>>428 超級覇王電影弾よろしく魔王フェイスが先端に存在するSLBがスイミー達を飲み込んでいくシーンが…w
お久しぶりです。
まず第一に、前回は三次創作などという不祥事を起こしてしまい、
スレの皆様にもご迷惑をおかけしてしまったことを謝罪致します。
さて、予約がないようでしたら、5時40分くらいから投下を開始しようと思います。
えー、またしてもライダーとのクロスです。クロス元ライダーはクウガ。
はい、マスカレードもブレードもどうにも筆が進まないので、やっちゃいました的な新作です(ぇ
それでは、始めは短めですが投下開始します。
西暦2001年1月30日―――
中央アルプス長野県九朗ヶ岳。
全ての始まりであったこの地には今、猛烈な勢いで吹雪が吹き荒れていた。
それはまるでこれから吹き荒れるであろう戦いの嵐に感応するように。
周囲一面を白銀の世界へと変え、国道沿いに停車された二台のバイクに雪が降り積もる。
勿論それは、バイクの所有者である二人の青年にも等しく降り積もっていた。
厚い雲に覆われた空には、暫く青空が拝めそうな気配はない。
それはまるで青年の心を現しているかのようで。
青年が不安がるのも無理はなかった。
1年間という期間に渡って、共に戦ってきた友を、自分の手で殺さねばならないのかもしれないのだから。
それは仮に、“もしも彼が心から優しさを枯らしてしまった場合”のことではあるが。
勿論彼を信頼していない訳ではない。寧ろ彼ならば古代の伝説をも塗りかえるのではと期待さえさせる。
それでも心から不安が消えないのはやはり、慎重な性格のためなのだろう。
出来る事なら、彼にはこんな寄り道はさせたく無かった。
出来る事なら、彼には冒険だけをしていて欲しかった。
ここまでずっと付き合わせてしまった事に、罪悪感を感じずにはいられなかった。
彼は笑顔を絶やさなかった。元々暴力なんてものは嫌いな筈だったのに。
本当なら誰かを殴る事も、ましてや殺すことも嫌だった筈なのに。
それでも彼は、戦い続けた。何度挫けそうになっても、必ず立ちあがって。
自分の身体すらも、自分の物で無くなってしまうかもしれないという恐怖にも負けず。
人々の命と、そして何よりも人々の優しい「笑顔」を守るために、彼は戦い続けたのだ。
だが、そんな戦いもこれで終わる。大勢の人々の命を奪い続けてきた者達と、最後の決着が付こうとしていた。
――じゃあ、見てて下さい。
――俺の、変身。
彼は最後に、こう言った。
親指を突き立てて――所謂サムズアップのポーズを取りながら。
自分は大丈夫だと言わんばかりに、微笑みを浮かべて。
笑顔で親指を突き立てるというこの動作自体が、彼のトレードマークの様な物なのだ。
彼は青年に背中を向けると、いつも通りに変身の動作を取った。
未だ不安な瞳で見つめるしか出来ない青年の眼前で、彼の姿が変わっていく。
ベルトを中心に、全身が漆黒の鎧に包まれて。その直後、金のラインが走る。
その体を漆黒で塗りつぶすと、今度は頭部を仮面が覆う。
彼は既に、人間の姿ではない。戦士としての姿へと、文字通り“変身”を行ったのだ。
全身が黒に覆われたその姿は、漆黒の――凄まじき戦士のもの。
禍々しく突き出た両肩の突起。頭部に輝く黄金の角は4本。
今までのどの姿とも違う。彼は成ってしまったのだ。
伝説の存在に―――「究極の闇を齎す存在」に。
されど不思議と、恐怖という感情は感じなかった。
最後に戦士が振り返った時、その目は燃える炎の様な真紅の色をしていたから。
これが、青年が最後に見た、「戦士クウガ」の姿であった。
EPISODE.00 青空
三ヶ月後―――
警視庁、未確認生命体合同捜査本部。
一年前から突如現れ、普通の人格を持った人間には大凡理解不可能な
殺人ゲームを繰り返した異形の集団を、人々は「未確認生命体」と呼んだ。
彼ら未確認生命体は、当初は人類の開発した兵器では対処不可能とされた。
しかし、確認された未確認生命体の中に、人類にただ一人味方する者が現れた。
後の研究でそれは未確認とは別個の存在である事が明らかにされたが、
人々は皆彼をこう呼ぶ―――未確認生命体第4号と。
この世界の人々の間で、「4号」という言葉は最早、英雄の如きカリスマ性を湛えているから。
一年間、未確認の連中から人々を守るために戦い続けた4号はまさに希望の象徴とも呼ぶべき存在であった。
そんな4号に協力して戦ったのが、警視庁内に設けられた、未確認生命体合同捜査本部なのである。
しかし、4号と0号が最後に確認された九朗ヶ岳での事件以来、未確認はその姿を現す事は無くなった。
それ故にこの部署も解散となり、現在未確認に関する資料を纏めていた最中であった。
一条薫は、数枚が束ねられ、一つの束となった資料に目を通していた。
未確認生命体関連事件捜査資料。この一年で起こった全ての未確認関連事件の全容が記された資料だ。
この一年間の記憶を呼び覚ましながら。ゆっくりと頁を捲るその表情は、重々しい。
一条が見詰めていたのは、未確認生命体第0号に関連する事件資料であった。
資料写真として載せられているのは、0号が引き起こした事件について。
それは今から時間にして約三ヶ月前。究極の闇と称される0号が単独で行ったと思われる、大量虐殺事件。
その影響で、長野県長野市及び松本市は壊滅―――0号によって虐殺された被害者は三万人を超えた。
しかし、後の4号との決戦を堺に、0号はその姿を現さなくなった。
資料に記されているのは、以下の文である。
未確認生命体第0号
平成13年1月30日、長野県駒ヶ根町室木、
九朗ヶ岳名伊里曽沢に於いて第4号と交戦、
第4号と共に失踪。
(平成13年1月30日、午後7時から8時頃)
一条の表情が険しくなる。
0号が4号に倒されたのならばそれでいい。
だが、4号まで一緒になって消えることに、一条は未だに納得が出来ずにいた。
自分が二人の決戦の跡地へと駆け付けた時には既に、二人の姿は無くなっていた。
白銀の世界をただ一ヶ所、真っ赤な鮮血で染めて。
だが、どうにも4号が死んだとも思えない。
何故か彼なら、今でも何処かで冒険を続けているのではとすら思えてくる。
それはやはり彼の人柄故なのだろうか。
支援
