あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part229
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。
(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part228
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1241252392/ まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/ 避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/ _ ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
〃 ` ヽ . ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
l lf小从} l / ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,. ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
((/} )犬({つ' ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
/ '"/_jl〉` j, ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
ヽ_/ィヘ_)〜′ ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
_
〃 ^ヽ ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
J{ ハ从{_, ・クロス元が18禁作品でも、SSの内容が非18禁なら本スレでいいわよ、でも
ノルノー゚ノjし 内容が18禁ならエロパロ板ゼロ魔スレで投下してね?
/く{ {丈} }つ ・クロス元がTYPE-MOON作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
l く/_jlム! | ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
レ-ヘじフ〜l ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。
. ,ィ =个=、 ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
〈_/´ ̄ `ヽ ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
{ {_jイ」/j」j〉 ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
ヽl| ゚ヮ゚ノj| ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
⊂j{不}lつ ・次スレは
>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
く7 {_}ハ> ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
‘ーrtァー’ ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。
>1
乙であります!
エキゾチィイックゥ〜乙ゥ〜ン
○
>>1 お疲れ様
く|)へ
〉 ヽ○ノ
 ̄ ̄7 ヘ/
/ ノ
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/
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/
9 :
zeropon!:2009/05/08(金) 20:04:57 ID:2Mryo4/I
がんばってみる。
また下げ忘れた
zeropon!
第九話
『生命の芽』
ガ・ツーが取り出したのは巨大な鉄球のついた槌だった。
「なによ、あれ?大きすぎない?」
ルイズが小屋の影にキュルケを置き、タバサ、メデンと共にガ・ツーの戦いを見守っていた。
ガ・ツーが取り出したそれはどこに隠していたのか
わからないほど大きい。柄の部分はルイズの腕ほど。
ヘッドの部分は振るう本人、ガ・ツーの半分ほどもあるのだ。
「あれは巨鉄球ギガント。ガ・ツーはアレをふるって傭兵「パタの団」の特攻隊長を
務ていたのです」
それと同時にガ・ツーの頭から何かが伸びる。
パタパタとはためくそれは耳、垂れた犬の耳であった。垂れ下がったその耳はパタパタと
噴出すオーラに煽られる。そして変化と共に光りだす使い魔のルーン。
オーラに包まれたその姿は、幽鬼の如し。
そしてガ・ツーはその一歩を踏み出す。
「いぬみみ」
そしてタバサも一歩を踏み出しふらふらと、犬耳に釣られて
戦場に行こうとするのをルイズとキュルケが必死に止める。
「タバサ、ダメ!ダメだって!」
「後で触らしてあげるから!」
その間に再び立ち上がったゴーレム。そして再び修復された足、しかし今度はそれだけでなく、
その体が銀色になっていく。瞬く間に全身を包む銀色。
フーケがゴーレムの体を鋼鉄に変化させたのだ。
相対する二つの巨体。
ゴーレムが拳を大きく振り上げ、そして振り下ろされる。
刹那、ガ・ツーの口からぎりりと歯と歯が激しく噛み合う音が響く。
「があっ!」
ガ・ツーがすさまじい速度で横なぎにその巨鎚を振るった。正面から激突する拳と鎚。
硬質な音と共に小屋の傍らを、高速で何かが飛んでいき、轟音と共に遠くの木々をなぎ倒す。
そして三度倒れたゴーレム。その腕は根元から根こそぎふき飛んでいた。
どん!
っという音と共に、ガ・ツーの巨体が空に舞う。
それはさながら、獲物に飛び掛る黒い犬。
パタポンの古き伝説に語られる狂戦士『パタセルク』そのもの。
刹那、空中のガ・ツーに、ゴーレムが倒れた姿勢のまま、
その腕を振るう。しかしそれをガ・ツーはハエを払うかのように、
空いた片手で払う。
ガインっ!
と、それだけで腕は目標をを大きく逸れ、ガ・ツーはそのまま倒れたゴーレムの胴体に着地。
「おおおおおおおおっ!」
雄たけびと共に振り上げられた巨鎚。はためく犬耳、そして一際輝きだす使い魔のルーン。
鉄と鉄の衝突によって生まれた火花はさながら閃光のようだった。
防ぐ事もできぬままそれを食らったゴーレムの胴体は大穴、というよりは
ほとんどなくなっており、穴の底は地面になっていた。
「「「すごい・・・」」」
それを見ていた三人は同じようにつぶやく。
「メデン・・・パタポンってこんなに・・・?あれメデン?」
ルイズがメデンに話しかけるも、気づけばメデンがいない。
見回してみれば、ヨイショヨイショと砕けたゴーレムによじ登っていた。
「おい、メデン。あぶねえぞ。まだこいつはしんじゃいねえ」
ガ・ツーの言葉と共に胴体の穴、腕が修復を始めていた。
「しってます。だから止めをさしにきたのですよ」
そう言ったメデンの手には黒い塊。
「あれ・・・『生命の芽』じゃない!」
それは育ちかけの球根のような姿。そして・・・
「ねえルイズ。なんかあの球根、パタポンみたいじゃない?」
キュルケの言うとおり球根のまんなかに『目』があった。まるでパタポンと同じような目が。
急速に修復されるゴーレム。まだ土のままだがどんどんとふさがっていく穴。しかしメデンは慌てることなく、
「育ちなさい、マテール」
と、それをその穴に投げ込んだ。それをとりこみつつ完全に修復されたゴーレム。
しかし・・・動かない。動き出さない。
いや、動けないのだ。
ぱきぱきといった音と共に、ゴーレムの銀色の表面が割れる。
ぴょこんっといった表現がよく合う感じで、『芽』が生えた。
そしてそれは爆発的な勢いで成長し、ゴーレムの端々から根を生やし、ゴーレムを取り込みつつ、
一本の樹に成長した。その樹には葉も花も無いが、枝の先がくるりと丸まって、そして不思議な光を
灯していた。そして完全に取り込まれたゴーレムは銀色の輝きを失い、そして土くれへと還っていく。
「メデン!」
ルイズが小高い丘のようになってしまった元ゴーレムを駆け上がってくる。
「これは?」
ルイズが見上げる。そこにあるのはまるで最初からそこにあったかのように
そびえる大樹。
「これは『マテールの樹』、パタポン達が生まれる樹。パタポン達の象徴です」
「さっきガ・ツーが覇王とかなんとか・・・」
「気のせいだ」
「え?でも・・・」
「みなさん!無事ですか!」
声のする方向をみれば森の奥からロングビルが帰って来た。
「ミス・ロングビル!無事でしたか」
「ええ・・・先ほどからの音、一体なにが?」
ルイズが事情を説明すると、
「そうですか・・・これが『生命の芽』の・・・しかしこれではもって帰れませんね。
とりあえず一度学園にもどりましょう。ミス・ツェルプストーの治療もしなければ」
「しかしフーケは!」
ルイズの抗議にメデンが割って入った。
「ルイズ様、キュルケ様のケガもございます。ここは取り戻せたことだけでも良しとしましょう」
お願いですから「…(三点リーダ)」使って下さい。
すごく…読みにくいです……。
メデンの意見に、多少考えたルイズだが、
「・・・そうね。ガ・ツー。キュルケを」
「わかった。ロングビル、馬車を頼む」
ルイズとガ・ツーはキュルケを手助けに向かう。
「それでは私も馬車を」
「あ、ミス・ロングビル」
メデンがロングビルを呼び止める。
「はい?」
「学園に着いて報告が終わった後、少々お時間をいただけませんか?
生命の芽の扱いについて、オールド・オスマンと話したいので、
お力を貸していただきたいのですが」
メデンが尋ねる。
「ええ、わかりました。そうですね、では夜、私の部屋まで」
「ありがとうございます」
「それでは馬車を」
といってロングビルは丘を降りていく。
その背中を、メデンはすうっと目を細めながら見送った。
「そうじゃったか・・・アレは樹になったとはのう」
オスマンがしきりに頷く。学園に帰り着いた一行は、学院長室に揃っていた。
「オールド・オスマン・・・なぜ貴方があれを?」
メデンの質問にオスマンはキセルをふかせながら、懐かしそうに目を細める。
「十年ほど前か・・・ワシはある土地に霧に紛れ化け物が現れると聞いてな、その
討伐をうけおったのじゃ」
ぷかりと煙を浮かすオスマン。
「霧にまぎれて現れたのは巨大な蜘蛛じゃった。霧に紛れ姿を隠し、
襲ってくるそれにワシは苦戦しておった。そんな時、あらわれたのじゃよ。
一つ目の・・・そう。パタポン達が。
彼らは無数の矢と槍をそいつに降らし追い払ってくれたのじゃ。ワシは九死に一生を得た。
しかし彼らは何者かに追われていたらしい。切羽詰った様子でワシに言ったんじゃ。
『ご老体、もしこの事、恩と思ってくださるならば、これを預かってもらえぬか』とな、
それがあの生命の芽じゃったという訳じゃ」
その話を聞いて一番驚いたのはメデンであった。
「なんと!私達以外にここに来たものがいたとは・・・して、彼らは?」
「ワシをそのまま逃がしてくれたのじゃが、後日そこに行ってみれば、最早、影も形も無く・・・な」
「そう・・・ですか」
悲しそうな目をしてしょげるメデン。
「メデン・・・」
ルイズがメデンの肩にそっと手を置く。
「ふむ、湿っぽくなってしもうたのう。褒章の話はまた後日としようか。
メデン殿、今日は舞踏会でのう、よければ皆で参加するといい」
「お気遣い、痛み入ります」
深々と頭を下げるメデン。こうしてフーケの騒動は終わりを告げる。
表では・・・。
sien
こんこん こんこん
舞踏会が始まる少し前、外が薄暗くなった頃、
ロングビルの部屋のドアを叩く音。
「はい、どうぞ」
入室を促す声の持ち主はもちろん、ロングビルだ。
「ああ、メデンさんですか?しばらくお待ちを、今書類を片付けますので」
背を向けたまま入室者に対応するロングビル。
顔を照らすほんのりとした明かりのランプ。
そんなロングビルの頭にすうっと、手がかざされた。
それはフーケの頭をすっぽりと覆うほど巨大な鉄の手、
節々が大きな石のような、まるで鉄のゴーレムのような手。
「動くな」
低く渋い声で放たれたそれは簡潔な要求であった。動いた後どうなるか、それは鉄の腕が放つ圧力が教えていた。
「うかつですね・・・凄腕の盗賊ともあろうものが油断していましたか」
こつこつと、杖をつきながら入ってくる音がする。今度こそメデンだろう。
しかし動くことができないロングビルは確認することができない。
「メデンさん、これは何の冗談・・・」
「演技は結構ですよ、無駄なことは省きましょう」
それはメデンの声、だが昼に聞いていたそれとはまるで違う、氷河の氷のような鋭利さ。
「・・・どこで気付いたんだい?」
ロングビルの返答、こちらも先ほどまでの理知的な話し方とは違う、粗野な言葉。
「それが本来の貴方というわけですか。・・・まあ単純なことです。
あの小屋、埃が積もってたせいで床に足跡があったんです・・・私、ルイズ様、ガ・ツー、
そしてもう一つ、女物のヒールの足跡が」
それはロングビルの目撃証言、『小屋に入っていく男を見た』に相反する事実。
「・・・時間が無かったとはいえ、へまをしちまったもんだよ・・・で?どうするんだい?
このまま憲兵にでもつきだすかい?」
すうっと、ロングビルことフーケの横に出されたのは、熱気と炎をまとう剣だった。
「・・・これはパタポン族の武器『炎の剣』・・・これをどう見ますか?」
横目でそれを眺めたフーケは口を開く。
「・・・業物、しかも常時炎を出すほどの魔力を持つなんて、相当なものだね。
こんな状態じゃなきゃ盗みたくなるくらいだよ」
手の圧力を忘れるほどその剣は魅力的に写ったのだろう、軽口も叩くフーケ。
「ではあげましょう」
「はあ?」
メデンの言葉に驚きと訝しげを混ぜた声をあげるフーケ。
すうっと頭の上の手が消えた。ばっ、と振り返ればいるのはメデン一人。
「どういうつもりだい?」
「単純な取引です。貴方に期待するのは盗賊の際に培った情報網、そして見返りはパタポン族の宝。
貴族ばかり狙おうにも既に、貴方は警戒されている。リスクが高すぎることを
無理にするのも馬鹿らしいでしょう」
「・・・ご名答、最近はどこも厳しくてね。お仕事のお誘いは嬉しいねえ・・・」
フーケはしばし考えながら、その手を胸元に入れる。
「だが、断・・・!」
ばっ、とフーケは胸元に隠し持った杖を取り出そうとした、が・・・
その顔の前に再び・・・鋼鉄の手がかざされた。先ほどまで向いていた場所から。
つまり正面。その手の持ち主はメデンとフーケその間にいたのだ。いたはずなのだ。
しかしフーケは全くそのような陰など見なかった。
そして今現在も、気配がわからないのだ。まるでその手だけが、
そこにぽっかり浮かんでいるかのように、
そこにいるはずの腕の持ち主の気配が無いのである。
ごくり、と唾を飲み込むフーケ。そのフーケの視界の端にはメデンがいた。
指と指の間から見上げるその目はフーケに向けて笑みを浮かべている。しかしそれは暗黒の微笑み。
「さあ?どうしますか?」
提示された選択肢は二つあったが、フーケに残された選択肢は一つだった。
「ルイズ・ふらんそわうふげらばあああ?!」
「シタ・パン・クラッシャアアアア!!」
きりもみ回転で頭から呼び出しの衛兵に突っ込むシタ・パンによってそれは始まった。
次々と会場を守る衛兵に突っ込むパタポンたち。程なく壊滅した衛兵、そしてオーケストラの面子は
ふんじばられて、暗がりに連れ込まれた。
「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール神のおなああありいいい!」
ずんどこずんどこずんどこずんどこ、と勇ましい太鼓と共に舞踏会場に現れたのは、
神輿に担がれたルイズであった。なんというかすさまじいまでの民族衣装で身を固めたルイズは、
現状が認識できないなんともいえない顔で、神輿に揺られていた。
ゆられる神輿の下では十匹ほどのパタポンが槍やら剣やらをもってくるくると踊っている。
そしてなぜか祭壇の如くデコレイトされたステージに祭られたルイズは、ばっさばっさと、
巨大な扇であおられ、口元に運ばれた食事をもぐもぐしていく。
他の生徒達は何事かとあっけに取られていた。
「それでは、ルイズ様を讃える舞踏を!!」
シタ・パンの一声でルイズの前に集まってきたパタポン達。
「我等はパタポン!歌と踊りを愛するもの也!いざ讃えん!神を!」
パタポン!っと皆が一跳ねすると共に始まった歌と踊り。
手にとった槍を一振り二振り、飛び跳ね回り、くるくる舞い踊る。
そんな光景は、なんともいえず幻想的だった。
いつしか他の生徒達も陽気な音楽と、楽しげな踊りに混ざりだし、
舞踏会場はさながら宴会場になっていった。
楽しき夜は更けていく。
パタポンは自分達の文明の痕跡と宗教(?)の目標である「それ」を探してるんだっけ
「あら?ルイズ。こんなところで黄昏てロマンチック?」
赤ら顔のキュルケが、バルコニーに腰掛けて月をみているルイズに話しかける。
同じくほんのり赤い顔のルイズはまだオリエンタルな格好のままだが、
その表情はいまいち晴れてない。
対照的に中ではさながら無礼講、タバサが用意された食事の八割を食べているのが見える。
「・・・ねえ、キュルケ」
二つの月を見上げたままルイズが聞く。
「なあに?」
「私は・・・貴族なのかな?」
「どうしたの?突然」
顔を膝にうずめててルイズが続ける。
「んん、フーケも結局捕まえられなかったし、ガ・ツーにも、メデンにも迷惑かけて・・・
あいかわらず魔法もさっぱりだし・・・」
「ばーか」
つかつかとルイズにキュルケは近づいて、がばり、とその頭を胸に抱く。
「ちょっと!」
キュルケの胸に顔をうずめられじたばたするルイズ。
「さあ飲むわよ!こんなところでしんみりしてもだめだめよ!」
「あああああああ・・・」
手を取られたルイズはずるずると引きずられてバルコニーから会場へ連れ戻される。
バルコニーのドアに手をかけたキュルケ。ふと立ち止まるとルイズの耳元に口を近づける。
そしてささやく。
「ばかねえ。あなたが何だろうと、あなたは私のお・と・も・だ・ち・よ」
その言葉を聞いたルイズは一瞬ほうけた顔をし、すぐにぐすぐすとなきながらも席に戻り、
キュルケと杯を交わし、タバサと杯を交わし、メデンや他の
パタポン達と踊り、皆と歌い、笑った。
ーぱたぱたぱたーやぱぱらぱーやーー
宴は夜が明けるまで続いた。
この夜、ルイズは学院で初めて心から笑った。
終わりです。三点リーダは…次回からちゃんとします。
決してめんどくさかった訳ではないです。
ええ、決して。
いちいちageるな!
>>20 乙
辞書登録で「・・・」を「…」に登録しておくのもありですよ
ルールじゃないけどマナー上しておく方が良い事・システム上の注意事項
投下時はタイトルをコテハンとする、トリップ推奨
予告でクロス元他必ず説明する(一発ネタ等でばらすと面白くないならその旨明示)
※過去「投下してもいい?・投下します」等の予告から
最低の荒らし投稿を強行した馬鹿者が居たため同類認定されるリスク極大
1時間に一定量超える投下は「さるさん」規制に遭うので注意
連投規制には有効な支援レスもこれには何の役にも立たない
文章量(kB)と分割予定数の事前申告をしておけば、規制に伴う代理投下をしてもらいやすい
投稿量カウントも規制も正時(00分)にリセットと言われている
他スレでの実験により規制ボーダーは8.5kBらしいという未確認情報あり
このぐらいまで単純化できそうな気がする。
爆発召喚
キス契約
「ゼロ」の由来判明(教室で爆発)
使い魔の能力が明らかに(ギーシュ戦)
デルフ購入
フーケ戦
舞踏会
最近はその流れでいかに飽きない話を作るかに凝りがち
>>16 爆発
平民プゲラ
コルベール問答無用さっさと汁
キス契約
フライに唖然とする
説明はぁどこの田舎者?
何者であろうと今日からあんたは奴隷
二つの月にびっくり
洗濯シエスタと接触
キュロケフレイム顔見見せ
みすぼらしい食事厨房でマルトー
教室で爆発片付け
昼食シエスタの手伝い香水イベント
オスマンコルベール覗き見
ギーシュフルボッコ場合によって使い魔に弟子入り
キュルケセクロスの誘いしかし使い魔はインポテンツか童貞w
ルイズ寝取られの歴史を切々と語る
休日街でデルフ入手 キュルケタバサがついてくる
ルイズが爆破訓練宝物庫破壊フーケ侵入お宝げっと
この段階でフーケは絶対つかまらない
翌朝捜索隊保身に走る教師一同
教育者オスマン犯罪捜索を未熟な子供にマル投げ
小屋で破壊の杖ゲットフーケフルボッコしかし絶対死なない
オスマンから褒章 舞踏会 終わり
途中飛ばすけど、
対7万戦と再召喚(一度使い魔契約が切れ、まっさらな状態からルイズとの関係を再構築)
あの作品のキャラがルイズに召喚されましたスレの新ガイドライン
第1条 人の和を大切にしなさい。
第2条 仏教をあつくうやまいなさい。
第3条 天皇の命令には必ず従いなさい。
第4条 役人は礼儀を正しくしなさい。
第5条 裁判は公平に行いなさい。
第6条 悪をこらしめ、善を行いなさい。
第7条 その役めにあった人に仕事をさせなさい。
第8条 役人は、朝早くから夕方おそくまで熱心に仕事をしなさい。
第9条 おたがいに信じあいなさい。
第10条 異なる意見に対しても、おこらないようにしなさい。
第11条 功績、過失を明かにし、必ず賞罰をくわえなさい。
第12条 役人は、勝手に税をとってはいけない。
第13条 役人は、他人の役目もよく知っておきなさい。
第14条 役人は、おたがいにしっと心をもってはいけない。
第15条 自分の利益を考えずに、国のことを大事に考えなさい。
第16条 人を使ううときは、その時期をよく考えなさい。
第17条 大事なことは、必ずみんなと相談しなさい。
追加
南極地域の平和的利用(軍事的利用の禁止)
科学的調査の自由と国際協力
南極地域における領土主権、請求権の凍結
核爆発、放射性廃棄物の処分の禁止
条約の遵守を確保するための監視員の設置
南極地域に関する共通の利害関係のある事項についての協議の実施
条約の原則及び目的を助長するための措置を立案する会合の開催
874 名前:蒼[sage] 投稿日:2009/05/03(日) 00:15:18 ID:UOyOCfuU
なんの話だがさっぱりだが、俺は作者本人だよ。
なんならトリでもつけようか?つっても今さらここでくっつけてもどうにもならんか……。
あれからちょっと考えたが、もうここじゃ続けてらんねーや。
支援絵描いてくださったり、毎回wikiに登録してくださっていた人たちには
裏切るような形になってしまうのがすごく残念で仕方がないが。
本当は最後まで書き切りたかった、それが出来ないのはすげぇ悔しいけどな
876 名前:蒼[sage] 投稿日:2009/05/03(日) 00:20:34 ID:UOyOCfuU
そっか、んじゃ行ってくるわ
って規制中やん。雑談スレでいいのかな、まぁ、とりあえずそっち行くわ
877 名前:名無しさん[] 投稿日:2009/05/03(日) 00:22:12 ID:0BQ3nUqs
どうせ書くの止めるなら
最後おもいっきりはっちゃけて終わらせちゃえば?
バージルがギーシュに竹槍に刺されて死んだとか
878 名前:蒼[sage] 投稿日:2009/05/03(日) 00:23:22 ID:UOyOCfuU
>>877 じゃあお前が好きにすりゃいいよ
書いて投下して来いよ、止めねぇから
879 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2009/05/03(日) 00:27:38 ID:7Vg/fhbA
雑談スレで打ち切り宣言するならageた方がいいぞ
そっちのが人の目に付くから
880 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2009/05/03(日) 00:29:59 ID:TmsWZxhs
まあ信者も多かっただけに毒もたくさん吐かれてたからな
異様なまでにアニキアニキ連呼する狂信者と毒吐きの板挟みでさぞかししんどかったろう
ここでドロップアウトしても構わんと思うね
別の趣味に力入れるなり、気分入替えて別の話書くなりすればいいんじゃないか
883 名前:蒼[sage] 投稿日:2009/05/03(日) 00:38:47 ID:UOyOCfuU
やっべ。いつもの癖でsageちったよ……
つーかなぁ、ここの毒やウジ虫の粘着より、異常な期待のがキツかったよ
俺はただ書ければよかったんだけどな。
書いてる時もどっかケツをけっ飛ばされてる気もしてたしな。
移転してチマチマ続き書いて終わらせるつもりではいるが。
いつの話になることやら。
まぁいっか!シャワー浴びてくるわ!
889 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2009/05/03(日) 01:17:46 ID:ycHS8hIE
この出張サービスは提督とは違うウザさだな。と、少し笑えて来たw
892 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2009/05/03(日) 02:20:45 ID:Pyi5jEYc
蒼の作者自身が「もうやってらんねーよ」って言ってるんだし、放っておこうや。
俺的には蒼は嫌いじゃなかったけどな。
最初はドヘタクソな文章で、表現も薄かったけど、書いていく内に上達していくのが見えて結構気に入ってたがw
何にせよお疲れさん!!
趣味はあくまで趣味で書いていくと良いさね。
914 名前:名無しさん[] 投稿日:2009/05/03(日) 15:55:03 ID:Howoy4tA
蒼は提督みたいな作者だったな
いなくなるなら黙っていなくなればいいのに構ってちゃんだからクソ
構ってちゃんは総じてクソなのは間違いない
もういぬかみの人、長いこと来てないじゃん
____
/ \ /\ キリッ
. / (ー) (ー)\ 917 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2009/05/03(日) 18:24:47 ID:IsOHxGmM
/ ⌒(__人__)⌒ \ 提督の作者には蒼と比べて一本筋が通ったものの考え、美意識があったよね
| |r┬-| | アンチでも信者でもない通りすがりの意見です。
\ `ー'´ /
ノ \
/´ ヽ
| l \
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、.
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
____
/_ノ ヽ、_\
ミ ミ ミ o゚((●)) ((●))゚o ミ ミ ミ
/⌒)⌒)⌒. ::::::⌒(__人__)⌒:::\ /⌒)⌒)⌒)
| / / / |r┬-| | (⌒)/ / / // だっておwwwwwwwwwwwwwwwwwww
| :::::::::::(⌒) | | | / ゝ :::::::::::/ 通りすがりの作者乙だおwwwwwwwwwwwwwww
| ノ | | | \ / ) /
ヽ / `ー'´ ヽ / / バ
| | l||l 从人 l||l l||l 从人 l||l バ ン
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、 ン
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
さて、わかっていると思うがこれ以降はみんな「スルー」の魔法を使うように。
ここの作品を読んで「やっぱ原作も知らなきゃダメかな」
と思って今日1巻は読んだ
2巻以降も読んでいくつもりだけど、とりあえず1巻読んで一番驚いたことがある
それは、「香水瓶拾って因縁つけられるのってシエスタじゃなかったのォ!?」ってこと
2巻も楽しみ。色んな意味で
>>31 まあ、自分から進んで給仕の手伝いをするようなキャラでない場合は、シエスタを使うしかないからなぁ。
やば、デフォルトはシエスタだと思ってた
え、違うの?
昨日くらいにも言われてたけど、SSを書くわけじゃなけりゃ気にせんで良いんでない?
>>31 大丈夫だ。俺は原作持っていて作品書いてるが、そのことをすっかり忘れてシエスタを原因した。
TAPに釣られてここに来た
今ではエース、グランバニア王家、ヒュー、騎士団、ユーゼス、幼司書長、魔砲、社長
のファンです
もし良かったら、避難所の応援スレの方にもよろしく
39 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/08(金) 23:49:27 ID:Y4wcmjmt
つーかなぁ、ここの毒やウジ虫の粘着より、異常な期待のがキツかったよ
つーかなぁ、ここの毒やウジ虫の粘着より、異常な期待のがキツかったよ
つーかなぁ、ここの毒やウジ虫の粘着より、異常な期待のがキツかったよ
つーかなぁ、ここの毒やウジ虫の粘着より、異常な期待のがキツかったよ
つーかなぁ、ここの毒やウジ虫の粘着より、異常な期待のがキツかったよ
つーかなぁ、ここの毒やウジ虫の粘着より、異常な期待のがキツかったよ
つーかなぁ、ここの毒やウジ虫の粘着より、異常な期待のがキツかったよ
つーかなぁ、ここの毒やウジ虫の粘着より、異常な期待のがキツかったよ
つーかなぁ、ここの毒やウジ虫の粘着より、異常な期待のがキツかったよ
つーかなぁ、ここの毒やウジ虫の粘着より、異常な期待のがキツかったよ
つーかなぁ、ここの毒やウジ虫の粘着より、異常な期待のがキツかったよ
つーかなぁ、ここの毒やウジ虫の粘着より、異常な期待のがキツかったよ
つーかなぁ、ここの毒やウジ虫の粘着より、異常な期待のがキツかったよ
つーかなぁ、ここの毒やウジ虫の粘着より、異常な期待のがキツかったよ
つーかなぁ、ここの毒やウジ虫の粘着より、異常な期待のがキツかったよ
つーかなぁ、ここの毒やウジ虫の粘着より、異常な期待のがキツかったよ
つーかなぁ、ここの毒やウジ虫の粘着より、異常な期待のがキツかったよ
つーかなぁ、ここの毒やウジ虫の粘着より、異常な期待のがキツかったよ
つーかなぁ、ここの毒やウジ虫の粘着より、異常な期待のがキツかったよ
つーかなぁ、ここの毒やウジ虫の粘着より、異常な期待のがキツかったよ
つーかなぁ、ここの毒やウジ虫の粘着より、異常な期待のがキツかったよ
つーかなぁ、ここの毒やウジ虫の粘着より、異常な期待のがキツかったよ
つーかなぁ、ここの毒やウジ虫の粘着より、異常な期待のがキツかったよ
つーかなぁ、ここの毒やウジ虫の粘着より、異常な期待のがキツかったよ
つーかなぁ、ここの毒やウジ虫の粘着より、異常な期待のがキツかったよ
つーかなぁ、ここの毒やウジ虫の粘着より、異常な期待のがキツかったよ
つーかなぁ、ここの毒やウジ虫の粘着より、異常な期待のがキツかったよ
つーかなぁ、ここの毒やウジ虫の粘着より、異常な期待のがキツかったよ
つーかなぁ、ここの毒やウジ虫の粘着より、異常な期待のがキツかったよ
ゼロ魔世界?
よーし、俺の好きなキャラ読んで蹂躙してやるぜ。
ランチャーでゴーレム粉砕して、ゼロ戦で竜騎士を塵の如く撃ち落し、ティーガーでヨルムンガンド無双してやるぜー。
・・・あれ?(原作と同じです
>>39 褒められることになれてない子なんです許してあげてください
スカロンってどのくらいマッスルーなんだっけ?
スカロン
ああ、何せスカロンはスカロン並に凄いからな……。
>>42 マルトーと互角
オーク鬼には僅差で敵わない
>40
要約すると
ゼロ魔は現代っ子によるファンタジー世界蹂躙話
でOK?
現代っ子は、ランチャー、ゼロ戦、ティーガーを知っているんだろうか。
前の二つはまだしも、ティーガーなんてこち亀を読んでなきゃ知ることは無かったと思う。
今回埋めに使われたAAが崩れまくってて何が書いてあるのか全く判らない
現代っ子によるファンタジーエロゲをエロ抜きでやってみた
じゃまいか
>>49 ドン!ドン!シャン!シャン!
ドン!ドン!シャン!
ドン!ドン!シャン!シャン!
ドン!ドン!シャン!
これマジよ
>>52 作った奴は意識してないと思うぞ
作った奴が言うのだから間違いない
>>52 ケチャケチャケチャケチャのあれか
でもあれは
ドゥ〜ン・・・ドゥ〜ン・・・・ドゥ〜ン・・・・シャン!シャン!シャン!シャン!
じゃなかったか?
>>48 もしかして、それらを知ってたサイトって少しオタク入ってる?
>>55 ゼロ戦だったか戦車だったかは
プラモ作ったことがあるみたいなこと書いてたような
FFYから三闘神(石像)を召喚。
移動させようとして石像をずらすと………。
一年後、魚をとってコルベールに食べさせているキュルケが……。
他にもルイズを神と崇める狂信者が塔を作ったり、六千年前に封印されていた魔物が蘇ったりする。
ぶっちゃけティーガーは現代っこじゃなくても知らない人多いと思う
親戚とか友人に軍オタがいれば、ティーゲルぐらいは知っててもおかしくはないかな。
戦車というジャンルだとかなりの有名どころだし。
レオパルトとかの最近の戦車だとか、M4とかのアメリカの戦車を見分けられるとか言うなら、オタとみなしてよいと思うが。
戦史とか戦略に関してはあんまり優秀とは言えないし、技術方面もあんまり詳しくなさそうだし、
模型オタではあっても、軍オタではありえないと思う。
>>31 あれ?じゃあシエスタって決闘騒ぎの時どう関わってたんだっけ?
ギーシュがシエスタを責めるのをデフォルトだと思ってたんだが。
>>31 何時間も前のレスに質問するより、ちゃちゃっと読み返した方が早いんじゃないかい?
マジレスすると黒幕な、すべてはシエスタが仕組んでいた。
>>60 原作だと、
ルイズに食事を抜かれた才人が食堂に行く→シエスタにまかないを貰う→お礼に給仕を手伝う
→給仕の最中、ギーシュの近くを通りかかる→ギーシュ、モンモン製の香水のビンを落とす
→才人がそれを拾って「コレお前のだろ」と言う→それを見ていたケティが怒ってギーシュにビンタ、モンモンも怒ってワインをぶっかける
→ギーシュがそれを才人のせいにする→才人「お前が悪いんだろ」→ギーシュ「よかろう、君に貴族に対する礼儀を教えてやろう」
→シエスタはガクブルで才人に「あなた、殺されちゃう……」と言って、逃げる
こんな流れ。
ぶっちゃけ、シエスタは1巻時点においてはそれほど重要な位置にはいない。
顔も全然違うしな
んで、巻が進むにつれ、シエスタがベロチューしたり、裸エプロンになるわけなんですね。わかります。
65 :
双月の女神:2009/05/09(土) 03:33:12 ID:1cbV6T8L
皆さん、昨年振りです。
お仕事が昨日まで立て込んでいて執筆活動すらおぼついていたことをまず、
お待ちいただいた皆さんに謝ります。ごめんなさい。
しかし、何とか生還いたしました。どんなに時間がかかろうとも、
完結まで走り続けるので、どうかこれからも長い目でよろしくお願いします。
3時45分から短いですが投下したいと思います。双月の女神13章2部です。
よろしくお願いします(頭下)。
そうやって抜き出すと、どんだけ変態なんだよシエスタw
67 :
双月の女神:2009/05/09(土) 03:45:01 ID:1cbV6T8L
それでは、逝かせていただきます。
ファイアーエムブレム外伝 〜双月の女神〜
第一部 『ゼロの夜明け』
第十三章 『真実と追憶(ミカヤの章)』
「ミス・ミカヤの額に刻まれたルーンの正体、それは始祖ブリミルに仕えた伝説の使い魔が一たる
神の頭脳『ミョズニトニルン』の印じゃ。」
ミカヤにそう告げるオスマンの表情は硬い。
ハルケギニア五大系統魔法の開祖にして信仰の対象である賢者―――始祖ブリミル。
その者のみが扱うことが出来た失われた系統『虚無』を担い、四体の使い魔を率いていたという。
『ミョズニトニルン』はその中の一角に名を連ねている。
「その力はありとあらゆる魔道具を使いこなし、それにより得られた膨大なる英知で始祖の導き手となったと
伝承から伝わっておる。」
「伝説、ですか・・・。」
オスマンの言葉にそう呟いたミカヤは納得したように頷く。
触れただけで杖や魔道具の解析が出来、本来ならばありえない理の精霊との対話を可能にした力の正体。
それが自らの額に刻まれたルーン。
精霊に呼びかける為の魔道具たる魔導書に触れることでそれらが成立していたのである。
その中で気がついたことをミカヤは訊ねる。
「それが正しいならば私は『虚無』の使い魔、ということでしょうか?」
「ご明察です、ミス。」
彼女の質問に、コルベールが答える。
「ミス・ミカヤのご想像の通りです。『虚無』の使い魔を率いる事が出来るのは『虚無』の担い手のみ。
即ち、ミス・ヴァリエールの系統が『虚無』であることの証・・・。」
「・・・・・。」
真実を明かすコルベールの苦い表情を察したミカヤは押し黙る。
68 :
双月の女神:2009/05/09(土) 03:47:17 ID:1cbV6T8L
自身の推測が的中したことと、世界は違えどルイズもまた自らと同じ様に古の伝説たる力を内包していたこと。
それらは一つの答えを導く。
「・・・私達の出会いは必然で、この後に起こる事への先触れだったのかも知れませんね・・・。」
二人にそう話すミカヤの面持ちは優れない。女神もかくやと言われるその美貌を、ある種の危機感が歪ませる。
自身の血統も伝説の英雄達から受け継がれてきたもの。そして「伝説」と「英雄」の存在は時として、
世界をも巻き込む大きな戦乱を告げる狼煙となることを身をもって知っているからだ。
更にはテリウス大陸からの様々な漂流物に、この地に受け継がれた『勇者』の系譜。
そう判断するには情報の断片は充分に揃っていた。
「だからこそ、ミスにお願いがあるのです。」
思考するミカヤに、真剣な表情で言葉をかけるコルベール。オスマンもまた同様の表情で、彼の話を繋ぐ。
「願わくばミス・ヴァリエールと共に平穏に天寿を全うしていただきたいが、恐らく時の潮流がそれを許さぬ。」
それが、オスマンが一番憂慮していることだった。行く行くは戦乱の渦が二人を飲み込んでいくであろうことは必定とも
言える。
「故に、どうか彼女が宿命に負けぬよう守ってやって欲しい。」
「ミス・ヴァリエールの事を、何とぞ・・・。」
そう言いつつ真摯な表情の面を向け、オスマンはミカヤに頭を下げた。
コルベールも苦渋の面持ちでそれに倣う。
69 :
双月の女神:2009/05/09(土) 03:49:10 ID:1cbV6T8L
「・・・・・私は誓いました。彼女と共に在り、共に生きると。」
ミカヤの言葉に顔を上げるオスマンとコルベール。
彼女の表情は決意に満ちつつも、柔和な表情を浮かべていた。
「・・・・・そうじゃったな。」
「・・・ミスには愚問でしたな。」
互いにそう言葉を交わして顔を見合わせると、安堵しつつ二人は頷きあう。
「ミス・ヴァリエールと共に宿命を乗り越え、争乱の風に立ち向かうことを誓います。」
ミカヤの心からの宣誓に、再び老メイジと壮年の教師は深々と頭を下げるのだった。
「あの人もあの子達と同じ、『伝説』か・・・・・。」
会議室の扉の前で一人、鎮痛な面持ちで佇む女性―――ロングビルは扉越しに室内での会話に耳を傾けていた。
先程のミカヤ達の話を反芻し、思考する。
―――自身の大切な妹分と、異世界から来た頼りなくも楽しい弟分。彼等は図らずも『伝説』の一端を担っていた。
ミカヤが桃色髪の少女と共に立ち向かうと誓った『宿命』に、自分達は果たして杖を向けているだろうか?
「どっちにしても急がないといけない、か。」
扉側から視線を外すと、そう嘆息しつつ思考を切り替える。
学院長付秘書として、手に持った書類を保持し直してオスマン達が退室してくるのを待つ。
―――悲壮感を滲ませた呟きを残して。
「あの子に引越し準備をさせないとね・・・。」
―――そして、次の日を迎える・・・。
70 :
双月の女神:2009/05/09(土) 03:51:33 ID:1cbV6T8L
以上です。原作から段々と乖離してまいりましたが、精一杯物語を書いていきます。
次回は一部終章、フーケ戦第二ラウンドです。
久々の戦闘パートになりますので、気合を入れて書き上げたいと思います。
では、自身の執筆速度が上がるように祈りつつ、失礼をば。
双月の人乙ですー
遅筆でも全然OKっすよ。
ミカヤに対してモジモジなルイズがとても新鮮で
いつも楽しく読ませてもらってます。
あんまり気負わないで気楽に頑張って下さい。
まあシエスタに限らずゼロ魔の女キャラは
ほとんど万年発情期状態だけどな
>>58-59 メタルマックスあたりプレイしたことあれば、軍オタじゃなくても知ってる可能性はあると思うがw
しかしメタルマックスの知識のみだとそれはそれで危険な気がする
ストラディバリなんて戦車無いから!
赤い戦車なんて無いから!
205ミリキャノンなんてアホみたいな主砲無いから!
鉄拳シリーズから不死身のクソじじい平八召喚
そして流行る平八カット
つまりバトー博士を召喚しろと?
>76
格闘ゲームの中では究極のギャグキャラじゃね、あの人?
79 :
:2009/05/09(土) 09:12:56 ID:dy5iQorC
誰か前スレの久保の人をまとめwikiに登録してやれよ。
気づいた人がどんどんやるべきだろ?
作者乙。自分でやれや
分かってるとは思うが、釣りだから釣られるなよ?
釣りということで釣りバカ日誌の浜崎を召喚
はみち子さんがかわいそうか…
>83
「ルイズと合体」ですね
家族愛に満ちてるキャラとかはキツいよなあ
よつばとのネタあったけど残してきたものの重さばかり気になって
よつばの起こす珍騒動が全く楽しく無かった
家族愛でサザエさんが思い浮かんだ
カツオ(浅野忠信)は結構活躍してくれそう
釣りといえば海腹川背さんだろう
>>76>>78 ウインタールブの平八
ミョズニトニルンの一八(子)
ガンダールヴの仁(孫)
そして記す事すら憚られる仁八(父)
という脅威の三島家全員召喚ですね、わかります
というかあの家族、平八が一番まともだというのが何より恐ろしいw
(平八以外は全員人間やめてるし、仁もだんだん性格が親父に似てきたし)
そうやって並べてみると、平八は主人公っぽいな
ヴィンダールヴだったorz
どーもミョズより間違えやすい気がする
一八が平八に崖から落とされたのって、本当はそんな気無かったのに
タイムマシンで過去に来たシャオユウが平八に突っ込んで事故ったからだっけか
鉄拳は最新作のOPムービーで一八と仁の拳の風圧で高層ビルのガラスがバリバリに割れたりと地味にインフレしています
>>92 どうなんだろ?
もしあれが公式になったら殆どの鉄拳世界の揉め事の原因はシャオユウのせいという事になるしなぁw
>>80 バッカお前、これは「誰も登録しないなら、俺が登録してやんよ!」という
>>79の前降りだろJKwwww
釣り…グランダー武蔵?
なんか最後はゼロ魔全キャラで仲良く釣りしてそうw
ボン餓狼のテリー召還で。
釣りといえば一本釣り神帝だろが!
そういえばヘッドロココとか召喚されてないな
魔胎伝ノアとか呼ばれてみると面白いかも
他にいなければ読み切り小ネタ、FF8スコール・レオンハート召喚参りたいと思います。
「今すぐに止めなさい」
現在、自分を試用期間中の少女からそう言われて、スコール・レオンハートは閉口した。
「いい?平民はね、どんなに頑張ってもメイジには勝てないのよ」
「それはあんた達の……こちら側での話だろう。俺たちには俺たちの、SeeDのやり方がある」
ライオンハートにマガジンをつっこみつつ答える。
「しーどだかですてぃにーだか知らないけど無理なものは無理よ!早く謝ってきなさい!」
「嫌だ」
あっさりと、断った。
「なっ……!」
「今回の一件、俺の方が間違っているとは言わせない。メイドの彼女への言動は、間違いなくあちらの八つ当たりだ」
「それはそうでしょうけどねぇ!」
「『力ない平民』が逆らうのが間違いだと言うのなら、その考え自体が間違いだ」
『そうそう。あんな失礼な男、やっちゃいましょ、スコール。女の敵だもん』
頭の中、何かがざわめく感じがある。自分にジャンクションされている誰かも同じ思いなのだと思う。
「それに、いい加減あんた達の俺に対しての評価を改めてもらいたいからな」
「評価……?」
本来、スコールは自身の力を見せつけたりするタイプの人間ではない。
だが、スコールの本質は間違いなく戦士であり、そして自身が最強の傭兵たるSeeDであることに少なからぬプライドも持っている。
それが、こちらへ呼ばれてからというものの、明らかにその戦闘力は過小評価されている。
自身の力が評価されないというのは、自分がガーデンに入ってからの10年近くを否定されるに等しい。
(冗談じゃない)
安全装置を外し、弾を装填する。
(ルイズは、自分の努力が実を結ばないことをさっき俺に当たっていた。俺もそうだ。正SeeDに成るまで苦労はあった。それを否定させはしない)
「な、何よ。いきなり睨み付けて……!」
「……別に」
『もう、スコール。悪い癖。前にも言ったでしょ、言いたいこと言わないと、相手に伝わらないよ』
相変わらずのスコールの態度に、リノアは呆れた。彼女の声がスコールへ届く訳ではなかったが。
「も、もう知らないんだから!人の忠告も聞かないで、アンタなんかギーシュにぼっこぼこにやられちゃえばいいのよ!」
仮クライアントの罵倒を背中に浴びつつ、スコールは人で円形のコロシアムのようになっている庭の中へと歩を進めた。
「よく逃げずに来たな、平民!」
薔薇の造花を携え、ギーシュ・ド・グラモンがスコールに向く。
「諸君、決闘だ!僕は貴族だから当然、魔法で戦う」
良いな?という風にこちらを嘲笑うかのような眼を、正面から見返す。
「好きにしろ。俺も俺で、全てを駆使して当たらせてもらう」
(所持魔法、G.F.および各ジャンクション、チェック終了。行くぞ)
右腕一本で×の字に一度ライオンハートを降り、正眼に構える。
「ふっ……薄汚い傭兵風情が。地に這い蹲るが良い!出よワルキューレ!」
薔薇を振るギーシュの前に、剣を持った青銅の像が現れる。
「どうだ、この美しい姿は!まさにこの僕に相応しい戦い方だろう?」
(まずは敵戦力の把握か)
なるだけ手持ちの魔法は使いたく無いので、視線をあちこちに飛ばす。
(あった)
木陰で本を読んでいる眼鏡の少女に、求めるものがあった。
「ドロー ライブラ」
その少女からドローした魔法を、そのままギーシュのゴーレムに放ち、対峙する相手のデータを読み取る。
《ワルキューレ
ギーシュ・ド・グラモンが系統魔法により作成したゴーレム。材質は青銅であり、比較的もろい》
「……何だこれは、がらくたじゃないか」
困惑顔で、スコールは呟く。読み取れるステータスはどれもこれも低いものばかりだ。
『がらくた』の一言に辺りがどよめき、ギーシュを嘲笑する笑いがあちこちから上がる。
「が、がらくただとぉ!?僕のワルキューレを!」
『外見は……悪くないけど、これじゃあねぇ』
「僕のワルキューレをおとしめたこと、後悔させてやるっ!」
ギーシュの手の中で薔薇が振られ、ワルキューレがスコールへと突進してくる。
振り下ろされる剣戟を僅かに半歩、身体をずらしてスコールは避ける。そして間髪おかず、避けると同時に振りかぶっていたライオンハートを振り下ろしてトリガーを引き絞った。
轟、と爆音と共に両断されたワルキューレががしゃんと左右に崩れ落ちる。
「なっ何だ今のは!?」
ガンブレード特有の、まるで引き裂かれたような切断面に、冷や汗を浮かべながらギーシュが問う。
周囲にいる生徒達も、目の前で起きた事象にどよめいていた。
『無理も無いかもね。ここの人たちにとっては、ガンブレードの火薬の爆発だって、何かしらの魔法の力に見えるだろうし』
「…………」
ギーシュの問いかけには答えず、スコールは再び正眼にライオンハートを構え直す。
「ふ、ふん!火の秘薬を隠し持っていたとは驚きだが……これぐらいの抵抗は予想のうちさ!」
口の端を引きつらせながらも、薔薇を振りかざすギーシュ。新たに5体のワルキューレが錬金される。
「どうだ!この数は捌き切れまい!行け、ワルキューレ!」
それを見つつ、スコールは思考する。
(またゴーレムを作ってこちらに差し向けた。……昼間の授業内容……土のメイジはゴーレム作成が基本戦術か?)
ハルケギニアでは地火風水の4属性がメジャーだと言うから、クエイク、ファイガ、ウォータ、トルネドを属性防御へジャンクションしていたのだが、クエイクは無意味だったか。
(しかしそれはそれとして、確かに数は厄介だな)
自身のスピードも、ジャンクションの力によって飛躍的に上昇している自信はあるが、流石に5体全てに対して先手を取れるとは思えない。
オートヘイストや、スピードに偏重したジャンクションにしておけばまた違ったかも知れないが。
一斉に襲い掛からんと、半包囲で迫るワルキューレを見ながら思考を巡らせる。
G.F.を召還していたのでは時間がかかる。トルネドなどの全体攻撃可能で有る程度強力な魔法がドロー出来れば良いのだが、と辺りを見回す。
(!なんだと!?)
該当する魔法で真っ先に認識したのは、自身のクライアントからドロー出来るモノだった。それも、禁断魔法『アルテマ』。疑似魔法中、最強とも呼ばれる力だ。
(……いや、あの『失敗魔法』の威力を考えれば、むしろ妥当かも知れない)
ともあれ、手持ちの魔法を消費することなく早急に決着が付けられそうだ。
「ドロー アルテマ」
ルイズより抽出した魔法を、眼前に群がった銅像達に叩き付ける。
午前中のルイズの失敗魔法にも劣らぬ爆発が発生し、ワルキューレが破壊される。
「な、何だこれは!?」
「そこだっ!」
「うわ!?」
爆発に動揺したギーシュの眼前まで一気に距離を詰ると、首筋にライオンハートの輝く切っ先を突きつける。
「まだ、やるか……?」
以上です。
えらい唐突だな
というかメイジからドローできるんならまさにメイジ殺し
乙です。
てか続きプリーズ
乙!やはりファンタジー世界慣れしている人は強いなw
五体呼び出して戦うところで思い出したけど寄生獣キャラ呼ばれてなくね?
田村良子なんかが自分と同じ戦力を持った相手三人に無傷で勝って
「三人いれば勝てると思ったか?」とか言うシーンあたりは下手なバトル漫画キャラよりかっこいい
田村さんは短編で召喚されてた
>>106 本当だ。でも作者が自分で消したみたい。何かあったの、これ?
あら本当だ……ひょっとして例の件で撤退したのか?
>>99 愛の戦士ヘッドロココですねわかります
あのロココは家事関係壊滅だからなー
でも羽尻尾輪っかのついた天使だから平民扱いされて雑用を押し付けられることも無いか。
むしろワンダーマリアが怖いw。
>>102 乙
メイジからドローできるってのが面白かった
読みやすかったので続きを期待したいけど、小ネタとして纏まっちゃってるから無理かな
それにしても、こんな近場からアルテマをドローできるとか最高だw
鉄拳で思い付いた。
三島シエスタ。
曾祖父はあの人。
三島スカロン、三島ジェシカ、仕事場は魅惑の鉄拳亭。
>三島シエスタ
名前から判断すると、メイドやるくらいなら傭兵してそうな気がするなw
せめて風間さんくらいにしといてください
平民でも貴族になれるゲルマニアに移住してそう
115 :
100:2009/05/09(土) 15:32:40 ID:5uipnFg0
好評だったようで、何よりです。
ところで……本編のスコール達とルイズ達って、大して年は離れてないんですよね……
絵柄の等身のせいでとてもそうは思えませんけど……
メイジ相手にドローしまくって相手が魔法使えなくなったら面白いだろうなw
というかタバサとルイズはドローされたの気付いてないのか?
>>115 >絵柄と頭身のせいでとてもそうは思えない
頭身とデカ過ぎる剣のサイズのせいでとても21には見えない、初期の某チョコボ頭を思い出した
絵柄のせいじゃなく18に見えない剣鉄也を召喚w
シエスタがタルブに保管されていたおっぱいロボでコン・キスタを潰滅させます
プロだと最初はルイズにかなりきつくあたりそうだな
姉妹スレの承りも、錬金が出来なきゃオメエの使い魔なんぞにはならねぇと放置してたし
おっと落としちまったぜ
つ「レ」
もう年齢とか関係ない連中を世紀末リーダー伝たけしから召還
SS作者がry
>>116 人間キャラとかからドローしまくっても、そういうのは無かったと思うから、
無いんじゃない?
アルテマ使わずにGF使って叩き潰せばよかったんじゃね?
アルテマトリプルマルチジャンクション美味しいです
続き読みてぇな
遅くなりましたが双月の女神の方来てたー!!
どれだけでも待ちますんで、気負い過ぎず頑張って下さい!
うざ
>>121 ガッツ島の住人からシシカバ召喚、ジョセフはマリオというのは面白いかもw
>>126 シシカバがどの状態で召喚されるかだな
弱体化状態ならガッツ島じゃないからガッツを相手から
取り込むという手が使えないしなぁ
そこはルーン補正とかか?
>>109 娘が料理するとハルケギニアにこれるんですね。わかりますw
...てか、あの能力あるなしにかかわらずワンダーマリアなら連れ戻しにきそうだなw
つまり魔神皇ですか
全裸の上から直に鎧着る教皇か?
前聖戦では蟹座の黄金聖闘士だった方では?
>>125 まぁそう言ってやるなよ
ところで話は変わるがサイレントヒルからの召喚ってあんまりないな。
以前本スレでルイズが逆に静丘に迷い込む話が短編であったが…
俺には蟹座は「あじゃぱアーッ!」とか言ってやられてた記憶しかないんだが
最近の作品で復権したのか?
