魔法先生ネギま!と他作品のクロスSSスレです。
漫画サロンからお引越ししました。
その他基本ルール
オリジナルキャラを出す事は致し方ない場合もありますが、オリジナルキャラを主人公にするのだけは禁止です。
こういった行為をされるとこのスレで書く意味がなくなりますので注意してください。
コラボ作品にはこれといった制限(アダルト作品は除く)はありません。
ただあくまでネギま!とのコラボスレです。
ネギま!の登場人物がワンシーンしか出てこず、後は他作品のキャラのみで進むと言うのは問題ありです。
ネギま!キャラと他作品キャラとの配分は良く考えてください。
あとアダルト作品は禁止ですが、例えば18禁作品が全年齢対象作品としてリリースされ直した場合。
全年齢対象となった作品の設定を用いて書くのは……OKかもしれません。
この辺りは住人の方や職人さんと要相談です。
出来れば最初から全年齢向けの作品とのコラボを考えてください。
出来れば心掛けて欲しいルール
小説の投下開始、投下終了はできるだけ宣言してください。
でないと他の職人さんと投下が被ってしまったり。
何時投下終了するのか分からないと他の職人がいつまでも投下できなかったりする事があります。
被って投下してしまうと若干読みづらくなりますのでこの辺にも気を遣ってください。
あと投下宣言しても宣言してから1時間2時間経ってしまうと意味がないので予告直後に投下開始するように心掛けてください。
それと投下された作品にはコメントをできるだけ付けましょう。
そうすれば今後の作品の発展やスレの発展にも繋がります。
職人さんとしてもその方が嬉しいでしょうし。
中傷は絶対禁止ですし無視ですが、指摘は歓迎です。
上記した事は心掛けてほしいだけで厳守して欲しいわけではありません。
あくまでできればの範囲の事ですので、あまり重く受け止めないでください。
それではネギま!と好きな作品のコラボレーションを存分にお楽しみください。
テンプレ終了。
テンプレの変更提案などあればどうぞ。
ネギまのクロスSSって珍しいな
リリカルなのはとかちょうどよさそうだ
アニキャラ総合に引っ越しか
にしてもネギまのバトロワは伸びてるのになんでクロスは伸びないんだ
職人さん来ないねぇ
やっぱりネギま!自体の人気が落ち目なのかな
初期の設定無視が相次いでる今書くのは危険ってだけじゃね
ネギま!のクロスなら麻帆良祭に限定してもよさげだけどね
世界樹の大発光の影響で別世界から他作品キャラが来るみたいな
まぁそこは書き手さんの自由だけど
書き手さん来ないな・・・
書いてみたいのは山々なんだが、俺が書くとかなりTUEEな内容になってしまいそうでな……
>>13 別にTUEEEでもいいんじゃない?
書いてみたい気持ちがあるなら書いてみる事が大事だと思う
てなわけで期待して待ってる
やっぱり職人来ないな…
職人到来期待age
>>15 それを主題にやっている結構有名なHPがあるからかな?
そっち行けば良いし。
やっぱり完結した話じゃないとクロス書きにくいのかな?
>>18 >>10が一番大きな要因だろう
魔法国編が終わるまでは様子見してる奴が多い
魔法国編まだやってんのか
21 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/02(火) 15:46:09 ID:W9/38Mt2
魔法国編まだやってるの?
確か今年の夏に入る前だったよね?魔法国編入ったの。
引っ張りすぎなんじゃね?
引っ張りすぎどころか、下手したらあと一年くらい続きそうだよ魔法国編
過去話とかもやってるし
確か魔法国編はネギま!世界で夏休みの話だろ?
作者の中で夏休みが一体何日あるんだwww
1ヶ月半書くに1年半かぁ
このペースで卒業まで行くとネギま!完結まであと7〜8年かかりそうだな
25 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/03(水) 11:42:51 ID:U/B3TRAI
つまりこのスレが本格始動するのは2016年からか
あー…
クロススレで話す話題じゃ無いんだけど…
何かPSP遊戯王やってたら タカミチのミドルネームっぽいTがミスターTのTに見えてきた
フェイト・T・ハラオウンとかミドルネームがTのキャラ多いよな
28 :
13:2008/12/03(水) 23:53:39 ID:rCVLVJQZ
期待してまってるといわれたのでとりあえず書いてみた
SS書くのなんて初めてなんでかなりアレな感じなんだが、
0時ごろから投下していいかな?
29 :
13:2008/12/04(木) 00:06:39 ID:Hrg9oNvx
反応が無いので不安だがとりあえず投下。
変なところで切れたら規制のせいなので明日の朝にでも投下します
――――――――――――――――――――――――――――――
GS美神 極楽大作戦×魔法先生ネギま!
第1話「日常からの転落」
――――――――――――――――――――――――――――――
「どりゃあっ!」
夜の街に声が響く。
すこし目を凝らしてこの声の主が中学生程の少女だとわかれば、品が無いと叱る人もいるかもしれない。
しかし更によく見ると――腰を抜かすか、悲鳴を上げてその場から逃げ出してしまうだろう。
何故なら彼女の周りには大量の化物が群れとなり、今にも襲い掛からんと唸りを上げているのだ。
――グゥルルルルアァアアァァァッッ!――
「ええい、鬱陶しい!」
右手から襲い掛かってくる犬の様な――実際には四足歩行であるという事以外に余り共通点も無い――獣を、手に持った得物で薙ぐ。
映画に出てくるライトセイバーの様なそれが一体どれ程の力を持つのか、胴の真ん中をなぎ払われた獣はまるで風船を針で突いたように四散した。
それを見て、他の化物たちが一歩退く。化物たちが、年端もいかない少女に気圧されているのだ。
それを好機と見たか、少女が化物たちへ向けて一気に駆け出した。
30 :
13:2008/12/04(木) 00:07:45 ID:Hrg9oNvx
――ガァァアァァァァア!――
巨大な百足を袈裟切りにし、返す刀で別の一体を切り裂く。
――ギィィィィィィルィ!――
獣型の一体の突進を半歩下がって回避すると、カウンターで突きを叩き込んだ。
次々に化物が数を減らす中このままでは不味いと理解したのだろう、タコの様な化物が触手を伸ばす。
――ルルイルィィイィッ!――
「チッ!」
少女は咄嗟に飛びずさるが一歩遅く、武器を絡め取られてしまった。
無手となった少女に化物がニィ、と笑う。
しかしまた少女もニヤリ、と笑った。
――?――
首をかしげた化物に構うことなく、少女が突進した。
一瞬で間合いを詰めると、右足の踏み込みに合わせ拳を放つ。
全身の力を余す事無く衝撃に転化されたその突きは、数mはあろうかという化物を軽々と吹き飛ばした。
消えていったタコ型の化物から得物を取り返した彼女が不敵に笑む。
その表情に恐怖をかられたのか、それまで遠巻きにみているだけだった化物たちが一斉に襲い掛かるが、それでも結果は変わらない。
彼女が得物をふるい、拳や蹴りを放つ度に化物がまるで玩具の様にその数を減じていく。
光る剣――刃は無いから棍か杖が近いだろうか――を振るい化物を次々に倒す少女の姿は、まるで映画のようだった。
そして数分の後、
「これで――ラスト!」
――ジャグギィァアァァァァアァァ………――
最後の化物が少女の持つ得物に貫かれ、悲鳴と共に消えていく。
それを見届けてから、少女はふーっと息を吐き、緊張を解いた。
つい先ほどまで明らかな非日常の場所だったそこは、もう日常の姿を取り戻している。
化物の死骸も体液も全てが消えうせ、まるで先ほどの光景は夢だったといわんばかりだ。
そんな場所の中心にいた少女だが、おもむろにジーンズのポケットから携帯電話を引き抜きどこかへと電話をかける。
31 :
13:2008/12/04(木) 00:10:05 ID:Hrg9oNvx
『ん、終わったか? 長谷川』
「ああ、もう認識阻害魔法は消しても大丈夫だ。報酬はいつもの講座に振り込んどいてもらっといてくれ」
『わかった。帰るのか?』
「そうさせてもら――いや、すまんがさっきの言葉を訂正させてくれ。認識阻害はもう少しかけといて欲しい」
『残りがいたのか?』
「違う。だが私は一番の大物を片付けなきゃいかん」
『一番の……? 成程、是非頑張ってくれ。なんなら手伝うぞ?』
「必要ねーよ」
『わかった。では結界はあと3時間持続させるように言っておこう』
「悪いな。頼む」
『任せておけ。アレがいなくなるのならこの程度の手間は安いものだ。では切るぞ?』
「ああ、また明日学校で」
『ああ』
電話を切ると、少女は目を閉じて精神を集中させ始めた。
細く細く収束していった自らの腕が、足が、武器が全てを穿つイメージ。
全身の細胞が活性化し、気を放出する。
戦闘状態に彼女の全身が移行しつつある中――いかにも場違いな声が“降ってきた”。
「千雨ちゃーん。お疲れー」
声の主は17〜8歳ほどの少年。
Gジャン、ジーンズにバンダナというかなり古いセンスのいでたちをした彼だが、彼を見た人間がまず目を向けるのはそこではないだろう。
まず、浮いている。
文字通り彼の体は地面から1mほど離れたところに浮かんでいるのだ。先ほどの声が上から聞こえたのもそのせいである。
次に、透けている。
これもまた文字通り、どこか間の抜けた顔で笑っている彼の後ろの景色も見て取ることができる。
最後に、人魂。
これもそのままである。彼の周りには幾つかの人魂がふよふよと浮かんでいるのだ。
これでもかと言うほど完膚なきまでに幽霊である。これで足が無ければさらに完璧だったのだろうが、残念ながら足は普通にあるようだ。
「…………」
「あれ、千雨ちゃーん? 聞こえてるー?」
無言のままの少女に近づいてくる幽霊。
しかし彼女が全く反応を返さない事に不審に思ったのか、さらに近づくと彼女の顔を覗き込んだ。
「千雨ちゃーん?」
(――今だ!)
瞬間、少女の腕が跳ね上がり彼の顔面を抉ろうと迫る。
そのスピード、初動の小ささはまさに達人というに相応しいものだ。少なくとも普通の人間にかわせる代物ではない。
しかし、
「のわーっ!?」
当たれば確実に重傷になるだろうそれを、彼はあり得ない程思い切り上体をそらして回避した。凄まじい反射神経だ。
「い、いきなり何するんじゃ!? 殺す気か!」
「当たり前だ! 私が日常の世界に帰るためにも、今日こそテメーをあの世へ送り返してやる!」
叫ぶ幽霊に対し更に声を張り上げる少女。その気迫はさっきの化物に対するものを軽く超えている。
「せ、戦略的撤退ー!」
「待ちやがれこの腐れ守護霊! 大人しくぶった切られろー!」
慌てて反転し逃げ出す幽霊。それを追い、人間離れした速度で駆け出す少女。
そしてそれから3時間の間、先ほどの光景が子供だましに思えるほどの、命がけの鬼ごっこが始まるのであった。
32 :
13:2008/12/04(木) 00:12:46 ID:Hrg9oNvx
◇◆◇
「1985年、日米貿易摩擦を解消する為にアメリカのプラザホテルで――」
「えー、それマジ?」
「マジマジ。街の方ですごい大きな音がしてたらしいよ。それで目が醒めた人もいたみたいだし」
「うわ……それでその音の正体とかわかったの?」
「いや、それが誰も見てないんだよねー。しかも街に一切被害がないんだよ。まるで魔法でも使ったみたいに」
「こっわーい。で、それで――」
「こらそこ! 授業中の私語は止めなさい!」
「わ!す、すいません……」
「眠ぃ……」
翌日、彼女は机に座って欠伸を噛み殺していた。
結局昨日も退治する事はできず、時間一杯まで粘った代償は睡眠時間。
体調を理由に休もうかとも思ったが、それはこのバカクラスの事。下手に風邪とかを理由にすると見舞いと称して部屋に押しかけてきかねない。
平凡な日常を過ごしていたい彼女にとっては、あまりこのクラスの非常識な面々とは関わりたくないというのが本音であった。
「――えー、であるからして――リカと日――」
しかし眠気もかなりの域に達してきており、黒板にチョークを滑らせている教師の声が途切れ途切れに、さらに遠くなってくる。
(あ、やべ……起きないと……)
そう思うも逆らえないのが睡魔。手の甲をつねったりと無駄な抵抗を続けていた彼女を嘲笑うかの様に、あっさりと眠りの中へと連れ去られたのであった。
◇◆◇
――……あの非常識の塊が自分の前に現れたのは、いつの頃だっただか。
思えば私は、小さい頃からどこか冷めていたと思う。
同い年の子供達がヒーローごっこに夢中になり、将来の夢に『変身ヒーローになって世界を守る!』なんて書いている中、
私はあれが虚構の話だと理解し、あくまでお話として楽しむだけだった。
サンタクロースは父親だと知っていたし、幽霊なんてものはトリックか見間違い。
そんな風に常識的な、悪く言えばつまらない子供だったが、それでも私は良かったのだ。
しかし、そんな愛すべき平凡な毎日はある日を境に一変してしまうことになる。
33 :
13:2008/12/04(木) 00:13:32 ID:Hrg9oNvx
「………えーっと、ここはどこでせう?」
ある日私の前に、こいつが現れたせいだ。
当然最初は警察に突き出そうとしたのだが、こいつは体が透けてて、空に浮いてて、おまけに人魂までついていた。
私は悲鳴を上げて失神。今でもあのときの事は思い出したくない。
「ふーん、長谷川千雨ちゃんって言うのか。俺は横島忠夫っていうんだ」
「聞いてない。とっとと成仏しろ化物」
「ばけ……初対面なのにひどいな、千雨ちゃん」
「ちゃん付けで呼ぶな、キモいウザい早く消えろ白昼夢」
「酷っ!?」
最初は徹底的に無視していたのだが、余りにも話しかけてくるので次第に相手をするようになってしまった。
そしてわかったのは最悪の事。
「うーん、成仏してやりたいのは山々なんだけど――俺、今千雨ちゃんの守護霊なんだわ」
守護霊。つまりこいつが私を守ってくれてるわけだ。
当然のことながら信じる筈も無い。
毎日の様に近所で覗きを働き、幽霊にも関わらず昼間からナンパをかますこいつが自分の守護霊などと信じるほうがどうかしている。
しかし――それがまぎれもない事実だと知ってしまったのは、半年ほどたったある日の事。
「そりゃあっ!」
――グゥルィィィイィィィ!?――
塾からの帰り道、私は化物に襲われたのだ。
必死に逃げるも小学3年生程度の足で逃げ切れる筈も無く、私はじりじりニヤケ面で近づいてくる化物相手に泣き喚くしかなかった。
そして思わず助けを求めてしまった時にこいつは現れて、あっさりと化物を退治してしまったのだ。
小さい頃から虚構だとわかっていた筈の魔法と悪、そしてヒーローの世界。
私が日常という舗装された道路から転落してしまったのが確定的になったのは、きっとその時だ
そんなの認められるわけがない。私はいたって平凡な日常を生きていたいのだ。
そして私はいつか日常に帰るべく、こいつ――横島を払うのを目指して修行を続けている……。
◇◆◇
「――谷川! 長谷川!」
「んー……なんだよ、うっせーなあ……」
彼女――千雨は、自分を呼ぶ声におざなりに返事を返す。
「ほう、五月蝿いかね……?」
「ああ。わかってんだろ……今私は……ハッ!?」
次第に覚醒していく意識の中、今が授業中だと気付いたが時既に遅し。
愛想笑いを浮かべながら見ると、額に青筋を立てている教師の姿があった。
「え、えーっと、先生……?」
「授業中に居眠り、しかも私に気付かないほどの爆睡とは、いい度胸だな長谷川?
それじゃあ優秀な長谷川君に今日の授業のまとめを述べて貰おうか?」
「……すいません。わかりません」
「わからないならば居眠りなどするな、この馬鹿者! 廊下に立っていなさい!」
教師の怒声とクラスメイトのクスクス笑いに押し出されるかのように、千雨は教室から廊下へと出されてしまったのだった
34 :
13:2008/12/04(木) 00:14:13 ID:Hrg9oNvx
◇◆◇
「フフッ、災難だったな長谷川」
「うっせー、笑うな龍宮。昨日は寝不足だったんだよ」
昼休み。学食のテーブルに向かい合って座っていたのは千雨と、褐色の肌の女性――クラスメイトの龍宮真名だ。
千雨のクラスメイトなので「少女」と言ったほうが適切かもしれないが、180cmを超える長身に加え大学生も顔負けなスタイルの良さを持つ彼女を少女と呼ぶのは少々はばかられる。
彼女自身はそのせいで映画館などに中学生料金で入れないと嘆いていたりもするが、彼女のプロポーションが手に入るのならば映画に毎回300円余計に払う者が多いであろう事も想像に難くない。
そんな彼女と千雨の関係は、いわゆる同業者というやつだ。
「その様子だと、昨日も失敗したみたいだな?」
「思い出させんな畜生。一体あいつは何でできてるんだ? 人体ができる限界を超えてるぞあの動きは」
「だから手伝おうかと言ったのに」
「金とるんだろうが」
「まあね、私も慈善業者じゃないんだ。弾薬にも金はかかるしな」
「手伝ってもらっても仕留め切れるかどうかわかんねーんだ。無駄な金を使う趣味は無い」
「そうか。まあ気が変わったら遠慮なく言ってくれ。アレを潰すなら格安にしておくぞ?」
「考えとくよ」
真名は先に述べた通りの素晴らしいプロポーションの持ち主である。その上精神的にも老成しており、とても中学生には見えない。
スタイルの良い女性、特に年上を好む傾向にあった横島がそんな彼女に声をかけないはずが無く、彼女は何度も覗きにあっている被害者筆頭の一人だ。
ならば横島撲滅に金を取る必要は無いのではないかと思うが、そこは彼女のプロ意識が関係しているものと思われる。
そんな話題の横島だが、彼は今ここにはいない。
千雨のクラスには真名に匹敵するプロポーションの人間が何名かおり、そんなところに横島を入れるという事は羊の群れに狼を解き放つようなものであるからだ。
守護霊が離れるというのは霊的に危険な状態ではあるのだが千雨はそれなりの腕の退魔師――本人は認めていないが――であるし、
そもそも魔法というものが秘匿を旨としているこの世界で、あんなのが授業中にいきなり出てきたら言い訳の仕様が無い。
記憶消去の魔法という手もあるが千雨は使えないし、魔法符を買うにしても一々金がかかる。それならば横島を連れてこないほうが手っ取り早い。
今頃横島は魔法先生に雑用としてこき使われていることだろう。それが彼に与えられた仕事でもある。
35 :
13:2008/12/04(木) 00:15:53 ID:Hrg9oNvx
「そういえば長谷川、知っているか? 高畑先生が今学期で担任をやめるそうだぞ」
「なんだそれ? 初耳だぞ」
「なんでも、広域指導員としての仕事と担任との両立が難しいらしくてな。3学期からは新任の先生に担任を任せ、自分の仕事に専念するそうだ」
高畑というのは千雨たちのクラスの担任であり、広域指導員として麻帆良の不良たちからはデスメガネと恐れられる麻帆良最強の魔法先生である。
広域指導員というのも建前上の職であり、実際には学園長エージェントというところなのだが、それが「忙しい」と言われると何かあるのかと勘繰ってしまう。
「――なんかやばい事でも起こってんのか?」
「さてね。それだけじゃない。長谷川にもすぐ来ると思うが、
魔法先生や生徒達に新しく来る先生に対して魔法バレは極力避けるように、と通達がされてる」
「今更か? バラさないってのは当たり前の事じゃねーか」
「そう、当たり前の事だ。新しい先生が魔法使いじゃなければね」
「なんだって?」
魔法使いである筈の新しい担任に対して魔法を隠す。新手の虐めかとも思うが、そんな事を学園長がやる筈が無い。
学園長はふざけた悪戯を仕掛けることで魔法関係者の中では有名だが、陰湿なことはしないのだ。
「一体何が起ころうとしてるんだ?」
「わからないね。ただ、何かあることだけは確かなんだろう。用心はしておくんだな長谷川。
横島さんを抱えるお前は一番オコジョに近い位置にいるぞ?」
「う……」
千雨に対して嫌な台詞を残すと、真名は食器を片付けて出て行った。
一人残された千雨は思う。
(――頼むから、私の平穏を乱さないでくれよ……!)
そんな事が叶う筈が無いと諦めるまで、あと数ヶ月。
遠いイギリスの地からネギ・スプリングフィールドが魔法使いとしての修行の為にやってくるところから、物語は動き出す。
36 :
13:2008/12/04(木) 00:19:38 ID:Hrg9oNvx
とりあえず第1話はこれにて終了。
短すぎだとか全然クロスじゃねえとか場面転換多すぎだろとか千雨はこんなキャラじゃねーとか
どんな突っ込みでもバッチこい。長編のつもりですが、第2話がいつ書きあがるかは未定
プロットはあるけど今週末からちと忙しいので間が空くかも
自分でも分かってるみたいだけど痛いな
>>36 おおGJ!待ってたよ
設定クロスってやつか
戦闘物で千雨が主人公ってのはけっこう珍しいね
続き待ってるよー
>>37 どうせやるなら邪気眼を解放してやれと酒の力を借りて書いた。今は後悔している
上手い人が来てくれるまでのつなぎ程度に見てくれれば嬉しいけど、
どうしてもクソだと思ったら次から酉入れるのでNGしてください
お目汚し本当に申し訳ない
>>38 実は設定クロスではなく来訪だったり。次の話でその辺書きます
主人公は千雨、あとネギも入るかも?
横島の相方できそうなのが千雨しかいなかったからですけどね
やっぱり職人さん来てくれると嬉しいな
この調子で増えていってほしい
漫画サロンで連載してる人もこっち来ないかな
42 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/07(日) 10:17:29 ID:RV+wbdvG
クロスとは関係ないがネギまは戦闘力表が出てきたのがやっちゃった感が強いんだよな
ネギが500でイージス艦が1500だっけ?
イージス艦なめすぎだろ赤松
>>42 あれは馬鹿で変態(アスナ命名)が勝手に言ってるだけだから
こっそり近づいて雷の暴風を叩き込めば沈められそうではあるし、あながちそんな大間違いってほどじゃないと思う
実質CIWSしか空飛んで近づいてくる魔法使いに対しては攻撃出来んし
当たれば風障壁張ったところで1発2発で障壁消滅してミンチだろうけどな
最近のバトル系は現実の兵器より強いからスゴいんです!が多すぎ
描写が現実の兵器より強いって設定に伴ってないものも多いし
多分実際の性能も知らずにアニメや特撮でのイメージだけで書いてるんだろうな
46 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/10(水) 11:17:43 ID:BJPjEQGO
なんつーか最近のネギまはなのは3期と同じ過ちを犯している気が
いや好きなんだけどねネギま
ageちまった
すまん
新しい職人にも勿論来て欲しいけど未完の人たちにも帰ってきてほしい
理想郷とか投稿図書にクロス投稿場所あるからなぁ
>>49 職人はそっち行ってるよな
このスレには新人職人しか来ないかも
あげとくか
>>49 向こうと差別化できればいいんだけどなぁ。
なんかこう、こっち独自の利点ってのがあればいいのだが……思いつかん。
投稿図書問題点はあれだけ作品あるのに禄に続かないこと・・・
です
だめだこりゃ
200X年、麻帆良は核の炎に包まれた!
ネギはネズミと共生する事で生き延びていた!
ネギは改造人間になった!
但し1日1分しかバッテリーが持たない!
59 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/24(水) 22:50:06 ID:A0d/cUnz
とあ禁とのクロスは面白そうな感じがする
>>59 言い出しっぺ書くの法則により期待している
禁書もネギま世界との設定の食い違いがかなり大きいしな……
書き手に求められるハードルが高いというか。
“原石”だけなら自然発生だからネギま世界にも出せないことはないけど、
超能力者(レベル5)のことごとくが出場不可になるしなぁ……
マロンのスレが落ちたな
>>61 禁書は詳しくないがスパロボZ方式で出すとかどうだろう?
とりあえず「何か知らんが平行世界に飛ばされました」でいい気がするがw
それで良いのか……なんというか、おおらかだなぁ、ネギまは……
例えば時空間移動に失敗して飛ばされたとか、
強大なエネルギーを食らって次元の歪みが生じて云々とか、
まあクロス方法なんて色々あろう。
そりゃあまあ、そうなんだが。
上条さんを麻帆良に喚び出すのは極めて困難だし、
ネギ一行を学園都市に出現させると精霊に干渉するタイプの魔法が使えるか心配になるというか。
うん、単なる杞憂なんだ。
スパロボではATフィールドがブレストファイヤーで破れるようにそういう嘘はありなんじゃね?
68 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/31(水) 09:55:47 ID:krX6Cexe
なにか来い!
あけおめテス?
70 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/03(土) 07:50:18 ID:eLVKCRMd
Fateとのクロスが多いな
次がGSか・・・・。
上の千雨主役SSの続き待ってる。
72 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/04(日) 18:40:29 ID:mQZ/0kgH
あげとくか
>>67 関係ないが、「ATフィールドはスーパーロボット達の必殺技なら突き破れる」って設定は
庵野公認っていうか庵野自身が言い出した設定だぞ。
超電磁スピンクラスなら貫通可能で、ゲッタードラゴンのシャインスパークなら使途ごと蒸発させれるらしい
74 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 21:42:16 ID:czwQHZNu
あげ
マロンでやってた人たちはこっち来ないのかな?
>>75 ひたすら過疎ってすぐ落ちてたけど
何か面白いのあったか?
それでも書き手だった。
ここには無いものだ。
―――そして、外にゴロゴロ存在してるものだ。
78 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 23:21:42 ID:JpGBgzBn
外は良作多い
このスレの歴史で良作いくつあるかな?
完結未完結問わずで
ジョジョのクロスは面白かった
未完結だけど
ネギまはインフレしちゃいかんかった気がする
職人期待age
需要はあるのかね
ネギま!のSSって
84 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/01(日) 18:58:08 ID:6VUMxY6c
あるよ。
理想郷とか大手行けばたくさんある
需要はありますが
続いたのが禄に無いですね
終了地点決めて書かないとぐだぐだなるから仕方ない>録に続かない
87 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/02(月) 12:07:55 ID:byuNS6+A
シエルがナルバレックに無理やり27祖の第五位であるORTの住処に
送られて瞬殺されて起きたら麻帆良だった。という電波を受信した。
kyですまソ
「27番宮崎のどか…悪いけどその血を少しだけわけてもらうよ」
「キャアァァァ!!」
ここで本来ならネギが現れるのだが…
「そこまでだ”化け物”」
「!?誰だ」
「我らは神の代理人、神罰の地上代行者、我らが使命は、我が神に逆らう愚者を、
その肉のさいぃぃごのぉ、いぃっぺんまでも絶滅するうこと…」
「エイィィィィメン!!」
HELLSINGとのクロス小ネタ
書いてて思ったけど、これだとエヴァやへたすりゃ刹那が大変だな
89 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/05(木) 02:03:29 ID:ksIi/vFB
>>85>>86 マロンでやってた時は、クレしんとヒッチャーのクロスが最後まで書いてた
クレしんは第一部完でヒッチャーも三部作だかの一つだったけど
小ネタで鬼作とのクロスを思い付いたんだ。
このかとお見合いする鬼作とか。
18禁なシーンが無ければ鬼作は結構いい人だと思う。
真の鬼畜者の鬼作は18歳以下には絶対に手を出さないだろうし。
学園長のおふざけで副担任になった鬼作。
「本日より皆さんの副担任になります、伊頭鬼作と申します」
鬼作の横には謎の少女(普通の人には見えない)がいて相坂と友達になったりする。
不良達に絡まれている生徒を助けるときに
「おめぇらみたいな似非鬼畜者のせいで俺みたいな真の鬼畜者の肩身が狭くなるんだよ」
不良達に説教する。
魔法関係には関わらない。
マロンの人たちは来ないのかな?
94 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 19:04:06 ID:k1X5hwXr
SSなんか書けねーよ。難しいなぁ…
ネギ先生と「ぱにぽに」のレベッカ宮本でデートでもキスでもなんでもしてくれ。
年増と強制的にブチューじゃネギ可哀想だろ。
同年齢のベッキーと掛け合わせればそれでいい。
ネギま!Neoとか子ども向けにあるけれど、もっとハードルを上げて、
「平凡なことから非凡なものを見つけ出す」を主題として
ネギとベッキーの小学生イチャイチャ物語でも作ってくれ。
非凡な魔法はもう(゚听)イラネってことだ。
まったくこのスレとは関係ないが
>>94でネギま!?がネギぽにと呼ばれてたのを思い出した
ネギま!の新刊買ってみた。
2ヶ月前?
魔法界行った時点で8月になってたハズ。
これはあれだな。うえき+みたいに時間がたってなかったフラグだな。
修学旅行編とか学園祭編ならクロスさせやすいと思うんだが
この過疎っぷりを見るにネギまって職人受けが悪いのか?
>>97 終わるタイミング決めづらいのが原因かもしらんね>職人受けが悪い
・最近のバトルのインフレ
・シリアス方向に持っていくとアンチ方向に行きやすい(ネギ自身や学園側とか特に)
クロスする作品が今の本編のネギを基準に選ぶと序盤の敵が相手にならないし
下手に手加減してもスッキリしないしなぁ…。
ネギ自体これと言った一貫性がイマイチ分かりにくいのも辛いわな…
俺としては、座禅組んで瞑想しているネギ君キボンヌ。赤松先生の本編で。
魔法使わないネギ君キボンヌ。
大人らしくなって温和しくなったネギ君キボンヌ。
平和ボケな麻帆良学園とネギま世界キボンヌ
新田先生主役にした普通の学園物キボンヌ
タカミチでも可
ジャック・ラカンを先生にした普通の学園モノキボンヌ
エヴァとか邪魔だよな
あいつが出しゃばると学園物にならねー
絵に描いたような厨設定だし
>>107 それ言い出すとクラスの半分以上いらんだろw
駄目な奴だ
110 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/12(木) 06:50:52 ID:8LGJDY+L
まったくだ
禁書とのクロス消えたの
デスノートを誰かに拾わせてみる。
ネギに近づくクラスメートの名前を書き込むのどか。
千雨の横で林檎を食べるリュークとか良くね。
ズバリ西洋魔術師を殺しまくる千草とか
新世界の創造を始める超とかか?
>>112 まとめがあったような気がする。
確かタイトルはネギNOTEだったかな?
エアギアの24巻にネギまの一巻が出てるからクロスは難しいか?
別にそれ関係ないだろw
既存のSSとか語るスレってないの?
119 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/29(日) 11:17:23 ID:fn5T/8lT
ワーランドシリーズ(エーベルージュ、ファンタスティックフォーチュン)とネギまのクロスオーバー SSを読みたい!
なんだ?
ここのスレの住民は言い出しっぺ書くの法則を知らない奴ばっかか?
121 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/30(月) 01:56:11 ID:lIM2AJvH
なぜ エーベルージュの二次創作が少ないのか?
SS作家様たちに エーベルージュの作品 SSを書いてくれといって 頼みたいです。
科学と魔法が共存する異世界を舞台にしたトリフェルズ魔法学園の初等部に入学するところからスタートする。前半は初等部で2年間、後半は高等部で3年間の学園生活を送り卒業するまでとなる。
(音声、イベントが追加された PS,SS版 プレイをおすすめします。)
同じワーランドシリーズなのに ファンタスティックフォーチュンSSは多いのに
似ている 魔法学院物なのに ネギま、ゼロの使い魔 SSは多いのに
エーベルージュのSSがほとんどありませんでした。
>>121 ネギまクロス書くんじゃなくてグチるだけなら他所いってくれw
もうこのスレは「魔法先生ネギま!クロスSSを語り合うスレ」でいい気がする。
作品投下もokにしてさ。
このスレ自体、マロンにあったの半分も消化しない内に引っ越し宣言で立ててただろ
それであっちで連載してた職人もそのまま向こうで続けてたし
シュウ・シラカワがネオグランゾンに乗って麻帆良学園にやって来た。
超と協力して茶々丸を強化改造したりする。
学園長が彼を利用しようとして消されたりする。
中のシラカワさんだけで十分
ネギの村が悪魔に襲われてるときにシュウがネオグランゾンでやって来る。
大勢の悪魔+ナギを「終わりにしましょう」で消し去る。
これからどうすればいい?