しかしそれならば一言くらい「冒険に行ってきます」くらい言ってくれても良かったんじゃないかと思えてくる。
と、そんな事を考えていると、一条の表情からふっ、と笑みが零れた。
一条が思い描いたのは、彼の相変わらずの飄々としたマイペースな態度。
どういうことか、彼の笑顔を見ていると、こっちまで笑顔になってくる気がした。
例えそれが記憶の中の姿でも、だ。
それだけ彼は、皆に笑顔を振り撒いた存在だったのだ。
「五代さんじゃない人が4号だったら、最後まで戦えなかったかも……」
ふと、一人の同僚の言葉に、一条は耳を傾けた。
4号として戦った彼――五代雄介の話とあれば、自然と意識が向けられる。
「そうだね。いつでも笑顔で頑張れる五代さんだったから。最後の最後まで」
また一人、同僚の刑事がそう言った。
一条の脳裏に未だ焼き付いて離れないのは、五代の屈託のない笑顔。
本当なら辛い筈なのに、五代はいつでも笑顔を絶やさず、皆の笑顔を守り続けた。
絶対に弱音も吐かずに、例え心の中で涙を流し続けていても。周囲の皆を笑顔にする為に、
五代は最後の最後まで、笑顔を絶やさなかった。それを一条はこの目で確認しているのだから。
「何でだよって言うくらい、いい奴だったもんな……」
今度は別の同僚が言った。
一条も小さく頷きながら、それに同意した。
五代ほど人がいい奴は、一条だって見たことが無かったから。
彼ほどの男は、他にそうはいないと確信しながら、ふと窓の外をみやる。
窓から見えるのは、どこまでも広がっていく美しい青空。
五代が戦い続けて守った、心が澄み渡る程の青空だ。
「それにしても……彼は今、何処で何をしてるんだろうなぁ」
青空を見つめる中、一人がそう言った。
だけど恐らく、誰も五代が死んだ等とは思っていない。
その理由の一つとして、五代が乗っていたBTCS――通称ビートチェイサー2000が、姿を消していたことが挙げられる。
BTCSが無くなったという事は、それに乗る者が居たということ。ひいては、五代がそれに乗って行ったのでは、とも考えられる。
別にそれだけでは大した根拠にはならないのかも知れないが、何よりも彼らは五代雄介という人間を信頼している。
故に、あのまま0号と心中した等とは到底思えなかったのだ。
きっと彼は、0号との決戦後に失踪した後も、何処かで冒険を続けているのだろう。
それこそもしかしたら、並行世界の壁すらも超えてしまうような壮大な冒険をしているのかも知れない。
そんなあり得ない想像をしてしまう程に、五代雄介は規格外の男だったのだ。
が、それは彼らには解らないこと。ただ一つだけ、彼は今も生きているということ。
生きて笑顔で冒険を続けていること。それだけは、彼らも確信していて。
彼が守った青空を。どこまでも続く青空を。
一同はじっと眺めていた。
支援
さて、まだなのは達は出てきていませんが、今回はここまでです。
とりあえずこの作品は短めの尺でこまめに更新して行こうと思っています。
いくつか注意点もありますが……それは次回投下時に説明させて頂きます。
オダジョの出世作または黒歴史ですね
クウガは放送当時楽しんで見ていたので続きが楽しみです。
GJ!!です。
プラズマで人間を大量虐殺する化け物が次元世界に入っちゃったのかw
どの時代のどの陣営に拾われたり、味方をするのか楽しみです。
20:50分に投下予約します
支援
「あ、ああああああああああああああああ!!」
それは人の形をした悪夢そのものだった。魔力がそのまま颶風となって吹き荒れる。太刀風が唸り、アスファ
ルトをまるでバターのように引き裂いた。それすらも、ただの余波で起きたことだった。
最も近くにいたアルフは、とうに吹き飛ばされている。風に混じった赤い飛沫は彼女の血だろう。それだけで、
もはやジュエルシードは正しくフェイトの願いを叶えているのではなく、暴走状態であると知れる。
何が起きようと、フェイトがアルフを傷つけるはずがない。
鋭い風に頬を切り裂かれながら、クロノは己の愚鈍さが恨めしくて仕方がなかった。傷つけるはずなどない、
そのはずの彼女にそうさせたのは、他ならぬ自分自身だ。
吹き飛ばされそうになる体を、S2Uを地面に突き刺して支える。どうすればいい。考える時間はない。しかし、
無策で飛び込めば魔力の余波だけでクロノなど粉微塵だ。フェイトが望まずとも、ジュエルシードの力が結果と
してそれを引き起こす。
あるいは、それでこの暴走が収まる保障があれば、クロノはそれを選んだだろう。世界と自分の命。正確には、
そこに住む人々。捨て置けば全てがご破算だ。一人の犠牲で済むのなら、それが自分自身であれば、クロノには
もはや迷う余地などない。
だが、それでは届かないのだ。クロノ一人の力では、何をどうしようとフェイトまで届かない。それは恐らく
不幸なことだろう。可能であれば、世界は救われたのだから。そして、その選択を取りえるクロノのあり方が。
吹き荒れる魔力の風は一秒ごとに勢いを増していた。これまでとは比較にならない規模の発動。さもありなん、
これまでジュエルシードに込められた願いは大きくなりたい、誰かと一緒にいたい、強くなりたい。その程度だ。
誰かを拒絶するような、何かを否定するようなものは何一つない。魔導師によるものも。魔力によって願いを
叶えるジュエルシードが、どうしてこれまでと同じでいられよう。
「ふえ、ふえ! 何これ! 今までと、ずっと違う!!」
「暴走、してるんだ。このままだと……」
「どうなるの、ユーノくんっ!」
「わからない。わからないけど、この規模の魔力だと、この街なんか跡形もなく――」
何を悠長な。
この街どころではなく、世界そのものの危機だ。一度起きたが最後、次元崩壊は連鎖するように周囲の空間を
巻き込み、魔力物質の区別なく強制的に自壊させる。例え起点がどれほど極小だろうと止める手段は人の手では
およそ不可能だ。防ぐには、自壊を強引に捩じ伏せるだけの魔力を持ってくるか、一帯を強制的に相転移させる
ぐらいしかない。どちらも、今この場では不可能だ。
それほどの災害、天災。いや、そんな言葉では到底物足りない破滅だというのに、街一つ。危機を理解できて
