【IF系】もしゼロの使い魔の○○が××だったら15
2げ
1乙。
1乙
なんとかならんのかアレ。
スレが落ちる前にまとめにアップしないといけないからそこでも結構焦る
スレ立て、本当に乙です。
今回の一件で、どうも悠長に毎日投下することに危機感を覚えたので、
とりあえず手元でキチンと仕上げたものを続けて投下させていただきます。
まずは、ビフォーの第5話投下。学園編、ようやく話が本題に入ります。
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『るいとも *Bの5』
コンコン、っとチョークで黒板を軽く叩く、このクラスの"いいんちょ"こと高凪春奈。
「では、採決を取ります……」
(ねーねー、才人。ひとつ聞きたいんだけど……)
隣席の才人に小声でささやくルイズ。
(ん? 何だ、ルイズ)
(文化祭って来週末の土日よね? つまりもう2週間を切ってるのよね??)
(あ〜〜、まぁ、言いたいことはわかる)
「こら、そこのバカップル! イチャイチャするのは、このHRが終わってからにしなさい!」
ピシッと(事実上の)名指しで教壇上から咎め立てされて、身を縮めるふたり。
(確かにルイズが疑問に思うのも無理ないんだよなぁ。そもそも、文化祭2週間前になっても、クラス参加の内容が決まってないって、どーなんだよー!?)
才人が心の中で絶叫したのもむべなるかな。
この高校の文化祭では、全学年とも、クラス単位で何らかの形で"参加"することが義務となっているのだ。
いちばんてっとり早いのが、クラスで模擬店をやることだろう。
喫茶店、お化け屋敷といった定番のものから、迷路ゲーム、プラネタリウムといった一風変わったもの、中には"女装喫茶"なんてイロモノを敢行した豪の者(クラス)もいると聞く。
また、体育館で演劇や合唱・合奏などを発表するのでもかまわない。
この場合、模擬店と違って、出演時以外はクラス全員暇になり、文化祭を堪能できるというメリットもある。
いちばん地味で人気がないのが、教室での郷土史などの展示発表会だ。
事前の準備を念いりにしなければならないうえ、少数とはいえ案内役の生徒が常駐する必要がある。さらに、その割に客の入りがイマイチとあっては、やってられないと思うのも無理はなかろう。
もっとも、「文化祭」という単語本来の意味からは、それがいちばんふさわしい気もするのだが。
ともあれ、フリーダムでアクの強い生徒が多い才人たちのクラスは、今日に至るまで何をやるか決められていなかったのだ。
「──前回のHRでの公正なる投票の結果、"模擬店"11、"演劇"9、"合唱・合奏"7、"クラス展示3"ということで、とりあえず模擬店をやることは決まりましたが……」
目を閉じて何か頭痛をこらえるようなポーズをする春奈。
「いざ、模擬店の中身を募ったら、これは何?
・メイド喫茶 4
・執事喫茶 2
・女装喫茶 2
・猫カフェ 1
・コスプレ喫茶 3
・ネットカフェ 1
・マンガ喫茶 1
・甘味処 2
・お化け屋敷 4
・ミラーハウス 2
・モンハン集会所 2
・足ツボマッサージ 1
・映画上映会 3
……って、なんでこんなにバラバラなの!?」
ちなみに無効票として「キャバクラ」「ビアガーデン」などと無茶なコトを書いた人もいたらしい。大学ならともかく、ココは高校なのだが……。
一応、4票入っている「メイド喫茶」と「お化け屋敷」が候補になるのかもしれないが、このレベルでは大同小異だ。
「あのぅ、チョットイイデスカー?」
ルイズが挙手する……なぜにウィッキーさん口調?
「あのぅ、チョットイイデスカー?」
ルイズが挙手する……なぜにウィッキーさん口調?
