あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part235
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。
(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part233(234)
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1244070866/ まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/ 避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/ _ ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
〃 ` ヽ . ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
l lf小从} l / ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,. ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
((/} )犬({つ' ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
/ '"/_jl〉` j, ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
ヽ_/ィヘ_)〜′ ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
_
〃 ^ヽ ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
J{ ハ从{_, ・クロス元が18禁作品でも、SSの内容が非18禁なら本スレでいいわよ、でも
ノルノー゚ノjし 内容が18禁ならエロパロ板ゼロ魔スレで投下してね?
/く{ {丈} }つ ・クロス元がTYPE-MOON作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
l く/_jlム! | ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
レ-ヘじフ〜l ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。
. ,ィ =个=、 ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
〈_/´ ̄ `ヽ ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
{ {_jイ」/j」j〉 ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
ヽl| ゚ヮ゚ノj| ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
⊂j{不}lつ ・次スレは
>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
く7 {_}ハ> ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
‘ーrtァー’ ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。
>>1乙
そして前スレで何という滑り込みの見切りっぷり。
対処されるまで避難所でやるほうがいいと思うがなぁ
どっちにしても、今日一日は様子見じゃね?
避難所に投下されたぶんはこっちに転載するの?
今は落ち着いてるからここでいいとおもうけど
避難所に投稿したのに転載したら意味なくね?
代理依頼ならまだしも
前スレのアレってどっかのSSをパクって名前と攻撃方法を変えただけとかそんなことは無いよな?
名前の指摘を受けた直後にあらしが出るとかなんかきな臭いというか
考え過ぎるとツルベール先生になっちゃうぞ
しかし名乗りを水銀と間違えるって信じられんな
水銀で書いてあるSSを後から名前だけ薔薇にかえただけなんじゃ
とりあえず今日は投下を控えたほうがいいかな?
>>14 それのがいいな。なんか変なの沸いちゃってるし
>>13 更に原作を知っているかとか本当に勤め人かどうかとか、疑うときりがないな
>>15サンクス
投下はとりあえず明日以降に持ち越しか
どうも共同執筆とかリレーとかしてそうだけど、それだけなら特に問題は無いんだよね?
スレのルール的な問題ね、複数召喚とかみたいに難易度が高いとかそういう話じゃなく
ゲッタースレにいたけどあっちも荒らされて撃墜されたぞ。しかも二回も
ゲッター撃墜って書くと凄いことだよな
しかも二回も!
ちなみに今は再起不能に近いかも
そういえばゲッターって撃墜されたことあったっけ?
武蔵の自爆のイメージが強すぎてよく覚えてないんだ
漫画の方だとイーグル号部分が大ダメージ受けて爆発に巻き込まれたことはあったけど
撃墜とは違うか?
真だけじゃないかな?ゲッター撃墜したのって
27 :
ゼロがお姉様:2009/06/10(水) 20:25:41 ID:JlDdbxgG
>>10 すみません
間違いの指摘を受けてすぐにあらしがでてきたので書き込むのをやめました。
>>13 そこは同僚がいたずらで名前を変えてしまいました。すみません。
>>18 共同執筆ではありません。なんか紛らわしいこと書いてすみません。
ちょっと調べてみたらゲットマシンは何度か堕とされてるけど
ロボ状態だと行動不能はあっても完全破壊はないっぽいな
チェンゲ3話で武蔵のゲッター3がやられたのは違うのか?
チェンゲ入れたら量産型Gを山の様に撃墜してるだろ
…話題反れてるな
ゲッター線にとっちゃメイジも平民も関係無さそうだ
>>27 そうなんですか、こちらこそ変に深読みしてすみません。
説明ありがとうございました。
>>27 疑うような事を書いてすまなかった。
このスレしか見て無かったから他のスレも荒らされているのに気がつかなかったよ。
なんかへんなことになってるみたいですが。
投下は自粛した方がいいですかね?
別に自粛しなくてもいいんでない?
流れを変えるために投下するも吉
べっ別に許して貰おうとかそういうんじゃないんだからねっ!
これはその…あの…礼儀よ礼儀!!そう、人としての当然のマナー!
とりあえず3話に期待。
ちょっと目を離したらもう次スレかよ
お前ら早すぎ
忙しくて前回投下から、あまり進んでない…
今のうちに書き進めておくかな。
>>40 嵐の手によって前スレ撃墜
ゲッタースレも同じく
なのはさんも撃墜されたよ
もしゼロの使い魔の〜のIFスレもひどいことになってる。無駄に根性のある嵐だ。
リアル通り魔されるよりマシと思えばいいんじゃね
時期的に考えて
型月×なのはもエルフェンリートもNWも撃墜されてた。
もう何か無差別っぽい。
荒らしはさっさと規制されればいいのに
何故かぶーたれるだけで報告とか誰もしないのよね
他力本願じゃどうにもならんよ?
おのれ許さん!
てつをってステーキ屋を経営してるんだね
しかもメニューにブラックステーキとRXステーキがあるとか
なんで嵐はさるさんなんないの?
教えてエロい人
>>51 複数の回線でも使っているんじゃないの?
荒らしの仕方は板違いなんで余所でやれ。
53 :
ジル:2009/06/10(水) 22:07:09 ID:9S0due23
よし、腹をくくって2210時に投下しますよ。
お待たせしました。
外伝というか、話の繋ぎみたいなものですが。
支援
55 :
ジル13.5:2009/06/10(水) 22:11:18 ID:9S0due23
ルイズは疲れ果て、城の一室で泥の様に眠っていた。運動神経は悪くないが、軍人に、しかもその中でもかなりイレギュラーな存在であるジルについていくことはかなりの体力を消耗することを意味し、対価のように疲労を積み上げていった。トドメは復路だった。
馬に慣れているとはいえ、馬を替えながら最短ルートを全力で走らせればかなり疲れる。
ほとんど気力だけでデブリーフィングを乗り越え、終わった途端、ぱたりと倒れたのだった。
アンリエッタが大騒ぎしたが、ジルが冷静に診断して(それでも落ち着かないアンリエッタを一睨みして黙らせた)ただ眠っているだけと判り、それからすぐに部屋を与えられ、ベッドの中。
その夢の中────
『Checking System...』
変な……大きな、金属の醜い塊。禍々しい。その隣でジルは佇んでいた。ルイズは少し離れた場所でそれを見ていた。
「全く……最後までよくわからない仕掛けね」
「あ、ジル……ッ!」
ジルが歩きだし、その姿が曲がり角に消えて、そこで初めてその場所の異常さにルイズは気付く。
56 :
ジル13.5:2009/06/10(水) 22:13:30 ID:9S0due23
死体だ。禿頭の、灰色の肌をした巨人の死体。いや、それだけではない、その先には普通の人間が血を流して倒れている。何人も、何人も。誰かは顔がない、誰かは頭が変な方向に向いている、誰かは腹に大穴が空いている。誰もが眼を背けたくなる程の惨い死に様を晒していた。
「じ……ジル!」
恐怖に駆られ、唯一この場で頼れる存在を探し、ルイズは駆け出す。死体からなるべく距離をとろうとするが、いかんせん数が多く、ここは狭い。靴の裏が何かを踏み潰す感触を伝えるが、ルイズはそれを無視して走る。
その姿はすぐに見つかった。袋小路で箱を押していた。
そしてそこには、巨大な化物の死骸があった。
「う……ジル! ジル!」
箱を何かに押し込んだジルはルイズを無視して何処かに行こうとする。そんなことも気にせず、ルイズはジルに抱きつく────が。
「わぶっ!?」
その手はジルに触れることはなく、その身はジルをすり抜け、壁に派手にぶつかる。
「どうして……」
ジルに振り向くと、険しい顔をして化物の死骸の方を睨んでいた。
嫌な予感と共にそこを見ると────肉塊。不気味に蠢き、汚液を吐き……そして巨大な、化物になった。
ルイズはそのおぞましさ、恐ろしさに動けない。生理的嫌悪感と生物としての正しい防衛本能が無意識に怪物から距離を取ろうとして、壁に背をぶつけ、眼を背けられず震えている。
ジルは既に遠くで──といってもこの狭い部屋では比較的、と頭につくが──何か作業をしている。化物はルイズを無視して、ルイズをすり抜けて這いずり、ジルを追って……箱に這い上がる。
この状況で投下する勇気に支援
私怨
59 :
ジル13.5:2009/06/10(水) 22:16:21 ID:9S0due23
箱の向こうでフラッシュ、聞き慣れない銃声。時折ジルの悲鳴が聞こえる。濁った液を吐き散らし、それが当たった『何か』や死体が溶けてゆく。
しかし、それも長く続きはしなかった。ジルの攻撃に耐え兼ねたのか、化物は箱から降り、白い怪物の死骸を喰らい始めた。
「う……うえぇぇぇ」
膝を突き、ルイズは嘔吐する。しかし、口からは何も出ない。狂ってる、こんな世界。
それが銃爪になったのか、ルイズに僅な冷静さが戻る。化物は、ジルはルイズに触れられない。いや、見えてすらいない。ここにルイズは存在しないことになっている。恐怖に塗り潰された頭が、だんだんと理性で塗り替えられてゆく。
(これは、夢だ)
恐ろしいが、どうってことはない。これは悪夢だ。いつもの(より遥かに恐ろしいが)悪夢なんだ。長時間見てると心が麻痺しそうだが、そう自分に言い聞かせ、一歩を踏み出す。
ジルに頼ろうとする自分が情けない、とルイズは思うが、無意識で信頼、或いは憧れに近い感情を持っているのは間違いない。
ジルなら絶対に護ってくれる、ジルの近くなら大丈夫と。
迷うことなく、ジルを追う為の一歩を踏み出す。数歩歩いた曲がり角、その突き当たりの、あの機械の前にジルがいた。醜い機械が放つ唸りがだんだんと高くなっていき、
『5・・・4・・・3・・・2・・・1・・・Fire』
無機質な男の声。その終わりと同時に、耳障りな音がルイズの耳を突き刺した。咄嗟に耳を押さえ、瞼を閉じる。眼を開くと、頑丈そうな箱が、壊れ、消滅していた。ジルの方を見ると、退屈そうに立ったままだ。
再び高くなる不快な音。化物は相変わらず化物の死骸を喰らい、ジルは動かない。ルイズはいつ来るか判らない音に備え、耳を手で塞ぎながら時を待った。
『Fi・・・F・・・Thr・・・T・・・・・・Fire』
60 :
ジル13.5:2009/06/10(水) 22:20:45 ID:9S0due23
そしてルイズは見た。それは赤い砲弾。それが一心不乱に肉を喰らう怪物に吸い込まれ、それの躯を大きくえぐり、続く二発目がその巨躯を吹き飛ばし、その行動の全てを止めた。
「やれやれだわ」
ジルは既に動かない肉塊に近付き、もう動かない事を確認した。
そして踵を返すと、奥のドアに向かった。ルイズも慌ててそれについていくがーーーー
「!」
あの肉塊が再び動き出し、這いずりながらジルを追う。それに気付かないジルではない。
肉塊が吹き出す汚液を回避、その先にあった銃を手にし、一気に三連射。肉塊が怯んだ隙に立ち上がり、ゆっくりと近付きながら撃つ、撃つ。
「S.T.A.R.S.がお望み? なら星をくれてやるわ」
最後に一発。それきり、肉塊は動かなくなった。
「ふう。急がないと」
ジルが扉に向かう。慌ててルイズもそれを追う。
小さな部屋を出ると、そこは広場だった。どういう魔法を使ったのかは判らないが、あの小さな部屋は、行きたい場所に行けるマジックアイテムなのだろう。そう納得して、ジルの後をつける。
「ジル! ヘリが来るぜ!」
浅黒い肌の男が、手に持つ煙の出ている棒を振りながら、ジルに声をかけた。それからすぐ、喧しい音と共に、巨大な風車を持った何かが飛んできた。乗り物らしいそれは広場に降り、ジルと男は
それに乗り込む。ルイズも閉められた扉をすり抜け、その中に潜り込む。ジル達は何やら中にいた男と言葉を交わし、乗り物はまた浮き上がる。
支援
62 :
ジル13.5:2009/06/10(水) 22:26:02 ID:9S0due23
「時間ね」
「ああ」
ジルが窓の外を眺めている。その視線の先には、光が煙の尾を曳いて、さっきまで自分達のいた街に向かって飛んでいく。
まばゆい光が、ルイズの眼を灼き、ホワイトアウトさせる。乗り物が大きく揺さぶられる。反射的に何かを掴んだルイズはどうにかそれに耐え、眼を開いた。
まず眼に入ったのは、街の上に立ち上るキノコ状の黒い雲。その下では、綺麗な円形の炎が街を覆い尽くしていた。
『たった一発で焦土にできるわ』
その言葉の意味を、今ルイズは初めて信じ、そして理解した。
寝汗が酷い。
寝起きなのに意識がはっきりしている。
そして、夢は鮮明に思い出せる。
トリスタニアより遥かに大きな街が、一瞬で炎に包まれた。
精強なスクウェアの火のメイジを、どんなに数を揃えたとしても不可能な攻撃。それをたった一発の『何か』で達成する。
ルイズは知ってしまった。ジルの世界の、兵器の本当の威力を。
あれは夢なんかじゃない。異常なまでのリアリティが、ルイズにそれを自覚させる。
「なんてこと・・・・・・」
ルイズの中で、あることが決断された。
sien
sien
65 :
ジル:2009/06/10(水) 22:33:03 ID:9S0due23
以上、LEの悪夢でした。
ラストをなぞっただけの、ストーリーもくそもありませんが、
これをしておかないとルイズが思った方向に行ってくれなくて。
もうそろそろでルイズは虚無に目覚めますが、リアルが忙しいのでのんびりお待ちください。
すみません。
前スレラストの華麗な誘導にワロタ
>>65 GJ!(グレート・ジルの略で)
のんびり待つぜ
誰もいない…
踊るなら今のうち…
ってことでがんばれゴエモンネオ桃山幕府から召喚でハルケギニアをゴージャスなステージに…
>>68 つい昨日、インパクト召喚を考えてたぜ。
出撃の度、主題歌付きでハルケギニアを荒野にしていくインパクト……
>>69 出撃の度、でなぜか「ラジオマン」を思い出してしまったぜ
ハルケギニアじゃヤツのヤバさは誰も理解出来ないだろうから
気がついた時には手遅れになってるんだ、いろいろと
>>70 訂正
「ラジオマン」じゃなくて「ラジヲマン」
発進がドハデならゼノギアスのレンマーツォ、孤児院の地下からロボットアニメじみた出撃して巨大怪獣と戦う。
缶詰だけじゃないんだよ、缶詰だけじゃ。
大局的に見るとエメラダ以上にいらない子のビリーか
ここで空気を読まずにブリキ大王と言ってみる。
>>71 竹内先生を喚ぶのはどうだろう?
科学者キャラだ。キジルシでもいいけど。
召喚早々名前を馬鹿にしたせいでカミーユに殴られるルイズ他生徒数名
女の名前と言えばバッカーノのクレアだな
フェリックスに改名したが
>>73 エメラダはストーリー云々以前に必要なキャラですよ?
