることの出来なかった怒り。それは彼女の左手から発せられていたもののせいだった。ルイズの問いに対して心の揺れたなのは。彼女とて木石ではない。その問いには大いに悩むものがあった。
一応優先順位ははっきりしている。周囲の環境、お互いの大切な人を支えてくれる周囲の人物。この場合なのは自身の嗜好は優先順位が低い。職業病的な、任務優先、効率優先の思考だ。
だが、もしその選択が、ぎりぎりの状況で、かつ一度きりのものなら。
反射的にルイズを捨ててヴィヴィオを選んでしまう自分の存在も、彼女は自覚していた。
繰り返すが、彼女は木石ではない。若き乙女であり、そして母親なのだ。
問いに対して反射的にそういう思考を、なのはは浮かべていた。そして、その一連の思考に対して。
彼女の左手に宿ったルーンが、今まで以上の反発をしたのだった。
(“強大な思考干渉を感知、遮断します!”)
レイジングハートが警告を発するほどの。
ルイズが自分の胸に顔を埋めていてよかった。なのはは本気でそう思った。
それを聞いた瞬間の自分は、決して彼女には見せたくないような、『悪魔』の顔をしていただろうから。
この瞬間、彼女ははっきりと理解したのだ。
使い魔のルーンが、当の使い魔の意志を無視して、その身を主に縛り付けるための『枷』であることを。
そしてこの世界全体を覆う、あまりにも希薄でありながら、あまりにもたちの悪い、世界を覆い尽くす『悪意』を。
いまだルイズには話していなかったが、なのははその『悪意』が存在する証拠を入手していた。
それはレイジングハートが、始祖のオルゴールから読み取った『虚無の魔法』であった。
そこに収められていた無数の魔法。なのははその魔法のことごとくに見覚えがあった。
ミッドチルダ式魔法。そして、近代ベルカ式魔法。
虚無の魔法の原典は、一部を除いて殆どがミッドチルダ式の魔法を元にしていた。そしてその運用形式は、近代ベルカ式に酷似していた。
近代ベルカ式は、形式の異なるベルカ式の魔法を、ミッド式で再現できるようにしたシステムである。古代ベルカ式の術法をミッド式に載せているのではなく、術そのものを再構成したようなものだが、効果においては共通である。
そしてなのはは、この世界において『始祖の御技』である虚無の魔法に、この両者に似たものを見いだしていた。
虚無の魔法は、他の系統の魔法と明らかに違いすぎた。
良くも悪くも、虚無以外の系統魔法は、このハルケギニアという世界と密着して存在していた。ハルケギニア世界において、この世界の特質を生かすために生まれた、ハルケギニアのための魔法である。
ビダーシャルやシルフィードが少し使うのを見ただけであるが、先住魔法もハルケギニアと密着していることには変わりはない。
シルフィードから聞いた話では、本来先住魔法は特定の『場』と契約して使う魔法だそうだ。そうでないのは彼女の使う『変身』のように、先天的に使える幾つかの魔法だけだそうである。
つまり、こちらもハルケギニアという地に密着している。
だが、虚無の魔法はそれから明らかに浮いていた。
空間転移、魔力侵奪、幻覚形成、時間加速、次元跳躍……一部にはミッド式でも理論上でしかないものもあったが、大半はなのはにも覚えがあった。
そして何より、『共鳴』『外部魔力操作』でそのほとんどが成り立っている系統・先住魔法に対し、虚無の魔法は明らかにミッド式やベルカ式と同じ、『魔力による事象改変』の流れを汲んでいる。詠唱や発動方法などは他の魔法に倣っているが、根本のあり方が明らかに違う。
それに加えることさらに、虚無の魔法の殆どは、破壊……それも、明らかにこのハルケギニアという世界に喧嘩を売るかのような方向に特化していた。ある意味閉じた世界であるハルケギニアの地、その殻をぶち破るような魔法が大変に多いのだ。
ルイズが覚醒しながらも初めの魔法である『エクスプロージョン』以外の魔法を使えないのも、おそらくはそれが原因だとなのはは思っている。
外の世界を知り、ミッド式の魔法を見慣れたなのはには簡単に思いつけても、この地の文化にひたっているルイズには、最初の発想そのものが出てこないのだ。
おそらくそちらの目覚めには、『必要とされる力を望むこと』が必要であると、なのはは思っている。現にもう一人の『虚無の担い手』である教皇聖下は、祈祷書から『ほしかったもの』である、『移動手段』を習得した。
これはなのはには大変になじみの深い『祈願型』の魔法構築に大変よく似ている。魔導式を組み上げるのか、膨大なリストから検索するのかの違いでしかない。
これらから類推されるのは、虚無の魔法は、虚無の担い手とは。
このハルケギニアという世界を打ち壊す、反逆の力なのだ。
そう考えると、幾つかのことがすっきりとする。
始祖の秘宝に秘められた文言。世界の管理者を自称するビダーシャルの言葉。
虚無の力は、本来この世界にあるべきものではない。遙か過去、この世界に漂着したプレシアさんのように、外からもたらされたものなのだろう。いや、ひょっとしたら。
(虚無の魔法は、プレシアさんが作り上げたものかも知れない)
そんな思いすら浮かぶ。
なのははこう推測していた。
十年前のあの日、フェイトちゃんの目の前で虚数空間に落ちたプレシアさんとアリシアちゃんの遺体を収めたポッド。
本来助かる可能性などないはずのその試みは、奇跡ともいえる『当たり』を引いた。
それがこの地……ハルケギニアへの漂着。
ここでプレシアさんは、おそらくロストロギア級の何か……おそらくは生命操作に関する技術を見いだしたのだろう。水の精霊が再現した彼女の姿は、自分の知る者より若々しく、健康なものに見えた。
本来のプレシアさんは、見た目よりずっと年を取っており、健康も害していた。水の精霊が語るような、『冒険者』的な生き方など出来るはずがなかったのだ。
だとすれば彼女はそれを解消する手段をここで見出したに違いない。
だが、その技術を持ってしても、まだアリシアちゃんの蘇生にはとどかなかった。だから探したのだろう、自分の手に入れたものを上回る『奇跡』を。
存在することは確信していたに違いない。そして、それは成し遂げられた。
水の精霊が言うのだ。この事に間違いはないはずである。
だがビダーシャルは、プレシアさんがスターライトブレイカーを使って、自分たちの住む地を滅ぼしたと言っている。
これも嘘ではあるまい。おそらくは何らかの対立があったのだ。
一番ありそうなのが、プレシアさんという存在自体。異端の排除だ。
次いでアリシアちゃんの蘇生。これがエルフ達の守る『禁忌』のようなものに触れたという可能性もある。
その他の可能性もあるが、ビダーシャルを初めとするエルフが、『世界の管理者』を自称する以上、その対立理由は『世界に対する脅威』もしくは『ルール違反』であるのは疑う余地がない。
そしてあまりにもフェイトちゃんに……言い換えればアリシアちゃんにもそっくりな『始祖の肖像画』。
このハルケギニアで、デジタル写真を残せるのは外部から来たものとしか考えられない。
固定化の魔法があるから、経年劣化の問題はない。
そう考えると、あまりにも恐ろしい推論が成り立ってしまう。
始祖ブリミルとは、ブリミル教とは。
今ハルケギニアに広まっているような心のよりどころなどではなく、
この世界に反逆するために、この地の民を駆り立てる狂信的なカルト宗教だったのではないか。
そう考えると、虚無の力と血統が王の象徴となっているのは、あまりにも皮肉としか言いようがなかった。
(本当に世界はこんな筈じゃなかったことばっかりだね、クロノ君)
使い魔とは、本来この地に住む動物を召喚するもの。絶対の『友』を呼び出すものなのであろう。
そこには悪意と言うより無邪気な意図しか感じられない。だが少なくとも『虚無』は。
その術式によって呼び出す存在を『人間』にし、あまつさえその意志を縛るためのシステムが存在している。
この意志を縛るシステムそのものは、使い魔のルーン共通かも知れない。ひどい話であるが、相手が野生動物であるとすればぎりぎり納得できなくもない。
シルフィードのような『意志ある幻獣』を召喚する例は少なそうであるし、そういう場合でも彼らは予備知識として召喚と使い魔のことを知っており、納得した上でそれに応じる。
だが、ルイズの場合は、虚無の場合は。
応えたのは確かに自分だ。あのとき確かに、自分の意志で自分は召喚の『鏡』に触れた。
だがそこにはなんの説明も予備知識もなかった。召喚システムは、いかなる方法かはともかく、虚無の使い魔にふさわしいと思われる『存在』を選別し、なんの説明も無しに召喚しようとしていたのだ。
そこには幾多の誤解と悲劇があったことが簡単に予想される。そしてそういう想いを強制的に抑圧するルーン。
利用したのか、組み込んだのかは判らない。だがそこには明確な一つの意志がある。
使い魔を『駒』として扱う意志だ。使用者でなく、制作者が込めた意図。
持てる全てを使って、世界に、世界の大きな『システム』に反逆する意志。
そこにどんな理由があったのかは判らない。
始祖ブリミルは、一体、何を思ってこの世界を壊そうとしたのか。それはさすがになのはにも判らない。
だがこんなことは、とうてい他人にいえたものではなかった。特に、純粋に世界を肯定しているルイズには。
世界を肯定するために自分を否定してしまうような面がルイズにはある。そんな彼女にこの事を告げるのは早すぎる。いや、出来れば一生言わない方がいい。
それにそもそも、肝心のことがなのはにもまだ判らないのだ。
この世界と、それに反逆した始祖。
そのどちらが『悪』だったのか。
世界か、始祖か、それとも両方ともか。
あるいはどちらも自分が正しいと思っていたのか……現実のように。
それが判るまでは、なのはにはどちらに対しても味方することは出来なかった。
そして想う。この推論をルイズに……ご主人様に話すことがあるとすれば、それは。
世界と始祖、その双方の意図を知った時であると。
そしてルイズの下した結論に、自分は従おうと。
そして複雑な思いと共にルイズ達を載せた馬車は、ルイズの故郷である、ラ・ヴァリエール公爵領に到着した。
なのはが、ルイズが悩む中、混乱する想いを持つものがこんなところにもいた。
次元航行艦・アースラ。
その作戦会議室で、クロノを初めとする首脳陣が一様に頭を抱えていた。
映っているのは高次元探査による、目的地と思われる世界の衛星軌道映像である。
サーチャーを先行させることも出来なかったため(ファーストコンタクトになってしまうので)、長時間かかって集めた次元波動……時空震のような、次元間を越えて伝わる振動波を解析・合成して、こうして目的地と思われる世界の姿を映像化することに成功した。
そこに移っていたのは、ごく標準的な惑星であった。だが、あまりにも異常な点が二点存在した。
一つは、その大陸配置であった。
あまりにもとある既知世界に酷似していたのである。
具体的に言えば、第97管理外世界、現地呼称『地球』に。
偶然とは思えなかった。同位世界・並行次元世界においても、こうまで地図が一致する例はない。
それは『誤差』……初期条件は共通であっても、そこに至るまでの間による時間が、可能性の分岐……変化を生み、それが世界の差になると、ミッドチルダの次元世界学では説明されている。
だが眼前の世界は、どう見てもコピーでもされたかのように、第97管理外世界そのものの姿をしていた。ちなみに座標が明らかに違うので、目の前の世界が地球である可能性はない。
そしてそれに加えてもう一つ。
『なあ……なんであんなものがあるんだ?』
初めてこの映像を見た時、クロノは思わずそうつぶやいていた。
報告によれば、『それ』は、現実に存在するものではないという。
『彼の地に実在するのは、今見ている映像ではなく、無数のモニュメント……石で作られた、一見意味のない彫像や都市遺跡のように見えるでしょう。サーチャーを送って、光学手段によって観測したのであれば、我々にもあれは見えないはずです』
『高位次元から、次元波動を使って観測した時にのみ、見える映像、か……』
『はい。次元探査波の反響に対して成立する、ホログラフのようなものです』
その時の報告を思い出しながら、クロノは映像を見る。
ちょうどユーラシア大陸を中心とした地球の映像。こちらで言うシベリア中央部辺りに、『それ』は存在していた。
緑の森を背景に浮かび上がる白い文字。それは現実に存在するものではなく、次元探査波動を解析し映像化した時に、ノイズの集合体として初めて浮かぶものらしい。
言語は神代ベルカ語。これはミッドチルダ語を英語、ベルカ語をドイツ語にたとえるとすれば、ちょうどラテン語に当たるような言葉である。この二つに限らず、次元界で使われている言葉の源流とされるもので、現在では殆ど残っていない幻の言語である。
現存しているのは、聖王教会において存在する聖書の『原典』位である。
「でもなんであんな言葉が、こんなロストロギア級の技術を使って書かれているんだ?」
「判るわけありませんよ……まるで観光地の看板だ」
次元波動に対するホログラフ干渉紋様を、巨石という物理的実体を使って形成するなど、とんでもない技術の無駄遣いである。
そうまでして描かれたもの。画面に映った文字。
その内容を私たちの言葉で言うと、次のようなものになる。
ようこそ、“ハルケギニア(幻想郷)”へ!
以上、投下終了です。
原作と違い、こちらは怒濤のラストへと一直線です。
アルビオンの地に集う者達の思惑、そしてルイズとなのはは、迫り来る最大の狂気にどう立ち向かうのか。
もう少しかかると思いますが、この世界の謎が明かされる時をお待ちください。
魔砲の人でした。
乙!
こりゃまた凄いブチ撒けが来たなぁ。
世界の謎と怒濤のクライマックスに期待なんだぜ。
お久しぶりだす魔砲の人。そして乙でした。
ラストの一文に思わず「ちょっと待てぇいっ!?」と突っ込まされたのは完璧に作者さんの思惑通りなんだろうなぁ…w
完璧に作者の人にやられたなぁ・・・・・・
とりあえずにーちゃん呼んで来いにーちゃん
そういえば妹が魔砲少女やってる状態でにーちゃんはどうしてるんだろか
魔砲の人GJでした!
半ば読み取れてましたけど、ここまで壮大な話になるとは思ってなかった。
続きが愉しみです。
あと原作本編のジャンプ連載末期な停滞は12巻あたりでもすでに見られるんだぜ。
そこらをどんでん返しな設定と展開でみんな忘れてしまってるからなあ。
きっとノボルのことだから、ものすごい展開があると信じてる!
きっと。
多分。
魔砲の人、投下乙でした。
観光地……だと……?w
>520
静粛にさせるだけならシュヴルーズ先生でも出来るぞw
>お外堂さん
なwんwとwいうwww
ルイズに憑いたらもの凄い勢いで回復しそうな気がしますよホント。
>617
逆に考えるんだ。デル公は姿を変えたロデムだということに(ry
>魔砲の人
お帰りなさい。
……ようこそって…ようこそって……www
幻想郷に吹いた俺は東方厨
幻想卿の文字に軽く目眩をおぼえた俺は最近のベルセルクの展開を未だに引きずってる
あ、変換ミスってた。
ベルセルクゼロの人早く帰って来ないかな……物凄くいい所で止まってる
なんで幻想郷という単語が出てくるんだと思った自分も(ry
ハルケギニアにわざわざ幻想郷という既存の単語を使う辺り、
何かあるんだろうなあとか言ってみる
もともと幻想とかそういう意味のことばじゃなかったっけ。ハルキゲニア
魔砲の人乙です
しかし、みんなが何に反応してるかがわからない
なのはに「幻想郷」とかってでてこないよな
幻想って言うとファンタズマゴリアとかじゃね?
