あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part226

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@お腹いっぱい。
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。

(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part225
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1239434104/

まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/

     _             ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃 ` ヽ  .   ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
    l lf小从} l /    ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'     ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   ヽ_/ィヘ_)〜′    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
             ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!

     _
     〃  ^ヽ      ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
    J{  ハ从{_,    ・クロス元が18禁作品でも、SSの内容が非18禁なら本スレでいいわよ、でも
    ノルノー゚ノjし     内容が18禁ならエロパロ板ゼロ魔スレで投下してね?
   /く{ {丈} }つ    ・クロス元がTYPE-MOON作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   l く/_jlム! |     ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
   レ-ヘじフ〜l      ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。

.   ,ィ =个=、      ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
   〈_/´ ̄ `ヽ      ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
    { {_jイ」/j」j〉     ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
    ヽl| ゚ヮ゚ノj|      ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
   ⊂j{不}lつ      ・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
   く7 {_}ハ>      ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
    ‘ーrtァー’     ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
               姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
              ・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
              SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
              レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。
2名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 23:18:16 ID:uhdbFPWP
>>1
3名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 23:19:47 ID:EcFjA0hM
>>1
4滅殺の使い魔の人:2009/04/17(金) 23:19:54 ID:RLiggLs3
>>1乙!
では、三分後には
5名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 23:20:36 ID:TMJU3vc3
>>1 が女性だった場合は 乙女だ
   男性だった場合は 乙男だ
女性かつ姫だった場合は 乙姫だ
男性かつ3人称だった場合は 乙彼だ
6滅殺の使い魔の人:2009/04/17(金) 23:22:33 ID:RLiggLs3
朝、小鳥がさえずりだす頃。
休日である虚無の曜日であるが、豪鬼には、いや、格闘家には休日は存在しない。 日々これ鍛錬である。
そんな訳で、豪鬼は既に日が昇りきる前に修練を終え、一人瞑想に入っていた。 ルイズの部屋の扉の横で、ではあるが。
豪鬼が方目を開け、横に視線を向ける。
部屋の中から、ドタドタと言う音が近づいてくる。
勢いよく開かれた扉から現れたのは、既に着替えを終えたルイズであった。

「ゴウキ! 出掛けるわよ!」
「ぬぅ……、しばし待てぃ」

仮にも自分は『使い魔』であるから、付いて来いと言われれば付いて行く。
豪鬼は修羅と言えるほどの者だが、常識が無い訳ではなかった。 無視していただけなのだ。

豪鬼は瞑想を終わらせ立ち上がると、イライラと自分を見つめているルイズを見た。

「どこへ行くつもりだ」
「剣よ」
「……うぬは剣技をするのか」
「わたしじゃないわよ。 あんたに買ってあげるって言ってんの」
「……何?」

豪鬼は拳での闘いにおいては正に無敵に近いものがあったが、武器を使っての闘いの経験はほとんど無い。
槍や刀を持った相手と死合いをした事はあるが。

「拳こそ我が武。 故に得物はいらぬ」

ルイズはそんな豪鬼の声に一切耳を貸さず、豪鬼の手を取り、引っ張り始めた。

「いいから! わたしが持たせてあげるってんだから、ありがたく買ってもらいなさい!」

豪鬼はとりあえず諦め、抵抗せずにルイズに引っ張られることにした。

「ルイズ。 何処へ行く」
「剣っていったら町でしょ。 町へ行くの」

豪鬼は、ルイズに引かれながら考えていた。

剣技。
自分に立ちはだかった者達の中にもそれは存在した。
7名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 23:22:35 ID:0v243Oq5
乙です
8名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 23:23:26 ID:2TTrcfZB
CVS2だと覇王丸とか ナコルルとか? 支援
9滅殺の使い魔の人:2009/04/17(金) 23:24:19 ID:RLiggLs3
短刀、長刀、槍、銃。
これらの得物を持った者達を、豪鬼は拳一つで粉砕してきたのだ。
しかし、得物によって様々な恩恵が得られることもまた事実であり、その様な敵との戦いでは間合いで不利になる事も多々あった。
幸い、飛び道具には対抗する術を持ち合わせていたが、槍や刀などには一方的に不利な状況を作られる。
これを機に新たな闘い方を習得するのも悪くないか。

一人でそう考えていると、何時の間にか学院の門へとたどり着いていた。



◆◇◆◇



タバサは、ルイズの部屋の前で息を呑んだ。

先日召喚されたあの男。
初めからただならぬ気配を感じていたもので、それはギーシュとの決闘騒ぎで確信へと変わった。
あの身のこなし、あれはこれ異常ないほどに洗練された『暗殺術』ではないか。 タバサはそう仮定していた。
時に流麗、時に豪胆、そして放たれる殺気。 もしも自分があの技術を会得できるのならば、自分は目的へと大きく近づく。

それが一つ。
そして、それよりも大きな理由が一つあった。

それらを胸に、一度深呼吸をしてから、部屋の扉をノックした。

あの使い魔が出てきたらどうする?
いきなり「弟子にして下さい」か?
駄目だ、平常心を保っていられるか不安が残る。
それでは駄目だ。
では、「私と決闘して欲しい」か?
それも駄目だ。 技術を盗む云々の前に倒されるだろう。 殺されるかもしれない。
事実、ギーシュとの決闘では、あの使い魔の動きが見えなかった。
10名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 23:27:06 ID:2TTrcfZB
支援
11滅殺の使い魔の人:2009/04/17(金) 23:27:40 ID:RLiggLs3
ギーシュがドットだったから勝てた、だとか、本気でやってなかったからだ、とか言う者がいるが、そんなことはない。 本当に強いのだ、あの使い魔が。
トライアングルの自分とキュルケが同時にかかっても恐らく歯が立たないレベルであり、なおかつスクウェアでも勝てない筈だ。

そう悩んでいると、タバサはその隣の部屋の扉が開くのに気付いた。
中から現れたのはタバサの親友、キュルケであった。

「あらタバサ、どうしたの? あなた、ヴァリエールと仲良かった?」

タバサは小さく首を横に振る。
すると、何を思ったかキュルケがニヤニヤとタバサを見つめ、からかうように言った。

「なあに? あなたもゴウキ目当て? 渡さないわよ〜?」

明らかにキュルケの考えていることと自分の考えている事は違うのだが、一応ゴウキ目当てなのは事実なので、否定も肯定もしなかった。
キュルケはタバサに近づき、扉の前へ来ると、躊躇無く鍵に『アン・ロック』の魔法をかけた。

「禁止事項」
「いいのよ。 恋の情熱は全てのルールに優越するの。 だから校則とかは無視よ無視」

扉が開くと、キュルケは悠然と中に入っていく。
しかし、その中にキュルケの望んだ結果は待っていなかった。
もぬけの殻だ。 目当ての豪鬼も、ルイズも居ない。
キュルケに続いて部屋に入っていたタバサが呟く。

「鞄が無い。 外出の可能性が高い」

鞄が無いということは、どこかに出掛けたのだろうか。 
キュルケは窓から外を見回した。
見つけたものに、思わず驚きの声を上げる。

「え、ちょ、えぇ!?」

キュルケが目にしたものは、馬に乗るルイズ。
……と、それと全く同じスピードで走る豪鬼の姿だった。
12名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 23:27:41 ID:uhdbFPWP
拳を武器と思い、そしてそれが認識されればルーン効果が得られるはず!
支援
13名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 23:27:54 ID:Bb4stTaq
紫煙
14滅殺の使い魔の人:2009/04/17(金) 23:31:06 ID:RLiggLs3
キュルケがそれを呆けたように見つめていると、タバサが窓を開け、口笛を吹いた。
それから、窓枠によじ登り、外に向かって飛び降りる。
タバサの突然の奇行に、しかしキュルケは動じず、あろう事か同じように外に身を投げのだった。



タバサは命じた。

「例の『あの方』」



◆◇◆◇




「あ、あんた、どんな体力してんのよ……」

ルイズがもう何度目かの驚きの声を上げる。
無理も無い、普通なら馬で移動する距離を、豪鬼は馬と同じ速度、いや、馬に『合わせて』走り切ったのだから。
むしろ、豪鬼にとって、馬で程度の距離は物足りないレベルだった程だ。

ルイズは、隣を歩く、息切れ所か汗一つとして掻いていない豪鬼を見た。
こいつは一体全体何なのか? もはやそんなことはどうでも良くなってきていた。

「はぁ……。 まぁいいわ、ここがブルドンネ街よ。 ここであんたの剣を買うわ」
「……うむ」

豪鬼は街を見まわす。
元居た世界の都会と比べて、随分と狭いものである。
しかし、道を歩く者達の目は、あの世界よりもいきいきとしている。

15名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 23:31:13 ID:2TTrcfZB
支援 阿修羅閃空で走ってるわけないかw
16名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 23:32:03 ID:N3bx5ZnD
キャーゴウキサーン
17滅殺の使い魔の人:2009/04/17(金) 23:32:56 ID:RLiggLs3
ただ、この広さでは、格闘大会は開かれないだろう。
そう思いながら、豪鬼はルイズについて行く。

しばらく歩くと、ルイズは更に路地裏へと入っていった。
大通りがあの狭さなのだから、路地裏は当然もっと狭く、汚く、暗い。

「もうっ! だから来たくないのよ!」

ルイズが忌々しそうに呟く。 豪鬼は別段それに構うこともせず、ただルイズについて行った。
少し歩くと、四辻に出た。

「えーっと、この辺の筈……」

辺りを見回すと、一枚の同の看板が目に入った。
豪鬼は気付かなかったが、確かにそれは武器屋の看板だったらしい。

ルイズと豪鬼は、それに向かって行った。



扉を開け、店に入る。
扉に付いた鈴が、カランカランと音をたて、来客を知らせる。

すると、中から長髪オールバックの男が出てきた。
男はルイズのマントに気付き、一瞬驚くと、今度は気障な笑みをこぼした。

「イヤー困った! 遂にこの世界でもワイの美形は知られてしもたようやな! せやけどお嬢ちゃん、ワイはもう心に決めた人がおるんや。 心が痛むけど、ここは一つ引き下がってもらえへんかなぁ?」
「……は?」

ルイズは呆気にとられる。
その間にも、男はふぅ、とか、はぁ、とか言っている。

なるほど、ギーシュと同じ系統の人間か。

そう思ったルイズは、男の言うことを聞き流し、用件だけ言うことにした。

「客よ」
「ん? なんや客かいな。 悪いけど、いくら積んでもワイの愛は買えへんで〜?」
「使い魔が使うの。 あいつ」

ルイズは豪鬼を指差す。
豪鬼は店内を物色していた。

18滅殺の使い魔の人:2009/04/17(金) 23:34:34 ID:RLiggLs3
豪鬼を見た瞬間、男の目付きが変わる。
鋭い眼光が、豪鬼の体を観察する。

「チョイ待っとれや〜」

男が店の奥へと消える。
少しすると、男が大きな両手剣を持って戻ってきた。
巨大な刀身に、派手な宝石等が散りばめられている。

「どないや! 店一番の業物やで! 嬢ちゃん貴族やろ、ほんならこのくらいはせめて欲しいやろなぁ」

豪鬼はいつの間にかルイズの隣に戻り、その大剣を見つめていた。

「ゴウキ、振ってみなさい」

ゴウキが無言でそれを手に取る。

「……!」

すると、突然豪鬼の左手のルーンが輝き始めたのだ。
豪鬼はそれを見つめる。
力が湧き上がる、この感触。
これは、今まで何度も経験した『殺意の波動』のそれとは僅かに違う。
体が軽い。 それは正に羽のようであった。
そして、何よりも違うのは――

「ルイズ。 この剣は要らぬ」

そう、手に持った得物の事が、自然と頭の中に流れてくるのである。
豪鬼の頭は、瞬時にこの大剣の本質を見切った。
故に、この剣は要らない、と言ったのだ。

「ちょ、なんでよ! これが一番……」
「はは! やっぱりな! あんたには剣なんぞ似合わんわ!」

ルイズが豪鬼に不満をぶつけようとするが、それは男の大笑いによって掻き消された。

「嬢ちゃん、ワイが断言したる。 その剣はボッタや。 非美形や」
「あ、あんた、わたしからふんだくろうとしてたの!?」
19名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 23:34:54 ID:TMJU3vc3
支援しながら自分も何か書いてみよう
20滅殺の使い魔の人:2009/04/17(金) 23:36:17 ID:RLiggLs3
食って掛かるルイズに、男は特に気にした様子も無く答える。

「ふんだくれるもんはふんだくるのが商人ちゅー奴やろ。 ……まぁええわ。 嬢ちゃん、謝罪としてあの山の中から好きなの持ってってええで。 ワイは心も美形やからな」

男が店内の一角を指差す。
そこには、乱雑に積まれた様々な武器の山があった。
ルイズが男の態度に怒りを通り越して呆れて山を見ていると、その中から突然声が聞こえた。
低い男声。 店長の物では無いようだ。

「ロバート! 俺はタダかよ!?」
「ん? なんや、デル公かいな」
「デル公?」

ロバートはその武器の山に近づくと、その中から一本剣を取り出した。

「こいつや。 知っとるやろ? 意思を持った魔剣、インテリジェンスソードや。 どこの馬鹿が始めたんやろなぁこんなの。 ワイへの嫌がらせちゃうか?」
「おうおうおう! そこのお前! ちょっとばかしいい体してるからよ、ちょっと俺を持てみな」」
「……ふむ」

豪鬼がロバートから剣を受け取ると、またルーンが輝き始めた。
豪鬼のルーンが、剣の判定を行う。
……良い剣だ。 そう判断したところで、剣が小さく呟いた。

「おでれーた。 てめ『使い手』か」
「『使い手』……?」
「ふん、自分の実力も知らんのか。 まあいい。 てめ、俺を買え」
「……」

しばらくの沈黙。
豪鬼は、ルイズに向き直り、一言、こう言った。

「ルイズ。 これを買う」

当然ルイズは不満の声をあげる。
しかし、それを男が遮った。

「いや〜! その剣、五月蝿くてかなわんかったんや。 せやから、タダで譲ったるわ」「豪鬼、それにしましょ」

21名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 23:38:05 ID:lbVtmkSn
ちょっとまてw
関西弁のボンボンかwww
22滅殺の使い魔の人:2009/04/17(金) 23:39:04 ID:RLiggLs3
ルイズは即答した。 小遣いだって無限ではないのだ。
もらえるなら貰おう。
大丈夫、豪鬼なら大丈夫。
ルイズはそう言い訳を念じた。

豪鬼達は剣を受け取り、武器屋を後にした。
23名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 23:39:50 ID:N3bx5ZnD
美形会議ネタ自重しろwwwwww
24名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 23:41:03 ID:2TTrcfZB
終わりかな?
25滅殺の使い魔の人:2009/04/17(金) 23:41:14 ID:RLiggLs3
今回はここまでです
うわあ、なげえ。
支援ありがとうございました!
26名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 23:41:44 ID:2TTrcfZB
27名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 23:42:49 ID:Z3lx7FCJ
この程度で長い……だと……?
28名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 23:43:49 ID:uhdbFPWP
ロバートさんなにやってんのw
29滅殺の使い魔の人:2009/04/17(金) 23:44:12 ID:RLiggLs3
>>27
あれですね、今回は改行とかちょっと改良しようと思いまして。
そのせいかもしれませんね
30 :2009/04/17(金) 23:46:22 ID:8KOzEHm/
滅殺の人、乙!
ここでロバートが来るとはおもわんかったw
滅殺の作品は大変好きなのですが、1話が短いのがちと物足りない・・・
なので今回はGJでした

それと前スレのジルの人。

>>黒髪を頭の後ろで束ねたオールバックの使用人らしき中年男性に声をかけたジル。

これってまさか、最強のお方!?
31名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 23:48:12 ID:AzL/8jox
>>27
短い人って、シーンそのものが少ないねどういう訳か
力尽きるんだろうか
32名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 23:48:22 ID:TMJU3vc3
メッサツさん乙でしたー
しかし、自分で実際に書いてみると難しいね。
33名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 23:49:19 ID:6aPJZ7ev
なんだこのクソSS

と思ったら毒吐きに行こうぜ!
34名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 23:50:17 ID:Sevrs7C1
乙〜!ロバやんなんでこの世界にww

>>8
てめぇ…格ゲー界の元祖病みキャラ、俺の響さんを忘れるとはいい度胸じゃねぇか…!
35名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 23:55:10 ID:cMzXGGlS
ゴウキの人乙
知ってる元ネタがほとんどないから、わかる作品は楽しいぜ
36名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 23:56:36 ID:yp8XDHOL
滅殺の人乙です。

ロバートと言われて真っ先にオネェ言葉を話す木製義足の使い手を思い浮かべたのは俺だけ

んっ!
37名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 00:01:49 ID:ZhJjv4Md
元祖かは知らんが、響さんの場合は病んでいく過程が素晴らしい。
38名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 00:15:54 ID:kb5/vHnh
最初は人斬って困惑してるのに
最終的には「ヒャッハー、死ねぇ!!!」だもんな(嘘)
39名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 00:36:50 ID:SVTqcBxD
>>38
そこだけ聞くとただの変態だな。間になんかあるんだろうけど
40名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 00:36:57 ID:h9QtCCOx
よし、初SSが2話分くらい書けた。
今から推敲する。
41名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 00:39:30 ID:/d+/oDzq
>>40
一晩くらい睡眠を取って、いい感じに内容を忘れてから推敲することをお勧めします。
42名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 00:41:49 ID:/qncg6Ub
>>40
もとネタとタイトル、召喚される人物を書くのがマナーだ。
小ネタの場合はそれに限らないが、長編を書くのなら冷静になった方がいい。
43名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 00:42:49 ID:0X+brA5R
>>42
志村ー! 投下じゃなくて推敲ー!
44名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 00:44:13 ID:/qncg6Ub
>>43
しまったーッ!
みんなも、れれれれれ、冷静になるんだ!
45名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 00:45:14 ID:jVMroneT
>>39
勝利ポーズ
「(斬殺した後)嘘!・・・嘘よ!」
 ↓
取り乱して泣き出す
 ↓
「弱いから・・・そうなるのよ」



勝利メッセージ
「嘘!・・・こんなの嘘よ!!」
 ↓
「こうするしか無かったのよ!!仕方無いじゃない!!」
 ↓
「もう嫌!おかしくなりそう…」
 ↓
「もう・・・慣れたわ」

ちなみにエンディングも、斬殺エンドでは極悪な表情になってる。
46名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 00:47:56 ID:VVaucRIg
>>33
あんな煽りと荒らしが集まって内ゲバやっててプライドが矢鱈高いキチガイの巣窟はやだ
47名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 00:49:02 ID:cE8eJt7w
>>45
うわぁ・・・陰鬱だなぁ・・・

どこぞの斬り裂き魔みたいにカバデブ斬殺した後に小躍りするぐらいポジティブだったら悩みも少なかったろうに
48名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 00:49:30 ID:h9QtCCOx
>>42
でも、マナーの伝達には感謝する。
言われなければ、投稿の際に忘れていたかもしれない。
49名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 00:52:11 ID:/d+/oDzq
ふふふ、あの初投下前の緊張と、初投下後の住民のリアクションへの不安を味わうことになる若人がまた一人……。
50名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 00:54:09 ID:azbxSXb7
未だに投下時はドキドキです
51名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 00:59:33 ID:TnLSFvEh
>>46
毒吐きスレは、言ってみればただの痰壷だ。
汚いものが詰まってるのは確かだが、それだけ見て痰を吐いた人間までも汚物指定すんじゃない。
痰壷を使うのが嫌でも、公共の場に痰を吐くのがマナー違反だってのはわかるよな?
毒吐きスレが存在する意味ってものを考えてから発言してくれ。
52名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 01:00:59 ID:/d+/oDzq
投下の最中や投下後におざなりだろうが一つでも支援や乙があると、異常なまでに安心してしまうのは俺だけだろうか。
53名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 01:06:45 ID:OGyXIvcV
罵声とスルーどっちがきついんだろ
54名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 01:10:11 ID:VyHkLqtW
>>53
スルーだろ。
罵声は一応は読んではいるだろうし……
55名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 01:11:10 ID:JoR7jHdt
罵声を浴びせるってことは、一応関心があるって事だろうからな
56名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 01:12:06 ID:3q7p3HR8
>>52

俺も。
57名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 01:15:51 ID:NSBozyPB
>>51
それじゃまるで、彼らが他人にお膳立てして貰わないと公共で痰吐くような奴らみたいじゃないか
58名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 01:18:54 ID:h9QtCCOx
…2週間くらい推敲したくなってきたな。
このままなかったことにしてしまいそうだぜ。

それ以前にマティウス様を知っている人がどれくらいいるんだろう。
59名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 01:21:06 ID:/d+/oDzq
罵声はザクッと来てそのダメージを乗り越えることが出来れば何とかなるが、
スルーはジワジワ来て病魔のように蝕んでくるから、克服は難しい。
60名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 01:22:48 ID:798mDTcK
キャラがちゃんと描けてる的なレスをもらうとすげーうれしい
61名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 01:41:40 ID:VhVgP8ec
>58
社長とガチで殴り合う癖に、優男にひっぱたかれて涙目な大司教?
それとも女言葉でスクープを買い取るクロマク?
62名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 01:53:56 ID:zRwaYgkO
ウボァー
63名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 01:59:31 ID:0X+brA5R
>>58
ロマリアかガリアにクリンスマンが召喚されるのか
64名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 02:04:12 ID:h9QtCCOx
>>61
そ、そのマティウス様はどこのマティウス様で…

>>62
そのウボァーです
はい、皆さんもご一緒に!   ウボァー
65名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 02:06:53 ID:aLJqOXSH
そろそろMtLの続きが読みたい。
良いところで切れてるんだよおおおおおおおおお!
66名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 02:50:39 ID:5144YMQ4
大丈夫!絶対読めるさ
67名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 02:55:49 ID:XcyED3RL
最近、使い魔くん千年王国の人の投下がないなあ…。
68名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 03:04:06 ID:aLJqOXSH
まだ二週間だから心配はしてないんだけどさ。
ギーシュ、キュルケ、タバサがそれぞれ戦闘開始ってところで切ってあるからすごいもやもやする。
69名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 04:08:43 ID:5a8VmllD
ジュディの人まだかなーチラッチラッ
70名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 04:17:35 ID:tkmSGjR/
全力でSS職人を応援するスレ2
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9616/1221690809/

こっちでやってくれんか
71名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 08:38:02 ID:+LJkP7WF
ジルのSSはブラックジョーク的ギャグものだったのかw
タイトルでなんじゃこりゃ!と敬遠してたが読んでみよう。

マーセナリーズで真っ先に手に入れたのは無限ランチャーだったなぁ。
常に追跡者ぶっ殺してくとカルロスからチェンジした当たりで無限弾が手に入るから
そっからはマグナム無双とかウェスタンカスタム無双とかやったもんだ
72名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 08:50:57 ID:rUYhs/eF
ギャグものってぇとちと違う感じもするけど、
作中の「えーw」な描写については確信犯(誤用)だよなw
73名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 08:58:20 ID:WMPLD/oP
マティウス様と聞くとDSテイルズのあのラスボスかと…
いや、最近プレイしたばかりでさ。

…ねっちょり女も一緒だと凄い嫌なことになりそうだなぁ…w
74名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 10:13:01 ID:f9sI/U3n
ダイナマイト刑事召還してるSSとか読みてぇなぁ。
あらゆる武器を使いこなす的な意味で。
75名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 10:14:22 ID:3TH2ap75
俺の武器を知ってるかい?♪
○○!○○!○○!今日も事件だダイナイト刑事〜♪
76名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 10:56:56 ID:N2EZk+Y2
デルフがモップなんですね、わかります
(あのゲームはモップが一番使い勝手がいいのが困るw)
77名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 11:06:37 ID:1V2O1KJb
モップじゃねぇデッキブラシだ

最強武器はコショウだけどな
78名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 11:07:53 ID:q4nz5XUu
そこに在るモノなら何でも武器にしちゃうフランク・ウェストを忘れちゃ困る
79名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 11:13:04 ID:boGlvLIe
>>77
デッキブラシ・・・クロノトリガーか!
FF7とTOD2とかにもモップがあったような
80名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 11:44:30 ID:WMPLD/oP
デッキブラシはテイルズシリーズ定番の武器。作品によって微妙に性能が違う
意外なところで役に立ったりもする。コンボ数稼ぎとか
81名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 11:47:21 ID:i7wAjGKI
FF7といえば、釘バットという最凶兵器があったな。

乱れ打ちでワルドをボロ雑巾に変える釘バットとか怖すぎ。
82名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 11:56:02 ID:7A9I7TOO
釘バットで人を殴ると釘が皮膚を裂くからなあ
そらもー面白惨いことに
83名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 11:57:11 ID:WMPLD/oP
虐殺に使われたこともあるくらいだしね!>釘バット
84名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 12:09:59 ID:+LJkP7WF
>>78
素手でボディアーマー着た人間から臓物を物故抜いたり
ヘルメット着た人間の頭を地面にたたきつけてザクロにしたり

スープレックスやジャイアントスイングといった
プロレス技も自在に使いこなすから困る。
発売当初はあんな馬鹿ゲーだとは思わなかったわw
85名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 12:12:53 ID:9aTMk1UQ
>>78
そこに在るモノなら何でも武器にしちゃうというと、
「冒険野郎マクガイバー」を思い出した俺はオサーン
86名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 12:15:46 ID:NHGeuZVh
神殺しを召喚という電波を受けた・・・
戦女神シリーズだよエデンズボウゥイじゃないよ
87名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 12:15:47 ID:boGlvLIe
>>78
シャドウハーツフロムザニューワールドだっけ
冷凍カジキマグロやら台座に封印されたままの伝説の剣やらサボテンやらを武器にしてたような
88名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 12:33:38 ID:q4nz5XUu
>>81
上位武器は「釘ストラディバリ」ですねわかります
89名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 12:46:36 ID:3FsTiaA+
>>78
シャドウハーツ2に「熊猫くん河童くん」という主人公の最強武器がある。
でもどうみてもパペットマペット。
90名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 12:48:32 ID:N2EZk+Y2
>>89
FM2のいやなヴァンツァーみたいだなwww
91名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 13:36:49 ID:boGlvLIe
ダン!ダン!ダカダカダン!
『虚無の流星 MEG ヴァリエール』
そーらーにー桃色りゅーせーいー(ry
テテテン
ワルド「脳がいてえええええ!」
ルイズ「今よ!レイ!V(ヴァリエール)ーMAX発動!』
レイ「レディ!」
ロンリウェーイ

・・・なんだろこれ
92名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 13:39:20 ID:Vg6mJYCK
お前等…WWTでの最強の虐殺兵器を忘れるな
っ[スコップ]
93名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 13:54:51 ID:4h9axDxo
まあ人類最強の武器は「バールのようなも」のだけどな
邪神すら屠る
94名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 14:06:20 ID:OGyXIvcV
チェーンソーは?
95名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 14:09:37 ID:LSlEuME1
>>92
ゴルゴも武器にしたアレだね
96名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 14:18:33 ID:3S9a6o3W
スコップと言われたら涙目のルカが真っ先に浮かんだ。
次点にいたずらもぐら。
97名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 14:28:37 ID:rUYhs/eF
涙目のルカ・ブライト?
98名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 14:29:23 ID:4h9axDxo
戦争中塹壕戦で一番人を殺した兵器はスコップらしいからな
99名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 14:31:59 ID:iaVWCOdx
三つのUの人だな。というか姉妹スレのネタだw
100名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 14:40:34 ID:LWuMIDu2
スコップを装備して塹壕も掘れるロボットと言ったら九十九式蛮型僕檄機
101名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 14:46:52 ID:UZFDGQzU
>>91
ライバルはキュルケで、レッドパワーですね。
102名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 15:06:30 ID:VciI1bKT
>>100
ラガンと同じくらいのレイプ機体じゃないか
103名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 15:37:57 ID:QEhSFNVa
お前ら西部戦線異状なしを読んでいますね?
104名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 15:41:14 ID:UNn91A7m
どこぞの旅館で働くイモ掘りロボットは塹壕を掘れる上食料の生産も可能
105名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 15:55:09 ID:HftUUFbL
ゴンスケの事かー!!
106名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 16:02:20 ID:mTvweTun
穴掘りでジェットモグラ思い出した
107名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 16:02:39 ID:VBPdVvb6
>>102
レイプ機体と言われてるのは進化し続けるエネルギー結晶体ペークシスプラグマに飲み込まれて進化したSPヴァンガードだけ

他は合体なんて出来ないぜ?
108名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 17:57:41 ID:W8by0W5U
>>106
ガリアあたりに変装好きのハゲが呼ばれてそうだな。
タルブにあるのはゼロX号か。
109名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 18:03:36 ID:egYbdLzk
プラモ狂四郎もちょくちょく使ってたなぁジェットモグラ
110名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 18:28:26 ID:Ly9ewFnC
ヴァンドレッドか……ハルケギニアは何を『収穫』されるんだろう?
111名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 18:29:59 ID:M6bNTiXI
>>110
メイジじゃね?
112名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 18:33:21 ID:f8aPL4BE
プラモ狂四郎を召喚。
ギーシュとの決闘はもちろん例のシミュレーションマシーン。
はたして狂四郎はギーシュのブロンズガンダムに勝てるのか?
113名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 18:35:39 ID:LgKE7Sb7
発泡スチロールは仕込んでおかないとな
114名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 18:36:01 ID:Yd+iE3d2
ふと、コッパゲってちょくちょく死ぬなあとか思った
115名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 18:46:08 ID:egYbdLzk
>>113
鉛板もだ
116名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 18:53:32 ID:1YJ3uNi2
>>112
魔法学院の宝物庫に納められていたもの
それは腕時計のベルトであった
117名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 18:54:32 ID:N2EZk+Y2
>>116
パーフェクトガンダム作るんかいw
118名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 19:06:59 ID:egYbdLzk
真鍮製のパーフェクトガンダム
アルミ製のコアファイター
119名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 19:10:33 ID:4h9axDxo
ダンボール製の悪魔超人
120名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 19:36:30 ID:hr0hkfxH
ダンボールと言ったらガンダム
121名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 19:36:59 ID:G5QZ6LOh
SOS団召喚を読んで似たキャラが呼ばれるなら
ヴァンドレッドからだと対応キャラ多いなぁとは思った
キュルケとジュラとかモロだと
ルイズ:ヒビキ、タバサ:メイア、ギーシュ:バート、テファ:ディータ
うん、結構ありぽい
コッパゲが召喚とかしないとドゥエロだけ対応無さそうなんだけど
122名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 20:51:02 ID:VBPdVvb6
>>120
海の大陸NOAに掃除機の匂いがするダンボールガンダム?がですね
123名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 20:54:05 ID:798mDTcK
このスレはボンボン読者が多いのなw
124名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 20:54:08 ID:LSlEuME1
ここでキニア大佐ノーラン中佐が命を投げ打って食い止めた「アイスマン」を召喚
ルイズが服を錬金しつつアイスマンの胸に飛び込み「任務完了」とか。
125名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 20:56:31 ID:UlPDawgq
ゼロの提督を読んで思ったんだけど、ヤンとは逆に野心ギラギラで政治力が
あるキャラを呼んだらどうなるかな。ルイズを担ぎ上げて新勢力を作ったら
おもしろいかな。
126名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 21:00:22 ID:+LJkP7WF
政治力があるかは知らんが、野心の塊といったら
MGS3のホモ大佐かねぇ。
127名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 21:02:41 ID:3q7p3HR8
龍狼伝の仲達とか?
128名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 21:11:57 ID:W8by0W5U
ダンボール製のニセウルトラマン、メイドイン朧党
129名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 21:14:32 ID:urxtE731
>>123
ボンボン読者なら忘れてはならない奴らがいるだろう。

つ「ウル忍」
130名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 21:15:17 ID:I6e92e+f
ロベスピエール召喚をどっかで読んだな。
131名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 21:16:35 ID:OGyXIvcV
ボンボンのマンガ、タイトルはいくつか思い出せるけど内容がさっぱりおもいだせん
132名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 21:18:42 ID:WMPLD/oP
ボンボン漫画だとロボットポンコッツとデビルチルドレンが二強。

いろんな意味で。
133名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 21:19:15 ID:798mDTcK
朧党召還したら活躍するんだろうか
やはり相変わらずの扱いになるような気がするがw
134名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 21:19:50 ID:sZFnXlxH
ボンボンならフルカラー劇場かな
135名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 21:21:25 ID:egYbdLzk
ガンダム野郎とがんばれドモンくんが忘れられない
136名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 21:25:16 ID:D/kwz+Fy
ウルトラマン超闘士激伝とか
137名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 21:26:04 ID:4WCSD0N8
なんだって?悪のジオン公国に、アムロが素手でテレビを叩き割った?
あなた疲れているのよ
138名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 21:27:25 ID:QRGMfMvZ
>>136
あれは正しい少年漫画だった。
139名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 21:50:59 ID:x5j4bJ2V
ボンボンといえばロックマンXとデビチルが至高
幼年誌でやる内容じゃねぇ的な意味で
140名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 21:57:46 ID:3iqfG+sq
>>137
ゼロ戦の周りでギーシュのワルキューレが編隊組んでるんですね
141名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 21:59:06 ID:/d+/oDzq
>>136
ゴーデスVSタロウ(海魔星)でゴーデスが騙し討ちを仕掛けた時の、

「現れたのがパワードだった場合、ためらいなくワシを倒していただろう……。闘士マンも苦悩の末に撃ったに違いない!
 お前はウルトラ戦士の中でも最も強靭な肉体を持っているが、精神面が最も未熟だ!」

 ってセリフが、シチュエーションと相まってどうにも忘れられん。
142名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 22:03:42 ID:egYbdLzk
ザ・グレイトバトルの漫画もボンボンだったか
バトルドッジ2とリンクしたときは何事かと思ったなぁ

ラスボスだった使い魔に登場しないかな・・・
143名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 22:05:56 ID:l0FngGPb
サイボーグのクロネコはパッとみ喋れる猫だしガンダ補正もあって都合いいな
144名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 22:12:57 ID:LIh/NCo6
もう一匹のサイボーグネコの方は基本的に温和だし家事も出来るし言うこと無いな

まぁ片割れがいなかったら暴れだすだろうけど
145名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 22:33:58 ID:pJCGUs0h
>>144
剛ちゃんとコルベールがお茶飲みながら談笑してる光景が浮かんだ
146名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 22:42:52 ID:+LJkP7WF
>>145
意気投合して二人で面白いものやろくでもないもの作ってそうw
147名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 22:51:29 ID:4WCSD0N8
>>146
腐ってもマッドサイエンティストだぜ。そりが合わなそうだけど
148名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 22:51:54 ID:M9aJhFJU
あいつら自分が故障しても材料があれば自分で加工して直せそうだしな。
149名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 22:58:47 ID:gllrotTy
ボンボンといえば餓狼伝説。
150名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 23:14:52 ID:cmLh/C1K
>>149
それは、「ご注文は?」「カポエラ・・・」のやつかw
151名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 23:22:18 ID:Ln97Snfo
石川版もアリですか?
152名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 23:27:17 ID:gJJV+5sY
書く気があるならな
153名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 23:50:26 ID:AbRefLyt
ボンボンか……
懐かしいなミラクルVマスター
∀ガンダム
別冊付録のガンプラ漫画
クラッシュギア
ミクロマン
武者○伝
ロックマンX
デビチル
へろへろくん
レクス
資料(コミック)がないから書けないけど
154名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 23:50:47 ID:/KQY07Qm
グルグル目+反重力マフラー装備がデフォの石川さん?
155名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 23:51:53 ID:TnLSFvEh
目が有り得ない角度で吊り上がってるキャラが多いあの石川さん?
156名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 23:53:27 ID:f9sI/U3n
>>123
やめれ。ロック召還に対抗してボンガロテリー召還SSとか
連想して吹いちまったじゃねーかw
157名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 23:56:20 ID:+L/k8UDF
>>136
究極魔神シーダが凄く印象に残ってるぜw
ルイズがシラリーとコダラー召喚して虚無に目覚めると同時にシーダに合体…って考えたことあるが強すぎて止めたw
158名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 23:56:52 ID:egYbdLzk
>>153
武者○伝か・・・
號斗丸出てきてしかも主役級の扱いだったのは嬉しかったけど
結末を知ってるだけに見てて辛かったな・・・
159名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 23:58:22 ID:sfaz5FEl
>>143
しかしガトリングの玉が切れたら主力の武器は剣だけに…
160名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:01:04 ID:egYbdLzk
>>159
全身にミサイル持ってるよ
あとお腹の中にデュアルハンドミサイルとか
161名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:06:23 ID:F2pxrZNH
キュルケの校しゃ
162名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:09:14 ID:WfHLouT9
すまんがちょっと聞きたいんだが
うろ覚えで微妙なんだけどまとめにハリーポッターのクロスなかったっけ?
163名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:09:19 ID:cR1UUfKd
「俺はアンタのナイスバディーに惚れて仲間になっただけなんだ!
テロなんていやだ!
抜けさせてくれ!」

ザシュザシュザシュ

「目よ! 耳よ! 鼻よ!」
164名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:10:29 ID:0/6lk2tH
Fateのアーチャーの召喚はまだですか?
165名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:13:32 ID:1YgXIjNG
小学生の頃はコロコロ派だったから当時のボンボン作品でタイトルと内容を今も覚えているのはアホーガンくらい

166名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:14:06 ID:kRtw95s+
167名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:17:36 ID:prpU2gMp
>>165
コロコロで印象に残ってるのと言えば……怪奇警察サイポリスとか? 打ち切りだったが。
168名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:23:45 ID:qDh93/A6
かとうひろしのサイファー
169名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:28:59 ID:KTICTX0r
 ∧_∧      
 ( ・ω・)=つ
 (っ ≡つ=つ☆
 /   ) バババ
 ( / ̄∪
170名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:32:09 ID:89DRpZrE
FF2よりマティウス皇帝陛下召喚 
第1〜2話の投下準備できましたー

とりあえず題名は「ゼロのウボァー」にでも。

5分後から投下していいですか?
171名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:32:55 ID:uk0shRkO
もう少しまともなタイトルつけてやれw
172名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:33:25 ID:prpU2gMp
元ネタは知らんが支援
173名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:34:40 ID:89DRpZrE
えー…じゃあ「ゼロの皇帝」かなぁ…
だってウボァーのほうが有名なんだもん。
174名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:36:45 ID:sp4mCyPa
>>154、>155
「パワーウェイブ!」
ドワオ!!
の石川さんです。
175名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:37:58 ID:prpU2gMp
じゃあ間を取って「ゼロのウボァー皇帝」で。
176ゼロのウボァー:2009/04/19(日) 00:38:09 ID:89DRpZrE
「…貴様は誰だ?」


澄み渡る青空の下に広がる新緑の草原。そこに集まっている十代半ばの少年少女たち。
その集団から少しばかり離れたところでは、茶色の地面が肌を覗かせ、その周囲には土煙が舞っている。
やがて舞い上がる土煙が落ち着き、その中心部に立っていた「彼」が最初に発した言葉は、
目の前に立っている桃色の髪の少女に向けたものだった。

男の背丈は1.8メイル程度。
細身ではあるが、身につけた派手な装飾品のせいだろうか。かなりの威圧感がある。
大きく左右に突き出した肩当てと金の胸当てがついたローブをまとい、
1メイルちょっとの杖を持つところをみるとメイジなのは間違いない。
髪は金髪で角のような大きな髪飾りをつけていた。その顔は端正で、一見すると女性に見えないこともない。

だが、その整った顔からはぞっとするほどの冷酷さが感じられた。
現に、目前の少女に向けられた彼の視線は人間を虫けらと見下すような尊大なものであった。


177ゼロのウボァー:2009/04/19(日) 00:39:56 ID:89DRpZrE
ここは、ハルケギニアのトリステイン魔法学校。
魔法を使う「メイジ」を養成するための学校である。
トリステインの貴族の子弟だけでなく、他国の貴族の子弟も集う歴史ある魔法学校だ。
そして、今は春の召喚の儀の真っ最中であった。
一人前のメイジを目指す生徒達は、この儀式で各自にふさわしい使い魔を召喚し、契約を結ぶ。
これはトリステイン魔法学校の進級試験も兼ねている。

とはいえ、大半の生徒はすでに各々の使い魔を召喚し、契約を済ませてしまっていた。
トカゲの使い魔もいれば、鳥の使い魔の姿も見える。皆、契約を交わした主人の傍につき従っている。
残す生徒は桃色の髪をした少女「ルイズ」ただ一人のみである。
しかし、彼女の数十回に及ぶ召喚への挑戦は全て爆発を引き起こすという結果に終わっていた。
このルイズは貴族=メイジが常識であるこの世界で、貴族にも関わらず魔法が使えないのである。

そんなルイズの召喚=爆発に巻き込まれぬように、彼女の挑戦を遠巻きに眺める生徒たち。
初めのうちこそ「やっぱりゼロのルイズだな」と軽口を叩くものも多かったが、
その挑戦回数も20を数えようとしており、流石に皆も飽き始めていた。
なにしろ皆、自分の使い魔を得たばかり。さっさと部屋に戻り使い魔と戯れたいのが本音だろう。

「どうせ、成功しないのに」多くの者がそう思っていた。
「そろそろあきらめたら…」そう考える者もいた。

爆発音…再び巻き上がる土煙。
「あ…あれは!」
退屈を絵に描いたようなギャラリーの反応は、教師コルベールが発した驚きの声によって破られた。
そう、ルイズの前に広がる茶色のクレーター…爆発により大地がむき出しとなった空間、その中心に人影が現れたのである。

「ま、まさか…」
「でも、あれは人間?」
「しかも、貴族じゃないか?杖を持ってる…」
「おいおい、人間を使い魔にするのか?」
ギャラリーたる生徒たちは囁き合った。

「彼」を召喚してしまった当のルイズも、混乱していた。
ようやく『サモン・サーヴァント』に成功したと思ったら、現れたのは人間でしかも恐らくは貴族。
その貴族が明らかに自分を見下した態度で名前を尋ねてきたのだから。
178名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:41:16 ID:QV6usC/v
こ、これは初回だからしかたなく支援するんだからね!
179ゼロのウボァー:2009/04/19(日) 00:41:36 ID:89DRpZrE
「聞こえなかったか?…貴様は誰だと聞いている。」

当惑していたルイズに再び男が問いかける。それにしても初対面の相手に貴様とは失礼も甚だしい。
普段の彼女ならば、即座に文句の一つも返すところ。
だが、男の放つ威圧感…オーラとでも表現すればいいだろうか。
とにかく、ルイズはその男の雰囲気に圧倒されていた。軽く恐怖を感じていたと言ってもいい。
しかし、貴族としての矜持を持つルイズは使い魔に舐められることなどあってはならないと意を決して口を開く。
「ひ、人に名前を尋ねる前に自分が名乗ったら?」

男の片眉がピクンと跳ねた。


一方で他の生徒たちに近い位置…すなわちルイズから距離をとって眺めていた教師=コルベールも、
どうやらとんでもなく面倒な事態が起こったらしいことに気がついた。
格好からすると、召喚された男は貴族…それもかなり地位の高い男のようだ。
場合によっては外交問題、最悪戦争の危険もある。なにより、男の放つただならぬ雰囲気も気になる。

いくら召喚した本人だからと言っても、彼女一人に任せておくわけにはいかない。
まずはあの貴族に事情を説明せねば…とコルベールは男に近づいた。
他の生徒たちにはその場で待機するように指示を出し、男まで1メイル程度の距離まで歩みを進める。
だが、コルベールを余所に2人の会話は進む。

まずは自分から名乗れという少女の言葉を受けて、男は不機嫌さを隠さずに問いかけた。
「私を知らぬのか?」
「し、知らないわよ!」
知っていて当然と言わんばかりの言葉に、ルイズは即答する。
その返答は、さらに男を不機嫌にしたようだ。眉を顰め、その視線はさらに厳しくなる。
「無礼な…私は皇帝だ。」
男から予想を上回る言葉が飛び出し、ルイズをさらに混乱させた。
(こ、ここ皇帝!? 私、皇帝を召喚しちゃったの!?)
180ゼロのウボァー:2009/04/19(日) 00:43:16 ID:89DRpZrE
ちょうど二人の隣で話を聞いていたコルベールの驚きもまた相当なものだった。
地位の高そうな貴族だとは思っていたが、なんと皇帝だという。
付近で皇帝と言えば、まずはゲルマニアのアルブレヒト3世が頭に浮かぶ。
どこの皇帝にせよ、非常にまずい。このストレスは間違いなく頭髪に悪影響を与えるだろう。
幸いなことに少し距離があるので、他の生徒達には彼が皇帝であるという話は聞こえてはいないようだ。
こんな話が伝われば場はますます混乱するに決まっている。

まずは状況を説明することが肝要だ。そう考えたコルベールは、皇帝を名乗る人物に話しかける。
「横から申し訳ありません。私はジャン・コルベールと申します。」
男はゆっくりとコルベールに視線を向けた。
あいかわらず路傍の石でも見るような目だが、まだ少女よりも話になると思ったのだろう。
「では、コルベールとやら。そなたに聞こう。ここはどこだ?」
コルベールは男の機嫌を損ねないように、恭しく答える。
「ここはトリステイン魔法学院です」
「トリステイン?」

一方、召喚された男もいまだ事態を把握できていなかった。
自分はレジスタンスとの死闘の末に敗北し、今度こそ死が訪れたと思っていた。
しばらく眠っていたようにも、一瞬だったようにも思う。
はたまた、どこか異世界で戦っていた夢を見ていたようにも思う。
そんな中、ふと何かに呼ばれたように思い眼を開くと、青い空と緑の草原と自身を包む土煙―。
そして桃色の髪をした少女。さらには、初めて聞く「トリステイン」という言葉。
181名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:44:23 ID:wgPhBayp
本当にウボァーで始めやがったw
182ゼロのウボァー:2009/04/19(日) 00:44:50 ID:89DRpZrE
「トリステインとは地名か?」

男はコルベールに対して問いかける。
まずはここがどこかを知らなければならない。

一方のコルベールは、男の問いを受けてごく僅かだが安堵した。
トリステインを知らないとなると、皇帝と言ってもかなり遠方の国の皇帝だろう。
戦争にまで発展する可能性は激減する。外交問題以前に国交もないのだろう。
だからと言って、相手が君主である以上は機嫌を損ねるのは問題だ。
コルベールは、できるだけ丁寧に対応することに越したことはあるまいと考え説明する。
「えー、トリステインと言いますのは…」

だが、その男にとってコルベールの説明に出てくる地名はどれもこれも聞き覚えのないものばかりだった。
召喚された男、彼は皇帝…しかも世界支配に乗り出した皇帝だった。
世界のほとんどの地域を制圧し、世界支配の目前までいった。そんな彼が名すらも知らぬ国・地方が世界にあるものだろうか。
彼は異界よりの数多の魔物を呼び寄せ使役していたこともある。文字通りの地獄にも行った身だ。
ゆえに理解できた。ここは自分のいた世界ではないと。
確認のためにコルベールに問いかける。

「コルベールとやら。パラメキアを知っているか?」
「パ、パラメキア? それは地名でしょうか?」

コルベールの答えで、彼の予感はほぼ確信となった。
(やはり、ここは異世界で間違いないようだ。
 我が世界の者なら、どんな辺境の者であろうと帝国の名を知らぬはずはない。
 問題はなぜ余が異世界にいるのかだが…)
コルベールらが、自分がこの異世界に出現した理由について無関係とは思えない。

「コルベールよ。私は何故、このようなところにいるのだ?」
「そ、それは…」
「私の使い魔になるためよ」
言いよどむコルベールに代わり、言葉を発したのは桃色の髪の少女であった。
183ゼロのウボァー:2009/04/19(日) 00:47:35 ID:89DRpZrE
----------------------------------------------------
「使い魔…だと?」

地獄より多くのモンスターを召喚し、使役していた皇帝にとって、
使い魔の意味するところは見当がつく。要するに従者となれということだ。
皇帝たる自分を相手になんと無礼な話だろうか。

ルイズも当初は、人間…しかも皇帝を召喚してしまったことに、ショックを受けていた。
皇帝相手では契約不可能という考えも頭をよぎった。
だが、コルベールが彼に地名について説明している間に、ルイズは落ち着いて他の生徒たちを眺めてみた。
皆、自身の傍らに使い魔を従えている。そして皆、好奇の視線をこちらに送っている。
続いて自分の周囲の地面を見ると幾度となく起こった爆発により、それなりの広さで大地がむき出しになっている。
その2つの光景を見比べて、ルイズの心に強い意志がわきあがった。
これは最後のチャンスかもしれない。相手が何者であろうと、使い魔の契約を交わさねば…と。

そんな強い想いを持ってルイズは皇帝を直視していた。
そんなルイズを見返す皇帝。従者になれと言われて、喜べるはずもない。

男が不機嫌になる様子を見て、コルベールは慌てて召喚の儀の説明をした。
決して、相手を選んで召喚したわけではないこと、
召喚は一方通行であり、瞬時に元の場所に帰る手段は存在しないこと、
この儀式で生徒は使い魔と契約を行う決まりとなっていること、
使い魔と契約できない生徒は留年すること…

だが、皇帝である彼にとっては決まりとは自分の意思そのものである。
彼こそが法律である。どんな伝統だろうが彼の意思の前には意味をなさない。
コルベールの説明を聞き流しつつ、視線を目の前の少女に向ける。

184名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:48:44 ID:QbRpztSk
支援
185ゼロのウボァー:2009/04/19(日) 00:49:25 ID:89DRpZrE
「貴様は私を…」
「ルイズよ。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」

3度も貴様と呼ばれたことで流石に黙っていられなくなったルイズは皇帝の話を遮って名乗った。
人間であるが、自身の使い魔となるはずの男だ。名前くらいは覚えてもらわねば困る。
ルイズは続けて確認ともとれる疑問を投げかける。
「えーと…あなたもメイジなのよね?」

「メイジ?私は皇帝だと言わなかったか?メイジなどではない。」
そう答える彼の世界ではメイジは役職の名である。
彼はメイジなどではなく皇帝である。メイジではないという返答は正しいはずだった。

一方のルイズは「メイジ=魔法を使える者」の意で尋ねた。
これはこの世界の常識である。
いくら遠方の皇帝であろうとこの世界の者ならば、その常識がわからないはずはない。
「え!?メイジじゃないの!?」
皇帝であるからにはメイジだと思い込んでいたルイズは思わず大声を出してしまった。
少し離れたところにいる生徒たちにもこの言葉が届く。

「いま…メイジじゃないって?」
「じゃあ、貴族じゃないのか」
「平民ってこと?」
「杖は飾りか?」
「はっ!ゼロってだけはあるな」

ざわつく生徒達を余所に、ルイズとコルベールは共通の疑念を抱いていた。

メイジではなく、皇帝を名乗る男。
果たして本当にこの男は皇帝なのだろうか。
単なる妄想癖のある男ではないのだろうか。
186ゼロのウボァー:2009/04/19(日) 00:50:34 ID:89DRpZrE
疑念を確認すべくルイズは続けて尋ねる。
「皇帝って本当なの?どこの国の皇帝なのよ」

国名を聞かれた皇帝は、どう対応するべきか考えた。
(…この無礼者を含め、周囲の人間を始末することは簡単だ。
 この世界にはブラッドソードもなかろう。
 だが、一度死んだ身である余が呼ばれたのも解せぬ。
 パラメキアに戻れるかどうかもわからぬ。もう少しこの余興に付き合ってみるか。)
 
「私はパラメキア帝国の皇帝。どうやらこの世界はパラメキアと異なる世界にあるようだな。」
「パラメキア帝国…って、え?異なる世界!?」
ルイズの驚きももっともである。
異世界の君主であると信じるよりも、単なる妄想癖と考えた方が、まだ信じやすい。
「異世界から来たメイジでない皇帝」 or 「妄想癖のある平民」
どちらにせよ契約そのものには障害はなさそうだ。
あまり嬉しい使い魔ではないが―――

ルイズは改めて男に向かい直すと口を開いた。
「じゃあ、異世界から来た皇帝陛下。私の使い魔になって頂戴。」
「断る」
当然、皇帝は即答する。
皇帝たる自分を使い魔にしようとはなんという少女だろうか。
だが、その無礼者は言葉を続ける。
「な、なんでよ。召喚されたのならちゃんと使い魔になってくれなきゃ困るじゃない」
「…」
無礼にも程がある…下郎とはつきあっておれぬ そう考えたその時、
皇帝はルイズの瞳に宿る光に気がついた。見覚えのある忌々しい光。
何度も帝国に立ち向かい、そして自身を倒したレジスタンス達の目に宿っていたものと同種の光だ。

(この瞳の輝きはまぎれもなくフリオニール達のものと同じ。
 この輝きから生まれる力こそが、私を2度も倒したのだ…)
187名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:52:07 ID:eYUkqnld
支援
188名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:52:08 ID:uJ3GwUas
FF2と言う事は、味方同士でドツキ合うのか。支援。

 【それでHPばかりを上げると敵が強くなり過ぎる】
189名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:52:32 ID:QbRpztSk
これ、ワルドの身が危ないだろうなwその前にギーシュか
190名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:52:34 ID:5qn5+jw0
しえん
191ゼロのウボァー:2009/04/19(日) 00:52:44 ID:89DRpZrE
ルイズは押し黙ったままの皇帝に若干ひるみつつも、こちらを直視している。
その横では皇帝から滲み出る殺気を感じ取ったコルベールが杖を構えている。

わずか数秒の沈黙。皇帝は静かに何かを考えているようだった。
そして、皇帝がその沈黙を破る。

「…よかろう。娘…ルイズと言ったか?お前の使い魔になってやろう。ただし条件がある」
「じ、条件?」
「貴様が私を使い魔とするにふさわしくないと判断した場合、即座に契約を破棄する
 それが条件だ」
かつての皇帝からすれば、異常な提案。使い魔になることを受け入れるという。
だが、ルイズにとってみれば、異世界の皇帝だか、勘違い平民だかわからない男に
主人にふさわしくなければ契約破棄だと言われるとは思ってもみなかった。
第一、使い魔の契約破棄など簡単にはできない。

「そ、それは…」
「…ふ、自信がないか。確かに私を従えるだけの品位はなさそうだが」
「な…失礼な!私は貴族よ! いいわよ!
 その代わり、私を認めたらちゃんと下僕になるのよ!」

ようやく皇帝が笑み(とはいえ、人を見下した笑いではあるが)を浮かべ、恭しく礼をした。
192名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:56:13 ID:3oa8Dabc
支援
193名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:57:47 ID:d+iP18bS
なんというか…逃げてー!みんな超逃げてー!!支援
194ゼロのウボァー:2009/04/19(日) 00:58:11 ID:89DRpZrE
皇帝と言えども、生誕時から君主であったわけではない。
先代のパラメキア皇帝に仕えていた魔術師がその前身である。それゆえ他人に仕えていた経験は充分にある。
もちろんそこから、先代を消し 自身が皇帝に即位するまでに至るのであるが…。

(先代に仕えていたときのことを思い出す。
 この娘に力を与え、この瞳の光を闇に染めてやろう。その後はこの世界を支配するのも面白いかもしれぬ)

皇帝は興味があった。力でねじ伏せようとしても決して輝きを失わなかった光が、
大いなる力、絶対的な権力を得ることで、支配欲の色に染まらないかどうかに。
幸いにも、娘はまだ幼い。権力を握らせ、力に溺れさせることで、瞳の色がどう変わるかを見てみたい。
レオンハルトのように力の支配を受け入れるだろうか。それまでは従者の真似ごとも面白いだろう。

「…えー では、『コントラクト・サーヴァント』を…」

急展開から取り残されていたコルベールが声を発したのは、
皇帝がかつて闇に落とした青年の顔を思い浮かべたのと同時であった。

かくしてルイズは異世界の皇帝を使い魔とした。

-------------------------
ここまでー
195ゼロのウボァー:2009/04/19(日) 01:00:08 ID:89DRpZrE
長かったですが、投下支援ありがとー。
さるさんも初体験できました。
196名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 01:04:57 ID:d+iP18bS
皇帝の人乙です。
この国は操り易そうな奴が多いからな…
wktkせざるを得ない。
197名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 01:09:32 ID:prpU2gMp
198名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 01:10:56 ID:uk0shRkO


タイトルは…もう好きにつけてくれw
199名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 01:14:27 ID:89DRpZrE
ゼロの皇帝にするかと思ってたら、直すの忘れたよw
だが…ウボァーでも後悔はない!
200名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 01:16:09 ID:QbRpztSk
タイトルはどうでもいい・・・面白ければいいんだ。
GJ!!
201名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 01:24:49 ID:prpU2gMp
しかし最近、主役じゃなくて敵役の召喚が多いな。
202名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 01:35:44 ID:AyGWEBJ+
主役はストーリーに沿わされる部分もあるけど、敵役は性格通りに動いてるから描きやすいんだろうか。
203名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 01:41:02 ID:qDh93/A6
単純に好きだとか、書いてて楽しいとか、そういうみりきの問題じゃね?
204名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 01:42:48 ID:a/sTDv4c
性格通り動かすほうが難しそうだけどな
205名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 01:46:58 ID:Xh7AVJ/I
大体性格通りに動かしたら「使い魔になれ」って言われて断るばかりか
挙句の果てに殺害する可能性が大いにありえる
206名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 01:47:57 ID:y9RBYzGv
FF2のこうていって描写少ないんだよな
巨大戦艦や竜巻を造ったり、生き返って城を魔界に変えたりとか
いろいろ凄いことしてるんだが
207名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 01:52:56 ID:prpU2gMp
まあ、二次創作ってのは、
「私にはこの作品のこのキャラがこんな風に見えてますよ」
と大々的に晒すようなもんなんだが、
そうすると必然的に「劇中で描写されてない部分の脳内補完(妄想)」まで晒すことになるからなぁ。
それに作者が耐え切れるかどうかも一つのポイントかも知れないな。

内面描写なんてされてないことの方が多いくらいだし、ある意味じゃ仕方がないんだけども。
208名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 01:55:07 ID:Xh7AVJ/I
原作、性格通りの行動をしつつ何とかゼロ魔の話へもっていく…
実は並大抵の想像力じゃあ出来ないよな
209名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 01:59:22 ID:prpU2gMp
>>208
つーか、本当にクロス元通りの性格や行動をした場合には
確実にテンプレから外れる行動を取るはずなのだが、
話を書く自分がストーリーを位置から構成する能力を持ち合わせていないのでテンプレに沿わざるを得ない……orz
210名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 02:01:11 ID:a/sTDv4c
敵に限らず主人公でもキャラの個性をうまく描けてる人はすげーと思う
211名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 02:05:01 ID:Xh7AVJ/I
>>209
外れているのは大抵収集がつかなくなったりするけどな
ゼロ魔自体が完結してないから落としどころが分からなくなるんだよな
212名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 02:06:18 ID:WM5SKdfq
そういや最新巻でデルフあっさり殺されたなあ…
新勢力といいまるでジャンプ漫画のごとく続いていきそうだが>原作
213名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 02:25:25 ID:yGx5vwDN
>>211
サハラとかエルフの当たりが不明なことだらけだからな
214名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 02:28:43 ID:EHOOxAzU
そういう意味ではジョゼフ関係の背景が不明な段階でオリジナルに展開に入った途端に背景が分からないキャラクターを皆殺しにしたMtLは思い切った決断をしたな。
215名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 02:32:52 ID:Xh7AVJ/I
オリジナルでもいいから最後どう終わらせるかを決めていないと、原作に殺されてしまうからな
終わりを前提に作っていけばそこそこになるんじゃないかと…
つまり、プロットは最後まで(漠然とでもいい)練ったほうがいいって事だ
216名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 02:45:58 ID:WM5SKdfq
まあ原作からそれてもいいんじゃないか
原作に追いついてしまいオリジナル最終回を迎えざるを得なかったアニメのように
NGワード:マンキン
217名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 02:52:02 ID:pYa4tadP
原作どおりだの性格だとあの場で既に何にも殺してるよな皇帝
218名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 02:52:27 ID:Xh7AVJ/I
あんまりオナニー過ぎるオリジナルは勘弁だけどなwwwww
テンプレをただなぞるだけなのはやっぱりつまらんからな
219虚無と賢女の人:2009/04/19(日) 06:25:13 ID:KJlI4uAV
おはようございます。
早朝で、ちょっとばかり時間的に皆さん寝ていると思いますが、
他の人と被らなければ6:30より投下を開始します。
220虚無と賢女08話 1/10:2009/04/19(日) 06:30:04 ID:KJlI4uAV
それでは投稿を開始します。





港町ラ・ロシェールは山間の中にある街である、巨大な世界樹の枯れ木を桟橋として利用しており、多数の船を係留できる
トリステイン屈指の港であった。夜の帳が降りた後も、峡谷の中に築かれた旅籠や商店は煌々とした灯りで夜闇の中に浮かび
上がっており、小さな街にも関わらずその賑やかさが伺えた。
そのラ・ロシェールの入り口、王都トリスタニアからの街道の両脇を挟む崖の上に二十数人の人影が潜んでいた。それぞれ弓や
剣、槍といった武器を手に持ち、くたびれかけた鎧を身に着けていた。彼らの姿は誰もが傭兵か、傭兵崩れの山賊と判断する
姿であった。

「……お、隊長、来ましたぜ!」

崖のほとりで見張っていた一人が、街道の先を指差す。その声に何人かの男たちが釣られて、指し示された先に視線を向ける。
月明かりの下、二つの騎影がその先にあった。

「おい、おめーら、分かってるだろうな!? 貴族の坊ちゃんと女の二人連れだ!」

隊長らしい者の言葉に男たちは一斉に頷く。そして、隊長の近くに居た男が下卑た笑みを浮かべた。

「へへへ……、隊長。女の方は生きていたら捕まえても?」
「好きにしな。雇い主から何も言われてねーからよ。……でも、一番は俺だぜ?」

今度は隊長が、そして他の男たちが欲望丸出しの笑い声を上げる。彼らの脳裏には、仕事の後のお楽しみが浮かんでいた。

「よし、弓を構えろ。松明の覆いは大丈夫だろうな?」

隊長の指示に、十人ほどが弓を構えて崖のほとりに潜む。彼らが街道を伺うと、騎影はもうすぐ近くまで来ていた。タイミングを
見計らい、隊長が手を振る。次の瞬間、炎が外から見えないように覆いを被されていた松明を取り出した男たちが、崖の下へと
投げ込み、続いて射手が一斉に矢を放つ。

―――奇襲だ!?