一番いらない子だったのは間違いなくリコ。
タキシード仮面ネタ考えたけど最近多忙すぎてめっきり読む専になっちまった…
月一のスローペースで投下するか、小ネタにとどめるか
>>80 小ネタ出して落ち着いたらスローペースで投稿は?
>>82 そだね・・・来週あたりにリハビリかねて小ネタ投稿してみっかな
メタルスラッグから火星人を
ロボネタで思い出したがガンドライバーの未亡人製造機ならエネルギー問題と整備とか総てクリア出来るんじゃ無かろうか
(未亡人製造機のボディは漆黒の神像だからエネルギー切れとは無縁)
まあ出たら土メイジとコルベールが地獄を見るんだが(ガトリングの弾的な意味で
こっちの新スレにはヤツが来てないのな。
IFの方にはもう一回来てた
サイトと一緒に響鬼さんを呼んで欲しい
俺ドラゴソ狩りはフェイと先生とビリーだったぞ
更新履歴にるいずととらがあったから復活したのかと期待しちゃったぜ
花嫁の人みたいに一年ぐらいたって突然復活する人って珍しいのかねえ
俺はダンテの人が来てくれることをいつまでも待ってる。
銃士隊に虎こと御堂真奈美が入隊みたいなネタ考えたんだけど、一発ネタにしかならんかな
ガンタがジーザスで、テファにはリック・バウマンが
ウィザーズクライマーのラズロックはどう?
まあ、いろんな意味でここでは書けない話になりそうだけどw
別にルイズは魔力が無くて魔法が使えないわけじゃないから
あいつの協力は必要ないぞw
>>91 ガンダがイージスで、テファのとこにジーザスとか
あるいはバタフライか
>>44 >>40はマスターテリオン
照男を召喚してももれなくニャルと愉快な邪神達もついてきそうで困る
なんてこったい
なんっこてたい
うんこでたい
トイレに行けよ!
もれなくついてくるか・・・
アンドロメダの聖闘士呼べば、召喚獣フェニックスがついてくるな。
海底でも冥界でもやってくるからな。
もれなくついてくる、というならば
個人的にはトランスフォーマーからサウンドウェーブだな。
フレンジーやジャガーやコンドルとか優秀なカセットロンもいるし。
小ネタ投下します。
『赫炎のインガノック』より、主人公「ギー」です。
虎街道でのvsヨルムンガントのみとなります。
公式の、 サンプルBGM 03 を聞きながら読んでくださると、臨場感があるかも知れません。
原作やっている方ならこの気持ちわかってくれるはず。
>>95 蝶々は普通に考えたらジョゼフんトコだろう
そう言えばカブト系の仮面ライダーの各ゼクターって時空を超えてやってくるらしいから、
アレももれなく付いて来ると言えばそうなのか。
《赫炎の使い魔》
聖戦が発動されたガリアとの戦争。
ルイズは虎街道で、虚無すら効かなくなったヨルムンガントに追い詰められていた。
杖を失ったルイズに最早為す術はなく、その場に蹲る。
「苦しめて殺してやろうと思ったけど、興ざめだ。一思いに殺してやるよ」
ミョズニトニルンが笑っているのが聞こえる。
ルイズは立ち上がろうとするも、腰が抜けて立つことはできない。
二十五メイルもあるヨルムンガントは恐怖そのもの。
ヨルムンガントの足がゆっくりを持ち上がる。
きっとあれで自分を蟻みたいに踏み潰すのだろうと、ルイズは冷静に思っていた。
これが走馬灯なのかなと思いながら、刹那の間にルイズは過去の記憶を振り返る。
自分の使い魔、ドクター・ギー。
インガノックという都市からやってきたという、現象数式を用いて体を治すお医者様。
でももうここにはいない。
元の世界に帰してあげた。
向こうにはギーの帰りを待つ人がいるから。
自分達の戦争に、これ以上巻き込めない。
そう・・・・・・もう、この世界にいないのだ。
ルイズの鳶色の瞳から、雫が零れ落ちる。
呼んだって来る筈はないのに、それでも・・・・・・ルイズは口を開いた。
「・・・・・・たすけて・・・・・・ギー!!」
ルイズは叫ぶ。
それとヨルムンガントの足が、ルイズを踏み潰すのは同時。
しかし、衝撃は僅かだけ。破片が飛び散っていた。
巨人の足を止める“手”があった。
巨人の破壊を止める“手”があった。
――――――――――――――――――。
――――遮る“手”が伸ばされる。
破壊から、少女を庇うように。
「・・・・・・大丈夫かい、ルイズ」
――――聞き覚えのある声。
――――とても、とてもやさしく。
「遅かったね、色男。間一髪だ」
ミョズニトニルンが言う。
運良く避けられたのだと、思っている。
105 :
赫炎の使い魔:2009/06/11(木) 18:36:20 ID:QZaBok/D
ルイズの顔が晴れる。
頬に一筋の軌跡を残し、ルイズはその使い魔の名を呼んだ。
「ギー!!」
――――声に応えて――――
――――その“手”は前へ――――
――――彼の“右手”が伸ばされる。
――――前へ。
ギーの右手だけではなかった。背後から。
別の“右手”が伸ばされて。
――――鋼でできた手。
――――それは、ギーの手と確かに重なって。
蠢くように伸ばされていく。自由に。
手は巨人の“顔”へと伸びていく。
鋼色が、5本の指を蠢かせて現出する。
指関節が、擦れて、音を、鳴らしている。
それはリュートの弦をかき鳴らすように、金属音を生み出す。
これは――――何だ――――
何かがいる。誰かがいる。
それはギーの手ではなく、その背後から。
誰かが――――
ギーの背後から、鋼の手を――――!
得体の知れぬ畏怖に駆られたミョズニトニルンは、ヨルムンガントと共に飛び退く。
視界にギーを捉えたまま。
――――鋼が軋む音が響く。
――――何かが、ギーの背後に、いた。
誰だ。何だ。
鋼を纏った何かが、背後に在る。
ミョズニトニルンには、それは影にも見えた。
背後から右手を伸ばす、鋼の何かがいると。
正体はわからない。何者か。
人間。いいや、これは違う。
わからない。誰が。何が、そこにいるのか。
鋼の体躯を持つ者、まさか、そんなことはあり得ない。
鋼の影が“かたち”を得ていく。
鋼の手が動く、言葉に応えるように!
鋼の“手”を・・・・・・!
ただ、ただ前へと――――伸ばす――――!
106 :
赫炎の使い魔:2009/06/11(木) 18:37:12 ID:QZaBok/D
――――鋼色の手が――――
――――ギーの“右手”に重なって――――
――――鋼の右手が――――
――――暗闇を裂く――――
――――鋼の兜に包まれて――――
――――鋭く輝く、光がひとつ――――
静かに右手を前へと伸ばす。
なぞるように、鋼の右手も前へと伸びた。
――――動く。そう、これは動くのだ。
――――自在に、ギーの思った通りに。
視界の違和感はない。
道化師はいない。
かわりに、異形の影が背後にあるとわかる。
鋼の腕を伸ばして“同じもの”ものを視ている。
覗き込む、大きな大きな騎士人形。
ミョズニトニルンの操る10体の死と破壊をもたらす者、そのひとつが。
数式を起動せずともギーには視えている。
恐慌をもたらす“威圧”を掻き消して、
ギーと“彼”は歪んだ鉄鎧の巨人の目を睨む。
――――右手を向ける。
――――己の手であるかのような、鋼の手を。
――――現象数式ではない。
――――けれど、ある種の実感が在るのだ。
背後の“彼”にできることが、何か。
ギーと“彼”がすべきことは、何か。
――――この“手”で何を為すべきか。
――――わかる。これまでの時と同じように。
「何をしようとしたって、このヨルムンガントの前ではッッ!!!」
ミョズニトニルンの額のルーンが光る。
それに呼応するように、ヨルムンガントの四肢が動く。
107 :
赫炎の使い魔:2009/06/11(木) 18:38:06 ID:QZaBok/D
ギーの“右目”は既に捉えている。
ヨルムンガントのすべてを。
ヨルムンガントのその巨大な腕が振り上げられる!
同時に手に持った大剣が、天高く掲げられる。
微塵の容赦もなく、振り下ろされる白刃。
矛先を向けられるのはギーと“彼”!
生身の体では避けきれまい。
鋭い反射神経を供えた《猫虎》の兵や、神経改造を行った重機関人間以外には。
しかし、生きている。
ギーはまだ。
傷ひとつなく、立っている。
鉄鎧に覆われた巨大な騎士人形の剣が切り裂くのは虚空のみ。
「・・・・・・遅い」
ギーは呟く。
「なんで・・・・・・!何で死んでいない・・・・・・!?間違いなく当たった筈なのに!!」
ミョズニトニルンが絶叫する。
ヨルムンガントの剣は、確かにギーを捉えた筈だった。
その巨大過ぎる剣は生身の人間を造作もなく、粉々に吹き飛ばす。
メイジでもない人間に避けられる筈はない。いや、メイジでも避けられる筈はない!
「喚くな」
ギーは淡々と、通告する。
狼狽するミョズニトニルンを“右目”で睨む。
ミョズニトルニルンは再度ヨルムンガントを動かし、二度目の攻撃を加える。
しかし生きている。
ギーはまだ死んでいない。
以前の自分なら死んでいたのだろうと思う。
しかし、今なら、鋼の“彼”がギーを守る。
死にはしない。まだ。
108 :
赫炎の使い魔:2009/06/11(木) 18:39:05 ID:QZaBok/D
睨む“右目”へ意識を傾ける。
暴れまわる巨人のすべてを“右目”が視る!
――――ヨルムンガントの装甲は強固――――
――――カウンターで物理破壊は不可能――――
――――唯一の破壊方法は――――
――――反射許容量と装甲限界を越える攻撃――――
――――全身の、同時圧壊――――
「・・・・・・なるほど、確かに。人はきみに何もできないだろう」
系統と先住の結晶、ヨルムンガント。
すべてを弾くカウンターと分厚い鉄に覆われた鎧の体。
故に、確かに人間はこれを破壊できない。
唯一の破壊方法はカウンターが想定する反射限界を突破して尚装甲を貫く破壊。
故に、絶対に人間はこれを壊せない。
魔法も砲弾も炸薬も体へと届くも弾かれ消える。
けれど、けれど。
――――けれど。
「けれど、どうやら。鋼の“彼”は人ではない」
――――“右目”が視ている!
――――“右手”と連動するかのように!
「鋼のきみ。我が《奇械》ポルシオン。僕は、きみにこう言おう」
一拍置いて、ギーは呟くようにその言葉を紡ぐ。
「“王の巨腕よ、打ち砕け”」
――――――――――――――――――!
――――打ち砕き、粉々に消し飛ばす。
――――鋼鉄を纏う王の手。
――――それは、怪物を破壊する巨大な塊。
――――おとぎ話の、鉄の王の手。
押し開いた鋼の胸から導き出された鋼の“右手”は、
高密度の質量を伴って巨人の全身を叩いて砕く。瞬時に破壊する。
ミョズニトニルンが叫び声を上げる暇もなく、
超質量に圧されたヨルムンガントは崩壊した。
体のあらゆる部位を。
ばらばらに、粉々に、打ち砕かれて。
凄まじい振動を、爆砕するように残して。
切り立った崖に挟まれた虎街道一帯を揺らして――――
109 :
赫炎の使い魔:2009/06/11(木) 18:40:07 ID:QZaBok/D
ミョズニトニルンは残った9体のヨルムンガントを動かす。
左右の逃げ場を失った鉄砲水のように、ヨルムンガントが押し寄せる。
しかしそれが到達するよりも早く、ギーは言葉を続けた。
「“太陽の如く、融かせ”」
――――――――――――――――――!
――――切り裂き、融かして消し飛ばす。
――――炎を纏う刃の右手。
――――それは、怪物を焼き尽くす炎の右手。
押し開いた鋼の胸から導き出された刃の“右手”は、
超々高熱の火炎を伴って、前衛の3体のヨルムンガントを包み、瞬時に焼却する。
燃え尽きる暇もなく、高熱刃に包まれたヨルムンガントは一瞬で蒸発した。
凄まじい炎の滓を、爆砕するように残して。
切り立った崖に挟まれた虎街道一帯を揺らして――――
“彼”の“かたち”が変わる。
それまでの“彼”のものではない。
だが確かに“彼”の“手”だ。
ギーの背後から伸ばされるその色は、真紅。
――――赤色の――――
――――赫の炎にも似た、鋼の手――――
その姿は真紅に充ちて。
鋼を纏った“彼”は、姿を変えていた。
鋼の体躯は真紅に染まり、瞳は二つに。
姿は違う。けれど“彼”に違いはない。
その手は今や、尋常な人間の手ではない。
真紅の鋼を纏った“右手”。
《悪なる右手》がそこに在る。
ギーは残った6体のヨルムンガントを睨みつける。
「“光の如く、引き裂け”」
――――――――――――――――――!
――――真紅の右手が疾って。
――――残ったヨルムンガントのすべてが切断される!
――――真紅の右手はすべてを奪う。
――――ヨルムンガントのすべてを完全に取り込み奪う。
――――巨体は程なく消え去るのみ。
――――それまでに消滅したヨルムンガントと同じく。
――――何の痕跡も残さずに。
110 :
赫炎の使い魔:2009/06/11(木) 18:41:11 ID:QZaBok/D
◇
「おかえり、ギー」
「ただいま、ルイズ」
笑顔を浮かべていたルイズが、一転して心配そうな顔へと変わる。
「・・・・・・帰らなくて、良かったの?」
「ああ、大丈夫。少しだけ会えたから。会って話をしてきたから」
ギーは続ける。
「キーアは待ってくれてる。というか、叱られてしまった。『そんなのあたしの知ってるギーじゃない』って」
そう・・・・・・、だから・・・・・・、もう少しだけ・・・・・・。
「だから・・・・・・もう少しだけ、こっちで君といることにした」
周囲が勝ち鬨を上げているようだったが、二人の耳には入らない。
ギーとルイズは、澄み渡る蒼天の空の下で、静かに微笑みあった。
以上で終了です。
色々と書きたいギーですが、何分原作でもチート過ぎる主人公なので。
戦闘は全て定型句で粉砕。恋愛も疎いというか消極的というか、色々と絡ませづらい。
長編には色々と向かないので、書きたいシーンだけ書きました。
それではさよなら。
赫炎の人、乙でしたー!
