あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part231

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@お腹いっぱい。
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。

(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part230
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1242399940/

まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/

     _             ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃 ` ヽ  .   ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
    l lf小从} l /    ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'     ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   ヽ_/ィヘ_)〜′    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
             ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!

     _
     〃  ^ヽ      ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
    J{  ハ从{_,    ・クロス元が18禁作品でも、SSの内容が非18禁なら本スレでいいわよ、でも
    ノルノー゚ノjし     内容が18禁ならエロパロ板ゼロ魔スレで投下してね?
   /く{ {丈} }つ    ・クロス元がTYPE-MOON作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   l く/_jlム! |     ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
   レ-ヘじフ〜l      ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。

.   ,ィ =个=、      ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
   〈_/´ ̄ `ヽ      ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
    { {_jイ」/j」j〉     ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
    ヽl| ゚ヮ゚ノj|      ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
   ⊂j{不}lつ      ・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
   く7 {_}ハ>      ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
    ‘ーrtァー’     ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
               姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
              ・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
              SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
              レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。
2名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 00:18:35 ID:AJsiSWrV
一乙
3名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 00:18:35 ID:WSCjF6vJ
4名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 00:19:25 ID:CgMIASqs
5名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 00:35:07 ID:B2Vvocxa
乙Zz
6名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 01:01:55 ID:TmIsMNhB
>>1


前スレは久しぶりに一週間経たずに700代で終了したな、日曜の投下ラッシュと昨日のおかげか、
このままスレの勢いが復活していくことを祈る。
7名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 02:57:04 ID:KvFTBCPZ
前スレ>>755
マジカルバケーションのラスボス、ケルレンドゥを思い出した
第一形態はクラスメイトを盾にして
第二形態はやたら硬い雑魚を盾にして……

しかも第一、第二形態とも色々引き連れやがる
マジカルバケーションでは珍しい事じゃないがラスボス倒しても油断すると雑魚に全滅とかもうね……
マジカルバケーションから召喚されると精霊を使っているから先住魔法扱いになるんだろうな
8名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 03:03:34 ID:XuXXUmtG
1乙
9名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 06:47:42 ID:FgthsnDM
1乙です

遅ればせながら社長の人GJ
神じゃなくても、「逆ギレパンダ」なら人数差を覆せるかもしれないとか思ってしまった。
10名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 07:04:14 ID:PyiRmooi
しんぼっぼ
11名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 07:40:45 ID:U29XbDCN
花嫁超GJでございました。
保管庫で19話読んでる最中に20話も来てびっくりした。
相変わらず基本皆見下してる感じのワルドさんは今回もいいとこ取りだな。
だがそれがいい。キュルケ大殊勲。タバサシルフィード生きてて良かった。
ラストの燦→ルイズ→ウェールズの流れは燃えた。
もうちょいクローズアップしても良かった気もするけど、
激戦の中の個人の描写としてはあれくらいがベストなのかな。

次回くらいまではアルビオンにいるのかな。
テファは絡むのかな。放置なのかな。せっかくのおぱいに喜ぶキャラもいないから謎だ。
トリステイン軍の活躍の影に隠れちゃいそうだけど、四人組も少しくらいは褒められますように。
特にルイズは相変わらず説教の予約がギッシリっぽいし。燦も人を殺したか。ま、しゃーないか。
12名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 07:58:24 ID:34CIiz5j
皇帝の人乙です。
しかしこのルイズ、死亡フラグ乱立してるなw
13名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 08:13:33 ID:nnmpLwIy
>>7 刃の属性選ぶと盾にされたクラスメートが攻撃できなくて詰むよなw

しかしマジバケから召還はいいかもしれないな
全13種の魔法を精霊の力を借りて倍加させながら戦うというのも結構珍しいし
14名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 08:54:38 ID:Kzfbwkuu
FF名物の変な断末魔シリーズはこいつからだよな。
15名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 12:48:26 ID:/P2K8msF
ディシディアで皇帝陛下のファンになりました。
尊大な態度にあの断末魔。素敵すぎる。
16名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 13:57:42 ID:p5atNFzH
ウルトラ5番目、トップというのかインデックスというのか知らんけどまとめから消えてる?
17名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 14:02:58 ID:JJTAlZxp
確かに消えてるな
目次ページも消されてるしメニューからも削除されてる
作者だったらなんかしらの報告するべきだと思うが
18名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 16:28:27 ID:S9bOc/FY
星新一のショートショート「親善キッス」に出てきた宇宙人を召喚したら……
19名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 16:37:20 ID:j/hE2KTW
>>17
新着情報の方からは辿れてるな。
荒らしじゃないのか?
書き手の方が本気で撤退したいんなら、こんな中途半端なことしないだろう。
20名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 17:29:31 ID:b3aQLYpi
荒らしだとしたらかなり悪質だな。
21名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 17:40:12 ID:DnkrXCXM
c

って書いてあるしCtrl+Cやろうとしてミスっただけってのも有り得ないことはない
・・・かもしれない
22名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 18:04:34 ID:WSCjF6vJ
ミスって逃走か
当て逃げと同じで罪ですな
23名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 18:10:45 ID:L1O6wkDl
管理人氏からしたら、誰がやったかは「まるっとお見通しだ!」なんだよね?
24名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 18:11:07 ID:fKJIeq20
いい加減wiki形式よりいいまとめ方法はないのかよ
25名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 18:30:16 ID:zrsxft68
>>24
wikiのいいとこは誰でも編集できるとこ。
26名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 19:22:26 ID:VDDnpQM6
>>24
ミスったのはwikiのシステムのせいだ的な意味で?
27名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 19:54:12 ID:ycsmu5VD
そういえば別のクロス系スレでそのスレの人気作の書き手を名乗って、なんやかんやと言ってたやつがいたな。
そして撤退宣言して作品削ってた。
後で騙りだと判明したが…以来、そのスレでは書き手にトリップ推奨となったそーだ。
性質悪いのは、何処にでもわくわ。
28名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 20:04:40 ID:odTgA+eb
とりあえず、バックアップから復旧しました
29ウルトラ5番目の使い魔:2009/05/21(木) 21:19:45 ID:dKHBLW+Y
作者です、荒らしが行われているというのに連絡が遅れてすいませんでした。
どうも、私の作品が騒動を起こすとは予想外で、復旧してくださった方、どうもありがとうございました。

なお、作品を撤退させる気は現在まったくありませんので、今後私の作品が削除などされたら全て荒らしと思っていただいてけっこうです。
執筆は進めていますので、なにごともなければまた日曜に投下できると思います。
30名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 21:23:55 ID:1fJOx7Gh
>>29
了解っす。超ウルトラ8兄弟見ながら待ってますぜ!
しかしいいわこれ…ダイゴがティガに変身したとこで大歓喜したのは自分だけじゃないはずw
31名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 21:27:21 ID:G+iPowLN
>>29
良かった。毎週の楽しみが無くなるかと思って心配しました
32名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 21:41:27 ID:fRX77qNj
次週もピンクなウルトラファイトを期待していますw
33名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 21:41:59 ID:b3aQLYpi
>>29
わざわざ報告ご苦労様です。
荒らしに負けず、これからも自分の書きたいように書いていってください。
34名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 21:49:06 ID:0SIf47rO
>>32
「ウルトラファイト」って書かれると嫌な思い出がフラッシュバックするからやめろww
35名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 22:07:51 ID:nwC5LgxD
>>34
神としか思えない素晴らしい実況とともに怪獣とウルトラマンが乱闘する素晴らしい思い出の間違いだろ?
36名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 22:37:41 ID:V7yo8wDS
>>22
ミスぐらい誰でもあるだろ
いちゃもんつけられそうだから、俺はwikiの編集には手を出さない
37名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 22:43:35 ID:rWh0Ojd6
ミスするのが問題じゃない
黙って逃走するのがモンダミン
38名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 22:46:10 ID:db9JTGep
「真田大戦記」から真田幸村を召喚
「織田大戦記」から織田信衝を召喚
「信長魔王伝」から織田信長を召喚
39名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 22:53:26 ID:MUIb1pOq
うるせー戦国時代から長島巨人軍召喚させるぞ
40名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 22:55:59 ID:CpHI/iqh
>>36
ミスしたらいちゃもんつけられる前に直せばいいのでは?
41名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 23:13:15 ID:Ehx1W3yO
>>36
問題がどこにあるか全然理解出来てないな
42名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 23:27:36 ID:L1O6wkDl
言ってることは無茶苦茶だし、変な印象操作までしようとしてるから、何か言いたくなるのは分からなくもないけど、
釣りや雰囲気を悪くするのが狙いの荒らしかもしれないし、>>37が綺麗に返してくれてるんだから、スルーしようぜ。
43名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 23:28:24 ID:TdaG0EbY
予約等なければ30分から代理投下を開始します
44名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 23:30:17 ID:oKNaZ0mj
>31
同感、自分もこの作品は好きで毎週楽しみにしています。
ウルトラの人、これからも応援しています。
45ゼロの花嫁最終話1/12:2009/05/21(木) 23:31:01 ID:TdaG0EbY
ゼロの花嫁最終話「英雄」



全ての戦いが終わる頃には、暮れ落ちた日が再び昇ってきていた。
ルイズ達アルビオン決死隊は早々にトリステイン艦隊に保護されたが、
艦内でウェールズを除く全員が意識を失って倒れてしまった。
内の何人かはそのまま帰らぬ人となるが、ルイズ達四人プラス一匹は暢気にすいよすいよと寝息を漏らしていたそうな。
戦いはアルビオン軍の大勝利であった。
最早陸軍は全て失われたと思われたアルビオン軍であったが、反乱軍より寝返って来た軍の勢いは凄まじく、
戦意と統率に欠く反乱軍を次々撃破していった。
空軍はより早い段階で決着がつき、ワルド率いるトリステイン空軍と、
やはり寝返ってきた反乱軍の戦艦とが地上に猛攻撃を仕掛け、
抗するすべの無い反乱軍は散り散りになり戦場を去って行った。
ウェールズはワルドと共にあり、寝返りを表明してきた各軍に適切な指示を送り続け、
トリステインとアルビオン軍は常時密な連携を欠かさなかった。
最後の敵が退却するのを見たウェールズは、そこで初めて意識を失いかけるが、
ワルドの勧めにも関わらず後処理までもを引き受け続ける。
寝返って来た軍も、ワルド達トリステイン空軍も、全てがハヴィランド宮殿に入城し、戦の後始末にかかる。
その段になってようやくルイズ達は目を覚ました。
城の中で休息をという言葉を断り、負傷者の運搬や瓦礫の撤去を手伝うルイズ達一行。
ふと、ルイズはそこでありえぬものを見てしまった。

人影の無い納屋の裏で、しくしくと涙を溢すのは、誰あろう鬼姉エレオノールであった。
「わ、私は……何の役にも立て無かった……貴方はあんなにも勇敢であったというのに……」
エレオノールの前で微笑を浮かべているのは、ルイズも記憶にあるギーシュの兄、ミスタ・グラモンである。
「いいえ、いいえ、貴女をお守りする事こそ私の使命でした。
 それを見事果たせたのです。どうか、涙ではなく賛辞でお迎え下さい」
「貴方は立派だったわ。グラモン家の名に恥じぬ素晴らしき働きを見せてくれました……
 ですが、私にはもう……ヴァリエールの名を名乗る資格なぞ……」
「お止め下さい。私を戦場に駆り立てたのは他ならぬ貴女です。
 ならば私の働きは全て貴女のもの。全ての武勲は貴女の為にこそあるのです。
 もし貴女さえお許し下さるのであれば……」
そこでミスタ・グラモンはエレオノールの、涙の滴る顎を片手で引き上げ、瞳をまっすぐに見つめる。
「これ以後も、いや我が生涯の全てを賭け、貴女をこの手で守らせて下さい」

こーれーはーなーにーごーとーよー、とばかりに大口を開けるルイズの肩をちょんちょんと叩く者が居る。
「ルイズ、邪魔しちゃ悪いよ」
泥まみれで普段の小奇麗さなど何処にも見られなくなっているが、それは、学友のギーシュであった。
「ギー……」
ルイズが思わず声を張り上げそうになるのを、ギーシュは手で覆って止める。
状況を理解したルイズはギーシュと共にこの場を離れた。
「いやぁ……びっくりだわ。まさかお姉さまとアンタん所のが……
 ねえ。というかそもそも何でギーシュがここに居るのよ」
随分疲れた様子であるが、それでもギーシュは快活に笑う。
「兄上の件は僕も知らなかったから驚いたよ。それで僕がここに居る理由は聞かなきゃわかんないかい?
 君に負けない為に決まってるじゃないか。こっちこそ君がここに居るなんて、
 しかもあの奇跡の突撃隊の中に居たなんて僕の方が驚いたよ」
「奇跡?」
「そりゃそうだろ! たった三百で五万の敵に斬り込んで、
46ゼロの花嫁最終話2/12:2009/05/21(木) 23:32:55 ID:TdaG0EbY
 あまつさえ大将クロムウェルを討ち果たしたなんて奇跡以外の何だっていうんだ!」
ルイズは燦と二人だけでやるつもりだったのだが、やってみた感想として、
絶対無理だったとわかったので黙ってる事にした。
「まあ奇跡でも何でもいいけどね。アンタも少しは役に立ったの?」
ギーシュは苦虫を噛み潰したような顔になる。
「……あれだけの武勲を立てた君の前で、役に立ったなんて口が裂けても言えるもんかい」
そう謙遜するギーシュだったが、ルイズはギーシュの表情に何かふっきれたような清々しさを感じ、勢い良く肩を叩く。
「その辺は後でゆっくり聞かせてもらうわ。しかしアンタも馬鹿よね、わざわざこんな危なっかしい所に来るなんて……」
少し距離が出来た、そう感じていたギーシュが再び近くまで戻ってきたようで、ルイズは凄く嬉しかったのだ。

がらがら声しか出なくなってしまっている燦に、タバサが声をかける。
ちょうど負傷者運びが一段落した所だったので、燦も一息ついた。
「サン、泉の妖精との約束覚えてる?」
「ん? あああれじゃろ、アリーデベルチの指輪探し」
「アンドバリの指輪。多分、これだと思う」
そう言ってタバサが懐から取り出したのは、禍々しく輝く指輪であった。
「ほへー、タバサちゃんいつの間に見つけたん?」
「クロムウェルって名前、後で考えたらあの男しか居ないと思った。実際、明らかに高い魔法の力を感じる指輪つけてたし」
「そっか〜、私全然思い出せんかったわぁ。ありがとタバサちゃん」
タバサはあの場でクロムウェルの事を思い出し、魔法感知の魔法を使っていたのだ。
それで指輪を見つけたのだが、実はタバサが手に入れていた物はそれだけではなかった。
すぐ側に倒れていた遺体からとんでもない量の魔法の力を感じ取ったタバサが、
これは何事かと懐を漁ってみると出るわ出るわ。
夥しい数の魔法の道具がそこにあり、これ幸いと全部かっぱらってきたのである。
倒れていた遺体はシェフィールドという名であり、
魔法のアイテムを鑑定する能力を持つガリア国ジョセフ王の側近であったのだが、当然そんな事わかるはずもなく。
タバサは後で学園にでも持っていって調べるつもりであるようだ。
本来アルビオン軍にこそその所有権があるのだろうが、
下手にそんな話を出してアンドバリの指輪まで持っていかれては面倒なので、
タバサはぜーんぶネコババするつもりであった。
全くもってヒドイ話である。何時ぞや学園の宝物庫から槍を盗んで以来、
タバサはその辺の感覚がずれてきているのかもしれない。



反乱軍は最早組織立った抵抗は望めないだろう。
そういった結論が出るのに、さしたる時間は必要無かった。
ウェールズは、集まった諸侯、といっても大半は魔法により裏切りを強要されていた貴族であるが、達とそんな相談をしていた。
ウェールズと共に突撃に参加した貴族は、まだほとんどがベッドから動けぬ状態であったのだ。
結局、突撃に参加したもので最後まで生き残ったのはたったの五十人であった。
彼らは『奇跡の五十勇士』と呼ばれ、アルビオンで長く語り継がれる生きた伝説となる。
無論残党はそこかしこに居よう。寝返り貴族達は汚名を少しでも晴らすため、我こそはとその討伐に名乗りを上げる。
だがウェールズは、それよりも国内に内乱の集結を宣言する事こそ先決だと語る。
それに新たなアルビオン国の体制も整えなければならない。
最後までウェールズに従った者達の居ない場で、それを決する事など出来るはずもないのだが。
現在心労からまともに政務を執る事も出来なくなった父に代わり、それら全てをウェールズが処理しなければならない。
寝ている暇など無いのである。
せめて奇跡の突撃に加わった勇者達が起きるまでの間だけでも残党の討伐を行わせてくれと懇願する貴族達に、
ウェールズは抗しきれず彼らの出撃を許す。
大層騒々しい彼等が去った後の会議室で、ウェールズは大きくため息をついた。
47名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 23:33:46 ID:G+iPowLN
支援
48ゼロの花嫁最終話3/12:2009/05/21(木) 23:34:57 ID:TdaG0EbY
「あー! こんな所に居たわね! 全く、このクソ忙しい中会議だなんだと意味の無い事を!
 さっさとこの書類に判寄越しなさい!」
無礼極まりない口調でそう怒鳴りつけるのは、元、というか現役盗賊マチルダである。
乱暴に目の前のテーブルに放り出した書類には、トリステインに借りる事になった治療薬やら運搬の費用やらの纏めと、
今後必要になるであろう各種資材の借受証書であった。
「これは?」
問い返すウェールズに、激昂するマチルダ。
「はあ!? 見てわかんないの! これ出さなきゃトリステインに物借りらんないでしょ!
 それとも一から十まで連中に指揮させるつもり!? 後になって法外な額ふっかけられて困るのはアンタ達でしょうが!」
「い、いや確かにそうだが……しかし、そもそもこの額とて返すアテなど無いぞ」
今度は激昂どころではない、視線だけで射殺されそうな勢いで睨みつけられる。
「そんなのアルビオンの商人に借りればいいじゃない! 他所の国に借金するよりよっぽどマシでしょうが!」
大事な経済に関する事である。ウェールズも当然ある程度は知識があるが、専門で任せていたものはとうに戦死している。
後ずさりながらウェールズは答える。
「しかし、利に聡い彼等が果たして今のアルビオンに金を出すかどうか……
 力づくでの徴収は後々考えれば避けるべきだと思うのだが」
マチルダは今度はがくんと首を落とす。思いっきり失望させたらしいというのがありありとわかる。
「……もう面倒だから、アンタの知ってる商人誰でもいいから城に呼び寄せなさい。
 それでそいつに資材調達は全部任せる。一日でも早くそうしないと、資材も薬も人も集まらないし、
 後になって馬鹿みたいに金取られるハメになるわよ。当座の分は私が何とかするから」
この緑髪の女性に後を任せたら、援軍があったとはいえ、城を最後まで守り抜いてみせたのだ。
とんでもない女傑だとは思っていたが、案の定、大層勢いのある女性であった。
主たる者以外には伏せてあった事だが、
城には運命を共にしようとしていた現国王にしてウェールズの父ジェームズ一世が残っていたのだ。
王の命は彼女の尽力によって守られたといっても過言ではない。
「君は随分と経済に長けているようだし、別の商人ではなく、
 もし良ければ君に金銭管理を託したいと思うのだが……
 無論結構な重要ポストであるし、後で最高責任者は別に立てようとも思うが、
 君の立てた武勲を考えればこの程度の人事は問題無く行えると思うのだが……」
マチルダは、何を言ってるんだこの馬鹿はといった顔で見返している。
「はあ? 疲れすぎて起きたまま寝言言うようになったの?
 どうせあんた私の名前だって知らないんでしょうが、そんなのに任せていいポストじゃないわよそれ」
「名前は今聞くさ。混乱する最中でここまで気が回る君なら、きっと見事にやっていけると思うんだが」
鼻を鳴らすマチルダ。
「冗談でしょ、何だって私がアルビオン王家の為になんて働かなきゃなんないのよ。
 ……まあ、資材と人の調達はすぐにでもやらないと怪我人の半分が棺桶行きだからやるけどさ。
 それ以外なんて知った事じゃないわね」
とんでもない事を平然と言うマチルダに、ウェールズは頷いてみせる。
「嫌だというのなら無理強いはしたくない。が、今は何せ人が居なさ過ぎる。
 アルビオン商人に金を借りる件も含めて君にお願いしたいのだが、やってはくれないだろうか。
 無論今回の武勲含めた充分な報酬は用意しよう」
「ふん、その金が無くて困ってるんでしょうが」
そう言って鼻で笑うが、少しウェールズから視線を逸らしながらマチルダは言った。
「ま、まあ、ここまで苦労して報酬ゼロだなんてやってらんないし、
 とりあえずアルビオン商人達から金借りるぐらいはやってあげるわよ」
ウェールズは嬉しそうに笑う。
「ありがとう、助かるよ」
「ふんっ! ああ、それと……」
「ん? 何だい?」
「アンタ今すぐベッドに入りなさい。顔が土気色してるわよ。
49ゼロの花嫁最終話4/12:2009/05/21(木) 23:38:11 ID:TdaG0EbY
 倒れても誰も面倒見てる暇無いんだから、自分でその辺は管理しなさい」
吐き捨てるように言い放ち、ずかずかと会議室を後にするマチルダ。
彼女の気風の心地よさに笑みを浮かべながら、ウェールズは自室に戻って睡眠を取る事にした。
気絶するようにベッドに倒れ込みながら、ウェールズは彼女の名前を聞き損ねた事を思い出し、
ああ、しまったと思いながら意識を失った。



今日もまた一日が終わり、キュルケは疲れ果ててベッドに倒れ込む。
ここ数日は猫の手も借りたい程の忙しさであった為、キュルケもひたすら手伝いに忙殺されていた。
疲れきって眠るのだから、夢を見る余裕も無いだろう。そんな淡い期待は簡単に打ち砕かれ、やはり今晩も夢を見る。
戦が終わって直後にぶっ倒れた時は、気が付いたらエライ時間が経っていて夢どころではなかったのだが、
それ以降は毎夜のごとく夢を見続けていた。
焼け爛れた肌を無残に晒す遺体の群。
その中で、キュルケは何をするでもなくただ立ちすくむ。
あまりに凄惨な世界に嫌気が差し、走ってこの場を逃れようとしても、何処までも遺体の群は続いていく。
全てを諦め、足を止めたキュルケが自身の手を、足を、体を見やると、
キュルケ自身もまた、無残に焼け爛れた肌を晒している事に気付く。
そこで目が覚める。
汗だくの全身を煩わしげに起し、窓の外を見るとまだ夜明けは遠い。
「他の連中も、こんな夢見てるのかしらね……」
ルイズから聞いた話では、燦も夜はヒドイらしい。
何度も悲鳴を上げて目を覚ましては、その度ルイズが宥めて寝かしつけるといった事を何度も繰り返しているそうだ。
ルイズも言葉を濁してはいたが、あまり良い夢は見れていないらしい。
隣に寝るタバサを覗き込むと、無表情な顔そのままに安らかな寝息を立てている。
どうもこの子だけは特別製らしい。羨ましいやら、腹が立つやら。
しかしタバサのこれまで送ってきた半生を考えるに、そのぐらいの楽はさせてやりたいとも思う。
百の兵を一撃で屠る究極の炎魔法『爆炎』、その名に僅かな誇張も無かった。
この戦でキュルケの魔法にかかって倒れた兵は、それこそ百では効かないであろう。
一生こんな悪夢に苛まれるかと思うとぞっとするが、それでも後悔は無い。
あの時飛びださなかったらどうなったか何て、それこそ想像するのも恐ろしい。
さっさと慣れてもらわないと身が保たないと思う反面、
これに慣れてはいけないのではないだろうかとも思えるキュルケは、
今日もまた、悪夢を見るとわかっているベッドに横たわる。
この夢は殺人への忌避故見ているのか、死への恐怖故見ているのか、キュルケにもわからなかった。



忙しい最中であったが、脱出していた女子供達がハヴィランド宮殿に戻ったと聞いて、
マチルダはすぐに彼女達の元へと向かった。
喜びと困惑が交錯しながら船を降りてくる女子供達。
その中で、脱出組を実質統率していた二人の女性はマチルダの前で神妙な顔をしていた。
謝罪なぞで許されるはずもない。マチルダ達を見捨てたのは他でもない彼女達の決断なのだ。
しかし、マチルダは彼女達より先に口を開く。
苦渋の決断を下したであろう二人に、頭を下げながら。
「……ごめん。本当はあの決断は、王子から任された私がしなきゃならなかったのに……
 ごめん、辛かったでしょ……本当に、ごめん」
心底からそう悔やんでいるマチルダに、二人の女性は謝罪の言葉を封じられる。
だから二人は、代わりに別の言葉でこの人に応えようと思った。
「復旧の指揮、お願い出来ますか。何でも言いつけて下さい。
 私達城の女共は、貴女に命じられたのならどのような事でもやってみせますから」
「ぐすっ、ひっく……わたし、何でもするからねっ……何でも言ってね」
言葉を交わしたのは数える程だ。
50名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 23:39:12 ID:B2Vvocxa
このときに立ち会えたことを感謝しつつ、支援しようではないか。
51ゼロの花嫁最終話5/12:2009/05/21(木) 23:40:47 ID:TdaG0EbY
それでもマチルダは、この二人と、そして城の女子供達と、万の言葉で語り合ったかのような絆を感じるのだった。



ルイズ達は一週間程ハヴィランド宮殿で復旧作業の手伝いをしていたのだが、
魔法学院よりの手紙が届いた為、急遽引き上げる事になった。
ワルド率いるトリステイン軍ですら、事後処理や王都の兵力不足を補う目的で滞在しているというのにである。
ちなみにミスタ・グラモンの単独先行は、ワルドの配慮で先遣隊であったという扱いを受け、
彼等の働きはトリステイン軍における正式な武勲として認められる事となった。
ミスタ・グラモンは部下への報酬含め全て自腹でこなすつもりであったので、最初は丁重に断ったのだが、
実はこの処遇、エレオノールがワルドに泣き付いて(というか脅して)得たものであったとわかると、
ミスタ・グラモンは苦笑しながらエレオノールとワルドの配慮を受け入れる事にした。
ルイズがウェールズに急用につき退出する旨を伝えると、ウェールズは快くこれを許可する。
そもそもルイズの行動を縛る権限なぞウェールズには無かったのだが、
ルイズ達が特攻部隊に居た事を後付けで整えるため、
便宜上ではあるがルイズ達はウェールズ配下という扱いになっていたのだ。
トリステイン本国からは、落ち着き次第城に出頭するよう言われており、これらに内緒での出立である。
ウェールズは何とか見送りの宴をと勧めたのだが、以上の理由により四人は丁重に断り、密かにハヴィランド宮殿を出た。
ちなみにマチルダの件は、見事城を守った功により見逃してやると相成った。
というか、マチルダもまた救国の英雄並の活躍をしてしまった為、殺すに殺せなくなったというのが本当の所であるが。
盗賊の件黙ってる代わりにロングビルとして存在した過去全て忘れろ。
そしてトリステインには来んなと硬く命じて解決となったわけである。

ワルドはアニエスよりの報告を受けルイズに手紙の事を確認すると、特攻の前に全て燃やしたという返事が返ってきた。
当然といえば当然であろうが、それを誰も見ていないので証明出来る者はルイズしかいない。
それでもワルドはルイズの言葉を信じる事にした。ここで嘘を言う理由も無かろうし。
アニエスは大層恐縮しきった顔であったが、ウェールズより王が城に居た事を聞いていたワルドは、
その労をねぎらい、良くやったと褒め称える。
実は現在のアニエスの立場も非常に微妙な形になっていた。
本来ワルド配下であるのだが、ルイズ達をウェールズ指揮下にした時、
同行していたアニエスも一緒にウェールズ配下であると処理してしまったのだ。
非常に良い関係を築けたウェールズとつまらない事で揉めるのも何なので、
ワルドはアニエスに今の所は現状のままウェールズ揮下として振舞うよう指示する。
ちなみにワルド子爵は、ここで現場の指揮を執るのと同時に、本国に偏在を飛ばして事後報告と様々な処理を行っている。
メンヌヴィルとの一件で、何だかんだと増えたワルドを見ていた人間も居たようで、
隠している意味が無くなってしまったのだ。
もちろん、アホみたいに遠いトリステインに偏在飛ばすのも一苦労なので、何体もあっちこっちと出してる余裕は無いが。
本国はエライ騒ぎらしい。
当然であろう。有力貴族のほとんどが蚊帳の外で出兵してしまっているのだから。
しかし大貴族の一つヴァリエール公爵家が早々に王家への指示を表明してくれた為、
何とかマザリーニ卿も持ちこたえているらしい。
これはエレオノールが約束を守ったというだけではなく、王家への借りを返したというだけでもなく、
そもそもヴァリエール家の娘が奇跡の突撃に参加しているのだ。
これで家は反対だなどと言っても説得力の無い事甚だしい。
本国では「流石はヴァリエールよ、素晴らしい娘をお持ちだ」という賛辞と
「抜け駆けしおってヴァリエールめが」という影でのやっかみが入り混じっている模様。
当主の苦労が偲ばれる。
まあ、あちらはあちらで面倒事もあるのだろうが、ロンディニウムはロンディニウムでまた面倒な事が山積している。
各地に散った反乱軍崩れによる暴力事件。集団をなしている事も多い為、厄介この上ない。
そしてようやく動き始めた新アルビオンの人事。
何せ元居た主力貴族が軒並み戦死、あるいは寝返ったまま終戦を迎えてしまった為、
役割に見合った人物を見つけ出すのに四苦八苦しているそうだ。
何でもウェールズ皇太子はその中に氏素性も知れぬ人間を登用しようとしているらしい。何を考えているのやら。
根を詰めすぎたせいか目がぼやけてきたワルドは、気分転換に窓を開いて外の景色を眺める。
52名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 23:41:17 ID:B2Vvocxa
真の支援を見せてやろう…
53ゼロの花嫁最終話6/12:2009/05/21(木) 23:43:24 ID:TdaG0EbY
思ったよりアルビオン王国には求心力があったらしく、各地から続々人間が集ってきている。
忘れた頃に山ほど利子をつけて返してもらおうと思っていた様々な物資に関しても、
正確な量を記載した借用書を突き出してきた。
これらを指揮しているのはマチルダという名の女性らしいが、ワルドは間が悪いのかまだ一度も会った事が無い。
実はアニエスからの助言で、ワルドもまたマチルダの事をアニエスがそうであったように誤解するであろうから、
出来るだけ顔は合わせない方が良いと言ってあったのだ。
そんな事情など露知らぬワルドは、アルビオンにもまだまだ人材は居るのだなと感心しているだけだった。
空の彼方に目をやると、戦の事などとうに忘れ去ったかのような青空が広がる。
ふと、ワルドは婚約者殿の事を思い出していた。
「アレはもう道具としては見れんな」
お互い忙しすぎたせいか、戦の後もほとんど顔を合わせる事は無かったが、
一声交わす程度の挨拶をした時に見たルイズの姿は忘れられない。
たかが学生などととんでもない。
目の前に立っているだけで戦慄が走る程の、途方も無い化け物だ。
アルビオンの兵士達が、城の者達が、ワルドの部下達が、応援に来たアルビオン市民達が、
全ての者がごく自然に敬語で接する。
対等に話をする者なぞ、ごく近しい友人か、ウェールズやワルドぐらいのものである。
年齢だの性別だの、そんな事がまるで気にならぬ程、彼女の存在感は凄まじかった。
まるで物語の中からそのまま飛び出してきたような、英雄譚の登場人物そのものを見るようである。
ワルドは自身の為した業績を過小評価はしていない。
あの戦いにおいて、ワルドが勝敗を引っくり返す程の働きをしたのは間違いない。
しかし彼女が為した無茶は、他の誰一人真似出来るようなものではなかった。
それを押し通してしまうのが、英雄と呼ばれる存在なのであろう。
「五万の大軍相手に、使い魔とたった二人で斬りこむ……か」
挙句それを見たアルビオン兵が奮い立ち、僅か三百の兵で五万騎を突破し、
大将クロムウェルの首を上げるなど、まるで始祖ブリミルの物語のようではないか。
僅かに身震いする。
恐れからではなく、興奮と歓喜が体中を貫いたのだ。
「そうか……今は、ここは、始祖の冒険に匹敵する物語の中なのだな……
 そんな激動の時代に、私は生を受けたというのか……」
一人の武人として、栄達を夢見る野心家として、こんなに喜ばしい事があろうか。
疲れなど一瞬で消し飛んでくれた。

いいだろう。ならば世界中に思い知らせてくれる。ルイズにも、ウェールズにも私は負けぬ!
ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルドの名を世界中の者に刻み込んでくれるわ!



ルイズ達が去った後も、その事に構っている余裕が無い程ハヴィランド宮殿はクソ忙しかった。
ウェールズが送迎の宴とか抜かした時は、本気で殴り倒してやろうとマチルダは思ったものである。
盗賊やってた手前、非正規の物流やら物価やらには詳しくなっていたが、
正規の、それも国家規模の取引なぞわかるわけがない。
トリステインで何かと世話になった商人を強引に呼び出し、
彼のアドバイスを受けつつアルビオン商人達を相手取っての商取引。
せめても盗賊やってた頃に扱ってた盗品の額がとんでもないものだったため、
金額的には怖気づくような事が無かったのは幸いだが。
商人達もまた、国側に立ってこういった取引をまとめてくれる人間を欲していた為、
マチルダは城と商人と双方に必要とされていたのも救いであろう。
この機に独占をと考え付いた者も居たが、城が必要とする物資は、
一人の商人が全てを賄える程度の量ではなかったのだ。
そもそも長くこの仕事を続ける気も無いマチルダが自身の後々なんぞ欠片も考えず、
より適切な取引を繰り返したのも商人達の信頼を得るのに役立った。
54ゼロの花嫁最終話7/12:2009/05/21(木) 23:46:03 ID:TdaG0EbY
三月もしない内に、城側、商人側双方から絶大な信頼を勝ち得たマチルダは、
現在、ハヴィランド宮殿の中を逃げ回っていた。
「しつっこいのよアンタ! 嫌だって言ってるでしょうが!」
その後を追いかけているのは、遂に王が天寿を全うし、つい先日即位したばかりの新王ウェールズ王であった。
「引き受けてくれるまで何度だって言うさ! 頼む! 君以外に出来る人なんて居ないんだ!」
王様だろうと遠慮呵責の無い物言いをするのは、どうやら武勲とその後の仕事ぶりで周囲に認められてしまったらしい。
国家新生の混乱の最中とはいえ、凄い話である。
「うっさいうっさいうっさーーーーーい! 大体アンタ無理強いはしないって言ったのどうしたのよ!」
「だから命令はしていないっ! 欲しい物があるんなら何だろうと揃えて見せるから引き受けてくれええええええええ!」
「いーーーーーやーーーーーじゃーーーーーーーー!」
絶叫を上げるマチルダの口を、横からひょいっと現れたアニエスが塞ぐ。
「……城中でみっともない真似をするな」
「ひゃにひぇふ!」
あまりにマチルダが忙しすぎるので見ていられなくなったアニエスは、
彼女の仕事を手伝いがてらまだハヴィランド宮殿に残っていた。
やたらツンケンしたマチルダとの折衝役として、彼女もまた不可欠な存在になっていた為、
ウェールズがワルドに泣き付いたのである。
「陛下もです。まったく、王になられたのですから少しはらしくなさって下さい」
まあアニエスもあまり口はよろしくないのだが。
しゅんとなってしまうウェールズに、嘆息しながらアニエスは告げる。
「私がマチルダと話し合っておきます。今日の所はお引取りを」
「わかった……どうか、よろしく頼むよ」

マチルダの私室に逃げ込むと、中で掃除をしていた女中が嬉しそうに出迎える。
「お帰りなさいマチルダ様! アニエス様!」
元気にそう言う彼女は、戦の時ハヴィランド宮殿から逃げ遅れたあの少女であった。
あれ以来二人にすっかり懐いてしまい、マチルダとアニエスの身の回りの世話役を自ら買って出たのである。
アニエスが席を外すよう言うと、では後でお菓子でも用意しますね、と部屋を出る。
残された二人は、椅子に腰掛け一息ついた。
「なあマチルダ、お前の言いたい事は良くわかる。確かにアルビオン王家に仕えるなぞ、お前は死んでも嫌だろう」
マチルダは両親を前アルビオン王の命令で殺され、年若い頃から貴族位を失い路頭に迷うハメになったのだ。
その恨みを、労苦を忘れろといわれても忘れられる訳がない。
「だがな、よく考えてみろ。お前を現在取り巻く状況を無理無く解決するに、最適な手段ではないのか」
むすっとしたままそっぽを向いているマチルダ。
「王はお前が必要とする多額の金を賄えるだけの給金を用意してくれよう。
 盗賊云々に関して私はあまりものを言えないが、少なくともそこまで大きなリスクを負う必要も無くなるのだぞ」
今度は口をへの字に曲げる。
「言っておくが、トリステインでの派手な盗賊行為は最早不可能だ。
 ワルド子爵を敵に回す事がどれ程恐ろしいか、お前には言わずともわかろう。
 捜査部は今までの警邏なぞ比べ物にならん程優秀だぞ」
ぼそぼそっと言い訳のように呟く。
「……だったら他の国行くもん」
「だとしてもだ。リスクが消えてなくなる訳ではあるまい。
 陛下の勧めてくれる役職はお前が命がけで得た地位と信頼だし、
 誰憚る事無く金を得られるのだぞ。それに……」
「何よ」
「お前だってわかっているだろう。混乱するアルビオン経済の安定に努める事は、
 引いてはこの国で暮らしていくあの子達の為にもなるんだぞ」
マチルダが妹と子供を山ほど抱えている事を知っているのは、アニエスのみである。
アニエスは既に子供達や妹であるティファニアに挨拶に行った事がある。
一言も無く俯くマチルダに、アニエスは人の悪そうな笑みを見せる。
55名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 23:46:36 ID:B2Vvocxa
しえん 【支援】

(名)スル
他人を支えたすけること。援助。後援。
「友人の事業を―する」
「―の手をさしのべる」

◆アクセント : しえん ―ゑん 0
56名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 23:47:13 ID:zdzq4oTL
しえん
57ゼロの花嫁最終話8/12:2009/05/21(木) 23:48:16 ID:TdaG0EbY
「もし、アルビオンが又お前に理不尽を働くようならば、その時は私を呼べばいい。
 今度こそ二人で欠片も残さず叩き潰してやるさ」
ぎょっとした顔でアニエスを見返すマチルダ。
「あのように冴えない小男にもあそこまで出来たのだ、私達に出来ぬはずが無かろう」
そう嘯くアニエスに、不機嫌だったはずのマチルダは噴出してしまう。
「あ、あはははっ! アニエス、あんたルイズに毒されたんじゃないの!」
「かもな」
そう言って二人は笑いあう。
こんこんと扉を叩く音がする。
話も終わったので、招き入れると両手一杯の大きな皿に載せた大量のお菓子を持ちながら先程の少女が戻って来た。
「マチルダ様とアニエス様にお菓子持って行くって言ったら、
 みんなが次々色んなものくれるんでこんなになっちゃいました!」
そう言って幸せそうに笑う少女。
恨みも怒りも忘れられないが、それでも、命賭けで守ったこの城の人達を、マチルダは嫌いになれそうに無かった。

マチルダがサウスゴータではない爵位を受け、財務卿の任を拝命したのはそれから二ヶ月程先の話である。
何だかんだとあの後二ヶ月も引っ張ったのである。マチルダもマチルダなら、
しぶとく頼み込むウェールズもウェールズである。
「勘違いしないでよね! 私は王族や貴族なんて大っ嫌いなんだから!
 私が引き受けるのは貴族なんかじゃない平民達や城のみんなの為なんだからそのつもりで居なさいよ!」
といった拝命時の捨て台詞に、前半分はさておき、いたくウェールズは感銘を受けたそうな。
その際、マチルダが条件として出した「アニエスをトリステインから正式に引っ張って来い」との話をクリアする為、
ウェールズは少なからぬ損失を出す事になり、ちょっとヘコんでいた。
アニエスにも色々とトリステインやワルドに対して思う所あった為、少し気が咎める部分があった。
もちろん手配してくれたウェールズやマチルダの手前そんな思いを表に出すような事は無かったが。
そしてマチルダも又、引き受けはしたが、やはり心にしこりのような物が残ったまま。
その頃の三者の会話は、妙にしゃちほこばっており、見てて大層笑えるものであったそうな。
ちなみにそんな愉快な見世物も、三日ともたずキレたマチルダが酒を持って二人を呼び出し、
本音全開で朝まで語り合った結果、昼まで続く二日酔いと共に消えてなくなったのだが。
その時、恐らく醜態を晒すであろうと予測したアニエスは、
ウェールズに言って周囲に音が漏れぬよう魔法をかけてもらっていた。
幸いであった。
「人の親殺しといて今度は困ったから助けてくれ!? 馬鹿にすんのも大概にしなさいよ!」
「だったら私にどうしろと言うんだ! 裏切られ裏切られてようやく信頼出来る者を見つけたと思ったらコレか!?
 馬鹿にされてるのはこっちの方だ!」
「王家様の都合なんて知った事じゃないわよ! はっ! 次は私も殺してみる!?」
「ああやってやるさ! どうせ私が最も信を置いていた者達は皆裏切ったのだ!
 誰も彼も消えてなくなってこんな腐った国滅びてしまえばいい!」
「ふざけんじゃないわよ! 腐ってるのはアンタ等王家と貴族だけでしょう!
 残ったみんなはどうすんのよこのすっとこどっこい!」
「だからこうして働いてるんじゃないか! 私はアルビオンの民を守るためだけに存在してるんだ!」
「守れてないじゃない全然! なーによあのへっぽこな戦は!
 国中ぼっこぼこになる前に何とかすんのが王家の役目でしょうが!」
「何だと!? 皆が誇りを賭け戦った戦を馬鹿にするのか! 誰もが必死に国を守ろうとした戦を否定するのか!」
「うっさいうっさいうっさーい! 戦なんてどーでもいいのよ! とにかく私は王家なんて大っ嫌いなんだからね!」
「ああそうか! 私だって君のように人の都合も考えず言いたい事だけ言い放つような者は好かんっ!」
いやもう本当に。外に漏れてたらエライ事になってたなとアニエスは一人杯を傾ける。
口げんかにすらなっておらず、ただ言いたい事をぶちまけあうだけの怒鳴りあいは、正直聞くに堪えない。
どちらもべろんべろんに酔っているのだが、一通り言いたい事を言った所で、
双方の言い分に関する感想をお互いに聞いてやると、案外冷静にお互いの立場を見ている事がわかる。
58ゼロの花嫁最終話9/12:2009/05/21(木) 23:50:45 ID:TdaG0EbY
結局、どちらも相手の立場がわからぬ程子供でもないし、
事情はどうあれ目の前にある問題を無視して過去を蒸し返すような間抜けでもないのである。
「……変な話だが、アルビオンが傾いていなければ、二人がこうして共に仕事をするような事も無かっただろうな」
とのアニエスの総括に、二人はふんっとそっぽを向いて返事をした。



トリステイン魔法学院に戻る前に、早めに仕事は片付けておくべきとルイズ達はラグドリアン湖に寄って行った。
アンドバリの指輪を返還すると水の精霊は殊の外これを喜び、燦に以後の協力を約束する。
特に頼みごとも無い燦が、みんなに親切にしたげてな、
と伝えると水の精霊は人に対して常に協力的であろうと約束してくれた。
重要な心置きを解決した一行は、すぐにとって返してトリステイン魔法学院に戻り、
アルビオンへと手紙を送ってきた主であるコルベールと合流する。
『サンを元の世界に戻す算段がついた。遅くとも日食前までには戻られたし』
手紙にこんな事を書かれては、どんなに忙しかろうとルイズも無視など出来ない。
学院で四人を出迎えたのはコルベールとシエスタ。
シエスタは皆の無事を無邪気に喜んだが、コルベールは彼女達から漂い来る血臭に眉をしかめる。
それも当然だろう。戦場の只中を駆けずり回っただけでなく、
その後も怪我人がそこら中に転がるハヴィランド宮殿で手伝いに奔走していたのだから。
そしてコルベールが若い頃積んだ戦場での経験が、
四人がもう後戻りがきかぬ程の修羅場をくぐってしまったと教えてくれた。
「ロンディニウムでは大変だったと聞いているよ。みんなよく戻ったね」
悲しさを隠しきれた自信は無いが、そう言えた自分をコルベールは褒めてやりたかった。
そんなコルベールの隠れた苦労は、まだ若いルイズ達にはわからなかったようで、
すぐに燦を元の世界に戻す手段の話に移る。
シエスタと共に調査した結果、彼女の曽祖父がこちらの世界に訪れた時、
同じくこちらに迷い込んだもう一機の飛行機は、日食の中に飛び込んで消えていったという話を聞きだした。
そして幸運な事に、数十年周期である日食が、数日後にまた現れるというのだ。
出来るだけ当時と同じ状況を再現すべく、コルベールはシエスタの曽祖父の遺産を持ち出し、
これをどうにかして空に飛ばすべく準備を整えていた。
コルベールのなけなしの財産から風石を購入してゼロ戦に乗せ、
これをコントロール出来るようゼロ戦の上に帆船が張るような小型のマストを装備させる。
実際にコルベールが扱ってみた所、少々操作に慣れが必要との事で、燦にはすぐにこの訓練に入ってもらう。
最初は乗り気でない様子で、何やかやと理由を付けてぐずっていた燦だが、
ルイズが強く言うと抵抗を諦めて真面目に訓練を行う事にした。
すぐにオールドオスマンも彼女達に会いに来るが、あまりにヤバ気な血臭の為、
生徒達をこれ以上怯えさせてもマズイとの事で、四人はタバサの母の屋敷で過ごす事になった。
ちなみに、これでもこいつら女の子の集まりなので、血の臭いの事を言われものすごーく気にした挙句、
毎日五度の水浴びにて速攻洗い落としたとの事である。
燦の訓練を見守るルイズ、キュルケ、タバサの口数は少ない。
その代わり、訓練が終わるや否や、四人はそりゃもう物凄い勢いで話しまくった。
慣れぬ感じは拭えぬけれど、あのタバサですら少しでも多くと口を開き続けたのだ。
館には何時も笑いが絶える事は無く、それは就寝まで続くのであった。
そして就寝時、燦が別れの辛さに毎夜涙を流すのを、ルイズもまた涙を堪えながら静かに宥め続けていた。

そして迎えた日食の日、時間に余裕を持って離陸すべしというコルベールの言葉にも、
燦はゼロ戦に乗ろうとはしなかった。
「イヤじゃ! 私はここでみんなと居るっ! 私だけ帰るなんて絶対イヤっ!」
こう来るのを予想していたのだろう。ルイズは落ち着いた様子で燦を諭す。
「私はご両親にサンを返してあげなきゃならないのよ。貴女を無理矢理引きずり込んだのは他ならぬ私なんだから」
59名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 23:52:35 ID:B2Vvocxa
再支援Mk-III
60ゼロの花嫁最終話10/12:2009/05/21(木) 23:53:12 ID:TdaG0EbY
「そんなんもうええ! 私はそれでも……」
ルイズは燦の唇にそっと人差し指を当てる。
「サンはこんなに良い子なんだもの、きっと、向こうでみんなが心配して待ってるわ」
ルイズ達を大切に思うように、燦は家族の事もまた大切に思っている。
瀬戸組の皆の顔を思い出すと、どれだけ心配してるかを想像すると、胸が潰れるように痛む。
それでも帰る手段が無いからと自分を納得させるしかなかったのだが、
こうして目の前に全てを揃えられては、燦にも逃げ場は無かった。
「わ、わたし……みんなと別れるの嫌じゃ……ずっとみんなとおりたいんよ……」
ルイズはぎゅっと燦を抱き締める。
「別に会えないからって私達の縁が切れるわけじゃないわ。
 貴女は私の使い魔で、大切な、友達だもの。それは何がどうあろうと、決して変わらないわよ」
キュルケは、何かを堪えるようにしながらじっと俯いている。
「……残ってたっていいじゃない……嫌がってるのに、無理に帰す事なんて……」
タバサに後ろから突かれて、言葉を止める。
燦がキュルケのそばに来ると、キュルケは言葉を発する事も出来ず無言でただ抱きしめる。
それ以外、出来なかった。
名残を惜しみながら、タバサは燦に考えに考え抜いた言葉を伝える。
「私が学院に来た時、夢と望んでいた未来が全てここにある。貴女のおかげ。ずっと……忘れない」
言葉の端々から漏れる限りない感謝の念は、タバサと共にあった時間が誇るべきものであったと燦に教えてくれた。
燦は言葉を発する事も出来ず、何度も頷いていた。
ルイズは大声で燦を怒鳴りつける。
「いつまで泣いてるの! これは終わりなんかじゃない!
 旅立ちなんだから胸を張りなさい! 貴女は私の使い魔でしょう!」
ぐしぐしと涙を袖で拭うと、燦もまた大声で答える。
「わ、わひゃった! わらひは……泣いたりせん! そんなん、るいじゅちゃんの……使い魔らしくないっ!」
精一杯強がりながらゼロ戦に乗り込み、無理矢理にかっと笑顔を作り、燦は飛び立つ。
大地に黒いカーテンが伸び出し、空高くに舞い上がったゼロ戦は突入すべく速度をあげる。
ロクに前も見えないのは、日食で日が翳ったせいなのか。
それでも目標を外す事無く、燦とゼロ戦は闇の中へと吸い込まれて行った。

成功を喜ぶ声は聞こえない。
全てを見終えたコルベールは、シエスタに声をかけ、共にその場を立ち去る。
キッと食い入るように空を見上げていたルイズは、日食が終わり太陽が全てを照らしなおすまで、
その場から動こうとはしなかった。
キュルケもタバサもその場に残って静かに佇んでいる。
草原を靡く草の音、風のささやきのみが支配する世界に、僅かな異音が混じる。
「……ひっく……うぅ……うぇ……」
タバサがルイズの腰をぽんと叩き、逆側からキュルケはルイズの肩に手を置く。
「う、うぇええ……サンが、サンが行っちゃったよぉ……うぅっ、うぁあ……もう、会えないなんて、ヤだぁ……」
見上げていた顔は何時の間にか俯き、足元の丈の低い草をルイズの頬から滴る雫が濡らす。
年相応の少女のように、ルイズはただひたすらに、いつまでも泣き続けていた。



トリステイン空軍の帰還に合わせ、ルイズ、キュルケ、タバサの三人はトリステイン王城へと向かう。
歓迎式典があるので、それに出席するよう命じられたのだ。
空軍はわざわざトリスタニア郊外に兵達を降ろし、隊伍を組んで街中を歩き、王城で閲兵するらしい。
面倒な事この上無いが、そういうイベントだと言われればそうかと頷くしかない。
三人の為に用意された馬にそれぞれ跨り、列の半ばでかっぽかっぽとのんびり進む。
61ゼロの花嫁最終話11/12:2009/05/21(木) 23:54:52 ID:TdaG0EbY
キュルケは大層居心地悪そうにしている。
「てか、私トリステインとか関係無いんだけどいいの?」
タバサもまた目立つのを好まぬので、小柄な身を更に小さくしている。
「私達はルイズのおまけみたいなもの。悪いのは全部ルイズ」
三人の先頭を進むルイズは、癇癪を起こして怒鳴り散らす。
「あーもううっさいわね! いいじゃない別に!
 アンタ達だって魔法学院の生徒でしょ! ならトリステイン所属なの!」
「無茶苦茶言うわね……」
「一人で行くのが嫌だっただけ」
すぐ前後を進む兵達は緊張でガチガチになっているというのに、三人共暢気なものである。
無論彼らの緊張は、街中を歩く事ではなく、
稀代の英雄でありアルビオンを救った奇跡の勇士である三人の前後に居る事が原因なのだが。
街の入り口をくぐると、中では既にお祭り騒ぎのようになっており、
先行した兵達は皆、市民達の大歓迎に頬を緩めていた。
入ってすぐに、群集はルイズ達の姿を見つける。
すると、それまでの騒ぎすら静寂と感じられる程の嬌声が上がる。
皆熱狂して口々にルイズ、キュルケ、タバサの名を叫ぶ。
名前はあまり漏れないようにしていたはずのタバサの名も、既に誰もが知る所となってしまっているではないか。
トリステインの軍を歓迎するはずのこの式典でありながら、
キュルケやタバサの名もまたルイズのように声を張り上げ称えられている。
その事に驚きつつも、場の空気に逆らえず、愛想笑いなんかを浮かべて手を振り返すキュルケ。
タバサはこれはマズイと引っ込もうとするが、今更手遅れである。
諦めるしかないわね、とのキュルケの言葉に仕方なくタバサも逃げるのを止め、
無表情を崩さぬままではあるが馬を進める。
ルイズは最初の内こそ名前を呼ばれる度びっくりしてそちらを振り向いていたが、
何時までもそんな事をしていては首が捩れてしまいそうなので、開き直って胸を張る。
陛下との謁見と一緒ねと、もうどうにでもなれーぐらいの勢いで堂々としてみたが、
ある種の拷問のような気がしてならない。
ふと、こんな日を夢見た事もあったなと、昔を思い出す。
それは遙か以前の事のようであったが、よくよく考えてみるとほんの一年前に見た夢だ。
確かあの時、そう、この先の広場になっている所で、たくさんの人達に囲まれた私は、
こうしてやりたいと思ったのだ。
広場に集まった人達の真ん中を通り過ぎながら、あの時の想像から少しだけアレンジして、
ルイズは握り締めた拳を高々と突き上げる。
広場中がまるで生き物であるかのように、大きくうなり湧き上がる。
戦場で戦士たちの雄叫びを聞いているのとはまた違う、興奮と喜びがそこにあった。

なるほど、想像してたよりこれは、遙かに気分の良いものだわ。



こうしてルイズは、英雄としての道を踏み出して行った。
それが容易き道ではないとわかっていても、彼女は決して留まる事をしなかった。
時に感情的な選択をする彼女は非難の矢面に立たされる事も少なくなかったが、
それでも、ルイズは自身の信じる生き方を変える事はなかった。
そして当事者達はどうあれ、そんなルイズを庶民達は愛してやまなかった。
62名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 23:55:42 ID:B2Vvocxa
英雄をたたえる追加支援策
63ゼロの花嫁最終話12/12:2009/05/21(木) 23:56:36 ID:TdaG0EbY
どのような逆境に置かれても決して挫けぬ彼女を支えたのは、
常に共にあったキュルケとタバサであったが、二人は口を揃えて言う。
例え自分達が居なくなろうとも、ルイズは決して折れたりはしないと。
後に勃発するガリア戦役、ロマリア動乱、ゲルマニア再統合において、
それぞれ中心的役割を果たすキュルケもタバサも、ルイズを越えたと感じる瞬間はついに訪れなかったと残している。

そして伝説の終幕、エルフの住まう地へと赴いた彼女達は…………



以上です。明日、最後にエピローグを投下して、ゼロの花嫁は完結となります

----
代理投下終了
64名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 23:58:53 ID:MERRVCOw
なんという引き、これは明日が待ちきれない
65名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 00:10:48 ID:rCLFAX/c
へっ。待ち遠しくて眼から涎が出てきやがる・・・
66名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 00:16:01 ID:IbvM/asI
チート能力で5万撃破ってのはたまにあるけど
ここのルイズとサンは、すげえことやったなって感じだな
大手柄とかいうレベルじゃねえ
光武帝の百万撃退とかこんな感じだったのかもな
67名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 00:25:11 ID:J1ptT3wD
花嫁の人、お疲れ様です・・・

wikiで一気に読んでしまった・・・
68名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 03:58:52 ID:IqlAQMw+
花嫁すげえ。お疲れ様でごぜえやす。
日蝕に突入で帰還するのはいい演出だよなぁ。と再認識。
フラッシュバックから開放するためにテファ使うかと思ったけど
そんなことは全然無かった。そう考えた自分を恥じるばかりだ。英雄すげえ。
69名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 09:33:53 ID:/T/dRY0T
花嫁すごかった…

原作って話しどこまで進んでんの?
16巻読んだんだけどこの先はまだ?
70名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 09:36:55 ID:/T/dRY0T
sage忘れスマソ
71名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 09:48:06 ID:yfEb6lq9
>69

いまのところの最新刊は、外伝のタバサの冒険3だな。
17巻はとりあえず6月25日に発売予定だ。
72名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 14:16:22 ID:gBBCHbih
もはやここまで来たらただただすげえとしか言い様がねえな
今夜が待ち遠しい
73名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 14:39:35 ID:i+eSb/AS
ノボル神の刊行速度は速いなぁ。
74名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 16:19:10 ID:JaLZUG4l
本編が締めどきを失ったジャ○プ漫画みたいにならなきゃいいんだがな。
零戦、タイガー戦車ときたら、聖地にあるのはやっぱ戦艦大和……いや未製に終わった大和級四番艦紀伊がいたりして。

あとまとめwikiのお絵かき掲示板がえらいことになっとる……
75名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 16:25:10 ID:eR5HphFy
花嫁の人乙です。
好ましく馬鹿な狂気のバカルテットの事はとりあえず措いて置くとして、
何、このワルド? 無数に存在する全ワルドの中でも屈指の幸せ者だよ。
余りの健全な野心家振りに驚愕しまくる事しきり。
76名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 16:40:57 ID:aGjqvdG9
個人的には原作でそろそろエルフ側の詳しい描写とか聖地の描写とかやって欲しいんだぜ。
77名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 16:44:00 ID:eR5HphFy
それまでに後、何巻ぐらい掛かるんだろうね……
78名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 16:49:16 ID:eR5HphFy
後、ヴィットーリオの目論見も是非とも知りたいねえ。
あのノースキムチみたいな国を一体どうしたいんだとか、聖地に行って何か良い事あるのか、とか。
79名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 16:54:27 ID:aGjqvdG9
「15巻までで」張られていたメインの伏線としては、
聖地およびシャイターンの門について、ブリミルの過去、ヴィットーリオの目的
と、このくらいだったんだが、

16巻で
ルイズと才人とアンリエッタの関係、灰色卿、アカデミーの暗躍、元素の兄弟、ジョゼットの存在
……ってな具合にかなり増えたからなぁ。
俺の当初の予想では20巻くらいで終わるんじゃないかと思ってたが、それも怪しくなってきた。
80名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 16:56:14 ID:gBAd8N4q
20巻までに万年ラブコメは卒業して欲しいな。
なんかくっついて離れてを毎回やられても疲れる。
81名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 17:05:01 ID:oYcwSKGE
>>80
それが無くなるのは早くて最終巻一つ前ぐらいじゃないかな。
82名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 17:13:13 ID:AdTjIvon
10分後くらいに小ネタ投下してもいいですか?
83名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 17:24:11 ID:AdTjIvon
10分経ったので、投下します。
元ネタは最後で題名は「王子とゴーレム」。
84王子とゴーレム:2009/05/22(金) 17:25:28 ID:AdTjIvon
すいません!ちょっと、雨宿りさせてもらえませんか?
急に降り出してきて、雨宿りできそうな所を探し回っていたら、ここに辿りついたんです。
あぁ、ありがとうございます。
雨が止んだらすぐに…いや、そこまでお世話になるわけにはいきません。
いやいや、本当に雨が止むまででいいので、ん、仕事はなにをですか?
ただの語り部ですよ。色んな人達に…オークに翼人、さらにあのエルフにもお話したこともあるんですよ。
そうだ。雨宿りのお礼に一つお話をしましょう。
ガリアという国は知ってますか?
そう。長い長い争いのあった大国のお話なんですよ。
題名はそう……「王子とゴーレム」。
ああ、題名は今、私が自分でつけたんですよ。ふっふふふ。
では、お話しましょう。


昔、昔、と言っても数年前のお話ですが。
ガリアには二人の王子がおりました。
一人はジョセフ。魔法が使えない無能と呼ばれる哀れな男。
もう一人はその弟のシャルル。兄と違い魔法の天才で誰からも愛される男。
一昔のハルケギニアでは、魔法が使えない者は馬鹿にされる運命だった。
それは、王子たるジョセフとて例外ではなく、しかも、弟のシャルルがいた事でいつも比較され蔑まされ続けたのです。
だから、ジョセフの心はどんどん歪んでいきました。

誰も分かってくれない!
何度も何度も魔法を試した!
それでも、それでも……。
笑いたければ笑えばいいだろう!

ジョセフは孤独でした。
その孤独から心はまるで深海の底の様に暗く冷たくなっていきました。
そんな、ある日、ジョセフはすべての望みを賭けて、使い魔を召喚することにしたのです。
すごい使い魔を召喚できれば、もう誰も自分を馬鹿にしないと。
使い魔召還はそんな悲痛な思いから行われました。
85名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 17:25:45 ID:7rNGgQea
しぇん
86王子とゴーレム:2009/05/22(金) 17:27:00 ID:AdTjIvon
使い魔召喚は見事、成功しました。
しかし、召喚されたのは不恰好な壊れた一体のゴーレムだったのです。
それを見て、ジョセフは絶望しました。
自分は所詮「無能」だと。
ジョセフはそのゴーレムと契約もせずにそのまま放置し、眠ることにしました。
現実を忘れるために、夢というも安らぎも求めずにただ眠りと言う暗い闇に沈みたかったのです。

でも、夢を見たのです。
それは、あの壊れたゴーレムの夢でした。
そして、知ったのです。
あの壊れたゴーレムの孤独を。
ゴーレムにはたくさんの兄弟たちがいました。
でも、壊れたゴーレムだけが冷たい水の中でしか生きれなかったのです。
ゴーレムが望んだものはありふれた日常、光溢れた世界、夢にまで見る平凡。
しかし、ゴーレムはそれを得ることができませんでした。

何度も何度も光溢れた世界へと行こうとしました。
しかし、すぐに呼吸すらままならず、歩くこともできなくなり、何度も何度も試していくうちにゴーレムの心は悲しみで満ちていきました。

ボクは何をどうすればいいんだろう?
誰もわかっちゃくれねんだ。
臆病者みたいだろう?
笑いたきゃ笑えばいいだろ。

ゴーレムは孤独でした。
その孤独から心はまるで深海の底の様に暗く冷たくなっていきました。
そして、ジョセフはどうして、あのゴーレムが自分に召喚されたのか知りました。
自分と同じだったからです。

ボクは一人で大丈夫。昔から慣れている。
なのになんで、なんで、
こんなに胸が痛むんだよ!
87名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 17:27:18 ID:aGjqvdG9
ありがちなミスだけど、ガリアの王様は「ジョ“セ”フ」じゃなくて「ジョ“ゼ”フ」だよ支援。
88王子とゴーレム:2009/05/22(金) 17:28:04 ID:AdTjIvon
さらに夢は続き、ジョセフは夢を見続けました。
あまりにも、あまりにも悲しいすぎるゴーレムの孤独という名の夢を。そうして、夢は続き、ゴーレムの前に青いゴーレムが現れました。
その時、ジョセフにゴーレムの思いが入り込んできました。

突然にキミが現れた。
眩しい程の微笑で
ボクを包み込んでくれたタイヨウ。

それは、冷たかったゴーレムの心が初めて温かくなった瞬間でした。
なぜなら、彼だけがゴーレムを見つけたのです。
ゴーレムがそこで生きていることを。
しかし、運命は残酷でした。
その青いゴーレムはその孤独なゴーレムを壊しにきたのでした。
ジョセフはそこで、どうして、ゴーレムが壊れていたのか、理解しました。
その青いゴーレムに壊されたからだったのです。
さらにゴーレムの兄である赤いゴーレムもその青いゴーレムに壊され、しかも、その兄の武器で青いゴーレムはゴーレムを壊したのでした。
でも、ゴーレムは青いゴーレムを恨むことはありませんでした。
例え、兄を壊されても、
例え、その兄の武器で自分が壊されても、
例え、青いゴーレムの中の自分がやがて泡の様に消えていく運命でも、
例え、どんなにどんなに願っても、青いゴーレムが決して手に入らない太陽でも、
ゴーレムは青いゴーレムの幸せだけを祈るのでした。

そこでジョセフは目が覚めました。
ジョセフは自分が泣いている事に気がつきました。
そして、すぐに壊れたゴーレムの元に行き、使い魔の契約をしました。
ジョセフがゴーレムの口らしき部分に口を付けると額にルーンが刻まれ、壊れたはずのゴーレムの目に光が灯り、ぎこちないながらも動いきだしたのです。

その日からジョセフはゴーレムの修理を始めました。
ゴーレムを用意した水を入れた大きな水槽の中に入れて。
でも、ただ修理するだけではなく地上でゴーレムが呼吸をできる様に、歩くことができる様に、光溢れた世界で生きていける様にするために。
幸い、ジョセフには魔法の才能がない代わり膨大な知識がありました。
その知識を使い、ゴーレムを修理していったのでした。
89王子とゴーレム:2009/05/22(金) 17:31:03 ID:AdTjIvon
人々はそんなジョゼフを嘲笑いました。
無能が壊れたゴーレムを弄くりながら遊んでいると、
しかし、ジョゼフはそんなことは気にせず、ゴーレムの修理を続けたのでした。
ゴーレムは自分のせいでジョゼフが嘲笑われていることに申し訳なく思いました。
でも、ジョゼフはゴーレムが謝ると決まって、優しく微笑むのでした。

その笑みはあの青いゴーレムとよく似ていました。

それから幾月も経ちました。
ゴーレムは今だ、ジョゼフに修理されていましたが、その過程でできた技術はハルケギニアに元々あったガーゴイルやゴーレムをより良い物にしました。
その為、ジョゼフの評価はそれなりに良くなりましたが、ほとんどの者がジョゼフのことを変わり者と、無能と、役立たずと、嘲笑い、蔑み、馬鹿にしたままでした。
しかし、ジョゼフはそんなことは気にせずただ、ゴーレムを修理し続けました。
そして、長年の苦労が実ろうとしていました。
そう。ようやくゴーレムが完全に修理できそうだったのです。
ジョゼフは喜びました。
これでゴーレムが光溢れた世界で生きれると思うと嬉しくて仕方なかったのです。
そして、ゴーレムも喜びました。
ゴーレムとジョゼフは一つの約束をしていました。

「一緒に光溢れた世界を歩く」という約束を。

そう、それは太陽の様に温かい時間でした。
しかし、温かい太陽が日没で冷たい海に沈むように、その温かい時間も終わろうとしていました。

その夜、ゴーレムがいる部屋に入ってくる者がいました。
ゴーレムは最初、ジョゼフかと思いました。
しかし、入ってきた者は突然、魔法で水槽を壊したのでした。
ゴーレムは水とともに床に放りだされ、苦しみ出しました。まだ、修理が完全ではないからです。苦しみながら、ゴーレムは水槽を壊した者の方に顔を向けました。
水槽を壊した者、それはジョゼフの弟であるシャルルでした。
ゴーレムは驚きました。
ジョゼフが自分を修理しながら聞かせてくれた大切な弟であるシャルルがなぜ、こんなことをするのか分からなかったからです。
そして、ひどく顔を歪ませていることにも。
90王子とゴーレム:2009/05/22(金) 17:32:52 ID:AdTjIvon
魔法の天才と言われてきたシャルル。
しかし、シャルルは、自分は魔法でしかジョゼフに勝てないと常々、思っていたのです。
その思いは、ジョゼフがゴーレムに関する様々な技術を開発したことで益々、大きくなっていきました。
自分にはあんなことできないと。
その上、王がジョゼフを後継者にしようと考えていることを知ったのです。
その時からシャルルは嫉妬に狂いだしたのです。
その嫉妬はひどく傲慢で、幼稚で、身勝手で、そして、純粋でした。

シャルルはゴーレムの方に杖を向けました。
このゴーレムさえ、いなければ。
嫉妬に突き動かされるまま、シャルルはゴーレムに魔法を放ったのでした。
しかし、その魔法がゴーレムに届くことはありまんでした。
なぜなら、

突然、現れたジョゼフがゴーレムを庇って、その魔法を受けたのですから。

シャルルもゴーレムもジョゼフが倒れていくのを呆然と見ることしかできませんでした。
そして、ジョゼフが二度と起き上がることはありませんでした。
ゴーレムは怒り狂いました。
自分をこの世界に召喚してくれたジョセフを、自分を修理してくれたジョゼフを、修理できたら光溢れた世界を一緒に歩こうと約束してくれたジョセフを!
ゴーレムは腕から銛を今だ、呆然とするシャルルに放ちました。
銛はシャルルの腕を貫き、その痛みでシャルルは正気に戻り、叫び声をあげました。
シャルルの叫び声に城の兵士達が何事かと部屋に入ってきました。
兵士達は驚きました。血を流しながら倒れているジョゼフと銛で腕を貫かれているシャルル、そして、その銛を放ったであろうゴーレムが立ち上がっている、その光景に。
シャルルは兵士達に言いました。

あの、ゴーレムが兄さんを殺した!と。
91王子とゴーレム:2009/05/22(金) 17:37:01 ID:AdTjIvon
その言葉に兵士達はゴーレムに向かっていきました。
ゴーレムはそれを見て、ジョゼフを両手で抱え上げ、壁を破壊し外へと飛び降りると全力で逃げ出しました。

どれだけ走ったでしょうか?
追手を振り切り、逃げ込んだ暗い森の中でゴーレムはボロボロになりながら歩いていました。
ジョゼフの修理のおかげで歩くどころか走ることができるようになったとは言え、まだ修理は完全ではなく、しかも、追手の攻撃でボロボロになり、もう機能停止寸前にまでなっていたのでした。
光溢れた世界を歩けるはずだった。
しかし、今、自分は闇で満ちた世界を歩いている。
そして、腕には二度と微笑んでくれない大切な人が。
約束が果たされることが永遠に来ないことにゴーレムは絶望しました。シャルルに銛を放った時の怒りはもうなく、ただ、絶望だけが心を支配していました。
どれだけの時間が経ったでしょうか?
ようやく、森を抜けるとそこには大きな大きな湖がありました。
ゴーレムはその湖が修理しながらジョゼフが教えてくれたラグドリアン湖だと気がつきました。
その時、朝日が昇ってきました。
そして、朝日の光がゴーレムの視界を覆ったのです。
ゴーレムの目には世界が光で溢れたようでした。
そして、光の中、ゴーレムはジョゼフを抱き上げたまま、湖へと向かって歩いていったのでした。

92王子とゴーレム:2009/05/22(金) 17:38:03 ID:AdTjIvon
その後、そのゴーレムを見た者は誰もいないそうです。
ん、雨もちょうどよく止んだようで。
雨宿りさせてくださり、ありがとうございました。
はい?
ああ、その後のガリアですか。

ジョゼフが死んだ事でシャルルが王になりました。
しかし、シャルルはジョゼフを殺した事で心が狂ったのか、ジョゼフが生み出した技術を悪用し、大量のゴーレムとガーゴイルを造りだしました。
さらには自分の忠臣、執事、妻、娘すらも次々とゴーレムに改造し八体のゴーレムを率いて世界征服を始めました。
その勢力は圧倒的でトリステイン、ゲルマニア、ロマリア、アルビオンを占領しサハラすら支配しようとしました。
しかし、ジョゼフの娘が自らをゴーレムへと改造し、シャルルに立ち向かったのです。
……青いゴーレムも彼女のように戦ったのでしょぅかね?
戦いは熾烈を極めましたが、遂に彼女はシャルルを倒し、ガリアをいや、ハルケギニアに平和を齎したのです。自分の家族をその手に……。
93名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 17:47:21 ID:2wi2sK83
終わり? 猿さん?
94名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 17:48:53 ID:a7oYR25S
??・・・終わり??
元ネタ判らんが支援^^
95王子とゴーレム(代理):2009/05/22(金) 17:58:38 ID:IvZdxGM9
426 名前:王子とゴーレム 投稿日: 2009/05/22(金) 17:56:34 ID:.zMAsEAo
すいません。最後の部分を投稿しようとしたら猿さんを受けてしまいました。
どなたか代理、お願いします。


では、これで失礼します。
雨宿り、本当にありがとうございました。
あっ、そうそう。もし、ラグドリアン湖に行く用があったら、花を一輪、湖に投げてあげてくれませんか?
湖で眠っている者の手向けになるでしょうから。
では……えっ、ところでゴーレムの名前はなんだって?
あぁ、私としたことが、忘れていました。
ゴーレムの名前は、


「バブルマン」
96王子とゴーレム(代理):2009/05/22(金) 17:59:23 ID:IvZdxGM9
427 名前:王子とゴーレム 投稿日: 2009/05/22(金) 17:58:22 ID:.zMAsEAo
元ネタ書くのを忘れていました。
元ネタは『ロックマン2 Dr.ワイリーの謎』からバブルマンを召喚。
どうも重ね重ねすいません。
97名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 18:18:51 ID:0sipTI1B
正体を知ってから本文読み返してなるほど!とつぶやいてしまった

乙乙!
98名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 18:33:05 ID:iZITInpE
>執事、妻、娘すらも次々とゴーレムに改造
ガリア王家はどう転んで不幸な結末を迎えるのかw
99名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 18:34:07 ID:2ioOQJ1m
>>74
ゼロ戦、タイガー戦車(ティーガー)と日本・ドイツの大戦時の代表兵器が来てるから、次はイタリアから・・・じゃないかな?
一応、海軍はちゃんとしてたみたいだし・・・
100名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 18:35:04 ID:TN8wWpwq
原爆の試作型とか
101名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 18:38:16 ID:/O39xG/H
イタリアの兵器か……、全盛期のビエリだな
102名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 18:38:42 ID:oYcwSKGE
エゲレス軍の傑作兵器、パンジャンドラムを!!