崖の下から少年の悲鳴。男たちの目論見通り、訓練されていない馬は驚いて乗っていた者を放り出したようだ。このまま
第二射を崖下に―――今度は女に当てないように狙いを定めるつもりで身を乗り出した。そのため、再攻撃に十秒ほど余計な
時間がかかった。
そして射手たちは矢を撃とうとしたとき、猛烈な勢いで崖を登ってくる女の姿を視界に捉えて衝撃を受けた。

「な、なんだぁ!?」

男の一人がそう叫ぶが、それは男たち全員の共通した思いであった。女は崖の窪みに足をかけて跳躍し、手に持った逆剣を岩肌に
深々と突き刺して新たな足場にし、あっという間に十メイル近い崖を登りきった。

「う、うわぁ!? な、何だ―――がふぅッ!?」

一番間近に居た射手が、女が抜刀した片刃の剣の柄で頭を打たれて失神する。そのまま流れるような動きで、そして目にも止まら
ない疾さで次々と男たちを倒していく。隊長がようやく状況を理解したときには、射手全員と崖のほとりの側に居た男たちが
倒されていた。―――残るは隊長自身を含めて十人ほど。

「く、くそ!? こんなの聞い―――!?」

思わず叫び声をあげた隊長に、今度は上空から一陣の風が吹き降りて圧倒的な圧力で残った者たちを地面へと押し倒す。

「大丈夫か? ……と言いたいところだったが、どうやら僕の助力は必要なかったようだね」

女の隣に羽帽子を被った男―――恐らくは貴族が舞い降りてくる。上空を見上げると、旋回している一匹のグリフォン。隊長は
雇い主の仮面のメイジが、標的の強さを教えてくれなかったことへの愚痴を呟こうとして、そのまま意識を失った。
221虚無と賢女08話 2/10:2009/04/19(日) 06:33:10 ID:KJlI4uAV
気絶するか戦意を完全に失った男たちをエレアノールとギーシュ、そして戦いが終わった直後にシルフィードに乗って飛来して
きたタバサの三人で縛り上げて拘束する。もう一人、シルフィードに乗っていたキュルケは、ワルドに色気たっぷりの流し目を
で誘惑していたがあっさりと拒まれて、今はルイズと口喧嘩をしていた。ワルドは、縛り上げられた男の一人を尋問しており、
時折、男の言葉に頷いていた。

「それにしてもミス・タバサ、何でミス・ツェルプストーと一緒に?」

一通り男たちを縛り上げて一段落したところでギーシュは、用が終わったとばかりに本を開いて―――月明かりがあるとはいえ、
読めるのかは疑問であるが―――座り込んだタバサに尋ねる。

「出発するところが見えたから気になった、キュルケも気付いていた」

実際はエレアノールを見張っていたシルフィード経由で、来訪したアンリエッタの姿を確認し、何かあると判断してずっと張って
いたのだが、そのことは全く表に出さない。

「ああ、何と言うことだ! 皆に見られていたということなのか! これでは、姫殿下から承った大切な―――」
「ギーシュさん!」
「―――ああ、いや、なんでもない」

エレアノールの言葉に、ギーシュは口を滑らせる間際で口を閉じる。そうしていると、尋問を切り上げたワルドが皆を呼び寄せる。

「どうやら、ただの物取りのようだ。このまま捨て置いて行くが構わないね?」

皆の意見を確認するように聞いているが、自身の決定を押し通す雰囲気を感じてエレアノールは眉をひそめる。

「しかし、彼らを役所に突き出すべきでは? このままでは他に襲われる人も出ます」
「それはその通りだが……僕らは今、それよりも大切なことをしなければならない。彼らを役所に突き出せば、事情聴取や
手続きで時間を取られてしまう。時間との勝負になっている以上、それを避けなくてはならない」

ワルドの主張にエレアノールは言葉を失い、不承不承頷く。しかし、同時にワルドの判断に軽い不信感を抱く。

(物取りではなくて、私たちを妨害するために雇われた傭兵の可能性もありますのに)

エレアノールは自分の考えに根拠がないことは承知しており、そのことを口に出さなかった。仮に本当に雇われていたとしても、
詳細を知っているとは思えないし、時間を浪費させるための捨て駒の可能性があることを考えると、ワルドの判断も的外れでは
ないと思い直す。

「よし、では今夜はラ・ロシェールで一泊して、朝一番の便でアルビオンに渡ろう」

ワルドはヒラリとグリフォンに跨ると、朝と同じようにルイズを抱きかかえる。タバサとキュルケはシルフィードに乗り、
エレアノールとギーシュは崖の下に残した馬の元へレビテーションを使って降りる―――途中で岩肌に刺した逆剣も忘れずに
回収して。
道の向こうに、両脇を峡谷で挟まれた、ラ・ロシェールの街の灯りが怪しく輝いていた。





ラ・ロシェールで一番上等な宿、『女神の杵』亭で泊まることにした一行は、一階の酒場でくつろいでいた―――もっとも、
一日中馬に乗っていたギーシュはクタクタに疲れ果ててテーブルに突っ伏しており、エレアノールは姿勢よく座っていたが
疲労の色を隠してなかった。先ほどの襲撃の際は、驚きで疲れを忘れていたが、こうして落ち着くと一気に疲労感が全身を
襲い掛かっていたのだった。

「本当呆れた。早馬でも二日かかるのに、一日でたどり着くなんてねぇ……無茶しすぎよ」
222虚無と賢女08話 3/10:2009/04/19(日) 06:36:39 ID:KJlI4uAV
精根尽き果てたギーシュに、キュルケの容赦のない言葉がグサリと突き刺さる。何とか顔を上げるものの、糸の切れた操り
人形のように再びテーブルへと突っ伏す。代わりにエレアノールが、話題を切り替えようと口を開く。

「あの港町と聞いていたのですが、どうして山の中なのでしょうか?」
「あら、知らないの? それはね―――」

そこに桟橋へと乗船の交渉へ行っていたワルドとルイズが、困ったような顔をして戻ってきた。説明しようとしたキュルケは
言葉を区切り、二人に向けてワイングラスを掲げて迎える。ワルドは席につくと、表情と同じような困った言葉を出す。

「アルビオンに渡る船は明後日にならないと、出ないそうだ。明日が『スヴェル』の月夜だったことを失念していたとは、
情けない限りだ」
「急ぎの任務なのに……」

その隣に座ったルイズも口を尖らせている。

「あたしはアルビオンに行ったことないのだけど、『スヴェル』の月夜だと、どうして船が出ないのかしら?」
「アルビオンがラ・ロシェールに最も近づくのは、月が重なる『スヴェル』の月夜の翌朝だ。その前後は風石の消費が割に
合わないから出航しないらしい」

キュルケの問いにワルドが答えた。対面の席で話を聞いていたエレアノールは、二人の会話に不思議そうに考え込む。だが、
疲労した頭では上手く結論が出なかったので、後で考えようと先送りにした。

「さて、じゃあ今日はもう寝よう。部屋を取ってある」

ワルドは鍵束を机の上に置いた、その数は三個。

「三部屋しか取れなかったから相部屋になる。キュルケとタバサで一つ、そしてギーシュとエレアノール。最後に僕とルイズだ」

当然のように言い放ったワルドの言葉に、ルイズとキュルケからから「え〜」という声と視線がワルドに向けられる。残りの
二人、ギーシュは先ほどまでの疲れを吹っ飛ばしたかのように期待に満ちた眼差しでワルドとエレアノールを交互に見て、
エレアノールは困ったような表情でワルドを見つめていた。

「……何か変かね?」

自分に集まる視線に平然と聞き返すワルド。最初に口を開いたのはキュルケだった。

「あたしとタバサが相部屋なのは構わないけど、普通は残りの面子も男女で分けないのかしら?」

複数の男性と付き合っているキュルケであったが、ごく一般的な常識を知らないわけでもない。エレアノールのことを崇拝している
感のあるギーシュなら間違いは起こらないと考えていたが、相部屋なのはエレアノールがさすがに可哀想と思っていた。

「そうよ! ギーシュはあのエロモグラの主人なのよ!」

珍しくキュルケの意見にルイズが賛同する。キュルケの隣のタバサも本から目を離さないまま、うんうんと頷いていた。

「ふむ、言われてみればその通りだ。……では、僕とギーシュで一部屋。そしてルイズとミス・エレアノールで一部屋、これで
いいかね?」

多少、気落ちしたように言い直した組み合わせに、今度はギーシュを除く全員が頷く。ちなみに、ギーシュは三度テーブルに
突っ伏していた。その表情は一言で現せば『絶望』、もう少し言葉を足すと『希望が打ち砕かれたあとの絶望』であった。

「ああ、だけどルイズ……。大事な話があるんだ、あとで二人きりで話をしたい」

ワルドはそう言い添えて、ルイズに鍵を手渡した
223虚無と賢女08話 4/10:2009/04/19(日) 06:40:45 ID:KJlI4uAV
ルイズの部屋を訪れたワルドは、持参したワインで乾杯する。同室のエレアノールは、「二人きりにしてほしい」という
ワルドの言葉を受けて、デルフリンガーと一緒に既に退室していた。
一緒にワインを飲みながら、ワルドは胸中で笑う。チェスで言えばクイーンの駒、それを自分の目論見どおりに手中に収め
つつあったからだ。

ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド子爵、『閃光』の二つ名をもつトリステイン屈指の力量を持つメイジ。
その彼がアルビオンを席巻しつつあるレコン・キスタの一員であることを知る者は、同じくトリステイン王家を裏切って
レコン・キスタに繋がりを持っている者の中でも、一部の者だけしか知らないことであった。

彼がレコン・キスタより受けた命は二つ。一つは盗賊の『土くれ』のフーケとの接触。その正体はかつてアルビオン王家より
貴族の名を剥奪されたサウスゴータ太守の娘、マチルダ・オブ・サウスゴータであり、アルビオン王家の罪を問いただすのに
ちょうどよい政治的材料として追っていた。しかし、トリステイン魔法学院襲撃後から鳴りを潜めており、結局所在と正体を
突き止めることはできなかった。

二つ目の命はトリステインとゲルマニアの同盟阻止の任務であった。こちらは、ワルド以外の者にも同じような命が下されて
おり、王宮では同盟反対派という形で任務を行っていたが、『鳥の骨』の尽力により同盟は成立寸前までこぎつけられていた。
そのため、それを白紙に戻すための材料を探し続けていた。その材料―――アンリエッタの恋文回収にワルドが同行できたのは
偶然の産物でもあったが、以前からずっと王室に忠誠を誓う有能な貴族として振舞っていた結果でもあった。

今までの自分の先見性の高さと幸運にワルドは満足していた。そして、ルイズの心を捉えるための布石―――言葉巧み
に褒め称え、自分に好意を持ち続けるように仕向ける。ワルドがルイズを褒め称えるのは、本心からであった。数年前、いつも
魔法を唱えるたびに爆発ばかりのルイズのことを、『虚無』の系統ではないかと考えたのはただの思いつきであった。しかし、
軍務の間にいくつかの文献を漁り、さらに自分の経験も含めた『魔法が失敗したとき』のことを考え、今では『証拠はないが、
間違いないだろう』という確信を持っていた。

伝説の系統である『虚無』を手中に収める。それは単純に強力なメイジだけでなく、トリステインそのものにも深い影響を
与えるであろうとワルドは考えている。ラ・ヴァリエール公爵家の初代は王家の庶子が任じられており、始祖ブリミルの
直系とされるトリステイン王家に比べれば劣るものの、王位継承権が与えられても不思議ではない家系。
もし、『虚無』の使い手がラ・ヴァリエール公爵家に現れれば、トリステイン王家から『禅譲』という形で王位を奪うことも
可能であった。

レコン・キスタの総司令官オリヴァー・クロムウェルも『虚無』を継承したと公言しているが、元々は平民あがりの司教。
始祖の血筋に属し、トリステインの王位を正式に受け継ぐことのできるルイズに比べれば、格が二つも三つも落ちる。
ルイズさえ手中に収めれば、レコン・キスタ内でもワルドの立場は大きくなり、ゆくゆくはトリステイン女王にして
レコン・キスタ総帥ルイズ、その夫の摂政ワルドという華々しい未来を手に入れることも決して夢物語ではないだろう。

―――胸の内の打算、その結果に満足していたワルドは、改めてルイズに視線を向ける。道中の会話や、今の歓談を見る限り、
ルイズは自分への憧れを持ち続けている。このままじっくりと言葉巧みに誑し込むのは、そうは難しくない。そのように
考えていたワルドであったが、ルイズの何気ない言葉にその自信の一部に冷や水をかけられた。

「でも……、今日はエレアノールとギーシュに無理をさせたわ」

『エレアノール』の名前を口に出したときのルイズの表情、それは一瞬ことであったが心の底から信頼している表情であった。

「確かに無理をさせてしまったが、おかげで一気にここにたどり着けたからね」

自分以外に頼る者がいないようになっていることが望ましいと、ワルドは胸中で打算する。

「それに君の使い魔のミス・エレアノールは、無理をして疲れているにも関わらずあっという間に物取りたちを倒していた。
……彼女の左手のルーンを見たかい?」
「ルーン? ええ、何回か見たけど?」

ルイズは左手のルーン―――『ガンダールヴ』のルーンのことを知らない。ルイズを褒め称えようとするワルドにとって、
好都合だった。
224虚無と賢女08話 5/10:2009/04/19(日) 06:45:56 ID:KJlI4uAV
「彼女が武器を持ったときに左手に浮かび上がるルーン、あれは伝説の使い魔『ガンダールヴ』の印だ。……分かるかい、
つまり君は始祖ブリミルに匹敵する偉大なメイジなんだよ」

『ガンダールヴ』、そして始祖ブリミルの名を聞いてルイズは目を白黒させる。

「まさか……、信じられないわ」
「まさかじゃない。僕も並のメイジじゃないから分かっていたけど、君は他人にはない特別な力を持っているのだよ。
そう……歴史に名を残すような偉大なメイジになるに違いない」

ルイズはワルドが冗談を言っているのだと思い首を振った。しかし、ワルドは熱っぽい口調で言葉を続ける。

「この任務が終わったら、僕と結婚しよう、ルイズ……」
「え……」

ワルドのプロポーズに、ルイズはハっとした顔になった。その表情を見ながら、ワルドはルイズのエレアノールへの信頼を
利用して、自分への関心の引き立てが上手くいったと胸中で笑っていた。





エレアノールは一階の酒場に居た。テーブルにはワインと小皿に盛り付けられたチーズが置かれており、時間を潰すように
少しずつつまんでいた。既に周りの客は部屋に引き上げており、彼女を含めて数人が残っているだけ。
そのエレアノールの席に、キュルケとタバサがやってきたのは、ワインの三分の一ほど飲んだところであった。

「はぁい、一人で飲むのは寂しくないかしら?」

エレアノールの返事を待たずにキュルケは席につく。その隣にチョコンとタバサが座った。その手には大盛りサラダの皿が
握られている。

「ゆっくりとした時間を一人で過ごすのも……悪くはないですよ」
「そういうものかしら? ……それにしても、疲れているのに貴女も大変ね。上でまだ話しているのでしょ?」

キュルケは勝手にワインを自分のグラスに注ぎながら、天井に―――部屋で歓談しているルイズとワルドを見るように視線を
チラっと向けて、ため息交じりの苦笑をする。もきゅもきゅとサラダを頬張っていたタバサも、同意するようにコクコクと頷いた。

「久々に会えたようですし、積もる話もあるでしょうからね……」

日中、馬を駆けらせ続けた疲労はエレアノールにもしっかりと圧し掛かっていたが、幸か不幸か遺跡に潜り続ける日々を
送っていたことで体力がついており、思考はやや鈍っていたが今すぐベッドに倒れこんで寝てしまうほどでもなかった。
なお、ギーシュは既にベッドで爆睡していたが。

「積もる話ねぇ……。でも、ルイズも大変ね」
「何がです?」

キュルケは再び天井ごしにルイズたちがいる部屋に視線を向けて、どこか―――恐らく無意識のうちに―――心配そうな声色で
ため息をつく。

「あのワルド子爵って、氷のような冷たい目をしているのですもの。燃え上がるような情熱がないのよね」
「はぁ……?」
「あたしが知っている限りの話になるけど……ああいう目をした男って、他人を自分のために利用して切り捨てることを
躊躇わないのよね。そんな男が婚約者で、今もルイズのご機嫌を取っている。ワルド子爵の魂胆も見え見え、ね」

キュルケの言葉を聞いて、エレアノールはワルドを見た時に感じた既視感の正体を思い出した。かつて、カルス・バスティード
で一緒に入城したメンバーの一人に同じような目をした青年がいたことを。しかし―――
225虚無と賢女08話 6/10:2009/04/19(日) 06:49:27 ID:KJlI4uAV
(彼は……取り繕うことをしようとはしませんでした……)

彼は自分自身すら利用できるものなら利用しろと言わんばかりの、冷徹な態度を持ち続けていた。そこが違っていたため、
ワルドを最初に見たときに思い出せなかったのだ。

「―――そういうわけでワルド子爵なんて、あたしならお断りね。ルイズは男を見る目がないから、あんなのでもヒョイっと
騙されてしまうのでしょうけど」

エレアノールが思案している間も、キュルケのやや偏った男性観と恋愛観でワルドの酷評は続いていた。その様子は、まるで
動物嫌いを公言している人が、目の前の捨て犬や捨て猫が心無い人に拾われそうになって心配しているようにも見えた。

「……キュルケさんはルイズ様を心配されているのですね」
「え!? バ、バカなこと言わない! このあたしがヴァリエールの者を心配するわけないでしょ!!」

顔を真っ赤にして否定してくるキュルケ。横でサラダのお代わりに取り掛かっていたタバサは、チラっとキュルケを見上げて
ポツリと呟く。

「朝はいつも、ルイズが部屋を出るのを見計らって廊下に出てる」
「―――ッ!? タ〜バ〜サ〜!?」

魔法学院での生活の一部をタバサに暴露され、キュルケは普段は見せないような羞恥に染まった表情で叫ぶ。そして、仕返しと
ばかりにタバサがつついている皿を取り上げ、頭上高く持ち上げた。一方の取られた側のタバサは、キュルケの周りを回りながら、
ぴょんぴょんと飛び跳ねて取り返そうとしているが、身長の差は歴然としたものだった。
目の前で展開される親友同士の寸隙(?)に、エレアノールは疲労を忘れて見入った。その表情は、二人の仲の良さを微笑ましく
見ているようであり、羨ましく思っているようでもあった。





―――トントン

「……?」

エレアノールはノックの音で目を覚ました。うっすらと目を開けると見慣れない天井と壁―――ここが魔法学院の寮ではない
ことを思い出す。僅かに残る疲労感と眠気、頭を振ってそれを振り払い、ベッドから身を起こす。窓から差し込む光は既に朝から昼
へと移りつつあった。
昨日の疲労と寝る前のワインで熟睡し、寝坊してしまったとボンヤリした頭で考える。彼女の隣のベッドで寝ていたルイズは
既に起きているのか、その姿はそこにはなかった。

「どなたでしょうか?」

ルイズならばノックをせずに入ってくると思い、エレアノールは不審に思いながら返事をする。

「おはよう、ミス・エレアノール。入っても大丈夫かね?」
「ワルド子爵……? ちょっとお待ちください」

エレアノールはベッドから起き上がると急いで身支度を整えて、最後に部屋備え付けの姿見で確認する。問題ないと頷いて、
扉へと振り返る。

「大丈夫です、どうぞ」

ガチャっという物音と共にワルドは部屋へと入ってくる。

「どうやら起こしてしまったようだね、これは申し訳ない」
「それは構いませんが……、どうかされたのですか?」

寝坊しているところを心配して見に来たという雰囲気でもなかったので、エレアノールはやや警戒を声色に込めて尋ねてみる。
ワルドは顔色一つ変えずに肩をすくめた。
226虚無と賢女08話 7/10:2009/04/19(日) 06:52:26 ID:KJlI4uAV
「単刀直入に確認するが、君は『ガンダールヴ』なんだろう?」
「……ッ!」

ワルドの口から放たれた『ガンダールヴ』の言葉に、エレアノールは言葉を詰まらせる。

「何の、ことでしょうか?」
「誤魔化さなくてもいい。さっきの沈黙が何よりも肯定をしているからね」
「……どこでそのことを?」

エレアノールは自分の失敗で誤魔化しきれないと考え、警戒心をさらに強める。オスマンから聞いた『ガンダールヴ』―――
千人もの軍隊を一人で壊滅させ、主人の呪文詠唱の時間を守るために特化した使い魔―――のことを思い返す。

「僕は歴史と兵に興味があってね。以前、始祖ブリミルの使い魔たちのことが記された書物を読んだことがある。君の左手の
ルーンと、書物に記されたルーンは同一のものだった」

言い終えて、ワルドは腰に差していた杖―――鞘のついたレイピア状で、恐らくは剣としての機能もあるそれを引き抜いた。

「これは軍人としての救いようのない性質だが、一緒に行動するメンバーの戦力を把握したいと思っている。ちょっと手合わせ
をお願いしたい」
「構いませんが……どこでするのです?」

エレアノールもワルドの力量を知ることが出来ると考え、その申し出に頷く。

「この宿は元々は砦でね、中庭にちょうどよい練兵場が残っている」





エレアノールとワルドは練兵場で、二十歩ほど離れて場所にそれぞれ立っていた。既に物置場と化しているのか、隅の方に
タルや空き箱が積まれて置かれていた。

「しかしまぁ、『ガンダールヴ』ねぇ。前に爺さんが言ってた頃から、な〜んか頭に引っかかるんだよな」

手に持ったデルフリンガーがカチャカチャと鍔を鳴らしてブツブツ呟いているが、エレアノールはジッとワルドから視線を
離さなかった。

「まだ始められないのですか?」
「立ち会いには、それなりの作法というものがある。介添人がいなくてはね」

エレアノールを左手で制しながら、ワルドは母屋の出入り口に視線を向ける。釣られてエレアノールも視線を向けると、そこに
ルイズの姿があった。ルイズも二人を見て、ハッとした顔になる。

「ワルド、来いって言うから来てみれば、何をする気なの?」

詰め寄ってくるルイズに、ワルドはにこやかに対応する。

「手合わせがいつの間に立ち合いになったのでしょう?」
「さぁな? 大方、嬢ちゃんにいいところでも見せたいのだろ」

デルフリンガーのもっともらしい言葉。エレアノールは、ギーシュとの決闘を思い出しながらそれに軽く頷く。彼も結局のところは
周囲にいいところを見せようとしたのが、決闘の発端だったのだろうと思い返していた。

「エレアノール!」

ワルドを説得できないと判断したルイズは、今度はエレアノールを止めようと顔を向ける。
227虚無と賢女08話 8/10:2009/04/19(日) 06:56:15 ID:KJlI4uAV
「止めなさい! これは命令よ!」
「私は“手合わせ”と聞いておりましたので、そのつもりで戦います。ルイズ様、ご心配されないでください」

ルイズの言うとおり止めるべきだとは分かっていたが、ワルドの思惑がどこにあるか分からない以上、あえて受けてみようと
考えたエレアノールは、心苦しいものを感じつつも首をゆっくりと横に振る。

「なんなのよ! もう!」

二人の様子にルイズは癇癪を起こして叫んだ。しかし、二人を止められないことを悟り、隅の邪魔にならない場所へと渋々と
移動していった。

「では介添人も来たことだし、始めるか」

ワルドは杖を前方に突き出して構える。それを見て、エレアノールはレイピアを使うときの自分を思い返し、それを元に対策を
脳裏に思い浮かべる。

(問題は魔法……ですね。この距離だと間合いに入る前に撃たれる)

後手に回れば防戦一方と判断したエレアノールは地面を蹴って、先手の一撃を取ってワルドへ跳躍する。それは、ルイズに
『手合わせ』と宣言したとおり動きを抑え目にしたが、ルーンによって向上された身体能力によりあっという間にワルドの懐へと
斬り込んだ。
―――ガキィーン。エレアノールの一撃をワルドは杖で受け止め、同時に身体を引いて勢いを受け流す。受け流されて、体勢を
僅かに崩したエレアノールに鋭い突きが至近距離から襲い掛かる。

「いだだだだッ!?」

エレアノールは間近に迫る突きの一撃を、デルフリンガーの腹の部分で受け止めた。そして喚くデルフリンガーごと杖を強く
押し、後ろへ跳ぶ勢いをつけると同時に、ワルドの体勢を崩して追撃を防ぐ。間合いを取ったエレアノールは、再び剣を構える
と一気に斬り込んだ。





ワルドはエレアノールの切り落としを後ろへと飛び退り、切り上げを杖で受け流し、切り払いを辛うじて杖で受け止めて焦りを
覚えた。最初の一撃からずっと戦いの主導権を握られており、それを取り返すことが出来なかったからだ。

(『閃光』の僕が遅れを取るとはッ!?)

攻撃の僅かな隙を縫って高速の突きで反撃するが、エレアノールは頭を傾け、そして身体を僅かに捻るだけの最小限の動きで
その全てを回避する。さらには、レイピアの攻撃範囲外―――左右に回り込んで攻撃を加えてくる。もし、呪文詠唱のための
突き―――それは一定のリズムと動きを持っているため見切られやすい―――を行えば、たちまちのうちに勝負は決する。
無論、ワルドの敗北で。

「くぅ……!」

振り下ろされた一撃を故意に杖で受け止め、その勢いを使って後ろへと飛ぶ。先ほど、エレアノールが行った戦法の二番煎じ。
ワルドの口から漏れたうめき声は、強撃を受け止めたことによる苦痛か、それとも傷ついた矜持への憤怒か。
いずれにしても間合いを取ることの出来たワルドは、エレアノールが斬り込む前に呪文の詠唱を終えて発動させる。『閃光』の
二つ名のもう一つの意味、それはトリステインでも随一の速度を誇るワルドの呪文の高速詠唱であった。

「『ウィンド・ブレイク』!」

目前まで迫っていたエレアノールは、発生した突風をまともに喰らって数歩後退する。主導権を取り戻したと判断したワルド
は、ここぞとばかりに呪文の詠唱を続ける。『エア・ハンマー』の連発がエレアノールの身体を捕らえ弾き飛ばし、続いて放った
二発目の『ウィンド・ブレイク』が足止めとばかりに彼女の周囲に吹き荒れた。
228名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 06:56:50 ID:9A1whEZH
寝る前しえn
229虚無と賢女08話 9/10:2009/04/19(日) 07:00:14 ID:KJlI4uAV
ルイズは二人の戦いをハラハラしながら見入っていた。ギーシュとの決闘やフーケのゴーレムとの戦い、そして週に数回の割合で
行っているタバサとの手合わせで、エレアノールの動きは素人目に見ても洗練されてきていると思っていた。しかし、ワルドは
その彼女と互角以上に渡り合い、今ではエレアノールが防戦一方になっていた。

「もう、早く止めなさいよ……」

立ち合いの最初、エレアノールの一撃をワルドが受け止めたときからずっと、ルイズは無意識のうちにそう呟いていた。しかし、
彼女の呟きに関わらず、二人の立ち合いは激しさを増すばかりであった。

「……?」

ふとルイズは背後に気配を感じ、頭だけ振り返る。そこにはタバサが立っており、いつもの無表情のまま立ち合いを見ていた。

「あんた、いつの間に?」

タバサは答えず、ただ目の前で繰り広げられる戦いを見ていた。無視されて少しカチンと来たものの、浮世離れ同級生のことが
少し気になった。ルイズが知っている限り、タバサという少女は人付き合いがほとんどなく―――例外はキュルケくらい―――、
そして自分から誰かに接点を持とうとすることはなかった。

(どうしてエレアノールをそんなに気にかけるのかしら? 珍しい人間の使い魔だから?)

いくつか思い浮かべるが、これといって該当しそうな理由には行き当たらなかった。

「前」
「え?」

タバサを見つめたまま考え込んでいたルイズは、その言葉に目を瞬かせた。タバサはもう一度口を開き、端的に説明を付け加えた。

「決着がつく」





襲い掛かる空気の塊をエレアノールは練兵場を駆け回って回避していたが、ワルドへ斬り込む隙を見出せずにいた。手数重視の
魔法で間合いを取られる、彼女が避けようとした展開に持ち込まれていた。

「あの貴族は相当の使い手だな。相棒でも手を抜いて勝てる相手じゃねーぞ」

右手のデルフリンガーはのん気に呟いていたが、エレアノールとしては自分のカード―――その気になれば最初の一撃より
疾く斬り込めることと、トラップカプセルの存在―――を晒すつもりはなかった。

「魔法の使い方が上手いです! 風の魔法を―――」

身を屈めて、頭上を通り過ぎる空気の塊をやり過ごす。同時に重心を前に傾けて前方に駆け出し―――動きを遮ろうとする烈風
の迎撃を受け、その勢いを右に飛んでやり過ごし姿勢を整え直す。

「―――使い分けて、手堅く勝負を決めるつもりですね!!」

ワルドの口と杖の動き、そして視線で大まかな射線を想定して回避行動を取るが、風の不可視性ゆえに最低限の動きに収めること
はできず、消耗が大きかった。さらに―――

「ッ!!」

回避行動を取ったところで、エレアノールは失策に気付く。ワルドのそれらしい杖の動きに反応して回避行動を取ったが、直前
まで立っていた場所に空気の塊も烈風も来ていなかった。

(フェイント!?)
230虚無と賢女08話 10/10:2009/04/19(日) 07:03:41 ID:KJlI4uAV
身体を地面に投げ出すようにもう一度、地を蹴り―――襲来した空気の塊を間一髪で避ける。そのまま地面を数度転がって、
バネが弾けるような勢いで立ち上がって身構える。間合いを取りすぎたためか、ワルドは追撃の魔法を放ってこなかった。

「見えない……見えにくい魔法は厄介ですね。せめて受け止めるか、跳ね返せればいいのですが」

一緒に遺跡に潜った仲間たちの中に、大型トラップを盾代わりに使う者や
、魔物の魔法やブレスを跳ね返す魔法を使っていた
者がいたことを思い出して呟く。

「んん? ん〜〜〜?」

その呟きに、何故かデルフリンガーが反応して考え込んでいた。

「デルフ……このままでは千日手になります」
「え? ああ、そうだな」
「思い切った手を打ちます……ごめんなさい」

エレアノールの突然の謝罪に、デルフリンガーは面食らったようにカチャっと鍔を鳴らして―――すごい勢いで振り上げられ、
そして投げられた。

「おわあああああぁぁぁぁぁーーー!?」

悲鳴を上げて迫り来るデルフリンガーに、ワルドは面食らって反応が一瞬遅れる。その一瞬の間に、エレアノールは腰に差して
いた逆剣を抜き、ワルドへと駆け出した。唱えていた魔法をデルフリンガーとエレアノール、どちらに向かって撃つべきかの
判断でさらに一瞬の間があき、ワルドはデルフリンガーに『エア・ハンマー』を撃ち放つ。

「ぁぁぁぁぁおおおおおぉぉぉぉぉ〜〜〜!?」

しかし、デルフリンガーは『エア・ハンマー』の直撃を受けてもなお、勢いはかなり殺されたがワルドへの直撃コースのまま
であった。ワルドが身体を捻ってデルフリンガーを避けたときには、エレアノールは魔法で迎撃できないほどに駆け寄ることが
出来ていた。舌打ちが聞こえるほどの至近距離、ワルドは覚悟を決めた面持ちで杖を前に突き出す。
エレアノールの逆剣の払いとワルドの杖の刺突がぶつかりあい、

―――ガキィーーーン

甲高い金属音が練兵場に響き渡る。
ルイズが、タバサが……そして立ち合いに気付いた幾人かの宿泊客の見守る中、エレアノールとワルドは半歩分の離れていない
至近距離で視線を交し合っていた。そして、エレアノールの背後にワルドが持っていた杖が、ワルドの背後にエレアノールの
逆剣がそれぞれ風切り音を低く響かせながら落下し、地面へと突き刺さる。

「ふむ……貴族の立ち合いでは相手の杖を落すことで勝敗をつけるのだが、今回はお互いに無手になってしまっている」
「そうであれば、引き分けということでよろしいでしょうか?」

エレアノールの言葉にワルドは軽く頷き、フッと身体の力を抜いて姿勢を自然体へと戻す。続いてエレアノールも、服や髪に
ついた土埃を払いながら姿勢を直した。

「中々の腕前だね、立ち合いとはいえ……僕と引き分けるのだから」

ワルドは賞賛しつつも、声の中に押し殺した悔しさを秘めており、エレアノールはそれを感じ取っていた。今回の立ち合いは
ルイズにいいところを見せたいという目的を、やはり持っていたと考えて納得する。

「ワルド子爵こそとてもお強いですね。私の奇手に対して、常に最善の選択をされておられましたし」

社交儀礼的にお互いの健闘を讃えるエレアノールとワルド。最初に立ち合いを止めようとして無視されたルイズが二人の間に
割って入るまでそれは続いた。そして、怒り心頭の彼女を宥めるのに、二人は多大な時間と労力を要することとなった。
231虚無と賢女の人:2009/04/19(日) 07:06:09 ID:KJlI4uAV
以上で投下終了です。

エレアノールは、原作の某イベントの影響で戦線離脱してた期間があり、純粋な戦闘力はそこまで高くありません。
(現時点で名前だけ登場のウェルド&ノエルLV99、他メンバーLV70前後、エレアノールLV50程度)
この力量差の原因は……原作分かる人だけに通じる説明になりますが、煉獄と精神の海で頑張ったけど
エレアノールのLVカンストするまで根気が続かなかったということで(苦笑

それにしても、今回はワルドの野心部分には苦労しました。
この部分を上手く書かれておられるヒースの人などの作品に比べて、拙い部分が多くて恥ずかしいのですが、
エレアノールの本領が政治と用兵の分野である以上、避けては通れないのですよねぇ……(しみじみ
232名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 07:08:39 ID:9A1whEZH
とりあえず乙!
233名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 07:28:16 ID:pBMe7FQC
投下乙
出来れば数値的な部分は言わない方が色々と無難かと
234名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 07:36:23 ID:3lom87Yj
乙。引き分けですか。
しかしツェルプストー嬢の目はなかなか鋭いですな。

<チラシの裏 voice="田中崇">
野心とは、才能の別名だと冷たくうそぶく。
そうかもしれない。
だが、野心には挫折がひっそりと寄り添うことを知るがいい。
このルーンがそれだ。
結果の全てはそこにある。
なるほど…忠告のつもりか。
それとも…ふっ、騙されはしない。
毒蛇は毒蛇を知る。
出せ! 出してみせろ!
毒の全てを!

時に、傲慢の別名は何というのだろうか。
</チラシの裏>
235ゴーストステップ・ゼロ:2009/04/19(日) 10:11:50 ID:xmPb74AY
賢女の人GJでした〜

元のゲーム知らないからLv的な話をされても良く分かりませんが、戦闘シーンの描写は格好良かったと思います。
拙作の戦闘シーンは、かなりあっさりと終わらせているので見習いたい所ですね。
それはともかく、次回更新を楽しみにしています。
236名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 10:50:32 ID:vVayyaac
ヒューの人もキター

投下・・・しないのか
237名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 11:37:10 ID:oX3qiOvE
名前消し忘れかw
238名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 11:51:11 ID:m0NCZ3nS
期待させやがってw
239名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 11:59:35 ID:nOMhpvuP
>>236
>>238
いやまぁ気持ちは分かりまくるが自重せぃw
240名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 12:02:27 ID:LbcVEEEP
>>231
投下乙
まあ、ベアル主人公は空間跳躍攻撃を平然と見切り
名工が鍛えただけの槍でATフィールドをぶち抜く
GENKAITOPPAした神殺しだからなあw
241名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 12:40:56 ID:JlQ33EVX
>>240
名工が鍛えたんなら仕方ないな。
242名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 12:56:51 ID:Gp99ITtD
でもATフィールドなんて素手でぶち抜けるって
片眼鏡かけて葉巻くわえたおっさんが言ってたよ
243名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 13:04:00 ID:nG+dMq7T
スーパー人外大戦のお人に言われても……
244名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 13:04:11 ID:Xh7AVJ/I
ATフィールドなんて使ってんじゃねぇ!
245名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 13:06:35 ID:bvEi/gbs
>>244
なんだっけ、テイルズか何かのボスだっけ
246名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 13:23:12 ID:JlQ33EVX
ブライトさんなら戦艦でフィールドぶち抜いて、使徒を撃破出来るよ。
247名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 13:28:48 ID:eySvoRB6
大体原作者が「ATフィールド程度じゃ超電磁スピンやシャインスパークを防げるわけないでしょうが」とか
言ってたからなぁ
248名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 13:30:14 ID:4m+SYsA7
大塚署長の「あの」能力もATフィールドで防がれてしまうのだろか?

で、しもべの人はもう帰ってこないのだろうか
249名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 13:30:42 ID:On2sKWGC
>>246
「う、うむ。まさか私もリーンホースで使徒を倒せるとは思わなかった…」
250名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 13:34:18 ID:nG+dMq7T
>>248
ATフィールドは心の壁だからな。
心の壁程度で大塚所長のあの能力が防げる筈がないのだ。

カツ丼の前には心など丸裸よ。
251名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 13:43:06 ID:zT03tZYJ
ATフルードはそうそう交換しなくていいってじっちゃんが言ってた
252名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 13:46:00 ID:pYa4tadP
十傑集なら素手で使徒倒せそうな連中ばっかだもんな
253名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 13:50:17 ID:nGpgG1Xx
ベアルファレスの平均的なクリアレベルって20〜40位だったと思うけど賢女のウェルド達は随分鍛えてるんだな
レベル99とか想像も付かん
254名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 14:56:29 ID:ezfcP+mJ
F(完結編にあらず)の終盤だとグルーン(雑魚)の電撃で突破されたような
暴走してもハマーン様のキュベレイに普通に撃墜されたような
255名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 14:57:53 ID:9BGk9af6
魔王伝つづき読みたいッス。
256名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 15:09:13 ID:/5LLuKVu
アクマの人はまだなのかな
何ヶ月かかってもいいから戻ってきてほしい
257名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 15:20:44 ID:Q+DcEKbo
重攻の使い魔はまだかな。
アルビオン戦での虐殺劇からどうなるのかものすごい気になるんだけど。
258名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 15:42:57 ID:eySvoRB6
削除依頼と一緒で催促しても早くなるわけじゃないんだから大人しく待っとけ。
259名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 16:29:03 ID:qDh93/A6
応援なら、他の書き込みと一緒にあるここよりも、避難所の「全力でSS職人を応援するスレ」に書き込んだ方が良い
260名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 17:18:41 ID:sp4mCyPa
>>250
とりあえず、ワルドの心の壁は攻略していたな。
261名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 18:04:29 ID:nOMhpvuP
>>254
バランス面でFを考えちゃイカンw
262名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 18:28:54 ID:RClrck8b
完結編もリアル系なのに
必中なしでは攻撃があたらないWガンダムやLガイムに
雑魚の攻撃2〜3発で沈む魔神皇帝とかでバランスはあんまり……
263ゼロと損種実験体:2009/04/19(日) 18:30:34 ID:NiboiXyd
Fというと、あまりにも攻撃が切り払いで止められまくるので投げた思い出がありますが、そんなこととは関係なく、
18:40から、タルブ戦開始即終了な19話を投下したいと思います。
多分、8レスです。
264名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 18:30:55 ID:3qCy6E0M
スーパーイナヅマキックすら切り払うエリート兵とかもいた
265名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 18:33:07 ID:RClrck8b
>>263
アムロのファンネルすら「踏み込みが甘い!」と切り払うエリート兵支援
266名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 18:33:58 ID:Ll42SRpq
支援だ!
267名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 18:38:20 ID:vFSB8AdJ
数ヶ月ぶりにまとめを覗いたけどテンプレ展開でなーんのひねりのないSSばっかだな
一つぐらいましなのはねーの?
268名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 18:38:38 ID:ezfcP+mJ
そういえばサターンFで暴走初号機撃墜すると
「バイオニックセンサー」という謎な強化パーツをゲットできたような
269ゼロと損種実験体:2009/04/19(日) 18:40:06 ID:NiboiXyd
 それを最初に発見したのが誰かなどタルブの村人たちにとって、どうでもいいことであった。
 ラ・ロシェールの方角から聞こえた爆発音と燃え上がり山に激突し森に落ちるトリステイン艦。
 それが、アルビオン軍によるトリステイン侵攻の始まりであるなどと知るはずもなく、村の上空に停泊した戦艦を不安に脅える眼で見てい
た彼らは、そこから飛び立った火竜が村の家々に火炎の息を吐き出した時点で初めて悲鳴を上げて逃げ出した。


 トリステインとアルビオンの間には不可侵条約が結ばれている。
 しかし、アルビオンの側にとって、それは奇襲のために持ちかけたものでしかなかった。
 一応、親善訪問に訪れたという名目で送り出してきた自分たちの船の一つを沈めて見せて、先に攻撃してきたのはトリステイン艦隊である。
こちらは応戦しているだけだなどと宣言したが、そんなことを信じるものがいるとすれば、よほどおめでたい頭をしたものだけであろう。
 それを卑怯と罵るのは容易い。しかし、アルビオン側の、例えば上陸作戦の指揮を担っているワルドなどからすれば、隠密裏の任務での事
であったとはいえ、魔法衛士隊隊長に祖国を裏切らせ、一国の皇太子を暗殺させるような組織の申し込んだ同盟を疑いもしないなど愚かしい
にも程がある。
 実際のところ、トリステイン貴族はワルドの想像以上に度し難い愚か者たちであった。
 アルビオン艦隊から降り立った上陸部隊を迎え討たんと現れた近在の領主の軍が竜騎士によって蹴散らされ、タルブの領主が戦死するとい
う事態が起きた後も、王宮では、アルビオンに使者を送り話し合いによって軍を引いてもらうのか、迎え撃つべくゲルマニアに助けを求める
のかという方針すら決定できていなかったのだから。
 ただし、これには仕方のない側面もある。
 トリステインの政務を一手に取り仕切るマザリーニが枢機卿が、あくまでもアルビオンとの対話によって戦争を回避する事を望んでいたの
である。この国の実権を握る者が、そんな実現不可能なことを望んでいたのでは、会議がまとまるはずがない。
 彼を、トリステインで、唯一と言ってもいい優秀な政治家であると見なしていたワルドがこの体たらくを知れば、買い被りが過ぎたと失笑
したであろうが、これは別にマザリーニが無能だったからということにはならない。
 マザリーニ枢機卿は優秀な政治家である。あるいは優秀すぎたのかもしれない。なまじ優秀であったばかりに、ここで戦を起こしても勝ち
目がないと気づいてしまっていたのだ。
 勝ち目がない戦を起こして、無駄に民の犠牲を増やすことは、間違いである。これは正しい見解である。ただし、この時点では彼に見えて
いないものもある。
 今、犠牲になっているのは無辜の民である。そして、アルビオン軍が何のためらいもなく、それどころか積極的に民を害していると言う事
実は、これから先アルビオン軍はトリステインの王宮までの進軍の過程において、全ての民を殺しつくす勢いで攻めてくる。すなわち、彼の
選択は民の被害を増やす結果にしかならないということである。

 そんな中、会議室の席の一つに座るアンリエッタは考えていた。どうすることが正しいのかを。
 彼女は、政治のことを知らない。優秀な政治家であるマザリーニが、太后である母にも王女である自分にも、相談なく全てを取り仕切り、
結果だけを報告してきたからである。
 今まで、マザリーニのやってきたことに間違いだったことはない。ルイズに頼んだ、アルビオンに行ってウェールズから手紙を返してもら
う任務にしても、マザリーニに相談していればよかったと、そうすればルイズを危険な目にあわせることも悲しませることもなかったかもし
れないと今では後悔している。
 だから、ここでもマザリーニにすべて任せて、自分は黙って座っていればいいのかもしれない。
 だけど、それでいいのかと問う声が頭に浮かぶ。その声は、ルイズのもののようにも聞こえた。ウェールズのもののようにも聞こえた。
 ルイズをアルビオンに生かせたのは間違いだった。だけど、ルイズがそのことに不満を漏らしていただろうか?
 ウェールズは、自分よりも国を取った。それは、誰に決められたのでもなく、自分自身の心に従ってのことではなかったか?
 ならば、自分は……。



270ゼロと損種実験体:2009/04/19(日) 18:42:41 ID:NiboiXyd
 アルビオンの宣戦布告の報が、トリステイン魔法学院まで届いたのは、タルブの村が焼かれた翌朝のことである。
 本来なら、トリステイン王女アンリエッタとゲルマニア皇帝アルブレヒト三世の結婚式に参加するルイズを迎えに来るはずの馬車は来ず、
代わりに来たのは息を切らせて青い顔をした使者であった。
 式には、オールド・オスマンも出席することになっていたのだが、彼は準備に忙しく「ミス・ロングビルはやく帰ってきてくれ。おまえさ
んがいれば、ワシもギリギリまで仕事をしないですんだんじゃ」などと泣き言を言いながら自室で、この期に及んでも書類を片付け、荷物を
まとめていた。
 そこに、王宮からの使者が飛び込んできて、アルビオンの宣戦布告、そしてアンリエッタの結婚式の無期延期と学院の生徒や職員の学院外
への外出を禁じる旨を伝えてきたのだ。

「宣戦布告とな? 戦争かね?」
「いかにも! タルブの草原に、敵軍は陣を張り、ラ・ロシェール付近に展開した我が軍とにらみ合っております!」
「現在の戦況は?」
「敵の竜騎士によって、タルブの村は焼かれているそうです……。同盟に基づき、ゲルマニアへの軍の派遣を要請しましたが、先陣が到着す
るのは三週間後とか……」
「……見捨てる気じゃな。敵はその間に、トリステインの城下町をあっさり落とすじゃろうて」

 おそらくは、ゲルマニアも、この事態は想像していなかっただろう。
 ゲルマニアはトリステインのような小国とは違う軍事強国である。だから、その同盟国であるトリステインにアルビオンが宣戦布告をする
としたら、二国を相手に勝てるだけの戦力を得てからのことだと誰もが考えてしまっていた。
 つまり、ゲルマニアは考えてしまったのだ。今トリステインを攻めているアルビオン軍は、ゲルマニアの軍を蹴散らせるだけの戦力を有し
ているのではないかと。
 そんな相手に、何の準備もなく軍を送って戦力を減らすわけには行かない。どうせ犠牲になるのは他国の民だ。それが、ゲルマニアの選択
であったのだろうとオスマンは、ため息を吐く。

 そんな使者とオスマンの会話をルイズは聞いてしまった。王宮で何かがあったのだろうかという好奇心で使者の後を追い、部屋の前で聞き
耳を立てていたのだ。
 脳裏に浮かぶのは、青い空の下をどこまでも続く緑の絨毯と、それを背に穏やかに微笑む黒髪の少女。ルイズを恩人と呼ぶ村人たちと、彼
らの暮らす家々。
 衝動的に走り出したルイズは、こちらは使者に興味がなく学院の玄関先で待っていたアプトムに捕まる。

「どこに行く気だ?」
「タルブの村よ!」
「話が見えないな」

 アプトムは、学院長と使者の会話を聞いていない。結論だけを言われても、何のことを言っているのか理解できない。
 そんな彼に、ルイズは自分の心の中で渦巻く衝動を口に出していく。

「アルビオンが攻めてきたって、タルブが焼かれてるって、だから、わたしは、シエスタを助けに行くの!」
「行って、お前に何ができる」

 冷淡なアプトムの言葉に、ルイズはギクリと肩を震わせ、動きを止める。
 そうだ。自分に何ができるというのだ。ろくに魔法も使えないゼロのルイズのクセに、軍隊を相手に人を守れるとでも言うのか。
 タルブの村で、さすがは貴族さまだと、ちやほやされて自分に力があると勘違いをしていたのだろうか。村を襲ったオーク鬼を追い払った
のは自分ではなくアプトムだったというのに。アルビオンでも結局はアプトムに助けてもらっただけで、自分は何もできなかったというのに。
271名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 18:44:39 ID:ojygVp8k
しえん
272ゼロと損種実験体:2009/04/19(日) 18:45:06 ID:NiboiXyd
 だけど、それならどうすればいいというのだろうか。ルイズは自分が無力な人間だと理解している。だけど、救いたいのだ。シエスタを、
彼女の家族を、タルブの村人を。
 気がつけば、ルイズは涙を流していた。
 そして、そんな弱い自分を嫌悪する。力が無いなら考えればいいのだ、力がなくてもタルブの人々を救える方法を、それなのに、無力を嘆
くだけの自分の弱さが許せない。
 考えるのだ、自分に出来ることを。自分は何だ? ヴェリエール公爵家の三女、魔法成功率ゼロのルイズ、アプトムの主人で、王女アンリ
エッタのおともだち。
 実家の両親に助けを求める? ダメだ、公爵家の力で兵を集めるにしても、間に合わない。自分の魔法で? 失敗の爆発魔法しか使えない
のに? 爆発……?
 ふと脳裏に、始祖の祈祷書のことが思い浮かぶ。
 あれに載っていたエクスプロージョンの呪文。その魔法ならば、アルビオン軍を追い払えるのではないか?
 唐突に、そんな思いつきが頭に浮かぶ。根拠は無い。だけど、それが事実であるとルイズは信じた。
 だけど、それは自分ひとりでは無理だ。さっきは考えなしに一人で走っていこうとしたが、それでは間に合わない。馬を借りても同じだろ
う。
 そうしてルイズは、アプトムを見る。彼の力を借りれば、自分は……。

「アプトム! わたしをタルブに連れて行って!」
「行ってどうする? お前にできることなど何も……」
「ある!」

 叫ぶ。できるのだ。自分にならできるはずだ。いや、できなくてはいけないのだ。

「わたしは、伝説に名を残すことになる人間よ! わたしは始祖ブリミルと同じ虚無の系統のメイジなんだから!」

 それは宣言。一度は否定した自分が虚無の系統であるという事実を受け入れる決意。
 だから、つれていけとルイズは命ずる。この程度のこともできなくて、アプトムを帰す魔法を作ることなどできないと告げる。
 そして、アプトムは考える。ルイズの言うことは正しいのかもしれないと。
 彼は魔法を知らない。彼女の言うことを間違いだと断じる根拠を持っていない。
 少女を危険に近付けないことが自分のやるべきだと彼は考えているのだけれど、それだけでは彼女は成長できないのではないのかという考
えもある。
 それに、自分もまた、助けに行きたいと考えなかったわけではないのだ。
 シエスタという少女に対して特別な思い入れは無い。そのはずだ。だけど、ルイズのことで色々と借りがある。その借りを返さずに見捨て
るというのは気分が良くない。ただ、それだけのことだと彼は自身に言い聞かせる。
 だが、これだけは確認しておかなければならない。

「本当に、やれるんだな?」
「もちろんよ!」
「そうか」

 そうしてアプトムの肉体は変化を始める。表皮を漆黒の甲殻に変えた昆虫じみた姿の亜人に。

「また前と違う?」
273ゼロと損種実験体:2009/04/19(日) 18:47:39 ID:NiboiXyd
 呟くルイズの声には困惑の色がある。彼女が知るアプトムの亜人としての姿は、最初がカメレオンのような顔の獣人。次が、前にアルビオ
ンで見せた直立するカブトムシといった感じのものであったが、今度は前の姿をスマートにしたような姿である。
 それが、前に見せた形態であるゼクトールという名の獣化兵を含める四人衆と呼ばれた超獣化兵の能力全てを兼ね備えた複合形態であり、
前に『土くれ』の二つ名を持つ盗賊フーケのゴーレムと戦った時に見せたフルブラストという呼び名を持つ形態であるなどとルイズは知らない。
 それに、今はそれどころではないのだ。




 焼け落ちたタルブの村の傍の草原に展開したアルビオン軍と、ラ・ロシェールに立てこもったトリステイン軍が一触即発の空気を纏いつか
せ睨み合っていた。
 そして、森に潜み、それらを不安な面持ちで見ているいくつもの視線があった。タルブの村人たちである。
 彼らの中に、何が起こったのか正確に理解している者はいない。突然にアルビオンの竜騎士の襲撃に晒され、逃げ惑うしか出来ない彼らを
救い出した者がいた。
 と言っても、竜騎士と戦ったとか、撃退したというわけではない。彼がやったのは、人間と同じ大きさのゴーレムを作り出し、それに村人
と同じ服を着せて囮にして、人々を逃がすことである。
 言葉にすれば、それだけのことであり、お世辞にも村を守ったと言えるものではないが、それで救われた命がある事を否定することはでき
ない。

「どうしたんですか? ミスタ・グラモン」

 村人たちの救い主たる少年に声をかけたのはシエスタである。
 シエスタは、彼と親しいというわけではなかったが、学院で何度か顔を合わせたことのある知り合いではあったので、少年に話しかけるの
は逃げてきた村人たちの中で彼女の役割になっていた。
 他の村人たちも、少年に感謝をしていなかったわけではないのだが、彼がやってきたのはアルビオンの上陸部隊のいる方向からだったので、
疑念を抱いてしまっていた。
 少女の質問に対し、険しい顔をしていた少年、ギーシュ・ド・グラモンは、困った顔になる。

「いや、なんでもないんだ。ちょっと、お腹がすいたな、って思ってただけだから」
「まあ! すみません。ミスタ・グラモンのおかげで、いくらか持ち出せましたけど、数に限りがありますから」

 すまなそうに頭を下げる少女に、ギーシュは、いいよと手を振る。
 実際、彼が考えていたのは別のことである。彼の予想では、とっくに王宮からトリステイン軍の増援が来ていなければならないのに、それ
がまったく見えてこない。
 増援がくれば自分も合流して、国のために戦おうと意気込んでいたために、肩透かしをくらった気分である。
 アルビオンに入り込み、情報を集めていた彼は、アルビオンが話し合いに応じるはずがない事を知っていたので、トリステインが応戦か話
し合いかで意見が決まらず長らく会議を続けていたなどと想像もしていなかったのだ。
 それに、ギーシュはアルビオン艦隊の戦艦に備え付けられた新型の大砲についても知識を得ている。このままでは、ラ・ロシェールに立て
こもったトリステイン軍は街ごと壊滅させられることになるだろう。
 そんな焦りを話しても意味はなく、自身の思考に埋没しがちな彼の耳にシエスタの声が滑り込んだのは、そのすぐ後のことである。

