【石川賢】ゲッター線が他作品に出張!! ゲッタードラゴン【NO.4】

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501ハヤトの金矛の勇者 ラスト
ハヤトは急いで部屋を出て行った。

人には知られたくない過去がある。しかし、それを糧に今を生きる人もいる。
ハヤト達「チーム・ゲッター」は今日もイデア達からうばわれた全てを奪取すべく、戦いの渦中に飛び込んでいく。……………………


「偽書 ゲッターロボDASH外伝 ハヤトのちょー嵐を呼ぶ!金矛の勇者」
おしまい

これで終わりです。文章下手くそですいませんでした。
マタごめんね…
502激突!! ゲッター対ガイアー 第十一話C:2009/04/26(日) 21:01:45 ID:kMz47uzS
ゆらめく視界。
雲ひとつない青空の中に、逆光を背に受ける黒い影が浮かぶ。

(ガイアーだ……)

マーズは空を見ていた。
先刻、第四神体・シンの生み出した大地震により、岩盤の間に押し潰されながらも。
彼は無性生殖人間の膂力でもって、地上へと這い出す事に成功していたのだ。

もちろん、無傷ではない。
雪山の一件より蓄積していた疲労に加え、全身の打撲、おそらくは肋骨も何本かは折れている。
更に、頭部への衝撃と体力の消耗で、気を抜くと意識の方も危うい状態であった。

本来ならば、ここまでくればダメージを心配する必要はない筈だった。
マーズがひとつ念じたならば、たちどころにガイアーの引力装置が働いて
彼を安全なところまで自動的に運んでくれる筈であったから……。

だが、その為にはまず、目の前に現れた障害を取り除かねばならなかった。

「……監視者、か」

「随分と酷い様だな、マーズよ」

カチャリ、と、片眼鏡の男が銃を構える。
脱出の衝撃で、セットした長髪は大きく乱れ、一張羅のスーツの裾も破れてはいたが、
その身には傷一つ負っていない。

ガイアーは地上に比肩する物が無い、極めて強力なロボットであるが、
それ故に兵器としては、やや大雑把な代物だった。
光弾にせよ引力装置にせよ、威力が強大すぎるために、マーズに危害の及ぶ状況では使用できない。
先ほど、圧倒的な戦力差を持ちながらシンの術中に嵌ってしまったのも、その欠陥を突かれた為であった。
ゆえに現在、ガイアーは動かせない。
監視者とマーズ、両者の間で、既に状況は詰んでいた。

「待て、僕の話を聞け……」

「問答無用だ、貴様の余計な誤作動のせいで、同志の血が無駄に流れた
 その報い、貴様の死と地球の消滅で償ってもらおうか」

「クッ」

殺気を感じ取ったマーズが、渾身の力で横に跳ねる。
直後、狙いをわずかに外した熱線が、マーズの右腿を貫く。

「グ、グアァ!」

「フン、限界だな、これで終わりだ、マーズよ」

再び倒れ込んだマーズ目掛け、男が銃口を構え直す。
既にマーズの全身は悲鳴を上げ、まともに体を動かすことも出来ない状態であったが、
それでも尚、生き残る術を求め、ざわざわと長髪を波立たせ始めた。

「無駄な足掻きを…… もう良い、死ね! マーズッ!」

「!!」

本能のままにマーズが髪の毛を針のように打ち放つ。
監視者は横っ飛びで難なくかわし、再びマーズに銃口を向け、銃爪を弾く。
ドゥッ! と言う銃声が、中空に響き渡る。
503激突!! ゲッター対ガイアー 第十一話D:2009/04/26(日) 21:03:27 ID:kMz47uzS
「な、何だとォ!?」

監視者が驚きの声を上げる。
吹っ飛ばされたのは、彼の右腕の方であった。
横合いから打ち込まれた銃弾が右肘に直撃し、根元から抉り取られたのだ。
光線銃を握り締めた肘先がドスンと地面に落ち、放たれた熱線が無意味に天空を焦がす。

「クソッ! 今一歩の所で」

監視者がとっさに振り返る。
そこには、銃口を構えて飛び込んでくる拓馬の姿があった。

「このエセ紳士がッ! マーズから離れやがれッ!」

少年が再び銃爪に手をかける。
リボルバー式の、使い込まれた感のあるクラシカルな拳銃である。
本来の監視者ならば慌てる場面ではない。
銃口から弾の軌道を予測し、直線状から身を逸らす。
彼ら無性生殖人間には、それだけの行動をとれる身体能力がある。
だが、先の一撃の威力を思い出した男は、本能的に後方へと大きく飛び退いた。

直後、第二射。
銃弾が中空で散開し、面の攻撃となって空間を通過し、射線上の岩盤を跡形もなく消し飛ばした。

「散弾だとォ!? 小癪な真似を!」

状況の不利を悟った片眼鏡が、隻腕の手負いとは思えぬ身軽さで岩影へ消える。

「見たか! マーズッ!?
 人類の生み出す兵器のおぞましさよッ!
 これほどに手の込んだ武器を嬉々として生み出す生物が、宇宙の何処にいるというのだ!」

「好き勝手言ってんじゃねぇぞ!
 それが、他人様の星に爆弾置いていった一味の言うセリフかッ!?」

油断無く周囲を見渡しながら、拓馬が弾倉を変える。
リボルバーから弾丸が数珠繋ぎに延び、小型の散弾銃がマシンガンへと変貌する。

直後、死角から飛礫が飛来し、のけぞった拓馬が大きくバランスを崩す。
一瞬の隙を突いて飛び出した監視者が、その手を光線銃へと伸ばす。

「全ては宇宙の秩序のため!
 貴様ら人類を生かしておけば、生命の未来は……!」

「クソッタレがーッ!!」

二人が同時に向き直り、銃爪へと手をかける。

「……ッ! グアァ!!」

―― だが、その銃爪が弾かれることは無かった。

カツン、と、乾いた音を立て、光線銃が地に落ちる。
痙攣する監視者の左腕には、一筋の赤い針が、深々と打ち込まれていた……。



504激突!! ゲッター対ガイアー 第十一話E:2009/04/26(日) 21:04:10 ID:kMz47uzS

「それが、お前の答えか、マーズ……」

大地に両膝を屈し、痙攣する左腕を振るいながら、監視者が恨みがましい視線をマーズに向ける。

「人類など、お前が思うほどのものでは無いぞ
 これはプログラムでは無い、今日に至るまで地球を監視し続けてきた、俺個人の感想だ」

「……それでも、僕は」

「まだまだ、人間はそう捨てたもんじゃねぇよ、おっさん
 高みから地球人を見下し続けてきたアンタらにゃ、分からねぇ話だろうがな」

やや言いよどんだ風のマーズに代わり、あくまでぶっきらぼうに拓馬が言い放つ。
あれ程の死闘の後にも関わらず、拓馬の瞳は、マーズには奇妙に澄んだものに思えた。

「お前らがそう思うなら構わんさ、若造ども
 だが、俺はあくまで監視者の……」

「……テメェ!」

震える指先で、再び銃を拾い直そうとする男に、拓馬が容赦なく銃口を向ける。
――と、

「どけえぇェ―――ッ! マーズ! 拓馬ッ!!」

咆哮と共に、男の周囲を黒い影が多い、飛び散った砕石が頭上に落ちる。
呆然と片眼鏡が見上げた先にあったのは、巌の如き巨体の、大きな大きな腕――。

「うおおおおおおおお!!」

ドゴオン、と、三度大地が鳴いて、監視者の男が瓦礫の底へと沈む。
それで漸く、周囲には静寂が戻った。



505激突!! ゲッター対ガイアー 第十一話F:2009/04/26(日) 21:04:55 ID:kMz47uzS
「これが、ゲッターカーン…… ゲッターの三号機」

驚愕を通り越し、やや呆れた風な表情で、マーズがその無骨な巨体を見上げる。

高い飛行能力と多彩な武装を持ち、あらゆる状況に対応できるアーク。

驚異的な運動性能を誇り、一撃離脱に長けたキリク。

そして三機の中でも、圧倒的な重装甲を有するカーン。

訓練を積んだパイロットが乗り込み、状況によって変形を使いこなしたならば、この機体に死角は無いだろう。
それはまさしく、単独で戦場のあらゆる局面に対応できる、究極の兵器の形の一つであった。

(見たか! マーズッ!?
 人類の生み出す兵器のおぞましさよッ!
 これほどに手の込んだ武器を嬉々として生み出す生物が、宇宙の何処にいるというのだ!)

どくり、と、不意にマーズの心臓が脈打ち、片眼鏡の言葉がトゲのように突き刺さる。
反射的に頭を振るい、不意に胸中にわいた負の思考を雲散させる。

(何故だ? 拓馬達の辿ってきた道も、
 人類がゲッターロボを作らねばならなかった理由も、今の僕は知っている。
 それが何故、今更になって、あんな言葉に揺さぶられるんだ……?)