いない二人に、クロノは苛立ちを隠せなかった。何よりも彼自身に打つ手がないという苛立ちもあってからか、
彼らしからぬことだがクロノは舌打ちをした。
それに、甘いのは彼も同じだ。いや、それ以上かもしれない。生まれる犠牲を正しく理解しておきながらも、
フェイトを殺すという方法を選択できないのだから。
ただそれでも、フェイトが人を殺すなんて許せない。吹き荒れる魔風に四肢を絡めとられながらも、しかし、
クロノはS2Uを構えた。今から必要なのは魔力ではない。不必要に流れに対抗しようとすれば術式は乱れ、その
機能を十分に発揮できない。
一度だけ空を見上げ、未練を振り切るように瞳を閉じる。この状況下にあってなお、クロノの第六感は周囲を
正確に把握していた。
そこ――瞑目したまま、杖先を向ける。発動した魔法は、ごく単純な転移魔法/アポートだった。引き寄せた
のは、吹き飛ばされ、そのまま地面に叩きつけられたアルフ。息も絶え絶えといった様子だが、一瞬でアルフの
容態を見終えたクロノは胸中で安堵の息を漏らした。
少なくとも、命に別状はない。呼吸が乱れているのは、強大すぎる魔力に当てられたことによる一時的な魔力
酔いだ。血のように見えたそれは、恐らく彼女の赤い毛並みがそう見せたのだろう。肌にまで届くような裂傷は
見た限りでは見当たらない。あったとしても、かすり傷程度だ。毛皮を濡らすほどの出血はどこにもない。
「ク、ロノ、なんで……」
「しゃべらないで。今は一秒でも早く回復を」
起き上がろうとするアルフを制して、クロノは言葉をかけた。話し合う余裕はない。肌を打つ魔力は刻一刻と
勢いを増している。その行き着く先は、もはや言うまでもない。
それを防ぐにはクロノ一人の力だけでは到底足りず、時間は惜しいが傷を癒して協力する体制を作らなければ
ならない。
しかし、全員に共通の認識を持つ前に、頭上でははや動きがあった。
「とにかく、放っておけないってことだね」
金属音を奏で、少女がデバイスをフェイトへと向けていた。
何を。現実離れした光景に、クロノの理解は追いつかなかった。
まさか封印するつもりか。ありえないとすぐにその考えを打ち消す。この魔力が吹き荒れる中、直接ならまだ
しも遠隔、それも砲撃では、無謀を通り越して無意味に近い。仮に攻撃であろうとそれは同じだ。触れる前に、
余波にかき去れるだろう。
しかし、そのまさかだった。
少女が構えるデバイスの先端部分が、変形する。
「ディバイン――」
砲撃に特化した杖を構え、少女が今、裂帛の気合を上げる。
「――バスター!!」
その一砲は一目でそれとわかるほど、かつてクロノが見たよりも遥かな威力を秘めていた。クロノの手札では、
防ぐことは不可能ではないかと思わせるほどに。
魔力のこもった風を吹き飛ばし、桃色の閃光が空間を切り裂いていく。
そして、そこで終わりを迎えた。核たるジュエルシードの前を前にしては、障壁もないというのに立ち込める
魔力の暴風に、一瞬と持たず掻き消える。
距離もあったろう。減衰もしただろう。しかしそれらを差し引いても、無駄でしかなかった。
今ここにある力が違う。フェイトが仮に正気を保っていたとして、それでもなおジュエルシードの方が全員の
魔力の総和よりも強大なのだ。
それだけの力の差がありながら彼らが無事だったのは、ジュエルシードがただの機構であり、自発的に破壊を
撒き散らしていないからに他ならない。
指向を持たぬ状態ですらこれ。
だから、少女の砲撃は最悪を通り越し、もはや言葉にすらできない。こめかみに突きつけられた銃の引き金を
自ら引くことに等しい愚行だ。
いつの間にか、フェイトの悲鳴のような咆哮は止んでいた。
「ああ、そう、そうだよね。やっぱり、邪魔、するんだね」
正気を失っていたかと思われたフェイトの口から、ようやく意味を持った言葉が放たれた。
そしてその冷たさは、向けられていないはずのクロノですら、背筋が凍る思いだった。
意識は確かにあるのかもしれない。だが、これはクロノが知るフェイトの声ではない。普段は抑揚こそあまり
ないが、それでもそこに優しさは感じられる。温泉で少女に向けた声も、硬くはあっても冷たくはなかった。
だからだろう。直感的に、クロノは本来彼女がしないだろう行為の可能性に気が付いた。
千波万波と押し寄せる狂濤の中、アルフの治療を打ち切って術式を編み上げる。精度すらも打ち捨てて、ただ
効果だけを優先し。
「……消えちゃえ」
フェイトが少女に指先を向けるのと、クロノの魔法――少女を強引に牽引する――の発動は同時だった。
それは冗談のような奇跡だったろう。
願うだけで発動する魔法に先んじられたのもそうなら、向けられた力のあまりの強大さに、少女が身を竦めて
何一つ抵抗しなかったこともそう。
少女を紙一重で掠めるように、金の閃光が走り抜ける。余波だけで術式が灼かれた。遠くで結界を突き抜ける
音。それすらも置き去りにして、数秒でその悪夢のような砲撃は成層圏にまで達していた。
それほどの距離がありながらもなお、ありありと感じ取れるほどの威力。
人一人を消すには、あまりに過剰な火力だ。というよりも、むしろ、人一人が出すにはあまりにも無謀な、と
評するべきか。
落ちてきた少女を魔法でやんわりと受け止めたクロノの視線の先では、指と言わず手と言わず、肘の先までも
無残に引き裂かれたフェイトの腕が、赤く鮮明に血を滴らせていた
「フェイト……駄目だ」
よろよろと、無理やり震える体を意志の力でねじ伏せてアルフが立ち上がる。その瞳にはこれまで見たことが
ないほどの悲痛の色が浮かんでいた。彼女とてわかる。フェイトが破滅に向かって進んでいることを。
理解できていないのは、フェイトただ一人だ。
「なんで、アルフ?」
どこか幼さを感じさせる声。舌っ足らずにフェイトは続ける。
「ジュエルシードは集めなきゃ。邪魔なやつは消さないと。それでまた皆で集めるの。何で駄目なの? 私と、
アルフと、クロノでジュエルシードを集めて。母さんに褒めてもらうの。
ねえ、何で駄目なの?
そしたら、きっとみんなで一緒にいられるよ。かあさんがどうして集めてるのかしらないけど、こんなにも
クロノはがんばったんだ。
いっしょにいるの! ほめてもらうの! もう、リニスのときみたいに失敗しない!