「あれは、なんでしょうか?」

 そう彼女が指さした先は、魔法学院のある方向の空であり、そこには黒い点が見えていた。



274名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 18:48:29 ID:Ll42SRpq
フルブラストきたーーーー!!
支援!
275ゼロと損種実験体:2009/04/19(日) 18:50:05 ID:NiboiXyd
 タルブの村の上空に展開し、周囲を警戒していた竜騎士の一人が、こちらに近づいてくる黒い何かを発見した。その瞬間、彼はその生を終
える。
 黒い何か、ルイズを抱きかかえて飛ぶアプトム・フルブラストが額の発振器官から撃ち出した生体熱線砲に焼かれたのだと気づく暇もなか
った。
 アプトムに抱えられ、上空からタルブの村を見下ろしたルイズは歯噛みする。
 ここに住んでいた人たちは、とてもいい人たちだった。こんな戦争に巻き込まれて焼かれていい村ではない。命を落としていい人たちでは
ない。それを……。

「アプトム!」

 ルイズの叫びに応えて、アプトムが加速する。
 仲間が突然撃墜されたことに驚き、それによって接近する彼に気づくのが遅れた竜騎士を次々と撃ち墜としながら艦隊へと突撃する。
 次々と墜とされていく仲間の姿に、いつまでもアプトムの存在に気づかない竜騎士たちではない。少しの時間を必要としたが、彼らは何か
を抱えて飛ぶ黒い亜人の姿を確認した。だが、気づいたところでどうにもならない。
 攻撃の精度と射程距離に差がありすぎた。竜騎士の攻撃は、基本的に自分たちの乗る火竜の吐く炎の息である。だが、高速で飛ぶ火竜が前
方に吐くブレスが、それほど遠くまで届くはずがないし、空気圧の風に流されもする。それ以前に、自分の乗る竜に、同じく高速で飛ぶ敵を
狙わせること自体が至難の業である。
 だが、亜人の方はそうではない。あちらは、顔をこちらに向けるだけでいいのだ。それだけで、額から発する光の線で竜騎士たちを撃墜す
る。風に流されることなく、遠距離まで届くそれは、恐れを知らぬはずの竜騎士たちに得体の知れない恐怖を抱かせる。

「それで、どうするつもりなんだ!」

 風に負けないような大声で叫ぶ。アプトムの能力を持ってすれば、敵の竜騎士を全て撃ち墜とすことは容易い。だけど、それだけでは意味
がない。
 戦争なのだ。彼一人が敵兵士を倒していくだけでは敵軍を打ち負かせない。人々を守れない。
 アプトムには、敵の艦隊全てを葬り去る必殺の一撃がある。だけど、それは威力がありすぎてトリステイン軍や、どこかに逃げ延びている
かも知れないタルブの村人たちを巻き込む可能性がある。なにより、自分自身すら消し滅ぼす危険性のある技である。そんなものをルイズを
抱えた状況で使えるはずがない。
 それに、ここに来ると言ったのはルイズである。できることがあるとの宣言が嘘ではないのなら、彼女には考えがあるはずなのだ。
 そして、使い魔の言葉に答えて、少女は人差し指を立てた右手を伸ばす。
 その指の先は、ラ・ロシェールの街の上空。雲の隙間からその偉容を覗かせる巨大戦艦にしてアルビオン軍の旗艦『レキシントン』。

「あの巨大戦艦に近づいて。できるはずだから。ううん。できるの。やってみせるから」

 何がとは言わない。アプトムも聞かない。彼女はできると言ったのだ。ならば、彼はそれに応えるだけだ。
 旗艦に接近する黒き亜人に気づいた艦隊からいくつもの砲撃が撃ち出されるが当たらない。アプトムの機動についていけないのもあるが的
が小さすぎるのだ。戦艦に備えられた大砲は、竜騎士などの高速で移動する小さな的を撃つようにはできてはいないし、アプトムの身長は二
メイルを越える人に比べれば大きなものであるが、竜騎士の乗るドラゴンなどに比べればまだ小さい。
 対竜騎士用に用意された散弾もあるが、アプトムの肉体は、大砲を凌駕する攻撃力を誇る重圧砲を受けても傷一つ負わない獣化兵ゼクトー
ルと同等以上の耐久力を持っている。抱きかかえたルイズにさえ当たらなければ、どうということはない。
 ほどなくしてアプトムは、そして彼に抱きかかえられたルイズは敵旗艦を前にする。

276ゼロと損種実験体:2009/04/19(日) 18:52:36 ID:NiboiXyd
 ワルドは全てを見ていた。
 どこからか飛んできた謎の亜人。それが、額から放つ光線で配下の竜騎士たちを撃ち墜としていくさまを。

「『ガンダールヴ』め。亜人ではないかと思っていたが、あれが真の姿か」

 彼は、黒い亜人がアプトムであると確信していた。竜騎士を墜とした光線には憶えがあったし、自分を苦もなく撃退したバケモノなら、変
化の魔法くらい使ってもおかしくはない。
 正面から向かって勝てる相手ではない。だけど、自分はアレの弱点を知っている。
 亜人は、何かを抱えている。多くの竜騎士たちは、それが人であるとすら知ることが出来なかったであろうが、ワルドは違う。彼は、それ
がルイズであると気づいていた。
 どれほど強力な力を持ったバケモノであろうと、足手纏いを連れて生き残れるほど戦場は生易しい場所ではない。
 とはいえ、相手が想像を絶するバケモノである事実は動かない。だから、彼は機を窺っていた。そして、その時は訪れた。
 竜騎士隊を全滅させた後、ガンダールヴが旗艦を墜としにかかることを彼は予期していた。普通に考えれば、単騎で戦艦を、ましてやこの
巨大戦艦を墜とすことなど不可能なことである。あの光線を何度撃ちこんだ所で徒労にしかなるまい。だが、あのバケモノになら出来るので
はないか? そう思いワルドは隠れ待っていた。そして、彼は賭けに勝った。
 『レキシントン』には真上という死角がある。そこを目指してアプトムがやってきた瞬間、ワルドは飛び出し背後を取った。
 静かにとはいかない。竜は、翼をはためかせて飛ぶ生き物であり、無音とは行かない。飛び回る以上サイレントの魔法を使っても無意味で
ある。だが、ここまで近づけば充分だ。亜人が振り返って光線を放てば、その一撃でワルドは命を奪われるだろうが、その心配はない。近す
ぎるのだ。胸の前にルイズを抱きかかえたアプトムが振り向くということは、彼女を危険に晒すということに他ならない。
 逃げる暇も与えない。ワルドが乗るのは風竜だ、指揮を取るならと選んだこの竜のスピードは他の竜騎士が乗った火竜など比較にならない。
逃がさぬという意思を込めて竜を駆り杖を振るう。唱えた呪文は敵を刺し貫く空気の槍エア・スピアー。
 この時のワルドに、油断があったわけではない。彼は一切の過信も妥協もなくアプトムの命を奪おうとした。
 では、何が悪かったのかと言えば、まだアプトムという存在を過小評価していたのだろうか。否、それは唯一つの勘違い故である。
 アプトムの背に生えた翅の付け根から伸びた鞭のような一対の触手。それが伸びワルドの乗る風竜に巻きついた。そうと気づいたとき、決
着はついていた。
 それは、電気ウナギの500倍の発電能力を持つ超獣化兵エレゲンを融合捕食して手に入れた能力。十万ボルトを超える電撃を放つ触手の一撃
で風竜は絶命し、無論のこと背に乗っていたワルドもただではすまない。命だけは取り留めた彼は、しかし意識を失い、死体となった竜と共
に遥か下にある大地へと落ちて言った。

 ワルドは、たった一つの、しかし致命的な勘違いをしていた。フーケの言うバケモノの意味を取り違えていた。
 ワルドの考えるバケモノとは、竜やエルフのような人間などより遥かに強大な力を持つバケモノのことであり、フーケの言ったバケモノと
は、強いとかそういうものを超越した違う土俵にいる、人の身では打倒することが叶わない存在のことである。
 例えば、アプトムの反撃がなく、ワルドの魔法が直撃していたとしても、獣化した今のアプトムには傷一つつけられなかっただろう。
 ようするに、ワルドはアプトムを倒そうなどと考えるべきではなかった。天災か何かと考えて身を潜めているべきだったのだ。

 ワルドを退けたアプトムは、何事もなかったように上昇し、レキシントンの真上に到達する。というか、彼は自分が墜とした竜騎士をワル
ドと認識しておらず、ルイズにいたっては奇襲があったことにすら気づいていない。
 そして、そこでアプトムはルイズに眼を向ける。ここまで運ぶようにと言ったのはルイズである。ならば、何か考えがあるのだろうと。こ
こで、それを明かせと言う意思を込めて。

277名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 18:53:58 ID:zE3J39IG
哀れなwww
278ゼロと損種実験体:2009/04/19(日) 18:55:07 ID:NiboiXyd
  エオルー・スーヌ・フィル・ヤルンサクサ

 聞こえてくるのは、アプトムの胸の前に抱えられたルイズの口からこぼれるルーンの詠唱。

  オス・スーヌ・ウリュ・ル・ラド

 それが、タルブの村でオーク鬼を追い払った時にルイズが唱えていた呪文だとアプトムだけが知っていた。

  べオーズス・ユル・スヴュエル・カノ・オシェラ

 だが、あの時のルイズは呪文の詠唱を途中で止めていた。だが、今回のこれは止まらない。

  ジェラ・イサ・ウンジュー・ハガル・ベオークン・イル……

 アプトムは魔法のことなど知らない。だけど、呪文によってルイズの体から、強大な力が引き出されていることには気づいた。
 そして……。


 シエスタは見ていた。自分が働く魔法学院の方角から飛んできた黒い何かが、アルビオンの竜騎士たちを撃ち墜とし侵略者の艦隊へと突撃
して行ったところを。
 ギーシュは見ていた。黒い何かが魔法ならざる光線で戦い、敵旗艦である巨大戦艦の上空に進んだ姿を。
 少女は思う。あれは、自分の知る小さな貴族の少女の仕業ではないかと。
 少年は思う。あれは、自分の知る使い魔の男がやっているのではないかと。

 根拠などない。馬鹿げた思い付きであるという自覚もある。だけど、二人はそれを信じた。そして、思ったのだ。これで、この国は救われ
るのだと。




 二千の兵を連れてタルブまで来たアンリエッタは、しかし自分がここにいる意味を見出せずにいた。
 この期に及んでも、彼女には分からなかったのだ。侵攻してきたアルビオンを相手に応戦するべきかどうかが。
 民を守るためには、戦うべきだとも思う。だけど、マザリーニはそうではないと言う。
 自分の考えが間違いだとは思わない。だけど、マザリーニの言葉より自分の考えが正しかったことが今までにあっただろうか。
 自分は政治について何も知らない小娘なのだ。それは、自身が興味を持って取り組んだことがないからであり、王女は政治など知らなくて
もいいというトリステイン王宮の方針のせいでもあったのだが、それを今言っても意味などない。
 だけど結局は兵を連れ、ここに来た。
 それは、アルビオンとの全面戦争を受け入れたためなどではない。
 彼女は、ただ逃げ出したかっただけなのだ。アンリエッタは何も知らない。何も出来ない。なのに、貴族たちは選択を迫ってくる。そして、
責任をまわしてくるのだ。それが恐ろしくて彼女はここに来た。
 戦うと、彼女は言った。そうして、出てきた。だけど、その選択がはたして正しかったのか。
 アンリエッタにだって分かっているのだ。トリステインに勝ち目などない事くらい。
 もちろん、アンリエッタ本人が兵を率いることにも、マザリーニが反対した。だが、これに関しては聞き入れなかった。戦場は恐ろしいと
ころだと分かっていたつもりだったが、それでも王宮よりマシだと信じたから。
 そして、それは思い違いだと気づかされる。
279ゼロと損種実験体:2009/04/19(日) 18:58:01 ID:NiboiXyd
 殺し殺される。それが当たり前の光景となるのが戦場というものだ。だけど、アンリエッタは、自分にはそれが受け入れられない事に気づ
いてしまった。
 それだけではない。敵艦隊が、ラ・ロシェールに立てこもった兵を砲撃で一方的に蹂躙しているところを目の当たりにしてしまったのだ。
 奇跡でも起こらない限り、勝ち目がない。そんなことは最初から分かっているつもりだった。だけど、理解には至ってなかったのだと今頃
になって気づいた。
 そうして、奇跡が起こる。


 その光景に、一瞬も驚愕しなかったものはいなかった。
 巨大戦艦レキシントンの上方に生まれたもう一つの太陽とも言うべき光球。それが膨れ上がり、空を行く全ての艦隊を飲み込み、それが消
えた後には、炎上し墜落する艦隊の姿があったのだ。

 声が上がる。あれこそは、ブリミルより使わされ、トリステインを建国の頃から見守る守護神の力だと。
 悪虐なる侵略者からトリステインを守るために現れたのだと。
 それは士気向上のための方便であったが、奇跡を目の当たりにした者たちは、それを信じた。敵も、味方も。
 そして、勝敗は決する。


 それらを見下ろし、アプトムは胸に抱えた少女を見る。今の魔法はよほど精神力を消耗するのだろう。ルイズは疲れきり意識を手放し、し
かしやり遂げたものの顔をして穏やかな寝息を立てている。

「よくやった。ああ、そうだ。お前は、なれる。伝説に名を残す者に」

 ポツリと呟いた後、彼は地上へと降りていく。




「とんでもないねぇ。私も、あんたのやることなら、大概のことには驚かなくなった自信があったけど、またまだだね」

 苦笑と共に吐かれた言葉に、男は首を振る。あれは自分ではないと。自分があれと同じ事をやろうとすれば命を引き換えにする必要がある
のだと。
 命と引き換えならできるって、それでも充分にとんでもないじゃないかと思っていると、別の声が上がる。

「ありゃあ、エクスプロージョンだ。虚無の魔法だよ」
「虚無って伝説の系統じゃないかい?」
「ああ。つまり、相棒を召喚した、あの嬢ちゃんが伝説の魔法使いだったってことじゃねーか?」

 伝説ねぇ。と彼女はゼロと呼ばれる少女の姿を思い浮かべ。しかし、この声の主は何故そんなことを知っているのかと目を細め、男が右手
に持つ、刀身の錆びついた剣を睨むのであった。
280ゼロと損種実験体:2009/04/19(日) 18:59:34 ID:NiboiXyd
投下終了です。支援に感謝。

むう。アプトム無双。
そして、どこで間違ったのか、アンリエッタがえらく後ろ向きな思考の持ち主に……。
281名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 19:05:47 ID:YXzB4lzp
乙です
それにしても影が薄いダーゼルブさんの能力が発揮されることはあるのでしょうか
282名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 19:06:22 ID:Ll42SRpq
アプトムに人、乙!

アプトム無双というか、強さの次元が違いすぎて歯牙にもかけてませんねw
ワルド、即死はしなかったけどあの高さから落ちたら普通死ぬよなぁ…
おマチさんも助ける理由がないし、生き残るかこのまま退場かはてさて…

誤字に気づいたのでご報告

>大概のことには驚かなくなった自信があったけど、またまだだね」

まだまだだね」、かと

283ウルトラ5番目の使い魔:2009/04/19(日) 19:12:08 ID:PHzYaKYG
アプトムの人、乙でした。

こんにちは皆さん。
先日レンタルビデオ店に行ったら、10本ほどあった『大決戦!超ウルトラ8兄弟』のDVDが全部貸し出されていて
思わず、ほくそえんだりしています。
さて、44話の投下、開始したいのですがよろしいでしょうか。
問題なければ、感想タイムをあと20分ばかりおいても19:30より開始します。今回の使用予定レス数は12です。
284名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 19:14:13 ID:BiZo9lBy
事前支援だ
285名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 19:15:21 ID:gRHBccu1
アプトムの人乙です。
まあ、なんですな、へたれまくっている所から立ち上がれると良いんだけどね、アンアン。
286名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 19:16:31 ID:9LxScuPF
レンタルビデオ店のウルトラシリーズの回転率は結構高い
支援
287名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 19:18:49 ID:1qsC410p
光の支援、開始っ!
288名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 19:19:30 ID:9BGk9af6
命と引き換えってことはファイナルブラスターテンペスト?
289名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 19:25:39 ID:X3EZBPUS
>>288
でしょうけど、ここのアプトムだとファイナルブラスターテンペストは知らないはずのような気が。
遺伝情報から知ってる可能性もありますけど。
290名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 19:27:39 ID:797Kd3hH
アプトムとルイズの関係が微笑ましくて好きです
291ウルトラ5番目の使い魔 第44話 (1/12):2009/04/19(日) 19:32:16 ID:PHzYaKYG
 第44話
 この美しき世界を……
 
 鳥怪獣 フライングライドロン
 ゼロ戦怪鳥 バレバドン 登場!
 
 
 魔法学院では、アンリエッタと生徒達との会食も終わり、王女の来訪という予想外のハプニングに翻弄された
生徒達も、ようやくと静かな眠りをむさぼれる時間を迎えていた。
 なにせ、終業式の後から気を抜ける暇がまったく無かった。貴族の子弟である彼らにとって、王女に悪い印象を
持たれるということは、自分の家の死活問題となる。本人にとっても、生涯出世の機会は失われ、名誉を重んじる
貴族としては死んだも同然となってしまう。
 ギーシュ、モンモランシー、その他の同級生達も、生きているという実感をベッドの上だけで実感し、それは
二年生一の問題児とその使い魔の部屋も例外ではなかった。
「うーん、騒々しい一日だったなあ」
 わらのベッドを捨ててしまったので、シエスタのところでもらってきた廃棄予定の毛布を敷いた上で、今日一日
ほとんど一人だけこの騒動を蚊帳の外で見ていた才人が言った。
「……」
 ルイズはベッドの上に着替えもせずにうつぶせになって答えない。何気に才人の寝床がグレードアップしているが、
文句を言う気力も残っていないようだ。
 が、無視されてちょっと寂しくなった才人は、ルイズの耳元でしつっこく話しかけた。
「なー、なーなーなー、ルーイーズ」
「はーなーしーかーけーなーいーでー」
 一応、まだ起きていたらしい。夢と現の間をさまよう亡者のように、まるで生気のない声しか返ってこない。
 やれやれ、俺はまだ眠くないんだがと思いつつ、才人は会食の席でのアンリエッタの話を思い出していた。
これまでトリステインの外のことはあまり気にしていなかったが、ゲルマニアでもすでに怪獣頻出期に匹敵
するくらいの怪獣が現れ始めているという。かの国は、強大な国力と軍事力にものを言わせて対抗して、実際
何匹かの怪獣を倒しているというが、逆に壊滅させられた村や町も少なくはない。
 ただ、話を聞く限りではゲルマニアには超獣や宇宙人の類はほとんど出現しておらず、これはトリステインと
正反対、やはりこの国にはエースがいるためにヤプールも慎重になっているのだろう。ゲルマニアには不愉快
だろうが、ヤプールにとっては片手間に違いない。
 もう片方のガリアについても同様らしいが、こちらには才人の知らない怪獣のことも聞こえた。ウルトラ兄弟の
世界とは違う世界の怪獣達、不謹慎ながら一度見てみたいと思った。
 あとの国はアルビオンとロマリア、このうちアルビオンは内乱中だが、どういうわけか怪獣の出現がほとんど
ないらしい。内乱中で人心が混乱しているときはヤプールにとって都合がいいはずなのだが、腑に落ちない。
ロマリアは宗教国家であり、つかみどころのない国なのであまり詳しい情報が入ってこないらしい。ただ、最近は
新教徒とやらに加えて、奇妙な宗教がはびこり始めて、弾圧が激しくなっているそうなのだが、ろくに神様を
拝んだことのない才人にははっきり言ってわからなかった。
 結論から言うと、今のところはハルケギニアはなんとか怪獣災害から平和を守れているようである。考えて
みれば怪獣頻出期の初期、まだウルトラマンが地球に来る前から人類は怪獣と戦い続けて平和を守ってきた。
そのころは超兵器の類もろくになく、旧式なジェット機や戦車しかなかったが、それでも怪獣や侵略者を倒している。
292ウルトラ5番目の使い魔 第44話 (2/12):2009/04/19(日) 19:33:08 ID:PHzYaKYG
やろうと思えばハルケギニアの人々にできないはずはないが、それもいつまで続くか。バルタン星人に科特隊が
歯が立たず、ベロクロンに地球防衛軍が全滅されたように、ヤプールが充分に力を蓄えて超獣や宇宙人を
大軍で送り出してきたらひとたまりもあるまい。地球防衛のかなめであった歴代防衛チームも、周到に準備を
整えてきた侵略者の前に機能を失ってしまったり、最悪の場合全滅している。
 そのときに備えて、ハルケギニア全体を結び付けようというアンリエッタの構想は先見の明といえるが、できれば
永遠にヤプールには大人しくしていてほしいがなと思いながら、そろそろ才人も眠くなってきて布団に横になり、
すっと睡魔に身を任せた。
 
 けれど、才人とルイズが心地よい夢の世界に旅立つ前に、部屋の扉が強くノックされた。
 こんな夜中に、いったい誰がとしぶしぶ目をこすりながら才人がドアを開けると、そこにはよく知っている青髪の
剣士が立っていた。
「サイト、ミス・ヴァリエールはまだ起きているか?」
「ミシェルさん」
 思いもよらぬ銃士隊副長の訪問に、才人が慌ててルイズを起こすと、はれぼったい目をして、生きているのか
どうか怪しい様子ながらルイズはベッドから立ち上がってきた。
「立ったまま寝てるんじゃないのか、おい」
「うるさーい、ばかいぬー、わんと鳴けー、あははは」
 いったいどんな夢を見ているのだろうか、考えるとむかつくので忘れることにして、才人はとりあえず用件を
聞こうと思った。この生真面目が服を着て歩いているような副隊長さんは、無意味に人を訪ねたりはしない。
「で、ミシェルさん。こんな夜更けになにか?」
 なにかまた事件の前兆かと、才人は心の準備をして尋ねた。しかし、ミシェルの用件はそういうこととはまったく
別の次元の話だった。
「うむ、姫殿下がお前たち二人に直接会いたいとおっしゃられてな」
「え!! ひ、ひひひ、姫様が!?」
 いきなり頭から冷水をぶっかけられたかのようにルイズが目を覚ました。一瞬で目を見開いて、さっきまでの
ゾンビ状態とはうってかわってきりっとした表情になっている。
「ああ、それで私にお前たちを呼んで来いと言われてな。お前らと姫様にどんな関係があるのかは知らんが、
さっさと着替えろ。さっきからお待ちかねだ」
「……サ、サイトー!! すぐ着替えを出しなさーい!!」
 ルイズの目の色が変わった。才人は何がなんだかわからないが、この状況のルイズに何を言っても無駄なために、
ひたすら命令に従って着替えを手伝う。しかしルイズは、制服、いや礼服、いやいやドレスと混乱していてどれに
するのか決められていない。ミシェルは、ドアのところからしばらくそれを見守っていたが、やがて飽きて才人に
左肩を持つように命じて、自分は右肩を持つと、姫様の前に出るのにとごねるルイズを引きずるようにして本塔の
来客用の部屋に二人を連れてきた。
 
 
「失礼します。姫様、ミス・ヴァリエールと、その使い魔のサイトをお連れしました」
「ひひひひ、しし、ひつれいします、ひ、姫様」
 ほとんどミシェルと才人に抱えられるようにして、ルイズはアンリエッタ姫のいる部屋のドアをくぐって挨拶した。
293ウルトラ5番目の使い魔 第44話 (3/12):2009/04/19(日) 19:34:07 ID:PHzYaKYG
 その部屋は、学生の部屋のおよそ3倍程度の広さで、貴族のものらしく贅を尽くした調度品で彩られ、その
中央のテーブルの前のソファーに、アンリエッタ姫は座っていた。
「ありがとうミシェル。さあ、お二人ともこちらにどうぞ」
「は、はひ」
 完全にねじのとんだロボット状態のルイズは、おぼつかない足取りでアンリエッタのテーブルの前に進んだ。
しかし、寝起きと緊張と疲労で正常な思考ではなくなっているのだろうが、とにかく危なっかしい、クレージーゴン
でも今のルイズよりましな動きをするだろう。
 するとアンリエッタは、そんなルイズに自分から歩み寄ると、その手をしっかと握って優しく微笑んだ。
「お久しぶりねルイズ・フランソワーズ、わたしの懐かしいおともだち」
「ひ、姫様……覚えていてくださったのですか」
 それまでガチガチに固まっていたルイズの顔が、春の雪解けのように一気に氷解した。
「もちろん、忘れるはずがないではないですか、幼い頃、宮廷の中庭でいっしょに蝶を追いかけたじゃないの! 
泥だらけになって」
「思い出しましたわ、お召し物を台無しにしてしまって、侍従のラ・ポルト様に叱られましたわ」
 ルイズもアンリエッタも、肩書きや体裁などは忘れて懐かしい思い出に花を咲かせた。
「そうそう、けど楽しくて楽しくて、最後には南の森の奥にいるという伝説の巨大蝶の沼に行こうと宮殿を
抜け出そうとして、一週間部屋に閉じ込められましたっけ」
 おいおいおい、才人はその話を聞いて、二人の脱走計画が失敗してよかったとぞっとしない思いをした。
 多分それはモルフォ蝶と呼ばれる全長2メートルにもなる毒蝶で、その鱗粉は人間をしびれさせるだけでなく、
こいつの好んで生息する水場には、ある特殊な毒素が含まれるために、しびれて水を求めた人間がその沼の水に
口をつけでもしたら……この国はとっくに滅んでいただろう。
 この調子で聞いていたら、どんな恐ろしい話が出てくるか知れたものではないので、才人は思い切って
話に割り込むことにした。
「ルイズ、どんな知り合いなんだ?」
「姫様がご幼少のみぎり、恐れ多くもお遊び相手を務めさせていただいたのよ。でも感激です、わたくしのことなどを
覚えていらっしゃいまして、とっくに忘れられているものとばかり思っていました」
 ルイズが先ほどまでの緊張の色などはまったく感じさせないうれしそうな顔で言うと、アンリエッタも頬を緩めて
ルイズの体をぎゅっと抱きしめて言った。
「忘れるはずがないではないですか、わたしにとって初めてのおともだちはあなたですもの。ああ、本当に
懐かしい。昔とまったく変っていませんねあなたは」
「姫様はだいぶん背が伸びられました。それから……いえ、とにかく昔より美しくなられてうれしく思いますわ」
 才人は、ルイズの視線が一瞬姫様の豊かな胸部に向けられたのを気づいていたが、この件に関しては
何を言おうと地雷なので、意図的に無視した。
「それで姫様、わたくし達をお呼びになったのは、何かご用件があってのこととお察ししますが」
 今までの昔話を懐かしむ顔から一転して、王家に仕える貴族としての顔でルイズはアンリエッタに尋ねた。
しかし、アンリエッタはくすくすとおかしそうに笑い。
「あら、せっかく懐かしいおともだちの近くまで来たのに、お会いするのにいちいち用事が必要なのですか?」
「えっ……」
 ハトが豆鉄砲を食らったとはこのことだろう。あっけにとられているルイズを見て、アンリエッタは今度こそ
してやったりとばかりに微笑んだ。
294名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 19:34:40 ID:OunINdB0
>>289
ブラスターテンペスト+ヴァモアの生体熱線砲一斉掃射とか?


あとウルトラの人支援
295ウルトラ5番目の使い魔 第44話 (4/12):2009/04/19(日) 19:36:16 ID:PHzYaKYG
 なんと、王女は本当にただ会いたいだけでルイズを呼んだのだった。王女という立場上、自分からルイズの
部屋に向かうことはできなかったが、それでも驚くことだった。
「そ、それじゃあ姫様は、ご多忙の身をわざわざわたくしごときのために裂いてくださったのですか?」
「多忙だからこそ、どうしてもあなたの顔を見ておきたかったのですよ。以前王宮で顔を合わせたときには、
立場上そうはいきませんでしたが、今くらいいいでしょう」
「し、しかし姫様の御身を下賎なわたくしごときのために使わせるなど、そんな恐れ多い!」
「もうルイズったら、いいかげんそんな他人行儀な言い方はやめてちょうだい。それに、わたくしは王女ですけど
まだまだ子供です。子供には大人にわがままを言う権利があります。そうでしょ、アニエス、ミシェル」
 17歳がまだ子供とは、少々微妙なところだが、いたずらっぽく微笑む王女に、二人の剣士は「我らは何も
見なかった」というふうに視線をそらした。
 これは並みの信頼でできることではない。少なくとも、アンリエッタはこの平民あがりの騎士達のことを
自分のプライベートを見せてもよいと思うくらいに信用しているということだ。
「まあ、まったく用事がないと言えば嘘になります……あなたが、サイト殿ですね」
「えっ、俺?」
 突然王女に話しかけられて、きょとんとした様子で才人は答えた。
「驚かせてしまって申し訳ありません。けれど、トリステイン王宮襲撃から、2度にわたるウチュウジンの
計略からトリスタニアを守るために戦ってくれたことは、アニエスから聞いています」
 そういうことかと、才人は納得した。
「いや俺なんて、アニエスさん達にくっついてただけですよ」
「謙虚ですわね。でもあなたの助力がなければ敵の策略をあばくことはできなかったとか、あまり目立ちたくは
ないとのことなので、公は避けましたが、私的に是非お礼を申し上げたくて、こうしてお呼びさせていただきました」
「いやあまあ、自分にできることをしただけですよ」
 後ろ頭を掻きながら、照れくさそうに才人は答えた。
 どうやら、アニエスのほうもそうした配慮はしてくれていたらしい。目立つのは別にきらいじゃないが、あまり
注目されるとエースとして活動するのが面倒になるし、周りからいらないねたみを買うことにもなりかねない。
第一、地球人である才人にとってトリステインの勲章や地位などは興味の対象外だった。下手に偉くなって
忙しくなるより、使い魔のままのんびりと過ごしたい。
 しかし、ルイズにとっては才人が姫殿下に直接評価されているというのは、予想外、信じられない、そんな馬鹿な、
うらやましい、と色々揃って大変なことであった。
「ちょ、ちょっとあんた! 姫様からお褒めの言葉をいただくなんて平民には普通死ぬまでない名誉よ、もう少し
喜ぶとかなんとか、せめて頭を下げなさい!」
「うげっ!?」
 いきなり頭を押さえつけられて前かがみにさせられ、才人はにぶいうめき声をあげた。その細腕のどこにあるのか
ルイズの腕力はけっこう強い。
「ルイズ、ルイズったら、殿方に向かってそんなはしたないことをするものではありませんわ」
「はっ、こ、これはお見苦しいところをお見せしてしまいました!」
 アンリエッタにたしなめられ、慌てて弁解するルイズを、その姫様はおかしそうに見ていた。
296ウルトラ5番目の使い魔 第44話 (5/12):2009/04/19(日) 19:37:55 ID:PHzYaKYG
「ともかく、あなたはわたくしとこの国にとっての恩人です。称号や恩賞は不要でも、感謝の言葉を断る理由はないでしょう。
本当に、ありがとうございました」
「はい、光栄です姫様」
 今度は深々と頭を下げて、才人はできる限りの礼を尽くした。普段ふざけていても、その気になれば必要なだけの
礼儀作法でふるまうくらいの常識は持っているのだ。
 そして、頭を上げた才人は今度はまじまじとアンリエッタに顔を覗き込まれて、思わずたじろいだ。
「な、なんすか?」
「ふーむ……どうみても人間ですわねえ、ルイズ、この方はあなたの使い魔だと聞いたのですが、本当なのですか?」
「え、ええまあ……」
 曖昧に返事をするしかできなかったルイズだが、いまだに何故人間である才人が異世界から召喚され、なおかつ
ガンダールヴなどといういわくありげな使い魔にされてしまったのかという謎は解けていないのだ。
 しかし、アンリエッタにとっては人間が使い魔うんぬんということより、別のことに興味がある様子だった。
「でもやるじゃないですのルイズ、こんなに凛々しくてたくましい殿方をつかまえるなんて、あなたも見ないうちに、
ずっと大人になりましたわね」
「なっ!? なななな」
 ルイズの顔がタコになった。
「サイトさん、わたしの古いおともだちを、これからも末永く守ってあげてくださいね。この子ったら、昔からやんちゃで
腕白で大変でしょうけど、それもまたこの子の魅力なのですから……それと、お子さんは何人くらい計画しておいでなのかしら?」
「い、いやそんな、ひ、姫様!?」
 どうも、ものすごく誤解されているらしい。姫様の目が王家のものではなく、年頃の女の子の目になっている。才人としては
そう思われても悪い気はしないが、途中の段階を10個ばかしすっ飛ばしている。
「ひひひひ、姫様誤解です。わたしとこいつはそんな関係じゃなく」
「ではそういうことにしておきましょう。ルイズ、頑張ってくださいね」
 白い歯を見せながら、アンリエッタはルイズと才人の肩に手を置いて、何かは分からないが頑張ってと激励してくれた。
 反論も弁解も聞く耳を持たず、すっかり二人は姫様の中で、「そういう関係」にされてしまった。ちなみに、後ろの方で
アニエスとミシェルが必死に笑いをこらえている。多分、後で思い出されて盛大に笑われるだろう。
「いいい、サイトぉ……後で覚えてなさいよ」
「お、俺、何も悪いことしてないのに……」
 帰ってからのお仕置きという名の拷問が確定し、才人は複雑な思いで涙をぬぐった。
 どうにも、とほほとしか言いようが無い。幸い拷問器具は昼間の掃除で倉庫にぶちこんであるが、殴る蹴るくらいは
あるだろう。お前のどこが淑女だとつくづく思う。
 それにしても、類まれな名君の器かと思ったら、素顔はとんだおてんば娘だ。けどまあ、そのほうが親しみやすくは
あるが、勝手に人をカップリングするのはやめてもらいたい。
 二人が、ようやく息をついて反論するのをあきらめると、アンリエッタは満足した様子でルイズに告げた。
「そうだルイズ、実はこの機会にあなたに是非会いたいという人がおりまして。会ってあげてもらえるかしら?」
「私に、ですか?」
 ルイズは首をかしげた。
 はて、姫様を通してということは宮中関係の誰かだろうが、自分の知り合いにこういう形で会いたいと言ってくる
人物に心当たりはない。
297ウルトラ5番目の使い魔 第44話 (6/12):2009/04/19(日) 19:39:18 ID:PHzYaKYG
 しかし、アンリエッタに招かれて、隣室の扉から入ってきた長身の男の顔を見て、ルイズは心臓が飛び上がる
ような感覚にとらわれた。
「あ、あなたは……」
 彼は貴族の証である黒いマントの胸の部分にグリフォンの形をあしらった刺繍を施し、まるで剣のような銀色に
光る魔法の杖を腰に刺している。それはつまり、現在トリステイン最強とうたわれる魔法騎士隊、グリフォン隊の
一員であることを示していたが、ルイズが驚いたわけはそれではなかった。
「あ、ああ。ワ、ワルドさま……」
「久しぶりだねルイズ、けどちょっと待ってくれ。どうも、ネズミがいるようなのでね」
 彼はルイズに軽く微笑みかけると、腰の杖を目にも止まらぬ速さで引き抜き、入り口付近の壁に向かって
呪文を聞き取れないほどの速さで詠唱し、空気の塊を飛ばした。『エア・ハンマー』の呪文だ。
 高圧空気の塊に直撃された壁はもろくも砕け、その後ろに隠れていた人影を部屋の明かりに晒した。
もし、威力があとちょっとでも強ければ『エア・ハンマー』は壁ごとその人影もふっ飛ばしていただろう。
詠唱の早さもさることながら、魔力調整のセンスも見事としか言い様がない。
「さて、姫殿下の部屋を覗き見とはいけないネズミだ。アルビオンかどこかの間諜かね?」
 壁が砕けた粉塵の中で驚いて立ち尽くしている影に、ワルドは杖を突きつけて言った。
 が、ほこりが収まって見えたその影の主を見て、才人とルイズは目を丸くした。
「キュルケ! それにタバサぁ!?」
「あ、あははは……どうも、こんばんわ」
 なんと、扉の隅から覗き見していたというのは、例の腐れ縁の二人だった。
「あら、ルイズのお友達ですか?」
 様子を見ていたアンリエッタが尋ねると、ルイズとキュルケは同時に言った。
「「違います!!」」
「あらそう、どうもごめんなさい。わたくしの勘違いだったようですね」
「わかっていただけてうれしいですわ。この女は……」
 どうにか誤解が解けたと思って、ルイズはツェルプストーの人間がいかにいやな奴かを語ろうとしたが。
「ただのお友達じゃなくて、親友ということですわね」
「「だーっ!!」」
 今度はルイズとキュルケがそろってずっこけた。才人とタバサはそれを面白そうに見ている。ちなみに、
こけたはずみで二人のパンツが少し見えて役得だった。
「ひ、ひめさまぁ、ですからこいつは……」
「まあまあ、お二人ともそんなに照れなくても、本気で嫌い合っていたら、そんなに親しげに相手の名前は
呼びませんわ。それに、アニエスから聞きましたけど、あなた達四人は特に息が合って行動していたとか、
あの寂しがりやのルイズが、こんなに大勢おともだちを作っているなんて、時が経つのは速いものですね」
「い、いえ……はぁ」
 説明するだけ無駄だとわかったルイズとキュルケは仕方なく、顔を見合わせてがっくりと肩を落としてうなづいた。
考えてみれば、わざわざ姫様に身内の恥をさらすようなことをするわけにはいかない。なにせ、二人の実家の
ヴァリエール家とツェルプストー家は先祖代々の仇同士、ジャンルは戦場でのドンパチもあるが、その大多数は
婿取りを巡っての奪い合い、ちなみにヴァリエール家は連戦連敗で、勝ち星はここ数百年ない。というかその逆は
絶無である。
「ところで、君達は何故そんなところで覗き見などしていたんだね?」
 とりあえず危険人物ではないとわかり、杖を下げたワルドに聞かれて、キュルケはあははと頭を掻きながら答えた。
298名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 19:40:10 ID:3oa8Dabc
支援
299ウルトラ5番目の使い魔 第44話 (7/12):2009/04/19(日) 19:43:38 ID:PHzYaKYG
「いやー、眠くなくて暇してたら、そこの二人が銃士隊の副長さんに連れられれて行くじゃない。なんか面白そうだ
なあーって思って、タバサを連れてつけてみたら、ここに来たってわけで」
「部屋の前には見張りの兵がいたはずだが?」
「そこのところは、タバサの『スリープ・クラウド』でまあ……」
 部屋の外には、銃士隊やグリフォン隊の面々がばったりと倒れてぐっすりと眠っていた。仮にも王女直下の
護衛部隊ともあろうものが情けないが、魔法学院という場所で油断していたことと、この学院の地理を熟知した
タバサの隠密戦術の巧みさがあってのことで、相手が少々悪かったということか。
「君達……ことがことなら、この場で殺されてても文句は言えないぞ」
「あら、そんな簡単にいくものでしたらね」
 不敵な笑みを浮かべて睨み返すキュルケに、ワルドは答えずにレイピア状の杖を腰に納めた。
「ふむ、中々威勢のいいお嬢さんだ。しかし、銃士隊のお二方は覗かれていることに気づかなかったのかね?」
「間諜にせよ刺客にせよ、気配の消し方があまりにも中途半端だったものでな。すぐに正体に気づいてしまった。
まあ後で叱り付けてやろうぐらいは思っていたが、やっぱりお前らだったか」
 どうやら最初からアニエス達にはばれていたらしい。タバサはまだしも、キュルケ程度がいくら隠れたつもりでも、
彼女達くらいの熟練した使い手には察知されてしまうようだ。
 二人は、おしおきを楽しみにしているアニエスの目に気づいてそそくさと退出しようとしたが、アンリエッタに
この際ですからいっしょにお話しましょうと言われて、気まずい雰囲気ながらも室内に入ってきた。
 ただし、室内はやたらと隙間風が入る状態になっていたが。これではまた学院の予算が減ることになるだろう。
 
「さて、待たせたねルイズ」
「あ、ああ……はいっ!」
 すっかり忘れていたルイズはワルドに話しかけられて、慌てて我に返った。
 才人やキュルケ達も、そういえば忘れていたが、この貴族とルイズはどういう関係なのか興味があった。
「おい、その人とお前はどういう知り合いなんだ?」
 一応貴族で年上なので、それなりに遠慮しつつ才人がルイズに聞いた。
「えっ、ああ、この方は……」
「おっと、君達には自己紹介がまだだったね。魔法衛士隊グリフォン隊隊長のワルド子爵だ。二つ名は『閃光』、
ルイズとは、昔将来を約束した仲だ」
 その最後の一言で才人と、それからキュルケの脳髄が沸騰した。
「ル、ルイズ……お、お前に」
「婚約者ぁ!? なんでぇ、よりにもよってあんたみたいなちんちくりんに婚約者? いったいどんなとんでもない
魔法使ったのよ、トライアングル? スクウェア? それとも虚無?」
 そりゃあいくらなんでも言いすぎじゃないかとルイズの頬がぴくぴくと震えた。
「ま、待ってよみんな、彼とは幼いころ家同士が交流しててよく会ってただけで、許婚っていったって、親同士が
酒の勢いで冗談半分に決めたようなものなんだから!」
 慌てて弁解するルイズだったが、ワルドは軽く笑いながらルイズに言った。
300名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 19:43:57 ID:3oa8Dabc
支援
301名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 19:46:29 ID:s0jXwQ6D
>>281
ダーゼルブの特殊能力というと高熱放射だけど、使い勝手悪いからなぁ。
ネオゼクトールがアプトムに使用した時みたいに、密着状態からのカウンター
ぐらいしか利用価値がないのでは?
302名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 19:47:31 ID:s0jXwQ6D
失礼しました

ウルトラのひと、支援
303名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 19:49:07 ID:BiZo9lBy
支援
304名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 19:57:55 ID:ezfcP+mJ
ウルトラ支援
305名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 20:00:58 ID:3oa8Dabc
さるさんみたいなので代理しますね
306:ウルトラ5番目の使い魔 第44話 (8/12):2009/04/19(日) 20:01:40 ID:3oa8Dabc
「おや、小さいころは大きくなったらワルドさまのお嫁さんになるって毎日のように言ってくれてたのに、つれないなあ」
「ななななな……そそそ、そんなのわたしも5つか6つのころで、そそそ、そりゃあのころは毎日遊んでいただいて、
憧れてもおりましたけれども、そそそ、そんな簡単に」
「ははは、あのころよりずっと大きくなったけど、やっぱり昔と変わってないなルイズは、まあ、君も大人になっていく
んだから、急に決めろとは言わないさ。でも、君さえよければ、僕はいつでもあの約束を履行するよ」
「そそ、そんなご冗談を!」
 子供の頃の恥ずかしい思い出を暴露されて、すっかりルイズは目を回している。
 だが、タバサには婚約者うんぬんとは別に『閃光』の名に聞き覚えがあった。
「噂に聞いたことがある。トリステインのグリフォン隊には、『閃光』と異名をとる凄腕の魔法衛士がいると、
トリステインの3つの魔法衛士隊のうちの2つが壊滅した今では、名実共にトリステイン最強の騎士」
 いつものように無表情のままだが、言葉の内に驚きがこもっていた。さっきの『エア・ハンマー』の威力は確かに
それほどの使い手でなければ撃てまい。
 しかし、タバサの言葉とは裏腹に、ワルドは自嘲を込めた笑いを浮かべながら言った。
「いや、運が良かっただけさ。ただ単に、トリスタニアが襲撃された5回とも偶然その場に居合わせなかった……
ああ、3回目は敵に引っ掛けられて誘い出されてたからだが、ずっと敵に出会わなかったせいで、同僚達が
次々に戦死していくなか、結果的に最強なんて言われるようになって、こうして生き恥をさらしているのさ」
 グリフォン隊は、その戦闘力とは裏腹に、彼らがいないときに限って超獣や宇宙人が出現するために、
これまで戦う機会を得られずに、皮肉にも今でもほとんど無事な戦力を有していた。彼の言うとおり、周りが
次々に倒れていく中で彼らだけが戦わずに生き残っているのは、かなりの偏見とねたみを買ってしまっている
のだろう。
 しかし、レッドキングが掛け算をしたのを見たように驚いているキュルケとは別に、才人の心情は複雑だった。
 こいつが、ルイズの婚約者!? びっくりしながらも、よくワルドのことを観察すると、なるほどそれもとうなづける
ものを感じざるを得なかった。
 なにしろ、見るからにかっこいい。ギーシュとかもてる奴をそこそこ見てきたが、こいつは段違いだ。体格は
かなりの大柄で、相当に鍛えた筋肉の鎧をまとっているのが素人目でも分かる。貴族とは魔法にたよった
なよなよした奴ばかりかと思ったら、アニエスやミシェルにもひけをとらないのではないか? 上っ面を固めた
化粧ではなく、内面からオーラがほとばしっている。悲嘆にくれている顔すら絵になる。
 特に、顔では才人に勝ち目はゼロだろう。贅肉なく引き締まった顔には、鋭い目と形のよい口ひげが
違和感無く溶け込んでおり、大人の魅力満点だ。
 くっそぉ、神様不公平だ……才人は自分との格差に悲しくなった。なんか自分が勝てそうなところが
ちっとも見つからない。こいつがいずれルイズと結婚するのか、どうしてか胸の中から腹立たしさが
湧き上がってきたが、才人は男だったのでぐっと我慢した。そうさ、ウルトラマンは他人を羨んだりひがんだり
しない、そう思って自分を落ち着かせた。もっとも、こんなことで引き合いに出されてもウルトラマンはうれしく
ないだろうが。
「そういうことだ。君達にはルイズが世話になっているようだね。婚約者としてお礼を言うよ。これからも、
よろしく頼む」
「よ、よろしくお願いします」
 血管が切れそうなくらいに血圧を上げながら、才人は心情とは逆のことを答えた。
307ウルトラ5番目の使い魔 第44話 (9/12)::2009/04/19(日) 20:02:24 ID:3oa8Dabc
「よろしく、ミスターワルド。末永くお付き合いしたいですわね」
 キュルケは例によってヴァリエールVSツェルプストーの宣戦布告をして、ルイズと激しく目で火花を散らせていた。
 はぁ、もう勝手にやってくれ。才人はせつなくなって、もう何もかも捨てて布団に潜り込みたくなっていた。
 だが、最後にタバサが言った言葉が、才人のどんよりした脳みそに一筋の光明を照らすことになった。
 
「よろしく、おじさま」
 
 空気が凍りついた。にこやかだったワルドの顔が固まっている。
「き、君……おじさまはちょっと」
 すると、タバサは不思議そうに首をかしげた。
「40を過ぎたら、おじさまでいいと思う」
「ぼ、僕はまだ26だ! 26!」
 むきになって年齢を強調するワルド、うって変って才人は今度は笑いをこらえるのに苦労していた。
 そうだ、そういえばこいつ老けた顔しているよな。あの口ひげなんかじじくさいし、大人の魅力ではあるけど
若々しさってやつじゃ、俺が断然勝ってる。とにかく、タバサ、お前最高!
 よく見ると、キュルケやアンリエッタ、アニエスやミシェルもくすくすと笑っている。
「ちょ、ちょっとあなた達、ワルドは確かに見た目は老けて見えるけど、この歳でグリフォン隊の隊長を任されている
ような人よ。貫禄があると言いなさいよ」
 さらに、ルイズのフォローもフォローになっていない。本当はすごい人なのだろうが、すっかり若年寄りに評価が
チェンジされてしまった。
 とにかく、これではワルドがあまりに可哀想なので、アンリエッタがようやく助け舟を出した。
「まあ、まあ、みなさんそのへんで、これから助け合うことになるかもしれないのですから。皆さんも、子爵に
ご挨拶なさって」
 それでどうにか笑いは収まったが、才人はルイズの婚約者に向かって、自分が使い魔だと名乗るのが
ずいぶん小さいように思えた。
「平賀才人です。一応ルイズの「恋人です」って……なにぃ!?」
 使い魔です。と名乗ろうとして、いきなり割り込まれて才人は飛び上がった。
「ちょ、サイトあんた何て事を!!」
「お、俺じゃないっ!! キ、キュルケ!! 勝手に後ろでアフレコするな!!」
 才人の真後ろでケラケラと笑っているキュルケに二人は怒鳴ったが、当のキュルケは落ち着いたもの。
「なーに、あんた達キスまでした仲じゃないの」
「そ、それは使い魔との契約で、それとこれとは」
「あーら、お姫様公認の仲じゃなかったの? いーじゃない、婚約者も恋人も何人いたってさあ」
「「お前(あんた)といっしょにするな!!」」
 二人揃って顔をゆでたカニのようにして、食って掛かるがキュルケは平然たるもの。
 そんな様子をワルドは呆然と見詰めていたが、アンリエッタが彼にのみ聞こえるようにぽつりと言った。
「あらあら、仲がよいですわね。やっぱり、殿方の魅力は外見ではないということかしら。ルイズがあんなに
他の人と楽しそうに騒いでいるのははじめて見ましたわ」
「はい……どうも、僕の知っている昔のルイズは、もういないようです」
 寂しがりやの小さなルイズはもういない。いや、ほんの数ヶ月前のルイズなら、ルイズは久しぶりに会う婚約者に
心を奪われたかもしれないが、才人達とともに数々の戦いや冒険を潜り抜け、今やルイズの中でもワルドは
唯一特別な存在ではなくなっていた。
 
 そのとき、壊れた部屋の扉の外から、またよく聞きなれた声がした。
「あ、あのお……姫様に伝えてほしいお願いがあって来たんですけど……あれ、なんで皆さんがいるんですか?」
 使用人達の代表でやってきたシエスタが、そこで目を丸くしていた。
308ウルトラ5番目の使い魔 第44話 (10/12)::2009/04/19(日) 20:03:51 ID:3oa8Dabc
「あら、またルイズのおともだちですか。すみません散らかってて、ルイズ、すみませんが少し待っていてくださる。
さあ、あなたもこちらにいらして、お話を聞かせてください」
「え、あ、ああ、はいぃ!!」
 すすめられるままに、テーブルを挟んで王女の正面に座ったルイズ達は、シエスタの話に熱心に聞き入る
アンリエッタの姿に感じ入り、その後夜遅くまで懐かしい思い出話に花を咲かせた。
 
 
 気がついたときには、月も天頂に昇りきり、学院は物音ひとつしない静寂に包まれていた。
 キュルケとタバサは眠くなったと先に寮に引き上げ、シエスタも姫殿下と直に話したと、夢見心地で帰っていった。
「いい姫様だな」
「そうでしょ、アンリエッタ姫がいる限り、トリステインは安泰よ」
 寮への道を、月明かりに照らされながらゆっくりと二人は歩いていた。
 色々と慌しかったが、実りも多い一日だった。美しく、聡明で、ちょっぴりおてんばなお姫様、会うのは初めてだったが、
才人はルイズがトリステインという国を誇りに思っているわけがわかったような気がした。
「これで、明日から夏休みか、ここもしばらく寂しくなるな」
「そうね。けど、わたし達も明日にはここを立つわよ。準備は、ミス・ロングビルがしてくれているはずだから、
寝坊するんじゃないわよ」
「わかってるよ。アルビオンに行くんだろ、ロングビルさんの知り合いって人のところに、アイちゃんを連れて
いかなきゃいけないからな……ん、ルイズ、あれは」
 雲の無い晴れた夏の夜空は澄み渡り、地球では見れない星座を描いて白銀の大海が広がっている。
 しかし、この美しい空のどこかで、今も闘争が繰り返されている。星空を見上げた二人は、そのはるか上空で
おこなわれている小さな争いに気づいて、無言でその手を取り合った。
 
「ショワッチ!!」
 
 光が二人を包み込み、変身したウルトラマンAは誰にも見られぬままに夜空へと飛び上がった。
 
 そのころ、ハルケギニア上空40万メートルでは、3匹の怪獣が戦っていた。
 前を行く2匹は、青い翼と黄色い鶏冠を持つ巨大な鳥と、やや小さな子供の鳥、【鳥怪獣 フライングライドロン】、
宇宙を放浪する旅人のような怪獣で、性質は非常におとなしい。才人の来た世界でもZATの時代に親子連れの
ものが地球にやってきて、タロウに助けられたことがあるという。こちらの世界にも同種がいて、しかもやはり母と
子の親子で旅をする途中にハルケギニアに立ち寄ったのだが、あいにくここにはやっかいな暴れん坊がいた。
 そいつはライドロン親子の後ろから迫る、4枚の巨大な翼を持った鷲のような怪獣【ゼロ戦怪鳥 バレバドン】、
フライングライドロン同様に宇宙を旅する渡り鳥怪獣だが、けっこうな悪食で、腹がすけば目の前のものに
見境無く食いついてしまう悪い癖がある。ゼロ戦怪鳥というユニークな異名も、かつて地球に出現した個体が、
偶然ラジコンのゼロ戦を飲み込んでしまい。どういうわけか、そのラジコンのコントローラーで動くようになって
しまって一騒動起こしたという逸話からついたものだ。
309ウルトラ5番目の使い魔 第44話 (11/12)::2009/04/19(日) 20:05:36 ID:3oa8Dabc
 今、バレバドンはたまたま目についたフライングライドロンの子供をエサだと思い込み、しつこく追いかけて
いるところだった。もちろん、フライングライドロンの親も子供を守ろうと必死でバレバドンの前に立ちふさがるが、
戦う力をほとんど持っていないフライングライドロンは逃げるしか方法がない。
 
 だが、バレバドンの牙が子供に襲い掛かろうとしたとき、大気圏を高速で突破してきたエースが駆けつけた。
『パンチレーザー!』
 額からの青色光線がバレバドンの尾羽を焼いた。奴も突然の攻撃にびっくりしてきょろきょろと周りを見渡し、
近寄ってくるエースを見つけて吼えるが、エースは気にもかけずに飛行しながら、右手から手裏剣のような
光線を撃った。
『スラッシュ光線!』
 今度は胴体真ん中に命中して派手に爆発を起こした。
 こうなると、貪欲ではあるがそんなに強くはないバレバドンは敵わない相手だと見て、さっさと翼を翻して逃げていく。
(よかった、間に合ったみたいだ)
 バレバドンが逃げ去って、平穏を取り戻した空で、エースはライドロン親子に並んでしばらく飛び、やがて早く
他の星へ行けと手で指し示して教えると、親子は礼を言うように一声鳴いて、ハルケギニアを背にして飛んでいった。
(元気でなー)
 飛び去っていくライドロン親子を見送りながら、才人は彼らの旅の無事を祈った。
(無事に旅を続けられるといいわね。けれど、彼らは助かったけど、もう一匹のほうはよかったのかしら、あの怪獣も
生きるために食べようとしたんだし)
 ルイズは見えなくなっていく親子を見つめながら、ぽつりと心に引っかかっていたことをつぶやいた。
 喰う者と喰われる者、感情としては喰われる者に味方をしたいが、喰う者も生きる権利がある。人間だって
生きるために肉を食うのだ。フライングライドロンを助けて、バレバドンを飢え死にさせる権利はないはずだ。
 才人はそんなルイズの言葉に言い返すことができずに黙っていたが、エースはそんな二人の悩みにひとつの
答えの形を示してみせた。
(猟師は、子連れの鹿は撃たないものだよ)
 そう、賢い猟師はどんなに獲物がいなくても、子供を連れた動物は撃たないものだ。そうしなければ、いずれ
本当に獲物がいなくなって自分が飢えることになるだけでなく、山の生態系をも変えてしまうからだ。
(そうか、そうだよな!)
(……でも)
 ただし、それも完全な真理ではない。自然界では弱い子供こそ獲物として狙われる。しかし、エースは
それ以上のヒントを与えることはしなかった。生き物の命に関しての答えは、それぞれが悩んで自分なりの
解答を出してほしかったのだ。
 
 ライドロン親子が完全に見えなくなって、エースはハルケギニアを振り返った。
 そこには、これまでルイズの見たことのない世界が広がっていた。
 まだ夜の帳に包まれた、地図でしか見たことのないハルケギニアの地が眼下に模型のように存在し、
その周りにはハルケギニアの何十倍もの面積を持った広大な大地と海が広がり、しかもそれは巨大な
球体の表面に張り付いていたのだ。
(これが、わたし達の住む世界……)
 恐らく、史上初めて宇宙から自分達の星を見下ろしたハルケギニア人になるルイズは、眼下に広がる
雄大な光景に言葉を失っていた。
310ウルトラ5番目の使い魔 第44話 (12/12)::2009/04/19(日) 20:06:35 ID:3oa8Dabc
(そう、これが君達の住む星、そして、ここが宇宙だ)
(宇宙……?)
(そうだ、私達を含めた全ての生命の故郷。この星も、宇宙から見れば砂漠の中の一粒の砂のようなものだ)
(ハルケギニアって、こんなに小さかったのね)
 ルイズの視線は、この星のハルケギニア地方に吸い込まれていた。
 まだ、この星には名前がない。いや、この星の人間達は、自分達がどういう場所に住んでいるのかすらも
知らない。ルイズの世界観から見て、宇宙という概念はあまりにも大きすぎた。まして、ハルケギニアは
地球のヨーロッパ地方に相当する程度の面積しかなく、全体のわずか1パーセントにも満たない。
 初めて大海を見た人間が、その雄大さの前に自分の小ささを知るというが、昔おもちゃのようなロケットで
命がけでほんの数分間宇宙に出て、初めて宇宙から地球を見た宇宙飛行士達も、こんな気持ちだったのだろうか。
(でも、きれいな星だな)
(そうだな、地球を思い出す)
 才人とエースは、故郷の姿を思い出していた。この星は、地球のように青く、宇宙に宝石のように輝いている。
(あなたたちの故郷も、こんな姿をしているの?)
(ああ、そっくりだ。ルイズ、ハルケギニアだけじゃなくて、星全体を見てみろよ。本当にきれいだ)
 言われて、視線をハルケギニアからこの星全体に移し、ルイズは息を呑んだ。
 大地の緑、海の青、雲の白、茶色い山脈にハルケギニアの何倍もある砂漠、北と南のはじっこは真っ白く
彩られ、その向こうから顔を覗かせてくる太陽に照らされて、どんな精密な絵画もらくがきに見えるような、
そんな光景が広がっていたのだ。
(きれい……本当に)
 心持つ者ならば、この風景に目を奪われずにはいられないだろう。しかし、このどこかでヤプールがその
怨念の牙を研いでいるのだ。
(守らなければな)
 エースは、かつてTAC隊員としてタックスペースの窓から見ていつも思っていたことを、そのまま二人に伝えた。
(この世界を)
(ヤプールなんかには渡さない)
 ライドロン親子が、今度は安心してこの星に立ち寄れるように……
 太陽と月に照らされて、光の戦士は再び守るべき地へと舞い降りていった。
 
 
 続く
311ウルトラ5番目の使い魔 第44話 あとがき:2009/04/19(日) 20:07:18 ID:3oa8Dabc
今週は以上です。支援してくださった皆さん、ありがとうございました。
最近は絵板でまで応援いただけて、本当にうれしく思っています。
ただ、これまでにも熱心に「この怪獣を出してほしい」や「こんな話を読みたい」とおっしゃってくださるのはうれしいですが、
ネタバレや、ほかの怪獣が好きな人へのひいきになってしまうので、参考にはしますが直接ご返答はいたしませんので
ご了承ください。けれど、それらの書き込みにはきちんと目を通していますので、これからもよろしくお願いします。
 
さて今回はとりあえず、全国のワルドファンの皆さん、どうもすいませんでした。だってこの人どう見ても中年にしか見えないので、
設定で26歳だと知ったときは驚きました。うちの父より老けた顔をしてるんですもの。
 
まあ、今回は多少は「らしい」アンリエッタを書けたと思います。
 
ちなみに、先週の第43話のジュリの回想に登場した怪獣は、順に、ガクマ、ジュラン(マンモスフラワー)、バオーン、
ギガス、ドラコです。見事正解していた方、お見事でした。
 
では、次回からはアルビオン目指していよいよ出発です。
312名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 20:09:18 ID:3oa8Dabc
という訳で代理終了

ウルトラの人乙でした。
313名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 20:19:15 ID:ezfcP+mJ
作者の方も代理の方も乙でした
314名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 20:30:59 ID:1qsC410p
ウルトラの人、代理の方共に乙でした
アンリエッタが母親っぽくて微笑ましいです。
最後の方ではルイズが命について自分から考える、少し大人になっていく所や
ハルケギニア人初の宇宙から自分の星や宇宙を見渡して感動する所など
見所満載でとても面白かったです、超GJです。
次回も話も凄く楽しみです。
315名無しさん@お腹いっぱい:2009/04/19(日) 20:37:11 ID:V4xpe/Ax
ウルトラの人、代理の人、乙!でした。

>「なー、なーなーなー、ルーイーズ」
>「はーなーしーかーけーなーいーでー」
この場面想像したらめっちゃわんだw

次回からアルビオン編ですね!
アイちゃんをテファの所に連れて行くという事は、エースがジャスティスと出会う可能性があるという事か!?w
次回も期待してますw
316毒の爪の使い魔:2009/04/19(日) 21:02:12 ID:hUypPlhB
ウルトラの人乙です。
バレバドン、”ゼロ戦”怪鳥だから絶対タルブの所で出ると思ってたんだけどな…(笑)

>レッドキングが掛け算をしたのを見たように驚いている
確かにウルトラ怪獣一頭の悪い怪獣だからな…、初代はウルトラマンに直ぐノックアウトされたし(苦笑)
まぁ、二代目三代目はウルトラマンや80をそれなりに苦しめてるし、少しずつでも知能は発達してるんだろうな。

>ちなみに、先週の第43話のジュリの回想に登場した怪獣は、順に、ガクマ、ジュラン(マンモスフラワー)、バオーン、
>ギガス、ドラコです。見事正解していた方、お見事でした。
うん、ガクマ以外は予想通りだった、わ〜い♪
でも、ジュランは”植物”だから”怪獣”ではないですよね…と突っ込んでみる(爆)

次回からのアルビオン編も楽しみです。
ワルドはヤプールと関わるんだろうか? 野心旺盛だしな…、エース原作で利用された人達と被ってしまう…(汗)


そして、毒の爪の使い魔第34話が書き終わりました。
ので、予定その他が無ければ5分後あたりに投下します。
317名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 21:05:48 ID:d+iP18bS
支援
318毒の爪の使い魔:2009/04/19(日) 21:06:54 ID:hUypPlhB
では、そろそろ投下開始します。



暗い暗い場所…、明かり一つ無い暗い場所…、闇の世界…

そんな一筋の輝きも無い場所にジャンガは居た…。


「…静かだな」
ポツリと呟く。そう思っても無理は無い…、そこは風の音すらない静寂の空間だった。
一寸先は闇……そんな言葉を知っていたが、実際に体験したのは初めてだ。
いや、そんな事よりも…”ここは何処だ?”
あのヒゲヅラと戦い…、嬢ちゃんを庇って刺され…、皇太子を背負って穴に飛び込み…、そして――

「気が付いたら…こんな所にいたんだよな?」
――ああ…、別に考えるような事じゃないな…。
ヤバイ怪我を負って気を失って…、気が付いたらこうなっていて…、ようは…そう言う事なんだろう。
「何だ……以外に呆気無かったな…」
もっと良くも悪くも派手になると考えていたばかりに、余りにもアッサリとした最後だった。
まぁそれでも最後は最後…、後悔したって始まらないし、何より後悔する必要が無い。

――ならば……今一度、夢集める者となるか…?――

唐突に声が聞こえた。
ジャンガは辺りを見回す。…誰の姿も無い。
だが、声は確かに聞こえてきた。

――今一度…夢集める者となるか?――

「この声…」
今語り掛けてきている声がルーンが痛みを与えた時や、消えた時に聞こえてきた物だと言う事に、ジャンガは気が付いた。
「テメェ…何者だよ? 俺に一体何の様があるんだよ?」

――我が力の一部をお前は取り込んだ…、なればお前はメダルを持たずとも…夢を集める者――

力の一部…何の事だ? 悩むジャンガに声は言葉を続ける。

――かつて…我が栄華を極めた地――ムゥンズの跡地にて…お前は我の力を取り込んだ――

「ムゥンズ……!?」
ジャンガの脳裏に蘇る過去の記憶。バッツとムゥンズ遺跡を探索した……あいつを殺したあの日…、
自分は黒い玉のような物を拾ったのだ。それは直ぐに消え、直後に軽い目眩の様な物を覚えた。
とくに身体に変化は無かったから気にも留めていなかったが…。
「あの玉が…、ムゥンズでの栄華…って事はテメェ、まさか…」
自分に語りかけてくる相手の正体を理解し、ジャンガは呆然となる。
――自分が求めて止まなかった力を既に自分は手にしていたのか?