「……どうした、マーズ?」

「あ、ああ、いや……」

拓馬も声に我に返ったマーズが、何とか言葉を返そうとするが、彼に出来たのはそこまでだった。
張り詰めた緊張の糸が切れたマーズは、ついにその場に、どうっ、と崩れ落ちた。

506激突!! ゲッター対ガイアー 第十一話G:2009/04/26(日) 21:05:57 ID:kMz47uzS
「―― マーズ!?」

慌てて二人が駆け寄り、ダメージを確認するため、破れかけた上着を脱がす。

「うっ!?」

「こ、こりゃあ……」

予想以上の深刻な状態に、二人が絶句する。
先のウラヌス戦で負った裂傷が、今回の戦いで再び開き、
背中の傷口はグズグズに崩れ、紫色にただれ、腐り始めていた。

「マーズ! しっかりしろ、急いで病院に……」

「……無駄だろうな、僕は地球上の生物とは、根本的に体のつくりが違う
 生きながら腐っていく肉体を治療する医学は、今の地上には存在しない」

「そ、そんな……」

「それよりも、僕を、ガイアーへ……」

頭上を指差すマーズに促され、拓馬が上空を見上げる。
主の意思を汲み取り、中空のガイアーがゆっくりと降下を始める。

「……先の神体との戦いの折、ガイアーは僕の命令に背くそぶりを見せた。
 おそらく僕の指示とは別に、主の生命を守ろうとするプログラムが働いているんだ」

「……それで?」

「僕の身柄をガイアーに任せ、行く先をアイツに委ねて欲しい。
 あるいは、ガイアー、なら、傷を癒す術、を……」

「おい! マーズ!!」

必死に呼び掛けを続ける拓馬を遮るように、ガイアーがゆっくりと両手を差し出す。
マーズは不意に、奇妙な安心感に包まれ、安らかな表情で瞳を閉じた……。
507激突!! ゲッター対ガイアー 第十一話:2009/04/26(日) 21:09:40 ID:kMz47uzS
以上で投下終了です。

>>501さん

あわわっ! 割り込みスイマセン
あれは事故だったんだ!
508名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/26(日) 21:19:02 ID:AiNvpUmR
GJ!
509名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/26(日) 21:33:09 ID:JLM+ailZ
GJです
マーズ知らないからどうなるのか楽しみです
510ハヤトの金矛の勇者の作者です:2009/04/26(日) 21:34:12 ID:kVNTOzIP
ガイヤーの作者さん。割り込んですいません。
511名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/26(日) 22:05:00 ID:ljiyE1Nn
金矛の人、ガイアーの人どちらも乙でした
512名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/26(日) 22:59:46 ID:sTFztnwx
おおおお乙うううう
513名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/27(月) 14:06:11 ID:kH8XliDR
ここの小説は面白いですな!ところでゲッター・オーガでゲッターがラ・グースの手下は違和感がありますなあ…
514名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/27(月) 18:19:13 ID:m5AKLoYq
ラ=グースに滅ぼされた宇宙ってどうなんの?同化されるの?
515名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/27(月) 18:51:25 ID:Pc/Dg70r
そもそもラグースの真理って何
良いのか悪いのか
あいつら「わかったぞ!そうか!」とかで台詞を切るからぜんぜん分からんw
516名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/27(月) 20:05:38 ID:W9uHBZAk
「そうか…そうだったのか」

「俺達の戦いはこれからだ!」
以外の終わり方をする石川作品って何がある?
517名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/27(月) 20:09:07 ID:QL7gn2zr
武蔵伝
518名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/27(月) 20:11:51 ID:m5AKLoYq
魔空八犬伝
519名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/27(月) 20:29:45 ID:Uxwb5kQ3
伊賀淫花忍法帳
520名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/27(月) 20:54:56 ID:vhidS8Bs
意識で理解してるんじゃなくて感性で感じ取ってるから、言葉に表せないんじゃない?
521名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/27(月) 21:45:19 ID:03AlKzBA
今の人間の頭ですべてを理解するには宇宙の終わるまでの時間をかけても足りないから
ああやって描写するしかないんだろ、JK

知りたければ進化の階梯を登り、上位次元で賢ちゃんが書き遺してくれたゲッターを読むしかないね
522名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/27(月) 22:07:12 ID:Pc/Dg70r
>>516
勝海舟とか
523名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/27(月) 23:30:47 ID:MNovFeOa
逆に
そうか……そうだったのか!
で終わる作品は?
524名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/28(火) 00:28:16 ID:NoSiiomD
525名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/28(火) 07:25:03 ID:M0iq81Wv
まとめでゲッターロボ鬼(オーガ)を読んできたがゲッターがラグース側というのは初めてみたな。
真魔獣の機械の化け物発言からゲッターも抵抗側と思っていたんだが、たしかに描写としてはあっち側でも違和感無いな。
526名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/28(火) 10:07:42 ID:ubh/7OIo
>>516
あとサムライたちの明治維新も
527名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/28(火) 12:24:42 ID:paRsH7Ey
>>525
ラ・グースも対時天空兵器の可能性があるから、エンペラーの仲間といえば仲間かもしれん
528名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/28(火) 13:45:23 ID:s2G0WBws
豚インフルエンザ発生で人類が次のステップを踏む時が来たようだ
そう!ウィルスによる突然変異!進化だよ!!
529名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/28(火) 13:48:17 ID:B06PQ5rK
>>528
キバヤシさんなにやってんッスか
530名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/28(火) 14:02:11 ID:+9Xvvv3B
実はレジデントオブサンは神の軍団の手先だったんだよ!
531名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/28(火) 14:39:43 ID:s2G0WBws
そこから導かれる答えは、そう!!
豚インフルエンザこそ!ゲッター線だったんだよっ!!
532名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/28(火) 16:46:48 ID:+9Xvvv3B
ΩΩ ΩΩ<な、なんだってー!?
533名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/28(火) 17:38:15 ID:v9OeHnM/
ああ、知ってしまったのか。
知らなければ良かったのに。
穏やかな幸せを失うこともなかったのに。
534名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/29(水) 07:28:22 ID:twXBCN0x
またクレしんネタを考えたけど投稿していいかな?
535名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/29(水) 12:41:19 ID:oJWuDmgt
いいですとも
536新作ネタ行きます。:2009/04/29(水) 13:19:34 ID:twXBCN0x
しんのすけとカムイ 第一話「突然、空から落ちてきたゾ!」@

「来た!」
竜牙剣、天草弾、鋼轟鬼の駆るスーパーメカ、「ゲッターロボ」の見つめる先には…
ゴゴゴゴゴ!!
虚空の彼方から巨大な物体が舞い降りてくる。
「ほう…ゲッターロボか…ゲッター線がこのバグを導いたのか?
ゲッター線を追い続ける運命に私にあるのか…
……まぁいい…今やる事は一つ…『ゲッターロボの消滅』!!」
ドドドドド!!
バグはゲッターロボに対して攻撃を開始する。
その攻撃の範囲は後方のゲッターロボの基地、早乙女研究所にまで及ぶ。
「うわぁ!」
剣達は強大な謎の敵「バグ」を前にする。
「んっだぁ!!コイツはぁ!!」
「研究所の方は無事のようだ」
「植物どもの隠し玉か?」

「――いや、違う。―しかし…」
早乙女研究所の司令官で元初代ゲッターチーム「神隼人」にしてもあいての正体は分からなかった。
ガシャ!
ゲッターロボの両肩部からキャノン砲を展開し、照準をバグに向ける。
「消えて無くなれぇ!!」

‘プラズマノヴァ!!’
ズオ!!
収束した高密度のプラズマエネルギーがバグを襲う。

しかし…
ゴウン…ゴウン…
ゲッターロボの目の前に巨大なリングが出現する。
「なんだこのリングはぁ!?」
「ゲッターよ!一緒に来てもらうぞ!!どことも知れぬ時空の果てに!!」
ゴゴゴゴゴ!!
リングは膨張し、ゲッターを取り込む。
「うわあああっ!!」

早乙女研究所では…
「ゲッターロボ、ロスト!!」
「サテライトスキャンにも反応ありません!」
不可思議な現象に神隼人も驚くほかはなかった。
「ーー一体どこへ?」

…一方、ゲッターロボは…
「こ…これはぁ何だぁーー!?」
剣達が目にしたのは今まで見たことのない巨大な物体だった。
ーーそれは惑星をも喰らうほどの大きさを持った、機械の化け物だったーー

(なぜここに来た?)
突然、剣達に謎の声が聞こえた。
「だ…誰だ?ここって…ここはどこだ!?」
(幾重をも流れ進む時間を生きるものよ……ここは一つの終着点…人類がたどり着くであろう終着点!)
剣達がその言葉に呆然としていた。
「人類がたどり着く…」
「終着点…」
「見ろっ!!星が…」
轟鬼が叫んだ方向はあの巨大な物体がゲッターロボのように合体し、隣接する惑星をことごとく破壊する。
「う…宇宙を食いつぶしているのか…コイツはぁ…!?」
さすがの剣もこのおぞましさに驚愕した
537しんのすけとカムイ 第一話A:2009/04/29(水) 13:20:40 ID:twXBCN0x
しかし
「こんな未来など!!ゲッターの野望など、私が打ち砕いてくれる!!」
ガシッ!
バグはゲッターを捕まえ、握り締める。
バキ!
「プラズマ炉がっ!」
バグはゲッターロボの動力源である『プラズマ炉』を握り潰す。

「これでまた一つの未来が守られた…これでお前たちを倒し、今一度『ゾーン』を使い、ドラゴンを潰しにいく!
さらばだゲッターロボ!!」
バキ!バキ!バキ!バグはゲッターロボをとどめの一撃を喰らわそうとした。

「勝手に決めんなぁーー!!」
ズワッ!
剣が叫ぶとゲッターロボに異常なエネルギーが発生し、バグの肢体を粉々にする。
「なっ……」
ゴウン…バチ…
封印されてゲッターロボの本当の動力源『ゲッター炉』と潰された『プラズマ炉』が復活する。
「ーーゲッター炉に火が入った…」

