型月×リリカルなのはクロススレ19

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1名無しさん@お腹いっぱい。
両作品のキャラの交流等を想像したり、
SSを書いたりするスレです。

但しキャラの強弱、戦う両者の戦闘内容等の議論は荒れる原因にもなるので自重しましょう。

前スレ
型月×リリカルなのはクロススレ18
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1229533857/

まとめサイト
http://www9.atwiki.jp/tmnanoha/pages/1.html

次スレは>>980を踏んだ人が立てること。
反応が無い場合は>>990
重複を避けるため、必ずスレ立て宣言をお願いします。
2名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/06(火) 07:42:17 ID:EXtI8ZhE
型月×リリカルなのはクロスお絵かき掲示板

http://w7.oekakies.com/p/tukinano/p.cgi


画像アップロード板

http://www.dejavu.jp/~webmaster/upbbs/bbs.php?account=tukinnao2


型月×リリカルなのはクロススレ緊急避難所

http://www2.atchs.jp/test/read.cgi/tmnanoha/2/
3名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/06(火) 08:20:06 ID:2qw/dBRu
>>1
4名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/06(火) 09:45:55 ID:IvoBhOpE
>>1
5名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/06(火) 09:49:41 ID:OJ2ZUlny
>>1
6名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/06(火) 10:08:06 ID:HQBifXak
この新スレに>>1乙を
7名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/06(火) 14:26:39 ID:wVkuJ2mc
>>1乙なの
8名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/06(火) 18:10:02 ID:OJ2ZUlny
ふい、新スレってことでそろそろ投下があるかな
前スレは投下が多くてよかった
冬が過ぎてのストップが怖いけど
9KING:2009/01/06(火) 21:23:14 ID:a0oM+BCf
さて、予約が無いならば9時45分頃の投下させていただきます。
10名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/06(火) 21:27:58 ID:8Gs2Ilc1
>>1
>>9期待
11名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/06(火) 21:42:24 ID:5hjY5ivb
>>9
分かった、ちょっと待ってろ。


十秒。
二十秒。
三十秒。
四じゅ―――
12KING:2009/01/06(火) 21:49:22 ID:a0oM+BCf
さてちょっと前書きを・・・
作者がまだ未熟な為式が皆様からしたら改悪に見える事がありますのでご了承ください。

第五話

翌日早朝
機動六課模擬演習場前

そこにはこれから訓練を始めるなのはとバリアジャケット姿のスバル、ティアナ、エリオ、キャロ達フォワードメンバーが整列していた。

「は〜い、皆集まってるね。
それじゃあこれから早朝訓練を始めるね。
皆準備は良い?」

「「「「はい!!」」」」

その返事を聞いたなのはは満足そうに頷いた。

「だけどその前に……。
皆には今日から私達の仲間になる人を紹介するね。」

「仲間になる人ですか?」

スバルがキョトンとした顔で聞いてきた。
それは他のメンバーも同じで頭に?マークを浮かべている。

「うん、多分もうすぐ来ると思うんだけど……。」

「シャーリーさんといるあの人じゃないですか?」

エリオが機動六課隊舎の方から近付いて来る人物を指差しながらそう呟いた。
そこには朝から何故かご機嫌なシャーリーと不機嫌な顔をした式がいた。

「ねぇティア……。あの女の人どっかで見た事ない?」

「奇遇ねスバル。私もちょうど同じ事考えてたわ。」

スバルとティアナが式を見ながら同時に首を傾げていた。

「なのはさん、おはようございます〜。」

「おはようシャーリー。
式もおはよう。ごめんね朝早くから来てもらって。」

「一体何なんだよ……。
もししょうもない理由で呼び出したんならオレは寝させてもらうぞ?」

式は欠伸をしながらなのはにそう言った。

「にゃはは、式の事を紹介しておきたかったし、ちょっと手伝って欲しい事があったからさ。
あ、皆に紹介するね今日から私達の仲間になる両儀式さん」
13KING:2009/01/06(火) 21:50:07 ID:a0oM+BCf
「名字で呼ばれるのは嫌いだから式で良い。まあ、宜しく頼むよ……」

式の妙に軽い挨拶を聞いたフォワードメンバーは少し唖然とした顔をしていた。

「ってあ〜〜!!」

そんな中スバルが突然式を指差しながら大声を上げた。
なのはやシャーリー、他のフォワードメンバーも驚いたのか仰天した表情でスバルを見ている。
式だけはめんどくさそうな顔をしているが。

「ちょ、何なのよスバル。いきなり大声を出して!」

「ティア覚えてない?この人昨日私達が保護した次元漂流者の人だよ!」

その言葉で思い出したのかティアナは驚いた表情で見ていた。
相変わらず式は平然としているが。

「そう言えば昨日お前らと会ったな…。確か青髪がスバルで、オレンジ頭がティアナだっけか?」

「あ、覚えててくれたんだ」

「オレンジ頭……。そ、それよりなのは隊長、何で次元漂流者である式さんが機動六課に入隊する事になったんですか?本来なら保護しなければいけない筈なのに。」

「式……別に話して良いよね?」

「ああ……」

その後なのはは式がこの世界に来た経緯。
元居た世界がパラレルワールドで戻れる確率が限り無く低い事。
はやてが式を機動六課に誘った理由などをフォワードメンバーにあらかた話して聞かせた。
最後の部分は式には聞こえないようにしていたが。

「そうだったんですか……すいません式さん無粋な事聞いて……」

「別に気にしてないから謝るな」

相変わらず無愛想な式。
それを見たティアナは、何かやりにくい、と感じながら顔をしかめた。
14KING:2009/01/06(火) 21:53:01 ID:a0oM+BCf
「それよりそこいるおチビ共も六課のメンバーなのか?」

「そうだよ、紹介するね。
エリオとキャロだよ。
二人共まだ小さいけど、優秀な魔導師なんだ。」

なのはの言葉の後何故かエリオとキャロは式に敬礼した。

二人の自己紹介が終わった後、なのはは今回の訓練の説明を始めた。

「それじゃあ訓練を始めるね。
今日はシャーリーからの要望で、式のデバイス用の戦闘データを取るのを兼ねてフォワードメンバーと式でガジェットを使った実戦訓練をやってもらうね。」

その言葉を聞いた式が眉をひそめた。

「おいなのは……それはオレも参加しないといけないのか?」

「当たり前だよ?
式のデバイスを作る為なんだから。
それに私達の仲間になるんだから、これからは毎日訓練に参加しないとダメだよ?」

「めんどくさい……。」

式はそんな事必要ないだろと思いながらも渋々懐から愛用のナイフを取り出した。

「それが式さんのデバイスなんですか?」

それを見たエリオがそんな質問をした。

「良く見てみろ……これは只のナイフだよ。
だいたいこの世界に来たばっかりのオレがお前らみたいな武器を持ってる筈が無いだろ。
だから今日は俺の戦闘データを取るんだろ?」

「た、確かに……。
え?それじゃあ式さんはそのナイフで訓練に参加するんですか?」

「それがどうかしたか?」

それを聞いたエリオとキャロは驚愕の表情をしていた。
まあ、当然な反応と言えるだろう。
スバルとティアナも驚いてはいたが、昨日の光景を見ている為か落ち着いている。
15KING:2009/01/06(火) 21:54:04 ID:a0oM+BCf
「そんなに心配しなくても大丈夫だよ皆。
式は結構戦闘慣れしているし、これでも生身でガジェットを破壊してるんだから。」

全員の心境を察知したのかなのはがフォローを入れた。
その言葉に渋々納得したのかフォワードメンバーは模擬戦闘場へ移動した。
因みにシャーリーはデバイス開発を頼まれた時点で式の『眼』の事以外は教えられているので平然としている。

「おいなのは……あいつらにオレの『眼』の事を教え無くて良いのか?」

式は自分のナイフを弄びながらなのはに尋ねた。

「言葉で説明すると混乱するだろうから、見せた方が良いと思ってね。」

「まあ、確かにその通りかもな……」

式はフォワードメンバーの後を追いかけるように模擬戦場へ移動した。
余談たがこの時点式の服装が着物だと言う事に疑問を持ったのは誰もいなかった。

模擬演習場内部

全員がスタートポイントに着いた時、なのはから訓練の内容が言い渡された。

『それじゃあ、訓練の内容を説明するよ。
今回は予め設置されたターゲットを確保するミッション。
前々回の任務と同じと考えて良いよ。
出現してくるスフィアやガジェットを破壊しながらルートを進んで、如何に効率良くターゲットを確保するかがポイントになるから皆頑張ってね』

説明が終わった後、ティアナはなのはから渡された式のデータを見ながら今回のプランを考えていた。
ミッションの内容自体はそれほど難易度は高くない。今の自分達ならば焦らなければ十分に成功する自身がある。
しかし、今回は式と言う不確定要素がある。
魔法は全く使えない素人だし、武器は何の魔力も付加していない普通のナイフが一本。
身体能力はスバルやエリオの軽く上を行くがそれでも不安なのには変わらなかった。
正直この状態でガジェットを破壊したのが未だに信じられなかった。
なのはが言うのだからそこには嘘や偽りは無いだろう。
直接では無いにしろ自分やスバルもその光景を見ている。
さてどうしたものか……

「ねぇティア〜早くしないとスタートの時間になっちゃうよ?」
16KING:2009/01/06(火) 21:54:36 ID:a0oM+BCf
「わかってるわよ……」

しょうがない、その場にならなければ分からない事もあるし戦闘経験もある程度あるらしいから何とかなるだろう。
今は何時も通りにやるだけだ。

そう割り切った後、ティアナはマップを広げながらフォワードメンバーと式に今回のプランを話した。

「それじゃあ説明するわよ。
今回はスターズとライトニングの二つに分けて行動するわ。
式さん、貴女は私とスバルと一緒に来てください。」

「分かった……それとさん付けはいらないしタメ口で別に良い。」

式は素っ気無い態度でそう言った。

「分かり……分かったわ式。
続きだけど、私達スターズは道路を使ったAルートを、ライトニングは反対側のビル群を使ったBルートで行って。
行動は必ずチームで行なう事、単独になった場合は直ぐに連絡して合流する事。
良いわね?」

「「「了解!」」」

「式もそれで良いわね?」

「ああ……」

各々の返事を確認した後、シャーリーからミッション開始のカウトダウンが始まった。

「3……、2……、1……、スタート!」

「スターズ、ライトニングGO!」

ティアナの合図と同時にスターズはAルートを、ライトニングはBルートを進み始めた。
スターズの進むAルートは直線的な道路などが中心のなだらかな道だ。
ビルなどの遮蔽物も少なく敵の位置も把握しやすい。
比較的安全な道と言えるだろう。
その道を進んでいると前方からガジェットT型が左右から3機ずつ接近して来ていた。
敵もスバル達に気付いており、発見した後直ぐにレーザーで弾幕を張って来た。
17KING:2009/01/06(火) 21:57:11 ID:a0oM+BCf
「早速おいでなすったわね。
スバル、後ろから援護するわ。
アンタはいつもどおりに前で暴れて来なさい!式はまだ前に出ないで!」

「分かった!」

「…………」

そう言った後スバルはマッハキャリバーのローラーを唸らせながら右のガジェット群に接近。
ティアナはクロスミラージュで援護をしながら左のガジェット群に攻撃を開始。
式の方は珍しく人の言う事を聞いており、ナイフを持ちながらティアナの後ろを走っていた。。

「リボルバーシュート!!」

「バリアブルシュート!!」

カートリッジを一発消費するリボルバーナックルとクロスミラージュ。
それぞれから放たれる衝撃波と誘導式多重弾膜射撃。
それにより6体中の3体が貫かれた。
スバルは一体を蹴り飛ばした後、もう一体の後方に回り込み得意のシューティングアーツで撃破した。
今回のガジェットのAMFは一ヵ所にしか作用しないタイプ。
後方に回り込めばその影響は少ない。
蹴り飛ばした一体も脚技で倒した後馬乗りになり、そこからナックルダスターを叩込んだ。
ティアナも3発の誘導弾を巧みに操り最後の一体を貫いた。
3人は破壊した時の粉塵を突き抜けながら、先に進んでいる。
ティアナの方は消費したカートリッジを装填しながら周りを警戒している。

「大丈夫?怪我はない式?」

「怪我も何も、お前らみたいに殺り合って無いんだからするはずも無いだろ……」

「あはは……それもそうだね」

相変わらず無愛想な式に苦笑したスバル。

「スバル、式無駄話ししてないで行くわよ………スバル右!!」

「え………?」

ティアナの警告が飛ぶ。
18KING:2009/01/06(火) 21:59:18 ID:a0oM+BCf
スバルが咄嗟にその方向を向くと高魔力の直射魔法が飛んで来た。
咄嗟にプロテクションを張り防ごうとするが間に合わない距離にまで来ていた。
そのまま直撃を受けると感じ身構える。
その時式がナイフを構えて目の前に立ちはだかった。

「式!?」

スバルが思わず叫んだ。
スバルやティアナとは違いバリアジャケットなどを装備していない式が直射魔法をくらえば只じゃすまない。
それに式が持っているナイフでは防御したところで叩き折られるのが目に見えている。
しかしこの予想は呆気なく裏切られる事になった。
式が徐々に近付いて来る弾を見つめる。
そして1mにまで接近したところでナイフを一閃すると魔力弾は横に真っ二つに裂けてしまった。

「え!?」

スバルが驚きの声を上げる。
それもそうだろ。
デバイスでも何でもない只のナイフで魔力弾を切り裂くなど本来なら有り得ない事だからだ。
しかしティアナ落ち着いてそれを見ている。
スバルは忘れているかもしれないが、式は生身でガジェットを破壊しているのだ。
ならば魔力弾を切り裂く事できてもおかしくはないからだ。

「おい、大丈夫かスバル…?」

「え、うん…ありがとう式」

「なら良い。おいティアナ、あそこの丸いやつ……オレにやらせてもらうぞ。」

スバルとティアナが式が指を指した方向に目を向ける。
そこには以前Bランク試験の時にスバルが破壊したのと同じ中距離タイプのスフィアがあった。

「そんな、幾ら何でも一人じゃ「分かったわ」ティア!?」

スバルの言葉を遮るようにティアナが言った。
その言葉を聞いた後、式は右手のナイフを構えた。
そして体勢を低くし、スフィアに向かって疾走し始めた。

ティアナが式にスフィアの迎撃を任せたのには理由があった。
これから共に戦う仲間として式の戦闘能力を自分達の目で確認しておきたかったからだ。
なのはのお墨付きとガジェットを生身で破壊した事実があるとは言え、偶然という事も考えられたからだ。
それでは実戦では役に立たないし、下手すれば死ぬ事になりかねない。
19KING:2009/01/06(火) 22:01:59 ID:a0oM+BCf
スフィアとの距離は約15メートル。
式の身体能力を考えればこの距離を詰めるのに3秒と掛かるまい。
その間レーザーの弾幕が続いたが、全て『線』を断ち切りながら疾走した。

式が目の前にまで接近しようとした時、スフィアは特大の直射魔法を放った。
それは直撃すれば確実にケガを免れない一撃。
流石にヤバイと感じたのかティアナとスバルが式を助けようと走った。
しかし、その心配は無用だったようだ。
式は魔力弾が当たる直前に真横に回避したのだ。
スフィアも式が回避したのを確認したのか直ぐさま障壁を張るがそんな物は無駄だ。
強固な障壁もナイフの一振りにより『殺され』消滅。

「お前……暇つぶしにもならねえよ」

その一言の後、式はスフィアの『線』をナイフで一閃 した。
式はさもつまらないと言った表情で残骸となったスフィアを見ている。

ティアナはその光景を唖然として見ていたがスバルはおもいっきりはしゃいでいた。

「すごい、すごいよ式!
本当にデバイス無しで倒すなんてすごいよ!」

「うるさいスバル……。
まだ終わりじゃ無いんだ、とっとと先に行くぞ」

そう言った後式はスバルの横を通り過ぎ、先に進んでしまった。

「え、ちょっと待ってよ式。
ティア早く行かないと遅れるよ!」

立ち尽くしているティアナの腕を引っ張りながらスバルも式の後を追っていた。

「何よ……やっぱり凡人は私だけじゃない」
20KING:2009/01/06(火) 22:03:03 ID:a0oM+BCf
本日の投下はこれにて終了〜〜。

相変わらずツッコミ所満載かも・・・
21名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/06(火) 22:11:37 ID:NOS/EN3K
投下乙GJ!
22名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/06(火) 22:15:58 ID:NIsfGn+7
GJ!
なかなか良かった。
23名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/06(火) 22:20:27 ID:uHz6wLgL
             ,. ‐'' ̄ "' -、   ,. ‐'' ̄ "'' -、 
             /        ヽ/          ヽ 
                l          l             l 
            l         l          l 
         ,. ‐'' ̄ "'' 、    ,,. --‐┴─-- 、     / ̄ "'' -、 
       /      ,.-‐''"´           \ _/        ヽ 
      l       /                   ヽ          l 
       l     /  ●                l          l 
      ヽ    l       (_人__ノ         ● ヽ         /  そんな事より
       ,,>-‐|   ´´     |   /       , , ,. ‐'' ̄ "' -、/    シロウ、今日の夜食はまだですか?
      /    l        ヽ_/           /          ゙ヽ 
     l     ` 、               l            l 
      l       ,. ‐'' ̄ "' -、   ,. ‐'' ̄ "'' -、            l 
       l,     /         ヽ /        ヽ,         / 
       ヽ、,,  l            l          l,,,___,,,/ 
         "'''l            l             l 
              ヽ          /ヽ        / 
             ヽ,___,,,/  ヽ,,___,,,/ 
                   /     | 
                /       | 
24名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/06(火) 22:54:06 ID:5hjY5ivb
KING氏乙でしたー
……にしても、短めとはいえけっこうなペースで連載してるような……
いやまあ、長く断筆されるよりよっぽどいいんですが
25名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/06(火) 23:39:54 ID:1Th288kP
なんか式がチンピラっぽく見える
26名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/06(火) 23:54:06 ID:KinxP2r4
>>1
KING氏乙
27名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 00:05:56 ID:4iMeI9kA
GJ!!です。
防御自慢は式にとっては相手にもならないw
魔眼がチートだってのがよく分かります。
28名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 00:10:55 ID:JPJrOZwm
GJ!
長さも描写も凄く良くなってます
やはり型月を模したスレだけにどうしても難解な描写を意識してくるSSが多い中
ライトな表現が逆に読みやすいなと自分は感じました
あと坂本真綾ボイスが結構マッチしてたよw
これからも頑張って下さい
29名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 00:18:22 ID:GqgtVPJn
乙〜
突っ込みどころなんて初めはあって当たり前だし書きながら直していけばいいと思われ

あれ?
ところでティアナ何気にL5発症フラグ立ってる?
だとしたら例のイベント、in式でやってもらいたいな
30名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 00:30:15 ID:FXrP0ut6
乙です。式のデバイス楽しみだ。どんな魔法少女になるのか。
31名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 01:08:25 ID:p5D2B6Sy
KING氏、乙!
ただ、式がレーザーを直死してるので、何かフォローがないと光速反応になっちゃうかな
照射時間があるとか、疑似的にレーザーに見える攻撃だったとか
式は歪曲や未来にも死を視るけれど、それとこれとは別なので
何かしらのこじつけを次回以降に希望
32名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 02:04:59 ID:HVPTKHYW
チンク「士郎、姉が添い寝してやろう」
士郎「いや、俺そういう齢じゃ」
チンク「気にするな、たまには姉を頼れ」
士郎「・・分かったよ」


チンク「志貴、姉が添い寝S・・・」
アルクェイド「志貴ぃ〜〜遊びに来たよ〜〜〜早速夜のデートに出発!」
チンク「・・・・orz」
レン「ナデナデ」
33KING:2009/01/07(水) 02:24:00 ID:qIsCqLxc
皆さん感想ありがとうございます!

31>>そこの部分は、また後で編集させていただきます。
34名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 05:02:13 ID:JPJrOZwm
>>12
ところで今回、題名は無いの?
35名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 12:06:11 ID:tve7ys47
>>31
「スフィアのレーザー=光速」じゃなければよくないか?
36名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 12:08:59 ID:qcVo7DTw
なのはの世界の兵器は大したことないからな
レーザーと言ってるだけで水鉄砲なんだろ
37名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 12:10:28 ID:VykD7BlZ
wikitop更新
38名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 12:14:19 ID:yx482PqF
正直、質量兵器よりも魔法のがヤバいと思う
引き金引くだけで誰でも…ってのが質量兵器の怖いところなんだろうが、ガキが携行武器の域を超えた破壊力持ってる方が恐いような
39名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 12:26:59 ID:OGE3FCKm
>>38
政界側でも財界側でも色々あったんじゃない?
既存兵装の全廃と魔導師関連装備の制式採用とか、ものすごい額の予算が動くだろうし。

あんまり話すとスレ違いになりそうだ
40名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 12:27:20 ID:2FpuyztS
題名が無いと載せられないよ>KING氏

それとも「第五話」だけで良いのかね?
41名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 12:34:12 ID:yx482PqF
>>39
金の流れかぁ
確かにスレチっぽいな
リリカル世界の兵器微妙ってのを見て急に考えてしまってね
ガジェットなんかはあんなナリで飛んでるから凄そうだが、人間が飛べる世界だからなぁ
42名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 12:48:06 ID:hUdXOtTA
ガジェットの細かいスペックが知りたいです。
アニメ描写は演出最優先だからまるで当てにならない…。
43名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 14:52:22 ID:OGE3FCKm
>>42
逆に考えるんだ
『演出優先で書いちゃえばいいや』
そう考えるんだ

いや、もちろん酷すぎない範囲でだけど。
観客側ならあまり気にしないでも大丈、夫?
44名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 16:34:33 ID:4iMeI9kA
GDV型とW型は重機関銃とか使わないと壊しにくそう。
T型は、突撃銃でやれそうじゃないか?U型も当たれば突撃銃でやれると思う、難しそうだけど。
レーザーも機種によって威力は違うが、T型のは拳銃弾と同等ぐらいかなぁ。
45名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 19:16:43 ID:yx482PqF
2型のミサイル防いでたなのはが凄いのか、ミサイルがカスなのか…
クロスしてもかませにしかならなそうだ
流石に人間が喰らったら即死して欲しいが
46名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 19:38:14 ID:qcVo7DTw
ミサイルがカスに決まってるだろ
民家も壊せないんじゃないか
47名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 19:52:14 ID:betFkyj8
ID:qcVo7DTw
48名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 20:23:39 ID:dxLItJVY
おそらくHEATの技術が無いんだろうな
49名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 20:29:00 ID:yx482PqF
スレチに拍車をかけてすまない
とりあえず最後に言いたいんだが…
HEATの技術にしろ他のモノにしろ、地球出身もいるミッドで、地球の画期的な技術が無いのはおかしい感じも
特にスカみたいに先を逝く世紀の大天才なら表で知られてないことでも知ってそうだし
50KING:2009/01/07(水) 20:37:39 ID:u+Rb0LgO
40>>すまそ。題名は「スターズ唖然」
51名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 21:30:58 ID:aDzUR+h9
そういえば、このスレってプリズマ☆イリヤとのクロスって有りなのか?
52名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 21:35:02 ID:OGE3FCKm
>>51
むしろ本編以上に相性がいいと思う
53名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 21:35:49 ID:p5D2B6Sy
ガジェットは正規に研究した部品を使えなかったツギハギのマシンだったんだよ!
空戦機動と流用した火器の相性が悪かったんだよ……きっとたぶん
UFOに男の夢を使いすぎたんだ
54名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 21:42:21 ID:aDzUR+h9
カードを巡ってイリヤ達一行VSなのは達とかもできそうだね。
しかし、一歩間違えたら魔術協会と前面戦争になりかねないけど。
55名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 21:47:45 ID:p5D2B6Sy
正式にゼルレッチから任務を任されたセカンドオーナーが現場にいるから大丈夫なはず
実世界で戦うんじゃないしね
56名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 22:03:14 ID:dxLItJVY
>>51
好きなんだけどスレがないんだよな、アレ
57名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 22:27:26 ID:OGE3FCKm
>>53
ドラッツェと申したか

プリズマイリヤと……
PT事件の代わりにカード集めに巻き込まれるなのはさん、とか
58名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 22:34:18 ID:GrhxwVqY
>>49
まあまあ演出の都合もあるし、そう深く考えんでも。

>>57
本格的魔法少女再び。
59名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 22:45:32 ID:HK/0vYiL
>>49
自分だったら、もしStS書くとしたらガジェット、最低限でも地球の軍隊を圧倒できる程度ってことにしますけどね……
正直、StSのアニメ演出は半分近く無視でw
ああいうアニメの、フィクションとしての意義から言って現実は圧倒できるくらいだろうと。


>>51
いっそジュエルシードとカードを入れ替えて……とか思ったけど設定的に無茶したあげくに話としても色々まんますぎるなぁ……
カレイドなのはさんとかあんまり変わらない気がするので、もろもろの無茶は見ない振りして、ルビーちゃんに振り回されるフェイトさんが見たいw
60名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 22:55:11 ID:4iMeI9kA
そんな強かったら、新人とかGDの相手できなくないか?
6159:2009/01/07(水) 23:08:07 ID:HK/0vYiL
>>57
ごめん被った……
つか、あれかな。細かい設定無視して大師父にあの二人が飛ばされてくるのか……それともプレシアの探してるロストロギアがあれになるのか。
フェイトさんの立ち位置次第になりそう。
もしくは美遊ポジションにはやてを持ってきてフェイトと三つ巴にするか。

>>60
その辺の解釈はどうにでもでっち上げられるかと。
場合によっちゃあこのスレ向きでなくなるかもしれないけど自分はよそでやってますんで……
……ってコメント自体このスレでするには微妙だったらすみません。
62名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 23:08:57 ID:aDzUR+h9
ここは、カレイドアリサで…。
63名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 23:18:34 ID:OGE3FCKm
ガジェットって確か、「ドクターの玩具」と評されていたような。
スカの専門は生体を弄る方で、本格的な機動兵器はあまり得意じゃない可能性あり。
人形師にしても封印指定の人と二十七祖の富豪とは明らかに得意分野が違うし。

或いは、低ランク魔導師相手ならあの程度で問題ないのかも。
AMFが防御系魔法に与える影響がどの程度か分からないけど、もし有効なら対人武装として充分あり。

>>62
  そ れ だ !
64名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 23:32:07 ID:j8421t8N
>>62
俺はすずかの方が好みなんだが……。本編ではフェードアウトされたアリサとすずかを活躍させられる型月クロスって出来ないものかな?
65名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 23:48:16 ID:HK/0vYiL
>>64
つまり半裸のアリサがメイド服すずかに身体を拭けと迫るんですね、わかります。
存外にノリノリなすずかにアリサもドン引きだ。
66名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 00:04:12 ID:+7Mvpa/x
すずかはまだ吸血種としての出番がありえるが、アリサはタイガーみたいに日常の象徴みたいな感じがな
67名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 00:09:03 ID:ZRI+Dijr
バーニング道場で普段と違うかっこして喝入れんのか。
弟子一号は……ユーノ?
68名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 00:09:18 ID:D6pLLqI7
>>64
アリサとすずかをどこへ飛ばすか、かな。
三咲町(月姫)か、
冬木市(Fate)か、
支倉市(DDD)か、
御布子市(空の境界)か、
さあ、どこに行く?
69名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 00:16:27 ID:nXgLGEK9
>>68
支倉市近辺、『悪魔憑きのフリをするお嬢様』で
70名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 00:22:36 ID:HWZoAyqM
>>68
話しを振っといてなんだが、どれも夜中に起こる殺人事件の犠牲者の一人にしかならないような……。
ぶっちゃけると、とらハをやった事がないから夜の一族がどういうものかも知らない。
とりあえず分かるのは秋葉のような吸血種?である。吸血鬼の弱点は適用されない。一般人より身体能力が優れてるぐらい
71名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 00:37:53 ID:D6pLLqI7
>>70
自分もうろ覚えなので詳しく説明できないのが口惜しいが……
「夜の一族」を型月世界に当てはめると確かに吸血種扱いになるなあ。
あと、吸血した相手の記憶・精神を操作したり、と言うのもあったはず。

>>68だけど、
自己リレーになるが、三咲町にてすずかとさっちんの力比べ、とか思いついた。
72名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 00:40:25 ID:RU3wqHhX
>>70
最重要事項が抜けてるな。

発情期がある。
73名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 00:48:43 ID:KuYjgRxB
無理に型月の吸血種と同種としなくてもいいんでね
秋葉とは違う吸血種とした方が話もふくらむような気がする
74名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 00:50:02 ID:J0q1fPYk
それは重要だ
75名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 00:53:06 ID:D6pLLqI7
>>72
それがあった!
確か2ヶ月に一度、1週間位の期間でなったはず。

>>69
アリサが悪魔憑きのふりをして徘徊しているうちに本当に悪魔憑きになる、とかかな?
能力は「幽体離脱」で。
76名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 01:04:14 ID:rvz4DPW7
トーレとシエルのガチバトルなんて思いついたんだが・・・
シエルってある意味トンデモない存在だよな、体外アルクのかませ扱いダケド
77名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 01:06:17 ID:HWZoAyqM
>>75
そうなのか?というか、随分と周期が短い上に期間が長いな。案外夜の一族はベッドの上では独壇場だったりしてW
78名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 01:08:13 ID:2n8Y3e/g
>>77

えと、たしか、子供が出来れば出来るほど発情期の分が薄れてくるだったはず。
79名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 01:13:40 ID:nXgLGEK9
>>75
うろ覚えだが、一巻でそんなアルバイトの話が出ていたような>狂言悪魔憑き
80名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 01:22:31 ID:D6pLLqI7
>>78
そうそう。そんな感じで忍ルートでは子供3人いたし。

>>79
そうだったっけ?やべ、あまり覚えてない。DDD1巻読み返してくる。

>>73
「吸血種扱い」とは言ったが、「型月世界のそれと同種の」とは言ってない。
81名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 01:40:27 ID:HWZoAyqM
すずかが吸血鬼ならアリサは龍之介みたいな子孫に忘れ去られた魔術師の家系とか考えてみたが……ご都合過ぎるかな?
82名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 03:16:48 ID:dL/ZwmRX
>>73
>無理に型月の吸血種と同種としなくてもいいんでね
吸血種っていうのは、吸血鬼も含めて血を吸う生き物全般を括る大きな区分なんで、
「型月の吸血種と同種」っていう表現は変だな
別に特定の種族を指す言葉じゃない
83調べ屋:2009/01/08(木) 10:06:54 ID:pYsSOoaG
前回の修正版を投下したいと思います。

修正したのは主に後半のセイバーフルボッコシーンです。

では──
84調べ屋:2009/01/08(木) 10:08:55 ID:pYsSOoaG
英霊ナノハに関する第一回報告書第五次中間報告

制作者『調べ屋』アマネ

関連項目

タカマチナノハの簡易歴史表・後


『十一年目』:『流れ弾』と言う名の妨害を受けつつも戦果を出し続けていたが、
ある時、今まで潰してきた勢力の残党が集結して戦争を仕掛けてきた。
強力な結界にてゆりかごを閉じ込め、様々な魔法生物や、GDのコピー、
さらにはゆりかごのコピー艦まで作っており、玉座には死んだはずの先代聖王が
魔法で無理矢理『死んではいない』状態で置かれていた。
戦闘の内容は別の機会に譲るとして、結局はナノハが元特殊鎮圧部隊のメンバー
『クロノス』『運命(ゲレーゲンハイト)』『疾風(シルフィード)』と
戦闘機型デバイスのAI『You-Know(ユーノウ)』の三人と一機
(戦闘機は特殊鎮圧部隊全体の所有物だったが、武装が殆ど搭載されておらず、
半ば埃を被ってゆりかご内に保管されていたところを、ナノハによって発掘。攻撃手段をビットにて確保、
『眼』と持ち前の空間認識能力で見事乗りこなす。そして、その操作を学習させ、
他のメンバーでもビットを効果的に動かせるようにサポートAIとして『You-Know』が生み出された。)
に守られながら、チャージし、『スターライトブレイカー』にて、
(コピーされ、多少劣化しているとはいえ現役当時のゆりかごを)
外壁から動力炉→玉座→外壁までを撃ち抜いた。
(尚、暫定的にスターライトブレイカーとしているが、発射シークエンスは
ほぼ別物であり、『集束砲』ならぬ、『収束砲』となっている。)
その後しばらく行動不能になるものの、ゆりかごを逃がすため、スターライトブレイカー+にて、
ゆりかごを覆っていた結界を破壊、自身の生命維持魔法の分の魔力をトリガーとしたため、
その場で生き絶える。その後、新聖王──つまりはヴィヴィオのクローン元──は、
ナノハが父、先代聖王を殺した理由を知り、ナノハを赦す。と同時に謝っていた。
(それまでは、殺した理由は知らなかった。その訳は、血は繋がっていないが、
ナノハのことを本当の母親のように慕っていたため、
自分の葛藤がこれ以上大きくならないために、故意に知らずにいた。

──ただし、ナノハ本人は嫌われていると思っていた。)
その後新聖王は、ナノハの居た証拠を残さず、しかし決して忘れられることないよう厳命、
先代聖王とナノハの遺志を継ぎ、聖王統一戦争を続けた──。
85調べ屋:2009/01/08(木) 10:09:50 ID:pYsSOoaG


因みに、その新聖王が得意とし、最期まで愛用し続けた魔法の一つに、
ナノハが考案した、ミッド式で発動し、古代ベルカ式で射つ。といった独特のものがある。

────────────────────────


二十メートル程の間合いで対峙する両タッグ、そして──
「はっ───」
「─────」
まずは声を上げ、先陣を切るランサーと、無言でそれを迎え撃つセイバー、
ここまでならば先程と同じだが──
「ふっ───」
横手からアーチャーの投げた陰陽剣──干将・莫耶が迫る。
しかし、ランサーは慌てない。彼には『矢除けの加護』があるし、それに何より──

ガン!ガン!

迫り来る陰陽の軌跡。その間に割り込む金色の──『何か』

「ぬっ?」

──そう、今度の相棒。ナノハのオプションビットである。そしてナノハ本人は──。

「──アクセルチャージャー起動、ストライクフレーム、ドライブ」
『オープン』
左手を前に突き出し右手を引く、つまりは右手で殴る体勢で
離れたところから様子を伺っていた。

セイバーを打倒する策は練った、後はタイミングのみ──

──それにしても。

「──羨ましいな」
ポツリと呟くナノハの目線は三人の英霊に注がれていた
それぞれ三者三様の動きで、お互いを越えようとする英雄達。

例えばセイバー、その小柄な体躯とは裏腹に一発一発がとんでもなく重い。
しかも速い、決して止まらぬ斬撃は連撃と呼べるだろう。
そしてランサー、全身のバネを使い、目にも止まらぬ速度で二人を押し留めている。
それは、自分と打ち合っていたときよりも更に速く、セイバーが連撃ならば、
こちらは総てが一繋がりの動作といえよう。
アーチャーも負けてはいない、パワー、スピード共に、明らかに劣るのだが。
それでも彼はついて行く、どこか昔の教え子を彷彿とさせるその戦い方は、
たゆまぬ努力と経験と言う名の年月のなせるものなのだろう。


まるで違う三人の戦闘スタイルだが、それには共通して一種の『美しさ』があった。
先のSDFもそうだ、あの時硬直したのは躱されたからではない。

『矢除けの加護』『直感』『心眼(真)+千里眼』
この三人のスキルによる相乗効果の動きは、まるで完成した舞踏を見ているようだった。
それにナノハは──不覚にも──見惚れてしまっていたのだった。

無論ナノハとて、接近される前に大抵の相手は仕留められる自信はあるし、
なにより格闘には見切りを付けている。
86名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 10:12:32 ID:9hqoakQD
しえん
87調べ屋:2009/01/08(木) 10:14:00 ID:pYsSOoaG
向いていない事を研くより、見込みのある砲撃を研いた方が生存率も上がるし、助けられる人も多くなる。
──だが、それでもやはりこうも思ってしまうのだ

『羨ましい』と……

それは、なんの力も借りずただ己の肉体のみで成しえる奇跡、自分には決して真似のできない、危うくも美しい刃の舞である。

「──さて」
だが──、いつまでも見惚れているわけにもいかない。ここからは一発勝負の連続、
相手の土俵──接近戦での綱渡りなのだから。
「リインなら『分の悪い賭けは嫌いじゃありません』
……とでも言うんだろうけどなぁ、確実に百年は後だろうけ‥ど‥‥」
と、自分で言って思い出した。

──そうだ、未来(さき)を護り創るのが、私の役割。
はやてちゃんの未来を繋ぐため………ヴィヴィオに未来をあげるため

「負けられない。……スバル、軒を担がせてもらうよ」
呟き、右腕のコンソールに表れる文字は──
『ディバインバスターA.C.S』
(ランサーさん、いつでもどうぞ)
そしてこの戦闘での相棒に念話を繋ぐ。
返事はない、必要もない


──さあ、
「こい……!」

──たった一人でセイバーとアーチャー二人の足止めをするランサー
三つの異なる軌跡が頭を、首を、腕を、胴を、足を的確に狙ってくる。
だが彼はその全てを、守り弾き、散らし、往なし、躱す、
それは、彼らしからぬ『守り』の戦い。耐えに耐え、堪えに堪え、ついに待ち望んだ『声』が頭に響いた。

(ランサーさん、いつでもどうぞ)

「──やっときたか、待ちくたびれたぞ」

ニヤリと笑い呟くと、セイバーをある方向へと受け流し、もはや眼中に無いと言わんばかりに、アーチャーとの殺し合いに没頭する。

「──────?」

今までとはまるで違う対応に、意図が読めず困惑するセイバーだが──

「──なるほど、そういうことですか」

見れば視線の先にはキャスター──ナノハが、右腕に大量の魔力を宿しこちらをうかがっていた

「真っ向勝負、というわけか、……いいだろう、受けて立つ」
剣を構える。構えは──下段、先程の小細工など関係ない、小細工ごと叩き斬る。
「セイバーのクラスの名に掛けて──ゆくぞ、キャスター」
そしてセイバーは、音よりも速く踏み込んだ──


──来た!

セイバーが構える、どうやら真っ向勝負に乗ってくれたようだ。
88調べ屋:2009/01/08(木) 10:15:03 ID:pYsSOoaG
「──一撃必倒」
手に足に桜色の羽根が出現する。
そして待つこと数瞬──
セイバーが、踏み込んできた!
その速度はまさに神速、真っ正面から一直線にこちらへ突撃する姿は、
小柄な体躯と合わさって、もはや『点』としか認識出来ない。

──だが、『真っ正面』からの『点』の軌道なのだ、ならば──
彼女の『眼』が捉えられぬ筈が無い!
セイバーの剣が振り上がり、ナノハの身を両断せしめんとするその刹那──

「ディィバイィィィン、バスタァァァ!!」

カウンターの要領で彼女は主砲をブチ込んだ──


音よりも速く踏み込み、振りかぶるセイバー、相手の右腕の魔力の事など気にせず、
一気にカタを付けるつもりなのだろう。自信過剰ともみえる選択だが、
彼女には大半の魔力攻撃が通用しない上、先の戦闘で相手の技量は見切っている。
──全力の一刀ならば一撃でカタが着く!

そう判断し、踏み込む。もし先程の小細工があっても
そんなものは関係ない、小細工ごと叩き斬らんとする斬撃である。

「ディィバイィィィンバスタァァァ!!」

こちらが振り下ろすと同時に大量の魔力が一塊となって、右拳から撃ちだされる。

──無駄な事を、魔術では私には届かない……。

だが、セイバーの予測とは少し違っていた。
確かに『セイバー』にはナノハの魔法は大半は通用しない。
だが──
(──────!?)
──彼女の持つ『剣』にならば話は別である
ナノハの狙いは最初から剣、セイバーの剣はナノハの主砲の、
……そのあまりの魔力量に止められていた。

拮抗する両者、ならば剣を抜けばいいようなものだが、現在の状況は、例えるなら
激流の中に剣を突っ込んだ状態であり、下手に動かすと剣を持っていかれかねない。
故にセイバーは動けない。だが、それはナノハも同じこと。激流の向きを変えてしまったら、
今度こそあの一刀は防げない。つまり、両者とも引けず膠着状態──

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

この状態を打破するため、自らの攻撃を押し込む両者、そして──

ぶあっ!!

突如爆発的な風が巻き起こり、二つの大きな変化が起こる。

一つはセイバーの剣があらぬ方向へと跳ね上がり、
もう一つは、烈風によって、二人の態勢に違いが生じたことである。

「─────ぬぅッ!」

風をまともに受けて上体が流れたセイバーと──
89調べ屋:2009/01/08(木) 10:23:19 ID:pYsSOoaG
「─────くぅっ!」
風を受け流しなんとか踏み止まったナノハ、風の理由は分からない。

だが──!

──ここしか、無い!

踏み込み、タックルをしつつセイバーの腰に抱きつき──
「A.C.S、ドライブ!」
『A.C.S』

ぎゅん!

「ぐ、うぅ─────」
A.C.Sの加速突撃でそのまま宙へ押し上げた。

──上空三百メートル付近──

──これは、マズイ

先程まで居たナノハが、いきなり自分を放り出したのが、ついさっき。
未だ惰性で上昇を続けているものの、このままでは地面に降りるまで、完全な無防備である。

──くっ、この間にアーチャーを仕留める気か?……それにしても先程の風はいったい……?

などと考えつつ着地に備えるセイバー、着地後は宝具の使用も辞さない覚悟で

──いや、最悪士郎だけでも、なんとか逃がす方法を……

と、そのとき彼女のスキル『直感』が警鐘を鳴らす。その直感に素直に従い剣を真横に振ると──

ガキィイン!

と手応えと金属音が帰ってきた。何事かと目を見張ると自分の周囲に金色の物体
──ナノハのオプションビットである──が、周りを廻っておりさらには、
ナノハ本人も悠々と追い掛けてきた。そして、まじまじとこちらを見ると──

「形は『視えて』いたけど……ふぅん、凄い剣だね」
いきなりそんなことを言ってきた。

──なっ!?

急ぎ己の剣を見れば、風の鞘は消え、光り輝く刀身が剥き出しになっている。

──そうか、先程の風は‥‥風王結界のものだったか

「簡素ともいえる拵えに、美しささえ感じさせるその風格、私が知っている剣の中でも最高ランクだよ」

──まずい……

「さっきの風は見えなくするための‥‥結界?みたいなものだったのかな?
……最高ランクの上に、隠さなきゃいけないぐらいの有名な剣。とくれば……」
90調べ屋:2009/01/08(木) 10:26:46 ID:pYsSOoaG

──くっ、真名を……?

焦るセイバーをよそに
「──私以外には分かるんだろうなぁ。」
残念そうに呟くナノハ

──何?……分からない…のか?

と、ここで上昇の頂点に達したようだ、一瞬空中に静止し、そのまま落下を始めた。
徐々に離れていくナノハとの距離、そのときナノハが何かを囁いた、
それは、よく聞こえなかったが、最後の言葉だけは聞き取れた。
「───────ごめんね」
何のことだ?と、思った瞬間、周りを廻っていたビットが、一斉にこちらへ突っ込んできた。
こちらへ殺到するビット、その一つを弾いた間に、残り二つのビットは視界から消え失せた。
完全に見失ってしまったが、しかしセイバーの直感は、次の攻撃をの位置を看破する!

「──後ろか!」

その予測通りに剣を後ろに回すと、確かに何かぶつかった手応えと、

カァァァン!という金属音。

防いだ!と確信したその瞬間、今度は横手から衝撃が来た──

──想像してみて欲しい、ろくに身動きも取れない空中で、三つのビットが、
あらゆる角度からかなりの速度で激突してくるのだ。いかな陸の王者といえど、足場もない空中では、
躱すことも、受けとめることも出来ず一方的にやられてしまう──

──筈なのだが、

「ふっ!」
「くっ!」

白と蒼が交差し一瞬の火花が生まれる。

──まずいなぁ、段々合わせてきてるよ。……ランサーさんといい、
ほんと、呆れる位の格闘センスだね。……空戦のセンスもあるんじゃないかな?


そう、最初こそ慣れない空戦に一方的にやられはしたものの、徐々にタイミングを掴み──

ギャギン!「──はっ!」「うそぉ!…っとぉ、」

弾いたビットを足場代わりにナノハに切り掛かってきたのだ。
それがどれほどの荒技かは、ナノハの発言が証明している。

──彼女は相手がどんな力を持っていようと、自分がどんなに不利だろうと、ポーカーフェイスは崩さない、
元来、彼女が英霊として扱われたのはただ単に、オンリーワンを持っていたからにすぎない、
その時代のその場所に在るはずのない魔導技術──ミットチルダ式魔法と砲撃魔法さらには空戦での実践ノウハウ
言い方は悪いが、それが在ったからこその神格化。信仰対象である古代ベルカ聖王家の中でも別格の扱いを受けているのであり
彼女が本来の世界、本来の時代で一生を終えた場合、英霊と成りえるかはその生涯の功績しだいである。
──そして誰よりもそのことを知っているのもまたナノハ、故に彼女にとっては、相手は自分より上で当たり前、
たとえ想定外の存在でも、驚きこそするものの顔にはださず、ごく自然に受け入れ、打倒する策を考える、
91調べ屋:2009/01/08(木) 10:29:27 ID:pYsSOoaG
だから彼女はポーカーフェイスを崩さない。そんな、相手に情報を与える暇があるのなら、全て思考にまわす──
それが凡才の身で在りながら英雄として扱われた者の、本物の英雄に対する術とばかりに──。
だが、その彼女が──顔に出した、それこそがどれほどの体術であったかを如実に表している──

その後も、ビットで攻撃するが、その度に、ことごとく足場代わりにされ、
最早ビットは足場を与え、回避や攻撃に利用されるだけと悟ったか、ビットを仕舞い、
ナノハ自身の体当たりに切り替える。その動きは、まさに空戦の妙技、並みの相手ではなぜ攻撃が当たらず、
いつ攻撃をされたのかも分からぬままに撃墜される。それほどの卓越したマニューバである。
だがそれを──セイバーは──当ててきた、恐るべきはセイバーの直感とセンス。もっとも本人は──

──当てるだけで手一杯か!くっ、地上であれば既に切り伏せているというのに……、
こうなっては、アーチャーの援護に期待したいところだが……

チラリと地上の様子を見るが──

────────────────────────

──カン!キン!

と、小気味のいい音を発しているのは、陰陽の夫婦剣と朱色の魔槍
「どうした!?上の様子が気になるかよ!」
「そういう君こそどうなのだランサー、先程から随分上を気にしているようだが──」
「はっ、抜かせ!」

カン!カン!キキン!ヒュン……!カーン!カカン……!

──アーチャーはアーチャーで、ランサーと戦闘中であり、援護は期待できそうにない。

──仕方がない、何とか凌ぐしかない。か……

と、不満そうであったが。
その後も、二度三度と交差するが、最早双方、ダメージらしいダメージは与えられず、またしても膠着状態になってしまった。

──このままじゃジリ貧だね、『空戦出来ない』なんて、侮ったのはこっちの方、か……それなら!
「少し痛い目に合ってもらうよ──地面に叩き落とす……!」

──何か仕掛けてくるか?

そう思った理由は簡単だ、ナノハが自分の正面──地面と垂直の位置に移動したからである。
(つまり現在セイバーは背中から落下している。)
ナノハはセイバーと向き合い、魔方陣を展開、身体中に羽を展開しこちらへ突っ込んできた──!

────────────────────────
92調べ屋:2009/01/08(木) 10:31:01 ID:pYsSOoaG


セイバーを正面に捉えナノハは勝負を仕掛けるため、かつての親友の切り札を発動する。
「いくよ、セイバーさん…Get Set.偽・ソニックフォーム!」
『Ready.』
瞬間、マントが消え両足首の他に両手首に、そして背中にはX字を描くように羽が生え、
ツインテールとなった髪型の髪留めの位置からも羽が生える。
これぞナノハの高機動フォーム、装甲はそのままにフィンの数を増やし、
機動力を強化した、『偽・ソニックフォーム』である。

────────────────────────

──一直線にこちらに突っ込んでくるナノハ、展開した羽の所為なのか、その速度は先程の比ではない。
──しかも、
「──ト、バスター!」
聞き取れはしなかったが、桜色の閃光が眼前一杯に展開される、この期に及んで通用しないのは
ナノハにも分かり切っているはず、とすれば目眩ましか、

──だが!
「もらったぞ、キャスター!」
その程度でタイミングを損ねる程、この剣の英雄は甘くない!
聖剣は吸い込まれるように伸び──守るようにかざされていたナノハの右腕を半ば切り裂き──そして停止する。

「バカなっ!?」
「取ったぁぁぁあああ!!」
驚くセイバー、吠えるナノハ。

──ナノハが吠える、生前の彼女を知っているものなら、まず間違いなく耳を疑うであろう。

──先程どんなことでもポーカーフェイスを崩さない。と、書いたが
一つだけ人並みに感情を表すことがある。(それでもかなり冷静だが。)
それは『空戦』何故ならば──それは彼女の唯一絶対の、本物の誇りであり──空戦では──
空の戦いでは、たとえどんな相手でも、負けるわけにはいかないのだから──

左腕でセイバーの顔面を鷲掴み、剣がめり込んだ右腕は、それでも正確に命令されたことを実行する。
『フラッシュムーブ』


──アクセルフィンに魔力を追加することによって、瞬間的な高速移動を可能とする魔法
『フラッシュムーブ』
それを、フィンの数が大幅に増えているこの形態で使うとどうなるか?

答えは──

ドン!

──空気の壁を突き破るほどの爆発的な加速力得る。だ!

93調べ屋:2009/01/08(木) 10:32:14 ID:pYsSOoaG
本来の『真・ソニックフォーム』とは、装甲を削り軽量化することで機動力を確保するが、
それゆえバリアジャケットの防御力を著しく劣化させてしまう弱点(というか特性)も持っていた。
だがナノハは出力を増やして速度を稼ぐ、防御力の低下はない、機動力、俊敏性ではオリジナルに劣るものの、
こと加速と、トップスピードに於いては、オリジナルと同等、ないし凌駕する!

音速の壁を突き破ったナノハは一秒と掛からずセイバーと共に、地面へと落下し──

ドーン!!
「がぁ、ぁ、ぁ………!!」

セイバーを背面から地表に叩きつけ、鎧を砕き更に──!

ズガガガガガガガガ!!

──そのまま引きずりながら、地面を砕きつつ直進──

ドカッ!!

「うっ!?…ッか……!」
──していたナノハの腹部に音をも踏み抜く脚力での蹴りが入る。着地の衝撃でガタがきていた
バリアジャケットは、衝撃を抑えきることが出来ず、ナノハは大きく吹き飛ばされた。
────────────────────────

未だ打ち合いを演じている二人だが、どこか別なところに注意を払っているようで、ついには鍔迫り合いにまでなってしまった。

「たっく、てめぇ!やる気あんのか!?」
「それは、私の台詞だがな、ランサー。私はただ、タカマチの砲撃を警戒しているだけだ。──生前食らったことがあるのでな」
「……俺もさっき食らったが──肉をヤスリで削られるような感覚だったぞ。どういう魔術だアレ?」
「ああ、タカマチの魔法は非殺傷設定だろうからな、人間は昏倒程度で済むだろうが、英霊にはその様な効果になるのだろう」
「──やけに詳しいな。…ナノハのこと知ってんのか?」
「生前に食らった。…と言っただろう。少なくとも街の住人から魔力を奪う、
などといった、器用な真似など出来ない。…と、知っている程度には面識がある。」
「じゃあなんで止めなかった…って、聞く必要はねぇか。──サーヴァントなら…」
「ああ、戦うだけだ」

そのまま鍔迫り合いを続けるアーチャーとランサーだが……

──「取ったぁぁぁあああ!!」
94調べ屋:2009/01/08(木) 10:34:03 ID:pYsSOoaG

その声を聞いた瞬間、二人は見事なまでに同じタイミングで、その位置から飛び退き──

ズドン!ズザァァァァァァァァァ!!

その間をナノハとセイバーが滑っていった──

と──

ドカッ!

鈍い音をたててナノハが吹き飛ばされて地面に転がり、セイバーはそのまま地面を滑り──

ズガン!!
「がっ……!!」

木に激突した──

ランサーとアーチャーは直ぐ様フォローに入るべく、それぞれのパートナーの下へ駆け寄る。

「ごふごふ‥は‥ぁ‥ぁ‥ぁ‥‥‥」
「っ〜〜〜〜〜はぁ、はぁ……」
駆け付けたパートナーに守られながら、なんとか立ち上がる。だが、
──双方、受けたダメージは、決して小さくはない、セイバーは鎧の至るところにヒビが入り、
特に背面は完全に砕け衣服どころか素肌までズタズタになってしまっている。落下の衝撃か、内臓にもダメージがいっているようだ。

一方のナノハの方はバリアジャケットのおかげで着地の衝撃こそ、最小限に押さえることが出来たが、
セイバーに蹴られた腹部を押さえている、そして何より──
「──機械の‥腕‥でしたか。成る程‥道理で‥ああも‥簡単に‥腕を‥盾に‥出来るわけ‥ですか。メイガス。」
「いやいや‥この腕は‥特注品でね‥きちんと‥痛みは‥感じるん‥だよ?感覚は‥カット‥出来るけど‥ね。
そっち‥こそ‥あの‥速度で‥叩き‥つけ‥られて‥よく‥しゃべ‥れるね」
回復の時間を稼ぐためか、会話を始める両者。そしてセイバーを剣を受け止めたナノハの右腕、
落下の衝撃か、剣がめり込んでいたところから大きく抉れ、内部機構が剥き出しになってしまっていた。

──それにしても……
「はぁ、はぁ、──一つだけ聞かせてほしい、メイガス。何故無関係な街の住民から
魔力を奪うのか、貴女ほどの者ならそのような真似などせずとも……」
セイバーはどうしても納得が出来なかった、この騎士の魂と魔術師の狡猾さを併せ持つ様な相手が、
何故無関係な街の住民から、魔力を奪うなどという非道な真似をしたのか。

果たして──ナノハは──セイバーの台詞に、ぽかん、とした顔の後……
「ふ、はははははは!」
95調べ屋:2009/01/08(木) 10:35:59 ID:pYsSOoaG
何故か笑い始める。
「な、何が可笑しいのです、メイガス!」
「はははは!──はぁ、はぁ、……いや、ごめんね?そういえば、その理由で戦ってたんだよね、ふふふふは」
(おいおい、忘れてたのかよ……)
(まぁ、タカマチらしいと言えばらしいが……)
(……………………)
絶句する三者をよそに、ひとしきり笑った後──
「まず答えますセイバー、私は誓って、無関係な街の住民から魔力を奪ってはいません。」
不意に口調を変え雰囲気まで変えて、話し始める。
「──その話、信じる証拠は?リンは──アーチャーのマスターはこれは間違いなくキャスターの仕業と言っていたのだが」
目付きが鋭くなり、如何なる虚偽も許さないとばかりにナノハの目を見るセイバー。
「確かに、街の住民から魔力を奪う。どの程度の規模かは知りませんが、
『連続昏倒事件』と呼ばれる程ならかなりの規模なのでしょう。
そんな芸当が出来る者は、キャスター以外のなにものでもない筈」
「──?……では、矢張り貴女ではないのか」
「いいえ、何故なら──私はキャスターではないからです」
ナノハの台詞に思わず叫ぶセイバー。口にはしないものの、アーチャーも顔に動揺が滲みでている。
「バカな!それほど卓越した魔術のウデ、それこそキャスター以外のなにものでもない!」
「それでも、私はキャスターではありません。何故ならば──私は今日召喚されたばかりの、イレギュラーな英霊ですので」
「……イレギュラー?」
「……詳しい話はマスターを交えてしましょうか」
そう言うと、ナノハは凛と士郎を降ろし、はやてに念話つないだ──

96調べ屋:2009/01/08(木) 11:00:25 ID:pYsSOoaG
「ムハハハハ」は流石に洒落にならないので「ふ、はははは」で勘弁してください。

──というわけで、修正前はいろいろお騒がせしておいて、懲りずに修正版です。

ナノハは強いままがいいという意見があったので、セイバーさんに根性で頑張ってもらいました。
あと、短くするために文章から省いていたランサー、アーチャーをちょこっと入れて、
ナノハのポーカーフェイスの理由も追加(これはぶっちゃけ後付k)
セイバーがゲイボルクで腹をぶち抜かれたのを、すぐ治る通常の傷へ変更

修正点はこんなところでしょうか。

ナノハの格闘能力については、古代ベルカ聖王家時代に鍛えた、ということで、どうか一つ。
(勿論それでもセイバーは愚か、アーチャーにも、(スキル、魔法なしの)純粋な格闘ではまず、勝てないレベルなのですが)
「これは『ナノハ』というオリキャラだろ」
という意見に関しては反論出来ません。
ですが、『ナノハ』が『なのは』に少しでも近づく様に努力していきたいと思います。

では、出来るだけ近いうちに──
97名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 13:39:53 ID:7qt4MnoW
GJ!
アーチャーとは一度会っていたのですか、面白いですね。
士郎も磨耗してかなり変わったし、ある程度の変化は仕方ないかと。
それと自分は、まがりなりにも非殺傷設定を使っていたのも、なのはらしいかと思いました。
98名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 15:02:20 ID:OgaDoRj9
GJ
戦闘の内容はかなり良くなってます  あとは、

セイバーの士郎を呼ぶ時の呼称→シロウ

確かに譲れない理由があるとしても
「取ったぁぁぁあああ!!」はやはりなのはらしくない
「取ったよ…」 「取った!」辺りに抑えておけばよいかと

前回(修正前)は、なのはっぽさに関してはほぼ良かった
ならベストな修正は、英霊達をもう三段階ほど傲岸不遜にする
なのはが何をしようとこの段階の戦闘では眉一つ動かさない
この域での意地の張り合いにするのがベストな修正

と感じました
前回、良い部分は賛美したので今回は少し偉そうな事を
それだけ期待してるって事です  ともあれ続き期待してます
99名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 15:53:48 ID:J0q1fPYk
改善が9割の中に前の方がよかった部分が一割という感じか

こうなると一割が勿体無いけど
wiki全取っ替えするのかね?
100名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 17:00:20 ID:C1XQ7nYb
GJ!!!
ナノハ=キャスターじゃなかったのか・・
じゃ、聖杯戦争におけるセオリーにも堤外しないですね

いや、三騎士>>キャスターという括りからすると
それを圧倒するナノハは凄いなぁと思ったもので
101名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 18:09:41 ID:9hqoakQD
>>96
GJ!