――我の力を取り込みし者よ…、我が力を欲するか? ならば…夢集める者となるか?――

「やなこった」
即答だった。
「俺はもう疲れたんだよ……テメェの力は求めていたが、今はもうどうでもよくなってるんだよ…。
第一、俺が手にしたって…何もならなかった。…相手を殺せるだけの力が手に入ったぐらいか?
まァ…例え俺の望むだけの力が有っても、先に行ったとおり…もうどうでもいいからな」

――……――

「そんな訳だ…、俺はテメェの力何ざにもう興味は無ェ。…とっとと消えろ」
319毒の爪の使い魔:2009/04/19(日) 21:09:59 ID:hUypPlhB
――そうか…。ならば……眠るがいい――

その言葉を最後に、声は沈黙した。
ジャンガはため息を一つ吐く…、これで邪魔者は居ない。
…死んだんだったら、後は眠るだけだ。
「ハァ…、ようやく楽になれたな…」
言いながら彼は横になる。
もうこれで何も気にする事は無い…、騒がしい現実とはこれでお別れだ…。
「これで何もかも終わったゼ…」
そうして彼は目を閉じた――


「まだ終わってはいないよ…、ジャンガ君」


――聞き覚えのある声が聞こえてきた。
ジャンガは目を見開く。そこには見覚えのあった男の顔が在った。
「…驚く事じゃねェな、俺自身死んだみたいだしよ…」
そんな事を言いながらジャンガは立ち上がり、目の前の男を真っ直ぐに見据える。
「終わってないってのは…どう言う事だ?」
「言ったまでの意味だよ。…君はまだ死んではいない」
男の言葉にジャンガは、ハァ? と声を漏らす。
「この真っ暗ってのを軽く超えた暗闇……どう考えてもこの世じゃねェだろ?」
言いながら周囲を見渡す。星の一つも出ていない、正に新の闇だ。
「何より…、死んだテメェがいるのが何よりの証拠だ…、そうだろ? …”炎蛇”」

ジャンガは目の前の男=コルベールを見つめ返した。



「にしてもよ……死んだら川を渡るみたいな話を聞いた事があったがよ…」
改めて見回す。…川どころか、道の一つ……いや、地面すら見えない。
――そんな真っ暗闇の中でも、何故かコルベールの姿や自分の手などはハッキリと見えた。
まぁ…死んだのなら、それ位の事は不思議でも無いだろう…、とジャンガは納得する。
「直接地獄へ放り込まれたか…。それとも地獄の鬼にすら飽きられたか?
少なくとも極楽じゃねェのは確実だ、…行けるわけねェんだからよ。キキ、キ…」
ジャンガは自嘲気味に笑う。
「まァ…いいさ。地獄だろうとなかろうと、楽になれりゃさ…」
言いながら爪で頭を掻く。
そんなジャンガに向かってコルベールは口を開く。
「君は…それで本当にいいのかね?」
「…ウルセェ。お互い死んだんだ…、小言なんかもう意味は無ェんだよ…」
そこへコルベールではない者の声が聞こえてきた。
「いや、その人が言っただろう? 君はまだ死んではいないよ…、使い魔君」
その声にも聞き覚えがあったジャンガは振り返る。
そこには予想通りの人物――ウェールズが立っていた。
「テメェ…」
「以外だった――と言うよりは、居ては困ると言った感じだね」
「当然だ…、テメェにくたばってもらっちゃ困るんだよ」

――自分は手紙をジョーカーに奪われた。つまり、あのお姫様との約束を守れなかったのだ。
それではこちらの条件であるタバサの母親の身柄の安全が保障されない。
…折角安心できたと思ったら、死んだ矢先に問題が起こってしまった。
ジャンガは悔しそうに歯噛みする。そんな彼を見て、ウェールズは声を掛ける。
「安心したまえ。アンリエッタは君との約束を守ったよ」
「何?」
「私を命がけで助けた君に報いる為にね…、彼女らしいよ」
「…そうかよ」
ホッとした様な声でジャンガは呟く。
そしてウェールズを軽く睨み付けた。
320毒の爪の使い魔:2009/04/19(日) 21:13:17 ID:hUypPlhB
「だが、折角連れ出してやったってのによ…勝手にくたばってんじゃねェよ。
あの姫嬢ちゃん……テメェの事、可也好いている感じだったゼ? なのによ…」
「私は生きて再びアンリエッタに会えるなどとは考えていなかった…、勇敢に戦い…討ち死にするつもりだったからね。
結局…ワルド子爵に暗殺されてしまったがね…」
「好きな奴が目の前で死ぬなんてよ…、ショックはデカイゼ? トラウマにならなきゃいいけどよ…」
自分の経験をもとに感想を述べるジャンガ。その言葉にウェールズは笑う。
「だとしたら、それは私を勝手に連れ出した君にも責任が有るな」
「チッ…」
もっとも、とウェールズは続ける。
「彼女はそんなに弱くはないよ…」
「…そう願いたいもンだな?」
そこで一旦会話が途切れる。暫しの間を置き、ジャンガが口を開く。
「ところでよ…、さっきの言葉はどういう意味だ?」
「さっきの言葉?」
「”俺が死んでねェ”ってやつだよ」
ああ、とウェールズは納得する。
「言ったとおりだ…、君は死んでいない」
「どうしてそんな事が解るんだよ?」
答えようとウェールズが口を開こうとする。


「そりゃ解るさ。”死んでいる”んだからよ…」
「死者の事は死者が一番良く判る――という理屈だな」


反射的にジャンガは振り返り、大きく目を見開く。
聞こえてきた声――それは自分が良く知る、知りすぎた声だ。
そして、頭に思い浮かんだ顔がそこにあった。
「バッツ…、ガーレン…」
バッツは静かにジャンガに歩み寄る。
「こうして話すのも久しぶりだな…」
ジャンガは思わずバッツから目を逸らした。
――彼の顔を真っ直ぐ見る事はできない。彼が死んだのは自分が原因なのだから。
そんな彼の心の内を理解したのか、バッツは両肩に手を置く。
「そんなに気負う必要はないぞ。――”あれ”は不幸なすれ違いによる物だ…、俺にも責任が在る」
「だが…殺したのは俺だ。俺が…」
「あの時も言った、俺は恨んでいないと」
「バッツ…」
「ガンツの事も色々気を使わせたな…、すまない」
「…謝るなよ。当然の報いなんだからよ」
その言葉にバッツは微笑んだ。

ジャンガはガーレンに顔を向ける。
「まさかテメェもくたばってたとはな…、あのガキ共にやられたのかよ? ”ナハトの闇”はどうなった?」
しかし、ガーレンはジャンガの言葉に悩むかのように考え込む。
ジャンガが怪訝な表情をするとガーレンが口を開く。

「すまないが……君とは何処かで会った事があるのかね? ”ガーレン”とは我輩の名前か?」

言葉の意味がジャンガには一瞬理解できなかった。
「テメェ…、まさか記憶が?」
「うむ、恥ずかしながらな。…タルブという村へ着いた時には名前も何も覚えていなかった」
「そうかよ…」
「だが、正直記憶が無くとも充実した生活が送れた。あの村の住人には感謝している。
…その我輩の故郷とも呼べる村も…今は戦火に包まれている。…それが非常に悲しいな」
「どう言う事だ?」


「戦争だよ」
321毒の爪の使い魔:2009/04/19(日) 21:16:45 ID:hUypPlhB
また別の声が聞こえた。今度は年若い女の物だ。
声の方へ振り返る。想像通り、若い女がそこに立っていた。
日焼けした肌に鍛えられた身体をしており、革の胴着に綿でできているズボン、
獣の物らしい皮でできたブーツと言った出で立ちは貴族の物とは大分違った。
マントも羽織っていない所を見ると、実際貴族ではないのだろう。
その女の隣には一人の男が立っていた。
黒い上質のマントを羽織った男は年の頃四十ほどだろうか? だが顔は青年と呼んでも差し支えない瑞々しさがある。
その男の青い髪の色にジャンガは怪訝な表情を浮かべた。
(タバサ嬢ちゃんに似てるか?)
気のせいかとも思ったが、それにしては良く似た色だ。
と、女が口を開いた。
「何処かの貴族が戦争を始めたのさ。タルブって村はそのとばっちりを受けてるんだよ」
「テメェは誰だ?」
「ジル。しがない狩人さ」
「フン…。で、テメェは?」
男の方に顔を向ける。
「シャルル・オルレアン。オルレアン公の方が通りがいいかな?」
オルレアン公――いつだか、タバサの実家に行った時にその名は聞いた。タバサの父だ。
「…他人の空似じゃなかったわけだ、その髪は」
「娘が、シャルロットが大分世話になったようだね…ありがとう」
お礼を述べながらお辞儀をする。王族らしい、優雅な物だ。
「別に礼を言われる筋合いは無ェ…、俺は俺の好きな事をやっただけだ」
言いながらジャンガは周囲を見回す。もしかしたら”あいつ”もいるのでは? と思ったのだ。
だが、その姿は残念ながら見つからなかった。――いや…見つからなくて良かったかもしれない。
…今の自分に”あいつ”と話す資格は無い…、顔をあわせる事すら赦されない。
だから…いなくて良かったのだ――と、ジャンガは自分を納得させた。
――首を振り、頭を切り替える。

「で? 死人が大勢何の用だ…。焦らなくても直ぐにそっちへ行ってやるからよ」
しかし、ジャンガの言葉にコルベールは首を振る。
「君の迎えなどではないよ。先にも言ったが、君はまだ死んではいない」
「君が目を覚まそうとしないだけだ。君が目を覚ましたいと思えば、直ぐにでも目が覚める」
ウェールズの言葉にジャンガは舌打する。
「冗談言うな。俺はもう疲れたんだよ…、生きるのにな。苦痛でしかないしよ」
「あの子と同じような事を言うんだね、あんた」
ジルの声にジャンガは振り返る。
「あの子?」
「シャルロットの事だよ。あの子とはちょっとした縁があってね」
「フン…。で、あいつと同じ事ってのはどう言う意味だ?」
「言ったとおりさ。辛い事ばかりだから、何も考えていたくない…、生きていたくないってね。
理由を聞けば、親を殺された、自分は死ぬ事を前提で任務に出された、だから…って言ったよ」
「……」
「あたしに自分を殺してくれ…なんて事も言ったよ。勿論人殺しなんてごめんだから、断ったけどね。
まぁ…これで解ったろ? あんたはあの時のあの子と同じさ…。
辛いから…苦しいからって、現実から目をそむけて逃げようとしているんだよ」
ジャンガの顔が怒りに歪む。
「ウルセェ…、テメェ如きに俺やあいつの苦労なんかが解ってたまるかよ…。
知った風な口を聞きやがって…、偉ぶるんじゃねェよ…クソアマ」
「解るよ」
「あン?」
「あの子にも話したんだけどね…、あたしも家族を殺された。もっとも…相手は化け物だけどね。
あたしが家を留守にしている間に屋敷が壊されて、父も母も…妹も食い殺された」
ジャンガは静かにジルの言葉に耳を傾ける。
「それから三年……あたしは森に住む化け物を片っ端から殺していったよ。…どいつが仇かなんて解らないからね。
そして、あの子に会った。あたしと似たような境遇で、妹と年も近かったあの子に…あたしは親近感が湧いたよ。
同時に、その時のあの子の弱さと甘えに多少なりと呆れも感じたよ。
だってさ…あたしは家族がもう一人もいない、復讐を遂げても誰も喜んでくれないし、手に入る物も無い。
でもあの子は違う。父は死んだけど、母は心を狂わされただけで生きてる。なのに死にたいなんてね…身勝手だろ」
「…そいつは同感だ」
322名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 21:19:34 ID:BiZo9lBy
支援
323毒の爪の使い魔:2009/04/19(日) 21:20:06 ID:hUypPlhB
「そう言ったら、あの子は怒ったんだけどね」
ジルは小さくため息を吐く。
「だろうな。…俺も似たような事があったからよ」
以前、タバサの実家であった一軒をジャンガは思い返す。
「でもね…、あの子は根は強い方だったんだと思う。少し話をしたら決心したよ、戦う事…生きる事のね。
だから、あたしは狩の仕方を教えて、あの子にあたしなりに生きる事というのを教えた。
本当だったらこの森を出るまでは一緒にいてあげても良かったんだけどね…。
あたしの仇の化け物に出会って…戦って…、相打ちになっちゃったよ」
「それっきりか?」
「…まぁ、あたしの伝えたい事は全部伝えられたから、そんなに未練は無いけどね。
でも…あんたは違うだろ?」
「どう言う意味だ?」
怪訝な表情をするジャンガを見つめながら、ジルは言葉を続ける。
「あんたはまだ色々と未練や後悔があるだろ? それなのに自分が犯した罪の意識に耐えられなくて、
未練は無い、後悔は無い、悪党だから死んでも当然、と自分で自分を追い詰めているんだ。
…正直、そんなのは謝罪にもなんないね。自分に都合の良い様に物事を終わらせようとしているだけさ」
ジャンガは言葉に詰まった。
「卑怯だよ、そうやって逃げようとするのは。あそこまであの子を気遣ったのに、途中で放り出そう何てさ…」

「だがよ…」
ジャンガは言い難そうに口篭る。
それを見て、オルレアン公が口を開いた。
「君に娘の事をこれからも頼めるかな?」
「…一度その娘を殺しかけてるんだけどな、俺はよ」
「それも過ぎた事だろう? いつまでも過去の事を引き摺ったり、意地を張り続けるのはよくない。
…事実、ぼくも意地を張り続けた所為で、悲しい事になってしまったからね。
――ぼくも、もう少し素直になれていれば……兄さんともあんな事にはならなかっただろうし」
(なんだ?)
その言葉にジャンガは引っかかる物を感じた。
兄とはタバサの復讐の対象のジョゼフ王の事だったはずだ。
あんな事、悲しい事とはなんだろうか? 狩猟会の一件の事かもしれない。
だが、素直になれていれば…とはどう言う意味だ?
弟が意地を張り続けていた事がジョゼフによる謀殺に繋がった、というのはどう言う事だ?
だが、ジャンガはその疑問の答えが出せず、オルレアン公に尋ねた。
「どう言う意味だ、今の言葉は?」
しかし、オルレアン公は寂しげな表情を見せるだけだ。
「…何で答えねェ?」
「君に言ってもどうにもならないからさ…。これは、ぼくと兄さんの間の問題で…、
僕と兄さんとで解決しなければならなかったんだ。――もう無理だけどね」
「……」
「けど、君はまだ死んでいない。色々思う事はあるだろうけど……それもまだ解決できる」
「無責任な事を言うんじゃ――」
「そうかもしれない。でも、折角色々とやり直せるかもしれないんだ…、いや君はもう色々とやり直していると思う」

オルレアン公に続く形でガーレンが口を開く。
「我輩は過去の事を何も覚えていない。…だが、何か大きな事を……過ちを犯していたような気がする」
ジャンガは静かにガーレンに向き直る。
「その時の我輩が何を考えていたかは解らぬ。それが…罪だったのかどうかも解らぬ。
だが…何故だか、それを考えるとどうにも身体が震えるのだ。心も痛むような感じがする。
もしかすると…罪だったのかもしれない、思い出したくないが故に忘れてしまったのかもしれない。
…だとすれば、我輩は思った以上に自分勝手なのだろう。タルブの村などに住まわせてもらうなど叶わぬ事かもしれん。
だが、天の…始祖のお導きなのだろうか? 我輩はあの村に住まわせてもらった。
温かかった…。過去の我輩があのような温もりを知っていたかどうかは解らぬ…、だが…とても嬉しかった」
ジャンガは目の前の男が自分の知っている男と同一人物なのかを一瞬疑った。
まぁ無理も無い…、自己の目的の為に幼い少女すら躊躇わず利用していた男が、
記憶を無くしたとは言え、あまりにも善良な人間になっていたのだから。
そんな事とは知らないガーレンはジャンガへと向き直る。
324毒の爪の使い魔:2009/04/19(日) 21:23:34 ID:hUypPlhB
「ジャンガ君、だから我輩はこう思う。――過去に大罪を犯した者にも幸せになれる可能性はあるのだと。
無論…身勝手な考えなのは百も承知だ。だからと言って、罪を犯した者には一切の慈悲も無い……などと誰が言える?
それを言えば、世に生きる者の殆どには幸せになる権利など無い事になる。…罪を犯す事など珍しい事ではないからな。
ゆえに…我輩は思うのだ、幸せになる権利は誰にでも等しく有ると」
「……」
ジャンガは何も言えなかった。

「ジャンガ君」
コルベールの言葉にジャンガは顔を向ける。
「生きる事は確かに辛い…、挫けそうになる事もあるだろう。だが、それでも前に進むのを諦めないでほしい。
生きる事は辛いが……同時にとても素晴らしく、楽しい事だと私は思っている」
「素晴らしく、楽しい?」
「そうだとも。自分が為すべき事を見つけ、それを実現しようと努力する。実に楽しい事じゃないか。
そして、生きているからこそ新しい発見がある。人との出会いや別れもそれだ。
私も二十年教師を務めて様々な生徒と出会い、その旅立ちを見送ったものだ。
毎日研究室にこもっては、『火』の有効的な利用方法を考えてきた。
生徒達の理解を殆ど得られなかったのは残念だったが、それでも…充実した日々だった。
…それら楽しく素晴らしい日々を送る事を、私はもうできない」
「…すまねェ」
帽子を押し下げ、顔を隠しながらジャンガは謝罪する。
コルベールは優しげな笑みを浮かべる。
「顔を上げたまえジャンガ君。…私は恨んでなどいない。
寧ろ、あの時の私の言葉を聞いて、真っ直ぐに道を歩んでくれた事を嬉しく思っているのだよ」
「お前…」
「ジャンガ君、繰り返すが私は恨んではいない。だが…そのすまないという気持ちがあるのならば、生きてほしい。
生きている限り…、生きる事ができる限り…、生きてほしい。命を大切にしてほしい。それだけが…私の願いだ」
その言葉を聞きながら、ジャンガは内心呆れていた。
――こいつは本当にとことんまで甘く、そして優しい奴だ。
自分を殺した…人生を奪った相手に対してここまで気遣える台詞が言えるのだから。
(まったく……どいつもこいつも、お人好しな奴ばかりだゼ…)
ジャンガはため息を吐いた。――直後、コルベール達の姿が消え始めた。



「な、お前等!? 何処に行く気だ!?」
慌てたジャンガは叫ぶ。
コルベールが口を開く。
「どうやら時間のようだ。だが、丁度良かったかもしれない」
「おい、待てよ!?」
ジャンガは手を伸ばした。

バッツが笑う。
「ジャンガ、お前と過ごした日々は楽しかったぜ」

ウェールズが笑う。
「アンリエッタと最後に会えたのは君のお陰だ。ありがとう」

ジルが笑う。
「目が覚めたらすぐにあの子のところに行ってあげなよ。ああ見えて寂しがりやだからね」

ガーレンが笑う。
「我輩に言えた義理は無いかもしれんが……我輩の故郷とも言えるタルブと曾孫を頼む」

オルレアン公が寂しげに笑う。
「ぼくの娘の事も頼むよ。――できれば、兄さんの事も…」

最後にコルベールが笑った。
「生きていれば、楽しい事や素晴らしい事はある。辛い事にめげないでくれ…ジャンガ君」
325名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 21:25:04 ID:prpU2gMp
勝手と言うか無責任な連中だなぁ支援
326名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 21:26:46 ID:iP/Yh4Cx
隊長が笑う。
「すまなかったな、許してくれ」
327毒の爪の使い魔:2009/04/19(日) 21:28:23 ID:hUypPlhB
――全員が消えた。
そして、ジャンガは一人になった。


暫しジャンガは呆然とその場に立ち尽くした。
「勝手な奴ばかりだゼ…、こんな…どうしようもねェ野郎に好き放題言って…勝手に消えちまうんだからよ」
そうして考える。――この場に居なかった”あいつ”がもし居たら……なんと言っていただろうと。
「…考えるまでもないか」
あのお人好しである…、にべも無く「生きてくれ」というはずだ。…あの時だって、最後まで自分を気遣っていたのだから。
まったく……揃いも揃ってお人好しばかりである。
こうなったら意地でも生きなければ格好がつかない。
「いいじゃねェか…、やってやろうじゃねェか…、この異世界に俺の名を轟かせてやろうじゃねェか。
”毒の爪のジャンガ”様、此処にあり…ってな!」

その瞬間、ジャンガの視界を明るい輝きが覆った。



「お?」
デルフリンガーは思わず声を漏らした。
ベッドの上で何かが動く気配があったからだ。
それが何かは考えるまでも無い。
「よぉ…随分とごゆっくりだったな、相棒?」
ベッドの上のジャンガはニヤリと笑った。
「少し寝坊した」
「少しじゃねぇよ…。相棒が眠ってる間に色々あって、大変だったんだぜ? …もっとも今も大変だがよ」
「戦争だろ」
ジャンガの言葉にデルフリンガーは驚く。
「こりゃおでれーた!? 相棒、何でその事知ってるんだ!?」
しかしジャンガは答えない。爪の上に何かを乗せて、それを興味深そうに見ている。
それが何かを知り、デルフリンガーは答えた。
「ああ、それはあの貴族の娘っ子が持ってきたんだ。メイドの娘っ子がお守り代わりって渡したんだとよ」
「シエスタ嬢ちゃんか…」
ジャンガは暫しそれを眺めていたが、やがてベッドから立ち上がる。
コートを羽織り、帽子を被り、懐に手にしていた物や銃を入れる。
そして、最後にデルフリンガーを手にした。
デルフリンガーはそんなジャンガに声を掛ける。
「行くのかい?」
「当然だ」
「まるで正義の味方だな、相棒?」
その言葉にジャンガはニヤリと笑う。



「正義の味方? そんなんじゃねェ。…玩具箱の掃除をするだけだ」



――タルブの村郊外の草原――

「のほほほほ!」
高らかな笑い声と共にジョーカーの腕が”伸びた”。
凄まじい速度で伸びる腕の切っ先は槍の様な鋭さを宿し、目標を――タバサの身体を串刺しにした。
その腕を元の長さに戻し、串刺しにした少女を見つめる。
その少女の身体は暫くして崩れる砂の城のようにして消えてしまった。
しかし、ジョーカーは然程驚きを見せなかった。
「ふむ……ハズレでしたか」
『おやおや、残念だったね?』
328毒の爪の使い魔:2009/04/19(日) 21:33:50 ID:hUypPlhB
隣から聞こえた声にジョーカーは顔を向ける。
漆黒の鎧を纏った、二十メイルは超そうかと言う巨体のゴーレムが立っている。
レキシントン号の船底に吊り下げられていた物体の正体がこれだ。
ジョゼフがエルフと取引し、その技術…即ち”先住の力”を用いて完成させた代物。
故に、そんじょそこらのゴーレムとは訳が違う。名は”ヨルムンガント”と言った。
そのヨルムンガントの持つ、これまた巨大な剣の切っ先にも串刺しにされた少女の姿が在った。
だが、それも暫くして同じように消えてしまった。
それを見てジョーカーは笑う。
「貴方の方のもハズレでしたね〜?」
『ふん、別に構わないわ。さしたる問題も無いのだからね』
ヨルムンガントの口を通してシェフィールドが言う。
そのまま、ヨルムンガントは目の前に向き直る。
ジョーカーも前方に向き直った。
そこにはつい今し方、串刺しにしたはずのタバサの姿が在った。

タバサは杖を構え、ルーンを唱える。
「ユビキタス・デル・ウィンデ……」
呪文の完成と同時にタバサの姿が揺らぎ、三人に分身する。
『ユビキタス<遍在>』…アルビオンでワルドが使用していた風のスクウェアスペルだが、
武者修行でタバサもそれを習得していた。
もっとも、まだ覚えたてであるがゆえに、遠くにまでは送れず、更にその数も一度に二体までが限界だ。
だが、それでも戦いには十分なはずだった。…しかし現実は無常だ。
ビーストジョーカーへと変身したジョーカーの力を見て、タバサはこの遍在をすぐさま使用した。
だが、ジョーカーの力は異様なほどに強く、遍在を含めた三人がかりでも苦戦。
そこへあの”ヨルムンガント”と呼ばれるゴーレムだ。
ゴーレムとは思えない尋常ならざる動き、その巨体に合った巨大な剣や投げナイフなどは脅威以外の何者でもない。
おまけに、その鎧にはあのエルフが使用していた先住魔法と同じ物が掛けられているようであり、
自分の魔法はその事如くが跳ね返されてしまった。
パワー等は下回っているが、攻撃が通じない分、ビーストジョーカーよりも始末が悪い。
更に悪い事に、キュルケ達は共に現れたフーケの操るゴーレムや生き残りのジャンガのスキルニルに阻まれ、
此方への援護も出来ない状態だ。
完全なる孤立状態……かなり不味い状況だ。
だが…と、タバサは思い直す。
「ここで引く事なんてできない…、負ける事も…」
そう…自分は負けられない、負けてはならないのだ。
アルビオンでの戦いでは自分は彼を守れず、逆に迷惑を掛けてしまった。
今、ベッドの上で眠っている彼に報いる為にも…自分はもう負けられないのだ。
勝つ…、例えどんな相手であろうと…必ず勝つ!

タバサと遍在は杖を構え、ルーンを唱える。
竜巻が巻き起こり、前方へと飛ぶ。三つの竜巻は途中で混ざり合い、巨大な竜巻となって前方の敵に襲い掛かった。
「フン!」
ジョーカーは無造作に腕を竜巻目掛けて振り下ろす。
それだけで竜巻は霧散した。しかし、タバサは怯まない。
素早い動きでジョーカーとヨルムンガントに突撃する。
ジョーカーが再度腕を振り下ろし、ヨルムンガントも大剣を振り下ろす。
二つの衝撃に地面が砕け、粉塵が舞う。
タバサと遍在は呪文と体術を駆使し、攻撃を避ける。
同時にウィンディ・アイシクルを放つ。数を減らす事を考え、目標をジョーカーに絞った。
無数の氷の矢が飛び、ジョーカーの腕や身体に突き刺さる。
だが、ジョーカーの笑みは崩れない。
「蜂が刺したようにも、蚊が刺したようにも感じませんネ〜♪」
身体を高速で回転させる。突き刺さった氷の矢が遠心力で外れ、四方八方に飛び散る。
その氷の矢をタバサと遍在は避け切れない。次々に氷の矢が体中を傷つけていく。
ボロボロになった三人のタバサのうち、遍在の二人が消える。
残った本物のタバサは地面に膝を付き、苦しそうに呼吸を繰り返す。
息をするだけで苦しい…、立ち上がろうにも力が入らない。…もう身体は限界なのかもしれない。
体中の傷から血が滴り、地面に赤い泉を作っていく。
329名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 21:37:08 ID:3oa8Dabc
支援
330毒の爪の使い魔:2009/04/19(日) 21:37:47 ID:hUypPlhB
「のほほ、どうやらもう限界のようですネェ〜。まぁ、よく頑張った方でしょう」
ジョーカーの場の雰囲気にそぐわない、暢気な声が聞こえてくる。
タバサは顔を上げ、ジョーカーを睨み付ける。
それが可笑しかったのか、更に笑みを濃くする。
「悔しいですか? 遠慮なさらずにもっと悔しがってください。のほほ」

そう言われたタバサは心の底から悔しく思った。
折角強くなってきたのに、負けないと誓ったのに、自分は歯牙にもかけられていない。
これでは…あのエルフと対峙した時と何も変わっていないではないか?
タバサの様子にジョーカーはさも満足そうに笑う。
「のほほほほ、いいですネ〜最高の気分です。あとは貴方達を始末して、トリステインを火の海にする。
それで万事解決です。…ジャンガちゃんもきっと悪夢から覚めるでしょう」
ジョーカーの言葉にタバサは怪訝な表情をする。
「悪夢…?」
「ええそうです。ジャンガちゃんはこのトリステインという国……いえ、貴方達に毒されているのです。
それで悪夢を見ているのですよ…ジャンガちゃんは。そうでもなければあんな風にひ弱にはなりません」
「ジャンガは弱くなったんじゃない…、気が付いて…思い出しただけ」
「気が付いた? 思い出した? 何ですかそれは? そっちの勝手な思い込みでジャンガちゃんを惑わせないでください。
正直、迷惑以外の何者でもありません。ジャンガちゃんに優しさなどは不要なのですよ!」
「それは本当のジャンガを知らないだけ。勝手な思い込みをしているのはあなたの方」
「ワタクシがジャンガちゃんの事を知らないとでも言うのですか!? これ以上無い侮辱です!」
ジョーカーは憤慨し、怒りに顔を歪める。だが、それでも何とか理性が感情の暴走を押し止めていた。
しかし、タバサの口から決定的な一言が漏れた。

「ジャンガを侮辱しているのはあなた」

「何ですと?」
ピクリとジョーカーは反応を示す。
タバサは言葉を続ける。
「彼を都合良く利用しているあなたの方が、よっぽど彼を侮辱している。
彼は誰かの道具じゃない。彼は彼。その自由を奪い、本当の彼を知ろうともしないあなたに、
彼の事を気遣ったり、友人でいる資格は無い」
ジョーカーの思考は完全に停止していた。

利用した?

ジャンガを?

何時?

誰が?

どのように?

…自分がか?

そこまで考えた瞬間、ジョーカーの中で何かが”切れた”。



「だぁぁぁぁぁまぁぁぁぁぁれぇぇぇぇぇぇーーーーーーー!!!!」



轟音が響き渡る。
ジョーカーの振り下ろした腕がタバサを打ち据え、地面を砕いたのだ。
その一撃にタバサは全身の骨が砕けるような感覚に襲われる。
331名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 21:38:06 ID:3oa8Dabc
支援
332毒の爪の使い魔 代理マン:2009/04/19(日) 21:45:55 ID:qDh93/A6
だが、ジョーカーの猛攻は止まらない。
何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、地面を両の腕で打ち据える。
断続的に土煙が上がり、もはやそこで何が起こっているのか確認する事が出来ないほどだった。

その様子は当然キュルケ達も見ていた。
「タバサ!?」
キュルケが友人のピンチに駆け出そうとする。
だが、回り込んだスキルニルに蹴り飛ばされた。
「あうっ…」
「キュルケ!?」
ルイズが声を掛けるが、キュルケの耳には届いていなかった。
「た、タバサ…」

地面を打ち据えながらジョーカーはタバサへの怒りを頭の中で反芻していた。
――自分がジャンガを利用している? あまつさえ、道具扱いしているだと?
何も知らない小娘が…好き勝手な事を言う! 自分はジャンガを道具扱いした事などただの一度も無い。
そう、平民や使い魔をそのように扱うメイジ達などとは違うのだ。
あの日、自分は路地の裏で生活するジャンガと出会った。
彼の中の狂気や残忍さに自分は心底惚れ込んだ。
それは素直な感情だった…、愛情ともとれるほど純粋な…。
彼との付き合いだって中々に良かった。趣味の違いは多少あれど、それは些細な事だと笑って言えるほど。
自分と彼は巡り会うべくして出会った――そう思えるほどに非常に気が合い、仲良く過ごせた。

…それを、たかだか十年そこらを生きただけの…ジャンガと数ヶ月過ごしただけの小娘が否定したのだ。

――赦せない…、断じて赦せない…、どうあっても赦せない!
殺してやる…、殺してやる…、殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!!

そんな感情を発散させるが如く、ジョーカーは腕を振るい、地面を何度も何度も叩いた。



暫くし、ジョーカーは腕を止めた。
ハァハァと荒く呼吸を繰り返す。
呼吸を整え、ジョーカーはちょっとしたクレーターになった目の前の穴に腕を伸ばす。
穴からタバサを引き上げ、地面の上に無造作に投げ捨てる。
その姿を見てキュルケもルイズもギーシュも、言葉を失った。
…見るも無残にボロボロだった。腕や足はあらぬ方向へ曲がり、一目で骨が折れている事が解る。
身体は血塗れで、真っ白だったシャツは最早鮮血で真っ赤に染まっていた。
どうみても生きているような状態には見えない。…だが、その胸は僅かに動いていた。
生きている…、そう生きているのだ。あれで生きているとは…奇跡と言える。
「別に奇跡とかではないですよ?」
キュルケ達は一斉に顔を向ける。
ジョーカーはニヤリと笑い、腕を伸ばして何かを指し示す。
そこには青い色をした杖を持った幻獣が居た。
その幻獣にギーシュは見覚えがあった。…そう、確か魔法学院で見かけた。
だが、あれとは身体の色や形状が異なっている。
「この子達はハートマギと言いまして、並みのメイジよりも強力な癒しの力を持っています。
まぁ…簡単に言えば、この子達が癒しの魔法を掛けていたからシャルロットさんは死ななかったのですよ。
理由? それは勿論”簡単に死んでもらいたくなかったから”ですよ。
ワタクシのジャンガちゃんへの思いを侮辱してくれたのですからね…、
それ相応の苦しみを味わってもらわなければいけませんから」
その言葉にキュルケ達は愕然とした。
死ぬかもしれない攻撃を受け、しかし死なないようにその身を保護する。
そして死ぬかもしれない恐怖と苦しみを味あわせ続ける……なんと言う残酷なやり方だ。
これならば、一思いに相手を殺す奴の方が余程慈悲深く思える。
333毒の爪の使い魔 代理マン:2009/04/19(日) 21:46:56 ID:qDh93/A6
ジョーカーはタバサを見つめる。
その目は何処までも虚ろだ。
呼吸はしているが精気という物が感じられない。…既に精神が砕けているのだろうか?
早すぎる…、ジョーカーはそう思った。まだまだ自分が感じた屈辱と苦しみはこれ位ではない。
もっともっと味わってもらわねばならないのだ。
…だが心が壊れてはどうしようもない、それを直すのは自分でも無理というものだ。
「仕方ありませんね。…まぁ、あとはトリステインを灰に変える事で紛らわさせてもらいましょう」
ジョーカーは両腕を掲げる。その伸ばした両腕の先端の間に、小さな火球が出現した。
火球は瞬く間に大きくなり、家ほどの大きさに成長した。
その火球が持つ熱量はどれほどのものだろうか?

ジョーカーが突然生み出した火球の凄まじさにキュルケ達は呆然となる。
だが、キュルケはその火球の行き先を理解し、我を忘れて叫んだ。
「あなた、止めなさいよ!? それをタバサにぶつけてみなさいよ!? あなたもただじゃすまさないわよ!?」
ジョーカーが顔を向ける。そしてニヤリと笑う。
そうしてタバサに視線を戻す。空に飛び上がり、腕を大きく振りかぶり…振り下ろした。
キュルケは目を見開いた。

タバサは何も感じなかった。
目の前でジョーカーが生み出した火球……おそらくは膨大な熱量を持っているだろうそれは、しかし何の熱さも感じない。
いや…自分の身体が壊れているだけなのだろう。事実、腕や足が不自然に折れ曲がっているのに痛みを感じないのだ。
身体は動かない。指先一つ動かせない。もはや、何もできない。
すると、ジョーカーが飛び上がる。
大きく腕を振りかぶり、振り下ろした。すると、巨大な火球が自分目掛けて降り注いできた。
火球が降り注ぐ事はどう考えても一瞬のはずなのだが、タバサにはやけに遅く感じられた。
それでも火球は徐々に自分に迫る。
赤い、紅い、太陽のような火の玉が自分に迫る。
それは膨大な熱量で持ってして、自分の身体を瞬く間に炭化させるだろう。いや…悪ければ灰すら残らないかもしれない。
それほどの炎の塊が迫って来ているにも拘らず、タバサはこれ以上無い位に落ち着いていた。
かつてキメラに襲われた際に死を覚悟したが、取り乱していたあの時とは違った。
生きているのが不思議なくらいな大怪我を負っているからなのだろうか?
解らない…、だがそんな事は考えても仕方ないだろう。理由が解っても別にどうでもいいのだから。
ああ…そんな事を考えているうちに、手を伸ばせば届きそうなくらい近くにまで火球が迫ってきている。
それをタバサは静かに見つめていた。
この際、どうあがいても無駄なのは解りきっていた。
でも……できれば、最後に彼に会いたかった――そんな事をタバサは思った。
巨大な火球が眼前に迫った。

――直後、タバサの視界を闇が覆った。



草原に小さな太陽が生まれた。――そう表現するしかなかった。
それほどまでに火球の威力は凄まじかった。
キュルケは呆然とそれを見つめ、そして膝を付いた。
「タバサ……そんな…」
呆然と呟くキュルケの耳にジョーカーの笑い声が響いた。
「のほほ…のほ、のほ……キシシ…」

それはとても楽しそうで…、とても嬉しそうな――

「キシシシシシシシ、キーーーシシシシシシ!!!」



――狂った笑い声だった。
334毒の爪の使い魔 代理マン:2009/04/19(日) 21:47:59 ID:qDh93/A6
以上で投下終了です。

まぁ何と言うか、今後の展開の為にもジルとオルレアン公と話をさせておきたかったので。
ま、とりあえずジャンガは復活です。それだけは確実。

で、ジョーカーはかなり怖くなってますね…(汗)
いえ…タバサの時もそうでしたが、やっぱり自分の大切な物を侮辱されたり傷付けられるのは怒りますよね〜的な物でして。
まぁ、ジョーカーは自分的にはこう思ってるんだろうと考えて書きました。
う〜ん…ジャンガとジョーカーは自分的にはデモンベインのカリグラ&クラウディウスをイメージしてたんですがね、
最近スパロボZをプレイしまくっていた結果…レーベン&シュランも頭に浮かんできてしまうな…(苦笑)
考えてみれば性格も武器なんかも似通ってるしな…。
あと、ジョーカーの火球攻撃は特にガイアフォースなどは意識してません(爆)

で、ヨルムンガントが今回かなり空気に…。
いや、最初のプロットではアニメ第一期の流れで終わる予定だったんで、その時点ではヨルムンガントはラスボスの扱いでした。
でも、15巻を読んでそれ以降の構想もできてしまい、色々と弄くった結果、現在の形になったと…。
まぁ…ヨルムンガントもちゃんとおいおい活躍(?)させますんで、どうぞよろしく。

とまぁ…色々ありますが、がんばって続けます。
支援ありがとうございます。では、また次回、ア〜ディオ〜ス♪
335毒の爪の使い魔 代理マン:2009/04/19(日) 21:49:10 ID:qDh93/A6
作者さん乙

というわけで、>>334で投下終了だ。
大事なことだけど、一回しか言いません。
336名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 21:49:49 ID:prpU2gMp
337名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 22:23:36 ID:7fzSZ2rG
338名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 23:03:18 ID:IfTeoUBN
339名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 23:49:10 ID:Q3lAYVSk
>>338
即あぼーん
340名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 00:04:08 ID:C0jTjrYI
最近ここに流れ着いたものだがバトルメックの続きが読みたいわぁ。
341名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 00:31:45 ID:o4Skq4L7
なら俺は豆粒の続きが(ry
342名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 00:35:40 ID:VN0l/tKv
じゃあ俺ぜろろ
343名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 00:38:45 ID:6rDP1gRO
続きは応援スレで
雑談で流れるここより作者の目に付きやすいはず
344名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 00:56:48 ID:i7i31qVe
誘導するのもいいけど、雑談するのを阻害するようなのは| ゚Д゚| ノ イカガナモノカ
345名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 00:59:00 ID:Vl9WuFSm
投下とか作品の感想とかはともかく雑談は切れても良いだろ別に
346名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 00:59:57 ID:KW272WPt
雑談と応援は違うからなあw
でも、羅列するだけなら応援で良いよなw
347名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 01:00:24 ID:burqi0ZW
仕方がないから>>348が流れを変えるようなネタ提供してくれるってさ
348名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 01:13:04 ID:sqh7aHEI
考えるネタなんてねーたっら
349名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 01:13:32 ID:rkHQj87V
>>348
君には失望した。
350名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 01:23:48 ID:ENKJxkQ3
ジャンガの人乙でした
これまた続きが気になる内容だわ
351名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 01:57:33 ID:bIZ56n5y
ヤンデレ乙ー

冥途の会話は正直「えーw」だがアリだ!
352名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 04:15:19 ID:skL+oivi
毒の爪の方&代理の方、乙です!

死者達、ジャンガに好き放題言ってますね〜
本当に枕元に立ったのか、はたまた夢だったのか…
どちらにしてもジャンガには重みのある話だったようですが
それにしてもコルベ−ルはやっぱり死んでたのか…

キレたジョーカーにサンドバックにされるタバサ
作者さんはきっとSに違いない!w
遍在を覚えたとはいえ相手が悪すぎたかな、こりゃ
ボコボコにされたタバサをジャンガが見たら、今度はジャンガがブチキレそうだ
それにしてもタバサがヒロインやってるなぁ…w

いいとこで切れてるぶん次回がすごく楽しみだ!
353名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 06:53:01 ID:NxmzMSOn
>>340
バトルテック&メックウォーリア?

バトテは近所のドクタージーカンズにあったけどついぞ行かなかったな。キューザーばっかやってた。
354名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 08:33:41 ID:3Ba6cLUk
お、おまいらもっ、もち、もちつけ!
ところで久々に休みが取れたのでリハビリがてら暖めてる奴から小ネタで一本書こうと思うのですが、タイトルだけで選ぶとしたらどれが面白そうでしょうか?
「好きなの書け」勘弁な! いつもさんざ迷うタイトルを決める練習も兼ねておりますので……
以下、候補

@DEATH ZERO 外伝 -その罪、地獄より-
クロス先:デスゼロ

Aわがまま姫は石竜と眠る
クロス先:SuccubusQuest外伝 

Bアルビオン大陸でレコン・キスタに宣戦布告しました
クロス先:FANTSY EARTH ZERO

Cハルケギニアの宇宙少年
地球防衛企業ダイ・ガード

D彼女の嘆き、翼の祈り
灰羽連盟


――とここまで書いて、5つのうち3つは避難所向けだったことを思い出したわ。
駄目すぎだろう俺。
355名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 08:41:51 ID:5Pe6BW7e
マクロスフロンティアがいいな俺
356名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 08:43:18 ID:dnW6YuyI
俺はマクロスプラスがいいな
357名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 08:55:28 ID:9lyszQtP
じゃあ4.5のジバクくんで。
358名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 08:56:45 ID:C0jTjrYI
シエスタを傍らにしたサイトに
君には虚無があるじゃないか、とか言われるルイズですね分かります。
359名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 08:57:55 ID:bIZ56n5y
辛うじて知ってる元ネタがCだけだからなぁ
すまんが「好きなの書け」としか言えんw

どうしても困るならサイコロかアミダで決めれ
360名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 09:00:36 ID:bIZ56n5y
……ってタイトル判断か。
AとCで迷うところだが、ハナ差でCかな
361名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 09:19:16 ID:QIAWZ82h
395:名無しさん
09/04/19(日) 18:38:12 ID:6j/3CtFQ
ブラムドのやつのクソっぷりに吐き気がした
全然竜じゃねぇじゃん人間に返信てなんだよ
作者はとっとと市ね
362名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 09:32:49 ID:fuR1BP+2
申し訳ないのですがダイ・ガード以外知らないのでナンとも言えんません

そういえば整備不要ロボの話出たときにラーゼフォン取り上げられた事無いな
(あったらすまない)

朝比奈さん役は・・・・・・・シエスタ?それともアンリエッタ?
363名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 10:24:24 ID:6M3qtits
ムッ
364名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 10:25:34 ID:6M3qtits
誤爆スンマセン
365名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 10:38:19 ID:nQowC7Ve
>354
D<(全部)書け
354<か・・・書けといわれてもこの量では書けません・・・
D<住民が期待しているではないか・・・(全部)書け
354<全部〜?私が倒れてしまいますよォォォ
D<関係ない (全部)書け

とかなりかねんから多数を提示するのは止めた方がいいw
366名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 12:18:35 ID:FRgA9/16
>>354
B希望
出てくるのは皇帝だろうか?おっぱいだろうか?獣王だろうか?幼女か?もしや若本?
367名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 12:26:57 ID:HLTxAvvS
前スレでパタポンの人来てたのか。
なんかこう、すげー和んで好きなんだパタポン。
368名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 14:13:16 ID:GDcqkMmN
ジョーカーの笑い方がのほほからキシシになったことは意味があるんだろうか。

「1」ではキシシ笑いだったんだよなぁ
369名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 14:46:29 ID:KW272WPt
>>354
小ネタってことなら、Bに期待。

ふと思ったんだけど、タイトルだけで判断させたいのなら、
元ネタ晒さない方が良かったんじゃね?
370名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 15:56:46 ID:zuqKvTlz
書く書くとかいってどうせ書きゃしないだろjk
371名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 16:02:18 ID:Z2myLCT2
この手の奴って書かないだけならともかく
他の人が同ネタ投下したらギャーギャー言いそうで怖い
372名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 16:09:03 ID:K8NS/izc
最近毒吐きから出張してくる奴が多いな
373名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 16:18:04 ID:+RBAVwHu
新学期だからな、粋がりたいんでしょ
374名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 16:37:40 ID:KW272WPt
粋じゃねぇにも程があらぁ
375354:2009/04/20(月) 16:43:05 ID:3Ba6cLUk
A1票
C2票
B2票
か、把握したので書いてきます。
明日の深夜帯までには投下できるように頑張るわ
376名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 17:53:14 ID:Z6tYJ9zp
ゼフォンは勝手に再生するね(ネリヤ神殿に入れとかないとダメという設定はあるが)
377名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 18:41:13 ID:/cO9qgku
短編っぽいの投下します。
ネタはすぐばれるから今は書きません。
18:50より〜
378名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 18:52:37 ID:/cO9qgku
 爆発。
 いつもより広範囲に渡り、派手に被害を撒き散らす。しかし、それを起こした当の本人は何等の害を被った気配がない。
「けほっ」
 咳を一つ、煙を吐き出すと、爆煙の中に何かの気配が在ることに気付く。
 風が吹き、煙が晴れると……
「私は、神だ」
 黒い長いスパッツをはいた上半身裸の男。格好といい言動といい、変態だ。
「ゼロのルイズが、へ、変態を喚び出したーッ!」
「流石ルイズ! 俺達に出来ないことを平然とやってのけるーッ!」
 電波を受信した生徒達が騒がしいが、ルイズと呼ばれた少女には聞こえていない。力無く膝を突き、へたりこむ。
「そんな……召喚したのが……変態だなんて」
 しかし、自称『神』はその変態コールに機嫌を悪くしたのか、無表情ながら静かな怒りを漂わせる。
「神に変態とは、随分無礼な人間だ。よって汝らに罰を与えよう……全ての神よ、そして全ての生命よ、彼等に相応の罰を与えよ────」
 途端、苦しみだすもの、腹を押さえて叫ぶもの、頭髪が薄くなるもの、等々、一瞬で地獄絵図に変わる広場。
 と、その中の一人がゴロゴロと『神』の前に転がってゆく。見慣れない顔だったが、今の彼等にはそれを気にする余裕はない。
「ぐわあああ! 腹がァァァッー!」
 じたばたと腹を押さえてもがく男。しかし次の瞬間。
「私だ」
 服が消え去り、『神』と同じ様な格好で妙なポーズをとって立っていた。頭に変な輪っかを着けていた。
「お前だったのか」
「また騙されたな」
「全く気付かなかった」
「なかなか苦しかったぞ」
「すまないとは思っている」
「すまないとは思っている、じゃなーい!」
 ボム、と、爆発が『神』と誰かを襲う。召喚者、ルイズの攻撃だ。
「神に喧嘩を売るとは、どこまでも楽しい娘だ」
「おいメンフェンティス。それは死亡フラグだ。チェーンソーでバラバラにされてしまうぞ」
「うっかりしていた」
「しっかりしてくれ」
「すまないとは思っている」
 シュールだが、そのやり取りはルイズを苛つかせた。
「あーもう!」
 その力はこの場で確認できた。やたらと腹立たしい以外は申し分無い使い魔だ。神であるかはどうかとして。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン、彼の者に祝福を与え、我が使い魔と成せッ!」
 メンフェンティスと呼ばれた男に突進する。
「む? むう」
 不意討ちでキスをされた。
「これは使い魔の契約か」
「そのようだ。神を使い魔にしようとするとは、どこまでも楽しい娘だ」
「おいメンフィス。それは死亡フラグだ。チェーンソーでバラバラにされてしまうぞ」
「うっかりしていた」
「しっかりしてくれ」
「暇をもてあました」
「神々と」
「ツンデレ娘の」
『戯れ』
 低い声で唱和する、それはなかなか無気味だった。
「戯れ、じゃなーい!」
379名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 18:54:57 ID:/cO9qgku
モンスターエンジンのネタ、『暇を持て余した神々の遊び』よりメンフェンティスを召還です。
タイトルは『暇をもてあました神々とツンデレ娘の戯れ』です。
380名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 19:14:12 ID:QkRDd2lx
芸人のコントに組み込んだだけじゃん
381名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 19:26:07 ID:76Q1Ahb1
男の娘成分と百合成分が足りない……
という自分が何か作品を書こうと思いますが、何が宜しかろうと思われますか。
あとロリが好きです。
382名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 19:28:45 ID:sqh7aHEI
かしまし?


見たことないが…
383名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 19:32:44 ID:JmAB0qqb
書きたいものを(ry
384名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 19:33:06 ID:Z1ZpgegO
>>381
シスプリの衛
P4の直斗

他にも脳内から引き出せそうだが
引き出しの立て付けが悪くて出てこない・・・
385名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 19:35:06 ID:psR0/ixm
アキカンとかよくね?
386名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 19:36:36 ID:lblv98ov
ヤミと帽子と本の旅人の葉月とか
387名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 19:38:52 ID:ATuzwTLN
>>381
オトメクライシスのローリエで
アンアンを攫ってハルケギニア中を逃げ回るローリエと
それをハルケギニア中を追い掛け回すルイズ
途中、恋が芽生えたりする
388名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 19:41:04 ID:+qJQ6lzt
タバサが大好きな変態レズルイズが神龍を償還してタバサを男の娘にしてしまえばいいよ
389名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 19:41:20 ID:+340YBNY
性別が反転した世界のキン肉マンとか
390名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 19:42:55 ID:O/0Tw1E7
ティルズのアビスからイオン導師召喚ぐらいしか出てこない
391名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 19:44:06 ID:ioX5kXw8
>>381
テニプリの石田銀や手塚部長、氷帝の跡部、デビル赤井、立海の真田

さあ選べ
392名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 19:44:56 ID:vHN9qB0Z
>>377
なんですぐわかるのに元ネタ書かないの?
393名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 19:46:57 ID:pAegdmyx
>>377「書いてぞ!元ネタは秘密だぞ!wktk」

>>392
そっとしといてやれよ
394名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 19:48:34 ID:vHN9qB0Z
>>393
触るのか放っておくのかどっちだよ
395名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 19:53:27 ID:k1aV9my0
>>392
お前…
396名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 20:08:47 ID:75bm9yyD
>>394
「そっとしといてやれよ」ってのは、本人も今頃は「枕に顔を突っ込んで叫びながら足をバタバタさせてる」だろうから、
突っ込みを入れるのは止めてやれよwってことで、嘘でも良いからwktkとか言ってやるのは別なんじゃね?
397名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 20:27:06 ID:RhDbLxpH
百合か…
藤枝雅作品から神様とか巫女とか魔女とか姫とか喫茶店のマスターを呼べばいいと思われ。
ただ、オリジナル展開が避けられないから難易度は高いけどね。
398名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 20:28:26 ID:/cO9qgku
私は……何を血迷って……こんなものを……書いてしまったのだ?
399名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 20:31:55 ID:AO+JGIkR
自虐ネタつまんね
400名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 20:35:14 ID:No5r2pPp
藤枝雅作品からなら『ことのはの巫女とことだまの魔女』か『いおの様ファナティクス』が比較的マシかもしれな
…無理か!
401名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 20:37:10 ID:Z1ZpgegO
百合といえば・・・まだまとまってないのだが
先日のパラメキア皇帝陛下召還に触発されて
暗闇の雲(DFF寄り)の一発ネタを考えていたが
いささかキャラ崩壊気味かもしんないので躊躇いつつある
そういう場合は投下するとしても避難所が妥当ですかね
402名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 20:47:52 ID:K4f/r+Da
百合
→衛>>一時、シスプリの兄(オリジナル)が召喚されて、それを追い掛ける妹って構図を考えた(未だに偶に考える)
が、上手く纏まらず半挫折状態。
取り敢えず声優ネタで行こうかとも考えたんだが、良く考えればメイドは召喚出来ないんだった
→召喚キャラ>>神無月の巫女、京四朗と永遠の空。幸か不幸か声優ネタも可能
→藤枝>>何故か彼の作品は不評買うが、何故?
そう言えば、以前に小ネタで相方の作品のキャラが召喚されてたっけ

長文失礼(_ _)
403名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 20:51:11 ID:AHI7khsN
妄想ならチラシの裏で、
構想ならメモ帳でやれ。
404名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 20:52:08 ID:HpWP+gYj
ここで黒百合ですよ

ユーチャリスごとブラックサレナ召喚
405名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 20:54:42 ID:nPYY7OSK
>>398
最低でもID変わるまで消えとけ、マジで
406名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 20:56:38 ID:AO+JGIkR
>>405
自虐とわけのわからん予告に反応されて、本文をスルーされてる奴に触ってやるな。
407名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 20:57:04 ID:nPYY7OSK
>>401
マジレスすると、避難所はゴミ箱じゃないから、崩壊してるなら投下しないのが妥当
408名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 21:23:44 ID:NIsOMrNr
百合つーたってゼロ魔の主要人物はほとんど女性なんだがな。
そのせいで可愛い系が召喚されたときはルイズ以下のデレが早い、特にベルモンドのときなんか…
409名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 21:28:07 ID:jKTIn8mQ
百合でも何でもない1発ネタ投下OKですか?
誰もいなければ21:30に投下します
シャドウゲイトより死亡フラグの塊を
410真の使い魔:2009/04/20(月) 21:30:12 ID:jKTIn8mQ
・・・わたしは いま みしらぬ へいげんで 

しょうねん しょうじょたちの いちだんの まえに いる。

ぼうけんをもとめる たびのとちゅう とつぜんあらわれた かがみにすいこまれ

かみのうすい おとこが わたしに つげるのだった。


「ここは トリステインまほうがくいん。

あなたは ミス・ヴァリエールに つかいまとして しょうかん されたのです。

にんげんを しょうかんするなどとは ぜんれいが ありませんが

つかいま しょうかんは しんせいな ぎしきなので やりなおすことは できません。

ひとまず かのじょと けいやくしては くれませんか?