バグが目にしたのはさっきのゲッターロボとはまた別の異形の姿に変わっていた。

ギュワ!
ゲッターロボは両手から高密度のエネルギー球をバグ目掛けて放つとあのゲッターロボを吸い込んだリングが発生した。
「こ…これは…ゾーン!?」
リングは次第に膨張し、バグを取り込む。
「ぐが…吸い込まれ…る…」
バグはリングの中に吸い込まれていった。
538しんのすけとカムイ 第一話B:2009/04/29(水) 13:23:54 ID:twXBCN0x
ーーーここは日本、埼玉県春日部市ーー
「春日部防衛隊ファイヤー!!」
「「「「ファイヤー!!」」」」

公園で元気に遊んでいる5人組の幼稚園児がいた。
「今日のリアルおままごとは…」
5人組の中の紅一点、ネネちゃんが指揮をとる。
「…………」
4人は黙りこんだ。ネネちゃんのおままごとはかなりドロドロしていて、かなり疲れるからだった。 「それより今日は惑星破壊ごっこをしよう!」
5人の中で一番のトラブルメイカーで後にとんでもないことに巻き込まれる幼稚園児、野原しんのすけがワケの分からない遊びを提案する。
「どうゆう遊びだよ!!?」
この中で一番の常識人、風間君が反論する。

「こうやって…泥でお団子を作って…『チェェェンジ!ゲッタァァァ!エンペラァァァァ!ワンッ!』」
グシャ!
泥だんごは粉々にされた
「こんな遊び!」
「これのどこが面白いんだよ!!」
「もう、リアルおままごとはどうするのよ!?」
いつもまとまりがつかないのが普通だった。

「そういえばさ…ボク最近、変な夢見るんだよね」
「ボクも……」
5人の中で一番泣き虫のマサオ君と無口だが何かかくしてそうな子、ボーちゃんが夢について話し出す。
「へえ…どんな夢?」
「なんか…巨大ロボットがボク達の街をめちゃくちゃにする夢なんだけど…」
「ボクも……同じ…」
マサオ君は何かに怯えていた。
「ほうほう…それは土偶ですなぁ〜」
「…奇遇だろ…?」
「で…それからどうなったの?」
「それで夢から覚めたんけど…ボク…なんか怖くて…」

ビクビクするマサオ君にボーちゃんが話し出す。

「…大丈夫…夢は所詮、夢だから…」
「ボーちゃん…」

「けどね、正夢ってこともありえるのよ!ネネもこの前、新しいウサギの人形を買ってもらう夢を見たの!
そしたら、次の日にママがデパートで新しいウサギの人形を買ってきてもらったの」
ネネちゃんがそうゆうと風間君がくだらない顔をする。

「ふっ…そんなバカな、いくらなんでもロボットが街をめちゃくちゃにするワケな……」

ゴゴゴゴゴ!
突然、陽向が日陰になった。
「ん?」
5人は空を見上げた。
「「「「「うわぁぁ〜〜〜っ!!!」」」」」
何と空から巨大な物体が公園目掛けて落ちてきた。

5人は一目散にその場から離れた。
そして、
ドゴオオオ!!
「「「「なっ……何だこれはぁ〜〜!!」」」」
「ほほ〜っ」

539しんのすけとカムイ 第一話C:2009/04/29(水) 13:24:52 ID:twXBCN0x
巨大なロボットの首みたいな物が公園に墜落していた。
そう……それはあのゲッターロボと戦った謎の敵、バグの首だった。
「あわわわわ…っ」
しんのすけを覗く4人は謎の物体に怯えていた。
「これはスゴいゾっ…」
しんのすけはバグの首に近づこうとした。
「しんのすけ!!危ないだろ!戻ってこい!!」
「もう、みんな臆病なんだからぁ〜!!」
しんのすけはみんなの言うことを聞かず、バグに近づく。

すると
「ウィーン…ガシュ…」
バグの口が開き、中から謎の人物が出てきた。
「ちっ…忌々しいゲッターロボめ…ここはどこだ…バグがここまで損壊したら自己修復に時間がかかるな…ん?」
すると、謎の人物はしんのすけに気づいた。しんのすけも謎の人物に気づく。
「あんた誰?」

カチャ!
「動くな!動くと撃つ!」
謎の人物は銃を取り出し、銃口をしんのすけに向ける。

第一話終わりです。しんのすけとカムイが出会って珍騒動が繰り広げる予定です。
540名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/29(水) 21:08:01 ID:RKnZSsXK
俺の所にもバグこねぇかなあ(フリーダーバグの方の)
541名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/29(水) 21:59:32 ID:sYa7AU62
天地創造でもする気か
542名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/29(水) 22:50:32 ID:ujxFdR0R
しかし、しんのすけとのクロスも三つ目だけど大丈夫なのかなあの世界
そろそろ許容範囲超えてドワオしそうなんだけど
543名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/30(木) 13:32:16 ID:pvAJGBsL
宇宙を喰っていくのだ!
544しんのすけとカムイの作者です:2009/04/30(木) 17:31:23 ID:yYZM+CaJ
続き行きます
545しんのすけとカムイ 第2話@:2009/04/30(木) 17:35:52 ID:yYZM+CaJ
‘名前はカムイ・ショウだゾ!’

「おじさんここに住んでんの?家賃いくら?」
ガクっ!
「違うわ!ここはどこだ!?」
「ここは春日部だゾ!?
「春日部…?ここは日本か…」
謎の男はしんのすけに近づく。
この周辺は不思議にしんのすけと謎の人物以外は誰もいなかった。

「しんのすけぇ!戻ってこい!」
「しんちゃん!なにされるか分からないよ!」
「不吉な……予感…」
風間君はしんのすけに警告するが、しんのすけは聞こうとしなかった。
「お?」
謎の人物はしんのすけの目の前に立つとしんのすけを見つめた。
「お前、俺が怖くないのか?」
しんのすけは首を横に振る
「おじさん…それ新しいファッション?」「…………」
カチャっ!
謎の男はしんのすけに拳銃を向ける。
「「「「ひぃぃぃぃ!!」」」」

「……………」
銃口をしんのすけに向けたまま、無音の時間が過ぎる。
しかししんのすけは銃口を前にして、全く臆することはなかった。

スッ…
謎の人物は銃口を下ろす。
「……私の負けだ…人類の中でもこんなに肝が据わっている子供がいたなんてな…」
「いやぁ〜っ、照れますな〜っ」
カパっ…
謎の人物は被っていたヘルメットを取った。
「「「「!!!?」」」」
しんのすけ以外の4人は驚いた。
謎の人物の素顔はとりあえず人間の顔をしているものの、人間にはないものを持っていた。
「かっ顔に…」
「ウロコが…」
「ついてる!!!!」
「ボ〜〜〜っ!!」「おお!スゴいゾ!おじさんどこで買ったのぉ〜?」
ガクっ
「お前、俺の顔が怖くないのか?こんな緑色のウロコがついたこの俺が…」
しんのすけは怖がる様子は全くなかった。
すると謎の人物はしゃがみ、しんのすけの頭をなでる。
「君だけだな…初対面で私の顔を怖がらないのは…」
謎の人物は少し笑った。
「ふうん…おじさん、名前は?オラ、野原しんのすけ!好きな女の子の好みは…」
「俺の名前はカムイ…カムイ・ショウ…」
「ほほ〜っ!じゃあカムカムですな〜!!」
ガクっ…
「…君は本当に変わった子だな…」

「………」
カムイは向こうで怯えている4人組を見て、笑った。
「もういいよ!悪い事をしないからこっちにおいで!」
「そうだよみんな!カムイのおじさんは心配ないぞ…」
すると
「………」
風間君達はゆっくり近づいてきた。
風間君達はカムイを見た。
546しんのすけとカムイ 第2話A:2009/04/30(木) 17:37:02 ID:yYZM+CaJ
確かにウロコがあり、人間と少し違う顔をしていた。が、それを除けばすっきりとした顔立ちで、むしろ美形に部類に入る。
「うわあ…」
ネネちゃんはカムイに惚れたのか、顔が赤くなった。
「みんな…驚かして悪かった。俺の名前はカムイ・ショウ。カムイって呼んでくれ」

そして、5人とカムイの関係は溶け込んだ。
「カムイお兄ちゃんってどこからきたの?」
カムイは返答に困る。
「どこから…うん…空から!」

しかし風間君は信じなさそうだった。
「そんな空から来るわけな…」
ハムっ…
しんのすけは風間君の耳を噛む
「あっ…あひぃ〜〜っ…て、しんのすけぇぇぇ!!!」
「もう…風間君のオ・マ・セ・サ・ン〜」
まるで恋人のようにしんのすけと風間君は顔を赤くする。
「あ…あ………」
カムイは二人を見て呆れる。
「……この二人っていつもこうなのか……?」
「…気にしないで……特にしんちゃんはいつもあんなんだから……」
マサオ君も呆れながらカムイに説明した。

「カムイ…お兄さん…なんで…ウロコが…ついてるの…?」ボーちゃんがみんなが気になっている事を聞いてみた。
「えっ…これっ…?それは……」
カムイは返答に悩む。
「まあまあっ〜人に話せない秘密はあるよ〜」
しんのすけは珍しく空気を読んだ。
「で…なんで顔にウロコがあるの?」
ガクっ
カムイ達の肩は崩れた。

「そ……そんなことより、俺からも聞きたい。君らはいつも5人で遊んでいるのか?」
「うん!!」
「ボクたちはいつも一緒だよ!」
「いつもはリアルおままごとを…」
「いやいや!!とにかく仲良しだよ!」
「まっ…オラのおかげです!」
5人の純粋な気持ちを聞いて、少し心が温かくなった。

今まではゲッターへの復讐と憎悪でしかなく、カムイの素性上、複雑な気持ちだった。
しかし5人の笑顔を見て、そんな気持ちも徐々に浄化されつつあった。
(人類が…こんなんだったら…私も妙な考えを興さなかったろうに…)

カムイと5人は延々と話しをした。
547しんのすけとカムイ 第2話B:2009/04/30(木) 17:39:02 ID:yYZM+CaJ
そして夕方になり…
「もう家に帰らなくちゃ…」
「そうだね…」
「カムイお兄ちゃんはどうするの?」
「そっ……それは……」

カムイは困った。バグがあれだけ大破するとゾーンは使えない。かといって知っている人もいなければ、身を寄せる所もない。

(バグをこのままにしていれば、あとで面倒なことになるな…今のバグの力を収束して時空間に隠すことはできるけど…問題は俺だな…)

すると
「ウチにくれば?」
しんのすけがカムイを誘う。
「えっ…?」
「ウチには父ちゃんと母ちゃん、ひまわりにシロもいるゾ!」
しかしカムイは首を横に振る
「けど…しんのすけの家に勝手に入っていいのか?俺は知らない人だぞ?」
「ううん…まっ…なんとかなるよ!」
(…ホントにいいのかな…?)