>>134 チャンピオンでやってる新しい星矢では、車田星矢で不遇だったキャラが優遇されてるらしい。
最近の作品の蟹はかっこいいぞ。
前大戦時の蟹だがな。
Gは・・・最近読んでないが、初戦闘時は結構かっこよかったぞ。
かには可愛いだろ
黄金聖闘士はみんな格好いいな、今チャンピオンで別の人が描いてる奴は、失われたであろう技とか出てくるし
しかし主人公は空気
星矢で主人公が空気なのは受け継がれるべき素晴らしき伝統だ
蟹といえば勇者王な広島弁メタルス蟹
>>133 正直、誰を召喚しても悲劇にしかなりようがない気がする
青銅五人の中で一番弱いんじゃね?>星矢
星矢の主人公勢というとあれだ、
シスコンにマザコンにファザコンに露出狂と粒揃いの連中だよな。
ブラコン忘れんな
>>142 基本性能は一番低いが爆発力のみ一番な気がする
兄さんは基本性能は下位黄金並の実力って感じかな?
>>143 ヒロインはドSで、ライバル(笑)はドMだしなw
基本性能が低くても勝つのが主人公だろ
というか星矢は基本技の音速拳しか教えてもらって無いんだもんなぁ
聖衣も特殊能力付いてるわけでなし
まあペガサスの聖闘士は特別な存在だからある意味特殊な聖衣なんだけど
そういえば黄金は三人集まるとビックバン規模の攻撃できるんだよな。
全員集まると銀河サイズのドリルロボットにも・・・
いや、全員集まると太陽の輝きを一瞬作り出せるだけだ。
3人だけの方が強いんじゃねえか、とか言っちゃダメだぞ。
つまり乙女座のシャカ最強って事か
神に一番近い男ですから
さすが初対面の人に跪けというお方だぜ
地面に頭を擦り付けて私を拝め。
>>150 つまり三人ずつでチームを組んで、ビックバンアタックこれ最強と。
ふと思ったんだが、エルハザードの関係者って割と相性良さそうなのに召還されないな。
水原誠とかコルベール先生と馬が合いそうなのに。
エルハザード書いてみたいが昔過ぎて覚えてないw
>153
教皇が教主を召喚するのじゃ。
>>154 アテナ・エクスクラメーションは禁じ手で何をしてでも"アテナの為に"勝たなければいけない状態じゃなきゃ撃たないよ
確か撃ったセイント自体惨いことになった筈
旧黄金は凄い人多くてな……
神すら切り捨てる通り魔カなプリコーンとか
ニートとか言われてたのに自分で両目潰して三巨頭の一角を凌駕したシジフォスとか…
誠はもろにミョズニトニルンだな
レズのファトラとアレーレには天国だな学院
ビックリマンなら、サイバーアップするルイズとか?
ふと小ネタ思いついた
元ネタはサンサーラナーガ1から
結構適当
>>150 あれは太陽の光じゃなきゃ破壊できない設定の壁を
破壊するためだから 3人>全員 とはならない
163 :
ゼロナーガ:2009/05/09(土) 22:27:28 ID:XXEE4rd6
ある日のこと、ひとりの少女が、夜明けを待たずにこっそりと学院を出る。金はない。
身を守る武器もなければ防具もなく、手持ちの食料もごくわずか。
彼女にあるのは、大きな野心と、腕に抱えた大きな卵。ただ、それだけだった。
この卵は学院の宝だった。「竜の卵」……と、学院長は言っていた。
「卵から竜をかえし、立派に育てて、いつか私を見下していた学院のみんなを見返してやるんだからっ!」
竜を育て使い間にすれば自分を見下していたやつらを見返してやれる――少女はそう信じて疑わなかった。そして、自分にはそれができる、と。
が、どっこい世の中あまくない。卵から生まれたのは竜とは似ても似つかぬダチョウの子供だった!
「え?」
小さなダチョウは愕然とする少女を尻目に、あっというまに地平の彼方へ走り去る。
少女は学院の宝を盗み出したあげくに、それを失ってしまったのだ。……もう、学院には帰れない。
ずっと昔から「竜の卵」だと信じていたものが、実は「ダチョウの卵」だったなんて話を、一体だれが信じるだろう?
――胸を張って学院に帰るには、一人前の使い間を使役した立派なメイジになるしかない。そう考えて、少女は笑い出した。
「なんだ、はじめからそのつもりで学院を出たんじゃないの……」
数日後、卵と少女の出会いから、この物語<ナーガ>が幕を開ける
<了>
さぁ、いいから開始直後に学院へ戻るんだ!
序盤に水の中に入ったらウミネコに囲まれてあっという間に乙れるゲームか…。
懐かしい。
スチールセイント召喚と申したか。
突如登場しなくなったのはルイズに召還されたからだったのか
>>165 スタート地点のすぐ近くに中盤でようやく互角に戦えるようになる巨大クラーケンがいたり
隠し部屋見つけてやったと思ったらあけた直後に潜んでいたスケルトンに切り殺されたり
宝箱見つけてやったと思って開けたら潜んでいたスケルトンに(ry
スタート地点からちょっと後ろに下がるだけで水没して開始3秒で死ねるゲームとな?
まず牛を殺しまくって金稼いで
つぎは、メーサー砲とかなんとかいう兵器の密輸で荒稼ぎするゲームか
ルイズの場合は、どんな非合法手段で金を稼ぐのだろうか?
サガフロっていうとスタート地点のお城でドアが見つけられずに
2時間以上さまよったアレか……
説明書買わないから…
>>172 俺にとっては自由度が高すぎて何すればいいのかよく分かんなかったゲームだな。
レッド編でアセルスが外れるのが嫌で、いつまでもハイジャック犯を倒さずにウロウロし続けたなあ…
あ〜、テス、テス。
あいてるなら、新作を投下したいのだか、よろしいでしょうか?
>>176 取りあえず元ネタと作品の題名を明記してください。
主人公ごと制限あるから厄介>サガフロ
というか初心者は解体新書やアルティマニアなしでは詰むよな、サガ系はw
次にお前は田宮良子と言う!
ええと、題名は『0』で。
元ネタは、第一回を投下終了後にばらしたい形式なのですが良いでしょうか?
大抵引っ張る意味がなかったりして
後から考えると恥ずかしかったりするけど
まぁ自由さ
最近、元ネタを投下後にバラすって手法が多いな……。
何の意味があるのだろうかとも思うが、まあ取りあえず発進オーライ。
じゃ、行きますね。
彼女がその場で意識を取り戻したのは、その天体における、正午をやや過ぎた辺りの時間帯であった。
悪夢を見ていて、次の瞬間それから目覚めたかのように、鮮明に、突然、目覚めたのであった。
つい先ほどまで感じていた、絶対的な孤独感……彼女が己の死を実感し――それは彼女が生
命の謎をまた一つ解明したという事実でもあった――「それもそうか」という、漠然とした諦念。
それとともに、自らの意識を眠らせようとした矢先に、おせっかいな第三者の手によって無理やり
目覚めさせられた実感。
彼女ははっきりとした意識を回復させながらも、このとき確かに不快感を感じていた。終わらせる
べき物語、完成した物語に、無理やり続編を作らされる感覚。
彼女は自分が横たわり、目を閉じているのを認識する。全身に暖かい光の感触を味わう。それは、
日光によるものであろう。彼女は、自分が屋外にいることを認識した。
「あんた、だれ?」
彼女の思考を阻害するかのように、無遠慮に彼女にかけられた言葉。
彼女の比較的短い歴史には、その高い声の主に心当たりは無かった。彼女の直前の記憶に対し
て、あまりに分不相応な、能天気でなおかつ生意気な声。おそらく、この声の主は生物的な苦悩を
大して体験していないであろう。彼女は声の主に対し、そう結論付け、目を開けた。
「わぁ。ゼロのルイズが平民を召喚したぞ!」
彼女を取り囲むように、十台半ばであろうか、幾多もの少年少女がいた。いづれも妙なコートを着て
いる。その中の一人、桃色の髪をした少女が、全長三十センチほどの木製らしき杖を倒れている
彼女に向け、不遜なまでに傲岸な顔で見下ろしていた。
彼女は自分なりに慎重に、周りを見回した。
明らかに、彼女の直前の記憶とは食い違っている。多少の差異であれば、
己の過誤や失念と結論付けることも可能であったが、現在、彼女が目にして
いる光景は、あまりにもそれらの範疇を超えていた。あそこではない。
彼がいない。彼らがいない。あの子がいない。なにより、血の臭いがしない。
「おまえは学生のようだな」
声を発する。その声は、まさしく『自分』のものであった。『自分』に関して大
きな変質はしていないようだ。そこまでは確認することができた。
「ミス・ヴァリエール。使い魔の召喚は完了したようですね。おめでとう。しかし、
契約の儀式がまだ残っています。それを済ませないと、召喚の儀は成功した
とはいえませんよ」
先ほどの、桃色の髪の少女に、やさしく語りかける人物がいる。中年の細身
の男性だ。この男にも、彼女には心当たりは無かった。
この少女らがどこかの学生であると仮定するのであれば。おそらくこの男は
教員であろう。しかし。
「おまえ達が先ほどから何を言っているのか、私にはまるで見当がつかない。
もしよければ、説明してもらえないか?」
彼女はそう、声をかけた。彼女はここがどこだか見当もつかない。そもそも、
生物が死んだ後、精神の行き着く先は『無』である。そう信仰していた彼女に
とって、あの出来事のあと、自分がこうやって意識を回復させている、ということ
自体信じられない。よって、ここは彼女にとっての天国なのか、という発想は
微塵も起こりえなかった。
>>178 結構適当にやったけど、詰まずにクリアできたけどなぁ。
いちばん始めにやったのはロマサガ2、
ラピットストリームとクイックタイムを覚えていたので助かった。
クロス先を晒してもらえない時のドキドキ感は結構好き支援
188 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/10(日) 00:27:11 ID:MJVY0U2r
何だこの改行 支援
「あんた、使い魔も知らない? ひょっとして貴族を見たことが無いの?」
少女は無遠慮に言葉を投げつける。おそらく、少女の常識、文化的背景
の範疇では、彼女の振る舞いは、特別奇異な印象を受けたのであろう。
「ああ、少なくとも以前の私の周辺には、貴族という概念は存在してはいた
が、実際にその肩書きを持つものはいなかった。仮におまえが貴族と仮定
しても、私は始めて貴族という存在に遭遇することとなる」
「はぁ。貴族に会った事が無いとか。とんだ田舎物を召喚しちゃったわ。
ミスタ・コルベール。サモン・サーヴァントのやり直しをさせてください!」
「ミス・ヴァリエール。使い魔の儀式は神聖なものです。やり直しは認め
られません。召喚したものがたとえ人間であっても、それが平民であって
も、契約を行わなくてはならないのです」
なんでこんなやつと、とつぶやきながら、少女が心底嫌そうに、彼女の
元ににじり寄ってくる。一体何をするつもりであろうか。
彼女はとっさに、少女の肩をつかんだ。
「きゃあ! 何をするの! たかが平民の癖に!」
「まあ、待て。先ほどまでの会話から察するに、おまえは私と何らかの契約
を行おうとしている事は理解した。私の理解している契約とは、本来双方の
意思表示の合意が得られて初めて効力を発揮するもの、と認識しているが?」
「ごちゃごちゃ言ってないでさっさと契約させなさいよ!」
逆上する少女。彼女はしまった、と思った。これから情報を収集するには、
少々不都合な展開である。そこに、まあまあ、と、先ほどの中年男性が割っ
て入ってきた。
「ミス・ヴァリエール。彼女は、貴族も使い魔も見たことが無いようです。いくら
平民とはいえ、我々と同一な思考展開を持つ人種です。混乱している彼女に
強引に契約するよりも、説明してから契約したほうがコントラクト・サーヴァント
の成功率も上がるでしょう。もっとも、それで彼女が納得するとは思えませんが」
仕方ないわね。と少女は後ずさった。
彼女は、今度はコルベールと呼ばれていた中年男性のほうに話しかける。
おそらく少女よりはまともな返答を期待できるであろう。
「まず基本的事項を確認したい。ここはどこだ?」
「トリステイン王立魔法学園です。トリステイン王国は知っていますよね」
「いや、あいにく心当たりは無い。そもそも私がいたのは日本国のはずだ」
コルベールは、首をひねった。
「ニホンコク……聞いたことがない地名ですな。東方でしょうか」
ふむ、お互いの土地を知らないのでは話にならない。だが、妙だ。彼女は
今、日本語を使用して会話をしている。つまり、帰納的に判断してこの中年
男性は日本語を使っていると彼女は判断した。だが、日本語が使えるのに
もかかわらず日本を知らないとなると、明らかに矛盾が生じる。どこかに論
理的破綻があるのであろうか?
「それはともかく、先ほどまで言っていた、契約とは何だ?」
コルベールは、やや緊張した口調で、話し始めた。
「正確には、コントラクト・サーヴァントの魔法で、ミス・ヴァリエールの使い魔
になってもらいます。念のために聞きますが、あなたは魔法が使えますか?」
「論理的に考えて使えないだろう。もとより、私の生活圏では、魔法、という
概念自体が架空の存在でしかなかった」
その台詞を聞いたとたん、コルベールの緊張は弛緩した。
「なら安心です。どこかの貴族を召喚した、ということならば問題ですが、平
民ならば心配ありません。契約しても差し支えは無い」
「それは、私に契約の意思がない、と仮定してもか?」
「当たり前です。使い魔の儀式は貴族にとって神聖なもの。あなたには気の
毒ですが、あなたがどう思おうが、あなたにはミス・ヴァリエールの使い魔に
なってもらいます」
どうやら、彼女が属すると見なされている階級――平民――その社会的地位
はかなり低いらしい。彼女は、江戸時代の下人らしきものを発想した。
「なるほど、私に選択の自由は無いというわけか。ところで、おまえは貴族、とい
うが、貴族と平民の違いは一体なんだ?」
「まあ、国によって微妙に差はありますが、基本的な差は、魔法が使えるか否か、です」
この中年の台詞から察するに、この時空では、『魔法』という概念が当たり前に
技能として認められているらしい。たしかに、その論理でいうならば、彼女は平民、
ということになる。
「では、使い魔となった場合、私の肉体や精神に対し、どのような変化が生じるのか?」
「そうですね……人が使い魔になるというのは聞いたことが無いですが……まあ、
一般的に、使い魔というものは主人に付き添い、従う者です」
その後も話は続いたが、どうも要領を得ない。得られた情報は、体に契約の
ルーンが刻まれること、とか、この世界はハルケギニアと呼ばれていること、
程度の物であった。
「つまり、総論からいうと、私は契約をこの少女と交わし、彼女にたいする奴隷的
地位に甘んじろ、というわけか」
「奴隷、とまで言うと過激な気がしますが、確かに、飾らずに言えばそうなりますね」
なるほど、と彼女はうなずいた。
「どちらにせよ拒否権はありませんが、私としてもこの儀式は穏便に済ませたい
のです。どうか承諾してください」
コルベールは笑顔でさりげなく、そういいながらも、怪しい殺気を周囲に撒き散
らせながら彼女に迫った。だが、その殺気に気づいているものは、彼女以外いな
いようであった。
「わかった。契約を受け入れよう」
そうですか、と、殺気をとくコルベール。彼にとっても、彼女の返答は意外なもの
であったようだ。
だが、
「あったりまえじゃない! さっさと契約させなさい!」少女にとってはその返答は
当たり前の必然だったようで、ためらいもなく彼女に近づき、口で口に接吻を施した。
「これがおまえ達の言う契約か。意外な方法ではあるものだな」
彼女は心の底からそう思った。
「仕方が無いじゃない! 感謝しなさいよね! 私の初めてなん
だから!」
少女は恥ずかしげに怒鳴りつけた。この土地でも、(おそらく)
ファーストキスといわれるものには、何か文化的に特殊な価値
観があるのであろう。
「それで、私は成功しましたか?」
今度はすがるように、コルベールに話しかける少女。
コルベールは嘗め回すように彼女の肉体を見つめる。
「う〜ん。わかりませんね。あなた、何か体に変化はありません
か? どこか痛いとか」
「特に感じられないが」
とたんに少女の顔が青ざめる。
「まさか、失敗?」
「さあ、わからない。コルベール。契約とやらは、ルーンの有無
でしか判明しないものなのか?」
「いえ、いつもの使い魔なら、別の判断基準もあるのですが。
なにぶん人間が使い魔になるなんて初めてなので」
使い魔は、通常、人間ではなく野生生物などがなるものであるらしい。
「え、ひょっとして、もう一回キスをしなくちゃいけないわけ?」
少女がいよいよ憔悴を始めた。
「待ってください、ミス・ヴァリエール。ひょっとしたら契約は成功
しているかもしれません。ここは一つ、一日じっくりと待ってみて、
彼女が使い魔になっているかどうか判断してからのほうが良い
でしょう。さあ、みなさん。これで使い魔召喚の儀式はひとまず
終わりです。解散」
コルベールはそういって、ほかの生徒を時間の束縛から解放した。
「ルイズ! お前は使い魔と一緒に歩いてきなよ」
一人の生徒が少女にそういったのを合図に、生徒達とコルベ
ールは、空を飛んで、手近な石造りの塔に移動し始めた。
彼らは文字通り飛行したのだ。彼女の知る物理法則を完全に
無視したその力学的移動は、彼らが自前の足の筋力等で移動
しているわけではないことを端的に示してもいた。
「これが、魔法か……」
相変わらず無表情ながら、彼女にしては心中珍しく唖然として
いる中、一人残った、あの少女が叱り付けてくる。
「みんな行っちゃったし、私達も寮の部屋へ帰るわよ!」そういっ
て、桃色の髪の少女は、一人ずんずんと、塔に向かって歩みを
進めていったのだった。
日がくれ、夜半になった。彼女と、ルイズと名乗る少女は、ルイ
ズの部屋に移動していた。
部屋の窓から見える夜景に、彼女は、彼女なりの常識からは
ありえない光景を見出していた。大小の月が、二つ浮かんでい
たのである。
今までの、この世界における数々の非常識な振る舞いを見て、
彼女は一つの仮説を打ち出していた。
すなわち、ここは異世界である、ということを。
「それで、私が使い魔になったと仮定して、どのようなことをすれ
ば良いのだ?」
「そうねえ、有用な使い魔だったら、薬草や魔法に使う鉱石を取
ってくるわ」
「悪いが、そのような知識は私には無い」それらの問題について、
おそらく、彼女の世界の知識は通用しないであろう。
「しかたがないわねえ。あと、使い魔は主人の目となり、耳となる、
んだけど」
「それは視覚や聴覚を共有する、ということか?」
「そう。でも、契約の儀式をしてからこっち、そんなこと無かったか
ら、それも見込み薄、ね」
ルイズがため息をつきながらベッドに腰掛ける。
「ああ、本当に契約が成功してるのかしら? まったくもう!」
ルイズはそういいいながら、おもむろに自分の衣服を脱ぎ
始めた。
純白のブラウスがぬるりとルイズの肢体を通り抜け、音も
無く床に滑り落ちる。その必然性が、あるかどうか疑問に感
じられるブラジャーを白く透き通った指で、自ら脱ぎ捨てて
いった。その後、この世界でも短い分類ではないかと類推さ
れるスカートをおもむろに膝下まで引き摺り下ろす。さらにか
がんだ勢いで、少女はシルクと思われるショーツのなかに、
自らの人差し指、中指を差し入れ――
「私の視線が気にならないようだな」
「はあ? 平民が? そんなことより、明日になったら、この
服洗濯しといて」
少女は手早くランジェリーに着替えると、着替えたばかり
の制服を、ポンと、彼女の放り投げた。なるほど、文化が違う、
と彼女は思った。
「それらが私の使い魔としての仕事、として判断してよいのか?」
「しょうがないでしょ。それくらいしかできないようだし。掃除、
洗濯、雑用。当たり前じゃない」
ルイズはあくびを一つして、
「私はもう寝るから、あんたも寝なさい。寝床はそこね」と、
部屋の隅においてあった、わらの束を指差した。
「寝床がこのような状況、というものは、平民の階級では
一般的なことなのか?」
「知らないわよ、平民の事なんか! あ、あと、明日はあなた
が早起きして私を起こすこと。いいわね?」
「それがこの国の常識というのであれば、甘んじて受け入れ
よう。ミス・ヴァリエール」
「私の事はルイズ様、と呼びなさい。あ、そういえばあんたの
名前を聞いていなかったわ」
「名前など記号の一種に過ぎない。何とでも好きに呼べばいい」
「あのねえ、せっかく貴族様が平民のあんたに好意的な質問
をしてあげてるのよ。素直にこたえなさいよ」
彼女は一泊の呼吸を得たあと、自分の名を答えた。
確かに、この改行は辛いものがある支援
改行をどうにかして欲しい。読み辛い。
改行がやけに多いけど何故こうなるんだ?
私は考える。
生物種としての私は死んだはずだ。だが、何らかの手段
(おそらく魔法、の効果であろう)によって、新たな生を、この
ハルケギニアという世界に受けた。
私の見るところ、この世界は、元いた地球に非常に良く似
ている。この地でも、あるいは少なくともこの国においては、
人類という種が支配的存在種であるようだ。だが、相違点も
ある。その中でもっとも目に付く点は、いわゆる『魔法』の存
在であろう。
現時点まで、私自身が接触した人類はあまりに数が少な
い。だが、人類の中に、魔法が使えないものと使えるものが
存在することは類推できた。また、その個体差によって、お
およその社会的地位が決定されているようだ。
だが、その一点をもって、この世界を私の元いた世界と比
べて文化的に劣っている、などと結論付けることはあまりに
安直であろう。そのような進化主義的判断を行うには、この
世界の常識や社会規範等の情報が圧倒的に不足している
し、魔法という未知の力がある点において、彼らを私の元い
た世界の人類種と、能力的に同列とみなす事はできないか
らである。
だが、『こちら』と『あちら』の人類間の細かな違いはおいお
い解き明かせばよかろう。
またルイズらが、私の事を唯の人間である、と認識してい
る事実は、私のこれからの生活にとって、私の戦術的優位
性を確保する一助になりうるであろう。この世界においても、
無力な人類を演ずるという行為は、私自身生き延びる可能
性を高めることとなりうるであろう。
すなわち、私自身早急に求められていることは、この世界
の平民階級の生活を調査し、平民にふさわしい考え方、社
会的通念を把握することだ。
おそらく、この世界の人類も、自分の脳以外にもう一つの
巨大な脳が存在しているであろう。私が自身の生存を確か
なものとするためには、それに逆らわない方法を見つけな
ければならない……
元いた世界でパラサイトと分類されていた私が、田宮良
子の肉体と共にこの世界に召喚された際、この世界の人
類は、いづれも私を人として認識していた。すなわち、見ず
知らずの身分が不明瞭な私を、パラサイトか、と疑うものは
皆無であった。
それは、この世界にいわゆるパラサイトが存在しないか、
(可能性は低いが)または存在しても人類に認識されること
無く人類と同化することに成功しているか、のどちらかであ
ると結論づけられる。私としては、前者のほうが都合がいい
のであるが……
以上です。あ、元ネタは『寄生獣』の田宮良子です。
>>179>>181お前らw
>>183習作ですよ。何事も練習でチャレンジ!
初回でさるさん食らうとかw誰か代理投下お願いしますです。
>その必然性が、あるかどうか疑問に感
>じられるブラジャーを白く透き通った指で、自ら脱ぎ捨てて
>いった。
ハルケギニアにブラジャーは無いぞ。
まぁ第一回だしとりあえず最後まで見よう
wikiにまとめる時なら改行修正できるし
支援
201 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/10(日) 00:38:44 ID:sm1YFcJe
懐かしい人が・・・
ある意味オワタではなかろうか?
ということで、代理投下終了。
作者さん、乙です。
田村さんの話には興味があるんですけど、この改行は辛いです。
特に意図するものが無ければ、wiki登録時にでも変えてもらえると嬉しいです。
また終わった後に支援してしまったorz
恥ずかしいよぉビクンビクン
昼間に寄生獣の話題出してたら本当にきたw
>>179,181 スゲェw
ワルドとか相性的に瞬殺しそうだな田宮良子
>>199 そんなことシエスタが言ってたなw
どっちみちルイズにはいらないが
>>206 原作4巻のP120〜121あたりを参照のこと。
ともあれ田宮良子の人、乙。
そう言えばこの人って出産経験があるんだよな。
つかパラサイトって
限界まで肉体使えるからガンダルーヴ必要なくねw
召喚されたのが後藤だった場合、やっぱり三木とかが「武器」として認識されるんだろうか。
wikiにまとめる事を考えるとひどいタイトルだな
まあ、後ろにIDつけるなりそもそもwikiなんか眼中にないというなら
余計な話だけど。
>>209 寄生獣の場合人間の肉体限界つってもたいしたことないからなぁ。
寄生部分の能力が高いだけで。
ブギーなポップさんみたいなとんでも人間になったりしない。
こんなSS書くなんて・・・
暇な人間なんだな。
心に余裕(ひま)のある生物、なんと素晴らしい。
化学汚染の進んでいない世界、か。
寄生獣達にとっちゃ楽園かも知らんね。
……!
コルベール先生逃げてーっ!
>>212 ブギーポップの汚さは肉体よりも
あの卑怯な超理論だと思う
どんな能力も謎の理論で無力化されるのがねえw
この改行は意図的なものじゃないの?
一行あたりの文字数決めて書くタイプの
別にこのままで良いような
>>217 よく見たらそうっぽいな
代理スレで本人も直すって言ってるしな
>>215 一応、精神干渉系以外は通るんだけどな。
あらゆる戦力を利用して敵の戦力を削ったうえで、特殊能力を封じてから戦って、一番いいところをかっさらう事に特化しているから
「超能力で砲撃戦マンセー」な人たちには、致命的に相性が良くないだけで。
メイジ殺しの方々と趣味が合いそうな思考パターンをしている。
というか、真正面から戦った特殊能力持ちはスプーキーEぐらいじゃないか?
ホントだ、代理スレにコメントがある。
ブラと一緒に修正してもらえるみたいだ。
作者さん、ありがとうございます。
>>219 ゾーラギ戦で唯一ダメージを受けてるから物理攻撃は聞くんだろうけど
空気を固めて動けなくするって言う能力持ってる奴の空間で当たり前のように動いてたから
特殊能力での砲撃が効果あるのかは分からんな、超能力で石とかぶつけりゃダメージあるんだろうけど
このままではダメだ、
田宮さんに石を詰めたハンドバッグでギーシュが殴られるぞ!
>>221 そんなシーンもあったな。
エンブリオを波長を利用して移し替えていたから、ピート・ビートに近い能力を持っているんじゃないかと思うんだが。
ブギーさんは最後に決めてくれればいいのよ!
「ニュルンベルグのマイスタージンガー」口笛で吹いてくれればいいのよ!
・・・あれ?ゼロ魔世界じゃ誰も知らない曲じゃないか
ブギーさんが敗北しているのは、漫画版の「負け犬たちのサーカス」であったが、
あっちはノーカンだな。いや、あの漫画面白いけど。
ところでゼロ魔世界にブギーポップを召喚したら、ルイズが一見して二重人格とか、
下手したら悪霊憑きみたいに思われるんだろうか…。
「ルイズ?」
「――今はブギーポップだ」
ブギーポップは「発生する条件」がよく分からんのだよな。
世界の敵が現れると自動的に表に出てくると言われても、どういう条件なのかサッパリだぜ。
>>77 「ペチャパイー!元気してた?」
「ペチャパイのために胸パッドを作ってみたんだ!」
こんなイベントがお望みか
228 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/10(日) 03:09:19 ID:sm1YFcJe
>>226 世界に致命的な打撃を与えそうな能力と考えを持った奴が対象者。
死を操るイマジネーターや無制限集団パニックを引き起こすカウントダウン等が好例。
アイス屋は考えが世界とかに向いていないので見逃された。
そんな描写がありました。
>>226 進化の方向性を一人の力や意思でねじ曲げたり、人類の進化を停滞させたりとかそんな感じの奴が
世界の敵に認定されるらしい、JOJOで言えばプッチ神父、ゼロの使い魔で言えばアンドバリの指輪で人操ってたりしてれば世界の敵に認定されると思う
ナベツネをどうにかして欲しい
>>227 ミョズ:バトー博士・・・さすがはコッパゲだ、吐き気をもよおすようなすばらしいセンスだね!
ヴィンダ:ドクター・ミンチ・・・ウェールズよ蘇るのだ、この電撃で!
ガンダ:ヤミクモ博士・・・レーザーバズーカでビシューン
こんなイベントですねわかります
ウィザーズクライマーからセリス召喚
元魔法を使えなかった者としてルイズにどんな思いをいだくのか
案外ルイズの師匠になって、拳や樽で戦うルイズの誕生とか
田宮さん乙です。
この人容赦無いからなぁw
とりあえずアン様は逃げるべきだw
>>234 あぁ、確かに。
まぁ見た目と首から下は人間だし。
フェイスオープンした時のルイズの反応が楽しみだw
「今日は食事抜き!」と命令した時が 危険かも?
野生の田宮さん…ゴクリ
あ! やせいの たみや りょうこ が とびだしてきた!
ざんねん きみのぼうけんは おわってしまった
ヴォーパル・バニーかなにかですか、その即死率は
田宮さんならこめかみ辺りにガンダールブのルーン出るんじゃねーか?w
田宮さんは頭が本体だからなぁ。ルーンがどこに刻まれてるのか、見当がつかんw
>242
こう、左側頭部からルーンを刻む用の腕が……
野性の田宮さん…ゴクリ
というか熱も感じてないようだし、ひょっとして契約できてないんじゃないか?
これが後々で伏線になりそうな感じが……
しかし母性に目覚めた田宮涼子と、加奈が殺された後の新一ではどっちが危険だろうか?
なんか前者はとりあえず様子見決め込むだろうけど、後者は最初の時点でルイズとコッパゲを
ぶん殴って大暴れしかねん気がする
中盤以降の新一に下手に殴られたりしたら、死ぬぞ……。
いや、最終回で弱体化してたような気もするけど。
>その即死率は
融合前だったシンイチに対してミギーが「勝ち目が無い」って言ってるし
相手をナメない・どんな状況でも油断しない・奇想天外かつ効果的な戦術・いつでも最初から全力
一対一ならこんなヤバい奴滅多にいない
>>246 ぶち切れたら素手でパラサイト瞬殺するしな
しかも殺伐かつ不安定な性格になってるから下手な事いうととんでもない事になるw
(まあミギーもいればここで暴れるのは得策ではないと諌めるだろうけど
ミギーとデルフの掛け合いは見てみたい)
話が若干ズレますが
寄生獣を読んでおらずパラサイトという単語から一瞬パラサイト・イヴの方連想してました
ミトコンドリアEVEが召喚されてルイズに同化
召喚失敗と落ち込みつつ、次第にパラサイトエナジーに目覚めて浮かれるルイズ
やがてEVEに乗っ取られ・・・でもいくらコッパゲ先生でもミトコン抜き精子なんて用意できそうにないし
結末は原作版でしょうねぇ、誰と子作りするかが一番の見所ですか
あ・・・いっそクランプを召喚・・・
>>247 後藤も田宮さんとならいい勝負ができたかもしれないとか言ってたな
つか田宮さんは障害になりそうな奴を確実に消しにかかるしw
正直おマチさんとワルドとアン様逃げてとしかw
合理的な人?ではあるが、同時に科学者というか観察者っぽい人でもあるから
コッパゲと相性は……良くないだろうな、田宮さんは必要な殺しは躊躇しないし
正体見破らなければ静かな人だよ
痴漢されても投げ飛ばすだけで許してあげてるし…ハッ校長が危ない
そもそもパラサイトたち自体が知恵を持った昆虫みたいな連中だからな
超合理的な考え方しかしない
恥とか快楽すらそういう感情が無い生きることにしか興味が無い
田宮とミギーと後藤はちょっとユニークな部類だが
>>254 人間の子供を育ててみたり、後藤を生み出してみたりと、探究心が豊かな田宮さん
のっけから本を読み漁って知識の吸収に余念がない、知識欲旺盛なミギー
殺すか殺されるかの戦いの中で『楽しむ』ということを覚えた、バトルジャンキーな後藤
確かに他のパラサイトに比べれば、個性の強い連中だよな
そういえば影が薄いけど顎に寄生してた奴もいたな
ジョーさんか。確かに影は薄かった。
その代わり割りと平穏に暮らしてたけど。
そしてジョー>ジョオ>暮春浄水と連想してしまった自分は超鋼女セーラでなにか書かなきゃいけないんだろうか…
絢乃&ベッキーコンビの方がハルケギニアに馴染みそうではあるが。
姉妹作からごんちゃん呼んでもいい気もするけど。
パラサイトの中にはスポーツ(体の動かし方)好きのやつとか、ナンパ(狩り?)好きなやつも
短気なやつも臆病なやつもいたっけな。
それでもいきなり子供作り出したり、
人間を食わずに他の食事で代用して生活ができるかとか試した田宮さんは異質だけど
そして、最期にはその作り出した子供を守り、主人公に託して死んだ。
あれには泣いたな。
人間の真似をして鏡の前で大声で笑ってみた・・・とかな。
>>260 なかなか気分が良かったぞ…だったっけ。
あれ、目に水分が…
こんにちは皆さん、それでは先週の続きを投下しようと思います。
今回も、使用レス数は11で、投下開始予定時刻は00狙いで5分後の15:55です。
待ってました!
ウルトラ支援
第47話
勇気の証明 (後編)
変身怪獣 ザラガス 登場!
ザラガスの襲撃からおよそ2時間ほどが過ぎ、トリスタニアにも夜が訪れていた。
ここ、魅惑の妖精亭でも普段なら仕事帰りの男達でにぎわう時間だが、今日はザラガスの閃光で盲目に
されてしまった人を収容して治療するために、業務を中止して救護所となっていた。
「わりぃな……商売敵のおめえに」
「いいのよ、困ったときはお互い様よ」
隣の店の店主の目に包帯を巻きながらジェシカは笑っていた。人間は困ったときに助けられてこそ、初めて
人の情けのありがたさを知る。弱った仲間を食い合うのではなく、助け合うからこそ人間は動物と一線を隔する
ことができるのだと、断言してはいけないだろうか。
そんな中で、目をやられて身動きのできなくなった才人とルイズは、ベッドからは起き上がったものの、
歩くこともままならずに、部屋の隅で椅子に座って憮然と話し合っていたが、この喧騒の中で自然と話題は
怪獣との戦いのことになっていた。
「あいててて……まだ目が開かないぜ」
「やめときなさいよ。目がまるでウサギみたいになってるっていうから、しばらくは視力が戻らないそうよ」
ロングビルによると失明はしないそうだが、今日明日は視力が戻ることはないらしい。それにしても、
今までこんなことはなかったが、これもウルトラマンとなる代償ということか……ウルトラマンが受けた
ダメージが同化している人間に跳ね返ってくることは度々あるそうだが、かつてエースが初代ドラゴリーと
戦ったときも、エースバリアーを使ってエネルギーを使いすぎたために、同化していた南夕子が瀕死に
陥ったことがあるらしい。
「けれど、あの怪獣はなんなのよ……攻撃すればするだけ強くなるなんて、ズルもいいとこじゃない!!」
「だよなあ。再生怪獣とかいう奴らはおおむねやっかいな奴が多いんだが、まさかメタリウム光線まで
効かねえとは……」
「思わなかったって、あんたがあいつの変身能力を先に言ってれば、あいつをあんなに凶暴にすることは
なかったじゃない!! 馬鹿、この馬鹿!!」
「……っ」
ルイズの頭ごなしに叱責する声にも、今回は才人も何も言い返す言葉がない。ウルトラマンが勝てた
相手だから問題ないだろうとザラガスをなめていた。いや、自分の力にいつの間にかうぬぼれていたことを
才人は思い知らされていた。
今、エースは受けたダメージを回復するために力をほとんど治療に使っていて、二人とは話すことができない。
相談に乗ってもらえないのは苦しいが、だからといって愚痴を言ってばかりもいられない。
「んで、どうやってあいつを倒すのよ?」
こういう逆境に置かれたときは、昔からゼロと蔑まれて一人で冷笑と戦ってきたルイズのほうが立ち直りが
早かった。その叱咤するような声に、才人も無意味に自責するのをやめて考え込む。
「そうだな……確かに昔は復活する前に倒せたはずなんだけど……いったい何が足りなかったんだろう」
個体によって多少差はあれど、そこまで特徴や弱点などに差はないはずだ。昔と今回の違い、それさえ
分かればと思うのだが、怪獣図鑑での漠然とした知識だけではヒントが少なすぎる。それよりも、もし
明日にでもザラガスがまた出てきたら、目が治ってないままにまた戦わなければならないかもしれないほうが問題だ。
しかし、避けられない戦いなら今更どうこう考えても仕様がない。これまでのエースの戦歴でもユニタングや
アプラサールなど攻撃の効かない相手などは多くいた。次の戦いでは奴の耐久力次第だが、ウルトラギロチンで
バラバラにするか、ウルトラシャワーで溶かすか、やれるだけやるしかない。
やがて、さらに数時間が経過すると、病院代わりになっていた店内も、一部の喧騒を除けばだいぶ落ち着いていた。
患者達は痛みから解放された安堵と、暗闇の中で寝息を立て、駆け回っていた少女たちもやっと一息ついていた。
「はい、マナ、リナ、ルリ」
厨房で作られたスープが店員全員に配られて、店の奥でささやかな夕食会が開かれていた。
「みんなご苦労様。特にドルちゃん、ウドちゃん、カマちゃんは仲間になったばかりなのによくやってくれたわ」
スカロンのねぎらいの言葉が、末席で疲れはてている地味な三人組に向けられた。
「いやあ、それほどでもないですよ」
「これくらいのこと、あたしたちがこれまで舐めてきた辛酸の数々に比べればねぇ」
「そうだ! こんなことになったのもあのウル……」
「「わーっ! わーっ!」」
何かを言いかけたドルの口を慌ててウドとカマが押さえて止めた。どうやら、何かよほど嫌な過去があったらしい。
ただ、この店で働いているのは訳ありな子ばかりなので、推測はしても詮索は誰もしない。
「はは……けど、明日はどうなるのかしら、またあの怪獣が出てきたら、ウルトラマンでさえ敵わないなんて」
女の子の一人が不安げにつぶやいた。これまでいかなる敵をも倒してくれた無敵の守護神も、それが敗れた
ときのショックは彼女達や街の人々の心に重くのしかかっていた。
けれど、そんな暗雲に疾風を送り込むかのように、患者たちを見回ってきたシエスタが戻ってきて言った。
「みんな、何を落ち込んでるの? あたしたちが暗くなったところで事態が良くなるわけじゃないし、いつもどおり
明るくいきましょうよ」
「でも、明日にはこの街もなくなっちゃうかもしれないのよ」
「それこそ、わたしたちがどうこう考えることじゃないでしょ、お城の人だって、昼間みたいにすごい人がいるし、
エースだってきっとまだ生きているわ、わたしたちは人を頼りにしてあれこれ考えるよりも、わたしたちに
できることを考えてやりましょうよ!」
いつになく熱弁をふるうシエスタの姿に、スカロンを始めとして一同は圧倒されるものがあった。平民だろうが
魔法が使えなかろうが、危機に対してできることはある。ただし、誰も彼も戦いに望むことはない。誰かが
戦っている後ろで、平穏な暮らしを護る者も必要なのだ。柄にもない杞憂をしていたのだと気づかされた
スカロンはうれしそうに笑いながら言った。
「……そうね! 怪獣のことはわたしたちが考えるようなことじゃなかったわね。わたしたちにできることは、
事が終わった後に街がすぐ元に戻れるように、みんなをかくまってあげることと、また商売ができるように
お店を守ること、そういえば、他人の力を頼りにしない、あなたのひいお爺さんの口癖だったわね」
「そうですよ、スカロンおじさん!」
「よーしっ! 妖精さんたち! 明日が正念場よ、それが済んだらきっとみんなお酒が飲みたくなるだろうから
忙しくなるわよ。がんばりましょー!!」
「はい、ミ・マドモアゼル!」
スカロンの一声で、少女たちに蔓延していた陰鬱な空気も一掃された。元々酒場とは浮世のうさを
忘れて夢の世界にひたる場所、陰気さは似合わない。
けれどウド、ドル、カマの三人組だけは。
「そりゃ生きてるだろうなあ、ウルトラマンはしぶといし」
「まさかこっちの世界まであんな奴がいたとは、だが、あれさえ完成すれば……」
「いい加減にしないと、うるさいってまた追い出されるわよ。やっとこの国にもなじんできたばかりじゃない」
ひそひそ声でなにやら怪しげなことを話し合う三人、いったい彼らはどこの国から流れてきたのだろうか?
だがそのころ……王宮のほうでも、必ず再び来るであろう怪獣の攻撃に対して大急ぎで対策が練られていた。
「土メイジの使い魔の報告によりますと、怪獣はトリスタニアの地下100メイルに潜伏中、今は眠っていますが、
寝息から判断すると明朝にはまた起きだすそうです」
「首都付近に駐留中の部隊に布告を出しましたが、飛行兵力が圧倒的に不足しています。平民中心の槍や弓
ばかりの戦力ではとても」
「市街警戒中の銃士隊より連絡! 盗賊9名を捕縛、2名が抵抗したため射殺! 現在も警戒中。くそっ、盗人どもめ、
こんなときにゴキブリみたいにうじゃうじゃと!」
シエン
「首都駐留部隊の2割が戦闘不能だと!? 魔法衛士隊は、ワルド子爵の部隊はどうした!?」
「ワルド子爵の部隊は全員生還され、現在水メイジの治療を受けています。間もなく全員復帰できるかと……」
「ちっ……あの死にぞこないめ、やっと出陣したと思ったら役に立たん。もういい、それで『烈風』殿は?