「この中で、メイド喫茶、執事喫茶、女装喫茶の3つは、実は大別すれば"コスプレ喫茶"の枠の中にくくれると思うんです。
また、甘味処を"和風喫茶"と解するなら、メニューに和菓子を加えて、和服のコスプレをすれば、これもまとめられますし……。
これで合計13票ですよね。それだけあれば、十分最有力意見として考慮できると思います」
「おおっ!」と秀逸なルイズの考察に感心するクラス一同。
もっとも、「どうして、フランスから来たばかりの臨時留学生が、日本の飲食店その他に詳しいのか?」と疑問を抱く者がいなかったのは幸いだったが。
「決まりですね♪ 我がクラスは、コスプレ喫茶を行うということで決定。それでは、実際のスタッフの役割担当を決めていきましょう」
議長役の春奈も、ようやくメドがついてホッとした顔をしている。
その後の討論は比較的スムーズに進み、
●接客スタッフ(ウェイター&ウェイトレス)
男子8名、女子12名
●調理スタッフ
女子4名、男子2名
●裏方(小道具制作・衣裳調達など)
男子4名、女子2名
……と決まった。
ちなみに、事前準備はクラス全員で手伝うのだが、あえて「裏方」と指定されたメンバーは、クラブの都合などでどうしても当日参加できない者だ。彼らは前日までの準備では中心となって働くことになった。
「お手柄だったな、ルイズ」
「ホント、助かったわ、ルイズちゃん」
「ふっふっふ……いやぁ、それほどでも〜」
4時限目のHRが終わっての昼休み。
学食で昼食をとりながらの才人と春奈からの称賛に、口では謙遜しながらも態度で「ほめてほめて!」と示すルイズ。尻尾があったら、ちぎれんばかりに振っていることだろう。
「ま、お前の場合、趣味と実益を兼ねてるようなもんだろ、今回の件は」
「えへへ、まぁね」
言うまでもないかもしれないが、ルイズと春奈の担当はウェイトレスだったりする。
現時点の構想では、ルイズが「Piaキャロ」系のメイドタイプ、春奈はミニスカ和服姿で接客することになっている。
「でも、残念。平賀くんの執事姿は見たかったかも」
才人は2名の男性調理スタッフのひとりだ。下宿してるわけでもないのに、この年代でおさんどんができる男子の人材は貴重なのだ。
「ダメよ、高凪さん。才人は、私専用のセバスチャンなんだから」
「はいはい、ごちそうさま」
お腹いっぱいという顔をする春奈に、ニヤリと笑いかけるルイズ。
「……もっとも、逆にメイドコスプレだったら、アリかもしれないけど」
「……そうね。女装ウェイトレスも1名必要なワケだし」
ニタリと笑い返し、向かいの席に座っているはずの才人の方を見た春奈だが。
「あ、逃げた」
風向きが怪しくなってるコトを察知した平賀少年は、絶妙のタイミングで姿をくらましているのだった。
さすが、伊達にルイズの幼馴染を10年間もやってないというところか。
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以上。文化祭準備編1でした。似非外人風の発音でキャラをたてる試みは、面倒くさくなってルイズも断念した様子です。それにしても、我ながら、本当にまったりヌルヌル〜な話ですねぇ。
つづけて、B−6を投下します。
ビフォーの6話。またも、文化祭とは無縁の話。ルイズが相変わらずアフォな子ですが、悪ノリしてる部分もあるんで、勘弁してやってください。
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『るいとも *Bの6』
さて、ルイズが才人の高校に来てはや3日目。当初の「美少女外国人転入生」によるインパクトも薄れ、早くもクラスに溶け込みつつあるのが現状だ。
「さあ、才人、早く購買に行きましょ、ハリハリハリぃー!」
転入当初に才人を恋人だとバラしたぶん、学校でも気兼ねなくルイズは彼にちょっかいかけてくる。
彼女ほどのとびぬけた美少女が、才人みたいなよくも悪くも「平凡」な少年にかまうと、普通なら嫉妬や陰口の的になりそうなものだ。
しかしながら、幸か不幸かルイズは、「可愛いけど、ちょっと(だいぶ?)ヘンな娘」という評価を得ている。おかげで彼をやっかむ人間はほとんどいないようだった。
──むしろ、「トラブルメーカーのお世話係」?