と言う定番ネタかましてから軍オタ自重とか言ってみる。
103名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 19:17:40 ID:0LUmgKrq
>>99
海軍…ゼロ魔世界で活躍する余地はないような気がw
104名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 19:23:30 ID:2ioOQJ1m
イタリア戦艦から砲塔拝借してきたりして使うんだよ。
他にも艦内にあった物を色々持ち出してさ。
ほらイタリアって、泥棒が多いって。
潜水艦だか盗まれたなんてジョーク生まれるくらいだし。
・・・ん、次は潜水艦か?
あ、でもここは・・・イタ公抜きで!!
105名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 19:28:06 ID:cJYevc3G
イタリアの兵器ねぇ。ベローチェとかw
106名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 19:34:33 ID:gBAd8N4q
イタリアからは女が絡むと性能アップが導入されるんだろ多分。
107名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 19:38:23 ID:Z2tqFduv
女が絡みまくりのゼロ魔だと最強だな
108名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 19:48:34 ID:LzwYT5kD
>>106
ガンダールヴのルーンですねわかります
109名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 19:56:26 ID:2ioOQJ1m
>>108
なんてこった、イタリアの代表兵器はとっくの昔に登場していたのか!!
110名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 20:03:24 ID:/O39xG/H
逆に考えると、イタリア人男性は性能差はあれど、ほとんどの人がカンダールヴなのか
111名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 20:05:20 ID:oChazoDs
カテナチオの国だしな
112名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 20:13:46 ID:/O39xG/H
どういうこと?
113名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 20:15:00 ID:oChazoDs
サッカーの話で悪いが防御が得意な国ってことだ
114ゼロの花嫁最終話12/12:2009/05/22(金) 20:18:22 ID:gsNXw9AU
投下をお待ちの方がいなければ20分から代理で投下します。
115ゼロの花嫁 エピローグ1/6:2009/05/22(金) 20:20:51 ID:gsNXw9AU
ゼロの花嫁 エピローグ「その後の皆様」



カトレアが上機嫌で花壇の花に水をやっていると、馬車の音が聞こえたのでそちらを振り返る。
見慣れた馬車は正門をくぐり屋敷の入り口まで辿り着くが、
馬車の中の人物が降りる前に屋敷の扉が開き、喜色満面のエレオノールが飛び出してくる。
恐らくエレオノールは彼が屋敷に戻る時間が近いので、窓から外を延々伺っていたのだろう。
そわそわする姉の姿を想像して思わず笑みが零れる。
領地は人に任せ、ヴァリエール一家は今ほとんど全員がトリステインの屋敷で暮らしている。
カトレアの体調が良くなった為、その婿探しをする意味でも王都に居るのが一番と父は言っていたが、
むしろ忙しすぎる父の都合のような気もする。
アルビオンから戻ったエレオノールは、それまでが嘘のように謙虚になった。
一度カトレアがその理由を尋ねた所、自分の無力さを思い知ったと恥ずかしげに呟いていた。
エレオノールらしい元気さが失われてしまったのが少し残念ではあるが、もっと嬉しい事があった。
グラモン家の息子さんがエレオノールのお婿さんとして迎えられた事だ。
最初は伯爵の血筋とはいえ、三男なぞ冗談ではないと渋っていた父も、彼の温厚な人柄と、
心に秘めた情熱にほだされ、遂に結婚を認める事になった。
今では、必ずやヴァリエールを継ぐに相応しい男に育て上げてみせると鼻息も荒い。
母は最初から厳しく接していたが、これは誰にでもそうであるし、
より以上に厳しく当たるのはきっと彼が気に入っているからだとカトレアは思っている。
家族がもう一人増えてくれた。それがカトレアには何より嬉しかった。
外出も苦にならなくなったカトレアは、父やエレオノールの紹介で何人か友人を得る事が出来た。
にぎやかすぎる彼女達に付き合うのは疲れる事でもあったが、常に新鮮さがそれに勝った。
こうして生活は劇的に変わったが、皆が皆元気でいてくれるので、カトレアはそれだけで幸せだった。
しかし、たった一つだけカトレアにも気がかりがある。
愛しい愛しい大切な妹ルイズは、今日もまた何処かで危険の最中を駆け抜けているのだろうから。



エルフの森深くまで踏み入ったルイズ、キュルケ、タバサの三人は、木のうろに隠れるように身を潜める。
「あっちゃー、まずったわ。エルフってやっぱり強いのね」
そうぼやくルイズの襟首を引っ掴むのはキュルケだ。
「あったりまえでしょうがああああああ! だから止めとけって言ったのに人の話聞かないから!」
むっとなったルイズもキュルケの襟首を掴み返す。
「何よ! 残らず燃やし尽くしてやるなんて息巻いてたのアンタでしょ!」
そんな二人を無視して周囲を探っていたタバサは、ぽつりと呟く。
「……退路も断たれた。これ……本気でマズイ」
木々が生い茂る森の中は、まるで静止画のように動きを見せず、時折聞こえる鳥や獣の声が響くのみだ。
しかし、ルイズもキュルケもタバサ同様周囲を探ると、その先に潜むエルフ達の影を捉える。
「百……かしら。キュルケ、いざとなったらここら一帯アンタの魔法で消し飛ばしてやりなさい」
「こっちも一緒に吹っ飛ぶわよ。言っとくけど1リーグ超える範囲は調節なんて効かないわよ。
そこ越えたら後は3リーグ四方全部消し飛ばすしかないし、そんな悠長に魔法唱える暇なんて与えてくれないでしょうに」
「相変わらず雑ねぇ」
「うっさい、そもそもエルフのインチキ魔法相手に通用するかどうかもわかんないんだから、今回爆炎はナシよ」
「連中がインチキならアンタのはデタラメじゃない。触れただけで蒸発する炎とか卑怯の域よそれ」
タバサは油断無くエルフ達の動きを探る。
「……私が偏在使えば不意打ちで五人は倒せる。ルイズは?」
キュルケだけでなく、風特化でもないのに偏在使えるタバサも充分デタラメである。
背負った二本の剣を見ながらルイズはやる気無さそうに答えた。
116ゼロの花嫁 エピローグ2/6:2009/05/22(金) 20:22:46 ID:gsNXw9AU
「私も同じぐらいかしら。本当鬱陶しいわねぇ、魔法だけじゃなくて体術もしっかりしてるわコイツ等」
エルフは常識では考えられぬ魔法を用い、相手によっては通常の魔法や剣で触れる事すら難しい者も居る。
しかし彼女達は事も無げにこんな台詞を吐く。
「私がその間に魔法で吹っ飛ばしたとしても、まあ半分は残るわ。んで生き残りの一斉魔法でオシマイっと」
今まで相手にしてきた人間とは根本的に違う、そんな存在であるとわかっていたのだが、
目論見が甘かったと言われれば正にその通りである。
キュルケはルイズのピンクの髪を眺めながらぼやく。
「ま、コレに付き合ってここまで生き延びたんだから、それで良しとするしか無いわね」
タバサもまた危機に似合わぬ微笑を浮かべる。
「こんなキツイのはハヴィランド宮殿攻防戦以来。でも今回は……」

ハルケギニアに後生まで語られる三人の物語は、ここで幕を下ろす。



天蓋の付いたベッドで気だるげに身を起こすアンリエッタは、
隣に寝ていたはずの者が既に衣服を身につけている事に気付き、寝巻きを身にまとう。
「もう……お出になるのですか?」
男は帽子を被りマントを羽織る。
「トリステインの至宝を狙う間男は、それらしく退散すると致しましょう」
ぷっと吹き出したアンリエッタは、ベッドから起き上がり男に寄り添う。
男は軽く彼女を抱きとめ、耳元で小さく囁く。
「……少しだけ、心の内を曝け出してもよろしいでしょうか」
「なんでしょう」
「私は、ウェールズ陛下を忘れさせる事が出来ているのでしょうか」
アンリエッタは今度こそ声に出してくすくすと笑う。
「私の心は、とうに貴方に捉えられておりましてよ、ワルド」
恋文を返せ、そう伝えた相手が九死に一生を得たからとて、では再び元の鞘にとは易々と出来ぬもので。
苦しい想いを抱える日々が続く中、アンリエッタの心を慰めたのはトリステインに次々訪れる朗報と、
事情を察し、事ある毎に気を配ってくれるワルドの存在であった。
満足気に頷くと、ワルドは部屋の窓を開き、窓枠に飛び乗り器用にバランスを取る。
「まあ」
「では、姫君のお心を見事頂戴できましたので、わたくしはこれにて……」
マントを一振りすると、ワルドは影も形も消えてしまった。

ワルドが魔法のマントを用いて転移した先では、オールドオスマンが苦々しげな顔をしていた。
実はこれ、タバサがアルビオンに行った時ネコババしてきた物である。
あの魔法の物品の素性を調べる度、あまりのレアリティに腰をぬかしかけたのも随分前の話だ。
オールドオスマンにこんな顔をされてはワルドも苦笑するしかない。
「お説教ですかな」
「最近は頻度も多くなったでな。年寄りをあまり困らせるものではないぞ」
「美姫に惹かれるは男の悲しい性ですよ。ですが、何度も言っておりますように、私は不実を働くつもりはありません」
オールドオスマンは大仰に両手を広げる。
「いっそ一夜の火遊びにしておいてくれ。本気で彼女を娶るつもりだとか、
 話を聞いた時は全てを忘れて隠居しようかと思ったぞ」
「はははっ、まだまだオールドオスマンのご助力無しには私も独り立ち出来ませぬ故、今後も何とぞよしなに」
今ではオールドオスマンはワルドの良き協力者となっていた。
しかし、そんなオールドオスマンにも、ワルドが本心で彼女に惚れているのかどうか、見極める事は出来なかった。
それ程ワルドという人物は奥が深く、容易に計り知れぬ心を持っていたのだ。
彼がうろたえる様を見たのは、オールドオスマンも数える程しか無い。
117名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 20:25:16 ID:oYcwSKGE
支援
118ゼロの花嫁 エピローグ3/6:2009/05/22(金) 20:25:30 ID:gsNXw9AU
内の一つ、ルイズとの決闘は何とも衝撃的であった。
「私が勝ったら婚約解消。負けたら煮るなり焼くなり好きにしてちょうだい」
そう言い放って、スクウェアメイジでありトリステイン最強の騎士であるワルドに挑んだルイズは、
魔法を吸収する剣をかざし、ワルドに勝利を治めたのだ。
既にルイズとの結婚にそこまでの利は無かったので、わざと負けたのかとも思ったが、
敗北した後のワルドの茫然自失とした様は、それが真剣であったのではと思わせる程であった。
それ以降、ルイズ達の奔放っぷりは最早誰の手にも負えぬ程暴走して行った。
ガリア王ジョゼフを退位に追い込んだり、ゲルマニア皇帝をたらしこんだりとやりたい放題である。
何でもロマリアとも揉めたらしいのだが、そこはもう聞きたくないとオールドオスマンは関わるのを拒否した程だ。
今は何処で何をやっているものやら。
「では、私はこれにて」
そう言って立ち去るワルドを見送りながら、オールドオスマンは深く嘆息する。
「ワシの人生って、もしかして悪ガキ共の後始末で終わってしまうんではないのか?」
既にトリステインの重鎮となったワルドを、平然と悪ガキ呼ばわりする自身の稀有な感性と能力は知らんぷりらしい。

のんびりと夜道を散歩するワルドは、ふと、その手に残るぬくもりを思い出す。
思慮が足りない、分別も不足してる、
おおよそ国家を担うに相応しい器ではないと馬鹿にしていたのだが、彼女にも美点はあった。
相手が嫌がる事を出来れば避けたいと思う弱さと紙一重の優しさ、
一つ事に集中すると他が見えなくなる視野の狭さにも繋がる一途さ。
王として全ての民を分け隔て無く愛すべきであるのに、
心寄せた相手に強く惹かれ、一心に何かをしてやろうとする健気さ。
彼女は決して王には向いていないが、こうして肌を重ねて初めてわかった。
妻として、そしておそらく母として、これ以上に素晴らしい女性は居ないのではないだろうかと。
そこまで考え、ワルドは自らの様を振り返り苦笑する。
「何と、これではまるで私が恋をしているようではないか」
それが真実なのか否か、ワルドならば答えを出すのも容易かろうが、もう少しだけ、考えずに置こうと決めたのだった。



ウェールズは正装に身を包み、落ち着かない様子で控え室に向かう。
最初に一目見ておけば動揺してしまう事も無かろうと、その部屋の扉を開く。
ちょうど中に居た女性が外に出ようと扉に手をかけた所であった。
彼女は真っ白なドレスを身に纏っていた。
胸元が大胆に抉れているのは、豊満な胸を持つ彼女の美しさをより際立たせてくれる。
そしてきゅっとしまったウェスト回りは、白のレースがぐるっと一周しており、
大人びた雰囲気の中にも初々しさを残すよう花の柄があしらってある。
その下は大きく膨らんだスカートだ。半透明なレースと、真っ白な生地が交互に折り重なっており、
幾重にも重ねた生地は相互に柄を引き立てあい、奥深い造りになっている。
「マチルダ? 一体何を……」
部屋の中から女中の悲痛な声が聞こえてくる。
「ああっ陛下、良い所に。どうかマチルダ様をお止め下さい」
事情のわからぬウェールズに、マチルダはドレス姿のままぴっと指を突きつける。
「ウェールズ、貴方言ったわよね。結婚しても仕事は続けていいって」
「あ、ああ確かに言ったが……」
「じゃあそうするわ。風石相場の値崩れが始ってる。
 まーたしょうこりもなくあんの性悪ワルドが仕掛けて来てるのよ。今すぐ対応しないと……」
「ちょ、ちょっと待て! これから式だというのに何を言ってるんだ! 列席者は随分前から待っているんだぞ!」
「そんなの待たせておけばいいわよ! どーせ酒飲んで騒ぎに来ただけでしょうに」
「ば、馬鹿言うな! 仮にも国王の結婚式がそんな適当で済むはずが無いだろう!」
「そんな事どうでもいいわよ。それよりすぐに対応しないとまた派手に損失被る事に……」
119名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 20:27:07 ID:cHxQhFi7
しえん
120ゼロの花嫁 エピローグ4/6:2009/05/22(金) 20:27:13 ID:gsNXw9AU
そこまで言ってマチルダは口を紡ぐ。
扉の辺り、ウェールズの居る更に後ろからただならぬ瘴気が漂って来ている。
「へ〜〜〜い〜〜〜か〜〜〜、ま〜〜〜ち〜〜〜る〜〜〜だ〜〜〜」
憤怒の表情で姿を現したのは、マチルダ、ウェールズ共通の友、アニエスであった。
「げっ! アニエス! いえね、違うのよこれは……」
「ま、待てアニエス! まずは落ち着け、これは所謂あれだ、まりっじぶるーとでもいうかだな……」
二人が揃って言い訳を始めるが、直後の一喝でぴしゃりと黙る。
「やかましい! お前達にわかるか! ようやく! そうさんざ苦労に苦労を重ねてようやく辿り着いた晴れの日に!
 やっと私も肩の荷が降ろせると一息ついたその息も出し切らぬ間に!
 これで私もようやく恋人との時間を、将来を考えられると安心した矢先に!
 こんな所で無様にケンカしてる二人を見た私の気持ちがわかるかああああああああ!」
二人が自分の気持ちに気付き、お互いの気持ちに気付き、自分の気持ちに素直になれるまで。
その全てを延々フォローし続けてきたアニエスは、あまりの情けなさに涙すら浮かべているではないか。
二人共、めっちゃくちゃアニエスに世話になった自覚はある。
というかアニエスが居なければこの日は絶対に来なかったと確信出来る。
その立場とアンリエッタへの未練から、自らの想いにすら気付けなかったウェールズ。
アルビオンの王族!? 親の仇じゃ死にさらせボケええええええええええ! なマチルダ。
この二人をくっつけるのにアニエスが払った労苦は並大抵のものではなかっただろう。
「すまんアニエス! ほらっ! もう大丈夫だ! 私達はふぉーえばー仲良しだぞ!」
「そうよそうよ! もー目に毒すぎて逃げ出すぐらいラブラブなんだから!」
速攻で肩を組んでにこやかスマイルを見せる二人。
それで一応は納得したのか矛先を収めるアニエス。
「……頼みますよ陛下。皆様もうお待ちなんですから……
 マチルダもだぞ! 馬鹿なわがまま言ってないでさっさと行け!」
はいっと元気良く返事をし、二人は並んで式場へと向かう。

ウェールズは隣を歩く、これから妻になる人を見下ろす。
昨晩は「本当に私でいいの?」と不安気に震えていたというのに、夜が空ければすぐこれである。
よくもまあこんなの妻にもらう気になったもんだが、ウェールズにとっては彼女以外考えられなかったのだ。
出自の定かならぬ女性である。嵐のような反発を押し切っての式となった。
ウェールズは既にマチルダから王家との因縁を聞いていたので、逆に出自を明らかにする事も出来なかったのだ。
国家再生の只中、何代にも渡ってアルビオンを支えてきた貴族達は、
そのほとんどが様々な形でアルビオンを去って行った。
最早新たに国を作るのと大差ない労苦を共にしてきた彼女。
今アルビオンに必要なのは血筋ではなく、アルビオンの屋台骨となりうる強い女性でなくてはならない。
と、説得して何とか式にこぎつけたが、ウェールズにとってはまあ、それは言い訳の一つ程度の認識でしかない。
どんな逆境にあっても、逆に平穏な日々の中でも、いつでも必死になって駆け回り、
きらきらと輝いて見える彼女が、愛おしくてたまらないだけなのだから。
「さあ、行こうか」
廊下の終わり、光に満ちた場所へとマチルダを誘うと、少し照れながら、マチルダはウェールズの手を取った。



黙ってやられるだけは性に合わぬ、
踏み込んで一人でも多く道ずれにしちゃるとばかりに飛び込もうとするキュルケとタバサを、ルイズが止める。
「何よ? 何か言い残した事でもあんの?」
「心残りなんて、ギーシュとモンモランシーの式ぐらいだと思うけど……」
「……いや、ね。ずっと前から考えてた事なんだけど……」
珍しく自信無さそうな口ぶりでルイズは話し始めた。
121名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 20:28:29 ID:eyBZCTH6
しえん
122ゼロの花嫁 エピローグ5/6:2009/05/22(金) 20:28:59 ID:gsNXw9AU
「ほら、使い魔召喚のゲートってあるじゃない。あれってさ、向こうから来るのはいいとして、
 ゲートって言うぐらいだし、こっちからは行けないのかしら?」
通常使い魔召喚の儀式で発生するゲートは、ハルケギニアの獣が呼び出される事から、
ハルケギニアの何処かしらに繋がっていると考えられている。
燦を故郷に帰した時、使い魔である燦と何かが切れた感覚があったとルイズは言っていた。
使い魔の契約が途切れるのは使い魔が死亡した時のみであるが、
存在を感知出来ぬ場所に行った故、死亡したと認識されたのだろう。
以後新たな使い魔を召喚しなかったルイズは、これを移動手段として使えないかと言っているのだが、
そんな利便性の高い魔法であるのなら、今まで誰も確認していないというのはおかしい話である。
案の定タバサは幾つかの事例を聞き知っていた。
「召喚が目的であるし、ゲートにはこちら側に引き寄せる力が働いている」
ルイズも調べてあったのだろう、すぐに反論する。
「だからさ、その引き寄せる力以上の勢いでゲートに突っ込めば、向こうまで突き抜けられるんじゃないかなって」
むむぅと頭を捻るタバサだが、すぐに首を横に振る。
「でもダメ。ゲートの先がどうなってるかわからないし、使い魔は大抵危険な場所に生息している。
 火山の中や空の上に繋がっててもおかしくはない」
「うん、でも召喚する相手が人間だったならどう? それなら周辺の安全はほぼ確保されてると思わない?」
キュルケはルイズが考えていた事をようやく察する。
「……つまり、実験してみようって事よね。サンに繋がるかどうかもわからないけど、
 死ぬしかない今なら、うまくいけば儲けものって事でしょ」
にまーっと笑うルイズ。
タバサはやはり苦々しそうな顔のままだ。
「戻ってくる手段は存在しないかもしれない」
「死ぬよかマシよ。それに、どうせ賭けるなら夢のある未来に賭けたいじゃない」
森の奥の方で微かに動く気配がした。
タバサは即座にプランを立てる。
「ルイズはゲートの維持、私が風で三人を覆う。キュルケは魔法で私達を吹っ飛ばして」
「了解!」
「そうこなくっちゃ!」
ルイズが懐かしき召喚魔法を唱え、タバサが風の守りを用意し、キュルケはありったけの魔力を込め、炎の魔法を放った。



満潮家は何時もの喧騒に包まれていた。
今日は何故か都合が合い、瀬戸組の面々がぞろぞろと満潮家に揃ってしまったのだ。
燦の父豪三郎は、娘を奪った憎き男、満潮永澄に憎憎しげな視線を送るが、燦の手前なので一応我慢はしている。
永澄の父、母、そして許婚としてこの家にやっかいになっている燦、
その付き人であり小人のように小さい蒔が共にこの家に住んでいる。
更に今日は瀬戸組の瀬戸豪三郎、妻の蓮、若頭の政が一緒に来ている。
豪三郎は酒をかっくらいながら吼える。
「大体、三年前に政がこのボーフラ助けんかったら良かったんじゃ!
 何でその時きっちりトドメ刺しとかんかったんじゃ!」
「……燦ちゃんのお父さん、当人前にそーいう事言うのはどうかと思うんだ……」
「すいやせんおやっさん。
 しかしまさかその三年後にまた永澄さんが同じ場所で溺れるなんて思いもしなかったもんで……」
馬鹿丁寧に謝る政に、酒の勢いか普段の鬱憤か、豪三郎は更に八つ当たりする。
「そもそも燦に結婚はまだ早い! というか後一年でこんボーフラぁ結婚出来るようになってしまうやないか!
 早よぶち殺しとかんと取り返しのつかん事になってまうで!」
「……一年後て、僕まだ高校生なんですが……」
「もう、お父ちゃんお酒はそのぐらいにしてっ! 永澄さん困ってる!」
最近は永澄の両親も慣れたもので、豪三郎の罵声にもにこにこと笑っているだけである。
123名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 20:31:32 ID:oYcwSKGE
支援
124ゼロの花嫁 エピローグ6/6:2009/05/22(金) 20:33:40 ID:gsNXw9AU
「……二人共両親の責任きちっと果たそうよ……」
さっきから延々永澄がつっこんでいるのだが、誰もがガンスルーである。
全てから逃げたくなって永澄は天井を見上げる。
何故か、そこに真っ黒い楕円があった。

「うっひゃー!」
「ぎゃーー!」
「っ!」

三様の悲鳴と共に、天から女の子達が降って来た。
一同が静まり返る中、痛たたと顔を上げたルイズは、すぐそこに、懐かしいあの顔を見つけた。
「久しぶりねサン、元気だった」


三人の物語は、まだまだ終わってはいないようだ。




    ゼロの花嫁      完




以上です。ゼロの花嫁はこれにて完結となります
最後まで読んで下さってありがとうございました

途中何度か空白期間が空きましたが、それでもと最後まで書ききれたのは、作品投下後の快い感想や、時折ちらっと見かけるゼロ花の話題やらのおかげです
拙い作品ではありましたが、最後まで見守ってくださったみなさまに感謝を
本当にありがとうございました


----
投下終了
125名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 20:36:59 ID:oYcwSKGE
お疲れ様でした。
126名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 20:37:03 ID:Dgvr1HTh
お疲れ様でした!
乙でしたの上を行く甲でしたと申し上げたい!

久々の完結作品です、本当にお疲れ様でした!
素晴らしい作品をありがとうございます!
127名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 20:41:30 ID:m1TujV8v
乙!
128名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 20:44:21 ID:0aOGxb+W
おつかれさまです。本当に面白かった。
ありがとうございました!!
129名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 20:49:22 ID:/O39xG/H
>>113
あー、なるほど……、それは分かってたんだけど、
ガンダールヴも盾だったのをすっかり忘れていた……w
130名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 20:49:45 ID:hST49KRM
131名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 20:50:24 ID:LrDKY+Z5
原作知らんから読んだことないけど乙
完結した作品って久々だな
132名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 20:51:22 ID:iZITInpE
>>95
しかし真面目な話、ジョゼフがまともになるだけじゃガリアの未来は安泰とはいえないんだよな
逆にシャルルのコンプレックスが酷くなって暴走しかねんし
サイレンのキャッチコピーじゃないが、『どう足掻いても絶望』だ
133名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 20:55:00 ID:/O39xG/H
>>131
ちょっと前にクヴォレーが完結してたような……
134名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 21:07:12 ID:gsNXw9AU
ゼロの花嫁氏、完結お疲れ様でした。
アンアン、ワルド、ルイズの変化、要素だけ抜き出せばムッと思うことはありましたが
通してみると納得できる流れだと個人的に感じました。
オチも永澄がこれから原作以上に酷い目に遭うだろうと妄想できてニヤニヤしますw
すばらしい作品をありがとうございました。

135名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 21:07:26 ID:ZW+ZN/ZT
クォヴレーな
まあ読みにくいから久保でいいけど
136名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 21:26:04 ID:/O39xG/H
スマン、訂正ありがとう。
間違いやすい名前なのは覚えてたんだけどなぁ……
137名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 21:47:58 ID:bsAW9TPm
ゼロの花嫁氏へ、原作を知らない自分が連載当初から追いかけ続けるくらい面白かったです。
完結おつかれさまでした。
138名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 21:53:35 ID:ecchWNZR
>>133
あんな終わり方でいいんなら、超高速ガルビオンだって、SPTレイズナーだって打ち切りとはいえなくなるだろ
139名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 22:12:11 ID:JyeWfvCu
>>138

何それ?
140名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 22:13:18 ID:eyBZCTH6
まあまあ

花嫁の人お疲れ様でした
141名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 22:13:23 ID:0GJsaFY1
僕の名はエイジ。この星は、狙われている。

SPTの大部隊相手にメイジじゃ保たんか。
142名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 22:17:18 ID:xDx0dap4
>>141
中盤から国家解体された世紀末救世主な世界になって
聖地の刻印で決着つけるのか
143名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 22:17:22 ID:JyeWfvCu
って花嫁の人乙&GJ!!
お疲れさまでした。
突き抜けたルイズ達が新鮮で面白かったです。GJ!
144名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 22:21:45 ID:JyeWfvCu
>>142

今ググって見た。
エイジとレイズナー召喚→タルブにマークU→飛行形態で無双まで幻視した。
145名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 22:24:26 ID:bvOqsir2
Mk-UはLD付属の小説完結編だけの登場だっけ?
146名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 22:25:08 ID:G7szhz0I
>>138
レイズナーはともかく、ガルビオンなんて誰も知らんわwww
147名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 22:25:40 ID:oYcwSKGE
>>145
TVでも出る予定だったけど打ち切りのため強化型でお茶を濁した
だったはず。
148名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 22:36:34 ID:afQUZVuY
ゼロの花嫁、完結お疲れ様でしたー
脳筋ルイズとでもいうべきか、そのルイズを筆頭に魅力的なキャラの多い作品でした
とっても面白かったです
149名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 22:50:31 ID:eyBZCTH6
毎度思うことだが、いい作品を読むと自分のを書く気力がちょっと萎えるな
自分なりに頑張るけどね
150名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 22:56:30 ID:uExo6hEa
瀬戸の人完結乙
久々に勢いのある、それでいて方向の定まった物語でした
とても楽しめました
ありがとう&お疲れ様
151名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 22:57:32 ID:5u67rs10
ゼロの花嫁が終わってしまった…
お疲れ様&GJでした
152名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 22:58:22 ID:wE4eFcY1
花嫁の人お疲れさまでした。
途中から怪しくなった来た気がしたけど、楽しんで読む事が出来ました。
ありがとう!
153名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 23:07:56 ID:BJRJi0nO
花嫁の人、完結乙です
ルイズがこうなるとは、思いませんでした

ところで、もしやワルドの一番幸福バージョン?
154名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 00:53:49 ID:iIdheezy
花嫁完結おめでとうごぜえやす。ちぃ姉さま治ってよかった。
エレオノールはすっかりレモンちゃんになっちゃってGJ.
永澄さん超頑張れ。はー、すげー、とにかくすげー。
155名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 01:15:00 ID:hn5Hp2a4
wikiってさ、18禁の内容だとアウトだよね?
156名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 01:18:48 ID:uUI3aQJi
>>155
本スレだけ
157名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 01:22:20 ID:g1KnWNg4
本スレも禁止だ
本スレ=アニキャラ総合板のルールで×
wiki=@wikiの規約で×
避難所=ルールが決まってないのでグレーゾーン

よって避難所には投下できるかもしれないがwikiにまとめられることはない
158名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 01:30:17 ID:8jpYE1Vm
では17禁ではどうだろうか
159名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 01:32:52 ID:uUI3aQJi
特定の人物出入り禁止みたいだな
160名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 01:39:31 ID:4gLO6HBy
ふと、ルイズがランドクーガー、ジョゼフがイーグルファイター、ヴィットーリオがランドライガー
そしてテファがビッグモスを召喚して超獣機神が6000年越しの脅威と戦う
とかいう電波が飛来してきて、いろいろ妄想が膨らんだりもしたが

右手左手じゃなくて右足左足じゃねえか、とか合体しなくても無双状態しかもデルフ持てねえよ
とかいうしょうもないセルフつっこみに撃墜された

合体時の謎の声がかっこよくて好きなんだけどなあ
「獣の怒りを超え、人の憎しみを超え、そして今神の戦士として再生する
 それが究極のマシーン、超獣機神・断空我!」
161名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 01:48:09 ID:r8pL2fCr
17歳教を出入り禁止・・・
中の人的にエレオノール姉様とシエスタが出入り禁止か・・・
162名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 02:16:14 ID:15CVJwpR
ミラー二等兵を召喚
163名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 02:26:28 ID:0G55pcEU
>>160
人型に変形するデルフがいるくらいなんだから、
然るべきエクスキューズさえ準備できれば超獣機神サイズに巨大化しても問題なし
164名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 02:33:34 ID:hn5Hp2a4
>>156-157
答えてくれてありがとう。
wikiは規約で禁止されているのか……、お絵かき掲示板のアレって大丈夫なのかな?
165名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 02:51:57 ID:OoEMyrWw
その辺あいまいだしな。露骨なのじゃなきゃ大丈夫だろう。
エロじゃなく芸術です。文学です。なら通る…かもしれん。

まぁ仮に問題あるものがあったとしても、突如消されるわけじゃなく管理人に連絡行くだろう。
166名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 06:36:33 ID:MzjBNgH5
>>157
避難所って言うかしたらばも基本的には18禁不可じゃなかったっけ?
未成年フィルタの設定を有効にしないと18禁ネタは扱っちゃダメって聞いたことあるんだが。
ここの避難所の設定ってどうしてるんだろ。ちょっと運営議論で聞いてみる。
167名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 08:12:51 ID:a5XuqLJP
>>163
愛の心にて悪しき魔法を断つデルフですね
最初はオストラント号の主砲喰らって出すけどそのうちスパロボマジックで単体でも使えるようになると
168名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 08:39:57 ID:zsRHud3e
サイトがやぁあってやるぜ!!って叫ぶんですね。
最後は「分かるぞ、みんなの力がデルフに」
169名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 08:42:41 ID:cV9cHurV
巨大化デルフ?
何故かそれでガンソードのダン・オブ・サーズデイが連想されてしまった。丁度良く主人公が童て・・
170名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 10:17:07 ID:mEx7XZPe
じゃあ俺はダイソードで。
171名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 10:44:05 ID:oMc0IZO6
>>169
×童貞
○童帝

ここを間違えてはいけないぞ〜
172名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 10:44:26 ID:NRos1ADh
ダグオンの剣から人型に変形するあいつを思い出しちまったぜ
173名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 11:29:32 ID:XBYJ+yq7
ズ・バァーンッ!は小ネタで召喚されてたっけ
174名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 13:04:47 ID:gZENO6cM
「剣星人ライアン」の名前ぐらい覚えておいてやれよ
175名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 13:10:55 ID:tc2GAG+i
軍師ミザルの策により、修羅界からはじき出され、ルイズに召喚された修羅の裏切り者フォルカ・アルバーグ。
そこへ襲い来るは義兄弟、フェルナンド・アルドゥク。
二つの機神拳がぶつかるとき、ハルケギニア全土を震撼させる戦乱を巻き起こす!





……うん。世界観としては十分にあり何だけど、メイジが修羅神を敵に回すのは無理だと思うから廃案にした。
176名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 13:12:58 ID:2A91ZJvV
超獣だの星人だのっていわれるとな…
177名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 13:30:25 ID:sHPf2ORh
SH作品関連とのクロスを読んでみたいが、
「物語音楽」ってジャンル上話作りにくいよなー
キャラ的に喚んだらおもしろそうな奴は結構いるが、
どうしてもオリジナル的要素入っちゃうし。

でも作者自身の解釈とか
それゆえのゼロ魔キャラとのからみとか読んでみたい…
178名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 14:07:58 ID:XKEjYc9F
召還された時点でルイズと学園を普通に滅ぼしそうだが。
修羅の掟だと。
179名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 14:28:04 ID:KUPZe3r7
>>177
逆に考えるんだ、このスレに拘らないで外部も含めて探せば読めると考えるんだ!
たまに話題にあがる理想郷ってところには無いのかな?
180名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 14:28:15 ID:OoEMyrWw
SH作品ならあったぞ。連載ではないが
181名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 15:06:13 ID:qRit3iQE
ひとつ聞きたいんだが、BIOSHOCKのビッグダディでSS書いた人まだいないよな?
182名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 15:25:44 ID:/NFvb6TX
>>181
いないよ
183毒の爪の使い魔:2009/05/23(土) 17:16:00 ID:7AQW/FG7
誰も居ないようなら、毒の爪の使い魔の第37話後編を17:20から投下します。
184毒の爪の使い魔:2009/05/23(土) 17:20:37 ID:7AQW/FG7
では、時間ですので投下開始します。

魔法学院から馬ならば半日は掛かる距離もシルフィードならば、アッと言う間だった。
多少日が傾いただけで、正午にもならずにジャンガ達一向はラグドリアン湖へと到着した。
湖の畔に降り立ったシルフィードの背からジャンガは飛び降りる。
無論、その背にはキュルケがしがみ付いている。
本当ならば置いてくるつもりだったのだが、説得しようが乱暴に突き放そうが決して離れなかった。
ので、渋々連れてくる事にしたのだが、シルフィードでの移動中も執拗なまでに愛を囁き、しな垂れかかるしまつ。
それだけに止まらず、ルイズの喚きやタバサの意味不明な独り言などが鼓膜を叩くのだ。
お陰でジャンガは一時たりとも頭痛を忘れる事は無かったのだった。

岸辺に立ち、ざっと湖を見渡す。
前に比べれば水は引いており、家やら木やらがそこそこ目に付く。
それでも水没の範囲は広かったが。
「本当に増水しているのね」
湖の様子を見て、モンモランシーが呟く。
一応シルフィードでの移動の際にジャンガとタバサは、あの夜の事を話していた。
だが、やはり実際に見ると聞くでは衝撃の度合いが違うのだった。
「これでも大分引いてるみたいだけどな点…。さてと…、それじゃ早速呼ぶとするか」
「それは無理よ」
ジャンガはモンモランシーを横目で睨む。
モンモランシーは震えながら、それでも精一杯反論する。
「そんな風に睨まれても、こればっかりはどうしようもないわよ…。
日が落ちないと水の精霊は姿を見せてくれないんだから」
その言葉にジャンガが苛立たしげに舌打すると、キュルケがジャンガの頬に手を沿え、強引に自分に振り向かせる。
「モンモランシーなんか放っときなさいな。それよりも…」
キュルケはウットリした表情でジャンガを見つめる。
「こんな良い天気にこんな綺麗な湖の畔に来たのよ? 二人っきりで愛を語り合うのも良いじゃない」
ジャンガは苦虫を何匹も噛み潰した表情で唸った。
惚れ薬の影響とは言え、ここまで言い寄られると流石に背筋が寒くなってくる。
キュルケの肩に両手を押し当て、引き離す。
「ああそうかよ? 精々語ってろ…、一人っきりで好きなだけ語ってろ。俺は御免だな!!」
「恥ずかしがらないでいいわよ。誰しも愛し合う際、最初はそうだから。あたしがエスコートするわ」
「ウゼェ…、ウゼェんだよ、雌牛!」
ジャンガは密着しようとするキュルケの顔に手を押し当て、突き放そうと力を込める。
対してキュルケも力の限りジャンガへ密着しようとする。
そこへタバサが近づいてきた。
「ジャンガ、少しいい?」
その声に気付いたジャンガは押していた手の力を一気に抜く。
急に抵抗が無くなった為、キュルケは勢い余って前のめりになってしまう。
それをジャンガは身体を横に避けてかわし、おまけとばかりに足を引っ掛けた。
キュルケの身体が宙に浮き、大きな水柱を上げて頭から湖へとダイブした。
それには一瞥もくれずにジャンガはタバサを見据える。
「何だ?」
「丁度時間ができたから、都合が良いと思った」
「あン?」
タバサは真っ直ぐにジャンガを見つめる。

「…もう一度、わたしと決闘をしてほしい」

その言葉にルイズ達は驚き、目を見開く。
ジャンガは怪訝な表情を浮かべる。
「決闘だ?」
「そう…。前の続きと思っても構わない」
ジャンガの脳裏にタバサと初めてやりあった、あの決闘騒ぎの光景が蘇る。
目の前の小娘をからかい半分で痛めつけ、半ば甚振り殺そうとも思ったあの戦い、
それは今でも鮮明に思い出す。…その続きだと?
「今更あの事を持ち出してくるかよ…、何が目的だ?」
「強くなりたい」
185毒の爪の使い魔:2009/05/23(土) 17:24:34 ID:7AQW/FG7
「解り易いな…。だがよ、それで何で俺とやり合う? この前の続きで…ってのも気になるゼ?」
タバサは一拍置いて口を開く。
「…わたしの今までの人生は、復讐の為だけにあったようなもの。
その為に周りを拒絶し、ただ復讐の為の力を求めてきた。
でも、あなたに言われて、あなたの事を知って、それは違う事に気が付く事が出来た」
ジャンガは黙って耳を傾けている。
「だから今は違う。復讐の為じゃない、誰かの力になる力…、誰かを守る為の力が欲しい」
「ほゥ?」
「エルフと戦った時、アルビオンの時、タルブの時、いずれもわたしの力は及ばなかった…。
だから…強くなりたい」
「それで、何で俺と決闘なんだ? わざわざ、前の続きとか抜かしてよ?」
「あの時の”本気”のあなたと戦う事が一番の近道…、わたしはそう思う…。だって、これ以上あなたの足手纏いになりたくないから」
ジャンガは暫くタバサを静かに見つめていたが…、徐に帽子を押し下げて顔を隠すとため息を吐く。
「ったく…、昔の俺は違うとか色々と言ってたくせによ…。――そんなに続きがしたいのか?」
ジャンガの声の雰囲気が変わる。
帽子の下から覗いた目は冷え切り、見つめられていると背筋が凍り付きそうだ。
実際、タバサはその視線に背中に冷たい物が走るのを感じた。
「死ぬかもしれねェゼ?」
「それでいい。あなたの”本気”と戦わないと意味が無い。
それにあなた自身が言っていた。残酷なのも優しいのも、全部が自分だと」
「キキ、そこまで言うなら相手してやらァ…。けどよ、死んでも文句言うなよ、チビガキ?
と…死んだら文句を言う事は出来ないか? キキキ…、じゃあ…やるか?」
例の調子になりつつあるジャンガの言葉にタバサはコクリと頷く。
杖を構えようとしたタバサにジャンガは、待て、と制止た。
タバサが不思議そうな表情をするとジャンガは押し殺すような声で笑う。
「やり合う前に……こいつを何とかしなきゃな」

「ダーリン…酷いわ〜? あたしを水の中に突き落とすなんて…。
お陰でびしょ濡れじゃない…、責任とってダーリンの体温で乾かしてね♪」
湖に落ちた所為でびしょ濡れになったキュルケがジャンガの背にしがみ付いていた。



――とりあえず、ジャンガはキュルケの脳天にキツ〜〜〜イ一撃をお見舞いした。



気絶したキュルケを木に寄り掛らせる。
そして、彼女から寝息が聞こえ始めたのを確認し、タバサは頷く。
「これで心配無い」
「そうか…、ありがと――よ!」
言い終わると同時に、ジャンガは凄まじい勢いで踵落しをタバサの脳天目掛けて放つ。
タバサはそれを予測していたようにアッサリと飛び退いて避けた。
地面に踵が決まり、重い音が響いて罅が走る。
ジャンガは離れた場所に降り立ったタバサを見据える。
「キキキ、いい反応じゃねェか…」
「これ位は当然」
平然と言い放つタバサ。
ジャンガは小さく鼻を鳴らす。
「卑怯だとか言わねェんだな?」
「本当の戦いに卑怯な行為は存在しない。卑怯という言葉はルールに縛られた試合にのみ存在する。
だから、今の行為は卑怯じゃない。やられた場合、相手の注意が散漫なのが悪い」
「良く解ってるじゃねェか? キキキ、褒めてやるゼ!」
爪を振り回しながらジャンガはタバサに切りかかる。
すかさずタバサは『ブレイド』を唱え、爪を受ける。
ジャンガは立て続けに爪を繰り出し、それをタバサも風の刃と化した杖で受けていく。
爪と杖の応酬が暫し続き、互いに弾かれるようにその場から飛び退く。
ジャンガは小馬鹿にするような感じで口笛を吹く。
「やるじゃねェか? 避けるだけで精一杯だったあの時よりはやるようになったな」
186毒の爪の使い魔:2009/05/23(土) 17:29:06 ID:7AQW/FG7
言いながらジャンガは爪を構え、同時に分身を生み出す。実体のある分身が三体…本気である。
対抗してタバサも呪文を唱える。
「ユビキタス・デル・ウィンデ…」
『風のユビキタス<遍在>』…風のスクウェアスペルのその呪文で、タバサもまた分身する。
分身はジャンガと同じく三体…、鍛錬でより『遍在』を扱えるようになった結果だ。
その見事な分身を見て、ジャンガは笑う。
「あのヒゲヅラの分身じゃねェか…。キキキ、分身対決か…こりゃ面白いゼ!」
叫ぶやジャンガと分身が一斉に動き出す。

そして始まる四対四の戦い。最早プチ戦争と呼べるような規模になっていた。
四人のタバサが竜巻や氷の矢を放ち、四人のジャンガがカッターや毒の泡を放つ。
八対の爪と杖が交差し、斬撃音が湖に響く。
そして――

四人のタバサが一斉に『ウィンディ・アイシクル』を放つ。
数十本の氷の矢がジャンガに襲い掛かる。
四人のジャンガも一斉にカッターを放った。
氷の矢とカッターがぶつかり合い、水蒸気が辺りに広がる。
その水蒸気を突き抜け、氷の矢が、カッターが、相手に襲い掛かった。
切り刻まれ、串刺しにされる。
だが、捕らえたのは互いに分身。
掻き消えるそれに一瞥もくれず、お互いは弾ける様に飛び出す。
煙幕の様な水蒸気の中へと飛び込んだ。刹那、数回打ち合う音が響き、鳴り止んだ。
水蒸気が晴れ、視界が利いてくる。
「痛っ…」
地面に倒れたタバサの喉元に真紅の爪が突きつけられていた。
タバサの眼前にはジャンガのニヤニヤした顔が在った。
「これで仕舞いだ…キキキ」
言いながらジャンガは頬をペロリと嘗める。
タバサのブレイドが僅かに掠ったのか、頬は切れ、血が滲んでいた。
「まァ…俺の片腕には遠く及ばねェが、落第点はくれてやる。…足手纏いはとりあえず卒業だ」
「…そう」
小さく呟く。
ブレイドを用いた白兵戦を極める際、タバサは以前の決闘で肌身で味わったジャンガの戦いを参考にしていた。
素早い動きで翻弄し、一撃一撃を正確に叩き込む、その戦い方は自分には良く合った。
タルブでの彼のスキルニルとの戦いでもそれが良く解った。
流石に本物相手には力不足だったが…。
それでも一撃、僅かに掠る程度だったが…一矢報いる事が出来たのは嬉しかった。
それに、彼から足手纏いは卒業とも言われた。慢心するつもりは無いが、素直に喜んでも良いだろう。

ジャンガが爪を引いて立ち上がる。タバサも続いて立ち上がった。
そして互いに見詰め合う。
「ありがとう」
タバサのお礼にジャンガは笑う。
「殺そうとした相手に礼言う何ざ酔狂だな?」
タバサは首を振る。
「わたしが頼んだ事だから」
「ああそうかい。ま、玩具でこうして遊ぶのも、ペットに運動をさせるのも、持ち主兼飼い主の義務だしよ」
そんな風に言うと、ジャンガは肩の骨を鳴らす。
「激しく動いて疲れたゼ…。あいつを呼べるようになったら起こせ」
それだけ言い、ジャンガは手近な木陰に移動するとそのまま夢の世界へダイブした。



――夕方――

「ジャンガ…、起きてジャンガ」
パチン、と鼻ちょうちんが割れた。
187毒の爪の使い魔:2009/05/23(土) 17:32:49 ID:7AQW/FG7
「あ…、ン?」
小刻みに身体が揺さぶられているのを感じながら、ジャンガは目を覚ます。
ぼやけた視界にタバサの顔が映りこむ。
目を擦りながらジャンガは尋ねた。
「なんだ…? 時間か?」
タバサはコクリと頷く。
既に日は山の向こうに沈みかけており、空は朱に染まっている。
ジャンガは大きく伸びをすると、湖の方へと歩き出す。
波打ち際ではモンモランシーが座り込んでいた。
腰に下げていた袋から何かを取り出す。それは一匹のカエルだった。
そのカエルを見るや、ルイズは恐ろしい物を見たかのような表情を浮かべて後退る。
「そ、そのカエル…少しでもわたしに近づけてみなさいよ? 何て言おうと吹き飛ばすから!」
杖を構えながら言い放つルイズをモンモランシーは、ムスッとした表情で睨む。
「別にそんな事しないわよ。吹き飛ばされたらたまらないわ」
そう言って、モンモランシーはカエルの顔を覗き込む。
「いいことロビン? あなた達の古いお友達と連絡が取りたいの」
モンモランシーはポケットから取り出した一本の針で指先を突く。
血の玉が膨れ上がる。それを一滴、カエルの背中に垂らした。
直ぐにモンモランシーは治癒の魔法を唱えて指先を治療する。
「これでわたしの事が解るはず。古き盟約の主が話をしたいと伝えてちょうだい」
カエルは頷き、ピョンと飛んで水の中に消えた。
「今ロビンが水の精霊を呼びに言ったわ。見つかれば連れて来てくれる。
昔、父上とここに来て盟約を交わしているの。精霊がちゃんと覚えていれば来るはずよ」
「フン…、で? 出てきたらどうする…、悲しい話でもする気か?」
「何でそんな事をしなくちゃいけないのよ?」
「涙取るんだろうが、泣いて貰わなくちゃ困るだろうが? まァ…”あれ”がそう簡単に泣くとも思えないがよ」
「精霊を言うに事欠いて”あれ”なんて…」
頭痛がし、額を押さえるモンモランシー。
「で、どうやって泣かす気だ?」
「あのね…、涙って言うのは通称。実際には身体の一部を分けてもらうのよ」
「ほゥ?」
「いい? 精霊を怒らせたら涙が手に入らないどころか、わたし達の命だって危うくなるんだからね。
本当に気をつけてよ? 今の様な軽率な発言はご法度なんだから」
「いいじゃねェかよ別に? 知らねェ仲じゃねェんだしよ」
「あなたね…」

その時、湖から水が勢いよく噴出した。

「な、何!?」
「こ、これは一体!?」
ルイズとギーシュが驚愕の表情を浮かべる。
「お? 来たようだな」
「うん」
一度経験している為、ジャンガは然程驚かない。タバサも同様だ。
モンモランシーは凛とした表情で噴きあがる水を見つめながら両手を広げる。
「わたしはモンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ。水の使い手で古き盟約の家系の一員。
もし、わたしの血に記憶が在るのなら、わたし達に解るやり方で返事をしてちょうだい!」
モンモランシーの言葉に答えるかのように噴きあがる水は徐々に纏まりを見せ始める。
ぐねぐねと蠢き、やがて一つの形をとり始める。
それは水で出来た透明なモンモランシーだった。
「覚えている、単なる者よ。貴様の身体に流れている液体を我は覚えている」
(今度は違和感無ェな)
そんな事をジャンガは考える。
実際、ジョーカーの姿で出てきて喋った時は違和感バリバリだった。
「良かった…。水の精霊よ、お願いがあるの」
「願い?」
「あなたの――」
「お前の身体の一部が欲しいんだ…、少し分けてくれや?」
188毒の爪の使い魔:2009/05/23(土) 17:36:21 ID:7AQW/FG7
モンモランシーは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。
無論、隣のジャンガのあまりに無礼な態度に対してだ。
水の精霊はふるふると震える。
「お前は…ガンダールヴ」
「よう、久しいな」
「…ここを再び訪れたのは、我との約束を果たしに来たか?」
ジャンガは両手を広げて首を振った。
「残念だがよ、そうじゃねェ。別件だ」
「我の一部が欲しいという事か?」
「ああ、そうだ」
水の精霊は再び揺れ出す。悩んでいるようだ。
ジャンガはそれを見つめながら口を開く。
「テメェとの約束を果たす上でも必要だ……って言ったらどうだ?」
「我の秘宝を見つける為に、我の一部が必要だと?」
「まァ…少しばかり違うがよ。それが無きゃ、探し物をしてられねェんだよ」
水の精霊はグネグネと蠢き出す。
暫く様々な形を取り、そしてモンモランシーの姿に戻った。
「…よかろう」
水の精霊の身体が振るえ、その身体の一部が、ぴっ、と水滴のように飛び出す。
ギーシュが持っていた壜で『水の精霊の涙』を受け止めた。
それを見てジャンガは笑いながら水の精霊を見つめた。
「礼言うゼ」
「構わぬ。我のお前に対する信用だと思って欲しい」
「了解だ、キキ」
「我の秘宝を頼む…、ガンダールヴ」
それだけ言い、水の精霊は水中へと引き返した。
「…ほんとにあなたは色々と規格外ね」
半ば呆れた口調でモンモランシーが呟いた。
ジャンガはニヤリと笑ってみせる。
「俺は”裏切り者”だからな。キキキキキ!」



そして『水の精霊の涙』を手に入れた一向はモンモランシーの部屋へと戻った。
「できたわー」
言って、モンモランシーは椅子の背凭れに身体を預ける。
額に浮かんだ汗を拭う。
目の前のテーブルの上にはるつぼがあり、その中には調合したばかりの解除薬が入っている。
「これをそのまま飲ませればいいのかよ?」
るつぼを手に取り、中身の液体を見ながらジャンガは聞いた。
モンモランシーは頷く。
「ええ」
「よし…」
ジャンガはるつぼをキュルケの鼻先に突きつけた。
「飲め」
「ええ〜? 嫌よ…これ凄い臭いじゃない。肌が荒れそうだわ…」
「いいから飲め」
「でも…」
「ああ! メンドくせェ!!!」
叫ぶやジャンガは惚れ薬を飲ませた時と同じように、無理やりキュルケに解除薬を飲ませる。
キュルケは臭いに顔を顰めたが、ジャンガに飲まされているのが嬉しいのか、暴れるのを止めた。
るつぼの中身が無くなり、ジャンガはそれを投げ捨てる。
ああ? 何て事をするのよ!? とモンモランシーが叫んだが無視。
キュルケは、ヒックと一つしゃっくりをする。
夢見心地な表情が一転し、いつもの表情に戻った。
「よう…、気分はどうだ?」
ジャンガが自分の顔を覗き込んでいるのに気が付き、キュルケは顔を赤らめる。
そして慌ててそっぽを向いた。
189毒の爪の使い魔:2009/05/23(土) 17:40:47 ID:7AQW/FG7
「…勘違いしないでよね」
「何を勘違いするんだよ? テメェが俺に惚れてるってか?」
ジャンガは大きな声で笑う。
「な、何が可笑しいのよ!?」

「自惚れんじゃねェよ、バァーーーカ!!!」

ジャンガのその言葉にキュルケは歯を噛み締める。
「自惚れって…どう言う意味よ?」
「言ったとおりの意味さ…。テメェがしな垂れかかって、男が誰でも靡くと思ってんのか〜?
キキキ、傑作だ傑作! 鼻の利かない阿呆ばかり何人も相手にしたからってよ…、
テメェは自分が”本当の意味”でモテると思ってんのかよ? バカだな、正真正銘のバカ!」
「本当の意味?」
ジャンガは鋭い視線でキュルケを睨み、鼻先に爪を突きつける。
「いいか? テメェが今まで恋だの愛だの言ってやってきたのはそんな物じゃねェ…。
ただ単純にテメェの快楽を満たす為だけに他人を使っていただけ。
路地裏で見境無く男に売春している雌と変わり無ェし…、もっと言えば俺ともな。
ああ…そこの気障ガキも同じ穴のムジナだな。もっとも…」
ギーシュを見て、モンモランシーを見る。
「穴から這い出てはいるようだがよ…キキキ」
ジャンガはキュルケに視線を戻す。
「テメェに今まで言い寄って来た奴はテメェ自身を愛しちゃいねェ。売春してる女と同じ目的で近づいていただけさ。
まァ…中には違うのもいたかもしれないがよ、テメェ自身が遊び半分だからよ…、同じだな」
図星だった。何も言えずにキュルケは唇を噛む。
「夕べ俺を部屋に連れ込んだ時もよ…次々部屋にやって来た奴を禄に話もしないで追い返していたよな?
薬のせいとはいってもテメェがあいつ等を本気にしていなかったのが良く解ったゼ」
「…どうして解るのよ?」
「本気だったら悩むはずだろ? 俺かあいつらか……ってよ」
キュルケは力無く肩を落とす。
ジャンガは汚い物でも見るかのような視線を投げつける。
「ハッキリと言ってやる。――テメェに愛だの恋だの語る資格は無ェ。男漁りたいんだったら、路地裏に行け。
そして……俺に二度と近づくな。テメェに愛だの何だの言われた事は、思い出すだけで吐き気がするんだよ!」
そう言い捨てるとジャンガは部屋を出て行った。
「ちょっ、ジャンガ!?」
ルイズが慌てて部屋を出て行く。
タバサはキュルケを気遣い部屋に残った。



「クソが…」
苛立ちを隠しもせず、ジャンガはどんどん歩いていく。
「ジャンガ、待ちなさいよ!?」
背中から聞こえた声にジャンガは立ち止まる。しかし、振り返らない。
「…何の様だ?」
ルイズは暫く黙っていたが、やがて口を開いた。
「今の事だけど…」
「文句があるのか?」
「無いわ。キュルケが遊び半分で男に言い寄っていたのは事実だし、弁解をするつもりは無い。
聞きたい事は別よ」
そこで一拍置き、ルイズは言葉を続ける。
「…シェリーさんとの事を思い出したんでしょ」
「……」
ジャンガは何も言わない。何を知っていても、もうジャンガは驚かないつもりだ。
「あなたにとって恋とか愛は特別なのね。…だって、その人以外で心を許した女性はいないから」
「……」
「だから、軽い気持ちで大勢の男に言い寄るキュルケの様な女性は許せないんでしょ?」
「…ああ」
「それを聞きたかったの」
「フン」
190毒の爪の使い魔:2009/05/23(土) 17:45:03 ID:7AQW/FG7
忌々しげに鼻を鳴らし、ジャンガは再び歩き出す。
ルイズはその背に向かって言った。
「…いつまでも昔を引き摺っても仕方ないからね? わたしもワルドの事は忘れたから…」
「その言葉……覚えといてやる」
それだけ言ってジャンガは歩き去った。
ルイズもそれ以上は何も言わずに自分の部屋へと戻っていった。



「はぁ…」
自室へと戻ったキュルケはベッドへと倒れこみ、ため息を吐いた。
先程のジャンガの言葉が頭を駆け巡る。
「”愛や恋を語る資格は無い”…か」
――自分が今まで男と関係を持って来た事は何なのだろうか?
キュルケは悩んだ。そして夕べの事を思い返す。
惚れ薬の効いている間の記憶は残っている。
ジャンガを部屋に招いた時、訪れた相手は全員キュルケの男友達だった。
それも、数多い中では特に仲が良い。
だが、それらがあの時は異様なまでに鬱陶しく感じたのだ。
目の前のジャンガとの一時を邪魔されるのが腹立たしく感じた。
だから、手加減をかなりしていない炎で追い払ったのだ。
あの時、心の中にあったのは紛れも無くジャンガだけだった。
…あれは自分の本当の気持ちなのだろうか? それとも、惚れ薬によるものなのか?
「…悩むまでも無いわね」
キュルケはあれが自分の本心なのだと悟っていた。
例え薬の所為だとしても、本気で一人の相手に思いを寄せたら、他はどうでもよくなってしまうのだ。
だから、あの時の自分は迷う事無くやってきた相手を次々に追い返したのだ。
自分は、あいつの言うとおり――否、既に理解はしていた。
今までの恋は所詮遊びでしかなかったのだ。
「…はぁ」
またため息が口から漏れる。
認めると同時に胸に広がる思い…、憎い相手の顔が浮かぶ。
自分はあいつ嫌いだ。傍若無人に振る舞い、タバサを傷付け、コルベール先生を殺したのだ。
だが…、同時にあいつは身を挺してタバサを、自分を助けてもくれた。
苦しい…、憎いのかそうでないのか…解らない。
いや、もしかしたら…そうではないのかも。
これもまた…認められないからなのかもしれない。
「きゅるきゅる」
フレイムがベッドによって来た。
キュルケは優しく微笑むと、その頭を優しく撫でた。

「フレイム…、もしかしたら…わたし、本当の恋ってものを初めてしたのかもしれないわね…」



――同時刻――

――トリステイン王宮――

「会戦の証書…」
目の前の机の上に置かれた一枚の紙を見つめ、アンリエッタは眉を顰める。
「どうぞご署名を」
マザリーニ枢機卿が深くお辞儀をする。
アンリエッタの前に置かれているのはアルビオンとの会戦を宣言する為の証書。
先のタルブでの戦いの勝利でアルビオンの戦力は弱まりを見せているだろう。
故に攻めるべきだと言う意見が高まり、女王となったアンリエッタに会戦を告げる為の証書へのサインが求められているのだ。
「閣僚全員の意見は即時会戦で一致しており、同盟国ゲルマニアの王室は即時会戦を決め、陛下のご決断をお待ちになっております」
マザリーニの隣に立っているド・ポワチエ将軍が姿勢を正す。
「陛下、アルビオンへの出撃準備は整っております。どうかご加盟を」
アンリエッタはマザリーニに顔を向ける。
191毒の爪の使い魔:2009/05/23(土) 17:49:08 ID:7AQW/FG7
「マザリーニ枢機卿…、そんなにあなたは戦争がしたいのですか?」
アンリエッタの言葉にマザリーニは表情を曇らせる。
「いえ、そのような…。平和を願う陛下の気持ちは良く解っているつもりです…」
「ならば――」
「しかしながら」
アンリエッタの言葉を遮りマザリーニは続ける。
「国民の大部分はアルビオンへの軍事制裁を求めています。これ以上会戦を遅らせれば、クーデターが起きるでしょう。
そうなっては最悪の場合…陛下は幽閉され、王室の権威は地に落ちてしまいます。
好戦的な輩が政治と軍の主導権を握れば戦争は拡大するばかり…、止める者は居なくなってしまいます。
陛下が指揮を取る事で、戦争を必要最低限の物に抑える事が出来るのです。
胸中お苦しいでしょうが……ご決断を!」
マザリーニは再び頭を垂れた。
アンリエッタはそんなマザリーニを悲しげな表情で見つめ、会戦の証書に目を落とす。
アルビオン――自分の愛しい人であるウェールズを奪ったレコン・キスタがいる国。それとの会戦。
これにサインをすれば戦争は瞬く間に始まるだろう。
だが、それでいいのだろうか?
自分の愛する者を奪い、国を、民を、傷つけた相手。手心を加える必要は何処にも無い。
でも、とアンリエッタは思う…、このまま会戦をして良いのだろうか?
確かにアルビオンへの軍事制裁を望む声が多いのは事実だろう。
だが、同時に戦争を望まない者もいるのだ。…自分のように。
それに…今は軍事制裁を望む者も、戦争を始めてもそんな気持ちで居られるだろうか?
軽い気持ちで、その場の怒りで、戦争を望むような者がいる…とは考えられないだろうか?
だとしたら、それで始めた戦には何の大義名分も無い。ただの私怨による復讐だ。
自分は知っているはずだ…復讐の愚かさ、無意味さを。あのガリアの姫君の話をあの亜人から聞いて…。
暫し目を瞑り…、アンリエッタは顔を上げたその目に迷いは無い。
「マザリーニ枢機卿、ポワチエ将軍」
アンリエッタの声に二人は姿勢を正す。
二人を見つめながらアンリエッタは会戦の証書に手を伸ばす。
二人に見せ付けるように持ち上げ、両手で掴む。
そしてゆっくりとそれを二つに破り捨てた。
呆気に取られる二人に向かってアンリエッタは凛とした態度で言った。

「我、アンリエッタはトリステイン国王として、ここにアルビオンとの会戦は行わない事を宣言する」

二人はアンリエッタの口から会戦が告げられる事を信じて疑わなかった。
それゆえにアンリエッタのその行動に驚きは隠せなかった。
「陛下、何て事をなさるのですか!?」
「これがわたくしの答えです」
「解っておられるのですか? このままではクーデターが起きるかもしれないのですぞ!?」
「ならば、それを押さえるのに全力を尽くすのです。戦争をするばかりが戦いではありません」
「しかし…」
尚も食い下がろうとするマザリーニをアンリエッタは真っ直ぐに見つめる。
「マザリーニ枢機卿、あなたは確かわたくしが指揮を取れば”戦争を必要最低限の物にできる”と仰いましたね?
必要最低限とはどれ位の被害を指して言うのですか? 人の命で何人ですか? 家では? 領土では?」
それは、とマザリーニは口篭る。
「戦争に必要最低限という言葉は在りません。どれだけ少なくても、人の命や財産が失われるのには代わりは無いのです。
それはわたくし達に限った事ではありません。アルビオンにもレコン・キスタとは無縁の者達が居るのですから…。
どれだけ言葉で飾ろうとも戦争は戦争…、一度起きれば人々の血が、涙が流れます。
会戦を望む者だけでなく、戦いを望まぬ者からも…。
わたくしはそんな事をしたくありません。無理やり戦いに巻き込むなど、貴族としてあるべき姿ではないのです。
…マザリーニ枢機卿、あなたの言葉は解らなくもありません。ですが…」
「解りました」
マザリーニは静かに呟いた。ポワチエが何かを言いそうになったが、マザリーニが制した。
アンリエッタは静かにマザリーニを見つめる。
「マザリーニ枢機卿…」
「陛下の固い決意、国民への思い、良く解りました。…知らぬうちにご立派になられていたようですね」
「あなたには迷惑を掛けてしまいますね。ですが…」
「解っております。では…失礼いたします」
マザリーニは破り捨てられた証書を拾い上げると、ポワチエと共に退室していった。
192名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 17:50:09 ID:yw98PaT2
支援
193毒の爪の使い魔:2009/05/23(土) 17:53:05 ID:7AQW/FG7
二人が部屋を出て行くとアンリエッタは緊張の糸が切れたのか、大きくため息を吐いた。
正直疲れた…、今の会話で自分の中の少ない勇気を限界まで振り絞った気がする。
アンリエッタは窓に近づき月を見上げる。二つの月が優しく輝いていた。
「ウェールズ様…」
アンリエッタは愛しい人の名前を口にした。
彼の遺体は既にラグドリアン湖へと沈めている。
二人の思い出の場所ゆえ、そこが彼を眠らすのに良いと考えたのだ。
――彼の最後の会話を交わした、あの日の事が思い出される。
死に行く身でありながら、その最後の瞬間まで自分を気遣った優しい人。
…最後まで自分を”愛している”とは言わなかった意地悪な人。
自分にメダルと指輪を預け”自分を忘れろ”と言って、彼は静かに眠った。
「ウェールズ様…」
もう一度彼の名前を呟いた。
手の中にはいつの間にかメダルが握られており、それを強く握り締めた。
自然と涙が溢れて、頬を伝う。

扉が叩かれた。

アンリエッタは慌てて涙を拭う。
「鍵は開いていますわ」
その言葉に扉が開かれ、一人の女騎士が入ってきた。
それは先のタルブの戦でジョーカーの炎からアンリエッタを庇った女性だった。
姿勢を正し、一礼をする。
「アニエス・シュヴァリエ・ド・ミラン、参上仕りました」
アンリエッタは頷き、顔を上げるように促す。
「例の調査が終わったのね」
「はい」
アニエスはアンリエッタの下で跪き、懐から出した書簡を捧げる。
それを受け取り、アンリエッタは中を確かめる。
そこには最近振る舞いの怪しい人物の身辺の調査報告が書かれていた。
ありえるはずの無い大金の流れ、それはアンリエッタの中のある疑惑を確信に変えた。
書簡を閉じ、アンリエッタはアニエスに礼を述べる。
「ありがとう、アニエス。あなたの働きにお礼を申し上げます」
その言葉にアニエスは深々と頭を下げる。
「もったいないお言葉。平民の私を貴族の姓と地位を与えてくださった陛下には一身を捧げております」
「わたくしの命を助けてくださったのです。当然の恩賞です」
アンリエッタはそう言った。
実際は平民を貴族にするのには多くの貴族が反対したのだが、
アンリエッタを助けた功績を認めないわけにもいかず、渋々貴族達は認めたのだ。
アニエスはアンリエッタを見つめる。
「陛下、すぐにあの男をお裁きになられますか?」
「いえ…、あの男にも立場と地位があります。裏はどうであれ…表の顔がしっかりしている以上は慎重にならねばなりません。
…やはり、ここは例の計画を進める事にしましょう」
「ですが、それでは陛下の身に危険が…」
アンリエッタはアニエスを振り返る。
「大丈夫です。わたくしには頼りになる護衛がいますから。…それに、この問題は一刻も早く解決しておきたいのです」
アニエスはそんなアンリエッタを見つめ、もう一度頭を下げた。



――そんな彼女達のやり取りを遠い遠い空の彼方から見つめる者がいた。
「やれやれ…、小娘がでしゃばりおって」
異型に乗った男が一人。タルブの上空に現れた男と同じ人物の様だ。
男はあからさまに不機嫌な様子で遠くのアンリエッタを睨んだ。
「無能は無能らしく、愚かな戦をすればいいというのに…、余計な事を」
異型が喚く。
「フン、こうなれば少々強引な手段に出るか…。
是非ともトリステイン、ゲルマニア連合軍にはアルビオンまでお越し願いたいのでな。ククク…」
異型が翼を羽ばたかせる。笑う男を乗せたまま異型は飛び去っていった。
194毒の爪の使い魔:2009/05/23(土) 18:00:31 ID:7AQW/FG7
以上で投下終了です。
キュルケの事に関しては少々悩みましたが、こういう流れで行く事にします。
恋愛関連については完全に俺の観点での物ですので、あまり気にしないでください。

アンリエッタは一応有能な感じで書きたいのでどうしようか悩みました。
ので、スパロボZで初めて知ったディアナ・ソレルの感じで書いてみました。あの女王様素敵。
まぁ、とりあえず欠点の一つの”私怨での戦争”は回避。
この後どうなるかは次回をお楽しみに。では、アデュー♪
195名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 18:22:26 ID:3vNU6DwH

新作待ってました
196名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 18:29:31 ID:AgTl5KXe
乙。
ディアナ・ソレルは、キャラは違うんだがしゃべり方がダイターン3のコロスとくりそつで、気づいた時吹いた記憶がある。
あれはお富さんの無意識のキャラ作りなのかねぇ。
197名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 18:32:39 ID:0BP1L2T1
毒の爪の人、乙です!