カムイはとりあえず しんのすけ以外の4人を帰らせた。
「しんのすけ…ちょっと待ってろよ…」
カムイはバグに向かい、コックピットに乗る。
「エネルギー集中…ゾーン発生まであと30秒…」
カムイはバグから降りると急いでこの場を離れた。
「しんのすけ…見るな…」
カムイはしんのすけをバグの反対方向に向かせる。

そして…
ゴウン…ゴウン…
ゾーンが発生し、バグを吸い込んでいった。
「よし…あとは自己修復させるだけか…」
「カムイのお兄ちゃん、何したの?」
「いや…なんでもない」

こうしてしんのすけはカムイを家まで案内した。

以上2話終わりです。次にカムイが野原家に行きます。
548名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/01(金) 00:39:57 ID:UTi42Ago
乙でした
549名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/01(金) 01:11:14 ID:nerB219Y
>>500
>「グオッ くっ、こんな…… 監視者を、六神体を舐めるなァ――ッ!!」 
元ネタキャラが派生キャラの名台詞をパクりますかw
550名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/01(金) 01:25:12 ID:eU4IKyp2
オマージュと思考すれば無問題
551名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/01(金) 01:30:32 ID:S4unGDwE
ガイアー面白いけど、横山ファンとしてはすこしガッカリだな。アルベルトと監視者はあくまで別物。半端なパロはやめてほしい
552名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/01(金) 09:36:03 ID:k9wzLnS3
ネタをネタとして楽しめないヒトには、(二次創作を読むのは)難しい。
553名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/01(金) 12:45:11 ID:awUKvvD8
>>527
ゲッターとラ・グースは仲間ではなくお互いに滅ぼしあい、その存在を強くするんだよ。
554名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/01(金) 16:27:59 ID:+xST9LjV
で、また人を殺します
で、また人を殺します
で、また人を殺します
555名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/01(金) 18:54:01 ID:SOBONFvM
>>553
アーク読んでたら
ダークデス砲とか撃つ未来ゲッターが敵側にしか見えなかったんで
ちょっと面白いかなと思ってラ・グース陣営にしてみたんだ
OVAの竜馬はゲッター線から開放される側だし、ちょうどいいかと
新解釈のひとつとして気楽に考えてください

ところで、エンペラーと馬頭竜ってどっちが強いの?
556名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/01(金) 18:56:11 ID:+xST9LjV
馬頭竜は飛び立っただけで地球どころか銀河が終わるとか言われてたな
557名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/01(金) 20:36:41 ID:qQufJgjU
でも実際、日本列島くらいのサイズじゃあ色々キツそうだよな。
558名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/01(金) 21:08:25 ID:b7Lh0rsS
日本列島サイズが小さいほうってスケールもどうだろう
まぁ、合体するだけで出るエネルギーがビッグバン並みのエンペラー
飛び立つだけで銀河が終わる馬頭竜
って並べるとエンペラーのが強そうに見える

ところで真ドラゴンのコクピットが馬頭竜と同じだったのは、ゲッター線が行き着いた理想的な
兵器の一つが馬頭竜だったという説はどうだろう
559名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/01(金) 22:41:44 ID:+xST9LjV
でもラ=グースとまともにかち合える唯一の兵器と書くと凄そう
560名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/01(金) 23:33:24 ID:KNIb3E8p
ラ・グースと刺し違えれるといっても、相手が生まれたばっかりの時
……十分すごいが。

クロススレらしい無茶ぶりだが
最近はやりのけいおんに石川因子入れたらどうなる?
561名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/01(金) 23:34:19 ID:g533lvd5
まず名前が「ばくおん!」に変わります
562名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/02(土) 00:01:36 ID:HziEFue5
ドワオ!!
563名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/02(土) 00:02:02 ID:x+HnEpZk
>>561
わずか一分でそれはwwwwwwwww

ゼノギアスを今頃やってるんだがサーガでもギアスでもゲッターいけそうだな(若干でかい気がするけど)
564名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/02(土) 00:09:55 ID:g56PC9od
っていかバンプレはOVA、漫画、テレビ、大決戦の全てのゲッターを入れたハイパーロボット大戦をとっとと出すべき
他はFSSとかイデオンとかゼノギアスとかガオガイガーとかトップとかで
多分ガンダムからはGとターンエーしかだせないけど
565名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/02(土) 00:21:29 ID:HSpji2Cm
ハイパーロボっつったらアレだな、ダイナミックサーガ
566名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/02(土) 00:36:21 ID:z7pJNN/0
ダイナミックサーガはあの「全ロボの要素をぶち込んでおきました」感がいい。

あれでグロイザーも混じってりゃ最高だったんだがな……
567しんのすけとカムイの作者です:2009/05/02(土) 09:05:23 ID:SW3ejeYt
第3話いきます
568しんのすけとカムイ 第3話@ 貼り:2009/05/02(土) 09:07:41 ID:SW3ejeYt
‘カムイお兄ちゃんがいそうろーするゾ!’

「「……………」」
「「……………」」
カムイとしんのすけは2人の夫婦と無言で見つめ合う。
しんのすけの両親、野原ひろし(35)、野原みさえ(29)であった。

「ねえねえ、カムイのお兄ちゃん、父ちゃん、母ちゃん、何で喋んないの?」
沈黙の間を破ったのはしんのすけだった。
「しんのすけ…あっちにいってなさい…」
ひろしが続いて話し出す。
「ええ〜〜、何で?」

ひろし達はカムイの異様な雰囲気に不安 感を持っていた。
見る限り、10代なのだが異常なほどの落ち着き様と威圧感、なによりウロコがついた顔がひろし達を威圧する。
「アンタは一体何者なんだ…」
ひろしがそう言うと 、カムイも口を開く。
「…その前に…この赤ん坊は一体…?」
ガクっ
「たーぴ!!たーよ!エヘヘヘヘ!」
しんのすけの妹、ひまわりがカムイにへばりついていた。

「すいません!この子、イケメンに目がないんです…」
みさえが少し笑っていった。

話しに戻って…
「アンタは一体誰なんだ…?」
「…わかりました。話しましょう。私が見る限り、あなた達は信用できる…」
「しっ…信用…?」
カムイは間を置いて話し出した。
「私は…人間ではありません…」
「!?」
ひろし達は驚いた。
「私は…人間とハチュウ人類のハーフなんです…」
「はっ…ハチュウ人類…ってなんだ?」
「ハチュウ人類とは、人類は猿から進化しましたよね?それと同じでハチュウ類も進化をした先がハチュウ人類です。」
「ハチュウ類から進化したハチュウ人類か……ってそんなの信じられるわけねぇだろ!!」
ひろしは全く信用していなかった。
「信じられないかもしれないですが、本当です。
地球にこれだけの生物がいるんです。人類と同じ進化をしている生物がいてもおかしくありません。」
「けど…私はハチュウ人類なんて初めて聞いたわよ!」
「俺もだよ!」
「それはそうですよ!私はこの次元世界の者ではないんですよ!」
「「はあ!?」」
ひろし達は全くワケがわからなかった。
「ねえねえ、父ちゃん達何話してんの!」
「うるさい!お前はあっちにいってろ!」
「もう…我がままだな〜、ひま、あっちにいってよぉ〜」
「たーい」
しんのすけ達はその場から去っていった。
569しんのすけとカムイ 第3話A 貼り:2009/05/02(土) 09:11:22 ID:SW3ejeYt
「んで!その次元世界やらなんやら話してもらおうか…」
カムイはバグのことや、人類抹殺のことを秘密にしてそれ以外を話した。

「あなた達がいる世界は一つではないんです。実は幾つもの次元があり、人々はその存在すら知りません。
しかし私はある出来事で違う次元の地球からこの次元の地球にやってきました。」
「はあ?違う次元のから来たっていわれてもなぁ…」
ひろしは実感がわかなかった。
「例えば、漫画とかで『主人公がある日異世界に行って、世界を救う』って事がありますよね?
それと同じことです。」
「私、SF苦手なのよね…」
「大体、アンタがハチュウ人類とのハーフって証拠があるのか?そのウロコもただつけたかメイクかなんかじゃねえのか!?」
するとカムイが立ち上がった。
「そこまでゆうのなら証拠を見せてあげましょう」
「「え…?」」
カチャ!
カムイは自分の腹に持っていた拳銃を押し付けた。
「まっ…まさか…」ドキュン!
なんとカムイは自分の腹を撃ち抜いた。弾丸は貫通して、棚のガラス窓に突き刺さる。
「「ひいいいっ!!!」」
ひろし達は仰天した。
「アンタはバカか!!?」

