あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part232

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1名無しさん@お腹いっぱい。
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。

(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part231
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1242832653/

まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/

     _             ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃 ` ヽ  .   ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
    l lf小从} l /    ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'     ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   ヽ_/ィヘ_)〜′    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
             ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!

     _
     〃  ^ヽ      ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
    J{  ハ从{_,    ・クロス元が18禁作品でも、SSの内容が非18禁なら本スレでいいわよ、でも
    ノルノー゚ノjし     内容が18禁ならエロパロ板ゼロ魔スレで投下してね?
   /く{ {丈} }つ    ・クロス元がTYPE-MOON作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   l く/_jlム! |     ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
   レ-ヘじフ〜l      ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。

.   ,ィ =个=、      ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
   〈_/´ ̄ `ヽ      ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
    { {_jイ」/j」j〉     ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
    ヽl| ゚ヮ゚ノj|      ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
   ⊂j{不}lつ      ・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
   く7 {_}ハ>      ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
    ‘ーrtァー’     ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
               姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
              ・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
              SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
              レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。
2名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 03:37:23 ID:EgpxZztS
>1
乙!
3名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 04:46:08 ID:5EroUg42
スレスレ過ぎるなもうちょっとタイミング考えろよ
れんしゅうが足りなんじゃないの?
ただボーっとしてるだけじゃどんな事やってもうまくいかないよ?
てんねんボケキャラが許されるのは学生、それも美人の
乙女のみですよ?
4名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 09:18:56 ID:5Y/fA5Lg
>1000ならトリオ・ザ・パンチ召還
5名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 09:24:28 ID:f7mUUOrT
>>1
6名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 10:59:56 ID:w/ly7T+N
>>3
何で縦読みなの?教えてエロい人
7名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 11:01:09 ID:u62VnlXc
>>6
ツンデレだからさ
8名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 11:11:45 ID:w/ly7T+N
>>7
すまん、>>3のIDをネタにしただけだ
9ゼロの女帝:2009/05/29(金) 13:24:22 ID:tBp4t/J+
「あーあー、管制塔管制塔
 こちら『ゼロの女帝』二十四話。
 超ひさぶしりに投下許可願いたく
 滑走路クリアか、クリアならば一四字より投下いたします、オーバー」
10ゼロの女帝:2009/05/29(金) 13:27:18 ID:tBp4t/J+
訂正 一三時三十分より投下させてくださいませ
11ゼロの女帝:2009/05/29(金) 13:31:05 ID:tBp4t/J+
返事がないので勝手に投下しちゃうのですよー

第二十四話


「ていやぁ!」「たぁ!」
次々と木刀で瀬戸に切りかかっては、あしらわれる男子生徒たち。
十人を超える数で一斉に切りかかるのだが、その手の扇に防がれ、弾かれ、受け流されてしまう。
「ほいっ」 「あぎゃ」
「とりゃ」 「痛っ」
「ちょいさ」「ああ、もっと」

「ダメよサイトちゃん。
 全力で飛び込んでの突きが得意みたいだけど、そういった得意技ってのはたいていかわされるか
 崩されると無様なまでに体勢崩れるわ。
 注意なさい」

「はーい、今日の鍛錬はおしまいよ。
 午後の授業に備えて男衆はきっちり休んどきなさい」
その言葉を聞いて、一斉に地に倒れ崩れる男子生徒たち。
水属性の女生徒らがかけより、彼らの傷と疲れを癒していく。
「ギーシュ、なんでこんな無茶をするの?
 しかもあなた達メイジじゃない。メイジが剣振るうなんて親族会議で袋叩きよ」
「じゃあその時はスケキヨとでも名乗ろうか 真っ白いマスク被って」
「真面目に話してるのよ!」
「じゃあ真面目に答えよう。
 剣を振るう、というより体力をつけたいのさ。
 アルビオンの叛徒どももいずれトリステインに攻めて来るだろう。
 その時はグラモン家の男子として僕も当然戦場に向かわなければならない。
 そして魔法とは絶対ではない、と知ったからね」
「セトはもう常識外でしょ!サイトだってセトの眷属なんだから非常識なのもあたりまえよ!
 あんなのめったに居やしないしホコホコいられたら迷惑よ!」
「でも『メイジ殺し』と呼ばれる規格外は間違い無く存在する。
 規格外が目の前に現れた時『反則だ』と喚いて死んでは意味が無いんだ。
 それになにより」
「なにより?」
「どんな状況でも、君を守りたいんだモンモランシー」
「ぽ」

12名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 13:31:51 ID:d1MvHexC
久々に女帝キター!!
支援!
13ゼロの女帝:2009/05/29(金) 13:32:24 ID:tBp4t/J+


「マリコルヌ、本当に治さなくていいの?」
「ああ、この傷、この痛みはボクが未熟な証だからね。
 これを忘れてしまっては強くなれない、そう思うんだ」
「へー」(あ、なんかちょっと格好良いかも)
「それに、イイんだ」
「へ?」
「こ、この痛みが・・・・・・・・イイ」
(前言撤回だわ)

「こおらぁ!このバカ犬!何やってんのよさっさと昼のお茶の用意しなさいよ!」
「あ、あのミス・ヴァリエール、わたしが」
「メイドは引っ込んでなさい。あ!た!し!は!このバカ犬にやれって言ってんのよ!」
「あいたたた・・・・わかったわかった。すぐ準備しますよご主人様」
そんなサイトにキュルケが声をかける。
「あなたもよく辛抱するわね」
「知り合いに似たのが居たんでね。
 とにかくひたすら運が悪くて。
 道を歩けば糞を踏み椅子に座ればすぐ壊れ楽しみにしてたイベントは必ず雨天中止。
 そんな自分に絶望して、腐ってはぶてていらついてたんだ。
 でもその人は自分の運の悪さを受け入れる強さを身に付けた。
 ルイズを見てるとその人思い出すんだ」
なるほど、とキュルケは納得する。
「で、その人いまなにしてんの?」
「よくは知らないけど就職して嫁さん四人と愛人四人囲ってるらしい」


深夜 誰も彼もがぐっすりと眠る夜。
ルイズ・フランソワ−ズ・ル・ブラン・ド・ヴァリエ−ル嬢は、使い魔をドツき倒すという程好い運動を終え
心地よい疲れとともに穏やかな眠りについていた。
そんな寝室の片隅の闇が三つほど立ち上がり、部屋の主に魔法を掛ける。
『眠りの雲』らしきその魔法は彼女をさらに深い眠りへと誘う。
そして影どもは彼女の毛布をめくり(そこまでにしてくんない?)
掛けられたささやき声に、一斉に、しかし風すら揺るがせず飛びのく三つの影。
(そいつに夜這い掛けるのはおれが一番と決まってるんだ。とりあえず表ェ出な)

「ここまでくりゃいいか。
 さて、一応名前と目的聞いておこうか。俺の名は平賀才人。ルイズの使い魔ってモンやってる」
「あの娘の使い魔はいささかとうのたった女、と聞いておるのだがな。
 吾が名はコウリュウ」
「リシュウ」
「フシュウ。
 我等はワルドさまにお仕えする烈風三兄弟
 使命はかの娘をワルドさまの御前に連れて行くこと」
「そこまでバラしていいのかい」
「かまわん。どのみち貴様は誰にも語る事など出来んのだから」
一斉に短め(20サントほど)の剣を抜く。
「メイジなんだろ。剣使って良いのかい」
「闇なれば それに我等が剣を振るう事を知る生者など居らぬ」
その言葉に、背負ったデルフリンガーを構えるサイト。
「おーおー、ホンマモンの修羅場だねぇ。
 このまま出番終わるかと思ってどきどきしてたよ」


14ゼロの女帝:2009/05/29(金) 13:34:12 ID:tBp4t/J+


キイン!ガイン!鋼が打ち合わされる音が、深夜の森に鳴り響く。
三人の刺客が、サイトと剣を交えている。
互角、否ややサイトが押し気味だ。
そんな彼らを、学園の外壁上から見守る影ひとつ。
「手伝わないのですか」
その影のとなりに、ふわりともうひとつの影が現れる。
「サイトちゃんはね、コルベールちゃん。
 この先ルイズちゃんと共に、尋常でない地獄を巡って行くことになるわ。
 多分、だけどね。
 今この場を乗り切れないならいっそここで死なせてあげたほうが親切というものよ」
「ふふっ 彼が切り抜けられると信じてるんですね」

ザッと距離を取り、体制を整える三人組。
「ふむ、恐れるほどではないが、手ごわいのは認めよう。
 吾が兄弟の秘技、受けてみるがいい」
そういうとコウリュウは、まっすぐサイトに向かって突っ込む。
「何考えてるんだ!」
ギン!
すれ違う両者。そしてサイトの右肩と左側頭部から血が迸る。
「てめぇら・・・・・」
「天をかわせど地が襲い」「地を防げども人が来る」「我等兄弟の三身一体陣、受けてみよ!」
「くっ 風魔法を自分ないし味方の背に放って加速してやがる」
(得意技ってのはたいていかわされるか崩されると無様なまでに体勢崩れるわ)

「・・・・・・・・・・いいだろう 三身一体陣とやら、正面から相手してやんよ」
「いくぞ!三身一体陣!」
(宣言してしかけちゃマズいだろ)
内心呟きながら三身一体陣とやらに突っ込むサイト。
(思ったとおりだ
 先頭のやつは後ろの二人の邪魔をしないために突きしか出来ない)
先頭の、コウリュウの刃を左手で受け、そのまま横へと流す。
「何!?」
デルフリンガーで体勢を崩したコウリュウの喉を薙ぐと、崩れ落ちる相手の死骸を踏み台に高く飛び上がりデルフを両手に持ち直す。
「ミデアの援護はないからな」
謎な言葉を呟き、そのまま落ちるに任せリシュウの頭部に刃を叩き込む。
「あ、兄者?」
何が起きたか理解できず混乱するフシュウの腹に、横殴りの一太刀。


「やれやれ、相棒はお人好しだね。こんな連中わざわざ埋めてやるなんて」
「死者を咎めるのはタブーなんだよ、俺の故郷では。
 死ねば皆等しく仏ってね」
「・・・・・・・・つらくねぇか」
「つらいよ。 でも人を殺してつらくない人間になんかなりたくないし、
 なによりそれでも俺は守ると誓った。
 ルイズを」


「こおらぁ!このバカ犬!!メイドやらツェルプストーやらといちゃいちゃいちゃいちゃ!」
どっかぁん
「ほんぎゃああ」
15ゼロの女帝:2009/05/29(金) 13:35:41 ID:tBp4t/J+
はい、ここまでですぅ

ちこっとシリアスっぽいナニカを書いてみました
支援ありがとうございましたです、はい
16名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 16:18:02 ID:sWsqA5JV
おつおつ
昼間とは不意打ちだね
こっちゃまだ勤務中だよ
17名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 19:17:16 ID:ws9Vv7AF
女帝の人乙です。
お待ちしておりました
m(__)m
哀れサイト…頑張ったのに…

18名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 21:01:37 ID:KJpF4IfE
ゼロと冬のライオンってなんでまとめwiki削除されたの
なんか悪いことしたの
19名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 21:06:42 ID:BunuBUZw
二重投稿の上に、あの作ルイズで書くのが面倒だから発言
20名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 21:16:19 ID:l1djR1zJ
wikiに直接投稿疑惑の作品が見つかる

他サイトにも同じ内容で投稿しているのが発見される

そのサイトで二重投稿について複数の人に説教される

ヤバイと思ったのか、こちらで削除を依頼

更に何人かに説教された上、削除依頼の仕方についても説教される

某サイトで削除して逃亡

ちなみに本人が言うには、こちらにはちゃんと投下していたらしい。
しかし、これまでに『ゼロと冬のライオン』を見た覚えがあるというレスは無い。

それに加え、他サイトに登録した理由として『こちらに投稿するのは面倒だから』
という内容の言い訳をしながらも、何故かこちらのwikiにも登録するという妙な行動を取っている。
21名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 21:20:02 ID:KJpF4IfE
>>19
教えてくれてありがと
そしてごめんなさいルイズで書くのが面倒だからって意味が分らないです
ルイズが出て来ないと言う意味ですか。
22名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 21:21:37 ID:l1djR1zJ
>>21
まずはsageてくれ
『あの作ルイズ』ってのは、スレタイの『あの作品のキャラがルイズに召喚されました』の略だろう。
23名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 21:22:45 ID:HIrq1G8E
>>21
避難所行け
それとsageるように
24名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 21:23:10 ID:KJpF4IfE
>>20
意味が分りました
詳しく教えてくれて有難うございます。
>>19
有難うございました。
25名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 21:52:23 ID:boJPdtXT
>>20
通りすがりだけどあまりに事実と違うので一言
それって作者じゃなくアンチが貼り付けたんだろ
作者は完全に被害者だよ
26名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 21:54:14 ID:2/hLMN4L
>>25
釣り?
27名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 21:54:31 ID:cH389N6d
農耕士コンバインからコンバイン召喚
ハルケギニアの主食が米に…なるわけない
28名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 21:55:33 ID:S8x/PQA3
気候風土からして米を主食に出来るほど作れないだろうな
29名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 21:55:47 ID:tMsbGTWX
寒冷なのは改良した品種でどうにかなるが、水ばかりはどうにもならんだろうからなー>ハルケギニア
30名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 21:57:13 ID:VQ99Q7DO
>>26実際の所どういう事なのか教えてくれないか?
31名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 21:57:38 ID:a0D/HWJD
>>22
AAでスレ埋めんのやめてくんないかね
32名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 22:05:59 ID:NforDCv2
コンバインワロタ
どうせなら本家ダンバインで(ry
33名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 22:07:12 ID:rdBRMeEU
>>25
直接投稿禁止のwikiに未投稿の作品貼り付けたのは、作者の脳内から勝手に盗み出したアンチの仕業だったんですね、分かります







んなわけあるか
34名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 22:10:27 ID:jZmW9b62
>>25
理想郷の方で、「本人です」って明言してたぞ
35名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 22:17:49 ID:lL3SSVLN
>>27
米が出てきたとして、それを「煮る」とか「炒める」くらいならともかく「炊く」って発想には極めてなりにくいと思う。
36名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 22:27:50 ID:0wJdWxDb
話がまったく違うが
なんよかんよでゼロ魔ssって
大抵アルビオンでのワルド戦か
タルブでの戦いぐらいまでしか進まない
もしくは進んでも更新停止するのが多いよな

完結していない作品だからしょうがないっちゃしょうがないけど
37名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 22:32:20 ID:CYDvO+my
そこまで書けるだけでも十分頑張ってる方じゃないか
38名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 22:36:10 ID:wdsK6dCI
投下前に初心者ですって前置きしてるのは絶対に未完で終わる
39名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 22:36:58 ID:zqeITxK9
>>25
ネットってさ、
コワイよねぇ……
死にたくなる時がある……
ねこ大好き
40名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 22:40:24 ID:l1djR1zJ
>>25
何で通りすがりがそんなこと知ってるんだよw
41名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 22:44:59 ID:rdBRMeEU
>>39
お前がぬこ好きになるまで殴るのをやめない!
42名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 22:46:46 ID:HIrq1G8E
>>39
縦読み……
43名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 22:48:00 ID:UTBEeP3J
そして日吉召喚へ
44名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 22:49:18 ID:fRhyqPP+
>>32
むしろゴーバインで、ファフナーのやつ。
45名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 22:50:49 ID:zqeITxK9
>>41
ヒントつ いま話題のバカが理想郷で使っていたコテ
46名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 22:59:23 ID:VQ99Q7DO
特に予約が入っていなかったら、
23:10頃から投下してももよろしいでしょうか?
元ネタ BIOSHOCK ビッグダディ 無線機
タイトル ルイズと博士と時々ダディ
47名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 23:03:25 ID:xYHXljaa
>>46
恐縮だが、支援させてくれ。
48名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 23:06:10 ID:CYDvO+my
>>46
しえんしえん ファイトよー
49ルイズと博士と時々ダディ〜プロローグ〜:2009/05/29(金) 23:10:04 ID:VQ99Q7DO

周りを見渡せば、かつての栄光と繁栄の面影。
外を見れば、ガラス越しに遊泳する魚たち。
上を見上げると、60年代アメリカを彷彿とさせるネオン。
そして足元を見ると人間の死体……その傍らに注射器を持った少女
さらにそれを見守る潜水服を着た大男。
一見すれば誰もが口をそろえて、奇妙な光景だと言えるだろう。
しかし、この海底都市『ラプチャー』ではほとんどの見知った光景だろう。
だが今回の話の舞台は、ここではない。地上でもなければこの惑星ですらない、
遠い異世界の話。

ゼロの使い魔  ルイズと博士と時々ダディ〜プロローグ〜


「Mr. Bubbles!ほら見て、天使だわ!」
先ほどの少女がこちらを呼んでいる。
「何をしているの、ぐずぐずしないで!」
彼女はリトルシスター、この荒廃した海底都市で唯一Adamを作ることができる存在。
「〜〜〜〜」
その横でまるで父のように見守る存在、ビッグダディ。
か弱い存在であるリトルシスターを守るために作られた改造人間であり、ラプチャーでも彼に襲い掛かる間抜けはあまり居ない。
「次はあっちに行くわよ。さあ早く!」
だが、彼女についていこうとした瞬間目の前に突如として銀色の鏡が現れた。
まるで他の世界へと誘うような扉のようにも見えた。
そして次の瞬間
「!」
一瞬にしてあの巨体が飲み込まれようとしていた。
必死に辺りにあった物にしがみつこうとするが、その甲斐むなしくガラクタといっしょに
飲み込まれてしまった
「Mr. Bubbles!早くし…?Mr. Bubblesどこに行ったの?返事をして」
だが彼女の声は、ダディに届くことはなかった。
正確に言うと届いてはいたが答えることができなかったが正しいだろう。

彼は一体どうなるのだろうか?それはラプチャーの創造主でもわからない。

両親は何時もこう言っていた
…ルイズ、あなたは特別な存在なのよ。生まれながらにして大きな物事を成す存在だ、と。
それはまあ……正しかった訳だ

ゼロの使い魔  ルイズと博士と時々ダディ
Chapter1


「では最後、ミス・ヴァリエールこちらへ」
「は、はい!」
「おい、次ルイズの番だぜ」
「失敗に5エキュー」
「同じく失敗に3ドニエ」
「倍プッシュだ…!」
「じゃあ一体誰が成功に賭けるんだ?」
そんなやり取りが聞こえるのは、ここハルケギニア大陸トリステイン王国に存在するトリステイン魔法学院である。
魔法を使う貴族「メイジ」の養成するための学校であり、今日はその魔法学院の行事である、2年生の使い魔召喚の儀式の真っ最中であった。
生徒達はフクロウにカエルに蛇、巨大なモグラなど自分の属性に合ったパートナー達の召喚に成功していった。
そしてその召喚の儀式もいよいよ最後に向かっていたが、ここで問題である。
彼女「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」の番が来たからだ。
で、何が問題なのか?
家柄は申し分なく、素行も良好であり成績も悪くなく勤勉家、おまけに美少女、文字だけで見れば誰もが憧れる優等生である。
ただ、どの世界にも完ぺきな人物など居るはずが無い。
彼女は魔法が一切使えなかった。
レピテーションを使おうが、ファイアーボールを放とうが何をしても失敗する。
だが、その代わりに爆発現象を引き起こし、「ゼロのルイズ」などという不名誉な二つ名でクラスメートから嘲笑されるようになった。
そしてその「ゼロのルイズ」が召喚の儀式に望もうとしている。
「宇宙の果てのどかにいる、私の下僕よ!」
(もうゼロなんて呼ばれるのはイヤ!)
「強く、美しく、逞しく、そして生命力に溢れた使い魔よ!」
(ゼロなんかじゃ、私はゼロなんかじゃない!)
「私は心より求め、訴えるわ。わが導きに答えなさい!」
(お願い、来て!)
願いむなしく爆発
「うそ…失敗、したの?」
力なく声を上げるルイズ。
煙が立ち込める中、首を横に振る教師ジャン・コルベール。
流石にこの状況でからかう気にはなれず、むしろ同情してしまった級友キュルケ。
「残念ねルイズ…」
だが、特に興味も無く本を読んでいたタバサがキュルケに呟いた。
「失敗ではない、成功」
「え、どういう事?」
急に呟いたタバサにキュルケは尋ねた。
「爆発の中心地に何かいる」
51名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 23:12:28 ID:l1djR1zJ
支援
52名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 23:12:47 ID:lL3SSVLN
何かいきなり専門用語が出てきたな支援
そう言われて煙のほうへ顔を向けると、確かに何かがいる。
暫くして生徒もそれに気づいたのか声を張り上げた。
「ゼロのルイズが召喚に成功したぞ!」
「そんなバカな、ありえない!」
「畜生、今月の小遣いがパーだ!」
「ククク…俺の一人勝ちだな…」
生徒たちが一斉に騒ぎ出し、その声で放心状態だったルイズが帰ってきた。
「せ、成功したの?」
藁にもすがる思いで爆心地に近づいてみることにしたが、爆心地もとい召喚場所には何かの残骸が散乱していた。
「ちょっと、何これ?使い魔なんていないじゃない!おまけに何か臭うし…」
また途方に暮れようとしたその時、何かが立ち上がった。
そこにいたのはハルケギニアには存在しないはずの素材で作られた潜水服を着た2メイル近くある使い魔だった。
お世辞にもかっこいいと言える様な物ではなく、むしろ不気味であった。
無論それが潜水服であることはルイズが知るわけが無い。
「やった…やっぱり成功していたのね!ゴーレムを召喚したわ!」
外見なんてお構いなしに一人舞い上がっているルイズであったがすぐに異変、いや異臭に気づいた。
「うっぷ…すごい臭い…一体何なのよ!」
もはや人間以外だったら何を召喚しても構わなそうだった。
「ミス・ヴァリエール、あなたで最後なので喜びは契約の後で構わないのでは?」
「あ、わ、わかりましたすぐに契約します。」
そう言って契約の儀式をしようとしたが、身長が若干足りない。
それを察したのかコルベールがレピテーションの魔法をかけた。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
ルイズがそのゴーレムに口付けをし、無事契約が終了した。
ゴーレムと思わしき使い魔は、これといって何の反応もしなかった。
「終わりました、ミスタ・コルベール」
「うむ、よろしい…ん?珍しいルーンだな。スケッチさせて貰うよ」
スケッチを簡単に済ませ、生徒に号令をかけると生徒達は教室の方向へ飛んでいった。
もちろんルイズは徒歩である。
「それにしても、一体何の残骸かしらコレ?」
ルイズは召喚された使い魔と共にやってきたガラクタを見ながら呟いた。

54名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 23:17:43 ID:6gQR77zZ
生徒の中にアカギが・・・!
55名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 23:19:40 ID:l1djR1zJ
4レスくらいなら、そんなに間を開けなくても猿ったりしないと思いますよ。

「…………」
その時、例の使い魔がルイズの肩を叩いてある物へと顔を向けさせた。
「ん?何?何かあったの?」
ルイズが見た先には何やら見慣れない正方形の箱があった。
「…か……無……誰かその無線機を取ってくれないかしら」
その箱から女性の声が聞こえてきた。
「は、箱がしゃべった!」
「誰かいるの!?…女の子?なぜこんなところに…まあいいわ、そこにいる人、その無線機を取ってくれないかしら」
得体の知れないものだったので一瞬取るのをためらったが、使い魔が拾い上げ渡してきたので、答えることにした。
「と、取ったわ!それでアンタは一体誰?こいつは一体何なの?」
「一度に聞かれたら、答えられるものにも答えられなくなるわ。」
とりあえず箱が会話するのは、忘れることにした。
「そ、そうよね……ふう、落ち着いたわ。それじゃ聞かせてもらおうかしら、あんたが一体何者でこいつが一体何なのか」
「私の名前はテネンバウムよ、あなたは?そしてなぜこんな所にいるのかしら?」
「こんな所って…あなたここがどこか知っているの?」
「あなたこそ、一人でそんな所に居てよく大丈夫だったわね」
「はあ?何言ってるのよ?」
一向に話が進まないので割愛させていただく。

……
………
「どう?わかって貰えたかしら?」
「…信じられない話だけど信じるしかない様ね。こんなマジックアイテム見たことも聞いたこともないし、挙句の果てにはこんな使い魔まで召喚しちゃうし…」
「私だって信じられないわよ」
テネンバウム博士の説明を聞き、意気消沈しているルイズである。
その使い魔の名はビッグダディ、リトルシスターを守らせるために強化させられた改造人間、手にはドリルを装備しラプチャーでも一際目立った存在だった。
その使い魔は今何をしているかと思えば、後ろで辺りを見回して周囲を警戒している。
テネンバウム博士曰く、彼の頭の中では警護対象がリトルシスターからルイズに変わっただけだと説明された。おそらくルーンのせいでもあるだろう。
「聞きたいことがもっとあるみたいだけど、もう二時間ぐらい経っているわよ?」
「うそ!もうそんな時間?」
「ええ、他に聞きたいことがあればその無線機で連絡してくれないかしら。答えられる範囲でこたえるわ」
「わかったわ、それじゃあミス・テネンバウム」
彼女との交信を切ったあと、使い魔もといビッグダディに向かって言い放った。
「いいダディ?これから私の使い魔としての命令を出すわ、とりあえず私をあの建物までつれて行きなさい。話しはそれからよ」
ダディは軽く頷くとルイズを肩に乗せ、大地を揺らしながら学園へと向かっていった。

新たな目標:学園に向かう
57ルイズと博士と時々ダディ:2009/05/29(金) 23:26:10 ID:VQ99Q7DO
以上です。
後日時間が空き次第、第二話を投下いたします。

最初に書き忘れてしまいましたがダディはバウンサータイプ(ドリル持ち)です。
次回からも少し短めなSSになってしまいますがご了承ください。

支援してくださった方ありがとうございます。
58名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 23:27:57 ID:lL3SSVLN
59名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 23:34:39 ID:l1djR1zJ
乙です。
ちょろっと見て興味はあったけど、手を出さなかったゲームなので続きが楽しみです。
しかし、1人で取り残されたリトルシスターは大丈夫なんでしょうかw

それと>>30についてですが、>>19-20の通りです。
もっと詳しく知りたければ、前スレや避難所を適当に漁ってください。
60ルイズと博士と時々ダディ:2009/05/29(金) 23:36:11 ID:VQ99Q7DO
>>59ありがとうございます
リトルシスターに関してはほかのダディが保護する形でお願いします
61名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 23:40:13 ID:l1djR1zJ
変な話ですが、居世界に召喚された改造人間より、
ヤバそうな世界に取り残された子が心配だったので安心しましたw
62名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 23:42:10 ID:xYHXljaa
>>59
近くに敵がいなければ大抵大丈夫。まぁ叫んだら別のダディがやって来るさ。

>>60
お疲れ様〜。博士のアドバイス付きなら大抵の事は問題無く進められるかな?
異世界でも繋がる無線については、何で主人公がいきなり腕に注射をぶち込めたのかと同じ事と捉えておくよ。
これから頑張って下さいね。
63ルイズと博士と時々ダディ:2009/05/29(金) 23:49:54 ID:VQ99Q7DO
>>62本編に異世界でも繋がるパソコンもあるんで勘弁してくださいwww
64地底の小心者:2009/05/29(金) 23:51:42 ID:wTxXq+Xn
「宇宙の何処かにいる(中略)我は求め訴えたり!」
閃光、そして爆発。
一陣の風が黒煙を払ったとき、人々はみな言葉を失った。
ルイズが召喚したのは全長約40メイル、体中に突出したゴツい棘と手足の爪、口から覗
く鋭い牙までも、全てが黒一色の巨獣だった。
その力強さはまさにユニバース。
その迫力の前では伝説の風韻竜も、100グラム198円(奉仕価格)の豪州産輸入牛肉
であった。
「やった…やったやったやったやったやった!」
喜びの余り、ミニスカートをものともせずバック転を決めるルイズ。
ピンクのフリル付きだった。
キュルケがジュルリと舌なめずりした。
タバサが三歩引いた。
「よくやりましたミス・ヴァリエール!」
「ありがとうございますミスタ・コルベール!」
熱いハグを交わす教師と教え子。
「素晴しい使い魔ですぞミス・ヴァリエール!!」
「ありがとうございますミスタ・コルベール!!」
勢い余って、オクラホマミキサーを踊りはじめるハゲとピンク。
そんな二人の頭上に影が差す。
見上げるゼロと炎蛇の視界一杯に、黒い壁が迫る。
「えええええええええええええええええええ!?!」
「ちょ、待っ……」
地響きを立てて、黒い巨獣が地に伏した。
伝説の虚無のメイジ(未覚醒)とオマケの元隊長を下敷きにして。

使い魔ファイル
地底怪獣マグラ
身長 40メートル
体重 2万5千トン
出身地 多々良島
ウルトラマン第8話「怪獣無法痴態」に登場。
ハヤタとムラマツ隊長のナパーム攻撃で倒されるが、火山地帯の地底に住む怪獣が手投げ
弾サイズのナパーム二発で絶命するとは考えられず、音と光に驚いて失神しただけとする
説がある。
65名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 00:04:18 ID:x3S47VO7
>>63
あれは世界扉のおかげじゃ…
まぁいいか、乙でした
66名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 00:08:27 ID:34p0WpXS
>>57

ビッグダディは、何でも言うことを聞いてくれるゴーレムって感じなのかな。
そんな使い魔を召喚してしまったルイズがどんな成長をするのか楽しみw

>>50
レ[ビ]テーションがレ[ピ]テーションになってたり、果ての[どこか]が果ての[どか]になってましたよん。
67ルイズと博士と時々ダディ:2009/05/30(土) 00:16:37 ID:8pvBdIAL
>>66指摘ども
wikiの方は直しておきました
68名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 01:14:31 ID:MYmrxuXj
>>64
乙〜
メビウスの時代の 多々良島にもレッドキングがいたけどマグラの同族はいたのかな? いたとしてもガンクルセイダー程度でも勝てる気がするけど

他にもザザーン、デットン、ムルチ2代目、改造ベロクロン二世、ガギ2代目とか何しに出てきたのか分からない怪獣っているよな。
69名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 02:49:00 ID:glIlf9Yh
>>68
お前マグマさん舐めんなよ。マグマさんマジぱねぇっすよ
70名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 02:49:47 ID:glIlf9Yh
…そっとしておいてくれOTL
71名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 02:50:59 ID:1yjViwKv
だが断る
マグマ大使召喚がおもいついたのでな
72名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 03:08:53 ID:+OXp+HIz
マグマ大使って土に潜れば直るんだっけ?
73名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 03:15:05 ID:ROL87E7B
アースが生んだ 正義のマグマ♪

主題歌しか知らなかった頃、このアースって地球のことだと思ってたよ
74名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 07:26:48 ID:N/MjdDKV
マグマ大使と聞いて
ワイルドアームズAFの彼を思い出したが
どうせなら出すのは元祖で
75名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 07:54:58 ID:d9Tuhq7J
実はマグラさんは、この戦績で怪獣王を名乗っていたんだぜ。
76名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 10:33:06 ID:O3cRXZhN
ダディと言えばはこまるさん

http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/i/k/a/ikapani/ps3san_75.png
77名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 11:46:20 ID:2rlKj36G
>>76
ゲハ住人じゃないと分からんってwww
78名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 12:07:29 ID:zsbsEfnU
>>76

ダディと言えば橘さんだろJK。
…ここ一番だと強すぎるんだけどな…それ以外が微妙だなぁw
79名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 12:09:24 ID:9zwse4OS
ダディっつたらダディクールしかないだろ

80名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 12:39:43 ID:eSchPJ1o
>>78
孔雀だったかとの戦いは熱かった
81名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 12:49:19 ID:9v3TUoPV
>>76
同時期の銃使いのリュウガンオーは強かったのにダディは何であんなことに・・・
82名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 13:14:05 ID:kKVZVmT2
>>79 濃厚なAAスレになるんだな
83名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 13:58:09 ID:ZqtNPRsD
ダディと聞いてザ・フライ2を思い出した
84名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 14:05:52 ID:ZYkRXgJw
生まれかわるほど強くなれる♪
85名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 14:31:26 ID:gOSyFC/7
橘さんは強いじゃないか。
裏切った奴は必ず地獄行きだからワルドあたりが悲惨なことになりそう。
86名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 14:36:15 ID:fVM35eWQ
>>81
普段は頼れる先輩だけどネタキャラ、
来神すると頼もしいヒーローなオッサンはガチ

轟龍銃との絆も半端無かったしな
87名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 14:43:47 ID:6lfXM5D1
>>86
ダディだって普段はネタキャラだけど先輩、
犠牲が出ると頼もしいヒーローじゃないか!
88名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 14:45:18 ID:cXgE+vQy
橘さんの場合、同時にやっていた戦隊のほうで
主人公より立場が上の男性キャラとして青い犬署長がいたのがヘタレ扱いされる理由な気もする
89名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 15:02:47 ID:OPho0QXM
あのお犬様は強かったな
へたれることも無かったし
90名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 15:41:37 ID:3HgnJ2yK
犬署長が召喚されたら、本気で犬扱いされるんだろうか?
それとも人狼の変種扱い?

犯罪者には容赦ないだろうから フーケがデカマスターに瞬殺されそう。







91名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 15:45:01 ID:qsRJylIB
>>90
ハルケギニア署が早々にできそうだな
92名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 15:53:53 ID:nRPlVfeF
>>87
そうやって、迷いがない時は強いんだよなあ。
93名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 16:24:27 ID:9zwse4OS
コブラに犬呼ばわりするとキレるやついたな。始めのほうに
94名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 16:50:06 ID:l+pxxrBX
でもダディはスキル:簡単に騙されEX持ってるから
簡単にレコンキスタに参加しそうだ
95名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 17:01:06 ID:N9pJ0Iur
ああ、済まない。おたくが犬に似てると言ったんじゃあないんだ。犬の方がおたくに似てるだけさ。
96名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 17:20:22 ID:2rlKj36G
コブラ乙
97名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 17:33:51 ID:cgnL5Oe+
>>64
ウルトラマン第8話「怪獣無法『痴態』」に登場
98名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 17:47:22 ID:vdb1J9mQ
>>89-91

犬署長の強さは感動物である。
ttp://www.youtube.com/watch?v=A7ojcCacnCA
99名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 17:50:18 ID:2rlKj36G
怪獣同士の無法でエロスな痴態をかぶりつきで鑑賞できるんですね、お断りします
100名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 18:00:23 ID:JuvTZeqD
>>90
フーケはティファの事があるからデカレン的には逮捕→刑務所送り程度で済む気がする。
むしろ平民を蔑ろにする貴族のが心情的には許せないんじゃないかと。

法の番人かつ弱者の味方だからハルケギニアの法に悩まされそうだ。
101名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 18:06:04 ID:RVvqIi4w
デカレンジャーの世界には、死刑かそうでないかを即座に審判するシステムがありますからなぁ。
102名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 18:08:42 ID:cXgE+vQy
>>90
たぶん変わった色のコボルト扱いだと思う
103名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 18:49:05 ID:6lfXM5D1
>>101
そして即座に処刑する権限があるという
104名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 19:05:55 ID:OPho0QXM
>>103
たまーに無罪とか情状酌量とかあるんだよな
105名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 19:10:49 ID:qsRJylIB
あの裁判所の即決具合と空気の読み方は凄すぎ
106名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 19:23:16 ID:7GYbwQKa
デカレンジャーが気付いていなかった事実に基づいて、減刑が行われたこともあるくらいだからなw
107名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 19:23:20 ID:Gw31LpGp
保管庫の知ってる作品とのクロスは一通り読んでみたけど、ハルケギニアのシステムというか体制に対して積極的敵対行動を取った使い魔って今のところ居ないよな。
108名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 19:24:48 ID:y9yEnh6x
いつの世にも悪は絶えない
その頃、トリステイン政府は火付盗賊改方という特別警察を設けていた
凶悪な賊の群れを容赦なく取り締まる為である
独自の機動性を与えられたこの火付盗賊改方の長官の使い魔こそ長谷川平蔵
人呼んで鬼の平蔵である
109名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 19:27:23 ID:OPho0QXM
しかしまぁ
>>98を見ると
稲田に勇者王にフリーザ様に石野真子か

改めてみるとすげぇ豪華だな
110名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 19:28:49 ID:3HgnJ2yK
犬署長召喚なら エンディングはこんな感じかな。

トリステイン警察学校 第一期生 卒業式の最中、
事件発生のアラームが鳴り響く!

ボス兼校長
「全員 直ちに出動!」
キュルケ(赤)・タバサ(青)・ギーシュ(黄)・ティファ(緑)・ルイズ(桃)
『エマージェンシー デカレンジャー!』


イエローだけ イメージと違うか?
ルイズの使い魔は マーフィーが引き継いだって事で。
超巨大ゴーレム 『デカベースロボ』ってのも 見てみたい気が。
111名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 19:28:53 ID:2rlKj36G
>>107
確か曹操(蒼天航路の?)がいたような
112名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 19:29:16 ID:kGJjx8n+
>>107
お前の一通りは氷山の隅っこをみて一通りというのか。
113名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 19:42:17 ID:5C8OHWdq
>>107
だってハルケギニアって基本的に平和だしな
身分差や無礼打ちみたいのはあっても、基本的に貴族も平民も平和に暮らしてる、江戸時代みたいなノリだし
わざわざ革命だなんだと焚き付けるのもなんだかなって感じだ
114名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 19:43:05 ID:eaKIzUPi
>>107
風の王は?
115名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 19:48:25 ID:5q7eu5i7
ずいぶん前から最終回直前みたいな部分で更新停止してるよな
116名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 19:49:57 ID:nRPlVfeF
>>102
そういえばハルケギニアにコボルトいるのかね?
名前くらいはどっかに出てたっけ?

オークは出てるけど・・・

一応実際の伝承は
オーク・・・トールキンの指輪物語の創作。劇中ではゴブリンとほとんど同じもの。エルフを拷問して怪物化させたもの。
ゴブリン・・・西洋の妖精。悪戯好きだが、人を助けることもあった。一神教の流入で妖怪化。
コボルト・・・ゴブリンと同一視される。ドイツ版ゴブリンと考えればよし。
117名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 19:52:59 ID:8VKi6ML1
>>116
タバサ3で登場した。部族のコボルトシャーマンは先住魔法を使えたりする。
一般兵は一対一で平民兵士と良い勝負するくらい。
118名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 19:54:21 ID:5C8OHWdq
>>116
いる。タバサの冒険に登場してる
知能は低いけどシャーマンクラスになると人語も話すよ
119名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 19:54:36 ID:nRPlVfeF
タバサ3で出てるのか。
それだけまだ読んでないんだよな。
近いうちに買ってくるわ。
120名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 19:56:35 ID:qafVrc6e
>>116
タバサの冒険3で普通にコボルト退治の話があっただろ
121名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 20:00:49 ID:SXg1/IrW
コテコテのライトファンタジー世界だから、有名どころのファンタジーモンスターはたいがいいると見てよい
122名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 20:02:23 ID:QRueyfDP
>>107
ゼロの提督は?
斬新な切り口で毎回更新が楽しみだった
123名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 20:04:39 ID:kGJjx8n+
>>122
その名前を出すなバカチンが。
124名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 20:06:53 ID:5bBelClA
バカチン市国
125名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 20:07:49 ID:SytU69ZW
あれは積極的では無かったな
126名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 20:08:04 ID:FfWlR9Rn
まだ人魚とか半魚人とか水棲生物は出てないけどね
下手に出せば収集が付かなくなるからかもしれないが


でも宵闇の河村とかダークアイQとかミズノエノリュウみたいな
海を連想しないやつなら出てくるとは思うが
127名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 20:08:17 ID:PdVST/VG
へいおんなせいかつおいしいです
じゃなかったかアレも
128名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 20:12:49 ID:kKVZVmT2
何故かゼロ使とエルフを狩るモノたちが被る
一応短編ネタがあったよねw
129名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 20:14:38 ID:OPho0QXM
>>126
コイキングがいたような
130名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 20:19:24 ID:5q7eu5i7
>126
人魚で仁侠の娘がこの前完結したじゃまいか
131名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 20:19:45 ID:SXg1/IrW
「海底人類アンチョビー」からスモーク・サーモンか皇帝陛下でも呼んでやるか
繁殖繁殖
132名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 20:19:52 ID:PdVST/VG
原作で
ってことじゃまいか
133名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 20:30:16 ID:OPho0QXM
>>132
Oh、そういうことか
スマン>>126勘違いしてた
134名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 20:36:03 ID:1yjViwKv
ハルケギニアに革命…
ゲッター(漫画版)のハヤトさん召喚か…
135名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 20:39:49 ID:SytU69ZW
「ここがタバサの校舎か」
136名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 20:50:29 ID:9zwse4OS
 学 園 に 響 き 渡 る 高 笑 い 
削 が れ る 目 と 耳 と 鼻 
137名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 21:06:12 ID:rCe4j4+i
虚無に目覚めた人間は片端からラグース戦線に送り込まれるわけか。
138名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 21:17:56 ID:MSDjjA9Y
>>134
定期的にこの系統のネタ来るけど、
ダイナミックものって実は長期連載ほとんどないんだよな。
魔獣戦線もので完結したのが1つあるだけ。

………まあ虎が呼ばれても、
「俺の精神を支配できる者などいない!」で契約不成立になったりなど、
おとなしく使い魔やってくれそうなヤツがいないからなんだろうが。
139名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 21:24:14 ID:OM6m1ON5
>>90
デカレンジャーが殺すのは許可が出たときだけだぞ。
盗み程度ならおそらく出ない。
番組で連発したのは六でもなのが連発してきたからだ。

せいぜい手足の二三本へし折るぐらいじゃないかな。
140名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 21:46:53 ID:OPho0QXM
デカレンジャーは
宇宙凶悪犯罪者=アリエナイザー
に対応するための部隊だっけ
軽犯罪に対応する部署も別にあるような描写がされてたような
141名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 21:56:33 ID:MYmrxuXj
M78星雲の宇宙警備隊と似たようなものだな。80のときに宇宙Gメンとか出たから案外対象が怪人と怪獣の違いなだけなのかも。
142名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 22:05:11 ID:RLRJwjmN
デカレンの悪役はろくでもないのが多いのに、その多くがデリート許可の直前までニヤニヤしてる不思議
143名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 22:09:34 ID:eSAE4Yz5
ルイズ側がデカレンジャーなら、
ミョズとしてアブレラさんが召喚されているわけですね。
144名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 22:16:01 ID:cXgE+vQy
>>139
たしか自動車を多数破壊する程度では出なかったな
デカレン本編の敵は惑星数十個破壊だの数千万人殺戮だのが多かったからな・・

ゼロ魔でデリート許可が出そうなのはジョセフくらいか?
145名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 22:22:03 ID:OM6m1ON5
>>144
おそらくジョセフ程度では出ない。

デリート許可が出た理由に脱走がありそうなのも結構いるんじゃないかと。

一応警察なんで、殺すのは緊急時か、洒落にならないレベルの凶悪犯ぐらいじゃないかと。
146名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 22:26:05 ID:53sUGSIY
一連のカキコ見ててデカレンより対バイオロン法を思い浮かべた俺

と、PCで書こうとしたら規制されてた_| ̄|○
147名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 22:27:04 ID:qafVrc6e
ジョセフや教皇が世界扉でアリエナイザーの異世界への逃亡を支援して臣下に・・・
みたいな事とかをしてくるなら話は別になるけどな・・・

あぁ・・・また一つ脳内で物語がスパークしそうだ
148名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 22:28:26 ID:OPho0QXM
あ・・・そういえばデカレンジャーってデカベースが無いと変身できないな
149名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 22:34:37 ID:MYmrxuXj
全国60億のギーシュファンの皆様、避難所の代理依頼スレのほうに僕らは恋をして生きていくの続きが投下されていました
と、携帯住人の私が報告いたします
150僕らは、恋をして生きていく 代理:2009/05/30(土) 22:43:09 ID:8VKi6ML1
それなら2,3分後に代理投下しますね。

あいかわらず規制中なので、どなたか代理投下お願いします。

僕らは、恋をして生きていく
第2話。そしてモンモン登場回です。
151僕らは、恋をして生きていく 1/4 代理:2009/05/30(土) 22:45:20 ID:8VKi6ML1
第2話「アイさんざんと」

さて、そうこうした後に、ヴェルダンテと親睦を深めていたら昼休みのチャイムがなった。
ああ、ヴェルダンテ、君と居ると、つい楽しくて時がたつのを忘れてしまうね。
再会を硬く約束しつつ、アルヴィースの食堂に向かう。
やけに早くから混んでいると思ったら錬金の授業は、途中で事故があって取りやめになったので早くから人が集まったらしい。
……なんか、微妙に損をした気分だ。
ここは、美味しい物を食べて気を取り直そう。
今日のメニューは、っと、ああ、パインサラダがある。
そういえば幼い頃、モンモランシーが初めて僕につくってくれた手料理がやっぱりパインサラダだった。
……はしばみ草が混じっていて、美味しそうに食べるのが大変だったけどね。

「なあ、ギーシュ! お前、今は誰とつきあっているんだよ!」
「誰が恋人なんだ? ギーシュ!」
「いっつも、薔薇だ薔薇だって言ってるもんなぁ! モテモテなんだろ!?」
恋愛談議をしていた友人達が、僕の周りに集まってくる。
まあ、確かにこのメンツで、実際に女の子と付き合っているのは僕だけだろうけど。
やれやれ、現実は非情なものだね。
しかし、事実をそのまま話して、美少女二人と付き合っていて、その他、教師・秘書・先輩・後輩・同級生にメイドたちから熱い視線で見られて困ってしまうなんてこと、正直に言ったら彼らが可哀想だね。
照れ屋さんなモンモランシーには、「恥ずかしいから、付き合っているのは絶対に内緒にして!」って言われている事だし、ここはオブラートにくるんで置こう。

「つきあう? 僕にそのような特定の女性はいないのだ。薔薇は多くの人を楽しませるために咲くのだからね」
ふふふ、ああ、決まった。僕は今、確実に……格好良い!

「い、愛しのギーシュ様!」

あれ、まさかこの声は、……いや、使い魔のヒカリがアルヴィーズの食堂にいるわけ無いし気のせいだ。
そうに決まっている幻聴だ。幻覚だ。
そんな僕の願いも虚しく、ヒカリは息を弾ませて僕の傍に駆け寄ってくる。
手には、可愛らしいナプキンに包まれた小さな荷物を大切そうに持っている。

「い、愛しのギーシュ様! 私、マルトーさんにお願いして材料を分けてもらって、お弁当を作ってきたんです! い、一緒に食べませんか? あ、あの……やっぱり駄目ですか? 
そ、そうですよね、私が作ったお弁当なんて食べられませんよね。
腐った生ゴミみたいな味がしますもんね、そんなものを毎日食べている私はきっと生ゴミにたかる蝿以下の下等生命体なんですええきっとそうですこんなもの捨ててやる! 飛んでけ私の人生ごと!」
152僕らは、恋をして生きていく 2/4 代理:2009/05/30(土) 22:46:13 ID:8VKi6ML1
「うわー待つんだヒカリ! 食べる食べるから! ぜひ一緒に食べようじゃないかそのお弁当を! たとえ生ゴミみたいな味がしようとも僕は君の作ったものなら食べられる! それはもう美味しくいただくから!」
世界が終わったかのような表情で飛び出そうとするヒカリを慌てて止める。
まずい、まずいよ、これはまずい、まずすぎる。

「おや? その娘は、もしやゼロのルイズが召喚した使い魔じゃないか?」
「さすがだギーシュ、昨日の今日でもう口説いたのかよ!」
「使い魔で平民をって、お前どんだけ守備範囲広いんだよ!」
外野が何か言っているけど聞こえない気にしない気にならない。

「ほ、本当ですか、愛しのギーシュ様? 飼いならされた豚のようにガツガツと、生ゴミのような私のお弁当を本能のままに貪っていただけるんですか!?」
僕は、うんうんと頷いて見せる。この場に長く居るのは、まずい。

「ほんとほんと、いやあ楽しみだな生ゴミ――じゃなくてヒカリの手作り弁当! というわけでどこか人目につかないところまで行こうかきわめて迅速かつ極秘裏に」
とにかく、モンモランシーに気づかれる前になんとかしないと!

「は、はい、愛しのギーシュ様!」
僕はヒカリの手を引き、そそくさとこの場を離れようと、

「どういうことなのかしら?」

うああああああっ、終わりだ今日でハルケギニアは滅亡する。つーかいますぐアルビオンが降って来てくれ、畜生僕が何をしたんだ始祖ブリミルよあんまりじゃありませんか、世界のどこかにいる勇者よお願い助けて。
モンモランシーが、魔王のようなどす黒い瘴気を発しながら、そばにやってくる。

「や、やあ、モンモランシー。君は今日も美しいね」
はは……目が怖いよ。

「……えー、この娘はヒカリ・キシモト。昨日モンモランシーも会ったよね? ほらルイズが召喚した平民の娘。……ヒカリ、彼女はモンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ。僕と同じこの学院の二年生なんだ」
平静を装って僕は二人に互いを簡潔に紹介した。

「あ、はい、ルイズ様の使い魔になったヒカリです。こ、このたび、愛しのギーシュ様と……お、お付き合いさせていただくことになりましたっ! よろしくお願いしますっ!」
ノォオオオオオオオオオ。なんて、余計なことを。

「愛しの? お付き合い?」
「もちろん友達としてだよ」と僕がフォローするより早く、
「は、はいっ! 今朝を持ちまして、私は愛しのギーシュ様のか、かかかか、カノジョになりました! キ、キスもしました! ギーシュ様が望むなら、そ、その……ア、アレだって……あ、でも避妊はちゃんとしてくださいね」
153僕らは、恋をして生きていく 3/4 代理:2009/05/30(土) 22:47:02 ID:8VKi6ML1
……………………。
……………………。
……………………。
一瞬、広いアルヴィーズの食堂のざわめきが完全に止まった。
モンモランシーは石化した!
ギャラリーは沈黙した!
僕は混乱している!

「ぅをいっ!? どうしてそんな致命的な発言をさらりと連発するんだ君は!? そんなに僕が憎いのか!?」
「え? なんですか愛しのギーシュ様」
ヒカリは不思議そうに首をかしげた。可愛いけど、空気読め。

「ふ、ふ〜ん、そうなの……カノジョなの」
「はいっ!」
世にも恐ろしい微笑を浮かべる浮かべるモンモランシーと、頬を染めて可愛らしくはにかむヒカリ。

「ギーシュ」
モンモランシーが相変わらず穏やかな笑みを貼り付けたまま僕に視線を向けた。
この顔を見るのは、モンモランシーの誕生日にプレゼントを用意するのをすっかり忘れていて、兄さん達がペンダントや、ネックレスをプレゼントした後に、「君へのプレゼントは、僕の笑顔さ」と言って以来だ。
いや、あの時よりも怖いかもしれない。

「……ななななな、なんだい?」
「可愛い子ね」
「ああ。見た目だけなら申し分ないと思う。まったく惜しいね」
「やだもう、ギーシュ様ったら」
ヒカリ、悪いけど褒めてないよ。

「ルイズの使い魔なんかに、手を出していたのね?」
「モンモランシー、誤解なんだ。人命救助というかボランティアというか……不幸な偶然の組み合わせが引き起こした不可避の出来事でだね」
なるべく、平静を装うけど、冷や汗が流れ出ているのがわかる。

「ギーシュ!!」
いきなり怒気をむき出しにしてモンモランシーが至近距離で怒鳴る。
154僕らは、恋をして生きていく 4/4 代理:2009/05/30(土) 22:47:51 ID:8VKi6ML1
エアハンマーの直撃を食らったような圧力を感じて僕は、

「つ――ッ!」
思わず、耳を押さえてうずくまると。

「このうそつきィ―――――!!」

「うわぁああ」
モンモランシーは、テーブルに置かれたワインの壜を掴むと、中身をどぼどぼと僕に掛けてきた。
衣服に染み込むワインの感触に顔をしかめ、僕は呻いた。
そんな僕に凶悪極まりない視線を向けた後、モンモランシーは大股歩きで去っていった。

「……ふう、まったく困ったもんだね。ねえ、ヒカリ――」
ヒカリは無表情だった。

「……人命救助、ですか」
ぽつりと。淡々と。

「う」
「……ボランティア、ですか」
「ヒ、ヒカリ? もしかして怒っているかい?」
「ギーシュ様」
「ん?」
無表情な目にじわりと涙を浮かべて、ただ一言だけヒカリはいった。

「…………ギーシュ様のばか」

うおっ! 効く! これは効く! 僕の心の柔らかい場所を万力のようにギリギリと締め付ける! てっきり朝のような自虐系台詞がくると思って構えていたのに、こんな愛らしいストレートな罵倒でくるとは。

「ばか――ッ!」
ヒカリはもう一度、今度は感情全開に叫んで、ついでにその右手は僕の頬を痛打した。ぐーで。

「ばかばかばか――!」
ヒカリは、ばかと連呼しながらそのまま走り去って行った。
周りの好奇の視線が痛い。名門グラモン家の男子として恥ずかしくないように振舞わねば。父上いわく「男の本領は窮地に陥ったときにこそ発揮される」そうだし。
ハンカチを取り出すと、顔についたワインを拭いて、皆に聞こえるように大きな声で独り言をしよう。

「あのレディたちは、薔薇の存在の意味を理解していないようだ」
……なぜだろう、周囲の視線がもっと冷たくなった気がするよ。
155僕らは、恋をして生きていく 代理:2009/05/30(土) 22:48:58 ID:8VKi6ML1
468 名前: ネガティブな作者 [sage] 投稿日: 2009/05/30(土) 17:31:58 RFBvFz..

以上で投下終了。
改めて代理投下お願いいたします。

そして、
推定地球上に60億はいるであろうケティファンの皆様、すみません。
彼女の出番は、ありません。



次回、血闘。

作者さんお疲れ様でした。なるべくしてなったなーギーシュ。これからどうなるやら。
156名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 22:53:17 ID:gvPeEB9U

しかし恐るべき地雷女www
157名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 23:07:42 ID:Sifgx4+i

次回が怖すぎるwww
158名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 23:30:10 ID:ghQoCc5e
わりとマイナーな作品でクロスさせてる人も結構いる?
159ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g :2009/05/30(土) 23:35:35 ID:RVvqIi4w
 ホーンテッドの方、乙でした。
 いや、凄いですね。私にはこんな修羅場はとても書けません。
 しかしパインサラダって、死亡フラグにしか見えなかったんですがww

 さて、他にご予約の方がおられなければ、23:45より第37話の投下を行います。

 >>158
 スーパーヒーロー作戦ってスパロボシリーズそのものに比べれば明らかにマイナーだと思うんですが、認知度はどのくらいなんでしょうかね?
160名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 23:40:49 ID:Gw31LpGp
>>158
チクショウ!寝るつもりだったのに寝れねぇじゃねぇか!
支援体制っ!