タバサの遍在、三体まで出せるようになったのか
タバサは確実にレベルアップしてますね〜
ジャンガからも足手まとい卒業のお墨付きを貰えてよかったよかった
そろそろタバサの甘えるシーンが欲しいところですねw

うーむ、キュルケが恋に悩みますか…
ジャンガお得意のキツめな言い方を受けて、彼女も何か思うところがある様子
キュルケがこの後悩んだ末にどんな結論を出すか楽しみです

アン様が私怨で戦争をしないとは…これが今回の一番のサプライズ
なにやら暗躍してる黒幕、どんな感じで開戦させるのか楽しみです
198名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 18:46:42 ID:i6eXj47V
>>177 永遠の少年召喚はあったよ
199名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 19:46:01 ID:eU/JBeO2
>>175
亀だが…修羅召喚は俺も妄想したことはあったな。
OG外伝終了後召喚されたソーディアン、使い魔になれという言葉に怒る修羅たち、
「じゃあルイズに倒された奴が使い魔だ」と誰かが言い、直感的にルイズの杖の射線上から逃げる修羅たちだったが
運悪く一人、爆発が直撃してしまう。
その修羅の名前が「サイト」…とかシエスタの祖父がアルカイドで村にあるのがエクスティムとか
200名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 19:54:32 ID:QZYHvPXl
北斗の拳の修羅の国から来た人々かと
201名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 19:54:38 ID:poAY5SYE
>>199
面白そうだな、修羅サイトは中々想像しにくいが
そしてシエスタがアルカイドの孫・・・タルブにエクスティムか・・・ふむふむ

誰が乗れるねんw
適応できない人間って容赦なく吸われるんだよね、確かOGでメガネが・・・
ガンダ補正がかかったら吸収効率とか抑えられるんだろうか
202名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 20:03:22 ID:tc2GAG+i
その為の修羅サイトと。成る程……
203名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 20:08:54 ID:aFymlHa2
修羅サイトはオリジナル主人公にならないか?
204名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 20:16:12 ID:Vhtv3U7F
毒爪さんおつー

落第点、か……
205名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 20:17:19 ID:M2Kjbe1E
どうせだれも書かないだろうから話すのは自由なんじゃない。
206名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 20:19:56 ID:aFymlHa2
それもそうだな

スマンかった
207名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 20:31:04 ID:acdCvxRB
ルイズは、ストレスがかかっている限り動かせるのでは?
魔力=覇気という解釈で。

ガンダ補正でも、心の震えがある限り動かせそう。
208名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 20:34:25 ID:5E/G65wg
普通に、ルイズが修羅神召喚して、乗り回せばいいんじゃね?
209名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 20:35:45 ID:poAY5SYE
使い果たしたら昏睡で済むかなぁw
修羅召喚だったらやっぱりフォルカかフェルナンドが妥当だろうかな
フォルカだったら新天地で折り合いつけるべく歩み寄るやもしれんし
フェルナンドだったら・・・迂闊なことで
アリオン・・・辞めるのも自由と安請け合いとか
イメージ的にはフェルナンドがルイズとお似合いな気もする

ジョゼフは間違いなくミザル呼ぶだろうがね!!
210名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 20:49:12 ID:TuahO4rG
話ぶったぎるけどここのssで原作の展開つかってんのだと最高で何巻目くらいだろ?
211名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 21:01:18 ID:2A91ZJvV
>>210
展開はともかく設定は最新巻もある。アカデミーのこととか。
212名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 21:18:47 ID:jRVFURFz
ワルキューレの伝説からサンドラを召喚!
でもナムカプでしか知らないんだよなぁ…
213名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 21:23:43 ID:FbN3eXgy
二次創作ものでもいいなら、ブロントさんを召喚したいな
214名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 21:24:33 ID:OGhsfadp
俺は大冒険のサンドラしか知らないぜ・・・ゲーム素人だった俺には厳しいゲームだったなぁ
215名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 21:38:57 ID:LH3PYo5f
>>170
ダイソードなら神の武器召還か人物召還かどちらにするかが問題だ
人、特に学園のキャラなら「また異世界に召還されちゃった〜」で気楽そうだし
神の武器、特にダイソードはかなりのツンデレだし
216名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 21:55:27 ID:D0Q1OWRe
>215
エピソード終了後のダイソードは、例の七回の縛りが解かれていたはず。上手く扱わないとパワーバランスが崩壊するから難しいかと。
逆に七回の縛りがあるなら、その七回をどう使うかが作者さんの腕の見せ所。
……見てみたいなぁ。とくに金子とマリコルヌの画策とか。
217名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 22:01:54 ID:xZKtSA+O
>>215
神の武器だと
ガンダールヴ ヨゴ
ヴィンダールヴ ド・ライアム
ミョズニトニルン ガバリオーグ
はばかられる者 初めに立ちし者

という感じかな?
218名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 22:07:20 ID:AgTl5KXe
>>217
他の三つはともかくなんでパワータイプのガバリオーグがミョズなんだ。
神の武器でミョズならコ=ズー(小手)だろうJK。
219名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 22:26:17 ID:xZKtSA+O
>>218
ジョゼフが黒幕だと思ったら、実はすでに死んでいたと言う安易な連想で、つい……。

ルイズに普通にダイソードを召喚してもらい、七万戦は神の武器同士の戦いに差し替え。
慣れていないルイズは、敗北してダイソードを失ってしまう。
蹂躙されるトリステインを救うため、もう一度サモンサーヴァントを行ったルイズは初めに立ちし者を召喚。
もちろんルイズの言うことを聞かない。
そして、一方テファは、タ・カラを召喚し、ダイソードの再生が始まっていた。

とか、前後を考えない一シーンが連想されたりして。
220名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 22:30:16 ID:7NFhn0iu
>>212
漫画版のドゥンケル様なら小ネタで召喚されてる。
221名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 23:16:24 ID:nlmJzbuu
>>216
エピソード終了後のダイソードは大外伝を参考にすりゃいいかな。
ま、確実にルイズには従わないだろうが。

>>218
ジョゼフにコ・ズーはヤバ過ぎる。
コ・ズーは武器の性能と言う点ではトップクラスに優秀だぞ。無改造で機能拡張出来るし。
魂(ソウル)システムが悲しいくらい裏目に出ただけだ。
222名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 23:25:18 ID:Ad9KBofX
223名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 23:27:37 ID:Py+BD96p
今更ながらゼロの花嫁読んで見たが
清々しいくらいルイズ達が突き抜けていて面白かった

しかし…一回だけ『放課後ラブハーツ』が出た時にはセーラー服・ネコ耳装備のエレ姉




…の親父を思い浮かべてここから先を知るべきか悩んだんだけどね
224名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 23:36:25 ID:iLQHXfKG
神の武器って損傷を考慮に入れなければ無制限に戦闘可能じゃなかったっけ?
エネルギー無限で精神的消耗による判断力の低下とかも無しみたいな感じで。
225名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 23:56:27 ID:AgTl5KXe
理屈は分からないけど、損傷する事はあっても疲労や消耗はないって明言してたな、ダイソードが。
226名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 01:51:45 ID:nklwk9Q9
ダイガード ダイオージャ ダイターン ダイソード 召喚なんて…ないな…
227名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 01:57:54 ID:ZkFn2vhc
ダイインエイが召喚され、ハルケギニアに漬物を広める

ガンダールヴの槍がそのまんま槍になるな。
228名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 02:04:45 ID:cwvM8lq1
>>87
自分、87、見るまで「ジョゼフ」を「ジョセフ」と勘違いしていました。
そういう人、他にもいますか?
229名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 02:12:38 ID:dvb2HrN1
そういえばまだソニック召喚されてないのか
230名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 02:28:29 ID:IErN84Jv
突然すみませんお尋ねしたいのですが
ドラゴンクエスト5の主人公で
SS投下をしたいと思うのですが
既に同じキャラでSSを書かれた方がいるらしいのですが
投下してもよいものなのでしょうか…?
スレ汚し失礼致しました。
231名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 02:38:05 ID:+le0XQZw
>>226
ダイガードが浮きすぎw

>>230
その手の質問はよく見るが、同じ内容でなければ問題ないはず
232名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 02:42:51 ID:5/lWZN+V
>>230

それは構わないと思うよ。
つーか、ドラクエ5の主人公は人気高いな。
キャラ立ちしたノベライズされているから書きやすいのかな?
233名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 02:48:27 ID:IErN84Jv

コメント返信ありがとうございます。
50分頃に投下させて頂きます。
元ネタ ドラゴンクエスト5 主人公リュカ
タイトル 魔物使いが使い魔 
234魔物使いが使い魔 :2009/05/24(日) 02:51:03 ID:IErN84Jv
街の通りを1人歩く男がいた。
季節はもうそろそろ夏が始まろうとしていたが
夜に吹く風はどことなく薄寒く感じる。
「んー…」
しきりに首を傾げ紫色のターバンからはみ出た黒髪をポリポリと書きながら
どことなくみすぼらしい風体に身を包んだ男は
神妙な顔をしながら歩を進めた。
なぜそんな顔をしながら無目的にブラブラと歩いていたかというと…
「明日は…プロポーズの日…か、まさかこんなことになるなんて思いもしなかったな。」

そんなことをブツブツ言いながら
冒険者兼モンスター使いであるリュカは
明日、ある女性にプロポーズをしようと決意していた。
プロポーズといえば世の男性にとっても女性にとっても
まさに一世一代の決断であった。
眠れずに思い悩むのも無理はない。

でも彼の場合悩むのはそれだけではなかったりする。

「フローラさん…」
「ビアンカ…」
そうなのである。
彼は明日2人の女性のうち1人を選んで求婚せねばならないことになっているのである。

その経緯については若干はぶくが
要約するに
「親父の遺言に従って盾を借りにきたらなぜか結婚話がもちあがって、
しかもそこに10年ぶりの幼馴染が出てきてさぁ大変どうするどうなる三角関係」
というやつである。
ちょっと違う気もするが気にしないでもらいたい。
235魔物使いが使い魔 :2009/05/24(日) 02:52:47 ID:IErN84Jv
とにもかくにもリュカは明日、
天空の盾をもつ富豪ルドマンの娘、フローラか
10年ぶりに再開した幼馴染 ビアンカ
そのどちらかを選んでプロポーズをしなければならなかった。

「んー…ンー…んんんんん・・・」
腕組みをしながらサラボナの街の噴水のほとりに腰掛け
しきりに体を揺すりながら考え込む。
「フローラさん…天空の盾…父さんの遺言…ビアンカ…レヌール城…ダンカンさん…」
ぶつぶつと呟きながら頭を抱える姿は
あまり上等ではない外見と相まって少し、いやかなり危ない。
ここが昼間なら確実に人目につくこと間違いないが
今のリュカはそんなことなど気にならないくらい余裕がなかった。

だってそうなのだ。
一方は父の遺言の目的、天空の盾をもつ富豪の娘であるフローラ
もし結婚すれば天空の盾は手に入り、
自分の旅の目的である父の遺言を叶えるということに一歩近づくのである。
無論天空の盾だけではなくフローラ自身も素晴らしい女性だ。
動物を愛する彼女はすぐにリュカの仲間であるモンスター達とも仲良くなった。
きっと旅に連れていっても(彼女自身は承諾するとは思えないが)うまくやっていけるだろうし
火山の洞窟で負傷したアンディを懸命に看病する優しい心も持っている。
いたスト?何それ食えんの?
とにかく男にとってはこれ以上ないほどの女性なのだ。

だがもう一人の相手ビアンカも一筋縄ではいかない。
リュカの子供の頃からの友人である彼女は
まさに親友といってもいい間柄だ。
過去にある体験があって再開したのが
レヌール城の冒険から約10年ぶりとなってしまったが
彼女は何もかまわずリュカに接してくれた。
リュカにとっては久方ぶりの友人との再会は嬉しかったし
異性としてもビアンカに好意をもっているのである。
しかも彼女の父親から衝撃の事実を聞かされ、
「後は任せる」類の話をされてしまったのだ。
これはもうかなりヤヴァイ
ぶっちゃけ「俺が守ってあげなきゃ」とか思っちゃうような女性なのである。

「んんんん…んんんんんー…うーーーーーーーーん」
ついに頭を抱えてしまった。

ある意味いや間違いなくこれは究極の選択である。
見てる側にとってはああ羨ましいなこんちくしょうおいちょっとお前こっち(以下略)
と言ってしまいたくなること請け合いだが選ぶ当人からすれば地獄以外の何者でもない。
生半可な理由では決められないし、
相手が傷つくようなことは絶対に出来ない。
なにしろ一生を左右することになるのであるから
しっかりした確信や信念もいる。
だからこそその板ばさみにたったリュカは悩む。
236魔物使いが使い魔 :2009/05/24(日) 02:55:10 ID:IErN84Jv

その時であったリュカの目の前に
鏡のようなものが突如として現れたのは

「旅の扉…?」
淡い輝きをもつその鏡を見た時
リュカがまず思ったことは以前、
神の塔で見たことのある
まったく違う場所と場所とをつなぐ不思議な空間
旅の扉を連想した。

「なんでこんなところに…」
そう言うとリュカは持ち前の好奇心から
その謎の鏡に向けて己の指を向け鏡の表面をつつっとなぞった。
そるとどうだろうか急に
「まるで鏡みたいってえ、ええええ!?」
有無も言わさずそのままリュカは鏡に吸い込まれていった。


突然場面は変わる
ここはトリステイン魔法学院
ハルケギニア大陸にあるトリステイン小国に存在する
貴族にしか入学を許されない由緒ある学院

その生徒である桃色の髪を持つ少女
ルイズ・フランソワーズ・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは困惑していた。
だってそうなのである。
2年で行われる使い魔召還の儀式
何度も何度も失敗して
そのたびに周りの同級生達に笑われ侮辱され続け
恥ずかしさと憤りと情けなさで
今にも泣きだしそうだったところで
突如起こった大爆発。

また失敗と囃し立てる同級生達をよそにルイズは見た。
煙の中−なんらかの物体が現れたのを!
爆発の最に何が現れたのかは定かではないが
彼女は喜んだ。
そこにいるのが犬でも猫でも猿でもよかった。
とにかく自分は使い魔召還の儀式で成功したのである。
後ろでことの経緯を観察していたコルベール先生の意見も聞かず
なりふり構わずルイズは煙の中心部に突入した。
237魔物使いが使い魔 :2009/05/24(日) 02:56:21 ID:IErN84Jv
いったい何が召還されたんだろうか。
自分に相応しい使い魔がそこにいるはずである。
もう「ゼロ」と呼ばれることのない素晴らしい使い魔が!
期待と不安をちいさな胸いっぱいにつめてルイズは走った。

はたしてそこにいたのは…
「な、な、な・・・・」

薄汚れた紫色のターバン
所々穴があいてボロボロになった外庸とマント
樫の杖をもっているがどう贔屓目に見てもメイジには見えない。
全身煤だらけで(まぁこれはルイズのせいだか)
酷くみすぼらしい「ソレ」は目をまわして
盛大にぶっ倒れていた。
思いっきり人間であった。

「なんなのよ、これーーーーーーー!」

トリステイン学院広場にルイズの叫び声が木霊した。
238魔物使いが使い魔 :2009/05/24(日) 03:02:48 ID:IErN84Jv

以上です。
明日2話目をあげようと思います。

5主の名前は小説版からリュカをとりましたが
性格は小説版と幸宮チノの漫画「天空物語」を参考に書いてあります。

レベルは18(ベホマ、ザオラルが使えません)
装備アイテムはかしのつえ と ぬののふく のみ
所持アイテムは一切なしです。
 主要アイテムは全て宿屋におき忘れ
 装備品は公式イラストをイメージして必要最低限にまとめました

読んでくださった方もしいましたら
本当にありがとうございました。
239名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 03:04:57 ID:rSgtun1Z


これはもう元の世界に戻らないほうがいい感じですね。
240名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 03:18:35 ID:atPehLOY
結婚前とはいいとこから持ってきたなぁ
レベルアップ分だとリレミト辺りまで覚えてるんだっけか。進度からしてルーラも使えそうだな
241名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 04:32:44 ID:RPPkL4q8
あの漫画はミニデーモンがやたら可愛かったなぁ…
242ドラクエさんとは別人:2009/05/24(日) 06:00:56 ID:RQfFn0Bi
これも小ネタでいくつかある 「電王」ですが もう一本 投下させてもらいます。
(4タロス召喚、良太郎なし。 5分後から予定。)
243トリステインの電王:2009/05/24(日) 06:05:10 ID:RQfFn0Bi
「ねぇ 先輩。」
「なんだ 亀公。」
「何か、何処かから『呼ばれてる』って気がしない?」
「奇遇だな。俺も さっきから・・・」
グォオオオオオオー
『な、何だぁ!』
その時 デンライナーは、召喚の鏡に突入した。

《トリステインの電王》

ああ、始祖ブリミル様。これは 何の罰なのですか?私がナニをしたと言うのでしょうか。
失敗すれば落第の 使い魔召喚の儀式。生まれて初めて成功した 魔法。なのに…
(どうして こんなヘンなのばっかり 4匹も召喚しちゃったんだろう。)
初めに現れたのは、平屋の建物程の胴体を持つ 大蛇。(「列車」というモノらしい)
その中から降りてきた、赤・青・黄色に紫の 4匹の鬼。(「イマジン」だそうだ)
私の知っている鬼(オーガ)みたいな筋肉オバケじゃないけど、角もあるし やっぱり怖い!
そんな 可哀そうなオンナノコの気持ちを全く無視して(13回も失敗して 時間を浪費した私も悪いと思うけど)、コルベール先生は至って事務的に言う。
「さあ 早く『契約の儀式』を済ませてください。」
すると、
「「「契約〜ぅ?」」」
何故か 鬼達の方が驚いていた。顔を寄せ合って 何かヒソヒソと話し合っている。
U「ねぇ先輩、ボク達の契約って、」
M「ああ 良太郎の件で もう終わってるはずだよな?」
R「ね〜ね〜、ボクは?」
K「お前もカイの奴との最後の決戦で 頑張っとったから OKってことなんじゃろうな。」
M「まあ こうして呼び出されちまったワケだし、二度目の契約をしちゃぁイケナイなんてのは 聞いたこともねぇしなぁ。」
K「よっしゃ。」
U「それじゃ」
R「せ〜の!」
「「「「お前の望みを言え!」」」」
ルイズ「へっ?!」

びっくりした。召喚した使い魔から 唐突にこんな事を言われるなんて、考えたことも無かった。
だから つい 答えてしまった。
「私 強くなりたい!
 強くて 立派で すごいメイジになって、もう誰からもバカにされない様になりたい!!」
M「よ〜し判った!」
U「任せて。『メイジ』ってのは何だか知らないけど、『強くする』ってのは得意だから。」
K「おうっ。『良太郎』も オレらが鍛えたお陰で すっかり逞しくなったからのう。」
R「わ〜い♪」
この瞬間 彼らの言う「契約」が成立してしまったらしい。
なぜか 自分の将来が すっごく不安になった。
(当然 この後 ちゃんとした契約も済ませたわよ!)
244トリステインの電王:2009/05/24(日) 06:06:38 ID:RQfFn0Bi
こうして 彼らとの日々が始まった。
列車は、「オーナー」とかいう人が乗って 何処かへ帰っていった。
ただ 彼らの専用車両4台は置いていった。校庭の端に停めてあって そこで寝泊りしているらしい。
(だって 私の部屋に5人も寝られないもん!)
みんな 見かけは怖いけど、基本的には『いい鬼』だった。
喧嘩っ早くて乱暴者 だけど何故か憎めない「モモタロス」
女ったらしで嘘つきで だけど(女の子には)とっても優しい「ウラタロス」
涙もろくて力持ち 加減知らずがタマにキズな「キンタロス」
身体は大きいのに中身はお子チャマ やんちゃ坊主の「リュウタロス」
ついつい怒ってしまうこともあるけれど、毎日が すごく楽しくなった。
ああ、始祖ブリミル様。ありがとうございます。この4人と出会わせて頂いて。
いつの間にか、初めて会った時と まるっきり逆のことを思うようになっていた。
あの日までは…

私の使い魔とギーシュ・グラモンが決闘!? と聞いて 慌てて広場へ向かった。
なんでも 自称プレイボーイのエロガキが、香水の壜を落としたことからフタマタがばれて、その腹いせに平民のメイド シエスタをイジめていたらしい。
その後の展開は 大体想像がつく。涙にキンタロスが過剰反応し、ウラタロスがシエスタを慰め、リュウタロスがギーシュに文句をいい、モモタロスがギーシュをブン殴ったんだろう。
まぁ あいつら強そうだし 4人もいるんだから、ギーシュごときに遅れをとるとは思わないけど、勝手に決闘なんか受けちゃって ご主人様を何だと思ってるのよ〜!
始まる前にヒトコト文句言ってやらなくちゃ。
そう思って急いだので なんとか開始前に間に合った。
「ちょっと あんたたち、なに勝手な事やってるのよ!」
主人の威厳を見せようと、キツめの声で怒鳴ってみたんだけど
「おぅ ルイズ。ちょうどいい。今 亀公に呼びに行かせるとこだったんだぜ。」
全然 効いてない。
「ご主人様、さっ こちらへど〜ぞ。」
真面目にそう呼んでくれるのは ウラタロスくらいだ。
なぜか 最前列でギーシュと向かい合っているモモタロスの隣まで 引っ張っていかれた。
「じゃ コレ持って。」
銀色の箱のようなものを手渡された。それをウラタロスが私の腰の辺りに押し付ける。すると 箱から金属の帯が伸びて 腰を一周した。大きな飾りバックルの付いたベルトだった。
「次はパスね。落としたり 無くしたりしちゃダメだよ。」
今度は 長方形のブ厚いカードを渡された。
「それじゃ 頑張ってね、ご主人様。」
えっ 頑張れって、それ一体どういう意味よ!
245トリステインの電王:2009/05/24(日) 06:07:53 ID:RQfFn0Bi
「フフフッ 
 お前達 逃げずに来た事は褒めてやろう。」
ギーシュだ。私が広場に着いたことで 決闘を開始する気になったらしい。が、
「チョイ待ち」モモタロスが流れを止める。
「そこの小僧、周りの連中も よーっく聞け!。
 てめえがどんな力を持ってるのか知らねえが、こんなチンケな喧嘩、俺達にしてみりゃあ『勝って当然』ってなもんだ。
 そんなんじゃ つまんねぇだろ。
 そこでだ、今回は この『ご主人様』が、直々にクゾガキの性根を叩き直してくれるそうだ!
 まぁ 俺達は使い魔だから 色々と手助けはさせてもらうがな。
 周りのヒマ人共も、それでイイかぁ!」

「うおぉぉぉお〜」
「よく言ったルイズ!」
「安心しろ。骨は拾ってやる。」
「ドーンといけ!そして ドーンと散って来い!」
「ギーシュ、ここまで言われたんだ。手加減なんざイラネッ、ぶっ殺せ〜」

ギャラリーは一気にヒートアップした。ギーシュも 目がマジだ。
(馬鹿タロス!何を言い出すのよ!! 私じゃ勝てるわけ無いじゃない。でも もう『やめる』なんて とても言い出せる状態じゃないし…)
「なあルイズ。お前さん、契約の時に『強くなりたい』って言ってたよな。
 いい機会だ。お前を強くしてやるよ。
 強いってのが どんなもんか、体験させてやるよ。
 まずは パスをベルトに翳すんだ!」

「僕はこれでも紳士だからね。直接女性を殴るなんて事は したくない。
 だが 女性同士なら 構わないだろう。
 行け!僕の『戦乙女』!!」
ギーシュ得意の 青銅ゴーレム ワルキューレが一体 拳を振り上げながら私に向かってくる。
外観が女性像だからって、素手よりよっぽど酷いじゃないのぉ!
こうなったら 馬鹿モモの言った、「強くしてやる」ってのを信じるしかない。
パスをベルトの前に持っていった その瞬間、私の身体は 銀色の鎧に包まれていた!
なにこれ? あのベルトとカード マジックアイテムだったの!
ゴーレムの攻撃。ダメッ 避けられない!きゃぁ ガツーン。 
痛い! あれ? 思ったほどじゃない。青銅のカタマリに殴られたのに…?

「いいかルイズ、それが『電王 プラットフォーム』だ。
 腕っ節は生身のお前さんと大差ねえが、防御力は上がってる。女ゴーレムの拳なんざ 屁でもねぇ!」
「それじゃ 負けないかもしれないけど、勝てもしないじゃないの。どうすんのよ?」
「任せとけって。お楽しみは これからだ!」
そう言って モモタロスの姿が消えた。幽霊みたいになったモモタロスの気配が、私の中に飛び込んで来た。
同時に、赤い色の追加装甲が空中に現れ 胸を覆っていく。赤い仮面が 頭を這うようにして装着される。
ギャラリーにざわめきが広がる。銀色の鎧は、錬金の一種かと思って見ていたんだろうけど、今度の姿には そんなモンじゃないナニかを感じたんだと思う。
そして私は、奇妙なポーズをとって こう叫んでいた。
『あたし 参上!』
246トリステインの電王:2009/05/24(日) 06:08:47 ID:RQfFn0Bi
〔くぅ〜! 久しぶりだが、やっぱイイぜ 変身は!!〕
(なによ なによ、なんでアンタが私の中にいるのよ?)
〔大声出すな、俺とお前は一心同体なんだからよ。
 今の俺達は 『電王 ソードフォーム』だ。このフォームなら お前が俺の力を使って戦えるんだ。
 お前のやりたいように動いてみろ。サポートは俺がしてやる。〕
そう言いながら モモタロスは私の身体を操って ベルトから箱のような物を取り外して 剣のような物を組み立てた。
『行くぜ行くぜ行くぜぇー』
(なんだか判んないけど、やってやるわよ!)
私は めちゃくちゃに剣を振り回した。
ズバッ。
わっ、斬れた 斬っちゃった! 青銅のワルキューレが、上半身と下半身に 真っ二つ!!
なんて気持ちイイの?!

『ギーシュ こんなもんでオシマイってことは、まさか無いわよね?』
あまりの事に あっけにとられていたギーシュも、我に返って バラの杖を構える。
「もちろんだ。
 君にこれほどの力があると判れば、全力で行かせてもらうよ!」
杖が舞い 花びらが散る。
今度は6体のワルキューレが それぞれ剣や槍などの武器を持って現れた。
〔よーし こいつらまとめて『新・俺の必殺技 パート1』で!〕
〔残念でした。次は僕の番だから 先輩はここまで。〕
〔おわっ チョット待て 亀ぇ〜〕
ウラタロスが入ってきて、モモタロスが押し出されちゃった!
同時に 追加アーマーと仮面も、青いものに変わった。
『私に 釣られてみる?』

まだ ワルキューレ達は動かない。また変身した私を警戒しているのかしら。
(ウラタロス、私に あのガングロ色ボケ女みたいなセリフ 言わせないで!)
〔まあまあ とりあえず説明すると、今の僕達は『電王 ロッドフォーム』〕
見ると 持っていた剣が 長い棒のような物になっていた。
(ロッドって 魔法の杖のこと?)
〔うーん これは、杖っていうより サオかな。〕
そう言ってロッドを振る。相手に届くような距離じゃないのに。
すると 先端の部分がワルキューレに向かって飛んでいく。ロッドとの間は 光る糸のようなもので繋がっている。
飛んでいった先っぽが、一体のワルキューレに当たった。
〔ご主人様 大物が掛かりましたよ〕
(そうか、これ 釣竿ね!)
下に向けていたロッドを 思いっきり高く跳ね上げる。釣れた釣れた ゴーレムが釣れた!
ついでに ゴーレムを下ろす時 隣のゴーレムにぶつけて 二丁上がり。
堪らないわ〜!
〔それじゃ キンちゃん 後はドーゾ〕
〔おう 待ちかねたで!〕
247トリステインの電王:2009/05/24(日) 06:10:11 ID:RQfFn0Bi
キンタロスのアーマーは 黄色っていうか金色。
モモやウラのマスクは、桃や亀っていうのが なんとなく判ったけど、キンタロスのこれは 判らない。何だろう?
『あたしの強さに お前が泣いた。涙はコレで 拭いておけぃ。』
チリ紙の束をギーシュに向かって放り投げる。いつに間に用意したのよ!
「くそっ!」
すかさずゴーレムが襲い掛かってくる。でも そんなのモノともしない すごいチカラ!
ロッドから手斧に変形した武器を 無造作に横振りするだけで 当たったゴーレムが吹っ飛んでいく。
壁にぶつかって 動かなくなる。
槍を持ったゴーレムが迫ってきた。
〔お嬢 ジャンプや!〕
(はい!)
キンタロスの力が使えるお陰で ワルキューレ達の頭の遥か上まで飛び上がれた。
〔思いっきり振りかぶるんや〕
落下する。真下のワルキューレに手斧を振り下ろす。
〔どや、これが「ダイナミックチョップ」や!〕
今度は 縦に真っ二つ!
う〜ん 快感!
〔残りはリュウタ お前の分じゃ。〕

リュウタロスのアーマーは やっぱり紫。胸のプレートが跳ね上がっていて 一番カッコイイかも。
〔ルイズちゃん、一気に片付けるよ〕
(いっちゃえ〜!)
武器は銃に変わっていた。
『あんた達 ぶっ壊すけど イイわよね?
 答えは 聞いてない!』
残り2体のゴーレムに向けて 弾丸を叩き込む。連発式の上に すごい威力!
青銅なんかじゃ防ぎきれなくて 穴だらけ。
撃ち終わったら バラバラになっちゃった。
もう 最高!!
〔じゃあ 最後 決めちゃって!〕
変身が解除された。銀色の鎧も消えていた。

ギーシュは 腰を抜かしてヘタり込んでいた。もう 抵抗するすべは無い。
私は その正面に立って 杖をギーシュの鼻っ先に突き付けて 言った。
「まだ、やるの?」
「……参った……」
やった 勝った 勝っちゃった!
ゼロと呼ばれ、落ちこぼれと馬鹿にされ続けた この私が、勝ったんだ!!
248トリステインの電王:2009/05/24(日) 06:11:44 ID:RQfFn0Bi
「この勝負、ルイズの勝ちだ。どうだ!」『異議な〜し』
モモタロスの勝利宣言に その場の誰もが応えた。
「じゃぁ 『トリステイン魔法学院バトル 初代チャンピオン』は、ルイズちゃんに決〜定!」
リュウタロス 何を言い出すのよ!?
「文句のあるモンは、かかってこんかい! ウチの嬢ちゃんは だれの挑戦でも受けるで!」
キンタロス 止めて〜。なんだか 皆の雰囲気が変わってきたじゃないの。
「はいはい 受付は こちら。
 もちろん 女の子の挑戦者も 大歓迎だよ。」
ウラタロス あんたまで。

「ならば、僕はたった今 再戦を申し込む!リベンジマッチだ。」
「ひっこめギーシュ、負けたヤツは後回しに決まってんだろ!」
「フフフ・・・ルイズに勝てば、俺がチャンピオン!」
「ウォォオ!学院の王者は この俺様だぁ!!」
えぇぇぇ ウチの学校の男子って、実はこんなにワイルドな連中だったのぉ!?
ちょっとキュルケ、なんでアンタまで拳を握り締めてんのよ?
タバサ、貴女の目の奥で 怪しく光ってるモノはなんなのぉ?
嫌ぁぁぁ、シエスタまで、準備運動とか始めないでぇぇぇ〜

「どうしましょう、オールド・オスマン。」
遠見の鏡で 一部始終を見ていたコルベールは、学院長に問いかけた。
「うーん いいんじゃないの。
 皆 楽しそうだよ。校内に活気も出るし。」
「しかし 貴族同士の決闘というのは…」
「その辺は大丈夫。『Kファイト』とでも名づけて学校公認にして、実行委員会でも決めてやれば、そのうち自然にルールとかも出来てくるから。」
「そ そのネタは、危険人物を召喚してしまう可能性があるので、先日 禁じ手にされたハズでは?」
「そうだったかのう。
 ところで、キミの方の用件は 何だったかな。」
「はぁ、ミス・ヴァリエールの使い魔のルーンの件なのですが。
 あれは 伝説のガンダー……いや もういいです。今日 それを貴方と検討する気力は無いです。
 またにします。」
「うむ そうしてくれ。どうやら、これから忙しくなりそうじゃからのう。」

ああ、始祖ブリミル様。これは 何の罰なのですか?私がナニをしたと言うのでしょうか。
「ルイズ、強くなるには 場数を踏むのが一番だぜ!」
「幸い この学校には、血の気の多い人が多いみたいだし。」
「おう よりどりみどりやな!」
「目指せ ルイズちゃん 世界一!ってね。」
使い魔達は 私の事を思って 一生懸命にやってくれてます。
『強くて 立派で すごいメイジになって、もう誰からもバカにされない様になりたい』
なんて 高望みをしたのが いけなかったのでしょうか?
私は 平凡な女の子です。普通に魔法が使えるようになれば それで充分です。
だから お願いです。
『平和な日々を 返してください!!』

249トリステインの電王:2009/05/24(日) 06:13:08 ID:RQfFn0Bi
以上です。

長編をキチンと完結させられる方は スゴイですね。
コレも 長編化して
・「特異点」と「虚無の系統」を絡める
・フーケのゴーレムを 車両変形させてフルボッコ
・テファがゼロノス、無能王がネガタロス、教皇が牙王を召喚
・キバ、ディケイドが乱入
なんてのも考えたんですが、筆力と構成力の無さから 諦めました。
もし ネタとして拾ってくださる方がいらっしゃいましたら、喜んで差し上げます。
250名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 07:49:03 ID:mPBN28v5
乙です。
え、続き無いの?もったいないなー。(CM風)
251名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 09:32:48 ID:zsxRnEZv
丁度今週のディケイドにモモが出ててダブルで吹いた
いいぞもっとやれ
252名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 09:59:20 ID:i13CBHJw
・VSワルドでクライマックスフォームになる
・ティファニアは何故かジークまで召喚している
・リュウタは当然、カトレアに懐く

考える事はみんな同じですね
253名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 11:18:05 ID:mPBN28v5
>>252

ワルドがボイスターズシャウトで遍在もろとも吹っ飛ぶんですねわかります。
となると対ジョゼフ戦で超クライマックスフォームか…wktkして来た。
254名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 11:29:33 ID:mPBN28v5
イザベラがデネブ召喚ゼロノスに…キャラ的にはいけそうだが…最終的には誰からも(ルイズ以外)忘れられてしまいそうだ。
255名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 11:48:12 ID:12sMN9GC
左手の人戻って来てくれないかなぁ
256名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 12:04:58 ID:EXNcz+IF
>>254
設定的にはいけそうだが侑人みたいに心が強くないからなぁ。
タバサ辺りに忘れられた時点でもう戦えそうにないな。
つかそのまま絶望しちゃいそう。
257名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 13:24:35 ID:+s5ROMlK
ゼロ嫁終わってた
258名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 13:38:29 ID:adMdi7MZ
完結と聞いてから最初から通し読みした不届き者がおる。

……俺や。サーセン


全体的に極道風味なアレンジが効いてて、時々ぎょっとしながらも血沸き肉踊る気分を楽しませてもらいました。
ルイズパパやオスマンみたいにハラハラさせられましたが、アウトロースターってのもいいもんですな。格好良い四人組でした。
作者の方、本当にお疲れ様ですー
259名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 13:55:47 ID:mPBN28v5
>>256

だよね。…タバサがタロス共召喚すれば…
チンピラタバサ
ナンパタバサ
ドスコイタバサ
ダンスタバサ
セレブタバサ
……アリだなw
260名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 13:58:21 ID:ygDfBWC5
まとめのTHE GUN OF ZERO最終話、
シーンの飛び方半端無いんだけどあれは編集のミス?
261名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 14:07:40 ID:mPBN28v5
>>260

いや、原文のまま。
理由は察してやれ。
262名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 14:41:13 ID:qvLCi2ED
いろいろあったんだろうがあれは俺も納得できなかったな
なんっつーか不完全燃焼・・・みたいな
263名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 14:42:20 ID:X50C24DB
ゼロ魔クロスって案外ファンタジーが少ないなあ
槍関係が面倒だからかな?
264名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 14:54:41 ID:ZkFn2vhc
>>262
何にせよ、こっちで続ける話題じゃないな。
265名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 14:55:47 ID:c0x3D2De
可愛い女の子が出合ったばかりなのにキスをしてくるんだぜ
これをファンタジーと呼ばずして何をファンタジーと呼ぶのか!!
266名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 15:07:22 ID:12sMN9GC
ファンタジー系は基本ゼロ魔とほぼ変わらないのでカルチャーギャップに苦しむとか
ハルケギニアに存在しない「何か」を発揮するというゼロ魔のコンセプトに
いまいち合わないのでしょう

その「何か」を見出し発揮させるのが作者さんの腕前なんでしょうが
267名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 15:25:07 ID:i7XoUh9H
>>263
いきなり呼び出されて使い魔扱いだからな。
現代やSFモノだとギャップが楽しめるけど
同じファンタジー系列だと割とマジで洒落にならないというか
召還されたキャラが本気で反抗しそう。
268名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 15:50:53 ID:O6UBfBVo
ファンタジー世界からの召喚だと確かに「槍」が見劣りしてしまうかも。
ゼロ戦……は槍だったかどうか忘れたけど、タイガー戦車とかアサルトライフルとか。
269名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 15:59:51 ID:G6mxvFxR
ファンタジー世界からの召喚の場合、ガンダーに武器が送られてくるのではなく
「ミョズのためにすごいマジックアイテムが送られてきてる」
とするのはだめだろうか?
270名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 16:02:47 ID:Y/EP5bPq
>>>265
エロゲとか?
271ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2009/05/24(日) 16:02:53 ID:wBhVhp3F
ファンタジー世界から召喚したらダメですか、そうですか (´・ω・`)

まぁ、槍関係はね、うん。ごまかす気満々ですけどね(苦笑)
まぁ、ゼロ魔の魅力はそれだけじゃないやいって、思いながら日々書いております。
もし、他の方いらっしゃらなければ、16:15頃より、投下したいと存じ上げます。
まぁ、一つよろしくお願いいたします。
272名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 16:03:43 ID:xu7oYuRn
そういえばガンダだけ特別扱いされてるような設定だなw
273名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 16:06:13 ID:dHxdSn/8
>>272
実はガンダがしるハバの使い魔だったんだよ
伝承の歌はブリミルのうっかりミス
274名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 16:11:50 ID:QEUJIBmO
>266−268
「聖戦士ダンバイン」のショウあたりなら、
・ファンタジー系?からの召喚
・3つの世界の文化の違いを感じることが出来る
・「槍」も強力 (現用兵器でもオーラバトラーでも!)
ってことで なんとか条件をクリアできるかも。
275名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 16:12:01 ID:Y/EP5bPq
>>272
だって、それが無いとキツイんだもの。
そしてチタマの兵器が思ったより凄かったんだもの。
276名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 16:13:16 ID:qpXUSE7B
逆に考えるんだ

補正がなければガンダは最弱なのだと
277ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2009/05/24(日) 16:16:21 ID:wBhVhp3F
投下開始でおま
----

ポチャン。
手を動かしたら、小さな石の粒が池に落ちた。
お月さまの光が、薄い雲を通したさらに淡い光になって、
揺らめく水面を照らしていたんだ。
あんまりにも、儚く消える波紋に映る自分を見ながら、ふっと不安になる。

今、ボクは、独りなんじゃないかって……

ゼロの黒魔道士
〜第四十七幕〜 黒のナイトの背中

なんとなく眠れなかったから、デルフも持たずウロウロしてたんだ。
……ちょっとだけ、独りになりたかったのかもしれない。
矛盾してる気もするなぁ。独りであることが不安なのに、独りになりたい、なんて。
でも、これはボクの問題だと思ったから。
だから、ちょっと独りになりたかったんだ。

そうしたら、広いルイズおねえちゃんの家だから、ボク、迷っちゃったんだ。
似たようなドアがいくつもあって、
似たような廊下がどこまでも続いていて。
どうしようか、と迷っていたら、中庭まで出ちゃったんだ。
大きな池のある、それこそボートが何隻も浮かべられそうな大きな池のある中庭。
その水面に、吸い込まれるようになりながら、地面に腰をかけて、ずっと考えていた。

孤独を感じたとき、ボクはどうすればいいかなって……

頭の上のお月さまの光が、薄くぼんわりと辺りを照らしていた。

ふいに、ボクの頭の上だけ、真っ黒な影が覆い尽くしたんだ。

「――水面って不思議、よね。自分が映っているのに自分じゃない、みたいで」
影がしゃべったのは、その不思議な水面みたいに、ゆらめくような、そんな不思議な声だった。
「……あ、カトレアおねえさん。こんばんは……」
上を見上げれば、ルイズおねえちゃんのふんわりした方のおねえさん、カトレアおねえさんだった。
月明かりが後ろから照らしているから、表情がよく分からないなぁって思っていたら、
ボクの隣によっこいしょって腰かけたんだ。
少しだけ見上げないといけないカトレアおねえさんは、優しい笑顔で、ちょっぴり良い匂いがした。

「――考え事、かな?」
ボクの顔を覗き込むように、そう聞くカトレアおねえさん。
なんか、本当に不思議な感じの人だなぁ……
「……う、うん。考え事……かなぁ?」
「当てて、みせましょうか?」
「え?」
自分ほっぺたに人差し指をそえて、ニコッて笑うカトレアおねえさん。
そしてちょっとだけう〜んって唸るフリをして、ボクに合わせてか、言葉を選ぶように、
区切りながら、ボクの考えていた事をその口で言ってくれたんだ。
「『独りぼっち、なんじゃないかって、ときどき不安になる。この大きな、世界で』でしょ?」
「……すごいや。よく分かるなぁ……」
「伊達に、ルイズのお姉ちゃんを、やってませんもの。やっぱり使い魔は召喚主に、似るものねぇ」
「……え?」
何でもお見通しって言いたそうに、カトレアおねえさんはふふって笑った。
笑っているけど、しゃべるときに一回一回呼吸を整えているのを見ると、体のどこかが悪いのかなぁ……?
「あの子もよくこの池で、泣いていたのよ。それこそ一人、でね」
池の真ん中辺りに視線を移すカトレアおねえさん。
つられて、ボクも視線をそっちの方にもっていったんだ。
「そう……なんだ」
278名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 16:16:35 ID:akPh0Cmg
ファンタジーからも大歓迎だ支援
279ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2009/05/24(日) 16:17:17 ID:wBhVhp3F
なんとなく、いつだったか夢で見た女の子を思い出した。
ボクが水の底で、水の上で泣いている女の子を見ているような、そんな夢。
「責任感が強すぎる、のよね。二人とも」
「……どういうこと?」
あんまり、責任感って言われても、ピンと来なかった。
ボクは、できることを、やりたいことをやろうとしてるだけだったし……
「そうねぇ――例えば、ルイズ。あの子は、『貴族とはこう、あるべき』って、ずっと、背負ってたのよね」
「あー……うん……」
それはなんとなく、分かる。
ルイズおねえちゃんは、ずっと意地を張っていた。
貴族は背を向けない者って、ずっと苦しんでいた。
ボクは、ちょっとでもその助けになれればいいなぁって思ったんだ。
「そして、今君も、背負って――いるよね?」
「……え、え?」
急に、ボクの話になって焦ったんだ。
そんなボクを見て、カトレアおねえさんが、ゆっくり息をしながら、ボクのことを思ってか、
1つ1つの言葉が、ゆっくりゆっくり、
それこそ、水の底に葉っぱが沈んでいくぐらい、浸み渡るように言葉をつづけていったんだ。
「ルイズを、守らなきゃ、いけない。 そして、もっともっと守りたい。そう、背負ってる……違う?」
「……どうして分かるの?」
それこそが、今のボクのやりたいこと。そして、今のボクにできること。
でも、背負ってる、なんて。そんな感覚、全く無かった。

「お見通し、よ。 背中が、重いって悲鳴、あげているから」
「ひ、悲鳴?」
別に、重いなんて思ったことも無いし。悲鳴をあげた記憶も無かったのになぁ。
「ルイズにも、昔言ったんだけど。あの子も忘れちゃっている、みたいね……
 人ってね、限りがあるの。背中の大きさには、ね」
「……限り?」
「どんなに背負おうと、しても。 どんなに守ろうと手、伸ばしたとしても。
 届かなく、なったり。 その重さに、耐えきれなくなったり。ね」
「う……うーん……」
なんとなく、分からなくもない。
カトレアおねえさんって、本当に不思議な人だ。
水の底にたまったものを、ふわっ てすくいあげるように、
ボクの頭の中を優しくかき混ぜて、考え方を整えてくれている気がする。

「もっと楽に、なってもいいの、よ?」
「……楽に?」
少し、座っているのに疲れたのか、軽くのびをするカトレアおねえさん。
また優しい香りが、ふんわりと、夜風に乗った。
「私が言えた言葉じゃ、ないのだけどね。頼っていい、と思うの――誰かに、もっと」
「頼る……?」
「そう。頼る――甘えるとか、じゃなくてね。他の人に、預けても良いと思うの。
 背中にいっぱい、いっぱい背負いこんでしまった、重すぎる荷物を」
「え……でも……」
それだと、ボクができることを、他の人に押し付けているみたいで、何か、悪い気がする。
ボクができることは、自分でやりたいのに……
「人は、独りじゃないの――誰でも。どんなときでも。どこにいたとしても」
「……独りじゃない……」
ちょっと、ハッとする。
……ボクが、いつか言ったセリフじゃないか。
色んな人の顔が、ボクの頭に浮かびあがる。
ジタン、エーコ、スタイナーおじちゃん、ダガーおねえちゃん、フライヤおねえちゃん、サラマンダー、クイナ、
ルイズおねえちゃん、ギーシュ、キュルケおねえちゃん、タバサおねえちゃん、モンモランシーおねえちゃん、
シエスタ、マルトーさん、シルフィード、アンリエッタ姫、パック王子、クワンおじいちゃん、黒魔道士村の皆……

そう、だよね。
ボク、独りじゃないんだ。
280ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2009/05/24(日) 16:18:05 ID:wBhVhp3F
全然、寂しくなる必要なんて無かったんだ。
離れていても、気持ちで、繋がりあえる。
それが……仲間、なんだよね。

「それとも……君は、信じられないの?君の、仲間を」
「そ、そんなことは無いよっ!!絶対に!」
信じられないなんて、そんなこと、絶対に無い。
それだけは、はっきり言える。
そうじゃなかったら、仲間なんて、言えやしないものね。
「――だったら、大丈夫。もっと頼って一緒に、支えあえばいいのよ」
「……支えあう……」
ジタンが、いつか独りっきりで戦おうとしたとき、ボクはどうしたっけ?
ルイズおねえちゃんが、独りでフーケのゴーレムに立ち向かおうとしたときは?
『独りで無理をしないで』って、言いたくて、頑張ったんじゃないんだろうか。
なのに、今のボクは独りで無理をしているみたいで、どうしたいんだろう。

でも、そうは言っても、誰かに頼るっていうのは、あまりピンと来なくて、ちょっと考え込んでしまったんだ。
「独りでは、足りなくなるの……だったら、足せばいいのよ。仲間で――ね?っケホッケホケホ」
「だ、大丈夫?」
カトレアおねえさんが、急に咳きこんだ。
背中をさすってあげる。この、優しそうな背中に、この人は何を背負っているんだろう?
そう、ちょっと考えてしまった。
「うん、大丈夫。ちょっと、久しぶりにおしゃべりしたから、ね。
 ……ルイズを、よろしくね?小さな騎士さん?いつでも頼って、いいから。こんな私、だけど」
「……うんっ!!」
……まだ、誰かに頼るっていうのは、どうすればいいか、ピンと来ない。
それでも、独りじゃないっていうのが分かったから、すっごく安心した気がする。
だから、今はそれで前へ進もうと思う。
ルイズおねえちゃんを、みんなを守りたいっていうのは、ボクのやりたいことで、できることなんだから。

お月さまを隠していた雲が、ほんの少し風で流れて、星の光が中庭を優しく照らした。

----
ピコン

ATE 〜白のビショップの腹中〜

星の光さえ届かぬ、ロマリアの地下の底。
神の御膝元にありながら、神の御威光届かぬ闇の淵。
既に忘れ去られた礼拝堂が、暗闇の中その口を開けていた。
ここは、言わば懺悔室。
重罪人の駆け込み寺。
後ろめたいことのあるやんごとなき立場の貴族達が、
ひっそりと己の罪を告白し、楽になろうとすがる最後の場所。
そうした用途で使われたのも、随分と昔の話で、
今では埃をかぶったクモの巣の展示場になっている。
時折、ぴちょん、ぴちょんという地下に浸みこんだ雨露の音色のみが虚空に響く、そんな場所だ。


「お慈悲をっ!どうか、お慈悲をっ!」
だが、この夜は違っていた。
久方ぶりの懺悔の声。
しかしそれは、やんごとなさとは対極の位置に存在する、いかにも小物くさい情けない叫び声だった。
「――えぇ、始祖はいついかなる時も貴方に慈悲を与えたもうでしょう……」
それを受け止める声は威風堂々と、しかし包み込むように柔らかである。
281ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2009/05/24(日) 16:18:55 ID:wBhVhp3F
「恐いのです!私は恐いのです!酒場での妄言がっ!私自身の愚かなる復讐心がっ!
 小物たる私になど『王』などとっ!け、結局私は愚かな聖職者の面汚しでしかっ――」
震えている懺悔人は、アルビオンの自称神聖皇帝陛下、行方不明のクロムウェルである。
哀れなほどに痩せこけ、小物を通り越して貧相な藁人形に見える。
彼は悔いていた。
酒場で酔いに任せて吐いた『王になりたい』という妄言が、
どこでどう転がったのか、真となり、有頂天になっていたことを。
結局のところ、彼は小物だった。
大空を飛ぶことを望み、その高さを恐れることとなった哀れな小雀だった。
その空の高さを悔い、命からがら逃亡し、今ここで懺悔しようと平伏しているのである。

「望む物を手に入れ、何が不満だったというのです?」
その懺悔を聞くものは、まさしく大物であった。
俗名をヴィットーリオ・セレヴァレと言う。
歴史に残る名前としてならば、聖エイジス32世の方が通りは良いだろう。
ロマリア皇国の、いや、形式上はハルケギニア全体の長である。
二十歳ばかりという異例の若さで教皇の立場に立った者は? 聖エイジス32世しかおるまい。
清貧を重んじ、貧民の救済と腐敗する神官や寺院組織の改革を行った英雄は? 聖エイジス32世しかいないだろう。
とてつもない美貌と柔らかな物腰からロマリア市民の絶大な尊敬を集める男は? もちろん聖エイジス32世だ。
歴代の教皇の中で、最も愛と知恵に溢れる教皇は、今夜も愚かな信者の懺悔を聞くためにわざわざここに来たわけだ。
それが、どんなに小さな懺悔であったとしても、
それが、どんなに凶悪な犯罪であったとしても、
いつもと変わらない笑顔で、彼は接していた。
そのあまりにも公明正大な姿を揶揄して『新教徒教皇』などと呼ぶ輩もいるが、
そんな者達にも、このまぶしいまでの笑顔を絶やした事は無い。

「た、確かに、それは楽しい、まるで夢を見ているような時間でした!
 ししし、しかし!あの光が!あぁ、神の導きのごとき光がっ!」
クロムウェルの眼を覚ませたのは、大きな白い光だった。
ルイズの見せた『エクスプロージョン』。
それは、クロムウェルの矮小な脳みそから、ちんけな欲を吹き飛ばしてしまったらしい。
それもそのはずである。
彼は偽っていたのだ。自身が始祖の力である『虚無』の力を有している、と。
実際は水の精霊から奪ったアンドバリの指輪の力を使用してのことだ。
水の精霊の力、すなわち始祖ブリミルの敵である先住の力である。
それを『虚無』と言い張っていたのだ。
罪悪感があって当然だろう。
小物であるならばなおさらだ。

哀れな男の懺悔の声と、地下に滴る水の音が絶え間なく続く。

「わ、私は大それたことを、ありえない夢を見てしまっていたがために始祖がお怒りに――ぬぁ!?」

一際大きな、ぴちょん、という音。それがクロムウェルの頭上に降ってきた。
だがそれは、雨露というよりも、粘り気と温度を保っており、
それ自体が生き物のような印象を与える。
そのぬるぬるとした粘度を確かめた後、クロムウェルは背後を振り返った。
青の彫刻。鱗のような柱。生きているかのような造形美。迫力のある石像。
そう思い込もうと、クロムウェルは必死に思った。
一瞬、先ほどまでの懺悔を忘れてしまうほどに、必死に。
だが、その儚い思い込みは、石像ではあり得ぬ「グルル」という唸り声で否定されてしまった。
紛れもなく、風竜。頭上に落ちたのは、その涎。
軍事用にも用いられる、大型の獣。
食べられる、という愚にもつかない想像に、怯える哀れなクロムウェル。
282名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 16:19:48 ID:Y/EP5bPq
支援
283ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2009/05/24(日) 16:19:53 ID:wBhVhp3F
「こらこら、アズーロ。皇帝陛下が怯えているじゃあないか」
声も無く怯えて尻もちをついたクロムウェルの眼に、見覚えのある青年の姿が映った。
風竜の首筋をなぜる、その男。
中性的な顔立ちと声。流れるような金髪。
ガラス職人が丹精をこめて作り上げたかのような細い指先で髪をかきあげるその様は、
美の女神が嫉妬するほどの美しさである。
その印象をさらに際立てるものがその両の眼である。
高級感のあるマホガニーの机のような深い鳶色の左目と、
海の底のように吸い込まれそうな碧い右目。
つまり、左右の眼の色の違う月目、ハルケギニアにおいては不吉とされる眼である。
だが、かえってその不吉さが、妖艶な魅力となって神の創作物にアクセントを添えていた。

クロムウェルは驚愕していた。
その男がいたからこそ、その男がいてしまったせいで、彼は今ここで懺悔をしているのだ。
「――あ、貴方はっ!?ど、どういうことなのですか!?」
そう、その男こそが、クロムウェルを偽りの王としたのだ。
クロムウェルの妄言を真に受け、ありとあらゆる指示を出し、彼に『アンドバリの指輪』を授け、
アルビオンでの全行動を文書で助言し、彼に冠を戴かせ――
そう、そのガラス細工でできたような美少年こそが、
天使のような姿をしたその男こそが、
クロムウェルを、地獄へと追いやった悪魔そのものなのだ。

「おや、神聖皇帝陛下はジュリオを御存じなのですか?ジュリオ・チェザーレと申しましてね。
 若いながら、立派な神官を務めておりますよ」
「あぁ、いえいえ、ただの若輩者でございます。動物の世話が精一杯で、未だ人や魂を導ける立場にはございません」
教皇曰く、その悪魔の名はジュリオ・チェザーレと言うらしい。
ジュリオ・チェザーレとは、またふざけた名前だ。
大昔のロマリアの大王の名前ではないか。
墓場から舞い戻った偉大な王が、偽りの王を作り上げ、落ちぶれる様を見て楽しんでたと言うのか?
もしもクロムウェルがまともな状態であったなら、そうした怒りを抱いたことだろう。
だが彼は、あまりにも小物であり、怯えており、混乱していた。
ただただ、自分を誘惑した悪魔が、教皇側の人間であることにひたすら驚くばかりであった。

「確かに、始祖はお怒りでしょう――」
その混乱を巧みに溶解せしめようと、教皇自らが話を元に戻す。
「ややや、やはり、ハルケギニアを戦場へと貶めるようなことをしてしまった私に――」
小物であるクロムウェルは、あっさりと元の流れに戻る。
ともかく、楽になりたい。息継ぎをしたい。溺れた小雀が思考の海で必死に泳ぐ。
「違います」
だが、助けを求めて虚空に差し出した腕は、教皇自らの手であっさりと撥ねつけられた。
相変わらず、不偏的な聖職者の笑みのままで。
「で、では『虚無の力』と偽りアンドバリの指輪を使用したことが!?
 し、しししかし、それとてじゅ、ジュリオ様のおっしゃる通りに私が――」
泣きそうになりながら、すがるクロムウェル。
先刻から這いつくばり続けているために、豪奢なはずの皇帝衣装が、埃と血と涙で汚れてしまっている。
それがますますもって、翼の折れ地に伏すばかりの小雀を思い起こさせた。
「それも、違います」
またも、否定の言葉を紡がれる。
それでも笑顔は、変わらない、教皇。
284ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2009/05/24(日) 16:20:38 ID:wBhVhp3F
そして、幼子をいさめるように、笑顔のままでやれやれと首を振った。
「――貴方は、どうあっても聖職者であった身。そうですね?」
まるで始祖を讃える詩篇の一節を唱和するときのような優しい声のまま語り始める教皇。
それは、父親が子を諭すような、父性にあふれた優しいものだった。
「そ、それはもちろん!しし、しかししかし、始祖への信仰を忘れたつもりは――」
自分の言葉に、一抹の罪悪感をおぼえるクロムウェル。
自分でも、気付いているのだ。
結局は己の醜い欲に踊らされ、王という虚構の冠を戴こうとした、薄汚れた存在であることを。
「――貴方は、『迷える魂』を導く必要がある。違いますか?」
さらに、諭すように語る教皇。
聖職者とは、本来迷える信者を導き、救ってやらねばならない。
だというに、クロムウェルは己自身が煩悩に迷い、惑っていた。
そのことを教皇は論じていらっしゃる。少なくともクロムウェルはそう理解した。
「も、もちろんでありますとも!ああ!やはり王のごとき振る舞いで戦乱を起すなど、神のお怒りに――」
「貴方は答えを急ぎすぎですよ。クロムウェル神聖皇帝陛下殿」
だが、その安易な答えはまたも否定された。
『神聖皇帝閣下』という仰々しい肩書が、優しい声であるはずなのに冷たく地下に響きわたる。

「ただ――貴方が導いた『迷える魂』が少なかった。それだけのことです」
やや、ため息混じりに教皇が言う。
「そ、それはどういう?」
はて、少なかったとは。
クロムウェルの足りない脳味噌が答えを探そうと必死にあがく。
「――アルビオンの死者数は万にのぼると聞き及びます」
「さ、左様でございます!む、無垢なる信者を殺めたことを懺悔いたしたく……」
これはもちろん自己満足にすぎないことをクロムウェルは理解している。
死者はどうやっても蘇らない。
例えアンドバリの指輪を用いたところで、意思を持たぬ操り人形しか戻らぬと彼は知っていた。
懺悔をしたところで、彼の罪は決して消えない。
クロムウェルとてそれは理解しているのだ。
だからこそ、少しでも楽になりたくて、ここで懺悔をしているのだ。

「そうではありませんよ、皇帝陛下。『数』が合わないのです」
「か、数っ!?」
「『迷える魂』と死体の数……まるっきり合わないのですよね」
「い、意味がよくわからな――」
クロムウェルの頭で、いくつかの疑問点が湧きあがってきていた。
その最たるものが、『迷える魂』の指すところについてだ。
まさか、と頭の隅のごくごく矮小な部分でクロムウェルは考える。
『迷える魂』とは、信者のことではなく、死者の魂そのものを指すのではあるまいか……?