なのはがイレギュラーだとするとクラススキルは何かね
盾のサーヴァントや旧・征服王みたいな奴なら対魔力を持ってそうだ
逆に、アヴェンジャーならクラススキル無しもあり得る?
102名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 18:41:44 ID:J0q1fPYk
ところで作品のラインナップも充実して来たが、正直これ連載続いてるのか?って作品もちらほらあるのだが・・

執筆中断したり諸事情で連載出来なくなったら
出来ればその旨報告するか、シリーズ連載終了の項目に自分で写すようにしてくれると助かる

書き捨てだけは止めて欲しい
wikiの整理がつかなくなるので・・
103名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 19:26:46 ID:C1XQ7nYb
>>101
クラス「魔王」でイスカ、セイバー、ギルと
四者王様会談に臨むとかどうかね?
104名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 19:49:02 ID:9hqoakQD
魔王w
対魔力はなし、呪術・精神干渉の無効化とかカリスマとか
むしろ弱点なくなってきた

王の怪談は庶民派の意見を真正面から言って欲しいな
105名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 20:14:29 ID:BXF1P++E
>>70
とらいあんぐるハート大事典(ttp://www.remus.dti.ne.jp/~tak-chan/
で月村、綺堂、氷室、夜の一族なんかを見てみるといいかも。
>>96
投下乙!
前回よりもよくなってると思います。
ただ文中で(それでもかなり冷静だが。)みたいなのは入れない方がいいんではないかと。
十分地の文で説明できることだと思うので。
>>102
まとめである以上、書き捨てになっているのも乗ってて当然とは思いますが、
wikiの整理ってのは長編の連載中と更新停止を分けたいってことですか?
まあ実際途中で中断ってのはよくある事ですからね〜。
報告あると助かるのは事実。
そういうの考えると、wikiのタイトルに最終更新日時なんかも乗っける方が利便性いいのかもね。
106名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 20:36:16 ID:J0q1fPYk
>>105
項目に長編と長編、シリーズ物完結の項目があるから
中途断筆された作品は取りあえず完結に入れるということで

本当はきっちり完結させたものをそちらに移動するというのが美しい流れなんだが
107名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 20:46:09 ID:nXgLGEK9
某所では沈黙3ヶ月でカテゴリーが『停滞中の作品』に移されてたけどな
108名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 22:49:41 ID:gWbd1n3B
>>104
庶民派意見か……会談から主にギルによって叩き出されそうだぞw
王足りえるかって言われると微妙だし。
戦闘能力や戦い方が凄くて敵から魔王と呼ばれても、
それは王の器とは別問題だから会談に呼ばれもしないんじゃないか?
109名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 23:07:01 ID:7qt4MnoW
セイバーは聞きたそうな感じがする。
110名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 23:10:34 ID:KuYjgRxB
なんでこんなところに呼ばれたんだろうと悩むなのはさん
何か勘違いしてやたら持ち上げるギル
111名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 23:50:12 ID:BXF1P++E
>>106
なるほど。
確かに完結、あるいは中断カテゴリに入れたほうが見やすいですね〜。
>>107
何ヵ月くらいからが停滞になるんでしょうねー。
それも結構難しい問題なような。
>>108
むしろ王繋がりでヴィヴィオを参加させて……と思ったけど、まだ年齢的に幼すぎる。
はやてなら庶民派か、とか思ったがどっちも統治経験ないしなあ……。
112名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 00:24:09 ID:cW14+0vp
ギャグだと、夜天の王、冥王、聖王で会議できるw特別ゲストは型月の王様たちと聖王の義母の魔王で。
シリアスというか若干アンチが入るんだけど、
STS後のヴィヴィオの扱いってどんな感じなのだろう?
陛下と呼ばれるのがあんま好きじゃないのと司書しているって噂で聞いたけど(間違っていたら申し訳ない)、
いざという時は聖王教会を動かせるのか?
もし動かせるなら、ギルあたりに王の力の使いかたとして正しいとか言われそう。
国は王のもの、好きな時に力を好きなだけ使うのは当然。とか言われてあまり王であることが好きじゃなかった癖に、
権力だけは利用している自分に気づいてショックとか。
113名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 00:26:55 ID:Utk99Fn9
原作ではヴィヴィオの立場ってはっきりしてないよな

俺は協会の象徴といった立場で権力はほとんど無いと思っているんだがどうだろう
114名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 00:42:38 ID:f63+/CdF
>>112
SSXではまだ聖王としての業務は一切してなかったような。
教会を動かせるような状態では無かった筈。
115名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 00:51:58 ID:cW14+0vp
そうなのか。
昔見たnanohawikiの紹介欄で年若き聖王陛下って書いてあった気がして、
無理を利かすぐらい出来るかなと思ったんだ。
それで、設定で陛下と呼ばれるのが好きじゃないってのと仮に無理を利かすことが出来たなら、
王であることを嫌がるのに都合のいい時にはその王権を使うって進化しちまって。
116名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 07:51:54 ID:UxjtlYNi
SSX聞いた感じだとなんか公正組みのナンバーズが陛下陛下呼ぶからそれがあだ名になっちゃったみたいな印象を受けた。
117名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 10:56:10 ID:lwxODrfp
王権使おうとしたら、カリムとアイナさんとシャッハとなのはさんから囲まれて怒られそうだw
118名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 15:18:59 ID:bR98X6Lz
なのはさんの王道か。「壊す」じゃね?
119名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 15:41:35 ID:STITD4g5
ネタだと分かっていてもなのはが王はねえよww
120名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 15:45:07 ID:AZaU8PZ0
昔、マガジンに『破壊王ノリタカ』という漫画があってですね……『破壊王』と言う二つ名が許されるなら、それはなのはさん以外にありえないと愚考するのですよ。
121名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 16:52:24 ID:t3jsjyOy
民衆を束ねて導く人物という意味での『王』は今のところリリなの側ではいないからなあ
かつての聖王は該当するかも知れないが、さすがに今のヴィヴィオにそれを求めるのは酷か

リリなの側には政治的取引をする人はいても政治をしている人が出てきてない気がする。
122名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 17:08:27 ID:/z6shCTi
>民衆を束ねて導く人物という意味での『王』
レジア(ry、一番近くて博士か、
しかしリリなのには七人の女を手ごめにしたナカジマ夜王がいるッ!
123名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 18:52:07 ID:bR98X6Lz
レジアスは王ってより将軍じゃね?
124名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 18:57:01 ID:Utk99Fn9
1人で内政から軍事、外交までこなさなければならないとしたら王じゃないわな
125名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 19:04:30 ID:f6lhcnhw
王ったって色々いるからな
項羽も王なら劉邦も王

ところで昨日も少し聞いたんだが
調べ屋氏の新作は第六話の手直しということで上書きして載せて良いですか?
旧作は失われるけど・・
126名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 19:31:06 ID:xUy+uSek
>>122
博士は自分から進んで生け贄になって時代を動かしたいってタイプだから王とは違うんじゃね
127名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 19:44:02 ID:cW14+0vp
科学者でや、革命者の面を持つ、そして愉快犯でもあるw
128調べ屋:2009/01/09(金) 20:05:29 ID:vchqgkLu
>>125
はい、上書きでお願いします。
129名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 20:40:21 ID:UxjtlYNi
>>117
4コマでそんなのあったな……w
130名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 22:26:41 ID:ZBPCGL01
ところでセイバーのエクスカリバーを横取りすることは可能ですか?
131:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 22:41:21 ID:6qR+wp4N
それってギャグでするんだよな?
シリアスはさすがにやめといたほうがいいような・・・・・。

132名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 22:42:30 ID:YrSCsyv8
奪うだけなら可能じゃない?
使いこなすとしたらランスロットでもつれてくるかスカ博士にアルトリアクローンでも作ってもらうしか
ないだろうけれど
133名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 22:48:42 ID:Utk99Fn9
アルトリアクローンはネタとしておいしいな
セイバーから奪ったエクスカリバーをもつアルトリアクローンに投影カリバーンで挑むセイバーとか
134名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 22:58:10 ID:STITD4g5
モードレッドですね、わかります。
135名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 23:17:22 ID:n8Z1zp4A
その辺は魂の問題になりそう
アリシアのクローンであるフェイトは利き手から性格まで別人だったみたいだし
戦闘機人もノーヴェとかレアスキル狙いでクローン培養されたタイプがいるけど
唯の剣としてはともかく真名開放はできないんでない?
136名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 23:20:09 ID:TJz89NFU
>>118
それじゃ二つ名が「マジックガンナー」になるぞwww
137名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 23:23:32 ID:nF4LPEYi
そういえば、カリバーンやエクスカリバーは通常状態でも光を放ってるんだよな
風王結界がないと目立つ?
138名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 23:39:15 ID:t3jsjyOy
>>137
あれは発動前だからじゃなかったのか……?
じゃなきゃ溢れ出る王気か何か
139名無しさん@お腹いっぱい:2009/01/09(金) 23:41:25 ID:Ss9v5bwt
>>136
なのはだから似合わなくもないな、その二つ名ww
140名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 00:00:02 ID:xEjpdNHb
マジック「ガン」ナーというよりは、マジカル「カノーネ」のほうがらしい、気がする。
141名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 00:00:06 ID:7+Daiiz4
>>130
zeroでランスに白刃取りされた際やべぇ奪われる!とセイバー超焦ってたな
142名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 00:06:07 ID:boq3Q09t
>>140
魔砲少女と申したか
143名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 00:22:19 ID:brWJSKPP
すると、なのは(19)は魔砲女か

>>138
カリバーンの絵の脇に
「本編のエクスカリバーはライトセイバーばりに光ってるが、カリバーンはぼんやり程度」
みたいなことが
144名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 00:37:23 ID:GLKZ/jF1
二つ名取られた青子に壊されるぞwww
145名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 01:55:24 ID:GX3hEuI6
ガチの青子ってどんぐらいだろ・・・SLB級は出せるよな
146名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 02:07:00 ID:CsqD2g1q
>ガチの青子ってどんぐらいだろ・・・SLB級は出せるよな
SLB級のを出すかどうかはわからないが
強さで言えば人間止めてるやつとかサーヴァントとガチでやりあえる
147名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 03:15:20 ID:brWJSKPP
青崎さん家の青子さん

対アルクでは勝率三割に加えて、やって欲しくないことができる可能性(アルクの苦手なものに時間がある)
火力系Bランク宝具サーヴァントにガチンコで戦えるキャラの一人

と、かなりの強者らしいが
「某青崎も本気キャス子には敵うまい」→火力はキャスターの下?
との憶測もある

148名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 03:36:13 ID:O1sUHHnb
というかキャスターの火力が凄すぎると思った方がいいんだろうなあ。
鯖っても神代の魔女だし。
あと青崎の「魔法」の効果が対個人くらいの狭い範囲なのかもしれない。
149名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 03:43:01 ID:yabGxJLN
キャス子は五次鯖の中で人間相手なら最大の被害を出せるとかだし
150名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 04:25:03 ID:brWJSKPP
そして最悪でもある
……魔法少女にはなれねぇなあ
151名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 04:32:11 ID:O1sUHHnb
微妙に関係ないが、今月号のぱれっとで磨伸氏の書いた氷室の天地の中で、
カードゲームを慎二とするという話しがあったが、その中のガードに魔女メーディアというのがいて
キャラデザインが可愛かった。
なんというか、魔法王女で。


「実の弟を切り刻み魔法発動!」
152名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 04:50:19 ID:ynhyxh+t
青子さんと燈子さんの姉妹喧嘩は都市か町を一つ滅ぼすくらいらしい。
>>150
昔は可愛らしい少女だったのさ、葛木といるときはある意味少女だし
153名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 09:26:22 ID:b9wh8qJx
魔法奥様でいいよ
154名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 09:40:01 ID:MbJ/oxec
……奥様は魔女
155名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 12:36:39 ID:oyvw0E7m
キャス子は仮に火力で劣っていても、術の豊富さと発動スピードが凄いから、
いろんな術を使い手数で押すってので攻め続けて倒すとかも出来そうだしなぁ。
負けそうになれば、空間転移で逃げて呪えばいいw
156名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 13:12:49 ID:b9wh8qJx
そうか丑の刻参りしやすいように寺に住んでいるのか

自分で言って嫌な解釈だ
157名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 14:27:43 ID:boq3Q09t
>>156
霊地で深夜に呪いの儀式を行う魔j…女魔術師
様になると感心するがどこもおかしくはない
158名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 14:56:10 ID:oyvw0E7m
葛木に色目を使う雌豚ども(かなり間違いなキャス子主観)を、
日本式のやり方で呪うのかw恨めしい……自称魔法少女の小娘どもめッ!とか?w
159名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 15:10:30 ID:PY+Kinco
それどこのアリス・マーガトロイド
160名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 18:41:22 ID:Nf2IL1Fl
想像してみた。こええ。魔女って言われてもしゃあねえよ。
161名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 19:25:14 ID:KKkJujsD
それ以前に葛木に色目使う女の趣味がワカらん
162名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 19:40:45 ID:zl/NmJn3
ホロウの葛木先生は良いキャラだったなぁ
「…いいからもう行きなさい。君はこんな所にいてはいけない」は泣いた
163名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 20:06:29 ID:oyvw0E7m
スバルとギンガが蛇に興味を示して、葛木と話をしているのをキャス子が目撃とかw
164名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 20:30:38 ID:A1OmcHIM
意外とはやてとかは葛木とかに馴れ馴れしくしそうなイメージが…なんとなく。
165名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 20:43:59 ID:oyvw0E7m
なのはの小学校の先生が葛木先生だったら無印やA,sに介入できるかね?
無印は無理か、人間相手じゃない場合が多いし。
ヴォルケンが相手の場合、ヴォルケンや勇者王が他かが一般人と舐めてくれていたら、
蛇が炸裂できそうだけど。単身赴任でキャス子とくれば問題ないかw
166名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 20:56:15 ID:oyvw0E7m
うぉ、すまん意味わかんない文だ。
ヴォルケンと勇者仮面とかが一般人と舐めてくれていたら蛇が炸裂しそうと、
転勤でキャス子と来ればいいだ。
167名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 20:57:24 ID:zl/NmJn3
>>163
ちなみにタイころでは先生の方からダメットの格闘術に感銘を受けてたなw

>>165
厳しいけど実直な性格ゆえに生徒人気は高いという設定だし案外溶け込めるかもね
特に恭也達とは
168名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 20:58:31 ID:A1OmcHIM
まあ無印から混ぜる手としては、海鳴に産休か何かの代理で聖祥付属の高校にきて。
そこでジュエルシードの事件に巻き込まれるとかで。
まだ未熟な魔法少女たち相手ではキャス子無双になるかもだから、葛木を守る鯖は小次郎先生だけで。
キャス子たちはなんか冬木で事件があって忙しくてこっちにこれないとかで。
当然、冬木の事件は本編より少し早く始まっていた闇の書事件とかで。
冬木を舞台にしたヴォルケンリッターvsカレイドルビーの戦いが繰り広げられていたりするんだよ!
169名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 21:03:41 ID:b9wh8qJx
スタート時点でキャス子をジュエルシードの餌食にしてマスコットにしてしまう

あるいは実はとんでもなく強かったプレシアママン
キャスターを捕まえておけば先生も介入する理由になるしな
170名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 21:11:49 ID:4jbX5QIF
>>168
さらにその裏で、学校の先生方から
「あの人、あのガス事件が起こった学校から来たんですって……」
「おいおい、大丈夫なのか? そんなトコの教師なんかよこして」
「この学校で事件なんか起こしてもらいたくないね」
とかいびられながらも、一人黙々と仕事をし生徒から慕われる葛木先生であった。
171名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 21:13:40 ID:boq3Q09t
プレシア女史はなぁ……次元越しにあの精度と威力の雷撃ですぜ?
個人的には、健康体、もしくは若い頃ならシリーズ最強クラスだと思ってる。
リィンT、生前のゼスト、最盛期のリンディあたりと並んで
172名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 21:25:02 ID:A1OmcHIM
ゼストは…どうなんだろうなあ。
まあそこらのランクづけはさておいて、プレシアママンが鯖を超える超魔力があったとしても問題は無いな。
それくらいでないとラスボスは張れないし。

>>170
妻がくるというので甘いものを買おうかと翠屋に行き、高町家と遭遇とかね。
そしてその買い物の帰り道でジュエルシードに遭遇。
キャス子さんは急用でこれなくなっていたので、守護につけていた小次郎先生がでてきて、そこでなのユーとバッティングする、と。
173名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 22:04:32 ID:oyvw0E7m
>>167
そうなのか、シューティングアーツや蛇などの戦い方や技術の話をお互いにしているのとか読んでみたいw
あとは高校教師だからありえないかもしれないが、なのはの家に家庭訪問に行ってなのはパパが、ちょっといぶかしむというか、
肉体などを見ると、格闘技なんてもんじゃなく殺人術の使い手で危険だと思うのに、相対してみるとそれを使うとはには思えないから?ってなるとか。
キャス子が道具作成スキルもっていたから、付けると体に強化魔術が自動で掛かる手甲か、
指輪とかあげないとヴォルケンとかJSに取り込まれたものとは戦えないw
174名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 22:13:28 ID:iXXoNHAs
>>171
生前のゼストはチンクにやられてたんだぞ
とてもそのラインナップと並べられる奴じゃない気が
175名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 22:14:46 ID:Nf2IL1Fl
プレシアvsキャスターのおばさん対決とか面白そうだ。
つか、ジュエルシード拾うのがキャスターでどうよ?
176名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 22:29:33 ID:oyvw0E7m
>>174
どうだろう?プレシアは典型的な遠中距離射撃タイプじゃないか?
離れているうちはかなり強いけど、近距離に持ち込まれると防御一辺倒になり、
いずれやられるってイメージがある。
>>175
今の生活が続く事が願いっぽいな、どう歪曲されて叶えようとするんだろう?
でも、キャスターならJSを見つけたら、詳しくは分からないがなんとなく危険なものと感じて、
制御下における仕組みをして何かするか、葛木の危険になるかもしれないから排除とかしちゃいそう。
177名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 22:38:36 ID:A1OmcHIM
>>174
強い弱いと勝った負けたをごっちゃにしていくと面倒だぜ。
疲れていたとか相性とかうっかりとかうっかりとかうっかりとか、負けに不思議の負けなしというが、公式に「こいつ最強」といわれつつも様々な理由があって敗北する人たちはいるし。

>>175
プレシアとキャスターだと、なんかキャラ被るからなあ…。
二人一緒に出ていると、ちょっとなのはさんたちの影が薄くなりそうだ。
178名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 22:43:09 ID:b9wh8qJx
JSは聖杯と違って普通に願いを叶えてくれる可能性もあるんだぜ

手に入れたら願いは叶うけど間違い破壊的なことになる聖杯
暴走すればご近所レベルの騒動から世界破壊レベルの事件のどれになるか分からないけど、ごくたまにまともに願いを叶えてくれるJS
さあ、どっちに手を出す
179名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 22:51:20 ID:MJfYl+xr
願いは一応叶うけど絶対に周りも皆殺しにされちゃうタタリも
180:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 22:52:39 ID:iJB6MQTO
>>178
どっちも選ばないが一番の答えだな。
幹也なら即答しそうだ。
181名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 22:53:31 ID:oyvw0E7m
ごめん、俺的にはホロウ世界が現実にあるご都合世界でキャスターがJSを見つけたらだと思ってた。
Fate本編でも、仮に見つけたら厳重に回収して研究し、本質が分かり魔術で方向性を制御して、
願いを叶えられるならそれを使い、分からないなら杖に仕込んで巨大な魔力のタンクとして使うと思う。
彼女の事だから、聖杯よりマシとはいえ、どうなるか分からない不確定な物をで使わないと思うよ。
それこそ、危機的状況やハプニングの時ぐらいじゃないだろうか?葛木が死に掛けたり、死んだ場合に生き返ってと願って発動や、
ギルに串刺しにされた時に、まだこの人と一緒にいたいって願って、使うとかになりそう。
182名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 22:54:54 ID:FoLghBsU
>>174
仲間庇って負けただから関係ないだろ
183名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 23:02:38 ID:b9wh8qJx
>俺的にはホロウ世界が現実にあるご都合世界でキャスターがJSを見つけたらだと思ってた。

ユーノがキャスターに助けを求めてなんだかんだあってレイジングハート持つキャス子さんを想像してしまった
184名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 23:09:21 ID:A1OmcHIM
あれはいつの小ネタだっけかなあ…ユーノが渡したのがレイハさんじゃなくてルビーだったっつーのは。
185名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 23:25:01 ID:oyvw0E7m
ライダーが手に入れたらJSを手に入れてひそかな願いである、
小さくなって可愛くなりたいが叶えられてとか?w見た目はルー子www
186名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 23:27:40 ID:3GE28wqU
ただし、マスクで目が隠されています。
187名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 23:34:30 ID:boq3Q09t
>>182
子猫を巨大化させたJSのことだ、1/6ライダーフィギアが出来上がるに違いない

>>184
平凡な小学3年生だったはずの私、高町なのはに訪れた、突然の事態。
渡されたのは喋るステッキ。
手にしたのは『魔法』の力。
出会いが導く偶然が、今、光を放って動き出していく。
魔法少女 カレイドなのは、始まりません
188名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 23:36:08 ID:boq3Q09t
間違えた

× >>182
>>185

ちょっと頭冷やされてくる
189名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 23:48:58 ID:oyvw0E7m
>>186
幼女ライダーが目隠しで戦闘時の衣装……いけないッ!士朗がどきどきしちゃうッ!!w
190名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 00:07:44 ID:ih7hYk5Z
子ギルに頼んで、若返りの薬を分けてもらうライダーとか?
191名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 00:09:03 ID:XkzBAmyB
>>187
のっけから平行世界の体術にすぐれている自分とかに変身するなのはさん…フェイトそんにいきなり勝ちそうだ。
まあ、そういう場合だとフェイトはサファイアを使ってたりするんだが。
そしてユーノが発掘したのは虎聖杯。
192名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 00:46:48 ID:TD0f2CjF
えーと、この場合、はやては黒聖杯になるのかな?
193名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 01:32:08 ID:5k6LREns
レンをナンバーズにもふらせるとしたら誰が一番適任だろう・・・
194名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 03:19:02 ID:BiuxwOkM
チンクの見る淫夢は、なんか凄くエロそう…。
195名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 10:13:19 ID:bO7tWV+C
アルクェイド「いい、レン」
レン「?」
アルクェイド「あの伊達メガネに、夢を見せてあげなさい。とぉーーーってもイイ夢を」
レン(こくり)
196名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 10:15:42 ID:ciXIQodz
>>186
さあ、お風呂イベントだ
197名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 10:30:21 ID:bO7tWV+C
偶然銭湯で一緒になったライダー(入浴中でも眼鏡装備)とルーテシア。
母娘に間違えられてへこむに違いない。
198名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 12:38:09 ID:xB6ar2hK
いっそ、設定改変でルー子の母はライダーにしちゃえw
そんな話を見てはみたいけどSTS本編に絡まないなぁ。
199名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 12:39:26 ID:e/XylT4o
ライダーのいとこのはとこのやしゃごとかならなんとからなんか
200名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 14:06:29 ID:xB6ar2hK
>>199
ライダーのお母さんかお父さんの兄弟か姉妹が次元世界に飛ばされるのか?w

ルー子が使う魔法(魔術)は蟲お爺ちゃん仕込みのマキリの魔術で蟲を操る事だったら、
STS本編でパニックになりそうだなと思ったけど、ルー子が協力する必要がないんだよなぁ。
スカ側が何かしらの理由で、ルー子を攫おうとしたら、ママたるライダーや他のサーヴァントに殺されるだろうし。
で、本編のメガーヌようにライダーの捕獲を運よくできると仮定しても、そこまで持っていくのが大変w
戦闘機人何人死ぬの?って感じだし。
捉えられた母を助ける為にスカ博士の命令でマキリの魔術で管理局襲撃……ゆりかご戦終了後の直後に、いいように使ってくれたナンバーズやスカ博士を殺す為に、
エリオとキャロ相手の時には隠していた蟲を全て動員して殺しにいくとか見てみたい。
201名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 16:26:51 ID:4FxDGWsy
それだったら、ルー子が召喚する蟲がマキリの淫蟲でいーんじゃね?
もしかしたらゾォルケンじっちゃん当人とかで。
202名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 16:48:57 ID:HpjJXk7f
昆虫系の召喚魔法の練習中、どういう偶然なのかマキリの「蟲」を召喚してしまったルーテシア。
ガリューとゼストの機転によって逃走に成功するが、スカリエッティのラボに残されたナンバーズらは(エロパロ板行き)になってしまう、と言うことですね?
召喚魔法の使い手が逃げた以上、事態を収拾できる人間がいないという最悪の状況……
203名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 18:27:26 ID:UewK9Dmx
>>202
Hollowの1周目、夜に冬木市が全滅するエンドと
同じことになるわけですね。
204名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 20:51:05 ID:ppEkC3yt
>>200
確か桜があんなエロボディに育ったのも蟲翁の教育の賜物だったよな?ルーテシアの召喚術が蟲翁が教育したものだった場合、ルーテシアは年齢不相応な豊満な肉体になるかもな。
ただし、本編よりも性格が暗くなり、異性に対して強く拒絶反応が出るのに触られただけで股が濡れる等と鬱な展開になりそうだが。
まあルーテシアでくぅくぅお腹が鳴りました、くすくす笑ってゴーゴー♪は面白そうだな。
205名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 21:39:20 ID:KcDWDgHI
ところで…リリブラ様はまだかいのー?
206名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 21:40:29 ID:pklG48DC
あかん、ゼストが雁夜ポジションになってまう……

アレ? 案外ピッタリポジション?
207名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 22:02:00 ID:cDj/FlaD
>>205
推敲してるんかな>リリブラさん


UBWルートのラストでギルガメッシュが正体不明の穴に落ちてくやん?
プレシアさんin虚数空間にばったりと遭遇したら、二人三脚で現世に舞い戻ってきたり
208名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 22:31:06 ID:Irpk6+Ln
UBWでバサカをいたぶってる時のギルを見た士郎の感想が「――――あいつは、悪魔だ」なんだよなw
やっぱ「四肢を縛り上げて砲撃」という攻撃方法は処刑などをイメージさせるせいか恐怖レベルが半端ねえ
209名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 22:35:33 ID:xB6ar2hK
>>204
そっちもいいんだが、桜のような調教教育じゃなくて、
蟲爺さんが使用する、正当なマキリの魔術を伝授みたいな。
210名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 22:44:35 ID:4NBek+4V
>209
HFルートで消滅する寸前の、かつての理想を思い出したゾウケン……それを召喚したなら、かな?
211名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 22:48:33 ID:UewK9Dmx
>>195
クァにいらん知恵付けさすなwww
212名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 23:03:26 ID:ppEkC3yt
>>211
メガネとは、大穴でユーノ君の事で。原作者によって恋を否定されたのだから夢くらい見たっていいじゃないですか!WWW
213名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 23:07:19 ID:2a2sMmnx
>>211
そこであえて、オーリ(ry
214名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 23:20:58 ID:7wdFT4Lt
>>212
公式で否定されたのってなのは→ユーノ?
それともユーノ→なのは?
もしくは両方?
215名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 23:26:49 ID:xB6ar2hK
>>210
ルー子に多数の蟲を律する術や吸収や戒め、強制の魔術を授けてマキリを継いでもらうとかw
慎二の代で枯れ果てて、弟子すらも取れない状態になったようだし。
ゼストが望むかは分からないが、魔法技術ではなく魔術による治療や肉体改造などで救えるかもしれない。
216名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 23:30:00 ID:4NBek+4V
距離が近すぎたのか、なのはとユーノの間には恋愛感情が存在しないらしい。
旦那どころか恋人も居ないのに、養子とはいえ一児の母か。
217名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 23:31:46 ID:3E7h6H8J
>>214
恋愛としてのユーノ×なのは(だと思う)。
家族関係みたいなのは最終話で推察されるシーンが出た。

なのはに粉かけるランサーが過去何度か話題になったが、それを見て不機嫌になるユーノも添えてほしい
218名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 23:32:51 ID:ppEkC3yt
>>214
メガミマガジンか何かで、なのは達にはいい人が現れないのか、と言う質問に対し、恋がなくとも愛があると仰っていたよ。

>>215
でもマキリの魔術って身体に刻み込むものだよな?となると、やっぱり臟硯による調教教育にならね?
219名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 23:38:19 ID:UewK9Dmx
>>217
ヴィヴィオの学校行事で男親が必要な時(なのはで代役ができない時)、に
駆り出されるユーノ君でありました。
220名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 23:39:43 ID:e/XylT4o
燃えるような恋愛がないという意味かも知れない
221名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 23:49:28 ID:B5N0RDOq
恋人じゃなくても結婚はできるだろうな。
ヴィヴィオも無限図書館勤めになるみたいだし、幼馴染から交際期間ぶっちぎっていきなり熟年夫婦並みに達観しているなのユーと養子のヴィヴィオは俺的にあり。
つかなのはさんの嫁はフェイトそん。籍は入れないけど、四人で仲良しこよしをずーっと続けてそうだ。
222名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 23:50:23 ID:xB6ar2hK
>>218
桜の場合、属性が異なる間桐の魔術に慣れさせるために蟲による調練、
魔術刻印継承の道具としてしか見られていなかったから、まともな魔術の手ほどきは受けていないってのもあるのかも。
やろうと思えばもっと楽に出来るんじゃないか?桜に調教していた時は爺さんサドレベルマックスだし。
223名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 23:51:34 ID:7wdFT4Lt
なるほど。
なのはとユーノは型月でいうと藤ねえと士郎くらいの距離感ってことかな?
ちょっと違う?
224名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 23:52:19 ID:NNbZW77Y
ifの話として、手を組んだ征服王と英雄王が全次元世界を征服しようとして
管理局と激突する話はどうだろう?

……どうやってもなのは側に勝ち目なさそうだな
225名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 23:53:48 ID:e/XylT4o
そのくらいかも知れないがそれを認めるとユーノ×なのはの可能性は藤ねえルートと同じくらいの可能性になるぞ
226名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 23:57:54 ID:zabFLudr
さっちんと志貴みたいな関係ってのはどうだ?
この場合さっちんがユーノで志貴がなのはだけども
227名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 23:59:40 ID:KcDWDgHI
>>225
だが逆に考えると

「なのは、結婚しよう」
「うん。いいよー」

ということも!……わざわざ書く迄もなくなるな。
確か藤ねぇルートは三行で終わるんだっけ?
228名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 00:06:22 ID:hVq0oF/k
>>227
三秒
その後、そんなのねぇよな扱いに昇格
229名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 00:15:47 ID:Qpn/AKxn
>>223
実際は違うだろうけど、セイバールート後の士郎と凛くらいの距離みたいな。
恋人的なポジションに納まることもあるかもしれないが最終的に士郎(なのは)は目的のために前だけを進み、凛(ユーノ)はそういうのを支えつつも…みたいな。
俺のイメージとして。
公式にセイバールート後の二人がどうするのかということは確か明示されてなかったので、だいたいこんな感じというのは俺のイメージにすぎんが。
なのユーの二人はこんくらいの距離で。
仮にSSで書くのなら、ヴィヴィオが子は鎹としてもっと距離は縮まるけど…という風に。
あくまで個人の妄想として、聞いてくれ。
230名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 01:42:06 ID:D5NibSI7
天秤の剣士 16a更新
作者のサイトね。
231名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 01:58:14 ID:PGQWOpmn
凛はなのは世界でも普通にやっていけそうだよな・・・うっかりさえなければ
232名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 02:00:19 ID:D5NibSI7
あぁ、HFのラストを思い出した・・・
233名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 02:13:16 ID:n68SY9Dw
報告乙。
読んできた。
<天秤

これは…士郎は助からないなあ…それこそ人の手を超えた奇跡であるところの「魔法」でもない限りは…。
予想はやめといて、とにかく続きが楽しみだ。
234名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 04:25:16 ID:f5p156de
ぶっちゃけ士郎一人なら何とかなりそうだが(天秤の剣士だと虚数空間の中でも魔術は使用可能だし)、
プレシアとアリシアの遺体まで助けようとするとねえ
プレシア瀕死の上、腕に穴まであけられているし下手をすると遺体が2つに増えそうだ
235名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 07:57:24 ID:tnT/NXpZ
まあアヴァロン投影でしばらくの生存&回復は可能だろうな。
虚数空間からの脱出は…宝石剣を使えばどうにかなるのか。ならんかもしれんが。
236名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 08:52:51 ID:Cfzjj1ty
>>224
ギルは「我は我の支配が及ばぬ領域になど興味はない」と言うスタンスだから、そういう征服活動は行わないと思われ
(それ以上にギルがイスカと手を組むことはどういうifを辿ってもありえない。ギルにとってイスカはあくまで「賊」)
237名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 10:57:08 ID:D5NibSI7
魔法少女リリカルなのはReds 更新着てるな。
理想郷のとらハ版ね。
238名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 11:14:18 ID:qgzg48oi
型月のキャラがリリカルのキャラを引っかき回すってのはよくあるが逆はできんものかね
型月のキャラがリリカルの魔法をみても「あーそんなもんか」でおわってリリカルのキャラが型月の魔法見て「すげえ」ってのばっかりなんだよな
239名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 11:49:25 ID:xYbYFyTY
型月の方のが相対的に地味だから、その分だけ驚き甲斐があるというか…。
基本、砲撃だけだからなあ。ミッド式。
さすがに天秤の剣士でもSLBを最初に見た時は呆然としていた風だったけどw
あれは魔法の威力に驚いたのか、それともなのはの容赦なさぶりになのか、よくわからんがw
まー、ヴィータのグラーフアイゼンは出されたらびびると思うがw

キャラでひっかきまわすには、リリカル世界のはわりとみんな素直というか、型月の面子はどいつもこいつも捻くれているというか…。
スカくらいアクが強いとまた別なんだろうが。
二次創作での思考まで砲撃特化した魔王なのはなら、そりゃあ振り回せるというか色々とできるだろうけど、ギャグならともかくシリアスだと無理あるよな。
240名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 12:22:07 ID:cj2iZNPe
zero4巻を読み直して思ったが、なのは達と鯖によるカーチェイスって見てみたいよな。
リリブラさんのライダー&ランサーの自転車三号VSシグナム&フェイト&アギトの自家用車が一番近いんだが、セイバーバイクでイスカ戦車を追ったような展開が見てみたいのよ。
241名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 12:52:21 ID:qgzg48oi
地上を走るのならスバルだな
242名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 12:59:25 ID:D5NibSI7
スバルは、乗り物と言うイメージがないなぁ。
それなら、ティアナがバイクでって方がマダ・・・

まぁ、ヴァイス操縦のヘリで上空から見守るはやてが思い浮かんだわけだが。
243名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 13:26:31 ID:di884WGY
>>236
もしやるとするなら、貶されたときか?
他かが、管理外の一世界を治めたぐらいでって管理世界の人間達に笑われたら、
力を示す為にとかしそうにないかな?
244名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 13:31:09 ID:qgzg48oi
王は小人のぬかす戯れ言に左右されはしない
245名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 13:35:53 ID:xYbYFyTY
というか、ギルさまは全ての時空を自分の遊び場くらいに思っているような気もするぜ。
自分がいるというだけで、そこは未踏の地だろうと自分の支配する場所くらいに思っていそうなちょう傲慢。
きっとそんなおうさま。
246名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 13:36:09 ID:hAlMpq35
>>240
バイクに乗ったスバティアに迫る、ウェンディのライディングボード……を、強奪したランスロット
247名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 13:38:48 ID:yaW0PjzF
いやギルは地球の外には全く興味ないって自分で言ってたよ。
248名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 13:41:30 ID:+jX2tVwg
地球じゃなくて宇宙だな
249名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 13:52:22 ID:qgzg48oi
>246
ウェンディいじめんなー
250名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 14:14:06 ID:cj2iZNPe
>>246
ランスロットがスカ側についたらマジ涙目になるよな。ライディングボードに乗り、なのは達とビックリ空中戦とか。
本人は狂っているからスカに従うのが正しいかどうか判断出来ないし。
251名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 14:54:56 ID:kqg85Y8G
>>238
型月から見ても、飛行とかBJとか次元転移とか広域結界とか、ビックリドッキリのはずなんだけどな
252名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 15:20:34 ID:hAlMpq35
>>249
む。では↓のどれかで

・ヘリ
・ガジェットU型
・戦車(チャリオット)判定で四輪車
253名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 15:31:16 ID:KgB4mTdr
>>251
前者二つはそれほどびっくりでもないだろ
254名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 15:52:27 ID:di884WGY
>>252
個人的には上のライディングボードでエウレカセブン的な変則機動か、
GD2型に乗って、マクロスのゴースト的な動きをしてフェイトとドッグファイトしてほしいなw
何とか倒して、じゃあ……皆、先に行ってるね……って。
255名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 16:09:31 ID:XAwLMmvQ
>>251
箒されあれば橙子さんでも飛べるようなことを何処かで言ってたようなきがする…気のせいかもしれんが。
飛行そのものはわりと珍しくないと思う。キャス子も飛べるし。
というか、だいたいリリカルな面子と接触するのが鯖とか士郎とかだし。
もとより規格外な面子ばかりだしなあ。士郎は精神がなんか変。
次元転移は確かに凄いけど、そういう驚き役は凛とかだろうが…凛は割とそういうクロスに出てこないんだよな。
やはり正ヒロインの一人だけあって、フラグ立てには邪魔に感じるんだろうなあ。
256名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 16:18:39 ID:D5NibSI7
次元跳躍って、銀河間の移動みたいなもんじゃないの?
型月世界からすれば、十分魔術の範疇だと思うけど。
まぁ、技術として確立してるっぽいから、魔法にはなりえんわな。
257名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 16:33:35 ID:qgzg48oi
>256
その解釈は今市だと感じる時があるんだよな
型月以外の世界の魔術やテクノロジーが型月の世界設定の枠に押し込められたって感じで
型月世界の住人がリリカル世界の魔法やテクノロジーを型月の理論に当てはめて考えて理解しようとするのならともかく、設定まで型月に準拠させんでもいいと思うんだよ
258名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 16:44:37 ID:di884WGY
リリカルの魔法は武力として使われるから、魔導師なら大体、誰でも使えるようにしている感じだけど、
型月の魔術は、誰でも使えるようなものもあるけど家の得意分野ってのがあって他の人がその魔術理論を理解しても、
使えないって特別性が出てきて、ちょっと型月の方が深いから優位に見えるのかも。
259名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 16:48:11 ID:wTiUYYLG
>>256
型月世界じゃ技術として確立してないし魔法だよ
260名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 16:48:28 ID:XAwLMmvQ
まー、クロスってのはそこらが一つの楽しみでもあるからな。
別のスレでの話しになるが、その世界の魔法をミッド式で解釈したりとか、あるいはミット式と何か関わりがあるみたいな感じにしているのが、非常に楽しい話があったし。
逆に別の作品では、ミッド式でどう解釈しても理解を超えてて、頭を抱えるリンディさんとか笑えたしw
作品により、作者により、クロスの楽しみは様々だぜ。

例えば概念武装はより強い神秘を打ち破ることができるというけど、物理の一部として使用されているミットの魔法に対しては効力を発揮できないなんて解釈だってありだと思う。
概念武装は別にその物質の強度を変えているわけじゃあないしな…完全に物理の範疇の魔法の防御を切り裂けない、という感じで。

こういうのは一例で、こうしろ、というのではない。
ただ、「こういうのもあり」だと思うんだ。

…いや、概念武装ではプロテクション切り裂けないとかだと、士郎の戦いが限定されるから、そんなじゃ自分では書かないけどなw
261名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 16:57:52 ID:5nZ+RIY5
ていうか型月魔術師から見たらリリカル魔法は魔術ですらないと思う
どちらかというと、認識は出来るけど理解は出来ない
超超高度化した技能みたいな扱いじゃないかな

逆にリリカル魔導師から見たら型月魔術も魔法ではないと思う
認識としては、演算をすっ飛ばして結果だけ出してるなんか良く分からないモノみたいな
262名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 18:10:34 ID:hAlMpq35
砲撃魔法って、プリズマイリヤで出てた純粋魔力放射に近い気がする
263名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 18:10:37 ID:MtzHzMPV
橙子さんいわく、魔術は常識の天敵らしいからなぁ。
リリカル魔法もたいがいアレだし。


妄想だけど、ヘルメス(メルブラAAラスボスのアレ)てリリカル魔法の原典ぽい気がする。
魔力を用いた、事象書き換え演算機。
あのシステムをどうにかして簡易・小型化すれば、リリカル魔法っぽくならんかな・・・。
264名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 18:13:23 ID:hVq0oF/k
みなさん、ロストロギアがあるじゃありませんか

両方MAXでやろうとせずに、魔力不足や地形・任務で制限したりできると思う
三期をサザエさん時空にして事件を起こしたり、オリジナルのロストロギアをもっと活用していいはず
いっそのことサーヴァントや吸血鬼の連中を凛配下の秘密犯罪組織wにして、コメディ風にしてしまう手もある
265名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 18:20:04 ID:XAwLMmvQ
>>263
実はミッドガルドは型月世界の数千年後の未来、というのはありかもなあ。
時間軸の進んだ平行世界っぽく。
鋼の大地なんて知りません!
266名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 18:31:25 ID:hAlMpq35
>>263
オシリスの砂が狙った手法は世界卵じゃなかったっけ?
法則への干渉どころか、世界そのものをめくり返す大技。
アレを見たリリなの側のキャラがデバイスと判断しそうではあるけど

>>265
『むしろ鋼の大地通り越して再生した地球』説を提案してみる。
実はミッド・ベルカで扱われる魔力素は大源でも小源でもなくジンだったり。
どうやっても話が繋がらないけどな!
267名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 18:49:37 ID:XAwLMmvQ
じゃあ鋼の大地の世界にいかなくて、『人類の滅亡をアトラスなどによって回避できた平行世界』というのはどうか。
…こんな世界観にしたからってだからどうだとも思うんだが、思いついてしまったものは仕方ない…。

実はミッドの世界には、死徒が生き残っているが完全に息を潜めているとかにするんだろうか?
もはやクロスでもなんでもないような気がする…。
268名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 18:51:48 ID:Wqm/0FOl
>>266
否、きっとジンに適応した新人類がリリなの地球
魔剣・真世界で生まれなおした地球だったのだーうははー
そして次世代に生まれなおして魔術がなくてしょんぼりする荒耶

オシリスの砂の手法はそうだけど、ヘルメス自体のお話。
竹箒の日記の
>・霊子演算器ヘルメス
>ラスボスとして砂海から現れる巨人、ヘルメス。
>もともとは事象書き換えの為のスパコンなのです。演算器っておまえ、巨大ロボにする必要ないですよね!? みたいなツッコミを期待していた。
てのに触発されてしまった
269名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 19:57:43 ID:wTiUYYLG
ゼルレッチがリリなの世界出身てのもいいかも。宝石剣は異星系らしいし遥か未来の技術を体現してるらしいし
270名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 19:59:09 ID:ZEj/VeDF
クロスに限らずブラックG666がでるのないよな…
好きなのに、なんでだろ?
271名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 21:47:29 ID://jSGyOg
型月世界において科学は未来に進み、魔術は過去に遡行する学問である、みたいな言葉があったように思う。
どちらも学問であるならば、思考が及ばないまたは観測されていない事象は研究できるはずが無い。
しかし、もしリンカーコアによる魔力の操作が可能であると知られた場合、魔術師たちはどう反応するんだろうか。
272名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 21:50:20 ID:ax4yjKyJ
反応というか即刻人体実験だろうさw
魔術回路もリンカーコアと性質違うし、互いに驚くのは間違いないと思う。
273名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 22:08:08 ID:qgzg48oi
まて魔術士という奴らは情報を知っただけでいきなり人体実験ができるのか?
捕獲という過程はすっ飛ばせるのか
274名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 22:11:08 ID:5nZ+RIY5
魔術士なら出来るんじゃね
275名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 22:27:15 ID:wTiUYYLG
できるかはともかくするだろう封印指定がそれだ
276名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 23:15:17 ID:nnnhRuQ7
まあ基本的に魔術士って変わった能力持ちを見れば脳髄ホルマリン漬けにしようとする連中だしな
間違いなく捕獲→解剖の流れだろう
もっともEランクやFランクなら捕獲も容易だろうが、現代社会より進んでいるであろうミッド社会では
失踪事件を起こした上で神秘を隠匿するのは難しかろう
277名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 23:25:50 ID:1c8yVcR2
>>242
というか、スバルが乗り物扱いされそうな気がするぞ、それ。
278名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 23:28:22 ID:qgzg48oi
>277
スバルとライダーがタッグを組んでべるれふぉーん?
それは……ひでえ
279名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 23:33:51 ID:nnnhRuQ7
スバルの場合マッハキャリバーの方が乗り物扱いされてスバルが置いてきぼりにされそうな気もw
280名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 23:34:23 ID:eUysd/jZ
そういや、リーズさんがなかなか話題に出ないな。ガチバトルからガチ百合までこなせるのに
281名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 23:38:22 ID:1c8yVcR2
>>278
ギンガ・スバル・ノーヴェの3重連でベルレフォーンかますライダーとか……

自分で言っててひどすぎる
282名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 23:42:13 ID:nnnhRuQ7
>>281
妙に露出の高いサンタ服着たライダーがソリを3人に引っ張らせている光景を幻視したw
283名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 23:52:26 ID:D5NibSI7
>>281
騎馬戦?
284名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 23:53:00 ID:1c8yVcR2
そうすると、今度はその3人でイスカのチャリオットを牽くのも有りかwww
285名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 23:58:47 ID:hVq0oF/k
合わせ技は面白いな
なのはを投げボルクにくくりつけてのACSドライバーとか妄想した
どんな障壁も貫通し、地球の裏まで全力全開で追いかけてくる
286名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 00:03:53 ID:vSZseKLO
>>285
koeeee!
287名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 00:05:28 ID:8W98v3n2
>285
デザインをもっと考慮しようよ
ACSとボルクを合体させるとか
288名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 00:30:35 ID:zf2CAK1P
>>285
それならフェイトをフルンディングに固定してアーチャーに射てもらうバルディッシュハウンドフォームなんていうのもありかw
マッハ10で飛び、何度防がれかわされようとも相手が力尽きるまでザンバーで切りつけるフェイトさんさん
……うん、どちらも初代リィンでもやばいね
289名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 00:35:02 ID:oEYqoR7e
はやてがUBW使えそうな気がするんだ、アインスユニゾンで

ランスロットがなのはキャラのデバイスを使いこなしているのみてorzする光景見てみたいな
290名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 00:40:03 ID:y1elPdri
はやてはライダーと組んで無敵の移動、いや、機動要塞になってもらいたい
巡航と天馬バリヤで万が一すら赦さない殲滅キャラ
291名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 00:41:43 ID:zf2CAK1P
桜と同じく被害者が加害者になる属性持ちだし相性はばっちりだな
292名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 00:44:11 ID:i4Xdu3TR
>>288
先にフェイトさんの方がやばくなると思うけどww
293名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 00:48:42 ID:y1elPdri
>>292
バリヤジャケットを薄着にすれば何故かOKなはず
なんとかなるさ精神論
294名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 00:48:44 ID:U+5SkXXM
大量投影した士郎がブロークンで撒き散らした魔力残滓を使ってなのはがSLBとか
295名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 00:55:07 ID:y1elPdri
ランスロットとラブラブ振動拳
くらえ!宝具の拳!!みたいな
296リリカルブラッド:2009/01/13(火) 08:05:57 ID:tXPXvJgK
長くならないように前編をAとBに分けたのに何でBパートがその三倍以上に膨れ上がってんだ……?
何かを間違えている……何かを、、

というわけで遅くなりましたが投下します
ただ、言った通り長いので一度に投下せず3回、4回に分けるつもりです
展開が特殊で、「シグナムVSランサー」と「フェイトVSライダー」が同時進行
その後、「合流」という流れで、どういう風に投降しようと迷いましたが
まずはシグラン、フェイライを交互に落としていこうと思います

wikiには別の形で、自分で載せるのでよろしく

ではリリカルブラッド・フェイトルート前編Bパート
投下します
297シグナムVSランサー1:2009/01/13(火) 08:09:34 ID:tXPXvJgK
Flame&Lancer1 ―――

ひん曲がったガードレールと
アスファルトに刻まれた黒く伸びるベルト状の跡
辺りに充満する焦げ臭い匂いに撒き散らされたオイル

凄惨な大事故の余韻冷め遣らぬやらぬ
この人気のない林道にて――

今、無双を誇る弐機の剣と槍が激突する

対話の時は冷淡と磊落
まるで水と油のようでありながら、、
それは互いにシンクロしているかのようなタイミングで
両者は同時に、まるで示し合わせたかのように前方に踏み込む

声もなく音もなく地面を滑るように
短い呼吸と共に迫り来るランサー

「ハァッッッッッ!」

に対し、数分の遅れも躊躇もなく
全身から炎を撒き散らし
地面を削る蹴り足と共に気合一閃の騎士もまた
最大出力にて真正面から槍の男に向かっていったのだ

互いに裂帛の戦意を以って敵と相対する槍兵と剣の騎士

馬力に換算して余りあるほどの出力を誇る彼らの激突は
MAXスピードまで加速したモーターカー同士の衝突と何ら変わらない
狭い道路上にてあっという間に互いの間合いの詰まる様は
まるで一つの線路に二両の電車を向かい合わせて走らせたかのようなゾッとする光景を思い起こさせる

そしてそんな踏み込みの元に繰り出される剣戟と槍撃
空気を切り裂き、轟音を伴って放たれるそれが――ギィィィン、!!!という
鋼と鋼が激突する甲高い音と共に交錯し、、ぶつかった!

辺りに木霊した爆音じみた残響は100里先の空気をも震わせ
凝縮し、こそげ取られた空気が周囲に弾かれ
その交差された凶器と凶器を中心にぽっかりと真空を作る

これが烈火の将シグナムとサーヴァントランサーの初撃にてのファーストコンタクト

竹を割ったかのように潔い
これぞ騎士同士の正面衝突といわんばかりの光景は
しかしそこに至るまで、互いにどのような思惑が交錯したのか―――

それを知る術はもはやある筈も無く

今はただ両者の血肉を削るであろう壮絶な激闘の幕開けに
歓喜と恐怖を抱いて震えるのみである

――――――
298シグナムVSランサー1:2009/01/13(火) 08:11:13 ID:tXPXvJgK
向かい合う私と槍の男
互いにその戦意は既に臨界を迎え
もはや交戦は避けられない現状となった

重心を低く落とし、下段の構えから真紅の槍をこちらへ向ける男――ランサー

その淀みの無い切っ先を前に
半身を切り、片手剣の姿勢で相対する私
「寄らば斬る」の一念を魔力と戦意に込め
我が剣から迸る炎にて眼前の男を牽制する

互いにやや慎重を期した立ち上がりである事は否めない

槍兵である男は当然、こちらよりリーチに勝り
先制を仕掛けるには持って来いの位置にいる
そしてこの私とて「受け」の剣士ではない
敵にむざむざと先手を与えるような悠長な事はしない

「…………」

「、、、へっ」

それも本来ならば、の話だが……

構えを一寸も崩さぬままに男が笑いを零す
それを受け、相手を射殺さんとする眼光を向ける自分

じり、と半歩―――
その総身を蒼い装束で覆った戦士に向かってにじり寄らせ、、
思い直したように半歩下がる

そう、この立ち上がりに焦燥を感じているのは他ならぬ私自身

手に持つ愛剣の柄をぎりっと握り締めながら
私はその、地面スレスレにまで重心を落とした男の
山のように揺ぎ無い構えを前に歯噛みする


――― ………打ち込めない ―――


情けないが、微塵の隙も見出せない

元来のセオリーで行くならば
このような上段丸出しの低い構えなど強引に上から叩き潰せば良いだけの話だ

ならばいつも通りに攻めれば良い――
いつも通りに圧倒的に――
従来のように制圧すれば良い――

そう何度も何度も自らの背中を押す心とは裏腹に
悠久の時を経て、研鑽に研鑽を重ねてきた守護騎士プログラムが、


――― 行くな、と言っている… ―――


敵がどれほどのものか

その「格」はいかほどのものか
299シグナムVSランサー1:2009/01/13(火) 08:13:05 ID:tXPXvJgK
それは先ほどの舌戦
邂逅からこちら、刃を交えるその遥かに前から……
実は感じていた事だった

あの一見ふざけた態度の奥に隠された
否、隠そうとしても到底隠し切れないほどの巨大な牙
こちらの身を容易く引き裂き臓物を抉り取らんと欲する魔獣の如き
男の身体から漏れ出る無尽蔵の殺気と不吉な気配

それを前にして、取りあえず仕掛けて様子を見るなどといった
生半可な仕掛けを起こすほど間抜けではない

迂闊に動けば、為す術も無く一撃で
その身体を打ち抜かれてしまうというある種の予感…


高町なのはとの模擬戦や故・ゼストグランガイツとの一騎打ち
Sランクの騎士や魔道士と相対した時の重圧は凄まじいものだが、
今、それ以上のものを……目の前の男から感じている

彼ら以上の使い手などそうそういる筈が無い
状況が状況だけに慎重になりすぎているのかとも思った

それとも本当に、、オーバーSランクを凌駕しかねない敵なのか……?

ともあれ久しぶりの感覚――こんなのは、、
初手を交わす前からここまでの戦慄を感じさせてくれる相手は本当に――

「…………久しぶりだ」

既に乾いている喉からひり出される言葉は男の耳に届いたか、、

こめかみをつ、と冷たい汗が滴り落ちる

ある種の予感はどんどん大きくなる

この一騎打ちは自分が体験してきた数多の戦いの中でも最も苦しいレベルの戦いになると


飲まれているわけではない
私とて武人の端くれ
肌にビリビリとくる殺気に対し戦慄を覚えている反面、
血が滾り、どうしようもない高揚を覚えている心がある

法の担い手としてはあるまじき思考だが、そんな自分が確かにいる事は否定出来ない

戦慄と歓喜
理性と本能

行くなというプログラムの命令と
今すぐにでもこいつと剣を交えたいという
相反する心の鬩ぎ合いの果てに私は、

まるでロックオンをされているかのような刃先を嫌い
摺り足でサイドに回ろうとする足を――止めた

ここは狭い峠の一本道 
回り込めるだけのスペースは残念ながら無い
あったとしても、もはやそんな心積もりも無い
300シグナムVSランサー1:2009/01/13(火) 08:13:46 ID:tXPXvJgK
空に身を躍らせるという選択肢も今は捨てる

初めから距離を取って戦う砲撃魔道士ならともかく、自分は騎士だ
初手の鬩ぎ合いにて背を向けるなど言語道断
安い意地やプライドの問題ではない

先陣を担う騎士が初戦で前線を踏み止まらずに放棄する
そんな事をすれば陣形も戦術も立ち行かず、部隊全体が勢いを失い
そのまま相手に飲み込まれてしまう



故にまずは己が力と相手の力の真っ向からのぶつかい合いこそが
前線に立つ戦士の本分にして我々の有り様――
騎士同士の戦いの開戦の狼煙であるのだ


目の前の男は―――無言

時が来るその瞬間まで内に力を溜め
まるで彫像のように動かず、こちらを凝視

その表情……
口元がニィ、と歪な笑みを作った気がした

互いに混ざり合う思考は今
自分と相手が同一の選択肢を選んだ事を如実に表しており
夏の夜空、本能のままに蛍光灯に群がる蛾のように私とランサーをその行動へと誘っていく

―――即ち、小細工無しの真っ向勝負


クリアになっていく思考は
本能が理性を
血の滾りが戦慄を押さえ込んだ証

元より、柔より剛を旨とするベルカの騎士に後退は無く
その力を示すには言うまでもなく、、

振るうだけだ、、その手に担う相棒を――

マーブルのように溶け合う意識は
まるで念話のように互いの意思を赤裸々にし
故にこれ以上の思考の時間など無意味

弾ける戦意は同時
その身体に滾る力が灯ったのも同時

私と男――ランサーは
その勢いのままに
相手を一刀の元に叩き潰さんという意識の元に、

目の前の敵に対し
手に持つ武力を叩きつけていた


――――――
301シグナムVSランサー1:2009/01/13(火) 08:15:30 ID:tXPXvJgK
恐らくは時間にして数秒
体感にして数瞬
それは刹那の間の思考であっただろう

その意識世界の中において何かを思い
そして何に至ったのか……そんな事は今は関係ない

彼女も男も騎士だ
この局面で初めからやれる事は決まっている


―――近づいて斬る

それだけの事だった

そしてついに噛み合う剣と槍
凄まじい初撃の邂逅
互いにフルスイングで叩き込まれる刺突と打ち下ろしの閃光
サーヴァントランサーと、ヴォルケンリッター烈火の将シグナムのファーストコンタクトは――

「でぇあッッ!!!!!!」

裂帛の気合と共に、地面に叩き込まれ
そこに亀裂を作るほどに振り抜かれた剣
女剣士の武の顕現とも言うべき炎の魔剣レヴァンティンの圧倒的なパワーに打ち負け、

後方に弾かれた蒼き槍兵―――という光景を以ってその結果とする

槍を中央で構えながらに
受けた衝撃を殺し切れず
地を食んだ足が後方に押し出され
その勢いのままに5歩の間合いを身体ごと後ろに持っていかれる槍兵

「ほぉ…」

その彼が素直に賞賛の声を上げた

(よし――)

問題は無い――
いける…と、いつもの感触に総身を震えさせる将

初手で完全に押し切った騎士が次なる一撃に備え、腰を捻って力を溜める

相手の一発の手応えは並の者とは比べるべくもない鋭い切っ先ではあれ
自分を圧倒するものには程遠い

錯覚だったのだろうか?
先ほどの、、どこに打ち込んでも返り討ちに合うという不吉な予感は…

「覇気は良し―――打ち込みはまあまあか」

そんな男が先の見事な一撃に対し率直な感想を述べる


まあまあ、、と…
今しがた、豪快に力負けした剣戟を指して言うにはおおよそ不遜な評価
302シグナムVSランサー1:2009/01/13(火) 08:16:35 ID:tXPXvJgK
「負け惜しみか? がっかりさせるなよ、とは一体どちらの台詞だった?」

その勢いは止まらない
間髪入れずに二太刀目を加えようと地を蹴るシグナム

「そう言うなって、、まだまだ始まったばかりだぜ」

ビリビリとその手に伝わる衝撃を愉しみながら
男は眼前に迫る猛将を前に迎撃の姿勢を取る
聊かも恐怖を感じてはいない
むしろ男の表情を彩るのは、溢れんほどの愉悦

実際、言動にも負け惜しみの要素などは微塵も無い
軽量にして俊敏を旨とする槍使いに、剣士である相手が押し負けているのでは話にならない
故に先の結果は男の期待を満たす物であれ、槍兵の不利を描いたものでは有り得ない

そして男の内心など知った事かと豪壮に踏み込んだのは初手にて打ち勝った剣士シグナム
剣を右中段に振り被って半身を切るがままに
地を這うような低い姿勢で弾丸のように迫る将

その薄い赤色の魔力の残光が尾を引き、後ろで縛った髪が勢い良く翻る

「せぇぇぇいッ!!!」

全身を叩きつけるといった表現がまま当て嵌まるような一撃にて
シグナムは男に、身を極限まで捻りこんでの逆胴を叩き込む

ゴォウ!という、鈍い音が打ち鳴らされ
槍兵の身体を根こそぎ持っていくかのような斬撃が炸裂
両手で構えた槍の中央で受けるランサーであったが
その足がまたも地面から浮き上がり、その場に留まる事適わずに後方に飛ばされる

「は、――」

思い切りの良いシグナムの攻めに対し
そうでなくては、と……
来たるであろう更なる連撃に心躍らせるランサー

だったのだが、、

相手の女剣士は、中段を放った反動を利用するや何とバックステップ
まるで一息を置くように後方に退いたのだ

(ここで追撃せずに離脱だと……? おいおい、、どうしたよ?)

それはランサーの予想を大きく裏切る悪手

初手で打ち勝ったのだ
ここは機先を制し、一気呵成に攻め落とすが常道
相手に建て直し、休ませる時間を与えるなど愚の骨頂以外の何物でもない

しかし、、、そう

そんな自分の戦術を相手に適応する事の愚かさにすぐさま気づいたのは
この槍の男もまた卓越した戦術家であるが故
後方に下がったシグナムが次に起こした行動は
期せずして男に更なる猛攻の予感を感じさせる

そして体勢を立て直したランサーの眼前に移る女剣士の姿こそ
貴様のセオリーなど何するものぞ!とばかりの――「空の騎士」のあるべき姿
303シグナムVSランサー1:2009/01/13(火) 08:17:38 ID:tXPXvJgK
初撃の剣戟にて自分の形に持っていけた事により
ようやく本来の戦い方、そのリズムを取り戻していくシグナム

「いちいち無駄口が多い……」

そう、元より二人は騎士なれど
その本質は決定的に違うモノである

それは離脱などではなく更なる攻撃の序章だった

敵を下がらせた事によって生ずる報酬はその隙と間
崩れた相手に対し、ローリスクで大ダメージを与える大降りの強打――ハードヒットの権利を得る事にある
ならば次に繰り出す剣士の一撃こそ眼前の男を沈黙させるに足る渾身の一振りに他ならない

―――だが

そこで後方に飛び退いた騎士が求めるものはそんな凡庸な強打ではない

狙うは強打を超えた超・強打――
ベルカの騎士が近接最強と恐れられる由縁となる一撃だ

体を崩され反撃の整わぬ態勢のランサーの眼前
何とシグナムは全身から魔力を放出させ、宙に身を躍らせる

狙うは跳躍しての一撃?
落下の勢いを威力に換算しての斬撃であったのか?

……違う!

その「飛ぶ」は「跳躍」という意味でのものでは断じてない
それは文字通りの「飛翔」――飛行と呼べるもの
跳躍した身体は一瞬で更なる魔力の奔流に打ち上げられるかのように上昇し
何とランサーの遥か天高く――上空10mにまで浮かび上がる
そしてその身を宙に躍らせたシグナムの肉体が
まるでジェットコースターが山なりの頂上を通過したかのように急上昇から急降下へと移行
そのまま猛禽類が獲物を仕留めるが如く、鋭角の軌道を以ってランサーに突っ込んでいったのだ

これには些か驚いた男
何せその生涯を戦に費やした彼をして
斜め上空から鷲や鷹のごとく叩きつけるような剣を振るう相手は見た事がない

宙空に身を躍らせるという行為は一見勇猛に見えるが決して賢い行動ではない
大地から離れた四肢は思うように身動きが取れず
万全の体制にて地で構えるものにとっては格好の餌食にしかならないからだ
そのセオリーは卓越した能力を持つサーヴァントでも例外はなく
宙に浮かんだ身体で、満足にその性能を発揮できる者は少ない

だがそれは―――翼持たぬ者の見解だ

一度、宙空を自由に駆け、大気を切り裂く 「羽」 を得たならば
地を這うに過ぎなかった猛獣は一転、空の王者・荒鷲の如き空戦能力を持つに至る

連撃で攻め落とすなど生ぬるい―――

「受けろランサー……! 我が業火の太刀をッッ!!」

立ち塞がる者は何であろうと一撃でブチ抜く!