もっとも、じつは才人は才人で、意外に多芸でスペックが高い。
体育の成績は中の上程度だが、格闘技マニアかつ実際に祖父に鍛えられている。
同人マンガの世界では、(中学時代の下積みがあったとはいえ)初コミケで500部ほぼ完売。無論、画力その他も相応のものがあるからこそだ。
趣味のサバゲーの集まりでは、16歳ながら「キャプテン(隊長/大尉)」と呼ばれ、一団を率いて奮迅の活躍を見せる。
高1にして普通二輪免許も所持。ただし、現時点では兄から譲られた原付(ヤマハJOG)のやや古い型に乗ってる身。
ただ、それらの事実は幼馴染のルイズほか一部の人間以外は、ほとんど知らない。仮に知ったからと言ってバイク以外は女の子受けするシュミではないかもしれないが。
それはともかく。
無駄にテンションの高いルイズに引っ張られ、今日の昼食は購買部に足を運ぶことになる才人だった。
「うっふっふ〜、楽しみねぇ。ここの購買部は、どんなパンとメニューが私を待ちうけているのかしら」
ニコニコと満面の笑顔を浮かべているルイズ。
昨日一昨日と学食だったため、購買の品揃えはまだ確認していなかったらしい。
「……言っておくけど、ウチの購買はフツーだぞ?」
おそるおそる声をかけると、ルイズは立ち止まり、フッ……と大人びた笑みを見せる。
「わかってるわよ、才人。私だって子供じゃないんだから。
何もこのここの購買部に、ドリアンパンやバナ納豆パン、レインボーブレッド級の逸品は求めちゃいないわ」
「いや、それ絶対、逸品じゃねーー!」と心の中で叫ぶ才人。
「でも、欲を言えばウニパン、メロンパン(偽)、銀河パン、ヒトデパンクラスのスマッシュヒットは狙ってほしいものだけど」
「そんな品揃えばかりだったら、ここの購買は経営不振で潰れるっての!」
思わず突っ込まずにいられない才人だった。
「才人、ここが購買部で間違いないのよね?」
「ああ、そうだが。あそこに大きく「購買」って書いた看板がかかかってるだろ?」
「今は昼休み開始直後、本来一番購買部が混雑する時間帯よね?」
「まあ、普通に考えればそうだろうな。実際、結構混んでるみたいだし」
長蛇の列ができている購買前を見て、フルフルと肩を震わせていたルイズは、才人の方を振り返るといきなり胸倉つかんで揺すってきた。
「──どーして、購買前での決死の争奪戦が繰り広げられていないのよ!?」
「アホかーーーっ!!」
「だってだって、購買前は男女学年不問の学生集団が押し合いへしあいしてて、弱肉強食の殺伐としたパン購入バトルをしてるのがお約束でしょう!?
そいでもって、その争奪戦に入れないヒロイン(後輩・気弱属性)を見て、主人公が「俺が買ってきてやるよ。何が食べたい?」って聞いてフラグ立てるのがお約束じゃない!
主人公がヘタレ気味だと、カツサンドはおろかアンパンかアンバタしか買えなくてヒロインに謝るんだけど、とってもいい子だから、「いいんです、先輩の気持ちだけでうれしいです」と、けなげに言ってくれるのよ。常識でしょ!!」
「そんな常識、ドブに捨ててしまえ!」
一ギャルゲーマーとしては確かにその手のお約束に憧れる気持ちは理解できないでもないが、リアルでそういう事態になっても、面倒くさいだけだろう。
まだブツブツ言っているルイズの手を引いて、列の最後尾に並ぶ。
同人即売会でのマナーが染みついているせいか、ルイズもいったん列に入れば、それを乱すような真似はしないのだ。
購買のおばちゃんの手際がいいのか、案外早く列がはけていく。
数分後に窓口までたどりついたルイズは、案の定、「普通」の品揃えにガッカリしていたが、仕方なくメロンパンとチョココロネを購入する。
才人もミックスサンドとバターロールを買い、続けてジュースの自販機に並ぶ。
「ほら、飲み物は俺がオゴってやるから、機嫌直せよ。何がいい?」
「……どろり濃厚ピーチ味」
「だから、そんなモンねぇって!! ウダウダ言ってると、黒糖ゴーヤスカッシュ飲ますぞ、コラ」
なんでも学食の仕入担当が沖縄出身らしく、この種のマイナーな飲み物が季節単位で自販機に入っている。たまにアタリもあるらしいのだが……。
「う……ちょっと興味はあるけど、別の機会にしとくわ。じゃあ、イチゴオーレで」
しぶしぶ納得したらしいルイズを連れて、中庭のベンチで昼食をとる才人。
ルイズは、当然のごとく、チョココロネにかぶりついては垂れてくるクリームをペロペロ舐めている。
「"正しい食べ方"はしねーのか?」
「やっぱ、こうやって食べるのが通でしょ♪」
ちょっと行儀が悪い気がしないでもないが、見てて萌えるのでよし! ……と判断する才人も、何だかんだ言って似た者同士はあった。
「む……」
「ん? どうした、ルイズ」
「このメロンパンを作ったのは誰だぁ? 女将を呼べ!」
「ムチャ言うなって! 大体、何が不満なんだ? 言っておくけど、蜂蜜漬けのキュウリが中に入ってないとか抜かしたら、本気でシバくぞ?」
そもそもあれは、「プリンに醤油をかけるとウニの味がする」と言うのと同程度のガセネタなのだ。
「違うわ! このメロンパン、全然"カリカリモフモフ"してないんだもん! 焼き直しを要求する!!」
そっちかよ……と、もはや突っ込む気力もない才人だった。
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以上です。ところで、フィクションにおける最強の「ゲテモノパン」王者って何でしょうねぇ。あくまで現実のある素材で作れるものに限って。
A編の方は24時ごろ投下させていただきます。
あれだろ。
どうせどっかのssスレでss投下したら、袋叩きにあって顔真っ赤になった
ガキの仕業だろ
乙です。
>文化祭の出し物