シュウ「ついでにグランゾンの造作もない力で、エヴァの呪いを造作も無く解いて、東西の魔法使いを造作も無く和解させ、
超の野望を造作もなく阻み、ネギの父親を造作も無く五体満足で呼び出しておきました。これでハッピーエンドですね」
色々台無し
>>129 ついでにグランゾン的な科学力で魔法を科学的に実現
発達した科学は魔法なのです
そして世界は魔法使いで溢れました
ツマンネ
131 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/03(金) 16:34:02 ID:J098vjSH
鬼作がやって来た。
学園長にこのかとお見合いさせられる。
「趣味は手淫で御座いましてねぇ、暇さえあれば何時でも握っておりますです、はい」
「手淫?それってどんなん?」
いつの間にか刹那とこのかが昔みたいに仲直り。
「鬼作さんのおかげでせっちゃんと仲直りできたよ」
修学旅行について行ったときは新幹線の売り子の千草に目を付け追い込みをかける。
〜〜〜鬼作活躍中〜〜〜
「うち、鬼作はんのおかげで過去と決別できそうやわ。ありがとう鬼作はん」
修学旅行無事終了。
〜〜〜鬼作活躍中〜〜〜
佐々木まき絵が自信を付ける。
葛葉刀子、京都に帰り剣を捨て女の幸せを得る。
こんな感じかな。
132 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/10(金) 01:16:36 ID:GOsXzzrj
age
133 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 10:01:05 ID:tNcBLYYi
>>131 18禁展開しない鬼作はこんな感じで人から感謝される。
ゲーム的にはバッドだけど女性からみればハッピー。
本人は嬉しくないようだけど。
まぁ確かに本人的にうれしくないだろうな
つーかほとんど18歳未満だしw
137 :
神空 :2009/04/19(日) 12:01:52 ID:luf0HSXp
続き
138 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 23:18:50 ID:0gRmTFAd
む
マロンの過去スレで「のび太のin麻帆良祭」と言う作品を投下していた者です。
クロス相手は、説明するまでもないでしょう。
簡単な粗筋を言いますと、
いつもの大冒険の後、時空乱流に巻き込まれたタイムパトロールから
「麻帆良学園・超鈴音」と言う言葉だけを聞いたドラ・パーティー。
その言葉を手がかりに麻帆良学園に潜入したドラ・パーティーは、
行き違いから学園警備と一戦交えてマークされる存在となってしまう。
家も見張られ、事態を打開し何が起きているのかを把握すべく
「動物ごっこぼうし」で変装し、ひょんな事から3‐Aの面々と関わりながら
唯一の手がかり超鈴音と接触しようとするがなかなか上手くいかない。
超鈴音との接触のためにのび太が武道会に参加し、秘密道具を駆使して勝ち上がりもしたが、
ネギの思いを知ったドラ・パーティーはタイムマシンで過去に戻る事を決意。
茶々丸姉に超空間を制圧され、辛うじて試合直前に戻り過去ののび太の参加を妨害する。
そのまま、調査を続行、超鈴音の野望を知り、彼女と会食するも交渉は決裂、
超達と分かれ、改めてネギ達と協力すべく行動を開始する。
と、こんな所でしたが、ここでちょっと相談です。
ここまで過去マロンでの投下の間、
圧縮に次ぐ圧縮のブツ切りで読む事が難しい部分も生じており、
つまんねからやめろと言う要望への検討はおいといて。
いっそここでもっぺん最初から投下しようか、スタンダードに続きから投下しようか、
聞いておいてリクが来ても正直コンスタントに再開するのも厳しい状況ではありますが。
取りあえず、間が長くなりましたので参考もかねて、今回と次回で、
前回最終投下分とその次の話を投下します。
>>139 と、言いますか、ぶっちゃけた話、中断が長くなりますと
少し無理にでも走り出さないと脳内から先に進まないと言う所がありまして。
もちろん、基本的なプロットは考えていますのでここで踏み切ればそのまま転がっていける、
と思いたいです、現状こんな感じです。
参考:(幻の)まほら武道会野比のび太戦績
1.予選会バトルロイヤル
野比のび太 対 その他大勢
○−●(ツキの月)
2.決勝トーナメント一回戦
野比のび太 対 エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル
○−●(ブラックベルト)
3.決勝トーナメント二回戦
野比のび太 対 桜咲刹那
○−●(名刀「電光丸」→ブラックベルトのスイッチ)
4.決勝トーナメント準決勝
野比のび太 対 ネギ・スプリングフィールド
○−●(タヌ機→ブラックベルトのスイッチ)
うだうだと語りが長くなりましたが、
では、今回の投下、入ります。
>>140 「!?」
急降下するのび太のタケコプターがきしみを挙げ、きな臭い匂いが鼻を突く。
不意に、浮力が消えた。
「わっ、わっ、わっ、わぁーっ!?」
「溺れるっ、死ぬうっ!!」
「あのー、そこ、背が立つですよ」
「…ホントだ…」
苦笑いしながら、のび太が滝壺の池に立ち上がる。
「ノビさんですか?武道会に出ていた」
「あ、え、は、はい」
「その節は残念でした。風邪を引いたと聞きましたが…」
「あ、えっと、あはは…石ころぼうしが脱げたんだ」
熊さんぼうしだけの頭を撫でてのび太が呟く。
「?何ですか?」
「あ、いえ」
図書館島でのネギの捜索中、のび太は人が滝壺に落下するのを発見。
それを追って急降下した結果元々決して丈夫ではないタケコプターがオーバーヒート、
今に至っていた。
「そうだ、えーと…」
「夕映です、綾瀬夕映」
「ああ、夕映さんってネギ先生のクラスなんですか?」
ちょっとズキッとした表情を見抜くには、のび太の精神は些か幼かった。
「え、ええ…」
「じゃあ、ネギ先生がどこいるか分かりますか?」
「分かりません、はぐれてしまいまして」
「じゃあ、図書館島にはいるんですね?」
「え、ええ、まだいると思うです」
「ありがとうございます!」
>>141 「………」
「?」
ばしゃばしゃと駆け出すのび太をすれ違ったのどかが小首を傾げて見ていた。
「………」
「糸なし糸電話型トランシーバー」で呼び出されたドラえもんとのび太は、
分厚い鉄壁の前で立ち尽くしていた。
「この中なの?」
「うん」
尋ねるのび太に「警察犬つけ鼻」を装着したドラえもんが言う。
「毎度お馴染み通りぬけフープー」
「………」
フープをくぐったドラえもんとのび太が、分厚い鉄壁の前で立ち尽くした。
「この中なの?」
「うん」
尋ねるのび太に「警察犬つけ鼻」を装着したドラえもんが言う。
(以下略)
右往左往の末、いつの間にか二階開架図書コーナーに移動していたドラえもんとのび太は、
目の前のガラス戸がぱあっと光るのを目撃した。
「何だろう?」
二人が顔を見合わせている内に、ガラス戸が開いてその向こうのバルコニーから
他でもないネギが飛び出して来た。
ネギがバタバタと3‐A図書館組に追い掛けられているのを、
二人は首を左右に振って呆然と見守る。
「あのー…」
「あーノビ君?ごめんねーちょっと取り込み中だからー」
「あーーーーーうーーーーーーー」
「………」
>>142 声を掛けたのび太とドラえもんはハルナに連行されるネギを見送り、
閉じたバルコニーのガラス戸が再びまばゆく光る。
「えーと、それで何?」
ぞろぞろと出て来た先頭でハルナが言う。
「ええ…」
「ドラえもんっ!」
ドラえもんが言いかけた時、側でのび太が叫んだ。
「どうしたののび太君?…!?」
そちらを見たドラえもんとのび太は両手をあらぬ方向に向けて
顔には大量の縦線が引かれていた。
「ん?ああ、ケーブルテレビ?世界樹広場だねー…」
硬直したのび太とドラえもんの視線の先を見て、ハルナがのんびりと言う。
「スイッチッ!」
「間に合わないいっっっ!!」
テレビに飛び付こうとしたドラえもんとのび太がその瞬間吹っ飛んだ。
「!?風楯っ!!」
ネギがとっさに防壁を張って図書館組の前に立つが、余り役に立ってない。
ドラえもんとのび太は床で耳を塞いで亀になっていた。
「く、あっ…魔法の射手・光の一矢っ!」
哀れテレビ画面の真ん中にはぽっかりと穴が空き、
立ち上がろうとするネギがはぁはぁと息を吐く。
「大丈夫ですかネギせんせー」
よろけたネギを支えながら共に座り込んだのどかが言った。
「止まったみたい」
のび太が言う。
「ハルナさん」
ドラえもんがハルナに声を掛ける。
>>143 「今の放送、ここだけですか?」
「麻帆良ケーブルテレビの学園祭中継だから、多分学園中で、ラジオも…」
「大変だぁ…」
「ちょっ!」
真っ青な顔で飛び出すドラえもんとのび太をハルナが追おうとするが、
脚がもつれている間に見失った。
「どうですか、このかさん?」
開架図書コーナーの惨状を目にしながらネギが言う。
「うん、かなり強力な術やないと治療ダメみたい」
「分かりました」
少し時計の針を巻き戻す。
「いないねー」
「だなー」
ジャイアンとスネ夫が、タケコプターで飛行しながら言った。
「あれ、何かイベントかな?」
「ああ」
着地した二人は、動物ごっこぼうしを着用してイベントに並び、くじ引きに参加する。
「はーい、こちら世界樹前広場でーすっ、
皆さーん、カードは渡りましたかーっ」
「おーっ!」
人混みの中、見えない程前のあっけらかんとした司会者の声に、
ジャイアンがもらったカードを振り上げて歓声を上げる。
「はーい、それではビンゴゲーム、開始しまーすっ!」
「おっしゃーっ!ビンゴーッ!!」
「ジャイアンすごいっ!」
「はーい、当選者どうぞ当選者どうぞーっ」
「おおーっしっ」
>>144 「はーい、ここまででーすっ!」
ジャイアンが人混みをかき分けてステージに上り、
これもまあ結構な数の当選者と共にステージに並ぶ。
「えー、確認終わりました。それでは、世界樹前広場ライブ、
オープニングイベントのど自慢カラオケ大会の当選者発表でーすっ」
「………………」
一人一人名前が呼ばれ、盛り上がる大観衆の中、スネ夫はきょとんとしていた。
「…東京都練馬区から来てくれた、もうステージ・ネーム決めてますねー、
クリス・ジャイアント君でーすっ」
「まっかせてくださぁーいっ!」
「え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ーーーーーーーーーーーーーっっっ!!!」
蒼白になったスネ夫の尖った口は波打って歪んでいた。
「えー、なお、このカラオケ大会の歌声は、ケーブルテレビとFM…
学園祭会場千カ所以上に設置されたスピーカーを通じて…」
赤色灯が周囲を照らし、けたたましいサイレンと無線連絡が響き渡る。
「救護班・全班出動しました!」
「現場に向かっています」
「現地班から連絡途切れました!」
「いいからスイッチを切れっ!!」
>>144 「う、む…」
建物の屋上で、頭を振った龍宮真名がイヤホンマイクの携帯電話に出た。
「龍宮君、無事か?」
「なんとか、な…かなりまずい状況になっているらしいが」
「ああ、まさかここまで大規模で強力なテロを仕掛けて来るとは思わなかったよ。
相手が何者か、調査はするがそれよりも対策だ。まだ続いているのか?」
真名が不覚にも手放したレミントンを構え直し、スコープを覗く。
「ああ、まだ続行している」
「なんと言う事だ、学園祭関係の放送網は複雑に入り組んでいる上に、
中継を管理しているサブコントロールとの連絡が途切れているケースが相次いでいて
思う様に中断作業が進まない。威力と言い規模と言い、恐るべきテロだ。
突入班からの連絡も完全に途絶えている」
「だろうな。今、広場に接近するのは自殺行為だ」
「そこは、大丈夫なのか?」
「いや、大丈夫、じゃあない」
「対処してくれるなら特別手当を出すが」
「分かった、やってみよう。優先事項は?」
「この事態を収束させる事。やむを得ない。抵抗は実力をもって排除せよ」
「分かった」
電話を切った真名が、改めて片膝を着いてスコープを覗く。
スコープの中でゴリラ頭が右へ左へと振動する。
まだ、腕も指も言う事を聞かない、と、言うより、とても集中出来る状況ではない。
耳から脳味噌がかき回される様に、頭がガンガンして吐き気がする。
ここまで過酷なスナイプはいつ以来だろうか?
ほんの数秒、否、コンマ単位でも…
真名が全ての意思力、精神力を総動員して固定したスコープが、
累々たる屍の果てにマイクを握るゴリラコスプレの姿をはっきりと映し出した。
今回はここまでです。ご無沙汰しておりました。続きは折を見て。
147 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 06:25:45 ID:1yDvE5Hw
mi
終わりにしましょう。
149 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 19:05:18 ID:1yDvE5Hw
mage
>>108 あれを観てると理想郷のドラえもんクロスは面白い
耐性のある練馬区民はバケモンなのか
152 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 18:48:28 ID:YTyFDT9i
mafge
153 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 21:21:17 ID:YTyFDT9i
mafge
では、今回の投下、入ります。
>>146 「ウルトラストップウォッチー」
洋風の瀟洒な街並みを半ば這いつくばる様にして進んでいたドラえもんが、
最後の力を振り絞ってその道具を取り出し、スイッチを押す。
その場に座り込み、しみじみと大きく息をついたドラえもんが、
地面に這いつくばり震える手を辛うじて前方に掲げたまま停止しているのび太を
ウルトラストップウォッチで触れる。
「あれ、ドラえもん?」
「良かった、気が付いた」
「どうなってるの?」
のび太が荒い息を吐きながら尋ねる。
「ウルトラストップウォッチで時間を止めたんだ、
これで触られたらタイムロックが解除されるから」
しんと静まり返った街並みを走る二人。
その時点で景色は十分惨劇を示していたが、世界樹広場に辿り着いた二人は
死屍累々の地獄絵図に改めて背筋が冷たくなる。
そして、前方には、禍々しい厄災の巨人が力の限り大口を開いたまま硬直している。
「あっ!」
「スネ夫君、大丈夫?」
ドラえもんが、髪の毛を波打たせ真っ青な顔で泡を吹いて倒れている
スネ夫にウルトラストップウォッチで触れ、揺り起こす。
「あ、ドラえもん?た、助かった…」
>>154 「じゃあ、打ち合わせ通り」
「うん」
頷き合ったドラえもんとのび太、スネ夫がステージに駆け寄る。
「1、2…3!」
カウントダウンと共に、
ステージに昇ったドラえもんがウルトラストップウォッチでジャイアンに触れる。
同時に、のび太が、ステージ下から充填済みのネムケスイトールでジャイアンを銃撃する。
「ふにゃらぁー…」
「と、とっ!」
ドラえもんとスネ夫が、
ステージの上で倒れ込みそうになるジャイアンの巨体を辛うじて支えた。
「何!?」
スコープからターゲットが消失し、セッティングだけされていたドラムから
スティックが跳ね上がって空中回転する。
真名がサッとスコープをずらすと、ターゲットはステージの床に倒れていた。
「どうもー」
「お騒がせしましたー」
ドラえもんとのび太、スネ夫が誰も聞いていないだろなと思いつつステージに上がり、
三人がかりで熟睡中のジャイアンを担ぎ逃走する様は、
イヤホンを差し直してスコープを覗いていた真名にも把握されていた。
「命拾いしたな」
>>155 「んー」
もう一度ウルトラストップウォッチを使って担ぎ込まれたかべ紙ハウスのベッドの上で、
ジャイアンが大きな伸びをしていた。
「あ、起きたジャイアン?」
スネ夫が言う。
「あれ?俺確かステージで」
「そ、そうそう」
スネ夫が汗を吹き出しながら打ち合わせ通りの台詞を開始する。
「ジャイアン力の限りフルパワーの熱唱だったからさ、
歌い終わると同時に力尽きてばったりぐっすり」
「そ、そうそう、ここまで運んで来るの大変だったんだから」
のび太が追随する。
「ほー、そうかそうか、そういやそんな気もするな」
「そ、そうそう、熱狂的なステージだったんだから、失神者続出、伝説だったねーあれは、
アハ、アハハハハ、アハ…」
「おおー、そうかそうか、また一つ、俺様の歌が伝説を作ったと言う事か」
スネ夫の引きつった笑みを前に、ジャイアンの豪傑笑いが高らかに響き渡った。
「スネ夫さん、それは?」
「ん?」
しずかに指摘され、スネ夫がポケットに突っ込んでいたチラシを取り出す。
「ああ、そう言えばこれ」
「でこぴんロケット?あれ、この人たちってもしかして…」
「そうそう、もしかしたらって思って取っておいたんだ」
のび太の言葉にスネ夫が言い、その背後でドラえもんが唸っている。
「感じ出てるわね」
チラシの人物イラストを見てしずかが言った。
「場所は…世界樹…」
一瞬、沈黙が場を支配する。
>>156 「行ってみよう。クラスの人たちの演し物だったらネギ先生が来る可能性も高い。
悪いけどジャイアンはここに、世界樹でものすごく目立ったから」
「しゃーねーなぁ、大スターってのはこういう時に不便なもんよ」
ドラえもんの言葉に、無念の情を一片も見せずにジャイアンが唸る。
「………」
「えーっと、ここって立入禁止じゃないのかなー」
熊さんぼうしの上に石ころぼうしを被って世界樹周辺を探索していたのび太が、
仲間とはぐれて不安げに周辺をきょろきょろしていた。
そして、ふと前方、T字路に目がとまる。
“…あれ…青っぽい髪の毛って確か…”
“…なんだろう、辛そうな…”
ようやく見付けた手がかり、食らいついて離れないぞと追跡したのび太は、
その標的がふうっと腰掛けに座り、鏡の映した表情に首を傾げる。
何か、胸がズキンとする様な表情だったが、それを理解するには少し早かった。
“…あわわわわっ!…”
そして、彼女が本来の用事を開始すると、のび太はとっさに口を閉じながらサッと後ろを向く。
ガチャリとドアが開く。
のび太がハッとそちらを見たかと思うと、甲高い悲鳴がのび太の耳を貫く。
“…わっ、わわわっ、大変だぁ…”
「この…ん?」
「おぶうっ!」
慌てて楽屋を飛び出したのび太は、
斜め前の視界にすっきりとしたショートカットの黒髪を見た。
かと思ったら、その腕のしなりと共にその先にいたのび太が楽屋へと飛翔し、
自分の手を見て首を傾げていた円が改めて友情ビンタの構えを取る。
>>157 「たぁーっ…」
頭上にヒヨコを回転させていたのび太が、楽屋の床でむっくりと起き上がる。
「…誰もいない…」
「石ころぼうし」を被ったまま周囲を見回しても、楽屋はしんと静まり返っている。
仕方が無いので楽屋を出てバックスペースを出ると、既にとっぷりと陽が沈んでいた。
「参ったな…」
タケコプターで舞い上がったのび太が、親指を額に当てながら周辺の捜索を続ける。
「あれ、もしかして…」
何かに気が付いたのび太が降下した。
「確か、こっちの方だった…」
上から見た目的地から離れた場所に着陸したのび太が、針葉樹のまばらな林を駆け抜ける。
「あった、噴水…」
のび太の前方に、目指した風景が開かれていた。
「えーと、いたっ、青い…」
その先で木々の間から噴水が見える木陰から、探した相手がのび太の視界に触れた。
少し色素の薄いショートカットに、蛾の飛び交う街路灯が透かす様に降り注ぐ。
“…泣いてる?あれ、もう一人…!?”
突如、噴水広場から目の前に爆発する様な風と霧が巻き起こった。
「光っ!?」
その中から突き抜けるまばゆさに、
とっさに腕で顔を覆ったのび太がようやく目を開いた時には、
温かな街路灯の下、天へと向かい滴る水だけがキラキラと輝き続けていた。
今回はここまでです。続きは折を見て。
159 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 21:42:04 ID:0zGss3Aq
mage
muge
161 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 20:20:42 ID:KmRzI2LB
muge
162 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/25(土) 20:46:46 ID:ohpKdaxm
muge
163 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/26(日) 23:00:24 ID:EB9nifT+
muge
164 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/27(月) 23:27:52 ID:6ij1U4u4
muge
165 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/28(火) 21:41:35 ID:kQC/8+Rt
muge
166 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/29(水) 16:04:19 ID:yeXCafxZ
muge
167 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/30(木) 21:54:08 ID:ibzhW/5a
muge
168 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/03(日) 16:03:25 ID:6IEPVtGy
muge
169 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/04(月) 10:23:10 ID:zvVyev06
muge
170 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/04(月) 20:43:56 ID:zvVyev06
muge
muge
172 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/05(火) 16:54:36 ID:RIM8gV4V
muge
173 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/06(水) 15:24:56 ID:XFIngpXJ
muge
174 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/07(木) 21:18:50 ID:An/5iTjo
muge
175 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/08(金) 23:04:59 ID:egVNG0Tt
muge
176 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/09(土) 11:08:03 ID:4AM8fAoH
muge
177 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/09(土) 18:12:50 ID:4AM8fAoH
muge
178 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/10(日) 15:30:53 ID:Ex9GG2bo
muge
179 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/11(月) 22:37:30 ID:XVtUg9zD
muge
180 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/12(火) 21:28:15 ID:YYQTnJzv
muge
181 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/12(火) 22:00:25 ID:YYQTnJzv
muge
182 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/13(水) 18:30:16 ID:HBG2Apkz
muge
183 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/13(水) 21:40:33 ID:HBG2Apkz
muge
184 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/14(木) 02:16:06 ID:zh64lEZY
ヴァルキリープロファイルとのクロスでレザードが来るっていうのはどうだ?
185 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/14(木) 21:22:01 ID:4EkjN/cV
muge
186 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/15(金) 19:16:32 ID:YHAqW1NH
muge
187 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/16(土) 18:33:32 ID:ZBa7CnWJ
muge
188 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/17(日) 15:48:20 ID:XGoBCDn5
muge
189 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/17(日) 18:55:14 ID:XGoBCDn5
muge
190 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/18(月) 22:25:18 ID:TjQm0y0Y
muge
191 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/20(水) 06:25:51 ID:2K2cbKmI
muge
192 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 21:33:20 ID:IwmbG5bj
mugwe
193 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 06:19:38 ID:A1tz3Jx8
muge
今日仕事辞めた
俺オワタwww
仮面ライダーディケイドとのクロスはやっぱり最後の手段なんですか?
196 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 19:26:48 ID:A1tz3Jx8
muge
ディケイド自体素人の書いたSSを映像化したような作品
198 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 13:56:26 ID:JOjm7wZA
muge
199 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 18:34:27 ID:ZBe6d4Z8
muge
200 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 21:54:49 ID:isSm0Iz0
muge
201 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 06:25:03 ID:GnS7ZLAp
muge
202 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 21:51:52 ID:GnS7ZLAp
muge
203 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 20:42:06 ID:pJ1QBqy1
muge
204 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 07:44:15 ID:VUgEjLkj
muge
205 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 22:25:04 ID:Wm/k/Jrb
muge
206 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 21:44:31 ID:cfeU2LJP
muge
207 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 19:50:43 ID:omXU4BUm
muge
208 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 21:45:40 ID:RPb7/fj2
muge
209 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/05(金) 20:49:41 ID:Ws3jZf6/
muge
210 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 14:38:46 ID:tkYsc0Cv
muge
211 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/07(日) 13:00:33 ID:C6krk3Xb
muge
212 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/08(月) 19:35:10 ID:badqlXLA
muge
213 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/09(火) 22:24:46 ID:bCN5laWx
muge
214 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/12(金) 21:23:36 ID:XznypYLK
muge
215 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/14(日) 07:36:28 ID:Y+njaQId
muge
なんかもうブツ切りとかなんとか言う次元ではなくなって本当にすいませんが、
今回の投下、入ります。
>>158 呆然とたたずんでいたのび太が、
糸なし糸電話型トランシーバーの呼び出しに飛び上がりそうになる。
「あっ、ど、ドラえもんっ!き、きき、消えた…」
「え?何?聞こえない!」
「何やってんだよのび太っ、ライブ終わったぞっ!!」
「え?ライブって、でこぴんロケット?」
スネ夫の言葉にのび太が聞き返す。
「当たり前だろっ!」
「いや、でも、だって…」
「とにかく、こっちで手分けして、凄い人で…」
電波状態が悪いのか背後の人が多すぎるのか、しずかの言葉もほとんど聞き取れなくなる。
埒があかないと見たのび太は、やむなくタケコプターを装着した。
「ライブが終わったって…」
のび太が糸なし糸電話型トランシーバーでようやく到着した事を怒鳴り続け、
世界樹前広場上空で石ころぼうしとタケコプターを装着した
ジャイアン以外のドラ・パーティーが合流した状態でのび太が口を開く。
「でこぴんロケット、演奏したの?」
「ああ、あんないいの観れなかったなんてなー」
スネ夫が言う。
「でも、でこぴんロケットって青っぽい髪の女の人…」
「ああ、ベースの娘?」
スネ夫が聞き返す。
>>216 「だと思う、その娘…」
「その娘がどうかしたののび太さん?」
しずかが尋ねる。
「だって、その人、ライブに出られなかったんじゃあ…」
「え?いたわよ」
しずかがきょとんとした顔で言う。
「青っぽい髪の毛でショートカットの女の人だよ」
「ああ、いたよ、ずっとベースやってて、何言ってんだのび太?」
スネ夫が呆れた様に言う。
「ドラえもん、本当に?」
「うん、いたけど、それが…」
その時、一同はトランシーバーの呼び出し音に気が付いた。
「え、ジャイアン?何?」
ジャイアンによる呼び出しを受けたドラ・パーティーが
次々とタケコプターで目的地に着地する。
「ここは?」
「使われていない校舎みたい」
「誰かいるわ」
のび太とスネ夫が言い、ウサミミをピクピクさせてしずかが続けた。
「そうなんだ」
ジャイアンが言う。
「ちょっと外に出てたらよ、古老師がいて、
いつの間にか3‐Aがぞろぞろ大群でここに入って行ったんだ」
「こんな時間に?」
スネ夫が聞き返す。
「こんな時間に3‐Aが廃校舎?行ってみよう」
ドラえもんの言葉と共に、一同が廃校舎に足を踏み入れた。
>>217 「どっち?」
「屋上の方よ」
ウサギの「動物ごっこ帽子」で聴覚が鋭くなっているしずかの案内で、
ドラ・パーティーは暗い建物の中をそろそろと先に進む。
「こんな所で、何を?…」
周囲をきょろきょろと見回しながら、のび太が不安そうに言う。
「こんな時間にこんな所で、ただ事じゃないのは確かだね」
スネ夫が言う。
「うん…もうすぐ屋上だ。
だから、ここは慎重の上にも慎重に…」
言いかけたドラえもんの前を、天井から着地した小動物がちょろっと横切った。
「…(無意味な記号×30)!!!…」
「ドラえもんっ!」
甲高い超音波と共に駆け出したドラえもんの突撃は、
ピンボールよろしくボムボムボムと柔らかなクッションに跳ね返ってしまいにくるくる回転して
バッタリ倒れ込んだ所で終了した。
「あらあら、狸さん?」
「どうしたのちづ姉ぇ?」
「あたたた…なんですの騒々しい」
「どうかしたいいんちょ?」
「はにゃ?」
「ゆーなどうしたん?」
「ったー、何これ?」
「どうしました朝倉さん?」
硬い床に仰向けにぶっ倒れて目を回しているドラえもんに、
異変を察したクラスメイトがわらわらと群がる。
>>218 「あったー」
「石ころぼうし脱げてるよ」
屋上入口のドアの陰から覗いていたジャイアンが額に手を当て、スネ夫が嘆息して言う。
「どうするの?」
「行きましょう。放ってはおけないわ」
のび太の問いにしずかが敢然と返答する。
「あれ?このロボットって確か、えーっとドラえもん君だっけ?」
「あー、僕ドラえもんです」
腰を曲げて見下ろすハルナに問われ、ドラえもんがようやく身を起こした。
「大丈夫ですかー?」
「ああ、どうも、お騒がせしました」
心配そうに言うのどかの前でドラえもんがむっくり立ち上がった。
「ロボット?」
和美が言う。その後ろから茶々丸が付いて来ている。
「うん、まー、害は無いみたいだけど」
「ふーん」
スクープと言う訳でもなさそうなので、和美はさっさとパーティーに戻る。
「おお、未来の弟子ヨ」
「おー、古老師」
「どうしたアルかこんな所に?」
「ああ、肝試しです肝試し。廃校舎があるって聞いたんですけど、パーティーだったんですね」
スネ夫が言った。
「あれー、ノビ君どうしたの?インフルエンザだって聞いたけど」
裕奈の言葉に、周辺がざざっと退却する。
「えーと、なんか皆さんの事を見かけたって聞きまして…」
額にアキラの手をぴとっと当てられながらのび太が笑みを作る。
>>219 「大丈夫みたいだね、ま、飲みねぇ飲みねぇ、残念だったねー、
決勝トーナメントまで行ってホント」
「あ、どうも」
裕奈にコップを渡されどぷどぷ注がれながらのび太が後頭部を掻く。
「この子誰?」
通りすがりの桜子が言う。
「ノビ君、武道会の決勝トーナメント病気で休んだ」
「ああ、あの不戦敗の子」
裕奈の説明に円が納得を見せる。
「でも、ネギ君なんかと当たったら大変だったよー」
少しの間じっとのび太を見ていた美砂が姿勢を正して言った。
「そうそう、ネギ君すっごく強かったんだからー」
桜子が言い、のび太も思わずコクコク頷く。
「ま、ちょっと見て見たかったけどねー」
「何?ゆーなこう言う眼鏡ぼーずタイプなの?」
「あんたじゃないんだから。でもー、ノビ君ナメちゃいけないよー」
美砂に言い返す裕奈がニカッと浮かべた笑みに、
頬がぽっと赤くなったのび太は脇腹の感触に振り返った。
「あ、ドラえもん」
「あそこに超さんがいる」
「本当だ」
のび太とドラえもんがヒソヒソと会話を交わす。
「超さんの送別会なんですって、みんな楽しそう」
近づいたしずかが言う。
「そうだね…」
のび太とドラえもんもしみじみ実感する。
「あっ!」
しずかの小さな叫びに、ドラ・パーティーの視線がしずかの指先へと走る。
>>220 「綺麗…」
「うーん」
胸の前で両手を組んで言うしずかにのび太とドラえもんが同意する。
「凄い…光ゴケかな?」
「おーっ、ワンダフルじゃん」
驚くスネ夫と感激するジャイアン。
温かな世界樹の光に包まれながら、ドラ・パーティーも超の挨拶に聞き入っていた。
拍手、質問攻めの後、再び展開する宴会の中で、
ドラえもんとのび太、しずかがそっと集まった。
「どうるすのドラちゃん?」
「うん、何とかネギ先生にコンタクトを取ろう。
今は人が多いけど、一人になるタイミングを見計らって。
とにかく、今は気を付けて慎重に…」
「あのー…」
三人がハッとそちらを見ると、四葉五月がにっこり笑って立っていた。
>>221 「ドラえもんさん」
「はい」
「ドラえもんさんと言う事ですので、ご用意して見ました」
五月が銀盆の蓋をカパッと開き、茶色い皮に挟まれたあんこ菓子の山積みが姿を見せた途端、
ドラえもんは飛び上がった。
「おーっし、歌いまーっすっ!」
「ジャイアンジャイアンジャイアンッ!!」
「ノビ君もこっちでのもーよ」
「おねーさんと猥談しよー」
「デェヘヘヘ…」
「あのー、しずかさんこのご本好きですかー?」
「あー、これー♪」
「チビー」
「幼稚園児ー」
司令塔がヨダレの洪水の中で機能停止した状態で、
3‐Aお祭りパワーのど真ん中で巻き込まれるなと言うのは非常に酷な話と言う事でして。
今回はここまでです。続きは折を見て。
なんかネギまのSSスレって、今も昔も意味不明な連続書き込みに妨害されるよな…w
224 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/16(火) 23:17:23 ID:e8dFsCvR
muge
225 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/17(水) 23:34:15 ID:NjLPsrfd
muge
ちょっと自分も書いてみたいなと思ったんですけど...クロス先の関連作品のキャラを出すのはアリですか?
たとえばメインはひぐらしのなく頃にだけどベアトリーチェ出すとか...
227 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/02(木) 23:01:38 ID:rzdzPo5v
muge
228 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/03(金) 19:34:03 ID:fjbeELxX
muge
229 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/04(土) 21:55:48 ID:FdLR74dH
muge
230 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/05(日) 08:31:58 ID:/4U02Gst
muge
231 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/05(日) 16:47:42 ID:/4U02Gst
muge
232 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/06(月) 15:13:56 ID:H+Fr+vJs
クロス先は一作だけじゃなきゃダメなんですか?
書きたいなって思ってるんですけど...
233 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/06(月) 21:44:17 ID:YvC7/yl/
muge
234 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/07(火) 22:42:23 ID:PyMGH8ZA
muge
235 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/08(水) 20:14:46 ID:xuvw9CtW
muge
236 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/07/09(木) 22:53:36 ID:94CWYxSY
ちょっと自分も作品を書いてみたいなと思い立ったので投下します。
クロス先は仮面ライダーディケイド中心+平成仮面ライダーをちょっと(?)
タイトルは“Magister・Decade(マギステル・ディケイド)”
駄文な上今回は様子見の短いプロローグのみですが、よければご覧ください。
プロローグ「出会う筈のない物語」
その青年は夢を見ていた、古ぼけた写真の中のような世界で、青年はとても大きな高原の、とても大きな木の下に立っていた。
「よう、目覚めたみたいだな。」
そのとき、上空から魔法使いの杖のようなものに跨った赤髪の20代ほどに見える青年が降りてきた。
「へへっ、“ここはどこなんだ?あんたは誰なんだ?”って言いたそうな顔をしているな。ここは“物語”と“物語”を繋ぐ“ゲート”であり“狭間”と言われるところだ。」
言葉を発することができない青年を無視して、その赤い髪の魔法使いは話を続けた。
「ここはどっかの誰かが願ったことによりできた場所…ここができたことにより、お前達“仮面ライダー”の物語が、俺たちの物語と繋がっちまった。それにより科学反応が起きて、
どちらか片方の物語が迎えるはずのない“バッドエンド”を迎えようとしている……俺が何を言っているか判らないだろうが…そのうち判るはずさ。」
そして魔法使いの体が、少しずつ消えていった。
「すでにあちこちの物語で“交錯”の現象が起き始めている。頼むぜ、“世界の破壊者”、お前の力と、ネギたちの“魔法使い”の力が加われば、俺たちの物語が滅ぶことはない…。」
たのんだぞ、“仮面ライダーディケイド”
「士君!起きてください士君!」
「ん…?」
目が覚めると、そこはいつもの光写真館だった。
「もう!こんなところで寝ないでくださいよ!掃除ができないじゃないですか!」
「ああ…わりい…。」
士とよばれた青年は、自分を起こしてくれた光写真館の店主の孫娘、光夏海をうっとおしく思いながらも、
撮影室に飾られている巨大なバックスクリーンに描かれた爆発から逃げ惑う人々…士達が先ほどまでいた“ネガの世界”の絵を見ていた。
(…あの世界のも、俺の居場所はなかった、俺の世界は一体どこなんだ…?)