これこそがベルカの騎士の真髄
その最強と謳われた烈火の将の剛剣であったのだ
304シグナムVSランサー1:2009/01/13(火) 08:19:08 ID:tXPXvJgK
「先の剣の威力に更に落下の衝撃を加え、無双の一撃と為す
 なるほど……一発に賭ける型ってか」

その初めて出会うタイプの騎士を相手にする男

「悪くはねえ……悪くはねえんだが、、」

その顔は未だ笑みを崩さず

急降下による乱気流と共に空気を裂く轟音を伴い
まるで百舌鳥のように地上目掛けて突進してくる騎士

「ッッッ!!!」

着地の事など考えていないのか?
まるでそのまま地面に突き刺さるのかと錯覚させるような女剣士の軌道
角度も速度も申し分無し
猛き咆哮と共に炎が翻り、その上から叩きつける剣は、、

「―――やっぱ俺にとっちゃ、そいつは悪手だ」

しかし、、どれほどに速かろうと威力があろうと――


テレフォンパンチに過ぎない


秒にして1を過ぎるか否かというこの鬩ぎ合いは
サーヴァントの崩れた体制を建て直し、迎撃の姿勢を取らせるには余りある間であり
その一撃にどれほどスピードを乗せようと、、

彼らは至近距離から音速で迫る銃弾をも切り払い、回避する埒外の力を持った存在である
そんな遠距離から助走を付けて振ってくる剣など……

――隙がありすぎる
――絶望的なまでに

炎熱の魔力を迸らせたシグナム
当たれば間違いなく肉も骨も根こそぎ断ち切るであろう一撃を、今

「ハァァッッッ!!!!!!!!!!」

地上の男に叩きつける

豪ッッ!!という大気を根こそぎ持っていくかのような凄まじい斬撃
煮え滾るマグマの如き熱を放つ魔剣の剣風が空気を、地を、思うが侭に蹂躙し焦がす

その当たれば骨ごと断ち切るであろう一撃は――

直撃寸前、、
そのぎりぎりまで引き付け、、

すんでの所で半身を切ったランサーの横を空しく通り過ぎ
空を薙ぎ払い、地面のみを叩き潰す結果となった…


――――――
305名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 08:20:11 ID:qKVxyxUI
紫煙
306シグナムVSランサー1:2009/01/13(火) 08:20:23 ID:tXPXvJgK
「、、!!」

人の目には、一寸レベルでの凄まじい見切りなれど
サーヴァント、しかも三騎士に数えられるランサーにとっては
この程度の芸は朝飯前以前の些事である

無双の一撃とは単に威力があれば良いというわけではない

当然の事ながら、相手に当たらなければ意味が無い
故に白兵戦を旨とする戦士は己が技から生ずる無駄を必死の鍛錬において削り
予備動作をなくしていくのが必須事項…

それをあんな遠くから助走をつけて攻撃するなど……いくら何でも稚技に過ぎる

(終わっちまうかな……呆気ねえ、、)

大地を焦がし、文字通り小規模な焦土と化した地面
軽い地割れを作った女剣士の絶死の一撃は
男にとってはまさに止まっているも同然――

その大降りを、 無駄のない最小の動きでかわしたランサーが
今度は絶好の反撃の機会を得る

間抜けな横っ腹を晒した騎士
その側面にて十全の体制にて槍を構える槍兵
誇張でもなく、本当に――
男にとっては、相手を百回は殺せる局面だ

もはや様子見の必要も無い
ここまで無様な隙を見せる相手の、これ以上何を見てやろうというのか…

流れるような無駄の無い動きでそれは行われた
その真紅の槍は何の抵抗も無く
相手の剣士の頚動脈に数分の狂いも無く突き入れられ―――そのまま首筋を横に断ち切っていた


常人の目には一瞬の出来事
紅い炎と蒼い影が凄まじいスピードで交錯し
互いに互いの脇を擦り抜けたようにしか見えなかっただろう

だが、、、その一瞬の邂逅で勝負は決した

結果は今記した通り……
すれ違い様に頚動脈を抉り切られたシグナムが
首から大量の鮮血を撒き散らし――地面に倒れ伏す

もはや男にとっては、改めて後ろを振り返り
確認するまでもない光景であった


―――男の表情には落胆の色があった

―――少しは楽しめそうかと思ったが、、


結果として、この最速の槍の相手にするにはまるで足り、、―――
307名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 08:25:04 ID:9r/qIRYK
このタイミングでリリブラ氏来たよ。支援!!
308名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 08:45:20 ID:E+rPAwvt
バカな!?リリブラ氏だと!?学校の馬鹿野郎!
支援だ!
309シグナムVSランサー1:2009/01/13(火) 09:00:05 ID:tXPXvJgK


…………ズシャリ、、、、

「―――むっ!?」

次の瞬間、男が驚きに目を見張る

後方で……音がした
既に物言わぬ躯となっている筈の相手がいる方で、だ
勝負を決めた確信を以って向けた背中に感じる、その大気の振動
違和感を感じ、背中越しに見やる男の視界に映るは―――

鮮血に塗れ血に伏している筈の女剣士が再び宙に舞い上がり
纏った炎を剣に集約しながら今まさに二度目の降下を開始したところだったのだ

青の体躯の脇を通り抜けた赤の閃光
空を駆ける炎の騎士によって起こる気流の乱れで
ランサーの後ろで留めた髪がたなびく中、、
剣士の薄い赤毛のポニーテールがかかった首筋には………一寸の傷もない

剣と槍の壮絶な乱舞は終わらない
新たな局面へと誘うは烈火の将の更なる苛烈な一撃

「ちぃッ!」

事もあろうに相手の絶命を確かめもせずに矛を収めるという
有り得ない失態に自ら舌打ちをする男

(バカか俺は、、新兵みてえなミスを…)


舞踏に乗り遅れた槍が後方に向き直り迎撃の姿勢を取るも――時既に遅し
炎を纏いし猛禽の爪はすぐそこに迫っていた

期待が失望に変わった事も手伝ったのか
呆気ない幕切れに消沈し、思考を止めてしまったコンマ一秒が
相手に再び必殺の一撃を放つ機会を与えてしまう

確かにこれは、この男らしからぬ凡ミスだ
そもそも武の頂に至った槍兵の両手が確かに認めた、相手の急所をはすり…抉り取った感触、、
その手応えからして違える男では無い筈だ

ならば――何かが起こったのか?
通した筈の男の槍を通さなかった何かの存在?

だがとにかく今はそれに思考を巡らす時ではない
剣士の攻めは当たればデカイ一撃必殺
対して槍兵が自分から攻め込めない宙空からの攻撃
今の時点ではランサーに不利な要素が多すぎた

「ピョンピョン飛び回りやがって…… 
 両の足で大地を駆け、敵を蹂躙するのが騎士ってもんだろうが?」

「ならば覚えておけ――ベルカの騎士とはこういうものだ」

「は、、カトンボみてえに敵の手の届かぬ空をフラフラしてんのがベル、、
 その何たらってのの真髄かい?」

「ベルカの騎士だ……行くぞ」
310シグナムVSランサー1:2009/01/13(火) 09:02:11 ID:tXPXvJgK
男の目と鼻の先に迫る猛禽の爪
地を這う獣の遠吠えなど大空の王者、鷹や鷲の耳に届く筈も無く
その翼持たぬ哀れな獲物に己が凶器を突き立てるのみである

「笑わせるんじゃねえ!」

だが、それでも地行くものは獰猛に唸る
決して一方的に切り裂かれる恐怖に弱々しく喘いだりはしない
たとえどんな状況であれ、この男をただ狩られるだけの存在と断ずるなど
愚かを通り越して罪過ですらあるだろう

確かに相手の二度目の強襲に対し
迎撃姿勢は遅れ、先ほどのようなスレスレの回避は難しい

だが、、それだけだ

相手の剣士の軌道は先とほぼ同じ
速度もまた同様であり、あろう事か女剣士はサーヴァントに対し
既に見切られ返されたはずの攻撃を再び行うつもりである
そんなもの、例え体勢が不十分だったとしても物の数ではない
今度こそ打ち落としてくれると気色ばむランサー

であったが、、

「紫電―――」

それは逆にこのシグナムという騎士を甘く見すぎた見解だった

「!!」

劣勢にありながら、まだどこか余裕を称えた男の表情が今度こそ固く引き締まる

その剣士の増大する戦意と
相手に与えるある種の気配は
あるいはサーヴァントにおける宝具の発動に通ずるものがあった

その声は、高速飛行中に彼女の口から漏れたもの

叩きつける暴風に遮られて決して音にならぬ音でありながら
その威厳を以って放たれた言葉は空を、、男の鼓膜を確かに揺らす

そして紡ぐ言葉は言霊となり
言霊は確かな力となって手に持つ魔剣に注ぎ込まれ、大気を震わせる
デバイスが起動し、使い手である彼女の魔力を加速度的に吸い上げ始める魔剣レヴァンティン
それは常人ならばその行使だけで体中のエナジーを吸い尽くされてしまうほどの貪欲なる魔力暴食

でありながら騎士は更に―――ガシャン、ガシャン、!という外部供給
カートリッジによって供給量を二倍三倍に上乗せする

馬鹿げた魔力放出を伴い、 恐ろしいほどに吹き出す炎
それはもはや剣などと呼べる代物ではなく
煮え滾る溶岩の塊の如き熱量を持った何かとしか記せない

直下してくる赤き裂光は白熱に至り
問答無用の力と化して今、、、

槍持つ男に降り注ぐ!
311シグナムVSランサー1:2009/01/13(火) 09:02:45 ID:tXPXvJgK
「一閃ッッッッ!!」

鬼すらも震わす怒号!
炎の騎士がその渾身を以って繰り出される
これぞシグナムの誇る奥義、、

紫電一閃――

その姿は直下する雷鳴の如し
二の太刀要らずと断ずる閃光の剣閃

噴火し、降り注ぐ火の玉をを思わせる烈火の将の無双の一撃は
槍を構え、先ほどと同じタイミングで回避しようとしていた男の頭上に
男の予想を遥かに超える速度と伸びを持って叩きつけられたのだ


――――――

中華鍋に油を落とした時のような爆炎、、と比喩するより他に無い炎の柱が
数Km先からでも分かるほどの巨大な規模で立ち昇る
それはさながら小型のナパーム弾を投下したかのような威力であり
まさに天を焦がす、と言うに相応しい光景だ

その炎熱の只中、

(決まったか…)

柄に残る確かな感触
いつも通りのソレに唇を舐める騎士

この手応え、、間違いなくクリティカルヒット
彼女の奥義を真っ向から受けては、受身の取れた取れないに関わらず
無事に立っていられたものなど今まで一人としていなかった
故に、今の騎士の胸に去来する思考は 「殺してしまったかもしれない…」 という相手に対する心配と危惧のみだった

そう、、その手応え―――

「……………」

その、「未だ残る」手応え、、、

「………、、、なっ!??」

熱気と硝煙と粉塵で1m先すら見えないこの状況の中
それでも確信を持っていた

目の前に既に倒れ、地に伏す蒼い男の姿を
もはや抵抗の力を宿さぬ敵の姿を、、、

ならば―――今、手元に残る……この手応えは何だ?

シグナムの全身に電流が走る
既に何の障害もなく地面に振り抜かれていなければならない魔剣
それが未だ宙空、、、

ちょうど――成人男性の面の部分で止まって、、否、阻まれているという事実

それが己が秘剣を叩き付けた相手が沈黙か健在かを
いち早く剣士に報せる結果となった
312シグナムVSランサー1:2009/01/13(火) 09:03:44 ID:tXPXvJgK
熱気渦巻く粉塵が晴れ、一四方先の光景が目に映る
その最初にシグナムが見たものは――
自身、数え切れぬほどの敵を薙ぎ倒してきた剛剣を
上段受けに構えた槍の中央で真っ向から受けた、、、男の姿!

その槍の柄の中央でギチギチと金属の擦れる音と共に阻まれた
一閃の太刀の姿だった

(馬鹿な………)

ギリ、と奥歯を鳴らす女剣士
二の太刀要らずの奥義を正面から、力で受け止められた
しかもこんな受け方で―――槍が折れていない、、?

魔道士のシールドの上からデバイスとBJを両断する一撃必殺の剣が
こんなか細い槍一本折れなかったというのか?

未だ硝煙は晴れず
男の表情は土煙に隠されたまま

だがその額の部分からつ、、と紅い液体が落ちるのが見えた
流石にこの一撃を受けて無傷では済まなかったランサー
剣を止めてなお降り注ぐ剣風による衝撃は槍の下で守られた男の額を割り
圧壊の剛剣の衝撃によって男の両足が深々と地面にメリこんでいる

「――――こいつはいい、、」

「!?」 

だがそんな傷よりも、赤く染まった額よりもなお紅い
土煙に阻まれた向こう側から煌々と光る猛獣の瞳、、

「先に傷を負ったのは本当に久しぶりだ……
 やるじぇねえか、、<セイバー>の姉ちゃんよ」

セイバー……剣使い
それは相手を一流と認めた事による呼称なのか
それともとある儀式におけるクラスの一つとして相手を認めた事による詐称なのか

「ちっ!」

ともあれ戦慄を覚え飛び退ろうとするシグナムだったが
この距離、この間合い――
真正面に捉えた女剣士に対して向けられた切っ先

外さない……外しようが無い

この男が、完全に己が間合いに入った獲物を突き損ねるほどに凡庸な筈が無い


―――二撃
―――もはや同時としか言い様のない速度で
―――剣士の鳩尾と眉間、

両の足を地面から抜き去るなり
男の手から放たれた紅い光が線となり点となり
彼女の急所に容赦なく打ち込まれていたのだった


――――――
313シグナムVSランサー1:2009/01/13(火) 09:04:36 ID:tXPXvJgK
(さあて……どうなる?)

視認不能の刺突
流麗に打ち込まれた二擲は先ほどのすれ違い様のそれと同じ
数分違わず急所を穿つ絶死の凶刃

これで終わり――本来ならば
かわせぬ間合いで受けられぬタイミングで
この二撃を捌ける術は無い

まさに読んで字の如し
針の穴を通すほどに正確なランサーの切っ先は剣士の命を軽々と摘み取り
その槍に新たなる血の記憶を擦り付ける事だろう

故に――今こそランサーは目を見開き、ソレを凝視する
決められた場面で決まらなかった要因
摘み取った筈の切っ先が届かなかった原因
先ほど己が攻撃を妨げた、、何かの正体を、、

「なるほど――そういう仕様か」

両目をナイフのように鋭利に細め、納得の声を漏らすランサー
結論、その二擲は先と同様
相手の女剣士の肉体を穿つ事は無かった

放たれた切っ先が女の体に届く寸前
本当にその肌に届く一歩手前で、、
槍は剣士の全面に展開された見えない力場によって阻まれていた

その膜のような何かが、特殊なフィールドとなって盾となり
先と同じように自分の槍を防いでいたのだ

力場によって槍を弾き、その反発で後ろに飛び上がる女剣士
彼女は後方宙返りをして男の頭四つ分上空にその身を置いた

見上げる男の視線、見下ろす彼女の視線――共に鷹のような鋭さを秘めている


好敵手――

ここまで記した戦い、邂逅は本当に一瞬の出来事で
時間にしてまだ数分と立っていない

にも関わらず剣士と槍兵はその刃を交え、多くの思惑と戦意と、技巧を交錯させた
濃密で凝縮されたかのような時間の中、双方の胸に去来するのは歓喜か恐怖か戦慄か

ともあれ高町なのはとセイバーの戦いがそうであったように
究極の神秘の具現であるサーヴァントがその卓越した能力で相手を驚愕させるならば
ミッド世界の魔道士、騎士達はその最先端の技術と技能を融合させた戦技によって相手に洗礼を与える
両世界の邂逅はとどのつまり、常にこの図式に集約されている

ほくそ笑むは槍の男、ランサー

一発の重さと堅牢な装甲に任せた一撃離脱の戦法
例え相打ちになったとしても、あちらの鎧がこちらの攻撃を弾き、同時に手を出しても自分だけが直撃を食らう
そういう相手は大概、機動力に難のある……つまりは鈍重な重装歩兵の場合が多いのだが
この相手は速度も技能もかなりのレベルにあり―――しかも飛べると来た

初手から厄介極まりない――申し分の無い強敵だ、、
314シグナムVSランサー1:2009/01/13(火) 09:05:52 ID:tXPXvJgK
「貴様がどれほどのものかは知らんが……
 あまり私を舐めるな、槍の戦士よ」

それに対し、静かながらに憤りをぶつけるシグナム

その男の、一つ一つこちらを吟味するかのような切っ先、視線
本気なのか戯れているのかすら分からない相手との一騎打ちは
曰く、戦闘マニアの彼女にとってはただただ不快だ

「別に舐めてるわけじゃねえぞ? つまらん戦いはしたくないってだけだ俺は」

それに対し、槍片手に心外だというポーズを取るランサー

「まあ正直、こちらもお勤め中だ 
 相手が愚にも付かぬボンクラだったら一思いに殺してやろうと思っていたが…
 どうやらお前さんは俺と十分ヤれるレベルにある
 その事が今は嬉しくてな、、つい口元が緩んじまうんだ」

「それは舐めてるとは言わんのか?」

「お前だって人の事言えねえだろ、、姉ちゃんよ?」

(…………)

両者の間に流れる沈黙の空気
ややもして、フッ……と
口に不敵な笑みを浮かべるシグナム

自分もまた、その力の大半を隠しているのを相手に見抜かれている事に対する苦笑だった

その会話の端々にまで駆け引きを要求される相手など
この将にとっても本当に久々で、、
男と同様の感想を相手に抱かずにはいられない

既に並の戦士であれば双方共に1,2回は命を落としているそんな激闘は
しかし二人にとっては互いに手札を隠した、、グローブを嵌めた状態での殴りあいに過ぎなかったのだ
これは相手を侮っているからではなく、むしろ一息にねじ伏せられる様な容易い相手ではないと互いに認めたからに他ならない

「とはいえ、、」

男が流麗にして華麗な仕草で槍を中段刺突に構える

「探り合いばかりじゃ芸がねえ…
 お次は俺が手の内を晒す番かねぇ――」

ピリ、と空気が変わる
ゆらりと揺れる紅き切っ先が
男の言葉を受けて新たなステージへと二人を誘う

一見、脱力したかのような緊張感の無い男の姿は
その実、しなやかさと柔らかさを併せ持つ武における理想の構え
それを難なくやってのける相手に対し、シグナムもまた迎撃の体勢を取る

こちらは相も変わらず対照的な、業火纏う戦意の塊のような佇まい
その体が二倍、三倍にも膨れ上がったかのような闘気を醸し出し
いつでも来い!とばかりに男と対峙するシグナム

カミソリのように洗練された槍兵の気配と
全てを焦がす業火の如き剣士の闘志が交錯する中、、
315シグナムVSランサー1:2009/01/13(火) 09:06:33 ID:tXPXvJgK
男がニィ、と歪に哂う

「――――そらよ」

破顔した男が無造作にフ、、と動いたその時――

セカイを取り巻く、、音が死んだ


――――――

それは音断ち、と呼ばれる現象

音速を超えた鋭利な物体が大気を、空間を裂いた事により生ずる
一切の音が空気を渡れずに耳に届かない無音空間
物体がマッハの壁を越えるという奇跡の元に起こる
様々な現象のうちの一つ

人の身では到底適わぬ
人力では到底届かぬその境地

、、、

紅くて細いその何かが通り過ぎた瞬間、確かに――音は死んだ


――――――

そして時が止まっていたかのような場が再び動き出す

「――――、、」

まず動いたのは赤毛の女性の顔

しばらくは呆然という感情を貼り付けた顔が、、
その後、目を見開き
驚愕の表情を作っていく

そして震えるように動いた唇から紡ぎ出された――

「な、、に……!?」

唖然という感情を意に示した言葉

それはランサーが無造作に動き、この光景に至るまでのその過程、、
その一切の動作が――まるでコマ落としのようにすっぽりと抜け落ちたようにしか見えなかったという
有り得ない現状に対してのものだった

そして微かに顔を歪ませる彼女、、その頬に伝わる痛み――

顔の横を通り過ぎて、今まさに横目に映っている槍にはすられた右の頬
そこから伝う血がシグナムの首を、肩を濡らす

この現象――というより状況を手っ取り早く説明するならば剣術の居合い抜きであるが
その練度はそんな凡庸なものとは一線を隔して余りあるものだった

ランサーの中段構えから放たれた一撃は
何の予備動作も予兆も生じないままにシグナムの間合いを犯し
まるで視認を許さぬままに彼女の眼前の横を通リ過ぎていったのだ
316シグナムVSランサー1:2009/01/13(火) 09:07:51 ID:tXPXvJgK
まさに居合いのそれを凌駕する刃
ソレに対し、シグナムの右下段から抜いた剣は間に合わず
条件反射で顔を庇った左手は手工ごと手首を大きく切り裂き
将の抜く手を速度で遥かに上回った電光石火の突きが彼女の顔面を穿ったのだ

一瞬、フィールドによって止められたが故に辛うじて反応できた剣士
条件反射で顔を逸らしたが故に、槍はその横を通り過ぎ
頬の肉をそぎ落とすのみに留まったが、、、

「う、、く……」

そうでなければ、今の一瞬で……勝負は決まっていた
顔面を串刺しにされた彼女が、、無残な躯を晒していただろう

ニ〜三歩、後方にたたらを踏む騎士
驚愕に見開かれた双眸
からからに乾いた喉からようやっと搾り出す、焦燥の吐息

剣の試合でいうならば今のは完全に一本だった
反応が遅れた、、などという生易しいものではない

――見えなかった

――その軌跡すらも、、

「宣言通りだ、姉ちゃん
 んじゃ、ま……ぼちぼち見せてやろうか、、」

流麗で物静かささえ醸し出していた男
それはあるいは、社交的で好感の持てる好青年であったのかも知れない

だがその言葉にはどこか緊張感が欠落していて、、
まるで今までのは 「始まってすらいない」 という倣岸な響きさえあった

「本当の――――俺の槍をなぁぁぁああッッ!!!」

そう、、、、、今までは………である
ランサーの表情が鬼貌に歪む、この瞬間までは

途端、その気配――
今まで男の心中で押さえつけていた何かが一気に噴き出した

そう、その異名は初め
決して勇名として馳せたものではなかったのだろう
あまりにも凶暴にして蛮勇に過ぎる戦い方
敵味方共に恐怖の対象、、

千の敵をその蛮勇にて貫き続けた男―――

――― 「クランの猛犬」

自らを律する首輪を、鎖を、
今、己が牙で引き千切った人喰いの魔犬が、、
文字通り咆哮を上げながらに烈火の将シグナムに、、


飛び掛っていたのだった


――――――
317フェイトVSライダー1:2009/01/13(火) 09:11:42 ID:tXPXvJgK
Lightning&Rider1 ―――

剣と槍の織り成す凄絶なる凌ぎ合い
互いの心身を削っての攻防繰り広げられる
フィールド中央――

その戦場の周囲をまるで周回するかのように飛び回る二対の閃光があった

機動6課ライトニング隊隊長=フェイトテスタロッサハラオウン
そしてサーヴァント=ライダー

先ほど見知られぬ峠道にて
追いつ、追われつのデッドヒートを繰り広げた二人
そのステアリングを握っていたもの同士が
期せずして再び、互いのテールとノーズを突き合わせる

「止まれ!!! まずは話を、、ッッ」

下がるフェイトに追うライダー
対話の機会を持とうと何とか距離を離そうと試みる執務官であったが
四方から襲い来る暴力の嵐を避け、潜り、凌ぎながら絶叫する彼女の声を
紫の女怪は全く耳に入れない

彼女にはランサーのように戦闘そのものを愉しむ趣向は無い
その身は、人が眩しげに見上げる栄誉や誇りとはただただ無縁の存在、故に戦に美学も求めない
機先を制したなら一気にそのまま獲物の全身を引き裂くのみである

その互いの凄まじい速度は先ほどの前哨戦とは比べ物にならない
当然だ……先ほどはそれぞれが重い箱と貧相なフレームに縛られた、謂わば楔に縛られた状態であったのに対し
今はその重石から解き放たれた、、彼女たちは世界最速の走狗であるのだから

美しきステルスランナーの夢の競演
それは常人の鑑賞を許さぬ、スピードの向こう側の光景
1000分の1のレンズのフィルターを通して見たとしても
その金と紫の美しい髪が残像となって尾を引くのを辛うじて移すのみであろう

「貴方はッ、、スカリエッティの、、、うっっ!??」

一時も止まない猛攻
その一撃がフェイトの胸元を一文字に裂く

彼女の手に握られる、小型の短剣とその柄から伸びる鎖のようなもの
まるで日本の戦国時代――兵法家の一部が愛用したとされる鎖鎌を模したような武装であった
それを以って攻めに攻める紫紺の騎兵
その連撃はSランク魔道士の彼女をして全く口を挟む隙を与えない

そう、フェイトは今や時空管理局のSランク魔道士である
攻勢に回れば殲滅兵器
守勢に徹すれば鉄壁の要塞
まさに次元世界にて最強の二つ名を与えられし存在
時空管理局が各地の紛争鎮圧や次元犯罪者と戦うにおいて戦略の要となる者たち
それが局の魔道士の中でもエリート中のエリート=「オーバーS」と呼ばれる彼女らなのである

そんな自分が―――完全に受けに入ってなお、相手の攻撃を凌ぎ切れないという事実、、

(この、、強さは……!)

つまり相手は「Sランク」に匹敵する戦闘力を持った個体
フェイトの全身を覆う汗は、その半分が冷たいものであろう
318フェイトVSライダー1:2009/01/13(火) 09:13:01 ID:tXPXvJgK
何せS級同士の戦いは町一つ、山一つをゆうに壊滅させるのだ
法外な力を持つ者同士の邂逅は並大抵の事態ではなく
その力が行使されるに当たっては万全の備えとA級以上の結界魔法の使い手が必須、、
そのどちらも……今、自分に用意出来るものはない

思考を巡らすは一瞬
だがこの二人の間での一瞬は人を十数人はラクに殺せる一瞬だ
フェイトの喉元に杭の様な短剣が迫る

「くうっ!!」

それをスウェー……否、身体を捻りながら後方に倒れこみ回避するフェイト
後ろに下がりながらそんな体勢を取れば常人ならばたちまち転倒し
後頭部を地面に打ち付けてしまうだろう

だが、そこは彼女の空間姿勢制御の妙
低空飛行にして、片手で自身の全体重を支えながらのバク転
そしてまるで体操のムーンサルトのように身体を反転させて
華麗に地面を滑りながら着地する黒衣の魔道士

だがライダーもそれに負けてはいない
地面スレスレで縦回転した相手の上空を取るように彼女は飛翔
相手の回転の僅かな隙をつき、その死角に回りこむ

「! シールドッ!!」

着地して開けた視界に紫の肢体がどこにも無い事を察したフェイトが
今のアクションで己の死角となった方角、地点を高速で先読みし
そこに稲光を放つ防御壁を張る

「ギュイィィィィ―――という
魔力壁と物体が衝突した音が鳴り響く

「―――、?」

魔道士の海老反り縦回転に合わせて同方向に飛び込んだライダーが
その死角を突いて後方に回り、頚椎を貫こうと放った短剣の一撃が、、
間一髪、フェイトの防御魔法によって阻まれる
今まで知覚しなかった所に突然現れた壁に阻まれ、そのまま弾かれるライダー

一つの攻防が為され、しかし互いに一時の静止も許さない
地面を滑るように動き出す二人は変わらず――紫が攻め、金色が凌ぐ

それはどこまでも激しく美しい舞いのようだった


(駄目だ……守勢に回っていたら、、)

そんな中、歯噛みしたのは金髪の執務官である
守りに回っていては一気に叩き潰されるという直感
ただでさえフェイトは先行先出し型のスピード重視の魔道士であり
防衛戦は装甲などの特性上、最も苦手とする戦法なのだ

相応の力を以って迎撃をせねば止まらない…
そう思い立った魔道士
金と紫の髪をなびかせて飛ぶ二対の光が交錯する中、
フェイトがバックステップから一転、初めて攻勢に出る

話を聞いて貰うにはまずは卓について貰わねば始まらない
己が掛け替えのない友達に教えられたそれを彼女は今、実践に移す
319フェイトVSライダー1:2009/01/13(火) 09:13:58 ID:tXPXvJgK
――バルディッシュ=サイス

金色に光る、彼女が持つには聊か無骨な巨躯
その杖の頭身から煌く一条の鎌

それを一切の重量を感じさせずに後方に振りかぶり――
フェイトは勢い良く横一文字に薙ぎ払った

それは彼女の動きと相まって加速に加速を重ねた雷光の一撃
ブリッツアクションと呼ばれる速度補助の魔法を伴う彼女の斬撃は
一流の騎士をして「見えぬ」と言わしめる不可避の領域にある

それをカウンターで相手の女性が踏み込んでくるタイミングに合わせて放ったのだ
普通ならばここで決まり、、
並の相手なら斬撃に反応すら出来ず、切り伏せられて地に侍る事だろう

―――並の相手ならば、、、であるが

「!!」

その切り払いを放ちながらに相手を見据えるフェイトの表情が歪む

紫の女性の中段を狙ったバルディッシュの一撃を
何と相手は中段の更に下に瞬時に沈み込んでかわす
まるで四足歩行の獣のように地に伏せ
低空にて潜り、頭上にてサイスの一撃をやり過ごしたのだ

魔道士が息を飲んだのはその、人の肉体が演じるにはひたすらに歪な四足直立が
この女性にはとにかく馴染んでいて――
くねるような腰や背中が、まるでヒトではないナニカに見えてしまったから…

だが空振りに終わった反撃からでも何かを掴むのが一流の戦術家だ
まるで押し寄せる暴風のようだった相手の踏み込みが今、一瞬だけ止まる
その機を逃すフェイトではなかった

振り切った鎌の切っ先が宙を裂き、体が泳ぐが
その勢いを殺さず、むしろ利用して――斜め後方にバックステップ
間髪入れずに後ろ手にサイスを構え、

「ハーケン、、、セイバァァーーー!!」

捻りを加えた姿勢から、その力を開放するように
返し中段の二撃目を放つフェイト

それは中間距離から放たれる三日月の光輪
巨大な鎌の刃部分が手に持つ杖の先端から勢い良く射出され
静止したライダーを薙ぎ払おうと迫る

「ふん、、」

まるで回転ノコギリのように空を裂いて飛ぶ金色の凶器は見るだけで圧巻の恐ろしさを秘めていた
だが、それを鼻で笑うように瞬間移動じみた横っ飛びでかわすライダー
凄まじい速度で放たれた光の刃なれど
そのような飛び道具にむざむざ当たってしまうほど彼女――

いや、サーヴァントという存在は甘くない

だが、フェイトにはそれで十分
相手の奇襲からこっち、まともに迎撃姿勢すら取らせて貰えなかった彼女が得たこの一時の間こそ
雷光が天に昇る絶好の機会だった
320名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 09:18:12 ID:qKVxyxUI
『お話』か……フェイトさんも染まってるなw
支援
321フェイトVSライダー1:2009/01/13(火) 10:00:06 ID:tXPXvJgK
「―――テイクオフ!」

雷電纏う黒衣の魔道士
その対照的な白いマントを翻し
運動法則をまるで無視したロケットスタートのような離陸によって
フェイトはライダーの遥か上空にその身を翻していたのだった


――――――

一瞬で空高くまで舞い上がった肢体が
後ろ手に鎌を抱え、目下の相手――
ライダーに向けて手を翳す

「……………」

ようやく本来の自分の居場所、空へとその身を置く事の出来たフェイト
地上でこちらを見上げてくる恐るべき敵の追撃に備え、マルチタスク――並列思考で
同時7つの術式を展開しつつ、相手の動向を見る

――――――追撃は、、、無い

奇襲とはいえ、フェイトを防戦一方にまで追い詰めた敵の女性
この執務官をして「目にも止まらぬ」身のこなしで襲い掛かってきた美しき紫紺の刺客は
今、地上から黙ってこちらを見上げているのみ

その美しい髪が風を受けてたなびいている

「陸戦タイプ………」

いきなりの超速戦闘に入り
ギアを無理やりトップギアに入れた事による負荷か、、
既にフェイトの額には玉の様な汗が浮かび、荒げた息と共に肩が大きく上下している

正直、追撃が来なくて助かった、、
取りあえずは一息つける事にホッとするフェイト

(……でも油断は出来ない
 あれほどの戦闘力を有する相手、、何をしてくるか分からない)

とはいえ、そこは現職の執務官だ
敵を前に緩めてしまうような真似はしない
視線は常に相手から外さず、敵の一挙一足投に神経を集中させている


「―――どうやら雀を取り逃がしたようですね」

対して、その姿を見上げながらにボソリと呟く騎兵
アイマスクの下に封じられた両目が今、称えるは如何な感情か?

奈落に堕ちていく自動車から相手の二人が脱出した様はこの目で見ている
相手が飛べる事は分かっていた
故に、その翼が羽ばたく前に仕留めようと思っていたのだが――

(また随分と頑丈な雀もいたものです)

フウ、と溜息交じりに、愚痴めいた思案に耽る騎兵
322フェイトVSライダー1:2009/01/13(火) 10:01:31 ID:tXPXvJgK
不意をついてあれだけの手数、あれほどの攻撃を放ったにも関わらず
相手に一発も効かせられなかった
長い金の髪と軽装のローブに身を包んだ魔術師の女
この自分が本気で攻めれば容易くヘシ折れるであろう、その華奢な体躯には
見たところ、擦り傷一つない

いくつか直撃したはずの攻撃もあったのだ
瞳はマスクで隠されているが、その感覚が事実を違える事は無い

確かに突き立てた短剣――
心臓と脳天を貫く筈の杭が――
肉体に届く前に力なく地に落ちる様、、

自身の武装が通らないという事実をはっきりとその目に認めていた

それに動きも速い
サーヴァントで1、2を争う自分の足に競り負けない程の速力を持つ彼女
すばしっこい身のこなしは野生の兎のようであり
時折見せる瞬間的な加速や旋回は戦闘機のようなモーター仕掛けのマシンを思わせる

そんな凄まじい機動力を駆使し、ついには自分の手から逃れてしまった獲物
かつてツバメを斬る為に魔法の域にまで術を磨いた剣バカがいたが……
自分もそんな端っこい相手を捕らえる術を磨いておけばよかったと思い立つ

(あの速度に加え、防壁に飛行能力……
 まともに戦えばこちらの攻撃を届かす術はない、、厄介なものです)

期せずしてランサーと全く同じ憂き目にあうライダー
管理局魔道士が誇るその神域の守りと卓越した性能は
やはりそれを持たぬ者にとっては脅威以外の何物でもない

これは長丁場になりそうだと……美しき女怪はマスクの下の眼に光を灯らせる

「………問答無用で攻撃してきた事は、今は不問にします」

その獲物が、上空から右手を翳しながら何やら喋り出した

「そちらに何の意図があるのか私は知らない
 でも管理局はちゃんと相手の話を聞く用意がある…
 まずは武器を収めた後、話を聞かせて欲しい」

「――――」

何やら勘違い……
否、場違いとしか思えない言葉をつらつらと語り出す黒い金髪
取りあえずは沈黙を以って答えるライダー

「………貴方はルーテシアという娘を知っていますか?
 または何かしらの関係が…?」

「――――」

取り付く島のない、というより
聞こえているのかと疑わしくなるほど、、
地に立つ女性は反応が薄い

元々、どこか浮世離れした雰囲気を醸し出している風がある
言葉が通じている事すら疑わしくなるフェイト
だが、その追及の手は緩めない
323フェイトVSライダー1:2009/01/13(火) 10:02:36 ID:tXPXvJgK
プロジェクトF……
もし彼女がスカリエッティの手の者だとしたら――
ルーテシアやその母の細胞から作られた彼女達のクローンという可能性は十分にある
ならば放っておける筈が無い
自分の母と、因縁深いあの狂気の科学者が世に残した忌わしき遺産
その傷跡を少しでも癒すのが、あの計画に深い因縁を持つ自分の使命だと彼女は思っているから、、

「話す事などありません――サーヴァントはマスターの命によって動くのみ
 どの道、貴方が死ぬ事に変わりは無いのですから」

思案に耽るフェイトに対し、その女性がようやっと口を開く

ハスキーで透き通った落ち着いた声だ
ゆっくりと紡ぐような声色はまるで歌うように美しく
だからこそ、その口から容易く――死を連想させる言葉が紡がれる事に戦慄を禁じえない

(マスター……やはりスカリエッティ、、、)

サー、、、何やら聞き慣れない言葉が出てきたような気がするが
この女性と、そしてあの槍の男が誰かの指示で動いている事は間違いない
そしてその誰かとは言うまでもない、、

自分とシグナムが追いかけてきたあの男――
ジェイルスカリエッティ以外に誰がいるというのか?

「貴方は何者だ? 戦闘機人か?」

「サーヴァント=ライダー、、フフ……これくらいは教えて差し上げても良いでしょう
 自分がどのサーヴァントに殺されたのかくらいは、知らせたところでバチは当たらない」

「……なら、、ライダー
 貴方を管理局法第13条=公務執行妨害で逮捕する」

敵が正体と目的を明確にした以上、こちらも躊躇っている場合ではない

常の優しい態度からは考えられない厳かな視線を彼女に向け
そしてフェイトは言い放つ――法の執行者たるその宣言を

「拘束後、貴方には弁護士を呼ぶ権利が生ずる
 局員の勧告にあくまで従わず、武装を解除しなければ裁判では更に不利に、、」

「―――――フ、、」

「………何がおかしい?」

流れるような口上に対し嘲りの笑みを返すライダー
静かに問い返すフェイトの口調も厳しい

「いえ、つくづく面白い事を言うもので……少し興味が出ました
 この私に何の権利が生ずると?」

「弁護士を呼ぶ権利だ………それと貴方には、、」

相手のどこか嘲るような態度にも冷静に対処するフェイト
過去何十回何百回と繰り返してきた犯罪者に対する勧告を
この優秀な執務官は一文たりとも違えたりはしない

そしてその自分にとっては茶番以外の何物でもない能書きを
黙って (あるいは関心深げに?) 聞いていた騎兵である
324フェイトVSライダー1:2009/01/13(火) 10:03:34 ID:tXPXvJgK
「弁護士、ですか……ふむ――興味がありますね
 原初に遡っての私の所業を現代の法に照らし合わせた場合
 どう裁かれ、はたまた人の世において弁護の余地があるものなのか――」

何やら口に手を当てて、ブツブツ独り言を呟く女性

「私としてはいい加減、時効ではないかと思うのですが如何せん殺した者の数が多すぎる
 しかしあの者どもは皆、人の家に無断で入り込み女神を嬲り者にしようとした――英雄とは名ばかりの鬼畜
 そんな輩は石像にされて物干し竿の代わりにされても当然かと、、俗に言う正当防衛、というやつに抵触しないかと思うのですが如何?」

「なにを……何を言っている…?」

「いえ、こちらの話です」

やがて女は髪をすいっと掻き揚げて、

「まあ埒も無い口実はもういいでしょう? ――魔術師」

もはやこの場において言葉など何の価値もないと
フェイトの説得をピシャリと斬って捨てる

サーヴァントを相手に何を、、という心底うんざりとした態度は一先ずは出さない

相手にも相手の何らかのポーズがあるのだろう
どうせ殺す相手だ……さしたる興味も沸かない、、、

そしてフェイトもまた説得の無駄を悟り――その目がスウと閉じられる

「奇襲で私を倒せなかった以上
 飛べない貴方に勝ち目は無い……それでもやるのか?」

「相手に敗北を認めさせるには聊か早すぎるのでは?
 それに勝ち目がないというのは―――どうでしょう」

空に陣取り、得意げな表情の小雀
「その気」になれば英霊にとって
上空などは何のセーフティゾーンにも成り得ないというのに、、

そしてライダーを直下に迎えるフェイトの目がゆっくりと……
決心を固めるように開かれ、そして紡ぐ――

「―――――ランサー、、セット」

今の今まで一時も下ろさずに敵の女性に向けていた手から迸る金色の魔力の奔流
マルチレンジでの多彩な技を有する彼女が一つ、己が引き出しから手の内を見せる


――プラズマランサー

彼女の得意技にして全ての攻撃の基点となる技である

空間に顕現させた無数の雷属性の矢を敵に投擲する直射型射撃魔法
その黒いローブ姿の魔道士の周囲に次々と展開されていく二の腕ほどの長さを持った矢
これは全てフェイトの命のままに動く意思を持った猟犬だ
高い目標到達性能を持つ矢の数々を一斉に降らせる
325フェイトVSライダー1:2009/01/13(火) 10:04:40 ID:tXPXvJgK
敵は翼持たぬ者…
恐らく勝負は一瞬で決まるだろう

(完封する……下手に手加減するよりは一気に倒した方がいい、、)

そうだ、、敵のあの埒外の身のこなしと強さ
手心を加えては下手に生殺しになり、かえって重い後遺症を与えてしまう事になる

ならば全力――
初撃にて敵の抵抗、防御の意思すら奪う会心の一撃を入れ、ノックアウト
もしくは完全に戦意を奪ったところでバインドにて捕縛するのが一番良い

その右手が力ある者の言葉を受けて翻り、、


―― 瞬間、、紫の刺客が走り出す ――


先ほどクルマと自転車が下っていた一本道の林道の先
未だふもとに続く下りの峠を、道成りに駆け抜けていくライダー

それに対し、明確な攻撃の意思を示したフェイトの表情
そのままに10を超える雷槍に向かい、、

「………ファイアッ!」

敵を殲滅せよと命令を下した

フェイトとライダー
空と地上

一方的過ぎる爆撃戦が今、ここに幕を開ける


――――――

奔走するライダーを上空から追うフェイト

「ファイアッ!!」

執務官の号令一合、次々と対象目掛けて飛来する雷の槍
その逃げ足を妨げるため、足元へと集中砲火を集めていく

だが相手の女性は凄まじかった
その後ろを振り向かぬままにアスファルト上にて側転、バク転、ムーンサルト
さながら体操のショートプログラムのような身のこなしで次々と矢をかわしていく

(凄い……だけど、、!)

しかし相手が回転に次ぐ回転を決め、上空へと舞い上がった時こそ絶好のショットポイント
どんなに優れた体術を持っていようと空に身を置いてしまってはその半分も使えない

魔道士が狙いをつける
相手が回避し得ない上空に舞い上がった瞬間
待っていたかのように四方から矢を集中させる

爆撃じみた射出音と共に翻る雷槍が
フェイトの指示の元、紫の女のいる中央に今まさに飛来したのだ
326フェイトVSライダー1:2009/01/13(火) 10:05:46 ID:tXPXvJgK
決まった…、、

その光景、フェイトでなくともそう思った筈だ
どれほどの軽業を披露しようが、この状況
射撃魔法で一方的に狙い打てるフェイトの勝利は揺るがない
翳した右手に込めた黄金の魔力を、ほう、と抜きかかるフェイト、、

「―――、、」

だが、、、、そこでも悉く埒外だったのは敵の女性

その空中でしなやかな肢体が回転し
狙い撃ちにされる筈の彼女の、その体の周囲に剣閃が走る

それはまるで女の体から射出されたカマイタチの如し――
実態は、己が身を高速で回転させた体術のままに
両手に握った短剣を駆使して360度から来る射撃を全て切り払ったのだ

「、、、そ、そんな……」

唖然とするフェイト
空中に身を投じながら、投げられたリンゴをサクサク切って捨てる大道芸人のような所業
もっとも、練度はケタ違いだが、、

(流石に……この状況で自信満々なだけの事はある、、)

<Master...>

「大丈夫! 次弾セット!」

まるで昔、TVで見たサーカスか特撮映画でしかお目にかかった事のない超ウルトラCの数々
しかしそれらは全て、術技立てられた観賞用の技であり
実戦では決まりようの無い超絶アクションだ
それを、まさか……自分が繰り出した攻撃に対してされるとは、、

悔しさよりも見事さが先立ってつい目を奪われてしまうフェイト

女性の両肩、太股がその装束からはみ出し
扇情的な肌が限界まで露になっている
その足の先から頭のてっぺんまで――非の打ち所の無い「美」を持つ相手
そして見とれるほどに見事な動き、、

まるで異性……否、同姓ですら虜にする魔性のダンサーのようだった

もっとも――それでも、、

バチィ!!

「―――、!」

雷撃を帯びた矢を切り払った騎兵が稲妻が落ちたような衝撃に弾かれた

プラズマランサー、、
それは文字通り、電撃を帯びた矢だ

それに付加されるは「感電」 
雷撃魔法には今や定番の属性がふんだんに込められている

掠っただけで体機能を麻痺させ
切り払ってもその残滓が肌を焼く
327フェイトVSライダー1:2009/01/13(火) 10:06:59 ID:tXPXvJgK
この執務官の攻撃一つ一つは全て凶悪極まりないスタンガンじみた制圧武装なのだ

ライダーの綺麗な弧を描いていた回転が歪にゆがみ
バランスを大きく崩して地面に着地する
そして、、彼女が今、微かに目を見張る

切り払った矢は良い――そのまま自身の短剣とぶつかり消滅していたから

だが、、先ほど身を捻ってかわし地面に突き立った筈の矢―――

それが再び意思を取り戻して自分に襲い掛かってきたのだ

「――面倒な…」

忌々しげに呟く騎兵であった

空から追い立てるフェイト
地を這うプラズマランサー

それを背にしてライダーは再び駆ける

獲物に過ぎない相手に背を向け、撃たれ続けながら逃走するという屈辱
その相手に対し、暗く残忍な復讐を胸に誓いながら――

――――――

かつて高町なのはとセイバーが邂逅し、刃を交えた時
同様にこうした空と陸において似たようなシチュエーションがあったが――

今回は少し違う、、

風を切り裂き、地を駆けるライダーに対して、このフェイトもまた6課最速の魔道士だった
故になのははセイバーの速度に翻弄されたが
彼女は敵を見失ったり、速度で遅れを取るなどして相手にまかれる事は無い

ここが仮に遮蔽物の多い市街地であったなら話は別だが
現在ライダーが疾走しているのは峠の一本道

右には絶壁、左は奈落

狭い車道には空爆から身を守る遮蔽物など一切無く
まさに上空からの爆撃を迎えるに当たっては最悪の環境

つまりこの追走は現在、フェイト側に圧倒的に天秤が傾いた状態なのだ

地面に打ち込まれていく雷槍を見事な側転でギリギリ回避していくライダー
だがその脇腹や腿を雷がかすり、皮膚をきつね色に焦がす

槍や矢というのは直進するのがセオリーだ
それを環状魔法陣を用いた加速発射システムによって
無理やり再発射、あるいは曲げて追尾性を持たせているフェイトのランサー

得手あれば不得手あり、、、
高町なのはなどが使う、スフィアによるシューターほどのホーミング性能を
この矢に持たせる事は難しい

なのはがセンターとして、基本動かずに弾道を操作するのに対し
フェイトは常に機動力を生かして動き回るタイプだ
自分の高速軌道を制御しながら、射撃もコントロールするため
槍にそこまでの制御を持たせられないというのも一因である
328フェイトVSライダー1:2009/01/13(火) 10:08:31 ID:tXPXvJgK
だがそれでも、、今の状況で彼女の矢が敵を仕留め損なう理由は無い

「はぁッ!!」

それに彼女自身、射撃だけでどうにかしようなどと思っていない
敵が幾度目かの空爆に晒され、弾かれ、ゴロゴロと地面を転がる
その隙を突いて今――

「行くよ! バルディッシュ!!」

<Yes、sir>

無数の槍に紛れて、自身もまた矢と化して急下降を敢行するフェイト

現在残る矢は7本…そして8本目は魔道士自身、、
敵の逃げ道を塞ぎ、追い詰めていくは雷撃の乱舞

体制の崩れたライダーにサイスを叩き込むフェイト
間一髪、横っ飛びでかわすライダーだったが、そこに新たに打ち込まれるランサー

キリが無い、、攻撃の切れ目が無い
その多角的な追撃に対し、短剣で払うが
またもバチュン!という甲高い音と共に弾かれるライダー

その杭を持った手がブスブスと嫌な匂いを発している
感電の付加価値を持った金色の魔弾は弾くだけでも相手にダメージを与える事は先に言った通り
頭上を取られる事のイニシアティブはやはり途轍もなく大きく
今、勝利を手中に収めようしているのは間違いなくフェイトだった

「ランサーセット!」

消費した分の猛追の矢を、魔力の許す限りに追加するフェイト
矢継ぎ早に行われる魔力行使に彼女の体内のリンカーコアが唸りを上げる

遠距離、、は駄目だ
あのスピードで動く相手には長距離砲は当たらない
ならばこそ近接、中距離での戦術を五つ、六つ――
同時に展開する脳内シミュレーションに、用意される魔法は優に10を超えている

こうしたマルチスキルを持つ者の戦術の幅は驚くほどに広い
ただ、選択肢が多いといえば聞こえは良いが……
その能力を使いこなし、フル稼働させるには卓越したセンスが要求される

例えばなのはやシグナムのような一極特化型であれば、ある意味では単純無比
小細工無しで己が才能に見合った武器を磨き、それに全てをかければ良いのだ
いわばジャンケンでグーしか出せない物は、選択の必要は無く
相手がどうあれ、より強力なグーを出す事のみを考えれば良いという理屈

だが万能型は違う
初めに何を出すか、どういう戦法でいくか
相手の戦力や思考を読み、慎重に最適な戦術を取らねばならない
常にグーに対しパーを、パーに対しチョキを出す事を求められる彼らの攻防というのは言うまでもなくシビアの極み
選択を間違え、下手を打てば――そのまま一瞬で決着がついてしまう事もあり得る綱渡りの攻防なのだ

故に彼らの頭の回転の速さは一般の人間の三倍以上と言われる
その道ではフェイトや高町なのはが尊敬と共に認めている、二人が未だ敬愛して止まない人物こそ
フェイトの義理の兄にして、なのはやフェイトにとっては先輩の魔道士に当たるクロノ=ハラオウンその人であった

その演算能力や処理能力、思考展開の速さから逆に付いていけるインテリジェントデバイスが無く
仕方無しにカスタマイズされたストレージデバイスを使用している彼
329フェイトVSライダー1:2009/01/13(火) 10:09:04 ID:tXPXvJgK
いつだったか、高町なのはがふと零した言葉、、

―― クロノ君みたいな魔道士にはなれないね、私は ――

砲撃と飛行のセンスはあれど、決して万能ではない彼女の口から出た
それは決して、自分を卑下した物ではない純然たる事実
もっとも、その言葉は単に個の特性を言い表した言葉なだけではなく
クロノに対しての尊敬の念が篭った言葉であった

実際、その白い魔道士が十年の厳しい教導を経ても
なお至れぬ境地に男はいた

否、、それは初めから巨大な魔力を持っている――
類稀なる素質を持って生まれた者には一生垣間見る事のない頂であろう


―― 至弱を知る者のみが至強に至る ――


劣っている魔力量
恵まれなかった才能を補う
人知を超えた努力と工夫

備わらないからこそ辿り着ける境地がある、、
そんな努力の達人を体現したのが他ならぬ彼であったのだ

ともあれ、そんな磨き抜かれた 「いぶし銀」 の技巧を持つ魔道士の教えを受けてきたフェイト
兄直伝の高速思考は、幼少からの10年の練成を経て
生まれ持った高機動の資質に更なる輝きを与え――

近、中、遠距離を戦場のどこにいても味方をフォロー出来
また誰よりも早くそのポジションを自ら埋める事の出来る、という
恐るべき特性を秘めた魔道士へとフェイトを成長させる

付いた渾名が最速のオールレンジアタッカ――「ライトニング (雷光)」

先の話に出たクロノをして 「あと1,2年で越されるかもな…」 と愚痴らせるほどの
彼女の織り成す驚速の連携は、無限のバリエーションを以って
まさに鳴り止まぬ稲妻の如く敵に降り注ぐのだ

「サンダー、、、レイジッッ!!」

ここへ来て彼女のもう一つの代名詞
雷属性の砲撃魔法が右手から打ち出された

金色の破光が、纏わり付く金の矢を払い振り切ろうと悪戦苦闘するライダーを打ち抜こうと迫る

「――――!」

それも紙一重でかわす騎兵であったが、、
バシュッ!という感電の音が鳴り響く

高圧の電流を伴った砲撃が
かわした筈の彼女の肩口を少し掠っただけで
その衝撃が全身に伝わり、きりもみしながら吹き飛ぶライダー

まさに打ち放題――トリガータイムだ
敵にこちらを犯す手段が無い以上
上空から狙い打てるフェイトにリスクはない
330フェイトVSライダー1:2009/01/13(火) 10:09:41 ID:tXPXvJgK
その絶対の優位を誇るフェイトを相手にとって
決定打だけは受けないようにしている相手もまた凄まじい
だがそれでも徐々に、徐々に、勝負の天秤は金髪の魔道士の方へと傾いていく

相手は度重なる槍の雨を回避するため地面を転がり、飛び退り
既に擦り傷と感電による火傷で痛々しい姿を晒している

そして魔道士が縦一文字に振るった鎌も
人間離れした反射神経で避けるが、、、

もはや反撃の糸口も、その場に踏ん張る事も出来ずに吹き飛ばされてしまう

「もう抵抗するな! 武器を捨てて投降しろッ!!
 無駄な怪我が増えるだけだと分からないのか!?」

再度、相手に降伏勧告を呼びかけるフェイトだが
その紫の髪たなびく背中には全く届かない

空からの一方的な蹂躙
なまじ敵が強いだけに、その攻撃は決定打にならず
相手の生皮を一皮一皮剥いていくように痛めつけていく

だが相手を弱らせるにはこれしか術は無く、、心優しい執務官には酷な仕事となった

何とかライトニングバインド――設置型の捕縛陣に相手を叩き込みたいフェイト
その電流を伴った強固な戒めは、フィールドも無い相手の体力を一瞬で奪い
心身共々に抵抗の意思を瞬く間に削いでしまう

それを決めることが出来れば、、すぐに終わらせられるのだが――


(シグナムは………)

ふと相方の騎士の安否を気遣うフェイト
敵を追うのに夢中になって、あまり騎士の戦っている戦地から離れないように気を配る
交戦中でも、互いのフォローを忘れない
それがチームというものだ

そしてその時―――数100mほど離れた木々生い茂る地点から、、

ゴォォウ!!と、凄まじい業炎が立ち上った


離れていても、その火山の噴火のような轟音は聞き逃しようがない

(、、紫電一閃……)

その業火は他ならぬ、あのベルカの騎士が放つ必殺の太刀による物だ
向こうの戦況も佳境に入っているのかも知れない…
あるいは今の一撃で勝負がついた?

思考を巡らせるフェイト、、
ならばそろそろこちらも詰めに入ろうと思い立った――

(、、、、、、、、え……?)

その、、、、、、、、、、側面から―――

フェイトの思考の間隙を縫うように
こめかみに高速で飛来する迫るナニカがあった
331名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 10:27:18 ID:OoarmFfe
支援
332名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 10:27:31 ID:qKVxyxUI
試演
333名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 10:28:03 ID:9r/qIRYK
支援
334名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 10:34:01 ID:0Smt+MuG
支援。
しかしまさか連投規制か?
335名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 10:47:28 ID:E+rPAwvt
支援
336フェイトVSライダー1:2009/01/13(火) 11:11:01 ID:tXPXvJgK
「な、、なにっ!!??」

それは旋回するかのような
謂わば野球のカーブボールのような軌跡を描いて
彼女の顔面に突き立つ

それを銀色の光沢を放つ杭のような短剣だと魔道士が視認出来たのは
常時張っていた体表面を覆うフィールドが、その切っ先を辛うじて阻んで止めたからであろう

「、、、、ッッ!」

思わず息を呑んでしまう

頭蓋骨ごと串刺しにされなかったのは幸運、、

いや、攻め落とすだけという勝利目前の局面においても
念のために防御に魔力を割いていたフェイトの聡明さ故であろう

その凶器は他ならぬ、今追いかけている女性の手から放たれた杭のような短剣
長く伸びた鎖に繋がれているそれを完全にこちらに後ろを見せながら、、
魔道士の一瞬の隙を付いて投擲してきたのだ


それは本当に刹那の隙だった
ただ一時、この戦いから注意を逸らし
相棒の騎士の安否に気を向けただけ――

その間に思わぬ逆襲を受け
意外な反撃に息を呑む――

それだけの間、、、それだけの刻
追跡の中断と思考の混乱を招いたというだけで、、

しかしそれはどうしようもない事実――


サーヴァントならばそれだけのチャンスで
敵に生じた一寸の隙を強引にこじ開け
十分に戦況を引っ繰り返す事が可能であったのだ……

上空の魔道士に背を向けていた騎兵が今、ここでおもむろにターンする

全力で疾走していた彼女
その前方に向いていた速度を
ボコン!、とアスファルトを踏み砕くような切り返しと共に強引に方向転換

慣性の法則を脚力で強引にねじ伏せ
踵を返し、数歩助走――

そして、、、、、、

そして、、釘剣が相手にヒットし
敵の猛追に一瞬の陰りが見えたと同時に――

ホップ、、ステップ、、、、


「行きますよ―――――魔術師ッ!」

、、、、、、、大ジャンプ!!!!
337フェイトVSライダー1:2009/01/13(火) 11:12:18 ID:tXPXvJgK
ドォォォン、!!!という凄まじい擬音が何よりも似合う
まるでロケットが打ち上げられたかのような踏み切りと共に――

ライダーは宙空へと身を躍らせる


それは紫色の砲弾
放たれた対空の迫撃砲

乱れ散る長髪をなびかせて
その高度はぐんぐんと上昇――10m、20m、、、、、ッッ!!

「そんなっ!??」

体勢を立て直すのに一秒も要してない
すぐにその相手に向き直った、、にも関わらず――

敵は逃走を止め
遥か上空に居を構えるこの空戦魔道士に向けて
捨て身のダイブを敢行したのだ

そのあまりと言えばあまりな跳躍力に悲鳴じみた声をあげるフェイト
当然だ……埒外なんてもんじゃない

翼持たぬ者が要するであろう常識的な跳躍力は
生物の構造上、その身体強度の限界を超えて飛ぶ事は出来ない

たとえば、もしヒトが10m以上飛べたとして
着地の際に地面に落ちる衝撃には当然、耐えられない

地を駆ける者に許された跳躍には制限がある

そう、彼らは決して――
「跳ぶ」事は出来ても「飛ぶ」事は出来ない
そのセオリーを無視して自身の身長の数十倍以上を飛べるものなど、ノミかシラミくらいのものだろう

ならばこそ、そんなセオリーを木っ端微塵に砕いた
ノミの化身と呼ぶには些か眉目秀麗過ぎる紫の女怪のそれは
もはや跳躍ではなく――飛翔

飛距離は伸びる、、30、、40、、、

「バルディッシュ! 迎撃を!!」

<Yes master>

ソレは瞬く間にフェイトの眼下にまで上昇してきた

地面から打ち放たれた、まさに対空砲撃と化した騎兵に対し
プラズマランサーを当てるのは難しい

ならば自ら迎撃――その砲弾を打ち落とす!

いかに凄まじい突進であろうと一直線
空戦による攻防のアドバンテージは今だ、空を自由に駆けるフェイトにある

「シールド!!」

紫色の砲弾に対し、フェイトはその右手に魔力を集中させ、、
今、全力のシールドでそれを受け止めていたのだ
338フェイトVSライダー1:2009/01/13(火) 11:13:05 ID:tXPXvJgK
宙空にて激突する紫と金色
空を魔力の残滓で染め上げる二人の光は
まるで月光に舞う蝶のよう

ギギギッギギッッ、、という鼓膜を削られるような
魔力陣の擦れる音が宙域一帯に鳴り響いた

「く、ぅ、、、!!」

凄まじい衝撃がフェイトの全身を駆け巡る
内臓が悲鳴を上げ、左肩の間接が軋みを上げるのを
歯を食いしばって耐える魔道士

装甲の決して厚くない彼女にとって
敵の攻撃を耐え抜き、真っ向から押し返すのは得意ではない

だが、この場合はそれでも受け止めるのが正解
その痛みと苦痛に耐えた時の見返りは――完全な勝利

下手に逸らしたり避けたりして敵を逃がし、再び地に降り立たせる事は無い
初めはその人外の跳躍、脚力に肝を冷やしたが
冷静に対処すればどうということは無いのだ

重力の楔に縛られた者が、空に住む者を前に宙に身を躍らせるという事――
それは自殺行為と呼ばれるに値する愚行だった

このまま相手の勢いを減退させ、弾き返すだけで
期せずして敵の無力化は完了
力なく浮き上がり、自由落下に身を任せる以外に術の無い肢体に
空中での同時連携を数十発叩き込めば、それでノックアウト
そして今まさに詠唱中のライトニングバインドを相手の落下地点に設置し、、

そこに叩き落して―――詰み、だ

思考内、一瞬で決着までの肯定を組み上げるフェイト
そして相手の体当たりが徐々にその力を無くし
金色の障壁に押し返されて、、、

「!!」

否、、フェイトが再び目を見張る

そこでも敵の行動はフェイトの斜め上を行くものだった

渾身の力で張られた防御壁を抜けないと悟った相手は
何と空中で体を入れ替え、両足でシールドを思いっきり蹴り付けたのだ

防御壁を踏み台にして自ら急降下
その両足で蹴りつけられた障壁がゴウンと揺れる

そして―――髪をなびかせて何事も無かったように地上へと帰っていく騎兵

「逃がさない!!」

冗談じゃない、、
これでは攻撃の食らい損、盾の張り損だ
この大チャンスに、せめて障壁展開の魔力消費分の戦果を上げないでどうする?
339フェイトVSライダー1:2009/01/13(火) 11:14:07 ID:tXPXvJgK
地に急降下するライダーをすぐさま追撃するフェイト
敵の足は未だ地面についてない
完全に地上に到着する前に回り込んで相手を拾えば、まだエリアルでのKOは十分可能だ

普通ならば流星のように地に落ちていくライダー相手にに追いすがれるものではないが
この魔道士の機動力ならばゆうに可能
急降下して空から逃れようとする騎兵に更なる急降下で猛追をかける黒衣の魔道士

その左手を再び相手に向けて翳す

「セット、、、」 

再び具現するプラズマランサーが、、
否、地上に落ちて未だ生きている分も再稼動を始める

大地から剣山のように
その切っ先をライダーに向ける槍

完璧な詰めだ
地上と空中からの挟み撃ち
これは、、かわせない!

「ファイ―――」

奔流する魔力を翳した手に集め
複数の雷槍に命を飛ばし
相手にとどめを指そうとするフェイト、、、、


その手首に――――


「あ、ッッ!??」


突然、驚きと共に何かが絡み付く

その何かはまさに今、雷槍を打ち出そうとしたフェイトの左手首を締め上げ
思いっきり体ごと引っぱってくる

何が起こった!?
前後不覚に陥る魔道士
その引力で体勢を崩し、同時詠唱によってそのテーブルに接地された
フェイトの数々の魔法が霧散してしまう

「―――本命はこちらです」

耳に響くその声
敵、、あの紫の騎兵――

ライダーの「今まさにしてやったり」、という呟きだった

そう、そのリストに巻きつき
ギリギリと締め上げているのは――鎖、、

言うまでも無く、彼女の武装である
短剣の尾から伸びている金属の縄であったのだ
340フェイトVSライダー1:2009/01/13(火) 11:14:53 ID:tXPXvJgK
上空30m以上の高度から降下したライダー
翼無き者とは思えないほど、彼女は見事に
地面を滑るように着陸し、悠々と地上に降り立った

そして再び、走り出す――


今度は、、連環によって繋がれた「エモノ」を引き摺って


一瞬の躊躇が生んだ状況
左手に巻き付く敵の縛鎖
これでフェイトの制空権は大幅に制限され
先ほどまで為す術の無かった騎兵の攻撃は十分に射程内となる

(油断しちゃ駄目だって、、自分に言い聞かせたばかりなのにっ……私のミスだ!)

再び地を駆けるライダーと
先ほどまでと打ってかわって
10m前後の低い高度にて彼女と並走しながら飛ぶフェイト

騎兵が駆ける一本道であった山道は再び林道へと景色を変え――
道路の周りにちらほらと、生い茂る樹林が高々と聳え立っている

その中を疾走する二人


そして―――舞踏は新たなるステージへと移行する


目の前に迫るのは――――数え切れないほどの木々生い茂る森


フェイトの顔が青ざめる、

直感で判断するまでも無く、、あそこに入ってしまったらまずい
それは間違いなく自身の特性の大半を殺されるフィールドに他ならない

あそこは高速戦闘と機動力を旨とする自分のアキレス腱に、楔を打つ戦場だ
引きずり込まれたら戦局は急転直下……
一気に相手へと傾く事になる

「バルディッシュ、上昇するよ!! 出力全開ッッ!!!」

まるでクルマがマフラーから排気ガスを放出するかのように
フェイトの全身から黄金の魔力が噴き出した

肢体は次第にピッチアップ――頭から上昇の機動を描き
強引な上昇、出力任せに高度を稼ごうとする

相手がそれを阻むなら――その鎖に繋がれた体ごと宙に引き上げてしまえばいい

何せ魔力量自体はバカ魔力と称されたなのはと同等かそれ以上のフェイトだ
人間の体一つなど、簡単にに持ち上げられる

そう思い立ち、急速アップトリムを敢行するフェイト……
341フェイトVSライダー1:2009/01/13(火) 11:15:55 ID:tXPXvJgK
だが、、、、、それでも、


(―――――上がらない!??) 