よくあるよくあるバラけるのw
おつ
うちは蕎麦作ってたなぁ
それではアフター編の方の投下、5〜7話まとめて開始します。
まずはアフター編5話。ついに禁断のネタに手を出してしまいました。
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『るいとも *Aの5』
「ルイズ〜!」
「ひめさまー!」
駆け寄る美少女ふたりを微笑ましげに見守る周囲の人々。
「「きぇい!」」
──もっとも、その微笑みも、ふたりが同時に宙高くジャンプして、拳と蹴りを交えるまでの話だったが。
「ハッ! ハッ! ハッ!」
「よっ! ほっ! さっ!」
アンリエッタの17歳の姫君とは思えぬ鋭い拳撃を、ルイズが巧みにさばきつつ、隙を見てはロー・ハイ・ミドルに重いキックを放つ。
そして、それを紙一重でかわすアンリエッタの技量も並みのものではなかった。
時間にしておよそ1分くらいだろうか。
「クルダ流交殺法表技・死流怒!」
「トラウベル流・鷹爪猛襲脚!」
互いの技が僅かにかすめ、風圧がその頬を薄皮一枚だけ断ち切る。
バッと離れて間合いをとったルイズとアンリエッタは、ニヤリと妙齢の乙女とは思えぬ漢くさい笑みを交わした。
「腕を上げましたね、ルイズ」
「姫様こそ、また一段と」
互いの笑みが深くなる。
「流派ロバ・アル・カイリエは!」
「王者の風よ!」
「全新!」
「系列!」
「天破侠乱!」
「「見よ! 聖地は赤く燃えている!」」
ババーーーン!!!
「……はっ! 夢か。ヤな夢だったな〜」
虚無の日の前夜、魔法学院のルイズのベッドで飛び起き、嫌な汗を流す才人。
「うぅーーん、ひめさま、ダメですよぅ〜」
傍らで寝ているルイズは、のんきに寝言を漏らしているようだ。
「ホントにああいうネタをやりかねねーから、タチがわりぃよな、このお嬢さんたちは」
チョンチョンとルイズのほっぺをつつく。
おそらく、先ほどあんな夢を見たのも、夕方ルイズから聞いた話のせいだろう。
と言うのも、国王不在のこのトリステインで、もっとも王位に近い(正確には、彼女の母がいるにせよ)存在のはずのアンリエッタ王女から、明日のお茶会への招待状が届いたと言うのだ。
無論、この招待状はあくまで私的なものである。宰相その他の公的機関を通じての召喚状などとは違い、何ら法的拘束力は持たない。
それでも、王家の人間、とくに人気の高いアンリエッタ姫からの招待とあっては、トリステインの貴族で断る人間はまずいないだろう。
また、いささかトリステイン貴族とは気質を異にするルイズも、姫とは個人的な幼少時からの友人とあって、招待に応じることに何ら疑問を感じていない。
しかしながら、才人自身は、どうにも嫌な予感が拭いきれないのだ。
幼い頃からルイズに連れられて何度かコッソリ会ってるので、満更知らない仲ではない。一国の王女とは思えぬほど、気さくで心やさしい美少女であることもよく理解している。
実を言えば8歳のころ、ルイズと彼女に迫られて(と言っても、そこは子供のこと。「サイトはわたしのほうが好きだもん」と言う他愛ない言い争い程度だが)両手に花気分を味わったことさえある。
その後、しばらく会わないうちに、ルイズづてに彼女にも好きな男性ができたと聞いて、安堵と一抹の寂しさを覚えていたりもしたのだが……。
だが、昨年の春先、ほぼ5年ぶりに会ったアンリエッタは、どこか以前と違うような気がした。
──いや、訂正しよう。会った瞬間は、まだ昔の「優しく可愛らしいお姫様」の印象そのままだった。
幼少時に一緒に観たことのある「ガンダム」や「セーラームーン」をはじめとするアニメのDVDを改めて観せると、いたく感動していたが、その程度だ。
しかし、その後、平賀家で日本風の服装に着替え、ルイズとふたりで、秋葉原、新宿、池袋と連れ回すにつれて、彼女の放つオーラが変わっていったような気がするのだ。
あえて例えると、ルイズやメイドのシエスタの放つ"ダメな空気"と等質で、かつ方向性が120度ほどズレた気配……とでも言おうか。
ブッちゃけると、ヲタクとしての基礎知識プラス「腐」の字で表わされる属性までも、王女殿下は身に着けあそばされたのだ。
今回持参する手土産に「そういう雑誌」を8冊ばかり用意してある。
聞くところによると、王女はほとんど独学で日本語の読み書きをマスターしつつあるらしい……BL系の雑誌や小説、同人誌を解読したい一心で。
同じくらい熱心に政治や帝王学の勉強にも力を入れては……と他国事(よそごと)ながら、心配になってくるが、まぁ、趣味にかける人の情熱などというのは、えてしてそーいうものだ。こればかりは人の"業"だから仕方ない。
自分も雑食タイプとはいえヲタクのはしくれ。せめて"同族"の"業"の深さくらい、笑って許容するべきだろう。
別段、王女様がヲタクだろーと腐女子だろーと、誰に迷惑がかかるわけでもないんだし。
そう思い返して再び眠りについた才人だったが……。
翌日、ルイズとともに訪れた王宮でアンリエッタの私室に通された後、侍女4人の手によって問答無用にメイド服を着せられるという、生涯2度目の女装体験を経るにあたって、考え方を変えざるを得なくなった。
「ダメだ、この王女。早くなんとかしないと!」
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以上。このSSでのルイズたちの言語習得状況については、「世界扉をくぐった者は、現地語会話を無条件に習得。ただし、読み書きは別」としています。
なので、幼少時に日本に来たことのあるアンアンや、多少祖父に手ほどきを受けていたシエスタはともかく、日本の存在も知らずに読書できるようになったタバサはまさに天才!