門矢士…ある日を境に、光写真館に現れた過去の記憶のない青年…そしてある日、彼らの世界が異世界から現れた怪人達によって崩壊しようとしていた。
そして士は謎の男により、9つの世界を旅し、世界を救うようにと命じられ、夏海がもってきた変身ベルト“ディケイドライバー”で“仮面ライダーディケイド”に変身
しながらこれまで数々の世界を救ってきたのだ。
(そしてさっきまでいた“ネガの世界”、もとの世界に帰ってきたと思ったら、そこは闇ライダーに支配された世界だった…。世界はまだまだたくさんある、だが…。)
士はふと、夢に出てきた魔法使いの青年の言葉を思い出していた。
『お前達“仮面ライダー”の物語が、俺たちの物語と繋がっちまった。』
(あの男は…俺たちの世界を“物語”と区切った…どういうことなんだ?)
士はふと、バックスクリーンを操作する鎖を見つけた。いつもなら誰かが勝手に操作して、次元が変わり次の世界へと向かうのだが、士は何故か今度は自分が操作したいと思っていた。
「………。」
鎖を掴み、それを思いっきり引っ張ると、天井から新しい絵が描かれたバックスクリーンが下りてきた。そして絵には…。
「…?士君、なんですかその世界?」
「おーい、昼ごはんできたよー…って…。」
「ん?なんだその世界?」
そこに、昼食であるソーメンを持った光写真館の店主、光栄次郎と、旅の同行人、小野寺ユウスケがやってきた。
そして彼らはバックスクリーンに描かれたその絵を見て、頭に疑問符を浮かべる。
バックスクリーンには、赤い髪の眼鏡を掛けた少年が杖に跨り、30人ぐらいはいそうな10代の少女達と共に、何かと戦っている姿が映し出されていた。
「なんか可愛い絵だな〜!漫画家が書いたみたいだ。」
「士君、次の世界は一体どんなところなんだい?」
「……わからない、ただ…。」
「「「ただ?」」」
「なにか…いままでの世界とは何か違う気がする。」
誰もが旅の途中、本当の自分自身に出会うために、
光る風を追い越したら、それに出会えるのだろうか。
それは全てを破壊し、全てを繋ぐ“10番目の英雄”が、“偉大なる魔法使い”を目指す少年に出会い、“滅びの結末”を破壊する物語。
それは、どこかの誰か繋げてしまった、ありえるはずのない物語。
さあ始めよう、空想でしかない、茶番劇のような御伽噺を。
投下終了です。
これから士一行は原作三巻終了直後の麻帆良へと向かいます。
序盤活躍しなかった生徒や、今現在魔法を知らない生徒をメインに使っていこうと思ってます。
あと士達がこれまで渡ってきた世界のライダーや、原作オリジナルのライダーも出す予定なので、
よろしければ感想等をいただければ嬉しいです。
期待しますよ
どうも、月刊ドラネギです。
…マジごめんなさい、自虐ってる場合じゃないのですが、こんななってます…
>>240 GJ!そっちとは縁が薄いのですが、雰囲気だけでも続き期待で面白そうです。
現状に言い訳も何もありません。ひたすら遅れてしまってすいませんとしか。
そういう訳で、今回の投下、入ります。
解説
>>139-140 >>222 「のび太、のび太っ」
「のび太君っ」
「んー?」
まぶしさに気が付きながら、のび太が身を起こす。
「あれ、ここ…」
のび太が周囲を見回し、体に掛かったタオルケットを目にする。
「廃校舎の屋上だよ」
スネ夫が言う。
「みんな、あのまま寝ちゃったんだよ」
「ああ、そっか…」
ドラえもんの言葉に、大あくびをしたのび太が立ち上がった。
>>242 「皆さん、お目覚めみたいですね。どうぞ」
「ああ、ありがとうございます」
「それでは私も」
ドラえもんが五月から全員分の肉マンセットを受け取り、
五月もぺこりと頭を下げてその場を後にする。
「…」
既に大半の生徒が去った後の屋上で、
ドラ・パーティーは、直立する「たずね人ステッキ」を取り囲んでいた。
「倒れないね」
スネ夫が言う。
「どういう事?」
のび太が尋ねた。
「いない、って事?」
ドラえもんも不思議そうに言った。
「いないって…」
しずかが聞き返す。
「うん、ネギ先生の反応が感知できないって事。
どこにいたって方角ぐらいは分かる筈なんだけど…
だから、ネギ先生自体が存在しない」
「いないって、それって…」
聞き返すのび太の声に震えが帯びる。
「いない筈ねぇだろ。やっぱり壊れてるんだよこれ」
「ドラえもんの道具だもんなー」
ジャイアンの言葉にスネ夫が続けた。
「とにかく、手分けしてもう一度探そう」
「おーっ」
ドラ・パーティーは、改めて「動物ごっこ帽子」の上に
「石ころぼうし」と「タケコプター」を装着して四散した。
>>243 「あっ!」
「どうしたしずかちゃん」
急降下するしずかをジャイアンが追った。
着地したしずかとジャイアンが、「石ころぼうし」を外して、
廃校舎の施錠を確認して立ち去ろうとするあやかに近づく。
「あの、委員長さんですよね?」
「ええ、確かあなた方は昨日の…」
「はい。ネギ先生がどこにいるかご存じありませんか?」
「ネギ先生?どうしたんですの?」
「ええ、あの、十歳で先生って凄いなあって、
だから、もう少しお話出来ないかと思いまして」
「そうですか。でも、ネギ先生もお忙しいお体ですから。でも…」
「でも?」
ジャイアンが身を乗り出す。
「これから夏美さんの舞台ですの。教え子の舞台ですからネギ先生も来られるのではと」
「そうですか、場所は?…」
「あ、いいんちょ」
「ちょっと変わったお客さんをよろしいかしら?」
「うん、いいけど…」
「こんにちわ」
「あ、しずかさんにえーと、剛田君、だっけ?」
「剛田武でーすっ」
しずかとジャイアンが、頭を下げて特設ステージ臨時楽屋大部屋控え室に上がり込んだ。
「観に来てくれたの?」
「はい」
「ありがとう」
素直に返事をするしずかに、鏡の前から振り返っていた夏美がにこっと笑う。
>>244 「えーと、ネギ先生は?」
「ネギ先生?来てないけど」
ジャイアンの言葉に夏美が応じる。
「ネギ先生探してるの?」
「はい」
ジャイアンが言う。
「そうなんだ。でも、ネギ君って忙しいからなー。
どっちかって言うとアスナとか本屋ちゃんとか、
私より他の娘達と仲いいみたいだし、来てくれるかなー」
夏美が苦笑して言っている側で、あやかが携帯電話を取り出す。
「もしもし…ええ、そうですか…ごめんなさい、先に客席に行っています」
「うん、分かったいいんちょ」
電話をしながらパタパタ出て行くあやかに夏美が答えた。
「いいんちょも忙しいからなー」
「でも、夏美さん舞台に立つんですねー」
しずかが感心した様に言う。
「まあねー、脇役だけどさー」
それでも、満更でもない様に夏美が言った。
「どんな役やるんですか?」
ジャイアンが尋ねる。
「ん、まあ、チョイ役よチョイ役」
小学生相手ぐらいなら十分な程に会得した千鶴直伝にこにこ笑って答える夏美の笑顔に、
ジャイアンは踏み込んではならない達人の切れ味を見た。
その時、夏美がブルブル振動する携帯電話を手にする。
「もしもし…あ、先輩?…え?…えっ?えええぇーっ!?!?!?」
電話を切った夏美の表情は、蒼白だった。
「どうしたんですか?」
只ならぬ様子の夏美に、しずかが尋ねる。
>>245 「うん、本当は演劇部と吹奏楽部で合宿してて、私、昨日の送別会だけ抜けて来てたんだけど、
交通事故で時間まで到着できないから何とか間保たせててくれって」
「交通事故って…」
しずかが言う。
「うん、巻き込まれただけだからケガ人は出てないみたいだけど、
渋滞でかなり遅くなるって」
「遅くなるって、どこで合宿してたんだよ」
ジャイアンが言う。
「この学園広いから、普通だったら他の交通機関もあるんだけど、
事故の場所が悪すぎて線路もまとめて動かないって」
夏美が切羽詰まった口調で言う。
「間を保たせるって…」
しずかが言う。
「うん、一人芝居でもいいから、無理を承知で何とかやってくれ、って…
無理だよそんなのぉーっ!」
夏美が万歳絶叫した。
「とにかくっ」
しずかが言う。
「何とか、できそうなものを探してみましょうっ」
「おうっ!」
しずかの提案に、ジャイアンも力強く応じた。
「う、うん…」
「あーーーーーーーうーーーーーーーーーー……………」
一度キリモミ飛行でお星様になった夏美が着地した。
「大丈夫?」
「な、なんとか」
「じゃあ」
夏美がしずかを背負い、ジャイアンと共に「タケコプター」で離陸した。
>>246 そして、三人は女子寮の665号室に駆け込んだ。
「何かないか何かないか何かないか…」
665号室の夏美の個室で、夏美が必死に本棚を漁っていた。
「あ、これ?」
「え?」
「これ知ってる」
一冊の脚本を手に、しずかが言った。
それは、夏美がかつてお城の門となって開け閉めした事のある歌劇の脚本だった。
「これなら私も知ってる、一人芝居にアレンジする事も出来る。
でも、BGMどこにあるか分からないし、演奏できる人も…」
「…これなら弾けるかも…」
「え?しずかちゃんピアノとかやるの?でも、ピアノなんて今から…」
「ピアノも出来ますけど、ヴァイオリンでも」
「そうなの?」
夏美としずか、ジャイアンの姿は、ちょうど空いていた音楽室に移動していた。
息も上がっていたが、発見した先輩のDVDをざっと目にした後、
深呼吸した夏美が、しずかの流ちょうなピアノに乗せて歌と芝居を展開する。
「おーっ、ワンダフルじゃん!」
「でもおぉー」
ジャイアンがパチパチと手を叩く横で、夏美が泣き出しそうな顔をする。
「すっげえよ」
ジャイアンが続ける。
「さっきちょっと見たけどさ、あのステージで歌ってお芝居するんだろ、すっげぇなあっ」
「だからぁ、私は脇役でえっ」
「こんなチャンス、滅多にねぇよ。あんなステージで歌えるってさ、すっげぇ羨ましい」
「武君、もしかして歌、歌うの?」
「今はまだご近所の大スターだけどさ、未来の紅○は俺がシメる!」
殺人予告、通報スマスタ
>>247 「だからさ、あんなステージ、すっげぇ羨ましい。
だってすっげぇうまいもん、最高だぜ夏美さん」
「そう?」
「おうっ」
「ん」
まだ、目尻に涙を浮かべたまま、夏美がこくんと頷く。
「はいっ、夏美さんっ」
特設ステージ臨時楽屋の入口近くで、あやかが夏美にヴァイオリンケースを渡す。
「ありがと、いいんちょ」
「大丈夫ですの?」
「うん、なんとか」
「そう」
意外と力強く頷く夏美に、あやかはちょっと安心する。
「演奏も来られないなんて、本来でしたら私がお手伝いしたい所なのですが…」
「うん、でも、しずかちゃんイケてるよ」
「それほど弾けるのですか?」
「私聞いたのはピアノだけど、ヴァイオリンもいけるんだって」
「頑張ります」
「そうですの?それではお願いしますわね」
誠実そうなしずかの精一杯の返答に、あやかも誠実にお願いしていた。
「何や?」
特設ステージ客席で、会場に流れるお断りのアナウンスに着席した小太郎が反応する。
「…都合により…演劇部三年生村上夏美一人芝居…」
「夏美姉ちゃんっ!?」
「しーっ」
「あらあら」
小太郎の目が点になり、あやかがたしなめ千鶴がにこやかに見守る中、ブザーが鳴り響いた。
>>248 「あー、そのー、どうもー…」
ステージ中央に、村娘姿の夏美が姿を現す。
「いいぞー、夏美姉ちゃん」
「しっ、オサルさんっ!」
「たたた、何すんねんっ!」
会場がドッと沸き、あやかがぐいっと小太郎の頭を抑える。
「村上夏美です、プログラムとはちょっと違いますが、
ご案内の通り、暫しご観覧お楽しみ下さい」
しゃきっと前を見た夏美が、ぺこりと頭を下げる。
ステージ上で、村娘でスタートした夏美の一人芝居が始まった。
潜在能力火事場の馬鹿力をフル活用した夏美の熱演、
体当たり七転八倒の一人芝居に、客席も笑いあり涙あり段々と引き込まれていく。
「はい」
「はいっ」
舞台袖ではしずかが何とかかんとか夏美の着替えを手伝い、
勢いが途切れない様に必死に流れを維持する。
「うまいなぁ、夏美姉ちゃん」
熱演も最高潮、先ほどまで腹を抱えて笑い転げていた小太郎が幕間に声を掛ける。
「しっ、始まりますわよ」
「おう、いよいよか」
悲劇は、目の前まで迫っていた。
お姫様に扮した夏美が胸の前で両手を組み、パクパクと口を動かす。
「ん?」
小太郎が異変に気付いた。
「あら、夏美さん…」
あやかが呟き、千鶴がじっと見守る。
舞台の上で、夏美は不安そうにきょろきょろと周囲を見回す、と言う風情で
首の動きだけはギリギリ抑制する。
>>249 「何やってんね夏美姉ちゃん…」
小太郎がギリッと歯がみをする。
“…あれ?えっと?出だしはえっと、フラットでシャープでダカーポで…”
次の瞬間、舞台袖から、実に男らしい低い逞しい歌声がドロドロと流れ出した。
ボエーッと鳴り響く歌声と共に、タキシード姿のジャイアンが
両腕を広げ、夏美の後ろに歩み寄る。
深呼吸と共に、しゃきっと前を見た夏美の唇から、美しい歌声が紡ぎ出された。
歌声が美女と野獣の二重奏を奏でる中、新たに、舞台袖からドレス姿のしずかが姿を現す。
その、情熱的な弦の響きに合わせ、二人の歌い手のテンションも見る見る上がっていく。
ホゲーッと野性的なまでに逞しく荒々しい低音の歌声、
激しく情熱的で挑戦的に紡ぎ出される弦の響き。
その中で、この舞台に全てを懸けて一心不乱に没頭し、歌い上げ魂の限り演じる夏美の姿に、
小太郎もその生命力を尽くし、しっかりと見届ける決意を固める。
しずかの弓が跳ね、ジャイアンが両腕を広げ、
長い長い観客主観的時間の果ての歌劇が終わりを告げる。
「ブラボーッ!!」
「良かったっ!良かった良かったっっっ!!…終わって…」
万雷の拍手喝采の中、
下向きの両腕をクロスして一礼した夏美の目尻には、大粒の涙が光っていた。
「あ、小太郎さん?」
パタパタと路地を抜けようとしていた佐倉愛衣が、前方の小太郎に声を掛ける。
「ああ、あんたか、どない、した?」
両手で壁を伝う様にしながら小太郎が言う。
「ええ、何かこちらに緊急出動する様に指令がありまして、どうかしたんですか?」
「い、いや、何でもあらへん、最っ高のステージやったで」
「そうだったんですか、私も観たかったです」
「ほうか。ほな、な…」
>>250 再び、ずるずると壁を伝って移動する小太郎の後ろ姿に小首を傾げながら
ステージへと到達した愛衣は、どさっとくずおれる姿を目にする事はなかった。
「!?!?!?至急、至急っっっ!!!」
「過激で情熱的、
斬新にして前衛的にして挑戦的な魂を根底から揺さぶり激しく問いかける新たな試み」
後に、さる高名な評論家により激賞された夏美の青春の一ページは、
おびただしい担架とすれ違いながら大いなる満足と共に幕を閉じた。
今回はここまでです。続きは折を見て。
252 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/11(土) 14:27:03 ID:MYKoEcKG
MUGE
254 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/11(土) 20:24:44 ID:MYKoEcKG
muge
255 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/07/13(月) 00:15:02 ID:yzQzk1jj
ドラネギの作者さんへ、あまり慌てず自分のペースを崩さないようがんばってください。
さっそく第一話ができたので投下します。
第一話「三年A組ディケイド先生」
麻帆良学園、学園長室…そこでこの学園の学園長は、あるひとりの教員を呼び出していた。
「高畑先生、これをどう思うかね。」
「どう…と言われましてもね、修学旅行が近いこの時期に、新しい教員なんて…。」
「いや、ちがうんじゃよ、この書類…昨日ここで仕事しとったら、いきなりオーロラみたいのがあらわれて、机の上に置かれてたんじゃよ。
しかも魔法の反応は何もなしじゃ。」
「……?どういうことなんです?」
「この男…明日やってくる“門矢 士”という教師…得体が知れない、というわけじゃよ。」
「ふむ…わかりました、ネギ君にも気を付けるよう伝えておきます。」
そのころ、麻帆良学園都市…今の時間はちょうど下校時間となっており、学園に通う生徒達が一斉に下校していた。
「あ、アキラ、一緒に帰ろうかー。」
「うん。」
麻帆良学園中等部三年の和泉亜子と、大河内アキラもその中の一部だった。
「まき絵と裕奈は居残り練習するみたいやな。」
「二人ともがんばり屋だもんね…私達もがんばらなきゃ…。」
「うん…。」
そのとき二人は、背後に異形の怪物が忍び寄っていることに気付いていなかった。
「くけけけけ!くけけけけ!」
「ここは上玉が揃っている…いい魔化魍が育ちそうじゃ…!」
一方そのころ、麻帆良のとある場所に、光写真館が現れた。
「おお、どうやら新しい世界に着いたみたいだな。」
「そうですねぇ。」
写真館から出てきたユウスケと夏海は体をうんと伸ばし、新しい世界の空気を体全体で受け止めていた。
「ところで…今回の士君の姿はどうなっているんでしょう?」
「そうだよな!じつは結構楽しみだったりするんだよ!それ!」
士は世界を旅する度に、役割にあった格好をさせられていた、(例“クウガの世界”では警察官、“キバの世界”ではバイオリニストなど。)
「で、士、今回はどんな格好なんだ?」
そう言って二人は、士がいる方を見る。彼はメガネにスーツといった規則正しそうな格好をしていた。
「今回はなんでしょう?教師とか?」
「お、夏ミカンにしては鋭いな。」
「“にしては”ってなんですか!?」
士は夏海の言葉を無視し、ポケットから教員免許を取り出して二人に見せる。
「“麻帆良学園中等部教員 門矢 士”…今回はその学園で教師をするってことですかね?」
「多分な…。」
その時だった。
「あれー?ここ喫茶店だった筈なのに…。」
「せっかくコーヒー飲もうと思ったのに残念ですー。」
顔や身長がよく似た双子の姉妹が、光写真館の看板を見てがっくりと項垂れていた。そんな彼女達にユウスケと夏海が優しく声を掛ける。
「ん…?君達、この辺の子かい?」
「そうだけど…お兄さん達誰?」
「私達、ついさっきこの世界に来たんですけど…ここがどんな所か教えてくれませんか?」
「“世界”?何を言ってるですか?」
「夏ミカン、そんな質問の仕方じゃわかんねえだろ。」
「むっ…!」
「取り敢えず中でコーヒーでもどう?栄次郎さんのコーヒーはおいしいんだよ。」
「「わーい♪」」
「麻帆良学園都市…ですか。」
士達はその双子…鳴滝風香と史伽からこの世界についての話を聞いていた。
「そ!僕達はそこの中等部に通っているんだ。」
「コーヒー苦いです〜…。」
「砂糖使うかい?ミルクもあるよ。」
「たく…ガキのクセにブラックで飲むなよ…てか中学生だったのか…てっきり小学生かと…。」
「あー!?ボク達を馬鹿にしたなー!?」
「ひどいですー!!」
「コラ士君!」
夏海は暴言を吐く士の首に、親指を突き刺した。
ぶすっ!
「ぐ…ぷっはははははははははは!!!!夏海てめえ!!なにし…はははははははは!!」
その夏海の必殺技“笑いのツボ”を目の当たりにし、風香と史伽は目を光らせた。
「すごーい!!」
「どうやったんですか!?」
「え?まずですね…。」
そう言って夏海はユウスケの襟首を掴んで自分のところに寄せた。
「え!?夏海ちゃn
ぶすっ!!
「なっははははははははははははは!!!!なんでおれがはははははははは!!!」
「こうやって首に親指を突き刺すようにすればいいんですよ。」
「「どれどれ…。」」
そう言って風香と史伽は栄次郎の首に親指を突き立てた。
ぶすぶすっ!!
「うえへへへへへへ!!!なにするへへへへへへへへへ!!!」
「「おもしろい…!!」」
二人の目がいやな感じに光った。
「そうそう、お二人ともうまいですね。」
ぶすっ!
「なんで二回さはははははははははは!!!!」
ぶすっ!
「おい誰かこの三人を止めへへへへへへへへへへへへ!!!!!」
ぶすぶす!!
「もうやめひゃははははははは!!!」
一方その頃、光写真館の外では、士達の旅の同行コウモリ、キバーラが外から士達の様子を伺っていた。
「うふふ、楽しそうね…でもこの世界、一体なんなのかしら?ライダーもいないみたいだし…。」
「あの〜、すみません〜。」
そのとき、キバーラは何者かに声を掛けられた。
「ん?なによ…ってカエル?」
そこには丸っこいカエルのような生き物と、なんかうねうねした猫のような生き物がいた。
「すみませんが〜、この辺に写真屋はあります〜?履歴書用の写真撮りたいんですけど〜。いい意味で。」
「いい意味でだみゃー。」
「いや、写真館はここだけど…就職すんの?カエルのくせに?」
「カエルなので!」
そんなこんなで次の日…麻帆良学園中等部、3年A組の教室の廊下…そこで士は学園の教員である高畑に校内を案内して貰っていた。
「ここが君が副担任として受け持つところだよ。」
「ふむ…大体わかった。」
そう言って士はそこらへんの景色を持っていたカメラに映していた。
「あの…一体なにを?」
「見りゃわかるだろ、ここの世界を撮っている、ああ、ここは物語だっけか?」
(なんだこの男…?)
高畑は士を不審に思いながらも、A組の教室の扉を少し開けて、中の様子を士に見せた。
「彼がA組の担任、ネギ・スプリングフィールド君だ、仲良くしてあげてくれ。」
「どれどれ…?」
「えーと皆さん!来週から僕達3−Aは…京都・奈良へ修学旅行へいくそーで…もう準備はすみましたかー!?」
「「「「「「はーーーい?」」」」」」
「アホ…。」
「小学生かこいつら…。」
「………子供だな。」
「うん、子供だよ。」
士は教壇に立っている少年…ネギ・スプリングフィールドを見て驚く。
「どう見ても小学生ぐらいにしか見えねえな。」
「まったくそのとおり、でも頭はいいんだよ。」
「ふむ…。」
士はネギの顔を見ながら、ある事を思い出していた。
(あのガキ…この前の夢に出てきた男とそっくりだな…。)
「あ!そうでした!今日はこのクラスに新しい副担任が来るんでした!!」
「えー!!!?」
ネギの突然の報告に、クラス一同は騒然となる。
「ちょっとネギ!聞いてないわよ!?」
「ほんまびっくりや〜。」
「この時期にいきなりアルな!」
「謎の転校生ならぬ謎の新任教師ネ!」
「まさか私の情報網にも引っかからないなんて…。」
「ネギせんせー!その教師イケメンですかー!?」
「僕もよくわからないんですよ…とりあえず入ってくださーい!」
ネギの呼び出しで、士は高畑と共に教室の中に入った。
「あ!高畑先生…?」
「昨日ここに赴任してきた門矢士君だ、受け持つ教科は国語、みんな仲良くね。」
「ん、よろしく…。」
パシャ
士はお構いなしに生徒達の写真を撮っていた。
(な…なにあの先生…?)
(でもちょっとイケメンだよね。)
生徒達はそんな士を見て、コソコソと隣同士で話し合っていた。そのとき、
「「あー!!?」」
ある二人の生徒が士の姿を見て驚きの声を上げる。
「ん…?お前らは確か昨日光写真館に来た…。」
「風香と史伽だよ!」
「まさか士さんがここの先生だったなんて驚きですー!」
「おや?二人はあの先生が誰だか知っているでござるか?」
「えっとねー。」
すると教室の前方に座っていた金髪の生徒が立ちあがった。
「こらそこの双子!他の皆さんも!今は授業中ですわよ!すいません門矢先生…うちのクラスは少々アクが強くて…。」
「いや…別にいいぞ。」
そう言って士はその生徒をカメラに収めた。
「あら。」
とっさにその女子生徒はポーズを決めた。
「なにやってんのよ…。」
(うわあ、なんかすごい人がやってきたぞ…!)
そんな士を、ネギはちょっとタジタジになりながら見ていた。
その日の昼…士は昼食をどうするかあれこれ思案しながら廊下をうろうろしていた。
「さて、飯どうするかな…写真館にもどるか?」
「門矢先生―!」
そこに出席簿を持ったネギがやってきた。
「ん?どうした?えっと…カモネギ君だっけか。」
「ネギ・スプリングフィールドです!あの…一緒にお昼御飯どうですか!?色々教えたいことがありますので…。」
「ああ、別に構わないぞ。」
士はネギに連れられて、校舎の外にあるオープンカフェで彼と共に昼食を取っていた。
「ふーん、このクラス…変わった生徒が多いな。」
士はネギから出席簿を受け取り、3−Aの生徒達の顔を覚えていた。
「たくさんいますけど…ちゃんと覚えてくださいね。」
「うん、大体わかった、あの双子は大人の味で以外とテクニシャンなんだな。」
「え?うわわわわ!!!落書き書いてたの忘れてた!!」
ネギは慌てて士から出席簿を取り上げた。そんな時、士はネギにある素朴な疑問をぶつける。
「なあ、何でお前はその歳で先生やっているんだ?」
「えと…詳しいことは言えないんですけど、修行のためですかね。」
「修行…?」
「僕は元々ウエールズの学校に通っていたんですが、卒業した時にこの麻帆良で先生をやるようにと命じられたんです。」
「そりゃまた、とんでもない学校だな…。」
「ええ、でも僕は…父さんみたいな立派なまほ…人になりたいんです。だから辛いとは思っていません。」
「……。」
士はどこまでもまっすぐなネギの瞳に、半ば関心していた。
(どうも最近会うガキは…齢に似合わずしっかりした奴ばっかりだな…。)
そして今度は、ネギが士に質問する。
「門矢先生はどうして先生になったんですか?」
「別になりたくてなった訳じゃない、ここには旅の途中に立ち寄っただけだ。」
「旅…?」
パシャ!
「うわ!?」
士は持っていたカメラでネギを撮った。
「俺は自分のいるべき世界を探している……俺に撮られるべき世界を…。」
「おお〜!なんかよくわからないけどかっこいいですね!!」
「ふっ…!もっと褒め称えろ!」
「楽しそうだね君達。」
すると二人の元に、高畑がやってきた。
「あ、タカミチ!どうしたの?」
「学園長が修学旅行についてちょっと話があるそうなんだよ。」
「どうやら俺は関係なさそうだな。」
そう言いながら士は席を立った。
「門矢先生?どこ行くんですか?」
「俺の授業は午前で終わっている。ホームルームまでここら辺の景色を撮っている。」
そして士は何処かへ去って行った。
「うーん、不思議な男だね。」
「……あれ!?もしかして僕が食事代全部払うの!?」
ネギと別れた士は、絶好の撮影ポイントを探しながら学園都市を散策していた。
「さて…どうするかな。」
「おーい、士ー!」
とそこに、トライチェイサーに乗ったユウスケがやってきた。
「ユウスケ…?こんなところでなにやってんだ?」
「ああ、散歩ついでにこの都市を見て回ってんだよ。にしてもお前の教師姿…ぷっ!似合わねえな!!」
「うるせー。」
そして士は、何気なくカメラのレンズを近くにあった観葉植物に向けた。するとレンズ越しに、見覚えのある少女が映り込んだ。
「あれは…。」
「ん?どうした士?」
ウチの名前は和泉亜子、麻帆良学園中等部三年生。サッカー部のマネージャーをしてはります。
どこにでもいるフツーの女の子、でも他の子よりちょっと髪と目の色が薄くて…それと背中のアレ。
そんな悪いところばかりがフツーじゃない、ちょっと不幸な女の子。
ついこの前も、卒業生の先輩に告白したけど見事に撃沈、何故ならウチは脇役だから。
それがウチ…和泉亜子というキャラクター。何も取り柄のない、ヒロインになれない女の子。
「ってウチ、なんで脳内でこんな自己紹介しとるんやろ?まあええか、早く教室もどろ。」
そう言って3−Aの生徒の一人、和泉亜子は大きな買い物袋を持って教室に向かっていた。
「はあ…じゃんけんに負けるなんて…やっぱウチは薄幸の少女やな…なんてな〜!」
そんな彼女の背後から、近付く影があった。
「くけけけけ!くけけけけ!」
「ん?」
亜子は聞きなれない生き物の声を聞いて、声がした方を振り向く、すると突然、亜子の体に紐のようなものが巻き付いた。
「え!?なに!?なんや!?きゃー!」
そして亜子は、何者かによって物陰に引きずり込まれていった…。
「おっかしーな、さっきまでここにいたんだが…。」
その数秒後、士とユウスケは亜子の居たところにやってきていた。
「なんだよ士?気になる子でもいたのか?」
「いや…俺のクラスの生徒がいたんだ。今は授業中のはずだったんだが…。」
「あ!士先生です!」
「おーい!なにやってるのー?」
するとそこに鳴滝姉妹が買い物袋を手にやってきた。
「お前らこそなにやっている?今は授業中のはずじゃ…。」
「残念でした〜!今は自習なんだよ。」
「だからってなんでこんなところに…?その買い物袋は?」
「えへへ〜♪ナイショです♪」
「あ、門矢先生、なにしてはるんです?」
すると今度は亜子が士達の元にやってきた。
「あ、亜子、ちゃんとパーティーグッズ買ってきた?」
「うん!ばっちりやで。」
「パーティーグッズ…?何に使うんだ?」
「ナイショです♪…?門矢先生、その人は…?」
亜子は士のとなりにいた見知らぬ青年、ユウスケに気付いた。
「ああコイツ?ウチの居候。」
「冷たいこと言うなよ〜!俺達友達だろ〜?」ガシッ
「さわんな気色悪い!」
「仲ええんですね〜♪」
(史伽!史伽!チャンスじゃないコレ?)
(チャンスって?あ!なるほど…。)
そう言って風香は亜子に気付かれないように史伽を肩車した。
一方士達はそんな彼女達に気付くことなく、会話を続けていた。
「へー、写真が趣味なんですか、カッコいいですね。」
「いやあ…それほどでも♪」
「ピンボケばっかだけどな。」
(抜き足…差し足…。)
(忍び足です…。)
(ん…?あいつら…?)
その時士とユウスケは亜子の背後に忍び寄る鳴滝姉妹に気付くが、なんとなく何をやろうとしているか分かったので敢えて黙っていた。
(ふふ…!こいつは見ものだ…!)
(お前もワルだなあ…。)
「なに?なにニヤニヤしてはるんですか?」
「喰らえ必殺!」
「みかんのお姉ちゃん直伝!笑いのツボ!」
そして史伽は親指を思いっきり亜子の首筋に突き立てた。
ぶすっ!
「!!!」
亜子は首を押さえてよろめいた後…。
「ふっ…!うえーん!」
「「!!!?」」
泣き出した。
「え!?ちょっとどうしたの亜子!?」
「い、痛かったですか!?ごめんなさいです!!」
「二人とも危ない!」
そのときユウスケが鳴滝姉妹に飛びついた。
「「きゃあ!?」」
「士!!」
「解っている!!」
士は変身用ベルト、“ディケイドライバー”を取り出し腹部に付け、腰に付けていた“ライドブッカー”から一枚のカードを取り出す。そしてディケイドライバーを変形させ、カードを二回人差し指で叩いた後。
「変身!!」
掛声と共にカードをディケイドライバーに入れる。
『カメンライドゥ!』
ディケイドライバーから無機質な音声が発っせられる。
次いでディケイドライバーのサイドハンドルを両手で押し込むと、中央部が回転した。
『ディケイド!!』
すると彼の周りに幾つもの白い影が現れ、次々と彼の体に重なり合っていく。
そして正面に赤い板のようなものがいくつも現れ、彼の顔に次々と突き刺さるように融合していった。
緑色の二つの大きな複眼と赤い装甲が輝き、変身を完了させる。
“仮面ライダーディケイド”がこの世界に降臨した瞬間だった。
「え!?ちょっとなにあれ!?」
「ツカサ先生が変身したです!!」
「二人とも、早く安全なところへ!」
ユウスケに言われ、鳴滝姉妹は安全なところまで逃げ、遠くから士達の様子を伺った。
「正体はもう解っているぞ“ワーム”!とっとと正体をみせろ!」
「くそ!まさかこんな方法で見破られるとは…!」
すると亜子の体はみるみると変化していき、この世の物とは思えない怪物になってしまった。
「きゃー!?」
「なんですかあれは!?」
「落ち着いて…大丈夫だから!」
265 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/13(月) 00:37:29 ID:ApeBquFN
保守
申し訳ございません。投稿しすぎというエラーメッセージが出てしまい、色々試しましたがこれ以上投下できなくなってしまいました。
続きは明日以降に投下します。ご迷惑をおかけしてもうしわけございませんでした。
規制が解けたみたいなので後半を投下します。
「おらあ!」
士はその化け物…ワームに次々とパンチやキックなどの攻撃を加える。
「くけけけけけ!!」
対するワームも鞭のような触手で反撃する。
バーン!