アクセル全開
空へと舞い上がる筈の機体が、、、これ以上の高度を許さない

ギリ、ギリ、、ギリ、、、ギリ、、、、ギリ、、、、ギリ

左手首が捻じ切られるほど絞まる
その戒めの鎖の先にあるのは――

疾走しながら、まるで根っこのように両足で地を食み
鎖を渾身の力で引き付けているライダーの姿だった

「、、痛ぅッッ…………」

強烈な引き合いで魔道士の肩関節が外れそうになる

凄まじい膂力だ
Sランク魔道士の出力に身体能力で拮抗するなど、、
まるで馬や牛と綱引きをして勝つビックリ人間そのまんまの構図である

そして――激走に激走を重ねる両者、、

道なりに走るライダーの前方には直角に折れたコーナーがあり
それに対し減速せずに突っ込んでいくライダー

先のカーチェイスでは、自転車でありながらヘアピンをノーブレーキでクリアした彼女である
自身の足ならばこの鋭角のカーブも難なくクリア出来るだろう

そのグリッピングポイントに差し掛かる紫紺のサーヴァントが
つづら折れるコーナーを理想的なラインで――曲が、、、、、、

「――――、!」

、、、、、、、、、、、、、、らない!


もはやレースごっこは終わりとばかりに
何とそのままコーナーを曲がらずに直進したライダー

道路を跨ぎ
ガードレールを陸上のハードルのように飛び越え
ものの見事にコースアウト
342フェイトVSライダー1:2009/01/13(火) 11:16:26 ID:tXPXvJgK
そのまま眼前に広がっていた深い森林へとその身を飛び込ませる

当然、、フェイトを引き摺ったまま―――

「く、、、、、ううぅぅ……!!」

必死の抵抗空しく
まるで牽引車に引きずられるかのように
上空から力任せに引き入れられたフェイト

まるでカメレオンの舌によって絡めとられ
その口へと放り込まれる虫のように――


ぽっかりと空いた森が、、、


金の髪の魔道士を飲み込むのだった


今、深く昏き森で繰り広げられる、、
美しき女神達の織り成す


チェーンデスマッチの開幕である


――――――
343リリカルブラッド:2009/01/13(火) 11:18:56 ID:tXPXvJgK
ここで一区切りです

・シグラン2、フェイライ2

・シグラン3、フェイライ3

・合流

と言った感じで今後投下していきます
2は午後にでも……
ではまたノシ
344名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 11:25:08 ID:OoarmFfe
乙。
345名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 11:33:41 ID:a5886GRX
すげー、GJGJ
午後を待たせてもらいます
346名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 11:46:14 ID:KEO0aE3X
リリブラさん超GJ!でも午後は講義があるんだよ…orz
347名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 11:48:58 ID:E+rPAwvt
乙ー、さてこれで授業に集中できるwww
348名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 13:27:35 ID:qKVxyxUI
相変わらずの文章量。さるさんは最早恒例行事か。
リリブラさんGJです
349名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 13:58:20 ID:VPTLnTOa
GJ!
350名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 14:36:46 ID:N85rXSr6
投下乙&GJです

二人の通常攻撃じゃBJは抜けないのか
まぁランサーはルーン、ライダーも怪力スキルあるし問題ないのかな
シグナムの幸運値がどれほどあるのか……
351名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 14:47:06 ID:WmHcyDsW
GJ!!です。
BJに攻撃は阻まれたのかな?
それにしても、空戦の有利がよく分かって面白かったです。
遠距離攻撃が出来ないサーヴァントには非常にイラつく行為でしょうw
そして、ランサーはシグナムを始末するだけの雑魚ではなく、敵対者と認めて縛りが一切ない本気を出しますし、
ライダーは陸戦の強さが出る森にフェイトそんをご招待wなんか今まで嬲られた分を返しそうで非常に楽しみです。
352リリカルブラッド:2009/01/13(火) 17:19:29 ID:tXPXvJgK
では第二部投下します
353シグナムVSランサー2:2009/01/13(火) 17:22:49 ID:tXPXvJgK
Flame&Lancer2 ―――

ふと私は――主が闇の書の呪縛から解き放たれたばかりの頃
まだ幾分、幼さを称えていた頃の事を思い出す

自分の足で地面を踏みしめ歩く事の出来る喜び
今まで味わうことの出来なかった当たり前の幸福を享受すべく
主は毎日のように自分らを連れ回して、色々な所に出かけていた

ピクニック、海、山といった自然溢れる観光地から
夕方や休日、人でごった返した繁華街に至るまで
今までの人生を一気に取り戻すように――

決して晴れぬ罪と咎
管理局に半服役状態の身故にあまり派手な事も出来なかったが、、

ともあれそれは主が子供から大人へ――

決して楽ではない
しかし友と交わした尊い約束
歩んでいこうと決めた夢へと進む前の、、ささやかな骨休めだったのだろう

そんなある日、いつものように守護騎士を引き連れて向かったのは
駅前にあるゲームセンターという同世代の子供達に大人気の遊戯施設だった

一通り回って遊んで
その日、一番の琴線に触れたのはモグラ叩きという遊びだったか…
子供たちの間ではポピュラーなゲームだ、今更説明するまでもないだろう

何でも対戦方式のこのゲーム
二人以上でプレイをしてより多くのモグラを叩き殺した方が勝ちというルールだった筈だ
子供にやらせるには血生臭い遊びだ…と眉を潜めたのを覚えている

そこで主を差し置いて熱くなっていたバカが一人
私と同じ、闇の書――夜天の書の守護騎士プログラム、鉄槌の騎士ヴィータ
私の、、まあ人間風にいえば姉妹のようなものだ

「アタシにこの武器を使わせた以上……例え、はやてが相手だとしても負けるわけにはいかねー!
 見てろ……! 全員、ぶっ潰してやるぜ!!」

「潰したらあかんよー」

優しい独特のイントネーションの声で鉄の騎士を嗜める主
バカは聞く耳を持たない

結局、、渾身のラケーテン・ハンマー(ピコピコバージョン)で基盤に大穴を空けた奴
リンディ提督に給料を前借りして店には弁償
本人は罰として一週間、主の作る食事の代わりに
シャマルの料理を食わされる羽目になった

―――何故、今……

こんな他愛のない事を思い出していたか、だと?

答えは簡単だ
何の因果か…今の私が、、まさにソレをプレイ中だからだ

ああした遊びには私とシャマルは積極的に参加せず、後ろで見ているのが通例だったのだが
今更ながらに後悔している
何事も経験だ、、私も少しは嗜んでおくべきだった
354シグナムVSランサー2:2009/01/13(火) 17:23:43 ID:tXPXvJgK
まあ、、、ここまではいい
過ぎた事を悔いても始まらん

だからこそ今――少し困った事になっている、という話に移そう

正直な話、、先ほどから嫌な汗が止まらん

この相手にしているモグラがとにかく尋常でない強さでな…
悉く音を置き去りにしながら、私に向けて突進してくる

それが穴からピョコッピョコッと顔を出した瞬間
私は全霊を以ってその頭を切り飛ばす――まさに骨をも砕く勢いでだ

服装は遊興に出かける時のカジュアルな軽装でなく――全身重武装
おかげで熱くてかなわん、、激しい運動に甲冑は不向きだな

さて、、既にスコアは何点台なのか――

そこには親切にこちらのプレイ結果を教えてくれる表示もなく
相手は可愛らしい装飾で飾られたモグラではなく無骨で飾り下のない点――
その赤い点が地面――前面に張り巡らせた私のフィールドからポツポツポツと矢継ぎ早に顔を出し
それを残らず叩き落す

先ほどから時間無制限で繰り広げられるソレ
本来ならクレジットを入れてプレイする筈の遊戯は――今回は無料

そして一つでもモグラを打ち漏らした場合は即ゲームオーバー
その結果は、、、

私の命の喪失、という至極単純なルールだった

――――――

「―――い、、、オイ! コラ聞いてんのか?」

突然、その耳に男の声が入ってきた事により
騎士は己が意識を深層より浮上
春雷の槍渦巻く戦場へと帰還を果たす

「………………」

切り離した意識、人としての部分が
重労働を科している肉体そっちのけで昔の夢を見ていたらしい

騎士が「シグナム」という一個の自我を確立する為の部分が
その器である烈火の将の体に再び灯り
彼女は今のその現状を大まかに理解する

何かをがなり立てている槍の男に向かい、

「すまんが聞いていなかった、   ……何だ?」

にべもなく答えた

「いや、だから…大したもんだって誉めたんだよ」

「そうか」

「何だオイ……初めの打ち合いから見積もって明らかにお前の反射速度を超える速さで突いたんだぜ?
 それを既に36合、、涼しい顔して凌いだかと思えば――今度は気絶したみたいにボケっとしやがって、、」
355シグナムVSランサー2:2009/01/13(火) 17:24:38 ID:tXPXvJgK
「気絶していた」

「あぁん?」

「正確には余分な意識をカットした
 あのままでは貴様の攻撃を受けられぬと判断したのでな」

五感――視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚
そしてそれらの感覚が脳に伝達されて人は様々な思いや感情を働かせる
その多感な脳と神経の織り成す小宇宙は複雑を極め、今の地球の科学では到底、生成不可能と言われている

そう、、ヒトは複雑怪奇にして多感な生き物であり
その多くの機能は反射という形で、己が意志の働く前に肉体に作用する事で発揮される

だが今、騎士はその複雑に絡み合う神経と思考のうち
戦いに使用する以外の一切の機能を肉体から切り離した

まさに完全な戦闘機械となる事で
神経の伝達速度や反応を飛躍的にアップさせて
この相手の攻撃に対応したのだ

「無我の境地――無明の位って奴か……

 ありゃなかなか難しいんだが、、其処に至ったのはいつだい?」

「生まれた時から出来たぞ」

「……」

一瞬、言葉を失い
目をしばたたせるランサー

彼とて人の御業という意味でのあらゆるジャンルを研鑽し、磨き上げ
その練磨した強さによって英霊と呼ばれた男である
そんな彼が今、目の前の女がしれっと言った事の意味――
その凄さ、凄まじさを分からぬ筈がない

そして狂戦士の要素を持つほどに戦いに悦び、滾りを感じてしまう自分には
到底その域に入る事は出来ない事も理解していた

「姉ちゃん―――ひょっとしてお前……結構、凄い奴なんじゃねえの?」

後ろ手で後頭部を掻きながらに今更感のある事を言うランサー

「ベルカの騎士……ヴォルケン――むぅ、、、ひょっとしてお前さん、未来から来たとかそういうオチか?
 いや、俺のいけ好かねえ知り合いに一人、そういう面倒極まりないのがいてな」

「未来ではないが、ここではない所から来た
 時空管理局、、この星の住人にはその存在は秘匿され詳細は知らされていない
 ついでに言えばこのヴォルケンリッターという名も本来ならば歴史の闇に埋もれた名前…
 今はもう、命を賭した果し合いをする相手にしか名乗ってはいない」
356シグナムVSランサー2:2009/01/13(火) 17:25:10 ID:tXPXvJgK
「ああ、道理で―――」

聞いた事ない筈だ、と納得したようにうなづくランサー

これほどの使い手だ
歴史の影に埋もれたとはいえ
英霊の座にその名が一片も刻まれていないのはおかしい

肩にその長物を担いだままに何か胸の痞えがが取れたという顔をする槍の男
その漂漂としたした表情……
これが先ほどまでこの場に旋風のような槍戟を降らせていた者と同一人物だとは思えない

「んじゃま、素面に戻ったところで――もう一丁行くかい?」

「、、!」

再びギチリと―ー―空気が凍り、凝縮した

まるでハーフタイムを経て第二ラウンド突入といった
何かの遊戯かスポーツの試合でもするかの如き気軽さで、、、
ソレは――彼女に殺し合いの再開を促した

槍がゆらり、と正面
シグナムの正中線に向けて標準を定める

「…………」

対して再び、自分に向けられた紅き切っ先に相対する烈火の将
相手の切り替えに対しても微塵も浮足立つ事はない

当然である
彼女こそ生まれついての戦士
闘い殲滅するために生み出されし、とある魔導書の守護騎士プログラム
ある意味、サーヴァントに匹敵する戦闘マシンなのだ


(久々に踏み込んだが、、やはりきついか…)

だが、その騎士の体の節々に電流のような痛みが走る
筋肉が己が意思を凌駕した動きに悲鳴を上げている

ベルカ最強の騎士としてその数えきれぬ戦場を駆けた剣
攻撃を視認出来ない敵との交戦経験などいくらでもある
それは航空隊として超々高速戦闘に勤しむ今でも同じ事

それに対し自身の剣は一撃必殺の剛剣であるが故に
速さに長ける者が相手だと、どうしても手数や相対的な速度で下回ってしまうのだ

その対処法―――
自身の天敵である 「速度」 に対する処方
この最強を誇るプログラムが既に確立させていない筈がない

槍兵を驚愕させた、シグナムが今見せたその領域こそ
己が機能を強引に底上げした自己ブーストの一種
かつて、あの忌まわしき闇の書事件にてフェイトと交戦した際
彼女の見えない攻撃を見事、裁いて見せた時も騎士はこの力の一端を使っていた
357シグナムVSランサー2:2009/01/13(火) 17:26:25 ID:tXPXvJgK
それは所謂、精神のリミッターカット
余分な機能や思考を人為的に遮断し、反射速度や伝達速度を上げる、
というか本来の完璧なる戦闘マシンへと戻す仕様
そのカットした物の中には当然、人として普通に生活を送るための
そのために必要不可欠なブレーキも存在していて、、

それを無くした体が悲鳴を上げるのは至極当然の事だ
薬で精神の箍を外した人間の人体が女子供でも銀貨を握り潰すほどの力を発揮する事と同じである

そうだ―――これは本来、自己を捨てて 「命を落とすことを前提として」 勝利を攫む
片道切符で後先を考えない事を旨に使用する決戦モード

様々な主の手を渡ってきた闇の書
その中には何の躊躇いも無しに「そういう」命令を下す輩も当然いて、、
そんな時、シグナムは……ヴォルケンリッターは当然のように
玉砕承知の戦場にその身を踊らせ、血路を切り開いたのだ

「…………」

故に当然、これは烈火の将限定のモードではない
スイッチの入れ方も効能もそれぞれ違うが他の3人――
守護騎士の全員がその内に持っている力なのだ

激情家の鉄槌の騎士などはシグナムとは逆で
その感情が極限まで高まり振り切れる事で、自己が切り替わる
瞳孔が開き、その幼い顔に鬼相を移し
目に見えるほどの様相の変化が小さなその手にもたらすは圧倒的な破壊力
タガの外れた筋力と魔力が叩き出す破壊の鉄槌はかつてあの高町なのはを2振りで地に叩き付けた

転生を繰り返す彼女たち
その「記憶」は、擦り切れたテープのようにおぼろげな「記録」としてしか残っていないが
騎士にとっては当然、あまり良い思い出ではない

そう、、昔の事だ――今、思い煩う事ではない

問題は………

それを今、、ここで使い――――そしてそこまでしながら、、
自身の体中に、至る所に刻まれた傷があるという事実だった

その手足、脇腹、胸、首に残る刃の痕…
致命傷ではないものの、逸らしきれなかった槍が己が肉体を削っていった事は明白

もはやオープニングヒットを奪ったなどという事実
先に相手の額を割ったという結果など何の意味も無い

今、目の前に展開しているモノはシグナムの予想、、
これまで交戦した相手、戦闘経験を鑑みても……その最上に位置するモノであるのはもはや間違いない

そう、、、己が両目がまるで捉えられない攻撃を「普通に」放ってくる相手
小出しではなく、常時知覚全開にしてなお凌ぎ切れない猛攻
これは……相手の攻撃力が自分の総防御力を上回っているという事
この槍は凌ぎ切れないという結果を見事に突きつけたものだったのだ

互いの技量、性能を駆使した初戟の邂逅から
もはや後退の選択肢など捨てたとばかりの気迫を以って
火の如き苛烈さと山の如き堅固さを併せ持つ両者の戦い

だが、その天秤が徐々に相手に傾いている事に
表面上はおくびにも出さず、しかし初めに歯噛みしたのは他ならぬ烈火の将であったのだ
358シグナムVSランサー2:2009/01/13(火) 17:27:17 ID:tXPXvJgK
「…………フ、、」

だがその口に湛えるは更なる不敵な笑い

まさに吹っ切れたといった感じの彼女
その結果は何ら自分の不利な要素には成りえないと言わんばかりの表情だ

守り切れない?
だからどうした?
元より防御を固めて縮こまっているのは性に合わない

当然の事だ、、

戦は――――――守るだけでは勝てないのだ


「せぇあッッ!!!」

炎を纏う甲冑が、その凄まじい気合いと共に爆ぜる

それに対し一寸も動かしていない筈なのに
ゆらゆらと揺らめくように見える男の槍の穂先から溢れ出す魔力の残滓は
まるで死神の手招きのようだった、、

そんな不吉な気配漂う呪いの朱槍を前にして騎士は
牽制もフェイントも一切無しに――真正面から突進を敢行する

「―――来な」

その竹を割ったような潔さがひたすらに心地よい
喜色を満面にしたランサーが、これまた両の足を地に踏みしめ断固不退の様相にて対峙

騎士の踏み込みは豪壮なれど彼にとっては決して速くは無い
左右後ろの空間をふんだんに使っての防戦ならば、比較的少ないリスクで迎撃出来るだろう
だが、男がそんな無粋な真似をする筈がない

「せえええええりゃッッッ!!!!!!!」

ボッ、ボッ、ボッ、と陽炎のように
その朱艙の切っ先が分身を開始

一つが二つ、二つが四つ、四つが八つ――

否、分身などという生易しいものではない
それはまさに分裂、、

真紅の槍の煌きは幾多の刃閃を伴い、男の周囲を囲み
結界じみたその弾幕は不可侵の防御にして絶え間ない攻撃の序章、、
そのガトリンク砲の如き連撃が今また――駆ける剣士に襲いかかる

「ぬうッ!!!」

その姿、闘神・阿修羅の如き
本当に自分と同じく二つの腕のみで繰り出しているのか?と疑わずにはいられないシグナム

両の眼を極限まで見開く
359シグナムVSランサー2:2009/01/13(火) 17:28:23 ID:tXPXvJgK
「頼むぞ騎士甲冑、、今はお前の堅牢さが我が命運を左右する…」

その赤き結界に自ら踏み込むシグナム
それは全開で回る扇風機に手を突っ込む行為に似ていて
自殺行為にさえ見える、ゾッとするような光景だった

ともあれ、やる事は先ほどまでのもぐら叩きと同じ
装甲で一瞬止まった刺突を全部打ち落とす

そしてもう一つやる事が増えた

その無数の赤いモグラに一つ、狙いをつけ――――

それを二度と出てこれないように渾身にて打ち上げ、または打ち落とし、、
ヴィータではないが、その出所……
無数のモグラを排出する基盤を叩き壊す!

それは身の毛もよだつ相打ち戦法であろう
防御をアーマーに任せてのクロスカウンター
同時に肉体にヒットすれば必ず打ち勝てるという自信がなければ出来ない、まさに捨て身の戦法だった

――――――

赤き暴風渦巻く結界に踏み込んだシグナム

視界が紅で覆われる
朱に交われば、という格言が日本にはあるがこの状況はまさにそれ
その赤き閃光の中に飛び込んだ別の色は、たちまちのうちに朱に染まり
その色を塗りつぶされてしまうに違いない

そんな烈風さながらの猛攻の中
決して両目を逸らさず、一つ、、

剣を死に物狂いで振いながらに一つ、、、

まるでイナゴの大群相手に剣を振るうような
絶望的に埒のあかない光景を前にして、それでも一つ、、、、

、、、、、選ぶ! その一突きを

辛うじて見えた赤い線
点が、線として捉えたその閃光こそ
男の持つ槍の柄に他ならない

「せえいっっっ!!!」

10の刺突が彼女の防御を突き抜け、その肉体を削っていく中
その1の刺突に対し剣を振り上げるシグナム

バォウ!という、大気を根こそぎ持っていくような騎士のフルスィングは―――
男の槍を勢いよくかち上げ、、

「っ!? ちぃっ!!」

、、ない!

斜め下方から振り上げた姿勢が横に泳いでしまう

そのあまりの手応えの無さ
霞を切ったかのような感触に歯噛みする女剣士
360シグナムVSランサー2:2009/01/13(火) 17:29:22 ID:tXPXvJgK
「ようやっと亀が顔を出したか」

そこに空気を切り、大気を割って繰り出される
刺突4連に払いで締める計五つの赤い光

ボン、ボン、という、ある種小気味の良い音がシグナムの鼓膜を震わせる
だがそれは恐ろしい事に、まさに男の槍が通り過ぎた後に追随する形で鳴動する
間抜けなほどにタイミングのズレた轟音、、

「だがよ、、ちょっと見え見え過ぎだぜ、魂胆がよ!」

「っ……おのれ」

つまりそれは意味する所は一つしかなく、、
男の槍戟はその一つ一つがマッハの壁を優に超えているという結論に至ってしまう
信じられないことだが、、

(呆けたか私は……!)

そしてそれは規則正しく打ち出されるゲーセンのモグラではないのだ
それが戦技によって繰り出される槍である以上、男の技量に比例して
変化もすればフェイントも織り交ぜてくる

それはまさに――相打ちや鍔迫り合いに持ち込むことすら困難な
触れる事叶わぬアンタッチャブル・レッド・サイクロン

「逃がさねえよ!!」

奇襲失敗の煽り、連撃にさらされ
あの最強のベルカの騎士が戦前を維持出来ずに後退
押し返されるようにバックステップさせられてしまう

そしてその後退よりも更に早い踏み込みで相手の間合いを犯し放たれる一撃が
下がりながらに振り払う太刀の、堅牢なアーマーの、
その隙間から針の穴を通すかのように、赤き点の一撃となってシグナムの心臓に迫る

「ぬっ、、おおぉッッ!!」

ガラ空きの左胸に今まさに突き立つ紅い切っ先を
剣持たぬ左手の手甲で力任せに薙ぎ払う騎士
辛うじて逸れた刃が彼女の鎖骨から上、、肩の肉をそぎ落とし
受けた手甲を半壊させる

肌に残していく傷はこれで20を超える
全身に刻まれた傷跡から滲む血が彼女の騎士甲冑を赤く滲ませる

もはや空から強襲するどころの話ではない
先の初戦のように、とてもじゃないが敵への助走距離など稼がせてもらえない
それに対し、中途半端に飛べば狙い済ましたような一撃が柔らかい腹を串刺しだ

アーマー頼りに一瞬阻まれる点を死に物狂いで打ち落とし、逸らす
そんな事をもうかれこれ10分弱―――

己が戦力を総動員して何とか今までは男の武と渡り合っている将であるが、、

これ以上ははっきりとジリ貧だ
このまま同じ展開を続ければ自分はもはや目で追うのも億劫になるような手数に
たちまちのうちに飲み込まれてしまう
361シグナムVSランサー2:2009/01/13(火) 17:29:56 ID:tXPXvJgK
この強固な装甲がなければ自分は一体何回殺されていたというのか?
敵のその力、純然たる戦闘力に戦慄を覚えずにはいられない


そうだ、、その戦慄と共に今、騎士の胸に湧き上がっているのは――

(こんな時でなければ……見惚れているところだな、、)

それは純粋な感動だった


古代ベルカにその名を刻む
一対一では負けは無し、とまで謳われたヴォルケンリッター
無敵の剣の騎士にして烈火の将の名を冠する無双の存在であるシグナム

その彼女をして、屈辱を通り越した感嘆を抱かせるほどに―――
目の前の蒼き槍兵の戦闘力、、その技能は常軌を逸していた

総合的な戦力では未だ自分が劣っているとは思わない
そんな弱気な考えなど断じて持つ彼女ではない、、ないのだが、
もしこれが仮に、初めに木剣と棍をそれぞれ渡され
その一振りのみで模擬戦をしろと言われたら、、どうだ?

そういった試合形式で臨んだ場合
純然たる剣技のみで勝負をした場合、、

「勝てるのか?自分は、、」と直感的に思ってしまう

何せ男はシグナムが 「攻」 「防」 の動作を鎧と盾と剣を総動員して賄うのに対し
その一本の細い槍のみで全てを担い
しかもそれでいてシグナムを上回る戦果を叩き出しているのだ

少し打ち合っただけだが間違いない
男はこちらのような、ミッドチルダの魔道士のような
フィールドもシールドも持ってはいない

本当に槍の一振りで――――このSランク騎士を圧倒している

剣士として、その技量の壮絶さ
そこに敗北感を禁じえない将である

(………ぬ、ぅ、、、ぐッ!?)

猛襲する槍兵がその本性を見せ始める

「はああッ!! はっはァッッ!!!!」

嬌声混じりの気合いと共に男はアクセルを終始ベタ踏み

更に、更に、加速ッ、加速ッッ!! 

既に残像現象を伴うその動きは
減速という概念のコワれた暴走超特急

剣士が辛うじて往なした一条の閃光が
すぐさま戻ってきて彼女の横っ腹を、首筋のすぐ横を通り過ぎていく

何とか鍔迫り合いに持込み、せめて一呼吸、、
酸素を体に取り込みたい剣士であるがその隙もない
362名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 17:32:42 ID:1BRjdHLA
支援
363名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 17:42:11 ID:qKVxyxUI
刺宴
364名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 17:44:39 ID:E+rPAwvt
ぐわっ、その文章に嫉妬する!私怨!!
365名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 17:46:29 ID:XpvNyKdB
さるさんかな?
366名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 17:53:56 ID:WmHcyDsW
支援
367シグナムVSランサー2:2009/01/13(火) 18:00:17 ID:tXPXvJgK
その場に踏み止まれず、得意の空からの打ち落としの機会もなく
先ほどから、じりじりと後退を余儀なくされる剣の騎士

恐らくはフェイトとの数え切れない模擬戦を含めた経験豊富な部分が
ギリギリで、その速度に対応する手助けにはなっているのだろう
でなければとうの昔に彼女は穴だらけにされている、、、まさにハチの巣の言葉通りに

だがそれでも対応できない部分があるのは目の前の男の速さが
ミッド、ベルカ式でいう所の「スピード」とは全然違う種類のものだからだろう
即ち、最速と謳われるフェイトテスタロッサに見られる高機動型の魔道士や騎士のような
魔力出力によるアクセラレーションが醸し出す純然たるスピードではないのだ、男の動きは

それは身のこなし、歩法、体捌き、フェイントを織り交ぜた気配の使い方に至るまで
その他無駄の無い理想の挙動、術を突き詰めた、、
全ての動作から「余分」を削ぎとっていった末に辿り着いた戦闘技術の頂とも言うべきもの、、

恐らく <距離を決めて先に目的地に着いた方が勝ち> という競争をやらせれば
フェイトのスピードは男を凌いでいたかも知れない

だが、これは徒競走ではなく白兵戦
技術、体術、生来持って生まれたセンスに恵まれた骨格
その全てを兼ね備えていなければ「術」というものは極められない

男のそれは―――まさに極めたとしか思えないレベルにあったのだ

先ほど、男がこちらの事を褒めていたが、それは今まさに彼女の台詞だった

見たところ、年の頃はどう見ても30も行っていない
軽薄な口調に初めは苛ただしさを覚えたのも事実
だが、そんな姿からは想像もつかない
ダイヤの如き強さと輝きを秘めた術技の結晶が目の前にあった

これほどの、、これほどの戦技、、、

間違いなく生涯を武に捧げた者のみが到達し得るといわれる――剣聖の域


攻防は続く

何回目か数えるのも馬鹿馬鹿しい往なしから
槍がシグナムの左の二の腕を削っていく
そこへ体を横にずらして、半身をきって踏み込む剣士

通り過ぎた槍が横に薙がれる形で彼女を追い
それを剣の腹で受け流しながら更に突進する将

とにかく肉薄して間合いを潰したいシグナム
体勢も保てぬままに槍の男の間合いに踏み込む
それはほとんど、剣技も何もない体当たりに近い

こんなものは横に往なしてしまえば良いのだが―――男は逃げない

不動の姿勢にて
女剣士の全てを受け止め、弾き返す意を秘めたその瞳が
彼女の必死の突撃を見据える

互いに引かぬ意思
剣と槍が交錯したままに激突する肉体
ガツンッ!、とぶつかる頭と頭
両者の顔が目と鼻の先にある――
368シグナムVSランサー2:2009/01/13(火) 18:01:27 ID:tXPXvJgK
時間にしてそれほど立っていないというのに
ようやっと、、という思いが胸を締める女剣士

そう……ようやく鍔迫り合いに持ち込めた、、

「………答えろ」

数多の赤い線を掻い潜り
辿り着いた閃光の内側
台風の目となる男の懐、、

相手の槍の柄を上から剣で押さえ
今、目の前にある男の顔を真っ直ぐに見据えながら――

シグナムが口を開く

「貴様は……いや――」

それは今や到底拭えぬ
目の前の男に対する疑問だった

「貴方は何故、私たちを襲った…?」

今や荒くなった息を隠せぬほどに消耗した彼女

だが、そんな事はかまわずに騎士は問う
目の前の――
戦技の究極の域に座すその男へと

「まだそんな事言ってんのか? いい加減、白けるぜ、、」

「いや、言わせて貰う……こちらには貴方のような者から命を狙われる謂れはない
 これほどの槍の使い手、さぞや名のある騎士と見受ける
 そのような者が、心から外道に付き従っている筈が無い、、、……何故だ?」

その胸に去来するは一人の悲しき宿命を負った騎士
ジェイルスカリエッティによって全てを奪われ、傀儡と化し
己が理想を、友との友情を求めながらこの剣にかかって死んでいった男の姿だった

目の前の男の態度、、
初めは何の悲哀も映しているようには見えなくて
新たなナンバーズ……ジェイルスカリエッティの開発した戦闘機人の新型か何かかと思っていた

だが違う、、、

目の前の男は断じてそんな、こちらの見知える類のモノではない
剣を交えた騎士の直感でわかる
知らず彼女の口調にも畏敬の念が篭ってしまうほどの、、それは偉大な何かだ

一見ふざけた態度のその奥にあるモノ
交えた刃、かわした数百合は決してウソをつかない
その根底にある戦士としての輝き、、魂は誓って――ーテロリストなどに組する者のそれではない

「名のある、か……
 まあ、あるっちゃあ、あるんだが――シィッ!!」

これほどの男が何故、ジェイルスカリエッティ、、
あの人の命を弄ぶ外道に仕えているのかという疑問がどうしても拭えない
369シグナムVSランサー2:2009/01/13(火) 18:02:26 ID:tXPXvJgK
この局面、それを口に出すにはいられないシグナムのその頬を――紅い閃光が通過した

「くうっっっ、、!!」

更に半歩、後退を余儀なくされる騎士
その凛々しい顔の右頬に…・・・くっきりと赤い痕がつく

「外道とはまさに言い得てズバリだが――別に珍しい事じゃねえだろ? 
 手違いで、いけ好かねえ主に召し上げられるなんてのは

 この世知辛いご時世じゃ、そこらで起きている事だぜ」

「ならばやはり本意ではないという事か?
 話してくれねば分からぬ事もある……剣を交えるのはそれからでも遅くはあるまい?」

「………」

ここに来て一転、怪訝な表情を浮かべるランサーである

「おい、まさかお前――ビビってんじゃねえだろうな?」

「見損なうな………そうではない、、 
 貴方のような使い手にはそうそうお目にかかれるものではない
 故にだからこそ有象無象の無頼として、ただの犯罪者として相手をしたくないだけだ」

かつて全次元を恐怖に震わせた闇の書
その守護騎士の一人であった猛将も、今は法を守る時空管理局の一員である

そして管理局局員はその任務上において犯罪者と相対した場合、出来得る限りの対話をしなくてはいけない
いや、、それはどの法的機関でもそうであろう
だが戦いの最中において対話を成立させるという行為は傍で見ているよりも遥かに難しい

特にこうした一対一の戦いにおいて
コンマを奪い合う刹那の域で
呼吸一つ、瞬き一つが戦況を左右する中で
己を空に溶け込ませ、相手の乱れを誘い、その知覚を上回る一撃を叩き込むのが達人同士の戦いであるにも関わらず、、

そんな中、言葉を吐くというのは当然
闘いにおける呼吸や集中力を霧散させてしまう行為に他ならないであろう
ならば今まさに驚速の刃が飛び交う中で悠長に話しかけるなど出来よう筈もない
シグナムのこの行為は、自分の首を絞めているようなものだった

それでも、、

「かぁ、、、面倒くせえなぁ……御行儀の良い騎士様は」

彼女は惜しんだ

意見の食い違ったままにつく決着に納得のいくものなど無い――

そう教えてくれた、とある事件の事を脳裏に蘇らせながら……

彼女は槍の男を真っ直ぐ見据え、その解答を待つ

「別にな、喋るなとは言わんが……お前さんも騎士なら
 良い勝負の途中で敵に中断を促すような真似するんじゃねえよ」

槍の穂先を向けながらに叱咤するランサー
声にはその女騎士に対する失望の念がありありと籠っている
370シグナムVSランサー2:2009/01/13(火) 18:03:21 ID:tXPXvJgK
「敵……」

明確な敵意を持った――相手の意思

これほどの男が、はっきりとこちらを「敵」と明言した

―――あまりにもあけすけで
―――それでいてはっきりとした答え

それでも釈然としないシグナムに対し、ち…と舌打ちするランサー
男には無抵抗の相手を突き殺す槍など持ち合わせていないし
そんなつまらない結果は望んでいない

「強敵と刃を交えるのは光栄な事だ、、正直心が躍る 
 中断する気は無いし、決着は今ここで必ずつけよう
 だが槍の戦士よ、、剣を交えるにせよ……まずは立てるべき筋というものがあると思わないか?」

「は、……あくまで引かんか
 だが生憎と戦場で弱い奴と語る舌はねえ」

騎士の道理など些細な事と切り捨てるランサー
事実、男にとって襲う理由や真情など本当にどうでも良かったのかも知れない

―― どうせあのクソ神父の事だ……口にするのも憚られる、ロクな命令じゃないのだろうから ――


そんな事に気を揉むよりも男はとにかく戦いを欲していた
渇望する魂は言葉などでは癒せない
サーヴァントが唯一、その身の置き所に誇りを感じる事があるのなら
それはもう血潮飛び散る戦場以外に有り得ないのだから

「力を示しな、そうすりゃ口から何かしら零れるかも知れねえよ」

あくまでこのまま戦闘続行を促すランサー

そこまでして秘匿したい内容なのか、、
刃と刃でならば、あそこまで豪壮に互いを交換できる両者であるのに
言葉ではまるで歩み寄りを見せない二人

釈然としない――

そんな思いから振るう剣にいつもの業火の如き猛りを乗せられないまま
相手の男に対し構えるシグナム


――――――、、、、、、、、、、、その時


「―――――、、、、、」


「………っ!!?」

将の全身に衝撃が走った

見開かれた顔に大きく張り付いた驚愕

あ、、と声が漏れた口が
しかしそれ以上の言葉を発する事無く
中途半端に開かれている
371名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 18:03:41 ID:WmHcyDsW
支援
372シグナムVSランサー2:2009/01/13(火) 18:04:13 ID:tXPXvJgK
(い、今のは…………?)

それは、、、どこから聞こえてきたのか?


遥か南東
ここから見えるのは鬱蒼と茂る森

そこから――――


それは、、、何だったのだろうか?


山は山彦という、音が残響として残る現象があり
その残滓が確かに彼女の鼓膜を揺らした

が故に聞こえた―――


それは断末魔じみた悲鳴――

一体―――誰の、、、?


「テ、、、、、、」

半ば呆然とする思考が……
今、火をくべられた暖炉のように燃え盛っていく


(テスタロッサっっ!!!)


そう、、決まっている

この場において
将の耳に覚えのある声を放つ者など………一人しかいないのだ

今、まさにこちらと別の場所で戦っている戦友
フェイトテスタロッサハラオウン、その人の声以外には有り得なかった

歯噛みする騎士
焦燥に駆られるその思考

(まさか……そんなバカな、、)

あの皆が、何より自分が認めている6課の双翼
ライトニング隊長――閃光と称された最速の魔道士が、、、


――― こんな僅かな時間で ? ―――


「向こうは終わっちまったかな…」

目の前の男がポツリとそんな事を呟いた
それは、今の声が幻聴でない事の何よりの証――
373名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 18:04:56 ID:OCicGhew
しえん
374シグナムVSランサー2:2009/01/13(火) 18:05:05 ID:tXPXvJgK
シグナムの髪が逆立ち
元々の薄い赤毛が今や
真っ赤な炎のように揺らめき出す

「………、、」

もはやモタモタとやっている暇も余裕も一切ない

「―――へぇ……良い顔になってるじゃねえか」

男がその相貌を横目に見てニィ、と嗤う

「レヴァンティンッッ!!」 

烈火の将が相棒
その一振りの魔剣に一気に魔力を込める

そしてそれでは足りぬとばかりに
ベルカの結晶=カートリッジシステムがせわしなく稼動し
撃鉄音と共に薬莢の落ちる音が三つ―――

途端、騎士の女性のポニーテールが
否…全身の襞垂れが魔力の奔流と共に翻る

それは宙を焦がす炎となって
シグナムの剣に集約され、纏われていく

凄まじい気迫と熱気
ここへ来て三段ほどギアを跳ね上げたのが傍から見ても分かる

「本当に殺してしまうかもしれん…
 こうなった以上は後戻りは出来んぞ、、」

怒りに震える炎の剣士の口からは
もはや一切の甘さも焦燥も感じられない

怜悧にして底冷えのする声が響く

そんな騎士の様相を前にして 男の顔にも感極まったような笑みが灯った

「遅えよ――」

飄々とした口調はそのままに
槍を体の周囲で10ほど回転させたのは手慣らしのためか、、
何にせよ、それは中断された場を再び動かすためのゼンマイを捲く行為に似ていた

そしてピタッと後方に抱えたまま
相手の騎士の正中線を見据えたままに、

「始めっからそのつもりでぇ! 来やがれってんだッッッ!!!」

猛々しく吠えるランサーが再びこの場に赤き旋風を作り出す

烈火の剣と春雷の槍
その苛烈な戦いは、、、


まだ始まったばかりである

――――――
375名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 18:06:20 ID:XpvNyKdB
しえん
376名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 18:07:34 ID:WmHcyDsW
支援
377フェイトVSライダー2:2009/01/13(火) 18:08:31 ID:tXPXvJgK
Lightning&Rider2 ―――

重ねて言うが
それは一瞬の油断だった


聡明な彼女である

管理局にその人ありと言われた優秀な執務官が
怠惰や慢心で油断をするなどという事は断じてない

そう、彼女は――
この魔道士はただ仲間を……

戦友である烈火の将をほんの一瞬、心配しただけ

仲間思いの優しい心が期せずして
己を窮地に立たせてしまうのも戦場の慣わしなれば
それは無情で皮肉な話である


そしてやはり敵が埒外過ぎた

あそこまでの空爆を受け一方的に攻められながら
ハンター顔負けの技能で、二度は通じなかったであろう奇襲を見事成功させ
ワンチャンスをものにした騎兵――
サーヴァントライダーの手腕があまりにも常識外れだったからに他ならない


だが逆に言えばライダーにとっては何でもよかったのだ――

彼女にとってはチャンスなどいくらでも作れたし
もし作れなかったとしても、このサーヴァントには――空の敵をも殲滅する切り札がある

(どうやら、その必要は無かったようですが)

その使用に踏み込むほどに自身を追い詰められなかった小雀を
今、毒牙にかけようとするライダー


フェイトは入ってしまう―――
捕食動物がエモノを食らうために用意した魔の森に――


死へと続く魔の二人三脚


古来より罪人を処罰する刑の一つとして「牛引き、馬引き」というものがある

現代においても――寒気のする話であるが
縄で縛って自由を奪い、車やバイクにくくりつけて引きずり回すという
極めて陰惨で残忍な私刑が存在するが、、

これは、まさにそれだった

「くっ!!」

矢のように通り過ぎていく周りの木々と
片腕を極められ自由にならない体
大幅に制限された行動範囲
378名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 18:09:39 ID:XpvNyKdB
しえん
379フェイトVSライダー2:2009/01/13(火) 18:11:25 ID:tXPXvJgK
そんな有様で手を繋がれ
ライダーに引き回されるがままに森へと侵入したフェイト

「付いて来れますか? この私の速度に」

初めは自身の攻撃の通らない相手に苦戦させられたサーヴァントが今、
相手を嬲り殺しにする料理法を展開し、舌なめずりをする

ライダーの疾走は騎乗してない時点であすら、それは流星そのもので
並のものなら彼女のペースについていけるはずがない
その彼女に手を引かれ、木々生い茂る森林などに入ってしまったら――

為す術も無い獲物は障害物や木に激突し
叩きつけられるのを繰り返しながら、、

引き摺られ、引き摺られ、、、

彼女が足を止めた頃には
見るも無残な挽肉となって地面に転がっている事だろう


だが、、

ここで先ほどのライダーに負けないほどの
意地を見せたのは他ならぬ執務官である

「! ――――、ほう…」

ライダーが感嘆の声を上げる、その姿

木々の合い間を縫って翻るは稲妻
その枝を掻き分けてくるのは純白のマント
その空を切り裂いて飛ぶは―――黒衣の魔道士!

付いてきている!

フェイトがその高速のマニューバを展開し
森林をすり抜けて、、

逆にライダーを猛追するように後を追いかけているのだ!


追撃は終わらない――

最速同士の戦い
その領域は既にオーバーレブリミット

早くも問答無用のトップギアに突入していた


――――――

―――流れる景色は弾丸

―――いや、景色に対して自分が弾丸なのか?

―――どっちでも良い、、

―――そんな事を一寸でも考えている余裕は無い
380名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 18:13:45 ID:1BRjdHLA
支援
381名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 18:14:22 ID:XpvNyKdB
しえん
382フェイトVSライダー2:2009/01/13(火) 18:14:51 ID:tXPXvJgK
共に流れる綺羅星と化した二人の思考がクロスする

追う者と追われる者が目まぐるしく逆転するこの戦い
その様相は――ある意味、必然だった

ランサーとシグナムの闘いが
武人同士の器量を確かめ合うかのような静かな立ち上がりだったのに対し
力と技と速力の極致であるのはフェイトもライダーも同じ

なのにどうしてここまで戦いの性質が決定的に違ってしまっているのか?

基本的に前へ前へと押し進む騎士達に比べ
この両名は全局面対応という意味での、本当のフットワークの使い手である事が起因?

確かにそれも一つの原因であるが、大元はもっと根本の部位にある

魔獣同士は本能の赴くままに噛み合うが故に
その戦場もまた 「噛み合う」

だがハンター同士は自分の間合い、距離、戦場を絶対に妥協しない
優れたハンターであるならば、熱くなって獲物と取っ組み合いをするなど以ての外
どうやって自陣に追い込み、罠にかけ、敵を引き込めるか、、
もう既にそこから彼らの戦いは始まり、そこで勝敗は決まってしまっていると言っても良い

故に訓練された捕獲者と
神話によって生み出された天然の捕食者

彼女達のその戦場は、まずどちらの陣地に相手を引っ張りこめるかであり
故に一所に留まらず
地を駆け、空を裂きながらに打ち合っては離れ
並走しながらに睨み合い、決して止まる事は無い

騎士同士の激突がまさに戦争…
互いの陣と陣の犯し合いだとするならば
彼女達はまるでランナー同士のラリーの応酬

重戦に対して軽戦
どちらかが「手段を選ばず」相手をクラッシュさせてでも頭を抑えた方が勝利する
そんなキャノンボールの如き様相を呈してきた二人の戦闘

あるのは強襲、急襲、速攻

そんな金色と紫の肢体が苛烈に美しく踊り狂う様は
視認できるのならば、、
激しく情熱的なシンクロナイズのように映っただろう


迫る幾多の障害物
手を鎖で繋がれた者同士、その間10mの魔の並走
どこまでも、どこまでも上がっていく速度

だが、それだけではない
この戦いが真に彼女達に牙を剥くのはこれからだった

「っっ!!!」

フェイトの視線の先――

その眼に映る敵の姿は妙齢の女性
383名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 18:16:42 ID:jH2/YohW
支援
384フェイトVSライダー2:2009/01/13(火) 18:17:48 ID:tXPXvJgK
美しい髪、美しい肌
スラリと伸びた肢体に完璧といって良い、美の化身のような様相

闘いなど知らぬ、琴などの優雅な楽器を弾いて小鳥と戯れているのが似合いそうな、、

そんな女神のような女性の細い腕から伸びるは無骨な鎖

それが黒衣の魔道士の手首にしっかりと巻きつき、一定以上の離脱を許さない

そんな状態でこれだけの障害のある森を
縄で繋がった二人が並走したらどうなるか――?

当然、彼女と相手が並ぶ合い間には無数の木があり
今、ついにその一本を間に挟んで通過する二人

「ううっ!!」

「―――、、」

瞬間、ビィィィンと張り巡らされる鎖に捕らえられるフェイトとライダー

急激なGに内蔵や背骨を圧迫されながら
マッハに近い速度で直進していた二人が
強制的に方向転換

両者は支点となった木を中心に、アメリカンクラッカーのように弧を描き
振り子の如き軌道にて互いに急接近する

「――死になさい」

紫の球がその杭のような短剣片手に迫る

「……! はぁぁぁぁあああッッ!!!!」

金色の球が裂帛の気合と共に大鎌を振るう

仕掛けたライダーは勿論
フェイトとてこうなる事は読んでいた

その軌道が交差する地点が敵と切り結ぶ時、、
そういう戦いになるという事は森に入った時から承知している

玩具のクラッカーならば、互いの球はつがいの仲良しだ
遊びに耽る子供の笑顔を作るため、仲むつまじくカチン、カチン、と
小気味良い旋律を奏でるのだろう

だが―――この二つの球にはそんな気は毛頭無い

ぶち砕く!!!

その初っ端の激突で相手の球を粉々に粉砕すべく
美しく扇状の軌道を取って旋回――Gに揺られた髪が横に流れる

それは上から見たら、閉じる扇子を模した組体操に見えた事だろう

互いのラインが歪にクロスする
長物である大鎌を器用に右手で扱うフェイトと
敵を捕らえたまま、左手に握られた短剣を構えるライダー

二つの閃光じみたクラッカーは遠心力に振り回されるままに―――激突!
385名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 18:17:54 ID:WmHcyDsW
支援
386フェイトVSライダー2:2009/01/13(火) 18:20:36 ID:tXPXvJgK
まさに扇が閉じた瞬間、その先端にてバチィッッ、と火花が散ったかのように
それぞれの肉体の機能を停止させるために放った凶器を
それぞれが紙一重でかわし、両者は交錯して位置を入れ替える

それにより、支点になった大木は二人の手に繋がれた鎖によって絞首刑に処され
ミチミチと繊維に食い込む金属の様相がまるでふ菓子のような柔らかい固体を握り潰すかのような光景の元に
やがてばつん、と――力任せに切断される

「う、、くっ!」

支点が無くなった事で運動力が正常に作用し
半ば強制的に宙に放り投げられる両者

並の人間ならばこの時点で脳は極限までシェイクされ、三半規管はズタズタだ

なのに何事も無かったように二人は姿勢制御をその身に施し
フェイトは宙へ、ライダーは木の枝へ着地
一瞬たりとも止まる事が罪悪であるかのように、再びロケットじみた加速で並走を始める

鎖一本――

たかが鎖一本でそのフィールドは慣性の法則、作用反作用、振り子の原理
その他ありとあらゆる運動法則がマーブルのように溶けあい二人に牙を剥く――
異次元の戦場と化していた

フェイトはもはやライダーの引き寄せに逆らわない
その時折来る、力任せの牽引に対し身を預け
高速飛行における姿勢制御、体制の維持を最優先にして軌道の乱れを最小限に抑えている

この綱引き……本当に本当の全開ならば、、
フルドライブや、オーバードライブならば
いかに敵の膂力が凄まじかろうと、そう簡単に力負けするわけがない

問題は極められているのが彼女のリスト、、人体の急所だという事である
力に逆らえば、傷つくのは自分のみ
相手の膂力と引き合いをしようものなら、手首がねじ切れてしまうだろう

森林を縫うように駆け抜ける二対の影は魔速を超え
もしもこのようなスピードで仮に障害物――
木々に衝突などしようものならまず無事では済まない

神域の守りを持つ管理局魔道士であれ
驚異的な肉体を持つサーヴァントであれ
高所から落とされたトマトの如く、醜く潰れた肉片になるのみである

重力の制約を受けずに宙に身を泳がす金の閃光に対し
木々を足場に互角の立ち回りを見せる紫の流星

大木を挟み、枝を挟み、岩を挟んでの激突
ある時は上と下、ある時は斜め上と斜め横
縦横無尽の衝突が起こる度に森のオブジェは二人を繋ぐ鎖という名の紅い糸によって粉砕されていく

だが、、、その戦局が動く

幾度かの打ち込みの後、、

「あっ、、、!?」

フェイトが相手の挙動の変化――
387名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 18:22:46 ID:jH2/YohW
支援 てか長いw
388フェイトVSライダー2:2009/01/13(火) 18:24:23 ID:tXPXvJgK
互いを振り子の玉にする支点となった木がまたもや砕け
両者があさっての方向へ投げ出されるその瞬間――

刺客が起こそうとしているアクションに得も知れぬ悪寒を走らせ、目を見張る

そう、、ライダーが鎖を進行方向と真逆の方向へと引き
渾身の力で並走のベクトルを捻じ曲げたのだ


「うあ、、!?? ああああぁぁぁぁああああああああああああああああッッッ!???」



凄まじい絶叫が森に響き渡る

妙な話だが互いに激突のタイミング、リズム――
つまりは並走の息が合ってきていた二人

両者にかかる予測不能のGや運動の法則を感覚で掴み始めていた両者
知らず無意識に力の流れを読み、互いに生ずる影響が最小限で済むよう働きかけていた

その暗黙の協力を――騎兵が乱す

先ほどまでは予定調和の如き美しさを持った二人の二人三脚にノイズが走る
ライダーが太股まで露になった両の足で自身の足場である古木を挟み込み、、
空いている腕で枝を掴み、この疾走に無理やり制動をかけたのだ

結果、どうなるか――

高速で前進する体と、逆側に引かれた腕
体の一部分だけが逆に引き寄せられたその結果、、

フェイトの左肩が歪に捻れ、、引き千切られるほどに伸びていく

「あ、、、、かッ、ぁ、、、、―――」

全身が捻じれる感覚
内蔵が雑巾のように絞られる感覚に嗚咽を漏らすフェイト

当然、こんな制動をかけたライダーの両足や全身も無事では済まない
挟み込んだ足場だけでは、この急制動を達成する事かなわず
彼女は己が鎖を自身の肉体に巻きつけ、大木に自ら縛り付ける事で己を固定させていた

「―――、、!」

その牽引力たるや、大木すら耐え切れずに切断されるほどのものだ
金属の縛鎖がライダーに食い込み、その白い肌を軋ませる

だがそれでも――あくまでライダーにとっては予想していた痛み
心構えも出来ている負荷ならばいくらでも耐えられる

だが、全く予想外の、全く逆方向の運動エネルギーを総身に受けたフェイトは――

気が狂うほどの激痛に襲われ
頭の中が真っ白になり
一瞬、完全に意識を失いかけてしまう
389名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 18:25:23 ID:XpvNyKdB
しえん
390フェイトVSライダー2:2009/01/13(火) 18:26:58 ID:tXPXvJgK
それはさながら、暴風にさらわれた凧を力づくで無造作に引き戻す行為に似ていた
その無体な行為は大概、ろくな結果を生まない
逆方向の力を同時に受けた貧弱な凧のフレームはグシャグシャに折れ曲がり
無残な姿をさらして墜落するのみなのだ

フェイトの断裂寸前まで伸ばされた肩の筋肉が
ミシミシと音を立てて軋み、全身に衝撃を走らせる
それこそ風に舞い上げられた凧のように迷走し、ふらつくその肢体

そして力なく落ちていく体が
前方の大木に吸い込まれるように激突の軌道を取る

制動がかかったとはいえ
今までの速度が尋常ではなかったのだ
その勢いのまま障害物に激突すれば、やはり肉体など簡単に砕けるだろう

突然のライダーの奇襲
それはこのチキンレースをあっさりと終わらせるフル・ブレーキングの縛鎖

それはフェイトの全身の筋繊維をズタズタにし
勝負を決めてしまったかに思われた


だが、、

この百戦錬磨の執務官はそんな事では終わらない


大木に激突する寸前、力を失った筈のフェイトの肢体が横に流れる

否、それは明確な意思を持って行われた
紛れも無い左のロール

「――、」

ライダーがその光景を見据え

(残しましたか……小癪な)

相手の生存を確認し、舌打ちをする

白いj肌に食い込む、全身に巻きついた鎖
それによって木に縛られた姿はどこまでも美しく
まるでギリシャ神話における、岸壁に縛られ、海神に生贄として捧げられた聖女を思わせた

彼女にとっても出自の近い故郷の出来事
だが自分がその聖女のようだ、などと言われたら
寡黙な彼女をして笑わずにはいられない

何故なら彼女は――どこまでいってもそのテの輩とは対極の存在

木から、その姿を解き放ち
フラフラと飛ぶ魔道士の後姿に向かって飛ぶライダー

彼女はどこまでいっても――
眼前の生贄を朽ちさせ
食らう側の存在だったのだから


――――――
391名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 18:28:24 ID:XpvNyKdB
しえん
392フェイトVSライダー2:2009/01/13(火) 18:29:15 ID:tXPXvJgK
「は、―――― はふ、、、――― は、、、、」


乱れた呼吸――

半分、白目を剥いた目尻から
堪えきれない激痛に涙が滲んでいる

神域と呼ばれるBJだが
意外な事に捻挫や骨折、間接への衝撃には驚くほどに弱い

否、それは全ての鎧やカブトに言えること

一トンの衝撃に耐えられる鎧兜でも
高所から落ちれば、体の骨は簡単にへし折れるのだ

ならば今の急制動がフェイトにもたらした影響は相当のもの
ダメージから、誰が見ても破綻するかに思われたその軌道は――

しかし一刻の乱れを残したのみですぐさまリカバー
信じられない踏ん張りを見せたフェイトテスタロッサハラオウン

クラッシュ確実のスピンを回復させたのだ
その結果は鉄面皮の騎兵をして驚きに目を見張るものだった

デスマッチの主導権を握っているこの女怪
仲良し二人三脚をやるために森に彼女を誘い込んだのではない

今ので決めるつもりだった――
敵の絶叫、、決まったと思った――

その確信を今、裏切った相手に再び憎悪の念を向ける騎兵


その相手であるフェイトは未だ朦朧とした意識のままに高速飛行を続けている
あの時、一瞬の不自然な力の流れをライダーから感じたが故に
咄嗟に身を捻って受身をとっていたからこそ取り返しの付かない損傷は免れた彼女であったが
それでも全身をバラバラに千切られるような激痛は、この魔道士の意識をほとんど飛ばしていた

それを救ったのは、、
ただただ染み付いた彼女自身の戦技と――その才能

厳しい訓練と教義の果てに
例え意識をなくしても、前後不覚の状態に陥っても
それでも戦術思考をやめない……

フェイトが戦闘中に思考を止める事は無い
彼女自身の心が折れない限り
その身体はひたすらに任務を全うする機械となり得るのだ

「ハァ、、ハァ、…………、ハァ、、、」

簡易治療魔法で痛みだけでも軽減するフェイト

荒い息、未だ虚ろな瞳で
それでもその目は敵の姿を見失う事はない
キッと睨みつけた、今自身の真横数m先に追いついてきた相手――

サーヴァントライダーに対し
並走しながらに彼女は極められた左手を掲げる
393名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 18:29:52 ID:WmHcyDsW
両手持ちの武器使いで片腕破壊はキツイ、
支援。
394名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 18:30:17 ID:OCicGhew
支援
395名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 18:31:30 ID:XpvNyKdB
しえん
396フェイトVSライダー2:2009/01/13(火) 18:32:06 ID:tXPXvJgK
「そっちがその気なら……
 こちらもちょっと強引に行かせて貰う……」

「――――! チッ、、」

ライダーが盛大に舌打ちをして
途端フェイトとの距離を詰めようとラインをずらして来る

そうだ、このサーカスのようなランデブー
引き摺り、翻弄し、
すぐに決着がつくと思っていたライダーの誤算が今、彼女に牙を剥く

この疾走、、もはや360度、どちらの方向に吹き飛ぶかすら分からない
まさに死のツーリングと呼ぶに相応しいものであったが、、

フェイトはこの短時間で――もう慣れてしまったのだ


そして慣れてきたという事は余裕を取り戻したという事で
この絶死の高速飛行中においても
彼女の中にある多彩な引き出しを徐々に開けていけるという事になる

「フォトン、、、ランサー……」

木の枝を次々と横っ飛びで渡りながらフェイトに迫るライダー

だが―――遅い

森に入った当初は障害物を裂け
飛行する事に精一杯だった彼女の戦術思考が今
唸りを上げてその魔法を紡ぎ出す

フォトンランサー ―――

射出系だけで七色を誇るとまで言われるフェイトの魔法の一つ

彼女の周囲に出現した黄金のフォトンスフィア
そこから射出される矢は、先ほどのプラズマランサーのような誘導性能はないが
自身、最も効率の良い射撃魔法として多用してきた―――凄まじい連射性能を誇る魔弾である

「墓穴を掘ったね……私と繋がって、いる以上
 もうこちらの射撃からは、、逃げられない」

未だ息は荒く、多少ろれつの回っていないながらも
それははっきりとした意思を以って敵――ライダーを見据える

迫り来る、恐るべき騎兵
それを悠々と、引き付けるほどに余裕を持って今、、

「ファイアッッ!!!」

彼女が幼い時、師事したとある使い魔の女性から初めて教わった
万感の思いの篭った魔法のセーフティロックを解除し、、

トリガーを引く

「――――、!!」

既に隣のライン
距離にして3m弱に差し迫っていたライダーが最後の跳躍を以ってフェイトに迫る
397フェイトVSライダー2:2009/01/13(火) 18:34:27 ID:tXPXvJgK
そしてそれと同時――

正面に見据えたライダーに対して
魔道士が、雷撃の連弾を盛大にブッ放した

ドン! ドン! ドン! ドン!という小気味良い射出音が森に木霊し
迫る騎兵を雷撃の魔弾が飲み込んでいく

一撃一撃の威力は低いが、速効性を求められたこの状況
計30発に及ぶマシンガンの如き連射を相手に叩き付けたフェイト
しかも至近距離、、

宙空で回避も出来ない彼女を包み込む硝煙
これは――決まった……?

手に馴染んだ感触は確かなベストヒットの手応え
これでKO出来ない筈が……、―――

未だ並走している両者
主導権を握っている相手が失速もしくは停止すれば
この危険極まりないデッドヒートも終わりを告げる

緊張に緊張を重ねたフェイトの神経が
安住の地を求め、弛緩の一途を辿ろうとする、、

「! バルディッシュッッ!!!!」

その安寧を一蹴するかの如く、フェイトは自らを叱咤した

止まらない、、

疾走は、、止まらない!

フェイトが絶叫を上げ
全域展開のラウンドバリアの指示を飛ばす
それよりもなお速く――

眼前、、立ち込める雷の硝煙から
灰色の煙を突き破るように飛来する紫、、!

打ち出された雷光の機関銃を身に浴びながら
それでも勢いを微塵も殺さずに間を詰めてきたライダーの姿がそこにあった

(そ、、そんな……耐えた!?)

直撃だったはずだ――

なのはのような高密度のBJを纏っているならともかく
生身の肉体が耐え切れる衝撃じゃない
悪くすれば致命傷、良くて全身麻痺
確実に相手を戦闘不能に陥らせるほどのダメージはあったはずだ

だが現実に、目の前には敵の姿
こちらの魔法を踏み越え、飛び荒び
今、眼前にそのしなやかで力強い大腿を晒した騎兵の姿があった
398名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 18:34:37 ID:XpvNyKdB
しえん
399名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 18:35:25 ID:1BRjdHLA
そういやライダーは対魔力Bだったな
400フェイトVSライダー2:2009/01/13(火) 18:36:47 ID:tXPXvJgK
「う、、うっ!!?」

それは近接を遥かに超えた密着戦
次弾装填もサイスによる迎撃も間に合わなかったフェイトの上半身の
特に首に巻き付くライダーの両足
完全に両の太股が――ガッチリと魔道士の頚動脈の辺りを挟みこんでいる

「―――効きました、、大した魔術です…」

それは本心からの賛美

対魔力Bを誇る彼女の肉体に、それは確実に損傷を与え
全身を襲う痺れ、体内を貫かれた感覚は
サーヴァントをして深刻なダメージと認識させるに十分なものだった

捨て身の特攻など自分の流儀ではないが、、だが――

「これではいよいよ埒が明かない――
 こちらこそ少し手荒に行きます……」

バリアか装填か迎撃か、、
一瞬の判断の分岐が仇となり
敵にこのような接近を許してしまったフェイト

「あ、、、く……!」

カモシカのような細い足は
同時にプレス機の如き暴力的な剛性を以ってフェイトの頚動脈と上半身を締め上げる

そして、、、

―――そのまま身を捻って回転


「うあっ!!」

首があさっての方向へと捻れる感覚に襲われる魔道士
卓越した反射神経で彼女もそれに合わせて飛ぶ
でないと、、頚椎をヘシ折られる…!