いや、簡単な辞書くらいで読み書きマスターしたふたりも十分スゴいんですけどね。
続いてアフターの6話です。フーケ騒動の顛末です。
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『るいとも *Aの6』
──それは、実に不運な巡り合わせだった。
「天敵」という言葉がある。
ハブにマングース。ネズミにネコ。サンゴにオニヒトデ。木造建築にシロアリ。クッパにマリオ。ペガサスナイトにシューター。金ぴか王に錬鉄の英雄。
イメージが先行していたり、じつは言われるほど勝率が一方的ではない例も存在するが、それでも「AがBに対して圧倒的に有利に戦える」組み合わせを指してAをBの「天敵」と称するのだ。
さて、ここトリステイン魔法学院に期待のニューフェイス……というにはちょいとトウが立ってる気もするが、最近入った教職員で人気を集めている人がいる。
オスマン学院長の秘書を務めることとなった、ミス・ロングビルと呼ばれる緑色の髪をなびかせた女性である。
メガネのよく似合う知的な雰囲気と温和な表情、大人の色気を兼ね備えた、20代半ばくらいの美人で、よほどのロリ・貧乳好きでもない限り、男なら誰でも「お、いい女!」と思うだろう。
貴族の地位を剥奪された没落メイジでありながら、不自然に媚びず威張らず、まさに淑女の鑑だ、と貴族平民問わず好評価を受けている女性だ。
性格も(一部エロジジィの前を除けば)温厚で優しく、男性だけでなく女性陣からも人気は高い。
実際、図書館その他で、彼女から適切なアドバイスを受けた女子学生も多いのだ。ミス・ロングビルいわく「わたくしにも同い年くらいの妹がいますから、ついお節介を」ということらしいが。
ルイズの陰謀(淫謀?)により、姉萌え属性を植え付けられたシエスタなど、折にふれて「あぁ、おねえさま〜」とイケナイ妄想をしているくらいだ。
しかしながら、読者諸氏はよくご存じのとおり、彼女、ミス・ロングビルには、裏の顔がある。
その名も「土くれのフーケ」。巨大ゴーレムを操る盗賊で、貴族を専門に狙い、必ず犯行声明を残すことで、トリステインにその名を轟かせている。
そのフーケが、何故仮初の顔をもって魔法学院に潜り込んでいるかと言えば、無論この学院の宝物庫に用があるからだ。
トリステイン王宮に匹敵する珍品・貴重品が眠っていると言われる学院の宝物庫だが、彼女の狙いはただひとつ。
オスマン学院長が若い頃から大事にしていると言われる「破壊の杖」だ。
ワイバーンを一撃で屠る強力な魔法が込められているというそれは、闇ルートを通じて好事家に売ればいかほどの値段がつくことか。
とは言え、なかなか盗む算段がついてないのも事実だった。
本作のルイズは、サイトとは幼馴染兼恋人、キュルケとも親友(マブダチ)な仲だ。系統魔法の失敗についてもある程度見切りをつけ、すでに「爆発」の精密性や規模のコントロールに着手して久しい。
そうなると、当然、「原作」のような「ルイズの誤爆で宝物庫の壁にヒビが!」というアクシデントも起こらないワケで……。
オスマンのセクハラに、ついに業を煮やした彼女が「手の部分だけ鉄塊にした巨大ゴーレムで宝物庫の壁を打つべし打つべし」という事態も起こりうるわけだ。
ハルケギニアの魔法は、"虚無"をはじめ感情にその威力を左右される比重が大きい。
とは言え、当初は「無理ぽ」とあきらめていた壁の固定化を、力づくでブチ抜くほどの威力をフーケのゴーレムが持ったあたり、彼女にどれだけストレスが溜まっていたのかは推して知るべし。
多少時間がかかったとは言え、破壊した壁の穴から宝物庫に侵入、目当ての「破壊の杖」を携えて、意気揚揚と彼女は学院から引き上げた。
この段階で、彼女に大きなミスはなかった。
原作同様、バッドガールズ3人+サイトに犯行現場を見られたりもしたが、ここのルイズは無謀な突撃をかますほど精神的に切羽詰まってはいない。
むしろ、「こんな時、ヴァリエール家に代々伝わる最後の戦法。それは……」「それは?」「逃げることよ!」などと小芝居をかますくらいの余裕があった……それでいいのか、正ヒロイン?