しかし…
「ということです。信じてくれましたか?」
カムイはピンピンしていた。銃創があるものの、血はほとんど出ていなかった。「あわわわわ……(ゴクン…)」
ひろし達は驚きのあまり、体が震えていた。

「まだ信じられないならもっと証明させましょうか?」
カムイがそうゆうとひろし達はあわてて止めようとする。
「わっわかった!!アンタの事を信じるよ!!」
カムイはすっと座る。
「わかっていただけましたか?」
ひろし達は半信半疑だが、信じるようにした。

「ねえねえ…父ちゃん達何やってんの?」
「たあ?」
しんのすけとひまわりは銃声を聞いて駆けつけた。

「しんのすけ…なんでもないよ」
「うっ…うん!しんのすけもひまも心配ないわよ!」
しんのすけ達は怪しい目でカムイ達を見つめる。
「怪しい……」
「たっ…」
「ハハッハハ……」カムイは苦笑いする。

とりあえず、このまま話し続けても仕方ないので夕食にすることにした。
「カムイ君、ご飯食べれる?」
「あっ…はい…」
カムイはかなり控え目でいた。やはりいきなり押しかけみたいにしんのすけの家に入ったこともあるが
何よりさっきの行為は今考えてみれば、かなり非常識だったと後悔していた。
570しんのすけとカムイ 第3話B 貼り:2009/05/02(土) 09:13:36 ID:SW3ejeYt
しんのすけがそんなカムイを見て、肩を叩いた。
「まあまあ、カムイのお兄ちゃん、母ちゃんの飯は余り期待しないほうがいいから…」
ゴチン!
「なら食べるな!」「…うあ……」
しんのすけはみさえにゲンコツをくらい、伸びた。
「ハハ………」
カムイは少し呆れた顔をしていた。

すると
ピンポーン!
「「の〜は〜ら〜さ〜ん!」」
家に誰かやってきたようだ。
「その声は……ミッチーとヨシリン…留守を使うか…」
「だ…誰ですか?」
ひろしは嫌な顔をする。
「隣に住んでる奴らだよ…あいつらといるとストレスが溜まるんだよな…」
ピンポーン!ピンポーン!
「の〜は〜ら〜さ〜ん!いるんでしょ!?」
「よし…このままいけば奴らは帰ってい…」
「あの…もういるんですけど…」
バタっ!
ヨシリン達は勝手に家に入っていた。
「てめえら!何勝手にはいってんだよ!」
「いやいや!今日は野原さんと一緒にご飯を食べようかなぁ〜と。ねえミッチー♪」
「うん♪ヨシリン♪」

「…こんな奴らだ…分かったろ…」
「…はい…」
2人はため息をついた。 ミッチーとヨシリンは愛し合うのはいいが、いき過ぎに困ったものである。
571しんのすけとカムイ 第3話C 貼り:2009/05/02(土) 09:17:42 ID:SW3ejeYt
「野原さん、ところでこの人は誰ですか?」
ミッチーがカムイに気付いた。
「…この人はカムイ・ショウ君…しんのすけが連れてき…」
しかし、ヨシリンはあることに気付いた。
「うわあ…見てヨシリン、この人、顔にウロコついてる!」
「本当だあ!なんか化け物みたい!私、怖いわぁ〜、ヨシリン」
「バッ、バカ!失礼だろうが!!」
するとカムイは立ち上がった。
「カムイ君…?」
「…………」
突然
シュッ…ズバアア!
「がっ……」
カムイはヨシリンの懐に飛び込み、溝打ちをかました。ヨシリンは倒れこみ、悶絶している。
「ヨシリ〜〜ン!!!何てことことすんのよ!」
カムイの顔はかなり険しかった。
「あわわわわ…」
「ひいいい…」
「おお〜!」
「た〜い!」
野原家の反応はそれぞれだった。

すると、カムイはヨシリン達を睨みつけて、口を開いた。
「アンタらは俺の顔を馬鹿にしているのか…?また顔を馬鹿にしたら、次はその口を引き裂く!」
「なっ…」
「…………」
みんなは初めてカムイの怒りの表情を見た。
それほどヨシリン達はカムイにとって、とても気にしていることを傷つけたのだった。

「なっなんでよ!!目の前に変なモノがあったら気にしてしまうわよ!」
ミッチーはカムイに反論したが、カムイの方は冷静だった。
「確かにアンタの気持ちはわからんでもない…。だからと言って他人に化け物扱いされると誰でも不快感を覚えるだろう!」
「なっ…なに、学校の先生みたいなこと言ってんのよ!あなたは人間なの?それとも?」
ギロっ
カムイはミッチーを睨みつけた。その目は今にも殺しそうな恐ろしい目だった。
「ひいいい!!」
ミッチーはヨシリンを連れて、家を出て行った。

辺りは静寂な時間が流れる。
「カムイ君…」
すっ…
カムイは野原家の方に向いて頭を下げた。
「すいません…あんなことをして…」
カムイは謝るとみさえは気をつかい、手を振る。
「いっ…いいのよ!あの子達が悪いんだし、後で言っておくわ」
カムイはしんのすけの方を向いた。
572しんのすけとカムイ 第3話D 貼り:2009/05/02(土) 09:19:07 ID:SW3ejeYt
「しんのすけ、ありがとう…けど俺はもう出て行くよ。俺がここにいたら、またさっきのが起こるかもしれない…」
するとしんのすけは不満な顔になった。
「ええ〜!カムイのお兄ちゃん、いつでもここにいていいんだよ!」
「とりあえず、今日はここに泊まっていけ!!行くところないんだろ?」
「私はいつでもいてもいいわよ!ひまもあなたのことが気に入ったみたいだし」
「たたたい〜た〜ゆ!」
野原家は大歓迎だった。
「…すいません……」
カムイは申し訳ないようにいった。内心はかなり複雑だった。こんなに優しくされたのは生まれて初めてだった。どう表現していいかわからなかった。
こうしてカムイは野原家に居候することになった。

ざばぁ〜!
カムイとしんのすけは一緒に風呂に入った。
「ふう…極楽極楽ぅ〜〜!」
「君は年寄りみたいだな…」
しんのすけはカムイの体を見た。ハチュウ人類とのハーフなのか、体は人間であるものの、体は緑色のウロコで覆われていた。
「ほほ〜、カムイ君の体は緑色ですな…」
「ああ…半分人間で半分ハチュウ類だからな…」
「うあ!!!!」
しんのすけはカムイの体を見て、驚愕した。
「ん?どうした?」
「カムイ君……ちんちんが父ちゃんより大きい!!ナウマンぞうさんだゾ!!」
ガクっ!
「はは……」
風呂場は笑い声であふれた。

カムイとしんのすけは風呂から上がり、茶の間に戻った。
「母ちゃん!お風呂から上がったよぉ〜!」
「お風呂ありがとうございました」
「カムイ君、湯加減は良かった?」
「はい!」
突然しんのすけはみさえにこう言った。
「母ちゃん、カムイ君のちんちん、父ちゃんより大きかったゾ!」
2人の顔が真っ赤になった。
「バッ、バカ!!」
「………」
「父ちゃん父ちゃん、カムイ君のちんちんがね…」
しんのすけはひろしの所へ行った。
「本当にごめんなさい!あの子は昔からこうなの」
「いえいえ…しんのすけ君は元気があっていいと思いますよ。」
少し間を置いてカムイは話し出した。
「みさえさん…あなた達は本当にいい人達だ…いい家族をもって羨ましいです」
「あらぁ…そんなにほめなくていいのよ!」
「その点、俺ときたら…」
「えっ…」
しかしカムイは手を振った。
「いえ、こっちの話です…」
「………」
みさえは少し疑問をもった。
573しんのすけとカムイ 第3話E 貼り:2009/05/02(土) 09:20:05 ID:SW3ejeYt
カムイは二階の方で寝ることになった。
そして夜中…
カムイは二階のベランダで夜の空を眺めていた。
「こんなにいい人達なら…手を出したくないのだが…この世界にゲッター線の存在があるなら…私はのこの世界の全人類を抹殺しなければならない…
それがおぞましい未来を治療するオペになるからな…
しかし…この世界にゲッター線が存在がなかったらいいな…」
カムイは夜風に当たり、そう呟いた………

第3話終わりです。
次はカムイが〇〇〇〇しちゃいます。お楽しみに
574名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/02(土) 09:46:32 ID:2xXtzuyl
これまでのクレしんクロスで一番面白いと思う
その文体だと日常描写のほうが合うね
575激突!! ゲッター対ガイアー :2009/05/02(土) 12:12:39 ID:ATfmD0jJ
第十二話、投下します。
576激突!! ゲッター対ガイアー 第十二話@:2009/05/02(土) 12:16:22 ID:ATfmD0jJ
ガイアーが飛ぶ。
大陸を東に、舞台は再び日本へ――、

「ガイアー、お前は自分の主人を、どこへ連れて行こうとしているんだ……?」

並走するアークを寄せながら、拓馬が超神の懐を覗き込む。
マーズの状態は最悪に近い。
背面の傷口より始まった腐敗は徐々に拡大し、今や色男の面影もない。
体中のあちこちがむくれ、紫色のぶよぶよとしたただれに覆われていた。

もっとも、深刻なダメージを負っているのはマーズだけではない。
拓馬の駆るアークもまた、胸甲が無残に砕け、その出力はまるで安定していなかった。
日本−エジプト間の連続飛行と、息つく間も無い神体との連戦、幾度にも及ぶ大技の使用が、
ゲッター線兵器の傑作たるアークを蝕み、じりじりと限界まで追い込みつつあったのだ。