「『聖地奪還』。貴方が掲げた――いえ、それこそが我々の悲願でしたね?」
「も、もちろんですっ!わた、私とて聖職者の端くれ、それこそが――」
聖地奪還、その言葉はブリミル教の存在理由そのものと言ってもいい。
憎きエルフ達に奪われた聖地を奪還する、それは果たされぬ夢として6000年間続いてきたとされた。
だからこそ、仮にも聖職者であるクロムウェルは、誘いに乗ったのだ。
聖地奪還を標榜とする国家の、王となることを。

「『迷える魂』無くして、我々が聖地にたどり着くことは無いのですよ。贄の羊が我々には必要なのです」
笑顔は崩さないままに、宗教家の残酷なる一面を見せる教皇。
それが、あまりにも不似合いで、クロムウェルは耳を疑った。
「は、はい……?あ、あの、何とおっしゃられたのでしょうか?」
生贄を、必要としている。
宗教にはそうした一面があることは百も承知だが、ここまで露骨に、
しかもそのトップである教皇がそうしたセリフを吐くことが、クロムウェルには信じられなかった。
「――それだというのに、予定よりも『迷える魂』の数が少ないなんて――がっかりするよね」
犠牲が必要であると、教皇は確かに言った。
史上、最も民に愛され、民を愛したはずの教皇が。
さらにジュリオが補足するところによると、
生贄の数が少ないことを、口惜しく思っている、だと?
285ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2009/05/24(日) 16:21:20 ID:wBhVhp3F
「ま、まさ、まさかまさかまさかまさか!?きょ、教皇様、貴方はまさかこの戦乱を望んでッ――」

教皇は戦乱を望んでおり、自らの信者を大勢殺そうとしている。
そのために、ワザと人々を憎しみ合わせるように仕向けて……
その禁忌とも言える事実に思考が到達する直前に、クロムウェルの視界は途切れた。
グシャリ。
仮にも、神聖皇帝陛下という地位にあった男の最後にしては、あまりにもあっけない音だった。
 ・
 ・
 ・
教皇は、クロムウェルがただの屍と化すのを、笑顔のまま見続けていた。
「――ジュリオ、竜のしつけはちゃんとしてください」
ベットリと血のついた竜の足を見て、教皇がもらした感想はそれだけであった。
所詮、贄がまた1人増えただけのこと。
彼にとって、気になることはその『魂』の行く先だけであり、
すでに白いブヨブヨの脂肪や、べっとりと皮膚にこびりついた毛、
ゴロリと転がったゼリー状の目玉、乳白色に鈍く光る骨の欠片、
そしておびただしいばかりの血と化した遺骸の陰惨さなど、彼にとってはどうでも良かった。
「これ以上、お話を続けられても無駄なお時間をお過ごしになるだけでしょう?
 ――おいおい、アズーロ。駄目だよ。こんなものを食べちゃお腹を壊してしまう」
その愛すべき部下であるジュリオも、そんな教皇の思考を熟知していた。
血の匂いに猛る風竜をやんわりたしなめるだけで、死体についてはなんとも思ってもいない。

「――やれやれ、『ルビー』はおろか、必要な『信者』も得られず……私は教皇失格でしょうか?」
ゆっくりと、祭壇に腰をかける教皇。
少しばかり、疲れたような表情が浮かぶ。
彼にとって、『信者』とは、彼を盲信していてくれているのが一番ありがたかった。
そこには、寄付も、言葉も、身体さえも要りはしなかった。
必要なのは、その『迷える魂』だけ。

だから、彼は戦乱を望んでいた。
必要なだけの、『信者』を集めるために。

だが、いくつかの邪魔があって、思うように戦乱が起こっていないことに、
若干の歯がゆさを、彼は感じていた。
彼の予想では、今頃トリステインとアルビオンは泥沼の戦闘状態にあり、
歳の老若や性の男女といったものに関わらない、多くの信者を集めることができたはずであるのに。
まったく、世の中というものはままならないものである。
彼の手元から『ルビー』を奪っただけではあきたらないのであろうか。
改めて、それを痛感していた。

「いえいえ、挽回はいつでもできるかと存じ上げます」
年若い神官が、その疲れをいたわるかのように、そっと助言を挟む。
「――それでは、ジュリオ。何かいい策でも?」
疲れてはいても、そっと笑顔を戻し、ジュリオに微笑みかける教皇。
そこには何ら黒い物は感じられず、むしろ聖なる仕事に従事している、まばゆいばかりの光が感じられた。
「そうですね――季節外れの極楽鳥の卵、というのはいかがです?」
提案は、ただの食事のメニューのように聞こえた。
「あまり美味しそうには聞こえませんが?」
教皇はやや顔をしかめる。
言葉だけならば、ただ好き嫌いを言っているように聞こえなくもなかった。
「味よりも、いかに食べがいがあるか、だと思いますけどね。それに滋養と――
 あぁ、こらこら!食べちゃ駄目って言ったじゃないか……」
バリバリ グシャグシャ バキバキ ゴクン
骨をその強靭な顎の力で噛み砕き、とろけるような脳髄や臓物を、一心不乱に食べる風竜。
286ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2009/05/24(日) 16:22:04 ID:wBhVhp3F
教皇は竜のそんな姿に一切の動揺や関心も見せず、ただそれを当然の行為であるかのように目の端に留めながら、
ジュリオの提案するところの『滋養たっぷりで食べ応えのあるメニュー』について試案していた。
「極楽鳥――といえば火龍山脈ですか……ガリア王配下の方々のお力もお借りしましょうか?」
「そうですね。それが最適かと存じ上げます」
オーダーは決まった。後は材料の調達と実際の調理だけ。
神官らしく、彼らは簡素なメニューを好んでいた。
だからこそ、これだけの言葉でレシピは確定してしまう。
後のこと?それこそは神官らしく、『神のみぞ知る』と言ったところか。
だが、それで十分だ。
いつだって、神は彼に仕える神官が大好きなのだから。

「――聖地を、我らの手に」
「えぇ、必ずや」
彼らの悲願である、聖地奪還。
そのために、『止まる』という選択肢など、彼らには存在しなかった。
その決意を胸に、一礼するジュリオの右手には古代ルーンが輝いていた。
読む者が読めば理解できただろう。その意味するところは、『ヴィンダールヴ』。
『神の右手』、である。
それを見届けて、教皇は一層まばゆいばかりの笑顔を浮かべた。
----
本日は以上です。
さーて、やっとこさこいつら出せたよ。
本当はね、FF9発売9周年(2009年7月7日)には終わる予定だったのに、
なんかガンガン伸びそうです(苦笑)
それでもこの駄文についてきてくださる方が1人でもいれば、私は幸せだなぁとか、甘いこと考えているわけで。
本当に、毎度毎度すいません。
お目汚し、失礼いたしました。
287名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 16:37:11 ID:RtnR0965


やり直そうと思ってFF9引っ張り出したらディスク2と4しかなくてorz
PS3のダウンロード販売で早く出ないかな
288名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 16:41:53 ID:SEqPsmwm
乙ー
ロマリア組が黒すぎるwwww
289名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 17:08:23 ID:5cen67nc
乙。
しかしカトレアの台詞の『、』の多さは何なんだ。
290ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2009/05/24(日) 17:10:36 ID:wBhVhp3F
>>289
あ〜、そういえばそれについて言うの忘れておりました(汗)
いや、カトレアのセリフ作るに当たって、FF7よりエアリスのセリフ回しを参照させていただきました。
病弱で優しいイメージが出せればいいなぁって思いつつ……
狙いが外れてウザいだけになったら御勘弁を!それでは!
291名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 17:13:43 ID:YWCKzw1s
>>290
謙虚だなーあこがれちゃうなー

292名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 17:25:57 ID:izsPAHu7
>>272>>275-276
と言うか元々ガンダの機能ってソードワールド的に言うと「個人限定≪ジハード≫」でしかないし。
おまけで高品質武器支給って感じかな。
基本はモヤシな魔法使いに近接能力付加を目的としてるし。
やっぱ>>275の言うとおり近代の地球が異常なだけで、地球補正がなければ>>276が言ってる様に最弱だろうな。
293ウルトラ5番目の使い魔:2009/05/24(日) 17:47:33 ID:QF4t8VXm
黒魔導師の人、乙でした。
うーん、ロマリア勢がおっそろしく凶悪に……クロムウェル哀れ
 
さて、先日の騒動では数々の応援と復旧支援、どうもありがとうございました。
では、木曜の予告どおりにウル5魔、もっと略してウル魔、まあどっちでもいいですが49話投下を開始しようと思います。
今回の使用予定レス数は11、予約等なければ00狙いで5分後の17:50より開始します。
294名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 17:48:16 ID:mtnfkjeF
ギロチン支援
295名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 17:49:32 ID:5cen67nc
僕らがその気になったら宇宙はワンダーランド支援
296名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 17:51:18 ID:mPBN28v5
ウルトラ支援
297ウルトラ5番目の使い魔 第49話 (1/11):2009/05/24(日) 17:52:14 ID:QF4t8VXm
 第49話
 過去からの翼
 
 宇宙斬鉄怪獣 ディノゾール 登場!
 
 
 話に聞いた竜の羽衣とは、タルブの村の近くに建てられた寺院の中に安置されていた。いや、この竜の羽衣を
守るために寺院が建てられたというほうが正解だろう。
 シエスタの曽祖父は、歩きながら話を聞いたところでは60年前にこのタルブ村にやってきて、そのままここに
住み着いたのだという。その彼が晩年に建てたという寺院の中に、竜の羽衣は静かな輝きを見せて鎮座している。
「これが、竜の羽衣です。わたしのひいおじいちゃんは、これに乗ってはるか東の地から飛んできたと言っていた
そうです。結局、誰も信じなかったそうですが、この竜の羽衣だけは生涯大事にし続けていて、働いて貯めたお金で
貴族の人に『固定化』の魔法までかけてもらって、これを守り続けたそうです。今はこれくらいがひいおじいちゃんの
残したものなんですが……どうですかサイトさん」
「……」
 シエスタから説明を受けても、才人は心ここにあらずといった様子で、じっとその銀色に輝く竜の羽衣を
見つめ続けている。
「なによこれ、ただの大きい鉄の塊じゃない」
「まったく、こんなものが飛ぶわけないじゃない……普通は」
 その竜の羽衣を見たルイズたちの感想は一様にそのようなものだった。ハルケギニアの人間から見れば、
それはただの平たい三角形をした鉄の塊にしか見えないだろう。しかし、才人にはそれが何で、誰がどういう
ふうに使っていたのかを理解することができた。
「……」
 息を呑み、ゆっくりとそれに近寄る。見ると、傍らに持ち主が作って刻んだのであろう石碑が建てられていた。
シエスタは、ひいおじいちゃんが死ぬ前に書き残したけど、異国の言葉で誰も読めなかったと言い、ルイズや
ロングビル、タバサも読むことはできなかったが、才人はそれを読み解き、ゆっくりと口に出した。
 
「CREW GUYS JAPAN隊員佐々木武雄、これを残す」
 
「え?」
 あっさりと才人が読み上げたので一行は目を丸くした。
 そして才人は、シエスタの顔をまじまじと見て、彼女が顔を赤くし、ルイズが別の意味で顔を赤くしたとき
合点したように言った。なるほど、黒い髪と目、白人系がほとんどのハルケギニアでは見かけない顔つき
だと思っていたが、そういう理由だったのか。
「シエスタ、君ひいおじいちゃん似だって言われるだろ」
「は、はい! どうしてそれを……も、もしかして!」
 そこで、鈍いシエスタも、勘の鋭いタバサやロングビル、ほかルイズやキュルケも一斉に事情を理解した。
才人と、そのシエスタの曽祖父とは同じ国の出身であることを。
298名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 17:52:59 ID:aUldvrpo
ウルトラ支援だ
299ウルトラ5番目の使い魔 第49話 (2/11):2009/05/24(日) 17:53:55 ID:QF4t8VXm
「サイトさん、この竜の羽衣、なんだか知っているんですか?」
「これは竜の羽衣って名前じゃないよ」
 才人は懐かしそうな目で、その銀色に輝き、誇らしげにシエスタの家にあったものと同じマークをその身に
刻み込んだ翼を見上げて言った。
 
「間違いない……GUYS・ガンクルセイダー」
 
 いとおしそうに機体に触れた才人の手から、ガンダールヴのルーンを通じてガンクルセイダーの情報が
流れ込んできた。現CREW GUYSの主力戦闘機ガンフェニックスの一世代前の主力機、なるほど、これも
武器には違いない。操縦方法、兵装、その他の情報を得て、才人はこの機体がまだ生きていることを知った。
「動くのか?」
 好奇心を抑えられず、翼によじ登ってコクピットに登っていく。ガンクルセイダーは航空機の種別で言えば、
科学特捜隊の小型ビートルのようなデルタ無尾翼機にあたり、広い主翼は銀色の無塗装だったが、
翼の中心にはしっかりとGUYSのエンブレムが残されている。年月を経てかすれてはいるが、佐々木隊員が
何度も塗りなおしたのだろう、今でもGUYSの四文字はしっかりと読み取ることができた。
「こっちでペンキの代わりを調達するのは大変だったろうな……ん? これは」
 よく見ると、GUYSのエンブレムの横に、別の何かの絵……いや、何か紋章のようなものが描かれているのに
気がついた。こちらはかなり磨り減っていて判別しにくいが、中心が青い十字型の中に、アルファベットらしき
ものが書かれている。
「G・U……S……GUYSのことか? でも形が違うしな」
 その奇妙な絵に疑問を覚えたが、ハルケギニアで手に入る塗料は質が悪い上に、その絵はかすれてから
『固定化』をかけられたようで、残念ながら元の形を脳内で再現するのは無理だった。ただ……
「下手な字だ」
 英語の成績がどうにか平均点をとっていた才人から見ても、その英単語はかなり歪んで見えた。GUYSの
エンブレムはきっちりと描かれているのに、そっちのほうはまるで別人が書いたように塗り方が違うように
感じるが、ハルケギニアに他に英語を使う人間などいるはずがないので、歳をとって手が震えたのだろうか。
 だが、今はそういうことを気にしているときではない。風防を開き、座席に座って電源スイッチを入れると
計器が動き始めた、60年も前に停止されたものなのに驚くべきことだが、これが『固定化』の魔法の威力と
いうわけか。しかし、電源は入れられたものの、GUYSメカを作動させるためのキーとなるGUYSメモリー
ディスプレイが外れていたために機体の起動はできなかった。それでもメンテナンスモードでコンピュータを
作動させ、入力された閲覧可能なデータを見ていくうちに、この機体のフライトレコーダに行き着いた。
「これに、この機に乗ってきた……佐々木隊員の記録が」
 才人の心臓が高鳴り、計器を触る手が震える。この世界に来てはじめて、自分以外の確実な地球との
接触が見つかった。ここに残っているデータを見れば、あるいは……
 呼吸を整え、残っているデータの最後の日付を呼び出す。2006/4/8、はやる気持ちを抑えてEnterキーを
押すと、小さなモニター画面に一瞬砂嵐が起き、やがて鮮明な画像となって、この機体のガンカメラが
捉えた映像記録が映し出され始めた。
 
 
 
〔ガンクルセイダー、バーナーオン!!〕
 操縦者である佐々木隊員の声であろう、ガンカメラの映像はGUYS基地フェニックスネスト周辺の風景から始まり、
東京の町々の光景と青空が広がっていく。その前には、僚機である4機のガンクルセイダー、先頭の一機には
ガンフェニックスと同じファイヤーシンボルが描かれている。
300名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 17:53:57 ID:adMdi7MZ
スーパーウルトラセクシィ支援だ
301名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 17:54:36 ID:5cen67nc
ディノゾールって赴任したてのメビウスにやられたあいつか支援
302ウルトラ5番目の使い魔 第49話 (3/11):2009/05/24(日) 17:55:32 ID:QF4t8VXm
〔全機に告ぐ、侵攻中の宇宙怪獣はGUYSスペーシーの怪獣邀撃衛星V-77の攻撃をものともしかった強敵だ。
油断せず、訓練で培った実力を発揮して戦え〕
〔G・I・G!!〕
 無電入力した声が響く、才人はその声に聞き覚えがあった。何度もTVニュースなどで見た前々GUYS JAPAN隊長、
セリザワ・カズヤの声だ。
 この状況はもしかして……
 そのとき、才人の様子を心配してきた一行がみんなコクピットの周りに群がってきて、当然のようにモニター画面を
見て驚きの声をあげた。
「わっ、なんですかこれ、絵が動いてます」
「なんか見たことのない風景が映ってるわね。これ、街? なんでこんな角ばった塔がいっぱい建ってるの?」
 そりゃあ、彼女たちには東京の風景などわかるはずもない。才人は風防を閉じるのを忘れていたのをしまったと
思ったが、先を争ってコクピットの中に身を乗り出してきている今となってはもう遅い。というより、自分の膝の上に
飛び込んでこようとするシエスタと、それを妨害しようと暴れるルイズに計器が壊されないよう抑えるだけで
手一杯だ。しかし、才人は日付とこの状況から、すでにこの日に何があったのかを確信じみた予測を立てていた。
「みんなちょっと黙っててくれ! 多分、この日は……」
 いつもとは違う才人の声に、一行も黙ってモニター画面を覗き込む。やがて、ガンクルセイダーの編隊は
上昇をはじめ、成層圏を突破して宇宙に出た。
「わっ、急に夜になっちゃいました」
 宇宙の概念を持たないシエスタなどが驚くが、今は説明している余裕はない。
 しばらくは宇宙空間を飛行している光景が続いたが、その瞬間は唐突にやってきた。
〔レーダーに反応、目標来ます!!〕
〔全機、攻撃態勢をとれ!!〕
 画面が大きく揺れ動き、編隊が一列になっていく。佐々木機は最後尾にいたが、レーダーに頼るまでもなく、
前方から近づいてくる、あまりにも巨大な目標の姿ははっきりと見えている。
 
〔ディノゾール確認〕
 
 装甲のような頑強な皮膚に覆われた体、長い首と、そこに光る4つの赤く凶悪に光る目。モニターごしに
見守っているシエスタたちも、その悪魔のような姿にわずかに震えていた。
〔あれが……怪獣か〕
 怪獣とすれ違いながら、慄然した、しかし聞き覚えのある声が無線から響く、現GUYS隊長アイハラ・リュウの声だ。
 もう、間違いはない。
「宇宙斬鉄怪獣、ディノゾール……やっぱり、これはあの日の」
 才人にとっても、この日は忘れられようもない。2006年4月8日、この日普段どおりに学校に通っていた才人は、
突然の怪獣警報によって、学校からクラスメイトとともにわけも分からずに避難し、避難所で臨時ニュースを流す
テレビではじめて状況を知ったのだ。
【25年振りに怪獣襲来】
 そう、かつてUGMによって冷凍怪獣マーゴドンが倒されて以来、地球には一切出現していなかった怪獣が、
25年ぶりに襲来してきたのだ。
303名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 17:55:44 ID:X50C24DB
今週も来てくれたぜ支援
304ウルトラ5番目の使い魔 第49話 (4/11):2009/05/24(日) 17:56:47 ID:QF4t8VXm
〔全機、攻撃開始!!〕
 セリザワ隊長の命令で、ディノゾールの後ろで反転した編隊は奴の背中へ向けてミサイル攻撃を開始した。
ガンクルセイダーの翼の下に装備されたロケットランチャーが火を吐き、5機から発射された数十発の弾丸が
ディノゾールに命中して派手な爆発を起こす。しかし、奴の頑強な外皮はこれだけのミサイルが直撃したというのに
傷ひとつなく、進路を変える様子もまるでない。
〔くそっ!!〕
 攻撃が通用しないことに対する佐々木隊員の舌打ちが響く。しかし、ディノゾールを追い抜いて奴の前に
出たとき、突然仲間の2機が何の前触れもなく爆発を起こした。
〔そんな!!〕
〔断層スクープテイザーか……〕
 撃墜された2機は恐らく何が起こったのかも分からなかっただろう。ディノゾールの武器は、その口から伸びる
全長1万メートルにも及ぶ長い舌『断層スクープテイザー』、これは長い射程と鉄をも切り裂く威力を持ち、
何より直径わずか1オングストロームという細さのため人間の目ではまず見えない恐るべき凶器だ。
 残った佐々木機を含む3機はさらに反転し、あきらめずにミサイルを放つが、この機体ではディノゾールには
勝てない。必死の思いで放ったミサイルもディノゾールの表皮にはまったく通用せず、前を飛んでいた1機が
右の翼を切り落とされて爆発した。
 佐々木機は何とか仲間の破片を回避したものの、爆発の影響が機体に与えるダメージまでは逃れられなかった。
衝撃波が機体を揺さぶり、コクピット内にエマージェンシーを伝える警報が鳴り響く。
〔こちら佐々木機、操縦不能!!〕
 爆発の影響で一時的に計器を麻痺させられた機体は操縦桿のコントロールを失い、自動衝突回避システムも
いかれてしまって、よろめいたまま最初の進路、すなわちディノゾールに正面から突っ込んでいってしまう
進路で機位を固定されてしまった。
〔佐々木、回避しろ!!〕
〔佐々木先輩ーっ!!〕
 セリザワ隊長とリュウ隊員の絶叫も時間を止めることも戻すこともできない。
〔だめだっ!! 隊長、リュウ、地球を、頼みます!! うぉぉぉ!!〕
 ディノゾールの体が急速に接近してきて、左の翼が奴の体に触れて機体が大きく揺らいだ、そして、視界が
光に包まれて……
 
 フライトレコーダの画像もホワイトアウトし、[ERROR]の文字が画面を埋め尽くす。
 それから、実時間でどれほどが経ったのかは分からないが、コンピュータが復帰したとき画像もゆっくりと
色合いを取り戻していき、同時に佐々木隊員の無事を示すように彼の声が響いた。
 
〔ここは……どこだ……〕
 
 視界がひらけたときは、佐々木隊員のガンクルセイダーは見知らぬ砂漠の上を飛んでいた。
 あの光の中で、最後まで離さなかった操縦桿はいつの間にか飛ぶことになっていた大気圏内の重力の
中でも機体を水平に保ち、ガンクルセイダー自身もまた、システムを回復させて平常と変らない状態で、
自らを操る主人の次なる指令が操縦桿から来るのを待っていた。
305ウルトラ5番目の使い魔 第49話 (5/11):2009/05/24(日) 17:58:27 ID:QF4t8VXm
〔いったい……いつの間に大気圏内まで戻っていたんだ? この風景は、日本近辺のものじゃないな〕
 自分に何が起こったのかを必死で脳内で整理しながら、佐々木隊員はそのまま機体を直進させ続けた。
そうすると、超音速で飛べるガンクルセイダーはすぐに砂漠を抜けるが、後には古式とした電信柱すら
見当たらない町々や、現在では遺跡以上の価値をなくした城が見えてくるだけで、いくら飛ぼうと近代的な
街はまったく見えず、通信にも誰も応答しない。
〔GPSにも反応がない……まさか、タイムスリップしてしまったのか?〕
 過去にも、超獣攻撃隊TACの戦闘機が、タイム超獣ダイダラホーシとの戦闘中に、奴の時空移動に
巻き込まれて奈良時代まで飛ばされてしまったことがある。そう思った佐々木隊員はガンクルセイダーを
一旦上昇させて、広範囲から地上を観測しようとして驚いた。
〔月が、二つある!? これはまさか、どこか別の星にワープしてしまったのか?〕
 佐々木隊員の絶望感に包まれた独語の後、ガンクルセイダーは、そのまま海の上や広大な密林の上を飛び続けた。
止まるわけにはいかなかった、ここが別な星だとすれば、そこの宇宙人が地球人にとって友好的である可能性は
はなはだ低い。過去にも、アトランタ星へ探検に出かけた宇宙飛行士がそこの星人に殺されて、その飛行士に
成り代わって侵入してきた星人によって、防衛チームMACがあわや壊滅しかけたことがある。
 その間にも、ガンクルセイダーに詰まれた観測機器を使って地上の様子をスキャンし、彼はここがどういう
星なのかを知ろうとしていた。
〔大気組成、重力は地球とほぼ同じ……住民はほぼ完全なヒューマノイド……というより地球人型、
文明レベルは数百年前の地球と似ているが、少なくとも地球にドラゴンやらグリフォンなんかはいないよなあ〕
 分析に没頭することで、なんとか精神の動揺を抑えようとしていたのだろう。けれども、観測すればするほど、
この星が地球によく似ているが、決して地球ではないという結論を強固にするしかなかった。
 しかし、ガンクルセイダーの燃料にも限界がある。観測した結果によると、この星は文明は遅れているが、
文化は地球に似ているようだ、まさかいきなりとって喰われはしないだろうと覚悟を決め、どこかに着陸できる
適当な場所はないかと、地上をスキャンした画像をいくつか確認した佐々木隊員は、最初に転移してきた
場所からそれなりに近くて、なおかつこの星の原住民がいて、さらにあまり目立たない国のはずれにある場所、
つまりハルケギニアのトリステインのタルブ村のある場所へとやってきて着陸し、記録はそこで終わった。
 
 
「ふぅ……」
 スイッチを切って、才人は座席に大きく体を横たえた。
 あの後のことは才人も避難所で生放送で見てよく知っている。GUYSの必死の防衛線を突破して地球に
侵入したディノゾールによって、残った隊長機も撃墜され、CREW GUYS JAPANはリュウ隊員一人を残して全滅する。
 地上で暴れまわるディノゾールに対して全戦闘機を失ったGUYSはなす術もなく、才人のいる避難所にも
ディノゾールの手が伸びてきたとき、才人が子供の頃から夢見続けてきた光景がそこに起こった。
 突然空から現れ、ディノゾールの前に敢然と立ちふさがった新たなる銀色の巨人。
「ウルトラマン!?」
 避難しようと走っていた橋の上で、才人たちはそのときはじめて本物のウルトラマン、ウルトラマンメビウスの
姿と、その戦いを見たのだ。
 そして、ディノゾールは倒され、それから1年にわたるメビウスと新生GUYSの戦いが始まっていくことになる。
ガンクルセイダーは性能不足として退役し、代わりに超絶科学メテオールを搭載した新鋭機ガンフェニックスが
配備されることになるが、まさかその転機となった戦いに、まだ生き残りがいたとは……
306名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 17:59:15 ID:5cen67nc
そう言えばガンフェニックスの動力源って何なんだろうな支援
307ウルトラ5番目の使い魔 第49話 (6/11):2009/05/24(日) 17:59:51 ID:QF4t8VXm
 だが、もしかしたら地球への手がかりがという期待は裏切られた。考えてみれば、そんな方法があるなら
佐々木隊員がとっくに帰っているだろう。それにしても、ディノゾールとの戦いは才人から見ればまだ数年前なのに、
この佐々木隊員がハルケギニアにたどり着いたのは、60年も昔だという。異次元物理学がどうたらこうたらは
才人には分からないが、以前エースが言っていたように、このハルケギニアは異世界との壁が薄い世界なのだろうか。
 
 だがそうやって考え込んでいると、頭の上からおでこを叩かれてはっと顔を上げた。
「こら、なーにを深刻に考え込んでるのよ。さっきの怪獣のこと知ってるんでしょ、説明しなさいよ」
「……ああ、あれは俺の国で起こった怪獣との戦いの記録だ。宇宙斬鉄怪獣ディノゾール……」
 才人はゆっくりと、そのときのディノゾールとの戦いのことを噛み砕いて説明した。もっとも、口で言ってどこまで
納得してもらえるか自信はなかったが、さっきの記録映像がなによりの説得力となっていた。
 
「そうですか、ひいおじいちゃんはサイトさんの国の戦士だったんですか」
「ああ……おれは専門家じゃないからわからないが、何かの事故でハルケギニアに来てしまったんだろう」
 多分、ディノゾールとの衝突によるエネルギーが時空を曲げて……と仮説を立ててみたが証拠は何もない。
 だが、このガンクルセイダーはほぼ完全な形で保存されていた。ディノゾールとの戦闘の際に損傷を負いは
しただろうが、完全に修理、整備した状態で『固定化』がかけられていた。恐らく、地球と自分をつなぐ唯一の
証明であるこの機体を見捨てることができなかったのだろう。
 最初にこの機体が空を飛ぶ機械だと思わなかったルイズたち一行も、以前ミラクル星人の円盤という例を
見たことがあるために、あの映像が事実だとすんなり受け入れてくれたようだ。
「ところで、このガンクルセイダーっていうの、今でも飛べるの?」
「……無理だな」
 電源を落とし、コクピットから出ると才人はルイズの問いに短く答えた。実際は整備は万全だし、燃料もまだ
少々は残っているが、GUYSメモリーディスプレイがなくては動かせない。もしかしたらこの村のどこかに
残されているかもしれないが、わざわざ動かす用事もないし、よしんば動かせたとしても衆目をいらない意味で
集めてしまうだろう。そうなってアカデミーの研究材料なりなんなりにされてバラされてしまえば佐々木隊員の
思いを無駄にしてしまう。
 
 そして機体から降り、高揚しきっていた気持ちを落ち着かせて寺院から出ようとしたとき、黒い髪の壮齢の
女性が扉の前に立っていた。
「お母さん」
 シエスタの母は、シエスタの雰囲気をやんわりとしてわずかにしわをつけたような優しい笑顔を見せて、
才人に話しかけた。
「お探しのものは見つかりましたか」
「……ええ、ちょっと懐かしいものを見つけまして興奮してしまいました。お見苦しいところを見せてしまいまして、
申し訳ありませんでした」
 思えば随分我を失っていた。シエスタにも迷惑をかけてしまっただろうと思い、才人はおとなしく頭を下げた。
「いいえ、いいんですよ。おじいさんの残してくれたこの飛行機、実は昔一度だけこの翼が飛んだ姿を
見たことがあるんですが、そういえばあのときのおじいさんはあなたによく似ていました」
「えっ?」
 才人の顔をじっくりと見つめるシエスタの母の顔は、どこか懐かしそうだった。だけど、その一言を聞いて
シエスタのほうが驚いて声をあげた。
308名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 18:01:34 ID:gqAWVBfV
支援
309ウルトラ5番目の使い魔 第49話 (7/11):2009/05/24(日) 18:02:57 ID:QF4t8VXm
「お母さん、竜の羽衣はおじいさんが来て以来、一度も動かさなかったんじゃあなかったの?」
「黙っていましたが、30年前、お母さんがあなたぐらいのころ、動かしたことがあったんです。そう、今思えば
この飛行機が飛んだことも何もかも夢のような日でした」
「そんな、お父さんも村のみんなもそんなことは一度も」
「お母さんと、おじいちゃんだけの秘密だったんですよ。あのときはまだおじいちゃんも元気でした。そして、
あの日、おじいちゃんがこのタルブ村を救ってくれたんですよ」
「えっ!?」
 佐々木隊員が、ガンクルセイダーを動かしてタルブ村を救った? それはいったいどういうことかと、シエスタだけでなく、
才人たち一行もシエスタの母を見つめた。
「冗談ではないですよ。あのときおじいさんがいなければ、このタルブは今はなく、あなたも私も存在しなかったでしょう」
「どういうことお母さん、それになんでそんな大事なことを黙ってたの?」
「せめて30年は誰にも言わないと約束していたのです。けれど、あなたとあなたのお友達、そして……」
 シエスタの母は言葉を切ると、才人、その後にルイズの顔をじっと見た。
「あなた、すみませんがもう一度お名前をうかがってもよろしいかしら」
「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ、それがどうかしたの?」
「やはり……ならばあなたにはぜひ聞いてもらいたいです。あの不思議な夏の日の出来事と、この村を救ってくれた、
不思議な、けれどとても勇敢な人たちのことを」
 
 シエスタの母は静かに眼を閉じ、古い記憶に身をまかせ始めた。
「……あれは、30年前の、どんよりとした曇った夏の日のことでした。当時は私も16で、祖父といっしょに山仕事の
手伝いをしに泊りがけで山小屋で1月ほど過ごし、村に帰ろうと山道を下っていたのです。ですが、途中で街道に
下りようとしたとき、旅の行商らしい一台の馬車が盗賊の集団に襲われているのを見つけたのです……」
 
"ひゃはは!! 野郎ども、金目のものは根こそぎぶん取れ!! 女はかっさらえ!!"
"ひぃぃ! 命ばかりは!!"
"ばぁーか! 目撃者を生かしておくわけねえだろ、皆殺しだあ!!"
 
「それは、最近この辺で噂になっていた盗賊団でした。傭兵くずれが集まって徒党を組み、あちこちを荒らし
まわっているけど、目撃者がほとんど殺されてしまうために実体をつかみきれずに、国の役人も手を焼いて
いたそうです。私たちは、それを茂みの影から見ていましたが……」
 
"おじいちゃん、あの人たち、殺されちゃうよ"
"あいつら……レリア、お前はここを動くなよ"
 
「正義感の強い祖父は、私を茂みに隠すと、そのときもう50を過ぎた身でありながら、山仕事用のなただけを
武器に、盗賊たちに挑んでいきました」
 
"うぉぉっ、この悪党どもが!!"
310ウルトラ5番目の使い魔 第49話 (8/11):2009/05/24(日) 18:05:04 ID:QF4t8VXm
"なっ、なんだ役人か!?"
"違う、じじいが一人だ。かまわねえ、いっしょにぶっ殺せ!!"
 
「祖父は勇敢に戦い、盗賊たちと互角に渡り合いました。けれど、そのとき馬車に乗っていた人はほとんど
やられて、残っていたのは大きな帽子をかぶっていた金色の髪をした少女と、彼女を守ろうとしていた
風変わりな服を着た黒い髪の青年一人で、彼と協力しながら必死で防戦しましたが、盗賊は10人以上で
多勢に無勢、次第に祖父たちは追い詰められていきました」
 
"大丈夫か若いの?"
"まだまだだぜ、こんな連中に負けられっかよ!"
"ははあ、いきがるなクズども! さっさとその娘をこっちに渡せば、命だけは助けてやるぜ"
"ざけんな!! 俺は最後まであきらめないし、逃げもしねえ!!"
"そのとおりだ、それにさっき目撃者を生かしておかないと言ったのは誰だ、下手な脅迫をするな!"
 
「盗賊の脅迫を正面から拒絶し、二人は戦い続けました。祖父は盗賊の剣を奪い、青年はなにやら格闘技の
ようなもので、少女をかばいながら攻撃を流していました」
 
"ぬぉぉっ!! この佐々木武雄、老いたりとはいえ盗賊ごときに負けはせん"
"えっ! じいさんもしかして……あっ、あぶねえ!!"
 
「その一瞬のことは、忘れようとしても忘れられません。祖父に後ろから盗賊の一人が斬りかかろうとしたとき、
青年は積荷のリンゴを手に取り、見たこともない足を大きく上げる構えをとって、投げつけたのです」
 
"ぐわぁ!?"
"しゃあ! ストライーク、バッターアウト!! ってか、見たか俺の超剛速球!!"
 
「盗賊は投げられたリンゴに気づき、しゃがんでかわそうとしました。けれどもなんと、リンゴは盗賊の直前で
急にストンと落ちて、避けようとした盗賊の頭に見事に命中したのです。けれど、善戦しましたが二人とも疲れが
溜まっていきました」
 
"ゼェ、ゼェ……"
"大丈夫かじいさん、息が切れてるぜ"
"ハッ、まだ若い者には負けんわ。君こそ、足が笑ってるぞ"
"なんの。こんなもん15回延長の試合に比べたらなんてことねえよ。けど、そういや最近ろくなもん食ってねえから
疲れたかな……ふぅ、ふぅ"
"観念しろ、この数にたった二人で勝てるものか、ぶっ殺して身包み剥いでやる、かかれ野郎ども!"
 
「そして、とうとう盗賊の剣が二人にかかろうとした、そのときでした!」
 
"ひゃはは、死ねぇ!! えっ? ひぎゃぁ!?"
 
「突然、盗賊たちを突風が襲い、その身を空へと吹き飛ばしたのです」
 
"なっ、なんだこれは!?"
"親分、空を、空を見て下せえ!"
311ウルトラ5番目の使い魔 第49話 (9/11):2009/05/24(日) 18:07:34 ID:QF4t8VXm
"あっ、あれはぁ!!"
 
「そのとき、空にはいつの間にか、無数の幻獣マンティコアが乱舞し、その上空を、ひときわ大きな一羽の
巨鳥が見下ろしていたのです」
 
"第一、第二小隊降下、ドブネズミどもを一匹残さず捕まえろ。この『烈風』の目に止まった以上、もはや
トリステインに生きる場所はないと教えてやれ!"
 
「ちょ、ちょっと待って、それってまさか若いころのお母様!?」
「やはり、あなたのお母上でしたか、そうです、そのとき通りかかったあなたのお母様の部隊が、祖父の
窮状を救ってくれたのです。あっという間でした、盗賊たちは当時世界最強とも呼んでよかった『烈風』の
部隊に太刀打ちできるはずもなく、逃げようとする者も魔法で倒され、その場の全員が捕縛されるのに
1分もかからなかったでしょう。そして、降りてきた仮面の騎士、『烈風』は息を切らせている祖父たちに
向けてこう言ったのです」
 
"見事な戦いぶりだった。貴君らの奮闘がなければ、我らの助けも到底間に合わなかっただろう。負傷者は
我が部隊の者で、応急手当をした後町の病院に移送しよう。貴君らも、なにか不便があったら遠慮なく言ってくれ"
 
「驚きました。私がそれまでに見てきた貴族はみんな平民には高圧的で、しかも『烈風』殿は顔の下半分を
鉄仮面で覆っていましたので、まだ少女だった私はその威圧感に怖がって物陰から動けませんでしたが、
あの方はとても穏やかに、「そこに隠れてる子、もう大丈夫だから出てきなさい」と声をかけてくださいました。
てっきり、形式的な挨拶だけで平民のことなんかそれで放り出すと思っていた私は、その公平さと
気遣いに驚き、感動して深く感謝しました。けれど、その青年ときたら……」
 
"じゃあなんか食い物くれよ。積んでたもんが奴らのせいでもうめちゃめちゃでさあ、それに暴れて腹減っちまって"
 
「そのときは、あまりの無礼さに肝が冷えました。けれど、幸い『烈風』は本当に寛大でした」
 
"ふむ、よかろう。おい、部隊の予備の糧食を少し分けてやれ"
"あんがとさん! 話がわかる!"
"ふ、勇者に差別はせんさ。ところで、先の戦いは途中から見ていたが、格闘は並だがあのリンゴを投げたものは
たいしたものだ。よほど肩を鍛えていなければできまいが、それより投げた球が途中で急に落ちるとは"
"へー、分かるのか、いい目をしてるな。ウルトラフォークっていうんだ。俺の決め球なんだぜ"
"ほぉ、それは大したものだ。だがそれはともかく、隊商のリーダーが意識不明では話ができん、代わりに聞くが、
この一行はどこへ何の目的で向かっていたのだ?"
"さあ、俺は行くところがなくてそこのお嬢さんに拾われて、途中まで相乗りさせてもらってるだけだから"
"そうなのか?"
 
「そう『烈風』に聞かれて、その少女はこくりとうなづき、帽子を押さえたまま、これからアルビオンというところに
向かうはずでした、と答えました」
 
"そうか、だがこれではな。それで、そちらのご老体、貴君らは?"
"我らはこの先のタルブ村の住人です。これから村に戻る途中、偶然馬車が襲われているのを見つけまして。
そうだ、君たちタルブに来ないか? お仲間がよくなるまでうちにいればいい。なあに、二人ぐらいなんとでもなるさ"
"えっ、いいのかよじいさん"
"いや、ちょっと待て、タルブには、まだ行かないでほしい"
 
「タルブに帰らないでほしい。その言葉に、私と祖父は驚き、その意味を問いただしました」
 
"実は、ここ数週間タルブ村周辺に気象上ありえないほどの霧が発生し、タルブ村から人が来なくなり、村へ
様子を見に行った者も誰一人帰ってこない。タルブ村はラ・ロシュールの目と鼻の先、早急な解決をと領主の
アストン伯から懇願があって、我らが派遣されてきたのだ"
"それで、あなた方はこれから……"
312ウルトラ5番目の使い魔 第49話 (10/11):2009/05/24(日) 18:09:30 ID:QF4t8VXm
"早急に現状の把握と解決に当たる。貴君らには負傷者と罪人の移送のために一隊を裂くので、それに乗って
近隣の町で待っていてくれ、滞在費用などはこちらで出す"
 
「しかし、祖父は納得しませんでした。いいえ、『烈風』ほどの部隊が動いていることにタルブの危機を
感じ取ったのでしょう。貴族に向かって毅然として言い放ちました」
 
"私も連れて行ってください!"
"何? 馬鹿を言うな、これは平民の口を出すことではない。有事の際に働くのは、我ら貴族の責務だ"
"いいえ、あれは私の第二の故郷です。あなたと同じように、私にはあの村を守る責任があります。
遠くから黙って見ているだけなんてできません! それに、現地住民の協力が役に立つこともあるでしょう"
"おぅ! じいさんいいこと言うぜ。自分の故郷は自分の手で守らねえとな! よし、俺も手助けするぜ!"
 
「どんと胸を張って助っ人を申し出るその青年の姿は、なぜかとても頼もしかったです。『烈風』は、
本来なら強制的に命令に従わせることも、置き去りにすることもできたでしょうが、あの人はそうして権威を
ふりかざすのを嫌っておいででした。しばらく考慮された後、あの方は言ったのです」
 
"よかろう、現地協力員として同行を許可する。ただし、足手まといになるようなら放り出すからな"
"G・I・……おっと、昔のくせでして、失礼いたしました。私は佐々木武雄と申します。お見知りおきを"
"ふむ、その立ち振る舞いに隙がないとは思っていたが、やはりどこかの軍隊にいたのかな? まあいい、
ところでそちらのお嬢さんはどうする? 一騎貸して送り届けようか"
 
「そのとき、私はその不思議な雰囲気をかもし出している少女を、祖父の影からじっと見ていました。
真夏だというのに、日を避けるにしては大きすぎる帽子を目深にかぶった金髪の少女は、暑いだろうに
帽子をしっかりと握り締めたままいました。私はその少女があまりにも華奢に見えるために、街に
戻ると言うと思っていました。けれど」
 
"いえ、私も連れて行ってください"
"なに、馬鹿を言うな。これから行く場所は危険かもしれんのだ、関係者ならともかく、無関係な者を
連れてはいけん"
"いいえ、助けていただいた恩をそのままにしておけません。お願いします、足手まといにはなりません"
"馬鹿な、お前のようなひ弱な……"
 
「『烈風』の言うことももっともでした。どう見ても戦うどころか、ちょっと走るだけで息を切らせそうなくらい
か弱そうな人でしたから。けど、その人ははっとするような美貌の中に、強い意志を秘めた瞳をしていました。
そう、あの『烈風』の眼光に負けないくらい。やがて『烈風』もついに根負けしたように」
 
"……仕方が無い、二人も三人もこの際変わるまい……名前は?"
"ティリーと申します。よ、よろしくお願いします"
"うむ、改めて名乗らせてもらおう。私は魔法衛士隊マンティコア隊隊長カリン、二つ名は『烈風』、覚えておけ! 
それでそっちの若造、お前の名は!?"
313ウルトラ5番目の使い魔 第49話 (11/11):2009/05/24(日) 18:11:55 ID:QF4t8VXm
"俺はアスカ・シン、よろしく!"
 
「それが、運命だったのかはわかりません。ただ、私はその日のことを……そして、タルブを救ってくれた
祖父たち4人の勇者のことを忘れた日はありませんでした」
 
 30年前、タルブを襲ったある事件、シエスタの母から語られ始めたその過去は、まだ始まったばかりだというのに
才人やルイズ、シエスタたちにも衝撃的なものとなって降りかかっていた。
 かつて、60年前に才人の世界から迷い込んできた旧GUYS隊員佐々木武雄、いまや生ける伝説と化している
トリステイン最強騎士にしてルイズの母、『烈風』カリン、そして彼らとともにあったという不思議な青年の名を
聞いたとき、才人とルイズの心臓は飛び上がった。
 
「ねえサイト……アスカ・シンって名前」
「ああ、30年前にオスマン学院長をアリゲラから救ったって人だ……その後、こんなところにやってきてたのか」
 
 才人とルイズはかつてフーケ事件の際に、ガッツブラスターを譲られたときの学院長の話を思い出していた。
森に迷い込んだオスマンを、ワイバーンの大群と、宇宙有翼怪獣アリゲラから救ったさらなる異世界からの
闖入者、違う世界の光の戦士。
 
 ガンクルセイダーを背に、静かにシエスタの母は話を続けた。すでに天空には満天の星空とともに、美しく
青く輝く月が夏の夜を照らしている。
 
 
 続く
314ウルトラ5番目の使い魔 あとがき:2009/05/24(日) 18:15:24 ID:QF4t8VXm
今週もまた多くの支援どうもありがとうございました。では、続きは来週で!!
さて、今回は多くを語る必要はありませんね。
 
なお、佐々木隊員が転移した2006/4/8とは当然ウルトラマンメビウスの第一話が放送された、そしてウルトラ兄弟が
TVに復活した記念すべき日のことです。
 
執筆のときはウルトラなどの音楽を聴いたり、歴代ウルトラやゼロ魔のビデオを見ながら書いてますが、最近では
ティガ&ダイナ、ウルトラマンZOFFYなんかが気に入っています。やっぱり歴代ウルトラマンが力を合わせて戦うってのはいいですね。
見ていて勇気をもらえます。
 
じゃあ、来週また。
315名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 18:20:59 ID:5cen67nc
ウルトラの人乙。

しかし失礼かもしれんが、ガンクルセイダーって弱かった初期のメビウスに負けたディノゾールに、更に負けた機体ってイメージしかない……。

>ウルトラマンZOFFY
ああ、あの「安心しろ、ゼットンは倒した」か。
316名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 18:30:16 ID:9M61qidH
パワードが好きな俺は異端だろうか?
日本版は歌がいいんだよなあ。
317名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 18:32:20 ID:SEqPsmwm
ウルトラの人乙
来週が楽しみだわ
318名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 18:33:24 ID:aUldvrpo
ウルトラの人乙でした
久しぶりにアスカが登場するとは、感無量です。
それにしてもこの小説はいいですねぇ、こうした一つ一つの話が初代ウルトラマン
の様な別々のストーリーぽい雰囲気を出しながらも、その一つ一つがしっかり繋がっているの
ですから、どの話も大好きです、次回の話も楽しみにしてます。
319名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 18:35:25 ID:mPBN28v5
ウルトラの人乙です。
アスカ再登場にwktkせざるを得ない。
320名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 19:07:03 ID:gCDMxr8f
ウルトラ乙
アスカさん再登場ktkr
ティガもまた出てくれないかな

ふと思ったがタイラントやゼットンと戦ったらエースは勝てるのだろうか
321名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 19:32:21 ID:5uGkUQMH
>>295どっかで聞いたようなフレーズだと思ったらまた懐かしいネタを…w
322名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 19:42:14 ID:gqAWVBfV
>>320
メビウスのDVD特典を見ると分かるんだが
初代マンはゼットン(養殖もの)を一撃で倒してる
だから多分エースも勝てる。タイラントはどうだろうか。
323名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 19:49:01 ID:5cen67nc
タイラントは実際に戦って負けてるけど、ゼットンはブヨブヨのデロンデロンの奴だったらきっと勝てるはず。
324名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 20:13:27 ID:vzwqZkwG
タイラントと聞くと生物兵器とかウイルスを思い出す俺
……後期ハンターとか量産型タイラントなら契約さえ出来れば忠実な下僕になりそうだが
325名無しさん@お腹いっぱい:2009/05/24(日) 20:14:16 ID:E9q28fqW
>>314
ウルトラの人、今回も乙でした。
まさかのアスカ再登場!カリン様が出会ったウルトラマンってダイナだったんだw
しかもシエスタの曾爺ちゃんがメビウス1話で全滅した旧GUYS隊員という設定に吃驚ですw
そういえばメビウス1話で橋の上で25年ぶりのウルトラマンを目撃する人々って場面あったけど、あの場所にサイトも居合わせていたと想像したらニヤニヤが止まりませんでしたw
ティリーってお嬢さんは、ひょっとして・・・w

次回も楽しみです。
326名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 20:21:02 ID:xvyMH3Lb
バイオのタイラントは兵器に含まれるのだろうか…
327名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 20:28:26 ID:9M61qidH
そういえばネタ絵でバイオが基本で色んなタイラントが揃ってるのがあったな。
ウルトラのタイラントも混じってた。
328名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 20:51:48 ID:PWz/1BQ1
ゼロ+CoDってどんな感じ?
329名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 20:56:16 ID:zREYwABB
Call of Duty?
330魔物使いが使い魔 :2009/05/24(日) 21:43:22 ID:IErN84Jv
失礼致します。
今日深夜に投稿したSSの続き
もし、他の方いらっしゃらなければ、
21:50分頃より、投下したいと思います。
よろしくお願い致します。
331名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 21:48:33 ID:FBZgdGWJ
支援スタ
332魔物使いが使い魔 2話:2009/05/24(日) 21:52:48 ID:IErN84Jv
「おい人間だ!ゼロのルイズが平民を召還したぞ!」
「平民?どう考えても乞食じゃないか!」
「ゼロのルイズ、その辺の乞食を連れてくるなよ!」

ルイズの召還したものが人間だとわかるといなや
口々に罵倒をはじめる同級生達
ルイズは「ち、違うわよ!ちょっと失敗しただけよ!」
と反論するが誰も耳を貸さない。

ルイズはそんな同級生達を忌々しげに睨みつけたあと
教師であるコルベールに食ってかかった。
「ミスタ・コルベール、もう一度召還させてください!」
「いけません、ミス・ヴァリエール 
 使い魔召還の儀式は神聖なものです。
 例外は認められません。」
「で、でも平民…どころかどう見ても乞食じゃないですか!
 こ、こんなのってこんなのって…!」
「確かに人間を召還したのは例のないことかも知れません
 ですが大丈夫ですよ、ミス・ヴァリエール
 召還に応じた使い魔は主人にとって必ず良い働きを
 してくれるのです。これには例外は絶対にありません。
 さぁ早くコントラクト・サーヴァントを」
「で…でも…でも」
傍から見ればとてつもない人道無視な意見を
言いあってるような気がするが
ルイズは渋々とうなずくと倒れて目を回している
「ソレ」のすぐ傍まで来た。

「あんた…感謝しなさいよ、普通は貴族にこんなことされるのなんて
 一生ないんだからね。」
333魔物使いが使い魔 2話:2009/05/24(日) 21:55:40 ID:IErN84Jv
そして顎を持ち上げて顔をもちあげる。
その時ルイズははじめて「ソレ」の顔を見た。
(わ… い、意外と顔立ちいいわね…この平民
 遠くからは泥と煤で汚れててわかんなかったけど
 これならコントラクト・サーヴァントもそれほど辛くも…
 な、何をいっているのかしら貴族の私が平民n(ry))
何やら小言でブツブツ言ったかと思うと
何かを振り払うかのように頭をブンブンと振り回す。
やがて気を取り直したのか、ゆっくりと深呼吸をし
「5つの力を持つペンタゴンよ、その力もて我の使い魔となせ。」
コントラクト・サーヴァント即ち使い魔契約の呪文をとなえる。

そして
ルイズの唇が「ソレ」の唇と触れた。

ぷちゅ

(ん、何だろうこの感じ…)
その時ルイズは不思議な感覚に襲われた。
間違いなく今自分は見ず知らずの平民の男と初めて会ったはずなのに
しかも生まれて初めてのふぁーすときすなのにも関わらず
なぜか嘗て出会ったことのある感覚
そしてなぜか懐かしさを感じた。
唇をはなす。

「うわ!痛っ!イタタタタタタタ!!!」
「ソレ」ことリュカは声をあげた。


リュカ「こ、ここは?一体」
ルイズ「ようやく気づいたわね!私はルイズ・フランソワ(以下略)
 あなたのご主人様よ!」
コルベール先生「おや珍しいルーンだね。ちょっと失礼するよ。」
リュカ「一体なんなんですか!? これは。僕はどうしたんですか。」
コルベール先生「ここはトリステイン魔法学院です、あなたは使い魔(ry」
リュカ「え!?じゃぁ僕は召還され(ry」
ルイズ「あんたどこの平(ry」


・・・閉話休憩
334魔物使いが使い魔 2話:2009/05/24(日) 21:57:41 ID:IErN84Jv
「…つまり君は僕に使い魔になってくれという訳だね。」
使い魔のルーンが刻まれ暫くは思いもよらない痛さで
我を忘れていたリュカであったが、それが収まると
今の自分の状況に愕然とした。
まったく自分の知らない土地
知らない風土
そして彼の見たことのないモンスター達
目を離すと完全に自分の常識とは違う世界にいるのである。
何よりも不可解なのは目の前にいる女の子で
突然自分を呼び出しておいて使い魔になれという
あまりにも理不尽な要求であった。

「そうよ、あんたは私にコントラクト・サーヴァントで
 召還されたのよ!そもそも平民が貴族に、しかも由緒正しい
 ヴァリエール家に仕えることが出来るなんて滅多にないのよ。
 感謝しなさい。」

ふふん、とルイズはそれほどない胸をはって答えた。
どうやら完璧に自分がやっていることが
正しいと信じて疑っていないらしい
(まるで昔のヘンリーみたいだなぁ)
リュカは心の中で苦笑した。
今は遠い国で国王補佐をやっている彼の親友は
誘拐紛いのことをやっておきながら平然としている
この少女にあったら何と言うだろうか。
そんなことを考えると今の自分のおかえた状況にも関わらず
自然と笑みが漏れてくる。
「あんた、人が話してるのに笑うなんてどういうつもりよ!」
「あっごめんごめん」

とりあえずこの数分間この女の子と話してみてわかったことは
ここは、自分が元いた場所から随分と遠くの国に運ばれてきたということ。
この国では魔法を教える学校が存在するということ。
この学校はその国の貴族が集まる名門校で
二年になると行われる使い魔の儀式で
この女の子が唱えた呪文に使い魔召還の呪文のせいで
自分が突然サラボナからここに召還されたということだけだ。
後、ルーラが使えなかった。

はっきり言って拉致監禁どころの話ではない。
何しろいきなり呼ばれて使い魔という名の奴隷になれと言っているのである。
しかも既に契約の証とやらのルーンはついている。
無論己の意思とは無関係にである。
普通の人生を送っているであろう人間であれば
パニックをおこしても仕方のない状況ではあるのだが
335魔物使いが使い魔 2話:2009/05/24(日) 21:58:49 ID:IErN84Jv
(まいったなぁ…奴隷にされるのは始めてじゃないけど
 どうやってこの場を切りぬけようか。)

なぜかリュカは妙に落ち着いている
というのは実は以前、これよりもっと酷い手段で拉致され
問答無用で10年もの間文字通りの奴隷として
働かされていた経験をもってるからであった。
そうであるからこそある程度の理不尽に慣れているし
余裕も出来る。

(とりあえず帰る手段に関しては
 ゆっくり探そう、それにサラボナに残してきた仲間達なら
 必ず僕のことを探してくれるはずだ。)

こういう時はあせらずに状況をまず受け入れること。
小さい頃から度々理不尽な目にあってきたリュカの処世術でもあった。

(それにせっかく纏まった時間もとれたことだし
 プロポーズに関してもゆっくり考えられそうだ。)

…前向きの方向が微妙に違う気もするが

「とにかく僕はこの国とは違うところから来たんだ。
 だから悪いけどいずれ僕は戻らなきゃいけない。
 でもそれまでの間までなら君の使い魔をやろう。
 これでいいかい?」

「ばっ馬鹿なこと言わないでよ!使い魔と主人の契約は一生のものなのよ。
 勝手なこと言わないでよ!」

リュカからの提案にルイズは強い口調で否定する。
しかし内心ルイズの心の中ではある葛藤が起きていた。
336魔物使いが使い魔 2話:2009/05/24(日) 22:00:02 ID:IErN84Jv
呼び出したのはどこにでもいそうな平民の使い魔
となればこの平民が使い魔契約を解除して(解除できればだが)
どこへなりとでも行って
新しい使い魔を呼び出せるのあればそれに越したことはないのである。
しかし…
生まれて初めて成功した魔法で呼び出した使い魔なのだ
その点でもこの平民にはルイズはルイズなりに並々ならぬ思いがあったし

何より

(なぜかこの平民を見てるとなんかこう…懐かしい気持ちになるのよね…)
コントラクト・サーヴァントを成功させて以来
ルイズはこうしてリュカと話しているが
初めてリュカの目を見たときはなんともいい様のない衝撃を受けた。
まるで吸い込まれそうな深い深い黒曜石のような瞳
同時に優しくて暖かくて何かに抱かれているようなそんな不思議な気分にさせられた
(ちぃ姉さま…)
ルイズはそんな目をしている彼を今は遠くにいる動物好きで病弱の姉を思い浮かべた。

「とっとにかく駄目よ!使い魔はご主人様の言うことに従わなきゃいけないのよ!」
一気にそう捲し立てるルイズ
その顔はなぜか真っ赤に染まっていた。

その後ルイズのサモンサーヴァントが
無事に成功したことで授業も終わり解散の時間になった。
「ハハハ!じゃぁな!ゼロのルイズ」
「あいつ未だにフライも使えないんだぜ!」
「おいゼロのルイズ、その乞食といっしょに早く帰るんだな!」
そう言うと生徒達は杖をふって呪文を唱える。
とたんに生徒達の体は浮きあげる空を駆けていく。
生徒達は口々にルイズを嘲い罵りながら学園へと戻っていった。
「もう!なんなのよ!どいつもこいつも!」
ルイズは悪態をつきながら地面を踏んだり蹴ったりしていたが、
やがて落ち着いたのか
「ほら、帰るわよ。早く来なさい。」
「……………」
そう言われたリュカは口をポカンと開けて空を飛んでいく生徒達を見ていた。
337魔物使いが使い魔 2話:2009/05/24(日) 22:01:47 ID:IErN84Jv
リュカとルイズは学院に「徒歩」で戻り
そのまま2人はルイズの部屋に直行した。

一般的な平民の家庭で間取りの広い室内
飾り気はないがおそらく名のある職人に作らせたであろう高価な家具の数々、
2〜3人が優に寝れる広さのベットには皺一つない清潔なシーツがかけられ
高級な衣装が何着も入っていそうな衣装棚は埃一つなく佇んでいた。
テーブルには見た目冷たそうな水差しと菓子が置かれ
教科書と思わしき書物が何冊も上に置かれていた。

今でこそ友人に王族がいるという奇妙な人脈をもつリュカだが
それでも彼は普段は魔物と野宿をして過ごす冒険者である。
だからこそ久方ぶりに見る貴族の部屋というやつには
未だに耐性が出来てないし
目の前の小さな女の子がこんな部屋に一人で住んでいるものと
想像してしまい思わず目を白黒させた。
「…なに驚いてんのよ。言っておくけどね、
 わたしたちはまだ学生だから贅沢は出来ないっていうんで
 これでもまだ質素にしてるほうなのよ。」

普通の何気ない暮らしを送ってる人間からすれば
思わずこめかみにハイキックの2〜3発お見舞してやりたくなる台詞であるが、
リュカは気にもせず部屋を見回している。

そしてそのまま窓際まで近づくと空を見る。
「月が…二つ…!」
その通り夜空には赤い月と青い月が二つ寄りそうようにして浮かんでいた。
「なによ、月がふたつあるのは当たり前じゃない。」
ルイズは驚いているリュカにどうしたことかと言わんばかりに
呟くと無視して椅子に座りいつもの日課なのであろう
授業の予習と復習を兼ねて教科書を読み始めた。

ルイズが読書に没頭している間
窓から二つの月を見つめながらリュカは考えた。
先ほどの未知の飛行呪文といい
目の前の二つの月といい
もしかしたら自分は全く知らない世界に誘いこまれてしまったのかも知れないと

そして思い出す
母マーサも自分達のいた世界とは違う世界に送られてしまったということ。
いくらなんでもここが父の手紙に書いてあった魔界とは思えないが
もしかしたらここに母の手がかりがあるかも知れない。
手がかりを掴みたいのは山々だが
しかし今の自分には何の手段もない。
死線を潜り抜けた頼もしい仲間達も今はいず
装備も宿屋に置いてきてしまったので今は丸腰だ。
唯一いつも肌身離さず持ち歩いている道具袋には
旅先で手に入れた重要なアイテムや薬草などが入っているが
その数は少なく何も知らない異世界でどこまで役に立つのか全く未知数だ。
「頼れる知人も
 装備も
 そして頼れる仲間もいない。
 ないない尽くしのゼロの魔物使いか…」
リュカは自嘲するように呟いた。
338魔物使いが使い魔 2話:2009/05/24(日) 22:03:23 ID:IErN84Jv
以上です。
3話はもしかしたら今日の深夜にあげるかも知れません。
今回も見て頂いた方本当にありがとうございました。
339毒の爪の使い魔:2009/05/24(日) 22:22:34 ID:4Q0o8FzW
黒魔道士の人乙です。
カトレアは本当にお優しいお方だ。ビビもきっと頑張れるでしょう。
寂しい事があっても君を慰めてくれる人はきっといるよ、ビビ。
そんな二人の雰囲気とは180度違うロマリア側。
前回のワルド&メンヌヴィルとはまた違った意味で壊れてますな…(汗)
向こうが残虐非道ならば、こちらは冷酷非常と言った所でしょうか?
テンションが高いか冷めてるかの違いですね。まぁ、どちらにしろ友好的でないのは確実ですが。
ビビと違って救われぬクロムウェルの冥福を祈ります。
次回も楽しみにしてます。

ウルトラの人乙です。
烈風様の存在感の強さに他を忘れてしまいます。
今回は怪獣や宇宙人は暴れてませんね…、次回に更なる期待!
ワルドはどうなるだろうか…? 個人的には面繋がりという事で、獅子舞の面を付けてシシゴランになって欲しい(笑)
あれならやっつけられても生きてられるしね♪(笑)


で、今日一日何もする事が無かったため、毒の爪の使い魔の第38話が書きあがってしまいました。
ので、予定その他が無ければ22:25から投下します。
340毒の爪の使い魔:2009/05/24(日) 22:26:11 ID:4Q0o8FzW
では、投下開始します。

「チッ、またここに来る破目になっちまったゼ…」
苦虫を百匹ぐらい纏めて噛み潰したかのような表情でジャンガは呟いた。
「何言ってるのよ…、お店で待機するようにってアニエスに言われたじゃない」
隣に並んだルイズが言った。

今、二人は夏期休暇の最中、アンリエッタから依頼された諜報任務の際、世話になった『魅惑の妖精』亭の前に来ていた。
今朝方、学院にアニエスがやって来て、ジャンガに用件がある為、ここで待てと言われたのである。
ジャンガは嫌そうにしたがルイズが半ば強引に引っ張ってきたのである。

ジャンガは隣のルイズを横目で睨む。
「俺が必要な事でもあんのか? テメェ一人で来ればいいじゃねェか」
「ダメよ! アニエスはあんたに来るように言っていたじゃないの。
きっと姫様からの大事な任務に違いないんだから…来るのは当然でしょ?」
「つってもな…」
「文句言わずに来る!」
言ってジャンガのマフラーを引っ張る。
ぐぇ!? と唸ったジャンガは引き摺られて行った。
羽扉を開けて中に入ると、そこには異様な光景が広がっていた。
舞台衣装の様なドレスに身を纏った女の子達、それに囲まれるようにして立っている男装した黒髪の女の子がおり、
何か演技の練習でもしているのかポーズを決めている。
そして――
「いいわいいわ♪ 最高よ、妖精さん達〜♪」
それを見て身体をくねらせながら気色の悪いダンス(?)をする、
紫の長髪のカツラと女の子達以上に派手なドレスを纏った男が一人居た。
ルイズはそれを見て呆然と立ち尽くす。ジャンガは既に顰めていた表情を更に曇らせる。
「あ、あ、ああ、あの…」
ルイズが意を決したかのような声で”珍妙な一団”に話しかける。
「あれ?」
「へ?」
男装した女の子が真っ先に気付き、次に他の女の子達が、最後に女装した男が振り返る。
「こ、こ、こんにちは…」
ルイズは頬を引き攣らせながらも挨拶をする。
ジャンガは不機嫌な表情のまま何も言わない。
「あら、ルイズちゃんにジャンガくんじゃないの?」
ジャンガはため息を吐く。
「オイ、なれなれしくすんじゃねェよ…おっさん?」
「誰が”おっさん”だって〜?」
急に凄みのある声と表情で男がジャンガに詰め寄る。…妙な迫力がそこには在った。
「へいへい、スカロン店長様だろ?」
面倒臭そうにジャンガは言う。
すると、スカロンは身体をくねらせながら再び女口調に戻って話す。
「もう、違うでしょ〜? 皆一緒にーーー」
スカロンの声に他の女の子達も近づいてくる。
「3、ハイ!」
呆気に取られるジャンガとルイズの腕を掴み、広げた扇の様なポーズを取る。
そして一斉に叫んだ。
「「「「「ミ・マドモアゼル〜〜〜!」」」」」
決め台詞が響く。
「トレビア〜ン♪」
スカロンはその台詞に満足したのか心底嬉しそうな表情で身体をくねらせる。
対して、解放されたルイズとジャンガは消耗していた。
特にジャンガは殺意すら感じられる表情でスカロンを睨んでいた。
「あのオカマ…、微塵にするだけじゃすまねェ」
爪を構え、今にも突進しようとした時。
「どうしたの、あんた達? 急に来たりして」
男装した黒髪の女の子――スカロンの娘のジェシカが声を掛けてきた。
341毒の爪の使い魔:2009/05/24(日) 22:31:10 ID:4Q0o8FzW
二人は彼女に振り返る。
ジャンガがジェシカに答える。
「ちょっとした待ち合わせだ…」
「それよりも、そっちこそどうしたのよ…その服?」
ジェシカの着ている服を指し示しながらルイズが尋ねる。
そう、彼女達の今の服装は宿屋と酒場を同時経営している、
この『魅惑の妖精』亭で働く女性従業員のいつもの服装とは違っていた。
言われてジェシカは服を見つめる。
「ああ、これ? 今夜あたし達ね、タニアリージュ・ロワイヤル座の舞台に立つ事になったのよ」
「ええ?」
「はァ?」
ルイズは驚き、ジャンガは呆れたような声を漏らす。
すると、スカロンが手を組み、ウットリした表情を浮かべる。
「遂に、あたしの美しさが世間に認められたのよ!」
そう言って、他の女の子達と天を仰ぐ。その周囲にはキラキラと意味不明な輝きが漂っている。
ルイズとジャンガはそれを呆然と見つめ、徐に横の壁を見た。
そこには一枚のポスターが貼られている。
女装したスカロンが下になり、男装したジェシカが覆い被さっている。
その構図に頬を引き攣らせながらルイズはポスターに書かれていた芝居の題名を読む。
「『トリスタニアの休日』?」
「休日じゃなくて…終末だろ?」
ジャンガの言葉にルイズは頷く。
まぁ、あんな絵を見たら当然の反応かもしれない。
と、二人の肩が唐突に叩かれた。肩を叩いたのはスカロンだ。
「そうだ、あんた達も出なさいよ? 丁度人手が足りないから」
「「…ええ?」」
二人の声がハモル。
そんな二人の態度をスカロンは気にもしない。
他の女の子達の方に手を叩きながら歩いていく。
「さぁさぁ妖精さん達、そろそろ開店よ…準備して!」
「「「「はぁ〜い、ミ・マドモアゼル♪」」」」
「あ、あの…」
ルイズが自分達の目的を話そうとするが、スカロンの中では二人の手伝いは決定事項の様だ。
「あら? あんた達何ボケ〜ッと突っ立ってんの? お店手伝ってくれるんでしょ?」
「で、でも…わたし達には重要な任務が」
「ごちゃごちゃ言っていないで、ジャンガは厨房を、ルイズちゃんは皆とお着替えしてらっしゃい」
勝手に決め付けるな、とジャンガは反論しようとしたが、
それよりも早くジェシカが首輪に繋がったリードよろしくマフラーを引っ張った。
「ぐぇっ!?」
呻き声を上げながら厨房へと引っ張られていく。
ルイズはルイズで他の女の子達に屋根裏部屋へと連行され、無理やり着替えさせられたのだった。