バージェス生物群のハル"キ"ゲニアが「幻覚みたいなもの」って意味だったっけ
とにもかくも問題は郷の部分だ
幻想の惑星じゃなくて?
理想郷の親戚みたいなもんじゃないの?
理想よりも さらに実現しにくいから幻想みたいな
つまり俺キャラTSUEEなクソSSが山のように量産されて
原作なんて知らないと公言するような最低作者がゴロゴロ居る場所ですね
まあゼロ魔SSならあながち外れでもゲフンゲフン
>>713 貴様が来てるこことてさほど変わりはすまい
心配しなくても、最低作者が見えなくなるほどここには良作がたくさんある。
というわけで、ミーディアムの人、サイヤの人、社長の人、熊の爪の人、帰還を待ってますよー。
>>708 東方プロジェクトという大人気同人シューティングの舞台がまんま「幻想郷」という土地なのさ。
魔砲使いの人お疲れさまでしたー
観光地って単語があったせいか、温泉女将プレシアさんという謎の光景を幻視してしまったのは内緒なのぜw
いや、あの人が作ったとも限らんし、そもそもそんな面白いことする人じゃないけどさあ
日替わりの人も待ってます。
そろそろぶっ壊れた作品が欲しいな
御立派様に匹敵するくらいの
小奇麗にまとまり過ぎてるのが多くていいんだけど、それだけじゃ物足りないって言うか…
爆熱の人の御帰還お待ち申しておりまするー
なんでもいいから美少女しか居ない作品から、何人でもいいから、サイトと一緒に召還させようぜ。
原作では誰ともくっついてないキャラならなおさら良い。レズならルイズにくっついてもおkだし
男性のみの人ならサイトとくっついて。
バイなら、ルイズとサイトで主従丼だ。
避難所逝け
ガチホモなら・・・まずルイズとのキスを本気で嫌がるだろうな
そしてギーシュは決闘のあと十中八九喰われる
ホモはむしろ女人禁制の教皇のところに呼んでやったほうが周囲のためになりそうだな
他の作品から科学者や神さまを呼んでサイトを魔改造するのはいいんだろうか
725 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/12(水) 18:30:56 ID:vN73san+
達人の人一回にたくさん書いてるよなと思って7話をコピーして容量見たら26.3kbもあった
いや美少女限定でやったつもりだけどいつ時から召還されるのが男に。
それとホモなら阿部さんが居るじゃないか。
>>710 バージェスならアノマロカリスやワイワクシアをだな
>>723 バンコラン少佐かDr.メフィスト召喚ですね?
>>728 「イブの息子たち」のキャラ達も捨てがたい。
ホモつったか長戸だろ
誰が召喚しても噛み殺されそうになるがな
ヨクサル漫画だと谷は既に来てるな
長戸はまあ金ちゃんとセットならいいだろうが
その場合金ちゃんと契約しようとしたルイズが殺されるだろうな
同系統のジュリエッタなら・・・・マキがいない世界で奴を止めるのは無理だな
召喚したらルイズ死亡確定か
ホモっつったら凸ことアデラン・ヅラだろ
ブラックマトリクスのゼロも忘れないでくれ
とか言いながら、セイバーマリオネットJから、間宮小樽と、花形美剣のセット召喚見てみたい
パワポケシリーズの鬼鮫コーチも忘れるな
ギーシュが「み〜みみみ〜」な事になるのが目に浮かぶwwww
ホモか…シンタロー?
つかあの一族そんなんばっかりだしw
>>728 バンコラン菌が蔓延して世界中がガチホモだらけに。
「ハルケギニアは衰退しました♂」
少佐本人は美少年好きなのに、感染者や眼力食らった人間は
美少年とか年齢や容姿関係なしにホモ化するから質が悪い。
ホモよりもゲイを召喚しろゲイを
両刀で。
バイはちょっと・・・
>>739 ビリー・ヘリントンと愉快な仲間達で手を打とう
よし、SDK召喚を書こう。
何日かかるか判らないけどお楽しみに。
さー、プロットどうしよう……
いちこちゃん出そうかな……
428より御法川実召喚
ハルケギニアでナチュラルボーンライターの力をみせられるか?
貞子なのかスーパードンキーコングなのか……
兄貴vs阿部さん+古泉*ロマンサーズ
って、自分で言っておいてなんだがカオシックな世界だ
バイといえばハプシエル
異論は認めなくもない気分
それよりバイを召還してサイトとルイズの主従丼。
て
ごめん間違えてエンター押した。
他にタバサとキュルケの二人食いとか
ティファとロングビルで(仮)親子丼とか書き込もうとしてたんだ
どのみち、変態を呼べばカオスになるのは当たり前。普通の人間には理解できないししたくもない世界だからな。
>>718 待ってくれてる人いたんだ……ちょっと感動しました。
リアルの方で諸事情あってしばらく執筆できなかったですが、最近ようやっと再び筆を取れるようになりました。
今最新話を書いてるところなんで、もうしばらくお待ちください。
>>729 懐かしいのぉ
母親の勧めで読んだらハマったわw
少女漫画でゴジラ出るしピンクのタイガー戦車がバラを背負うわ
ヤマトパロとかやるわと新世界が拓けてしまいました
呼ぶなら三人同時で契約はジャスティンなんだろうな
そして決闘騒ぎの後にバージルに落とされるギーシュと・・・
ジャスティンは基本スペックが低いからガンダールヴ発動しても
下手すりゃラスボスのユーゼス並みかそれ以下になるかもしれん
待ってました
新作楽しみに待ってます
>>721 サフィズムの舷窓から杏里・アンリエットを召喚とか?
召喚時点では多分ルイズは年下だろうし(杏里は年下以外は絶対恋愛対象にならないレズの王子様)
ルイズは独占欲強いから一歩引いた付き合いするかも知れんけどね ……デレ期のタバサの様子からすると、タバサは喰われそうだが
まあ、一日に何回も風呂に入りたがる風呂中毒って弱点があるから、アンリエッタが年下じゃなければアルビオンの任務嫌がりそうだけどなーw
>>747 『汝に幸あれ』の地獄絵図が容易に浮かぶわw ただ、ミ・マドモワゼルとの邂逅は見てみたい気もするw
>>751 日替わりの人いた!
生存報告だけでもマジ嬉しい!
これで勝つる!
756 :
ゲドウの印:2009/08/12(水) 20:24:45 ID:K8aUt39R
こんばんワカサギ。
前回は感想ありがとうございました。
空いているようでしたら、二話の方を十分後あたりから投下させていただきます。
変態か…蒼天航路の孔明?…うん普通に収拾つかなくなるなw
ではぼちぼち行きます。
魔法学院本塔にあるアルヴィーズの食堂。
長い三つのテーブル、その真ん中の二年生が集まる箇所で、ルイズは一つの席に腰をかけ朝食を終えた。
食事を済ませお茶を飲んでいると、起きたばかりと比べて幾分調子も上がってきた。
これならば別段授業を休まずともいいだろう。
意匠を凝らせた陶磁器のカップを傾けつつ、ルイズは考える。
今ポケットにしまっている使い魔――と言うにはいささか憚る物ではあるが――についてであった。
おそらくイヤリングだろうと当たりはつけたものの、もう少し調べてみた方がいいかもしれない。
思い返してみれば、加工技術や素材もあまり見たことがないような物だ。
もしかしたら何らかのマジックアイテムという可能性もある。
どちらにせよ使い魔というにはおかしな存在だが、もし普通のアクセサリーでないなら、まだ、この陰鬱と落胆と怒りばかり浮かんでくる心の慰めにもなるかもしれない。
出来る限り前向きに――というより、今のルイズからしてみれば半ば現実逃避のような考えだった。
スカートの上から触ってみる。
いつもここに入れておくというのも何だとも思った。
今日は召喚の儀式が終わって最初の授業なので持っていた方がいいが、普段は部屋に置いておけばいいだろうか。
しかし、別段持ち歩くのが面倒な大きさでもない。
かといってポケットにしまっておいては、いつ落とすかとも解らない物だ。おそらく落としても気づかない。
イヤリングらしく耳にでもつけていればいいかとも考えたが、片耳だけではアンバランスだし、どうも自分に似合いそうなデザインでもない。
ならばとルイズは、
「ねえ」
食後のお茶のお代わりを注いでまわっている給仕に声をかけた。
黒髪のルイズとそう年頃も変わらないであろうそのメイドの少女は、ポットを持ったままルイズに振り返る。
「はい、なんでしょうかミス・ヴァリエール」
ルイズの目の前まで来た少女は、近くのワゴンにポットを置いてそう言った。
「あなた細い鎖かなにか持ってないかしら?」
「細い鎖、でしょうか?」
突然のルイズの言葉に、少女は戸惑ったように首を傾げる。
「そう。ほら、ネックレスみたいに首にかけられるやつ。麻ヒモかなにかを編んだのでもいいから」
続く言葉に少女は納得したように頷いた。
「ああ、それならあると思います」
しかし、と少女は幾分眉を寄せつつ言葉を重ねた。
「その、貴族さまに相応しいような大層なものはあいにく……」
窺うように上目気味でそう言う少女に、ルイズは特に気にしないと手を振る。
「別になんでもいいわ、純銀製じゃなきゃやだとか言うつもりはないから。気に入らなければ今度の虚無の日にでも業者に頼むなり、城下に行って買ってくるなりするわよ」
とりあえずの品だ。第一そんな物など、学院の備品や使用人の持ち物にあるとは思っていない。
「解りました、それでよろしいならば大丈夫かと」
ほっと一息つきながら、少女は表情を明るくさせた。
「まあ普段つけてて切れちゃわない程度に頑丈で、かけてても邪魔にならない太さのを適当に一つ。頼んだわよ」
「はい、かしこまりました。すぐご入用でしょうか?」
そう尋ねられ、ルイズは少し考えたが首を振った。
「今はいいわ。夕食後にでも部屋に持ってきてちょうだい」
「かしこまりました」
そう言って頭を下げ、失礼しますと一言断って離れようとする少女に、ルイズは「待って」と声をかける。
振り返り不思議そうな表情で首を傾げる少女に、ルイズはカップを手に取って掲げた。
「お代わりをもらえるかしら?」
かしこまりました、ともう一度言って、ポットを持ち上げカップにお茶を注ぐ少女。
目の前にあるその少女の黒髪を見て、ルイズは「綺麗だな」と特に意識するともなく考えた。
教室に入る。まだ教師は来ておらず、そこかしこで生徒が歓談していた。
窓から大きなヘビが顔を覗かせている。その頭には黒いカラスがとまっていた。
ある生徒の足元ではバジリスクが寝そべり、ある生徒の机の上ではバグベアーが転がっていた。
どれもこれも、昨日の召喚の儀式で生徒が喚んだものだ。
彼らは実に楽しそうに、友人たちと己の使い魔を自慢し合っていた。
ルイズが入ってきたことに気づいた女生徒が、隣りの友人に耳打ちするのが見えた。
彼女らは何度か隠し話すると、気の利いたジョークでも聞いたかのように、顔を見合せてくすくすと笑った。
それに釣られるように、教室にいる生徒たちはルイズの存在を見止めると、誰もが彼女たちと同じような反応をする。
嘲り、蔑み、見下し。
どれもこれも、もはや慣れたと言っていいくらい、ずっと向けられ続けている感情だ。
だからといってそれを無視できるようになるはずもなく、いつも通りに、いや、いつも以上にルイズの過敏な神経を逆なでしてくれる。
苛立ちを隠そうともせず、ルイズは眉尻を吊り上げながら、乱暴に席に腰を下ろす。
ポケットの中でかちりと音がした。
耳に入ってくる嗤い声は止まない。脳髄の奥で何かが囁く。
「うるさいわね」
自分にしか聞こえない程度の大きさで呟く。
どちらも止むことはなかった。
教室の前にある扉が開き、ふくよかな体型をした中年の女性が入ってくる。
紫のローブにとんがり帽子。
教師の入室に生徒達は雑談を止め、教卓に向き直った。
彼女は教室中に視線を廻らせると、満足そうに微笑み口を開く。
「皆さん、春の使い魔召喚は大成功のようですね。このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に様々な使い魔を見るのが、とても楽しみなのですよ」
ルイズは小さく舌打ちする。
それを聞き咎めたわけでもないだろうが、シュヴルーズはルイズの顔に視線を止めた。
「ミス・ヴァリエール、あなたの使い魔は?」
新学期の最初の授業は、生徒全員が使い魔を連れてくることになっている。
その姿が見えないことに疑問を持ったのだろう。
彼女の言葉に他意がないことは解っていても、今のルイズにはその言葉がいやに癪に障った。
かといってさすがに教師の言葉を無視するわけにもいかない。
いやいやポケットから己の使い魔を取り出すと、それをシュヴルーズに見せるように掲げる。
「ここに『あります』」
言ってルイズは下唇を噛んだ。
この後に起こることが何となく想像つき、胸の奥で黒い泥が渦巻く。気に入らない。
一瞬、シュヴルーズはルイズが何を言っているのか解らないとでも言うように、ぽかんとした表情になった。
そして少し間を置くと、納得気な表情になり――コルベールから聞いていて、それを思い出したのかもしれない――何とも言い難そうな顔をする。
次いで何かを言おうと口を開きかけ、
「ゼロのルイズ! 装飾品の自慢は後にして、早く使い魔を見せてくれよ!」
耳障りながらがら声が挟まれ、教室のそこかしこから大きな笑い声が溢れ出た。
ルイズは剣呑な瞳で声の発生源に顔を向ける。
小太りの生徒が、にやにやと心底楽しそうな表情をこちらに嗤笑を寄こしていた。
「黙りなさいマリコルヌ! わたしはちゃんと召喚したわ!」
「おいおい、聞いたかみんな! ちゃんと召喚しただって? 嘘をつくなよ、そんな使い魔見たこともない!」
げらげらといった生徒たちの笑い声が一層大きくなる。
ルイズは立ち上がり唇を噛んだ。
ずきずきと頭が痛む。ぐるぐると何かが蠢く。
なぜ――
『何故あんなやつに馬鹿にされなければならない?』
「黙れと言ったわ、かぜっぴき。まともに人の言葉を聞くこともできないの?」
無意識の内の、腰にある杖に手が伸びる。
「かぜっぴきだと? 僕は風上だ、風邪なんかひいてない!」
ルイズの言葉に興奮し、マリコルヌも顔を赤くして立ち上がった。
少しの間二人は睨み合う。シュヴルーズが手に持った小振りの杖を振った。
両者の膝が抜けたかのように、二人は何をするでもなく席に落ち着いた。