相手の体を極めながらに宙を舞うライダーと
常人には到底理解し得ない反射速度でライダーの動きに合わせるフェイト
その両者の身が速度を保ったまま宙を彷徨い――

眼前に迫る大木の前方へと躍らせた

否、この軌道はライダーの故意によるもの
絡みついた足がフェイトの頭部を強引に引き回し
そのまま木の幹に向けさせる

このまま頭部を、あの障害物に叩きつける気だ

「ソニック、、、ムーブッ!!」

「―――、!?」

半身の自由を奪われ
為すがままに頭から追突するかに思われたフェイトが紡ぐは得意の移動補助魔法
401名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 18:38:14 ID:XpvNyKdB
しえん
402フェイトVSライダー2:2009/01/13(火) 18:40:35 ID:tXPXvJgK
ただでさえ、もつれ合っての高速並走に加え
サーヴァントライダーをして有り得ないほどの超急加速に
二人の体勢が、、軌道が歪にブレる

「く―――暴れ過ぎです、貴方は」

Gに翻弄された二人が絡み合い、組み合いながら
些かの減速も無しに、、正面の大木に激突した

ベキバキボキ、という――

嫌な、鈍い音が辺りに鳴り響く

それは間違いなく全身の骨が砕けた音、、

いや、違う―――


砕けたのは大木の方だった
フェイト一人が突き刺さる筈だった軌道を渾身のソニックムーブでズラされ
両者激突必至の軌道にて迎えた絶死の瞬間、――

ライダーの渾身の力を込めた蹴りと
フェイトのサイスの斬撃が同時に大木の幹に叩き込まれる

折れる、、いや、、

根元から吹き飛ぶ大木

薄い黄土色の繊維を撒き散らし
その天命を強制的に終わらせられる木々の破片を撒き散らしながら
相手の両足の呪縛から抜けたフェイト、そして振りほどかれるライダー
互いに突き放し、3間の間にて再び対峙する両者

「ハァ、、ハァ……ハァ、、、」

「―――――ふん、」

騎兵の姿がゆらりと歪にゆらめく

「ハァ、、…………っっ!!!」

それは先ほどと同じ感覚

ライダーの全身に鎖が巻き付き、足場である枝に両の足をかける姿を今度ははっきりと視認したフェイト
魔道士の全身を、急制動による衝撃で引き千切ろうとしたアレが来る
もう一度、あれを食らったら今度こそ意識を保てるか分からない

そして―――同じ手を二度食らう彼女ではない

ぐんと引き寄せられる右腕
肩の筋繊維が引っ張られる感触は先ほどと同じ
違うのは、今度は騎兵の動きを完全に見切ったフェイトが
その力の流れのままに急加速しながら飛翔

ライダーの膂力によって逆に勢いをつけたフェイトが
コマのように回転しながらライダーに迫る
403名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 18:42:25 ID:XpvNyKdB
しえん
404フェイトVSライダー2:2009/01/13(火) 18:43:25 ID:tXPXvJgK
片手しか使えない状態でのサイスの一撃はしかし
回転の遠心力を伴い、人一人の首など簡単に飛ばせる切れ味を醸し出し
騎兵の首筋に唸りを上げて迫る

「――この、、!」

自身を鎖で、木に縛り付けるように固定していたライダー
しゅるりとまるで生き物のように解ける戒めはしかし、フェイトの機転と術技の冴えに一歩遅れを取り
その黄金のサイスの一撃が彼女の首を一手に刈り取る

ウォン―、!という風切り音

辛うじて、のけぞるようにかわしたライダー
宙を舞うその肢体
直角に雄々しく立つ大木にまるでヤモリのように四肢を張り付け
魔道士を上目使いにねめつける美しき女怪

長いストレートの紫髪が今の斬撃で2,3本、ハラリと落ちる

「私の髪に傷を―――!」

「お互い様だ……」

もはやこのフィールドを完全に自分のものにした両者
二人の動きを制限するものは既に何も無く、縦横無尽に動き回る彼女らの姿は
それ自体が複雑怪奇な幾何学的文様の如し

フェイトの金の髪が振り乱れ、サイスが黒い装束で覆われた相手の胴を薙ぐ

ライダーの紫の髪が翻り、杭が相手の白くて細い首の中心を穿つ

それを同時にかわし
眼前に迫る岩を同時に攻撃して粉砕し
また距離を取る二人

二対の暴風が通り過ぎた余波で
物静かにその身をたゆたわせていた森林達の悲惨さは凄絶を極める
風圧で幹が飛び、剣圧で枝が裂け、足場にされた木々が軒並み倒されていく

もはやこの森にとって歓迎されぬ客と化した二人の美しい闘姫の舞踏

今やトップスピードに乗ったフェイトとライダー

スーパーコンピューター並の超高速戦術思考と
ヘビ、豹、蜘蛛、、人あらざる者の身のこなし

これこそ、、不可視の戦いと呼ぶに相応しい戦場


静寂な森のみが
この芸術を鑑賞する権利を持っていた


但し、その閃光に踏み拉かれる対価を引き換えに、という
理不尽な代償を無理やりに支払わされての権利なのは言うまでもなかった


――――――
405リリカルブラッド:2009/01/13(火) 18:44:30 ID:tXPXvJgK
ここで二部終了
続きは夜か、、あるいは明日にかかってしまうかも……

ではまたノシ
406名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 18:44:42 ID:WmHcyDsW
支援
407名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 18:44:46 ID:fNDvG6HL
支援
408名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 18:44:59 ID:XpvNyKdB
しえん
409名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 18:47:33 ID:E+rPAwvt
ゼロレンジか……、あとカモシカの脚って本当は太いそうで…ぐはっ!!
410名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 18:57:54 ID:jH2/YohW
乙乙
411名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 19:00:24 ID:VhFSYcxF
投下お疲れ様です!
ランサーとシグナムのふたり言葉たりねぇー!!
お互い本当のこといってるのに生じる誤解がなんともいえない、某漫才コンビのネタを思い出される
続き楽しみにしてます
412名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 19:18:59 ID:ob51bg8a
乙&グッジョブ!

ランサーが覇極流千峰塵を使い
フェイトとライダーはエアマスター

こういう事でよろしいか?
413名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 19:36:15 ID:/Jlg7rcX
なんかこの流れを見てるとフェイトがライダーに勝てる様子が想像できんw
414名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 19:58:33 ID:a5886GRX
負けるんじゃね
なのはさんもキャスターに負けてたし
415名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 20:08:44 ID:WmHcyDsW
GJ!!です。
通常戦闘ではお互いにいい感じですけど、
ライダーとランサー共に切り札がまだまだあるんだよなぁ。
フェイトもモードチェンジ、シグナムもユニゾンがあるが、
宝具はまさに反則だし。
416名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 20:24:02 ID:DLa/DtO8
うむ。毎度毎度引き分けが続くというのも、読んでる方は飽きてくるしね。
勝ったり負けたりとかはあると思うさ。
417名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 20:37:53 ID:NNo6KHOG
GJ!
毎回スゲー楽しませてもらってます。
前回コメディっぽかっただけにガチ戦闘でうれしい限り。
どう決着つけるのか楽しみです。
>>415
ランサーの刺しボルグは人間相手で殺さない、という前提だと書き手にはマジ鬼門ですよね……。
418名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 20:52:06 ID:a5886GRX
>417
刺しボルグの不発率は某ゾルダとか某王蛇のファイナルベント並ですよ
結果が成功か失敗の二つしかなくて中間がないから設定的にはともかく作劇的に使いにくいことこの上ない
419名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 21:03:11 ID:XpvNyKdB
リリカルブラッド読んでると「戦いは力こぶだけで決まるわけではない!」というのがよく分かって良い
420名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 21:25:59 ID:WmHcyDsW
ただ、力瘤だけでないって根づいた頃にバーサーカー登場とかだったら興奮しちゃうw
>>418
一撃死はキツイよなぁw安易に避けさせてはいけないし。
ライダーにしても魔眼を使い出したら、もうどうなるか想像が付かないw
421名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 22:06:36 ID:7vTmYuoe
本編中に『サーヴァントの本気とは宝具の一撃に他ならない』みたいな台詞があったように思える。
つまりフェイトもシグナムも、それなりの相手にしか見てもらえていないのか?!
422名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 22:18:24 ID:1BRjdHLA
ランサー戦だな
サーヴァントの本気ってのは、宝具を開帳するってことで、それをしないってことは手加減してるってことらしい
って言っても、宝具はそんなおいそれと見せていいものでもないしな
423名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 22:25:57 ID:a5886GRX
宝具ってのは真名を解放した時のことか?
武器としてのゲイボルグを隠せというのはランサーには事実上不可能なんだが
素手で殴れというのは無理がある
424名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 22:27:37 ID:7vTmYuoe
ライダーの魔眼は、石化に及ばないだけの対魔力の持ち主でも能力ダウンは避けられないとか。
ライダーに拮抗している状態のフェイトにこれが発動したなら……
425名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 22:31:34 ID:1BRjdHLA
>>423
真名開放のことだろうな
原文はこれ

>このような戦闘で本気になったところで何がある。
>サーヴァントの戦いは、つまるところ宝具の戦いだ。
>必殺であるソレを出さずに追い詰める事こそ手を抜いている証拠。


>>424
ランサーの槍とかライダーの魔眼とか、宝具はチート性能が多くてこまる
426:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 22:41:55 ID:NT+ufL3Q
ランサーとライダーの戦闘は視認不可レベルだからな。

鯖でトップレベルだな。
427名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 23:02:23 ID:a5886GRX
リリカルブラッドのランサーとライダーが何を考えて切り札を隠しているかは次の投下を待とうか
よく考えたらまだ話の途中だ
428名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 23:08:09 ID:qKVxyxUI
今日のリリブラ氏のレス数だけで69。
支援・感想を含めれば>>296からここまで約130。
氏の影響力の大きさがうかがえる数字だ
429名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 23:16:52 ID:WmHcyDsW
凄く面白いからなぁ。
投下終了後に雑談せずにいられない。
430名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 23:18:03 ID:bkl/NaOc
>>414
それリリブラ氏の作品じゃないぞww
431名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 23:30:41 ID:ob51bg8a
でもなのははギルには負けてるからね

あのヒキだと再戦あるのだろうか?
432名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 00:22:11 ID:eAqkjWXw
随分と久しぶりですがはやてルート続き投下します
433名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 00:23:30 ID:A1ibnVsU
がんばれ
434名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 00:24:10 ID:mOuCRmNo
支援
435はやてルート120:2009/01/14(水) 00:24:12 ID:eAqkjWXw
夜の帳が降りようとする冬木の街。その中の、ひどく暗き場所、人が住まうには些か
汚濁にまみれた地下に老人は一人笑う。和装を纏い、蠢く異物を眺めながら、カラカラと。
戦いは始まったのだ。待ち望むという程この十年は長くはなかった。むしろ、準備する時間は足りないくらいだった。
けれど、満足できる結果は得られるだろう。あれが成れば、彼は他の古き盟友の助力などいらなくなるのだ。
この度は目移りしそうなくらい、良き獲物が眼前にウロウロている。だが、急ぎはすまい時間はたっぷりとある。
寿命という概念においては誰にも引けはとらぬ身。
ある意味、超越したと言ってもよい。腐ることへの恐怖は拭えないとしても…
時間はたっぷりとある、はずだ…
拘るはただ一点のみ…

家の入り口に人の気配、打った手がいかなる結果となったか、
ねっとりとした風を肌に感じながら老人は報告を待つのだった。


「クロノさん、はやての奴はやばいのかい?そこんとこズバッと言ってくんねぇ」
「…原因はわかってるからなんとかはできる」
「しかし、衛宮の家は後ろに藤村組がついてるのですから、金銭的に困ることはないでしょうし、
現代医学でできそうなことは全て手を尽くしていると思うのですが」
「え?もしかして衛宮君の家ってお金持ちなの!?」
「由紀香、金と聞いて目の色変えるのははしたないのではないかな」
「ひ、ひどいよー鐘ちゃん、そういうつもりじゃないのにー」
「衛宮とは同じ部活だったし、何度か行ったことあるけど、ありゃ大層な屋敷だよ。
武家屋敷ってやつ?衛宮やはやてに聞いた話じゃ養父の人が買ったって言ってたかな。
正直、決して田舎じゃないこの冬木であれだけの家を購入するのにどれだけかかったのか、
あたしにはさっぱりだね。で、話をもどすけど少なくともこの二年弱、私の知っている限り
あんなはやては見たことない、蒔寺や氷室の話だと黒野さん、あなたは何かできるらしいけど、どういう意味?」

少し訝しげな視線がクロノに向けられる。

「ふっふっふ、教えてやろう美綴、この冴えない顔の兄ちゃんはMピー星雲から来た正義の味方なんだ!」
「は?」

一瞬の驚きの後、脇で得意顔の楓に綾子の嘲笑含みの顔が向けられたの言わずもがな。
436はやてルート121:2009/01/14(水) 00:27:36 ID:eAqkjWXw
「だって、だってお前もみたじゃんかよー飛んでくる土を光る壁でガーッ!と止めんのをさ」
「それは…そうだけど」
「だが蒔、Mピー星雲はなかろう」
「惑星ミッドチルダ出身のクロノ・ハラオウンそれが僕の素性だよ」
「は?えーと…」

クロノの突然の告白に綾子は今度こそ本当に目を丸くした。
家へ向かって進む一同の足は止まり、クロノに視線が集まる。

「クロノさん、私たちには素性ばらすのも渋ったくせに美綴には簡単に教えるのかよー
差別だー差別だー。あ、さては美綴が嫁さんに似てるんだろ。
よかったなー美綴ー」

やや、ぶーたれた楓は綾子を弄る方向へと興味をずらしたようである。
鐘と由紀香、綾子はクロノの次の言葉を待った。黒豹はとりあえず無視してる。

「氷室や蒔寺、君達には言う必要はなかったというか、黒野智和として普通に礼が出来ればよかったのだし
今日の件とは根本が違うのは理解してくれ。忠告するが、
二週間ほどは外に出ないといい。特に夜は。それか冬木市を出ておくとかかな。
今日体験したようなことがこれから日常になる」

淡々とクロノは語る。そこにこれといった感情の色は見えない。

「クロノさん、あなたの言うことが仮に本当だったとして冬木市長はこれを把握しているのだろうか」

鐘にとってはそれは重大な問題。クロノを見据える瞳には疑念と不安も見えた。
そのような真剣な思いに目の前の宇宙人はとりあえずの答えを示す。

「おそらく知らない。宇宙人が相手では知りようもない」
「あたしは今聞いたばかりでさっぱり実感が湧かないんだけど。
学校での爆発が宇宙人の仕業だとして、あんたも宇宙人だとしたら、
クロノさん、あんたはあたしたち地球人の味方なの?敵なの?」
「どちらでもない、ここは僕の管轄ではないんだ。遊びにでも来てると思ってくれればいい。
ただ、爆発を起こした奴も君達に害を及ぼそうと思ったわけではないはずだ。
この土地があることをするのに適地だったと言うだけだな」
「何なんですか?そのあることって」
「そこまでは知る必要はない」

由紀香が恐る恐る聞くも、クロノの答えはにべもない返事だった。

「危険があるということだけ認識していれば被害にはそう合わないはずだ」

それだけ言うとクロノは再び歩き出す。
437名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 00:30:26 ID:d8ttfyta
支援
438はやてルート122:2009/01/14(水) 00:31:50 ID:eAqkjWXw
「だー待った!正義の宇宙人なら市長さんや自衛隊とかと一緒になってそいつらやっつけちゃってよ!
クロノさんならできんだろー!」
「クロノさん、あなたがそう動いてくれると嬉しいが、私はまだあなたを信じ切れていない。
素性とさっきの現象について、常識から乖離し過ぎている」

クロノと出会ってからの違和感を鐘はそう結論づける。
出会ってから起こったこと、見せてもらった装束、共にあり得ないこと、知らないもの。
だからクロノ・ハラオウンという男はきっと

「何言ってんだ、クロノさんが素性隠した宇宙人だって気づいたのは鐘だろ?」
「確かに普通じゃなく素性も偽っていると感じたけれどもこの人は人間だ。
私達と何も変わらない。それを宇宙人だと決めるには相当に認識の変更が必要で…
写真の装束も日本にありそうなもので十分再現自体は可能だろう…」

鐘は眉間に指を添え皺を寄せる。

「つ…つまり鐘ちゃんはクロノさんの一家は家族揃ってコ、コスプレする一家だって言いたいの?…」
「「「「……」」」」

冬木の夜に寒風が吹きすさぶ。季節は冬のため風は冷たかった。
由紀香以外の沈黙はそれぞれに違う。言ってしまったかと思うもの、えっまじ!?と閃くもの、
小さく笑うもの、そう取られても構わないかと頷くもの
発した言葉におたおたするもの。

「あはは、三枝らしいね。あたしは面白いと思うよ、そうかこの人がそういう趣味の変態ね、だとしたら大変だ。
あたしらは夜の公園に連れてこられてしまったんだけどね。曰く付きの」

綾子の言葉にすぐさま反応するのは楓。
そんな様子をあらら、と綾子は意地悪な笑みを今にも逃げ出しそうな楓に向けた。

「でぇっ!?こ、ここ、ふ、冬木中央公園じゃねぇか!」
「のようであるな。家まで近道ではあるが…」

暴れそうな楓を鐘と綾子は後ろから捕まえ問答無用で歩かせる。

「やっやばいだろ、ここはさぁ!離せぇ!鐘!美綴!さてはクロノさんに買収されたなぁ!
私を悪の宇宙人に売る気だろ!ちくしょぉぉ!呪ってやるぅ」
「呪うだなんてここで叫ぶと実現しちゃうかもねー蒔寺?」
「望むとこだー!まず鐘っ!猫の幽霊に取り憑かれろ!人間サイズくらいなのに!」

楓はパニクりながら声だけはしっかりと公園中に響かせた。
439名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 00:34:10 ID:9/1GwTk8
支援
440はやてルート123:2009/01/14(水) 00:34:32 ID:eAqkjWXw
静かに一日を終わろうとしていた公園が楓の呼び掛けに答えるように、蠢いたように
そこにいる人間には感じられた。

「初めて通ったが良くない場所だな。聖杯が活性化している影響か…
早く抜けた方がいい。ふざけるのもは止めて歩いてくれ」

立ち止まってはしゃぎ始めた4人をクロノは歩くように促す。

「猫の幽霊などと…蒔の悪ふざけにも困ったものだな…」
「ぷ、氷室、声と表情がひきつってるじゃんか。あたしもなんかやばいとは思うけどさ」
「別に…なんともないが、な」

声を強ばらせる鐘を綾子がカラカラと笑う。
ガサガサと葉の擦れる音が不気味に感じられる異様な空気の高まりに、誰もが足を速めた。
けれど一つだけピタリと止まる足音。クロノはその足音に振り返り問う。

「どうかしたのか?」
「クロノさん、本当に人くらいの猫さんが見えるよ」

由紀香がボーっと見つめる先にクロノも視線を向ける、が、
そこには冬らしく殺風景な公園が見えるのみだった。

「僕にはなにも見えないが?」
「あの奥に…あ…いっちゃった」

不思議そうな目を動かさない由紀香。女子三人は訝しげに由紀香に鋭い視線を向ける。
中の2人は足を震わせて。

「なんだったのかなぁ…」

首を傾げる由紀香に答える者はなく、クロノのさっさと帰ろうという声だけが公園に響いた。


「はい!シグナムそこに座り!」
「はい」

畳の間にはやての声が通る。凛とした声色に弱々しさは感じられなかった。
はやてに対面するのはシグナム、ヴィータ、ザフィーラ
はやての横にセイバー、士郎が位置した。

「今回の戦いは失敗や、実際の損害、迷惑料だけでも本来なら相当のもんになる。
どうしてこうなったか、シグナム、答えてや」
「はい、私の独断で計画した結果です。シャマルを行動不能に、主を危険に晒し、
士郎の不信も招いてしまいました。全てはこの将たる私の責、
私にのみに対する処分を願います」

シグナムが喋り終わると室内をは沈黙が支配した。はやては目を瞑りその言葉を静かに聞いた。

「そうやな。では何故、そんな独断を行ったのかも答えてや」
「それは…私が戦いたかったからです」
「嘘言うなよシグナム、はやてのことが心配だったからだろ!」

黙ってられないとばかりにヴィータはシグナムに食ってかかった。
441名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 00:34:38 ID:4NEAXewf
しえん
442はやてルート124:2009/01/14(水) 00:37:27 ID:eAqkjWXw
「私の為いうた?」
「そうだよ。わかってるだろはやてだって」
「それはちゃう、私にとってなんも嬉しいことはなかったよ。遠坂さんが傷ついたのもシャマルが傷ついたのも
士郎の心を傷つけたことも、どれも私の喜ぶことではないんよ。
だから、今回のような勝手なことは私としてはもうみんなにして欲しない。
またやるようなら今度こそ私はみんなを戦わせんようにする。
ただ、みんなが早く聖杯ってのが欲しい思とるのはわかる。
せやから私から言いたいことはひとつや。突飛なことかもしれんけど、みんなが士郎の指揮で戦ってくれるようお願いするわ」

はやてがいつも通りの明るさで告げ、士郎を見ると士郎は意外という表情でみんなの視線を受けた。

「俺が?」
「そや、今回の件に一番多く、深く、関与しとるのはおそらく士郎やと思うから。
士郎の好きなようにやったらええ。そしてみんなも協力したってな。私からのお願いや」
「俺が深く関与ってどういう意味だ?」
「うーん私の感想。正義の味方っていうならやっぱ仲間がぎょーさんおった方が締まるやない」

あははと笑うはやては何か誤魔化してるように士郎には感じられたが

「俺のやりたいようにできるのは構わない。けどシグナム達はそれで納得するのか?
俺は今回の行動はすごく腹が立った。今も腹が立ってる。
俺やはやてに無断で…いや、俺達の考えを根本から裏切るような行動したことが許せない。
本当に俺の指示に従えるのか?答えてくれ。シグナム」

士郎の問いにシグナムは黙して語らない。シグナムとて悪戯に戦いがしたい訳ではない。
差し迫った「時間」との競合の中、成算があるとして下した決断が遠坂凛の殺害だった。
しかし、あと一歩というところで敵の使い魔に妨げられた。敵の動きはシグナムの予想を遥かに上回っていた。
あの妨害さえなければシグナムの目論見は達成され、今、このように糾弾されようと
シグナムは自らの意志を押し通すつもりであったが今のシグナムはそれをできない。
あのような人知を超越した動きは自分にもおそらくセイバーにもできまいと
士郎の隣にいる彼女に視線を向ける。その視線に込められた意味を知ってか知らずかセイバーは眉をひそめた。
443名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 00:41:02 ID:9/1GwTk8
支援
444はやてルート125:2009/01/14(水) 00:41:13 ID:eAqkjWXw
「納得できん?シグナム、今回失敗したのは私としてはな。あの赤い人がとっても速かったからと思うんよ。
シグナムもザフィーラも対応できんみたいやった…」
「はい…」

その言葉は屈辱であるも真実。シグナムは奥歯を噛み締める。

「けどな仮に私と士郎がシグナムの話に賛同していて、セイバーさんがそばにおったら話は違ったんやない?」
「俺は賛同しないぞ」
「せやから仮の話やて」

仏頂面になるお隣をはやてはやんわり取り繕う。

「それは…無理でしょう。あの動き、セイバーとて応戦できたとは思えませんから」
「それは聞き捨てなりません!」

シグナムのセイバーに対する評は最優のサーヴァントと自負するが故に彼女にとって侮辱と感じられたようだった。

「マスター、そのサーヴァントが現れる前にトオサカは何かしませんでしたか?」
「え…?あ…うーん、どうだったかなぁ?あーあっ遠坂の手が光ってたかもしれない。
両手とも」
「そうですか、やはり。その赤いサーヴァントの動きは私にも可能です。
いや、さらに上回ることも可能でしょう」

手を腰に胸を張り出し、自信に溢れた確信の言は金髪の娘を可愛らしくもみせていた。
そんな姿を見てアーサー
445名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 00:43:00 ID:pjYyzFI8
おお、リアルタイム支援
446名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 00:43:24 ID:eAqkjWXw
王?まさかと士郎の頭に浮かぶのも仕方のないことかもしれない。

「セイバーさんの話を信じるならどう?セイバーさんの力借りるならやっぱり士郎と一緒に動くのがええんやない?」
「…本当かセイバー?」
「ええ、マスターの求めがあれば限りはありますが限界を超えた力を振るうことができます」

シグナムの問いにセイバーは淡々と答える。

「士郎の力が必要か…そして、どの敵もそのような力持っているなら士郎の支持が確かに必要だな…
わかりました。主、主の言葉に従います。いままで勝手をいたし失礼いたしました」
「そか、よかった」

シグナムは深々と頭を垂れる。

「だがな、士郎、セイバーとてお前がだらしなかったらいつまでも付き従うとは思わないことだ。
セイバーは獅子だ。日和見な態度ばかりを示していると見放されるかもしれんぞ」
「な!?私はマスターを軽々しく裏切ったりはしない!」
「では、士郎が戦わないと言ったら?聖杯なんて要らないと言ったらどうする?」

シグナムの顔には笑いも怒気も浮かんではいない。どちらかといえば無表情に話しかけた。
447はやてルート126:2009/01/14(水) 00:45:59 ID:eAqkjWXw
「せ、聖杯を求めない…それは…本気…ですか…マスター…」

シグナムの言葉を聞いてセイバーは非常な衝撃を受けたようで愕然とする様はなんとも痛々しい。

「どうする士郎?セイバーも戦いを望んでいるようだが?」
「ったくセイバーをけしかけるな。俺は…戦わないなんて言ってない。
戦うさ。だから、シグナムも俺の言うこと聞いてくれよ。…わ!?セ、セイバー?落ち着け!む、胸倉掴むな!!」
「信じていいんですね?マスター?」

底冷えする顔で士郎に迫る少女は無意識に士郎を脅迫をしていた。それをからかうシグナム。

「なんとかなったんかな?」

安堵に胸を撫で下ろすはやての頭に男の声が響いた。

(主、もう休まれますよう)
(うん、ありがとな。休むよ、ザフィーラ。シャマルは…なんとかもちそうやな)
(はい、しばらくは主同様安静にする必要があるようですが)
(そか、また明日シャマルの顔看にいくわ)
「じゃあ私は寝るけど明日からまたみんな楽しくやろな」

ザフィーラに連れられ居間を去るはやてを見送り皆、静かに話始める夜が始まった。

448名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 00:47:07 ID:eAqkjWXw
今日は以上です。また書けたら投下したいと思います。
支援ありがとうございますました。
449名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 00:48:54 ID:pjYyzFI8
まさかリリブラ氏とはやてルート氏のお二人が連続してくるとは
マジで興奮して練られそうに無い
450名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 00:52:07 ID:9/1GwTk8
乙&グジョブ
久しぶりなんで前回の記憶をダウンロードしなければならなかったよw

蟲爺が出てきちゃったけど
フェイト最悪の激戦ルート・桜ルートに突入と見て良いのだろうか?
ともかく続き期待してますよ!
451名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 00:58:11 ID:4NEAXewf
GJ!
セイバーの性格が何かおかしくなってるなw
むしろ陸上部三人娘のが再現率高いのは何故だ?

452名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 01:37:15 ID:VHwpHCSN
久々にはやてルートだ!

それにしてもリリブラさんの文才・・・ひょっとして型月関係者?
453名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 01:49:25 ID:SZeo2XnE
はやてルートGJ

結局、凛はあのままフェードアウトしてしまったのかねぇ…
まあ、既に死んでいたらはやてはこんな反省会じゃ済まさなそうだが
ヴォルケンにも自分に対しても
454名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 02:40:45 ID:uzALKcom
暫く見ないので心配しましたよ>はやてルートさん
無理せぬ程度に連載を続けてくれると嬉しいです
455名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 06:23:53 ID:z4bB57f5
お二人ともグジョブ!


ランサーやライダーも本気じゃなさそうだけど、シグフェイも切り札や底を見せてないよね>リリブラ氏の
456名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 09:28:12 ID:9MITFcTN
お二方ともGJ!!

リリブラ・ランサーのマスターが未だ麻婆神父なのに泣いた
貴様、次元の果てまでランサーを縛るか!
せめて敏捷だけでもA+にさせてやって……

はやてルートは稀に見る分裂フラグ
しかも、バグ爺ちゃんがハッスルしておる
あの人を士郎に接触させてはならねぇ
457リリカルブラッド:2009/01/14(水) 10:39:35 ID:Ecxjzn00
シロはやさんお久しです
お疲れ様でしたノシ


ではタイマン勝負・第三章投下です

宝具を使う、使わない、もしくは使えない、使いたくない状況にある
その機微は合流編、そして中編でおいおい明らかにしていきたいと思ってますので…
458シグナムVSランサー3:2009/01/14(水) 10:40:50 ID:Ecxjzn00
flame&Lancer3 ―――

ミッドの空においては
セオリーとして遠距離の魔道士、近距離の騎士、と言われている

だが高町なのはやフェイトテスタロッサハラオウン
それに6課フォワードのティアナランスター等に代表されるミッド式魔法の使い手達は
何も騎士と近接で相対した場合でも全く術無く打ち取られるというわけではない

ミッドの魔道士が武装局員と言われる所以
それは戦場に出る嗜みとして当然、厳しい教導の元
近接の制圧技術も叩き込まれるからだ

これはサーヴァントにも言えた事で
セイバー、ランサー等の明らかに斬り合いに特化したクラスは元より
アーチャーやライダーなどのように、真価は他にあろうとも卓越した近接技法を持つ輩は数多くいる

だが、、、

「おら降りて来いや!! そんなとこにいちゃ俺を斬れねえぜ!!」

衝突する剣圧

「っ、、、舐めるなッ!!!!」

吹き荒ぶ剣風

やはり近接のスペシャリスト同士

ソードマスターとして生まれ出た生粋の騎士であるシグナムと
生来ののグラディエイターであるランサー

その血肉を賭した打ち合いは――
近接が 「出来る」 といったレベルのそれとは確実に一線を画していた

金属同士がぶつかり合う音は爆音となって鼓膜を震わせ
大地に、木々に刻まれた踏み込みの跡、刀傷は
もはや何かの災害が通り過ぎたとしか思えない

戦場は烈火と疾風渦巻く天災地へ――


「てぇぇぇあああああッッ!!!!!」

「どうだい! ウダウダと何も考えずにやりあった方が楽しいだろうが!」

踏み込みの鋭さや限界領域での見切りもさる事ながら両者の抱いたその覚悟が違う

戦場において決して引くものか!押されてなるものか!という意地がまるで違う

それが前線を任され、先陣にて敵の先鋒を押し留め
鬨の声を上げながら相手を切り裂く役目を担う「騎士」という人種の力であったのだ

「少し黙っていろッ!」

「は、つれないねぇ!!」

降りかかる五月雨のような猛撃を凌ぎ、払い
後ろで縛った長髪を振り乱しながら躍動する女剣士は
先ほどとは違い今、存分に空を使っている
459シグナムVSランサー3:2009/01/14(水) 10:41:59 ID:Ecxjzn00
飛んでいるのだ、、
そして自分の極意である空からの襲撃を思うがままに相手に叩きつけている

(何も考えずに、だと……ふざけるな!)

騎士の脳裏に浮かぶ金髪の魔道士の顔

こんな、、こんな所で私がついていながら…
あいつの命を散らせてなるものか、、!

その思いの元に騎士は飛ぶのだ
目の前の槍持つ魔人を斬り伏せ
一刻も早く魔道士の下にかけつけるために

ならばそのような強行軍

―― 離陸前の致命的な隙 ――

相手に与えてしまう攻撃の機会
初めに危惧されたそれはどうしたのか、、?

当然―――――作用している

空を飛ぶ瞬間、その下方を通り過ぎていく突きが
脇腹を、太腿を、内腿を、くるぶしの肉を容赦なく削っていく

だが、構わない

ヴォルケンリッターはそんなにヤワではない
並の人間ならば動けなくなる傷、出血を伴おうと彼女達は止まらない
そのプログラムに重大な支障を来たす程の損傷を受けない限り
動き続け、剣を振るい続ける不沈の騎士なのだ

この槍兵は、どだい無傷で勝とうと思う事事態がおこがましい相手だ
そう認めたからこそ………将はもはや躊躇わない

己が腹を食い破りたいならそうしろ……
だがその肢体に食いついた瞬間
がら空きになった間抜けな脊椎に我が刃を叩き込んでやる!

その覚悟の下に舞い上がり、飛び荒ぶ将の姿はまさに捨て身の炎纏う荒鷲だった


(良い女だ――――)

それに対して何の躊躇いもなく
牙を剥き出しにしてどこまでもどこまでも追い縋り
食らい付き、喉笛を噛み千切ろうとするは猛り狂った魔犬であった

突き突き突き払い突き払い突き突き突き突き払い――――

ツキツキハライツキツキツキツキハライツキハライツキ――――

(良いねぇ……こりゃあ良い
 強え女ってのはホント、いる所にはいるもんだ)

強者であり、愛でるべき女を前にして戦士の感慨は今、最高潮に達した
その不可避の連携が今、間違いなく神域へと移行する
460シグナムVSランサー3:2009/01/14(水) 10:42:40 ID:Ecxjzn00
男の刺突による攻撃パターン
それ自体は至極単純で、基本九種の太刀筋を持つ剣技に比べると
それは 「突き」 と 「払い」 の繰り返しによる単調とも言える連戟であった

にも関わらず―――

(到底、裁き切れんか……だがっ!)

今、押されているのは変わらず剣士の方だった

それもそのはずだ

それは単調が故に明快――
槍術はその二つの技を極限まで鋭く、速く磨くことによって
他の技など要を為さぬと言わんばかりの鉄壁無双の術技と相成るのだから

ならばこそ槍を極めしこの英霊の繰り出す連戟に一分の隙もあろうはずがない
こちらが一振りする毎に五つ、、大振りする毎に十以上の刺突を捻じ込まれ
確実にジリ貧へと追い込まれていくシグナム

空へのエスケープポイントがあるが故に要所要所で相手の勢いを断ち切れる彼女であったが
ここに来て槍兵はサーヴァントの、その恐るべき跳躍力をも解禁
対空砲の如き鋭さを以て上空に打ち出される槍を前に
もはや空でさえ、完全なセーフティゾーンにはなり得ない

通例の型において頭上からの攻撃がセオリー外だとすれば
足元の遥か下方から伸び上がってくる攻撃もまたセオリー外

足や下腹を下から突き上げられる攻撃というのは、ただでさえ人の視点の死角となってしまう
それをこの最速の槍でやられる事を想像すると、、もはや安全どころの騒ぎではない
宙に浮いたからといって少しでも油断をすれば
打ち上げられたロケット弾のような槍の一撃に串刺しにされる

かといって、完全に相手の一撃の届かぬ上空へ退避するなど論外
その地点で、こちらの攻撃手段が全くないわけではない、、無いが……
それこそ卓越した砲撃魔道士でもない自分が
この埒外の速度を持つ相手から遠距離でクリーンヒットを奪う事など出来る筈もない

何より近接主体のベルカの騎士が打ち合いを避ける、、
それ即ち己が負けを認める事と同じだ
騎士としての自分、その有り様が相手の猛撃からシグナムを踏み止まらせている

(決める、、一撃で…)

相手の凄まじい乱撃に全身を晒されながら
剣士の戦意は衰えるどころか、より激しく燃え盛るばかり

もはや彼女とてランサーと手数で勝負をしようなどとは思わない
歯を食い縛り、肉を裂かれながら
三倍以上の運動量を以ってこちらを圧倒してくる相手の、、、その衰えを待つ

戦法は変えない
今まで幾多の敵を打ち倒してきた己が剣を信じる

肉はいくらでもくれてやる――
その代わり一撃で骨を絶つ――

顔を付して、ひたすらに待つのだ

その勝機の訪れる瞬間を……
461シグナムVSランサー3:2009/01/14(水) 10:43:55 ID:Ecxjzn00
それが――向こう五分前の光景だった

――――――

―――ガツン、と

再び頭と頭
そして右肩同士がぶつかる音が戦場に鳴り響いた

体ごとぶつかって突き崩さんとする槍兵に対し
体ごとぶつかってそれを受け止める烈火の将

この内側に入れた時こそ
将の剣が槍兵を両断するチャンス――にも関わらず、、、

「は、は、は、、、、は、ぁ………」

彼女のその瞳
鷹のように鋭い切れ長の眼光はそのままに
敵をまっすぐに見据えていながら――

(く、、そっ……)

身体が全く動かない――余力が無い、、


限界を圧して相手の旋風を?い潜り、ここに辿りつく事……数回

この槍兵相手にそれが出来る騎士など果たして全次元を探してどれくらいいるか、、
将の卓越した力と決して引かない勇気――いかに凄まじいものであるかの証明だった

だが――この騎士をしてそれまで、、
懐に飛び込むまでにシグナムは全ての力、全ての助走を使い果たし
とても無双の一撃を放てる姿勢を維持できない

ベストの踏み込みが完全に殺されてしまい
あと一歩――あと一歩、男を斬るには足りない

槍の柄を諸刃が走り、互いの肉体が勢い良く接触する
戦闘機と装甲車の正面衝突
内臓からひり出た息の詰まるような声を発したのはどちらか、、?

軋む肉体
力比べに震える筋肉
少しでも優位な位置を取らんとガツ、ガツとぶつかる肩と肩

大量の汗を滲ませた額が相手の額とこすれあい、荒い息がかかる
すぐ傍に敵の表情が見てとれる位置だ


一歩も譲らぬ猛禽と魔獣の睨み合い――


その膠着も時にして一瞬、、

(崩す…もはやそう何度も機会は無い……)

今や全身から滲む出血と体力、魔力の衰えに悲鳴を上げる肉体に鞭打って男と相対するシグナム
このままでは結局、剣が男の身を捉える前に――
何も出来ないまま自分は力尽きて負ける
462シグナムVSランサー3:2009/01/14(水) 10:44:42 ID:Ecxjzn00
この接触で勝負だ――

体力、気力共に最強の一撃を打てる
その余力の残っているうちに!

「解放ッッ!!」

<Ya ! explosion !!!>

将でありマスターであるシグナムの命を受け
デバイスが紡ぐは「爆発」の意を込めた言霊

それを受けた瞬間―――シグナムの全身が爆ぜた

「ぬぅ――!」

それは高町なのはが得意とするバリアブレイクと同種のもの
アーマーブレイクとでもいうべきか

ベルカの騎士の纏う分厚い甲冑
そこに内在する魔力の塊を臨界を越えて放出しながら装甲をパージ
密着した相手を、その魔力の奔流で吹き飛ばす

鍔迫り合いにて彼女の至近距離にいたランサーが
炎に巻き上げられ、その体ごと後方に弾かれる

「おおおぉぉぉおおッッッッ!!」

甲冑を脱いでまで作った僅かな隙
炎に巻かれ、魔力の爆発に巻き込まれて構えを保てる人間などいる筈がない

ならば、これこそが勝機

行動不可になっている相手に向かって
容赦なくその剣を薙ぎ払おうと踏み込むシグナム

だが、、、

「なに……!」

騎士の前方
炎に巻かれて吹っ飛んだ筈のランサーが
二間ほど離れた地に着地したと同時に

「でやぁぁッ!!!」

その場で槍、、
否、全身を横に薙ぎ払うようにして一回転
周囲に小型の竜巻が発生したのかと錯覚するかの如きその回転は
彼の体に纏わりついていた炎を瞬く間に吹き飛ばす

そしてその目は些かも前後不覚になど陥ってはおらず
自らの敵――女剣士を両の瞳に称えたままに、、

またも爆発的な踏み込みで相手に突撃を敢行

「しゃあああぁぁぁああッッ!!」

猛烈な槍撃が再び始まる
463シグナムVSランサー3:2009/01/14(水) 10:45:37 ID:Ecxjzn00
繰り出す手を休めない男
そして相手にも微塵の休みも与えない

「ぐっ! 再装着ッ!!」

<ya ! Panzergeist>

再び甲冑を纏い、周囲にフィールドを張るシグナム

何という事……

起死回生のアーマーブレイクがまるで功を奏さない
鎧を形成するための膨大な魔力を一回分、無駄使いしただけだ

再び剣と槍が両者の間を飛び交うが
押される、、このままでは押し潰される

状況を打破しようとしても相手を崩せない、、
何をやっても通用しない、、

「は、、は、、はぁぁあああっっっ!!!」

裂帛の気合を以って振るわれる炎の太刀

だが、、同時に出した筈の剣が――何故こうも遅れる?

それは理不尽だ
どれほど戦略を練っても、技を磨いても
ただの自動車がF1カーの前を走る事など出来ないというような――


―――絶対的な壁がある


どこの童謡だったか?
兎と亀が徒競走する話を思い出す

確かゴール前で寝こける兎を追い抜いて、亀が勝つという物語だったか、、、?

あれは、「どんな状態でも諦めねば軌跡が起こる」 という教義を謳ったものなのだろう
少なくとも子供の情操を育てるための方便としてはそうだ

だが、、、少し考えれば分かる

それは裏を返せば、兎がそこまで間抜けな事をしなければ
圧倒的な奇跡と状況が揃わねば――
亀は兎には逆立ちしても勝てないという事を如実に現しているのではないか?


今現在、状況にして五分前と全く同じような光景が続いていた

違う事があるとすれば―――剣士の様子

動くたびに傷から鮮血が飛び散り
吐く息は荒く
聊か蒼ざめた顔はチアノーゼによるものだろう

痛みと苦痛を決して表に出さない強い精神力をを持つ彼女
だがもはや、、それも限界だった
464シグナムVSランサー3:2009/01/14(水) 10:46:08 ID:Ecxjzn00
肩で大きく息をする
滅多な事では顔色一つ変えない烈火の将の
明らかに苦しげな表情が今、確実に見て取れる

(衰えを知らんのか……この男、、)

二人の戦場は決して止まらず
決して流れを塞き止められる事はない
まるで息継ぎすら許さぬ深海の攻防だった

そしてこちらがここまで消耗しているというのに相手はまるで失速しない
スタミナ切れどころか、時を経るごとに凄まじさを増していく目の前の男の切っ先にもはや舌を巻く事しか出来ない将
このままでは、、、

先ほどのフェイトの声がシグナムを更に焦燥の渦に巻き込んでいく
何とかしなくては、という思いが頭をもたげ
しかしこの攻防は一瞬の思案に耽る時間をも許してはくれない

もう一回、鍔迫り合いに持ち込み、フルドライブで一気に潰すか――

だが、大きな突きの戻しに合わせて踏み込むにせよ
やはり自分ではこの男を仕留めるには一歩足りない
とにかく相手の動きを止めないことにはどうしようもないのだ

(焦るな……相手も、苦しい筈だ、、
 ならばこちらも変わらず圧力をかけて相手が崩れるのを待つしか無い)

焦燥にかられていても苦しくても
しかし彼女はベルカ最強の騎士だった
ここで我慢出来なくて何が最強か?
焦って出て行って、相手の槍に狙い打ちされるような
そんな未熟な騎士ならば、当の昔にこの戦いは終わりを告げている


終局はゆっくりと――確実に迫ってきている

敵もまた並ではない
シグナムが敵の隙を待って狙っているように
ランサーもまた剣士の防御のリズムを読み始めていた

時が立つにつれ、急所を外せなくなってきた女剣士
それは多分に彼女自身の動きの衰えによるものもあったのだろうが
明らかに先読みを施された槍が、一つ、二つ、、その連撃に混ざり始めた

一息に打ち込まれる穂先は全て急所に打ち込まれてくるものだ
少しでもアーマーを抜け、肉体に届いたら……抉られたら即終わり
それで致命傷となる

体を捻り、歩法を駆使し
そして空を飛びながら何とか往なし続ける将

対して揺さぶりに揺さぶりをかけて
堅固な要塞から顔を出すのをじっと待つ槍兵
後の先を取ろうという女剣士に対し
更に後を取り、全てを刺し貫く瞬間を虎視眈々と狙っているのだ

一寸の切っ先の乱れも決して見逃さず
そこに無双の一撃を叩き込む――

どちらが先に必殺を突きつけられるのか――
465シグナムVSランサー3:2009/01/14(水) 10:46:50 ID:Ecxjzn00
まるで予測が付かない

付かないが、、

この攻防、ここで先に動かねばやられると思い立ったのは
やはり敵の攻めを許し続け、心身ともに苦しかったシグナムの方であった

100を数える紅い線が巻き起こすソニックブームで
既に彼女の耳の鼓膜からは血が滲んでいる

だがそれでも目を逸らさない
その中、、、一つで良い

牽制でもなく
陽動でもない
こちらの防壁をぶち抜き、決めにくる一撃

奴の趣向か、それとも戦法の穴か
この戦いを通じて一つだけ確実に分かった男の槍の癖


槍兵の攻撃は――心臓狙いが圧倒的に多い、、という事


もはや自分はそこに餌を蒔くしかない
敢えて左胸を剥き出しにする構え
右の下段に剣を構えながら――

溜めの大きい突きをランサーが放つのを
その暴風の中、目を凝らして待ち続ける、、

そして、、、

「シィッッ!!」

ようやくその本命――

自身の心臓に向けられた一撃と今、、
自分の剣の呼吸がパズルのピースのようにピッタリと合う

(勝機!!)

やっと食いついてきた
餌を蒔いたそこに、相手の獰猛な牙が迫る
その紅い槍が変わらぬ速度でこちらを貫こうと翻る

それを―――

「っ!!!」

何とこのタイミングで防壁をカットする蛮行に出るシグナム

男の槍は自身の張った防壁によって辛うじて一瞬止まるからこそ
速度に劣る自分が今まで受けてこられたのだ
故に彼女のその行動は自殺行為以外の何物でもない

だが、、、その蛮行の先にある勝因をこそ騎士は欲する

防壁でなく体捌きによって相手の攻撃を透かす――
どちらが相手を崩せるかは言うまでもない
466シグナムVSランサー3:2009/01/14(水) 10:47:44 ID:Ecxjzn00
一撃だ、、
高望みはしない
ただ一撃のために
相手の一突きを見切れればそれでいい

その決死の蛮行によって曝け出された彼女の心臓に――
今、紅い閃光が放たれた

――――――

間一髪――魔槍が脇の下を抜けていく

不可避の刺突
到底、目で見て反応できるものでは無かったその一撃
感覚が、、その騎士として生きてきた本能が
ただひたすらに体を動かしていた

暴風の中に身を預け続け
今の今まで耐え忍んできたその肉体が
男のリズムを完全に自分のものにしたのだ

脇を通り抜けた朱槍がその衝撃波だけで彼女の肉を巻き込み、裂いていく
ゴリゴリと肋骨を削っていく感触
苦悶の表情を浮かべるシグナムであったが、、、
それは同時に勝ちに繋がる心地よい痛みであろう

―――読み勝った

フェイントではない、、確実に透かした

今まで終始、防壁に遮られていた自身の槍がいきなり何も抵抗の無い所を突いたのだ
これはいくら男といえど崩れる

元々「突き」という技は外した時の隙のデカさでは全ての技の中で随一だ

この恐るべき使い手から今、一本に限りなく等しい見切りにて
これ以上ないほどの踏み込みで相手の間合いを犯すシグナム

体勢は今、男の中段突きを脇に逃がしたシグナムが
その身を極限まで捻り、右下段に下げた剣を振り上げ
逆袈裟に切り落とすところだった

こうなれば騎士の独壇場
流麗なプロセスを描いたその過程をしくじるシグナムではない

痛みに顔をしかめている暇などない
突かれた穂先が戻ってくるその前に、、

「取った、、! 私の勝ちだランサー!!!」

静かなる闘将が今、猛る
敵の懐、決して槍の先端が届かぬ間合いにて
待ちに待った一撃を相手の肩口に叩き込まんと――その剣が唸りを上げた

大気が震える

将の心象を模したかのような愛剣の業炎が槍兵に叩き落される

これはいくら何でも無事には済まない
その一薙ぎは男の体を両断――否、爆散させて余りあるものだった
467名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 10:59:57 ID:Mnfhsz+T
支援
468名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 11:03:33 ID:KhlAL0N+
支援。さるさんに引っ掛かったか?
469名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 11:03:59 ID:9MITFcTN
しえん
470シグナムVSランサー3:2009/01/14(水) 11:07:34 ID:Ecxjzn00
戦場が、

決着へと集束していく

そんな中、、、


「――― 悪いな、誘いだ ―――」


渦中の男は静かに告げる


時がキチリ、と―――音を立てて凍った


――――――

二人の戦士が凌ぎ削る壮絶なフィールド
両者、その二つ名に恥じぬ力と技と誇りを以って相対する
激しくもどこか人の胸を打つような美しさを醸す戦場にて――


「、が、あッッ!??」

止めの一撃が振るわれ断末魔の叫びが木霊する

一撃を振るったのはヴォルケンリッター・烈火の将シグナム

その身を切らせ、切らせ、、
斬らせ続けて待ち焦がれた一撃を
今まさに赤熱の気概を込めて放つ

それを受けたのがサーヴァント=ランサー

槍兵のクラスの召還された聖杯戦争における英霊の一人
その正体は生前、呪いの朱槍を持ちて戦場を駆けた光の御子と呼ばれし英雄だ

その英雄を今、将の剣が薙ぎ払った―――――


にしては、、、今の声はおかしかった

その甲高い声は、どう考えても男の放つソレではなく、、


―――否、

もはや勿体つけるまでもない……
男は言ったのだ
全ての勝負が決まる瞬間――


――― それは誘いだ、、と… ―――

ならば、、、そう

シグナムが決死の思いで見つけた隙は
読み勝ったと確信したそれはしかし
全てが男の作った更なる罠――
471シグナムVSランサー3:2009/01/14(水) 11:09:38 ID:Ecxjzn00
男はその手に握られる槍によって英雄と呼ばれるまでになった
だが彼は何も槍術だけの男ではない

何でもやった、、強くなるために

剣、徒手、戦斧、戦車、魔術、――

まさに「戦」というジャンルを極めし、蒼い装束を身に纏う戦いの化身

そんな男が――簡単に隙を見せるはずが無いのもまた
当たり前すぎる事実であったのだ

ならば即ち、先ほどの声は
どれだけの猛攻を受けても声一つあげなかった女剣士が――始めて上げた悲鳴、、

あらゆる戦闘術をその身に凝縮した男の肉体
相手が剣使いならば、その癖、狙い――
どうされればイヤなのかは重々理解していた

踏み込もうとしたシグナムが、その言葉に息を呑み
背筋を駆け巡る寒気に反応した時にはもう遅い

あれほどの連携の中、硬い防御に閉じ篭った相手を崩そうと「あえて」出した大振りの突き――

それに釣られて、踏み込んできた剣士に対して
槍兵が狙うはズバリ、彼女の全体重の乗った軸足

―――そのヒザの皿だった

槍の切っ先ではない方の柄が回転するかのように翻り
男の渾身の力をもって彼女の膝上に叩きつけられていたのだ

「ぁ、…………くう、、、、、!!」

膝の半月盤は人体において痛覚の集中している箇所の一つ
そこを打たれた衝撃は相当のものだ
失神するほどの激痛が全身に響くように伝わり、肉体は嫌が応にも硬直する

槍や薙刀が正面に敵を置いての白兵戦にて無敵と言われる要因の一つとして、、
剣では有り得ない、そのリーチから来る足元への強襲がある

剣で相手の足を払う場合と槍でそれをやる場合の有用性…
もはや語るまでも無い

自分は全く体勢を崩さずに相手の軸足を刈れるという圧倒的な利点
それによって相手の踏み込みや、その他の攻防を大幅に牽制出来る
それが長物の恐ろしさ――

もっとも下段に落とした構えは頭部や上半身がガラ空きになる
並の使い手では、足を狙う前に頭をカチ割られるという光景も珍しくないのだが、、


ともあれ、これまで全弾急所狙いだった事も手伝って
槍兵の始めて行った末端部位への攻撃に全く反応できなかった彼女
男と競り合っていた距離で一瞬だがガクン、と――完全に動きを止めてしまう

そしてこの槍兵を前にして、それが絶対的敗北である事は言うまでもない
472シグナムVSランサー3:2009/01/14(水) 11:10:30 ID:Ecxjzn00
「――――飛べ」

麻痺したように動かない大腿に歯噛みし、声もなく唇を噛む騎士
体勢を崩され、僅かに前傾姿勢でつんのめった形になっていた剣士に対し
近距離で放たれた槍兵の蹴りが――下からシグナムを打ち上げた

「ご、、ふッッ!!」

こみ上げた胃液をゴホ、っと吐き散らし
その威力で足が浮き上がり、後方に飛ばされる剣士

まさに今、森林にてフェイトを相手に猛威を奮っているライダーほどの多彩さは無いが
この槍兵の蹴撃もまた、かつてセイバーのマスターを数十mほども吹っ飛ばした経緯がある
まともに貰えば内臓破裂では済まない

防壁のほとんど無い状態で食らった打撃二連
さしもの将もたまらず、遥か後方に着地し
ほどなくヨロリとぐらついてしまう

(く、、、そ……しくじった――私が、、崩されてどうする………)

打突を貰った箇所が酸素と血液を求めて吼え狂い
脳への血液供給が滞り、意識を飛ばしそうになる騎士

―――空へ

そんな彼女が無意識のうちに選択した行動がそれ、、
敵の隙を誘うはずが一転、自身の最大の危機を迎えた今
思考が無意識に上空へのエスケープを選ぶのも無理からぬ事であった

だが、、

「行かせねえよっ!!!!」

飛翔したシグナムに猛追するは蒼の流星

それは彼女自身も既に思い至った事だ、、
既に――空はセーフティゾーンではないと

まるで打ち上げられた迫撃砲のように彼女に迫り
遥か上空で騎士を捕縛したのは他ならぬ槍兵
勇に上空5mと浮かび上がれずに捕まってしまうシグナム

「、ぐッ―――」

翼持たぬ者の、その埒外の脚力は先ほどから見せて貰っていたのだ
だからそんな相手に対してフィールドも張れず、対処も遅れてしまったのは彼女の負った打突によるダメージと―――
計10分に届く無呼吸運動による酸欠が、脳の判断を鈍らせたためであろう

宙空にて絡み合う剣士と槍兵
だが半失神状態の女剣士と今まさに止めを刺そうという戦場の英雄
どちらの膂力が相手を組み伏せたかなど、、言うまでも無い

その頭部の後ろに縛られた長い髪を掴まれ
苦悶の声を漏らすシグナム

「済まねえが、ここしか掴むとこなかったんでな」

一応は紳士な槍兵だ
女性の髪を手荒に扱う事に対し、取りあえずの謝意を述べてから―――
473シグナムVSランサー3:2009/01/14(水) 11:11:18 ID:Ecxjzn00
「だからな、、逢引の続きは地上でやろうじゃねェかぁ!!!!」

その表情に鬼気が灯り
投擲自慢の右腕がギシギシと軋む

筋肉で膨張した利き腕が獲物である女剣士の髪と頭部を容赦なく掴み上げ
存分に振りかぶったと思ったら――

それをそのまま地上に向かい、叩きつけるように投げ抜いたのだ

「――――ぅあッッッッ!!!」

風を切る音が将の鼓膜を劈く

ジェットコースターなど問題にならないような急降下によって人体に催される
下半身が裏返るような感覚

それを感じている己の体は今現在
地面に突き刺さり木っ端微塵に砕ける寸前なわけで、、

「ぐ、、ぬううううっ………!!!!」

地に叩きつけられる寸前、烈火の将は一時的に機能停止していた感覚
デバイスによる補助の全てを半強制的に復帰させ、受身を取って地面に落着する

――ドゥン!!!という土煙

――アスファルトの削れる甲高い音

潰れる筈の肉体はすんでの所で制動を取り戻し
地に四肢をつけ、ザザザザ、と地面を滑りながらに10m――

まるでスノーボードに乗せられているような距離を以って、、地面に不時着する

ここで意地でも尻餅をつかなかったのは
騎士として、航空機動隊随一の使い手としての意地だった

「…………、、」

ともあれ墜落死という憂き目だけは防いだシグナム

だが、コンマに満たぬその思考
未だ体勢の整わぬ肢体の
その思考だけがめまぐるしく動く


そう、、、

―― 続きは地上で ――

そう言い放ったあの蒼い甲冑の姿を探す彼女の両目

ふらつく体、朦朧とする意識の中
それでもあの死神の槍から一刻でも目を離す事の危険性――
それが分からぬ彼女ではない

………どこだ? 
………どこから?

衝撃で咳き込みながらも立ち上がり、強襲に備えようとするシグナム
474シグナムVSランサー3:2009/01/14(水) 11:12:06 ID:Ecxjzn00
   ああ――――


だが自分が落着した事によって立ち昇った土煙の
晴れた視界のその先に映るのは、、、


   何という事だろう――――


もはや目と鼻の先…
十分な余裕を以って前肢に体重を置き
槍の先端に自分を見据え、、、


   遅すぎる―――


腰を大きく落として構える……
蒼き槍兵の姿であった


   この男の前ではホントウに何もかもが―――


今度こそ、、

今度こそ、、

シグナムの顔が戦慄と死の予感に歪んだ


   取り巻くセカイそのものが遅すぎるのだ―――


「レヴァ、――」

己が相棒である剣を構え直し
目の前の敵に備え――

その行為の全てが男の前では手遅れである事を悟るまで、、
その目に見える槍が待ってくれる筈もなく、

無数の槍が再びボッ、ボッ、と分裂に次ぐ分裂を重ねる

それは本当に幾百の槍の束
否、百人の前線兵士に槍を持たせて突っ込ませたかのような――

「うおらああああああああああああ!!!」

咆哮と共に繰り出された突きの連打は
10、100、200と数え切れぬ刺突の紅き嵐

これぞ恐らくはランサーの最大出力

その何人の生存も許さぬ嵐の只中に、、

シグナムが飲み込まれていくのであった―――

――――――
475フェイトVSライダー3:2009/01/14(水) 11:16:38 ID:Ecxjzn00
Lightning&Rider3 ―――

「――少し遊びが過ぎたようですね」

深い森の中、失踪する二対の流星
ふと誰にかけるでもない言葉を、その場にて呟く騎兵

それに対し、キッと睨むフェイト
同じ速度、同じ景色を共有するからこそ
聞こえたその言葉に対し、慄然と言い返す

「相変わらず自信満々だ……
 でも、あまり相手を甘く見ない方がいい」

「いえ、甘く見ているというわけではなく――」

そう、断じてライダーはこの目の前の魔術師を甘く見ているわけではない
そもそも狩りにおいて獲物を仕留める際、対象を甘く見るといった感情はハンターにはなく
相手を侮るという概念自体が彼らには欠落しているが故に、、

だが、そんなライダーをして 「これはなかなかに面白い狩りだ」 と思わせるほどに――
自分の動きに淀み無く付いて来る魔道士の技量は見事なものだった

それはライダーから彼女に送られた密かなる賛辞

張り詰めた殺気も緊張も
一秒後には遥か後方へ置き去りにされる高速の戦場においてかわされる会話

同じ速度で歩む者同士のみが、、その視線を交し合う事を許されるのだ


――――――

空戦の妙、多くの飛び道具を持ち
あくまで空の戦いを主戦にするフェイト
初めは有利に戦いを進めていたのだ、、圧倒的に

だが今現在、自身の速度すらが己に牙を剥き
障害物を回避しながらの飛行を余儀なくされるフェイトに対し
多くの足場を得たライダーの変則的な動きが生きるのはこうした戦場、、

場は騎兵のペースにはまりつつあった

それは獲物を自らの神殿に取り込み
弱らせ、朽ちさせて食らう
このサーヴァントのいつものやり方

鎖による翻弄、誘導
したたかで抜け目無い一面を見せる美しき女性
これは決して磨き抜かれた技術や訓練されたそれから派生する物ではない

この騎兵に所謂、「戦技」という概念は存在しない
あくまでもそれは持って生まれた性(サガ)

いわば生前の業――天性の……狩りの才能

かつて己が領域に土足で踏み込んできた数多の英雄を追い詰め、操作し、撹乱して、
そして縛鎖に絡めて朽ち果てさせてきた――

そんな女怪の経験をただ垣間見せてきた結果であるというだけのこと、、
476名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 11:17:08 ID:KhlAL0N+
支援。リリブラさんの正体、実は我等がきのこですか?
477フェイトVSライダー3:2009/01/14(水) 11:17:45 ID:Ecxjzn00
(きつい、、……でも、、
 このまま行けばあと2分弱で抜け出せる筈、、)

そう、フェイトにとってまず初めの急務は兎にも角にもこの森を抜ける事

何でも出来るが故に、ごく稀に相手の土俵で勝負してしまう彼女
それでも簡単には打ち負けないという有り得ない汎用性を秘めた魔道士であれど
それでもいつまでも分の悪い戦場にいるほどバカではない

もはや周知の事実――敵は飛行能力を持っていない

多彩な攻撃方法を持つフェイト
当然、射撃、砲撃の類をも数多く持つ彼女は先ほどのように上空にいれば
ほとんど一方的に戦いを進める事が可能である

つまり、森を無事に抜ければフェイトの勝ちは確定するのだ

二人を繋ぐチェーンが編み出す軌道乱舞によって多少の方向性は狂ったが
それでも確実に出口に近づいているのを感じる

「ハァ………ハァ、、、ハァ、、……」

そしてフェイトの限界もまた、、、間近に迫っている

魔法とは無限に使い続けられるものではない

飛行、防衛、制御、そして攻撃
その全てに魔力を使う事は言うまでもなく
その運用の全てには、だからこそ極力の無駄を省いていかねばならない
魔法使いとしての常識である

更に先ほども記したが、フェイトやクロノといった汎用型は思考速度が速い
だがその分、フルに回転させている頭と、それに追随する形で付いてきている体…
心身への疲労もまた常人の数倍以上なのだ

脳が焼き切れるほどの回転を以ってサーヴァントという埒外のバケモノと相対しているフェイト

まるで大空舞う獲物を毒牙の罠にかけた蜘蛛と
その巣から必死に抜け出そうとする蝶の戦い

本来ならば勝負になる筈のない図式であるそれは
蜘蛛と凌ぎを削れるほどの蝶の存在によって、辛うじて成り立っている

故に蜘蛛の心中は穏やかではないだろう――

獲物を相手に健闘を称え合う捕食動物はいない
身の程知らずの抵抗にただ怒りを露にするのみ

獲物から――再び、その抵抗が来た

高速飛行しながら、並走する騎兵に対し
己が得意の雷光の槍を次々と投擲する執務官

魔力を節約せねばならないといっても使うべきところで出し惜しみをしては意味がない
紫の影に容赦なく雷の弾丸、そして志向性のある槍を打ち放つフェイト

「セット―――ファイアッッ!」

繰り返される掛け声がまた一閃
478名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 11:18:00 ID:9MITFcTN
まさか……
支援
479フェイトVSライダー3:2009/01/14(水) 11:18:35 ID:Ecxjzn00
木々の合い間を飛翔する長髪に狙いをつけて投擲された金色の矢が
立ち並ぶ樹木を抜け、そこに身を躍らせる女怪へと迫る

この戦場では何時来るか分からない鎖による方向転換から
従来の安定した軌道はもはや期待出来ない

だがそれでも執務官はどこまでも基本に忠実だった
障害物と、恐るべき敵を同時に相手にしてなお、空戦における有利なポジション――
相手のやや上方を取りつつ、眼下の女性に猛り狂う黄金の矢を打ち続ける

直撃とはいかないまでも相手の行動の抑止と牽制にはなる、、

とにかくこの森を抜けるまで、攻め込ませない事が重要だ
その巧みな技巧はもはや老練の域
攻防共に高い次元での技を使いこなすフェイトが今、ライダーを押さえ込もうとしている

逆に、とにかくライダーにとっては相手の飛び道具が厄介だった
ことに一度避けても追尾してくる中型の槍
死に弾の無い射撃ほど厄介なものはない事をここに実感させられた事だろう

フェイトが自身の持つ最大の誘導弾にて相手をコントロールしようと画策する
それをまるでヒョウのような俊敏な動きで全てかわす紫の女性

そんな光景が果てしなく続く

まるでケモノのような相手だと錯覚しつつも
回避された雷槍を再び転換させ、飛び退るライダーの後方を突くフェイト

凄まじい集中力、胆力―― 
一寸も切らさぬその緊張
並の人間ならば、ものの2〜3分で精神が磨り減って
へたり込んでしまう域での闘いだった

「―――いい加減に、」

その度重なる飛び道具の強襲に対し、何と槍の腹に裏拳をぶち当てて軌道を逸らしたライダー
バチィ、!という感電音が木霊し、金色の魔力がライダーの腕に当たって弾ける

「、、―――」

こんなものをいちいち避けていたら、魔道士との並走に一歩遅れを取ってしまう
そんな感情から取った騎兵の行動はしかし、感電のダメージでやはりコンマ数秒
体が揺らぎ、追走するフェイトに追いすがられてしまう

初めはその強引な行動に目を見張ったフェイトだったが、、

(いや、これでいい……相手は焦ってる)

無茶な行動――それは対象が苛ついているという証拠だ
自分の攻撃は間違いなく相手を心身ともに揺るがしている、、

先ほどは不意をつかれて突進され、密着されてしまったが
もはや断じてそれも許さない
相手の土俵においてすら、その戦場を支配し始める天才魔道士が
絶えずデバイスに策敵、誘導を示唆しながらに高速飛行を続ける

480フェイトVSライダー3:2009/01/14(水) 11:19:22 ID:Ecxjzn00

その、、、、、視界が―――

「!!!?」


―――――霞んだ、、、


(あ、、、、!??)