それはともかく、さしたる妨害も受けず、ひと仕事終えたフーケは悠々と脱走することができた。
この時点で彼女は、変な欲をかかずに適当な故買屋にでも「破壊の杖」を売っ払ってしまえばよかったのだ。
しかしながら、使い方がわからないと高値で売れないと考え、ミス・ロングビルとして学院に戻って来たことが仇となった。
沈痛な表情で教師たちが集まっている学院長室に顔を出し、フーケに対する偽情報を報告した途端、居合わせたメイジ数人の攻撃を受けて取り押さえられたのだ。
巨大ゴーレムを作れない建物の中、また懐に杖をしまっていたという状態では、さしものトライアングルメイジ、フーケにも為すすべはない。
(彼女の属性が「風」や「火」であったなら、まだやりようもあったのだろうが)
種を明かせば、彼女の失態は「サイトに自分の作ったゴーレムを見られたこと」そして「サイトを見逃したこと」の2点に尽きる。
その意味で、まさにサイトはフーケにとっては"天敵"だった。
"神の頭脳"ミョズニトニルンであるこのサイトは、魔法のアイテムを間近で見ただけでその詳細が"視える"のだ……そう、性能・用途から使用法、由来、製作者に至るまで。
ゴーレムとて暫定的とはいえ魔法で作り出されたアイテムには違いない。
あっさりその作り手がわかったサイトは、ルイズ達とともにオスマン及びコルベールに会って秘密裏にそれを報告。
半信半疑ながらもその可能性を認めたオスマンと、彼が(能力的に)評価する数名のメイジの待つベアトラップと化した学院長室に、ロングビルはノコノコ足を踏み入れたワケだ。
(冷静に考えればロングビルの"報告"が実にデタラメで怪しいものなのは、読者諸氏にもおわかりであろう)
無論、フーケことミス・ロングビルが再び学院に戻るかは賭けではあったのだが、サイトはその可能性が高いと判断していた。
なぜなら、あの「破壊の杖」の詳細はハルケギニアの人間には、絶対わかるまいという確信があったからだ。
それを知りたければ、持ち主であるオスマンかその側近から情報を聞き出すしかない。もっとも、実際には学院長も詳しいことは知らなかったのだが。
「しかし……"破壊の杖"とやらが、まさか四式二〇糎噴進砲だとはなぁ」
郊外の小屋か回収された「破壊の杖」を見て苦笑するサイト。
ちなみに、この知識はミョズニトニルンの能力を用いるまでもなく、ミリタリーファンとして持っていたものだ。
「それって、第二次大戦時の骨董品よね? そんなに威力あるの?」
サイトの影響で多少はその辺の知識があるルイズが、胡散臭そうに尋ねる。
「うーん、一応、発射する弾に関しては海軍の重巡洋艦用主砲弾を流用してたらしいから、現代でもそれなりの効果はあると思うぞ。
ただ、こんなデカブツ、発射台もなしに個人で担いで使用するのは無理だな。使い勝手の点では、口径は小さくても陸自の84ミリ無反動砲とかの方がずっと上だろうぜ」
もちろん、この「破壊の杖」は再び宝物庫に大事に保管されることとなったのであった。
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以上。マチルダ姐さん、いいとこなし。どうもA編は説明のために無駄に長くなりがちですね。反省。
ちなみに、虚無の使い魔の能力については「誰が使い魔になるかによって、微妙に能力も変化する」と解釈しています。
たとえば、このサイト(ミ)は、原作のシェフィールド(ミ)より分析面で優れてるうえ、地球の機械も対象にできますが、反面複数のアイテムの同時操作の面では劣ります。また、操作の加減を間違うとすぐ対象を壊してしまいます。
逆に、シェフィールド(ガ)は、原作のサイト(ガ)に比べて、通常モードでの体機能の底上げ度合は上ですが、ハイテンションモード時のマックス増幅度では劣る……といった具合です。
アフター編7話。今回は、いつも以上に内容が無いに等しいグダグダかも。
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『るいとも *Aの7』
「釣り具の武道会?」
一体、それはどーいうものなのか、とサイトは首を傾げる。
「釣り具の武道会、正式には"釣漁具による上覧武術大会"と呼ばれる御前試合。その歴史は古く、紀元前11世紀の中国は周の時代にまで遡れる。