「お二人とも、みっともない口論はおやめなさい」
我に返ったルイズの耳に、シュヴルーズの厳しめな声が入ってくる。それを聞き彼女は顔を伏せた。
マリコルヌはおもしろくなさそうではあったが、彼も特に何を言うでもなく正面に向き直った。
「では授業を始めますよ」
教室が静まった頃を見計らい、シュヴルーズは一度咳払いをするとそう言った。
「私の二つ名は『赤土』。これから一年、皆さんに土系統の魔法を講義します」
説明を続けるシュヴルーズの声を聞き流しつつ、ルイズは独り俯き考え込んでいた。
なぜ、先ほど自分は杖を取ろうとしたのかを。
いくら苛立っていたからといって、今まで人に杖を向けようと思ったことなどない。
そもそも、ルイズにとって魔法を使うということは、自分の失敗を他人にさらけ出すということだ。
練習をするわけでもなく、また授業で必要だったわけでもないのに、好き好んで人に失敗するさまを見せようなどとは、たとえ無意識でも――否、無意識だからこそ出てこない。
それなのになぜ、と。
手に持ったアクセサリーを握りしめ、頭を抱えるように両手を額に当てる。
鈍い疼痛が響く。
パキパキと薄い板が割れるような音が聞こえる。
先ほどまで教室中を包んでいた嘲笑が耳にこびりついて離れない。
「うるさいわね……」
小さく呟く。どれも止むことはない。
「……リエール! ミス・ヴァリエール!」
「は、はい!」
自分を呼ぶ声を聞き、ルイズは慌てて顔を上げる。シュヴルーズがこちらを見つめていた。
「きちんと聞いていますか? 何か考えごとでも?」
何度か呼び続けていたらしい。機嫌がいいとは言えない表情で、シュヴルーズはそう問いかけてきた。
ルイズは素直に頭を下げる。
「すいません、ミス・シュヴルーズ」
小さく溜息をつくと、シュヴルーズは「では」と言いながらルイズを手招きする。
「罰替わりといっては何ですが、あなたにやってもらいましょう。こちらに来てください」
何を、と思いつつも、ルイズは立ち上がり教卓へと降りて行く。
それを見てどこからか声が上がった。
「ミ、ミス・シュヴルーズ! やめといた方がいいと思いますけど……」
キュルケであった。
彼女は困った顔をしながら、シュヴルーズに向かって「危険です」と言った。
追随するように、そこかしこから声が上がる。皆一様に、ルイズにやらせるのは危険だという言葉だった。
前まで来たルイズは、若干癇に障りながらも何も言うことなく、シュヴルーズを窺う。
「危険? どうしてですか?」
きょとんとした表情でシュヴルーズが問いかける。
「先生、ルイズを教えるのは初めてですよね?」
「ええ、ですが彼女が努力家だということは聞いています。第一、初歩の錬金で危険なことなどあるものですか。さあミス・ヴァリエール、こちらへ来てください」
手招きに応じルイズは教卓の前に立つ。上には石ころがいくつか置かれている。
これに練金をかければいいのだろう。
なつかしいなサフィズムww
腐り姫のBGMラジオで初めて知ったのがなつかしす
そうだ、なんか違うけど猿野召喚したら……
vsギーシュでものすごいことになりそう
俺は女の子と手ぇつないだこともないのに……貴様は二股と
ギャグだとしてあのアホ力はりあるにやばい
「ルイズ、やめて」
「錬金したい金属を、強く心に思い浮かべるのです」
悲痛といっても差し障りなさそうなキュルケの声を気にすることもなく、シュヴルーズはルイズにそうアドバイスする。
錬金。一度も成功したことのない魔法だ。
これに限ったことではない。サモン・サーヴァントとコントラクト・サーヴァント以外は、これまでまともにできたことなどない。
でももし、とも考える。
もしこの練金が成功したのならば、自分は魔法が使えるようになったということになる。
それなら――再召喚も成功するのではないか。
若干の期待を込めてルーンを紡ぐ。
杖を振り下ろす。
そして起こったのは爆発だった。
一番近くにいた、ルイズとシュヴルーズは黒板に叩きつけられた。
生徒たちはいち早く机の下に避難していたので、直接の被害はなかったが、しかし連れの使い魔たちは混乱して暴れまわっている。
サラマンダーが火を噴いた。
マンティコアが窓を破った。
大蛇がカラスを飲み込んだ。
教室中で悲鳴が上がり、大騒ぎとなった。
「だから言ったのよ! あいつにやらせるなって!」
「もう! ヴァリエールは退学にしてくれよ!」
「俺のラッキーがヘビに食われた! ラッキーが!」
口々に怒号を散らす同級たちと、隣で気絶しているシュヴルーズを尻目に、ルイズは癖になってしまったかのように、強く下唇を噛みしめた。
やはり、だ。
同じだ。変わらない。自分は落ちこぼれのままだ。ゼロのルイズ。
目の前で自分の使い魔たちを追っかけ、無様に走り回ってやつらでも平然とできることも、満足にこなせない。
収まらない喧噪。囁き。
『何で自分はこんな簡単なこともできない?』
「うるさいわね」
小さく呟く。どれも止むことはなかった。
気絶から目覚めたシュヴルーズにより、ルイズは教室の片づけを命じられた。
一人でするにはさすがに面倒で、終わった頃にはもう昼休みも終わってしまいそうな時刻。
時間はあまりないが何も食べないというわけにもいかず、空腹を訴える腹に従い食堂に向かった。
食堂にたどり着き入ろうとすると、中から出てきた誰かと出入り口でぶつかった。
「あ、ごめんなさい」
小さな声で謝り、その人は急ぎ足で離れて行く。
栗色の髪の、茶色いマントを羽織った一年生のようだ。
何を急いでいるのかと首を傾げつつ、ルイズは特に気にすることもなく食堂に入っていく。
中は既に食事を終えた生徒たちが大半で、それぞれ食後の歓談を楽しんでいた。
どこか空いている席はないかと見渡す。一つの席を見つけたが、その隣にいる生徒を見てルイズは顔を顰めさせた。
そこにいたのはキュルケであった。彼女は隣に座っている青髪の小柄な女子に何やら話しかけている。
他にないものかと見渡してみるものの、生憎どこも埋まっているようだった。
仕方ない、とため息をつき、行きざまに給仕に軽い物を持ってくるよう声をかけ、そちらに足を向ける。
「お邪魔するわよ」
一応そっけなく一言だけかけ、ルイズは腰を下ろした。
その言葉にキュルケは話を中断して振り向き、「あら」と声をあげる。
「ルイズ、片づけは終わったの?」
「ええ」
視線も向けずにルイズは答えた。
「災難だったわね。まあ自業自得だけど」
「そうね」
「ま、これに懲りたら次からは断った方がいいんじゃない? 何たってあなたはゼロのルイズなんですから」
からかい交じりの言葉に、ルイズはやはり視線も向けずに「善処するわ」とだけ答えた。
その返答にキュルケは不満そうに口を曲げる。
「何よ、今日は朝から釣れないわね」
「何であなたと仲良くおしゃべりしなくちゃならないのよ。わたしこれから食事だから、静かにしてもらえるかしら?」
どうにもそっけないルイズの態度に、キュルケは一つ溜息をついた。
そして何かを思いついたような顔をすると、おもしろそうに唇を歪めて口を開く。
「そうそう、そういえばあなたの使い魔なんだけど――」
「うるさいわね! 静かにしてって言ってるでしょ!」
突然叫んだルイズに、キュルケは何事かと目を見開いた。
数拍置いてはっと我に返ると、ルイズはバツの悪そうな表情になる。
次いで辺りを見回してみるが、幸いそれほど響かなかったらしく、近くにいる生徒以外は特に気にしているようでもなかった。
ルイズは小さく溜息をつく。
「怒鳴ったのは悪かったわ。でも少し話しかけないでくれるかしら?」
「……何よ、機嫌悪いわねえ」
もしかしてアノ日かしら、などと呟いているキュルケを余所に、ルイズは周りにも謝っておこうと顔を向ける。
すると、どうにも食堂の一角が騒がしいことに気づいた。
どうやらその騒ぎもあって、こちらにはあまり気が向けられていなかったようだ。
何があったのだろうかと、ルイズは騒ぎの中心に視線を向ける。
そこには見知った同級の二人――ギーシュとモンモランシーが何やら話し合っていた。
いや、話し合っているというよりは、一方的にギーシュが必死に何かを訴えているようだ。
「ああ、あれ?」
不思議そうにそれを見ているルイズに気づき、キュルケが楽しそうな笑顔で解説を始める。
「ギーシュの浮気がばれたみたいよ。一年のケティって子と二股かけてたんですって」
一年の子、ということは、先ほど出入り口でぶつかったあの少女がそうだったのだろうか。
「その一年の子はもう出て行っちゃったんだけどね、今は何とかモンモランシーのご機嫌を取ろうと謝ってるところみたい。みっともないわよねえ」
どうやら、やはり先ほどの一年の子がそうだったらしい。
必死に謝っているギーシュを見る。腕を組んで澄ました顔をしているモンモランシーを見る。
二股がバレたギーシュ。二股をかけられたモンモランシー。
両者とも何だか酷く滑稽に見えて、ルイズは、
『いい気味だな』
「いい気味だわ」
小さく呟いた。
「え、何か言った?」
よく聞こえなかったのか、キュルケがルイズに向き直り問いかけてくる。
「何でもないわ」
端的に応え視線を外す。ちょうどよく給仕が食事を持ってきたので、昼食に取りかかることにした。
キュルケは少しの間、納得いかなそうに首を捻っていたが、特に気にすることでもないと思ったのか、ルイズから視線を外して、逆隣りの少女との会話に戻った。
量もそれほど多くないので、さっさと食事を終え、ルイズはお茶を飲みほすと立ち上がった。
「あら、もう行くの? せっかちね」
気づいたキュルケがそう言ってくる。
「もうすぐ午後の授業も始まるしね、あなたも急いだら?」
それだけ言って席を離れる。
用があるわけでもないのに、あまりいい感情を持っていない女性の隣りで寛ぐ気にもなれなかった。
出口に向かう際に、ギーシュとモンモランシーの姿が、視界の端に入った。
相変わらずギーシュが低頭平身している。
モンモランシーも澄ました表情でつんと顔を背けているが、先ほど見たよりかは幾分か怒りは和らいでいるように見えた。
どうやら話し合いは回復に向かっているらしい。
ルイズは詰らなさそうに鼻を鳴らすと、視線を外して食堂から出て行った。
食堂を出て教室の方向へ角を曲がる。すると、そこに一つの人影が見えた。
栗色の髪。茶色のマント。来たときにぶつかった少女だった。
確かキュルケがケティと言っていたはずだと思い当たる。
ケティはルイズが近寄ると顔を上げた。
「あっ……」
一瞬覗いたのは期待に輝かせた表情。
しかし、彼女がルイズの顔を見止めると、すぐさま落胆のそれへと変化した。
首を傾げつつ横を通り過ぎながら、ルイズは考える。
もしかすると、彼女はギーシュを待っていたのだろうか。自分を追いかけて来てくれることを期待して。
しかし、ギーシュは未だ食堂でモンモランシーのご機嫌伺いをしている。
おそらく今はケティのことなど頭にはないだろう。
振り向いて横目でケティを見やると、彼女は顔を伏せて爪を軽く噛んでいた。
なぜか自然とルイズの唇は半円を描いてしまう。
瞬きの間ほど、囁きがルイズの頭の中から離れていった。
ルイズは自室で机につき、ランプの明かりに照らし出されるアクセサリーを弄っていた。
銀色に輝く三つの箱。爪先でひっかいても塗料が剥がれるわけでもない。
重さから考えても純銀製ではないだろうが、何やらよく解らない金属でできているのかもしれない。
作りもトリステインではまず見たことがないような物だ。
どこか遠くの国の物なのだろうか。暇になったら図書館でも行って調べてみようかとも思った。
机の上に投げ出して、背もたれに体重をかける。
こつこつと扉が叩かれる音がした。
「はい、誰?」
「ミス・ヴァリエール、朝に頼まれた物をお持ちしました」
朝? としばし首を傾げたが、あの黒髪のメイドだろうと思い出す。
「ああ、入っていいわよ」
「失礼します」
扉が開かれる。顔を覗かせたのは、やはりあの黒髪の少女だった。
少女は一度頭を下げると、ルイズの元へと歩み寄ってくる。
「このようなものしか用意できませんでしたが……ご要望に添えますでしょうか?」
そう言って少女が差し出したのは、一メイルほどの細長い鎖だった。
「ええ、大丈夫よ」
「ああ、よかった。ではどうぞ」
ほっと安堵の息をつくと、少女はその鎖を差し出す。
おっとリロ忘れ
支援
ルイズはそれを左手で受け取りながら口を開く。
「あなた名前は?」
「シエスタといいます」
「そう、シエスタ。ご苦労さま、急に悪かったわね」
シエスタは慌てたように首を振った。
「いえ、とんでもありません」
新月の夜空のような、不純物の混ざらない真っ黒なボブカットが揺れる。
ルイズはうっすらと笑みを浮かべた。
「シエスタ、あなた……」
左手で鎖を握り締めながら、右手をシエスタの耳の辺りに伸ばし、さらさらとした髪に指を通す。
「え? あ、あの……」
困惑の色を乗せた声をシエスタが発した。
「あなた髪の毛って綺麗ねえ。珍しいわ、こんな混じりっ気のない黒髪」
「ミ、ミス・ヴァリエール? その……」
どうしたものかと、シエスタは手持無沙汰に両手を宙に彷徨わせる。
戸惑いにたゆたう瞳を覗き込む。髪と同色の深い黒さとは真逆に、純朴で何にも染まっていない真白な情景が垣間見れた。
ルイズは微笑して手を戻す。
「何でもないわ。もう戻っていいわよ」
「は、はあ……では失礼します」
未だ困惑の抜けきらない表情ではあるものの、彼女は素直に頭を下げ部屋を出て行く。
小さく音を立てて扉が閉まると部屋には無音に帳が落ちる。
ルイズはシエスタの髪をなでた右手を、まるで感触を確かめるように擦り動かした。
石榴のような真っ赤な舌を少し覗かせ薄い下唇を舐める。
甘い鉄の味がした。
----
以上で二話終了です。
前回ちょっと質問みたいのありましたが、このお外堂さんはうしとらコンビにやられた後ですね。
弱ってるんで問答無用に乗っ取れるほど力は残ってなかったり。
外堂絶賛回復中。
では失礼します。お付き合いありがとうございました。
まさに外堂GJ!!
投下乙
しかし
>「……何よ、機嫌悪いわねえ」
>もしかしてアノ日かしら、などと呟いているキュルケ
いや普通怒るだろw
それとも言い過ぎたと思っていても素直に謝れないだけ?