そして ミス・ヴァリエールを まもって あげてほしい。」


・・・いかなる しょうがいを のりこえ 

しゅじんを まもりとおすこと・・・。

それがわたしの はたすべき しめい なのだ!!


ももいろのかみの しょうじょが わたしに といかける。

「あんた、だれ?」

わたしは たからかに こたえた。







「わたしこそ しんの つかいまだ!」
411真の使い魔:2009/04/20(月) 21:31:31 ID:jKTIn8mQ
「か、かんしゃしなさいよね。

きぞくに こんなこと されるなんて いっしょう ないんだから。


わがなは ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。

いつつのちからを つかさどる ペンタゴン。

このものに しゅふくふくをあたえ われの つかいまとなせ。」


ルイズは じゅもんをとなえ わたしに くちづけをした。


・・・それが わたしのみた さいごのこうけいだった。

つぎのしゅんかんには だいばくはつとともに わたしのあたまは トマトのように はじけて なくなってしまった。

つかいまの けいやくは しっぱいしたのだ!!




ざんねん!!

わたしのぼうけんは ここで おわってしまった!!



お後がよろしいようで。
412名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 21:32:49 ID:vHN9qB0Z
ああ、シャドウゲイトじゃ仕方がないな
413名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 21:34:47 ID:O/0Tw1E7
ここっていつからゴミ箱になったんだろう
414名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 21:38:35 ID:3BYkq5TN
シャドウゲイトとか懐かしいな

ホップ ステップ ジャンプ・・・ かーるいす!!
415名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 21:39:05 ID:burqi0ZW
しゅふくふく?
416名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 21:39:22 ID:k+aLVRm7
ハイリスク☆みらくるからアホ助を呼んでみたいが完結する前に投げそう
417名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 21:39:32 ID:CKJLjMd7
数ヶ月ぶりにまとめを覗いたけどテンプレ展開でなーんのひねりのないSSばっかだな
一つぐらいましなのはねーの?
418間 黒男:2009/04/20(月) 21:42:16 ID:NKI0KT7k
>>417
じゃああなたが書けばいい!
419名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 21:44:33 ID:RhDbLxpH
>>400

まぁあの魔女は台風消し飛ばして雨を飴に変えたから能力的には問題無いかも。
いおの様は…何故かルイズとキュルケとタバサとモンモンとシエスタとテファとおマチさんをはべらせて悦に入る姿を幻視したw
420名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 21:47:53 ID:RhDbLxpH
>>417

で、君の言うましってどんなの?
421名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 21:49:46 ID:V0m0vQlM
>>420
3日ぐらい前にも全く同じ内容の書き込み見たから相手にしないほうが吉
422名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 21:51:19 ID:sqh7aHEI
フーケの破壊の杖盗難事件を33分探偵とのクロスでやろうと思うのだがトリックがおもいつかない…
423名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 21:52:02 ID:RhDbLxpH
>>421

dクス。
424名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 21:53:52 ID:fe3slsRz
トリステイン学園に入学したパワプロ主人公とかの小ネタとか考えた。

駄目っぽいな
425名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 21:54:42 ID:AHI7khsN
そう言うのは10行書いてから言うんだッ!
426名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 21:54:53 ID:RFxMi9Kp
久しぶりと書く奴に限って毎日きてる
427名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 21:55:44 ID:7V5a1vlE
>>422
イザというときは冷凍した魚を射れば問題ない
428名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 22:00:24 ID:6H1dlhCr
>>424
VIPとかでやれば良いんじゃね?

実況パワフルプロ野球VIP トリステイン魔法学院編!
みたいな感じでスレ立てしてさ
429名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 22:12:42 ID:CL2nXKfR
久しぶりに来て見た

今まで通りで安心した
430名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 22:26:58 ID:fe3slsRz
パワポケの裏サクセス風でよければ今週末まで待ってて欲しい
多分、投下でける
431名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 22:37:17 ID:3Xb825JY
使い魔やりながら野球能力育成していくんですねわかります
432名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 22:39:09 ID:6H1dlhCr
やっぱりVIPでアンカをやったら盛り上がりそうだと思ってしまうw
433名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 22:40:11 ID:6H1dlhCr
って、パワポケかよ!
パワポケってぇと、下手に手を出すとトラウマになるっていうアレ?
434名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 22:41:36 ID:2K5hv9gc
>>433
ちょっとヒロインが死亡したり死亡したり爆死したりするだけさ
435名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 22:44:29 ID:zS/LNaRT
精神崩壊したヒロインと迎えるエンディングとか、縦読みではやくたすけにきて、とか
犬レベルが0になったら銃殺刑にされるとか、そんな感じだったはず。
436名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 22:47:16 ID:6H1dlhCr
モットに買われたシエスタが、手紙に縦読みを仕込んで助けを求めたりするんだろ?
手軽に遊べる携帯機になった途端、ストーリーが鬼畜になるってどういうことだよパワプロw
437名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 22:59:50 ID:NIsOMrNr
どうしてこうロクな話題がない?
やはり4月は年度の切り替えで慌ただしいからか。
カービィの人や黒魔導師の人に、早く戻ってきてほしいもんだ。シャナの裕二を呼んだ人はどうしたのかな・・・
438名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 23:19:20 ID:NKI0KT7k
>>433-436
パワポケって、野球ゲーム……だよね?

>>437
不平を言う前に自分が火を灯せと始祖アイバ……じゃない、ブリミルも言っています(嘘)。
439名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 23:25:43 ID:6H1dlhCr
そういえば、オーガンも召喚されてるんだよね
440名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 23:26:12 ID:BHTCKgyU
ガンダールヴ=ブロントさん
記すことさえ〜=汚い忍者

何となく頭に浮かんだスマヌw
まぁFF11のエルヴァーンを召喚したら、例によってエルフ扱いされるんだろうな。
441名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 23:29:11 ID:vHN9qB0Z
オーガンさんは実質オリキャラだったじゃないか
442名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 23:32:22 ID:fsQ0Qjny
エルヴァーンはLサイズがすっげえ怖いンだが
多分女性の膝立ちでルイズの身長と同じ位
443名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 23:36:40 ID:BHTCKgyU
最初の契約のキスでも身長差で苦労しそうだな
まぁ本当の苦労はブロント語による日常会話だろうがw
444名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 23:51:50 ID:5+tevw+o
身長差のキスっていえば・・・レイズナーを思い出すな。
445名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 00:01:36 ID:fe3slsRz
パワポケのプロローグ部分だけは書けたので投下してみる。続くかどうかは週末にかかるが

今日秋葉原へ行った俺はパソコンを買うべく店を探し歩いていた。
そしてとあるゲームショップを通り過ぎようとしたその時
好きなシリーズのゲームを発見してつい購入、ふと気づく。

「・・・しまった、パソコンを買う金が微妙に足りない」

ゲームを買ってしまったが為に本来の目的をこなせなくなってしまった俺
だが欲しいソフトがあったのも事実、しょうがないのでこの日はこのゲームで我慢して
パソコンはまた今度買いに来るとしよう。

ちなみに買ったソフトは『パワプロクンポケット』だ。

このシリーズはストーリーを交えながら野球選手を育成するゲームなのだが
シリーズを重ねる毎にストーリーがどんどんと濃密になっていって
今現在は化学兵器や質量兵器は勿論、バイオ戦士的なのまで存在する。
・・・これって野球ゲームだよな?

とにかく家に着いた俺はゲームを始める事にした。
主人公の名前は…とりあえず自分の名前でいいか。
名前 『才人』 でよろしいですか? 『はい』
446名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 00:02:49 ID:fe3slsRz
よし、登録も出来たしプレイ開始っと・・・







『俺の名前は才人!今日からこのトリステイン学院に入学するんだ!
 なんでも格式の高い学校でお嬢様やお坊ちゃんが通うエリート校らしい
 自分でも何で受かったのか解らないが入学するからには頑張るぞ!
 勿論頑張るのは野球だ!…うわっと!?』

        どし〜〜〜〜ん!!!

意気込みながら歩いていたら突然輝く鏡みたいのが目の前に出現した。
つい咄嗟に避けてしまったら隣を歩いていた俺と同じ感じの生徒にぶつかってしまった。
 
 
『いてて…、あの、すいませ…あれ?いない…』
447名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 00:03:41 ID:JzkiTH8d
気づいたらぶつかった相手の姿は無くなっていた、先に行ってしまったのだろうか?
そのまま首を捻りながら入学式の会場に向かうのであった。








ふぅ、なんとかクリア出来たな。彼女は出来ればお姉さん系なキュルケが良かったが
同じクラスメイトのルイズになってしまった、だが超特殊能力が手に入ったからいいか。
初プレイでこれなら十分か、パワーもAのMAXまで上げたしな。
しかし、レコンキスタハイスクールのあの兄弟にはてこずったぜ

センターの俊足ワルダ セカンドとショートの鉄壁ワルヂとワルヅ
キャッチャーの豪腕ワルデ 五男だがリーダーのエースワルド
通称『風の偏在』と呼ばれる五つ子の兄弟、ありゃ反則だろ
特にワルドが放つライトニングクラウド(表記はL・クラウドだったが)
と呼ばれるストレート、160キロも出すなよ!
155キロの速度のSFFとかどうやって打てと、いや打ったけどさ。
448名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 00:04:33 ID:RY2fBhOC
スレ違いじゃね?
449名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 00:05:13 ID:ByNjCOKG
理想郷はやく復帰してほしい・・・
450名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 00:06:23 ID:JzkiTH8d
「キャラ登録も済んだし、これで裏サクセスがプレイ可能になったぜ!
今回の裏はどんなのかな・・・あれ?オープニングが一緒?」

 勿論頑張るのは野球だ!…うわっと!?』

        どし〜〜〜〜ん!!!

『何だこれ!?体が引きずり込まれる!?た、助けてくれえええええぇぇぇ!!!』

こうして裏サクセスが始まった。


実際は召還までまだ出来てないけど、話の流れ的にはこんな感じでいいのだろうか?
451名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 00:11:45 ID:xHgWMvji
投下宣言は?
短いんだからプロローグとか言ってないで召喚まで書いてから投下すりゃ良いのに
つーか今週末じゃねぇの?
452名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 00:12:16 ID:T1k3atVA
もう何を言えば良いのかが分からない
どうすればいいのこれ
453名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 00:13:20 ID:RY2fBhOC
笑えば良いと思うよ
454名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 00:29:18 ID:mZwzGTn0
チラシの裏にでも書いてろ
455名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 00:31:20 ID:Wpr7kR/5
身と心を削ってまで荒らすとかw
456名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 00:34:19 ID:ql+rcG1H
ここまで反応に困ることはそう無いなw
457名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 00:38:15 ID:tKh7oOLg
なんか知らんが脳が痛てぇw
458名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 00:42:24 ID:C8w+CKLN
脳がはちきれそうだぜぇ!
459名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 00:48:09 ID:8AvpnBlD
ゴステロ帰れ
460名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 00:49:32 ID:GUvx18UO
パワホケの人、乙!
面白かったよ。




だからもう二度と来なくていいぞ。
461名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 02:11:13 ID:8lQl1jUS
こういう流れは嫌いだわ
462名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 02:14:39 ID:8PCuIIP0
流れというか執拗に煽ってるのは一人だけ
463名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 02:47:21 ID:U0xfndm8
さすがに一人とは言わないけど、この時間にこれだけレスが付いてるのは不思議だわなw
ここまで感想はおろか、乙すら一つも無いってのは嘘だよなw

ところでさ、これってサイトが召喚されてんの?
普通にスレ違いじゃないのかな。
464名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 03:18:45 ID:DV3cYTUs
>>463
まあ、ウルトラマンの人とか鷲の人とかもサイトいるし、同時ならセフセフでないかい?
465名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 03:24:24 ID:U0xfndm8
同時ってのがよく分からないけど、パワポケ何作目の何ルートを通った主人公か言わないとダメじゃないの?
ってそういうのが召喚されたんでも無いんだよな、どういうこと何だ?

作者オリジナルのパワポケからプレーヤーが召喚されたってんなら、完全にスレ違いだと思うぞ。
466名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 03:35:45 ID:r+5NRL4G
てことは無個性系主人公はみんなアウトってことか?

まぁ、実際何が召喚された…っていうか召喚するのか知らんけど。
467名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 03:40:03 ID:U0xfndm8
これは無個性系主人公じゃなくて、オリジナル作品主人公じゃないの?
468名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 03:41:34 ID:r+5NRL4G
まぁどうでもいいわ…
469名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 03:41:51 ID:C8w+CKLN
定期的に出る話題だよな>無個性主人公の是非

俺個人の意見としては半オリキャラになるから止めたほうがいいと思うけど
それでも投下するってんなら如何こう言うつもりはないけどな
470名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 03:43:02 ID:U0xfndm8
>>468
そんな含みを持たせた言い方するなよ〜、気になるじゃないか
471名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 04:36:40 ID:f3VjBcOd
>>416
きらら系の萌え4コマから召喚したとして、わかる読み手はどれくらい居るんだろうか
「かみさまのいうとおりっ」のまりあのように、何でも下ネタに変換する使い魔とか
472名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 04:58:23 ID:qi1jJ9M3
きらら→漫画タイム→竹本泉→「ねこめーわく」…
473名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 06:15:54 ID:A1i+JcLC
面白ければ細けえことはいいんだよ!
でも細かいことを気にする繊細(笑)な読者様のおかげで面白い作品が潰される事もあるからねえ
474名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 06:21:23 ID:rEnZ7VNr
>>470
自分の言う事の責任から逃れたいチキンちゃんの使う言葉ですから
475名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 06:25:20 ID:TC6rnUuc
人間多すぎて猫腰抜かすだろw
476名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 08:48:07 ID:+p8BOwUx
無個性主人公とはちょっと話がずれるけど、主人公ってある程度テンプレートというか、ステロタイプな感じでも許されるとは思うんだ。
むしろ脇役とか敵、特に敵役のほうにこそ個性が要求されるんじゃないかな。
007なんかも、ボンド本人は女好きな以外は基本完璧超人のスーパーヒーローで大して個性的じゃないけど、
悪役のボスと用心棒のキャラで持ってる(あるいは持ってた)所があるし。
主人公が敵役をも圧するほどの個性的なキャラだったら、概ね主人公最強物にしか作りようがないと思う。
端的な例としては沈黙の戦艦とか花の慶次とか。いや、こいつらはスペックも問答無用で最強だけどね。
477名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 08:54:17 ID:Q+xlLlYZ
批判の批判するぐらい暇なら作品自体を褒めてやれよ
わらわら涌いてきてる馬鹿共よ
よく見ると別にいいだろとか何だいいつつ誰も褒めてないんだよね
478名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 09:20:24 ID:FdeyZC4O
>>477
っ鏡
479名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 09:21:27 ID:OVrUK7Ad
褒める場所を探す方が苦労するから仕方ないだろ

生ゴミから食べれる部分を探すようなもんだ
480名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 09:47:55 ID:hlGek3yc
そのエゴがスレを潰すと貴様らほどの奴等がなぜわからん!!
481名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 10:13:04 ID:SSyqpWQY
ならば今すぐスレ住民ども全てにに英知を授けて見せろ!
482名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 10:15:23 ID:ueEkkdRx
貴様に鏡を見せてから、そうさせて貰う!
483名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 10:18:26 ID:SSyqpWQY
目がぁ〜目がぁ〜!!
484名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 10:22:28 ID:+p8BOwUx
はははは、今計算してみたが、このスレは後500レス余りでDatに落ちる!
お前達の頑張りすぎだ!
485名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 10:22:52 ID:GGmHR1kb
この話題は無かったことにしようぜ
486名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 10:25:17 ID:9mWrazGD
ナイアさん「じゃあこの流れは無しだ」
487名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 10:33:24 ID:d0depVGX
>>484
俺達スレ住人でこのスレを押すんだよ!!
488名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 10:49:59 ID:mjdYsP45
何この流れww
シャアとアムロは姉妹スレで活躍しろよwwww
489名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 10:51:28 ID:mjdYsP45
すまぬsageる。
490名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 11:14:57 ID:+p8BOwUx
なんという・・・これがねらーフレームの共振か。
だが、この暖かさを持った住人が板さえ壊すんだ!
それをわかれ!
491名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 11:32:20 ID:MpyRnYBh
粘着は嫌いだ!図々しいから!
492名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 12:07:32 ID:syjbPUzY
「ルイズは僕の母親になってくれるかもしれなかった女性なんだ!」
こんなことを叫んでいたワルドが居たような気がする。どの作品だったっけな?
493名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 12:16:00 ID:MpyRnYBh
>>492
たぶん漫画版ウィザードリーのキャラ召喚した「さぁう゛ぁんといろいろ」

作者さんが例の騒ぎで出て行ってしまい、ここに投下するけどまとめるのは
ご自分が深く関わってる別のhpで、という変則的投下をなさってます


違ったかな?
494名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 12:47:09 ID:syjbPUzY
>493
それだッ!
あの清々しいまでのワルドの自爆っぷり……今から読み返しに言ってきます。ありがとですー。
495名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 14:00:58 ID:Bp+fItGD
ある意味ではワルドが一番輝いている作品だw
ところでワルドとルイズがくっつく作品って何かあるかな?
(自分は姉妹スレのジョナサンの母親召喚したワルドくらいしか知らんけど)
496名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 14:37:57 ID:8lQl1jUS
ジョナサン=ジョーンズ召喚ってやっぱり姉妹スレ向きなのかな
497名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 14:42:11 ID:TC6rnUuc
仮面のもそうなりそうな雰囲気だったけど
498名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 14:44:35 ID:oj1km8dw
それを言ったらブラスレイターの影の薄い主人公だって
ジョセフ・ジョブスンて名前だから姉妹スレ行きになっちゃうぜ。
499名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 16:33:40 ID:mjdYsP45
難しい所だけど、姉妹スレがある場合はそっちに投下した方が原作独特の文体や構成を理解してくれる人が多いだろうし、
なにより食いつき具合が違うよ。

そ、それでも此処に投下したいなら別に構わないんだからね!



個人的には
500354:2009/04/21(火) 16:33:40 ID:u1/JXgfH
完成いたしましたので、17:00より投下致します。
獲得票が同率一位でしたので、先に多少書き溜めがあったダイ・ガードクロスを優先させていただきました。
タイトルは「路地裏の宇宙少年」
クロス先は地球防衛企業ダイ・ガードです。
内容としては10kb程度の小ネタになるでしょうか?
501「ハルケギニアの宇宙少年」:2009/04/21(火) 16:35:22 ID:u1/JXgfH
すいませんタイトル間違えましたorz

正しくは……
タイトルは「ハルケギニアの宇宙少年」です
BGMは「路地裏の宇宙少年」でお楽しみください
502名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 16:36:05 ID:o4WICzV1
だがしかしB希望支援
503名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 16:41:27 ID:U0xfndm8
>>500-501
乙だけど、投下までは長くても10分くらいが良いんじゃね?
504「ハルケギニアの宇宙少年」1/5:2009/04/21(火) 16:53:24 ID:u1/JXgfH
それじゃあ少し早いですが投下を



 ハルケギニアの宇宙少年


「なんなんだい、ありゃあ!?」

 土くれのフーケこと、マチルダオブサウスゴータは素っ頓狂な声を上げた。
 それもその筈、いざ宝物庫から目当ての品を盗み出そうとした途端に、てっきりただのハリボテと思っていた相手が動き出したのだから。
 そう動くはずなのないのだ、何故なら……

「ディティクトマジックで何の反応も無かったってのは、嘘だったってかい!」

 或いはディティクトマジックに反応しない先住の魔法が掛かったマジックアイテムか?
 そうだとしたらもし奪い取ることが出来れば大層な値段になるだろう――そう思って、やめた。“破壊の杖”のようなものならまだしも、マチルダの最大出力を掛けて作り出したゴーレムに迫る大きさの巨大な人形。
 こんな巨大なものを闇で流通させれば一発で足が付くに違いない。

「どっちにしたって……」

 マチルダの言葉に従ってゴーレムは大きく手を振りかぶった。
 それはまるで主の感情が乗せるかのように、その岩のような拳を握り締める。

「邪魔だよ!」

 宝物庫に穴を開けるために溜めに溜めていた力をゴーレムは解き放った、風が唸る音と同時に放たれたのはそれはもう見事な右フック。
 かなり力を入れた攻撃ではあるが、おそらくこの程度では倒せまい。
 そう思ってマチルダがゴーレムを次にどういう動きをさせるか考えている途中、メコッと言う実に小気味良い音が響いた。


505「ハルケギニアの宇宙少年」2/5:2009/04/21(火) 16:54:45 ID:u1/JXgfH
 ○ ○ ○



「だぁぁぁぁぁあ! 装甲がへこんだぁぁぁ」

 ダイガードのコクピットのなかで、一人の男が涙目で叫び声を上げる。
 男の声には大切な宝物が傷つけられたような、悲しみと嘆きに満ちていた。
 彼の名前は赤木駿介、民間の相好警備保障会社「21世紀警備保障」の社員であり、ダイ・ガードのメインパイロットの一人である。

「ちくしょう! ルーンの効果とかで何とか動かせたけど、こっちはトタン並の装甲しかないんだぞ」
「大丈夫なのかい、アカギ? あのゴーレムはどう見積もってもトライアングル以上……」

 ダイガードは大きく胴体を凹ませながらもゴーレムの腕を振り払うと、そのまま頼りない千鳥足でハルケギニアに記すべき一歩を踏み出した。

「そんなこと、やってみなくちゃ分からないだろ!」

 言葉のままギアを変更する、各部の電磁モータが出力を上げその下半身をその巨体で似つかわしくない動きで前へと進ませる。

「出力、全開!」
「アカギ、ぼっ、ぼくはどうすれば!」
「そのままでいい! ワルキューレにもそのまま手を突き出させとけ!」

 がつんと言う激しい衝撃とともにコクピットのなかが揺れる、各種の計器が軒並みレッドゾーンを示し、警告を告げるブザーがけたたましき響き、電圧が落ちたせいで備え付けられた扇風機がカタカタと不安定に鳴る。
 
「よし組み付いた、これで……」

 赤木はコンソールを操作し、モードが切り替わったことを把握すると、通信用のスピーカーに向けて思いっきり声を張り上げた。

「ロングビルさん!」


506「ハルケギニアの宇宙少年」3/5:2009/04/21(火) 16:56:19 ID:u1/JXgfH
 ○ ○ ○



 突然大音声で仮初の名前で呼ばれたことにマチルダは驚き、一瞬ゴーレムを操る動きが止まる。
 だが操縦に必死なのか赤木はそのことに気づかなかった、気づかずしかし――ただ懸命に訴えかける。

「ロングビルさん、俺です、赤木です! 此処は俺たちが抑えますから早く避難してください!」

 何言ってるんだこいつは。
 マチルダはそう思わずには居られなかった、あのお調子者の馬鹿はよりにもよって盗賊本人を逃げ遅れた憐れな被害者として身を挺して救おうと言うのだ。

「――馬鹿だね、大馬鹿だ」

 マチルダは笑わずには居られなかった、しかし此処で笑い出して怪しまれるわけにもいかない。

「すいません、此処はお任せいたします。どうか御無事で」

 そう言うとマチルダは走ってその場を離れた、ゴーレムを操っている途中なのでフライは使えない。
 ゴーレムが打ち砕いた宝物庫の表面の壁の欠片を踏みしめて走りながら、マチルダは笑った。
 腐り堕ちそうな倦怠感と虚脱感に襲われながら、マチルダは笑った。

 ――ロングビルさんて言うんですか。助かりましたよ、ルイズに飯抜きにされちゃって困ってたんです。 
 ――へぇ、故郷に妹さんが。、きっとロングビルさんに似た可愛い子なんでしょうね。
 ――困った時は何でも言ってくださいね、俺はあんまり頭よくないから対して役に立たないと思いますけど、それでも俺にできることならなんだってやりますから!
 ――盗賊なんて心配いりませんよ、俺とダイ・ガードが絶対に守りますから。

「まったく、馬鹿だね……」

 困っていた赤木を気まぐれで助けた時余計なことまで言ってしまったのは、アカギとか言うあの異国の人間があんまりにもまっすぐだったから。
 それは例えるなら「太陽」だ、悩みながらも迷いながらも、それでも自分が信じることを貫いてがむしゃらに生きている人間独特の熱や輝き、ずっと昔に自分が失くしてしまったそんな健全な光。
 まるで妹を思い起こさせるような温もりを、感じてしまったから。

「情が、移っちまったじゃないか……」

 そしてマチルダは操っていたゴーレムを土くれの塊に戻そうとし、途中で杖を止めた。
 何故なら、必死の形相でダイ・ガードへと走り寄る一人の桃色の髪の娘を発見したからだ。
 今、ゴーレムを土くれに戻せば足元にいる彼女まで生き埋めにしてしまうだろう、別にいけ好かない貴族など一人や二人死んでも構わなかったが、もともとマチルダは人殺しを好むようなタチではないし。
 何より自分の妹と同年代の少女が死ぬのは目覚めが悪い、赤木の悲しむ姿まで見る事に鳴ればさらに倍率ドンだろう。

「さて、どうするかね……」

 結果として、マチルダはとりあえずダイ・ガードをゴーレムから引っぺがした後、当たり障り程度に暴れさせつつ様子を見る以外の選択肢が奪われてしまったのであった。


507「ハルケギニアの宇宙少年」4/5:2009/04/21(火) 16:58:23 ID:u1/JXgfH
○ ○ ○




「アカギ! ギーシュ!」
 
 名前を呼びながらルイズは走る、何をしたいのか分からないまま、杖を振るってぼかんぼかんとあちらこちらを爆発させる。
 その爆発が宝物庫に罅を入れたことを、マチルダだけは見逃さなかった。

「ルイズか、馬鹿っなんで来たんだよ。危ないから下がってろ!」

 ゴーレムを押さえつけながらアカギは叫ぶが、ルイズはそんなこと聞きやしなかった。
 
「うるさいうるさい!私に黙ってなにやってるのよ!」

 駆け寄るルイズの姿に赤木はコンソールを叩いた、ダイ・ガードの活動限界も近い、こんな状況もみ合う二体の側へで近づいてくるなどどう見ても自殺行為でしかないからだ。
 なんとかしてルイズとギーシュだけでも無事に逃がそうと考えるが、しかし良い手は一つも思い浮かばない。
 焦る気持ち、なんとかして早々にゴーレムを制圧しなければ……と言う気持ちが赤木に致命的なミスを生んだ。
 バキンと言う音、何が起こったのかとモニターを見ると其処にはへし折れて宙を舞う黄色い頭部アンテナの姿。
 それがまっすぐにルイズがいる方向へ向かって飛んでいくのを見て、赤木は体中の血が凍りつくような恐怖を覚えた。
 
「――あぶないっ、ルイズ!」

 ルイズは何が起こったのか分からずただ呆然とその光景を見ていた、自分に向かってへし曲がった鉄の塊が死神の鎌となって飛んでくるのをじっと見つめていた。
 いや、ルイズが見ているのはその先だ。
 自分の使い魔たる役に立たない鉄の巨人と、その操者たる一人の青年のことを――信じていた。
 信じたい、と思っていた。
508「ハルケギニアの宇宙少年」5/5:2009/04/21(火) 16:59:03 ID:u1/JXgfH

「ウインドブレイク」

 だがルイズを救ったのは信じた者達ではなく、蒼い髪の一人の少女とその使い魔たる一匹の風竜だ。
 タバサはウインドブレイクで飛んできた鉄の塊を弾き飛ばし軌道を逸らせると、ルイズを拾い上げようと滑空する。
 けれど地面すれすれを燕のように舞うシルフィードは、ルイズを拾い上げる寸前で慌ててその軌道を変化させた。

「きゅいきゅい、無理なのねお姉さま、あのデカブツが邪魔なの」

 先ほどから奇妙に動きの少ないゴーレム、その腕がまるで壁のようにルイズをシルフィードの間を阻んだのだ。
 実際には手を付いて立ち上がろうとしただけだが、そんなことはゴーレムを操っているマチルダしか分かるわけがない。
 そしてそのマチルダが、細心の注意を払ってルイズを潰さないように気を使ったとは誰にも分かるわけがない。

「しょうがない、ルイズ! ダイ・ガードに乗るんだ!」

 だから赤木がそんな提案をしたとしても、けっしておかしなことではないのだった。
 いまだ地面に膝を付くダイ・ガード、その掌がルイズの目の前に差し出された。

「アカギ……うんっ」

 僅かに躊躇った後、ルイズはその掌に飛び乗った。
 その瞬間、ダイ・ガードの左手に刻まれたルーンがまばゆい光を放った。
 そうルイズが使い魔として契約したのは、パイロットである赤木駿介ではなく、ダイ・ガード自身なのだ。
 一体全体始祖の使い魔たるガンダールヴのルーンがどんな効力を発揮したのか、どうやら色々とプログラムも書き換えられているらしい。
 本来三人分必要な認証が必要なくなったこと、ディスプレイに表示される言語や数字がハルケギニア語になったことなど枚挙に暇がない。
 だが、その最大の違いは……

「いくわよ、アカギ!」

 ルイズがオペレーターのコクピットに入った途端、真っ赤に染まっていた計器の類が一斉に安全域を飛び越えて限界値を超えた数値を示す。
 なんでなんだろうな、これ……と頭を捻りながら赤木はダイガードを立ち上がらせた。

「おうっ、ダイ・ガード」
「「発進!!」」
509「ハルケギニアの宇宙少年」6/5:2009/04/21(火) 17:00:54 ID:u1/JXgfH
 ○ ○ ○

 戦いは19秒で終わった。
 結果は言うまでもないだろう。
 ルイズたちは戦いに勝って、勝負に負けたのである。
 とにもかくにもこれがハルケギニアを聖地から湧き出す“ヘテロダイン”から守り続けた、鋼の守護神の初陣であった。

「とこんな感じでいいかい? アカギ」

 ギーシュは手に持った羊皮紙に文字を書く手を休め、背後を振り返った。

「おうばっちり、それじゃあ後は頼んだぜ!」

 其処には随分形は変わったし、ぼろぼろになってしまったけれど、紛うことなきダイ・ガードと赤木駿介の姿があった。
 ギーシュが書いていたのはダイ・ガードがハルケギニアを守り続けたすべての戦いの記録だ、勿論ギーシュによる脚色や誇張も含まれているが、そこには紛れも無くこれまでダイ・ガードがその装甲に傷を刻み続けたことを誇りに思えるような偉業の数々があった。

「しっかし、魔法ってすげぇなぁ……」

 ダイ・ガードは今最初にハルケギニアに来たときよりも桁違いに改修が加えられている、魔法を吸収して持ち主の体を動かすと言う能力を持ったインテリジェンス・ソードを利用した「デルフリンガー機構」
 関節部のスムーズな稼働を実現した「ソーサリー・ジョイント」
 何よりこれまでの電気を利用して稼働していた為、一度起動するだけで魔法学院のメイジが総出で錬金で充電しなければならなかったが、コルベールが桜田博士の遺著「ヘテロダイン量子論」から着想を得て開発した「コルベール型変圧器」を搭載したのが一番大きいだろう。
 これは搭載した火石から取り出した魔力を電力へと変換すると言う機能を持ち、その変換効率の異常な高さから元の世界に居た頃よりも遥かに稼働時間が延びると言う結果を齎した。
 これが完成した朝は、ダイ・ガードの充電から開放された魔法学院の生徒・職員一同が「魔法万歳」「コルベール万歳」と共に徹夜で飲み明かし、その後三日は魔法学院が使い物にならなくなると言う「コルベールの三日間」を生み出したほどであった。
 その様々な改修も、元の世界に戻ればほとんど意味がなくなってしまうのが心残りか……

「――それじゃあ行ってくる」

 聖地の門へ向かって、ダイ・ガードは赤木を乗せて歩き出した。
 ルイズは答えず、ただ俯き涙を堪える。
 そんなルイズをバックミラーで見ながら、赤木はダイガードをハッチを開けた。

「ルイズゥー!サラリーマンにだって!平和を守れるんだぁぁぁぁ!」

 ルイズに届くように、赤木はその小さな小さな女の子に聞こえるように赤木は声を張り上げた。

「だったら、魔法の使えない貴族にだって! 平和を守れる筈じゃないか!」

 
 後は任せた、そう告げる赤木に向かってルイズは……大きく息を吸い込み。
 そして……


 ――夕日と、それに向かって歩くダイ・ガードに向かってルイズは叫んだ。
 ――夕焼けに照らされ、宇宙へ挑むかのごとく立ち尽くす少女。
 ――その輝きと闘志に満ちた姿は、まるで太陽の子供みたいだった。

 その後ルイズがどうなったか、どうやって生きていくのかはまだ分からない。
 だが勝負は終わってみるまで分からないし、やってみなければすべては“ゼロ”のままだ。
 だから“僕”は、ルイズを信じたいと思う。
 彼女の心のなかで燃え上がる太陽のように輝くその魂を、信じてみたいと思うのだ。

 
 ギーシュ・ド・グラモン著 宇宙から来た少年 より抜粋


  Fin
510名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 17:03:49 ID:kDORWEow
511LFO作者:2009/04/21(火) 17:05:13 ID://Qcs4sf
皆さんこんにちは。作者です。皆さんの作品を見ていてふと思ったのですが、投下量は前回と同じワード6枚くらいで良いでしょうか?
それとも一話ごとの展開をさくさく進めるために倍くらいにした方が良いでしょうか?
512名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 17:06:28 ID:U0xfndm8
乙、まさかの6/5に噴いたw
クロス先に元ネタがあるんだろうかw
513名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 17:06:35 ID:u1/JXgfH
以上でございます、このような駄文を投下させていただき真にありがとうございました。
そして勝ち組ワルドの話が出るタイミングよすぎて吹きました。

@が才人を暗殺し、ルイズを手に入れた勝ち組ワルドのもとへゼロ戦に乗って死神となった才人が戻ってきて、ワルドとゼロ戦vsゼロ戦する予定でしたのだ。
ちなみにBはテファニアがティファニス様を召喚して、マチルダさんがまるで妹が二人になったみたいだと惚気る話しになる予定でした。
あとはゲームシステムと魔法世界がぶつかることで、互いの仕様の違いにお互いが戸惑うと言った感じの部分を書ければ……と考えておりました。

それでは失礼致しました。
514名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 17:07:55 ID://Qcs4sf
投下直後なのにリロードもせず済みませんでした。
515名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 17:10:47 ID:U0xfndm8
>>511
読者としては、量は多い方が嬉しいですw

>>513
投下までの時間は気を付けた方がいいっすよ、マジで。
あんまり長いと、他の投下したい人に迷惑ですから。
516名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 17:15:29 ID:S4DFTGBM
17:20か17:25位で
517名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 17:18:15 ID:EH2oxbpQ
前も話に出たけど、投下時間はルールに入ってないからそんな気にしなくていいんじゃないかな。。
口うるさく言うのならテンプレに入れてくれ、と思う。
518名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 17:29:43 ID:U0xfndm8
ルールに無ければ何でも良いって訳でも無いでしょ?
AAの貼り付けも毎回注意されるし、あれを肯定する人もいない。
これもAAも少し考えたりROMれば分かることだし、わざわざテンプレに入れる頻度で起こることでも無いんじゃない?
519名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 17:34:15 ID:EH2oxbpQ
>>518
そういう風潮が存在するなら俺は入れるべきと思うが。
少し前に投下時間で相当きつく言われてそれっきり見てない作者さんがいるので、こんなくだらないことで作者減るのは俺は嫌だぞ。
520名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 17:40:40 ID:U0xfndm8
う〜ん、入れるべきだと思うのなら、提案してきたら良いんじゃないかな。
こっちの考えとしては>>518だわ。
521名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 17:40:44 ID:LsUB8m+4
サーヴァント・オブ・ブラザーズ



「バンド・オブ・ブラザーズ」から
合衆国陸軍第101空挺師団第506パラシュート歩兵連隊第2大隊E中隊を召喚

うん、タイトル思いついただけなんだ。
522名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 18:11:38 ID:Ff/3pdub
この前もこれで揉めて紳士ルールがどうたらで結局お流れ。
宣言してから準備じゃなくて準備できてから宣言してくれよ。
完結する作品が珍しい現状だし、その程度でいなくなる作者は完結も望めないだろ。

割り込まれてもなきません!連続投下で感想が無かった!
でぶーたれないなら今のままでもいいと思うが。
523名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 18:31:10 ID:mCjkMCJz
3行目の流れがいびつ。

わざわざ明文化せずともその程度の空気は誰でも読めるっての。
そもそも、今回の場合で何か問題があるか?
問題が出そうなときだけ文句言えっての。
大体、作者の準備のための時間じゃないし。
524名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 18:33:34 ID:qk0ufqZv
そ〜らたいした死に様だ♪
525名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 18:37:07 ID:/wZVEdWV
そーれそーれそれそーれそ
526名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 19:47:47 ID:hTy5IjR3
投下するって宣言すりゃそれでいいよ
なのはのクロススレみたいにワケわからん気持ち悪いことにならなきゃそれでいい。
527名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 19:48:09 ID:UPpKyMgx
数ヶ月ぶりにまとめを覗いたけどテンプレ展開でなーんのひねりのないSSばっかだな
一つぐらいましなのはねーの?
528名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 19:54:47 ID:jaK5lTsN
>>527
半年くらいたってから来てね^^
529名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 19:56:48 ID:Zd4Y/4Ac
前も同じ書き込みがあったから釣りコピペだろうたぶん
530名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 19:56:49 ID:R/7K6d5a
>>527
半万年くらいたってから来てね^^
531名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 20:06:47 ID:/S2crapa
>>267>>417>>527だから、荒らしはスルーの方向で。
532名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 20:22:45 ID:GJ2JE1bO
一日が数カ月だとTOKYO JUPITERどころじゃないな
533名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 20:47:15 ID:rEnZ7VNr
>>529
毒吐きスレの連中はあそこで留まっていればいいのに
何でこう出てくるんだろう
534名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 21:09:51 ID:gox7ncl/
いや、それ関係ないから
535名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 21:19:05 ID:XR5xCz16
毒吐いちゃうぞ〜喰らえ!poisonbless!!
536名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 21:25:58 ID:dxbV/pVQ
>>533
そういうのは毒吐きスレでいってくださらんかのう……(ヨボヨボ)
537名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 21:39:06 ID:1euucj49
このフインキは理想郷が落ちてるからだろうか
早く復活してくれ
538名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 21:50:59 ID:Zd4Y/4Ac
毒を吐く使い魔というと、バブルスライムとかクロウラーとか…
539名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 21:56:34 ID:28/8bSuD
そんなこと言ってると毒人形呼んで阿鼻叫喚の様にするぞ
540名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 21:57:05 ID:YKz5Nm9J
ブロッケンマンだろ
541名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 21:57:44 ID:oDZWuNZM
ライデン(餓狼伝説)とかですね毒吐き使い魔
542名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 21:57:51 ID:shkBhk/p
すみません、ヘドラで勘弁してください
543名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 22:01:16 ID:OVrUK7Ad
さすがに存在するだけで毒を撒き散らす様なのは処分するだろ

コッパゲが
544名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 22:08:43 ID:bg+M0suR
モルボルを呼んで学院が全滅してたのが小ネタにあったな。
545名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 22:09:29 ID:Wpr7kR/5
>>544
FFTで治療法がなくて泣いたw
546名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 22:10:12 ID:fY14SPMS
米寿司を長編でやるのはさすがに無謀か
547名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 22:10:17 ID:qrzQd0em
不知火幻庵ですねわかりm
548名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 22:29:55 ID:04s0Vu6Z
言いたい事も言えないこんな世の中じゃ
549名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 22:32:07 ID:ySurEyaZ
ぽいずんっ
550名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 22:35:51 ID:j9DjWQ78
この場合召喚されるのは>>548なのか>>549なのか
551名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 23:01:42 ID:9pLesw8O
放射能撒き散らすチェルノブは小ネタであったな
552名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 23:18:25 ID:OVjwlhIf
モルボルにライトニングクラウド叩き込みまくると爺さんになる
553名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 23:20:07 ID:BEE401d6
いかずちくらわすどーーーーーっ!
554名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 23:39:09 ID:D63sZj+P
メモリーズより「田中信男」が召喚されました。
555名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 00:37:53 ID:emCEJ78H
っていうか毒を吐く使い魔ならマタドガスがいたな
打ちきりっぽかったけど
556名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 00:55:14 ID:eg2cEe+A
汚染物質垂れ流しといえばネクストw
たった数十機が戦争しただけで地球が汚染まみれになる最悪の兵器
557名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 01:08:17 ID:lPORoSX4
コリブリを召喚とな
558名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 01:16:16 ID:S+NVn1hO
汚染物質にまみれた世界なら『Fallout3』だな。
559名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 01:21:55 ID:073gt18t
腐れ谷のガル・ヴィンランドがアップを始めたようです
560名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 01:35:58 ID:Fo5mIDgj
汚染物質に塗れた世界とな?
ならばナウシカからクシャナ様を召喚だな。
タバサの元ネタの一人だし。
561名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 01:37:27 ID:RgATS2r1
ならばメタトロンで満たそうではないか・・・・・そう、終末だ!!
562名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 01:38:08 ID:/5F2YAOB
世界が週末を望んでいるのだ!
563虚無のパズル ◆taPEIAkisc :2009/04/22(水) 01:43:23 ID:INVhf4+j
流れを切ってすみませんが
1:50頃から投下させてください。
564虚無のパズル ◆taPEIAkisc :2009/04/22(水) 01:50:15 ID:INVhf4+j
大きな風竜に跨がったワルドは、薄い笑みを浮かべながら、蹂躙されたかつての祖国を見渡した。
上陸前のつゆ払いのため、ワルドはタルブの村と、その見事な小麦畑に容赦なく火をかけた。
焼け野原となったタルブの草原には、三色の『レコン・キスタ』の旗を掲げたアルビオン軍が展開している。
その数はおよそ三千。上空に大艦隊の支援を持つ、まさに鉄壁の布陣である。
ワルドの元に、偵察から戻った竜騎士が近付いた。
「申し上げます!トリステイン軍はラ・ロシェールの町に到着!拠点とし、兵の展開を進めているもよう!」
「数は?」
「およそ二千!」
「なるほど、それが緊急に配備できる限界ということか」
そばに控えた、別の竜騎士がワルドに進言する。
「子爵殿。村の連中は森の中に逃れたようですが、いかがします。森に火を放ちますか」
「よい、捨ておけ。奴らは餌だ」
「餌、ですか?」
ワルドはにやりと凶暴な笑みを浮かべた。
「そうとも。殺してしまっては、いまだ戦の準備の整わぬトリステインの軍勢を、ここまで誘き寄せることはできんだろう?」


タルブの村の南に位置する森。
村を焼き出された村人たちは、森の中に身を隠していた。
「コルベール先生!」
コルベールは、その声に振り返った。
「ティトォくん!無事だったのか」
息を切らせながらこちらに走ってくるのは、朝から姿の見えなかったティトォと、それを探しにいったシエスタであった。
シエスタは倒れている母の姿を見ると、青くなって駆け寄った。
「お母さん!」
「落ち着きなさい、シエスタ。母さんは気絶しているだけだよ」
シエスタを落ち着かせるように、父が肩を軽く叩いた。
シエスタは泣きそうな声になって、父親の腕を取った。
「お父さんも、火傷してるじゃない……、大丈夫なの?」
「こんなのは、大したこたあない。だが、ひどい火傷を負った奴もいる。連中、村に火をかけたんだ。なんとか村のものは全員逃げ出すことができたんだが、治療の薬が全然足りないんだ」
あちこちから、アルビオン軍の襲撃でけがを負った村人たちのうめき声が聞こえる。
火竜のブレスによって焼き出された村人たちは、多くの人が火傷を負っていた。
「ひどい……」
シエスタは、思わず口を抑えた。
骨折などの外傷は、村の医者の応急処置である程度なんとかなったが、火傷はそうも行かない。
こんな森の中では治療に必要な油薬を用意することなどできないので、火傷を負った人たちは、痛みにうめいていた。
見ると、コルベールが重症のものを優先して、『水』の治癒魔法をかけていた。
突然、コルベールの身体がふらりとなったので、ティトォはあわてて駆け寄った。
「コルベール先生!大丈夫ですか?」
「おお、すまない……、いや、私は『火』の系統のメイジ、治療の『水』魔法は本領ではないのだ」
565虚無のパズル ◆taPEIAkisc :2009/04/22(水) 01:51:38 ID:INVhf4+j
『水』はコルベールの得意とする系統ではないので、コルベールの精神力を大きく削っているのだった。
「しかし、だからと言って黙って見ているわけにもいくまい」
コルベールは額の汗を拭うと、身体を起こそうとする。その身体を、ティトォが抑えた。
「待って。ぼくも手伝います、先生は少し休んでいてください」
「しかし……」
「大丈夫、ぼくも魔法使いです」
「なんだって?」
コルベールは驚いて、目をぱちくりさせた。ティトォとは三週間のあいだ、共同で研究を進めていたが、その間にティトォが魔法を使ったことはなかったので、彼のことは平民だと思っていたのだった。
ティトォは懐から小さな装置を取り出した。コルベールはそれが、以前見せてもらった『ライター』という着火装置であることに気が付いた。
考えてみれば彼の妹だという、あの小さな女の子……、アクアは、強力な爆発を操る、おそらくは『火』のメイジであった。
「ティトォくん、きみも『火』の……?」
ティトォはライターの回転ヤスリを擦って、火を付けた。ライターから勢いよく火柱が立ち上がった。
炎はみるみるうちにその色を変え、白く輝きはじめた。
「マテリアル・パズル……、炎の力よ、変換せよ!」
全身にひどい火傷を負った村の若者に、ティトォはその炎を叩き込んだ。
炎はまたたく間に若者の全身に広がり、勢いよく燃え上がった。
「きゃあ!ティトォさん!」
シエスタはあまりのことに、気絶してしまった。
村人たちもあわてて騒ぎ出す。
「ああ、なんてこと!誰か、水持ってこい、水!早く火を消さないと!」
「お前!いったいなにをするんだ!」
村人の一人が、乱暴にティトォの胸ぐらを掴んだ。
しかし、すぐに村人たちの顔は、恐怖から驚きへと変わっていった。
なんと、その白い炎に包まれた若者の身体から、傷が消えていったのだ。
醜く爛れた身体は、みるみるうちに血色を取り戻し、細かな傷も塞がっている。
ティトォを掴み上げていた村人の腕から力が抜け、解放されたティトォは尻餅をついた。
「げほ!げほげほ!」
「こ、これは、いったい……?」
コルベールは、驚きのあまりぽかんと口を開けていた。
古来より、傷を癒すのは、人の体に流れる水を操る『水』の系統の魔法なのである。
『火』の系統が傷を癒すなど、常識では、ありえない。魔法の法則から、大きく逸脱している。
それなのに、ティトォは秘薬の助けもなしに、『火』の力で、これほど強力な治癒の魔法を使ってみせた。
「……これが、ぼくの魔法。炎の魔力を変換し、傷を治す癒しの力にする。けが人をここに集めてください。ぼくが全員、治します」
「あ、ああ!わかった!おおい!おおい!怪我をしているものはこっちに集まれ!治療術を使える貴族がいらっしゃるぞ!」
シエスタの父は、気絶した母とシエスタを子供たちに任せて、村人たちに声をかけた。
足を怪我した者を運ぶのを手伝いながら、コルベールは目を輝かせてティトォを見ていた。
見つけた。
見つけたぞ。
きみこそ、私の……!


トリステイン魔法学院に、アルビオンの宣戦布告の報が入ったのは、翌朝のことだった。
王宮は混乱を極めたため、連絡が遅れたのであった。
ルイズは魔法学院の玄関先で、王宮からの馬車を待っているところであった。
その身は、儀礼用の巫女服に包まれている。なにも今から着付けしていく必要はないのだが、気分というやつであった。
しかし、やってきたのは馬車ではなく、一騎の竜騎兵であった。
566虚無のパズル ◆taPEIAkisc :2009/04/22(水) 01:53:30 ID:INVhf4+j
王宮からの使者であるという竜騎士の少年は、オスマン氏の居室をルイズに尋ねると、息せき切って駆け出していった。
「今の、ルネじゃないの」
使者としてやってきた少年は、いつかの日に『竜籠』を操ってルイズとオスマン氏を王宮まで送った、あの竜騎士見習いの少年・ルネであった。
ルイズは、ルネの尋常ならざるようすに胸騒ぎを覚え、こっそりと後を追った。


「宣戦布告とな?戦争かね?」
式に出席するための準備をしていたオスマン氏は、飛び込んできた使者の少年の言葉に、顔色を変えた。
「いかにも!アルビオンの宣戦布告を受け、姫殿下の式は無期延期となりました!王軍は、現在ラ・ロシェールに展開中!したがって学院におかれましては、安全のため、生徒および教員の禁足令を願います!」
「アルビオン軍は、強大だろうて」
使者の少年、ルネは、悲しげな声で言った。
「敵軍は、旗艦『レキシントン』号を筆頭に、戦列艦は十数隻。さらに、三千と見積もられる敵兵力が、タルブの草原に陣を張り、ラ・ロシェールに展開した我が軍と睨み合いを続けております。
 しかし、我が軍の艦隊主力は既に全滅……、完全に敵に頭を抑えられてしまったのです。かき集めた兵力も、わずか二千にすぎません。敵軍は空から砲撃をくわえ、難なく我が軍を蹴散らすでしょう」
「現在の戦況は?」
「敵の竜騎兵によって、タルブの村は炎で焼かれているそうです……。同盟に基づき、ゲルマニアへ軍の派遣を要請しましたが、先陣が到着するのは三週間後とか……」
オスマン氏はため息をついて言った。
「……見捨てる気じゃな。三週間の間、アルビオン軍を食い止めることはできまい。艦隊がやられた時点で、すでに勝敗は見えておる」
「ああ、そんな……、それでは、指揮を執られている姫殿下も……」
ルネは打ちひしがれるように、膝を付いた。オスマン氏はルネの言葉に、驚いて尋ねた。
「なんと言ったね、きみ。まさか、姫殿下おん自ら前線に……?」
「そうなのです。不毛な対策会議を続ける宮廷貴族たちに発破をかけるように、姫殿下おん自ら兵を率い、タルブへ向かったのです」
「おお、なんということじゃ……」
これにはさすがのオスマン氏も驚いたようすであった。
オスマン氏は、椅子に深く腰かけると、右手で顔を覆った。


教員室の扉に張り付き、聞き耳を立てていたルイズは、戦争と聞いて蒼白になった。
そして、タルブと聞いて顔色が変わった。シエスタの村じゃないの。
さらに、アンリエッタが戦地に向かったと聞いて、卒倒しそうになった。姫さまが、戦に?
たまらなくなって、ルイズは駆け出した。
567名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 01:53:51 ID:Wzce1tF+
よっしゃ支援
568虚無のパズル ◆taPEIAkisc :2009/04/22(水) 01:55:16 ID:INVhf4+j
走って、走って、学院の正門に辿り着いたとき、ふと我に返った。
わたし、今、なにをしようとしたの?
決まっている。タルブに向かおうとして、走り出したのだ。
姫さまを助けないと。シエスタを救けないと。
でも、ダメよ、ルイズ。あんたになにができるっていうの。
戦争なのよ。
相手は、空に浮かんだ巨大な戦艦。
『ゼロ』のあんたが行ったって、どうすることもできないわ……
ルイズはきゅっと唇を噛み締めて、ゆっくりときびすを返した。
学院の寮の、自分の部屋に向かって歩き出す。
そうよ、禁足令が出ているんだから……、部屋に戻らないと……

『待つのだ、ルイズよ』

「──誰!」
突然何者かに呼び止められ、ルイズは振り返った。

『いいのか?このまま引き返してしまって。もう二度と、友に会うことはできなくなってしまうのだぞ』

「誰よあんた!どこにいるのッ!」
ルイズは辺りを見回したが、朝もやの中に、それらしい人影は見えない。

『今すぐ、友の元へ向かうのだ』

「向かえって……、無理よ、戦争してるのよ。魔法が使えないわたしなんかがいたって、邪魔なだけよ……、足手まといになるだけだわ……」

『それでも向かうのだ。邪魔であろうが、足手まといであろうが、危機に陥っているのであれば手を差し伸べなければならない、それが友というものだ。ここで逃げることは、友から、そして自分から逃げることだぞルイズ』

ルイズはハッとして、自分の右手を見つめた。その手には、メイジの命ともいえる杖が握られている。
そうだ、わたしは、魔法は使えないけれど……
ルイズは杖を振るい、早口に呪文を唱えた。
「ウル・カーノ……」
突然、魔法学院の正門近くで爆発が巻き起こった。門の外に控えていたルネの風竜は、驚いて威嚇の鳴き声を上げた。
「ジエーラ!」
先ほどより巨大な爆発が起こり、魔法学院の正門はガラガラと音を立てて崩れた。
「ジュラ・イル・ゲーボ!」
さらに連続して爆発が巻き起こり、崩れ落ちる瓦礫をすべて、さらに細かく砕いた。
ぱらぱらと小石ほどの大きさになった瓦礫が、正門前に降り積もった。
ルイズは深呼吸して、きっと前を見据えた。
そうだ、わたしには、この爆発がある……、昔だったら、これはあらぬところを爆発させるだけの、失敗の証でしかなかった。
でも、今なら。ティトォの魔法で、爆発をコントロールできるようになった今なら、これは立派な武器になるわ!半端な『火』の呪文なんかより、よっぽど強力な、わたしの力よ!
「うわ!なんだこりゃ!」
素っ頓狂な声に、ルイズは振り向いた。粉々に砕かれた門を見て驚いているのは、学院長室から戻ったルネであった。
569虚無のパズル ◆taPEIAkisc :2009/04/22(水) 01:56:52 ID:INVhf4+j
「ちょうどよかったわ。あなた、わたしをタルブに連れていきなさい」
「み、巫女様?」
ルネはルイズの服装、式典用の巫女服姿を見て、怪訝な声を上げた。
「って、きみは。いつかの日に、オスマン氏と一緒に王宮へ送り届けた子じゃないか。なに言ってるんだよ。だめだよ、そんなこと。ぼくはまだ見習いだし、きみは学生じゃないか!」
ルイズが杖を振るうと、近くの地面が爆発した。土ぼこりが舞い上がり、ルネは目を丸くした。
「わたしはトライアングルクラスの『火』メイジよ」
ルイズは嘘をついた。ルネを納得させるには、得体の知れない爆発よりも、こっちのほうが通りがいいと思ったからだった。
「必ず姫殿下のお力になれるわ。連れていって」
「し、しかしだね。学院には禁足令が出ているんだよ」
ルネはそれを伝えに、こうして使者としてやってきているのである。
ルイズは懐から、一枚の書簡を取り出してルネの鼻先に突きつけた。
「……ひ、姫殿下の許可証?」
「わたしは姫殿下直属の女官です。姫殿下の御身の危機には、駆けつける義務があるわ!」
それを見て、ようやくルネの決心も付いたようであった。
「うむ……、そうだ、そのとおり!今は危急のとき!見習いだろうが、関係ない!トリステインの危機に駆けつけずして、どうして未来の竜騎士隊を名乗れようか!」
ルネはふとっちょの身体からは信じられないくらい身軽な動きで、風竜の背中に跨がった。
「よし行くぞ、目指すはタルブの村!きみも早く乗って!」
ルイズが風竜の背中によじ上ると、ルネは手綱を打ち、風竜を羽ばたかせた。
ルイズはすごいスピードで飛ぶ竜の背中の上で、ポケットを探り、アンりエッタからもらった『水のルビー』を指にはめた。
その指を、祈るように握りしめる。
姫さま……、どうか無事でいて。
それから、シエスタも……。わたしによくしてくれる、笑顔がすてきなシエスタ。どうか、無事でいて……。
……そういえばティトォもいるはずなんだっけ。ついでに、無事でいて……。
それから、懐に忍ばせた『始祖の祈祷書』に手を伸ばした。
伝統に倣い、肌身離さず身に持っていたのである。
ルビーを嵌めた右手で、『始祖の祈祷書』をそっと撫でる。
「始祖ブリミルよ……、どうぞ我らをお守り下さい」
その瞬間、『水のルビー』と『始祖の祈祷書』がぼんやりと光りだした。
しかし、『始祖の祈祷書』は懐に入れていたため、ルイズはそのことには気付かなかった。