ぐにゃりと歪む景色
一瞬だが彼女の体がブレ
飛行姿勢が横に傾いてしまう


その極限の疲労から来るものか?

張り詰めた神経、緊張に緊張を重ねた心身は唐突に――


(こんな、、時に…!!)


その限界を……

彼女の体の不調という形で報せる


「―――、」

狩る獲物の状態、、

しぶとく暴れ、こちらを寄せ付けないその相手が崩れ――

ついに見せた一瞬の隙

それを見逃すライダーではない

一息もつかぬうちに枝を蹴り
一足で間合いを詰め
一瞬のうちに、あっという間にフェイトの斜め下方にその身を躍らせる

紫の髪が、ついに獲物に牙を突き立てられるという歓喜に揺れる

「っ! ファイア!!」

歯を食い縛り、頭を振って、意識を強引に揺り戻すフェイト
フォトンランサーのつるべ打ちで
薙ぎ払うように相手を追い払おうとする

だが、この到来した一瞬をものに出来なくて何がサーヴァントか?
マシンガンのような魔弾を更なる跳躍で避け、ライダーが上空へ舞い上がる

自由の効かぬ空で狙い打ちにされるという危惧――そんなものは知らない

被弾を許そうと、ここで一息に決めるという
それは彼女の意思表示の現れだ
481フェイトVSライダー3:2009/01/14(水) 11:20:07 ID:Ecxjzn00
奇襲は何と、フェイトよりも更に上空からのものだった

跳躍に跳躍を重ねるライダー
一瞬のうちに高い木々を踏み台にしてフェイトの視界から消えるほどの高さにまで駆け上がる

もはや語るのも馬鹿馬鹿しいほどの身体能力にいちいち驚いている暇など無い
空戦において上を取られる事の危険――それを分からぬフェイトではないからだ

(来る………!)

障害物を避けながらその頭上に
生い茂る枝と葉から時々見せる紫紺の長髪を見据えるフェイト

自分と同じように疾走しているであろう騎兵を迎え撃とうと、見開かれた瞳が頭上をキッと睨み据える

「もう少しなんだ……頑張ろう、バルディッシュ!」

<Yes>

そして、、紫の髪を振り乱しながら――

ついに駆け下りてきたのだ!
あの化け物じみた女怪が!

「―――、お覚悟をッ!」

不気味なほどに寡黙だった彼女
戦闘中ですら、ほとんど声を上げなかった紫紺のサーヴァント
ついにその気勢を言葉に変えて口から紡ぐ

圧倒的な脚力が叩き出すスピード

重力の楔から外れているかのような身のこなし

そして人間の間接駆動域をまるで無視した変則的な動きでそれは駆け下りる

フェイトも何とか相手の狙いを外そうと高度を下げたり
右に左に旋回しようとするが――無駄だ

上を取られた以上、どのように振り切ろうとロックオンは外れない

それどころか、ここにきて騎兵こそが規格外

それは一本の木を駆け下りてくるのではなく
複数の木々を踏み台に多角的、、
例えるならば無数の鏡に囲まれた部屋で
一つの鏡に光を当てた時に生ずる光の乱反射のように――

さながら忍者の影分身
残像が見えてしまうほどの壮絶なフットワークにて
フェイトの頭上から飛来してきたのだ

「シュッッッッッ―――!!!!!!」

そして最後の木を蹴り付けたライダーがついにフェイトの頭上に牙を落とす
唇から一息、鋭い息吹を吐くと同時に魔道士の全身に、釘剣を叩き付ける

ズガガガガガガガガガ!!!と、、

まるで削岩機に削られたような音が鳴り響いた
482名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 11:26:57 ID:KhlAL0N+
支援。今いいところなのに何故さるさんが!?
483名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 11:39:29 ID:IDnC57Eo
下馬評通りとは言えついに死者が出たか
484名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 11:49:37 ID:9MITFcTN
しえる
485フェイトVSライダー3:2009/01/14(水) 12:03:38 ID:Ecxjzn00
「うううう、、あッッ!!?」

それは空中だというのに重く鋭く
しかも一撃では到底済まない連撃だった

初めて上を取られたフェイトが、その受けた攻撃の凄まじさに驚愕する
防御したサイスを持つ手が、フィールドが
一撃一撃ごとに軋んで砕けそうになる

歯を食い縛って耐え、凌ぎ、受け流して下方に往なすまで――
空中で10発以上の連撃を入れられた


(お、重い……! 足場の無い攻撃の筈なのに、、)

相棒、バルディッシュを持つ手が
今の―――いや、、今までの攻防で痺れ
赤く腫れ上がっている

片腕を封じられた状態ではサイスのような長物を扱う際
技の大半が制限され、満足に振る事が出来ない

ろくに受け流せず、まともに相手の力を受けてしまったが故の衝撃だったが、、

そもそもそれは向こうも同じ事
同じ片手同士のぶつかり合いでこちらが一方的に負けている――

自分の片手が封じられているのとは関係なしに、彼女の一撃は強い

魔道士の全開出力をして、引き合いで優位に立つ騎兵の膂力
その腕力のままに振るわれる攻撃が並大抵のものである筈がない

ミッド式魔法の使い手が白兵戦を行う時、その身体能力は
全て魔力によるブーストによって補われている

謂わば素の腕力と魔力による身体強化との戦い……
どちらがより優れているかを一概に述べる事は出来ない

だが、先ほども言ったように魔力はいずれ尽きる――

それが切れた、もしくは運用が至らず素の状態になった場合――

魔道士の膂力、瞬発力は一般の人間のそれと大差ないものとなってしまう

当然、日々肉体を鍛え上げている局の魔道士である以上
そこらの一般人に劣るというような事はないが、しかし――

英霊や人外の魔物と比べてという話であるのなら、、
それはもう雀の涙程度の違いでしかない

本来の身体能力にこれほどの差があり
その差分を埋めるだけの魔力を毎回注ぎ込み続けている…
だからこそ彼女は、その消耗の度合いから
相手と自分の素の膂力の差を思い知る事が出来た――

その力、、その威力、、その殺傷力、、、
この敵とまともに近接をした時の自分――想像したくも無い、、

何故、あの武装でこれほどの威力を出せるのか?
486フェイトVSライダー3:2009/01/14(水) 12:04:55 ID:Ecxjzn00
そもそも 「機動力」 と 「剛力」 は往々にして並び立たないというのがセオリーである
それを両立させる武装、術式が無いわけではないが――やはり従来の型では困難を極める所業に違いはない

だのに、あれ程の軽い身のこなしを見せる
しかもスレンダーな女性の打ち込みが――よもや一流の騎士レベルと遜色の無い威力だなどと、、

もはやフェイトには何かの冗談としか思えなかった


――――――

サーヴァント=ライダー ――

彼女が招聘されたのは
かの冬木の奇跡の具現――その五回目の儀式においての事だった

その戦いにおいて、同サーヴァント内、、
バーサーカーのクラスに「あの」破格の英霊が召還されていなければ…
彼女はあの地に集った英霊の中では随一の膂力、身体能力を誇っていたかも知れない

フェイトに負けず劣らずの細い両手、スラリと伸びたモデルのような両足は
言うまでもなくヒトのそれとは一線を隔し――
その腕はコンクリートを容易く握り潰し、両足は小型の什器くらい軽く蹴り飛ばす

早い話が―――


彼女はホンモノの化け物であったのだ

――――――

地を駆け、数多ある木々のどれかを駆け上るはその化け物――サーヴァン=トライダー

強襲の体勢に入る彼女を、しかし今度は待ってやる義理など微塵も無い

敵が速射砲のような勢いでこちらへ飛んでくるタイミングを
今度は完璧に合わせ、フィールドとシールドの二枚重ねの護りにて完全に受け止める

「シールドッ!!」

交錯する二対
上空からのスズメバチの如き一刺しを
渾身の盾で受け止めるフェイト

「――、む……!」

分厚い壁を突いたかのような手応えに些か顔色を変えるライダー
攻撃が抜けたり抜けなかったりと
彼女をして本当に、この相手はやりにくいと感じさせた

やはりというか、どれほどに障害があろうと――ここは空だ

緻密な空戦での挙動
姿勢制御を絡めた戦闘ならば
空戦魔道士が陸戦の戦士に遅れを取る事は有り得ない
487フェイトVSライダー3:2009/01/14(水) 12:06:06 ID:Ecxjzn00
勢いを完全に殺されたライダーの身が力なく宙を彷徨い、

「はああぁぁああっ!」

その場にて金の閃光を放つ肢体が捻りを加えて回転
体ごと巻き込むように振り下ろされたサイスの柄

その一撃が、、砕けよとばかりに
ライダーのこめかみを強打していたのだ

「――、!!」

ゴッッッ、という鈍い音

弾けるライダーの上半身

上空でのけぞり、不自然に曲がった彼女の肢体

魔道士の手に凄まじい感触を残し――
その快心の一打がここに決まっていた


空の人間の意地を見せるはフェイト

いかに相手が怪物とはいえ、彼女はミッドの空を守る最強の存在
Sランクの空戦魔道士が、おいそれと地上を駆けるケモノに叩き落されるわけにはいかない

今の一打――頭部の急所を正確に打ち抜いた…

人間ならば或いは死に至る一撃、、
一瞬、フェイトの顔が揺らぐ

(いや………今は、、躊躇うなっ!)

しかし、すぐに張り付いた不安を振り払うフェイト

確かに彼女は心優しい性格の持ち主だが同時に優れた武装局員だ
今まで何度と無く見せられた相手の人外の力
手加減や手心など到底、出来る相手ではない

ここで確実にトドメをさそうという断固たる意志を持って
下方に堕ちていく紫の影を追撃する

森を抜けてから勝負をかけるつもりだったが
この敵を早く制圧出来ればそれに越した事は無い

それだけ早くシグナムを助けにいける、故に――

「ここでっっっ!」

この戦い初めての近接によるクリーンヒット、、

手応えはあった
ここで一気に決めてしまおうと、あえて鬼となり
トドメの鎌を振り下ろそうと迫る執務官

ライダーの上空から飛来する黒衣の魔道士
唸りを上げる金色の死神の鎌が
既に死に体となった紫の刺客に今――
488フェイトVSライダー3:2009/01/14(水) 12:06:48 ID:Ecxjzn00
叩き込まれる、、


その寸前――


フェイトの横方向から――杭のような短剣が投擲されていた

「なっ!?」

まただ、、!

またも 「コレ」 に完全に不意を突かれたフェイト

反撃は視野に入れていた、、

だがその切っ先が、まるで意図せぬ方向から飛んできた事に彼女は驚愕する

何と敵はこの土壇場で、鎖によって木々を回りこむようにして短剣を投擲
振り子の原理で切っ先を調整し
あさっての方向から魔道士に対して襲い来るように
その武器を投げ打ったのだ

まるでそれ自体が命を持っているかのような鎖の挙動
一体どうすれば、、こんな事が出来るのか?

視認が遅れ、その刃に晒される魔道士

がそれでも顔面直撃を避け得たのは
彼女の特筆すべき、高速戦闘に慣れた動体視力の賜物だろう

横に大きく倒れこむ形で投擲された短剣を後ろへ逃がす
一瞬でも反応が遅れていれば、こめかみから串刺し
絶命は免れなかった筈だ……

総身に冷たい汗をかかずにはいられないフェイトであった

(………!)

だが、、、

その汗はまだまだ止まらない

短剣を投げた張本人――

言うまでもない、眼前の女性

頭部を強打され、力なく地に落ちる筈の影が、、
フェイトをあざ笑うかのように空中で華麗に回転して姿勢を制御し――

何事も無く地面に降り立っていたのだ

(ノーダメージ………!? 何て耐久力だ、、)

信じられないといった表情の魔道士
フォトンランサーを耐え切った相手の打たれ強さは覚えていたが
それでも自身の右手に未だ残る手応え、、

あれほどのハードヒットを頭部に受けたというのに…
489フェイトVSライダー3:2009/01/14(水) 12:07:45 ID:Ecxjzn00
常人ならば意識は昏倒し、立っていられない筈だ
膂力、速力は言うに及ばず、耐久力――
その何もかもが人間離れしているというのか?

そして、、

「残念でしたね――」

一言、今の攻撃で仕留められなかった事にする――

いや、それ以上の意味を込めて、、
相手の悲運を偲ぶライダー

魔道士の右手に絡みついた鎖が
まるでヘビのような動きでスルスルと解かれていく


もはやそんなモノは――必要ないと言わんばかりに、、


「森を抜けたかったのでしょう?」

「く………」

二人は――

出口間近だと思われたその地点で、、、


――― 止まっていた ―――


それは戦闘の流れの中で起こった仕方のない事、、

疾走に疾走を重ねた両者が、その地点にて互いを仕留めようと交錯し、、

並走をやめた事による、、


―――仕方の無い「流れ」であった


「私を引き摺ってでも外へ向かうべきでした……貴方は
 致命的なミスです、、やはり貴方はここから―――生きては出られない」


歯を食い縛る魔道士を前に――


ゾッとするほどに優しい声色で

ゾッとするような響きを持たせて


ソレは魔道士に―――――死刑宣告をした、、


――――――
490フェイトVSライダー3:2009/01/14(水) 12:08:39 ID:Ecxjzn00
「………く、、!」

深い深い森で並走を止め、向かい合う両者

相手の陣地ではあってもあの高速戦闘ならば
まだフェイトにも勝機はあった

だが相手の絶対有利のフィールドにおいて
足を止めてしまった現状

もはやこの魔道士に一片のアドバンテージすら―――


左手を開け閉めして感覚を確かめる金髪の魔道士
体表面を覆う防壁の恩恵か――
あれほどの圧力で締め上げ続けられた手首は、何とか壊死には至っていないようだ

―――むしろ問題は、左肩…

簡易治療では癒せないほどに関節、筋肉が痛んでしまっている
利き腕ではなかったのがせめてもの救いか、、

両手を解禁された筈の長物使い
そのほとんど用を為さなくなった片手を……鎌の柄にそっと沿える

その他、自身の体の各部位を一つ一つチェックしていくフェイト
敵を前にしての足早な機能確認にしかならないが――
それでもここにきてそれは、、必須事項

何故ならば、迎え撃たねばならないから、、


地上にて――


四方を木々に囲まれた狭いフィールドにて――


この、、、怪物を――


「フ、―――」

その大地に再び四つんばいになって
腰をくねらせるように蠢く、騎兵の独特の佇まい

頭を地面スレスレにつけ、腰を上方にピンと突き出す姿勢はどこか艶かしい――

繁華街の場末の踊り子が大衆を魅惑する時のような動作にも見えるが
それはしかし、そのような下世話な雰囲気など彼女からは全く感じられない
むしろ機能美に溢れた神々しさすらある

同時にそれは何の予備動作無しでこちらに飛びかかってくる豹の化身の戦闘態勢

彼女の四肢、、
いや全身に伝わる緊張が
妖艶な腰付きに卑猥な視線を向ける事を一切許さない、、
そんな空気を醸し出す

四足歩行の獣の構えを模したそれ
491フェイトVSライダー3:2009/01/14(水) 12:09:14 ID:Ecxjzn00
だが、獣ならまだいい……
そんな他愛のないモノが敵ならばどれほどに楽か、、

眼前の敵は言うまでもなく、そんな生易しいモノではない
上空30m以上の宙域に身を置く空戦魔道士を軽々と犯してくる――埒外の存在なのだ

フェイトが幻視するは、まるでミサイルの発射管を向けられているかのような……そんな錯覚
眼前のソレは、今や行動不能に陥った獲物を粉々に吹き飛ばす迫撃砲の砲身なのだ

「、、、、、、、、、」

「――――――」

呼吸を整え、

脳に、全身に、

酸素を行き渡らせるフェイト

今にも打ち出されようとする紫紺のミサイル
その発射の瞬間を絶対に見逃すまいと――

研ぎ澄まされていく感覚は
もはや最新鋭のソナーにすら匹敵するほどだ

そして―――――、、、、目が合う

実際は相手の両目はマスクによって覆われ
その双眸がフェイトの瞳に映る事はないのだが、

それでも確かに感じた、、
互いの視線が交錯した事に

そしてそれは野生動物同士における戦闘開始の合図

全身の筋肉を極限まで収縮させ
四足に極限まで力をため

ドゥン!と―――

地が揺れんばかりに大地を蹴り付け
開放された騎兵の体

神速にて不可避の紫色の弾丸

ライダーが今度こそ、フェイトに向かい
トドメを刺すべく飛びかかったのだ!


不利な地上戦で動きを止められた今の現状こそ
機動力を旨とするフェイトのような空戦魔道士にとっては最悪の状況

それでも――――彼女は愛杖を持つ手を聊かも萎えさせない

(厳しい状況だけど……まだ終わりじゃない
 これを凌げばチャンスは絶対に来る、、)

自分とてベルカ最強の騎士に毎日のように稽古をつけてもらっていたのだ
相手が凄まじい使い手とはいえ、そう簡単に遅れは取るつもりはない
492フェイトVSライダー3:2009/01/14(水) 12:09:54 ID:Ecxjzn00
踏み込まれるその体
迎えるは一条の光
呼吸一つ許さぬ速度でフェイトの間合いを犯すライダー

人体に発生する予備動作の類など一切ない
セオリーなどまるで無視した相手の挙動

閃きと反射神経と、それに数分違わず付いて来る身体能力の為せる業
それは野生の獣の習性そのものだ
人間の骨格をまるで無視したかのような全身のバネを総動員し、受け、避け、踏み込み、叩きつける

今、別の地点で烈火の将と刃を交える、術技の極みに達した蒼き槍兵の動きに比べ
騎兵の戦闘術は極めて対象的なものだった

(来い……!)

だがその動きを今、、魔道士の瞳が完璧に捉える


いかに速かろうと人にあらざる動きだろうと
フェイトもまた、最速の称号を持つ魔道士だ
正面からくる相手に対応できないほど愚鈍なわけがない

「はぁぁッッ!!!」

気合一閃
ブリッツアクションにて加速した横薙ぎの刃が
襲い来るライダーに向かって、些かの狂いもなく振り切られる

(よし!)

タイミングドンピシャ、、
開幕の光景とだぶるソレはしかし
その時とは比べ物にならない

相手の出鼻に合わせた完璧なカウンター
速度に長ける戦士のみが可能とする後出し先当ての技法――
それは敵の動きを自身の感覚に刻みつければつけるほどに冴え渡る

ならば幾度もの邂逅を経て、相手の挙動を脳に刻んだ
今の魔道士が放つそれこそ電光石火の不可避の一撃
決まればこの強力な相手とて無事では済むまい

「――見事、、ですが、やはり及びません」

「くうっ!!?」

だが、、敵は更にその上を行く

その 「完璧」 はやはりあくまで同じ人間を相手にした場合のもの
サーヴァントを相手に人間が 「完璧」 を謳うなど言語道断
そのような甘い見解は万死に及ぶほどに温く、そして罪深い

払うように放たれた黄金の刃を前にして
それに更に合わせる騎兵の動き

ライダーが空を切り裂くように飛び荒ぶ自身の体を
足を地面に叩き込むが如き踏み込みにてブレーキ
フェイトの鼻先にまで迫りながら、そのまま攻撃を突き入れる事無く急制動したのだ
493フェイトVSライダー3:2009/01/14(水) 12:10:43 ID:Ecxjzn00
あり得ない――

迫撃砲と評した、これほどの勢いの踏み込みの速度と勢いを一瞬でゼロにする、、
慣性の法則をまるで無視した、ストップ=アンド=ゴー=アンド=ストップ

並の人間ならばそのGで内臓が軒並み潰れ
踏み込んだ足などボッキリと折れている筈だ

だが彼女は難なくそれをこなす
放たれたサイスの一撃を後方にスウェーバックしてかわすライダー

そしてその時―――

同時に襲い来るフェイトの背筋を襲う寒気のような感覚――

それは明確な死の気配

それは彼女の意識の、否、、

身体の下部から跳ね上がってくるナニカ

両の手に握られている短剣と鎖に意識を集中していたフェイト
牽制が来るなら、先ほどの杭による投擲だろうと注意を払っていた
その両目が下方に向いた時には――既に目の前にソレがあった

ソレとは即ち、刃のように鋭い
フェイトの顎を砕かんと跳ね上げられたライダーのつま先、、

「なっ!!?」

カウンターの薙ぎ払い後、10以上のシミュレーションを立てていたフェイトに対し
更なる駆け引きを以て上を行く騎兵

繰り出したのは相手の攻撃をスウェーしてののけぞり体勢を
逆に利用した後方バク転蹴り

回避がそのまま攻撃へと繋がる絶妙の受け返し

大降りで体が前方に泳いでいた事を差し引いても、、
それは避ける事至難の絶技だった

そして彼女の脚力はすでに周知
当たれば人間の顎など粉々に粉砕されるつま先での蹴り上げ

それを―――


フェイトは更に、、!

更に見切ってかわす!!

相手と同じようにスウェーバック
後方に回転してやり過ごしたのだ!

「はっ!!!」

短い気合を吐き、翻る黒衣と純白のマント
一撃とて被弾を許さぬ、それは震えが来るほどの
見切りと速度を有する者同士の鬩ぎあい
494フェイトVSライダー3:2009/01/14(水) 12:11:27 ID:Ecxjzn00
二人の美しき舞踏は地上に降りた今となっても続くのか――?

バク転での蹴り上げに対し
バク宙で回避するフェイト

両者の動き――その残光により
紫の半月と金色の満月が交差するかのような幻想的な光景を場に描く

フォームの崩れまくった力技気味の後方宙返りで紙一重でかわすフェイト

だが、流石にその挙動に陰りが見える
今の回避は流石に無理があり過ぎた…

ブリッツアクションとアクセラレーションの連続稼働
もともとが瞬速を誇る彼女が、その術技を総動員しての自己ブーストによる
移動補助の魔法の重ね掛け、、

それは彼女をして完全に制御不能……
限界を超えるほどの――まさに最速のその先にある超最速

レッドゾーンにまで吹け上がったリンカーコア
ぶり返すように反発する出力に翻弄される体が大きくバランスを崩しながら
3mほど宙に浮き上がる魔道士

「ハ、、ハァ―――ッ!」

跳ね上がる心臓に再び酸素を叩き込むべく
息を大きく吸い込むフェイト

このまま空へと上昇できればどれほど楽か、、

後ろ手に生い茂る大木の群れや
クモの巣のように張り巡らされた相手の枝の数々を見ながら唇を噛むしかない魔道士

普通ならさしたる障害でもないが、妨害している相手が相手だ
どうやっても上空へ抜ける前に追いつかれ、叩き落とされる


対人間の魔道士、騎士、犯罪者――

もしくは怪物ではあっても知能の劣る個体との戦闘を前提に置いた管理局魔道士の訓練
体に刷り込まれるほどにやってきたその教義であるが…

だがそれらと共に同時に教えられたコト、、

本当に怖い相手とは、ヒトの知能と怪物の性能を併せ持つ相手だというコト、、

それこそ最強に位置する生命体――
そんなモノにもし出会ってしまったら……

仲間を呼ぶか、逃げるか、、
とにかく単騎では絶対に戦うな、という事だった

それはそうだ
管理局は法務機関ではあるが
そこに従事する局員は、命を投げ打って戦う兵士ではない

みな家族がいて自身の生活があって
世界の平和よりも自身の幸せを考える者が大半だろう
495名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 12:12:56 ID:9MITFcTN
支援
496名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 12:27:13 ID:L8+fGonN
支援
497名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 12:28:23 ID:airIMcZZ
さるさん?
支援
498名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 12:37:09 ID:L8+fGonN
支援
499名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 12:38:33 ID:BgB4jysX
おそらくは――さるさん。
しかし戻ってくれることを願って支援。
500フェイトVSライダー3:2009/01/14(水) 13:00:46 ID:Ecxjzn00
ならば故に今、フェイトの目の前に立ち塞がる敵こそ
その最強のカテゴリーに入る敵だった

まさに彼女が今、味わっている戦場こそ
管理局の魔道士としての領域を大きく超えた戦い

逃げるという選択肢を取っても、何ら恥じる事の無い状況だった


だが、、

この状況――戦うな、と言われたら
じゃあ、どうしろと言うのか?

助けも呼べない
退路もない

頼りの綱は、培ってきた技と力と
自身に眠る才覚のみ

天才の誉れ高いSランク魔道士=フェイトテスタロッサハラオウン

ここで引いたら死ぬだけだという純然たる事実を理解したからこそ
こんな怪物を相手に踏み止まり、勇気を持って戦っているのだ

「ハァ、、、ハァ……―――」

だが、、
蓄積したダメージは既に限界

噴き出すようなその疲労が
緻密を誇るフェイトの思考を鈍らせていく

ゾクっという悪寒と共に上方から迫る影に気づいた時には――


全てが遅かった、、


(し、しまっ!?)

蛇の群れのようにたなびく髪を持つ女怪が上方から迫り来る

その跳躍のままに
フェイトの頭上の死角から攻撃を降らせるライダー

(回避、、間に合わない!)

迎え撃とうとバルディッシュを構える魔道士
相手の両の手に握られる極小の杭を切り払おうと、―――

切り払おうと、、、、―――


「………………え、、、?」


この執務館にして全く相応しくない
間抜けな声を上げてしまうフェイト
501フェイトVSライダー3:2009/01/14(水) 13:02:06 ID:Ecxjzn00
目の前の光景に対して意識がついていかない

意識がついていかないものを体が反応する事は不可能

完全に思考の裏側をつかれた光景に
今度こそ致命の瞬間――

死の影を見ずにはいられない


、、、、、、、、、、、無かった

手に握られている筈の短剣が、、
騎兵唯一の武器であるそれが
再び彼女の手から離れていた―――

――である以上、

その切っ先はまたも自身の視認外から飛来する筈だ

どこだ? どこから?


フェイトの視線が宙を彷徨おうとして
だがしかし、前方から襲い来る紫紺の弾丸から一時でも目を逸らせば、、



――それ即ち、死

翻る紫

視認できない切っ先

それに対し魔道士が
ほとんど苦し紛れに張ったラウンドバリアが空間に展開

―――衝突音が二つ、、森に木霊した

その鋭い切っ先はあろう事かフェイトの死角
ライダーとは全く逆の方角――

斜め下方から突き立っていたのだ


――――――

戦いに生きる者にとってはその戦闘中、一瞬の油断、躊躇――


それによって生じた隙が勝負を分けてしまうという事は当然、承知しているだろう
だからこそ戦に赴く者にとって必要な事は
その極限の戦地にて一時たりとも集中力を切らさない強い精神力である

術技よりも、魔力よりも、まず重要な事はそれ――
教官からは口を酸っぱくして教えられる基本的な教義である

しかしその事を重々承知でありながら
フェイトは今日、二度も敵から意識を逸らし
目の前の敵に窮地に追い込まれている
502フェイトVSライダー3:2009/01/14(水) 13:05:14 ID:Ecxjzn00
悔いる思考、、
悔いても遅い状況、、

そのスローモーションのように迫る危機的状況に歯噛みする彼女

だが、それでもこの結果で一概にフェイトを責められるものではない

これは凡百の戦場を遙かに凌駕する 「サーヴァントとの戦闘」 であり
その渦中に叩き込まれたフェイトが、相手の未知の戦闘力を手探りしながら
これほどの戦いを演じて見せたのだ

しかも相手の得意のフィールドで、である

その疲労から来る一瞬の意識の停止
集中力の欠如をどうして責められようか?

そしてフェイトにしても誰に言い訳をする気もない

責められる謂われも必要もない


何故なら戦場においての失態は―――

ただ……己の命で支払うのみなのだから


右後方に体を捻って溜めの姿勢を作る鎌使い独特の構え
サイスフォームの、その死角――

―― 左下方から迫り来る短剣 ――

いつだ? いつ投げた?

そんなのは決まっている
一瞬の焦りと、疲れによる思考停止、あの時だ…

何度も味わった鋭利な切っ先
相手は超一流のハンターなのだ
隙を見せれば、それがどんなに小さなものでも突いてくる、、そんな相手…

予め短剣を投げつけ
自身も同時に上空に飛んで
相手を挟み打ちにする戦法

これは皮肉にも、無数の雷撃の槍を打ち放ち
それを追いかけるように相手に向かっていくフェイト自身の得意とする戦法と酷似していた

左の脇腹に迫る杭剣
展開しているのはラウンドバリアだけ

弾き返せる?返せない?

もし弾けなかったらその鋭い切っ先が
捻り込んだ体の剥き出しの脾臓に突き刺さり――絶命

それは生き物が皆持つ防衛本能に基づいた行動だった
そして装甲の薄いフェイトが取ってしまった致命的なミス、、

反射的に、構えた大鎌を短剣への防御に回し
バリアで止まった小さな切っ先を撃ち落とすフェイト
503名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 13:05:17 ID:DcviNLm6
支援
504フェイトVSライダー3:2009/01/14(水) 13:06:27 ID:Ecxjzn00
その、、、、、上空から来る本命
ライダーに対して備えた鎌を振るって、である


結果は――

その一秒にも満たぬ後に
森に響き渡る、ガォォォン!!!!、という轟音

展開していたフェイトのフィールドが貫通、
否…力任せにぶち抜かれた音――


その鉄槌のような一撃は――
空中で数十回転、、ロータリーのような前方宙返りにより
凄まじい遠心力を内包したライダーの、、カカト落とし

「ああぁっっ!!!?」

フェイトが悲鳴を上げた

テニスのスマッシュのように
その身が叩き落とされ、地面に刺さるように激突する
亀裂が走り、抉れる地面
ズシャア、ザザザ、と地に叩きつけられ、滑って行く魔道士が
その勢いを全く殺せずバウンドして転がり続け――


後方にある巨大な樹木に激突する

衝撃でグラリと揺れた大木から木の葉が数百枚と舞い落ちる中、、
風に揺らぐ木の葉ほどの体重も感じさせずに
その紫は地に降り立った、、

ついにクリーンヒットを許してしまったフェイト

苦悶の表情を浮かべ……ゴホ、と咳き込み
叩きつけられた巨木にしなだれかかる黒衣の体

視界がフラッシュバックし
背骨が軋み
息が止まり
声も出ない

そんな痛々しい姿を晒す魔道士に対し、、
迫撃砲は間髪入れずに打ち鳴らされる

相変わらずの地面が破裂したかと思わせる踏み込みと共に
一片の情け容赦なく前方から飛来する騎兵

放つはサイドキック気味の足刀

フェイトは――反応出来ない!

槍のような鋭さと鈍器のような重さを持った一撃が魔道士の胸部に突き刺さる

「あ、、グッッッ!??」

柔らかい胸の中央に埋まるライダーの右足
そして大木にめり込むフェイトの体
505フェイトVSライダー3:2009/01/14(水) 13:07:23 ID:Ecxjzn00
BJの恩恵がなければ胸骨は粉砕され
その肉体ごと潰れていただろう

だが軽装のフェイトには、その衝撃を全て弾き返せる術がない
体に供給される筈の酸素がシャットアウトされ
チカチカと光った視界が暗転し
その意識を遠のかせていく

<Master!>

切迫した低い男の声は相棒の声

ズルズルと腰から木の幹に崩れ落ち
為す術もなく叩き潰されるを待つしかない執務官に
力を与えようと、それは必死に叫ぶ


まずい、まずい……という彼女の脳内アラームは
先ほどから五月蠅いくらいに鳴り響いている


分かっている、、この状況を抜け出さなければ―――


もはや一分を超えないうちに、、、自分はこの人に殺される、――


魔道士の耳を揺らす、じゃらり…という金属の擦れる音は
先ほど投擲した短剣を騎兵が引き戻したものだろう

霞む視界が相手の姿――
その手に再び、極細の凶器を手に構えたのを捉える

何とか応戦し、相手を退けたいフェイトだったが、、

―― 体が思うように動かない ――


それに、ここに来て投入されたライダーの足技の凄まじさ

今まで必死に脳に刷り込んだ相手の連携のリズムがまるで変わってしまっている…

短剣の連撃と飛来する鎖だけでも打ち落とすので精いっぱいなのに
この上、格闘術まで使うこなす女性、、

その自由奔放変幻自在、、一切の型の無い連携
もはやこの体力では到底、読み切れないだろう

考えてみれば地上でフェイトが彼女と真っ向から打ち合ったのはこれが初、、
この姿こそが相手、騎兵のサーヴァント=ライダーの真の姿なのか――?

障害物を背にしてしまったその姿は
さながらコーナーを背負い、何とかそこから逃げようともがく
ダウン間近のボクサーのようだった

「―――シュ、!」

不可避の切っ先が眉間に向けて閃く
それを首を捻ってかわし
木を背に崩れ落ちる体を支えながらに、己が武装である鎌を打ち返すフェイト
506フェイトVSライダー3:2009/01/14(水) 13:08:16 ID:Ecxjzn00
だがこの距離、
相手の極小武器である短剣が効力を発揮するのはこうした接近戦だった
加えてフェイトの斬撃はもはや手打ち、、

―――勝負になるわけがない、、


ズガガガガガ、!!という炸裂音が再び辺りに鳴り響く
ライダーの不可避の連打がグロッキーのフェイトを襲う

回転が違う

膂力が違う

残り体力が違いすぎる

「あああ、、くぅッ!!!」

もはやその声は悲鳴でしかない、、

一方的な打ち合いだった
手を出す事すらままならないフェイトに対して
終わらない打突音と共に、強弱をつけた連打を次第に纏めていくライダー

元より足を止めての攻防ではフェイトに勝ち目はない――

ここではない地で、高町なのはが味わったサーヴァント最強の剣
そのエースオブエースと騎士王が表した、両世界の間での力関係―――

地をかける獣に、、、
地上で相対して組み勝てる鷲などいないのだ


ならばそもそも運命の分かれ道は
この魔道士の在り様にあったのだろうか?

例えばここで高町なのはだったなら、「空に行けない」 という状況を諦めない

もうなりふり構わずに、どんな手を使っても
リミッター解除で魔力の大半を使っても
周囲の森林を砲撃で薙ぎ払ってでも
敵の攻撃に晒されて大ダメージを負ったとしても

空へと舞い上がった筈だ

何故なら彼女は 「打ち合えない」 から
サーヴァントと近接で相対するなどという選択肢は初めから頭の隅にすら無いから、、
(もっとも、それを強行するだけの装甲が彼女にはあるのだが)


だが、フェイトは曲がりなりにも打ち合えてしまう…

敵の土俵で戦いながらここまで奮戦出来る、その卓越した才

それが―――時に落とし穴となる

何でも出来るが故に嵌るその落とし穴は
大概奈落に通じていて
その選択肢ミスという間違いを決して許さない
507フェイトVSライダー3:2009/01/14(水) 13:09:12 ID:Ecxjzn00
「は、、、はッ……ああァァッ!!」

もはやここに来てはシールドもダメだ


相手の連打に対して棒立ちで盾を構えたところで
自分は足を止めて相手の攻撃を丸ごと弾き返すといったタイプの魔道士ではない
他に使う筈の魔力を無理やりそちらに回してバリアを張ったところで

ロクな効果も得られず、ただブチ抜かれるという目も当てられない結果になる

側面に横っ飛びしてサイドに抜けようと
フラフラの足を総動員して何とか空間を稼ごうとするフェイト
だが木蔭から脱出しようと悪戦苦闘する姿は、、

――騎兵の目には止まって見える

それを先回りするかのように――

放たれたミドルキックが強烈な爆音と共にフェイトの脇腹を捉えた


「っ〜〜〜〜………!!」

彼女の内からこみ上げてくる胃液が、その口の端から漏れる
くの字に曲がる肢体が再び木蔭に蹴り戻され
逃れられぬ連撃の渦中に再び放り込まれる体

鞭のようなしなやかさと丸太のような強壮さを併せ持つライダーの蹴りは
手に持つ凶器と違い、BJで覆われた体から一撃で命を奪う事はない
だが、、鋭利な刃物で一思いにスパッと斬り殺されるのと
切れ味の鈍い鈍器のようなものでジワジワと削られていくのでは果たしてどちらがマシと言えるのか?

ギュオオ、ギュオオ、という甲高い音が辺りに響き続ける
それはミッド式魔術師の肉体を守る最後の砦――BJが物体と衝突し、反発する音

その黒衣が、
白いマントが、
裂かれ、抉られ、削られていく、、

「は、、、……ぁ―――」 

片手でサイス――
相棒、バルディッシュを相手に向けて構えるフェイト
その杖の先端がガクガクと震えている

今、それが相手の短剣を受けて弾き返された

そのガラ空きの体に打ち込まれる連打

額に浮かぶ脂汗

虚ろな瞳

ダメージは既に深刻どころの騒ぎではない

相手の蹴撃がヒットする度にBJに余剰魔力を流し込み
装甲の薄さをカバーして耐えるフェイト
508フェイトVSライダー3:2009/01/14(水) 13:10:12 ID:Ecxjzn00
だが杭のような短剣の鋭い襲撃に加え
まるで自身の元使い魔=アルフの剛力を思わせる徒手の一撃

とても耐え切れるものではなかった

最後の最後まで
彼女はその手に握られた愛杖を振い続けたが

その抵抗はついには実らず、、

―――いっそう甲高い炸裂弾じみた音が木霊する


不用意、、否
もはや何の力も宿さぬ反撃を逆にカウンターに取られ
渾身の一撃をまともに受けたフェイトの表情から―――力が抜ける

その眼光から光が消え、、
脱力した体が木の根元に尻餅を付き、、

雷光と呼ばれた管理局地上最速の魔道士が……

ついに木の根元に、力無く崩れ落ちるのだった


――――――

激闘の残響が

静寂の支配する森を静かに揺らす

そこはさながら、―――辺り一面に朱をぶち撒けた凄惨な屠殺現場のようだった


その現場の中央、、

木の幹に力なく寄りかかり、倒れ付すは黒衣の魔道士
管理局執務官=フェイトテスタロッサハラオウン、、

その綺麗な顔が、凛々しいアグレッサーモードの出で立ちが
今や見る影もないほどに裂かれ、打ち抜かれ
半開きになった口からゴボ、と血泡を吐いて倒れ付す――

その目の前、この惨状の只中に佇みながら返り血一つ浴びていない
一切の汚れを許さないという圧倒的な存在感を以って佇むサーヴァント

(ようやく―――静かになりましたか)


長い狩りの時間がやっと終了した事で
騎兵=ライダーが静かに息を吐く

勝負はついた…


見るまでもなく、自分の勝ちだ


それも地上に落としてからは圧倒的な勝利であった
509フェイトVSライダー3:2009/01/14(水) 13:11:06 ID:Ecxjzn00
が、、よく見るとその彼女とて無傷ではない

自身の身に穿たれた雷撃の跡
そしてBJや障壁に叩きつけてきた足刀や背足部分は赤黒く腫れ上がり
見るからに捻挫では済まないような有様になっている

彼女をして苦しい戦いだった事は言うまでもない

(しかし彼女は…一体――?)

表情を決して表に出す事無く
その心中で沸いた疑問を思慮するライダー

――― 魔術師 ―――

彼女を見て、そう疑っていなかった自分であるが
この身とここまで戦える人間の魔術師などは知らない

初めは何らかの技術で 「飛べて」 「固い」 だけの相手だと思っていたが……とんでもない

自陣に引き摺り下ろしてしまえばどうとでも料理できる相手の筈が
追い込まれても追い詰められても、彼女は食いついてきた
その人間離れしたセンスが既に常軌を逸しており
この身をして目を見張るものが多々あった

そう、、、間違いなく目の前で倒れている彼女の戦闘力は
サーヴァントのそれに比肩するものだったのだ

――― サーヴァント? ―――


まさか、、「こちら」がそうなのだろうか?

いや、それはあり得ない
サーヴァントはサーヴァントの気配を察知する事が出来る
目の前の女は、どう見ても生身の人間だ

そしてランサーと戦っているアレから感じた気配
むしろあちらこそ、明らかに自分たちと同じモノ――

ならば恐らくは、あの騎士がそうなのだろう
槍兵がしきりにあの女騎士を挑発するような気配をとっていたのも
戦う相手として強い方……
つまりはサーヴァントの方を選んだという事に起因している

では――――人間に過ぎないこの目の前の魔術師は、、


何故、ここまで強い?


「何者だったのでしょうね―――貴方は」

「…………、、」

もはや虫の息なのだろう
こちらの問いに答える声は無い

刈り取る生贄に過ぎない相手とはいえ
流石にこれ以上苦しめるのは忍びない…
510名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 13:11:59 ID:qz5DMkGf
しえん
511フェイトVSライダー3:2009/01/14(水) 13:13:13 ID:Ecxjzn00
「そろそろ楽にしてあげましょう」

抵抗の意思すら感じられない相手に一歩踏み込む騎兵
獲物を前に舌なめずりするほど彼女は愚かではない

その無抵抗な肢体に容赦なく杭を叩き落す動作をこの騎兵は難なくやってのけるだろう


歩を進めるライダー

――彼女の傷から、むせ返るような血の匂いが充満する

女にとってそれは芳香な香りだった
この女怪の 「とある衝動」 を刺激し
ある行動に駆り立てるその香り――

だが、彼女は任務に忠実なサーヴァントだ
己の務めを果たす前に
誘惑に駆られて堕落に堕ちる様な真似はしない

その手が、物言わぬ金髪に伸びていく

最後は急所を一突き――
終わった事も感じさせぬように
眠るような最後を与えてやろうと短剣を翳した、、、
その手が

―――――止まる?


――有り得ない

――この騎兵をして止めを躊躇する事など有り得ない

――そんな奇跡など起こりようが無い、、

ならば、

その有り得ない事が起こった要因とは――


「この、、匂い――?」

彼女の眉間に微かに皺が寄る

その違和感――
目の前の相手から感じる
従来のモノとは違うナニカに――

もはやこの状況で今、

――ライダーの動きを一瞬だが完全に止めたモノこそは、、


「―――ライトニング、、、バインド……」

、、、そこへ――その詠唱が紡がれた
512名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 13:19:11 ID:qz5DMkGf
sien
513名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 13:19:25 ID:MgLoluBF
>>511
13:13:13
支援
514名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 13:39:18 ID:/cP+Ztf0
sienn
515フェイトVSライダー3:2009/01/14(水) 14:00:25 ID:Ecxjzn00
「―――、!?」

ライダーの気色が変わる
尻餅をつき、木の幹に寄りかかるように倒れ伏すフェイト
その口から出たのは、普段の彼女からは想像も出来ない皺枯れた声、、


―― 空間が歪み、プラズマが生じる ――

だが、、それでも彼女は魔道士だ
その意思に乗っ取って行使された
世界に干渉するプログラム――魔法

その工程は声の大小に左右されず
確かに彼女の意思に従って世界に具現し
対象に働きかける

「これは―――!?」

即ち、任意発動型捕縛魔法

ライトニングバインド―――

管理局魔道士が数多持つ、敵の制圧・捕縛の際に使用される

多数のバリエーション持つ捕獲魔法
その雷属性を伴う、フェイトオリジナルの緊縛魔法が、今――
自分に止めをさそうとしていたライダーを拘束する

削られながら
必死の抵抗をしながら
それを全て弾き返されながら

同時詠唱にてそれが完成したのは――KOされる寸前だった

前面の空間に展開させ、あとは発動させるだけ……
というところでフェイトは意識を失い、地に倒れ伏したのだ

「一手、間に合わなかった…
 間違いなく私の負けだった、、」

「―――く、、!」

彼女のおぼつかない、震える右手がバルディッシュを再び握り締める

どうしてこの騎兵が最後の止めを躊躇ったのか――
何故、自分は生きて意識を戻す事が出来たのか――

そこにどういう思惑があったのか、魔道士には知る由もない

だが―――

「言った筈だよ……甘く見ない方がいいってッッ!!」

獲物を前に舌なめずり、、
この女怪をして絶対にしないと断ぜられた愚行
ならば何かの要因が働き、結局はソレと同じ結果になったという事か?

その要因を、今ここで語る事はしない――そんな必要も無い
516フェイトVSライダー3:2009/01/14(水) 14:01:51 ID:Ecxjzn00
とにかく狩りを営む者にとって三流以下の愚行、、
それを相手が行った事に違いは無い

ならばその代償を払わせてやるまでだ!

まるで爆ぜたように跳ね起きるその黒衣の体
それを受け、ライダーが四肢に渾身の力を込める

するとその強固な筈のリングにビシリとひびが入る

何ていう常識外れ――
凶悪な犯罪者を捕縛するために編み出されたバインド……
おいそれと抜け出せるものではないというのに、、

だが、それでも――もう遅い!

「は、、ぁぁッッッ!!!!!」

両足に力を込めて飛び起き
右斜め下から掬い上げるようなサイスの輝きが今――

「か、―――!?」

無抵抗の刺客を、下袈裟にて両断する

相手の女怪の息を飲むような声と共に
ライトニングバインドが弾け飛び騎兵が後方に飛ばされ――

その紫の肢体が背中から叩きつけられ、地に倒れ付す、、、、


いや、、、

「―――、!!!!」


踏み止まった、、!

背中を泥で汚すなど有り得ないとばかりに彼女はその身を地に付けず
片手をついて中腰の姿勢にて――断固、不倒の意思を貫いていた

そして己が肢体、、完璧な美を誇っていたソレに生じた
ブスブスと焦げ臭い匂いを放ちながらに脇腹から胸の上まで
シミ一つない肌に刻み込まれた――傷を呆然と見やる、、

対して天に向かって振り上げたサイス
それを――支えきれずによろめくフェイトの体

「ハァ、、、ハ………うっ、、、」

この最高の間合いで

敵を一刀の元に仕留められないほどに――彼女は消耗していた

ガクガクと笑う膝では対象を切り伏せるには圧倒的に踏み込みが足りず
泳ぐ体は、その構えすらもグラつかせている

――全身が焼けるように痛い、、

――まるで火箸を体内に突っ込まれたかのようだ、、
517フェイトVSライダー3:2009/01/14(水) 14:03:33 ID:Ecxjzn00
やはりノックアウトのダメージは深刻だった

起死回生のチャンスを前に、体が全く動いてくれなかった…
普段ならばこれで終わりだっただけに悔しげな表情を作るフェイト

しかし、、

「少し休めた……体はまだ痛いけど、、頭の方はだいぶ軽くなったよ」

それでもフェイトは不敵に言い放つ

体をゆらりと起こし
今、ゆっくりと鎌を後ろ手に構える魔道士

今、確実に負けていた――
殺されていた、という事実――

恐らくは敵の怠惰かミスか、、そこから拾えた九死に一生
三途の川から舞い戻ってきたその思考はどこか開き直れた感すらある

頭の中がダメージ総量に反比例するように
流出した脳内麻薬で冴えて冴えてしょうがない


「貴方は―――」

その対面―――それは地の底から響くような声だった

「そんなに惨たらしい死がお望みですか、――――?」

それは止まぬ抵抗に対する怒りの声
窮鼠に牙を突きたてられた猫の唸り声

静かで、詩人のような声色の女性が
その喉から搾り出す―――

―― 殺意の塊のようなコトバ ――


「死を望む者なんていない…!」

ビリビリと震える空気
森の木々が恐れをなすように、その枝を震わせる中――
傷だらけの体に強い意志を灯し、、フェイトは敢然と言い放った


戦いはまだ終わらない
深い森の奥の奥、、

雷光と騎兵
金と紫紺の光が再び絡み合う――

金色の雷光と紫紺の蛇の闘いが、、今


佳境へと向かっていくのだった



――――――
518名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 14:05:47 ID:MgLoluBF
おお、帰ってきた
しえん
519名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 14:06:17 ID:9MITFcTN
しえん
520名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 14:06:39 ID:/cP+Ztf0
sie-n
521リリカルブラッド:2009/01/14(水) 14:07:44 ID:Ecxjzn00
合流編に続きます
この忌々しい規制さえなければ今日中にいけたんだけど
この調子だと明日にずれ込むかな……

>>476
ナイナイナイそれはナイですw
自分などきのこ先生と比較するのもおこがましいですよ

まあ、そう言われると凄く嬉しいんですが…
522名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 14:16:17 ID:MgLoluBF
ここまでの投下にGJを
これだけ規制にひっかかる人も珍しいと思う
その文章量が妬ましい
523名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 14:53:43 ID:tdv5AtnJ
GJ!
GJ!
大切なので二度言いました。

>>521
というか、避難所使おうよw
http://www2.atchs.jp/tmnanoha/
そのための掲示板なんだから。

しかし私は今からでかけるのでした。
524名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 15:22:09 ID:d8ttfyta
GJ!…つうかお疲れ様です(苦笑)
525名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 15:35:39 ID:SZmz6SAg
GJ!
GJ!
526名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 15:38:28 ID:9MITFcTN
>>521
GJ!!
ランサーの「飛べ!」はアンコのネタかな?
アギトがシグナムについてなかったのは悔やまれるぜ

フェイトさん凛々しいッス
だが、このままではスタミナ負けしてしまう
速攻に賭けるしかない!
脱げ、脱ぐんだジョー!
527名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 15:58:00 ID:4NEAXewf
グッジョブ!
凄い投下量ですね・・・


にしてもライダーキック強え〜
フェイトボコボコじゃないですか

でも何気にフェイトも原作より強いような・・・・?
特にダウンから立ち上がった場面
なのはさんの不屈がうつったかのようだ!w

528名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 16:08:52 ID:H/a9D4WA
下駄はかせないとフェイトとシグナム瞬殺だから仕方ないんじゃね
有利な舞台設定にして原作の100倍強くしてようやくなんだしな
529名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 16:29:02 ID:oloaDDRs
投下GJ!!
いよいよ勝負が終わるか〜続き気になる〜!!

今気づいたが例えフェイトが脱いでもライダーにはまだ魔眼と宝具が……
530名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 16:47:59 ID:H/a9D4WA
フェイトが瞬殺されるSS見たって面白くないだろ
職人さんはよく分かっている
531名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 17:17:51 ID:/cP+Ztf0
あれだ、アニメと小説じゃまた違うんだろ
アニメFateが描写的にどうみても原作Fateより弱いのと同じく
532名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 17:23:54 ID:LY58H/oP
囚われたセイバーを救出に向かった先で、キャスターに叩きつけられたアーチャーの殺気には、向けられた当人以外であっても死を覚悟する物が有ったらしい。
リリカル世界では、サーヴァントが本気で放つ殺意を知覚しても、怯む事無く戦えるだけの魔導師や騎士はいるんだろうか。
例えいても、数秒間は致命的な隙を作ってしまいそうではあるが。
533名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 17:27:53 ID:H/a9D4WA
知覚できると考える方があり得ない
知覚したとしても気分の悪い虐殺になるからおもしろいSSになるとは思えない
534名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 17:32:37 ID:/cP+Ztf0
まぁ知覚できたとして、ここに出てくる魔導士や騎士なんかは大概かなりの修羅場越えてるし
少なくとも致命的な隙を見せるほどの動揺はしないんじゃない?特にヴォルケンなんかは
535名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 17:51:04 ID:MgLoluBF
>>531
映像化の限界ですね、わかります

瞬殺されるネロとか
536名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 18:36:56 ID:g7v9GkZI
>>526
>「飛べ」
原作で士郎にやってる
537名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 18:58:01 ID:4xT5px4T
家でランサーに襲撃されて、セイバー召還する前あたりだったか?
538名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 19:11:26 ID:sdf4HfZO
>>521
投下乙!
そしてまだ続くだと……?!
ええい、リリブラ殿は化け物かっ!
>>526
両作品における色気戦闘服の激突ですね、わかります。
ああ映像が無いのが恨めしい!
539名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 19:45:53 ID:lNw0kKqU
シグナムって鯖のステータスで表すと、どれぐらいなんだろ?
540名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 19:48:18 ID:9MITFcTN
待て、このままだとリリブラはやては誰と戦うんだ?
順当に行けばアーチャーかキャスターだが……
あるいはFateマスター連合に対するボスキャラ?
541名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 19:56:33 ID:/cP+Ztf0
はやては単体じゃちょっと…最初から距離取りまくって上空爆撃するならともかく
あとヴィータだけなのか他の守護騎士もいるのかで大分変わる
542名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 20:03:36 ID:H/a9D4WA
はやての相手は桜だろう
胸的な意味で
543名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 20:08:25 ID:iST23D/T
>>539
個人的にアーチャーの筋力・敏捷を落として魔力放出と飛行スキルつけた監事
幸運はヴォルケンリッターの歴史的にEで
544名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 20:08:32 ID:O5FLp1eg
>>542
そりゃはやて勝ち目無いわww
545名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 20:13:53 ID:iST23D/T
>>541
むしろヴィータなし、者○アリで

スカリエッティの趣味だと、はやてを置くのはどんなシチュだろ?
敵も味方もゼロのまま放置とかしそうだと思った
546名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 20:14:44 ID:EMT3tssH
なのは対青子のとこで真祖や英霊が居るみたいなことが書かれてたからアルクェイドじゃね?
547名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 20:18:36 ID:/cP+Ztf0
>>545
ただのいやがらせじゃないかwwww
548名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 20:23:51 ID:4NEAXewf
むしろバーサーカーを引き当てるクジ運無い奴は誰かという・・
549名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 20:33:33 ID:iST23D/T
キャロじゃね?ヴォルテールがいるから死ぬこたなさそうだし
手違いで士郎とバーサーカーの2人旅とかもいいが
550名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 20:36:30 ID:7uG2TPHk
>>547
あいつに生殺与奪を握られてる時点でね・・
551名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 20:43:39 ID:H/a9D4WA
ここはエリオにバーサーカーの相手をさせて男を見せてもらおう
少女を守る時の少年はスペックにかかわらず無敵になると思うんだがどうだろう
552名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 20:50:53 ID:4NEAXewf
>>551
バーサーカーだって少女守ってんじゃんw

んなもん相殺だ相殺
553名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 20:55:33 ID:iST23D/T
>>551
キャロさん、あなたは鬼畜だ………

普通なら逃げ切れば勝ち、な相手だが、スカのチェス盤は空間的に隔離されてるんだよなー
リリブラ氏はたいしたロストロギアを考え付いたものだ
554名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 20:57:01 ID:z3Imsx1j
しかもバサカはただ一人で守ってるしな。
周りのサポートがあるエリオじゃ勝てん
555名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 21:01:03 ID:H/a9D4WA
そうなるとやはりなのは達は鯖にフルボッコしか結末はないというわけか
スカのチェス盤はさながら六課の処刑場だな
556名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 21:08:11 ID:iST23D/T
いままでのサーヴァントはセイバー、ギル、ランサー、ライダーと強力な面子
小次郎なんか普通にティアナとかに負けかねないぞ
むしろ、マスター連中の墓場かもしれん
スカ側にとって理想的なのは、
マスターが管理局勢と敵対&ノックアウト→敵をサーヴァントにとらせる
だから
557名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 21:10:43 ID:eH4O6cwi
>>556
そもそもマスターたちはいるのかな?
セイバーのマスターは士郎ではないようだし……
558名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 21:15:09 ID:H/a9D4WA
マスター負けるか?
凜も負けるところが想像できんのだよな
いざとなれば宝石剣もって持久戦入れば負けないだろうし
はやて相手にして広域殲滅くらいまくれば妖しいかも知れないけど、やっぱ持久戦で勝ちそうな気がする
士郎も固有結界で負け無しだろうし
葛木先生が負けそうかも知れないけど、スバル相手なら肋骨ぶち折って心臓に刺すくらいのことしそうだぞ

むしろマスター相手にする方が死にフラグな気がする
559名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 21:18:23 ID:SDLxHqi+
>558
凛はあくまで宝石魔術、宝石剣はHFルート経由でなければ使えないし、士郎もUBWルートで無ければまだ固有結界に到っていないでしょうし。
560名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 21:18:24 ID:9MITFcTN
リリカルメンバーの本領はチームでこそ発揮されるはず
あとはブチギレの殺傷設定

>>557
マスターがいないとすると、どうやって勧誘するつもりなんだろな
秘密機能とか?
561名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 21:20:03 ID:SZmz6SAg
リリカル勢が動けるってことは大気中の魔力素が豊富ってことだよな。
それ利用すれば凛は相当強くなれる気がする。
562名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 21:27:40 ID:4xT5px4T
宝石剣って、利用の際にペナルティーで、筋肉が切断されるんじゃなかったっけ・・・?
それを考えると、持久戦は無理があると思うがなぁ。
563名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 21:29:45 ID:g7v9GkZI
>>556
小次郎は山門バリアーがないと本領発揮できないからな
接近戦は鬼だけど遠距離攻撃がまったくない
けどティアナに負けるかといわれると…
564名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 21:31:23 ID:H/a9D4WA
戦わせるのが目的ならスカが山門バリアーくらい作るだろ
565名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 21:37:14 ID:/cP+Ztf0
というより単に鯖が異常な上それとまがりなりにも戦闘できる六課連中もアレな訳で
そんな人間基準だと余裕で人外認定できる中にマスター連中を鯖無しで投入とか虐めじゃね?
566名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 21:41:25 ID:9MITFcTN
あれって地形効果とキャスター魔術の合わせ技じゃなかったか?
あるなら贔屓ってレベルじゃねぇー
そして、スカウトしてもテロリストとして使えなくね
567名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 21:43:33 ID:MgLoluBF
ちょっと待ってくれ

・サーヴァントはいるけどマスターはいない

・バーサーカーはいるけどイリヤはいない

・命令できる人間がいない狂戦士が放置

・■■■■■■ー―――!!!