あの方さえいれば」
「今、姫様との謁見中です。誰も通すなとのことで、それよりも、門に民衆が詰め掛けてきています、いかが
いたしましょう!?」
城の中では次々に上がってくる問題に対応するために、法衣貴族たちが戦争のような慌しさで駆け巡り、
再びの敗戦の報告をどう姫殿下にしようかと、無益なことに脳の容量を使っていた。
そんな中、城内の喧騒から切り離されたような静けさに包まれた玉座の間では、アンリエッタ王女と
『烈風』カリーヌ・デジレが対面していた。
「お久しぶりですわね公爵夫人……まさかあなたが本当にあの『烈風』だったとは……枢機卿からお聞きした
ときにはまだ信じられませんでしたが、ルイズのお母様でしたとは、世の中は狭いものですね」
「結婚と、あることを機に一線を退きましたので……しかし、この身に宿したトリステインへの忠誠心はまだ
消えてはおりませぬ」
跪き、公爵夫人としてではなく騎士として礼を尽くす『烈風』の姿を、アンリエッタは驚きと尊敬の念を込めて
見ていた。つい数時間前、ウルトラマンAが危機に陥ったとき、城の中庭から使い魔の巨鳥の背に乗り飛び立った
彼女の姿と戦いぶりをアンリエッタは城のバルコニーから見て戦慄すら覚えていたのだ。
「その忠義心には千金を持ってしても足りません。思えば、公爵夫人には幼い頃から随分お世話になりました。
本当は、もっと別な件でお話したかったのですが、これもまためぐり合わせかもしれません。国の存亡のとき、
申し訳ありませんが、そのお力、今一度この非力な王女のためにお貸し願えるのですか?」
あの『烈風』が戦力に加わってくれるなら、これほど心強い話はない。アンリエッタは期待に胸を躍らせたが、
意外にも『烈風』は頭を垂れたまま思いもよらぬ返答をした。
「いいえ、私はすでに実戦を離れて長い身、年寄りの冷や水で戦いに出ましたが、すでに力尽き、もう明日は
満足に戦えますまい。それに、我が使い魔も老いた身、しばらくは羽ばたけないでしょう」
「そんな……」
アンリエッタは信じられなかった。彼女とて一級のメイジである。あの『烈風』があの程度の戦いで力尽きた
とは老齢を差し引いても考えられない。いや、体力、精神力ともに限界どころかまだまだ余力充分に見える。
なにより、彼女の肩の小鳥はじっと止まっているものの、目は清んでいるし羽根にはつやがある。疲れ果てた
どころか今にも飛び立ちそうだ。かといって、あの『烈風』が臆したなどとはもっと考えられない。
そこまで考えたとき、アンリエッタははっとした。彼女は戦えないのではないのだ。
「わかりました。無理な注文をして申し訳ありませんでした。ですが、事が済んだ後は、折り入って相談したい
お話があります。そちらのほうは受けていただけるでしょうか?」
「お心のままに」
公爵夫人はあらためて最敬礼をすると、優雅にマントを翻して扉のほうへと去っていく。その背に向けて、
アンリエッタはこれからどちらへと問いかけた。
「少々、はっぱをかけてやらねばならない雛っ子たちがいるようですので」
『烈風』カリンはそう言い残すと、玉座の間を退室していった。
一方、意気込んで出陣して行ったが、一矢も報いぬままに全滅させられたワルド旗下のグリフォン隊は、
全員生還したものの、街中で目を押さえて転がっていたところを拾われてきて、その無様な姿を衆目にさらし、
城中の貴族からも役立たずと侮蔑され、もはやこれまでと自棄になりかけていた。
「栄光あるグリフォン隊ともあろうものが、なんたること……こんなことがあるはずがない!」
「否! 我等の死に様はせめて人々の心に刻もう。明日、奴が現れたときには、我ら一同体当たりの上玉砕して
果てよう!」
「そうだ、王国騎士の死に様、平民どもの目にとくと見せてくれようぞ。我ら死して栄光とならん!」
現実逃避と自己陶酔の醜いステレオが聞き苦しく響き渡る。
そんな中で、隊長のワルドは流石に平静を装っていたが、目が見えるようになってすぐに歓迎しない訪問者の
相手をさせられることになり、病室の簡易テーブルの前でため息をついていた。
「まったく、無様なものね。ワルド」
「久しぶりに会ったというのに、きついねミス・エレオノール」
病室の椅子に、なかば傲然と腕と足を組んで座っているのは、あのルイズの姉のエレオノールだった。
彼女は病室に無遠慮に入り込んでくると、打ちひしがれている隊員達を無視して開口一番で彼を弾劾したのだが、
彼は眼前で冷笑を向けてくる女性に対して、特に抗弁しようとはしなかった。彼自身の矜持、現実の大敗ぶりが
二重にそれを無効化させていたからだが、それよりも彼はこのヴァリエール家の長女が得意ではなかった。
「ええ、もう十年になるかしら。けど、あなたはあの頃からまるで成長していないわね。弱虫ジャン」
「ふっ、あのころは晩餐会でよくいじめられたね。やれ作法がなってない、やれダンスが下手だ、しまいには
ワインを頭からかけられたこともあった」
自嘲気味にワルドはさして懐かしくもない思い出を、ほこりのかむっている記憶の引き出しからつまみ出してきた。
このブロンドの美しき女学者はルイズにとって第2の恐怖の的であるのと同時に、近隣の貴族の子弟にとっても
近寄りがたいトゲ付きの花であり、ワルドもその例外ではなかった。
「けど、君も僕も一応はもう大人だ。わざわざこんなところまで嫌がらせに来たわけでもないだろう?」
だがワルドももういじめられるだけの子供ではない。エレオノールの真意を見抜いて、本題に入るようにうながすと、
彼女はテーブルの上に無造作に数枚の書類を投げ出した。
「あの怪獣について調べたデータの概略よ。恐らく、奴は明朝には動き出すから、それを参考に迎撃のための準備を
整えさせろと命令されたんだけど、よりにもよって使えるのがあんたの部隊だけとは、がっかりだわ」
「それはどうも……拝見させてもらうよ」
その書類には、あの怪獣が地底を住処にしているということ、発光攻撃は頭部及び背中から発射可能でほぼ死角が
ないこと、攻撃を加えれば加えるほど強く凶暴になっていくことが正確に記されていた。
「こりゃまた……やっかいな相手だねえ。しかもウルトラマンの光線すら効かないときてる。さて、どうしたものかな?」
「ええ、どうしたものかしらね……」
憂えげに肩を落としてみせるエレオノールだったが、ワルドは彼女のからかいに付き合ってやるつもりはなかった。
「もったいぶるのはやめたまえよ。君が何の策もなしに僕のところまで来るはずがない。腹の探りあいもいいが、
今日のところは疲れていてね。手短にいこうじゃないか」
「ふっ、少しは鋭くなったようね……ワルド子爵、『火石』というのをご存知?」
ワルドは聞きなれない名前に、脳内の図書館の奥のスペースから虫に食われかけていた一冊を引き出してきた。
この世界には『風石』と呼ばれる風の魔法力を蓄えた石があり、それで物を浮遊させたりと活用されているのだが、
火石という名前は、そういった魔法の石を扱った本の、ごくわずかな一節を占めるにすぎない。
「ああ……確か、火の力を結晶化した石だったか……」
それで、彼にとっての火石の知識は終わりだった。なぜなら、自然の火石はごく浅い鉱脈に眠っている風石と違って、
土のメイジや土系統の使い魔でさえ近づけない深度で、地底の熱を材料に精製されるために人間に採掘は不可能。
マグマライザーなどでさえマグマの熱でやられかけたことがあるくらいなのだから、地底というのがいかに過酷な
世界なのかがわかる。そんな場所にあるものなのだから、専門書の一節に留まって知られずにいるというのも
仕方のないことだろう。
「ふむ、基本はそれでいいわ。要は炎のエネルギーが極めて高密度に凝縮されたものと思えば正解よ。で、
要点だけ話すけど、その火石がひとつ、アカデミーに研究用として保管されてるの、何百年も前のエルフとの
聖戦で偶然手に入ったもので、彼らはそれを精製する技術があるそうだけど、それはまあいいわ。これまでの
研究によると、その火石は拳台の大きさだけど、火薬1千トン級以上の火力が詰め込まれてるそうよ。これを、
一気に解き放ったとしたらどうなると思う?」
「おいおい、そりゃとてつもない爆弾じゃないか、君は怪獣ごとトリスタニアを焦土にする気かい!?」
「もちろん、対策は考えてあるわ。火石の解放とともに、その周囲を最高純度の風石で作った半径20メイルの
防護壁で覆うのよ、これで火力は分散することなく威力が増幅され、狭い範囲に破壊力をもたらす爆弾と
なるはず」
つまりは、おもちゃの爆竹でも、埋めれば砂の山を吹き飛ばすのと同じ原理、最近ではGUYSがバードンを
メビュームシュートの命中直後にキャプチャーキューブで閉じ込めて、塵も残さず吹き飛ばしたことがある。
「そりゃあすごい……けど、これも体質変化で適応されてしまったらどうするんだね?」
「もちろんその点も考慮に入れてあるわ。奴は攻撃に適応して体質変化する瞬間に、一瞬だけど防御力が
なくなるみたい。けれど、これならば奴が体質変化を終える前に、肉片最後にいたるまで焼き尽くせる」
エレオノールは自信ありげに断言すると、野球玉程度の水晶をテーブルに置いた。これは記憶水晶といい、
ある程度昔の風景を映し出すことができるマジックアイテムで、この世界のビデオのようなものである。
ちなみに、平民の間でも安価な使い捨てのものが「昨夜の水晶」という名で、旦那の浮気調査に使われているが、
これは高級なもので何度でも見たい風景を映し出すことができる。そこにはザラガスがメタリウム光線を受けて
復活するまでの映像が鮮明に映し出されていた。
「ほう……」
確かに、ザラガスは攻撃を受けてから復活するまでにわずかながら間がある。その間が奴の弱点というわけか、
これは、初代ザラガスが科特隊のQXガンとスペシウム光線の波状攻撃で倒されたことと合致している。
知識はあっても素人の才人にはわからなかったが、エレオノールの頭脳は見事に隠された真実を看破したのだ。
「なるほど、さすが君というべきか、しかしそれだけ前置きをするんだ、何かあるんだろう?」
「物分りがよくて助かるわ。火石は火の力を封じ込めるために、その周りを強力な結界で覆われている。
これを解除しない限り火石を起爆させることはできないわ。幸い、長年の実験と時間の経過でだいぶ
弱ってるけど、それでもトライアングル以上の魔力を叩き込まないと壊せない。加えて、かなり大型に
なる上に、時間がないから発射装置や起爆装置はなく、一発しか作れないから失敗は許されない」
ワルドはその言葉を少々吟味した後、すぐに破顔した。
「わかった。誰かが怪獣の体に仕掛けて起爆させるということだろう」
「ご名答、計算によれば封印解除から爆発まではおよそ20秒、それまでに脱出できなければ、当然巻き込まれて
熱いじゃすまないわ、どう、やれる?」
「ははは、まったく、本当に無茶を言ってくれる。暴れる怪獣の体に取り付けて、それで脱出する? 自爆に
終わる可能性のほうが高い」
「あら、自信がないの?」
他人の家の犬に弱虫の子分をけしかけるガキ大将のように意地悪く挑発するエレオノールだったが、
あいにくワルドはそこまで単純ではなく、皮肉げな笑みを口元に浮かべた。
「その言い方は知的ではないな。相手の自尊心に訴えかけて無茶な命令をやらせようとする。しかも責任は全部
相手に押し付けて、君に官僚の素質があるとは知らなかったね」
「それはごめんなさい。私ともあろう者が柄にもないことをしたわね。では言い換えるけど、あなたの指揮する部隊、
戦力になると考えていいの?」
「戦えと言われれば、全員が死兵となって戦うさ。なにせ我々はもう傷つけられる誇りが底をついてしまった。
命を惜しむ……いや、生きて帰ろうなどと考えている者はいない。どうだ、諸君?」
ワルドが部下達に向かって高らかに宣言すると、美しい死に方の議論を続けていた部下達は、本当に熱にでも
浮かされたかのように整列して口々に叫びはじめた。
「もちろんです隊長!」
「我ら一同、死など恐れません!」
「その任務、ぜひこの私にお命じください。見事敵もろとも果ててみせましょう」
「いいえ、ぜひこのわたくしめにこそ! 玉砕して騎士のなんたるかを平民どもに見せつけて、後世までの名誉としましょう!」
我も我もと、死ぬことを主張する自殺志願者たちにエレオノールは閉口したが、使える駒がこれしかないのでは
仕方がなかった。それに、死にたがっている人間ほど興味を覚えない人種はいない。
見ていると部下たちの高揚に当てられたのか、ワルドも芝居がかった様子で高らかに演説している。
「すばらしい部下たちを持てて、私は幸せだ! 諸君らの勇気と自己犠牲は王国の貴族の精神を世に知らしめる
ものとなろう! 私は約束する、貴君らの勇戦を永久に語り継ぎ、その栄誉を称え続けるであろうことを!」
聞くに堪えないとはこのことだ。学者肌であるエレオノールは勝算無しに敵に突撃していく無謀な騎士にロマンを
感じることはなかったが、よくもまあ歯の浮くような台詞が次々に出てくる。多分今日負けて帰る前も似たようなことを
言っただろうに進歩がないことはなはだしい。自分の吐く言葉の幻想に酔うことにワルドも例外ではないようだ。
彼女は今回限りで金輪際ワルドとは縁を切ろうと思ったが、その前に無感情という激情を込めた冷たい声が、
彼らの熱気をしたたかにひっぱたいた。
「茶番劇はそのくらいにしておきなさいな、ワルド子爵」
一同が振り返ったドアの先には、桃色のブロンドを振りかざした麗人が杖をかざして立っていた。
「おのれ無礼な、何奴だ!!」
騎士隊の血気盛んな一人が相手も見ずに憤って杖を向け、ワルドが「やめろ!」と叫ぼうとしたときには、
彼の体はすでに部屋の壁紙とキッスし、粉塵と血反吐をパートナーにチークダンスを踊りながら床と抱き合っていた。
「これ以上弱く撃つのは難しいわね」
誰一人詠唱を聞き取ることさえできなかった。現在トリステイン最強とうたわれているグリフォン隊の精鋭が
一人としてさえである。恐るべき速さと威力の風の呪文だった。
そして、そこにいた麗人が誰であるのか、もはや知らない者はいなかった。前マンティコア隊隊長『烈風』カリン、
ただ一人で怪獣を圧倒し、追い返したあの戦いぶりを見て、戦慄を覚えない者などいない。先ほどまでの高揚を
完全に打ち消され、慄然と顔を青ざめさせている隊員達には見向きもせずに、彼女はそれ以上に蒼白な顔を
しているワルドとエレオノールを見渡した。
「ヴ、ヴァリエール公爵夫人……」
「お、お母様……」
蛇に睨まれた蛙という言葉を活かす瞬間があるとしたら、まさにこのときだっただろう。『烈風』、カリンは
冷然としたままで、まずはワルドを見下ろした。
「懐かしいわねワルド子爵、まずは若くしての栄達おめでとうと言っておこうかしら」
「は、はい……ありがとうございます」
褒められているというのに少しもワルドはうれしくなかった。それどころか、心臓が握りつぶされるかのような
圧迫感を感じる。幼い頃、いたずらでルイズの部屋に忍び込もうとしたときに風の魔法で地上2000メイルまで
吹き飛ばされ、庭園の池に叩き落された恐怖は今でも忘れられない。
来た! 支援
「さて……それはいいとしても、どうもあなたの指揮官としての素質は疑わざるを得ないようね。何の策もなく
正面から向かっていったあげく、一矢報いることもなく全滅とはね」
「し、しかし……栄誉ある魔法衛士隊ともあろうものが、はしこく策を弄しては」
「利いた風な口を叩くな! この世で何がもっとも愚かで醜いか、それは己の弱さや失敗を理由をつけて美化し、
あまつさえ自己満足に浸って省みない輩のこと、今の貴公らのようにな!!」
まるで男性のような口調と、烈火のような怒声は人生経験の浅い若造どもを震え上がらせるには充分すぎるほどだった。
「あ、貴女は我々の崇高な使命感を自己満足だと……」
「崇高な、使命感? もう一度言ってごらんなさい」
「……ひっ!」
やっと反論した一人の隊員も、『烈風』のひと睨みで縮み上がった。
「いいですか、義務を果たさないままで無茶をしたり、死に急ぐのは弱い人間のやることです。形を変えた
敵前逃亡と言ってもいいでしょう。死を持って名誉を得る? 弱者の逃げ口上としてこれ以上はないでしょうね。
死ねば全ての責任から無条件で解放されるのですから、それはあなたたちはそれでいいでしょうが、敵にとっては
いくらでもいる駒の一つが減る程度、明日にでも新たな敵が現れたときはどうするの? あなたたちみたいな者でも、
今のトリステインにとっては貴重なの、その程度も理解できないとは……」
もはや完全に見下したその態度に反抗できるほどの胆力を備えた者はこの中にいなかった。負けることはそれは
確かに屈辱だ。しかし歴史上の英雄たち、三国の雄、劉備や曹操、戦国の英傑、信長や家康だって負けたことなど
いくらでもある。また、歴代ウルトラマンや防衛チームだって侵略者に敗退したことなど両手の指に余る。一度
負けてもあきらめず、知力と体力の限界までねばるものだけが最後の勝利者となりえる。
「聞くところによると、あなたうちのルイズとの婚約に執着してるそうですが、こんな様子では即刻解消して
もらうしかありませんね」
「そっ、そんな!!」
そんなもなにも、ふがいない男に娘を渡す親がいるはずもない。
「それが嫌なら職責にふさわしい戦果をあげて見せなさい!! 言っておきますが、この程度の戦いに一兵たりとも
失うような愚鈍な指揮は許しませんよ」
「はいぃ!!」
もはやテストで悪い点をとった生徒のように、縮こまるしかないワルドであった。
「それからエレオノール」
「はっ、はいっ!」
明らかに怒気を含んだ母親の声に、彼女も背筋を伸ばして返答する。
「あなたも学者を名乗る者なら、もっと正確に物事を判断して行動しなさい。使用可能な兵器を選んだはいいけど、
この低脳どもにそんな精密な作業ができると思ってるの?」
本人たちの目の前で低脳と言い放つ彼女もすごいが、それだけを言わせてしまうだけの貫禄が確かにある。
第一、小学校のホームルームじゃあるまいし、よい子に振舞ってどうなるというのだ。
「う、無理ですわね」
「だったら人任せにしないで、言い出したことには責任を持ちなさい。安全なところから眺めているだけで戦場で
本当に役に立つものができると思いますか?」
ここでもしエレオノールが、貴婦人が野蛮な戦場になど、と言っていたら、容赦なくさっきの隊員のように
吹き飛ばされていただろう。ルイズにとってと同じように、エレオノールにとってもこの母は到底敵わない
相手なのだった。
「もし明日、また無様な戦いを見せて、私の手をわずらわせるようなことがあれば、怪獣より先に、この『烈風』が
お前たちを地獄に叩き落してやりましょう。持ちうる知力と精神力を絞りつくして戦いなさい!!」
「はっ!!」
ワルド、エレオノール、グリフォン隊の面々も『烈風』の名に恐れおののき、それから死ぬより怖い生き地獄を
回避するために夜通し作戦会議を練り、鍛錬をし続けた。もちろん、ウルトラマンが現れることに期待するや、
引退した『烈風』に助けを求めるなどは考えにも入れられない。
公爵夫人は、ようやく本当の意味で死ぬ気になって戦いに臨もうとしている若者たちを静かに見守り続けていたが、
やがて静かに一言だけつぶやいた。
「そう……本当の戦いは、これからよ」
翌朝、普段なら朝食の支度をする煙があちこちから立ち昇る時間、トリスタニアは死んだように静まり返っていた。
かつて、地底に潜んだゴモラを迎え撃ったときの大阪もこんなだったというが、ヘリコプターの代わりに偵察の
ヒポグリフが数頭、どこから出てくるかわからない怪獣を警戒して見張っている。
そして、午前8時の時報の教会の鐘が鳴り響いたとき、街の南西の一角に、あの赤い煙が立ち昇ってきた。
「奴だ!!」
煙の中からザラガスの黒々とした体が現れ、遠吠えが街に木霊する。
信号弾代わりの花火が空に上げられ、王立防衛軍は雪辱戦に出撃した。
「まさか、あんたのエスコートで飛ぶことになるとはね」
「僕でなければ近づけないし、君でなければ確実に起爆させられない。しょうがないところだろ。それより、
お母上のおしおきのほうが怖い。一時休戦といこうじゃないか」
空を舞うグリフォン隊の先頭の、火石の爆弾を抱えたグリフォンの上に、ワルドとエレオノールは嫌そうに
共に乗っている。けれど、この二人くらいしか知らないことだが、『烈風』カリンの現役時の隊訓は『鉄の規律』で、
もし騎士や貴族としてあるまじきことをしたら即座に殺されかねない罰が来る。二人とも、それだけは嫌だった。
また、魅惑の妖精亭でも、姿は見えないが奴の遠吠えでザラガスの出現を察知し、才人とルイズは
覚悟を決めていた。
「来たか……今度は、負けないぞ!!」
「姫様のためにも、もう無様な姿をさらすわけにはいかないからね!」
もう油断はしないと心に決め、包帯を振り払って外に飛び出る。エースのおかげで常人より治癒は早く、
まだ近眼のようにぼやけて涙が浮かぶが、ザラガスの憎たらしい姿だけは見える。
だが、その空の先にまたグリフォン隊がザラガスに向かっていくのを見て、ふたりは性懲りもなくと思って
急いで変身しようとしたが、心の中からエースに止められた。
(待て、彼らは何かやる気らしい。しばらく様子を見よう)
(えっ! でも、あいつらじゃとても!!)
(彼らの努力を、結果を出す前からつぶしてしまうことはない。彼らができるだけやって、それでだめだったら
はじめて出て行けばいい)
進歩の可能性をウルトラマンがつぶしてはならない。この国を守るのはこの国の人であるべき、自分たちの
雪辱を晴らすよりもそのほうが重要だと宇宙警備隊の基本方針を教えられ、二人ははやる足を押さえて踏みとどまった。
そして、試練の時を迎えたグリフォン隊は散開して作戦に入った。隊員達とグリフォンの目にはそれぞれ
遮光メガネがかけられている。通常、戦闘の際には相手をよく見て戦うことが求められるが、この相手には逆効果、
だが見なければ戦えない、そこで19騎のうち2騎のみが戦い、残りは待機して前任が目をやられて戦線離脱したら
交代する。合図は誰がやられたのかを明確にするために、それぞれ音の違う花火を持たされている。
「陽動が始まったな」
隊員達と逆の方向から用心深く接近しながら、ワルドは最初の二人が怪獣の注意を引き付けるために
攻撃を開始したことを確認した。もちろん通常の魔法攻撃では効果がないことはわかりきっているが、
この場合とにかく目立てばいい。敵もさっそく額からの発光攻撃で2騎を行動不能にしているが、作戦通りに
目をやられた騎士は戦線を離脱し、後衛がその後を継いでいく。地味で華々しさなどないが、彼らも不名誉より
『烈風』のほうが怖いのだ。
用心深く、けっして悟られないようにグリフォンの羽音も最小限にして、遂に二人のグリフォンはザラガスの
背中の、首の後ろに到達した。
「取り付けるぞ」
グリフォンが掴んでもってきた火石の爆弾、それは、爆薬となる火石は拳大の小ささながら、これを
封じ込められる風石の量が計算の結果膨大となったので、直径60サントもの巨大な石の塊になってしまった。
二人は怪獣に気づかれまいと、このほとんど岩と呼んでいい爆弾を、エレオノールの土の魔法で作り出した
接着剤で取り付けていったが、幸い怪獣からしてみればこの程度はノミが張り付いたくらいにしか感じない
らしく、目の前のグリフォン隊から目を離さないでいてくれた。
けれど、取り付けは滞りなく成功したものの、肝心の魔力を使っての起爆は難航した。
「は、早くしたまえよ」
「うるさいわね。気が散るでしょ!」
せかすワルドにエレオノールは怒鳴り返したが、この火石の起爆というのは想像以上の難題だった。
結界が弱っているとはいえその強度は相当なもので、一点集中させた魔力でもなかなか突き抜けられない。
かといって一気に大量の魔力を打ち込めば自分達ごと消し飛びかねない。今更ながらエレオノールは、
こんなデリケートな作業を無骨な騎士まかせにしないで自分が来てよかったと思ったが、そうしているうちにも
残った陽動もあと4人となり、余裕はなくなっていく。
しかし、必死の努力がやっと天に認められたのか、遂に火石の結界に彼女が願ったとおりのひびが入った。
「いいわよ、あと20秒で爆発するわ!!」
「ようし!!」
もはや長居は無用、後は怪獣が吹き飛ぶのを見物するだけだ。二人を乗せたグリフォンは、翼を大きく
羽ばたかせて飛び立った。
が、そのときとうとう陽動に当たっていた最後の騎士が6千万カンデラの光にやられ、邪魔者を全て片付けた
ザラガスは、ちまちまと何かをやっていた小うるさい蝿に気づいてしまった。
「ちょ、あの怪獣こっちを追っかけてくるわよ!!」
「なんだって!!」
血の気を失って二人は後ろを振り向いた。そこには、怪獣が巨体で街を踏み潰しながらこちらに突進してくる
姿があるではないか。もちろん爆弾をくっつけたままで。
爆発まで、あと15秒。
「ワルド!! もっと高く飛べないの!?」
「無理だ、あんな重いものを運んだ後なんだぞ!!」
必死でワルドはグリフォンに拍車を入れるが、疲労したグリフォンは普段の半分の力も出せずに、どんどん
怪獣に追いつかれてくる。このままでは、怪獣ごとこちらも吹き飛んでしまう。
爆発まで、あと12秒。
だがそのとき、彼らの危機を見て取った才人とルイズが手を繋いだ!!
「ウルトラ・タッチ!!」
遅ればせながら真打ち登場!! 今まさにグリフォンを捕まえようとしていたザラガスの前に、ウルトラマンAが
立ちふさがり、巨体を捕まえて投げ飛ばした。
「テェーイ!!」
突進の勢いを逆利用して投げ飛ばされ、ザラガスの体が地に叩きつけられる。
「ウルトラマンA!! 助かった……」
後ろを振り返りながらワルドがほっと息をつく。だが、すでに投げられた程度ではダメージを受けなくなっている
ザラガスはすぐさま起き上がり、発光攻撃をエースに発射する。
「ムンッ!」
しかし、エースも今度は油断せずに光を遮り、その身に組み付こうとするが、エレオノールの叫びがそれを遮った。
「爆発するわよ!! 離れなさい!!」
「ヘヤッ!?」
驚いたエースはザラガスの首筋に仕掛けられた爆弾に気づいて、それが何を意味するのか知った。
爆発まで、あと7秒。
(おい、こんなところで爆発されたら、街も吹き飛ぶぞ!!)
(お姉さま、いったい何考えてるの!? エース、捨てて、それ捨てて!!)
(わかってる!! こうなったらこれしかない!!)
爆発まで、あと3秒。
エースはザラガスの体を抱えあげると、力の限りを込めて空高く放り上げた!!
「トァーッ!!」
重力など存在しないかのように、ウルトラパワーで投げ飛ばされたザラガスは200メイル、300メイルとどんどん
上昇していく。そして、400メイルに達したところでタイムリミット、つまり火石の封印が壊れる瞬間がやってきた。
まともに解放すれば半径10リーグを焼き尽くせるほどの火炎がザラガスの体を瞬時に赤い炎に包みこむ。さらに、
その炎は解放された圧力のままにさらに膨張しようとしたが、同時に発生した風石の防御幕に阻まれて、エネルギーを
外に向けられずに内部をさらに駆け巡り、最初太陽のように黄色く輝いていた姿を、青く暗く輝く人魂のように変えた。
炎は高温になるほど青く暗くなる。例えば、太陽の表面温度は6千度ほどだが、乙女座の青い恒星、スピカなどは
2万度を超えるのだ。ゾフィーのM87光線の87万度やゼットンの一兆度の火球はいきすぎとしても、そんな中に
閉じ込められてはさしものザラガスとてもたまらない。再生、適応する暇もなく細胞が焼かれていき、さらに風石の
防御幕もエレオノールの計算を超えて熱量に耐えられなくなり、地上600メイルの上空で遂にザラガスもろとも
半径200メイルの大爆発を起こした!!
「やっ、た……やったぁーっ!!」
爆発の中から、黒焦げの死骸となった怪獣が落下してきたとき、戦線離脱して目の治療を受けていた騎士の、
その一言の叫びが全てを代弁した。これまで、苦杯を舐めさせられ続けてきた怪獣を、初めて防衛軍の力で倒したのだ。
それも、ウルトラマンの助力を必要とせずに、独力でだ。
それを見て、城ではアンリエッタと公爵夫人に戻った『烈風』カリンが静かに祝杯をあげていた。
(すっげえ……あんなとんでもない爆弾を隠し持ってたのか)
地球で言えばAZ1974爆弾にも匹敵するような威力の兵器に、才人は唖然として言った。この世界の技術を
低く見積もっていたが、ああいうこともできるのか。
(こりゃ、今回は余計なことをしちまったかな)
(そうね、無理して出てくることなかったかも)
おいしいとこどりをしてしまったみたいで、やや後ろめたいものがあったが、実際はワルドとエレオノールは
命拾いし、爆発の被害から街を守れている。しかし、今回怪獣を倒した手柄は間違いなくこの国の軍のものだ。
前回あまりにあっけなく軍が敗れ去ったので無理をして出てきたが、どうやら彼らにも負けから学ぶ器量は
あったようだ。本当は『烈風』カリンのおかげなのだが、勝利の味を知ったからには簡単に死のうとはしないだろう。
(この国の人々も、TACに負けないな)
エース、北斗も昔苦戦したときにTACに助けられたときのことを思い出していた。ホタルンガ、ファイヤーモンス、
TACがいたからこそ倒せた超獣は多い。まだまだかと思っていたが、この国の軍も中々やるではないか。
そのときエースの前を、ワルドとエレオノールの乗ったグリフォンが通り過ぎていった。礼を言うのが
気恥ずかしいのか、軽く翼を振らせてバンクして感謝を表現しているのが彼女たちらしい。エースは、そんな二人の
姿と、人間が怪獣を倒したということで沸き返る街の人々を目に焼き付けると、空を目指して飛び立った。
「ショワッチ!!」
その様子は街中の人々、そして魅惑の妖精亭にいたキュルケたちや、スカロンたちも当然見ていた。
「ねぇあれって……エースがやったの?」
「……違う、多分取り付いていたあのグリフォンが何かを仕掛けた」
エースは少なくとも投げ飛ばした後には何もしていない。となれば、怪獣にとどめを刺した火球は防衛軍が
やったものとしか考えられない。
「……ということは……軍隊が、あの怪獣をやっつけちゃったってことよね。へーっ、なかなかやるじゃない!!」
「よっし、みんな今日は戦勝記念サービスするわよ! 開店準備!」
「はい! ミ・マドモアゼル!!」
勝ったからには客を呼び込むチャンスである。魅惑の妖精亭は本来の姿に戻って活動を開始した。平和に
なり、近隣の町々から医者が呼ばれているから目をやられた人々の治療もスムーズにいくようになるだろう。
それまでは町内で協力し合って傷ついた人を支えていこう。
また、ロングビルとシエスタも宿代として手伝いながら、出発いきなりつまづいてしまった旅行の予定について
話し合っていた。
「ミス・ロングビル、この先の予定は大丈夫ですか?」
「大丈夫よ、次の目的地は港町ラ・ロシュールだけど、今は頻繁にアルビオンに船が出ているからね。その前の
タルブ村で一泊して、4日後には船の上よ。あら、そういえばタルブ村って」
「はい、わたしの故郷です。いいところですよ、身内びいきになりますが、楽しみにしていてください」
二人は笑って話しながら、店の喧騒の中へと溶け込んでいった。
続く
ウルトラの人乙!!
以上です。支援してくださった方々、どうもありがとうございました。
毎週感想をいただけたり、絵板やその他外でも応援いただけて本当に感謝しております。
今回はエースの活躍を期待していらした方には少々不満が残ることになってしまったかもしれませんが、
ここでエースが怪獣を倒してしまっては元も子もないのでご容赦ください。
それにしても、ワルドは一応陰謀キャラとして書きたいんですが、このお母さんがいると到底敵うはずもなく
見えてしまうので、強制的に活躍してもらいました。なるほど、最強すぎるキャラは扱いずらいという何人かの
プロの作家や漫画家の言葉も、書いてみてわかります。
さて、次回はラ・ロシュールの前にタルブに立ち寄ります。
トリスタニアからは離れるので、ジェシカたちとはしばらくお別れですが、魅惑の妖精亭が舞台のお話は
別に考えていますので、そのときは新入りも含めて店員一同メインで活躍してもらいます。
可哀想なワルドw
ウルトラの人GJ!
てかカリン様パネェw
ウルトラ乙
グリフォン隊の奮闘もお姉さまの知恵と知略もおいしい所取りのエースも
カリンさまの威厳に全て吹っ飛んでしまった。
グッジョブ
あの子爵が縮みこまっているとはw
ウルトラの人乙そして超GJでした!!
エレオノール達が居なければ怪獣を倒せず、そしてエースが現れなかったら
街に多くの被害が出て、エレオノール達はザラガスに掴まるところだったでしょう。
互いに支えあう二人三脚のようにも見えました。
シエスタ、そしてそのひいお爺さんが言った「他人の力を頼りにしない」
というウルトラ五つの誓いらしき言葉、そしてルイズお母さんの
「そう……本当の戦いは、これからよ」という台詞があの青年の台詞と
似ているとこ等、気になる部分があって目が離せません、次回もwktkです。
ウルトラの人、今回も乙でした!
ワルドも怯えるカリン様、マジパネェwww
民衆がウルトラマン依存症になりかけてた所に、まさかのウルトラマン敗北!そりゃあ衝撃でしょうねえ。
そして、ウルトラマンを破った怪獣をメイジ(人間)が追い払った事と、倒せた事で考えを改めるでしょう。
スカロン店長やシエスタの言った「自分達の出来る事を精一杯やる」これはウルトラマンが人間を助けてくれる重要な条件の1つw
次回のタルブ村編で、シエスタの曾爺ちゃんが誰か分かるのかw 次回も楽しみです!
>>276 >「そう……本当の戦いは、これからよ」
このセリフを見て最終回を連想してしまったのは俺だけだろうか?
遍在使えばもっと安全に起爆出来たんじゃね
とは言ってはいけない事でしょうか
「安全」は確実だけど
「起爆」の確実性が悪くなるんじゃね?
火石のことをよく知ってる金髪姉ですら苦戦してたみたいだし
いや、実は既に偏在で本物は部屋の隅で震えてたんだよ
部屋の隅とか幾ら何でも舐めすぎだろう
アレの偏在の射程はそんなもんじゃない
安全な隣街でぬくぬくしてたに決まってる
きっと偏在を使いたくても、カリン様に見つかった時のリスクが絶望的すぎて使えなかったんだよw
行き先の無いバス、お助けハットのドリス、カトリーヌ=ケイロン、魔道器ネモ、紅美鈴、妹紅、音速丸、
呼びたいキャラ多すぎて、どれ書こうか悩んでる内にまた呼びたいキャラが増えていく悪循環。
いっそ全部登場させるとか
ネモを呼び出すとついでで魔王ゼロがくるのか
ルイズがウラタロス、テファがキンタロス、ジョゼフがリュウタロス、ヴィットーリオがモモタロスを召喚する小ネタを考えて、
あまりにもカオスすぎて断念したことなら俺にもあるぜ。
>>295 Uルイズ「私に釣られてみる?」(遊佐ボイス)
Kテファ「泣けるわよ!」(てらそまボイス)
Rジョゼフ「答えは聞いてない♪」(鈴村ボイス)
Mエイジス「俺、参上!」(関俊彦ボイス)
……うん、なんかすげー微妙な気分になってくるw
297 :
お前の使い魔:2009/05/10(日) 22:53:17 ID:BH5xK5Wc
凄く久しぶりですが、覚えてくれている人っているんスかねぇ・・・?
もし予約が無いなら18話(でしたっけ?)5分後ぐらいから投下したいと思いまふ
覚えてるとも。支援ぬ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『いい知らせだぜ相棒』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
仮面の男の魔法を受け、崩れ落ちたダネットに向かって、必死に呼びかける声が一つ。
「しっかりしろ嬢ちゃん!」
「…………かはっ! あぐぅ……」
ダネットは、雷を背に受けながらも生きていた。
だが、強烈な電気と熱による痺れと傷で、立ち上がることも出来ずにいた。
「おいワルドとかいう貴族の兄ちゃん! 嬢ちゃんまだ生きてるぞ! 助けてやってくれ!」
ダネットが生きていることにほっとしながらも、脅威はまだ去っていないとばかりに叫ぶデルフリンガーの声が響く中、ダネットを冷ややかに見つめる瞳が二つ。否、四つ。
デルフリンガーの言葉に、ワルドの眉がぴくりと動き、気絶させたルイズを傍らに寝かせた後、ゆっくりとダネットへと歩み寄ってくる。
「なにチンタラやってんだ! 早くしねえとあの仮面付けたメイジが!!」
しかし、ワルドの歩調は変わらない。そして、ダネットの背に雷の魔法を浴びせた仮面の男は動かない。
「おい……おめ、何するつもりだ?」
ワルドの様子に違和感を感じたデルフリンガーが、いぶかしむ様に尋ねる。
「何をするというと……例えばこんな事かな?」
「お、おい! おめ何を!?」
夜明け前の船着場の下で、一際大きな破裂音が響いた。
「お別れだ、ガンダールヴ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『そろそろ時間切れだ』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
支援
頭がぼんやりする。
景色は見えるけれど、どこか現実感が無い。
「起きたかいルイズ?」
誰かがわたしに話しかけてる。
「実は……彼女は……」
誰かがわたしに話しかけて、返事もしていないのに勝手に話を続ける。
「そうか……強いなきみは」
そうだ。わたしは強くなった。
前みたいにゼロだと思い悩んだり、苛立ったりする事が少なくなった。
「じゃあ僕は行くよ。もう少しだけ手伝ってこないといけないんだ」
前みたいに一人で泣かなくなった。心細くなくなった。
貴族足れと入れていた力が抜けた。学院で笑っている時間が増えた。
何故? 何故わたしは強くなれたの?
「さぁな。いいから寝てな」
……あんた誰?
「俺か? 俺は――」
支援
私はどうしたのでしょう?
頭の中に霞がかかったような感じです。
目を開けると、何かが私の周りをドタバタと走り回っていました。
「……! …………!!」
誰ですか耳元で騒ぐのは? うるさくて寝てられやしません。
「……そいで! 早……!! …………!!」
ちょっと注意してやります。私は眠いんです。
「…………ひゅー……」
あれ? 声が出ません。おかしいですね?
「喋ら……で!! あぁも……! 急……!!」
眠いです、うるさいです、声が出ないです。
「駄……よ! 目……開け……!!」
知ったこっちゃないです。もう寝ます。だから騒がないで下さい。
「ダネ……! ……ネット!! しっか……!! 目を開……!!」
ああもう、騒がしいです。
ほっといて下さい。私が寝たら誰かに迷惑でもかかるんですか?
起きたら聞いてやりますから、今だけは寝させて下さ――
「あんたが死んだら誰がルイズを守んのよダネット!!」
ルイズ……? 守る……?
そうでした。私はルイズを守らなきゃいけないんです。
こんなとこで寝てる暇なんて無いんです。何故ならルイズは……。
「る……い…………ず」
「そうよダネット! あんたが守るの! だから……だから目を開けなさい!!」
支援
朦朧とした意識の中、ぼやけた景色がわたしの目の中に飛び込む。
どこよこれ? パーティー会場?
誰かがわたしに話しかけている。誰だろうこの人?
「気分でも悪いのかな?」
「いえ。お気になさらずに」
わたしに話しかけた誰かの質問に誰かが答える。
はて? どこかで聞いたことがある声だけど誰の声だっけ?
誰かと誰かの話は続き、目の前の誰かががこう言った。
「ただ、こう伝えてくれたまえ。ウェールズは、勇敢に戦い、勇敢に死んでいったと。それで十分だ」
ウェールズ? 誰だったかしら。どこかで聞いたことが……駄目だ、思いだせない。
話が終わったのか、ウェールズという人が離れていった後、彼と話をしていた誰かがボソリと呟いた。
「ゴミむしの考えってのはアホらしいぜ全く。相棒もそう思うだろ?」
思い出した。この声は……わたしの――
支援
ようやく容態の落ち着いたダネットを見て、あたしは自慢の赤い髪をかき上げほっとした。
そんなあたしを気遣うように、タバサが声をかけてくる。
「お疲れ様キュルケ」
無表情だが、流石のタバサの表情にも疲労の色が見える。
傭兵と土くれのフーケを撃退しただけでなく、あんなことまであったのだから疲れもするだろう。
「ほんと疲れたわ。治療費やら何やら含めて、後でルイズに請求しなきゃね」
最初、ダネットを見つけたときは流石に血の気が引いたのを思い出す。
全身に火傷を負い、虫の息だった。
もしあたし達が見つけるのが少しでも遅れたら確実に死んでいただろう。
急いでダネットを連れて戻り、街中の水のメイジを呼び集め、必死に治療を行った結果、どうにかダネットは息を吹き返した。
そう、『どうにか』なのだ。恐らくは彼女はもう戦えないだろう。生きているのが奇跡のようなものなのだ。
だからこの先の戦いには連れて行けない。
「じゃあ行きましょうか」
「頼む。早くしねえと娘っ子の命があぶねえ」
桟橋で何があったのか教えてくれたデルフに声をかけ、タバサと顔を合わせ頷くと、横で変なポーズを取っていたギーシュがこける様な仕草をした後に慌てて横やりを入れる。
「ぼ、僕を忘れないでくれたまえ! 全く、誰がそのインテリジェンスソードを見つけたと思っているんだ」
確かにお手柄といえばお手柄だ。
ただし、お手柄なのはギーシュではなく
「ヴェルダンデでしょ? ほんっといい子よねー。隠されてたデルフを見つけてくれたもの。後でお礼をあげるからよろしくいっててね」
「ちょっと待ちたまえ! 確かに見つけたのはヴェルダンデだが、僕の使い魔だぞ!?」
慌てるギーシュを見てくすりと笑ったあたしは、ギーシュの額をツンと突いて微笑んだ後、表情を正してタバサとギーシュに向かって言った。
「冗談よ。じゃあいきましょ。時間は無いわ」
こくんと頷くタバサと、勢いよく頷くギーシュ。
目指すは、浮遊大陸アルビ――
「待ってください」
支援
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
私は見覚えのある湖の上の小船に乗っていました。
「ここは……」
確かこの船の上には、彼女がいるはずです。
しかし、船の上にいるのは私だけ。
「はて? 散歩にでも行ったんでしょうか?」
でも、散歩と言っても周りは水ですし、泳いで岸にでも向かったのでしょうか?
そう考えた私が岸辺を見ると、見覚えのある桃色の髪が見えました。
「そんなとこにいたんですか。おーい! お前ー!」
しかしルイズは振り向きません。もしかして聞こえていないんでしょうか?
「お! ま! えー!!」
かなり大きな声で呼びましたが、相変わらず反応がありません。
むぅ、無視でしょうか。もしそうなら、後で首根っこを……
「こんなとこにいたのかい。僕のかわいいルイズ」
どこからか、聞き覚えのある嫌な声がしました。
確かこの声はあいつです。
術を受けて倒れる私を見て、私以外の誰からも見えないように笑っていたあいつです。
「エロヒゲ! どこですか!? 姿を現しなさい!! 私が首根っこへし折ってやります!!」
ですがエロヒゲの姿は見えず、変わりに、岸辺にいたルイズがふらふらとした足取りでどこかへ行こうとしています。一大事です。
「お前! 行っちゃ駄目です! エロヒゲは悪い奴です!!」
ようやく私の声が聞こえたのか、ルイズはくるりとこちらに振り返りました。
「良かった……。さぁ、こっちへ――」
ルイズの髪はいつの間にか真っ赤に染まっていました。
いえ、髪だけじゃありません。服も、手も、足も、顔も真っ赤でした。
近くまでいかなくてもわかります。錆びた鉄のような臭いがここまで漂ってきます。
「お前……」
私が声を失っていると、血にぬれたルイズはニヤリと笑い、顔をそむけようとしました。
何となく、ここで見送っちゃいけない気がしました。
「駄目です! 行かせません!!」
船から飛び降りた私は、必死になって泳ぎました。
泳ぐなんて初めてでしたが、この時はそんなこと考えてもいませんでした。
だってルイズは……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
支援
「冗談よ。じゃあいきましょ。時間は無いわ」
目を開いた私の耳に、最初に飛び込んできたのは乳でかの声。
続いて、身体中に走る痛みと痺れ。
思わず声を上げて泣きそうになりましたが、ここはぐっと我慢です。
「待ってください」
自然に口が動いてそう言っていました。
私の声に驚いた乳でか達がこっちを見ました。
「あんた目が覚めたの!? 驚いた……どんな生命力して――」
「そんな……事は……どうでもいいです。……乳でか、ルイズを……助けに行くのなら……私を連れて行きなさい。」
乳でかの声を遮って言いました。
口を動かすたびに痛みが全身に走りますが、今はそんなもん無視です。
「はぁ!? あんた何言ってんの!? 自分がどんな状態かわかってんの!?」
「……わかっています。骨は……折れていません。息もして……います。だから……連れて行きなさい」
少しでも身体を動かすと痛みが走ります。身体に巻かれた包帯が擦れるたびに飛び上がりそうです。
でも生きています。だったら私がやる事は一つです。
「ふざけないで! 死ぬわよあんた!」
「ふざけてなんかいません。……連れて……行きなさい。もし乳でかが……断るなら……タバサに頼みます」
私の言葉を聞いた乳でかは、頭をガシガシと掻いた後、タバサを見ました。
「だってさ。あんたからも言ってやってよタバサ」
「連れて行く」
「はぁ!?」
てっきり断られると思っていましたが、タバサはあっさりと承諾してくれました。
ちょっとびっくりです。
「ちょっと本気タバサ!? 下手したら向こうに付く前に死んじゃうわよ!?」
「断ったら他の誰かに無理矢理頼みにいこうとする。だったら私たちが連れて行ったほうがいい」
またびっくりです。タバサは私の頭の中が読める術でも使ったんでしょうか?
そしてタバサは言葉を続けました
「それに、時間が無い」
乳でかは難しい顔をしていましたが、諦めたのかまた頭を乱暴に掻いた後、少し眉を上げながらいいました。
「全く。死んでも知らないわよ」
乳でかの言葉に私は力強く頷きました。
「おーい、僕は無視かーい? ……うう、ヴェルダンデ……お前だけだよ僕を慰めてくれるのは……」
目指すは、浮遊大陸アルビオン。
支援
以上で18話終了です
覚えててくれた人がいて感謝感激
支援してくれた方も有難うございました。
最後の投下から数えて半年振りで、何より書き方やら話し方をごっそり忘れてて攻略本ガン見したり原作読み返したりとしてましたが、違和感無いといいなぁ
ではまた
ダメットの人乙です。
お待ちしておりました
m(__)m
なんかワルドが死亡フラグを着々と立ててるなぁw
イグニッション!
多少の無茶は承知の上だ!
分の悪い賭けをする気はない
ここは確実にうpる!
んっと……何か調子に乗りました。すんません。
他にないようでしたら繋がりはあるけど、連続性はない
>>100-からのスコール・レオンハート召喚です。
ワルドの振り下ろした杖の先、ウェールズの胸に刺さる軌道だったそれは、硬質の音を立てて不思議な光沢を放つ刃に阻まれた。
その刃の向こう側に刺すような視線を見つけ、ワルドは反射的に身を引く。直後、爆発の轟音と共に青い刃が振り抜かれた。
「……式の間、敵の足止めをするのではなかったかね?使い魔くん」
「何度も言わせるな。俺は使い魔じゃない。傭兵だ」
ガンブレードを振り抜いた体勢から、再び正眼に構え直すのは、スコール・レオンハート。
「ス、スコール!?」
「……素早い動き、助かったよ。ミスタ・レオンハート」
「皇太子、クライアント共々下がっていてください。子爵は俺が相手をします」
「ああ」
後ろへ軽く目配せして、未だ惚けたままのルイズを連れて後退するよう頼む。
『婚約者だとか好きだとか、散々女の子の心を弄んで!許せない!』
ざわざわとスコールの頭の中でジャンクションされた誰かが喋っている気がする。多分、この騒がしさはリノアだろう。
「どうやら待ちかまえていたようだが……いつから気づいていた」
「疑っていたのは、最初からだ」
じりじりとルイズへ近づこうとするワルドへ距離を詰め、牽制をかける。
「どの最初かな?」
「あんたがあの日の朝、馬小屋前に現れたときからだ」
「……参考までに教えて欲しいな。何故僕を?」
「まともな判断力を持つ者ならば、アンリエッタ姫の任務がどれだけバカなことかはすぐに気づく。
元より政略結婚なのは両者とも承知の上。手紙一つで揺らいだとしても、婚儀による同盟の大勢にまで影響は薄いだろうからな」
視界の端で、ウェールズが十分な距離を開けてルイズと共に待機したのを見て取る。
「にもかかわらず武官がそれをいさめもせずに唯々諾々と従っているのは、それに気づかないほど愚鈍な者か、あるいは政治に関心を持たずただ命令をこなせばよしとしている兵士か、さもなければそれを利用しようとする者のいずれかだ」
右足を一歩引きつつ、ライオンハートを振りかぶる。
「話してみれば、愚鈍な者でないというのはすぐに判った。それにあんたはただ命令に従うだけの兵士じゃない。以前の俺がそうだったから、よくわかる……。
そしてあんたは、俺の知り合いによく似ている。自身と傲慢さを兼ね備えた態度が、野心家だな」
「成る程……良い洞察力だ。
ユビキタス・デル・ウィンデ……」
ワルドの姿が、五つに分かれる。
「これが風の偏在だが……」
「驚いた様子はないな」
「それが、あんたを疑う決定打だ。ワルド子爵」
ちら、と皇太子を視界に入れる。
「二日前の夜、あそこで現れた仮面の男……能力を測るとどうも違和感がぬぐえなかった。あの日の朝、俺に手合わせを申しいれてきた男と……体力、素早さ、魔力、全く同一の能力だったからだ」
「あの、ライブラというコモン・マジックか……?」
コモン・マジックではなく、疑似魔法なのだが、いちいち訂正はしない。
「昨日の夜のうちに皇太子に確認はしていた。自分の分身を作り出すことは可能かどうかな」
「そして風の偏在を知り、確信を持って、足止めをしてくると称して隠れていたか……」
「あの表情……ルイズには知らせていなかったのかな?」
ワルドの一体が、ルイズへ視線を向ける。先程からのスコールとワルドの会話に、全くついて行けていないという風情だ。
「彼女はあんたの婚約者だ。あんたのことを疑えと言っても通じないだろうし、何よりもあの性格だ。
疑う要素として今言った事実を突きつけると、直接問いただしにかかりかねない。こちらがあんたを疑っていることを知ると、そっちがその場でクライアントを人質にとる可能性もある」
「成る程……的確な判断だと言えるね」
ゆったりと正面にいるワルドが頷く。
「その頭脳、剣技」
「それに、方法は判らないが僕の風の魔法を無効化してしまう不思議な技」
「どうだろう?使い魔……いや、傭兵くん。僕たちに、レコン・キスタの側に着かないかね?彼女よりも数段上の待遇、報酬を約束しようじゃないか」
大仰に腕を広げて受け入れる動作をしてみせる。
「なっ」
サッとルイズは血の気が引いた。スコールは、どこまでも傭兵としての態度を崩さなかった。ならば、雇い主を鞍替えすることも、有るのではないか?
「そんなの……!」
ダメよ、というよりも先に、スコールが即答していた。
「断る」
「……何故かな?見る限り、決してキミは良い境遇とは思えないが」
「四日前、一ヶ月間契約を更新したばかりだ。それを早々に破棄したのでは、傭兵としての信頼に関わる」
「スコール……」
ほっと安堵のため息を着くが、やはり傭兵としての態度を変えていない彼の言動に、一抹の寂しさも感じる。
「それに何より、あんたが信頼できない。ラ・ロシェール道中の森や、当のラ・ロシェールで使い捨てられた傭兵のようになるのはゴメンだ」
スコールの持つ切れ長の瞳が、ワルドを睨み付ける。
「ふ……それでは仕方ない!」
「ルイズやウェールズ諸共、始末してやる!」
「出来るかな、あんたに……!」
ライオンハートを振りかぶりながら、そう尋ねる。
「出来るとも!忘れたのかい?」
杖が一斉にスコールに向けられる。
「ラ・ロシェールで一度、キミは僕に痛手を負わされて居るんだよ、このライトニング・クラウドでね!」
「!避けて、スコール!」
五筋の閃光が走り、全てがスコールに直撃した。
「スコール!」
「ミスタ・レオンハート!」
「はははははははは!どうだ!これが……」
皆まで言うより先に、ワルドの偏在の内一つがライオンハートによって切り伏せられた。
『ざーんねんでした!ワルド子爵?』
「確かに、あの時には驚いた……ハルケギニアの魔法は四系統だけだと思っていたところに雷が来たんだからな。だが、何が来るか判っているのならば対処の使用はある。
もうあんたの魔法は通じないぞ、子爵」
「な、に……!?」
慌てて残りの4体がスコールと距離を置く。
その一人一人の位置を確認しながら、ライオンハートのマガジンを途中まで引き抜く。
「イフリート、弾薬精製」
ガンガンガンガンガンガンガンガン、と金属のぶつかり合う音がして、マガジン内に弾が供給される。
そしてマガジンを戻すとジャキッとスライドを引く。
「行くぞ」
再度ライオンハートを振りかぶり、ワルドの一人に斬りかかる。
「ぐ、ブレイド!」
反射的に杖で受け止めたのは流石と言っていい。
だが、アルテマをジャンクションしているスコール相手には文字通りの力不足であり、完全に押されている。
助太刀に入らんと他のワルドがブレイドをかけつつ接近してくるのを察知し、早期に押し切るべくスコールは続けざまにトリガーを引く。
ガァンガァンガァン
3度目の炸裂音と共に、杖は無事だったがワルドの腕の方が押し切られ、頭部から右脇腹に向けて切り口を晒し、空に露と消えた。
すぐさま、一番接近してきているワルドの一人に対応しようとスコールは身体を向き直し、間一髪ブレイドのかけられた杖が頬をかすめるだけで済んだ。
距離的に再度ライオンハートを振りかぶるのが難しいと判断し、スコールは即座に切っ先の角度を変える。
「ラフディバイド……!」
下段からライオンハートが切り上げられ、スコールのジャンプのスピードも加味されて股から左肩へ刀身が抜ける。
3メイルほど後方に着地するスコールの前で左右に分断されたワルドの身体は、倒れる前に消えていった。
そこへ閃光が趨り、スコールの身体を雷が打つ。更にもう一撃。
「何故だ……何故だ!」
「ラ・ロシェールでは確かに痛手を与えられていたはず!」
残り二人となったワルドが半ば恐慌状態で杖を向けていた。
スコールが頬に伝う血をぬぐうと、その下に有るべき傷口は既に塞がっていた。
『ふふふ、わざわざ傷を治してくれてありがとう』
にんまりとリノアは呟く。
「……ガーディアン・フォースと疑似魔法マニュアルを応用したジャンクションシステムは、使用者に最大4種類までの属性によるダメージを軽減、無効化、あるいは吸収する力を与える。
ラ・ロシェールで俺が警戒していたのは火、水、冷気、風の4種類だった。だから、あの時あんたの雷は防げなかった。
だが今回は、元よりあんた用に調整させてもらっている。雷と風は、今の俺には力になる」
「なんと」
スコールの説明にウェールズは息を飲む。
「それではメイジでは、彼を相手にするのは死ねと言うようなものだな……」
「雷と風……だと?」
訳がわからないという顔でワルドが呻く。
「疑似魔法においては、系統魔法より属性の区分が細かい。風と雷、水と冷気は関わりが深いが別の属性だ」
故に、属性の防御に置いてはウェールズの言うほどメイジにとって絶望的な状況とはなりえない。
仮に別々の系統を持つ4人のメイジが火、水、氷、土、風、雷の6属性でもって攻め上げれば、アルテマなど強力な魔法を同時に複数ジャンクションしていない限り属性防御では対処しきれなくなる。
しかしこの場に限って言えば、ワルドにはもはや勝ち目はない。
ジャンクションによる身体強化の影響は圧倒的であり、頼むべき数もスコールの素早い各個撃破によって“たかが倍”にまで減らされ、自身の得意とする系統の魔法は打つ手を持たない。
どうすべきか、とワルドが思案している最中にも、スコールは既に手を打っている。
(この状況で最も可能性が高いのは、偏在体の方を用いての囮と逃亡……隙を捜している今の内にG.F.を召喚……二人まとめて吹き飛ばす)
『うわー、スコールってばわざわざその子使うなんて悪趣味……』
よしんば二人まとめてブレイドで襲いかかってくるとしても、召喚まで凌げば問題はない。
そして召喚のため、スッとスコールが目を閉じたその時を好機と見てワルドの一人がスコールに向かい、もう一人が出口へ向かって走り出すが、時既に遅い。ぱぁっとスコールの足下から光がわき上がり、
「ケツァクウァトル、サンダーストーム」
「うおおおおおおおお!?」
中空に出現した緑色をした鳥?のような不思議な生き物がその口?から雷を放ち二人のワルドを電撃の檻の中で悶えさせる。雷を攻撃手段に選んだのはラ・ロシェールで痺れさせられた意趣返しだろうか。
程なく手前の、こちらに迫ってきていたワルドは消えて、スコールもケツァクウァトルを引っ込める。
残り一人となったワルドは見るからに酷い有様だった。高圧電流に晒された身体のあちこちは焼けこげており、水分が膨張したためか丸太のように醜く膨らんで、皮膚からしみ出てきたらしい血痕が服の上にいくつも見られる。
「……あ……う……あ……」
呻くワルドの手の中、それでも握り続けられている杖を踏み折る。
「……ウェールズ皇太子、この男どうしましょう」
指示を仰ぐように、ルイズと共に下がっていた皇太子へ向く。
「どう……とは?」
正直、今目の前で起きた状況が未だに理解し切れていなかった皇太子は茫然自失のまま尋ね返す。
今の生物は、一体何なのだ?これも、あの傭兵の力なのだろうか。
ふっと気づき隣を見ると、ルイズは元婚約者の悲惨な状況に顔面を青く染めていた。
「わ……るど……」
「俺の任務は、使い魔の代わりとしてルイズの危機を処理することです。子爵は今や戦闘能力も奪い、瀕死の重傷です。こうなった以上、後は公的機関に身を任せるのがセオリーで……今この地を統括しているのはあなたです。
このまま放置するか、楽にしてやるか、何かしらの尋問をするために生きながらえらせるか」
スコールが選択肢を提示したことで、ようやくウェールズも頭が回り始める。
「……もはや滅び行く我が国が、情報を得たところで意味はない。が……私の愛しい従姉妹の治める国にとっては、その情報は有益な物となるであろう。よって、生きながらえらせた上で、トリステインにその身柄を引き渡したい」
それに、と再びルイズを見る。瞳孔は収縮して焦点も合っていない。
「裏切っていたとはいえ、婚約者の死を目の前にさせるのは忍びない。彼には、彼の国で刑に服してもらうのが一番だ」
一つ頷き了解の意図を告げると、ワルドに向く。
「アビリティ かいふく」
右手をワルドの方へ突き出すと、ぱぁっと光が走ってどんどんワルドの傷が治っていく。
「ワルド!」
だっとドレス姿のルイズが駆け寄る先で、よろよろと身体を起きあがらせる。
「う……僕……は……」
「ストップ」
間髪容れず時空間魔法で凍結させる。
「ワルド?どうしたのワルド!?」
「落ち着け。動きを止めただけだ。命に別状はない」
銅像のように動きを止めたワルドを揺さぶるルイズに告げる。
「つくづく君の力は恐ろしいな……」
「俺個人の力という訳ではありません。疑似魔法マニュアルは誰でも使いこなせます」
「ほう……では私も使えるのかい」
興味深そうに尋ねかける。
「はい……俺はハルケギニアの人間にやり方を教えるつもりはほとんど有りませんが」
「何故だ?」
「『誰でも』使えるからです。それこそ、俺のようにメイジ以外の者でも」
スコールの言葉にハッと目を見開くと、ウェールズは一つ頷く。
「そうか……アンリエッタの為にも、今後ともそのスタンスは変えないで欲しいな」
冷や汗を流しつつ、この地へこの力を持って訪れた彼が冷静な者で良かったと、心底に安堵した。
「ワルド……何で……」
しゃがみ込んで涙を流すルイズの前で倒れたままだったワルドを肩に担ぎ上げる。
「ミスタ・レオンハート、此度の身柄運搬の依頼料だ」
スッと差し出された手に、慌ててこちらも手を出すと、その手の上に風のルビーが転がった。
「……良いんですか?」
「構わない。どのみち、滅び行く王家にあっても反逆者共の私腹を肥やすだけだ。それよりは、余程建設的な使い道だろう」
ぎゅっと指輪を握りしめると、スコールは指輪をポケットに入れた。
「さて、では君たちが脱出するための血路を開かなくてはな」
「いえ、お手数はかけません。試したことはありませんが、俺にもハルケギニアへ帰るための足はありますから」
「……やはり君の力は恐ろしいよ」
直立して右掌を開いて甲の側を向けるSeeD式の敬礼をウェールズに向ける。
「では。……ルイズ、行くぞ」
ぺたんと座ったままのクライアントに城からの脱出を促すが、立ち上がるなり彼女はスコールに詰め寄った。
「待ちなさいスコール!ウェールズ様を置いていくつもり!?」
「……置いて行くも何も、皇太子はここに残るつもりだろう」
「ミス・ヴァリエール、ミスタ・レオンハート、急ぎたまえ。敵が近づいているようだ」
「でしたらウェールズ様も……!」
昨日からの続きで話が進まないな、と軽くため息を着き、自身の額付近に一度手をかざしてすぐにルイズに向ける。
「スリプル」
ぱぁっと足下から光が上がると共に、ぱたりとルイズが倒れて寝息を立て始めた。
「……御武運を」
ワルドを担ぎ上げている反対の腕でルイズを抱えると、一礼してその場を走り去る。
一つ満足げに頷き、ウェールズは乱入してきた敵兵を見据えた。
「来い、レコン・キスタ。アルビオン王家、最後の一人……!ウェールズ・テューダーの戦いを見せてやる!」
ジャンクションで力が強化されているとはいえ、バランス的な問題で走りづらいが言ってられない。
下りの階段を駆けながら思案する。
(目撃例などからすると飛べるとは思うんだが……問題なのは、魔列車グラシャラボラスに俺たちの乗るスペースが有るかだな)
『あれに乗るの!?』
今回はここまでです。もし有るのでしたら……次回は、タルブ平原上空戦を書いてみたいと思います。
スコールの人乙&GJ!