まぁ確かにスパロボに比べりゃマイナーっすね。「そのゲーム、日本じゃ二番目だ」のCMは結構印象に残ってるんですけど。
161ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g :2009/05/30(土) 23:45:00 ID:RVvqIi4w
「ふむ」
「なあ、ユーゼスよぉ。久し振りに鞘から出してくれたのはいいんだけど、そうやってシゲシゲ眺めるだけってのはちょっと……」
 ラ・ヴァリエールの城の近くにある平原に着陸させたジェットビートルの付近で、ユーゼス・ゴッツォはデルフリンガーの刀身を眺めていた。
 無論、このインテリジェンスソードの声を聞きたくなっただとか、剣の訓練を行おうだとか、ましてや手入れをしようなどという殊勝な心がけは微塵もない。
「なあってばあ。お前さんもガンダールヴなら、もうちょっと、こう、身体を鍛えるとか、俺と効果的な戦術を話し合うとか、色々……あるだろ? あるよね?」
 デルフリンガーの言葉は、完璧に無視されていた。
「……………」
 では、ユーゼスはデルフリンガーを手に一体何をしているのかと言うと。
(やはりこの剣は、私には扱いにくい……)
 この剣の今後の使い道について悩んでいたのである。
 デルフリンガーは『インテリジェンスソード』と『系統魔法の吸収』という能力を抜かして考えると、『細身の大剣』と分類することが出来る。
 もう少し詳しく記述すると、刀身の太さは普通の剣と変わらないが、長さが1.5メイルほど。
 この大きさは、ユーゼスにとって負担だった。
(大き過ぎるな)
 昔のガンダールヴがどのような人間だったのかは知らないが、おそらく今のユーゼスよりは基礎的な身体能力は高く、また精神的な触れ幅……デルフリンガーが言う所の『心の震え』も強かったはずだ。
 つまり強化される前の能力と、ガンダールヴのルーンによって強化される度合の両方がユーゼスよりも高かったと推察が出来る。
(むう……)
 伝説に残るほどの使い魔であるガンダールヴならば、おそらくルーンを本格的に発動させた場合には今のユーゼスよりも遥かに強かったに違いない。
 それはもう、このデルフリンガーという大剣を軽々と振り回すほどに。
 だが、ユーゼスは例えルーンの補助があろうとも、デルフリンガーを『軽々と振り回す』ほどの力はないのだ。
 ―――ちなみに超神形態に変身した場合、肉体として使うデビルガンダムをルーンが『武器』として認識してくれるので以前よりもパワーアップしているが、ハルケギニアで超神形態になるつもりはほとんどないので除外する。
 ともあれ、デルフリンガーはユーゼスにとっては扱いにくい。
 これは厳然たる事実である。
 しかしこの剣が持つ能力である『系統魔法の吸収』は惜しい。
 よって、デルフリンガーは主に武器ではなく防具として使用することがユーゼスの中では決定しているのだが。
(……問題は武器だ)
 そうなると手持ちの武器が、快傑ズバットが使っていた鞭くらいしかなくなってしまう。
 あの鞭も応用範囲はかなり広いのだが、扱いにやはり高い身体能力と、そして何より習熟を要する。
 ガンダールヴの力で『使い方』が分かったからと言って、それですぐに実戦で通用するほど自由自在に扱えるかというと、必ずしもそうではないのだ。
 そうなると……。
(新しく武器を手に入れる必要がある)
 ついこの間までメインで使用していた、もっと扱いやすい『普通の剣』は先のウェールズ・テューダーとの戦いで粉砕されてしまった。
 形や長さ的にはアレと同じで良いのだが、問題は材質だ。
 普通の金属で作られた剣では高レベルのメイジと戦った場合、前のものと同じく破壊されてしまう。
 よって。
(アレを使うか)
「あ、おい、ユーゼス?」
 ユーゼスはデルフリンガーを放って……と言うよりも『デルフリンガーに見られると都合が悪い』ので、ハシゴを登ってジェットビートルの中に向かった。
162名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 23:46:31 ID:Gw31LpGp
支援
163ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g :2009/05/30(土) 23:46:40 ID:RVvqIi4w
「……………」
 ユーゼスはビートルの中に入り、誰もいないことを確認すると脳内のクロスゲート・パラダイム・システムを起動させる。
 そして『自分の空間』へのゲートを開くと、そこに仕舞っておいた50サントほどの大きさの金属のカタマリを四個ほど取り出した。
「む……」
 さすがにこんな物をユーゼスの腕力で持てるわけがないので、軽く因果律を操作してゆっくりと床に下ろす。
「……オリハルコニウム、か」
 ラ・ヴァリエールの土地に向かう直前、シュウ・シラカワと情報交換を行った際に『土産』としてミルトカイル石と共に受け取った希少金属、オリハルコニウム。
 これは本来、シュウの出身地である異世界ラ・ギアスの物質である。
 『魔装機』と呼ばれる巨大人型兵器の装甲に用いられている物質で、硬度は高く、強度は折り紙つき、しかも軽い……と、まさに装甲材には申し分のない金属だ。
 だがどうにも産出量が少なく、しかも加工に特殊な技術と魔力(ラ・ギアスの魔法によるもの)を要求されるため、それこそ魔装機の装甲として採用されるまでは兵装として使用されたことはほとんどなかった。
 その希少かつ扱いの困難な物質が、今インゴットとしてユーゼスの目の前にある。
「ふむ」
 コンコンと軽く手で叩いてみるだけでも、相当な硬度を持っていることが窺える。
 ハルケギニアの技術力では、スクウェアクラスの『錬金』を使おうともまず間違いなく単純な加工すら出来ないだろう。
 だが。
「……………」
 ユーゼスが一睨みした瞬間、オリハルコニウムのインゴットは虹色の光に包まれる。
「長さは1.2メイルほど……刀身の幅はデルフリンガーと同程度で良いとして……」
 そして10秒もしない内に、見事な一本の剣が出来上がった。
「……これで良いか」
 その剣を手に取り、振るってみる。
 軽い。
 刃渡りが短く、扱いやすい。
 何より、うるさくない。
 これ以上は実際に使ってみないと分からないが、今の所このオリハルコニウム製の剣はユーゼス的にあらゆる面でデルフリンガーを上回っていた。
 強いて難点を挙げるとするならば。
「…………また因果律を操作してしまった」
 ユーゼス自身の良心の呵責、という点である。
 どうもここ最近、禁止していたはずのこの行為を頻繁に行っている気がする。
 アインストの反応を感知して超神形態に変身、結果としてタバサを助けた……まあ、これは仕方がないとしてもだ。
 タバサの使い魔に乗ったら酔ったのでそれをキャンセルした、だとか。
 死ぬ直前の状態だったタバサとキュルケを助ける、だとか。
 エレオノールへの精神干渉を遮断する、だとか。
 そして今また、因果律を操作してオリハルコニウムを加工し、剣を作り上げてしまった。
「…………うぅむ」
 まあ、今回は別にハルケギニアそのものだとか、その住人たちに直接干渉を行ったわけではないのだから、そんなに気にする必要もないかも知れないのだが。
 と言うか、オリハルコニウムはハルケギニアの物質ではなくてラ・ギアスの物質なのだから、別に『ハルケギニアへの干渉』にはならない、はず、だと思いたい。
 それにシュウ・シラカワだってこの金属をまた別の世界に持ち込んで機動兵器の装甲や武装に使っていた。
 また、シュウの知人であるマサキ・アンドーなどオリハルコニウムのカタマリである魔装機神で別の世界を縦横無尽に駆け巡っていたではないか。彼と直接の面識はないが。
 ともかく、この程度の干渉は大目に見ても構うまい……と、自己弁護して多少強引に自分を納得させるユーゼス。
 閑話休題。
 とにかく、いつまでもビートルの中にいるわけにはいかない。
 それに鞭と組み合わせた戦法なども考えるためには、広い場所に出て色々と試す必要がある。
 と、そう言えば……。
「……いくらかオリハルコニウムが余ったな」
 シュウから貰ったオリハルコニウムのインゴットは、50サントほどの物が四個。
 それを使って1.2メイルの剣を作ったのだから、余りが出るのは必然とも言える。
「仕舞っておくか」
 後々になって活用が出来るかも知れないので、取りあえず『自分の空間』に戻すことにする。
 さて、それでは下に降りるとしよう。
164名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 23:46:45 ID:BwXYvmVM
sien
165名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 23:46:52 ID:1jakxawr
シェン!! シェンラ!! シェンガ!!
166名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 23:46:58 ID:OM6m1ON5
デルフ追悼w支援
167ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g :2009/05/30(土) 23:48:22 ID:RVvqIi4w
 ユーゼスが地面に降り立つと……。
「まあ。それじゃユーゼスさんに買われてから、今までほとんど鞘の中だったんですか?」
「そうなんだよぉ〜。アイツってホントに必要な時以外に俺を抜こうとしやがらねぇし、抜いたとしてもほとんど魔法を受け止めるためにしか使ってくれねぇし……」
 何故かヴァリエール家の次女がいて、インテリジェンスソードと会話を行っていた。
「……………」
 事情がよく分からないので、その事情を聞くために一人と一本に近付いていくユーゼス。
 そして桃髪の女性……カトレアはユーゼスに気付くと、にこやかに話しかけてくる。
「あらユーゼスさん、用事は終わったんですか?」
「確かにひとまずは終わったが。……何故ここにいて何をやっている、カトレア」
「お散歩をしてたら見慣れない物がお城の近くにあったから、気になって来ちゃいました。そしたらそこのデルフさんが無造作に置かれてたので、ちょっとお話でもって」
「そうか」
 ひょい、と鞘に仕舞うべくデルフリンガーを手に取るユーゼス。
「いや、あの…………ユーゼス? その腰にある剣は…………何なのかな?」
 何やら非常に不安げな様子でデルフリンガーから問いかけられたが、答える義務はない。
「ね、ねえ、ちょっと、ちゃんと答え」
 ガシャンッ
 なので、無視してこの剣を鞘に押し込んだ。
(それにしても……)
 『見慣れない巨大な物体』がいきなり自分の家の近くに置かれていたら普通は警戒するものだとユーゼスは思うのだが、そのあたりどうもカトレアは肝が据わっているらしい。
 いや、ただ単に好奇心が旺盛なだけなのだろうか。
「ねえ、ユーゼスさん」
「何だ」
「あなた、何者ですか?」
「―――どういう意味だ?」
 薮から棒にカトレアから投げかけられた問いに、ユーゼスは思わず警戒する。
 しかしそんなユーゼスに構わず、カトレアは微笑んだままで言葉を続けた。
「ハルケギニアの人間じゃないってことは、初めて会った時すぐに分かりました。あなたは『遠くから来た』って言ってましたけど……それも東方のロバ・アル・カリイエとかエルフが住んでる土地じゃない。
 って言うか、もっと、こう……えっと、上手く言い表せないんですけど、何だか根っこから違う人間のような気がします。多分、あなたが来たのはもっとずっと遠く。私たちが名前すら聞いたことのない場所のはずです。……違って?」
「……………」
 驚いた。
 エレオノールにもルイズにも、その辺りのことは話していないと言うのに。
「『どうして知ってるんだ?』って顔してますね。でも分かるんです。私、昔から妙に鋭いみたいで。……うふふ。ユーゼスさんの驚いた顔なんて初めて見ちゃいました」
 まさか単なる洞察力や勘だけでここまで言い当てたと言うのだろうか。
 しかし、彼女から敵意は感じない。
「……目的は何だ?」
「いえ、特に何も。ただお話をしたかっただけです」
 どうも真面目に話をしているのか冗談交じりに話をしているのか、判断が付きにくい人物である。
 カトレアはやはり笑みを崩さないままで、ユーゼスと会話を行う。
「そして……あなた、さっき言った理由とは別に、常に人と距離を置いてるわ。私にも、ルイズにも、エレオノール姉さまにも――――きっと、誰にでも」
 その通りだった。
 何せ、自分のスタンスは『ハルケギニアに積極的な干渉はしない』である。
 自然とハルケギニアの住人であるエレオノールたちとは、距離と言うか『壁』のような物を作ってしまうのだ。
(……私自身ですら意識はしていなかったのだが)
 だが、それを容易く見抜いたこのカトレアという女性は何なのだろう。
 単純に自分に興味があるのか、それとも……。
 ……いずれにせよここであれこれと詮索しても意味はないと判断したユーゼスは、顔を無表情に戻して先程の問いに答える。
「そうだ。私はこの世界の人間ではない」
「やっぱりそうだったんですね」
 『違う人間だ』というカトレアの言葉を肯定するユーゼス。
 やはりと言うべきか、彼女は驚かなかった。
168ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g :2009/05/30(土) 23:50:00 ID:RVvqIi4w
「帰りたい、とは思わないんですか?」
「思わん」
 少し不安げに聞いてくるカトレアだったが、ユーゼスはアッサリとそれを否定した。
「……断言するんですね」
「その通りなのだから仕方があるまい。……故郷などとっくの昔に捨てているし、何よりも私はハルケギニアに来る直前に『全てを失って』いるからな。その中には郷愁の念も含まれていたかも知れんが」
 バード星。
 もはや思い出すことすら困難な、遠い故郷。
 今更あの星に戻ったところで、どうにかなるものでもあるまい。
「お父さんや、お母さんは?」
「父と母? ……ああ、そう言えばそんな人物もいたか」
「そう言えば、って……」
 何やら呆れている様子のカトレアだったが、ユーゼスはその『父』と『母』の追憶に集中していてそれに気付かない。
(…………何も思い出せんな)
 自分という人間がいる以上、『父』や『母』という類の人間もいなければおかしいのであるが、どうにも記憶から抜け落ちている。
 どんな人物で、自分とどんな会話をして、どんな声で、どんな顔だったか。
 困ったことに、全く記憶に残っていない。
 なので、カトレアの問いに答えようもなかった。
「悪いが、覚えていない」
「……それは……寂しいですね」
「そうか?」
 両親の記憶など、別になくとも困らない。
 イングラム風に言うとするなら、こうなる。
「……そんな者がいなくとも、私は今まで生きてきた。そして、これからもそうだ」
 もっとも、これは『超絶的な力を持つ存在』に対する言葉なのだが。
「でも、『心の拠り所』みたいなものは必要でしょう?」
「それは弱さだよ。信じるものは己のみ。孤高の存在とはそうあるべきだ」
 そう言ってから、ユーゼスはあることに気付いた。
 どうにも……このカトレアと言う女性と話していると、自分の口が軽くなっているのである。
(エレオノールと話していても似たような状態になったことがあるな……)
 この二人には、何か自分に対して働きかける因子のような物でもあるのだろうか。
 密かにユーゼスが首を捻っていると、カトレアが少しだけ悲しそうな顔になって話しかけてきた。
「違います、ユーゼスさん」
「む?」
 何が違うと言うのだろうか。
「あなたのそれは……きっと『孤高』じゃなくて、『孤独』です」
「……………」
「だって、本当に自分しか信じてないのなら……そもそも私や姉さまたちと、こうして一緒にいる必要なんてないでしょう?」
 ユーゼスは、黙ってカトレアの話を聞いている。
「本当はユーゼスさんも、誰かを信じて……いえ、信じられるものや、『心の拠り所』が欲しいんじゃないんですか?」
「……………」
 じっと自分を見つめるカトレア。
 その視線と言葉を受け止め、ユーゼスは心の中でそれを反芻し……。
「……フッ、そうかも知れんな」
 自嘲の笑みを浮かべつつ、それを認めた。

 ―――「私は……お前が……うらやましい。地球人に受け入れられた……お前がな……」―――

 死の直前、イングラムに対して告げた羨望の言葉。
 あれは本心だった。
 自分と同じはずでありながら、自分にはなかったものを持っていた存在。
 ……今更考えても意味のないことではあるが……もし何かの歯車が一つか二つほどズレていたら、あるいは自分もイングラムのようになれていたのだろうか。
(本当に考えても意味がないな……)
 無数にある並行世界の中には、もしかしたらそのような世界があるかも知れない。
 だが、それがごく自然に発生したものだろうと、あるいは人為的に発生したものだろうと、『このユーゼス・ゴッツォ』には何の関係もないものだ。
 ゼ・バルマリィ帝国の中で野心に燃え、自分のように『人間を超えること』ではなく『全能なる調停者となること』に固執しすぎていた、『あのユーゼス・ゴッツォ』のように。
(……まあ、いい。並行世界の自分などに今更興味はない……)
 気を取り直し、目の前のカトレアとの会話に意識を戻す。
169名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 23:51:35 ID:oR8vLhow
ここにきて立った大きなカトレアフラグに支援
170ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g :2009/05/30(土) 23:51:40 ID:RVvqIi4w
 『心の拠り所』を求めている、と自分を評したこの女性に対し、何を言うべきなのだろうか。
 ユーゼスはそう考え、そして……。
「……そう言うお前はどうなのだ?」
「え?」
 意趣返しという訳ではないが、逆にカトレアの人格の分析をしてみることにした。
「私は確かに『拠り所』となるものはない。そしてお前の言う通り、常に孤独を感じて生きている。……だが私には、お前もそう変わらんように見えるぞ」
「…………どうして、そう思うんですか?」
 驚き、わずかに息を呑む様子を見せるカトレア。
 ユーゼスはそんな彼女を見て内心で若干得意になりながらも言葉を続けた。
「……お前は私とは違った意味で異質だ。ハルケギニアの人間でありながら、ハルケギニアの人間とはメンタリティが異なっている。……いや、正確に言えば『ヴァリエールの中で異質』と言うべきか?」
「……………」
 ヴァリエール公爵、公爵夫人、エレオノール、そしてルイズ。
 前者の二人についてはそれほどよく知っているわけではないが、少なくとも第一印象はカトレアと随分異なるし、後者の二人については言うまでもない。
 以前、キュルケがルイズを評して『プライドばかりムダに高く、少しつつけば必要以上に熱くなり、短気なところなどまさにヴァリエールの血筋そのものだ』と言ったことがある。
 その内面の深い所までは窺い知れないが、カトレアからはそのような印象は全く感じない。
 ……事実、ユーゼスは最初にカトレアを見た時に『外見がルイズに似ている』とは思ったものの、直接的な血縁関係があるという考えには至らなかった。
「私はお前の過去を知らないので、人格を形成する経緯にも考えが及ばんが……それで『明確な孤独』を感じたことがない、ということはあるまい? いや、あるいは孤独が先にあって人格が後から形成されたのか……」
「…………そう、なんですかね?」
 こうも勝手に自分の人格を定義されれば普通は怒りそうなものだが、カトレアはやや複雑そうな表情を浮かべただけで、特に否定も肯定もしない。
「……人間は自分のことを見つめられるようには出来ていませんし、そのあたりは私にもいまいちよく分かりませんわ」
「確かにな……。……人間は、自分自身のことが最も分からないものだ」
 カトレアの言葉に頷くユーゼス。

 ―――「フフ……私は、お前に自分が失ってしまったものを……与えたのかも知れんな」―――

 再び、あの時の光景が脳裏をよぎる。
 ユーゼス・ゴッツォが失ってしまったもの。
 イングラム・プリスケンに与えたもの。
 あの時は『自分の良心』だと思ったが、果たしてそれだけだっただろうか。
 ……その答えは今の自分には分からないが、あるいはこの目の前の女性ならば、それが分かるのでは……。
(いや、それは『拠り所』と言うよりも、単なる『甘え』に過ぎんか……)
 自分の答えを他人の中に求めるなど、馬鹿馬鹿しいことこの上ない。
 それはユーゼスだけではなく、カトレアも同じだろう。
「……ふむ。これ以上は互いの精神衛生上、よろしくないと思うのだが」
「そうですか? 私はもう少し続けても構いませんけど。けっこう楽しいですし」
「……………」
 軽く息をつくユーゼスと、微笑みを浮かべるカトレア。
 ユーゼスにとっては強制的に自己分析をさせられるような感じだったが、カトレアにとってはこれもまた『楽しいこと』らしい。
「まあ、機会があればいずれまた……ということにでもしておいてくれ」
「はい。それじゃ、その時を待ってます」
 にこやかに言われてしまう。
 参った。
 これで、最低でもあと一回はこのような問答をしなくてはならなくなってしまったではないか。
(やれやれ……)
 やや辟易しつつ、しかしそれを少しだけ楽しみにしている自分を自覚しながら、ユーゼスは改めてカトレアを見る。
 彼女は相変わらずにこやかに微笑んでいたが、ユーゼスと目が合うと少しだけその微笑みに儚げなものを混ぜ、そしてユーゼスを見つめながら、こう言った。
「……でも嬉しかったです。やっと分かってくれる人が現れて」
「何?」
171ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g :2009/05/30(土) 23:53:20 ID:RVvqIi4w
 その言葉に、どのような意味があったのか。
 ユーゼスが問い質すよりも早く、カトレアはやや強引にではあるが話題を別の方向に持って行く。
「あ、そうだ、ユーゼスさん」
「……む?」
「この……『びーとる』、でしたっけ? デルフさんが言うには『凄い速さで空を飛ぶ鉄の箱』って話でしたけど、本当にそうなんですか?」
 すぐ傍にある巨大な物体を指差し、桃髪の女性はそんなことを聞いてくる。
 先程の呟きが気になる所ではあったが、その前に自分から止めるような発言をしてしまった以上、追及するのもためらわれる。
 なので、ここは切り替えることにした。
「……概ねその通りだ」
 ユーゼスがそう答えると、カトレアはパッと表情を明るくさせてユーゼスに要求してくる。
「じゃあ、私をこれに乗せてくれるか……出来れば動かさせてくれません?」
「何?」
 いきなり乗せてくれ、あわよくば操縦させてくれ、と来た。
 まさかデルフリンガーから『エレオノールもルイズもこれに乗ったことがある』とでも聞いて、また『私だけ乗ってないのは不公平です』とか言い出すのだろうか。
 などとユーゼスが思っていると、
「……だって、これに乗って飛べばどこにでも行けるんでしょう?」
 カトレアの口から、予想外の言葉が語られた。
「―――どこかへ行きたいのか?」
「ええ。だって私、このラ・ヴァリエールの領地から一歩も外に出たことがないんですもの」
 微笑みを崩さないまま、桃髪の女性はそんなことを言う。
(この女の根幹にあるのはこれか……?)
 先程の人格の分析と、今のこのカトレアの言葉を照らし合わせるユーゼス。
 聞いた所によると、カトレアの年齢は確か24歳。
 ユーゼスで言うなら、大気浄化に心血を注いで多くの星の大気汚染を解消していた頃だろうか。
 ……このラ・ヴァリエールの領地も決して狭いという訳ではないだろうが、しかし生まれてから現在に至るまで24年間もずっと同じ場所にいれば『そこから出たい』と思うのも無理はない。
 いや、むしろ『そこから出たい』思わなければおかしいだろう。
(……とは言え……)
 しかし。
 銀髪の男はそんな彼女に同情も憐憫も抱くことはなく、ただ淡々と事実だけを述べる。
「結論から言うが。お前にはビートルを操縦させることも、搭乗を許可することも出来ない」
「!」
 カトレアの瞳が、軽く見開かれた。
「操縦そのものは私が教えるなりすれば何とかなるだろうが、これは動かす際に人間の生命エネルギーのような物を吸い上げるからな。お前が操縦した場合、下手をすると命に関わる」
「……それじゃあ、ユーゼスさんが操縦するのはいいんですか?」
「お前は基本的な生命力が常人に比べて弱いからな。消費して構わない『許容量』も、それに比例して小さくなってしまうのだ」
 普通なら言いにくいであろうことだが、ユーゼスは構わずに語り続ける。
「搭乗することを許可出来ないのも似たような理由だ。ジェットビートルは曲がりなりにも戦闘用の機体だからな、発進時や加速時の衝撃はかなりものになる。
 それで『万一のこと』が起きた場合、私に責任は持てん」
 そこまで言ったところで、ユーゼスはカトレアの表情が呆れと苦笑が混ざったようなものに変わっていることに気付いた。
「どうした? 納得が行かないのか?」
「……違います。多分断られるとは思ってましたけど、あんまりにもハッキリ言うものだからちょっと驚いちゃって」
「驚いただと?」
 どういう意味なのだろうか。
「だって、今まで私に『外に出れない』ってことを言った人たちはみんな遠回しな言い方をしてたのに、あなたは躊躇もしないで『出来ない』って言い切るんですもの」
 それがおかしくて、とカトレアは笑う。
 対するユーゼスは、目の前の女性が笑っている理由がいまいち理解出来ない。
「……よく分からないが。遠回しに言った方が良かったのか?」
「いいえ。むしろハッキリ言ってくれて感謝してます。回りくどく言われたりすると、中途半端に期待しちゃいますから」
 何かに疲れたような様子を見せるカトレア。
 しかし、それでもカトレアは笑みを絶やさなかった。
「でも……」
 だが軽く息をつくと、ふとその表情に憂いの色を混ぜながら遠くの景色を見つめ始める。
 これまでの生涯をずっとこの土地で過ごしてきた彼女にとっては、既に見慣れた……いや、見飽きたはずの景色であろうが、その目には一体どのように映っているのだろうか。
172ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g :2009/05/30(土) 23:55:00 ID:RVvqIi4w
 と、その時。
「……やはり『銀の方舟』ね」
「む……」
「あら、母さま」
 ユーゼスもカトレアもお互いの会話に集中していてほとんど気付かなかったが、いつの間にかこの場にラ・ヴァリエール公爵夫人が現れていた。
 鋭くつり上がったキツめの目、桃色がかった長いブロンドの髪、鳶色の瞳、そして圧倒されそうな威圧感。……まさにルイズとエレオノールを外見的にも年齢的にも足したような女性である。
「どうなさったんですか? 主だった仕事はルイズや姉さまたちが来る前に片づけてましたから、てっきりお休みになっているかと思っていましたのに」
「休んでいる最中に、城の窓からこれが見えたのです」
 すぐさまカトレアは表情を『いつもの物』に戻して母親に語りかけ、ユーゼスも反射的に一歩を下がって頭を下げる。
 夫人の性格を『ルイズやエレオノールの拡大発展版』と当たりをつけたユーゼスが神経を逆撫でしないために取った、ある意味で処世術のような態度であった。
 だが公爵夫人はそんなユーゼスを見ると、少し厳しい口調で語りかけてくる。
「そこの平民」
「……私が何か」
 何故この家の女はそれぞれタイプは違えど、四人全員が自分に接触しようとするのだろう……などと思いつつ、ユーゼスは公爵夫人に答える。
「これはタルブにあった物ですね?」
「その通りです。『銀の方舟』という名前で保管されていました。公爵夫人におかれましては、過去にご覧になったことがあるとお伺いしておりますが」
「……ええ。懐かしい物です」
 言いつつ、ジェットビートルを眺める公爵夫人。
 オールド・オスマンやタルブ村の住人の話によると、ヴァリエール姉妹の母親であるこの公爵夫人は、かつてタルブに来訪してこれを実際に見たことがあるらしい。
 ユーゼスとしては機会があれば話でもしてみたかったのだが、夫人の第一印象からしてそれは難しそうだ、と諦めていた。
 しかし、まさか自分から来てくれるとは。
「……あなたがこれを持ち出したのですか?」
「はい。その場にはエレオノール様もおりましたので、詳しい話はそちらに伺えばよろしいかと」
「エレオノールが……?」
 夫人は娘の名前が出て来たことに多少驚きつつも、更にユーゼスに対して問いを重ねる。
「このような巨大な物をこの場所に置くに際して、公爵の許可は取っているのですか? もし無許可ならば……」
 今すぐ許可を取るか、もしくは別の場所に移動させなさい……と公爵夫人は言おうとしたが、それよりも先にユーゼスが言う。
「いえ、公爵の許可は取っています」
「……よく貰えましたね。予備知識のある私やオスマンならともかく、何も知らない人間がこのような得体の知れない物を城のすぐ近くに置くのは抵抗を感じると思いますが」
 あの人はそこまで度量が深かったかしら、などと首を傾げていると、銀髪の男からその辺りの詳しい説明が語られた。
「私もそう思って先日、公爵に話をしに書斎に行ったのですが、あの方は何やら忙しい様子で『ああ、分かった分かった』と許可をくださいました」
「そう言えば、父さまは最近ずっと書斎にこもりきりで何か調べ物をしていらっしゃるようですけど……何をしているんでしょう?」
 ユーゼスの言葉を聞いて、カトレアもまた疑問を口にする。
「……取りあえずあなたが気にすることではありません、カトレア。……まったく、『取りあえず見守っておけ』とあれほど言っておいたのに……」
 カトレアに答えつつ、額を押さえる公爵夫人。
 どうやら公爵の行動に心当たりがあるようだが、何だと言うのだろうか。
173ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g :2009/05/30(土) 23:56:40 ID:RVvqIi4w
 しかし夫人は咳払いを一つすると、今度はユーゼスに対して命令を出した。
「顔を上げなさい、平民」
「は……」
 言われた通りに頭を上げ、顔を見せるユーゼス。
 公爵夫人は露わになった銀髪の男の顔をまじまじと見つめるが、やがて一つ溜息を吐いた。
「……似ていませんね」
「早川健のことを言っているのであれば、私と彼に血縁関係などは全くありませんが」
「!」
 ユーゼスの口から放たれた言葉に、公爵夫人は今度こそハッキリと驚いた様子を見せる。
 そして、やや落ち着かない様子で問いを投げかけてくる。
「…………あなたはケンのことを知っているのですか?」
「知人です。それほど親しい仲ではありませんでしたが」
「ほう」
 『あの男とその仲間たちに、かつて自分の野望を叩き潰されました』とはさすがに言えない。
「そう言えばオールド・オスマンから、彼が使っていた鞭を渡されていますが」
「何ですって?」
 いきなり公爵夫人の顔が険しくなった。
 はて、何か気に触ることを言っただろうか。
「……それは、オスマンから渡されたのですか?」
「? はい。『宝物庫の中で腐らせておくよりは、私が使った方が有意義だ』と言われまして」
「…………あのボケ爺、人の思い出の品を勝手に…………」
 何やらブツブツ呟く公爵夫人だったが、ユーゼスもカトレアもその詳しい内容は聞き取れなかった。
 ともあれ、ユーゼスは常に携行している鞭を取り出す。
 目の前に出されたそれを公爵夫人は実に懐かしそうにそれを見ていたが、ふと横にいるカトレアが声を上げた。
「あの、ユーゼスさん」
「どうなされました、ミス・フォンティーヌ?」
 いきなり敬語を使われて、しかも『ミス付きの名字』で呼ばれたのでカトレアの顔が不機嫌なものに変わるが、今は『母親の前』だということを思い出し、気を取り直して質問する。
「それって私にはロープにしか見えないんですけど、本当に鞭なんですか?」
「ロープのように使うこともありますが、基本的には鞭……の、はずです」
 セリフの最後に自信のなさが見て取れるが、何にせよこの鞭と新しく作った剣との組み合わせを考えなければならないため、オリハルコニウムの剣を抜きつつ鞭を振るうユーゼス。
「はあっ!」
 すると鞭は『ビュッ』と鋭い音を立てて数メートル離れた場所にある木に当たり、その枝に付いた葉を一、二、三、四、五、と叩き落とした。
「まあ、凄い」
 それを見ていたカトレアは感嘆しながら拍手を送り。
「……っ」
 そして公爵夫人は険しかった顔をもっと険しくさせて。
「全然、違う!!!」
 物凄い剣幕で、ユーゼスに怒鳴りつけた。
174名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 23:57:14 ID:rYWaJaDr
シュウ「このターンX凄いよ!ユーゼスのお兄さん!」

支援
175名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 23:58:12 ID:rYWaJaDr
ネオ・グランゾンの方が良かったかしら

支援 もう直ぐ日付が変わるな
176ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g :2009/05/30(土) 23:58:20 ID:RVvqIi4w
「む……」
 いきなり大声で『違う』と言われてしまったユーゼスは、やや困惑しつつもその言葉の意味を問いかける。
「違う、とは?」
「……鞭の持ち方、構え方、腕の振り方、スピード、威力、そして身のこなし! ある程度の違いがあるのは仕方がないにしても、何から何まで酷すぎる!! それでよくケンが使っていた鞭を使う気になれましたね!!?」
「はあ……」
 そんなことを言われても、この鞭は成り行きでオールド・オスマンから受け取ったのだから、仕方があるまい。
 それに自分が早川健に比べて身体能力が低いのは、嫌と言うほど自覚している。
 と、言うか……。
「……あんなメチャクチャな男と比較しないでいただきたいのですが」
「メチャクチャって……まあ、確かにメチャクチャでしたが……」
 ユーゼスも早川健のメチャクチャっぷりの全てを知っているわけではない。
 しかし、自分が知る限りのものを挙げてみると。
 鞭を振るって一瞬で大・中・小の三つのサイズの石球を空中に飛ばし、更に『飛ばした石が落下している最中に』鞭でそれぞれの石を削ってウルトラマンの形に加工、あまつさえそれを三段重ねにしてしまったり。
 不思議界が崩壊する時、宇宙刑事たちはそれぞれの専用マシンを使って脱出していたのに、ズバットだけ超空間に浮かんでいた鉄パイプに『自力で』鞭を巻きつけて脱出していたり。
 自分からはほとんど断片的にしか情報を与えていないのに、ガイアセイバーズの中であの男だけが『時間を越える方法』や『クロスゲート・パラダイム・システムの大まかな理論』まで言い当てていたり。
「……………」
 思い出せば思い出すほど、規格外な男であった。
 一方、公爵夫人も三十数年前に会ったあの黒髪の男のことを思い出していた。
 マンティコア隊の新任隊長として意気込んでいた自分の前に前触れもなくフラリと現れ、いきなりマンティコアを自分よりも上手く乗りこなしてプライドを砕かれたり。
 火竜山脈のドラゴンと一対一で戦い、苦戦しつつもそれに勝利してしまったり。
 若気の至りでエスターシュ卿の反乱を一人で鎮圧しに向かった時、一瞬だけ気が緩んだ際に助けてもらったり。
 オーク鬼に都市が襲われた際に、先陣を切って向かおうとしたら諌められたり。
 一緒にダンスを踊ったり。
 別れ際に互いの帽子を交換したり。

 ―――「おっと、お嬢さん。俺に惚れちゃあいけないぜ?」―――
 ―――「惚れません。大体、私には婚約者がいるんですからっ」―――
 ―――「おや、それは残念。口説こうかと思ったんだがね」―――

(……思い出したらイライラしてきたわ)
 別に……まあ、自分はあの男のことが、その、好き……というわけではなかった、と思う。うん、そのはずだ。向こうはどうだか知らないけれども。
 好きではなかったのだが、それにしたって、もっと、こう……ちょっとくらい優しくしてくれるとか、別れる時に名残惜しそうにしてくれても良かったのに。
 いや、今にして思えば、それも去り行く宿命にあったあの男なりの優しさだったような気もするが。
 しかし、それで割り切れないのが女という人種なのである。
 おかげで丸二日くらい部屋にこもって泣き腫らしたし。
177名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 23:59:31 ID:rYWaJaDr
支援
178ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g :2009/05/31(日) 00:00:20 ID:RVvqIi4w
 まあ、ともかく。
「……ケンとの比較は置いておくにしても、あなたのその技量と身体能力の低さは目に余ります。……鞭や剣の扱いは誰に習ったのです?」
「いえ、独学ですが」
 ピク、と公爵夫人の表情が強張る。
「…………つまり、あなたは見様見真似で今までその鞭や剣を振るってきたと?」
「その通りです」
 ピクピク、と公爵夫人の顔が震える。
「………………今後、誰か師匠を探したり修行をする予定は?」
「ありません」
 ユーゼスがそう言うと、公爵夫人は一気に無表情になった。
 どうかなされましたかとユーゼスが質問するよりも先に、公爵夫人の口が開かれる。
「三十分ほどこの場で待っていなさい」
「は?」
「あの、母さま?」
 ポツリとそう言うと、公爵夫人は城へと戻って行った。
 残されたユーゼスとカトレアは、揃って首を傾げる。
「……あの公爵夫人の態度は何なのだ?」
「うーん……私のこれまでの経験からすると、あの顔つきは『何かを決めた時』の顔でしたけど」
「……何を決めたと言うのだ」
「さあ?」
 ちなみに公爵夫人がいなくなったので、ユーゼスもカトレアに対する口調を元に戻していた。
 そして三十分後。
 魔法衛士隊の制服を着込み、幻獣マンティコアの刺繍がなされた黒いマントを羽織り、羽飾りの付いた帽子を被って、更に顔の下半分を鉄の仮面で覆った、完全武装の騎士がそこにいた。
「……?」
 いきなり正体不明の人物が現れたので、当然ユーゼスは警戒して身構える。
 そして隣にいるカトレアに離れるように言おうとした所で、彼女が呆気に取られたような表情をしていることに気付いた。
「どうした、カトレア」
「…………母さま」
「何だと?」
 ユーゼスが困惑の声を上げる。
 その直後に小型の竜巻が発生し、ユーゼスは吹き飛んだ。
 銀髪の男は瞬く間に二百メイルほどを『強制的に』飛翔させられ、軽く放物線を描いて落ちてくる。
「がっ!! ……ぐ、ぐぅ……っ、何を……?」
 たった今自分を吹き飛ばした竜巻が目の前の正体不明の騎士によるものだという程度は、ユーゼスにも分かる。
 しかし、自分が攻撃される理由がさっぱり分からない。
 いや、そもそもこの騎士は……。
「ちょ、ちょっとお待ちになってください、母さま! いきなりユーゼスさんを吹き飛ばすなんて、酷いじゃありませんか!」
(やはり、これは公爵夫人か)
 カトレアが『母さま』と呼んでいることからして、この騎士の正体は公爵夫人らしい。
 なるほど、マスクと帽子に隠れていて分かりにくくはあるが、よくよく目を凝らして見ればその眼光は公爵夫人のものだった。
 ユーゼスは痛む身体を何とか立たせ、騎士姿の公爵夫人に質問する。
「……公爵夫人、そのお姿は?」
「昔の服を引っ張り出しました」
 何とも簡潔な答えである。
179名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 00:01:49 ID:rYWaJaDr
いきなり何するんですか カリン殿

支援
180ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g :2009/05/31(日) 00:02:00 ID:RVvqIi4w
(そう言えばオールド・オスマンが、『御主人様の母親はかつてのマンティコア隊の隊長だ』と言っていたな……)
 しかもあの老人の話によればこの女性はかつて『烈風』などと呼ばれ、今ユーゼスが持っている鞭の『本来の持ち主』とコンビを組むほどの実力の持ち主であるとか。
(……今更思い出しても、もう遅いかも知れんが……)
 道理で自分の動きの不満点をあれだけつらつらと並べ立てられるはずだ、と納得しつつ、更に激しく嫌な予感に襲われながらもユーゼスは問いを重ねる。
「それで……何をするつもりなのです?」
「あなたを鍛えます」
 ユーゼスは絶句した。
 そんな突然言われても、正直困る。
「か、母さま。それはあまりにも……」
 また、カトレアとしてもさすがにそれは聞き捨てならなかったようで、思わず制止が入った。
 母の苛烈さと実力は娘である彼女も十分すぎるほどによく知っており、そんな母に一対一で鍛えられなどすれば普通の人間はどうなるのかくらい、容易に想像がつくからだ。
「『あまりにも』? ……『あまりにも』と言うのであれば、この男の実力こそがあまりにも酷すぎます。基本も何も全くなっていない。それに見た所、基礎的な体力すら平均以下。
 ―――ええ、これは本当に鍛え甲斐がありそうだわ」
「普通の男の人ですら音を上げそうなのに、体力の無いユーゼスさんが母さまの訓練を受けたりしたら、死んでしまいます!」
「ならば所詮、それまでの男だったと言うだけの話です」
(何故、訓練をするかしないかの話が、いつの間にか生きるか死ぬかの話にまでなっているのだろう……)
 しかし、この女性がルイズとエレオノールの母親だということと、比較対象があの早川健だということを考えればそれにも納得が出来てしまうのが少し悲しい。
 と言うか、その訓練とやらを実際に受ける立場のはずの、自分の意見を聞く気は無いのだろうか。
「ユーゼス……とか言いましたね。さあ構えなさい。あなたがこのラ・ヴァリエールにいる間、この私が『ラ・ヴァリエール公爵夫人』としてではなく、ケン・ハヤカワの友人『カリーヌ・デジレ』として存分にあなたを鍛えて差し上げましょう」
 無さそうだった。
「……………」
 構えなかった場合には即座に先程のような風で吹き飛ばされそうだったので、ユーゼスはやや慌てつつも魔法防御用にデルフリンガーを構えようとする。
 だが。
「構えるのが遅い!!」
「ぐあっ!!?」
「ああっ、ユーゼスさん!」
 構えるよりも速く公爵夫人……カリーヌが放った風で吹き飛ばされてしまった。
(それにしても、私から『訓練を受けたことがない』と話を聞いて、すぐさまこのように行動に移すとは……)
 ユーゼスはカトレアのことを『ヴァリエールの中で異質』と評したが、実は一つだけカトレアも含めたヴァリエールの女性全員に共通している事柄を見つけてもいた。
 『思い立ったらすぐ実行』。
 その実行のカタチはそれぞれ異なっているが、このスタンスだけは良くも悪くも同じだ、と言い切ることが出来る。
(……大元はこの公爵夫人なのだろうか)
 そんな感想を抱きつつ、ユーゼスは舞い上げられた空から落下していくのだった。
181名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 00:02:36 ID:OM6m1ON5
ズバット支援

ってここでも美味しいとこ持ってくなぁ・・・・
182名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 00:03:15 ID:V4X5kga9
恐縮だが支援させてもらうよ
183ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g :2009/05/31(日) 00:03:30 ID:RVvqIi4w
 以上です。

 今後の展開を進めるに当たり、そろそろユーゼスにも原作開始時の才人くらいには強くなってもらわないと色々都合が悪くなってきたので、こうしてみました。
 と言っても、まあ、二ヶ月程度の訓練じゃそんな超人的なパワーアップなんて出来ないので、オリハルコニウムを使いましたけど。
 つーか、これにチョチョイと細工をすればディスカッターや天上天下念動爆砕剣になるような気もします。
 ……どうしようかなぁ。

 カトレアとのやり取りに関しては……このキャラってもうちょっと俗っぽくても良いんじゃないかな、と思った結果こうなりました。
 つーか正直に言うと、聖女みたいなキャラは私の手には余るんですよねぇ……。
 他の皆さんは凄いや、と感心するしきりの今日この頃です。

 次回は上手くすれば31日中には投下出来そうなので、頑張ろうかと思います。

 それでは、支援ありがとうございました。
184名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 00:03:30 ID:PdVST/VG
しえん
185名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 00:07:34 ID:7RtM/47B
乙でしたー
186名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 00:08:02 ID:euFpDaqo
ラスボスさん乙です。

ユの字、頭脳労働派なんだから大人しく「これもクロスゲート・パラダイムシステムのちょっとした応用に過ぎん」ってやってりゃ良いのに……

しかしオリハルコニウム製の剣か……マサキとかも持ってたのかな、ゼオルート師範に剣の稽古も受けてたみたいだし。
187名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 00:08:44 ID:6OfTxGQ6
おつおつ
188名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 00:10:19 ID:OtX/XpzG
>>186
確かラングランでも希少な金属っぽいから、
流石に練習用とかでは使ってないでしょ。
189名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 00:13:51 ID:zp069f7Q
ラスボスの人乙でした。
ユーゼスマジで死んじゃいそうだな。
190名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 00:15:09 ID:MsI4pEn/
ラスボス乙ー
ヴァリエールの人間は他人の都合を無視しまくりだぜ
と、思ったけどこの世界の貴族は大概の平民に対してそんな感じか
191名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 00:27:29 ID:7ynYhqQz
ラスボスの人乙
ママンの前で、「カトレア」とか呼んじゃったよユーゼス
192名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 01:11:35 ID:UUCQTSv6
ラスボスの人乙でした。

>つーか、これにチョチョイと細工をすればディスカッターや天上天下念動爆砕剣になるような気もします。
むしろそれくらいのチートしないとユーゼスの基礎能力的にこれからの戦闘で役立たずになりそうですが。
193名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 01:25:05 ID:qfuM3F7O
ネガティブの人乙です。
地雷女恐るべしwww
てかギーシュ哀れwww

ラスボスの人乙&GJ!
あのカリン様まで恋する乙女に…ズバットスゲーw
それにしてもこのユーゼス着々とフラグ立ててるよw
続きをwktkしつつ正座待機。
194名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 01:35:14 ID:BAM4kOfq
ラスボスの人乙っす

念動爆砕剣の正式名称はゾル・オリハルコニウムソードだっけ
どうでもいいけどすげえ言い辛い名前だ
195名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 01:41:01 ID:rFsLgydB
>>194
ならZ・Oソードでおk
そして投下乙!
196名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 05:24:10 ID:Q+MgPROF
乙!
つか、未だに初期サイト以下なのかよこのユーゼスはww
197名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 06:04:59 ID:GvbQqOWe
そもそも少年と中年とでは、基礎体力そのものが大差あるしな
ある一定以上の年齢となると意図的に体力作りしとかないとまともに動けん
198名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 06:06:39 ID:Q+MgPROF
中年だったか。
肉体年齢は20代だとばかり思ってたわ。単に運動不足なだけでw
199名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 06:38:29 ID:KXMxe6TT
>>138
虚無に魅せられちまったものの集まりだからな、ここは。
ほんのちょっとだけ形は違うが。
200名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 06:52:33 ID:9dIAalcd
>>199
萌えと燃えですね、わかります。
201名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 07:43:12 ID:mmCL3078
ラスボス乙
202名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 08:08:58 ID:mmCL3078
ところでカトレアさんの病気の原因ってなんだっけ?
203名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 08:12:04 ID:iic2eLsi
胸部腫瘍です
204名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 08:14:05 ID:tM6ih+pl
ラスボス乙です

カリン殿に神隼人の影が見えた・・・
ふと、昔のジャンプ読みきりで10倍パワードスーツ着てやっと人並みの少年が居たこと思い出しました・・・
ちなみに敵の科学者はロボが稼動に莫大なエネルギーを使うからと5tのロボを背負って決闘にやってきましたよ

まぁユーゼスはクロパラ使わないとそこまでチート性能にはなれますまいが
とりあえず初期サイト並にはなれる・・・と
でもまぁ極端にピンチにはならないんだろうなぁ、七万に単独で挑むなんて絶対やらんだろうし
むしろ今が最大級?

205名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 08:26:08 ID:euFpDaqo
いやまぁ、シュウはともかくとしてダークブレインとアインストが居るんだからこれが最大とはならんでしょ。

……ハルケギニアの大地の方が心配になってきたな。
206名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 08:31:21 ID:p0K6QoW1
それにしても闇脳はひでぇよなぁ、攻撃するたび宇宙が大変だw
207名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 08:36:58 ID:tM6ih+pl
そうだった、ブレイン卿とヴァールシャインの存在をすっかり忘れていた・・・失敬
そういや無限のフロンティアの???アインストを倒した後ろにZ・Oソードがあったっけ
今になって考えてみればDFCスーツやATXジャケットはともかく
人間用のZ・Oソードなんて何処の誰が・・・・・・まさか”ここ”が出所か!?
208名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 08:56:01 ID:6eto1qGP
ラスボスの人乙
公爵ってビートルのことは知らないのか
でも一応健のことは知ってたんだよな
209名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 09:50:08 ID:G+Plr1Ow
きっと公爵は当時婚約者のカリンに近づくケンにやきもちを焼いたりする、
コメディリリーフ担当で重要な事は何も教えてもらってないものと想像。
210名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 10:44:46 ID:XphEHTmp
……がんがんじい?
211名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 11:01:53 ID:CPSwvh/8
>210
ものごっそ納得した。
212名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 11:57:45 ID:B0J+neoc
一瞬、ユーゼスにライダーブレイクをかますカリン様の姿が…
213名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 12:13:52 ID:WWy5DO6n
ラスボス、ユーゼスの虐げられっぷりが原作サイト並だ。
214名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 12:21:19 ID:2j/BRAWT
>  銀髪の男は瞬く間に二百メイルほどを『強制的に』飛翔させられ、軽く放物線を描いて落ちてくる。
一瞬200m上空に吹っ飛ばされたのかと思った、死ぬ死ぬ

まぁ200m横に吹っ飛ばされただけでも普通はヤバい気がするが
215名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 12:26:49 ID:T6t51BRb
そろそろまたトランスフォーマーの映画がやるが
ブラックアウトかスタスクの人帰ってきてくれないかな
ブラックアウトは前作の映画で生存してリベンジでも出るし
リベンジじゃサウンドウェーブもデバスターもでる
216名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 14:19:52 ID:yiFX6+Yt
過去作でスターセイバー辺りはどうだろう
頼りにはなるぞ
217名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 14:28:32 ID:Pf8eEPRz
FF2から童貞を召喚。戦いのたびに味方に攻撃して信用を失っていく使い魔。
218ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g :2009/05/31(日) 14:36:26 ID:QIp5jQS/
 こんにちは。

 他にご予約の方がおられなければ、14:45より第38話の投下を行います。

 今回は23KBと私にしてはかなり短めになってます。
 いや、実は今回の話は前回と合わせて『37話』として投下する予定だったんですが、書いてる内に50KBを突破してしまいまして、いくら何でもこりゃ不味かろう、と分割することにしたのです。

 なので投下の間隔も今回に限ってはかなり短めとなっております。

 しかし、自分の投下の後にまた自分が投下するって初めての経験ですね……。

 >>216
 キャラクターに関してはもうほとんど覚えてないんですが、確かゴッドジンライが変化したライオンのトランスフォーマーと合体した奴でしたっけ?
219名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 14:38:28 ID:SU9qHxcC
しかし強敵相手に真っ向勝負するユーゼスって、イメージが湧いてこないなw
それこそギーシュ・モンモンVSキュルケ・タバサ戦みたいにえげつないやり方こそが
彼の真骨頂ではなかろうかwww
220名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 14:41:26 ID:DpWhMthG
はやい、はやいよ
221名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 14:41:32 ID:360qadqe
ビーストウォーズでスタースクリームが出てきたときは何事かと思った
支援
222ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g :2009/05/31(日) 14:45:00 ID:QIp5jQS/
 ラ・ヴァリエール家の面々は、今日も一家揃って朝食を取っていた。
「……………」「……………」「……………」「……………」「……………」
 日当たりのよいバルコニーで食べていると言うのに、誰も言葉を発さず、その空気は重い。
 ちなみに先日までは食事の場に使用人たちと並んでユーゼス・ゴッツォが控えていたのだが、彼はルイズとエレオノール、そしてカトレアを起こした後、『これ以上体力を使う余裕がない』という理由でダウンしたために姿を見せていなかった。
(まったく、最近の若い者はこれだから……)
 そんなことを考えつつ、黙々とナイフとフォークを動かすカリーヌ。
 なお『肉体年齢』はともかく『実際に生きてきた年数』で言うならばカリーヌはユーゼスよりも年下であるのだが、当然カリーヌはそんなことを知る由もない。
「……………」「……………」「……………」「……………」「……………」
 何にせよ、ラ・ヴァリエール家の無言の食卓は続く。
 だがその食事の最中、おもむろにラ・ヴァリエール公爵が口を開いた。
「ん……あ、あー……ルイズ、少しいいかな?」
「……何でしょうか、父さま」
 スッと冷めた視線を父に向けるルイズ。
 公爵は末の娘からそんな目で見られたことに僅かにたじろぎつつも、探りを入れるようにして問いを投げかけた。
「……魔法学院では、どうなのかね?」
「どう……と言われましても」
 ルイズが困ったような顔になる。
 どうやら質問が抽象的すぎて、どう返答して良いものか分からないらしい。
「えぇと……その、アレだ。友人関係とか、誰か好きな男でも出来たり……とかな。……って、ルイズに恋人がいるわけないか! はははは!!」
 自分の台詞を自分で否定するラ・ヴァリエール公爵。
 ……ここ最近、書斎に篭りっぱなしだった彼は必死で『年頃の娘との接し方』や『こんな父親が嫌われる』などの本を探し、読みあさっていた。
 それらの本によると『娘の態度がいきなり変わるのは、男の影響を受けた可能性が大きい』とあったのだ。
 いや、まさか。
 ウチの娘に限って、そんなことあるわけないじゃないか。
 でもまあ、万が一ってこともあるし。
 ……大丈夫だとは思うけど、一応カマをかけてみよう。どうせ空振りに終わるだろうけど。
 と、そんなことを考えながら言った言葉だったのだが……。
「なっ……、べ、別に、恋人なんて……いませんわっ」
「え?」
 予想外のリアクションが返って来てしまった。
「い……いるのかね、ルイズ?」
「い、いません。いないんです。全然、いないんだから」
 本当にいないのなら、もっと冷静に、キッパリ断言するはずである。
「……そ、そうか……。いや、いつかはこんな日が来るのではないかと思っていたが……。ま、まあ、お前ももう年頃だしな……」
「だから違いますって!」
 公爵は内心の焦りを押し止めながら、努めて冷静に聞き出しを始めた。
「そ、そそそ、それで……相手は……どこのどいつで、どんな奴なのかね? か、家名は? 身分は? 領地の広さは? 家の歴史は? 容姿は? 性格は? ……ええい!! まだるっこしい、今すぐソイツをここに連れて来い!! じっくりと品定めをしてやる!!!」
「……あなた、少し落ち着いてくださいな」
「う、うむ……」
 興奮するラ・ヴァリエール公爵だったが、カリーヌにたしなめられてテンションを少し下げる。
223ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g :2009/05/31(日) 14:47:00 ID:QIp5jQS/
 そしてワインを一口飲み、本人的には落ち着いているつもりの口調で問いを重ねた。
「まあ……ワシとしてもだな、ルイズ。別にお前の…………こ、こいび…………『男友達』をどうこうしようという訳ではないんだよ。ただ、少し話をしてみたくなっただけなんだ」
 『恋人』という言葉を使いたくないのか、やや無理矢理気味に『男友達』という単語を使う公爵。
 対するルイズはそんな父の様子を見て逆に冷静になったのか、ポツリと不満気味に呟く。
「いないって言ってるのに……。それに男の人がどうこう言うんなら、順番からしてエレオノール姉さまの結婚の方が……」
「…………何ですって?」
「あ、やば……」
 低く絞り出すような声を耳にして、ルイズは『しまった』という表情になる。
 そして恐る恐るその声の方に顔を向けた途端、いつものつねり上げではない、口元を強引に片手で鷲掴むような掴まれ方をされた。
「もがっ!?」
「……私の前で、その縁起でもない単語を軽々しく口にしないでもらえるかしら?」
「あが、あががががが……」
 ギリギリギリ、とルイズの頬にエレオノールの指がめり込んでいく。
 それでも何とか口を動かし、ルイズは姉に対して謝罪した。
「ご、ごぇんなひゃひ……(訳:ご、ごめんなさい……)」
「結婚は人生の墓場、とおっしゃいな。ちびルイズ」
「け、けっきょんはじんひぇいのひゃかびゃ……(訳:け、けっこんはじんせいのはかば……)」
「よくってよ」
 パッと妹の頬から手を離し、自分の席に戻るエレオノール。
 ルイズは痛む両頬を撫でさすりながらやや恨めしげに長姉を見るが、その場にいる他の家族たちは今のエレオノールの行為について誰も何も言わなかった。
 何故なら、これまでエレオノールに対して幾度となく縁談の話は持ち上がったのだが、その度に相手の方から断りを入れられていることを知っているからである。
 だが、エレオノールももう27歳。
 同い年の貴族の女性ならば、もう子供の一人や二人くらいはいても何の不思議もない年齢だ。……と言うか、カリーヌはエレオノールの年にはもうカトレアを産んでいる。
 トリステインでも三本の指に入る名門ラ・ヴァリエール家としては、これはあまりよろしくない事態である。
 よって、誰かがそれを指摘しなければならないのだが……。
「……あなたはそう言いますがね、エレオノール。いい加減にそろそろ身を固めるべきですよ」
「母さままで……!」
 そんなことを言える者は、この場ではカリーヌくらいしかいなかった。
 カリーヌはルイズに行った行為についてはスルーしつつ、エレオノールの当面の問題について言及する。
「あなたももう『年頃』どころの年齢ではないでしょうに。……先程の父さまとルイズの話ではありませんが、あなたも気になる男性の一人くらいはいないのですか?」
「……き、気になる男性、って……」
 途端にエレオノールの顔が紅潮していく。
「な、何ぃ?」
「……………」
「……あら」
「む……」
 そんな長女の変化を見て、家族たちは何かを察知した。
「ま、まさかエレオノール……お前も?」
「な、なな、な……何を言っているんですか、父さま。別に私は、あ、あんな男のことなんて……何とも思ってませんわ。ええ、ホントに……好きでも、何でも、ないんだから」
「『あんな男』だとぉ!!!??」
「あ」
 父の叫びを聞いて、エレオノールは自分で自分の墓穴を掘ってしまったことに気付く。
(くっ……、わ、我が父ながら、何て見事な誘導尋問なのかしら……)
 こんなもの誘導尋問でも何でもないのだが、とにかくヴァリエール家の長女はワタワタ慌てながら弁明を行った。
「い……いえ、今のは違うんです、父さま。つい間違ったと言いますか、言葉のアヤと言いますか、口が滑ったと言いますか……えぇと、えぇと、とにかく違うんです! あ……あっちの方は分かりませんけど、私の方は何とも思ってないんですから!!」
「そ、そんな……ルイズだけでなく、エレオノールまで……」
「だから違いますって!」
 顔を赤らめながらまくし立てるように言われても、全然説得力がなかった。
224ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g :2009/05/31(日) 14:49:00 ID:QIp5jQS/
 と、その時。
「まあまあ、父さま。姉さまもルイズも『好きな人はいない』って言っているのですから、それでいいじゃありませんか」
 カトレアが柔らかな笑みを浮かべつつ、なだめるようにして父に話しかける。
 三姉妹の中ではある意味で最も『恋愛』という事柄から遠い彼女の存在は、ラ・ヴァリエール公爵にとってある種の救いのようにも感じられた。
「む、むう……。しかしだな、カトレア」
 ……そう感じていたのだが、直後、その『救い』のはずの次女の口からトドメを刺すような一言が放たれた。
「もっとも、私にはちゃんと好きな男の人が出来ましたけど」
 カシャーン、と。
 その時、公爵の手からナイフとフォークが落ちた。
「なん……だと……?」
 狼狽を通り越して、呆然とするラ・ヴァリエール公爵。
 しかし、これに驚いたのは彼だけではない。
「ち……ち、ちい姉さま!? ナニを言ってるの!!?」
「何って……私だって恋の一つもするわよ。いけないかしら、ルイズ?」
「いや、いけなくはないですけど……」
 ニコニコと笑うカトレアに見つめられ、ルイズは思わずそれで納得しかけてしまう。
 しかし、簡単に納得するわけには行かないことが一つだけあった。
 その『相手の男』とは、一体誰なのか。
 何せ次姉はこれまでラ・ヴァリエールの領地から一歩も外に出たことがないし、自然と男性と会話をする機会も……全くないというわけではないが、かなり限定されてくる。
 しかもカトレアが惹かれたり魅力を感じたりする男となると、これは『限定される』などという言葉では生ぬるいだろう。
(『出来ました』って口振りからすると、最近に出会った人みたいだけど……)
 可能性があるとすれば…………いや、それはない。
 あんな何を考えてるのか分からなくて、研究以外に興味の対象が見当たらなくて、感情の起伏すらほとんど無さそうで、自分に対して一度も笑ったこともなくて、いつまで経っても他人行儀なヤツに、まさかちい姉さまが心を動かされるなんて。
 そんなことはまず有り得ない、はずだ。
(それに……ちょっとやそっと一緒にいたくらいで良さが分かるほど、アイツは分かりやすいヤツじゃないんだから)
 …………まあ、ルイズの脳裏に浮かんだ可能性は完全に排除するとしても。
 今までずっと浮いた話の一つすらなかった次姉がこういう話題を自分から持ち出してきたということは、喜ぶべきことなのだろう……と思う。少し複雑だが。
 うぬぬと唸りつつルイズがそんなことを考えていると、カトレアはくるりとエレオノールの方を向いて『にこやかに』語りかける。
「エレオノール姉さまは誰も好きな人なんていないんですから、別に私が誰を好きになろうと構いませんわよね?」
「……どういう意味なのかしら、カトレア?」
「さあ、どういう意味なんでしょう?」
 妙な感じに空気を張りつめさせていく長女と次女。
 ちなみに、何故かカリーヌだけは眉をひそめつつも無言である。
「おお……、お……」
 そして茫然自失の状態からどうにかして復帰したラ・ヴァリエール公爵は、震える声で娘に質問する。
「カ……カカ、カ、カトレア。こ、この際、お前の想い人とやらが誰なのかは問わないことにしよう……。だが……せ、せめて、馴れ初めを……い、いや、その男のどこが気に入ったと言うのだ?」
 顔も声も名前も知らない『謎の男』の正体の一端でも掴もうとする、公爵のあがきであった。
 だが。
「どこ、と言われましても…………一目惚れみたいなものですし」
「ひ、ひとめぼれ?」
「はい」
 公爵は、その娘の言葉を聞いてフラッ……と倒れてしまった。
「ああっ、旦那さま!」
 傍に控えていた執事のジェロームが、そんな公爵を介抱し始める。
「……まったく」
 次々と明かされる事実に翻弄される父親、何やら牽制し合っている三姉妹。
 そんな家族たちの中で、母親だけはただ一人冷静さを保っていたが……。
「……まあ、全く分からないということはないけれど……」
 取りあえず今日の訓練は少しキツ目で行こう、と思うカリーヌであった。
225ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g :2009/05/31(日) 14:51:05 ID:QIp5jQS/
「ぐ、ぅぅう……」
 痛む身体を押して、バルコニーへと向かうユーゼス。
 本当は死体のようにずっと倒れ伏していたいのだが、使い魔という立場上いつまでもダウンしているわけにもいかない。
 それに主人たちが朝食をとっている最中に寝ていたとなると、あの公爵夫人に何を言われて何をされるか分かったものではない。
「……何故こんなことに……」
 ここに来る前の予定では、本でも読みながらのんびりと過ごし、たまにエレオノールやルイズの相手をしながら平和な一時を満喫するはずだったのに。
 一体自分が何をしたと言うのだろう。いや、色々なことをしてはきたが。
「ぬ……くっ……」
 何にせよ、主人と合流する程度はしておかなくてはならない。
 上手くすれば、ルイズが間を取り成して今日の訓練が中止になる可能性だって……限りなくゼロに近くはあれど、決してゼロではないのだ。
 などと考えつつ、筋肉痛と打ち身に悲鳴を上げる身体を引きずるユーゼスだったが……。
「……む?」
「な、何故だ……。一体……一体、どこの誰が……。さ、三人が三人とも……同時にって、こんな……馬鹿な話が現実にあるわけが……」
「旦那さま、お気を確かに!」
 ふと前を見てみると、執事に支えられながらフラフラと歩くラ・ヴァリエール公爵の姿が見えた。
「……………」
「現実……そ、そうかジェローム。きっとワシはまだ眠っている最中なのだ。きっとこの夏の陽気に当てられて嫌な夢を見ているのだな。現実のワシの身体は今、ベッドの中で寝苦しさに唸りを上げながら眠っているに違いない。ハハハ、この寝ぼすけさんめぇ」
「いや、それこそ現実から目を背けてはいけませぬ!」
 ユーゼスは取りあえず一礼でもするかと姿勢をやや強引に正すが、しかし公爵も執事も自分たちのことに手一杯でユーゼスのことには全く気付いていない。
「?」
 いきなり十年ほど老け込んだように見えるが、何かあったのだろうか。
(ふむ……。やはり公爵ともなれば、色々と心労や悩みごとなどがあるのだろうな……)
 社会的地位や貴族としての立場などには興味が全くないのでよく分からないが、精神的にかなり追い詰められた経験ならばユーゼスにも何度かある。
 絶対の自信を持っていた大気浄化弾の失敗。
 独房への長期間の投獄。
 そして顔や身体のほとんどを失ったこと。
 ……いくら何でも公爵の悩みとやらがそこまで深刻とは思えないが、しかし精神的なダメージの辛さなど感じている本人にしか実感は出来ない。
(それを乗り越えられるかどうかも、また本人次第だな……)
 無責任に『頑張れ』などとは言えないが、しかし心の中で小さく声援を送りつつ、『かつて乗り越えられなかった男』は深々と礼をしながら公爵を見送る。
「だ、だって有り得ないではないか。手塩にかけて育ててきた三人の娘に、まったく同じタイミングで男の影がチラつくなんて。今までほとんどそんな話はなかったのに……ねえ?」
「『ねえ』と言われましても、実際にそうらしいのですから仕方がないではありませんか!」
「……………」
 さて。
 本日のスケジュールは、午前にルイズから乗馬の手ほどきを受け、昼食はカトレアと取って、午後は日が暮れるまでカリーヌの訓練、夕食後はエレオノールと久し振りに魔法論のやり取りを行う、というタイトな物になっている。
「……因果律を調整して疲れを消すことも視野に入れておくか」
 正直に言えばやりたくないが、この際仕方があるまい。
 しかし、もしやこんな生活が御主人様の夏期休暇が終わるまで続くのではないだろうか。
「………………考えないようにしよう」
 銀髪の男はその予想が限りなく正解に近いことに薄々と気付きつつも、今は取りあえずルイズと合流すべく、色々な痛みと戦いながら歩いていく。
226名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 14:51:17 ID:tM6ih+pl
精神コマンド『自爆』支援
227名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 14:52:27 ID:zp069f7Q
支援だ!
228ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g :2009/05/31(日) 14:53:00 ID:QIp5jQS/
 別の日。
 ルイズは自室にて悩んでいた。
 先日明らかになった『カトレアの想い人』だとか、いつまで経っても上達しない使い魔の乗馬に関して、ではない。
 いや、それらももちろん大事なことではあるのだが、そういうのとは種類の違う『大事なこと』だ。
「……………」
 アルビオンに行くのか、それとも行かないのか。
 いつまでも結論を先送りにすることは出来ないし、どちらにせよ早い内にハッキリとさせておいた方が良いだろう。
「う〜ん……」
 ルイズはまず、戦場と呼ばれる場所で自分に何が出来るのかを考えようとして……考えるまでもないことに気付いた。
 自分の『虚無』をトリステイン軍の勝利のために使い、アルビオン軍を蹴散らす。
 これ以外に何があると言うのだろう。
 と言うか、逆に言うとそれ以外に出来ることなど何もない。
 船を動かせるわけでもない。
 何か作戦を立てられるわけでもない。 
 傷付いた兵士を癒せるわけでも……いや、もしかしたらまだ自分の知らない『虚無』の魔法の中にはそういうものもあるかも知れないが、少なくとも今の自分には使えない。
 しかも、おそらくアンリエッタは『一兵士』としてではなく『強力な魔法兵器』としてルイズを使おうとしているはずだ。……もっとも、ルイズにもこれ以外の自分の使い道は思い付かないので、ある意味で仕方がないのだが。
 よって、直接戦場に立つ可能性も低いと思われる。
「……兵器」
 以前の……ユーゼスを召喚して色々な経験を積む前の自分ならば、それでも構わないと言ったかも知れない。
 だが。


 ―――「私より、ウルトラマンにでも頼んだ方が良いのではないか? 彼は地球の救世主だ。きっとこの事態を何とかしてくれるだろう」―――

 ―――「ハハハ! それはいい! ウルトラマンに支配されれば、地球の環境は破壊されずに済む! 自分の星すら満足に守れない、他力本願で自分勝手な地球人にはふさわしい支配者だ!」―――

 ―――「お前たちのように正体を隠して他文明の危機を救うのではなく、当初から絶対者として宇宙に君臨する。それが……超絶的な力を持った者の定めだ!!」―――

 ―――「私がどんなに汚れた大気を浄化しようとも……宇宙刑事たちが命をかけて犯罪者を捕まえようとも……。ウルトラマンの存在を知った人々が思うことは一つ……」―――

 ―――「……お前たちは、自分たちより弱い立場にいる者を甘やかしているだけだ。偽善者面で神を気取っているだけなのだ。お前たちは弱者の自立を遅らせている! 宇宙はお前たちの存在など必要とはしていない!!」―――


 あの夢の中のセリフが、思い起こされる。
 ……このセリフの『ウルトラマン』という部分を『虚無』に、『チキュウ』や『ウチュウ』という部分を『トリステイン』や『ハルケギニア』に置き換えてみる。
 『ウチュウケイジ』という部分は『兵士』とでも置き換えるとして。
 ―――困ったことに、違和感があまりない。
 自分は支配者になる気などは全くないのだが、それでも『虚無』は使いようによってはトリステインどころかハルケギニア全土を支配出来てしまうはずだ。
 何せ『初歩の初歩の初歩』と書かれていたエクスプロージョンですら、艦隊を壊滅させるほどの威力を持っていた。
 これがもっと強力な呪文になったら……。
「わたしの力を巡って、争いが起こるかも知れない……」
 十分に有り得る話だ。
229ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g :2009/05/31(日) 14:55:00 ID:QIp5jQS/
 ……イザと言う時には祖国を、トリステインを守るべく戦うという覚悟はある。
 これはトリステインの全ての貴族が持ち合わせている物だろう。
 誰だって、祖国が蹂躙されることを良しとする訳がないのだ。
「……………」
 そして、アンリエッタのために尽くしたいという気持ちは……あるにはある。
 幼少の頃に遊んだ、『おともだち』。
 宮廷の中で泥だらけになりながら蝶を追いかけ、一緒に侍従のラ・ポルトに叱られたこと。
 クリーム菓子を取り合って、つかみ合いのケンカをしたこと。
 ケンカの時は、大抵自分がアンリエッタを泣かせて勝利していたが……一度ならず、負かされたこともあったこと。
 アンリエッタの寝室でドレスを奪い合ったこと。
 ……思い返そうと思えば、いくらでもこうしてスラスラと思い返すことが出来る。
 これらは今でも、大切な思い出だ。
 そしていつの間にか誓っていた。
 この身は姫様に捧げるのだ、と。
「誓った、んだけど……」
 しかし、あの操られたウェールズ皇太子による誘拐事件を経て、その気持ちが薄らいだのも事実だ。
 正直、アレはないと思う。
 半ば強制的に連れ去られたのは、別にいい。これは仕方がない。
 問題はその後だ。
 『おともだち』であるはずの自分の言葉に全く耳を貸さず、正気を失っていると理解しながらもウェールズ皇太子に付き従った。
 その後、明らかに『死んでもおかしくはない』はずの威力の魔法を自分たちに向かって放った。
 仮にも一国の女王が、自分の国の貴族に向かって、である。
「うぅ〜ん……」
 そんな彼女が、自分に向かって『戦場に行け』と言っている。
 相手はウェールズ皇太子の命を奪い、あまつさえその亡骸を利用してアンリエッタをかどわかそうとしたレコン・キスタ……いや、今は神聖アルビオン共和国だったか。
 …………私怨が全く含まれていない、と見る方に無理があった。
 それに――――なるべく考えたくはないが、自分が行って、それでもなお負けたらどうするつもりなのだろうか?
 また父によれば、別に直接攻め込んでいく必要もないという。
「……戦争する意味って、何なのかしら」
 難しいことはよく分からないが、そんなに無理をしてアルビオンと戦う必要もないのではないか、とルイズは思い始めた。
 そして、まあ仮に……自分の『虚無』のおかげで、アルビオンとの戦いに勝ったとしよう。
 勝った後は、どうするのだろう。
 自分は元の学生に戻れる……訳はあるまい。
 国と国との戦争のバランスを崩すほどの力を、一人の人間が持っているのだ。
 良くて監視つきの毎日、普通に考えて飼い殺し、何かあったら戦場に投入、最悪の場合は実験動物のように扱われたっておかしくない。