原作まったく知らなかったけど中々面白かった。
嘘屋って潰れそうで潰れないよな
糞ゲは出してないけど売上が微妙なのばっかなわりに
これはいいドクター
あのパターン戦闘大好き
115 :
R ◆vhfBQTG0WI :2009/06/11(木) 21:01:56 ID:Vidmd/aT
保守
乙です
以前のスレで
「元々誰かへの高い忠誠心を持っているキャラのそれをルイズに挿げ替える」
なんてのがあったのを思い出し
小ネタにトライしましたが、中々難しいですね
連載にするつもりなんぞ無いんですが、どうにも読み辛く字数多くなってしまいます・・・
書いてるうちに連載の出だしみたいになっちゃって、落としどころを見失ってしまった・・・
っていうか、元々女の子だらけのゼロ魔にクロスさせるには無理があったかなー、なんて・・・
まとめの小ネタを巡って勉強して出直してきます
書き手の人たち、皆さん尊敬しますよー
ageられたから荒らしこっちくるかもな・・・
危険だよね
問答無用で撃墜してくるからな…嵐に対して初めて恐怖したよ
嵐なんか怖くない
弱った心に
嵐が住み着くのが怖い
モンスターハンターGから召喚します。
投下いいですか?
名前 姉小路殺
二つ名 †聖なる悪夢†
コードネーム カオティックファクター -吊られた極限-
年齢 15歳
職業 姉小路財閥総帥兼SEO
行動 他人にとことん厳しくあたる
好きな食べ物 すし
剣技 楊心流星野派薙刀術
苦手 自分の才能
目的 自分探し
お断りします
駄目です
許す
お、セキレイから変えたんだ。
オーク狩りするの?
>>121 そのアニメだかゲームだかをよく知らないんだが、そういうキャラがいるの?
釣られるなよ
>>127 キャラは最初に自分で作るからありっつーたらありか
やっぱりネーヨwチラシの裏に書いとけ
ここまでテンプレ
131 :
聖帝軍正規兵:2009/06/11(木) 22:13:07 ID:tPzJgSX8
下がれ下がれぇーーーー!スレを開けろーーーー!
聖帝様のご投下だぁーーーーーー!
支援しろ!消毒されてぇかーーーー!
>>121 釣り針は消毒だぁーーー!!
待ってたぜぇー
支援するぜ〜!
支援して死ぬぜぇ〜!
ヒャッハー、支援だー
支援だ!!支援だ〜!!
世紀末、とっくにすぎちゃたけど支援
「あれか。ふむ、なかなか栄えているようだな」
さすがに首都だけあって、その盛況ぶりは遠目からでも分かる。
大戦前から見れば小さなのもだろうが、世紀末から見れば大きい。
治安もそれなりに保たれているようでヒャッハーとかいう叫び声が聞こえてくる要素は見当たりそうにはなかった。
さすがに、そのまま街中に入るわけにはいけないので、外においておく事にしたが
当然最初はそのまま行こうとしてギーシュに止められた。
街中に馬は入れないし、道幅と人口密度の兼ね合いもあり絶対通れないと必死だ。
無論、そんな事したら憲兵隊がすっ飛んできて、一方的に血の雨が降りそうだったからというのが本音だったが。
「はっ!」
軽い掛け声と共にサウザーが玉座の上から離れ、ギーシュの頭の遥か上を一回転して地面に着地した。
ちなみに、聖帝号(仮)の異様もあってか思いっきり道行く人々に見られてはいるが、サウザーは少しも気にしてはいない。
土下座でもさせてやろうかと考えているあたり、聖帝様は今日も絶好調であった。
第陸話『南斗虎破龍』
――なんでか知らないけど、凄く嫌な予感がする。
休日という事で特にする事もなかったルイズが唐突にそんな不安に襲われていた。
気のせいとは思いたいけど、サモンサーヴァント以来良い事が一つも無い。
窓から空を見上げれば昼間なのに七つの星とその脇に輝く小さな星が見えそうだった。
そんな風にしていると、カチャリとドアの鍵が開く音がした。
個人にもよるが、基本的に部屋の鍵を持っているのは、その部屋の持ち主になるので残る方法はコモンマジックの『アンロック』になる。
もちろん、他人の部屋に使う事は禁止されてはいるが、今のところ使ってきそうな相手はルイズには心当たりがあった。
「人の部屋に勝手に入ってくるなんてなんの用よ」
「失礼ね。ノックはしたわよ」
そう言いながらずかずかと部屋に上がりこんできたのは何時ものキュルケだ。
悪びれる様子が一切無いあたり、こういった事は手馴れているらしい。
おまえらw
支援
ヒャッハー、ここから先は支援するぜー
「人の部屋に勝手に入ってくるなんてなんの用よ」
「失礼ね。ノックはしたわよ」
そう言いながらずかずかと部屋に上がりこんできたのは何時ものキュルケだ。
悪びれる様子が一切無いあたり、こういった事は手馴れているらしい。
きょろきょろと部屋の中を確認すると、目的のものが無かったのかキュルケが軽くため息を付いた。
「もしかしたらと思ったんだけど……やっぱり居ないか」
「誰か探してるの?」
「決まってるじゃない。サウザーよ」
「ふぇ!?」
そう言われてルイズが変な声を出した。
ころころころころ、どこかの天才みたいに相手が変わるとは思っていたけど、次の相手がよりにもよってサウザーだとは思ってもいなかったらしい。
「あ、あ、あ、あんた本気?なんであんなやつを」
あれか。あまりにも勝てないから女の魅力でも使って勝とうとでも思ってるのか。
ちょっとズレた事を考えているルイズだったが、対するキュルケは普段からは考えられないぐらい真顔でルイズに言った。
「何勘違いしてるのか知らないけど、あたしが心配してるのはあなたよ?」
「……なんでわたしがあんたに心配されなきゃなんないのよ」
この二人、個人単位はともかくとしても、家単位で見れば相当仲が悪い。
曰く『ひいひいひいお爺さんの恋人を奪った』だの『ひいひいお爺さんは婚約者を奪われた』だの『ひいお爺さんは奥さんを取られた』だのしこたま仲が悪い。
そんな関係もあってか、入学当時から何かと目の仇にしていた(とは言っても、ルイズが一方的にではあるが)のでキュルケに心配されるような事は無い。
「彼、どこに行ったの?」
「城下を視察するとか言ってたからトリスタニアだと思うけど、それがどうかしたの?」
それを聞いてキュルケが壁に手を付いて大きく溜息を吐いた。
「さっきね、王宮からの勅使が学院に来たのよ」
「よくある事じゃない」
魔法学院の長のオスマンになら別に勅使が来たってなんの不思議も無い。
大体、それが何の関係があるのかと詰め寄ろうとしたが、そうする前にキュルケがとんでもない事を口に出した。
「確か、その勅使。モット伯って言うんだけど、学院に付いた時はボロボロで途中で襲われたって言ってるのよね」
「……まさか」
さっきの嫌な予感の正体はこれだったのかと、頭を抱えたくなってきたが、キュルケの方はまだ止まらない。
「なんでも、『武器も持ってないのに脚を切られた』とか『青銅のゴーレムを十字に切り裂いた』とか言ってるんだけど……」
心当たりあるわよねぇ、とキュルケが続けたが、ルイズの方はもう聞いちゃいなかった。
どう考えてもサウザーです。本当に有難うございました。
ヒャッハー!俺様も支援してやるぜー!!
今更ながら考えが甘かったと盛大に後悔した。
オスマンに騒ぎを起こすなと言われ了承こそしてはいたが、あくまで学院内での話しだった。
あの傲岸不遜の塊が外で、自分の目の届かないところで騒ぎを起こさない保障なんて一切無いのだ。
どうしてそうなったのかは大体想像が付く。
サウザーがアレで街道のド真ん中を練り歩き、道を塞いだというところだろう。
大方先に仕掛けたのはサウザーだと思うけど、そんな事はどうでもいい。
問題は勅使を相手にしてこのままで済むかという事である。
勅使と言えば、国家の重職である。となると、モット伯次第だが次に出張ってくるのは国というところだ。
まず間違いなく懸賞金が掛けられて、下手すれば魔法衛士隊が動く。
そうなればサウザーの事だから、トリステインを相手に戦争を始めるに違いない。
千の軍を滅ぼせられるガンダールヴと同等の南斗聖拳の使い手。
並のメイジでは相手にならず、今のところトライアングルまでなら本気を出すまでも無い。
そんな男がトリスタニアへと向かっている。
城下町というだけあって、当然王宮があるわけだが、それが非常に拙い。
この際、仕掛けてくるのを待つより先に叩き潰してしまおうと思ってるかもしれない。
そうなってしまえば、ヴァリエール家どころかトリステインそのものが危ない。
だからルイズの次の行動はもの凄く早かった。
「ギーシュ、貴様は手配をしておけ。俺は町を見ておくとしよう」
そのサウザーと言えば、もうモット伯の事なんて綺麗さっぱり覚えていなかったりする。
彼から見ればモット伯なぞ、いいとこ名前付のモヒカン。
例を挙げるなら、ジード、スペード、ダイヤ、クラブ程度のものである。
北斗三兄弟からハブられにた三男坊と同じぐらい無かった事にされている。
なのでルイズの気苦労など知ったことではなく門の中へと入っていった。
が、取り残されたギーシュがようやく馬三頭を預け終えてから気付く。
「手配をしろと言われても、なにも渡されていないな……」
何も渡されていないという事は勿論ギーシュ持ちになる。
そもそも、今のサウザーは金貨はおろか銅貨の一枚も持っていない。
金なんぞケツを拭く紙にもなりゃしねぇ世紀末からやってきたのだから当然だったし、欲しければ力で奪うか、代わりの物と交換するかの二つに一つ。
そしてサウザーが常日頃取っていた行動は前者である。
貴族にも貧乏なのと裕福なのに分かれるが、ギーシュん家は前者になる。
持ち合わせも当然少ないが、サウザーが戻るまでになんとかしないと今度こそ本当に消される。
十分ぐらい頭を抱えて、せっかくの休日に何をやってるんだろうか僕は、とギーシュが省みていたが
このままではワルキューレの残骸と同じになってしまうので多少ふらつきながら街へと入っていった。
道端で物を売る商人。通りを歩く無数の人。
そんなブルドンネ街と呼ばれるトリステインで一番大きい通りをこれまた一際大きいサウザーが歩いていた。
もちろん、道のド真ん中を。
普通は大勢の人が行き来して歩くのも一苦労なのだが、関係無いかのように突き進んでいる。
まるで、除雪車が雪を掻き分けるかの様にお構いなしだ。
また一人男とすれ違いざまにぶつかった。
そのまま男は人ごみの中へと消えていったが、サウザーの口元が歪むといつの間にか右手に持っていた物を後ろへと放り投げる。
「なかなかいい腕をしているようだが、忘れ物だ」
投げ捨てられたそれは綺麗な放物線を描きながら太陽と重なり重力に負け地面に落ち始める。
その瞬間、一際大きな叫び声がした。
「お、俺の……!畜生!俺の腕がぁぁぁぁ!」
サウザーから離れたところでさっきぶつかった男が肩を押さえてのた打ち回っている。
そこにさっきサウザーが投げた物。人の腕が血を撒き散らしながら落ちてきたもんだから通りは完全にパニックに陥った。
腕は悪くないようだったが、生憎と相手が悪い。
男がサウザーの懐を探ろうとした瞬間には、もう腕を切断していた。
これだけの人ごみの中、誰一人として気付いた者は居らず、まして本人ですら腕をもがれた事に気付くには数秒を要した。
聖帝からスろうなどとは世紀末では考えられない事だ。
名が知られていない以上、今のサウザーはいいとこ傭兵というぐらいにしか見られていない。
「ふっはははははははは!」
だからこそ面白い。
聖帝という肩書きも、南斗鳳凰拳という名も無い『ゼロ』の状況。
今の内だけだが大いに楽しませてもらうとしよう。
老若男女の悲鳴溢れる通りの中、ただ一つだけ笑い声が響いていた。
支援されてーか!
この腐敗と自由と支援のまっただなか
――天を見よ!見えるはずだ……あの死兆星が。
そんな声が聞こえてきたような気がしたけれども、きっと幻聴。
ジョインジョイントキィとかホクトウジョーダンジンケン!ユクゾッ!カクゴ!テンショーヒャクレツケン!ユクゾッ!ゲキリューニミヲマカセドウカスル!ユクゾッ!ユクゾッ!
セッカッコー!ホクトウジョーハガンケン!ハァーン!フェイタルケーオーウィーントキィとか聞こえてくるのもきっと気のせい。
いくらトキはまさに世紀末と言っても、ここは遥か上空、タバサの使い魔シルフィードの背の上だから。
「……それにしても、勅使を襲うなんてやっぱり只者じゃないわね」
いい加減慣れたと思っていたけど、改めて色々違う次元に生きる人間だと思い知ったのかぽつりとキュルケが呟く。
立ち塞がるのであれば全て叩き潰すとは言ってはいたが、本気でそこまでやるとは思ってなかったらしい。
伯爵と言えば爵位の中でも上から数えた方が早い。
無論、公爵より下なのでヴァリエール家よりは格下という事になるのだが、今回は勅使というオプションが付く。
「急いで!早くしないと、もう始めちゃってるかもしれないから!」
「これが限界」
焦るルイズを尻目にあくまで冷静にタバサが返す。
シルフィードだけならまだ速くする事も可能だが、人が乗る以上振り落とされないようにする必要がある。
学院からトリスタニアまで馬でおよそ三時間程。
これでは到底間に合わないと思い、休日だからと言って動かないタバサを必死に説得して動かした。
「お願いだから早まった事しないでよね……」
トリステインの宮殿がたった一人の男に皆殺しにさせられた。
これが今のルイズの考え得る最悪の状況である。
知らない者が聞いたら一笑に付すような内容だが、今ではこの三人はサウザーなら本当にやりかねないと十二分に思っている。
それでもまだモット伯が殺されなかったという事を見れば最悪ではない。
気まぐれか見せしめか真意は分からないが、殺してしまえば取り返しが付かない事になっていた。
もっとも、ギーシュの行動によってそれが阻まれたとは誰も考えなかったが。
「あれ」
突然、ぐん、とシルフィードの高度が下がった。
少し身を乗り出してタバサが指差した方向を見てみると、恐ろしく自己主張している物体が目に入った。
通行人も必ず一度足を止めて眺めているあたりインパクト大だ。
「あー……あれはさすがに無いわね」
なんというか雰囲気からして世界が違う。
ただ、サウザーがそこに座るというのであればなんとなく納得はできる。
そうしていると門からかなりの人数の種籾勢……もとい民衆が溢れ出てきた。
かなり慌てている様で息も絶え絶えになりながらなにやら言い争っている。
曰く「スリの腕がいつの間にか無くなっていた」だの「メイジの通り魔が出た」と。
シルフィードの感覚を通して聞いていたタバサがそう言った瞬間、ルイズが叫んだ。
「い、急いで探してーーーー!!」
南斗支援拳!!