続き…だと…是非!
ダイジェスト形式か、いいね
続きをまたーり待ってるよ
スコールの人、乙です
スリプル吹いたw
FF8ってクリアはしたけどどんなゲームだったか思い出せないぜ
そんなサイト持ってくるなよ…
遊べば楽しいよ…カードとか
いかにレベルを上げずに能力値MAXにするかとか
ストーリーなんて面白ければ整合性なんて要らないよ…
現実的に考え出したら「まともなゲーム」なんてほとんど存在しねーよ
って俺みたいな奴が湧くぞ
8は何をしたいのかよくわからないゲームだったということしか覚えてないわ。
ちなみに9はなんか色々面白かったってことしか覚えてないw
確かヒロインを宇宙に追放してめでたしめでたし、なストーリーなんだよな?>FF8
>>328 ヒロインひどい言われようだな。
完全に同意だ。
FF8(と10)は別名、野村ファンタジーだからなぁ
あの人のセンスについていけるかどうかで好き嫌いが別れる
8のシステムはあらかじめ把握しておかないといけない部分が多すぎる
デフォルトである種の縛りプレイになってるからそれを楽しめるかで評価が分かれるな
FFXからものまねしゴゴを召喚。
ほとんどの戦闘シーンでぶちぎれてメテオを連発する。
頭のいいジョゼフなどはゴゴの言葉から「ゴゴの倒し方」に気付きそうだ。
ファイナルファンタジーから「アキ・ロス」召喚
大赤字出てヴァリエール家が破産寸前に・・・・・・
どっかと合併しなければ
ハルケギニアにジェノヴァが墜落したようです
94-95でお願いします。
FF2のレオンハルト召喚――なんだかワルドに同意して、ルイズを手土産に裏切りそうな予感が。
8はクールな主人公がだんだん熱血野郎になっていくお話です。
8はDQNなヒロインが延々プレイヤーキャラの脚を引っ張るお話です。
8は空と海と大地と呪われし姫君というサブタイトルです。
FFは人外の仲間キャラは召還されたとしたら基本的に全員当たりに入るのかな
小ネタにバハムート零式召喚があったね
じゃあモグを召喚してみよう
コメディーとシリアスの書き分けが難しそうだけど…
ひでぇ言われようだなぁ
俺は好きなんだけど、多く反論して語るとアレだし言いませんが
饒舌なスコールに違和感があるけれど、ED後ならアリなんでしょうな
しかし根に持つ部分がとてもらしいw
わざわざケツァルクアトゥルでトドメとは・・・
何はともあれGJっす
俺も小ネタ書こうかな・・・
8は宝探しとかカードゲームとかの脇イベントが多すぎるせいで、肝心の話の本筋をよく覚えてないw
FF9の主人公たちなら――暴走しっぱなしのクイナかスタイナーが面白い事になりそうだが、自分では筆が及ばないので書けない。無念。
FF8はリメイクするなら新しいヒロイン入れろとかヒロイン放逐ENDをつけろとか必ず言われる
稀有なRPGだからしょうがない(バハムートラグーンもそうだが)
なんだかんだ言われても、俺は結構好きだがなFF8。
俺も好きだが、人を選ぶゲームであることは確か
FF10-2をやってない俺が、やった友人に内容を聞いたら「アレはチャーリーズエンジェルだ」と言われた。
スクウェアRPGの主人公の流れで赤碕翔とZeta3000を召喚
ギーシュ「平民は……ひれ伏すのがDestiny……定められた筋書きだ」
おやっさんかモロボシダンを召還してルイズがひたすら修行させられるSSとかない?
>>354 ダンに特訓させるんだったらレオの中のウルトラアイが破損したときじゃないとな。
むしろメビウス中のおおとりゲンでもいいのではと思うが、停止中のレオ召喚の人戻ってこないかな。
ほかのウルトラ戦士なら、タロウというか東光太郎は子どもうけがすごくいいからルイズとも仲良くなりそうだし、
メビウスを育て上げたから個人教師としては最高だと思うが。
東光太郎と聞くと南光太郎も思い出してしまう。
そのうち西光太郎や北光太郎さんがヒーローになるのを期待している。
メビウス1エンゲージ
ってことでメビウス1召喚
…喋れるのか…?
>>358 その名を見て
南譲次と東鉄也を思い出したが
北と西は居なかったっけ
>>358 「トンちゃんでーす」
「ナンちゃんでーす」って奴だな
東光太郎
北斗星司
南夕子
なぜか西の付く人間体のウルトラマンはいない
>>358、361
ヒーロー戦記か
ギリアム「コール・ゲシュペンスト!」
あれって整備とか関係ないのかな
364 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/11(月) 20:04:05 ID:VJzai/l3
フルメタのソースケを召還してみたいと思ってるんですけど、需要ありますか?
>>362 なんとなく主役ってより戦隊モノでいうところのイエローっぽい感じがするw>西
>>364 需要があるかどうかじゃなく、
自分が書きたいかどうかだ
西か・・・
ドクターウェストくらいしか思いつかないな
369 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/11(月) 20:25:19 ID:VJzai/l3
了解した。近日中に書き上げるわ
>>363 垣間見えた未来は〜光など見えなくて〜
ヒーロー戦記終了後のギリアムなら割と素直にルイズの使い魔やりそうだな……
>>365 そういえばZATに西田隊員っていたけど途中で降板したな。
アバタールチューナーからサーフが呼ばれましたとか思いついた。
キャラとしてはゲイルやシエロがいいのかな
あ、飢えから逃れる為にマグネタイトを(生命体ごと物理的に)食う必要があるからちょっと難しいか?
テュッティ召還。
男は死ぬ。
>>374 昔の第四次スパロボの4コマにそんなネタがあったのを思い出したwww
やっぱり、スパロボ最強の超科学者ビアン・ゾルダーク博士を呼んで……
ルイズのプラーナ量はなんか凄そうだなw
「クリムゾンバーニング」から西竹一中佐と戦車第二十六連隊を召喚
ただし、ハワイ戦直後
ええ、分かる人には分かるヤバすぎネタです
>>374 >>375 ギーシュとコルベール辺りが危ないw
特にコルベールは見せかけて死亡回避するはずのとこで本当に死んでそれっきりになりそうだ
>>377 プラーナは表層心理だけでなく、深層心理の感情のうねりがポイントとなるらしい。
>>370 そういえばギリアムはヒーロー戦記の世界でやらかした罪を償う為に平行世界で戦う運命になったんだっ
け
異世界に召喚されるには十分な理由だなw
>>374 エレオノール姉様と意気投合しそうだなw
ルイズにはちゃんと優しく接するだろうし、使い魔付きだから平民には思わないかな
声も同じだしな>テュッティとエレオノール
アニエス庇うところでは?
テュッティ召喚で男限定のEFBが発生するのは何で?
正確に言うと死にかけのコルベールにタバサがこっそり仮死の魔法を掛けて
キュルケがもう死んだから勘弁してとアニエスに告げるところだな
仮死の魔法とかオソロシス
>>386 この女に惚れられた男は、二人中二人が早死にしているから。
Fだかα外伝だか忘れたが、キャラクター辞典のセリフ再生で「私って、男運ないのかしら……」と言っている。
リカルド・・・フェイル・・・
>>387 生命活動のレベルを引き下げて、出血などを抑える延命の魔法だろ、あれ。
>>390 いや健常者にスリーピングクラウドみたいにやったら拉致の負担減らせるなぁ、とか
>>391 アニメはなぜかルイズがキュルケの役目を……
しかもコルベールはアニエスを庇って重傷ではなく白炎にやられて重症
>>377 似たような設定のダンバイン思い出したが
なんかダンバインの設定はごく自然にゼロ魔と融合しそうな
ショット・ウェポンでも召喚しようもんならハルケがまんまバイストンウェルになってしまいそうだ
う〜ん、そうなのか
どっかでアニメオリジナルだって聞いたような気がしたんだけど、勘違いだったかな
>>378 ヤク中になったあれか
それより社会主義は○○スキーの作者にしようぜ
>>393 ああ、考えたことはあるな。
ショットがジョゼフの所に召喚されて、ハルケギニアの空をオーラ・バトラーとオーラ・シップが飛び回るの。
ショットウエポンは何もないところから半導体製造工場作ってるからな。
外装に使う幻獣たちが弱いからオーラバトラー、シップの出力に負けちゃいそう。
ナインボール・セラフを召喚してハルケギニアにACがですね。
401 :
ゼロの騎士団:2009/05/11(月) 22:32:11 ID:rGAKDJI0
お久しぶりです。7話投下予告させていただきます。
22時40分を予定しております。サルさん食らうかもしれません。
よろしくお願いします。
アクエリオンのアクエリオン+不動GEN召喚が何故か思い浮かんだ
桶の底を抜けぇ
>>396 アルビオン艦隊をも凌駕するガリアのオーラシップ&オーラマシン騎士団
そのオーラバリアを貫けるのは伝説の虚無だけ、ってとこまで夢想した
オーラバリアって戦艦クラスだと核にも耐えたよな、たしか
>>396 ワルドが仮面を被って黒騎士になるんですね、わかります
>>401 ヒャッハァ
騎士団来たぜ!
事前支援だァ!
>>403 でも虚無が表舞台に上がる前にオーラバトラーの製造技術が他国に漏洩しちゃうんだな
>>403 戦艦クラスでなくてもビルバインとか耐えてたような
SRWEXではオーラバトラーの強さは反則じみてたらしいね
仮死の魔法とか言わずに
ザラキので■してレイズで蘇生したって事でいいじゃん。
てか第三期の企画が中止になってたら思うと恐ろしいわ。
409 :
ゼロの騎士団:2009/05/11(月) 22:40:52 ID:rGAKDJI0
ゼロの騎士団 PART2 幻魔皇帝 クロムウェル 7 「旅立ちと焦り」
トリステイン魔法学院 まだ朝日も昇らない時間
世界から音を奪う闇の時間。
本来、人が居ないであろう学院の入り口には、二つの声が聞こえていた。
「……眠い」
ルイズは目をこすりながら、不機嫌な顔で呟く。
朝がそれほど強いと言う訳でも無く、任務の重要性、昨日見た夢などもあり、ルイズは充分な睡眠をとれているとは言えなかった。
だが、不機嫌の理由はそれだけでは無かった。
「しかも、何でこんな恰好なのよ」
彼女の服はいつもの制服では無く、シエスタに頼んで用意してもらった平民の服に、
長旅用の使い古されたボロボロのローブであった。
シエスタの服では大きすぎるので彼女の友人のメイドの服を借りたのだが、それでもルイズには胸の部分も含め大きく感じられた。
「当たり前だろう、聞くところによるとアルビオンは数日の長旅になるのだろう。
いつもの制服と言う訳にも行かないし、町の中を貴族の学生が歩いてたら不自然だろう」
ルイズと似たような、ローブを着たニューが答える。
彼らの目的は目立つ事と逆――隠れる事である。ここハルケギニアで、貴族という存在はそれから最も遠い存在であった。
ルイズは貴族としての旅行は経験して居ても、旅人としての旅行など経験はなかった。
昨日の準備ではトランクを二つも持ち出しており、ニューに呆れられていた。
「ルイズ、我々は観光旅行に行くんじゃないんだぞ。
しかも、劣勢と言われる方に接触しなくてはならないんだぞ、目立つ訳にはいかないんだ」
(こんな事で大丈夫だろうか?)
ルイズの感覚に早くも黄色の信号が灯り始める。
ニューの顔を見て、ルイズが愚痴をこぼす。
「それは解るわよ、けど、さすがに早すぎない?」
目も慣れてきたが、朝と言うよりも夜と言っても過言ではないほど暗く、かろうじて数メイルが見える程度であった。
早く出ると言う事が陽が明け始めるくらいの出発を予想していたので、
肌寒さすら感じる空気は自分の感覚に吹き付けるようであった。
「仕方ないだろう、朝食を食べてみんなに見送られるのとは訳が違うんだ。
マルトーさんに頼んどいて、朝食を作ってもらったから、少し走ってから休憩しよう」
そう言って、ニューは厩舎より連れて来た馬に乗る
文句の一つでも言いたかった。しかし、文句が無いくらい手際の良さを咎める事も出来なかった。
「……分かったわよ、じゃぁ行くわよ」
渋々ながらルイズも馬に乗り、二人は馬を走らせ始めた。
「行ったようですね」
学院長室
遠見の鏡から二人のやり取りを見ていたコルベールが呟く。その声には不安の混じった声があった。
「心配無いじゃろう、ニューもいる事なんじゃし。それに、姫様も自身の信頼できる人物を使わすそうじゃ」
それほど心配なさそうな口調で、オスマンは口を開く。
二人は昨夜、王室――アンリエッタより今回の任務を聞かされていたのだ。
「ただ、わしが気になるのはミス・ツェルプストーとダブルゼータがアルビオンに渡り
ミス・タバサとゼータもお馴染みの欠席じゃ、偶然であると思いたいのだがのぉ」
脳内でアナウンスされる偶然とは思えないキャスティングが、オスマンの表層に不安の石を投げ込む。
(……無事に帰ってくるのじゃぞ)
オスマンは、それぞれ居なくなった生徒と使い魔に、心の中で心配の言葉を投げかけた。
あと1時間もせずに、日は昇ろうとしていた。
410 :
ゼロの騎士団:2009/05/11(月) 22:42:02 ID:rGAKDJI0
二人は乗馬の心得があるので、速さは順調であった。
場所は解らないが、ニューは少なくともそう思っていた。
ルイズの方も意識の覚醒と趣味の乗馬という事も有り、次第に顔から不機嫌が消えて行った。
馬を走らせて数時間、馬と自分達の休憩の為に、ルイズ達は街道の無人の小屋に腰を降ろした。
「アンタって、旅慣れているのね」
意識も完全になったのか、ハムと野菜のサンドをかじりながら、ルイズはニューに話しかける。
「遠征の経験もあるし、険しい山道を越えた事もあるからな」
簡素な水筒から紅茶を出しながら、ニューはそれに応じる。
ラクロアまでの遠征は険しい山脈と凶悪なモンスターを相手にする為、旅人という人種では無謀とも言えるほどであった。
(あの時は大変だったな、私もアムロ殿の様に移動魔法が使えればな)
実際、アムロから聞いていたが予想以上に厳しく、一度遠征した後は魔法で移動する事がほとんどであった。
「私は完全には地理が解らないのだが、ペース的には悪くないだろう。ラ・ロシェールと言う所は約二日だそうだな」
自身の見た地図を頭に描きながら、ニューは確認する。
「そうよ、まぁ早ければ明日の夜には着くかもね」
そう言って、紅茶に手を伸ばそうとした時、二人は上空に強い風の流れを感じた。
上の方には、鳥と言うには大きい影が見えていた。
「何だあれは?」
自身の世界ではあのクラスの物体が空を飛ぶのは動物とは考えにくい。
(早速、敵か?)
警戒しながら、ニューがルイズに聞く。
「違うわ、あれはグリフォンよ……野生と言う訳でもなさそうだし、誰かしら?」
ルイズも不安そうに呟く。
比較的安全な街道で、グリフォンが自分達を狙って襲うとは考えにくかった。
その言葉の数秒後に、グリフォンはルイズ達の目の前に着陸した。
グリフォンに乗っていたのは帽子をかぶった長身の金髪の男であり、二人はその人物を知っていた。
誰よりも先に、ルイズが反応する。
「ワルド様、なんで此処に!?」
ルイズがその人物を見て、驚きの声をあげる。
本来会う事のない人物と思うだけに驚きは強い物があった。
ルイズの驚きに、ワルドは軽く受け流しながら、グリフォンの背中より降りる。
「私はアンリエッタ様より、君達の護衛を頼まれたのだ。ルイズ、久しぶりだね」
ワルドはルイズに近づき、ルイズの肩に手を掛ける。
肩を触れられて、ルイズは動きが硬くなる。
「そ、そうなんですか。ありがとうございます」
それだけを言いながら、ルイズは恥ずかしそうに身を震わせる。
その様子をニューは観察していた。
(姫様の言っていた護衛と言うやつか・・・)
ルイズの初々しい反応などではなく、目の前の男に注視する。
アンリエッタが護衛をつけると言っていたので、多分、目の前の男がそうなのだろう。
ルイズが言うには、若くして精鋭部隊の隊長になったとの事なので腕が経つとの事。
少なくとも、あの獰猛なグリフォンを乗りこなしているのを見れば、その実力は朧ながらも分かる物であった。
ワルドはルイズとの再会をそこそこに、今度はニューに向けて視線を送る。
その視線は何処かニューの事を推し量るような物を感じる。
411 :
ゼロの騎士団:2009/05/11(月) 22:43:05 ID:rGAKDJI0
(私の事を知っているのか?)
少なくともこの世界には自分達を知る物はいない。
しかし、目の前の男は対して驚きもしない様子だった。
(私の方が本命か?)
その視線に好意だけではない何かが、ニューを探ろうとする。
それに気づいても、ワルドは表に出す様子は無く。
「君がルイズの使い魔だね、今回はよろしく頼む。アンリエッタ王女から聞いたが、魔法が使えるようだね」
爽やかな様子で、ワルドはニューに挨拶をする。
「はい、ニューと申します。ワルド殿、主の護衛を引き受けてくれて、大変ありがたく思います。
主のお相手は大変だと思いますが、よろしくお願いします」
丁寧ながらも少し慇懃な態度で応じる。
その様子に、ルイズがニューを睨みつける。
「ちょっと、もっと丁寧な態度を取りなさいよ!」
「ははっ、ルイズいいんだよ」
ワルドは気にしないといった様子で、ルイズの言葉を流した。
(人が出来ているな。ルイズの相手をするには、それぐらいでないといけないと言う事か)
子爵でルイズの相手をすると言う事はおそらく接待の様なものであろう。
ルイズの難しさを知っているだけに、若い頃からルイズの相手をしてきた目の前の男を見てそんな感想を抱いた。
「ルイズ、休憩も済んだしそろそろ出発しよう」
「そうだな、ルイズは僕のグリフォンに乗って貰うつもりだが、良いかね?」
ニューの合図に、ワルドが提案する。
それを聞いて、ルイズは頬を赤らめる。
それはルイズだけにではなく、自分にも聞いてる事がはっきりと分かった。
「分りました、今後の指揮はワルド殿がお願いします。私は外様ですので」
断る理由も無かった。むしろ。
(疲れて文句を言われてはかなわんからな)
ニューはそんな事を考えながら、ワルドの案を受け入れる。
しかし、今の会話がルイズの気に障ったのか、顔を恥ずかしいから怒りに切り替える。
「馬鹿ゴーレム! アンタのその態度は何なの、さっきからアンタ失礼よ!」
ルイズが先程からのニューの態度が気に入らないのか喰ってかかる。
しかし、ワルドが居る手前、手までは出さなかった。
「私もこの任務を絶対に成功させないといけないからね、そう言ってもらえると助かる。ではルイズ、行こうか」
ルイズを連れて、自身のグリフォンに乗っける。ニューはその様子をしばし見てから、馬へと向かった。
412 :
ゼロの騎士団:2009/05/11(月) 22:44:10 ID:rGAKDJI0
「まったく、あの馬鹿ゴーレム! なんで、あんな態度取るのかしら」
空から大地を走る馬を睨みつけながら、ルイズが愚痴る。
本来なら、ワルドとの再会の喜びを楽しむ時間の筈であったが、自身の使い魔がその時間を略奪した。
「彼がどうかしたのかい?」
ワルドはそれに起こった様子でも無く。ルイズの顔を嬉しそうに見つめる。
「いえ、何でもないんです」
その顔が自分の今の顔に合わない事に気付いて、ルイズは下を向く。
ニューはいつも皮肉を言うが、さっきの様に毒を撒き散らすような言い方はしない。
(それに、皮肉と言うよりも、何か拗ねている様だったし)
心なしかルイズはそんな事を感じていた。
心当たりと言えば昨日のやり取りだろう。ルイズは思い返す。
(そりゃあ二人より劣るとは思っていないけど、だからって、あんな態度取る必要ないじゃない)
本心で行ったわけでは無い。
ルイズとしてみればニューを動かす為に、言っただけである。
しかし、魔法学院に帰った後も、ニューは心なしか不機嫌な様子だった。
「彼の事を考えているのかい?」
ワルドがルイズの顔を覗き込みながら、聞いてくる。
「べっ、別にそう言う訳では無いんです。
ただ、アイツは口が悪いけど、今まであんな態度は取らなかった……」
彼の不機嫌な理由は自分だろう。
(やっぱり、私が悪かったのかな)
ルイズには心なしか、ニューが苛立っているその理由が解らなかった。
そして、それがルイズの不機嫌の基でもあった。
「彼だって考える事はあるさ、使い魔だからって何でもわかる訳では無いよ」
「そうですよね……」
(謝らなくちゃ、駄目なのかな……けど、私はアイツの主人なのよ!
いくら私が悪いからって簡単に謝ったら鼎が問われるってものよね。
もう少し、時間を置きましょう。そして、さりげなく謝るのよ)
自己弁護と解決方法を考えながらルイズは大地を眺め続けていた。
3人の旅は順調であった。妨害を予想していたがこれと言った事がある訳では無く、
次の日の夕方にはラ・ロシェールに到着していた。
413 :
ゼロの騎士団:2009/05/11(月) 22:45:08 ID:rGAKDJI0
岩肌に丘に作られた町 ラ・ロシェール
「女神の杵」――アルビオンに向かう貴族が利用する高級旅館
疲労回復と安全面からルイズ達はそこで宿を取る事にした。
「一番早いのは明日の夕方には船に乗る事が出来るよ、それに乗って明後日にはアルビオンに行く事が出来る。」
船長と乗船の交渉をしたワルドが、二人に出向の時間を告げる。
「そうですか……しかし、船が飛ぶとは驚きです」
出発も明日と言う事もあり、三人は宿の中の食堂で夕食を取っていた。
ニューは先程まで居た桟橋の光景を思い出しながら、驚きを口にする。
船が無い訳ではないが、それでも、
巨大な木にクリスマスツリーの飾りの様に停泊する空飛ぶ船は素直に感動する物であった。
「アンタの所には船は無いの?」
ルイズがメインに手をつけながら、ニューに話題を振る。
「私の知る限りでは無いな、それに、大陸が浮くなんて聞いた事がない」
最初、ここに来た時港がなくて、道を間違えたのかと危惧したが、
アルビオンの事を聞き実際に空飛ぶ船を見た後だと、この世界が異世界であると今更ながら思い知るのであった。
「……ところでで、君は異世界からか来たそうだね」
ルイズと会話を楽しんでいたワルドが話題を変えて、ニューの方に声を掛ける。
「そんな事まで知っているんですね……信じるんですか?」
突然、話題を変えて、自分に振って来たワルドに対してある事に気付き考える。
(色々調べているんだな)
ワルドが自分達が異世界から来ている事に気付き、ニューも情報能力に感心する。
思えば、思うに目の前の男は、初めて会った時に自分が魔法をつく事を知っていたのだ。
「情報収集も仕事でね、アンリエッタ様から異世界から来たと聞いた時、最初は正直信じられなかったけどね」
ワルドがそう言って、ワインを口にする。
「さて、今夜泊まる部屋の事なんだが、悪いが僕はルイズと大事な話がしたいんだ、僕とルイズが一緒でいいかね?」
ニューの方を見ながら、ワルドが聞いてくる。
それを聞いたルイズは、頬を赤く染めてワルドの方を見やる。
(え! ちょっと待ってよ、いきなりそんな)
ニューといつも通り同室で泊まると考えていただけに、ワルドの言葉は意外であった。
「ちょっと、ワルド様、いきなりそんな事言われた」
「いいですよ」
ルイズの言葉を遮り、ニューがあっさり同意する。
音が聞こえるように首を動かし、ニューの方を見る。
「久しぶりに会って積もる話もあるでしょう……それに、ルイズ」
ニューが真剣な目で、ルイズを見つめる。
「な、何よ!」
(私の事、信用してくれるの)
その表情に、ルイズも勢いが止まる。
幾らなんでも、年頃の男と一緒の部屋で泊まる等とはルイズとしても抵抗がある。
それに、そう言った状況で流されてしまうのが良くある事はルイズの耳に入っていた。
しかし、ニューはそう言った事をしないとルイズを信用――
「お前がワルド殿の相手になる訳ないだろう、冗談は胸だけにしろ」
――する訳でも無かった。
握った拳に銀の感触が強くなる。
「この馬鹿ゴーレム! 絶対コロス!」
意識を失う直前、ニューが最後に見たのは、ルイズの手に持ったフォークとそれを止めるワルドであった。
ニューが次に目覚めたのは、数時間たったベットの上であった。
414 :
ゼロの騎士団:2009/05/11(月) 22:46:54 ID:rGAKDJI0
「ルイズの奴め、本気で刺してくるとは……」
自身の傷を魔法で回復させて、ニューはベットの上で横になっていた。
自身のいつもの環境に比べれば、ホテルのベットは極上と言っても差し支えなかったが、
ルイズに数時間の間、気絶させられた為に寝る事が出来なかった。
ニューは自分の事を考えていた。
「ルイズじゃないけど、確かにそう思うところがあったんだよな……」
(アイツ等の力は知っている。知っているだけにいつしか頼るようになってしまった)
ニューはベット上で寝がえりを打ちながら、そんな事を考える。
ニューはルイズに言われて以来、ずっとその事を気にしだしていた。
仲間達は前線で戦う事が多く、そして、優れた使い手が多かった為にニューは直接手を下す必要が多い訳では無い。
自身がその立場上、援護に回る事が多い為にニューは回復などの方が多い事もあった。
いつしかそれが当たり前だと思いはじめ、知らないうちに二人に依存しだしていたのだ。
ハルケギニアに来た時は、口には出さなかったが三人しかいないと言う孤独感もあり、
それは感じなかったがこの世界に馴染むにつれて、徐々にその事を思い出しつつあった。
(いつまでも二人に頼る訳にはいかない。今回の様にいつも三人で行動する訳では無いのだから)
これまでは騎士団であったために、ともに行動してきたが今は使い魔でもある為に何時また別行動をするかは解らない。
そこまで考えてから、ニューはルイズとワルドの事を考える。
「そもそも仮にも精鋭部隊の隊長が、公爵家の三女に手を出す訳ないだろう」
若くして魔法衛士隊の隊長であるワルドが、そんな事をすれば今の立場を失いかねない事はニューには解っていた。
(……おそらく、なるとしたら婿であろう)
何となく、ニューはそう考える。
ワルドは子爵の息子だ。
ルイズは三女であるからもしかしたらもあるかもしれないが、家柄を考えたら彼の方が下だろう。
(ただ、ワルドからしてみれば、それでも得られる物は大きいだろう。なにより、ルイズは扱いやすいからな)
自身の口でついた傷を棚に上げて、ニューはそんな事を考える。
おそらく、ワルドはルイズとヴァリエール家の後ろ盾を得たいのだろう。
自身も、騎士団長を輩出した名家、等と呼ばれる家柄だけに、
ニュー自身もそう言った思惑に晒された事が無い訳ではない。
この世界に長く居るつもりはない。
故にそう言った事には自身はなるべく関わらないようにと考えている。
(この世界で生きてくのはルイズ自身だ、私がとやかく言うべき事ではない。
ルイズが自分で選ばなくてはいけないのだ)
そう考えてから、夜風に当たりたいと思いニューは部屋を出た。
415 :
ゼロの騎士団:2009/05/11(月) 22:48:05 ID:rGAKDJI0
宿の2階にあるテラスには先客が居た。
それを見て、ニューは声を掛ける
「どうしたルイズ、ワルド殿に結婚してくれとでも言われたのか」
からかい半分に、テラスに居るルイズに近づく。
ニューを見て何か言いたそうであったが、ルイズはニューの言葉を聞いて不機嫌な顔を作る。
「なっ、何を馬鹿な事を言ってるのよ!」
怒鳴りながらも、直にその意気を落とす。
「……ただ、ワルド様が昔約束した婚約の話を覚えていてくれてたの、
けど、それは子供のころの約束だったし、なんて答えればいいのか分からなかったの」
(嬉しくないと言えば嘘になる、けど、いきなりそんなこと言われても)
久しぶりに会って自分との思いでを覚えてくれるのは嬉しかったが、
それでも、ルイズには簡単に応えられる事では無かった。
(まぁ、普通はそうだよな)
「ルイズ、私はいずれアルガスに帰る身だ、いつまでもこの世界に居る訳では無い。」
ニューがルイズの隣に移動する。
「ニュー……」
「私は妻を持ったわけでもないし、恋愛に聡い訳では無い。私が責任を持って言える事ではないが言わせてもらう事がある」
「……何よ」
ルイズが身構えながら、ニューの話を待つ。
「ワルド殿はお前を愛して居るかも知れない。
しかし、それは、ヴァリエール家の三女という事である事も忘れてはならない」
「え!」
「別に彼が酷いのではない。彼の様に若くしてそれ相応の地位に居れば、そう言った物を少なからず求めるだろう」
ニューは少し渋い顔でルイズを見る。その顔を見ながら、ルイズも何か言いたそうな顔をしている。
「ワルド殿が今更ながらそう言った事を述べると言う事は、そう思っているかもしれないと述べたのだ。
お前も十数年、貴族の社会で生きて来たのだ、全く分からなったり信じなかったりするわけではあるまい?」
ニューは以前の教室の様に、やさしい声で語る。
「そんな事言って、どうすればいいのよ」
(じゃぁどうしろって言うの、偉そうなことばかり言って)
そう思いながら、ルイズはニューの言葉を待つ。
「ワルド殿は少なくとも立派な人物だと思う。
ただ、あせる必要はない。彼と一緒に居て彼と言う人間を知ってからでも遅くは無い。私はそれくらいの事しか言えん」
風が強くなってきているのを感じて、ニューは戻るように促す。
何となく嬉しかった。
「偉そうなこと言わないでよ、使い魔のくせに」
ルイズは頬をふくらませる。
それを見て、ニューは笑いながら自室に戻ろうとする。
「悪かったな。だが、もう少し成長しなければ相手してもらえないぞ」
(そうだな、未熟者の私が偉そうなことは言えんな)
それだけを言って、ルイズの視界から消えた。
「……この馬鹿、一言多いのよ」
(心配するなら、もっと良い事言いなさいよ……けど、ありがとう)
ニューの居なくなった後を睨みつけた後、ルイズは戻っていた。
その時の、ルイズの表情を確認する者はいなかった。
416 :
ゼロの騎士団:2009/05/11(月) 22:49:06 ID:rGAKDJI0
翌日、ニューは朝の散歩を兼ねて無人の広場に来ていた。
(闘技場か何かだろうか)
周りに散らばる剣の金属片や杖らしき木片、そして、傷だらけの地面がそれを連想させる。
それらを見渡して、近くの岩に座ろうとした時、自身とは違う足音が聞こえる。
「やぁ、おはよう」
後ろから声をかけられても、その声の主は解っていた。
「おはようございます。ワルド殿」
ニューは振り返り挨拶をする。気のせいか、昨日とは空気が少しだけ違うような気がした。
(釘を刺しに来たのかな)
なんとなくそんな事を考える。
昨日ルイズに言った事はワルドにとってはマイナスであり、ワルドの評価を下げるには理由としては充分であった。
「今日の夕方頃までには時間がある。実は、君と手合わせしたいんだ」
(なんだ、釘を刺しに来たんじゃないのか)
自身の考えとは違うが、それでもワルドの言葉はニューにとって意外な物であった。
「どうしてですか?」
理由がないので、ニューはとりあえず聞いてみる。
「大した事じゃないんだよ。ただ、異世界の魔法とやらに興味があるんだ。
君の実力はフーケの件で知っているからね、初めて学院で君を見た時からずっと思っていた事だ」
(……なるほど、そう言う事か)
ワルドの理由を聞いて、ニューはこの間、パレードで目が合った時の事を思い出す。
あの時、ワルドは自分達がフーケを取らえた事を知っていたのだ。
だからこそ、目が合った時、驚きもせずに自分の方を観察していたのだろう。
ニューはそこまで考えて、目の前のワルドに目を移す。メイジであると言う事は恐らく、自身と似たようなタイプであろう。
力で魔法を押しつぶすようなタイプでなければ、そう簡単には後れを取らない。
「私が相手では不満かい?」
言葉とは裏腹に、ワルドの言葉には挑発的な意味が含まれている。
(いつまでも、二人に頼る訳にはいかない。今回の様にいつも三人で行動する訳では無いのだから)
心の中で昨日の自分の言葉が反芻する。
「受けさせていただきます。勝敗の方法はどうしますか?」
(これもいい機会だ、それにこの男相手に戦えれば、私もあの二人に頼ると言う考えも少しは薄れるだろう)
そう考えて、ニューは受ける事にした。
ワルドは近くにあった木の枝を取り、それをニューに渡す。
「メイジの戦いは杖を落としたら負けとなる、君は杖は要らないだろうがこう言うルールでいいかい?」
「いいですよ」
(それなら穏便に済ませそうだしな)
そう考えて、ニューは木の枝を握る。お互いがある程度距離を取った時、人の気配がやってくる。
「ワルド、ニュー!二人とも何やっているの」
起きたばかりのルイズが、慌てて二人の元にやってくる。お互いに杖を持っているので来たばかりのルイズも不穏な空気を感じていた。
「これは簡単な手合わせだよ、ルイズ、君には立会人をやってもらいたいんだ」
ワルドはそう言って、ルイズを下がらせる。
「何馬鹿な事やっているのよ、ニュー、アンタもやめなさいよ」
自身の使い魔に主として命令を出すが、それは聞き入れられなかった。
「ルイズこの機会に自分の使い魔の実力を見ておくんだ、ゼータやダブルゼータが居なくても大丈夫だと言う事を」
(そう、私は大丈夫だ……二人が居なくても問題ない)
そう思い聞かせて、ニューは木の棒を構える。
「アンタ、何言ってるのよ!」
(この間の事、まだ気にしてるんじゃない!それに、今のアンタ……)
ルイズから見て、今のニューはどこか冷静さを欠いているような印象を受けた。
「35颯爽とグリフォンに乗ったワルドが現れた」
魔法衛士隊隊長 ワルド
風のスクウェア
MP 1050
417 :
ゼロの騎士団:2009/05/11(月) 22:50:25 ID:rGAKDJI0
以上で投下終了です。
ありがとうございます。
次回は少し遅くなってしまいます。
スイマセン。
騎士団乙
419 :
MtL:2009/05/11(月) 23:04:21 ID:/Qv9cs+X
騎士団の作者さま、お疲れ様でした。
何事もなければ、10分後に投下したいと思います。
420 :
MtL:2009/05/11(月) 23:15:13 ID:/Qv9cs+X
マジシャン ザ ルイズ 3章 (57)シュペー卿の剣
メンヌヴィルという人間は、酷く簡単な価値観の中に生きている。
目を盲いた彼に感じられる世界とは、熱量にのみ左右される世界。
燃える熱、凍える熱、人の熱、石の熱、怒りの熱、喜びの熱。
全ては熱でできている。
そんな彼は、自身ら火のメイジを、他系統のメイジとは一線を画する存在だと考えている。
土のメイジは土と、水のメイジは水と、風のメイジは風と親しむ。
それは自然本来の摂理からすれば、至極当然の形だ。
生命とは元来そういうふうに作られている。
しかし、火だけは違う。
火と生命は本来相容れない。動物は本能的に火を恐怖するものだ。
だが、火のメイジは火を恐れたりはしない。火への恐怖心の克服は、火のメイジの基礎の基礎である。
相容れぬはずの火と親しむ、その一点でもって、火のメイジは他のメイジに比べてどこかが壊れている存在なのだと彼は考えている。
そして、そんな火のメイジの中でも更に一握り。
火に愛されている、そんな風にしか思えない人間がいるのだ。
熱にうかされ、火に魅せられ、精神を薪にして炎にくべてしまった人間がいるのだ。
たとえばこの少女のように、
たとえばあの背中のように、
――たとえばこの自分のように。
キュルケが驚愕に目を見開く。
これ以上ない全力。間違いなく敵を葬るはずだった、必殺の一撃。
たが、メンヌヴィルはその絶攻を受けてなお、巌のように両の足で立っていた。
「かっ、かっ、はっ」
そしてメンヌヴィルの口から漏れる、呻きのようなかすれた笑い声。
男は倒れるどころか、途切れ途切れだが笑声を出す余裕すら見せたのである。
「心地よい温度だ、体が芯から温まる……その温度操作、今の炎。なるほど、軽くスクウェアクラスには達していると見える」
確かに魔法は直撃した。手応えもあった。だと言うのに、なぜこの男は笑っていられるのか。
疑問の答えを悠長に探している暇はない。
キュルケは接敵し続けている愚に気が付いて、一足飛びに距離をとった。
一方メンヌヴィルはというと、まだ低い笑い声を漏らし続けていた。
「貴様の魔法を扱う才は、この俺よりもよほど上のようだ。ならばここで一つ、戦いはクラスでは計れぬということを教えてやらねばならないな」
それを聞いた次の瞬間、キュルケの目にはメンヌヴィルの姿が掻き消えたように見えた。
「こっちだ」
不意に背後から響いた言葉。驚く余裕も与えられず、続けて彼女を襲ったのは重たい衝撃。
何事が起こったのかを理解する前に、キュルケは体をくの字に曲げて宙を舞っていた。
そうして軽く十メイル近くも吹き飛ばされて、彼女はその身を床に叩き付けた。
421 :
MtL:2009/05/11(月) 23:18:39 ID:/Qv9cs+X
なにが起こったのかの理解が追いつかない。ただ痛みだけがいやに鮮烈だ。
「がっ、は、あ……っ!?」
腕に走った激痛と地面に全身を打った衝撃で、キュルケは思わず肺の中の空気を絞り出した。
体中を痛みが支配する中で、男の声だけがはっきりと意味をなした。
「ほう、あの一瞬で腕を折り曲げてガードしたのか。なるほど、悪くない反射神経だ」
憎い男の声を聞いて、キュルケは必死にメンヌヴィルを睨み付ける。
そして己の心に灯った火が、未だ燃えているのを確認する。
たかが一撃、まだやれる……
心の中でそれだけを繰り返し、彼女は無事なほうの腕を使って、笑う膝を支えながら立ち上がった。
「よし、それでいい。では続きといこう、簡単に死んでくれるなよ?」
メンヌヴィルはキュルケから数メイルは離れた距離で鉄杖を振りかぶった。
「……そらっ!」
裂帛の気合いと共に、鉄の塊であるそれを思い切り地面へと叩き付ける。
そしてメイスが地面と衝突するインパクトの瞬間に叫ばれる、火を意味するルーン。
「カーノ!」
轟音。
直後襲いかかってきたものを見て、キュルケは知らず、体中の毛が逆立つのを感じた。
恐るべき速度で向かってきたのは、赤熱したあまたの石片。
無論、それ自体がメンヌヴィルの魔法で生み出されたものではない。
床を砕いてできた無数つぶてを、魔法によって高熱の散弾化にしたのである。
「!?」
キュルケは咄嗟に攻撃のために唱えておいた呪文を、迎撃に切り替えて解き放つ。
ルーンの導きに応えてキュルケの前にごうと立ち上がったのは炎の竜巻。生み出されたそれが、紅蓮の盾となって飛び来た赤弾を悉く遮る。
まさに炎の壁。並の攻撃ならまず通すことのない強固な防護だ。
故に、キュルケは炎の嵐をそよ風を抜けるようにくぐり抜けて飛び込んできた男の姿に、反応することができなかった。
炎の壁を踏み越えて飛び込んできたメンヌヴィルは、キュルケの思考を置き去りにしたまま、見事なアッパーカットを彼女の顎に叩き込んだ。
再び、キュルケの体が宙を舞う。
「かっ……っ!?」
「なかなかいい腕だ。状況判断も悪くない。ただ、惜しむらくは炎の使い手との戦闘経験が、圧倒的に不足していたと言うことだな」
メンヌヴィルは軽く四メイルは吹き飛ばされたキュルケを見下ろしてそう言った。
キュルケは二度目のダウンから立ち上がろうとするが、脳震盪の起こした体は、手足に全く力を伝えてくれない。
それを見たメンヌヴィルは、仕切り直しを求めるように、キュルケに背をむけて距離を離していった。
「同系統のメイジ……特に火のメイジが火のメイジと戦う際には、ちょっとしたコツがいる」
地に伏したキュルケは、メンヌヴィルを殺意の籠もった視線で見つめていた。
視界に入るその姿は殆ど無傷。あれだけの炎に突っ込んだというのに軽い火傷一つ確認できない。
「特に炎の効きが悪い場合は、こうして物理的な攻撃を織り交ぜたほうが効率がよい」
キュルケは黙って男の言葉を聞いている。
「また、クラスが格上の者と相対する場合、距離を離した戦いよりも肉薄した接近戦が効果的だ」
そうして回復を待ちつつ、勝利のための糸口を必死に探す。
幸いにして、ハンデのつもりなのかメンヌヴィルが背を向けて離れてくれていったおかげで、彼我の距離はかなり開いていた。
これなら先ほどのように、一足飛びに懐に潜られることもない。
始めに接近戦に持ち込んだのは自分だというのは、実に皮肉的であったが。
「もちろん、お行儀のいい貴族の戦い方ではないがな……。さて、そろそろ十分だろう。休憩は終わりだ」
422 :
MtL:2009/05/11(月) 23:21:51 ID:/Qv9cs+X
その言葉を聞くと同時、キュルケはかろうじて回復した手足を使い、体に鞭打ってその場から跳ね起きた。
そうやって立ち上がりながら一声叫ぶ。
「ファイアー・ボール!」
今日が始まってから、何度唱えたかもわからぬ魔法を放つ。
まずはあの異常な早さの正体を知らねば勝ち目はない。
それを見定めるための牽制攻撃である。
それを知ってか知らずか、
「無駄だ」
メンヌヴィルの姿が、またも忽然とかき消えた。
キュルケはわかっていながら目で追えないもどかしさに、きつく歯を噛みしめる。
だが、視覚ではない感覚的なもので、キュルケはメンヌヴィルが消えた場所に、輝く残滓を捕らえていた。
微かに残るそれは熱の残り香、炎の軌跡。
その意味するところはなにか。
いくつかの可能性がキュルケの頭を過ぎるが、直感的にその中の一つに当たりをつける。そしてその可能性に基づいて彼女は上を見上げた。
そして、見上げた先にはメイスを振りかぶって落ちてくる巨漢の姿。
キュルケが即座に転がってそこを離れる。
直後、派手に火の粉を爆ぜ散らしながら、肉弾がその場所を襲った。
「ちょこまかとよく逃げる……」
ゆっくりと立ち上がった男がくつくつと嗤う。
だが、体をふらふらとさせながら、キュルケはそんなことなど気にも留めない。
彼女が注視しているのはただ一点。
その足元。
無骨なブーツ。
「まさか、あなた……」
「……頭のめぐりも悪くない。たったこれだけの時間で大道芸のカラクリに気付いてくれるとは嬉しい限りだ」
また男が笑う。何処までも深い、暗く淀んだ笑いを漏らす。
「ならば今更出し惜しむ必要もない」
そう言ってメンヌヴィルが右足を一歩踏み出す。
その途端、
そのブーツの足元が爆ぜた。
足裏から噴出した炎。その直後に起こった爆発を、踏み蹴るようにして男は跳ぶ。
勢いに乗って、砲弾のように飛び込んでくる。
「くっ!」
恐るべき速さで迫る敵に対して、反射的な防御としてキュルケは杖を振って前方に向けて炎弾を撃つ。
咄嗟に放たれた炎の数は三、それぞれがメンヌヴィルの足元、胴体、頭を狙って飛ぶ。
「甘い!」
しかしそれと接触する直前、男は二歩目を地面に叩き付けるように踏み込んだ。
男の足裏、またしても爆発する白い炎。
一足目で一直線に飛んできたメンヌヴィル。それがなんと二足目で、上へとその指向を上へと変えた。
白光を迸らせながら、軽やかに宙へと駆け上がる巨体。炎弾はその変則的過ぎる動きを追随できずに、虚しく空で爆ぜて散る。
無論、それで終わるはずがない。
「はあああああああああっ!」
叫びと共に三歩目。なんとメンヌヴィルは、空中にあって三歩目を踏み込んだのである。
高さ五メイル。身を捻りながらオーバーヘッド気味に回転した男は、その高さで後方斜め上に白い炎を出現させた。
そしてその爆発を蹴る。
三度の進路変更。
今度こそは敵を仕留める一撃を見舞うためのもの。
引き絞った弓から放たれる、鋭き矢の如き蹴撃。それがキュルケを狙う。
423 :
MtL:2009/05/11(月) 23:24:32 ID:/Qv9cs+X
「パイルパイルパイルパイル!」
「ゴブゴブゴブゴブゴブゴブゴブゴブ!」
「キョーッキョキョキョキョキョッ! ファナティーック!」
「俺のパイを食ったやつはどこだー!」
土煙を上げて、猛然と快走する赤い肌をした亜人達――ゴブリンの一団。
気のせいか先ほどまでよりも一回りほども規模が大きくなっている気がする集団の先、百メイルの距離を走る少年の姿があった。
「うわあああああああああああああああああああああっ!!」
逃げる、逃げる、逃げる。
おとぎ話の笛吹きよろしく、ゴブリン軍団を引き連れたギーシュ・ド・グラモンは自前の足で走って逃げる。
二本の腕を必死に振って、二本の足をせかせか動かし、それはもう力の限り全力で走る。
「ヒャッハー!」
と、追いかける集団からぽーんと一つ飛び出した影。
それはソリだ、
ゴブリンを乗せたソリが、ギーシュを追いかけて空を飛んだのだ。
ソリの踏み台にされたゴブリンが後続のゴブリン集団に踏みつぶされたのも気に留めず、宙を舞うソリ乗りゴブリン。
その一匹はサーファーのように空中で華麗にポーズをキメて、真っ逆さまにギーシュへ向かって落ちていく。
「うわわわわわわっ!」
と、たまたま後ろを振り返って気付いたギーシュが、慌てて体を横にずらす。
「ムギャア!」
目標を失って地面に激突したゴブリンは、ソリごと地面に衝突し、あまつさえそのまま地面に突き刺ささった。
そしてその少しあと、地面に刺さったままのソリとゴブリンは、やっぱり後続のゴブリン集団に巻き込まれて踏みつぶされた。
『ゴブ』
『ゴブ』『ゴブ』
『ゴブ』『ゴブ』『ゴブ』……
振り返ったときにちらりと見えたゴブリンの集団は、先ほどよりも更に数が増しているように思えた。
ここまでくればギーシュにもわかる。彼らは時が経つにつれどんどんと増えているのだ。
「ひいいいいいいいいいいいい!!」
激走。産まれてこの方こんなに真剣に走ったことはないという勢いでギーシュは駆ける。
だが、次の瞬間、
「ひでぶっ!」
ギーシュは窪地に足を取られ、豪快に顔面から地面に激突した。
激突して、それでも勢い止まらず、そのまま体が一回転。
「はぎっ! うぶぉらっ! ぎゃああああああ!!」
ぐるんぐるんと更に一回りと半分も縦回転をして、地面に二度目のキスをしたギーシュは、そのままずざざと顔で地面を滑り、
『なんで僕がこんな目に……』
そんなことを思いながら気を失った。
424 :
MtL:2009/05/11(月) 23:27:33 ID:/Qv9cs+X
◇◇◇
ふと気付いたら真っ白な世界にいた。
なんだかふわふわして暖かい、ぬくぬく気持ちいい世界にギーシュはいた。
こ、ここは……
そんな風に呟いてみても答えは出ない。こんな光景を見るのは初めてだった。
「何処だっていいじゃない」
そんな声が聞こえて、ギーシュはぎょっとして声がしたほうを見た。
目をやったそちらも漂白の世界。ただ、そこに人の姿が在ることだけが先ほどまでと違う。
純白の世界に立っていたのは、裸に白い薄布を巻いてイケナイ部分だけ申し訳程度に隠した、世にも美しい女性だった。
そう、彼女は美しい。
とても美しくて……なんだかとっても見覚えがあった。
モ、モンモランシー?
美の化身の如き彼女の姿は、どこをどう見ても幼なじみのモンモランシーであった。
「いいえ、私は苺妖精のイチゴちゃんよ」
い、イチゴちゃん?
「ええ。私はあなたをイチゴの園に導くためにここに来たの」
……イチゴの、園?
頭がどうにかなりそうだった。
さっきまで戦場にいたというのに、どうして自分はこんなところに立っているのか。
そもそもここはどこだろうか?
もしかしてここは天ご――
あまり考えたくない方向に思考が振れかける。
だが、そんな考えは瞬時に霧散霧消。泡となって吹っ飛んでいった。
「イチゴは嫌い?」
そう言って前屈みになった彼女の胸元が、ちらりと見えたからだ。
自然、ギーシュの視線と思考はモンモランシーそっくりの妖精さんのボディに引き寄せられていた。
彼女は同級生のキュルケを含めた一部の女性達のような、肉感的な体つきをしていない。むしろスレンダーと称して誤りはない。だが、それでも彼女の体はギーシュの目を捕らえて放さない。
だって彼女はあまりに薄着で、とても無防備で、ともすればいろいろ見えてしまいそうなのだ。
そんな状況で刮目せずにいられようか、いや、できない。
むしろ目を逸らすのは失礼にあたるに違いない。
そんな想いを抱いて、手に汗握ってもんもんとしているギーシュに、イチゴの妖精は妖しく微笑みかけた。
「私はね、あなたにイチゴを食べてもらいに来たの」
い、イチゴとな
「そう、イチゴをね。あなたは欲しくない? イ・チ・ゴ」
塗れた唇が動いて、彼女が悩ましげに体をくねらせると、体に巻いた薄布がわずかにずれた。
薄布一枚隔てた彼女の胸元に、一瞬肌とは違う色が透けて見える。
い、いいいいい、イチゴちゃん!?
「わたしのイチゴ、食べてみない?」
た、たべ、たべっ!?
イチゴちゃんが肩を振るわす。すると、肩に掛かっていた薄布がずり落ちる。
その姿がどんどん扇情的になる。
た、たたたた、食べたいっ!
ギーシュは煩悩とかいろいろなものの連合軍に白旗を振って、堪らず叫んだ。
「うふふっ、だったら私を捕まえて頂戴」
悪戯っぽく笑いかけたイチゴちゃんは、そう言って軽い足取りで白一面の世界を駆け出した。
に、逃がさないぞぅ!
続いてギーシュも彼女を追いかけ始める。
「捕まえてごーらーんーなーさーいー♪」
まーてーよー♪
あはは、うふふと笑い声。
それは幸せな
……とても幸せな夢であった。
おおっ待ってました
426 :
MtL:2009/05/11(月) 23:31:09 ID:/Qv9cs+X
◇◇◇
慣性に引きずられて数秒。
顔面で地を耕すように滑った末、崩れ落ちて動かなくなったギーシュの周りを取り囲む人影があった。
「見たか! 俺たちゴブリン穴掘り部隊!」
「掘って埋めるだけの作業は誰にも負けねぇ、ゴブリン穴掘り部隊!」
「む、無敵のゴブリン穴掘り部隊なんだなっ!」
取り囲んだ三体のゴブリン達が歓声を上げる。
ギーシュが足を取られた窪地、それは彼らが掘った落とし穴だったのである。
「よしっ、それじゃあ早速ゴブリンロードの貢ぎ物にするぞ!」
「きっと新しいスコップ貰えちまうぜぇ!」
「う、嬉しいんだな、だな」
と、ゴブリン達がギーシュを縛るために引きずり起こそうとしたときだった。
それまでぴくりとも動かなかったギーシュが、バネ仕掛けの人形のように飛び起きたのである。
そしてゴブリンに目もくれず、彼は天に届けと声を張り上げた。
「バナナくんイチゴちゃんとミルクまぜまぜしたいにゃん!」
戦場の中心で彼は叫んだ。
おお、人よ見よこの屹立を。
この瞬間、確かにギーシュ・ド・グラモンは漢となった。
跳ね起き、意識を覚醒させた彼が目にしたもの。
青い空、白い雲、目の前の亜人達。
耳に届くのは周囲の喧噪とゴブリン達のわめき声。
それで嫌でも全てが察せられる。
先ほどのアレは、ただの夢。
泡沫の幻。
だが、大切なものに気付かされる一時であった。
「嗚呼モンモランシー、僕は大切な物を見失うところだったよ」
天を仰いだまま目をつぶり、彼はそんなことを呟いた。
その頬を涙が一滴零れ落ちる。
何故こんな目に?