 ―――「彼らは愛と凶暴さを危ういバランスで両立させている種族だからな……」―――

 ―――「奴らは『正義』という大義名分を振りかざし、自分たちの都合を押し付けているだけだ!」―――

 ―――「人間共がお前たちをどんな目で見ていたか忘れたのか? 人外の力を持つお前たちを恐れ……時には敵視し、あまつさえ戦いの道具として利用する!」―――


 夢の中の登場人物たちの言葉は、実に的を射ている。
 案外『正義』よりも彼らのように『悪』と呼ばれていた者の方が、物事を的確に捉えているのかも知れない。
「……………」
 自分の持つ力。アンリエッタへ抱いている思い。夢から得た視点。父の言葉。トリステイン貴族としての立場。未来予想図。この戦争だけではなく、今後も色々なものに与えるであろう影響。
 ルイズはこれらの要素を考慮し、一日かけて悩み……。
「…………うん、決めた」
 アンリエッタへと返答を行うべく、ペンを取るのだった。
230名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 14:56:26 ID:is9Ic5V+
支援だ!
231ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g :2009/05/31(日) 14:57:00 ID:QIp5jQS/
 トリステインの王宮では、アンリエッタが深夜だと言うのに執務室でせっせと仕事をしていた。
 アルビオンとの戦争のための準備である。
 五十隻にも渡る戦列艦の建造費、二万の傭兵、数十の諸侯に配る一万五千の武装費、またそれらとゲルマニアの同盟軍のための食料費など、諸々の資金の調達のために税率を大幅に引き上げる手続き。
 少しでも兵力を集めるために、学生仕官や平民に対しての即席訓練の場を設ける。
 戦争に反対する王宮内の人間や、各地の貴族たちへの少々強めの説得。
 そして……王宮に潜んでいた獅子身中の虫のあぶり出しと、その排除。
 とにかく、やることは山積みなのだ。
「ふぅ……」
 一息ついて、首をコキコキと鳴らすアンリエッタ。
 ……これらの仕事をこなすことは、肉体的にも精神的にも辛い。
 だが、あの憎きアルビオンに巣食う者どもを根絶やしにするためだと思えば、どうにか耐えられた。
 由緒あるアルビオン王家に攻め入り。
 自分の愛するウェールズを殺し。
 問答無用でタルブへと攻め込み。
 更にウェールズに偽りの命を与えて意思を奪い、自分を誘拐したあの者たちを根絶やしにすると思えば……辛さもどうにか誤魔化すことが出来る。
「そうよ……。あいつらはアルビオンの……ハルケギニアの歴史を否定したわ。そしてウェールズ様を殺し、このトリステインを蹂躙しようとした……。……その報いは、受けさせなくては……」
 ブツブツと呟きながら、アンリエッタは再び仕事へと向かう。
 明日には、自分をアルビオンへと手引きしようとした高等法院のリッシュモンを罠に嵌める計画を実行しなくてはならない。
 そのためにも、今日の内に片付けられる仕事は片づけておく必要があるのだ。
「……………」
 そのまま一時間も経過した頃。
 アンリエッタの執務室に、ルイズとの連絡用に使っていた伝書フクロウが飛んで来た。
「まあ!」
 それを見て、アンリエッタの顔がパッと輝く。
 アレが来たということは、ルイズがアルビオンの戦地へと赴く決心をしたということだ。
 返事が遅いのが気になっていたが……きっと父であるラ・ヴァリエール公爵を説得するのに時間がかかったのだろう。
 何せあの公爵は、この戦争に反対していると聞く。
「まったく、アルビオン打倒は今やトリステインの国是だと言うのに……」
 あのような分からず屋で頭の固い貴族ばかりだから、トリステインの国力はどんどん弱くなってしまっているのである。
 その点、娘であるルイズは違う。
 数えるほどしかいない自分の理解者の一人。
 小さい頃からのおともだち。
 最近はどうも少し印象が異なっているような気がするが、それでもルイズならば一も二もなくこの戦に賛成し、自分のためにあの『虚無』を捧げてくれるはずだ。
「もしかしたら、公爵が説得出来なくて家から脱走したのかも知れないけど……」
 アンリエッタの口から、自然と笑みがこぼれる。
 意外と行動力のあるルイズのことだ、それくらいはありえるかも知れない。
232名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 14:57:47 ID:SU9qHxcC
何だこのヤンデレ
233ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g :2009/05/31(日) 14:59:00 ID:QIp5jQS/
 トリステイン女王たる彼女は伝書フクロウがくわえていた書簡を取り出し、それを読み始めた。
 まあ、読まなくても内容は分かっている。
 アルビオンへ向かいますので、詳しい日取りを教えてください。お時間をおかけしてしまい、申し訳ありませんでした。わたしは現地で誰の命令に従えばよろしいのでしょうか。
 こんな所だろう。
 だがせっかくの親友からの手紙だ。じっくりと読むのも悪くはない。
 そして手紙を開き、その内容に目を通して……。
「……………………え?」
 そこに、書かれていてはいけない言葉を見つけた。
「は……? あれ、ちょっと、……ええ?」
 その部分を指でなぞっても、手紙を振っても、目をこすっても、ディテクト・マジックをかけてみても、何度読み返しても……その内容は変わらない。

『わたしはアルビオンには行きません』

 間違いなく、ルイズの筆跡でそう書いてある。
 そんな馬鹿な。
 『虚無』なくしてトリステインに勝利は有り得ない。
 それはルイズも分かっているはずなのに。
「…………どういう、こと?」
 慌ててその周辺の部分を読み返してみるが、『過ぎた力は使うべきではありません』だとか『そもそも積極的に攻め込むこと自体に疑問を感じます』だとか書いてあるだけ。
 これではまるで、王宮内の戦争反対派たちの言い分ではないか。
 しかも。

『幼少の頃よりの友人としての頼みです。どうか賢明なご判断をお願いいたします』

 末尾にはそんなことが書いてある。
 ふざけるな。
 本当に友人だと思っているのならば、自分の頼みにはためらいなく頷き、従うべきではないのか。
 事実、あのアルビオン行きを命じた夜はそうだったではないか。
「っ、ルイズ……!!」
 彼女は自分のウェールズに対する想いを知っていたはずなのに。
 自分があのアルビオンの者どもから受けた、非道な仕打ちを目の当たりにしたはずなのに。
 それなのに、何故、自分を裏切るのだろう。
「……どうして……どうしてなの……!! どうして!!!」
 グシャリとルイズの手紙を握り潰し、目に涙すら浮かべて叫ぶアンリエッタ。
 ―――その激情と独りよがりな思考が今の結果を招く一因となってしまっていることに、彼女は気付いていなかった。
234名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 15:00:38 ID:sKdrBCnv
しえん
235ラスボスだった使い魔 ◆nFvNZMla0g :2009/05/31(日) 15:01:10 ID:QIp5jQS/
 以上です。

 むう、ギャグとシリアスの配分って難しいですな。
 この辺の緩急のバランスってのは、どうやったら使いこなせるようになるのでしょう。

 さて。
 アンリエッタヘイトみたいになっているのは承知の上で言いますが、私の目には『この時点での原作のアンリエッタ』はこんな感じに見えています。
 で、そんなアンリエッタを『ユーゼスの影響を受けたルイズ』がどう判断するだろうか、と考えた結果、こうなりました。

 て言うか、ですね。
 ただでさえ複雑な『戦争』という題材に加えて、虚無の魔法が全体の戦局に与える影響とか、それに対するユーゼスの意見とか、そろそろアインストも本格的に動かさにゃならんとか、その他もろもろとかを盛り合わせるとなると、とても私の手には負えんのです……。
 スパロボみたいにピンポイントの戦いをやってたらいつの間にか大局でも勝利してた、というのならまだしも、真面目に考えるとかなりキツいんですよ、これが。

 某漫画家風に言うと……。

「戦争には『一発逆転』とか――『一撃必殺』とかがないんだよ!!
 『流れ』なんだよ! 『流れ』!!
 そんな難しいもの、俺に書けるものか――っ!!」

 という所でしょうか。
 そりゃもう切実にww
 しかしそう考えると、本格的に戦争を題材にした作品のシナリオライターさんは凄いですよねぇ……。

 ともあれ、アルビオンとの戦争自体は展開されますし、その描写もするつもりです。
 ……まあ、このためにあのキャラに対して色々と強化策を練ってきたのですが。

 それでは、支援ありがとうございました。
236名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 15:01:16 ID:tM6ih+pl
こりゃアリエッタに未来は無いな
237名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 15:01:38 ID:SU9qHxcC
なんか逆に事態が悪化しそうな悪寒
238名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 15:01:51 ID:sKdrBCnv
おつおつ
239名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 15:05:59 ID:tM6ih+pl
乙でした
アンリエッタは表現過激ですがまぁ大体こんなもんですわなぁ
ユーゼス・・・まさか戦線に参加ですか?
心臓停止で済むんでしょうか
ふと他の作品だとこの頃〜なんて考えてて思い出しましたが
ワルドってもうこっちじゃ故人なんですねぇ

>>236
つーか、なんだ俺、アリエッタって、六神将か
240名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 15:11:59 ID:+is58NlI
イオン様をかえして
241名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 15:14:29 ID:is9Ic5V+
いやその、そんなこといわれてもな、アンリエッタってまだ17歳の小娘だぜ?
それで曲がりなりにも国を割ることなく対レコンキスタ戦を勝利まで持ち込んだんだ。

アンリエッタがラ・ロシェールに率先して迎撃に向かわなければ座して
トリステインは滅亡していたんだしね。

虚無で通常の未来予想や定石がことごとく破壊されてる状況でよくやったもんだと思うよ。

たった 1 7 歳 の小娘なのに。
242名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 15:24:27 ID:qfuM3F7O
ラスボスの人乙です。
まぁこのルイズならそうするわな。
あとユーゼスイ`w
243名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 15:26:07 ID:nTQvmlCG
物語の必然なら、過激になり過ぎない範囲で何でもOKです。
だってクロスする時点で原作とは違う方向に行くのは避けられないんだから。
244名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 15:39:26 ID:360qadqe
>>243
なんか封神演義(マンガ)の最終回を思い出した
245名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 15:41:23 ID:4XFw4AbV
ヴァリエールは軍役免除金を払うだけで済むはずだったのが、
ルイズも従軍しないと言い出したら、
国家反逆罪が適用されるとかあるんだろうか?
246名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 15:46:24 ID:bAQnLWMa
>>245
なんで劣等生の小娘なんぞ従軍させようとするのか
なんで「無能メイジが従軍とかねーよw」という至極当然のリアクションに対して反逆罪とかのたまうか
ゼロのルイズが虚無? じょ、女王陛下がご乱心だ!

ってなる。
247名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 15:47:03 ID:U/nQK+je
力関係的に無理。
欧米の公、侯、伯爵クラスになると
自分の部下として抱えてる兵隊も多いし領地も広い。
下手すると国王より力や影響力持ってるってのもザラにいるから、
そんな暴挙に出ると国を割っての戦争に成りかねない。
特に公爵って王家の親戚だしね。
248名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 15:47:48 ID:b1tlmLoA
アリエンコッタ
249名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 15:48:45 ID:Ar3TTKJw
流石にこれは演出過剰かなぁ……荒れないことを祈る。
250名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 15:49:26 ID:bAQnLWMa
パンナコッタ
251名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 15:50:26 ID:IDvYsQZu
毒吐きで好きなだけ盛り上がるといい。
あとアン様は可愛い。
252名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 15:53:35 ID:IGloyELv
ナタデココナッツパンナコッタピオカ?
253名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 15:54:06 ID:Ar3TTKJw
いや、毒でやってくれる分にはいいんだけどさ……最悪の例があったからさぁ。
杞憂だといいんだけど。
254名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 16:08:21 ID:6TMVDA9+
「戦争には『一発逆転』とか――『一撃必殺』とかがないんだよ!!
 『流れ』なんだよ! 『流れ』!!
 そんな難しいもの、俺に書けるものか――っ!!」


これって元ネタ何?
255名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 16:21:21 ID:SQ6W9rSN
俺も知りたいな・・・
ノリ的に島本和彦っぽいけど、なんだろ?
256 :2009/05/31(日) 16:37:50 ID:Pp1jWZrv
ラスボスの人、乙です。
もうまとめwikiに掲載されてるしw

アンアンも大変だなあ・・・
この後、どうすんだろ?
まさかユーゼスが何らかの方法で助けて今度はユーゼスフラグとか!?

そうなるとますますルイズとアンアンの仲が壊れる気がするけどw
257ウルトラ5番目の使い魔:2009/05/31(日) 16:43:03 ID:1D7R3DXC
ラスボスの人、今回もGJでした。私もファイルはできるだけwikiの1ページ分に収まるように書こうとしてるんですが、
書いているうちにすぐにオーバーしてしまって、本来ならもうアルビオンに上陸していたいのに足踏みしています。
それはそうとしてデルフ不遇、捨てられないだけまだましか。
それにしても、とうとうカリーヌ様にまでフラグを立て始めたユーゼスには心底脱帽、ヴァリエール公爵がさらに不憫。
まさかカリーヌ様がユーゼスを鍛えるとは、高山我夢がモロボシ・ダンの特訓を受けるよりさらにひどい、けどだからこそ見てみたい。
しかしユーゼスはウルトラ兄弟のことはよく知ってるみたいですが、地球が遣わしたウルトラマンであるガイアやアグル、
怪獣を救うために戦うコスモスは彼から見てどう映るのでしょうか。

さて、改めましてこんにちは皆さん、それでは今週分、何の因果かこちらでもカリーヌ様が主役ですが、第50話を
投下開始しようと思います。
今回のレス数は11、開始時刻は00狙いで、16:50より開始いたします。
なお、ウルトラマン・オフィシャル・データ・ファイルの定期購読しようか考え中です。
258イレズミの使い魔 代理投下:2009/05/31(日) 16:43:21 ID:Pp1jWZrv
代理投下スレにあったのをいきます。

よろしいでしょうか?

作者さんいわく・・・

練習としてできた一話をアップしようと思うのですが大丈夫でしょうか?
元ネタは真・女神転生Vノクターンマニアクス 人修羅を召喚です。
ネタ被りでちょっとあれですけど。

259名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 16:44:40 ID:4XFw4AbV
>>ともあれ、アルビオンとの戦争自体は展開されますし、その描写もするつもりです。
>>……まあ、このためにあのキャラに対して色々と強化策を練ってきたのですが。

ギーシュ大活躍?
260イレズミの使い魔 代理投下:2009/05/31(日) 16:44:49 ID:Pp1jWZrv
ウルトラの方、お先にどうぞです。
私はまた後ほど・・・・
261名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 16:46:00 ID:d8GD3hlc
50話記念支援
262名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 16:46:59 ID:u98o0S66
んまぁ説得するなら直接会って話し合うべきなんだろうけど
それはそれで危険だしなぁ、軍に『兵器として』拘束されるかもしれんし
263名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 16:50:17 ID:kA/l5WFn
五十話突入おめでとうございます支援
264名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 16:52:59 ID:SU9qHxcC
しかし本編でルイズが「やっぱり戦争には反対です」と言ってたらどうなってたんだろ?
265ウルトラ5番目の使い魔 第50話 (1/11):2009/05/31(日) 16:53:14 ID:1D7R3DXC
 第50話
 間幕
 『烈風』カリンの知られざる伝説
 霧の中の吸血鬼
 
 吸血怪獣 ギマイラ 登場!
 
 
 今から30年前の暑い夏の日、山賊たちから佐々木たちを救ったマンティコア隊の一群は、負傷者と盗賊の移送に
後方に下がった一隊を残して、タルブ村の周囲を警戒しつつ普段の半分ほどの速度で飛んでいた。
 そんななか、先頭に立つ巨鳥ラルゲユウス、この世界の名をノワールと名づけられたその背の上には主人たる
『烈風』カリンのほか、佐々木武雄、その娘レリア、アスカ・シン、それから彼らに助けられた謎の少女ティリーが乗っている。
「なるほど、報告にあったとおりだな。すごい霧だ……」
 『烈風』カリン、本名カリーヌはタルブ村とその周辺をすっぽりと傘のように覆いつくす霧を見ていぶかしげに言った。
地図でいうタルブ村のある場所を中心に、その周囲数リーグの森や山を白煙のような霧が包み込んでいた。
そのせいで、中の村の姿はまったく見えない。
 これを見て、一月前に村を出てきた佐々木やレリアはこの異常事態に驚き、村に残してきた家族の身を案じたが、
カリーヌから村の様子を聞かれて慌てて答えた。
「この辺は、このような霧が発生することがあるのか?」
「いいえ、多少曇ることはありますが、こんなミルクをぶちまけたような濃い霧が出たことは、私が住み着いてから
30年、一度もありませんでした」
「だろうな……」
 カリーヌは佐々木の言を得て確信した。『風』系統の魔法使いである彼女は、村を覆う霧の異常性に最初見たとき
から気づいている。風が吹いてないわけでもないのに、表面がわずかに波打つだけで動く気配がまったくない。
それ以前に、今日の天候はとても暑く、空には分厚い雲が立ち込めている、とても霧が発生するような気候ではない。
 となれば、誰かが意図的に作り出したものと見るべきである。カリーヌはさっそく『水』系統の部下に調査を命じ、
すぐさま何騎かが霧に近寄ってディテクトマジックなどで霧を調査し始めた。
「へえーっ、魔法ってのは便利なもんだな」
 その様子を見ていたアスカが、物珍しそうにマンティコア隊の姿を見ているのを見て、レリア、後のシエスタの母は
不思議そうにアスカの顔を見て言った。
「魔法が、そんなに珍しいんですか?」
 実際、平民であるレリアも魔法を見る機会にはそう事欠かない。用水路や新しい畑を作るときには『土』のメイジが、
雨が長期間降らないときには『水』のメイジが派遣されてくることはよくある。貴族たちも、税収が少ないよりは
多いほうがうれしいわけで、幸いこの当時のタルブ周辺の領主はそれなりに物分りのよい有能な人物だった。
「ん? 俺はけっこう遠いとこから来たんでな。俺のとこじゃいろんな道具を使って調べたりするんだ」
「へー、そういえば、アスカさんって変わった名前ですよね。なんて国から来たんですか?」
 そう聞かれたアスカはひと呼吸置くと、じっと村のほうを見ている佐々木のほうをちらりと見て、わざと向こうにも
聞こえるように大きな声で言った。
 
「日本」
 
 そのとき、平静を装っていた佐々木の肩が電気を流されたかのように震えたのを、彼の孫娘は見逃さなかった。
「おじいちゃん、どうしたの?」
「い、いや、なんでもない。ちょっと待ってなさい」
 佐々木は孫娘に待っているように言うと、アスカをノワールの尾羽のほうまで連れて行って、耳元で話しかけた。
266ウルトラ5番目の使い魔 第50話 (2/11):2009/05/31(日) 16:54:28 ID:1D7R3DXC
「アスカくん、薄々思っていたが、君も……地球人だったのか」
「やっぱり、あんたもそうだったのか……ササキなんて名前、こっちじゃまず無いからな。けど、俺以外にも地球人が
この世界に迷い込んでいたとはな……」
 佐々木とアスカはお互いに顔を見合わせて、アスカはやや茶髪がかっているが、この世界の人間にはまずない
黒い髪と瞳を合わせた。
「それで、君はどうしてこの世界へ?」
「俺は、どう説明したもんかな……俺はTPCのスーパーGUTSの隊員なんだけど、怪獣と戦ってる最中にできた
ワームホールに飲み込まれて、気づいたらこの世界に来ちまってたんだ」
 アスカはそう言って、隊員服についたスーパーGUTSのエンブレムを見せたが、佐々木は少々怪訝な顔をした。
「TPC?」
「地球平和連合、知らねえか? じいさんいったいいつ頃こっちに来たんだ?」
 佐々木は30年前と答えて、アスカはそれならばしょうがねえなとうなづいた。彼がやってきた時代は普通に
怪獣が出るが、その十数年前までは怪獣の出現などはなく、スーパーGUTSの前身であるGUTSも元は
非武装組織だったのだ。
 ただ、その次に佐々木が言ったことは、今度はアスカを戸惑わせた。
「そうか……私のいない間にそんなに地球は変っていたのか。30年も経てば当然か、思えば、怪獣頻出期から
でさえ25年も経っていたからな。私は、昔はこう見えてもCREW GUYSの隊員でね。怪獣ディノゾールとの
戦いの際に乗機ごとこっちに送られてしまって、それ以来こっちに住んでいる。なあ、30年前のディノゾールとの
戦いは結果はどうなったんだ? 防衛チームの一員なら知っているだろう」
「ち、ちょっと待ってくれよ! GUYSにディノゾールって、あんた何言ってるんだ」
 アスカの慌てた言葉に、佐々木のほうが何を言っているんだという顔をした。
「何って、1981年のUGMによる怪獣マーゴドン撃破で怪獣頻出期が終わったことくらい知ってるだろ、それから
25年怪獣は出現してこなかったが、念のために地球防衛組織としてGUYSが残った。けれど、私が在籍していた
2006年に宇宙怪獣ディノゾールが来襲してきたんだ。そのくらいのことは、ニュースでも放送されていたはずだが?」
「いやいやいや……日本に怪獣が出たのは、2007年のゴルザとメルバが最初のはずだぜ、って、2006年? 
俺の来たのは2020年だぜ!」
「なに? 私の来た時代から10年少ししか経ってないじゃないか……」
 そこでようやく、二人はお互いの間に大きな食い違いがあることを認識したのだった。地球から来たというだけで
無条件に相手を同じ世界からの来訪者だと思ったが、まったく話が合わない。
 気を落ち着けて、両者はあらためてお互いの地球のことをもう少し正確に説明しあった。主に、代表的な怪獣や
防衛組織、起こった事件、そしてウルトラマンのことを。
 
「超古代から蘇った怪獣たちとウルトラマンか……だが、ティガやダイナというウルトラマンは聞いたことがない」
「俺だって、ウルトラ兄弟なんて呼ばれるほどたくさんウルトラマンがいるなんて信じられねえよ。ウルトラセブンに、
ウルトラマンAって名前も……知ら、ないしなあ」
 アスカは、知らないと言いかけて、何か心に引っかかるものを感じた。確かにこの場で初めて聞いたはずなのに、
なぜかそんな気がせず、佐々木の言葉を完全否定することができない。
 二人とも、相手が根も葉もないでたらめを言っているのではないか、自分をだまそうとしているのではないかと
一瞬思ったが、すぐにそれを否定した。地球のことを知っているのは地球人以外にはありえない。しかしそれにしても、
こうまで突拍子もないうそをつく必要もない。
 けれどそうして二人して頭をひねっていると、ふいにアスカの脳裏にある単語が浮かんできた。
「もしかして……俺とじいさんは、似ているけどちょっと違う地球から来たのかもしれねえなあ」
「それは、どういうことかね?」
「いや、俺の友達から昔聞いたことなんだけどな。多次元宇宙論って言って、この宇宙はよく似ているけど少しずつ
違う世界が無数に存在してるっていうんだ」
「つまり、私の来たウルトラ兄弟のいる世界や、君の言うティガやダイナのいる世界というわけだな。そんな馬鹿な、
とも言えないな、すでにハルケギニアなんて異世界に来ている身だ」
267ウルトラ5番目の使い魔 第50話 (3/11):2009/05/31(日) 16:56:10 ID:1D7R3DXC
 佐々木は、そういえばこのハルケギニアのある星は地形が地球と極めてよく似ていたなと思い出し、アスカの説を
否定しきれない材料があるなと思った。それに、このアスカという青年はどう見ても嘘をつけそうな風ではない。
むしろ、おやつをつまみ食いしたのさえごまかせないような単細胞というか、おバカな感じが伝わってくるというか。
「ふむ、わかった。完全にではないが、君を信用することにしよう。それにしても、多次元宇宙論なんて難しい理論を
よく知っているな。その君の友人というのは学者かなにかかい?」
「ああ、天才って言われてたぜ。名前は……あれ?」
 アスカはそこで、誇らしく口に出そうとしたその名前を思い出せないことに気づいた。なぜだろう、小さなころから
よく知っていたはずなのに思い出せない。いや、小さなころから? 自分が小さいころにそんな友達がいたか? 
そいつは天才と言われていて……でも……思い出せない。まるで、自分のなかにもう一人の自分がいて、その
記憶を覗いているみたいだ。
「アスカくん? どうしたね」
「いや、なんでもない……ド忘れかなあ。けど、俺もあんたの言うことを信じるぜ」
 それはアスカの理性というよりは本能によって出された答えだった。曖昧な記憶のことはひっかかるが、
この老人はなぜか信じていいという気持ちが胸の奥から沸いてきたのだ。アスカと佐々木は軽く笑みを
かわすと、がっちりと手を握り合った。
 そんな二人の様子を、レリアとティリーはさっきから不思議そうに眺めていた。彼らの話はときたま聞こえてくるが、
彼女達には意味の分からない言葉ばかりで、具体的に何を話しているのかはさっぱりわからない。けれど、
笑みをかわして手を握り合ったところから、なにかいい具合に話がついたのだとは予想がついた。
「おじいちゃん、アスカさんと何を話してるの?」
「あ、レリア……いやな、アスカくんは私の来た国と近い国から来たみたいなのでね。懐かしくてつい話し込んでしまった」
 佐々木はそう言ってなんとかごまかした。これまでの話を説明するのは無理すぎる。
 また、アスカも適当に笑ってごまかそうとして、ティリーと話していた。
「アスカさんって不思議な人ですね。どんな人ともすぐに仲良くなっちゃって、私は人と付き合うのが苦手ですから
うらやましいです」
「買いかぶりだって! 俺なんて新人のころから隊長にもみんなにも迷惑かけっぱなしでさあ……ヒビキ隊長に
コウダ隊員、みんな元気にしてるかなあ……」
「お国にも、お友達が大勢いらっしゃったんですね。私も、故郷に残してきた人たちがいますから……もう、
遠くて帰ることはできませんが」
 憂いげにつぶやくティリーを見て、アスカはなんとなく不思議な感じがした。彼女とは三日ほど前にたまたま
道で会ったのだが、この世界の土地勘がなくて行き倒れかけていたアスカを拾って食事を与えて、アスカが
行く当てが無く、金も持っていないことを知るといっしょに行かないかと誘ってくれた。それでアスカは恩返しの
ボディガードもかねて馬車に同行させてもらっているのだが、馬車の中や寝るときも帽子を離さないし、たまに
ハルケギニアの常識に対してアスカでもしないようなボケをかます。例えばリンゴひとつを買うのに金貨を
出そうとしたり、ちょっとした泉を見てこれが海かと驚いたりといったふうである。彼女いわく、自分は遠い砂漠の
国から来たそうだが、それにしてもミステリアスな少女であった。
 
 
 だが、そうして長話をしているうちに状況は変わっていったらしい。調査をしていたマンティコア隊の隊員から
隊長に、「魔法の反応は一切ありません」と報告があり、カリーヌはすぐさま次の指示を下していた。
268ウルトラ5番目の使い魔 第50話 (4/11):2009/05/31(日) 16:56:52 ID:1D7R3DXC
「よし、第二小隊は霧の中に突入して中の様子を偵察してこい。ただし、住民の安否を確かめるのが先決だ。
なにかあっても手出しはせずに一旦戻れ」
「了解」
 命令を受けた第二小隊の5名ほどの隊員は、無駄な動作をせずに霧のなかへとそれぞれ飛び込んでいった。
 それを後ろからじっと見ていたアスカと佐々木は、嫌な予感が走るのを覚えていた。確かに魔法の反応は無い、
しかし自然の霧がこんな気候の中で流れもせずに停滞し続けているのは気象学的に素人でもありえないと思う。
だが、魔法の反応が無い以上、危険は低いものと判断したカリーヌの判断を不注意だと笑うことはできない。
地球でも科学的な裏づけがないからと怪獣の存在を否定して事件を未然に防げずに、被害を拡大させて
しまった例は両手両足の指を使いきっても足りないのだ。
 突入していった隊員たちのマンティコアは霧に覆われてすぐに見えなくなり、また再び待ちの姿勢に戻った。
誰も私語など一切せぬ中で、5分が過ぎ、10分が過ぎ、暑さで汗が額から滑り落ちていく。
 だが、20分、さらに30分が過ぎても入っていった隊員たちは誰一人戻ってこないことから、カリーヌたちは
まだしもアスカなどがしびれを切らせてきた。
「おっせえなあ。いったい何してんだ」
 そんなアスカの態度に、カリーヌは眉をぴくりと動かしたが、それ以上のことはしなかった。彼女も、いくら
なんでも帰りが遅すぎる。村ひとつ飲み込んでいるとはいえ、霧の影響範囲はそう広くは無い。万一中で
迷ったとしても上昇すれば霧からは抜けられるし、5人が5人とも帰ってこないとはおかしい。
「隊長……」
「わかっている。こうなれば……ぬ? 戻ってきたか」
 しびれを切らしかけた副隊長の言葉にカリーヌが動きかけたとき、霧の中から偵察に行っていた部下達が
5人いっせいに現れた。見たところ、傷などを負った様子もなく、全員粛々とこちらにやってくる。
「遅かったではないか、いったい今まで何をやっておった?」
 副隊長がいらだちを見せて5人の騎士に近寄る。だが、彼が近寄ろうとしたときに彼らは変貌した!
 虚ろな表情で顔を上げた彼らは、そのまま杖を掲げて副隊長に攻撃魔法を撃ったのだ。
「な!? 貴様ら」
「下がれ!! ゼッサール!!」
 隊長の言葉に反射的に反応して身を引いた副隊長のいた場所で、5人の騎士とカリーヌの魔法が
ぶつかり合って爆発を起こす。が、5人の魔法の攻撃力の合計よりカリーヌの魔法の威力が勝っており、
爆風はそのまま5人を襲って、彼らを地面の上へとなぎ倒した!
「なっ、なな!?」
「第三小隊、第二小隊の5名を捕縛せよ。薬物、もしくは魔法による精神操作がかけられている恐れが
ある。衛生兵はただちに原因を究明して治療せよ!」
 うろたえている副隊長を尻目に、カリーヌは迅速にその後も指示を下していった。
 まず、部隊を霧から一定距離離し、一部隊を警戒に当たらせて防御布陣を敷き、霧の中に潜む何者かへの
備えを固めることで、衛生兵が安心して拘束した偵察隊になにが起こったのかを調査させる。それにかかった
時間はおおよそ1分以下、アスカや佐々木から見てもびっくりするくらいに見事な指揮ぶりであった。
269名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 16:57:50 ID:lDDJNWMD
しえん
270ウルトラ5番目の使い魔 第50話 (5/11):2009/05/31(日) 16:57:56 ID:1D7R3DXC
「すげー……ヒビキ隊長の女性版みてえ」
「セリザワ隊長にしごかれてた頃を思い出すな……」
 カリーヌの顔の下半分は鉄の仮面に覆われて、素顔はよく見えなかったが、女性の身でありながら、
冷静沈着即断即決な指揮に二人は感嘆を禁じえなかった。
 やがて、衛生兵から偵察隊には魔法で操られた形跡はなく、薬物による洗脳、恐らくは霧と共に
毒物を吸引させられた可能性が高いという報告が上がってきて、カリーヌは全軍に警戒態勢から戦闘態勢に
移行するように命令を下した。
 
「毒の霧に身を隠して立てこもるか……姑息なことを考えたものだな」
「しかし、これではうかつに侵入できません、どういたしますか?」
 タルブ村を覆う霧は、相変わらず村の周囲に立ち込めて動く気配がない。もはやこれが人工のものであることは
明らかとなったが、うかつに飛び込めば偵察隊の二の舞になる。ただし、これが並みの部隊であったのなら
手詰まりになったかもしれないが、これは『烈風』の率いる部隊である。
「簡単だ。霧を吹き飛ばせばいい」
 事もなく言い放ったカリーヌは杖を振るうと、霧の上空をかすめるように『カッター・トルネード』を放った。
瞬時に形勢された巨大竜巻が、横殴りに巨大なグラインダーのように霧を削っていく。
「うわーっ……すげー」
 その圧倒的な光景に、アスカはアホのように口を開いて見とれていた。まだハルケギニアに来て日が浅い
アスカにとっては、まだまだ魔法というのは新鮮で刺激的なものだった。
 だが、急激な気圧差と気流を生み、周囲の森の木々すら引き込みそうな勢いの竜巻にさらされながら、
霧の固まりは表面を振るわせる程度でビクとも動く気配がない。
「やはり、ただの霧じゃないな……」
 『カッター・トルネード』を解除して、カリーヌは憮然とつぶやいた。周りでは、隊長のスクウェアスペルが
通用しないことで隊員たちがとまどいの声をあげているが、そのようなものに構っている暇は無い。
 それにしても、これはいったいなんなのかとカリーヌは思考をめぐらせた。村ひとつを包み込むほどの
毒の霧を発生させ、なおかつ魔力を一切検知させない方法など聞いたこともない。ならば、精霊の力を
使うという先住魔法の類か? 毒の霧に包まれたタルブの村は、いまだに沈黙を守っている。
 しかし、考えてもらちがあかないとカリーヌは後ろを振り返り、現地協力者たちに声をかけた。
「ササキ、最近タルブに何か変ったことはなかったか? これだけのことだ、お前たちが村を出る前からも
前兆が現れていた可能性もある」
「はあ……」
 佐々木は頭をひねって考えたが、特にこれといって思い浮かぶことはない。出かける前も、タルブ村は
いつもどおりに平穏だった。けれど、彼の後ろから娘のレリアが手を上げた。
「あのー……いいですか?」
「なんだ?」
 祖父の後ろから貴族を恐れておずおずと顔を出しているのは、才人に会ったころのシエスタとよく似ている。
「一週間ほど前なんですけど……夜中に山小屋の窓から、タルブの方向に流れ星が落ちていくのが
見えたんです」
「流れ星だと?」
「はい……夜中に目が覚めて……すごく大きくて、真っ赤な……そのときは夢かと思ったんですが」
「ふむ、流れ星か……悪いが、それだけでは手がかりにはならんな」
「すみません」
 残念ながら、カリーヌはレリアの話を重視することはなかった。善意で言った者をけん責するようなことは
しないが、流れ星などというありふれた自然現象が関係しているとは彼女には思えなかった。
271ウルトラ5番目の使い魔 第50話 (6/11):2009/05/31(日) 16:58:36 ID:1D7R3DXC
 レリアは緊張と恥ずかしさのあまり顔を赤くしてうなだれている。無理もない、彼女にとっては貴族にものを
申すという、なけなしの勇気を振り絞ったことが空振りに終わったのだから。だが、防衛チーム出身の佐々木と
アスカは別の感想を持っていた。
「流れ星か……臭いな、それは」
「ああ、怪獣の卵か……宇宙船か」
 二人の世界のどちらでも、奇妙な流れ星のあった後に事件が発生したという事例は数え切れないほどある。
宇宙怪獣か、もしくは宇宙人か……けれども、残念ながらそういった経験を持たないカリーヌたちは、充分に
用心はしているのだろうが、なおも霧の中への突入をあきらめてはいなかった。
「第一、第三小隊突入用意!! 私も行く」
「お、おいおい!! あれは毒の霧だってわかったんだろ!! 無茶じゃねえか」
 ためらいもなくそう言い放ったカリーヌに、なにを考えてるんだとアスカは叫んだが、もちろんカリーヌにも
考えはあった。
「心配いらん、風の防壁で自分達の周りに空気の球を作り、霧に侵入されるのを防ぐ。本来は水中に
潜るときに使う手だが、吸い込まなければ毒の霧とて問題はない。それよりも……」
 カリーヌは一呼吸置くと、一行を見渡して冷然と言い放った。
「お前たち、悪いがこのまま連れていくのは危険になった。離れた場所に衛生兵といっしょに下ろすから、
そこで片がつくまで待っていろ」
「えっ!? 今更なに言うんだよ!」
 最初は彼らが役に立つかもと思い、同行を許可したカリーヌだったが、事態の悪化によってためらわずに
彼らを下ろす判断をしていた。アスカなどは抗議したが、カリーヌは一度した決断を変えようとはしなかった。
「悪いが、民を守るのが軍隊の絶対の存在意義だ。民を危険に合わせて事態に当たるようでは本末転倒、
これ以上は協力を超えてしまう。軍の規律に合わせても、お前たちを連れてはいけん」
 そう言われては、これ以上文句も言えない。そもそも始めからかなり無理を言って連れてきてもらったのだ。
 また、彼女の指揮官としての態度や気構えにはアスカや佐々木も正直感心していた。判断力、決断力が
あるだけでなく、『自分たちは何のためにいるのか』ということをよくわきまえている。きっと、常に正しい判断が
できるように心に強く抑制をかけているのだろう。そんな相手に向かって、規律を曲げてまで手伝わせてくれと
言っても聞いてもらえるとは思えない。
 だが、優秀な指揮官が常に正しい判断をするとは限らない。ハルケギニアの作戦行動の基準でいえば
正しいのだろうが、佐々木やアスカから見れば怪獣か宇宙人が潜んでいるかもしれない場所にのこのこ
踏み込んでいくのは危険すぎる。けれども、それをこの世界の人間に説明するのは至難の業だ。ならば
自分達としてはどうするべきか。
 カリーヌの使い魔の巨鳥ノワールが着陸するまでの間に考えた結果、佐々木は思い切ってもう一度
カリーヌに進言してみた。
「隊長どの、霧の中での案内役は必要ではありませんか?」
「案内役?」
 佐々木は、この霧の中では手探りで進むことになるだろう。タルブは小さな村だが、丘もあれば大きな家や
林もあるので、そうすればいくら数がいるとはいえ迷ってしまう、恐らく霧を発生させた奴は、村の中央の
村長の家あたりに潜んでいるかもしれないからそこまで案内する。原因が見つかれば、あとは適当な隊員に
外まで送ってもらえればいいと懇願し、カリーヌは考えた結果佐々木一人のみの同行を許可した。
272名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 16:58:52 ID:FyxQgucF
支援
273ウルトラ5番目の使い魔 第50話 (7/11):2009/05/31(日) 17:00:09 ID:1D7R3DXC
 これで、もし中で何かあっても土地勘のある佐々木が同行すれば、危機を回避できるかもしれない。後は
外のことだ。佐々木はレリアとアスカを近くに呼ぶと、耳元で短くささやいた。
「レリア、アスカくんを私のあれのところまで案内してあげてくれ、いいな」
「うん、おじいちゃん」
「なんだい、アレって?」
「そこへ行けば、すべて分かるはずだ。頼む、黙って聞いてくれ」
 その真剣な表情に、アスカはそれ以上の詮索はやめてうなづいた。
「ありがとう……では、これを持っていってくれ」
 佐々木は懐からオレンジ色をした小さな機械をアスカの手に握らせた。
「これは?」
「GUYSメモリーディスプレイ、あとのことはレリアから聞いてくれ」
 それは、佐々木がこの世界にやってきてから、これだけはGUYS隊員の証として肌身離さず持っている
ものだった。それを託すということは、本気で信頼して頼ってくれている証である。アスカはそれを大事に
受け取ると、右手の親指を立てるグの形にして答えた。
「ラジャー!」
「?」
「スーパーGUTSの了解のあいさつだよ。じゃあ、佐々木さんも気をつけろよ」
「フッ……G・I・G」
 
 霧の前では、マンティコア隊の隊員たちが風のメイジを中心にして、次々に空気のドームを作っていた。
地球ではガスマスクをかぶるだろうが、この世界にそんな気の利いたものはない。アスカたちを後ろに置き、
カリーヌも杖を振るって空気のドームを作った、大きさは半径およそ20メイル、ほかの隊員達のおよそ5倍はある。
「よし、全隊マンティコアに騎乗では危険なので、徒歩で中を探索する。第一目的は村人の安全の確保、
第二目的は霧の元凶の発見とこれの停止だ。中で何が待っているかはわからん、くれぐれも用心してかかれ、
私が村の中央を目指す。第一小隊は左翼、第三小隊は右翼を探索だ。では、全隊突入!」
「はっ!」
 隊員たちは一糸乱れぬ敬礼をすると、そのまま霧の中へと突入していった。もちろん、カリーヌと佐々木も
同様に、この危険極まりない中へと足を踏み入れる。
 頼むぞ、アスカくん……
 霧の中へ消える寸前、佐々木とアスカは目で会話し、レリアに案内されてアスカは駆け出した。
 ……待ってろよ、じいさん。
 その、霧の中と山の中へ去っていく者達を見守りながら、ティリーは無事を心の中で祈っていた。
 ……あなた方に、大いなる意思のご加護があらんことを……
 
 タルブ村の中は、完全に白い闇に包み込まれていた。
「まるで雲の中を歩いてるみたいだな……」
 1月前には村人達が今年のぶどうの出来高でも考えながら歩いていた道も、今では人間を寄せ付けない
毒の霧で覆われていて、不気味な沈黙に支配されている。
「ササキ、村長の屋敷はこのまま進めばいいのか?」
 先頭を自然体の、いつでもどの方向にでも杖を向けられるように構えた姿勢で歩きながらカリーヌは
佐々木に尋ねた。その肩には、最小サイズまで縮小したノワールが止まって、鉄仮面と不釣合いな
奇妙な雰囲気を作り出している。
「あ、はい。けど、村人達の姿が見えません、いったいどこに消えたのでしょうか……」
 何軒かの家を覗いてみたものの、村人達の姿はどこにも見当たらなかった。村に息子夫婦を残している
佐々木としては気がかりでしょうがないが、今は私情をぐっとこらえてカリーヌたちを先導する。
274名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 17:01:03 ID:hrUZP30R
支援
275ウルトラ5番目の使い魔 第50話 (8/11):2009/05/31(日) 17:01:34 ID:1D7R3DXC
「家族が心配か?」
「えっ!?」
 唐突にカリーヌにそんなことを聞かれたので佐々木は思わず間抜けな声を出してしまった。
「そりゃ当然気になります。息子に嫁に、万一のことがあればと思うと……隊長殿にはご家族は……?」
「父はだいぶ前に戦死した。母も長いこと会ってはいない」
「お子さんは?」
 そう聞いてみて佐々木はしまったと思った。この軍人というものを具象化したような戦乙女に子供が
いるとは考えにくい。そして案の定、カリーヌの口からは「いない」の一言が返ってきた。
 そういえば、自分も地球からハルケギニアに来てから向こうに残した家族には会っていない。
あのディノゾールとの戦いで自分は確実に殉職扱いになっているであろうから、自分の両親や兄弟は
すでに自分のことはほとんど忘れているだろうが、それでも懐かしいことに変りはない。佐々木は、
この目じりだけでも美人と分かる女戦士が恋も知らずに老いていくのかと、少し物悲しくなった。
「余計なことかもしれませんが、ご自分の家庭を持たれるのもよいかと思いますよ。人間、一生に一人は
子供を残して親に報いるのが義務ではないですか」
「その心配なら無用だ。私が死ぬまで戦い続ければ、私が守った者達が代わりに子を産み育ててくれる。
それで元は取れるだろう」
 やはりにべもなかった。佐々木は苦笑したが、彼女の部下たちの手前もあってこれ以上言うのは避けた。
 霧はなおも深く、魔法の障壁の外はぼやけ、ほんの3メイル先のことさえ見えない。
 
 
 そのころ…
 カリーヌたちから右手に見ておよそ600メイルほど離れた霧の中を、マンティコア隊第三小隊の5名の隊員たちは、
周囲を警戒しながらゆっくりと進んでいた。
「……」
 空気のドームを作っている風のメイジ一人を除いて、残りの4人のメイジは何があっても対応できるように
杖を握り、感覚を研ぎ澄ませて進む。『烈風』カリン一人に目が行きがちだが、彼女に鍛えられたこの
マンティコア隊の隊員たちもまたトリステイン有数の魔法騎士で、それぞれが最低トライアングルクラス、
戦闘能力だけで言えば、一人でオーク鬼10匹や火竜を相手にできるだけの実力がある。
 そんな彼らが五感をフルに発揮して臨戦態勢をとっている今、例え四方からオーク鬼が襲い掛かったとしても
返り討ちに会うだけだろう。それだけの実力と経験に裏付けられた自信を持って、彼らは隊長から与えられた
任務を果たさんと無心に歩んでいた。
「物音ひとつしないな……」
 普段なら小鳥かカラスの声でもしているであろう、のどかな田舎の風景を切り取った箱庭の中は、自分の心音でも
聞こえそうなくらい沈黙に包まれている。
 隊長から与えられた探すものは二つ、"敵"と"村人"、正直こんな環境の中で村人が無事とは思いがたいが、
彼らの任務遂行の意思に変わりはない。そして、そんな彼らに誰かが応えたのか、彼らの進むドームの前に
突然地面に倒れ伏している人間の姿が複数現れてきたのだった。
「構え!」
 小隊指揮官の号令で、第三小隊の先頭はその倒れている人間に杖を向けた。そしてそのままじりじりと
警戒態勢をとったまま倒れている人間たちに歩み寄る。どうやら身なりから見てタルブの村人らしい。だがなぜ
すぐに助けにいかないかといえば、戦場で死んだふりをしている敵や、死体を囮にしての攻撃などは当たり前、
それにさっき凶暴化させられた第二小隊のように彼らが襲ってこないとも限らない。
 慎重に、一人が近づいて倒れている村人の呼吸を確かめ、体温を測る。
276ウルトラ5番目の使い魔 第50話 (9/11):2009/05/31(日) 17:03:08 ID:1D7R3DXC
「生きています。この霧で意識を失っているようです」
 簡潔に、必要事項だけをまとめた報告が他の隊員たちにわずかな安堵を与えた。
「運び出しますか?」
「いや、この霧を晴らすのが先だ。村人といっても数百人はいるだろう、我らだけで運び出すのは無理だ、
とりあえず生存を確認できただけでよしとしよう。我らはこのまま……」
 小隊長が、我らはこのまま前進、と言いかけたときだった。突然、霧の奥から獣のものとも知れない
不気味な遠吠えのようなものが彼らを守る空気の壁を震わせたのだ。
「今の鳴き声はなんだ!?」
「し、小隊長、あれを!」
 隊員の一人が、指差した先……ドームの天上部分を見た隊員たちは一様に絶句した。
 彼らの頭上の霧の中から、突如鈍く不気味に輝く目が現れ、次の瞬間には鋭い牙をいっぱいに生やした
火竜の10倍はありそうな巨大な口が彼らに向かって顎を開いてきたのだ!!
「う、撃て! 撃て!」
 小隊長は本能的に攻撃を命じた。言われるまでもなく、隊員たちも反射的に杖を空の口に向ける。
 しかし、そこから魔法が放たれることはなかった。
「う、うわっ! こいつら!?」
「は、離せ、離さんか!!」
 隊員たちが頭上に注意を向けた隙に、気を失っていたはずの村人たちが起き上がり、隊員たちにつかみ
かかってきて、杖を降るわせまいと押し倒そうとしてくるではないか。
「あ、操られているんだ!!」
 村人たちの目は焦点が合っておらず、まるで死人のように表情がない。つまり、第二小隊とまったく同じ
状態にされている。意思を持たない操り人形に。
「く、くそっ! こいつらどんどん増えやがる!」
 やはり、村人も敵のコントロール下にあったのだと気づいたときにはすでに遅かった。これが彼らと同数か
3倍程度の数だったら、鍛え上げた肉体を持つ隊員たちは力ずくで振り切れただろうが、霧の中から同じように
虚ろな目をした村人たちが次々にやってきて彼らに絡みついていく。
「小隊長、やむを得ません。村人ごと!」
「い、いや……」
 村人ごと魔法を放つか否か、その迷った一瞬が彼らの命取りになった。
 小隊長が命令を言い終わる前に、ドームを噛み潰すほどに接近してきた口から真っ白い煙が噴き出して、
風の防壁をものともせずに彼らを包み込んでしまったからである。
 
 
 それから、およそ10分後。
 左翼担当、第一小隊にて。
「ぬ……お前たちは右翼担当の第三小隊ではないか、どうした迷ったのか? ……いや!? 迎撃戦闘!!」
 戦いの音は、それから5分ほど続き、その轟音もこの霧の特性からかカリーヌのいる本隊まで届くことはなかった。
 
 
 すべてがカリーヌの知るところとなったのは、もはやすべてが手遅れとなったときだった。
「ヴェルノー、ロンダーナ、クリストファー……見事に全員揃っているな」
 自分たちの周りを取り囲み、杖を向けてくる部下たちを見渡し、カリーヌは苦々しげに吐き捨てた。
「ミヨーズ、ロリー、お前たちもか……」
 もはや自我を失ったマンティコア隊の隙間を埋めるように立ち尽くす村人たちの中に、自分の息子とその妻の
変わり果てた姿を見て、佐々木は音がするほど歯軋りをした。
277ウルトラ5番目の使い魔 第50話 (10/11):2009/05/31(日) 17:06:43 ID:1D7R3DXC
「ふん……残るは、我々だけということか」
 まさか、部下たちが揃って敵になるとは思わなかった。いや、可能性はあったのだが、自分が知らない間に
全滅してしまうとは、少々考えが甘かったか。
 そして、空気のドームのすぐそばに立ち、最後に残った獲物を見下ろしてくる、鼻先に長い角を生やした
とげとげしい竜のような怪物が、この事件の元凶であるとカリーヌも佐々木も悟り、奴がなぜタルブ村を
占領したのかを理解した。その怪獣は、カリーヌたちを見下ろしながら、口から先端が木の枝のように細かく
枝分かれした触手のような舌を長く伸ばし、それを手近な村人の首筋に蛭のように吸い付かせていたのだ。
「血を吸っているのか……」
 隊員二人が口元に手を当ててうめいた。このハルケギニアには吸血鬼という種族がいるにはいるが、
血を吸う竜など聞いたこともない。しかし、いる以上は認めるしかない。
 つまり、タルブ村は餌場として選ばれてしまったらしい。それにしても、吸血鬼は霧に姿を変えられるというが、
こんな巨大怪獣ならドラキュラもびっくりするだろう。
「吸血怪獣、ギマイラか……」
 佐々木は口の中だけでつぶやきながら、GUYS時代の記憶から、この怪獣がドキュメントUGMに残された
宇宙怪獣の同族であると判断した。かつては潮風島という島に宇宙から飛来し、そこの島民を思考力を
奪う霧で操って血を吸っていたらしい。しかし、思い出せばGUYS新人のころにセリザワ隊長に「お前は記憶力が
いいからひととおり見ておくといい」と言われて、過去の怪獣達との戦いの記録である『アーカイブドキュメント』を
覚えておいてよかったと思う、勉強するより訓練訓練に励む後輩のリュウは見ても覚えられなかったようだが、
勉強というものは、どこで役に立つものかわからない。
 だがこれは間違いなく『烈風』カリン最強の敵だろう。かつてはウルトラマン80をも苦戦させた大怪獣、
それだけではなく、奴にはカリーヌが自ら素質を見込み、育て上げてきた部下たちがついている、これ以上の
相手はまずいない。愛弟子たちが師匠に向かってためらいなく杖を向けてきている、そう思うと感傷を覚えなくも
ないが、ここは10年早いと言ってやるべきだろう。
「よかろう、まとめて可愛がってやるか」
 不敵に笑ったカリーヌを見て佐々木は背筋がぞっとするものを感じた。この隊長殿は一人で戦おうとしている。
確かに佐々木も『烈風』の異名は聞き及んでいるし、その高い実力と判断力も見てきたが、相手は怪獣、
しかも自分の記憶が正しければ、こいつは並の怪獣ではない。さらに、奴はマンティコア隊の隊員や村人たち
まで操り、手駒兼人質にしている。
「隊長殿、これはいくらなんでも不利です。相手は怪獣ですよ!」
「いかな状況下にあっても、民を守るべき貴族が敵に背を向けるわけにはいかん。それに、あれは私の部下たちだ、
隊長が部下を見捨てるわけにはいかんだろう」
 カリーヌは、最後まで隊長としての責務を果たそうとしていた。
 指揮官として部隊全滅の責任はとらなければならない。それに、せっかくこの事件の黒幕も登場してきているのだ。
圧倒的に不利な立場での戦いなど、これまでの戦歴で数え切れないほどあった。また一人で戦うことになるが、
それも仕方あるまい。
「ゼッサール、パトリック、ササキを連れて霧の外まで退避しろ。明日の朝までに私が戻らなければ、王宮に
軍の出動を要請しろ、いいな」
「隊長、しかし!」
「命令だ、早く行け」
 命令と言われると、反射的にそれに従うように叩き込まれている二人は佐々木の手をとり、自らの周りに
小規模な空気のドームを発生させて、後は『フライ』で離脱しようと試みた。
 しかし、ギマイラは恐竜型怪獣そのものの外見に反して、かなりの知能を有する、獲物が逃げ出そうと
しているのに感ずいて、その大きく裂けた口を開いて吼えると、それが命令となったようで洗脳された
マンティコア隊がいっせいに全方向から魔法攻撃を放ってきた!! 火が氷が、風が、岩が、あらゆる系統の
強力な魔法が迫ってくる!!
278ウルトラ5番目の使い魔 第50話 (10/11):2009/05/31(日) 17:08:51 ID:1D7R3DXC
「伏せろ!!」
 回避する場所などない、とっさにカリーヌは3人を伏せさせると、『カッター・トルネード』の応用で、自分を
中心に竜巻を発生させて向かってくる魔法を弾き飛ばした。
「おお!!」
「さすが隊長!!」
 10人を超えるメイジの一斉攻撃を跳ね返した隊長の力に、二人の隊員はあらためて『烈風』の強さに
心酔したが、カリーヌは彼らが見るほど余裕があるわけではなかった。
 ……ちっ、思ったよりきついか……
 余裕の態度をとっているので忘れられているが、今カリーヌは毒の霧の侵入を防ぐ空気のドームを
作る魔法を使い続けている。同時に複数の呪文を使うことは不可能ではないが、極めて高度で負担も
大きく、それはカリーヌとて例外ではない。
 ……この狭さではノワールも使えん、ササキたちを逃して、村人も傷つけずに怪物と戦うには、さて、どうする? 
『偏在』の魔法で分身を作って防壁の維持を任せるか……いや、維持させる分身を守るためにさらに分身がいる。
それに、この狭い中でこちらも数を出したら身動きがとれなくなる……
 『烈風』カリンの額に、長く流したことのない類の汗が一筋、流れ落ちた。
 
 
 だがそのころ、霧に閉ざされた村の外では、わずかな希望が動き出そうとしていた。
「こいつは……戦闘機か!!」
 村を少し離れた山の中、雨風を避けるのがようやくといった倉庫の中に保管されていたものを見て、アスカは
思わず喝采していた。
「はい、おじいちゃんがこの村に来たときに乗っていたと聞いています。確か名前は、ガンクルセイダーと
いうそうです」
「ガンクルセイダーか……どことなくアルファ号に似てるな、こいつはいいぜ! で、動くんだろ?」
「ええ、まだネンリョウは残っていると言っていました。けど、動かし方までは……」
「その点なら心配いらねえよ!」
 アスカは不敵に笑うと、さっそうと機体に飛び乗り、コクピットに体を沈めた。すると、見たこともないタイプの
コクピットながらも、座席の固さ、計器の配列などがまるで昔から見知ったもののように見えてきた。
 だが、それよりもコクピットに収まった瞬間、心が躍るような感触に包まれたことを自分でも感じていた。
ああ、俺はやっぱり根っからこの感触が好きなんだな、異世界に来てしばらく忘れていたが、父親譲りの
パイロットとしての血がここにいると沸き立ってくる。
 燃料計、スピードメーター、レーダー、各種計器をチェックしていく、作られた世界は違っても戦闘機の
作りにそう違いはない。
「佐々木さん、あんたの翼、確かに借りたぜ」
 アスカは最後に、まるでそうすることを最初から知っていたように、佐々木から預かったGUYSメモリーディスプレイを
あるべき場所へと収めた。すると、エンジンが作動を始め、30年間眠っていた翼が本来の姿を取り戻していく。
「きゃあっ、なにこれっ!? どうなってるの」
「あっ、レリアちゃん、危ないから下がって下がって!! 吹っ飛ばされるよ」
「は、はい!!」
 うっかりレリアのことを忘れていたアスカは慌てて機外スピーカーで注意した。ジェット機が垂直発進するときに
近くにいたら、人間なんか軽く吹き飛ばされてしまう。孫娘に怪我でもさせたら佐々木になんと言って謝れば
いいのか、レリアが大急ぎで倉庫から出て行くと、アスカはほっとすると同時にあらためて発進プロセスを
再開した。
「各部チェック、オールグリーン……レーダー作動……このでかい影は、やっぱ怪獣がいやがったか! ようし、
スロットル全開、ガンクルセイダー、発進!!」
 あばら家を吹き飛ばし、木片が暴風に吹かれて飛び散る中を、銀色の翼が再び空へと舞い上がった!!
 