やがて、夜の帳が落ち、外は真っ暗になった。
「ざけやがって……こんな下らない事をしに来た訳じゃねェんだよ…」
ぶつくさ文句を言いながらジャンガは裏口へと向かう。
下らない厨房の手伝いなんか御免だ。大体にして、自分はこんな所へ来るつもりは無かったのだ。
これ以上付き合い義理は無い…、手伝いならば一人で十分…、そしてそれはやる気のあるあのクソガキだけでいい。
…と言う事で、ジャンガはルイズを生贄として置き去りにして逃げるつもりだった。
裏口を開ける。外は雨が降っていたが、逃げるには好都合だ。
「フン、あばよクソガキ。せいぜいご奉公しな…キキキ」
笑って裏口を閉める…と、いきなり誰かがぶつかって来た。
「イデッ!?」
突然走った衝撃と痛みにジャンガは顔を顰める。
「痛っ……オラァッッッ!!? どこのどいつだ!?」
既にイライラしていた為に、ジャンガは昔の調子で怒鳴り声を上げる。
「す、すみません…急いでいたもので」
年若い女の声が聞こえる。
見れば、地面にフードを被った女が倒れていた。
自分にぶつかったのがそいつだという事が解るや、ジャンガは怒りに顔を歪ませる。
342毒の爪の使い魔:2009/05/24(日) 22:35:11 ID:4Q0o8FzW
「急いでいただァ〜? ンな言い訳で済むと思ってンのか…あァ!?」
「申し訳ありません…」
女は本当にすまなそうな声で謝罪するが、ジャンガは止まらない。
「ンな謝り方で済むと思ってるのか〜? 慰謝料払ってもらうゼ…、全財産で支払えや!
払えなけりゃどうなるかは……解ってるんだろうな〜? あン!?」
最早そこらのチンピラと変わらない口調でジャンガは女を脅す。
遂にはその胸倉を掴み上げた。
「…ン?」
しかし、ジャンガの怒りは一気に吹き飛び、思わず爪を離す。
何しろ…フードの中の顔が彼の知っている人物だったのだから。
そして、相手もぶつかったのがジャンガだと解るや、フードを取る。
「ジャンガさん?」
女はアンリエッタだった。何故、女王様がこんな路地裏をほっつき歩いている?
気になり、ジャンガは口を開く。
「何でテメェがこんな所をうろついてんだ?」
「シッ!」
アンリエッタがジャンガの口を塞ぐ。そしてフードを再び深く被り、ジャンガの後ろに隠れた。
何だ? とジャンガが思うと、表通りから声が聞こえてきた。
「あっちを捜せ!」
「ブルドンネ街に向かったかも知れぬ!」
大勢の兵士達が目の前を通り過ぎて行く。
その兵士達と、それから身を隠すようなアンリエッタを交互に見比べ、なるほど、とジャンガは納得する。
兵士達が見えなくなり、アンリエッタは安堵の息を漏らす。
今度こそジャンガは尋ねた。
「…オイ? 今の奴等に追われてるのか?」
「追われている…と言うよりは、捜されていると言った方がただしいですわね」
「そりゃ、一国の女王様がこんな所をほっつき歩いていたら騒ぎにもなるゼ…」
「…とりあえず、身を隠せる所はありませんか?」
「フンッ」
身を隠せる所……とりあえず思いつくのは――
「あそこだな」
『魅惑の妖精』亭の屋根裏部屋を見上げてジャンガは呟く。
手早くアンリエッタを抱えるや、壁を蹴って上り、屋根裏部屋の窓に取り付く。
幸い鍵は掛かってなかったので楽に入る事が出来た。
中に入り、鍵を閉める。
アンリエッタはベッドに腰掛けて安堵の息を漏らしている。
ジャンガはアンリエッタを見据えながら口を開いた。
「オイ、そろそろ話したらどうだ? 何があったってんだ? あの女剣士様はどうしたんだよ?」
「アニエスには別の仕事があります」
「…ここで待てって言った事か?」
アンリエッタは首を振った。
ジャンガは眉を顰める。
「ンじゃ…何だよ?」
「それは後々説明します。今はわたくしを護衛してください、ジャンガさん」
「はァ!? 何で俺が尻拭いも禄に出来てなかったケツの蒼いガキのお守りしなきゃならねェんだよ?」
これ以上無いくらい無礼な台詞を並べ立てるジャンガに、しかしアンリエッタは動じない。
最早、ジャンガの乱暴な口調には慣れきっているのだった。
「大体だ、護衛も何も外走ってた連中の所に顔を出せば済む事じゃねェかよ?」
「それはだめです…、わたくしは今暫くの間平民に交じらなければなりません。
秘密裏に事を進めて…、更に宮廷の誰にも知られないようにしなければならないのです」
ジャンガの鋭い勘は何かデカイ事を企んでいるのを看破した。
「ほゥ? 一体何するつもりなんだ?」
「…キツネ狩りです」
「キツネ?」
「ええ、賢いキツネは犬をけしかけても勢子が追い立てても尻尾を掴ませません。
ですから、わたくし自身を餌にした罠を仕掛けたのです」
「鯛で海老を釣るつもりかよ?」
皮肉な口調でそう言ったジャンガにアンリエッタは頷く。
ジャンガはニヤリと笑った。
343名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 22:36:38 ID:X50C24DB
支援
344毒の爪の使い魔:2009/05/24(日) 22:40:25 ID:4Q0o8FzW
「いいぜ、面白そうだ…。お前の”遊び”に付き合ってやるゼ、キキキ」
「そう言うと思ってましたわ」
アンリエッタは、してやったり、と嬉しそうな表情で言った。
「キキキ、中々良く解ってるじゃねェか? 気に入ったゼ…」
ジャンガは更に笑った。
それを見てアンリエッタは再度頷き、羽織っていたフード付きのローブを脱いだ。
「では、ジャンガさん。平民に見える服はありませんか?」
「服?」
「この格好では…何かと目立ちますので」
確かに、アンリエッタが今着ている純白のドレスはとても高価な物だ。
とてもじゃないが、平民が着るような物には見えない。
ジャンガは部屋の中を漁る。すると、ルイズの学生服が出てきた。
アンリエッタのドレスに比べれば平民っぽい。それをアンリエッタに差し出す。
すると、アンリエッタはいきなり後ろを向くとドレスをバサッと脱ぎ捨てた。
なんとも豪快だ。ジャンガも一応男であるのだが、全然気にするそぶりが無い。
もっとも、ジャンガもアンリエッタにはあまり女としての興味が無いらしく、無表情であったが…。
ジャンガが手渡した服をアンリエッタは手際良く身に着けていく。
貴族と言えど、自分で服を身につける者もいるようだ。そこにジャンガは感心した。
…だが、ちょっとした問題が発生した。
「シャツが…少し小さいですわね」
アンリエッタとルイズの胸は、例えるならばムゥとジャアントムゥ位の差が在る。
シャツはぴちぴちに張り詰め、今にもボタンが飛びそうだ。
「…やっぱ無理か。まァ…まな板でスイカを押さえつける様なものだからな」
「ま、いいですわ」
「いいのか?」
ジャンガの言葉に答えずに、アンリエッタはシャツの上のボタンを二つほど外す。
そうすると胸の谷間が強調されるような感じになった。
こんな感じのを何処かでジャンガは見た気がした。
「…雌牛か」
先日、散々迷惑を掛けられた女の顔が思い浮かぶ。舌打をし、首を振って浮かんだ顔を脳裏から消し去る。
服装を変えたアンリエッタは、さて…後はどうしよう? と首を捻っている。
それを見ていたジャンガは、髪形を変えれば良いだろう、とアンリエッタの髪を弄り出す。
とりあえず…、昔”あいつ”がたまにしていたように左右で髪を纏めた。ツインテールだ。
そうすると更に雰囲気が変わった。そこらの悪戯好きな女の子…と言った風に見えなくもない。
「ふふ、これなら街女に見えますわね」
悪戯っぽく笑うアンリエッタをジャンガは鼻で笑った。

屋根裏部屋を出ると、二人は路地裏を表通りへと向かう。
チクトンネ街の出口には、案の定厳戒態勢がひかれている。
「フン、優秀なやつらだゼ」
「貴族の娘が攫われたと言う名目で兵士達に捜索命令が出ているのです」
「実際にはお前を捜していると?」
「そうなりますわね」
ジャンガはザッと通りを見渡す。
兵士は十数人ほど…、見つからずに普通に歩き去るのは難しい。
「だが…」
上を見上げる。
「上までは注意はいってねェだろ…」
笑いながらアンリエッタを両腕で抱き抱える。
いきなりの事に動揺するアンリエッタ。
「な、何を?」
「面倒だからな、上を行く」
「え?」
ジャンガは建物の壁を蹴って瞬く間に屋根の上へと上る。
そして、そのまま屋根から屋根へと飛び移っていく。
ジャンガの行動に驚きつつもアンリエッタは周囲に眼を向ける。
眼下では大勢の兵士達が道行く人々を止めて色々と尋ねていた。
だが、屋根の上を駆け、飛び移っていく自分達には気付きもしない。
こんな体験はアンリエッタは初めてだった。
345名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 22:40:39 ID:wBhVhp3F
おっと、支援だ
346毒の爪の使い魔:2009/05/24(日) 22:45:06 ID:4Q0o8FzW
魔法でも実現出来ないほどの、おそらくは風竜でも出せるかどうかと言う速度で街を駆け抜ける。
実に不思議な気分だった。
徐にジャンガの顔を盗み見る。…実に楽しそうな表情だ、雨に降られている事もまるで気にしていないかのように。
一瞬、ジャンガが自分の方を見た。「楽しいか?」とその目が言っている様に感じた。
…アンリエッタは自分が抱き抱えられている事が妙に気恥ずかしくなってきた。
何でだろう? どうして急に恥ずかしくなったのだろう?
曲がり間違っても男に、ウェールズ皇太子にもされた事の無い抱かれ方をしているからか?
それとも、他に理由が在るのだろうか?
…解らない。アンリエッタは悩んだ。
と、一瞬浮遊感に包まれ、その後衝撃が体を襲う。
ジャンガが屋根から飛び降りたと言う事に気付くのに数秒掛かった。
アンリエッタを下ろしてジャンガはチクトンネ街の方を振り返る。
「もうお探しの相手はそこにはいないってのによ…、キキキ」
嫌みったらしく笑うジャンガ。
そして、アンリエッタを振り返る。
「さてと…、一応奴等は振り切ったが……この後どうするんだ?」
アンリエッタは頭を切り替える事にした。
「町を出る必要はありません。あまり遠くに行くのは得策ではありません」
「んじゃ、ここいらを歩くか…姫嬢ちゃんよ?」
「しっ…、人目の在る所で姫などと呼んではいけません。…そうですわね、短く『アン』と呼んではくれませんか?」
「あン?」
「そう、そんな感じで」
呼んだつもりは無いのだが、アンリエッタは納得したようだった。
そして、一瞬で身に付けたであろう街女の仕草で、ジャンガの腕に自分の腕を絡ませた。

雨は段々激しくなり、夜も遅くなったのでとりあえず宿を取る事となった。
粗末な木賃宿だった。案内された部屋は『魅惑の妖精』亭の屋根裏部屋が天国に見えるくらいに酷い物だった。
ベッドの布団は湿っており、椅子もテーブルもガタガタ、おまけに部屋の隅にはキノコまでが生えている始末だ。
当然ジャンガは憤慨し、宿の主を脅して代金を無理やり返却させた。
だが、他に行く当ても無いので部屋はそのまま使う事にした。
真っ黒なランプの煤を払い、明かりを灯そうとマッチを探そうとし…止めた。
マッチなんて物はこのハルケギニアには存在しない事を思い出したのだ。
仕方なく火種になりそうな物を取りに行こうと部屋を出ようとし、アンリエッタが止めた。
鞄から水晶の付いた杖を取り出し、軽く振る。ぽっ、とランプの芯に火種が点く。
そのランプの明かりを静かに見つめながら、アンリエッタは頬杖を突く。
そんな彼女を黙って見つめるジャンガ。今の彼女は一人の少女と被って見えた。
”向こう”でジョーカーとガーレンと企てた悪巧み。
それの実行の為には神聖なる”巫女”が必要だった。
その為にジョーカーは巫女を攫ったが、その巫女はまだ年端も行かない少女であり、しかも見習い。
しかし巫女である事が条件である為にそのまま事を運ぶ事となった。
月へと連れて行く際に自分が役目を担い、ジョーカーは追い縋るガキ共の足止めに残った。
お陰で巫女となる少女は無事に月のルナベースへと運べたが、ジョーカーは敗れてしまい、ガキ共は月まで追ってきた。
(もっとも…既に手遅れ同然だったんだがな)
彼等が来た時には少女は巫女として役目に付かされたのだ。
だが、自分は最後まで見ていない。もしかしたら…その役目から救ったかもしれない。
あいつを庇ったあの小僧なら、少女を心の底から案じていたあのガキなら…あるいは。
(だが…こっちはどうだろうな?)
アンリエッタを見る。
考えてみればあの少女と似たような境遇かもしれない。
周りの意見で自分の意思とは無関係に大きな役割に付かされてしまったのだ。
あの少女よりは多少年上かもしれないが、それでも年若いのは変わり無い。
今見ていても儚く、脆い感じがする。
だが、彼女には助けは来ない…。
色々と手助けをしてくれる者はいるだろうが、決定的な助けにはならない。
そう……役割という鎖から解放してくれる者はいない、…彼女には。
何しろあまりに遠い場所に…、地球と月など比べ物にならない遠い場所に、
彼女を救えた唯一の人物は逝ってしまったのだから…。
347毒の爪の使い魔:2009/05/24(日) 22:49:08 ID:4Q0o8FzW
ふと、見ればアンリエッタは両腕で身体を抱えて震えている。
「どうしたんだ?」
「いえ…、雨に濡れて…少し冷えたみたいで」
それだけだろうか? 多分違うとジャンガは思った。
普段気が張り詰めている分、解放されたこの時に不安が一斉に襲い掛かってきたのだろう。
その様子を暫し黙ってみていたジャンガだが、ハァ、とため息を吐くとアンリエッタの隣に座った。
そのまま黙って肩を抱いた。突然の事にアンリエッタは目を見開く。
恐る恐るジャンガの顔を見る。ジャンガは無表情のまま、前方に視線を泳がせている。
「ジャンガさん…?」
「玩具はメンテが必要で、ペットも世話が必要だ。…深い意味は無ェ」
「…ありがとう」
アンリエッタは両目を閉じてジャンガに寄り添う。
その両目には薄っすらと涙が滲む。

――ドンドンッ、と激しく扉が叩かれた。

二人は反射的に扉を見る。
ガチャガチャ、とドアノブが乱暴に回されている。
「開けろ! ドアを開けるんだ! 王室の巡邏の者だ! ここを開けろ!」
ジャンガは顔を顰める。
「…随分と仕事熱心だな? その熱心さが自分の命を縮める事になりかねないだがよ…」
不機嫌なままジャンガは立ち上がろうとする。それをアンリエッタが止めた。
「なにするんだよ?」
「黙ってやり過ごしましょう…」
「そんな甘い連中か?」
事はジャンガの予想通りに進んだ。
いくら叫ぼうと、ドアを叩こうともいっこうにドアが開かれない事に業を煮やしたか、
扉の外の兵士達はドアノブを壊し始めたようだ。
「いけませんわね…」
「逃げるか?」
「今外に飛び出せば、目立ってしまいます。あなたの姿は特徴的ですから、直ぐに見つかってしまうでしょう」
「…なら、どうする気だ?」
「わたくしに考えがあります」
そう言って、アンリエッタはいきなりシャツのボタンを外す。
「ンな?」
驚く暇も無い。シャツを脱いだアンリエッタはそのままジャンガの首に腕を回し、激しく口づけをしたのだ。
突然の事に流石のジャンガも対応が出来ない。そのまま為す術無くベッドに押し倒された。
丁度その時、兵士が二人扉を蹴破って入ってきた。
そんな二人が目にしたのは、シャツを脱ぎ捨てて半裸になった女が、
顔の見えない男を押し倒して唇を吸っている場面だった。
熱い吐息が二人の口の間から漏れており、如何に激しいキスかを物語っている。
暫し兵士二人は呆然とそれを眺めていたが、やがて一人が舌打をし、もう一人を促して出ていった。
兵士達が行ってしまったのを確認し、アンリエッタはジャンガから唇を離した。
ジャンガはアンリエッタを睨み付ける。軽い女は嫌いなジャンガは今の行為に心底イライラした。
「オイ、今のは何だ?」
「…もうしわけありません。でも、他に手が無かったもので」
「俺は軽い女は嫌いだ。…いや、憎いな」
「好きな人が…、恋人がいますの?」
「……さてな」
「そうですか…、すみません」
ジャンガの返答に決して良くは無い思い出が在ると解ったアンリエッタは即座に謝罪した。
それを見て、ジャンガは腹立たしげに鼻を鳴らす。
「まァ…、今回は他に手が無かったって事で勘弁してやる。…だが、次は無ェぞ?」
言いながら爪を見せ付ける。
その彼の様子にアンリエッタは仕方が無かったとは言え、とてもすまない事をしたと反省した。
「…解りました。本当にすみません…」
ジャンガは大きくため息を吐いた。
そしてベッドに寝転がる。アンリエッタもそれに習ってジャンガの隣に寝転がった。
暫くそのまま二人は天井を見上げる。
348名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 22:49:08 ID:fgzvUm8F
支援
349毒の爪の使い魔:2009/05/24(日) 22:54:38 ID:4Q0o8FzW
「オイ、そろそろ教えろ。キツネってのは裏切り者の事だな?」
ジャンガが徐に口を開く。
それにアンリエッタは頷いた。
「ええ、おそらくはアルビオンと通じている者です」
「そいつを燻り出す為にこんな芝居を打ったのか」
「はい」
「…テメェ自身の身に何かがあったらどうするつもりだったんだ?」
「ですから…、ジャンガさんに……あなたに守ってもらいたかったのです。
解らないと思いますが…わたくしは宮廷内では殆ど一人でして」
「あの枢機卿だとか言うジジイはどうなんだよ?」
「マザリーニ枢機卿はわたくしの補佐をする方です。…一人と言うのは親しく出来る者がいないという事です」
「そうか」
「ルイズに頼むと余計な心配をかける事になってしまいます。そうなると…あなたしか思いつかなくて」
「さっきの質問だが…、テメェにもしもの時があったらどうするつもりなんだ?
国やら何やらを放り出してでもやる価値があったのかよ?」
アンリエッタは暫し沈黙し、口を開いた。
「わたくしはアルビオンとの会戦はしない事を宣言しました」
「ほゥ?」
ジャンガは驚いた。てっきり愛人を殺された復讐で戦いを仕掛けるのではと思っていたのだ。
「意外だな…、復讐とかは考えなかったのか?」
「…ありました。正直に言えば、アルビオン…いえ、レコン・キスタは赦せません。
ですが、復讐の愚かさ…無意味さは、あなたから聞いたあのガリアの姫のお話で知っていますから…」
ジャンガは黙って耳を傾けている。
「故に、わたくしは会戦はしないと宣言をしました。ですが…それで国民の間には不満が高まるかもしれません。
それを抑える事に集中する為にも、この件は早めに片付けて起きたかったのです。
確かに少し急ぎすぎたかもしれません…、ですが……」
ハァ、とジャンガはため息を吐く。そしてアンリエッタの髪をぐしゃぐしゃと爪で弄った。
「あ?」
「あー、あー、解った、解った…。ったく…ガキが、一丁前に大人ぶりやがって…」
暫くアンリエッタの髪を弄っていたが、やがて手を離した。
「ま、お前は手放すには惜しい…。精々今夜は持ち運ばせてもらう」
「ありがとう…」
アンリエッタは再度礼を述べ、ベッドから立ち上がる。
「そろそろ時間ですわね…。行きましょう」
「行くって…どこへだ?」
「劇場です」



アンリエッタの言った劇場の名前を知るや、ジャンガは顔を顰めた。
「タニアリージュ・ロワイヤル座…ね」
それはスカロン達が芝居をする予定の劇場だった。
見た目は円柱が立ち並ぶ神殿を思わせる様な外見の、豪華な石造りの立派な劇場だ。
様々な紳士淑女が入り口へと吸い込まれるようにして入っていく。
「ンで…どうするんだ、これから?」
「待ってください…。もうすぐ来るでしょうから」
誰が…とは聞くまでも無いだろう。
すると、馬に跨ったフード付きのローブを纏った女が一人、此方へと走って来た。
それが誰かは確認するまでも無い…、アニエスだ。
アニエスは馬を降り、アンリエッタに近づくと一礼をする。
「遅くなり、申し訳ありませんでした」
「いえ、わたくし達の方が早くついてしまっただけです。…それで、首尾の方は?」
「は、間違いなく…奴とアルビオンの手の者はこの劇場にて接触するようです」
「そうですか」
「全ての準備は整っています、陛下」
「では、キツネ狩りの仕上げと参りましょう」
そしてアンリエッタはジャンガを振り返る。
「ありがとうございました、ジャンガさん。ここまでで結構です」
「いいのか? キツネにトドメを刺してやってもいいんだゼ?」
350毒の爪の使い魔:2009/05/24(日) 22:58:17 ID:4Q0o8FzW
その言葉にアニエスの表情が一瞬険しくなる。
アンリエッタは静かに首を振った。
「いえ…、これはわたくしが決着をつけねばならない事ですので…」
「そうかい? ま、精々頑張りな…キキキ」
ジャンガは笑った。アンリエッタも笑った。
そして、アンリエッタは一度お辞儀をすると劇場の中へと姿を消した。
アニエスは密命があるのか、馬に再び跨ると何処かへと駆けて行った。
「フン」
アニエスの後姿を見送りながらジャンガは頭を掻いた。
「さてと…、一っ走りするか」
そう言った直後、ジャンガはその場から消えた。



劇場では幕が上がり、芝居が始まっていた。
スカロン一座が演じる『トリスタニアの休日』は本来は悲しい恋の物語である。
だが、演じられているのは悲しさなど微塵も感じられない。
舞台のセットや演じている人が人だけに、コメディ路線をまっしぐらに走っている。
そんな名ばかりの『トリスタニアの休日』だったが、観客には相当受けていた。
その役者の中にはルイズも混じっていた。
彼女はジャンガがアンリエッタと行動をしている最中、消えたジャンガを捜して外に出たのだ。
だが、ジャンガは見つからず、代わりにアニエスを発見。
ジャンガを捜す際に気付いた街中の騒ぎを問い詰めるが、時間が無い、と言うアニエスに連れられて行動を共にする事に。
その最中…あえて伏せるが色々とあり、ルイズはアニエスにアンリエッタの真意を説明された。
そしてアニエスが去った直後、スカロン達と図らずも合流してしまい、そのまま劇に参加するは目になったのだった。
「はぁ…姫さま、大丈夫かしら?」
ジャンガに変な事をされていないか? とか、あのネコは真面目に仕事をしているのか? とか、
色々と心配で気が気でなかった。
幸いにも劇での役割は殆ど台詞も動きも無い物だったので、考え事をしていても特に支障は無かった。
その時、客席の方から悲鳴が上がった。
ハッとなり、ルイズは顔を上げる。
見れば、背後に銃士隊を控えたアンリエッタが初老の貴族と商人風の男の二人と対峙していた。
「姫さま!?」
ルイズは叫んだが聞こえなかったようだ。
距離の関係で声は聞こえないが、アンリエッタは初老の貴族と言い合っている様だった。
すると、唐突に貴族の背後の観客が立ち上がり、ローブを脱ぎ捨てる。
その全てが兵士だった。しかもあろう事か、王宮に仕える者達ではないか?
そして、銃士隊と貴族側の兵士の戦いが始まった。逃げ惑う観客達。
ルイズはアンリエッタの危機を知り、杖を手に取り舞台から飛び降りた。

辺りを飛び交う悲鳴、怒号、罵声に剣と剣が切り結ぶ音。
アンリエッタは杖を握り締めながら周囲を警戒する。
だが、一人の兵士がアンリエッタの死角から襲い掛かった。
大きく上段に構えた剣を今にも振り下ろさんとしている。
「陛下! お覚悟を!!!」
兵士が叫び、剣を振り下ろす。
アンリエッタは恐怖に駆られて目を閉じた。
ガキンッ!
硬い物がぶつかり合う音が響く。
アンリエッタは恐る恐る目を開くと、小柄な人物がその身に不釣合いな大きな杖で剣を受け止めていた。
その人物は剣を弾くや、素早い動きで杖で当身を食らわせた。
兵士は悶絶して倒れた。
「大丈夫?」
自分の身を案ずる言葉にアンリエッタは笑みを浮かべて頷いた。
「ええ、大丈夫です。ありがとう、シャルロット姫殿下」
「その名前はまだ名乗らない。”タバサ”でいい」
そう言ってタバサは新たに切り掛かって来た兵士を相手にする。
ルイズがそこへやって来た。
「姫さま、大丈夫ですか!?」
351名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 23:00:58 ID:relVLyN7
支援いるかな?
352毒の爪の使い魔:2009/05/24(日) 23:02:58 ID:4Q0o8FzW
「ルイズ!」
ルイズを見てアンリエッタの表情が明るくなった。
アンリエッタの無事を確認したルイズはタバサに向き直る。
「タバサ、どうしてあなたは此処に?」
「ジャンガに頼まれた。アンリエッタ女王を守って欲しいと」
「ジャンガさんが…」
アンリエッタは暖かい物を胸の内に感じた。
エア・ハンマーを唱えて数人を纏めて吹き飛ばしながら、タバサは言葉を続ける。
「それに、来たのはわたしだけじゃない」
「え?」
アンリエッタが呟くと同時に渦巻く炎が兵士を焼き、水の塊が兵士を吹き飛ばし、
複数の女性の姿をしたゴーレムが兵士を殴り飛ばした。
ルイズが思わず振り返る。
劇場の出入り口の方に見慣れた人影があった。
「何よ、ルイズ? 随分と楽しい事してるじゃないの。あたしもまぜなさいよ」
「はぁ…、ケンカは嫌いなんだけどな…。女王陛下をお守りするなら、話は別よね」
「女王陛下に牙を剥くとは不届き者共め! このギーシュ・ド・グラモンが成敗してくれる!」
キュルケとモンモランシーとギーシュは各自杖を振り、得意の魔法で兵士達を攻撃する。
結局いつものメンバーだが、ルイズももう慣れっこだ。
「あんた達もジャンガに頼まれたのーーーーー!!?」
大声で怒鳴るルイズに気付き、キュルケが返す。
「ええ、そうよーーーーー!!! あいつには大きすぎる貸しがあるし、断る理由は無いわーーー!!!」
「その本人は何処よーーーーー!!!?」
「別にやる事がある…、そう言っていた」
答えたのはタバサだ。
「何よ…あのバカ猫…。姫さまはあんたに護衛頼んだんじゃない…、最後まで責任持ちなさいよね?」
ぶつぶつ文句を言いながらも、エクスプロージョンで兵士を吹き飛ばしていく。
そうして暫く戦いが続いた。
すると、形勢不利と見た初老の貴族が舞台へと走って行く。
舞台の上に上り、中央へと進んで立ち止まった。
「待ちなさい! リッシュモン!!」
アンリエッタの叫びにリッシュモンは不適な笑みを浮かべながら振り返る。
「さらばだ、アンリエッタ!」
ドン、と杖で舞台の床を叩く。
すると、パカッと落とし穴の要領で床が開いた。
その中にリッシュモンは落ち、一瞬で見えなくなった。
慌ててタバサが駆け寄るが床は硬く閉ざされて開きそうに無い。魔法が掛かった仕掛けらしい。
「だめ、開かない」
無念そうにタバサは言った。
アンリエッタも悔しそうな表情で爪を噛む。そして銃士隊を振り返り、命令を下す。
「出口と思しき場所を探して! 直ぐに!! 絶対に逃がしてはなりません!!」

「それは此方の台詞だ」

唐突に聞こえてきた声。
「誰!?」
アンリエッタが声を荒げるが、声の主と思しき者の姿は見えない。
と、アンリエッタの頭上から何かが覆い被さってきた。
ガシャンッ、と音がしてアンリエッタは檻の様な物に閉じ込められてしまった。
そのまま檻が空中に持ち上がる。
「姫さま!!?」
叫びながらルイズは気が付いた。その檻が以前、自分を捕まえたのと同じ幻獣である事に。
確かケイジィとか言ったか?
「まさか…ジョーカー!!?」
ルイズは力の限り怒鳴った。しかし、返ってきた言葉はあのピエロの物ではなかった。
「残念だが、奴は療養中でな…。お陰で我輩が来る羽目になった」
その声が聞こえてきたのは頭上だった。その場に居た全員が声の方へと一斉に視線を向ける。
353毒の爪の使い魔:2009/05/24(日) 23:06:35 ID:4Q0o8FzW
宙には一人の男が浮いていた。おそらく年は四十代ほどで、左目には眼帯。
左腕が丸みを帯びたハサミのような義手をしており、右手には杖か槍のような物を握っている。
服と帽子は見た事もないデザインで、全体的に緑が強調されている。
ルイズは杖を向けると男に向かって怒鳴った。
「あなた何者!? 姫さまを放しなさい!!!」
「残念だが、それ出来ないのだよ…ルイズ君」
「わたしの名前を知ってるって事は……あんたやっぱりあのピエロの仲間ね!?」
「ククク…、そうだと言っておこう。だが、別に仲間でなくとも君の事は手に取る様に解るがね…」
「どういう意味よ!?」
「別に君が知る必要は無い。そう、君達はただ踊っていればいいのだ、何も考えずにな」
ルイズは一瞬呆気に取られたが、直ぐに杖を構え直す。
「別にあんたの事なんかはどうでもいいわ! 今直ぐ姫さまを放しなさい! さもないと」
「さもないと…どうするのかね?」
男は全く臆する事無くルイズを見つめている。
ルイズは男に向かって杖を振り翳し、呪文を唱えた。
エクスプロージョンが発動し、男の居た空間が爆発する。
ルイズは爆発した場所を睨みつける。と、どうした事か……男は全くの無傷でそこに浮いていた。
「…何で?」
「愚かなり…、無知とは愚かなり…、無知とは罪なり。所詮、貴様のような小童には解らぬのだな…己の身分が」
男は手にした杖を華麗な手捌きで回す。そして、先端をルイズに向けた。
「返礼だ」
男が呟くと同時だった…、ルイズの居た空間が爆発したのは。
吹き飛ばされたルイズの身体は舞台の上を跳ねる。
「ルイズ!!?」
アンリエッタが叫んだ。
タバサやキュルケが駆け寄り、ルイズを開放する。
ルイズは服が所々焼け焦げ、自身も軽い火傷を負っていたが命に別状は無さそうだ。
モンモランシーが治癒を唱えるが、ルイズは怪我の痛みも無視するかのように立ち上がろうとする。
「ひ、姫さまを……放しなさい!!」
「ルイズ…」
怪我を負いながらも自分の身を案じる友達にアンリエッタは涙を浮かべる。
男は嫌みったらしい笑みを顔に浮かべる。
「美しき友情と言うべきか? だが、そんな茶番を我輩は見に来た訳ではない。
そろそろここらで失礼させてもらうとしよう」
「ま、待ちなさい!!?」
「銃士隊、撃て!!!」
銃士隊の隊員達が一斉にマスケット銃を撃つ。
だが、数十発の銃弾は男が杖を一振りするや、巻き起こる風に絡め取られて地面に落ちた。
そして、再び杖を振るや起きた突風に全員が吹き飛ばされた。
吹き飛ぶ銃士隊の面々を見ながら男は嘲笑う。
「愚かな。力の端にも触れていない愚民が我輩に逆らうなど、六千年以上早いわ!」
そして、再びルイズ達に向き直る。
「では、貴様の大切な女王と待っている…アルビオンでな、グハハハハハハ!!!」
「あんた…」
男は笑いながら杖を振る。
暗い闇色の輝きに包まれて男もアンリエッタもその場から消え去った。
消え去る直前、男はこう言った。



「再び会う時まで覚えておくがいい! 我が名はガーレン! 悪夢を求め、闇を得た、この世の支配者たる存在なり!!!」
354名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 23:07:16 ID:nWd+X1ZE
>>338
乙です
続き楽しみにしてます
355毒の爪の使い魔:2009/05/24(日) 23:10:01 ID:4Q0o8FzW
以上で投下終了です。
とりあえず、勢いに任せて書いたという感じですが、個人的にはそれなりの物が書けたと思ってます。
ああ、ウルトラの人がウルトラマン系の音楽やビデオを見てるように、俺も音楽掛けてます。
デモンベインやスパロボZですが。書き始める前には気合を入れる為に『I SAY YES』を聞いてます。

アンリエッタの髪型が何故ツインテールか? 俺が個人的に大好きな髪型だからです(笑)
逆にツインテールの女の子は髪を下ろすと途端に大人な感じになりますね…。
ベアトリスも髪を下ろせば大人っぽくなるのでしょうか? …中身は別問題として(爆)

アンリエッタのキスシーンはアニメで見たら尚の事凄かったです。
まぁ…一回ぐらいは許してあげましょうてきなことで。
とりあえずアンリエッタの欠点2『寝取り』の解消フラグを立てときます。
あと、『アン』については…まぁ、そのままで。ジャンガの口癖とアンリエッタが使った偽名が同じって…(汗)

で、ガーレンです。まぁ、色々と突っ込み所はあるでしょうが…今は見ていてくださいとだけ(苦笑)

では、今回はこれにて。また次回! アーディオース♪
356名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 00:24:50 ID:yfuYZbNt
毒の詰めの人乙です
死んだはずのガーレンですかー
次の話が楽しみです
357名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 00:30:58 ID:1wLHkNP1
シコルスキーに噛まれた人?
358名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 00:42:03 ID:LIuIcLkx
チェコ随一の魔法使いを思い出したが、あれはガレーンだったな
359名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 01:50:20 ID:r6E516iw
さっきまでまとめ漁ってたんだけど
風見とか花京院とかと並んでるとサイトが可愛く見えてくるから困る。
360魔物使いが使い魔 3話:2009/05/25(月) 01:55:29 ID:SR5Q1GkJ

失礼致します。
本日3回目のアップしたいと思います。
もし他の方いらっしゃらなければ
2:00より投下準備開始したいと思います。
よろしくお願いします。

361名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 01:58:16 ID:hiuU0YWj
これから書こう、投稿しようと考えてる自分に何かアドヴァイスと注意事項をををを
362名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 02:07:00 ID:LwD+9eUJ
sien
363魔物使いが使い魔 3話:2009/05/25(月) 02:07:57 ID:SR5Q1GkJ
リュカは自分の現状を分析し終えるとそれと同時に
ルイズも勉強を終えたのか瞼を擦りながらベットに倒れこむ。
「ルイズ」
「ひゃっ!」
リュカが耳元でルイズの名前を呼ぶと
ルイズはビク!と反応しベットからずり落ちた。
「あっあっあんたねえ!ごっご主人様の耳元で息を吹きかけるんじゃないわよ!」
耳を真っ赤にしんがらルイズは大声で捲し立てる
「ごめんごめん、大声で喋ったら迷惑だろうと思ってね。」
優しく微笑みながらリュカはルイズに問いかける。
「どうもベットは一つしかないみたいだけど僕はどこで寝たらいいのかな。」

「何いってんのよ!あんたは使い魔なのよ!寝る場所なんて決まってるじゃない!」
そう言うとルイズはそのままビシっと床を指し示す。
どうやら床で寝ろと言うことらしい
「文句ある!?本当なら平民が貴族の部屋にいられるってだけでも異常なのよ。
 そんな床でも平民の寝床に比べたらよっぽどマシなはずでしょうから感謝し―」
一気に捲し立てるルイズの口上は途中で止まる。
見ればリュカがルイズの頭を優しく撫でその鳶色の瞳を見ながらにっこりと微笑んでいる。
「わかったよ、ありがとうルイズ」
その瞬間ルイズの顔が茹で上がったかのように真っ赤になり
メタルスライムのような速さでベットの端に移動する。
「わわわわわわかったらいいいのよ、なら早く寝なさいよね!」
うん、わかったよと素直にリュカは答えるとそのまま床に腰掛けた。
正直な話この部屋に泊まれるとは思っていなかった、
第一印象が傲慢な貴族の女の子ということもあってまさか自分のような
得体の知れないものと一緒に寝るなんて考え付かなかったし
最悪野宿も検討していたので床でも寝れるだけ有難いというものだった。
364名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 02:08:20 ID:KEvgTI0R
支援
365魔物使いが使い魔 3話:2009/05/25(月) 02:08:53 ID:SR5Q1GkJ
壁に背をもたせかけて目を瞑る。
その時―

もふっ

何か柔らかいものが顔に当たった。
リュカが目を開けるとそこにあったのは柔らかそうな毛布であった。
リュカが思わず目を開けてルイズを見ると
彼女はいかにも上質そうな布を何枚も戸棚の中から引っ張りだしそれをリュカに放り投げていた。
「きょきょきょ今日は寒いからこれくらい恵んでやるわっごご主人さまの
 優しさに感謝しなさいよねっ!」
それだけ言い切ると急いでベットの中に潜り込み。
「そっそれから明日は私より早く起こすのよ!
 洗濯物はそこにあるからちゃんと洗っといてよね!
 洗い場は一階の踊り場から回って中庭に出て左側に調理場があるから
 その近くよっ!わかったらさっさと寝なさいよね!」
言いたいことだけ言うと毛布に包まった体はリュカとは反対のほうに向く。
リュカはそれをまるで小さい子犬を見るような目で見て
「わかったよ、ルイズは優しい子なんだね。」
優しく言うと毛布に包まれた塊はビクっビクっと震え
「あっあっあっあったり前じゃない、ご主人様は使い魔の面倒を見るのが仕事なのよ!
 無駄話してないで早く寝なさい!」
声がなぜ震えているのかわからないがリュカは思った。
初めて見たときはとんでもない女の子だと思ったけれど思ったより接しやすい子のようだ。
今日一日見た限りでは彼女には何か無理をして虚勢を張ったり
傲慢にならなければいけない訳があるのかも知れない。
明日もう一度ルイズと話をしてみよう。
そう思いリュカは目を閉じた。

ルイズは困惑していた。
何故自分は今日初めてあった平民の
しかもどこの馬の骨とも知れない男に慌てているのだろう。
使い魔を床に寝かせたのは予定どおりだったが
(何度も使い魔の扱い方についての本を読んだのだから!)
こんなに早く施しをやるつもりは全くなかった。
何をしているのかしらルイズ
犬ははじめが肝心なのよ、どっちが主人か立場をわからせるためには
身分の違いをはっきり見せ付けてやるのが一番なのに!
366魔物使いが使い魔 3話:2009/05/25(月) 02:10:03 ID:SR5Q1GkJ
ふとルイズは毛布に包まったまま右に向く。
そうよルイズそこにはあなたの呼び出した使い魔がいるのよ。
いきなり違う国から呼ばれたのはちょっと可哀想だけれども
もうアレはあなたの使い魔なのよ。
さぁルイズ床に這い蹲って寂しそうに眠る使い魔をじっくり蔑むのよ。
そして明日はもっとしっかりと自分の立場っていうのを教えこまなきゃいけないわ。
そう思いルイズは瞼を開けアレを見た、
汚れたターバンを床に置いて黒髪が晒されたアレの顔をじっと見つめる。
目を閉じてうつらうつらとしていたアレはルイズの並々ならぬ視線に気づいたのか
ふと目を開けルイズに向かって優しく微笑む。
「!!!!???」
ルイズは大慌てで視線を外し毛布に頭まですっぽり包まって体を背ける。
ルイズ落ち着きなさいルイズ
なんであなたは使い魔の顔を見ただけで慌てるの
訳わかんないわ、しかも今日呼び出したばっかりの平民如きに
私は誇り高いヴァリエール家の三女なのよ、使い魔如きに(以下略)

スヤスヤと眠る使い魔と
悶々と眠れぬ夜を過ごす主
初めての夜は更けていった。


翌朝、リュカは目を覚ますと身を起こすと
毛布を畳み側においてあった洗濯物を掴むと
昨日遅くまで起きていて寝付けず現在爆睡中のルイズを
確認すると扉をあけ外へと出ていった。

所代わり使い魔たちの食事場
大小様々な動物たちが一同に会す憩いの場所で
メイド服をきた少女がその横を走りぬける。

(…あら?)

普段ならばさして気にはしない使い魔達の食事風景
しかしメイドの少女―シエスタは使い魔たちが食事をするといういつもの光景の中に、異変を見つけた。
広場の一角に使い魔たちが密集している。
記憶が確かならば、あそこは餌置き場ではなかったはずだ。

(なにかあったのかしら)

興味半分、義務半分でシエスタはその方向へと目を細める。
先日いつも本を読んでいる生徒が召還した
ドラゴンの影になってよく見えないが、密集地の中心に人影が見えた。
自分と同じ黒い髪にお世辞にもよく手入れがされているとは思えないボロボロの服。
体格から考えると自分より2〜3歳ほど年上であろう。
こちらから見ると後ろを向いているため顔はわからないが、
とてもメイジには見えない。
もしや自分と同じ平民が使い魔たちに絡まれているのでは…?
その想像に顔を真っ青にするシエスタ。
だが、その懸念はすぐに払拭された。
少し近づいてみると、それは危害を加えられるという意味での絡まれるではなく、
懐かれているという意味でのものだったのだ。
大小様々な使い魔たちに身体を擦り付けられ、舌で舐められている青年が目に映る。
367名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 02:10:19 ID:KEvgTI0R
ツンデレ全開に支援
368魔物使いが使い魔 3話:2009/05/25(月) 02:10:58 ID:SR5Q1GkJ
(凄い…)

メイジの使い魔は基本的に主人にしか懐かない。
にも関わらず、彼は複数の使い魔たちに懐かれ、親しまれているではないか。
「わあ…」

感動と羨望の入り混じった声がメイド少女の唇から漏れる。
少年はリスや小鳥といった小動物はおろか、
狼やグリフォンといった肉食かつ獰猛なタイプの動物にすら懐かれていた。
終いには使い魔としては滅多にお目にかかれないドラゴンにまで顔を舐められて親しまれている。
なんて凄い人なのだろう。
シエスタはそう思った。
そこで声をかけてみた。

「あ、あの…」
おずおずとシエスタがたずねかける。
しかし使い魔の中にいる彼はそれに気づかずひたすら顔を舐められるに任せている。
(ど、どうしようこのまま行っちゃうのもあれだし、
 そもそもこのままじゃあの人、ヨダレでベトベトになっちゃうんじゃ…)
とシエスタが考えたところで

「―ぁはは、くすぐったいよ」

ようやく声が聞こえ、シエスタはほっと胸をなでおろす。
ほどなくして使い魔たちの輪の中から一人の男が出てきた。
案の定、顔は涎と汗でベトベトに汚れていたが
不思議とシエスタはそれには嫌悪感を示さなかった。
それより気になったのはその立ち振る舞いであった。
まるで使い魔たちが主人のように道を譲り作った道を歩いてきたのだから
「あの…!このハンカチ使ってください。」
シエスタは咄嗟にもっていたハンカチを渡す。
「ありがとうございます。」
青年はハンカチを受け取り爽やかな笑顔をシエスタに返す。
そこでシエスタは初めて青年の顔を見た
自分と同じ黒髪
整った顔立ち
しかしシエスタの目を引いたのはその黒色の瞳であった。
この瞳、今まで学園で働いて様々な人間の目を見てきたがこんな目は初めて見た。
まるで無垢な少女の瞳のように透き通っているのに
知らず知らずのうちに引き込まれ心を開き、慕わずにいられなくなる
そんな瞳を青年はしていた。
369魔物使いが使い魔 3話:2009/05/25(月) 02:12:01 ID:SR5Q1GkJ
「ぁ…あの、あなたはミス・ヴァリエールが召還したっていう平民の方ですか?」
おずおずとシエスタは尋ねる。
昨日のサモン・サーヴァントの授業で落ちこぼれのヴァリエール家の三女が
平民を召還したという話から推測したものであった。
「ああ、どうも昨日召還されたリュカと言います。」
推測は当たり、同じ平民同士ということもあり
シエスタとリュカはそれから何度か話をした。
(なんていうんだろう…わたしにお兄さんがいたらこんな感じだったのかしら)
そんなことを思いながらシエスタはこの不思議な青年リュカのことを
もっと知りたいと思った。
「大変ですよね…突然見ず知らずのところに呼ばれて
 私でよければ何でも言ってくださいね!」
「こちらこそ、僕でよければ何でもいってください。」
シエスタとリュカはその後、二言三言言葉を交わし
シエスタは洗濯物を手伝いと言い、リュカはそれを丁寧に断って
結局お互いの洗濯物を協力して洗う頃にはすっかり時間がたってしまっていた。
「シエスタさん、それではまた。」
「はっはい!リュカさん、わたしいつも食堂にいるので何かあったら来てください」

「すっかり遅くなってしまったな。ルイズもう起きてるかな。」
シエスタと別れ気がつけばすっかり日が昇ってしまっている。
もしかしたら自分を置いてもう朝食にいっているかも知れない。
そう思いリュカは部屋まで急いだ。

ルイズはまだ寝ていた。
しかも爆睡であった。
さすがにイビキは掻いていないが
枕を抱きしめてスヤスヤ眠っているところを見ると一向に起きそうもない。
元々、朝が弱いルイズだったが昨日はあれやこれやあって結局寝たのは
もう日が昇る直前なほどの真夜中であったことからも関係している。
無論リュカは昨日ルイズが何でそこまで起きてたのかを知らないが―


「ルイズ、ルイズ朝だよ、起きなさい。」
軽く体を揺さぶってみる。
起きない。
「ルイズ、ルイズ、いい加減起きないと遅刻しちゃうよ。」
今度はかなり強く揺さぶってみる。
はじめは無視していたが揺らされることに序所に体が反応してきた。

その時ルイズは夢を見ていた。
年上の姉が自分のために大好物のクックベリーパイ焼いてくれる夢だ。
「ルイズ、ちいさなルイズ、あなたの大好物のパイが焼けたわよ。」
「わー!わたしちい姉さまの焼いてくださったクックベリーパイが大好きなの!」
「ほらほら、駄目よ焦っちゃ、ルイズほらルイズ」
コロコロと笑いながらカトレアはルイズを抱きしめる。
途端に何とも言えないいい匂いが備考をくすぐる。
ルイズはそのままカトレアの豊かな胸に顔をうずめようとして―
『ルイズ、早く起きなさい。』
370名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 02:12:15 ID:KEvgTI0R
支援
371名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 02:12:26 ID:94q0Vq8I
支援
372名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 02:12:44 ID:eNlQF3SW
支援
373魔物使いが使い魔 3話:2009/05/25(月) 02:13:56 ID:SR5Q1GkJ
「うー、むにゃむにゃ、ちい姉さまのくっくべりーぱぃ」
パっとルイズが目を開けると目の前にあったのは見知らぬ男の顔だった。
しかもよりにもよってご丁寧に頬に手なんかおいてやがった。
男はルイズに向かって安心したように微笑みながら
「あー…よかった、いくら揺すっても起きないし、
 いきなり抱きついてくるからどうしようかと思ったよ。」
「い…」
「い?」
「いやああああああああああああああああああああああああああああああああ」

ルイズのこうげき。
つうこんのいちげき!!
凄まじい勢いで顔面を殴りとばされたリュカは綺麗に意識を手放した。

「それにしても酷いなぁ…折角起こしたのに殴られるなんて」
「しっ仕方ないじゃないの!寝ぼけてて昨日あんたを呼び出したことなんか覚えてないんだから」
あれから落ち着くにつれ記憶が戻ったルイズは自分が今、張り飛ばした男が
昨日やっとの思いで呼び出した使い魔だったと知って急いで介抱したのだが
それでもどうしてコイツは自分を腕になんか抱いて揺すっていたのかを問い詰めたら
「ルイズが抱きついてくるから…」とか言っていたので全力でスルーしておいた。
これがその辺の同い年の男の平民だったら
そんな戯けた記憶なんぞ忘れるまで鞭で叩いてたとこだが
いくらなんでも大の男にそんなことしたらその…そういう趣味だと思われたら困る…のであった。

「とにかく!使い魔如きがご主人様に抱きつくなんて許されないんだからねっ!
 わかったら今後は気をつけなさいよ!いいわね!」
そこまでで言ってルイズは。今自分の着ている服がいつもの学生服だということに気づいた。
(あ…そうか、昨日あのまま寝ちゃったからネグリジェに着替える暇なんてなかったんだ)
その時ルイズにある考えが浮かんだ。
本来なら使い魔講座の教本には載ってないが主従の区別をつけるために
この方法は効果的なはずだ。それに何といっても平民なのだから
これくらいのことはやってもらってもいいだろうと

それを思い出すと未だごめんごめんと謝り続けるリュカに向かってにま〜と笑うと
「まぁいいわ反省してるなら許してあげる。だから―」
そう言うとルイズは立ち上がり手をぱたぱたと振り始まる。
「?」
それが何の動作なのかわからないリュカは首を傾げる。
374名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 02:15:03 ID:eNlQF3SW
支援
375魔物使いが使い魔 3話:2009/05/25(月) 02:15:09 ID:SR5Q1GkJ
「もぉ〜!じれったいわね!着替えさせろって言ってんのよ!
 き・が・え・さ・せ・て!」
そこまで言ってようやくリュカも気づいたようで、
「なるほどね。」と苦笑しながら
衣装箪笥の中に入っていた変えの制服と下着を取り出し始める。
ほどなく衣装を集め終えるとルイズの胸ポケットに手を―

「ちょちょちょちょちょ!ちょっと待ちなさいよ!!」
「ん?」
「あああああんた!ごっご主人様の裸っていうか女の子の裸とか見て何とも思わないわけ!?
 いくらなんでも素直に従いすぎじゃない!?」

リュカはさも当たり前のことのように
「でも、着替えさせていったのはルイズだし」

「そそそれはそうだけど、なんていうかそこはほら!
 うわっお前何俺の前で裸になってんだよ!とか言って
 私が使い魔の前で裸になったって恥ずかしくもなんともないわよとか
 得意気になって返すのが筋であって―」
「わかったから、ほら早く着替えないと学校遅れるよ?」
リュカが心配そうにルイズの顔を覗き込む。
ここで余談だがルイズの身長はリュカに比べて30サント以上の差がある。
だから覗き込むということは屈んで顔を近づけるということでありつまり―
「―ーーーーーーー!」
ルイズの目と鼻の先にわずか2サントほどの距離に
リュカの顔がいっぱいに広がって…

ボン!

今度はルイズはリュカの顔を思いっきり蹴りつけた。

その後「なぜか」顔がこれ以上ないくらい真っ赤にしたルイズが
「きょきょきょ今日は一人で着替えるわ!だからあんたは外で待ってなさい!」
と「なぜか」衣装箪笥の陰に隠れて出てこなかったので
仕方なくリュカはルイズの部屋の前で彼女の着替えが終わるのを待った。

しばらくして着替えを終えたルイズは部屋から出てきたが
未だ顔が茹であがったようであったが必死で顔を見られまいと顔を振っているところに
後ろから声がかかった。
「あら、ルイズおはよう奇遇ねぇ〜♪」
その声に心あたりがあるのかルイズは心底嫌そうな顔で声の主の方向に顔を向ける。
燃えるような真っ赤な髪に褐色な肌、大きく胸元を開けるように開いた制服は
どこが扇情的でそれを裏付けるようにその存在を主張していた。
キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー
ここトリステイン魔法学院とはお隣のゲルマニアの出身貴族。
ゲルマニアとトリステインの国境沿いに位置するヴァリエール家とチェルプストー家は
長年国土の領土問題で血みどろの争いを繰り広げた因縁の相手であり、
ルイズ・フランソワーズ・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの個人的な宿敵でもあった。
376名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 02:15:27 ID:KEvgTI0R
支援
377魔物使いが使い魔 3話:2009/05/25(月) 02:16:40 ID:SR5Q1GkJ
そんなキュルケはルイズの横に並んだリュカを見上げると
「あっはっは!本当に平民を呼んじゃったのね、さすがは「ゼロのルイズ」ねぇ。」
「煩いわよ!シェルプストー!あんたには関係ないでしょ!」
ムキー!という効果音が聞こえてきそうな勢いで反応するルイズ。
本人としては本気で怒ってるつもりなのだろうが
どことなしかキュルケはまるで年下の子を茶化すように相手をしている。
その様子を困ったように見つめながら困ったようにリュカは紫ターバンをカリカリと掻いた。
「せっかく呼び出したのならこういうのがいいわよねぇ〜!」
キュルケの呼び出しに応じて部屋から出てきたのは
体長3メイルほどの巨大火トカゲであった。
「見てよこのサラマンダーこの色そして艶・・・火竜が生息する火山の火口付近でしか
 発見されない珍種よぉ〜好事家に見せたら値段なんかつけらんないんじゃないかしら
 やっぱり使い魔にするならこういうのがいいわよねぇ〜♪」
さりげなく・・・イヤ、あからさまに嫌味を言われてることが
またしてもルイズの逆鱗に触れたのか
「なによー!!ウシ乳ツェルプストー!」
「あーら、魔法も胸も「ゼロ」のあなたには言われたくないわよねぇ」
キッー!!という唸り語と共にルイズはキュルケに飛び掛かり
今まさにヴァリエール家vsツェルプストー家
対抗のキャットファイトが行われようとしたところ

「うんうん、そうか君はフレイムっていうんだね。」
「きゅるきゅるきゅるきゅるきゅる〜♪」

まるで長年付き合ってきた犬のように尻尾をふるキュルケの使い魔と
猫をあやすようにコロコロとサラマンダーを撫でるルイズの使い魔
それを呆然と見ながらルイズとキュルケは完全に毒気を抜かれた。

その後

「自己紹介が遅れましたわ。私(わたくし)はキュルケ(略)ツェルプストー
 ミスタ失礼ですがお名前を聞かせて頂いてもよろしいかしら?」
「あ、どうも失礼しました。ミス・ツェルプストー僕の名前はリュカとお呼びください。」
「あらキュルケで結構ですのよ。」
ちょっとツェルプストーの女と仲良くしちゃダメでしょ!
というルイズの声を無視して互いに自己紹介をすませた2人は
未だリュカの足元にじゃれ付きながらゴロゴロと嬉しそうに喉を鳴らすサラマンダーを見ながら
「すごいわね・・・あたし以外の人間にはなかなか懐かないこの子がこんなに気を許すなんて」
「子供の頃から動物とは相性がよくて」
「ふーん・・・ところでミスタ・リュカ 
 あたしは先ほどから一度もフレイムの名を呼んでないのだけれどどこで知ったのかしら?」
「この子が教えてくれたんです。俺の名前はフレイムっていうんだって」
「・・・・・・」

こらー!リュカー!さっさと来なさい!
ツェルプストー家の女と仲良くしたら承知しないんだからねー!

既に食堂へと歩き始めたルイズが急かすようにリュカを呼ぶ。
その声に答えて、すいません主が呼んでるものでいきますね。と
苦笑しながらリュカがルイズの後を追うのを見ながら
珍しくキュルケは物思いに耽っていた。
はじめはただの平民だと思っていたがあの男どこか違うかも知れない。
自分のフレイムは犬や猫のようにそう簡単に懐くような生き物ではない。
そしてリュカはフレイムの名前を「聞いた」と言った。
普通使い魔と会話できるのは主であるキュルケだけのはずなのにである。
これはおもしろいことになってきたかも知れない。
まずは親友に相談してみよう。
不適に笑いキュルケはフレイムと共に食堂へと向かった。
378名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 02:17:11 ID:KEvgTI0R
支援
379魔物使いが使い魔 3話:2009/05/25(月) 02:18:02 ID:SR5Q1GkJ
以上です。
支援してくださった方ありがとうございます。
明日までにギーシュ戦まであげれるように頑張りたいと思います。

それにしても何このツンデレ
380名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 02:19:44 ID:KEvgTI0R
魔物使いの人乙
支援慣れてないから気の利いた支援台詞が思いつかんかったよ(^^;
381名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 02:56:46 ID:tndpABl5
エルドランシリーズからエルドラン召喚
魔法爆発サーバンゼロー

とかだめだなオリ物になるな…
382名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 03:04:43 ID:YI8mxPhY
魔物使いの人、乙ですー
リュカの性格の描写がすごく好きだ・・・!
ルイズとのやりとりとかニヤニヤしちゃったよW

天空物語読み返したくなってきたなぁ

次回も楽しみにしてます
383名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 05:50:18 ID:5K8k7iUm
魔物使いさん乙です。

ふむ、リュケイロム殿下がガリア王家のことを知ったらやっぱり親友のことを思い出すのかな。
全然形態は違うけど、どっちも跡目争いがこじれた形だし。
384名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 08:30:42 ID:hF3QZyE6
>>381
> 魔法爆発サーバンゼロー
なかなか格好いい名前じゃないか
385名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 08:33:32 ID:V4q02/oK
ドラクエ5のネタは4回目くらいだっけ
386名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 10:18:56 ID:wxHja0+x
遅れながら毒の爪の人乙。

僕等の機械王ガーレン登場とかジョセフとキャラ被ってねあいつ?
387名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 10:34:11 ID:oD65y+gk
魔物使いさん乙!

リュケイロム陛下繋がりで日替わりさんがそろそろ来ないかなと期待してみる。
リュカ系のシリーズは総じて好きなんだよなぁ。
388名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 11:11:58 ID:XJQKjIyf
なあ、過去ログとか見れないから知らないんだが。「ソウルイーター」(ガンガンの方)の「ミフネ」って案はもう出ているのか?
一応「原作14巻終了後」で一本考えているんだが(ネタバレになっていたら、スマン)。
もう書こうとしている奴がいたら、諦める。
実際、暇が出来たら書く、くらいしか考えていないし。
長レススマン。
389名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 11:16:20 ID:LIuIcLkx
リアルタイムで書きながら投下して顰蹙買う図が既に目に浮かぶようだ
390名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 11:16:53 ID:XJQKjIyf
スマン、再カキコだ。まだ二人の決着がついていなかった。その次の話からだった。
391名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 11:24:07 ID:EinL0oW+
半角カタカナで作品を書くのだけはやめてね?
392名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 11:26:17 ID:XJQKjIyf
やっちまったなぁー俺!? ちゃんと収録されていたのに!
393名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 11:33:50 ID:XJQKjIyf
>>391忘れてた。悪かった。
394名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 11:34:40 ID:Nu/dLfiA
なんでもいいからとりあえず半年ROMれ
お願いだからしばらくROMれ
395名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 11:34:59 ID:EinL0oW+
ちゃんとsageてね?
396名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 11:48:04 ID:3CGzfwbh
真面目に考えるとソウルイーターからの召喚は面白そうだ
魔武器か職人か、両方セットで呼ぶか、あと魂の波長をどう扱うのかなんて問題もあるな
デルフがぴぎゃあああアアアああアあアと叫ぶところを幻視した
397名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 12:05:10 ID:TYhBeAjn
>>381
「ハルケギニアの子供たちよ、君たちにこれを預けよう」
398名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 12:26:02 ID:kohmCRFL
>>355
毒の爪の人、乙

ベアトリスは出てくる作品自体極めて少ないからなあ。
想像してみたら彼女は髪を下ろしたらさらに幼い感じになると思う。
アニメコンプリートブックの書き下ろし小説で、挿し絵でボンテージ姿になってるけどルイズに負けず劣らずの幼児体型だし。
ただ12巻がアレだっただけにティファニアデレになった彼女はめちゃくちゃ可愛いんだが…
399名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 12:26:06 ID:yGZkfI9u
>397
>397
・サイト召喚直後に 邪悪獣とエルドラン出現
・ライジンオー貸与(サイトはエルドランシリーズをTVで見ていた。)
・自分は剣王に乗り、あと二人を適当に選んで 無理矢理に乗せる。
 (飛鳥→キュルケ、吼児→ギーシュあたり?)
・合体、初勝利!
・「なんで私を選ばないのよ〜!」とゴネるルイズを 司令官ということにして納得させる。
 (マリア→ルイズ、実際の指揮は 参謀のタバサ。)

こんな感じでしょうか
400名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 13:03:46 ID:5D+ygLpS
>>396
アンアンがエクスカリバーを召喚するんですね。声的に
401名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 13:28:05 ID:TYhBeAjn
おいらはオーガと聞くと昔システムソフトが海外から輸入したゲームの無敵戦車を思い出す
長距離ミサイルとか重戦車とかよってたかって集まってただ一輌の戦車を止める、というゲームだった
402名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 13:28:24 ID:Zb7S6nwd
魔法爆発・・・ガンダルブーの方が・・・いやなんでもない
403名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 13:38:26 ID:TYhBeAjn
>>401
失礼 スレ間違えたです
404名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 14:17:10 ID:gTDQaP0z
剛田たけし召喚

ギーシュ「決闘だ!」
ジャイアン「ホゲ〜〜」
ギーシュ「ああっ。ワルキューレを維持できない!」

ワルド「ユ・・・・・・」
ジャイアン「ホゲ〜〜」
ワルド「呪文詠唱しようにも、集中できない・・・・・・」
405名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 14:19:24 ID:gIp1O2nB
アンチジャイアンは帰れ
406名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 14:29:12 ID:x5TaA4Eu
ワルドの裏切りを知ったジャイアンの怒りは凄まじいだろうな。
407名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 14:32:39 ID:Zb7S6nwd
やろうぶっ殺してやる!!
・・・ん?これはドラえもんだったか。
408名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 14:33:56 ID:WUeZVoZV
案外ルイズに惚れてもおかしくなさそうなジャイアン
409名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 14:36:39 ID:0FYq8Zbi
ジャイアン死んじゃいやん
410名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 14:53:15 ID:x5TaA4Eu
俺はルイズの奴隷じゃないっつーの
411名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 15:00:53 ID:fopHosDH
ギーシュが心の友に
412名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 15:05:30 ID:gheLXlPJ
そー言えばジャイアン、小学生なんだよなー
413名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 15:38:12 ID:B5D/XJF1
>>396
それ無理。
全く話が成り立たないレベルで相性が悪い。
つーか、死部専の人達はメイジ=魔女と認識する可能性が極めて高く、
そうなった場合即座にガチの殺し合い開始で収拾がつかなくなる。
彼等にとっちゃ魔女は不倶戴天の仇敵と言うか狩るべき獲物な訳だしね。
或いはこの場に留まるのは危険と判断し速攻トンズラで終わりだと思う。
414名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 16:18:25 ID:2U/LReJ+
ならB壱から将太郎召喚だ

一日一善の制約に従い、快く使い魔になってくれるはずだぞ
415名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 16:22:26 ID:dFjm9uR4
ジャイアンは自分から歌を武器にしようとはしない。
 
>>323
あれはエース放送直前で予算がなかったせい。その代わりにベロクロンの造形は秀逸。
エースは光線技が主体だからゼットン戦は厳しいだろうな。テッペイも「ゼットンに光線技は禁物なんです!」って言ってるし。
かといってギロチン技はバリヤーで跳ね返されるだろうし、勝機はエースリフターで投げ飛ばすかエースブレードで叩き斬るのが適当だと思う。
416名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 16:34:07 ID:TYhBeAjn
>>415
つまりアレですね、「決闘なんてくだらねぇ!オレの歌を聴け!」ですね

ベロクロンとバキシムの造形は神レベル到達してますよね
ベムスターなんかもエースの天敵
スペルゲン反射鏡を持つバルタン(二代目)もキツいな
417名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 16:36:09 ID:TYhBeAjn
>>416
自分で書いといてナンだけど八つ裂き光輪が通じたバルタン(二代目)にはギロチン系通じるだろうな
418名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 16:36:14 ID:hSl9FhLN
ベムスターの腹はタイラント的にメタリウムは耐え切れないし、そもそもギロチンで一発だよ
ゼットン級じゃない限りどうにでもなるだろう
419名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 16:42:34 ID:EioqPf4P
メビウスで再登場した超獣はどいつもこいつも強格好良くなってて毎週燃えてたぜ
ベロクロンの板野サーカスとかバキシムの波動昇竜とか

ACTION WORKSシリーズでエース出してくれないかなメガハウス
420名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 17:03:14 ID:3CGzfwbh
>>413
そこまで言い切れるほどではない気もする
メインキャラ辺りは魔女への憎しみはさほどなくて、あくまでデスサイズ完成のため乗り越える相手という認識なんじゃないのかな
大人組に関してはなんとも言えないけど

魔女を雌豚呼ばわりしてた頃と違って今は……
いや、まだ死神様の腹の内は見えないから止めとこう

多分死部専側よりメデューサ様呼んだ方が酷いことになると思う
421名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 17:39:21 ID:hF3QZyE6
>>399
一番手っ取り早いのが学園をロボットにすること
422名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 17:44:38 ID:5rr1NxNJ
塔が変形するロボはあまりデザインよくなさそうだな
423名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 18:08:51 ID:x5TaA4Eu
>>422
一番手っ取り早いのが学園を塔じゃなくすること
424名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 18:10:51 ID:JnymJUan
城が変身するのはヘポイだったっけ?
425名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 18:14:42 ID:EioqPf4P
実はライジンオーは校舎がロボットにヘンケイするわけではなかったりする
あくまで発進基地的変形なんだよねー。
426名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 18:14:58 ID:whXcWg+d
魔女狩りかあ
ゼロの世界って最初から相当魔法使いの数いたんだな
オーファンなんかは最初の魔術師の絶対数が少なくて
常人に数で押されて迫害されてたし
427名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 18:25:51 ID:BzWBOdjw
>>415
ゲームだと歌が武器になってたけどね。
428名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 18:30:35 ID:qjW33HuE
昔はともかく今のジャイアンは歌がうまくなってるぞ
ソースはカラオケのCMな
429名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 18:39:54 ID:JGLlOZ+i
確かドラえもんも歌は壊滅的だったはず。そしてしずかちゃんのバイオリンも……のび太とスネ夫はどうだったかな?
しかしジャイアンとドラえもんがデュオを組んだら……対七万も無傷で勝利できるかもしれない?
430名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 18:43:38 ID:sipBgS62
>>407
ジャイアンには「おれがこの手で皮をはいでやる」っていう負けず劣らずの過激なセリフがあるな
431名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 18:52:21 ID:RGgZrwQU
うえきの法則+の職能力って繁華界以外でも使えるんだろうか?
432名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 18:59:16 ID:x5TaA4Eu
使った描写があるか、明言されていれば使える。
使えない描写があるか、明言されていれば使えない。
どっちも無けりゃ、作者以外には分からん。
433名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 19:03:04 ID:hSl9FhLN
>>429
のび太はジャイアンより酷いやと言われたことがあるぐらい
434名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 19:03:52 ID:CPFu15/u
>>426
オーファンと見て、宇宙の孤児召喚とか思いついたが
どう考えたって魔法学院潰れるね、物理的に
ってなわけでプレートでも召喚して
「何このデカブツ、こんなもん出たって意味無いじゃないの!!」
後日リバイバルして狂喜乱舞
もう虚無いらねーやな
聖地にはオルファンさんがいらっしゃったってことで
435名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 19:12:17 ID:VojipVIR
のび太は寝つきのよさと射的とあやとりとドラえもんの秘密道具を応用することにかけては半端ないよな
436名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 19:17:07 ID:kYnKE889
>>431
単行本の四コマでワックスに固加えるやつ(名前忘れた)が
地上界と融合した繁華界?で使ってたからいけると思うよ
437名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 19:26:50 ID:5rr1NxNJ
>>435
あいつ大人になっらそれなりのスペック発揮するんだぜ
438名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 19:34:22 ID:1QZ05jc1
>>434
オーファンと聞いて、魔法戦士リウイからリウイ召喚。
ギーシュには自ら喧嘩を売ったり、テファを見て
「美しい」
とか言って崇拝してしまう姿を連想した。
439名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 19:45:32 ID:lAruf5pH
>>437
つーか小ネタにのび太召喚があった希ガス
440名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 19:47:21 ID:MrdBcI7r
のび太の射撃の腕は変態的すぎる、缶が空中に浮いてる間に全弾打ち込むとか
殺し屋に早撃ちで勝つとか、殺し屋との一騎打ちは最近の方では無くなったらしいけど
441名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 19:49:18 ID:bfwFe3X2
a
442名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 19:53:31 ID:8O2HXh/w
殺し屋って普通暗殺だから、勝ってもいいんじゃねぇの?
443名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 19:55:27 ID:VojipVIR
あいつまだ小学4年生だぜ?
444名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 19:56:11 ID:VojipVIR
あれ?5年生だったか
445名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 20:02:50 ID:kiTyUrVb
4年でも5年でもあの実力のおかしさにかわりねェ
446名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 20:04:54 ID:EioqPf4P
>缶が空中に浮いてる間に全弾打ち込むとか
しかもそれ、全弾ピンホールショットだったから穴が一つしかあいてなかったんだよね、確か。
447名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 20:07:50 ID:PC91tSnh
いや違う、たしか穴は6つ開いてた
448名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 20:08:28 ID:gIp1O2nB
射撃の腕があってものび太は体力がないから持久戦だと負けそうだな
449名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 20:10:05 ID:ZhzOS1XU
>殺し屋との一騎打ちは最近の方では無くなったらしいけど
新宇宙開拓史だとちゃんとギラーミンと戦うのはのび太だった
450名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 20:10:26 ID:Zb7S6nwd
恐ろしいことにのび太は才能だけで、あの腕なんだぜ。
才能は全ガンマン中、トップじゃないかね。
451名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 20:10:38 ID:EioqPf4P
>>447
あれ、そうだっけ。
なんか別の作品と間違えたかな?
452名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 20:13:18 ID:Ur/0pR3Y
そんなのび太にガンダ強化入ったら無敵じゃないか・・・
453名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 20:15:32 ID:TYhBeAjn
>>450
あやとりは熱心に鍛錬してたけど射撃は一切練習とかしてなかったっけ
でもTV版ではいくら撃っても全く当たらない、というエピソードがあった
454名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 20:16:44 ID:CPFu15/u
のび太は基礎身体能力が人より劣るから
下手すればガンダ補正でようやく人並みってことすらありそうだ・・・
銃の腕前はむしろガンダいらねぇくらいなんだが
少なくともデルフはまともに振ることすらできまい
455名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 20:19:56 ID:Ur/0pR3Y
つまり銃入手でデルフがまた空気化と・・・
456名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 20:20:29 ID:MrdBcI7r
>>451
俺も穴一個だけだったように記憶してたけどな、ひょっとしたらコロコロでコミカライズされてた方だったかも知れんが
457名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 20:28:45 ID:TYhBeAjn
よし、ここは柾木剣士を召喚。
剣技は柾木勝仁に学び、鷲羽の『実験』により化物じみた体力を持ち「柾木家の鉄人」に
鍛えられたことで家事すべて万能。
出来ない事って何かあるのか、っつーくらいチート。
メザイアさんに仕込まれた事で最強の「マッサージマッスィーン」になった事だし
458名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 20:28:49 ID:5rr1NxNJ
デルフを鋳つぶして銃にする
459名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 20:29:40 ID:0FYq8Zbi
まぁ細けぇコトを気にするお年頃の読者に向けたマンガじゃないからねぃ
460名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 20:29:51 ID:5rr1NxNJ
>>457
すでに召喚されたキャラをさらに召喚するとは
ある意味外道
461名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 20:31:46 ID:TMNFYKz+
>>453
コミック版の宇宙開拓史で、
「そうか、きみはあやとりのほかに、こんな特技もあったんだね」
と思い出したように言われるぐらいだから、あまり頻繁に人に見せてなかったんじゃね?
それであの腕前なんだから、確かに才能だけは凄まじいわなw
ギラーミンとの勝負で、勝敗にかかわらず緊張のしすぎで気絶するぐらい、チキンな奴だけどw
462名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 20:33:57 ID:+s3Ug/wK
お前は小学生に対して一体何を求めているんだ。
463名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 20:36:37 ID:TMNFYKz+
>>462
いや別に、それが悪いって言ってるわけじゃないんだが。
あそこでチキンなところ見せてくれなかったら、それこそのび太じゃないし。
464名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 20:42:06 ID:xdU4j+Jr
>>453
なんか鼻糞で練習してた記憶があるが
465名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 20:53:05 ID:zuHdjLxR
ドラえもんならスネ吉兄さんだろ
ttp://hendora.com/hendora/hendora08/hendora8.htm
466名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 21:06:57 ID:mELORpX6
何十年もかけてサイトがデルフを直す流れ?
467名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 21:19:11 ID:W/oCfb2C
シュペー卿「この程度のインテリジェンスソードなら3日で直せますぞぉ」
468名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 21:26:37 ID:siZZZqZg
サイトならすぐに直すよ
469名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 21:28:07 ID:kohmCRFL
ドラえもんだったら別れぎわに地球破壊爆弾を置いていったとんでもない作品があったな。
意外とドラえもんって「魚雷付き原子力潜水艦」とか兵器を持ってるんだよな。だから映画版ではよくポケットを無くすんだが。