「ぐあ!」
その攻撃によって、士は改装中で誰もいないビルの中まで吹き飛ばされる。
「くけけけけけ!!」
するとワームは脱皮するように、自分の殻を取り、成虫形態になった。
「ちっ!その形体は厄介だな…!」
『アタックライド!ブラスト!』
ライドブッカーをガンモードに変形させ、無数の銃弾をワームに放つ士。だがワームは目にも止まらぬ超高速の動きでそれをかわしていった。
「くそ!(バキ!)ぐわ!」
ワームの怒涛の攻撃に、何もできない士。
「くそ…!カードを…!」
そしてワームはひるむ士に襲いかかった。
バシュン!!
そのとき、どこからか光の矢が飛来し、ワームの肩を貫いた。
「グギャアアア!!?」
突然の奇襲に転げまわるワーム。
「こいつは…。」
ディケイドは光の矢が放たれた方向を見る、そこには緑色の装甲を纏った戦士…仮面ライダークウガ・ペガサスフォームがペガサスボウガンを手に佇んでいた。
「ユウスケか……めずらしいな。」
「まっ、たまには俺も活躍しなきゃな。てかお礼ぐらい言え!」
「おのれ…!」
ワームはダメージを受けた体を引き摺り逃げようとしていた。
「おい!ウチの生徒をどこにやった!?」
「誰が教えるか!」
ワームは高速移動で壁を突き破り、どこかへ逃げ去ってしまった。
「追うぞユウスケ!」
「わかった!」
そう言って二人は近くにあった自分達用のバイクに乗り込む。後ろにそれぞれ鳴滝姉妹を乗せながら。
「れっつごー!」
「なのですー!」
「って君達なにやってるの!?」
「ええい!降ろしてる暇なんてねえ!とっとと追いかけるぞ!」
そのころ魔、帆良学園都市内にある工事現場…そこで何者かに攫われた亜子は目を覚ました。
「ん…?ここは…?」
「おお、どうやら気付いたようじゃのう。」
「………。」
すると亜子の目の前に浴衣を着た見知らぬ男女が現れた。
「え!?アンタ等誰!?」
その時、亜子は自分の体が男の背中から出された触手に吊るされている事に気付く。
「え…!?な、なんやこれ!?」
「おうおう、生きがいい子娘じゃ…、この分だとお前の仲間もいい餌になってくれそうじゃ…。」
「え、餌!?」
「た、助けてくれ!!」
とそこに、士達にやられたワームが逃げ込んできた。
「うわ!?なんやあれ!?」
「どうした…?この子娘に擬態して沢山の女子を連れてくる手筈であろう?」
「そ…それが!ライダーに邪魔されて…!」
「鬼が…?奴が言っていた奴か。」
(ライダー?鬼?この人達なにゆうてんの?)
「お…俺はどうすれば!?」
「まったく…与えられた役目を果たせんとは…。」
「もうよい、我等が魔化魍の血肉となるがいい。」
「な、なんだと!?」
すると突然、そのワームは地面の中に引きずり込まれた。
「ぎゃああああああ!!!!?」
バリバリバリバリ……
「う…嘘…あの怪獣食われたん…!?」
「次はお主の番じゃぞ?」
「安心せえ…痛みは一瞬じゃ。」
「い…嫌あああ!!!」
そして亜子は、何かが潜んでいる地面へと放り投げられた。
ああ、ウチはやっぱり脇役なんや、この後訳の分からない怪物にあっけなく食い殺される、
被害者Aってクレジットされる存在なんやなぁ…。
そして彼女はギュッと目を瞑った。
ブオブオブオーン!!
その時、置かれていた機材をなぎ倒して、バイクに乗った二人の仮面ライダー(+鳴滝姉妹)が乱入してきた。
「「!!!?」」
「和泉!!」
ディケイドのままの士はバイクから降り、超人的な跳躍で亜子を空中でキャッチした。
「きゃあ!?」
そのとき、地面から巨大なクモのような化け物が現れる。
「キシャアアアアア!!!!」
「「うわー!なんですかあれ!?」」
「魔化魍!?なんでこんなところに!?」
「この世界は怪人のオンパレードだな…。」
士は亜子をお姫様抱っこしながら、巨大なクモの魔化魍を見て毒づく。
「あ、あの…貴方は?」
亜子は自分を助けてくれた謎の人物に名前を尋ねた。
「通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ。」
「仮面…ライダー?」
士は亜子をいったん下ろし、浴衣の男女を睨みつける。
「お前ら…響鬼の世界の童子に姫か。」
「いかにも、異世界の鬼よ。」
「どうやら旗色が悪い…逃げるぞ。」
そう言ってその男女は異常な跳躍でどこかへ去って行った。
「ちっ!逃げられたか…。」
「士!それよりも…」ドカン!
「うおわ!!」
巨大蜘蛛に応戦していたユウスケは巨大な足で払われてしまう。
「シャアアア!!!」
「うわ!こっち見た!」
「しょうがねえ、相手してやるよ。」
そう言って士はライドブッカーからあるカードを取り出し、ディケイドライバーに装填する。
『カメンライドゥ!ファイズ!』
するとディケイドのボディに数本の光の線が走り、銀と黒のボディ…“仮面ライダー555”に変身する。
「姿が変わった!?」
「離れていろ!!」
そう言いながら555になった士は腰に付いていた銃、“ファイズフォン”を手に取り、銃弾を巨大蜘蛛に数発撃ちこんだ。
「シャアアア!!!」
「効いてねえな…なら!」
またも士はカードを取り出し、ベルトに装填する。
『アタックライドゥ!オートバジン!』
すると置いてあったディケイドのバイク…マシンディケイダーが変形し、銀色のロボット…オートバジンに変形した。
「すげー!」
「茶々丸さんっぽいですー!」
オートバジンは空中に飛翔し、巨大蜘蛛に砲撃を行う。
「グアアアア!!!」
暴れまわる巨大蜘蛛はそこらじゅうを手当たり次第破壊し始めた。
「次はこいつだ。」
『フォームライド!ファイズ!アクセル!』
フォームライドのカードを装填し、ファイズアクセルフォームに変身する士。
そして腕に付いていたリストウオッチ型ファイズアクセルのスタータースイッチを押す。
『スタートアップ』
そして一瞬でその場から居なくなった。
「きゃ!?ど、どこへ…!?」
亜子は急に姿を消した士を目で探す、すると巨大蜘蛛に高速の攻撃している黒い影を見つける。
「あ、あれが!?早!!」
「そらそらそら!!!」
「キシャアアア!!?」
アクセルフォームの高速の攻撃とオートバジンの攻撃にひるむ巨大蜘蛛。すると吹き飛ばされて気を失っていたユウスケが起き上がる。
「ちくしょー…二次創作でぐらい活躍させろ!超変身!」
その瞬間、クウガのベルトの中心が高速回転し、クウガのボディがマイティフォームの赤からドラゴンフォームの青に変化する。
「でやあああああ!!!!!」
そしてユウスケは跳躍して、拾った鉄パイプをドラゴンロッドに変化させ巨大蜘蛛の脳天に突き立てた。
「キシャアアア!!!!?」
「今だ士!!!」
「珍しいな…活躍しすぎると死亡フラグだぞ?」
「え!?うそぉ!?」
そう言いながら士はファイズ用のファイナルアタックライドカードをディケイドライバーに装填する。
『ファイナルアタックライドゥ!ファファファファイズ!!』
「はぁ!」
士は空高く跳び上がる、すると体に赤い円錐状の光が纏われた。士はそのまま巨大蜘蛛の口に向かって飛び蹴りをお見舞いする。
「ゲギャァアアアア!!!!」
士はそのまま巨大蜘蛛を貫通し、着地の瞬間巨大蜘蛛は大爆発を起こした。
「うおっとととと!!!!」
ユウスケは爆発に巻き込まれそうになりながらも、きちっと着地を決めた。
「やったな士!」パシン
士とユウスケは変身を解き、お互い向き合ってハイタッチする。
「ああ…でもなんでワームと魔化魍が同時に…?あ、わすれてた。」
士は思い出したようにへたりこんでいる亜子の元に駆け寄った。
「あ…あ…。」
「大丈夫か?えっと…和泉亜子だっけか、特徴的な奴が多すぎて逆に覚えやすかったぞ。」
「士…先生?一体これはなんなんですか…?」
「あとでゆっくり説明してやる、立てるか?」
「は、はあ…。」
亜子は立ち上がろうとしたが、足に力が入らず再びへたりこんでしまった。
「はあ…しょうがねえな。」
「へ?ちょっと?きゃあ!?」
士は亜子を持ち上げ背中に背負った。
「は…あの…///」
「気にすんな、普通の奴があんな光景見たらビビるだろ。」
「士…うらやましくないからな!」
「なに怒ってるんだよ…。」
その時。
「「すごーい!!」」
ドイーン☆
「ぐお!?」
士は突然鳴滝姉妹に飛びつかれ、亜子を背負ったまま大きくのけぞる。
「かっこいー!!!なにあれ!?なにあれ!?」
「変身したです!!二人ともヒーローみたいです!!」
「ば、バカやめろ!一人背負っているんだぞ!」
「なんで士だけ…やっぱすこし羨ましい…。」
そんな彼等の様子を伺っている二つの人影があった。
(た…たまたま通りかかっただけなのに…とんでもないもの見ちまった…!)
(ミソラ…どうするノ…?)
(いやー…無関係気取る訳にもいかんでしょ、クラスメート食われかかってたし…。)
数十分後、学園に戻ってきた士達は廊下を歩いて教室に向かっていた。
「和泉、もう大丈夫なのか?」
「はい…心配かけてすみません…。」
「ところでさ?その買い物袋なに?」
ついてきたユウスケは亜子達が持っていた買い物袋について質問する。
「へへへー!もうすぐわかるよ!」
「お楽しみですー!」
そして3−Aの教室の前に着いた風香と史伽は、それぞれ教室の入り口の戸に手を掛けた。
「「せーのっ!」」
そして二人が思いっきり戸を開け放つとそこには…。
パーン!パーン!パーン!
「「「「「「「「「「門矢先生!!!ようこそ3−Aへ!!!!」」」」」」」」」」
クラッカーをもった3−Aの生徒や、ネギ達教員達が士達を出迎えた。
「これは…。」
「実はウチら先生の歓迎会をしようと色々準備しとったんです。」
「ホラ!この中お菓子で一杯だよ!」
「みんな!士先生連れて来たよ〜!」
そして生徒達は士達に一斉に駆け寄ってきた。
「さー先生!こっちに座ってー!」
「美砂、アンタ彼氏いるのに…そういえば先生彼女いるの?」
「くぎみーもストレートだねー、狙ってんの?」
「バ、バカ言わないでよ桜子!!」
「あれ亜子?なんかボロボロじゃない?」
「ほんとだ…なにかあったの?」
「う、ううん、なんともないんよ。」
「それよりキャラメルコーン買って来てくれた〜?私あれ大好き〜!」
「おや、二人とも…何をそんなににやにやしてるでござるか?」
「えへへー♪」
「内緒です♪」
そんな傍から見たらモテモテの士を見て、ユウスケは彼に掴みかかった。
「おい士!女子校の先生だなんて聞いてねえぞ!羨ましい!」
「ふ…!日頃の行いの差だな!」
「ちず姉…誰だろあの人?」
「なに夏海ちゃん?一目ぼれ?」
「なんでそうなるの〜!?」
「彼…もうこのクラスに溶け込んでいるね。」
少し離れたところで、高畑とネギは士の様子を伺っていた。
「そうですね、いい人ですし…僕も助かります。」
「ネギー!そんなところにいないでアンタも来なさーい!高畑先生もー?」
「アスナはホンマオヤジ趣味やな〜。」
「ほらのどか!ネギ先生とくっつくチャンスよ!」
「ファイトなのですのどか」
「ふええええ…!?」
そのとき、ユウスケは少し笑っている士に気付く。
「?士、どうした?」
「いや…この世界も多分、俺の世界じゃない、だが…。」
士は3−Aの生徒達を見回す。
「これだけ居心地がいいと思った世界は初めてだ。」
そんな彼等の様子を、外から観察している中年の男の姿があった。
「なんなのだこの世界は…?ライダーがいないうえに、私の知らない力が存在しているみたいだが……まあいい、ディケイドを始末できればどこであろうとかまわんさ。」
「いい意味でー。」
「しちみ達場違いじゃないかみゃ?」
そして背後にオーロラのようなものが現れ、男+αは何処かへ消えてしまった。
投下終了です。色々とすいませんでした。
あとネギまの生徒の中では亜子が一番好きです。なのであの扱い。
ユウスケの活躍来たー!
275 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/13(月) 19:22:19 ID:ieuDZcp3
ユウスケ活躍してますね、あとアニメのあのナマモノも出ましたか
良いですねえ
276 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/14(火) 22:08:41 ID:L9dgnk9i
muge
277 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/15(水) 19:11:23 ID:nrjv3iHw
muge
278 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/07/16(木) 00:19:05 ID:fmv9/Drb
第二話投下します、前回の半分以下の長さですが。
第二話「修学旅行前夜」
士が魔帆良学園に赴任してから数日後、光写真館。
「ということは…皆さんは世界を救うためにこれまで色んな世界を旅してたということですか?」
先日魔化魍達の襲撃を受けた亜子は鳴滝姉妹と共に、夏海とユウスケから事情を聴いていた。
「そ!君を襲った化け物たちも…元々は“カブトの世界”と“響鬼の世界”の怪人なんだ。」
「でも…どうしてその怪人達が結束を…?まるで私の世界みたいです…。」
士と夏海の元々いた世界は様々な怪人が大量に出現したことによって今現在滅びかけている。彼女はこの世界も同じことになるのではないかと不安になっていた。そこに…。
「ふう…やっぱり駄目か。」
士が現像室から戻ってきた。
「おう!この前撮った写真ができたのか?」
「ああ…だがご覧の通りだ。」
そう言って士はこの世界で撮った写真を皆に見せた。
「なんだこれー?」
「ピンボケばかりですー。」
「こいつが撮る写真は全部こうなっちゃうんだよ。」
「世界が俺に撮られたがってないだけだ。」
写真はすべてピンボケで歪んでおり、とても見れたものではなかった。
「というか…どうやったらこんなものが…?」
亜子は自分が写されている写真を見て口元を引きつかせる。そこには自分の他に、何故かミニスカ猫耳ナースのコスプレをした自分も一緒に写っていたからだ。
「僕と史伽はハチさんの格好してるー。」
「これはこれでかわいいですー。」
「士君の撮る写真は個性が光っていていいんだよ〜。」パチン
栄次郎は将棋をしながら士の写真を褒めた。
「おじいちゃん!そんなこと言ったらまた士君つけあがっちゃうじゃないですか!」
「たく、うっせーな、ていうか…。」
一同は栄次郎の将棋の相手を凝視する。
「王手。」ぱちん
「ま…まった!」
「まったはなしです、いい意味で〜。」
「これで待った29回目だみゃ、もうだめみゃ〜。」
「とほほ…。」
そこにはカエルのような丸い生き物と、猫のような蛇みたいにうねうねした生き物がいた。
「カエルと…猫?だよな…。」
「これはどの世界の怪人なのー?」
「かわいいですー。」
「いや、私達も知りません…貴方達の世界の生き物ではないんですか?」
「お気になさらずー、いい意味で。」
「いい意味なわけあるか!なんだお前等は!?」
するとそこにキバーラが飛んできた。
「あ、この子たち私の友達、なかなかいい子達よ〜。」
「うわ!?今度はコウモリが喋った!?」
「う〜ん、考えてみればそれが普通のリアクションなんだよな…。」
「私達随分常識から外れてきましたね…。」
「キバーラのダチか…キバット族か何かか?」
「そんな大それたものでは御座いませだみゃー、しちみと申しますだみゃー。」
「モツイヒデキ、ゴリラモツイと呼ばれてましたー。」
「メジャーリーガーか!?」
279 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/07/16(木) 00:21:02 ID:fmv9/Drb
亜子は腕時計を見て席を立ちあがる。
「あ、もうこんな時間や、ウチらはこれで。」
「あれ?もう行くんですか?もっとゆっくりして行けばいいのに…。」
「いえ、まき絵達と約束してて…学園都市の商店街に明後日の修学旅行に持っていくお菓子買いに行くんです。」
「ああ、そういやネギ坊主がそんなこといってたな…。」
すると出されたお菓子をぼりぼり食べながら鳴滝姉妹が士に言及した。
「何言ってるの先生?先生も引率として修学旅行いくんだよ?」
「「「はっ!!?」」」
その言葉を聞いて、写真館の住人達が素っ頓狂な声をあげる。
「ああ、そういえばそうだったな…。」
「そうだったなって…何も準備してないじゃないですか!!」
「別にいいだろ?4泊5日の旅ぐらい…。」
「着替えとかどうすんだよ!?他にも色々と…!」
「ははは、まるで子供だね士君。」
すると亜子がおずおずと提案する。
「あの…ならウチらと買い物いきまへんか?この前のお礼もしたいですし…。」
そんなこんなで、士は亜子達の買い物に付き合う事になった。
「おーい!亜子ー!」
「あれ?士先生もいっしょだー?」
待ち合わせ場所には大河内アキラ、明石裕奈、佐々木まき絵が待っていた。
「うん、ちょっとそこで会ってな、修学旅行の準備してないんやって。」
「あはは、先生子供みたいー!ネギ君はもう済ませたって言ってたよ〜。」
「んだとう。」
「じゃあ一緒に買い物しましょ!私達先生の服選んであげる!」
そう言って裕奈は士の腕を引っ張った。
「こ、こら…。」
士は戸惑いながらも、亜子達に引っ張られながら亜子達に付いて行った…。
その背後で、士を監視する3つの人影があった。
「美空…士先生が得体の知れない戦士になったというのは本当なのか?」
「間違いないって!この目で見たんだから!」
3−Aの生徒、龍宮真名と春日美空と相棒のココネがいた。
「だがなあ…あの男が特撮ヒーローみたいな変身をしたなんて…。」
「あー!?信じてねえな!?」
「私もみタ…。」
「うーん…。」
腕組みをして考え込む真名、すると彼女達の背後にオーロラが現れ、そこからコートを着た男が出てきた。
「彼女の言っている事は本当だ。」
「うわっ!?なんじゃあんた!?」
「気配を出さずに…!?何者だ!?」
身構える3人にその男はまあまあとジェスチャーを取った。
「私の名は鳴滝、あの男をよく知るものだよ。」
「(双子と同じ名前ダ…。)」
「あの男の関係者か…?一体なんの用だ?」
「いや、今日は君達に警告をしに来たんだよ、あの男についてね…。」
「警告…?士先生は一体なんなんだって言うんだよ?」
そのコートの男…鳴滝は不敵に笑い、三人に言い放った。
「門矢士は…ディケイドはやがてこの世界を滅ぼす悪魔となるのだ。」
280 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/07/16(木) 00:24:35 ID:fmv9/Drb
一方その頃、買い物を終えた士達は買い物袋を手に町中を歩いていた。
「たく…俺が荷物持ちかよ…。」
「すみません先生…。」
「まーまー!男が細かいことウジウジ言わないのー!」
「その代りアイス奢ってあげるねー♪おいしいとこ知ってるんだー♪」
そう言って裕奈、まき絵、亜子はさっさと先へ行ってしまった。
「こ、こら!こっちは荷物を…!」
「少し持ちますよ先生。」
よろめく士に、アキラが手を差し伸べる。
「ああ、悪い」
そう言って士はアキラに荷物を少し渡した。
「あの…先生ありがとうございました。」
突然アキラにお礼を言われ、士は頭に?マークを浮かべる
「……?買い物を手伝ったことか?」
「いえ、この前の…亜子のことです。」
「………。」
士は黙ってアキラの話を聞くことにした。
「亜子…この前の歓迎会の時…少しボロボロだったんですよ、私達がどうしたの?って後
で聞いてみたら…士先生が助けてくれたって言ってました。」
「…別に、大したことはしてねえよ。」
士は照れ隠しにアキラから目を反らす。
「ふふ…それでも本当にありがとう御座いました。」
アキラは少し笑いながら、士と共にまき絵達の元に歩いて行った。そのとき。
「ん?あれは…。」
士はこそこそと誰かを尾行している3−Aの生徒3人を見つけた。
(柿崎に釘宮に椎名か…なにしてんだ?コスプレまでして…。)
「「チアリーダーの名に懸けて!!いいんちょの私利私欲を応援よ?」」
「わ、わたしだけこんな…。」
「先生?どうしたんですか?」
「いや、どうやら俺には関係なさそうな事らしい、あんまり書くとまた規制受けるからな。」
「はあ…。」
次の日の夜…士は栄次郎とユウスケと共に写真館で団欒していた。
「いよいよ明日は修学旅行だね士君…なんだか楽しみになってきたよ。」
「いーよなー、可愛い子に囲まれて旅行だなんて…ちっくしょー!」
「なんでお前らテンションたけーんだよ…そういや夏ミカンは?」
「夏海ならシャンプー買いにいったよ?でも遅いな…もう2時間も経ってるよ。」
「どこかでジュースにされてんのか?しゃーねえ、見てくるわ。」
「いってらー。」
281 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/07/16(木) 00:26:40 ID:fmv9/Drb
士は人気のない夜の魔帆良の街をバイクで疾走していた。
「おーい夏ミカンー!」
いくら呼んでも返事はなかった。
「たく…なにやってんだあいつは…。」
士はふと、最初の世界で様々な怪人に襲われた夏海のことを思い出していた。
「まさか…またか?」
士は不安を振り払うかのようにハンドルを強く握り締めた。
そのとき士は誰もいない夜の公園に佇んでいる夏海を発見する。
「……。」
「こんなとこにいたか…爺さんが心配していたぞ…って!」
そのとき士は、夏海がスカートの丈が短いメイド服を着ている事に気付いた。
「なんだ?ブレイドの世界の時みたいな格好して…。」
ブワンッ!
「うわ!?」
そのとき夏海は士に向かって回し蹴りを繰り出した。
「なにしやがる!…!?」
「ツカサクン…遊びましょ…。」
その時士は、夏海が正気ではない事に気付く。
「なんだ!?何かに操られてんのか!?しょうがねえな!!」
そういって士はディケイドのカードを取り出し、ディケイドライバーにそれを装填した。
「変身!」
『カメンライドゥ!ディケイド!』
仮面ライダーディケイドに変身した士は夏海の攻撃を次々と裁いていった。
「遊びましょ!遊びましょ!」
夏海は構うことなく士に連続攻撃を浴びせる。
「だあああ!しょうがねえな!」
『アタックライド!イリュージョン!』
士はディケイドライバーにカードを装填する、すると士の体が三つに分身し、一体が夏海
の攻撃を受け、二体目が彼女を押さえた。
「痛みは一瞬だ!」
そういって三体目は夏海のうなじ辺りにトンッと手刀をいれる。
「うっ!」
昏倒した夏海は一体目にもたれかかる様に倒れ込んだ。
「たく…。」
士は変身を解き、夏海を抱え上げた。
「ん…?」
ふと士は、夏海の首筋に歯型が付いている事に気付いた。
「なんだこれ…?まさかファンガイア…?でもこれは…まあいい、とっとと帰るか、明日は早いしな…。」
そう言って士は夏海を抱えたままその場を去って行った。そしてその光景を、木の上から観察している影があった。
(ほう…なかなかやるな、あの黒い戦士…しかし何者だ?私の結界の中に易々と入る怪人といい…こりゃ面白い事になるな…。)
そしてその人物はコウモリを大量に出現させ、そのまま何処かへと消えてしまった。
282 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/07/16(木) 00:30:23 ID:fmv9/Drb
おまけ 3年A組!仮面ライダー先生!
士「出席とるぞー、鳴滝風k
鳴滝「呼んだかディケイドぉー!!!」
士「よんでねえ。」
風香「ボクの番だったのにー!」
士「次、鳴滝史k
鳴滝「呼んだかディケイドぉー!!!」
士「しつけぇー!!!」
史伽「誰ですかこのおじさん!?」
士「次、葉加瀬聡美。」
聡美「はい。」
士「長谷川千雨。」
ちうちう「はい。」
士「エヴァンジェリン・マクダウエル」
茶々丸「マスターはサボタージュです。」
士「たく、吸血鬼のガキにはひねくれた奴が多いな…。宮崎のどか。」
のどか「は、はい!」
士「夏ミカン2。」
村上「は…てちょっと先生!?なんですかそのあだ名!?」
士「いや、知り合いに同じ名前の奴がいてな…。」
千鶴「かわいい名前よ、みかんちゃん♪」
村上「ちづねえまでひどいよ〜!(泣)」
士「雪広あやか。」
あやか「はいですわ。」
士「四葉五月。」
五月「はい。」
士「この前は差し入れあんがとな、最後ザジ・レイニーデイ。」
ザジ「はい。」
士「よし、じゃあ今日の授業は…グロンギ語の勉強だ。」
クラス一同「グロンギ語!?」
モツ「そして数十分後、いい意味でー。」
キバーラ「いい意味でだみゃ。」
しちみ「しちみのセリフとるなみゃ!!!しかも声そっくり!!!」
士「ポポラガ、モゲラバ、タネハヤクツクランカイ、フェイトチャンオレノヨメ。今のをまき絵、訳せ。」
まき絵「はい、『まさかSE○D劇場版みたいにな○は劇場版も御蔵になったりしませんよね?都○さん?』です。」
士「正解だ、今の文をオタクなグロンギに使えば命だけは助けてもらえるぞ。」
夕映「そうじゃない場合はどうなるですか?」
士「脚本の気まぐれでゲゲルの犠牲になるか、運が良ければクウガかアンノウンが助けに来ます。」
明日菜「そろそろ突っ込み入れてもいいですか?」
鳴滝「生徒のアイディンティティを破壊するとは…悪魔め!!!」
木乃香「まだおったんかい。」
投下終了です。
おのれディケイド!今回の話にネギ君が出てないではないか!
284 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/16(木) 22:33:07 ID:m7ImV1nT
GJ
たしかに鳴滝さんや夏海は名前かぶりますねえ
鳴滝さんいるし召喚ライダーも楽しみにしたいですよ
ライダーの作者さん。
まずは温かいお言葉大感謝です。
そしてGJ!!何と言っても勢いがあるのがいいですね。
あの!?のハチャメチャなノリがいいスパイスになって。
見ていてわくわく楽しいのが一番です。
ご存じの様ですが、前の投下は一度に多すぎましたね。
経験上最大1×回で確実に投下不能になりますし、
投下間隔が短いとそれだけ少ない回数でも来る可能性高くなりますから。
それではこちらも今回の投下、入ります。
>>251 「やっぱり、ここにもいないわ」
遊覧飛行船の展望室で、船内を探していたしずかが言った。
「こっちもダメだ、第一、陽が落ちちゃってるからよく見えないよ」
展望用の望遠鏡を覗いていたスネ夫が言う。
「今まで見付からなかったのに、こんな時間に飛行船から探すって…」
言葉を切ったスネ夫の背筋が冷たくなる。
「ほおーぉー」
その背後で、バキッと拳を鳴らす音が聞こえた。
「でも、どこに行ったんだろう?」
ドラえもんが言う。
「図書館島とか色々行ったけど、ネギ先生ものどかさん達、
クラスの人たちが何人もどこにいるか全然分からなくなってるみたい」
しずかが言う。
「このお祭りだからなー」
一旦ドラ・パーティーで合流した際、
搭乗受付ギリギリになっていた飛行船を指差しグッド・アイディアを叫んだジャイアンが言う。
>>285 「でも…」
ドラえもんが言う。
「たずね人ステッキに人さがしがさ、どっちにも反応がないんだ。
それも、ネギ先生だけじゃない、何人もの3‐Aの生徒の人が」
「だから、壊れてるんだよそれー。どっか遊びに行ってるんじゃないの?」
コブを撫でながらスネ夫が言う。
「うーん、超鈴音がこのお祭りで何かを、
つまり、今日の内ら何かをするのは間違いないんだけど…」
ドラえもんが言い、ドラえもんとしずか、ジャイアンスネ夫が腕組みをしてうなる。
「きれーだねー」
「何だぁ?」
のんびりとした声にジャイアンが言う。
「陽が落ちて、夜景が凄くきれいだー」
「なんだよのび太ぁ、こんな時に」
「やっぱりのび太だなぁ」
ジャイアンが呆れ、スネ夫が嘲笑を浮かべる。
「あれ?」
窓から陽の落ちた街を眺め、望遠鏡を覗いたのび太が言う。
「あれって…」
「どうしたの、のび太君?」
「うん、何か湖から…田中さん?…」
「えっ?ちょっとごめん…わっ!」
のび太を押し退けて望遠鏡を覗いたドラえもんが飛び上がった。
「どうしたのドラちゃん?」
「湖から田中さんが、すごい数だっ!」
「何っ!?」
「ええっ!?」
ジャイアンとスネ夫も空いている望遠鏡に飛び付いた。
>>286 「うわあっ!」
「すげぇ…」
スネ夫が悲鳴を上げ、ジャイアンが感嘆の声を上げる。
「ドラちゃん…」
「散らばってる…」
ドラえもんが呟く。
「あっ!」
「のび太さん?」
「なんか、田中さんと戦って…消えた?」
「こっちでもやってるぞっ!」
「こっちもっ!」
「場所は大体六カ所だね…」
ドラ・パーティーが集結し、頷き合う。
そして、「タケコプター」を装着したドラ・パーティーが、
「通りぬけフープ」を張った飛行船の壁から夜の麻帆良の街へと散らばって行った。
「何だこれはっ!?」
学園祭中央制御本部で、明石教授が悲鳴を上げていた。
「…カガッ…ガッ…とても支え…パー…パージを急いで…ガガッ…」
「もしもし、もしもしっ!?ダイレクトラインはっ!?」
「ダメです、ダイレクトを含めて全ての回線、無線、電話に念話、
次々とシャットダウン、繋がっていても妨害がひどくて使い物になりませんっ!!」
教授に問われた夏目萌も悲鳴を上げる。
そこに、サッと風の様に現れた一つの影、
それは、一人が一人をおぶった二人の影だった。
>>287 「ああ、美空君、どうだった?」
「いやいやいや、あの、武道会の田中ってロボットと
うちの茶々丸のコピー、あと、訳分からない戦車とかが大量発生してて…」
「それは分かってる」
息せき切って告げる美空の言葉に教授は容赦なく突っ込む。
「えーと、場所は…」
美空が書き出したメモに、教授とナツメグの顔から血の気が引く。
「ここを、大量のロボットが?」
「そうっス」
「何て事を…これは、やはり超鈴音…」
「他に考えられないっスよっ」
教授の呟きに美空が両腕を上げて応じた。
「でも、いくら大量のロボットとは言っても、これらの場所は不測の事態に備えての配置が…」
「それが…」
「ん?どうした、美空君?」
「消エタ…」
「え?」
ココネの小さな呟きに、教授とナツメグが息を呑む。
「消えてるんスよ魔法使いが…」
「何だって?」
「いや、なんか、とにかくロボット軍団を退治しようとした魔法使いが、
片っ端から消えてるんスよおおっ!!」
「何だそれはっ!?」
「分かんないっスよおおっ!!」
「ミソラ…」
「おっおちゅっ、落ち着いて下さいいっ!!」
向かい合い張り合う様に万歳して絶叫する教授と美空の脇で、
ナツメグも負けじと絶叫した。
>>288 気を取り直した教授が着席し、ナツメグと共に限られた材料でのシミュレーションに着手する。
「六カ所の魔力溜まり、超君の科学力、
何を意図しているのかは分からないが、だとしてもこれだけの力をもってすれば…」
教授とナツメグが目を見張り、言葉を失った。
「通信は不能、魔法使い達もどういう訳だか対処出来ていない、そうだね、美空君」
「そうっス、ここだけじゃない、学園全体で連絡が付かなくなってるっス」
「念話も、聞こえない」
美空の言葉に、ココネがぽつりと付け加える。
「だとすると…とにかく、美空君ももう一度現地に…」
「えー、いやー、そのー、私逃げ足だけっスし、こーゆー時には…」
「行くんだ」
「ひいぃ…」
モニターの光が照り返す教授の眼鏡を前に、美空がたじっと後退する。
「こんにちわー」
その時、コンコンと入口の縁を叩くノックと声に、一同振り返った。
「あ、おとーさん、お弁当と着替え持って来たよー」
「えーっと、確かこの辺だったけどなー」
のび太が着地したのは、龍宮神社の森の中だった。
「わっ…」
ザシザシと前進する数台の田中を目にし、のび太が慌てて木陰に入る。
「あーあー、こちらのび太…?故障?」
「糸なし糸電話型トランシーバー」の不調を知り、のび太の背に冷たい汗が流れた。
爆発音にハッとしたのび太がそちらに視線を向けると、
一台の田中が吹っ飛ばされている所だった。
フードローブ姿の若い男たちが田中と遭遇し、手にした槍や斧から光を放って戦っていた。
当初互角に見えていた戦いだったが、
ローブの若者の一人が何か黒いものに呑み込まれて姿を消し、
その異常事態に浮き足立ったところを総崩れに全員が、
>>289 “…消えた?そんな…”
そーっとその場を離れようとするのび太の足下で、
お約束にバキッと大きな音が鳴る。
「ドラえもぉーーーーーーーんっっっ………」
田中軍団に追跡され、横に涙を迸らせながら、のび太が森の中をダッシュする。
「伏せてっ!」
鋭い声、女の子の様だった。のび太がとっさに姿勢を低くする。
その上を大きな火球が通り過ぎ、先頭の田中に叩き付けられた。
次の瞬間、のび太はぐいっと手を引かれていた。
今回はここまでです。続きは折を見て。
291 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/17(金) 19:13:57 ID:ssByRY/r
muge
292 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/18(土) 20:33:59 ID:BcXEIB3h
muge
293 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/19(日) 17:18:26 ID:+mEBF3jf
nuge
294 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/20(月) 15:34:32 ID:G4rsyd0F
muge
295 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/07/20(月) 23:08:40 ID:otEUwwS/
ドラネギさんGJ!考えてみればのび太とネギって同世代ですよね。
勇者シリーズやエルドランシリーズとのクロスも面白そうですよね。
それでは第三話投下します。
第三話「新幹線パニック!」
何者かに操られた夏海との戦闘から一夜明けた後、光写真館で夏海は気だるそうにしながらテーブルに突っ伏していた。
「あ〜…だるい〜…。」
「昨日は災難だったねー、これ、眠気覚ましにどう?」
そう言って栄次郎は夏海にコーヒーを出した。
「ありがとうおじいちゃん…。」
「あーあ。今頃士は京都行の新幹線か…いいなあ…。」
夏海の向かいに座っていたユウスケは朝食の目玉焼きをプスプスフォークで刺しながら愚痴をこぼした。
「しょうがないですよ、士君は3−Aの副担任なんですから…。」
「でも夏海、なんで昨晩は士君を襲ったりしたんだい?」
「それが…買い物帰りの時、金髪の外国人の女の子に話しかけられたんですよ。そこからの記憶があいまいで…。」
その時だった。
「ごめんくださーい。」
「あれ?お客さんかな?」
突然の来客に、栄次郎が応対に出る。そして彼は仙人のような髭を纏った老人と、金髪の十歳ぐらいの少女、そして妙な耳あてをした少女を連れて来た。
「ほっほっほっ!ここが最近できたという写真館かえ。」
「まったく、なぜ私がこんなほこり臭いところに…。」
「修学旅行に行けないマスターへの配慮だと思われます。」
すると夏海は、金髪の少女を見て声を上げる。
「あー!昨日の!?」
「ん?ああ、昨日の…お前の血、なかなかうまかったぞ。」
「へっ!?」
「な、何言ってんだ君…!?まさかファンガイアか!?」
とっさに身構えるユウスケ、だがそんな彼を老人が手で制した。
「お待ちなされ、この子の無礼は謝罪する…貴方達が何者か、この子なりに見極めようとしてたのじゃよ。」
「正体…?貴方達、一体何者なんですか?」
296 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/07/20(月) 23:11:28 ID:otEUwwS/
その頃京都行の新幹線の中…そこで魔帆良学園三年生達は修学旅行に向かうために新幹線に乗っていた。
「いやー!楽しみですね士先生!」
うきうきしているネギの隣で、士は眠そうな目をこすりながら体を伸ばした。
「うー…電車の旅は窮屈だな…デンライナーみたいな構造ならいいんだが…。」
「デンライナー?なんですかそれ?」
「ん?ああ、旅の途中で見つけた時を走る列車だ、妙な怪人共が巣くっているが…面白い列車だったぞ。」
「えー!?すごいです!僕も乗ってみたいですねー!恐竜時代とか行ってみたいです僕!」
士の話を聞きながら、ネギは目を輝かせていた、がそこに、明日奈がやってくる。
「士先生!ネギに変なこと吹き込まないでください!」
「え!?ウソなんですか!?」
「まあどっちに捉えてもいいが…神楽坂、お前ネギと仲いいんだな。」
「んなっ!?」
士の指摘に、明日奈は顔を真っ赤にする。
「へ…変なこと言わないでください!こいつはただ一緒の部屋ってだけで!」
「一緒の部屋なのかおまえら…。」
「いえ、木乃香さんも一緒ですよ。」
「はいはい、じゃあこいつの面倒でも見てろ、お姉ちゃん。」
「え!?ちょっと!?」
士は明日奈にそう言い残し、席を立ってトイレに向かった。
数分後…電車のドアの窓から士は外の景色を見ていた。
「呑気なもんだ…魔化魍やワームまでいるっていうのに…それにしても…。」
士は頭の中にある疑問が浮かびあがっていた、その時。
「時を走るモツライナー〜次の停車駅は過去か未来か〜、いい意味で。」
「いい意味でだみゃ〜。」
おもちゃのデンライナ―に跨った車掌姿のモツとしちみがやってきた。
「お前ら…ついてきたのか。」
「ええ、私達のマスターが貴方と行動しろというもので〜。」
「マスター…?」
士はこの世界に来る前に、夢に出てきたネギ似の青年の事を思い出す。
「ちょうどいい、お前らに聞きたいことがある、この世界のライダーはどんな奴だ?」
士は前から疑問に思っていたことをモツ達にぶつける、だがモツの返答は士の予想を遥かに覆していた。
「いえ〜この世界にライダーはいません〜いい意味でもなく〜悪い意味でもなく〜。」
「は…?」
その時だった。
「「「「「きゃー!!!!」」」」」
突如3−Aの生徒がいる車両から悲鳴が木霊した。
「なんだ!?」
士はすぐさま、先日倒し損ねた2匹の魔化魍の事を思い出し、すぐさま駆けだした。
「おいどうし……!?」
士はそこで世にも奇妙な光景に出くわした。
「士先生助けて〜!カエルが〜!」
「ゲロゲーロ。」
「ゲロゲロゲロ」
「うわ!こっち来た!」
「しずな先生〜!」
3−Aが乗る車両の中に大量のカエルが跳びまわっていた。
「……この世界、マジでおもしろいな。」パシャ
「写真撮ってないで助けろグータラ教師!!」
「今のは長谷川か…お前今学期オール1」
そう言って士はそこらへんのカエルを手当たり次第捕まえた。
数分後…
「カエル109匹回収終わったアルよ。」
「し、しずな先生が失神してるー!」
「ほ、保健委員は介抱を!いいんちょさんは至急点呼をお願いします!」
「保健委員も失神してるよー!」
「たく…世話を焼かせる。ふん!」
そう言って士は亜子に気付けする。
「は、はへぇ…。」
「たく…何なんだこのカエル共は…。」
すると鳴滝姉妹が士の元に近付き、小声で話しかけてきた。
(もしかしてこの前の怪人さんの仕業ですか?)