 続く
279ウルトラ5番目の使い魔 あとがき:2009/05/31(日) 17:10:34 ID:1D7R3DXC
今回は以上です。支援してくださった皆さん、ありがとうございました。
とうとう50話にまで到達できました。これもいつも応援してくださる皆さんのおかげです、本当に感謝しています。
『タバサの冒険』ならぬ『烈風カリンの知られざる伝説』、いかがだったでしょうか。

今回は吸血怪獣ギマイラ登場! 以前お絵かき掲示板のほうで吸血怪獣を出して欲しいと要望がありましたので
それに応えて、80怪獣の中でも正統派の怪獣デザインの持ち主で、サラマンドラと並んでかっこいい上に
強かったこいつに白羽の矢を立ててみました。
 
なお、知らない方のために補足説明いたしますと、ギマイラは80の第17話「魔の怪獣島へ飛べ(前編)」と後編の
18話の2週にわたって登場した(姿を現したのは後編から)怪獣で、それだけに80登場怪獣の中でも1,2を争う強敵でした。

さて、この話の中で主役となるヤングカリーヌ様のイメージは、
長身で、顔つきはルイズを少し大人びさせて目つきが鋭く、ワルド以上の実力を持ち、エレオノール並みのキツさと
アニエス並の人望を持つという、ほとんどというか、まんま魔改造ルイズそのもののとんでもないキャラになってしまいました。
いえ、私も自粛しようとは思ったんですが、原作の、特に11巻を読み返すとこの人の若い頃って魔改造ルイズ
以外の何者でもないとしか思えなくて、いっそ思ったままで出しました。
本当はもっと佐々木やアスカも活躍させたかったんですが、この人のインパクトがありすぎて……
もしこの人が虚無の使い手だったら誰も敵わないな。
 
では、次回はやっと佐々木やアスカも活躍し、謎の少女ティリーの正体も少し明らかになります。
280イレズミの使い魔 代理投下:2009/05/31(日) 17:18:15 ID:Pp1jWZrv
ウルトラの方、お疲れ様でした。
次回も楽しみにしています。

さて、では5時20分より投下させていただきます。
281名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 17:18:49 ID:360qadqe
ウルトラ乙

ワルド(この作品で)裏切らなくて良かったな
この人を敵にまわすことになるところだったぞw
282名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 17:22:35 ID:FyxQgucF
支援
283名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 17:26:18 ID:kA/l5WFn
ウルトラの人乙でした
う〜ん次回がまた楽しみです。
284名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 17:27:22 ID:8ZMzQrSw
>>247
欧“米”…だと……?
285名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 17:29:21 ID:b1tlmLoA
ノートン皇帝がアップを始めたようです
286イレズミの使い魔 代理投下:2009/05/31(日) 17:30:37 ID:Pp1jWZrv
とある世界の果て。
空には日食のようなモノが浮かび、辺りは夜明けのような暗闇に満ちている。
そんな世界で、一人の少年の命が消えようとしていた。
ハーフパンツとスニーカーのみを身に付け
全身にはイレズミのような黒い帯状の模様が施され、縁部分が赤く鈍く輝いていた。
おまけに首の裏には黒いツノらしきモノが生えてる。
そんな奇怪な出で立ちをした少年は、全身に傷を作り息も絶え絶えな状態にあった。

彼の名は―――『人修羅』
人間を辞めさせられ、悪魔になって数年目の事であった。

現代の東京に生きる彼であったが、ある日突然世界は滅亡した。
東京以外は消滅し、東京は卵の殻の内側に張り付いたような世界『ボルテクス』へと変貌。
人間は瞬く間に死滅し、生き残ったのは少年を含めた数人だけ。
その時、少年はある人物から『悪魔の力の結晶体・マガタマ』を無理矢理植えつけられ、悪魔として生まれ変わった。
そして少年は戦い続ける事を運命付けられてしまう。
襲い来る無数の悪魔を己の力で葬り去り、時には仲魔(仲間)にしていった。
力尽き地に伏せることも少なくなかったが、その度に少年は歯を食いしばって立ち上がり、目の前の悪魔を全て屠ってきた。
そうやって戦って、戦って、戦って………

場面は戻って日食が浮かぶ荒野。

人修羅はほんの少しの回想を終えるとフラつく脚でゆっくりと立ち上がる。
そして瞳を閉じると深く深く息を吸い、数秒間停止した後とても満足したように息を吐き出した。
もう回復魔法を唱える分の魔力も無い。
手持ちのアイテムも全て使ったか、壊されたりしたかで何も持っていない。
後少しでこの命は消える。 魂さえも。
それでも、心はとても穏やかだった。
成すべき事は全て終わらせたから。

「……クス……」

久しぶりに軽い笑みを浮かんだ。 最後に笑ったのは、一体いつだっただろうか?
それくらい心は軽い。 例え死を目前にし、心まで悪魔になったとしても。
何せやるべき事を全て終え、悔いなど何一つ有りはしないのだから。
それで死んでいくなんて、なんて自分は充実した人生送れたのだろう。
と、彼は満足し、前のめりにゆっくり倒れた。
だが意識が薄れ行く中、彼は幾つかの些細な違和感を感じた。
体に感じる暖かい光と空気。
それと、体と地面との間に何かやわらかいものを挟んだような感触だ。

「…ょっと! どきなさ……!」

それがジタバタと暴れて、何か喚いているような気がするがどうでもいい。

「こいつ……私の…い魔!?」

眠いしだるい。もう放っておいてくれ。

「…名はルイズ………五つの……タゴン。………祝福を…我の使い魔と成せ!」
287名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 17:31:17 ID:aMjLelpb
マカカジャ×4→メギドラオン支援
288イレズミの使い魔 代理投下:2009/05/31(日) 17:31:22 ID:Pp1jWZrv
―――――あれ?
もしかしてまだ誰か生き残りがいたのか?
……一気に萎えた。 最後の最後に遣り残しが出てしまうとは……だが、もうどうでもいいか。
後は好き勝手やってくれ、俺にはもう関係ないからな。 じゃ、おやすみ。

そうして彼は意識を手放した。

――とある一室。
妙に豪勢な装飾が施された家具がチラホラと置いてある部屋にて、人修羅は床にうつ伏せのまま転がされていた。
が、しばらくして意識が回復し、ゆっくりと立ち上がるとボ〜ッとした表情でキョロキョロと周りを見渡し始めた。

「……?」

あの世界と空気が違う。 その中に漂う魔力もとても綺麗で清潔な感じがする。
それに怪我もいつのまにか治っている……全快とまではいかないが魔力も回復してる。
いったい自分はどこにきてしまったのか? そもそもどうやってきたのか?
そんな事を考えていると、裏から声が聞こえてきた。

「トリステイン魔法学院よ」

突然聞こえてきた不機嫌そうな少女の声、振り返ると、桃色のロングヘアーを持つ小柄な少女がいた。
足を組んで椅子に座り、私はイラついてます、という表情を隠しもせずに人修羅を見ていたが、
大げさに溜息を吐くと立ち上がって彼に近づき、目の前で腕を組んでいきなり文句を言い出した。

「全く、なんでこんなのが召喚されるのよ! あんたが私の上に倒れこんだ所為で制服は汚れるし周りからは笑われるし!」
「…………」
「もう今日は最悪よ! これでちゃんと使い魔の仕事をしてくれなきゃタダじゃおかないんだからね!」
「…………」
「平民だか変態だか亜人だかわからないけど、私の使い魔になったからには――――……」

「………」

じ――――……

「な……なによ」

有無を言わせない怒涛の連射で文句をぶつけていく少女を、人修羅は黙ってじーっと見つめている。
半裸の全身イレズミ男が表情も変えず、ただ黙って見つめている図はハッキリ言って不気味以外の何者でもない。
少女は何となく身の危険を感じたのかニ、三歩後ず去ったが、負けじと人修羅を睨み返した。

「なによその目は、なんか文句でもあるの!?」
「……」
「言っとくけど、メイジである私に逆らおうなんて考えないことね! あ、あんたなんか魔法で簡単に――」
「断る」
「……は?」
「誰か殺すのなら、自分の力でどうにかしろ。 俺に頼るな」
「こ……殺す!?」

ボソボソ喋る少年の言葉から出た物騒な単語に少女の顔は軽く強張った。
289イレズミの使い魔 代理投下:2009/05/31(日) 17:32:12 ID:Pp1jWZrv
「な……何言ってるのよあんた!?」
「俺に用があるのは決まってそうだ。 君はなんだ? 悪いデビルサマナーか?」
「なに一人でワケわかんない事言ってるのよ!? っていうか、でびるさまなーって何!?」
「言ってろ。 俺は帰る……」
「ちょっと!? 待ちなさい!!」

少女の言葉に耳を貸すことなく、人修羅はスタスタと扉へ歩いていく。
それを見た少女は酷く焦り、ドタドタと大急ぎで人修羅の前に回りこみ扉の前に立ち塞がった。

「なに勝手な事言ってるのよ! 言ったでしょ、あんたはもう私のモノなの! 私の使い魔なの!」
「自分の都合を俺に押し付けるな……もうそんな連中を相手にするのは嫌なんだ……どいてくれ」
「平民が貴族に命令だなんて随分生意気ね……あんた、どうなるかわかってるの?」
「知らない。 どいてくれ」
「〜〜〜〜ッ!!」

全く取り合う気が無い人修羅。
表情を変えることなく、淡々と自分のペースで事を進めていく人修羅に、少女の怒りはそろそろ沸点を超えそうになっていた。
何を言っても自然に受け流して無視する行為は、確実に少女の怒りを蓄積していく。 それにこの少女であれば尚更でもあった。
だがそんな少女と目を合わせることも無く、人修羅はドアノブに手を掛けようとして―――

目の前に杖を突き出された。
人修羅は反射的に体を反らせる。

「……なに、コレ?」 
「いい加減にしなさいよ……あんたは私の使い魔なの! 私の唯一の成功した証明なの!
 それが私から逃げ出すなんて、絶対に許さない……! それでも逃げ出そうって言うのなら……」
「………」

自分が召喚したにも拘らず、主人と思わないどころか全く相手にされない事に少女は怒りに震えた。
頭の中では走馬灯でも見るように様々な事柄が駆け巡り、少女の心締め付けていく。

―全く、何をやっても貴方は駄目ね、『ゼロのルイズ』―
―メイジのクセに魔法もロクにできないなんて、流石『ゼロのルイズ』だよな!―
―家柄だけのハリボテお嬢様さ 何せ『ゼロのルイズ』なんだから―
―『ゼロ』は大人しく端っこで見ていなさい、他の人の邪魔よ―
―僕達貴族の恥だ。さっさと学院から消えてしまえ! 『ゼロのルイズ』!―

「私は……」

少女=ルイズの口から暗く、冷たい言葉が漏れた。

『ゼロ』 それは彼女につけられた不名誉な印。彼女を見る全ての人が施した呪いの言葉。
本人にとっては呪いでも周りにとっては笑い、もしくは彼女を意味する言葉としか捉えていない。
毎日襲い掛かってくる容赦ない呪いに、彼女は歯を食いしばって耐えていた。
決して歪むこと無く、ただひたすら真っ直ぐに耐えていた。

そして今日、その『ゼロ』から解放されるハズだったのだ。
だが予想に反して召喚されたモノは、平民だか何だかわからない怪しげな格好の少年。
しかも自分の意に反して勝手に手元から離れようとしている。

これではまた『ゼロ』に逆戻りだ。
いや、中途半端に成功している所為でこれまで以上に惨めな思いをするだろう。

故に絶対に逃がすわけにはいかない。
ここで逃がしたらメイジとして、貴族として本当に終わってしまう。
例え召喚されたのが正体不明の変なヤツでも、絶対に手放すわけにはいかないのだ。
290イレズミの使い魔 代理投下:2009/05/31(日) 17:34:08 ID:Pp1jWZrv
「私は……」
「………?」

激昂から一転、突然静かな口調になったルイズを人修羅は黙って見ていた。
その時、ルイズの目が 『ギッ!』 と見開き、搾り出すような声を上げながら杖を振りかぶった。

「ゼロなんかじゃないッ!!」
「ッ!?」

人修羅は咄嗟に体を後ろへ反らす。
直後、部屋全体を揺るがす程の爆音が響き、室内が煙に満たされた。

「はぁ……はぁ……」

ルイズは肩で息をし、目を凝らして煙の中を凝視し、そしてハッとした。
生身の人間に魔法を当てて無事であるハズがない。
力任せで止めるとは言え、少年を殺したら元も子も無いではないか。 寧ろ最悪だ、自分は人殺しとして汚名を着ることになってしまう。
ルイズは取り返しのつかない事態にややうろたえ始めた―――その時だった。

「発動直前まで一切の目視も探知もできない攻撃魔法……か」
「……え?」

煙の向こうから見覚えのある規則的な模様が浮かび上がる。

「おまけに万能属性……外見からは想像もつかない凶悪な魔法だ」

腕を軽く振って室内の煙を一気に晴らす。
言うまでも無い。 ルイズが召喚した少年・人修羅である。
怪我の一つも負わず堂々としたその姿は、攻撃を行ったルイズが呆気にとられてしまう程だった。
だが無表情思われた瞳は僅かに険しくなり、やや右半身を引いて拳を握っている。

「そ……そんな……」
「力ずく……結局君もそういう奴なのか」
「え!?」
「早くやれば……? 俺を使い魔にするんだろ? 早く力で押さえつけてみろ……」
「え……あ……」
「あんなおもしろい魔法は初めてだ。 ほら、撃てよ」
「……ッ! おもしろい……ですって?」

人修羅はポーカーフェイスのまま落ち着いた口調でルイズに魔法を催促するが、灰色に染まる瞳と言葉の端々から怒りが滲み出ている。
対するルイズも目を据わらせ、ハラワタが煮えくり返る思いで人修羅を睨みつけていた。
自分の魔法がおもしろい? 最高で最悪のジョークだ、自分はコレの所為で『ゼロ』という汚名を着せられる事になったと言うのに。

ギリィッ! と歯を食いしばる音が響き、ルイズの怒りは人修羅目がけ爆発する。

「…ふざけないでぇッ!!」

一片の躊躇も無く、数メイル先に離れた人修羅目掛け魔法を放った。
が、ここでルイズは驚くべきもの目にする事になる。
291イレズミの使い魔 代理投下:2009/05/31(日) 17:34:51 ID:Pp1jWZrv
ルイズが魔法を放つと同時に人修羅は何も無い空間目掛け拳を突き出した。
その瞬間、『バキンッ!』 と何かが砕けたような音がしたかと思うと、周囲に小さな爆発が飛び散ったのだ。

「なッ!?」

ルイズは何が起こったのか全く理解できなかった。
確かに自分の魔法は全て爆発するが、こんな現象は今までに一度も起きたことが無かった。
それ以前に問題は少年だ。 一体何をした?

「あ、あんた……一体何をしたのよ……?」
「………」
「答えなさいッ!」
「………」

それは一体どんな感情だったのだろうか? 疑心? 恐怖?
いずれにせよ、今ルイズの頭の中では言葉で言い表せないような気味悪さが渦巻いていた。
一体目の前の少年は何をしたのだろうか?
答えを強要しても、少年はポーカーフェイスを決め込み、重い沈黙しか返してこない。

「答えてって言ってるでしょう!? 平民のくせに貴族に逆らって……これ以上は容赦しないわよッ!!」

動揺を悟られまいと、ルイズは持ち前の強気と貴族のプライドを盾に人修羅に食い下がる。
小さな体で一丁前に人修羅と対峙するルイズは、見ようによっては非常に凛々しくも見えた。
だがそんなルイズを見た人修羅は、ポーカーフェイスから見え隠れする怒りを隠そうともせず――

「じゃあやれよ」

短くそれだけ返した。

その瞬間、ルイズは目をギッ!と尖らせると、人修羅目掛け何発も何発も魔法を放った。
対する人修羅も獣のように歯を食いしばりながらルイズを見据えると、飛んでくる魔法をブン殴っていった。

(このッ!……当たれッ!! 当たって!!)
「……ッ! ……ッ! ……ッ!」

互いに同じ場所から一歩も動かず、それぞれの得物を何度もぶつけ合った。

ルイズは爆発を。
人修羅は拳を。
互いの武器に怒りを込め、何度も何度も叩き合う。

ルイズは完全にキレていた。
小さい頃からずっと抱えてきた魔法が使えぬという劣等感。
学院では誹謗・中傷・笑いのタネと弄られ
家庭では落胆とプレッシャーが彼女を容赦なく打ちのめしていった。
それを何年も続けてようやく儀式で使い魔を召喚したと思ったらコレだ。
キレない方が無理と言うほうだろう。

対する人修羅はキレるという程でもないにしろ、完全に頭に血が上っていた。
世界を創りかえる戦いに否応なしに巻き込まれ、カミサマにも目をつけられて最終戦争。
ようやく終わったと思ったら、見知らぬガキが偉そうな口調で命令してくるのだ。
これで怒るなというのもまた無理な話である。

二人は最悪なタイミングで出会ってしまったのだ。
292イレズミの使い魔 代理投下:2009/05/31(日) 17:35:21 ID:Pp1jWZrv
「このぉッ!!」
「シッ!!」

―バキン! と、十数回目。
状況は先程と全く変わらず均衡を保っている。
最も、人修羅が魔法を弾くに留まらずルイズを殺しにいけば一瞬でケリがつくだろう。

だが彼はルイズを殺そうとは考えていない。 あくまで魔法の破壊だけだ。
ルイズの魔力切れまでひたすら魔法を破壊して、彼女が勝手に倒れるまで付き合うつもりなのだ。
それが、彼なりのルイズとの喧嘩の仕方だった。

喧嘩と殺し合いは違う。

「……はぁッ……はぁッ……はぁッ……」
「……終わりか?」
「な……なんで……すって……ッ?」
「こいよ。この喧嘩、とことん付き合ってやる」
「……バカに……しないでよ……平民で変態のくせに!!」

もう何度打ち合っただろうか。
ルイズは肩で息をし、膝もガクガクと震えていた。 もう魔力も精神力も尽きかけている。
だが未だに人修羅には一発も魔法を当てられていない。
それでも瞳をギラつかせ、険しい顔で人修羅を睨みつけていた。

「ムカツクわ……嫌いよッ! 何もかも嫌いよッ! 誰も彼もが私をそんな目で見て……見ないでよ! そんな目で私を見ないでよ!」
「俺だってムカついてる……どいつもこいつも勝手な理由を俺に押し付けやがって、俺はアンタらのオモチャじゃねえ!」
「うるさいッ! 黙ってッ!! もううんざりよッ!!」
「お、デカイのくるか? こいッ 派手にいこうか………ッ!」

常にボソボソ声だった人修羅も、いつしか声を張り上げていた。
それを気に二人は次の攻撃で決着をつけるべく、己の力を限界まで高めていった。

ルイズは杖を振りかざし、今まで以上に詠唱に集中する。
体の隅々に残った魔力の欠片をかき集め、特大の魔力の塊をチャージし、

対する人修羅は右拳を顎の高さまで持ち上げると右腕のイレズミが輝き出し、血液が循環するように駆け巡った。

そして、互いに険しくなった視線を絡めあった数秒後、学院全体に凄まじい爆裂音が駆け巡った。

「………スッキリしたか?」

少年は片膝を抱え、ベッドに寄りかかっていた。
ルイズはと言うと、同じくベッドに寄りかかってはいるものの足を投げ出し、まるで糸の切れた人形のように持たれかかっていた。

「………別に」

素っ気無く答えるルイズ。
数分前の切羽詰ったような表情から一転、精も根も尽き果てたような表情をしていた。
当然だ、持てる魔力を総動員して魔法を連発していたのだ。 疲れないワケがない。
しばらくすればまた使えるようになるが、今日一日は無理だろう。
293名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 17:35:41 ID:ajbxQIMv
今週もウルトラファイトinハルケギニア乙

人修羅支援
294イレズミの使い魔 代理投下:2009/05/31(日) 17:35:53 ID:Pp1jWZrv
「あれだけ撃ってまだ不満なのか?」
「………」
「相当ストレスが溜まっているようだな」
「………うるさいわね、あんたもそのストレスの一つよ」
「ふぅ………何にそんな追い詰められている?」
「―――あんたに……関係ないでしょ」

棘のある言葉で返答するルイズだが、へばっている所為で迫力もへったくれもない。
もう人修羅に当り散らす力もなく、言い方もどこか投げやりになっていた。
そんなルイズ人修羅は気にせず、相変わらず俯いたままルイズに話しかけていく。

「このままじゃ壊れるな。 そのうち自分を殺したくなる」
「余計なお世話よ………それに勝手な事言わないでくれる?あんたに私の何がわかるっていうの……そんなつまらない事するわけないじゃない。
 私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブランド・ラ・ヴァリエール……由緒正しきヴァリエール家の……娘……よ」
「ふぅん、名家、か……その割りには、随分と言いにくそうだ」
「ッ!?」
「なんか…自分で言ってて虚しくなってる様に聞こえるんだが」

人修羅は思った事をそのまま口に出した。
ルイズは唇を噛み締め、表情を伺わせないように更に項垂れる。

「……それが原因か?」
「…………」
「……他にもなにか――」
「うるさいわねッ!! あんたに関係ないでしょッ!!」

言葉が癇に障ったルイズは、重くなった腕を無理矢理振り回し、少年を杖で引っ叩こうとする。
だが当然のように少年は杖を左手でキャッチした。

「勝手に俺を召喚したんだ。 それくらい聞かせろ」
「平民かつ他人のあんたに……そんな権利はないわ」
「本当は俺だってほっときたいんだがな……」
「…何よ?」
「そんな顔をした奴をスルーするほど、落ちぶれちゃいない」
「………」

ルイズは何とも不思議な気分に陥っていた。この少年は自分を気遣ってくれているのだろうか?
中傷だけでなく、中にはルイズを気遣ってくれる人達もいたが、大抵が同情や憂いを秘めた目を向けてきたものだ。
かえってそれが仇となり、それはそれで嫌な思いもしていたのだが……少年には全くそんなものは無かった。

そういえば、少年の顔からは既に怒りの色は消えている。今はただ真っ直ぐにルイズを見ているだけだ。
こんな目で見られるのは、生まれて初めてだった。

「……私は」

腕を下ろしプイと前に向き直すと、膝を抱えながらポツポツと話し出した。
生まれてこの方、魔法に一度も成功した事がない事。
その所為で学院では劣等生として名が通り、家では家族から落胆されているという事。
それら全てを少年に洗いざらい話した。

その間、人修羅はルイズと同じように前を向き黙って話を聞いていた。
295イレズミの使い魔 代理投下:2009/05/31(日) 17:37:22 ID:Pp1jWZrv
「……私は」

腕を下ろしプイと前に向き直すと、膝を抱えながらポツポツと話し出した。
生まれてこの方、魔法に一度も成功した事がない事。
その所為で学院では劣等生として名が通り、家では家族から落胆されているという事。
それら全てを少年に洗いざらい話した。

その間、人修羅はルイズと同じように前を向き黙って話を聞いていた。

「……これで終わりよ」

ルイズは瞳を閉じると、長く溜息を尽きながらベッドに寄りかかった。
今まで溜め込んでいたモノを吐き出して何となく楽になったのか、どこかスッキリした顔をしていた。

「なるほど……この世界じゃ、魔法は一種のステータスになるのか……」
「なに当たり前の事言ってるのよ、一体どんな田舎から来たのよあんたは?」
「いや、何か悪いこと言っちまったなと思って……おもしろいとか言って悪かった」
「そんなボソボソ声で謝られたって何とも思わないわ。 それにもういいわよ、気にしてないから」
「お詫びに使い魔になろう」
「だから別にいいって言ってるでしょ―――――え”っ?」

何気にサラッと重大な発言をする人修羅に、ルイズは体がボロボロなのも忘れて飛びついた。

「ちょっと、いきなりどういう風の吹き回しよ!?」
「だからお詫び」
「お詫び!? 事はそんな単純じゃないのよ! それともなに、同情のつもり!?
 ならこっちから願い下げよ!平民から同情を受けるなんて、貴族としてこれ以上の恥はないわッ!」
「そんな事言ってる余裕ある?」
「う……」

余裕なんてあるわけがない。 
だからこそ、さっき力ずくで少年を従わせようとしたんじゃないか。

「いいじゃないか、俺の気が変わったんだから。 それに俺はもう人間じゃない。」
「なによそれ、まるで自分が人間じゃないみたいじゃない」
「あぁ、悪魔だ」
「……は、悪魔?」
「ただの人間が素手で魔法を触れるか?」

お返しとばかりに今度は人修羅がポツポツと語り出した。

自分は異世界の人間だったが、ある日世界が滅亡すると同時に悪魔にされてしまった。
そして気づいたら悪魔や神様の喧嘩に巻き込まれてもうウンザリ。
で、その後にルイズに呼ばれたという事を。

「それ……本当なの?」
「信じる信じないは君の勝手だけど、ただの人間じゃない事は身を持って体験したはずだが?」
296名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 17:38:22 ID:LYjYX+2s
2話目かと思ったぜ支援
297イレズミの使い魔 代理投下:2009/05/31(日) 17:39:09 ID:Pp1jWZrv
話を聞き終えたルイズは、目を丸くしどこか疑いながら人修羅を見つめていた。
異世界から来たなんて信じられない。 しかも人間ではなくて悪魔だと言うのだ。
普通なら頭おかしいんじゃないの? で片付けられるだろうが
目の前であんな芸当を見せ付けられたんじゃ、信じない方が無理と言うものだろう。
だが悪魔を召喚すると言うのは、クジで言う当たりなのだろうか、それとも大ハズレ?
というか、悪魔を使い魔にして大丈夫なのだろうか。 自分や周囲の安全とか、そもそも学院とかアカデミーから何かされるんじゃないだろうか?

ルイズはうんうん唸りながら頭を抱えていた。
人修羅はそれをボーッと眺めていたが、数分後、痺れをきらしたのか話しかけた。

「……言っとくけど」
「え?」
「別に俺は殺しが好きだとか、誰かを堕落させるとか、そんな事しない」
「……だって、あんた悪魔なんでしょ?」
「悪魔の言葉を鵜呑みにしないのは大変結構なコトだ……だが、俺は君に呼ばれたんだ。 どういう事かわかるか?」
「なによ?」
「自分で言うのもなんだが、悪魔の中では割と上の部類に入る俺を君は召喚したんだ。
 使い魔の能力で主人の力ってのがわかるんだろ? なら君はメイジとして優れた人間ってコトだ」
「……そんなこと……」
「自信がない? だがそうやって俺を手放したら、君は自分の使い魔すら使いこなせない本当の駄目貴族ってコトになるぞ?」
「ッ!?」
「トリステイン屈指の名家、ヴァリエール家の三女ともあろうお方が
何の言われも伝説もない、ただの一匹の悪魔を飼い馴らすコトができないのか?」
「……」

人修羅の目は、どこか試すように笑っている。

そうだ。 決めたじゃないか。
例え目の前の少年が何であろうとも、使い魔にするって決めたんじゃないか。 
母の様なメイジとなり、愛すべき国に全てを尽くす。 それが貴族として自分の成すべき事なのだ。
その為にも、まずは誰もが認める優れたメイジにならなければならいのだ。
故に、この少年を使い魔にしなければならない。 手放すなど言語道断だ。

「ふッ……ご主人様を挑発するなんて、生意気な使い魔ね」

口の端をほんの少し上げ、少年の瞳を余裕たっぷりの微笑で返すルイズ。
サッと立ち上がり人修羅の正面に立つと、腕を組んで見下ろしながら言葉を続けた。
298イレズミの使い魔 代理投下:2009/05/31(日) 17:39:35 ID:Pp1jWZrv
「覚悟しなさい! このルイズ・フランソワーズ・ル・ブランド・ラ・ヴァリエールに呼ばれたからには泣き言は許さないわ!」
「クス……」

少年も同じように口の端を吊り上げて微笑を返すとルイズの前で跪いた。

「俺の名は人修羅。 この力、我が主の為に……俺をガッカリさせるなよ、ルイズ?」
「あんたもね、せいぜい私を落胆させないでよ………人修羅」

互いに睨みあうように微笑む二人。

こうして、二人は出会った。
ゼロと呼ばれる少女と、悪魔となった少年。

これは幸せな事なのか、それとも不幸な事なのか。 それは誰にもわからない事だった。
悪魔も、神も、本人たちでさえも……


―――おまけ


「それはそうと、コレどうするんだ?」
「え?」

人修羅に言われ、ルイズは裏に目をやると…たちまちルイズの顔は青くなっていった。

辺りにはバラバラになった家具の破片が散乱していた。言わずもがな、先程の喧嘩の所為である。
部屋自体に傷が入ってないのが不幸中の幸いか、もし傷が入ってたら学院から大目玉を食らっていただろう。

「いやしかし、コレだけの騒ぎを起こしても誰も来ないなんて……君、相当アレなんだな……」
「………うるさい」
「今度からはもっと気をつけて魔法を使えよ?」
「うるさいって言ってるでしょ! この露出狂!」
「なに! 誰が露出狂だ!?」
「あんた以外にいないじゃない! そもそもなんで上脱いでるのよ!? そんなに見せ付けたいの!?」
「仕方ないだろ! 悪魔にされたと同時に何故か上着を盗られたんだよ! 脱ぎたくて脱いだわけじゃねえ!」
「じゃあ着ればよかったじゃない! なんでそのままなのよ!?」
「………!!」
「―――!!」

―――その後、しばらく言い合った後、再び爆発音が響き始めましたとさ。

以上、これで投下終了です。 長文失礼しました。
299名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 17:49:05 ID:pq2N9VDj

続きにwktkせざるを得ない
300ゼロの兵士:2009/05/31(日) 17:49:11 ID:FyxQgucF
お疲れ

四時五十五分辺りから、FF7主人公クラウドを召喚投下予定
初めてだから、至らない点があるかもしれない
301ゼロの兵士:2009/05/31(日) 17:53:11 ID:FyxQgucF
しまった、五時を四時って書いてた何やってんだ自分

本当すまない
302名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 17:53:58 ID:7ow3R4fz
頑張れ。ということで支援
303ゼロの兵士 一話:2009/05/31(日) 17:54:40 ID:FyxQgucF
青い空の下。
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、サモンサーヴァントを行った。
他の生徒達が次々へと、竜やサラマンダーなどを失敗などせずに呼び出していく中で、何度も失敗をした彼女。
頭の砂漠化が続くコルベールが止めても何回もチャレンジをし、最後。
本当に最後に、彼女は確かにサーヴァントを呼んだ。

なんでもいい、竜でもグリフォンでも無くても良い。
ゴーレムでも良い。 猫や鳥でもいい。
だから、来て!
その一心で呼んだ結果が・・・・・・・・・・・・コレだ。

最後の最後に彼女が呼び出した使い魔。
その使い魔は、四つの足を持つわけでも羽を持つわけでも鋭利な爪を持つわけでもなかった。
どう見ても。
どう、何処から見ても。
二つの足を持つ人間にしか見えなかった。 しかも、杖も持たない。

金の髪を特徴的な形に逆立て、黒い衣服を着用し、手には1.7メイルほどの長さをしたこれも特徴的な形をした剣、反対の手には持ち手の付いた箱。
一瞬だけ、女かと思ったが体つきは明らかに男。

ルイズの前に、そんな青年がうつ伏せになって倒れていた。

「・・・・・・アンタ、誰?」
つい声が出た。

それが、サモンサーヴァントを終えての最初の発言だった。

ルイズは、倒れた青年に声をかける。
だが、青年は反応しない。 目を閉じていた。
寝ているのではない。
気絶をしているのだ。


一瞬の沈黙が起こった。


そして、嘲笑の渦。
「ゼロのルイズが、平民を呼び出したぞ!」
「さすが、ゼロのルイズね!」
「ルイズ、そこらを歩いてた平民を連れてくるんじゃないわよ!」
周囲の、すでに召喚と契約を終えていた生徒達が一斉に嘲笑した。
304ゼロの兵士 一話:2009/05/31(日) 17:56:11 ID:FyxQgucF
青い空の下。
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、サモンサーヴァントを行った。
他の生徒達が次々へと、竜やサラマンダーなどを失敗などせずに呼び出していく中で、何度も失敗をした彼女。
頭の砂漠化が続くコルベールが止めても何回もチャレンジをし、最後。
本当に最後に、彼女は確かにサーヴァントを呼んだ。

なんでもいい、竜でもグリフォンでも無くても良い。
ゴーレムでも良い。 猫や鳥でもいい。
だから、来て!
その一心で呼んだ結果が・・・・・・・・・・・・コレだ。

最後の最後に彼女が呼び出した使い魔。
その使い魔は、四つの足を持つわけでも羽を持つわけでも鋭利な爪を持つわけでもなかった。
どう見ても。
どう、何処から見ても。
二つの足を持つ人間にしか見えなかった。 しかも、杖も持たない。

金の髪を特徴的な形に逆立て、黒い衣服を着用し、手には1.7メイルほどの長さをしたこれも特徴的な形をした剣、反対の手には持ち手の付いた箱。
一瞬だけ、女かと思ったが体つきは明らかに男。

ルイズの前に、そんな青年がうつ伏せになって倒れていた。

「・・・・・・アンタ、誰?」
つい声が出た。

それが、サモンサーヴァントを終えての最初の発言だった。

ルイズは、倒れた青年に声をかける。
だが、青年は反応しない。 目を閉じていた。
寝ているのではない。
気絶をしているのだ。



そして、嘲笑の渦。


「ゼロのルイズが、平民を呼び出したぞ!」
「さすが、ゼロのルイズね!」
「ルイズ、そこらを歩いてた平民を連れてくるんじゃないわよ!」
周囲の、すでに召喚と契約を終えていた生徒達が一斉に嘲笑した。
305名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 18:00:24 ID:1IiZSoq7
ダブってますよ
支援
306名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 18:01:12 ID:3xNRD0ie
おや?
307ゼロの兵士 一話:2009/05/31(日) 18:01:28 ID:FyxQgucF
しまった連投してしまった、どんだけあせってんだ

「・・・・・・っ」
青年は、目を覚ました。
――何処だ、此処は。
分からない。
全く知らない場所。

芝生が生え、石で出来た壁の古い、だが明らかに今も誰かが使っているだろう建物。
そして、何より気になるのは、仲間の一人だったユフィと同じかそれより若い少年と少女の嘲笑。
泣きそうな顔をしている桃色の髪の少女。
頭が砂漠化してきている、男。

「ミ・・・ミスタ・コルベール! もう一度、サモンサーヴァントをやらせてください!」
桃色の髪をした少女は、唯一の大人だろう男に言う。

「ミス・ヴァリエール、サモンサーヴァントは神聖な儀式です。
あなたは召喚に失敗したのではなく、彼を呼び出しました。 やり直しは認められません」
砂漠化している男性は、静かに首を振った。

「でも・・・・・・でも、平民ですよ!」

「確かに平民を召喚した、などという前例は有りません。
ですが、召喚されたならばそれがあなたが苦手とする生き物でも、未知なる生き物でも、そして平民でも、コントラクトサーヴァントは行わなければなりません」

目の前で繰り広げられる会話。
その意味を、青年は理解できなかった。
ミスやミスタの後に続くのは、名前だろう。
だが、サモンやコントラクトの意味は、理解不能だった。

「っ・・・・・・」
少女は、何が嫌なのか躊躇う様子を見せていた。
やがて、少女は諦めた様にうなだれながら、何が起こっているのか全く分かっていない青年と向かい合わせになった。

二人の視線が合う。

「・・・・・・感謝しなさいよ、貴族にこんな事されるのは一生無いんだから」
そう言うと、元気の無い様子で、ふらふらと青年に近寄った。
308ゼロの兵士 一話:2009/05/31(日) 18:02:51 ID:FyxQgucF
二人は向かい合う・・・・・・が、身長が違う。
少女、ルイズは153サント。
青年は、どう見ても170サントは有る。

届かない。


「・・・・・・アンタ、しゃがみなさいよ」

「なんでだ」
訳が分からない、と青年は内心溜息を吐いた。

自分は幼馴染が再び始めたセブンスヘブンの自室に居たはずだ。
気が付けば、こんな都市とはいえない場所。
しかも、目の前で意味の分からない話をしている。

脈絡が無いにも、ほどがあった。

「良いから! しゃがみなさい!」
桃色の髪の少女は、苛々したように地を踏みしめた。

よく分からないが、そうするべきなのかと半ば諦め、青年はルイズに視線を合わせるように屈んだ。

少女は覚悟を決めるかの様に、何回か深呼吸をした。

――ノーカウントよ、相手は使い魔、況してや平民なんだから・・・・・・。
しかし、こうやって間近で相対すると、相手が『まずまず』顔立ちが整っているのが分かった。
そういう服を着れば、女と誤魔化せるだろう。 それくらいに整っているのだ。
さっきまでは閉じられていたから分からなかったが、その青い目がとても印象的だった。

――・・・・・・ま、まぁ、私の使い魔になるんだから、これくらい当たり前よ。
そう思うと、少女は覚悟を決めた。

309ゼロの兵士 一話:2009/05/31(日) 18:04:02 ID:FyxQgucF
少女は目を閉じ、小さく、しかしはっきりと言葉を口にした。

「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
五つの力を司るペンタゴン。 この者に祝福を与え、我の使い魔となせ!」
そう言うと、少女――ルイズは、何も分かっていない青年に接吻をした。

数瞬、いや、数秒後。

「・・・・・・・・・・・・――――な!?」
驚いて青年は後ずさった。

――聞いていない! こんなの、聞いていない! 何なんだ!
あまりにも予想外すぎて、思考がおかしくなっていた。

驚いたのは、ルイズも同じだった。
確かにキスは出来たが、これでは完全とはいえないだろう。

「ちょっと平民!」

「俺は、しゃがめと言われた。 此処はお前の言う通りにした方が良いと思ったから――っ!」
身体中を熱が走った。

熱い。
身体中が熱い。

熱いが――別に、ファイラやファイガを思えば全然熱くは無い。

「・・・・・・なんだ、成功したじゃない」
ルイズが安心したようにそんな事を言っていた。

「すぐ終わるわよ」

腕、左腕、左手が熱を特に持っていた。
よく見ると、左手の甲に何か文字のようなものが刻まれていく。


刻み終わると、熱は身体から完全に引いていた。
310ゼロの兵士 一話:2009/05/31(日) 18:05:53 ID:FyxQgucF
以上で投下終了
更新しても結果が表示されないから焦って連投するわ、五時と四時間違えるわ、本当すまんかった
311名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 18:07:17 ID:d8GD3hlc
乙。全然問題ないよー
この調子で第二話も期待してますぜ
312名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 18:09:26 ID:b1tlmLoA
投下ラッシュとは珍しいな
しかも夕方に

乙乙
313名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 18:20:40 ID:euFpDaqo
これは手持ちのマテリアが気になりますな。

乙です。
314名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 18:41:48 ID:360qadqe
全部マスターだったりして

・・・身も蓋もねぇな
315名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 18:43:03 ID:PejQDze8
ウータイのイベントの最中呼ばれたんで実はマテリア一つも持ってないとかじゃなかろうな
316名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 18:47:23 ID:tM6ih+pl
乙、焦らず頑張ってくだっせ
しかし、AC辺りからですか、ひょっとしてTみたいに中毒状態で召喚かと思いましたよ
ACだとマテリア教会に隠してたんでしたっけ
精神状態や下手すれば星痕まであったりするのでしょうか

続き期待して待ってまーす
317名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 18:47:53 ID:KUgiX5aA
何処クラウドの台詞が少々硬く感じる。もしかすると『ソルジャーの意識』が強い頃のものだろうか。
とするとアバランチとの合流前かな?
318名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 18:48:17 ID:DpWhMthG
>>314
マスター召喚二つにHP吸収とMP吸収ですね、解ります
319名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 18:51:44 ID:IwoYdR2v
マテリアなくても通常の剣技だけで
ある程度どうにかなりそうな気がするけどな
320名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 18:59:20 ID:360qadqe
超級覇王電影弾

みたいな名前の技持ってなかったっけ?
321名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 19:06:35 ID:49Q7ipc2
ティファが再び店始めた、とか持ち手のついた箱、とかあるから
FF7終了後、マテリアをどこぞに隠す直前の召喚じゃないか?
322名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 19:11:01 ID:+8FJbikO
>>320
超究武神覇斬か?
 
何にしたって、フェニックスか蘇生持ってるかで皇太子の生死が決まる可能性が高いな
323名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 19:12:59 ID:360qadqe
>>322
おぉそれだそれ
ゴールドソーサーの闘技場の景品だったよな
324名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 19:14:54 ID:PejQDze8
クラウドは単なるクール系じゃなくて内面ナイーブというか相当病んでる部分があるからな
325名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 19:14:57 ID:XPQSpRXy
クラウドとかただでさえ無双なのに、それに+ガンダールヴ…。
どこのチートキャラですか?
召喚される武器は全てマテリアなんですね、わかります。
326毒の爪の使い魔:2009/05/31(日) 19:22:32 ID:uNR5qjox
ラスボスの人乙。
カリン様にしごかれるユーゼスが哀れ。
で、娘の豹変や唐突な恋に傷付きまくるヴァリエール公爵の親バカぶりがいいです。
アンリエッタはまぁ…なんていうか…、確かにこんな感じかな? としか。
悩んでいないだけ原作よりも性質悪いかもしれない…。
まぁ、これ以上の暴走が無い事を願いつつ……続き楽しみにしてます。

ウルトラの人乙。
ギマイラ! 80の怪獣の中でぶっちぎりで好きです♪
操られた隊員達は気の毒ですが、原作のUGNの隊員のようにラブラスにされなかっただけましかと…。
タコは…でませんよね、海無いし…。あのデザインはそれまでのタコ怪獣のイメージを覆した素晴らしい物だったんだが。
カリン様の健闘を期待しつつ、次回も楽しみにします。


で、毒の爪の使い魔の第39話が書きあがりました。
予定その他が無ければ、5分後辺りに投下します。
327名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 19:25:24 ID:Olr6bWos
なに今日の投下ラッシュ
支援
328名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 19:26:09 ID:B0J+neoc
何故か『超覇導天武刻輪連懺吼』を思い出した


ウルトラの人のを読んでて確信したんだが、どうやら俺は
『人々の危機に役目を終え皆から忘れさられようとしてるものが再び立ち上がる』
ってシチュに弱いようだ
329毒の爪の使い魔:2009/05/31(日) 19:27:08 ID:uNR5qjox
では、そろそろ投下開始します。

「しかし…、あの姫にも参った物よ…」
地下通路を杖の先に灯した魔法の明かりで照らして歩きながら、リッシュモンは憎々しげに呟く。
この地下通路はリッシュモンが万が一を考えて造らせていた抜け道であり、
タニアリージュ・ロワイヤル座の舞台の落とし穴はここへつながっていたのだ。
地下通路は自分の屋敷にも繋がっている為、リッシュモンはそこへ向かっていた。
屋敷に戻った後は集めた金を持ってアルビオン――否、今は新国家レコン・キスタか…――へと亡命するつもりだ。
その後、現在のレコン・キスタの総司令に願い出て一個連隊を預けてもらってトリステインへ戻り、
アンリエッタを捕まえ、自分が今日味わった屈辱の何倍もの辱めを受けさせ、辱めながら殺してくれる。
そんな事を考えながらリッシュモンは歩を進めていく。

「何処へ行くつもりだ、リッシュモン?」

――背後から声が聞こえた。
リッシュモンは反射的に振り返る。
暗く湿った通路に立っていたのは銃士隊のアニエスだった。
「貴様か」
相手がアニエス――メイジではないと解り、リッシュモンはあからさまにバカにした表情を浮かべた。
それはメイジに良くある、平民の戦士を軽く見ている態度だ。
「平民上がりに捕まる私ではないわ、ハハハ」
「捕まえるつもりは無い…」
リッシュモンの笑い声を遮りながらアニエスは静かに言い、腰の銃を抜いた。
「貴様を殺す」
銃口を向けながら冷たく言い放つ。
その態度にリッシュモンは笑いを止める。
「何?」
「ダングルテール」
アニエスの言葉にリッシュモンは笑った。
「なるほど…、貴様はあの村の生き残りか」
「ロマリアの異端審問”新教徒狩り”。貴様は我が故郷が”新教徒”というだけで反乱をでっちあげた。
そのお陰で…何の咎無く我が故郷は滅んだ…」
言いながらアニエスは唇を噛み締める。血が滲んだ。
「…その見返りとして、貴様はロマリアの宗教庁からいくらもらった?」
「悪いが賄賂の額など一々覚えておらんわ。第一それを聞いてどうする? 気が晴れるのか?」
「殺してやる…、懐の中の物は冥土の土産にするがいい」
拳銃を握る手に力が籠もる。
リッシュモンも笑いながら杖を構える。
「フン、貴様の命など一捻りだ。そうだ…教えてやろう。
貴様の知りたがっているダングルテール事件の記録は、魔法学院の地下に在る」
「な!?」
リッシュモンの言葉にアニエスは一瞬動揺する。――それは致命的な隙だった。
「甘いわ!!」
リッシュモンが叫ぶや、杖から炎が飛び出す。
言葉の間にルーンを挟んでいたのだ。
動揺していたアニエスは迫り来る炎を避けきれない。
「うわあああぁぁぁぁぁ!!!?」
凄まじい炎に包み込まれ、アニエスは悲鳴を上げた。

――瞬間、アニエスの脳裏に幼い頃の記憶がフラッシュバックする。

炎に包まれた故郷<ダングルテール>

その故郷を見回しながら涙を流す幼い自分。

そして……
330名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 19:28:37 ID:1AMVIqnR
今日は投下祭だな支援
331毒の爪の使い魔:2009/05/31(日) 19:30:02 ID:uNR5qjox
アニエスはゆっくりと目を開く。
目の前に炎の中に浮かび上がる人影が見えた。

その人影は黒いローブを身に纏い、首筋に火傷の跡が在った。

ハッとなり、アニエスは目を見開く。…その人影は姿を変えていた。
二メイル近い長身を紫のコートと帽子で包み、地面に付くほど長いマフラーをしている。
それはアンリエッタの護衛をしていた亜人だった。
「貴様は…?」
「ハァ…、ったく…つくづく俺は復讐とかに縁があるみてェだなァ?」
炎を防ぎながら、ジャンガはため息を吐く。
そして、振り向かずにアニエスにむかって言う。
「テメェみてェな奴は言っても無駄だろうからな…、協力してやる」
「何だと?」
「その代わり…」
肩越しにアニエスを見る。
「ケリはテメェで付けな」



燃え盛る炎を見つめながらリッシュモンは不敵に笑う。
「フン、たわいもない」
所詮は平民、自分の敵ではなかった。
さて、これで邪魔者はいない。あとは屋敷に戻って――

「何とかなると思ったかァ〜?」

――背後からの囁くような声に背筋が凍り付くのを覚えた。
慌てて振り返る――よりも早く、自らの右腕が肩口から切断される。
ボトッと杖を握ったまま、腕が地面に落ちた。
「ぐあああぁぁぁぁ!!?」
「ギャーギャー喚くんじゃねェよ…、ガキじゃねェんだからよ?」
声のした方を振り返る。
紫色のコートを着込んだ亜人が立っていた。
「き、貴様…何者だ!?」
「オイオイ、余所見してていいのかよ? テメェの死神は目の前にいるゼ」
「何!?」
慌てて視線を前に戻す。
「うおおおおおぉぉぉぉぉーーーーーッ!!!」
炎から絶叫と共にアニエスが飛び出す。
そのまま、リッシュモンの胸へと手にした剣を突き立てた。
「ば、ばかな……。メイジが…、貴族が…、へ、平民如きに……」
「剣や銃は玩具だと…前に言っていたな?」
言いながらアニエスは、柄も通れとばかりに深く突き立てた剣をゆっくりと回し、その胸を抉る。
「これは玩具などではないぞ。我等が貴様ら貴族にせめて一噛みと、磨いた牙だ。その牙で死ね…リッシュモン!」
「ぐおっ、ぐおおああああぁぁぁぁ…」
口から鮮血を溢れさせながらリッシュモンは、ゆっくりと地面に崩れ落ちた。

「これで、テメェの復讐も終わりって訳だな?」
壁に背を預けながら事のしだいを見届けていたジャンガが声を掛ける。
アニエスは目を閉じ、既に事切れたリッシュモンに背を向け、歩き出す。
「まだだ…、まだ終わってはいない」
「これ以上誰を殺すんだ? まさか…ロマリアとか言う国に殴り込みを掛ける気か?
キキキ…そりゃ無謀って物だゼ? 命が幾つ有っても足りやしネェ…」
「違う」
「…なら、何をするんだよ?」
「…村を焼き滅ぼした者を全て撃ち滅ぼす」
アニエスは感情を押し殺す気も無いのか、恨みの籠もった声で呟いた。
332名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 19:31:48 ID:ORMfotzp
恨みの連鎖は鋼鉄の鎖そのものだな。支援
333毒の爪の使い魔:2009/05/31(日) 19:34:52 ID:uNR5qjox
「そのためにも、リッシュモンの言葉が真実であるかどうかを確かめる。
魔法学院の地下…そこに行けば真相が解るだろう」
「熱心だネェ〜。そんなに復讐心剥き出しにしやがってよォ〜?」
アニエスは答えない。ただ黙って歩を進めていく。
ジャンガは小さく息を吐く。

「…テメェの仇は俺が殺したゼ…」

アニエスの足が止まり、ゆっくりとジャンガを振り返る。
「どう言う意味だ…今の言葉?」
ジャンガは壁に寄り掛ったまま、爪で耳を穿っている。
「言った通りさ…、テメェの仇は俺が殺したんだよ。この爪で俺が殺した。
だから、この世にはもういねェ。いくら探しても見つからねェよ」
アニエスはジャンガへと詰め寄る。
「どう言う事だ…何で貴様にそんな事が解る、答えろ!?」
ジャンガはアニエスを見ずに答える。
「アカデミー実験小隊…、それがテメェの故郷を焼き尽くした連中の名前だ」
「やはりメイジの仕業か…」
アニエスは、ギリッと音がするほど強く唇を噛み締めた。
「…それを貴様が壊滅させたのか?」
「まさか…そんな俺と関係無い奴をわざわざ殺すメリットが何処に在るんだ?
くだらねェ事をするほど、俺は暇じゃねェんでな」
「ならば、今の言葉はどう言う意味だ?」
「ジャン・コルベール。魔法学院の一教師で二つ名は『炎蛇』。…故人だけどよ」
「…まさか」
ジャンガはニヤリと笑ってみせる。
「ああ…そうさ。そいつがアカデミー実験小隊の小隊長。で、お前の村を直接焼き払った張本人って訳だ…」
アニエスは言葉を失った。
「…わたしの仇が…既に死んでいる?」
「そう言う事だ……残念だったな? まァ…こっちも色々と事情があったし、
お前の事も知らなかったんだからよ、恨むなよ…キキキ。
ま、これでテメェの復讐とやらも終わりだな? なら、もう考えんなよ」
ジャンガは笑いながら壁から離れると歩き出す。
そして擦れ違いざまにアニエスの肩を叩いた。

「…こんな”下らない事”はな」

――次の瞬間、ジャンガは胸倉を捕まれ、凄まじい勢いで背中から壁に叩きつけられていた。



ジャンガは黙って自分を壁に叩き付けた相手=アニエスを見つめる。
アニエスは荒く息を吐きながらジャンガを燃えるような、怒りで満ちた目で睨み付けている。
「貴様…もう一度言ってみろ!?」
「何をだ?」
ジャンガはあっけらかんと答える。そのふざけた態度がアニエスの怒りを更に掻き立てる。
「わたしの復讐を”下らない事”などと言っただろ!!!」
「ああ言ったゼ。…それが如何した?」
アニエスは胸倉を掴み上げる手に更に力を込める。
「ふざけるな!! この為だけにわたしは生きてきたのだ! それを下らないだと!?」
「ああ…下らねェな。そんな事ばかり考えてたなんてよ…、つまらない人生送って来たんだな…テメェもよ?」
「……二十年前、わたしの故郷であるダングルテールが焼かれた。父も母も友人も…わたしを助けてくれたロマリア人も。
その時、既にわたしの人生は壊されたのだ。それからの二十年……全ては復讐の為だけにあった!」
「それまたご苦労さま〜。二十年間も”そんな事”に人生費やして来たなんてよ…馬鹿馬鹿しくて笑っちまうゼ!」
アニエスは胸倉を掴んだ手を引き寄せ、ジャンガの顔を覗き込んだ。
「貴様などには解るまい…。何の咎も無く、理不尽に自分の幸せの全てが奪われる苦しみはな!」
「…解るゼ」
「何?」
その言葉にアニエスは呆気に取られる。
334毒の爪の使い魔:2009/05/31(日) 19:40:17 ID:uNR5qjox
ジャンガは一切のふざけた感情を取り払った、真剣な表情でアニエスを見つめる。
「俺もな”こっち”に連れて来られる前に居た所で色々とあってよ…。
テメェのように幸せを奪われた。…いや、ある意味テメェよりも酷ェかもよ。
何しろ…生まれた時から親は俺を痛めつけるダメな奴等。周囲には友人が居ないだけでなく、俺を虐げる奴等ばかり。
唯一見つけた友人…と呼べるような奴も、どっかの金持ち野郎に家ごと焼かれた」
「……」
「だからな……解るゼ。解りたくても解っちまう…。大切な者を炎で焼かれたと言う所も、俺達は似ているからよ」
「…貴様は、復讐を考えなかったのか?」
「考えたさ」
即答され、アニエスは驚く。
そんな彼女の表情に、ジャンガは薄く笑いを浮かべる。
「当然だろうが? やられたらやり返すのは常識だゼ。俺を散々に痛めつけてくれたクソ親には礼をしてやったからよ」
「ならば…何故、わたしを止める!?」
「…お節介が居た。これ以上無い位のお人好しでよ…、俺に復讐の無意味さを唱えた。
俺はそれを納得が行かないまでも、受け入れた。いい奴なのは間違いなかったし、
俺もそいつが気に入っていたからよ。お陰で、俺は結局復讐はしなかった」
ジャンガの話にアニエスは眉を顰める。
「…だから、わたしを止めると言うのか?」
「まさか? そんな事だけで見ず知らずの他人を止めてやるほど、俺はお節介じゃねェし…第一メンドくせェ」
「ならば何故だ!?」
ジャンガは目を閉じ、ため息を吐く。
「『炎蛇』」
その名にアニエスは目を見開く。
「奴がよ、言ってたんだ」

――それはコルベールを殺したあの夜…、コルベールと会話していた時…

「裁く事が出来る人間? 誰だよ?」
「ダングルテールの…唯一の生き残り…」
「全部焼き払ったんじゃなかったのかよ?」
「ああ…村の全てに炎を掛けた時……わたしは疫病など…発生していない事を……知った…。
真実を知ったわたしは……必死になって…村の中を駆けた…。
一人でも…生き残っていたら…助けねばと思って…な…」
「フゥ…今更じゃねェか」
「そうだな…。でも……それでもわたしは…生き残りが居たのなら……一人でも助けたかった…」
「それで?」
「…一人、見つけた…。幼い少女だった…」
「それがテメェの言う生き残り?」
「ああ…。わたしは…その少女を連れて…村を後にした…」
「…そいつはどうしたんだ?」
「連れて行く……わけにも行かなかった…。故に…毛布で身を包み…浜辺に寝かせた…。
その後…どうなったかは解らない…」
「なら、くたばったかもしれないんじゃねェかよ?」
「…いや、後になって……ダングルテールの近くで…少女が…保護された事を…知った…。
だから……彼女は…まだ生きている…」
「そうかい」
「…わたしは…彼女によってのみ…死ぬ事が赦されるはずだった…。
…彼女に会えずに…死ぬのは…どうにも心残りだ…。
でも……できることなら…彼女には……わたしのような道は歩まず…平穏に暮らしてもらいたい…」

ジャンガの話を聞き終え、アニエスは言葉を失った。
「まァ…あいつも色々思う事はあったんだよな。少なくとも…平然とはしてなかったゼ。
テメェの全てを奪った責任に押しつぶされそうになりながら、それでも優しく微笑んで…。
罪が消えないと理解しながら、多くの人間に尽くす為の努力と研究を続けて…。
それでいて…テメェに自分の生死を委ねてもいた。
解るか? あいつは生きるも死ぬも他人任せだったんだよ。身勝手だよな…、逃げてるだけだよな…。
だけどよ…後悔して、苦しんでるのは事実だった」
「だから…赦せと? ふざけるな!!! 苦しんだから、後悔したから、償おうとしたから、だから赦せと!?」
「誰も赦せ何て言ってねェだろうが…?」
335毒の爪の使い魔:2009/05/31(日) 19:44:18 ID:uNR5qjox
「なら、何が言いたい!?」
ジャンガは再びため息を吐いた。
「復讐だけを止めろって言ってるんだ」
「何?」
「殺したところで…全てが戻るわけも無いだろうが?」
「…それがどうした」
「…俺もあいつと同じようなもんだ。
友人を殺し、その息子に仇として追われ、殺されたいと願いながら…死ぬのが怖くて…。
な? …そっくりなんだよ、俺とあいつは…。だからな…、お前の気持ちも良く解る。
俺は復讐者で仇なんだからな…」
「……」
アニエスの手から力が抜ける。
ジャンガはコートの乱れを直す。
「テメェ…故郷は無くなった、と言ってたよな?」
「…そうだ。もうダングルテールは存在しない。…閉じた、わたしの瞼の裏以外には…」
「テメェが必要以上にカリカリしてるのもその所為だな…」
「わたしに心休まる場所は無い…」
「あの姫嬢ちゃんの所もか?」
アニエスは、ハッとした表情になる。
その表情の変化をジャンガは見逃さない。
「…認めろよ。テメェにはもう新しい心の休まる場所が見つかったんだろ?」
「……違う」
「否定するのは簡単だけどよ…、それだと失った後の後悔は…更に深まるゼ?」
「……」
「認めろよ、テメェに正直になれ。…テメェ自身を裏切ったら、お終いだゼ?」
アニエスは大きく息を吐いた。
そして、ジャンガに背を向けると頭上を仰いだ。
「……貴様の殺したわたしの仇はどんな男だった?」
「先に言ったとおりだ。…いつも必要以上に笑っていて、礼儀正しく、生徒に優しくて…。
それでいて…心の中は脆くて、いつも悩んで、苦しんで…。
なのに他人を気遣う事も忘れない。生徒の危機には身を挺して庇い、
自分を殺した俺の事も案じる位のお人好し…。
ほんと……バカだけど、良い奴だった…。少なくとも……人を殺せるような奴には見えなかったな」
ジャンガは大きく息を吐くとアニエスを見る。
アニエスは黙って立ち尽くしていた。
「…わたしはその男を決して赦さないだろう。既に死んでいようと、後悔していようと、この憎しみは消えぬ。
幾たび生まれ変わろうとも、その気持ちだけは変わらぬだろう。
だが…心のどこかでは、その男に会わずに済んで良かったとも思っている自分がいる。
その男に出会っていたなら、わたしは恐らく…自分を抑える事は出来なかった。
例えその男を敬愛する生徒が止めに入っても、わたしは躊躇する事無く、剣を振り下ろしていただろう」
「……」
「しかし…そうなれば、今度はわたしがその生徒達に恨まれるだろう。決して赦さなかったであろう。
復讐とは連鎖する物、永遠に伸び続ける…繋がり続ける鎖。何処かで止めなければ、永遠に終わらない。
だから……わたしはこの瞬間、その鎖を断ち切ろう」
「そうかい…」
「わたしはその男の考えが……本当は良く解る。…軍人とはそう言うものだと。
命令されれば身体が動いてしまう。その男も命令に従っただけの事、わたしと何ら変わりが無い。
…だから解るのだ。…解るが…認められなかった」
「だがよ…お前はそれを認めた。だから復讐を止めた…、立派だゼ」
アニエスの頬を涙が伝う。
「貴様は…生徒に恨まれなかったのか?」
「んなわきゃねェだろ? きっちりしっかり恨まれたさ…、これ以上無い位にな…」
「すまない…、本当ならばその恨みはわたしが背負うはずのものだったのに…」
「気にすんな、テメェの為にしたわけじゃねェしよ…。それに、何だかんだでもう打ち解けてるしな…」
「そうか…」
アニエスは目の涙を拭い、歩き出した。
「何処へ行く気だ?」
「戻るのだ、陛下の所に。リッシュモンの制裁は終わったと報告せねばならぬ」
「…ああ、そうだな。ま、上ももう片付いているだろうしな」
アニエスに続いてジャンガも歩き出した。
336毒の爪の使い魔:2009/05/31(日) 19:47:18 ID:uNR5qjox
トリスタニアの地下に掘られた、この地下通路の一番近い出口はチクトンネ街の排水溝だった。
そこから姿を現したアニエスとジャンガを、道行く人々が不思議そうに見つめる。
「おーおー、注目の的だな?」
「行くぞ」
周囲の目を気にせずにアニエスは歩き出す。
「オイオイ、歩いていくのか? 時間掛かるゼ」
「だからこそ急ぐのだ、馬を探す時間も惜しい」
アニエスは足を止めずに言った。
そんな彼女を見ながらジャンガはニヤリと笑う。
素早く近寄り、彼女の身体を抱き上げる。
「な、何をする!?」
突然の事にアニエスはうろたえる。
ジャンガはニヤニヤ笑いながらそんな彼女を見下ろす。
「な〜に…こっちの方が早いからよ」
言うが早いか、ジャンガは疾風の如く駆け出す。壁を蹴って屋根に上り、劇場の位置を確認する。
そのまま屋根から屋根へと飛び移り、一分と掛からずにタニアリージュ・ロワイヤル座の前に到着した。
「ほら、到着だ。普通に歩くより早ェだろ?」
「…あ、ああ…」
アニエスは呆気に取られながらも頷く。
と、銃士隊の面々がいるのが見えた。
「!? お、下ろせ!」
アニエスは部下に気が付き、慌ててジャンガの腕が逃れようともがく。
「と、とと…慌てるんじゃネェよ」
呟き、アニエスを下ろす。
両手でマントなどの乱れを整える。…その頬が微妙に赤みを帯びているのは気のせいだろうか?」
「照れてるのかよ? 可愛い所もあるじゃねェか…キキキキキ」
「う、うるさい!」
アニエスは笑うジャンガを一喝し、部下達の方へと歩を進める。
何やら慌しくしていた銃士隊の面々は隊長の姿を認め、敬礼をする。
「あ、隊長! お戻りに為られましたか!?」
「リッシュモンの制裁は済んだと陛下に報告したい。…陛下は何処に?」
アニエスの言葉に銃士隊の面々の表情が暗くなる。
その表情にアニエスは不吉な物を感じた。
「どうした…何があった!?」
「あ、ジャンガ!!?」
アニエスの声を遮って別の声が聞こえてきた。ルイズ達だ。
ルイズは身体の数箇所に包帯を巻いており、ジャンガは怪訝な表情を浮かべる。
「ンだ、お前? その怪我どうしたんだ?」
「……」
ルイズは黙って俯く。その両目には涙が溢れている。
ジャンガは後ろに居たタバサ達に視線を向ける。
「何があった? こいつの怪我はどうした? 姫嬢ちゃんは何処だ!?」
タバサは唇を噛み締めながら搾り出すような声で答えた。
「ごめんなさい…」
「何…?」
ルイズが涙に濡れた顔を上げた。

「姫様が……姫様が攫われたのよ!!!」



――同時刻:アルビオン・ハヴィランド宮殿――


暗い地下牢の扉が開かれ、一人の男が足を踏み入れた。
その義手になった左手で誰かの首を絞めている。――男はガーレン、首を絞められているのはアンリエッタだ。
「さて、ではここで大人しくしてもらおう」
腕を振り上げ、アンリエッタをガーレンは牢の奥へ投げ捨てた。
後手に縛られている為、受身も取れずに背中から硬い床に落ち、激痛が全身を駆け巡る。
337名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 19:50:44 ID:zp069f7Q
スゲェ投下ラッシュだな。
支援。
338毒の爪の使い魔:2009/05/31(日) 19:52:10 ID:uNR5qjox
「げほっ、ごほっ」
首を絞められていた苦しさと背中の激痛に、激しく咳き込むアンリエッタ。
呼吸を整え、それでも気丈にガーレンを鋭い眼差しで見つめる。
それをガーレンは鼻で笑った。
「フン、無能は無能らしく下らぬ復讐に手を染めてここに攻め込めばよかったのだ。
それを…無駄に正義感を発揮して、戦争はせぬなどと言いおって…。
お陰で大分予定とは変わってしまった。我輩が出る幕も無かっただろうに…」
「…あなたは、レコン・キスタの者ですか? それともガリアの?」
「さて…どちらでもない、と言おうか?」
「ふざけないでください」
「ククク、別にふざけてなどおらぬよ。…我輩は我輩だ。誰かの下に傅いて利を得ようなどとは考えぬ。
何者も及ばぬ頭脳、そして気高き理念と心の強さ。それらを持ち合わせた我輩は何者にも縛られぬ。
そう…我輩こそが絶対の支配者、我輩が傅くのではなく、全ての他者が我輩に傅くのだ」
アンリエッタは怪訝な表情を浮かべる。
「ならば…何故レコン・キスタに手を貸すような真似をするのです? 今の言葉と矛盾してませんか?」
「それは必要な事だからだ。貴様が愚かしくも身一つで危険に身を投じたのと同じようにな…」
痛い所を突かれ、アンリエッタは唇を噛む。
その様子にガーレンは笑う。
「滑稽だな…、国の事を案じて今回の件を急ぎ、その結果…国を更なる危険に貶める事となった。
ククク…いやはや、滑稽だ。有能な素振りを見せたと思えば、無能な所も見せてくれるとは。
実に器用だな、貴様は。我輩としても久しぶりに笑わせてもらった」
「……」
「まぁ案ずるな…。そもそもこのアルビオンへは必ず攻め込んでもらわねばならなかったのだ。
でなければ…”悪夢”の収集に支障が出たのでな」
「悪夢?」
「貴様には関係ない。…貴様はただトリステイン・ゲルマニア連合軍を呼び寄せる為の餌となっていればいいのだ。
その時、アルビオンは白の国ではなく…赤の国となるのだ。多くの痛苦の叫びに彩られてな…」
アンリエッタは恐怖した。目の前の男はわざわざアルビオンに軍隊を呼び寄せて戦争をしようというのだ。
そして、その結果…大地が血に染まるのを望んでいる。
「何故、何故そのような事を望むのです!?
このアルビオンにはレコン・キスタとは関わりの無い者も大勢居るのですよ!?
それを…争いに巻き込もうなど…」
「必要だからだ」
たった一言だった。
アンリエッタは両目を見開く。
「必要…?」
「そうだ」
「大勢の無辜の民を巻き込む事にどのような必要性が在るというのですか!?」
「それは貴様の知るところではない」
「ふざけないでください!」
アンリエッタは不自由な身ながら、ガーレンへと飛び掛る。
そのアンリエッタの首をガーレンは義手で掴んだ。
「あぐ!?」
「…ふざけた真似は止めていただこうか?」
そのままギリギリと首を締め上げる。
苦しさにアンリエッタは意識が遠のくのを感じた。
「貴様を此処に連れてきたという事実が出来ただけ…、それで貴様自身は既に用済みなのだ。
代役ぐらい簡単に用意できる。貴様が生かされてるのは万が一を想定して、
そして我輩の慈悲による物だと言う事を良く考えるのだな」
アンリエッタが完全に意識を手放す寸前、ガーレンはその手を離した。
地面に崩れ落ち、アンリエッタは激しく咳き込んだ。
彼女が呼吸を整えた時には既にガーレンは牢の外だった。
「…あなたは…何が望みなのです?」
「望み?」
一瞬呆気に取られ、次いで笑った。
「グハハハハ! それはもう言ったはずだ! 我輩の望みはただ一つ…世界の支配者となる事、ただそれだけだ!」
一頻り笑い、ガーレンはアンリエッタを見据える。
「では、アンリエッタ殿…これで失礼する。ああ、そうだ。そこに一応の食事を用意している。
粗末な物だが、無いよりはいいだろう」
アンリエッタは壁際に目を向ける。そこにはパンが浮かんだ、スープの入っている古ぼけた皿が一つ在った。
339毒の爪の使い魔:2009/05/31(日) 19:55:57 ID:uNR5qjox
「…これでは、食べれません」
アンリエッタが縛られた腕を見せる。
「口は動くだろう? そのまま食べればいいではないか」
「っ! …貴族の、王家の者への対応とは思えませんね」
「我輩にとってこの世界の者は等しく傅くべき者なのだ。そこには平民も貴族も王族も関係無い。
まぁ、無理に食べろとは言わない。そのまま餓死するのも貴様の自由だからな、ククク」
「……」
「では、今度こそ失礼するよ。我輩もまだやらねばならぬ事があるのでな」
そう言って、ガーレンはその場を去っていった。

ガーレンが居なくなり、見張りのやりムゥ達だけが数匹残った。
喋る者がいなくなり、アンリエッタは深いため息を吐いた。己の愚かさを嘆いたため息だ。
ジャンガの言ったとおりの事態になった…、自分は敵に囚われの身となってしまったのだ。
後悔しても遅い、もう起こった事は幾ら悔やもうが取り返しはつかないのだから…。
「それでも…このままで良い訳がありません」
自分の罪は自分で贖わなければならない。
アンリエッタは皿の方に歩み寄ると、身を屈めてスープに直接口を付けた。
スープを啜り、パンを口だけで噛み千切る。
彼女を知る者、貴族のプライドに拘る者が見れば正気を疑いそうな光景だ。
だが、アンリエッタはそんな屈辱的な姿勢でも食事を続けた。
自分はまだ死ねない…、死んではならないのだ。
こうなってしまった責任は全て自分に在るのだから、それを償うまでは死ねない。
その為にも今はどんな事をしてでも、どんな恥辱を味わおうとも生きなければならない。
それに…ルイズやジャンガが自分を助けに来てくれる、…そうアンリエッタは信じていた。
都合の良い考えではある。自分で引き起こした事態に例え友人であろうと巻き込んで言い訳が無い。
だが…あの子の事だ、周囲が止めても自分を助けに来ようとするはず。…そう言う子なのだ。