ガリアンからマーダル召喚
ルイズに「お前が虚無の力を得たのも悪の力あっての事なのだ」と言いそう。
ハイシャルタットはやはり置いてけぼりかw
>>769 いかん・・・マーダル召喚と聞いても百手大蔵の親父の顔が浮かんでタバサにあしらわれる姿しか思い浮かばん
宝物庫に眠っているのはかつて雷獣と恐れられた3メートルほどの黄金のバケモノ
だったらいいな
>>723 地院家若美(逆から読んではいけない)を召還とかは?
ルイズと契約するだけで暴れるっつうか口付けるだけでミイラ化するような生粋のだ
若鳥が襲われなくなって安心してたのに他のに召還され遭遇するとか……
ルイズが、ルイズがどんどん悪化していく……獣の槍と使い手はどこだぁぁぁぁぁっ?!
何はともあれGJです。
CLAMPのXで「いい男に限ってゲイか妻子持ち」とか言ってたなあ
そうだ、忘れてた
母親のスパルタによって女優となるべく赤ん坊の頃からスチールの机を砕くハイヒールでボコボコにされながら
超絶的演技力を得るまでしごかれた部長さんが呼ばれたら
ギーシュが剥かれる
ワルドが襲われる
ウェールズがテイクアウトされる
ヴァリエール公爵が襲われカリン激怒
竜騎士少年たちが襲われる
ジュリオが剥かれて襲われる
ヴィットーリオが(ry
・・・案外悪いようにはならんなぁ
誰の事かと思ったら、DISTANCEの「部長」シリーズのあの人かよっ!www
あ、あれ……ボンボン坂高校じゃなかったんですか?
ヴィットーリオはガチだろうから喜ぶんじゃないか?
寺院なんて歴史的に見てどう見てもガチホモの巣だろ
>>777 いや、多分違うと思うぞ
俺の言ったのはアレだ
『ボンボン坂高校演劇部』の部長さんこと徳大寺ヒロミ(オカマ)だ
演技で動物になりきって意思疎通を可能にしたりしたが
ハルケギニアの生物は何処まで可能なのか
そして考えてみればビダーシャルはもちろん、ジョゼフも余裕で射程範囲だろうな
性格は基本外道だが、ウンタマ(イエティ)や誘拐された妹のために体張ることもしたし・・・
いや、やっぱギャグモノ以外ありえんな
決闘イベントもシエスタは完全スルーで話が進む、そんな奴だ
>>777 速攻でそれを思い出すとはなんてエロい奴なんだwww
ディスタンスのはあの気持ち悪いマンガか
シエスタが和紙張りの小箱か法具一式をメイド服に隠しててくれる事を祈るしかあるまいw
あ、両手に古びた櫛でもいいんだが。<外堂ルイズ
あ、でもお外堂って呪言唄を唱えれば簡単に抑え込めるんだよな。
一度誰かにそれを知られたら即輪っかをはめられた孫悟空になるな、外堂ルイズ。
>>780 シエスタイベント無視と言うかギーシュがシエスタ責めてる時に割り込んで
ギーシュの顔舐めたり体這い回って確認した後そのまま拉致るのが部長だと思うが
そういえばハルケには幽霊というかオカルト的なものはないよな…
ドラゴンとかが実際にいるような世界なら仕方ないか
幽霊とかファンタジーじゃあるまいし
精霊はいるみたいだけどね
>>788 あっちの世界の人間に言われたらイヤになるなw
ふと思ったんだけど魔法というよりエスパー的な能力を持った黄金の太陽勢呼んでも面白そうだな
土火風水で構成された世界だし
ハルケギニアで密かに封印していた悪鬼悪霊妖怪を偶然解き放ってしまい、再び封印すべくルイズは旅に
四人の仲間と忍者な力で今日も全国行脚中
>>788に似た発言ならエルフを狩るものたちで見たことがある
異世界に召喚された日本人がカルチャーショックを受けながら冒険するギャグ漫画
>>791 仲間が女の子二人で嫁さん探しするならブルブレなんだがな。
同じ作者の作品からショータを喚んで回復打撃をカトレアにだな
カクレンジャーを知らぬのか!?こりゃ失敬
>>796 ケイン・コスギが黒いのになってたアレか
前年のダイレンジャーに続いて、子供心にかなりスッキリしない終わり方だったアレか
ふん、この青二才め
ジェットマン、ジュウレンジャー、ダイレンジャー、カクレンジャーのコンボ世代だぜ
ダイレンジャーは今見ても面白いし、アクションも大好き
忍者も大好き
ジェットマンは震えながら見てた記憶がある
最終回では開いた口がふさがらなかった
コンドルが刺される話題禁止
エスパーだったら絶チルからあの三人を
攻撃・情報・移動と何気にそろってるし
ルイズにヒカルの碁の佐為(消滅後)が召喚されてハルケギニアに囲碁を伝えまくって
アルビオンでルイズと佐為がワの人や7万の碁打ち相手対局するというSSなんてどうかな
ブリミルは生前の本因坊秀策で、聖地で秀策(寅次郎)と対局して遂に神の一手を極めるという
ちなみにデルフはこの場合扇子で(ヒカルに自分の渡しちゃったから)
>>789 ポリフォニカ黒の、マナガ&マティア召喚とかどうよ
マナガがあの図体で自分は精霊ですって言っても、誰も信じやしないだろうなぁ
(※ 身長2m半はある、無精ヒゲを生やした筋肉ダルマ )
>エスパーだったら絶チルからあの三人を
小ネタに既にある
一瞬で話終ってた
>>796 妖怪+忍者ということで気づくべきだった。すまん。
外堂さまを見て思った希望の可能性でまず一番に浮かんだのが
「シエスタのひい爺ちゃんが凶羅」な俺
他にもタルブの村に字伏4体の石像があるとか、
原作を知ってるのに無茶な考えしか浮かばないから困る
まとめにルイズがボクサーになってワルドと戦ってるのがありましたが、世界を熱狂させるようなスポーツを魔法まで使って……というのは結構難しい?
……メイジならバスカッシュとか生身でできそうだな。
ああ玉砕召喚は?
エスパー…魔美召喚…普通に先住扱いだな。てかまともに使えるのテレポートだけだったような…
あとは幻魔大戦から東丈召喚…うん無双確定w
現行の展開予想はやめとこうな
感想はまだしも展開予想は可能性潰しにもなるから
あとエスパー…その名は101から101ことバビル2世召喚…大概の奴はエネルギー衝撃波で片付くなw
エスパーといえばダンガイオー
>>810 マルフォイ「クィディッチをやるフォイ」
エスパー…私立彩稜学園超能力部...
悪運の所為でルイズに召喚されるマサトとか想像余裕でした三人程付いて来そうだが
手に持てるもの限定のサイコキノ、感覚鋭敏化による超加速、予知能力者って組み合わせは結構ヤバイよな
つかマサトはその能力からガンダ付いてもあまり意味が…
超能力と言えばKOFサイコソルジャーチームを忘れていないかい?
まあ、あいつら神様みたいなのとかとも戦えちゃうぐらいすごい奴らだが・・・・・・
三種の神器の面々も面白いかも。
いおりんだけはちょっと危ないけど・・・・・・
まあ、嫌いなものが暴力だし、小説でも「弱者を嬲る趣味は無い」みたいな発言もしてるし大丈夫かな?
マザー2からネス召喚…フーケゴーレム瞬殺だなw
お外堂GJ!
今後がとっても楽しみなんだが、いつの間にかシュヴルーズが未婚になっていたのはいただけないぜ!
虚無の使い魔が相手なら覇王翔吼拳を使わざるを得ない
いきなり使い魔にしようとは、感心しませんな。近頃の女性はやんちゃで困る。
>>729>>752 まさかその漫画を知ってる人間がいたとはw
どうせならニジンスキーの召喚を希望する。
ギーシュあたりが。
「ギーシュ…わたしを見て」
「み…見てるよ…」
「見かたが足りない。もっと激しく見て!」
少年エスパーねじめ召喚なんで白エスパーの使い魔打ち切り
>>820 コミック版を参考にするとそうなるよ。1巻P67のミス・ロングビルの報告でそう書かれているから。
そう言えば黄金聖闘士って超能力者何人か居たような
ナイトウィザード
おっと途中で送信しちまった
ナイトウィザードって超能力者もウィザードに含まれるんだよな
この俺を使い魔にしようとはマンモス無礼なやつ
既に召喚されている獅子座の人と違って、12星座の無い世界だと
蟹座の戦士とか言われても全然迫力ないよな
>>816 なんか浦安鉄筋家族の春巻思い出した
彼なら召喚後即学園内遭難するだろうな
>>816 「フォイ」ってなんか春巻先生みたいな語尾だなw
ノーパンのルイズが階段から転げ落ちたシーンがやけに悲惨な事になりそうだw
コミック版アルカナハートクロス。
聖霊召還でルイズ自身が強くなる。
超能力か……
『Yボタン』
???「へぇ、アンタ……ルイズって言うのか」
超能力者かー
そういえばロックの人も待っているんだけど来ないね……
>>809 普通に生きているどころか、暴れまわってそうな気がしたのは気のせいだよな
>>836 それだとエルフや韻竜なんかとも因縁がありそうでおっそろしいな
>>834 懐かしいなおいw
タルブにあるのはブリキ大王か?
>>834 ローキックをどう扱うかが肝だな
どっちかというと松の方が相性良さそうだが
超能力者というとサイキックフォースを思い出す
>>838-839 「ふざけないでよ…
魔法なんて使えなくてもね…戦いはできるのよ!
ねえ…そうでしょ、松ッ!!」
こうですかわかりません!
魔法無しで戦いたいなら格闘家でも召還しなよ。
そして銃夢から召喚される絶火
サイボーグの繰り出す拳の衝撃はハルケギニアをその日の内に消滅させた。
USAから雨宮梨花召喚…うんギーシュ下僕化確定w
>>842 荒野の狼こと我らがZ戦士、ヤムチャ様の出番ですね。
>>845 ワルキューレに取り付かれて自爆されそうだっつうかそんなヘタレ挙げるんじゃねぇ!
ここは春日野さくらの師匠ダン様の出番だろ!
超能力者か
ワイルドレインからパラレベル4の主人公を…
うん、ルイズの夢にロゴンゴが出てきてくれそうだ。
>804
胸にルーンは語ることすら憚られる兵部?それとも歳を語るのが憚られる不二k…(通信が途絶えました
>809、>836-837
凶羅の遺伝子からシエスタってwww
…年取って丸くなっていいおじいちゃんしてる凶羅もそれはそれでありかなぁ…
寿命で死ぬ姿が想像できんのでまだ生きてる気は盛大にするw
あとは「エルフの集団辺りと相打ちになったけど、平民がエルフを倒すなんてってことで貴族からは見なかったことにされた」とか。
武道家…DQ4からアリーナ姫と部下2人召喚…たぶんクリフトが水のスクエアでブライが風のトライアングル扱いだな。アリーナだけ最初は平民扱いされてお供と一緒にぶちギレそうw
超能力者と言えばサイコメトラーエイジなんかも居たな
デルフが忘れた事なんかも読みそうだが流石にパンクするか?
あとエデンズボウイのヨルンとか…って、
母親譲りの予知だけじゃなく
時間遡って世界改変したり神を殺すための存在だったりで流石にヤバいか
下手したら教皇敵に回して世界中が敵になったりしかねない
>>809 >他にもタルブの村に字伏4体の石像があるとか
ただし色は黒w
仮面ライダーアギトも超能力者だよな
神の力の一端に触れたから変身できるようになったんだし
>超能力者召喚
ここで、超人ロック召喚をだな
召喚時に記憶喪失にでもしておかないと、チート過ぎてどうしようもないが
……というか、あれだよね。ブリミルと面識があったとしても、ロックだからしょうがないで割と納得できるというのが……w
>>849 うっかり、オーク鬼の死体の山で藤田スマイルしてるシェスタを想像しちまったわwww
凶羅の技を受け継いだシェスタってのも見てみたい気もするが、学園で大人しくメイドしてる姿が想像できんw
裏設定では神と言うか、天使だけどな
そういえば原作の佐々木老人の立場の人がタルブからルイズに召喚されたネタはまだ未出?
>>849 孫娘のシエスタにだけ甘いというのもありだよな!
相打ちになったの後に、「と思いきや、親族の予想通り生きていた。」と書いてあるように見えるのは気のせいだな。
>>856 偶然ハルケギニアに来てしまった異世界人がルイズに召喚されるってこと?
>>854 シ「エ」スタな!
凶羅が孫娘を可愛がってたりしたら、お前さん大変なことになるぜw
>>858 そういうこと
例えばタルブで農作業をしていたロボ(ED後)が召喚されたとかそういう感じ
めそ?
「よかろう!貴様の使い魔とやらを勤めてやろう!
べ、べつに今家に帰ったら凰火のお小言が怖いとかそんな事は全く無いぞ!
なんせこの凶華さまは全知全能だからな」
863 :
860:2009/08/13(木) 10:48:43 ID:eEHN8I9i
ロボとはクロノトリガーのロボ(プロメテウス)のこと
ED後なぞのゲートに吸い込まれてたどり着いたタルブの村で村人達と長年の開墾作業中
に召喚
まあこのパターンだとシエスタの設定が難しくなりそう
いっそのことクロノクロスとは別の平行世界ということにして共に巻き込まれたルッカがシエスタの祖母だったことにすればルッカ生存ルートにもなるが
ウエストウッド村に召喚された場合高い確立で数年以内に村が焦土と化す
想像を絶する量のCO2を召喚してハルケギニア温暖化の後すべての海が
>>854 >>ロック召喚
ハルケギニア、というか「ゼロの使い魔」終了フラグ立ってしまう
866 :
860:2009/08/13(木) 10:59:23 ID:eEHN8I9i
>>863を書いた後に気付いたけど別にムネ革命に呼ばれなくても
魔法学院は白炎襲撃で、タルブはタルブ戦で火を点けられることに変わりはなかった
原作に沿った展開ならルッカの死亡フラグが消えることはなさそうだ
>>859 す、すまねえ……
ちょっとブルートレインに乗って青函トンネル行って来るわ
>>865 ロックの持つ最強の超能力「かかわった雑誌が(ry……」
が発動する可能性もあるもんなぁ……
敵を倒せるかどうかよりも如何に奇怪な展開になるかが楽しみ
実際ワルドに負けてルイズが連れて行かれる展開とかあってもいいじゃないか
>>864 まんまハリウッドのウォーターワールドじゃねーかそれ
>>864 だいぜうぶ
その場合はルイズがパン職人を召喚してるから万事解決
>>872 確か身も心もヨガなインド人になってリュウやケンと楽しく戦う日々じゃなかったか?
あとリアクション能力は自分のパンじゃ発動しない筈だがルイズにパン作りは鬼門じゃね?
超能力と言えばニュータイプ
アムロを呼べばいいんじゃないか?
邪気が来たか!で相手の感覚が察知できて先読みも出来るし
BS見てたらセロ弾きのゴーシュがやってる……
セロ弾きのギーシュとか、セロのルイズとか一瞬頭をよぎった俺はもう駄目かも知れん
落ちてくるアルビオンを押し返すのか
>>874 アムロよりエドワゥさん召喚
……とりあえずルイズとタバサ逃げてェ!