どうせデルフもすぐにV2とかになって帰ってくるよ。
470名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 21:37:50 ID:5K8k7iUm
V2……仮面ノリダー?
471名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 21:38:57 ID:ACoNbdpx
のび太「お前が今から相手にするのは ただのガンマン
    そしてお前は そのただのガンマンの前にひれ伏す」
472名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 21:38:59 ID:oMJNIXFu
いやいや、デルフリンゲストだよ
473名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 22:11:54 ID:WDnMEZU/
ザイダリッツ(笑)あたりになってかえってくるとかw
474魔物使いが使い魔 4話:2009/05/25(月) 22:12:30 ID:SR5Q1GkJ
こんばんは。失礼致します。
よろしければ4話の投下をしたいと思います。
もし他の方いらっしゃらなければ
22:20より投下開始したいと思います。
よろしくお願いしますm(_ _)m
475名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 22:14:01 ID:aTSwYWpc
>467
ただし、レベル3だ。

【シュペー違い】

>474
どぞ。
476名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 22:20:43 ID:Sae4I3Pr
>>474
早く投下するのだ!!
477魔物使いが使い魔 4話:2009/05/25(月) 22:21:50 ID:SR5Q1GkJ
食堂についたリュカはまずその広さに驚いた。
至るところに豪華な装飾がなされ天井の広いアルヴィーズの食堂は
冒険暮らしの長かったリュカを驚かせるには十分なものであったし
出されてる食事もこれが朝食べる量と質ですかと
言わんばかりの料理がところ狭しと並べられていた。

「ここがアルヴィーズの食堂よ、あんたみたいな平民は本当なら
 一生入れないけどあんたは私の計らいで特別に入れるのよ感謝しなさい。」

(ラインハットは戦時中だったからここまで豪華な食卓は見る機会がなかったけど
 ヘンリーは今は毎日こんなものを食べてるのかな・・・)
とリュカは胸を張って答えるルイズの説明を聞き流しながらそんなことを考えていた。
実を言うと長年の奴隷生活の長かった
ラインハット宰相ヘンリーと后であり修道女でもあるマリアは
贅沢の極みにあった貴族の生活を自粛し市民の手本とすべしと
貴族としては極慎ましい生活をしていたりするのだが

ルイズに連れられたリュカはそのまま席まで移動した。
席には既に出来立ての料理が並べられていた。
リュカが椅子を引くとルイズは当然のように椅子に座る。
さて問題はリュカの席であるが
「ルイズ、僕の席だけど」
すっとルイズは床を指差す、
そこには申し訳程度の量のスープと硬そうなパンが置いてあった。
これは使い魔に主人を躾けるようにとルイズが昨日から
厨房の料理人に頼んで用意してもらったものであった。
要するに主人との格の違いを見せつけリュカに使い魔としての
立場をわからせるためのルイズの思惑なのであったのだが
(やっぱりそうか〜そういえば奴隷の頃は
 たびたび看守が僕らの目の前で似たようなことしてたっけなぁ・・・) 
とまたしてもリュカにして思えば特に珍しいことでもなく
むしろ食べられるものを用意してくれたことに安心したくらいであった。
478魔物使いが使い魔 4話:2009/05/25(月) 22:22:42 ID:SR5Q1GkJ
ルイズのほうとしては今度こそリュカが悔しがる顔を今か今かと待っていたのだが
まったく驚いた素振りもなくむしろニコニコと床を見つめているので
どうにも面白くはない。
その時リュカから声がかけられた。
「ルイズ」
「な、何よ!」
平静を装おうととり繕うが気が気ではなかった
なぜなら今度こそこの使い魔の驚く顔が見られるかも知れないのだ。

さぁ悔しがりなさい平民
そして私を称えなさい。
ご主人様、ルイズ様とお呼びなさい。
そうすれば鳥の皮くらいは恵んでやってもよくってよ。
おーほほほほほ

既に頭の中では某将軍様も真っ青なお花畑が展開中というか
普通に殴っていいですかコイツって感じの妄想を膨らませているルイズであるが

「この食事はルイズが用意してくれたんだよね?」
あくまで優しくリュカは問いかける。
「そ、そうよ!わざわざ苦労して手に入れたのよ!感謝しなさいよね!」
対するルイズはここまでしておいて、まさかそんな優しく言われるとは
考えもつかなかったためどう反応していいか困っていた。。
「そうだね、昨日突然召還された僕のためにわざわざ用意してくれたんだもんね。」
ウグっとルイズは唸る。
最初は明らかに皮肉を言われたと思ったが
その黒色の瞳を見た時、それが本心から来る言葉だと直感した。
なぜこいつは悔しがらないの!?
なぜこいつは怒らないの!?
なんでこんなに優しい目で私を見ていられるの?
ルイズの頭の中は既にオーバーヒートを起こすほど混乱していた。
だからと言ってこれが初めての経験ではなかった。
そう、これではまるで子供の頃癇癪を起こして周りの家具にあたっていた時の―

リュカは料理を手にとって立ち上がると
ルイズの頭に手を置き優しく撫でた。
「ありがとうルイズ。」
「あ、あうあうあうあうあう・・・・・・」
こうまで来ると恥をかくのはルイズであった。
自分は立場をわからせるために、もっと言うと意地悪するために
用意したものをこうもアッサリ善意で返されると
さっきまで期待に胸を膨らませていた自分の器が小さく見えてしまうのである。
真の貴族たらんと努力しているルイズにとっては
まさに穴があったら入りたいほどに恥ずかしい状況なのであった。
479魔物使いが使い魔 4話:2009/05/25(月) 22:24:29 ID:SR5Q1GkJ
「じゃぁ僕は外で食べるね。こんな立派なところに
 僕だけ床に食事してると他のみんなに悪いし。」
そう言うとリュカは食堂から離れようと席を立ったその時―
「 待 ち な さ い ! ! ! 」
突然食堂内に響き渡った大音量に何事かと生徒達が注目する。
果たしてそこにいたのは
平民のみすぼらしいマントの端を握り締めたルイズであった。
目にうっすらと涙を浮かべ唇をかみ締めながら
何やらブツブツと独り言をいったかと思うと
消え入るような小さな小さな声で
「ち、違うの、間違えて用意しちゃったわ。
 あんたは私の隣の席で食べていいわ。だって特別なんだもの」

この日、リュカはこの世界に来て始めての食事を食べた。

「へぇー・・・あのルイズをこうも大人しくさせちゃうなんてねぇ」
食事をはじめるルイズとリュカを見ながら
キュルケはおもしろそうに隣にたつ親友に話しかける。
青髪で眼鏡をかけ食事中でも本を離さないその親友も
この時ばかりは多少本から目を背けその光景を見ていた。
「タバサどう思う?あの平民」
「・・・わからない。」

「ただ、少し興味がある。」
普段何にも興味を示さないその親友の反応に
キュルケは驚きと期待が入り混じった顔でニヤリと笑った。
480魔物使いが使い魔 4話:2009/05/25(月) 22:25:51 ID:SR5Q1GkJ
その後、食事を終えたリュカとルイズは
授業を受けるために教室へと向かった。
教室に入りリュカの目にまず飛び込んできたのは
大小様々な使い魔の姿であった。
自分の世界でも馴染み深い犬や猫や鳥などといった動物や
牛のように大きいジャイアントモール、
空中で浮かぶ一つ目生物バグベアなど
モンスターのようなものまでその種類は千差万別であった
(まさか、あの朝広場にいた使い魔たちのほとんど一つの部屋に全部いれちゃうなんてなぁ)
リュカは思わず驚嘆するが
ルイズが気にもせずに自分の席まで歩いていくので
急いでついていった。

あんたは私の横で座りなさいとルイズから許可が出た
リュカがルイズの横席につくと周囲から一斉に視線が集中した。
リュカにはその理由がわからなかったが
周囲からのクスクスとした笑い声と嘲笑と侮蔑の入り混じった
表情で見つめる生徒達を見るとあまり良いようには思われていないらしいと思った。

しかしルイズはそんな様子を意に帰したこともなく
黙々と授業の用意をしている。
(なるほど・・・僕みたいな平民を呼び出すってことは
 つもりはこういうことなんだな・・・)
リュカが周囲からの視線が自分のせいであると思った。
ルイズも今でこそリュカを使い魔として容認してはいるが
やはりメイジとしては「ただの」人間を呼び出したことは
恥であるだろうからと
しかしその予想は大きく外れることとなった。

「皆さん春の使い魔召還の儀式お疲れ様でした。
 このシュプリーズこの時期に色んな使い魔を見るのが
 とてもとても楽しみなのですよ。」

授業が始まり、ミセス・シュヴルーズと名乗った
少し丸めの体型をした教師が閉口一番こう切り出した。
その言葉に生徒一同は一様に自分の使い魔が
最も誇らしいとばかりに胸を張った。
「中にはとても珍しい使い魔を召還した方もいるようですが・・・」
おそらく言い出した本人からしてみれば何気ない一言だったかも知れないが
しかしその途端隠すこともなく教室中にクスクスとした笑いが溢れた。
見ればルイズが机の下で肌が白くなるほど拳を握りしめていた。
481魔物使いが使い魔 4話:2009/05/25(月) 22:26:58 ID:SR5Q1GkJ
その時上方の机から小太りの少年がルイズに向かって囃し立てた。
「おいゼロのルイズ!召還に失敗したからってその辺の平民を連れてくるなよ!」
思わずかけられたその言葉にルイズは椅子から立ち上がって反論する。
「何よ!違うわ!ちゃんと召還したもの!」
「はっ!どうせそこらにいた乞食を金で釣って連れて―」
そこまで言ってマリコルヌの言葉が途切れた。
と同時に彼の傍にいたフクロウがせわしなく彼の耳をつつき始める。。
「うわっ!痛!痛たたたた!こらやめろ!!!一体どうしたってんだクヴァーシル!」
急に変貌した自分の使い魔に慌てふためきながら
マリコルヌはルイズから視線をはずす。
「ふんっ!人の悪口なんか言うから罰があったんだわ!」
フンと鼻をならしながらルイズは再び教壇に注目した。
その横にはいつもどおりほがらかな笑みを浮かべるリュカが隣にいた。

「この世界の魔法にはそれぞれ4つの属性が―」

「その中で私は土の系統が最も重要であると考え―」

熱心に講義を進めるシュヴルーズの授業を聞きながら
リュカはこの世界と自分の世界との魔法の共通点そして特徴を探っていた。

1つこの世界の呪文も自分の世界と同じく精神力を使って魔法を行使すること。
2つこの世界の魔法は貴族にしか使えないらしいということ
3つこの世界の魔法は鍛治や建築、運搬や果てや医療にいたるまで幅広く運用されていること。
4つしかしこの世界にはルーラやリレミトといった瞬間移動呪文が存在しないこと。
etc・・etc・・・

この世界と自分の世界にいける手段が確立できていない以上
自分でこの状況を打破しなければいけない。
そのためにはルーラやリレミトに変わる
移動呪文またはマジックアイテムが必要であろうとリュカは考えた。
ルイズには悪いが自分は何としても元の世界に帰らなければならないのである。
多少の寄り道はいいがそれが長引いても困るし
一生ここでこの少女の使い魔として生きていくのは御免であった。

「では、ここで錬金をミス・ヴァリエールに実践して頂きましょう。」
授業が石を別の金属に変える「錬金」の講義に入ったとき
シュヴルーズはこう切り出した。
途端に今まで真剣に授業を聞いていた生徒達の顔色が真っ青になる。
それを見てリュカと今年初担任となった
シュヴルーズ共に全員が何故そんな顔になるのかわからなかった
482魔物使いが使い魔 4話:2009/05/25(月) 22:30:35 ID:SR5Q1GkJ
「ミセス・シュヴルーズ!」
「はい?ミス・ツェルプストー」
「危険です。」
「危険?」
「ルイズにやらせることがです。」
「危険といっても錬金で何が危険なのですが
 聞けばミス・ヴァリエールは大変な努力家であるとか。
 座学でも主席であると聞きましたよ。それに失敗は恥ではありません。」
ヴァリエール家とツェルプストー家の因縁を知っているのか
涼しい顔でキュルケの忠告を受け流すシュヴルーズってあったが
対するキュルケは真剣な顔で教師に向けて錬金をやめるように説得している。
「先生は何もわかっていません、あのゼロのルイズは―」
そこまで言ってルイズが立ち上がった。
「私 やります!」
その途端生徒達から悲鳴があがり
いっせいに我先にと机の下へと隠れ
使い魔達を外へと逃がし始める。
教室から出て行く生徒達までいる始末である。
「ルイズやめて」
教壇の下まで降りるルイズを見つめながら
キュルケがほぼ懇願に近い形でルイズに迫るが
桃色の髪の少女は意にも帰さず肩をいからせながら
教壇へと降りていった。

「よいですか。錬金の成功しているイメージを思い浮かべるのです。」
「はい。」
シュヴルーズの助言を受けてルイズが杖を振るった。

ド ッ ゴ ― ン ! ! ! !

途端杖から放出された魔力は石に当たり
爆発、否大爆発を巻き起こし周囲の机も教壇も巻き添えに
凄まじい効果音をたてながら窓ガラスをぶち破り
一瞬にして教室は阿鼻叫喚の地獄絵図になった。

「ぬわーーーーーーーーっ!!!」
「おい!誰か生きてるやつはいるか!」
「ピーコが俺のピーコが食われた!!せっかくレベルカンストしたのに!」

悲鳴と怒号が轟く教室
見れば見るも無残に破壊された教壇らしきものの影で
ミセス・シュヴルーズが
>>347グロ注意といえる状態にはならなかったものの
全身黒こげでピクピクと痙攣していたりする。
483魔物使いが使い魔 4話:2009/05/25(月) 22:31:35 ID:SR5Q1GkJ
当のルイズは全身煤だらけで服がところどころ破け
髪がたってはいたが特に怪我などしていない様子で

「ちょっと失敗したみたいね。」

「何がちょっとだよ!ゼロのルイズ!!」
「何時だって成功確立ほぼゼロじゃないか!!」
「俺のピーコを返せやああああああああああああ!」
途端巻き起こる野次を聞きながら
(なるほど・・・インパスを使ったつもりがイオを使ってしまったみたいなもんだな
 あの威力はイオというよりイオラに近いものがあると思うけど)
リュカが目の前で起きた事態にここに来てから
何度目であろう呆然とした時を過ごすのであった。


その後教室の後片付けを命じられたルイズは
リュカと共に教室に残った。
罰として一切の魔法を禁止しての片付けを申し渡されたが
もともと魔法が爆発しか起きない彼女にとっては
どうでもよいことであった。

下を向き俯いて時々、地面に落ちた石を蹴飛ばし
悪態をつくルイズを見ながらリュカは黙々と作業をこなした。
半分ほど瓦礫が片付いたとき
長い間沈黙を守ってきたルイズが口を開いた。

「私はね、魔法が使えないのよ。」
それは血を吐くような言葉であった。
「何をやってもどんなに簡単な呪文を唱えても
 出来る呪文は失敗の爆発ばかり・・・
 何時しかついた二つ名がゼロのルイズ・・・
 落ちこぼれの私にはピッタリよね。」
あははは―乾いた笑みでルイズが笑う。
その目には何の感情も読み取ることは出来ない。
「あんたも災難よね、こんな駄目メイジに召還されて
 まぁ平民のあんたにはこんな悩みわかんな、いでしょう、け、ど」
ひっぐうっぐ・・・うっく
嗚咽が教室に響いた
「でも、いつかは出来るかも知れない。」
リュカの手がルイズの手を握りにっこりと微笑みかけていた。
「いっ―」
ルイズはその一言で感情を爆発させる。
「いつって何時なのよ!!!!!!
 言っておくけどね!私だって努力くらいししてるわ!
 何回も何回も魔法の書物を読み返して
 詠唱も暗記して呪文なんて完璧に唱えられるの!
 でも出来ないのよっ!
 やるたびに失敗してそれでもめげずに努力して
 爆発で爪なんて何回剥がれたかわからないわっ!!
 それでも・・・それでも・・・っ!」
何時しかルイズは泣いていた。
「だから、私はいつかなんてないのよ!一生ゼロのままなのよ!!」
泣きながらルイズは答えた。
484名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 22:34:09 ID:5K8k7iUm
レベルカンストピーコ支援。

つかあれをカンストしてどーすんだwww
485 :2009/05/25(月) 22:39:20 ID:uNmYbzrJ
さるさん、くらったのかな?
支援
486魔物使いが使い魔 4話代理:2009/05/25(月) 22:45:38 ID:CSRCYSqv
すいません 本スレで投下中にさるさん喰らい投下できなくなりました。
本当にすいません もし誰かよろしければ続き投下しますので
誰か代理投下お願いします。

リュカは泣き喚くルイズの手をとり優しく頷き返す
「うん」
「でも大丈夫だから」
「大丈夫って何が・・!」
リュカの手から光が溢れた。
それはルイズの手をゆっくりと満たす。
―ぁ、あたたかい・・
ルイズは驚くより先にその優しい光を見つめていた。
しばらくして光の中には傷一つないルイズの掌があった。
「あっ・・・」
ルイズが驚愕と羨望に近い顔で目の前の平民を直視する。
「あんたメイジだったの?」
掠れた声でルイズが問う。
確かにはじめて召還された時から見につけていたのは
マントと杖であった。
あまりにボロボロなので貴族=メイジである自分達の常識からすれば
とても貴族には見れなかったので放置しておいたのだが・・・

「君らのいう魔法使いとは違うかな。
 僕の世界ではこれは「ホイミ」といってね。
 ある程度素質のある子なら誰でも使える呪文なんだよ。」
「リュカの・・・世界・・・?」

それからリュカは語りだした。
自分がまったく違う世界の人間であり
ハルケギニアとは違う魔法を操る人間であるということを。

「ルイズの使った魔法は・・・僕らの世界ではイオというんだ。
 一部の人間しか使うことの出来ない高度な攻撃呪文なんだよ。」
ルイズはいつしか真剣に話を聞いていた
「たぶん君は・・この世界の魔法体系とは外れた存在なのかも知れない。
 詳しくは説明できないけど水と油みたいな感じかな。
 力の比重が強すぎて制御できない可能性もある。
 でなければ、ただの失敗にあれだけ大きな魔力の塊が放出されることはないんだから。」
その仮説はルイズの中の長年の疑問がゆっくりとゆっくりと溶けていくような気がした。
「それに君はもうサモン・サーヴァントを成功させている。
 だからゼロなんかじゃない。」
そう言うとリュカはルイズの頭をそっと撫でた。
召喚してから幾度となく見てきたその目
吸い込まれるような瞳の中に映し出されたのは
同情でも軽蔑でもない慈愛の眼差しだった。
487魔物使いが使い魔 4話代理:2009/05/25(月) 22:47:06 ID:CSRCYSqv
「よく頑張ったね。」
優しくリュカは言った。いつものように
ただただルイズを信じていてくれる者がそこにいた。
「ぁ・・・ぅ・・・ぅあああああ!」
気がつけばルイズはリュカに抱きついていた。
その鳶色の瞳から洪水のように流れ続ける涙を止めようともせずに
ルイズは泣くじゃくる。リュカはそっとルイズを抱きしめた。

「わっわっわたし いいいいつもひっひとりだったの・・!」
「うん」
「みっみんなから・・ばっばかにされて・・!
 おっお母様やお父様やエレオノール姉さまにも変な目で見られて・・・!」
「うん」
「わっわたしなんか生きててもしょうがないって・・貴族になんかにぃなれないって・・
 かっかんがえるとこここここわくて・・こわくぇ」
「うん」
「つっ、つらかっ、たの・・さみしかっ・・の・・!」
「うん」
泣き止むまでリュカはずっと彼女の話に耳を傾けていた。

その後、
ルイズは泣きやみ落ち付きはしたものの
彼女は服を話さずじっとしていたため
リュカはルイズが落ち着くまでしばらくそのままにしておくことにした。

リュカの胸に顔をうずめたままルイズが声をかけた。
「・・そっその」
か弱い声で喋る始めるルイズにリュカは答える。
「ん?」
ルイズはリュカの目から顔をあげ頬を染めながら言う。
「あっあんたの話信じてあげてもいいわ。」
「ありがとう」
「かかか勘違いしないでよね!まだそうと決まったわけじゃないんだからっ!」
「うん」
リュカは静かにルイズの頭をさすりながら返事をする。
ルイズはそれを振り払うこともなくさらに言葉を続けた。
「帰る方法探さなきゃね・・」
「ありがとう!許可してくれるんだね?」

「だだだからと言って使い魔の契約が切れた訳じゃないんだからねっ!
 異国のメイジなのか知らないけど帰るまでは私の使い魔なんだかね!」
「うん、ありがとうご主人様」

リュカはにっこりと微笑んだ。

488魔物使いが使い魔 4話代理:2009/05/25(月) 22:47:49 ID:CSRCYSqv
以上で4話終了です。
本当にごめんなさい。
どなたか代理投下できる方よろしくお願いします。

----
代理終了
489名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 22:52:18 ID:Y18qaYAF
乙。
苦労人だけあってリュカは優しいな。
490名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 22:55:02 ID:VojipVIR
目の前で尊敬する父親殺されて
さらわれてそこから10年奴隷としてこき使われて
これほど人間が出来てるとか奇跡としか言いようが無いな

まぁヘンリーが居てくれたおかげだろうけど
あと親切な奴隷仲間
491名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 22:55:05 ID:Sae4I3Pr
乙です
XはDQシリーズでも特に好きだから楽しみです
492名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 22:55:35 ID:JnxCilDE
>>451
それってオレの記憶が正しければ、ブラックキャットのクロだったはず。イブが仲間になったあとらへんで、銃の訓練をしてる時にそんなシーンがあったような…
493名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 22:59:33 ID:RGgZrwQU
>>492
それだな
トレインが一つの穴に全弾ぶち込むまでやってた
そんで弾の無駄遣いをスヴェンに咎められてた
494名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 23:00:02 ID:mIz4ZUa4
>>456
コミック版では
6連リボルバーで空き缶6つ撃つ試験で、脇役のの未来人は普通に全部命中。
のび太は缶が一つしか飛ばせないで、みんながあちゃーって顔をしたときに
「まった、中を見てよ」というのび太のコメント。
係員が穴が一つしかない缶を逆さにすると中から6発の弾がバラバラと。

このイベントで一番恐ろしいのは、空中の缶に全弾叩きこんだことでも
それがワンホールショットだったことでもない。
最初の1発はともかく、その後の弾がもう開いている穴を通して撃ち込まれたにも
かかわらず、缶をさらに突き抜けたりしていないこと。
おそらくは、缶の中にとどまっている1発目の弾丸に2発目の弾丸を命中させて
運動エネルギーを殺すという作業を5発分、完ぺきにこなしているのだ。

>>461
あれもその前の描写が十分超人的だしな。

ギラーミンを見た瞬間、あいつは任せろと仲間に言って飛び出すのび太
(仲間では太刀打ちできない相手だと判断)
向かい合った瞬間、互いの技量を理解するギラーミンとのび太
(のび太にとっては完全に初見の相手であるにも関わらず、こいつが狙いを
 外すなんて絶対にあり得ないと断言)
惑星崩壊が迫る中微動だにしない両雄
(のび太もギラーミンも不用意に動けば終わりだと理解している)
クイックドロウ。恐怖で揺らぐのび太。倒れ伏すギラーミン。
(だが待ってほしい。抜き打ちの決闘で両者の速度が互角の場合、相撃ちに
 なったケースが西部開拓時代を含めて多かったのだ。
 にもかかわらず、のび太にはかすり傷もない。「恐怖で気が遠くなった」という
 のは仲間に対するポーズで、実際にはギラーミンの射撃を回避した動きの
 流れだったのではないだろうか。)>>178
495魔物使いが使い魔 :2009/05/25(月) 23:05:13 ID:SR5Q1GkJ
さるさんが解除されたので書き込み。
代理投下してくれた方
支援して頂いた方
感想書き込んでくれた方
本当にありがとうございました。

次回も明日アップできればいいと思います。
全然関係ないですがこの話書いてる途中
恥ずかしくなって奇声をあげそうになったのはいい思い出です。
496名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 23:07:11 ID:VXTkbyIm
>>494
さらに、缶を台から落とさずに、缶を倒れさせることもせずに、台に戻したからな。
497名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 23:07:16 ID:9+RoRNxY
>>484
補助呪文ほぼ完璧なクックルーは嘗めない方がいい。かなり重宝するぞ。
498名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 23:08:09 ID:W/oCfb2C
ノビタニヤンの勇者
499名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 23:15:05 ID:QI49Rzhk
魔物使いさん、乙でしたー。
流石に若い頃から辛酸を嘗め尽くしたDQ5主人公らしい、大人の対応でしたね。
500名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 23:44:43 ID:5K8k7iUm
魔物使いさん乙でした。
ルイズの失敗魔法はドラクエならイオ系、FFならアルテマ扱いっすね。

>>497
いやしかしな……レベル20で頭打ちはやっぱきついぞ。
501名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 23:47:16 ID:VXTkbyIm
>>500
FFなら、フレアとかじゃないかね。
原始の炎による無属性魔法と表現されるし。

アルテマは、マダンテに近い魔法だと思う。
502名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 00:12:39 ID:vmEkV1N4
リュカの人乙です。
もうルイズがデレた…リュカ恐るべしw
503名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 00:14:28 ID:74cTh0Lb
本来、人に懐かない魔物が懐いてるんだぜ
ツンデレ少女なんて朝飯前だろ
504名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 00:25:46 ID:9O0alt4a
あのツン度では他に比を見ないデボラが唐突に惚れるくらいだからな
505名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 00:56:02 ID:DdLNl1J6
代理練習スレにまた一人人修羅がw
こんにちはの人とは違うガキくささで面白かった
続きに期待
506虚無のパズル ◆taPEIAkisc :2009/05/26(火) 01:10:19 ID:OLNzIVm1
魔物使いの人乙です。
リュカ人が良すぎる……、これはルイズもデレるわ

ちょっと間が空きましたが、1:20頃から投下させてください。
今回から原作四・五巻分の話です。
507名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 01:16:31 ID:7TVMVSqa
>>505の書き込み見てから避難所カッと飛余裕でした
508虚無のパズル ◆taPEIAkisc :2009/05/26(火) 01:20:35 ID:OLNzIVm1
虚無のパズル 04話


トリステインの城下町、ブルドンネ街では派手に戦勝記念のパレードが行われていた。
聖獣ユニコーンに引かれた王女アンリエッタの馬車を先頭に、高名な貴族たちの馬車があとに続く。そのまわりを魔法衛士隊が警護を務めている。
狭い通路にはいっぱいに観衆が詰めかけている。通り沿いの建物の窓や、屋上屋、屋根の上にまで人はあふれ、口々に歓声を投げかけた。
「アンリエッタ王女万歳!」
「トリステイン万歳!」
観衆たちの熱狂も、もっともである。なにせ王女アンリエッタが率いたトリステイン軍は先日、不可侵条約を無視して進行してきたアルビオンの軍勢を、見事返り討ちにしてみせたのである。
数で勝る敵軍を破った王女アンリエッタの人気はうなぎ登りであった。
この民衆の支持を受け、アンリエッタは女王への即位を決意する。これには枢機卿マザリーニを筆頭に、ほとんどの宮廷貴族や大臣たちが賛同していた。
戦勝記念のパレードが終わり次第、アンリエッタの戴冠式が執り行われる。母である太閤マリアンヌから、王冠を受け渡される運びなのである。
枢機卿マザリーニはアンリエッタの隣で、にこやかな笑顔を浮かべていた。ここ十年は見せたことのない、屈託のない笑みである。
馬車の窓を開け放ち、街路を埋め尽くす観衆の声援に、手を振って応えている。
マザリーニは平時、いまいち平民に人気がないのだが、しかし観衆は熱狂したようすでマザリーニに歓声を投げかけた。
おまけに、驚くなかれ!なんと「マザリーニ枢機卿万歳!」との声も上がったのである。
マザリーニはその万歳に、強く手を振って答えた。
つまるところ、トリステインの国民は全員浮かれていたのであった。
マザリーニの隣で控えめに手を振っていたアンリエッタは、こほんと小さく咳払いをした。
「枢機卿、はしゃぎすぎではございませぬか」
「やや、これはお恥ずかしい。この老骨、このように晴れやかな心持ちは久しく感じておりませなんだので、つい浮かれてしもうたようですな」
マザリーニは少し恥じいったようすで、頬を掻いた。
彼は自分の左右の方に載った二つの重石が、軽くなったことを素直に喜んでいた。内政と外交、二つの重石である。
その二つをアンリエッタに任せ、自分は相談役として退こうと考えていた。
アンリエッタの戴冠は、いまや全ての国民が望むことである。
民も、貴族も、同盟国も……、
あの強大なアルビオンを打ち破った強い王を、女王の即位を望んでいるのである。
アンリエッタもそれを理解し戴冠を決意したのだが、やはり不安が胸に巣くっていた。
あの勝利は……、自分を玉座に押し上げることになったタルブでの勝利は、己の指導力ではなく、経験豊かな将軍やマザリーニの機知のおかげだ。
自分はただ、率いていた、それだけにすぎない。
そんな自分に女王が務まるのだろうか?そう考えてしまうと、不安がもやもやと大きくなっていく。
一人ではだめだ。
味方が必要だ。
優秀で、絶対の信頼の置ける手駒が。
「枢機卿。例の件ですが、調査はどうなっていますか」
マザリーニはその言葉を聞くと急に真顔になって、羊皮紙の束を取り出した。アンリエッタはそれを受け取り、目を通す。
それは、捕虜たちの尋問に当たった一騎士が記した報告書であった。
アルビオンの艦隊の護衛に当たっていた、竜騎士たちの話が書いてあった。
報告書はほとんどが、タルブの上空に降臨した『神』についての話であった。
『神』の降臨のあとに現れた輝く光の玉は、見る間に巨大に膨れ上がり、アルビオンの艦隊を飲み込んだ。
その光は艦隊を炎上させたのみならず、積んでいた『風石』を消滅させ、進路を地面へと向けさせた。
そして何より驚くべきことは……、その光は誰一人として殺さなかったことである。光は艦を破壊したものの、人体にはなんの影響も与えなかった。
そんなわけで、なんとか操艦の自由が残った艦隊は地面に滑り落ちることができた。
火災で怪我人は出たものの、不時着での死者は発生していない。
敵艦隊旗艦『レキシントン』号艦長ボーウッドは、「あれこそ神の奇跡の光だ」と語ったという。
神の力を目の当たりにしたボーウッドは、その神聖にすっかり感じ入ってしまったようで、軍人の廃業を決意していた。
なんなら杖を捨て、出家して、パイ神教に改宗するのもいいかもしれない、とさえ語っていた。
なにしろ本物の神を見てしまったのだから。
509虚無のパズル ◆taPEIAkisc :2009/05/26(火) 01:22:47 ID:OLNzIVm1
艦隊司令官のジョンストンは、沈みゆく旗艦『レキシントン』号をトリステインの軍勢に向け落とそうとしたが、それもまた強力な魔法により破壊されてしまった。
これはアンリエッタにも覚えがあった。
敵旗艦の特攻に軍勢が混乱する中、アンリエッタの前に突然現れた少女が、凄まじい威力の魔法を艦に放ったのだった。
戦闘が終わって、その少女の姿を探したが、どこにも見つからなかった。
アンリエッタはその少女のことが少し気がかりになっていた。そのうちにマザリーニに調査を頼もうかと考えていた。
しかし今アンリエッタが注目しているのは、『神』に関する報告や、強力な魔法を使う少女のメイジのことではなく、神の降臨の前後、アルビオンの竜騎士隊に立ち向かった一騎の竜騎兵の話であった。
敏捷に飛び回り、不思議な魔法攻撃を用いて竜騎士隊を苦しめた、と、その竜騎兵に撃墜されたアルビオンの騎士は語っていた。
さらにその竜騎兵は背に巫女を乗せていたというが、そのような竜騎兵はトリステイン軍には存在しないはずである。
次いでアンリエッタは、もう一つの報告書に目を通した。
それは、ルネという竜騎士見習いの少年の記した報告書であった。
このルネ少年こそが、戦地に颯爽と現れ、アルビオンの竜騎士に立ち向かった竜騎兵であるという。
報告書は興奮気味の文体で、アルビオンの竜騎士相手の大立ち回りのようすが、少し大げさに書かれていた。
ルネ少年は巫女装束を纏ったメイジの女……、『聖女』を連れて竜を駆り、アルビオンの竜騎士に立ち向かったという。
ここで彼女を『聖女』と呼ぶことを許してほしい、とルネは記していた。
なぜならば、あの敵艦隊を吹き飛ばした光は彼女によるものなのだから。そしてそれこそは、まぎれもなく神の力なのだから。
彼女のもとに神は降臨し、彼女は神の導きを得た。そしてトリステインを勝利に導いたのだ。
彼女の起こした奇跡は、あの光だけではないという。
いわく、無数の幻をつくり出し敵を混乱せしめた。
いわく、荒れ狂うスクウェアスペルの竜巻を一瞬で跡形もなく消し飛ばした。
アンリエッタは目を細めた。
そのような芸当は、『火』にも『水』にも、『土』にも『風』にもできるものではない。
系統魔法では、そこまでの奇跡は起こせない。
「神の力。それすなわち『虚無』の力」
もっとも今回降臨したのはパイの神様なのだが……、まあ、神に変わりはないので、すなわちその力は神の御技たる『虚無』と思っていいだろう。
ふわっとサクサクのパイと『虚無』にいったいどんな関係があるのかはこの際考えないことにしておく。
報告書の最後には、『聖女』の名前が記されていた。
竜騎士とともに戦場に立ち、神の導きを得、トリステインを勝利に導いたその聖女の名は。
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
アンリエッタは小さく呟いた。
「ルイズ……、あなたなの?あなたが……、『虚無』の力を得たというの?」


さて一方、こちらは魔法学院。
戦勝で湧く城下町とは別に、一見いつもと変わらぬ雰囲気の日常が続いていた。
タルブでの王軍の勝利を祝う辞が朝食の際にオスマン氏の口から出たものの、他には取り立てて特別なことも行われなかった。
やはり学び舎であるからして、一応政治とは無縁なのであるし、ハルケギニアの貴族にとって、戦争はある意味年中行事である。
いつもどこかとどこかが小競り合いを行っている。始まれば騒ぎもするが、戦況が落ち着いたらいつものごとくである。
510虚無のパズル ◆taPEIAkisc :2009/05/26(火) 01:24:01 ID:OLNzIVm1
しかし、今回のような大きな戦争は、久しくなかったことだ。トリステインは再度のアルビオン侵攻を警戒し、軍の再編を急いでいる。
学院は一見のんびりした雰囲気であったが、生徒たちの間には、どこか不安げな空気が漂ってもいた。



四人の僕を従えて、我はかの地を目指しゆく。

神の左手ガンダールヴ。勇猛果敢な神の盾。左に握った大剣と、右に掴んだ長槍で、導きし我を守りきる。

神の右手がヴィンダールヴ。心優しき神の笛。あらゆる獣を操りて、導きし我を運ぶは地海空。

神の頭脳はミョズニトニルン。知恵のかたまり神の本。あらゆる知識を溜め込みて、導きし我に助言を呈す。

そして最後にもう一人……。記すことすらはばかれる……。



「なにその詩」
アクアは尋ねた。
その声に、『始祖の祈祷書』を眺めてぶつぶつ言っているルイズは顔を上げた。
ここは学院の、ルイズの居室である。部屋の机には、図書館から借りてきた文献が山と積まれている。
アルビオン軍との戦闘が終わったあと、ルイズとルネはアルビオン軍をやっつけた英雄と村人たちにあがめられた。
特にパイ神の加護を受けたルイズなど、まさに神のごとく持ち上げられ、祭壇に祭り上げられた。
宴は七日七晩続き、さすがに見かねたシエスタの手によってようやく解放され、ルイズとアクアは学院に戻ってきたのだった。
「ああ、そういやルイズ、結婚式の詔を詠むとかいってたっけ。あんたが考えたの、それ」
「ばかね、ちがうわよ。姫さまは今や女王陛下なのよ。ゲルマニアとの婚約なんてとっくに解消されたわ。結婚式もなしよ」
婚約解消にゲルマニアは渋い顔をしたが、一国にてアルビオンの侵攻軍を打ち破ったトリステインに、強硬な態度が示せるはずもない。
ましてや同盟の解消など論外である。アルビオンの脅威に怯えるゲルマニアにとって、今やトリステインはなくてはならぬ強国である。
「パイ神様が降りてきた時にね、わたしの頭にこの詩が浮かんできたの。始祖の従えた使い魔を詠った詩……、始祖ブリミルの詩よ」
「始祖の従えた使い魔?」
「そう、伝説の使い魔よ。例えばこれ、『ヴィンダールヴ』」
ルイズは、机の上の始祖ブリミルに関する文献を一冊取り出し、開いて指でページを指し示す。
「あんたのことよ、アクア。あんたの右手に刻まれたルーンは『ヴィンダールヴ』と同じものなの」
「ふうん。そういやあのじじいがそんなこと言ってたっけ」
アクアは『禁断の鍵』を取り戻したその日、オスマン氏の語ったことを思い出した。
それを聞いたのはティトォなのだが、アクアたち三人は記憶を共有しているのであった。
「『ヴィンダールヴ』はあらゆる幻獣を従え、始祖ブリミルをあらゆる場所へと運んだらしいけど……、あんた、心当たりある?」
「そういえば……」
ハルケギニアに来てからというもの、やたらと動物に懐かれていた。
もともとアクアは動物好きなので喜んでいたが、どうやらそれは『ヴィンダールヴ』のルーンの能力であったようだ。
アクアは自分の右手のルーンをしげしげと眺めた。
「他にも、ティトォの額のルーンは『ミョズニトニルン』のものだったわ。『ミョズニトニルン』はあらゆるマジックアイテムを使いこなす能力を持っていたそうだけど……、
 これはわたしに覚えがあるわ。ティトォは学院の秘宝で、誰にも使えなかったマジックアイテム『禁断の鍵』を使ってみせたことがあった」
「ふーん。ティトォもそうなんだ。すごいじゃん、伝説のバーゲンセールだねこりゃ」
くあ、とアクアは大きなあくびをかました。だんだんルイズの話に興味を失っているようだった。
「……あんたね、もう少し真面目にできないの」
「だってあたし、この世界の人間じゃないし。あんたらの伝説なんて知らんもんね」
ごーろごーろ、とアクアはルイズのベッドの上を転がった。
ルイズはなんだか頭痛がしてきた。
こめかみを抑えながら、辛抱強い声で話を続ける。
「あんたはそれでいいか知んないけどね、わたしにとっては大問題なのよ。わたしが召喚したあんたたちが伝説の使い魔だっていうんなら……、わたしは伝説の系統の使い手ってことよ。『虚無』の担い手なのよ、わたしは」
ルイズはぱたん、と始祖の祈祷書を閉じた。
511虚無のパズル ◆taPEIAkisc :2009/05/26(火) 01:25:44 ID:OLNzIVm1
「ねえアクア、わたしはね、不安なの。伝説の力だなんて、わたしには過ぎた代物よ。今のところ、わたしが『虚無』を使えるようになったことは知られていないけれど、ルネはきっと軍に報告するわ。
 ルネはわたしの『虚無』のことを神の奇跡だと思っているみたいだけど、いずれは『虚無』だとばれるわ。お城に知られるのも、時間の問題よ。そうなったらわたし、どうなっちゃうのかしら。
 戦時の今、伝説の力を手に入れてしまったわたしは、いったいどうなっちゃうのかしら。そんな非常時なのにあんたって子は!ほんとにまったく、あんたって子は!」
「うーるーさーいーなー、伝説の力の一つや二つでごちゃごちゃ言うんじゃないよ。だいたいね、あたしらだって似たようなもん持ってるっつーの」
ルイズははっとした。
そう、このアクアもまた、望むと望まざるとにかかわらず、不老不死にさせられたのだ。
ルイズは真剣なまなざしで、アクアを見つめる。
「ねえ、アクア。あんたたちは、どうしたの?突然、不死の力を手に入れて……、大きすぎる力を手に入れて、どうやってそれと向き合っていったの?」
アクアは、ベッドからむくりと身体を起こした。
「……ひとりじゃ、無理だ」
アクアはぽつりと呟いた。
「100年前ドーマローラが滅びたとき、あたしたちは不老不死になった。三人の魂を一つの身体に入れて。あたしたちだけが生き残ったんだ。家族も……、友達も……、みんなみんな、失ったんだ。
 『ぼくたち』に残されたのは、一本の道だけ。暗闇に覆われ、一筋の光も射さない道。立てるわけがない、進めるわけがない、一歩たりとも」
「アクア……?」
アクアのようすの変化に、ルイズは思わず呟いた。
アクアの栗色の瞳が、黒く色を変えている。吊り上がったその目も、なぜか穏やかさを感じさせる雰囲気に変わっていた。
この目。ティトォの……?
「でも、ぼくはひとりじゃなかった。ぼくら三人が一つの身体になったのは、きっとそのためだったんだ。ひとりじゃとても持てない、前へと進む力。未来へ進む勇気を得るために」
「前へと進む、力……」
「ルイズ、きみの魔法は強力だ。きみを取り巻く環境はいやでも変わる。今までどおりに過ごすことはできなくなるだろうね。でもね、仲間がいればたいがいのことはなんとかなるもんだよ。
 別に何をしてくれなくてもいい、信じてくれる、それだけでいい。仲間が、信じてくれることで力を振り絞れる。仲間を想うことで、立ち上がれる。それが仲間の力だと、ぼくは信じる。きみはまず友達を作るといいよ、それが一番だ」
燭台の炎がちらつき、ルイズとアクアの影が揺れた。
「……もっとも、あんたに友達ができればだけどね」
そう言ってアクアは意地悪そうに口の端を吊り上げた。もう、いつものアクアに戻っていた。
真面目な話をしてたのに、やっぱり茶化す!
ルイズは怒ったが、アクアは気にせずけらけら笑った。
ほんとにもう、とルイズはため息をつく。でも、心の中では、ルイズはどこか安心していた。
アクアがいつも通りで。
ルイズが『虚無』に目覚めても、アクアはアクアのままだった。それが、なんとなく嬉しい。
しかし、ルイズの胸には小さなしこりが残っていた。
さっきのアクアの言葉は……、いや、あれはティトォだったのだろうか。あれは、二人のどちらかというよりも、二人の……、いや、三人の言葉のようにも聞こえた。
三人は私に「仲間を作れ」と言っていた。
それなら、あなたたちは?
アクアと、ティトォ、それに、プリセラ……。
あなたたちは……、わたしの仲間にはなってくれないの?


ルイズは大量の本を抱えて、学院の渡り廊下を歩いていた。
そろそろ消灯時間なので、周りに生徒の姿はない。
自分が『虚無』に目覚めたと知って、『虚無』のことを調べるために借りてきた文献を図書館に返しにいくところであった。
これだけたくさん借りてきたのに『虚無』に関して分かったことはほとんどなかった。
「ま、そりゃそーだろ。図書館でちょっと調べて分かるんなら、伝説でもなんでもないさね」
並んで歩くアクアが言った。
もちろん、本を持つのを手伝ってくれているわけではない。ヒマだから付いてきたのだ。
「るっさいわね」
512名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 01:27:18 ID:OsoN4PYk
しえん
513虚無のパズル ◆taPEIAkisc :2009/05/26(火) 01:28:24 ID:OLNzIVm1
「図書館の本なんかより、あんたの持ってる『始祖の祈祷書』とやらを読んだ方がいいんじゃないの。伝説のあれこれに付いて書いてある本なんでしょ、あれ」
「……読めないのよ」
ルイズは苦々しげに言った。
『始祖の祈祷書』は、一見ただの白紙の書であるが、隠された秘密があった。
虚無の担い手が『五大石の指輪』を嵌めて書を開くと、記された文字が浮かび上がるのである。
『五大石の指輪』とは、トリステインに伝わる『水のルビー』、アルビオンの『風のルビー』、ガリアの『土のルビー』、ロマリアの『火のルビー』。
その四系統のルビーに、何千年もの昔エルフによって奪われた『虚無のルビー』を加えた五つのルビーのことである。
ルイズが『水のルビー』の指輪を嵌め『始祖の祈祷書』を開くと、なるほどそこに文字が浮かび上がった。
しかし、読めたのは『始祖の祈祷書』の内容の、ほんの一部だけだった。
始祖ブリミルによる序文と、タルブ上空でルイズの放った『イリュージョン』、『ディスペル』、そして『エクスプロージョン』の呪文だ。
「なんだ、ケチな話だね。最初っから全部教えてくれりゃいいのに」
「『必要になれば読めるようになる』って書いてあるけど……」
ルイズはタルブの空で、ワルドと戦ったときのことを思い出した。
あのとき、パイ神がルイズのもとに降臨したとき、ルイズには『始祖の祈祷書』の全てのページが読めたのだ。
しかしパイ神が帰ってしまった今、ルイズに読めるのはそのときに使った呪文のページだけなのだった。
こんなことならあのときもっといろいろ呪文を使ってればよかったわね……、とルイズは思った。
「んで、どーにか他のページも読めるようにならないか調べてたってわけ」
「違うわよ。それもあるけど、他にちょっと気になったことがあったの。さっきの詩、覚えてる?」
「ああ、『神の左手、ガンダールヴ〜』ってやつ?」
「そうそれ。あの詩も『始祖の祈祷書』に記されてたんだけど……、あれには、続きがあるの」
「続き?」
「パイ神様の力のおかげかどうか分からないけど、なんとなく分かるのよ、あの詩は全体の半分くらいなの。だからなんだか続きが気になっちゃって、調べてみようと思ったんだけど……、
 始祖のことを詠った詩は、もう本当に数えきれないくらいあるもんだから、とてもじゃないけど全部調べるのは無理だわ」
ルイズは残念そうに言った。
「必要になれば読めるようになるんだろ。じゃあ今は必要じゃないんだろ」
「そうかもしれないけどね」
ルイズには、どうにも詩の続きが気になって仕方がなかった。
なにか、とても恐ろしいことが記されているような……。
そのとき、ルイズたちの前に人影が立ちふさがった。
ルイズは、何だろう?と身体を斜めにして、手に抱えた本の影から顔を出した。
「あんたは……」
アクアが呟いた。そこにいたのは、禿頭の教師、コルベールだった。
ティトォがアクアに存在変換してからというもの、コルベールの姿を見かけなかった。
七日七晩続いたタルブの宴でも、コルベールの姿は見えなかった。
「よかった、探していたんだよ」
ルイズは怪訝な顔をする。
「なにか御用でしょうか?ミスタ・コルベール」
「いや、ミス・ヴァリエール。わたしが探していたのはきみの隣の、ミス・アクアなのだ」
コルベールはアクアに向かって、にっこりと笑顔を作ってみせた。
「こんばんは、ミス・アクア。考えてみれば、きみとこうして話すのは初めてだね。召喚の儀式の日にもきみのことは見ているが、機会がなかったからね」
「あたしなんの用だい」
「少し聞きたいことがあってね、きみの使う魔法のことだ。四系統の魔法とは微妙に違う理の魔法だ、実に興味深い」
ルイズは不思議に思った。なんで、そんなことをわざわざ今になって?
「それに、ミスタ・ティトォのこと。彼の使う魔法に、わたしは感動したんだ。炎が傷を癒す!素晴らしいことだ。彼とはもっと話がしたい。どこにいるか、分かるかい?そう、例えば……、ミス・アクア。君の身体の中にいるのかな」
ぴくり、とアクアの眉が動く。
ルイズもぎくっとなって、アクアを見た。アクア……、ミスタ・コルベールの目の前で『存在変換』したっていうの?
「彼は死んだ。そして『きみになった』。死ぬ……、死ぬと入れ替わる……?不老不死……、メイジ、魔法使い……、マテリアル・パズル。ティトォ、アクア、プリセラ……、そして……」
「お前は、なんだ。何が目的だ」
アクアは眼光鋭くコルベールを睨みつけた。
「言っただろう、きみと話がしたいんだ。いくつか質問があるけど、かまわないかな」
514虚無のパズル ◆taPEIAkisc :2009/05/26(火) 01:30:06 ID:OLNzIVm1
アクアは答えなかったが、コルベールはかまわずに続けた。
「まずきみは、いや『きみたち』は、本当に不老不死なのか?魔法によって不死になっているのか?」
「その前にこっちの質問に答えてもらうおうか。プリセラのことをどこで知った?確かにティトォは存在変換のとき余計なことをあんたにいろいろしゃべったけどね、プリセラの名前は出さなかったはずだよ」
「オールド・オスマンに尋ねたのさ。もっともオールド・オスマンは口の堅いかただ、それ以上のことは分からなかったよ。さて、それじゃあ続きをいいかな。君の不死の身体についてだが……」
ぱんぱん、とアクアは手を叩いてコルベールの話を打ち切った。
「はい、ここまで。終わりだよ」
コルベールは苦笑する。
「まだ私は、なにも聞いていないよ」
「答えるつもりはないって言ってるんだよ、それ以上は聞くな。もう終わりだよ」
ぞっとするほど冷たい声だった。ルイズは思わず、アクアの顔を見た。
「永遠の命を得るためだったり、興味本位だったり、ろくなやつが近付かないね。これ以上つきまとったら、消すよ」
そう言うとアクアはコルベールの横を通り過ぎた。ルイズはどうしたものか、本を持っておろおろしている。
「不老不死……、未だに人間が手にすることのできない領域だ」
コルベールは呟いた。
「魔法の力をもってしても、永遠の命は得られない。四系統の魔法だけではない、東方の地に住まうエルフの操る先住魔法にも……、始祖の扱ったという伝説の『虚無』にも、不老不死の術はない。
 ならば、その不老不死を司る力はなんだ?私には、ひとつ心当たりがある。それこそは、大地の力だ」
アクアはぴたりと足を止めた。
「『五大石のかけら』と呼ばれるものを知っているかな」
「五大石……」
ルイズは思わず、右手に嵌まった『水のルビー』に視線をやった。
「そう、ミス・ヴァリエール。きみがアンリエッタ女王陛下より授かったという、その『水のルビー』こそ五大石の一つだ。五大石は単なる宝石ではない。強大な魔力を内包していると言われている。
 そしてその『かけら』もまた強大な魔力を持ち、あらゆる方向のエネルギーとして古来より利用されてきたという」
ルイズはごくりと唾を飲んだ。
「どの系統にも属さぬ魔力を持った五大石の出自は、これまで謎とされてきたが、私はタルブでの研究で一つの仮説を立てた。
 それは、五大石とは、このハルケギニアの大地そのものが生み出した魔力の結晶体ではないか、ということだ。ミスタ・ティトォとの研究で、私は『星の樹』による大地のエネルギー循環の仕組みを知った。
 しかし『星の樹』が樹としての性質を持っているのなら……、長い年月の間に溜め込んだ大地の魔力を一つにまとめ、まるで木の実のように実らせることがあるのかもしれない。
 それこそが五大石なのだろう。大地のエネルギーの結晶体だ」
アクアは眉をひそめ、コルベールを振り返った。
コルベールはにやっと笑う。
「その顔を見ると、あながち私の仮説も的外れというわけではなさそうだね」
チッと、アクアは小さく舌打ちをした。
だから言ったじゃないさ、ティトォのやつ。こういう人間に『星の樹』のことを教えるのはやばいって。
「しかし、五大石の力をもってしても、不老不死を成し遂げたという記録はない。きみたちのように『存在を操る』ほどの魔力は持ち得ない。
 ならば、きみたちの持つ魔力は、五大石以上のもの……、いや、五大石ですら『かけら』にすぎないとしたら……?」
コルベールの言葉は、だんだんと熱を帯びてきた。
「だとすれば、きみたちの持つ魔力ははかりしれんものだ!それだけの力があれば、なんだってできる!あまたの人々のために、救いの手を差し伸べることだって夢物語ではない!その力を皆のために役立てることができれば……!」
くっ、という笑い声に、コルベールは言葉を止めた。
「くくく……」
笑っているのはアクアだった。唇を歪め、あざけるような響きを声に滲ませ笑っている。
コルベールはアクアの胸ぐらを掴み上げた。
アクアの小さな身体は簡単に持ち上げられ、渡り廊下の柱に押し付けられる。
「何がおかしい」
「ミスタ・コルベール!」
ルイズは持っていた本を投げ出し、駆け寄った。
穏やかなコルベールがこんな乱暴をするなんて信じられなくて、ルイズは混乱した。
515虚無のパズル ◆taPEIAkisc :2009/05/26(火) 01:31:36 ID:OLNzIVm1
「その不死の力は、大地の力、全ての人のための力だ!一人の人間が独占していいものじゃない!無限の命を手に入れたきみたちは、100年の時をかけ魔法を作り出した。いずれの系統にも属さぬ、強力無比な魔法だ。
 きみたちが魔法を身に付けたのは、戦うためだ。それだけの力を得て、きみたちはなにをしようとしている?きみたちは、このハルケギニアで何を起こそうとしているんだ!」
「なにも起こさないよ」
コルベールの剣幕に怯んだようすもなく、アクアは静かに答えた。
「あたしたちは、『なにも起こさせない』ために戦ってるんだ」
どこまでも深い、その人形のような瞳に見つめられ、コルベールは一瞬怯んだ。
「やめてください、ミスタ・コルベール!」
ルイズは必死でコルベールの腕にしがみつく。
ルイズの懇願でようやく我に返ったたコルベールは、ゆっくりと腕から力を抜いて、アクアを解放した。
アクアは乱れた服の襟をちょいちょいと整えた。
「まあね、確かにあんたの言う通りさ。この不死の身体に宿る力は、大地の全てが何億年にもわたって蓄えた力だ。人間が私利私欲のために使っていいものじゃない。
 つまりね、あんたの言うように『人間のため』に使うなんて言い分も、おこがましい話なんだよ」
コルベールは、む……、と唸って黙ってしまった。
アクアは袖から棒付きのアメを取り出すと、ぺろりと舐めた。
「あたしたちは、この力を大地に還すために戦っているんだ。それにね、この力はハルケギニアの大地のものでもないんだよ。あたしたちは、違う大地からこのハルケギニアに呼び寄せられたんだ」
「それは……、つまり『東方』の」
「んにゃ、違うね。『東方』から来たってのは、ありゃウソだ。あたしたちは、東方よりももっとずっとずっと遠くの大地……、違う世界からやってきたんだよ」
「なんだって……?」
『星の樹』や『五大石』に関して大胆な仮説を展開していたコルベールも、これにはさすがに驚いたようだった。
しかしよく考えれば、なるほどそうかもしれぬ。
彼らの言動、魔法、行動、全てがハルケギニアの常識とはかけ離れている。異世界から来たというのも、納得のいく話だった。
「話は終わりだよ。行くよ、ルイズ」
「あ、ちょっと待ちなさいよ!」
ルイズは床に散らばった本を拾うと、慌ててアクアを追いかけた。
ていうか「行くよ」ってなんなのよ。あんたが勝手についてきたんでしょうが。
その場を離れる二人の背中に、コルベールが呼びかけた。
「待ってくれないか」
その声に、アクアは足を止めた。ルイズも少し怯えながら振り向く。
「最後に一つだけ、いいかな。いや……、今のところは、もうきみの不死の力のことをどうこう言うつもりはない。ただ、どうしても一つ聞きたいことがあるんだ」
コルベールはだいぶ落ち着きを取り戻したようで、ルイズの知っているいつものコルベールに戻っていた。
「『不死の力を大地に還す』と言っていたね。失礼な質問かもしれないが……、きみは、きみたちは、永遠の命を失うことに恐れはないのかね?」
アクアはコルベールの言葉に、振り向いた。
そして、静かに答えた。
「永遠の命を手に入れた?違うね、手に入れたんじゃない。死を失ったんだ。さっきは『不死の力を大地に還す』なんてかっこいいこと言ったけどね、結局のどころ、あたしたちは失ったものを取り戻したいのさ。
 100年前あたしたちは不老不死となり、死を失い、同時に生も失った。だからそれを取り戻すために戦うんだ」
それから、アクアはまた歩き出した。ルイズもその後に続く。
ルイズはちらちらとコルベールのことを振り返ったが、アクアは一度も振り向かなかった。
コルベールは、二人の姿が見えなくなるまで、松明の明かりに照らされた渡り廊下の先を見つめていた。
516虚無のパズル ◆taPEIAkisc :2009/05/26(火) 01:36:09 ID:OLNzIVm1
以上です。途中の支援ありがとうございます。
アクアとライトの問答はもっとそのまんま転用できるかと思ったけど、固有名詞多すぎで無理でした。めんどかった。

知人がまた挿絵を描いてくれました。二話の分です。
まとめwikiのうpろだにあるので、よければ見てやってください。
517名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 02:46:24 ID:OsoN4PYk
パズルの人乙
この辺の設定はやっぱややこしいなw
挿し絵もいいね
518名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 06:09:19 ID:DRoalJhC
うおおおおおおおおおおお!
ずっと、ずっとずっと待ってたんだぜ

519名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 08:16:57 ID:sb+4qSCa
これは段々展開が激しくなってくる予感
520名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 08:59:51 ID:ncXZfel9
ヒャッハー!虚無のパズルの新作だー!ふふ…この時を待っていたのだ…!
521名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 10:56:08 ID:zFcEw8eZ
>>519
馬鹿はこういう発想に至りません
522名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 10:57:34 ID:zFcEw8eZ
誤爆しました…orz
すいません
523名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 15:07:26 ID:kMe6h0oQ
>>482
>>347グロ注意といえる状態にはならなかったものの

この文章、どういう意味ですか?
524名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 16:31:53 ID:lXheB8Zm
TAPの人乙です。

五大石のルビーと聞いて、拳より大きなルビーがはまった指輪を想像してしまったり
コッパゲが「失われた幾万の毛根を取り戻すのだ!」とか言わないで良かったとか思ったが
それよりも気になるのが…




ボーウッドさんがパイ神教への改宗を考え始めた事だったりする
最終話でパイ神関係で成り上がってそうだw
525名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 17:01:41 ID:8vMnlPfh
避難所にゼロスポーンさんがおいでになっていたので代理投下したいと思います
5分後くらいに代理投下開始しますね
526ゼロスポーン2後半・代理投下:2009/05/26(火) 17:05:50 ID:8vMnlPfh
ギーシュが唇を開きかけた瞬間、胃袋に衝撃が走った。
ギーシュの鳩尾に沈むスポーンの拳。激痛がギーシュの脳髄をえぐった。
食道から胃液が逆流する。喉元から濁音が飛び出た。
血がブレンドされた生酸っぱい胃酸が食堂にぶちまかれる。
痛みで意識が混濁した。ギーシュの視界がビブラートする。
床に崩れ落ち、痛みにギーシュがのた打ち回る。呻き声が食堂内に響いた。
スポーンがギーシュの髪を引っ掴み、無理やり顔をあげさせる。
「おい、グラモンの坊主。まだやるか」
混乱するギーシュ──教室で見せつられた驚異的な魔力──何故、僕がこんな怪物に目をつけられなければならないのだ。
「もう一度聞くぞ。ギーシュ坊や。まだ俺とやりたいか?」
手袋をその顔面に叩きつけてやりたい──駄目だ。殺される。この怪物の噂は何度も耳にした。
トライアングルメイジ数人を素手で叩きのめし、先住魔法を自由自在に使いこなす。そんな相手に誰が勝てるのだ。一体誰が。
眦に浮かぶ涙を必死に隠し、ギーシュは平行線上に血を滲ませた唇を拭った。
「そうか。歯向かう気力はないようだな」
その時、食堂の隅からのそりと人影が這い出てきた。やけに見慣れた人影だ。
でっぷりとコレステロールにとりつかれた二重顎を振るわせる短躯のピエロ──懐かしいクラウンの姿だ。
「おいおい、おまいさん。俺の相棒を殺す気かい」
「お前も呼ばれていたかクラウン。どうやら召還者はこの坊やらしいが」
ドバドバミミズを六匹ほど口の中に放り込み、薄汚れた歯で噛み砕くクラウン。
転がったギーシュにのそのそと近寄るとクラウンは召還主の上体を支え起こし、イスへと座らせた。
歯槽膿漏にかかった赤紫色の歯茎をわざとスポーンに向かって剥いて見せる。挑発だ。相変わらずだ。
「ク、クラウン、と、止めるんだ……ッッ」
苦悶の表情を浮かべ、腹部を押さえたギーシュが何度も吃音りながらもクラウンに注意を促す。
毛穴から染み出す粒のような汗がギーシュのこめかみを伝った。スポーンの顔つきが微かに変化する。
「自分の使い魔とはいえ、自分以外の身を案じることくらいはできるか。いいだろう、そのくらいで勘弁しておいてやる」
「おめえがギーシュを勘弁するのは勝手だがよ、スポーン、俺とのケリはまだだろ。ここでテメエをぶっ殺しゃよ、
今日から俺が魔界の支配者だ」
濁った唾液を垂らし、クラウンが朽ちた墓石のような歯列をガチガチ鳴らした。必死でクラウンを引き止めるギーシュ。
「たかがマレボルギアの手下風情が粋がるなよ、バイオレーター」
* * * * * * * * * * * * * * * * * * *
観客達の好奇の視線に晒され、スポーンは不快感を覚えた。ここはヴェストリの広場だ。
相対するクラウンのふてくされた顔──感じた事は同じか。
春には珍しい冷たく乾燥した風が吹き荒れる。そのくせ太陽だけはやけにぎらついていた。
スポーンの嗅覚が血の匂いを嗅ぎ取る。
527ゼロスポーン2後半・代理投下:2009/05/26(火) 17:07:31 ID:8vMnlPfh
「アル、テメエを殺す前によ、この糞共をぶち殺しておきてえとこだよ」
「それについては同感だ、クラウン。だがな、殺るなら勝負が終わってからでも遅くはないだろう」
「そいつはちげえねえ、ほんじゃあボチボチ始めっかよ」
折り曲げた指先の皮膚を食い破り、巨大な鉤爪が姿を現した。脊椎が膨れ上がり、肉片ごと飛び出す。
煮えたぎるように溶け出す肌から粘液に覆われたクラウンの本体が姿を現し始めた。
昆虫のように感情を表さない、卑しい光を放つ充血した複眼がスポーンを見据える。
濃い血の臭気が熱風を孕み、生徒達に押し寄せた。
変貌したクラウンの醜悪な容貌に何人かの女生徒が顔をそむける。それとは対照的にギーシュの瞳に生気が宿り始めた。
上背から生えた大角に上顎の脇に備えられた二本の牙。
四メイルを越す巨躯が武者震いし、吼えるような哄笑が蝟集するハエの如く生徒の鼓膜を聾した。
固唾を呑んで見守る観客。バイオレーターがスポーンに仕掛けた。
地を蹴り、その巨体からは想像出来ぬほどの俊敏な動きでスポーンを翻弄する。
右の鉤爪がスポーンの脇腹を存分に切り裂いた。ネクロプラズムが飛散する。
滴るネクロプラズムの痕が緑青に土を汚した。
痛みはなかった。穿たれた傷口が徐々に塞がれていく。放出するアドレナリン。
ディオニュソス的な狂乱だけがスポーンの理性をガリガリと食らう。
血の恍惚にスポーンは昂ぶった。腹の底で危うい火種がちりちりと燃える。
間髪入れずに猛烈な攻撃を加え続けるバイオレーター──スポーンがマントで防御する。
バイオレーターが蹴りあげた刹那、鎖がバイオレーターの軸足を弾き飛ばした。体勢を崩すクラウンの右顎の牙を両腕で掴む。
渾身の力を込めてスポーンがバイオレーターの牙を引き抜いた。牙をバイオレーターの眼球に深々と突き刺す。
怒りにバイオレーターの脳髄が沸騰した。眼球に刺さった牙を引っこ抜き、スポーンの左手首を斬り飛ばす。
腕から切り離された手首が砂にまみれながら転がった。傷口から漏れるネクロプラズム──人間ならばどちらも戦闘不能だ。
背の大角を振り上げ、バイオレーターがスポーンに突進する。
スポーンは見事なフットワークで避けると身体を半回転させ、バイオレーターの脇腹に爪先をめり込ませた。
咆哮と共に跳躍したバイオレーターが毒々しく彩られた深緑の業火が繰り出す。炎がスポーンの顔面をかすった。
マスクが剥がれ、スポーンの焼け爛れたハンバーガー・ヘッドが露出する。ルイズが息を呑んだ。
魔界の業火が地面を溶かす。激しい爆風がヒートウェーブを伴い、生徒達の皮膚を舐めた。
叫び声が飛び交った。絶叫、叫喚、狂乱、あらゆる叫びが交錯する。
バイオレーターがやぶれかぶれに火炎放射を使う。渦を巻く地獄の炎が塔を呑み込んだ。爆発的なエネルギーだ。
灼熱の業火の猛攻にさらされ、瞬時に塔が吹き飛んだ。倒壊した塔の破片が瀑布の如く降り注ぐ。
巻き込まれる何人かの生徒──頭部が腐ったトマトのようにひっしゃげた。黄色みがかった脳漿が当りに散乱した。
蟻の子を散らすように逃げ惑う生徒達を尻目に、スポーンはネクロプラズムを右手に収束させる。
グリーンの光が一閃──バイオレーターの腹部目掛けてプラズムボルトが炸裂した。
素早く間合いをつめ、バイオレーターの左肩を踏み台によじ登る。
528ゼロスポーン2後半・代理投下:2009/05/26(火) 17:08:22 ID:8vMnlPfh
同時にバイオレーターの首に躍りかかり、チェーンを巻きつける。あの時と同じだ。
「学習能力がないな、バイオレーター。前もこの技でお前は倒れたというのに」
「ふざけんなよっ、あん時と同じパターンじゃねえかよッ!」
鎖から鋭い刃が無数に飛び出す。鎖がバイオレーターの首を締め上げ、根元から切断した。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * *
地に横たわる生徒達の無残な骸。スポーンは意識を集中させた。
乾いた血をこびりつかせ、顔が半分ほど削れた死者達をスポーンの淡いネクロプラズムの光が取り囲んだ。
紫に染まった肌が血色を取り戻し、砕けた死者達の頭部が完治する。
スポーンが手を叩くと死んだはずの生徒達が目を覚まし、ゆっくりと起き上がった。魔力の無駄使いもいいとこだが仕方ない。
このままにはしておけなかった。せいぜい恩を売っておいてやろう。この代償は高くつく。
スポーンは薮睨みに空を見上げた。先ほどの戦いからずっとこちらを見られている気配があった。
どこぞのメイジの仕業なのだろうが、あまり良い気分ではない。苛立ちまぎれにスポーンは怒鳴った。
「俺は見世物ではないぞッ」
* * * * * * * * * * * * * * * * * * *
「ああ、ひでえ目にあった」
人間の姿になったバイオレーターが首を揉みながらドバドバミミズと蛆虫を握りつぶした。
粘つくようなミミズと蛆虫の混合汁を患部に塗りたくる。鼻をほじりながら屁を一発かます。
でかい欠伸をしながらアフリカの難民か脾疳患者よりも突き出た太鼓腹を撫で回し、屁とゲップを続けて三発。
ガス抜きをしたおかげか、バイオレーターのチープな脳みそが何かを閃いた。
「そうだ。どっかで大量の魔力を奪ってくりゃいいんだ。幸いこの世界は地獄並に魔力が豊富だしな」
スポーン