(いや…ヤツ等ならこんなかわいい手は使わんはずだ。)
(そういえばそうだね…あれ?)
風香はふと、慌てて別の車両に行くネギを目撃する。
「ネギ先生どこ行くんだろ?」
「俺が見てくる、お前らは亜子の介抱を頼む。」
「「りょーかい!!」」
士はネギを追って車両を移動する。すると。
「あ…門矢先生。」
「桜咲…?」
反対方向から歩いてくる3−Aの生徒の一人、桜咲刹那とはち合わせた。
「こんなところでなにをしている?向こうは大変なことになってるぞ。」
「そうですか…。」
そう言って刹那は士の横を通り過ぎて行った。
「……なにやら秘密が多そうだな、この世界は…。」
そこに封筒を大事そうに持ったネギがやってきた。
「士先生?何してるんですかこんなところで?」
「ああ、お前が走って行くのが見えて…ていうかその封筒はなんだ?」
「え!?こ、これはその…。」
「先生―!カエルが一匹逃げたですー!」
「自由な明日へ向かってスクランブルダッシュ!いい意味で!」
「なんかこのカエル喋ってない!?」
「あー大変だー!僕行ってきますねー!」
ネギはセリフ棒読みでその場から去って行った。
「なんだあいつ…?」
士は疑問に思いながらも、生徒達のいる車両へと戻って行った。
その数時間後…
「京都だぁーーーーーーー!!!!!!!」
一行は無事目的地である京都の清水寺に到着していた。
「これが噂の飛び降りるアレ!」
「誰か飛び降りれ!」
「では拙者が…。」
「おやめなさい!」
「テンションたけーな…。」
「ここが清水寺の本堂、いわゆる『清水の舞台』ですね。本来は本尊の観音様に能や踊りを楽しんでもらうために(長いんで以下省略)」
「うわ!変な人がいるよ!」
「夕映は神社仏閣仏像マニアだから。」
「いやー!晴れてよかったですね士先生!」
「ああ…。」パシャ
「また写真撮ってる…。」
「あ!次私達撮ってくださーい!」
まき絵と裕奈は京都の街をバックにポーズをとる。
「よっしゃ。」
まかせろといわんばかりに士はシャッターを切った。
「現像したら見せてくださいね〜♪」
そう言って二人は他のクラスメートと一緒に地主神社に向かって行った。
「あいつらどこへいくんだ?」
すると隣にいた夕映が説明した。
「この先に恋占いで有名な神社があるです。皆そこに向かってるです。」
「マジでか、ゆえきっつあん。」
「マジです…てかそのあだ名なんですか?」
士は写真を撮りながら皆より一足遅く神社へ向かうと、そこではあやかとまき絵とのどかが恋占いの石に向かって競争していた。
「まき絵に50円!」
「いいんちょに100円!」
「雪広あやか流恋の心眼術!」
「いいんちょずるいー!目え開けてるでしょー!?」
「テンションたけーな…。」
「そうですね…。」
呆れ返る士の元に、生徒のうちの一人、龍宮真名が話しかけてくる。
「…?お前は一緒にはしゃがなくていいのか?」
「そうしたいのは山々なんですけど…。」
チャキッ
「……。」
士は自分の背中に銃らしきものが突き付けられている事に気付いた。
「うごくな、大人しくしていろ。」
「ほんとうちのクラスは個性強いな。」
「とりあえず大人しくしてもらえません?悪いようにはしないですから。」
真名の指示通り、士は一声も喋らなくなった。
「うわー!?音羽の滝の水を飲んだ人達が酔い潰れちゃいましたー!」
「起きていいんちょ!このままじゃ修学旅行中止になるわよ!」
「タイミングよくトラブル発生だ、じゃあ先生、ちょっとこっちに来てもらえます?」
そして士は真名に連れられて、清水寺の方へ引き返していった…。
先程の場所に戻ってきた二人はお互い対峙していた。
「さて…俺に何の用だ?告白なら大歓迎だが?」
真名は士の言葉を無視して、淡々と話し始めた。
「美空から聞いた…アンタ、異形の怪物からうちのクラスメートを守ってくれたそうだな。」
「見られてたか…まあ別に隠すつもりもないんだがな。それで俺にどんな用だ?」
するとマナはどこからか二丁の銃を取り出し、士に銃口を向ける。
「“ディケイドを消してくれ”、それが私の雇い主が出した条件だ。」
「やれやれ…大方俺が世界の破壊者だとかふきこまれたんだろ?」
「……?あの男と知り合いなのか?」
「さあな。」
そう言って士はディケイドライバーを腰に付ける。
「教師に銃を向けるとは…教育的指導が必要だな」
『カメンライド!』
そしてディケイドのカメンライドカードを装填した。
『ディケイド!』
そして士は仮面ライダーディケイドに変身した。
「こおおお……。」
真名は銃を構え精神統一したあと、士に向かって発砲した。
「容赦なしかよ!実弾か!?」
「BB弾ですよ、いろいろ改良してますが。」
「そうかい!」
士は銃弾の雨をかわしながら、ライドブッカーをガンモードにして真名に向かって威嚇射撃する。
「なんだなんだ?」
「映画の撮影か?」
野次馬が少しずつ集まってきたが、二人は構うことなく戦い続けた。
「ちっ!銃撃戦なら…こいつにリベンジさせるか。」
そう言って物陰に隠れた士はディケイドライバーにあるカードを装填した。
『カメンライド!キバ!』
するとディケイドの体に幾つもの鎖が巻き付き、仮面ライダーキバに変身する。
「次はこいつだ。」
『フォームライド!キバ!バッシャー!』
するとキバのカラーリングが赤から緑に変わり、手にはバッシャーマグナムが握られていた。
「エアガンには水鉄砲だ!」
物陰から飛び出した士は真名に向けてバッシャーマグナムの銃弾を放った。
「なるほど…美空の言っていた変身能力か。」
真名は銃弾をかわしながら屋根に飛び移り、士に向かって大ジャンプした。
「!!」
士はキバを通常のキバフォームに戻すと、真名に向かって大ジャンプする。
カっ!という効果音と共に交錯する二つの戦士。野次馬達はその光景を固唾を飲んで見守っていた。
ほぼ同時に着地する二人、キバの体には複数の銃弾が埋め込まれており、真名の制服は右脇腹辺りが破れて彼女の褐色の肌とへそが見えていた。
「すげぇー!」
「なんだこれ!?なんだこれ!?」
辺りに歓声が沸き起こる。
「おまえ…生身のくせになかなかやるな。」
士は変身を解くと真名のほうを向いた、一方彼女の方は不敵に笑いながら銃をしまった。
「この勝負…次回に持ち込みましょう、ギャラリーが増えてきているうえに先生達に気付かれる。」
「ま、次は俺が勝つがな!」
するとそこに二人を探しに来たネギが息を切らしながらやってきた。
「いたいたー!士先生!龍宮さーん!旅館に行く時間ですよ〜!バスに乗ってくださーい!」
「だとよ、行くぞ真名。」
「………。」
真名は黙って士とネギについて行った。そんな彼女の態度に、士は苦笑するしかなかった。
「やれやれ…これがヤンデレってやつか。」
その光景を、物陰から観察する一つの影があった。
「まったく…スゴ腕のスナイパーだというから雇ったのに役に立たんではないか、しょうがない…。」
すると男の背後にオーロラが現れ、その男は何処かへ消えてしまった。
「ディケイド…!お前がどこに行こうと世界はお前を拒絶する…せいぜい楽しんでおくんだな!」
おまけ 3年A組!仮面ライダー先生!二時限目!
士「今日はイマジンに取りつかれた時の対処法の勉強をしまーす。」
円「国語関係ねぇー!!!」
士「それでは特別講師、ウラタロスさんに来て頂きました。」
ウラタロス「僕に釣られてみる〜?」
ハルナ「なんじゃあの腐女子に人気ありそうな青い怪人は…。」
士「じゃあそこの図書委員にとりついてくれ。」
のどか「え!?ええ!?私ですか!?」
ウラタロス「やれやれ、女の子にとりつくのは趣味じゃないんだけどね。」
バシュン!
のどか「はう!」
Uのどか「うふーん、私に釣られてみる〜?」
夕映「のどかー!?」
美砂「ボイスも能登麻美子から遊佐浩二にチェンジしてるわ!」
桜子「エロ度が70%増しだね!」グッ
Uのどか「そこの色々透けてるお譲さん、僕と一緒にお茶でもどう?」
さよ『えー!?これってもしかして百合って奴ですか!?』
士「さて、手遅れにならないうちに…風香。」
風香「りょーかい!笑いのツボ!」ドブシュ!
Uのどか「ぶっ…!ぶわははははははは!!!」びよーん
木乃香「おお!のどかからなんか出てきよった!」
士「このようにイマジンを追い出す時は笑いのツボが有効です、あと人間に擬態したワームを見分けるにも使えます。」
鈴音「以外と笑いのツボ便利ネ!」
キーンコーンカーンコーン
士「今日の授業はここまで、次回は(0w0)の絵描き歌を教えるぞー。」
明日奈「まだ続くのかしらこのシリーズ…?」
モモタロス「てめえ!何出番貰ってんだ!?」
リュウタロス「カメちゃんばっかりズルイ〜!」
ウラタロス「はっはっはっ!人気者はツライよね〜!」
キンタロス「ぐごー。」
ちうちう「なんだこの黄色い怪人は!?私のイスに無理やり座るな!!」
夕映「狭いです〜!いびきうるさいです〜!」
デネブ「侑斗をよろしく、はいデネブキャンディー。」
史伽「わーい、アメちゃんもらいましたー♪」
テディ「あの…私の出番は貰えるんでしょうか…?」
ザジ「私に聞かれてもイマジン(イマイチ)わかりません。」
真名「マイナス30点」
ザジ「手厳しい。」
まき絵「なんか怪人増えてる!?」
はいここまで、今は響鬼、カブト、キバを同時進行でレンタルで見ています。
ヒビキさんと天の道を往き総てを司る人かっこいいよー。
おまけがカオスすぎるww
乙です。
304 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/21(火) 21:25:33 ID:6pEO6GKR
muge
305 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/23(木) 06:02:35 ID:A85QKFbq
muge
306 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/23(木) 22:37:42 ID:A85QKFbq
muge
307 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/24(金) 20:34:17 ID:SEvbEeWf
muge
ディケイドクロス期待してるぜ
309 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/25(土) 15:03:22 ID:gZc6UQ0o
muge
310 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/26(日) 11:49:39 ID:zaQR2cfI
muge
311 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/07/27(月) 16:22:47 ID:eywL+RsU
期待には応えなければなりませんね、投下します。
第四話「甦った戦鬼」
清水寺での出来事から数時間後、ネギ達3−A一行は宿泊先の旅館にやってきていた。
「どっこい…せっ!」
先程の音羽の滝での出来事で酔いつぶれた亜子、まき絵、裕奈をアキラと共にバスから担いできた士は、彼女らを布団に寝かせた。
「ふへへ〜♪ネギくぅ〜ん♪」
「もう食べられないよぅ…。」
「なんでこいつら酔いつぶれてんだよ…。」
「なんでも音羽の滝の水にお酒が混じっていたようで…。」
「なんじゃそりゃ…。」
そのとき、酔っ払った亜子が士のジャージの裾を掴んだ。
「ふみゃあ〜、せんせ〜。」
「おい…伸びるからやめろ…。」
その時、亜子の着ていた浴衣がずれ落ち、彼女の肘から上の白い肌があらわになった。
「おいおい…。」
するとアキラはものすごいスピードで亜子の浴衣をちゃんと着させた。
「ふう…危なかった。」
「お前すげえ反射神経だな…。」
「ええ…ちょっとこの子、見られたくない傷があるもので…。」
「ふーん、じゃあ俺、風呂の時間だから行ってくるわ。」
「はい、こっちは任せてくださいね。」
そう言って士はアキラ達の寝室から出る、その間際、士は入口に貼られている紙に、この部屋を利用しているアキラ達の名前の他に、真名の名前が書いてある事に気付く。
「なるほど、同じ班なのか…。」
312 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/07/27(月) 16:25:12 ID:eywL+RsU
「「ひゃあああ〜!!?」」
その時女湯の方から女子生徒の悲鳴が聞こえた。
「なんだ…?明日菜と木乃香か?よく悲鳴の上がるクラスだ。」
そう言いながら士は駆け足で女湯へ向かった。その途中…。
「…?刹那?」
前方からタオル一枚で何かから逃げるように刹那が走ってきた。
「つ、士先生!?」
「そんな恰好でなにをやってんだ?事と次第によってはわいせつ罪…。」
「す、すみません!これには深い訳が!本当にすみませーん!」
そして刹那は逃げるようにその場から去って行った。
「なんだありゃ…さっきとギャップが違いすぎんだろ。」
「士先生。」
すると士の背後から、真名がライフルのモデルガンを担いでやってきた。
「ああ?真名か…どうした?俺に何か用か?」
「いえ…先生に警告に来ました。」
真名は鋭い殺気をまき散らしながら、士に言い放った。
「貴方が何者か知りませんが…これ以上ネギ先生や刹那に関わらないほうがいい。」
「……どうしてだ?」
「それが先生の為であり…ネギ先生の為でもあるのです。無事修学旅行を終えたいのなら大人しくしていてください。」
そして真名は何処かへ去って行った。
「…何があるっていうんだ?この世界に…。」
士は悲鳴があった露天風呂へとやってきた、だがそこはもう蛻のからとなっていた。
「なんだ…?もう終わったのか、ん?」
士は床に切られたような跡がある紙が散乱していることに気付く。
「なんだこれ?何があったんだここで…、とりあえず風呂に入ってから考えるか…。」
数十分後、士は風呂上がりの牛乳を買うため、自販機が置いてあるロビーにやって来ていた。
「残念だが俺の入浴シーンはカットだ!」
なにを言っているのでしょうね。
「ん…?」
その時士は自販機の前で腰に手を当ててコーヒー牛乳を飲む男を発見する。
ゴクッ!ゴクッ!ゴクッ!
「いやあ!風呂上がりはこれに限るね!」
士はその人物にかなり見覚えがあった。
「海東…!?やっぱお前も来ていたのか…。」
士はその男が自分があまり会いたくない男bPの海東大樹だと確認し、とても不愉快な表情になる。
「やあ、士じゃないか。こんなところで気遇だねえ。」
「はあ…なんで京都に来てまでお前の顔を見なきゃなんねーんだよ…。」
「ふふっ、まあそう言うなって。」
そう言いながら海東は自販機にお金を入れて二杯目のジュースを買おうとしていた。
「で、なんの目的でここにいるんだ?」
「僕が行動する目的なんて一つしかないじゃないか?」
士と会話しながら、海東は自販機の取り出し口に手を突っ込む、そして引き抜いたその手には……。
「oh、見つかってしまいました〜、いい意味で。」
モツが握られていた。
「なんだこの生き物?」
「は?物知りのお前にもわからない存在なのかよ?」
「うーん、僕もこの世界のことはよくわからないんだ、でもねお宝のありかは大体目星を付けているんだ。」
「ほう…俺にも教えてくれよ。」
すると海東は窓を指差した。士はその窓を覗き込んで見ると、そこには巨大な猿の着ぐるみを着たなにかが少女を担いでどこかへ向かっていた。
「……!?あのサルが担いでいるのは…木乃香か!?」
「さっき部屋から出てくるのを見かけてね…あの女の子は攫われる程の価値があると僕は思うんだ、あいつらを泳がせておけばいずれお宝が…。」
だが士は海東の言葉を最後まで聞かずに旅館の外へ飛び出して行った。
「やれやれ、人の話は最後まで聞きなよ。」
それから十数分後…木乃香を担いだ猿の着ぐるみを着たメガネの女性は、駅にある広い階段がある場所にやって来ていた。
「ふふふ、ここまで来れば…西洋魔術師どもは月詠が足止めしてくれとる、あとはこのまま木乃香お譲様を連れて…。」
そう言いながらその女性は猿の着ぐるみを脱ぎ棄てた。その女性の黒い長髪がパサリと広がり、旅館の用務員の姿になった女性はふと、何者かの気配を感じた。
「!?誰や!?」
すると物陰からガーリーピンクと黒の装甲に身を包んだ戦士…仮面ライダーディケイドこと士が現れた。
「お前…何者や!?どうやって人払いの呪符を!?」
「ああ、こいつが剥がしてくれた。」
「いい意味でー。」
「くっ…!?使い魔か!?あんた関東魔法協会の回し者かいな!?」
「なんだそれ?俺はただウチの生徒を取り返しに来ただけだ。」
「同じこと!ウチの邪魔はさせへんで!」
そう言ってその女性は持っていた札を一枚投げた。
「お札さんお札さん、ウチを逃がしておくれやす。」
すると札から大きな炎が唸るように吹き出し、変身した士に襲いかかった。
「喰らいなはれ!三枚符術京都大文字焼き!」
「おいおい、なんだそりゃ…。しゃあねえ。」
やれやれとため息をつきながら、士はライドブッカーをソードモードに変形させる。
そしてそれを天高らかに掲げ、そのまま思いきり振り下ろした。
「フン!」
ブワアア!!!
するとライドブッカーから放たれた衝撃波で士の目の前に迫っていた炎がかき消された。
「なあ!?」
「たく、大人しくウチの生徒返しやがれ!」
そう言いながら士はライドブッカー片手に女性の元へ突っ込んで行った。
「くっ!」
女性は再び札を撒き、巨大な猿とクマのぬいぐるみを召喚する。
「あ!?なんだこりゃ!?」
「ホホホホホ!うちの猿鬼と熊鬼は強いですえ!一生相手でもしてなはれ!」
「動物か、色んな意味でコイツは使いたくないんだが…。」
士は“仮面ライダー電王 ソードフォーム”のカメンライドカードを取り出し、ディケイドライバーに装填した。
『カメンライド!デンオウ!』
すると士の周りに幾つもの鉄片のようなものが舞い、それは次々と士の体に装着されていく。
「俺…参上!」
そして士はおなじみの決めポーズを決め、“仮面ライダー電王 ソードフォーム”に変身した。
「す、姿が変わった!?」
「ほっ!」
驚いている女性を尻目に士は高く跳び上がり、そのまま落下の重力を使ってデンガッシャーソードモードで猿の着ぐるみを真っ二つにした。
「ウキーーーー!!!!」
「クマには…クマだな。」
『フォームライド!デンオウ!アックス!』
フォームライドのカードをディケイドライバーに装填してアックスフォームに変身した士は横にいたクマのぬいぐるみに一発パンチを入れた後、アタックライドのカードを装填した。
『アタックライド!ツッパリ!』
士はそのクマのぬいぐるみに目にも止まらぬ速さで平手を何発もお見舞いした。
「くまーーーー!!!!」
たまらずクマのぬいぐるみは元の札になってしまった。
「な…なんやねんこの強さは!?」
『アタックライド!ナケルデ!』
「“俺の強さにお前が泣いた”ってやつだ、さあいい加減そいつを…。」
「クァー!!」
そのとき、突如天空から巨大な黒いカラスのようなものが士に襲いかかった。
「!?」
士は慌てて横っとびでそのカラスの攻撃をかわした。
「ディスクアニマル…!?」
すると階段の上から山法師のような格好をした男がさつまいもをかじりながら降りて来た。
「よう、苦戦しているみたいだな千草。」
「カブキはん…!?ありがたい!こいつをぶっ飛ばしてくれへん!?」
千草と呼ばれた女性は士を指差す、するとカブキと呼ばれた男は電王に変身したディケイドを見てニヤリと笑う。」
「ほう…お前か、“あのお方”が言っていた鬼は。」
「あのお方…?」
カブキは手に取った変身音叉を指で鳴らし額に当てる、すると彼の額に小さな鬼面が浮かび上がり、体に炎のような気が纏われた。
「うー……!!はっ!」
そして炎が払われると、そこには緑色の装甲に身を包んだ仮面ライダーが歌舞伎役者のよに首をぐるりと回して立っていた。
「一度海東が召喚していたな…確か仮面ライダー歌舞鬼だっけか。」
「ほう、世界を回っているだけの事はあるな…とりあえず死ね!」
そう言ってカブキは変身音叉を剣に変形させ、士に切りかかった。
「歌舞伎役者が相手なら…。」
『フォームライド!デンオウ!ドラゴン!』
電王ドラゴンフォームに変身した士は軽快かつ華麗なステップでカブキの一撃目をかわした。
「ほう、やるじゃねえか!」
「ふふん♪そりゃどうも♪」
士はカブキの攻撃を軽快にかわし、カウンターで打撃を繰り出すが、勝負はなかなか決まらなかった
「よっしゃ!このスキに…。」
千草は小さな猿のぬいぐるみを幾つも召喚し、気絶している木乃香を運ばせ、その場から逃げようとした。
「逃がすか!」
士はデンガッシャーガンモードを取り出し、銃口を千草達の真上に向かって銃弾を放った。
「どこを狙って…!?」
ドガガガガ!!!
銃弾は天井を破壊し、その破片は千草達の目の前に降り注ぎ彼女達の歩みを止めた。
「ひょえええ!!?なんちゅうやつや!?」
「あいにく、世界の破壊者の名は伊達じゃないんでね。」
『フォームライド!デンオウ!ロッド!』
ロッドフォームに変身した士は一旦カブキから距離を置き、デンガッシャーロッドモードをカブキに突き立てた。
「ぐっ!?」
カブキは空いていた手でデンガッシャーが自分の体に突き刺さるのを阻止する。
士はそのままデンガッシャーを手放し、電王のファイナルアタックライドのカードをディケイドライバーに装填した。
『ファイナルアタックライド!デデデデンオー!!!』
「は!」
士は高く跳び上がり、片足にオーラを纏いながら千草と木乃香に突撃して行った。
「ぎゃああああ!!!?殺す気か!?」
「ちぃ!」
カブキは舌打ちのあと千草へかばうように飛び付いた。
「はあああ!!!」
そして士のライダーキックは地面に炸裂し、その衝撃で木乃香や猿のぬいぐるみやコンクリートが天高く舞い上がった。
「よっと。」
ポフン
士は落下してきた木乃香を受け止め、カブキと千草を一瞥する。
「あーあ、こりゃダメか…ケシズミガラス!」
「おのれ…!おぼえてなはれ!」
そう言い残しカブキと千草はディスクアニマルのケシズミガラスに乗って空へ逃げ去って行った。
「やれやれ…。」
変身を解いた士は木乃香の頬をぺちぺちと叩いた。
「ふぇ…?士先生?」
「こんなところで寝ていると風邪引くぞ。」
「ウチ、たしかトイレ行こうとしたらおサルに…ってなにこの破壊の跡!?」
木乃香は辺りが手当たり次第破壊されていることに驚き、士の腕から降りる。するとそこにネギと明日菜と刹那が息を切らしてやってきた。
「はあはあ!あの子のせいで大分遅れたわね!」
「すみません…!まさか神鳴流の剣士がいたなんて…!?」
「うわ!?なんですかこれ!?士先生!?」
ネギ達は士達の周りの惨状に目を丸くする。
「!!!お嬢様ー!」
「せっちゃん?なんでこんなところに?」
刹那はすぐさま木乃香の元に駆け寄り、彼女の無事を確かめた。
「ネギ先生、あとは頼んだ…俺は汗かいたんで温泉に入り直してくる。」
士はネギの頭をポンと叩くと、大きな欠伸をしながらその場を去って行った。
「え!?ちょっと士先生!?」
「こ…これもしかして僕が直すんですか!?」
その彼等の様子を、モツとしちみは遠い所から観察していた。
「彼が現れたという事は…どうやら“ネギまの物語”は崩壊に近付いているようです〜、悪い意味で〜。」
「急がないと手遅れになっちゃうみゃ…急いでご主人様…。」
そして様々な謎や問題を孕みつつ、修学旅行一日目の夜が終わろうとしていた……。
おまけ 第???話「泣き虫女幹部」
士「さて、新しい世界に来た訳だが…。」
ユウスケ「今回はオタクルックなんだな。」
夏海「一体ここにはどんなライダーが居るんでしょう?」
まき絵&あやか「「世界の本を守るため!」」
あやか「ピブリオレッドローズ!」
まき絵「ピブリオピンクチューリップ!」
まき絵&あやか「「二人あわせて魔法少女?ピブリオン!!」」
士「なるほど、あれがこの世界のライダーか。」
ユウスケ「いや、思いっきり魔法少女って言ってたぞ。」
夏海「あれ?あそこに隠れている女の子がいますよ?」
ちうちう「うう…人こわいよお…(泣)」
士「どうやらこの世界での俺の役割は…ピブリオルーランルージュの引っ込み思案で泣き虫の性格を叩き直す事らしい。」
以下ダイジェスト
ユウスケ「ん?なんだこの糸?」
ちうちう「バッ!?その糸はコスチュームの……!!」
ハラリ
キャストオフ
ちうちう「ぎゃああああ!!!!??」
バコス!!!
ユウスケ「がふっ!?」
あやか「出ましたわね!!世界の破壊者!」
まき絵「やっつけちゃうんだよーん♪」
士「やれやれ、有名人はつらいな。」
『カメンライド!カブト!』
士「主役の妹が絵本作家つながりだ!……ちょっと苦しいな。」
海東「この世界のお宝……コスプレ大会の優勝トロフィーはいただいていくよ。」
鳴滝「この世界もディケイドによって破壊されてしまった!!」
夏海「ピブリオのグッズに身を包んでいるせいであんまり緊張感ないですね……。」
鳴滝「プ○キュア並に面白いのだよ!ピブリオは!!」
士「ちうちう、ちょっとくすぐったいぞ」
『ファイナルフォームライド!チチチチウチウ!!!』
ちうちう「前から言おうと思ってたんだけどちうちう言うな!……って!」
メキョメキョメキョ!
ちうちう「ぎゃあああ!!?体があらぬ方向に折れ曲がる〜!!」
士「変身ステッキになった……“チウチウエゴエレクトリウム・レーグノーと名付けるか。」
すべてを破壊しすべてを繋げ!
終わりです。ハートマークが?になってしまう…。
原作のネギまもディケイドも最近アツいですね、日曜と水曜が楽しみでしょうがないです。
GJ
ライダーはカブキですな
あと鳴滝プリ○ュアw
319 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/27(月) 22:35:48 ID:8hNZsPEi
GJGw
来た! ディケイド更新きた! これで勝つる!
GJですなw
ライダークロスGJ!!