一通り街を練り歩いたサウザーは巨大で壮麗な屋敷が立ち並ぶ高級住宅街へと足を進めていた。
なんとなくユダが好みそうな所だ。
ここがトリスタニアの表ならば当然裏もある。
いわゆるスラム街と呼ばれる地域も見てきたが、そこの光景は世紀末と大して変わりは無かった。
弱い者は野垂れ死に、より強い者が生き残る。
違うのはそこでやり取りされる物に金が加わる事ぐらいだろうか。
とはいえ、それも縮図にすぎず全体的に見ればこの世界もあまり変わらない。
秩序が保たれているだけで、ハルケギニアも結局のところ本質は力こそが正義なのである。
力を持つメイジが力を持たない平民から作搾しているから表と裏が出来る。
この住宅街とスラム街がいい例だ。
まぁかと言って、それをどうだと言うつもりは全く無い。
強い者が好きな物を手に入れる。大いに結構。
奪われたくなければ強くなればいい。
無抵抗は武器にはならぬ。何もせず地べたを這いずり回る子虫が何を言ったところで踏み潰されるだけだ。
ただ、魔法が生活にも直結している事から必ずしも一方的というわけでもなく、その辺りは平民にも恩恵があるので均衡が保たれているというところか。
とにかく、この町の事は大体は把握した。
後は宮殿ぐらいのものだったが、丁度良い機会だったし挨拶ぐらいはしておくかと考えた時、遠くの方から羽音が近付いてくるのが聞こえた。
「はっはっは、小娘どもが雁首揃えて何の用だ?」
遠目で何度か目にした事はあるが、サウザーと言えど竜という生物を間近で見るのは初めてだ。
上を見上げ愉快そうに笑いながら言うと喚き立てるような声が返ってきた。
「この!勅使相手になにやってんのよ!それにさっきの騒ぎもあんたの仕業ね!?少しは自重しなさいよ、もう!」
随分と溜まっていたのか一気にまくし立て、ぜーぜーと息を吐く。
「勅使?……ああ、やつか。脚の腱を切ってやったと思っていたが、ふん、生きていたか」
当のサウザーはと言うと、ルイズとは対照的に、というか本当にモット伯の事など忘れていたらしい。
むしろ、出血多量で野垂れ死にせずに生きて学院まで辿り着けた事に少し驚いている。
そのついでに、水とかだったなということも思い出したが、それで合点がいった。
水といえば、攻撃的な物は多くなく、その代わり補助的な物。例えば治癒や洗脳などが多い。
トライアングルと言っていたので、モット伯が治癒を使えてもなんら不思議ではない。
まぁ、別に生きていようが死んでいようが興味無かったのでどっちでもよかったのだが。
「生きていたかじゃないわよーーー!あんたヴァリエール家を潰す気!?」
そして、ルイズはいきなりキレた。
「何、貴様の名など出してはおらん。それとも、やはり止めを刺しておいた方が良かったか?」
よく出来たSS〜!支援
――……駄目だこいつ……早く何とかしないと。
ルイズがそう思ったかは定かではないが、とにかく話が噛み合わない。
なにせ、勅使を攻撃した事を問題としているのに、返ってきた答えが『止めを刺した方が良かったか?』である。
その離れ方と言ったら、北極星と南十字星ぐらいかけ離れている。
「くははははは、よかろう!」
思わずシルフィードの背に突っ伏したくなったルイズがサウザーから目を離すと、そんな声が下からしてきた。
それに釣られて地面を見るとサウザーは居ない。
一度、何かを蹴り上げるような音がすると、きゅい、とシルフィードが鳴き声をあげて身を捩り始めた。
「ちょ、ちょっと危ないわね!……え?嘘、いつの間に!?」
特に魔法が使えないルイズは急な事にしがみ付くのに必死だったが、いつの間にかサウザーが後ろで自分を見下している。
確か地上から十メイル程は離れていたはずだと思ったものの、決闘の時やたら高く跳んでいた事を思い出した。
つくづく人間じゃないな、と思い知らされる。
大方、そこらの家の屋根を足場代わりにでもしたのだろうが、それだって相当な高さだ。
実は翼人だったとか言われても、多分疑うことはないと思う。
南斗六聖拳は、孤鷲、水鳥、紅鶴、白鷺、鳳凰といずれも鳥類の名を冠する流派なので、まぁある意味間違っては無くもないが
勿論、実際に翼なんて生えているはずはなく純粋な跳躍力によるものだ。
なおも落ち着かないシルフィードの背にサウザーがどっかりと腰を降ろすとシルフィードに向け一つだけ言う。
「この俺が身体を預けるのだ、しずまれぃ!」
一瞬びくりと震えるとシルフィードの動きが止まった。
なにかこう、今にも泣きそうな鳴き声になったあたり、強さはともかく気性の面では少なくとも黒王よりは扱いやすいらしい。
「この竜だが、他にも居るのだろうな?」
「あ、あ、当たり前じゃない。速度に優れる風竜と火力に優れる火竜がいるわ。後は居るかどうか分からなくて伝説になってるけど、人語を話す韻竜ね」
幼生とはいえ、風竜を大人しくさせるだけの気に曝されつつもルイズがなんとか返事をする。
サウザーとしては竜がそれなりに珍しくない生物だという事は実に好都合だ。
伝説でしか存在しないはずの生き物がごろごろ居る。ますます気に入った。
悪魔と称され千の馬を率いていた黒王をラオウが従えさせたというのならば、俺は竜を従えさせてやろう。
ようやく一つばかり明確な目的ができたが、前の方では三人とも幾分か強張った顔をしている。
タバサに至っては杖を手にしている有様である。
「はっはっは、その顔だと俺がこいつ奪うとでも思っているというところか」
違うと言われても、ちょっと前までは『お、恐ろしい……』とか『悪の帝王』とか言われていた人物。
それも、獲物を見つけたのような顔をされては誰もがそう思ってしまうのも無理ない事だ。
「俺を誰だと思っている。この程度では俺の足となるには役者不足だ。もっとも――」
「もっとも?」
「こいつが韻竜とかいうのであれば話は別だがな」
シルフィードの一度見てから、ふはははは、とサウザーの高笑いが響く。
とりあえず、今のところシルフィードを狙うつもりはないようでルイズとキュルケは少しは安心できたようで息を吐く。
が、一人と一匹は、荒野を水と食料を積んだ車で走り、その後ろをバイクに乗った無数のモヒカンに追われているような心境だった。
本名『イルククゥ』。
一見して普通の風竜に見えるが、その実は永きを生き、人間以上の知能を誇り先住魔法をも操る二回程世紀末を体験した伝説の風韻竜。
その正体がバレると、トリステインのアカデミーや、彼女の故郷であるガリアの王室が実験に使うからよこせなどと言ってくるかもしれない。
なので今でも高度三千メイル以下の場所では口を利くなと厳命してあったが、今後はさらに徹底させる必要がありそうだった。
「もう用は無い。戻っても構わぬぞ」
どの程度の町並みか、どの程度の規模かは大体把握し既に用は無い。
相変わらずの超上から目線だが、何を言ったって聞きはしないしゆったりしている。
「戻るって……モット伯の事どうするのよ」
ただ、戻ったところでモット伯と鉢合わせになる可能性があったのでその懸念は当然の事だ。
「ふむ」
強い弱いの基準で言えば弱いという方に属するだろうが、常人なら立ち上がれぬ程の傷を受けて、それを治したというところは評価できる。
物は使いようというやつで、最悪衛生兵として使い道がある。
「無能……というわけではなかったようだな。仕方あるまい、もう一度だけ会ってやろう」
事も無くどうでもよさげにサウザーが言うと、ルイズはサウザーがモット伯に侘びを入れるというように取った。
もちろん、歯向かったり使えなければ殺すという意味であるが。
心拍数上がりっ放しのタバサが二、三シルフィードに命じると一気に高度が上がる。
こればかりは黒王でも及ぶ事はあるまい。
翼を羽ばたかせると見る間に町並みが小さくなった。
どこかの武器屋の喋る剣はどうした?
何ィ?聞こえんなぁ〜〜!
どこもかしこも支援だらけ
最高に笑えるぜwww
そしてデルフ涙目wwwというか出ても絶対使われねぇwwwwww
投下したッ!
素手でダイヤモンド砕く人種に剣なんて必要無いって。
作者は中野TRFと魔法戦士を応援しております。
>>154 おい、そこに座れ
やるじゃなぁい!!(ニカッ)
ひとーーーーつ
ふたーーーーつ
おーーーーっつ!!
聖帝の人GJ!
もう見事なまでに聖帝様でしたwwww
とりあえずモット伯イ`www
お前らノリ良過ぎだぞ
けしからん
もっとやれ
ぬかったな、聖帝
槍の錬金術師の称号をお忘れか?
ヒャッハー、乙だぜーーー!
核兵器より恐いものを知らんのは不憫か・・・
モッド伯は・・・いいや。なるようになるさ
これに限らずクロス元にデルフ以上の業物がゴロゴロあるからなw
>>159〜!私の名を言ってみろぉ!
マッド伯
モット伯
モッド伯
手刀が武器以上の鋭さだからなw
十字陵の頂上まで投げ槍届くからデルフ買っても投擲用?
モンハン魔
携帯なので書くのがつらいおw
あんただれ?
俺
SATHU
歳?
15
使い魔やる?
やるやる♪
まぁ 当たり前に
跳んでるけど
悔しいから
びっくりしない
ルイズたんの思考たーん
罪、功、正義、不正とは何か?
最後に人間の自由とは何か
どのような自然物についても、
私たちは、それが現実に存在
していようがしていまいがを問わず
十全な概念を持ち得る。
ゆえに諸々の自然物の存在の
始まりならびにその存続は、
それらのものの定義から
帰結されえない。
なぜなら、それらの観念的本質は、
存在し始めた過去と未来とで同一
だからである。その存続もまた
「ミスバリエール、さっさと契約を』
コルベールの声にルイズは舌打し面を上げる。
「これと契約をするのですか?」
「神聖な儀式ウンヌン…
拒否するなら留年しますよ。」
しかしそんな脅しに屈するテンプレ
展開のルイズたんではなかった。
ご両親にも報告しますよふふん」
しかし早くも心が折れそうなルイズであった。
次回早くもテンプレ展開の予感
休み時間にかけたら投下します><
そういや25日に新刊か、今度はどんな展開になるのやら。
ヒャッハー!かっこよすぎるぜ聖帝さまぁ!!
デルフは出番がないことを喜べぇ、一振りで間違いなくへし折られるからなぁ!!
聖帝さまが、あんなぼろい剣振るうわけないだろ。
ヒャッハー
しかし確かに武器使うキャラじゃない場合
デルフの扱いに毎回困るよなぁw
つーかギーシュ置いてけぼりwww
171 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/11(木) 23:30:22 ID:4K/wXbBV
多分、みんなギーシュ忘れちゃってるよww
しかも、ギーシュが聖帝馬車を運ぶんだろ?
恥ずかしすぎるwwwww
乙。
>一人と一匹は、荒野を水と食料を積んだ車で走り、その後ろをバイクに乗った無数のモヒカンに追われているような心境だった。
稲の苗を持って追っかけられてる爺さんを思い出した。
>>171 何故かその前方で、グラサンかけたメンヌヴィルが杖型の火炎放射器を構えてる姿が思い浮かんだw
>>172 北斗の拳第一話でジードに追っかけられてた名も無い人達だと思う
>稲の苗を持って追っかけられてる爺さんを思い出した。
苗じゃねえ、種籾だ
作者中野TRF勢、しかも魔法戦士ファンかwwww俺もだww
まあ、あの人のジャギは一回見たら惚れざるをえないよなぁ。
KIユダにストレート勝ちしたのを見たときは感動したわwwww
あとこのサウザーは間違いなくひげサウザーだな。断じてえぐれではない。
ロウきゅーぶ!の2巻を読んで改めて呆れた。
「せめてバスケシーン描けよ」、と。
しかし40ページにあるイラスト見てこうも思った。
「ああ、このイラストレイター、アクション描けないんだな」、と。
誤爆した。スマソ。
遅まきに聖帝様おつー
>>事も無くどうでもよさげにサウザーが言うと、ルイズはサウザーがモット伯に侘びを入れるというように取った。
ハルケギニアでは聖帝と一番付き合いが長いはずなのに全く理解できていない・・・自分に非があっても相手に頭を下げさせそうなのが聖帝様だというのに
>>173 メンヌヴィル「炎蛇は消毒だーーーー!!」
と言いながら、コッパゲを消毒する場面を妄想してしまったw
忘れられてるギーシュが哀れ過ぎるのも笑えるwww
ギーシュはいいよな
空気のようで空気じゃないおいしいキャラだよ…
スパロボのヒャーゴとか召喚されても気付かれずに一緒に召喚されたフォリアかアクアにしか話しかけられないだろうな…
>>174 尻拭く紙にもなりゃしねぇ諭吉を大量に持ってた人か。
聖帝さまをハルケ世界にここまで違和感なく溶け込ませるとは・・・まあ、溶け込ませるというか
世界の方を染め上げてると言うかw
こっちもある意味強い奴が偉い世界ではあるんだけどさ
>>183 確か聖徳太子の一万円札で吹いた記憶がある
>>171 逆に考えるんだ。ギーシュが新しい性癖に目覚めると考えるんだ。
さながらケンに憧れるバットのように…
バットって年齢的にカップリング対象にされてた女(リン)をケンシロウに掻っ攫われて自分は死ぬんだっけか?
何か体よく始末された感じがして不憫に思った記憶があるなあw
惚れた女(モンモン)が聖帝様に惹かれていることを知ってしまったギーシュはモンモンを聖帝様の許へ送り出し、
自らは勝ち目のない闘いに身を投じて誰とも知れない雑兵の手にかかって朽ちていく……そんな未来を幻視した。
いや、ちゃんと生きてるぞバット。
幻覚見てるような奴に何言っても無駄だってばっちゃが言ってた
なんという妄想…
パチュリーにガンダールヴのルーンを刻んで、敵をデルフで膾切りにする喘息少女を思いついたからプロットだけでも書いてみようとしたら
3話で図書館に引き篭もって話に出てこなくなった。
様々なキャラクターがルイズに召喚されるこのスレですけど、「人の振り見て我が振り直せ」を地で行くような、ルイズに匹敵するツンデレが召喚された作品ってありましたかね?
やってやるッッッ!何を?!セックスッッッ!!!
すまん誤爆った
烈君だったら誤爆じゃなかったのに
>>191 理想郷に似たようなのがあったような……
もう消えたか残ってるかはわからんが
パチュリー…図書館の本読み終えたら自力であっさり帰還
ルイズ…我流で魔法を編み出す新たな系統の開祖として大成
って終わり方だった。
>>191 小ネタだけど、アルビオンの七万を降伏させたのもあったなぁ。
東方系は単発向きだとおもう。
4属性から7属性になるのか
剣の聖刻年代記から、カイザーン・デオ・ジャオカと愉快な仲間たちを召喚(ギルダール付きで)
それなんて(ry
無属性がないぞ
>>191 最初のほうで図書館にこもっちゃうのはパチェ的に正しいししかたないんじゃね?