残す神体は、後二体……。

「拓馬、この方向は……」

「ああ」

レーダーの位置を確認しながら、拓馬が頷く。
当初、進路を北東にとったガイアーの目的地を、日本と考えていた二人だったが、
ここに来てガイアーの行先は本土を逸れ、本州の南海上を突き進んでいた。

「やっぱり、目的地は秋の島新島、か?」

「……!、 拓馬、前方に何かいるぞ」

「なんだと…… あれは?」

二人が疑念の声を漏らす。
遥か水平線の彼方、視線の先には、中に浮かぶ小さな黒点が一つ。
風に流され漂うようなゆったりとした動きで、二体の元へと向かってくる。
物体は近寄る程に大きくなり、外見も仔細になっていくが、その奇妙なシルエットは一切変貌しない。
ただひたすらに大きく、黒く、重厚そうな鉄の球体。
アークやガイアーに匹敵するサイズの黒球が、音一つ立てず中空を漂う様は、
あたかも皆既日食を目の当たりにした時のような、どこか非現実じみた違和感を少年達にもたらした。

「あれも、神体なのか……?」



577激突!! ゲッター対ガイアー 第十二話A:2009/05/02(土) 12:17:47 ID:ATfmD0jJ
マーズの状態を知られぬよう、アークを動かし黒球の視界を遮る。
張り詰めた静寂が、両者の間に満ちる。
黒球はしばらくの間、ゲッターのダメージを観察するかのように、等距離を保ちながら後退を続けていたが、
不意についっ、と旋回し、北東の方角へと流れるように動き出した。

「野郎、俺達を誘っていやがるのか……」

「罠だぞ、拓馬」

獏が冷静に言う。
六神体とガイアーの間に、覆しようの無い性能差がある事は、先のウラヌスとの一戦で明白であった。
いかにマーズが昏倒しているとはいえ、ガイアーがバリヤーで周囲を庇護し続けている限り、神体は手を出す事は出来ない。
ゆえに敵は、まずはアークをガイアーから引き剥がし、各個撃破する作戦に切り替えたのであろう。

「そんな事は分かっているさ、だが、アイツがやろうとしている事はブラフじゃねぇ」

「…………」

黒球の向かった進路の先にあるのは、日本の首都・東京である。
人類殲滅をもくろむ監視者達は、計画の過程で文明を破壊する事も厭わない。
ゲッターが追走してこなければ、黒球は迷いもせずに東京を焼き払い、次の獲物を探すであろう。

「行くしかないさ。
 このまま秋の島新島について行ったところで、今の俺達は何の役にも立てねぇ
 マーズの事はガイアーに任せて、俺達はあの黒球を止めるんだ」

「……勝てるのか、今のアークで?」

「……行くぞ!」

きっ、と拓馬が顔を上げる、その瞳には、ある種の覚悟すら宿っていた。
アークはゆらりとガイアーから離れると、しばし、その背を見送った後、決闘の地を目指し、雄大に翼を広げた。




578激突!! ゲッター対ガイアー 第十二話B:2009/05/02(土) 12:20:03 ID:ATfmD0jJ
「やれやれ、ようやく外へ出られたか……」

地の底より這い出してきた岩倉が、半日ぶりの太陽を眩しげに見上げる。
秋の島新島の火口は、今なお黒煙を噴き上げてはいたが、大地の鳴動はほぼ収まり、小康状態と呼べるレベルまで回復していた。

「しかし、自衛隊はどこに行ったんだ?
 彼等がいないんじゃあ、地下に閉じ込められているのと変わらんぞ」

高台に上り、周囲の海をぐるりと見回す。
先日まで付近の海域にいた筈の三台の巡洋艦は、既に影も形も無い。
いかに島が危険な状態であるとはいえ、秋の島新島の探索は、人類の命運を賭けた任務だった筈である。
こんなに簡単に捜査が打ち切られるなど、にわかには考え難い事態であった。

「やはり、カムイ君の推測した通り、本土で何かが起こったんだろうか……」

そこまで考えたところで、岩倉がふっ、と自嘲の笑みを漏らした。
わずか半日かそこらの間に、十近くも年の離れた異世界の少年に、頼り切りになっている自分に気付いたのだ。
事実、先行して島内を探索していたカムイの協力が無ければ、岩倉は未だ、地下室の密室で悪戦苦闘していた事だろう。
岩倉に出来る事と言えば、カムイが自衛隊の一団と鉢合わせになって一悶着おこさぬよう、
彼に代って地上の様子を探ることぐらいであった。

「まったく、我ながら情けない話だな。
 いかん、いかん、何とか彼の力にならなければな……」

――と、

ぼんやりと上空を見上げた岩倉が、不意に島に近づいてくる飛行物体に目を留めた。
あわてて岩陰に身を隠し、様子を探る。

「飛行機…… いや、あれはロボット、か……?」

機影が近付くにつれ、岩倉がその奇妙な外見に気付く。
六神体ではない、彼は地下のデータベースで、カムイと共にそのロボットの映像を見ていた。
外装こそ貝殻や藤壺の類にびっしりと覆われてはいたが、両腕をクロスし、祈るように飛ぶ独特の姿勢を、よもや見間違うはずが無かった。

「ガイアー! と、言う事は、マーズが乗っているのか!?」

喜色満面の岩倉が、上着を大きく振って注意を促す。
その動作に気付いたものか、ガイアーは機体を旋回させ、ゆっくりと近くの海上へと着水した。
岩倉も息せき切って海岸沿いへと駆け寄る。

「――うっ!? マ、マーズ!!」

ガイアーの差し出した右手を、興奮気味に覗き込んだ岩倉が、予期せぬマーズの変わり果てた姿に、思わず驚きの声を上げる。

「しっかりしろッ 何があったんだ!? マーズ」

「…………」

岩倉の必死の呼びかけにも、マーズは応じない。
予断を許さぬ状況である事は明白だった。

「何とかしなければ……、マーズ、気をしっかり持てよ!!」




579激突!! ゲッター対ガイアー 第十二話C:2009/05/02(土) 12:21:12 ID:ATfmD0jJ
「彼がマーズ、ガイアーの操縦者、か……」

岩倉が背負ってきた赤髪の少年を、ハ虫人類特有の赤みがかった瞳が、まじまじと覗き込む。
マーズの腐敗は今や全身に広がり、全身が紫色のただれに覆われ、元の容貌を察する事すらままならない。

「こんな状態になっても生きているとは……、さすがは無性生殖人間の肉体、と言ったところか」

「そ、そんな事より、早く手を打たないと、マーズが……」

「落ち着け、岩倉
 この室内にある設備の機能は、先刻確認していただろう?」

「あ……」

言われて岩倉も思い出す。
かつてマーズがセットされていたこの部屋には、彼が傷を負った場合の、治療のため装置が存在していた。

「隣の部屋の水槽だ。
 学習装置の情報が正しければ、あの中に入っている緑色の培養液が、マーズの肉体を再生してくれる筈だ」

「そ、そうか! そうだったね」

「アンタは早くマーズを水槽へ
 その間に俺は、この島の防衛機能を調べておく」

「防衛機能を?」

「ああ、マーズをここまで追い込んだのが件の監視者達ならば
 やつらは必ず、無防備となったそいつを仕留めに、ここに攻撃を仕掛けてくる筈だ」

そこまで言って立ち上がると、
カムイは室内に据えられていたヘッドギアを被り直し、巨大なモニターの前へと向かった。




580激突!! ゲッター対ガイアー 第十二話D:2009/05/02(土) 12:22:34 ID:ATfmD0jJ
――マーズを収めた円筒状の水槽が稼働を始めてから、八時間。

「マーズ……」

無音の室内に、ボコボコと言う水泡の音が響く。
岩倉の期待通り、回復は絶望的にすら思えた全身の膿も殆どが癒え、マーズの皮膚にはハリのあるピンク色が戻りつつあった。
が、いまだその意識は回復の兆しを見せない。

「マーズ、一体何があったんだ? 拓馬と獏は……、ゲッターは無事なのか?」

「…………」

「折角、カムイ君が見つかったって言うのに……」

ゲッターロボは、三人のパイロットがいてこそ真の力を発揮できる。
かつて拓馬が、岩倉に聞かせてくれた言葉であった。
だが、もしもゲッターが、真の力を発揮する事無く、六神体に破壊されていたならば、
マーズは今後、これ程の重傷を負わせた敵を相手に、単独で戦いを挑まねばならない事になる。

「早く目を覚ませ、マーズ、ガイアーも待っているぞ」

ポツリと呟きを残し、岩倉は静かに部屋を後にした。




「まだ寝ていなかったのか? 岩倉」

「カムイ君……」

室内に戻ってきた岩倉に対し、視線はモニターに向けたまま、ぶっきらぼうにカムイが尋ねる。

「襲撃は必ず来る。
 休めるうちに休んでおいた方がいい」

「……その言葉は、そっくり変えさせてもらうよ。
 防備も大切だが、根を詰めすぎて倒れてしまったら元も子もないよ、カムイ君」

「ああ、俺はもう、これで休ませて貰うよ」

ふぅ、と大きく息をつき、カムイがカプセルへと腰を落とす。
やがて、モニターに表示されていた島のマップに、グリーンのランプがちらほらと点り始めた。

「これで、防衛機能は働くのかい?」

「いや……、マグマの凝固や岩盤の堆積で、自動制御が働かないようだ。
 装置は手動に切り替えたから、万全とまでは言えないが、ある程度の抵抗は出来る筈だ」

「……それにしても、凄いな、君は」

淀みの無いカムイの説明に岩倉が深いため息をつく。
581激突!! ゲッター対ガイアー 第十二話E:2009/05/02(土) 12:25:06 ID:ATfmD0jJ
「わずか十日足らずの間に、異星人の言葉を解読して、
 彼らのテクノロジーを使いこなして見せるなんて
 君たちの世界の人間は、みんな君みたいに頭の回転が早いのかい?」