彼女のために自分が選んだからに決まっている。
他の誰でもない、自分で望んだからここに立っているのだ。
そのことに後悔があるのか? いや、有るはずがない。
だったら形ばかりの臆病者はもう終わりにしよう。
背筋を伸ばせ、前を向け、歯を食いしばれ。
今こそギーシュ・ド・グラモンの男を示すときだ。
これは…壊れている
428 :
MtL:2009/05/11(月) 23:34:58 ID:/Qv9cs+X
彼は掴んだ。
人はなんのために戦うのかを。
男は誰のために戦うのかを。
「モンモランシー……」
――瞳の裏に焼き付いいているのは彼女の姿。
全ては愛のために。
愛を勝ち取るため。愛を守るため。
その単純な理由のために男は戦うのだ。
そう、全ては愛ゆえに!
「……モンモランシー!」
ギーシュが視線を下に降ろすと、そこには先ほどまで抱えて走っていた大剣が転がっている。
彼はそれをゆっくりとした動作で拾い上げた。
引き離していた敵は、既に衝突が避けられぬ距離に迫っている。
しかし、それでももう彼に立ち向かうことへの迷いはない。
戦って、戦って、戦い抜いて彼女の元に帰る。
誰のためでもない。自分と彼女の物語のために、少年は剣を取る。
「僕は……戦う!」
決意と共に、ギーシュは鞘から剣を抜き放つ。
その瞬間、周囲のマナが爆発する。
そして少年の左手の甲から、目映い光が発せられた。
「来た! 上から来た! ええと、火の玉が一つ二つ三つ……たくさん!」
「た、たくさんじゃわからないのねっ!」
「いいから! 早く避けて!」
「りょ、了解!」
急速旋回。失速ギリギリまで減速してのターン。
そしてヒュゥッと音を立てて、先ほどまでの進路に降り注ぐ無数の火の玉。
シルフィードは何度目かになる危機を今度もなんとかやり過ごす。
モンモランシーはその背で息を吐いて、胸をなで下した。
空中の激突は続いていた。一方的な展開で。
それは勿論、モンモランシー達の圧倒的な不利という形である。
「カカッ。カカカッ」
竜はさもおもしろそうに笑う。
本来ならば彼はこのような嬲り殺しに近い展開に、愉悦を覚えたりはしない。
だが、この戦いは彼にとって、とても意義あるものであった。
彼にしてみれば、この戦いは試薬を入れた試験管を振っているのと一緒。結果がわからぬ実験であるのだ。
爪先を弾いて炎弾を飛ばす、氷弾を弾く、雷撃を走らせる。
その一つ一つが、未知なる結果を導くための行程。
元来彼が受けていた指示は、速やかに彼女達を抹殺して虚無の巫女≠フ眼前にその屍を放り出してやることだった。
だが、竜はそれを無視する形で、こうして彼女達と戦っている。
429 :
MtL:2009/05/11(月) 23:38:23 ID:/Qv9cs+X
それは好奇心による行動であった。
彼は見てみたいのだ。
己の手によって、生命が純化するその瞬間を。
命の限界。その果ての果て、選ばれた一握りのものだけがたどり着くことが許される極限。
そこに至る究極の一瞬。
彼はその転化≠フ瞬間を、無邪気なまでの好奇心でもって、待ち望んでいるのだ。
「タバサ! 準備はいい!?」
風音にかき消されないようにするために、怒鳴りつけるようになってしまったモンモランシーの問いかけに、タバサは小さくコクンと頷いてみせる。
彼女のその動作は、反抗の機会が巡ってきたことを示していた。
彼女達はこれまで炎の雨を三度、氷の雨を二度、石の雨・雷撃・猛吹雪をそれぞれ一度ずつ、全てギリギリで回避している。
一撃でも貰えば非力な彼女達などひとたまりもないが、それでも彼女達は未だ健在である。
そこに、勝機があった。
正直、ドラゴンの攻撃は狙いが甘い。
派手さや威力に対して、精度や効果に関して非常にムラがある。
そこからはまるで本気が感じられない。
むしろ一連の攻撃からは、子供が遊んでいるかのような稚気すら感じられる。
ならばこそ、その油断が必殺を牙を隠した彼女達の勝機であった。
「それじゃ、手はず通りにいくわよ!」
「モンモンこそヘマしたら、丸かじりなんだからね!」
「……ごー」
モンモランシー、シルフィード、タバサ。
二人と一匹はそれぞれに気合いを込めて、命を預け合う仲間達に声をかけた。
なにせ、お互いの連携こそがこの反撃作戦の要なのである。
「ほう、仕掛けてくるか」
先ほどから機会を伺っていた様子の相手が動いたことで、竜がますます機嫌良く笑った。
その度、口元の牙の隙間からはチロチロと火の粉が舞い散る。
彼の視線の先には、氷の弾幕を張りながら上昇していく仔竜の姿。
太陽を背に急降下攻撃を仕掛けてくるつもりであることが容易に知れる。
だが、竜はあえてそれを許した。
「被験体No.11923号に対する、『絶望による心的影響による効果実験』を継続する」
彼は最初から、それがどのような形であれ、タバサ達の策略に乗るつもりであったのだ。そして、その上で叩きつぶすつもりなのである。
それは慢心と言えば慢心だ。だが、人が蟻を踏みつぶすという行為に、慢心があるだろうか?
あまりに存在としての格が違う場合、そこには慢心すらも存在しないのだ。
タバサが渾身の力を込めて作り出した氷の弾雨が、竜の吐き出した赤い炎に相殺されて消える。
けれども、タバサ達に動揺はない。彼女達とて馬鹿ではない。これまでの短い交戦で、その程度の力の差が有ることは十分承知しているのだ。
間髪入れずに、第二第三の魔法が放たれる。
支援
431 :
MtL:2009/05/11(月) 23:41:41 ID:/Qv9cs+X
「無駄な足掻きを!」
最初に襲ったのは、周囲の大気を急激に撹拌させる恐るべき乱気流。
「ふんっ」
普通の竜ならば飛行不能に陥るその中を、竜は涼しい顔をして飛び続ける。風の流れを読むことなど。彼の知識と経験を持ってすれば造作もない。
続いて発生したのは氷刃を巻き込んだ巨大な竜巻。
竜は一瞬の思考を巡らせて、それから赤いマナを集めて翼に集中させた。そうして炎を纏わせた翼を羽ばたき、火炎迸る風を発生させて氷刃を次々打ち落とす。
続けざまに魔法が防がれるが、それでもタバサの攻撃は続く。
四度目。今度は頭上の死角から、真空の刃がいくつも奔る。
すると竜はそれを予期していたように首をそちらに向けると、遠く何リーグ先までも聞こえるような音量の咆吼を上げた。
そして豪吼によって生じた空気の振動とぶつかって、真空の刃は消滅してしまう。
「ふん、この程度で終わりか?」
最初の氷撃から始まった一連の波状攻撃を難なく防ぎ、期待と失望が入り交じった声で竜は言った。
彼が見ている方角には、目映い昼天の太陽が光を放っている。
流石の竜といえども、太陽光を相手にしては目を眇めるほかにない。
タバサ達がとった一連の行動から彼が読み取ったのは、彼女達が距離を縮めようとしていることだった。
逃げるつもりならば適度に距離を離して戦えばいい。だが、彼女達は今や陽光を背に急降下を仕掛けてようとしている。
これは明らかに接近戦、あるいは肉弾戦を仕掛けてくるつもりの動きである。
さしもの彼にも、タバサ達がどのような切り札を隠しているのかまではわからない。
けれど彼女達の行動から、近寄って放つその切り札に全てを賭けているであろうことは伺えた。
ならばこそ、竜はそれをおもしろいと思う。
先ほどまでの攻撃を自分が凌いだように、自分の攻撃を彼らは凌ぐつもりでいるのだ。
実に、不遜である。
不遜ではあるが、竜はそれを許すつもりでいた。
困難を突破した末に放つ切り札。それが破られたときの絶望はどれほどのものであろうか。
全身全霊を込めて放った切り札を、ジョーカーによって力任せにねじ伏せられた絶望は、如何ほどであろうか。
その絶望がもたらすかも知れない転化=A彼はそれを心待ちにしているのだ。
かつて『始祖』と呼ばれるプレインズウォーカーがこの世界に施した魔法。彼が行った血統実験、竜はその結実を彼は見てみたいのだ。
『始祖』の直系に連なるもの、色濃く『始祖』の血を受け継いだ者の中に時折発現するという、虚無の系統。
だが虚無の系統の発現は副次的効果に過ぎないと、竜は確信している。副次効果として、プレーンとの高い親和を持つに過ぎない。
その本来の形は、偶然でしか世界に生まれ落ちることのない、久遠の闇と繋がる火花を持つ者を培養するという、数千年をかけた『始祖』の恐るべき血統実験の結果だ。
その成果を見届けた時に浴するであろう、探求の悦楽こそが、この竜の真の目的なのである。
そして、竜にとって幸いなことに、今やワルドはプレインズウォーカーが孕む狂気のために、一人の少女の虜となっている。
かのプレインズウォーカーの目には、既に他の王家に連なる者のことなど目に入っていまい。
それはつまり、彼女の近くにいて、強く彼女の影響を受けた王族の娘、「シャルロット・エレーヌ・オルレアン」に注意が向けられていないということを意味している。
竜にとってタバサは、最初に出会ったそのときから格好の実験対象であったのだ。
加えて、二人のプレインズウォーカーの気配がこの世界から消失していることも好都合だった。
なにもかもが都合のいいほうに転がっている。
今こそは、内に秘めたる欲望を解放する絶好の機会であった。
432 :
MtL:2009/05/11(月) 23:48:46 ID:sh05sAKQ
白炎を纏わせた魔人の蹴撃。
結局それがキュルケに届くことはなかった。
旋風を纏い、突如割り込んできた何者かが、手にした棒状のものでメンヌヴィルの跳び蹴りを受け止めたのである。
そして受け止めた杖を斜めにずらし、何者かはメンヌヴィルの力を受け流す。
すると、狙いがそれたメンヌヴィルが体勢を崩した。
だが、メンヌヴィルは空中でバランスを崩されたというのに、その驚異的な身体能力を使って体を捻り、豪腕を振るって反撃に移ろうとする。
けれどそれよりも速く、男が棒に伝わった力をてこの原理で利用し、コマのようにその場でくるりと一回転。そして遠心力まで加えた杖の一撃が、メンヌヴィルの攻撃が届くよりコンマ先に、その横頭部をしたたかに狙い打った。
流石のメンヌヴィルも、空中で追撃を受けて躱せない。頭部に受けた一撃によって勢いよく弾き飛ばされた。
けれど吹き飛ばされて、それでつけ入る隙を与えたりはしない。
彼は着地と同時に転がって、勢いそのまま跳ねるようにして飛び起きた。
そうやって立ち上がった、その顔に浮かぶは、
「おお、ついに……ついに……俺の前に立ちはだかるか」
歓喜。
一方、助けられたキュルケは呆然として、突如現れた者の姿を凝視した。
現れたのはマントを羽織った長身の男。
杖を手にした彼の顔には見覚えがある。
いや、少し前までは日常的に目にしていた。
彼の名は――
「ミスタ・コルベール……」
そうして炎の熱に炙られる戦場に、教師コルベールはただ静かに立っていた。
英雄は、いつだって遅れてやってくる。
―――ギーシュ
コルベェェェル!
いいところで登場したな
434 :
MtL:2009/05/11(月) 23:52:15 ID:sh05sAKQ
愛・戦士。
色々と忙しく一ヶ月も開いてしまいました。
避難所やスレでお待ち下さった読者の皆様に感謝しつつも申し訳無い気持ちです。
もう少しで忙しいのも一段落付きそうなので、そうなれば以前のペースが取り戻せそうです。
ではではー。
>「バナナくんイチゴちゃんとミルクまぜまぜしたいにゃん!」
サイテーだ!最高にサイテーだwww
乙でした!
やっぱメンヌヴィルはしぶといな
コルベールに期待
MtLの人乙
ギーシュ始まりすぎw
そしてキュルケ組もタバサ組もえらいことになってるな
すごい混戦っぷりだ
>>400 いっそのこと企業ごと召喚しちまおうぜ
キサラギとかトーラスとか
mtlきた。寝る前にいいものが読めた。
>>438 アカツキ・ナガレが召喚されて、ボソン・ジャンプ技術を駆使してネルガルが地球との貿易をおっぱじめるのまでは考えた事がある。
441 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/12(火) 07:47:25 ID:iLPDyJU9
ヴァルキリープロファイルから汚いポッターことレザードが召喚されました\(^o^)/
>438
で聖地に封印されてるのはディソーダーの無人工廠と
それは最後は皆殺しENDのフラグだ
ルイズは召喚したのは平民の老人、強欲そうな鉤鼻だけが目立つしょぼくれた小男だった
その後、ルイズはギーシュと決闘をすることになり、7体のゴーレムと対峙する
するとルイズの使い魔は、どこからともなく火打ち石式の小銃を持ってきた
「一丁で新金貨10枚、7丁買えばサービスで50枚でいいぞ」
ルイズは爺さんに金貨を叩きつけ、買い占めた銃を次々と撃ち、7体のゴーレムを倒した
その後、ルイズは爺さんがどこからか持ってきたクルセイダー戦闘機で竜騎兵を全滅させた
ワルドも風竜に乗るまでもなく、「あんたには空で死ぬ資格は無いわ」と倒される
その後もルイズは活躍し、賞金が振り込まれる彼女の預金残高は着々と上がり続けるが
7万のアルビオン軍との戦いで被弾、かろうじて魔法学園に帰還する
「爺さん、コレ直すのにどれくらいかかるのよ?」
「気の毒じゃが新しいの買ったほうが安いじゃろ」
ルイズが虚無系統の使い手をヤメるには、金貨150枚の違約金を払うか、三年の任期を終えるか
それとも、脱走するか
>>444 凄い調達力。
さすがだなマッコイじいさんw
聖地にある門がガンダールヴの槍を調達する度に、マッコイじいさんに注文してる風景がよぎった。
447 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/12(火) 11:09:08 ID:HAjQseDz
>>443そして始まるディソーダーとAMIDAの頂上決戦!!
>>447 AMIBAの頂上決戦に見えた俺は…ん〜間違えたかな〜?
>442
ひょっとして未だに続刊が出るとか希望を捨てきれないのかね、君?
>金貨150枚の違約金
違約金がえらい安いなと無粋なツッコミを入れてみる
>>444 GJ!
>>450 万がぬけてんじゃね?
というか、シュベー卿の錬金した剣より安いとかはないわw
デルフより五十枚高いだけとか。
平民からして見れば高いのかもしれん、とフォローしてみる。
120エキューで平民一家四人が1年暮らせるんだっけ?
そうするとデルフもけっこうな高級品になるな。あんなもんでも平民には手の出ない高嶺の花か。
ちなみに木刀は下手な剣なら叩き折れるそうだが。
それと、お絵かきに、新たなガイア教の使途がきとった…
mtl乙
やはりコルベール生きていたか
にしてもこの作品の火メイジは強いなw
>>543 某傾奇者は数打ちの太刀程度なら素手で叩き折ってたな…
>>447 むしろ、水没王子が召喚されてハルケギニア版ORCA旅団が…
>>449 続刊?
……ダーティーハリーって本出てたっけ?
まとめの田村玲子召喚読んだんだが、
とりあえず作者は玲子が出てくる所だけでも良いから寄生獣買って読め。
田村玲子は初対面の相手にあんなぶっきら棒な言い方はしないぞ。
っていうかシンイチと話す時も「おまえ」じゃなくて「君」って読んでるし、「〜だわ」「〜のよ」って言い方をしてる。
しかも名前なんてどうでもいいってのはAの主張だろ。
ミギーとジョーも名前はどうでもいいと言ってるが、あいつらは他人に名前を呼ばれる機会なんてほとんど無い。
一個人として生きた玲子が名前の重要性を判ってないってのは、
ルイズが最初の錬金イベントで「失敗するんで辞退します」っていうぐらい原作レイプだぞ。
とにかく原作買って書き直すか、止めるかどっちかにしな。
>>458 >一個人として生きた玲子が名前の重要性を判ってない
田宮良子も名前に関してはいい加減で無頓着だったよ。
だから田村玲子から田宮良子っていう適当な改名して
ミギーにも我々は名前に無頓着だから、と推測され
それで探偵も半信半疑になったんだ。
いざとなれば顔を変えれば済むこと、と人間の肩書きには大して固執してなかった。
つーか、ジョーが「名前なんざどうでもいい」って言ったシーンが、名前に関しては
玲子も同じだってことを表す場面じゃねーか。
実はあまり読んでないだろ?
偉そうに指摘しておいて本人がよく読めていなかったとな、ワロス。
そういえばハルケギニアには月が二つあるんだよな
月から何らかの恩恵を受けるキャラが召喚されたら2倍のパワーになったりするんだろうか
サイヤ人とかムーンアデルバとか
ジョーの寄生主(名前忘れた)「パラサイトって呼ぶのも何だから、ジョーって呼ぶことにしたよ」
ジョー「名前なんてどうでもいいってのにな」
ミギー(そう、名前なんてどうでもいい……)
↓
名前を変えた田村玲子のシーンに切り替わる
ってシーンで合ってたっけ?
寄生生物はみんな名前に無頓着だよな
右だから三木とか
こういう.>458みたいにかじった程度で偉そうにしてるタイプが
偉そうに作品批評しときながらミギーたちの事を寄生獣と書いちゃうようなコラム書いたりするのかなぁ
>>463 探偵への尋問シーンだよ。
「え?名前は変えてるんじゃ」「田宮良子だ」
「た!たみや?」
「こいつは勘だがね。田宮良子・・・に似た名前じゃないか?」
(田宮良子・・・田村玲子・・・)
「なにしろ我々パラサイトは名前に関してはかなり適当、いい加減だからな」
「そうだ、名前なんてどうでもいい」
>>465 そうだったか。うろ覚えでスマン。
しかし、寄生獣って完結からもう14年も経つんだなぁ……。
見てると古い作品のが書きやすいのかなーと思うんだが、年齢層の関係で古めのが多いだけなのかね?
トラクス召喚はあったけどエウメネス召喚は無いな。
>>467 まあ、かなり社会に溶け込んでたはずの田宮が
初対面の人間に対してぶっきらぼうな言い方はしないはずだな
シンイチのときだって最初は丁寧に話してたし
>>462 セーラームーンが召喚されたら、あの決めゼリフはどうなるんだろうね?
もっとも戦わなくてもギーシュ程度は変身して見せるだけで悩殺アウトかもしれんが
そしてどこからともなく現れるタキシード仮面
>>462 犬神明ならどうかな?
むしろ月齢のほうが関係しそうだけど。
>>468 現在進行形で続いている話は書きにくい。
>>462 サイヤ人は月でパワーアップしてるわけじゃないし、
パワーアップも一定のものだから、変わらないんじゃないかな。
ハルケギニアの月が、満月にならなくても1700万ゼノを越えるとかあれば回数は増えるだろうけども。
ふと思ったけど、悟空とかはルイズの母ちゃんの二つ名を聞いたら驚くんだろうなw
>>455 まあ日本刀は平と峰強打すればかなりやばいからな
>>476 ベジータが人工発生器使わなくてもスーパーサイヤ人4になれるんじゃないか?
>>476 月がいくつあってもどんな大きさでも満月にならないと変身に必要なプルーツ波は出ないんじゃないんだっけ?
満月が月に2回あるんなら変身する機会増えるだろうけど。
>>479 すっかり忘れてた、それはありそう。
悟飯、悟天、トランクスとかもなれるかな?
>>480 ハルケギニアの月が地球の月と同じなら、そうだろうね。
>>438 ルイズがキサラギ召喚して
ジョセフがトーラス召喚するのか・・・?
地平線を覆い隠すAMIDAの群れ
空を埋め尽くすソルディオスキャノン
仁王で突撃していくキサラギAC部隊
それをアクアヴィットマンとトーラスマンが迎え撃つのか・・・地獄絵図だな
ていうかベジータって自分で月作れなかったっけ?
かなりパワー使うから奥の手だな
485 :
お前の使い魔:2009/05/12(火) 21:49:56 ID:QWd9vJv0
こんばんはッス
予約が無ければ5分後にでも19話投下しようかと思いまふ
ここどこだろう
わたしはなにをしているんだろう
「では、式をはじめる」
わたしってなに? わたしってだれ? あなたはだれ?
「新郎、子爵ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド。汝は……」
しらないひと
「誓います」
ちかう? なにを?
「新婦、ラ・ヴァリエール公爵三女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。汝は……」
しらないひと
「誓いねぇ……。そうだな、どうする? あ・い・ぼ・う?」
あいぼう? なんだっけそれ?
「チッ! 起きやがれ! 全く、これだから弱っちいゴミむしは嫌いだ」
おきる……起きる? そうだ、起きなきゃ。
「あれ? ここは……?」
目の前には知らない人……、いや違う、この方はウェールズ皇太子殿下だ。
隣にいるのはワルド? どうしたのかしら? やけに驚いた顔をしている。
視線を落とすと、わたしは見慣れないマントを付けていた。確かこれは、新婦のまとう乙女のマントだ。
「ちょっとワルド、これは何なの!? 説明して!」
「ルイズ……君は……」
ワルドに説明を求めるも、何一つ要領を得ない。
そんな中、わたしには聞き覚えのある『声』が響いた。
「ククッ……このワルドとかいう性悪術師は、相棒と結婚してぇんだとよ」
突然聞こえた『声』に戸惑うワルドと皇太子殿下。
しかし、直後に響いた『声』によって、わたしも含めた皆が更に驚くことになる。
「邪魔なセプー雌を殺してでもな」
「やべえ! やべえぞおめ達!! 急げ急げ!!」
タバサの竜に乗ってアルなんちゃらへ向かう途中、突然サビ剣が騒ぎ出しました。
「充分急いでる」
タバサの返事を聞いても納得できないのか、サビ剣は騒ぎ続けました。
「もうほとんど時間が残ってねえ! このまんまじゃ封印が解けちまう!!」
時間が無いのは私のせいです。私の治療のために時間を取らなければ、もしかしたら今頃はアルなんちゃらにも着いていたかもしれません。
「でも、これ以上急ぐと危険」
そう言ってタバサが私を見ました。
恐らく、私の身体を案じて、少し速度を調整してくれていたのでしょう。
なら私の返す言葉はこれしかありません。
「私の事は……気に……しないで下さ……い」
乳でかとキザ男は心配そうに私を見ましたが、タバサはこくんと頷くと、竜に向かって何か囁きました。
「ぐっ……!!」
タバサの術で軽減はされているものの、急激な加速で伝わる衝撃が痛みになって走りました。
慌てて乳でかがタバサを止めようとしましたが、私が乳でかを手で制して頷くと、難しい顔をしたままですがしぶしぶ納得してくれました。
「どうか……間に合って下さい……」
支援させてもらおう
「邪魔なセプー雌を殺してでもな」
邪魔なセプー雌? 殺した? 一体どういうこと?
セプーって確かダネットの……そうだ、ダネット!
「ダネット! ダネットはどこ!? ねえワルド! ダネットはどうしたの!?」
そうだ思い出した。ダネットは仮面のメイジの魔法を受けて……。
「落ち着いてくれルイズ! 違う! 違うんだ! 君の使い魔が死んだのは――」
……死んだ? ……誰が?
「え……? 待ってワルド、どういう事……? 死んだって、また冗談ばっかり言――」
そこまで言って、わたしの脳裏にワルドとの会話が思い出される。
『残念ながら、君の使い魔は……彼女は死んだ。ライトニング・クラウドの直撃を背中に受けて……』
確かに聞いた。そしてわたしはこう返した。
『そう。残念ね』
まるで道端で小銭を落とした程度の口調で。
「うそ……」
「落ち着くんだルイズ!」
何よこれ? 何でわたしの知らない記憶があるのよ?
第一、ここは何? わたしとワルドの結婚式?
もう何が何やら訳がわからない。
「思い出したか相棒? そう、あのセプー雌は死んだ。いや、殺されたんだよこのワルドって男にな」
「くっ……! さっきから何なんだこの声は! どこから喋っている! 出て来い!!」
『声』が響く。わたしの知っている『声』が。
「ククッ、凄かったぜぇ? 死にかけのセプー雌に雷の術をもう一発ぶち込みやがった。見ててスカッとしたぜ」
『声』を聞き、疑いの眼をワルドに向ける皇太子殿下とワルドの姿。
「ワルド君!? 君は一体!?」
「こ、これは違うのです殿下!! これはきっと何かの間違いで――」
焦るワルドの姿に、もう一つの風景がダブって見える。
これはわたしが『目を閉じて見ていた』風景。
『何をするというと……例えばこんな事かな?』
『お、おい! おめ何を!?』
『お別れだ、ガンダールヴ』
倒れたダネットに向かって、笑いながらライトニング・クラウドを放つワルドの姿。
「い……嫌……嘘よ、こんなの嘘よ……」
「ルイズ!」
わたしの肩に縋り付く様に飛びつくワルド。
「いやぁぁぁっ!! 離してっ!! 離してっ!!」
しかし、わたしはワルドの手を払い、飛び退くようにして後ろへ下がる。
するとワルドは、先ほどまでの焦っていた様子から、すっと目を細くし、表情を消していった。
「…………全く、まさかこんな結果になるとは」
「わ、ワルド君! 事情をせつめ――」
そこまで言って、皇太子殿下の動きが止まった。
続けてつんとする臭いがし、真っ赤な血がわたしの目に入る。
「少々順番が狂ってしまったが仕方ない」
血の付いた杖を振り、カタカタと膝を震わせるわたしに向き直るワルドを見て、一際大きな『声』が響いた。
「ハハッ! いいぜそのツラ!! ゴミむしにしとくのはもったいねえツラだ!!」
「これは……」
突然、私の目に、血の付いた武器を構えるエロヒゲの顔が見えました。
その風景はおぼろげで、元の景色と混じって見えます。
「ちょっとどうしたのよダネット! 立ったら危ないわよ!」
乳でかの声が聞こえましたが、私は立ち上がったままじっと前を見つめました。
「私を……」
自然と言葉が口から漏れました。
見える。聞こえる。感じる。
この感覚は、あの時とは違うけれど同じもの。
離れているけれど、左手に感じるこの繋がりがあればきっと。
「私を『支配』しなさいルイズ!!」
支援
「こ……来ないで……」
「…………」
わたしの言葉を無視して、ワルドは一歩一歩、確実に近付いてくる。
その時、『声』が響いた。
「どうした相棒? お困りかい? ククッ」
『声』はのんびりとしていて慌てた様子も無く言葉を続ける。
「困ってんなら助けてやるぜ?」
救いの光が差す。わたしは一も二も無く助けを求めようとした。
その瞬間、脳裏にあの声と顔が浮かぶ。
『お前は言いましたよね? きぞくは背を向けないって。逃げないって。今のお前は逃げてませんか? それがきぞくなんですか?』
逃げる……今、わたしがしようとしたことは逃げる事じゃないんだろうか?
「おい相棒! さっさとしやがれ! 助けてやるって言ってんだ!!」
わたしは何だ? 偉そうに貴族貴族と口にして、いざっていう時は逃げて人任せ?
これが貴族? わたしが望んだ貴族?
「違う……」
「相棒! ヤツが来るぞ!!」
わたしは……わたしは……。
「どこの誰の声か知らんが残念だったね。どうやらルイズは諦めたようだよ。」
「クソが! おい相棒!! 念じろ! 誓え!! 助けてくれって言いやがれ!! 身体の所有権を渡しやがれ!!」
わたしは!!
「逃げない……逃げてたまるもんですか!!」
「何!?」
今のわたしには杖も無いし力も無い。
杖があったとしても魔法の使えない『ゼロ』でしかない。
「だったら何だって言うのよ!!」
拳を振り上げてワルドに殴りかかる。
これが今のわたしの精一杯の力だ。でも、唯一の力なんだ。
「おい相棒!!」
「舐めるなぁっ!!」
慌てた様子の『声』と、怒鳴るようなワルドの声がする。
それと同時に、わたしの身体に衝撃が走る。
「げほっ!!」
吹き飛ばされた後に痛みが走り、ようやく自分がワルドに殴られ吹き飛ばされたのだとわかる。
痛い、苦しい、泣きたい。
「でも……」
諦めない。諦めちゃ駄目だ。
挑んで駄目なら逃げる。自分の足で走って逃げる。自分の力でやってやる。
「無駄だ」
脱出できそうな場所を探していたわたしの目に、ワルドの姿が映る。
悔しい。逃げることも出来ない自分の力の無さが悔しい。
でも、絶対に泣かない。泣くもんですか。
「殺しなさい」
「相棒!!」
わたしの言葉に焦った『声』が響く。
どんなに焦ったって無駄よ。これがわたしに出来る唯一の反攻なんだから。
「……手に入らぬのなら、これも仕方がないか」
ワルドの冷たい声が耳に入る。でも、怖くはない。死んだらまたあんたに会えるはずだから。
そうでしょ? ダネット。
そんな事を考えていると、突然、わたしの頭に聞き覚えのある声が鳴り響いた。
『私を『支配』しなさいルイズ!!』
……何よこれ? 死ぬ間際になったからあんた化けて出てきたの?
支配って何よ? 全く、最後の最後まで訳がわかんない奴ねあんた。
第一、わたしは自分の力でどうにかするの。あんたの力は借りないわ。
全く、あんたってどうしてそう自分勝手でいっつもわたしの言う事なんか聞きやしなくって
ずっと、わたしの傍にいる。
「……どういうつもりだルイズ?」
どういうつもりって? ああこれ? 何か自然とね。
そう、自然に身体が動くのだ。
手が動き、力を流し、呼び求める。
「相棒……? まさかコイツは!?」
身体を括り、魂を括り、我が物とし。
「何だこれは!? くっ! させん!!」
支配する。
以上で19話終了です
書き溜め入れて予定通り行けば、21話ぐらいでアルビオン編終わりそうで一安心
変わりにギーシュの出番が丸々一話分ぐらい減っちゃった気がしますが、きっと気のせいッス
支援してくださった方、ありがとうございました
それでは
ダメットの人乙です。
wktkしつつ正座待機。
>>462 既にチートなムーンアデルバを更に強化してどうするんだよw
>>456 旅団ごと召喚したら古王が大問題だなw
タルブでとぅ〜とぅ〜とぅとぅとぅ
ORCA旅団的にレコンキスタってどうなんだろうな
人類存続のために数十億人殺すような連中だが
貴族社会はやっぱ見過ごせないかねえ
>>470 場面によってはああいう口調でも喋るよ。
余裕のある時は丁寧な女言葉で、
戦いの時(草野と戦った時)とか、
取り繕う必要の無い相手(新一、広川や息子に対して)と話す時は男言葉で話す事が多い。
どっちが本性かっていうと多分銃撃されてる時の思考が男言葉だったから
まあ、男言葉で話す方が地なんじゃないかと思う。
召喚されたシチュエーションの場合はどっちになるの?
>>502 明らかに自分の認識を超えた異常状態なら、臨戦態勢でもおかしくないな。
ただ、相手に明確な敵意がない様子は見てとれるだろうから、
仮面をかぶって取り繕う程度はやってもおかしくない。
ぶっちゃけ、作者のさじ加減だろ。
なるほど、口調によって身体能力その他が変わるってことでおk?
丁寧な女言葉だと、何か制限が掛かるとか。
読みたいやつの更新がこないなぁ・・・
慌てない慌てない
一休み一休み
で一球さん召喚?
ORCAの連中の一部は環境に悪いNEXT使うのに躊躇しそうではある
逆にインテリオル辺りだとお構い無しにアンサラー投入してハルケギニアオワタになるな
>>500 物騒なリンクだなw
呼ばれたようなきが…てのは冗談で、たままたスレ確認したら話題になってたので。
話の段階では、突然異世界に召喚された田宮さんの内心の動揺を、あのぶっきらぼうな口調で表現してみました。
(それに召喚直前の場面が場面ですし…その空気を彼女は引きずってる感じを出したかったのです)
が、皆さんの反応を見たところ、それは失敗したようですね…
>>504 >なるほど、口調によって身体能力その他が変わるってことでおk?
>丁寧な女言葉だと、何か制限が掛かるとか。
いや、そういうものはないはずです 。
スレ汚し失礼。
作者さん自らの解説ありがとうございます。
ありゃ、無いのかw
何か読み違えてるっぽいな。
>>509 「周囲の状況や精神状態で口調が変わる」って話から
なんで「口調が変わると能力が変化する」にシフトするのかが理解できない
原作全く知らなくても普通に考えりゃそんな発想に行きつく筈がない
変な勘違いしただけだろ?
そうまで続ける話か?
魔王伝のせつらを根底にしたギャグだったのでは?
では話題を変えるか。
こういうときの話題は、胸の話か鮫の話だったな。
俺は胸なんぞより、せっかくだから鮫の話を選ぶぜ。
鮫は病気に強く、一昔前には癌にかからないといわれた。
が、今は鮫も癌にかかるということが分かっている。
のだが、癌も自然治癒してしまうくらい病気に強い。
なにこの化け物?
ということで、この化け物にも勝てるヤクザでも呼ぼ・・・
煎餅屋は中身が変化するんであって、口調が変わるのはその結果に過ぎないしなー
ところで煎餅にマヨつけて食ったら魔界医師に軽蔑されそうだな
最近のは読んでないからそんな猛者が既に居るのか知らないけど
代理スレに投下があるから誰か頼む
俺は携帯だから無理
4億年前から殆ど進化してないとかハイスペックすぎるよ鮫は
代理してみる
521 :
毒の爪代理:2009/05/13(水) 07:35:09 ID:y3dKGVR6
314 :毒の爪の使い魔:2009/05/13(水) 07:14:08 ID:lGLrZpuA
アクセス規制を受けてしまいましたので、代理投下をお願いします。
毒の爪の使い魔の第36話です。
凄まじい轟音が静寂が支配していた草原に響き渡る。
それを皮切りに断続的に響く音、音、音。
地面が砕かれる破壊音、鋭利な爪による斬撃音、そして何十発…何百発分もの打撃音。
誰も何も言わなかった…いや、喋る余裕すらなかった。
何しろ目の前の戦いの凄まじさに目を奪われてしまったから。
戦っているのは亜人と幻獣のたった二体だ。
なのに…目の前の戦いは最早一対一の戦いの枠を完全に超越してしまっている。
「オラオラオラ!!!」
ジャンガは叫び声を上げながら蹴りを繰り出し、爪を振り下ろす。
「それそれそれ!!!」
ジョーカーも叫び声を上げながら、太い両腕を鞭の様に振り回す。
両者の攻撃は幾度もぶつかり合い、弾き合う。
唐突にジャンガは大きくその場から飛び退くと、空高く跳躍。
空中から無数のカッターを連射する。
雨霰と降り注ぐ無数のカッターを、ジョーカーは長く伸ばした腕を素早く振り回し、片っ端から弾いていく。
唐突にジャンガは勢いを付けて回転し、特大のカッターを放つ。
ジャンガ自身の回転が加わった事で、カッターはその勢いを増す。
鋼鉄も切り裂かんばかりの威力を秘めているだろうカッターはジョーカーへと飛ぶ。
しかし、当のジョーカーは特に慌てた様子も無い。
振り回していた腕をクロスさせ、身体を前屈みの様な状態にする。
力を溜めているのだろう…、身体が小刻みに震える。
カッターが眼前に迫った。
そこでジョーカーは溜め込んだ力を、両腕を大きく広げると同時に解放した。
「シャアァァァッッッーーーーー!!!」
ジョーカーの叫び声が響き、衝撃波が放たれる。
それは迫り来るカッターを消し飛ばしただけに止まらず、地面を抉り、進路上に在るありとあらゆる物を吹き飛ばしていく。
当然、ジャンガにもそれは襲い掛かった。地面に爪を突き刺し両足に力を込め、それを凌ぐ。
衝撃波が過ぎ去ると同時に、ジャンガは駆け出す。駆けながら四体に分身する。
ジョーカーが大きく腕を振る。すると無数の火球が出現し、四体のジャンガに向かって飛んだ。
火球は次々と地面に着弾し、爆発音が上がる。
ジャンガと分身は着弾よりも一瞬早くその場を飛び退く。
そのまま四方から一斉に飛び掛る。
そこから始まる猛ラッシュ…、四体のジャンガによる怒涛のキック攻撃。
蹴る、蹴る、蹴る、蹴る!
繰り出される蹴りの嵐をジョーカーは両腕で頭を覆い隠し、文字通り亀の様に縮こまって受けている。
蹴る、蹴る、蹴る、蹴る!
ジャンガのラッシュは終わりを見せない。
「うぬぬぬぬ……舐めないでほしいですネ!?」
叫び、ジョーカーは頭を覆っていた腕を大きく左右に広げるや、凄まじい勢いで回転を始めた。
回転の勢いに四体のジャンガは弾き飛ばされた。衝撃で三体の分身が消滅する。
ジョーカーの回転は止まらない。そのままの勢いを保ちながら、ジャンガ目掛けて突撃する。
高速で迫り来るそれをジャンガは紙一重で避ける。
ガガガガガッッ!!
背後で響いた音にジャンガは振り返る。
地面に縦一文字に巨大な溝が掘られている。ジョーカーの仕業なのは容易に想像できた。
315 :毒の爪の使い魔:2009/05/13(水) 07:15:09 ID:lGLrZpuA
恐らく今のジョーカーは高速回転する事により、巨大な円盤状の刃物と化しているのだろう。
それはジャンガの使うカッターとほぼ同じ。しかし、あれとは違って質量が有る。
あれだけの質量の塊を受け止める事など出来る訳が無い。
遠方に飛び去ったジョーカーが方向転換し、此方へと戻って来る。今度は縦ではなく水平だ。
回転速度は更に増している。触れればたちどころに切断されるのは間違い無い。
ジャンガは再度、寸前でそれをしゃがんでかわす。…だが、今回はそれだけで終わらない。
かわすと同時にジャンガはその側面――ジョーカーの腹目掛けて蹴りを放つ。
凄まじく重い蹴りだ、その一撃にジョーカーの回転が止まる。
「んぐっ!?」
苦悶の表情を浮かべるジョーカー。
そこへジャンガは更にもう一発蹴りを叩き込んだ。
ジョーカーの全身から一瞬力が抜けた。すかさずジャンガはジョーカーの横に回りこみ、その横っ腹を蹴り飛ばした。
蹴りの勢いのままに吹き飛ぶジョーカー……だったが、彼もやられてばかりではない。
吹き飛びながら腕を伸ばし、ジャンガの腰に巻きつける。
「ンなッ!?」
「やられてばかりではないですよーーー!?」
吹き飛ぶジョーカーに引っ張られ、ジャンガの身体も宙を舞う。
地面に背中から叩きつけられたジョーカーは、勢いの反動を利用し、腕を振り上げる。
腕は空中で大きく弧を描き、ジャンガはハンマーの様に凄まじい勢いで地面に叩き付けられた。
天高く舞い上がる粉塵。
腕を元の長さに戻し、ジョーカーは多少ふらつきながらも空中に浮かんだ。
そして油断無く粉塵を睨み付ける。
やがて粉塵が風に吹かれて晴れ、視界が利いてきた。
巨大なクレーターからジャンガが立ち上がってくるのが見えた。
今の一撃はよほど効いたのだろう…、見た限りボロボロだ。
だがジャンガは血の混じった唾を地面に吐き捨て、口を拭うとニヤリと笑みを浮かべながらジョーカーを見る。
「今のは効いたゼ、ジョーカー!」
その言葉にジョーカーも笑う。
「ジャンガちゃんの蹴りもですよ!」
互いの言葉に互いに笑い、再び両者は激突する。
お互い身体の事など気にも留めない。
とにかく今は一分一秒でも長くこの”ケンカ”を続けていたかったのだ。
「ええい、ミスタ・ジョーカーは何をしているのだ?」
うろたえた表情でクロムウェルが呟く。
その隣でシェフィールドも苛立たしげに眼下の様子を見ている。
クロムウェルが更に騒ぎ立てる。
「竜騎士隊も何をしているのだ? 何故攻撃を仕掛けない!?」
そう、先程から竜騎士隊はまるで動いていなかった。
今は攻撃を仕掛けるチャンスであり、更に友軍であるジョーカーを援護するのは当然の事だ。
なのに竜騎士隊は動かない。
――否、彼等が動かないのではない。”竜”が動かないのだ。
ハルケギニア最強の幻獣である竜だが、最強であるが故に相手の強さにも敏感なのだ。
そう…、火竜達は怯えていた。眼下で繰り広げられる戦いに…、その戦いを起こしている”二人”に。
二人が発する猛烈な殺気と気迫は火竜達に強烈なプレッシャーとなっているのだ。
――手を出せば殺される。
本能で実力差を悟った火竜達は、竜騎士が幾ら叱咤しても決して動こうとはしなかった。
遠くから二人の”ケンカ”を呆然と見ているルイズ達。
「な…何なのよ、あいつら?」
ルイズがようやく口を開いた。
316 :毒の爪の使い魔:2009/05/13(水) 07:16:26 ID:lGLrZpuA
”ケンカ”とあの二人は言っていたが、始まってみればそれは”ケンカ”などとは絶対に呼べない代物だった。
二人が戦えば戦うほど、周囲の地形がどんどんどんどん変わっていく。
クレーターは数え切れない。
互いの傷も増える一方で、決して浅くない。
”ケンカ”と言うより最早”死合”のレベルだ。
戦っているのは目の前の二人だけではないのではないか? と思えてしまうほどに凄まじい戦い…いや”ケンカ”だ。
「これをケンカって……どういう感覚をしてるのよ?」
今更考える事ではない気もするが、ルイズはそう呟いた。
タバサもまた呆然と二人の”ケンカ”を見ていたが、ルイズとはまた違った事を考えていた。
ジャンガとジョーカーは互いに相手を全力で攻撃している。
そう…”殺すつもり”で。
タバサはジャンガとジョーカーが睨み合った時から、二人が放つ殺気を感じ取っていた。
そんな高密度の殺気と殺意を込めた攻撃、そこからタバサは直感していた。
――二人は”ケンカ”と言う名の”殺し合い”をしている。
本気の殺し合い…、命のやり取り…。
二人の中がどれ程の物かはタバサには知るよしも無い。
しかし、あれほどまでにジャンガに拘り続けたジョーカーがそう簡単に好意の対象に殺意を向けるだろうか?
…いや、好意を向けていたからこそ、自らを拒絶された事で激しい憎しみと殺意が湧いたのかもしれない。
本の知識だけでなく、そう言った筋書きの物語を読んだ事もあったから良く解る。
…だが、目の前の二人は本当にそうなのだろうか?
タバサはもう一度二人をよく見た。
二人からは間違いなく殺気を感じる。…だが、同時に気が付いた事もあった。
(笑ってる…?)
そう、二人は笑っていた。それは相手を蔑み、嘲笑っているような物ではない。
楽しい事をしている時に、喜びを感じている時に浮かべるそれだと言う事をタバサは解った。
二人とも全身傷だらけであり、夥しい鮮血を流している。
攻撃も一撃一撃に殺意が込められており、相手の命を奪おうとしているのは良く解る。
…だが、それでも二人は笑っていた、楽しんでいた。
それは二人で遊戯をしているように見えた。
知らし合わせたかのようなタイミングの合った打ち合いは、見ればダンスを踊っているようにも感じる。
そこでタバサは再び気が付いた。
――二人には”殺気”こそあれど、相手に対する”憎悪”が無いのだ。
本気で殺し合いながら互いに相手を憎悪していないとは…、何とも奇妙だった。
しかし、とタバサは思う。
「それがあの二人らしいのかも…」
…自分はあの二人の過去を知らない。どのような事をしてきて、どのような事を経験してきたのかを。
ただ…それがどんなに自分達にとっては酷い事であっても、二人にとっては楽しい事だったのかもしれない。
自分はジャンガの過去を見て彼の全てを知った気になっていた。
そして、昔の頃のジャンガこそ本当のジャンガなのだと思ってもいた。
…だが、それは間違いであったのかもしれない。
彼は彼…、その生き方を他人がどうこう言うのは失礼な事ではないのだろうか?
まぁ、それを言ってしまったら、自分の復讐に対して色々と言ったジャンガも失礼だという事になるが。
いや…、そもそも彼の辞書に『失礼』などと言う言葉があるのだろうか…?
…色々と腑に落ちない事も在るが、とにかく自分の価値観を相手に押し付けたり、当て嵌めたりするのは失礼だろう。
さっきのジョーカーとの会話でもそう。
自分は過去を知っているからと、ジョーカーの中のジャンガへの思いや価値観を否定したのだ。
…例えそれが事実だったとしても認めたくない物が世の中にはある。
自分だってジルに、ジャンガに、痛い所を指摘されて頭に血が上ってしまったのだから良く解る。
ジョーカーは言っていた…『後からでしゃばって来たくせに』と…。
そうだ……自分は後から割り込んできた部外者なのだ。
あの二人はそれこそ、ここ<ハルケギニア>に呼ばれる前からの付き合いだ。
だからこそ、ジョーカーは自分達の関係を崩される発言が許せなかったのだろう。
317 :毒の爪の使い魔:2009/05/13(水) 07:17:30 ID:lGLrZpuA
「…そうだよね」
タバサは考える…、自分も大切な親友と引き離されるような…、関係を崩されるような事を、
見ず知らずの相手に言われたら自分はどう思うかを…。
…まず間違いなく不愉快になる。そのような事を言った相手を許さないだろう。
そこまで考えてタバサは二人を三度見つめた。
未だ二人は打ち合っている。
殺気を放ち、一撃一撃に殺意を込め、互いを打ち合い、傷付け合う。
そして、一切の憎しみを抱かず、純粋に楽しみ合い、喜び合っている。
とても仲良く見えた…、羨ましい程に…。
これで何度目の打ち合いだろうか?
もう数えるのもバカらしい位に続けている。
本来の目的を覚えているのかどうかも疑わしい…。
否、実際二人はもう他の事などどうでもよくなってきていた。
今している事が…”ケンカ”が楽しい。
こんなに自分を解放してぶつかり合った事が無いから余計にそう思えた。
殺気を放ち、本気で相手を殺そうとしながら…、それでいて心の底からそれを楽しむ。
これで死んでも本望だ…、二人は本気でそう考えていた。
知らし合わせたかのように同時にその場から離れ、相手と距離を取った。
互いに荒く息を吐き、苦しそうに呼吸する。
両者共に全身傷だらけで、夥しい鮮血を滴らせている。
体力も気力も既に限界は突破している、…もう長くは戦えないだろう。
そして…、それはこの”ケンカ”も終わりが近づいている事を差していた。
ジャンガとジョーカーは互いに見詰め合う。
――この”ケンカ”が終わったら、次に会えるのはいつになるだろうか?
――また笑って話は出来るだろうか?
――そもそも、殺し合っているのに相手を無事に生かして終わらせられるのだろうか?