タルブの村の火災はおさまっていたが、そこは無惨な戦場へと変わり果てていた。草原には大部隊が集結し、港町ラ・ロシェールに立てこもったトリステイン軍との結線の火蓋が切って落とされるのを待ち構えていた。
空には、部隊を上から守るため、『レキシントン』号から発艦したアルビオンの竜騎士隊が飛び交っている。散発的にトリステイン軍の竜騎士隊が攻撃をかけてきたが、いずれもなんなく撃退に成功していた。
決戦に先立ち、トリステイン軍に対し艦砲射撃が実施されることになっていた。
そのため『レキシントン』号を中心としたアルビオン艦隊はタルブの草原の上空で、砲撃の準備を進めていた。
タルブの村の上空を警戒していた竜騎士隊の一人が、自分の上空、千五百メイルほどの一点に、近付く一騎の竜騎兵を見つけた。
竜に跨がった騎士は竜を鳴かせて、味方に敵の接近を告げた。


ルイズは風竜から身を乗り出して、眼下のタルブの村を見つめた。
素朴で美しかったであろう村の姿はもはやどこにもなく、家々は醜く焼けこげ、ドス黒い煙が立ちのぼっている。
広大な小麦畑はすっかり焼け野原となり、アルビオンの兵隊たちが陣を張っていた。
シエスタが帰省した日、門の前ではち会わせた時の会話が、ルイズの脳裏に甦った。
『タルブの村は、小麦の名産地なんですよ。一面に小麦畑が広がって、とっても綺麗なんです。ミス・ヴァリエールにも、ぜひお見せしたいなあ』
アルビオン軍はゆっくりと行進していく。焼け残った稲穂が、兵隊たちに踏みにじられた。
ルイズは唇を噛んだ。血の味が滲む。
こちらに気付いた一騎の竜騎士が、上昇してくるのが見えた。
「叩き落としてやる」
低く唸り、自分の身体と、風竜の身体とをロープできつく結びつけた。
570虚無のパズル ◆taPEIAkisc :2009/04/22(水) 01:58:30 ID:INVhf4+j
「ルネ!突っ込んで!作戦は分かってるわね!」
「ああ、バッチリだ!しかし、本当にやれるのかい?」
「わたしは姫殿下直属の女官で、巫女で、トライアングルメイジよ!信じなさいッ!」
「了解だ、巫女さま!始祖ブリミルよ、我らに勝利のお導きを!」
ルネの叫びとともに、二人を乗せた風竜が急降下を開始した。


「一騎とは、舐められたものだな」
急降下してくる竜騎兵を迎え撃つため、竜を上昇させた騎士が呟く。
しかもよく見れば、あれは風竜である。
アルビオン竜騎兵の主戦力である火竜に比べ、風竜はブレスの威力で大きく劣る。戦向きの竜ではない。
竜騎士は、急降下してくる風竜の竜騎兵を待ち受けた。
さすが風竜だけあって、早い。
だが、アルビオンに生息する『火竜』のブレスの一撃を食らったら、風竜など一瞬で羽を焼かれ、地面に叩き付けられるだろう。
じりじりと急接近する敵を引きつける。間もなくこちらのブレスの射程に入る。
まだ、
まだ、
まだ……、
今だ!
ブレスを吐くために、火竜が口を開けた。
その瞬間、目の前の空間が爆発した。
「なッ!」
火竜は驚き、バランスを崩す。次の瞬間、またしても爆発が巻き起こり、羽を傷付けられた火竜は真っ逆さまに墜落した。


「やったぞ!」
「はしゃがないで!三騎、右下から来るわ!」
ルイズの言葉どおり、三騎が横に広がって上がってくる。
三騎の火竜は、ぼんぼんと炎のブレスを吐きかけた。ルネはすかさず風竜を操り、垂直に急降下する軌道を水平にした。
「うぐ……!」
急な機動の変化にルイズは振り落とされそうになったが、身体に結んだロープがルイズを支えた。
ごうと音を立てて、ルイズのすぐそばを火竜のブレスがかすめる。
「がんばれ、ベルヴュー。当たるなよ」
ルネは相棒の風竜の背中を、優しくぽんと叩いた。
風竜は大きく羽ばたき、加速した。背後から吐きかけられるブレスを避けながら、火竜の騎兵隊を引き離していく。
アルビオンの竜騎兵は、チッと舌打ちをした。風竜はブレスの威力で火竜に劣るが、スピードで勝るのである。
風竜は旋回して、ふたたび突撃してくる。すかさずブレスを放ったが、右へ左へと巧みに避けた。
「ええい!ちょこまかと……」
それ以上言うより先に、竜騎士の後ろの空間が爆発した。
爆風に押されて火竜はつんのめるようになり、背中に乗っていた竜騎士は振り落とされて、ぎゃあああああ……という長い悲鳴を残して、地面に落ちていった。
ルイズたちの作戦はいたってシンプルだ。
ルネが風竜で、魔法の射程ぎりぎりをひたすら逃げ回り、ルイズが爆発の魔法で攻撃する。それだけである。
しかし、この急ごしらえの作戦は、戦闘開始早々に二騎の竜騎士を落とすという大戦果をあげた。
なにしろルイズの爆発魔法は、狙った場所を直接爆発させることができるのである。
『ファイヤーボール』の呪文のように火の玉を飛ばすわけではないので、魔法の軌道を見切ることはできない。
魔法を使うルイズ本人以外には、どこが爆発するか分からないという、恐ろしい攻撃なのであった。
571名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 01:59:16 ID:+HJQzdWk
支援
572虚無のパズル ◆taPEIAkisc :2009/04/22(水) 02:00:14 ID:INVhf4+j
「すごい!すごいよルイズ!天下無双と謳われたアルビオンの竜騎士を、二騎も撃墜したんだ!きみはまさしく戦巫女様……、いや、聖女様だ!」
ルネは興奮して叫んだ。見習いの自分が立てたとんでもない手柄に、舞い上がっているのだ。
しかしルイズはそれどころではなかった。次々吐きかけられるブレスを、右に、左に、宙返りで避ける風竜の機動に、乗り物酔いを起こしかけているのだった。
「うぶ……、あんまり叫ばないで。気持ち悪くなってきちゃった……」
「うわ!やめてくれよ、こんなとこで吐かれたらたまらないよ!いや、待てよ。聖女様の体から出されるものならば、それは聖水のようなものじゃないだろうか?するとぼくは,きみのをこの身に受け止めるべきなのだろうか?ううむ……」
ルネがなんだかろくでもないことを言い出したので、ルイズはますます気分が悪くなった。
しかし、ルイズはぶんぶんと頭を振って、なんとか酔いを振り払った。
右から十ばかりの竜騎士が、こちらにめがけて飛んでくる。
ぶおおッ!と、火竜のブレスが飛んできた。風竜は左にかわす。
「ルネ、もう少し近付いて!魔法の射程圏外よ!」
「十騎の中に突っ込むのは無理だ!引き離しながら、各個撃破を狙おう!」
ルネが手綱を操ると、風竜はぐんと加速した。


ばきばきばき!と木の枝を折って、森の中に竜騎士が墜落してきた。
森に隠れている村人たちは、びくっと身をすくませた。
落ちてきた竜騎士は、死んではいないようだが、全身を強く打って身動きが取れないようだった。
村人たちは、おそるおそる空を見上げる。アルビオンの竜騎士隊と、一騎の竜騎士が飛び回りながら戦っている。
「王軍の騎士様かい?」
「しかし、一騎だけってのもおかしな話じゃないか」
そうして見守っていると、またしても味方の竜騎士が、敵を一騎落とすのが見えた。
おおお!と歓声が上がる。村を燃やした侵略者が、次々撃ち落とされている!
村人たちはその竜騎士の活躍に熱狂した。
そんな喧噪の中、ティトォは怪我人の治療を続けていた。
ほとんど休まずに魔法を使い続けているティトォは、傍目にも消耗して見えた。
目を覚ましたシエスタが、心配そうにティトォを見つめている。
ティトォは額に浮いた大粒の汗をぐいと拭うと、目の端で空の戦いを見た。
「ルイズ……、来たのか……、ほんとに、無茶するな……」
ティトォは誰にも聞こえないほどの声で、ぽつりと呟いた。
50人目の治療を終え、ティトォは声を上げた。
「次の怪我人を、こっちへ……」
しかし、足下がふらりとなって、ティトォはよろめいた。その身体をコルベールが受け止める。
「無茶だ、少し休みたまえ。このままではきみが潰れてしまう」
「でも……」
「大丈夫だ、きみのおかげで、あとは軽傷のものばかりだ」
それを聞くと、ティトォは少し安心したような表情を浮かべた。
「本当ですか、それなら、少し……」
その瞬間、ティトォの心臓が、ずぐんと跳ねた。
ティトォは胸を抑えるとうずくまり、ごぼりと大量の血を吐いた。
足下の草花が、ティトォの血で真っ赤に染まる。
「きゃあああああッ!」
シエスタが悲鳴を上げた。村人たちも動揺し、ティトォの元に集まってきた。
「ティトォ君!」
コルベールが蒼白になる。
ティトォは荒い呼吸を繰り返し、焦点の合わない目で、地面に倒れるように横たわった。
とうとう、来ちゃったか。肉体の限界が……
ぼくの魔法『ホワイトホワイトフレア』は、生物の肉体強化。
だから、アクアやプリセラと違って、こうなることはまずないはずだけど……、
アルビオンへの密命や、宝探しの冒険旅行、それにタルブ村の怪我人の治療。魔力を使いすぎたか……
573名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 02:02:50 ID:YmycWytd
支援ぬ
574虚無のパズル ◆taPEIAkisc :2009/04/22(水) 02:02:55 ID:INVhf4+j
「ティトォ君、しっかりしたまえ!」
どんどん呼吸が浅くなっていくティトォの姿に、コルベールは取り乱した。
「ああ、そんな。鼓動が弱くなっていく……、だめだ、死なないでくれ。死んではだめだ。きみは、私の夢なんだ……」
コルベールは、横たわるティトォにすがりついた。
「きみは、『火』の魔法で、傷を癒した。ここにいる人たちは、きみが救ったんだ。きみのようになりたいんだ、私は。
 私の『火』で、誰かの傷を癒したいんだ。魔法を平和のために役立てたいんだ!私は、きみのことがもっと知りたい!きみの魔法が!きみの力が!だから、お願いだ……、お願いだから……、死なないでくれ……」
最後の方は声がかすれて、ほとんど聞き取れないほどだった。
コルベールはまるで祈るように、ティトォの右手を握りしめる。
ティトォは左手で、そっとコルベールの手に触れた。
「大丈夫です……、また、会えますよ」
その言葉は弱々しかったが、穏やかな響きだった。
コルベールは思わず顔を上げ、ティトォを見た。
「ぼくは……、『ぼくたち』は、死んでも魂が入れ替わるだけ……、永遠に、その繰り返し……」
「……なんだって……?」
コルベールは言葉の意味が分からず、困惑した。
ティトォは首を回し、その人形のような瞳でコルベールを見つめた。
「ぼくたちは、先生の思っているような……、立派な人間じゃありません。ぼくたちは、罪人……、確かにぼくの魔法は、癒しの魔法。戦いには向きません。でも……、平和のためじゃない……」
すでにティトォの命は消えかけていた。しかし、ティトォは強い意志を込めて、言い放った。
「ぼくたちは、戦うために魔法の力を身に付けたんだ」
突然、ティトォの身体が光を放ち、膨大な魔力が吹き出した。
「きゃあッ!」
周りで見守っていた、シエスタや村の人々は、吹き荒れる魔力の嵐にあとじさった。
ティトォの身体は、まるでパズルのピースのようにばらばらに崩れ、吹き荒れる魔力に乗って宙を飛び回る。
「これは、いったい……!」
コルベールは光から目を庇いながら、その様子を見守った。
やがて、パズルのピースは一ヶ所に集まり、組み上がって、なにかを形作ってゆく。
ばらばらになったティトォの身体が、『別の何か』になってゆく……


「なんだと?この短時間で四騎が落とされただと?ばかな!」
艦砲射撃実施のため、タルブの草原の上空三千メイルに遊弋していた『レキシントン』号の後甲板で、艦隊司令官サー・ジョンストンは伝令からの報告に眉をひそめた。
「単騎で四騎を討ち果たしてのけたか。ふむ、英雄ですな」
隣に控えた『レキシントン』号艦長ボーウッドが、感心したように呟く。
575虚無のパズル ◆taPEIAkisc :2009/04/22(水) 02:04:19 ID:INVhf4+j
「なにを悠長なことを!私がクロムウェル閣下から預かった兵だぞ!たった一騎の敵になにをやっておるのだ!」
伝令は身を縮こまらせながら、報告した。
「て、敵は竜の背に、竜騎士とメイジを乗せているらしいのです。風竜の素早い動きでこちらの攻撃をかわしつつ、メイジが魔法を撃ってくるので、どうしようもなく……」
「二人乗り?馬鹿な、いかに風竜といえど人間を二人乗せて素早く飛ぶことはできまい」
「それが、どうもどちらも鎧を身に着けず、かなりの軽装らしく……、メイジの方はかなり小柄で、しかもおかしなことに、巫女服を纏っているとか」
「巫女装束?」
ジョンストンが頓狂な声を上げる。
「『聖女』を気取るつもりですかな。まさしく英雄ということか。しかし、たがが英雄。所詮は『個人』にすぎませぬ。いかほどの力を持っていようと、個人には、変えられる流れと、変えられぬ流れがあります」
ボーウッドは落ち着き払って答えた。この艦は後者に当てはまる。
「艦隊前進。左砲戦準備」
しばらくすると遥か眼下に、周りを岩山に囲まれたラ・ロシェールの港町に布陣したトリステインの軍勢が見えてきた。
まず、空からの艦砲射撃により軍勢の体勢を崩し、しかる後に『レコン・キスタ』軍の一斉攻撃を開始するのだ。
水兵たちにより、砲戦の準備が進められる中、またも伝令の声が響き渡った。
「竜騎士一騎撃墜!」
またしても自慢の竜騎士を撃墜されたとあって、ジョンストンは顔色を変えた。
ボーウッドはため息をつく。
敵の竜騎士の一騎など、捨ておいても戦局に変化はないだろうが、放っておくのも目障りだ。士気に関わる。
「ワルド子爵」
ボーウッドは呟いた。
『はっ』
ボーウッドの耳に、ワルドの声が響く。
ワルドは艦隊のはるか後方を飛んでいる。声を『風』の魔法で、『レキシントン』号のブリッジまで運んだのである。
「単騎に何を手こずっているのか。遊ばせるために貴官に竜騎士隊を預けたのではないぞ」
『これは手厳しい。しかしご安心召されよ、すぐさま打ち取ってごらんにいれましょう』
ワルドはそう呟くと、はるか眼下の、竜騎士隊と戦っている一騎の風竜を見つめた。
風竜の背中には二人の人影があり、一人は儀礼用の巫女装束を纏っている。
ヘッドピースが風に揺れ、見慣れたルイズの桃色がかったブロンドの髪が覗いた。
ワルドは口の端を吊り上げた。
生きていたか、ルイズ。
ワルドは、騎乗する風竜を急降下させると、声を『風』の魔法に乗せ、残った竜騎士隊に指令を下しはじめた。
576虚無のパズル ◆taPEIAkisc :2009/04/22(水) 02:06:50 ID:INVhf4+j
今回は以上です。途中の支援ありがとうございます。
次回で第三話は終了です。
ルネの竜の名前は適当に付けました。
577名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 02:16:28 ID:z+RaXk3Q
お疲れ様でした
しかし続きが気になってしかたないですね
578名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 02:29:15 ID:Wzce1tF+
投下乙
あの方がキタ――――!とか
ルネがまさかの大活躍wとか
存在変換ハジマタとか
言いたいことが多すぎるw
579名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 03:12:32 ID:OJFpU0g9
>>472
今ローカルでコネタだけどねこめーわく書いている…。
納得いったら投下するかも。
580名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 03:18:45 ID:8WQ0u7oq
マテパの人乙でした
遂にあの強すぎて出番の少ない人が来る!?
581名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 03:31:27 ID:hpoZT6vl
比古清十郎か……
582名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 03:45:00 ID:r8RTLY1y
マジ乙
たまに俺が夜更かしすると決まってマテパの人が来るな……

これはつまり毎日(ry
583名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 05:04:58 ID:tobxARji
マテパの人乙です

ぶっちゃけ、コッパゲが存在変換とかティトォの魔法の事を知るのは
原作の「炎の贖罪」までないと思ってたよ

後、キュルケ達は来ないんだろうか
この後周囲の人間を完全に置いてきぼりにした展開が来る事を考えるといてくれた方が…
他の作品だと、大概加勢に現れたりしてるしね
584名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 06:23:09 ID:c4CtzBZE
TAPキテター


ティトォ、よくがんばったよ
今はゆっくり休んでくれ
585名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 08:06:26 ID:UUQSXS9a
TAPの方、乙でした。
順当にくればPでしょうが、Aで大爆発というのも捨てがたい。次はどっちだと期待しております!
586名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 08:26:52 ID:iu0zuNg0
質問なんだがオールド・オスマンってどこで寝起きしてるの?
587名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 08:29:46 ID:pi9Q6hm0
モートソグニルの中。
あったかいナリィ……。
588名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 08:43:07 ID:/udLcOKG
そりゃ無理だろw
589名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 08:45:29 ID:lleY1/ZR
しかしルイズと被召喚キャラがまるっきり別行動のままタルブ戦突入って結構珍しいかも
あとルネ、マルコメ化してない?w
590悠二の人:2009/04/22(水) 10:41:31 ID:Hu9MaN/2
お久しぶりです。覚えてる方はいらっしゃるでしょうか?
短いですが、予約がなければ10:50から投下します
591名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 10:44:17 ID:HH8lqEa8
おおっ! 支援します。続きを心待ちにしていました。
592残り滓の使い魔‐06:2009/04/22(水) 10:50:35 ID:Hu9MaN/2
翌日の朝、ヴェストリの広場では悠二が常の日課である早朝の鍛錬を行っていた。
鍛錬を始める前にウォーミングアップとして学院の周りを一周走った後、昨日と同様に木の枝を剣に見立て、一心不乱に振るっていた。
(一つ一つの個々の動きじゃなく)
“徒”との戦い、そして鍛錬の際に常に目にしてきた、シャナが大太刀『贄殿遮那』を振る姿を思い出し、自身が木の枝を振る動作にトレースする。
(一連の動きとして、斬る!)
全身を流れるように動かし、目前に見えない敵をイメージし攻撃を繰り出す。
力を加えればすぐに折れてしまいそうな細長く、武器にするとしたら何とも頼りない木の枝だったが、悠二が無意識に“存在の力”を流し、一寸もぶれることなく空を裂く。
ここに来る前に、クリスマス・イブに御崎市を突如襲ってきた“紅世の徒”との戦いで、悠二は戦闘者として更なる飛躍を遂げ、本人も気づかぬうちに身体能力は人の域を抜けていた。


彼女は、己の手に炎を浮かべた少年の動きを見る。
(──すごいわ!)
常人を超えた動きを見せる少年の姿を、ただ、見る。


(誰かに見られてる? 森の中か?)
悠二は鍛錬を続けながら考える。
平時では警戒がいまだに出来てはいないが、“徒”との戦闘中や鍛錬中など集中しているときには気配を鋭敏に感知し、奇襲に備えることが出来ていた。
何者かが森の中からこちらを窺っているであろうことはわかったが、動く気配もなく、シャナが言う『殺し』を感じることもなかった。
(“徒”でもフレイムヘイズでもないし、偵察か何かかな? 人の使い魔は珍しいみたいだしな)
悠二は気配を感じ取りながらも、構わず枝を振り続け、何事もなく鍛錬を終えた。


部屋に戻りルイズを起こすと、すぐに洗濯をしにいなくなる。
このことをルイズは不満に思っているのだが、他人から向けられている気持ちに疎い悠二がこれに気づくことはなく、今日もルイズが自分で服を着ることになった。
外にある洗濯場に来ると、また先ほどと同様に視線を感じた。
今は鍛錬中などではなく、全く集中力を欠いているといっても過言ではないのだが、それでも悠二は気配を感じることができた。
(室内までは追ってこないってことは、誰かの使い魔かな? まあ、屋内まで追ってきたらすぐにばれるからな)
誰が見ているのかは皆目見当がつかなかったが、なんだか監視されているようで不愉快だった。
しかし、攻撃してくる気配もないので、とりあえず何か起こるまでは静観し、相手の出方を窺うことにする。

(それにしても、洗濯板で洗うなんて小学校の家庭科以来かな?)
こちらに召喚され、ルイズに小間使いのように使役され、ほんの少しとはいえ家事の大変さを自覚した。
(いつもは母さんにしてもらってたからわからなかったけど、感謝しないとな)
元の世界について考えると、早く帰らなくてはと焦燥に駆られる。
(焦っても仕方ないよな。とりあえず、情報収集しないと)
洗濯を終え、今朝から感じている視線を気にしながらも部屋に戻った。
593残り滓の使い魔‐06:2009/04/22(水) 10:53:25 ID:Hu9MaN/2
ルイズは後悔していた。それは、昨日に引き続き、今日も自分で着替えたからだった。
使い魔を召喚する前から自分で着替えていたのだから、別に自分で着替えても問題は無い。
しかし、使い魔がいるのに自分で着替えているのは、なんとなく負けたように感じていた。
(あいつは起こしたらすぐ洗濯に行っちゃうみたいだし、いったいいつ起きてるのかしら?)
どんよりとした雰囲気を纏いながら着替え、それが終わったと同時に、計っていたのかというほどのタイミングで悠二が戻ってきた。

悠二は部屋に戻ってくるとすぐに違和感を感じた。
召喚されてから常に元気だった、というより喧しかったルイズが、今日は何故か陰鬱な様子だったからだ。
(体調でも悪いのかな?)
悠二が部屋に戻ってきてもルイズはチラッと見ただけで、すぐに目を逸らしてしまう。
昨日までの様子とのギャップに戸惑ったが、一応声を掛けることにした。
「あの、ルイズ? どうかしたの?」
当たり障りのないように声を掛けたが、ルイズは生返事を返すのみで、具体的には何もわからなかった。
その態度に疑問しか浮かばなかったが、どうやら聞いても答えてくれなさそうだったので、これ以上このことには触れないようにした。要するに、臭いものには蓋をするということだ。
物憂げな表情のルイズと、その様子を不思議がる悠二は揃って食堂へ向かった。


「あんた、昼から厨房で食事もらいなさい。そっちのほうがいいでしょ?」
今日も床でスープを啜っていると、突然告げられた。
昨日の今日で、どう心変わりしたのかは不明だったが、悠二にとっては嬉しいことだった。
朝から運動をしていたら、こんな量の食事では足りるはずもない。しかし、この心境の変化には甚だ疑問であった。
何か悪いものでも食べたのか? といらぬ心配をしてしまうほどに。


朝食を終えると、悠二はルイズにコルベールの元へ行くと告げ、彼の研究室へ向かった。
彼の研究室は凄惨たる光景だった。何の本かはわからないが、研究書と思われるものが雑多に置かれ、実験用具なども所狭しと置かれていた。
足の踏み場もない、とは言い過ぎではあるが、とにかく物が多い部屋であった。それに、実験に使ったであろう薬品の臭いが部屋中に漂っていた。
コルベールは悠二が来たのを見ると、笑顔で席を勧めた。

「待っていたよ。それじゃあ、授業の時間にしようか」
昨日約束したように、悠二はコルベールにハルケギニアでの常識、魔法について学びに来ていた。
その代わり、地球の技術を教えることになってはいたが。コルベールが何から説明したらいいのか決めかねているようだったので、ハルケギニアの社会体系について聞いた。
「私はトリステインの人間だからあまり他国について詳しいことはわからないが、わかることは説明しよう」
そう言い、一対一の個別授業が始まった。ルイズに以前聞いたことがある内容もあったが、大まかにしか教えてくれていなかったので、改めてコルベールに聞いたことは正解だった。
たくさんの話の中でも悠二が特に興味を抱いたのは、ゲルマニアでは金さえあれば平民が貴族になることも可能であるということ、アルビオンという浮遊大陸があるということ、東方という場所が近隣の国にとっては人跡未踏で全くの未知の世界であるということだった。

(平民より貴族のほうが色々と便利そうだよな)
元の世界に戻るためには情報が必要不可欠であり、その情報を得るためには、平民より貴族のほうが圧倒的に有利であることは火を見るより明らかだった。
だからこそ、金があれば貴族になれるというゲルマニアには非常に興味がわいた。
(浮遊大陸か……一度は生で見てみたいな)
浮遊大陸なんてまさにファンタジーそのもののような存在に、年相応の好奇心から興味があった。
もっとも、現在は内戦状態にあるらしく行くことは叶わないが。
(未知ってことは、それだけ可能性があるってことだよな)
もし、ここで帰る方法が見つけられなかったとしても、更なる希望があり、安堵する。
コルベールがハルケギニアについて一通り話し終えると、今度は悠二が地球について教える番になる。

「じゃあ、僕も社会体系について話しますね」
悠二の話にコルベールは時折メモをしながら真剣に聞いていた。
基本的に日本のことしかわからなかったので、その辺は適当に誤魔化しながら話していたが、コルベールにとっては聞いたことのほとんどが目新しいことだった。
594残り滓の使い魔‐06:2009/04/22(水) 10:54:34 ID:Hu9MaN/2
「魔法については授業でもやっていることなので簡単に説明しますな」
魔法には先住魔法と系統魔法がある。先住魔法は比較的自在法と似ていて、杖を使わず口語で呪文を唱える。
系統魔法はメイジが使う魔法で、杖を用いルーンを唱えることで発動する。などといった、四系統の専門的な内容には触れなかったが、大まかなことは理解できた。
(一度先住魔法を見てみたいけど、……無理だろうな)
コルベールから聞いた内容では、先住魔法を使うのは主に亜人であり、必ずしも友好的ではないということだった。
中でもエルフは、メイジを十倍は集めないと対等ではないらしい。そう考えると、現実的に先住魔法を見ることは厳しかった。

「じゃあ、次は地球の技術について説明しましょうか」
悠二がそう言うと、コルベールは慌てて顔を横に振った。
「ちょっと待ってくれ。君の世界の社会のことをまとめるので精一杯なんだ。それはまた次の機会にしてくれ」
「じゃあまた今度ということで。ありがとうございました」
「ああ、こちらこそ。また何かわからないことがあったら、いつでも来てくれ」
コルベールに礼を告げ、研究室を後にした。

外に出ると、日の高さでかなりの時間が経っていたことに気づいた。
悠二、コルベール共に互いの話に夢中になっていて、今まで時間の経過を忘れていた。
(そういえば、おなか空いたな)
自分が空腹であることを自覚し、朝食時ルイズに、
『昼からは厨房で食事をもらいなさい』
と、言われていたことを思い出し、コルベールの研究室前を去った。
595残り滓の使い魔‐06:2009/04/22(水) 10:58:40 ID:Hu9MaN/2
「これ、すごくおいしいよ」
悠二は厨房にいた。ルイズに言われたとおりに厨房で昼食をもらっていたのだ。
出された食事は賄い食であったが、召喚されてからルイズに出された食事と比べると、まさに月とすっぽん、本当に満足のいくものだった。
昨日の昼のことといい、厨房の人たちにお世話になりっぱなしだったので食後のデザート運びを手伝うことにした。

「これ落としたよ」
悠二がデザートを配っていると、取り巻きの友人に自分を薔薇に例えて、特定の彼女がいないと宣言している、ギーシュと呼ばれている頭の悪そうな男子生徒がいた。
確かに顔は美形と言っても差し障りはなかったが、下手な歌劇でもやっているかのような振る舞いは傍から見ると気色の悪いものだった。
────そして、本当の悲劇の始まりは、その生徒のポケットから落ちた香水のビンを悠二が拾って、渡したところからだった。
「これは僕のじゃない。君は何を言っているんだね?」
ギーシュは否定したが、その香水のビンを見た周りの生徒たちが騒ぎ始めた。
「その香水はモンモランシーのじゃないか?」
「そうだ! その香水はモンモランシーが自分のためだけに調合しているやつだぞ!」
「ギーシュ、君はモンモランシーと付き合っている。違うか?」
周りの生徒たちが囃し立てる。ギーシュは否定していたが騒ぎは収まらなかった。

そうしていると、ギーシュのそばに一人の女生徒がやってきた。その子は涙をこぼしながら言った。
「ギーシュ様……やはり、ミス・モンモランシーと……」
「いいかい、ケティ。彼らはゴ」
ギーシュは全てを言い切る前に、ケティに思い切り頬を平手で叩かれた。パシンといい音が響いた。全身の動きが連動した、いいビンタだった。
「その香水があなたのポケットから出てきたのが、何よりの証拠ですわ! さようなら!」
帰り際に今度は逆の頬をビンタしてケティは去っていった。

悠二は面倒なことに巻き込まれる前に逃げようとしたが、今度は般若のような形相の巻き毛の女の子がやってきた。
「誤解だ、モンモランシー。彼女とは」
またしてもギーシュは言い切ることができなかった。モンモランシーがギーシュにワインを頭からかけ始めたからであった。
「やっぱりあの一年生に手を出していたのね……うそつき!」
モンモランシーはギーシュの股間を蹴り上げ、いなくなった。
あまりの光景に周りの男子は、股間を抑えたまま誰も動くことができなかった。それは、悠二も一緒だった。
すると、うめいていたギーシュが涙目で、悠二を睨み付けるようにして言った。
「君が軽率に、香水のビンなん、ビンなんかを拾い上げたおかげで、二人のレディの、め、名誉が傷ついた。どうして、くれるんだね?」
まだ股間が痛いのか搾り出すように、内股のギーシュは言った。
「えーと、ごめんなさい?」
ギーシュのあまりの悲惨さに、悪くもないのにかかわらず自然と謝罪の言葉を発していた。
疑問系ではあったが、謝罪には違いなかった。これで、自分にかかわることは全てが丸く収まったと思った悠二だったが、ギーシュは更に言いがかりをつけてきた。

「ああ、そうか。君はあのゼロのルイズが呼び出した、平民か。ゼロの使い魔に貴族の機転を期待した僕が間違っていたよ。
しかしこのままという訳にはいかないな。ふむ、決闘、いや、教育してあげよう。ヴェストリの広場に来たまえ」
そう言い残すと、取り巻きを引き連れて食堂を去った。ギーシュが一気に捲し立て言い切ったため、悠二に反論のひまはなく状況を把握しきれないまま取り残されてしまった。

「あ、あなた、殺されちゃう……」
悠二の後ろで身をちぢこませていたシエスタが震えながら言う。
「貴族を、本気で怒らせたら……」
「え?」
しかし、悠二の言葉を聞く前にシエスタは走り去ってしまった。
とにかく、決闘をするしないに関わらず広場に行かなければと思い、悠二が広場のほうへ向かっているとルイズが駆け寄ってきた。
「あんた、なに勝手に決闘なんか約束してんのよ」
「ええと、僕にもよくわからないんだけど、とりあえず、これは決闘じゃなくて教育らしいよ」
「教育なんてあんたを痛めつけるための体のいい言い訳じゃない。早く謝っちゃいなさいよ!」
ルイズはそう言ったが、悠二はギーシュの取り巻き数人の手によって引きずられて広場のほうへいってしまった。

────そして、ヴェストリの広場で決闘が始まった。
596悠二の人:2009/04/22(水) 11:02:51 ID:Hu9MaN/2
今回の投下はこれで終わりです
前回からだいぶ遅くなってしまいましたが、次回はそう間を空けずに投下できると思います
597名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 11:15:37 ID:HH8lqEa8
乙です
そりゃシャナの怖さに比べりゃギーシュなんかなあ…
決闘を教育と言い換えたのはうまかったです。では次回、どんな教育が行われるのか楽しみにしています。
598名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 11:49:57 ID:LenSs/GK
乙ー
悠二のすかしっぷりにワロタw
手乗り文鳥に指つつかれてるみたいなもんだろうしなあ。頑張らないと、機嫌を損ねることすらできないぞギーシュ。
599名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 11:59:39 ID:BMihFdii
虚無のパズル、次は誰に変換するんだろ?
プリセラ姐さん見たいけど、アクアのジャベリンズのお披露目もまだしてないんだよね。
600名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 12:20:15 ID:Vid/hvKQ
悠二の人乙です。
あぁよりによってww殺されはしないだろうがガンガレギーシュww
601名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 12:26:32 ID:FIPajBQa
そろそろ幻獣系召喚されないかなぁ
通常会話での意志疎通ができない、4ルーンに絡めにくく難しいのはわかるけどさ
602名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 12:40:11 ID:0HGVdtwP
4ルーンでくちばしに剣を銜えて戦う鳥とか想像してしまった。
ガンダー補正で達人の剣さばき。
603名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 12:42:23 ID:0HGVdtwP
人間の剣士ならともかく、剣を銜えた鳥に負けたら精神的に立ち直れないだろうな。
604名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 12:42:55 ID:+k1G/W7M
>>601
ブラムドが呼ばれてるザンス

北野君は何系に分類されるのだろう・・・・・・・
605名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 12:46:47 ID:9WE4ck4p
姉妹スレなら、再召喚したマリコルヌの鳥を奪って契約したルイズがいるけどな

ガンダ意味ねーから能力奪われて再利用されてたが
606名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 12:50:47 ID:+wibCAaU
あの作品はプッチ神父の言い様が凄かったw
まあ実際あのくらいの事は平気で言うキャラなんだが
607名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 12:54:18 ID:pi9Q6hm0
>>604
あれはブラムドの皮をかぶった別物だろ……。
あまりSWファンを怒らせない方がいい。
608名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 12:55:07 ID:o4VcH2/+
毒吐きへ
609名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 13:17:16 ID:iceu+LCu
SWファンって色々いるんだな
ロードス自体嫌ってる奴とかもたまにいるからなぁ
610名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 13:17:24 ID:wtO8c56F
別物とかなんとか以前に会話で意思の疎通ができないっていう>>601の条件に合ってないぞ
611名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 13:19:04 ID:qwlMZ+5P
ケンジャキかダディあたりを召還したらよかんべ。
612名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 13:38:03 ID:+k1G/W7M
意思の疎通ができないっつーと・・・・・・ラクス・クライン?
613名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 13:40:45 ID:qwlMZ+5P
つーかマジで橘さん召還するSS見たいな。
普段はダメ大人だけど活躍するときはものすごいカッコいいっていう。
あと騙して利用しようとしたやつには軒並み死亡フラグが立つw
614名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 13:50:33 ID:Wzce1tF+
橘さんなめんなコラ
味方の時は役立たずだが、敵に回ると急に強くなる超めんどくさい人なんだぞ!
あと味方が死ぬと無双モード突入
615名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 13:53:12 ID:mc6LzQBj
いまどきの小学校で洗濯板で物を洗うなんてあるのかなあ。
冬の掃除でめちゃ冷たいバケツの水で雑巾をしぼって床を拭いたのも、今じゃもう懐かしい。
それにしても悠二にしても才人にしても順応性高いな。
616名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 13:53:55 ID:iceu+LCu
橘さんのダメな部分のみを抽出した菱形という人物がどこかの並行世界にいるらしい
617名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 13:54:10 ID:c1KWJTkc
無双モード条件が厳しすぎる
618名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 13:54:33 ID:/B6Wv7Cy
>あと味方が死ぬと無双モード突入
となるとウェールズ死亡後のワルド戦が凄まじく格好良いことになると?
…やべぇ、超見てぇw
619名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 13:58:49 ID:2ywj/cRe
>>614
褒めてるのか貶してるのかハッキリしろ!
620名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 14:02:03 ID:K1dloHyf
馬鹿、橘さんが強いのは迷いがないときだ。
621名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 14:12:27 ID:GR0dzoLG
橘さんには利用した組織が壊滅すると言うジンクスが…
622名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 14:14:52 ID:c1KWJTkc
トリステインが壊滅するのか
623名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 14:40:51 ID:Vid/hvKQ
いやここはガリアかロマリアに亡んでもらおうww
624名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 14:42:55 ID:Vid/hvKQ
>>619

最高の誉め言葉だぜ?
625名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 14:49:33 ID:Vid/hvKQ
いっそのことディケイ…まだ一通り廻って無いから無理かorz
626名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 15:12:54 ID:+k1G/W7M
迷いの無いダディと迷いを吹っ切ったエドワゥさんと、どっちがレアモノ?

しかしエドワゥさん、じつはめっさ当たりじゃね?
普通に能力値全般高いしカリスマめっさあるし。
変態四冠王とかいわれる性癖がアレだが
627名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 15:16:22 ID:+wibCAaU
だけどあの人変なところでインテリだからなぁ
(しかも悲観的な理想主義者、ライバルは粘り強い現実主義者だが)
それこそルイズほったらかしで暗躍しかねん
628名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 15:19:26 ID:/B6Wv7Cy
ルイズのところにディケイド、ジョセフのところにディエンドか
ルイズとジョセフがどんな超絶変形をするのか楽しみだな!
629名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 15:33:08 ID:/qq5EuuJ
七万相手に突っ込むときにはもちろんBGMがrebirthですね
死んだと思ってるルイズの元にちゃっかり帰ってくる、と
630名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 15:39:35 ID:Vid/hvKQ
>>628

ちょっとくすぐったいぞ→ルイズブリミル
痛みは一瞬だ→ジョゼフヨツムンガンドル

そんな電波を受信したw
631名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 15:45:36 ID:Vid/hvKQ
>>629

かっけぇ。
ヤベェwktkして来たw
632名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 17:00:20 ID:gpjRuvP/
だけど橘さんって銃使いだと当たりだよね。
何しろ弾丸の補充を気にしなくてもいい上に生身でもそこそこ戦闘力ありそうだし、そんな橘さんに
ガンダ効果が上乗せされるとヘシン時はとんでもない事になるんじゃなかろうか?

それとも物語が終了した時点から呼び出して、フーケイベントでライダーシステム入手とか?
633名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 17:01:29 ID:qJbf3OPw
また橘さんを無職にするつもりか
634名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 17:02:59 ID:dN5yLiGh
オデノガラダハボドボドダ!!
635名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 17:25:18 ID:+k1G/W7M
でもガンダ補正とか入ったところで所詮ダディはダディ

適当な事言う敵の口車に乗って裏切る→反省→また裏切るを繰り返す
という役を回されるのがオチでせう
636名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 17:37:05 ID:iceu+LCu
包容力があると見せかけてまったく無い人なのが問題だ。
ついでに言うと人を見る目も無い。劇場版は新ライダーに何故あんな問題ある奴ばかり集めたのか。
637名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 17:49:16 ID:c1KWJTkc
>>632
フーケイ ベントと区切ってしまった
638名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 17:49:18 ID:/EP5mhMH
そりゃあ旧ライダーだって問題ある奴ばっかりだし……
639名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 17:56:47 ID:NP/WHkcL
問題のある旧ライダーとな?
ようし、漫画版Xライダーを召喚だな。
640http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/news/1240383773/:2009/04/22(水) 18:24:31 ID:eg2cEe+A
おまえらルイズ達の住んでる惑星見つかったみたいだぞ
641名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 18:25:11 ID:eg2cEe+A
すまん慌てて名前らんにアド書いちゃった
ttp://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/news/1240383773/
642名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 18:42:12 ID:SXo+VS0l
問題があるライダーといえば…カードウォリアーズの龍騎だな

召喚→気絶してる?→今のうちに契約のキスを…→「わはは起きざまキーック!!」

くらいはやる。
643名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 18:56:46 ID:9X/6Z/ag
王蛇が召喚されてたけど中の人繋がりでシャンゼリオンとか・・・
644名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 18:59:44 ID:mU1RwMNC
鯖じゃねェ!!
645名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 19:04:43 ID:NxAaT9L0
>>645
wikiにあったから

ここは、黒岩省吾か速見のどちらか召喚で
646名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 19:14:12 ID:nbk3pYdy
蒼い使い魔は一番出来が良い作品だと思う。更新が楽しみでたまらない。常に自身の意思で行動しているバージルは他の作品のキャラみたいにルイズに都合の良いだけの存在ではないし、彼の強さがルイズにやりたい放題を許さない所が良い。
647名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 19:15:18 ID:tobxARji
>>599
俺も姐さんが見たいんだが、
ルーン補正とか能力的に考えるとアクアが妥当なんだろうなぁ
姐さんはルイズの姉達と絡めて欲しいところ
648名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 19:16:01 ID:EZwKeFWM
やりたい放題してるだろ『使い魔の財布は私の物』って状態はやりたい放題と言わんのか?
649名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 19:26:52 ID:nbk3pYdy
物語はルイズを中心に廻ってるんだからそれくらいのことは目を瞑りなさい。
650名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 19:29:26 ID:QtW6tUwz
>>647
ワルド、今度はアクアと戦う羽目になるのかな
651名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 20:11:46 ID:xBjsBGbu
>>647
姐さんは髪の色とかルイズと同じだしな
ルイズ・カトレア・姐さんで並ぶと三姉妹に見えそう
652名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 20:13:20 ID:/5F2YAOB
>>651
長姉空気化かよ

いや原作でも良いところないけどさ
653ゼロHiME:2009/04/22(水) 20:14:08 ID:ODZZlU04
ゼロHiME〜嬌嫣の使い魔〜の幕間その2が書きあがったので20時25分から3レスほど使って投下したいと思います。
進路オールクリア?
654名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 20:15:12 ID:/5F2YAOB
クリアー
655名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 20:18:00 ID:xBjsBGbu
>>652
カトレアとエレオノールは俗に言う『良い警官・悪い警官』な役割だと思うんだ
そして支援
656名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 20:19:33 ID:iu0zuNg0
ハリアー
657ゼロHiME:2009/04/22(水) 20:26:16 ID:ODZZlU04
それでは投下始めます。
658名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 20:27:27 ID:/5F2YAOB
>>655
踏み台か
659ゼロHiME〜嬌嫣の使い魔〜 幕間その2 1/3:2009/04/22(水) 20:28:21 ID:ODZZlU04
 
 ニューカッスルの南西、港町ロサイスとシティオブサウスゴータを結ぶ街道から外れた森の中にウエストウッドという村がある。
 そこは親を亡くした子供たちが身を寄せ合って暮らす、孤児院の役割を果たしている小さな集落だ。

 その集落の裏手にある小川で歌を口ずさみながら洗濯をする少女が一人。
 年のころは15〜16、整った顔立ちに青く澄んだ瞳、長い金髪に雪花石膏のような白肌、豊満な胸、まるで絵画から抜け出たような美しさを少女は持っていた。
 ただ一点、金髪から覗く耳が、人々が忌み嫌う忌わしきエルフと同じく尖っていることを除けば――。

 「……?」

 少女は誰かが自分を呼ぶ声に尖った耳をぴくりと動かす。洗濯する手を止めて後ろを振り返ると、集落の方からテファと同い年ぐらいの少女が走ってくるのが見えた。

 「どうしたの、ハルカ?」
 「どうしたって……あんたねえ、いいかげんもう昼食の時間よ。テファが来ないと食事始まらないから、子供たちがお腹すいたって大合唱してるわよ」

 のんびりとした少女――テファの問いにハルカと呼ばれた少女がげんなりした様子で答える。

 「あら、もうそんな時間? でも、これから洗濯し終わった洋服やシーツを干さなきゃいけないのだけど」
 「そんなの後で皆と一緒にやればいいでしょ! 大体テファはなんでも自分でやろうとしすぎなのよ」
 「別にそんなつもりはないのだけど……」
 「実際そうなんだから言い訳しないの。ほら、さっさと行くわよ!」
 
 そう言って二つある洗物が詰まった籠の一つを持ち上げ、集落へと向かって歩き出したハルカをもう一つの籠を抱えたテファが慌てて追いかける。。
テファがこの少女――珠洲城遙と出会ったのは二週間ほど前の虚無の日のことだ。

 その日、テファは集落のそばにある森の中で使い魔召喚の儀式を行っていた。
 さる貴族とエルフの間に生まれた彼女は魔法を使う才能があったが、今まで特に使い魔を召喚しようと思ったことはなかった。
 そんな彼女が何故いまさら召喚の儀式をしているのかといえば、数ヶ月前に出稼ぎに出た同居人の女性メイジが『使い魔がいた方がいい』と言っていたことを思い出したからで、要するに単なる思いつきである。
 テファは準備を整えると、期待と不安を胸にサモン・サーヴァントの呪文を唱え始めた。

 「……我が名はティファニア、五つの力を司るペンタゴン。我の運命に従いし、使い魔を召喚せよ!」

 呪文の完成と同時に爆音と黒煙が巻き起こり、それが晴れた後に現れたのは、気絶している黄色身がかった茶髪と豊かな胸、そして広いオデコが印象的な自分の同じ年ぐらいの異国風の服を着た少女だった。

 「……えっ?」

 てっきり小動物かなにかを召喚したと思っていたテファは、それが人だったことに驚き、慌てて少女へと駆け寄った。

 「ええっと、私の声が聞こえますか? お願い起きて、起きてください!」

 テファは少女の目を覚まさせようと声をかけながらぺしぺしと頬を軽く叩く。
660ゼロHiME〜嬌嫣の使い魔〜 幕間その2 2/3:2009/04/22(水) 20:30:23 ID:ODZZlU04

 「ううぅん……うるさいわねえ、雪乃――って、誰よ、貴方? というかここどこ?」
 
 少女はむずがるように目を覚ますと、自分を抱きかかえているテファを不審そうに見つめた。

 「私はティファニア、ここはアルビオンのはずれにあるウエストウッド村よ。それであなたは?」
 「私は風華学園生徒会執行部部長、珠洲城遥よ。それよりアルビオン? ウエストウッド村? なにそれ、どこの外国よ? 大体、私は学園で化け物をつれた結城奈緒に襲われて……そうよ、雪之! 雪之はどこ?」

 そう叫んで遙は立ち上がろうとするが、酷い眩暈を感じてそのまま地面にへたり込み、テファが慌てて支える。

 「だめですよ、急に立ち上がったりしたらさっきまで意識がなかったんですから」
 「くっ……こうしてる間にも雪之が危険な目に遭ってるかもしれないのに……なんで私はこんな見知らぬ場所にいるのよ! ねえ、どうして? どうしてなのよ?」
 「それは――」

 今にも掴みかかりそうな勢いで問い詰めてくる遙の様子にテファは一瞬、言葉に詰まるが、こんな状況を作った原因は自分にあるのだと思い直し、彼女の身に何が起きたのかを説明し始めた。
 自分が魔法使い(メイジ)ではないが魔法を使えること、魔法使いは動物を使い魔として召喚して使役すること、自分が試しに召喚の儀式を行なったら動物でなく彼女が現れたことを話した。

 説明を聞いている間、遥は何も言わずに彼女の言葉に耳を傾けていたが、終わると同時にうさんくさそうな表情で聞きかえした。

 「正直、魔法使いや使い魔とか非科学的すぎるんだけど……つまり、私は貴女の使い魔としてこの世界に召喚されたってこと?」
 「あの、ごめんなさい……正式な魔法使いじゃない私が思いつきでやった召喚の儀式のせいで貴女を遠い異国に呼び出してしまって……。でも、大丈夫。ちゃんと私、貴女を元の場所に戻す方法を探してあげるから」
 「探してあげる……ってことは、元の場所の戻れる方法は今のところないわけね」
 「あう……」

 遙は自分の指摘にしゅんとなるテファをしばらく呆れたように見ていたが、やがてあきらめたような表情でため息をついた。

 「仕方ないわね。そのかわり帰る方法が見つかるまで生活の面倒をみてもらうわよ。当然だけど使い魔の契約とかはなしね」
 「あの……怒らないんですか?」
 「だって、貴女の話だと私が召喚されたのは事故みたいなものでしょう? なら責めてもしょうがないじゃない」

 それ以来、遙はこの村の住人となった。
 最初のうちは持ち前の厳しさからビシビシと叱り飛す遙と子供たちの間でギクシャクしたりもしたが、何事にも一生懸命な彼女と接するうちに子供たちも次第に打ち解け、遙はあっという間に村での生活に馴染んでいった。


 「うふふ……」
 「……なによ、思い出し笑いなんかして」

 遙が呼び出されてからのことを思い返して笑みをこぼすテファに、遙がむっとした表情を浮かべる。
661ゼロHiME〜嬌嫣の使い魔〜 幕間その2 3/3:2009/04/22(水) 20:32:09 ID:ODZZlU04

 「別に深い意味はないの……ただ、ハルカがここに来てから毎日が楽しいことばかりだなって……私、今まで同い年ぐらいの友達なんていなかったから」

 テファはそう言いながらうれしそうに微笑むが、すぐに遥の境遇を思い出して表情を曇らせる。

 「ごめんなさい、友達だなんて私の勝手な言い分よね……あの日、私が召喚の儀式なんかしなければハルカは―――痛っ!」

 なおも言い募ろうとするテファの額を遙がコツンと軽く小突く。

 「こらこら、その話はもうしないって約束でしょ! 前も言った通り、事故ってことで私が納得してるんだからテファが気に病む必要ないの。大体、あんたみたいな世間知らず、危なっかしくって置けないでしょうが」

 遥は顔を紅潮させてぶっきらぼうにそう言うと、照れ隠しなのかテファの持っていた籠も奪い取ってずんずんと歩いていく。
 とっさのことにテファがあっけに取られていると、先に家の前についた遥が振り返って声をかける。

 「テファ、ぼーっとしてないでさっさと来なさいよ。私だってお腹すいてんだから」
 「……ええ、そうしましょう」

 テファは遥に満面の笑顔で答えると、二人一緒に子供たちのざわめきが響く家の中へと入っていった。
662ゼロHiME:2009/04/22(水) 20:35:15 ID:ODZZlU04
以上で終了です。
ちなみに舞HiMEのキャラは静留と遥をふくめ、3人だけ出てきます
663名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 20:42:18 ID:cGqVE8g+
乙ー
664名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 20:44:08 ID:8I3F/r4w
>>662
激しくGJです。
さっそくwikiまとめてこようと思っているのですがファイル名は
navi対応のものでよろしいでしょうか?
許可が頂ければ旧式ファイルも併せてnaviに整えさせていただきまが
いかがでしょう。
665ゼロHiME:2009/04/22(水) 20:55:53 ID:ODZZlU04
>>664
はい、よろしくお願いします;
666名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 20:56:56 ID:8I3F/r4w
了解です
667名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 22:11:47 ID:iu0zuNg0
二億年前のように静かだね
668名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 22:19:06 ID:ll0myRhh
あぁ未来だって鯉は同じ魚
669名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 22:24:42 ID:RVKXJFzd
いや、2億年前の方がまだ騒がしいんじゃないか?
670ゴーストステップ・ゼロ:2009/04/22(水) 22:27:16 ID:Oti72ybU
媛の人乙でしたー
じゅ…ゲフンゲフン
執行部部長が来ましたかー、考えてみればテファと雪乃の中の人は同じだしなぁ…。
後、来ている人というと関係的に奈緒になるのか?
671名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 22:28:00 ID:Oti72ybU
↑すいません又名前消し忘れた…orz
672名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 22:28:22 ID:4AW4aaMT
どなたか「桃髪の爆発魔と銀髪の騎士」の情報をお願いします。
「ゼロの騎士」で三話まで読んだんですが、続きが気になって気になって・・・・

作者さん、再表示してくれないかなぁ・・・・
673名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 22:30:06 ID:7PRNOWur
>>647

そこまでのダディの流れから、姐さんって見て虎姐さんかと思ったわwww

つかみんなダディ好きだなwwwまぁ俺も好きだけどw
674名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 22:38:30 ID:NP/WHkcL
>>667
マクロスを召喚しろと?
675名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 22:41:25 ID:wKAzvVgK
>>650
アクア相手ならまだ戦いになる

姐さん相手だと一方的にボコられるだけかと
676名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 22:44:41 ID:OhoAwSo7
ディケイド召還ネタ上がってるーっ!?

9つの世界訪問後って脳内設定でボチボチ書いてんですけどね、
肝心の本編がそこまで進んでないので投稿はそれまでお預けです

…まぁ本編の展開具合に応じて最悪廃案になる可能性もありますが…
677名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 22:46:13 ID:Hart4+XE
多分ディケイドは劇場版を参考にしたほうが書きやすいと思う
678名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 22:47:28 ID:qBHsxM6D
俺も考えてた。現段階でもどうにかなりそうだなと
でも人気ありそうだからやめとくw
679名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 22:52:37 ID:Vid/hvKQ
>>676

俺は待ってるぜ
680名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 23:00:59 ID:kCZnxm3O
今更だけど>>632
威吹鬼さんまじ当たり
681名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 23:03:45 ID:wlU2KVuu
>>676
俺も待ってるぜw
ディケイドを書くからには、戦闘シーンにはファイナルフォームライドで成敗するシーンをちゃんと入れろよ?
ルイズだけじゃなく、シエスタやギーシュもちゃんと変形させるんだぜ。
682名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 23:08:19 ID:ll0myRhh
ヒラキにされて背中から30メイルの巨大ゴーレムを引きずり出されるフーケ
683名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 23:08:27 ID:GlS3dBfC
>>681
先生!ギーシュは薔薇に変形するとして、他がどんな変形をするのかが想像できません!
684名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 23:10:01 ID:Hart4+XE
ルイズは爆弾にでも変形しておけば良いんじゃないかな!
685名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 23:10:10 ID:nNrHt9VI
>>683
タバサシルフィードは出るだろうな
686名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 23:10:58 ID:qBHsxM6D
テファはおっぱいに変形だな
687名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 23:11:53 ID:fbD3Rg2j
シエスタはゼロ戦で、キュルケは何だ?
688名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 23:13:12 ID:wlU2KVuu
>>687
キュルケは…くのいち忍法帳のおっぱいから火を出すくのいちだな。
689名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 23:13:57 ID:2afmZSFh
ディケイドは召喚しなくても勝手に役割を与えられて現れるからな
しかも原作とは違う設定や展開で話が進むし
今までとは違う展開が期待できる
サイトが仮面ライダーガンダルーヴとかいったりするのも面白いかもしれん
690名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 23:15:33 ID:Hart4+XE
>>689
お前言う前にそれで書けよ……。
超面白そうじゃねぇか。
691名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 23:26:49 ID:Gv9yepAH
ワルド「ガンダールブ・・・・・・否、貴様いったい何者だ?」
士「覚えておけ、通りすがりの仮面ライダーだ」

って感じですかw
692名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 23:28:16 ID:zuG0LFxa
仮面ライダーいない世界だとただのマヌケ発言だな
693名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 23:30:05 ID:LZZxqsuA
そしてここでもクウガには変身しないユウスケと、羽ばたかずにプルプル動くキバーラであったとさ
694名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 00:08:38 ID:1KigDYWx
むしろサイトがユウスケポジションに
ファイナルフォームライド
ガガガガガンダールヴゥ(デルフリンガーに超変形するサイト)
695名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 00:15:53 ID:0qrunika
バ、バイクがない世界でライダーなんて…
と思ったけど、平成ライダーではバイクなんてオマケみたいなものか…。

よしマティウス陛下の3話4話の推敲終了。
明日、明後日くらいには投下するぜ。
696名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 00:26:36 ID:yyaidQ5+
古代のクウガはバイクじゃなくて馬に乗ってたみたいだけどな
しかもゴウラムと合体してるし
(かなり昔のホビージャパンSICコーナーより)
697名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 00:30:48 ID:SYm+80n1
>>688

キュルケはフレイムに変型だろJK。…オストラント号に変型しても面白そうだw
698名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 00:31:35 ID:mB4EajlP
シンみたいにバイクに乗らないライダーがいたっていいじゃない!!
699名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 00:33:02 ID:SYm+80n1
虚無持ちは祈祷書とかオルゴールに変型しても面白そう。
700名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 00:35:50 ID:SYm+80n1
>>695

wktk
701名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 00:46:41 ID:SYm+80n1
いっそのことアークルとかライダーシステムをゼロ魔の世界に持ってくれば…

ルイズ→クウガ
キュルケ→龍騎
タバサ→ブレイド
ギーシュ→カブト
シエスタ→電王
エルザ→キバ
コッパゲ→ファイズ
アニエス→響鬼
アン様→アギト
こんな感じに。
702名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 00:51:58 ID:E22cAGRf
ディケイド召喚考えてる奴は結構いそうだな・・・
本編終了後の投下競争率高そうだ・・・同時期にネタ被るのはアレだしな・・・
>>701
シルフィはギャレンになって騙されるんですね、わかります
703名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 01:08:20 ID:s8g0OS76
バイクがいらないライダーの元祖はスカイライダー
704名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 01:10:01 ID:/Dzac9NP
メンヌヴィルが良いやつだったらなぁ……

コルベール:一号
メンヌヴィル:二号
アニエス:ブィスリャー!