懐かしい話で、笑わせながらガチバトル、ネギま!の華ですね。
それではこちらも今回の投下、入ります。
>>290 「ああ、そこに置いておいてくれ」
「お父さん?」
裕奈が声のした方につかつかと歩き、入口から運動部三人組がひょこっと顔を覗かせる。
「ああ、いたいた、お父さん…あの…」
近づいて頭を抱えた教授を目にし、裕奈の足が止まった。
「…あの…お父さん?…」
「黙っていてくれないか」
「…あ…」
「…ああ、ゆーなか、悪かった、ごめん…」
「ごめん、忙しかったんだね。なんか疲れてるみたい。お仕事、大変なんだ。
それじゃあ、ここ置いとくね」
憔悴した教授に笑みを向けられ、ぎこちなく笑みを浮かべた裕奈が後退する。
「それじゃあ…」
「ちょっと、待ってくれ」
立ち去ろうとする裕奈が、教授の言葉に足を止めた。
「お友達も…ちょっと、こっちに来てくれないか?」
教授の言葉に廊下の三人が顔を見合わせ、まき絵が自分を指差す。
しんと静まる司令室に、教授とナツメグがキーボードを叩く音だけが響く。
裕奈も、その友人たちも、お祭りの最中の退屈な時間を辛抱強く待つ。
それだけ、真剣な雰囲気だった。
>>321 「よく、聞いて欲しい」
「うん」
作業を中断し、真面目な口調で言う教授、父親の言葉に、裕奈も真面目に応じた。
「アトラクション用の制御装置に大規模なトラブルが発生している。
学園祭全体の規模でだ。
学園祭始まって以来の危機だ。このままいけば、どれだけの被害、いや、死者が…」
裕奈も、後ろの三人も息を呑む前で、教授はキーボードを操作してプリントアウトする。
「これを、やって欲しい」
「…!?…教授っ!?!?」
絶叫する夏目萌に向かい、教授は小さく頷いた。
「ここに行って、この作業を行って欲しい。もう、こうなったら
直接破壊して全てをストップさせるしか、この暴走を止める手だては無いんだ。
万全の用意はする。だけど、正直言って危険な作業だ。
しかし、今、これが出来るのは裕奈達しかいないんだ」
「分かった」
力強い即答だった。
「そうしないと、駄目なんでしょう?」
「ああ。実行しても甚大な被害が出る。しかし、最悪の事態を止めるには他に方法が無い」
言って、教授は指輪を取り出した。
「今、アトラクション用のロボットが大暴走している。
対処するにはこれを使うしかない」
「…教授…」
ナツメグの顔が曇るが、教授は小さく頷くだけだ。
「…こちらに、このままでは使用出来ません。直接装着する必要がありますから」
ナツメグが、指輪を渡された裕奈を奥の小部屋に案内する。
「はにゃっ!?えっ、あ、ちょっと…」
「………」
時ならぬ悲鳴に運動部の三人が大汗を浮かべたが、出て来た裕奈はニカッと笑顔だった。
>>322 「どう、似合う?ゆーな☆キッドーッ!」
「うわー、すごーいっ!!」
まき絵が素直に感嘆し、アキラもほっとした様な笑みを見せる。
「なんか凄いんだよ、この指輪使って合い言葉言うだけでこうなんだもん」
「説明している時間はないが、暴走しているゲームに合わせて装着しなければ先には進めない。
みんなも…いいかな?…」
教授の言葉に亜子はちょっと気弱に隣を見るが、まき絵は力強い程の顔で頷いていた。
「…あんまりいつもと変わらないみたいやけど…」
ネコミミミニスカナース姿の亜子が、周囲をきょろきょろ見回して言った。
「…危ないっ!…」
やはりナーススタイルのアキラが叫ぶ。
アキラが亜子を、裕奈がまき絵をその場に押し倒し、
四方八方の茂みから黒い影が飛び出した。
「出たなっ!!」
「ヤクレートゥル!!」
裕奈がニヤッと笑みを浮かべ、群がった田中軍団が手始めに
裕奈の拳銃とアキラの杖で片づけられる。
「いっくよぉーっ!ヤクレートゥル!!」
「わあわあわあー!」
小さな杖を手にした魔女っ娘スタイルのまき絵も興に乗っていた。
そんな三人の背後から飛びかかろうとしていた田中が、亜子のバズーカに吹っ飛ばされる。
「凄い、いけるよこれっ!
亜子、バズーカは充填時間かかるから、その間は私達に任せてっ!」
裕奈の言葉に、目を見張って震えていた亜子が頷いた。
>>323 「何なんだ一体?」
龍宮神社社殿で、バイト学生の一人が呟いた。
突如として外出禁止令が出され、学園祭の真っ最中にこうして足止めされている。
そんな彼のもとに、何やらニシシと笑みを浮かべた悪友が駆け寄って来た。
「どうした?」
「いや、いいモン見付けた。あっちで…」
「助かった?…」
引きずり込まれた木陰に這ったのび太が、後方でダウンしている田中を見て呟く。
「佐倉さん?…!?」
「どういう事なのっ!?」
前を見た瞬間、胸倉を掴まれたのび太の目に、怒気をみなぎらせた愛衣の顔が大写しになった。
「どういう、って?」
「とぼけないでっ!」
後ろ髪の左側を星の髪飾りで止めて、薄汚れた顔で迫る愛衣は、
年下ののび太が震え上がる程の凄絶さを見せていた。
「こんな事をして…あなた達は一体何を企んでこんな事をしているの?」
「知らないよっ!」
叫んだのび太だったが、愛衣の眼光はそんなのび太を容赦なく射すくめ、
愛衣の赤く光る右手にのび太は息を呑んだ。
「子供相手にだけど、ぐだぐだ言ってる暇は無いの。
今さら余計な隠し事してる状況じゃないみたいだし、甘く見ないで。
喋らないなら本気で痛い目見るわよ」
愛衣が赤く光る手を振り上げ、のび太は思わず腕で顔を覆う。
「…佐倉さん?…」
のび太が前を見た時には、愛衣は右目を閉じ、右手で額を押さえて立ち上がっていた。
「…つっ…最重要最優先自動発信緊急念話速報?…
…嘘でしょうっ!?…」
絶叫した愛衣の顔は蒼白だった。
>>324 「超さんっ!」
「どうしたネハカセ?…
…ほう…随分と思い切た手を打たものネ…」
「どうしたの?…」
のび太が言うが早いか、のび太は改めて胸倉を掴み上げられた。
「もう一度だけ聞く、あなた達は一体何を企んでいるの?
あなた達の仲間、超鈴音はどこにいる?言いなさいっ!?」
「知らない…本当に知らないんだっ!!」
殺気以外の何物でもないものを顔面にみなぎらせ、
低い声で尋ねてから叫ぶ完全にテンパッた愛衣に、のび太も絶叫した。
「ま、ままま、待ってっ。超さんだね?超鈴音さん。
そう、超鈴音さんが魔法を世界中にバラす、そんな事をしたら大変な事になる。
だから、僕らはネギ先生の事を探していた、本当なんだ、信じてお願いだから」
「はあっ?超鈴音が魔法を世界にバラすうっ!?」
キスしそうな程に胸倉を引っ張られたのび太が口をパクパクさせてうんうん頷く。
「…冗談じゃない…魔力溜まりを抑えられてそんな事をされたら…
それに、コア破壊装置ですって?…で、あなた達はそれにどう関わっているの?」
ブツブツ呟いていた愛衣が改めてのび太に問う。
「だから、僕らは、その…えっと…」
「だから何?」
中学生の女の人が本気で苛立ち、怒っている声は、
それだけで本来気弱なのび太を身震いさせる。
簡単に説明出来ない事であればなおさらだ。
「いや、言ってもいいんだけど、何て言うか未来のタイムパトロール…」
「何をごちゃごちゃ言って…」
苛立ちを露わにした愛衣は、のび太の見開かれた目に気が付いた。
「危ないっ!!」
「!?」
>>325 「!?…のび太君っ!?」
愛衣が、自分を抱き締めて地面を転がったのび太を突き飛ばした。
そして、振り返りざま無詠唱の光の矢をありったけ側の田中に叩き付け、
大玉の火球でトドメを刺す。
そして、ちょっと腰を曲げた愛衣は、
その場に這って地面をバンバン叩いているのび太に眼鏡を差し出した。
「…ありがとう…」
一瞬、のび太はぼやけた視界に微笑みを見た気がした。
「やっぱり、佐倉さんって魔法使いなんですね」
眼鏡をかけ直し、身を起こしたのび太が言う。
目の前ですっくと立ち上がった愛衣の顔には、既に笑みは無い。
「今さら隠しても仕方がないみたい。それに、あなた達だって…」
「違うよ、僕らは魔法使いじゃない」
「じゃあ、何なのよ?今まであんなに…」
「それは、だから…」
のび太が言いかけた時、愛衣は、バッと右腕を広げる。
愛衣とのび太がしんと静まり、その周囲から、あからさまに分かる程の駆動音。つまり、
「もしかして、すごい数なんじゃ…」
「見付かったみたいね、十台、二十台…もっと…」
愛衣がギリッと歯がみする。
「…コア破壊装置が、起動した…」
呟いた愛衣の顔は、蒼白だった。
「何、それ?」
「麻帆良学園都市そのものが悪用された時のための最終手段。
起動と同時に、最優先で問答無用に強力な念話が学園都市中に発信されてその事が通知される。
この妨害念波の中だからどこまで届いているかは未知数だけど、
問題は、動ける魔法使いがいないと言う事」
「ネギ先生達は?…僕達、ネギ先生を探していたんだけど…」
のび太の言葉に、愛衣は首を横に振る。
>>326 「ネギ先生達は行方不明です。今朝からずっと連絡が取れない。
ネギ先生と、ネギ先生と親しいとされる何人もの生徒が完全に消息を絶っています。
私達の力でも全く探し出せない、これは異常事態…」
「それって、まさか…その、もしかして…死んだ、なんて事…」
「…否定、出来ない…上もその可能性を考えていた。だって、あり得ない事だから…」
愛衣は、一言一言言葉を選ぶ様に言う。
ドラえもんの道具の性能を考えると、故障が多い事を割り引いても、
実は最も確かな推論でもある事実に、のび太は身震いし、そして、恐る恐る質問を続ける。
「その、コア破壊装置が起動すると、どうなるの?」
「通常のメイン・サブ、あらゆる干渉から完全に独立した装置とケーブルで、
直接装置に起動信号を撃ち込んで、麻帆良の各種中枢機能、そのバックアップに至るまで、
電撃、爆薬、ウィルス…これが発動したら麻帆良学園都市は…死にます…」
「学園都市が死ぬ、って…」
「文字通りの意味、都市機能は全て破壊されて復旧は絶望的…
被害の規模は想像を絶する…大変な事になる…」
「大丈夫かな、あの娘達…」
「試作品の魔法発動装置。潜在的な魔力を発動し、
利用者はその個性と能力に合わせた標準程度の魔法使いになる事が出来る。
今の所は、世界樹からの供給抜きには使えないけどね。
裕奈は………」
教授の口から、懐かしい名前が出た。
「………の娘だ………
それに、他の娘達も、見る限り相当な潜在能力を持っている。
それに、魔法使いとして目を付けられていないと言う事が有利に働くかも知れない」
「だとしてもっ!」
ナツメグが声を荒げた。
「…もし…成功したとしても…成功してしまった…」
「責任は僕が取る。全て、僕の独断。君は何も知らなかった。いいね」
>>327 「それじゃあ、なんとかしないとっ!」
「ええ、今すぐに止めないといけない…だから、のび太君」
「はい?」
「コア破壊装置の起爆装置はこの森の中…」
愛衣が、破った手帳に何かを書き付ける。
「この、三角点の中心にある筈。止めて、お願い」
「えっ?佐倉さんは?」
「私はいいから、お願い。今はのび太君に頼むしかないの」
愛衣は、その身を僅かに震わせながら、ぐっと闇の中の気配に視線を向けていた。
「そんな…
いくらぼくでも女の子をおきざりにして逃げられるか!!」
「あなた魔法が使える?ロボットとたたかえる?」
振り返った愛衣の言葉に、のび太は返答に詰まる。
震えを抑えそこに立つ愛衣。全身顔まで薄汚れ、
ブラウスのボタンは半ば弾け飛びスカートには深々とスリットが入っている。
のび太が今見ているだけでも決して弱くはない愛衣のその姿が現状の過酷さを物語り、
安易な言葉はこれ以上出て来ない。
「これは、大事な事なの。このままだと大変な被害が…
のび太君の事、まだ全然分からない。
でも、コア破壊装置による破局を望むとは思えない。それだけは信じる。
だから、お願い」
「分かった」
そう、答えるしかなかった。
「メイプル・ネイプル・アラモード…」
今回はここまでです。続きは折を見て。
329 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/28(火) 20:45:10 ID:j7oMa4Ej
あ
330 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/28(火) 20:49:18 ID:j7oMa4Ej
避難所はないのですか
投下したいのですが 巻き添えくらって 2ちゃんに書き込みが出来なくて。
まとめサイトはあるけど機能してないっぽい、避難所もないし…
自分で作ってみたら?
yt
↑誤爆です。すみません。
>>331 何か、書き込めました。
規制が解けたみたいです。
それと避難所の作り方が分りません。
よかったら避難所作るけどいい?
>>334 よろしくお願いします。
ocnやたらと規制がかかるんですよ。
だから避難所があるとありがたいです。
おk
今ケータイだから、夜頃に開設します
>>336 有難うございます。
私の方も今日か明日には投下できると思うのでよろしくお願いします。
楽しみにしてますぜ。
ドラネギさんもGJ!
>>339 本当にありがとうございます。
助かりました。
あとちょっと聞きたいんですけど。
まとめサイトって管理人さんもういないんですか?
342 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/30(木) 23:28:21 ID:SVpdRwfq
muge
次回を待ってるぜ
>>340です
投下しようとしたら、なぜか全部消えちゃってて今もう一度書いてます。
日曜日くらいに投下できると思います。
避難所まで作っていただいたのに申し訳ありません。
支援
>>344 楽しみにお待ちしています。
では、その前に、こちらで今回の投下入らせてもらいます。
>>328 何度となく闇を切り裂くオレンジ色の光。
駆け出したのび太の背後で、いつしかその輝きも感じられなくなっていた。
「三角点って、本当にこの方角で…」
元々、体力のあるのび太ではない。
相手に飛翔能力と攻撃力があれば「タケコプター」は危険すぎる。
広大で濃い麻帆良祭での半日、
否、一日目からそんな学園祭に潜伏して調査する事自体で蓄積されて来た疲労。
先ほどの田中の追跡、そして今の逃走と、
息は絶え絶え脚はガクガクなのも無理からぬ事だった。
「はあ、はぁ…もー、ダメ、もうダメ、ドラえもーん…?…」
のび太は、自分の体がふわりと浮いているのが疲労感のせいばかりではない事に気が付く。
「…ドラえもーんっっっ!!!…」
「ドッカーンッ!!」
のび太の頭上で、のび太を掴んで浮上を掛けた空戦型茶々丸妹が破壊され、
のび太が尻餅を着く。
「たたた…ん?…」
尻の下に手を回したのび太が顔を上げると、目の前には田中の姿。
「ドッカーンッ!!」
その田中が、横っ飛びに受け身も取らず吹っ飛び、機能を停止した。
>>346 「おう、のび太無事だったか」
「ジャイアンッ!!」
「立てるかのび太」
「うんっ」
ジャイアンに手を引かれ、のび太が立ち上がる。
「みんなっ!!」
ジャイアンの案内で、近くの木陰に入ったのび太がドラ・パーティー全員と合流した。
「どうしたのみんなっ!?」
「ロボットの後追って世界樹広場行ってみたんだけどよ、
ものすごい数のロボットに占領されてたんだ」
「礼拝堂もそうだったわ」
「僕は高校、魔法使いの人も色々やってたみたいだけど、
すごい数だし最後には消されるしでどうにもならないよあれは」
「とにかく、ロボットの行った所はみんな占領されてて、
それで、最後に残った龍宮神社に来たんだけど…
ここにも続々とロボットが集まってる。僕らだけじゃどうにもならない、脱出しよう」
ドラえもんが言う。
「ちょっと待って」
「どうしたののび太君?」
のび太に制止されたドラえもんが聞き返し、のび太が事情を説明する。
「麻帆良学園都市が死ぬ、って…」
「マジかよ?…」
スネ夫とジャイアンがうめき、呟く。
「その話、信じられるのか?」
「嘘は言ってない、と思う」
スネ夫の問いにのび太が答える。
「ロボットと魔法使いは敵みたい。そんな中で…
それに、あの佐倉って人、こんな時にそんな嘘つく人には見えなかった」
しずかが言う。
>>347 「じゃあ、止めよう。そんな事が起こったら、大変な事になる」
「わわっ!」
決断したドラえもんの側で、スネ夫があたふたと両腕を掲げる。
「おおっし!」
ジャイアンが、空気砲を差した腕を袖まくりする。
のび太がうなずきショックガンを取り出す。
「方角は多分こっちだ、行こう!」
やかましいほどの駆動音が間近に迫る中、
急遽打ち上げた自家用衛星のモニターと方位磁石を確認していたドラえもんが言う。
「おうっ!」
「ジャイアン上っ!!」
「ドッカーンッ!」
スネ夫の叫びと共に、追い縋る空戦型量産茶々丸妹がまた一台、撃墜される。
「…ギーガー…」
「見えて来たっ!!」
方々に田中の彫像を作りながら、先頭を疾走するドラえもんが瞬間接着銃を手に叫ぶ。
「はあ、はぁ、待ってよぉ…」
「のび太、追い付かれるぞっ!」
やはりと言うべきか、最後尾で顎を出すのび太にジャイアンが叫ぶが、
そこはのび太、コロリ転がる木の根っこと言うお約束がもれなくついてくる。
「ドラえもぉーんっ!!」
「のび太っ!」
「のび太さんっ!?」
「のび太君っ!!」
のび太に駆け寄ったドラえもんの前で、
飛び出して来た二台の田中の内一台が不動の彫像と化した。
「ドッカーンッ!大丈夫かっ!?」
「ありがとうジャイアンっ!」
>>348 二台目の田中が、援護となったジャイアンの空気砲に吹っ飛ばされ、
ドラえもんが瞬間接着銃の引き金をもう一度引いてもカチッと乾いた音だけが響く。
「わあああっ!!」
スネ夫が指差した方角から、空戦茶々丸妹小隊がSMGつきで急降下して来た。
「あわわわわーっ!!」
救助に向かったドラ・パーティーとシャカシャカと逃走するのび太が辛うじて四散し、
ズダダダダと連射しながら小隊が通り過ぎる。
「また来るうっ!」
スネ夫が、空中で方角を変える茶々丸軍団を差して言う。
「ドッカーンッ!!」
茶々丸妹小隊がバッと空中に広がり、ジャイアンの空気砲が夜空に吸い込まれる。
ジャイアンがもう一発撃ち込むが、集結する茶々丸妹小隊にするりと交わされる。
「来るぞっ!!」
「なにを!!ヒラリマントで」
「それはタイムふろしき!」
「あれでもない、これでもない」
「あわてるといつも…」
「来るうっ!!」
「わあああっ!!」
「退避いーっ!!」
「ドラえもぉー、ん…」
気が付いた時には、のび太は地面をごろんごろんと転がって放り出されていた。
地面を転がった黒い影から、立て続けに鋭い光が迸る。
黒い影は一度に二筋の光を放ち、それを浴びた田中も茶々丸も次々とぶっ倒れ撃墜される。
「すげぇ…」
ジャイアンとスネ夫が呟く前で、影は立ち上がった。
「すげぇ…」
ジャイアンとスネ夫の前で体を前に傾け、
バッバッと土を払う乱入の救世主を前にジャイアンとスネ夫がうめく。
>>349 「…ゆーなさん?…あ、ありがとうございます」
頭を振って身を起こしたのび太の言葉に、裕奈がニカッと笑ってポーズを決めた。
「ゆーなさん?」
「ほら、3‐Aの…」
「ああ、そう言えば…」
「ありがとうございます」
しずかとドラえもんがぺこりと頭を下げる。
「うん。まあ、この辺いまちょっと危ないからね」
裕奈が、きょろきょろ辺りを見回して言った。
「もうすぐだ、急ごう!」
「あ、ちょっ…」
ドラえもんの言葉に、
裕奈が言いかけるのも構わず、
しんがりのしずかが改めてぺこりと頭を下げて一同は突っ走った。
「あった、天狗岩っ!」
森にちょっとしたスペースが開け、のび太が前方を指差して叫ぶ。
「うん。天狗岩がカモフラージュなんだね…ああっ!」
「どうしたのドラちゃん?」
「光が、あんなところまで」
広場でにょっきりと天を突いてそびえ立ち、
その胴体の鈍い輝きが頂きに近づこうという天狗岩を指差し、ドラえもんが言う。
「ここかっ!」
ドラ・パーティーが天狗岩に駆け寄り、
ドラえもんが岩を叩くとコントロール・パネルが開いた。
「どう、ドラちゃん?」
「どうだ、ドラえもん?」
「やってみよう、なにか解析できる道具を…」
背後の地面からバシッと叩き付ける様な音が聞こえ、ドラ・パーティーは振り返った。
>>350 「下がって…」
振り返ったドラ・パーティーの前で、裕奈が一同に銃口を向けていた。
「ゆーなさん?」
「そこを離れて…」
「どうしたのゆーなさん?これ、止めないといけないんだ」
「止めたらダメなの」
「止めないと大変な事になるんだよゆーなさん」
「でも、止めたらダメなの、これは発動させないといけないの」
のび太と裕奈が噛み合わない会話を続ける。
「…もしかして、あなたがこれを起動させたんですか?…」
「そうよ」
ドラえもんの問いに、裕奈は素直に応じた。
岩陰から、運動部の残る三人もひょこっと姿を現す。
「分かってるのゆーなさん、これは、このコア破壊装置が…」
「分かってる…分かってるわよ、大変な事になるってっ!!」
裕奈の叫びに、ドラ・パーティーのみならず運動部の面々もビクッと震える。
「でも、今はこれを発動させないといけないの」
「どうして?これが発動したら…」
のび太が言い終わる前に、裕奈は銃口を向けたままじりっ、じりっと近づいてくる。
「つっ!」
手でぶら下げていたスネ夫のショックガンが前を向こうとした時、
そのショックガンは宙を舞っていた。
「お願いだから、ここを離れて邪魔しないで」
「ゆーな…」
裕奈の左手の魔法拳銃を向けられたショックガンが三度ほど空中でダンスする間にも、
裕奈は右手に握る魔法拳銃で油断無くドラ・パーティーに狙いを定めている。
その姿に、アキラがぽつんと呟く。
「早くっ!」
裕奈の叫びに、ドラえもんが小さく頷き、そろそろとその場を離れる。
>>351 魔法銃の光と共にバシッ、と音を立ててドラ・パーティーの頭上の枝が鳴り、
ドラ・パーティーが一旦広場から走り去る。
「どうするのドラちゃん?」
一旦広場を離れ、木陰で裕奈から隠れながら、しずかがドラえもんに尋ねる。
「うん。もう時間がない」
「あの腕前じゃ近づけねぇよな…」
ジャイアンが悔しそうにうめく。
「ちょっと待って、ヒラリマントがあればなんとか突破できるんだけど…」
「?…のび太?」
静かに立ち上がり、進み始めたのび太にスネ夫が言う。
「のび太?」
「のび太さん?」
「のび太君?」
「…?…」
睫を伏せ、静かにたたずんでいた裕奈が、気配に気付きそちらに銃口を向ける。
「のび太君?」
のび太はショックガンを腰に差して独りで広場に戻って来た。
のび太の両手が空いている事に気付いた裕奈が、銃を腰に差した。
「ゆーなさん、この機械、止められないの?」
「…ごめん、ダメなの」
「…そう…」
そんなのび太の背後に、ドラ・パーティーが追い付いて来た。
「ぼくにまかせてくれ。なあに、まけるもんか」
汗を浮かべながらも、のび太は腕で背後の仲間を制した。
そして、両手両脚を緩く開き、両手を腰の外側近くに広げる。
「…男の子の顔だね…」
“…やっぱり…ただ者じゃない…”
ふっと笑みを浮かべた裕奈が、同じポーズを取った。
>>352 どこか遠くで、戦場が聞こえる。
鳥の声、風が木々を通りぬけカサカサと葉を鳴らす。
「のび太(くん、さん)…」
「ゆーな…」
“ゆーなさんがねらいをはずすなんて、ぜったいにありえない。
勝負は最初の一発にかかってる。
相手よりも〇.一秒でもはやく撃つこと……”
「!?」
右手に拳銃を握った裕奈が、一瞬右目を閉じた。
その時、のび太のショックガンから放たれた光線が、
とっさに裕奈が前に振り出した左手を直撃する。
「わああっ!」
「なんだっ!?」
悲鳴と共にぱあっと全身を光に包まれる裕奈を見て、ジャイアンが叫んだ。
「まさか!?ショックガンにこんな威力…」
ドラえもんも目を見張った。
「おっし!谷間get!!」
「おーっ、すげぇじゃんこれー」
「こんな可愛くてぷるんぷるんってドコのキョヌー美少女だこれ!?」
「意外と中等部辺りかもな、あそこの女子メチャ発育いーし…」
抜けだしたバイト学生とその悪友が長玉抱えて木登りした龍宮神社森林の一角に、
ストロボを感知した田中大隊と空戦茶々丸姉妹旅団が殺到した。
「ゆーな!?」
「ゆーなっ!?」
「大丈夫ゆーなさん!?…とっ!」
「んー…」
>>353 破壊された指輪の魔法装備全てが光の粒となって霧散消失し、
駆け寄ったのび太がぐらりと傾いた裕奈を支えた時には、
一度に制御も供給も失った裕奈は寝息を立てていた。
双方が二人に駆け寄り、のび太は裕奈を運動部としずかに任せる。
「やったぜのび太っ!」
「とにかく、装置をっ!」
ドラえもんがタケコプターで天狗岩に直行し、ほどなく、馬鹿笑いが聞こえて来た。
「いったいどうしたの?」
しずかが不思議そうに尋ねる。
「タイムフロシキ!!
風にとばされてひっかかって、装置をぎゃくもどりさせたんだよ!!」
「アハ、アハハ…」
「ゆーなさん?」
「アハ、アハハハ、アハ…ごめんね、のび太くん…
やっぱり、すごかったよやるじゃんのび太くん」
アキラに抱えられながら薄目を開いた裕奈が右手を差し出し、
のび太が差し出した右手に裕奈はパシーンと右手を叩き付け、ぎゅっと握ってにこっと笑った。
その脇で、スネ夫が尖った口を上下に開き、黙って上空を指差している。
ストロボを感知して樹上の為す術無きギャラリーを一掃した
田中大隊と空戦茶々丸姉妹旅団が真っ直ぐ広場へと向かっていた。
今回はここまでです。続きは折を見て。
355 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/01(土) 11:26:29 ID:z2cLB9sJ
muge
356 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/02(日) 14:54:46 ID:1sUtRsLZ
muge
357 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/02(日) 20:48:41 ID:NqIwt1oN
muge
続きが気になるぜ
359 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/03(月) 22:17:28 ID:yry3gl62
muge
第五話、投下いたします。
第五話「ライダー対魔法先生」
謎の女と歌舞鬼との戦闘から一夜明けて、士はネギや生徒達と共に朝食をとっていた。
『えーそれでは魔帆良中のみなさん、いただきます。』
「「「「「いただきまーす!!!」」」」」
ネギの号令と共に食事を始める生徒達。
「ううー、昨日の清水寺の滝から記憶がありませんわ。」
「せっかくの旅行初日の夜だったのにくやしー!!」
「朝からテンション高いなあいつら……。」
あやか達の様子を見て半ば呆れるように関心する士、そんな彼の元にこのかやって来た。
「あ、士先生。」
「よう、昨日は散々だったな。」
「はい……でも夕べはありがとうございました。何やよー解らんけど助けてくれて……。」
「気にすんな、俺も気にしないから。」
「ふふふ……おおきにです♪」
そう言ってこのかは料理が乗ったオボンを持って自分の席へ戻っていった。
「なになにー?士先生さっきこのかとなに話してたの〜?」
「まさかまた怖い怪人さんが出たですか?」
朝食が終わった後、士の元に史伽と風香、そして亜子がやってきた。
「ああ……なんか妙チクリンな女とライダーがこのかの奴を誘拐してな……。」
「ええ!!?大変ですやんそれ!!?」
「大丈夫だ、コテンパンにやっつけておいたし。」
「さすが先生!かっこいな〜!」
「私達も見たかったです〜。」
するとそこに、深く落ち込んだまき絵がやってきた。
「うう〜、ネギくぅ〜ん。」
「どないしたんまき絵?そんなに落ち込んで?」
「今日のね、自由行動にネギ君を誘ったの、でも本屋ちゃんに盗られちゃって……。」
「えー!!?僕達も誘いたかったのにー!」
「先に誘うなんてずるいですー!!」
「まあまあ……じゃあその代わり、士先生誘わへん?」
「俺はネギの二番煎じかよ……。」
こうして士は、鳴滝姉妹のいる一班と、亜子のいる四班と共に奈良を回ることになった。
〜奈良公園〜
「うおー!!鹿だ鹿!」
「うわっ!すごい食いつきです!」
「にゃあああ〜!!ポケットに入れていたせんべいが〜!!」
「急いで放り投げろ〜!!」
「へい美砂パース!!」
「おっけー桜子!!」
テンションの高いまき絵達を、少し離れた距離で士達は見ていた。
「たく、鹿に餌やるだけでなんであんなにテンション高いんだ?」
「まあ、彼女ら若いですし……。」
「ばあちゃんぽいこと言うなよ。」
「んな!?ひどすぎまっせ士先生!」
そんな士と亜子のやりとりを見て、円がアキラに耳打ちする。
(うれしそうね亜子……卒業式の日に先輩にふられたっていうから落ち込んでいると思っていたけど……。)
(うん、失恋の傷を癒すには新しい恋が一番だね。)
「ん?なんだあの人。」
その時、鹿と戯れていた桜子はキョロキョロしながら歩いてくる青年を見つけた。
「お宝どこかな……お宝はどこかな……。」
「ねえねえ美砂、なんかぶつくさ言ってる男の人が歩いて来たよ。」
「ホントだ、カッコいい顔してるのに……。」
するとその男は、士の存在に気付き彼に向かって手を振る。
「あ、士じゃないか、気遇だねぇ〜。」
「げっ!?海東!?」
士は彼の姿……海東の姿を見て思いっきり嫌そうな顔をする。
「あれ?士先生の知り合いですか?」
「いや……アイツはただのコソドロだ。」
アキラの問いに士は応える。一方海東は鳴滝姉妹の質問に答えていた。
「もしかして士先生のお友達ですかー?」
「いやいや、そんな訳ないじゃないか、あいついっつも僕の邪魔するんだよ。」
「気を付けろよ、あいつは強盗、殺人、のぞきを平気で行う極悪犯だからな。」
「君達も気を付けなよ、あいつ女刑事の顔面殴って鼻血出させたり、罪もないファンガイアを辻斬りにする血も涙もない奴なんだ。」
「オマケにあれだ、召喚したライダーを捨て駒にする冷血な奴なんだ。」
「あいつ2ちゃんねるでどんなあだ名か知ってる?もやしだって!ぷー!笑っちゃうね!」
「そんでもってあいつは銃ライダーなだけあってかなりヘタレなんだよ、この前のシンケンジャーの世界……おっと!未来の話だった。」
「あと初めて会った女の子に対して“俺にも妹がいた気がするとか言って……。」
「あ、あの……。」
士と海東の激しいののしり合いに困惑する亜子達。そして士は懐からディケイドライバーを取り出す。
「海東……お前とはどうやらここで決着を付けなきゃならないらしいな。」
「僕もそう思っていたところだよ、二度と僕の邪魔が出来ないようコテンパンにさせてもらうよ。」
そう言って海東は懐から……。
「あ、あれ?ディエンドライバーが無い?」
何も取り出さなかった。すると。
「あれ?この鹿なにか銜えている?」
裕奈が青い銃のようなものを銜えた鹿を見つけ、鹿からその銃を取り上げる。
「あ!!僕のディエンドライバー!!返したまえ!!」
海東は裕奈からディエンドライバーを奪おうとするが、軽快なバックステップでかわされてしまう。
「こ……この!!」
「へい風香!パース!」
そう言って裕奈は風香にディエンドライバーを投げてよこした。
「おーけい!」
「い、いい加減にしたまえ!!」
海東は風香からディエンドライバーを取り返そうとするが、美砂にパスされてしまう。
「ヘイ円!」
「ヘイ桜子!」
「返せ〜!返せよ〜!!」
ディエンドライバーを取り返そうとするが、コンビネーションの整ったパス回しでなかなかとり返せない海東。傍から見たらもうヘタレ極まりなかった。
「いいぞいいぞ!もっとやれ!」
「先生!なにいじめを擁護しているんですか!」
「ああ?別にいいだろ、あいつにはいい薬だ。」
「ん?なにこれ?」
ディエンドライバーを受け取った風香はふと、それに一枚のカードが挟まっている事に気付いた。
「こーつかうのかな?」
風香は試しにそのカードをディエンドライバーに装填した。
「あ!バカ!それは……!」
『カメンライド!イクサ!』
「うわぁ!?」
突然喋り出したディエンドライバーに驚いた風香は思わず引き金を引いてしまう。
すると銃口から光の弾が発せられ、それは白い装甲に身を包んだ戦士、仮面ライダーイクサになった。
「その命、神に返しなさい!」
「おお!仮面ライダーが出てきた!」
「「「仮面ライダー?」」」
「お前!いい加減返せ!」
海東は風香からディエンドライバーを乱暴に奪うと、その場から去って行った。
「ふ……!今日はこれぐらいにしておいてやるよ!」
「できれば二度とくんなー。」
「なんだったのあの人?」
そして士と生徒達はその場を去っていた。召喚されたままの途方に暮れているイクサを残して……。
「…………私はどうすればいいのだ?」
するとそこにせ○と君の格好をしたモツとしちみがやってきた。
「せっかくの京都なので観光でもどうです?いい意味でー。」
「いい意味でだみゃー。」
「なんだこの生き物!?」
数時間後……旅館に戻って来た士は歩き疲れた足を休ませようと休憩所にやって来ていた。
「いやあ、海東のほえ面、傑作だったな〜……ん?」
すると士はそこで何やらうわの空で呆けているネギを見つける。
「あああーどうすればー、親書のこともあるしー!」
「ようネギ、どうしたんだボーっとして……?」
「ひゃい!?」
するとネギは士に声をかけられて、飛び上るように驚く。
「い、いやあの別に何も……誰も僕に告ったりなんか……!」
「は?告った?」
「は!しまった……!?いえあの!告った…じゃなくてコココックさんがコクのあるコックリさんのスープを……!」
「落ち着けよ。」
「ぼ、僕しずな先生達との打ち合わせがあるのでこれでー!!」
そう言いながらネギはものすごいスピードでその場から去って行った。
「あ、おい!……なんだってんだ?」
そしてさらに数時間後……寝室で寝そべっていた士の元に同僚の中年の教師、新田がやって来た。
「門矢先生、ちょっとよろしいですか?」
「なんだ……?人が休憩している時に?」
「いや、おたくの生徒達が夜によからぬ事を企んでいるらしいのです。そこで先生にも夜の見回りをしていただきたいのですが……というか目上の人物にはちゃんと敬語を……。」
「ああ、大体わかった。」
士は新田の説教から逃げるように寝室を出ようとした。
「あ!ちょっと!まだ話は……!」
その時、士は扉を開けた際に誰かとぶつかってしまう。
「……千雨か?」
「げ!門矢先生!?」
「あ!コラ長谷川!何やっとるか!」
「ぎゃぴいいー!!!」
新田は逃げようとした千雨を捕まえ、ロビーへと引っ張って行ってしまった。
「何してんだあいつ……?」
すると遠くからまき絵や裕奈達の声が聞こえてきた。
「今の声は!?」
「やばい!士先生と鬼の新田だ!」
「逃げますわよみなさん!」
「なにしてんだあいつら?」
士はとりあえず声がした方へ向かった、するとそこにのびた裕奈が枕片手に床に転がっていた。
「おーい、寝像が悪いにも程があるぞ。」
「ふえ〜、先生、これには訳が〜……。」
士は寝転がっている裕奈から事情を聞いた。
「くちびる争奪戦?」
「はい〜、旅館のどこかにいるネギ君にキスすることができれば豪華賞品が貰えるんです〜。」
「おいおい、はめを外すにも限度というものが……。」
するとロビーから新田がやってきた。
「あっコラ明石!お前もか!」
「ひえええ〜!」
新田は裕奈の首根っこを掴むと、ずるずると彼女をロビーへと引っ張って行った。
「……なんだかよくわからないがご愁傷さま。」
そして数十分後、士は一回り旅館内を見回りを終えていた。
「はあ〜めんどくせえな、ていうかネギはどこ行ったんだよ……。」
そこで士は旅館の外を散歩することを思いついた。
「ま、俺がいなくても大丈夫そうだし……下手したら昨日の奴等が外で待ち構えているかもしれないからな。」
そして士は三日月の光が照らす旅館の外へ歩みを進めた。
その頃ネギは、士より先に旅館の外に出てパトロールをしていた。
「異常なしっと、気持ちもちょっと落ち着いたしそろそろ帰って休もうかな、うーんでも……。」
ネギは昼間に起こった出来事……自分の生徒である宮崎のどかに告白されたことを思い出していた。
「……うん、やっぱりいつまでも先延ばしにしてもおけないよね……よ〜し……?」
その時ネギは自分の進路方向から紫や銀の装甲に身を包んだ人物がこちらに向かっている事に気付いた。
「……?なんだろう?コスプレかな?」
するとその人物は蛇の尻尾を模した金色の剣を振りまわしながらネギに突撃してきた。
「う、うわあああ!!!?」
ネギはとっさに持っていた杖でその人物の剣撃を防いだ。
「な……何なんですか貴方は……!!?」
「ほう、ガキのくせにいい反射神経を持っているな。」
その人物は弾かれるようにネギから一旦距離を置く。
(ど、どうしよう!今はカモ君もアスナさんもいない!それにあの人……怖い……!)