あとテファも危険だな あの母性が
もういっそエンジェルハイロゥまるごと持ってくればいいんじゃね?
>>766 遅レスなんだが、お外堂さんはガンダールヴなんだろうか?
イメージとしては憚られるなんだが
超人ロックを召還したら物語終了まで生き残れるキャラがほとんどいなさそうだ
メインキャラでも突然死ぬからな…
まあ要するに、ルイズは「普通の使い魔には興味ありません!」と言って見事伝説の使い魔のサイトを呼んだわけだよな。
超能力というか宇宙人の長門さんファミリーを召喚、あちゃくらさんやキミドリさんといっしょに和みストーリーに。
>>881 普通によろこんで住み着きそうだな
いつでも行き来できそうだしw
虚無の闇の人帰ってこねえかなあ・・・
>>877 幾らシャアでもNT能力の無いょうじょに手は出さんだろ
>>884 父親を無くした幼女を拉致して最前線で活動する戦艦に連れ込んだ経験アリ
>>885 シンタとクムか?
あれは連れてくだけ連れ込んでおいて後はファに丸投げしたような・・・
こんにちわ。鋼の人です。
四回に分けた外伝の最後を投下したいと思います。
投下予告1420から。
シャアはクェスを利用するだけしてたけど、ベタベタしてくることに関してはウザがってたけどなぁ。
それはそうと支援。
小部屋を引き払い、三人は牛頭鬼が潜む地下空間の奥へと足を踏み入れる。
灯りなき道先をカンテラで照らし、やはりここが人の手の加えられた空間であることがタバサにもわかった。天井に向かって等間隔に立てられた柱が認められたからだ。
そして、意識を集中させて空気の流れを感じ取る。大きな空間だが、やはり外からの空気は薄い。あまり系統魔法には頼れないだろう。
歩を進め、並ぶ柱の間をいくつか過ぎるうちに、鼻腔には腐った肉と獣の匂いがまとわり付く。踏み出した足が、何か棒のようなものを踏み潰す感触を得て、それが
干からびた何かの骨であったと知ると、いよいよタバサたち三人の緊張が増していく。
「きゅ、きゅい……。ばっちりしゃっきりいやがるのね」
荷物を持っておっかなびっくりついてきているシルフィードもその気配を感じ取っていた。そして先頭に立っていたシェフィールドが、その足を止めた。
今ならタバサにも聞こえる。目鼻の先の闇の中から、太く重い獣の呼吸音が響いてくる。
シェフィールドが手に持つカンテラを高く掲げた時、三人の目にそれは写った。
それは大きな人型だった。夜盗の扮していたものなど小賢しいほどに大きい。拳だけでも華奢なタバサほどにあるかもしれない。足先から頭まで、目測でおよそ
6メイル以上。その頭はまさしく野牛のもの、顔の前に向かってねじくれて伸びる二本の角……。
牛頭鬼は、この地下空間の最奥で仰向けに眠っていた。身体に巻いている毛皮の下で、張り出した肉が野太い呼吸に合わせて上下している。
「眠っているのね……」
「起きると面倒だ。寝ているうちに仕留めてしまおう」
カンテラを近くの壁の亀裂に引っ掛け、シェフィールドは眠る牛頭鬼を見上げた。分厚い身体をしていて、全身が鍛え上げた筋肉の塊といった感じだ。あの紅い刀身を
抜き出し、シェフィールドが牛頭鬼の首に近寄っていく。
「ふぅ……」
大上段に構えて息を整える。据え物とはいえ、この肉の厚さなら一太刀で斬るのは難しい。タバサは万一のために杖と剣に手をかけ、シルフィードはその後で
おっかなびっくり覗いていた。
「やるぞ」
「やって」
「やるのね」
三人が声を重ねて、数拍。シェフィールドは細く息を吐いて剣を降った。
「『巻き打ち』!」
紅い刀身が煌いて牛頭鬼の首に滑り込む。妖しいほどの切れ味で、牛頭鬼の首は転がり落ちる……はず、だった。
「ッ!」
シェフィールドの表情が変わる。彼女の持つ剣が牛頭鬼の皮を切り、肉を切った。しかしその刀身は、牛頭鬼の首三分まで沈んで止まってしまったのだ。
「切り込めない……!」
「危ない!」
タバサから切羽詰った声がかかり、シェフィールドはとっさに飛び下がった。そして自分が先ほどまでいた場所に、眠っていたはずの牛頭鬼が腕を振り下ろしていた。
「きゅ、きゅい! お、起きちゃったのね?!」
「寝首を掻かれたのだから当然」
首を切りつけられた牛頭鬼は覚醒を迎えた。地下空間を振るわせる咆哮を上げ、喉辺りをかきむしりながら上体を起こしてこちらを見下ろしている。
その目はすぐさま、明らかな敵意に染まった。
「ブグォォォォォォ……」
「……!」
呻るような鳴き声に混じって辛うじて人語に聞こえるものを牛頭鬼が口にしていた。そしてかきむしった指先に、血の付いた剣が絡みついたのを見て、敵意の瞳は
一層激しいものとなって三人を睨みつける。
「バォォォォォォォ!」
「ちょ、超怒ってるのね〜!」
シルフィードの悲鳴と牛頭鬼の咆哮がほぼ同時に上がって、タバサはシルフィードを柱の影に突き飛ばした。そして自分は剣と杖を抜いて牛頭鬼に正対する。
シェフィールドは手を掲げて、夜盗に使った『妖術』を使おうとしているようだった。牛頭鬼の首に残してしまった剣は、まだ牛頭鬼の手に絡みついている。
牛頭鬼が寝床から起き上がる。そして壁に立てかけていたらしい自分の斧を握って、足元のタバサへ向かって振り下ろした。
タバサはそれを余裕で避ける。だが、斧を叩きつけた衝撃が床を伝って足元を揺らし、足が痺れるような振動が膝を襲った。
「『幻夢の一撃』!」
タバサが振動で硬直している間にシェフィールドの妖術が牛頭鬼を捉えた。シェフィールドの目前に緑色の発光を伴う黒猫の幻影が現れ、牛頭鬼に踊りかかった。
幻影の爪先が牛頭鬼の顔を散々に引っ掻き回すと、牛頭鬼は驚いて後方に一歩下がった。
「くそっ。こうなるなら私も零姫に幻術を習うんだった」
全ステ-7
シェフィールドが何かを口走りながら、牛頭鬼が床に落とした自分の剣を拾ってタバサの隣に構える。
「寝首を掻けなかった以上、ここからは正攻法だ」
「牛頭鬼は体力だけはある亜人。長期戦は無謀」
二人が構える前で、牛頭鬼が両手で握った斧を振りかぶって吼える。
「もう一度、首を狙う。だからあなたは隙を見て牛頭鬼に飛びついて」
「何?」
「私は、注意をひきつける」
ふたたび構えてタバサは牛頭鬼に立ち向かう。跳躍と同時に振り下ろされる斧をかわし、
ありったけの力を込めて斜め十字に剣を走らせた。
「『クロスブレイク』!」
常人が食らえば絶命の可能性もある鋭い一撃が牛頭鬼の肌を切りつけたが、タバサの腕には岩を叩くような衝撃がはね返った。反動をこらえ、着地と同時に次は
牛頭鬼の右足に向かって飛ぶ。
「『スマッシュ』!」
ガリ、と不愉快な感触だけがタバサの腕に残る。
タバサの剣は鋭さと速さで切るもので、固いもの、大きいものを切るには向かない。このような使い方をすれば剣自体が駄目になってしまうかもしれなかった。
それでもこうでもしなければ、牛頭鬼の注意を引きつけることはできない。
「ブホォォォォォォォ!」
身体をちくちくと打たれた牛頭鬼が苛立つように足を打ち鳴らす。足場を強烈な振動で揺るがされながら、タバサは懸命に走り回り、覚えている限りの剛剣を見舞った。
視界の端でシェフィールドを見る。彼女もまた、剣を神妙に構えて牛頭鬼を見据えていた。
牛頭鬼がふたたび動く。斧を再び振り上げては打ち下ろしてくるのを、衝撃を浴びながらタバサは逃げ続ける。
「っ! ……『かぶと割り』!」
じわりと足腰が笑うのを懸命に堪え、跳躍と同時に剣を振り下ろす。剣先は牛頭鬼の右胸に突き刺さって、止まってしまった。
「グボォォォ!」
「あぅっ!」
蚊を払う動きでタバサが打ち払われる。地下空間を支える柱に叩きつけられ、地面に落ちた。
「お姉さま!」
隠れて見守っていたシルフィードがたまらず駆け寄った。意識が途切れそうになりながら立ち上がったタバサだが、握る剣の先がへし折れてしまった。
「ちっ! ……『飛燕剣』!」
タバサを限界と見たシェフィールドが構えを変えて剣を振るう。剣圧が刃になって牛頭鬼を掠め切ると、牛頭鬼の視線がタバサからそちらへと移った。
「お姉さま! もう、無理なのね。これ以上やってもしょうがないのね。大人しくお家に帰るのね!」
「駄目……。まだ、任務を終えていない」
シルフィードを振り払い、タバサは構える。折れた剣を収め、握った杖を剣のように構えた。
意識を集中させ、詠唱する。なけなしの風と水気を束ね、杖先に集める。二つ名は雪風。冷たき一陣の風のように肌を切る刃をイメージした。
杖が氷に包まれて、杖先に向かって鋭い氷柱が伸びていく。その形は、平民の傭兵が使うような厳しい長剣を象った。
「氷河剣【アイスソード】……」
完成した、独自の魔法剣を構え、タバサは牛頭鬼を視る。息を吐き、腰を落として構える。
視線は一点、牛頭鬼に突き刺さって残った、折れたタバサの剣先だ。
「シェフィールド!」
「はっ?!」
牛頭鬼と一人で切りあっていたシェフィールドが、タバサの声に応じて、無意識の内に引いた。それと同時に、タバサが走る。
打ち付けられた身体が悲鳴を上げるのを堪えて、全力疾走から跳躍し、タバサは氷河剣を牛頭鬼の身体に突き刺した。
最前に深く刺さった剣先を押しのけて氷河剣が深く牛頭鬼に入り込み、牛頭鬼が初めて痛みにらしき悲鳴を上げ、体をよじった。
「ま……だ……!」
硬い岩のような肌に身体を打ち付けられ、揺り落とされまいとしがみつきながら、タバサが氷河剣にもう一度、詠唱を込める。生きている動物がその身体の中に流す
血液もまた、水に属するもの。タバサが突き刺した氷河剣を通して、それに働きかける。
(凍って……!)