疑問は尽きない。でも、決着は直ぐそこだ。
ならば、後は結果が全て。
会う事が出来ないならそれまで…。話す事が出来ないならそれまで…。殺してしまったら…それまで…。
互いに後悔は無い…、だって…こんなに楽しい時間を過ごせたのだから。
…二人はこの瞬間、自分を呼び出したご主人に、楽しい一時をくれた相方に、心からの感謝を贈っていた。
――太陽が月に完全に隠れ、辺りは一層の暗闇に包まれた。
「ジャンガちゃん! 全力で行かせてもらいますよーーーーー!!!」
「上等だ! 来な!!!」
ジョーカーは再び高速回転を始める。
だが、今度は先程のような体当たりではない。
回転を始めたジョーカーを中心に空気が渦を巻き、竜巻が発生する。
それは瞬く間に成長し、スクウェアクラスのメイジでも指折りしか生み出せないような巨大な竜巻になった。
それに留まらず、竜巻は徐々に赤みを帯び、遂には炎を噴出す。
ジョーカーが竜巻に炎を混じらせているのだ。
名付けて『フレイムトルネード』。
膨大な熱量と火力を含んだ赤い竜巻は、進路上の全てを飲み込み灰にする。
318 :毒の爪の使い魔:2009/05/13(水) 07:18:44 ID:lGLrZpuA
竜巻が動き出した。
それなりの速度でジャンガへと向かっていく。
ジャンガはニヤリと笑い、竜巻に向かって駆け出す。
――ケリを付ける。
ただそれだけを考え、ジャンガは両腕を振り上げた。
左手のルーンが一層激しく、眩く輝く。
ジャンガは両腕をクロスさせる様にして振り下ろす。
同時にジャンガは速度を速める。
X字に飛ぶカッターが竜巻に当たった。
ほんの一瞬、カッターの当たった所に穴が開いた。
二つのカッターの衝突で一際穴が大きい中央にジャンガは飛び込んだ。
竜巻の内部へとジャンガは立つ。
予想通りの無風状態、台風の目のような物だ。
そこはまさに灼熱地獄…、サウナを何十倍、何百倍にも強めた様な猛烈な熱気がジャンガを襲う。
本来ならこの竜巻に飲み込まれた時点で黒焦げになるのだが、
ジャンガは耐火コーティングを施した特注のコートを羽織っていたのでそれは免れた。
上に目を向ける、未だ回転を続ける相方の姿があった。
「…チェックメイトだゼ」
飛び上がり、その腹に両の爪を振るう。
綺麗に並んだ赤い線が六つ、交差するように刻まれる。
回転が止まった。
すかさず、問答無用で全力の蹴りを連続して叩き込んだ。
ジョーカーは声の無い悲鳴を上げる。
息が続かず、ジャンガは蹴りを止め、地面へと着地した。
荒い呼吸を繰り返しながら、真上を見上げる。
ジョーカーはフラフラしながらその高度を徐々に落としている。
――再び目が合った。
「…俺の一勝だ」
「のほ、ほ……そうです、ね…。ジャンガちゃん…おめでとう…ござい、ますネ…。
次は……負けませんよ…?」
「ああ…、負けるつもりは無ェがよ…」
「ジャンガちゃん……正義、ごっこ…、まだ……続け、ます…か…?」
「……飽きたらお前の所に行ってやる。…それまでせいぜい生きてろ」
「…待ってますよ…、ジャンガちゃん…」
互いに笑う。
「楽しかったゼ…、ジョーカー…」
「ワタクシも…ですよ…、ジャンガ…ちゃん…、のほ、ほ…」
次の瞬間、ジャンガの凄まじい蹴りがジョーカーの腹に打ち込まれた。
「のほほほほほーーーーー!!! ジャーーーーーンガちゃーーーーーん!!! アーーーーーディオーーーーース!!!」
叫び声を残しながら凄まじい勢いで吹き飛ぶジョーカーは、
上空の竜騎士を数名巻き込みながらレキシントン号の船底をぶち抜いた。
ショックでレキシントン号の船体が大きく揺らいだ。
ジョーカーを蹴り飛ばし、ジャンガは遂に精根尽き果てたのか……地面に大の字になって倒れた。
そこに戦いが終わったのを見届けたルイズ達が駆け寄ってくる。
「ジャンガ、しっかりしなさいよ!?」
ルイズが半分泣きそうな顔で怒鳴る。
ジャンガは元気の残っていない顔で無理矢理ニヤニヤ笑いを浮かべる。
「ケッ、ウルセェよ…クソガキ…。俺は別に…平気だってんだよ…」
支援
319 :毒の爪の使い魔:2009/05/13(水) 07:20:15 ID:lGLrZpuA
「全然大丈夫じゃないじゃない!? ちょっとまってなさいよ…」
急いでモンモランシーが治癒を掛けるが深手だ。それにタバサやキュルケの応急処置で精神力を大分消費している。
意識が遠退きかけ…モンモランシーは治癒を使うのを止めた。
「これで限界…」
怪我は殆ど塞がっていない…、危険だ。
「わたくしにまかせてください」
そう言ったのはアンリエッタだ。
杖を翳し、ルーンを唱える。優しい水魔法がジャンガの身体を癒す。
「…やれやれだゼ。玩具に…助けられるたァな…」
そんなジャンガにアンリエッタは微笑む。
「あなたには色々と貸しがあります…、これ位は当然の事です」
その言葉にジャンガは笑った。
「要求…」
「え?」
「…俺の要求…、タバサ嬢ちゃんの母ちゃんの事だ…。守ってくれてありがとうよ…」
その言葉にアンリエッタだけでなく、ルイズやタバサも目を見開く。
当然だ…、彼はここに来るまで眠っていたはずなのだから、タバサの母の事を知るはずがない。
ジャンガはそんな一同の表情に笑う。
「キキキ……教えてもらっただけだ…。簡単な理屈だろ…?」
「誰によ?」
「…ンな事、どうでもいいじゃねェかよ…」
ルイズ達は顔を見合わせる。
「ンな事より……上の”アレ”…どうすんだ?」
一同は空を見上げる。上空にはまだ十数の竜騎士が飛んでいる。
レキシントン号は船底にジョーカーの衝突で出来た大穴が開いているが、未だ健在だ。
こちらにあの巨艦への攻撃手段は殆どない。グリフォン隊もマンティコア隊もほぼ全滅。
唯一、タバサのシルフィードはまだ飛べるようだが、如何せん戦力差が有りすぎる。
タバサもキュルケもギーシュもモンモランシーも精神力は殆ど打ち止め状態。
ジャンガは見ての通りの戦闘不能。…完全にお手上げだった。
「チッ…、あのデカブツ……とっとと沈んでりゃいいのによ…」
ジャンガが苦しそうに悪態を吐く。
アンリエッタの治癒で傷は大分塞がったが、それでもまだ大怪我のレベルだ。
「…クソが」
それでもジャンガは立ち上がろうとした。
ルイズとタバサは必死に制する。
「やめなさいよ!? まだ重傷なんだから!?」
「動くと傷が開く」
しかし、ジャンガは彼女達の制止を振り切って立ち上がった。
「死ぬまで終わらねェ…、死ぬまで負けじゃねェ…、死ぬ直前まで抗ってやる…。
認めねェ…認めねェぞ。俺の玩具箱を好き勝手に荒らされてたまるかよ!」
ルイズはそんなジャンガの姿を見ていて悲しくなった。
あんなに必死に戦ってようやく勝利したのに……敗北が確定しているなんて…。
本人が言っている通り、ジャンガは死んでも認めないだろう、そんな事は。
ルイズは徐に懐に入れていた始祖の祈祷書を取り出し、ページを捲った。
この辛い事実をほんの一瞬でも忘れたい…、そんな感じの現実逃避にも似た感情が起こさせた意味の無い行動だった。
…そう、意味の無い行動のはずだった。
「え?」
指に嵌めた水のルビーと始祖の祈祷書、そしてポケットに入ったある物が輝きだした。
慌ててポケットの中の物を取り出す。
「う、嘘?」
輝いていたのはヒーローメダル。輝きが収まるとそこには赤茶色に変わったメダルがあった。
他の皆も驚いていたが、アンリエッタが一番驚いた。
「ルイズ…どうして、メダルの色が?」
「わ、解りません。どうして…こんな事が…」
ルビーと祈祷書は未だ輝いている。
そして、祈祷書の光の中に文字を見つけた、…古代のルーン文字だ。
支援
320 :毒の爪の使い魔:2009/05/13(水) 07:21:40 ID:lGLrZpuA
――序文――
――これより我が知りし心理をこの書に記す。この世の全ての物質は小さな粒より為る――
――その粒に干渉し、影響を与え、変化せしめる呪文は『火』『水』『風』『土』の四の系統と為す――
――神が我に与えし力はその四の系統の何れにも属せず、更なる小さな粒へと干渉し、影響を与え、変化せしめる――
――四にあらざるそれは零、すなわち『虚無』。この力を我は『虚無の系統』と名づけん――
「ちょっと…どうしたのよ、ルイズ?」
呆然と祈祷書を見つめているルイズが心配になり、キュルケは声を掛ける。
気になって横から祈祷書を覗き込む…が、何も書かれていない。白紙だ。
「何も書いていないじゃない…。こんな白紙の本を見てどうしたのよ?」
「虚無の系統…」
ルイズがポツリと呟く。
「え?」
「伝説じゃないの…、伝説じゃないの!」
突然声を荒げたルイズに全員が驚いた。
「どうしたのよ、急に大声出して?」
「これが驚かずにいられる!? 虚無よ虚無! この始祖の祈祷書に虚無の系統の事が書かれているのよ!」
「きょ、虚無?」
ルイズは再び祈祷書に目を落とす。
――これを読みし者は、我の行いと理想と目標を受け継ぎ、そのための力『虚無』を担いし者なり――
――力の担い手よ、志半ばで倒れし我と同胞の為、異教に奪われし『聖地』を取り戻すのだ――
――『虚無』は強力なり。強力ゆえ、その詠唱は永きにわたり、多大なる精神力を消耗する――
――詠唱者は注意せよ。強力過ぎる力は時に己自身の命を削る――
――故に我はこの書の読み手を選ぶ。資格無き者にはこの書は開かれぬ――
――選ばれし者が『四の系統』の指輪を嵌めし時、この書は開かれる――
――『ブリミル・ル・ルミル・ユル・ヴィリ・ヴェー・ヴァルトリ』――
――以下に、我が扱いし『虚無』の呪文を記す――
――初歩の初歩の初歩。『エクスプロージョン(爆発)』――
文の最後からは古代語の呪文が続いている。
ルイズは呪文を見ながら呆然と呟く。
「ねぇ、始祖ブリミル? あなたバカでしょ…、間違いなくバカでしょ?
指輪が無くちゃ『始祖の祈祷書』は読めないんでしょ? 意味無いじゃない。
普通、注意書きってのは解り易く書いてあるべきでしょ? 読めないんじゃ注意書きの意味が無いわよ。
そんなの子供でも解るはずなのに…だっさいわね」
半ばジャンガっぽい台詞を混ぜて呟きながらルイズは考える。
『エクスプロージョン(爆発)』と記された虚無の呪文。
以前、学院の襲撃事件が起きる前、練習の際に一度考えた事が頭を過ぎる。
530 :
321.1:2009/05/13(水) 07:45:03 ID:y3dKGVR6
321 :毒の爪の使い魔:2009/05/13(水) 07:22:50 ID:lGLrZpuA
――自分の爆発は実は”失敗”ではなく、成功なのではないか?
――この爆発は伝説の”五番目の系統”ではないのか?
その時はありえないと気にしない事にした。だが、現実に自分は祈祷書を読めた。
と、言う事は自分は担い手なのではなかろうか?
ルイズは暫し考え込み、意を決して頷いた。
「タバサ、シルフィードをお願い!」
ルイズのその余りに唐突な言葉に一同呆然となる。――ジャンガは笑っていたが。
「ルイズ、何を考えているのです!? あなた一人であの大群に挑んでも死にに行くような物よ!?」
アンリエッタは必死な表情でルイズに言う。
当然だ、幾らなんでも無謀だ。ルイズの戦いを見ていたが、失敗とされている爆発は思ったよりも威力はあった。
それでも足場の無い空中で、竜騎士を相手にするには心細い。結果は火を見るよりも明らかだ。
だが、ルイズは揺ぎ無い決意を秘めた目でアンリエッタを真っ直ぐに見つめた。
「大丈夫です、なんとかしてみせます」
「何とか、つってもなァ〜…、賞賛は在るのかよ?」
ジャンガが頭を掻きながら問い掛ける。
そんな彼を見つめてルイズは軽く笑みを浮かべる。
「何かね……選ばれちゃってたみたいなの」
「ったく…、まだかよ?」
ジャンガがイライラしながら背中越しに後ろを見る。
始祖の祈祷書を片手に、杖を掲げて詠唱を続けるルイズが目に入った。
――散弾が飛んで来た。
ジャンガは即座にカッターを乱れ撃ち、散弾を切り裂く。
しかし全てを防ぎ切れず、数発が肩口に当たった。
「もう止めなさいよ!? いい加減限界でしょ!?」
「あなたの分はわたし達がカバーする」
キュルケとタバサの気遣う声にジャンガは鼻を鳴らす。
「冗談じゃねェ…、玩具にこれ以上……借り何ざ作るかよ」
支援 あと3レス?
532 :
321.2:2009/05/13(水) 07:45:53 ID:y3dKGVR6
改行大杉言われたわ
現在彼等が居るのはタルブ上空。
ルイズが「何とかする」と意見を貫き通し、タバサのシルフィードで上空の巨艦へと向かっているのだ。
シルフィードにはルイズの他に、まだ精神力が残っているタバサとキュルケ、
そして傷付きながらも戦意を未だ失っていないジャンガが乗っている。
全員を乗せたシルフィードは戦艦へと向かって飛ぶ。
当然、敵もすんなりと近づかせてはくれない。艦砲射撃や生き残っている竜騎士の執拗な攻撃に晒されていた。
それらの攻撃からルイズを守るべく、キュルケとタバサ、ジャンガは残された力を振り絞る。
だが、流石にそろそろ限界が近い。
「クソッ…、また身体がダルくなって来やがった…。ルーンは有るのに……なんでだ?」
悪態を吐くジャンガにデルフリンガーが答える。
「そりゃ当然だ。ガンダールヴの活動限界が近づいてるんだからよ」
「何?」
「ガンダールヴは心の震えで力を増すってのは前に話しただろ?
だけどよ…確かに力は上がるが、それだけ活動限界も早まるんだ」
「…活動限界なんざあるのかよ? メンドくせェ…」
「勘違いするなよ相棒? お前さん…ガンダールヴの役目は敵を倒す事じゃない。
”呪文詠唱中の主人を敵の攻撃から守る”……ただそれだけだ。敵を倒す事が目的じゃないのさ」
ジャンガは思いっきり舌打ちをする。
「まぁ、相棒の強さは並外れてるし…、何だか解らないが…俺の知ってるのより力強い気がするし。
そこらのザコが相手なら、呪文詠唱が終わる前に片が付くだろうな。
けどな…今回ばかりは相手が……いや、状況が悪い。
あんなお前さんに匹敵するような化物とさんざドンパチやりあったんだ…、そりゃ限界も来るさ。
相棒…悲観する事ぁねぇよ。…お前さんは十分役目を果たしたさ」
「フンッ…、使い魔の役目を果たしたつもりはねェ…」
「それに安心しな。もう詠唱は終わるぜ」
支援
1レス60行
長い長い詠唱…、古代のルーンを呟き続けるうちに身体の内から魔力が溢れ、ある種のリズムが生まれる。
身体の内で何かが生まれ、行き先を求めて回転する…、魔法を唱える者はそんな感覚を感じるらしい。
誰かが言ったその台詞を思い出しながら、その身体の内のリズムに従うようにルーンを口ずさんでいく。
――シルフィードが竜騎士を振り切り、戦艦の上空へと達した。
その時、ルイズの長い詠唱は完成した。
しっかりと目を見開き、眼下のレキシントン号と竜騎士を見つめる。
選択肢は二つ…。殺すか、殺さないか。
「…二つじゃないわね」
散々自分達を痛めつけ、アンリエッタやタルブの人々を苦しめた連中に情けなど無用。
だが、敵とは言え…殺すのは何となく気分が悪い。でも、無傷で済ますのも納得がいかない。――ならば。
「間を取ればいいわね」
言ってルイズはニヤリと笑う。
その顔を見たキュルケとタバサは唖然となり、ジャンガは、ホゥ、と感心したような表情になる。
――その時のルイズの笑顔は、ジャンガの浮かべる凶悪な笑みと瓜二つだった。
「半殺しで済ましてあげるわ…、慈悲深いわたしに感謝しなさいね…」
冷たく言い放ち、杖を振り下ろすと同時に叫んだ。
「くたばりなさぁぁぁぁぁーーーーーーーい!!!」
――刹那、太陽と見間違うばかりの巨大な眩い光の玉が生まれ、レキシントン号と竜騎士の全てを飲み込んだ。
日食が終わり、暗闇に閉ざされた大地に光が戻った。
戦いは一応の終わりを迎えていた。
ルイズの放った『魔法』はレキシントン号を炎上させ、竜騎士を尽く黒焦げにした。
竜騎士や竜、レキシントン号に乗っていた乗組員は生きてはいるが酷い火傷を負っており、
動く事もままならない状態だった。今は生き残ったトリステイン軍に残らず捕縛され、必要最低限の応急処置を施されている。
そして、ルイズとタバサ、ジャンガの三人は今、川の字で眠っていた。
無論、ジャンガが望んでこうしている訳ではない。
最初に疲労が頂点に達していたジャンガが、地上に戻ったと同時にアウト。
それに続いてルイズが彼の右腕を枕に、マフラーの余った部分を首に巻いて添い寝。
それを見て羨ましがったタバサが残った左側をルイズと同じように確保。
…そして、現在の状況に至ったのだった。
――そんな彼等は夢を見る。
一戸建ての一軒家。豪華ではないが、みすぼらしくもない綺麗な家。
家の中でソファーに座りタバサは膝の上に”タバサ”を置いてイーヴァルディの勇者を呼んでいる。
彼女の隣には薄ピンク色の毛をした猫の亜人の少女が座っている。
タバサはその少女に姉妹のように接しながら、優しい声で朗読を続ける。
テーブルの上ではルイズが編み物で悪戦苦闘していた。
それをピンク色の髪をした猫の亜人の女性が編み物を指導している。
必死に学び、編んでいくが上手くいかずルイズは、ムキー、と唸った。
そこへ扉が開き誰かが帰って来た。
それが誰かなど解りきっているかのように、全員が玄関へ向かう。
そこには待ち望んでいた相手が立っていた。
紫色のコートに長いマフラーを巻いたその相手にルイズとタバサ、少女は抱き付いた。
彼はいきなり抱き付かれ、困った表情を一瞬浮かべるが、すぐに満更でもない表情になる。
そして、そんな自分達の様子を見守っている女性に気が付く。
「ただいま」と言うと、「おかえり」と女性は返した。
「幸せそうな笑顔ね…」
結果として寄り添うような形で眠る三人を見つめながらキュルケは呟く。
三人の表情は眠った直後よりも心なしか微笑んでいるようにも見えた。
「どんな夢を見ているのかしら?」
「素敵な物には間違い無いだろうさ」
モンモランシーの言葉にギーシュが答える。
「今はゆっくりと眠らせてあげましょう。今回の戦…三人のおかげで勝てたような物ですから」
アンリエッタの言葉にキュルケ達は深く頷く。
そして、眠り続ける三人を温かく見守った。
――同時刻、眠るジャンガ達の居る場所から離れた五千メイル上空。
「フン、とりあえず担い手の覚醒は成功か…」
男が呟く。遠い異国の服を纏った男だ。
その男は異型に乗っている。毒々しい紫色の体色をした異型に。
異型の背には傷だらけのジョーカー、そしてシェフィールドの姿が在った。
シェフィールドは悔しそうに歯噛みをする。
「ガンダールヴ…、またしても…」
「そう悔しがる事も無かろう? 最低限の目的は果たしたのだからな」
男が宥めるがシェフィールドの怒りは収まらない。
「このままじゃ済まさない…、絶対に…報いを与える。
わたしが味わった屈辱と、ジョゼフ様を侮辱した事への報いを…」
拳を強く握り締める。
それを見て男は頭を振った。
「まぁ、今は休むがいい。先も言ったが、最低限の目的は果たしたのだ。
ジョゼフも喜びこそすれ、お前を攻めなどしないだろう」
「…ジョゼフ様が赦そうとも、わたしは自分が赦せぬ」
「とにかく休め。何をしようにも、今はもう退く以外に手段は無いのだからな」
そう言って男は眼下の様子に目を向ける。
捕らえられたレコン・キスタの人間が次々に連行されていく。
男は鼻で笑った。
「まだアルビオンに戦力は残っている。足りなければ補充すれば良いだけ…、然程の事ではない」
「クロムウェルはどうした?」
「ククク、奴には最後の役目を果たしてもらったよ」
男は右手に握った槍の様な、杖の様な棒状の物を見せる。
それの先端は紅く濡れていた。
「そうか」
「哀れでいて実に滑稽な傀儡だったな。最後の最後まで踊らされ続けるだけ……少しは抗ってみてもいいものを。
まぁ…所詮は一介の司教、意志の弱い凡人。さすれば、人形として踊り続けていたのも一つの幸せだろう。
とりあえず、これでアルビオンの兵士への戦意高揚は図れる。
ジョーカーがこのようになったのは少々計算外だが……なに、ちょっとした修正が入るだけだろう。
事は全て上手く進んでいる…、定められた未来へと…絶望へと進んでいる」
男は大仰な仕草で演説するかのように言葉を続ける。
「人々の恐怖と絶望は、この上ない悪夢となりて闇を起こすだろう。ククク…そうだ、闇が世界を覆うのだ」
「嬉しそうだね?」
「グハハハハハ! 当然だ! 愚問だ! 今一度闇が…”ナハトの闇”が目を覚ますのだ!
これを喜ばずしてどうする!? グハハハハハハ!!!」
男は笑った。堪えられないと言った感じで笑い続けた。
男の笑いは何処までも澄み切った青空に不気味に響き渡った。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
以上で投下終了です。
ジャンガ&ジョーカーのケンカは出来得る限り激しく、派手にしたつもりです。
やっぱりケンカするほど仲が良いって言いますものね。デモンベインの二人もそうだし(苦笑)
あと、他にもイメージとしては、ひぐらしのなく頃に罪滅ぼし編の圭一とレナも入っています。
夢のネタは原作十巻最後の方から。
まぁ『ジャンガの幸せ家族計画』とでも思っていてください(笑)
長かったですが、これでアニメ第一期分は終了です。
とはいえ、別に更新スピードが落ちたりする訳ではないのでご安心を。
ただ、ジョーカーの出番は暫く無いでしょう。あらかじめご了承ください。
では、また次回。アーディオース♪
325 :名無しさん:2009/05/13(水) 07:48:10 ID:caHIUDCI
さるさん喰らったんで誰か続きplz
代理及び代理の代理投下完了
537 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/13(水) 10:04:35 ID:2XzbapKN
魔法少女リリカルルイズは今お休み中なの?
色々考え事とかしてたら二ヶ月近くになってしまいました
覚えてる人いるかなぁ?
とりあえずお約束。
誰もいない……?
投下するなら今の内……
12:40ぐらいから……
だが居るぜ支援
今日は仕事休みなんよ
ゼロの氷竜 十八話
「……そこまでにしておけ」
ブラムドが声をかけなければ、おそらくルイズはキュルケの左腕に噛みついていた。
それも、数日は跡が消えないほどの強さで。
キュルケはなぜると言うよりは手のひらを押しつけるといった方が相応しい行為を取りや
め、ルイズを抱え込んでいた左腕を解放する。
二人は互いに顔を背けているが、その表情は怒っているものではない。
さらには時折、互いを伺うように視線を投げている。
目線があった瞬間、全力で顔を背ける動作は鏡に映したかのようだ。
照れ隠しと見て取ったブラムドは安心し、ゆるんだ表情を正しながら改めて声を発する。
「さて」
少女たちが、その声に視線を集める。
「ルイズ、お前は何にために魔法を求める?」
その問いに、ルイズは即答できなかった。
魔法を使えることは、メイジであること、すなわち貴族であることの前提となる。
しかし、魔法を使えることが貴族であることか。
……違う。
自問に、ルイズの心が即座に答えを返す。
次の瞬間、ルイズの口は自然に動いていた。
「私は、お父様やお母様のような立派な貴族になりたい」
その目は、真っ直ぐにブラムドへと向けられている。
「平民は貴族のためにあり、また貴族も平民のためにある」
幼い頃から聞かされた父の教えが、無意識に口をつく。
「平民に平民の仕事があるように、貴族にも貴族の役割がある」
魔法が存在するため、平民の手に負えない冶金、建築、医療などの技術。
オーク鬼などに代表される脅威の排除。
戦時における国土の防衛。
「そして……」
ルイズのまぶたの裏に、シエスタの、親友の姿が浮かぶ。
「平民に敬意を持ち、平民から尊敬されるような立派な貴族になるために……」
その輝かしい貴族像は、現在の大多数の貴族にとって絵空事に過ぎない。
だが、そんな貴族であろうとする少女も存在する。
さらにルイズは言いつのる。
「使い魔の主として相応しい存在であるために……」
主の、あたかも自らに挑むような視線を、使い魔は心地よさを覚える。
「私は魔法が使えるようにならなければならない」
形を成していなかった思いが、言葉によって目標に変わる。
進むべき道を見出したことで、ルイズは四肢に力がみなぎるのを感じていた。
キュルケはルイズの瞳に映る炎を見ていた。
かつて自らが点火した、怒りによるどこか薄暗い炎ではない。
目標を得た人間の輝かんばかりの炎を、キュルケは少し目を細めながら見ていた。
タバサはルイズの様子を見て微笑む一方、キュルケの表情を見て思う。
……まるで姉妹。
微笑むタバサは自覚していない。
その柔らかな感情が、自らの心を覆う氷を溶かす小さなきっかけになっていることを。
ただそれが良いことか悪いことか知り得る人間は、この時存在しなかった。
数瞬の沈黙が、草原をなぜた。
ブラムドは笑みを浮かべながらルイズの瞳を見据え、歌い上げるように宣言する。
「では我は持てる力の全てと、かつて友より授かった全ての知識を以て、お前が系統の魔
法を使えるようにして見せよう」
その使い魔の言葉は、主にとって全幅の信頼を置くに値した。
気付けば少女たちは車座になり、教師に対するようにブラムドの話に耳を傾けていた。
「魔法の元となる力に関していえば、我の知る魔法もこの世界の魔法も変わりはない」
そうでなければ、ブラムドの魔法がギーシュの魔法を防ぐことはできない。
「だが、我のマナとお前たちのマナは明らかに異なる」
「まな?」
聞いたことのない響きに、少女たちの表情は困惑に変わる。
その表情に、ブラムドは微笑みながら言葉を重ねた。
「名前などはどうでもよい。要は魔法を使う為に必要な力だ」
重要なことは、ルイズにもマナを扱うことができるということ。
ブラムドはそういい連ねる。
分厚い氷に閉ざされた宝を、どれほど望んでも、誰に頼っても手に入らなかった宝を、手
にとることができるということだ。
ルイズにとって、それはまさしく福音に他ならない。
さらに話を続けようとしたブラムドは、やおら開きかけていた口を閉じて沈思する。
……四つの系統魔法。
……シュヴルーズとグラモンは土、モンモランシは水。
……残るは、火と風か……。
「キュルケ、タバサ、お前たちはいずれの系統の魔法を得意とする?」
不意の問いかけに虚をつかれ、キュルケはつい素直に答えを返してしまう。
「私は火、タバサは風を得意としています」
「それは良かった」
笑顔で投げかけられた言葉に、少女たちははっきりと困惑の表情を浮かべた。
「我が見たことのあった魔法は、シュヴルーズとグラモンの土、モンモランシの水だけだ
ったのでな。良ければお前たちの魔法を見せてもらいたいのだが……」
ただ続くブラムドの言葉を聞き、少女たちはその意図を理解する。
キュルケはルイズを一瞥し、胸を張って言葉を返す。
「構いませんわ」
タバサもまたルイズを一瞥し、言葉少なにブラムドへ答える。
「わかった」
今日の朝、キュルケとの和解など夢にも思わなかったルイズであれば、その一瞥を優越感
からの自慢と受け取っただろう。
あまり話したことのないタバサの行動も、良いようには受け取れなかったに違いない。
だが今日という一日。
ほんの一日の出来事で、ルイズはキュルケとタバサの行動が自分を手助けするためだと理
解できるようになった。
あえて口にすることはなくとも、ルイズの心には二人に対する深い感謝がある。
二人もまた、ルイズがその感謝を素直に口に出さないことを理解していた。
まずはキュルケが杖を構えた。
「ウル……」
キュルケが魔法を使い始めると同時に、『魔力感知』を使ったブラムドの目には二つの存
在が映し出される。
マナと、それをはめ込む為の枠だ。
土のメイジのマナは、絡んだ紐のような形。
ギーシュがワルキューレを作り出した後は、ほどかれて主とゴーレムをつないでいた。
水のメイジのマナは、球状。
ただ水の精霊力と交じり合った瞬間、それは泥のように重く溶け、傷口へと注ぎ込まれた。
そして火のメイジのマナは、針を十字に組み合わせたような形。
水のそれとは全く異なる。
「……カーノ」
ルーンを唱え終わり、魔法が発動する瞬間、枠とマナの大きさや形は完全に一致していた。
杖の先から炎が発し、やがて勢いをなくして収まる。
「これが火の最も基本的な、発火の魔法です」
さらに意識を集中させながら、キュルケは次の魔法の準備に入る。
「そしてこれが、トライアングルの魔法ですわ」
キュルケにとって、友人たちやブラムドに対して自分の能力を隠す必要性はない。
戦乱の時代に生まれたわけではなく、今の立場は学生に過ぎないからだ。
何より、先刻ブラムドが使った『火球』の呪文がどれほどの威力であるのか、自身の魔法
を使うことで確かめたかった。
ブラムドの目には、キュルケが頭上に構えた杖の先に生まれた大きな枠と、それにあわせ
るように膨らんでいくマナが見えている。
マナを見ることができないルイズとタバサの目には、キュルケの頭上で徐々に膨らんでい
く火球の姿が映し出されていた。
やがてルーンを唱え終わると同時にそのマナが枠にはまり、キュルケの魔法は草原に黒い
円を生み出す。
爆風が四人の頬に触り、色の変わった草原の一部から白い煙が立ち上る。
結果を見れば、魔法によって草と土が燃えただけに過ぎないが、キュルケとタバサにとっ
てはそれ以外にも多くの情報を有していた。
燃えた草の色やその範囲、草や土の焼け焦げた臭いとくすぶる煙の様子。
それは魔法学院に所属する中でも特に優秀といえる二人のメイジにとって、十分な説明を
されているに等しかった。
範囲こそキュルケの火球が上回っているが、それ以外の全てはブラムドの『火球』に軍配
が上がる。
燃えた草の色は、ブラムドの黒色に比べればキュルケのそれは茶色に近い。
単純に魔法の威力に差があるとしてしまえばそれまでだが、そんな言い訳はキュルケのプ
ライドが許さなかった。
上位にスクウェアという存在がいる以上、最も優れたメイジだなどと思ってはいない。
とはいえメイジとして、自分の能力を高めたいと思うのは当然のことだ。
結果を比較することで、キュルケは自らの魔法に足りない部分を認識する。
それは、教室の中では得ることのできない経験だ。
威力が散漫になっているのなら、集中する手段を考えればいい。
キュルケは敗者であることを認識していたが、その顔はむしろ晴れやかだった。
一つには、自分が心の中で勝手に持ちかけた勝負であるに過ぎないこと。
もう一つは、ゆるみがちだった向上心を刺激する良い材料になることがわかったからだ。
キュルケに比べそれほどやる気のなかったタバサも、そのことを理解してわずかに意欲を
見せる。
「キュルケ、感謝する」
「いえ、お気になさらないでください」
ブラムドの言葉に、キュルケは笑顔で言葉を返す。
そのやりとりを聞きながら、タバサは数歩踏み出した。
足音を聞き、三人の視線がタバサへと向けられる。
タバサは一度深呼吸をし、奇妙な彫像と化した『木の従者』へ向けて杖を構えた。
「デル……」
風の枠は、四つの三角形を貼り合わせたような形。
もしブラムドにその知識があれば、それが正四面体と呼ばれるものだとわかっただろう。
「……ウィンデ」
杖の先から発した風の刃が、『木の従者』の頭を横に断ち割った。
……なるほど。
土、水、火、風、ブラムドはそれぞれの特徴を認識する。
「……どうせならライトニングクラウドとか、見える魔法の方が良かったんじゃない?」
キュルケの言葉に、ブラムドは少し驚いた。
元々フォーセリア世界の魔術師が使う魔法には、風に属する攻撃の魔法は数少ない。
思い返してみれば、精霊使いが使う風の魔法をただの人間が見ることはできないと聞いた。
マナや精霊力を感じ取ることのできるドラゴンや、精霊力を見ることのできる精霊使い。
そしてマナや精霊力を見る魔法を使える魔術師でなければ、それは見ることが出来ないも
のなのだ。
本来見えないものを見ることが出来るということは、闘いに際して十分な優位性といえる。
ブラムドにとって、フォーセリアとハルケギニアの魔法の違いと共に、心に刻み付けてお
くべき事柄だった。
キュルケのいうことを意識していなかったタバサは、ほんの少し頬を染めた。
改めてタバサが唱え始めた魔法は、風と水の融合魔法であるアイス・ストーム。
ルーンを理解しているルイズやキュルケは、使おうとしている魔法がどういったものか予
想がつく。
しかし、ハルケギニアのそれとは異なるルーンを使うブラムドにとっては、タバサがどん
な魔法を使おうとしているかわかるはずがない。
ところが、枠を作り出してからマナを当てはめていくというハルケギニアの魔法の性質で、
ブラムドの目には先刻とは違う枠の形が映し出されていた。
平らだったはずの三角の面が、丸く膨らんでいる。
どちらかといえば、球体に角が生えているような形状といえた。
水と風、双方の特徴を併せ持っている。
……混ぜることができるのか?
ブラムドの推論を裏付けるように、タバサの魔法が発現した。
『氷嵐』のように発生した白い霧が、『木の従者』の周囲を回り始める。
それと同時に霧が氷の粒に変わり、徐々に膨張し始めた。
大きさを増した拳大の氷が回転速度を増しながら、『木の従者』へと襲い掛かる。
樹皮を削り、脆くなっていた腕や体内から伸びた氷柱をへし折っていく。
タバサにとって予想通りではあったが、その殺傷力はブラムドの魔法とは比較にならない。
防具を整えた人間や、強靭な肉体を持つオーク鬼などには通用しないだろう。
そのかすかな落胆を、同じ思いを味わったキュルケだけが読み取る。
嵐が収まり、『木の従者』の残骸だけが残された。
土、水、火、風、全ての系統を確認し、ブラムドはタバサへ感謝の言葉を贈る。
それを横目に、ルイズはキュルケとタバサ、二人へ感謝を伝えるすべを考えていた。
二人が魔法を使って見せたのは、ブラムドに頼まれたからではあるが、それが自分のため
であることも理解している。
単に感謝の言葉を口にすれば良いのだが、ルイズはそれに強い照れくささを感じていた。
眉間にしわを寄せながら頭を巡らせたルイズは、ふとブラムドの言葉を思い出す。
今朝、それまで見たこともない魔法を使ってマジックアイテムを作り出し、ルイズへと手
渡しながらいわれたことだ。
――金の女王はルイズ、お前のものだ。
――他の金の駒は、お前の友に渡すがよい。
――友に危機ある時、助けることが出来るやもしれぬ。
……友……友達。
朝にそういわれたとき、ルイズの頭に浮かんだのは一人だけ。
学院の中で友と呼べる人間は、シエスタだけだった。
だが今、友と呼んで思い浮かぶ相手は一人だけではない。
しかも贈り物という形をとれば、感謝の言葉を口にする必要もない。
ルイズにとって、それはとても素晴らしいことに思えた。
まずは、隣に立っていたキュルケへ声をかける。
「キュルケ」
振り向いたキュルケの眼前に、金で出来たチェスの駒、司祭が突きつけられていた。
「何? これ」
「ブラムドに魔法を見せてくれたお礼よ」
一度手に取ったキュルケだったが、ルイズの言葉を聞いて返そうとする。
礼を期待してしたことではないのだから。
返却を口にしようとしたキュルケの心に、ブラムドが『心話』で話しかける。
……受け取っておけ。
心に話しかけられるという衝撃に、キュルケは開きかけていた口を閉じる。
……それを持っていれば、こうして話しかけることも出来る。
……ルイズには、友に渡せといってある。
……わかりましたわ。
ルイズが自分を友と思っているとは口に出来ないことを、キュルケはよくわかっている。
礼の言葉を素直に口に出来ないことも。
あえて、キュルケは満面の笑みでルイズへ礼を言った。
「ありがとう、ルイズ」
キュルケの予想通り、ルイズは顔を真っ赤にしながら返事をする。
「べっ! 別に大したことじゃないわ!!」
顔を背けながら、ルイズはタバサへと歩み寄り、金の騎士を差し出す。
わずかに困ったような表情を浮かべながら、タバサはキュルケとブラムドが自分に向かっ
て頷きかけるのを確認する。
目の前のルイズの少し不安げな表情を見て、タバサは無言で金の騎士を受け取った。
「受け取ってくれてありがとう」
ルイズの言葉に、タバサはほんの少し、微笑んだ。
渡された駒を、どこか嬉しそうに眺める二人の少女を横目に、使い魔は主へと問いかける。
「ルイズ、お前はどの系統の魔法を使いたい?」
二人の少女が、ゆるんでいた頬を凍り付かせた。
メイジの系統は、資質であり適性だ。
自らが得意とする系統を見出し、磨き上げることはあっても、決して選ぶものではない。
不得手とする系統の魔法も使うことは出来るが、得意とするメイジとは威力が全く異なる。
ルイズもまた、そのことは良く理解していた。
伊達や酔狂で勉学に励んでいたわけではないのだから。
しかしルイズは幼い頃に一度、使うことを願った系統があった。
ルイズの脳裏に、一人の女性の姿が思い浮かぶ。
ヴァリエール公爵家の次女、カトレアの姿だ。
それは幼いルイズがどれだけ母にしかられようとも、決して魔法をあきらめなかった理由。
ルイズがちいねえさまと呼ぶ彼女は、生まれつき体に不自由を抱えている。
体を使うことも、魔法を使うことも、カトレアにとっては過度の負担になってしまう。
そんな苦難を抱えていてなお、いや抱えているからこそか、カトレアはヴァリエール公爵
家の女性に似つかわしくない、熾火のような暖かさを持っていた。
いつも優しく接してくれるこの姉を、ルイズは誰よりも愛している。
ただ優しく微笑んでいるように見えたその表情に、ルイズはいつしか儚さを見出す。
それはカトレアの重荷を理解できたことで、ルイズ自身が投影していたものかもしれない。
長女であるエレオノールは体の弱い妹のため、王立魔法研究所で研究をしている。
幼いルイズもまた同じく、体の弱い姉のために何か出来ることを探す。
ルイズがかつて求めた系統は、水であった。
とはいえ、ルイズが水の使い手になったとしても、カトレアのためになる可能性は低い。
父であるヴァリエール公爵は国内外を問わず、高名な水魔法の使い手を招聘している。
それでも、カトレアの体が治ることはなかった。
今さら自分が水の系統に目覚めたところで、と考えながら、ルイズはふと思いつく。
「ブラムド、治癒や回復のための魔法を使える?」
その言葉に、誰よりも過敏に反応したのはタバサだった。
それに気付いたのは、隣に立っていたキュルケだけであったが。
「使えるが、その魔法は我に対してしか使えぬ」
「そう……」
落胆しながらも、ルイズはすぐに思考を切り替える。
ブラムドを召喚した折、オスマンのいった言葉を思い出す。
――ミス・ヴァリエールの才能は、わしを軽々と凌駕するものじゃろう。
その言葉が、真実であれば……。
「……私は、水の魔法が使えるようになりたい」
キュルケはルイズ以上に落胆の色を見せる、タバサを気にかけていた。
一方で、強い意志の炎を燃え上がらせたルイズの瞳を確かめる。
その輝きの大きさに、キュルケは小さな寂寥を感じていた。
……もう、私の手助けはいらないのかしらね。
その反面で、自らの努力が実を結んだことに対しての喜びもある。
まるで、巣立ちを見守る母鳥のような。
「わかった。しかし、今日はもう遅い。始めるのは明日からにしよう」
ブラムドの言葉で、三人の少女たちは思った以上に月が傾いていることを知る。
「じゃあ、帰りましょうか」
ルイズの提案に、何故かブラムドは首を振った。
「しばし待っておれ」
そういいながら、ブラムドは『暗闇(ダークネス)』を使う。
月の光さえも通さない漆黒を生み出し、ブラムドは無言でその中へと入っていった。
疑問を浮かべた顔を見合わせた少女たちは、いくつかの音を聞くことになる。。
衣擦れの音と、おそろしく大きな羽ばたき。
服を脱ぎ、竜の姿へと戻ったことが読み取れたが、それから先の音の正体を知るのは、し
ばらく後のことだった。
生木を引き裂くような音、雹が降り注ぐような音、大木をへし折るような音。
やがて音が止み、再び衣擦れの音が響く。
そして唐突に消え去った漆黒の中心に立つ、先刻と変わらないブラムドの姿。
だがその周囲に広がっていた光景は、少女たちを驚かせるに十分なものだった。
以上。
支援感謝!
次はなんとか今月中ぐらいでなんとかしたい所存ではおります。
色々となんか考えることとかがあって確約は出来ませんが。
であ、また。
支援
話がすっとろくってごめんなさい
スコール・レオンハート召喚、小ネタ〔if situstion〕三部作のトリを飾るタルブ上空戦が完成しました。
他にいらっしゃらないようでしたら、このまま参ります。
圧されている。
やはり、初戦で空軍兵力の悉くを失ってしまったのは大きいか。
タルブ平原に置かれたトリステイン軍大本営にあってマザリーニ枢機卿は、眼前の戦況を見つめつつ心中ため息を着いた。
それを表に出さないのは指揮官たる立場にあるためだ。故に、彼は仕える少女にも苦言を呈する。
「殿下、そのような顔を為されていては士気に関わります」
「しかし……」
暗澹たる表情を向ける王女を叱らなければならないと、口を開こうとしたとき、耳をつんざくような音と共に上空に紅い影が見えた。
「!?何だ!?」
ざわざわと、周辺も闖入者にざわめく。
あれは一体何なのかと、戦場の一部の者も辺りを警戒しつつそちらに目を向ける。
「……降りてくる……」
形は、鳥のような、龍のような。
こちらに近づいて来るに連れて、騒音は尚のことやかましく鳴り続けている。
そろそろ、地上にいる者達も気づき始めた。今トリステインの大本営に接近してきているのが、かなりでかい代物だということに。
全長が100メイルはありそうで、あんな竜が居るのだとしたら束で掛かっても勝ち目があるとは思えない。
「姫様をお守りしろ!」
バッと直援の部隊が大本営前に防御陣形を張る。
最初に音が聞こえてから30秒ほどたち、ようやくその巨体は地上に降りた。
紅い鱗はまるで金属のようにも見え、すべらかに体表を覆っている。その目はまるで人間など意にも介さないと言うように遙か彼方を見ていた。
竜は、そのうなり声を小さくしていき、やがて収束した。
一体何がこれから起きるのかと、戦々恐々しているトリステイン兵の前で、その竜の体表が一部蠢いた。
すわ攻撃かと身構える彼らの目の前に現れたのは、階段だった。
「は?」
あまた居る兵士の誰が呟いたのかは判らないが、それは間違いなく彼らの本音を表していた。
「ちょっとスコール!何でこのフネでレコン・キスタと戦わないのよ!」
間をおかず、そんな少女の声を背中に浴びながら一人の青年が降りてきた。
「……俺があんたから受けた依頼は、使い魔代理だ。戦争の手伝いじゃない」
むっつりとした表情を顔に張り付かせて、振り向きもしないで青年は歩みを進める。
「私の使い魔だったら、私の命令に従いなさいよ!?」
後を追って、小柄な少女が階段を下ってくる。
「あんたが自分で言っただろう。使い魔の仕事は主人を守ることだと。わざわざクライアントを危険に晒すガードマンは居ない」
苦々しげに口元を歪ませつつ、ようやく振り向く。
「ルイズ?ルイズなのですか!?」
そんな掛け合いを見ていて、王女はばっと飛び出した。
「姫様!?何を……」
周りの者が止める暇も有ればこそ、アンリエッタ姫が竜の体内から現れた二人へ駆け寄る。
近づいてくる王女に気づき、スコールはSeeD式の敬礼をとる。彼女のことを評価しているわけではないが、一応一軍の総司令官である。
『あはは〜、容赦ないねー。まぁ、話はキスティから聞いてるけどさ』
ジャンクションしているアーヴァインがスコールの評価に苦笑混じりに呟く。
友人と呼ぶ者を危険な戦場に送り出すなど、正気の沙汰とは思えないな。と脳裏で冷ややかに王女を見ながら。
「アンリエッタ姫様、お久しぶりでございます」
そのスコールのやや後方で優雅に一礼するルイズ。
「ルイズ!これは何なの!?」
「はい、姫様。これは私のフネです」
「……いつからあんたの物になったんだ」
苛立ちがもはや顔に出つつあるスコールがルイズを睨む。
『うっわ〜、こわっ。僕はこんなスコールの前には居たくないね』
「これはエスタの飛空艇、ラグナロクだ」
「誰よ、エスタって」
「人じゃない、国だ。これは俺が借り受けているに過ぎない」
一応、ジャンクションしている面々を通じてラグナに許可は取り付けてある。
「これがフネ!?まるで竜ではないですか……!」
紅い巨体を見上げながらアンリエッタは驚きの声を上げる。
「アンタが借りてるんなら、私が借りてるも同じよ。さぁ、レコン・キスタを倒しに行くわよ!」
「断る」
にべもなくそっぽを向く。
「何でよ!」
「あんたとの契約においての使い魔の定義は、感覚の共有、必要物資の調達、主人の守護の三つだ。内二つが出来ない分は、あんたの雑用を引き受けることで補うと合意が成立している。
戦争の手伝いは契約外だ」
こうも頑なにスコールが拒むのは、もちろん理由がある。
先のワルドとの戦いで判ったのだが、こちら側では自分の力はかなり目に付くらしい。
小競り合いや、公的機関の目が及ばない範囲で力を振るうのはともかく、こうした大規模な戦争でジャンクションシステム、疑似魔法マニュアルを駆使した戦闘を行えば嫌でも国家権力に知れてしまう。
知った結果、ワルドのようにスコールを利用しようと思うのはまだ良い。危険視し、排除しようとされれば、ハルケギニアに置いて後ろ盾のないこの身は危険に晒されてしまう。差し向けられる戦力を凌ぎ続けても、食料や寝床の確保は別の問題だ。
しかもこの状況、ラグナロクの使用要請はさけられまいが、正直使うのは躊躇われる。
もし使い方を完全に把握すれば、ハルケギニアなどあっという間に征服できてしまう戦闘力があるのがラグナロクだ。
奪われでもしたら大変だし、こんな異境の地でかつて自分やリノアの命を助けてくれた飛空艇の同型機を、ちっぽけな独裁のために使わせるのは心底嫌だった。
ラグナロクの方が優先されていることから察知できると思うが、スコールにとってルイズはかなり位置づけが低い。
当たり前だ。そもそもの発端は、こんなどこに自分の故郷があるのかも判らない場所に強引に連れて来て、使い魔になって従え、と言った彼女である。好意的に思える方がおかしい。
使い魔はともかくとして、何の偶然か彼女に雇われることを合意したが、それすらも奇跡のような物だ。
あるいはとっとと彼女に見切りを付けて、こちら側で傭兵としての生活を確立すれば良かったのか、とも思案する。
(……今日で今月の契約も切れる……契約更新をしないべきかもしれないな)
この分ではトリステインそのものが持ちそうにない。そこの貴族であるルイズに雇われるのも限界だろう。
「そ、それなら契約し直すわよ!それで良いでしょう!?」
確かに、その理論展開は正しい。だが、こちらとてそんなことは予測済みだ。
「戦争に雇おうと言うんだ。当然、高いぞ」
この二ヶ月でルイズの経済力は大体把握できている。とうてい彼女に支払えない額を提示すれば――
「2万エキューで雇います」
提示予定額の倍の値段が横合いから入ってきた。
「あなたと、あなたが借り受けているというフネを。いかがですか、ミスタ・レオンハート」
予想外の展開に、スコールは目を丸くする。
「姫様!?何を!そのような大金……!」
マザリーニが慌てて王女に問う。
「ここで負ければ全てが終わるのです!」
王女が枢機卿を一喝した。
「この状況下にあって空の戦力は文字通り値千金。高すぎると言うことはありません!」
どうするべきかと、スコールは頭を働かせる。
こんな金額を提示されれば、もはや断る方があやしくなる。
だが待てよ、と思考を別の方向に向ける。
(それだけの金が有れば、かなりの食料を買い込むことが出来る。
そうすれば、後はこの星の極地へラグナロクで移動して、リノアがテレポを使える魔力が溜まるまでの時間を過ごすことで、もう厄介ごとには巻き込まれない……?
後のことを考えると……これは受けた方がいい、か)
だがそれでも、一応防御線は張っておく。
「……契約はこの一戦だけです。良いですね」
「ええ。即金、とは行かないでしょうが小切手でのお支払いは保証いたします……勝てればの話ですが」
「判りました。兵員養成機関、バラム・ガーデンのSeeDがその依頼を受けます」
SeeD式の敬礼を向けると、くるりと踵を返しラグナロクへ走る。
「あっ!?ちょっと待ちなさいよ!」
ルイズが慌ててその後を追う。
「……SeeD?」
聞き覚えのない単語にアンリエッタが首をかしげる。その前で、ラグナロクは再びエンジン音を響かせ上昇していった。
リノアの奪還後、あの時実働部隊だったパーティーの6名は全員がラグナロクの操縦方法を習得していた。
いつ誰が何かしらの事情で動けなくなるか判らないからで、事実専属パイロットのセルフィ以外にも、ゼルやキスティスがコクピットに座っていたこともある。
つまり、もちろんスコールもラグナロクを動かすことは出来るのだが、それでも圧倒的な問題点があった。
手数が足りていない。
ラグナロクの砲撃手のコントロール席は操舵席とは離れた場所にある。
よって、タルブ近辺に不時着した際壊れてしまったらしい609mm荷電粒子ビーム砲はもちろんのこと、152mm多銃身レーザー砲も撃てないのだ。
では、どうやって戦うのか?
答えは至極単純である。
『行くよぉ!スコール!』
「ちょっと!?ぶつかる!ぶつかるわよ!?」
「ぶつけるんだ」
コ・パイ席で騒ぐルイズを軽くいなしつつ、スコールは操縦桿を尚深く押し込む。
「きゃああああああああ!?」
ラグナロクの機首がそのままレキシントン号の横っ腹に突き刺さり、艦体を前後真っ二つに分断した。
多少ラグナロクの船体に傷は付いたが、元々大気圏突入後整備いらずでそのまま大気圏内運用が出来るトンデモ装甲である。たかが木材ごときでどうにか出来るはずもなかった。
なお、現在ラグナロクは亜音速程度で飛行している。
ラグナロクの最大戦速は秒速11.8km。音速を340m/sで換算するとおおよそ音速の34倍にまで到達する極超音速なのだが、それがこんな低速で飛行しているのはもちろん理由がある。
基本的に物体が音速を超えると、物体より衝撃波が発生するようになる。
現在のタルブ上空戦で戦域は高度1リーグもとられていない低空だ。
こんな所でラグナロクほど質量があって、形がいびつな物体が音速の壁を越えれば、衝撃波で敵艦隊を撃滅するのは容易だろうが敵味方の大半に難聴者が出るのは必至である。いわんや最高速度など、周囲一帯が壊滅する。
よって亜音速帯での飛行を余儀なくされていたのだが、どっちみちハルケギニアにおいては圧倒的すぎる速度だった。
戦場を東から西に駆け抜けたラグナロクを反転させ、再度戦場に突っ込ませる。
先程は威嚇の意味も込めて旗艦にのみ狙いを絞ったが。今度は一度に多くの目標を補足できるよう軌道を取る。
旗艦があまりにも常識外れなやり方で撃沈され、完全にレコン・キスタは浮き足立っていた。
レコン・キスタ艦体から狂ったように砲撃がラグナロクへ向けられるが、そもそも射程が足りていない。何しろ点のような相対距離から、一気に接近して来るのだ。それらの砲弾は全て無駄撃ちだった。
再度の突撃を敢行するなか、軌道上に竜騎士の姿を複数捕らえる。
「……っ!」
戦場の理で、スコールもわざわざ軌道を変えてやろうとまでは思わない。必然的にその竜と騎手達はラグナロク機体表面で殴られることとなる。
完全に逃げ損ない、機首にぶつかった一騎が、機体表面を跳ね続けキャノピーにも一度当たっていった。
「い、今のって……今のって……!」
ルイズが顔を引きつらせているが、今は捨て置く。まだ敵はいる。
『あーあ、ダメダメ。スコール、ちゃんと女の子には優しくしなきゃいけないよ?リノア以外でもね』
そのまま戦場を駆け抜け、また一隻に体当たりをかける。レキシントンよりも小振りであったそれは、分断どころか完全にバラバラになって墜ちていった。
もう一度突撃を仕掛けようと方向転換すると正面の艦影が丁度二隻重なって見えた。
「そこだ……!」
追突寸前で減速。着陸・姿勢安定用の前足を出して手前の一隻を捕獲すると、再び推力を上げ奥の一隻にぶつける。
木材の擦れる音が装甲を伝ってラグナロクにも聞こえてくる。帆が咬み合ってしまったのか外れなくなったそれをそのまま押し込み、低空へ高度を下げ、さらにそのまま進んで海上まで。
速度は落とさずに水面に擦りつけると、バキバキと轟音を立てて二隻のフネは分解していった。
腕部を格納して戦場に舞い戻ったときには、残りの艦隊は残らず白旗を揚げていた。地上部隊も、トリステイン側の包囲に抵抗する動きは見えなかった。
「……任務完了だ」
一つつぶやき、スコールは肩の力を抜いた。
さて、ラグナロクを奪われないよう気をつけながら、いかに北極辺りへ逃げ出そうか。
ひとまず、此度はこれにてお開きです
? と思ったが、ここはガンダム関係はOKだったか。
とりあえず、投下乙。
>552
乙、FFは7までしかやってないけど8もためしにやってみようかと思わせる作品でした。
>553
ルール的には問題ないが
姉妹スレがある事とルールわかってないのが姉妹スレ行けとかわめくことはある。
一応姉妹スレも見に行って気に入った方で投下すればいいと思う。
ラグラロクの最大速度って大気圏内の話じゃないと思うんだ
それはさておき、こんなん見てすんなり金払うわきゃないわなw
難癖つけるか暗に人質取るかで掠め取るのはみえみえな訳で……異端扱いでヴァリエール家にいちゃもん付ける、がマザリーニ周辺が打てる手か
とか考えたところで……これ一発で聖地いけるじゃん、ブリミルとエルフ涙目www
コッパゲが見たら失禁しそうだな
>>555 人質って誰取るよ?
スコールの戦闘力なら捕まえようとしてもころころされて終わりでないかな
>>556 むしろ興奮しすぎて心臓発作で死ぬ
長編で行くなら竜の羽衣はラグナロクしかないな。
誰か文さん召還してくれねぇかな。十兵衛ちゃんでもいいや。
喧嘩商売の。
>>559 ラブリー眼帯を持った鯉之助を召喚すr
じゃねぇのかよ。
まぁルイズには縁のない話だが。
>>559 >文さん
カメラ持った天狗かと思ったw
>>553 SEED違いやないかーい!
>>555 そうだっけ、手元のアルティマニアにはそこら辺かかれてねぇけど
>>552 乙!
本編でもラグナロクは竜機と呼ばれてましたっけな
しかし・・・久々にハルケギニアのオーパーツが大暴れした感がありますなぁw
> 完全に逃げ損ない、機首にぶつかった一騎が、機体表面を跳ね続けキャノピーにも一度当たっていった。
>「い、今のって……今のって……!」
Vガンダムの最終回思い出しました
あと前回のワルド戦で報復したスコールを見て
本編でもサイファーに電撃責めされた時に(今度会ったら仕返ししてやる)と言ってたのを今更思い出したので
ちょっとガルバディアガーデンでサイファーにケツァルクアトルで仕返ししてきます
グローランサーって需要はあるんだろうか?