ネギは装甲に身を纏った人物から発せられる殺意に身を強張らせる。するとそこに、
「王蛇!貴様なにをしている!?」
コートと帽子に身を包んだメガネの中年の男が現れた。
「なんだぁ……?俺の邪魔をするな。」
「貴様のターゲットはディケイドだ!何故そんなガキを狙う!!?」
「うるせえなあ……!」
そう言って王蛇と呼ばれた戦士はその中年の男に切りかかった。
「危ない!」
「くっ!」
中年の男はギリリと歯ぎしりした後、背後から現れたオーロラに逃げ込んでその攻撃をかわした。
「い、今のは!?」
「邪魔ものはいなくなった……全く、イライラさせてくれるなぁ……!」
王蛇は再びネギの方を向き、ジワリジワリとネギの距離を縮めた。
(ど、どうしよう……こうなったら!)
ネギは持っていた杖を構えた。
「サギタ・マギカ・セリエス・フルグラリース!」
ネギが唱えた瞬間、彼の周りに17つの雷の光の弾が召喚され、それはすべて王蛇に襲いかかった。
「……。」
『アドベンド』
王者は慌てる様子もなく、手に持った剣に一枚のカードを装填した。
すると地面から巨大な紫色のコブラのような生き物が現れ、ネギの攻撃から王蛇を守った。
「な、何!?使い魔!?」
「いけ。」
「シャアアア!!!!」
その大蛇はものすごいスピードでネギに襲いかかった。
「う、うわあああ!!!」
ネギは慌てて杖に跨り、空を飛んで大蛇の攻撃から身を守った。
「あ、貴方はどうしてこんな事するんですか!?まさか貴方も関西呪術協会の……!!」
「うるさいな……、いらいらするんだよ……!」
王蛇はまたもカードを取り出し、剣に装填した。
『ファイナルベント』
「はあああ……!」
王蛇は腰を落とし、そのままネギに向かって駆けだし、そのまま高く跳び上がった、そして後ろからついてきた大蛇の口に自分の足を入れ、ロケットのようにネギに向かって射出された。
「うええええ!!!?」
思いがけない光景にネギは驚きながらも、何かの詠唱を始めた。
「ら、ラス・テル マ・スキル・マギステル!ウエニアント・スピーリトウス・アエリアーレス・フルグリエンテース!!」
するとネギの右手から光が灯される。
「クム・フルグラティオーニ・フレット・テンぺスターズ・アウストリーナ!」
そしてその光は雷を纏った竜巻になってそのまま王者に襲いかかった。
「はああああ!!!!」
王者はその暴風を蹴りでかき消しながら、ジワリジワリとネギに近づいていた。
「ぐっ……おおおおお!!!!!」
だがネギの攻撃が王蛇の攻撃を上回り、王蛇はネギの発した竜巻に呑まれていった。
「はあっ!はあっ……!」
ネギは息を切らしながら地上に降り、倒れている王蛇の元に駆け付けた。
「ぐっ……ううう……!」
王蛇は体中のダメージの痛みにうめき声をあげる。すると彼の後ろからオーロラが現れ、そこから先程の中年の男が現れる。
「勝手な行動をするからそうなるのだ、とっとと消えろ。」
「くっ……くくくくく!おもしろいガキじゃないか!顔は覚えたぞ!」
王蛇は捨て台詞を残してオーロラの中へ入って行った。
「……この度は申し訳ない事をした。私は鳴滝、彼に代って謝罪しよう。」
「貴方は……貴方達は何者なんですか!?魔法を使った様子はないみたいですけど……。」
「魔法……キバーラの話は本当だったのか。」
鳴滝と名乗った男は聞きなれない単語を耳にし、しばらく考え込んだ。
「なるほど……この世界にはライダーの変わりにその魔法とやらを使う者達がいるのか……。」
「ライダー……?さっきの人のことですか?」
「ああ、多元世界に存在するの戦士の事を我々はそう呼ぶ。」
そして鳴滝はクルリとネギに背中を向けた。
「ひとつ忠告してあげよう。君の同僚に門矢士という男がいるね?」
「は、はい。彼が何か……?」
ネギは士の名前が出てきて少しばかり動揺する。
「奴は……ディケイドはいずれこの世界を破壊するだろう。そうなる前に奴を倒すのだ。」
「え、ええええ!!?な、なんで!?」
「奴は世界の破壊者……!これまでいくつもの世界が奴によって滅ぼされた!急がなければ手遅れになる!これは……警告だ。」
そして鳴滝はオーロラの中に入って行った。そして次の瞬間、そのオーロラは跡形もなく消え去ってしまった。
「あ!ちょっと!……いなくなっちゃった……。」
ネギはそのまま呆然としていた、その時、
「おい、ネギ先生。」
外で散歩していた士がやってきた。
「あ……!士先生!?」
ネギは士の姿に気付くと、咄嗟に身構えた。
「……?どうしたんだよ?一体?」
士はネギが何をしているか分からず、首を傾げてしまった。
「え……あ……すいません、何でもないです……。」
ネギは気持ちを落ち着けると、杖を下ろした。
「そろそろ戻らないと新田がヒステリー起こすぞ、生徒達もお前をさがしているみたいだし……。」
「みなさんが?分かりました、すぐに戻りましょう。」
ネギは不安を抱えながら、歩きだした士の後を追いながら生徒達が待つ旅館へと戻って行った。
その光景を、物陰からニヤニヤと観察している人影があった。
「すごい!あんな力がこの世界に存在しているのか!それにあの少年の杖……!すっごく欲しい!」
366 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/08/04(火) 17:28:21 ID:L1Ls0xh7
一方士とネギは談笑しながら旅館のロビーに戻って来ていた。
「ただいまー、あれ……?何か騒がしいような……。」
「もしかしてまだやっていたのか、キス争奪戦。」
するとネギ達の元に、生徒であるのどかと夕映が浴衣姿でやって来た。
「あ……宮崎さん……///」
「せ……ネギ先生……///」
ネギとのどかはお互いの姿を確認すると、顔を真っ赤に染めあげてしまった。
「なんだこのストロベリーな空気?」
「ストロベリーって……もっと言い方があるでしょうに……。」
士の元に“超神水”とプリントされたジュースを飲みながら近寄って来た夕映は、すかさず彼に突っ込みを入れる。
「夕映、もしかしてのどかは……。」
「お察しの通りです。のどかはネギ先生が好きで……昼に告白したです。」
「なるほど、それで昼間のネギの態度がおかしかったのか。」
士と夕映はもじもじと会話しているネギとのどかを見守りながら小声で話し合う。
「のどかも変わっているねぇ、相手はまだ十歳になってもいないガキンチョじゃねえか。」
「でものどかは本気です。」
「そうかい。」
「あ、あの昼間の事……僕ちゃんとした返事はできないですけど……。」
「は、はい……。」
「お、お友達からはじめませんか?」
「……。」
「はい♪」
「どうやら終わったみたいだな。」
「ええ……まあ10歳の少年としては妥当な返答かと……。」
「まあな。だが争奪戦は終わっていないだろ?」
そう言って士はのどか後ろに回り込み、彼女の背中をトンッと押した。
「「あっ。」」
バランスを崩したのどかはそのままネギに向かって倒れ込み、その拍子でネギの唇とのどかの唇が重ねあった。
「あっすすすすいませ……!」
「いえっあのっこちらこそ……!」
慌てふためくネギとのどかを尻目に、士はその場を去ろうとした。
「士先生……。」
「ま、たまにはこういうのもいいだろ。」
「ふふふ……のどか、よかったですね。」
「んじゃ、後は頼んだ。」
「へっ?」
士は夕映の肩をポンと叩くと、さっさとその場から去って行った、すると入れ替わりで鬼の形相の新田がクラスメイトの一人、朝倉和美を引き摺ってやって来た。
「くおらぁー!!貴様らなにやっとるかー!!」
「うえ!?新田先生!?」
「ごめんみんな〜、ばれちった♪」
「全員朝まで正座だ!ネギ先生もです!」
「えー!なんで僕までー!?」
「逃げたですね士先生……。」
こうしてくちびる争奪戦に参加した裕奈や千雨をはじめとした生徒十人と主犯格の朝倉、そしてとばっちりを受けたネギは朝までロビーで正座させられたのでした……。
今日はここまで、今週はディケイドの映画が公開されますね。
早速見に行ってネタを練ろうと思います。
ディケイドの人 乙!
ところでまとめウィキってどうやってまとめるの?
今回も乙!
GJ
DCD本編の王蛇に涙したので嬉しいです
あと、放置イクサw
371 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/04(火) 22:59:00 ID:+2mOWk9q
GJ!
今回ディケイドの出番はなかったけど、
放置されたイクサや王蛇とのバトルで楽しめました、
次回を楽しみにしています。
投下します。
クロスはローゼンです。
ネギはあまり活躍しません。
ローゼンとそのパートナーが話の中心です。
♪ 一時間目 ♪ ? 最強最悪のドール覚醒 ?
今日の夕食はレトルトカレー。
最初の一口を口に含んだとき、ふと飲み物がないことに気づいた私はキッチンへ行き、冷蔵庫の扉を開けた。
中には福引で当たったヤクルトが百本……。
まさか、ヤクルトが景品の一等だとは思わなかった……。
゛出ました! 一等! 大当たりッ! おめでとう御座いま〜〜すぅ!゛とか何とか言って、鈴をチリンチリン鳴らしながら、
私の元にヤクルトの山を持って来た。
私が゛温泉旅行とかじゃないんですか゛って聞いたら。゛違いまぁ〜す。ヤクルト百本で〜〜すぅ゛とか抜かしやがる!
正直、耳を疑った。フツーは、一等って言ったら温泉とか食事券だろッ! それがヤクルトだぞ! ヤクルト! ありえねーよ!
しかもだ、馬鹿の一つ覚えみてぇに鈴を鳴らしやがるから、通行人が野次馬根性丸出しで私の周りに集まってくるし、
景品がヤクルトだって解ったら指さして笑いやがるし! ……つーか、何で私が笑われなきゃなんねーんだよ!
あー! くそッ! 嫌なこと思い出したぜ…………。
私は百本の内の四本を手に取って、テーブルへと戻り、椅子に座ろうとした所、見たこともなければ記憶にもない一枚の紙切れが、
ポツンと椅子の上に置かれていた。
パッと見た感じのサイズはA4用紙ほどであろうか、紙の中央には平仮名で゛まきますか゛゛まきませんか゛と書かれていて
それ以外は何も書かれていない、とてもシンプルな紙だった。
さっきまで何もなかった筈の椅子の上に置かれていた紙切れを不思議に思いながらも、私はお腹が空いたので、紙切れをテーブルの
上に置き、椅子に座り、夕食の続きを始めた。
゛しかし、何なんだこの紙は? ケツにでも張り付いてたか?゛そんなことを考えながら、私はレトルトカレーを一口一口と口へと運んだ。
? ? ?
夕食を食べ終わった後、私は居間のソファーの上で寝転がりながら、紙をジッと眺めていた……が、しばらくすると飽きてきた。
しかも、よくよく考えてみたら、今日は゛魔法少女ビブリオン・ザ・ムービー゛の日。
時計を見たら、放送開始時間を五分も過ぎている。私は紙を放り投げ、テレビの電源を付けてチャンネルを合わせる。
ちょうどオープニングテーマが終わり、CMに入ったところだった。
「ふぅ、見逃すとこだったぜ」と呟き「本編が始まったら立てねぇな」そう言って、冷蔵庫からヤクルトを五本持って来て、ソファーに腰掛けた。
? ? ?
「やっぱ名作は、なんど観ても飽きねぇな!」ビブリオンを見終わった私はそんなことを言いながら、ヤクルトを一気飲みした。
しかし、気管に入ってしまい、ブッと吹いた。吹いたヤクルトは想像以上に広範囲に広がっている。
゛くそっ! めんどくせぇー゛と思いながら、雑巾を取りに立ちあがる。すると、さっき床に放り投げた紙が目に付いた。
紙を拾い上げ、ゴミ箱に捨てようとした所、ふと紙に目が行った。私が吹いたヤクルトが綺麗な円を描いて゛まきます゛にまるを付けている。
何故か分からないが゛私ってスゲー゛と思った。が、そのまま紙を丸めて、ポンっとゴミ箱に投げ捨て、雑巾を取りに行くと
私の背後で、゛コトッ゛っという物音が聞こえ、振り向いた。「ん!? 何だコレ?」床の上には高級そうな革の鞄が一つ、無雑作に置かれている。
何処からどう見ても、私の鞄ではない。そもそもこんな鞄は持ってないし、さっきまでそこには何もなかった。
私は辺りをグルリと見渡したが、おかしな箇所は見受けられない。
じゃあ、何処から来た…………。そう考えていたとき、鞄からカチャっと鍵が開くような音が聞こえ、私はゆっくりと近づいた……。
鞄まで約一メートルの距離、そこで私は足を止め、鞄を見下ろした。
突然だった。鞄が開き、中から怪しげな光が放たれ、無数の漆黒の羽根が私を覆う。
余りの突然の出来事に、私は声もあげられず、ただ、ガタガタと震えながら立ちすくむ。
時間にしたら、ほんの数十秒、いや数秒だろう。私を覆っていた羽根が床に落ち、視界が開けた。
すると私の目の前に、一人の少女たたずんでいた。
「59万、724分、12秒ぶりの目覚めね」
少女はそう呟いた…………………………。
ダイヤが?になっちゃった。
投下終了です。
乙!
次回はもっと沢山読みたいぜ!
>>374 お疲れ様
トリップつけた方がいいのでは?
377 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/05(水) 15:57:26 ID:wGQ2Sp4m
GJ
千雨のとこに来たやつって・・・・・
muge
380 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/07(金) 23:33:33 ID:cfn9f2vI
muge
muge
どちらもGJです。
ローゼンさんはこれからが楽しみですね。
ライダークロスの方は作品リンクがうまくて面白いです。
それでは、今回の投下、入ります。
>>354 「あった、ヒラリマントーっ…」
「………」
殺到するロボ軍団に立ちはだかったドラえもんが、闇に包まれ闇と共にパッと消えた。
「うそ…」
「ヒラリマントごとのみこまれたーっ!?」
「くそっ!ドッカーンッ!!」
ジャイアンとのび太の攻撃で何台か停止するロボが現れるが、数が違いすぎる。
取りあえず、ロボの進行方向を空けて対処不能の失格弾を避けるしかない。
「くっ!」
裕奈がまき絵に借りたマントの上から腰に手を当て、その顔からさーっと血の気が引く。
「ゆーなさんっ!」
「くそっ!!」
「のび太君ジャイアン君っ!?」
「たけしさんっ!!」
裕奈の前に飛び出したのび太とジャイアンが闇のボールに呑み込まれた。
「ゆーなさんこっちにっ!!…きゃあっ!」
「しずちゃん!…」
裕奈を連れて逃走しようとしたしずかに、裕奈が抱き付き地面を転がる。
そこに、圧倒的な兵力で追い縋って来るロボ軍団の失格弾を前に、
戦闘力一人分のしずかと、対抗できたかも知れないが丸腰の裕奈では為す術もなかった。
>>382 「わあわあわあー!」
「亜子っ!!」
「そっち危ないっ!!」
空戦茶々丸姉妹部隊の一隊が方向転換するのを見て、
素早く木陰に入っていたスネ夫が叫んで駆け出した。
「この、このっ!!」
「わあわあわあっ!!」
スネ夫のショックガンと亜子の魔法杖で亜子を追跡した量産茶々丸はことごとく撃墜される。
「!?」
その二人の周囲に、素晴らしいジャンプ力を誇る田中部隊が取り囲む様に着地した。
「わああー…」
「亜子!スネ夫君っ!!」
「アキラっ!!」
絶叫しながら駆け出すアキラを、まき絵が追う。
そちらでは、田中軍団の真ん中で真っ黒い巨大なボールが膨れあがっていた。
アキラがバッと周囲を見回す。
田中軍団と茶々丸軍団の到着により、広場の外側の木々も見えず
星空すら半ば塞がっている状態だった。
それも、一重や二重ではない。
「…アキラ…」
さすがに、まき絵が不安そうにアキラを見上げる。
「…まき絵、後ろお願い…」
「うんっ!!」
まき絵の元気な返答に引き付けられる様に、ロボ軍団が残る二人に殺到した。
「うわー…」
「や、られたー…」
のび太が周囲を見回した。
>>383 「のび太くん」
「ドラえもんっ!無事だったんだ」
「うん、黒いのにのみこまれたと思ったらここに」
「ぼくもだけど、ここは?…」
「ロボットはいないみたいだけど…」
ドラえもんが言う。
「でも、人がすごく多い…」
のび太が言う。
「ドラえもーん」
「スネ夫」
のび太がそっちを見ると、亜子の隣でスネ夫が手を振っていた。
「おーっ、ワンダフルじゃん!」
「ジャイアンっ!…きれい…」
ピークを過ぎたばかりの世界樹の輝きに、ドラ・パーティーも言葉を失う。
「ホント、きれい…」
「あ、ゆーなさん、大丈夫だったの?」
少しの間、
その輝きを浴びながら世界樹を見上げる裕奈の横顔をほーっと見ていたのび太が言う。
「うん、別にケガはないみたい」
裕奈が、にこっと笑ってのび太を見た。
「ゆーな!」
「?あ、お父さんっ!!」
駆け付けた教授に裕奈も駆け寄った。
「ごめんお父さん、起動、できなかった…」
言いかけた裕奈は、教授にきゅっと抱き締められていた。
「良かった…ゆーな、無事で…」
「ちょっとお父さんっ…」
裕奈は笑って交わそうとするが、
裕奈の黒髪を撫でた教授の声が僅かに涙声になっているのはよく分かった。
>>384 「あ、お父さん、のび太くん」
「のび太?」
教授が、のび太の方を向く。
「うん、のび太くん。けっこうすごいんだよー」
「ほう…」
「………」
キラーンと光を帯びる教授の眼鏡に、のび太の足がたじっと下がる。
「あ、ど、どうものび太です」
「ドラちゃん」
「しずちゃん」
ドラえもんに近づいたしずかがぼそぼそ耳打ちする。
「はい、きせかえカメラー」
「ありがとう」
しずかがドラえもんから「きせかえカメラ」を受け取り、
スネ夫と裕奈を連れてその場を離れる。
「あ、ど、どうも、ぼくらもこれで」
のび太も、ドラえもんと共にそそくさとその場を離れた。
「でも、これって…」
「なんか、お祭りというかパーティーみたいな」
のび太とドラえもんが周囲を見回した。
「あー、スネ夫くんいたですー」
「あー、いたいたチビスネ夫ー」
「何をー幼稚園児ーっ!」
「何をーっ!!」
「あーっ、亜子どーしたですかー?」
「亜子どーした?」
「どーしたってどないしたん風香に史伽?」
「なんかあやしー」
「あやしー」
>>385 スネ夫の後ろでにこにこ微笑んでたたずんでいた亜子に、
双子の容赦ない追及が浴びせられる。
「でもー、楓姉ぇどこ行ったんだろ?」
「どこ行ったんでしょー?」
「楓姉ぇ?」
スネ夫が口を挟んだ。
「楓姉ぇです。最終日なのにどこにもいないです」
史伽が言う。
「楓さんって…もしかしてあの背の高い…」
「そうですそうです」
「まー、スネ夫くんなら背の低い人の方が珍しいけどねー」
「お姉ちゃん言ってて悲しくないですか?」
「なにをー幼稚園児ー」
「なにをーチビー」
「おおっ、夏美さん」
「あ、えーとたけしくん。午前中はありがとうね」
「お役に立てて嬉しいです」
そこそこ可愛い年上の女の人に言われて、ジャイアンが後頭部を撫でてゲヘヘと笑った。
「あらあら、あなたが?」
「あ、ちづ姉」
「観せていただいたわ、
みんな目を回して終わってからもしばらくの間席を立つ事もできなかった感動のステージ」
「いやー、どうもどうも」
にこにこ笑ってつらっと言う千鶴に、ジャイアンが後頭部を撫でてゲヘヘと笑った。
「おうっ、確かノビんトコにいたデカイの」
「確か、犬上小太郎って、武道会に出てた」
「おお、ノビは残念やったな、まあ、本番前に風邪なんてひいてる時点であれやけど」
「ま、本当に強いのは俺様だけどな」
親指で自分を差してジャイアンが不敵に笑う。
>>386 「ほおー」
小太郎が疑わしい目つきでジャイアンを見る。
「………」
「………」
二人にだけ聞こえるゴングと共に、双方の頬に拳がめり込む。
「やるな」
「やるじゃん」
「あらあらあら」
一瞬燃え上がった青春の炎は、
その背後でゴゴゴゴゴゴゴゴと盛り上がるどす黒い何かにかき消される。
「ほらー、コタロー君食べよ食べよー、ね、ちづ姉。
たけしくんも一緒に…」
夏美がわたわたと間に入る。
「それにしても…」
「ん?」
きょろきょろと周囲を見回すあやかに気付き、ジャイアンがそちらに視線を向ける。
「どこに行ったのかしら、後夜祭だと言うのに今日一日姿を見せないなんて…
まさか、あんた事の後だから…それはないですわねオサルさんですもの」
あやかの笑みは、ジャイアンから見ても力づくのものだった。
「あれーっ、のび太くんじゃないー?」
「あ、柿崎さん」
「ほらほらこっちー、ゆーなとなんか話してなかったー?」
「え、ええ、まあ」
「かわいーでしょゆーなって、なんてったって元気だし絶賛発育ちゅーだしさー」
「だから、猥談はまだ早いって」
「まあまあ、ほにゃらば飲む飲む」
「あ、いただきます」
「五千円になりまーす」
「ええーっ!?」
>>387 「嘘嘘、後夜祭なんだからじゃんじゃんいこーじゃんじゃん!」
美砂のアメリカンジョークに飛び上がるのび太に、
なんだかんだとハイテンション入ってる円がケラケラ笑って言った。
「…そう言えば柿崎さん」
「ん?美砂でいいよもしくはミサリンもしくはミサミ…」
「いや、それ不吉過ぎるから」
「それで美砂さん、ネギ先生ってここ来てます?」
円の突っ込みもなんのその、のび太が肝心の質問に踏み込む。
「それなんだよねー」
円が言う。
「うん、今日はネギ君見てないんだよねー、後夜祭は来ると思ったんだけどさー」
そう言った美砂の表情には、ちょっと心配そうな気配があった。
「通信機能が回復したんだね」
アラームに気付き、転がる「糸なし糸電話型トランシーバー」に導かれて
ドラ・パーティーの仲間と合流したのび太が言う。
「うん、そうみたい」
「でも、すごい人だねー」
「なんかまだ色々やってるみたいだし」
のび太がのんびり言っている間にもこの世界樹広場では方々から爆発音が響き、
それを聞きながらスネ夫が言った。
「ネギ先生、やっぱりいないみたい」
のび太が言う。
「他にも、いなくなってる人がいるね」
スネ夫が言う。
「3‐Aの図書館の人、全員いないみたい」
「他にもいない人がいるみたいだぜ」
ジャイアンが言う。
>>388 「人さがしがさもたずね人ステッキも相変わらず反応がない。
これは、本当に消えているとしか…」
「消えたってどこに?」
のび太がドラえもんに聞き返すが、ドラえもんは返答しなかった。
「ドラえもんさん達ですね?」
ドラ・パーティーがそちらを見ると、
声を掛けた葉加瀬聡美の隣で五月がぺこりと頭を下げていた。
「えーと、確か…」
「3‐Aの葉加瀬聡美です。超さんからこれを預かっています」
聡美が差し出した手紙をドラえもんが受け取り封書を開いた。
「ちゃっ…」
言いかけた一同に、聡美が唇の前で指を立てる。
「やあ、元気カナ?ドラえもんくんとそのお仲間達。
私の勝ちネ。我が目的は達せられた。
ようこそ諸君、我が新世界へ。
新世界の創造に当たて、君たち、特にのび太くんにはご協力深く感謝するの事ネ」
超鈴音のホログラムの言葉に、のび太が自分を指差す。
「ドラえもんくんのタイムマシンは時空航跡記録を割り出して
のび太くんの部屋の机に戻しておいた。
ただし、心臓部にドラえもんくんにも手に余るであろう少々の細工をしておいたので、
このタイムマシンを使て再び今年の麻帆良祭りに干渉しようとする事は
非常に危険な事で賢明ではないと思うネ。
そんな事をしなくても、実際過ごしてみれば、それほど悪い世界ではないハズヨ。
…では…また会おう諸君…」
「………」
ふっと消えたホログラムを前に、ドラ・パーティーも言葉を失っていた。
「それで、超さんは?」
しずかの問いに、聡美は首を横に振る。
>>389 「そういう事です。既に超さんの目的は達せられ、時計の針を元に戻す事はできません」
「だから、どう言う事だよっ!?」
「お祭りも今夜で終わりです。お疲れ様でした」
聡美がぺこりと頭を下げ、怒号を上げたジャイアンがしずかに制される。
「こちらはお土産です。超さんとの最後の合作になります」
「おっ、肉マン?」
「ありがとうございます」
五月が差し出した蒸籠入りの袋にジャイアンが喜びの声を上げ、
しずかがぺこりと頭を下げるが、割り切れないものがあるのには違いない。
それでも、ドラ・パーティーははお土産を手に二人と分かれる。
「やーっ、のび太くーん」
のび太がそっちを向くと、すっかりお気に入りと言う事か
ゆーな☆キッドがにこにこ笑って手を振ってる。
「たのしーお祭りだったねーっ」
「…うーんっ!…」
「…でも、ネギ先生どこ行ったんだろー…」
すっかり後夜祭の雰囲気に酔った裕奈にのび太が一瞬の迷いの後に返答し、
その後ろの方から別の声が聞こえていた。
今回はここまでです。続きは折を見て。
391 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/09(日) 12:18:07 ID:W/PCW9eW
muge
392 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/09(日) 20:36:52 ID:W/PCW9eW
muge
393 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/10(月) 06:15:18 ID:BxWce+CT
muge
394 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/10(月) 21:19:18 ID:9SHyMqZ9
どらネギさん 乙
お疲れ様です
muge
muge
少しですいませんが、今回の投下、入ります。
>>390 * * *
のび太は一人、放課後の教室で着席していた。
「このごろボンヤリして、勉強に身が入ってないって。
一人残って反省しろって」
誰に言うともなく、のび太が今の自分の境遇を呟く。
「なんとなく、帰って来ちゃったけど…」
「うそつ機」や「メモリーディスク」と言った秘密道具を使い、
親公認でお祭りを見に行ったと言う風に親を納得させてそちらの心配はなんとかクリアした。
「…でも…けっきょく、解決したのかな?」
のび太が、ぼそっと呟く。
結局、なんとなく行って帰って来ただけの様な気がする。
ボンヤリはいつもの事だが、のび太がなんとなくモヤモヤしているのはその辺だった。
「ゆーなさんとか佐倉さん…元気かな?あれからネギ先生たちって…」
チラッと窓に目を向けたのび太と女の子の目が合う。
「なんだ、女の子…!?」
ここが一階ではないと言う事の重大性に気付いたのび太が、
ハッともう一度そちらを見るが、確かに、いる。
そして、のび太は窓へとダッシュした。
>>398 「佐倉さんっ!?」
「のび太くん」
窓を開け、のび太は窓の外の愛衣と声を交わす。
「どうしたのっ!?」
「時間がないから手短に話すわ。
学園の魔法使いは再びあなた達に目を付けた。
今まで忙しかったからこっちに手が回らなかっただけ。
今はもう、ほんの少しでも手がかりを入手する事。
だから、これから本気であなた達を捕まえに来る筈」
「ちょっ!?」
それだけ行って、箒に跨った愛衣はびゅうっと青空の彼方に姿を消した。
「おーい、おーいっ、たたっ、大変だあーっ!!」
空き地に飛び込むのび太だったが、そこには人っ子一人いなかった。
「と、とにかく、ドラえもんに…」
振り返ろうとしたのび太が、次の瞬間にはドサッと地面に横たわっていた。
>>399 「目が覚めたみたいですね」
「…あれ…確か学校で椅子に座って…」
のび太が目を開けると、確かに机の前で椅子には座っていたが、
周囲は教室ほどの広さはなかった。
「野比のび太、あなたがただ者ではない事は分かっています。
あなたが一体何者で、一体何の意図があってこの学園と関わりを持っていたのか、
洗いざらい話してもらいます」
のび太の目の前に立つ刀子が威厳ある態度で言った。
「え、えっと、その、つまり…
そ、そう、ドラえもん、ドラえもんがその、未来のロボットで…」
「ドラえもんと言うと、あのバケダヌキですか?」
「そ、そう、ドラえもん。ドラえもんはどこにいるの?」
「既にこちらで身柄を確保しています。あなたの仲間は全員。
事情を説明してもらえるのならば、危害を加えるつもりはありません」
「だから、その、ドラえもんが未来から来たロボットで、それで…」
「よくよく舐められている様ですね」
すっ、と斬られそうな眼差しを向けられ、のび太がぞわっと身を退く。
「その歳であの技量、我々にも把握できない様々な技術。
やはり…超鈴音の仲間、と、言う事ですか…」
刀子の声は、徐々に、のび太の背筋を冷やしていく。
>>400 「…超鈴音の仲間なのですか?…私の人生を滅茶苦茶にした超鈴音の…!」
「えっ…?いやあの…人生?…ひっ!?」
ドンッ、と、両手で机を叩かれ、のび太は飛び上がりそうになる。
そののび太の目の前で、長い髪をゾロリと机に垂らした刀子が
何やら早口でブツブツ口走っている。
「ぐすっ…丁度いいです。
この怒りと悲しみをどうするか困っていたところでした…」
「あ、あのー…」
顔を上げた刀子に白黒反転した目で見据えられ、のび太の背筋がぐっと後退する。
「あなた達が超鈴音の仲間でなかろうと関係ありません。
そういう事なら、あくまでもとぼけると言うのなら、体に聞くしかないでしょう」
立ち上がった刀子がバサッとジャケットを脱いだ。
今回はここまでです。続きは折を見て。
GJ!!