「フゴッ?!」
呻く牛頭鬼の肌が水を入れた皮袋のように不気味に膨らみ、次々と爆ぜる。
肉のちぎれる音とともに牛頭鬼の右腕から肩にかけて、紅い氷柱がつきあがった。
「ゴォッ、オォォォォォ……」
痙攣する牛頭鬼の身体に張り付いていたタバサは、弛緩して怪物の表面から氷河剣ごと抜け落ちて地面に落ちた。
それを見逃すシェフィールドではなかった。
「今か……! 『清流剣』!」
動きを停止した牛頭鬼にシェフィールドが跳躍する。残像が残るほどの鮮やかな動きで、太い頸部に一太刀。さらにそこから、地下空間の高い天井に向かって跳躍する。
「『濁流剣』!」
天井間際の壁を蹴って反転し、残像を混ぜたシェフィールドの斬撃が再度牛頭鬼の首を切りつけた。残像の剣撃が五回に渡り叩きつけられて、漸く牛頭鬼の首は
大樹の折れるような音をあげながら、地面に落ちた。
「お姉さま〜!」
地面に投げ出されたタバサにシルフィードが再び駆け寄った。荒れた牛頭鬼の肌に叩きつけられて、端整な顔も瑕だらけになってしまっている。
「きゅい〜、しっかりするのね!」
半べそをかきながらも体を揺らすシルフィードに、タバサはぺしぺしと平手を打った。
「痛いから、離して」
「きゅ! 気がついたのね」
「大丈夫か?」
剣を収めたシェフィールドがタバサに駆け寄ると、タバサはうなずく。
「あとはあの首をリュティスに運ぶだけ」
そういって見上げる牛頭鬼の首なし死体は、首もないのにいまだはげしい痙攣を起こしていたが、氷漬けにされた半身が動かないために、ひどく不恰好だった。
「とりあえず麓までこの首を運ばないといけないな」
「なのね。荷馬車とかも用意しないといけないのね」
そう言ったシルフィードは、抱いていたタバサが少し弛緩したことに気付く。
「お姉さま?」
腕の中のタバサをゆすっても、返事が返ってこない。驚いたシルフィードはタバサを覗き込む。
腕の中のタバサから、静かな呼吸が聞こえてきた。
「寝ちゃってるのかしら?」
「寝かせておこう。あとの処理は私がやるよ」
「きゅい。それじゃお願いするのね」
はやくタバサを休ませて上げたい一心のシルフィードはシェフィールドの提案に二つ返事を返し、そそくさと地下空間を出ようとしていた。
「先に外で待っているのね」
よいしょ、とタバサを背負い、荷物鞄も持ってシルフィードは地下空間から直接外に出られる場所を探しに行った。
灯りの外側へと居なくなったシルフィードを見送ってから、シェフィールドは倒した牛頭鬼に振り向く。落ちた首は微動だにせず、残った身体もやがて痙攣を止めるだろう。
シェフィールドは両腕を伸ばし、意識を変えた。自分の中から、何かを引き出すような感覚とともに、両腕が怪しい緑色の発光と伴う籠手に覆われる。
拳を握って構え、シェフィールドは首の落ちた牛頭鬼に歩み寄って行った……。
気がついたとき、タバサは『白猫と黒猫亭』の一室に、自分がいることを知った。
部屋の片隅の椅子にシルフィードが間抜けな顔で突っ伏して寝ているのが見える。起き上がってタバサは、壁に吊ってある自分のシャツを着る……下着一丁に
自分が脱がされていたからだ。
「起きて」
ひどく揺すってもげこー、と不細工な寝息を立てる使い魔は起きる様子を見せなかったので、タバサはゆっくりとシルフィードの座る椅子を引いてあげた。
寄りかかっていた机が遠くなったために前のめりに椅子から転げ落ちて、ようやくシルフィードは目を覚ます。
「んっきゅ! ……あふぅ。あ! お姉さま! 目を覚ましたのね!」
良かったのね、と満面の笑みを浮かべて使い魔は喜んだ。
「どうしてここに?」
「きゅい。えーと、あの人と一緒に、牛頭鬼のこわい頭をずるずるっと村まで持って行って、そこから荷馬車を借りてここまで来たのね。お姉さまは怪我してたし疲れてた
みたいだから、ベッドに運んだのね」
牛頭鬼の首は、と聞くと、シェフィールドが持って行ったという。イザベラからの命令書もシェフィールドが持ち去っていた。
「そのかわり、お手紙置いて行ってくれたのね。お姉さまが起きたら渡してっていわれたのね」
はい、と大事に握っていたのだろう、くしゃくしゃになっていた手紙を、タバサは拡げた。
本当は起きるまで待っていたかったけれど、友人の安否が気になる。タバサが助けてくれたことを証明する為に、荷物を改めさせてもらった。
多分、これでタバサの任務も終わらせる事ができるだろう。気になるようであれば、直接リュティスに聞いてもいい。
いつかまた会うことあれば、その時にはもうすこし、穏やかな時間を過そう。
シェフィールド
支援
たどたどしい文字で、手紙は終わっていた。
しかし、本当にこのまま後処理全てをシェフィールドに任せていて良いものか、タバサは迷っていた。リュティスに聞けとあるが、悪知恵の働く従姉妹なら、任務不達成と
称して自分を罰するやもしれない。
「彼女がここを発ったのはいつ?」
「おとといなのね」
ということは、荷馬車を引きつつでも既に彼女はリュティスまで行っていることになる。
「きゅい……お姉さま、どうしたのね?」
思考にもぐろうとしたタバサをシルフィードが心配そうに眺めている。
「大丈夫。ここを引き払ってリュティスに行く」
ともかくイザベラに報告だけはしなければならない。命令書にあった女性が首を回収した、だから首についてはそちらに聞け、それで駄目な時はいよいよ、
覚悟するもの覚悟ししなければならないかもしれない。
そう思い立ち、鞄から着るものを引っ張り出して、タバサが支度を始めた時、部屋の窓を外から叩く音がした。
「梟が来てるのね」
何気なく、シルフィードが窓を開けると、外から一羽の梟が手紙を持って室内に入り、口にくわえた手紙を置いて、また出て行った。
服を着てからタバサはその手紙を取った。このタイミングで梟便を自分に向ける相手はリュティスのイザベラぐらいしか居ない。
裏面を覗けば思ったとおり、蒼い封蝋で印が押されている。
『任務完了を確認 待機せよ』
極めて事務的な書体で、それだけしか書かれていない。
しかしそれが、シェフィールドの意向がガリア王宮を通じてイザベラを動かした事の証明でもあった。
「リュティス行きはやめる」
荷物を持っていたシルフィードはタバサがそう言ってくれて喜んだ。
「きゅい! じゃあお仕事おしまい! 学院に帰るのね!」
わーいわーい、と子供のように手をばたばたさせて、シルフィードが部屋を出て行く。どうせ下に下りれば食事を取りたいと言い出すのだろう。
……二日もベッドに張り付いていたから、タバサも空腹だった。どうせなら良く食べて、それからラグドリアン湖畔の自宅に戻ってもいい。
今日も無事生き残り、あの男に食らいつく機会を探せる事を報告する為に。
吊っていた剣が少し軽くなったのを心に惜しみながら、タバサは階下に待つシルフィードの元へと、部屋を後にした。
ガリア王が住まう宮殿ヴェルサルテイルには大小五十近くの建物がある。それも、地上に限っての話だ。王族が住まう場所であるから、万一のことを思えば、地下には
無数の抜け道や地下倉庫が作られ、地上に広がる宮殿と同規模の贅を凝らした地下宮殿が、リュティス市民の足元には存在するのだ。
その地下に作られたある一室に、ヴェルサルテイルの主人たちは集まっていた。
窓が無いことを気にしなければ、そこは地上にあるグラン・トロワの娯楽室と遜色ない調度が施されているのがわかる。
もっとも、ここを使う者たちは、それが当たり前だと思っているのでまったく気にも留めない。
イザベラもその例に漏れない。彼女はその時、テーブルに向かって拡げた数々の書類を眺めつつ、ベリーをたっぷりと使ったタルトとワインを口にしていた。
精々片手で足りるほどの人物しか使わない娯楽室に今は二人しかいないし、もう一人とはあまり懇意にする気がないからだ。
「何を眺めているのかしら?」
そのもう一人は、眉目麗しい二十代後半の女性だ。
世間で彼女は『モリエール夫人(ミセス・ド・モリエール)』と呼ばれてる。ガリア王ジョゼフの愛人とされていたし、彼女自身それを否定しない。
「ロマリアに放っておいた密偵からの報告書と、ロマリア南部の麦生産高の減少を示すグラフ、あとゲルマニアで煽らせたチューリップ投機の中間報告」
「チューリップ投機?」
「そうさ。色とりどりの花びらをつけるチューリップの球根を投資の対象にさせてみたんだよ。方々の商人どもに、それらしい話を吹き込んで見せたら、あいつら
面白いように金をそそぎこむ。馬鹿だねぇ、所詮ただの球根なのに」
くっくっく、とかみ殺すようにイザベラが笑う。
「そのうちあいつらも気付くだろうけど。それまでは遊ばせて貰うよ」
「玩具で遊ぶのも大概にしなさいな」
けっ、とあまり上品とはいえないしざまでイザベラは答えた。
「情婦が親面をするのかい。玩具遊びならあんただって大概じゃないか」
「あら。あれは立派な研究よ。陛下からも予算は出してもらっているし、それに見合う成果も出しているわ」
「亜人や罪人を材料にした研究でかい」
「ええ」
ガリア王の愛人にして、“塔”の手綱を握る女研究者は、豊かな胸を張って言った。
「それもこれも貴方のお父上が面白いものを見つけになられたから。始祖の秘密を開陳してくれたからよ」
「ふん。……私はあれは嫌いだ」
憮然として、イザベラはタルトを掴み取って口に運んだ。
指に残ったシロップを舐めていると、部屋の入り口の一つが開けられて、ローブ姿の者が入ってきた。
「おや、おかえりなさい。『アセルス』」
「ジョゼフはどこだ」
モリエールに言葉を返さず、アセルスと呼ばれた者は部屋を見渡した。
「どこに居るんだ」
「陛下なら奥の個室で『彼女』とチェスをしてるわ」
するとモリエールが指差す先へ、アセルスは二人に一瞥とせず行ってしまった。
「……ふん。挨拶ぐらいしてみせても罰は当たらないだろうに」
「彼女にとってあの子が何よりも大事なのよ。私や貴方にとっての陛下のようにね」
「……ちっ」
不機嫌に書類を端に追いやり、ワインを空にしたイザベラを、モリエールが楽しそうに眺めていた。
「それでも暇なのは確かね。どう? 私と一つカードでもする?」
「ごめんだね。あんたはすぐにカードをすり替えるから」
「そう、良かったわ。私もわざと負けなくて済んで」
ぎり、とイザベラが歯を軋ませたのを見て、モリエールは彼女がカードを取り出すまでどれくらい遊べるか考えていた。
広い娯楽室にいくつかある個室のうち、一つだけに灯りが入っていたため、探すのは容易だった。
透けるような幕の掛かった一室に、薄紫の灯火で向かい合う二人の人影が浮き上がっている。アセルスはその幕の中に、
「入るぞ」
と、無作法に入り込んだ。
「ジョゼフ。あんたの指令は片付けた。だからすぐにこの場を離れてくれ」
一国の王にとは思えない声の掛け様だ。しかしジョゼフは逆上することはない。
返事もしなかった。入ってきたアセルスに対して、制止を促す手だけをあげる。その視線は、女性とつき合わせている盤上の駒だけを見る。
その姿勢のまま、時間が流れた。じり、とジョゼフが動く。盤上に並んだ白い駒の一つをつまむと、黒い駒の近くに置いた。
「詰み(チェック)」
「参りました」
女性は揺れる鈴蘭の如く返して、ジョゼフは上げた手を下ろしてアセルスを見た。
「楽しいゲームの最中に乱入するとは無粋だな。女神(ミューズ)の騎士よ」
「ふざけるなっ! あんたが指令を終えたら顔を出せと言ったんじゃないか!」
今にも掴みかかろうかというほどに、アセルスはいきりたっていたが、向かうジョゼフは腰掛の背もたれにうんと体を伸ばし、心地よい一戦の余韻を愉しんでいた。
「ミューズ。これで何勝何敗だ?」
「私の4勝6敗です」
ジョゼフの相手をしていた女性は、静かに答えた。
女性の装いは、ガリア宮廷の流行とはかなり異なっていた。随所に生花かと思うほど生々しい出来の薔薇の意匠が散りばめられ、ヘッドドレスにもこれまた、
零れ落ちそうなほどの薔薇が飾りつけられている。それら全てが白い花弁を持つ純白の薔薇だ。
そのようないでたちながら、女性はそのようなものがなくても問題にならぬほどの超然とした美貌を持っていた。硝子の箱に入れて飾っておきたくなるような、
いつまでも眺めていられる美しさである。
男振りの乗っているはずのジョゼフ王は、そのようなところに一目もくれては居ない。
「俺とチェスで勝負してそれだけ出来る奴は暫くぶりだ。もう少しきつく攻めてもよかろうな」
「ご存分に」
ミューズ、とジョゼフが呼んだ女性に、無視された格好のままアセルスは複雑な視線を送っていた。
「みっともないな騎士よ。そんなにこいつが恋しいか」
「ジョゼフ貴様っ」
抗しきれなくなったアセルスが、ジョゼフに掴みかかろうと進み出た。ジョゼフはそれを見てから、懐に手を入れて何かを探った。
「あっ!」
ミューズが悲鳴を上げて椅子から倒れ落ち、襟首まであと少しというところだったアセルスの動きが止まった。
「『白薔薇』!」
「ミューズの騎士よ。お前がこやつの代わりに俺の手伝いをするというから、使ってやっているんだ。分をわきまえろ」
「うっ……あっ……」
ミューズはこうしている間も頭を抱えて床に倒れ伏す。
「白薔薇……」
「離れろ。騎士」
苦い顔をして、アセルスはジョゼフから離れた。
「……で、件の出来損ないは始末したんだな」
「ああ。身体はこっちで勝手に処分したけど、頭の方はモリエールの部下に引き渡した」
「シャルロットはどうした?」
アセルスはジョゼフの目から逃げる。
「傷を負っていたから、宿に預けておいた。イザベラは不服そうだったけど」
「で、あるか」
ふむ、と勝手に納得したらしいジョゼフは、椅子から立ち上がる。
「また何か申し付けるまで、ミューズとゆっくり語らうといい」
だが立ち去り際、ジョゼフはアセルスの耳元に吹き込む。
「無用な事を考えるなよ」
血が吹き出そうなほどにアセルスが憤るのを満足そうに見て、ジョゼフは立ち去った。
立ち去ると同時にミューズ……白薔薇は苦痛から開放されたと見え、アセルスは彼女に駆け寄った。
「白薔薇!」
「だい……じょうぶ……です、アセルス様」
似合わぬ汗を浮かべた白薔薇を抱き上げて、アセルスは啼いた。
「どうしてっ! どうして白薔薇がこんな目にあわなきゃいけないんだ」
「お泣きにならないで下さいアセルス様。擒の身は慣れておりますから」
「でも、こんなの……オルロワージュのほうがまだマシだったじゃないか!」
自分のために泣いてくれているアセルスを見て、白薔薇はその細く柔らかな指先で涙を拭ってやった。
「ファシナトゥールとは違います。私の心までは、あの者には捕えられません」
「白薔薇……」
そっと帳の下、囚われの二人は口付けを交わす。
妖魔の王、魅惑の君オルロワージュが四十六番目の寵姫、白薔薇姫。
オルロワージュを討ち果たした、誇り高き半妖、アセルス。
魅惑の君討ち果たして幾星霜。二人は今、ハルケギニア半島、ガリア王国の都リュティスにいた。
白薔薇の額には、二人には身に馴染みなき刻印が、無慈悲に仄光っていた……。
投下終了。やっと外伝終わった。
乙
半妖エンディング後?
乙
一日遅れですが、ちょっと補足が必要かな。念のため。
「幻想郷」ですが、東方その他とは無関係です。ネタでも何でもありません。
ちょっと語呂と意味の合う適当な言葉が他になくて。
紛らわしくてすみませんでした。
ワールドくん、いっしょに、あそびましょーう!
判る人いるかな
実際召喚されたらどっちが悪者なのかわからないなあ
結局勘違いで殺されるし
一番かわいそうなのはこの人な気がする
乙でした。
ときめきトゥナイトは主人公の誰を読んでも厄介だろうなとふと思う。
吸血鬼の蘭世、無機・有機問わずあらゆる物と会話できるなるみ、泣くと雷が落ちる愛良……
騒動がでかくなりそうなのは
幼少時愛良>>初期蘭世>成長後愛良>主人公時なるみ>>>後期蘭世
の順かね。
なるみだとギーシュ戦はワルキューレが味方になってしまいそうな予感。
ガリア王家の言い伝えが魔界王家の言い伝えにしか見えなかった自分。
新日暮里の人を召喚しよ。
>>786 遅レスだが、そう大体そんな感じになるだろうと俺も予想
徳大寺ヒロミがハルケギニア中の美形を集めてハーレム作り
父を拉致されたルイズ、夫を奪われたカリンが
ギーシュを奪われたモンモン、標的を追ってタバサが
魔王となってハルケギニアに君臨する部長さんを打倒するためにいざ決戦へ
ってなオチが見えた
整理して準備しておくかなぁ・・・
そしてもう一つ、両刀使い(多分)で能力的に徳大寺ヒロミに匹敵する変態部長を思い出した
矢追直美を召喚
こいつもルイズたちを置いてきぼりにしてラスボスになったりしそうな奴だぜ
漢式なら確実だ
>>877 エドワウと言うとキース・ブルーを思い出す俺
ルーンの効果でARMS適性を補正すれば車椅子要らずの活躍も可能だな
せっかくだし魔弾タスラムになった瞬間のブルー兄さんにしようぜ
ホワイト以外のキースシリーズは自由が得れて大喜びかも、全員ワルドも7万も一蹴できる強さだし。
ライトニングクラウドは多少ダメージを受けても耐性がすぐできるだろうな。
地獄の住人と書いてキース・シリーズは吹いた。
>>909 どいつもこいつも揃ってかなりプライドが高く、それに見合った強力な力を有している連中だから、
ルイズに従う可能性はほぼ皆無だろうな。
それどころか最悪、召喚直後に阿鼻叫喚の地獄絵図になっても何ら不思議じゃない。
問題はどいつもこいつも使い魔になれと言われたらその場でルイズを殺しそうだという事だ
温厚なバイオレットにしてもプライドは高いからな
トールキン御大がゼロ魔をリメイクしたら壮大なファンタジーになりそうやね
ZZからシャングリラチルドレンを召喚
冷遇ぶりに業を煮やしたビーチャやモンドがワルド側へ寝返ったり
ジュドーが学院の宝物庫前でフーケと鉢合わせしそうな気が
>>904 2部の鈴世ならイケメンだし狼にもなれるし、ルイズが喜びそうだ
というか、誰を召喚しても、家族の誰かが思い池を使ってすぐ迎えにくると思う。家族の絆が強いし。
迎えに来るときに水筒に思い池の水入れとけば簡単に帰れちゃう
ゼロ戦の代わりにジャルパックの扉があったら、
魔界人が観光名所としてハルケギニアにわんさか押し寄せそうだw
>>907 魔弾タスラムも爆弾だし、愛称バッチリだよな!