「だから…わたしは生きます。どんな事があろうと、絶対に死にません」

アンリエッタは固い決意を胸に秘め、食事を続けた。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

以上で投下終了です。
とりあえず、アニエスの復讐つねつねの決着はこんな形でつけました。
まぁ、コルベール死んでるし、10巻の展開も既にやってるしで、ここに持ってきました。
アニエスって何となく復讐に関わってる最中はガンツに見えるんですよね…個人的に。
まぁ、そんな訳でこれにてダングルテール絡みは一応決着です。
そしてアンリエッタは王道な囚われのお姫様役になってもらいました。
…別にアンリエッタの食事風景は趣味とかそんな物ではないです、決して!
ま、それ位の覚悟はあるんだ、みたいなのを表現しようとしただけですのでして。
ガーレンは悪党ぶりと紳士ぶりを同居させたようなのを目指してます。

では、また次回。アデュー!
340名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 19:59:29 ID:ORMfotzp
毒の爪の人乙!
アニエスさんがこれから先どうなるのか期待したい。
後アンリエッタは成長しすぎだけど…いいぞもっとやれ!
341名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 20:13:33 ID:SieCPnA4
342名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 21:19:26 ID:DiPlPJZ0
私はこれからKYな発言をします。
『誰か、鋼殻のレギオスのリンテンスが召喚されるssを書いてくれないか?』
343名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 21:30:24 ID:bAQnLWMa
毒の爪乙ー
ジャンガのお説教がちょいとざーとらしい感じだったかもですけど、まぁ丸く収まってよかった。
……お姫様抱っこ気に入ったんスかジャンガさんw
344名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 21:32:33 ID:pkxPOV0g
>>342
アニメしか見てないからそれが誰だかわからにゃーよ。
皆さんお疲れ様です。予約無ければ二分後に投下したいと思います。
51.アズラ様が笑う

「わりぃが、そりゃ無理な話だ。主人を見捨てるのはできかねん」

説得が通じる相手ではないと女の目を見て理解した。そしてこの女がやろうとしていることは、
多分その方が良い行いなんだろうと、後でうめいているリッシュモンについて男は思った。
自分が仕えている老人の腹は真っ黒だ。そのくせ変に自信過剰でこんな真夜中にも出歩く。
さっさと逃げてしまいたいが、リッシュモンを守る為にもここで引く訳にはいかなかった。

「旦那ぁ、近くにいられると困るんで人気のある所で待っといてもらえますかね?
ああ、魔法唱えといて下さいね。こいつだけとは限らないんで」

リッシュモンは男の声にはっと我に返ったようで、何か二言三言うるさくわめいてから離れていった。

「待て!」

追いかけようとするアニエスを男が牽制する。背後から放ったエア・ハンマーをアニエスは振り返り剣で受け止める。
男は感嘆の声を上げ、それから面倒そうにアニエスを見る。

「あー、やっぱりメイジ殺しの類か。俺らに喧嘩売る平民なんざそういるもんじゃないからな」

アニエスはゆっくりと剣を構え、男を見る。その目は殺気立ってはいるがそれなりに理性は残っていた。

「邪魔をするな」

怒りの形相でゆっくりと男に近づいていく。男はついにため息をついて、
この恐ろしい女をどう倒すか考えている。

「そういってもよぉ……」

高速詠唱で牽制代わりのウインド・ブレイクを放つ。
やはりアニエスは剣で受け流すが、その隙に男は素早く距離をあける。
剣には固定化がかかっているらしい。男は遠距離から強力な魔法を使って剣を壊すことにした。

「拾ってもらった恩があるからな。ダングルテールの件で責任が俺と隊長にまわってきてアカデミーにいれなくなってから……」

アニエスの目が見開いた。そしてそのまま男に向かって突き進む。
男はアニエスがどういう思いでリッシュモンを狙ったのか理解した。
理解したからこそ、即座に詠唱して呪文を放つ。

「ラグーズ・ウォータル・イス・イーサ・ウインデ」

何十もの氷の矢がアニエスに向かって飛んでいく。
これで終わるのならありがたい。だが、そうはならなかった。

目前に迫っていたウインディ・アイシクルの矢がアニエスに当たることは無かった。
突然現れた炎の壁によって蒸発し、元の水蒸気に戻ってしまったのだ。
炎の壁を飛び越えて、アニエスはただまっすぐ男に向かって走る。

「やっぱりあの村の生き残りか!ああ、くそったれ!!」
あのダングルテールでの任務は、男にとって何があっても忘れられないものだった。
疫病の壊滅だとか異教徒狩りだとかで駆り出されたが、男はあれほど「奇妙」な村を他に見たことが無い。
なにせ、村にいた連中のほとんどが杖を持ち魔法を使ったのだから。

途中まで問題も無く「処分」していったが、結局のところ褐色肌の女が現れたせいで部隊はほぼ全滅。
男は隊長と共にアカデミーに戻るが二人で部隊壊滅の責任を負わされてしまい、アカデミーから脱退処分を受ける。
幸い男はリッシュモンに助けられ、ひどい環境で働かされるハメになった。


男が次の魔法を放つ前に決着は付いた。
飛びかかったアニエスの一太刀が男の杖を真っ二つに切ると共に、その柄で男の腹を力一杯殴る。
男は低くうめいて、そのまま意識を失った。

「さて次は……おい、こいつを縛ってくれ」

アニエスが呼びかけると、どこからともなく協力者が近づいてきた。
黒のフードと黒ずんだ紫色の革鎧を着込んだシエスタである。

「後で話す。それでいいだろう?」

アニエスは自分を驚きの目で見ながら、器用にも男に縄を巻いているシエスタにそう言って、リッシュモンが逃げた方へと駆けだした。


リッシュモンは走っている。60を超える老体にとってそれは苦行以外の何物でもなく、
途中で足を止めて息を切らしながらゆっくりと走り続けている。
不運にもまだ辺りには人気が無い。

「ハァ……ハァ……まったく、何で私がこんな目に合わねばならんのか」

相手は剣を持ったただの平民。一緒に戦った方がすぐに済んだのではないか?
そんな思いが脳裏によぎる。足を止めて一息ついていると後から足音が聞こえてきた。
なんだ、やっぱり片付けたではないか。リッシュモンは少し怒ったように振り返る。

「遅いぞモゲン……」

二つの月に照らされた路地の向こうに、女が立っている。
獣のように笑って、ゆっくりとこっちに向かってきている。
見たところ大した怪我をしているようにも思えない。
モゲンスが負けた。ただの平民に?
リッシュモンはそれ以上何かを考える前に杖を取り出した。
考えれば、おそらく恐怖に飲み込まれていただろう。

「ち、近寄るな平民ふぜいが!私はすでに呪文を唱えている。
 あとはお前に向かって開放するだけだ!」

陳腐な脅し文句に、アニエスは笑って答えた。

「ならば、放ってみろ」

恐怖を感じたリッシュモンは、言われるまま杖の先から杖の先から巨大な火の球が膨れ上がり、
アニエスに向かって飛んで行く。アニエスはつまらなそうに剣を構え、呪文を唱える。
「デル・ウインデ」

剣から発生した風の衝撃が炎を切り、かき消す。

「魔法だと!?」

リッシュモンは叫んだ。

「何故平民が!?いや、貴様メイジか?メイジが杖を剣に仕込むとは何たる恥さらしか!!」
「わめくな。うるさい」

ひ、とリッシュモンはアニエスの眼光に腰を抜かして床に座り込む。
アニエスはリッシュモンに近づいて剣を向ける。

「お、お前、私は高等法院のリッシュモンだぞ?私を殺せばお前は……」

ただではすまない。だから何だというのだろうか?
アニエスはそれを無視した。

「ダングルテールの虐殺は、貴様が立案したそうだが」
「待て!お前は生き残りか!違う、私はただ頼まれて……」
「誰に?」

剣が首筋に当たる。リッシュモンは叫び声を上げるがアニエスは全く表情を変えない。

「もう20年も前だ!当時ロマリアにいた宗教庁の連中はとっくの昔に死んでおる!」
「そうだな、後はお前くらいか」

リッシュモンはアニエスの目を見る。深く、そして暗い目には自分の姿が映っていない。

「色々と調べさせてもらった。8万エキューももらったそうだな。大層な額だ」

リッシュモンが何かを言う前に、アニエスはその首をはねた。
これでもう騒がしい声を発することも無い。辺りは再び静寂に包まれた。

「……終わりか」

リッシュモンの杖を懐にしまってから、その死体を見る。
ずいぶんと長い間こうしたかったはずだが、何かが心からわき上がるわけでもない。
だが、なにか心が満たされた気もする。不思議な気持ちだった。

「お前の悪行は月影の国で精算されるだろう。始祖に祈ったところで、今更どうしようもないだろうがな」

錬金で胴体と流れ出た血を分解し、首だけを持ってアニエスは暗闇の中に消えた。


リッシュモンはひどく奇妙な様子で辺りを見ている。
というのも、辺りはひどく美し過ぎる光景が広がっているからだ。
見えるのは花と滝、堂々とした木々、銀の街、しかしすべてが霞んで見える。
水彩のように色が流れている美しい景色によって、半分目が見えなくなっているほどだ。

「ここが、ヴァルハラか?」

あの世とは存在したのか。無神論者で金の亡者だったリッシュモンはそんなことをぼやけた頭で考えた。

『お前たちにとっては、その呼び名が相応しいでしょう』
澄んだ女性の声が頭に響く。その心地よい声色にリッシュモンはまぶたを閉じて眠ってしまいそうになった。
しかし、少々怒りをはらんだ声が再び頭に響いた。

『後を見なさい』

言われるままそうすると、そこには褐色の女性がいた。空色の長髪が風になびき、
漆黒のロングスカートに金色の腕輪以外何も身につけず、右手に黒いバラを持っている。
豊かな胸が平らであったとしても、その姿はリッシュモンが今まで見てきた女の中で最も美しかった。

『我が名はアズラ。この「月影の国」を統治し、魂に安息をもたらすのが私の役目……ですが』

豊かな恵みを揺らしながら、右手のバラを振る。すると周りに半透明で青白い人の形をした何かが現れた。
それらは胴体より下は無く、辺りを漂いながらリッシュモンに近づいていく。

「ひぃぃ!」

リッシュモンは腰を抜かして後ずさった。すると後に冷たい何かを感じ、振り返る。
幽霊の一部が自分の体に当たっていた。すっとんきょうな声を上げて飛び上がる。

「お、おたすけぇぇぇ!」

アズラはひどく冷たい目でリッシュモンをみて、それから吐き捨てるように言った。

『その者たちはお前の罪深き行いによって苦しめられました。その報いは正しく受けねばなりません』

アズラが両手を叩くと、リッシュモンの周りの地面に亀裂が走り、穴が生まれる。
杖が無いリッシュモンはその穴に飲まれ、闇の中に消え去った。

『嘆きの夜を過ごした者たちよ、あの者は未来永劫許されることはない。心安らかに眠りなさい』

おぉ、と幽霊達の間で歓声が沸く。そして彼らの姿は段々と薄らいで行き、一組の幽霊を除いてやがて消え去った。
残った幽霊がうやうやしくアズラに近づいていく。アズラは幽霊が発言することを許可した。

「アズラ様。どうかアニエスを、私達の娘を……」
『安心なさい。あの娘には栄光が待っていますよ』

ほっとしたように、最後の幽霊達も消え去った。


アニエスがリッシュモンの首を持ってシエスタの元に戻ってくると、
他に男が一人いた。趣味の悪い灰色の頭巾を被っている。

「お、おお、おかえりなさ……」

少し涙目のシエスタがいた。革鎧を着た灰色頭巾の男は腕を組んでシエスタをにらんでいる。
限りなく怪しいが、シエスタの雰囲気からするとどうやら敵ではないらしい。
アニエスは頭巾の男の様子をうかがうことにした。
「この女に協力したんだな?」
「は、はいぃ」

頭巾の男はため息を吐く。どうにも面倒事が起こったと言いたげにアニエスを見る。

「ウチのがいらん世話をかけたらしいな?」
「……お前が盗賊の頭か」

灰色頭巾改めグレイ・フォックスは頷いた。

「こいつにちょいと仕事を頼んだが、なかなか帰って来なくてね。
 怪しいと思って来てみたらこれだ。何てことをしやがったんだ。
ああ、まったく。人殺しはするなとあれだけ言ったはずなんだが」

「そいつは誰も殺していない。私に情報を教えただけだ」

グレイ・フォックスはいいや、と首を横に振る。

「分かっててやったんなら同罪だ。破門だからな?」

シエスタはそれを聞いてションボリと肩を落とす。
何とも言えない顔で地面を眺めて小声で呻き、地面にうなだれている。
そんな無気力な部下にフォックスはそっと近づき、肩に手を置いた。

「とはいえ、だ。お前にはギルドを離れてやってもらいたい仕事が出来た」

シエスタは顔を上げる。フォックスはまだ怒っているようだった。
そんなフォックスからの仕事が何か、全く分からない。

「一体何ですか?その、仕事って」
「うん?ああ、ちょっと来い。そこの姉さんもな」

アニエスは断るつもりだった。何かやる事があるわけでもないが、
かといって盗賊に付き合う道理も無い。そう言おうとしたが、
誰かの声に遮られた。

「来てくれないと困りますわ」

アニエスは声がした方を向く。フォックスの後に、いつの間にか女がいた。
若い町娘に見えるが、どこか違う。その所作はどこか高貴を感じさせ、
たおやかな清楚感がその周りに漂っている。

「……待っていて下さいと申し上げたはずですが?」

フォックスは低く、そして嫌みったらしく言った。
身分を考えてくれと内心思っているのだろう。
そんな事なんてどうでもいい町娘は笑っている。

「待てど暮らせど帰って来ないものでしたから、つい」

確信犯なのは明かだった。町娘の格好をした誰かさんはアニエスに近づき、
首だけになったリッシュモンを見る。

「……あなたが裏切っているだなんて、思ってもみませんでしたわ。本当に。
何を信じて生きれば良いのか、分からないものですね」

どこか寂しげに町娘が呟くのを聞いて、アニエスははっとした。
髪型や服こそ違うが、その顔は以前見た事があった。
紛れもなく、こんな所にいるはずがない人物である。
「も、もしやあなた様はアンリエッタ……」

急にかしこまって姿勢を正す。アニエスにとって王家とは始祖と同様に敬う存在だ。

「いいえ。わたくしはアン。ただの町娘のアンですわ。そういうことにしておいてくださいましね」

シエスタはふと思った。アンリエッタ姫とマスターがいる。
そもそもマスターは何で自分が事を起こす前に止めに入らなかったのか。
あ、とシエスタがその理由と今後の仕事内容を何となく予想出来た。
ぽんとフォックスがシエスタの肩を叩く。

「まぁ、そういうことだ。詳しくは後で話そう」

どうやら、さっきの表情は演技だったらしい。
私、怒られ損じゃないですか?そんな事はない。違反は違反だ。
フォックスは悪びれもせず、三人と気絶している一人を連れてその場を後にするのであった。


リッシュモンは穴から落ちてから、暗がりをおっかなびっくり歩いている。杖が無く視界も悪い。
何かが焼けた臭いが漂い、息苦しい地下の道は狭い。人が一人通るのがやっとの細い亀裂を手探りで進み続けていると、
遠くの方に明かりが見えた。リッシュモンはとりあえず喜んだが、先ほど聞いた言葉を思い出してぬか喜びだと後悔した。
報いを受けねばならない。しかしリッシュモンは、というより悪行を重ねた輩は全てそうだろうが、報いなんて受けたくない。

「退くべきか?」

かといって後に出口があるはずもない。自分は上から落とされたのだ。
歩みを止めてどうすべきか考えていると、先ほど遠くで小さくきらめいていた明かりが、
段々と自分に近づいて来るのが見えた。迎えがやって来たのだ。

リッシュモンは諦めて報いを受けることにしたが、足は全く進まない。
やっぱり受けたくないのである。だが、それでも明かりは近づいてくる。

「あの光に連れて行ってもらうとするか」

明かり近づくにつれて心臓の鼓動が増し嫌な汗が体中から吹き出ていく。
周りの温度が上がっているのをリッシュモンは感じたが、その理由はすぐに明らかになった。
明かりは、人の形をした炎だったのだ。

人の体を包みこむように燃えている炎は真っ白で、音もなく盛んに燃えている。
そういう生き物なのか、それとも本当に人が炎に包まれているのか、どちらにせよその見てくれは恐ろしく、
地獄の迎えとしては適切だろうとリッシュモンは思う。正直一杯一杯であった。
辺りの温度は熱さを増していく中、自身の心の内は恐怖でひどくかき乱されていく。
どうでも良い冗談を考えて気を紛らわせて落ち着かせることしか、今のリッシュモンには出来ないのだ。
炎に包まれたそれがリッシュモンの側まで来る。2メイル近い大きさのそれはリッシュモンを立たせて、
着いてこいと無言で促す。明るい開けた所に抜けると、リッシュモンは辺りを見回す。
そこは正に地獄と呼んで相応しい所だろう。リッシュモンですら吐き気がした。
武器を持った化け物が丸腰の人間を追い立て串刺しにしている。
ありとあらゆる魔法をかけられている人間も見える。
煮立った赤い池の中に投げ入れられ体が溶けていく者もいる。
罰を受けている者の中にはエルフや肌の青黒いエルフ、それに見たこともない亜人もいた。

「……これが、こんなむごい罰を受けるのが私の報いか?」

炎は首を横に振る。

「では、一体何をしろというのだ?」

炎は何もいわず、リッシュモンの右腕を掴んだ。

「な、何を……ぎゃぁあああああ!!」

掴まれた腕から、炎がリッシュモンに燃え移る。腕から胴へ胴から足と頭へ。
炎がリッシュモンの体全体を包みこんでいき、最後は口から中へも入っていった。
内臓が焼ける。息が出来ないリッシュモンは掴まれた腕を引き離しその周辺に体をのたうち回らせ、
炎を消そうともがくことしかできなかった。

『それが、報いです』

ひどく楽しそうな女の声が辺りに響いた。しかしリッシュモンは炎に包まれて何も見えなかったし、
その声に気づきもしなかった。ただ自分にまとわりつく炎のことしか考えていられなかった。

『地獄の業火に焼かれ続けるのです。そうやって醜くのたうちはい回り続けて、
 己の犯した罪の深さを思い知ると良いでしょう。何せ』

アズラは笑った。先ほどの信者達の前では決して見せない邪悪な笑みだった。

『わたくしの信奉者達を殺めさせたのですから。お金が欲しかったのなら相手を選ぶべきでしたね』

まるで喜劇でも見るかのように、リッシュモンが体を地面にこすりつけて炎を消そうとする様を楽しんでいる。

『ああ、何と愚かで哀れな人間なのかしら。しばらくはそのままでいてもらいますよ』

彼女にとってのしばらくとは人間にとってのそれに換算すると気の遠くなるような時間を意味する。
少なくても、自分が一体何者であったかを忘れるまでは、永遠にそのままだろう。

『ただ宿命によってお前は裁かれ続けるのです。このアズラに逆らったという宿命によって、ね?』

笑みを浮かべる女神の姿は恐ろしくも美しい。
しばらく虫けらのように転がるリッシュモンを見てから、
夜空の女王はその場を後にする。

人の形をした白い炎は、何も言わず黙ってアズラを見送った。


投下終了。リッシュモンは怒らせる相手が悪かったんだ。では、また次の投下まで。
353名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 22:15:31 ID:49Q7ipc2
乙です
354名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 22:26:57 ID:CxpPSq8K
バイアズーラ!バイアズーラ!
355名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 23:27:53 ID:/ohEQzhy

リッシュモンの末路を見てスカッとサワヤカな気分です
病んでるなぁ俺
356名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 23:34:45 ID:sIrld30/
>>236
叛乱が起こって縛り首かよくて片腕無くすんですねわかります
357名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 23:37:04 ID:ZGRGC0FK
亀だが

>>254
確か吼えペンのテニス話。なので>>255アタリ
358名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 23:45:50 ID:awP1/7i+
>>354
ヘローシティズン

>>355
時間も時間ですから、ゆっくり休んで嫌な事を夢の中に置いてきましょう。
おやすみなさい。
359名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 23:47:33 ID:sIrld30/
>>355
悪人(笑)だからって嬲りものにしてるのを見ると俺は吐き気がするんだが
結局弱いものいぢめじゃん
360名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 23:49:58 ID:uQFi55XA
>>359
まあ力抜け
水戸黄門はそれで成り立ってんだしある一定の需要があるのは理解しとけー
361名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 23:54:58 ID:YFqOy5MR
ギーシュフルボッコと同じく読者受けがいいからな
だが俺もザフライ2のような胸くそ悪くなるエンディングは勘弁願いたい
362名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 23:58:46 ID:sIrld30/
自業自得と言え所長って確かバケモノになったんだっかたあれはえぐかった
363名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 00:04:31 ID:U+41dMDh
この手の読者の反応とニュ速の交通事故スレの住民って性根が同じだろ
364名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 00:16:01 ID:62qMdURU
ユウナだけは許さない
365名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 00:24:37 ID:SLDzLZUP
ユウナ?ヨヨとアリシアに比べたらひよっこですよ
366名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 00:26:17 ID:a5QexAFD
アリシアは箱入りだし、内部事情を詳しく知らされてなかったろうから許せる

ヨヨは死ね
367名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 00:26:54 ID:kgHYX5ln
悪人をうまいこと活用すればいいんだよ
368名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 00:41:23 ID:+j327UtX
なにそれこわい
369名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 00:45:42 ID:1Z7wn7d3
ウボァー書き進んだー。
あとは推敲して、明日明後日には投下したいです。

書いてて思うのは、1話あたりの分量が大きく変化するのをどうにかしたい。
他の方はどんなふうに調節してるのかなー。
370名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 00:48:22 ID:a5QexAFD
感覚で書いてたら大体同じくらいの量になる。
水増ししたり削ったりすることもあるけど。

かなり多くなる時は、色々と水増しして分割もする。
371名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 00:55:19 ID:1Z7wn7d3
>>370
なるほど。

感覚で書いてたら…ってのは、やっぱり経験orセンスによるところが大きいのかな。

キリがいいところや場面展開に合わせて話を切りたいとなると、調節が必須ってことですね。
そりゃ、当然か。
372名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 01:01:10 ID:HaGL61ag
いつも切りのいいとこまで書いてる。
そして二話分投下している。
373名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 01:04:32 ID:FqIn/w/X
ギーシュフルボッコ=パワーアップフラグ
374名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 01:12:42 ID:+j327UtX
なにそれこわい
375名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 04:35:14 ID:eB4PCPy8
>>328
マテリアル・パズル『超覇導天武刻輪連懺吼』

敵味方問わず周囲の人々が空気を読まない
結局発動しない
酷い時には使う前に死ぬ
376名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 06:09:43 ID:kjnIAnBx
ちょっと前に投下された日番谷冬獅郎が召喚されるSSはどこですか?
BLEACHとのクロスSSって少ないから結構楽しみだったんだが…
377名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 06:13:08 ID:rtRD8aoW
>>364
初期はまともだったキャラがあんなになっちゃったのは負債のせいだろうが!
ユウナ・ロマ・セイランに責任はない!
378名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 06:16:12 ID:JEp8zNuE
鰤はオバケとしか戦えないんでねーの? いや崩玉お持ち帰りぃまでしか真面目に読んでないからなんとも言えぬけど
379名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 06:25:55 ID:kjnIAnBx
BLEACHとのクロスSSって少ないから書いてみようかなとか考えてたら、
先に同じようなやつ投下されて、しかも二重投下とか訳分からんことして
勝手に蒸発したから俺の妄想SSが投下し辛い…orz
380名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 06:28:02 ID:BAPY3aRx
テンプレも読まない阿呆はスルーで
381名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 06:59:31 ID:SkV4GkxC
ブリーチから召還されるならわんこ隊長あたりがいいな
382名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 07:01:54 ID:kjnIAnBx
狛村ですかwww
そういえば狛村って一度も始解してないな
卍解ばっかりしてる
383名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 07:03:32 ID:ifioycJK
とりあえずsageてくんない?

テンプレぐらいみてほすぃ
384名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 07:11:22 ID:kjnIAnBx
すまん。今度から気をつける…
385名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 07:42:54 ID:ZXdl7Wz6
問題児ばっかりだな…
386名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 09:45:13 ID:FibB/TcM
リストラ記念で1つ投下します。ネタ元は2式の方です。
387名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 09:49:15 ID:FibB/TcM
<一発ネタ:ゼロの鋼鉄天使>


「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ!強く、美しく、そして生命力に溢れた使い魔よ!
私は心より求め、訴えるわ!我が導きに応えなさい!!!!」


ピンクブロンドの髪をうねらせた少女は、杖を振るわせながら切羽詰ったように声を張り上げた。
巻き起こる爆発。
吹き上がるキノコ雲。
飛ばされ転がるマリコルヌ。
そして、煙幕の中から巨大な影が現れた。


「え・・・・・・まさか、成功したのか?」
「石像が浮いてる・・・・・・ゴーレム?」
「あれ、なんか犬が乗っかってないか?頭のとこ」
「ゴーレムに乗って空飛ぶ犬・・・・・・?」


それは、ゴゴゴゴゴと重低音を響かせながら石像に乗り、空に浮かぶ犬であった。


「み、みみみミスタ・コルベール!こここ、こういう場合はどうすればいいんです!?あの犬と契約
すればいいんでしょうか!?」


ゴーレムは動揺する少女とバーコードサンシャインの前にゆっくりと近づくと、いきなり爆発
を起こした。


「やっぱり爆発したぞ!」
「さすがゼロのルイズだな!」


あまりにあまりな事態のはずなのだが、心配するような声はまったく見られない。
煙幕が晴れると、そこには白い一対の翼を広げる少女がルイズの上に圧し掛かっていた。
ルイズと同じ髪の色をしたその少女は、ゆっくりと目を開け、立ち上がる。

「おはようございますです、ご主人様!」
「ご・・・・・・ご主人、様?」
「はいです!ご主人様がくるみのご主人様ですぅ!きゅ、きゅ、きゅいーーーーーーーん!!」


遠目に見守るクラスメイト達のそばで、「きゅいっ!きゅいっ!きゅーーーーーーーーーぅっ!」
と張り合って叫び、青い短髪の少女に杖ではたかれる蒼い竜の姿があった。
388名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 10:14:09 ID:pLPSaNJ2
いろんな意味で乙
389名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 11:18:24 ID:FibB/TcM
部署統合でうちが切られることになったらしい。
「6月いっぱいでクビね」といわれて真っ白に。
もうどうでもよくなって勤務中なのに朝から2ch繋いでしまったさ。
5月度の月例報告書作成しながら作ってみた。
文章だけだと、AA探したりするよかずっと楽だねぇ
390名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 11:47:56 ID:wHd+am+c
携帯から悪いが、
いろんな意味でお疲れ
391名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 12:43:17 ID:BoZKoNJ+
俺もクビじゃないけど、今日から1週間は寮で待機。
来週からは実家待機になる予定…。

お互い頑張ろうぜ!!
392名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 12:50:42 ID:ZpxGfQoa
仕事を探し始めて3ヶ月。
いっこもまともなのが見つからない。

おかげで家で家業を手伝ってます。
毎日働いてもお金はまったく入ってきません。
奴隷扱いのサイトよ、お前はこんな気分でいたのかね…
393名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 13:27:54 ID:O+nzWlJ9
不況の波がこのスレにまで来るとは…
394名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 14:00:26 ID:FibB/TcM
お仲間がこんなにいるとわ。
一応、月末近くでなければ休みとってもいいと言われたので、
面接の目途が立ちそうなら、溜まった有給消化しようと思ってる。
でも、今月中に見つかるのは期待薄だなぁ・・・・・・
                               ・ ・ ・ ・
ちょっと面倒があって20時まで退勤できなくなった。暇なのに。
というわけで書きながらもいっこ一発ネタ投下してみる。
投下の間隔あき過ぎたらごめん。
395386:2009/06/01(月) 14:03:29 ID:FibB/TcM
<一発ネタ・その2:ゼロの破壊者>

召喚されたのは、煤汚れた2つの鉄くずだった。

何らかの魔法がかけられているようではあったが、少なくとも"生き物"ではない。
異例の事態であったため、判断は保留。本来は使い魔召喚の儀が完了しなければ足切りされるものなのだが、
学院長の判断を仰ぐ、という形でうやむやになった。
周囲の視線から避けるように自室へと戻ったルイズは、召喚されたガラクタを力任せに床に叩きつけると、
声にならない声をあげながら泣き叫び続けるのだった。


−−−


それは現実味のない"夢"だった。

ここでない場所、今でない時。
そこでくりひろげられる、戦い。

『お前は誰だ』

繰り返される問いかけ。

『俺か?俺は、通りすがりの――』


目が覚めると、朝だった。
どうやらそのままずっと眠ってしまっていたらしい。
襲ってくる空腹に気だるげに身を起こすと、床には昨日投げ捨てた"それ"が転がっているのが目に留まった。
煤汚れていたはずのそれは、窓からもれる朝日を、白い光沢の表面と中央の赤い輝石で反射させて輝いていた。
396386:2009/06/01(月) 14:08:34 ID:FibB/TcM
「君の軽率な行いのせいで、可憐なるレディを傷つけてしまった。それは理解できるかな?」

人だかりが出来ていた。
なんでも、二股がバレたギーシュがメイドに八つ当たりしているらしい。
人ごみを掻き分けて前に出たルイズは顔をしかめた。

「やめなさい。下品にもほどが有るわ」

ギーシュは悪趣味なフリル付きの服をしならせ、手にした薔薇の花を突きつける。
「物の道理というやつを、愚鈍な平民に諭していたところだ」、と。

ギーシュにとって不運だったのは、そのメイドがルイズの"お気に入り"だったということであろうか。

「あんたのそれは、ただの言いがかり。道理もなにもない、駄々こねてわめいてる赤ん坊と同じよ。
 気分が悪いからいいかげんやめて。あなたは罪のない平民に嫌がらせをすることで、トリステイン全ての
 貴族の誇りを汚しているのよ。今すぐモンモランシー達とシエスタと、ここにいるすべてのみんなに謝罪しなさい」


だが彼は、赤ん坊と同じ、ではなかった。不幸なことに彼は、正真正銘の赤ん坊だったのだ。

「決闘だ!!」

そういうことになった。
397386:2009/06/01(月) 14:15:40 ID:FibB/TcM
決着は一瞬だった。

『アタックライド!ブルァァァスト!!』(※若本ボイスでお楽しみ下さい)

ガンモードへとその形状を変えたライドブッカーから射出される弾丸は、クラインの壷から生み出される
無尽蔵の50口径エナジー弾。
原型を留めぬほどに粉砕されたゴーレムを目の当たりにして茫然自失のギーシュに、空間を破砕して
唐突に出現したマシンディケイダーが突撃し、全く見せ場のないまま決闘は終わった。


その後ルイズは、学院長と交渉してシエスタをヴァリエール家専属とし、以後誰も彼女にちょっかいをかける者は
いなくなった。
その日のうちにルイズの個室にはベッドとクローゼットが運び込まれた。シエスタは後にこのことを振り返り、
"クックベリーパイの奇跡"と家族に語ったという。


使い魔が得られなかったルイズはこの思わぬ同居人に顔を緩ませ、トリステインの城下町まで買い物にさそう。
2つ返事で了解したシエスタと虚無の休日を満喫し、途中乱入したキュルケ、タバサとともに風竜に乗って帰還した
ルイズを待っていたのは、30メートルを超える巨体の土のゴーレムだった。


翌朝、4人に徴集がかけられた。
ルイズは目の下にくまを作ってフラフラと揺れて立っていた。昨日城下町のゴミ捨て場で拾った喋る剣のせいで
寝不足だったのだ。
目撃したゴーレムについて話をしていると、ミス・ロングビルがあわただしく駆け込んでくる。

「フーケの潜伏先を発見しました」
398名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 14:21:47 ID:FibB/TcM
)連投規制ってどうだったっけ?


馬車に揺られながら眠りこけるルイズ。
鎖でぐるぐる巻きにされたデルフを抱えて寄り添うシエスタ。
黙々と本を読むタバサ。
無意味にハイテンションなキュルケ。
御者をしながら我関せずのロングビル。

やがて一行は森の前の小屋に到着した。


目を覚ましたルイズは、警戒もせずずかずかと小屋に歩み寄り、中へと入っていく。
あっけに取られて固まっていた4人は、あわててあとを追った。

「これが『破壊の杖』?」

ルイズは苦笑した。

「とても杖には見えないわねぇ」

「・・・・・・ユニーク」

「あれ?ミス・ロングビルは?」

シエスタのつぶやきと被るように、轟音とともに小屋が倒壊した。
399名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 14:22:54 ID:jjowb7Bf
>>364が言ってるユウナってブレス4のだと思うんだ文脈的に
いやまあFFの方も大概ですけどね
400386:2009/06/01(月) 14:24:13 ID:FibB/TcM
      ・ ・
ルイズはキレていた。

シエスタがぐったりとしたまま動かない。
必死に魔法を撃ちながら後退するキュルケとタバサ。
しかし、騒ぎで馬が逃げ出していた為、逃走手段がない。
風竜が助けに飛んできたのだが、ゴーレムの動きが激しく近づけないでいる。

      ・ ・
ルイズはキレていた。

         ・ ・
ルイズはぶちキレていた。

『破壊の杖』に『カード』をセットしてゆらりと立ち上がると、タバサに向けて引き金を引いた。
抗議の怒鳴り声をあげるキュルケにも、問答無用で引き金を引く。
風竜をあしらったゴーレムが、ルイズ達に向かって振り向いた。


フーケは口元を醜悪にゆがめて哂っていた。恐怖のあまり狂ったか、と。
『破壊の杖』の形状から、使い方には想像がついていた。
だが、いくら引き金を引いても何も起こらなかった。
その疑問もどうやら解消したようである。
フーケは哂っていた。自分のゴーレムが崩れ去るその瞬間まで。


そのゴーレムの左肩は高熱で溶け出し、足は地面と融解していた。右半身は無数の氷の槍にで砕かれて散った。
あっけない結末。
フーケのゴーレムは再生不可能なまでに破壊されていた。
401386:2009/06/01(月) 14:32:24 ID:FibB/TcM
『疾風のサヴァイヴ』と『烈火のサヴァイヴ』

それが、ルイズが二人に撃ち込んだものの正体だった。
ただ大きいだけのゴーレムは、短時間ながらスクウェアクラスの力を発揮した二人の敵ではなかった。
わめき散らして文句を並べ立てるキュルケを完全に無視して、ルイズはシエスタを介抱していた。
タバサが黙ってそれに従い、治療を施している。
キュルケが怒鳴り疲れる頃、ロングビルが戻ってきた。
どうやって倒したのか、不自然なまでに執拗に聞いてくる。
ルイズは顔を顰めながら『破壊の杖』にカードを1枚セットし、ロングビルに渡した。
後ずさり、飛びのいて杖を構えるロングビル、いや、土くれのフーケ。
銃口を自身に向けると、ためらいも無く引き金を引いた。

「ふんふんふんふふ〜〜ん。答えは聞いてない!」

パニックを起こし、そのまま続けて引き金を引いたフーケは、胸を真っ赤な血に染めて事切れた。
彼女の最後の言葉は、哀れにも多くの人の知るところとなる。


学院に戻り、報告を果たした4人。
ルイズとキュルケにはシュバリエの称号が、タバサには精霊勲章が授与されるよう、取り図らわれた。
また、『破壊の杖』は宝物庫に戻されることなく、ルイズに管理が委ねられた。


フーケ討伐の報は、翌日には王宮にまで届いていた。
これ幸いと学院を訪問し、こっそりとルイズに会いに来たアンリエッタは、アルビオンへの潜入任務を持ちかける。
ルイズは二つ返事で引き受けると、親書と指輪を預かった。
402名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 14:38:28 ID:4Hi/dVnY
>>377
FF]のユウナだろjk
403名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 14:44:03 ID:ZXpdFPIy
ユウナは許してやれよ
ヨヨは死ね
404386:2009/06/01(月) 14:44:04 ID:FibB/TcM
『ファイナルフォームライド!リュリュリュリュウキ!!』

ルイズは面倒ごと(ギーシュ)を避ける為に、アンリエッタが帰った直後にアルビオンへ出発した。
毛布にくるまり、ドラグレッダーの背でシエスタと交代で仮眠をとる。
明け方にはラ・ロシェールの町並みが見えていた。


三日後でないとアルビオンに渡る便が出ない。それは極めて深刻な問題だった。

ルイズは脱力していた。だが、何日も足止めをくらうつもりもなかった。
ウェールズ皇太子がニューカッスルに陣を構えているというのは既に小耳に挟んでいた。
ディエンドライバーに『ナイト』をセットしてシエスタを撃つ。自分はディケイドライバーで『リュウキ』に。
かくして二人はミラーワールドを通って堂々とアルビオンに渡り、襲撃も場内の警戒も無視して、
陽が傾く頃にはウェールズの部屋に忍び込むことに成功した。


「華々しく散る」

そう言ってウェールズは笑った。
ルイズはそこにかつての自分を見た。
もし自分がディケイドライバーを手にすることがなければ、それにまつわる戦いの記憶に触れること
がなければ、どうなっていただろう。
きっと貴族の誇りの為にフーケに挑み、無様な屍を晒していたに違いない。
今すぐにでもこのバカを昏倒させて、アンリエッタのおみやげにするのは簡単だ。だが、ルイズもまた
"貴族"であった。
自国を危険に晒してまで個人の感傷を通すわけにはいかない。悩むルイズの心をさらにかき乱したのは、
使者としてやってきたワルドであった。


彼は謁見を申し出ると、人払いを申し出た。自室にワルドを招くウェールズ。
表向きいないことになっているルイズとシエスタは、ずっと隠れたままだった。
思いがけない人物との再会に気を緩め、姿を見せようとするルイズ。だが、その好意は無残な形で
裏切られる。ワルドの風がウェールズを貫いたのだ。


ウェールズにすがるシエスタ。睨み付けるルイズ。
一瞬愕然としたワルドだったが、すぐに余裕の笑みを浮かべる。ディエンドライバーの銃口を突きつけるルイズ
を前に、4体の偏在を生み出して取り囲んだ。

ワルドは微塵も慌てていなかった。小娘二人、始末するのは造作もないと思っていた。
だから、ウェールズがワルドを伴って部屋に入って来たとき、念のために、とカードをセットした状態で隠れ
ていたことも知らなかった。まあ、知っていてもそれが何なのか、彼は知らなかったのだが。

『カメンライド!ディケーィド!!』

腕を横なぎに振るい、サイドハンドルが押し込まれると、風の攻撃魔法を吹き飛ばし、
"仮面ライダー"がハルケギニアに降臨した。
405名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 14:50:34 ID:cGv/RXJL
書きながら投下するとか…。
406386:2009/06/01(月) 14:57:08 ID:FibB/TcM
『アタックライド!イリュージョン!!』

現れた4体の分身に、ワルドの偏在は驚愕する暇もなく切り捨てられた。
狭い室内である。確かに個室としては破格の広さではあるが、それでも回避できる空間の余裕がなかった。
残ったワルドの本体も、反撃も回避すら許されずひれ伏した。かませ犬退場の瞬間であった。

『アタックライド!タイムベント!!』

ウェールズを蘇生したルイズは、レコン・キスタ5万の軍勢の前に立っていた。
ゾルダを召喚し、エンドオブワールドで先制攻撃。その後も様々な仮面ライダーを召喚してたった一人で戦っていた。
交錯するドラグレッダーの火球と竜騎士の魔法。
ウェールズは奇襲にあわてて軍を編成していたが、まだ出撃には数分かかるだろう。
ルイズはその前に決めるつもりだった。

手にしたのは無銘のカード。

「覚えておきなさい!その目に焼き付けなさい!私が!この世界の!仮面ライダーよ!!」
                                ・ ・
虹色の光とともに描かれたのは、自身が最もよく知る戦士

『カメンライド!ルイズ!!』
    ・ ・ ・
それは変身前の姿と同じ。
          ヒロイック・サーガ
『アタックライド!英雄の歌!』
                   ・ ・
それは自分自身のもうひとつの仮面

『カメンライド!サン!!ナノーハ!!コトノハ!!シタターレ!!ルフィ!!オーフェン!!アドバーグ!!』
                                    ・ ・
暴食する"可能性"の使い魔。得られなかった自分とは違う自分が共に在ったはずのものたち。そして――

『――ゼットン!!』
       ・ ・ ・ ・
自分以外のこの世界の仮面ライダー。

「終わりにしましょうか。オリバー・クロムウェル」

『ファイナルアタックライド!!ルルルルイズゥ!!』

「エクスプロォォォォォオジョン!!!」


その日、ハルケギニアに"ゼロの破壊者"が降臨した。


)右腕つったし、区切りがいいのでこのへんで終了。全体的に色々雑なのは大目に見てくれるとありがたいかも
407名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 15:41:12 ID:AHnCHEpd
とりあえず読んだ

結論:意味がわからない

半年ROMれ
408名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 15:47:04 ID:vbEW7uoY
ゼロの破壊者ルイズ
232の世界(スレ)を巡り、その瞳は何を映す
409名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 15:51:14 ID:wXl0x5S7
銃型のライバーはディエンドだとかディエンドライバーはライダー創ったり出来るが一度に出せるのは二種類までだとか
ライダーの特殊効果カードはディエンドだと創ったライダーに撃って使わせるモノだとか
ツッコミ所が多すぎる……
410名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 15:54:28 ID:2CyHqvUZ
こういう短いのは勢いが大事
411名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 15:56:56 ID:RrcAem8L
こういうこと言いたくないけど、
さっぱり理解できん
412名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 15:59:29 ID:AHnCHEpd
小ネタとも違うし突っ込みどころ云々以前に書き溜め無しのながら投下で8レス
しかも内容の意味がわからない

コイツはリストラされても仕方ない
413名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 16:03:12 ID:Rlr2XgI6
>>409
全部読んだのかよw
414名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 16:03:46 ID:nqB5Wbbj
何が始まるんです?
415名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 16:07:01 ID:8lDS3O3m
>>414
愚痴
416名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 16:07:51 ID:AHnCHEpd
>>409
お前の指摘も変だぞw
417名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 16:08:46 ID:fcdHbrmR
>>414
むしろ彼の人生がジエンド
418名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 16:32:26 ID:qvWdehbv
とりあえず、仮面ライダーディケイドのネタですか?
ジ・エンドと聞いたら普段死んでるじいさんが浮かんだけれども。
419名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 16:32:27 ID:FIIHVPgO
なにそれこわい
420名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 16:38:05 ID:wXl0x5S7
>>418
最近だと変身ヒーローにも居るぞ炎人と書いてエンドと読む奴が

シェアードワールドモノだったのにジ・エンド以外あっと言う間に終わったが
421名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 16:44:11 ID:fFrqEAa3
ジ・エンド………

石ノ森な流れなら「デーンッ・ジ・エンドッ!」かしらね。
422名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 16:45:26 ID:vbEW7uoY
>>409
『破壊の杖』が『ディエンドライバー』だったんでは?

まぁ確かに設定上気になる所は散見されたけど
まだディケイド、ディエンドがどういう経緯で生まれたのか語られてないから
細かい制限は気にしてもしかたナーイ

劇場版見に行こうかなぁ
423名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 16:46:33 ID:Qz5dZ8JY
そういえばキカイダー召喚の続きはどうなったんだろ?
なかなか重くて欝そうな話だったんで期待してたんだが
424名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 16:46:38 ID:qpQ/AkLD
ジ・エンド…



俺はボードに乗って颯爽と空を舞う
黒いロボットしか思い浮かばなかった。
425名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 16:50:44 ID:JEp8zNuE
俺はありとあらゆる連載を強引に終わらせる恐怖の漫画家が思い浮かんだ
426名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 17:23:26 ID:e3lDObOO
ベルセルク読み直したら無性に書きたくなってきた。
ロシーヌ(with偽エルフの群れ)とか、
エンジョイ&エキサイティングな彼とか、
最近パッとしないノスフェラトゥとか。
その辺が好きだけど物語として成立しそうにない……
427名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 17:27:24 ID:Qz5dZ8JY
人外だと学院オワタにしかならないしなw
イシドロやアザン辺りが無難か
428名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 17:28:18 ID:6kRT8XVg
>>420
ヒーロークロスラインね
Web上で公開された漫画作品群で各作品がクロスオーバーする面白い企画だったが
マガジンZの廃刊に影響されて村枝アニキのジエンドやアルクベイン以外は強制終了
チクショウ

この世界は並行世界の自分を目撃することで能力を得たノッカーズという能力者が存在する世界で
実際にファンタジー世界に行く作品もある
429名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 17:38:20 ID:kgHYX5ln
430名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 17:45:41 ID:VxyyIT9E
何かジャンガがただの作者投影のウザイ説教キャラに成り下がったな。
431名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 17:46:34 ID:Yz/O3a4K
上のディケイドネタ見て思い出したんだが、サソードの人は帰ってこないんだろうか
432名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 18:00:50 ID:7hLpj4LH
>>430
ルイズやタバサがクロスキャラの影響で成長していくように、クロスキャラもいろいろあるうちに成長していくってことだろう。
とりあえず遅レスだけどユーゼス頑張って修行してくれ。
433名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 18:28:27 ID:HDfR1rie
>>429
タイが(谷間に)埋まっていてよ、とティファニアが言われるんですね、わかります。
434名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 18:29:12 ID:lQLfxH9l
>>430
あんた単に作者の投影と言いたいだけだろ?

二次創作のSSにも評論家様っているもんだなぁ
435名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 18:30:00 ID:aKSHcUc5
>>424
「脳ミソとけちゃえ!」
ですねわかります
436ルイズと博士と時々ダディ:2009/06/01(月) 18:40:06 ID:9xNtPRbv
恐縮だが予約がなかったら18:45からchapter2を投下してもいいかな?
437ルイズと博士と時々ダディ〜chapter2 1/4〜 :2009/06/01(月) 18:45:13 ID:9xNtPRbv
ここで一つ君に尋ねよう。
人は、己が額に汗した対価を享受し得ないのだろうか?

然り、とゲルマニアの者は言う。それは貧者の許に帰すると。
然り、とロマリアの者は言う。それは神の許に帰すると。
然り、とガリアの者は言う。それは全体の許に帰するのだと。

わしはそうした答えを拒み、代わりに選んだ。
異なる道を、有り得ぬものを・・・

トリステイン魔法学院を。

「独裁者の真似事はやめて下さいオールドオスマン」

眼鏡をかけた秘書らしき女性が、書類の山と共に老人にツッコミを入れる。

「ミス・ロングビル、こんな老い先短い年寄りの一人遊びを邪魔せんでも…」
「駄目です、溜まりに溜まった仕事を今日こそ片付けて頂きます」

お母様、今日もトリステイン魔法学院は平和です。

ゼロの使い魔  ルイズと博士と時々ダディ
Chapter2


ルイズは考え事をしていた。
ダディが自分の使い魔としての欲目を全うできるかを。


数分前テネンバウム博士から聞いた情報と使い魔の役目との関係性を整理していた。
まず一つ視覚の共有。
うっすら見えそうだけど見えない…どっちにせよダディはほぼ常に私の近くにいる、という事なので別に関係ない。

二つ秘薬などの主人の求めるものを見つけてくる。
自分は魔法が使えないのでこれはあっても無くても別に構わない、と言うよりむしろいらなかった…

三つ主人の護衛。
ビンゴ
もとより護衛目的として作られているダディなので、三つ目の役目だけならそこらにいる使い魔の中でも最も活躍できるかもしれない

「ビッグダディ、通称コング。護衛の天才だ。ガリア国王でもぶん殴って見せるぜ。でも電気ショックだけは勘弁な」

モヒカン軍曹の電波を受信したような気がしたが気にしたら負けだ。
そうこうしているうちにいつの間にか学院に到着しているのに気づいた。

「…ん?ああ、着いたのね」

降ろしてもらい寮に戻ろうとするが忘れていた問題を思い出した。
ルイズにとって重要な問題である。

「忘れてた…この臭いどうしよう?」

分からない事があれば質問しても構わない、
という事なのでとりあえず博士に連絡をとる事にした。
438ルイズと博士と時々ダディ〜chapter2 2/4〜 :2009/06/01(月) 18:47:22 ID:9xNtPRbv
「ミス・テネンバウム、聞こえてる?」
「早速お問い合わせね、何の用かしら」
「ダディの臭いって何とかならないの?さっきからどうしようか考えていたんだけど」
「あの酷くて胸糞の悪くなるような臭いの事ね、そうねえ…まあ、適当に洗剤で洗ってみたらどう?後は炭を周りに置いてみるとか…私はあの大男の事は専門外だから」
「ずいぶん適当ね…ま、試してみるぐらい価値はありそうね、ありがとうミス・テネンバウム」

科学者がそんなに適当でいいのか?
そんな疑問を残しつつ通信を終了し、どう洗おうかを考えてみるルイズ。
(貴族用のお風呂に入れるわけにもいかないし、かといって平民用には入らないだろうし…うーん困った)
学園についてからも考え事。
この使い魔が現代日本の一般高校生だったら、ここまで考える事など無かっただろう。

「あの…どうかなされましたか?」

立ち止まってあれこれ考えているとあどけない顔をしたメイド服の少女が話しかけてきた。
それと同時にルイズも何か閃いたようだ。

「ちょうどいいわ…ねえ、あなた」
「は、はい!何でしょうか」
「私の使い魔を洗ってくれない?臭いが酷くてたまらないのよ。洗い終わったら周りに炭を置いといてくれたらいいわ」

ルイズの話を聞いているのだが明らかに使い魔の方ばかりに視線が向いている。
異世界からやってきた使い魔なので無理は無い。

「わ、分かりました。あ、あのお名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
「ルイズ、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ。今日の夕食を食べに来る時迎えに来るから、じゃ後よろしく」

ルイズは少女の後に地響きを鳴らしてついていくダディを見て、なぜかデジャヴを感じた。



ダディ&メイドの行動

(ラプチャーでは見たことの無い物ばかりだ…)
たとえビッグダディであっても生き物だ。
言葉を発さないだけで思考はちゃんと持っている。もっともルーンのせいで洗脳が解け、以前までの単純な思考が改善されたと言っても過言で無いだろう。

(ADAMが無くても頭が冴える…なぜなのだろうか?)

「使い魔さん、こっちですよ」
(置いてかれてしまう。ついていかなくちゃ)


・・
・・・
「おーい、シエスタ。何してるんだ、早くしないと夕食の仕込みに間に合わないぞ」
「分かりました、マルトーさん。すぐ行きます」
「それじゃあ使い魔さん、後でミス・ヴァリエールと迎えに来ますから」

そう言ってシエスタは食堂のある方へ走っていった。

(夕食が終わるまで一人で待っておくのか)
そこはかとなく寂しいダディである。
439ルイズと博士と時々ダディ〜chapter2 3/4〜 :2009/06/01(月) 18:49:07 ID:9xNtPRbv
ルイズの行動

ひとまず寮の自分の部屋に戻ろうと歩いていると、一番出会いたくない相手に出会った。
我がヴァリエール家の仇敵だ。

「あら、ルイズ。召喚に成功したのに使い魔はどこに行っちゃたのかしら」
「洗濯中よ、キュルケ」
「洗濯中って…自分の使い魔を何だと思ってるの?」
「ツェルプストーに言われたくないわよ、ツェルプストーにわ」

先ほど話したように男子高校生を呼んでいたら、五秒フラットで怒りのボルテージが頂点に達していただろう。

「あ〜ら、この子を見てもまだそんな事が言えるかしら。フレイム〜」

そう呼ぶと後ろから熱気を帯びた巨大な火トカゲが出てきた。
ここがラプチャーなら、マッドサイエンティスト共に30秒でバラバラに解剖されるだろう。

「そのサラマンダーがあなたの使い魔?」
「そうよ、どこかの誰かさんみたいにゴーレムなんて不恰好な奴より美しいわ」
「・・・・・!」
「まあ、召喚できただけマシよね。じゃあねルイズ、早くしないと夕食に遅れるわよ」
(あまり言い返してこないわ…どうしたのかしら?)

言いたい放題言っていったキュルケではあるが、本当に召喚できなかったらどう対応するつもりだったのだろうか?
もちろん、心で思っている事はルイズには分からない。

「まったく、言わせておけばとことん言ってくるわね、あのゲルマニア女」
「ふーん、仇敵ってわけね」
「そうそう…ってミス・テネンバウム!いつから聞いてたのよ!」

キュルケを目の前にしても落ち着いていた心拍数が一気に上昇した。

「ついさっきからよルイズ、さあ早く食堂に行かないと夕食が終わってしまうわ」
「言われなくても分かってるわよ」

そう言って食堂へと歩き出した。



ルイズは夕食を食べ終わり、ダディを任せたメイドを探している。
名前を聞き忘れたようなので苦難しているようだ。

「失敗したわ、名前を聞いとくべきだった…」

覆水盆に帰らずとはまさにこの事であるだろう。
だが、探し物は案外近くにあるという言葉も捨てたものではない。

「あ、ミス・ヴァリエール!待っていましたよ」

声のする方をみるとダディを頼んだメイドが手を振っていた。
ダディが座っているのも見られる。
440ルイズと博士と時々ダディ〜chapter2 4/4〜 :2009/06/01(月) 18:55:35 ID:9xNtPRbv

・・
・・・
「臭いも消えてるし、前より若干綺麗になったように見えるわね、えーと…」
「シエスタ、って呼んでください」
「そ、そう。あ、あ、ありがとう、シエ「うそ…あれで本当にあの臭いが消えたの?」

ルイズが平民であるシエスタに、はにかみながらも礼を言ったのを見事に遮ったテネンバウム博士であった。

「ちょっと何よいきなり!と言うより、あれ全部でたらめだったの!」
「いいじゃない。その方法で消臭できたのならその方法はあっていると言う事よ」
「そんな屁理屈聞いてなーい!」
「あ、あのミス・ヴァリエール?」

シエスタがまるでオラオラな海洋学者が「こいつ・・・この状況で頭がイカれているのか?」と言いたそうな顔で見ている。
傍から見たら箱と会話しているのだから、そのような顔になっても無理は無い。

「これ?ムセンツーシンキって言う遠くの人と会話できるマジックアイテムよ」
「マジックと言われればマジックだけどね」
「へーえ、そんな物まであるんですか」
すぐに変化する状況に適応するメイド、シエスタであった。
「紹介が遅れたわね、私の名前はテネンバウムよ」
「あ、シエスタって言います。よろしくお願いします」
深々と顔の見えない相手に礼をした。
「まあいいか、臭いは消えたんだし…それじゃあ、またなんか用事があったら頼んでもいいわよね、シエスタ?」
「はい!任せてください」

シエスタは最初ルイズと会ったときと比べて、随分と余裕のある表情になっていた。
貴族に頼まれた事で礼を言われて自身が着いたことも原因だろうがそれ以上に、貴族の令嬢とここまでしっかりと話せたことだろう。
ルイズが威張ってばかりの三流貴族ではなく、平民にもちゃんと接する事のできる貴族だと認識したからだろう。
もっとも平民だったらもれなく犬呼ばわりされていただろう。

「もう遅いから、それじゃあ」
「はい。お休みなさいミス・ヴァリエール」

ダディの肩に乗って移動するのはルイズにとって常套手段となったようだ。

・・
・・・
〜女子寮〜
ちなみにダディはゴーレムっぽい外見だが一応人間なので寮に入れることにした。
人間といっても殆どゴーレムに近いが。

「はあ…疲れた」
ベッドに肩から下ろされるルイズ
「今日はもう疲れたから寝るッ!というわけで明日七時頃に起し…って駄目か」
ゴーレムに朝起こせと行っている様な物だ。
目覚めはいい物ではないだろう。
「というわけでミス・テネンバウム明日七時に起こしてください。休み」
「ちょっと!そんな用件聞けないわよ…ってもう寝てる…」
「まるで年の離れた妹を持ったみたいだわ…」

そう感慨にふける博士であった。
16歳で科学に目覚めた彼女はラプチャーに来る前まではナチスで捕虜に対して人体実験をし、
ラプチャーに来てからはADAMを発見してリトルシスターにも深く関わってきた罪深き人である。
たまにはこのようなひと時がきても罰は当たらないだろう。
「ダディ、無線機は入れっぱなしにしておいて」
そう言うとダディは低く声を出し頷き、部屋の隅で眠りに着いた。
新たな目標:七時ごろにルイズを起こす
441ルイズと博士と時々ダディ :2009/06/01(月) 18:58:41 ID:9xNtPRbv
以上です。
chapter3は週末までには投下すると思います。
442名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 19:12:22 ID:IhpBjjf+


恐縮だが、週末まで待てません。

頑張ってください。
443ルイズと博士と時々ダディ :2009/06/01(月) 19:23:08 ID:9xNtPRbv
>>442
ありがとう、恐縮だがもう少し待ってもらえないかな?
444名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 19:31:13 ID:cGv/RXJL
恐縮です
445名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 19:47:46 ID:JKoT4yOa
>>342

>KYな発言
Kakukara Yonndeneの略ですね、わかります
446名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 19:48:38 ID:XiLZhOAg
>389-394
また派遣or契約の期限切れが近いのかな?
3月に切られて現在電気工事の職業訓練(来年の3月まで)受けてる俺は勝ち組候補?
スレチゴメソ
447名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 20:20:35 ID:I/Ck+34v
KYといえば珊瑚
448無重力巫女の人:2009/06/01(月) 20:24:46 ID:ir0isDUs
ダディの人、投稿お疲れさまです。
バイオショックは今も買うか買わないか悩んでいます。

どうも皆さん今晩は。
8時30ぐらいから投稿をしたい思いますので支援の方よろけしく御願いします
449無重力巫女の人:2009/06/01(月) 20:30:52 ID:ir0isDUs

―その時の事は今も尚覚えていて、時には眠っているときにさえあの光景が夢としてよみがえる。

銀の降臨祭の前日、その日私と母はとある事情で父の友人宅で過ごしていた。
薪をくべられた暖炉の中で炎がまるで生きているかのように動き、部屋の中を暖めてくれる。
窓から外を見れば空から降ってくる白い雪が地面や木の上に積もり、辺り一面は銀世界であった。
まだ小さかった私はイスに座ってくつろいでいた母の横に座り、古ぼけた壊れたオルゴールで遊んでいた。

最初このオルゴールを見つけ、試しに開けてみたがウンともスンともいわなかった。
その後、秘宝と呼ばれていた指輪を嵌めて遊んでいたある日のこと…
ちょっとした弾みで間違ってオルゴールの蓋を開いたところ、鮮やかな音楽がオルゴールから聞こえてきた。
少しギョッとしたものの、その音色を聞くと何故か懐かしい感じがして安心するのである。

そして今日もオルゴールが奏でてくれる音楽は私の耳を癒し、心地よい気分にさせてくれる。
母はそんな私を突然抱き上げると膝の上に自分を乗せ、頭を優しく撫でてくれた。
私のよりも少し大きく、細くて…そしてとても暖かい母の手の感触は今も忘れていない。
自分が顔を向けると、母が優しく微笑んでくれた。


―――――それが、最後に見た母の笑顔であった。
          今思えば…きっと母は自分の末路を予想していたのだろう。

   「―――!――――――?」

 「――――――!?―――――――!!!」

「―――――!!」

突然、ホールの方から何やら騒ぎ声が聞こえてきた。
何事かと思い、私がホールへと続くドアの方へ顔を向けた直後―――――
今まで背中を丸めて昼寝をしている猫の様に静かだった母が自分を乱暴に抱き上げたのだ。
突然のことに私はビクッと体を震わせ涙目になってしまう。
「い…イタイ!お母さん何するのっ!?」
私の悲痛な声に母は何も言わず、部屋に隅に設置されていたクローゼットを開け、その中に私を押し込んだ。
いきなりの豹変ぶりに私は思わず泣きそうになったがその前に母が私の口を手で押さえつけ、言った。

450無重力巫女の人:2009/06/01(月) 20:35:21 ID:ir0isDUs

「いい『   』?貴方はまだ小さい、だからまだもっとこの世界の素晴らしさを知らなければ行けない…。
 私はその全てを貴方に教えてあげることはもう出来ないけど――――」
その時、部屋の外から何やら叫び声に混じって魔法が飛び交う音まで聞こえてきた。

魔法の音に交じり、何かが倒れる音も聞こえてきた。
母はハッとした顔になると私の額にキスをし、クローゼットを閉めてしまった。
そしてその瞬間、ドアが開く音と共に足音が私の耳に入ってくる。
この時は何か急ぎの伝言でもあったのだろうかと訝しんだけど、それは違った。
私はクローゼットの外から聞こえてきた男の声を聞いて震え上がった。

「間違いない―――エルフだ。」

それは私が生まれてこの方初めて聞いた、憎しみが篭もった声であった。
まるで憎しみの念を凝縮し、それを体に無理矢理押し込まれたような者が発しているような声…。
男の声に恐怖した私は、肌身離さず持ち歩いていた父の杖を両手で持つとギュッと握りしめた。
それから数秒してから、華麗で清楚な母の声が直ぐ傍から聞こえてきた。
聖職者のように杖を握りしめて震えている私を励ますかのように…
「なんの抵抗も致しませぬ、私たちエルフは争いは望ま…」
だが、母の言葉を遮るかのように男の怒声が私の耳を突いた。
「ほざくな化け物め!やってしまえ!」
次いで聞こえてきたのは母を襲う激しい魔法の音。
薄いクローゼットのドア越しに聞こえてくるのは詠唱する男達の声と何かを切り裂く音。
死ぬまで私を気遣ってくれたのか、母は泣き叫ぶようなことはしなかった。

それから数十分…もしかするとたったの数十秒かも知れない。
魔法の音がふと途切れ、誰かがクローゼットの方へと近づいてきた。
足音に混じって鎧が擦れる音も聞こえるから、きっと母を殺した連中の者だろう。

やがて足音はすぐ私の目の前まで来ると聞こえなくなり、――――――――そこで目の前が真っ暗になった。





「ん…、うぅん…。」
夢から覚めた私は目を開き、二、三回瞬きをするとゆっくりと上半身を起こし、ため息をついた。
(あの時の事を夢見るなんて…。)
私はうんざりしたように心の中で呟くと、ふと辺りを見回す。
どうやら、うっそうと生い茂る森の中で寝ていたようだ。
足元を見てみると篭が転がっており、その周りには色鮮やかな木の実が転がっている。
ソレを見た私はある事をすぐに思い出すことが出来た。

自分が木の実拾いの帰りにもの凄い音を聞いてそちらの方に近づいていった事。
そこで見知らぬ人間に見つかってしまい、その際に帽子が頭から取れて…それで耳を見られて―――――
451名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 20:40:05 ID:roPXfWYs
腋巫女支援
452無重力巫女の人:2009/06/01(月) 20:41:50 ID:ir0isDUs