だから――だから、邪魔なの、その白い子!!」
やはり、正気ではない。アルフに傷を負わせたという自覚もなく、少女にすべての不幸を押し付けて。それで
何もかも解決できると思っている。もしかしたら、その脳裏には、幸せな夢が描かれているのかもしれない。
期待が大きければ大きいほど、それと同時に不安もまた大きくなる。そのやり場を、今までフェイトは持って
いなかった。その矛先を見つけた、見つけさせられてしまったのだ。
事の正否ではない。ただの八つ当たり。
本来の心優しい、敵にすら情けをかけたフェイトではありえなかったろう。どれだけ狂おうと、本質までもが
変わることはそうあることではない。ましてそれが一夜であれば、もはやありえないといって良い。
それを無理やりに引きずり出したのが、ジュエルシードの暴走だった。
それを引き起こしてしまったのが、クロノの失敗だった。
一秒ごとに青白くなるフェイトの顔。歯軋りをして、しかしその時間すら惜しく、クロノは少女に告げた。
「放っておけば、彼女は、フェイトは死ぬ」
「えっ……」
「それだけじゃない。そのときは、この街どころか、星ごと崩壊する。君に向けられた魔力も、その余剰分だ」
少女は絶句していた。それもそうだろう。自分を塵一つ残さず消し去るほどの威力の砲撃が、まさか片手間の
ものだとは想像に難い。
ようやく、彼我の実力差とこの絶望的な状況を理解したのか。小刻みに、その少女の小さな体が震えていた。
「クロノ……邪魔しちゃ、いやだよ。その子は敵なのに。どうして、たすけようとするの?」
圧力が、一際力強さを増した。敵意は含まれていないはずなのに、クロノをして体を竦ませて。背後の少女は
小さく悲鳴を漏らしたほどだった。
内心では、クロノとて大差はない。ただフェイトを傷つけたくない一心で、恐怖を押し隠しただけだった。
「君に――」
猫のように細められた視線に射竦められながら、粘り気のある唾を飲み込んで何とかクロノは言葉を捜した。
今のクロノには、もはや何が正しいのかわからない。欲しい答えは誰も教えてくれず、そして十分な時間など
与えられない。異邦人の彼に、誰が何を与えられるのか。
クロノは一人、素直に心情吐露することしかできなかった。
しーえんしーえん
「――君に、後悔、してほしくないんだ」
一瞬の静寂。フェイトが目を見開いたのは、何を言われたのか、わからなかったからだろう。その瞳に理解が
宿ると、ゆっくりと、だらしなく表情を緩めていた。
「ふふ。やっぱり、クロノは優しいね。だいじょうぶだよ。わたしは後悔なんかしないから。あのね、ジュエル
シードだって、今ならかんたんにどこにあるかわかるんだよ。
山のほうにさんこ。海のほうにごこ。どこだろ。むこうの水の中にもいっこある。
ね? すごいでしょ? きっとかあさんだってほめてくれる。クロノのことだってゆるしてもらえるよ。もし
だめだったら、わたしからおねがいしてもいい」
それが正気のときの言葉なら、どれほどクロノの胸を打ったろう。しかし、今クロノの胸に去来しているのは
むしろその逆。悲しみですらあった。
だからこそ、その優しさに答えるため、否定するため、クロノはフェイトを止めなければならない。
「フェイト」
「なあに、クロノ?」
今度は、何一つ迷わず言葉を探し出せていた。
「それで君が手を汚すぐらいなら、僕はこのまま消えるほうがいい」
笑って、クロノは言った。わずかたりとも悲痛を見せない、どこか喜びすら込められていたと、聞いた全員が
理解できただろう。記憶にはないが、死を受け入れた老人のようだな、と他人事のようにクロノは思っていた。
自分が否定されたことを、そして容易くクロノが死を選んだことを理解できなかったのだろう。呆けたように、
フェイトが口をあけた。その一瞬の隙が万金に値することを、それこそ理解できないクロノではない。
今が、最後のチャンスだ。必ず助けるという誓いを胸に、背後に控えた全員に指令を出す。
「――は! もう一度フェイトへ砲撃を! アルフさんと使い魔は出来た「道」を少しでも長く維持を!!」
「え、でもさっきは……」
「なのはっ。今は彼の言う通りにっ!」
混乱しながらも少女と使い魔はそれに従い、
「策はあるんだろうね、クロ坊主!」
アルフは小馬鹿にした、しかし親しみのある呼称を取り戻していた。我知らずクロノは微笑み、自信に満ちた
頷きを返す。それ以上は、言葉すらもいらなかった。
今は何においても、ジュエルシードの暴走を鎮めることが先決だ。
「ディバインバスターっ、いくよっ」
言葉と同時に、桃色の光が一閃。暗い結界の中、四方を照らしながらフェイトに向かってフレアのように伸び
続ける。なのはと呼ばれた少女の砲撃は、既に一度放った後だというのに疲労を感じさせないほどの大きさで、
クロノの錯覚でなければ、その先ほどのものより大きいのではないか。ビルの一つや二つは容易く倒壊せしめる
威力を秘めている。
しかしそれほどの一撃でも、フェイトに触れるかと思ったが最後、まるで幻のように消え去っていた。二人の
間に魔力の空白地帯が出来上がっていなければ、それと信じさせただろう。
しかし、あるのだ。海が割れたかのように、そこに道が。
それこそが目的だったと知らぬフェイトが冷笑を浮かべようとして、しかし、一瞬の内に強張った。
魔力の海の中に浮かび上がったその道を、轍を連想させるような間を挟む形で緑と橙の魔力が支えていて――
例えるなら橋だろう。その只中を、クロノが駆け抜けていたのだから。
間に合うか。
一秒、また一秒と時が過ぎるごとに、二人掛かりだというのに四方からかかる圧力に耐えかねて、橋が崩れて
いく。それだけの魔力量。近づいたからといって何が出来るというわけでもない。それでも反射的にフェイトの
意思を反映して、魔力が橋とそれを守る壁を削っていく。
そうなれば、たかがクロノ一人、耐える暇もなく吹き飛ばされるだろう。アルフより薄く軽いクロノであれば、
それだけに飽き足らず、命すら危うい。
今のフェイトには、そんなことですら頭が回らないに違いない。それと知らず、躊躇なくクロノに死を下す。
それでもクロノの胸には一片の恐怖もなかった。いや、あったかもしれないが、自分が死ぬことでは怖くない。
為しえなかったその時、フェイトに手を汚させることこそが怖かった。
だから、クロノは絶対に諦めない。諦めるのは自分独りで充分だ。そこにフェイトもアルフも、少女たちも、
巻き込んでいいはずがない。
駆ける足に一際力を込め、刃のように全身を膾にする魔力の只中にクロノは飛び込んだ。
「クロノ、なんでっ!」
あと半瞬遅ければ、きっと間に合わなかったに違いない。クロノの背後では翻った防護服が千切れ飛んでいた。
そして眼前には、フェイトの驚愕に満ちた顔が視界一杯に広がっていた。彼女が発した言葉を理解するよりも
早く、きっとこんなにも狼狽したフェイトを見るのは初めてだろうな、などとずれた思いがクロノの頭の片隅を
よぎる。
そして、最後になるかもしれない。
皮肉でもなく、純粋に笑って、クロノは瞳を閉じた。ここから先は、五感は邪魔になる。耳を塞ぎ、肌を忘れ、
自分を捨てて。どこか慣れ親しんだ手順を踏んで、クロノは魔力を放ち続けるフェイトの手を取った。
「だめっ、クロノっ!!」
果たして、フェイトの必死の静止はクロノに届くことはなく。
同時に、クロノの両手を覆う手甲が、アンダーごと弾け飛んだ。今度こそ、散る赤い飛沫は血のそれだ。
「く、うっ……」
ジュエルシードをただ制御するための機械となったはずのクロノの漏れた悲鳴は、肉体によるものではなく、
魔力を扱う第六感が、魂からのもので。それだけにその意味は比するまでもない。
無茶だ。やめろ。柘榴のように弾けて死ぬぞ。
生存本能とも呼ぶべき魂からの声が、クロノに命の危機を必死になって叫んでいた。しかし、どうしてそれが
届く道理があるのだろう。クロノはもはやクロノであってクロノでない。唯一つの機能を突き詰めた機械なのだ。
それも、安全装置を外している。フェイトと同じで、もはや破滅に突き進むしかない。
――本当に?