リリなの組どころか、型月組も近寄ればアウトの危険地帯に
568名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 21:48:06 ID:XqOtYmpo
ただ、少なくとも極端に相性の悪い鯖はいるよな

なのははアーチャーとかち合ったらローアイアスで攻撃の一切が効かないし
フェイトは真アサシンやランサーみたいな近接距離で因果クラスの攻撃を食らったら
防ぎようがない
569名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 21:54:50 ID:H/a9D4WA
逆はないんだよな
リリなの勢の空中戦が鯖に対しては飾りくらいにしかならないようだし

型月×リリカルなのはだと勝負が決まってるから、リリカルが引き立て役程度にしかならなくて物語の先が見えてしまう
時代劇が物語の先が見えていても面白いものは作れると証明しているからそれはそれでいいんだがどっちが勝つのかという楽しみはなくなる
ここをどうするかが各職人さんの腕の見せ所だとおもうな
570名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 21:55:33 ID:ryP+PwRS
↑とりあえず、ふたば系画像掲示板なんだけど
ここかなりいいよ。はりこちゃん

今、イメージキャラクタ募集中らしい

人増やそうぜURL貼り付けとくわ
http://2ch.homelinux.com/2d/index/index.html
571名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 21:55:36 ID:/cP+Ztf0
ボルクは二次創作では扱いにくすぎるチート宝具だからしょうがない
「つかう→死ぬ」って単純明快過ぎて
572名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 22:04:24 ID:yHa5v+sw
リリカルの非殺傷設定は純粋な魔力ダメージなので、もし倒せてしまった場合――殺してしまったと恐慌状態に陥る可能性があるのではないだろうか。
もしそうなった時、どうやって立ち直らせるんだろうか。
573名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 22:07:54 ID:/cP+Ztf0
新人四人ならまだしも隊長陣や守護騎士は恐慌状態までいかんだろう
不可解な状況を疑問に思う+自責の念、くらいはありそうだけど
574名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 22:08:29 ID:SCcf8VAF
>>572
細かい設定は知らんが、そこまで脆いもんなのかねぇ
一応職業としてやってる方々だろうし
まぁぶっちゃけこのクロスだと人の生き死にで一喜一憂してても困るってのもあるが
575名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 22:17:16 ID:XqOtYmpo
そりゃガチで「世界が生み出した世界の防衛機構」なわけで
たとえ異能や天才といえど、『世界』を相手に比べたら力量で届くわけがない

そこを考えて勝負させるんだから、ここに投下してる人は大変だと思うわ
576名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 22:27:57 ID:H/a9D4WA
鯖と守護者はスペックからして違うはずだが
ちがったか?
577名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 22:29:12 ID:/cP+Ztf0
そもそも鯖って生前の方が強いと聞いたが、違ったっけ?
578名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 22:34:12 ID:yHa5v+sw
死後英霊となった存在は、亡霊でありながら聖霊の域に近づいた存在になる。らしいので、霊的に進化しているのではないでしょうか。
そして伝承などの補正でより強化されるとか。
579名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 22:38:12 ID:O5FLp1eg
>>572
>>573に同意
1歩間違えば死、なところに長年(といっても10年程)勤めてきた訳だし、
それなりの心構えが無いほうがおかしいと思う
ヴォルケンの面々はそれこそ以前に殺しはいかほどでもやっているから
今更動揺するでもないだろうし
580名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 22:48:22 ID:9MITFcTN
>>577
戦士系、特に大英雄はその通り
イスカンダルみたいな強力な能力付加タイプ、スペック・霊格が低くて物理無効がありがたいタイプはサーヴァントのが強い
581:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 22:53:24 ID:NolX5opb
セイバーは見事に弱化してるな。
582名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 23:12:15 ID:mOuCRmNo
我らがハサン先生も恩恵は受けてるな。
小次郎が、ティアナに負けるというが彼のスペックって高くなかったか?
特に速さが。
583名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 23:15:50 ID:/cP+Ztf0
門前に縛られてる状態+山門バリアーが無い場合、じゃね?
もっともこの場合でもスフィア全部叩き落しそうだから片や魔力切れ、片や動けないと決着つかない気がするけど
584名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 23:22:26 ID:ksa9EHRy
作品ごとの作者が定めたパワーバランスやその時の状況でティアナが勝つなり小次郎が勝つなりドローゲームだったり
するだろうから、この論議はぶっちゃけ不毛な気がする。

両原作の描写、設定から本格的に論議したいならスレチだし。
585名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 23:28:01 ID:mOuCRmNo
山門ごと召喚はありえるのかな?
山門がなく、自由に動けるけど加護がないってのを想像していたのだけど。
586名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 23:30:34 ID:H/a9D4WA
いっそのこと山門ごと移動する
587名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 23:30:47 ID:B35ZpbHV
小次郎の場合は武器が宝具じゃないというのも大きいと思う。
セイバー戦でも曲がってしまってたし業物の刀とはいえ無茶なことができない。
ライダーとかは釘剣が剣化士郎相手で逆に刃こぼれ起こしてるけど別になくなっても
戦えないというわけじゃないが小次郎の場合は刀使用不可は負けを意味するからな。
588名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 23:32:20 ID:J1L1qhU8
強さ議論なら今ならココか
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1230709711/

山門召喚しても使い道が・・・・。
特に小次郎の場合宝具無いからVSリリなのはむりぽ。
対空ないから詰むし。
589名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 23:36:04 ID:H/a9D4WA
だからティアナ勝負なんじゃね
ティアナ相手なら空飛ぶ必要ないし

ウィングロードを走ってスバルに接近戦挑むというのもあるけど途中でウィングロード消されたら笑い話にしかならんな
590名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 23:39:16 ID:MgLoluBF
小次郎にこそアームドデバイスを持たせるべきだと思うんだ

・依代
・カートリッジによる魔力供給
・武器の強度アップ

と、一石三鳥の良策。おすすめ。


……七夜と白レンみたいに、奇妙な相互依存が起こるけど。
591名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 23:40:59 ID:/cP+Ztf0
なんという共存関係
592名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 23:46:34 ID:O5FLp1eg
0時になったらリリブラ氏投下するのかな?
一応日は変わる訳だけど
593名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 23:49:11 ID:KhlAL0N+
今日のリリブラさんのシグナムVSランサーで、ランサーが「地に足をつけて敵を蹂躙してこそ騎士だろうが!」と言っていたが、小次郎はどうなんだろ?
剣士でありながら空を飛ぶとは無粋な、と言うか、中々奇怪な剣術があったものよ、と笑って流すか。
「飛ぶのは構わぬが……貴様、燕よりも速く飛べるか?」とか言いそう。
594名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 23:52:30 ID:H/a9D4WA
小次郎なら鴉天狗とか松林蝙也斎あたりの逸話を披露してくれるかも知れない
595名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 00:10:43 ID:03zXv+rG
>>593
小次郎は自分の流儀と他者の戦い方が噛み合わないのが自分が負けるんなら
俺、大人しく負けてやるよ(超意訳)的な台詞を吐いてなかったけか?
596名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 00:26:53 ID:uaXM9Kvu
>584
パワーバランスにも限度はあるんだぜ
ティアナと小次郎ならその程度かも知れないが、セイバー、ランサー、ライダー、ギルが敗北したら許すやつは1人もいないだろうさ
597名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 00:36:33 ID:/gWpB/iw
説得力のある展開と文章だったら、俺は負けるのもありだと思うけど。
どんな展開に説得力があると感じるかどうかは個々人で違うだろうけどね。
598名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 00:38:47 ID:k/smEVut
>>596
俺許すけど。本気ギルとセイバーはともかく。
ライダーもランサーも、リリカル勢が勝てるような展開に持ってくのはそう難しくないぞ。
599名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 00:41:04 ID:6q8aKStE
むしろ絶対に勝てないなんてことは絶対にないだろ
スペック比べすりゃそりゃ鯖>>>魔導士みたいな感じだけどさ
600名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 00:48:31 ID:58tpFFLE
つうか昨日からリリカルは鯖には絶対に勝てないみたいな流れ作ってる奴
それほどかけ離れてないパワーバランス同士の作品をクロスさせてるスレで何をいっているのやら・・・
601名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 00:49:59 ID:J6IroaEY
サーヴァントの戦闘思考速度はトンデモだが、本気でびっくりすれば人間並に思考硬直することもある
そこに経験したことのないような致死攻撃、もしくは二重の必殺を張れれば殺れるかな
602名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 00:53:06 ID:hCH9Gloe
対ランサーは「食事でもいかが?」と「やらないか?」が有効だと思う
603名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 00:58:09 ID:Bq23heqc
両作の差はそんなにないと認識してる。
604名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 01:00:50 ID:IlS56TeW
>>602
「食事でもいかが?」は真名を知った上で、はやて位しか気付ける可能性無い気がする。
あとはどのラインをゲッシュにある「目下のもの」に据えるかだと思う。
605名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 01:02:47 ID:/Wo8PpeC
まあ、鯖マンセーは型月が絡んだときの名物だな
606名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 01:04:11 ID:cl3vJiey
>>603
安定しているが、月クラスにいたるほどの異能力はない=なのは
とんがりすぎて場所によってはなのはより劣るが、得意分野では絶対に寄せ付けない=鯖

こんなイメージだな、俺は
607名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 01:05:30 ID:UNuD04yW
はやてルート読んだけど……
はっきり言ってこれ、駄作じゃない?

聖杯戦争の真っ最中にプールに行く。しかもセイバーはそれについて特に文句を言わない。
同じく、翌日に影響が出るほど盛大に酒盛りをおっぱじめるわ、それについてもやはりセイバーは
怒らない。
誰よ、このセイバーという名前の見知らぬ女剣士。

得体の知れないサーヴァントモドキをつれた魔術師が2人も無許可で居座ってると知りながら放置してた凛。
まあ、サーヴァントモドキに勝てる自信が無いから自分がサバを召喚するまで待ってたとしても、交渉の席
にサーヴァントも連れずにやってくるとか信じられない! 相手もマスターである可能性とか一切考えないの?
ていうか、何のためにサバ召喚まで待ってたの?

イリヤも顔だけ見せてすぐフェードアウトが三連続。

ヴォルケンリッターもおかしい。
7組によるバトルロワイヤルで、まだ序盤もいいとこなのに味方になりそう(利用できそう)なのを真っ先に殺そう
とか、バカとしか思えない行動に出てるし。


作者のやりたい展開を、各人物の性格とか状況とか全部すっ飛ばして、ごり押しで進めてる感じ。
608名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 01:06:16 ID:10dGRbdV
伝説の存在には強くあって欲しいって妄執はあるw
サーヴァントで厄介なのは、宝具はもちろんの事、スキルも凄いよね。
あれで、説明読んでるとすげぇなってのが多いし。
609名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 01:06:56 ID:EUs/S9MZ
両作品の本編でも金星はちらほらあるからな
強い=必勝ではないし、力に拘るのはいくない
どうしても”納得させたい”なら投下をドーゾ?なかんじ




610名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 01:07:54 ID:58tpFFLE
>>605
要は「鯖を負かせるような不届きなSSは叩く」
こう脅迫してるようなもんだろう?
611名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 01:12:01 ID:EUs/S9MZ
>>607
そーゆーのは専門のスレでどうぞ
注意したいならマイルドにな
SS批評のためのスレじゃないから
612名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 01:12:12 ID:6q8aKStE
基本的に両者の強いところというと

鯖=身体能力、技量、宝具
リリカル=防御力、高速飛行、多彩な魔法

辺りだと思ってる。無論個人でわけるとさらに細かくなるけど、大雑把だとこんな感じじゃね?
613名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 01:19:30 ID:10dGRbdV
>>610
仮に、作品を読んでそう思ってしまった時は、
多分、倒し方というか負かし方が下手だった時じゃないか?
うまく騙してくれないと納得できないし。
正直、俺はサーヴァントの方が技量もスペックも圧倒的に強いと思っているが、
リリカルブラット氏の作品のセイバーとなのはの激戦は面白かったと感じたぞ。
あれでセイバーが負けても、ちと悔しいがGJと感想はかけたと思う。

614名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 01:21:19 ID:ScMpHwfP
>>609
>どうしても”納得させたい”なら投下をドーゾ?なかんじ
そういう発言はお門違いだと思うが?
615名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 01:22:41 ID:UNuD04yW
>>611
失礼
リリなのクロスSSの批評系のがあったんですね。
次回からはそこに書くようにします。
616名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 01:29:56 ID:XoMgi5d0
そういえばリリブラにアーチャーは登場するんだろうか
あいつステータス的には他のサーヴァントと比べて低い分、相手を殺さないという(作劇上の)枷があると
リリカル勢の防御力にかなり苦戦しそうな気が
それにアーチャーは戦闘時に口八丁で相手の精神を自分の有利な状態に持っていこうとする傾向があるから
案外「お話聞いて」くれそうでなんかスカ博士にとって出しどころに困りそうなキャラだ
617名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 01:36:03 ID:cl3vJiey
アーチャーvsなのは:
 ロー・アイアス効果によりなのはの砲撃を防ぎきる。
 なのはが近接戦を挑んできたらUBWによる宝具射撃で撃墜可能
 ただし、近接戦を挑んでこなければドロー

アーチャーvsフェイト:
 手数で勝るフェイト有利。
 ある程度距離をとりブロウクンファンタズムを撃てる射程を確保できなければ
 最終的にはフェイトに敗れる

アーチャーvsはやて
 はやての近接戦闘能力的に、圧倒的にはやて不利
 アーチャーの間合いに入った時点ではやて敗北確定

こんなところかね
618名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 01:45:11 ID:XoMgi5d0
アイアスってそこまで防御力的に万能かな?
MAXでもベルレフォーンを防げるかどうかってレベルだから通常砲撃ならともかく、
カートリッジで強化されたり長期戦に入られるとアーチャーの魔力的に微妙かも
619名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 01:46:34 ID:cl3vJiey
>>618
魔力というよりも「飛び道具」に対して圧倒的に有利なのよ

劇中でも「運以外に回避する方法はない」と言わしめているゲイボルグを
防ぎきったという折り紙つき
620名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 01:51:03 ID:UNuD04yW
>>619
防ぎきってないし(片腕がもげかけてる)、「運以外に回避する方法はない」なんてのも言われていない
逆にHFルートでセイバーに「魔力の防壁で防げる」といわれてしまってるし
それにアイアスで防いだのは因果逆転のない死翔の槍の方だし
621名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 01:53:43 ID:UNuD04yW
口挟んでおいてなんだけどスレルールに

>但しキャラの強弱、戦う両者の戦闘内容等の議論は荒れる原因にもなるので自重しましょう。

とあるから、専門スレに移らない?
Fate vs リリなのスレ
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1230709711/
622名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 01:54:16 ID:cl3vJiey
>>620
死翔の槍のほうでも因果逆転効果は顕在だぞ

あと、技の説明にも
『回避に必要なのは敏捷性ではなく、槍の作った因果を捩じ曲げるほどの強運』
というのがあるが…
623名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 01:59:20 ID:UNuD04yW
>>622
その説明は死棘槍にしかないし、先に書いたようにHFルートでセイバーさんが魔力の防壁で防げると言ってるし
それをどう判断するか
自身も食らって槍の能力が因果の逆転と分かった後での発言だし。
624名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 02:01:15 ID:XoMgi5d0
それじゃ流れを変えて
サーヴァント勢だと誰がスカ側につきそうかな
さすがに数の子の残りとリリカル勢+サーヴァントというのはいじめ以外の何物でもないし、
せめてバトルジャンキーのランサーと士郎抹殺をエサにすれば連れそうなアーチャーくらいは
敵対しないとラストバトルが非常にあっさりとしたものになってしまいそうだ

あと魔力的云々はただでさえ防具は3倍のコストがかかるのに発動時間がやばくねということでひとつ
625名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 02:17:46 ID:wR05XGb1
キャスターが出てくるのならキャスターあたりはスカ側につくかも。
626名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 02:23:00 ID:vHSvFEyE
何故かなのは陣営につくランスロットやジルとかだったら最高だな
627名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 02:25:19 ID:6q8aKStE
危なすぎるだろw
628名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 02:31:31 ID:XoMgi5d0
ジルはジャンヌつながりでフェイトを追い回しそうだ
エリオピンチw
629名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 02:35:45 ID:/Wo8PpeC
むしろ、エリオがジルに洗脳される
630名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 02:38:19 ID:4JVnvptX
ランスロットがレイジングハートを奪取!!!
631名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 07:41:39 ID:V+w/8ISc
>>568
一切が効かないって…防具の投影であるアイアスはかなり魔力使うぞ。そう連発できるもんじゃない。
632名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 09:21:53 ID:jZqijASW
>>631
アイアスは魔力を突っ込んで強度が上がるので実際にどれだけ必要かは攻撃次第
投影だけなら通常の三倍、15前後で済む
633名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 09:23:24 ID:Ezu1j6+4
型月の「一撃必殺」と、リリカルの「一撃必倒」の思想の違いは大きいかと。
サーヴァントの前提『英霊最弱は人類最強の上』、しかし人間としての思考に縛られる――要するに人間として上位者を破ることに観点をおくべきかと、

これもくどいか……うん、リリカルの面子が絶対的劣勢を覆す物語とすればいいのか。
634名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 09:33:07 ID:7l872If5
リリカル勢にとってきついのは魔眼とか超能力系かな。ライダーのはシールドとかじゃ防げないし、石化しなくても重圧かかるし、あとは秋葉の略奪とか。
635名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 10:15:38 ID:KETsHdkO
一番きついのは、浅上藤乃だとおもう。
相手からは見えないところから、一方的に攻撃できるし。
次元跳躍ってわけでもないから、場所を補足するのも大変だろうし。
まぁ、懐に入ってしまえばすぐに終わるとは思うけど。
636名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 10:27:28 ID:wAnFtHD1
>>631>>634
戦闘議論はVSスレでやるように。

>>624
正常な判断が出来ず、マスターの命令を聞くしかないバーサーカー二人。
マスターの命令に是非を唱える程の感情が無さそうなハサン。ざっと思いつくのがこんなとこ。

アーチャーとキャスターは目的の為にお互い利用しあう関係、後はランサーみたいに令呪で従わせるしかないかな?
ディルムッドは自分の忠義をくんでくれる相手がいればいいとゼロマテで言っていたがどうだろう?
ジルは意志疎通が行えそうな奴がいないので論外。
637名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 10:50:40 ID:uaXM9Kvu
型月勢にとってやっかいなリリカル勢は少ないな
勝敗をどう描くにせよどうやっても型月勢有利から始めないといけない
型月勢から見て逆転のしかたが分からない苦戦から入るってのができないのがこの組み合わせのクロスだな
638名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 11:01:57 ID:qQe7GShg
クロススレで型月は地雷と言われる理由が、一昨日からの間で大変よくわかった
639名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 11:10:27 ID:J6IroaEY
熱い展開なリリブラさんの後は戦闘話が増えるから……
今回は特に長いしね
レスが多くてタガが外れがかってる
640名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 11:13:43 ID:yMyn++s5
なのは勢も似た様なもんだ

劇中の厨設定をごり押ししようとする月厨
劇中で描かれていない設定を誇大解釈して問答無用に相手より強いことにするなのは厨

一番大切なのは
面白い『お話』なんですが
641名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 11:22:23 ID:SWZ2QHAC
結局「神秘じゃないから」とかいって月を強くしすぎなんだよな
なのは設定より月の神秘設定を優先してるから常に鯖が圧倒的な強さになる
642名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 11:32:49 ID:R6nfhdhQ
なのは組みが鯖に設定的に負けてるのは仕方ないと思うぞ。
…でも、大切なのはそんな強さうんぬんよりも話の内容だと思うけどね。
643名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 11:37:18 ID:rdZS7ESl
まぁお互い様ってことで後は該当スレでなー
644名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 11:59:14 ID:J6IroaEY
じゃ、ちょっとした話題転換をば

なのはのバリヤジャケットは基本スカート
士郎の鷹の眼とBGMエミヤをもってすれば、なのはのマニューバを捉えて中身のレース模様をトレースできるよな
645名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 12:09:13 ID:uaXM9Kvu
おねーちゃんはそんなの許しません!
646名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 12:13:29 ID:EVBFnmg/
>>644
性技の味方を目指しているわけか
647名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 12:13:42 ID:yMyn++s5
>>644

「アーチャー…アンタそこまで堕ちて…」
648名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 12:47:01 ID:AWH3+jh2
局には英霊並みの化け物がうんざりするぐらいいるんだろうな
世界一つに一人の計算でもアホみたいな数がいるはずだぞ
649名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 12:47:35 ID:AWH3+jh2
下げ
650名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 13:05:22 ID:wAnFtHD1
>>648
>>640を読んでみ?君が言ってることは正にソレ。
651名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 13:09:00 ID:5vn1K7Ld
>>644
自分の意思じゃなくて目が良すぎるので、神経を集中する戦闘中なら嫌でも目に入ってしまうって感じじゃなかろうか。
戦闘終わった後で「スカートで空を飛ぶなどと、少しは慎みを持つべきだと思うが」とか言って怒らせる感じで。
652名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 13:19:09 ID:zecyqwNa
>>651
そのネタもらったぁ!

       by調べ屋
653名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 13:22:06 ID:uaXM9Kvu
何故か見えない絶対領域を見通すとは
鷹の眼恐るべし
654名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 13:48:14 ID:jHDatzyj
そう言えばUCの、アーチャーvs遠坂凛の特殊セリフに、
ミニスカートでキック云々ってのがあったな
655名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 14:29:11 ID:OjvjV1iM
>>374
遅かつ無粋ですまんがどうしても気になったので言っておく
レヴァ剣のカートリッジ装弾数は2発だ。
ボーゲンフォルムになると何故か4発に増えるがシュベルトフォルムでは2発なんだよ。
656名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 14:40:09 ID:rdZS7ESl
naohawikiには少なくとも3発としか記述が無いぞ
657名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 14:42:53 ID:yhjxM/fE
ストーリーの都合上オリキャラの一人や二人入れるのは有りかな?
658名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 14:51:32 ID:OjvjV1iM
>>656
あれ?VFBには2発って書いてなかったっけ
659名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 14:57:37 ID:rdZS7ESl
誤植じゃね?AS七話の時点で3発だしてるし
660名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 15:01:08 ID:wAnFtHD1
>>657
オリキャラ無双とかになると困るが……脇役程度ならOKじゃない?
661名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 16:22:30 ID:a1nN0cMT
流れ読まずにシグナム対黒セイバーネタを投下してもいいだろうか?
単発で思いついたんだけど
662名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 16:24:19 ID:uaXM9Kvu
いっこうにかまわない
お願いしますと土下座してもいい
663名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 16:26:29 ID:wR05XGb1
>>661
支援
664名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 17:06:01 ID:3QtfBs6g
ま・・・だ・・・
665名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 17:13:26 ID:uaXM9Kvu
投下宣言ではなくて執筆宣言だったのだろうか
666名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 17:15:08 ID:5j0Qs7VH
来ないねえ。
基本は投下する分を先に書き上げてからだよね?
667名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 18:06:38 ID:a1nN0cMT
すまん、ちょっと他スレ見てたんだわ



と言うわけで投下




「―――来るがいい、一時戯れてやる」

それは、このベルカの騎士を前にしての台詞とは思えない傲慢な宣言だった

「私がやる、お前達は下がれ」

十重二十重に黒騎士を取り囲んでいた人の波がその一言で一斉に退いていく

降りぬくは剛剣、その戦技は無双、紅蓮の双翼を持って天を翔る美しき騎士
かつては畏怖を、今は敬意をこめてその人の名を呼ぶ

「騎士シグナム」と

黒騎士の足元に無造作に転がるのは、彼女に挑み一太刀の下に切り捨てられた
地上本部の精鋭である
ランクも実力も決して本局と引けを取るものではないと自負し、
轡を並べて共に戦ってきた同胞である
それを路傍の小石と同列に足蹴にする黒騎士への怒りを胸に宿し、一歩近づく
怒りは太刀にこめる思いであるべきだ、それを動きにしてはならない
―――目の前の相手は、そんな安い剣で倒れてくれる相手ではない

彼我の距離が10メートル程に狭まったのと同時、
申し合わせたように互いが膝をたわめ、ついで同時に地を蹴っていた

ゴゥ!と鳴る音はもはやヒトガタが発するとは思えないほどの力の発露
互いに5メートルの距離を一足で詰め、すれ違うなどと言う考えなど微塵もない
正面からの渾身の一撃がぶつかり合う

その一撃の重さに互いにたたらを踏み、
弾かれた切っ先の重みを引き絞る力に変え切り返す
そこに余分はなく、互いにこの一太刀でそのクビを落とさんとする暴風のごとき一撃を振るいあう

その打ち合いが10を超え、20を超えた辺りで待たしても互いに申し合わせたように、
打ち合わせた剣に弾かれたように間合いを離す
668名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 18:24:53 ID:10dGRbdV
支援
669シグナムvs黒セイバー2:2009/01/15(木) 18:28:45 ID:a1nN0cMT

「その程度のなまくらで打ち合ってみせたのは褒めてやろう
だが、我が剣は破城の鉄槌、何人も受けきれぬと知るがいい」

大きく空中へと跳び退った姿勢で、
シグナムは黒騎士の言葉に奥歯を鳴らして唇をかんだ

計算されつくしたかのような絶技の剣舞、一見五分のようでいて、
その実、離れた間合いが互いの優劣を物語っていた

高さを含めた直線距離にして凡そ10メートル
始まりと同じ距離のようでいて、実際には大きく違うその距離は
割合にして7:3でシグナムのほうが多い

それは、仕切りなおすのに両者が必要とした余裕の差をそのまま表したかのようだった

愛剣を握り締めた手に力が篭る
剣士として長年連れ添った半身を愚弄されて
心中穏やかにいれるほどシグナムは気長な性格をしていない

「ならばそのなまくらが如何程か、その身で確かめてみるがいい!
―――レヴァンティン!」

ガキリッ、と号令にカートリッジを吐き出すと、構えられた魔剣に紅蓮の炎が走る
紅蓮の双翼も勢いを増し、身を翻すと、砲弾と化したかのように一直線に切りかかる

「紫電―――、一閃!!」

二の太刀など要らぬ真に渾身の一撃で、その鉄槌ごと両断せんと迫るシグナムの眼前で
黒騎士は、無造作に右手に持っていた剣を左手に投げ寄越し、

「―――ふんっ」

これまた片手で無造作に、ただ棒を振るうかのような動きで、荒々しく強引になぎ払った
ただし―――その切っ先はシグナムの剣に宿る紅蓮を嘲笑うかのような膨大な魔力の嵐に包まれていた訳だが
670名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 18:31:30 ID:5LQerU2Q
しえん
671名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 18:34:35 ID:xWwZe8q3
支援
672名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 18:36:23 ID:10dGRbdV
支援
673名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 18:37:16 ID:xWwZe8q3
しえん
674名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 18:40:06 ID:xWwZe8q3
支援
675名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 18:46:23 ID:0EIiY6JJ
支援
676名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 18:48:04 ID:xWwZe8q3
何かあったのかな?
支援
677名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 18:51:13 ID:xWwZe8q3
支援
678シグナムvs黒セイバー3:2009/01/15(木) 18:55:56 ID:a1nN0cMT

「―――っ!!」

シグナムには悲鳴を上げる余裕すらない

紫電一閃―――ベルカ騎士の魔力付与攻撃の基本にして奥儀たる一撃が、
無造作に唯魔力をこめただけの一撃で返されるなど、
過去の彼女の経験にも数えるほども存在しない
否、防がれた記憶すら数えるほどしかありえない
故に、次の出来事に
曲がりなりにも対処できるだけの冷静さを保てたのは奇跡と言えよう

「火竜一閃!」

不完全な魔力刃による突発的で無理やりな術式
中距離殲滅用の魔法をそこまで強引に発動させた理由
今しがた自分の奥儀を打ち払った斬撃が、
そのまま―――唯振り戻すだけという、
あまりにも理不尽な形でもう一度振りぬかれるという現実
コレがまだ相手がシグナムに倍する体躯を持つ巨人によるものならば理解できる
だが、この烈火の将を片手であしらう黒騎士の躯は
彼女の頭半分にも届かない背丈しかない矮躯の少女に過ぎない
心身、魔力を総動員し
無理を重ねて不十分な形ながら無理やり数節程の連結刃を魔力で作り上げ、横なぎに払う
だが、そんな小手先で返せる業ならば、もとより打ちのめされることなど有り得まい
暴力的な魔力刃に小枝の如くあしらわれ、続く三撃目を文字どおり無様に転がってかわし、
シグナムは片で息をしながら立ち上がった

片手、それも無造作の極みの様な一撃で地に伏せられるなど今まで経験したことも無い
もし、相手の一撃が自分の紫電一閃と同じく両手による全力の振り抜きであったなら
両断どころか跡形も残らなかったかもしれない

満身創痍でそれでもなお戦意だけは失わぬ瞳で次の手を模索し、
シグナムは、唇をかんでそれを実行に移した




とりあえずココまで、後は次回を待てと言うことで
679名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 19:00:37 ID:KETsHdkO
セイバー・オルタ強い・・・次元が違うと言うかなんと言うか。
680名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 19:13:13 ID:wAnFtHD1
>>678
GJですが、sageて下さいね。
681678:2009/01/15(木) 19:38:01 ID:a1nN0cMT
了解です

続きはしめがまとまり次第投下するので気長におまちください
682名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 19:51:37 ID:nOSUHMQp
GJ!
オルタ強い!流石ボスキャラだ!
683名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 20:01:27 ID:Bq23heqc
ストーリーはないのか…
684名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 20:49:15 ID:UtGof5Ys
スカ達に一番協力させにくいサーヴァントは実はハサンだと思う
一番純粋に聖杯を求めているがゆえに聖杯手に入らないと働いてくれない
685678:2009/01/15(木) 20:51:05 ID:a1nN0cMT
やろうと思えばストーリーつきに出来なくもないんだけど、
自サイトやら他の掲示板で絶賛放置中のSSがいくつかあるから書くとしてもいつになるやら
あと、オリジナルキャラも出していいならいくつか動かしたい奴らもいるけど
この板的に趣旨違うよね?
686名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 21:13:28 ID:dgJDp5Gt
アグレッサーモードってフェイトのバリアジャケットだったっけ?
バルディッシュもフェイトのことマスターって呼んでたり、
細かいことなんだろうけど、ブラッド氏の作品は面白いだけに
違和感が目立つ
687678:2009/01/15(木) 21:34:35 ID:a1nN0cMT
アグレッサーはなのは、フェイトはインパルスじゃなかったか?
読んでたときは気が付かなかったけどそういわれればおかしいな
あとバルディッシュは「サー」だったっけ?
688名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 21:42:11 ID:HkuCZNbL
聖杯戦争序盤、ランサーが偵察中に聖杯戦争の動きを見て調査に来た
フェイトが鉢合わせて、

「さて、覗き見に徹しろって話だが―――
 聖杯をぶち壊そう、なんて不届き者を『全力で』追っ払うぐらいは、
 主への忠誠としてアリだよな?」
「邪魔をするなら……戦うまで……!」

みたいなネタを思いついたんだが……
いや、こう、全力で戦う回数の少ないランサーに出番をと考えてるだけだが
 
689名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 21:47:00 ID:J6IroaEY
ランサーは最速だが、足を止めて打ち合うスタイルが基本だからなあ
互いの戦い方を合わせて噛み合うまでには会話が入る時間もあるかな
690名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 22:17:48 ID:zecyqwNa
>>686>>687
後、なのはVSセイバーのフラッシュムーブのところも
説明では『フライアーフィン』になってるけど、A'sからは『アクセルフィン』じゃなかったっけ?


月姫研究室の考察を読んでふと思いついたが、アーチャーが衛宮士郎のときには
アーチャーが居なかったとするなら、リインフォースアインスをアーチャーポジにしてもいいよな?
……いや、アインスの出番も少ないので……。それにバーサーカー足止めだの、ギルが苦手な相手だの
そんな規格外なリリカルキャラ、アインス位しかいないし。

後、セイバールートで聖杯を破壊したため『英霊アーサー王』が存在しない聖杯戦争で、
フェイトがセイバーとして召喚とか。
691678:2009/01/15(木) 22:33:01 ID:a1nN0cMT
『英霊アーサー王』が存在することとアルトリアが世界に取り込まれるのとは別問題で無かっただろうか?
「生まれた時点で英雄足りえる力を持ってたから」とか言ってたきがする
聖杯を手に入れさせてくれるなら霊格関係なしに守護者になりますよってことだったかと
692名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 22:52:34 ID:sTUiijYb
はやてルート読んだけど融合ものなのなんだな。
文も微妙な上、色々思慮が足りない展開になっているね。
693名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 22:58:40 ID:q1bfH5qm
>>690
たとえセイバーが聖杯を破壊して、世界との契約が破棄されたとしても、英霊アーサーは座に残るぞ。
守護者としてでなく、英霊としてだろうが。
694名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 23:16:06 ID:uaXM9Kvu
守護者と英霊って原作プレイしただけじゃ違いがよくわからんのだよな
おかげで最初はアーチャーだけなんでこんなにひねくれたんだと分からなかった
695名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 23:16:15 ID:wAnFtHD1
>>693
アーサー王は死後、英霊の座へ行かず、妖精郷で眠るとか言ってなかった?
696名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 23:25:32 ID:10dGRbdV
>>684
逆に上手く仲間に出来たらこんなに使える奴はいないだろうなぁ。
管理局を潰すには別になのは達に拘る必要はないし。
管理局の上層部を暗殺して来いと命じて昼夜関係なく暗殺させていけば、
管理局の機能が段々鈍っていくし。
697名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 23:25:53 ID:q1bfH5qm
>>637
アイディアいただき

>>695
世界での契約としての守護者・英霊には成らないから使いっぱしりにはならないけど、
信仰対象であるから勝手に英霊として祭り上げられちゃう。
698名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 23:38:44 ID:wAnFtHD1
>>696
イスラムの英雄サラディンの枕元に
『どんなに貴方が足掻いても、我々の勝利は揺るがない』
と書かれたメモがあって朝起きたサラディンがびっくりした、という逸話があったような……。

機動六課の部隊長室のデスクに例の手紙が置かれていて、はやてが厳重な警備を敷いても翌日にもまた同じ手紙が……
699名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 23:47:28 ID:jyI0KtUS
アサシンは確か――
第三次:ホロウによると人形のような体格で、爆薬を脳とすり替え、後に爆発させる。
第四次:多重人格障害を持っており、亡霊となったことで一つの肉体に縛られること無く増殖するようになる。
第五次:鏡像の心臓を作り、これを破壊することで本物を破壊する。
一番拙いのは第四次のハサンか?
700名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 23:49:01 ID:6q8aKStE
でもさ、気配遮断ってスキル見る限り「サーヴァントとしての気配を断つ」もんなんだろ?
気配的なもんを隠せてもデバイスとかのサーチって抜けれないんじゃね?あれも大概広域だし
霊体化すれば別かもしれんが、それなら他の鯖でもたいして変わらんし
701名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 23:58:30 ID:1qBcOYJU
気配遮断はもっと凄いから
攻撃する瞬間に出るから無意味ってだけで
某公式で暗殺の天才と称されるキャラなんて攻撃が当たるまで相手に気付かれないってのに……
702名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 23:58:32 ID:1tgSXwUd
>>698
手紙の内容しだいではシリアスにもギャグにもなるな。
何故か「出番」の二文字が浮かんだが。
>>699
やっぱり数だよねえ。
>>700
衛宮家の結界に探知されない程度の能力も付加されるんではなかろうか。
703名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 23:59:49 ID:J6IroaEY
魔術感知にひっかからないので、なんらかの神秘が働いてると思われる
704名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 00:00:15 ID:wAnFtHD1
>>700
『気配遮断』は魔力の放射までほぼゼロに抑えられるからデバイスでも察知出来ないと思うよ?
705700:2009/01/16(金) 00:01:01 ID:6q8aKStE
解答サンクス
706名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 00:01:07 ID:G79A2exW
うお、ハサン先生人気すぎフイタ
707名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 00:01:10 ID:fhAG+Fd5
毎朝、はやての枕元に前日の総摂取カロリーを一覧化した紙がですね……
708名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 00:01:23 ID:YYcjymar
>>698
怖すぎるな。
俺だったら、資金援助するから俺の下で働かない?って懐柔して安全を確保したいw
>>699
第四次のハサン女史が、でかい組織だと効率的に数を減らし殺しそうだ。
>>700
普段から、いついかなる時もサーチしているならその通りだと思う。
それでも、霊体化でやっちまいそうだが。
あと、気配遮断に気づくのはインテリ持ちだけって可能性もある。
709シグナムvs黒セイバー4:2009/01/16(金) 00:02:41 ID:hGYkYe89
書きあがったのでシーン4を投下します

上空高く飛び上がり、レヴァンティンの柄頭と鞘の鯉口を打ち合わせ、
一瞬にして弓へと変じたそれに、紅蓮の矢を番える
残されたの魔力の全てを載せた最大出力のシュツルムファルケン
これが効かなければ後は無い、―――否、通じないはずが無い

「翔けよ、はや―――」

彼女が地上から飛び立ちシュツルムファルケンの準備を終えるまで実に十秒
弓を組み上げるだけであれば2秒に満たぬ神速と呼ぶにふさわしい手際であるが
かの剣と打ち合うに置いてそれはあまりにも遅すぎた

ゴウ!と吼える魔力のうねりは最早暴力ですらない
シグナムをして絶望の二文字で脳が麻痺するほどの現象

破城の鉄槌などという言葉など生ぬるい
オーバーS相当の広域殲滅魔法に匹敵する魔力が目の前で咆哮をあげていた

―――それは最早、真竜の咆哮そのものだ

「―――総員、退避!!」

いまだ遠巻きに取り囲んでいる局員達に叫ぶ

「約束された―――」

振り抜かれれば防御魔法では防げないだが、果たして
たかがニンゲンに光がかわせるものか―――

「間に合え―――!!」

歯を食いしばって渾身の矢を放つ、
魔力が底をつき、飛行を維持することすらままならない状況に陥る間際

「勝利の剣!!」

絶望が、その全てをなぎ払った

710名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 00:04:10 ID:10dGRbdV
支援
711名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 00:05:29 ID:+afl+/Dn
>>704
デバイスは別に魔力だけで感知してるわけじゃないんじゃね?現にASのリイン戦で普通にアリサ逹を探知してるし
まぁこれ以上は色々と推論も含むから止めておこう
712名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 00:10:23 ID:YYcjymar
支援
713名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 00:11:08 ID:G79A2exW
SSとしてなら気配遮断を機械的に察知するのはアリだな
相棒のデバイスが生きてくる


ハサン三兄弟が機動六課に就職しました
溢れる闘魂・ハサンA
80人でも百ハサン・ハサンB
なでボ・ハサンC
714名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 00:14:43 ID:muzDHZ0k
機械的に察知できたとしても気配遮断は十分役に立つ
欠点がある分SSにしやすい能力だな
715名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 00:20:43 ID:YYcjymar
投下はこれで終りと判断してよいのだろうか?面白いが少し短い気がします。
>>713
ハサン先生とはやてで出番がなかった同盟とかw
>>714
デバイスは眼がない代わりにサーチで相手の位置を探るが、人間は基本、視覚や聴覚、嗅覚などで、
相手やモノを探知する……仮にデバイスがハサン先生を知覚していても、主もこの人物を認識しているって勘違いとか起こしそうで面白そうだ。
気配遮断を使用され、人通りの多い街中で襲われたらヤバイ。
716名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 00:59:40 ID:RnFKswgN
木を隠すなら森ってやつですね。
しかしそこまでいくと、日常で襲われることにそもそも対応できるかって話でもありますが。
そういう意味で切嗣とかハサンとかはヤバイ……。
717名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 01:00:18 ID:V4OUo+Cn
Zero一巻で遠坂亭にアサシンが侵入するシーンでは結界を物理的な手段で解除しながら進まなければならないと霊体化を解除しているし
無条件にリリカル魔法サーチを潜り抜けられるわけではなさそうだ
もっともあのハサンは一番の小物扱いされているハサンだし他の人格や残り18人の中には気配遮断に特化したヤツなんかもいるのかもしれないが
718名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 01:05:57 ID:ZmZuBwgf
そもそもデバイスのサーチが何をどうサーチしているのか分からないことには
719名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 01:08:19 ID:qFtBFflY
ただ、気配遮断こそこれアサシンの真骨頂、なのに
気配遮断能力も簡単に見破れますっていうお話は

「面白いのか?」

といわれれば俺はノウ!かな
720名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 01:10:30 ID:ZmZuBwgf
こういうときこそ心を鎮めて、ハサン先生が活躍してるSSを読むんだ


……何かあったっk(ry
721名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 01:13:32 ID:y5cLO98f
>>719
しかし察知できないと「暗殺→死亡」のパターンしかないから
ある意味ランサーとゲイボルグの関係に似てる
722名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 01:15:59 ID:qFtBFflY
>>721
そこを面白く描くのが難しいからハサンガ出番の多いSSがないんだと何故気づかん!

地球が持たんときが着ているのだ
723名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 01:17:36 ID:G79A2exW
百ハサンの残りカス少女(ゼロマテ参照)が、何故か六課のロッカーの中に
正体不明だが、はやての好意でヴィヴィオと一緒に暖かい毎日を送る
ラストバトルでは記憶を取り戻し、なのはの背中に憑依して揺りかごへ
幻の古代拳法による友情パンチでクアットロ(ラスボス)を倒す


落ち着け自分
……ちょっと妄想心音されてくるわ
724名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 01:18:05 ID:y5cLO98f
もうジャスティスハサンでいいじゃない
725名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 01:22:25 ID:cdqcFvEG
情報収集させるには便利だが暗殺までされると困るってリリなのクロスでは使い難いキャラだな
スカリエッティでさえ殺しは好まないってタイプだし
726名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 01:37:15 ID:FesexCyD
>>72
だからこそ映えるってのも……
やっぱ本編は悪役分が足りなかったし。
727名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 01:54:07 ID:KVA2tHnG
魔法少女リリカルなのはReds 10話更新きたな
728名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 01:55:52 ID:2RLLddf4
エリオが研究所に連れて行かれそうになった時にランスロットを召還して家族と研究所職員皆殺しにさせて
なんて展開が思い浮かんだ。

父「エ、エリオ私たちが悪かった、だ、だから・・・」
エリオ「煩いよ・・・殺ってランスロット」
父「う、うわ、く来るなぁぁぁっぁぁギャァァァァア」


フェイト「エリオ、貴方の過去は分かる・・・だから話を聞いて」
エリオ「あんたに何が分かるんですか?家族にも親友にも裏切られて・・・
    そんな僕の何が分かるのですか?」
フェイト「大丈夫、私も似たようなものだから・・・」
エリオ「同情をひこうなんて無駄ですよ・・・ランスロットは僕を裏切らない、ずっと守ってくれる
    ランスロット・・・そこにいる金髪達を皆殺しにして、皆皆全部!」
ランスロット「・・・」
フェイト「貴方がエリオの闇そのものなら打ち払う!」

って感じで
729名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 01:59:30 ID:MmG1R7DY
そこはバーサーカーと呼んだほうがいいのでは
730名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 02:36:22 ID:cdqcFvEG
エリオと魔力量だと召喚したら即死しそうな予感
雁夜は異様に相性が良かったから何とかなったみたいだし
731名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 02:47:27 ID:9oDdIchs
>730
魔導士は魔力無限だろ?
大気中から魔力素取り込むんだから。
732名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 03:24:14 ID:2AC1XtQf
エリオのがどうみても才能ある気がするが
733名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 03:34:51 ID:FesexCyD
>>731
そうすると個人で魔力量に差があるのがおかしくね?
734名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 03:43:23 ID:9oDdIchs
>733
1回で取り込める量だろ?
だから多いほど威力のある魔法が使える。
735名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 04:35:43 ID:xdRNKCsc
何でそんな脳内設定を公式だと思い込んでるんだ?
クロノとか魔力量はなのはと同等だけど最大放出量で劣るだから違うし
736名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 06:42:23 ID:nUl0Yphk
そもそも、無限であるなら、ティアナは省エネする意味無いしな。
回復するのと無限はまた違う。
それに型月側もきちんと回復するしな。
凜の召喚後の様子からだと、ほぼ0から約1日で回復可能みたいだし。
737ヴィータVS4thb1:2009/01/16(金) 07:16:00 ID:hGYkYe89
まだだ、まだ終わらんよ
シグナムVSオルタに変わりましてコチラのカード
とりあえずシーン1だけ投下
続きは例によって書きあがったら順次投下します


さて、それと同じ頃

地球の怪談で言うところの怨霊と言うのはこういうものだろうか?
とヴィータは思った

「……ar……er……」

ゆらりと立つ、幽鬼としか形容しがたい『何か』
人型をしているのは分かるのだが、その詳細がどうにも判別できない

「ヴィータ空尉……」

「得たいが知れねぇ、
エリオ同時に行くぞ、ありゃなんかヤベェ」

何か言いかけた
―――ついこの前まで自分の方が見下ろしていた気がする少年の言葉を遮り、指示を出す
人語を解するかどうかの前に、先ず取り押さえなければヤバイと本能が告げている

「……ar……er……ッ!!」

首をゆっくりとめぐらせていた幽鬼がコチラを見つけ低いうなり声を上げる

「行くぞ!!」

「はい!」

ドンと駆け出す若き雷光と緋色の鉄槌、
エリオは地を這うように低く、ヴィータは弧を描くように高く飛ぶ
上下からの強襲、シンプルであるが故、回避も困難な突撃と言う戦術
幽鬼が手にするはへし折れた鉄棒一つ、
ベルカ騎士を相手に、それは何の気休めにも成らない
―――そもそも気休めと言う言葉自体、理性があってはじめて意味を成す言葉であるが

だからこそ、その気休めにもならぬ鉄棒一つ、理性無きままに振るわれる腕の放つ
―――流麗にして苛烈な斬撃が、
雷光を切り伏せ、鉄槌を打ち返すなど誰が想像しえただろうか



追伸
このまま長編化するには、オリキャラの投入が必要になりそうなんだが、いいだろうか?
738名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 08:28:47 ID:Vewj/lh7
いいんだけど、一回が短すぎる
もっと書き溜めてから投下して欲しい
739名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 08:30:51 ID:PRaB4gLg
リリカルで有利な方があったらすかさず型月にはそれを0にしてしまう有利さがあると出るのに対して
型月の有利な点を覆すリリカルの有利さがない
もうリリカルはミンチか引き立て役の二択しかないだろ
740名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 08:36:33 ID:Vewj/lh7
昨日からの流れはいったい何なの…
741名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 08:38:43 ID:Y6kvYcA0
>>739
先日からお前、ひょっとして荒らしてるの?
投下した作品に対する嫌がらせか?
742名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 08:44:47 ID:GCNscWCY
“放っておいても問題ない危険ブツ”として、触らずにいてあげましょう
わざわざ気に入らないスレを覗きにくる苦行を自身に課すような方ですし
修行の邪魔をしてはいけません
743名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 08:48:00 ID:+afl+/Dn
そんな見え見えな子にかまっちゃいかんよ
744名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 08:54:15 ID:riqdEisJ
作品投下のドサクサに紛れて侵入してくるアンチか
745名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 09:18:13 ID:Oir5vCIn
何かヘコむのう・・・
スレ盛り上げようと職人その他一同、頑張ってるのに
こうやって盛り下げる事しか頭に無い奴がいると

>>737
そのオリキャラ出して間違いなくウケる
面白い物が描けると思うのなら好きにすればいいが・・

746名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 09:40:57 ID:FZjoz6zL
>>737
両作品のキャラ達を圧倒してオレキャラTUEEEE!な展開にならないならいいよ。

>>720
一応ある。更新停止してるが
ttp://aug.nobody.jp/

>>728
同じ私情で家族に裏切られたということでメディア召喚で。エリオがメディアの弟に似ているとかだと面白いかも。
747名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 09:56:54 ID:Dmr0cORg
突然だけど、ランサーとシグナムって武器違うけど性格そっくりだよな
なのランやランフェイよりもいいフラグ立ちそうな気がするんだけど
748名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 09:58:53 ID:7Oo/N8wH
文体同じだし確実に荒らしだな。
ほっとこう。
749名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 10:29:39 ID:FZjoz6zL
>>747
恋をしたシグナムってどんな感じだろ?ツンデレ?
750名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 10:37:19 ID:+afl+/Dn
とりあえずはやてが弄るのは確定的に明らか
751名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 10:51:04 ID:YYcjymar
>>749
普通に、かっこいい大人の女な感じだと思う。
752名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 11:13:03 ID:Dmr0cORg
>>747
お互いをわざわざ名前で呼ばずに「魔術師の剣奴」「肉屋の飼槍」とおちょくり合い、
共闘しても背中は見せずに、ピンチの時だけ抜群のコンビネーションを見せるそんな二人組

これじゃ、恋したシグナムとはちょっと違うかなw
753名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 11:25:57 ID:Dmr0cORg
「やれやれ。金色に輝く聖杯を探すのかと思ったら、とんだ金銀財宝を探し当てたものだ。やはり肉屋の前で槍遊びをしてた犬は鼻が利くな」
「ケッ!たかだか暗殺屋一人倒したくらいで居丈げになって、
サーヴァントどもが跳梁跋扈する中で聖杯を狙うなんて無謀かつ大馬鹿な策は魔術師の手下だった剣奴様にしか思いつかねぇよ」

こんな感じ。あと、口汚い感じになってごめん
754名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 11:46:50 ID:YYcjymar
>>746
魔術を教えながらも普通に育てそうw
魔術と魔法混合による戦闘スタイルって強そうですよね。
強化や補助、相手への妨害は魔術で、魔法は主に攻撃と防御に使うとか。
755名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 12:39:10 ID:wPC6Ir2o
>>746
メディアが家族に裏切られたって何処の話だ。
裏切ったのはキャス子だぞ?
756名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 12:40:27 ID:wPC6Ir2o
あ、ごめん裏切られたって英雄たちにって事か。
そいつらの事がすっかり頭から抜けてた。
757名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 12:41:20 ID:+afl+/Dn
惚れた男の為に家族裏切ったら捨てられてキレたんだっけ?
758名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 12:44:42 ID:YYcjymar
イアソンがメディアと生活していて子供もいたのに、
他の王族の女と結婚して捨てられたから、復讐したんじゃなかったっけ?
759名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 12:48:00 ID:2AC1XtQf
エリオが似ているのは弟じゃなくて息子でも良いわけで
760名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 12:48:40 ID:FEMH6O/w
そもそもイアソンと結婚したのも、神に呪われたから愛するしか無かった状況だしな。ある意味ヤンデレ
761名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 13:09:25 ID:XXCtJRUd
ある意味というか、ヤンデレそのものです。
762名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 13:35:50 ID:G79A2exW
幻のキャスタールートではロリ化する予定だったとか
何がどうなってロリるのか訳が分からないな
だが、可能性があるなら何処の職人さんがきっと、きっとやってくれるはず
763名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 14:01:14 ID:KVA2tHnG
ロリキャスルート書いてる人がいたな・・・完結してたっけ。
764名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 14:22:03 ID:YYcjymar
エリオがロリキャスに一目ぼれで一途に尽くすとか?w
765名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 14:59:51 ID:2RLLddf4
エリオとキャスター・・・おねショタ・・・最高ジャン
766名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 15:06:01 ID:riqdEisJ
男に裏切られたんだよな
767名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 16:33:51 ID:lb0x/AqX
よくある話だが士郎やアーチャーで熱い展開が見たかったり
この二人はクロス作品は多いけど完結してるのは少いんだよな
768名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 16:46:33 ID:QK7XAQ16
チンク対アーチャーとかも見てみたいな
爆破対決的なノリで
769名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 17:01:05 ID:G79A2exW
ブロークンは同時発破とかできる設定だとアレ
あと、カラドは開放の方が強いと思う
魔力消費大だけどね
770名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 18:29:21 ID:CBFc4uhP
魔法少女対決がみたいのう。
カレイド的な。
タイコロ風に。

771名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 19:09:08 ID:FesexCyD
地球の重さのアイスビームはロストロギアに認定されるのかね?

いやあれギャグだけどさ
772名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 19:39:26 ID:8R1V7U68
>>770 某ステッキでもなのはさんだけは魔法少女とならない様な気が……
773名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 20:33:57 ID:V8trSuyl
>>772
流石に十九歳で魔法『少女』はきついものが…
774名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 20:40:09 ID:lb0x/AqX
女性は何歳だろうがみんな少女なんだよ
だからリンディさんが某ステッキもってリリカルマジカルしてくれ
775名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 20:41:22 ID:cxQOZJKB
>>773
心に大志を抱く淑女は
十九歳だろうと二十九歳だろうと
ガールなのであります
776名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 20:51:28 ID:QK7XAQ16
某ステッキって投影できんのかね?
できるのなら量産して魔法少女軍団をつくってもらいたいな
777名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 20:54:49 ID:ZdEQwPia
etaFのネタで、カレイドルビーが凛と対決するというのがあったが、
「っていうか何歳まで少女だいってみろ」
とかグレてたなあw
士郎を止めるためにカレイドルビーに変身し続けて磨耗したUBWルートアフターの凛…。
778名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 20:55:01 ID:1ugQIxQE
>某ステッキって投影できんのかね?
>できるのなら量産して魔法少女軍団をつくってもらいたいな
プリズマイリヤを読んでの個人的感想なんだが、宝石剣より
投影が難しいと感じた
779名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 21:09:50 ID:JK0mpFCR
>某ステッキの投影

人工なのに天然な精霊が憑いてるので、たぶん投影は不可能だとおもわれる
というか・・・アレが固有結界内にあるとか・・・士郎が磨耗してしまいそうだ

まぁ投影できたとしても、士郎的に投影したくないモノTOP3には入るんではなかろうか
780名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 21:26:10 ID:FkqUOj4G
>>779
TOP3って……
あと二つは何だww
781名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 21:38:23 ID:hGYkYe89
過去に形だけルビーを投影したらそれを縁り代にルビーが出てきたのがアンソロにあったな、
そのまま土蔵に放置してたのを霊障を辿ってやってきたカレンが〜て奴

TOP3なら虎竹刀と泰山店主愛用の包丁とか?
782名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 21:38:41 ID:JK0mpFCR
投影難度的なところで・・・
投影しようとするだけで精神破壊される宝石剣
アーチャーですらただでは済まないエクスカリバーとか・・・

精神的に
最新釣り用具一式とか・・・
凛の小遣い稼ぎようの品々とか・・・
783名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 21:40:56 ID:KVA2tHnG
かなりのトラウマがありそうなものだろうから・・・
虎竹刀・・・?いや、これは違うよなぁ。
784名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 21:47:25 ID:lb0x/AqX
士郎のトラウマと言ったら…


麻婆豆腐
785ヴィータVS4thb2:2009/01/16(金) 21:59:06 ID:hGYkYe89
短いとのご指摘でしたので今回は長めで




地を駆けた少年の動きは人に捕らえられるものではなく、
鉄槌の一撃は断じてたかが鉄棒に受け止められるものではない

「にゃろう!」

打ち返されたまま宙空でトンボを描き、体勢を立て直したヴィータの眼前

「―――っ、ナニィ!!」

飛来したそれは間髪いれずに投げつけられた、
今しがた迄幽鬼が持っていた鉄棒

反射的に展開したパンツァーシルトにそれが突き刺さったのを見て、
ヴィータは考えを改めた

―――こいつは、どんな物でも魔力を通して武器に使える希少能力者だ

「エリオ、一旦引け!」

「はい、―――うわ!!」

切り伏せられ膝を付いた姿勢から飛び下がろうとしたエリオが、
何か強引な力で意図しない方に引かれ、そのまま投げ飛ばされる

原因は立ち上がり跳躍しようとした彼の手にあった愛槍ストラーダ、
その石突を幽鬼が無造作に掴み、引き寄せたからに他ならない

即座に受身を取って立ちあがったものの、得物を奪われた形となり歯噛みするエリオ
それだけであれば、まだ問題ではない
魔導師の使うデバイス、特にインテリジェントデバイスは優れた自己判断能力を有する
使い手でないものが手にしても即座に待機状態に戻り、自ら悪用を防ぐことも出来、
システムに介入してソレを解くにも、それ相応の技術と設備を必要とする

だが相手はレアスキル能力者、
葉脈か蜘蛛の巣を連想させる黒い魔力が幾重にもストラーダに絡み付き、
たちどころにその自我を奪い去る
786名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 22:04:34 ID:FkqUOj4G
しえん
787名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 22:05:26 ID:cxQOZJKB
>>784
士郎は、槍で心臓を貫かれたり、斧剣で体を真っ二つにされたり
理想を目指し続けた果てに、ついに叶えることが出来ず磨耗し絶望した自分自身に殺されそうになったりしてるのだが
大して気にしないんだよな
788名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 22:12:37 ID:2E7xeZhO
>>787
頭おかしいからな
789ヴィータVS4thb3:2009/01/16(金) 22:13:44 ID:hGYkYe89
幽鬼が自らの得物である鉄棒を投げると言う愚挙に出た理由
それは断じて唯本能に突き動かされてのことではなく
目の前にある、より優れた武器に持ち替えるための予備動作であったのである

「一旦どころじゃねぇな、退がってろエリオ」

「……はい」

丸腰で勝てる道理はない、唇をかんでエリオが距離をとる、
幽鬼の視線はヴィータに釘付けであり、既にエリオは眼中に無いのか
低く唸りながら彼女を見上げるばかりで動こうともしない

「……ar……er……」

「アーアーうるせーんだよ、言いたいことが有んならはっきり言いやがれっての!」

少し離れた所に着地し、愚痴をこぼしながら
ヴィータは頭をフル回転させていた

相手の能力から言って武器に触れられることは絶対に避けたい
だからといって遠距離戦は却下、
もとより自分はベルカ騎士、己が得物と技量を自負せずなんとする
とは言え相手の手に全うな武器が渡ったのは痛い
ならば武器ごとたたき折るまでと言いたいが、
相手の技量は鉄棒一つで一流のベルカ騎士二人係の一撃を苦も無くあしらう猛者
いなされた挙句グラーフアイゼンまで奪われては目も当てられない
エリオからストラーダを強奪する手際の一部始終を見届けているが故に
ヴィータにはその可能性を一笑に付すような楽観的な思考は存在しなかった



結局一つあたりはいつもぐらいな気も……
ところで大体word1ページ分ずつであげてるんだが
一回辺りの書き込みって最大でどのくらいなんだろうか?

オリキャラについて
>>745受ける受けないというか、話を転がす以上ある程度狂言回しが必要だからなんですけどね
>>746TUEEEE!なオレキャラはこのスレ的に趣旨に反すると思うので書く気は無い
唯、予定してる面子の設定に斜め上のモノがあるのだが(自サイトでなのはSS書いた際に裏設定的に用意したキャラ)
790名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 22:22:45 ID:JK0mpFCR
士郎は直接的なダメージは作中でも大して気にした様子は見られない
アーチャーに殺されそうになった時は、
「お前には負けない。誰かに負けるのはいい。
けど、自分には負けられない!」
ということで、乗り越えなくては為らないモノとして認識しているようだ

士郎のトラウマ関連は、その多くが日常生活面で主導権を獲られる場合にある

まぁ血潮は鉄で、心は硝子ですからねぇ〜 精神面で弱いのかも
791名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 22:46:42 ID:58u+urxD
>>789
続きに期待。一回書き上がるごとじゃなくて、1話書き上がるごとに投下したらどう?
792名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 22:50:56 ID:0CwDeoQO
まあ、士郎は


「ねえ、明日の朝食はパンでいい?」
士郎
「ああ、構わない」

偉い人
「100人の命を救うため、君に命をかけてもらってもいいだろうか」
士郎
「ああ、構わない」

この「ああ、構わない」のレベルがまったく同じというところに精神異常な点がある。
この士郎が「普通の人間」に戻りうる可能性を示したのがHFだしな
793名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 22:52:22 ID:1ugQIxQE
Zeroでの謎
バーサーカーはどうやって空中にいるF-15戦闘機につかまったのか?
霊体化したら空でも飛べるのか?
794名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 23:01:08 ID:riqdEisJ
幽霊は空飛べるだろ
アレだ
795名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 23:04:54 ID:GCNscWCY
巫条ビルの屋上か
796:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 23:10:42 ID:+HaZ2GkU
>>793
御前そんなのもしらなk(ry
797名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 23:20:06 ID:9oDdIchs
じゃんぷ
798名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 23:20:12 ID:JpGBgzBn
そろそろセイバーがジュエルシードのせいで巨大化する展開が来てもいいんじゃないかと思う
799名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 23:23:27 ID:G79A2exW
エクスカリバーは巨大化せずに、セイバーの舌と一体化
微妙にバストがでかくなってるGセイバー
800名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 23:24:54 ID:5E5shNsH
>>798
食費をどうするかが問題だな
801名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 23:29:04 ID:GCNscWCY
仔猫と同じ叶え方じゃねぇかww

そういうのは『胸を大きくしたい』と願う秋葉がだな……ん? 何か赤
802名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 23:30:00 ID:dBOalx5l
>>800
Hollowの遠坂神社でのアーチャーのセリフを思い出すww
803名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 23:32:03 ID:ixftCEdQ
むしろライダーがロリ化w
封印にきたなのは達に天馬や魔眼で死に物狂いで抵抗するライダーさん
804名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 23:53:41 ID:+1uy5E35
コンプレックスから開放されてかわいくなった自分を手放したくないんだなw
805名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 23:55:06 ID:LgJlv2XF
ロリライダーってまんまルーテシアだな
806名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 23:56:44 ID:HXf9z8AH
>>803
それに近いのタイコロであったな
凜がライダーのメガネかけてちんまくなるだったかな?
あの名言が忘れられん
『武内先生、バストがほしいです』が
807名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 23:57:27 ID:hSRuhgGf
問題は、ギルガメッシュが子ギルになったように、性格も変化する可能性が高いという事。
子供の頃のライダーは……「姉様たちとお揃い〜」と言いながら、ひよこのように付いていく子供だったと推測。
808名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 00:00:35 ID:ZdEQwPia
そういえばリリカルブラッド氏のフェイトvsライダーで、さりげなくフェイトそんがライダーにルーテシアと関係あるかと聞いてたなw
809名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 00:00:38 ID:hOVNmGtP
>>789
GJ!!です。
話自体は非常に面白いです。
オリキャラはお話を進める為に出てくる程度がいい。
810名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 00:03:49 ID:8uzMcFm2
いい加減型月だけ話がうぜぇ
811名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 00:12:29 ID:45fEDG4V
何回同じこと言ったかな…
話題を変えたかったら自分から持ち出してくださいね
812名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 00:13:48 ID:ZxtQUqY4
>>808
nanohawikiにもルーテシアのあだ名にライダーとかあるからw
813名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 00:18:45 ID:hOVNmGtP
まだ母親を見ていないルー子がライダーを召喚してしまい「お母さん?」ってゼストに聞くとか見てみたいなw
ガリューと二人でダブルライダーなんてネタも過去にあったしwww
814名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 00:20:38 ID:XNqfkN/L
ルーテシアは将来的にボインボインになる可能性は高いが
キャロは残念な結果だと思う
815名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 00:21:21 ID:NQ9GzI0b
ステータスと希少価値を得るんだよ
816名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 00:24:38 ID:UIglUi/5
エリオは絶対に巨乳派だな
817名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 00:29:37 ID:XNqfkN/L
>>815
それがいずれ何の役にも立たないことをキャロは知ることになります

>>816
同人誌ではよくあることです
818名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 00:38:15 ID:ZxtQUqY4
でかけりゃいいってもんじゃありませんって遠野の妹さんが言ってた気がする
819名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 00:42:39 ID:in6hzAKm
ライダーは小さくなっても存在感パネェに決まってます
承太郎みたいに
820名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 00:55:22 ID:hOVNmGtP
小さいのに怪力とか三輪車や一輪車でフェイトカーを抜くとw
821名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 01:02:37 ID:nhnOSgco
セイバー「同感だライダー・・ここならば地上を焼き払う憂いも――」

ライダー「べりゅれ〜ほお〜ん!」

セイバー「かっ!?かわい(ジュ...)」
822名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 01:03:22 ID:ZxtQUqY4
そして潜在的にバトルマニアなフェイトそんが対抗心出してスポーツカーと三輪車が超速でカーチェイスする異様な光景が生まれると
823名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 01:05:56 ID:tlM+gJHf
チンクがアルクェイドに姉を気取る光景とか普通に思い浮かぶんだけど
824名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 01:06:47 ID:uH5LZWdg
そういえばライダーって確か血を吸うんだよな。
Fate本編での綾子のように、ライダーに噛まれた後に血が気に入られて
付き纏われそうなのってリリカル側では誰がなりそうだろう?
825名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 01:08:36 ID:ZxtQUqY4
なんとなくフェイト。ティアナ辺りもありっちゃあり
826名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 01:09:01 ID:Du2aUABU
>>824
……ティアナとか?
827名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 01:12:11 ID:hOVNmGtP
>>822
そして同胞にスピード違反で捕まるフェイトそんw
828名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 01:12:50 ID:UIglUi/5
血を吸うならシグナムさんで

てかライダーがチビッコ化したらペガサスはどうなんだろ?
829名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 01:18:44 ID:in6hzAKm
>>828
マキバオーみたいになる
830名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 01:20:44 ID:uH5LZWdg
>>828
ポニーペガサスになったりしてww
831名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 01:21:23 ID:4sqh4bcO
>>828
・召喚用の血が確保できずにライダー失血死

・主人か確かめるために匂いを嗅ぎまくる

・ペガサス、新たな世界へ逃亡
三ヶ月後、レジアスをポセイドンと勘違いした天馬の姿が
832名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 01:50:10 ID:5ohudkVJ
型月公式の人気投票の第二回の結果発表の後の全員がそろっているイラストで、ポニーなペガサスにのってるライダーがいたような、きがする…。
833名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 04:01:53 ID:ZxtQUqY4
そういえばリリブラ氏どうしたんだろ。なんか急用はいったのかな
834ヴィータVS4thb4:2009/01/17(土) 13:53:42 ID:VjP/oz7A
>>789の続き投下




一撃で、決める!