「どうやら起きたようね。」

ふと声を掛けられた私は後ろを振り向き、そこにいた人物を見て目を丸くした。
後ろにいたのは黒い髪に見たことのない紅白服を着た少女であった。
その年相応な少女の顔と、それに対立するかのような年齢的に不相応な白けた瞳を見た途端、私は思い出した。


帽子を落ちた事に気がついた私はとりあえず帽子を手に取り立ち上がろうとした。
だけど、石か何かに躓いてしまい体勢を崩して後ろに倒れて目の前が真っ暗になって―――

全てを思い出した私は『耳を見られてしまった』という事に焦りを感じた。
母から受け継がれたこの耳はこのアルビオン大陸だけではなく、その下にある世界で暮らす人々に畏怖の対象として見られている。
力なき者なら恐れおののいて逃げてしまうが、力を持つ者なら間近いなくその耳の持ち主を『殺す』であろう。

よく見ると杖を右手に持っているメイジには違いない。
私の母もこの耳の所為でメイジ、というより貴族達に殺されてしまい、私はそうなるのを怖れてこの森の中で暮らしている。
これから起こるであろう結末に私は恐怖の余り動くことも出来ず、少女の方へと顔を向けた。
彼女は先程と同じように白けた目で此方をジッと見つめており、私はその目を見て少しだけ驚いた。
その瞳には私の『耳』に対する怒りや殺意、そして怖れの色は一切見えない。

(まさか…この人は私の耳を見て何も感じていないの…?)
「ねぇ、少し聞きたいことがあるんだけど。」
少女が口を開き、鈴のように綺麗で、だけど何処か冷たい響きを持った声で私に話しかけてきた。
「あ、はっ…はい!?…こ、ここはアルビオンのウエストウッドっていうところだけど…?」
突然話しかけられた私はビクッと体を震わせ、過剰に反応してしまった。
一方の少女も、『アルビオン』という言葉を聞いて納得したように頷いている。
「成る程、ここがアルビオンってわけだったのね…。」
彼女は一人そう呟くと、すぐに私の方に顔を向け、話しかけてきた。

「でも――――なんでそんなにビックリしてるのよ?」

私はその言葉を聞いて、今確信した。

―――――ああ、この人は私を全然怖れてはいないのだと。

「……だ、だって貴方みたいに私を怖れない人は初めて見るから…。」
それでも、まだ油断は出来ないと思った私は恐る恐るそう言った。すると彼女は…

「なんで何もしてこないアンタを怖がらなきゃいけないのよ。」

と、めんどくさそうに言った。直後―――

ぐぅ〜…

彼女の腹部から何処か悲しげな音が聞こえてきた。
それを聞いた私は少しだけ唖然し、数秒おいてから口を開いた。
「あの…お腹が空いてるなら、何か食べるものをあげるけど…?」
453名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 20:41:57 ID:9xNtPRbv
待ってました支援
454無重力巫女の人:2009/06/01(月) 20:46:04 ID:ir0isDUs



幻想郷
     迷いの竹林―――――

そこは人里から見て、妖怪の山から反対側に位置に広がっている。
一度入れば地面の僅かな傾斜の所為で斜めに生長している竹の所為で常人ならすぐに平衡感覚を狂わせる。
妖獣なども好んで住み着いている危険な竹林の中に、『永遠亭』という大きな屋敷が存在している。
見た目は伝統的な日本家屋ではあるが、築数ヶ月くらいしか経過していないかと錯覚するほど古びた様子を見せない。
そんな奇妙な屋敷に住んでいるのが、人里との交流を殆ど持たない者達と多数の兎達である。
永遠亭は外見と同じく、屋敷の内装も正に歴史ある日本家屋の造りである。
しかし、とある一室だけは雰囲気がまるで違っていた。
床、天井、壁は全て白色に統一されており、置かれているデスクには多数のビーカーやフラスコが置かれている。
他にも外の世界で言う顕微鏡みたいな物もあり、部屋を見ればそこの主がどんな人物なのか大体見当は付きそうだ。
その部屋の主人である八意永琳は椅子に腰掛け、背もたれに身を任せ何やら考え事をしていた。

だいぶ前に、文々。新聞で『博麗の巫女が幻想郷から失踪!』という記事がデカデカと載ってあった。
その記事を見たときはまさか捏造か?とは思ったがすぐにその考えは人里での薬売りから帰ってきた優曇華の報告で否定されてしまった。
どうやら白黒やあの紅魔館の瀟洒なメイドといったあの巫女と関わりがある者達がせわしなくあちこちを飛び回っているらしい。
話を聞いた永琳は輝夜にこの事を報告したところ――――

「その事なら今知ったばかりよ。」

――――文々。新聞に目を通しながらそんな返事を返してきた。
適当な返事ではあるが、輝夜が今回の異変に心の中で冷や汗を流している事を知っている永琳は何も言わなかった。
博麗の巫女が幻想郷から失踪、つまりは『博麗大結界』の崩壊を意味している。
もし幻想郷が消えれば、幻想にしか住めない者達には破滅の一択しかあるまい。
それに永琳や輝夜にとって此所は、『月』の追っ手から隠れるのに最適な場所でもある。
その後、優曇華や竹林に古くから住んでいるてゐに情報を収集するよう命令を下した。

だが、先に行動している者達同様、有力な情報は何一つ掴めなかった。

それから何日か後、今日の朝早くに八雲紫の式から紅魔館で話があるから来いと言われた。
本来なら永遠亭の主である輝夜が行くべきなのだがその事を輝夜に伝えたところ――

「面倒くさいから代わりに行ってこい。」

――とあっけなくそう言い返してきたので、とりあえずは代わりに行くことにした。
しかし、外では未曾有の異変が現在進行形で進んでいるというのに輝夜はと言うと外のことなど知らんぷりである。
だけど――恐らくはもう理解しているのだろう。

「このまま無駄なことをやっても幻想郷崩壊は時間の問題」だと言うことに。
455無重力巫女の人:2009/06/01(月) 20:51:34 ID:ir0isDUs

…と、まぁそんなこんなで永琳が代わりに行ったものの、その時に八雲紫の言った言葉は強烈であった。

博麗の巫女が何処へ行ってしまったのか特定できたこと――
幻想郷を覆う結界が全く別のモノになってきているということ―――
そして、時が来れば巫女がいるその世界へ乗り込むということ―――

流石幻想郷の創造主であり、境界を操る妖怪だとこの時ばかりは思った。
他の者達より遙かに格上の情報を持っていて、更にはもう解決の目処も立っている。
正に賢者というのはああいう者の事を言うのである。いささか胡散臭いのは唯一のキズであるが。
それからすぐに永遠亭へと戻り、この事を輝夜に報告したところ――――

「あの巫女を救うのはいいけど、アイツの事だからその世界をついでに滅茶苦茶にするかもね。」

という、何やら物騒な事を言ってきた。
まぁ確かに、八雲紫は幻想郷を愛しているというし腹いせぐらいにそんな事はするかもしれない。
巫女を攫ったという『ソコ』がどんな場所かは知らないが、間違いなくある程度は地獄絵図となるだろう。


と、そんな事を思いながら自分の研究室へと戻ってきた永琳はふとある考えが頭の中をよぎった。
(それにしても、幻想郷の住人を連れ去るなんてねぇ…。)
以前永夜異変の後に八雲紫からここにいれば月の追っ手から隠れる必要は無いと言われていた。
それ以降は永遠亭の住人達もやけに外へ飛び出していくことが多くなっている。
最近は輝夜が何やら博覧会を行う気でいるらしい。とか等々…
まぁその話は置いておくとして。問題は「幻想郷の一角を担う博麗の巫女を連れ去った者の力」である。
連れ去られた博麗の巫女とは一戦交えたこともあり。弾幕ごっこではあったが、ある程度しか歯がたたなかった。
まぁ一応とある事情で自分の力はある程度セーブはしていたが、もし全力で言ったとしても後一歩と言うところで負けてしまうかも知れない。
それ程にも彼女は強力無比、どんな存在にも縛られず、必要とならば今日の味方を撃つ無慈悲さ。
故に最強であり、故にどんなものも彼女に干渉できない。

(そんな博麗の巫女攫をう程の力を持つ者なんているのかしら…。)
何に考えなければ答えは自ずと出てくる、無論―――それは否だ。
だがしかし、普通に考えるのではなく【逆】に考えるともうひとつの答えが浮かび上がってくる。
「博麗の能力すら凌駕する力を持った者がいるとでも…。」
その答えを否定することは簡単なようでそうもいかないのである。

(その答えだと結界の事もある程度納得が付きそうね。)
今回八雲紫が話した結界の変異も恐らくは博麗の巫女を攫った者の仕業なのだろう。
紫がこう言っていた「霊夢を攫っていった鏡と同じ術式を感じる」と。
一体何処の誰かは知らないが優しいことをしてくれる―と思った。
その優しさが仇となったとは思ってもいないのだろう。

ただ、永琳には一つだけ気になることがあった。
博麗の巫女を連れ戻すためにそこへ乗り込むのは良い、しかしもしそこでもめ事があった時――
(巫女をいとも簡単に連れ去るような強力な力の持ち主相手に勝てるのかしらねぇ?)
少なくともあのスキマ妖怪がそう簡単にやられるという事はなさそうだが…

そこまで考えた永琳は一息つくと目を瞑り、数分してから彼女の口から寝息が聞こえ始めてきた。
456無重力巫女の人:2009/06/01(月) 20:55:13 ID:ir0isDUs
 


アルビオン大陸にあるレコン・キスタの本陣―――
丁度陣の真ん中に設置されている大きなテントの中で、二人の男女が話をしていた。
「では、奴はもう既にこの大陸に侵入していると言うことですか?」
男の方は年齢三十代半ば。丸い球帽をかぶり、緑色のローブとマントを身につけている。
一見すると聖職者の身なりではあるが、坊さんにしては妙に物腰が軽い。
高い鷲鼻に、理知的な色をたたえた碧眼の男の名前は、オリヴァー・クロムウェル。
このレコン・キスタの指揮官ではあるが、元は一介の司教にすぎなかった。
その彼が敬語で話しかけている女性は軽そうなクロムウェルとは反対に、どこか重々しい雰囲気を纏っていた。

腰まで伸びた髪の色は黒く、肌の色は妙に白すぎるという感じがする。
黒いローブを身に纏っているこの女性の名はシェフィールド。クロムウェルの秘書である。
しかし、腕を組んで偉そうに指揮官から話を聞く秘書など恐らくはいないだろう。
指揮官であるクロムウェルはそれを咎めようとはしなかった。
「ええ、大陸の真下にある王族派が使っている隠し穴を通ってね。」
「あ、あの抜け穴を…ではやはりその者は王族派の味方…?」
シェフィールドの言葉にクロムウェルは恐る恐る質問した。
「いいえ、穴の中に待機させておいたコイツが追跡したけどそんな感じじゃあなかったわ。もっとも、追跡の途中で見失ってしまったけど。」
彼女は歯痒そうにそう言うと懐から一体の小さな人形を取り出し、テーブルに置いた。

この人形は「アルヴィー」という種類のモノで、自立して動くことが出来る魔法人形である。
大抵は人形劇やオモチャ、家の飾り付けに使うモノではあるが。彼女はどうやら変わった使い方をしているようだ。
「恐らくは個人の目的でこの大陸へやってきたと思うけど…そうとも言い切れない。」
テーブルに置かれたアルヴィーはカタカタとひとりでに動き出すと、ヒョコッと立ち上がり、そのまま何処かへと走り去って行った。
しかしシェフィールドはそれを気にすることなく再びクロムウェルとの会話を再開した。
「このアルビオン大陸にいるのは間違いないことだからとりあえずは私がアルヴィーと亜人を使って虱潰しに捜していくほかあるまいわ。」
シェフィールドはそう言うとドカッと指揮官用の椅子に腰を下ろし、大きな欠伸をした。
「ではでは、私は何をすればよいのでしょうか?」
一方のクロムウェルはと言うと無礼な態度をとっている秘書に怒ることなく、むしろもみ手をせんばかりの勢いで寄ってきた。
「お前は今まで通り指揮官をしていなさい。用があるなら此方から話しかけるわ。」
シェフィールドはそんな彼を鬱陶しそうな目で睨み付けながらクロムウェルに言った。
それを聞いたクロムウェルは何度も彼女に頭を下げそさくさとテントから出て行ってしまった。

クロムウェルがいなくなった後、一人っきりになれたシェフィールドは椅子の背もたれに身を任せた。
トリステインにあるブランド会社に特注で造らせたこの椅子の座り心地を試そうとしたその時、
今まで疲れていた感じがあったシェフイールドの顔が突然喜びに満ちあふれた。
「おぉジョゼフ様!」
シェフィールドはそう言うと椅子から勢いよく腰を上げ、その場で直立をした。
まるで目の前に、彼女にしか見えない『誰かが』と話しているような感じがし、妙な不気味さを醸し出している。
恋する乙女のような顔をしていたシェフィールドであったが、途端に泣きそうな表情になった。
「申し訳ございません、件の『巫女』は見失ってしまいました。ですが、このアルビオンに来ていることは間違いありません。」
独り言にしては、やけに現実味のある感じでそう言ったシェフィールドは、しばらくしてからまた嬉しそうな表情に戻った。

「わかっております!必ずやこのシェフィールド、【出来損ないのガンダールヴ】を捕らえて見せましょう!」

シェフィールドは右腕を空高く上げ力強くそう叫ぶと、ササッとテントから出て行ってしまった。
外へ出る瞬間、彼女の額に刻まれた『ルーン』が力強く輝いていた事に気づいた者はいなかった。
457名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 20:55:19 ID:tBKC+Gj2
支援
458名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 20:55:19 ID:jyQve/Ho
無符「名無し支援」
459無重力巫女の人:2009/06/01(月) 21:00:16 ID:ir0isDUs


誰かの噂話の対象になっている時にくしゃみがでるという言い伝えがある。
一回の時は良い噂、二回の時は悪い噂、そして三回だと惚れられているという。

「くしゅっ、くしゅっ!」
金髪長耳の少女の横を浮遊していた霊夢はふと、クシャミをした。
突然のことに霊夢は少し目を丸くし、咄嗟に手で口を押さえてしまう。
「…?どうしたの。」
そのくしゃみを横から聞いた金髪の長耳少女は怪訝な顔になった。
「何でもないわ、ただのクシャミよ。」
霊夢は少女の方へ顔を向けると大丈夫と言いたげに手を横に振ってそう言った。
少女は肩をすくめると再び歩き始め、霊夢もそれに続く。


事は数分前――――霊夢が腹の虫を鳴かせた直後へと遡る。
自分の腹が鳴る音を聞いた霊夢はふと昨日から食事にありついていない事を思い出した。
しかし時既に遅く、言いようのない空腹感が彼女の体を襲い始めていた。そんな時…
「あの…お腹が空いてるなら、村で何か食べるものをあげるけど…?」
狭い穴の中をくぐり抜け、こんな森の中へと出てきて初めて出会った人間(?)である長耳の少女がポツリとそう言ったのを霊夢は見逃さなかった。
「本当?」
霊夢の言葉に少女は小さく頷いてもう一度口を開いた。
「うん。けど、一つだけ約束して欲しいことがあるの。」
少女はそう言うと自分の長い耳を指さすと恐る恐るこう言った。
「…?、その耳がどうしたのよ。」
「この耳の事だけど、他の人に言わないでくれないかしら?」
少女はそこまで言うと口を閉じ、霊夢の返事を待ったがそれは直ぐに帰ってきた。

「大丈夫よ、どうせ私の言う事なんて誰も信じないから。」

―――――その言葉を聞いて安心した少女は霊夢を連れて行くことにし、今に至る。
460無重力巫女の人:2009/06/01(月) 21:04:57 ID:ir0isDUs
 
かれこれ歩き始めてから十分、目の前に森を切り開いて造られた小さな村が見えてきた。
藁葺きで造られた小さな家が数十件ばかり建っており、いかにも世間から忘れ去られたといった感じが伺える。
「ここはウエストウッド村っていうの。最も、村というよりは孤児院に近いけど…」
少女が苦笑しつつそう言った直後、村の入り口から大勢の子供達がこちらに向かってきた。
大小取り混ぜて、色んな顔があった。金色の髪、赤毛の子など髪の色もさまざまである。
「おかえりおねぇちゃん!」
「怪我はなかった?」
「おいしそうな木の実は採れた?」
子供達は小走りで霊夢――の横にいる少女の方へ一斉に寄ってきた。
皆元気旺盛で、隣にいる霊夢のことなどお構いなしでった。
(成る程、孤児院って言っても案外間違いでもなさそうね。)
霊夢は先程の言葉を思い返し、一人納得すると少女が群がる子供達を制止した。
「あ、あなた達…食事の準備をしてくれない?今日はお客さんが来ているから。」
『お客さん』という言葉を聞いた子供達は今になって霊夢の存在に気づき、一斉に彼女の方へ顔を向ける。

「ロシュツキョウだぁー!」

「はぁ?」
突然十歳ぐらいの男の子が霊夢を指さして叫んだ。
流石に霊夢も突然の事に素っ頓狂な声を上げてしまった。
「…こ、こ、こらジムッ!何失礼な事を言っているの!?」
「だってティファ姉ちゃん…あんなに堂々とワキをさらけ出してる服を着てるなんて可笑しいだろう!」
少女は顔を赤くし、ジムと呼ばれた男の子の頭を軽く叩いた。
一方のジムも叩かれた頭をさすりながら少女に言い返す。
「全くもうこの子は……あ、そういえば自己紹介がまだだったわ。ご免なさい。」
少女は思い出しかのようにそう言うと霊夢の方へ体を向きなおった。

「私の名前はティファニア。皆からはテファお姉ちゃんって呼ばれてるのよ。」
少女――――――ティファニアは絹のように繊細な金髪を揺らしながらそう名乗った。
461無重力巫女の人:2009/06/01(月) 21:10:54 ID:ir0isDUs
はい、これにて今回の投稿は終了です。
予定では昨日の内に投稿しようかと思っていましたが…
色々あって結局今日になってしまった。

かれこれ気づいたらもうアルビオン編にまで来てしまいました。
ゼロ魔は面白そうな展開になってきたり、東方儚月抄の中巻は面白かったし。
なんだか色々とテンションが上がっている真っ最中です。

これからも安定したペースで投稿を続けていきますので、皆さんよろしく御願いします。
462名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 21:13:21 ID:jyQve/Ho
乙です
露出腋ワロタ
463名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 21:15:01 ID:roPXfWYs
腋どころかヘソも丸だしだもんな。
464名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 21:15:47 ID:XzTMsQiZ
露出狂www

まぁ、霊夢さんの格好はたしかに奇抜だが
それよりそのジム君がなぜそんな言葉を知っているのか問い詰めたい
465名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 21:17:31 ID:XzTMsQiZ
待て、霊夢は腋出してるし下着はドロワだが
へそは出ていないぞ
466名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 21:19:11 ID:bfLb3Dqc
霊夢の人乙です。
露出狂てwwww
ゆかりん達の動向に期待。
467名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 21:39:30 ID:fcdHbrmR
だが待って欲しい。
テファの格好もなかなかに扇情的な露出度を誇っていることをお忘れだろうか?
468名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 21:50:17 ID:AHnCHEpd
露出度ならルイズも負けない!
今日はあなたがご主人様にゃん!
469名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 21:53:42 ID:ir0isDUs
露出ならキュルケや原作5巻のアン様も負けてはいないぞ?
470名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 21:59:27 ID:motf+vn8
露出度を引き合いに出したら我らがシャルロット様が最強なわけですが
471名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 22:08:50 ID:h0tfV6fw
ハルケギニア勢vs幻想郷ボス軍団

・・・ハルケ勢が勝つ姿が想像できないんだが
時間を操る程度の能力を持った瀟洒なメイド、運命を操る程度の能力とありとあらゆるものを破壊する程度の能力を持った吸血鬼姉妹
死を操る程度の能力を持った亡霊姫、ガンキャノンに蛙、地底の核融合鴉
472名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 22:10:21 ID:u1S2fkKW
あいつら幻想郷出ればザコじゃなかったか
473名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 22:16:23 ID:tC0ez3IV
初めてですが投下してもよろしいでしょうか

元ネタ ソウル・イーターからモスキート
22時20分頃に投下予定
474名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 22:18:04 ID:4N6Yab46
とりあえずsageるんだ!
475名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 22:20:46 ID:KOmaQJmG
>>471
ヒント・「自在に操る能力」ではない
476名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 22:22:27 ID:7hLpj4LH
昨日今日の新人ベテラン合わせた投下ラッシュはなんなんだ…
とにかく支援
477名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 22:22:57 ID:tC0ez3IV
すいません初心者なので間違えました。

元ネタ ソウル・イーターからモスキート
22時30分頃に投下予定
478名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 22:24:43 ID:I41UqSD+
>>471
ラインハルトが軍艦送り込んだSSもあった訳だし
作者側もそこの所はうまく調整するんでないかい?
479ゼロの吸血鬼:2009/06/01(月) 22:28:01 ID:tC0ez3IV
最初から間違ってしまってすいませんでした。
とりあえず投下します。
1話だけなんで短いです。


ここアラクノフォビアで二人の幹部が対峙していた。
 一人は執事風の長身の男で周りには数体の蝙蝠が飛び回っている。もう一人は左手に黒いワームのよう
な物が出ている本を抱え、物静かだが底知れない恐怖を放っていた。
執事の男が口を開く
「そもそも、執事の私がアラクネ様のもとを離れたのが間違いだった。貴様のような薄気味悪い魔道
を信用したばっかりに・・・・・・お前は目障りだエイボン、始末する。」
執事が思いついたように呟いた。
「いや、エイボンの名をかたる偽物と言った方がよろしいかな?」
「ククク、好きに呼んでください。名前自体に意味はない、ただブランドがあるからそう名乗ってるだ
けです。世の中ブランドに弱い人が多いですからね・・・・・・エイボン、全てを収集出来そうな良い
響きではないですか。私はすべてをこのエイボンの書に収集する・・・鬼神も何もかもね。」
執事が大声を張り上げる。
「八百年前の力だあ!!それすなわち私が一番すごっかた時代ぃぃぃぃ!!」
ゴッ!!
蚊とも蝙蝠ともつかぬ巨大な化け物に変身した執事を黒いワームが噛み付き壁に叩きつけた。
「なっ何ぃ!?」
化け物に変身した執事が驚愕の声をあげる
「逃げようとしても無駄ですよ。モスキート様あなたは恐ろしい位強くしぶとい、ですが私のコレクト
対象ではないのです・・・残念、最後に私の本当の名を教えましょうか?」
化け物から先程の姿に戻ったモスキートと呼ばれた執事は吐き捨てるように言う
「フン、興味ない強欲で意地汚い収集家の名前などな。」
「そう、私は強欲な収集家・・・ノアと言います。」
次の瞬間だった。ワームの口から蝋燭のようにでた炎が現在の老人の姿になったモスキートを焼き尽く
した。
「アラクネ様あぁぁぁ!!申し訳ございません!!」
その時だった。燃えさかる炎の中に銀色に輝く鏡のような物が現れた。


(お願い…)
切なる願いを胸に秘め、桃色髪の少女は杖を振り上げた。
「宇宙の果てのどこかにいる私の僕よ!」
その類を見ない呪文に周囲にいる生徒達が一同に唖然とした表情を浮かべる。
しかし、少女=ルイズは気にも留めない。
「神聖で、美しく、そして強力な使い魔よ!私は心より求め、訴えるわ!」
呪文を唱えながら天高く掲げた杖を振る。そして…
「我が導きに、応えなさい!!!」
唱え終わると同時に杖を振り下ろした。
瞬間、これまで彼女が引き起こした物とは比べ物にならない……それこそ何かの記録にでも残せるかのような大爆発が巻き起こった。
――無論、そんな爆発が起きて周囲の者達が平気であるはずもなく……
「ゲホッ!ゲホッ!」
「やっぱりこうなったか…」
「まぁ、解りきっていた事だけど…」
「ゲホッ…まったく、ゼロのルイズが!」
…爆発にひっくり返り、煙に咳き込みつつ、ルイズへ文句、罵声、暴言を浴びせ始める。
彼女自身、いつもよりも巨大な爆発が起きた事は解ったが、それだけだと思いあからさまに落胆の表情を浮かべていた。…が、その表情は
直ぐに引っ込んだ。 煙が晴れた後の地面に、明らかにその場に居た誰でもない者が仰向けに倒れていたのだ。



480ゼロの吸血鬼:2009/06/01(月) 22:31:11 ID:tC0ez3IV
「へ、平民?なの」
見る限り小人のような体の大きさだが、顔は老人ではっきり言って大した働きは出来そうになかった。こんな平民を召喚していまうなんて・・・

 落胆した表情を見せるルイズをよそに教師であるコルベールは様子がおかしいことに気がついた。彼の鼻はかつて幾度となく嗅いできた
人の焼ける匂いを感じ取った。
「大変です。ミスヴァリエールその平民は大火傷をしています。」
「えっ、本当ですか?」
よく見ると服の所々がコゲ、焼けた肌を覘かしていた。
「すぐに医務室に連れて行きましょう」
「えっ、ででも契約は・・・?」
「そんなことは後回しです、とにかく私はこの平民をつれていきます。他の人は適当に解散してください。」
そういってモスキートを抱えフライで飛んで行ってしまった。呆然とするルイズを尻目に他の生徒達もコルベールの言葉通り適当に解散し
て飛んで行った。当然ルイズを馬鹿にする言葉を残して。
ルイズは歩きながら考えていた。「これから自分はどうなるのか、進級出来るのか、もし進級したとしてもやはりあの使えそうもない老平
民を使い魔にしなくてはいけないのか、なぜ自分だけこんな目に遭わなければいけないのか」
それを考えると足取りが重くなり自然と両の瞳から涙がこぼれ落ちた。
「どうしてっ・・・どうして私だけ・・・・・・」

「ぐっ、うう」
薬品の匂いの中で彼は目を覚ました。
「おおっ、気がつきましたか」
目の前には頭の寂しくなった眼鏡の男がいた。
「ここはどこだ、私は死んだはずでは?」
まだ頭がうまく働かない中で、呟くようにモスキートは言った。
「ここはトリステイン魔法学院です。春の使い魔の儀式であなたは召喚されたのですよ。」
召喚?トリステイン魔法学院?何のことだ?モスキートは目の前の男が何を言ったのかまったく理解出来なかった。
ただ自分がその召喚とやらで生き延びたことは確かであることはわかった。
「ところで、あなたは何者ですか?あれだけの火傷を負っていたのに水の秘薬も使わずに水の治癒の魔法だけでもう治りかけてきている、あなたは人
間ではありませんね」
真剣な顔となったコルベールが問いただす。
「人にものを聞く時は、まず自分から名乗るものじゃないのか?」
「失礼しました。私はこのトリステイン魔法学院で教師をやっているコルベールと申します。」
(魔法学院)という言葉が引っかかり、魂を見てみると驚いたことに魔道士で、しかも、かなりの実力を持っていることがわかった。しかし、
あのノアのように、いけ好かない感じはしない。
「お前の言った通りだ、私は人間ではない。この鼻を見ればわかるとおもうが蚊の化け物、いや吸血鬼と言ったらわかるか。」
とがった鼻をしごきながら言った。
「きゅ、吸血鬼・・・」
コルベールは絶句した
吸血鬼と言えば、ここハルゲギニアで自分たちの系統魔法より遙かに強力な先住魔法を使う恐ろしい妖魔として知られているからだ。実際
目の前の吸血鬼も恐ろしい変身能力を持っている、まあ、その最強の姿で敗れ、召喚されたからここにいるわけだが・・・・・・・
「ミスヴァリエールはとんでもないのを召喚してくれましたね」
コルベールは心の中で呟いた。


481名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 22:31:53 ID:9xNtPRbv
恐縮だが支援させていただくよ
482ゼロの吸血鬼:2009/06/01(月) 22:32:28 ID:tC0ez3IV
「ところで、なぜ私は召喚された?それよりもここはどこなんだ?」
「先程も言ったようにここはハルケギニア大陸の、トリステイン王国にある、トリステイン魔法学院。そしてあなたは春の使い魔の儀式で・・・
言いにくいのですが使い魔となるべく召喚されました。」
ハルゲギニア大陸?トリステイン王国?八百年以上生きている自分でも聞いたことの無い地名だった。そして、ここは異世界であるという
結論に達した。
「むう、知っている地名がないな。そんなことよりも元いた所に戻してくれるんだろうな」
コルベールは禿げた額に汗をかきながら答える。
「それが、出来ないんですよ。この召喚の魔法には対となる送還の魔法は存在しないのです。」
「ふざけるな!!私はすぐに戻ってアラクネ様をお守りしなければならんのだぞ!!」
しかし、モスキートは気がついた。すでにアラクネはあの薄気味悪い魔道士`ノア`に殺されてしまったしまったことに・・・
実際にはアラクネは身体を捨て狂気となっただけなのだが、もうすでに妹のメデューサとマカ=アルバーンによって殺されてしまっている
だろうから変わらないが。

何にせよアラクネがいない以上元の世界に戻る意味もない。

 荒くなった呼吸を整え言葉を続ける。
「いや、やはりこのままで良い、使い魔とやらは何なんだ」
「使い魔は契約した主人の目となり鼻となり、仕える者です。その契約はどちらか一方が亡くなるまで続きます、通常は動物や幻獣が召喚
されるのですが、あなたのように吸血鬼が召喚されるのは前代未聞なのですよ。」
しばし考えた後モスキートは口を開いた。
「良いだろう、その使い魔とやらになってやろう。私を召喚した人間を呼んでくれ」
「ほ、本当ですか!?ではすぐに呼んできます。」
予想外にすんなりと使い魔になることを承諾した目の前の吸血鬼にコルベールは驚いたが、気が変わらない内にと急いでルイズを呼びに行
った。
「アラクネ様、申し訳ございません。あなたの元を離れることをお許しください。」
モスキートは失った主人と新しい主人のことを考え再び目を閉じた

これで投下終了です。
483名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 22:52:55 ID:v2H7ELH8
いかん、エイボンと言われるとハイパーボリア時代の魔術師の書いた本しか思い浮かばねえ。
484名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 22:59:34 ID:YsaG53XZ
つぁとぅぐぁ・・・モフモフサレチャウゾ
485名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 23:00:04 ID:gGTXapdv
藤崎竜「封神演義」より 軍師・聞仲を召喚

ゼロ大師 第1話を投下します。
486名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 23:00:08 ID:/iWP21z1
乙よー
キャラは申し訳ないけど知らんけど、次回も期待するぜ
487名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 23:00:40 ID:tEa9Uro4
―――神界。
ぐおんぐおんと歪むワープゾーンの中に存在する巨大な島。
島と言うよりも山が丸ごと浮いているような外観である。
中心にそびえ立つ巨大な山が月の端にかかり、真円の月が黒くかけている。
本物の月ではなく、ここを管理する元始天尊が暇にあかせて拵えたものである。
地球や、仙人界であるならば大気があるべきだろうが、ここは神界。
魂魄となった者達が住む場所である。
ワープゾーンの中に存在するそこの空間は、割と都合の良いように作ってあるらしい。

魂魄に老いは無い。
例え死んだときにどんな惨たらしい状態であっても、魂魄体は本来の姿となる。
基本的に朝も夜もないのだが、雰囲気付けの為に作成したのが今浮かんでいる月であった。
趙公明の船の球体部分と同じ作りであり、実際彼はこの中に住んでいる。
本人曰く、「こんなに目立つ場所は、この僕にふさわしい!」らしい。

神達は要請がない時は勝手気ままにここで暮らしている。
魂魄体になって尚修行を続けている者達は山に籠もったり滝に打たれたり打合ったりしているし、
趙公明のように貴族的な生活をゆうゆうとしている者達もいれば、
普通に居住空間を作って暮らしている者達も居る。
もっとも、魂魄体といういわば幽霊のような存在なので、睡眠等の為にある居住空間ではなく、
自分の居場所といった程度のものである。

そんな中で一人、山の中腹の洞穴に居を構えている男が一人。

―――かつての殷の大師、聞仲である。

この洞穴を訪れるのは少ない友人達と、かつての部下。
かつての敵であった者が訪れてきて、数日間語り尽くす事もあった。
また、行方不明となっている筈の太公望が一度ふらっと現れ、
桃を食らいながらだらだら話した挙げ句、元始天尊に見つかりそうになって逃げたりしたこともあった。
黄飛虎が来てひたすら酒を飲んで笑いながら愚痴を言い合い、朝には全く記憶が無かったこともある。

神界の生活は日時も何も無く、元々老いの無い仙人・道士からすれば特に平時と変わらない。
それは聞仲も同じであるが、彼の場合は軍師としての激務が無くなった事で時間が有り余っていた。
禁鞭も張奎に譲り渡され、肉体は無いので鍛える事もできない。
となれば仙人のやる事は瞑想したり他者と語らう事くらいであった。
488ゼロ大師:2009/06/01(月) 23:01:27 ID:Yy5o7Xcm
「……」

仙道である彼等とは、こうして会う事が出来る。
しかし、封神フィールドが張られる前の死者、すなわち朱氏のような者には会えない。
そして自分にずっと尽くしてくれていた霊獣―――黒麒麟にも。
あの仙界大戦で失われた命は仙道達のものであり、そのほとんどはこうして神界に居る。
しかし妖精ではなく霊獣であった黒麒麟の魂魄はここにはなく、聞仲はそれを自覚した時どうしようもない喪失感に襲われた。

洞穴の一角に置いてある黒い塊は、 飛虎の息子、天祥が作って置いていった人形である。
と、空しさの混じった表情でそれを眺めていた聞仲の意識が、外に向けられる。

「―――元始天尊か」
「相変わらず良い勘じゃ」
「音もなく現れるのは貴様くらいのものだ」

元始天尊は空間転移用宝貝、ワープ君に乗っていた。
あの戦いでの傷は癒えているが、やはりそういった移動は面倒らしい。
ものぐさな部分は弟子に確実に受け継がれている、と聞仲は思っていた。

「で、何のようだ」
「ここ最近の事件については聞き及んでいるじゃろう。妖怪仙人から人間の導士・仙人、神に至るまで、10数名が行方不明となっておる」
「……"神隠し"か」
「本当に神が攫われておるのじゃから、冗談にもならんのう」
「趙公明も居なくなったと聞いて居るが?」
「あやつに関してはこの件に関係なく失踪しそうじゃが……主立った者はここに挙げてある」
「……趙公明、王貴人、土行孫、ちんとう……太公望!?」
「千里眼にはかからんのじゃが、申公豹がわざわざ言ってくるくらいじゃ。数日前まではスープー達が追い回しておったから、この時期の失踪というのはやはり……」
「しかしあいつは『最初の人』の内の一人だろう。奴が消えるともなれば……」
489ゼロ大師:2009/06/01(月) 23:03:07 ID:gGTXapdv
「その通り。こちらもそれ相応の者を調査にあたらせねばならん。とはいえ、生きている者達といえば……」

『いや、教主の仕事が山積みでして……』
『ム!』
『ついにこの九竜神火罩Vの出番か』
『ハニー、どこへ行ったの!?』
『心配無いじゃろう、あやつが消えるわけもない』

「といった具合での。これも現世での異変とすれば、神に頼むしかあるまいて」
「……これも神としての仕事か」
「まあ良いじゃろう。仙人界への行き来も可能なようにしておく」

封神フィールドが覆っている仙人界では、死んだ者は神界へと飛ばされる。
しかし封神台が解放され神界として機構を新しくした今、神界から地球、仙人界への移動は自由である。
もっとも、それには教主か、元始天尊の許可が必要である。
唯一の例外は力をずるがしこく使って逃げ果せている太公望くらいのものだ。

神として封じられた者としての務めはやはり果たさねばならない。

「……仕方ない。行こうではないか。その調査とやらに」


数日後。
「聞仲様!」
「張奎か」

仙人界で出現したという”鏡”の前に、多数の仙人達が集結していた。
最も前に居るのは大乙真人と燃踏道人である。
そして、その後ろには漆黒のマントを纏った聞仲と、かつての部下である張奎が再会している。

「これがその鏡か……」
「十天君のお陰で封じ込めてるけど、これに触れてしまえばおそらく飛ばされるんだろうね」
「こんなものがいつ現れるか解らんとは」
「燃燈様の前に現れて良かったですね。気合いで何とかなって」
490名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 23:05:57 ID:TOYchXcL
封神懐かしいなあ
支援
491ゼロ大師:2009/06/01(月) 23:07:07 ID:tEa9Uro4
迅速な対応のお陰で、正体不明の鏡を発動させることなく封じ込める事ができていた。
仙人界のオーバーテクノロジーは複合させる事で魔法すらも押さえ込む。

何故聞仲がこうしていられるかと言えば、仙人は魂だけあれば再生が可能であると言う事に基づく。
それには通常長い時間が必要となるものの、不可能な事ではない。
今回は太乙が宝貝人間を作る際のノウハウを応用して、魂魄を持たない体だけを作った。
あとはそこに魂魄を入れてしまえば、完成品はこちらにあります、というわけだ。

「というわけだけど、大丈夫かい?聞仲」
「……問題ない。肉体も戻り、禁鞭もある」
「複製だけどね」

聞仲が腰にしているのは本物の禁鞭ではない。
本物は今張奎に受け継がれている。

「スーパー宝貝のレプリカ……本物に比べれば攻撃範囲は狭いんだけど、張奎君の意見を取り入れて使いやすくしてみたんだ。本物に触れられない分の研究成果を詰め込んでみたのさっ」
「相変わらず読者を意識した人ッスねえ……」
「まあいい。それで、この珠は何だ」
「金鰲島の混元珠とか拌黄珠の応用でね、どこにいようと通信が可能な万能宝貝さ。他にも機能を色々と付けて―――」

禁鞭を握ると、懐かしい感覚が蘇ってくる。
最期にこれと共に戦ったのは、あの燃えるような夕日を浴びながら太公望と戦った時だ。

「懐かしい感触だ。しかしこれは、お前が持っているべきだ」
「聞仲様」
「お前は新しい風となった。ならば、それはお前の元にあるのが良いのだろう」
「……わかりました」

「では、向かうとする」
「十天君、十絶陣解除!」

「行ってくる」
492ゼロ大師:2009/06/01(月) 23:07:49 ID:tEa9Uro4


「……」

正直な話、ルイズは困惑していた。
召喚で呼び出したのが真っ黒なマントを纏った大柄な男だったからだ。
自分に影を落すほどの身長に加えて、その人物自身の雰囲気も近寄りがたいものだった。
おまけに周りにふよふよと珠が浮いている。
声を失って思考回路停止状態に陥ったルイズを見かねて、コルベールが進み出た。

「失礼ですが……貴方はメイジ、であらせられるのでしょうか?」
「明示?」
「そうです。もしくは貴族の方でしょうか……」
「……」

人数的には百人に満たない程度だろうか。
おそらくは10代後半、天祥ほどの年齢である。
とはいえ、このような子供達が全員が全員同じ恰好をしているというのは見た事がない。
軍隊ならば同じ兵装をしているのは当然だが……ここは何かの学塾なのだろうか。

となれば、おそらくこの頭皮の薄い人間は教師にあたる人物なのだろう。
むしろ、所々にいる奇妙な生物たちの方が気がかりだった。

「それで、ここはどこだ?」
「ここはトリステイ―――」
『うーん、どうもよくわからないな。異世界なのは確かなんだけど……詳しくはもう少しデータがたまらないと無理かなー』
「!?」

大きなどよめきが起こった。
召喚された男の周りに浮いている珠が、喋ったのだ。
向こう側の通信宝貝を持っているのは太乙と、会議室に集まった仙人達である。

『でもこれが通じているってことはそれほどかけ離れた世界じゃあないね。話も通じているんだろう?』
「そうだな」
『まあしばらくそっちで暮らして情報を得ると良いよ。居なくなった仙人達を探すにしても、まずは情報から』
「大乙真人。本当に帰れるのだろうな」
『君が他の人達を探し出したらね』

……これも務めだ。
聞仲はまたため息をつくと、ルイズへと向き直った。
493ゼロ大師:2009/06/01(月) 23:08:59 ID:gGTXapdv

「貴族かどうかだが。残念ながら、私は貴族ではない」
「え、じゃあ……平民?」
「正確に言えば武門の生まれで殷の軍師だ。もっとも……元、だがな」
「?」
「ところで、ここはどこだ」

数分後。
そこには説明を受けた後の聞仲の姿が。

「なるほど。私が契約をしないと留年となるのか」
「そうなります。毎年恒例の儀式で、例外はありません」

―――我が子である殷を見届けたと思っていたら、今度はまた別の子供を見る事になるとは。
「運命とはわからないものだな。これも標無き後の岐路の一つか?太公望よ」

聞仲はこの世界にいるかもしれない奴の事を思い返しながら言い放った。

「いいだろう。この聞仲、契約を受けよう」

そしてハルケギニアに降り立った一人の軍師は、桃色の髪の小さなメイジと契約を交わした。
―――ハルケギニアに一陣の風が吹き込む。
それはまた、大きな風へと育っていくのだが、それはまだ先の話である。



そして、あまりにも背が違う聞仲に対し、ルイズがしゃがませて契約を行った事は付け加えておかねばならない。
494ゼロ大師:2009/06/01(月) 23:09:57 ID:Yy5o7Xcm
以上で投稿を終わります。
時間が無くて駆け足での投下になってしまってすみませんでした。
495名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 23:11:20 ID:9xNtPRbv
聞仲か
支援
496ゼロ大師:2009/06/01(月) 23:14:27 ID:Yy5o7Xcm
本当は太公望を召喚したかったのですが、既に書かれてる方もいますし、
あののらりくらりとした口上を書けるか不安になったので、今まで呼ばれた事のない(筈の)
聞仲です。懐かしいですね。

聞仲だと七万だろうが平気で勝ちそうですが……
まあ人間に宝貝を振るうような真似はしないと思ったので召喚しました。

では、今回はここまでです。おやすみなさい。
497名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 23:15:29 ID:CTXxdZH3
聞仲か〜。

黒麒麟は確か本編後のゲーム(天祥が主役のヤツ)で封神されてたらしく復活してたような……
498名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 23:15:50 ID:KyZp6IMJ
聞仲がきたー

投下乙であります
向こう側の状況から出してくるとは、なかなかGJですね
続き期待してますー
499名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 23:22:40 ID:1T09sC+/
乙ー

しかし聞仲は崑崙山を落とした後は金鰲島の戦力で周を脅迫しようとしてた事もある男だぜ
まぁ脅迫はしても直接攻撃は最後の手段か
500名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 23:23:46 ID:+j327UtX


これはルイズの成長が楽しみ過ぎるw
場合によっちゃ、公爵と一緒に王家へ鞭を向けるかw
501名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 23:25:18 ID:OWKc/HQy
禁鞭は・・・譲ったんだっけ?
502名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 23:28:51 ID:+j327UtX
張奎にね。

黒麒麟は死んじゃってるしなぁ……。
503名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 23:29:24 ID:8lDS3O3m
>>501
遺品として盗られた
504名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 23:39:12 ID:bfLb3Dqc
乙です。
何故かルイズ=聞仲、アン様=紂王、ゾンビウェールズ=女狐で脳内再生されたw
505名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 23:43:46 ID:CTXxdZH3
>>501
>>497のゲームの場合だと…
教主のヨウゼンがスーパー宝貝はこれからのことを考え封印した。
(雷公鞭も含む。太極図は持ってる本人がその後も雲隠れしてたのでおそらく除く)
ただし、意思持ってるので勝手に封印解けて大体は所有者と認めたものの下に戻った。
六魂幡と禁鞭については戻った主は通天教主と聞仲と元々の使い手。
506名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 00:28:07 ID:Z1o1lEO8
>>472
外の世界に対しては科学の発達で人間が化け物などを信じなくなったから弱いんじゃなかったっけ
ハルケだったらむしろ文明が発達してない分強化されそう

妖怪相手に戦うにしても一瞬で素粒子分解して完全に消滅させる武器なんかがあれば倒せるかもしれないって程度なので(台詞と内容からして食らっても耐えれそうにも読み取れるが)
ハルケにスパロボとかそのへんの兵器でも流れてないとあいつらダメぽ
何より幻想郷の外でも特に問題なく能力使えるしな
能力抜きでもレーザーの直進を確認してから動ける連中だし魔法じゃ遅すぎて無理
東方キャラがガチ戦闘することなんて絶対にありえないけどさ

まぁそもそもゼロ魔自体が基本的に弱すぎるw
妙なインフレせず弱くていいんだけどw
507名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 00:40:37 ID:Caczn9Ux
>>472
信仰で力が左右されるガンキャノンと蛙は弱体化するかも知れんけど他はそれほど影響ないんじゃ?
508名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 00:45:48 ID:QDDIcBbH
>>427
ベルセルクかぁ……。
主要なの人外はそこらのメイジじゃ手におえないレベルだからなぁ。
人外から呼ぶならパックかイバレラしかちょうどいいのいないな。ルイズも喜ぶだろうし。
イシドロは普通にサイトを使い魔こなせそうだ。
俺的にはシールケを推したい。
大した事ないメイジ相手なら暗示だけで動き止めれるし、召喚使えば向かうところ的無しだ。ただそれは詠唱やら準備やら虚無以上に時間かかる気がするけど。

>>477
元ネタしらんけど、エイボンの書とかあるってことはクトゥルフ系列?
509名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 00:47:02 ID:7Kceo+Hc
東方で戦力考査しちゃダメだ
もともとが適当なんだからw
510名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 01:20:03 ID:MakZ067n
聞中はほらあれだろ。
気づいたら、生徒説教して、教育してそう(軍的な意味で)
511名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 01:21:39 ID:X1g8xBHA
というか、教師として最強だからなぁ…
512名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 01:22:26 ID:KMriqYJ7
ある程度幻想郷を留守にしても大丈夫なのは紅魔館組と永遠亭組くらいじゃない?
白玉楼やら地霊殿の管理者居なくなったら問題起きそうな気がする。
513名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 01:24:42 ID:29OCuoN0
>>512
丸一ヶ月冥界空けて月面スニーキングやったから無問題
514名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 01:34:39 ID:i02uRMzy
まあ、冥界は後で閻魔様にこっぴどく説教されそうだがなw
515名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 02:03:50 ID:JT7mDx0H
あとゆうかりんとか魔法使い連中とかな
516名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 02:05:50 ID:WYm/3V+P
幻想郷勢は直接ボス連中なんかを送り込むよりも
毛玉でも放逐して繁殖させたほうがハルケのダメージはでかいと思うんだ
517名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 02:27:43 ID:wQnzg0yv
某ボスラッシュ動画な幻想郷の面々なら負けても仕方ないw
518名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 03:55:43 ID:x3Dd4RVS
神奈子と諏訪子に関しては、幻想郷に移る最中の守矢神社(早苗さん込み)ごとマルっと召喚すればおk
519名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 04:00:32 ID:KMriqYJ7
ブリミルの狂信者しか居ないから、守矢の2柱は消滅しそう
520名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 04:37:20 ID:UnYFiJr0
ハルケ側からしてみれば、邪神でしかないからなー
521名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 04:47:21 ID:KdCoOxNx
ドグマからアラニス・モリセットを召喚
522名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 06:07:52 ID:ymykae75
虚無と賢女の人に期待
523名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 06:09:02 ID:t1pTL5X4
>>508
ガンガンで連載してる、ファンタジー系のバトル漫画。
あっちこっちの神話から名前持ってきてるだけなんで、名前だけでクトゥルフ系ではない。
524名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 06:43:08 ID:0vHXL/Bi
>>522
ぶっちゃけノエルスキーならノエルでやればいいじゃんという気がしてきた
エレアノールのキャラが違うし
525名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 06:56:05 ID:XSQGf3lO
水鏡からだだつし(なぜか変換できない)でも読んで赤い海に囲まれたハルケをだな…
526名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 06:57:52 ID:X1g8xBHA
エレオノール!?
527名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 06:59:44 ID:W4LNavxK
ハルケ

ハルク

と読み間違えた
やっぱこっちでも大暴れするのだろうか
528名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 07:03:14 ID:biDLEHso
>>520
実際の所、諏訪子様はミジャクジさまを操る祟り神みたいだけどね。
>>519
風神録後に各所に分社を呼び出せば信仰不足による消滅って事態
も回避できそうじゃないかな?
まぁ、肝心の神様2柱が信仰得るために幻想郷に無断で核融合発電
を導入しようとする神だから、学院の生徒や教員を自分達の信者に
洗脳するとか普通にやりそうだけどね。
529名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 07:15:38 ID:JT7mDx0H
現人神のキセーッキ☆で信者獲得ですよ!
530名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 08:38:38 ID:ti5XIErh
ルイズがゆっくりを召喚‥‥ゴクリ。
531名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 08:41:12 ID:X7I/88RA
その現人神の力の大本は神奈子諏訪子なんだがな。
532名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 09:36:42 ID:uLMKdgcj
現人神・・・・ヅェー・シシュ様を召喚か・・・
533名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 10:15:05 ID:5LcKTf9R
>>530

ゆっくり関係のSSであったような気がする
どことは言わんが
534名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 10:50:31 ID:R3EI2tQX
ブリミル教といっても新教徒とか分裂があるみたいだから、やりようによっては付け入る隙があるかもな。
ガイア教は行き過ぎだが、お絵描き掲示板の惨状はなんだよ。
535名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 12:22:45 ID:gWzbSDMs
>>532
so sexy

まあ言うこと聞いてくれないだろうけど。
536名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 12:43:51 ID:wzjJZaAq
パイ神教もやり方次第でガイア教みたいになる可能性はあると思うんだ
537名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 12:50:59 ID:XSQGf3lO
タルブは既にry
538名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 13:01:38 ID:/+khUuzO
東方勢でも橙くらいの実力なら召喚されても、バランスブレイカーにはならないんじゃないかなーと思ったんだがどうよ?
539名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 13:06:20 ID:gWzbSDMs
東方は信者がかつての型月クラスにうざい。
あってないような設定を必死に語るし。
540名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 13:10:28 ID:/nWSUSqz
全盛期の月厨に比べたら、まだまだ可愛いもんだよ。
541名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 13:11:08 ID:uscxCfBs
信者がいる作品でうざくないのってあるのか?
542名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 13:18:20 ID:sF5kH6rU
>>527
なんせ「WORLD WAR」ってエピソードでトニーやピムやリード、そして
全世界を敵に回してケンカするほどだからな

ただ弱っちくて放っておけないのとか「味方」と認識したモノに対しては
本当に本気で守るから案外ルイズに合うかもしれん


・・・・・・・・むしろトニー召喚?
アーマーによる戦闘力もだが(一般家庭のコンセントで充電可能)トニーの能力は汎用性高すぎ
(コッパゲと話し合いそうだ)

ただ魔法の類へのアレルギーと酒への逃避をどう防ぐかが問題
543名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 13:19:00 ID:KdCoOxNx
FSMとかは?
544名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 13:30:25 ID:4N9v9o6m
>>538
儚月抄で大暴落した幻想郷勢はギーシュと五分っても違和感ないわ
月人姉妹は七万見てから素粒子分解余裕だろうが
545名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 13:41:10 ID:sF5kH6rU
>>541
ファンと信者の境目をどうつけるかが問題
546名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 13:53:20 ID:KdCoOxNx
ファン:作品が好き。に留まる
信者 :作品を否定されるのを許さない
狂信者:記すことすら憚れる
547名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 14:12:28 ID:+oNlXGoN
毒はきスレでやりまちょーねー
548名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 14:20:38 ID:AKKEx4F2
東方は嫌いで特撮と忍者は大好きだもんなお前らw
549名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 14:21:38 ID:gWzbSDMs
>>548
安心しろ。全部嫌いだ。
550名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 14:25:24 ID:AKKEx4F2
>>549
俺はおっぱいが好きだ
551名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 14:27:44 ID:ruH2FU9P
俺もおっぱいが好きだ
552名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 14:28:56 ID:t1pTL5X4
東方は知らない、東方不敗は知っている、特撮と忍者は大好きだ。
おっぱいはどうでもいいが、鮫は大好きだ。
553名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 14:29:50 ID:aWuLgiaf
俺はおっぱいが大好きだ
554名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 14:31:49 ID:5ga6SN5w
ちちしりふともも
555名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 14:31:56 ID:ibhjT0NI
そして微乳派、巨乳派、爆乳派で争うスレ住人たち・・・
世に戦争の種は尽きまじ。
556名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 14:37:42 ID:AKKEx4F2
>>555
諸君、私は戦争が好きだ
557名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 14:39:03 ID:XSQGf3lO
シューティングか

ツインビーとかグラディウスとかか
558名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 14:47:32 ID:wSU8zTZT
平面胸、貧乳、微乳、凡乳、並乳、巨乳、爆乳…

おっぱいは全て好きだな
559ヤマグチノボル初期作より(1レスのネタ(:2009/06/02(火) 14:52:53 ID:fZtb0HI4

ルイズが召喚したのは、水兵の服にスカート姿、奇妙な格好の娘だった
「あの…わたし…学校帰りにまた触手に襲われたと思ったら…こんな所に…」
彼女の豊満な胸にちょっとイラっときながら、ルイズは彼女に何者かを問うた

「わたし…音無 芽衣美といいます・・・キャッ」

ルイズは契約の儀式、コントラクト・サーヴァントを済ませた、左手にルーンが現れる
「あ…あの・・・あなたもわたしを襲うんですか?…触手とかアモーレとか天使式とか悪魔式とか」
ワケのわからないことを言い出す少女を引きずって、ルイズは自室へと戻った

「・・・つまり・・・使い魔の仕事っていうのは、感覚の共有、秘薬探し、あと・・・お世話とか・・・」
ようやく少し落ち着いた様子の少女に、ルイズは高飛車な態度で説明した
「そんな・・・ご奉仕なんて・・・わたし出来ることと言えば変身くらいで・・・」
「変身?」
音無 芽衣美の体が光に包まれ、赤い髪に黒い服、彼女の暗黒面が実体化した
「な・・・なによアンタ・・・急に人を見下げたりして」バゴォ!
ミスティ・メイはルイズの顔面を足蹴にした、そのまま薄い胸をグリグリと踏みにじる
「ハァ?このあたしの下僕が、魔法もロクに使えない魔法二等兵だというだけでも腹立たしいのに」
「あんた!足どかしなさいよ!、痛い・・・いたいけど・・・あぁん♪」
「貴様、敬語という物を知らないのか?この世界に来た記念に、たっぷり教育してやろう」
「あ・・・やめなさい・・・あふぅん!・・・やめ・・・やめて・・・ください・・・ひゃん!・・・メイ・・・様」

その後、ギーシュとの決闘で再び変身した彼女は、意思を持つ触手エターナル・ワームで彼を・・・

                     
     「魔界天使ジブリール」より、音無 芽衣美(ミスティメイ)を召喚
560名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 14:54:17 ID:PcPBw8ky
貧乳は東山文化
巨乳は北山文化

お互い甲乙付け難し
561名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 14:54:32 ID:JT7mDx0H
>>554
横島乙
562名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 15:05:10 ID:A+7lZ7Ko
>>561
某名門女子校の入り婿学園長だか理事長じゃなかったっけ?
563名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 15:41:11 ID:AwPiHhIt
>>546
熱心なファンと信者の区別はほぼつかない
564名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 15:50:31 ID:oWODDkJw
反乱分子はシベリア送りだ!
565名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 16:02:26 ID:KdCoOxNx
>>563
信者は、周りが不快に思う行動を取る。
これでどうだ!
566名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 16:35:12 ID:PcPBw8ky
世の中には他作品に触れた事がほとんどない癖にこの作品は最高だと
勝手にマンセーを始める「信者臭いにわか」ってやっかいな連中が存在していてな…
567名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 16:43:13 ID:ogrXZnBl
めちゃくちゃ偏った選民思想を持つ、くそ暑苦しいネオナチ信徒はむしろこっちから見たいけどな。
別名お笑い芸人。
568名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 18:07:46 ID:xuS7N3YD
>>565
それは信者とアンチの共通項だぜ
責任転嫁ぶりとか心の棚の高さとか丸ごと含めて
569名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 18:19:17 ID:Grt/A8Pi
つまり、アニメ版カトレアの谷間とエレオノールの絶壁ぶりに目を奪われた俺は勝ち組か。
570名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 18:20:24 ID:XkntlGp5
呼び名なぞ知らん。ウザイ書き込みしてる奴が各々単独でウザイのじゃ。



やめてやめて鏡つきつけないで
571名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 18:21:04 ID:t1pTL5X4
信者ってのは設定も何も考えずに、好き嫌いだけで喚き散らすものと認識していたが・・・
星一つ壊せない作品のキャラでも、スーパーサイヤ人をボロ雑巾に出来るとのたまうのが信者。
572名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 18:25:09 ID:0Dxv6yaJ
はい、ここまで全部俺の自演

↓以下、いつも通りの流れへ↓
573名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 18:26:19 ID:KdCoOxNx
おっぱいとか?
574名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 18:27:55 ID:XkntlGp5
ツンデレとか?
575名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 18:31:19 ID:R3EI2tQX
よし、じゃあ特撮と忍者の話だな。
宇宙忍者バルタン星人を召喚、が前スレであったな。ハルケギニアにスペシウムはあるのか?
そして親分のメフィラス星人が来たら、胸を大きくすることと引き換えにハルケギニア落札。
576名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 18:34:53 ID:t1pTL5X4
メフィラスが来たら、ハルケギニアに大魔王として君臨するんだな。
577名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 18:36:46 ID:xuS7N3YD
>>571
そんなおまいの脳内の仮想敵なんかどうでもええがな
おっぱいを語れ
578名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 18:38:24 ID:K8hmDiEL
貧乳はステータスだと思う
579名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 18:39:30 ID:ICHoSu8c
魔人ブー召喚物とかありそうで無いな。
580名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 18:40:25 ID:sF5kH6rU
漫画家の長谷川祐一はロリコンよばわりされて「控えめの胸が好きなだけでぇ!」
と仰られたそうです
581名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 18:41:38 ID:HMvHMM84
>>575
メフィラスと聞いて何故か猿の手が思い浮かんだ俺
……アレ召喚されたらどうなるだろ?

ルイズの場合
魔法が使えるようになりたい→アンアン死亡で祈祷書とルビーゲット
カトレアの病気を治して→人外に変貌

ジョゼフの場合
シャルルに一泡吹かせたい→ジョゼフが王になった事にトチ狂い、本性剥き出しにしたシャルルが暴れてガリア滅茶苦茶に

テファの場合
両親を生き返らせて→凶暴なゾンビとなって登場

教皇の場合
エルフの全滅→聖地自体が取り返しのつかないことになる


まあ当然だが悲劇にしかならんな
582名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 18:46:47 ID:ttnmKyRe
>>579
マリコルヌの平常時と逆上時の表情は正直ブゥで脳内再生されてる
583名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 19:00:51 ID:R3EI2tQX
>>581
なんかジョゼフの場合望むところな気がするが

一般ぴーぷる
大金持ちになりたい→黄金怪獣ゴルドン登場、大暴れ
幸せになりたい→ギジェラ登場、永遠の夢の中へ
現ジョゼフ
こんな世界なんか壊れてしまえ→キングオブモンス登場
誰かガイアを呼んでくれないかと思ったが思いつかん
584名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 19:07:07 ID:nwGF+PDs
ちょっと短編を思いついたので、19:15頃にに投下しようと思うのですがよろしいでしょうか?
585名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 19:07:44 ID:XSQGf3lO
SIRENの闇人を詠んで全面的な戦いになり
「そちらから呼ばれて来たものを…」というSIREN2的展開も面白そうだ
586名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 19:14:27 ID:nwGF+PDs
使い魔は『コンボイ』

ルイズが召喚した使い魔、それは2体のゴーレムだった。
「……なるほど、私達は君に召喚されたと言う事か………。
 ……仕方ない、しばらく、君の世話をしよう。」

その二体のゴーレムは、しばらくこの魔法学院にとどまる事になった。

そんなこんなですごしていると、フーケがやってきて魔法学院をゴーレムで襲ったのだ。

それに戦う私の前に私の使い魔が現れた。

「ウィングコンボイと呼んでくれ!」
「グランドコンボイ!」

軽くフーケのゴーレムを倒すと、その彼……グランドコンボイはウィングセイバーと分離した。


ジョゼフの召喚した使い魔は黒い体をしたタンクローリーであった。

彼の名はブラックコンボイ。彼はトランスフォーマーならではの圧倒的火力を利用してアルビオン軍を圧倒。わずか300の兵で2万の王軍を壊滅させてしまう。

グランドコンボイとルイズ達はアンリエッタの手紙を取りにいく途中でブラックコンボイと激突するが、その圧倒的なパワーの前になすすべも無く敗北するが、ウェールズの機転のおかげで、ぎりぎりのところでアルビオンを脱出した。

講和条約など結ぶまもなくレコン・キスタはトリステインへの攻撃を開始する。

だが、タルブの村にあった『鋼の船』が起動したのだ!