しかし、どこかで同時に別の声も上がっていた。クロノ・ハーヴェイと同じで違う、もう一つの声。
――本当に僕は、これを制御できない?
疑問の声はどこか、不満すら滲ませていた。呆れていたのかもしれない。解法を知りながら、答えを導き出せ
ない生徒に向けるような響きがある。
――そうだ。確かに、そうだ。
限界以上に魔力を搾り出しておきながら、こうしてわずかであろうと思考に機能を割いているこの状況こそ、
その証明だ。本当に我を捨てていたのであれば、こんなことは成り立たない。
クロノが瞳を、ゆっくりと、開いた。
意識してしまえば、それだけの余裕があった。指先は正視に堪えなくなってはいたが、しかし、見て取れる。
「クロノ、だめ。死んじゃうっ!」
泣き叫ぶフェイトの声ですら、いつしか耳に届いていた。あとは矢継ぎ早に残る五感を取り戻す。
痛覚は、悲鳴を上げていた。痛い、と。だが、それだけだ。
クロノ・ハーヴェイの限界は、まだもっと先にあると、その痛みこそが教えている。五感を捨てる必要など、
どこにもない。必要なのは、手を伸ばすこと。今のクロノに不可能であろうと、手を伸ばせば、一歩踏み出せば、
きっとそこに手が届く。
だから、思い出せ。とく思い出せ。そうすればクロノはただ一言呟くだけでいい。フェイトが挺身しようと、
その言葉のほうが何倍も早い。
思い出せ、思い出せ、思い出せ。
失った過去/捨ててきた記憶/忘れてしまった自分自身/クロノ・ハーヴェイを思い出せ!!
「クロノくん!!」
その一言が、頑なに閉じていた扉を開く鍵だった。瞬間、全てが、願いを叶えるジュエルシードも、クロノの
苦しみも、フェイトの涙も、何もかもがクロノの中で意味を失って。
「なのは、でいいよー」「また……会える?」「ありがとー……何か、お礼をしないと」「えへへ、半分こ」
「やーめーなーさーいー!」「特別なのは……少し?」「どこか、行っちゃわないでね?」
「おかーさんが死んじゃうのも、わたしやみんなのこと忘れちゃうのも……嫌だぁあ!!」
――目覚めの、刻だ。
「レイデン、イリカル、クロルフル……」
何をすればいいのか。もはや考える必要すらなく、それほどまでに慣れ親しんだ手順を憎みながら、クロノは
己の相棒に向かって叫んでいた。
その瞳には、何故か涙すら滲んでいて。
「S2U! レベル7!!」
ようやく、この乱痴気騒ぎに幕が下りる。
「あはははははは! アハハハハ!
やっと、やっとよ! とうとう、やっと! 扉を開けた。アハハハハ!!」
ほの暗い研究室の唯一の光源。アリシアのポッドに頬を寄せて、プレシアは狂ったように笑っていた。空気に
皹を刻みながら歓喜に震えて手を伸ばし、冷たい強化ガラスの表面を何度も何度も何度も撫ぜる。
それは間違いなく愛情の発露だ。寒さに震える子どもの手を包むのと同じレベルで、プレシアは硬いポッドを
体全体で覆おうとしていた。
けれど、違う。本人は確かに守ろうとしているのかもしれない。けれども、本当は縋っているのだ。過去から
逃げるための理由。痛みと悲しみ、自分の失敗を無かったことにしようとしているに過ぎない。
そこに愛情が確かにあることこそが、プレシアにとって最大の悲劇だったのだろう。一人孤独に、誰もいない
研究室の中で狂っていく。
「思い出した、思い出したのよ、ようやく! あの役立たずの人形が、とうとうやったのよ。ねえ、アリシア!
あと少し。あとほんの少しだけよ。この中で辛抱してちょうだい。すぐに、すぐに出してあげるからね……」
ねっとりと、粘性を持った言葉には空気を震わせる以上の力があって……。響いた後も、その形のない何かは
一室の中に残されていた。
なのはのレイジングハート、フェイトのバルディッシュと同様、クロノの愛杖・高速計算法術杖S2Uにもまた、
大きく形状を変化させたりはしないが、別の顔がもう一つあった。
変わるのはフォルムではなく、その内側。オーバークロックによって演算能力を何倍にも高めるその機能こそ、
かつてクロノがヒドゥンを退けるための、十数にも及ぶイデアシード制御のための切り札だった。
であれば、いくら暴走していようとたかが一つ。ジュエルシードなどがどうして脅威になるだろう。
「ジュエルシード、シリアル――」
封印。
それまでの苦戦がまるで嘘のように、荒れ狂っていたはずの魔力の嵐はすんなりと収まっていた。それこそ、
今わの際に見た幻覚と己を疑ったかもしれない。
だが、満身創痍のクロノの姿が、それが現実であることの証明だった。
ぽたり、ぽたりと余すところなく全身に傷を負ったクロノの足元に血の雫が滴り落ちる。
その痛みすら、どこか心地よい。
達成感などではない自虐にも似た思いが、クロノの胸に去来していた。
取り戻した記憶は、クロノに振り返らせることを許さなかった。どうしてこの自分が顔向けできる。そして
それは、眼前の少女にも同じことが言えた。
誰も傷つけたくなくて、犠牲は最小限だと誓っておきながら、周り全員を傷つけて、クロノ・ハーヴェイは
どうしようもない嘘つきだ。虚言にもほどがある。
どこに行けばいい。
どこにも、行けるはずがない。
「クロノ! クロノ! 大丈夫!?」
「小坊主!!」
「クロノくんっ! 早く治療しないと!!」
「動かないで。今魔法をかけるからっ!」
四者四様の気遣わしげな声。それすらも重く、疎ましい。
――僕は、消えるべきだったのに。
その自嘲を最後に、クロノは涙を零しながら意識を手放し、黒い闇の中に落ちていった。
はあ、長かった。
やー、今回が一番書きたかったところの一つなのです。
て言うか、今までバトルをずっとずっとほとんどスルーしてきたのは、ここのためにあったといっても過言ではありません。
だけども、ガチは一期と原作双方通じて空気がちょっと違うなと思って逃げてしまいましたが。
すたこらさっさだぜ、とまで潔く行けないあたりが、微妙なへたれ具合を示してますがががが。
さて、話は変わるのですが大掃除したら、連載開始前のメモ帳(プロット)を発掘したので、ちょっと見てみました。
フェイトがジュエルシード握る>怪我>クロノが奪う>ジュエルシードの逆流で記憶戻る>失神
全然違う上に、数的な戦力差をどうやって誤魔化すつもりだったのか、我ながら不思議でありません。
ねりねりと、色々修正した結果が今回でしたとさ。
ここでネタバレ。
大体の人はわかっているかもしれませんが、またしばらく派手なシーンありません。
好きな人には申し訳ありませんが、ご了承ください。
きっと、私の作品にそういうのを求めている人は少ないと思っているので気はある程度楽ですがw
GJ
クロノに記憶が戻っちゃった…
幸せになって欲しいなあ…
ちぇっ、魔法少女ヤンデルフェイトもいいモノだったのに勿体無い…うそですゴメンナサイ
さぁて、この小坊主はどんな未来を選ぶのやら?