太公望の異名で知られる軍師にして仙人でもあった呂尚が、長江の怪魚を釣り竿を用いた不思議な武術をもって退治したという故事に端を発すると言われている。
使用者は、柳の枝を加工した「竿(カン)」と呼ばれる武器を携え、3間、つまりおよそ5.4メイル離れて向き合った位置から試合を開始することとなる。
「竿」の基本的な使用方法は鞭(ベン)に似ているが、弦の部分を敵にからめて捕縛したり、近接戦では竹製の「毘駆(ビク)」と呼ばれる一種の盾を攻防に用いたりして、多彩な戦い方ができるのが特徴。
この大会での優勝者は、開祖になぞらえて第○代・対江坊の称号を名乗ることが認められる……」
真顔で、スラスラと偽トリビアを吐くタバサ。
「いや、さすがにそれは嘘だろう……」
このハルケギニアで古代中国とか言われてもニャーと、呆れるサイト。
それにしても、基本的に真面目なはずのタバサが、こんなに悪ノリするようになるとは……。
朱に交われば赤くなる、ということわざの実例を垣間見た気がするサイトであった。
「釣り具じゃなくてフリッグ! それに、ぶ"ど"うかいじゃなくて、ぶ"と"うかい。踊るほうよ」
ルイズの説明で、サイトもようやく事態が飲み込めた。
現代日本の平均的な視点から見れば、十分上流層に位置づけられる平賀家出身のサイトだが、さすがに西欧式の舞踏会にまで出席した経験はない。
ちなみにカクテルパーティーくらいなら、中学のころに2度ほど経験はあったりする。さすが、ブルジョア!
「前回のフーケ逮捕に一役買ったから、学院長が報奨代わりに今回の舞踏会に出る際のドレスの代金を負担してくれるんですって」
キュルケのツェルプストー家はガリアでも屈指の金持ちなはずなのだが、それでも、やはり学生の小遣いにとってドレス代の比重は小さくないらしい。
「サイトも参加していいそうだから、何か仕立てたら?」
ルイズの言葉に、ふむ……と考え込むサイト。
「せっかくだから、ちょっとハッチャケてみるか。ルイズ、ひと口乗らないか?」
それから数日後のフリッグの舞踏会の夜。
「ヴァリエール公爵家が令嬢、ミス・ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、およびその使い魔、ミスタ・サイト・ヒラガーのおなりぃ〜!」
さて、サイトのエスコートを受けつつパーティー会場に姿を見せたルイズだが、ふたりの格好を見て、会場で談笑していた男女は大きくどよめいた。
サイトの方は、一言で言えば「白い軍服」。日本史に詳しい人間が見れば、それが戦前の海軍将校の夏用制服であることがわかっただろう。
普段は親しみやすいがやや頼りない印象を与えるサイトも、こういう服を着ると気持ちが引き締まるのか、なかなか凛々しく見える。サーベル代わりのデルフリンガーも違和感がない。
こちらについては、学院の生徒たちもそれほど驚きはしなかった。
対して、彼に腕をからめて静々と歩みを進めるルイズの格好は、男女問わず衝撃を与えた。
まずは髪型。普段は無造作に流している髪を、頭頂部近くでリボンで結わえ、うなじを露出しているのが色っぽい。
髪の色に合わせたかのような鮮やかなチェリーピンクの振袖をまとい、ウェストには深紫の幅広帯を締め、下半身には真紅の女袴を履いている。
言うまでもなく、帝国華劇団の看板女優、真宮寺さくらの格好(コスプレ)だ。
足元は黒のパンプスではなく革製のショートブーツだが、むしろ活発な印象を引き立てている。また、刀の代わりに腰にメイジの杖を差しているのも、この場所にはふさわしかろう。
さらに、続いて現れたキュルケとタバサの格好も、会場にどよめきを与える。
キュルケの方は、ルイズ同様の和服──ライトパープルを基調とした振袖を着ているのだが、豊満な胸元を大胆に開け、裾も大きく前をはだけている。
もちろん神崎すみれの服装だ。オリジナルとの違いは、ヘアバンドではなく銀のカチューシャで髪をまとめていることと、首周りにチョーカーではなくアメジストをあしらったネックレスをはめていることだろうか。
タバサの場合、簡潔に言えば「男装」と呼ぶのが近いだろう。