『鋼の船』は変形して巨大なロボットへと変化する。

「グランドコンボイ!」
「オメガスプリーム!」
「「リンクアップ!」」
「オメガコンボイ!」

合体したグランドコンボイは高らかに自らの名を避けんだ。

「オメガコンボイと呼んでくれ!」
「グランドコンボイ!!」

グランドコンボイの圧倒的なパワーでブラックコンボイを退けたトリステインだった。

そのころ、アルビオンでは一匹の象があるハーフエルフの元に召喚された。
まるで知性を感じさせるその象は、かつて孤独だった過去を取り戻すように彼女のそばにいたと言う。


さて、そのころロマリアでも4人目のコンボイが召喚されていた。
その使い魔はさっぱりと記録に残っていない。
とりあえず巨大な耳をもっていてとある動物に似た顔つきをしていたとだけ書いておく。

召喚された使い魔
ルイズ:グランドコンボイ(スーパーリンク)
ジョゼフ:ブラックコンボイ(カーロボット)
ティファ:ビッグコンボイ(ビーストウォーズネオ(漫画))
教皇:記す事されはばかれる。
587名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 19:17:44 ID:pGXpvLiN
ちょ、ミッ○ーマ○ストレーラーかよw
588ゴーオンジャー代理:2009/06/02(火) 19:26:00 ID:r0ycdu5t
代理の依頼があったので
19:30より投下させていただきます。
589名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 19:26:46 ID:AQfgwc38
>>586
短編乙!
コンボイだらけとか不安すぎる件…
でもトランスフォーマ達だと案外ハルケギニアに馴染めそうな気がする。
エネルギー資源や自然も地球より大分豊富そうだし。

それより、イボンコは?イボンコはいないの?
後アニメイテッドのオプティ(ry
590ゴーオンジャー代理:2009/06/02(火) 19:30:23 ID:r0ycdu5t
「炎神戦隊ゴーオンジャー BUNBUN!BANBAN!クロスオーBANG!! GP−14」

次回予告
「拙者キャリゲーター。船旅に美男子、いいでござるなー。ぬお! この恐ろしげな御仁は? ルイズ、しゃっきりするゲーター。
 GP−14 推参プリンス
 ――GO ON!!」
591ゴーオンジャー代理:2009/06/02(火) 19:31:07 ID:r0ycdu5t
「とりあえず今日のところはこんなものね」
「あとはアルビオンに着いてからでおじゃるな」
 ケガレシア達との打ち合わせ(実質的にはヒラメキメデス・マチルダとの顔合わせ)を終えたルイズ達が「女神の杵」亭に戻ったところ……、
「何なのよあんた達!?」
「殺っちまえ!」
「………」
「往生際が悪いぜ、嬢ちゃんよお?」
「こいつっ!」
「やるじゃねえか!」
「チンピラのわりに連携が取れているな……」
「てめえら人間じゃねえ、たたっ斬ってやる!」
 ……キュルケ・タバサ・ギーシュ・ワルドvs傭兵の修羅場と化していた。

 ――GP−14 推参プリンス――

「何でこんな事になったのか聞くのは後にした方がいいわね……」
「そうしてくれると……はあっ! ありがたいな……どうだ!」
 ルイズの言葉に答えつつも傭兵を切り伏せる手を休めないワルド。
「まとめて蹴散らしてやるでおじゃる! チュウシャバンキ!」
「ブーンビー!」
 ケガレシアの呼び声に答え、両腕が鋭い針の付いた注射針になっているハチと人間を合成したような蛮機獣が壁を突き破って出現する。
「注射爆弾!」
 腕から巨大な注射器を飛ばし、それを爆発させるチュウシャバンキ。
「笑い注射!」
 口から連射した注射器に仕込まれた毒液で、傭兵達を笑い転げさせて呼吸困難で苦しめるチュウシャバンキ。
「注射ニードルカーニバル!」
 大の字になって空中回転しながら急降下、腕の注射針で急所を突き刺すチュウシャバンキ。
『うわーだめだー』
 瞬く間に大半が戦闘不能となって傭兵達は敗走していった。
「見たでおじゃるか! チュウシャバンキの力を!」
「ブーンビー!」
592ゴーオンジャー代理:2009/06/02(火) 19:32:06 ID:r0ycdu5t
翌朝、アルビオン行き客船・マリー=セレスト号甲板にワルド達の姿があった。
「な、何でえ、おめえら!?」
「船長はいるか」
「まだ寝てるぜ。用があるならもうちょっと待つんだな」
 ワルドは解答代わりに杖を抜き、
「貴族に2度同じ事を言わせるな。船長を呼ぶんだ」
「き、貴族!」
 慌てて船内に駆け込んだ船員は、しばらくして初老の男を連れて戻ってきた。どうやら彼が船長のようだ。
「何のご用ですかな?」
 やってきたワルドに、船長は胡散臭げな視線を送った。
「女王陛下のグリフォン隊、隊長のワルド子爵だ」
「これはこれは。して当船へどういったご用向きで……?」
 相手の身分を知った船長は突然相好を崩した。
「アルビオンに今すぐ出航してもらおう」
「そんな無茶な!」
「無茶でもよい」
「あなた方がアルビオンに行く理由など知った事じゃありませんが、明後日の朝にならないと出航できませんよ!」
「なぜだ?」
「アルビオンとラ・ロシェールが再接近するのは明後日の昼。早くても明後日の夜明け後に出航しなけりゃ、風石が足りませんや」
 ワルド・船長のやり取りを聞いていたケガレシアが、ルイズにそっと尋ねる。
「風石とは何でおじゃるか?」
「風の魔法力を蓄えた石よ。それで空船は宙に浮かぶの」
 2人がワルド達に向き直ると、船長が思案顔のワルドにさらにたたみかけていた。
「子爵様、当船が積んだ風石はアルビオンへの最短距離分しかありません。それ以上積んだら足が出ちまいますゆえ。したがって今出航したら途中で海の藻屑でさあ」
「風石が足りない分は僕が力を貸す。僕は風のスクウェアだ」
 船長・船員は顔を見合わせていたが、やがて船長はワルドに向かって頷いた。
「ならば結構で。そのかわり料金は弾んでもらいますが……」
「積荷は」
「硫黄で。アルビオンでは今や黄金並みの値段がつきますんで」
「全てと同額出そう」
 商談は成立、船長が矢継ぎ早に命令を下し始める。
「出港だ! もやいを放て! 帆を打て!」
593ゴーオンジャー代理:2009/06/02(火) 19:33:03 ID:r0ycdu5t
 風を受けた帆が張り詰めて船が動き出す。
「アルビオンにはいつ着く?」
「明日の昼過ぎには、スカボローの港に到着しまさあ」
「明日の昼……」
 ルイズが緊張した表情になる。
「船長の話では、ニューカッスル付近の王党派軍は包囲されて苦戦中のようだ」
「ウェールズ皇太子は?」
「わからん。生きてはいるようだが……」
「その様子では、港は全部反乱軍の手に落ちたと思っていいでおじゃるな」
「……たぶんそう……」
「どうやって王党派と連絡を取ったものかしらね?」
「敵中突破しかあるまいな。スカボロー港からニューカッスルまで馬なら1日だ」
「貴族派反乱軍の間をすり抜けるつもりですか?」
 ギーシュの質問にワルドは肩をすくめ、
「そうだ。それしかないだろう。まあ反乱軍も公然とトリステインの貴族に手出しはできんだろう」
「包囲網を突破してニューカッスルの陣に向かうのでおじゃるな」
「夜の闇には注意しないとね」
 ルイズは緊張の表情で続けた。
「あ、あの……」
 その時、キュルケ達に1人の少女がおずおず話しかけてきた。ベレー帽を被りマントを羽織った幼い容貌の少女だ。
「どうしたの?」
「あの、皆さんもアルビオンに行くですか?」
「……そうだけど……あなたは……」
「あ、私はクドラーフカ・ド・チーソウというです。大事なお仕事でアルビオンに行くですよ」
「へえ、そうなのか。チーソウ男爵には前に会った事があるけれど、君のような可愛い娘がいるなんて知らなかったな」
 ルイズ達の緊張とは裏腹に、キュルケ達は旅の道連れとなった少女・クドラーフカと楽しい一夜を過ごしたのだった。
594ゴーオンジャー代理:2009/06/02(火) 19:34:01 ID:r0ycdu5t
「右舷情報の雲中より船が接近してきます!」
 翌朝、下半分を純白の雲に隠されたアルビオン島が視界に入ったところで、甲板に船員の切羽詰った叫び声が響いた。
 後方甲板でワルドと共に操船を指揮していた船長は、見張りの声に右上方を見上げた。
「アルビオン貴族派か? お前達のために荷を運んでいる船だと教えてやれ」
 見張り員は船長の指示通り手旗信号を送ったがやがて、
「あの船は旗を掲げておりません!」
「してみると、く、空賊か?」
「間違いありません! 内乱の混乱に乗じて活動が活発になっていると聞き及びますから……」
「今すぐ逃走だ! 取り舵いっぱい! 全速前進!!」
 緊急事態を告げる鐘が打ち鳴らされ、船内にいた船員達も慌てて飛び出す。
 船長はマリー=セレスト号を空賊船から遠ざけようと命令を下すが時既に遅し。併走する空賊船が進路を妨害するように威嚇砲撃を開始する。
 その直後、マストに4色の旗が掲げられた。
「『停船しなければ攻撃する』か……」
「私はこの船を浮かべるだけで精一杯だし、彼女達も一昨日少々派手に立ち回ったせいでこれほどの人数とやりあえるほど本調子じゃない。ここはあの船に従うしかない」
「これで破産だな……」
 観念したようで船長は停船命令を出した。
595ゴーオンジャー代理:2009/06/02(火) 19:35:01 ID:r0ycdu5t
 空賊船はマリー=セレスト号に横付けすると鉤付ロープを渡して次々こちらに乗り込んできた。
 日焼けして粗野な雰囲気を隠そうともしない男達が大声を張り上げる。
「おめえら抵抗すんじゃねえぜ! 逆らってみろ、すぐさま首を切り飛ばしてやらあ!」
 弓やフリントロック銃で武装した空賊達が手馴れた様子で抵抗する船員を拘束していく。
 キュルケ・ギーシュが思わず魔法を使おうとした時、ケガレシア・ワルドに制止された。
「やめたまえ。いくら平民といえど、あれだけの数を相手に消耗した状態で戦うのは無謀だ」
「それに奴らの船の大砲がこの船を狙っているでおじゃるよ。……今はとにかくチャンスを待つべきでおじゃる」
 抵抗する者がいなくなったところで、空賊の頭目らしい両腰に3本ずつ鞘を帯びた眼帯の男が乗り込んできた。眼帯の男は乗り込むや否や船長を出すように命令する。
「ほう、てめえがCaptainか。船のNameと積荷を答えろ。嘘を吐いたらいい事ねえぜ」
「……トリステインの『マリー=セレスト号』……、積荷は硫黄……」
 直刀で頬を撫でられ、震える足を押さえながら何とか立っている船長は正直に白状した。
 積荷が硫黄と聞いて空族達は割れんばかりの歓声を上げる。
「All俺達が買ってやる。料金はてめえらのLifeだがな」
 船長が崩れ落ちるのを確認したところで、空賊の頭目はルイズ達の中にいるケガレシアに気付いた。値踏みするかのように下卑た笑みを顔に貼り付けると悠然とした足取りで接近する。
「ほほう、こいつは随分Beautifulだな」
 そう言って触ろうとした時、
「清らか? 美しい? それはガイアークにとって死に勝る屈辱でおじゃる!」
 ケガレシアが鞭の一撃で頭目を叩きのめした。頭目は船縁から落下しかけるもどうにか体勢を立て直す。
「筆頭!」
「俺達なめられてますぜ!」
 筆頭が一撃を浴びて空賊達は一斉に殺気立った。
 そんなケガレシアに、ルイズ・デルフリンガーもにやりと笑みを見せて戦闘体勢を取る。
「ちょっ……、何やってんのよ、ルイズ!」
「……正気なの……」
「考えてみたら、空賊なんかに好き勝手されて黙ってるってのは趣味じゃないのよね。王党派について反乱軍相手にする前のひと暴れよ、ケガレシア」
「確かにわらわ達が反乱軍を叩き潰してしまえばいい事でおじゃるな。ついでに空賊退治といくでおじゃる」
「いくぜえっ!」
596ゴーオンジャー代理:2009/06/02(火) 19:36:52 ID:r0ycdu5t
 ルイズ達の異様なまでの余裕に気圧される空賊達だったが、1人冷静な筆頭が左眼だけを動かして3人を睨む。
「King側につく?」
「ええ、そうよ」
「もう1度聞くが本当にKing側か? トリステインのAristocratが今時のアルビオンに来て、King側の援軍だってのか? 何しに行くんだ?」
「あんたらに言う事じゃないわ」
「Aristocrat側につく気は無えか? あいつらはMageを欲しがってる。たんまりMoneyも弾んでくれるぜ」
「死んでも嫌よ」
「もう1度言うぜ。Aristocrat側につく気は無えか?」
「つかぬと言ったはずでおじゃる」
 毅然とした表情のルイズが口を開くより早くケガレシアが続けた。
「てめえは何もんだ?」
「わらわはルイズが使い魔の1人、ケガレシアでおじゃる」
「使い魔?」
「その通りでおじゃる」
597ゴーオンジャー代理:2009/06/02(火) 19:38:43 ID:r0ycdu5t
 ケガレシアの答えに筆頭は笑い声を上げる。
「トリステインのAristocratは気ばかり強くってどうしようもねえな。まあ、どっかの国の恥知らずどもよりはずっとBetterだがな」
 すると周囲の空賊達が一斉に直立した。
「失礼した。貴族に名乗らせるならこちらから名乗らなくてはね」
 青い兜を脱いで眼帯を外す。その下から出現したのは凛々しい金髪の青年の顔だった。
「私はアルビオン王立空軍大将、本国艦隊司令長官……。本国艦隊と言っても既にこの『イーグル号』しか存在しない無力な艦隊だがね。まあ、その肩書きよりこちらの方が通りがいいだろう」
 若者は居住まいを正して威風堂々とした雰囲気で名乗る。
「アルビオン王国皇太子、ウェールズ・テューダーだ。アルビオン王国へようこそ、大使殿。さて、ご用の向きを伺おうか」
「つまりわらわ達は試されていたという事でおじゃるな、王子」
「いや、大使殿にはまことに失礼を致した。しかしながら、君達が王党派という事がなかなか信じられなくてね。外国に我々の味方の貴族がいるなどとは夢にも思わなかった。君達を試すような真似をしてすまない」
「アンリエッタ姫殿下より、密書を預かってまいりました」
 ルイズは優雅に一礼して言った。
「ふむ、姫殿下とな。君は?」
「姫殿下より大使の大任を受けました、ヴァリエール家三女ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールでございます」
 そしてルイズはケガレシア達をウェールズに紹介する。
「そしてこちらが私が最も頼りにしている使い魔の1人、蛮機族ガイアークの害水大臣・ケガレシアにございます、殿下」
「なるほど! 君のように立派な貴族が私の親衛隊にあと10人ばかりいたらこのような惨めな今日を迎える事も無かったろうに! して、その密書とやらは?」
 胸ポケットからアンリエッタからの手紙を取り出そうとしたルイズだったが、ふと動きを止める。
「何だね?」
「失礼ですが、本当に皇太子様ですか?」
「まあ、さっきまでの顔を見れば無理も無い。僕はウェールズだよ。正真正銘の皇太子さ。何なら証拠をお見せしよう」
 ウェールズは笑いつつ、ルイズに自分の薬指に光る指輪を外して渡した。
 指輪のルビーがルイズの指に嵌っていた水のルビーと共鳴、虹色に輝いた。
「この指輪はアルビオン王家に伝わる風のルビーだ。君がはめているのはアンリエッタがはめていた水のルビーだ。
そうだね? 水と風は虹を作る。王家の間にかかる虹さ」
「大変失礼をば致しました」
 ルイズは一礼をして手紙をウェールズに渡した。
 ウェールズは愛おしそうに手紙を見つめて花押に接吻したが、読み始めると表情に曇りが出た。
 そして顔を上げ真剣な眼差しで、
「姫は結婚するのか? あの愛らしいアンリエッタが。私の可愛い……従妹は」
 ルイズが無言で一礼すると、ウェールズは再び視線を手紙に戻した。
 そして読み終わると微笑んで、
「了解した。姫はあの手紙を返してほしいとこの私に告げている。何より大切な姫から貰った手紙だが姫の望みは私の望みだ。そのようにしよう。しかしながら今手元には無い。ニューカッスルの城にあるんだ。
姫の手紙を空賊船に連れてくるわけにはいかぬのでね。多少面倒だが、ニューカッスルまで足労願いたい」
598ゴーオンジャー代理:2009/06/02(火) 19:40:50 ID:r0ycdu5t
蛮機獣チュウシャバンキ
【分類】害水目
【作製者】害水大臣ケガレシア
【作製モデル】注射器
【口癖】「ブーンビー!」
【身長】211cm
【体重】205kg
「注射器」をモデルとして製造された蛮機獣です。
 注射器とは液体や気体を注入・吸引するために用いられる道具です。
 チュウシャバンキは両腕が強力な注射器になっています。
 腕の注射器を操作する事で液体爆弾や笑い薬等様々な液体で攻撃できるほか、注射針そのものを武器とする事も可能です。
注)飛行能力を持っていますが本人が忘れがちなので、いざという時に備えて時々思い出させましょう。

これにて代理投下終了です。
途中行が長すぎると言うことで弾かれたため、当方の独断で区切らせていただきました。

キュルケ達とワルドがどう出会ったのか、
前回の蛮機獣のモチーフはなんだったのか?(注射はどうも違うようなので)
その辺りが気になりつつもまずは作者様乙です。
続きを楽しみに待っております。
599名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 19:53:28 ID:pGXpvLiN
作者様も代理様も乙ですー

チュウシャバンキはもしかしてあれか、プリキュア5にでてきた名脇役ブンビーさんが元ネタかw
600鋼の人 ◆qtfp0iDgnk :2009/06/02(火) 20:17:56 ID:69AxB7My
もやし「ここはゼロの使い魔の世界か…」

ゴーオンの方、代理投下の方、お疲れ様でした。

えー、待っていた方が居たかどうかは分かりませんが、『鋼の使い魔』の第二部がある程度書き溜ったので、投下に移りたいと思います。
投下予告を2030にさせていただきます。もうね、オリジナル改変しすぎといわれるんじゃないかと冷や冷や。
601名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 20:24:14 ID:lN9m8XGn
事前支援
602名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 20:29:05 ID:EEggxe9I
もしディケイドネタで書く人がいたら「もやしの人、乙でした」とか言われるのかな支援
603鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2009/06/02(火) 20:30:14 ID:69AxB7My
 神聖アルビオン共和国、嘗てのアルビオン王国の王都ロンディウムの宮殿に設えられた地下室の一室に、ランプの光とは明らかに違う発光が、閉じきられた扉より
漏れていた。
 古の大神殿も斯くやという広い場所であった。一面の石畳に、巨大な柱が等間隔で聳えていて、高い天井を貫いて地上の旧王城を支えているのだった。
 その巨大な地下空間を、淡い緑色の発光が満たしている。発光源らしきものは石畳の上に立てられた一本の柱だった。
 それは他の柱よりも低く、細く、ちょうど人一人が中に入れる程度しかない。その柱が今、液体の揺れる音を漏らしながら、不気味な発光を続けていた。
 その傍では、ローブに身を包んだ人物が柱の根元に寄り添い、柱から張り出した石碑を規則的になぞっていた。
 不思議なことに、ローブの者が石碑の上で文字をなぞるごとに、柱の発光は波をつけて強弱し、それは次第に早鐘打つ心臓のように激しくなっていった。
 やがてローブの者…この城の現在の主である、アルビオン共和国皇帝クロムウェルから『シェフィールド』と呼ばれている女性が、石碑の字をなぞり切ると、
発光していた柱に切れ目が走った。そしてその切れ目から、人の嫌悪を誘う異臭漂う液体が噴出した。液体の噴出圧力が切れ目を大きくしていく。
 柱一杯に走っていった切れ目が最後、氷が砕けるような音とともに割れた。それとともに柱の『内側』より、ドロドロとした液体と、それに包まれた人の形をした何かが、
ぐたりと石畳に広がった。
「アアァッ…アッ…アアァッ…」
 ドロドロの人形が聞くにおぞましい声を上げて石畳の上をのたうった。傍らに立つシェフィールドはそれを暫く見守っていたが、その後人形に布切れを投げつけた。
「身体を拭きなさい。それくらいの知恵はついているはずよ」
 人形がその声に反応して震え、やがて吐き出す声が徐々にだが、人の声らしきものに聞こえるようになっていく。
 人形が布切れに噛み付くように顔を擦り付ける。粘液がこそぎ落ち、そこから整った顔が現れた。まだ眉や髪の生えそろわないながら、わずかな毛髪は金色のものだ。
「あ゛ぁ…ぼぐ…はぁ……いったい……」
 たどたどしい発音だが、知るものがいるならば、その声が嘗ての人物を思わせるものである事を認めただろう。
生えそろわない歯が唇から覗き、目は地下空間の深遠を惑っていた。
 
「おめでとう。貴方は生まれ変わったのよ。ウェールズ」
 シェフィールドは冷ややかに、粘液に塗れたモノに語りかけるのだった。
 
 
 
 『The steel of servant 2nd season/前夜篇』
 
 『王命拝命』
 
 
 
604鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2009/06/02(火) 20:32:14 ID:69AxB7My
 アンリエッタはその日も、執務と謁見を精力的にこなしていた。
 杖、冠、そしてマントを継承して正式にトリステインの国主として即位したのがすでに2週間ほど前。
 女王となって最初に彼女がしたのは、トリステイン全国土を対象とした再検地であった。
 王政府の手元にあった土地の情報は毎年の徴税結果のみが更新され、細かい部分については情報の精度がまちまちで、酷いものでは
先々代から更新していない、というものまであった。
 王の交代を期に推し進めてしまおう、というマザリーニの献策だった。
 そして現在は即位の挨拶と同時に手ずから検地の報告にやってくる貴族を相手にしつつ、軍の再建に向けて八法を尽くしているのだった。
 
 今日もアンリエッタは朝起きると身支度をさせて、朝食の前に前夜に届けられた百官の報告に目を通し直し、朝食の後執務をこなしてから昼食を過して、現在に至る。
 謁見に参った貴族達はまず最初に、アンリエッタの放つ雰囲気に驚く。
 トリステインの白百合と、まさに蝶よ花よと歌われた可憐な娘が、転じて女王となったことから、さぞかしかわいらしい王になったのだろうと思って顔を合せれば、
氷の彫像のような厳しい空気を纏って玉座に鎮座しているのである。
 そこで面食らってしまえば、謁見の名を借りたアンリエッタからの質疑応答を、満足に自分の益するところに持っていけず、言わなくてもいいようなことまで言ってしまう。
 謁見を済ませて帰る頃には一張羅をよれよれにして去っていくというのが、ここ暫く王宮に勤める侍従下男の間での物見種だった。
 
「やはりお前の想像通り、目方が幾分か目減りしているようね」
 ある貴族の謁見を済ませて小休止している中で、アンリエッタはマザリーニに言った。
「むしろ予想より目減りが少ない分僥倖と言えましょう。王領の耕作面増加の件、干拓の再計画を合せれば、翌年の歳入は幾分か増える見通しになるでしょうな」
 小休止の間も二人は今日の分の文書に目を通していた。そうでなくてもやることは多いのだから。
 例えばゲルマニアとの軍事協約。嫁入りを条件としていたが、タルブ戦役の戦果に合せてアンリエッタが即位することから先の条件はお流れになったが、
その代わりトリステイン国内におけるゲルマニア利権を部分的に認めることで協約は固まった。例えば塩や砂糖などの関税に関するモノ、空白となった
トリステイン空軍の穴を埋めるためにゲルマニアの艦隊を派遣すること、その際の費用の多くをトリステイン側が負担する事、などなど…。
 例えばトリステイン空軍の再建。トリステイン国内の造船所だけでは足りないので、ゲルマニア、ガリアに注文すると共に、造船を含めた建造業、
製造業を集積させた区画を王領の一つに作る計画を立てた。成功すれば1級戦列艦クラスの風石船が作れる造船所と、それを自由に飛ばせるだけの風石が
用意できる精製所が出来上がるだろう。
 
 
 小休止を済ませたアンリエッタとマザリーニを前に、謁見待合室付の文官が書き付けた帳面を広げて伝えた。
「次の者はラ・ヴァリエール公爵家三女ルイズ・フランソワーズになります。陛下に…返却したい御物があるとのことです」
 口はばかるように文官が言葉端を濁らせたが、それとは別にアンリエッタの表情が初めて揺れた。
「ここへ」
 
605名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 20:33:21 ID:lN9m8XGn
支援
606鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2009/06/02(火) 20:34:39 ID:69AxB7My
 やがて文官の響く声と共に一人の少女が謁見室に通された。
 貴族の証でもあるメイジ特有のマントを帯び、その下にはトリステイン魔法学院の制服を清楚に着こなしていた。
 何より目を引くのは雲のように波立つチェリーブロンドの髪だ。表情は大きな目を伏せがちに臣下の礼をとって傅いている。
「ルイズ・フランソワーズにございます。陛下の御即位を重ねてお祝い申し上げます」
 以前であれば互いにもう少し砕けた空気で接し合えたのだろうが、事情はめまぐるしく変わってしまった。
 アンリエッタは深窓の有閑な姫君から厳格なる女王へと、自分から進み出たのだから。そう思うと以前と同じように友人と語らえないのか、
と複雑な思いも浮かぶのであった。
 一方下座のルイズは静かに拝礼したままアンリエッタの言葉を待っていた。一見してアンリエッタには、ルイズは以前と変わりないように見えた。
 実はそれは、大きな間違いであるのだが…。
 ふと、アンリエッタはルイズの後に控える大柄の影を見た。確か、ルイズの使い魔になったとかいう男のはずだ。
 こちらも以前と変わらず、平服に剣を吊る為の帯を巻いている。当然謁見室に武器を持ち込ませるわけもなく、帯の中に剣は挿されていない。
 その代わり、男の傍らには更紗に覆われたなにやら包みが用意されていた。
 あれは何かと疑問を置きつつも、アンリエッタは答えた。
「先の戦役の最中に逐電したと聞きましたが健在と見て何より」
「はい。…つきましては、陛下よりお預かりしていた物を返却したく、参上しました次第」
 こちらを、とルイズは控えている男を促した。
 促された男は包みを盆に置いて持ち、アンリエッタの前に指し示した。するとアンリエッタの側に控えていた文官が進み出て包みを開く。
 開かれた包みの中には一冊の色褪せた書物が収まっていた。木板に皮を打ち、金色の文字で表紙が飾られている。
 
 それは人に『始祖の祈祷書』と呼ばれている。
 世に数多ある「始祖ブリミルの言行を記録した」と称する祈祷書のうち、トリステイン王国所蔵の祈祷書はブリミル信仰の総本山ロマリアが認める世界最古のものだ。
 だが、その中身が一切の文字なき白紙の本であることはよく知られている。研究者の中には真の信仰に目覚めたもののみにその文章が浮かび上がるのだ、とか、
王族がその危機に瀕した時、始祖の威光を世界に降臨させる義務を負った時に自ずからと理解できるのだ、など諸説あるが、事の真相はロマリアの長である
歴代の法王以外知る事はない。
 
 アンリエッタは祈祷書の載せられた盆を認めると、文官が盆を受け取り奥へと下がっていった。
「確かに受け取りました。学業の合間に足労をかけました」
「勿体無いお言葉にございます」
 果たしてルイズの声はわずかに震えていた。アンリエッタはそんな親友の様に申し訳ないような気持ちさえした。
 思えばせっかく、婚礼の巫女役に叙したのに、自分が王になったことで有耶無耶になってしまった。
「…陛下」
 つかの間の沈黙を破ったのは控えていたマザリーニだ。玉座に寄り、アンリエッタに何やら耳打ちをする。大またで五歩は距離があり、ルイズの耳には
何を言っているのか聞こえなかった。
 しかしアンリエッタはマザリーニの言葉を受けて俄に驚きと感心を顔に浮かべると、軽く手を振ってマザリーニを下がらせた。
「ルイズ・フランソワーズ。汝に一両日、王都への滞在を命じます」
「は……?」
 言われたルイズは礼を抑えながらも意味が飲み込めない様子で聞き返した。
「明日、今日と同じ時間に王宮へ参上するように。魔法学院へは早馬をこちらから飛ばすのでそのまま下がってもよろしい」
「は…」
 よく分からないまま、ルイズは退室の口上を述べて、使い魔の男と共に謁見室を出て行った。
 
 
607鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2009/06/02(火) 20:36:48 ID:69AxB7My
「預かってもらっていたものを返してもらいたいのだが」
 ギュスターヴは王宮の門衛が詰めている小部屋に寄って、休んでいた兵士に声をかけた。
「ちょっと待ってな」
 兵士は面倒くさそうに立ち上がると、机に置かれた帳面と棚を往復する。暫くして、兵士は二振りの剣を持って戻ってきた。
 一本は片刃の長剣、一方は両刃らしき石で出来た剣だ。どちらも立派な刀身を持っている。ただ、石で出来た物は、鞘を持たないのか裸に布を巻いた姿になっている。
「こいつでいいのかい」
「助かる」
 ギュスターヴは剣を受け取ると、財布の紐をあけて銀貨を一枚、机に置いた。
「世話賃だ。取っておいてくれ」
 応対した兵士が口笛を吹いて銀貨を指で遊ばせていた。
 
 
 王宮の門前は整備され石畳に覆われた街道の交差点の一つであり、他方巨大な広場としての性格も持っている。
 昼間はちょっとした露天や大道芸人が起っていて賑やかしい。
 そんな中でルイズは置かれたベンチの一つに腰掛けていたのだが、謁見室で見せていた姿と少しばかり様子が変わっている。
 華奢な身体に合わせた魔法学院の制服とマントはそのままだが、その上から武器を吊るための革帯を、背中から腰にかけて袈裟懸けに締めているのだ。
 その目は暫くの間王宮の門を眺めていたのだが、門からギュスターヴが出てくると、その姿を目で追った。
「おかえり。さ、私の剣を返して頂戴」
 挨拶もそこそこにルイズはギュスターヴに手を差し出し、ギュスターヴも何も言わずルイズに石の剣―ファイアブランド―を渡した。
 填められた『水のルビー』に反応してファイアブランドの刀身が一瞬色づいたが、すぐに元の白い姿に戻った。
 
 
 ルイズは今日、ただアンリエッタに祈祷書を返しに来たわけではなかった。
 タルブの夜空に誓ったあの日以来、ルイズには公に出来ない秘密が生まれた。ハルケギニアの魔法体系を外れ、ギュスターヴの故郷『サンダイル』からやってきた
アニマの術を習得するという大願である。
 それは貴族社会の保守に位置するべきルイズの在り様にとっては、まさに劇薬のような決断だった。
 しかし、ルイズはアニマの術を得るという道を辿る決意をしたが、また貴族としての精神を棄てたわけではない。
 系統魔法に拘泥するようなことをしなくなったということだが、それを表明しても世間は理解してくれないだろう。
 まして、貴族社会の頂点である王国の主であれば、たとえ旧来の友人でも、明かすことは出来ない。
 ルイズは今日、アンリエッタの前で自らを『ハルケギニアの一貴族』として欺いたのだった。
 
 そして、欺いたることがもう一つ…。
 
「さて、王都に一日いることになっちゃったけど、これからどうしようかしらね。『練習』は出来そうにないし…」
 ギュスターヴとルイズはならんでブリトンネ街を歩いた。戦勝の気分がいまだ抜けないと見て、商店は活気がある。
「寄りたいところがいくつかあるんだがな。…ついでに宿の手配もやってもらおう」
 貴族のマントに剣を背負ったルイズは人目をいくらか引いているが、それに共するギュスターヴは気にも留めずに歩いていた。
「例の『百貨店』って店かい?戦の後帰りに寄ったきりだねー」
 軽口を叩いたのはギュスターヴの腰に吊られた長剣デルフリンガーだ。彼は始祖の時代から存在する意思ある魔剣『インテリジェンスソード』の一種である。
「そうね、…まだ別邸にはちょっと顔出しづらいし。でもギュスターヴ。言っとくけど平民が使うようなやっすい宿には行かないわよ。そうねぇ、トリスタニア・インの
ブランスイートくらいは取ってもらわないと」
「善処はしよう」
 苦い顔をしてギュスターヴは可憐でわがままな主人と共にブリトンネ街を行く。
 
 
608鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2009/06/02(火) 20:38:58 ID:69AxB7My
 『ギュスターヴ百貨店』は今日も雑多な人が行き来して盛況の様子だった。ルイズは前回と同じように裏口から百貨店の事務所に入れられた。
「おやこんにちわオーナーとお嬢様。今日は訪問の予定は聞いてなかったですけど、何か御用ですか」
 すっかり女主人が板についたジェシカが机越しに応対し、テーブルとソファに招いた。
「邪魔するわ」
 ルイズは当然のように上座に座った。
「いくつか仕事を頼みたい。とりあえず今日の宿を頼む。あと、前に頼んでいた物をここに持ってきてくれ」
 はいよ、と元気に答えたジェシカはまず下働きの男に書付を渡して宿を取りに行かせ、次に自らは腰に引っ掛けてある大きな鍵束を取り出すと、
机の下にもぐりこんでごそごそと何かをし始めた。
 ルイズは何事かしらと思いながらも、テーブルに置かれた焼き菓子をつまみながらぼんやりと事務所の風景を眺めていた。
 
 
 
 ルイズはタルブから学院に帰還する時、一時期この百貨店に潜伏していたのだ。
 考えてみればルイズはヴァリエールの別邸でメイドを一人昏倒させ、学院でもコルベールに対して同様の状態に陥らせた上で逃走したのだから。
 まずジェシカが百貨店運営で拡げた人員網を使い、ヴァリエール別邸と学院のキュルケ、コルベールに向けて手紙を送った。
「突然の開戦を受けて心身に混乱を来し、自分は周囲の者に甚大な迷惑をこうむった為、暫くの間身を隠す」といった内容で綴られ、続けて
「市井が落ち着き次第学院に戻る」と締められていた。
 アンリエッタが戴冠した後まで、ルイズは潜伏地から手紙を送り続け、学院には或る日の夕刻頃こっそりと戻った。
 帰還した翌日から隣室のキュルケやタバサ、さらにまだ床を離れられなかったコルベールから質問攻めを受け、加えて別邸からエレオノールが飛んできて
厳しく詰問と叱咤を浴びせた。
 幸いにも父ヴァリエール公爵は政変に忙殺されていた為か仔細に関知できないまま、この事件は一部の人々の記憶に残るのみになったのだった。
 
 ジェシカが机の下の床板を外し、そこに隠してあった金庫の一つを開ける。二人の前に彼女が持ち出したのは鈍色の光沢を持つ金属の箱だった。
「ふーっ。重たいから取り扱うのに苦労するよ」
 よいしょ、とテーブルに乗せる音も重々しく、それはルイズの目に映った。
「なにこれ…?」
 金属の箱は一切の装飾がない。無規則的な筋彫りが何本か施されているだけで、詳しい寸法は分からないが縦長の直方体であった。
「さて…」
 ギュスターヴがやおら、箱の上面に手をかけて力を込めると、筋彫りに添って箱がゆっくりと割れていった。
「ふむ。物を入れても図面どおりに開封できるな」
 ギュスターヴは一人満足そうに頷いた。そして割れた箱の中には手のひらに載る程度の大きさの何かが、布に包まれて収まっているようだ。
 ルイズはその布に覆われたものを直視すると、肌を舐めるような悪寒と共に、それが何であるのかを理解できた。
「ギュ……ギュスターヴ!それは…」
 冷や汗と震えが収まらないルイズを脇に、ギュスターヴは布を半分あけて中身を空気に晒す。そこには無機質だが、どこか怪しげな風情を見るものに感じさせる、
石質の卵が収まっていたのだった。
 
609名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 20:40:53 ID:DSAtR9lk
エッグ支援!!
610鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2009/06/02(火) 20:41:43 ID:69AxB7My
「その箱を作らせるのは結構大変だったんですよ。鉛の板を五枚重ねて、鍵の要らない箱を作ってくれ、なんて言うんだから」
「図面は俺が書いたんだから、後は職人の腕だな。これが作れるのなら、トリスタニアは十分な腕の職工がいると考えていいだろう」
 何やら商いの薫りがする話であったが、ルイズは晒された怪異の卵を怯えた目で見ていた。
 今こうしてソファに座っているままでも、卵から吸い寄せられるような魅力と古齢の魔獣に睨みつけられているような恐怖が同時に感じられ、
とてもじゃないが冷静で居られない。
 発汗と動悸、過呼吸と眩暈を俄に感じ始めるルイズだった。
 そんなルイズを認めたギュスターヴはすぐに箱を閉じてテーブルから遠ざける。するとルイズは徐々に平静と取り戻して、ギュスターヴに声をかけることができた。
「ギュスターヴ…あれは…」
 始祖の祈祷書…だったものよね?
 言外に含ませてギュスターヴに聞く。
「…アンリエッタが、返却した品物に気付かなくてよかったな」
 ギュスターヴは直接には答えず、事務机に戻っていたジェシカに目を向けた。
「急ぎで二つも品物を用意させて悪かったなジェシカ。代金は俺の蓄えから取っておいてくれ」
「なーに良いってことですよぉ。その箱はともかく白紙の祈祷書はすぐ手に入りましたし」
 実にアッケラカンとジェシカは答えた。
 
 
 ルイズは贋物の『始祖の祈祷書』を用意してもらった時、変化した本物の祈祷書はどこかに打ち棄てられたのだと思っていた。
 あんな卵…いや、卵に見える不気味で危険な代物を、お借りした『始祖の祈祷書』ですとアンリエッタに言えるわけもない。
「まさかどこぞに棄てておくわけにも行かなかったからな」
 百貨店に遣された宿付の迎え馬車に乗せられたルイズにギュスターヴはそう答えた。
「そ、そうよね。あんなのでも『始祖の祈祷書』だしね?」
 本心では存在して欲しくないのだがよくよく考えればたしかに、いつまでも贋物を渡したままでいいはずが無い。恐らくトリステインを取り巻く情勢が安定するまでは
このまま秘されてゆくだろう。そしてアンリエッタにこのことを話す時は、自分の在りたい自分でいたいと、ルイズは思った。
 馬車はルイズの希望通り『トリスタニア・イン』の手前で止まり、御者の案内で宿に通された。
 ノーブルタウン(貴族邸宅街)の一角に営まれる、辺境貴族を相手にした高級宿である『トリスタニア・イン』は廃嫡されたさる有力貴族の大邸宅を改造して作られ、
嘗ての主の私室にあたる『ブランスイート』は名にあるように白亜の石で床壁天井が葺かれている。
 たった一晩限りとはいえ、ここを借りる事ができるのだから、『百貨店』は相当の財力影響力を身に着けているのだろう。
「露天商の胴元でよくこれだけ用意できるものねぇ」
 皮肉気にルイズが聞くと小荷物を下ろしていたギュスターヴが下男にチップを渡し終えて振り向く。
「別の商売もさせてるからな。ジェシカがゲルマニアと商売がしやすくなると言って何隻が船を船員ごと買っていたんじゃないかな」
「船員ごとって、あんまり派手にやると目をつけられるわよ」
「心配ない。念書証紙の類には偽名を書くからな」
「偽名ねぇ…」
 いぶかしげなルイズを置いてギュスターヴはそそくさと外出の支度をして出て行こうとした。
「ちょっと、どこいくのよ?」
「寄りたいところがあるって言っただろう?」
 行ってくる、と振り返ることもなく、ギュスターヴは部屋から飛び出していってしまった。広い部屋にひとり残されたルイズは、地団駄を踏んで叫んだ。
「もう!主人の相手くらいしなさいってのー!」
 
 
611鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2009/06/02(火) 20:44:05 ID:69AxB7My
 吊り下げられたランタンの明かりしかない、薄暗い店舗だった。煤けた壁にはいかつい造形の斧や槍が引っ掛けられ、隅の樽には使い古したような剣が
束になって突っ込んであり、その脇には箍のさび付いた大小の盾が並べてあった。メイジが使うような杖は置いていない。あれは専門の店があるからだ。
また所謂銃の類も見かけなかった。このようなうらぶれた武器屋では置いてあっても買い手がいないからだ。
 そんな店にギュスターヴがやってきたのは、今日で二回目になる。前に来たときは、ルイズに連れられてきたことを思い出す。その時に、今腰に下がっている
陽気な魔剣と出会ったのだった。
「いらっしゃい…なんだ。いつだかの」
「その時には世話になったな」
 愛想よく返事を返すと店主は渋面でギュスターヴを見返した。デルフを買った時にしなくてもいい賭けを受けて損をした事を、どうやらまだ覚えていたようだった。
「悪いがうちは返品は受け付けてないんだ。そのぼろを突っ返しに来たのなら出て行ってもらうぜ」
 無造作に壁に掛かった片手斧を取り上げて布で拭きつつも、いかにも胡乱な剣幕で見上げる店主に、ギュスターヴは懐から金貨の詰まった袋を取り出して
何気なくカウンターに置く。
「買い物に来たんだが時間が悪かったかな?」
 カウンターに肘を着いて、ニヤリと笑ってやると、店主は顔色を変え咳払いを一つし、手の物を元に戻して話し始めた。
「いらっしゃいませお客様、うちで何を用立てましょうか」
 媚を浮かせながら目配せする店主を、内心で辟易しつつもギュスターヴは腕を組んで鷹揚に答えた。
「古剣を5,6本、纏めて見繕ってくれ。刃の欠けたようなぼろでいいんだが」
「……あいよ、ちょいとお待ち」
 注文を聞いた途端店主は気分を悪くした声で答え、店隅の樽から適当に剣を選び始めた。
「儲け話じゃなさそうで残念だったな親父」
「なーに気にすんなよ相棒、親父がタメはるにゃあんたの目利はよすぎらーな」
「ちったぁ黙ってろこのくそ剣が!…ほらよ、どれも錆の効いた奴だが負けといて七本にしといてやるよ」
 店主が一抱えの剣をカウンターに乗せる。悪態をつきながらも商品を突きつけるだけの理性は残っていたようだ。
「じゃあそれを…この書付先の荷運び屋に送ってくれ。手間賃が欲しいなら、幾らか出せるが…」
 紙切れを渡された店主は憮然としながらも手元から紙片とインク壷を取り出して何かを書き込み、縄で剣の束を縛り付けて紙切れを挟んだ。
「手間賃は要らんよ。その代わりもう二度とうちの敷居をまたがんでくれ」
「善処しよう。じゃあな」
「あばよ親父、長生きしろよ」
「うっせぇ!さっさと出て行け!」
 悪態と呪詛を吐き散らすのを背中に受けながらギュスターヴとデルフは店を後にするのだった。
 
 
 
 翌日。今日もトリスタニアは昨日と続いて晴天。空気は澄み、陽も暖かだ。
 先日と同じく、武具の類を預けたルイズとギュスターヴは控え室のソファに座り、係官からの声を待っていた。不機嫌な空気を漂わせ、毛足の長い敷物の上で
ルイズの足がパタパタと揺れている。あまり行儀のいい振る舞いではないが、控え室にいるのは二人だけなので気にしてないのかもしれない。
 対面するように座っていたギュスターヴは一方、丸腰ながら静かに腕を組み、眠っているように動かないでいたのだが、ルイズの直らない機嫌に少し困った声を上げた。
「いい加減機嫌を直してくれないか?その顔を女王に見せるつもりか?」
「機嫌なんて悪くないわよ」
 嘘だ。ルイズは昨日、部屋に一人残されてギュスターヴが出掛けてしまい、自分の相手をしなかったのを怒っているのであるから。
「…分かった。お前は機嫌は悪くない。だがもう一度言うけど、その顔を親友で、主君のアンリエッタ王女に見せるのか?」
 そう聞いて、ルイズは年嵩に合わぬ深いため息をうなだれながら吐いた。
「…帰ったらみっちり稽古に付き合ってもらうわよ」
「ああいいとも。帰る前に好きなベリーのパイをご馳走してもいい」
「なら、いいわ」
 話の途切れた頃合に係官から呼び出しを受け、二人は謁見室に向かった。
 
 
612鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2009/06/02(火) 20:46:04 ID:69AxB7My
「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。右の者を女王アンリエッタの専属女官とする」
 謁見室に通され、形式上の挨拶を互いに済ませると、アンリエッタは次の文章を傍に控えたマザリーニに読ませた。
「また、先の任命に際し、以下の物を授ける。一、アンリエッタの署名により発行せし、関所の無審査通行、公機関利用、警察権による公人の捕縛権を貸与する書類。
この許可証に記載されし諸権を行使せし時は逐次この許可証を提示し、自らの行動をアンリエッタの名の元に行うものであることを宣誓するものである」
 それを聞くルイズも、その後にいたギュスターヴも、予想だにしていなかった発言にただ呆然として、マザリーニの朗読を聞いていた。
「聞いたとおりです、ルイズ。貴方には私専属の女官になっていただきます。といっても、それも形式上のことで、実際には私に直接情報を流す
諜報員のようなことをしてもらうつもりですが」
 マザリーニを下がらせてアンリエッタはそう話した。
「…陛下。過分な任命には痛み入ります。しかし僭越ながら、私には荷の重いお役目かと存じます」
 何とか吐き出すようにルイズが答えると、アンリエッタはふぅ、と年相応に息をついてから、身を軽く玉座から立ち上がった。
「陛下?」
 そしてルイズの伏する下まで続く段をゆっくりと降り、ルイズを立ち上がらせた。
「立って、ルイズ。これは貴方へのせめてもの償い。私の決断が多くの人を動かしてしまったことはもう仕様が無いから…」
「姫様…」
 シルクに包まれた指先がルイズの手を包み、アンリエッタは昨日見せてくれなかった、見慣れた暖かな微笑みを浮かべていた。
「人は貴方を魔法の使えぬゼロと嘲るかもしれないけれど、私は貴方を大切に思っています。それにね…」
 と、アンリエッタは一瞬だけ視線を外して続ける。
「正直なところ、情報を集める手駒が足りないの。それも他の官吏を通さないで集められるものが。だからルイズ、貴方にもこの国のために働いてもらいたいのよ。
…困るなんていっても無駄よ。もう書類は通したから、貴方には働いてもらうわ」
 つまりルイズの有無を言わさず、アンリエッタの従僕として動けと言っているのである。
 傍で聞いていたギュスターヴはルイズの様子を窺った。果たしてなんと答えるのか。以前のように感情的に返事をするかもしれないと、思った。
 ルイズはアンリエッタの手を解き、そしてすぅっと微笑んだ。アンリエッタはその眼を見て一瞬、胸が跳ねる様な緊張を感じたのだ。炎の塊を覗き込むような
熱気を錯覚した気がした。
「姫様は、即位されてから人の使い方を覚えられたようで、私は嬉しく思いますわ。…不肖ルイズ・フランソワーズ。微力ながら、陛下の政に尽くさせていただきます」
 
 
 
613名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 20:47:57 ID:DSAtR9lk
支援する者を貴族と呼ぶのだ。
614鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2009/06/02(火) 20:48:36 ID:69AxB7My
 学院へと戻るルイズとギュスターヴは、馬首を並べて街道を進んでいた。太陽が徐々に沈む兆候を見せて、空は蒼い中にほんの僅かに赤いものを混じらせて、
小魚形の雲が縞模様を作っていた。
「なぁ、ルイズ」
「なによ」
 見渡す街道は起伏にうねっているので、鞍の上のルイズの髪や、背中に括ってあるファイア・ブランドの揺れ動くのが横目に見える。
「結局お前は、アンリエッタの影になるつもりなんだなと、思ってな…」
「そんなつもりはない…とは、言わないけど。外道でも私はトリステインの貴族よ。国のために大命を下されたと思えば誇りにもなるわ」
「公に出来ないとしてもか?」
 問われてルイズはしばし沈黙した。軽快な馬の足音が聞こえる。
「私が使い棄てられる可能性はあるでしょうね。もっとも、その時は全力で抵抗するわ。トリステインの貴族としては納得できるけど、『私』としては納得できないから」
 不遜な物言いだ。以前のルイズなら出る事のない言葉だろう。ギュスターヴはそれを聞いてどこか安心した。
「向こうっ気が強いな。いっその事簒奪でもしてみろ」
「何馬鹿なこと言ってるのよ」
 ギュスターヴの提案にルイズは心底馬鹿にしたような風情で答えたが、ギュスターヴは呵呵と笑った。
「良いじゃないか別に。言うだけなら只だ。そうだな…俺ならまず、王宮の向かい側に立ってる偉そうな建物を吹っ飛ばしてだな…」
「下手な所で言ったら不敬につき手討ちにされるわよ」
 口の軽いギュスターヴを見て、ルイズはなんとも居心地を悪くするのだった。因みに、トリスタニア王宮の正面には、トリステインで最も大きなブリミル信仰の寺院が
立っている。王都に住むあらゆる階層の民草は勿論、トリステイン各地から寄進と財貨が集まり、信仰と教育を広めている。
「ふざけてないで飛ばすわよ。日が暮れる前に学院に入りたいわ」
「まったく、忙しい娘だ…」
 ぼやきの出るギュスターヴを置いて、ルイズの馬が歩速を上げる。
 ギュスターヴも不慣れながらに馬に活を入れ、それを追う様に駆け出していった。
615名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 20:50:48 ID:lN9m8XGn
支援
616名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 20:51:38 ID:DSAtR9lk
シェン!
617名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 20:52:08 ID:tCKEYzWY
支援の術
618鋼の人  代理:2009/06/02(火) 20:56:43 ID:DSAtR9lk
投下終了。ど、どうなんだろう。
今回は第二部のオープニング、って感じでしょうか。次回からルイズのアニマ術修行、平行して第四巻の前半に入っていきます。
ラブコメかけないからホント大変よ。

619名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 20:58:37 ID:DSAtR9lk
鋼の人、乙でした。
ギュスさんとルイズの今後に期待です。
620名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 21:21:15 ID:EEggxe9I
621名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 21:23:47 ID:DSAtR9lk
>>620
…げえっ!エッグ!?
622名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 21:32:50 ID:uOWArE+p
エッグすげぇwwww
623名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 21:40:04 ID:wzjJZaAq
エッグと言われると某最強の医者のレベル120の魔法を思い出す
624名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 21:40:09 ID:EEggxe9I
一番驚いてるのは多分俺だww
625名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 21:45:34 ID:TgympRn1
>>623
あれ一体何なんだろうな
626名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 21:50:45 ID:DSAtR9lk
さて、22:00からウボァーな使い魔の投下予約させてくださいな。
627名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 21:50:48 ID:v0fjvyHq
>>624
エッグ.exe ワロスwww
628名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 21:52:32 ID:wSiwGW1B
鋼乙ー
ウボアー支援
ディシディアで経験値稼がしてもらったしね
629ウボァーな使い魔:2009/06/02(火) 22:00:54 ID:DSAtR9lk
前回までのあらすじ  ルイズが錬金したら爆発した。
今回は2話分 ギーシュ戦の途中までです。

----第6話-----

ルイズの錬金によって、3メイル程度吹き飛ばされて目を回していたシュヴルーズであったが、
気がついた途端、ルイズに片づけを命じ、教室の被害確認もそこそこにしてヨロヨロとした足取りで教室を出ていった。
結果、誰もいなくなった教室で机の破片を掃除するルイズの姿があった。
いや、正確にはもう一人…マティウスが教室の後方の椅子に座ったままだ。

「いつもこうなのよ」
「…」
「魔法を使おうとすると爆発するの」
「…」
「ゼロって呼ばれてる意味、わかったでしょ」
「…」
「…ちょっと!なんとか言いなさいよ!」

掃除をしながらマティウスに話しかけるルイズ。
使い魔に掃除を命じないのは、マティウスが掃除を手伝うような使い魔ではないと学んだせいだろうか、
それとも己のふがいなさに落胆しているせいだろうか。

(サモン・サーヴァントは成功したのに…なんで…どうして…)

そんなルイズを眺めていたマティウスが突然立ち上がる。

「空腹だ。食堂はどこだ?」

ルイズは半ば呆れた顔でマティウスを見る。主人をおいて食堂に行くつもりだろうか。
いや、こいつならやりかねないだろう。主人を床に寝せ、自分がベッドで寝るようなヤツである。

「食堂があると聞いていたが?」
「…あ、アンタねぇ…
 ご主人様が掃除してるのがわからないのッ!!!」

小動物が敵を威嚇するかのように、腕を振り上げながらぴょこぴょこ飛び跳ねて怒るルイズ。
これはこれで、なかなか珍妙な姿だ。
マティウスとしてはそんなルイズをしばらく眺めるのも悪くなかったが、今朝から何も食べていないのでかなり空腹だ。
学院に食堂があることを聞いていたので、そこで食事をとりたいわけだが、ルイズは先に食堂の場所を教える気はなさそうだ。

「やれやれ…ご苦労なことだ。原因は貴様にあれど、責任は教師にあるというのに…」

結局、マティウスの不満を余所に掃除は完遂された。
…とはいえ残り僅かだったので、さほど時間はかからなかったが。

630ウボァーな使い魔:2009/06/02(火) 22:02:28 ID:DSAtR9lk
トリステイン魔法学院の食堂は、貴族の子弟が集う学院の食堂だけのことはあり、
豪華な内装が施され、食卓には垂涎必至の贅沢な料理が並ぶ。

入口近くの席に座る生徒が口に運ぶのは、海老のソテーと澄んだコンソメスープ。
はじけそうなぷりぷりの海老の身に濃厚なソースがかかっている。
一方のスープも、淡い黄金色を湛え、食欲をそそる芳香を放つ。
皇帝であったマティウスでも充分に満足できそうな料理水準だ。

「じゃあ、マティは先に席へ行ってなさい。私は料理の手配してくるから」

ルイズは奥まった位置の席を指し示しながらそう言うと、カウンターのほうへ歩いていく。
このとき、ルイズには一つの企みがあった。
使い魔の立場をわきまえないマティウスに、その立場を思い知らせるのだ。

(料理で明確に差をつけたら、マティも自分の立場がわかるわよね。
 でも、さすがに食事抜きは可哀そうだから、パンとスープくらいは…)

貧相な食事を与えられれば、当然ながらマティウスは怒るだろう。
だが、使い魔としての躾は初めが肝心だとルイズは喜々として、厨房近くのカウンターへ向かった。
いくらルイズでも、相手が地獄を支配していた身と知っていたら、そんな危ない真似はしなかっただろうが――。

一方のマティウス、素直にルイズの指示した席に向かっていたが、途中に数人の男子生徒がたむろしている。
半ば通路をふさぐように談笑しており、通行の邪魔だ。その話題も色恋沙汰というたわいもない内容ときている。

「おい、ギーシュ 今、誰と付き合ってるんだよ!?」
「僕は薔薇さ。薔薇は見る者全てを楽しませるものさ。」
「また、そんなこと言って…」

その時、ギーシュと呼ばれた青年が気取ったポーズをつけた拍子に薄紫色の液体が入った小瓶を落とした。
小瓶は小さな音を立てて、彼の足もとに転がる。彼は気づいていないようだ。
631ウボァーな使い魔:2009/06/02(火) 22:03:55 ID:DSAtR9lk
だが、近くでテーブルの片づけをしていた黒髪の少女がそれに気がついた。
彼女の名前はシエスタ。トリステイン学院で働くメイドである。
シエスタは小瓶を拾い上げると彼に声をかける。

「あの貴族様、これを落とされましたが…」

ギーシュは、彼女の手にある小瓶を認めると一瞬だけぎょっとした表情を見せたが、
そのまま無視して、友人らの方に向き直る。どうやら、知らぬ存ぜぬで通す気らしい。
ギーシュの友人たちが、その小瓶に目をとめ、おや?という顔をする。

まさにその時、ギーシュの背後まで歩を進めたマティウスが目の前の障害物に声をかけた。

「邪魔だ。退け。」

背後から急に命令口調で声をかけられ、慌ててギーシュは脇に身を寄せつつ、振りかえる。
そして発言者を確認すると、苦虫を噛み潰したような顔になった。

(こいつは確か、マティウスとかいうルイズの呼んだ平民…)

高圧的な声をかけられて思わず道を譲ってしまったが、相手はただの平民のはずだ。
慌てたがゆえに「すべきではなかったこと」をしてしまい、無性に腹が立つ。
文句を言おうにも、いったん道を譲ってしまった後だ。

マティウスはそんなギーシュを一瞥することもなく、ギーシュの横を悠々と通り抜ける。
その時、マティウスの左右に伸びた肩当てがシエスタにあたり、その拍子に小瓶が再び転がり落ちた。
皇帝陛下の衣装は周囲の邪魔になること甚だしい。

「あっ…」

シエスタの狼狽を余所に、紫色の小瓶はマティウスの1メイルほど先に転がった。
マティウスはまったく気にすることなく歩みを進めると…

バリッ!!

見事に小瓶を踏み砕く。気付かなかったわけではない。そんなものに配慮する必要がなかっただけだ。
あたりに香水のきつい匂いが充満する。

「おい、今の瓶…」
「それにこの匂い…」
「これはモンモランシーが自分のために調合している香水じゃないか?」
「ということは…ギーシュが付き合っているのモンモランシーか!」

男子生徒が騒いでいるのを余所に、ギーシュはマティウスを呼びとめる。
さきほど言い逃した文句を言うチャンスだ。
632ウボァーな使い魔:2009/06/02(火) 22:05:25 ID:DSAtR9lk
「待ちたまえ! ヴァリエールの使い魔君。」
「…私のことか?」

面倒そうに振り返るマティウス…が、その視線はすぐにギーシュの背後に向けられた。
一人の女生徒がギーシュをにらみつけながら、向かってきている。あまり友好的な雰囲気ではない。

「ギーシュ様!」
「!?」

ギョッとしてギーシュが振り返る。
そのまま女生徒はギーシュに詰め寄った。

「やはり…やはり、モンモランシー様と…」
「ケ、ケティ…これは誤解なんだ…」

パァン! ケティの平手打ちが見事に決まる。

なかなか面白い見世物だとマティウスは観賞を決め込むことにした。
なにしろ、この騒ぎを聞きつけて、もう1人 別の女生徒がこっちへ向かってきているのだ。
こちらがモンモランシーだろうか?

ケティにひっぱたかれて星を見たギーシュが次に目にした光景は、
去りゆくケティの後姿と怒りのオーラを身にまとったモンモランシーが近づいてくる姿であった。

「モ、モンモランシー、これは誤解なんだ…」
「…ギーシュ…貴方って人は…」

パァン! こちらも見事な平手打ちだ。
バシャ… しかも、手近にあったコップの水をギーシュの頭からかけてしまった。ケティと同じ行動では気が済まない女心だろうか。
身から出たサビとはいえ、かなりの修羅場だ。去っていくモンモランシー。
両頬を腫らし、ポタポタと水を滴らせるギーシュ。なるほど、水も滴るいい男というわけだ。

マティウスはそんなギーシュに感想を述べる。
「いい 見世物だったぞ ギーシュ」
633名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 22:06:45 ID:JMS3ia+y
支援
634ウボァーな使い魔:2009/06/02(火) 22:06:48 ID:DSAtR9lk
皇帝陛下のお誉めに与ったギーシュだったが、その怒りは頂点に達していた。
そのまま立ち去ろうとするマティウスを呼びとめる。

「待ちたまえ…このままで済むと思っているのか…」
「また見世物の続きでも始まるのか?」
「ふざけるな…君のせいで2人のレディが傷ついたんだぞ…」

その言葉を聞き、マティウスは急に興を殺がれた表情となる。

「つまらんな。自身の怒りを他者への義憤に置き換えようというのか?
 自分自身のために怒れぬのは弱き証左だぞ。」
「…弱いだって?僕のことかい?   
 もう許さない…決闘だ   …君に決闘を申し込む!!!」

ギーシュに落ち度があったとしたら、二股をかけていたことでもなければ、小瓶を落としたことでもない。
知らなかったことだ。相手が万単位の人間の命を奪った存在であることを。
635ウボァーな使い魔:2009/06/02(火) 22:08:53 ID:DSAtR9lk
----第7話----

何事かとルイズが慌ててやってきたときには、すでにギーシュの姿はなかった。香水の匂いは酷かったが。
マティウスに問いただすが、説明する気がないらしく「そこの女にでも聞け」と言うばかり。
仕方なくルイズはシエスタに事のあらましを聞く。

「わ、私のせいで…貴族様があんなにお怒りに…」

自分が小瓶を拾ったばかりに…と青くなっているシエスタ。話を聞き出すのにも一苦労だ。
これとは対照的なのがマティウスである。
決闘の呼び出しを受けたにも関わらず、ルイズがシエスタに話を聞いている間、のんびりと席に運ばれてきた食事をとっている。
どの料理もなかなかの美味だ。パラメキアで作らせていた料理に勝るとも劣らない。香水の匂いは酷かったが。
ちなみに貧相なパンとスープも一緒に運ばれてきたが、そちらは犬の餌だと思い 手をつけなかった。

「このバカっ!!」

シエスタから説明を受けたルイズがマティウスに近づいて怒鳴る。

「食事中だ。静かにできぬのか。」
「アンタ、自分の状況がわかってんの!?」

ルイズが言うにはこうだ。
貴族と平民が戦っても貴族には勝てない。マティウスが無礼すぎるのが悪い。ギーシュに謝って許してもらえ。
もっとも最後の「ギーシュに謝れ」については、マティウスが素直に謝るとはルイズも思っていないようだ。
結局、マティウスの傲慢さに手を焼いていたルイズは決闘の結果を見守ることにした。

「アンタみたいなのは、一度やられたほうが身の程がわかるわ!」

もっともこの皇帝は2度も斃されておきながら態度が改まることはなかったわけだが、それをルイズは知らない。
636ウボァーな使い魔:2009/06/02(火) 22:10:42 ID:DSAtR9lk
優雅なお食事タイムが終わると、マティウスは決闘場所に向かう。
面倒だが「フィアー」の魔法でもかけてやればすぐに終わるはずだ。

「フィアー」は相手に恐怖を与える魔法である。ギーシュという青年が恐れをなして逃げ出せば、決闘はおしまいだ。
「フレアー」や「デス」で殺してもいいが、それでは騒ぎが大きくなるだけだろう。

決闘の場所に指定されたヴェストリの広場には、すでに噂を聞きつけた多くの生徒が見物に押し掛けていた。
中にはタバサとキュルケの姿もある。そして、広場の中央に両頬が赤い青年の姿。

「遅かったね。逃げたかと思ったよ。でも、逃げずに来たことは褒めてやろうじゃないか」

少々時間が経って怒りがトーンダウンしたせいか、ギーシュには余裕がみえる。
だがさすがに、のんびり優雅に食事をしていましたと伝えたらまた怒るだろう。

「どっちが勝つと思う?」
「相手は平民らしいぜ」
「あの服装でか?」
「なんか偉そうなヤツだよな」

生徒らは生徒らで、賭けまではじめる始末だ。娯楽の少ない学院ではしょうがないことかもしれない。

とっとと終わらせるべくフィアーの魔法を詠唱しようとしたマティウスだったが、ふとギーシュの手にある造花に目をとめた。
その視線に気がついたギーシュが薔薇の造花を振りながら、芝居じみた演技をする。

「僕は薔薇。君は薔薇を愛でる人を2人も傷つけた。許すわけにはいかない。」
「…薔薇…  薔薇だと?………気が変わった…貴様は死ね」

薔薇が随分と気に障ったようで、物騒な言葉がマティウスから漏れる。
野薔薇ではなかっただけマシというべきだろうか。
637名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 22:11:16 ID:wSiwGW1B
のばらー!
支援
638ウボァーな使い魔:2009/06/02(火) 22:12:28 ID:DSAtR9lk
「よろしい。決闘を始めよう! 僕はメイジだ。メイジは魔法で戦うものだ。よもや文句はないだろうね?」

マティウスの言葉を決闘開始への促しと受け取ったギーシュは、
盛り上がりも充分と判断し、決闘の開始を宣言した。魔法の使用をマティウスに確認することで自分の優勢をアピールする。
だが、それに対するマティウスの発言はその場にいた全員を驚かせた。

「よかろう。ならば、私は支配者だ。支配者は下僕に戦わせるものだ。
 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール! 相手をしてやれ!」

「「!?」」

当惑したのはギーシュだけではない。ルイズも、また他の生徒も同様である。
使い魔のはずのマティウスが決闘にもかかわらず、下僕に戦わせるという。しかも、指名したのは主人のルイズだ。

「バカ言うんじゃないわよ!誰が下僕よ!!!」

ルイズの抗議に生徒から失笑が漏れる。

「さすがはゼロ…使い魔から下僕扱いか!」
「あいつ、決闘に代理を立てるつもりか?」

当のマティウスはルイズの抗議に不満そうである。

(…あの娘が「爆発」させれば、すぐに済むだろうに…)

確かに、ルイズがギーシュの頭部に向かって「錬金」を唱えれば…それは皇帝の望む結果をもたらしただろう。
どうやら、ルイズは自分の力の使い方をわかっていないようだ。

「…仕方ない…では貴様の相手は別に用意しよう。クアール!」

マティウスの呼びかけに応じ、小さな黒い影がマティウスの背後からジャンプし、その頭上を越え、足もとに音もなく着地した。
その姿は黒っぽい猫に見える。先日、マティウスが地獄より召喚した魔物だ。幼体とはいえ、そんな怪物の相手をさせようというのである。
しかし、ギーシュから見れば、ただの猫をけしかけられたようにしか見えない。再び、怒りのボルテージが上がる。
639名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 22:14:06 ID:BPnjCJgV
しえn
640ウボァーな使い魔:2009/06/02(火) 22:15:00 ID:DSAtR9lk
「まじめに戦う気もないのか…いいだろう…
 僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュだ。青銅のゴーレム、『ワルキューレ』が君の相手をしよう」

ハラリ…ギーシュの薔薇の造花の花びらが1枚 地面に落ちた。すると、そこから青銅の甲冑が姿を現わす。
それを見て、マティウスは小さく笑う。

「ほう…ブロンズのゴーレムか…    …やれ」

マティウスの指示とともに、クアールが地を駆け、ワルキューレの足元に襲いかかる。
クアールをただの猫としか思っていないギーシュの狙いはあくまでもマティウスだ。

まずはワルキューレに向かってくる猫を追い払わせよう。その後、傲慢な貴族面した平民を叩きのめす。
ワルキューレ1体で十分のはずだ。ギーシュの考えは単純なものだったが、それで十分なはずだった。

カツッ!