で完璧だったのになぁ……
705名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 01:10:37 ID:4TJsAT5G
>>695
響鬼とか電王でのバイクの扱いは酷かったな
706名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 01:11:02 ID:7upGo3du
>>698
そうだな、響鬼みたいなバイクじゃなく音楽に乗るライダーだって良いよな

……あれ、ハルケギニアってモンスター普通に出るし鬼に相性良いのか?
707名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 01:12:29 ID:4TJsAT5G
>>703
やつはOPでいつもライダーブレイクかましてただろ
708名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 01:17:45 ID:mB4EajlP
ああ、あの村上弘明が石ノ森章太郎に突っ込んで出来てっていう技か
709名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 01:35:41 ID:fOjO5unu
島本和彦曰く変身ポーズに気合が入ってなくて駄目な人か
710名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 01:44:55 ID:SYm+80n1
>>701

サイガメンヌウ゛ィルVSファイズコッパゲと龍騎キュルケによる空中戦

ケルベロスジョゼフVSブレイドタバサとギャレンシルフィ

モンモンとケティの地獄姉妹に襲われるカブトギーシュ

G4ワルドVSクウガルイズ

そんな電波を受信した。
711名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 02:29:58 ID:NN2IHl12
仮面ライダーといえば敵の改造人間を召喚とかどう?
死神博士、アポロガイスト、タイタン、ジェネラルモンスター、テラーマクロ。
人間の姿にもなれる幹部怪人ならまだいい。
十面鬼、ジェネラルシャドウなど見た目が即アウトな奴を喚んだら。
712名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 02:39:46 ID:KswM6/Fe
アポロガイストを召喚したら・・・次の日死んでた。
713名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 02:45:25 ID:fOjO5unu
縁日で取った金魚みたいな言い方すんのやめろw
714名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 02:55:24 ID:/Dzac9NP
>>711
シャドームーンは!?
715名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 03:02:46 ID:ThO3Pqxx
街中で戦ってたはずなのに、気づいたらいつのまにか山の中の採石場みたいなところにいたりする使い魔たちですね。
716名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 03:45:19 ID:10ocH0yi
悠二の人、無理矢理決闘に持ってきすぎ。一応謝罪している相手に決闘を吹っかけるほどギーシュは好戦的ではないよ。
決闘の流れにしたいのならもう少し肉をつけて欲しかったな。
717名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 07:01:18 ID:DI0Jpr6E
「今度はゼロの使い魔の世界か」
「このバカ犬、早く来なさい!」
「どうやらこの世界での俺の役割はルイズの使い魔らしいな」
718名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 07:32:32 ID:QRL4Mcg1
今までの話を見た限りでは
毎回与えられる役割はその世界のキーマンではなかったやうな希ガス。
それがガンダ役を与えられると言う事は、ちょっとヒネリが入ってる感じね。
719名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 07:35:08 ID:fCbp7cvG
突然蛙の着ぐるみ状態でモンモンの使い魔の役目でやたらとルイズに嫌われるんだよ
720名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 08:06:03 ID:M6yXalkW
巡査(クウガ)、バイオリニスト(キバ)、弁護士(龍騎)、食堂のチーフ(剣)、学生(555)、郵便配達員(アギト)

ゼロ魔での役割は……うーん、やっぱり平民なのは確実かな?
721名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 08:10:29 ID:E22cAGRf
平民だと面白味に欠けるよな、要はただの一般人だし
そこは作者の腕の見せ所か
722名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 08:34:22 ID:KGMGNTw6
>>706
オークをデスファイヤーでまとめて焼き払い
フーケのゴーレムの背中でドンドコしてる響さんとかみてみたいなw
723名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 08:45:36 ID:9Y/K3cBH
おマチさんが破壊の杖(醒杖レンゲルラウザーか牙召杖ベノバイザーあたり?)を盗もうとして
ディエンドに横取りされる姿を夢想した。

しかも横取りしておいてレア度が低いとご不満のご様子。
724名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 08:47:38 ID:8EfoXWza
平成ライダー最大級の不幸を持つ芦原涼(仮面ライダーギルス/イクシードギルス)を召喚。
関わる人間が悉く、彼が関与することなく死んでいくという……
725名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 08:52:59 ID:wHBpIwz/
>>720
意外!!学院のメイド!!
726名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 08:58:59 ID:9Y/K3cBH
確かに魔法学院の生徒、はたまた教師をやるには
魔法を使える事が前提になるので
配役として少々無理が出るのは間違いない。

と言うかむしろ平民で良いと思う。
役立たずの平民だと思っていた男が実は・・・!
ってのは王道だょね。
727名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 09:00:46 ID:9Y/K3cBH
・・・は!
ルイズと同様、魔法を使えない生徒と言う配役もアリか!
728名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 09:23:58 ID:dP7qyXxt
>>724
実はあの人最初の恋人だけはなんとか守れてるんだぜ。
その後は死にまくりだけどw
729名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 10:01:37 ID:CKmWCG3P
>728
そういえば彼女だけは守り通せたんでしたっけ。しかし、最終回で拾った子犬もあの後死んでいるという事実も有りますし。
なら木野さん(アナザーアギト)を召喚すれば……外科医の能力って、ハルケギニアでは異端扱いされそうだ。
730名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 10:11:09 ID:KGeNPsWk
>オークをデスファイヤーでまとめて焼き払い
此処だけ読んでガイキングの超兵器ヘッド!?という電波が
さらに発展して『見たかぁ!これが超魔竜ドボルザークだぁ!!』という毒電波を
731名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 11:07:40 ID:wmMKg9EI
橘朔也(仮面ライダーギャレン)召喚。
「ルーンのせいで、俺の体はボロボロだ!」
732名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 11:07:48 ID:Pc0QwfYR
>>730
キュルケがふたなり美少女を召還するんですねわかります
733名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 11:18:58 ID:l1iye7WZ
>>725
いや、コックの可能性も……
734名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 11:20:37 ID:KGMGNTw6
いきなりグロンギ語をしゃべり、リアルテニプリをやらかした士なら
最初から問題なく魔法が使える気がしないでもないw
735名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 11:37:37 ID:ImDg6F0s
草なぎ剛「全裸で何が悪い!」
736名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 11:48:30 ID:pKco7hNQ
ライダースレ開いたかと思ったんだぜ……
737名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 12:01:34 ID:v0rNYj2Z
仮面ライダーで忘れてはいけない人がいた。
立花藤兵衛、歴代仮面ライダーの訓練に協力し、その能力はショッカー側からも高い評価を受けている。

つまりルイズ大特訓で新必殺技取得。
738名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 12:09:07 ID:ThO3Pqxx
おお、ムラマツキャップを召喚ですね。
当然タルブにあるのはビートルで……あれ、これラスボスじゃん。
739名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 12:17:32 ID:GL5meorW
医療ミスを仕出かした水メイジの弁護する弁護士召喚ですね
もっと法整備がまだまだなハルケギニアに弁護士なんてモン理解してもらえるかどうか……
740名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 12:25:15 ID:y3tUd85G
>>720
原作だとやくにたってない衛兵
741名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 12:26:29 ID:m+JJUt5a
響鬼系召還とか妄想してみたけど変身の度に服が無くなるんだよな……

流石に衆人環視の中で変身とかはしないだろうけど
アカネタカやルリオオカミで倒せないと背水の陣みたいなもんだ
742名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 12:31:02 ID:tSCHOduG
てつを喚ぼうぜ
頼みこめばルイズの使い魔になってくれるんじゃない
743名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 12:39:21 ID:aXrcFp/a
ガンダムキャラはここで良い物か……
旧シャアにはスレが有るが、新シャアには無いし
744名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 12:46:38 ID:9oVemKEy
別に向こうでもいいと思うよ
種の三馬鹿の一人が召喚されてるSSあるし
745名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 12:47:13 ID:GL5meorW
>>743
いんでない?
昔シーマ様もここに投下されたんだし
他所に纏められたけど
746名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 12:52:05 ID:a52L49ew
まずは本スレに投下するより避難所の方がいいんじゃないかな?
747名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 13:08:01 ID:3bJuCRBU
誰か寺生まれのTさん喚んでみてくれないか?

「異世界では威力は半減か…」
748名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 13:09:08 ID:tSCHOduG
実在の人物はアウトだろ
749名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 13:12:51 ID:xqhFnz33
んなわけねーだろww
750名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 14:02:23 ID:/Dzac9NP
やっぱ記すことすら憚れルーンなんだろうな……
シエスタの曾爺ちゃんだったりしたら、タルブ最強だろうなw
751名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 14:02:42 ID:Q4U2LRDz
伝説化イチローまで召喚されてるしね。
752名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 14:22:08 ID:U/9q6CU8
イチローは神が降りてきたからな
ほぼイキかけた使い魔
753名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 14:26:14 ID:/Dzac9NP
弓子カレーが無いから力も半減してるしな
754名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 15:03:07 ID:aXrcFp/a
話を練ってもう少し考えます
投下先も含めて
755名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 15:09:29 ID:x6vMLc+U
>>754
ネタかマジかは判らんが、
そいつは新シャア板辺りでスレ立ててやった方が無難だ。
756名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 15:09:35 ID:9oVemKEy
>(監督・嫁補正付)
ちょっと待てwwwww
757名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 15:22:32 ID:f0bqc0hl
>>誰か寺生まれのTさん
クリスタルガラスの灰皿で締め切りに遅れた漫画家やライターの頭をかち割る
アニメ雑誌編集長しか思い浮かばん。
758名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 15:23:35 ID:ThO3Pqxx
つまりフリーダムな使い魔か……
見たいようなそうでないような。
ルイズの場合デストロイな使い魔のほうが似合いそうな気もするが。
759名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 15:25:46 ID:E22cAGRf
寺生まれのTさん召喚→必然的に幽霊ネタ→可愛いタバサ

これは勝つる
760名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 15:38:56 ID:GL5meorW
>>757
「ゆくぞザッシギャランめ!食らえア○トハイザラクラッシュ!!」

懐かしいなぁ・・・・・・・・・
761名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 15:46:17 ID:RtjnkJKz
>>754
ギャグならアリだと思うんで、がんばって下さいw
新シャアのゼロ魔×ガンダムスレはもう落ちてしまったようだし、投下はここの避難所スレかな?
762名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 15:49:37 ID:M6yXalkW
>>759
取りあえずお前がタバサの冒険3巻を読んでいないか、読んでいて敢えて無視しようとしていることは分かった。
763名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 15:57:36 ID:OgrT3z+0
最近始まった真マジンガーが面白い。ジャイアントロボ地球の制止する日と同じ、今川監督による作品のためかスーパー永井豪大戦っぽくなっている。
そんな感じでヤマグチノボル作品の登場人物を多方面から集め、それぞれの使い魔として放り込むと……全年齢で行けるかな? いかん、避難所行きの可能性が浮上してくるか。
764名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 15:58:32 ID:qq3uu27d
各作品のバッチグー的存在をよぶんですねわかります
765名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 16:07:32 ID:E22cAGRf
>>763
いらん子中隊召喚始まったな
766名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 16:09:03 ID:Q4U2LRDz
もうグリーングリーンの祐介も交えた4馬鹿を召喚だ!
767名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 16:12:31 ID:Nl0s/Ucq
>>760
これを貼れと言われている気がした。
スレ違いスマソ
ttp://77c.org/d.php?f=nk6876.jpg
768名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 16:24:22 ID:f0bqc0hl
>>767
GJ!

まいど君召喚ネタでも書くか。
769名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 16:31:59 ID:aNrqX9nm
トールキン作品からの召喚ってまだ無いよね?
770名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 16:52:16 ID:OgrT3z+0
トールキンと言えば、現代のファンタジー作品の基礎になる指輪物語……『無機物系使い魔』として『例の指輪』が召喚されたなら、どんな未来が待っている事か。
771名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 17:22:24 ID:IPhCoyCK
ミョズって「一なる指輪」を真の意味で使いこなせるのかな。
772名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 17:24:11 ID:hLAM133w
>>758
フリーダムなキャラというとギャグ漫画系しか思い浮かばない…
773名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 17:29:21 ID:CQXdkRnK
>758
デストロイな使い魔? 最近だとバスカッシュのアイスマンか?
ビッグフットバスケ用のボールで砲撃チックな狙撃が出来るし。
774名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 17:45:47 ID:/Dzac9NP
愛、平和、正義、自由なんて糞くらえの亜人が召喚されるんですね、分かります
775名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 17:50:02 ID:kjc7zDLl
523召喚、とか読みたいなあ……と、上の方のライダー関連読んでて思った。戦隊だけど。
776名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 17:51:42 ID:sp0j0emX
>>730
あまりに顔が凶悪だったんで
表紙に載せた雑誌が回収騒ぎになったとかいうアレですね
777名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 18:00:24 ID:xymg87hE
ディケイド・・・私が魔法をろくに使えないのはすべてあいつのせい
悪魔め!
778名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 18:06:42 ID:FVidWJ6P
ルイズを励ましそうなのがユウスケ以外に思い浮かばない
779名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 18:10:00 ID:bbaFSsso
>>770
ナズグルの首領・ヴァリエールの魔王が誕生します。
780名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 18:12:52 ID:/Dzac9NP
他の虚無とか各国の王様に指輪をくれてやるのかw
781名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 18:29:11 ID:KGMGNTw6
>>777
君が魔法を使えないのも乾巧という奴のせいなんだ。
782名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 18:40:29 ID:yP7qNFwu
>>781
「平民の癖に適当コイてじゃないわよ」
とルイズの幻聴が聞こえた
783名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 19:08:51 ID:0DVPpDl+
仮面ライダー系で人物ではない物を召喚しました。
キングストーン。
召喚→契約→ルイズの体内へ→その時、不思議なことが起こった。
784名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 19:09:16 ID:m+JJUt5a
ルイズが成長しないのも乾巧と言う奴のせいなんだ。
785名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 19:09:43 ID:3E7xhe3h
種死本編終了後の何もかも奪われたシンが召還されて
(わけわかんないけど、元の世界よりいいか・・・)で使い魔に
ギーシュとの決闘イベントを経て、貴族と平民を見たシンが再び戦いへの気力を取り戻していく
これだけだとありがちな逆襲のシンだが
奪われた者と持たざる者、立場と経緯こそ異なれどゼロの二人がどう物語を創れるか
ちょっと見てみたい
俺には無理ぽいが・・・
シエスタの曽祖父はサトーくらいしか思いつかんな
786名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 19:15:42 ID:Vs/SaqPb
ジン・ハイマニューバU型がタルブに残されてる訳か。
…いいな、なんか
787名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 19:18:33 ID:M6yXalkW
そのシチュだと、多分俺が書いたらシンが地獄兄弟みたいになってしまうだろうな……。
788名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 19:50:07 ID:+QKI9nws
草加自重しろw
789名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 19:54:42 ID:4TJsAT5G
>>787
「お前か、ご主人サマを藁ったのは……俺も藁ってもらおうか」

こうですかわかりません
790ゼロの最初の人 ◆fiNSn9pg1Y :2009/04/23(木) 19:59:53 ID:OqBkFlrn
ごめんなさい、作品投下じゃないんです。まだやる気はあるんです報告みたいなアレです。

えっと、前回の投下後、身の回りで処理せねばならぬ仕事が急に大量発生しました。
つまりは、ロクに執筆できていません。
なので、とりあえずソレらを処理するまで、おそらく5月の中旬前後になると思いますが
作品を書く暇がないので投下もあり得ません。
執筆再開が5月中旬以降なので、投下は、下旬か6月ごろになるかと。

心の片隅で、ほんのちょっと気にしてくれる人が、いるのかすらもいるか分からない微妙な作品ですが、
こんな形になって申し訳ないです。
早いうちに話の盛り上がりを作りたいなぁと常々考えておりますのでどうか、どうか……
791名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 20:00:04 ID:M6yXalkW
>>789
「いいなぁ、この世界の人たちは貴族も平民も生き生きしてて……どうせ俺なんか……」
「空しいよな……生きてるって……」
「おい……今誰か俺の事を笑ったか……? ……お前かァッ!!?」(種割れ)

こんな感じかな。
792名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 20:17:19 ID:i2ENUIjB
>>730
呼ぶんなら主人公を呼んでやれよwww

ダイヤとルイズって周囲の人間から馬鹿にされてるって境遇は似てるから、意外と相性良さそうなんだが。
ツンデレ相手へのフラグ立てにも定評が有るしな!
793名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 20:27:01 ID:x6vMLc+U
>>790
半年に一度投下なってのが平気でいるスレなんでお気になさらずに。
794名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 20:33:13 ID:D1yVXaHO
>>790
>ほんのちょっと気にしてくれる人が、いるのかすらもいるか分からない

ここにいるぞ!

……まぁ待ってくれてる人が誰もいないってのもかえって気楽なもんだよね、
と(主に自分に対して)言ってみる
795名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 20:33:40 ID:N+nGTXOR
>>793
(ギクッ)
796名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 20:48:27 ID:3E7xhe3h
>>790
学生さんか新社会人かな?
気長に待ちますぜ、実生活も執筆も頑張ってください

>>792
>ツンデレ相手へのフラグ立てにも定評が有るしな!
ノーザのことかぁああ!!
スパロボKで久々に見たが「お前を奪われたくないんだぁああああ!!!」って
完全に告白やないかーいw
プロイスト召喚は完全に一発ネタの枠は超えられまいな
どう考えたって展開は虐殺一本道
サスページだったらあるいはサクセスストーリーになるやも・・・

地獄兄弟は知らんが
>>786
そう、そんな感じで
壊れかけならちょうどハルケギニアとで釣り合いが取れるやもね
797名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 20:56:27 ID:m+JJUt5a
>>796
問題は種系はバッテリー機ってところだな

達磨状態のデスティニーごとの召還でなんとかデスティニーから充電するってところか?
規格の合うコネクターとか無いだろうしコルベールが頑張るんだろうな
798名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 21:12:04 ID:i2ENUIjB
>>796

>ノーザのことかぁああ!!
スパロボKで久々に見たが「お前を奪われたくないんだぁああああ!!!」って
完全に告白やないかーいw

むしろミィとの間にフラグ立てそうになって吹いたぞw

プロイストは……最終回直後に召喚で記憶喪失辺りにして、途中で記憶を取り戻すけど
ルイズとの今までの触れ合いでまともになるとかすればいけるけど、
それは半分オリキャラで駄目だな!
799名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 21:17:43 ID:UCiiChQo
ここまで散々ライダー召喚の話が出ているのに、なんで753を呼ぼうとする人がいないんだ!!
800名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 21:18:03 ID:TRkYmClD
>791
どう考えてもそれは地獄兄弟ですよ?!
801名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 21:23:44 ID:NhjxQ0Lv
>>799
言いだした者が書きなさい!
802名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 21:37:22 ID:UCiiChQo
>>801
文才のない俺にSSを書けと?
あきらめなさい!
803名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 21:38:44 ID:ThO3Pqxx
シン召喚だったら機体以前に
マユに死なれ、ステラを守れず、アスランにぶちのめされ、かつルナマリアもいない。
と、フルダークネスに落ち込んだ精神状態のほうをどうするべきか。
804名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 21:39:53 ID:5+Dil2sj
>>790
生活に追われてるならさっさと打ち切り宣言すれば?


変に期待させといて宙ぶらりんなのが一番やっかいだ
805名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 21:40:40 ID:/Dzac9NP
>>802
絵も文も
ある程度なら
練習次第

字余り
806名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 21:50:12 ID:MEm2xaov
>>792
問題があるとすればダイヤはフラグクラッシャーということだな…
フラグを立てる→女は別の男へになります
ダイヤ召喚したらルイズはワルドとくっつくかもな
807名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 21:53:29 ID:Pvq+kDGk
イチロー召喚のSS復活しねえかなー
808名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 21:58:54 ID:x6vMLc+U
vipに帰れ
809名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 22:06:17 ID:yP7qNFwu
>>804
何もしない奴ほど、威張る
810名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 22:27:26 ID:FzXllFNP
ほんと煽り耐性ねえなあ……
811名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 22:33:05 ID:f2vLgT4m
なぁ……
別にガンダムキャラをルイズが召喚するスレ在ったぜ?
シン召喚とかはそっちで語る様に>>1に書いてるハズ
812名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 22:34:31 ID:f2vLgT4m
あれ?
前のスレとかならそういう注意書いてたハズなのに今なくなってんの?
813名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 22:46:15 ID:lhwOnGMQ
雷神の人来ないかなぁ。
初のSH系召喚連載だから楽しみだったんだけど…
814名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 22:48:38 ID:h7WbF1VA
>>812
スレが落ちたから。
815名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 23:18:38 ID:KFYspp87
>>803
作中最強のキラ様に負けるならともかく
セイバーをフリーダムに1秒でダルマにされたコウモリ野郎に負けたのはショックだろうね…
816名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 23:26:03 ID:BDcU8jjI
シンはキラやアスランに負けたんじゃない
負債に負けたんだ
817名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 23:31:17 ID:81tifVB6
なんかアスランとワルドって、最初は裏切りキャラ同士意気投合するんだけど、
「私は信念に基づいてレコン・キスタに組したのだ。貴様と一緒にするな」
とか言って一気に険悪化しそう。
818名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 23:35:51 ID:M6yXalkW
ワルドにそんな立派な信念ってあったっけ?
819名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 23:38:14 ID:8rBSMX19
耐性って何?
820名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 23:39:32 ID:0Wimuoff
同属嫌悪が激しそうだなw両方とも女を道具として使うことに躊躇ないしw
821名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 23:39:44 ID:oHx0jUB1
結局というか何というか、吉良って気に入らないからって
議長を武力で押さえつけるという意味不明な行動してるからな(気に入らない奴を排除している議長と同じ)

理不尽なことがいっぱいな(killerの価値観的に)ハルケギニアでどんな暴虐を尽くすのだろうか
822名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 23:41:50 ID:/1vvu3ib
いい加減スレ違い
823名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 23:43:31 ID:oHx0jUB1
そしてすれ違う思い
824名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 23:45:54 ID:CA2vnOLg
>821
ロボゲ板であれは脚本の所為でキラ達が何であんな行動に出たのかが
解りにくく(というか意味不明に見える)なっているという話があったな。
825名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 23:46:29 ID:Adoz29Yc
そして跋扈する単発IDの煽り屋
826名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 23:47:50 ID:TRkYmClD
こうしてみると、ワルドと共謀して『貴族が真に貴族としてあるべき世界』を作ろうと画策する使い魔、というのも見て見たい。
ただ自分程度ではザビーネ・シャルくらいしか思いつかないのが難点ですが。
827名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 23:50:14 ID:0Wimuoff
ルルがいるじゃまいか。
828名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 23:51:00 ID:+gqisO6q
やっぱりガンダムは鬼門だな

すみませんって言いながら、コッソリ避難所に投下すればいい
829名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 23:51:04 ID:Sk153xxR
>>826
ワルドのは建前だろ
830名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 23:53:32 ID:M6yXalkW
>>827
あいつはどの時点で呼び出されるかでスタンスがかなり変わってくるがな。
本編中なら妹のために思い付く限りのあらゆる手段を使って元の世界に戻ろうとするだろうし、
本編終了後なら燃え尽きた後だから、ラスボスの焼き直しみたいになりかねん。
831名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 23:54:07 ID:f0pe3w+a
>>826
ワルドは聖地に行きたいだけじゃないか?
832名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 23:55:01 ID:0Wimuoff
>>830
個人的には平民による超合衆国で革命をおこしてもらいたい
833名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 23:57:06 ID:T2aGKsAW
ルイズがドクターマンハッタンを召喚しました
834名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 23:59:57 ID:Sk153xxR
ワルドをこっちサイドに引き込むなんて学園に滞在しているだけじゃ絶対無理だから
オリジナル書ける人じゃないと無理だな
835名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 00:01:46 ID:M6yXalkW
>>832
まず有能な手駒を最低一人はキープして、
更に数人程度の頭数を揃え、
そこから派手にデビューを飾り、
地道にコツコツ活動していって人数を増やし、
強力な後ろ盾を得ることに成功して、
もう社会的に無視できないくらいにまで規模を拡大させて、
そこから国の乗っ取りを行う、という面倒臭い手順(かなり大雑把だが)を踏まにゃならんぞww
836名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 00:17:22 ID:eegAPPnB
シザーマン召喚とか
837名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 00:20:48 ID:w60rHhfm
いっそ北方版梁山泊108星が使い魔とか…
いや、1から組織作らなきゃいけないのは一緒か。
838名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 00:22:01 ID:KxH19VUG
>>835
レコン・キスタ乗っ取りでおk
839名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 00:25:07 ID:+lfqzCQa
>108星召喚
宋江に目を付けられて殺人の汚名を着せられるマルトーか
840名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 00:37:59 ID:4KRJQ4ZE
ワルドの母親を殺して後腐れ無いようにしたのも宋江の策略か
841名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 00:49:42 ID:CYgoMpEW
・・・クロムウェルが使い魔だったら問題なくネ
842名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 00:58:48 ID:syvAtMJa
手段として組織が必要なだけだからなぁ……
そっから世界を変えていける奴じゃないとダメじゃね?

ラ・ヨダソウ・スティアーナ
843名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 01:01:52 ID:DNogOSj9
世界を革命する力を!

潔く 格好良く 生きていこう〜
844名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 01:05:06 ID:Zf3Pz02Z
>>833
一瞬、ドクターマンを召喚したのかと。
845名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 01:09:31 ID:mgMwXInP
虚無のパズルでコッパゲが炎の回復魔法に感動してたけど
あれ実は炎属性じゃないよね
活属性なんだよね
846名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 01:13:27 ID:JWwxwqZA
>>842
ドヴァ帝国はいつも貴様を監視しているぞ
847名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 01:16:23 ID:IUl9aPj1
>>845
まあ炎はただのマテリアルだからな
同じく炎を変換する魔法の『夜叉水晶』が氷属性だったりするしね
848名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 01:31:02 ID:eegAPPnB
>>843
ゼロのインターナショナルか…

資本論召喚
849名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 01:56:15 ID:/zyHYeRT
炎自体はあまり重要じゃなくないかい?
人々が魔法を固定された使い方しかしないような世界にいるコルベールにとっては、炎を回復に使ったりする技術を編み出しているところが重要なんじゃないかな
850名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 02:02:13 ID:mgMwXInP
ゼロ魔世界の魔法も、人工肉作ったりしてるし割といろいろできそう
まあその人理解得られなくて実家追い出されてたけど
851名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 02:09:33 ID:hZvG03M7
人工肉とかいうとソラリスの缶詰工場を思い出す。
852名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 02:11:27 ID:OQQJrs6Z
缶詰工場というとアバタールチューナー2思い出す
853名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 02:15:45 ID:7j5uFr1U
大怪獣物語辺りから召喚ですね!?
わかります><


WiiでもDSでもPSSでもいいから配信してくれないかなぁ・・・・・
携帯にはあったような覚えがあるけど、
端末買い換えるわけにはいかないし・・・・・
854名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 02:22:19 ID:9JgYsW2/
缶詰工場というとゼノギアス…
855名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 02:24:12 ID:llWWFIWw
>>852
つまりアバチュ2からセラ召喚ということですね

…最後の方はキュルケやタバサやギーシュが一人ずつ散っていくのか…
856名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 02:25:40 ID:OQQJrs6Z
は?獄長と追いかけっこだろ
857名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 02:29:44 ID:ymYC6FFL
>>845
よくよく考えると「活属性」って意味分かんないよなw
858名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 02:33:00 ID:LaQ5dfdA
大貝獣物語と言うとボンボン→ゴエモン、ウルトラ忍法帳、ガンダムフルカラー劇場、海の大陸NOAを思い出す

ドーカイテイオー召喚したらルイズも最初は当りだと思うんだろうな
859名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 02:38:31 ID:T0/kda68
誰か慶次で書いてくれよ
860名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 02:39:02 ID:+lfqzCQa
>>857
「凄属性」よりマシかと
861名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 02:43:09 ID:IUl9aPj1
>>857
MPの魔法属性はなんでもアリだからなw

普通
『水』『土』『氷』『光』

まあ分からなくもない
『活』『壊』『渦』『熱』

それ属性なの?
『羽』『鍵』『情』『蛇』

もはやなにがなんだか
『凄』『笑』『仔』
862名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 02:56:25 ID:2bhA58Fa
>>859
絶対に抗えない時の権力にカブくのがかっこいいんであって、
貴族の子弟に対してじゃあ 弱いものイジメになっちゃうだろ
ギーシュの親父でも出てくればまた別なんだろうがw

慶次だったらまだ、普通の侍の方が動かしやすそうなんじゃね?
863名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 03:03:32 ID:OQQJrs6Z
デスピリアってゲームの属性は
怨・愛・死・絶で珍しかったな
864名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 06:06:47 ID:jgX7iZ3e
ホワイトホワイトフレアは別名『活力の炎』だったな
865名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 06:58:01 ID:jgX7iZ3e
そういえば『珍』って奴も居たなw
866名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 07:09:15 ID:erHi7VXf
火の使い方でコッパゲを感動させるんだったら、お灸とか見せればいい気がするw
867名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 07:31:06 ID:4rgQC1G8
お灸は効き目が地味だから派手な回復ができる魔法と比べるとな
効き目に気づかない可能性がある
868名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 07:59:54 ID:KIEUzVew
ワルドの引き込みは世界征服をしようとするヤツでやっていたな。
あれを小ネタ系にするのは少々惜しいぞ。
869名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 08:28:32 ID:w60rHhfm
>>862
まあそれ言ったら使い魔とは言えいい年したダンディ共が
貴族の坊ちゃん嬢ちゃんにべったりってのもなぁ。スネークとかギュス様とか。
聖帝様はロリショタ苛めが趣味みたいな面があるからいいけど。


つまり何が言いたいのかというと、誰かエレオノール姉様を何とかしてやってくれ。
870名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 08:35:27 ID:/zyHYeRT
腰を痛めたコルベールにお灸使ってもきっと感動するぜ?なんたって東洋の神秘だからな
871名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 09:25:33 ID:DhSzvogQ
頭頂にすえると、生えてくるか全部抜けるかすると思うぜ
872名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 09:53:43 ID:sz1/qrUX
あれま珍しい事もあったものだ。
昨日一日投下無し。
873名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 09:59:13 ID:/zyHYeRT
>>871 なんということだ
874名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 10:11:36 ID:6eyNd/bR
何か定期的にガンダムをアウトにしたがる妙なのが沸くのな
875名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 10:13:38 ID:JvLUbyCt
>>870
大戦中、日本軍の捕虜になった連合国兵士が
足だかの重い凝りを訴えたので、お灸を施したところ
拷問に遭った、と戦後訴えた話を聞いたことがある

拙作でのトリステインでは、お灸やお茶、アジアンなご飯や小物は
行商人経由で入ってくる、ちょっとおしゃれでヘルシーな舶来物として
町娘の間ではそれなりに人気があるって設定にしてるけど
876名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 10:43:01 ID:mTTQCp22
>>869
ラスボスのエレオノールさまは類を見ないほどヒロインしてます。

>>872
GW前でみんな忙しいんじゃない。もうすぐ投下ラッシュが来るって。
877名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 11:31:01 ID:u82N+Wdd
>>874
種だからだろ
旧シャア的な考え方が一般的
878名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 11:33:39 ID:xfgLmG6Y
誰が来たって面白きゃいいと思うんだがねえ。
ハルキゲニアそのものが適当だから整合性なんて作者の腕次第
879名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 11:43:47 ID:JbO9V2oK
それって根本的な解決にはなってませんよね?
880名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 11:45:30 ID:JbO9V2oK
すまん、誤爆った。
881名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 11:57:48 ID:0LTquO2v
霧山さん、こんなところで何やってるんですか。
さっさとゲート開いてもらって帰ってください。
882名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 11:58:03 ID:f+ZfDRDV
>>879-880
意味は通じてるぞw
883名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 11:59:49 ID:0LTquO2v
(…霧山さんってなんだよ、ミス・ヴァリエール殿みたいな言い方してしまった)
884名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 12:18:45 ID:6eyNd/bR
>877
わざとらしく種を選んで騒ぐ辺りがいかにもアウトにしたがってるだろう
885名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 12:31:27 ID:mRHofts6
種キャラ召喚なら、コーディ(特にプラント住人やスパコー)だと面白くなるんじゃないかな
コーディってのはある程度は自分達が優れているという考えをもってるだろうし(キラにしても)
その思い込みをゼロ魔の貴族に打ちのめされるとか
886名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 12:39:36 ID:9DpCn3DW
ガンダムに限らず
ロボット物でロボット出さずにキャラの魅力は描きにくいだろ
ドモンみたくパイロットが超人なら別だが
887名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 12:40:08 ID:TxD62Z3A
メル欄見なかったの?
ヘイト宣言だよ、あれ。
888名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 12:41:17 ID:32sN2NjK
ええい、クロススレ繋がりで柊蓮司はまだか
889名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 12:45:54 ID:4rgQC1G8
すでにあったぞ
890名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 12:46:11 ID:IdkPf0hJ
あちらの学園マルチクロスではルイズ達もいるんだがな
サイトinボン太くんとかやってたし
891名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 12:54:42 ID:ElI9BMRW
>>875
きんぴらごぼうで訴えられたって話は何かの本で読んだことがある。
木の根っこ喰わされたって。
実際、ごぼうを食材にするの日本人だけらしいけど。

で、ふと思いついた。
タルブ名産ゴーボとか。
でも、好んで食べる人はほとんど居ない。
何故かタバサの大好物。
892名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 13:01:21 ID:4rgQC1G8
零戦にどんだけ野菜積んでたんだよ
輸送機で来たんじゃないだろうな
893名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 13:09:54 ID:Bg52St1O
>>892
農家出身なら、種ぐらいもっていてもおかしくないかな?
894名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 13:13:02 ID:J8yHDcqP
戦闘機乗ってるとき持って行く……か?
墜落した場合に自給自足できるようにとかか
895名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 13:13:38 ID:lXWBFxa0
収穫前に飢え死ぬと思うw
896名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 13:15:06 ID:m0orNpbh
母親からもらったお守りの中に好きな野菜の種が入ってたとか
897名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 13:22:34 ID:fMsIFEt2
>891
フランス料理だかでゴボウを食するとかは聞いた事がある。
とはいえ当時のアメリカ人の捕虜がそれを理解できるとは到底思えないが。
898名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 13:26:26 ID:UUarRaVI
>>893
おかしいだろw
899名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 13:37:02 ID:/zyHYeRT
お灸もゴボウも裸足のゲンに書いてある
900名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 14:16:28 ID:syvAtMJa
>>891
うまいゾ
901名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 17:00:10 ID:mTTQCp22
ギーシュ、フーケ、ワルド、エルザ、レコン・キスタ軍
かませ犬五望星

ガンダ、ミョズ、ヴィンダ、はばかられる
本人がやらない四人衆

破壊の杖と竜の羽衣
バズーカでも零戦でもないよの設定変更二本柱

捕虜といえばハルケギニアでは捕虜になっても貴族の士官はかなり手厚く遇されるみたいだな。
902名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 17:15:45 ID:7SxNvLOd
メンタリティが中世に準ずるのなら捕虜の武具馬具は売れるし
貴族様ともなれば相応の身代金がとれますから
ちなみにロビン・フッドなどで日本でも人気の高いイングランド王リチャード一世は
第三回十字軍において身代金が払われなかったからと捕虜3千人を女子供に至るまで
皆殺しにしてます。
まあ十字軍出兵のためにほぼスカンピンになってたのも理由の一つだったのでしょうが
903名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 17:40:27 ID:eegAPPnB
墜落していた輸送機からマタンゴが発見されましたとか
904名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 17:41:01 ID:1lmDGFm6
ポゲラルゴォ!
905名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 17:49:58 ID:mRHofts6
>>903
もしあんなの召喚してもコッパゲは契約しろと言うんだろうか
(一応キノコ食わなきゃ化け物にはならないんだっけ?)
906名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 17:50:14 ID:lyxZqRr6
種死とのクロスSSってやっぱあったのね
まとめとか存在するなら途中でも見てみたいもんですが・・・

>>904
そんなに食ったら死んじまうぞ!!

キノコといえばマリオか、クロノクロスのキノコ親父、FF:Uのフングス
あとブレスUのアスパーか
ブレスUネタも見ないけど、ふとフーケとコンビ組んで学院に盗みに入ったパティの姿がドット絵で脳裏に・・・
907名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 17:55:58 ID:eegAPPnB
>>905
映画だと腹減って死にそうだったから食っただけだし
どのみち使いようがないよな

某野球ゲームだと街にキノコ太郎を連れて帰ったら大変なことになったけど
908名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 18:02:22 ID:mRHofts6
>>907
ルイズが召喚したそれを見て恐怖したコッパゲがマタンゴ人間を焼き尽くすが
時既に遅くマタンゴの胞子が風にのって散らばり、それを沢山の人間やエルフ等の亜人に獣が食って……
という展開しか思いつかん
ジョゼフが面白がって更に胞子をばらまいたり、教皇がエルフの集落にばらまいたりとかやりそうだ
909名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 18:44:18 ID:M+VPSV0i
マタンゴってライブアライブの奴だと思ってたが違ったかw
910名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 18:47:47 ID:OQQJrs6Z
マタンゴもそうだろ・・松!も両方知ってるから困る
911名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 18:51:21 ID:n36JqUqd
聖剣のマイニコドだったら・・・・ただの可愛い奴だな
912サーヴァント・オブ・ゼロ ◆f0ncrej9Os :2009/04/24(金) 18:54:50 ID:fqHyQ5gB
どうも、お久しぶりとか言うレベルじゃありませんね。以前クイーンズブレイドのアイリを呼んだものです。
何とか佐藤病から抜け出し、4話を書く事が出来ました。
投下したいのですが、容量は大丈夫でしょうか?
913名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 18:58:49 ID:A3eM7Zcr
>>912
現在、約369kbだから、もうしばらくは大丈夫かと。投下するなら支援。
914サーヴァント・オブ・ゼロ ◆f0ncrej9Os :2009/04/24(金) 19:01:02 ID:fqHyQ5gB
ありがとうございます。それでは、投下いたします。
なにぶん久々なので、雑文ご容赦ください。

〜これまでのあらすじ〜
なぁに、御主人様?え、これを出来る限り臨場感たっぷりに読めって?
はーい。えーっと、なになに……「幽霊メイドのアイリちゃんは世界征服を企む『沼地の魔女』の一の部下!でもいつも負けてばかりで、毎日ご主人様にお仕置きされているんだ。
そんなある日、同僚のピンクスライム、メローナちゃんに連れられて、行った先には転送ゲートが。
彼女が言うには、このゲートの先の世界で修行してこいとの御主人様のお達しなんだって。
言われるがままに飛び込んだゲートの先で待ち構えていたのは、魔法使いの世界だった!
なし崩し的に魔法使いの少女、ルイズちゃんの使い魔となったアイリちゃん。
お供の低級霊ブラザーズと、彼女のサポートのため、御主人様が呼び出した人間の男の子、サイトくんを巻き込んで、今、冒険の幕が上がる!
次回、『冥土のメイド、お腹を空かす』。見ないと許さないんだからねっ!」
……ん、読んだよ、これでいい?……えへへっ、嬉しいな!
じゃあ晩御飯にしよう!ボク、今日はカレーがいいや!



サーヴァント・オブ・ゼロ 第4話「冥土のメイド、お腹を空かす」



「ふう、とても勉強になりましたわ。会ったときは正直この方で大丈夫かとも思いましたが、人は見かけによらないものですわね……」

満足げに嘆息しながら、アイリは主の眠るベッドの傍らに腰かけた。
助っ人はヒラガ・サイトと名乗り、アイリに様々なアドバイスを与えた。
そればかりでなく、彼の住むニホンという国に伝わる様々な武術や鍛錬法を教えてくれた。
そのうちのいくつかはアイリにもできる物だったので、いくつか取り入れることにした。
彼が言うには、これで戦力アップは間違いないとのことだ。何やら少々顔がニヤけていたような気がしたが、多分見間違いだろう。
そして彼は何故だか低級霊たちと意気投合したらしく、「もう少し自分たちだけで話す事がある」と言って外へ残ってなにやら話し込んでいる。男の秘密という奴だろう。

夜も白み始め、新しい一日が始まろうとしている。
これから昇ってくる太陽とともに、新しいアイリさんが始まる。そのくらいの心持ちで行きましょう―――とサイトは言っていた。
確かにその通りだ、とアイリは思った。今までの弱い自分に別れを告げるために、自分はこの世界にやって来たのだ。そのくらいの心持ちでないと、また御主人様におしおきされてしまう。それだけは何としても避けたい。しかし―――

「お腹が空きましたわ…」

アイリには、何よりも先に解決しなくてはならない重要な問題があった。
915サーヴァント・オブ・ゼロ ◆f0ncrej9Os :2009/04/24(金) 19:02:13 ID:fqHyQ5gB



『お腹が空いた』といっても、彼女の場合は普通の人間のそれとは少々意味が異なる。
本来アイリは本来実体を持たない死霊だが、主である沼地の魔女の力により、完全な肉体をもってこの世に顕現している。
しかし、その体は定期的に生者の精気を吸わないと姿が保てず、
最終的には消滅してしまう。(彼女の着ている衣服もアイリが自らの意思で作り出したものに過ぎず、力を維持できなければ消えてしまう)
そのためアイリは『食事』として生者を襲い、精気を吸い取って自らの糧にしているのだ。

しかし御主人様は、「主の許可なくして精気を吸収してはならぬ」とアイリに命じた。
また、「ちゃんと手は打ってあるから心配するな」とも。
才人がアイリに手渡した手紙にはこの件についてただ一言、「朝になったら、黒髪の同胞を探せ」と書かれていた。
同胞というのは、恐らくメイドということだろう。これだけ大きな学園であれば、使用人の数十人はいる。そしてその中の黒髪の者に声をかければ、すべて解決する、と。
ご主人様がそう言っておられるのだ、何も心配する事は無い。自分は朝を待ち、命令どおりに行動するだけで良いのだ。アイリはそう自分に言い聞かせた。

しかし、今のアイリには大きな誘惑があった。
腹を空かせた自分の横で、「食物」が眠っているのだ。それも食べようと思えば手を伸ばすまでも無く届く位置に……
そのみずみずしい肌、無防備に眠る表情、その全てがアイリを惑わせる。

アイリ自身は覚えていなかったが、召喚されて気を失っていた時、彼女の精気を図らずも頂いたらしい。
(何だかとても幸せそうな顔をしてましたよ、よっぽど美味かったんじゃないですか?)と、このことをアイリに教えた低級霊は言っていた。それほどに、彼女は「美味しかった」らしい。
しかし、他ならぬ御主人様の命令なのだ。耐えねばならない。耐えられなくとも、耐えねば―――しかし、それでも美味しそうなものは美味しそうなのだ。

『いいじゃない、少しくらいいただいても。別に吸い殺す訳じゃないんだし』
『ダメですっ!大体ご主人様の命令じゃないですか、後でお仕置きされちゃいますよ?』
いつしかアイリの頭上に天使と悪魔が現れ、口論を始めていた。

『あら、生意気なことを言ってくれるじゃない子猫ちゃん』
『誰が子猫ちゃんですかっ!私はアイリ様の良心、主を正しい方向に導く事こそ、私たち脳内天使の宿命です!』
『それなら、私たち脳内悪魔は主を変な方向に導き、視聴者受けを狙うのが宿命……とでも言おうかしら?』
『ふざけた事を!あなたはどうやら、痛い目に合わないと分かってくれないようですね……悪魔、私と勝負しなさい!』
『私を倒す?ハッ冗談……でもいいわ、あなたの挑戦、受けてあげようじゃない!』

「あのー、アイリは一体どうすれば……」
『『あなたは黙ってなさい!』』「はい……」
……何やら、変な方向にエスカレートしてしまったようだった。
916サーヴァント・オブ・ゼロ ◆f0ncrej9Os :2009/04/24(金) 19:03:16 ID:fqHyQ5gB



一方才人と低級霊たちは、
「それじゃ細かすぎて伝わらないモノマネいきまーす!『日本語版だとホモレモンと続くところの蒼紫(英語版)……NO!」
(うはははは、くだらねー!くだらねーのに、くだらねーのに笑える!)
(くそ、息が、できね……はぁっ、はぁっ、殺す気かっつーの!)
(いや、そもそも俺達もう死んでるし……)
(そんな細かい事は気にすんな、そらアンコール、アンコール!)
……彼等は彼等で盛り上がっているようだった。



『……さ、私たちの話はまとまったわ。アイリ、御主人様を襲いなさい』
「いえ、そんな事を言われましても……」
『大丈夫ですよぉ、お姉様が秘策を持ってますからぁ。そうですよね、お姉様?』

数十分後。今、アイリの頭上には二人の悪魔が浮かんでいる。
天使と悪魔の激しい争いは悪魔の勝ちに終わり、その後なんやかんやで天使は調教(せっとく)されてしまったのだった。

『ええ、とっても簡単な話よ。あなたは御主人様に、『お目覚めのキス』をすればいいの』
「お目覚めの……?そうか、なるほど!」
『分かってくれたみたいね。御主人様を起こすのも使い魔の役目だと思いました。元の世界では、いつもこうやって御主人様を起こしていました……そう言えば、誰も反論しないわ』
「そうか、そう、それもそうですわね……」
それはまったく穴だらけの理論ではあったが、良心という抑止力を失った今のアイリを納得させるには十分だった。
「ハァハァ……美味しそう……御主人様の、精気、とっても……」
もはや誰も彼女を止める物はいない。
遮りとなる眼鏡を外し、ルイズを押し倒すように彼女の体に跨り、その、柔らかな唇を、重ね……

「ただいまーっす!アイリさん、そっちはどうd」

悪魔は忘れていた。この部屋を利用するものがもう一人(と、幽霊が複数)いる事を。
彼らがすっかりテンションをあげて帰ってきて、ドアを勢い良く開けて帰ってきたらどうなるかを。
才人は想像だにしなかった。部屋のドアを開けたら、アイリが自分の主を押し倒し(と、才人には映った)、唇を奪おうとしている光景を。
「う、ううん……一体何よ、うるさいわn」
ルイズは何が起こっているのか分からなかった。目の前に使い魔の顔があって、明らかに自分の唇を奪おうとしているのだから。
部屋の入り口に見知らぬ男がいて、こちらを見て固まっているのだから。

「………」
「…………」
「……………」

時が、止まった。



―――世の中、何が幸い(あるいは災い)するものか分からないものだ。
何かに出会ったおかげで何かに目覚めたり、ひどい時には人生が変わってしまう。
俺の場合、この出来事がそうだった。この事件自体は些細なものだったが、多感な青少年に「百合」という思想を植え付けるには十分だった。
おかげで今じゃ百合は大好物。りりちー×よりぷー最高!
     比良雅彩斗著「使い魔様は幽霊メイド!(1)』より
917サーヴァント・オブ・ゼロ ◆f0ncrej9Os :2009/04/24(金) 19:04:58 ID:fqHyQ5gB
以上で今回は終わりです。
最後のアレとか言いたいことは色々とありますが、それはまた次の機会に。
なんとか頑張って書いていきたいなぁ……それでは、失礼しました。
918名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 19:47:06 ID:38yWmp7b
うん。初見だがクイーンズブレイドは知ってるし、なかなかに楽しんでいる。
しかし……短い。今回の内容量や進展の度合いは他作品の通常の半分程度かそれ以下だ。
無駄な改行を省いて一話600行位にまとめてから投下した方が吉かと。
919名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 19:52:25 ID:n36JqUqd
がらがらどん召喚物なんてあったんだな。
おもしろそうだから続けて欲しかった!
すてきな三人組はティファがまんま姫だなw
920名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 19:57:57 ID:v26wp3mW


chk
921名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 20:01:53 ID:v26wp3mW
20:10に蒼い使い魔の代理入ります
922名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 20:03:36 ID:18/cERT8
何を勘違いしたか間違えて読んでしまった……orz
923蒼い使い魔 第42話(代理):2009/04/24(金) 20:11:14 ID:v26wp3mW
依頼人――タバサは静かに部屋の中に入ると、ドアを閉める。
バージルはそんなタバサから視線を外し、再び窓の外を見ると、静かに口を開いた。
「依頼は何だ」
「任務」
「そんな事は分かっている、お前がここに来る理由と言えばその辺だ」
バージルはそう言うと再び振り向き応接用のソファに腰を掛けた。
「今回は何だと聞いているんだ」
タバサは向かいのソファに腰かけると、淡々と説明を始めた。
「本来の任務は、わたしに与えられたものではなかった、任務の依頼を出したのは
ガリアとゲルマニアとの国境にある"黒き森"、その一角にあるエギンハイム村周辺を治める領主。
出された依頼は、森に住む、翼人達の討伐"だった"」
「だったとは?」
バージルが聞き返すとタバサは小さく頷く
「わたしに任務が下される三日前に、一人の花壇騎士が派遣された、
でも彼が行った時にはすでに状況が変わっていた、村人と翼人はすでに和解していた」
「それで? それに何の問題があるというんだ」
「問題はその和解した理由」
「彼の報告によると、翼人達は、化物に森を追われてしまった、と言っている。
その後、追加任務として彼はその報告の後、森へ調査に入り、命を落とした」
「そこでお前の出番、というわけか」
タバサが頷き、本題を切り出した。
「悪魔が出た、"黒い森"は今、悪魔の巣窟と化している、彼らを狩ってほしい」
「それが依頼か」
「受けてくれる?」
バージルは何も答えず、ソファから立ち上がり、コートを羽織る
壁に立てかけてあったデルフを背中に背負い、閻魔刀を握り締めた。
「退屈凌ぎにはなるだろう、その依頼、受けてやる、案内しろ」
924蒼い使い魔 第42話(代理):2009/04/24(金) 20:11:59 ID:v26wp3mW
バージルがタバサを連れ階段を下る、一階の酒場へと降りると、やはり今日も繁盛しているらしい
夜も遅くだと言うのに、給士の女の子達が忙しそうに駆けまわっていた、その中で当然ルイズも……
客の一人にとび蹴りを喰らわせていた……。
「スカロン」
それを横目で見ながらバージルが店長のスカロンへ声をかけた
「あら、バージルくん、お出かけ?」
「仕事だ、戻るまでの事務所の管理は任せる」
そう伝え、外に出ようとした、その時。
「た、タバサ!? あんたまた来てたの!? バージッ……ぐっ、お、お兄様? た、タバサとどこに行こうって言うのかしら?」
二人に気が付いたルイズが怒りにわなわなと肩を震わせながら尋ねてきた。
面倒なのに見つかった、と言わんばかりの視線をタバサが送ってくる。
「仕事だ」
「仕事ですって? だったらなんでタバサがいるのよ!」
にべもなく答えるバージルにルイズが突っかかる
「コイツが依頼人だからだ」
「それはどういう依頼? 正直に答えなさい」
ルイズがそこまで言うと、何やらコートの裾が引っ張られるのを感じる。
振り返ると、タバサが「これ以上は言うな」と視線を送っていた。
「"秘密"の依頼、だそうだ」
「ひっ、ひっ、秘密ですってぇ?」
適当なことを言って話を切り上げようとしたが、その言葉は怒りに震えるルイズに油を注ぐ結果となってしまった。
「あんた達! ひょっとして変なことするんじゃないでしょうね! ぜ、ぜ、ぜ、絶対許さないわよそんなこと! わたしも行くわ!」
金切り声をあげ、持っていたトレーを床にたたきつける、すると店の奥からスカロンがすっ飛んできた。
「はいはーい、ルイズちゃ〜ん、お兄さんの仕事の邪魔しちゃダメよ〜、あなたは接客接客、さ〜戻って戻って〜」
「むがっ! は、離しなさい! バージル! 夜が明けるまでに戻ってきなさいよ! 絶対だかんね! 戻ってこなかったらお仕置きだから!! っていうか殺ス!!」
「無茶を言うな……」
ギャーギャー喚きながらスカロンにずるずると引きずられてゆくルイズを見送り、バージルは小さくため息を吐く。
「次からは窓から出るか……」
「そうしたほうがいい」
二人は店から出て、街の外で待機させているシルフィードの所へ向かう、街中を歩きながらタバサが不意に尋ねた。
「お兄様って?」
「そういう設定だそうだ」
「……そう」
タバサは小さく呟くと、足元へ視線を落とした。


ガリアの首都、リュティスから馬で二日、徒歩で五日、タバサのシルフィードなら二時間の距離にあるアルデラ地方。
ここは深い森に覆われた土地であった。
ゲルマニアとの国境沿いを埋め尽くす森は、"黒い森"と二国で呼び習わされている。
そんな森の一角に、エギンハイム村はあった。
戦争のたびにガリアとゲルマニアの間を行ったり来たりしている、人口二百人ほどの小さな村であった。
「そろそろ着く」
タバサのその声にシルフィードの背で眠っていたバージルが目を覚ます。
二人が現場であるアルデラ地方に到着するころには既に日は昇り、あたりは朝靄に包まれている。
「森の名称を変えることを勧めるな」
バージルは眼下に広がる"黒き森"を眺めながら呟いた。
「……」
それにつられ森へと視線を落としたタバサが言葉を失う。
本来"黒き森"と呼ばれる場所は、ライカ欅と呼ばれる落葉樹を中心に様々な植物が多く群生している。
上空から見渡せば色濃い緑の森はその名前の通り深く落ち着いた黒に覆われて見える、はずだった。
だが眼下に広がる"黒き森"は、まるで亜熱帯を思わせるドギツい色で彩られた奇怪な森の姿へ変貌を遂げていた。
「……仕事の時間だ」
しばらく見下ろしていたバージルは短く呟くと、突然シルフィードから飛び降り、そのまま森へと落下していく、
タバサは少しだけ焦ったような表情になると、シルフィードに指示を出し、森へと降りて行った。
925名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 20:12:49 ID:v26wp3mW
エギンハイム村から歩いて三十分ほど離れた森の中を、村人達が息を潜めながら進む。
各々の手には斧や弓を握りしめ、険しい表情で森の中を分け入り歩いていた。
その森も、かつては多くのライカ欅が群生し、高く幹を空へと伸ばしていたのだが、
今は見る影もなく、樹々は見たこともないグロテスクな形状に姿を変えていた。
その樹々から咲き乱れる巨大な極彩色の花から溢れる香りが方向感覚を狂わせる、
そのため、普段村人達にとって歩きなれた筈のその森は、一度踏み入れば二度と戻れない魔境と化していた。
「いたぞ……奴だ……!」
先頭を歩いていた、斧を担いでいるがっちりした体つきの男が手を挙げると、後ろを歩く小さく指示を出した。
「トカゲ野郎……俺達の森をさんざ好き勝手荒らしやがって……」
男が低く恨めしそうに呟く、その男の視線の先には、二本足で立ち、兜を被り、腕には円形の盾を携えた
トカゲのような姿をした亜人……否、化物が一体、木陰で丸くなっていた。
「サム、これからどうする?」
トカゲを睨みつけながら、後ろにいた男が、先頭を歩いていた男に尋ねる。
サムと呼ばれた男はそして弓をもった猟師達を集めると、入念に指示を出した
「今いるのはあの一体だけだな? 斥候……ってとこか」
周囲を警戒していた猟師達が頷く。
「俺が合図を出したら一斉に矢を射かけてくれ、奴がひるんだところを俺達がこいつでトドメを刺してやる」
サムは大きな斧を、まるでナイフのように軽々と扱いながら言った。
「だが……あいつら、こないだ派遣されてきた騎士だって殺しちまったんだろ? 大丈夫かい?」
一人の猟師が心配そうに言った。
「あの騎士様は一人で行っちまったんだ、無理もねぇさ。だが、これだけいりゃあ、トカゲの一匹や二匹、なんてこたぁない」
サムの周りには斧を担いだ屈強な男達が三十人近くいた。
弓を構えた猟師は二十人ほど、いずれも飛ぶ鳥を落とすほどの、弓の名手である。
ちょっとした傭兵隊だって相手に出来る集団であった。
「そして俺達にゃあ、心強い味方もついてる」
サムはニヤリと笑うと上空を指差す。
「力を合わせて、トカゲ共を皆殺しにしてやろうぜ」
村人たちは、ほっとしたような顔になった。笑いがあちこちから漏れる。
猟師達が弦を弓に張り終え、矢をつがえたことを確認すると、サムは傍らに転がった牛の頭ほどもある岩を持ち上げた。
「ふんぬっ!!」
気張った声をあげ、額に血管を浮かべながら、持ちあげた岩を、蹲るトカゲに向かいぶん投げた。
勢いよく投げ飛ばされた岩はトカゲに直撃……すると思われていたが。
蹲っていたはずのトカゲは驚くべき跳躍力で飛び上がると、飛んできた岩を軽々と回避する。
そして唖然とする村人達へと睨みつけると、耳を覆いたくなるようなおぞましい咆哮を上げた。
サムは思わず立ちすくむ猟師達に怒鳴った。
「何してる! 矢を放て!」
その一言に我に返った猟師達が、急ぎ矢を放つ、
ひゅんひゅんひゅん、と狙いたがわずトカゲの化け物へと向け、何本もの矢が飛んだ。
串刺しになるかと思われた瞬間、驚くべきことが起こった。
全ての矢がそれて、木々の幹に突き刺さり、茂みの中に消えたのだ。
926蒼い使い魔 第42話(代理):2009/04/24(金) 20:14:12 ID:v26wp3mW
「くっ!」
猟師達の口から悔しそうな声が漏れた。狙いが外れたのか?
否、いずれも劣らぬ弓の名手である、一本二本ならともかく、全ての矢が外れるわけはない
つまり、矢は外れたのではなく、外されたのだ。
「次だ! 休まず射かけろ!」
サムの声に、猟師達は次々に矢を放った。
再びトカゲが吼える、耳を劈かんばかりの咆哮とともに、トカゲを中心に暴風が吹き荒れる。
目に見える程の凶暴な風がすっぽりとトカゲの身体を包み込む、
当然、トカゲに向かって行った矢は風に軌道をそらされ、はじき飛ばされる。
「バカなっ! 先住魔法!?」
目の前で起こった信じがたい現象に村人達は我が目を疑う。
だが先住魔法にしては何かがおかしい、言葉を発していないのだ。
ただ吼えた、それだけで暴風が吹き荒れる。知能のないトカゲ、そう見くびっていた。
「ひ、ひるむな! 相手はたかが一匹だ! 囲んでやっちまえ!」
サムが村人達を叱咤したその瞬間――。
地面の数か所が奇妙に盛り上がる、そして一斉に地面から"何か"が飛び出した。
「嘘だろ……囮だったってのかよ……」
猟師の一人が絶望が混じった声で呟く、
森の中に恐ろしい咆哮がいくつもいくつも響きわたる。
地中から姿を現したのは、目の前にいるトカゲと同じタイプの化け物だった、それも……五体。
気がつけば村人たちは分散させられ、場は混乱と恐慌に包まれていた。
立ちすくむ村人に向け、トカゲは容赦なく襲い掛かる。
怯える村人に巨大な爪を残酷に突き立てんと飛びかかったその刹那――。
「我らが契約したる枝はしなりて伸びて我に仇なす輩の自由を奪わん」
詠唱とともに――ごぉうっ! と音がして、僅かに残ったライカ欅の枝がしなり、めきめきと勢いよく伸びる。
そして伸びた枝は飛びかかったトカゲに絡まり、その体を拘束する。
「!!」
トカゲは何が起こったのか理解していないのか、じたばたと動き、拘束から逃れようともがいた。
「た、助かった……!」
村人は安堵のため息を吐くと、空を見上げる。
その視線の先から、人が落ちてきた。地面に激突する! ように見えた瞬間、すれすれでその人間達は落ちるのをやめた。
ふわふわと浮いているのである。
よく見るとただの人間ではない、一枚布を体に巻きつけただけの単純な衣装をまとった彼らの背中には、なんと一対の羽根が生えていた。
その姿は、まるで物語の中に出てくるような、天使のようである。
翼人、とハルケギニアの人間達が呼びならわしている種族であった。
「救援だ!」
駆け付けた翼人達を見上げ、村人たちの顔が希望に湧く、
宙に浮かんだ翼人達……、その数は男女合わせ四人ほど、上空から索敵と村人たちのナビゲートを行っていたのであった。
彼等はまるで歌劇役者のようにすっと手を突き出し、ひらひらと動かしながら言葉を発した。
「枯れし葉は契約に基づき水に代わる"力"を得て刃と化す」
「刃と化す」
落ち葉が舞い上がり、針金でも仕込まれたかのように、ピンッ! と硬く張った。
鉄片のように硬くなったそれが、未だ拘束から逃れられないトカゲ目がけて大量に降り注いだ。
体中を刃のように研ぎ澄まされた葉に切り刻まれたトカゲが、血を噴き出しながら地面へと落下する。
悶絶しのたうちまわるトカゲに近くにいた村人達が殺到し、手にした斧を一斉に振り下ろした。
だが他のトカゲ達は、傷つき倒れた仲間を気にかける様子もなく、他の村人へと襲いかかる。
村人の一人が斧を振りかぶり、トカゲを頭から両断しようと、力一杯振り下ろした。
だがその渾身の一撃はいともたやすくトカゲの持つ楯に阻まれる。
体勢を崩した村人の首筋をトカゲの鋭い爪が切り裂く、村人の苦悶の声とともに、首から夥しい程の血飛沫があがった。
返り血を浴び、トカゲが満足そうに首を振る、そして新たに近くにいた猟師に飛びかかった。
927蒼い使い魔 第42話(代理):2009/04/24(金) 20:15:11 ID:v26wp3mW
「ひっ……! ぎゃあああああ!!!」
悲鳴が森の中に響く、ナイフのように研ぎ澄まされた爪が腹を引き裂き、これまた鋸の様に短く鋭く並んだ歯が、首筋を食いちぎった。
一体のトカゲがしなやかに木々の上へと駆け昇ると、そのまま空中に身を投げる。
自身に暴風を的わせ、錐の様に自身の身体を回転させる、そして空を舞う翼人目がけまるで弾丸のように突進した。
「何っ!?」
不意を突かれた翼人が驚愕の声をあげる。回避が間に合わず、暴風とともに突っ込んでいたトカゲに翼を抉られた。
「がはっ!!」
血を吐き、地面へと叩きつけられる。
翼人を地面へと撃墜したトカゲが倒れた翼人に飛びかかる、その爪が一匹の生き物のようにうごめいた。
「――ッ!!」
翼人が恐怖に目をつむる、先ほどの猟師のように無残に引き裂かれようとしたその時……。
風を切り裂きながら凄まじい勢いで空から降ってきた一本の剣が、狙い澄ましたかのように飛びかかろうとしていたトカゲに突き刺さる。
地面に剣で縫いつけられたトカゲは耳をふさぎたくなるような悲鳴をあげた。
何事かと村人と翼人、果てはトカゲ達まで顔を上げ、空を見上げる。
その目に飛び込んできたのは腰に長い剣を差し、蒼いコートをはためかせながら空から落ちてくる男……、バージルの姿であった。
常人ならば重傷必至の高さだというのに、重い着地音とともに地面に着地する。
唖然とする村人や翼人達を尻目にゆっくり立ち上がり、コートについた木の枝の切れ端や葉をはたき落とすと、
デルフリンガーが突き刺さり苦悶の鳴き声を上げているトカゲへと歩み寄り、顔を踏みつけ、デルフリンガーを引き抜いた。
自分を縫いつけていた剣が引き抜かれると同時に、トカゲは尚も立ち上がろうとするが、
恐ろしい力で顔を踏みつけられているため起き上がることができない、それどころか、踏む力は徐々に強くなってゆく。
――ベキャッ。という果実がつぶれるような音とともにトカゲの顔が踏み潰される、
しばらくびくびくと痙攣していたが……やがてその力も失い、トカゲは完全に動かなくなった。
我に返ったトカゲ達が、狙いをバージルへと変え、ぐるりと周囲を取り囲んだ、背後に立っていた一体が咆哮をあげる、バージルがそちらへ視線をよこした瞬間。
反対方向に立っていたトカゲがその隙を逃さんと飛びかかる、そして鋭い爪を突き立てようとしたその時。
まるで後ろにも目がついているのか、バージルは吼えた一体に視線を向けたままにも関わらず
背後からの一撃を僅かに身をそらした程度で回避する、切り裂くべき相手を失ったトカゲに、いつの間にか抜き放たれていた閻魔刀が襲いかかる。
成すすべなく胴を両断され、二つに分かれた死体が地面に転がった。
バージルは閻魔刀を振り抜くと、そのまま咆哮を上げたトカゲへと向かい歩を進めてゆく、
その内の一体が、空中へ飛び上がり暴風を纏いながら、自身の身体を回転させバージルへ突撃する。
それを横目でチラと確認すると、おもむろにデルフリンガーを引き抜き飛んでくるトカゲに向け切っ先を突きつける。
寸分たがわず回転するトカゲの中心点をとらえたデルフリンガーの切っ先は、回転力を殺し、トカゲを文字通り頭から串刺しにした。
摩擦熱で煙をぶすぶすと上げる惨たらしい死体になったトカゲを見ながらバージルが何やら呟く。
「強襲型(――アサルト)、と言ったところか」
そう言うと、デルフリンガーを勢いよく振り抜き、死体となったアサルトを投げ捨てる、夥しい量の血が地面にぶちまけられた。
「遅い、何をしている」
バージルが呆れたように呟く、すると、空からもう一人……今度は蒼い髪を持った少女、タバサが落ちてきた。
タバサは落下の途中で、手に握った大きな杖を振りながら、ルーンを口ずさむ。
928蒼い使い魔 第42話(代理):2009/04/24(金) 20:15:55 ID:v26wp3mW
「イル・フル・デラ・ソル・ウィンデ」
ふわん! とタバサは落下の速度を緩めるとバージルの近くに降り立った。
「いきなり飛び降りるとは思わなかった」
バージルは小さく抗議するタバサにちらと視線を送ると、生き残ったアサルトに向かい歩を進める。
タバサも、もう一体に向け杖を構えた、二体のアサルトが二人に飛びかかるのは、ほぼ同時だった。