>>915 ハルケ側が「亜人だ!亜人が攻めてきた!」
となりそうだがギャグとシリアス織り混ぜてさっくり解決だな。
>>909 ARMSってKY以外も耐性が出来るんだっけか?
>>919 量産型アームズの連中が、一度目の登場のときは電撃くらって行動できなかったのが
2度目では耐性出来てて効かなかった。
>>919 マジレスすると、強力な電撃をくらうとARMSを構成しているナノマシンが衝撃で
一時的に活動停止するも、二度目からはその電撃に耐性がついて効かなくなる。
まあワルドのライトニングクラウドならARMSごとき消滅させれますけどね
ワルド乙
ワルド乙
ロリド乙
ワルド乙
ワルド乙
そうかそれは凄いな
で、ワルドって誰だっけ
>>925 ワルドはロリコンロリコン言われてるが、ルイズって別にロリじゃないような気がするんだが…。
ちなみに本物のロリコンはロリにしか性的欲求を抱くことが出来ないらしい。Do notじゃなくてCan not的に。
いやルイズは見た目ロリだろ・・・
まぁワルドはどっちかってーとマザコンぽいけどな
>>922 寝言は改造フー・チェインに買ってから言えよオッサン。
お前らがワルド大好きなことは分かった。
ワルドワルドうっせぇワルドにすっぞ
うわああールイズのせいでワルド菌がばらまかれたぞー触るとワルド菌が移るぞー
エージェント・スミスみたいに増殖するワルドとな?
こんばんはー。皆さん、お久しぶりです。
スレも終わる直前ですが、他に予約なければ10話を投下してもよろしいでしょうか?
投下開始は21:45から、消費レス数は9を予定してます。
※忘れた人のために軽く説明
タイトル:日替わり使い魔
クロスキャラ:グランバニア一家(ドラゴンクエスト5)
今回からアルビオン編です。
わーい、待ってましたー
水をぶっかけると増えるワルドとか
最終巻までにワルドの生死ってわかるんだろうか?
だがどんな扱いでもブラックホールクラスターでオーバーキルよりはましか。
かるーいワルちゃんワンドセル♪
日替わりさんバッチコ〜イ!
日替わり事前支援
ワーキングのちっちゃいモノ好き主人公召還すればワルドとも解り合えるんじゃろか……
彼だとルイズよりタバサに走るか
――時刻は夜、トリステイン魔法学院女子寮の一室――
(…………なんだこれ?)
ルイズの居室であるその部屋の外、扉の鍵穴に右目を目一杯くっつけて中の様子を伺っていたギーシュ・ド・グラモンは、室内の光景にしきりに眉根を寄せていた。
――なぜ彼がここにいるかと言うと、それは簡単な話である。
彼が敬愛してやまない、トリステインがハルケギニアに誇る可憐な一輪の花、その名もアンリエッタ姫殿下――彼女がこの魔法学院に行幸で訪れたのがこの日の話。そして今、その姫殿下が顔を隠してここにやってきたのを見つけ、こうして尾行してきたのだ。
そんな彼が覗いているルイズの部屋――そのベッドの上に、見たこともない巨大な青いインコが鎮座していた。だが、彼が奇妙に思っているのはそれとは違う。
――それは――
「もふもふー」
「もふもふーですわ♪」
「……もふもふ」
そのインコの体に頭をうずめ、しきりにもふもふしている三人の少女たち。頭を押し付けられている当のインコは、嫌がるでもなくただされるがままにしていた。
そんな少女たちの痴態を見ているギーシュは、たった一つのことを、これでもかってぐらいの強い思いで念じるのであった。
そこのインコ、今すぐ僕と替わりたまえ――と。
そんなギーシュの背後に、一つの影が迫りつつあった――
――時間を遡ること、この日の昼――
ロングビルの乱心事件という非日常が過ぎ、ルイズたちの生活が日常に戻ってから数日。
日替わりで違う動物・幻獣・亜人を連れてくるルイズの『本日の使い魔』は、クックルーという巨大な青いインコ、その名もクックル(非常に安直なネーミングだとルイズも含めて誰もが思った)であった。
既に周囲の皆も慣れ始めたその光景、見慣れない動物の姿に好機の目を向ける者はいれども、驚く者はもはやいない。取り立てて騒がれることもなく、その日も代わり映えしない授業風景が流れていた。
が――その日常は、あっさりと崩れた。
それは風のスクウェアメイジ『疾風』のギトーの担当授業の時間中のことであった。風系統最強説を声高に主張する彼の授業に、生徒のほとんどがうんざりしてきた頃――突如として、ヘンテコリンな仮装をしたコルベールが乱入してきたのだ。
彼の珍妙なコスプレに皆が失笑を漏らしている中、彼はアンリエッタ姫殿下のここへの行幸が急に決まったことを告げた。程なくして、学院中をひっくり返したかのような大騒ぎになり、教師・生徒・使用人、全てが一丸となって姫殿下の歓迎の準備が始まった。
かくて、急場しのぎながらも歓迎の準備を終えた学院は、総出で姫殿下を迎えることとなった。
そして、そんな突発イベントが起きたその日の夜。クックルを迎えに来たタバサを交え、いつもの雑談に興じていた頃、突如としてそのアンリエッタがルイズの部屋を訪れたのだ。
幼い頃の話から始まり、ルイズの使い魔やタバサのことに触れ――そしてどういうわけか三人してクックルの羽毛の虜となり、現在に至るというわけである。
「ああ、なんて良い肌触りなんでしょう。こんな素敵な使い魔を召喚できたなんて、ルイズが羨ましいですわ」
「だから、申し上げましたでしょう。私の使い魔の使い魔……のようなものです」
「本当のルイズさんの使い魔は、私のお父さんですよ。あと、クックルは使い魔じゃなくてお友達です」
クックルの羽毛をもふもふしながら、会話を続ける三人。クックルは微動だにせず「ピロロロー」と喉を鳴らしており、話題の中心でありながら我関せずといった様子だ。
「あなたのお父様ですか。ルイズ・フランソワーズ、人を使い魔にするなんて、あなたは相変わらずどこか変わっていらっしゃるのね」
「好きで使い魔にしたわけじゃありません」
アンリエッタの言葉に、ルイズはぷぅと頬を膨らませ、クックルの体に顔を押し付ける。言葉とは裏腹に、彼やその娘が連れてくる色々な使い魔たちには、満更でもない様子である。
その仕草がなんとも微笑ましく、アンリエッタもタバサも思わず苦笑を漏らした。二人、タイミングよく苦笑が重なったので、思わず目を見合わせ――そしてふと、アンリエッタがタバサに問いかける。
「タバサ……とおっしゃいましたね。その髪の色、ガリア王家ゆかりの者ですか?」
「ううん、まったく無関係ですよ。私の実家は、グランバニアです」
「グランバニア……? そんな領地、ハルケギニアにありましたかしら……?」
「国名です。ハルケギニア諸国とは一切の国交がありませんので、知らないのも無理はないと思いますけど」
「まあ。ではもしや、ロバ・アル・カリイエの国かしら?」
「ロバ……? えっと、確かこっちでは東方のことをそう言うんでしたっけ? とりあえず、とにかくずっと遠い国だと思ってくれれば間違いないですけど」
「遠い国……そう、遠い国……ですか。わたくしも遠い国に行けたら、どんなにか……」
「……姫様?」
タバサの台詞の中にある『遠い国』という一語に反応し、どこか遠い目をしだすアンリエッタ。彼女のその異変に、ルイズは眉根を寄せる。
と――アンリエッタはその視線に気付いたのか、ハッとした様子でルイズの方に視線を向けた。おもむろにクックルの体から頭を離してベッドの端に座り直し、コホンとわざとらしく咳払いする。
そして彼女は、すぅはぁと一つ深呼吸をし――
「ルイズ……頼みがございます。この哀れな姫を助けてはくれませんか?」
にっこりとわざとらしい笑みを浮かべ、そんなことを切り出す。脈絡も無視して唐突にそんなことを言い出した彼女に、ルイズは思わず半眼になった。
そして――
「いいえ」
「そんな……ひどい……」
一秒たりとも考える時間もなく、冷たくあしらった。そんな親友の態度に、アンリエッタはよよよと殊更に芝居がかった仕草で崩れ落ちる。
だが――
「もう一度問います。この哀れな姫を助けてはくれませんか?」
一瞬前に泣いていたことなどなかったかのように、唐突に泣きやんで同じ質問をもう一度繰り返した。
「いいえ」
「そんな……ひどい……
もう一度問います。この哀れな姫を助けてはくれませんか?」
「いいえ」
「そんな……ひどい……
もう一度問います。この哀れな姫を助けてはくれませんか?」
「いいえ」
「そんな……ひどい……
もう一度問います。この哀れな姫を助けてはくれませんか?」
「いいえ」
「そんな……ひどい……
もう一度問います。この哀れな姫を助けてはくれませんか?」
「いいえ」
「そんな……ひどい……
もう一d 「姫様」 はい? どうしましたか、ルイズ?」
延々とループが繰り返されるかと思われたその中で、唐突にルイズがアンリエッタの台詞を遮った。遮られた方のアンリエッタといえば、気分を害した様子もなく、平然と返事をした。
だがそんな彼女にも、ルイズの冷たい視線は変わらない。
「姫様……都合が悪くなったら『無限ループごっこ』で誤魔化す癖、まだ直ってなかったんですね」
「あら、そんなことはありませんわ」
「でしたらこっちを真っ直ぐに見てください。一体何を悩んでおられるのですか」
「う……」
さりげなく視線を外していたアンリエッタだったが、ルイズの目は誤魔化せない。気圧されたように言葉に詰まり――ややあって、「はぁ」と大きくため息をつく。
「あなたには隠し事できませんわね……仕方ありません。話しましょう。ですが、今から話すことは誰にも話してはいけません」
「私、席外しましょうか?」
少し前までのどこかふざけていた雰囲気を消し去り、深刻な表情で話し始めたアンリエッタ。その彼女の台詞の内容に、安易に立ち入って良いものではないと判断したタバサは、部屋を出ようと立ち上がる。
その申し出に、アンリエッタは少しだけ考え込んで――
「……いえ、構いません。どの道ルイズを通して使い魔――あなたのお父様にも話は行くのでしょうし、それならばここで会話に加わっていただいても変わりないでしょう」
「いいんですか? 私、この国の人間じゃないんですよ?」
「ルイズのお友達は私のお友達ですわ。遠慮はしないでくださいまし」
言って、タバサを引き止めるアンリエッタ。
タバサは「いいのかなぁ……」とか思いながらも、言われた通りに腰を降ろした。
支援
――そしてアンリエッタは、神妙な面持ちで話し出した。
『白の国』アルビオンを取り巻く状況。近日中にでも反乱を成功させかねない勢いの貴族派の大軍勢の存在。
ハルケギニアの統一を謳う貴族派の猛威はアルビオンに留まらず、いずれトリステインにもその手を伸ばすであろうこと。
だが国力で劣るトリステインに、その強大な貴族派に対抗するほどの戦力はなく、隣国ゲルマニアの助力が必要不可欠であること。
その同盟締結のため、アンリエッタがゲルマニア皇帝アルブレヒト3世に嫁がねばならないこと。
その婚姻を妨げる材料が、今まさに陥落せんとするアルビオンのウェールズ皇太子の手にあること。
一通りその話を聞いたルイズは、ならば自分がと、その手紙回収の任務に名乗り出た。
「行ってくれるのですか、ルイズ?」
「もちろんです」
「でしたら……」
力強く頷くルイズに、アンリエッタはごそごそと自身の懐を探る。
そして取り出したのは――1エキュー金貨。
「…………姫様、これは?」
「旅の支度金です」
「1エキューで何をしろと?」
「ええっと……我が王家には、困難な旅に出る勇者を送り出す際、二束三文の金銭を渡してお茶を濁せという言い伝えが――」
「ドブにでも捨ててください、そんなダメな習わし。というか姫様……さっきの無限ループごっこといい、どうしてそう、こちらのやる気を削ぐようなことばかりするんですか。そこまで私に任務を任せたくないのですか?」
「当たり前ですわ。あなたはわたくしの大切なお友達。そんなあなたを、危険極まりないアルビオンなんかに向かわせたくありません」
「ですが姫様、ここまで話しておいて――!」
ルイズが声を張り上げようとした、まさにその時――
――バァンッ!