しかし“なのは”かぁいいなぁ(決して「さん」は付かない)
ちょっとリリちゃ箱起動してくる!
GJ!!です。
記憶を取り戻しましたか……取り戻したら取り戻したできついんですよね。
元の世界の戻れるのだろうか?
乙です! 本編中の記憶を取り戻してしまったか。
過去の自分と向き合えるようにならないと、自分をどんどん追い込んで行きそうなリリちゃクロノ。
失う事、傷付ける事を恐れる弱さゆえに自分が幸せになる選択肢が無かった彼がどうなっていくのか。
次も期待してます
456 :
367:2008/12/26(金) 00:47:50 ID:z5hq8TvR
投下しますー
クロス元は矛盾都市TOKYOの一発ネタです
457 :
367:2008/12/26(金) 00:49:47 ID:z5hq8TvR
欧州系の架空型都市クラナガンの管理局の人員が、神田の時詠人形の視察に来るという。
本来なら大人たちが対応すべきだろうに、政府とか企業とかで色々あったらしく総長連合が応対する事となってしまった。
……面倒だなぁ。
そんな事を考えながら事前に指定された場所に管理局員がやって来るのを、大太郎を乗せた君と二人で待っている。
戦後、独逸の言詞爆弾をはじめとした数々の危険な技術や喪失技巧を、個々の国によるものではなく一つの組織が一括して
管理すべきだという動きが起こった。
当然各国は、うちの国が中心に、とそれぞれにもめたらしいが、結局は『魔法』による優れた封印技術などをもつクラナガンに
その組織が置かれ、人材を各国から集めるという形で合意に達する。
そうして生まれたのが管理局であり、現在に至るまで彼らは様々な国家・機関から独立した形で活動している。
と、御山の教官の講義を思い出してみんとす。
管理局としても、直接時虚遺伝詞に影響を及ぼす時詠人形は気になる存在なのだろう。
それが、人形を停止させようとする連中とかとの利害が色々あって、僕らが今ここに立っているというわけだ。
実際、やって来るのは管理局でも結構偉い執務官とやららしい。
……どうせ、偉そうなオッサンとかが来るんだろうなぁ。
こんな面倒な仕事は他に任せてしまいたかったが、先輩は別に仕事があったし、雪の字は右に傾きすぎてるから外人に斬りかかりかねない。
小坊主じゃ力不足だし、生意気な口を利いて後で問題になったりしたら大変だ。
……常々思うが、碌な連中がいないなぁ。
「あ、あれじゃない? あれ管理局の制服だし」
オッサンという僕の予想に反して、やってきた管理局の執務官さんはかなりの金髪美人だった。
補佐とかで一緒にきた助手さんもなかなかのもんだ。
地位の割に若いようだが、そういえば、管理局は優秀なら誰であれ登用するらしい。
来て良かったなぁ。
おいおい、いくらなんでも節操なさすぎじゃありませんか僕?
「餌…」
……大太郎、人間まで餌言うな。
挨拶や自己紹介も適当に済ませ、なんか妙にやる気な君を先頭に僕らは歩き出した。
執務官さんが着ていたのは素っ気のない制服だが、そのスタイルを隠すには少々足りない。
……いい尻だ。
僕の視線に気づいたのか、君が僕の方を見ながら執務官さんたちに色々吹き込み始めた。
「おいおい待て待て。いくらなんでも初対面の相手の尻を揉んだり撫でたりなんて奇行に走るわけ無いだろう。
愛でるだけだ、愛でるだけ」
そんな抗議も空しく、執務官さんと助手さんの俺に対する視線は微妙に白いものになっていた。
理不尽だ。
458 :
367:2008/12/26(金) 00:50:35 ID:z5hq8TvR
実は神田の時計館の視察は明日だという事で、今日は暇らしい。
じゃあ適当に、と君が言い出したので、適当にいつものラーメン屋へ。
……いいのかなぁ? と思いつつもそれに続く。
「おや、脳が貧相な猿が来たね? 来たね?
ちょうどよかった、いつものようにここのオヤジの薄っぺらい味わいのラーメンを、殴って極上にしてくれたまえ」
狭い店の真ん中の席を占拠する品性が貧相な猿を奥に向かって殴り飛ばし、カウンター席に並んで座る。
適当に五つ頼んだラーメンが並べられ、割り箸が配られた。
「餌餌餌餌餌ぁーぅ」
と、大盛りで頼んだラーメンを一瞬で呑み込んだ大太郎を見た管理局の二人が唖然とした。
……あれは引くよなぁ。
まぁ、そんな事をしているうちに僕らの、ついでに奥の博士のラーメンを不味いところが微妙に残るように加減して殴り飛ばす。
『思い信じて打撃すれば、エネルギー保存の法則に従い、いかなるものも打撃力を受ける』
うむ、と頷く。
転がる不味いところが少し変わっているということは、オヤジも腕を上げたということらしい。
……いずれにしろ、具じゃなく麺とスープの問題か。
ともあれ人生の様にほんの少しの不味さと大量の旨さでできたそれは、完璧ラーメンだ。
それを口にして、執務官さん達は驚き、馬鹿は歓喜に涙して店から叩き出される。
いつもの風景だ。慣れてない人たちもいるが気にしない。
459 :
367:2008/12/26(金) 00:53:27 ID:z5hq8TvR
投下終了ー
むちゃくちゃ短いですがTOKYOならこんな感じかなと
クロスssで管理世界に引っ張り込むのは良く見かけるので、今回は管理局を都市の世界に引っ張り込んでみました。
誤字脱字など確認しましたが、発見した場合ご報告を
……クロス元、通販本だけどこのスレなら大丈夫ですよね!
つまり、リーゼ姉妹大活躍、と
現在493Kb
そろそろ新スレかな
え?俺のところじゃ482kbになっているぞ?
こっちも482 KBの表示だけど、投下予告があったら立てるようにしたほうがいいかのも
>>459 こういう世界も良いですね。
良かったです。
こんにちは。
リリカルガウザーです。
第一話のパートAが完成しました。
長めなので、六レス投下したら5分休憩を入れ、それからまた投下するという方法を使ってさるを防ごうと思います。
でもできれば支援をいただければ幸いです。
一応ウィキペディアから得た知識を使った部分があるので、その箇所には出典を記しておきました。
投下いいですか?
467 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/26(金) 12:24:59 ID:LeUoYQ/6
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>>467 あれ?あれって出典記せば良いって聞いたのですが、違うのですか?