引き篭もったら引き篭もったでたとえば
「私はあんまり動かないけれどそれだと困るなら変わりにこの子を使って頂戴」
とか何とか言って小悪魔召還してイベントこなせばおk
地霊殿で離れてても会話できるマジックアイテムが出てきたからそれを使えばアルビオン言ったとしても
パチェが空気になることは避けられるだろうし
あとはルイズの悩みをマジックアイテム越しで聞いて人生相談とかしてれば存在感ますだろう
ギーシュ戦あたりは小悪魔でなんとかなるだろうけどゴーレムは無理そうだからそういうときに助けに来る
的な役割にさせれば俺TUEEEEすぎなくてよさそうだし
基本ルイズと子悪魔が問題に挑む⇒なんか手に負えなくなる⇒パチェが出てくるってパターンならいくらガンダールヴのルーンで
喘息なくなってスペルが最後まで唱えられて接近戦も最強なチート魔法使いでも速攻解決パターンにならずに済むだろうよ
「サモンサーヴァントを改造して短距離ワープ魔法を開発したわ」とかやってある程度の制限つきで運用させればかっこいいパチェさんも!
キャーパチェサーン
え?デルフ?小悪魔にでももたせとけよ
いや、「軟体な月」「火炎放射器な火」「水鉄砲な水」「木々に紛れる木」
「ピカピカ光る金」「地面にもぐる土」「なんか色々万能な日」の七系統
後半「火」と「水」や「土」と「水」が混ざったりする
自分が言っといてナンだけどネタ古いよ、誰が判るのだろう
属性なんて、天・月・雷・山・風・火・水・地に決まってるだろう常考
属性?
火・水・音・獣・石・樹・未解明だな。
「仁」「義」「礼」「智」「忠」「信」「孝」「悌」
いざとなったら珠を出せ
>>205 「八卦の愚か者共が……!消え失せろ!」
……合ってるよね、わざわざ「沢」が月になってるし
属性?
活・壊・檻・面/命・羽・拳・石・雷/時
で一つ
7属性か‥‥
「ロリ」「貧乳」「ピンク髪」「ツンデレ」「貴族」「魔法少女」「学生」「くぎゅう」
なんで属性スレになってるんだww
ノーマル・ほのお・みず・でんき・くさ・エスパー・かくとう・どく
じめん・ひこう・ドラゴン・むし・いわ・ゴースト・こおり・はがね・あく
に決まってるだろjk
え?
剣・忍・風・雷・爆・火・山だろ?
全く関係ないが私の属性は「眼鏡」「婦警さん」「スク水」「巫女さん」
「教師」「うなじ」「ふくらはぎ」の七つである
おっぱいは属性以前の常識なので省略
水金地火木土天海冥だろ。
天地風水雷火山沢でも可。沢を月にしてもいいぞ。
>>205 天の人がかなり無双なんですねわかります
>>216 ♪たーいーよーおーかがやくー みーんなー なかーまさー
ですか?それとも
♪ぼーくがー そーばーに いーるかーらー ジグザグ気分 はーやーく 忘れちゃえー
ですか?
どっちにしろ「冥」はすでに除外されてます
メ、メー○ルの本当の体が・・・・・・・
何のことだい?冥はいつまでも惑星さ。
ほら彼方にあるユゴスに思いを馳せたまえ。
「陽門」「月門」「風門」「金門」「火門」「水門」「木門」「土門」の八つだろ……。
最終的に時空捻じ曲げたりするのばっかだが
>>220 スタンドの行き着く究極点がみな時間干渉なのと同じようなものなのでしょう、多分
>>220 お前ギルダール呼ぼうって言ってた奴だろ、と思ってID確認したらやっぱりw
陰陽五行がない…だ…と…
「鋼の足」「鉄の頭」「旋風脚」「鎧の肌」「魔の手」
少林拳の使い魔に、柔よく剛を制す太極拳メイジのルイズ
シエスタは、ドラゴンと呼ばれた曽祖父を持つ、ジークンドーの使い手
>>217 それはどこぞのバイオレンス用務員。まあ、そっちの属性わけもそうなんだけどね。
なんかの漫画で『火』『水』『土』『風』と来て
第5の属性『萌』なんてのがあったな
水+土=普通の水着
水+土+萌=スク水着
といった感じで
>226
ドスペラードですな。
冥と聞くと乱紅連大好き冥姉さんとゼオライマーが頭に浮かんできて困る
>稲の苗を持って追っかけられてる爺さんを思い出した。
>苗じゃねえ、種籾だ
ちなみにミスミっていう名前がちゃんとある
なんで爺さん一人で歩いてたのかは、考えてはいけないのだろうか?
今更だけど
>>111の人乙。
頭の中で例のBGM鳴らすの余裕でした。
>>230 推測だけど、おそらく幾人かで種籾を捜しに出かけ最終的に爺さん一人しか生き残れなかったのでしょう
233 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/12(金) 16:12:46 ID:W6Vkly64
風林火陰山雷でいいんじゃね?
こう、デルフでボールのようなもの打って敵を吹き飛ばすとか
ゼロ魔の魔法のシステムってきちんと作りこんでゲーム化したら絶対面白そう
「月」「火」「水」「木」「金」「土」「日」
ということでレインボーマン召還。
.hackの浸食ゲージみたく"心の震え"ゲージつけて戦闘能力補正、とか
4つの属性スロット設けて、掛け合わせる系統はめ込みで魔法使用とか
使用可能なストットが1〜4に増えるごとに消費軽減&威力増大、とか
結構面白そうだな
火、水、木、天、土、光
はい。属性ネタ話はこれくらいにして。
続きの添削が一応済んだので投下したいと思いますよ。
投下予告1710で。
ようっし支援だ
流れを変えるためにも支援であるぞ
ルイズがアニマ術の訓練をギュスターヴと始めて、はや一週間……八日が過ぎようとしていた。
その間、ルイズは放課後になれば人気のない場所に行って術の訓練で卒倒し、次の日をベッドで凄し、そしてまた次の日の放課後訓練に励むという毎日を送っていた。
それでも六日目にもなると疲労困憊になりすれど倒れなくなり、徐々にだがルイズ自身にも、アニマのコントロールを理解できるようになっていた。
訓練を始めて一週間目の昼。その日はタルブの村からシエスタが帰ってくる日だった。
「まだ寝てたほうがいいんじゃないか?」
「大丈夫よ。ちょっと顔を出すだけ。面識がない子じゃないんだし、あの子の親族には色々と世話になったんだから」
ギュスターヴの横を歩くルイズは疲労が溜っているのか血色が余りよくない。それでもルイズは気丈に足を運び、使用人の宿舎前まで歩いていく。
魔法学院の広大な敷地の中にある使用人宿舎は、洗濯小屋のすぐ傍に建っている。質素な木造二階建て集合住宅風の建物が、あまり修繕もされずに
巡る城壁の片隅に建っているのは、どこかうら寂れた印象を見る者に与えた。
そもそも、この魔法学院は国境線の変更で無用となった砦を改築して作ったもので、砦時代に作られた設備の一部は未だそのまま使用されており、
使用人宿舎などもその一つである。堅固な城壁の中でメイジ……貴族が生活しているのを思えば、その対比にも何か、身分の差というものを思えなくもない。
裏門にあたる出口の所に立つと、道の先からこちらにやってくる者が見える。眼を凝らして見れば、特徴的な若草色の髪を認めることが出来た。
「シエスタ〜ッ!」
大きく声を張ると、遠い人影はえっちらおっちら揺れながら手を振って答えた。
「シエスタで間違いなさそうだな」
「そうね。……それにしてもあの子、なんか様子が変じゃない?」
徐々に近づいてくるシエスタの姿が、ルイズには車か何かに乗せられているようにゆらゆらとして見えるのである。
それにギュスターヴは頬を掻きながら答えた。
「ああ、それは俺がちょっと頼み事をしててだな……」
「またぁ?あんた最近そういうの多いわよ。私に内緒でこそこそ、一体なにしてるのよ」
不満気な声を上げるルイズの視界の遠く、シエスタの姿がよく見えるようになってきていた。
シエスタは驢馬に曳かせた荷馬車で門前までやってくると、手早く綱を引いて停車した。
「ギュスターヴさん、それにミス・ヴァリエール。どうしてここに?」
「出迎えをするとルイズが言うのでな」
茶化すように言われたルイズは跋の悪そうな風情で眼を逸らした。
「ふ、ふん。使用人風情が車に乗ってやってくるなんて、分不相応もいいところじゃない。出迎えに来て損しちゃったわ」
「ぅ、そ、それはその、ギュスターヴさんにこれを持ってくるように頼まれたからで……」
言ってシエスタは御者台から飛び降り、荷台を覆っていた布を引っぺがして中身を晒した。そこには帰省の時に持っていたシエスタ個人の荷物の他に、
ボロボロになった布の引っかかった木板と、鉄棒のこんがらがったガラクタが載せてあった。その残骸を見て、ルイズは記憶の端に思い出すものがあった。
「ミスタ・コルベールの作っていた……なんだっけ」
「『飛翔機』だ。タルブの山にぶつけたまま置いて来てしまったからな。シエスタに頼んで持ってきてもらったんだ」
「ふぅん。こんなの持って帰ってくるなんて大変だったでしょ」
「そ、そんな。荷馬車と驢馬を借りる為のお金まで包んでありましたし……」
もじもじとシエスタは外着で悶えていた。その腰にはロベルト老人から授けられた立派な杖が挿してあり、シエスタにあわせて杖頭が揺れている。
「何あんた、平民の癖に杖なんて持ち歩いてるの?」
「あっ!あの、これは、とっても大事なもので……」
「ふぅん……」
困った顔でシエスタが詰め寄るルイズから逃げようとするのを、ギュスターヴ苦く笑って見守っていたのだが、ふと、思いついてルイズを引き止めた。
「ルイズ、『アニマを見る目』でその杖を見てみろ」
「えぇ?ち、ちょっと待って……」
急に引き止められてルイズは一歩下がると、シエスタの持つ杖にきゅっと眼を凝らした。
一週間の訓練で、ルイズにはアニマに対する適応力が着実に身についていた。『アニマを見る目』は、物に宿っているアニマを視覚的に認識することである。
『水のルビー』が仄光る。ルイズの眼では、シエスタの杖が不思議なオーラを持って映った。
「……なんか、変な感じ。ファイアブランドに似てるようで似てないような」
「その杖もファイアブランドと同じ『グヴェル』だとロベルト老人は話していた。もっとも、宿している性質は恐らく違うのだろうが……」
「へぇ……」
さっきとは打って変わった、興味津々の表情でルイズに覗かれて、シエスタはかなり居たたまれない。外着のみっともない姿で貴族の子女にじろじろと
見られているのであるから。
「あ、あのぅ……着替えてきていいですか……?」
泣きの混じった声で細く、シエスタが言った。
『ギーシュの秘密』
金床を叩く甲高い音が、コルベール研究塔の傍で響いていた。
炉(いろり)に赤熱した鉄棒が刺し込まれ、鞴で吹き込まれる空気で炉の中から熱風が吹き上がる。
ギュスターヴは鉄棒を引き抜き、また金床の上で熱せられた鉄棒を叩いた。額には珠の汗が浮かんでいた。
ルイズをシエスタに任せ、ギュスターヴは『飛翔機』の残骸を曳いてコルベールを訪ねた。
エッグに魅せられたルイズによって体内のアニマを奪われてから半月以上が過ぎていたが、未だ体力は全快とは言えないものだった。
それでも彼の研究意欲は尽きないのか、ベッドの上でも熱心に筆を走らせては、奇怪な図形や数式を書き連ねている。授業の準備をする時間が省ける分
研究が出来ると嘯き、オールド・オスマンに嘆かれたという話だ。
今日訪ねた時も、ベッドの上に傾斜した台が設置され、その上に貼られた大きな紙を相手に熱心に線を引いているところだった。
「ミスタ・ギュスターヴ。剣の作製は進んでおりますかな」
ひと段落着いた頃に顔を出すと、コルベールはそう聞いた。
「まずまず、でしょうか。本当なら地金を買えればいいんですがね……職工ギルドは免状をくれませんでしたから、今は古い剣を打ち直して作るのが精一杯ですよ」
トリステインを始めとした、都市における貴重な資源……例えば、武具を作るのに適した素材の取引には、特別の免状が要る。
ギュスターヴはそれを手に入れることが出来なかったのだ。
理由は簡単で、ギュスターヴはトリステインの如何なる工房とも、師弟関係がないからである。これに限らず、職業組合(ギルド)というのは
外部から入ってくるものに対して保守的になるものだ。百貨店が比較的成功しているのは、元々商売をしていたジェシカを表に立てているからである。
(ま、仕方があるまい。まだアンリエッタにギルドを解散させるほどの手腕はないだろうしな……)
汗を拭い、傍にあった水差しから一杯頂戴しながら、ギュスターヴはそう思った。
「……時にコルベール師、今は何の研究を……?」
「ああ、これですかな。シュヴルーズ先生から製図板をお譲り頂いたので、新しい飛翔機の設計をしようと思いましてな」
と言ってコルベールが見せてくれたのは、前回の飛翔機とはかなり変わった形をしていた。むしろ現行の風石船に近い形をしているようにも見える。
「綿精火薬に風石の粉末を混ぜ、もっと高い推進効果を得られるようにしたいと思います。船体はちょっとしたボートを流用してですな……」
と、コルベールは朗々と次なる構想を語りはじめたのであった。
休暇は今日までだというのに、律儀にシエスタはメイド服に着替えてルイズの相手をしていた。ルイズはルイズで、食堂付のテラスに出てデザートを愉しんでいた。
「最近術の練習ばっかりしてたから、こんな日があってもいいわよねぇ……」
まったりと午後の陽にビスケットを頬張るルイズだった。
「術って、アニマっていうのを使うっていうやつですかぁ?」
暢気なシエスタの質問にルイズは少し逡巡しながらだが、ギュスターヴから聞きかじった、アニマと術の関係を話して聞かせた。
(まぁ、シエスタはギュスターヴの故郷と関係があるらしいし、別に問題はないわよね)
聞いたシエスタは感心しきりだった。
「はぁ、アニマってそういうものだったんですね」
一人納得しながらも、シエスタの手は止まらずカートの上で飲み物の準備をしていた。
「ん……」
ルイズはその時、何気なくシエスタを『アニマを見る目』で見た。最近、ルイズは人が発するアニマが千差万別の光を持つことを発見したのだ。
シエスタの体が持つアニマの波長は、他の人のそれよりも複雑な彩りを帯びていて、ぼんやりと眺めていて飽きないものだった。
キュルケを視た時には『滲むような橙』、タバサは『蒼と緑に黒が混じり』、ギーシュは弱弱しいながら『赤銅色に青鉄が指し』ている、というのが、
ルイズの眼で見た友人達のアニマの評価だった。
ギュスターヴを視た時には、虚空を見たように何も見えなかったのが印象に残っている。(もっとも、これは本人も認めている)
「ミス?何か……?」