バージルは飛びかかってきたアサルトの一撃をステップバックで回避する、そしてギルガメスを装着すると
重心を低くし、拳を握りしめる、噴気孔から大量の蒸気が噴出し、凄まじいエネルギーを蓄積したストレイトが放たれた。
アサルトはとっさに楯を構え、その一撃を受けとめる。
だが、斧の一撃にも耐えた頑丈な楯は惨たらしくへこみ、受け止めたときに生じた凄まじい衝撃で、腕が惨たらしく粉砕された。
ガラ空きになったアサルトの胴目がけ、バージルの百烈脚が叩き込まれる、放たれる蹴りと共に足元のエッジが激しく回転し肉をえぐり取る。
フィニッシュのカカト落としを豪快に喰らい、被っていた兜ごと頭を叩き割られたアサルトはなすすべもなく地面に叩きつけられ絶命した。
一方のタバサは、魔法を駆使し最後の一体となったアサルトと渡り合っていた、
ルーンを紡ぎ、ウィンディ・アイシクルを唱える、だが彼女のウィンディ・アイシクルは少々形を変えていた。
本来は多数の氷の矢を作り出すものだが……、バージルの幻影剣を参考にし、殺傷力を上げるために矢の形を大きくする。
幻影剣を真似たせいか、形も氷の矢、というよりは剣のそれに近い。
そのため一度に生成できる量が減ってしまったが、その分威力と強度が向上した。
氷の剣を生成したタバサは急襲幻影剣のように自身の周りに展開し時間差でアサルトに向かい放つ、
アサルトは楯を構え、飛んでくる氷剣を防ぎつつじりじりと距離を詰める、
だが時間差で飛んでくる氷剣を防ぐのに気を取られ攻撃を仕掛けることが出来ない、
最後の氷剣が楯に阻まれ砕け散る、それと同時にアサルトがタバサに飛びかかった。
タバサはすぐさまフライを唱え、さながら月面宙返りのような動きでアサルトの頭上を飛び越える。
すぐさまフライを解除し、魔法の詠唱に入る、空中で杖を振り、すれ違いざまにエアカッターを放つ。
見えない風の刃を身に受けアサルトが一瞬だけひるんだ、
その隙を逃さずに地上に降り立つと、きりりと杖をとりまわし脇に引きつける。
ブレイドを唱え、よろめいたアサルトの背中にスティンガーを放つ。ブレイドの威力も合わさり、その一撃はアサルトの鱗を抉り肉を裂いた。
だが……。
「浅い……!」
タバサが苦々しい表情で呟く。今の一撃では致命傷足りえなかった。アサルトが体勢を立て直し、楯でタバサを殴りつける。
「ぐっ……!」
かろうじて杖で受け止めるも、衝撃でたまらず吹き飛ばされる。すぐさま立ち上がり、再びアサルトを睨みつけ、次の魔法の詠唱に入る。
その時だった、唸り声をあげていたアサルトが大きく仰け反ったのだ。
何かが来る、そう思った時には既に遅く、アサルトの叫びとともにタバサにかざされていた巨大な爪が弾丸のように射出された。
「ッ!?」
完全に不意を突かれたタバサは思わず詠唱を止めてしまった。
その時、今しがた殺したばかりのアサルトの死骸をバージルが空中へ蹴りあげる。
そして勢いよく回転蹴りをその死体に叩き込み、アサルトの飛ばした爪の射線上にかっ飛ばした。
結果、アサルトの放った爪は仲間の死体にすべて阻まれる格好となる。
タバサはすぐさま詠唱を終わらせ、特大のジャベリンをアサルトにお見舞いする。
突然起きた出来事に、アサルトは楯を構え防ぐこともできずに、巨大な氷の槍が直撃する。
腹に巨大な氷の槍をブチ込まれ、最後の一体はようやく動きを止めた。
929蒼い使い魔 第42話(代理):2009/04/24(金) 20:17:06 ID:v26wp3mW
呆然と事の成り行きを見守っていた村人達や翼人達がバージル達に駆け寄ってきた。
「あ、あんた達はいったい?」
先住の魔法を行使する凶暴なトカゲの群れを一瞬で殲滅した剣士にサムが恐る恐る尋ねる。
「もしかして新しくお城から騎士様がきてくださったんで?」
その言葉に、バージルではなく、タバサが一歩前に出て頷き、短く自分の名前と地位を述べる。
「ガリア花壇騎士、タバサ、彼はバージル、便利屋」
タバサは自分の名前の後にバージルに手を伸べそう言うと一歩下がった。
「みんな! 新しく騎士様が来て下さったぞ! それに見たか? 
あの見事な戦いっぷり! 剣士様はあのトカゲ野郎共を瞬殺しちまった!」
村人達の間から歓声が沸いた。
「じゃあ御二方、ちゃっちゃと連中をやっつけてくださいな」
もみ手をせんばかりの勢いで、サムがタバサににじり寄る。
タバサがバージルに視線をよこすと、彼はすでに森の奥へ向け歩を進めていた。
あわててタバサが村人や翼人達に村に戻るように指示を出す、
翼人が空からナビゲートするため、村に戻る分には問題ないだろう。
村人達がケガ人や犠牲者を背負い村へと戻るのを確認すると、急ぎ彼の後を追って行った。

鬱葱とした森の中を二人は歩く、
奥へ足を進めれば進める程、木々の形はグロテスクなものへと変わっていく、
案の定、森には悪魔があふれており、木々の影からアサルトが襲いかかってくる。
その上、森の各所に種子、或いは昆虫の卵のような巨大な物体が落ちている。
そこから生まれ出てくる苔の塊のような悪魔、これがまた厄介だった。
その悪魔は、厄介なことに仲間であるアサルトに寄生、宿主の体から触手のような芽を出し暴れ出すのだ。
身体は自由に動き回り、一方で触手のような芽が大きくうねりまわる。
さながら二つの生物が組み合わさった合成獣(キメラ)――さしずめあの苔の塊はキメラシード、と言ったところだろうか。
それらを撃退しつつ二人は進むのだが、土地勘のない森の中にくわえ、
咲き乱れる花から放たれる不思議な香りに、二人の方向感覚は完全にマヒさせられてしまっていた。
気がつけば、二人は同じ場所を何度も歩かされていた。
「……」
「迷った」
タバサがバージルを見つめ呟く、この男、意外と無計画だ。
そんなタバサの視線を知ってか知らずかバージルが無言で森の中を進んでゆく。
タバサが小さくため息を吐き、ふと視線を横に向けると、奇妙なものを見つけた。
「ッ! ……あれは?」
「……?」
"それ"を見つけたタバサがとっさに杖を構え臨戦態勢に入る、が、すぐさま杖を下ろした。
それは道中嫌になるほど目にしたキメラアサルト……、だったのだが何か様子が違う、
体中から植物の芽を出し、頭から大輪の花を咲かせているのは相変わらずだが……。近づいても全く動かずにじっとしていた。
体表はかつてのような面影はなく、まるで樹木が枯れたような色合いになっている。
触れてみても、その質感はまるで樹の肌のようだった。
バージルが、閻魔刀でそのアサルトを両断する、すると、血も流さずにゴトリとその身を横たえる、
両断面を見ても、やはりそれはアサルトの形をした植物……、としか言えなかった。
「これは?」
「……おそらくはこれが、この森の変貌のタネだ」
タバサが尋ねると、バージルがアサルトだった死体をつま先で蹴りながら答えた。
「あの種が取りつくのは悪魔だけではない、おそらくはこの森に棲む動植物に取り付いたのだろう。
そして宿主の養分を吸い取りあのような樹に変える、そんなところだ」
それを聞いたタバサがあたりを見回す、そう言えば樹にしては不自然な形をしたものが多すぎる。
よく見ればあの樹は、動物の形をしているようにも見える、そしてあの樹は苦悶の表情を浮かべた翼人……。
930蒼い使い魔 第42話(代理):2009/04/24(金) 20:17:49 ID:v26wp3mW
「……」
タバサがバージルのコートの裾を握る、先ほどキメラシードの体当たりをもらいかけていた。
あの時は間一髪でバージルの投げたデルフリンガーが
飛びかかるキメラシードを空中で叩き落としてくれたおかげで寄生はされなかったが……。
もう少しで自分も木々の仲間入りだったと思うとゾッとしない話だった。
「この状況、ラグドリアン湖と同じだ、あれらが種ならば
それを生み出す悪魔、そいつを叩けばこの異変も収まるかもしれん、保証はできんがな」
バージルはそう言うと、何やら眉間にしわを寄せながら辺りを見回す。
「見つかる?」
タバサが尋ねるとバージルは首を傾げた。
「聞こえんか? この耳障りな声が」
そう言うと頭上を指差す、タバサがつられてそちらへ視線を向ける
種子をばらまく悪魔、それは存外早く見つかった、何のことはない、頭上にいたのだ、正確にいえば遥か上空に。
それはまるで、無数の蔦が絡み合い、形をなした巨大な龍のようだった。
龍は巨大な体を空中でくねらせながら盛大に種子を森にバラ撒いている。
「タバサ、シルフィードを呼べ、ここからではどうしようもない」
バージルのその言葉にタバサは短く頷くと、ピィッっと口笛を吹く。
一歩足を踏み入れれば抜け出せぬ魔性の森なれど、空から侵入し、空へと抜け出せば何の問題もない、
幸運にもシルフィードは龍に見とがめられることもなく、すぐさま駆けつけると、二人を背に乗せ飛び上がった。

目の前では龍のような悪魔が、高らかに笑い声をあげながら、種子をどんどん産み落としてゆく。
節操がないことこの上ない光景だ。
龍は、上空へと飛びあがったシルフィードに気が付いたのか。
狙いを森からシルフィードへと変え、大量の種子を放ってきた。
「きゅいきゅい! な、なんなのね! お、おねえさま! おにいさま! たーすーけーてー!」
シルフィードが飛んでくる種子を必死で避ける、タバサがウィンディ・アイシクルを放ち、その種子を迎撃し撃ち落としていく。
種子の状態ならば存外脆い、動きだす前ならば小さな氷の矢でも十分破壊できた。
その光景を見咎めたのか、龍が上空から一気に下降しシルフィードに向かって飛んできた。凄まじいスピードだ。
タバサとバージルが迎え撃とうとした時、龍は空中で停止し、大きく口をバックリと開いた。
タバサが杖を身構える、すると、龍の口の中から女の姿をした悪魔が姿を現した。
どうやら龍の頭部は花弁らしい、それに覆われた花芯が本体のようだった。
キメラの母、エキドナとでも言うべきなのだろうか?
「貴様! よくもわらわの子を! 小娘め! 今八つ裂きに……!」
エキドナがそこまで言った瞬間……
バージルが突如エキドナの眼前に躍り出る、一瞬で移動したバージルは
突然の出来事に目を白黒させているエキドナの頭を左手でガシリと掴むと、閻魔刀を胸に勢いよく突き立てた。
問答無用の一撃にエキドナは甲高い悲鳴をあげ……苦痛にのたうち回りながら、上空を高速で旋回し、森の中へと突っ込んでいった。
いきなりの出来事に唖然としていたタバサだったが……すぐに我に返ると、エキドナを追うよう、シルフィードに命じた。
密生した木立を割りながら、バージルを振り落とさんと森の中をエキドナが飛びまわる。
だが彼はそんな中でも表情一つ変えず、恐ろしい力でエキドナの胸を貫いた閻魔刀を握り、傷口を押し広げていた。
エキドナが不意に森の中の開けた場所へと飛び出す、その時、バージルが閻魔刀に込めていた力をさらに強め、
胸から肩口まで一気に切り上げた。
「ぎゃあああああああ!!」
エキドナの悲鳴が森に響く、そして地面に降り立ったバージルを睨みつけるとひときわ甲高い声で喚いた。
「ぐぅっ……! 無礼者め!!」
「……金切り声から解放されたと思ったんだがな」
バージルはうんざりしたように片耳を押える。
931蒼い使い魔 第42話(代理):2009/04/24(金) 20:18:30 ID:v26wp3mW
「品がない、聞くに堪えんな」
「貴様の侮辱など取るに足らぬわ! わらわの子を受け入れ、貴様も森の一部となり永久に平穏な時を過ごすのじゃ……ッ!」
エキドナは再び龍の形を取り、バージルを飲み込むべくばっくりと口をあけ、彼に襲い掛かった。
ばくん! と大きな音を立て、エキドナが勢いよく口を閉じる、が、バージルが立っていたはずの空間には既に彼の姿はなかった。
「……願い下げだ」
その言葉とともにトリックアップでエキドナの頭上に躍り出ていたバージルが、ギルガメスを発現し、龍の頭に流星脚を叩きこんだ。
強烈な一撃にたまらず本体を出したエキドナに、デルフリンガーを抜き放ち突きつける。
「永遠聞くくらいなら、貴様より"誰か"の金切り声の方が数倍マシだ」
「Though I will tear your body to shreds!(――その身体、切り刻んでくれる!)」
その言葉に、エキドナは当然の如く更に怒り狂いながら再びバージルへと飛びかかった。

エキドナの突進を上空へと飛びあがり回避する、するとエキドナも上空へと舞い上がり、バージルへ向け一斉に種子を射出した。
閻魔刀を振い、飛んでくる種子を切り落としていると、その隙を突く様に今度はエキドナ自身がバージルに向かい凄まじい速度で突進してくる。
エキドナ自身の質量も相まってまともに食らえば、バージルと言えどただでは済まないだろう。
「チッ!」
舌うちしながらトリックダウンを使い回避、すぐさま地上に降り立つと再び空へと舞い上がったエキドナを睨みつけた。
元々遠距離攻撃に乏しい彼にとって、遥か上空に飛ばれては手が出せない、
足場があればまた話は別だが、見渡す限り木しか見えない上、必要な高さが足りていない。
唯一の手段としては幻影剣だが、高速で飛びまわるエキドナには効果が薄く、
また、エキドナの身体を覆う花弁は想像以上に堅く、幻影剣ではさしたるダメージを与えられないだろう。
どうやって上空のエキドナを地上に引きずり下ろすか、それが問題だ、
「クソッ……!」
忌々しげに吐き捨てると、ようやく交戦中のバージルを見つけたのか、シルフィードに乗ったタバサが駆け付けた。
タバサがなにやらシルフィードの耳元で囁くと、ひらりとシルフィードから飛び降り、すぐに杖を構えた。
「少々厄介な相手だ、下がっていろ」
バージルは横目でタバサをみると短く命じる、するとタバサが首を小さく横に振った。
眉間にしわを寄せバージルが再びタバサに振り向いたとき、エキドナから放たれた種子が二人に襲い掛かる。
二人は地面を転がってかわし、すぐさま体勢を整え旋回するエキドナへと視線をもどした。
「わたしに考えがある、あの悪魔を地上へとおびき寄せる」
「どうするつもりだ」
首を傾げるバージルを見てタバサは上空を指差した。
「囮」

「(うまくいけばお肉……! うまくいけばお肉……!)」
一方そのころ、タバサが指さした上空では、シルフィードが何やら呟きながら旋回するエキドナに向かい飛んで行く。
そしてエキドナの視界に飛び込むと、なけなしの勇気を振り絞り、必死に挑発をする。
「き、きゅいきゅい! か、かかってくるのね! シルフィ悪魔なんて怖くないんだから! きゅい!」
きゅいきゅいと鳴きながらブレスを吐き、エキドナの注意を引く。
「わらわの子を受け入れに来たか、殊勝な心がけじゃ竜よ! 望みどおり森の一部にしてくれようぞッ!」
一応の効果はあったのか、エキドナは狙いをシルフィードに変えると、種子をシルフィードに向け射出し始める。
「あわわわわわ! こっ、このおばさん怖いのねーーー!! きゅいきゅい!」
「おばっ……!! ゆ、許さぬ……! 許さぬぞッ! わらわを侮辱した罪、万死に値する! 捕まえて引き裂いてくれるわッ!!」
その言葉を聞いたエキドナが怒りに身をわなわなと震わせ、耳を劈かんばかりの絶叫を上げる。
禍々しいオーラに包まれ、エキドナの身体が金色に輝く。
「わぁ! や、ヤバいのね! 助けてぇーー!!」
シルフィードが悲鳴を上げながら、空中でとんぼ返りすると、すぐさまバージル達がいる地上目がけ一目散に逃げだした。
怒りで完全に頭に血が上ったエキドナは、逃げるシルフィードを全速力で追いかけた。
932蒼い使い魔(代理):2009/04/24(金) 20:22:19 ID:16k8d6Qa
さるった…
933名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 20:40:38 ID:SYQuzY0w
支援

>>932
ドマです。自分も以前喰らいました
植物>>やっぱエキドナだった。でもギルガメスは持ってるし?
934名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 20:41:15 ID:16k8d6Qa
代理スレに残りが投下されているので
誰か代理の代理お願いします
935名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 20:42:04 ID:pHXxyfWe
おk、行くよ。
936蒼い使い魔(代理の代理):2009/04/24(金) 20:48:01 ID:pHXxyfWe
「来た」
地上でそれを見守っていたタバサが呟く。
「種の相手は任せる、殺しきるまで気を抜くな、自分の身は自分で守れ」
タバサが小さく頷き杖を構えるのを見て、バージルが背中のデルフリンガーを抜き放った。
「Come on...(――来い)」
バージルは低く呟くとデルフリンガーを逆手に持ちかえ、腰を捻りながら体勢を低く落とし、魔力を集中させる。
デルフリンガーの刀身が彼の持つ魔力に満たされ蒼く輝き紫電が走る。
シルフィードが悲鳴を上げながらこちらへ飛んでくる。それを追い龍のような形態になったエキドナもこちらへと向かってきていた。
そしてシルフィードがバージル達の頭上を通過した瞬間……、バージルはデルフリンガーを逆袈裟に勢いよく振り抜いた。
剣圧で生じた衝撃波が、蒼き魔力を纏い地面を抉りながら突進してくるエキドナに向かい飛んで行く。
龍のその鼻っ面に命中すると、衝撃波は轟音とともに爆ぜた、自身のスピードも加わったその衝撃にさしものエキドナも動きを止める。
バージルは続けざまにデルフリンガーを振るい衝撃波を次々エキドナに叩き込む。
耐えかねたように、エキドナが花弁を開き、本体である花芯をあらわにした。
またとないチャンスを逃さず、バージルはすぐさまエアトリックで一気に距離を詰める。

エキドナの前に躍り出たバージルは、デルフリンガーを振るい舞うように連撃を見舞った。
華麗な空中乱舞の後、デルフリンガーを真上に高く放り投げる。
そして鞘に収まったままの閻魔刀を構え、即座に抜き放つ。
抜刀の一閃、返す刀でさらに切り返す。もう一度鞘に納めた閻魔刀を再び一閃させる。
一瞬にて繰り出された閻魔刀の三連撃を喰らい、エキドナが苦痛に満ちた悲鳴をあげる。
しかしそれでもエキドナは倒れず、バージルへ向け大量の種子を放つ、
だがそれは、バージルに到達する前にタバサが放った氷の矢が次々と打ち砕いてゆく。
「わらわの子がッ!?」
「まだ動くか」
バージルは感心したように呟くと、閻魔刀を納刀し、花弁を足場にトリックアップでエキドナの頭上に再び躍り出る。
そして、くるくると回りながら落ちてきたデルフリンガーの柄頭に流星脚を叩きこんだ。
「いっでぇえ!!」
デルフリンガーが悲鳴とともに勢いよくエキドナの胸部に深く突き刺さる。
「ギィヤァアアアアアアアアアア!!!!」
森全体に響き渡るんじゃないかと思うくらいの絶叫が響きわたる。
バージルは不愉快そうに顔をしかめると、今度はデルフの柄の部分に踵落としを叩きこむ。
先ほどの一撃の時点で、デルフリンガーは鍔の部分までエキドナに突き刺さっていた、
そのため傷口から肩口まで再び抉り抜く形でデルフリンガーがエキドナの体から一気に飛び出し宙へと再び跳ね上がった。
血とも樹液ともつかない奇妙な液体が絶叫と共に地面にぶちまけられる。
エキドナは地面へと墜落するとしばらくの間苦痛にのたうち回っていたが、やがて力尽きたのか巨大な体を地面に横たえた。

「人間ごときにッ……! なんたる恥辱――ギャッ!?」
息も絶え絶えになり、地面へと横たわるエキドナの顔をバージルが踏みつける。
そして丁度良くきゅるきゅると落ちてきたデルフリンガーを宙で拾いエキドナの首元に突きつけ静かに尋ねた。
「死ぬ前に答えろ、貴様が通った魔界のゲートはどこだ」
「おのれ……人間風情がッ……! このままでは終わらぬぞッ……!」
エキドナは力を振り絞り、尾を大きくうねらせ、大量の種子をタバサに向け射出した。
完全に虚を突かれたタバサはその種子に反応できずに立ち尽くしたままだ。
魔法で迎撃しようにも今から詠唱しても遅い、回避しようにも弾幕のように射出された種子は回避する余裕すら与えなかった。
なすすべもなく、見開かれるままの瞳に巨大な種子が迫ってくる……瞬間、タバサは思わず目を閉じた。
しかし、いつまでたっても種子は襲って来なかった。

「ぐぅっ……!」

自分のものではない、奇妙なうめき声にタバサはゆっくりと目を開ける。
そして、入りこんできた光景にタバサの目が驚愕で見開かれる。

「最後まで気を抜くなと言ったはずだ……ッ……!」
バージルが険しい表情でタバサを叱りつける。
エアトリックを使い瞬時にタバサの前に移動し身を挺して庇ったのだろう。
バージルの背中にはエキドナの放った種子が深々と突き刺さっていた。
種が割れ中からキメラシードが現れる、取りついたキメラシードは彼の体に次々触手のような芽を打ち込んでゆく。
937蒼い使い魔(代理の代理):2009/04/24(金) 20:49:14 ID:pHXxyfWe
「兄さまっ!」
タバサが首を振りながらバージルに縋りつく。
「誰が兄さまだ……っ……!」
普段無表情な彼女からは想像できないほど取り乱すタバサを突き飛ばすと、バージルは自身に突き刺さった芽を引き抜きにかかる。
「でもっ!!」
「この程度で喚くなッ……!」
とは言うものの、背中のキメラシードは次々バージルに芽を打ち込んでいく。
このまま引きちぎっていても埒が明かない。
「っ……! 舐めるなッ!」
バージルが自身の魔力を開放し、魔人となる、その際に生じた凄まじい魔力の奔流。
それに耐えきれずにキメラシードがはじけ飛び消滅した。
キメラシードが完全に消えたことを確認したバージルは再び人間の姿に戻ると、すぐさまエキドナを睨みつけた。
見るとエキドナは残っていた力を振り絞り、上空へと舞い上がっていた。

「口惜しや……仕留め損ねたかっ! この屈辱! 決して忘れぬぞ! いずれ貴様の身体をズタズタに引き裂いてくれる!」
エキドナは一頻り喚いた後上空で大きくターンすると、森の奥へと猛スピードで消えて行った。

「逃げられた……か」

成すすべなく見送っていたバージルが忌々しそうに呟く
「失敗だ、まさか依頼人に足を引っ張られるとはな、笑い話にもならん」
そう言いながら冷たい目でタバサを睨みつけると、憮然とした表情で舌打ちをする。
「ごめんなさい」
タバサはしゅんと肩を落とし小さく呟く、そして顔を上げると少し言いにくそうに言葉を切りだした。
「その……」
バージルが視線を再びタバサにあわせる。
「なぜ庇ってくれたの?」
「お前に死なれたら困るからだ」
バージルがあっさりと答えた、普段の彼からはおそらく出てこないであろう一言にタバサは思わず聞き返す。
「わたしが死んだら困る?」
「そうだ、他に何がある、……無駄話は終わりだ、行くぞ」
相も変わらず自分以上に温度の感じられない目だったが……バージルはにべもなくそう言うと踵を返し歩きだした。
タバサはその言葉にまるで上気せた様に呆然としていたが、やがて我に返ると、森の中へと分け入って行くバージルを追いかけた。

「おいおい相棒!」
森の中に分け入って行くバージルに背中のデルフが嬉しそうに声をかける
「なんだ」
「お前さんたまには優しいこと言うじゃねぇか! まさかあそこまで言ってくれるとは思わなかったぜ!」
「何の話だ」
「さっきタバサ庇ったろ? あんときお前に死なれたら困る〜とかいったじゃねぇか!」
「何を言っている、奴が死んだら誰が報酬を払う」
陽気に話しかけてくるデルフにバージルがさらりと言い放つ、その口調からは嘘偽りが一切感じられない。
「相棒……それ、絶対タバサの前で言うんじゃねぇぞ? 言ったら呪うからな?」
急にトーンを低くし何故か怒気を含んだ声で呟くデルフを無視しつつ、バージルはエキドナが消えて行った森の奥へと足を踏み入れた。

やがて、先へと進んだバージルを追ってきたタバサと合流し、二人は再び森の中を歩く、
エキドナが姿を消してから森の雰囲気が変わった、あれだけいた悪魔達が姿を消し、狂っていた方向感覚も元に戻っていたのだ。
「何を探しているの?」
ふとタバサが顔をあげ、前を歩くバージルに尋ねる
「魔界へのゲートだ、奴ほどの悪魔だ、必ずある、使えるならそのまま魔界に行きたいところだが……周りを見ろ」
バージルのその言葉にタバサが周囲を見渡す。
「この森に満ちていた瘴気が薄れ始めている、期待はできんな……」
見ると、さっきまで生い茂っていた森の樹が急激に枯れ始めている。
エキドナによって生み出されたグロテスクな森の樹は彼女の威光があって始めて隆盛を保てるようだ。
エキドナを逃がしてしまったとはいえ、悪魔達の気配も消え、森の異常も治まったのだった。その点では依頼は成功といえるだろう。
しばらく歩いていると、不意にバージルが立ち止まる、そして目の前に現れた巨大な古木に目をやった、タバサもそれにつられ巨木を見上げる。
おそらくはこの黒き森で最も樹齢の高い古木だろう、だがその古木は見るも無残に朽ち果てており、樹の幹には巨大な裂け目が出来上がっていた。
僅かに感じる精霊の力と裂け目に残る魔界の瘴気、どうやらここを通りエキドナは魔界へと逃げ帰ったようだった。
バージルは無言のまま裂け目の中へと足を踏み入れる、だが裂け目の中にはいくら探せど何もなく、魔界へとつながってはいなかった。
938代理:2009/04/24(金) 20:53:27 ID:pHXxyfWe
ごめんなさい、コピーミスってしまった。


「クソッ!」
低く呟きながら木の壁に拳を叩きつける、どうやらこの巨木に宿る強い精霊の力を使い、無理やり魔界への境界を捻じ曲げた即席の魔界のゲートと言ったところだった。
それもエキドナが無理やり中に逃げ込んだせいでその装置も故障し使用不可になってしまったようだ。
なおの事エキドナを仕留められなかったことが悔やまれる、もしあの時エキドナを殺していれば魔界へ直接行くことができたのだが……。
過ぎたことを悔やんでも仕方がない、バージルが踵を返し外へと出ようとした時、不意に強い魔力を感じ足を止めた。

「どう?」
樹の外で待っていたタバサが裂け目から再び姿を現したバージルに尋ねる。
「もうここには用はない、このゲート自体偶発的に出来たもののようだ、もう使い物にはならん」
バージルはそれだけ言うと、タバサの横をさっさと通り過ぎ、森の外へ出るべく歩いて行った。
「それは?」
後を追うようについてきたタバサがバージルの持つ鞄のような物を見て首を傾げる、
確かこの森に来たときからそんなものは持っていなかったはずだ。
「戦利品だ、機嫌取りくらいには使えるだろう」
バージルがしれと答えると、スーツケースに施されたレリーフの三つの目が妖しく輝いた。


939蒼い使い魔代理:2009/04/24(金) 20:54:54 ID:pHXxyfWe
一度悪魔達を駆逐したことを村人たちに伝えるために、二人はエギンハイム村へと戻る。
村人と翼人は自分達を脅かす悪魔が消え、森が元に戻ったことを大いに喜び、村は陽気な騒ぎに包まれた。
村人と翼人達が肩を組み酒を飲み歌を歌う、そんなお祭り騒ぎの中、
タバサとバージルは村はずれでシルフィードに跨ると、一気に空へと舞い上がった。

「おねえさま? シルフィは囮のお仕事を立派にこなしたのね、だからお肉を食べることを許してほしいのね! きゅいきゅい」
トリスタニアへ戻る途中、シルフィードが背中で本を読んでいるタバサにきゅいきゅいとわめきたてる。
しばらくの間タバサは黙ったままだったが、やがて本から視線を外さずに静かに口を開く。
「一ヶ月短縮」
それを聞いたシルフィードの顔が青くなる、いや、もともと青いのだが真っ青になった。
あれだけ怖い悪魔相手に命張ったのに、たったの一ヶ月短縮だなんて!
「きゅい! ひどい! おにいさま〜〜!! なんか言ってやってなのね!」
シルフィードは怒りながら憮然とした表情で座っているバージルに声をかける。
バージルはそれには答えずにタバサを横目で見た。
「少し気になってはいたが……」
バージルが口を開くと、タバサは再び本を読み始める
「コイツが俺の事をこう呼ぶようになったのはお前の影響か?」
その言葉にタバサはぴくりと反応すると、彼の視線を遮るように本を立てると、顔を埋めるように中身に視線を落とす。
そんな主人に代わるようにシルフィードが口を開いた。
「きゅい? 知らなかったのね? おねえさまはおにいさまのことをいつも『兄さま』呼んでるのね、だからシルフィも呼ぶの、おにいさまって」
タバサは杖を伸ばすと、シルフィードの頭をぽかぽかと叩いた。
「いたい。いたいよう」
なぜ叩かれるのか分からない、と切なげな声でシルフィードが主人に抗議する。
「……」
バージルの呆れたような視線に気が付いたのか、タバサがおずおずと視線を向ける。
「……だめ?」
小さく首を傾げタバサが小さな声で尋ねる。
「お前の勝手だ、好きに呼べばいい」
そう言うとバージルは目を瞑ってしまった。
「ありがとう……兄さま」
タバサは僅かに頬を赤く染め、小さく呟いた。
その時、バージルが何か思い出したかのように再び目を見開くと相も変わらず無表情のまま口を開く。
「そんなことより報酬の話だが」
その言葉にタバサは突然現実に引き戻された気がして、がっくりと肩を落とした。
940蒼い使い魔代理:2009/04/24(金) 20:56:02 ID:pHXxyfWe
トリスタニアに戻ったバージルは、報酬を用意するため一度学院に戻るというタバサと一度別れ、
事務所のある魅惑の妖精亭へと戻るべくチクトンネ街へと歩を進めていた。
時刻はすでに朝方、ルイズの言いつけを余裕で一日過ぎている。
「いやぁ相棒、初仕事は成功だな、あのバケモンを魔界に逃がしちまったのがちと残念だったがな」
背中のデルフがカチカチと音をたて話しかける、だがバージルの表情はどこか険しい。
「おーい相棒、まだ気にしてんのか? 魔界へ行けなかったことがよ」
「違う……そうではない」
バージルはきっぱりと言うと、ギリと奥歯を鳴らす。
許せないのは、己自身……。ゲートが閉じてしまっていた時に心のどこかで感じた安堵。
まだこの世界にいられる、本の少しでもそう感じてしまった自分が許せない。
「(何を迷う、この世界に未練などあるわけがない……あるはずがない!)」
必死に自分に言い聞かせ、左手のルーンを見る、だがどこかで分かっていた。
この感情はルーンによるものではない、自分の本心からのものであると。
捨てた筈の人間の心、死んだはずの人間の部分……それが腹立たしい。
バージルは考えを振り払うように頭を軽く振ると、歩調を速めた。

魅惑の妖精亭へと足を踏み入れると、既に閉店したのか、店内はひっそりとしていた。
階段を昇り、事務所のドアを開ける。見ると、応接用のソファに誰かがうずくまっている。
バージルは掛っている毛布を無遠慮にはぎとる、するとそこにはやはりというべきか、ルイズが小さくうずくまり小さく寝息を立てていた。
目元が赤く腫れ、頬に涙の痕が見て取れる。……どうやらここで泣いていたらしい。
だが、バージルはルイズの首根っこを掴むと無遠慮に持ち上げる。
「きゃっ! なっ、なにっ! なにごと!?」
急に持ち上げられたルイズは目を覚まし目を白黒させながら手脚をばたつかせた。
「ここは事務所だ、寝るなら自分の部屋で寝ろ」
バージルは冷たく言うとパっと手を離しルイズをソファの上へと落とした。
寝ボケていたルイズは一瞬呆けていたが……、バージルの姿をみるや見る見る顔を歪ませ……ぼろぼろと泣き始めた。
「……うっ……ふぇ……バージル……帰ってぎだぁ……バージル……えぐっ……うえ〜〜〜ん!!」
朝っぱらから大音量で泣き始めたルイズにバージルは眉を顰める。
「泣く程の事か?」
ルイズは呆れたように呟くバージルをキッと見上げその胸に取りすがった。
「バカ! バカバカ!」
ぽかぽかとルイズはバージルを殴りつける。
「どこ行ってたのよ! 朝までには帰ってこいっていったでしょ! タバサなんかとどこに行ってたのよ!
どうして帰ってこないの! なんで! なんで!」
「場所が場所だ、現地に着くころには既に朝だった」
うんざりしたようにバージルが呟く、だがルイズはまるで火がついたように泣くばかりである
「どこで! なにしてたの! 正直にいいなさいよっ……! ぐずっ……」
どうやら説明しないとルイズは治まらない、バージルは観念したように話し始めた。
「黒き森とやらで悪魔が発生した、俺はそれを狩りに行った、それがタバサからの依頼だ」
「それだけ……?」
「当然だ、仕事だと言っているだろう」
ルイズは疑うようにバージルを見る、だがすぐにコートが血で汚れていることに気が付いた。人間のものではない、悪魔の血……。
「わかった……今回は信じてあげる、でも……一日帰って来なかったこと……許したわけじゃないからね……」
ルイズは少し拗ねたように呟くとソファに腰を落とした。
941蒼い使い魔代理:2009/04/24(金) 20:56:58 ID:pHXxyfWe
「ルイズ」
「なに? きゃっ!」
バージルの呼ぶ声にルイズが顔を上げると、何やら大きめの鞄を投げ渡された。
何やら不気味なレリーフが刻まれた巨大なスーツケースだ。触ると見たこともない奇妙な物質でできていた。
「なにこれ?」
「土産だ」
ルイズははっとしたように顔を上げる。
「えっと……くれるの?」
「くれてやる、俺は使わん」
バージルはそう言うと背負っていたデルフリンガーを壁に立て掛ける。
「こ、こんなものでわたしの機嫌を取ったつもりなの! で、でもせっかくくれたんだから、もらってあげるわ!」
そんな風に言っていながらルイズの口元は緩みっぱなしである、愛おしそうにスーツケースを撫でていた。
「ねぇ、開けてもいい?」
「かまわんが、どうなっても知らん」
その言葉にいざ開けようとしていたルイズの手がピタリと止まる。
もしやこれは、バージルが持つようなとんでもない魔具と呼ばれるものじゃないのだろうか、不安がよぎる。
そう言えばこいつは「使わん」と言っていた気がする……。
「……一応聞くけど……開けたらどうなるの?」
「さぁな、開けたことがないから分からんが……、ここら一帯が焦土と化すだろうな」

「いいいいいいいらないわよそんなもの! っていうかなんでそんな物騒なもの持ってくるのよあんたは!」
一瞬の沈黙ののち、ルイズが怒鳴りながらパンドラを床にたたきつける――その瞬間。

――PANDORA Standby――

ルイズの頭の中に聞きなれない奇妙な音声が流れ込む。
「えっ? なっ? なに? パンドラってなによ!」
パニックに陥るルイズの前でパンドラが光を放ち形を変え、再び脳内に音声が流れ込む。

――PF262 【Jealousy】――

スーツケースが割れ、中から幾つもの細い鉄の管が伸び、円形に並んだ奇妙なものが飛び出す。
それはハルケギニアには存在しない、大量の弾丸を高範囲にバラまく、バージルの世界ではガトリングガンと呼ばれるものであった。
そして奇妙な音を立てながら……砲塔が火を噴いた。
ドガガガガガガガガガガガ!!!!  と凄まじい量の弾丸が事もあろうにバージルに襲い掛かった。
だがバージルは涼しい顔で閻魔刀を抜き放つと体の前で大きく回転させる。
高速度の刃が銃弾を弾き落としていく。
「ええええ? ちょちょちょちょ、ちょっと待って! こここ、これどうすれば元に戻るのよ!」
パニックに陥ったルイズがパンドラを拾い上げる。すると再び、変形を告げる音声が流れこむ。
942蒼い使い魔代理:2009/04/24(金) 20:57:38 ID:pHXxyfWe
――PF422 【Grief】――
「うそぉっ!? やだやだ! バージル! 見てないで助けなさいよぉ!」
ルイズはたまらずバージルに向け放り投げる。
ところが、ルイズが手を話した瞬間、カバンのような形をしていたはずのパンドラが空中で形を変え、
巨大な三枚の刃が姿を現す、そして狙いを定めたかのようにバージルへと襲いかかった。
バージルはこれまた閻魔刀を振い襲い来るパンドラの刃を受け流す、
パンドラはしばらくの間、まるで意思を持つかのように執拗にバージルに襲い掛かった後、
まるでブーメランのようにルイズの手元に戻り、綺麗に収まった。
「ひっ!」
ルイズが思わず取っ手の部分を両手で持つ、するとまたまたパンドラが変形を遂げる……。

――PF398 【Revenge】――
音声とともに、今度は巨大な砲台のような形になる。
もうどこに入っているのか? という疑問が無粋に思えるほどの変形っぷりだ。
「もおおおおお! 今度はなによぉおおおお!!」
砲口から赤い光が漏れ、凄まじいエネルギーが充填されてゆく。
それを見たバージルが即座にエアトリックを使い、砲台を蹴りあげる、
バッシュゥン! という音ととも恐るべき熱量を持った巨大レーザー砲が火を噴いた。
その砲撃は天井を突き破るだけにとどまらず、はるか上空を覆っていた雲が消滅させた。
トリスタニアの天気は一瞬で曇りから雲ひとつない快晴と化した。
「…………」
もはやツッコむ気さえ起きない。
ルイズが口を大きくあけ唖然としていると、ようやくパンドラが元のスーツケース型へと戻った。

「ばばばばば、ばかーーーーー!!!!」
正気にもどったルイズが大声をあげ、怒りにまかせパンドラを床にたたきつける。
なんてとんでもないものを簡単に渡すんだこの馬鹿悪魔! もう少しで店どころかチクトンネ街がトリスタニアから消し飛ぶところだった!
怒りに満ちた表情でルイズが涼しい顔をしているバージルを睨みつけた、その瞬間……。

――PF666 【Omen】―― 
「ちょっ! えっ!? うそっ! 待って待って待って! やめてお願い!」
ルイズが慌てふためくも時既に遅し、スーツケースの留め具の部分が自動的に外れ、災厄の箱、最後の一つが閃光と共に解き放たれる……。



間一髪、バタン! という音とともに、ルイズが身を挺しパンドラを抱きしめる形で閉じた。
「ハァ……ハァ……ハァ……」
あのままあけっぱなしにしていたらチクトンネ街どころかトリスタニアが地図から消える、箱が開いた瞬間そう理解できた。
荒い息を吐きながら、精も根も付き果てたと言った表情でぐったりとパンドラに倒れこむ。
「気に入ってもらえたようでなによりだ」
「うううううううれしかないわ――」
バージルのその言葉にルイズはがばっと顔を上げ、渾身のツッコミを入れようとした、その時
べぎゃっ! という音とともにルイズの座りこんでいた床が抜け……
ルイズはパンドラとともに階下の部屋へと消えていった。
943蒼い使い魔代理:2009/04/24(金) 20:58:59 ID:pHXxyfWe
いよぉし!投下終了!何故にNGワード……?代理の方含め多数の方々、ご迷惑をおかけしてもうしわけありませんでした!
とりあえず、エキドナ姐さんにはまだ後で出番があるからここでご退場ということで
「(まだ)死なれたら困る」→利用価値的な意味で、( )の部分がタバサには見えなかった、ひっでー
そんでもって出しちゃいました、パンドラ、起動音声はオリジナルだから許してくれ
それにしても、まさにルイズを体現したかのような魔具ですね、とくにジェラシーとか
室中で使うのはやめましょう、ヘイドリッドやアーギュメントを使わなかっただけマシと思ってください。
何でタバサに渡さないかって?渡したらグラン・トロワの玉座に向けて長距離からリヴェンジぶっ放して終了だからです。
ルイズなら頼まれてもこんな危険極まる超破壊兵器をぽんと渡さないでしょう。優しい子だし!
それにしてもあの兄貴が……これには俺もビックリだ、えー……アレってありなん?どーもそう言うイメージないというか……
うーん、とりあえず今の俺に出来ることは……、ちょっとお赤飯炊いてくるわ!
ではまたの投下にお会いしましょう。

以上代理の代理完了です。
作者の方、代理の方乙です!
あと、ミスしてすいませんでしたorz
944名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 21:08:04 ID:16k8d6Qa
乙&代理の代理thx
945名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 21:17:40 ID:wxDVn7lV
乙。

とうとうバージルがデレ始めたか……。
946名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 21:41:17 ID:obvZ5y6i
四十話近くにしてようやくのデレ・・・
947名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 21:51:02 ID:aMGJA8ba
なんというツンツンデレツン……

しかしパンドラかwルイズにぴったりですね。
見た目はこじゃれたアタッシュケースだし
これでダイレクトカノンサポートも出来ますねっw


リヴェンジは魔人状態で使うとコマンドが短縮される
というのはずいぶん後になって知ったなあ
948名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 22:41:20 ID:MZ7AWEZI
>>946

> 四十歳近くにしてようやくのデレ・・・

こう読めた。兄貴に斬られる前に逃げるノシ
949名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 23:20:26 ID:gKG4S9T8
蒼の人乙です。
デルフ、兄貴に対してあんな態度取るなんて、もしかしてタバサ派なのか?
950名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 05:36:14 ID:mcROpr2G
おはようございます、「ゼロの妖精」の作者です。
久しぶりにwikiを覗いたら自分の書いた駄作の一部分を
拾っていただけた模様で「勝手に流用」とはありますが
一応「ゼロの妖精」分の文章のほうは作者の方から流用には
まったく問題ないということを表明しておきます。
(と言っても序の序の部分しかないですが)
951名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 05:41:07 ID:mcROpr2G
とと、950を踏んだので、新しくスレを立てておきますね
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1240605472/l50
952名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 08:07:15 ID:ZuJaOx1K
オッツキイムの続編こないなぁ
953名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 11:12:32 ID:acGG8if8
一年以上、音沙汰が無いなら撤退したと考えて間違い無い
954名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 11:34:09 ID:47TO5zmE
>>950
スレ立て乙です。
三次創作と無許可流用の是非が問われそうですね。
もし良かったら、避難所の運営スレにもお願いします。
運営やルールについての話し合いはそちらで行われるようです。
955名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 12:51:50 ID:jn+ef730
ルイズのガンパレードはもうないか;;
956名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 13:32:40 ID:t/RnS5Ab
アバン先生の前例もあるし突然唐突にひょっこり帰ってくるというのは
ありえるのだから希望を捨ててはいけない
957名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 13:34:05 ID:ESzhgrK3
ガンパレードの人なら、この間ひょっこり帰ってきてなかったか?
958名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 13:34:07 ID:oHnPmoR4
帰ってきたはずのアバン先生もただ今絶賛失踪中じゃないかw
959名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 13:42:15 ID:y7mLi9Ts
メガンテしちゃったんだろ

またひょっこり帰ってくる気がする
960名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 13:55:52 ID:Ibx8e6BT
ふぅ、死ぬかと思ったぜ
961名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 15:12:05 ID:bDeZLNcc
きっと数ヵ月後にひょっこり帰ってくるさ
962名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 16:07:27 ID:Ibx8e6BT
この調子だと>>1000行きそうだな
963名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 16:48:52 ID:KQdJpdSu
>>1000里の道も>>1歩から…まっくのうち!まっくのうっち!
964名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 17:33:20 ID:6lr4zFMd
なかなか埋まんないな
ところで『さあう゛ぁんといろいろ』のはっちゃけすぎなワルドさん見て思ったんだが

ルイズが、母性的で尚且つルイズと同じ位の年齢の少女を召喚して
ワルドがその女性に一目惚れする話とか読んでみたいな
965名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 17:37:46 ID:5xeH8/UI
>>964
『ルイズと同じくらい』てのがどういう意味かにもよるなw
実年齢なのか、見た目年齢なのか……どちらにしろロリーの烙印を押されるわけだがw
966名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 17:39:02 ID:59fARZb9
願望を言葉に出来るのなら、手を使って言葉にしようぜ
967名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 17:59:02 ID:Ibx8e6BT
ルイズって何歳だっけ?
10歳ぐらい?
968名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 18:01:40 ID:0LA1jCcc
今まで召喚された使い魔の中で最年少と最年長って誰と誰だろう?
969名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 18:08:33 ID:6lr4zFMd
最年長は…ワードナさん?
人間でなければ意思を持ったゴーレムみたいなのとかいたような
970名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 18:09:40 ID:5tyddwfH
最年長は「はじめの人」の伏義じゃないか?
971名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 18:10:13 ID:24V/Y2WP
>>964
まだ未登場だが『虚無のパズル』のプリセラ姐さんがいる(確か肉体年齢19歳)

ちなみにエレ姉様とは9…



あれ、誰か来たようd(ry
972名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 18:10:42 ID:47TO5zmE
人外も入れれば、上は四桁、下手したらそれ以上?
下は俺屍から赤子が召喚されてたね。
973名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 18:14:10 ID:FHy+Hk6W
スタートレックのピカード艦長が召喚されないかな……
データ召喚の人はもういなくなったみたいだし。
974名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 18:16:23 ID:nR6GpBN4
ナギ=エバーブライトを召還
975名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 18:18:44 ID:S9tWphn5
>>973
まとめ見てもないんだがそんなのがあったのか
976名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 18:40:08 ID:769HOf3v
>>967
16だった気が
てか10はねえだろwwwww才人が「タバサに手を出したらロリコンだろ」見たいなこと言ってたのに
977名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 18:45:42 ID:Y6KQKjer
ウルトラマン関係は年齢万単位
978名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 18:51:18 ID:acGG8if8
フェイスハガーなんて産まれても無いぜ!
979名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 19:01:15 ID:bDeZLNcc
人外もありだったら最年少はガルーダのひよこかな?
980名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 20:22:38 ID:nvd6+fu3
TFも年齢は高いはず
スタスクでも万単位だから
981名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 20:24:31 ID:eRrio7oE
ハルケギニアは地球と暦が微妙に違うので
16〜17歳以上は年令に一歳プラスくらいされる
34くらいだとプラス2になるのか
982名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 20:26:43 ID:BTf7kuXM
スタスクはメガトロンより年上なんだよな
983名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 20:27:22 ID:BTf7kuXM
ルイズ十八か成長期とまってるな
984名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 20:30:00 ID:a57bwOgp
(成長期が来るのが)はやすぎたんだ…
ということで一つ

実際小学5年生くらいで一気に背が伸びて、以降それっきり、という子はたまにいるしねー。
985名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 20:35:35 ID:6TtP9511
女の子は特にねw



そしてmame死ね 視ねじゃなくて死ね
コメント長くてウザ過ぎる
986名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 21:06:36 ID:WB2KX4Fy
mameってナニ?

さておき、ハルケギニアの場合一年の日数は週8日一ヶ月が4週32日、
1年が12ヶ月384日。
(一年の日数は)ちょっと長い。けど一日が地球よりちょっと短い。
だから総合的にいえば同じくらいなのか?と才人が言うとった。
987名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 21:12:51 ID:h9abWqlg
カトレア嬢が言っていた「私より素敵になるわ。背は伸びないかもしれないけど」は
身体の成長が期待できない以上、内面の成長に期待するしかないのか。……そんなもの期待できn
まぁサイトから見てルイズ>>カトレアが成り立てばいいだけだから問題ないけど
988名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 21:27:41 ID:nR6GpBN4
ルイズもさっさと籍入れてガキの一人や二人つくれば落ち着くだろ
989名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 22:02:40 ID:HM0r40tZ
>>986
絵板の絵師。

>>985
それはmameのせいじゃないだろ…
悪いのは絵の内容と関係のない雑談でコメント長くしてる連中だろjk
990名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 22:22:57 ID:7pKzKNMQ
最年長はニャル様とか九朗ちゃんor照男じゃね?
軽く億年は超えてる
991名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 22:53:00 ID:WSzQiYtn
封神演義の連中も何千歳〜何万歳クラスだな
フッキになると何億歳だかわからん
992名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 23:07:42 ID:jn+ef730
有史以前どころの話じゃないな
993名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 23:17:05 ID:RbGVlYGX
このスレは投下少なかったね ウメ
994名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 23:25:55 ID:h9abWqlg
埋め埋め
995名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 23:30:07 ID:XID4YXuE
                               ○________
                   なぎはらえー     |:|\\:::::||.:.||::::://|
                                  |:l\\\||.:.|l///|
                     ,. -――- 、    |:|:二二二二二二二 !
                   /        \.   |:l///||.:.|l\\\|
                  f  / /   l l l lハ  |:|//:::::||.:.||:::::\\|
                   从 |メ|_l  l_.l斗l |ヽ V |:| ̄ フ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                   N ヒj V ヒソ l .l ヽ\| / /
                  _/ ゝ、t‐┐ ノ .|┐ ./ /
           /´ ̄`ヽ  (  /Tえハフ{  V / /
          /  人   l-ヘ  \:::∨::∧   / ∠   
        / /爻ヽ  ヽ_|::::__ノ   }ィ介ーヘ ./>⌒ヽ  , -─‐-、
        { /∠⌒ヽ }  } Σ___/| | |V::::ノ/   } レ'  , ---、 ヽ    ____,
        レ'彡イ {Uj }ヾミイ|:::::::::::::::::ハ   >∠ /  /     `! |  t´r'⌒
    ⌒)ノ  |  ドこzン八三}≧__::::::::/:∧/ヾ ̄ヾノ_ノ  ァ'-─-、 ゞL__,〃
     (ソ⌒ヽ! ト--イ ⌒__,ハ.' y'´7´l}_, ミy'´7´l}_, -‐┴-、   `ヽ   ̄ ′
      レ)   ! ト--イ (  ノ `ーべ⌒ヽ>y' 〃, -┴┴ミ、_}_}_}_j ヽ⌒) j
      ヽ)、___,>、ト--イ ))〈     ト_チrく    // ̄ヽ、_) / /  _..._
  '⌒>‐ミ、 \)こZヾ--ヘ{{ l|  y' ゝ ヾミ゙)'}|≧>、 / /バ⌒ヽn V/ 〃⌒ヽ
  (⌒ヾ>ニKド、⌒Yく_/ヽj} 人_ゝ__>==1 r彡"´/ / | |   /y'}[__//    `
    ,ィ  ゙̄Vソ,イノ \__ム丁了)ノr'ン´フノ ィ彡/| | ヽヽ. // ヽVソ´
   / / r‐ヘ `Y {    [二[| ,勹77´ ̄ シ三彡'/| |\ ヽV/ミ、_} Kミ、
  { {   トZべ.」 |   [三}〒ラ77 (_)(_) r三/ / | |> \f⌒l/l | L }
 ヾl |  l三ィ∧ l __. [三}⊥.イ工===ァべ/ /,ィ| |/>l{ l>}X.| |゙)レ′
  ヾ, ヽ  {三N>} Y二ヽ」ニ/l⌒ヾ´  /  {O}___」 |/rくゝ _ソ\l |(
   >、 \ 缶jfハ >n' fy' l ⌒y} //⌒\/rヘ l/ /7j\j j
  /∧>、_/フイ/7-Vきy'/1 |(⌒)|}./|ト、   \j.ハ ヽ. //) l| //
  !{ニ///,イ///∠7/Zl{ |ィ^トl|\.j| ノへ.____}へ. V/´ ヽV./
  ゞ〃'Tヽ 〃´ ̄ ̄〃⌒l  VハVj  }ソ       ヽ \  //
  ケミ三彡"     /   ゝ ゞ= 'ノ二/         \ ゝ" /
996名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 23:30:48 ID:59fARZb9
>>995
何を作ってるんだあんたw
997名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 23:31:28 ID:h9abWqlg
埋め埋め
998名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 23:34:23 ID:h9abWqlg
うめうめ
999名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 23:35:39 ID:hPGJzuPR
>>996
>>995は前スレからいたぞ
1000名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 23:35:44 ID:59fARZb9
>>1000ならみんなのささやかな願いが叶う。
大きいのはダメな。
10011001
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。