469 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/26(金) 12:28:03 ID:LeUoYQ/6
盗作は正当性にはならない
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単に情報を知るために使っただけなんだから何の問題もねーよ。
というわけでさっそく投下だ。
俺は詳しいことは知らないがLeUoYQ/6が基地外だってことは分かる
良かった…大丈夫なんだ…でも一応出典は記しておきます。
ではいきます…
リリカルガウザー
一話「闇の騎士、魔法の国へ」パートA
「大丈夫ですか!?立てますか!?」
ローブを着た短髪の女性は黒岩の濡れた体に触れながら大声でそう聞いてきた。
黒岩としてもここが何処かも分からず、痛みで立つこともできない状態なので、彼女の助けを借りる事にした。
エリ以外の人間に頼るのはあまり気が乗らないが、この際意地を張っても仕方が無い。
「痛みで上半身も起こせない…手を貸してくれれば助かる。」
「分かりました!少し荒っぽいかもしれませんけど、ちょっとの間ですから我慢してくださいね!」
女性はローブの裾をまくり、黒岩をひょいと抱き抱える。
「細身の割には力がある女だ」と黒岩は思った。
女性はそのまま出入り口の方まで黒岩を抱えながら歩いた。
:
女性は建物の中に入ると、古風な作りをした回廊を歩いた。
そして英語で「Medical room」というプレートが付けられた扉の前まで来ると、その部屋に入り、備え付けられていたベッドに黒岩を寝かせた。
そして医療用のツールを用意し、黒岩の上半身の服を脱がせるとツールを使用して黒岩の体から何発もの銃弾を抜き、いくつもの傷口を消毒して止血し、ガーゼを貼り付けた。
「これでよし…」
手当てを終えた女性は額の汗を拭い、傍に置いてあった椅子に腰掛けた。
「かなり多くの傷を負っていました。応急手当てだけじゃ心配ですので、今から救急車を呼びます。」
「いや…これでもういい。」
黒岩はゆっくりと上半身を起こした。
いくら死にかけていたとはいえ、闇生物の体は人間以上の自然治癒力を持っているため、適切な手当てさえしてもらえればある程度は動けるようになる。
あと数日もすれば体全体が万全の状態に戻るだろう。
「え!?さっきは上半身を起こすのも痛いって…」
女性は黒岩がいきなり上半身を起こしたことに驚き、目を丸くした。
「生憎、結構タフな体なんでな。銃の弾さえ抜いてもらえれば、後はもう大丈夫なんだよ。」
「はぁ…それは凄い…」
「所で、アンタは一体誰だ?ここは何処だ?」
「ああ、そうでした。私はシャッハ・ヌエラ。この協会の修道女です。そしてここは、聖王教会の本部です。」
「聖王教会?」
黒岩は聞きなれない単語に目を細める。
図書館で世界中の知識や建物、文化を調べ、数多くの教会の名前も知っているが、そんな名前の教会は聞いたことが無い。
黒岩は詳細な情報と、知らない教会についての知識を得るため、シャッハと言う女性にもう少し詳しい話を聞いてみようと思った。
「なんだその教会は?俺は地球上のありとあらゆる知識を頭に入れているが、そんな名前の教会は聞いたことが無いぞ。」
「地球の…あらゆる知識?何でも知ってるんですか?」
「ああ、例を見せてやる…」
黒岩は言葉を一端切り、一息吸うと、目つきを変えてシャッハを右手の人差し指で指した。
というかそのまんま文を転載するのでなければ出典表記もいらんだろ。
(では表記も消して起きます。大丈夫…ですよね?)
「知っているか!?世界で初めてキリスト教が国教として認められた国は、301年のアルメニアだ!その時の教会の建築は、シリアの影響を色濃く受けたものであったと言う!」
「そうなんだ…」
シャッハは腕組みをしながら感心して言った。
シャッハも地球についての知識はある程度持っているが、ここまで詳細な話しは知らなかった。
シャッハは黒岩がどの程度教会や宗教についての知識を知っているのか聞いてみたくなり、他の話題を聞いてみることに決めた。
「じゃあ、世界で最も古いステンドグラスについても知っていますか?」
「勿論だ。世界最古のステンドグラスは、ドイツのロルシェ修道院で、破片の形で見つかった!その修道院は七世紀に作られたが、ステンドグラスが作られたのは九世紀代と推定されているという!」
「そうなんですか…いろいろあるんですね…」
シャッハはこの話を聞いてさらに知らない知識への興味を持った。
彼女にとって聖王教会の修道女兼騎士として強さも大事であるが、博識であることもそれと同様に大事だ。
いや、むしろ修道女と言う戦いとは普通関わらない立場から考えれば、博識であることの方が大事かもしれない。
シャッハは自分を磨くために新たな知識の獲得を考え、黒岩の話を本格的に聞くことに決めた。
「じゃあ、色々な宗教についての知識を教えてください!まだまだ修行中の身である私にとって、貴方の話はとてもためになりそうです!」
もちろん、一度には覚えきれないため、宗教についての知識だけではあるが。
「ほう…俺の話が聞きたいか…よかろう、知っているか!?」
黒岩は自分の薀蓄を聞いてくれる人間がいたことを喜び、有頂天になって薀蓄を語り始めた。
黒岩の薀蓄は、好敵手だった暁には適当に流され、愛していたエリにさえも「あんたの薀蓄はもうウンザリ」とまで言われていたほど煩がられていた。
だが、今は自分の薀蓄を興味を持った目で聞かせて欲しいと言ってくれる人間が目の前にいる。
黒岩は煩がられたうっぷんを晴らすかのように、情報を得ることも忘れ、薀蓄を語り続けた。
:
2時間後、黒岩の薀蓄がようやく終わりを告げた。
シャッハは2時間休み無しで語り続けた黒岩への感謝と健闘を称える拍手をし、黒岩の額には熱弁した証である汗が光っていた。
「はぁ…はぁ…どうだ?」
「素晴らしいです!まさか宗教だけでもこんなに細かな知識があったなんて驚きました!修道女として、一歩高みに歩み出せた気がします!」
「そうか…それは良かった…ん?」
黒岩はようやく思い出した。
自分はこの聖王教会についての情報を問おうとしていたのに、いつの間にか自分の薀蓄教室になってしまっている。
久々に自分の薀蓄を嬉々として聞いてくれる人間がいたので、調子に乗ってらしくもなく熱くなりすぎてしまい、本題を聞くことをすっかり忘れていたことに黒岩はやっと気付いたのだ。
黒岩は恥ずかしさを感じ、それをごまかす為に「ゴホン」と一回咳払いをすると、気を取り直し、先ほどの質問をシャッハにもう一度した。
「ところで、聖王教会とはなんなんだ?」
「あ!そうでした!」
シャッハも他人の質問を忘れていたことに恥ずかしさを感じたのか、一瞬だけ頬を赤く染めて慌てると、姿勢を直した。
475 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/26(金) 12:37:48 ID:LeUoYQ/6
盗作の次は自演か?