「前にも行った通りさ、特に難しい事をやっている訳ではない」

さも当然、といった風にカムイがコンソールをまさぐる。
ブゥゥゥン、と言う音と共に画面が揺らぎ、そこに達磨型のロボットが映し出される。

「異なる文明とはいえ、同じ知的生物がまとめたデータだ
 言語のルール、資料を効率良くまとめるためのパターンと言ったものは、自然と似てくる。
 例えば、この文章なら、一番上はロボットの固有名称、
 そのすぐ下の項目は、体長に重量、出力といった基本スペックとなる」

「ふむふむ」

「それら、データ整理上の不文律と、添付された映像を照らし合わせれば、
 ある程度、意味の拾える単語が出てくる。
 そう言った単語の意味を別の文章に当てはめ、文章全体の意味を推測する。
 そこから未知の単語の意味を拾い、さらに別の文章に当てる。
 突き詰めていけば、膨大だが単調なパズルのようなもので、時間さえあれば誰にだって出来る事さ」

「いや……、それをこの短期間でやるのは、やはり普通は無理だよ」

つまるところ、知力や体力よりも執念の問題なのかもしれない、と、岩倉が思う。
絶対に元の世界に戻ろうという使命感。
カムイだけではない、拓馬や獏にしても、ゲッターのパイロット達はみな
性格や主張は違えども、信念を貫く意思、そして生に対する強烈な執念をその身に宿していた。

「それにしたって、まだ、全ての情報を把握できている訳ではないがな」

「えっ?」

「例えば、このガイアーに関する項目だ。
 意味の分かっている単語は『爆弾』『マーズ』それに『死』
 これだけを組み合わせても、全体の文章の意味にまとまらない。
 何か、重要な項目である事だけは、間違いが無さそうだが……」

「……!」

「どうした? 岩倉、心当たりでもあるのか?」

「そうか、君にはまだ知らないんだったね。
 それは多分、ガイアーの体内の爆弾が起動する条件を示しているんだ」

「何ッ! マーズの命令以外に、爆発の可能性があると言うのか?」

岩倉が切り出した深刻な話に、カムイが珍しく動揺を見せる。
ゆっくりと、岩倉がモニターの前に立つ。

「以前、マーズ自身が教えてくれた話だ。
 何らかのトラブルにより、マーズがガイアーに命令を下せなくなった時のために、
 あらかじめガイアーには、マーズの指令以外に爆弾を起動させる条件がプログラムされている、と」

「……まさか!」

582名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/02(土) 12:27:55 ID:ndt6HPgR
ミニクイ……
コレガニンゲントイウモノカ・・・・・・
ホシュ
583激突!! ゲッター対ガイアー 第十二話F:2009/05/02(土) 12:28:01 ID:ATfmD0jJ
「ひとつはガイアーが破壊された場合。
 そしてもう一つは、マーズが死亡した場合……、おそらく、その項目の意味するところだ。
 ゆえに監視者は、マーズに対して闇雲に攻撃を仕掛けてくるんだ」

「何だとッ!? ……くそ! そんな事がッ!?」

ガンッ、と、カムイが右拳をカプセルへと叩き付ける。
普段の沈着冷静なカムイらしからぬ取り乱しように、岩倉が思わず目を見張る。

(いや、無理も無い……。
 彼は元の世界に戻ることを目標に、過酷な作業を一人で続けてきたんだ
 ここでマーズが死ねば、これまでの努力が水泡に帰す事になる)

カムイの動揺は、彼の持つ責任感の強さゆえと、この時、岩倉は推測した。
だが実のところ、この時のカムイが真に恐れていたのは、手中にある対ゲッター線用の兵器のデータが失われる事であった。

遥か未来に、あまねく宇宙の生命に仇を為すであろう人類を止めるため、ゲッターにまつわる全ての因縁を破壊する。
それこそが、岩倉にも語っていない、カムイの本当の目的であった。
そしてその目的のためには、ゲッターアークは、この地で六神体と相打ちになるのが望ましい。
ゲッター線研究の第一人者・早乙女博士の残した最後の遺産であるアークは、
カムイにとって、現状、もっとも危険な潜在能力を秘めた兵器であった。

だが、もはや事態を静観している訳にはいかなくなった。
監視者達は知らないのだ、遥かな時空の彼方にある、もう一つの地球の存在を。
仮にアークがガイアーもろとも消滅したとしても、別時空にあるゲッターの因果を葬り去る事は出来ない。
最終的に、ゲッターと人類を消滅させるためには、この場はアークを助け、マーズを勝利へ導かねばならないと言う事である。
ゲッター殲滅を誓いアークから降りてカムイにとって、痛烈な皮肉がそこにはあった。

「……ちょっと待て、岩倉、まだ二つだ」

「えっ?」

「ガイアーの項に関して、未解明の文章は三つある。
 これらが爆弾の起動条件を説明していると言うのなら、後の一つは何だ?
 ガイアーが爆発する条件は、もう一つある筈だ」

「な、なんだって!? それは、急いで調べないと……!」

「ああ、いくつかの単語は、既に意味が判明している。
 この文章が爆弾の起動条件を示しているというのならば、
 あとは、単語をを入れ込んでやれば……」

カムイが脇の手帳を取り上げ、したためられた単語をモニターの文章と照らし合わせる。
ややあって、白紙にペンを走らせ始めたカムイの指先を、息を呑んで岩倉が見守る。

「――ッ!! そんなッ! これが、事実だというのかッ!?」

「……恐らくは間違いない。
 仮に俺が異星人の立場であったとしたら、ガイアーが人類に奪われた場合の備えとして
 やはり、同様の措置を施しておくだろう」

「だが、これでは…… これが最後の条件だとしたら、人類に打つ手はないじゃないか!?」

「…………」

584激突!! ゲッター対ガイアー 第十二話G:2009/05/02(土) 12:29:48 ID:ATfmD0jJ
その時であった。
突如として、室内にけたたましいサイレンの音が鳴り響き、沈黙を打ち破った。
思考を切り替えたカムイが、赤色灯の点滅を横目にモニターの前へと立つ。

「な、何だッ!? カムイ君!」

「チッ! 奴さん、ついにお出ましのようだ」

手早くスイッチを切り替え、モニターの映像を上空へと向ける。
三本のサーチライトが夜空を照らし、集結した焦点に招かれざる来訪者の姿を映し出す。

それは、まるで潜水艦、いや、UFOといった方が近いであろうか。
中華鍋をふたつ張り合わせたかのような、丸みを帯びた円盤型のフォルムに、
角のように突き出したレーダーと、頂部にそそり立つアンテナのような突起が見る者の目を引く。
その一方で、黒色のボディには、コミカルな目鼻の紋様が施され、
奇抜な外見と相まって、傍目には悠然と空を泳ぐ深海魚のように見えた。

「あのフォルムは、第五神体【ウラエヌス】か!」

「さっきの話は後回しだ、まずはアイツを何とかするぞ」

ウラエヌスの巨体を凝視しながら、迷いの無い動きでカムイが装置を動かす。
ウィーン、という機会音ともに、カモフラージュされた島中のハッチが開き、
マーズを守るべく配された、異星人のテクノロジーが姿を見せる。

「よし…… 行け!」

カムイのスイッチ操作に合わせ、銀色の砲塔から熱線が一斉に放たれ、
大型のポッドからはミサイルが、ドミノのような淀みない流れで次々と飛び出していく。
万全な状態ではないとは言え、手動制御による連続攻撃が天空の一点に炸裂する。
真昼の如き閃光が天を焦がし、爆音と衝撃が大地を襲う。

「おお! やったのかッ!?」

「いや、おそらくは……」

天を覆いつくす黒煙が徐々に晴れ、やがて、二人の前に絶望的な光景が現れる。
視線の先の映ったのは、球状をなして輝く金色のオーラと、その中央で静止する鋼鉄の神体であった。

「やはりバリヤー、情報通りだな…… ダメージはほとんど無し、か」

「れ、冷静に分析している場合では無いよ
 防衛機能が通用しないんじゃあ、ここが落ちるのは時間の問題じゃないか」

「……岩倉、俺がアイツを引きつけている内に、マーズを連れてガイアーの元へ行け
 覚醒したマーズがガイアーを動かしさえすれば、形勢は逆転する」

「何だって! ……だが、それでは」

岩倉が思わず二の足を踏む。
カムイの言葉を逆手に取るなら、マーズが目を覚まさない限り、現状を打破する手段は無いという事だ。
それだけではない、仮にガイアーを動かすことが出来たとしても、先にこの部屋が攻撃にさらされたなら、カムイの命は無い。

「構わん、行け! 俺もこんな所で死ぬ気は毛頭無い。
 しばらくヤツを足止めした後、隙を見て脱出を図るさ」

「……分かった、くれぐれも無茶だけはしないでくれよ、カムイ君」

カムイの覚悟を知った岩倉は静かに頷くと、マーズの眠る部屋へと踵を返した。
585激突!! ゲッター対ガイアー 第十二話H:2009/05/02(土) 12:32:35 ID:ATfmD0jJ