あるんならリシャールを召喚してみたいんだが。
まぁ、新装版発売前日にやるのもどうかとは思うんだけど
また需要…
>>545 氷竜の人投下乙です!
氷竜であるブラムドが水の魔法を教えるのは物語的に美しい感じがしますね。
ルイズが古代語魔法を覚えるのか、それとも別の方法で魔法の修行をするのか?
ゆっくりでも構わないんで続きを期待してますねー
需要とか何も関係ないから
書きたいなら書けばよし
『書きたきゃ書け』ってのは正論だけど、
感想の有無によってモチベーションは変わってるし、
それによってどれだけ続けられるかも変わってくるからな。
元ネタを知らなくともSS自体が面白ければ需要はあるし、
元ネタを知っていてもSS自体がつまらなければ需要は無い。
ってのもあるよね?
クロス元のタイトルを聞いたことすらなくても愛読してる作品とか幾つもあるのぜー
あるなー。
MtLとかソーサリーとか、このスレで知ったぜー。
>>564 この手のレスで実際に書くやつってめったにいないよね。
いないなー。
ウザがられたり、需要の有無に対するの返答じゃなくて
『書きたきゃ書け』って返されるから、
その時点で書く気が無くなっちゃう人もいるんだろうな。
というか面白いものは需要があるしつまらないならない。
元ネタがなんであるかは関係ないんじゃまいの。
体当たりで破壊するなら難聴何てもうどうでもよくね?
>>569 ゴーストステップ・ゼロは元ネタ知らないけど大ファンです
ヒューカコイイヨヒュー
>>573 クロス元が有名な作品であれば、それだけで読者を引き込む。
有名であればあるほど、それを好きな人の絶対数も増えるわけで。
最初に読んでもらえるか読んでもらえないか、はかなり違うと思う。
マイナーでも面白ければ、次第に人気作になってくるだろうけどね。
最近じゃパタポンだな
原作知らなくても面白かったの
原作知っててもつまんねーのは切り捨てるぜ
どれとは言わないが
まあ確かに原作読んでたり、知ってたりしてる作品の方が目を通すかな
ちなみに蒼い使い魔
てっきりゼノサーガからテスタメント・バージル召喚だと勘違いしたのは
俺だけじゃないと思う、多分
グローランサーはモニカ召喚があったね。
もう一年以上前か…
小ネタで書いてるが原作読んでるのとトリックで書けてないなんて事はない
えーと、日本語でおk
皆に知られてる原作ほど力量が問われる訳でもあり
投下いいですか?3分以内にします。
だがことわる
づどーん
「キタ━(゚∀゚)━(∀゚ )━(゚ )━( )━( )━
もくもくもく
「ルイズが平民?を召喚したぞ。ヒャッハー流石ゼロなのだぜ!」
m9(^ω^)pgr「どう見ても痴女です。ありがとうございました。」
━( )━(゚ )━(Д゚ )━(゚Д゚)━━ !!!!!」orz
「ミスタ・コルベール!チェンジで!」
「ささ、早く契約しなさい。ミス・ヴァリエールのコルはあなただけですよ」
「ちょw、人を使い魔にするなんてjk前例がありません」
「決まりなのです。これ以上ゴネると実家に通報しますよ。
とにかく、契約さえすればいいのです。見たところ頭の悪そうな平民ですし。
飽きたら売春宿にでも捨て置けばよろしいでしょう。にしこり」
初期設定では嫌にクールなコルベール先生なのだ。無理が通れば道理が引っ込む。
これ以上騒いでも周囲の野次馬を喜ばせるだけと判断したルイズは観念した。
第1話 エステル「いよいよあたいの出番かいフン使い魔かい」「腕が鳴るよ」
参考資料
ttp://blog-imgs-30.fc2.com/b/i/t/bittorrent0794/20090101001.jpg
俺のとこのエステルと全然口調が違うんだがw
箱のTOVだよな?
なんて読み難さだ
読みが当たったな。
元ネタは知らんが、魔導書、ラスボス、黒魔導師、ゼロポン、ジルなんかは楽しんでる。
ほかにもあるが、面白い作品には特有の個性というか味があるぜ。
元ネタの把握は、ルイズの方はアニメ見ればいいのか?
原作は読むべきだと思う
>>591 出来ないこともないが、アニメの評判は原作読者からすると顔をしかめる出来
原作は読んだ方が無難かな。伏線とか張る予定ないなら最低限三巻くらいまでは読んで欲しいかな?
どっちも掌握してれば良いとこ取りできるよ
>>591 二次創作書くんだから、原作には手を出しておいた方がいい。
何かと蹂躙しやすい世界観だから、原作を心に留めておくと俺Tueeがなくて済む
俺(ry でも好きな作品あるけど、マーラ様とか
セロの使い魔
炎髪灼眼の使い魔
ゲームのパタポンは宗教戦争して恨みを買ったり異人種を壊滅させてしまったりする案外黒い内容
奴らは神(本に契約したプレイヤー)に逆らう者には容赦しないんだぜ
メデンなんて「きょだいキノコ(はぁと)」とか言うし
>アニメ
第一期だけはそれなり以上に評価すべき出来。後第二期のOP。第二期本編も一話と五話だけはまぁまぁだった。
後は惰性。
>>594 蹂躙しやすい・・・
そりゃあ、原作からして
ルーンの力でパワーアップして、ぼこぼこにされながらも剣を手にした瞬間、平民では勝てないはずの青銅のゴーレムを斬り捨てる
何十メートルのゴーレムをロケットランチャーで吹っ飛ばす
竜騎士たちをゼロ戦で塵の如く撃ち落す
攻撃を反射して、軍隊がまともにダメージも与えられないヨルムンガンドを戦車で無双する
と、ファンタジー世界をラブコメの片手間に現代っ子が蹂躙するお話だからな。
>>597 I SAY YESって、先入観なしで聴いてみると意外といい曲だったので驚いた。
600 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/13(水) 23:18:16 ID:RxDQ6M8K
GIFT書いてた作者はもう書かないのかな?
面白いから見てたら9話までしか書かれてなかったから残念です
なんか急にスポーツものが読みたくなってきた
闇ルイズ系は何故か総じて面白い割合が高いのは気のせいだろうか
タバサが絡むのは良作が多い気がす
イザベラ様が出張るのも良い感じだ
俺は逆に、タバサを無理に絡めようとするのに拒否反応が出てしまうんだが。
ああ、作者はタバサが好きなんだな…ってのが露骨にわかる作品ってあるよな
無理にってのがどの程度なんだ
ルイズがシャイニングガンダムを召喚。
コルベールの解析により、数年後には量産に成功。
ハルケギニアの戦争はガンダムファイトにより決定することになり、そこにトリステイン代表としてシャイニングガンダムで出場するルイズ。
一方聖地にはデビルガンダムが鎮座していた。
これが俺のスポーツもののイメージです。
>>602 そりゃルイズは元々サイトからも嫌がられた性格の悪さと、コンプレックスでねじ曲がったプライドで黒化の素質は充分過ぎるほどあるからな。
白ルイズってのはあまり見かけんが、召喚キャラが非常識すぎて抑えにまわったり、教師タイプや正義の味方タイプに
影響されて成長していくってのが近いかな。
>>603 タバサの冒険はイザベラやエルザを絡めるために利用されることも多いな。それにジョゼフの陰謀を描写するにもぴったりだし。
タバサ可愛いからな
二次創作で人気キャラが全面にでるのは仕方ない
原作タバサは外伝だってあるからその話まで盛り込もうとすると
二次創作では必然的に出番が多くなるんだよ
高確率でかませ犬に使われるエルザだってタバサ外伝出典キャラだしな
>>606 召喚されてまだ何にもしてないのに何故かタバサが被召喚キャラに強い興味を持ち、
自分から積極的に被召喚キャラに接触をはかり、
明らかにこじつけみたいな理由で任務に被召喚キャラが同行したり、とかかな。
いや、俺は別にタバサが嫌いってワケではないんだけども。
タバサものは好きだがルイズヘイトとか付随してることが多い気がする
召喚キャラが嫌いなのかってぐらいに性格改変した作品もあったなぁ
そういや
グルグル見てたら「勇者さま」じゃなくて「ニケくん」になってた
最終回でそうなったんじゃあなかったっけ?
俺は逆に、この作者はルイズ大好きだなって分かる作品は良作が多い気がしてる。
自分の趣味にあってるってだけの話じゃ
まぁ、書きたくないから書かないというわけにはいかないキャラだからな>ルイズ
某所で、ルイズが嫌いだから、ガリア組を主人公にしたというSSを見たことはあるが、そういう例外は置いておいて。
そもそもさ、誰が好き、とか関係有るか?
話の上でそれが必要なら誰でも酷い目に遭うし、誰からも嫌われてる役だろうとシナリオ上でいい目を見たりもする。
話の自然な流れを無視してキャラを愛でたいからストーリーを進めるってのは、なんか違うだろ。
>>618 自分の嫌いなキャラをひどい目に遭わせたいから書いた、みたいのはよくあるけどな
「ヘイト」ってジャンル名が付けられるくらいには多い事例
ヘイトちゃんとちゅっちゅしたいよぉ
つーか、ゼロ魔は心の底から殺意を覚えるようなキャラはいないと思うんだけどな。
男女問わず。
まぁ人によっては琴線に触れるのもいるのかな。
>>621 まぁ、ルイズは話に聞くだけならともかく、実際にあったら、殺意は分かんだろうが、
付き合いきれないと距離を取ることになりそうだがな、俺の場合。
細かいセンスや価値観が、徹底的に食い違っている。
ここまで違うと、嫌いにもなれんというレベルだ。
デビルサバイバーからナオヤ兄さん連れてこようぜ
ルイズって嫌いだからぞんざいに扱うってわけにもいかんからなぁ
キャラ的にはだいぶ扱いやすい気はするが、無理だって書き手さんもいるのかね
>>624 思考ロジックが理解できない。
なんというか、その選択だけは、気持ち悪くてできないというような選択をする。
感情移入する対象以外としてみるのなら、別にかまわんのだが、
自分でこのキャラを動かせと言われたら、無理。
灰汁の強いキャラを読んで振り回すぐらいやらないと、ルイズをルイズとして描くことはできないと思う。
>>601 ついに『俺フィー』から召喚されるというのか……
和也やタクローならいいが伊武さんやダミアン召喚しちゃったら大変だな
>617
それってどこのss?
いんや、ルイズが良く描けている作品は自然と人間描写が深いと思うのよ。
ルイズは話の主役な訳だから、それがきちんと書き込まれてる以上、他のキャラクターも相応に書き込まれてることが多いなと。
荒れるから名前は伏せるけど、そういう作品はルイズが悲惨な目にあってても、ルイズへの好意的な目線で書かれているから、それすら魅力的に書いてくる。
そういうの読むと、かわいそう、応援したいなって思っちゃうよ俺は。
何か眠いからか後半支離滅裂になってるな。
まあ、原作で情報量一番多いルイズだけに、それを掴んできっちりかっちり書ききってるとそれだけで好感が持てるね。
殆どの場合ルイズが話の中心にいるわけだから、彼女を好意的な目線で書いてると大体はゼロの使い魔を大事にしてるのが伝わってくるしな。
>>628 末次を召喚したら、タルブに眠っているのは寺本だよな
ゼロ魔が好きだからめちゃめちゃにしたいってSには市民権がありませんかそうですか
マイノリティだって認識して避難所でやるのが適当じゃね?
めちゃめちゃの度合いとか方向性にもよるだろうけど
レザードが来たとしてもレナスがいなけりゃすぐに帰るだろ
『バジリスク 〜甲賀忍法帖〜』より薬師寺天膳を召喚、
第二殺を投下したいと思います。
よろしければ5分後より。
さわやかな朝であった。
キュルケ・フォン・ツェルプストーはたっぷりと時間をかけて身支度を済ませると
朝食を摂りにゆくため自室のドアに手をかけた。
いつもの朝との違いは使い魔召喚の儀式で呼び出したサラマンダー・フレイムが従っていることだ。
インパクトでは級友タバサの引き当てた風竜に一枚譲るが、
『火』系統に秀でたメイジである自分にふさわしい使い魔として彼女は大いに気に入っている。
使い魔といえばやはり級友のヴァリエール家のルイズは人間、それも平民を召喚して昨日は結構な騒ぎになった。
(今日はそのことで少しからかってやろうかしら?)
この思いつきはキュルケの熱帯の花のような美貌をほころばせたが、本当に嬉しいのはありふれた日常が今日も続いていること
──ルイズが進級に関わる召喚の儀式にまで失敗したら、今の憎まれ口を叩き合うような関係ではいられなくなるかもしれなかったから──
なのは彼女自身も自覚しているのかどうか。
キュルケは扉を開き、隣室の様子を伺った。いや、伺おうとした。
死にたい人にお勧めの危険な学校トリステイン魔法学院
・自室から徒歩1分の廊下で隣人の使い魔が頭から血を流して倒れていた←今ココ
「いやぁぁぁぁっ!!」
生徒たちが揃って席についた中にルイズと薬師寺天膳の姿もあった。
寝乱れた髪もそのままに朝から憔悴した様子のルイズに対し
使い魔天膳はモミアゲの上らへんを今日も元気にぴょろりと跳ね上げ、何食わぬ顔で床に正座している。
昨日の疲れのためにすっかり寝入っていたルイズはキュルケの叫ぶ声でようやく目を覚まし、
寝ぼけまなこで血溜まりにブッ倒れた自分の使い魔と対面する羽目になった。
天膳本人は呑気にも「あアあ!」と一声あげて起き上がってきたからいいとして
殺人現場そのものの廊下を捨て置くわけにもいかぬ。
腰を抜かしたキュルケを無理やり隣室へ押し戻し、必死になって血痕をぬぐうこと数分。
他の生徒たちが騒ぎを聞いて集まってくる前に証拠を隠滅できたのは半ば奇跡であったろう。
「あんたは使い魔なんだから本来はこの食堂にも入れないのよ。飢え死にしたくなかったら我慢なさい」
腹立ちまぎれに残飯同然の食物を放るルイズ。
天膳は不平を言うでもなく、ただ生徒たちの前に並べられた豪勢な食事を見回してひとりごちる。
「飢え死にか。飽食の時代には新しいやもしれぬな」
(何なのよ……)
天膳はとうとう食事に手をつけなかった。
朝食を終えれば次は午前の授業である。
各々の使い魔を連れた生徒たちが人間を呼び出したルイズに好奇の目を向けるが、
露骨に避けるように教室の反対側に座ったキュルケが時折向けてくる視線がなにより痛い。
授業自体はテンプレ通りに何事もなく進み、シュヴルーズに『錬金』の実技を命じられたルイズが教室を吹き飛ばして終わった。
術を見極めようとひとり身を乗り出した天膳は爆音で両鼓膜を破られたついでにショックで心停止したが、
主人が一人で教室の片付けを終える頃を狙ったように息を吹き返すに至って
ルイズは疑問をさしはさむ努力を放棄した。
昼休み。
(ふむ……わしを呼びつけたあの娘がよもや魔法を満足にあやつれぬとはな)
「一人になりたい」と言い出したルイズに暇を出され、天膳は独り学院内を歩いた。
ゼロのルイズ。
『ゼロ』の意味するところは江戸時代の人間である天膳には理解できなかったが、
貴族に生まれながら魔法を使えぬルイズの苦しみを察することはできた。
何たる奇縁であろう!
伊賀鍔隠れの跡取り・朧は祖母お幻のあらゆる仕込みも無効無益にてクナイひとつ放てぬ娘であった。
忍法を知らぬ忍の頭領に仕えたこの忍者は今また魔法を使えぬ魔法使いに使われる身となったのだ。
「力なきゆえの苦しみ、か」
くだらぬ。
忍者は闇に生まれ落ち闇にて死する定め。
忍の闘いには名誉も報酬もなく、いかに力があろうとその異形ゆえ忌み嫌われ決して世に出ることはかなわぬのだ。
それにひきかえ魔法という力の有無によって尊貴の決まるこの世界はよほど幸福ではないか!
伊賀者としての天膳は忍者の宿命と鉄の規律に縛られてはいたが、同時に強者が弱きを駆逐する下剋上の時代を知っている。
(あの娘がわしを望んだというのなら、わしがきゃつの欲する力となってやろう。そして)
──かりそめの主を至尊の位へ押し上げ、わしが天下をいただくも面白かろう。
冷たい双瞼に野望の火をともし、大忍者は口の端をつり上げた。
「もし……ミス・ヴァリエールの使い魔の方ですよね?」
昼食を終えた生徒たちと使い魔が憩うている時間、黙想にふける天膳に声を掛ける者があった。
学院勤めのメイド、名をシエスタと言う。
「いかにもわしが薬師寺天膳じゃ。何ぞ用かの」
ぶっきら棒に返しながらも天膳の忍の眼は観察を怠らない。
素人がするようにジロジロと見ることはせず、一瞬で対手の姿を目の裏に焼き付け頭の中で吟味するのである。
ここの人間では珍しい黒髪に柔らかい顔立ち。
加えて桃色の髪の主人と違って出るところはしっかりと出たしなやかな体つきは上級に属するものであろう。
(具合良し!)
天繕違いである。
「いいえ、用事ということではないんですが……ミス・ヴァリエールが平民を呼び出されたと聞いて、その、気になって」
恥ずかしそうに口ごもるシエスタ。
要領を得ない相手に苛立ちかけた天膳だったが不意に顔を上げたシエスタと目があい、息を呑んだ。
「おお──」
黒々としたつぶらな瞳が天膳をとらえた。
その目は水底のように深く黒い太陽のようにかがやき、あらがえぬ吸引力をもって見るものを呪縛する。
──目をそらせぬ。
天膳の手があやうく刀の柄にかかろうとしたところでシエスタはふたたび目を伏せる。
「貴族の方々はあなたを平民だと言いますが、あなたは私たちとは違います。
あなたはもしかして『ブシ』なのではないですか?」
「なに」
今朝の朝食時、人間を召喚した生徒の噂に興味を持ったシエスタは何気なくその姿を探した。
自分と同じ瞳と髪の色をした奇妙な服装の男は召喚主の少女に恭しく従っており、なるほど貴族に隷属する平民そのものに見える。
だが男は貴族の少女が犬に対するようにあたえた食物に手をつけることなく、
ただ主人が食事を終えるのを待ったのだ。
忠節と矜持にみちみちたその姿勢はシエスタの幼い日の記憶から一つの言葉をよみがえらせた。
「『ブシ』……」
いうまでもなく薬師寺天膳は忍者だが、身分の上ではれっきとした士分であり
任務に際しても忍装束をつけないのは彼の鍔隠れの副首領格としての地位の高さゆえである。
「粗末なものですが、どうか」
シエスタは施しと受け取られないよう苦心した様子で食事を勧めた。しかし天膳はそれを断る。
並の忍者であっても一日二日食を絶った程度でこたえはしないのだが、
何よりシエスタの向ける無心の瞳から離れたいという奇妙な衝動があった。
「──シエスタ殿、持ち物を落とした者がおるぞ。あの花飾りをもった男じゃ」
苦し紛れに目についたことを口に出し、ようやく少女は離れていった。
一つの集まりの中心にいた男子生徒に近づき、足下の小壜を拾い上げる。
「あの瞳は──。わからぬ」
シエスタからは何の害意も感じられなかった。
しかしその瞳に見つめられた天膳は深い霧が日差しに照らされて雲散霧消するかのような感覚にとらわれ、動くことができなかったのだ。
「まさか、じゃ。──む?」
見れば件の男が肩をいからせて立ち上がり、シエスタに向かってなにやらまくし立てているようだ。
「何ごとかの」
「申し訳ございません!どうか、どうか……」
「謝ったところで仕方ないじゃないか。君の無思慮な行為で大事なレディたちが傷ついたのだよ。
一体どうしてくれるんだい?」
頭から水ならぬワインをしたたらせたいい男はギーシュ・ド・グラモン、『青銅』の二つ名をもつ学院生徒である。
プレイボーイを自認する彼は周りを囲む同輩連中に恋の遍歴を吹聴し、
またきざったらしく追及をかわすなどしていい気分になっていた。
ところがシエスタの拾った香水壜から同級の女生徒モンモランシーと交際していること、
さらに下級生にも手を出していたことまでもが明るみに出てしまった。
醜態をさらしたギーシュはやむにやまれぬ怒りの矛先をシエスタへ向けたのだった。
「待たれよ。話は聞かせてもらった」
「何だい?君は……誰かと思えばルイズの使い魔の平民じゃないか」
シエスタを庇うように割って入った天膳にギーシュは不審の目を向ける。
「例の小壜を拾うようシエスタ殿に言うたのは──わしじゃ」
「ほう?ならば君が彼女の代わりに責任を取るとでもいうのかい。
貴族の面目をつぶした罪、軽くはないよ」
ギーシュの口ぶりははたから見ても横暴きわまるものではあったが、すでに振り上げた拳は下ろすことはできぬ。
また周囲の者たちもギーシュに理があるとは考えていないがあえてその行動を止めるものはいない。
トリステインにおける貴族と平民の関係とはつまるところこのようなものだからだ。
「その前にそなたに申し上げたきことがござる」
「純愛……誠意……。皮肉にもこのところ男の口よりよう耳にする言葉じゃが、拙者にはその意味するところが──皆目わかり申さん」
「な、なに……?」
あっけに取られるギーシュ。ずいと顔を突き出して天膳が続ける。
「より良い、より多くのおんなにいのちの精をそそぎこまんと欲するは男子(おのこ)として当然のこと
そなたは何を取り繕っておられる!たかが女子二人、心のおもむくままおのが物となさるがよい!」
「い……いのちの精……?」
色男ギーシュといえどもやっていることはしょせん子供同士の恋のさや当てにすぎぬ。
あまりに直接的な言葉に圧倒されずにはおれない。
「──うぶなお前には、ちと早いか」
とどめに意味不明の優越感を叩きつけられ、ギーシュはくず折れた。
このままでは駄目だ。ここで退いたら僕は男として再起不能だろう。
「決闘だっ……男らしく決闘で白黒つけてやる!ヴェストリの広場へ来たまえ」
(どうだっ……言ってやったぞ!いくら口が回ろうが平民が貴族には勝てないんだ!)
「それには及び申さぬ」
「ええ!?」
天膳はこともなげに言うと腰の差料に手を伸ばし、小刀を抜いた。
「まさかここでやる気か!?」「何て無法な」
「シエスタ殿……目をふさいでおられよ。何があろうとも決して開かぬように」
抗議の声を気にも止めず、小刀を逆手に構えるとおもむろに衣服の前を開く天膳。
「こたびの不祥事は、すべて拙者の不徳のいたすところ」
言葉とは裏腹の獰猛な笑みを浮かべて天膳は続ける。
「死んでおわびを申し上げる」
周囲が意味を理解する暇もなく、天膳は己の腹に刃を突き立てていた。
「お……おおお……あああぁぁぁ」
腹膜が破れるとともに口から腹からおびただしい血が吹き出し、固まったままの生徒たちの顔や衣服を汚す。
天膳は奥へ奥へと抉り込んだ白刃で腹を十文字に割り裂くと真っ赤な塊を掴み出し
菓子や飲み物の並んだテーブルの上へ放り出した。
「シエスタぁ!見るんじゃねぇ!!お前ら全員ここから離れろ!」
コック長のマルトーら度胸の座った男数名がその場を収拾すべく動き出した。
しまいに頸の動脈を切って己の血の海に溺れた天膳ひとりを残して生徒たちを連れ出していった。
「これは……一体……」
急報を受けたコルベール以下教師陣が生徒の収容を済ませ現場へ駆けつけた数十分後。
そこにはあまりに酸鼻な痕跡が残されていたが、かかる惨状の主役の姿のみが忽然と消えていたのである。
以上です
ものすごく予想通りだったが笑っちゃったので俺の負けだ
乙
天膳違いw
つか忍者がホイホイ自分の能力見せちゃっていいのかよww
まあ忍者だけど、手の内隠してなかったよな・・・
味方とはいえ、里の仲間ではない武士達に能力明かしてたし。
まあ顔を変えて自分に化けたやついたから、死んでも生き返るから、本物なら殺しても大丈夫だよって状況ではあったが。
途中おしとねになってるw
大丈夫!死んでも生きられます!
忍者といえば戦績3戦3敗3死亡の人気キャラ、ザ・ニンジャだな
ジャパニーズマジック
サムライ・レンズマンでいいよ
ザ・ニンジャは人間が修行して超人になったすごいやつなんだぜ
ジェロニモ? だれそれ。
ジェロニモってのはアパッチ族の軍事指導者ゴヤスレイにアメリカ側がつけたあだ名。
忍者ならハットリくん召喚だな
髑髏の徽章を身につければ超人に早変りするブロッケンJrを忘れてもらっちゃ困るぜ
ネットリくん召喚とな?
忍者って言ったらエアマスターの尾形だろ…いや、今丁度読んでいたもんで
みんな何を言ってるんだ
忍者といえばpop'n musicのヨシオだろ、普通に考えて
チャームポイントは洗濯し過ぎて短くなったジャージ
おおっと、どくばり!!
タートルズを忘れてくれるな
犬が本体なガルフォードもよろしく
能力ばれても基本的に殺せるのは朧のような能力だけだし。
他の忍者と違って対策が取りようが無い。
強いてい言うなら土メイジが奴を土中に鎮めて周囲を鋼鉄で錬金・固定化すれば無力化できるかも……
流れは忍者か……
自称正義の忍者エビス丸でも呼ぶか
今度の武器は何だろう
どうも忍者と聞くとえびぞりアタックとかしんぱいごむよう、みねうちでござるとか
そっちのほうが・・・
忍者ならゴエモンだな
超人なら掲載紙潰しで有名なロックさん召喚で・・・
一応小ネタにはもう居たけど。
忍者って言ったら『世界忍者戦ジライヤ』を忘れてもらっては困るな。
とりあえず城忍フクロウ男爵とか雷忍ワイルドあたりがカッコイイと思うんだ。
FF4のエッジは?
忍者といえば忍者戦士飛影から飛影。
ルイズ達の経験値を根こそぎ奪って活躍してくれるぞ。
忍者なら武神流のガイを喚んでシエスタを助けに行くとか
もちろん道中にはモット伯が雇ったならず者や傭兵団が(ry
ルイズ「わたしはふつうにはいきられないメイジよ。 いいならきなさい!」
>>661 カスミちゃんやアヤネちゃんを召喚して、おっぱい天国
安価違い
忍者と言ったら忍の真祖である風狂四郎も忘れないであげてください。
KAZEから召喚となると
是能(ゼノン)ボディの伊達政宗とか
白虎モード石川五右衛門とか
他の虚無の使い魔候補も豊富なような。
>>663 城爆破しといて峰打ちでござるはないよなw
>>668 ジョーかレニーかマイクの気力を上げておけば合体してくれるからだいぜうぶ
遅ればせながらバジリスク乙
天繕違いだの責任とって割腹だのやりたい放題のはっちゃけぶりだなぁwww
おマチさんを避難所行きにするような展開に遭わせる事を期待期待w
汚いなさすが忍者きたない
忍者と聞くと最初にこれを思い出す。
ゲルマン忍者に触れる者がいないことに絶望した!!
ふはははは、私はここだ!
にんにん
ローマ忍者「くそっ、こいつもローマだ」
>忍者
んんんんんんんんうおおおおおおおおおおおおおおお
すごい漢だ!!
686 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/14(木) 12:29:55 ID:RbxVADw8
ビッグボルフォッグだーっ!
>>679 ルイズが幼い頃、池の小舟で黄昏れているところに
腕を組んだカトレアが水中からゴーレムに乗って現れて
「馬鹿者ォォォォ!」
と
なんてこった!
ニンジャコンバットやニンジャコマンドーが出てきたのに、ニンジャマスターズがないなんて!?
『俺に構うな!』ってことなのか…。
じゃあ MORTAL KOMBAT からサブ・ゼロやスコーピオン。
ちなみにサブ・ゼロは中国忍者でスコーピオンは日本の忍者ね。
アイツ呼べアイツ、世界忍者戦のふくろう男爵w
是非ともここは朧党に
上の方でタバサがよく絡むSS云々あったけど、ワルドがルイズに召喚されたクロスキャラを
「使い魔」呼ばわりしないSSっていくつぐらいあったっけ?
しかしギーシュイベントで決闘になる前に、自分が悪かったから許してくれって詫びを入れる使い魔って初めてじゃね?
世界忍者といえばロジャー・サスケ
忍者というと少し違うが、忍ペンまん丸のSSは見てみたい
あれが使うの魔法っぽいし、ルイズの失敗魔法と手印念が合体した
手印念スーパーミラクルデンジャラスボムとか
ここまでステイツの平和を守る撫裸汁忍者なしとは
忍者なら東京から召喚だ
とりあえず、国家公務員の兼業禁止規定は問題ないのだろうか?
やっぱり忍者キャプターはマイナーなのだろか
せっかくキャラデザ聖悠紀なのに
アメリカンNINJAなら超常パワーに頼らない真のNINJAである、甲賀デスシャドー流のシャドーファルコンで決まりだろ
フクロウ男爵『虚無を得ただけでは、強い貴族にはユーネバーキャンビー!』
スモークボム!スモークボム!!x∞
これぞ、武神流!
RR軍のスーパーニンジャの拙者を忘れてらっては困る
>>700 小ネタでふぁんし〜な双子が呼ばれているから我慢しれ。
>>704 えーと、レッドじゃなくてブラックでもなくて…ブルー、ホワイト…違うなぁ…
ああっ!思いだした!カーマインだ!確かそんな魔法戦士がいた気がする!
ムフォフォフォフォ・・・
ニンジャはニンジャだ
ボーパルバニーはニンジャではない 多分
>>695 都合よく世界渡れるし良さそうだなw
そんな訳で695に期待
カクレンジャーもハリケンジャーも出てない……だと……。
「僕のワルキューレが!?」
「貴様の辞世の句など、その程度だろうよ」
>>694 ギーシュイベント自体、絶対やらなきゃいけないことじゃないからな。
少数だが、負けたり引き分けたり、イベント自体をスルーしたりしてるのもある。
それはともかく、登場数では他に比類ない宇宙忍者をなぜ誰も言わん。
ムッシュムラムラ
>>711 貴様らにそんな玩具は必要ない。
とかいってルイズの虚無使わず単騎で船沈めそうだな・・・
>713
それが「宇宙忍者」だと判る あんた一体トシは幾つだ!
爆裂究極拳!
そういやベンジャミン大久保彦左衛門なんてのもいたな。
わや姫でもいいが。
おっと >715ですが、名前欄消し忘れてました。
前スレで メイヴ雪風を召喚したものですが、別件の小ネタを思いつきましたので 送ります。
(流れ ぶったぎってすいません)
使い魔の正体がオチみたいなモノなので ネタ元は明かしませんが、
題名でバレるかも?
『使い魔は Hの王様』
サラリーマンやっててタイムマシンで時空を越える派手好きオラオラ忍者ならハルケギニアにも通えそうだ
……過労死するか
『使い魔は Hの王様』
殿(しんがり)、それは 撤退する味方を無事に逃がす為 己を犠牲にしても敵を食い止めねばならない 非情の役目。
迫り来るは 七万の軍勢。
迎え撃つは 彼一人。ぼろぼろのマント、得物は 背中の錆びた刀 一振り。
それだけの筈だった。
「ルイズ。何故 此処にいる。」
友軍と共に在る筈の 誰よりも戦場から遠ざけておきたかった筈の、彼の主人がそこに居た。
「しっ 真の貴族は 敵に後ろは見せられない…のよ。つつっ使い魔一人を残していくなんて 出来るわけ無いじゃない!」
声は震えていたが 決意は固いようだ。言って効く様な娘ではない。それに 今からでは、逃がすにも遅すぎる。
彼の驚異的な身体能力を持ってすれば、絶望的な数の敵を相手にしても 生き残ることは出来るやもしれない。彼 一人なら…
だが 今は。
さて どうするか?
「ルイズ、俺をこの地に呼び込んだ『召喚の儀式』、あれを 今 此処で出来るか!」
使い魔の意外な言葉に、
「何を言い出すのよ、使い魔の召喚は メイジ一人に一体だけ。使い魔が死なない限り 二回目は、
っ あんた まさか?!」
「安心しろ。死ぬ気は無い。
それに 召喚するのはお前じゃない。俺がする! だから、そこまでの段取りを頼む。」
「メイジでもないあんたに、そんなこと できるわけないじゃないの!
それに 何を呼ぶって言うのよ!!」
「我が戦友にして我が半身、俺の『愛機』だ。
あいつはきっと応えてくれる。いや 呼んでみせる!
この紋章に誓って!!」
そう言って 使い魔は、右手を胸の前で握って見せた。
ルイズは、(ガンダールブのルーンって、左手じゃなかったっけ?)と思ったが、突っ込まずに 召喚の準備をすることにした。
「さぁ これでいいはずよ。で どうするの?」
この使い魔は 自分に嘘をつく男ではない。しかし 平民がどうやって『召喚』をしようというのか?
「こうするのさ。」
彼は 高らかに叫び 指を鳴らした。
「出ろぉー!『ガァンダァーム!』(パチッ)」
光の中から 白い巨大ゴーレム、『ゴッドガンダム』が現れた!!
「えぇ〜!」
使い魔 ドモンは、驚く主人を抱えあげると 胸部のコクピットへジャンプした。
ルイズは見た。彼の左手のルーンよりも、熱く激しく輝くものを。
右の拳で轟き叫ぶ 『キングオブハート』の紋章を!
こうして 七万のアルビオン軍は壊滅し、トリステイン軍は無事に王都へ帰還した。
(て言うか、ゴッドガンダム呼べるなら、撤退する必要無かったんじゃ…)
『機動武闘伝Gガンダム』より ゴッドガンダムを(ドモン・カッシュが)召喚?
そういや昔、「爆熱の使い魔」って載ってなかったっけ?
好きなキャラほど出番減らして嫌いなキャラほど活躍させてやりたい俺は多分永遠に二次書けないんだろうな。
文学部にいた後輩の
「作品ってのは作者のエゴ丸出しにしちゃいけません、必要不必要で考えるべきです。
好感が持てるキャラに悲劇を与え、誰からも嫌われるキャラにこそ重要な役割を。
そうすればすべての登場人物が輝きます」
という話を聞いてから既存の作品を自分の手で加工することができなくなってしまった。
すべてのキャラを引き立たせるってムズイよなあ。
ここの作家さんたちには本当に感心するし敬意を抱くよ。
>>722 例の騒ぎのときに出て行かれました。
落ち着いたら再開する、とのことです
>好きなキャラほど出番減らして嫌いなキャラほど活躍させてやりたい俺は多分永遠に二次書けないんだろうな。
むしろそれは一次にこそ必要な考えだけどな。
そこを抜けて、キャラクターの役割と活躍を客観的に構成できるようにならないと、新人賞の三次通過は絶対ムリ。
同時に更にそこを切り分けて、必要なときに必要なだけ中二が引き出せないと売れる作家になるのは無理、とどっかの編集がいってた。
>>725 それなら何故、とあるラノベの厨二作家は……?
厨二も突き抜ければ個性になるさ。
大抵は突き抜けられないから。
>>721 乙
確かに壊滅させてるなら撤退する理由は無さそうだw
嫌いなキャラを重要な役割につければいいんじゃねぇ?
>>726 それは読み手のほうに問題があったりするんだと思うんだよね
>>725大体、こういう風に出来てるラノベ書きは最近はほとんど居ないと思う(特に大々的に売られたり、人気が大きすぎたりする作品には)
なぜ忍者の話にあのサラリーマンが出てないんだ…?
>731
ここで「サラ忍マン」を挙げるのはNGだろうか?
>>731 通りすがりの“サラリーマン”だからさ。
結局は読み手次第だものね。
人気あるラノベだからと言って、文章力が高いとは限らないし、
キャラに人気があっても、たいていそんなに目新しいキャラではない。
ラノベである以上は最低限、キャラを魅力的に書けている必要はあるんだろうけどさ。
後は宣伝やら売りだしかたじゃないかな。音楽業界と一緒で。
>>734 言いたいこと全部綺麗に言ってもらった。
ま、ハンターを雑ととらえるかどうか、みたいな?
忍者といえば五分厘パンチ
ふと、ディシディアのバッツはEX玉ねぎを一撃とかってな裏技は無いのかと思ってしまった
小ネタでシャドウ呼ばれたが、FC版のポールは忍者ルックだったなぁ
あとは狂乱家族日記の蜘蛛とか…は出せるほど本性とか見せてないかもだし
いっそP4の花村でも呼びますか
テレビに入ろうとしたら鏡が出ましたみたいな
忍者がひとり、忍者がふたり……ファイナル分身!
変異抜刀霞切り!
>>696 まん丸の忍術は結構すごいのが多いよな
最強クラスのネンガ様やギオは空間を加工したり物に命を宿らせることができるし、
最強クラスからちょっと下の白老や黒龍斎も
遠くの物を切ったり体内爆破したり空間移動ができる。
しかも基本的に作中の忍者は全員動物系だからルイズ的には割りといい使い魔
霞とかあやねとか舞とか召喚しちゃったらルイズ涙目 いろいろと
狐の忍者は極度の閉所恐怖症だったっけw
日陰の忍者勝彦
……ごめん、言ってみたかっただけ
必勝の忍者根本
・・・ごめん、僕も言ってみたかっただけ。
忍者怪獣シノビラー
分かる奴いないか…
忍者戦隊カクレンジャー…
タクシー2の車……
ところで定吉七番って忍者だったっけ?
虚無戦記から弥勒
一応忍者…か?
赤影・・・
親父じゃない天地丸
>>734 斬新さやクオリティと、面白いと思う感想は
正比例するとは限らないって事か?
批判したがりが認めたがらない論理なんだろうなぁ
刀語の真庭忍軍はどうだろ?
おきらく忍伝ハンゾー……
ならここはかげろうのお銀を…
ある意味あの人自身が忍術な気がするが…
FF3の忍者・・・は強すぎるか
1の忍者は弱すぎるし
無難なところで5かTか?
原作より不死身だけど火力の違いでドワオされる天膳
>>745 まさかと思って調べたらやはりグリッドマンかw
あれ?
ウロボロスゲーなあの人が出てないよ?
先約は無いようですので五分後に投下したいと思います。
支援
16話
プッロとウォレヌスは一昨日に風呂場を一度使用している。
それは学校の一角に立てられた、煙突のある掘っ立て小屋の様な建物だった。
とはいえ軍の劣悪な環境の中で過ごして来たプッロにとって、例え掘っ立て小屋の風呂だろうと不満は無い。
それでもハルケギニアの人間が入浴する際に石鹸を使うのには閉口した。
ローマ人は石鹸を使わない。垢は体に油を塗った後、ストリギルと言う鎌のような道具で油ごとすり取る。
棒状の石鹸はケルト人などのいわゆる蛮族が使っていた物で、プッロ自身もガリア戦争中に何度か使う機会があったが独特の匂いもあってどうにも慣れなかった。
いつかストリギルみたいな棒を探さにゃならんな、と思いながら服を脱ごうとした時、マルトーが声をかけてきた。
「プッロよ、あの坊主がどこに行ったか知らないか?」
「坊主?サイトの事か?」
「そうだ。いなくなってるんだよ、何故か」
そう言われプッロは周りを見渡してみた。確かに彼の姿が見当たらない。
「はぐれちまったんじゃないのか?」
もしそうだとすれば少しまずい。
彼はここへの道を知らないから迷っている筈だ。
プッロはため息をつきながら言った。
「しゃあないな。俺が探しに行くよ。すぐに戻ってくる。あんたらは気にせず先に入っててくれ」
そう言ってプッロは風呂場を出た。
(余計な手間をかけさせやがって)
ちょっとして親切心から探そうと名乗り出たのだが、少し後悔し始めた。
迷っているのならどこにいるかなんて解る筈が無いし、すれ違いになるかもしれない。
運が悪ければ見つかるまでにかなりの時間がかかるだろう。
自分もここの構造を完全に覚えているわけではないので下手をすれば自分まで迷ってしまう可能性もある。
適当な方向をデタラメに歩き回っている間、する事も無いのでプッロはここ三日間の事を思い返し始めた。
やはり一番の驚きはルイズの態度の変わりようだった。
サイトの治療費を自分が負担すると言い出した時も意外だったが、その後直接をサイトを介抱し始めた時は本当に驚いた。
謹慎中とは言え、一日中つきっきりで看護をしていたのだ。彼女が心の底からサイトの身を案じていたのは誰の目にも明らかだった。
彼女は自分達の事を体の良い奴隷か家畜程度にしか思っていない、と考えていたプッロ達にとって、これは驚愕だった。
そしてプッロは、そして恐らくウォレヌスも少しだけルイズへの評価を改めた。やかましいだけの小娘かと思っていたら可愛い所もあるじゃないか、と。
だがそれ以外は退屈な三日だった。ルイズが殆どの間部屋の中に引き篭もっていたせいもあるが、やる事が何も無かったのだ。
学院長とは決闘の後で説明をしに呼ばれてからまだ何の音沙汰も無い。
日中はもっぱら外をブラブラして過ごし、夜は厨房で暇な料理人を相手にこの国の事を色々と聞きだそうとした。
プッロ達は単なる珍しい異邦人と言うだけでなく、貴族と喧嘩をして一歩も引かなかった平民だと言う事で学院で働いている平民たちの間では結構な人気になっている。
だから大抵の人間は喜んで相手になってくれた。
もっとも得られた情報の多くは大して興味も無い学院内の噂話だったが。
とにかく、ルイズの謹慎は終わりサイトも起き上がった。
これで少しは退屈も紛れる事だろうし、ギーシュへの復讐も始められる。
ウォレヌスに言った通り、プッロはギーシュをこのまま逃がすつもりはない。
あのやたらと気障なガキにいちゃもんを吹っかけられ始まった喧嘩は強制的に中断されたあげく、勝負は奴の勝ちと言う事になった。
しかもそれだけではなく、奴は約束を破り魔法を使った。
自分達は子供に完全になめられたのだ。これは絶対に許せる事ではない。
これは自分のメンツやプライドだけの問題ではない。
自分が第十三軍団の兵士である以上、喧嘩に負けたままでは軍団自身の名誉も汚されたままになる。
それだけは絶対に耐えられない。自分の為にも、そして軍団の為にもなんとしてでもあのガキを地に這いつくばらさねばならない。
だが問題はどうするか、だ。
再度の決闘を申し込むか?だが仮に相手がそれを受けてもあのゴーレム全てを倒す方法が思いつかない。
さっきサイトに言ったとおり一体や二体ならともかく、七体も出されては勝ち目は無い。
悔しいがそれは認めざるを得なかった。
いっその事、後で奴の部屋に行って寝ている間にくびり殺してやろうか?と言う考えも浮かぶ。
だがさすがにプッロもそれがまずい事くらいは解っている。
ギーシュを殺す事に抵抗があるのではない。彼を殺しては自分も同時に破滅するだけと言う事だ。
ウォレヌスが言う通り、ギーシュを殺せば犯人は自分だとすぐに解るだろう。そうすれば自分はすぐに捕まる。
シエスタや学院の他の平民の話を聞く限り、貴族を殺した平民なぞは裁判すら無しに処刑される可能性だってある。
ならばギーシュを殺した後は即座に学院から逃亡しなければならないが、それではその内野垂れ死ぬか、野盗にでも落ちぶれるかなのは明らかだ。
あんなクソガキ一人如きと刺し違えるのはどう考えても割に合わない。
ならば必要なのはギーシュを心の底から震え上がらせる事ができ、かつ後腐れの無い方法だ。
だがそんな都合の良い物がそうそう思い浮かぶ筈も無い。
(あ〜、まどろっこしい!)
小僧一人をシメたいだけなのに、一体なぜこのティトゥス・プッロがこうも悩まなければならんのだ。
今まで自分をコケにした奴は必ずその場でぶん殴ってきたと言うのに。
ならば呪い殺すと言うのはどうだろう。
鉛板に呪いたい相手の名前と、どのようにして呪うかを書いた後、地面に埋めるか池に投げ込むかしてそれを神々に捧げる。
地中海世界では極一般的な呪い方である。これなら容疑もかからないだろう。
だがこれが効いたとしても所詮は神頼み。自分の力ではないので気分は晴れない。
そもそも寝込みを襲ったり呪い殺しても鬱憤が晴れるだけで喧嘩自体の勝敗は決着がつかないままだ。
苛立ちがつのり、プッロは壁をがん、と蹴りつけた。
全く持ってこの魔法という奴は卑怯だ、とプッロは思う。
自分はガリア戦争とそれに続くローマの内乱を生き抜いてきた。もう10年は戦い続けてる事になる。
殺した敵の数はとうに数えるのを止めた程。そして五体満足で設立当初から軍団に残っている数少ない兵士の一人だ。
喧嘩になれば余程の事が無い限り遅れはとらない位の自信はある。
だがここでは盾すら重さで持てないようなお坊ちゃまでも、学校でちょっと魔法を勉強をすればあっさりと自分を超える力を身につけられる。
これはもうズルと言っても良い位の理不尽だろう。同時になんでここの貴族連中がローマよりずっと偉いのかも理解できた。
単に土地とか金を持っているだけではなく、物理的な力が圧倒的に違うのだ。
ならば偉そうに振舞うのは当たり前だろう。
そして貴族でありながら魔法が使えないルイズがかなり微妙な立場にあると言う事も解る。
(それにしてもあいつはどこにいったんだ!?)
もうサイトを探し始めてから十分ほど立つだろう。諦めて戻ろうかと思った時、人影が目に入った。
サイトだ。だが様子がおかしい。何故か廊下にうずくまっている。
うつむいている為その表情は見えない。
(あぁ?何やってんだあいつ)
プッロは怪訝に思いつつも、さっさと風呂場に戻りたかったので話しかけた。
「こんな所で何やってんだ。さっさといかんと風呂場が閉まるぞ」
だがサイトは返事をしない。
「おい……」
聞こえなかったのかと思い、プッロはそう言いながら彼の顔を覗き込もうとした。
だがそうする前にサイトが顔を上げた。何かがおかしい事はすぐに解る。
彼の目の周りは赤く腫れており、頬には涙の後が見て取れた。
つまり泣いていたと言う事になる。だがプッロにその理由は解らなかった。
「……プッロさん。こんな所で何をしてるんですか?」
サイトは感情のこもっていない声で言った。
「何をって……お前を探しにきたんだよ。お前こそ何やってんだ」
そう言いながらも、プッロはもしやサイトの傷口が開いたのでは、と疑った。
傷の痛みで動けなくなったのではないかと。泣いたのもそれが理由かもしれない。
「おい、もしかして傷が開いたのか?」
だがサイトは何も言わない。
「何とか言えって。それとも口が聞けない程痛いのか?なら頷いてみてくれ」
サイトはうるさそうに返した。
「違います。俺は大丈夫ですから行って下さい……」
「どう見たって大丈夫じゃねえだろ。一体どうしたってんだ?」
だがサイトはそれきり黙りこんだまま何も言わない。
わけが解らないが、これでは埒があかないし何時までもここにいたくはない。こいつが何も言いたくないんならそうさせてやろう。
本当に傷口が開いたのならそう言う筈だ。
「何も言うつもりが無いんなら、俺はもう行くぞ」
時間を浪費した事に苛立ちながらプッロは立ち去ろうとし、背を向けた。
「あの……ちょっと待って下さい。」
だがサイトは先ほどより少し大きな声でプッロを呼び止めた。
言いたい事があるならさっさと言え、とプッロは少しイライラしながら返した。
支援
「いったい何だ?さっさと言ってくれ」
彼は一瞬躊躇する素振りを見せたが、意を決したように話し始めた。
「あのゴーレムに勝てるって言いましたよね?」
「ゴーレムって、あのガキが作った青銅人形の事か?ああ、武器さえあればな。それがどうした?」
今この状況でなんであれの話が出てくるのだろうか、とプッロはいぶかしんだ。
「……でも俺には無理なんすよ。見てたでしょ?たった一体が相手でもあのざまで。あのまま決闘が続いてたら俺は殺されてたでしょう。何の抵抗も出来ずに。武器を持っても俺なら切りつけても弾かれるだけです」
そう言って自嘲するようにサイトは軽く笑って見せた。
「……あれだけ見栄を張って、奴に謝らせようとしたのにあいつがちょっと本気を出したら俺は手も足も出なかった。これじゃ情けないにも程がある……!」
だんだん話が飲み込めてきた。どうやら彼はギーシュに負けたと言うのがよっぽど悔しいらしい。
だが、それを悔しく感じると言うのは少しおかしいんじゃないかとプッロは思った。
ヒゲも生えない年の子供が、文字通り魔法を使う奴に勝てる筈が無い。
手も足も出なかったのは当然の話だ。
「……そりゃあ仕方ないだろ。あんなインチキみたいな力を持ってる連中なんだ。どうしようもない」
「どうしようもない?あんたには少なくとも奴に一矢報いるだけの力は持っている。あんた自身がそう言ったんだ。これは貴族とか平民とかそれ以前に俺が弱すぎるって事でしょうが!」
この言葉でプッロはようやくなぜサイトがこんな所にいたのかが理解出来た。
ギーシュに負けた事と言うよりも、自分の力の無さを悔しがってここで腐っていたのだろう。
そしてそれを誘発したのは自分達の「一体や二体なら倒せる」と言う答えと言う事か。
「なるほど、大体解った。それが悔しくてここでふてくされてた、って事だな?」
「ええ、そうですよ!あのキザ野郎に訳のわからないイチャモンをつけられ、止せばいいのに油に火を注ぐ様な真似をして喧嘩騒ぎ、そしてえらそうに見得を切っておきながら、
まともに戦ったら勝てないからセコい手を使う。それでいい気になって相手が本気を出したらコテンパンにされる。しかもあんた達はコテンパンどころか五体満足で生き残った。悔しくて当たり前でしょう!」
サイトは精一杯の怒気を込めて言ったのだろう。だがその剣幕を見てもプッロは全く怖気づかなかった。
むしろ笑いがこみ上げてきた。
(面白いガキだ)
多少悔しくてもあんな大怪我をすれば命が助かってめっけもんだと思うのが普通だろう。
だがこの少年は違う。しかもこの負けた事を悔しがると言うよりは自分が弱いと言う事を悔しがっている。
「何がおかしい!?」
笑いの意味を勘違いしたのか、サイトは食って掛かった。
プッロはそんな彼をなだめようとした。
「悪い悪い。お前を馬鹿にしてるわけじゃない。落ち着け……ただ随分と根性があるんだなって感心しただけだ。面白い奴だよ、お前は」
「こ、根性?」
「お前、何歳だ?」
「十七ですけど……」
十七歳。ローマではようやく成人として認められるかどうか、と言う年齢だ。
とすればあの様な派手な喧嘩は初めてだろう。
「前にもあんな喧嘩をした事あるか?鼻を潰されたり腕折られたりする様な奴だよ」
「……まさか、あれが始めてですよ」
「つまりお前は生まれて始めて鼻を潰され腕の骨をぶち折られたわけだが、それでもお前は負けを認めようとしなかった。見てたぞ?お前が奴の寄こした剣を取ろうとしたのは。はっきり言うが、その年のガキが出来る事じゃない。大した根性だ」
これは紛れも無いプッロの本心である。元々わざわざサイトを探そうとしたのもあの一件でサイトに多少の好意を抱いていたからだ。
プッロが知っている人間で、あんな目にあっても負けを認めようとせずに頑固に戦い続けられる人間は殆どいない。
ましてや子供となればサイトが初めてだ。そう言う根性は決して嫌いではない、と言うかむしろプッロの好む所だ。
サイトは何かを考えるように黙り込む。
「どうした?急に静かになって」
「……それでも手も足も出なかったんですよ、俺。あんな大口を叩いておいて」
「それが普通だ。確かに俺達はあのゴーレムと戦える。だがな、俺とウォレヌスは10年以上軍で戦ってきたんだ。それにしたって武器があればの話しで、言っちゃ悪いが、お前さんはただのガキだ。負けて当たり前だ。それにな、こう考えてみろ。状況が逆だった場合、
あのガキがあそこまで粘れると思うか?普通のガキならあのゴーレムとやらを見た時点で降参すると思うがね。とにかく、立て。ひとっ風呂浴びてさっぱりすりゃ少しは気分も良くなる」
そう言われてサイトはしぶしぶと立ち上がる。
「……それに俺も奴をこのままで済ますつもりはない。ウォレヌスが何を言おうとな。まっていりゃあ必ず何かの機会がある筈だ。奴に復讐する、な」
自分に言い聞かせるようにつぶやくプッロだったが、そこである考えを思いついた。
このまどろっこしい状況の原因は自分ひとりでギーシュに勝つのが難しい、と言う事だ。
つまり奴に勝つには助けが必要だ。単なる頭数と言う意味でも、奴に勝つ案を考えると言う意味でも。
残念ながら自分はあまり頭が良くない。一人ではいい案を思いつく自信は無いが、二人なら何か思い浮かぶかもしれない。
だがウォレヌスが協力しないだろうと言うのは解っている。
そしてギーシュに復讐をしたいのは自分もサイトも同じだろう。目的が同じなら協力できる筈だ。
さすがにサイトにカエサル家のオクタウィウス並みの頭脳を期待しているわけではないが、それでも自分一人よりはずっとマシな筈だ。
「おい。お前はあのガキに仕返しがしたいか?」
「……もちろんですよ。でもそんなの無理だってさっき――」
「なら俺と組め」
「は?」
サイトは一瞬呆けた顔になった。
「奴が寝ている所をぶっ殺すのが一番手っ取り早い。だがそれをやっちまったらすぐに捕まっちまうしそもそも喧嘩の決着はつかないままだ。だから俺が欲しいのは正々堂々で、
それでいて奴が泣いて許しを請うほどに恐ろしく、そして後々問題にならない様な方法なんだが、俺には思い浮かばん」
「それを二人で考える、って事ですか……わかりました。協力しない理由はないでしょう。でも一つ条件があります」
「条件?」
「俺を強くして下さい。あのゴーレムを倒せる位に」
サイトはきっぱりと言い切った。これを受け入れねば絶対に協力しないと言わんばかりに。
相変わらず話が超スローペースですが、以上です。
投下乙です
読み応えがあるんでスローぺースでも構いませんぜ
しかしこれで才人もそこそこ強くなって尚且つ二人がかりならギーシュが死ぬw
>>754 過去の真庭忍軍じゃないと一戦事に死ぬじゃねーか
つ忍たま
つさすがの猿飛
鷲の人乙です。
スローでもOKです。
面白いから。
乙です
からくりサーカスの最古の四人をそれぞれが召喚。
ここまで忍者の話が出ているというのに、キャッ党忍伝が一度も出てこないことに絶望した!!