529ゼロスポーン2後半・代理投下:2009/05/26(火) 17:09:27 ID:8vMnlPfh
スポーン二話終了 次回第三話「美と自由への誘惑者バイオレーター編へと続く」
どなたか代理投稿お願いします。


以上で代理投下終了となります
530名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 17:23:34 ID:TjRTmTHD
スポーンの人、乙です。
バイオレーターは存在自体が避難所向きじゃないかな、と思ったり。
531名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 18:58:24 ID:UkkwQ7lb
アンジェラは?アンジェラはでるのかい!?
532名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 19:17:42 ID:yy6KMV1d
TAP乙

ティトォからアクアに換わったけど
それなりに親交のあったギーシュ・キュルケ・タバサは突然居なくなったティトォと入れ替わるように
帰ってきたアクアにどんなリアクションをしたんだろう

タルブの人たちは・・・目の前でパイ神様、虚無魔法、BBJなんてもんを立て続けに見ちまったから
その興奮ぶりは凄まじかっただろうなw

挿絵も乙
ところで精霊の名前が歌手の名前から来てるってことに1/N読者以外に気が付いた人は居るのだろうか
533名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 19:24:46 ID:zNPxVdUo
>>531
ライブの時に歌詞を訳したり、みんなで歌えるように歌詞を教えてくれるんだっけ?
534名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 19:31:11 ID:ICrfT/Md
>>529
飯前に勘弁してくれよ
気分悪くなっただろうが
535名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 19:31:43 ID:1cSd9DJe
スポーンのダークさは良いなぁ
536名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 19:34:22 ID:uu0ITotk
お前なんて握ってやるの寿司おう
…あれゼロ魔に魚でたっけ?
537名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 20:01:37 ID:x/+68B8R
・・・?
そういえば・・・まぁ魚くらい居るだろう
生魚食す習慣は無いだろうけど

魚・・・魚人間・・・インスマス・・・マーシュ・・・賢しい奴

機神飛翔デモンベインの真エンディングより賢しいマーシュを召喚!
・・・したところで、どうしろと言うのか
触手だけのマキナって有りだろうか
相当歳をとったようだし
ギーシュによって簡単にエラ直撃食らって悶絶死してしまうかもしれない
538名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 20:03:33 ID:yy6KMV1d
魚→まんぼう→まんぼう閃吼→リリス召喚

こうか!
539名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 20:20:34 ID:Ih9invP4
スレイヤーズからヌンサとかラハニムとか
540名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 20:22:29 ID:zdAteriL
タンノくんで我慢しとけ。
541名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 20:59:55 ID:JA4EiVMk
>飯前に勘弁してくれよ
アニメじゃバイオレーターはゲロ入りピザとかうんこソフトクリーム食ってるんだ
このくらいぬるいもんだ
542名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 21:03:36 ID:QnhFbOxH
サカナ柔道着…?
543名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 21:06:03 ID:TBIS8un/
素直にドクトルまんぼう呼べよ。
544名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 21:26:03 ID:4gkJOUm3
Aチームを召喚したら楽しそうだなあ
545名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 21:33:40 ID:0YpeVISM
>>544
特攻野郎なら小ネタで
546名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 21:38:45 ID:4gkJOUm3
>>545
OPネタだけじゃねえか
547名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 22:28:11 ID:kMe6h0oQ
魚か、じゃあマニーロ召喚、ヴァリエール家がクルデンホルフ並みの大金持ち貴族に。
権威プラス財力で、ゼロとか抜かす奴には金貨をぶつけて見下すが、こっそり孤児院に援助をするツンデレぶり。
548ゴーストステップ・ゼロ:2009/05/26(火) 22:37:20 ID:JqGKxAcE
遅くなって申し訳ない。
予約がなければ 22:40 からシーン21 の運命の扉を開こうかと思います。

又、今回はリプレイの軽いネタバレも含むので読む人はその辺了承して下さい。
549ゴーストステップ・ゼロ:2009/05/26(火) 22:40:18 ID:JqGKxAcE
大丈夫そうなので扉を開きます。


ルイズ達トリステイン貴族がウェールズから手紙を回収している最中、ヒューはニューカッスル城の一室においてウェールズ
の指示で来た王室付きの宮廷医師から診察を受けていた、キュルケとタバサも付き添っている。
上半身裸で寝台に横たわるヒューの身体は無惨の一言に尽きた。余分な贅肉どころか筋肉すら殆どこそげ落ちたその身体は正
に“骨と皮”という表現がぴったりで、誰の目にも彼の死期を否応無しに感じさせた。
それでも宮廷医師は自らの職務に忠実だった、彼は体内の様子を探る魔法を掛けた後、ヒューに問診をして数本の秘薬を彼に
服用させると、眠りの魔法を掛けて部屋を退出していく。
キュルケとタバサはヒューが眠りに落ちている事を確認した後、部屋を出て先程の宮廷医師を呼び止める。



ゴーストステップ・ゼロ  シーン21 “Treasure of nothingness / 虚無の秘宝”

    シーンカード:エグゼク(運命/状況の運命的な変化、進展。偶然の姿を借りた必然的な出来事。)



背後から近付く二人に気が付いたのか、医師は立ち止まって待っていた。

「君達は先程の患者の知り合いなのかな?」
「ええ、友人のキュルケといいます、この子はタバサですわ、彼は……いえヒューはどういう状態なんです?」

医師はキュルケの質問に答えたものかしばらく思案していたが、二人を近くにある空き部屋に招き入れて話す事にした。
空き部屋に入った医師は二人に椅子を勧めた後、自らも椅子に座ると深々と溜め息をついて話し始める。

「結論から言うと、よくもまぁここまで持ったものだと感心したよ。」
「どういう事です?」
「彼の身体を見ただろう。あそこまで酷い状態は私でも見た事がないな、もう手の施しようが無い。」
「病気、なんでしょうか。」
「病気ではないな、どちらかと言えば老衰というのが一番近い表現だろう。」

二人は医師の言葉を訝しく思い、顔を見合わせる。
そんな二人に医師は診察の所見を述べていく。

「矛盾した事だとは思うが、彼の肉体自体には何ら疾患は無いんだ、正常だと言ってもいいだろう。だからこそ我々には何も
出来ないのだよ。」
「ですけれど、実際彼は衰弱しているではありませんか。それが正常な状態なのですか?」
「うむ、これは私の所見なのだが、恐らく彼は普通の人間とは身体の造りが違うのだろう。しかし、その違いが彼の肉体に過
剰な負担を与えている為にあのような状態になっているんだ、恐らく内臓のいくつかはもう取り返しがつかない状態だろう。」
「とすると、治す方法は」
「無理な話だよ、もしも魔法に肉体を一から修復出来るようなものがあれば可能だろうがね。今まで仕事を続けてここまで無
力感を感じた事は無い、痛みを和らげる秘薬を与えておいたがそれもどれ程効くのか……」

そこまで話すと、医師は部屋を出て行った。

「病気どころの話じゃなかったって訳ね。」
「医者の話だと彼の肉体そのものが原因だから治しようがない。」
「ルイズにも話さなくちゃならないでしょうね……。どう切り出したものかしら」
「多分覚悟はできている」
「タバサ?」

ルイズの事を心配しているキュルケにタバサは静かに自分の予想を伝える。

「ルイズはイーグル号に会う前の会話である程度予想していたと思う。
 それに、今まで持っていたのが奇跡みたいなものだとしたら、これからはヒューの好きなように過ごさせるべき。」
「だからって納得できるわけないじゃない……」

力なく返事を返したキュルケを見ながら、タバサはルイズにどう伝えたものか思案していた。
550ゴーストステップ・ゼロ:2009/05/26(火) 22:42:11 ID:JqGKxAcE
「そう……」
「そう、ってルイズ!貴女それだけなの?」

ポツリと返事を返したルイズにキュルケは声を荒げた、しかし目の前の少女を改めて見た瞬間、続く言葉は消え去っていく。
自分の前にいるルイズという少女はこんなに小さかっただろうか。授業で呪文を失敗し、級友どころか平民達にさえ嘲る様な
目で見られて尚、前を見ていた彼女はこんなに頼りなかっただろうか。

気を取り直したキュルケが再びルイズに話しかける。

「で?どうするの」
「え?」

心ここにあらずといった状態のルイズはキュルケの質問にとっさに答える事ができなかった。
そんな状態のルイズを見たキュルケは視線を合わせて、もう一度話しかける。

「いい?ルイズ。ヒューはもう長くないわ、これはもう確定した事なの。それをふまえて貴女はどうしたいのかって聞いてい
るの、あくまで使い魔として扱うの?それとも人として残りの生を好きに過ごさせるの?そう聞いているのよ。」

キュルケの言葉を受けたルイズは彼女から目を逸らすと、「ヒューの所に行ってくる」と言い残してその場から立ち去ってし
まうのだった。



ヒューが眠っている部屋にルイズが来たのはそれから暫くしての事である、彼女は控え目なノックをした後、音を立てないよ
うにゆっくりと扉を開く。
部屋の中はカーテンを通して入ってきている夕日の影響か、優しい光に包まれていた。
そんな室内を見渡したルイズの目に半身を起こしているヒューの姿が映る。
ルイズは一瞬、怒鳴りそうになったが辛うじて我慢して何でもない様に話しかけた。

「調子はどう?」

そんなルイズの言葉にヒューは何時もの様に返す。

「いつも通りだな。いや、痛み止めを飲んだから少し楽になったか。」
「悪かったわね」

不意に謝罪の言葉をかけてきたルイズにヒューは苦笑した。

「どうしたんだ?いきなり。」
「だって、私はヒューがこんな状態になるまで全然気付かなかったのよ?
 こんなんじゃあ貴方の主だなんて胸張れないじゃない。」
「しょうがないさ、隠してたしな、見破られたらそれこそショックを受けてたよ。
 それに余命1週間あるかどうかの半死人をここまで持たせたんだ、十分立派だと思うがね」
「どういうこと?」

ぽかんとした表情のルイズに向けていた視線を不意にそらすと、ヒューは自分の半生を語って聞かせることにした。
ニューロエイジの片隅で生を受け、メガ=コーポのカゲとして企業間の闇を駆け抜けた時間。勤めていたメガ=コーポが破綻
した後、ストリートの闇で蠢き死ぬまでの時間を空しく生きていた時間……。
しかし、そんな人生の大半の出来事は最後に語られる2つの事件に比べたらほんの瑣事でしかない。
話の最後に語られた彼と仲間達の物語、時間にすれば半年にも満たない、これまでの人生と比して正に閃光(フラッシュ)と
もいうべき時間は、閃光(フラッシュ)の様に眩い物語だった。
551ゴーストステップ・ゼロ:2009/05/26(火) 22:44:05 ID:JqGKxAcE
その物語の主人公は4人いた。
嫌われ者の騎士。
陽気な女の子。
自分は神になり損ねたというぬいぐるみ。
そして目の前にいる死に掛けの探偵を入れてたったの4人。

最初の物語は麻薬を売りさばく芸人と病気を患った貴族の少年の話だった。
話は雪達磨の様にみるみる膨れ上がっていき、最後には世界有数の大国を巻き込んだ話になる。
主人公達は辛くもその事件を解決するも仲間の騎士はその命を落としてしまう。

ヒューは言う「もう少し賢かったのなら死なないで済んだんだろうけどな」と。
けれどもルイズには、ヒューがその騎士の事を誇りに思っているだろう事が何とはなしに感じ取れた。

次の、そして最後の物語には死んだ騎士の代わりに狩人の女性が仲間になっていた。

最後の物語は仲間である陽気な女の子の母親が掴んでいた秘密に関係する話だった。
この物語も規模がどんどん膨れ上がっていく。探偵は寿命で、ぬいぐるみは敵の手に落ちてその命は風前の灯火。しかも女の子
の周囲は全て敵になる状況の中、起死回生の手段として彼等は秘密を暴いて九死に一生を得る。
敵は破れ、仲間達はそれぞれの道を歩き始めた。
女の子は明日へ……未来を歩き始め。
狩人は何時もの仕事に戻り。
ぬいぐるみは人に戻って何処へともなく去っていった。

そして死に掛けの探偵=ヒューは今、ここにいる。


ヒューは穏やかな微笑みを口元に浮かべながら言葉を紡いでいく。

「N◎VAで最後の事件を解決した時に思ったのさ。ああ、これが俺の人生における最後の頁なんだってね。
 御主人サマ……いや、ルイズお嬢さん。人生には何度か物語の主役になる時が誰にでも必ず訪れる、俺の場合はそれが今話
した事件だと思っていたんだが。
 どうしてどうして、最後の最後にとんでもない番外編が待っていたのさ。」
「物語が何よ、自分の使い魔を死なせたっていう事実には間違い無いじゃない。」
「寿命だからしょうがない、それこそルイズお嬢さんに責任ないだろう。
 それに、まだ終わりじゃないさ。

 そうそう、そういえばそろそろパーティーの時間だったな。」

そう呟いて寝台から軽やかに降り立ったヒューは、ルイズの手を取ると芝居じみた仕草で誇るべき己が主人に語りかける。

「では、我が主。無作法ではありますがこの使い魔めにエスコートの栄誉を賜れますか?」

体調を感じさせない振る舞いにしばらく呆然としていたルイズだったが、いつもの強気な表情を取り戻すと。
気障な使い魔に合わせて言葉を返す。

「ええ、では立派に勤めるように。主人に恥をかかせるんじゃないわよ。」

ヒューはそんな主人と目だけで笑い合うと、恭しく取った手に口付けをして共に部屋を出るのだった。
552名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 22:46:29 ID:Bdun+y0E
支援
553ゴーストステップ・ゼロ:2009/05/26(火) 22:46:35 ID:JqGKxAcE
パーティーは、城のホールで催される事になった。
ホールの奥まった場所には簡易の玉座が置かれている。そこには年老いたアルビオンの王・ジェームズ一世が腰掛け、集まっ
た最後の臣下たちを目を細めて見守っている。
明日で自分達は滅びるというのに、ずいぶんと華やかなパーティーであった。
王党派の貴族たちはまるで園遊会のように着飾り、テーブルの上には様々なご馳走が並んでいる。

そんなアルビオン貴族達の中において、年若いルイズ達は一際衆目を集めていた。
キュルケとギーシュは、何か鬱憤を晴らすかのように次々とパートナーを替えては踊りに興じている。タバサは学院にいる時
と同様、テーブルの上にある食事を次々平らげていく。
そんな中、ルイズはワインを手にしたままパーティーに興じるアルビオン貴族達を会場の隅から眺めていた。
ルイズの視線はパーティー会場を向いてはいたがその実、何も見ていなかった、いやルイズだけではないキュルケ達も程度の
差こそあれ同じ様な心情だった。
パーティー会場で合流した一行(ワルド以外)は、ルイズからヒューのやりたいようにさせる事にしたという言葉を聞いた。
確かにこれまでの行動からしても止めようがないし、止まるような人物ではない。
それに、ルイズ以外には止める理由はあっても権利は無かったからである。

確かに、明日全滅してしまうアルビオン貴族の事を考えると憂鬱にはなる。しかし、あくまでも思うだけだ、ルイズ達にとって
みれば遥かに近しい個人の死というものがある以上、どうしてもそちらに意識が行ってしまう。
だからこそ彼等は何も考えない様にした。



そんな中、ヒューに近付く人影があった。
その人影は滅び行くこの国の皇太子・ウェールズだった。侍医の診断結果を聞きてっきり寝込んでいると思っていた人物が
パーティーに参加していたのだ、気になって当然といえば当然だろう。
目当ての人物は大使のラ・ヴァリエール嬢をエスコートしてきて以来、バルコニーで酒肴を口にしながら自分を見ていた。
用があるのなら向うから出向くのが筋ではあるが、相手は重病人……此方から出向いても良いかと思い直し、今に至る。

「具合が悪いと聞いていたのだが、大丈夫なのかな?」

パーティー会場からバルコニーにやってきた貴公子にヒューは多少の驚きを感じたが、空賊に扮していた事を思い出してこう
いった人物なのだろうと思い直し、言葉を返す。

「お蔭様で何とか持ち直しましたよ皇太子殿下」
「そうか、それは何より。」

明日滅ぶ王家の皇太子と死期を間近に迎えた探偵という、ある意味似通った2人の男は、ワインを酌み交わしながら話し始めた。
554ゴーストステップ・ゼロ:2009/05/26(火) 22:49:50 ID:JqGKxAcE
「そういえば、君の主人であるラ・ヴァリエール嬢は素晴らしい少女だな。
 あのまま育ってくれれば領民にとって良い貴族になるだろう。」
「後で伝えておきましょう、ところで話は変わりますが王党派に勝ち目はありますか?」
「先にラ・ヴァリエール嬢にも言ったが、300対5万だ奇跡でも起きない限り無理だろうね。」
「『虚無』の復活とか?」
「うむ、それ程の奇跡でもない限り無理だろう。
 しかし、それは諦めざるをえないだろうな。『虚無』はあちらが有している、始祖の恩寵はあちらが握っているのだよ。」
「レコン・キスタの首魁。オリヴァー=クロムウェルですか」
「我々も詳しい事は把握していないが、『虚無』としか思えない奇跡を起こしたらしい。」
「その奇跡というのは?」
「伝え聞いた話によると、強力な癒しの力らしい。何でも死者を蘇らせるとか。」

その力を聞いたヒューの腰元でデルフの鍔がかちゃりと微かに音を立てたが、楽団の音に遮られてウェールズの耳に届く事はなかった。
ヒューはここで一つカードを切る。

「そういえばウェールズ皇太子、<アンドバリの指輪>という秘宝をご存知ですか?」
「<アンドバリの指輪>?いや、生憎と聞いた覚えがないな。その秘宝がどうかしたのかい?」
「いえ、先程の死者を蘇らせる云々で思い出したのですが、どこぞの精霊が持つその秘宝にも似たような力があるらしいのです。」
「なんと!『虚無』の他にもその様な力を持つ秘宝があるとは……、しかし精霊が持っているとなれば恐らくそれは『先住』
の類なのだろうな。」
「ええ、ただ…」

しかし、驚愕した皇太子に冷水を浴びせるようにヒューは<アンドバリの指輪>についての情報を伝える。

「ん?その秘宝には他に何かあるのかな?」
「ええ、又聞きで申し訳無いのですが、どうやらその秘宝で与えられるのは“偽りの命”らしいのです。」
「“偽り”というと、蘇った人物はどうなるのかな?」
「秘宝の持ち主の操り人形になるという話です、傍から見ると自意識を持っている様に見えるそうですが。」
「何とも恐ろしいものだなその秘宝は。」

そうして<アンドバリの指輪>に関するカードを開いた後、ヒューは次のカードを手にする。

「ですな、そういえばウェールズ皇太子。秘宝といえば、この城には始祖所縁の宝物とかあるのですか?」
「何故そのような事を?」
「私の好奇心からというのが一つ。
 もう一つは、もしあるのならば始祖より賜れた王権を無視するレコン・キスタの手にそういったものが渡るのは如何なもの
かと考えたからです。」
「ふむ、それは確かに。少々待っていたまえ。」

そう言い残すと、皇太子は父王の元へと足早に去っていった。
すると、入れ替わる様にルイズがヒューの傍にやってくる。

「ヒュー、ウェールズ皇太子と何の話をしていたの?」
「色々と情報のやりとりをね…」

ヒューはそこまで言うと、ルイズの左手に<水のルビー>が光っている事を確認する。

「そうそう、もしかしたら手紙の他にも仕事が増える可能性があるからここにいてくれないかな」
「え?まぁいいけど、どういった仕事なの?」
「それは皇太子次第だ……おっと来たみたいだな。」

ルイズがヒューの視線の先を見ると、ウェールズ皇太子が足早に近付いて来るところだった。

「おや、ラ・ヴァリエール嬢も一緒か。
 丁度良かった、一つ仕事を頼まれてはくれないだろうか?」

ウェールズは笑顔を浮かべながらルイズに話しかける。
当のルイズは少し戸惑いはしたが、了承の返事を返した。
555名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 22:50:33 ID:yy6KMV1d
ヒューきたあああああああああ
支援せざるを得ない

ところでIDがACEですよ
556名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 22:52:20 ID:Bdun+y0E
支援
557ゴーストステップ・ゼロ:2009/05/26(火) 22:52:26 ID:JqGKxAcE
3人はパーティー会場から出、人気がない通路を連れ立って宝物庫へと歩いていた。
そんな3人の後ろから1人の人物が駆け寄ってくる。

「ルイズ、どうしたんだいパーティー会場から抜け出すなんて」

駆け寄ってきた人物はワルドだった。
彼はパーティー会場でアルビオン軍の軍人と情報を交わしていたのだが、皇太子がルイズとヒューを伴ってパーティー会場か
ら抜け出すのを見て急ぎ追って来たのだ。

「ワルド、ウェールズ皇太子から頼みたい事があるからって…」
「何だって?」
「ああ、その通りだ。済まないなワルド子爵、大事な婚約者であるラ・ヴァリエール嬢をお借りする事になるが宜しいか?」
「ルイズが了承しているのであれば僕に否はありませんよ、ところで頼みたい事というのは……」

ワルドの問いに悪戯を思い付いた少年の様な顔で笑うと、ウェールズ皇太子は説明を始める。

「いや何、ヒュー君からの提案で連中に渡したくない宝がある事に気が付いたのさ。」
「ほう、その様な価値ある秘宝があるのですか。」
「どうだろうな、少なくとも私にはただのガラクタにしか見えなかった。」
「ガラクタにしか見えない宝……ですか?」

訝しげなワルドの問いにウェールズは笑って頷くと、大きな扉の前で立ち止まった。
扉は華美な装飾もされていない頑丈なだけが自慢の様な代物だったが、それだけにこの奥にある宝物の重要性を感じ取れる。
ウェールズは懐から鍵を取り出すと鍵穴に差し込んだ後に『アンロック』を唱えた、鍵が開く重々しい音がした事を確認した
後、ウェールズはゆっくりと扉を開ける。

宝物庫の中は閑散としていた。それもそうだろう、宝物と呼べる物はマリーガラント号への支払いやトリステインに渡す為に
イーグル号へと積み込み済みなのだ最早ここには額縁を外された王家の肖像等、宝とは到底言えないものしか置いていなかった。
宝物庫の中を進みながら皇太子がルイズに話しかける。

「我が王家の恥を晒す様で心苦しいのだが、今更だな。覚えておきなさいラ・ヴァリエール嬢、負けるというのはこれ程の事
なのだ。始祖から王権を賜ろうとも力が無かった、ただそれだけの事でこの様な無様を曝す破目になる。
 アンには君からしかと伝えてくれ。」
「はい。」

ウェールズは一つの櫃の前で立ち止まると、丁寧な仕草でその蓋を開く。
中には一つだけ収められている物があった。それは両手の上に乗せられる程の大きさの木製の古びた小箱だ、装飾は磨耗して
いる為、宝としての価値はほとんどないだろう。
しかし、ウェールズは恭しくその小箱を取り出すと、それをルイズの掌の上に丁寧に乗せる。

「あ、あの。ウェールズ皇太子……これは?」
「我が王家に伝わる<始祖のオルゴール>だよ。とは言っても開いた所で何も聞こえない、修理しようにも物が物だけに分解
もできない、ガラクタと言っても差し支えない宝さ。
 とはいえ、始祖の恩寵を受けたと嘯いている連中に奪われるのも業腹なのでね、是非ともトリステインで預かって欲しい。
 おっと、ついでにこれもお願いしようか。」
558ゴーストステップ・ゼロ:2009/05/26(火) 22:58:07 ID:JqGKxAcE
そう言って、ウェールズは己の左手から<風のルビー>を外すと、ルイズが持つ<始祖のオルゴール>の蓋を開いてその中に
置く。
否、そうしようとした瞬間。目の前の少女の尋常ではない様子に思わず動きを止めてしまう。
止まったのはウェールズだけではなかった、ワルドもである。彼はルイズの否、人がこの様な表情をする所を見た事は無かった。
ルイズの視線は宙に固定され身体は小刻みに震えていた。

「ラ・ヴァリエール嬢?」
「ルイズ、一体何が……!」

唐突にルイズの手にある<水のルビー>と<始祖のオルゴール>が光り出す。
ルイズの瞳には蓋が開いた<始祖のオルゴール>から“光る風”とでも形容すれば良いのか、ひどく表現しにくい光が溢れて
くる。
しかし、ルイズはそんな光の中に旋律を聞いていた。



序文。

これより我が知りし真理をこのオルゴールに託す。この世の全ての物質は、小さな粒より為る。
四の系統はその小さな粒に干渉し、影響を与え、かつ変化せしめる呪文なり。その四つの系統は、『火』『水』『風』『土』
と為す。




ルイズの耳は涼やかな音と共にその言葉を受け取っていく。




神は我にさらなる力を与えられた。四の系統が影響を与えし小さな粒は、更に小さな粒よりなる。神が我に与えしその系統は
、四の何れにも属せず。我が系統はさらなる小さな粒に干渉し、影響を与え、かつ変化せしめる呪文なり。四にあらざれば零
(ゼロ)。零すなわちこれ『虚無』。我は神が我に与えし零を『虚無の系統』と名づけん。




「何?これ……」

震える唇から辛うじてそれだけを紡ぎだす、一体何が己の身に起きている?周囲に立つ3人の男は何も言葉を出さずただ此方
を見ているだけだ。




これを聞きし者は、我の行いと理想と目標を受け継ぐものなり。またそのための力を担いしものなり。『虚無』を扱う者は心
せよ。志半ばで倒れし我とその同胞のため、異教に奪われし『聖地』を取り戻すべく努力せよ。『虚無』は強力なり。また、
その詠唱は永きにわたり、多大な精神力を消耗する。詠唱者は注意せよ。時として『虚無』はその強力により命を削る。した
がって我がこのオルゴールの聞き手を選ぶ。たとえ資格なきものが指輪を嵌めても、旋律は奏でられぬだろう。選ばれし聞き
手は『四の系統』の指輪を嵌めよ。されば、旋律は奏でられん。

 ブリミル・ル・ルミル・ユル・ヴィリ・ヴェー・ヴァルトリ



ルイズの周囲に立つ三人は、光る風の中に身を任せているルイズをただ見ている。

一人は呆然と。
一人は驚愕を持って。
そして最後の一人とその相棒たる剣は当然の事として受け止めていた。
559名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 22:59:38 ID:jtf+qAkf
初めてだけど、小ネタ投下しても良いかな?
560ゴーストステップ・ゼロ:2009/05/26(火) 23:00:29 ID:JqGKxAcE
シーン21
嫌われ者の騎士(P)
…“火刑官(バーンドドッグ)”紫城京司。高等警察ブラックハウンド機動捜査課巡査。サディスト。
 本当はイヌ(警官)だがハルケギニア風に脚色した。
 「オレは、弱いものいじめが大嫌いなんだけどねえ」

陽気な女の子(P)
…“散歩道(プロムナード)”ユエ(坂本友恵)。フリーランスのトーキー(記者)。元気。
 「あたしは、きれいなものを見たいだけそれだけなんだ」

自分は神になり損ねたというぬいぐるみ(P)
…“宇宙的迷子(クォ・グァディス)”グリム。元電脳テロリスト。かつて30秒間だけ全世界のウェブ(ネットワーク)を
 完全掌握した事がある男。様々な情報を手に入れてしまった為、司法取引で厳重な保護下にある。
 「30秒だけ、私は世界の神だったのだよ」

狩人の女性(P)
…“火喰い鳥”小上紫乃。千早重工査察部・後方処理課第三班所属のクグツ(会社員ではなくエージェント)。京司の生き別
 れの娘とかどうとか…。彼女の初登場シーンはビューティフルデイにおける見所の一つ。
 「わたくしはあなたの忠実な友人ですわ」


支援ありがとうございました、以上でシーン21の運命の扉を閉じたいと思います。

最後のレスだけ遅くなって申し訳ない、投下する寸前に改行ミスが発覚して直していました…orz
やーしかし今回も遅くなってしまって真に申し訳ありません、できればこの間の投下ラッシュの時に投下したかったけど書き
きれなかった…、やっぱりオリジナル展開になるとかなり書き直しますねw
一番笑ったのは当初冒頭部分だったパーティーのシーンが中盤以降にまでずれ込んだ所でしょうか。
そういえば、リプレイの軽いネタバレとかやっちゃってますけど、これ位なら大丈夫ですよね?

次回からはクライマックスに向けて怒涛の展開になる予定。
最早オリジナル展開ですが頑張って書いていこうと思います、それではまた。
561名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 23:03:05 ID:muc15pRE
>>559
投下中なのがわからないのか?
562ルイズの使い狸(1/2):2009/05/26(火) 23:03:25 ID:jtf+qAkf
「諸君、決闘だ!!」
勝利を確信したギーシュが声を張り上げた。
 
この日の決闘の理由は至極単純。
ギーシュが落とした香水を拾ってしまったメイドが親切にも届けてしまった。
これがきっかけでギーシュの二股がバレ、メイドは恥をかかされたと八つ当たりをしたのだ。
それを庇ったのが、ギーシュの決闘の相手。
『ゼロ』のルイズが召喚したもの。
ハルキゲニアに存在するいかなる種族と似ていない。 かろうじて似ているだろう動物の名を挙げると、彼は怒ったものだ。
 
「謝るなら今の内だけど?」
「ぼくは謝らないよ!」
余裕の嘲笑を浮かべるギーシュにそいつは言った。
怒りに燃えているのが誰でも分かったが……属性を持つようには到底見えない。
況してや、あの『ゼロ』のルイズが召喚したのだ。 ドットとはいえメイジに勝てる訳がない。
決闘に賭けが持ちかけられたものだが、ギーシュに賭ける者しか居なかった。
つまり、ルイズの使い魔が勝つなど誰も考えていないのだ。
もちろん、ギーシュも、ルイズも。
まさかギーシュが負けるだなんて、誰も思っていないのだ。
 
 
しかし、彼らは、その『まさか』を思い知る事となる。
 
 
決闘が始まった。
ギーシュは造花の杖を使い『青銅』の名に恥じない、剣を持つ青銅の像を呼び出した。
誰もが、使い魔の無様に這いつくばり、慈悲を乞う姿を想像し、笑いものにしようとしている。
ギーシュもその中の一人となるはずだった。
 
だが――――。
 
何かが爆発するような音がした。
青銅の像が破壊される。
 
音の発生元はルイズの使い魔。
その手には、鉄で出来た見た事の無い筒。
そこから煙が出ている。
 
ギーシュは最初、何が起こったのか分からない様子だった。
それは、観衆も使い魔の背を見ていたルイズも同じ。
ギーシュは再び、青銅の像を呼び出した。 今度は、三体。
しかしそれらも、
「ドカン!」という声と共に破壊される。
 
ギーシュも観衆も理解した。
使い魔が手にしている筒から発せられる『何か』で像が破壊されているのだ。
ギーシュは、まさか、まさか『ゼロ』のルイズの使い魔に自分の魔法が破られるという、怒りと屈辱の炎に燃えた。
手にした造花の花びら全てが青銅の像へと変わる。
使い魔は囲まれた。
今度こそ終わりだと、誰もが思った。
563名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 23:05:46 ID:qzZr1dlY
>>560
乙ークライマックスか・・・なんだか悲しい終わりになりそうだなぁ・・・
564名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 23:08:32 ID:yy6KMV1d
>>560
565名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 23:21:08 ID:55PhBEUU
>>542
チョイ役過ぎてわからねぇよwそこんとこヨロシク!
566ルイズの使い狸(2/2):2009/05/26(火) 23:29:33 ID:jtf+qAkf
だが。
 
そいつは、たとえ鎧を纏った像を相手にしても、全く諦めた様子を見せなかった。
何故。 何故使い魔は諦めないのか。
答えは、使い魔が知る。
 
使い魔の大切な友人は、自分の為にと勝てない相手に力を振り絞り、何度殴られても、勝つまで決して諦めなかった。
その姿を、使い魔たる彼は、はっきりと覚えている。
この機械の目に焼き付けている。
あの勇敢な少年の姿を目にして、勝てる相手に勝たないなんて、失礼だ。
そしてあのメイドの為にも――。
 
使い魔は腹か胸かも分からない場所から、マントにしては短すぎる、何かを被せ包む為にしかならないような布と、黄色く先端から二つ突き出したそれを出した。
使い魔は黄色いそれを頭に付ける。
 
青銅の像は手にした剣を使い魔の横から振り下ろした。
前か後ろにでも進まなければ確実に当たる距離だ。
だが。
使い魔は前にも後ろにも行かなかった。
 
「まさかフライ……!?」
観衆の誰かが言った。
 
使い魔は、召喚した本人であるルイズが出来ない技をやってのけた。
飛んだのだ。 宙を、飛んだ!
あまりのことに、まさか飛ぶなどと思ってもいなかったギーシュは呆気にとられている。 それはルイズも同じ事だ。
 
飛んだ使い魔は、像よりも高く飛ぶと、再び同じ場所から今度は誰も知らない形をしたそれを出し、布を像の上へ被さる様にと投げた!
そして新たに取り出したそれから、光を照射する!!
 
「ビッグライトーー!!」
その叫びと共に、照らされた布が大きく、広くなっていく!
落ちていく布は、像全てを覆い隠した!
 
布の表面に描かれた、たくさんの時計が回り始める。
使い魔は地に下り立つと、布を持ち上げた。
 
「な――!」
その驚きはギーシュのものかそれとも他の誰かのものだったのか。
そこには像の姿は無い。
有るのは、造花の花びらだけ!
 
「す……凄いじゃない! 狸なのにフライできるなんて、早く言いなさいよ!!」
興奮しきったルイズは、使い魔にとっての禁句を言ってしまったのに気付かない。
使い魔はルイズを振り向くと、こう言った。
 
「ぼくはタヌキじゃない! ネコ型ロボットだーっ!!」
 
異世界の未来からやってきた、子守りをする為のロボット。
彼の名を、ドラえもんという。
567名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 23:30:12 ID:XJl2V23q
>>562
続きマダ?
568名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 23:30:32 ID:P8l72cRX
そろそろヒューの人来ないかなと思っていたらマジで来てた乙です!
しかしもうクライマックスなんですね・・・最初から見ていたので寂しい気持ちもありますが
ヒューならではのオリジナル展開を期待しています
569名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 23:31:43 ID:XJl2V23q
更新したら続きがあったわ・・・吊ってくる
570名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 23:33:20 ID:wtGo0NhH
>>537
魚といえば、卓ゲ関係で真女神転生ITRPG 退魔生徒会リプレイより溝呂木鱗がおすすめ。
ちょっと旧い血を引いてるけど、本業:医者で龍神ケツァルコルトスに悪魔変身するルイズの理想の使い魔。
なにより本人が世界から身を引いて隠棲したがっているし、身の周りの世話もサイボーグ少女がついてくる
から問題なし。
571名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 23:44:13 ID:U7+KuPqE
ゴーストステップ乙!むっちゃ待ってた!

いよいよクライマックスかー。年甲斐もなくドキドキしてきた。
『活力』でヒュー再生、とか期待しちゃうけどそれだと色々と台無しだよなぁw
572名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 00:01:02 ID:cqcFw39t
>559
お前のような不作法ものの作品なんて読んでやらない
573名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 00:17:49 ID:STlOurw3
今日は良き日だった
TAPとヒューの2作品が読めて

作者にありがとう、支援してくれた住人にありがとう
574名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 01:18:11 ID:LAvQAc+g
>>571
ここは、タルブの村に伝わる全身義体ですよ!
575名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 01:28:48 ID:pxuITfPr
バーサークボディ「イマジノス」とか
576名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 02:53:29 ID:4KBKKT92
空気を読むという基礎スキルを育成していなければいくら文芸スキルに時間を注ぎ込んでも無駄なのだ…
577魔物使いが使い魔 5話A:2009/05/27(水) 02:59:53 ID:UAocUYWN
失礼致します。
よろしければ5話の投下をしたいと思います。
もし他の方いらっしゃらなければ
3:00より投下開始したいと思います。
よろしくお願いしますm(_ _)m


>>523
申し訳ございません。
ネタで2chネタを仕込んだだけなのです。
数字はキーボードを適当に押して決めただけなので他意はございません。
まとめに載せる際、修正します。
不快にさせてしまったのでしたら申し訳ありませんでした。
578魔物使いが使い魔 5話A:2009/05/27(水) 03:02:10 ID:UAocUYWN
すみません
3:10に投下します。
579名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 03:03:08 ID:rW68dYew
待ってたぞい

支援
580魔物使いが使い魔 5話A:2009/05/27(水) 03:10:22 ID:UAocUYWN
教室の片付けが終わり
リュカとルイズは昼食に行くことになった。
朝と同じように席を並べて昼食を食べる2人の前に
デザートをのせた盆を手にシエスタがやってきた。
「あ!リュカさん…」
シエスタはリュカを見つけるやパっと顔を華やかせた。
「こんにちはシエスタさん、朝はありがとうございました。」
リュカは朝と同じようにニコリと笑いながら
シエスタに話しかけた。
シエスタはリュカから視線を外し頬を染めながら
「いっいえ…あのくらいなんてことないです。
 それよりリュカさんデザートは如何ですか?
 今日は料理長が腕によりをかけて作ったクックベリーパーなんですけど」
「ありがとう、いただきます。」
「いっ!いえこれくらいお安い御用ですわ。それでは」
そう言うとシエスタは傍から見てもわかるほどウキウキした顔で
2人の下を去っていった。

それを見ていたルイズはジト目で横にいるリュカを見ながら
外見とは似つかないドスの聞いた声で呟く。
「リュカ…」
「なんだい?ルイズ」
リュカが尋ねるや、ルイズはぐいっとリュカのマントをひっぱる。
「なんだじゃないわよ!!ナニ!?あのメイドとどういう関係な訳?
 まさか私がいない間にあのメイドとナカヨクしてたの!?
 ご主人様に隠れてこのイヌh(ry」
しかしそこで話は遮られた。
見るとルイズの目の前にはキチンと切り分けられた。
クックベリーパイが置いてあった。
「ぇっ…えっとこれって」
パイをマジマジと見ながらルイズは言った。
「ほら、ルイズ、クックベリーパイ好きみたいだからね。
 僕だけじゃちょっと量が多いし一緒に食べようよ。」
「ぅ…ぅん」
ほんのりと耳を染めたルイズは素直にパイを口に運ぶ。
もそもそとパイをかみ締めながらゆっくりと咀嚼する。
「おいしいかい?」
リュカが尋ねるとルイズは多少どもつきながら
「そっそうね、さすがトリステイン学院のクックベリーパイよね!
 悪くないわ!この私を満足させるなんてさすがね!」
リュカはにこりと笑いながら
「そう、よかった。紅茶も飲むかい?」
「そそそそうね、いただくわ!」
やけにギクシャクしたルイズとほがらかに給仕をするリュカ
581魔物使いが使い魔 5話A:2009/05/27(水) 03:11:22 ID:UAocUYWN
しかしその時―

ガシャン―!

遠くからガラスか何かのくだける音が聞こえたと同時に
「君のせいでモンモランシーの香水が割れてしまったじゃないかどうしてくれるんだい!?」
「申し訳ありません!申し訳ありません!」
怒声をあげる青年の声と必死に謝罪するシエスタの声が聞こえた。

「!?」
「ん…何かあったのかしっ…ってちょっとリュカ!」
リュカはその声を聞くやいなや立ち上げり声のする方へと走り出した。

食堂の中心では人垣ができるほどの騒ぎになっていた。
事の発端は貴族の青年ギーシュ・ド・グラモンにあった。
彼は同クラスで恋人のモンモランシーからプレゼントされていた香水を
うっかり落としてしまった。
それをメイドのシエスタは親切心から
落ちていた香水を拾いギーシュに手渡したのだが間が悪かった。
ギーシュは同クラスのモンモランシー以外に下級生のケティと付き合っていた。
つまり二股していたわけだがシエスタがギーシュに落し物を届けたとき
ギーシュの傍にはケティがおり、案の定香水の出所について
揉め、さらに壊滅的に間の悪いところにそこにモンモランシーが現れて…

「君が余計なことをしたせいで!僕のみならず2人の乙女の名誉までも
 傷つけてしまった!!どう責任をとってくれるんだね!」
そう怒鳴り散らすギーシュの両頬には綺麗な手形が赤々と咲いていた。
浮気の現場証拠を突きつけられた形でモンモランシーとケティの
乙女2人からビンタという名の制裁を受けた直後であった。
ちなみに2人はもう呆れてしまってこの場にはいない。
「申し訳ありません!申し訳ありません!」
シエスタは涙目になりながら、ひたすらギーシュに頭を下げる。
魔法の使えない平民にとって魔法即ち歩く対人兵器を常に持ち歩いているに等しい
貴族は彼女たち平民にとっては権力だけでなく単純に暴力として見ても
恐怖以外の何者でもない。

「謝るだけでは衛士はいらないんだよ!僕はどうするのかと聞いてるんだ!」
ギーシュは頭に血が上っていた。
傍から見ればどこからどう見ても自分が悪いのだが
だからといってそれを許容するほど彼は大人でもなく賢くもなかった。

「もっ申し訳ありません…申し訳ありません…」
ついにシエスタの謝罪に嗚咽が混じりだした頃―
582魔物使いが使い魔 5話A:2009/05/27(水) 03:12:40 ID:UAocUYWN
「シエスタ何かあったのかい!?」
「りゅ、リュカさん…!」
リュカは素早くシエスタの目の前に立ちギーシュと対峙する。
「あなたはミスタ・グラモンでしたね。彼女が何をしたんですか?」
「りゅ、りゅかさん、そっそれはわたしが悪いんです。
 わたしがドジなせいで…ドジなせいで…ウッウッ…」
シエスタは最後まで話すことが出来ず
リュカのマントに顔を埋めながら嗚咽を漏らす。
「そこのメイドが僕の大事な乙女2人の名誉を傷つけたんだ!!」

「…まず事情を聞かせていただけませんか。」
リュカは静かにそう言った。

「つまり…ミスタ・グラモン あなたは二股がバレた腹いせをこの子にしてたということですか?」
リュカが普段穏やかな顔からは想像できない厳しい顔でギーシュを睨む。
その顔を見たギーシュはやや気圧されながらも
「きっ君は!貴族を馬鹿にしているのかね?平民の分際d−」
「そんなことを貴族とは言わないっ!!」
『…!?』
普段穏やかな彼からは想像がつかないほどの激しい一括に
ギーシュは言いかけていた言葉をつぐんだ。
その叫びは人垣にいた貴族達をも怯ませ様子を伺っていたルイズに衝撃を与えた。

「貴族、王族というのは弱い人達を護る人のはずです。
 たとえそれが絵空事であったとしても
 こんなところで少女を泣かすようなことではないはずだ。
 少なくても僕の親友ならそう言うでしょう。」
キッパリと堂々とした口調でリュカは言う。
後にこのことを話すとき、シエスタはこう言った。
あの時のリュカさんは今まで学園で奉仕してきた人の中で誰よりも貴族らしいと思いました。と

「くっ…!!けっ決闘だ!」
顔を真っ赤に染め、薔薇の造花を握り締めた手を震えさせながらギーシュは叫ぶ。
「貴族に対してなんという恥知らずな!さすがはゼロのルイズの使い魔というべきか…
 いいだろう、愚かな平民に教育してやろう!
 諸君!決闘だ!!」
造花を高々と掲げ、右手の一指し指でリュカを指す。
途端に今まで静観するに任せていた人垣は活気づく。
「正午、ヴェストリの広場まで来たまえ!そこで待っている!」
一方的に宣言するとギーシュは数人の取り巻きを連れ食堂を出ていった。
583魔物使いが使い魔 5話A:2009/05/27(水) 03:13:40 ID:UAocUYWN
それを見ながらリュカはひとつ溜息を漏らすと
出来るだけ優しい口調にシエスタに話かける。
「シエスタ大丈夫だったかい?」
「あっあっあっ…りゅリュカさん殺されちゃいます…
 貴族様に逆らったら逆らったら…」
対するシエスタはマントに顔をうずめながらひたすらリュカにすがり付き懇願した。
「おっお願いします、今からでも遅くありません…
 罰でしたら私がなんでも受けます、だからリュカさんは―」
「そうよ!リュカ!早くギーシュに謝りなさい!」
リュカがパっとシエスタから目をそらすとそこにはルイズがいた。

「リュカ、あなたが特別な力を持ってるのはわかるけど
 ギーシュは学生でも本職のメイジなのよ!絶対勝てないわ!
 私も謝るから謝っておきなさいよ!」
リュカはそれを聞くと優しくシエスタを介抱して床に下ろした。
次にルイズの傍までやってくる、そして彼女と目線を合わした。
「ルイズ、君はさっきの行為を許容できるのかい?」

ルイズはリュカの言葉にドキリとした。
ルイズ自身ギーシュの行動には思うところがあったからだ。
それでもルイズは言う。
「えっ!えっと…確かにギーシュが悪いと思うわ…
でもね、それでも言っちゃ悪いことと駄目なことがあるのよ!
ギーシュには絶対勝てないわ だから大人しく―」
しかしリュカはそれを最後まで言わせなかった。
ルイズの額に手を置き、視線をあわせ真剣な顔でリュカは言う。
「ルイズ、君が心配してくれるのは嬉しいけど
これはダメだよ、もしここで僕が逃げたらヘンリーに顔見せ出来ない。
それにルイズは立派に貴族になるのが夢ならここで僕を止めないでほしい」

「……っ!!」
その時ルイズに電撃に似た衝撃が走った。
あの時リュカがギーシュ言った言葉、それは確かに
ルイズが日頃目指した貴族の理想でもあったからだ。

ルイズはゆっくりとリュカを見る。
昨日召還され、自分を励まし優しい使い魔を
「わ、わかったわよ!
その代わりギーシュに負けそうになったら
維持でも止めるわよ!わかったわね!
目に少し涙が溜まっていた。

「うん、ありがとうルイズ」
そうしてリュカはヴェストリ広場へと向かった。
584魔物使いが使い魔 5話A:2009/05/27(水) 03:17:07 ID:UAocUYWN
以上です。
今回は多少短めでした。
明日か明後日に5話Bをあげたいと思います。

虚無のパズルの作者様
感想コメつけてくださった方
本当にありがとうございます。
プロットとしてはフーケまでは出来ているので
ノンストップでいきたいと思います。

お騒がせ致しました。
585名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 03:42:50 ID:4KBKKT92
586名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 03:42:57 ID:r/6G7yrb
>>574
ソルティ召還か
ツンデレ親父ロイさんが迎えに来そうだ
587名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 08:09:49 ID:TysJ1KTY
俺、規制解除されたら小ネタ書くんだ…
588名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 08:13:58 ID:7xNKePHf
今書いて解除されたら投下の方向でお願いします
589名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 15:06:03 ID:M9j4ADg8
>>532
キュルケ→残念
タバサ→何か怪しい
ギーシュ→地獄のような日々が再び…!

オスマン→ミス・プリセラではないのか…
590名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 15:08:09 ID:ZMv64u7K
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール……五つの力を司るペンタゴンよ。我の運命に従いし、使い魔を召還せよ!」

「「ゆっくりしていってね!」」

((((((……何コレ?))))))

…なんか、ゴメン。
591名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 15:10:03 ID:t7Yid5Ts
「家畜に神は居ない!」
シリアスを考えたけどドロップキックを後頭部に食らうアルガスしか創造できない
592名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 15:24:52 ID:oqkv5GIz
まあ反面教師的な役割しか期待できんな
出世約束されたらあっさりレコン・キスタに寝返りそうだし
593名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 17:29:37 ID:tpgiD11e
>>586
確かにソルティは強いし性格的にルイズとも仲良くできそうだな。
ギーシュイベントでソルティぶちギレ&回りドン引きとか想像したら楽しいし。
ただ第一話前に呼んだらロイ大ピンチだし、エンディング後だと心情的に引き離してやるなと思ってしまう。
594名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 18:04:24 ID:dTBV7qFY
魔物使いの人、乙
そういやドラクエXの主人公ってうさんくさい老人にいきなり
「古代魔法を復活させるのに必要だから、夜しかとれない薬草を遠くまで探しに行ってこい」
って言われて黙って行くようなお人好しなんだよな。
しかし主人公の名前がリュカで文句なしで受け入れられてるのがすごいな。文庫版恐るべし。
けど毎日こんな連投してたら、決闘終わったら急に投下がペースダウンとかしないか心配だ。
595名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 18:26:26 ID:vPQbdEGx
チノの漫画版はハッピーエンドで好きだった
596名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 18:36:45 ID:bqfwcm8i
PS2版でデフォネームがレックスタバサになったけど
やっぱり王子王女といえばテンソラだわ チノ的に考えて
597名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 18:44:35 ID:EzQy+/6c
ドロップキックで平和主義クラッシュの人を思い出した。
セイルーンのおうぢさま呼んだらどーなるんだろーな。
598名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 18:47:49 ID:rWnHiUgX
>594
最終回まで書き溜めてるに決まってるだろ


プレッシャーかけてみるテスト
599名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 19:18:33 ID:dqEbI8ZO
〜テスト
って見たの久しぶりだ
600名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 19:28:00 ID:tnpaTAmG
漏れも
601名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 19:39:52 ID:l6DYLDxC
リュカ召還の流れの中エンキドゥを思い出した。
バッツの人復活しないかな
602名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 19:44:13 ID:wOLiVeYN
「召還」って呼び戻すって意味であって、「召喚」の呼び出すとは意味が明らかに違うんだよね。

そういうの見てると凄い気になる。
最低限の教養もないのか?
603名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 19:46:34 ID:t7Yid5Ts
(キリッ
604名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 19:46:51 ID:FA5+K4e9
>>594
そんな人いるか?
605名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 19:47:06 ID:7xNKePHf
変換間違いくらい大目に見てやれよ
606名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 19:48:55 ID:eA4f8ar5
召喚と召還の違いって最低限の教養なのか?w
607名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 19:50:52 ID:PsftiWRL
今日のイケメン
608名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 19:50:55 ID:v8roBUfk
最低限ってのがどの程度なのかは知らんが、一般教養ではあると思う。
609名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 19:51:28 ID:Xr0QpLeH
>>602
マスゴミにしてもそうだけど、誤字に対して揚げ足とってるやつってそれだけ間違え一つなく日本語を知り尽くしているのかね?
別に>>601擁護するわけじゃないけど常々思うわ。
610名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 19:54:41 ID:+UaGquw0
ネットうろついてりゃ誤変換ぐらい良くあること
611名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 19:56:38 ID:I34U4Rlj
あの作品のキャラがルイズに召還されました
612名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 19:58:37 ID:Ar9GUnZC
このスレ見てると、「召喚」と「召還」の誤字は何度も見るから気になるんだと思う。
同じように「魔方陣」と「魔法陣」も何度も見ているときになる。
613名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 19:59:51 ID:wOLiVeYN
>>609
最低限の教養から得られる漢字というか意味の間違いが気になるってだけ

誰とは言わないけど、投下する時に推敲もしないのかな?って思っちゃう
そもそも「還る」って意味を持つ漢字なのに、おかしいと思わないのか
スレタイにもきちっと書いてあるのに、疑問にも思わないのか

>>612
そうだな、魔方陣も気になるね
614名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:02:10 ID:uErrKklu
不思議なことに何度も推敲しても誤字や誤変換はなくならないよ。
数は少なくなるけどなくなることはない。
615名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:02:17 ID:Y/pdEOq9
>>604
ルラムーン草取りに行ったときのことじゃね?
あれ確かXでしょ。

>>609
商売柄他人の誤字脱字をチェックする事は結構あるが、んな事は絶対にないと言い切れるw
つーか、例え善意だったり頼まれての校正だったりであってもえらそうに言ったらいかんと思うよ、誤字脱字の指摘ってのは。
他人の間違いを指摘するんだから指摘する方も謙虚にならなくちゃいけない。
自分が同じミスを絶対にしないとは限らないんだからなおさらだ。
丸い卵も切りようで四角、物も言いようで角が立つ、とは昔の人も上手い事言ったもんだわさ。
616名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:03:59 ID:Y/pdEOq9
>>614
バグと同じだなw
617名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:05:38 ID:uErrKklu
ちなみに誤字や誤変換は投下直後に気付くことが多い。
気付いても投下してしまったからにはどうしようもない。
618名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:06:21 ID:IyeMsCMF
>>613
何でこの人こんなに偉そうなの?
619名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:06:34 ID:I34U4Rlj
>>614
確率的に考えてそれはありえんだろ。
仮になくなることはないって断言する場合、前提がおかしい。
(それこそ知識が足りてないとか、ちゃんと見てないということ)

ちゃんとした知識と丁寧な推敲、さらにワードとかで文章校正かけて、何度も何度も見直せば、誤字脱字誤変換は確実になくなる。
620名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:09:50 ID:7xNKePHf
>>614
特にSSだと直らないよな
5つの作品があったらそれを推敲するのは5人
うち一人が召喚と召還を完璧に間違わなくなってもそれは残り4人に伝わるものではない
その全員が間違わなくなっても新しく誰かが書き始めたらその人はやっぱり同じ誤字をする可能性が十分になる
どう考えても誤字がなくなるはずがないだろ
なのにどれだけ間違ってるんだという方がなんというか
一人で推敲していると思ってるんじゃないだろうな
621名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:12:18 ID:Y/pdEOq9
>>619
逆だろ。確率的に考えるからこそ、誤字は絶対無くならない。
99.99999999999999%は達成できるかも知れないが、100%は絶対にない。人間が見ている以上な。
・・・まぁ、それでも100%を求められるのが校正という仕事ではあるが。
622名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:13:47 ID:OOC7Pua3
ここに投下する場合は専属の担当編集者に推敲してもらった方がいいのか?w
623名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:13:59 ID:Xr0QpLeH
>>618
己の器量も知らぬ俗人だからでしょ。
最終的に>>615がこのことに対する結論として行き着くと思う。
624名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:14:32 ID:s7JiCCxy
>>617
投下直後って一種の賢者タイムなのかもな。文字通り

気付いた後は愚者タイムに突入するけど
625名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:16:52 ID:tnpaTAmG
熱くなっている奴は日本対チリみようぜ、成金ゴリラの凄さが分かるぞw
626名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:17:38 ID:wOLiVeYN
>>621
結果論として、誤字脱字は0になる可能性は大いにある。

広辞苑とか六法全書を推敲して校正しろって言ってるわけじゃない。
短い文章の中で、0にずるのは難しい作業ではない。

「僕は見た。」

極論を言えば、この短い文章に誤字・脱字・誤変換はあるか?
627名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:18:00 ID:OOC7Pua3
>>625
成金ゴリラって誰だよw
628名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:19:40 ID:I34U4Rlj
>>621
世界中に数多あるあらゆる書籍や細かい文、どれもちゃんと推敲をしているだろう。
その中でたった一つも誤字や脱字がないなんてありえないと思うんだが。
629名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:19:56 ID:tnpaTAmG
>>626
もういいから、ちょっと落ち付いて日本対チリ見ようぜ、中沢が大迫になったぞw
630名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:20:42 ID:G4+KBId1
>>626
漢字は読めないより空気は読めない方が困りものだな。
誤字より尊大な態度がうぜぇよって言われてるんだが。
631名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:21:04 ID:Ar9GUnZC
>>626
短い文章の中で、0にずるのは難しい作業ではない。
ずるのは→するのは
632名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:21:19 ID:I34U4Rlj
ごめん、間違えた。

必ず誤字や脱字があると言うのか?
633名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:21:20 ID:TdPf7kq8
>>626
わかったからそろそろ日記帳に書いてくれんかね。
634名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:21:27 ID:tnpaTAmG
うめぇけど煽ってもどうにもならんよ、朝青竜が爆発してる日本対チリみようぜ
635名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:21:51 ID:FA5+K4e9
そんなことより三国無双のキャラが召喚される妄想しようぜ
636名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:21:58 ID:OOC7Pua3
>>626
「」の中の文章は最後に。つけないほうがいいって聞いたんだがどうなんだろう。
あと簡単だと思うなら一回完璧なSSというものを見せてくれ。
637名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:22:43 ID:J3+vBfEq
0にずる
638名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:22:43 ID:k80+3aXY
何で趣味で書いてるものについて、毒吐きならともかく本スレでここまで言われにゃならんのだろう……。

とは言え、「遍在」と「偏在」の間違いは俺もやったけど。
639名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:22:55 ID:tnpaTAmG
>>635
ジャーンジャーン
げぇっ!関羽!
640名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:23:26 ID:uErrKklu
>>626は孔明の罠
641名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:23:51 ID:wOLiVeYN
>>633
ここも日記帳みたいなものじゃん

>>636
「」はわかりやすく、短い文章を囲っただけ。
煽りなのか揚げ足とりか、そんなことも読み取れないのかは知らんが。
642名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:24:44 ID:I34U4Rlj
>>638
ノボルが間違えてるからおk。

というか原作に沿うなら、間違ってるのがある意味正解w
643名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:25:15 ID:dqEbI8ZO
もう止めて!
私のために争わないで!
644名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:27:05 ID:TdPf7kq8
んじゃそろそそおっぱい談義を償還しなきゃいかんか・・・・・・
645名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:27:42 ID:c7G00NW0
全裸になって墜ち漬けよ
646名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:27:53 ID:tnpaTAmG
そんなことより、大人になったカツオ召喚しようぜ
中の人は既に召喚されていると言えなくもないけどさ
647名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:28:20 ID:7XaK4LD2
>>635
三国無双からだと思ったら真・恋姫無双からでした。
あるいはSD三国伝からでした、でもOK。
648名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:28:33 ID:1L7JwxCk
夏はいつも全裸で寝てるよ
649名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:29:37 ID:tnpaTAmG
>>647
先生!ガンダム無双でも良いですか?
650名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:29:41 ID:I34U4Rlj
全裸って風邪とかひかないの?

真面目な質問ですよ。
651名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:30:35 ID:XBbELBQ9
まぁ落ち着いてスルーの魔法を使えよお前ら
652名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:30:40 ID:eA4f8ar5
全裸で寝たら布団が汚れるぞ
653名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:30:57 ID:tnpaTAmG
退く人もいれば、退かない人もいるんじゃね?
654名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:31:20 ID:qvyrcM5M
おっぱい談義よりも、鮫談義を召喚もとい召還するべきだ。
655名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:31:30 ID:7XaK4LD2
>>649
武者ガンダムたちを呼び出すのならOK
656名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:34:35 ID:tmJotWk7
突然だがグインサーガの栗本薫って死んだんだな
657名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:35:04 ID:c7G00NW0
新宿鮫シリーズから鮫島召喚?
それともあのさめじ
うわなにするやめ
658名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:47:47 ID:l/enfZIy
>>656
ウチの母ちゃん愛読者だからガビーンってなってマジでメシ作るどころじゃなくなっちまったよ…
アニメあるって言っても邪道の一言で切られるし
659名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:50:32 ID:rWnHiUgX
そのうちバスタードの作者も…
660名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:51:32 ID:c4gLR2U+
グインサーガは20巻ぐらいまでしか読んでないからそう悲しくないなあ

水野良なら気絶出来るが
661名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:59:05 ID:hbUAzPyj
ここ来たの初めてだけど読む価値のあるSSは完結してるやつしかないの?
10話以上あるSSもそこそこ読めるやつがあるけど
中には誰か作者につまらんからもうやめれwって教えてやれよ
てなものもあるし
662名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:59:25 ID:ZEHE3qdu
>>642
誤変換でいえば
14巻の「徹甲弾」→「鉄鋼弾」がノボルクォリティw
7巻に「替える」→「買える」というのを見つけたがあれは単なる誤植だろう。
663名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:59:55 ID:tnpaTAmG
真・スルー 何もレスせず本当にスルーする。簡単なようで一番難しい。
偽・スルー みんなにスルーを呼びかける。実はスルーできてない。
予告スルー レスしないと予告してからスルーする。
完全スルー スレに参加すること自体を放棄する。
無理スルー 元の話題がないのに必死でスルーを推奨する。滑稽。
失敗スルー 我慢できずにレスしてしまう。後から「暇だから遊んでやった」などと負け惜しみ。
願いスルー 失敗したレスに対してスルーをお願いする。ある意味3匹目。
激突スルー 話題自体がスルーの話に移行してまう。泥沼状態。
疎開スルー 本スレではスルーできたが、他スレでその話題を出してしまう。見つかると滑稽。
乞食スルー 情報だけもらって雑談はスルーする。
質問スルー 質問をスルーして雑談を続ける。
思い出スルー 攻撃中はスルーして、後日その思い出を語る。
真・自演スルー 議論に負けそうな時、ファビョった後に自演でスルーを呼びかける。
偽・自演スルー 誰も釣られないので、願いスルーのふりをする。狙うは4匹目。
3匹目のスルー 直接的にはスルーしてるが、反応した人に反応してしまう。
4匹目のスルー 3匹目に反応する。以降5匹6匹と続き、激突スルーへ。
664名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:03:46 ID:j29fNi9u
ところでスルーの語源って何だろ?
するりと切り抜ける→スルーリと切り抜ける→スルー
という感じでいいのだろうか?
665名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:05:32 ID:I34U4Rlj
through じゃないのか?
666名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:08:44 ID:p79jsg9l
>664
サッカーのスルーパスじゃないの?
667名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:09:19 ID:tNkOS/d6
>661
話数が多くても糞は糞ってこった
ダレる長編より小ネタをお勧めする
668名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:11:32 ID:PsftiWRL
英語のスルーだろ…jk
669名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:12:03 ID:mGB1Zojw
>>661
呼んだ?

つまらないならつまらないととどめを刺してくれと思わないでもない
670名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:12:45 ID:hbUAzPyj
人気投票やランキングがあればなあ
多すぎる
671名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:15:33 ID:I34U4Rlj
そんなことやったら色々と荒れそうだな
672名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:16:41 ID:2HugFSfn
ヒカル・スールー
673名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:16:55 ID:hbUAzPyj
>>669
俺がさっき読んだのは元ネタを全く知らんやつで、人物描写が薄いSSな
お前の書いたSSかどうかは知らん
674名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:18:57 ID:xnGazYb7
このスレも質が落ちたな…イナカ者が増えたようだ
675名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:20:09 ID:3771OpUa
つよきす!のフカヒレを召喚して「え〜っ!メイジ全員ツンデレ?」
朝はしまパンのルイズを起こしに行ったり、日本刀風紀委員のキュルケに斬られたり
タバサと同居して着替えに遭遇したり、ギーシュに極細水着で誘惑されたり
676名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:20:49 ID:I34U4Rlj
>>674都会人パネェっす
677名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:21:43 ID:nmul8o0k
>>673
元ネタを両方知ってること前提のSSも結構あるから、単体としてみると弱いのはあるかも。
2次創作である以上、必然でもあるけどね。
678名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:22:17 ID:tNkOS/d6
るるると夜天だけだったな
原作知識なしで面白かったの
679名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:24:46 ID:HU4CObMM
俺はゴーオンとエクスデスだけだな
長編で元ネタ知らずに読んだもの自体が
どちらも面白いので是非とも頑張って頂きたい
680名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:26:12 ID:I34U4Rlj
原作知識なしって、要するにオリキャラ召喚を読んでるのと変わりないと思うんだけどな。

よく読める気になれると個人的に俺は思う。
クロスするのが面白いってのが醍醐味だと思うんだけど。
681名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:27:52 ID:cEmSPMA3
元ネタ知らずに読み始めて、未だに読んでるのはMtL、ソーサリーの2作かな。
この二つは文章も読みやすいから人にもお勧めできる。

BASARAは最近アニメみて原作知った。
682名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:28:12 ID:daU3OiUJ
>>673
いいから名前出せよチキン。
683名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:31:17 ID:IyeMsCMF
>>673
お前個人の価値観なんていちいち知らん
684名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:31:35 ID:PoaW8jrB
格付け比較とかやめとけよ
マジで不毛だからな

最近も、○○は一番!最高傑作!みたいな持ち上げられ方して停止したSSがあったろ
685名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:39:32 ID:c7G00NW0
何故だ!!何故決め付ける!!何故そっとしておけないんだ!!
686名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:42:37 ID:k80+3aXY
書く方も、それを読む方も、所詮は個人の感覚でしかないからなぁ。

と、もしや自分の書いてる話ではないかとビクビクしつつも言ってみる。
687名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:45:44 ID:7xNKePHf
>>686
それは一人だけじゃないから安心していい
一種の達観も持っておいた方がいいと思うし
688名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:49:49 ID:tnpaTAmG
>>684
あれは他を下げる発言をしたのが決定的だったんだろうけどな
689名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:51:53 ID:tmJotWk7
>>686
イデが発動しそうな台詞だな
690名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:51:59 ID:PoaW8jrB
>>688
○○だけしか面白くなかった、みたいな書き方もそれと変わらんと思うけどな
691名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:54:08 ID:Bij3Zelk
元ネタ知らなかったけど、ここで読んで原作も読み始めた。
そう言われるようなのを書くのが目標です。

でも、言われたことがない。
692名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:54:42 ID:nmul8o0k
>>680
ここで読んでから、原作が気になって見始めたりもしてるよ
693名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:55:10 ID:dTBV7qFY
そういやゼロ魔って戦国自衛隊みたいなもんだな。規模は全然違うが近代戦と時代劇のクロスと近代戦とファンタジーのクロス
いずれはサイトもときの一族のようになるんだろうか、聖帝様や豪鬼なんかは別として
トリステイン全軍対使い魔一人とか
694名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 22:03:43 ID:nRFhYiGh
戦国自衛隊って一応SFじゃなかったっけ?