「ぇ?な、なんでもないわよ。ほら、飲み物をよこしなさい」
変に見られていて不思議に思いながらも、シエスタは湯注しからカップへと液体を注いで渡す。そしてルイズは跋が悪かったのか液体がなんなのか確認せずに
口に運んでしまった。
「ッ?!?!にっがいっ!な、な、なんなのよこれぇっ!」
口に入れた瞬間、舌に広がる痺れるような苦味にルイズは震え上がった。
「ちょっとシエスタ!なんなのよこれは?!苦くて飲めたものじゃないわ!」
「ぇ、その、今街で流行ってる、“コーヒー”っていう飲み物です。ジェシカがお土産に持たせてくれて……」
「う゛〜悪いけど私には合わないわ。いつもの薬湯(ハーヴティ)にして」
カップを下がらせてルイズはぼんやりとテラスから女子生徒寮を眺め始めていた。
その時、キュルケは部屋で実家から持ってきていた小説を読み返していた。最近はタバサも外出したきりで帰ってこないし、ギュスターヴとルイズも忙しそうだしと、
あまり面白いこともない。何人かいるボーイフレンドも、最近はあまりかまってくれない。どうやら、ギーシュを見て身の危険を感じているらしい。
(失礼ね。私はモンモランシーみたいに枯れるまで絞ったりしないわ)
そう心の中で思いながら、遠巻きに見る男達にあえて甘い視線を送ったりもしても、やっぱり退屈で、仕方なく部屋に戻って、置いてあった本を読み返してみるのであった。
因みに今拡げているのは、ツェルプストー家のお抱え作家の一人が書いていた『名も知らない都市で』というタイトル。著者名はかすれているが、
フィリップ・クラフトと書かれている。
(タバサに見せたら喜ぶかしら。『フルートクの呼び声』とか『銀色の鍵の扉』なんて、あの子好みかも)
そう考えて本に走らせていた視線に、急に影が差すことに気づいた。外からバサバサと風を巻く音も聞こえた。
(タバサ、帰ってきたのね)
そう思ったキュルケはぽんと本を放り投げ、すぐさま上の階にあるタバサの部屋へ走った。
タバサの部屋をいつもの通り開錠【アンロック】でこじ開けると、ちょうどタバサは鞄を窓から引き込んでいるところだった。
「おっかえりー♪タバサ。今回は結構長い外出だったわね」
タバサは答えず、鞄の中身を整理し始めた。鞄の中身といっても、本とわずかな下履きが慎ましく収まっている程度の代物である。
「ねぇ聞いてよタバサ。ルイズったら最近、ミスタ・ギュスと一緒に人目に隠れてずうっとアニマの術っていうのを訓練してるのよ。もう、からかう相手が居なくって
暇で暇でしょうがなかったんだからぁ〜」
「そう」
たった一言、タバサは答えた。キュルケの性分は知っている、あれで結構寂しがりなのだ。
「貴方もギュスから剣を習ってたし、私も何か教えてもらおうかしら?あの逞しい体で手取り足取り腰取りのマンツーマンで……♪」
それを聞きながら、タバサはベッドに腰を下ろし肩に吊るしていた剣を膝に乗せ、鞘から刃を引き抜く。
抜かれた刃は、先端三分の一ほどがものの見事に欠け落ちてしまっていた。
「あらぁ。折れちゃったのね。結構いい値段したんでしょう?これ」
「110エキューだった」
抜かれた剣を手に持って、タバサは刃筋をためつすがめつする。
「……まぁまぁの値段ねぇ。買いなおすの?」
「彼に聞いてみる」
「あ、私も行く〜」
振り返らずにタバサは部屋を出て行くので、キュルケも急いでその後を追った。
炉端で火の調整をしていたギュスターヴは、欠け折れたタバサの剣の断面を見て、次に刃筋の歪みを調べた。
「修繕できる範囲の損傷だな。……その代わり、刃渡りは短くなるし、強度的にも落ちる」
「買い直した方がいい?」
「思い入れがなければな」
真剣に聞いているタバサとは対照的に、キュルケは煌々と燃える炉の火を見つめていた。
「ミスタはここで剣を打っているのね」
「まぁ、半分趣味みたいなものだけどな……」
どこか曖昧にギュスターヴは答えた。趣味同然ながら、そこには確固とした理由があるからだ。
タルブの村を訪ねた時、ロベルト老人より渡された、二つに折れた自らの剣を修復する事だ。老人曰く、グスタフと名乗った友人が振るっていたのだという。
「少し時間が掛かるが、俺が打ち直してもいい」
「……いい。買い換える」
「じゃあ、今度私とショッピングね「でも」……って、なによ?」
「……暫く、貯えが足りない。他の事で色々使ったから」
つまり今のタバサには剣を買うほどのお金の用意がないのだという。
「実家に無心すればいいじゃない?」
「……それはできない」
「どうして?」
問い詰められるタバサは、ふたりから視線を外すようにして、けれどもいつもと変わらない口調で答えた。
「……家族に、迷惑はかけられない」
「ふぅん……。じゃあどうするの?」
「少し考える。相談に乗ってくれてありがとう」
それだけ言うと、タバサはそそくさと自室に戻っていった。
シエスタを連れたルイズは広場の一角にあるベンチに座り、広場のそこここで屯する学生を眺めていた。
「あの子は白、あっちの子は濃い灰色に青が指してるわ」
「はぁ」
ルイズが生徒達のアニマを視て、シエスタがそれに相槌を打つ。その繰り返しだが、ルイズは何気なく、こうして人と会話できるのが少し嬉しかった。
「う〜ん……」
それにしても、と、ルイズは人の……いや、万物の持つアニマの輝き、その彩の多様さに感嘆するばかりだった。草木はより若々しく萌え、岩壁の硬質感が冷え伝わり、
水の揺れる波が七色に映った。
もし、こんな世界が当たり前のように見えていて、そんな人が当たり前の場所があって、その中にそれが見えない、理解できない人が居たら、と思うと、
アニマの術が使えない人の苦労が、ほんの少しかもしれないけど、理解できるような気がする。
ルイズはそんな風に考えていた。
それと同時に、これを共感できる人間が身近に居ないのが、ルイズには少し寂しかった。
(こんな風に考えてると、ギュスターヴに嫌われるかもしれないけど……)
そこまで考えて、
(……な、なんで私があいつに嫌われるかもなんて思んなきゃいけないのよ?!)
ぼんやりしてたかと思うと、いきなりかーっと頭を掻き毟って悶えるので、隣のシエスタは驚いていた。
「わ?!な、なんですか……?」
「あ、いや、なんでもないのよ。……ところであんたはさっきから何をしてるのよ」
ルイズの拙い話し相手をしながら、シエスタの手元では忙しなく糸と棒が行き来している。
「編み物ですけど」
「んなの見りゃわかるわよ。何編んでるの?」
「冬に使う内着です。春に前のものを解して、糸を足して、夏と秋を過ぎる間に、次の冬に使うものを編むんです」
これから夏になるという季節に不似合いな毛糸玉を器用に転がしながら、シエスタの手元は糸を繰って編みあがっていく。
「ふぅん…」
しなやかに動くシエスタの指先を見ていて、ルイズはふと、あることが脳裏に閃いた。
「ねぇあんた、刺繍とかもできる?」
「ぇ?で、出来ますけど…」
「そう。なら、後で話があるんだけど」
なんでしょうか、とシエスタが聞こうとした時に、ベンチの端に勢いよく人がもたれかかり、ベンチの敷石と背もたれが大きく軋み鳴った。
「っっっはぁ〜……」
振り返ったシエスタとルイズの眼に、一瞬枯れ木の人形を錯覚させるほど生気の薄くなったギーシュが見えた。
「…………あ、ルイズ、それにシエスタ。元気だったかい?」
「いやいやいやいや……」
人の心配より自分を労れよ、とルイズもシエスタも心の奥底で返した。
「…………」
((き、気まずい……))
突如訪れた陰鬱な空気は健全な二人にはかなり辛い。
「太陽ってさ……」
ぼそりとギーシュが話す。
「……何よ」
「あんなに黄色いものなんだね……」
シエスタはそれを聞いて、故郷にいた病がちなおじいさんを思い浮かべてからかき消した。
ルイズはどうしようかと思ってベンチの端にシエスタを引き寄せ、頭を突き合わせた。
(み、ミスタ・グラモンはなぜ、あんなに、その、衰弱してるんですか……?)
(な、なんだか最近、モンモランシーの部屋によく通ってるのは聞いてるけど)
(えぇ?!そ、それじゃミスタ・グラモンはきっと、ミス・モンモランシと……)
密やかながらシエスタの口から、白昼に全く似つかわしくない想像がでろでろと漏れだし、ルイズは「ちょ!」と一瞬叫び声を上げかけ、紅潮してシエスタの口を押さえた。
(や、ちょっと?!そ、そんな、あ、あのね?平民の田舎娘のあんたには分からないかもしれないけど、貴族の子女たるもの、み、みだりには、は、はは、肌を殿方に
晒したりはししし、し、しないものよ?!)
嘗てギュスターヴに着替えを手伝わせようとした過去はどこへと消えたのだろうか、と知る者にとっては首傾げる発言であった。
「ふぅ、いい天気だなぁ……」
囁きあう二人のことなどまるで気にも留めず、ぼんやりと枯れたギーシュはつぶやいた。
(……いっそのこと、ミスタ・グラモン本人に聞いてみるのはどうでしょう?)
(い、嫌よ。あんな陰気なギーシュに話しかけたら、こっちまであんなふうになりそうじゃない。あんたが聞きなさいよ)
(え!いえいえ、そんな、使用人如きで貴族の若様に話しかけるなんて、とてもとても)
(あんた私のことなんだと思ってるわけ?)
このようにしてルイズとシエスタが囁きあい、頭を突き合わせている中に、ふと、のそりと湿った陰が入り込んできた。
「んん?」
その湿った陰は滑った光沢を放ちながら粘着質な破裂音を鳴らした。
「ひぃ!お、おっきな蛙?!」
“それ”と認めた瞬間、反射的にルイズは飛び上がり、ベンチから転げ落ち、ばたばたとベンチの背に隠れてうずくまった。シエスタは“それ”よりも
そんな驚き上がったルイズに驚いてしまったのであるが。
二人の傍には、両手でやっと掬えるほどに大きな蛙が座っていたのである。粘液に湿った表皮は鮮やか過ぎるほどの黄色で、所々にインクを落としたような
黒い斑点が認められ、飛び出た両目は血を塗ったような緋色だった。
蛙はびくつくルイズとシエスタを無視して、ベンチの置かれた芝生の上をひたり、ひたりと不恰好に歩いた。そしてベンチの端に座り込むギーシュの足元で止まり、
蛙独特の破裂するような鳴き声を上げた。
「ん?…………あぁ、ロビンじゃないか」
よいしょ、とギーシュは慣れた手つきでロビンと呼んだ蛙を救い上げてベンチに乗せた。
「あ、あんた、その蛙と知り合いなの?」
「知り合いも何も、ロビンはモンモランシーの使い魔だよ。普段は水槽か厩舎の水飲み場にいるんだけど」
サイズにも寄るが、学生、或いは教師達の連れる使い魔の中には流れる水を絶えず必要とする場合もあるため、あらかじめ用意された水槽か、
厩舎にある水飲み場に繋がる生簀で過すようにされている。どちらも歯車仕掛けで新鮮な水を吹き込めるような仕組みになっている。
ロビンは一度、ぐっと喉を膨らませてから、大きな口を開け、げろりと何かを吐き出した。
「わ、何か吐いた!」
遠巻きに見るルイズが逐一に驚き震えている。吐き出したものは指一本ほどの太さのある硝子の筒だった。コルクでしっかりと栓がされ、よく見るとその中に
丸められた紙が入っているようだ。
「モンモランシーからの手紙かな……?ありがとう、ロビン」
受け取りを認めてロビンは人鳴きすると、べたりと芝生に飛び降りてずるずると何処かへ歩いていった。
「ふむ……」
早速手紙を広げたギーシュは内容を見るなり、力強く立ち上がった。
「ふふふ……」
熱が抜けるような笑みを浮かべ、ギーシュは手紙を手に広場から出て行ってしまった。
「なんだったんでしょうか……?」
「さぁ……」
取り残された格好の二人は、どこか穴の開いた気分になっていた。遠くには通廊を歩く生徒達や、木陰でうたた寝する生徒が見えるが、二人のいるベンチの周りだけ、
切り取ったような静寂であった。
「何の手紙だったんでしょう?」
「……大方、モンモランシーから部屋に誘うような事、書いてあったんじゃないの」
「……何、してるんでしょう」
「さ、さぁ……」
嫌な汗を浮かべたルイズを尻目に、シエスタは編み物をする手を止めて立ち上がった。
「見に行きましょう!凄く気になります!」
「えー?!他人の私生活を覗きたいなんてあんたも結構下世話な事考えるわね」
「でもミス・ヴァリエールだって気になるでしょう?どうしてミスタ・グラモンはあんなにやつれていて、足繁くミス・モンモランシのところに通っていて、しかも嬉しそうなのか、
すっごく気になりませんか!?」
ぐっ、と拳を固めたシエスタにはルイズにとってとても抗いがたく見えた。
「そ、そりゃあ、気にはなるわよ」
「じゃあ、見に行きましょうよ。さ、ミス」
使用人風情に押し切られた自分が少し、いや、かなり情けないのではないか、とルイズは少し思ってしまった。
(はぁ〜、疲れ気味なのかしら……)
-------------
ここまで。
なんだか話がバラバラに展開しているようで申し訳ない。次回で全部繋がるから。
最近はライダーチップスの曲を聴きながら書いているのですが、するとどんどん「ギーシュをアルカイザーに」という妄想が湧いてどうしよう。
鋼さん乙
それはそうとまた荒らしが来ているので注意して下さい。
使い魔の鋼乙
ヒャッハー! 乙だぜぇ!
と、いかんいかん昨日のがまだ残ってたか。
アルカイザーかあ、アセルスとの関係をもっと使ってほしかったなあと今でも思うよ。
鋼の人乙ですー
暇だからってその本はダメだぁぁぁぁぁ!キュルケぇぇぇぇぇぇ!
窓に!窓に!
鋼の人乙ですー。
ギーシュが段々と搾り取られていくwww
ところで、すごい今更なんですけど「グヴェル」ではなくて「クヴェル」ではないでしょうか?
>>251 元ネタのゲームはやった事無いけど、
もしかして本の内容はあr
あぁ、窓に手が!手が!!
鋼の方、乙でした。
……このギーシュって多分、死因は心不全(要は腹上死)でしょうかね。
乙です
ツェルプストーのお抱え作家
海生生物が大嫌いなんですね、分かります
ギーシュがアルカイザーかぁ
今のところ小ネタ込みだとゲンさんとブルージュでしたっけ、呼ばれたの
世界観的にはアセルスが適任ぽいけど
ヒューズが来たら・・・ガンダ的には超適任、でもセクハラの所為でサイト以上に仕置き喰らって
身動きとれないんじゃないかと思ってしまうね
ヌサカーンの同時召喚は必須だな
ドーラからドーラとかマップくん召喚ないかなあ
ブランディッシュのドーラしか思いつかん
ドーラおばさましか思いつかん
くっ‥やむをえん! ドーラを出せ!