…古すぎるかw
ジライヤが出てる時点で古すぎるって事はないかと
>>776 ドットーレだけ絶望してるな。
他は最後で友好的になってるから協力的かも知れんけど
とにかく同士討ちな展開になりそうだから、見たいけど見たくないな
忍者と聞いてこいつら100%伝説から極丸を召喚。
ギーシュが活躍しようとすると、邪魔して
「俺、実はお前のこと嫌いなんや」
とか悪びれもせずに答えたり。
すいやせん、予約無いなら二分後から投下しますね。
50.火の本質
「はぁ、結婚式の感謝の詩ですか……」
コルベールはマーティンと一緒にやって来たルイズから、どの様にしてこの研究室に来たかを説明し、
詩についてとても困っていることを聞いた。コルベールは腕を組み、そういえばとルイズに話しかける。
「ミス・ヴァリエール。私の記憶が確かならば、君の友人にこういうのが得意そうな」
ルイズはきっぱりと否定した。
「いません。いたとしても却下します、絶対にやです」
即答するルイズを見てコルベールは苦笑する。やはり、彼女には頼めないか。
ツェルプストーとヴァリエールの関係を見れば明らかな話だ。
そしてコルベールはゆっくりと首を縦に振った。
「大船に乗ったつもりで、という訳にはまいりませんが、これでもたしなむ程度には学んでいます。
しばらく、時間をくれますかな?」
ルイズは満面の笑顔でコルベールに礼をする。
「ありがとうございます!ミスタ・コルベール」
「ええ、今度からはこんな事が無いように詩の勉強をするべきですな」
にこやかに釘を刺されたルイズは、引きつった笑顔で掘っ立て小屋のドアを開く。
しかし、一緒に来たマーティンはルイズと共に帰るそぶりを見せなかった。
「マーティンはここに残るの?」
「ああ。ミスタ・コルベールと話したい事が色々とあるしね」
先に休んでいてくれとマーティンは手を振り、ルイズはドアを閉めた。
「さて、マーティンさん」
コルベールは目を輝かせてマーティンを見ている。
マーティンはそんな目を見た事が何度もあった。知的好奇心が揺さぶられている目。
シロディールでメイジだった頃、自分もそんな輝いた目で対象を見たものだ。
そして、こうなったメイジはしばらく自分の世界にのめり込む。
学院長からコルベールに対してそっちの事を色々教えてやって欲しいと言われてから、
既に一ヶ月は過ぎていた。マーティンは彼の居所を知っていたし、
時折すれ違うコルベールと軽く話したりすることもあったが、時間をかけてゆっくりと話しあったことは無い。
というのも彼の人柄を知れば知るほど、その性質がタムリエルにおけるメイジ、
こちらで言うところの研究家メイジであることが分かったからだ。
「ええ。お手柔らかに」
そういった類の人間はどこか変なところがあると、マーティンはとてもよく理解している。
メイジ特有のいやみったらしさは持っていないが、知的興奮で暴走を起こすだろう。
そう考えたマーティンは、コルベールがそうなっても構わないように、
この世界についてある程度学んでから話をしようと思ったのだ。
「まず、タムリエルの魔法についてですが」
マーティンはコルベールが用意したイスに座り、彼も年季の入った木のイスに座る。
「杖が無くても使えると聞きましたが、一体どの様な原理で?」
「ああ、それは」
ハルケギニアとタムリエルにおける魔法の最大の違いは、その力はどこからやって来ているかだ。
ハルケギニアにおいて、メイジは自身が生み出す精神力を用いて魔法を使う。
その為一日で使える魔法はタムリエルのそれと比べてとても少なく、
睡眠しなければ回復も出来ず、使い勝手は良くない。
更にいえば杖を媒介にして自身が内包している力を放出しなければならないので、
魔法を使うには杖が必要不可欠になる。
タムリエルはというと、エセリウスと呼ばれる神の国から魔法の力であるマジカが降りてくる。
正確に言えばエセリウスから生まれる目に見えないマジカの光は、常にタムリエルに降り注いでいる。
その為生きとし生ける知あるものなら誰でも魔法が使える上に、
常時魔法の力が回復していくのである。
「種類そのものが違うのでしょう。おそらく、ここでは先住魔法と呼ばれる種類だと思われます。
他にも、魔法力を回復させるポーションなどもありますね。この地には、そういった物がないのですか?」
「残念ながら。以前アカデミーがそういった事を研究していた時期もありましたが、
人体への影響から……しかし、神の国ですか」
コルベールは、何とも言えない顔をした。どちらかといえば、あまり好ましくない表情だ。
ハルケギニアの考えとして突拍子の無い言葉だとは、色々と学んだ知識からマーティンも理解している。
この世界における神の概念とはすなわち偶像であり、実際のところいるかどうかはまた別の話なのだと、
先日読んだ神学書がきっかけでようやく分かった。
マーティンは初め、始祖ブリミルが神だと思っていた。
しかしそれは誤りで、彼は神の代弁者であると分かった。
ここまでは良い。聖アレッシアやタイバー・セプティムの様に、
神に選ばれし人間はタムリエルにも存在する。
問題は、その神についての描写が不明瞭で断片的すぎる事だ。
タムリエルの神々が人間に力を貸す理由の一つは、信仰を得る為である。
自分の身代わりに誰かを使って活躍させて、勢力を拡大させるのが目的だ。
信仰心はそのまま神の力になる。
名前が分からず神をかたどる像も無いのであれば、
一体どんな神に祈っているのか分からないではないか。
そんな話をマーティンがルイズした時、彼女からこう答えた。
「ノクターナルやヴァーミルナを見るまで、神様がいるとはそんなに思ってなかった」
どういう事かとたずねると、彼女は難しそうに額にしわを作り腕を組む。
「あんまりそういうのに詳しくは無いけど……ええと、精霊ならラグドリアン湖に行ったら会えるのよ。たまにだけど。
でも、神様って何処に行っても見つからないの。小さな頃に神様はどこにいるのってお母さまに聞いたとき、
『あなたの心の中』にいるって聞かされたわ。だから、なんていうか、そういうものだと思うの」
6000年の間に神がいなくなったのか。それともブリミルはいもしない神を人々に信仰させたのか。
もしくはその神が人前に姿を現すのが嫌いなだけか。この内のどれにせよ、
やはりここはタムリエルとは違うのだとマーティンは理解した。
マーティンは、うさんくさそうなコルベールに話を続ける。
「ええ。私が信仰している九大神と帝国の英霊、そして精霊達が住むと言われています」
「精霊も……そうですか」
精霊はこの世界でも視認できる。コルベールはマーティンの言う神を、
精霊に近い何かだと思ったのだろう。首を縦に動かす様は納得した様子で、
マーティンに別の質問をする。
「ところで、そちらでは杖は使わないのでしょうか?」
「ええ、まぁ。こちらで言うところのアカデミーの様な機関では象徴という形で携えています。
ですがあまり使う機会はありません」
タムリエルのメイジは、タバサが持つような大きな杖を背中に背負っている時がある。
主にメイジであることを誇示したり、メイジギルドに入会している事を示したりする際に使われている。
杖には何かの呪文が込められ、持っていればいつでも使えるがそれほど実用的ではない。
「世界が変われば杖の役割も全く違うのですな。おもしろい、年甲斐もなく興奮してきましたぞ」
それからもコルベールはタムリエルの魔法について質問を続け、マーティンはそれに答えていくと、
コルベールの知的好奇心が段々と刺激されていく。
「ところで、系統の違いですが」
コルベールはそう切り出す。ああ、とマーティンはそれについて簡単な説明を行う。
「私がメイジ……失礼、こちらでいうところの魔法学院の様な機関で学んだ魔法の系統は6つあります」
「6つ?やはり全く原理が違うのですなぁ」
マーティンはキラキラと瞳を輝かせて話を促すコルベールに応える。
「異世界から武具やモンスターを呼び出す『召喚』、生物の知覚と精神に作用する『幻惑』。
傷や病を癒し、自身の様々な能力を向上させる『回復』。ええと、『変性』は何と言いましょうか、
この世にある自然的特性を操作する……例えば水の上を歩いたり、水の中で呼吸をしたり。
『破壊』の系統は文字通り。それ以外の魔法は『神秘』の系統にまとめられています。
それから魔法ではありませんが、様々な材料を用いてポーションを作る『錬金術』もあります」
「ふむ、ふむふむ……何かしら似ている部分、というより区切り方が違うというか……」
コルベールは頭の中で聞いた言葉を繰り返す。何かを思いつくと、そのままマーティンに話す。
「マーティンさん。それらの系統について、詳しく教えていただけますかな?」
「もちろん。私の知る限りで、ですが。それとできればこの地の魔法についても詳しく教えてもらえますか?」
コルベールはとても朗らかに笑い、承諾した。
「まず私の得意な分野から……『召喚』の系統についてはこちらの使い魔のそれとは全く異なります」
異世界から武具や生命体、もしくはアンデッドを呼び出す呪文がタムリエルにおける『召喚』魔法である。
それらは全て一時的なもので、術者の力と呼び出す存在の力によって呼び出す時間が変わっていく。
「アンデッド……つまり、おばけなども?」
「ええ、普通に呼ぶ事が出来ます」
それを聞いたコルベールは何も言っていないが、目が雄弁に物語っている。「やってくれ」と。
こちらでは伝承の中だけの存在らしい。どうして墓守をする幽霊がいないのだろうか?
クヴァッチにいた頃は毎日地下の墓所でそういうモノを見てきたマーティンとしては、
疑問以外の何物でも無かった。
「昔こそ私もそういったものを使役していましたが、今の私は司祭です。
ですからみだりやたらと祖先の霊を呼び出すことについては……」
別にそれほど思っているわけではないが、言っておかなければならない建前だった。
「ええもちろんです、もちろんですともミスタ。
良い行いとはいえませんな。ですが一度だけ、一度だけで構いません!」
興奮するコルベールを諭すように、苦笑いを浮かべながら一度だけですよとマーティンは言った。
こうすることで先に「二度目」を無しにできる。目論見通りに事は運んだ。
「では……」
マーティンは意識を集中させ、右手をにぎりその腕を掲げる。
にぎった拳に紫色の禍々しい光が集まっていく。
「そして、こう」
にぎるのをやめて手を開くと、光が拡散すると共に冷たい空気が辺りを包み込む。
コルベールから見てマーティンの右側の上に歪みが生まれたかと思うと、それが「穴」となった。
その紫色の穴から音もなく紫紺のもやに包まれた「何か」が落ちてくる。
小さなもやが無くなると、そこには骨があった。少し風化して黄色がかった人骨が、
何の支えも無く立っている。体をきしませながら、骨は小さく叫び声をあげた。
「なななな、なんと!」
コルベールは心底驚き叫んだが、斧を持った人骨は何も反応せず、ただ立っている。
「スケルトンです。ご心配なく、危害は加えません」
マーティンはそんなコルベールに落ち着かせる様に優しく言った。
アンデッドの類の召喚は、どちらかといえば初歩に属する魔法である。
素人には難しいが、召喚に精通しているメイジならば誰でも簡単に呼び出せるのだ。
「し、しかし……ふぅむ」
いかに好奇心旺盛なコルベールといえど、初めて見るおばけはなかなか恐ろしく見える。
しかし恐怖より好奇心が勝ったらしい彼は、イスから立ち上がるとおそるおそるスケルトンに歩み寄り、
杖をにぎって魔法を唱えた。
「……魔法の反応はありませんな」
「骨自体に魂が定着しています。彼らはいわゆるあの世から、
こうして呼びかけに応じてこの世に戻って来るのです」
「それが神の国ですかな?……なるほど、ヴァルハラは本当にあったのか」
コルベールがははぁと納得した風にマーティンを見ていると、急に背後のスケルトンが悲鳴をあげた。
「むっ!?」
コルベールは即座に後に振り向くと同時にルーンを唱える。
素早い詠唱で即座に魔法を放とうとしたが、肝心の対象は消え去っていた。
それを見てあ、とマーティンは口を開く。
「あの世に帰りました。契約が途切れるとああして叫ぶことがあるのです」
ふぅと手を胸に当ててコルベールは大きく息を吐いた。
「そういうことは先に言ってくださらんか」
イスに座ったコルベールは苦笑している。
よほど先ほどの行いが恥ずかしかったのか、顔が赤い。
「失礼しました。しかし、見事な早業でしたね」
コルベールはキョトンとしたが、ああ、と合点がいったらしい。
「ああ、その、昔軍にいたことがありましてね」
その低い声のトーンから何かを感じたマーティンは、それ以上何も聞かず話を続けることにした。
「では次は『破壊』について……この系統はこちらの『火』の系統、
それから『水』と『風』の系統の要素が少し……どうかしましたか?」
コルベールの様子がおかしい。その目には輝かしい知的好奇心の光は無く、
悲しげに下を向いてため息をついている。
「いえ……破壊の『火』はどの様に使われるのですかな?」
「え、ええ。何かを燃やしたり、爆発させたり」
急にコルベールが立ち上がった。何も言わず奥の机に置かれている機械を持ってくると、
それをマーティンが見せられる位置に置く。
「これは……?」
何か言ってはならない事を言ってしまったらしい。そう肌で感じたマーティンは、
この目の前の機械が何であるのか見当がつかなかった。
「『火』の本質が破壊であるのは、私も良く知っております。
ですが、それだけでは寂しいと常日頃から思っていましてね」
コルベールは修理した愉快なヘビくんを作動させる。
それほどかわいいわけでもないヘビが円筒の筒から顔を出す。
マーティンはその原理が分からないほど愚かでは無かった。
「今はただこの愉快なヘビくんが顔を出すだけですが、
たとえばこの装置を荷車に乗せて車輪を回転させる。
すると馬がいなくても荷車は動くのですぞ!
たとえば海に浮かんだ船のわきに大きな水車をつけて、
この装置を使って回す!すると帆がいりませんぞ!」
マーティンは目を大きく開けて、愉快なヘビくんを見ている。
個人的に魔法に固執しているのがここのメイジの特徴だと思っていただけに、
この様な技術を考える人がいるとは思ってもいなかったのだ。
「なんと……」
この技術はタムリエルにも存在する。しかしマーティンはそれを知らない。
魔法の世界で科学を発展させたドワーフはもう滅んでいる。それにマーティンはモロウウインドに一度も行っていないし、
ドワーフの失われた技術を学習するよりも簡単に結果を残せる魔法を学んだからだ。
「どうですかな?」
「火にこんな使い方があるとは……目から鱗ですよ!」
「そうでしょう!そうでしょうとも!やはり気づく人は気づいておる!」
コルベールは再び興奮して、マーティンとの話に戻る。
結局話し合いは夜通し行われ、翌日のコルベールは笑顔でありながらとても疲れた顔をしていたとか。
それからしばらく経った真夜中のトリスタニアに足音が響く。アンリエッタ姫の結婚式が近づき、
慌ただしさが日ごとに増してはいるが、夜になればそんな雰囲気も消え去って辺りは静寂に包まれる。
足音は二つ、その内の一つが止まった。
「ねぇ、リッシュモンの旦那……」
野太く、低い。中年の男の声がした。もう一つの足音が止まる。
「なんだ?」
「お屋敷に戻った方がよろしいんじゃぁ、ないですかねぇ?」
リッシュモンは無言で先に進む。
「ああ!ちょっと旦那」
「喚くな。私の時間を邪魔するでない」
オセルの曜日の夜、健康の為に散歩をするのがリッシュモンの習慣だった。
静かな夜、星明かりだけを頼りに街を出歩き無心に歩く内にその静寂さに取り込まれ、
日頃溜まっている物、特に仕事もしない愚かな軍人や警察への怒りが和らいでいくのだ。
「いや、おっしゃることはよくわかりやすけどね。最近物騒じゃぁないですか……それに例の」
品の無い口調の男はしまった、と顔を青くする。
マザリーニは杖を持って後の男に向けた。
「それ以上何か言えば、どうなるか分かっているであろうな?」
「もち、もちろんですぜリッシュモンの旦那。それじゃぁさっさと行きやしょう。日が出ちまう」
ふん、とリッシュモンは護衛の男をギラリとにらんでから前に進む。
また静寂が訪れ、リッシュモンは満足して進む。
そうしている内に、先の方にたいまつの明かりが見えた。
どうせ平民だろう。夜中を歩くのは私だけではない。
リッシュモンは何も思わずその横を通り過ぎようとした。
「高等法院のリッシュモン様ですね?」
たいまつを持っていたのは女だった。短く切った髪の下、澄み切った青い目が泳いでいる。
鎧に身を固めているその姿は、さながら剣士のようであった。
リッシュモンはその女から距離を取る。
「ああそうだ。だから何だね?私は自分の時間を楽しんでいるのだ。直訴なら受け付けぬぞ」
「……さようで」
女の目は冷ややかで、何の感情も示していない。だがその視線はリッシュモンから離れない。
リッシュモンが何か言う前に、護衛の男がリッシュモンの前に出る。
「おいお前、旦那様がこう言ってんだ。とっとと失せな。さもなきゃ『風賊』モゲンス様が、
お前を吹っ飛ばすぞ?」
女は男の言葉に耳を貸そうともせず、ただリッシュモンだけを見ている。
「おい、お前!」
アニエスは剣を抜き、その切っ先を男に向ける。
「モゲンスと言ったか?どけ。用があるのはそいつだけだ」
ああ、だから嫌なんだよ夜のお供は。男は心の中で毒づいて、
懐から杖を取り出した。
投下終了。タムリエルのドワーフはチート。チャイマーはもっとチート。
本物のおばけを見せてもタバサは怖がらないかなぁ?では、また次の投下まで。
支援
乙したー
上の意味の分からんタイミングの支援は見なかったことにしてほしい
クラウファントムメモリーからリナクスを対で召喚させてみたいけど、間違いなく作品レイプになるよなぁ…
作品レイプになるかどうかは作者次第
ウルトラマン、サイヤ人、大魔王、神、他ゼロ魔キャラが逆立ちしても勝てないような連中でもちゃんと話は成立してる。
性格についても、谷さんやエクスデス、クロコダイルやユーゼスや水銀燈みたいに絶対ルイズの言うこと聞かなそうなのもあるから無理とは言えない。
……そもそもルイズとセットにして扱う「必然性」は無いんじゃないか?
超ゴーイングマイウェイで自活可能な奴なら、ルイズをほっぽり出すのも有りじゃね?
メチャクチャな強キャラが召喚された場合、
「他にやることもないし、これからどうすれば良いのかよく分かんないから取りあえず従っとくか」
みたいなスタンスはけっこう多いな。
>>793 > 超ゴーイングマイウェイで自活可能な奴なら、ルイズをほっぽり出すのも有りじゃね?
うん、おk。
ただ話を考えるのが難しいだけで。
クロス二次でやらなくてもいいんじゃね? ッて批判も来るだろうしなあ
797 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/15(金) 00:08:13 ID:fFQODuOg
そういえば、エヴァとのクロスってあんまりないよなぁ。
EOE直後の綾波とか召喚したら結構おもしろいと思うんだが。
まぁ俺には文才ないけどな。
海に沈む巨大な綾波の頭部の絵面はやなせたかしが遥か過去にそっくりな絵を描いていたと言う事実が
>>794 書いている人なら分かると思うけど、
ぎりぎり無理のない展開で話を進めるには、そのくらいしか手がない。
ゴーイングマイウェイさせすぎるとクロスじゃなくなってしまう。
文才ない文才ないって言ってる奴に限って、実際に書いてみて本当に文才がないのかってことを確かめもしないよね
> 品の無い口調の男はしまった、と顔を青くする。
> マザリーニは杖を持って後の男に向けた。
リッシュモン?マザリーニ?
ちょろっと書いて終わりとかなw
契約の時点で無理があるキャラって、選択ミスなんじゃねと思うんだが
本当に文才のない奴は、自分の書いた文章が他人とどれ程の違いがあるのかさえ、理解できないもんだぜ
ルイズをほっぽり出して逃げたキャラならいくつか。
×Aを召喚したら面白そうだな。
俺には文才が無いから書けないけどな。
○俺が読みたいAを召喚しろ。
自分で書く気も、書けるよう努力する気も無い。
×文才無いって奴に限って(以下略
○文才無いって奴に限って(中略)死ね
メロスか……
>>804 「俺じゃ逆立ちしてもこの領域には到達できない」って感じるSSならこのスレの中でもいくつかあるが、そういうもんか?
>>807 ルイズ視点なら逃げられた
メロス視点ならセリヌンティウスを救いに行った
ぶっちゃけ、自分で書いた作品読んでも面白くないし…。
傷だらけのランナー
頭悪いからかもしれないけど、完結させて暫くして自分が書いたものを読むと、思わず読みふけってしまうことがある。
やっぱ書いてる時は作者でも、手を離れた瞬間から読者の視点になるんだよなー。
そして誤字みつけて凹むと。
つまり確実に契約させてくれるやつを召喚すべきなんだな。
今年で31のフサさんなんてどうだ?
>>810 あーわかるわかる
自分で書いてるんだから、自分の好みとか趣味に
限りなく近い作品であるはずなのに、まったく面白くない
特に一日置いてから読み直すと「なんだこのうんこ」状態
人の書いた作品って、すごい面白いよね
僕の名はエイジ
地球が狙われている!
え?ハルケギニアだって?
>>810 時間が経ってから自分のSS読んで、
正直言って……文章が下手だ!!
話にまとまりがない!!
勢いだけはあるが……ありすぎて読みづらいっ!!
しかも内容が中二くさい!! 身もだえするほどに!!
……ええい、取りあえず今は今の話を書いていればいいのだ!!
しかしwikiに登録された話を、今この瞬間も誰かが見ているかもしれないと思うと……
うっ、うわぁぁああああああ!! やっ、やめてくれぇ〜〜!!!
となることは、たまにある
>>813 フサさん現代社会から離れると地味にスペック高そうなんだよなw
ルイズ「あんた誰?」
18号「・・・?」
ルイズ「使い魔になりなさい」
18号「(エネルギー弾)」
ルイズ「あの、ボディーガードに・・・」
18号「まずは1000万だ」
ルイズ「・・・くすん」
>>818 アルビオンでウェールズにガタガタ言ってないで手紙を早く出しな!とか言ってぶん殴ってそうだな
召喚されたキャラがルイズから逃げ出す理由は主に2つ。
・元の世界でやるべき事がある。
・高慢な小娘に従う事への反発。
逆に言えば
・元の世界で特にやることもない。
・子供が嫌いでない。
の2つに当てはまるキャラなら逃亡はおろか帰りたがる危険性も無くなる。
つまり狙い目はニート。フサさんとかケンシロウ(墓標に名はいらぬ以後)とか。
あと、北方謙三作品の最強系主人公。水野竜一とか日向景一郎とか。
大筋と要所要所の展開が出来上がってしまうと、
途中の場つなぎのシーンを書くのが面倒になってしまうのです。
>>816 アレだな。
俺たちはホラ、社会的にはアングラにいることを好む趣味なわけで。
そんな人間が自分の書いた文章に自信なんか持てませんよ。
文学部にいた2年間の活動は黒歴史だったし。親しい人間と共通の趣味を通して交流できるのは良かったけどね。
『サターンとプレステの熾烈な自己アピール、捨てられることを恐れて縋りつくスーファミ、手管を弄して陥落しようとするN64、
部屋の隅でこちらに視線だけ向けるドリキャス、忘れ去られたバーチャルボーイ。
今、主人の心を独占するための愛欲にまみれた日々が幕を開ける!
24時間×一週間のみっちり修羅場オンリー愛憎劇!』
…うん、今見てもまともじゃねえよな。なんでこんなの書いたんだろう。
面倒と言うか細かい描写って難しいよなw
マイナーネタで宇宙市役所職員のロビットさんを呼ぶのはどうだろう
彼は風に飛ばされた洗濯物から危険な生物との戦闘までなんでもするぜ
必ずトラブルを起こす大統領令嬢なんかと仲良くできるくらい穏やかな性格だしw
>>817 ただ、フサさんはルイズが一日でギブアップしそうだけどなw
低くはない確率で御子息の叱咤激励の真っ最中なフサさんが召喚されるような…
ルイズは1日保つだろうか? そもそも契約できるだろうか?
フサさんとはしばらく一緒にいれば慣れるだろう
ただ、星の数ほどの非モテ男を対象に仕事してきたラブやんと違って
ルイズにはフサさんのような人間に対する免疫が限りなくゼロだろうから
スタート地点でつまづくなw
しかもラブやんが無理矢理ふささんとくっつけようとついて来るのか…
ルイズは大丈夫なのか…
ルイズよりタバサのがやばいんじゃね?
タバサ「も」ヤバい、が正確だな
フサさん一時期はモエちゃんに庵子に委員長と見境なく同時に狙ってたからな
タバサ「の方」がヤバいような気がする
ルイズは見てくれは「ロリ」だけどあの性格だしな〜
まぁ、ルーンの洗脳効果とかもあるからルイズにぞっこんになるとは思うけど、タバサの方がよりちっちゃい娘だからなー
フサさんなら、タバサを見たとたんルーンの洗脳も何もかもふっ飛ばしそうだけどw
ハルケギニアをアメリカと勘違いするジャモジさん
マルトーと仲良くなるジャモジさん
食堂を切り盛りするジャモジさん
そして学院の食卓に並ぶ猟奇的な本場アメリカン
ルイズの召喚魔法、いつも通りの人騒がせな爆発の中から現れたのは、獣人だった
召喚の主より背が高く立派なカラダをした獣人の娘、なにやら熱っぽくこちらを見ている
恐る恐る近づくと、その獣人はルイズを自分の豊満な胸の中に抱き、頬をこすりつけた
「…犯罪…犯罪ですわ!犯罪的に可愛いですわ!あ〜なんて可愛いのかしら!」
色々とうるさいのでルイズはさっさと契約の口づけを済ませた、ネコ獣人の娘は興奮して失神する
同時に、ルイズの外見が変化する、ルイズの発動した契約の魔法は真田さんのせいで暴走し
ルイズは幼女の姿になってしまった、以後は真田さんの接吻によって大人化するが、胸は変わらず
ルイズが召喚したのは、ヴァルハラ王家ワルキューレの侍女長、ネコミミメイドの真田さんだった
学院の食堂、学院メイドを早々に従えた真田さんは、ケーキが配られるのを監督していた
香水の瓶を見つける真田さん、勝手に興奮して騒ぐ彼女にギーシュは決闘を申し込む
ギーシュが薔薇の杖から出したゴーレム、戦乙女ワルキューレに囲まれた真田さんは
ただ不敵に笑うと、スカートの中から抜いた異世界の銃をギーシュとゴーレムに撃ちこむ
光線の直撃を受けた彼らに、猫の耳とシッポが生えてきた、ついでにゴーレムは幼女化する
猫耳侍女部隊の一員となったギーシュとワルキューレ改めわるきゅーれは
ルイズ姫様に仕える侍女長、真田さん軍門に下り、ネコミミメイド部隊の一員となった
その後も真田さんはルイズに襲いかかる様々な災難から、身を挺してご主人さまを守った
それらの災難の多くが真田さんによってもたらされたものだったが
「円盤王女ワるきゅーれ」より、真田さんを召喚
乙です。
だが何故ネコミミ幼女化おマチさんとアン様を書かないのかと小一時間
>>835 真田さんはロリコンではなく姫様一筋ゆえにこのネタは絶対に成り立たない
忍者ネタでふと思いついたネタ
「…なによアンタ。亜人…よね?」
ルイズが失敗を重ねに重ねてついに呼び出したのは、両腕の先が鋏になっている昆虫のような顔をした亜人だった。
「わたしはバルタン。ここはどこだ。そしてきみは」
教師説明中
「なるほど、じじょうはわかった。きみのつかいまになることをしょうだくしよう」
「ホント!?」
「ああ、ただしひとつだけたのみがある。わたしのいちぞくのことだ。かれらをよびよせたい」
「家族を?」
「うむ。われわれはこきょうをうしない、るろうのたびをしている。あんじゅうのちがほしいのだ」
「いいわ、お父様に話して領地に住めるようにしてあげる」
「おお、ありがたい。ならば、わたしはきみにせいしんせいいつかえよう。すこしまっててくれ。れんらくをとる」
「え、連絡って…とれるの?」
「…うむ、みっかごのゆうこく、こちらにとうちゃくするそうだ」
「そう。じゃあちょっと慌しいけど早速お父様に手紙を送るわね」
「では、わたしはこれより、きみのつかいまだ」
「ええ、よろしくねバルタン」
ルイズは知らなかった。その約束が何を意味するのかを。
そして三日後の夕刻。ハルケギニアの空を、無数の円盤が覆いつくした。
以上。宇宙忍者バルタン星人召喚の一発ネタでした。
バルタン星人って20億3000万人もいたくせに、ウルトラマン一人にほとんど皆殺しにされたんだよなぁ
20億皆殺しってどっちが悪人かわからんな。
そうでかくもない円盤の中に20億人住んでたし
巨大化もミクロ化も自由自在だし宇宙でも平気だから
その辺のとなりの星を与えれば普通に暮らすかも知れん
その20億3000万も宇宙を放浪しているバルタン星人の一部に過ぎないという説もありますけどね。
でもバルタン星人と言われると、自分の中では玉井たけしの『ウルトラ怪獣かっと!びランド』に出てきた
スネ夫みたいなバルタン星人がまず最初に思い浮かびますがw
すでに人間で満杯状態な現代の地球では無理でも、ハルケギニアなら未開の土地とか結構あるんじゃね?
最悪東方に行ってもらう手もあるし
東方の人間からするといい迷惑だなw
つかバルタンって自分らの種族以外は全滅させるの?
そうじゃないなら奴らの科学力をもってすれば十分に共存できそうなもんだがw
そもそも彼らほどの技術力があるなら、さっさとそのへんの星テラフォーミングしてほしいもんだがね
人工太陽だのなんだの簡単につくっちゃいそうなんだが
つか星のひとつやふたつ平気で作れそうでもある
>>845 生命という概念を理解せず、個か存在しない働きバチや働きアリみたいな連中なので、人間との共存はかなり困難です。
STORY 0ではバルタン星人がウルトラマンと怪獣たちの誕生秘話に深く関わる黒幕だったりします。
まー、20億もバルタン星人が死んだのはハヤタとイデの安請け合いのせいでもありますからなぁw
原作では「地球の文化や法律を守るのなら移住は不可能じゃない」>「努力しよう。よろしくお願いします」>「ところでどのくらい居るんだ?仲間」
>「20億3000万」>「無理だ!すまん、無かったことにしてくれ!」
>「何だとこの嘘つきめ!こうなったら人類を滅ぼして地球を頂く!」>ウルトラマン出動
というアレな流れでしてw
>>848 それで驚いてたら、セブンのウルトラ警備隊と地球防衛軍の
DQNっぷりにはついていけんぞw
惑星一個吹き飛ばして、その爆発から生き残った宇宙人には
惑星破壊ミサイルの威力強化型を「地球上で」使うような奴らだからな!
>>850 あまりにもアレなので「地球人を守る」ウルトラセブンは犯罪者として幽閉されてる
>847
つまりバルタン星人の行動指針はBETAみたいな物なのか?
BETAが召喚されたら、聖戦してる暇もないな
コスモス版のバルタンでは、平和解決を願うSRCとコスモスまで含めてエイリアンは抹殺と叫ぶアホな防衛軍の対比で描かれてる。
昭和と平成の価値観の変化があるのかもしれんが、平成じゃメビウスのメイツ星人の話みたいに昭和を反省した話がかいま見られるな。
とはいえ、宇宙の不用意な観測や実験の結果は思い付く限りでも
ペダン星へ観測ロケット→攻撃と誤解されてキングジョー来襲
アンノン星へ観測ロケット→攻撃と誤解されてアンノン来襲、セブンの仲介で和解
ギエロン星へ超兵器R1号→ギエロン星獣来襲
ムルロア星へトロン爆弾→宇宙大怪獣ムルロア来襲
クリーン星で新型爆弾実験→サタンビートル来襲
血を吐きながら続ける、悲しいマラソンを続けてるなあ…
召喚されて人間の価値観を理解していくバルタンがみたいぜ
しかし巨大化はチート能力かw
そもそも「脱皮によるダメージ無効化」が十分ニート
間違えた ニートじゃなくてチートね
20億3000万のニート……
フランスの歌手が来日した際に見たウルトラマンに感動して
シルヴィ・バルタンという芸名にしたのは有名な話
シルヴィ・バルタン
…
シルフィはバルタン?
>>850 ノンマルトの海底基地を見たキリヤマ体長は
人類以前の存在など無かったと、即座に魚雷発射してましたしな
>>859 コスモス劇場版に登場してコスモスを助けたチャイルドバルタンのシルビィの名前の由来はそれ。
マックスに登場したタイニーバルタンはほとんど魔法じみた超科学を使ってたから使い魔にはいいかも。
ばるるん♪
いつからウルトラマンは不思議コメディになったんだろう?
人類同士の信頼関係が悪化すればすぐに滅びそうだな。
メトロン星人の侵略方法は正しかったみたいだ。
>>863 奴が来たら学院の食事に一服盛って学院がバトルロワイヤル状態になりそうだなw
ジョゼフと組ませた方が相性良さそうだが
>>865 ご安心ください、このお話は遠い遠い未来の物語なのです
え?なぜですって?われわれハルケギニア人は今、宇宙人に狙われるほど
お互いを信頼してはいないのですから
特撮厨うざ
厨ってほどじゃないが、メフィラスとかメトロンとかの紳士風というか随分回りくどいことをする侵略者タイプは好きなんで
そういうのとゼロ魔キャラの絡みは読んでみたいけど短編じゃないと無理だろうなぁ
というか怪獣を召喚したら戦闘力には不満はないけど、日常生活にかなり支障(餌とか寝場所で)がでてくるんで難しいだろうし
何か投下来ればとまるだろ。
ここでモンスターのヨハンが登場
ヨハン死すとも愛は死せずー
>>871 誰に召喚されても碌な事になりそうにないなw
ルイズに召喚→学院で大量殺人事件が起きてヨハンのいつの間にか失踪→別の虚無の使い手のところに→
また事件が起きて(ry→別の虚無の(ryの繰り返しで
機能忍者ネタであれだけ盛り上がってるときはスルーで
ウルトラマンネタだと突っかかってくる奴はなんなんだ?
まあ、俺も基礎知識くらいしか分からんけど。
確かに
異星人ネタが嫌いなんじゃないだろうか
異星人キャラなんてそうそういないし
>>873 最終巻でヨハンがいなくなっていたのは召喚されたからに違いない
>>874 別にウルトラマンネタだから、ということではなく
雑談が続いていたので
>>864が雑談スレに誘導する
↓
余裕でスルーされた上に
>>866は何か上手いこと言った風
↓
特撮厨うぜえ
ということだろうと思う
いくらなんでも連続で下らん話題にスレ占拠されたらつっこみたくもなろうに・・・。
忍者も特撮も盛り上がる割には、そこからSS投下にまで発展しないから困る。
俺は書ける文才もないから話題にも乗らなかったけどな。
でも忍者ネタの時には突っ込みなかったんだよね。
自分のわからないネタは排除したいってことなのかね。
まあどうでもいいけど。
別にうぜえって言ったのは俺じゃないんだが……
あと、忍者でって、昨日の忍者の話のときにその場にいたら同じように誘導してたよ。
「忍者はスルーで特撮はNGしてる人」なんていう想像上の生き物にしないでくれると有難い。
忍者というならこの二人。
霞と綾音のダブルどたぷーん召喚。
ここまでニンジャガのリュウ・ハヤブサの名前なし
>>880 誤解を招く書き方だったようで申し訳ない。
別人というのは分かっていたんだが、流れをまとめたらあんな感じに。
雑談見てると面白いけどな、ウルトラマンも忍者もわからないのばかりだったがw
忍者の話題なのに、ガッチャマンはもう出ないんですね。
まあ、あいつら派手地味だし、来ても微妙にインパクトないんだよな。
ブレスレットを装備している方の腕だけが異様に発達してしまうガッチャマンか
>>879みたいなやつに限って注意しただけなのに、難癖つけたり毒吐き行けとか言ったりするんだよな。
争うなよ、皆まとめて愛してやる
シリーズが進むに連れてワケが分からなくなっていった、あのガッチャマンか。
>>868 怪獣を召喚したら世話が大変、そんなあなたにカプセル怪獣、怪獣ボール
そしてマケット怪獣やバトルナイザーをどうぞ
忍者と言ったら!お色気も使うくノ一〜!
ガッチャマンの白鳥のジュンだってミニスカでチラリっチラリっ・・・けしからん/////
忍者だったら「フザケェルナァ!!」の人を呼ぶしか無いだろ、常識的に考えて
ガッチャマンといえば昔郵便局の
切手シートになった時、太った奴だけ
ハブられてた記憶があるんだが・・・俺の記憶がおかしいのか?
>>895 カクレンジャーのケイン・コスギさんに決まってるじゃないですか
ケイン・コスギといったらウルトラマンパワードのケンイチ・カイでもあるな
あと、忍者といえば風助とか燈次、藍?の忍空隊も忘れちゃいけない
もういっそのこと半熟忍法帳のレズくの一共を召喚して百合ん百合んに…ヤバい全員染まるw
よくそんなマイナーなのを覚えてるなw
勇者カタストロフィのハチは以前に召喚されてたけど、主人公のズック一行召喚とか読んでみたい
>>899 イザベラ様に召還されてレズに染めてほしいですね
ジョゼフがゲイッツ召喚しそうな気がした
イザベラがジョゼフを討つのか・・・
このままゆっくり1000いきゃいいが、久しぶりに……
埋めという行為は実際のところ、板の負担になるってのはマジ?
短時間に書き込みが集中するというのはそれなりに負担がある事は確かだろうな。
980超えた時点で書き込みしないのが一番負担が少ないんじゃないかな。
忍者といえばエドロポリスのメカキャットも一応忍者になるんだろうか
勇者カタストロフからの召喚はバザールとマイクゲイッツとJBとテスタロッサ召喚で考えてはいる
余裕が出来たら執筆してみたいw
特撮ネタ関係だとミカるんXを召喚はどうだろう
日本海フォームなら巨人という一点を除けば完璧なメイジだ
ウインダムとミクラスでも、使い魔としてハルケギニアに召喚すれば役に立つということに気づいてしまった。
ルイズに絶対に忠実で、ルイズを絶対に守る使い魔はいるか?
避難所のツカイマグルイ(藤木源之助)とか?
リューナイトの猿飛とイオリの忍夫妻5名前が上がってなくて泣ける
爆裂丸と朱雀の合体攻撃結構強いのに……
いっそ虚無それぞれに異なる作品の忍者召還させるとか面白そうだな
ゲルマン忍者と爆裂丸でシュトルム・ウント・ドランクと
パイルエグゼクターの腕組み回転対決とか
色々無茶か
ルイズお嬢様、俺が馬になります!
ボガード弟も一応忍者。
でもハゲ。
ハットリ君はちゃんとルイズ守ってくれそうだな
>>859 亀レスですまんが、それはデマだ。
「シルヴィ・バルタン」の名前はウルトラマン以前から既に日本でも知られていた。
そういえば、パッパラ隊のとびかげ先生が呼ばれたことってないよな
グゥ様は結構呼ばれたのに
長編には向かないだろうけど、小ネタオムニバスなら・・・
よっぽどマイナーなのか、未来忍者の不知火が出てないな。
特撮&ロボ忍者とかなりイロモノな奴なんだがw
「忍者無芸帳」の無名忍者たち
ハルケギニアがいしい被災地ワールドに
ウィザードリィの忍者
全裸が真骨頂なあいつを召喚してしまったら、きっと「変態お断り!」と言われること請け合い
……大昔の4コマで、葉っぱ一枚な忍者を見た覚えがあるなぁw
忍者と言えば彼岸島のレジスタンスだェ
NINJYAと言えばこのひと、うずまきヌルポ
ガッ
>>913 朧木の葉影十五段霞ウルトラ超烈破
だっけ?
ようやく週末だな。
GWは家を開けていたから、久々にSSが書けるよ。
忍者ネタはあるが……オリキャラなんで理想郷向きなんだ。
因みにバルタンネタなら、特撮板に昔『甲殻都市』という名作シリーズが。
バルタンでプリンセスメーカー思い出した
無印の脇役にシルビー・バルタンってのがいるんだよな
そしてプリメのオヤジが召喚されればルイズのあらゆる面での過度な成長は間違い無しだ
特に豊乳丸は悦ばれるだろう
>>922 「外国での忍者=ウィズの全身が凶器と呼ばれている忍者」なんだよなw
でも裸で使うつもりなら女の名前付けるよな、普通<ウィズの忍者
>>922 フーケゴーレム襲撃
↓
おもむろに全裸になるにんじゃ(覆面全裸はにんじゃのたしなみ)
↓
ゴーレム は くびをはねられた!
相手の形や大きさはおろか構成物質すらもものともしない全裸クリティカルヒットは最強だZE!
ルイズもにんじゃじゃなくてボーパルバニー召喚しとけば幸せになれたのにNA!
それなんてけっこう仮面ですか!?
全裸忍者の元祖は甲賀忍法帖の霞刑部(ハゲ入道)
>>932 >ボーパルバニー
待て、そいつだと契約しようとした途端「ルイズ は くびをはねられた!」の
出オチ展開で話が終了してしまう。
>935
つまり、破壊の杖の代わりにアーサー王の聖なる手榴弾ですね。
【ココナツを手にして】
ココナツ…?
ふたつの次はここのつで次はななつ♪
真夏のツノはココナツの常夏のツノ♪
ニンジャか……バイオスパークを召喚して使い魔に。
いざとなったらコピーのもとにしてルイズがニンジャに……って、誰もわからんか、このネタ。
かえし4連カッコイイよ、かえし4連。
でもカッターめったぎりはもっと好きです。
取って置きの忍者ネタ、それはポーランドからn
【仕事しろ】
>938
あ、デルフを飲み込む奴なら既にありましたよ。
>>938 連射パットでクナイを超連射したり、イナズマキックと連続ジャンプを同時にやって連続蹴りやったな
忍者と言えばリアル系忍者(それでもNINJAの部類だが)として、
白土三平の『忍者旋風シリーズ』より風魔一族を召喚とか。
首領の風魔小太郎が、ルイズの虚無の力を原作の「竜煙(毒ガス兵器)」や「丑三の術(生物兵器)」同様、
戦争になれば大量の人間を殺戮する危険な力と判断し、封印するべくルイズを魔法を学ぶことから遠ざける。
虚無の才能が開花したりしないように忍術を教えるか、あるいはルイズに「一切の仕事」をやらせず、
「我々がルイズ様の手足となり、目・耳・鼻となり、力となりてルイズ様をお助けします」とか言って、
ルイズの意のままに動くが、実際のところ風魔一族とルイズの意思は小太郎の掌の上で、キュルケあたりが
「あんたは全部使い魔任せで、自分では何もしていない」と指摘し、ルイズが風魔一族に疑念を持ち始めて……
忍者か
影の伝説から影を召喚。
契約した途端、どっかから飛んできた忍者に誘拐されるルイズ。
そして、ルイズを助けるべく影の永遠に続く戦いが始まる。
白土三平といえばカムイ伝だろ。
夙のカムイを召喚して、脱走をしたカムイを追って放浪の旅に出るルイズ。
タルブ村で始まる階級闘争。
>>758 石川作品をネタにするならこの忍者も忘れるな
つ 「伊賀淫花忍法帳」の美女丸
「ホモにも人権を〜」
忍者厨うざ
カムイ伝第二部はホモの巣窟だった。どいつもこいつも衆道に走りすぎ。
というわけで、ケツを掘られるギーシュ。
キュルケがいくらフェラチオしても勃起すらしないであろう美女丸か
多分好みのタイプはマザリーニ
たまには村上春樹から召喚しようぜ
あれっぽい文体でゼロ魔やってもらいたいw
割とファンタジー色の強い『世界の終わり』から「影」召喚
文体とパスの精度から、中田英寿氏を召喚!
村上龍からのメールで、全米が泣いた!
ということで、次スレを立ててくるんだぜ!
_,,,,、、、、、、
_、-''~:::::::::::::::::::::::"ー-,,
;":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i!
∩ |:::/ ̄ ̄ ̄`' ̄ ̄¨ヾ::::|
(⊂)|:::| ━、_ _.━ |.:.::|
| | |/ ,-ェュ 、 ,-ェュ、 |.:.:|_
| |(゙| ´ ̄ ,/ 、  ̄` |/,. |__ 次スレ立てたぜー!
|/\| ( 、 ゙、__,-'' 、)ヽ__/ノ:∧
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1242399940/ l`‐⌒ヽ\ `こニニ'´ _..┘丿(:./~ヽ バモラ!
\‐⌒ー |\___ _,∠|:.:.:.: < )|::| |
\:.:.:.:.└-\-ー/ ┌‐┐:.:. :.:.:.├┤
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└┬~ _..-'´`! `'-、.___)
└''" `ー-┴┐ )
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1000ならルイ♪ルイ♪ルイズはダメルイズ♪
未だにドロロと東屋小雪の名前が出てきてない……
ここまででDOAの忍者4人とお気楽ニンジャハンゾー君の名前無し
えの素から誰か召喚したら面白そうだな
郷介の両親とみちろうあたりならかなりひっかきまわしてくれそう
DOAは一杯名前だけは出てるが発展させようが無いので誰もがスルーしてるだけよ
魔風海峡から高麗忍者集団、壇奇七忍衆( タンギチリムジュン )を
召喚する猛者はいないものか喃。
呼ぶなら是非バザールを
とりあえず影丸召還。7万全部リングアウト勝ちで。
あえてここでウルトラ忍法帖のマンを推してみる
忍者好き多いなw 懐かしい名前が出てくるとにやりとしてしまうぜw
百々地三太夫とかはマイナーなんかね
>>961 いつもはギャグだけど本気になると強い、たまにバトル編になるとシリアスって構造は銀魂につながってるんだよな
ここまで風魔の小次郎が出てないじゃないか
あれも忍者物…だよな……一応
………少しで良いんで吉光とかレイブンとか鉄拳の忍者も思い出して下され。
レイブンはどういうキャラだか知らないけど、吉光だとルイズの元から逃げて
フーケと組むもしくは部下にする展開しか思いつかんな
んで盗んだ金を民衆に分け与えると
どMくノ一さっちゃん
マジカルバナナ♪忍者と言ったら↓
汚いなさすが忍者きたない
みんな伊賀野カバ丸を忘れているだろ
>>966 國光化するおマチさんw
レイヴンは鉄拳5から参入の忍者キャラで、
見た目はもとより技においても吉光より忍者らし奴なのよ。
それにしても忍者って結構出てくるわね。
VFのラスボス「デュラル」も影丸の母親だし一応忍者になるのかね?
ルイズに三跪九叩したい!!!!!!!!!!!!!
ルイズウウウウウウウウウウウウウ!!!!!!!!
3トンデブこと猿飛肉丸はまだ出てないな、マリコルヌとからませると面白そうだ
いや、むしろマリコルヌに忍豚でも召喚させて神風の術を習得させるか
そういえばNARUTOのキャラが出てきてないなぁ
口から火を吹いたり水を吐いたり土を吐いたりするような術ばっかりだけど
闇雲那魅を召喚。
香津美よりは上手くやると思うんだ。
ということでサイメビネタを振ってみる。
香津美でいいじゃん
デルフいらない子だけどw
サイメビか…
同じしゃべる剣だけど、魔剣グロスポリナーvsデルフリンガー
うん、勝敗は火を見るより明らかだ
グロスボリナーばりに凶悪なデルフリンガーをルイズに持たせる……
熱い展開ならデルフはいろいろ戦闘補助方法を思い出してくれるはずだ
いい加減埋めるぞ!
地下水の代わりにメディウムを
ルシファーフォークと素手で戦うキュルケを見た気がした。
肌の色的に。
忍者といえば、カクレンジャー。
ハリケンジャーじゃないあたりで年がわかる。
ルシファーフォークと戦うキュルケ……恋人のコルベールは死んじゃいますか?
ルシファー・・・・・・・ルイ閣下、デブタイプか蝿タイプをルイズの元に送ってあげてはいかがでしょうか
さすがにご立派様とくぱぁ様でお遊びになるのもいいのですが
>グロスボリナーvsデルフリンガー
ハブられた剣帝ジェッソかわいそうです
コンパイラを召還すると聞いて飛んでk
じゃあヴァグランツ……ライか。
>>985 閣下はすでにルイズの元におられるから、
ヴィットーリオがYHVH、
ジョゼフがニャルラトホテプ、
ティファが裁く者サタンを召喚すればいい。
そしてルイズ自身は人修羅に。
>>986 そりゃシエスタの持ち物だろう、ホウキ的に考えて
>>989 あえてテファのとこにらっしゃーせー送りこもうぜ
森に来るたびらっしゃーせーの掛け声が聞こえてくる森とか楽しいだろ?
>>990 そのシエスタ……凄く強そうです……
そうなるとタルブに眠ってるのはなんだ?
どうして忍者と聞いてバング殿の話題にならないのでござるか!
自分が好きな作品だからってだらだら続いてるスレ違いの話題に出したくないって良識的なファンが多かったんじゃないの?
>>992 1:ポリススピナー
2:シュトース・ヴィント
3:シームルグ
あの辺って燃料何で動いてるんだ……?
埋め
うめ
メディウムに操られてボンテージルックをしたルイズがみらるスレはここですか
1000なら次すれはコンプ作品が連続投下
1001 :
1001:
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。