「アイゼン、フォルム・ドライ!!」

ギガント・フォルム起動の指示にあわせ
ハンマーヘッドが一瞬にしてその体積を数倍に膨張させる
遠巻きに様子を見ていたエリオが顔を引きつらせた気がするが、
この際あきらめてもらうより他無い
まぁツェアシュテールングスフォルムではないから大丈夫だろう

「ギガント……ハンマー!!」

跳躍から全身の筋肉を引き絞り体ごと振り下ろすような全力の振り下ろす
万物全てを打ち砕く破壊の鉄槌の真骨頂

「……ar……er―――!!」

それを―――

「な……に……」

迎撃に繰り出された槍の一撃は薙ぎでも払いでもなく刺突
それも振り抜かれる直前の柄を、二股に開いたストラーダの穂先の隙間で受け止めるという、狙い済ましてできる芸当では決して無い神業で止めるなど、
だれが予測できたか

「ざっけんなぁぁぁぁぁ!!」

捻りを加えて振りぬこうとするヴィータの瞳が鬼神の色を宿す
踏ん張るものの無い空中からの一撃は本来、
地上のそれとは比べ物にならない軽いものに成るものだが
その様な物理的な常識など、この騎士には通じない

振りぬいた鉄槌は、立ちふさがるもの全てを砕く巨人の一撃
打ち下ろされれば幽鬼は間違いなく叩きのめされていただろう

だが―――エリオは見た
感情を爆発させ視野狭窄に陥ったヴィータと違い
離れた事で冷静に事態を観察できてしまっていた
ストラーダのツバの一部が引き込まれ、
変わりにその場所と石突きから、推進器が顔を覗かせるその瞬間を

835ヴィータVS4thb5:2009/01/17(土) 13:55:34 ID:VjP/oz7A

「ヴィータさん!!」

エリオが念話だけで無く声に出して叫ぶのと、
金属同士がこすれあいみしみしと悲鳴を上げたのはほぼ同時だった

ようやくにしてヴィータも気付いた、咆哮をあげて押し返す槍の姿、それが―――

「フォルム・ツヴァイ?!」

デューゼンフォルム、推力による強引な機動と怒涛の力業で、
限定的な空戦さえも可能とするストラーダの第二形態

其処まで乗っ取られたってのか!?

腕力に槍自体の推力が加わり次第に幽鬼の方がヴィータを押し返し始める
金属同士のあげる摩擦音が次第に大きくなり、ついには耳障りな悲鳴と化す

ココまでか―――

押し合いをあきらめヴィータは仕切りなおすべく幽鬼から距離をとった
アイゼンに目をやると
槍の構造上最も鋭利な部分にさらされ続けた柄には無残な皹が入っていた

手ごわい―――ケモノ同然の様相でありながら、其の実力は一流と呼んで余りある
正直、同じ状態に陥って、あそこまで戦える自信はヴィータには無い

とりあえず、アイゼンを直す時間を稼がなきゃな

この調子でぶつかり合えば数合と持たず柄が折れる
ヘッドを失っては戦えない、そして其の隙を逃す相手でもない
一緒にいるエリオは使いものになる状態ではなく
ストラーダの出力次第によっては上空に逃げるのも有効とはいえない

―――しょうがねぇ賭けるか

「アイゼン、カートリッジ!!」

弱音を吐く前に力づくで叩きのめす
直す暇が無いのなら、壊れる前に片付ける他に無い

「ギガントシュラーク、ぶっ壊せ!!」

サイズ拡大は控えめに、変わりに前面に魔力を集中させた変型のギガントシュラーク
それでも人一人を叩き潰すには大きすぎる大きさの鉄槌を容赦なく振り下ろす
相手もストラーダで押し返すが、
こうなってしまえばデバイス同士の地力の違いでヴィータのほうが有利である

「ぶちぬけぇ!!」

鉄槌に載せられた魔力を炸裂させダメ押しする、
グラーフアイゼンにも相当の負荷がかかるが、
損傷した柄はぎりぎりで其の衝撃に耐え切った
836名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 13:56:56 ID:Fh3kbyku
支援
837ヴィータVS4thb5:2009/01/17(土) 14:01:33 ID:VjP/oz7A
「どうだ、この野郎」

片で息をしながら相棒を戻すと、出来上がったクレーターには、
派手に大破したストラーダが残されていた
アイゼンが呼びかけた範囲では幸いにしてコア部分には致命的な損傷は無いようだ

「いねぇな、逃げたのか?」

「分かりません」

探索魔法をかけながら見渡してみてもそれらしい姿は無い
どうやら取り逃したとみてよさそうだ

「仕方ねぇ、
とりあえず、地上本部か近くの隊舎に行くぞ、こいつらを治してやらねぇと」

其の言葉にエリオが頷いた所に、通信が飛び込む
送り主は―――八神はやて

838ヴィータVS4thb6:2009/01/17(土) 14:01:59 ID:VjP/oz7A
「はやて、こっちは今化け物を取り逃がしたとこ、
今から戻るけど、何かあった?」

『そうか、それは良かった、
そっちは何とか片付いたんやね』

吉報とは呼べないながらも、事態が片付いていた事にはやてが安堵の息を漏らす
其の表情に影が差していることに気が付いてヴィータは訊ねた

「あぁ、そういやシグナムは?
部下連れて西の廃棄地区に行ってるはずだけど」

ヴィータ自身合流するつもりでいたのだが、
偶然こちらに来ていたエリオの連絡を受けコッチに回っていたのだ気にはなる

「文字どうりの完敗や
出動した陸士26名、航空魔導師22名の内、
シグナム含めた16名が重症、13名が意識不明の重態
―――其のうち8人はICUの中からでてくることは無いやろな
重傷者の方も現場に戻れるのはシグナム含めて片手で足りるくらいや」

はやてが読み上げる人数は数が合わない
―――それはつまり、それだけの数が帰ってこなかったと言うこと

「二人とも、ひとまず地上本部に集まってくれるか
この事件、デカイやまではすまん見たいや」

「了解」

通信が閉じられる
地上本部へと足を向けながらヴィータは空を振り仰いだ

「暗いな……」

陰鬱に暗い空は、昔戦乱続くベルカの空を飛んでいた頃を思い出す
それがこの上なく不吉に見えてヴィータは知らず、胸を押さえた




とりあえずここで一区切りで1話扱いという感じでしょうか?
次回はなのは勢とオリキャラ周りの話になるかと
タイトルは……どうしようか?
839名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 14:28:17 ID:42a7irZQ
ぶつ切りで投下するんじゃなくて、ちゃんと1話書き上げてから投下するべきだと思うんだけど
840名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 14:43:26 ID:hOVNmGtP
GJ!!です。
長いと読み応えがあっていいw
ランスさんは撤退で、セイバーは暴虐を尽くしたのか。
サーヴァントが組織的に動いているのか、それとも、
単体で動いているのか気になります。
841名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 15:50:17 ID:XkYJz83Z
投下乙。
しかし、一話書き終えてから投稿してくれないと読みにくいんだが……。
なんかそれだと支障あるのか?
842名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 21:14:06 ID:P/vKV+/+
>>794
霊体化は戦闘には不向きだったと思う
843名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 21:21:06 ID:42a7irZQ
>>824
霊体化していると現世への干渉力が落ちるからだそうだ
でもあのシーンでは関係ないな
ディルムッドも戦闘機に乗り移る際にわざわざ霊体化してるし
霊体化すれば飛べると考えるのが自然だろう
844名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 21:33:29 ID:AwRu9qSG
少なくとも戦闘中にいきなり霊体化して攻撃回避!なんてマネは出来ないみたいだな。
ステナイのプロローグでも凛がアーチャーをセイバーの攻撃から回避させるのに令呪を使って霊体化させてるし。
845:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 21:49:34 ID:VsYnX3yy
しかしなかなかに便利だな霊体化。
846名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 22:02:47 ID:1cPW4ejZ
>>844
昔戦闘中にいきなり霊体化して攻撃回避!を多用するSS読んだこと
あるけど読者としてはすごいしらけた記憶がある。セイバーの剣があたりそう
になると霊体化してにげちゃうんだもんw
847名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 22:05:09 ID:4sqh4bcO
>>844
霊体化してもサーヴァントの攻撃は受けるんじゃないかな?
凛の令呪は転移もさせてなかったっけ?
848名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 22:10:11 ID:ciK7RmoX
転送して逃がしてるな。
849名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 22:25:14 ID:y7XwEolQ
>>833
まだ規制中、とかあるのかな。
もしそうなら、早く解けて欲しいものだけど。
氏が不憫だ……。
850名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 22:32:47 ID:V1DjHKiP
いや、規制中なら避難所を遣えばいいのでは…。
851名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 22:35:58 ID:nhnOSgco
あの文量を代理に任せるのも勇気いると思うぞw

今度は代理投下人が規制に叩き込まれる番だ
852名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 22:42:17 ID:vmr3pIEG
>昔戦闘中にいきなり霊体化して攻撃回避!を多用するSS読んだこと
>あるけど読者としてはすごいしらけた記憶がある。セイバーの剣があたりそう
>になると霊体化してにげちゃうんだもんw
うわあ、それなんだw
853名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 22:50:48 ID:42a7irZQ
逃走には霊体化も選択肢だろうな
ジルがセイバーとランサーから逃げるときに霊体化してるし
854名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 22:57:22 ID:s51Ejpqf
TRPG風にいうなら、攻撃に対応してリアクションタイミングで発動できる能力ではなく、
マイナーやメジャーを消費して使うタイプだな>霊体化
855名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 23:34:44 ID:R0FrNkrP
そもそも鯖同士だと霊体化しても関係ないしな・・・・
856ヴィータVS4thb6:2009/01/18(日) 00:11:26 ID:Lj2XCMrS
zeroによると壁抜けと高速移動は可能みたいだけどね
鯖同士だとあんまメリット無いけど
857名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 01:35:52 ID:3XEMHiWx
リリカルなのはReds来ていたな。
これは思ったより…速い展開になるかもしれん。
858名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 02:40:33 ID:vqsOkVBR
廃棄都市があまり老朽化していないし、ミッドの建築物は強度等を上昇させるため
魔力を宿した建材でできているとかだったらハサンに限らずサーヴァントの侵入の
危険性を減らせるんだけれどな
サーヴァントって「霊体化するとマナの薄い物質を通り抜けられる」だから
859名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 02:57:43 ID:sxOMD1Ym
単に、地球よりも技術力が高いだけな気もするけど。
860名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 03:21:33 ID:G1dbB8gH
>単に、地球よりも技術力が高いだけな気もするけど。
コンクリートではない第3の物質を使ってるんだよ
861名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 03:21:40 ID:l/2rHTTm
放棄されてそんなに年月が経ってないなら、実際のビルとかでもそこまで老朽化はしないよ
862名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 03:52:47 ID:sce8uzoP
管理局ってそんなに古い組織じゃないしな
863名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 08:57:39 ID:/cvh6nFy
なのはやセイバー等に頼んで区画整備をしなくちゃな
全部綺麗に吹き飛ばせば再建も楽なはず
864名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 09:28:11 ID:mz4yf1rF
黄色いヘルメットが案外似合いそうだ
865名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 09:29:38 ID:G342Odno
おっと、その仕事は国営イスカンダル運輸の関係各社がいただく
ミッドの下見を兼ねてな!
866名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 12:08:41 ID:Q44rEUPw
>>863
注:)働きません セイバーは
867名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 13:17:13 ID:whBAdcy1
>>866
おいしいものをちらつかせれば、あっさり働きそうな気もする。
868名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 13:41:25 ID:InbVSl+x
真名開放に必要なのは魔力です

したがって事前に黄金の湯船かボーイ・ミーツ・ガール&ガールをだな
869名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 13:45:40 ID:E/Qrfpsf
>>864
ヘルメットが大きすぎて
むー
と唸るセイバーが思い浮かんだ。
870名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 14:37:42 ID:XQQTwf7P
事後にねっとりとやるでも良くないかw
破壊後の瓦礫だらけの土地で青○だったらヤヴァイがwww
871名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 14:43:00 ID:HmJQ11h4
ねっとりやるのは誰なのか、それが問題だ
872名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 14:54:12 ID:PX/5pcuX
あと激しくするのか、優しくするのか。
873名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 14:57:05 ID:G342Odno
>>871
ユーn
874名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 15:03:44 ID:XQQTwf7P
じゃあ、後ろからねっとりやりながら真名開放や、魔法を使ってもらおう。
消費したと同時に供給すればいいのさ!エースなんだから出来るよね?とか英霊だろ?って煽ればやってくれるはず。
エネルギーの消費が激しいから速く供給する必要があるし激しくでいこう。
875名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 16:36:35 ID:jHCg/upG
ただの人間のなのは如きが鯖に勝てる要素など皆無
なのは厨はさっさとこの世から消え失せろ
876名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 17:07:11 ID:F3SAwvas
佐々木さんは対魔力が紙だから、物流で押せば意外と簡単かと。

忘れがちだが、アーチャーの対魔力ならガンドぐらいなら無効化出来る。
という事は、ティアナが……
877名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 18:09:52 ID:msNnFDMH
>>876
そんな分かりやすい荒らしに構うなって。それと戦闘議論はVSスレに行きなよ。
878名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 18:14:30 ID:GJUL4tmX
なのは厨はウザイよねー
本当にこの世から死んで欲しい
879名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 18:16:15 ID:wt1JTc+1
>>871
セイ×なのでいいじゃない…無茶か
880名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 18:28:02 ID:msNnFDMH
>>879
アルトリアは魔術で擬似的に男性になってモードレッドが生まれたから出来なくはない。型月には女の子でもナニが生える魔術でもあるんだろうか?
881名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 18:36:23 ID:Q44rEUPw
挿入だけが全てじゃない
口とか、貝さんを合わせるとか色々あるじゃない
882名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 18:44:25 ID:mz4yf1rF
体細胞クローンだろ
883名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 18:57:19 ID:AuQqzz5J
>>865
どこからとも無く現れては工事をしていき、
いつの間にか去っている、とwww
884名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 19:03:51 ID:/cvh6nFy
昼間の営みから夜の営みに話題がシフトしとる!
なんて創造力なんだ
885名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 19:06:59 ID:msNnFDMH
>>882
いや、それがキャラマテをまんま書き写すと、
『擬似的に男性になったアルトリアをモルガンが魔術で幻惑し、精子を採って自分の卵巣で育てた』
とあるから体細胞を採っただけのクローンではないっぽい。(ホムンクルスだけど)
それで精子が採れる器官なんてナニしかないからセイバーは下を生やしていたのかと。
しかし龍の因子が体に流れているアルトリアでもかかった幻惑の魔術ってどんなものだろうな?真祖すら騙せた旧アインナッシュの催眠暗示みたいなものか?
886名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 19:22:20 ID:IUDupBGW
>>885
モリガンも竜の因子あるからだろ
ドラ子だし
カオスガーデンの主だし
887名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 19:51:17 ID:mz4yf1rF
マーリンが幻惑魔術使ったんじゃねえか
マーリンの父親って夢魔だしあっち方面の魔術にかなり強そう
888名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 19:59:48 ID:+IhFwBN0
あの時代はカリバー振り回すアルトリアがいても楽勝にはならなかったから、みんなそれ相応に凄かったんだろうなー。
人類皆強大。
889名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 20:44:48 ID:F3SAwvas
そういや、セイバー言ってたな。
これぐらいの対魔力が無いとやっていけないっすよ。みたいな事をキャスター戦で言ってたな。
どんなブリテンだったんだよ
890名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 20:47:21 ID:PjaNeicb
そんなこといってたっけ?
ちなみに対魔力はセイバーになることによって上昇してるらしいよ
891名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 20:50:24 ID:F3SAwvas
>>890
キャスターの空間固定?の魔術を無効化した時、驚愕したキャスターに向かって言ったと思う。
892名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 20:51:52 ID:wt1JTc+1
セイバーとして、みたいなニュアンスじゃないの?
大分記憶が曖昧だから自身無いけど
893名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 20:53:14 ID:Q44rEUPw
初代OPでセイバーに群がっていった奴ら、全員セイバーの動き見えてたって事だよな

一兵士に至るまで音速対応可能とか
何だこの聖闘士ども
894名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 20:55:13 ID:F3SAwvas
確か内容は、神秘が溢れていた時代に剣を振るうならこれくらい無いと駄目っすよ。みたいな感じだった。俺も記憶曖昧だからなんとも言えんが
895名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 21:02:28 ID:mz4yf1rF
>893
エクスカリバーが決定打にならなかったのも一度見た技は二度と通用しないからなんですね
896名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 21:07:49 ID:l/2rHTTm
侍は実際の歴史を顧みても、冗談抜きの超人集団だったらしいな
白兵戦なら当時最強で、それ以外の戦い方も充分に心得ているから隙がないとかなんとか
897名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 21:08:26 ID:iu5kDrJI
エンキとギルの対決でも生き延びてたウルクの民と言い……。
戦国の武芸者は音速移動あり。
型月世界のMUKASHIは凄いぜ!

と、御神流と両儀の対決とかも普通にできるのか。
両方ともトンデモ古流だし。
898名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 21:16:18 ID:Q/EheOCG
OP見たら逆にアルトリアも普通の女の子で超人じゃないという感想をもったよ
あのOPのせいもあるおかげで鯖は超ツエー最高とならずにここでクロスを楽しんでいられる
俺もいますよ
899名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 21:19:25 ID:dHxyUl3K
まぁそんなセイバーも餅を喉に詰らせてあっけなく死にそうな感じがする
900名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 21:24:03 ID:F3SAwvas
さまざまな死因
ランサー→マーボーで
バーサーカー→毒
ギルガメッシュ→飲みすぎ
セイバー→食べすぎ
901名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 21:25:28 ID:8FOaY5f0
>>870破壊後の瓦礫だらけの土地で青子だったらヤヴァイがwww
なんか、恐ろしいな
902名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 22:14:47 ID:InbVSl+x
唐突に、
『エンキドウ=ロストロギアの暴走によって、飛ばされたorコピーされたユーノ』
という電波を受信した。

・天の鎖の元はチェーンバインド
・ミッドに送還orコピーの寿命が来たのをきっかけに、不老不死を探求しだすギルガメッシュ
・なのユーの仲を『ユーノの方をかまって』妨害する英雄王
903名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 22:17:41 ID:PjaNeicb
ユーノとギルガメッシュが笑い合いながら殺し合いができるかというと…
904名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 22:43:50 ID:InbVSl+x
そこは……王様の誇張、とか?
デバイスなしで魔法行使可能なユーノ君なら生存はできそうだし、実際は不完全燃焼に終わっていると

まあ、このネタ自体『ユーノ君を取り合うギルとなのは』が焦点で、他は辻褄合わせになるかなぁ程度しか……
905名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 23:57:18 ID:lGQoPaGJ
>>886
サンダーかえれwww

ところで冥魔王ってここで扱っていいの?
906名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 00:14:28 ID:v7hEmvrs
小次郎であれぐらいだから本田忠勝とか立花とか英霊化したらどうなるんだとつい思ってしまう

廃棄地区に蒼崎姉妹放り込めば瓦礫除去できそうだな
907名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 00:26:27 ID:ZQLeH7hs
たまに見るが、シモ・ヘイヘとかな…
ガチガチ射撃型は魅せにくいだろうけど…

っとスレチすまない
908名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 00:38:11 ID:mBW55y9w
ちょっと質問。
ワラキーのタタリの場合具現化するのって基本一夜に一体だっけ?
909名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 00:55:25 ID:iJUH3feE
そんな制約はなかったと思う

タタリが具現するものはフェイトはプレシア、はやては闇の書かな
なのはの怖いものって何?
910名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 01:08:44 ID:ErMkol+4
>>908
タタリが起こる前の前段階なら多分その通り。タタリの夜になれば、町や村の人間の全ての血を飲み干すまで終わらない。

>>909
これといって思いつかないけど……何の比喩もなしに悪魔な自分自身とか?
911名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 01:24:18 ID:TU1XJBxP
>>909
自分を必要としてくれない空虚な世界、とかじゃないかな
912名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 01:31:28 ID:ZEjwA67c
なのはさんは普通に聖王ヴィヴィオじゃないのか

八神家連合vsタタリインフォースは良いな
913名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 01:37:12 ID:ux7RZzjg
>>897
御神流は師範代の恭也でも一般人に普通に負ける程度だから無理
八門の開祖なら設定見ると小次郎相手でも五分で戦えそうな化け物だけど
914名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 02:07:12 ID:fg5tFKRG
恭也って、才能はあんまりないんじゃなかったっけ?
覚醒した美由紀ならあるいは・・・
915名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 02:12:49 ID:hfTgXRSa
必要なのはスペックじゃなく
主人公属性もしくはライバル属性
916名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 02:18:48 ID:N23Nk6Nt
>>910
なのはタタリ
「私はあなた。貴方がもっとも嫌いなあなた……。
 気づいてるんでしょう? 気づかない振りをしているだけでしょう?
なのは
「な、なにを……!」
なのはタタリ
「戦うことしか知らない自分。戦いに溺れてしまいそうになる自分。
 何よりも、相手より強い力を持っているということに快感を抱きそうになる自分……。
 私は、そんなあなた。
 なりたくない、見たくない、認めたくない、あなたの側面、だよ」
なのは
「……違う、私は……ッ!」
タタリなのは
「違わないの。私がここにいるということがその証明なんだよ。
 あなた自身を呪う呪いに、あなたは……勝てるのかなぁ?

  ……じゃ、いつもみたいに『お話しようか』?」


こんな感じ?
917名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 02:27:07 ID:9HdM5+H5
なのはさんは本人のタタリじゃなくて、周囲の恐怖からタタリにされそう
偽物が現れる方じゃなく、憑かれて変質する方で
918名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 02:27:38 ID:7gV0FEI8
>>914
二次だと天才設定にされてるけど実際の恭也に剣の才能は無い
それと御神流そのものが馬鹿強い流派が在って開祖以外は誰も習得できなかったので八の流派に分類した内の一つだから底は見えてる
俺も開祖は鯖レベルの化け物だと思うw
919名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 02:28:49 ID:hfTgXRSa
n−2とかメカナノハとかだな
戦闘機人技術だけでも可能な分
むしろタタリとか型月要素が邪魔になりそうだが
920名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 02:58:48 ID:nB99lUOs
両義vs御神は見てみたいカードではあるけどな。
蛇とか八極拳とかも好きだし、人外抜き、魔力やら異能無しでやりあったらどういう順位になるんだろうか。
この括りだと、藤ねえの順位がかなり高そうな……!
921名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 03:12:53 ID:7gV0FEI8
その括りでも藤ねえは中の上ぐらいの位置だと思う
922名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 04:25:14 ID:KYCcaT9O
そういえば、七夜や軋間、両儀となどの日本の裏関係とのクロス見ないな
鯖関係はよく見るが…
923名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 05:20:44 ID:W9oe/QTE
そっちとのクロスなら、どっちかとゆーととらハとのになるんだろうなあ。
やはり剣からビームが出るようなのでないと、なのはさんらのようなのの相手はできんからだろう。
イメージ的に。


そろそろLyrical Night氏の続きがみたいもんだが…まあ、気長に待つかあ。
924名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 10:23:01 ID:2BeiIvje
まあ、実際のところタタリvsなのはになったらよっぽどのチートな出来事が起こらないと
タタリの一方的勝利に終わりそうだな……

劇中でもアルクの介入がなければ勝てなかったわけだし
925名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 10:30:53 ID:ErMkol+4
>>924
一応、タタリも吸血鬼だから夜が明ければタタリも消えるので朝まで徹底抗戦という手段もある。敗北フラグだけど。
舞台をアルクがいる美咲町にするか、ミッドチルダという異世界の為、一度真祖に敗れた為タタリという現象が変質したとかオリジナル設定を作るか。
926名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 10:39:42 ID:lys5Lys4
実戦ならコピーには発揮しきれない漢成分爆裂で、限界突破して退けるよ
勝負時の彼女に恐れや迷いはない、みたいな感じでパワーアップさせないでね

リリカル社会的にタタリ対策するなら、大規模転移で住人を無くせばよくね?
閉鎖的地域ならまるごと吹き飛ばs
927名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 12:18:24 ID:oAbwrtrF
まあどう足掻いてもなのは如きが型月キャラに勝てるわけないんだから無駄な議論なんだけどな
928名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 12:27:50 ID:2BeiIvje
タタリという概念に対して対応するには…やっぱはやてあたりが
オーバードライブ蒼天の書でなんとかするとか?

ちょっとご都合主義だけど。

いや、闇の書のっとられはやてみたいに、リィンフォースが一時的に
はやての主導権を越えるとかおもしろいかもな。
初代管理人格顔、性格はリィンとかw
929名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 14:24:13 ID:h8UkFYSS
士郎と志貴の相性は悪い。
アーチャーと士郎の相性は悪い。
じゃあ、アーチャと志貴の相性は?
930名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 15:00:50 ID:fg5tFKRG
アーチャーと比較するのなら、殺人貴じゃね?
931名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 16:03:14 ID:WW56zwCi
アーチャーからすれば殺人衝動持ちとか切捨て対象だろう
というかここで聞くなw
932名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 17:19:11 ID:7BxRhnxz
実際はやて達がタタリィンと対峙したらどういう感じになるんだろ
タタリだと外見リィンでもすごい嫌な笑顔浮べて対峙しそう
933名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 17:32:48 ID:lys5Lys4
死んだと思ったキャラがタタリで復活怪人するのはアリかな
プレシアが若い姿で登場とか
934名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 18:09:39 ID:fg5tFKRG
健康なプレシア・・・悪夢以外の何者でもないな。
935名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 18:11:44 ID:TU1XJBxP
まあイザとなったらユーノ君が無限書庫を引っ掻き回して何とかしてくれますよ>タタリ

もはやあのフェレットはそういう
なのは達だけじゃどうもできない難問を解決するだけの機能に成り果てちった感があるし
936名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 18:40:29 ID:4EfxU23R
ユーノがタタリとして現れた場合――本人の意思と行動と経歴を完璧に無視して淫獣(性犯罪者)として行動するんだろうなあ。
無論、敗北したならVGっぽい末路が待っているだろうし。
937名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 18:45:23 ID:3Jg04v60
何だろう…ユーノとワカメがダブって見える

優秀さで言えば月とスッポンどころじゃないのに
938名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 18:47:59 ID:p1GWd9kO
>>936
そんなありえないことをシリアスっぽく言われても…
939名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 18:53:51 ID:fhNa9wOd
魔術からまなければ信二も優秀なんだがな(設定では)

タタリはむしろカリムのイメージを利用しそうな気が、
立場がら不吉なイメージと言うのは縁が深そうだし
940名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 19:04:14 ID:9HdM5+H5
ズェピアのお悩み相談室・ミッド編

・最近、ユーノ君になかなか会えません
・この頃、なのはと会う時間があまり取れないんだ
 → 多忙なせいだろう、依頼主の消失でいいかな?
・リィンTに会えへん?
 → 完全なカタチで再会させよう、防衛機能まで付いてこそ闇の書だろう?
・地上本部はいつでも人材不足、どうにか解消したい
 → 守れる人数まで減らしてみよう、手が足りるようにね
・陸と海の不仲に悩んでいます
 → よろしい、皆私から逃れることだけを考えるようにしよう
941名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 19:12:00 ID:LnLM/uiX
>>940
ふと思ったがアンリin聖杯に頼んでも同じ様な結果になるんじゃね?
942名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 20:25:40 ID:YUCQ9lCz
というかベクトルが完全に同じだな
943名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 20:26:01 ID:eWVsgc0V
リンディ魔法少女バージョンvsプレシア魔法少女バージョン
944エピソード『カレイドスコープ』 ◆57S81rBCpM :2009/01/19(月) 21:12:24 ID:fhNa9wOd
え〜書きあがったので第二話の投下を開始します、
今回は一まとめで、一話に比べて総量は短めです


「それにしても見事に吹き飛んだモンやねぇ」

改めて現場を視察して八神はやては嘆息した
クラナガン西廃棄区画―――其の一端がきれいな更地と化していた

―――まぁ、都市再生計画の予算が浮いたからよしとしとこか
そうでも思わなければやってられへんだけやけど

ミッドチルダは景観豊かな自然と、活気あふれる都市に混じり
いくつもの廃棄された都市が並ぶ世界だ
時空管理局発祥の地と呼べば聞こえはいいが
その実いまだ癒されることの無い旧暦の傷跡はそこかしこに多い

「コチラにいらしてたんですか八神二佐」

「ティアナか、
まぁ現場百回言うやつやね」

後ろからの声に振り返ると、
腰まで伸びるオレンジ色の髪の歳若い執務官がこちらへ歩いてくるところだった

「……ヴィータはなんとか勝ったんやけどな、
シグナムは本人重症、レヴァンティンは大破、アギトも入院中や
―――自分で言ってて信じられへん位の完敗ぶりやね」

「正直言って、
シグナム空尉が其処までぐうの音も出ないほどに負ける姿なんて想像できません」

「そやね」

なまじ彼女の実力を知るだけにティアナには想像できないだろう
それもシグナムが負けたのはクロスレンジの剣技である
エイプリルフールの冗談でも誰も信じへんやろなとはやても思う

945名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 21:16:39 ID:p1GWd9kO
支援
946名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 21:18:46 ID:7gPtmWyu
支援
947名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 21:26:31 ID:7gPtmWyu
支援
948エピソード『カレイドスコープ』 ◆vvCclAV53I :2009/01/19(月) 21:28:46 ID:fhNa9wOd
「マリアージュ事件から3ヶ月ほどでまたミッドにとんぼ返りか、
ティアナも忙しいなぁ」

「最初の仕事で凶悪事件を任されて以来ずっとそんな調子でして、
今回もクラナガン近郊での連続児童誘拐事件の調査です」

其の事件ははやても知っている
深夜、眠ったはずの子供が翌朝には失踪していると言う怪事件
何件目かにおいて一家惨殺現場が発見されたことにより
事件は凶悪犯による誘拐事件の様相を呈してきた

「あれか……
確かとある屋敷に残ってた防犯カメラの映像に犯人が写ってたんやったか?」

聞いた話によれば、道化師のような不気味な格好をした大男であったらしい、
それが夢遊病のように歩く子供達の列を引き連れて歩いていたというのだから
その様は想像するに不気味である

「はい、八神二佐は映像をごらんには?」

「管轄違うから見てへん、そんな暇無かったし、
ようやく手が空いた思たらこれや、
それで、態々そう言うからには、この事件と関連があるんやな?」

「はい―――実はこの件に関して重要参考人を一人確保しています
お会いになられますか?」

「手ぇ早いな、流石は元六課期待の出世頭」

「止めてくださいよ、もう」

眉間にしわを寄せた顔で返すティアナに手を振って踵を返す
いろいろと周囲の期待と好奇の入り混じった複雑な視線にさらされ気苦労も多いらしい

まぁ、私らも通った道やけどな

「さて、バシッと行こか」

ただの更地に用は無い、事件は待ってはくれないのだ
はやてはブンッと腕を回して気合を入れた
949エピソード『カレイドスコープ』 ◆LEw8hLF.nA :2009/01/19(月) 21:30:22 ID:fhNa9wOd
それは、其の影からすれば取るに足りない雑事であった
いつの時代も、子供一人を攫うというのは、ただ人気が無ければ事足りるのである

てくてくと歩く少女の愛らしさなど歯牙にもかけず影は音もなく忍び寄り、
ゆらりとその姿を現した

全身黒ずくめの中顔だけが髑髏を模した白い面に覆われた長身
かすかな気配に少女が振り返るが、その小さな体では到底抵抗できない
たわいない仕事だと影が思った其の時だった

「アブソリュートぉぉぉぉ・ブレイカぁぁぁぁぁ!!」

横合いから飛び込んできた何かに影は盛大に跳ね飛ばされた
950エピソード『カレイドスコープ』 ◆HMsBkt7H6Q :2009/01/19(月) 21:32:36 ID:fhNa9wOd
「大丈夫?」

「ふぇ?」

声をかけられて少女は事態についていけないまま乱入者を見上げた
すらりとした長身、黒いボディースーツの上に白いジャケットを着込んだ女性
其の足にいまだくすぶる魔力の残滓は先ほど影を蹴り飛ばしたものだ

「何者だ……」

「うわぁ、結構本気で蹴っ飛ばしたのに、まだ立てるんだ―――
でも、負けないからね」

それなりに強烈な一撃を叩き込んだはずだがまだ動けるらしい
ムクリと影が起き上がるのを見て取って、
後ろ出に少女に防御魔法をかけながら立ち上がる

「この色……」

少女を包み込む魔力光の色、それは虹色だった
少女はこの色のもつ意味をよく知っている
なぜなら、少女こそ其の魔力光を持つ、いまや唯一人の存在だからだ

「言ってくれる……」

くぐもった声でそう言って身構える影
だが、其の足運びは決して戦うもののそれではない

「逃げる気なんだ、口だけの人はモテないよ?」

「貴様と我らでは勝利と言う言葉の意味するものが違う、
私にとっては今は退くが正しい」

片足を引き大きく跳躍する姿勢に入る影
逃すまいと踏み込みかけた直後、その手があらぬ方向にむけて振りぬかれた

951エピソード『カレイドスコープ』 ◆TP7d0IpX5w :2009/01/19(月) 21:33:37 ID:fhNa9wOd

カランと乾いた音が響く
音を立てて転がったのは死角から投擲された黒塗りの短剣だった

「一人じゃないんだね……」

姿を現さないが物陰に何人か潜んでいるようだ
どうやら尋常に戦うタイプではないらしい

「ヴィヴィオ〜!!」

遠くから誰かを呼ぶ声がする
これ以上目撃者が増えるのはまずいのか、影は本腰を入れて逃げの姿勢に入った

「待て!!」

「笑止、
サーヴァントでなく、神秘も無い貴様らに捕まる我らではない」

とっさに放ったバインド魔法を巧みにかわし、影が其の姿を滲ませる
程なくして、魔力の残滓を残して影は完全に消え去った

「クレイドル・ピース、サーチは?」

“完全にロストしました、魔力反応、生命反応ともにありません”

「そっか、すごいな」

女性の問いかけに、彼女の手の甲の水晶が点滅し、どこか無機質な合成音声で答えた
幻術系の魔法などで隠蔽するには膨大な魔力だと思ったのだが
どうやら完璧に消えてしまったらしい

「もう大丈夫だよ、良かったね?」

防護結界をといて目線を合わせるようにかがみこみ
あれ? と女性は首をかしげた

ルビーとエメラルドのオッドアイに金髪
何処と無く見覚えのある―――あまりに自分に似た容姿である

「あ〜えっと……クレイ?」

“はい、何でしょう?”

「この子、ひょっとして……」

何か言いかけたところで背後から人の気配がする、
程なくしてサイドポニーの髪型の女性が駆け込んできた

「ヴィヴィオ〜!!」

「なのはママ!」

子犬のように喜色満面の様子で少女が其の女性に抱きつく
其の様子を見て彼女は「やっぱり」とばつが悪そうにつぶやいた
952エピソード『カレイドスコープ』 ◆DJkD5xR7zo :2009/01/19(月) 21:37:54 ID:fhNa9wOd

「新暦78年……って、オイ!」

アルバート・グランセニックは路上の大型モニターに映る日付に思わず声を上げた

「えっと……カズ君、何年前だっけ?」

「18年前、俺らが生まれる前だよ」

傍らで小首を傾げる妹分に答えて頭を抱える

「お姉ちゃんが出来るって言ってたけど、
ほんとだったんだタイムスリップ」

「厳密に言うと違うらしいけどな、
―――しかしどうすっかなぁ……」

辺りを見回していた「なにが?」と顔を向けた

「飛び散ったロストロギアとか今日の寝床とかメシとか全部」

「あぅ、……そう言えばそうだね」

財布は役に立たないし、ロストロギア『カレイドスコープ』の行方も不明

「飛び散ったのは端末12個、だったよな?」

「うん、本体は穴に落ちなかったから間違いないよ」

「アレを局が回収しててくれたら帰れるかも、ってとこか……」

望み薄だな〜と肩を落とす
こんなところで自分達だけで放り出されてどうしろと言うのか

953エピソード『カレイドスコープ』 ◆SDz7hg72I6 :2009/01/19(月) 21:40:05 ID:fhNa9wOd
「姉貴は一人でどっか行っちまうし、
どうすっかなぁ」

コレからを思うと気が重い、
差し当たりまず服装を何とかしないと職質されれば身分詐称で牢屋行きである

「あのさカズ君、お母さんに頼んじゃ、駄目?」

遠くの方を見ながら相方が問う、連絡の取りようもないのにどうやってと言う彼に、
彼女は遠くを指差した

「あそこの建物、確かお母さんの職場の港湾特救隊の隊舎だよ、
ちっさいころよく行ったもん」

正式名称港湾警備隊・防災課特別救助隊
確かにいるには居るだろう、この時代の本人が

「先ずどうやって信じてもらうきだよナノハ?
―――いやまぁ、あの人なら二つ返事で引き受けないとも言わないけど」

それはそれでひどい言い様であるが、
あっけらかんとした彼女の母親を思い出してアルバートは相打ちを打った

「まぁ、とりあえずは却下だな」

「ふえぇ、何で?!」

目を尾丸くして何故?と問いかけてくる彼女に説明する
頼めば確かに助けてくれるかもしれないが間違いなく本局に話が行くことになる
大げさにはしたくなかった
954名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 21:46:37 ID:p1GWd9kO
支援
955エピソード『カレイドスコープ』 ◆0BX13HT6qA :2009/01/19(月) 21:46:42 ID:fhNa9wOd

「ことをどんだけ荒げる気だよ、
下手に元六課まとめて〜なんてことになったら大事だぞ?」

ロストロギアの規模でいうと相当大事な事件である
本当に元六課に召集がかかる可能性もあるのだ
そんな事態になったら大げさではすまない

「とにかく俺達は事が大きくなる前に
『カレイドスコープ』を何とかして見つけなきゃならねぇ、
善意でことを大きくしかねない人たちの協力は仕方ねぇけど却下―――!」

「いや、そうはいかねぇな」

後ろから遮るように相槌を打たれて彼らはあわてて振り返った
いつの間にか二人の後ろに目つきの鋭い赤髪の少女が立っていた

「時空管理局本局戦技教導隊ヴィータ二等空尉だ、
抵抗するな、おとなしく従えばお前らには弁護の機会を与えてやる」

「ふえぇ?!
い、いきなり犯罪者扱い?」

そりゃまぁ身分詐称の現行犯見たいなものだしなぁと肩を落とすアルバート
ひとしきり二人の反応を見届けた後、

「なんてな、ヴィヴィオから話は聞いてる、
はやてのところに連れてってやるから付いて来い」

ヴィータは口の端を吊り上げて人の悪い笑みを浮かべ、
有無を言わさぬ口調でそう言った





第2話ここまでです、
はい、オリキャラ3人ほど投下しました
(約一名は一応既存のキャラではありますが)
設定はおいおい本編で語ることになるかと(本筋に係わるとこを軽くですが)
ではでは
956名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 21:58:35 ID:7gPtmWyu
GJ!!です。
ジルがいて、アサシンまでか。挑発に乗らないアサシンはいいw
彼らは何が目的なのか気になります。
オリキャラは誰と誰の子供なんだろう?
ヴァイスと誰かの子、おそらくスバルと誰かの子ってのはなんとなく分かるんですがw
957KING:2009/01/20(火) 00:08:33 ID:4lxo75jq
さて、誰も予約がいないので20分になったら投下します。
958KING:2009/01/20(火) 00:24:43 ID:4lxo75jq
それじゃ投下いきま〜す。
今回のは次回への都合上短くなっています。

第六話「新たなる相棒」


模擬演習場モニター前

モニター前でスターズと式の戦闘データを計測していたシャーリーは驚きを隠せなかった。
式の身体能力はさる事ながら、スフィアの射撃魔法や障壁をナイフ一本で無効化し、魔法無しで本体を破壊したのだ。
これを驚かずにはいられない。

「なのはさん……式さんの今の能力は一体……?」

「そっか、シャーリーにはまだ話してなかったんだよね。
あれが式のレアスキル『直死の魔眼』。
何でも物の『死』が視る事ができるんだってさ」

「物の『死』ですか…?」

シャーリーはわけが分からないと言った顔をしている。
まあ、それも当然の話しだろう。
なのは達でさえ、最初はどうゆう意味かチンプンカンプンだったのだ。
それを何も知らないシャーリーに分かれと言う方が無理な話しである。

「そうだね……。
説明すると長くなるけど……。」

なのはは自分達が式から受けた説明をそのままシャーリーに話して聞かせた。

「この世に存在する物が予め内包している『死』を視る事ができる……。
何か難しい話しですね」

「そうだね。
私だって今だにどうゆう意味かわからないもの」

なのはとシャーリーはお互いに苦笑しながら、再びフォワードメンバーと式の戦闘データを取り始めた。
だが、なのはの方はむしろ逆で内心寒気とも呼べる感覚を抱いていた。
昨日の式の説明を聞いた時点では彼女の眼をそれほど重要視していなかった。
せいぜい障害物を魔法無しで破壊できる便利な道具程度と言った感じだ。
だが、今の映像を見てその考えは間違っていると感じた。
式個人の驚異的な身体能力と魔法すら無力化する「直死の魔眼」。
そこにデバイスとミッド式かベルカ式のどちらかを加える。
それは圧倒的な力を持つ魔導師が生まれるのではないか?
勿論式本人のデバイスや魔法との相性、空戦適性の有無で変わってはくるがその可能性は十分に考えられる。
なのはは式の戦闘映像を見ながら、その事を嬉しく感じた。

「式がどんな魔導師に育つのか……これからが楽しみだな」
959KING:2009/01/20(火) 00:25:58 ID:4lxo75jq
機動六課食堂

午前中のデスクワークを終えたフォワードメンバーは昼食を取っていた。
お昼時とゆうこともあり、周りは同じように昼食を食べている人で賑わっている。

「そう言えば、今日の訓練の時の式凄かったね〜」

山盛りのパスタを取り分けながらスバルがそう言い出した。
訓練後、フォワードメンバー内ではこの話しで持ち切りだった。
今朝の訓練は、当初ティアナが予想していた結果を裏切り、好成績を残す結果で終わった。
スフィアを撃破した後、スターズと式は途中のガジェットやスフィアを蹴散らしながら一番乗りでターゲットポイントに到着。
その後、合流したライトニングと共に周りに展開していたガジェット軍を呆気なく破壊、スバルがターゲットを確保し訓練は無事終了した。
メンバーはその時の映像を見ながら、食事を取っている。

「そうですね。
最初、スバルさんから話しを聞いた時は僕も半信半疑でしたから、実際に見た時には驚きましたよ。
デバイス無しでガジェットを破壊するなんて普通はできませんから。
なのは隊長から式さんのレアスキルの話しを聞くまでは何がどうなってるか分かりませんでしたよ」

エリオが式の戦闘場面を見ながらそう呟いた。
訓練の後、スバル達フォワードメンバーはなのはから式の魔眼についての説明はある程度受けていた。

「えっと…確か名前は『直死の魔眼』でしたっけ?」

「そうそうそれそれ。
確か能力内容は何でも壊せる。
だけどさ、なのはさんのあの説明内容……理解できた?」

「全然理解できませんでした……」

「私もエリオ君と同じく……」

ライトニング二人は苦笑しながら、そう答えた。

「やっぱりか……私も全然理解できなかったんだよね〜。
何か物の『死』が何たらかんたらって言ってたけど。
結構あれってどうゆう意味何だろうね。
ティアは分かった?」
960KING:2009/01/20(火) 00:26:37 ID:4lxo75jq

スバルがティアナに質問を投げ掛けてみる。
が、当の本人はパスタを見つめながら何か思い詰めた表情をしていた。
訓練の後からずっとこんな調子である。

「ティア……ねぇティア。
もう……ティアナ!」

「え!?な、何よスバル…?」

業を煮やしたスバルが大声で叫ぶと、ティアナはやっと呼ばれてる事に気が付いた。

「何よ、じゃないよ。
訓練の後からずっとそんな調子だよ?
デスクワークの時も、珍しくミス連発してたし……。
体調でも悪いの?」

スバルが心配そうにティアナの顔を覗き込む。

「だ、大丈夫よ。
ちょっと疲れただけだから心配しないで。
ごちそうさま……」

そう言った後、食べかけのパスタの皿をテーブルに残し、ティアナは食堂をあとにした。
その後ろ姿をスバル達は心配そうな顔で見つめていた。


自分の瞼の上から朝を知らせる光が降り注ぐのを感じ、私は嫌々に目を開けた。
まだ、覚醒しきっていない頭を無理矢理叩き起こしながら、ベットを降りカーテンを開けた。
窓から外を見てみると、海が見え、空の天気は晴れ渡っている。
一通り見終わった後、この部屋での普段着である大きめのYシャツを脱ぐ。
その後部屋の片隅にポツンと置いてあるタンスの中から藍色の着物を取り出しそれに着替え始めた。
この着物ははやてやなのはが私の為に用意してくれた物だ。
材質はそれ程の物では無いけれど、色具合などがなかなかなので一応気に入っている。
それに着替え終わった後、愛用のナイフと投躑用の小刀を数本懐にしまい込む。
掛けてある何時もの赤い革ジャン羽織り、私は部屋を後にした。


私がこのミッドチルダに来た日から一週間が過ぎようとしていた。
基本的な生活洋式にそれほどの差が無かった為、私は直ぐに順応するようになった。
961KING:2009/01/20(火) 00:27:09 ID:4lxo75jq
私のここ一週間の生活は特に変った事は無く、六課の隊舎の周りを散歩するだけの退屈な日々を過ごしている。

最初の数日はスバル達に誘われ暇つぶしがてら訓練に参加してみたけど、あのロボットもどきの相手ばかりなので早々に飽き、出るのをやめた。
その事を何処から聞き付けたのか、はやては嫌がる私の話しを無視して機動六課隊舎内の案内と副隊長陣などの顔合わせに無理矢理連れ回された。
桃色の髪をポニーテールにした騎士シグナム。
どう見ても十歳前後の少女にしか見えない赤い髪のヴィータ。
黄色い髪に穏やかな顔をしたシャマル。
狼のザフィーラ。
そして体長10cmぐらいで空中にフヨフヨと浮いているリィンフォースU。
最初にあった時は相手が警戒心丸出しなのがヒシヒシと伝わって来た。
特にシグナムは完全に疑っている目をしていて、はやてが私の事情説明が終わるまでそれが続いた。
はやての話しによれば彼女達はヴォルケンリッターと言う名の騎士らしい。
具体的な話しはその時聞けなかったが、正直どうでも良かった。
引き続き隊舎の案内と人員の紹介、私の身分を示すIDカードを受け取る事でその日は終了した。
その後の数日間は以前と変る事が無く、周りを散歩したり、たまにスバル達の訓練を遠くから眺めるなどをして暇をつぶす日々が続いた。
そんな時、昨日突然なのはから連絡が入った。
内容は私用のデバイスが完成したので、明日来てくれという内容だった。
そう、私が今向かっている場所はシャーリーの研究室だ。
隊舎の中を5分位歩き、式は目的の場所を見つけて中に入った。
シュッと音と共にドアが開き、その中に足を踏み入れる。
部屋の中は作業機械などが並んでおり、その一角でなのはとシャーリーがモニターを開きながら作業をしていた。
式が入って来た事に気がついたのか、一旦作業をやめ二人とも向き直った。

「あ、来たね式。
良し、それじゃあ本人も来た事だしさっそくお披露目といこうか。
シャーリー見せてあげて」

「わかりましたなのはさん」

シャーリーがモニターを操作する。
すると式の目の前にあるデスクに宝石みたいな物が転送されてきた。
その形はなのはのレイジングハートの待機状態と同じで、唯一違うのは色が白であると言う事だけだ。

「これが・・・私のデバイスなのか?
何かスバル達のとだいぶ違うみたいだが・・・」
962KING:2009/01/20(火) 00:28:09 ID:4lxo75jq
式が疑いの目をしながらそう呟いた。

「あはは、違うよ式。
これは待機状態で、使うときにはちゃんと武器化するんだよ」

なのはが苦笑しながら式にそう説明した。

「それにそんな心配しなくても大丈夫ですよ式さん。
開発は私となのはさん、レイジングハートさんの三人でやりましたから。
式さんの戦闘データを解析し、今でのデバイスのデータを考慮。
さらに最新の技術を使って開発したバリバリの式さん専用の最新型デバイスですから」

シャーリーはやや鼻息を荒くしながら自信満々にそう言った。

「それじゃ早速、性能テストでもしてみようか。
式も早く試してみたそうな顔しているし。
シャーリー模擬戦場は空いてる?」

「はい、今の時間なら誰も使用していないので大丈夫だと思います」

なのはの質問に答えた後、シャーリーは自分の工具を持って移動する準備を始めた。

「じゃあ移動しよう。
式行こうか。」

その言葉に反応し、式は自分のデバイスである白い宝石を握り締めた。

「ああ、わかった。
ところでシャーリー・・・・・こいつの名前は何て言うんだ?」

「この子の名前はディレクティ。
秩序を直す者と言う意味の名前です」

「ディレクティか・・・・」

自分の相棒となるデバイスの名を呟いた後、式はシャーリーの研究室を後にした。
963KING:2009/01/20(火) 00:31:01 ID:4lxo75jq
投下しゅう〜りょ〜です。
今回はちょっと式のことでぐだぐだになった気が・・・。
まあ、そんなことは置いといて次回は遂にデバイスお披露目で〜す。
964名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 00:37:04 ID:xCvR5FiW
投下乙。続きまってるさよー!!


でも一つ気になることが、会話中の式の一人称が『私』になってる
前にも言われてたことなので気を付けて
965KING:2009/01/20(火) 00:40:08 ID:4lxo75jq
>>964
すんません。また同じミスを・・・orz
966名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 00:40:43 ID:Ogkifw0B
カレイドスコープの人もKING氏も乙でした〜。
次回を楽しみにしています。
967名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 00:49:27 ID:B1g3Us//
>>955
GJ! ……ナンだけど1つしょうもない疑問。
アルバート・グランセニックをどう縮めてカズ君?
968名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 00:51:59 ID:qcxFFGFX
乙です。
六課の連中、「直死の魔眼」のやばさを認識してないのね・・・。
969名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 00:53:52 ID:qcxFFGFX
おっと御免、ageちった。
970名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 00:55:46 ID:EJRIMNGT
GJ!!です。
直死の内容を聞いて、さらにそこに魔導の力を加えたらどうなるのか楽しみだと、
なのはさんは思っているようですが、身をもって体験しないとあの眼の真の怖さはわからないだろうなぁ。
自分の育てた人間が圧倒的脅威なった時どうするんだろう?
まぁ、否定的な感じで書きましたが、なのはたちがいい人なんで式の目の能力を知っても恐れて、
迫害しないってのが彼女達らしいw
971名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 06:37:13 ID:m591Lr+Y
題名 エピソード『カレイドスコープ』

作者 ??

第一話 サブタイトル ??
シグナムがボッコにされるとこから
ヴィータがランスを退けるとこまで

第二話 サブタイトル??
今回

という事で良いですか?
間違ってるなら訂正もしくは修正を
無いならこのままwikiに掲載させますが・・
972名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 07:20:30 ID:4lcu7ur1
あ〜そうですね
内容はこのままでOKですので
作者名はKO-jで
一話サブタイを「戦場」、二話を「現状」ということでお願いします
ご迷惑おかけしました
973名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 07:42:36 ID:4lcu7ur1
>>967
そう、どうあがいてもあの名前でカズ君はありえませんよね?
ということは?
其の答えはいずれ本編で明かされます
974名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 08:00:40 ID:nFFYqzWR
しかし今回スレ回るの早いなー、作品の投下も多かったし、
リリブラ氏の合流編は次スレに持ち越しだな。
975名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 10:39:51 ID:zit98Qe0
>>902を見て何かが舞い降りた。
というわけでSS書いてみたんだけど、載せてもいいかな?
勿論、次スレにだけど。
976名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 10:43:47 ID:6uwODOLg
次スレは画像も出るといいな
久しぶりに短編やパロディっぽいのも
日常的な話に飢えてきたッス、タイガー死翔ー
977名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 10:57:42 ID:nFFYqzWR
ん?画像といえば前スレだかにあった。
『なのはとリインフォースアインスが背中合わせ』の絵はどうなったっけ?
お絵描き掲示板にないような気がするんだが……?
978名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 11:10:01 ID:m591Lr+Y
>>975
ダメなわけがないじゃなぁい♪
979名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 11:47:07 ID:6uwODOLg
>>977
そんなのがあったのか……
ネコハヤテだけかと思ってたぜ
980名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 12:00:21 ID:EJRIMNGT
立てた。そして、何故か名前欄に記入してしまったorz
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1232420323/1-100#tag1
981名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 12:11:30 ID:nFFYqzWR
>>980
乙なんだぜ。さてじゃあ埋めるか。
982名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 12:38:08 ID:6uwODOLg
梅サンド・ヴィータSP
983名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 12:59:32 ID:6yflMycp
>>963
GJ
どんなデバイスなのか楽しみですね、そしてバリアジャケットも気になります。
直死の魔眼もおそろしいですね。

>>970
別に敵対とかはしないんじゃないの。

>>980
乙カレイド
984名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 14:28:19 ID:EJRIMNGT
>>983
なのはたちの式に対する今の態度が直死に無知だからあんな感じでいられるのか、
それとも受け入れた上であの態度が取れているのかって事でw

最近、本つながりでライダーとユーノが仲がよく、なのはがヤキモキとか見たくて仕方ないw
ライダーもその気がないわけじゃないが、なのはを見て……よし!多人数プ○イで行くかとぶっ飛んだ方向に思っているとかw
985名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 14:56:04 ID:t9Ws8bNo
>>980乙。

>>977
他にも少しずつ出ていた気はするけど、誰も保存の話をしないから他所からの転載だとおもってた
986名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 17:00:09 ID:vWq9bwr3
埋めネタを投下したい。
リリころさんに断り無く状況を借りてますが大丈夫でしょうか?
987名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 17:06:50 ID:vWq9bwr3
 ―――空は快晴。
 穏やかな気候は季節の感覚を麻痺させる。
 潮風が頬に心地よく、海鳥の声は寂しさを緩和させる。
 文句の付けようのない絶好のロケーション。
 平穏を絵に描いたような冬木の沖合は、しかし。

 この、超巨大宇宙戦艦によって、SFの世界に変貌していたのだった……!!

「いつ見てもでかいよな、ホントに」

 冬木大橋からも姿が見えるこの戦艦、名を『聖王のゆりかご』という。
 本来はフェイト達のいた世界のもの、それも超一級の危険物らしいこのデカブツは、現在のところ動きはなく、未遠川の河口沖にて停泊中。
ドクターを含めたナンバーズ組の宿泊施設と化している。
 家に出入りするチンクに対し、船上生活に不便はないかと聞いてみたが、意外と快適という返事が来た。長期航行も視野に入った設計らしく、
物資さえ運び込めば別段不都合はないらしい。本来は『鍵』が無ければ全く動かないものらしいのだが、どういうわけか住環境分の動力は供給
されているとのこと。
 実にいいかげんである。
 こんなモノが日常になじんでいる辺りも含めて、さすがは虎聖杯といったところか。
 遠坂が見れば頭を抱えそうな現状だが、幸か不幸か今は不在で、代わりに来たのはちびだぬきのみ。
 こうして俺が不思議機械(ガジェットドローン)に乗ってお邪魔しても、何のおとがめもないのだった、まる。

「よっと。ありがとな」

 機体にしがみついていた手を離し、甲板へ降り立つ。
 丸っこいボディを軽くなでながら、内部への入り口を探す。

「えーっと……あぁ、あそこか」

 さっそく発見、ここからは徒歩で向かう。
 …………と。
 何か今、どこかで見た男がいたような。


ニア 1.………気になる。
   2.よしておこう。
988名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 17:07:28 ID:vWq9bwr3
 ………気になる。
 無視できそうもないので、意を決して近づくことにする。

 その男は派手な柄のシャツを羽織り、クーラーボックスに腰掛けながら、釣り竿を海に傾けている。
 …………いやまあ、そんな風貌の男なんて、一人しか思い当たらないのだが。
 向こうはとっくに気づいていたのか、ある程度近づいたところで、こちらも見ずに声をかけてきた。

「よう、坊主。こんなところで会うとは珍しいな」

「……それはこっちの台詞だ。なんでこんなところで釣りしてるんだ、ランサー?」

 クーラーボックスの向こうにあったバケツには、以前同様さまざまな釣果にあふれている。
 魔法の竿は健在のようだ。

「いや、釣りの最中に知り合った嬢ちゃんがいてな。
 話の流れで、ここで釣れる、ことになったっ! ってわけだ」

「おわっ?!」

 竿の引きが強まり、途中でだいぶ説明をはしょったランサー。
 というか今の、鰹じゃなかったか?!

「……まあ、なんとなくは解った。
 けど本当に色々釣ってるな。港でもそうだったが、今度は輪をかけて無節操じゃないか?」

「確かに、2割増しぐらいは釣れてるかもな。こっちも見るか?」

 そう言うと、クーラーボックスから立ち上がるランサー。
 開けてみると、相変わらず鯖は多いものの、確かに雑多な品揃え。
 何をどうやったのか、カニやアワビまで入っている始末。
989名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 17:08:00 ID:vWq9bwr3
「いやまて、アワビは釣れないだろ!?」

「ああ、それな。そっちは嬢ちゃんのだ」

「呼んだー?」

 謀ったようなタイミングで、ザバァッ、と海から飛び出す人影。

「って、セインか」

「そうだけど、どうした?」

 自分の能力(ディープダイバー)で潜っていたのか、水滴一つ付いていないセイン。
 手には貝やら海老やら、収穫してきたものが抱えられている。

「元はと言えば、嬢ちゃんが針に引っかかったのがきっかけだしな」

「あー、あのときは……先客がいるなんて思ってもなかったから」

 恥ずかしそうに頭をかくセイン。
 そりゃなあ。ランサーのせいで人気なんてさっぱり無くなってたしなあ。
 ランサーの方も、まさか港に素潜りをする少女がいるとは思うまい。

「それで、お詫びもかねて漁場を提供してる訳か」

「そ。ちょっとお裾分けしてもらってね」

「こっちにしても楽しめりゃそれで十分だしな。よっと」

 竿を上げるランサー。

「サバだな」
「鯖だな」
「だね」

 会話がとぎれる。
 同時に、今日はドクターに呼び出されていたことを思い出す。

「じゃあ、俺は用事があるから。
 二人ともがんばってくれ」

「おう、じゃあな」
「また後でねー」

 漁を再開する二人を背に、ゆりかごの入り口へ向かう。

 ようやく見つかったランサーの安息場(つりば)。
 心ない闖入者によって、乱されなければよいのだが。
990名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 17:09:54 ID:vWq9bwr3
用事が入ったので、了承前に勝手に投下。
大丈夫なら保管して、駄目な場合はそのままスレと共に沈めてください。

あと、タイトルは保管する人がかってに付けてくれて構いません。
991リリころ:2009/01/20(火) 19:38:24 ID:EC1LhkN1
自分はまったく問題なしです。

というか、そのアイデアに嫉妬しそうだ。GJ!!
992名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 19:40:52 ID:IjmZaV44
GJ!乙!
993名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 20:46:10 ID:4lcu7ur1
GJ乙!!
この組み合わせでランサーズヘブンと言う発想が既にありえねぇ(いい意味で)
ところでチビ狸は何しにきたん?
994名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 20:51:01 ID:t9Ws8bNo
おお、新スレにかまけていたら何か投下が
……赤い背中が出てくるか?

>>993
リリころ氏に許可もらってるし、ヒロイン入れ替え状態?
995名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 21:49:04 ID:54wZ9WDV
そういえばリリころの入れ替えキャストは結局どうなっているんだ?
向こうから来たのは3人娘とナンバーズ+1になるんだろうか…
996名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 22:21:21 ID:EJRIMNGT
セイバー役がフェイトだっけ?
風呂場で魔力チャージする士郎とフェイトを妄想しちまったw
997リリころ:2009/01/20(火) 22:24:58 ID:EC1LhkN1
一応

セイバー⇔フェイト
遠坂⇔はやて
桜⇔なのは
イリヤ⇔チンク

ただし、ぶっちゃけなんでもありの設定なので、三人娘と夕食を食べていたら
いつの間にかセイバーが紛れ込んでいたりとか、
クラナガンに藤姉が現れたりとか、
わくわくざぶーんで、士郎が「チンクに一番ドキドキした」
と言った瞬間にバーサーCARに跳ね飛ばされたりとか、
そんな展開もありえます。
998名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 22:30:22 ID:t9Ws8bNo
おお、わざわざご丁寧にどうも。
しかしかなりアバウt──書きやすい設定
……これは、リリころ作品増えるかな?
999名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 22:55:16 ID:1op1Ttus
ttp://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1232420323/1-100#tag1
                        、_,.-'='`'ーヾ、
                        r`      iィ
                       く         /´
                        'イ,     /ク
                          〉;'^ニイ,/        先に行くぞ。立ち上がれるなら追って来い。
                        _i´tr─/:`: ̄;'〃'ー;rー.、
                     ,..‐'´/‐''二|: : : : :;i/' : :/ ; : : : :ヽ
                  ,..- '´: : : :{イ!トヽ| : : : : l!: : /: :i: : : : : :l
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1000名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 23:02:12 ID:t9Ws8bNo
 ―――クロススレ19は終わった。
 連載は完結を生むことなく、
 議題は解決されることなく、
 虚ろな日常は、今もこうして回っている。

http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1232420323/
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