スタンドカラーの白いブラウスに、腰回りをピッタリと包む同じく白のタイツ。その上から燕尾服に似たシルエットの鮮やかな青の上着を羽織り、足には同じく青いハーフブーツを履いている。
もう、おわかりであろう。レニ・ミルヒシュトラーゼの戦闘衣装を模しているのだ。
つまり、この4人で「サクラ大戦」しばりのコスプレをしているワケだ。
もっとも、「コスプレ」とは言っても、製作したのは貴族御用達の高級仕立て屋であり、布地も極めて上質なものだ。
中でもルイズの振袖にいたっては京都から取り寄せた高級反物を使用しており、日本で普通にお茶会などで着ても違和感のない代物に仕立てあがっている。
案の定、この舞踏会で4人は注目の的となった。
とくに、ルイズとキュルケの和装は「ロバ・アル・カイリエの最新礼装」と言うことで、むしろ女性からの質問が多数殺到。件の仕立て屋に型紙を渡してあることだし、遠からず、トリステインで「東方風ドレス」が流行るかもしれない。
また、タバサの醸し出す中性的な魅力も、男女問わず多くの観衆の目を釘付けにした。
「……トリステインにロリショタ萌えの芽を撒いちまったかもな〜」
ひとしきり踊ったあと、大人気の3人娘をテラスから眺めながら、「やっちまったゼ!」と楽しげに呟くサイトだった。
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以上。タバサには、アイリスのフリフリワンピを着せるという案もあったのですが、現地のインパクトを考えて、こんな形になりました。
基本的に本作のサイトはフォロー役の常識人なのですが、たまにはこういう悪ふざけもします。
とりあえず、本日の連続投下は終了です。今後ともよろしくお願いいたします。
駄目だ、この世界・・・・・・早く何とかしないと・・・・・・・w
乙
オスマンなら鼻血だしますよね。
うなじには、神秘の魔法がこめられてる
「ゲテモノパン」王者だぁ?んなもんもやしもんのシュールストレミングと一緒に食ってたパンに決まってる。
乙
うーん、染まってるw
ルイともさん乙です。
さよならマチルダさん。
彼女以外のシエスタのお姉様候補は誰だろう、アニエス?
シエスタ経由で魅惑の妖精亭に変化があるとか。
更に過激になった衣装………を着たスカロンさんとか。
ツナギか……ゴクリ
>真顔で、スラスラと偽トリビアを吐くタバサ。
そこは
「民明書房刊:××(適当にでっち上げた書籍名)より」
までやってオチ付けないと片手落ちな気もしまする
マチルダ姉さんのストレスの元凶となったものに制裁を加えたいと思いました
タバサって男装似合うと思うんだがどうかな?
男装は格好良さを強調した背が高いか、細身なのが似合う装いだと思うけど、
問題はタバサは背が低すぎるから良くも悪くもかわいく見えても
かっこうよく見え無いんじゃないかな。
そこら辺は背が高いキュルケが着こなすの似合うんじゃないかと。
変なのがたくさん釣れそうですが。
ベルサイユのばらってあの世界でうけるかなぁ・・・・・・
タバサは男装するとショタ化するしかない気が
タバサは普通に可愛いショタで通じそう
キュルケはあるとしても宝塚方向の断層かなダンソウならアニエスを推したい
アンリエッタが腐になっているのなら銃士隊をヅカにしてしまっている可能性があるな
むしろタバサが女装男子
「少女少年」ですね。
タバサは身分を隠して偽名で入学していたんだから性別ぐらい偽ってもいいと思うんだ。
イザベラもきっと「くっくっく、似合ってるじゃないか」と言ってくれるよ。
ところでタバサはフランス書院とかにも手を出したりしているのかな。
つかタバサの冒険でイカサマカジノの調査の為に男装したことあるぞ
>>36 そして、男装の趣味に目覚めるわけですね、わかります!
なんでか、かっこいいと思える自分がいるんだ。
それと、るいともの人乙。
えっと、今回のAをまとめると
東方腐敗、チートな使い魔にマチルダ姐さん乙、コスプレ舞踏会、と。
地球に伝わる伝説の魔法ニコポナデポをマスターするために山にこもるギーシュ
だがニコポされるのはサイト
いやギーシュ大好きなんだけどね
>>15 >「「きぇい!」」
脳内で南斗獄屠拳を放つアンアンがww
また変なのが……
続きはどこかにある避難所で。
安全のためアドレスは書きません。