救いのない奴だ
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皇帝様支援
「そういえば、貴方の名前を聞いていませんでしたね。」
「俺は黒岩、黒岩省吾だ。」
「そうですか…黒岩さん、貴方はミッドチルダや時空管理局について知っていますか?」
「ミッドチルダ?それに時空管理局だと?」
黒岩はさらに頭を悩ませた。
ミッドチルダに時空管理局、どちらにも聞き覚えは全く無い。
管理局というからには何かを管理するのだということは何とか分かるが、ミッドチルダと言う単語についてはさっぱりだ。
「どちらも知らん。」
「分かりました。それともう一つ、貴方は地球出身で、地球人なんですよね?」
「は?」
さらに訳が分からなくなった。
いくら正体が闇生物とはいえ、自分は人間の姿をしているのだから地球人なのは当然だろう。
シャッハの話の内容が理解できなかったが、一応問いに答えることにした。
「当たり前だろう。俺は地球人だ。まるでここが地球ではない別の星で、あんたは地球の人間じゃないようないいぐさだな。」
「その通りです。」
「は?」
「この世界はミッドチルダ。貴方が居た地球とは、別の次元世界です。つまり私は、ミッドチルダのミッド人という訳です。」
「な、何だと!?」
黒岩は思わず声を張り上げた。
流石の彼も、冗談で言ったはずの台詞に冗談のような回答が帰ってくるとは思っていなかった。
だがよく考えてみると、そんなに驚くほどのことでもなかった。
自分達ダークザイドも、闇次元界という地球とは異なる世界から、滅びた闇次元界の変わりに地球に移住するという目的のために地球にやってきた。
自分達が住んでいた世界のことを考えれば、地球でも闇次元界でもない世界が存在してもなんら不思議ではない。
「…そうか…異世界なのか…」
「?、案外簡単に納得されるんですね。もっと混乱したり、「嘘をつくな」と笑い飛ばされると思っていました。」
「確かに驚いたが、その…俺はそういう異世界についての知識も多少持ち合わせているんでな、派手には驚かん。」
「異世界についての知識ですか…それより単刀直入に聞きます、地球に帰りたいですか?帰すだけなら、簡単に出来るのですが…」
「…いや、帰るつもりは無い。」
黒岩は今更地球に帰る気は無かった。
悪の脆さを知り、皇帝になって世界を統べること以上に大きなモノを握った彼にとって、もう地球を支配する気もシャンゼリオンと決着を付ける気も無かった。
愛するエリにさえ、彼女の今後のことを考えると会わない方が良いと思えた。
「黒岩さんは、故郷に帰りたくないんですか?いろんな次元漂流者を見たことがありますけど、帰れる故郷に戻りたくないなんていった人間は黒岩さんが初めてです。」
「そうか…頼みがある。仕事を探したいんだが、何処かに職業安定所はないか?」
黒岩は人間への支配欲もシャンゼリオンへの闘争心も湧き上がってこない今、どうせ異世界に来たならこの世界で生き、この世界で働き、この世界で死んで行こうと思った。
この世界にはシャンゼリオンもザンダー達幹部も居ない為、シャンゼリオンに今まで受けた仕打ちの仕返しとして決着を挑まれる事も、ザンダー達と関わり、戦いを強要されることも無いため、ひっそりと生きるには丁度良い場所だと思えたからだ。
自分を待ち続けているだろうユリカにも、謝るために会うつもりは無かった。
彼女は黒岩の強さに惚れ込んだ女性だ。
黒岩が皇帝として君臨することを望む彼女にとって、皇帝であることを辞めた自分の姿を見せて幻滅させる気にはなれなかったからだ。
それにもし謝りに行ったとしても、自分が愛していた黒岩のイメージを粉々に砕かれ、狂乱するのは目に見えている。
だから彼女のためにも、このままそっとしておこうと黒岩は思った。
「仕事?この世界で働きたいんですか?」
「地球には少し嫌な思い出があってな。戻りたくないんだ。」
「そうですか…なら一つ聞きますけど、カウンセリングの仕事の経験はありますか?」
「え?あ、ああ。経験どころか、俺はそれが本業だった。」
黒岩は地球では東京都知事に就任する前は「黒岩相談所」というダークザイドのための相談所を開いていた。
ダークザイドの目的は、人間社会に紛れ、「人知れず密かに」を掟とし、人間の生体エネルギー・ラームを吸い取って種族の保存のために生きていくことであった。
だが、人間社会に密かに隠れながら行動しなくてはいけないダークザイドたちの中には、人間社会の厳しさに苛まれ、仕事に嫌気がさしてアルコール中毒になった者、人間関係の悪さから胃に穴が開いた者、
ノイローゼとなり自殺した者などが少なからずおり、不満を溜めて掟を破り、大掛かりに人間を襲おうとしている闇生物達が大勢居た。
黒岩の仕事は、それらの悩める闇生物達の相談に乗り、アドバイスをしてやることだった。(後の世界征服計画のため、東京都知事当選の票稼ぎに彼らを利用するという裏の目的があったが。)
このアドバイスで助けられたダークザイドの数は多く、黒岩も自分のカウンセラーとしての能力には自信を持っていた。
なのでカウンセリングと言う仕事は黒岩にとって得意中の得意だ。
そして黒岩の「本業だ」という言葉を聞いたシャッハは、目を輝かせて右手でガッツポーズを作った。
「なら!ちゃんとした仕事があります!悩める人々を助ける、崇高な仕事です!」
「何?…」
「どういうことだ?」と黒岩が台詞を続けようとしたときだった。
「ちょっとシスターシャッハ!探したよ〜!二時間も何処にいたの!?」
シャッハと同じローブを身につけ、水色の髪をした少女が医務室の中に入ってきた。
彼女は怒った表情をしながら、シャッハに近づいてくる。
「あ、セイン!」
「騎士カリムが呼んで…あれ?」
シャッハの隣まで歩いた所で、セインと呼ばれた水色の髪の少女は、上半身に沢山のガーゼを貼り付けている黒岩に気付いた。
「うわ!凄い怪我…てか、アンタ誰!?」
「紹介します。黒岩省吾さんです。怪我をして庭園に倒れていたところを、私が助けたんですよ。」
シャッハは見慣れない男性の痛々しい姿に驚いているセインに、黒岩のことを紹介した。
黒岩はいくら命の恩人とはいえ、知り合ったばかりの女性に自分のことを他人に紹介されるのは何か可笑しな感じがしたが、特に口に出すことはしなかった。
「そうなんだ…う〜ん…」
セインはくりくりとした丸い目で黒岩の顔を覗き込む。
そしてしばらくしてから顔を離すと、腕を組んだ。
「中々良い男ジャン。もしかして、シャッハの彼氏か何か〜?」
「な!?」
セインは目を細め、すこしやらしげな声を出してシャッハをからかい、シャッハはそんな彼女のからかいに見事引っかかって頬を染めた。