4.8トン榴爆弾が都市区画ごと木っ端微塵に粉砕した時など絶頂すら覚える。
>260
脳まで筋肉の無能艦隊司令しか思い浮かばなかった
「なんだアレ・・・平民?」
「顔に十字の刺青・・・か?」
「さすがゼロのルイズ、脳まで筋肉のような平民がお似合いだぜ」
「やり直しさせてください!!」
「それは出来ない、使い魔の召喚は神聖なものであり・・・」
「君たちぃ・・・ボクを無視して何をゴチャゴチャやってんのかなぁ・・・?
てゆーか、全員殺ス!!!!」
暴れ出した使い魔を鎮圧しようとコルベール先生奮闘、勢い余って殺害
やり直し
今度は顔面に×マークが召喚されましたとさ・・・
ゼノギアスよりヴァンダーカム少佐を召喚
鋼の人乙です。
このギーシュLP3だなww
よく考えたらギーシュはエヴァのカオルくんの好みな感じじゃないか?
鋼の使い魔さん、お疲れ様でした。
さて、特に予約がなければ21:15くらいから
昨今の新作ブームの波に遅ればせながら飛び込みたいと思います。
召喚キャラは武装錬金より武藤カズキです。
二話ほど続けて投下しようと思います。一話目は短いですけれど…
266 :
使い魔の達人:2009/06/12(金) 21:15:15 ID:XFttw9Jp
それでは開始します。
―――――――――――――――――――
第零話 長いお別れ
「…考えたな」
月面――生物の存在を許さぬ死の世界。其処に二人の男が対峙している。
「命無き月(こ)の世界なら、エネルギードレインはまったく意味を成さない」
肉声を伝える空気すら存在しない空間だが、二人には意思の疎通が成し得た。
おそらくは其れが、死の世界での存在を許している特別な力でもあるのだろう。
「純粋に互いの実力の勝負。だが…」
一人は淡く光る蛍火の髪と、熱を帯びた赤銅の肌、筋肉で固めた2mを超える巨躯を有する、ネイティブアメリカンを思わせる衣服に身を包んだ益荒男。
その手には独特の形状をした斧が収まっている。
眼前に佇むもう一人へ向けて、言葉を続ける。
「勝っても負けてもお前はもう、生きて帰ることはできない
………その覚悟、一体どこから……?」
問われたもう一人。肌と髪は同様の特徴を持つ、学生服に身を包んだ男―少年は、身体のあちこちに傷を負い、ただひたすらに呼気を何も無い空間に吐き続けていた
…が、やがて凭れていた槍を力強く掴み、男を見据えた。
「もちろん、あの惑星(ほし)から」
少年の背の向こう、悠々と蒼い地球が浮かんでいる。さながら、少年の双肩に乗っている様にも見えて。
「あそこには守りたい人達が、大勢いる」
その脳裏に浮かぶのは五ヶ月前の春の夜、ただひたすらに守ろうとした人。そして今、誰よりも一番――
「一番、守りたい人がいる」
少年は、駆け出した。
――あの日から…
あの日から今日まで
本当にいろいろあったけど
今はもう
楽しかったことしか
思い出せないや
「あんた誰?」
抜けるような青空をバックに、少年――武藤カズキの顔をまじまじと覗き込んでいる女の子が言った。
267 :
使い魔の達人:2009/06/12(金) 21:17:31 ID:XFttw9Jp
短いってレベルじゃなかった。続けて第一話いきます。
―――――――――――――――――――
「宇宙の果ての何処かにいる、私の僕よ! 神聖で、美しく、そして強力な使い魔よ!」
鈴のように良く通った、真摯な声が辺りに響く。しかしそれは、どこか逼迫したものも含んでいた。
「私は心より求め、訴えるわ! 我が導きに、応えなさい!」
それは、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの幾度目かの渾身の叫びであり、古より伝わるコモン・マジック、サモン・サーヴァントの詠唱であり、自らを救うための言葉であった。
刹那、爆発。突風が吹き荒れ、煙と土埃が舞った。
先程から続く結果に、周りで見ていた同級からお決まりの野次が飛んだ。
降りかかる其れも、突風で乱れる髪も気にせず、晴れぬ煙を見つめながら、お願い、とルイズは心の内で祈った。
ここ、トリステイン魔法学院において二年次進級の際に行う春の恒例行事、召喚の儀式で成功を収めねば、いよいよ退学になってしまうからだ。
誰かが風の魔法を使ったのだろうか。煙がひゅうと払われ、爆心地の状況が次第窺えるようになる。
果たして其処に何が在るか、ルイズは今度こそ、と目を見張り――
「……へ?」
思わずそんな声を漏らしてしまった。やがて、重い足取りで‘それ’に向かう。
其処に居たのは、何処をどう、目を凝らしても拭っても、見紛う事無く、普通の人間に見えた。
黒い髪で黄色い肌。見慣れぬ顔立ちで、詰襟の黒いの服に身を纏った少年だった。
地面に横たわり、気を失っている様子。
いや、普通の人間だが、普通の状態ではない。
気を失っていることもそうだが、見れば身体のあちこちに小さな怪我を負っている。
「…おい見ろよ、人間だ!」
呆然としていると、周りの一人がそんな声を挙げた。それに呼応するかのように
「ゼロのルイズが、平民を召喚したぞ!!」
そう言えば、この少年はマントを纏っている風でもない。杖を携えている様子も無い。即ち――
「やっぱりゼロはゼロね!平民を使い魔にしてるのがお似合いだわ!」
口々にそんな台詞を重ねる同級達。その事実に、ルイズは目の前が真っ暗になりそうだった。
と、そんな周りの声に反応したのか、少年――武藤カズキは重たげに瞼を開ける。
ルイズの見下ろす使い魔への第一声は、始まりの言葉は、こんな間抜けな問いであった。
「あんた誰?」
使い魔の達人 第一話 新しい世界
「え、えーと…俺は、武藤。武藤、カズキ」
どこか聞き覚えがある声の、目の前の女の子に間抜けな返事をしながら、カズキはぼんやりと思考する。
えーと、誰だこの子。
女の子――ルイズは黒いマントの下に白いブラウス、グレーのプリーツスカートを着て身を屈め、カズキの顔を呆れた様に覗き込んでいた。
ブラウスとスカートはともかく、マント?カッコいいなぁ
「ムトウ、カズキ?変な名前ね。どこの平民?」
っていうか、ここドコだろ?
ルイズの言葉を余所に周りを見渡せば、男女の違いは在れど、ルイズと似たような服装の連中がそこかしこに佇んでいた。
……幻覚だろうか。それぞれの傍らに、一般的な動物から、一般的でない動物。
果てはゲームに出てくるような珍奇なものも窺えた。
…なんだあれ。動物型の…じゃないよな。章印は見えないし…うーん?
っていうか俺、さっきまで月にいなかったっけ?月にいて、目の前のヴィクターに向かって行って…
――ヴィクターは!?
即座に、今度は睨め付ける様に見回す。が、2mを超えるような、それらしい人影は見当たらない。
また、辺りの連中の様子を見るに、体調を著しく損なっている者は居ないようだ。
268 :
使い魔の達人:2009/06/12(金) 21:19:04 ID:XFttw9Jp
――エネルギードレイン!!まずい、そう言えば…!
視線を移し、自分の状態を確かめる。手を見れば、肌は見慣れた色をしていた。力が沸き上がって来る様子も無い。
いつの間にか、いわゆる‘小康状態’に戻ったようだ。
それを確認すると、カズキは一先ず安堵の息を吐いた。
「ちょっと、聞いてるの!?」
ルイズの怒声。顔を向けると、改めてその美貌が目に映る。
桃色がかったブロンドの髪に、透き通るような白い肌。鳶色をした綺麗な瞳がこちらを睨んでいた。
「…あ、あのー」
ここはドコなんだ、と続けようとした、そんなカズキの言葉を余所に、あー、もう、とつぶやくと、ルイズは同級の方へ向き直り
「ミスタ・コルベール!」
「なんだね。ミス・ヴァリエール」
人垣の中から、頭頂部がやたらと寂しい中年男性が出てくる。
眼鏡をかけ、落ち着いた物腰だが、黒いローブに身を包み、その手には大きな木の杖が握られていた。
大真面目に変な格好をしている連中を見てきたカズキは、割とすんなりその異様さを受け入れていた。
「あの、お願いします!もう一度召喚させて下さい!」
召喚?普段聞きなれぬ言葉に、カズキは疑問符を浮かべた。
懇願するルイズに対し、コルベールと呼ばれた男性は首から上を横に振りながら
「それはできない」
「どうしてですか!」
「決まりだよ。二年生に進級する際、君たちは『使い魔』を召喚する。君も承知しているだろう?」
ぐ、とルイズは詰まる。それが成せねば退学。それ故に、この召喚の儀式には誰よりも重い気持ちで臨んでいた。
「それによって現れた『使い魔』で、今後の属性を固定し、それにより専門課程へと進むんだ。
一度呼び出した『使い魔』は変更することはできない。何故なら、春の使い魔召喚は神聖な儀式だからね。
好むと好まざるに関わらず、彼を使い魔にするしかない」
憂いを含んだ声で、コルベールはルイズにそう諭した。
「でも、平民を使い魔にするなんて聞いたことがありません!」
その悲痛交じりの一言に、周りの同級達がどっと笑い出した。
ルイズは連中を睨みつけるが、それでも笑いは止まることはない。その様子に、傍観していたカズキは思わず眉をひそめた。
なんだあれ。女の子をよってたかって笑うなんて。
その原因は、他ならぬカズキにもあるのだが…その考えには至らなかった。ルイズとコルベールを交互に見ては
それにしても、なんなんだこの人達。よくわからない格好で、よくわからないことを話している。
召喚?使い魔?儀式?なにがなんだか、わからない。
ここは結局何処なんだろう。ヴィクターはどうなったんだ。俺は何故、こんな所で寝てたんだ?
改めて辺りに注意を向けると、どうやら自分は草原に寝ているようだ。月から草原?首を傾げる。
「これは伝統なんだ。ミス・ヴァリエール。彼はただの平民かも知れないが、呼び出された以上、君の『使い魔』にならなければならない。
古今東西、人を使い魔にした例はないが、春の使い魔召喚の儀式のルールはあらゆるルールに優先する。
彼には、君の使い魔になってもらわなくてはな」
カズキを指して、コルベールはルイズにそう勧告した。肩をがくりと落とす。
「そんな…」
「さて、では、儀式を続けなさい」
「えー…彼と?」
「もちろんそうだ。早く。次の授業が始まってしまうじゃないか。君は召喚にどれだけ時間をかけたと思ってるんだね?
何回も何回も失敗して、やっと呼び出せたんだ。いいから早く契約したまえ」
周囲の連中から、そうだそうだ、と野次が飛んだ。ルイズは困惑した顔をカズキに向ける。
「…ねえ」
ルイズはカズキの正面に屈みながら、声をかける。
「えーと」
「あんた、感謝しなさいよね。貴族にこんなことされるなんて、普通は一生ないんだから」
カズキの言葉を遮り、嘆息。やがて諦めたように瞼を閉じ、手に持った杖をカズキの前に掲げる。
269 :
使い魔の達人:2009/06/12(金) 21:20:43 ID:XFttw9Jp
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」
朗々と語り出す。
ふーん、この子はルイズっていうのか。
カズキはどこかズレたことを考えながら、いきなり名乗った少女の口から紡ぎ出される言葉を聞いていた。
長すぎる後半部分はほとんど覚えられなかった。
「五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
呪文のような言葉が連なる。やがてそれも終われば、ルイズは杖をカズキの額に置き、後にずい、と身を乗り出して――
「へ?」
次第にその顔が、唇が近づいてくる。
「い、いや。ちょ…」
思わず避けようとしたら、いきなり手で頭を掴まれる。そのまま成すすべも無く、唇が重ねられた。
カズキはわけがわからなくなった。唇の感触が、柔らかさが脳髄に叩き込まれる。次いで動悸が早まった。
心が乱れている中、とにもかくにも、斗貴子さんごめんなさいと、何度も何度も謝った。
やがて唇が離されれば、ルイズは頬を染めながら
「…終わりました」
言うなりすっくと立ち上がる。どこか照れた様子が可愛げに思えたが、問題はそれより
「な、なにすんだいきなり!」
口元を押さえ、顔を真っ赤にしながら抗議の声を挙げる。脳裏に浮かぶのは本気で怒った時の斗貴子の顔であった。
しかし、そんなカズキをさらりと無視し、ルイズはコルベールへ向き直る。
「『サモン・サーヴァント』は何回も失敗したが、『コントラクト・サーヴァント』はきちんとできたね」
嬉しそうにコルベールは肯いた。これでルイズの進級は約束されたようなものだ。
「相手がただの平民だから『契約』できたんだよ」
「そいつが高位の幻獣だったら、『契約』なんかできないって」
何人かの生徒が笑いながら言った。
なんなんだ一体。契約って、今のキスのことなのか?俺はなんの契約をしちゃったんだ?
理解の追いつかないカズキとは対照的に、ルイズは顔を真っ赤にしながら、連中を睨みつけ
「バカにしないで!わたしだって、たまにはうまくいくわよ!」
「ほんとにたまによね。ゼロのルイズ」
見事な巻き髪とそばかすを持った女の子が、ルイズをあざ笑った。
「ミスタ・コルベール!『洪水』のモンモランシーが私を侮辱しました!」
「誰が『洪水』ですって!わたしは『香水』のモンモランシーよ!」
「あんた子供の頃、洪水みたいなおねしょしてたって話じゃない。『洪水』の方がお似合いよ!」
「よくも言ってくれたわね!ゼロのルイズ!ゼロのくせに…!」
「こらこら、貴族はお互いを尊重しあうものだ」
いきなり諍い始めた二人を、コルベールが宥める。もはやすっかり置いてけぼりなカズキだったが、その時――
「――!?」
カズキの肉体は、強烈に熱を帯び始めた。今頃キスで脳が沸いたとか、そんな話ではない。
脳天から足先まで、熱気が体中を渦巻いている。行き場を無くした力の奔流が、暴れ狂っているようだ。
「あ、熱い…!なんだこれ!なに、したんだよ…!」
混乱が極まる。動悸の高鳴りが、耳に響く。
「うるさいわね。使い魔のルーンが刻まれてるだけよ。静かになさい」
突き放した声が届く。ルーン?なんだそれ。
――ドクン
動悸が、聞きたくないものへと変質する。
その音は、カズキだけでなく、ルイズにも聞こえたようだ。
「…なに?今の」
――ドクン、ドクン、ドクン!
脈動が響く。力の奔流は未だ収まらず、その未知の異物に抗うよう、カズキに植えつけられた‘力’が目を覚ます。
――まずい!まずいまずい!!
「――!!」
270 :
使い魔の達人:2009/06/12(金) 21:22:16 ID:XFttw9Jp
何処でも良い。とにかくこの場を離れよう、と立ち上がった途端。
カズキはその髪を黒から蛍火へ。肌を黄色から赤銅へ。そして、身体からプレッシャーを発し始めた。
ルイズの、コルベールの、周りの同級生たちの目が見開かれる。
突然の変貌に、そのプレッシャーに、言葉を無くし佇むばかり。
否。コルベールだけは、その異様さに、圧されながらもしかし、油断無く杖を構え、ルイズの傍へ寄ろうと足を運ぶ。
――止まれ!止まれ!止まれ!!