もしも現代の自衛隊の一部隊が戦国時代にいきなり放り込まれたら
どの程度の事ができるのか?という。
695名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 22:06:25 ID:hNcIeR5E
>>691
読んでる作品の半数以上がクロス先の原作未読な奴がここに1人…



気に入ったキャラや作品があると、
クロス先の元ネタを調べて楽しむ。
696名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 22:12:23 ID:CzqP8KnC
静嵐刀召喚のSS読んで原作読み始めたよ
避難所でもオススメされたけど、
まさか最終巻で六年も止まってるなんて思わなかった
色々ここで読んで原作気になってる作品は他にもいっぱいある

マイナーな作品だと、原作手に入れるのに苦労するものもありそうだな
697名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 22:14:22 ID:2cUFdntJ
何? 元ネタ知らないが面白かった作品とな?

・「ゼロのアトリエ」(ヴィオラートのアトリエ) 完結
いや、なんつーか、その、能天気とゆーかw

・「ゼロのガンパレード」(ガンパレードマーチ) 未完
一瞬復活したのに復活したのに(;_;)

・「GIFT」 (スパイダーマン:映画版) 未完
黒ルイズッテイイヨネ!! これも続きが……orz

・「ZONE OF ZERO」 (Z.O.E (ZONE OF THE ENDERS)) 未完?
淡々としたチートさが何か好き。明確に完結してるわけではないが、一段落してるし、もう続きは来ないんだろうなぁ……。

・「幽“零”楽団 〜 Magical Ensemble」 (東方project (東方妖々夢)) 完結
面白い切り口の作品。読後感も良し。

・「ヘルミーナとルイズ」 (ヘルミーナとクルス〜リリーのアトリエ もう一つの物語〜) 完結
マリーとエリーはやったから、厳密には元ネタを知らないわけじゃないけど。
なんつーか、切なさ全開(;_;) 過去は取り戻せないけど、でも……。

・「使い魔は高笑う」 (小ネタ・元ネタ秘密) 完結
小ネタにもかかわらず、続編を求める声がときどき湧いてくる。(俺もその一人だったり)
この先、彼女達がどうなっていくのか見てみたいと強く思う。
698名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 22:15:01 ID:uZYca2cJ
>>696
封仙は完結したぞ、いろいろあって重版かからない可能性もあるから全力で探すべきである。
699名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 22:16:01 ID:xnGazYb7
現在434KB
700名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 22:20:23 ID:tnpaTAmG
>>690
そんなことまで書かれてたの?
701名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 22:21:51 ID:Og85+hPW
いいじゃないか。そういうのがあったって
にんげんだもの
702名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 22:26:36 ID:daU3OiUJ
殆どコメントが無くとも、すぐにwikiに登録する人がいるのだからそれ位の価値はあるはずだ。
そう思いながら書くのを続ける俺ガイル。
703名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 22:32:13 ID:c7G00NW0
一つの乙があったら50の乙があると思え
704名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 22:35:13 ID:k80+3aXY
そう言えば何でか知らないけどスレに投下したら即座にwikiに登録される時があるんだよなぁ。
705名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 22:35:30 ID:EhjU2G7s
>>703
素晴らしい言葉じゃないか!


でも元の言葉思い出してクラッときた。
く、くるな!飛んでくるなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
706名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 22:41:17 ID:dTBV7qFY
黒光りするG
707名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 22:42:15 ID:7xNKePHf
>>704
一週間後に音沙汰無く登録ってのもあるけどな
708名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 22:47:35 ID:ofIWF4DB
>>706

仮面ライダーGが召喚されると聞いて
709名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 22:50:30 ID:OfUVdUTs
大陸の町や建物・物語の要所が書き込まれた地図ってありそうなもんだけどないのかな?
710名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 22:51:25 ID:OfUVdUTs
sage忘れてたorz
711名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 22:54:54 ID:Bij3Zelk
>>707
毎話、一週間くらい経ってから登録されてるのがあるね。
712名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 23:00:02 ID:eJ9Bw2Dl
いやむしろここは天然戦士Gと言う方向はどうでせう
713名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 23:01:22 ID:fbu/gWOF
か、勘違いしないでよね!
wikiを編集者したついでに登録してあげただけなんだから!
714名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 23:10:53 ID:mhl2OY3P
クロス先知ってる作品で更新が安定してるのが少なすぎて困る
715名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 23:32:42 ID:ofIWF4DB
>>712

つまりルイズが金色のGを召喚すると…
契約時と変身する度に気絶するルイズを幻視したw
716名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 23:35:46 ID:Iag0pozx
まぁ、クロス先以前に原作のほうを読んでいない俺のような存在もあるわけで。
717名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 23:39:07 ID:ofIWF4DB
>>716

よぉ俺。
718名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 23:53:47 ID:y4zs43Vc
>>673
一応そういうのは毒吐きで言った方が良くないだろうか?
719名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 23:59:47 ID:Og85+hPW
>>716
やぁぼく、久しぶりじゃないか
720名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 00:01:46 ID:PsftiWRL
ゼロ魔原作は都市伝説
実は存在しない
721名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 00:18:36 ID:UIR9JGOS
復活して欲しいのは虚無と狼の牙(TRIGUN MAXIMUMとのクロス)と虚無と狂信者(HELLSINとのクロス)ですね。

ウルフは大好きだ。アンデルセンは最高だ。
722名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 00:20:45 ID:QohDxPMY
クロス先が好きでゼロ魔にはとくに興味無いのはここだけの秘密
723名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 00:22:23 ID:5rqcJObn
さすがに二年もここにいると飽きがくる
724名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 00:25:58 ID:UbmQSB7h
ゼロ魔というよりも、ラブコメ調の話全般がだめなやつもいたりする。
ついでに、ツンデレの良さもわからなかったり。

ゼロ魔は、世界観とか設定とか、そういうものは好きなんだがなあ。
725名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 00:27:39 ID:Qf6U/xRX
ゼロの使い魔アンチスレにでも逝け。
726名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 00:31:57 ID:0V/pTZ6j
読み手はともかく書き手の方は原作を一通り熟読してほしいな。
3巻あたりまで読んでゼロ魔分かった気になってクロスなんか書いてほしけない。
727名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 00:32:50 ID:UbmQSB7h
>>725
ここの話は好きだし、キャラもいい感じの奴が多いと思うぞ。
コルベールとか、ジョセフとか、イザベラとか、ヴァリエール侯爵とか。

単純に、ラブコメが余分だと思うだけだ。
728名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 00:34:32 ID:mGVtx+1+
ラブコメはいいんだけど、ルイズとサイトは何回同じこと繰り返してんだよwっていう。
729名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 00:37:21 ID:FxMJbzir
WIKI落ちてる?
730名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 00:39:01 ID:vdarb/jk
うn
731名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 00:40:17 ID:FxMJbzir
thx
うおおお読み途中で落ちた続きよみてええ
732名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 00:48:57 ID:WwyyFJ0x
>>722-724
ゼロの提督は最高だったよな。
733名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 00:50:00 ID:5rqcJObn
悪い意味で盛り上がったがな
734名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 01:01:07 ID:EFBMxcQj
やっぱりWiki落ちてるか…クソッ
735名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 01:23:27 ID:qlfUpRyM
ウフコックの復活をずっと待ってる。
736名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 01:47:14 ID:EyHwAtUQ
ばくね…
とうほ…

なんでもない
737名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 02:00:20 ID:dH2Q38MD
>>726
すまない。
実は熟読どころか、本を手にとったこともない。
こんな書き手で すまない。
738名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 02:03:18 ID:rfacNCrU
先日完結した某作品が気になったんで、
漫画喫茶で原作読んできた俺が通りますよ
739名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 02:13:15 ID:4tvHK/WT
>>737
はいはい自称書き手乙
740名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 02:33:53 ID:VFQnTAoV
埋葬惑星よりジョーイを呼ぶ猛者は居ないのだろうか
741名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 03:45:13 ID:2fR52yxn
>>593
物語中盤、ヤザン撃退後のソルティ召喚とか
ロイさんは乳革命に召喚されて疑似親子やっとくとか……
もしくはエンディング後の修復されたソルティと白髪混じりのロイさん一緒に召喚してルイズ巻き込んで家族ごっことか
742名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 04:34:20 ID:EFBMxcQj
また停まったな
743名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 07:39:29 ID:Ys03uZ4J
>>737
良かった!俺だけじゃなかった!すげー安心した!
744名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 07:51:51 ID:oAxNRIku
書くなら原作読むべきとは思うけどな
745名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 07:55:48 ID:l5Y7rWR4
買えばいいじゃないか
746名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 08:22:21 ID:bqQHg0ny
黒ルイズの話ってゾーマとスパイダーマン意外でありますか
あったら教えてください。
747名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 09:00:26 ID:jTS2txSP
俺7巻くらいまでは以前読んでたけどもう忘れちゃってるから、
書く前に読んでおこうと思ってブックオフで昨日11巻まで買ってきた
748名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 09:26:12 ID:XcmINCY4
バビル2世のヤツって続きはもう諦めた方がいい?
749名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 09:37:43 ID:jTS2txSP
安永航一郎の超感覚ANALマンからANALマン召喚しちゃったらルイズが気の毒すぎるな
750名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 09:37:43 ID:0zorFOHP
ウルフマンが召還されると聞いて(ry
751名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 10:05:34 ID:e103oCwf
知らない作品とのクロスは基本読まない
知ってる作品とのクロスもよほど好きな作品以外は読まない
避難所や本スレでの評判を見て初めて読む。その際は未知既知関係無し

手間は省けるけど、埋もれてしまった名作に当たらない悲しさ……やはり全部目を通すべきなんだろうか
752名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 11:26:20 ID:Q/LwISYh
全部見てたら何カ月かかることやら
753名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 12:41:49 ID:EyHwAtUQ
暇なら読むで良いんじゃね?
それで当たったりはずれたりしても八卦ってことで
754名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 12:50:41 ID:4ZJXzj5x
>>600ぐらいからスレ読み返してたけどもうだめぽ
755名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 13:08:50 ID:KDEgbaIN
お、なんだ機能の酸化者か(ニヤニヤ
756名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 13:22:16 ID:EyHwAtUQ
酸化者

抗酸化作用のあるローズとマリー召喚
うん、ミ・マドモワゼルと仲良くなって終わるだろうな
757名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 13:33:07 ID:1IzPx1ko
酸化→腐敗→椎菜
という流れで結召喚   「幾久しく!」
契約はどちらも「粘膜の接触」だし
結(♂)でも可
758名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 13:39:05 ID:KuyIkORz
なんか知らんがオカマキャラは無敵属性を持ってる奴が多いよな。単に誰も近づきたがらないだけかもしれんが。

知らない奴とのクロスでも、きちんと背景やキャラを説明してくれたら楽しめる。
例えばラスボスだった使い魔は、ヒーロー作戦はやったことないし、出てくる作品はウルトラマンとGガンくらいしか知らんが十分楽しい。
759名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 13:43:03 ID:zY5mbhgB
>>724>>727
案外そういう人多いのかもね
>ラブコメ駄目、ツンデレ駄目

自分はお嬢様タイプのツンデレは苦手なんだが
760名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 14:03:16 ID:ZZTMiuTu
いきなりだが最近代理投下の作品増えたような気がする
避難所に投下してからワンクッション置かなきゃならないのも寂しい感じだな
早く全作者の規制が解けりゃいいのに
761名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 14:36:26 ID:lRhpqrvF
規制とは関係なしに代理投下させてる書き手もいるだろ

無反応に嫌気がさしたとか、叩かれるのが恐いとかで
762名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 14:36:52 ID:52j1BA0x
別に寂しかないと思うけどなぁ
投下も猿さんとか無い避難所の方が楽だしさ
作者さんの手間が省けて良いんじゃないかとすら思っちまうなw
763名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 16:24:05 ID:esksS6cD
>>758
とりあえずクリムゾンネイルとコルクマリーが浮かんできた

前者は獲物に問題が、後者はルイズを殺しかねないと言う問題があるが
764名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 16:39:40 ID:w+RmfS/Q
まとめの更新履歴に「ゼロと冬のライオン」ってのがあったから開いてみたんだけど、中身なにもないように見えるのだが、これどういうこと?
このスレにも避難所にもないようだけど。
765名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 16:47:41 ID:52j1BA0x
wikiに直接投稿とか?
ページだけ作って、今は執筆中w

>このスレにも避難所にもない
そういうのを見つけたら、とりあえず運営に報告してみれば良いんでない?
見に行ったら既に報告されてることもあるかもしれん。
766名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 16:49:04 ID:bKE+d2Vx
男版ヤンデレみたいなのいないの?
いや、そういう奇抜な男は少女漫画辺りにいそうだけどさ
767名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 17:01:45 ID:1IzPx1ko
今オカマキャラといえば彼でしょう
若本ヴォイスのニクい奴
あるいは矢尾声のアイツ
戦闘力だってどちらもほぼ無敵だし
768名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 17:02:23 ID:wGTtdKR3
>>760
戦国BASARAの明智光秀
769名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 17:07:58 ID:WYlRvWHD
>>763
コルクマリーは肌の綺麗な美少女ルイズを気に入るだろうから、当分は安全だと思う
美味しいものは最後まで取っておくタイプだし、いいお姉さん演じながら虎視眈眈とルイズを狙うよ
…マルチーノ切り刻むの何年我慢したんだっけあの変態
770名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 17:09:01 ID:rsgeNqZG
>>763
オカマキャラといえばキングダムの『怪鳥』王騎将軍だな。
普通にとんでもなく強い上に頭も切れるし、ルイズを大きく成長させることも可能だ。
使い魔なんかになってくれるかどうかは分からんがw
771名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 17:16:09 ID:BOrvb6Mp
オカマキャラで思いついたのがグレンラガンのリーロンとサモンナイト3のスカーレルだった。
どっちも小野坂だという偶然。
772名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 17:39:08 ID:5S6aJN78
オカマと聞いてボン・クレー思い出した俺がいる
メインキャラみんなで「ジョーダンじゃなーいわよーう!」とかやってんの想像して吹いたw
773名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 17:44:41 ID:drgZP9yG
オカマ?
キンゲのウンコ部長で十分だろ
774名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 17:59:41 ID:2fR52yxn
>>767
その矢尾声の人召喚したが最後その場で男女問わずに強姦屍姦殺戮大会じゃないっすか……

しかも魔導書をどうにかしないと不死身だし
775名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 18:03:00 ID:SsConsBU
ところで若本ボイスのオカマというのは恋姫のパン一おさげマッチョでいいんだろうか
776名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 18:06:30 ID:0QIjqPg/
>>774
矢尾声のオカマったらやっぱ真っ先にあいつが出てくるよ、俺も
いっそ某所のSSみたいに逆十字全員呼んでみるか
もしくはケース別みたいな形で・・・
ギーシュってあいつ的にストライクゾーンは外れてる・・・よな?

あと矢尾声のオカマというか、外見はババァにも見えなくない奴
呼んだら・・・生命維持装置から外れてすぐに死にそうだ
下手すれば街ごと召喚されるかもしれんが
777名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 18:12:37 ID:+hekmHEN
>764
そいつ理想郷にも二重投稿してるブツだろ。
ルール的にはどうなの?
778名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 18:34:30 ID:MPBqy/6w
オカマ…ワンピースのイワさん?
てかあの人普通に女になれるしな…何故か性別を変えられたルイズとキュルケとタバサとギーシュ(そしてモンモンと百合ん百合ん)を幻視したw
779名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 18:38:24 ID:nJYJrHZQ
それはちょっと面白そうだなw
780名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 18:57:10 ID:52j1BA0x
>>777
こっちで引っかかるのは、wikiへの直接投稿くらいでない?
別に他への投稿は禁止されていないと思う。

こっちへも投稿しているのが、作者さん本人だって分からんと不味いけどね。
781名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 18:59:53 ID:8VHias0a
ケメコデラックスのケメコ(だけ)召喚。で、ルイズが装着。
782名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 20:09:30 ID:KD5g+u7k
>>777,780
あっちに作者登場…

>『あの作品のキャラがルイズに‥‥』で書くのが面倒だったからです。

戻ってくるなよ
783名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 20:32:46 ID:8lNVidtP
こっちじゃ読者様の機嫌伺わなけりゃ荒されるんだからしょうがないじゃないか
784名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 20:40:11 ID:8SAi82UN
あっちを見た感じだと、あいつの場合は場所に関わらず荒れそうだけどなw
785名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 20:40:22 ID:YTVTLgCV
>>782
メモ帳なりなんなりで書いてとかじゃなくて、その場で書いて投稿してるってことか?
そりゃ、すげぇ
786名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 20:42:56 ID:eZg4cJmH
最低限のマナーを守って真っ当な作品を提供してくれるなら、
読者の機嫌を伺うまでもなく荒れないで済むんだがw
787名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 20:54:17 ID:5rqcJObn
そして誰も書かなくなった。
788名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 21:01:27 ID:MPBqy/6w
あとオカマと言えばぬけ子こと抜作先生だなw
ふとブリミル=抜作先生が…アリだなw
789名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 21:02:08 ID:4kf6flr3
オカマキャラなら、フィギュアの発売を記念して、はぴねすの渡良瀬準を召喚
ファンディスクの魔法の杖持ってるバージョンで、ギーシュあたりを誘惑

「綺麗だ、とても男のコだなんて信じられない」
「じゃあちょっと待ってて、女のコになって来るから〜♪」
「待て!女になった準にゃんじゃ意味が無いんだ!」
790名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 21:18:01 ID:DHlJlMVn
オカマの話でシャングリ・ラのモモコさんとミーコが出てこないなんて。
中田譲二と大塚芳忠がヒロインをやってるんだぜ。

あとDクラッカーズのキメリエスを知ってるやつはいないのか。
791名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 21:20:24 ID:4tvHK/WT
モモコさんは普通に可愛いからな
792名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 21:20:35 ID:DSXgGgvZ
オカマ…
パッと浮かんだのがサモナイ3のスカーレルと九龍妖魔学園記のすどりんか
後者は女子寮忍び込んだり、盗撮したりと色々問題のあるオカマだがな
793名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 21:21:16 ID:v+SJ5Fob
「薬屋のタバサ」より平山タバサを召喚
794名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 21:25:39 ID:KCb6Lx/4
そういえばウォーザードってRPGっぽい格ゲーにも
タバサって魔法使いがいたなぁ
795名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 21:37:39 ID:1MSpvr26
オカマならキングゲイナーの運行部長
クレヨンしんちゃん暗黒タマタマの三人のオカマ

なまえ忘れちまったけどいつまでも忘れられないオカマきゃら
796名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 21:42:08 ID:oppihtPD
厳密に言うとオカマじゃ無いんだが、クレオパトラ・ダンディを。

か弱き女性には優しく、強き戦士には堂々と挑む、男の中の男(ダンディ・ザ・ダンディ)!
797名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 21:48:37 ID:x1bJe+Po
ペーパーマリオのビビアンとか
今日やってた新必殺仕置人の殿様に玉潰された侍とか
798名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 21:49:53 ID:AFj70tEW
>>795
召喚するならハイグレ魔王様のほうがカオスになりそうだ。
みんなハイレグ化だ〜〜〜〜www
799名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 21:53:42 ID:E55ItLyF
えの素から出張性転換屋を……
最後はコルベールあたりが硫酸ぶっかけて終了で
800名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 21:56:11 ID:1MSpvr26
もう一人忘れてた。逆転裁判から ほんどぼう・薫
こいつは何から何まで完璧だ。完成形といってもいい。オカマの到達点。

>>798
一番強烈なの忘れてた。あいつの最期の姿がトラウマ
801名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 22:02:55 ID:4tvHK/WT
>>795
クレシンでオカマキャラというとオカマ魔女のマカオとジョマが思い付くのは俺だけだろうか
あいつらの魔法はメイジの比じゃない
802名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 22:05:15 ID:yz5kjuJ8
オカマキャラってホントに男前な奴が多いよな
803名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 22:06:29 ID:+ONTjoCP
他人の痛みを知っているからな
804名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 22:09:16 ID:0QIjqPg/
>>795
ローズ、レモン、ラベンダーだな
長男ローズの本名がたけし、次男がつよし、三男がきよし
ローズのキレっぷりが印象深かったw
805名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 22:09:27 ID:nJYJrHZQ
男の旨みと女の旨みの両方を知るからこそかっこいい。
806名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 22:13:04 ID:JJJ4QP32
オカマがかっこいい理由は世間の冷たい目を跳ね除けて
自分の芯を見失わず、自信を持って生きていける強さが必要だからだと思うな
半端な覚悟じゃオカマはやっていけねぇのさ
807名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 22:15:26 ID:AFj70tEW
>>804
「純情なオカマの心を弄びやがって!!」
とかいって味方がしがみついてる足場さえ気にせず引っぺがして投げまくったアレかw
808名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 22:16:48 ID:FDDwuaYM
オカマの世界は、超体育会系縦社会らしいしな。
女性的なオカマは、大概駆逐される。

んでもって、女性社会の横のつながり最優先の世界には到底なじめないのもオカマのサガ。
女性が受け入れないというより、女性社会の女性同士のつながりについていけないらしい。
809名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 22:18:45 ID:1y+XtOjE
何故みんなオカマでここまで熱くなれるんだ……。
810名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 22:25:37 ID:8SAi82UN
もうゼロ魔とも召喚とも関係無いよね。
811名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 22:26:29 ID:4tvHK/WT
オカマキャラ最高論→ミ・マドモアゼルが最高という結論の為のフラグ
812名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 22:38:20 ID:YA4RzI3M
理想郷にも二重投稿してたwikiへの直接投稿のヤツ、理想郷から消えてた。
813名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 22:40:09 ID:0QIjqPg/
使い魔候補としての話に戻すと・・・
逆十字の使い魔たち
オカマ:>>774
糞餓鬼:切断
覆面:殴殺
お侍:強者との死合いを求めて使い魔承諾?
尻穴:掌の使い魔に代理契約させて学院の人間をモルモットにするべく活動開始
青瓢箪:機会を伺うべく使い魔承諾、なんやかんやでコスプレ
神話歌手:すぐ邪神がお迎えに上がります

ティトゥスは某所のSSもあって比較的まともな流れになりそうな気がする
とりあえず、上三人はどうしようもねぇw完全な出オチ
ウェスパシアヌスと地球皇帝なら辛うじてネタ一本分にはなりそうなキャラなんだが
814名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 22:49:37 ID:KuyIkORz
最近のクレしんじゃオカマキャラ出なくなったな、昔の映画じゃ必ず出てきたのに。
最近じゃやっぱしロイエンタール声のオカマが一番インパクトあるわ、間違いなくはばかられる使い魔になるだろうが、
それ以前に使い魔のルーンが胸に出るんだよな、忍んできたアンアンが気絶しそうだ。
815名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 22:55:16 ID:36uinwve
ハルケギニア皇帝か…
816名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 23:01:29 ID:EyHwAtUQ
なんでオカマの話題になったんだ…
817名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 23:08:01 ID:LYnkU/B1
特に投下宣言がなければ15分くらいに小ネタを一点投下しようと思います。
THE・初挑戦
818名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 23:08:57 ID:M3UC/RbH
元ネタと、召喚されるキャラを書いた方が効果的だぜ。
819名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 23:09:13 ID:1y+XtOjE
>>817
みんな最初は誰でも初挑戦だよ。

というわけで事前支援。
820名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 23:09:43 ID:MPBqy/6w
それだけミ・マドモアゼルがみんなに愛されてると言う事だよね(棒)
821名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 23:10:17 ID:8SAi82UN
事前支援ってどれくらい前まで効果があるんだろうか
822名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 23:10:35 ID:MPBqy/6w
失礼しました。支援
823名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 23:14:18 ID:eu1DPxYI
支援支援〜
824名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 23:16:14 ID:zvGV5UPo
>>821
むしろ効果あったんだ……
単なる自己満足かと思ってた
825名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 23:18:19 ID:8SAi82UN
一つのスレに、ある時間(H)内に、最近の投稿(N)のうち沢山投稿(M回)したら、「バイバイさるさん」になる。
ttp://info.2ch.net/wiki/index.php?Good-By_Monkey
8261/2:2009/05/28(木) 23:18:51 ID:LYnkU/B1
藤崎封神から土行孫召喚です。
絵板オリジナルのやつをちょっと話広げようと試みました。自給自足ぅ!
では始めます。ぶん投げます。

――――――――――――――――――――――――――――――

「いやだああぁぁあああ!!」
「冗談じゃない!断じて拒否するぞぼかぁ!」
 草原に悲痛な声が響き渡る。学院きっての伊達男、ギーシュ・ド・グラモンと、彼に召喚された者の叫びである。
 ここ、トリステイン魔法学院で、二年生進級の際に行う春の使い魔召喚の儀式。
そこで彼が召喚したのは、背の丈はギーシュの胸ほどの、ずんぐりむっくりとした体型の醜男であった。
「何が悲しくて、こんなのと口付けにゃあならんのだ!」
 ギーシュを指してそんなことをいうのは、崑崙十二仙の一人『懼留孫』の弟子で、土行孫と言う。
 何の因果か呼び出されてしまったようだ。
「それはこっちの台詞だ!どうせ呼んでキスするなら、可愛い女の子のほうが良いに決まってるだろう!」
 造花の薔薇を大仰に振りながら、猛弁を奮うギーシュ。
「やっぱそうだよな!」
「もちろんだとも!」
 意見が合う二人。お前等お似合いじゃないか、と周りで見ている者は思わずにいられない。
「ギーシュ」
 低い声と共に水球が飛んでくる。モンモランシーである。
 がばごぼと泡を吐くギーシュをよそに、土行孫は他の貴族の子女に
「ヘイ彼女。オイラと契約しないかい?」
 なんてナンパをしかけるので、ついでにそっちにも水球を見舞う。二人を正座させ
「ほら、あんた達。あのゼロだってもう契約済ませたんだから、とっととやっちゃいなさいよ」
「げほっ、げほっ…そ、そんなモンモランシー!僕の唇がこんなのに奪われても良いって言うのかい!?」
「別に。使い魔との契約ならノーカンでしょ?さっさとなさいよ」
827名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 23:19:11 ID:1y+XtOjE
>>824
そういう側面もある。
ぶっちゃけて言うと「期待してるぜ」ってアピールみたいなもんだからな。
8282/2:2009/05/28(木) 23:20:16 ID:LYnkU/B1
 有無を言わせぬ巻き髪少女。しかし…
「オイラはやだね。なんだって男とキスせにゃならんの」
「そういう決まりなのよ。呼び出された生き物は呼び出したメイジの使い魔となる。
その契約は古来から接吻をもって為す。神聖な儀式なんだから」
「へ!そんなの知ったこっちゃないね。オイラを帰して別の呼び出せよ別の。それで解決じゃん」
「帰す魔法なんてないわよ。それに、別のを呼ぶ、となると、あんたが死ななきゃなんないんだけど…」
 そう告げると、ギーシュに目配せするモンモランシー。冗談じゃない、と喚く土行孫と対照的な召喚者は
「あ、あぁ。そうなるね。そう…うぅむ、いくら顔が悪かろうと、メイジの気分一つで平民を殺すのでは貴族の名折れ。
 仕方ない。ここは諦めて契約しようじゃないか」
 首を振り、気障ったらしい仕草で続けるギーシュであった。
「勝手に決めんなよ!オイラに選択権は!?」
「そんなのあると思ってんの?平民のくせに」
「なんだよそれ!平民ってなんだよ!オイラこれでも神仙の端くれだぞ!」
「はぁ…いいなぁルイズは。あっちも男だけど、ルイズは女の子だもんなぁ…僕も女に生まれたかったよ。いやこの美貌ならもし
や…」
 危険なことを考えながら、やがて諦めたように造花を振って
「我が名はギーシュ・ド・グラモン。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
 ものすごくどーでも良さそうに詠唱を終えれば、ぎゅっと目を瞑って果てしなく嫌そうな顔をしながら顔を、その唇を近づけて
いく。
「い、いや待て!マジやめろって!」
「あーほら、動かないの」
 逃げようとする土行孫の顔ををモンモランシーが後ろから抑える。そして…



 チュッ



 土行孫はもとより、やはりギーシュも耐えられなかったか
『おえぇぇええええええええ』
 まったく同じリアクションを取るのだった。

 このメイジと使い魔が、やがてトリステイン、ゲルマニア連合軍とアルビオンとの戦役でそれなりの戦果をあげるらしいのだが
、それはまた別の話である。
 終わり。
――――――――――――――――――――――――――――――
以上です。
単行本が手元にないから土行孫の口調が怪しいけど気にしない気にしない。
お粗末。
829名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 23:22:00 ID:1y+XtOjE
絵板から逆にネタを拾うってことがあるのか。

ともあれ乙。
830名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 23:22:45 ID:8SAi82UN
乙!
ナンパ時に乗り物として活躍するシルフィはベンツですね。
831名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 23:25:10 ID:8SAi82UN
絵師さん本人でないの?
832名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 23:26:37 ID:Ys03uZ4J
>>829
某赤ずきんもだな……
833名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 23:29:29 ID:0QIjqPg/


・・・まぁいいじゃないか
土属性だからってリッチやスカルミリョーネ呼んじゃうよりマシじゃないか!!
834名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 23:32:08 ID:oppihtPD
ルイズが呼んだアオバグルミを食べちゃった使い魔、と申されたか。
835名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 23:42:21 ID:R0v/sfEM
>>833
腐りかけた骸骨だもんなぁ…
口付け…がねぇ…?
836名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 23:49:37 ID:KuyIkORz
>>834
それって、旧日本軍が栄養食として使っていたけど、多量に摂取すると甲状腺に異常をきたして巨大化してしまうってやつだっけ
837名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 00:08:52 ID:bbdshVpA
土属性な・・・・・・
ギーシュが虹色に輝く無数の球体を召喚してしまったようです
ギーシュが無貌のスフィンクスを召喚してしまったようです
838名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 00:14:22 ID:6gQR77zZ
モグラ繋がりでナックルズ召喚
839名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 00:17:19 ID:MYxFjeFQ
混沌が這い寄ってきちゃらめぇ
840名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 00:27:55 ID:8ejoTgGj
>>837
土属性なら土を扱えないとね
てことで、銃夢LOの刀耳さんの地津波ですべてなぎ払ってもらいましょう
841名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 00:37:17 ID:gb43Gmo5
土属性か、陶芸家の海原雄山ってキャラが居たな。
842名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 00:44:21 ID:78VgpD0W
今年の戦隊なら火も水も土も風もいるぜ!

( 木)<……
843名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 00:51:23 ID:cH389N6d
武蔵伝のレイガンドだって
地水火風あるぜ
空が余るけど…
844名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 00:53:30 ID:/903i9HO
土属性といえばマジレンジャーのマジグリーン。

イマイチ目立たない緑なのにリーダーでやたらとキャラ立ちいていたな。
845名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 00:55:51 ID:dDntS47r
エデ・イーのリッチ呼んじゃったらキスどころじゃない
846名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 00:57:10 ID:bxh4kHYb
土水風火…そう考えるとFFと相性がいいんだな。
まぁ、ファンタジー必須の4大元素だし、当然か。
ただしFF2を除く。……ウボァー
847名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 01:01:25 ID:dDntS47r
タバサさんが痴女を呼び出したぞー!
848名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 01:07:24 ID:KKY7LOyD
この四属性だとアークトゥルスを思い出す
849魔物使いが使い魔 5話B:2009/05/29(金) 01:26:45 ID:yGqyM2An
こんばんは失礼致します。
よろしければ5話Bの投下をしたいと思います。
もし他の方いらっしゃらなければ
1:35より投下開始したいと思います。
よろしくお願いしますm(_ _)m
850名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 01:30:10 ID:nXbD7o4p
寝ようと思ってたが、投下というならば仕方が無い。

支援しようw
851魔物使いが使い魔 5話B:2009/05/29(金) 01:35:04 ID:yGqyM2An
「諸君!決闘だ!」
大量の学生で埋め尽くされたヴェストリの広場にギーシュの声が響く。
その言葉と同時に多くの学生たちの歓声があがる。
学院での娯楽が少ない彼らにとってこの決闘騒ぎは思わぬ催事であった。
もちろんその催事の結末は貴族に歯向かった愚かな平民の血を見ることに他ならない。

その虎の巣の中にリュカは足を踏み入れる。
群集は口々にリュカをなじり挑発するが彼は一度もそれに応じることなく
ギーシュの元まで辿り着く。
「逃げずに来たことは誉めてあげよう。しかしだからと言って僕が君を許すことはない!」
高々と薔薇の杖を手にギーシュが宣言する。
「ルールはそうだね。どちらかが戦闘不能になるか
それとも僕が杖を落としたら負けということにしようか。」
言ってギーシュは得意げに薔薇の花を振る。
薔薇から散った花弁はたちまち青銅の鎧を身にまとった乙女の姿を形づくる。
「僕はギーシュ、青銅のギーシュ。「土」のドットメイジだ。
 ご覧のとおり目の前の人形は僕が作った青銅のゴーレム、ワルキューレだ。」
目の前のゴーレム ワルキューレがギーシュの声に応じて動き出す。
ワルキューレは咄嗟にリュカの目の前に立つと
青銅で出来た拳をつきだしファインティングポーズの構えをとった。
「僕はメイジだ。だから決闘には魔法を使う。文句はないねゼロの使い魔君?」
ギーシュが得意げになって言う。
彼は酔っていた。目の前の男はどう見てもただの平民。
得物と思しきものは手にもった杖のみでほぼ丸腰に近い状態であったのが拍車をかけた。
今からこの愚かな男に貴族のなんたるかを叩きこんでやるのだ。
殺すつもりはないが一生貴族に逆らえぬようなトラウマを刻んでやるのもおもしろい。
この決闘を機にゼロのルイズも大人しくなるだろう。
それにこの決闘騒ぎのお陰で二股騒ぎの己の不評は有耶無耶にできるかも知れない。

思わずニヤつきそうになる顔を必死に諌めながら彼は宣言する。

「では決闘の開始だ!」
そして戦いが始まった。

先ず動いたのはギーシュのワルキューレであった。
ワルキューレは拳を突き出しリュカに殴りかかる。
それをリュカはかしのつえを使い咄嗟にそれを受け流す。
攻撃を受け流され体勢を崩したワルキューレにリュカは杖を軸にワルキューレに足払いをかける。
たまらず仰向けになったワルキューレの脳天にリュカの杖の一撃が入った。
おおぉ・・・!
観戦していた群集から驚嘆があがる。
ここまで僅か5秒、見事な早業であった。
しかし青銅で出来たワルキューレはかしのつえで殴られたくらいでは
へこませることは出来るが破壊は出来ない。
咄嗟にリュカはワルキューレから距離を置き対峙する。
852魔物使いが使い魔 5話B:2009/05/29(金) 01:35:59 ID:yGqyM2An
「すっすごい・・あんなに強いなんて思わなかった・・・」
ルイズは思わず驚嘆を吐く。
横で見ているシエスタは今にも倒れそうなほど青い顔色で決闘を見ている。

「へぇ・・・平民にしては結構な身のこなしよね。傭兵でもしていたのかしら彼。」
一方違うところでリュカの決闘を見ていたキュルケはそう呟いた。
ルイズの使い魔がギーシュと決闘を行うというので興味本位で見にきたのだが
これは存外にもおもしろいことになるかも知れないと興味津々に決闘を見ている。
同じくキュルケの横にたつ眼鏡をかけた蒼い髪の少女はぼそりと呟く。
「確かに動きは悪くない。でも・・・」
少女はリュカではなく頭部がへこんだワルキューレを見て言った。
「あれでは勝てない。」


(なるほど・・・見たところ、さまようよろいと同じ強さみたいだ。
 という事はかしのつえだとちょっと厳しいな。)
頭部がへこみながらも何事もなく立ち上がり再び拳を繰り出してきた
ワルキューレを見ながらリュカはそう判断する。

さまようよろいなどを代表する動く鎧(リビングデット)は
例え手や足、頭部などが失われても戦闘を続行する不死性があることを知っていた為であった。
彼らを無効化させるには2つの方法がある。
操っている術者を直接攻撃し無力化させるか
動けなくさせるまでバラバラに砕くか切り刻むかのどちらかだ。
故に現在唯一の装備品といってもいい、かしのつえでは有効な打撃は与えられないと判断した。
(参ったな・・・ロクに準備せずに戦闘するにはやっぱり早計だったかな。)
ワルキューレの攻撃をまたも咄嗟に杖で受け流しながらリュカは思考する。
(でも、この場は仕方ない・・・やるだけやってみよう!)
判断するとリュカは素早かった。
ワルキューレが体勢を崩すと同時に身を乗り出し目の前に左手を開いた。

当初それは何をしているのか観戦している誰にもわからない行為であった。
しかし次の瞬間リュカの発した言葉によって事態は一変する。
「バギ!」
リュカの手の平から生み出された風の塊、いや真空の刃があらわれる。
それは幾重にも重ねられた刃物のように何度も何度もワルキューレに叩きつけられ切り刻まれる。
見る間に刃はワルキューレの体は原型を留めぬほどバラバラになった。

う・・・ぉおおおおおお・・・!!!群集から嘗て無いほどの驚嘆の叫びがあがった。
お、おい!ゼロの使い魔の平民あいつメイジだったのか!
確かに杖はもってたしマントも着てるけど・・・
たぶん没落貴族か何かなんだろうけど、まさかゼロがメイジを召還していたなんて!

バギ―
空中にかざした手の先に、聖なる真空を発生させ、
それをブーメランのように投げつけて、敵を切り裂く呪文
リュカが得意とする僧侶系の呪文で唯一の攻撃魔法であった。
853魔物使いが使い魔 5話B:2009/05/29(金) 01:37:40 ID:yGqyM2An
口々に驚きの声をあげる群集。
無論驚いたのは彼らだけではない。
(う・・・嘘だろ、ただの平民だったと思ったらメイジだったなんて・・・)
この場の決闘者ギーシュ・ド・グラモン彼もその1人であった。
「ま、まさかゼロの使い魔がメイジだったとはね・・・す、少し驚いたよ。」
ギーシュは額に汗を数滴浮かせながら言う。
相手は平民ではなくメイジであった。
この瞬間この決闘は私闘紛いのお遊びではなくなってしまった。
貴族の決闘は命にかかわる。
この事実が彼から余裕をなくすのにそれほど時間を必要しなかった。
「でも決闘は決闘だ!こちらも全力でいかせてもらう!!」
言って彼は薔薇をつきだす。
途端に造花から3つの花弁が落ち瞬く間に3つのワルキューレを作り出す。
それぞれ剣や槍などの武器、盾などが備えられた完全武装のワルキューレ達であった。

「行け!ワルキューレ達よ」
ギーシュが指示を出す、それと同時にワルキューレは剣を槍を斧を突き出し
リュカに殺到する、拳のような殴打とは違い当たれば死に繋がりかねない必殺の連携であった。
槍が斧が剣がリュカに迫る。
しかしリュカはそれに怯まず、静かに左手を突き出す。

「バギマ!」
―それは竜巻であった。先ほどの真空の刃とは比較にならぬ刃が
ワルキューレ達を切り刻むのに時間はかからなかった。
バラバラになったワルキューレの残骸を踏みつけリュカはギーシュを静かに一瞥する。

「ひっ…!」
ギーシュが小さく悲鳴をあげる。
恐らくはエアカッターやウインドブレイクのような「風」の魔法に違いない。
あんなもので生身で受けたらどうなるか
考えた瞬間、嫌な汗が全身から滴り膝が震えだす。
(死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない…)
ギーシュは恐怖していた。
目の前の平民が自分と同等かそれ以上の力を持った存在だと知ったからだ。
ここで降参してしまおうと考えた。しかしその考えは途中で却下された。
(あそこまで侮辱しておいて大人しく許す訳がないじゃないか!
 少なくとも僕なら絶対に許さない…)
額からこぼれ落ちる。
完全に自業自得であるのだが今の彼はそんなことを気にしてはいられない。
目の前の決闘相手は無言で一歩また一歩と近づいてくる。時間はない。
「ぅ…くっ…うっ…」
思わず悲鳴をあげそうになるのを抑える。

その時ギーシュにふとある考えがよぎった。

なぜ今この時そんなことを考えられたのか全くわからなかったが彼は杖を振った。
花弁から6枚の花びらが落ちそこからさらに6体のワルキューレが現れる。

「き、君が強いのは認めよう。だが僕も貴族だ!決闘で逃げはしない!これが最後の勝負だ!」
(なんとしても生き残って見せる…!そのためには何だってやってやるさ!)
ギーシュは高々と宣言した。
854魔物使いが使い魔 5話B:2009/05/29(金) 01:38:35 ID:yGqyM2An
以上です。
5話Cですがさるさん防止のためちょっと間をあけて投稿しようと思います。
よろしくお願い致します。

そういえば召還と召還まちがえbふぉいっふじ@:
855名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 02:06:20 ID:cH389N6d
おいおいこんな時間にスレ
つかうんじゃないよ
856名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 02:06:47 ID:gb43Gmo5
普通に乙って言えよw
857魔物使いが使い魔 5話C:2009/05/29(金) 02:23:04 ID:yGqyM2An
申し訳ございません。
リアル都合の関係上こんな深夜にあげざるを得なくて…

もしよろしければ5話Cをあげさせていただきたいと思います。
他の方いらっしゃらなければ
2:35より投下開始したいと思います。
よろしくお願いします
858名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 02:24:19 ID:H5+dzAJB
>>857
縦読み
859名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 02:26:50 ID:FxVQV5al
南斗支援拳!
860名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 02:28:31 ID:9+P0MNeK
乙、天空物語は今もたまに読むお気に入り。
聖人君主ってコイツのこと言うんだろうな…
ビアンカと洞窟の話しとか好きだったな、
でも一番のお気に入りはとっときのケーキの4コマwwww
861魔物使いが使い魔 5話C:2009/05/29(金) 02:34:51 ID:yGqyM2An
3体のワルキューレが迫る。
それをリュカは一体を杖で捌き、一体を足で払う。
しかし最後の一体の攻撃をかわしきれずワルキューレの槍が肩をえぐる。
「ぐっ…!」
リュカの短い叫びがあがる。
追い討ちをしようとするワルキューレにリュカは咄嗟に腹を杖で突きそれを押しとどめる。

形勢はリュカが不利であった。
なぜこうなったのか、それはギーシュが立てた作戦によるものだった。
当初ギーシュは3体のワルキューレを呼び出しそれを一斉にリュカに嗾けた。
リュカは3体のワルキューレが揃うと同時に風の魔法でワルキューレを撃退した。
見た当初はリュカの風魔法による恐怖と驚きで思考が停止していた彼だったが
あの死の恐怖による極限状態の中、彼にはある一つの考えが浮かんだ。

エアカッターやウインドブレイク、ファイアーボールのような魔法は
基本対象が1つにしか効果がない。
無論スペルのレベルがあがれば自然と効果範囲があがり威力も増大するが
ギーシュは今回リュカがしかけた風魔法もそれに類似したものだと考えた。

ならば別方向からバラバラに攻撃したらどうなるか?
対象が一体、または纏まった状態でないと攻撃できないとするなら
自分のようなゴーレムの人海戦術を得意とするものには対処がおいつかないのではなかろうか。

ギーシュはそう考えた。
故に6体のワルキューレをそれぞれリュカを中心に六角形になるように配置
リュカが風の魔法で一体のワルキューレを倒した隙を利用して
残りのワルキューレで攻撃を加え倒す。

無論これにはリスクがあった。
ひとつは護衛用のワルキューレが一体しか置けないこと
もうひとつはそれぞれ別々にワルキューレを指揮するため精神力が尋常でないほど消費することである。
しかしそのリスクを考慮にいれてもこれは最善の戦術と言えた。

わかりづらかった方に説明すると

ワルキューレ…1ぴき
ワルキューレ…1ぴき
ワルキューレ…1ぴき
ワルキューレ…1ぴき
ワルキューレ…1ぴき
ワルキューレ…1ぴき

ということである。
…ほらバギってグループ攻撃だしね。
862魔物使いが使い魔 5話C:2009/05/29(金) 02:35:54 ID:yGqyM2An
(勝てる…!これなら勝てる!!)
ギーシュは鼻息荒く戦況を見る。
既に6体のうち3体のワルキューレを倒されたがまだ半分もいる。
自分は精神力の消耗激しく今にも倒れそうであるが
リュカはそれ以上に深刻なダメージを負っていた。
いくら身のこなしがよくても複数の攻撃をまとめに受けきれるはずもない
数回ワルキューレに切り刻まれ、体はところどころ血にまみれていた。

「はぁ…はぁ…はぁ…うっ!」
思わず膝をつきそうになるのを必死で耐えてリュカは立つ。
「やっぱり…装備がないのは…ちょっときびしかったかな…」
自嘲するように呟く。
ある程度の傷は持ち前の回復呪文で治癒することは出来るが
防具がぬののふく一枚のみほぼ生身の体である以上
治癒している最中により大きなダメージを受ける可能性が高い。
故にこそ早く敵の数を減らすことに専念してきたのだがそれも既に限界であった。
「でも…勝たなきゃ…!」
思わず痛みで意識を失いそうになるのを杖で支えることで我慢する。
しかしそれを見逃す相手ではない。すかさず死角からワルキューレの剣が襲う。
「ぐっ!バギマ!!」
咄嗟に呪文で反撃する。真空の刃がワルキューレを砕く。
しかしその隙に間隙をぬって襲ってきたワルキューレの拳がリュカの腹をとらえた。
「がはっ!!」
凄まじい痛みと共に胃液が逆流する衝撃。
リュカは1メイルほど吹き飛ばされ土に地面に転がった。
(…よし!これでトドメだぁあ!)
こちらも既に気を失う一歩手前のギーシュが残りのワルキューレに指示を出す。
残った2体のワルキューレはリュカにトドメをさすべく剣を構え突進する。
「やめてぇええ!ギーシュ!」
観戦していたルイズが人ごみを掻き分けリュカを庇おうと前に出る。
しかし彼女が出るより先にワルキューレが剣を振り下ろす方が早い。
思わず目をつむり絶叫するルイズ
しかし次の瞬間彼女が見たものは空中たかぶ吹き飛ぶワルキューレの姿であった。

果たしてそれは竜であった。

一匹の青い竜が倒れたリュカの前に降り立ちワルキューレの一体を尾でなぎ払った。
紙くずのように吹き飛ぶワルキューレ
それを無視しまた一度リュカに攻撃をかけようとした最後の一体
しかしそれもまたあらぬ方向からの炎にあぶられ見る間に崩れ落ちていく。
青い竜の後に続いてリュカの前に現れたのは巨大な火トカゲであった。
彼もまたリュカを守るようにギーシュに立ちはだかる。
863魔物使いが使い魔 5話C:2009/05/29(金) 02:37:22 ID:yGqyM2An
「シ…シルフィードに、フレイム…どうして…」
リュカが呟く。
シルフィードと呼ばれた竜はリュカの額の傷を一舐めして答える。
フレイムもまたギーシュから目を離さず火のついた尻尾をリュカにふるうことで返事をした。
それを合図に至るところから様々な種類の動物がリュカを守るように立ちはだかった。
大小様々な幻獣達はリュカを中心に円陣を組む。
リュカは確信した。彼らは―貴族の使い魔達は自分を守りにきてくれたのだ。と
「みんな…ありがとう。」

ギーシュは混乱していた。
もう勝負はついたと思った。勝てたと思った。
それなのに今目の前におきていることが信じられなかった。
突然自分と同じクラスの連中が召喚した使い魔たちが目の前の男を守っているのである。
しかもそれら使い魔たちの敵意は全て自分に向けられていた。
「あは…ははははは!とんだペテンだ!インチキだ!こんなことがあっていいはずがない!」
彼は絶叫した。この理不尽に対して怒った。しかしもう遅い

リュカを守るために集まった使い魔たちが自分の方に向けて進みだす。
何をするか決まっている、自分を殺すためだ。
「ぁ…!ぁああ!ひっひぃいいいい!」
尻餅をつき情けない声を出す。
懸命に逃げようと足を出すがそれはかなわなかった。
体が動かないのだ。恐怖だけではない精神力をとっくに使い果たして限界がきたのであった。

一歩また一歩と近づいてくる使い魔達。
あまりのことに観戦を見に来ていた使い魔の主人たちもただ見ているだけの者しかいなかった。
次の瞬間、僕は炎に焼かれて食われてしまうんだ。
ギーシュがそう絶望した時。
864魔物使いが使い魔 5話C:2009/05/29(金) 02:38:27 ID:yGqyM2An
魔物たちが割れた。
使い魔たちが道を開け、開けた道を通ってリュカがギーシュへと近づく。
リュカがギーシュの前に辿りついた時
「ミスタ・グラモンわかりましたか?」
リュカは静かに問うた。
「あなたがシエスタにしていることは今の僕と同じです。
 力で脅し数をもって個人を攻撃しているに過ぎない。」
リュカは静かに語る。
「力が強いということはそれと同時にそれを行使する義務がいる。
 人は力で支配できる道具じゃない。」
リュカはギーシュの目の前までいくとそこには一匹のモグラがいた。
そのモグラは大きな上半伸を土から出し、爪を大きく広げギーシュを守っていた。
「ヴェルダンティー…」
「いい使い魔ですね、ミスタ・グラモン」
リュカはヴェルダンティーの頭を一撫ですると笑いながらギーシュに話しかける。
「使い魔だって同じです。愛情をもって接すれば答えてくれる。」
リュカがギーシュを見る目は優しくなっていた。
「だから、アナタもこれからは皆に優しくしてください。
 僕が言いたいのはそれだけです。」
そう言うとリュカはギーシュに背を向け歩き出す。
その背にギーシュの声が重なった。
「ご、ごめん僕が悪かった。許してくれ…!」
リュカが振り向くとそこには頭を下げたギーシュの姿があった。
「先ほどのメイドの子にも後からキチンと謝罪する!
 本当に悪かった。そ、それと…」
顔が真っ赤になるほど赤面したあとギーシュは囁くように言った。
「よければ僕の友人になってくれないだろうか?
 よ、よければでいいんだ君さえよければ…」

リュカは優しく微笑みそして首を縦に振った。

ギーシュはなかまになりたそうにこちらを見ている。
仲間にしてあげますか。
r ア はい
   いいえ
865魔物使いが使い魔 5話C:2009/05/29(金) 02:39:21 ID:yGqyM2An
「勝ってしまいましたね…オールド・オスマン」
「勝ってしまったのぉ」
 学院長オスマンの杖が再び覗き鏡に振られる。
 鏡は像を崩し、やがて戻った時は室内の風景を写しこんでいた。
「オールド・オスマンやはり彼はヴィンダールヴです。
 先日、図書館の古代文字と照合してみてわかりました!
 全ての獣を操り始祖ブリミルをあらゆる場所に運んだという伝説の使い魔です!」
 興奮するコルベールを諌めオスマンはどうかのぅ、と一言言ってから
 パイプを手に取り葉をつめる。
「このことは不問とする。」
「ど、どうしてですか!始祖誕生以来の伝説の使い魔の再臨ですぞ!」
「馬鹿もんが、そんなもの発表してみよ。
 宮廷の馬鹿どもがこぞって戦争に持ち出すに決まっておるわ」
「しかしではどうしろと…」
 オスマンはパイプを吹かしながら答えた。
「少なくとも彼がいかなる人物なのか、もう少し探ることになりそうじゃな。
 頼んだぞコルベール君」
「はい!」
 急いで部屋を出て行くコルベールを見ながらオスマンは思い出していた。
 伝説の使い魔を呼び出した当学園きっての落ちこぼれメイジのことを
「しかし、ヴィンダールブとはのぉ」
 オスマンの目は遠くを見ていた。
866魔物使いが使い魔 5話C:2009/05/29(金) 02:41:45 ID:yGqyM2An
以上です。
今回も支援してくれた方、感想頂いた方ありがとうございました。
本当に励みになります。

次回は明後日あたりにあげる予定です。
デルフ購入編になりそうですが
ヴィンダールヴとの絡みどうしよう。
867名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 02:43:17 ID:tnFyR0ds
しょうがないから支援してやるよ
868名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 02:51:42 ID:gFalLMA2
固有名詞の名前はちゃんと確認しようぜ
869名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 02:53:24 ID:yGqyM2An
ヴィンダールヴでしたね、すいません…
870名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 03:07:54 ID:EP1AC/D9
スレ容量がそろそろヤバ目
871名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 03:12:52 ID:7GG0ZVJc
現在484KB。
俺、立てられないんで誰かよろ。
872名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 03:21:09 ID:BeT2Wec5
たててくるよ
873名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 03:24:26 ID:BeT2Wec5
次すれ
あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part232
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1243534989/
874名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 04:57:52 ID:gb43Gmo5
モグラの名前が北欧神話の女神になってるってことでないの?
875名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 05:00:38 ID:tMsbGTWX
モグラはヴェルダンデであってヴェルダンディじゃないからな
876名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 05:37:35 ID:LYm6zbyp
>875
もっと酷いぞ、「テ」に濁点が無いせいで女神にすらなってねえんだから
877名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 06:34:04 ID:vUwcUuQ3
カタカタ

そういえば最近デルフが出ない作品多いね
878名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 07:01:52 ID:ws9Vv7AF
879名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 07:02:29 ID:keDAuxaI
>>861
何という判りやすさ。確かにこれではバギ系は撃てない。

>>846
けど、FFの基本は炎冷雷の三種なんだぜ。
880名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 08:00:01 ID:lL3SSVLN
880なら5月中に投下できるように頑張る。
881名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 09:15:53 ID:hOVbWizm
>>881なら>>880
投下できずに更新停止
882名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 09:23:27 ID:raClzpsc
>>882なら小生は絶好調である
883名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 10:24:15 ID:cH389N6d
>>883なら俺の歌を聞けぇ!!
884名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 12:50:48 ID:O+vKr+fl
どうでもいいがワルキューレが10体いる件について
885名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 13:46:49 ID:aLJ5uDtC
ケーキの4コマと聞くとヘンリーに砂のケーキ作ったリュカを思い出すな
886名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 14:31:30 ID:8bUE9wHE
なんで直接ギーシュを狙わなかったんだ。
6方にゴーレムを分けたせいで簡単に狙えたはずなのに。後
死にたくない一心で考えた作戦が自分の盾となるゴーレムを分けるとか意味が
解らなかった。
887名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 14:58:13 ID:+J23fAFl
さっさと
埋めんかーッ
888名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 15:56:04 ID:/903i9HO
次スレ

あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part232
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1243534989/


わざわざ埋めんでも一日放っておけば落ちるって。
889名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 17:48:46 ID:keDAuxaI
イデオン召喚

最後は宇宙諸共みんな死ぬ……みんな、死ぬ……
890名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 17:55:32 ID:O+vKr+fl
マジレスするとイデオンだけ召喚しても、ゼロ魔世界なら殴る蹴るだけで無双できるから発動しないだろ
……イデがバッフクランまで呼び込む可能性はあるが
891名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 18:02:38 ID:vvz+70Gy
テファ以外はジム、そしてテファの憚れるをイデ
他の三人がジムで戦っている所に、孤児がイデで登場してみんな死ぬ
892名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 18:08:32 ID:jdVzUklm
イデ隊員が「こんなこともあろうかと」で新兵器を開発して全部解決してくれる。
893名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 18:14:17 ID:LyLzV3Uc
ストームブリンガー召喚。
無双の剣士になれるが途中でどんどんと仲間とか姉とかが…
894名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 18:16:13 ID:u+vPjTDw
むしろ、どいつもこいつも呼ぶのがジム系MS
ドット辺りが呼ぶのはMSVのジムバリエーション。
土なら陸戦型、火ならキャノン、水ならアクアジム、風ならライトアーマー。
ジムスナイパー2を呼んだら凄い人、ネモとか呼んだらもう大天才。
そして、落ちこぼれのルイズが呼んだのは、半壊した白い双眼のMS。
誰も見たこともないそのMSのコックピットには、一人の男が……。
895名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 18:20:19 ID:jG6PbhQK
1/2を召還したのか
896名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 18:21:25 ID:keDAuxaI
アムロですね、判ります
897名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 18:25:23 ID:vvz+70Gy
>>893
どっかの組の構成員は、それプラスエンジェルアームを装備してるらしい
898名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 18:28:47 ID:tj98brlK
大いなる意思=イデ
とか考えて事あるな
899名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 18:34:22 ID:jG6PbhQK
>>898
だからあんなに争いあう原因がばらまかれているのか
900名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 18:36:54 ID:SaDsezOL
むしろここはゲッター線が召喚される方向で。
901名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 18:55:28 ID:vvz+70Gy
無重力マフラーは誰が装備しますか?
902名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 19:23:40 ID:I1+HGAhN
タバサは青繋がりで、青い死神、ブルーデスティニーを…
903名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 19:32:40 ID:8ejoTgGj
鋼鉄神ジーグがアルビオンをロックオンしたようです
904名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 19:51:55 ID:wGGRj59U
♪あ〜くの限りのアルビオン王室 全滅っだ〜
905名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 19:52:36 ID:DtAV6fsN
くそっ、しょうがねえな
906名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 20:03:44 ID:b6z60DUi
ええい、このスイッチだ!
907名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 20:15:28 ID:pPw+Lc5T
いくぜ!俺のおっぱいドリルゥゥゥッ!
908名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 20:37:45 ID:tj98brlK
あーはてなようせい召喚してー
909名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 20:38:25 ID:HIrq1G8E
>>907のおっぱいはいらない。
タバサのおっぱいは貰った!
910名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 20:47:34 ID:0Gc6FFzY
ネ実よりブロントさん召喚
メイン盾がいないハルゲニアに未来はにい
911名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 21:00:41 ID:tj98brlK
彗星ひよこ召喚!!
912名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 21:03:26 ID:5Y/fA5Lg
ホ!俺様を召還しろっての!!
913名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 21:04:16 ID:DtAV6fsN
また懐かしいなテンザン
914名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 21:04:40 ID:HIrq1G8E
>>912がマリコルヌに召喚されました
915名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 21:04:41 ID:8ejoTgGj
ひゃっははァ!ぷちぷちっとなぁー!
916名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 21:13:42 ID:okYGgudD
うめ
917名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 21:18:58 ID:l1djR1zJ
                , -─-─- 、
              / . : : : : : : : : ``ヽ
               /. : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
             l.:.:/ (_ ノ: : : ノ `ヽ: : :l
             {. l   ヽ: : /    ',: :l
             ',i "´ ̄    ´ ̄`ヽi: .!
              l ,r=ミ   r=ミヽ レハ  次スレ
             l ⊂⊃  .    ⊂つl 1  あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part232
             u     l      ノノ  http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1243534989/
             ,r'´i   _  __,   ノL___
            /: : : `ヽ       ,.イ.:.:.:.:.:.:.:.``ヽ
              /.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽヽ __,. ィ イ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
          〈.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ( ☆) /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ノ
         /.:.ヽ.:.:.:.:\.:.:.:.:.\/.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.く
        /..:.:.:.:.:. `丶、.:.\.:.:.:.:.:.:.:/.:.:,.:.:.:.:.-‐ '´.:.:\
      /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`7.:.:.:.:「.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.\
       /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
     /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:,.イハ.:l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
918名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 21:20:09 ID:l1djR1zJ
                , -─-─- 、
              / . : : : : : : : : ``ヽ
               /. : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
             l.:.:/ (_ ノ: : : ノ `ヽ: : :l
             {. l   ヽ: : /    ',: :l
             ',i "´ ̄    ´ ̄`ヽi: .!
              l ,r=ミ   r=ミヽ レハ  次スレ
             l ⊂⊃  .    ⊂つl 1   あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part232
             u     l      ノノ    http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1243534989/
             ,r'´i   _  __,   ノL___
            /: : : `ヽ       ,.イ.:.:.:.:.:.:.:.``ヽ
              /.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽヽ __,. ィ イ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
          〈.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ( ☆) /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ノ
         /.:.ヽ.:.:.:.:\.:.:.:.:.\/.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.く
        /..:.:.:.:.:. `丶、.:.\.:.:.:.:.:.:.:/.:.:,.:.:.:.:.-‐ '´.:.:\
      /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`7.:.:.:.:「.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.\
       /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
     /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:,.イハ.:l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
919名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 21:25:39 ID:l1djR1zJ
                , -─-─- 、
              / . : : : : : : : : ``ヽ
               /. : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
             l.:.:/ (_ ノ: : : ノ `ヽ: : :l
             {. l   ヽ: : /    ',: :l
             ',i "´ ̄    ´ ̄`ヽi: .!
              l ,r=ミ   r=ミヽ レハ   次スレ
             l ⊂⊃  .    ⊂つl 1   あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part232
             u     l      ノノ    http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1243534989/
             ,r'´i   _  __,   ノL___
            /: : : `ヽ       ,.イ.:.:.:.:.:.:.:.``ヽ
              /.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽヽ __,. ィ イ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
          〈.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ( ☆) /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ノ
         /.:.ヽ.:.:.:.:\.:.:.:.:.\/.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.く
        /..:.:.:.:.:. `丶、.:.\.:.:.:.:.:.:.:/.:.:,.:.:.:.:.-‐ '´.:.:\
      /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`7.:.:.:.:「.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.\
       /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
     /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:,.イハ.:l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
920名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 21:27:01 ID:l1djR1zJ
                  /   __   丶ヽ `ヽ、
                 /   ̄   ̄\ /∧ /ヘ\
             , -―¬7 ―‐==>ーー┤ /ヽ∨/ !ヽヽ
            /     / ー-―ァ''´     l | ``"´´| ハヘ
       /      {ミ 、_   /        l |    j / }!
       \     /ヾ三三{    \ ヽ{    //  リ
          ヽ、  /   勹! !   、__  `ーヾ  'イ_  〃
          l/ヾ\ / ,′ l ‐千f天圷    テzァk/
          /   ヾ:/ /   ',   ゞ-┘    Lソ/ハ
            /      / ∨ ミミハ  .:.::::::::.     、::::.:. {∧   次スレですわ
        / \   /ヾ、l     !          ′   j │   あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part232
.        /  ヾ \/   |      l\       _    , .イi:小   http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1243534989/
       /     /ミ: 、 | ミ≡= l `ヽ、   ´  .ィ个彡 iヘ
.      /     /  ミミ:|      l`ー- 、`ーォ< l彡|    |:∧
     /ミミ    /  /^ー|     l   ヽ 〈 /l`ヽ|    |彡ヘ
.    /     ミ/_,r'´:::::::::::|ミミ 、  |   /^∨イ | ::::|: =彡|!  ∧
    /   `ヽ、/::::::::::::::::::::::|    ミミ│ ∧ / │ | ::::|≡三|ニ二 ヘ
921名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 21:29:57 ID:HIrq1G8E
>>1000まで行ったらスランプ脱出
922名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 21:30:00 ID:l1djR1zJ
           r彳云ヽ、
         , -イ。弋ソ__ 二ミヽ/\         人
       _//> ´ ̄      ̄  ̄ ̄¨ヽ、    `Y´
     /\//        \       ',
    /| fV/          ノ\.      |  _!_
   / |_∨  /  /  /   /  ヽ. ! |  | |   !
   | /    |  /,.⊥L  /  r十|ト!、|  ! |  :
   |{     !ィ爪 ∨\  !  _」_// / 人リ   ;
   !ヘ ヽ  ヽ| V,ィ≠ト ヽ !  {f イ|∨/  \   +
   | \| \__∨|{__,イ}.    弋rリ イ     ヽ   :
   /   !  \弋_rり      ̄::: {     } |   ;
  / ,   {     \:::::     `   人.   //|.|  _!_
  |/| | ハ     ヽ   r _ア  , イ   // リ   i  今スレもお疲れ様でした
  |! | ト、 ト、     > 、 _ ィi |   /!/    次スレでもよろしくお願いいたします
    \! メ::::\!\  }ー-rく{ } |   |-- 、__    あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part232
       ̄ >ー-へ |_::| |:: :||:::!\从::::::::::::ヽ   http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1243534989/
  人    /::::::::::::::::::∨:::r----r‐rr‐<_::::ヽ::::::::\   人
 `Y´ /:::::::::::::::::::::::::::::::rニニ /.// / ハ:::!::::\:::::∧  `Y´
    |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽこ/ノ _____ ! | :::::::::::::::::::::!
    |:::::::::::::::::::::!:::::::::::::::/::|‐彳―、}./\:::::::::::::::::::|
 _!_  .|:::!:::::::::::::::::!:::::::::/::::::::|  !: : :ノ//∧__:::::::::::::!
  !  |::::|::::::::::::::::!:::::/::::::::/|ヽ  ̄_人/  ∨\::::::\
    |::::!\:::::::::!/:::::::::/  |   |  ヘ   ∨ |::}::::::::!
    |:::::!::::::::::::/::::::::::::/\. |   | ! }    ∨:/:\:}
    |:::::!::::::::::/::::::::::::/  ∨   | 人. |    ∨:::::::::\
923名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 21:31:56 ID:BeT2Wec5
500
924名無しさん@お腹いっぱい。
        /  /      /  /. │ │     \        \   ヽ
        |  /l      /  /  人  |       ヽ    }       ヽ  ',
        | / |        | _|_/ ヽ {\       |     |      l |  |
        | / | │     |  /{ / ̄`弋\ \  _仁ー―ト― .   | |  │
        リ. │ |     | ./ X     \ゝ \   | \  |   │ | |  |
.          /!  |     |/ ィ=≠==-、     \}__,ヽ.|   │ | 人  |
       /   \{ヽ    i{く¨¨ ̄  ̄¨`ーr--r‐≠三ミ气刋|   |  ,'|.  \!
      /       个、 \\\      /   \¨    ̄¨斗  j/ .|     \
     /      /!  \ ヽ>  ̄  ̄´   .j    `−―‐ イハ /   |      \
   /    r―‐く  |    ヽ∧                    /.| }/     l       \ お前ら
   {     \  \|     | \     ヾ 二フ     / |     |  \      \ 次スレ
    \     \  \.  /¨∨ \          ∠   |      |   \ 来い
     \     \  \/   |   | ヽ        ィ  │   |     ',     ヽ あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part232
       }      人r―イ   |--、|   ` ー ´  | _,|__,」       ヘ      } http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1243534989/
       /      ///    ̄\ヽー二イ  ̄ ̄ ̄! ̄`ヽ:::::::::::|       ヘ    /
    /    ///  ,, - ―‐ ヽヘ‐一|::: :::∨:: :|-、:::::::`ー―ヘ       ヽ/    /
   /     / / { ´   __ | } ::/|:::::: ::|::: ::|ヽ \ :::::::::::::::\       \   /