「防衛装置、太古の昔からマーズを守り続けた忠実なプログラムが
 今や、すっかり狂ってしまった主人をかばい、我々の前に立ちはだかるとはな……」 

運命の女神がもたらした皮肉な現実に、長髪の監視者が舌打ちをする。
カムイ達の存在を知らない彼は、攻撃はあくまで防衛システムの自動制御によるものと判断していた。

「だが、ガイアーが出て来ないというと言う事は、マーズはまだ回復していないようだな。
 それならば、ヤツが覚醒する前に、一気にケリを付けてくれよう」

意気高揚した監視者がウラエヌスを動かす。
たちまち神体は空中を泳ぐが如く自在に旋回し、地上からの一斉放火をたやすく避ける。
そうして第三射への間隙を縫いながら、機体を降下させて反撃の態勢をとる。

男の操作に合わせ、頭部の突起が提灯鮟鱇のように輝きを放ち、
ピュピュッという独特の怪音とともに、熱線放つ砲塔の一つに炸裂する。
強烈な閃光が、砲身を周囲の岩盤ごと粉微塵に砕いて消滅させる。

「クッ」

カムイが、射角を調整し斉射を行う。
だが、神体は再びバリヤーをめぐらして、砲火の中を悠然と飛び交い、
防衛装置の死角に回りこんでは各個撃破を繰り返す。
ウラエヌスの執拗な攻撃に対し、攻撃は次第に散発的なものとなっていく。

「うむ、いかに強固な武装と言えども、所詮は対人類戦を想定したもの
 六神体の力ならば、赤子の手を捻るような物よ」

弾幕が薄くなったのを見た監視者が、本拠地に攻撃を加えるべくウラエヌスを駆る。
上空で静止してバリヤーを解き、攻撃態勢に移ろうとする神体に対し、
カムイも火力を集中させ迎撃を行うが、今や半減した防衛装置の火力では、敵の装甲を破るには至らない。
やがて、ウラエヌスの頂部が、再び眩い輝きを放ち始める。

「目標は島の中心だ、この一撃で……」

「よし! 今だ、ガイアー!!」

「何ッ!?」
586名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/02(土) 12:56:09 ID:ndt6HPgR
さるさんか?
587名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/02(土) 12:56:40 ID:s1XjnJmW
一応支援。  投下終了?
588激突!! ゲッター対ガイアー 第十二話I:2009/05/02(土) 13:00:42 ID:ATfmD0jJ
怪光線が放たれんとした刹那、突如として後方の海中からきらめきが溢れ
流星群のような光弾が、無防備となった神体の脇腹を襲った。
ドゥッ、という重低音とともに、光弾の一つがウラエヌスを貫き、
反動で狙いを反らした光線が大地を抉る。

「さあ! 今だガイアー、岩倉さんを安全な所まで運ぶんだ」

「ぐっ…… し、しまった! すでに回復していたのか、マーズ」

水柱を上空に吹き上げ、マーズ達を抱えたガイアーが海上へと浮かび上がる。
体勢を立て直したウラエヌスが、追撃を加えんと反射的に機体を返す。

「何処を見ているッ! こちらの機能はまだ死んではいないぞ!」

「なッ!? うっ、グオッ!!」

監視者の注意がガイアーに注がれた一瞬を、カムイは見逃さなかった。
間髪いれずに撃ち込まれた、ありったけの砲弾が、神体の装甲の裂け目へと飛び込んでいく。
閃光と爆発が再び夜空を焦がし、黒煙を吹き上げる機体がグラリと傾く。
この一撃が致命傷となった。

「う、ううっ、おのれ、マーズ……」

電気系統がショートを起こし、黒煙がコックピットを包む中、
遠ざかっていくガイアーの背中を、長髪の監視者が食い入るように見つめる。

「もはや、このダメージではガイアーを追う事は叶わんか…… ならば!」

男の執念により、かろうじて持ち直した神体が、
弾丸を撃ち尽くし、無防備となった秋の島新島の大地にふらふらと迫る。
監視者が最後の力を振り絞り、手元のレバーを思い切り引く。
ガゴン、と言う音とともに、ウラエヌスの釜の底が抜け、投げ出された黒色の弾丸が、ゆっくりと地上に吸い込まれていく。

「フフ…… これで…… マーズは何も学べぬ……」

一瞬、大気に静寂が満ち……、

直後、視界を奪うほどの強烈な閃光が、秋の島新島の海域を包み込んだ。



589激突!! ゲッター対ガイアー 第十二話J:2009/05/02(土) 13:02:06 ID:ATfmD0jJ
「マ、マーズッ!? これは……!」

「ガイアー! 岩倉さんを守れ!」

閃光、爆音についで、凄まじいばかりの衝撃波が、バリヤー越しに二人を襲う。
轟音が耳をつんざき、目も開けていられない程の光が溢れる。
地上の終わりを迎えたかのような強烈な爆発が通り過ぎるのを、
ガイアーの掌の内で、歯を食いしばって二人が耐える。

―― やがて衝撃は突き抜け、周囲に再び静寂が戻った。

「岩倉さん、大丈夫でしたか?」

「あ、ああ…… しかし、今の爆発は…… うっ!?」

掻き消えていく黒煙の先に、信じがたい光景が広がっていく。
視線の先にあったのは、壊滅的な打撃をうけた秋の島新島、
いや、それは既に島と呼べるほどの物ですらない。
かろうじて残った陸地の中心には、黒煙を吹き上げる火口は既に無く、
天空から巨大なスプーンで抉り取ったかのような虚穴に、荒れ狂う海が大渦を巻き起こしていた。

「秋の島新島が消滅…… 核を、使ったのか」

「あ、ああ…… なんと、なんという事だ……」

眼下のおぞましいばかりの光景に、力無くした岩倉が、へなへなと倒れこんだ。
放心したかの様な岩倉に気づき、マーズが慌てて体を支える。

「岩倉さん! しっかりして下さいッ! 大丈夫です、秋の島新島は無人の……」

「いや、違うんだ、マーズ……」

「え……?」

「島には、カムイ君が……、未来から来た、拓馬君たちの仲間が残っていたんだ
 だが、この惨状では、もう……」

「――!? そ、そんなッ!!」

岩倉の衝撃的な発言に、マーズもまた、顔色を失い絶句する。
しばらくの間、二人は無言のまま、秋の島新島であった海上を見下ろしていたが、
やがて、岩倉はキッ、と表情を変え、頭を振るって立ち上がった。

「マーズ…… よく聞いてくれ、
 カムイ君が秋の島新島で調べ上げた、ガイアーに関する重要な情報を伝えておくよ」

「ガイアーに関する情報、ですか?」

ごくり、とマーズが唾を飲み込む。
その情報が極めて深刻なものであろう事が、どこか思いつめた表情の岩倉から、ありありと窺えた。

長い沈黙の後、岩倉は大きく息を吐き出し、その言葉を口にした。

「ガイアーの体内の爆弾が起動する条件は、実は、もうひとつ存在していたんだ。
 本来、ガイアーをサポートする筈だった六つの神体、
 それら全てが機能を停止した時、ガイアーのコンピューターは、マーズが寝返ったものと判断して
 その体内に眠る爆弾を、自動的に起動させる……」
590激突!! ゲッター対ガイアー :2009/05/02(土) 13:05:06 ID:ATfmD0jJ
以上、投下終了です。
ゲッター線の力を以てしても、さるさんには敵わないのか……

ともあれ、神体も残り一体、怒涛の後半戦突入、予定です。
591名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/02(土) 14:11:12 ID:s1XjnJmW
ドワ乙!
592名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/02(土) 15:52:01 ID:guzOpX9Q
おお、ついに6神体の秘密が出てきたか
ついでに前回もカーンの登場と拓馬のリボルバーのくだりもよかったぜ、乙!
593名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/02(土) 20:27:19 ID:HSpji2Cm
2000年のゲッタースレを読んでいたのだが、みんな真ゲッターロボの終わり方に批難ごうごうなのな
594名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/02(土) 21:50:47 ID:z7pJNN/0
大抵賢ちゃんは全ての伏線を回収して風呂敷畳んだ……と見せかけて
実は1本取りこぼしててラストで風呂敷ごとひっくり返しちゃうタイプだけど
真ゲッターはあのゲッターGがどうなるか分からないままだったしな。
アークで救われた感じ。
595名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/02(土) 23:10:59 ID:MmhzAmB2
結局初代ゲッターロボはどうなったの?
破壊されたの?それとも博物館行き?
596名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/02(土) 23:14:19 ID:s1XjnJmW
エルリック兄弟が真理の扉の先で見たものがゲッターエンペラーだったら……


武蔵のように量産される生身のアル。錬金術師を、人体錬成の志を捨てるエド。

「見てよ、兄さん。これが真理の、大いなるゲッターの姿。その素晴らしい力の一部だよ」
「やめろ、やめるんだアル。この世界に奴等を、おぞましい虚無の戦いを持ち込むな!」
597名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/02(土) 23:36:18 ID:6mjpulgl
それって、通行料の違いからアルの方が本質を理解してるよな。
でも、真理の扉の先にいそうなのは魔獣戦線の神だろうな。
598名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/02(土) 23:53:55 ID:6mjpulgl
連投ですまん
>>596
一応、飛焔で出てくる。
だけど、賢ちゃんのはどうなったかはわからん。
號ではゲッター線使っちゃいけないっぽいし、
アークでは量産型ゲッター部隊がいるからわざわざ旧型を出動する必要もないし。
599名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/03(日) 01:20:31 ID:VjR0TRYb
ゲッターオルタネイティブの続き投下してもいいですか?
あと10分ほどで上げれる分くらい書けそうなんで。
600名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/03(日) 01:21:21 ID:sAbAjjnq
OK