胸を掴み、歯を食いしばり、必死に念じる。力がぶつかり合い、肉体が悲鳴を挙げる。
そのうちに、拮抗するそれが外へ漏れ、カズキの周囲に紫電を光らせた。
プレッシャーに当てられていたルイズは、思わず呻き、後ずさる。
やがて、どちらが征したのか。カズキの肉体は、左手から徐々に元の色を取り戻し、次第にプレッシャーも収まって行った。
召喚時と同じ容貌に戻れば、力のうねりも収まったか。大きく息を吐き、へたっと座り込んでしまう。
今のは一体なんだったのか。身体に異常がないか、まずは手を覗き込み…
「……?」
なんだこれ。変なミミズ腫れができてら。
それは、左手の甲に突如浮かび上がっていた。まるで記号の羅列のようにも見える。
気のせいか、仄かに輝いているようにも見えた。今のでできたのだろうか?
「な、なんだ今の?姿が一瞬変わったぞ!」
ハッとして、喉を鳴らす。カズキは恐る恐る、先刻と同じ動きで辺りを見回した。
果たして其処には、脳裏に描いた惨状ではなく、どこか怯えを含んだ目で自分を見る同級生の顔が並ぶ。中には腰を抜かした者もいるようだ。
それに一抹の寂しさを感じながら、カズキは安堵した。
「風の魔法?稲光も走っていたわ!」
「だけど杖を持ってないし、詠唱だって聞こえなかったぞ!」
そんな言葉が生徒間で飛び交う。そのうち、誰かが発した言葉。
「ひょっとして、先住魔法じゃないのか!?」
「まさか…エルフ!?」
その一言に、皆が一斉にカズキに目を向けた。正確には、その顔に。
「エルフではない。見たまえ。耳が我々と同じだろう?」
皆を制するのは、コルベール。穏やかな調子だが、警戒を緩めず、こちらへ近づいてくる。
「そういやそうだな。やっぱ普通の平民だ」
「まぁ、なんたってゼロのルイズの使い魔だからな。契約の時にあれくらいはやるだろうさ」
そのうちに、それもそうだな、と何人かが笑い出す。いくら異様な契約風景とはいえ、ルイズならばあるいは、という思考回路のようだ。
「とにもかくにも、契約おめでとう、ミス・ヴァリエール」
「あ、ありがとうございます…」
ルイズに向けて賛辞を送れば、カズキの手の甲に着目し
「ふむ…珍しいルーンだな。微かに発光しているとは」
するとどこからかメモ用紙を取り出し、さらさらとスケッチする。どうやら警戒そのものは解いたようだ。
「……ふぅむ?」
何が腑に落ちないのか、眉を顰める。が、すぐさま踵を返し
「…まぁいい。それじゃあ皆、教室に戻るぞ」
そう周囲の連中に告げた後のコルベールに、カズキは思わず凝視してしまった。
浮いたのだ、その場で。ふわりと。
そのままぷかぷか中空へと浮いていくのを目で追う内に、周りの少年、少女たちもふわりふわり、と浮き始める。
カズキは口をあんぐりと開け、その光景に見入っていた。
なんだあれ!ヴィクターの言ってた飛行能力!?でも、どう見たって普通の人間だよなぁ…?
浮かんだ連中は、城のような石造りの建物へ向かって飛んでいった。
「ルイズ、お前は歩いてこいよ!」
「あいつ、フライはおろか、レビテーションさえまともにできないんだぜ」
「その平民の使い魔、あんたにはお似合いよ!」
口々に笑いながら、飛んでいく生徒たち。後に残されたのは、ルイズとカズキだけになった。
いわゆる
>何か、とてつもなく嫌な感じがする……
なムードに支援
272 :
使い魔の達人:2009/06/12(金) 21:24:28 ID:XFttw9Jp
まるで嵐に遭った後のような心境で、呆然とするカズキに
「あんた、なんなのよ!」
ルイズは思い切り怒鳴った。
「いや、なんなのって言われても。それより、ココは一体どこで、なんで俺はココにいるんだ?俺は一体、どうなったんだ?」
「…ったく、どこの田舎から来たのか知らないけど、教えてあげるわ。
トリステイン。そしてここはかの高名なトリステイン魔法学院よ。名前くらいは聞いたことあるでしょ?」
「全然」
「…あんた、どこの僻地から来たの?」
僻地といわれても…とカズキは頬を掻いた。自分が最後に居た場所といえば…そのまま上を、空を指して
「月から?」
なんて事を言い出すもんだから、ルイズは静かにキレた。
「真面目にやってくれる?」
「あ、うそうそ。日本から来たんだけど」
それにしても、ここの人間は顔立ちが外国人みたいだけど、皆日本語が流暢だな、と今更ながらにそう思う。
「ニホン?聞いたことないわね。とりあえず、行くわよ。次の授業も始まっちゃうし。着いてきなさい」
すたすたと先ほど皆が飛んでいった方へ歩き出すルイズ。慌ててカズキも立ち上がり
「ちょ、待ってくれ!そもそも、なんで俺はこんなとこに寝てたんだ?」
「そんなの、わたしが召喚したからに決まってるじゃない」
「召喚?召喚ってあれだよな。モンスターがぶわーって飛び出す魔法。そんで、俺を君が?」
「そうよ。そして、あんたはわたしの使い魔になった。君じゃなくて、ご主人様って呼びなさいよね
それに言葉遣いも直すこと。平民が、貴族相手にそんな話し方じゃ不敬扱いよ」
それだけ聞くと、やがてカズキは押し黙った。
魔法?召喚?じゃあ俺は、本当に月からこんな場所まで飛ばされたって言うのか…
ヴィクターは、どうなったんだろうか…一緒に居ないところを見るに、どうやら召喚されたのは自分だけなのだろうけど。
つまりヴィクターは、今も独り、月に居ることになる。そして俺は…
「なぁ、戻す魔法ってないのか?呼ぶことができたんなら、戻すこともできるんだろ?あのサモン…なんだっけ」
「そんなのないわよ。『サモン・サーヴァント』は使い魔を呼ぶためだけの魔法だもの。
それに、そんなことできたらとっくにやってるわよ」
「んな無責任な」
そうぼやき、再び黙る。戻って、どうするつもりだ。
生物の存在を許さない死の空間に戻って、また果て無き死闘を繰り広げようとでも言うのか。
否。自分が戻りたいのは、あの場所…妹や友人たち、そして斗貴子さんの居る場所だ。
そして、いったん眠って、人間へ戻り、いずれあの男と決着をつける――だが。
俺が戻れば、ヴィクターは?
ヴィクターは今も、あの死の空間に独りきり。そして自分だけがのうのうと、皆の居る場所へ戻って良いものか。
アレクサンドリアの研究成果でも十分な再人間化は果たせず、あのまま暴れる錬金の魔人を、地球上に置いておくことは不可能。
故に月まで、自分ごと飛んで行ったわけだが。その自分が、あの男と同じが如き境遇の自分が…
そう思うと、カズキはできるかどうかもわからぬそれにためらいを感じた。
そう、だから俺は…
先ほどの城のような建物。魔法学院の門まで来たところで、カズキは不意に
「すまないけど俺、そろそろ行かないと」
「はぁ?何処へ行こうって言うのよ。あんたはもうわたしの使い魔なんだから、これからわたしにつき従うのよ」
「そんなことしてる場合じゃないんだ。詳しくは言えないけど、俺はここには居られない。居たらみんなに迷惑がかかるんだよ」
「もう十分迷惑してるわよ。ったく、なんであんたみたいなのが召喚されちゃうわけ?」
273 :
使い魔の達人:2009/06/12(金) 21:26:48 ID:XFttw9Jp
「それじゃあ」
「ダメよ。いいから着いてきなさい。そもそも、あんたに行く当てなんかないでしょ?」
「当てはないけど、行かなくちゃ。誰も居ないところじゃないと、意味がないんだ」
そう、カズキは誰も居ないところへ行かなくてはならない。そこで、自らの命を絶たなくてはならないのだ。
普通に命を絶っても、蘇ってしまうのは既に経験済み。ならば、誰も居ないところで、誰も来ないところで。
「そんなの知らないわよ。いいから、とっとと着いて来る!」
「わ!ちょ…!」
言うなり、カズキの腕を引っ掴んで学院の門をくぐるルイズ。
無理に引き剥がせば良いものを、しかしカズキは、何故かそれができず。
トリステイン魔法学院へと、足を運ぶのだった。
―――――――――――――――――――
以上で投下終了です。支援ありがとうございます!!
他の新連載の方々に置いてかれぬよう、精進したいと思います。
それでは。
カズキなら、強引にでも腕を引き剥がしそうだが、今後の展開に期待。
しかし、この時点のルイズはやはり……w
乙。
何とか隙を見つけて逃げないと、コルベールに解剖されそうだw
>274
カズキに女の子の腕を振りほどく甲斐性は無いと思います。
乙。
当初の皆さんがアレ過ぎるのはもう仕方ないが
ファッキンガイとファッキンガールてんこ盛りはいつ見てもビキビキくるなw
カズキさんどうするんだろうな、能力的には危険すぎるが
本人はどこまでもまっすぐな男だし……
>>274 なぜか喜んで隷属します
どんなに強い意志を持とうとも(笑
スパロボからオリ主を召還しようと思います。
ですがそのままだと、ルイズヘイトになってしまいそうなので
以下の力をルイズにつけて対抗してみようかと思います。どうでしょうか?
1 不老不死になる力
2 時間移動する力
3 生物に憑依する力
4 時間速度を変える力
5 現金を出す力
6 思うだけで生物を殺す力
7 空間移動する力
8 生物の心を読む力
9 空を飛ぶ力
10 透明になる力
11 天候を操る力
12 死者蘇生する力
13 欲を操る力
14 色を変える力
15 透視する力
えーと、釣りか?
チンコしごくならおうち帰ってからやろうね、ぼく?
>>278 >1を読む力と自宅警備員を辞職する力をつけるんだ
ここまでテンプレ
こういう最低SSの匂いがぷんぷんするのを読んでみたいんだがみんな嫌か
どうせギーシュフルボッコで放置は目に見えてるしな
チラシの裏に書いて欲しい
笑いものに出来るレベルで済めばいいけど
最近は笑えないほどの聳え立つ糞ばかりだから困るんだよ
武装連金のひと乙
何を隠そう原作とアニメ見るまで(SSから入った)サイトの暫定外見イメージはカズキだったわ
>>278みたいなアホ話はチラ裏にでも
書いとけ
まあそれはさておき
ロボット物から召喚って難しい場合が多い。
その点スパロボキャラは本人に何かしら能力がある場合が多いから
話の展開がしやすい奴が結構いるよな。
(ガンゼロの久保とかラスボスのユーゼスとか)
14の意味がわからない。
>>290 久保やユーゼスはスパロボ世界においてもチートキャラみたいなもんだから、あんま参考にはならんと思うぞ。
それに、ユーゼスなんか不自然なくらい能力使わせないようにしてるし。
>スパロボキャラは本人に何かしら能力がある場合が多いから
他を上げてみてくれ
あと、久保の能力とやらも
もう精神コマンドを精神コマンドとして使っちゃえばいいと思う。
「何だ今のは! 先住魔法か!?」
みたいな。
ユーゼスとか何でも出来るからかえって不自由なぐらいだろ
解釈次第でガチで全知全能とも取れるわけで
>>295 目に見える精神コマンドなんて少ないと思うが……「激怒」ぐらいか?
>>295 加速・必中・ひらめき・魂・直撃でエルフ涙目
ん〜〜、ミーナ・ライクリング召喚とか?
「私の推理に拠れば、土くれのフーケはこの中にいる!」
「いるわけ無いでしょ!」
「……ゼロのルイズの使い魔と思って油断してたわ……」
ゴメン前言撤回…
確かに久保やユーゼスみたいな奴らは特殊すぎた
よくよく考えたらそんなにいないもんね。
空気濁して本当にスマン
ちょうど目の前に変な鏡があるか突っ込んできます…
>>297 新での健一の発言によれば、精神コマンドって使ったらちゃんと分かるみたいだぞ
>>297 付け加えるとすれば、この2つか
・「熱血」……俺は、今モーレツに熱血してる!!!orや――ってやるぜ―――!!!
・「愛」……ル、ルイズ…その…俺、お前の事が……
>>304 「愛」が死亡フラグにしか見えないんだが。
昨夜からレーベン召喚を試みたが頓挫しました
最終決戦後にエーデル准将の正体を知らされて壊れた所を召喚
ルーンの洗脳で補正掛かり、エーデルへの忠誠をルイズへのそれに置換
表裏の激しさはそのままに・・・と思いましたが
小ネタにまとめるには些か字数多いし長くなりそうで落としどころも見つからず
コンパクトにまとめてダイジェスト風味にまとめたらその内・・・
ブチギレーベンだったらガンダールヴを最大限に利用出来る気がする
VS七万も余裕で勝つくらい
仮にそこで一時死んだら復活直後にテファ殺すだろうし、勝ってもらわなければ困るし
(^q^)あうあう
あーついにきたか
「反射」に対抗するために、精神コマンド『直撃』も必要かな。
嵐か……。
物騒ね
短い平和だったな
こりゃ暫くは更新が途絶えることも覚悟するきゃ
この流れぬら言えるぽ
最萌厨うざ
去年や一昨年のローゼンスレも酷かったなぁ
グロAA貼りまくりやがって
俺、この荒らしが途中で止まったら小ネタで矢車さん召喚ネタを書くんだ……。
こいつは何のために生きてるの?
んじゃ、避難所に文字通り避難かねぇ
>>287 召喚の時点で終わってるSSも山程あるぜ
どうしようもないし、避難しかないね
荒らしに頑張るなんて、人生終わってるな
何匹出没してんだよったく……
>>352 繋ぎ直しても別人に成りすませる訳じゃないのにね
まぁ削除依頼出てるし、ただじゃ済まないだろうね
嵐自体はすぐに規制されるから問題ない
困るのは巻き添え規制を受けることだ…
こいつのプロバイダが俺と一緒じゃありませんよーに
このスレ埋まっちまうな、避難所行こうかね
>>361 確かに。
それにしても…メ欄までとは。
巻き添えが一番ムカつくんだよなぁ
しかしウザい……
どうでもいいが一番下のAって何だ。
ウルトラマンAのA・・・じゃ、無いよなぁ
荒らしは『八頭身』に襲われたらいいんだ・・・
こいつIFスレも荒してんぞ
誰か通報しないのか
やり方が分からないから俺には無理そうなんだが
次スレあるから大丈夫とか思っていたらそっちにも来てたな
>>377 アニキャラ板全域に渡って投下してるみたいだから多分スクリプト荒らし。
規制されるだろうからそれまでの辛抱だな。
>>388 荒らした時間帯からすると、ガチでニートなのかねぇ