「その任務、ボクに任せてもらおう!」
その台詞と共に扉を蹴破り、部屋に乱入してきた者がいた。
その人物は――
「お兄ちゃん!?」
「ギーシュ!?」
ここにいるはずのない二人の人間の姿に、タバサとルイズは揃って驚愕の声を上げた。
――そんな彼らの後ろでは、キメラのメッキーが申し訳なさそうな顔でタバサを見つめていた。
「いいえ」で無限ループか、ある意味ドラクエ名物だな。
ローレシア王でももっとくれるぞ支援
明けて翌日――いまだ朝もやの晴れぬ早朝。
あの後色々と悶着はあったものの、結局はルイズ、タバサ、レックス、ギーシュの四人でアルビオンに向かうことになった。
任務を遂行する際、ウェールズに渡すためにアンリエッタがしたためた手紙は、今ルイズの懐の中にある。身分を示すものとして渡された、水のルビーも一緒だ。この手紙をウェールズに渡し、くだんの手紙を受け取って持ち帰るのが、最終的な目的である。
よしよし、と馬に話しかけながら、タバサはちらりと荷物整理している双子の兄を見る。
個人的な感情もあり、これまでなるべく彼をこちらに連れて来ないよう気を付けてきたのだが、まさかルーラを使える仲間モンスターを頼るとは……予想してなかったわけではないが、まさかこのタイミングでなくても、とは思う。
この旅の中で、もし彼がルイズとの距離を縮めるようなことがあれば――と思うと、タバサの心は落ち着かない。
そんな彼の今の装備は――
Eてんくうのつるぎ
Eてんくうのよろい
Eてんくうのたて
Eてんくうのかぶと
Eエルフのおまもり
と、本気モード以外の何物でもない完全装備であった。
とはいえ、かくいうタバサ自身も――
Eグリンガムのむち
Eプリンセスローブ
Eみかがみのたて
Eしあわせのぼうし
Eエルフのおまもり
と、ご覧の有様である。
いくらこれまで年齢にそぐわない苛烈な戦闘経験を積んできていたとは言っても、これから向かう先はまごう事なき本物の戦地。しかも二人とも『人間同士の戦争』というのは初めてなのだ。
加減がわからず、ついつい最強装備に身を包んで来たとしても、無理もない話である。
それに、こういった『冒険の旅』は、ほぼ一年振りであった。任務内容を考えれば不謹慎ではあろうが、期待に胸が高鳴ってしまうのは止められない。となれば何が起こっても対処できるよう、万全の体勢で臨みたくもなる。
と――そんなタバサに、ルイズが話しかけてくる。
「……ねえ、リュカは?」
「まだお仕事」
「こんな時にまで……」
その問いにタバサが短く答えると、ルイズは失望したとばかりに盛大にため息をついた。
……というか実のところ、タバサもレックスも、今回の件はリュカに伝えていなかった。
あの父のことだから、話を聞けば盗賊事件の時のように、仕事を放り出してやって来るに違いない。そうなれば、彼女らの大叔父に当たるオジロンがまた苦労することになる。
何よりも、父抜きで冒険をすることなど、実に三年振りのことであるのだ。
三年前――石化していた父を解放して以来、彼女らの旅は加速度的に苛烈さを増した。旅が終わるまで二年あまり、二人がそんな過酷な旅に耐えられたのは、ひとえにパーティーを引っ張っていた父の存在が大きい。
だが、それを乗り越えた二人には、『試してみたい』という一つの欲求が芽生えていた。父抜きの自分たちが、果たしてどれだけ『できる』ようになったのか――と。
(ごめんね)
そんな内心を隠しながら、ここに来ていないリュカにブツブツと文句を垂れるルイズに、声に出さずに詫びた。
「それにしても……」
「ん?」
「あんたもレックスも、なんか凄い格好ね。もしかして、それ全部何かのマジックアイテム?」
「そんなようなものね。これでも、私たちが用意できる最強の武具を揃えてきたんだから。アルビオンって危険なんでしょ? 身を守る装備は万全にしといて損はないと思うよ」
「へぇ……じゃあさ、私が身に付けられそうなものって、あったりする?」
「うん、たぶん……お兄ちゃーん!」
ルイズの問いかけにタバサは頷き、レックスの方に声をかける。
彼が「ん?」と顔を上げると、タバサは彼の手にある道具袋を持ってくるように言った。
するとレックスは事情を察したのか、嬉しそうに寄って来て、道具袋の中に手を突っ込んだ。
「ルイズの装備?」
「うん。……お兄ちゃん?」
「ならこれがお勧めだよ――はいこれ!」
そう言いながら、レックスが取り出したもの――それは天使のような美しい羽飾りのついた純白のレオタード、その名もズバリ『天使のレオタード』であった。
「こ、これって……」
それを見たルイズの頬が、ピクピクと引き攣る。
デザイン自体は綺麗である。天使の名を冠するだけあって、美しさという点で言えば文句の付けようもない。
だが――いかんせん、露出が多すぎる。劇場とかの舞台上であるならまだしも、これを着て外を出歩けというのは、一体どのような拷問か。これで防御性能は最高クラスというのだから、余計に頭が痛いところである。
だがそれを手に迫るレックスは、至って真剣な表情だ――というか、真剣すぎる。キラキラと期待に満ちた目で、ルイズを見ていた。ついでに言えば、その背後ではギーシュが無駄に鼻息を荒くしてレックスに同調している。
そんな双子の兄を見ているタバサは、頭痛がしているかのようにキツく目を閉じ、頭を押さえている――実のところタバサも、あれを着ていた頃があったのだ。今まさに、その時のことを思い出しているところだった。
今彼女が着ているプリンセスローブは天使のレオタードを上回る最高の一品であり、一着しかないそれは、昔は母が着ていたのだ。
自然、次善の装備である天使のレオタードを着るのは彼女の役目となっていたが、恥ずかしさに慣れるのに随分かかったのは苦い思い出だ。
まあ、とりあえず――
「……バイキルト」
攻撃力倍増の呪文を自分に向けて唱え、彼女はグリンガムの鞭を力いっぱい握り締めた。
――その後。
出発前からズタボロになったレックスとギーシュを尻目に、ルイズの装備が結局どうなったかというと――
Eメイジのワンド
Eみずのはごろも
Eうろこのたて
Eかぜのぼうし
という形に落ち着いた。
支援
水の羽衣ってけっこうエロくね?
「で、ぼくの分の装備はないのかね?」
ルイズの装備が決まったところで、ギーシュがおずおずと問いかけてきた。
その質問に、タバサもレックスも顔を見合わせる。二人が持って来た袋は、どこぞの青狸のポケットのごとく際限なく荷物が入る不思議な品物であるため、探せば何か見つかることだろう。
そして二人してあれでもないこれでもないと協議し、その結果――
Eバラのワンド
Eダークローブ
Eダークシールド
Eサタンヘルム
「…………何かね、この邪教崇拝者みたいな禍々しい装備は?」
「でも強いよ?」
「似合ってますよ?」
「フリル付きの制服よりマシかな?」
疑問の声を上げるギーシュに、レックス、タバサ、ルイズのフォローが入る。三人とも、微妙に視線を逸らしているのが何ともはや。
その反応に、ギーシュはブルブルと肩を震わせ――
「やり直しを要求する!」
こめかみに怒りのマークを浮かべて怒鳴った。
そして、次にタバサたちが選んだ装備はというと――
Eおおかなづち
Eステテコパンツ
Eおなべのふた
Eシルクハット
「…………いったい何なのかね、この変態紳士な格好は?」
「「うちの従者の初期装備」」
「君らの家のセンスは一体どーなってるんだね!?」
迷わず即答した双子の返答内容に、ギーシュはツッコミを入れずにはいられなかった。
そして、そんな変態を通り越してコメディアン以外の何物でもない格好を目にしたルイズは、背中を向けてうずくまり、「ぷっくくく……」と笑いを堪えるのに精一杯であった。
「そこぉ! いくらなんでも笑うなんて酷すぎないかね!? というか、この扱いは一体なんなんだ!? 泣くぞ!? 泣いてしまうぞぉっ!?」
泣くぞと言いながらも、既に半泣きである。目の端いっぱいに涙を溜めながら、ギーシュはルイズに詰め寄った。
天使のレオタードとかHな下着とか好きだからー!支援
と、その時―― 一陣の風が舞い上がり、ルイズに詰め寄るギーシュを吹き飛ばした。
「だーっ!?」
「誰!?」
悲鳴を上げて吹き飛ぶギーシュには目もくれず、ルイズは今の風が魔法によるものであることを見抜き、術者を探す。
と――その声に応えるかのように、朝もやの中から一人の長身の貴族が現れた。その人物を見て、ルイズが目を丸くする。
「すまないね……婚約者が変態に襲われていたので、見て見ぬふりができなかった」
「変態じゃない!」
長身の貴族はそう言って、被っていた羽帽子のつばをクイッと上げた。立派な髭をたくわえた、精悍な顔つきの青年である。彼は必死になって反論するギーシュを完全にスルーし、先を続ける。
「僕は味方だよ。姫殿下より、君たちに同行するよう命じられてね。魔法衛士隊グリフォン隊隊長、ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルドだ」
「ワルド……さま……?」
「久しぶりだね、僕のルイズ」
優しげな視線でルイズを見つめる青年――ワルド。そして、それをどこか熱っぽい視線で返すルイズ。
見詰め合うその二人を、横で見ていたレックスは交互に見やり――
「……こんやく……しゃ……?」
まるで理解できないとばかりに呆然とつぶやく双子の兄を、タバサはその後ろから白い目で見つめていた。
――その後、ギーシュが自分の使い魔を連れて行きたいと言い出してひと悶着あったが、とりあえず何の問題もなく出発することができた。
なお、最終的にギーシュの装備がどうなったかというと――
Eバラのワンド
Eけんじゃのローブ
Eうろこのたて
Eかぜのぼうし
という、取り立てて特筆するべきところのない、無難な装備に落ち着いていたことを付け加えておく。
出発する一行を、アンリエッタは学院長室の窓から見送っていた。
そんな彼女は胸の前で手を組み、一心に祈っている。
「……自分の無力さが恨めしいですわ」
ぽつりとこぼした言葉に、隣で鼻毛を抜いていたオスマンが、ぴくりと眉を動かす。
「宮廷内は欺瞞でいっぱい。ただの小娘に過ぎないわたくしでは、マザリーニ以外で真に信用の置ける人間を見抜けるすべもない……こんな危険な任務を、大切なお友達に任せるしかない愚かなわたくしを許して……」
「姫殿下は、ようやっておると思いますぞ」
「……お世辞はよしてください」
オスマンのフォローにも、アンリエッタの表情は晴れない。ただ悲しげに、ふるふると首を振るだけだ。
――王族とはいえ、女の身に生まれた彼女は、本来であれば政務に携わる必要などない。事実、先王の崩御から今まで、政務を一手に引き受けてきたのは枢機卿であるマザリーニである。
王女である彼女にとって大切な仕事とは、王として相応しい資質を持つ者を婿に迎えること――その一点に尽きる。ゆえに彼女は、帝王学など不要とされ、育ってきた。
だが今の時代、それだけではいけない。マザリーニはそう判断し、アンリエッタに帝王学を習わせようとしたのだが――古い伝統や権威にこだわる者達は、頑としてそれに賛同しなかった。結果として、アンリエッタの学習は今でもほとんど進んでいない。
「少し前のわたくしは、何も知らないただの小娘でした……そして今は、少しだけ物を知っているだけの、ただの小娘です。マザリーニが忙しい政務の合間を縫って少しずつ帝王学を教えてくださっていなかったら、今でも『何も知らないただの小娘』のままでしたでしょう」
そしてその小娘にとって、今回の任務を任せられるほどに信の置ける人間が、ルイズしかいなかった――それだけの話である。
だがその事実は、アンリエッタの良心を痛ませる。その痛みに耐えられるほど、アンリエッタの心は成長しきってはいない。
だからこそ、せめてもの保険として、グリフォン隊隊長のワルド子爵を護衛に付けた。ルイズの婚約者だという彼ならば、きっとルイズを守り切ってくれる――そう信じて。その信用だけが、良心の痛みを和らげてくれるから。
「既に杖は振られたのですぞ。ならば信じて待ちましょう。今、我々にできるのはそれだけ……違いますかな?」
アンリエッタはオスマンのその言葉には何も返さず、ただ一心に祈るのみであった。
そんな二人の視線の先には、朝もやの晴れぬ中を駆け抜ける、二頭の馬と一頭のグリフォン。
「どうか……どうか、無事に戻って来て。ルイズ、わたくしの大切なお友達……」
アンリエッタの祈りのつぶやきだけが、学院長室に静かに響いた。
以上で投下終了です。アンアンが冗談で出した支度金、桁一つぐらいずらした方が良かったですかね?
エキューとゴールドの単位の違い、適当に考えながらやってたんですが……
とりあえず、950越えたので、次スレ立ててきます。
P.S.
原作17巻エピローグのアンアンのおてんば姫っぷりを見て、「鉄の爪が似合いそうだなぁ」と思ったのは私だけでいいw
……となるとお供の神官と魔法使いは、マザリーニとオスマンってところでしょうかね?
日替わりさん乙でした。
とりあえずワルドが裏切った時のレックスがどうなるかが一番楽しみ。
お疲れ様です。いいえループ吹いたww
装備が充実してるとはいえ、お子様二人にルイズギーシュ。
そいでもってワルドですからね…
どうなるか楽しみです
サンチョの初期装備はフォローのしようがないよね
乙
そういやDQ5にもいいえループの使い手がいたな
>>959 覆面パンツといい勝負だよな
乙
装備で吹いたwww
日替わりの人、乙〜
水の羽衣って透けてなかったっけw
乙w
いいえループと装備品に大爆笑w
>>963 新山たかしの四コマでは透けてないって言ってたよ!!
・・・実際は知らんけどさー
キュルケとタバサ(シャルロット)が合流したときが楽しみで仕方ないですねぇ
レオタードの再登場に期待してます。
小説版だとミネアが平然と着てたなレオタード
あと裏技でパパスの装備変更出来る様にすると最強装備はレオタードだった
天空の盾って、使ったらマホカンタだったっけ?
天空の剣 のいてつく波動使ったら偏在消えるんじゃ?
「あぶないみずぎ」は3だったか…
日替わりの人乙&GJ!
ギーシュwwww
ルイズに天使のレオタード…似合いすぐるw
ワルドじゃX終了後の成長しまくった子供達の相手にならなさそうだな
ガンダム?
ルイズが生き物どころか『施設』を召喚するSSを見かける事がありますが――ダーマの神殿なんて召喚したなら面白いことになりそうだ。
絵板のファイル破損って、折角描いたのが無駄になったってこった?
>>975 6時間かけてちびちび描いたKNIGHT−ZEROのルイズとシエスタが
ネットの海に消えましたよ、、、
ルイズに召喚されちゃったな
>>974 しかし、出てきたのはよりにもよって転職にレベル制限がある3のダーマの神殿と言う始末。
転職する為に、己のレベルを20まで上げなければならないルイズの明日はどっちだw
>>979 俺ならあまりのしんどさに寿命がマッハになるぞまじで
>>980 今すぐは無理でも
少し間を置くとまたやり始めるんだなこれが
>>942 >アンリエッタの言葉に、ルイズはぷぅと頬を膨らませ、クックルの体に顔を押し付ける。
ttp://members.at.infoseek.co.jp/maruheso/aadic/ka.html#kukkuru 丿 ,;⌒⌒i.
ノノノノ⌒ヽ ( ;;;;;) ______
(゚∈゚ ) ミ) ,,:;;;) | WARNING |
/⌒\/( ) ヽ| |/ |;,ノ | エリア51 |
( ミ ∨∨ | / .,i |______|
ノ / | | ,,i; ,, . ,;⌒‖
( \/ヽ ,,,丶, | |,,,;. ;i, ‖ヽ
\ ) ) .. ,, ´ヽ (,, ‖丿.,,,
/// ,, ,, .. ´ヽ ‖,,, ..,
`ヾ ヽミ ,, .、 ヽ .. ヽ丶,.ヽ ‖、,,
↑
こいつに顔を押し付ける図が頭に浮かんだw
>>982 / ̄ ̄ ヽ,
/ ',
_ {0} /¨`ヽ {0}
/´ l ヽ._.ノ i <私がクックルです
/' |. `ー'′ |
,゙ / ) ノ '、
|/_/ ヽ
// 二二二7 __ ヽ
/'´r -―一ァ"i '"´ .-‐ \
/ // 广¨´ /' /´ ̄`ヽ ⌒ヽ
ノ ' / ノ :::/ / ヽ }
_/`丶 / ::i {:::... イ
もう残り少しだからいいじゃん
埋め自体が禁止されてるし、良い理由も無いでしょ?
1000いかずに容量一杯になるのが嫌なんじゃね?
そういう問題じゃーないけどな
例えば、埋めるための小ネタを投下しようとスタンバってる人がいるかもしれないじゃない。
そっかー
ろくでなしのくそったれの、蛆虫ほどしか脳味噌がない知障のアホにもわかるよう、優しく教えてあげるよ!
大きなAAをたくさん投下してスレを埋めるのは、そのスレがある板の負担になるんだ! わかった? はやく氏ね。
そっかー
サッカーのイギリス読み
イエス、ケストレル
マルフォイ「原作じゃ一度もフォイなんて言ってないフォイ」
>>982>>984は埋めてるわけじゃないだろ
AAは何が何でも駄目なのか?どこまで過剰反応なんだよ
うめ
1001 :
1001:
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。