だが、クアールの爪がワルキューレの足に小さな傷をつけた瞬間、異変が起こった。
ワルキューレが動きを停止したのだ。

「おいおい、ギーシュ、猫をいじめるなよ!」
「はやく、その生意気なヤツを叩きのめせー」

ギャラリーは異変に気づいていないが、ギーシュがワルキューレに与えたかりそめの命が、雲散霧消してしまっていた。
そこにあるのはただの銅像である。

(な…なんだ? ワルキューレが…くそっ!)

再び魔力を送り、ワルキューレを起動させる。
ワルキューレの身体を錬金し直す必要があるわけではないが、それなりに魔力を消費する。
その間にクアールがギーシュの足もとに走りこみ、その鋭い爪で脛を引っ掻く。
641名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 22:16:36 ID:6s8H4dgU
クァールが一番怖いのはFF2でもダーティペアでも無い
元祖の宇宙線ビーグル号なんだぜ
しえん
642ウボァーな使い魔:2009/06/02(火) 22:17:32 ID:DSAtR9lk
「ちッ!!」

衣服が裂け、血が滲んでいるが、文字通りのひっかき傷だ。何ということはない。
ギーシュはクアールを蹴飛ばそうとするが、軽々と避けられ、距離を取られる。
ギーシュとしても、あまり引っ掻かれたいものでもない。ギーシュはワルキューレを自分とクアールの間に移動させた。

「おや、残念。はずれか…」

冷酷な笑みを浮かべて傷を負ったギーシュを眺めるマティウス。
彼は見物するつもりだ。幼いクアールと未熟なメイジとの試合を。

―――クアール:成体であれば大きめの豹程度のサイズの地獄の魔物。
   クアールの攻撃は追加効果で「死」をもたらすことがある。
   頑強な鎧でその爪を受け止め、かすり傷すら負っていないはずの戦士が突然 息絶えるのだ。
   毒の類ではなく、相手の活動を根本的に停止させてしまうのである。

   さらには、ブラスターと呼ばれる閃光を放ち、浴びた人間の身体を痺れさせて動けなくする。
   全体マヒと即死。クアールが群れで出現したとき、多くの冒険者達が全滅を覚悟する。

------------------
第7話了

皆さま、支援ありがとーございましたー。
643名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 22:19:06 ID:wSiwGW1B
乙ー

モルボルグレートも怖いよね
644名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 22:19:25 ID:JMS3ia+y
皇帝の方乙です。

645名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 22:22:07 ID:k9UNUXgY
ウボァーの方乙です。

薔薇→野薔薇→反乱軍→フリオ
って連想で…原作読んだ当初ギーシュ嫌なヤツってイメージでしたが、最近の原作とここの色んなクロス読んでいると

ギーシュ哀れ;
に。
646名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 22:31:25 ID:wg160mVt
なるほど薔薇かwww
ギーシュ不運過ぎるな
647名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 22:35:05 ID:pCKLycAk
乙です
いやー、薔薇、なるほどねー、こうきましたか

・・・今までワルドやおマチさんが死んだことは多かったですが
決闘イベントでギーシュが死んだ話って俺は読んだこと無い気がしますねぇ
安らかには眠れまいなー・・・今回は久々に心底哀れと言うしか
次回楽しみに・・・というのもアレですが、待ってますよー

そういや聖樹もギーシュ戦の途中で止まってますね
あちらも楽しみですが、一体ギーシュは何を見せられるのか
648名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 22:41:47 ID:fa7j2F/W
ウボァーの人乙です。

ギーシュ……間の悪い奴……
649名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 22:48:38 ID:X7I/88RA
なぁ、鋼の人……
スティールオブサーヴァントだと『使い魔の鋼』にならないか?
650名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 22:55:10 ID:ttnmKyRe
>>649
ダレモツッコマナカッタコトヲ……
651名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 22:55:17 ID:DSAtR9lk
わぉ、ギーシュへの哀憫がこんなに…w お言葉ありがとうございます。
まぁ、自己満足の類ですけど、よかったらまた読んでやって下さいな。ペース遅いけど。

しかし、クアールでビーグル号の名前まで出てくるとは、さすがこのスレ。

クアールやモルボルグレートも怖いけど、
個人的にはFF1のマインドフレアの群れが悪夢…
652 :2009/06/02(火) 23:00:30 ID:ayQnVqPM
>>649
ダレモツッコマナカッタコトヲ……
653名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 23:01:07 ID:bDWJ/OT2
>>649
志村ー!伏線、伏線!
654名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 23:01:29 ID:eIxoyCmB
なんつーかあれだ、ダンシングウィズデビルスのようだ
655名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 23:03:03 ID:/VzU/nuK
プリンス・オブ・ウェールズみたいなもんだよ多分
656名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 23:05:40 ID:1xxCs7+p
プリンス・オブ・ウェールズは、ウェールズ王子ってなるからあってるけど、、
657名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 23:08:39 ID:Wp6hX8SB
多分そのうちギュスの作った鋼ってことでギュス鋼とかいう鍛鉄が登場するんだよ
658名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 23:14:55 ID:fha9/9QM
コッパゲがこの鋼スゲーって褒めてたのは伏線だったんですね、わかりません
659名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 23:19:51 ID:R3EI2tQX
カース・オブ・ドラゴンみたいなもんか
660名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 23:32:43 ID:pZHXYGzF
>>651
マインドフレアよりも沼地の洞窟のピスコディーモン強制戦闘の方が怖くね?
ともかく乙。幼生といえどクアールという事か、恐ろしい…。
661名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 23:32:47 ID:a1vcUO3j
皇帝の人乙です。
成仏しろよギーシュw
662名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 23:47:31 ID:jWfRE8OK
FFで怖いのは「○○ちょーだい」とか言ってくる奴。
エリクサーやらを要求してくるアレ。
やらないとキれてとんでもない攻撃をする。
「モンモランシーの香水ちょーだい」
→モンモランシーの香水
「もっとちょーだい」
オワタ
663名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 23:49:08 ID:ib725Y1M
>>662
マジックポットは、無視すれば問題ないでしょ。
始めから積極的に攻撃してくることはないし、間違いなく逃げられるし。
664名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 23:55:30 ID:R3EI2tQX
マジックポットはZじゃエリクサーやらなくても問題ないから経験値稼ぎのいいカモだったが、ほかじゃそんなに凶悪なのか。
むしろYでコロシアムで会うテュポーンがうざい、戦闘開始→鼻息で強制終了
665名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 00:05:59 ID:i02uRMzy
チョコボの不思議なダンジョンだと近くにいるモンスターにポーションとか投げて回復してくる。
チョコボや仲間と接近するとワープして逃げるってだけの敵だったな。
回復に関しては攻撃力が一撃必殺レベルだったから気にしなかったし。
ただ、倒すと金を落とすのでなるべく殺すようにしてたが。
666名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 00:07:36 ID:malGUSL3
決闘イベントで死んだギーシュならジョジョスレのほうにいたな
667名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 00:08:22 ID:TM+JfEL7
12あたりだと、うかつに手を出すと普通に死ねる。
けど、攻撃しなければ手を出してこない。

7インターナショナルあたりから、めんどくさい敵になっていったんだよな。
エリクサーやらないと倒せなかったり。
668名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 00:11:56 ID:z8G79fyh
ギーシュはミスタとかプロシュートに殺されてたな
669名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 01:29:54 ID:WeEQ54XO
マジックポットじゃなくFF6(GBA版)のアンラックズ。
4種類いてアイテムをやらないと心ない天使とアルテマのセットやオメガウェポン級の物理攻撃×4、
ステータス異常各種、全体に即死攻撃などしてくる。

670名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 02:10:04 ID:5GGSfrN/
>>664
インターナショナル版だとエリクサーあげないとダメージ与えられないけどな
671名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 09:08:55 ID:RASlNNv4
FFで厄介なのは6のゴーストだと思うんだが。
魔法使えないマッシュ達にストップ→ファイア連続は地味に辛いぞ。

イレーネ召喚の更新まだかなぁ
672名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 09:19:46 ID:rfnroXzs
ふむ……いやまぁあれだ。俺も好きだし、むしろ話題に乗りたいんだが……
ちょっとスレ違過ぎる気がする。

コヨコヨ、可愛いよコヨコヨ
673鋼の人 ◆qtfp0iDgnk :2009/06/03(水) 10:13:45 ID:sjmmsrVD
ま〜。赤っ恥かいて顔から火が出るわーはずかしはずかし。
でもそれをネタに話に入れるというのも魅力的
674名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 10:17:26 ID:hxjWMW+B
ここで反応しないでおいて、
後でしれっと「誤字じゃなくて伏線だったのさー」的な展開をもってくればよかったのにw
675名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 10:26:52 ID:0wTyHbLS
>>672
一瞬 ヨヨ可愛いよヨヨ に見えた
676名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 10:30:34 ID:FZZG+18g
そういえばマルッコイの苗字を覚えていない俺がいる
ギーシュは「グラモン家」を連呼してるから覚えてるのに
メインではないにしろ準レギュラーで、大抵のSSには出てる(出番序盤ばかりというのもあるだろうが)
というのになぁ
677名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 10:34:08 ID:T8v8pHAp
>>676
マリコルヌ・ド・グランドプレではなかったか
たまにマリコルヌなのかマルコリヌなのかわからなくなって困る

とりあえずノボル神はレイナールとギムリのフルネームと系統を教えて下さい
出来れば使い魔も
678名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 11:08:59 ID:2pJZWhQb
使い魔なんて居なかったのさ…
679名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 11:27:47 ID:z8G79fyh
使い魔なんてどこにもいないさ・・・オッツダルヴァ
680名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 14:16:33 ID:V/W2yTEj
決闘イベントで死んだギーシュ?
牙狼の鋼牙に殺されたのを見た覚えがあるが…
681名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 14:21:11 ID:zxgtDKTi
ダルヴァ…ダヴァ…ダバ…

エルガイムよりダバ=マイロード召喚…
682名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 14:46:15 ID:V8EdqMef
>>680
牙狼の奴はケティの不遇っぷりに泣いた
683名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 14:49:17 ID:Y1ST9qtX
決闘イベントをスルーされてそのまま出番無しよりいいじゃない>死にギーシュ
684名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 15:34:44 ID:ih4Xo8Z2
>>681
そうだな、ダバ、ショウ、勇、ゲイナー、使い魔四人富野固めで。
685名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 15:39:00 ID:Chy//h8r
>富野固め
死亡フラグが十割り増し?!
686名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 15:40:04 ID:malGUSL3
逆に考えるんだ
死んだほうがマシな目に遭わされると考えるんだ
687名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 15:47:59 ID:xwOUKUN6
ダンバイン以外富野にしては人が死なないのばっかりじゃねえか
688名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 15:49:31 ID:GJnJ54aC
エルガイムはダバは死なないが、キャオやリリスはヤバイとか
689名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 15:52:03 ID:hHw70yin
じゃぁ、ショウ、カミーユ、ウッソ、コスモでどうだ!
690名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 15:53:56 ID:BZYI4PfB
あの当時は「皆殺し」と「メイン全生還」ほぼ交互に作ってたからなあ
まあ究極の皆殺しこと赤いジムがいないだけ(ry
691名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 16:08:07 ID:Chy//h8r
富野作品……アルビオン篇でのテューダー王家の散りぎわ――Vガンダム最終回のリーンホースジュニアの特攻みたいな、印象に残るのってありますかね?
692名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 16:12:28 ID:Y1ST9qtX
考え方を変えて「皆殺し」の富野、「虚無」の石川に……田中は遅筆に佐藤は改変癖だし……うまい二つ名のあるのが4人も思いつかん
693名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 16:16:18 ID:nokTXJQO
「朝令暮改」の福田
694名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 16:23:19 ID:FZZG+18g
「破滅(そして一滴の希望)」の和田(慎二)なんてのもおるでよ
695名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 16:24:19 ID:M8NlAMP8
>692
佐藤はエロゲデヴだろjk

「未完」の…駄目だ101匹遅筆大行進にしかならんorz
696名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 16:28:02 ID:fLjjOQfm
スレ違いだろ。

>>677
「メイジの実力を見るには使い魔を見よ」とか言うわりには虚無系以外では、使い魔が判明してるのはごくわずかだよな。
まあいろいろいるけど最強はカリーヌさまのマンティコアだろうな。
697偽サム・ライミ:2009/06/03(水) 16:38:19 ID:x8hsTrbY
変なネタを思いついたので10分後くらいに投下します
698名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 16:51:59 ID:FZZG+18g
偽とはいえサム・ライミ?
まさか義手にショットガンを仕込んだアンチクショウですか?
パニッシャーをゾンビの群れに蹴り込んだ・・・・・・

まあそれはともかく事前支援
699名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 16:52:45 ID:rEnKw8Yh
死霊シリーズ?
700ゼロ大師:2009/06/03(水) 16:57:26 ID:8GdA5B0f
ネタ投下を待ってます
701名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 17:13:21 ID:7Wp1tMMT
>>696
マンティコア召喚はルイズの同級生にもいるぞ。(タバサ3より)
大体の場合はカラス、フクロウ、犬、猫だそうなんで
ジャイアントモールのギーシュなんかは結構すごいのかも知れん。
702名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 17:22:54 ID:FZZG+18g
使い魔を使いこなしてる、という点ではオスマンにかなう者はいないな
703名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 17:37:02 ID:2pJZWhQb
>>692
皆殺しの富野、虚無の石川、究極の荒木、妖怪の水木
704名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 17:42:13 ID:z8G79fyh
>>703
荒木は吸血鬼だろ
705名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 17:47:57 ID:V/W2yTEj
真マジンガーのくろがね屋メンバーが店ごと召喚されるのを幻視した件について
706名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 17:50:13 ID:aCCtGL1w
そして>>704はいなくなった
707名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 18:02:06 ID:FWMbsW62
吸血鬼
波紋
究極生物
土方歳三

どれだ
708名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 18:02:45 ID:FZZG+18g
>>704
それ十傑衆や九大天王が呼ばれるのとどう違うの
709名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 18:11:57 ID:I4N7jb3W
モナ・リザじゃないのか
710偽サム・ライミ:2009/06/03(水) 18:13:02 ID:x8hsTrbY
―トリステイン国境の上空―

空に浮かぶ一つの巨大な戦艦があった。轟音を上げて航空するその戦艦の周囲を飛行する無数の人型の物体。それらは機械の兵隊であった。人より何倍も大きな無機物の体躯を持ち、その手に持つは人では到底扱えぬ大きさの刀、銃、盾。
中央に戦艦を置き、それを守護するように飛行している。空の王者とも言うべきその光景は圧巻の一言だ。
そんな大軍勢に向かって飛行する一つの飛行艇があった。機械の兵隊が持つ物と同じ形の巨大な刀。斬艦刀と呼ばれるその兵器は、元は機械の兵隊の武器だったが、人が乗り込めるようにもなっている。
それが今、遥か前方に浮かぶ巨大な戦艦に向かって一直線に飛行している。斬艦刀の操縦席に1人、その操縦席の周りに佇む3人の人物。全員、トリステイン王家の紋章が入ったマントを纏っている。

「ギーシュ、敵中央、戦艦をやるぞ。覚悟はいいか」

1人の男が操縦席の男に話しかけた。

「やれやれ、負け戦と分かっていたとは言え、流石にこれはすごいな…」
「何だ?ここに来て臆したのか?」
「まさか。キミと一緒なら僕は何処へでも行くよ」
「そうか…」

男は残りの二人に振り向く。

「ジュリオ、アニエス、其方達はどうだ」
「僕もギーシュ君と同じさ。キミとならどんな相手でも負ける気はしないよ」
「愚問だな、カツシロウ。覚悟ならとうの昔に出来ている」

二人とも不敵な笑みを浮かべている。

「それを聞いて安心した…ギーシュ、目標戦艦、進路揺らぐなよ」
「やはり策は無しかい?」
「ああ…何故そんな事を訊く?」
「いや、彼女を想いを断つ為の嘘かと思ってね」
「……」

男は思い出す。己の主人に別れを告げた時の、その泣き顔を。

「今度こそ死が待っている…これで良かったのだ…」
「まったく、罪な人だねキミは」
「無駄口はそれまでだ…くるぞ!」

カツシロウと呼ばれた男が背に負う二刀を抜く。続いてジュリオ、アニエスもそれぞれ得物を手に取る。

「なかなか盛り上がってきたな相棒」

カツシロウの左手に持つ剣が喋り出す。

「これが最後の戦いだ、デルフ。共に行こう」
「水臭いぜ相棒。俺様は何時だってガンダールブの剣よ!」

斬艦刀に向かって一斉に放たれた光条。戦いの火蓋が切って落とされた。

以上です。お目汚しすいませんでした。

「SAMURAI7」より本編終了後のカツシロウを召喚
711名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 18:27:49 ID:FYpMYVQj
お前>>384だな?
712名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 18:33:00 ID:wZaBw5zz
>>710
お前が詫びるべきはSSの出来では無く予約破りだ。
713偽サム・ライミ:2009/06/03(水) 18:38:08 ID:x8hsTrbY
本当はすぐに投下するつもりでしたが、書き直しで時間が掛かってしまいました。
どうもすいません・・・
714名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 18:45:13 ID:wZaBw5zz
それならそれで報告しましょう。
715ゼロ大師:2009/06/03(水) 18:52:26 ID:oVRtrR/5
では、第二話を投下します。
716名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 18:52:56 ID:NF9jKopY
一度目のミスくらいは許してやろうぜ

・・・ただし、繰り返すようなら容赦しないが
間違いってのは、次はキチンとやるために、犯すもんだからな
717ゼロ大師:2009/06/03(水) 18:54:28 ID:8GdA5B0f
「……」

ここは、学院から1キロほど離れた草原である。
草原とは言っても延々と続いて居るわけではなく、ところどころに小川や岩山も存在していた。
岩山の上に立ち黒いマントを纏った聞仲の影は、2つの月に照らされて長く伸びている。
目を瞑り、十分な気を溜め―――

「……はっ!!!」

――― そして、鞭を振るう。

結果からすれば、禁鞭Uの威力は彼の予想以上の出力だった。
周りの岩山は全て打ち砕かれ、砂粒となっている。
それどころか、自身の周りの平地すらも打ち据え消し飛ばし、聞仲の周りには巨大なクレーターが生まれていた。
新しい宝貝の力を見る為に試しに振った程度でこれである。

「……出力が強すぎだ」
『衰えてはいないようじゃのう、聞仲』

珠と会話する光景は、この世界の誰が見ても異様なものだろう。

「1/4程度という話だったが?」
『そこが改良点さ。目くらましの部分を少なくして、ヒットする分に余力を回したんだ。他にも端の部分を回す事で……』
「余計な機能は外せ」
『フフフ……この通信珠には九竜神火罩の硬度と怠惰スーツの強靱さ、拌黄珠の回避性を組み込んであるんだ。その禁鞭Uでも、そうそう壊れはしないよ』
「……チッ」
『何が出るか解らんでな、強い武器があって困る事はないじゃろう』
「元始天尊。居なくなった者の名前を挙げろ。ここに慣れたら捜索を始める」
『ふむ、白鶴、リストを』
『はいはい』
『では―――』
718ゼロ大師:2009/06/03(水) 18:55:34 ID:SwGViock
数人の雑魚レベルの妖怪仙人達の名前が並んで居る。
とはいえ、一般人からすれば十分すぎるほどに危険な存在である為、一刻も早く発見しなければならない。

「―――、ちんとう、土行孫、それに王天君」
「王天君!?」
『王天君とはいっても、三体の内のTのようじゃな。奴が興味を持っておった楊センはこちらに居るし、
御主に対してちょっかいをかけてくるとも思えんが、注意が必要じゃ』
「……」
『生前がどうあれ、彼等は神じゃからな。よほどでなければ悪さもしないじゃろうが』
「あいつは余程だと思うが?」
『その気ならばいずれ現れるじゃろう』
『それよりもこの珠の側面のボタンを押してくれ!』

ブオン、という音と共に円状のマップが表示される。
表示されているのは一番中心に位置する大きな丸と、それから少し離れた所に位置する小さな丸。

『コッチの世界とはエネルギーとかそういう物が違うみたいだ。だから、そういうイレギュラーな反応を
探せば見つかるって寸法さ。レーダーで反応があった場合はそのマップに表示されるよ』
『どっかで見たようなデザインっスねえ……』
「まあいい。この小さな点はあの学院を指しているわけだが」
『? 学院に……? 何だろう、故障かな』
『ム、見つけたぞ』
『げっ、ナタク!』
『火尖鎗と金磚の出力を10倍に上げろ。あの赤い奴にはこれでも勝てん』
『10倍って、君はもう金蛟剪があるわけで』
『上げろ!』
『ギャーッ!!!!』


719ゼロ大師:2009/06/03(水) 18:56:18 ID:SwGViock



ルイズが使い魔としての一通りの説明をした後、聞仲は何をしたかといえば。

「文字が読めない。図書館はどこだ?」

図書館へ向かい、初級用の本から言語の勉強を始めた。
そのスピードは凄まじい物があったが、聞仲の恐ろしい所はその効率の良さと作業量である。
教えているルイズも驚くほどの速さで基本的な部分を理解し、文字も書けるようになった。
バリバリと本をめくりながら文字を書き連ねる様を見て、ルイズは教えるのをやめて自分の勉強を始める。
……とはいえ、勉強家のルイズにとっては既に読んだ本ばかりである。

「ねえ、ブンチュウ。あなたは……その、軍師ってことは、軍人でしょう?」
「そうだが?」
「それなのになんでこんなに習得が早いの?」
「軍師に必要なのは頭脳だからな」
「……」

ルイズの抱く軍人のイメージは、主に2通り。
傭兵のような野蛮な連中と、メイジであり騎士である者達。
そう、自分の母である―――
そこまで思考したところで、恐ろしい母が思い浮かんだので慌てて思考を止めた。

聞仲の積み上げていく紙を1枚取り上げてみると、見慣れた文字の横にやたらカクカクした文字が書かれている。
ルイズは当然ながらそれを読む事は出来なかった。

「これ、あなたの国の言葉よね」
「そうだ。例えばこれは―――」

聞仲は空いた所にさらっと2文字を書く。

「私の名前だ」
「聞仲、って読むの?これで?」
「そうだ」
720ゼロ大師:2009/06/03(水) 18:57:22 ID:oVRtrR/5
ルイズは変な文字だ、と思っていたが口にはしなかった。
そもそも読めないのに形だけ見て変な文字だと言うのはさすがに気が引けるからだ。
暇になった彼女は聞仲が書いた対応表を見ながら、彼の国の文字を見よう見まねで書き始めたのだが―――

「文字が多すぎて覚えきれないわ」
「だろうな」

昔教師が言っていた「1文字が意味を持つ言語」なのだろう。
ハルケギニアでは基本的に共通言語が用いられるので他の言語に触れる機会はあまりないのだが、
ルーンを読み解く為の言語学の分野ではそういった研究がされている、らしい。
もっとも魔法に関する研究者というのはそれほど多くなく、アカデミーを除けば個人的な魔法の研鑽に終わってしまうメイジがほとんどだと聞く。
そこまで思考したところで、恐ろしい姉が思い浮かんだので慌てて思考を止めた。
ちらりと聞仲の様子を見ると、一心不乱に文章を写し、おそらく読めなかったのだろう語句は書き留め、さらに進めている。
この男も相当な威圧感の持ち主なのだが、今は普通にする事が出来ている。
意識が完璧に目の前の本達に行っているからだろうか。

「貴方の事、聞いても良い?」
「いいだろう」
「えーと……じゃあ、まず、歳とか」
「……もう数えるのはやめた」
「言いたくないの?」
「違うな、仙人というのは老化が極端に遅くなる。数百年生き続けながら20代の体を持ち続けることもあるからな」

「……センニン、って何?」
「仙人、と書く。わかりやすく言うなら、化物のような力を持った者達の事だ」
「???」
「生命のエネルギーとでも言おうか。こちらでいう魔法の源のようなものを持つ者だ」
「メイジみたいな?」
「才能を持つ者は修行を重ね、いずれ仙人となる。他にも岩などの鉱物や動物が化けて妖怪仙人となる場合もある」
「ヨーカイ?って何よ」
「こちらで言う……亜人に近い。例えばそこにいる蜘蛛が長い間月の光を浴び続けると、やがて人語を解すようになる」
「ふーん……」

到底信じられない話だが、しかし聞仲が嘘をついているようにも見えない。
蜘蛛を見ようと体を向けた時、身長の高い聞仲の向こう側にあったあの珠が見えた。
今もふよふよと浮いて、たまに点滅している。

「一番聞きたかったんだけど……その玉は何?」
「これか。これやこの鞭は宝貝と言って、仙人の使う武器だ。この珠は……太乙。喋れ」
『ん、なんだい? それにしてもこっちと時間差がなくてよかったね』
「わあっ!?やっぱり喋った!」
「この娘に宝貝自慢でもしてるがいい」
『面倒事を押しつけられた気分だ……』
『ム!』
721ゼロ大師:2009/06/03(水) 18:58:10 ID:oVRtrR/5
ルイズは変な文字だ、と思っていたが口にはしなかった。
そもそも読めないのに形だけ見て変な文字だと言うのはさすがに気が引けるからだ。
暇になった彼女は聞仲が書いた対応表を見ながら、彼の国の文字を見よう見まねで書き始めたのだが―――

「文字が多すぎて覚えきれないわ」
「だろうな」

昔教師が言っていた「1文字が意味を持つ言語」なのだろう。
ハルケギニアでは基本的に共通言語が用いられるので他の言語に触れる機会はあまりないのだが、
ルーンを読み解く為の言語学の分野ではそういった研究がされている、らしい。
もっとも魔法に関する研究者というのはそれほど多くなく、アカデミーを除けば個人的な魔法の研鑽に終わってしまうメイジがほとんどだと聞く。
そこまで思考したところで、恐ろしい姉が思い浮かんだので慌てて思考を止めた。
ちらりと聞仲の様子を見ると、一心不乱に文章を写し、おそらく読めなかったのだろう語句は書き留め、さらに進めている。
この男も相当な威圧感の持ち主なのだが、今は普通にする事が出来ている。
意識が完璧に目の前の本達に行っているからだろうか。

「貴方の事、聞いても良い?」
「いいだろう」
「えーと……じゃあ、まず、歳とか」
「……もう数えるのはやめた」
「言いたくないの?」
「違うな、仙人というのは老化が極端に遅くなる。数百年生き続けながら20代の体を持ち続けることもあるからな」

「……センニン、って何?」
「仙人、と書く。わかりやすく言うなら、化物のような力を持った者達の事だ」
「???」
「生命のエネルギーとでも言おうか。こちらでいう魔法の源のようなものを持つ者だ」
「メイジみたいな?」
「才能を持つ者は修行を重ね、いずれ仙人となる。他にも岩などの鉱物や動物が化けて妖怪仙人となる場合もある」
「ヨーカイ?って何よ」
「こちらで言う……亜人に近い。例えばそこにいる蜘蛛が長い間月の光を浴び続けると、やがて人語を解すようになる」
「ふーん……」

到底信じられない話だが、しかし聞仲が嘘をついているようにも見えない。
蜘蛛を見ようと体を向けた時、身長の高い聞仲の向こう側にあったあの珠が見えた。
今もふよふよと浮いて、たまに点滅している。

「一番聞きたかったんだけど……その玉は何?」
「これか。これやこの鞭は宝貝と言って、仙人の使う武器だ。この珠は……太乙。喋れ」
『ん、なんだい? それにしてもこっちと時間差がなくてよかったねえ』
「わあっ!?やっぱり喋った!」
「この娘に宝貝自慢でもしてるがいい」
『面倒事を押しつけられた気分だ……』
『ム!』
722ゼロ大師:2009/06/03(水) 18:59:28 ID:oVRtrR/5
〜 ナタク・太乙・スープーの封神何でもQ 〜
『というわけで始まったこのコーナー、初めての人でも優しく教えちゃうよ!』
『ム!』
『まず仙人っていうのは、仙人骨っていう希少な骨を持つ人間が、スカウトされてなるものなんだ』
「スカウト?」
『そう、選ばれたエリートなんだ。放っておけばその仙人骨の力は体力に返還されるから、体力バカが生まれてしまう』
『ム!』

『修行を積んだ道士(仙人見習)は、宝貝という道具を貰う事が出来るんだ』
「この珠とか?」
『これは僕が開発したものなんだ。仙人となってからは自分の宝貝は自分で開発するようになる』
『ム!』
『宝貝を扱うには仙人骨の力が必要なんだ。だから、普通の人が持つと力を吸い取られてミイラになっちゃうよ!』
『いつかの再来ッスね』

『他には仙人は歳を取りにくくなるという特徴があるんだ』
「不老ってことかしら」
『ちょっと違うんだルイズちゃん。極端に歳を取りにくくなるだけで、ちょっとずつ歳をとるんだ。寿命はないけどね』
「女性の夢ね」
『仙人骨は生まれつきのものだから、後天的になることはあまりないんだけどね』
「才能……」
『しかし死にものぐるいで鍛錬を積んで、体が死ぬほど鍛え抜けば生まれる場合もあるのですよ。そこにいる聞仲も、そうやって努力した結果今の力を手に入れたのですよ』
『どわあっ!』
『いきなりアップは怖いッスねえ』
「……報われない努力だってあるじゃない」
『それは貴方次第です。出来ないと嘆く前に、やるべき事があるはずです。努力する姿勢は大事だと思いますよ』
「姿勢……」
『せいぜい鍛錬することです。その方が面白いですしね』
「……」

「その辺にしておけ、道化」
『こんなに面白くなりそうなら、私があの鏡に入っておけばよかったですかね』
「……貴様の代わりに誰がこちらへ来た」
『貴方ならもう解っているでしょう?』
「太公望か」
『先に言っておきますが、私が無理に入れたわけではありません。どこぞから取ってきた桃を持って飛んで居たところで鏡に激突したのです』
「……」
『直に見る事は出来ませんが、最高に面白いショーになるよう期待しています』
「……」
『では、またいずれ』


『あれ?終わり?』
『また申公豹にいいとこ取りされたッス……』
『ム!』
723名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 19:02:18 ID:FYpMYVQj
支援……あれ?終わり?
724ゼロ大師:2009/06/03(水) 19:03:50 ID:oVRtrR/5
と言うわけで投下終了です。
二回同じのコピペしてしまった……すみません。

宝貝は一般人ならミイラになりますが、誰かが使っている状態なら触るのは可能らしいです。
ルイズの世界では魔法の力があるので、使わせたら面白い事になるかなと思ってましたが、
収拾がつかなくなりそうなので様子を見ながらやっていこうと思います。
一応、普通の宝貝はトライアングル以上なら使えるとか、そういう条件付きで出す予定で居ます。
725名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 19:15:44 ID:FYpMYVQj


さすが聞仲、言語習得だろうがバリバリこなしますねw
太公望が召喚されたのはやっぱりテファのところなのかな。
時間軸が変わるとかあれば、ジョゼフや教皇もありか。
何にせよ、楽しみにしてます。
726名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 19:36:00 ID:gt7qwthJ
乙です
そういやオールド・オスマンも三百歳超えでゼロ魔なら誰より仙人チックな風貌だけど
使えたりして・・・

ところで、まさかちんとう召喚したのって・・・キュルケじゃ・・・
あれって確か元は蟷螂でしたっけ
727名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 20:19:56 ID:FE+F4A9G
富野を召喚したら
728名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 20:22:17 ID:SCvruLvV
火龍瓢(漢字うろ覚え)持ってた奴なら蟷螂やね
太公望にハメられて自滅して原型に戻ったところでスタンピングされた
729名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 20:33:44 ID:WbUygxGT
序盤に出てきたすっげー雑魚っぽいけど本当はそこそこ強いんだよってやつだったっけ?
…うろ覚えだけど
730名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 20:37:35 ID:SCvruLvV
まあそんな感じ
頭弱いし宝貝使いこなせ無くてそのままパクられたけど
731名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 21:04:42 ID:gaTuvmxH
科学者キャラ…

ば  い  き  ん  ま  ん  呼  ぼ  う  ぜ
732名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 21:06:07 ID:qQXjSu7f
>富野を召喚したら
ハイテンションで理屈くさく、すぐキレる六十過ぎのハデなハゲのSM好き老人がどう活躍するのか

まあ生き残れれば劇作家として名を成すかもしれんが
733名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 21:06:44 ID:POxre6ge
ちんとうって、ジャンプ漫画の方では序盤の雑魚だったけど、原典の方の封神演義では中盤あたりのボスだったんだっけか?
原典の方は読んだことないから知らんのだが。
734名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 21:13:40 ID:malGUSL3
黄飛虎を一時は瀕死に追い込んだが、天化の初舞台の見せ場として散った。
735名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 21:40:48 ID:0gODs3in
>>733
読んだのが十年以上前だから覚えていないな
覚えているのは太公望が差別主義者の屑野郎ってな事ぐらいだw
736名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 21:43:08 ID:wnJ6tAww
全国のちんとうって名前の皆さんごめんなさいw
737名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 21:47:24 ID:VPFEqEjA
安能版だと陳桐は兵糧の横流しで金をためて仙人から宝貝を購入する悪徳軍人だったような。
後趙公明の妹が美人だったりw
738名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 21:50:08 ID:y65EgXGX
趙公明の妹たちは本来超美人だwwww
739名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 21:52:12 ID:edZl9obi
十天君がかませだったのに対して黄河陣で大逆転したり大活躍だったな
740名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 21:56:05 ID:kVleeEru
ヴィーナス愛の泉の溢るる壺と
究極黄河陣はマジチート
741名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 21:57:12 ID:QJ0S3+tB
封神演義は登場人物が死ぬ時は大抵が1〜2行くらいのあっさりとした描写で終わるから
誰がどこで死んだのかよくわからん。 いつのまにか居なくなってたりするんだよなあ
742名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 21:58:17 ID:qQXjSu7f
土行孫だかが超でっかいちんこの持ち主でいきなり女犯してメロメロにさせてた事しか覚えてねえ
743名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 22:05:14 ID:X7sihJyh
>>731
ポポロクロイスのガミガミ魔王さんだろjk……
744名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 22:08:27 ID:Lppc0wRc
レオナルド博士なら
745名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 22:11:30 ID:XAMTK/7K
ガイザン(GOC版)ならえらい事になるだろうな
746名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 22:13:53 ID:nyWACks2
>>731
ジャムおじさんの科学力もハンパないと思う
747名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 22:33:22 ID:osLU224X
科学者なら、「こんなこともあろうかと」

残りスレ容量からして、今晩中に埋まるかな。4、5月に比べて消費速度が加速してきたかな。
748名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 22:33:48 ID:z8G79fyh
スタースクリームも元科学者なんだぜ
749名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 22:38:51 ID:cK4PaQ6V
投下ってない時は全くと言っていいほどないけど、ある時は天変地異の前触れかってほどあるよね
750名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 22:40:12 ID:H4R+I+j+
小ネタでいいから誰か投下してよ
751名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 22:46:40 ID:7+dnaH7r
>>748
火薬作るとかそういうところに行く前にルイズぶっ殺して終わりだと思うぞ
752名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 22:51:10 ID:2pJZWhQb
だから何度もいってるだろ!ノヴァ博士を呼んでプリン皇国を建国しろと!
753名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 22:58:37 ID:osLU224X
避難所の代理依頼スレのほうにゼロスポーンさんとゼロの使い魔はメイドの人が投下していらっしゃいました。
多分その人たちでスレが埋まるでしょう。
以上、携帯住人より
754名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 23:07:52 ID:ol60SzvU
王天君Iがジョゼフじゃねーの。
なんか気があいそう
755名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 23:08:28 ID:9HFGa5aQ
んじゃゼロの使い魔はメイド代理、五分後くらいから
756名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 23:11:12 ID:z8G79fyh
>>751
実写版と勘違いしてないか・・?
スタスクが人殺しなんてそんな有能なこと出来ると思えんぞw
757名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 23:12:13 ID:kVleeEru
漫画だと分裂した王天君たちは伏義と合体してたっけ?
758ゼロの使い魔はメイド-09@代理:2009/06/03(水) 23:13:50 ID:9HFGa5aQ
 ジュール・ド・モットがトリステイン魔法学院を訪れたのは、近々行われる使い魔の品評会について……というのは表向きのこと。
 そういうのは、いささか間違っているかもしれない。
 いわゆる、公務のためにやってきた――それ自体は別に間違いのないことなのだ。
 とはいえもう一つの、私的な用向きがあるというのも、これまた真実であった。
 やや詩的な表現をすれば、色の道に関わることだった。
 あけっぴろげにいうのなら、助平根性のためである。
 この学院の勤める、平民の娘を屋敷に買い入れよう、そういう魂胆があってのことだった。
 あちこちに持っているその手の情報網から、魔法学院に器量の良い、しかもなかなか『いい肢体』をしたメイドがいると聞き込んだ。
 そこで公務のついでに、
「我が物にしよう……」
 こう考えていたわけだ。
 情報というのは、いくら隠蔽しても結局あちこち漏れるものだが――
 三十路をとっくに過ぎたモットだが。
 そちらにおいては、思春期の少年ばりに壮健で、あちらこちらへ小金を巻いて、情報収集は怠らない。
 そういう情報は男から、と思われがちだが、実際は女からのおしらせ≠熨スいのだ。
 確かに女のことゆえ、女同士のほうが、詳しい情報は知りやすいのかもしれない。
 現代においても、女子トイレへの盗撮カメラなどは、女に仕掛けさせることが多いのだという。
 怖いところは、なまじっか器量に秀でた娘ほど、モットなぞより、もっとたちの悪い貴族へ情報が舞い込んだりする。
 モットとて、決して品行方正な男ではない。
 むしろ、分類されるのなら悪徳貴族のほうが近いのだろう。
 それでも妾・愛人とした女たちには、それなりの扱いや見返りはしている。
 しかし貴族の中には、慰みにするという言葉では追いつかぬような淫虐にふける連中もいるのだ。
 そういう者の餌食になった娘は、大抵が二度と日の目を見るということはない。
 買い入れたとか、愛人にしたという情報すら漏れることなく、毒牙にかけられ、その後は言わずと知れていた。
 そして、そんな連中ほど表は貴族然と取り繕うのだから始末が悪い。
 堂々と平民の娘をあさるモットは悪には違いないが、小悪党というやつだろう。
 学院についたモットは、まず王室よりの書状を届けるべく院内を歩いていたが、その視線はチラチラと学院のメイドたちに向けられる。
(あれかな? いや、あれがそうだろうか?)
 ついつい話に聞いたタルブ出身のメイドを、探してしまう。
(確か黒い髪とか言ったから、すぐに見つかるだろうが……)
 視線を走らせるうちに、一人の小柄なメイドが洗濯籠を手に歩いているのを見かけた。
 その髪の毛から、
(おっ。この娘か?)
 と、思ったのだが、どうも違うらしい。
 小柄というよりも、年齢そのものが低いのだ。
 年齢は十六、七と聞いていたのだが、そのメイドはどう見ても、十三、四かそこらだった。
 なんだ、人違いか。
 モットは肩透かしを食ったような気分だったが、なかなかそのメイドから目が離せなかった。
 いつの間にか、歩くのさえやめている。
 ハッキリというなら、地味な娘であった。
 確かに磨けば光るものを持っていそうではあるが、それだけならば、そのへんにいる娘とそう大差はない。
 メイド服姿で働くのその様は、どうしようもなく使用人であり、それ以上でもそれ以下でもなかった。
 しかし、可愛らしくはある。
 すれた女にはない、純朴さというのか、初々しさというのか。
(ま、たまには青い果実というのも悪くはないかな?)
 モットは少女を見ながら、良からぬことを考える。
 明らかに犯罪そのまま逮捕な思考であるが……。
 生憎とここはファンタジー世界。
 ロリコンは犯罪? 何それ、美味しいの? なのである。
 まして相手は平民であり、モットは貴族。
 やろうと思えば何だってやれます、なのであった。
 実際、十三歳ほどの年齢で結婚というのは、貴族や王族では珍しくないし、平民にしたって農村部では結婚年齢はかなり早い。
 現代の女子高生、あるいは女子中学生という年代で一児の母になっている娘など、珍しくもなかった。
759ゼロの使い魔はメイド-09@代理:2009/06/03(水) 23:14:10 ID:9HFGa5aQ
(さあて、どうしようか?)
 頭で色々と策を考えながら、モットはまずは公務のほうを片付けるべくオスマン学院長のもとへ急いだ。
 途中、何度か少女のほうを振り返りながら。


「は? 使い魔?」
 思いがけぬ言葉に、モットは目を丸くした。
 オールド・オスマンにそれとなく件の少女のことを尋ねてみたところ、
「ああ、シャーリーかね? 彼女はうちの生徒、ミス・ヴァリエールの使い魔じゃよ」
 こんな返事をよこしたのである。
「ははは。またまたご冗談を」
 モットは笑った。
 人間が使い魔などという話は、後にも先にも聞いたことがない。
 使い魔はメイジの実力を表すバロメーターというが、メイドを使役するメイジというのは一体どういう属性なのだ。
 まさか、始祖の再来――伝説の虚無とでもいうのか。
 それこそ、ありえぬ話である。
「いや、本当じゃよ」
 オスマンはにこりとしないで、モットの笑いを切って捨てた。
「……本当にですか?」
「もちろん」
 と、オスマンはうなずく。
「珍しい話ですな」
 モットは感心したような顔をしてみせるが、内心では舌打ちをしていた。
 仮に使い魔というのは眉唾であるとしても、ヴァリエール家とつながるというのは面倒臭い。
 愛人にしたいから、ちょっとそのメイドを譲ってくれ、などと言って、はいそうですかとうなずくであろうか。
 うまく手を回せぬこともないだろうが、なかなか手間がいりそうだ。
 本当に使い魔なら、なおのことだろう。
 例えどんなものであれ、他人に譲れと言われて、使い魔を手放すメイジなどいるわけがない。
(どうも……出鼻をくじかれたな)
 ちょっと食指を動かされたといっても、ヴァリエールに睨まれてまで欲しいものでもない。
(ここは当初の予定通り、胸のでかいメイドのほうにしておくか)
 そう思いつつ、モットは学院を歩いていたが。
 あれやこれやと考えごとをしていたせいか、うっかりと道を間違えたらしい。
 いつの間にか奥内のほうへと足を運んでいた。
 目の前に、白いものがいくつもなびいている。
 洗濯されたばかりの衣類やシーツが風を受けているのだ。
(こりゃいかん。迷ったな)
 あわてて引き返そうとすると、人の声が聞こえた。
 若い女の声である。
 根っから助平であるモットは、つい条件反射的にそちらのほうを振り向いた。
 干された洗濯物の向こう側、一人のメイドがかがみこんで何かしている。
 一瞬犬か何かとじゃれているのかと思ったが、少女と戯れるその生き物は、犬よりもはるかに大きい。
 赤い巨大なトカゲ。
 見事なサラマンダーだった。
 恐らくは、生徒か教師の使い魔なのだろう。
 これほどのものを召喚したメイジ、おそらくはトライアングルクラスに違いない。
 それにしても、ずいぶんと懐いている。
 恐ろしげな火蜥蜴が、まるで子犬みたいに少女に頭を摺り寄せる光景は、何かの絵画みたいだ。
 使い魔ならば、主人に懐くのは納得できるが、見たところ平民で少女に、何故ああも懐いているのか。
(あ!)
 よく見るとそのメイドは、先ほどちょっと興味を持った、あのメイドではないか。
 あの時はそれほどハッキリと顔が見えなかったが、今度は比較的近くのせいか、よく見えた。
 ブルネットの髪に、憂いを含んだもの静かで穏やかな瞳。
760ゼロの使い魔はメイド-09@代理:2009/06/03(水) 23:14:24 ID:9HFGa5aQ
 華奢な肉体に、メイド服がよく似合っている。
 やはり、地味といえば地味だ。
 しかし。
 小動物的な愛らしさと、人形のような可憐さ。
 地味な娘と見えたの誤りであった。
 清楚な雰囲気は、少女の周辺だけ空気が清浄なものになっているような錯覚を覚えさせる。
 美しい。
 素直にそう思えた。
 それも、外見をゴテゴテと飾り立てた貴婦人や娼婦のようなものではない。
 内面から発せされる、健全な美であった。
 たまらぬような美であった。
 思わず、モットは見惚れた。
 時間の感覚が狂ったような気がした。
 どれほど少女を見つめていたか。
 少女はモットのほうに気づいたらしく、さっと顔に緊張の色を浮かべた。
 それを見て、モットもハッと我に返る。
 そばのサラマンダーも、モットを見ている。
 だが、そこには少女に対していた時の人懐っこさは欠片もない。
 うなり声こそ出さないが、まるで敵でも見ているような威嚇の視線である。
 邪悪から聖女を守護する聖獣といった雰囲気だった。
 メイドの少女は、少し脅えを含んだ瞳で、そっと会釈をした。
「お、おっほん」
 モットは何か悪事を見咎められたような後ろめたい気持ちになった。
 わざとらしく芝居じみた咳払いをしてから、こそこそと逃げるようにその場を離れる。
「?」
 残ったメイド――シャーリー・メディスンは、
(なんだったんだろ?)
 妙だと思いはしたものの、まだ仕事が残っていることを思い出すと、見かけない貴族のことはすぐに忘れてしまった。
 きびきびと動き出す少女の後を、サラマンダーはのそのそとついていく。
「もう、だめだよ、フレイム! ミス・ツェルプストーに叱られるってば!」
 シャーリーは火蜥蜴を見て、困った顔で言った。
 それでも、フレイムは純な瞳で、シャーリーを見上げていた。


 屋敷に帰った後、モットはぼうっとしてろくに食事も摂らなかった。
 椅子に座り込んだまま、どこか遠くを見るような目で、時々溜め息をつく。
 そんな主人の様子を、使用人たちは薄気味の悪いものでも見るように遠巻きに見ていた。
 病気にでもかかったのか。
 女遊びに飽きて、おかしな薬にでも手を出すようになったのか。
 自分がそんな風に見られているとも知らず、モットは一人自室にこもって、溜め息を吐いたり、ウロウロと歩き回ったりしていた。
 そんなことが二、三日続いた後のことだった。
 この日も相変わらずだったモットのもとへ、一人の女がやってきた。
 家の使用人であり、モットの妾の一人である。
 妾とはいっても、なかなか才気のある女だった。
 秘書の真似事のようなことをしたり、あちこちのルートから諸所の情報を集めてくる仕事をしている。
 女としてよりも、むしろそちらのほうで重宝されているのだ。
 男女の関係もあるにはあるが、どちらかというと、上司と部下のそれに近い。
「旦那様、例のメイドについて調べてまいりました」
「おお、そうか!」
 女の報告に、モットはガバリと顔を上げた。
 それによると――
 やはり、あの少女がヴァリエール家の三女・ルイズの使い魔であることは間違いないらしい。
 右手に、使い魔のルーンもしっかり刻まれているという。
761ゼロの使い魔はメイド-09@代理:2009/06/03(水) 23:14:34 ID:9HFGa5aQ
「年は十三歳。正式な名前は、シャーリー・メディスンというそうですわ」
「アルビオン風の家名だな……いや、待て? あの娘は平民ではなかったのか?」
「正真正銘の平民です。ただ、あの娘の出身地では、平民にも家名があるのが、当たり前らしいですわねえ」
「そんな国は聞いたことがないが……?」
「イギリス、とかいう国だそうです。詳しいことはわかりませんが、恐ろしく遠い国みたいですね」
 詳細は、これに――と、女は報告書をモットに渡した。
「ごくろう。下がってもいいぞ」
「はい。では……」
 女が出て行った後、狂ったよう報告書を読んでいたモットだったが、
「シャーリー。おおお、シャーリーか……。私は歓びで戦慄を覚える。俺は何を求めてあの学院に行った? 公務?否、肉欲を求めてだ」
 顔を突っ伏し、ぶるぶると頭を振った。
 それからおもむろに立ち上がり、まるで舞台に立つ役者のような身振り手振りで独り言をつぶやき続ける。
「――しかし、俺はあの場所で心を洗われ、求めているものが変わった」
 両手を広げ、モットは天井を仰いだ。
 その視線はそこに映る少女の、シャーリーの幻を見ている。
「惨めな男、ジュール・ド・モットよ、今お前がなすべきことは、彼女の前にひざまずいて真の愛を訴えることだけだ!!」
 感極まるという様子だった。
 が、しかし。
 出て行ったはずの妾兼秘書が、ドアの向こうで呆れ顔で立ち聞きしているのを、モットは全く気づいていなかった。
「まったく……あんな田舎娘のどこがそんなにいいのやら」
 つぶやいた後、女は笑った。
 自嘲の笑いだった。
 まさか、こんな気分を味わうことになるなんて。
 やるせないような、敗北感だった。
 自分がモットの妾になったのは、十五の時だった。
 別にモットは白馬の王子でも何でもなかったが、自分がつくづくラッキーだと思ったものだ。
 当時の自分はまだ子供で生娘だったけど、それでも特に思うこともなかった。
 だからこそ、モットは自分を妾にしたのだろうし。
 舞台か何かなら、モットは上品で若く美しい貴公子、さもなくば権力で無理やり平民の娘を我が物にする悪党だろうか。
 まあ、後のほうは当たらずとも遠からずだが。
 それでも、吹けば飛ぶような平民の、その中でも貧乏人の小娘にはまたとないチャンスでもあった。
 自分の先が知れていることなど、当にわかっていたし、この世に『イヴァールディの勇者』なんてものがいないことも理解していた。
 むしろ、である。
 自分の経験からすれば、おとぎ話の勇者なんてものは、実際にいれば恐ろしく迷惑な存在なのではないかと思う。
 何の見返りもなく、正義のためとか、愛のためとか、そんなお題目をかがえる奴ほど胡散臭いものはない。
 あるいは、世の中のことなど、何もわかっていないただの馬鹿か。
 そんなものに比べれば、モットのような小悪党のほうがよっぽど信用できるのだ。
 どうせそのへんの貧乏人の女房におさまるか、安い娼婦として夜の花となるか。
 ろくに字も読めない貧乏人では、そのあたりが関の山。
 なら貴族の妾になるほうが、よほど良い暮らしができる。
 そういう打算の元での選択だった。
 実際それは正しかった。
 自分が妾になることで、家の暮らしは良くなった。
 その日食いかねているような貧乏暮らしが、大金持ちとは言えないが、それなりのものになったのだ。
 貴族に仕えるにために字やマナー、その他の教養も学んだ。
 もっとも、もう何年も実家に帰っていない。
 時々家族と街で会うくらいだった。
 昔の知り合いには、あまり会いたくない。
 蔑んだ目をするような男。
 哀れみの中に、嫉妬をこめた女。
 どいつもこいつも気に入らない。
(ふん。貴族の妾になったが、そんなに汚らしいのかい)
 女は舌打ちをして首を振った。
762ゼロの使い魔はメイド-09@代理:2009/06/03(水) 23:14:45 ID:9HFGa5aQ
(まったく、こっちが色々苦労してるってのにさ……)
 あの、使い魔の娘は、
(何にもしないで、ただいるだけで、生のままで貴族の男を骨抜きにしちまった。女好きの小悪党をさ……)
 そう考えてから、女はまた自嘲した。
(だからこそかねえ。化粧と媚びに長けた女よりも、あんな小娘のほうが――)
 と、いきなりモットから呼びつけられ、女は思わず声を上げそうになって口をふさいだ。
 声をかけられたわけではない。
 ポケットに入れた小さな鈴が鳴ったのである。
 鳴るというより、軽い振動を発したというほうがいい。
 これはモットから渡されたマジックアイテムで、対になっている呼び鈴を鳴らすと、この鈴が振動するようになっているのだ。
 女は呼吸を整えてから、いくらか間を置いて部屋に入った。
「お呼びですか?」
「む、うむ」
 モットは何か興奮した様子だったのが……。
 女の顔を見ると、何か奥歯にものの引っかかったような態度になり、まるで思春期の童貞小僧みたいになった。
(なんとまあ、惚れたはれたでここまで変わるもん?)
 内心で冷笑しながらも、女は忠実な秘書の仮面をかぶったまま、
「失礼ながら、あの娘のことでございますか?」
「そ、そうだ」
 モットはうなずいた。
「ハッキリと申しますが、あの子は難しいですわ。自然に話しかけるきっかけを作るのも、少々骨かと」
 『まともな手段では……』と、女は付け加える。
「わかっている。別にお前に恋愛指南を頼んどるわけじゃない」
 モットは不機嫌な声で言った。
「まあまあ、そう怒らないでくださいな。報告書にも書きましたが……」
 と、秘書はモットをなだめて、
「彼女はヴァリエール家の令嬢の使い魔、だそうですが……。近々学院では恒例の使い魔の品評会があるそうですね」
「ああ、私も一応出席することになってる」
「人間とはいえ、使い魔である以上彼女もそれに出るようですね。で、ここから肝心なのですが……」
 そっと耳打ちをするように、
「メイドたちの噂ですが、先日ミス・ヴァリエールは使い魔、つまりシャーリー・メディスンに着せる服がないと困っていたとか」
「服だと?」
「ええ、普段着、ではなくって、品評会の時に着せる服が」
 なるほど、とモットは膝を打った。
「確かにそういう場ではメイドの格好なんぞでは具合が悪いしな。よし、そこで彼女に服を贈れば……うん、よし!」
 と、モットは一人で何度もうなずいている。
「いくら金がかかってもいい! 上品で、豪華なものを贈ろう!」
「ですが、いきなりそんなプレゼントなんてしても、かえって怪しまれるかもしれませんわ。主人のほうならともかく、平民の娘に……」
「なんだと?」
「ですからね、ご主人であるミス・ヴァリエールに怪しいやつと疑われるかもしれない、そういうことですわ」
「別にあんな小娘に用はないぞ。あくまでもあのシャーリーに……」
「ですから、それが余計に怪しいんですよ」
 あのシャーリーって子も、小娘だけどね……と、女は内心笑いながら、
「ミス・ヴァリエールというか、ヴァリエールとお近づきになるためと装って、あの子に服を贈るんですよ。いかが?」
「ふうん? そんなものかな……。まどろっこしいだけの気もするが……」
「普通のメイドならどうとでもなりましょうが、ヴァリエール家の使い魔でしょう? でしたら、まずそちらから攻略しないと」
「うむ……」
 秘書兼妾の意見に、モットは考えこんだ。


 そして、いくらか日にちは過ぎて。
 ルイズは、困惑していた。
 モットという貴族から、シャーリーにと贈られた服を見てひたすら困惑する羽目になった。
763ゼロの使い魔はメイド-09@代理:2009/06/03(水) 23:14:56 ID:9HFGa5aQ
 素材はかなり高級なものらしいが、全体の造りはシックかつ上品で、大変に出来が良い。
 下手にけばけばしく飾り立てたドレスよりもはるかに上等なものだろう。
 念のために調べてみたが、別に変なマジックアイテムでもないらしい。
 本当に普通の服のようだ(おそらく値段は普通ではないのだろうが――)
(何でこんなものもらうことになったのかしら?)
 ルイズにはそこがよくわからない。
 賄賂か何かのつもりだろうか?
 だが、自分にそんなものを贈る理由は……。
(ヴァリエール家とお近づきになりたい?)
 確かにヴァリエールは王家の流れを汲む名門の家柄だが……。
 何か腑に落ちないものを感じはするものの、服を見ながら驚きと感動で頬を高潮させるシャーリーを見ていると、
(ま、いいか――。服のことは助かったし)
 つい気楽に考えてしまうのだった。


以上で投下完了になります。
764名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 23:32:04 ID:7wGPzFyU
シャーリーの人乙です。
お待ちしておりました
m(__)m
モット伯が…まともだと…
765名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 23:36:26 ID:9lU2os0R
シャーリーの方、乙でした。
モット伯のベクトルが別方向に……好色の危険度が下がった分、よりおかしくなったような?
766名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 23:39:24 ID:+P2YiXxD
このモットには良い意味で期待できそう
767名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 23:48:37 ID:qQXjSu7f
シャーリーがいた当時のイングランドじゃメンツを貧民からかき集めた幼女娼館があって
紳士達の間では幼女との数人プレイが流行してたんだぜ
「エマ」でもエマの少女時代のエピソードで軽く触れられてる
768名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 23:59:44 ID:hg8enKeW
産業革命が起きた頃には工場長には初夜権があったらしいな
769名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 00:12:01 ID:tBsr5vMS
乙です
モット伯が好色以外は案外まともっていう見方もあり?
770名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 00:13:42 ID:LoBe8HXW
原作およびアニメで詳しく描写されてないってことは、ある程度好きにいじっちゃって良いってことでもあるんだぜ。

……もっとも、後で原作とかで別の事実が判明することもあるんだけどね。
771名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 00:25:27 ID:1wkDIN3p
>>770
タバサの『おばけ怖い』なんか、その典型だなw
タバ冒3のカミングアウトで、どんだけのSS書きが絶望したことやらw
772名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 00:28:53 ID:6JAz//d7
モットって使い方次第で美味しいキャラに化けるんだなw
773名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 00:30:40 ID:xXaG7K3R
無数の平行世界のひとつなんだから、ちょっとは設定が違ってもいいじゃないか。
774名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 00:38:32 ID:Yv0ZH7Dm
そもそもクロスの時点で原作から乖離してる訳だし。
面白くて愛があるなら、設定なんていくらでも魔改造OKだ。
775名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 00:53:35 ID:9y2PIgAX
愛ってなんだ
776名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 00:55:47 ID:3GL2XVp1
モットの鼓動は愛
777名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 00:56:37 ID:3Bp9Zlx+
>>756
ああ、初代スタスクの事ね

やっぱり従わないだろ、劇中で人間を虫けら呼ばわりしてるんだぜ?
778名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 01:24:30 ID:rlPyj5Y+
>>775
躊躇わないことだ!
779名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 01:34:13 ID:jY5bNDWh
まともなモット伯、MtL以来久しぶりだなw
780名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 01:47:58 ID:VRxEC7tf
>>768
さすが何か生産的で偉そうな工場長というべきか
781名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 01:53:57 ID:N5OBjgY1
初夜権かー。
中世とか古代のそれは、基本的に税金みたいなもんで金出せば免除とかそういう程度のもんだったらしいが。
782名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 01:54:51 ID:gLjRVzzK
北斗の拳から南斗水鳥拳のレイを召喚

解ってる…原作でマミヤの服をスパッてやったのを、ゼロ魔の女性で再現して欲しいだけだよw
783名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 02:02:38 ID:Mv1TVcaC
>>782
試作の段階でおマチさんにそれは考えたな。
しかし、基本的に北斗でケン側の面子だと受動的になりすぎて、色々つまんないから
貴族は敵に背中を見せない=逃げない=退かない=退かぬ!媚びぬ!省みぬ!でイケると踏んだ結果が聖帝様だよ!!!
784名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 02:07:01 ID:X+A68aNy
兄貴ィィッ! あんた何やってんすかwwww
785名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 02:09:09 ID:gLjRVzzK
思わず「ぬぁぜだぁぁーっ!(ジャギ様)」と言いたくなりますなw
786名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 02:14:36 ID:0VynnZqG
なぁ、ちょいと確認なんだけど
ここってたしかweb漫画は避けた方がいいんだよな?
787名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 02:19:42 ID:0VynnZqG
訂正
× 避けた方がいい
○ 禁止
788名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 02:34:18 ID:QlarU0wp
web漫画NGって「ヒャッコ」とかもNGってこと?
789名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 02:37:27 ID:h/ezRLtt
うちの三姉妹もか
790名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 02:54:55 ID:N5OBjgY1
web漫画が商業出版ので、単行本として出ることが確定している、あるいはすでに単行本として出ているというのは、どういう扱いに何のかねえ。
マップスのネクストシードとか。

ああ、だけど蒸し暑いからぬぐーとかは、どう考えても無理だろうなあ。
791名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 02:55:09 ID:zSvOwdP1
>>771
あれはなんとか『"正真正銘本物の"オバケ』という抜け道でカバーできるかも
792名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 06:26:56 ID:d1p3LTqg
>>>770-771とか。
後付設定での絶望&混乱とか良くある話ですね。
タバサの件とか、リリなのとか天しっぽとかetcetc・・・・・;;
793名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 06:46:40 ID:XMBzp4PH
>>786
ZOIDSの妄想戦記とかオフィシャルなものはいいんじゃね?
794名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 06:46:53 ID:6Lqv+YGG
ルイズの爆発で「ばーいばい、きーん」
ワルドに負けるときに「はーひ、ふーへ、ほー」
リベンジ戦で「俺様怒っちゃったもんねー」
タルブで「こ…これはカバ夫…」

ヤバいくらい緊張感がないだろw
795名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 06:49:27 ID:8MAytiV3
ばいきん黒騎士がいるじゃないか
796名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 06:57:55 ID:0J45L1iT
なんとなく駄目なんだろうなーとは思いつつ、なんで駄目かってのはよく分かんないや。webマンガ。
797名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 06:58:37 ID:pgk+yO74
>>792
寧ろ最初から全部設定を決めてあって揺らがない奴なんて、海外ドラマまで探さないと見つからないんじゃ
798名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 07:05:23 ID:Rin6mQS5
二次創作はよくて三次創作は叩かれる理由もよくわかりません
799名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 07:14:05 ID:F4/RblQF
疑わしきは全部罰すの精神
800名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 07:23:58 ID:PPlrPeAg
荒れるから、かねぇなんとなく。
型月がダメなのと同じか
801名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 07:40:28 ID:GZ137BRq
>>798
例えば、あんたが2次SSを書いて、それを俺が勝手にパクって続きを書いたらムカつかねぇ?
802名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 07:54:00 ID:tGXfgFu+
             //三三ニ′ |: |:ヽ : :.\:::    :.:  :::::::  リ:.|:.:.|メ、:Y          /:/
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803名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 07:54:01 ID:2hE70L0b
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804名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 07:54:02 ID:UX0aTjhZ
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805名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 07:54:03 ID:3HK0NUZX
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806名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 07:54:54 ID:2hE70L0b
             //三三ニ′ |: |:ヽ : :.\:::    :.:  :::::::  リ:.|:.:.|メ、:Y          /:/
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807名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 07:54:54 ID:3HK0NUZX
             //三三ニ′ |: |:ヽ : :.\:::    :.:  :::::::  リ:.|:.:.|メ、:Y          /:/
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808名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 07:54:54 ID:UX0aTjhZ
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809名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 07:54:55 ID:tGXfgFu+
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810名無しさん@お腹いっぱい。
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