403 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/14(金) 16:25:15 ID:ghd3GKFt
muge
404 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/15(土) 14:58:17 ID:jnLGVQ7n
muge
今回は実家のパソコンから投下いたします。
第六話「海東のお宝探索ぶらり旅」
修学旅行3日目、旅館のロビーで3−Aの生徒達は、昨晩のネギ先生くちびる争奪戦の優勝者宮崎のどかの元に集まっていた。
「へえー、これが豪華賞品かー。」
「あー!見して見してー!」
まき絵や裕奈たちにせがまれ困った顔をするのどか、その手には自身の絵が描かれたカードが握られていた。
「ふーん、あれが豪華賞品ね……。」
その光景を士は遠くから見ていた、そんな彼の元に亜子が寄ってくる。
「先生、本屋ちゃんのカードが気になるんですか?」
「まあな、ほら、俺もカードとかで変身するから……。」
「ああ、なるほど。」
亜子は士と初めて出会った日、士がライドカードでディケイドやファイズに変身したことを思い出した。
「せんせー!!」
ドイーン
「うお!?」
その時、のどかの元にいた裕奈が士に飛びついてきた。
「な、なんだよいきなり……?」
「先生今日の自由行動の時間ヒマ?よかったら私達の班と一緒にUSJ行こー!!」
「は?ちょっと……。」
士は返事をしようとしたが、その前に裕奈にズルズルと引きずられていった。
「あ!ちょっと待ってえな!」
その後を亜子は慌てて追いかけていった……。
「お、俺の意見を聞けー!」
その数時間後、京都市内……そこで海東はまだ見ぬ未知のお宝を求めて彷徨っていた。
「ふんふーん♪お宝どこかなー?昨日の少年君はどこかなー?」
海東は昨日の晩、王蛇と互角に戦っていたネギが持っていた杖を狙っていた。
「しかし……世界は複数あるとはいえ、この世界は特異だな……あの少年君の力は一体?」
「よろしければお答え致しましょうかー?いい意味でー?」
「いい意味でだみゃー♪」
「!?何者だ!?」
どこからか発せられた声に海東はとっさに身構える、するとそこには……。
「イクサ!爆現!」
新撰組ルックに身を包んだイクサが肩にモツとしちみを載せたまま木刀を構えていた。
「…………もどれ。」
「あ!まだあそこのダンゴ屋に行ってな……アッー!」
ディエンドライバーを向けられたイクサはそのまま法被を残して消えてしまった。
「ほっ!」ムチッ
「よっ!」モチッ
モツとしちみはそのまま地面に着地し、海東に向き合った。
「君達は自販機の中にいた……何者だい?見たところ僕の知っている怪人ではなさそうだが?」
「もちろんだみゃー、しちみ達はしちみ達なんだみゃー。」
「まあ、ここの物語の“案内人”だと思ってください海東大樹さん、いい意味でー。」
「僕の名前を……?」
海東はなぜあの二匹のナマモノが自分のフルネームを知っているのか気になったが、その前にあることを思いついた。
「君達……もしやあの少年君の力の事、なにか知っているのかい?」
「力……ネギさんのことですかー?いい意味でー?」
「どっちでもいいんだよ……知っているのかいないのかはっきりしてくれたまえ。」
「せっかちな人だー、ふむ、それなら……我々に付いて来て下さいー、いい意味でー。」
「みゃみゃー♪」
「お!お宝がある場所に案内してくれるのかい?」
そういって二匹と一人はあるところに向かって歩き出した。
「ここは……。」
海東は二匹に連れられてとある古びた神社にやって来ていた。
「ここにどんなお宝が……って!」
海東が振り向くと、そこにはもうモツ達の姿はなかった。
「もしかして……騙されたか?」
途方に暮れる海東、するとそこに、分厚い本を抱えた黒い短めのポニーテールの少女がやってきた。
「あれ?貴方は?」
「おや、だれかと思えば士の生徒じゃないか、僕の名前は海東大樹、君の名前は……古本屋だっけ?」
「古本屋じゃないです〜!本屋です〜!じゃなくて!宮崎のどかです〜!」
「はいはい……ところでこんな所でなにしてんの?他の子は?」
「え、えと……ネギ先生とアスナさんがいなくなって……それでこの神社に入って行くのを見て……。」
「ネギ……あの少年君のことか。」
すると海東は悪い事を思いついたかのようににやりと笑った。
「よし……じゃあ僕が一緒に探してあげるよ。」
「え?え?でも……。」
「大丈夫大丈夫!これでも僕は士の友達なんだ、さあいこう。」
「へ?ちょっと?みゃあああー……!?」
そして海東はのどかを引きずって神社の鳥居が立ち並ぶ入り口に入っていった……。
しばらく進むと、道の真ん中に“立ち入り禁止”の札が立てられていた。
「あれー?立ち入り禁止……他を探さないと。」
「何いってんの?お宝が向こうにあるかもしれないのに引くわけにはいかないじゃないか。」
そう行って海東は札の向こうへと進もうとした。
「あ!ちょっと……!」
助けてー!
「……?」
そのとき、のどかは何処からかネギ達の声が聞こえてきたような気がしていた。
「?どうかしたの?」
「いえ、実は……。」
ポウッ……
「?」
するとのどかの持っていた本から小さな光が発せられ、彼女は不思議に思いその本のページを捲ってみた。
するとそこには、ネギとアスナが何かから逃げまどう姿が描かれていた。
(また……これって今のネギ先生の気持ちー…?た…た、大変っ!)
「ん?なんだいその本?」
本を開いて驚いている様子ののどかを見て、不思議に思った海東は彼女の本を覗き込む。
「なんだこれ……?へったくそな絵だ。」
「あ、アナタ失礼です!はっ!こうしちゃいられない!」
そう言ってのどかは立ち入り禁止の札を無視し、奥の方へ駆け出した。
「……あの本、お宝の匂いがぷんぷんするな。」
海東と共に奥へと進んでいたのどかは、再び不思議な本を開く、そこには大きな蜘蛛と対峙するネギ達が描かれていた。
「あああ!?何だか凄いのが出てきてさらに大変なことにー!?」
「なんだこりゃ?魔化魍に似ているけど……。」
「わ、私にもよく……まかもう?」
「ああ、気にしないでくれたまえ、それにしても不思議な本だねー、君の物?」
「は、はい!えと、よくわからないんですけど、昨日貰ったカードに“アデアット”って唱えたらコレに……。」
「ふーん、不思議な本だね……僕にくれ。」
「えええええ!?なんで!?」
「世界中のお宝は僕の物なのさ、いいからつべこべ言わずによこしたまえ。」
「だ、ダメです〜!コレはネギ先生の〜!」
そんなやり取りをしていたせいか、二人は背後で壮絶なバトルが切り広げられている事に気付かなかった。
「ホレホレ!どないしたんや!?」
「うわー!!」
「こんのー!当たりなさいよー!」
「ん?今なんか通りすぎた?」
「さ、さあ……?」
そして海東はのどかから本を奪う行為を一旦やめ、頭の中で思考を巡らせた。
(しかし……昨日のネギとかいう子の力といい、この子の本といい、この世界にはライダーとは別の力が存在しているようだ、まるで……。)
「ああ、海東さん士先生とお知り合いっていうの本当なんですね。」
「は?」
海東はのどかが本の力を使って自分の素性を調べている事に気付く。
「へぇー、お兄さんがいるんですかー。」
「な、なにしているんだお前!?」
海東は慌ててのどかから本を取り上げようとする、その時。
「見っけたでー!ってあら?」
草陰から黒いボサボサ髪の犬耳を付けた10才ぐらいの少年が飛び出してきた。
ドイーン☆
「うお!?」
「うぎゃ!」
その少年はそのまま海東と衝突してしまい、二人で地面に倒れこんだ。
「だ、大丈夫ですか大樹さん!?」
「いてて……いったいなんなんだよ……?」
「ああ!わざとやない!スマン!人違いや!ありゃ?良く見るとさっきのゲーセンのお姉ちゃんやんか。」
「あ、あなたはあの時の……。」
「それはいいから!さっさとどきたまえ!わんこ君!」
「わんこ!?俺は犬神小太郎ゆうんや!」
地面に転がりながらぎゃーぎゃー言い争う二人を見ながら、のどかはある事に気付いた。
(あ!この子本に出てきたネギ先生と戦っていた強い男の子ですー!!どどどどうしようー!)
一方立ち上がった小太郎は、申し訳なさそうにのどかに謝った。
「姉ちゃんこんなところでウロウロしてると危ないでー、今ケンカの真っ最中なんや、ちょっとここから出られへんようになっとるし……あとでこっそり罠解いてこっそりお姉ちゃんだけ出したるわ、それまで大人しく……。」
「おい、なんで僕には謝らないんだ……?」
「うっさいわ!兄ちゃんはここでカラカラに干からびてろ!ほな!」
そう言って小太郎は走って何処かへ行ってしまった。
「イヌガミコタロー君……そんなに悪い子じゃなさそうだったけど……。」
「いや、悪い子だよあいつは。」
「へっ?」
のどかはその時、海東がものすごい不自然な笑顔で怒っていることに気付く。
「昨日は士の生徒にコケにされるしさ……いくら僕でも堪忍袋の尾が切れたって感じだよ……全力で叩き潰す!!!!」
そういって海東は鬼の形相で小太郎が向かった方角へ駆けて行った。
「あ!ちょっとまってください〜!」
そしてのどかも、慌てて海東の後を追い掛けていった……。
海東はしばらく進むと、ネギとアスナが小太郎に苦戦を強いられている場面に遭遇した。
「ってきゃははははは!!いやー!なによこの犬―!」
「うおー!はなしやがれー!」
「なんだあれ?犬に弄ばれている……てかあのオコジョ喋ったような?」
ドガガガガガガガ!!!
「ぐぅ!!」
「ははははは!やっぱ西洋魔術師はパートナーがおらんと何も出来ないんやなぁ!」
小太郎の猛攻に成す術もなく怯むネギ、そして彼はそのまま巨大な石があるところまで吹き飛ばされてしまった。
「ガハッ!!」
「ネギ!」
「アニキィ!」
「どおやチビ助!勝ったで!」
小太郎はネギにトドメを刺そうと右手に気を練りこみ、彼に向かって突撃する。
その時、小太郎の足元に一発の銃弾が打ち込まれ、彼は動きを止める。
「!?何者や!?」
銃弾が発せられた方角を向く小太郎、そこには蒼や白などのカラーリングが施された銃……ディエンドライバーを構えた海東が立っていた。
「……!?さっきの兄ちゃん!?」
「え!?ナニあの人!?」
突然見知らぬ男が乱入し困惑するアスナ。
「こまるなあ君……そこの先生が持っている杖はお宝かもしれないんだよ?折れたらどうするんだ?」
「ぼ、僕の杖!?」
「へん!だからどないした!?」
「やれやれ、あの杖の価値がわからないとは……どうやら躾が必要だね。」
そういって海東はディエンドライバーに一枚のカードを装填し、
『カメンライド』
天に向かって引き金を引いた。
「変身。」
『ディッエーンドゥ!!』
すると海東の周りに緑と赤と青の装甲に身を包んだ幻影が現れ、彼に重なっていく、そして頭上にコミック本程の大きさの13枚の青いカードが現れ、彼の頭に刺さっていく。
そして海東は青と黒の装甲に身を包んだ戦士……“仮面ライダーディエンド”に変身した。
「え!?え!?なにあれ!?」
「あれは……!?カメンライダー!?」
ネギは昨晩、鳴滝という男の忠告を思い出した。
「な、なんやねん!?あんたもカブキの兄ちゃんとおなじなんかい!?」
「カブキ……?」
海東は小太郎の口からライダーの名前が出てきて少し驚く、だがすぐに、ディエンドライバーにカードを装填した。
『アタックライド!ブレスト!』
そのままディエンドライバーを小太郎のはるか頭上に向けて引き金を引く。
「へん!どこを狙って……!?」
するとディエンドライバーから放たれた6発の銃弾は弾道をカクンとまげ、小太郎目がけて降り注いだ。
「うわぁ!?何や!?」
小太郎はそれを横っ飛びでかわし、そのまま海東目がけて突進する。
「甘いね。」
『アタックライド!インビジブル!』
小太郎の攻撃が当たる直前、海東はディエンドライバーにカードを装填する、すると彼の姿が消え、小太郎の攻撃は外れてしまう。
「消えた!?どこ行った卑怯者!!」
『戦略といって欲しいね。』
「!!?」
すると小太郎の死角になる所からディエンドが現れ、ディエンドライバーから放たれた銃弾が小太郎を襲う。
「うわぁ!」
足元で起こる爆発、その衝撃で小太郎は鳥居の柱に衝突してしまった。
「す、すごい……!」
「あれも……カメンライダー……。」
海東の戦いぶりを見て関心するネギとアスナ。だがその時。
「へ、へへへへへ……やるやないか兄ちゃん!」
小太郎はダメージを受けながらもむくりと起き上がった。
「まだやるのかい?往生際がわるいねえ。」
「まだや……まだ終わらへん!こっからが……!」
小太郎がそう呟いた瞬間、彼の体は筋肉が膨れ上がった事により一回り大きくなり、頭髪は白くバトルマンガの主人公のようにボサボサに伸び、手足は狼のような鋭い爪が生えていた。
「こっからが本番や!」
「ええ〜〜〜!?ナニよそれ!?」
「獣化!?変身した!?」
「やれやれ、化け物だったのかい。」
やれやれといった感じで、海東はディエンドライバーにカードを装填する。
『カメンライド』
「うっさいわ!これでギッタンギッタンにしたる!」
そして小太郎は目にも止まらぬ速さで海東に拳を繰り出す。
「おっと。」
それを簡単にかわす海東、行き場を失った小太郎のパンチはそのまま地面に直撃し、敷き詰められていた石段が粉々に吹きとんでっしまった。
「不思議な事が多いなこの世界は……不思議な力には超能力で対抗するかな。」
そう言って海東は自分の左脇にディエンドライバーを向け、引き金を引く。
『アギト!!』
ディエンドライバーから放たれた銃弾は金のツノを持つライダー……“仮面ライダーアギト”になり、変身状態の小太郎に襲い掛かってきた。
「な!?お前式神使いかいな!?」
「おいおい、さっき君は僕のことライダーって呼んだじゃないか。」
「はああああ!!」
ディエンドと召還されたアギトは小太郎に肉弾戦を挑む。
「へ!一人じゃ戦えないような弱虫に俺は負けヘん!」
二対一の状況でも小太郎は臆することなく、二体のライダーの攻撃を裁いていく。
「て、手伝います……。」
「ネギ!無茶しちゃダメ!」
怪我を押して海東の援護に向かおうとするネギを、黒犬から開放されたアスナが止める。
「そうだよー♪怪我人は引っ込んでいてくれたまえ、邪魔だから。」
「なっ……!?」
その時、小太郎の重い一撃が海東の腹部に当たり、彼はネギ達の元へ吹き飛ばされてしまう。
「うお!?」
ドコーン!
「のわー!こっち来た!」
「大丈夫ですか!?」
海東が吹き飛ばされた所まで駆けつけるネギ達。
「った〜!油断したな〜!」
「貴方……まさか仮面ライダーじゃ……。」
「え!?昨日ネギに襲い掛かったって言う!?」
「やいやい!お前等の目的はなんなんだ!?」
「場合によっては斬る!」
「ん……?」
海東はその時、ネギとアスナの他に丸っこくデフォルメされた小さな刹那と、真っ白な体毛に包まれたオコジョが喋っている事に気付く。
「おいおい……カエルと猫の次は妖精とオコジョかよ……ますますお宝の匂いがするな。」
「な、何言って……?」
「そ、それよりあの人大丈夫なんですか!?一人で戦ってますけど!?」
ネギは変身した小太郎に一人で対処しているアギトを心配する。
「うーん、クロックアップ程じゃないけど結構素早いし……動きを見切って一撃を食らわせるしか……。」
その時、
「右です!アギトさん!」
「「「!?」」」
アギトは何者かの指示で、とっさに小太郎の奇襲攻撃を防いだ。
「今のは!?」
一同は声が発せられた方角を見る、そこには本を片手に息を切らしているのどかの姿があった。
「のどかさん!!?」
「ほ、ほほほ本屋ちゃんなんでここに!?」
「えーとあの、それはその……あ!アギトさん右です!」
ネギ達との会話を中断したのどかはアギトに次々と指示をだす。
「上!」
「み、右後ろ回し蹴りだそうです!」
バキン!
「なにぷ!?」
攻撃を次々と読まれ、あまつさえ反撃された小太郎は大きく混乱していた。
(な、何やあの姉ちゃん、一般人化と思っとったら……俺の攻撃が全て読まれとる!?)
「やるじゃない古本屋ちゃん。」
「本屋です!」
ズキッ!
「あ…グ…!」
その時、小太郎から受けたダメージが響いてきていたネギは顔をしかめてしまう。
「やべぇ!兄貴のダメージが大きすぎる!このままやり合うのは危険だぜ!」
「あのっ……カカカモさん。私大体何が起きているか理解しています……とにかくここから出れればいいんですよね!?」
「ああ、そういえばそうだったね。」
「お、おう!そうだけどよ……嬢ちゃんなんで俺っちのことを……?」
するとのどかはアギトと戦っている小太郎に向かって大きな声で質問した。
「あのぉー!小太郎クーン!ここから出るにはどうすればいいんですかー!?」
「!?」
「な、何やて!?アホか姉ちゃん、俺がそんな事言うわけ……ハッ!?」
小太郎が気付いたときにはもう遅かった、なぜならのどかの手元にある本に、ご丁寧にかわいいイラスト付きでここからの脱出方法が記されていた。
「こ、この広場から東へ6番目の鳥居の上と左右三箇所の隠された印を壊せばいいそうです!」
「ふおおおお!!!?」
「なんとお!!?」
「すごい本屋ちゃん!!」
「その本スッゴク欲しい!」
すこし興奮気味な海東はあるカードをディエンドライバーに装填し、
『ファイナルフォームライド!!アアアアギト!!』
アギトの背中に銃口を向ける。
「ちょ!?なに味方を撃とうとしてんのよ!?」
「まあ見てろって。」
アスナに構うことなく、海東は引き金を引いた。
「痛みは一瞬だ。」
「うわっ!?」
背中から銃弾を受けたアギトは背中から尖ったプレートを生やし、そのまま半回転しながら飛び上がって腕を畳み、“アギトトルネイダー”に超絶変形した。
「へ、変形したやと!?」
「うぎゃー!?痛そう!?」
「お先♪」
そう言って海東はアギトトルネイダーに飛び乗り、東へ向かって飛び立っていった。
「俺達も早く!」
「のどかさん!」
ネギは杖に跨りのどかを抱え込んで海東の後を追う。その彼等をアスナ達が並走する。
「待てぇ!」
小太郎はネギ達の後を必死で追いかけるが、スピードが違いすぎて全く追いつけなかった。
「アレだな……。」
先行していた海東はのどかが言っていた鳥居を見つけ、左右三箇所の隠された印にディエンドライバーの銃弾をぶち込む、すると何もない空間にガラスのようにヒビが入った。
それを確認した海東はディエンドライバーにアギトのファイナルアタックライドのカードを装填する。
『ファイナルアタックライド!アアアアギト!!』
するとアギトトルネイダーの両脇に金色の刃が生え、そのまま突進してひび割れた空間を破壊した。
そしてその後を、ネギ達が駆け抜けた。
「脱出―――!!」
「うそ――ん!?」
結界から脱出した直後、チビ刹那が追いかけてくる小太郎に向き合う。
「再度結界を閉じて奴を封じ込めます!無限方処返しの呪!」
「あっ!待てコラ…!」
「ヴァン ウーン タラーク キリーク アク!」
ガコオオン!
するとその場から小太郎の姿が消えてしまった。
「や…やった……。」
安心感からかその場でへたり込むネギ達、そんな彼等の元に変身を解いた海東がやって来た。
「へぇー、君達凄いね、ライダーでもないのにそんな力が使えるなんて……。」
ネギは海東の姿を見ると、すぐさま身構えた。
「ちょ!ネギ!命の恩人になんてことを……!」
アスナの注意に耳を貸すことなく。ネギは海東に言い放った。
「貴方も……あの王蛇とかいう人と同じライダーなんですか?」
「おいおい、あんな雑魚ライダーと一緒にしないでくれたまえ。確かに僕はライダーだよ、君達の先生の門矢士もね。」
「ええ!?門矢先生も!?」
「教えてください……貴方達がこの世界を破壊しようとしているのは本当なのですか?」
ネギの質問に、海東は鼻で笑いながら答えた。
「まあ、彼が世界の破壊者だってことは大体合っている。当の本人は記憶失って本来の目的を忘れているみたいだけどね。」
「…………。」
“なんてことない”といった様子で話す海東を、ネギは神妙な面持ちで見ていた。
「まっ、焦らなくてもいいんじゃない?今は君達の問題を解決する事に専念するんだね。」
そして海東の背後にオーロラが現れ、彼はその中に入っていった。
「今度会った時……君の杖とそこの子の本、僕が頂くから!じゃあね、魔法先生♪」
そして海東はその場から消え去った。
「消えた……一体なんなのあの人?」
「悪い人じゃなさそうですけど……?ネギ先生?」
のどかはネギが深く悩んでいる様子に気付く。
「あ、はい、すいません……とにかくこの場から離れましょう、のどかさんの話も聞きたいですし……。」
「は、はい……。」
そしてネギ達はその場から去って行った…。
そのころ封印された千本鳥居の中では、力を使い切った小太郎が変身を解いて地面に寝転んでいた。
「あかん、無理して変身したはええけど……あのままやっても負けたのは俺の方か……チクショウ……!」
小太郎はネギと海東にしてやられた事を思い出し、悔し涙を流していた。
「おーい、なに泣いてんだ小太郎?」
そこに、山法師のような格好をしたカブキが、小太郎の顔をのぞきこんできた。
「カブキのにいちゃん!?な、泣いてへんわ!」
「へーへー、そうかい。」
カブキはやれやれといった感じで疲れきった小太郎を背負った。
「悪かったな、応援が間に合わなくて……。」
「ふん!あんな奴ら……俺一人で十分や!」
「ったく、強情な奴だ……とにかく千草は今、近衛木乃香本人に直接仕掛けている、それがうまくいかなかったら……今夜総本山に直接しかけるそうだ、だからそれまで休んでいろ。」
「……わかった、そうさせてもらうわ……。」
そして小太郎は今までの疲れと、カブキに背負われているという安心感からか、眠気がどっと押し寄せそのまま眠ってしまった。
「くかー。」
「あーあ、俺もガキには甘いねえ。」
そんな彼等の元に、二つの人影が近寄ってきた。
「……あんたらか。」
「どうじゃ……?“リョウメンスクナノカミ”は蘇りそうかや?」
「まだなんとも言えねぇな、ディケイドもディエンドもいるし。」
「ふん、スクナの儀式が始まればこっちのもんじゃて、お前はせいぜいあの小娘の機嫌でも取っておれ、だがあのフェイトとか言う少年には気を付けろ、奴は得たいが知れない。」
「ああ、解っているよ。」
カブキがそう答えると、その二つの人影は何処かへ消え去っていった。
「さて、俺らも本腰を入れないとな、すべてはあのお方の為に……ってね。」
皮肉っぽく笑いながら、カブキは小太郎を抱えて何処かへ去って行った。
413 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/08/15(土) 20:18:06 ID:EOaNByrc
今日はここまでです。あと一話か二話ぐらいで修学旅行編は終われると思います。
先週ディケイドの映画見ました。感想は光おじいちゃんがイカでビールだったこととスクリーンのガクトさんが迫力ありすぎだった事です。
みんなも映画館へ行こう!おもろいよ大ショッカー!
更新乙です!
おつです
乙です
417 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/16(日) 16:55:27 ID:Wv3Nw6jj
muge
WIKIもう管理人居ないみたいだから新しいの立てた方がいいかもね
過去ログ持ってる人がいないと保管できないけど
419 :
ちさめとジャンク:2009/08/17(月) 08:47:46 ID:uBFxeYh7
闇の書出してもだいじょぶですかね?
421 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/17(月) 14:28:29 ID:uBFxeYh7
じゃあ、えんりょなくださせていただきます。
期待してまっせ。
423 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/18(火) 21:20:53 ID:dv6z7JeN
muge
ライダーさんいつもGJです。
ちさめさんも楽しみにしています、が、
もうすぐ投下の予告なのか投下準備作成中と言う意味なのか、
出来ればその辺もう少し分かりやすく書いてくれたら有り難いです。
では、今回の投下、入ります。
>>401 「その歳で、私と対峙した際にあれだけの技量を見せた達人です。
その正体、改めてこの剣で確かめさせてもらう!!!」
立ち上がった刀子の豊かな黒髪はふわあっと浮き上がり、
白黒反転した目をのび太に向けてぎゅぴーんと光らせた刀子の手で、
房紐の巻かれた野太刀の鯉口が着られていた。
「ド、ドッ、ドラえもーんっっっ!!!」
「葛葉先生」
「なんや?」
鯉口を切った刀子が、声がした入口にすっと顔を向ける。
「緊急会議です。ここの監視を私に代わって至急対策本部444号室に集まって欲しいと」
「ああ、佐倉さんですか。分かりました、後はお願いします」
「分かりました」
スタスタと出て行く刀子を前に、のび太はふーっと脱力した。
「えーっと、佐倉さん?」
のび太が入口に視線を向けて言う。
先ほどはさっさと青空に消えてしまったが、
ここでようやく愛衣に感じていた違和感の意味に気付いた。
「来て下さい」
そんなのび太の発見はお構いなしに、
ポニーテールにリボンを結った愛衣がスタスタとのび太に近づいて短く告げる。
>>424 「来て、ってどこに?」
「いいからっ、今、色々と事情があってあの人に理屈は通じません。
このままここにいたらのび太くん葛葉先生に一寸刻み五分試しにされるわよ」
ぞわわーっと身の毛がよだったのび太に選択の余地は無かった。
「さあっ」
愛衣が、ぐいっとのび太の手を引いた。
「ここはどこ?」
「場所は言えませんが魔法使いの秘密基地です」
教会を出た森の中で、愛衣がのび太に言った。
「あなた達の事を説明します。
剛田武、骨川スネ夫、源静香の三名とアオダヌキ型のロボット一台、
既にこちらで身柄を確保しています。
三人のクラスメイトはあの教会に、ロボットは麻帆良大学に分析に回されています。
どちらを優先するの?」
「じゃあ、ドラえもんを」
「分かりました。乗って」
「え?わあわあわあーっ!」
「力場が発生しているからそんなに抱き付かなくても大丈夫」
愛衣に言われ、のび太はようやく愛衣の胸を鷲掴みにした両手を離す。
「うわあー、本当に箒で空飛んでるんだー」
「あなたも空を飛んでいたでしょう?」
「ああ、それはドラえもんの科学で」
「科学?機材らしい機材もなしに科学で空を飛ぶ?」
「えーっと、それはその…」
「見えて来た」
>>425 大学に到着すると、のび太は愛衣の後に付いて、白衣の行き交う研究棟を進んでいた。
「きょろきょろしないで、怪しまれる」
スタスタと廊下を進む愛衣から小さな叱咤が飛んだ。
「ドッ…」
のび太が開いた口を愛衣が閉じた。そして、二人は柱の陰に入る。
「明石教授…」
「知っているの?」
「ゆーなさんのお父さん…」
「顔見知りだとすると…」
教授が席を外したタイミングに、愛衣は柱を出て、
ガラスで素通しになっているラボへと入って行った。
「佐倉愛衣です、協会の連絡員として来ました。状況は?」
「今の所電子麻酔信号でコンピューターを休眠させているけど、正直言って何がなんだか…
何よりこの袋が全く意味不明、危なくて手が出せません。
元々、この魔法科学分野の研究は葉加瀬さんの独壇場でしたから。
まだ、見付からないんですか?」
若い研究員が愛衣に言った。
「ええ、学園祭以来身を隠しています。
超鈴音と極めて近しいと言う事で警戒しているのでしょう」
「こちらでもそれなりの研究はしていましたがね、
超さん葉加瀬さんの残したデータ、大半はそっちの協会の上層部に押さえられていますから」
「そうですか…取りあえず、電子麻酔を切って再起動させる事は出来ますか?」
「再起動ですか?」
「はい、実際の活動状況を確認する様にと指示を受けています。
一応ジョンソン首席で腕には自信がありますから」
「そうですか?では」
研究員がガコンと手近なレバーを下ろすが、作業台の上に横たわるドラえもんに変化は無い。
>>426 「スイッチ、あるんですかね…」
愛衣が小首を傾げる。
「ここ」
のび太がドラえもんの尻尾を引っ張ると、ドラえもんが身を起こした。
「やあ、ぼくドラえもんです」
「ドラえもんっ!!」
「のび太くん?」
泣いて抱き付くのび太を、ドラえもんはきょとんと見ている。
「えーと、この少年は?」
「はい、このロボットについて詳細を知っている人物です。
見ての通り、高度なAIを搭載しているロボットの様ですので、
ここからは我々の手で二人まとめて、彼に説明を求めながら尋問を行います」
「い、いえ、しかし…」
「決定事項です」
「おや」
「あっ」
何となく事情が飲み込めたドラえもんが、愛衣に連れられてのび太と共に廊下を進む。
そこで、トイレから出て来た明石教授とバッタリ出会った。
「佐倉君じゃないか?それにのび太くん。解析中のロボットと一緒にどこへ?」
「えーっと、あにょその…」
口ごもる愛衣の前で、教授がポケットに手を入れ、ドラえもんもポケットに手を入れた。
「いかんな、トイレに忘れものをした様だ。
君の事だから何か必要があるのだろう。ちゃんとあるべき所に戻しておく様にね」
「…はいっ」
教授がくるりとトイレに向かい、その後ろを三人が走り抜けようとする。
「…信じてるよ、娘の目をね…」
>>427 「えーっと、どこに向かってるのかな?」
ドラえもんが言う。
「空、飛べる?」
愛衣の問いにのび太が小さく頷き、ドラえもんも頷く。
愛衣が天井の空いた吹き抜けを見付け、ドラえもんとのび太がタケコプターを装着し
箒で飛び上がった愛衣の後を追った。
三人が降り立ったのは、愛衣とのび太にとっては元来た道を戻った途中の森の中だった。
二人を従える様に着地した愛衣がきょろきょろと周囲を見回す。
「魔法使いが追って来る?」
のび太が言う。
「それだけじゃない、今は麻帆良の全ての人の目に触れてはいけない」
「どう言う事?」
ドラえもんが言った。
「私達、魔法使いは超鈴音の超大規模テロリズムを前に、完敗した」
「テロ、リズム…」
「一体、何があったんですか?」
のび太に続いて、ドラえもんが尋ねた。
「私達が世界樹と呼んでいる巨木は、古くからの霊木です」
「レイボク?」
「霊魂、幽霊の霊、いや、精霊って言った方がいいのかな?
つまり、魔法の木って事ですね?」
ドラえもんが言う。
「その通りです。世界樹の魔力は一年に一度、学園祭の最終日に最も高まるのですが、
今年はその中でも最も強い、莫大な魔力を発動する年に当たります。
超鈴音はそこを狙って来ました。しかも、学園内にある六カ所の魔力溜まり、
つまり、膨大な魔力を秘めたポイント六カ所をロボット軍団を使って占領して、
世界樹を中心とした巨大な魔法人を結んで巨大な魔法を発動させ、
更に十二箇所の聖地と共鳴共振させる事によって一つの魔法を全地球に波及させる…」
>>428 「超さんは、一体何をしたの?」
「強制認識です」
「きょーせーにんしき?」
半分以上理解出来ずに質問したのび太はその回答を全く理解できなかった。
「医学的に言えば、一種の催眠術です。
魔法というものが実際に存在する、
その事に対する心理的な抵抗を若干薄めたんです、世界規模で。
同時並行で、麻帆良祭を題材に、魔法の存在を示す数々の情報を、
我々の監視網をかいくぐってインターネット上に様々な形で流布しました。
その結果、既にこの学園では魔法と言うものが実在すると、ほぼ既成事実となっています。
それはこの先先進国各国、一年も経たない内に全世界で自明の事になる、
とシミュレーションされています」
「それが、超さんが言っていた魔法の存在をバラす、って事…」
「知ってたのっ!?そうね、確かにあなたはあの時そう言っていた!!」
激昂した愛衣に胸倉を掴まれ、のび太は震え上がった。
「やっぱり、あなたは超鈴音の仲間だったって言う事?」
「違うっ!」
凄みの効いた愛衣の問いに答えたのび太の叫びに、愛衣の手の力が緩んだ。
「超さんから聞いたのは本当。だけど、そんな事をしたら大変な事になる。
だから、どうにかしようってネギ先生を捜して、でも、出来なくて…」
段々小さくなるのび太の声に、愛衣が静かに口を開く。
「ネギ先生は行方不明です。3‐Aからも何人もの行方不明者が出ています。
我々は何とか情報の進行を食い止めようとしましたが、無駄でした。
既に、学園に魔法使いが居られる場所はありません」
「そうなんだ…」
確かに、そんな事になれば、突然魔法使いと言うものの存在が明らかになれば
実際に魔法使いである愛衣たちがどういう事になるか。
知っていながら阻止出来なかったのび太の胸がまた、痛む。
そんなのび太の前で、愛衣が不意にカードを額に当てた。
>>429 「…ネギ先生の身柄が確保されました」
「どこでっ!?」
「学園です」
「じゃあ…」
身を乗り出すのび太を前に、愛衣が首を横に振る。
「ネギ先生は極めて有力な魔法使い。その上武道会準優勝の有名人。
残存する学園魔法使い直轄の厳重監視下に置かれます。
とてもこんなごまかしのできる状況ではありません」
「そっか…」
のび太が肩を落とした。
「私も合流してネギ先生の事で対処しなければいけない、
一癖ある仲間もいるから非常召集が掛かってる。
あなた達の仲間はこの先の教会にいる筈だけど、これ以上あなた達には付き合えない」
「分かりました、後はぼくらでなんとかします。ありがとうございました」
ドラえもんがぺこりと頭を下げ、のび太もそれに倣う。
「…あのっ!…」
立ち去ろうとする愛衣に、のび太が叫んだ。
「…何?」
「どうして、ぼくらを?」
「馬鹿な事してるって思う」
愛衣が言う。
「ヤケなのかな?こんな事になって、私もお姉様もこの学園の魔法使いみんな、
本国に強制送還されてオコジョにされて、ダメ魔法使いの烙印を押される事になる。
一生懸命一杯修行して、勉強して、これからって時に…」
上を向いて、語尾のかすれる愛衣の目には、光るものがあった。
>>430 「あなた達の事は分からない。分からないから、賭けてみたくなった。
何か、大きな力を持っている、私達魔法使いとは異質の存在、何か力を持っている。
でも、悪い人たちとは思えない。だから、もしかしたらってね。
これから滅茶苦茶な世界の混乱が始まる。でも、もう、私達魔法使いには何も出来ない。
そんな未来に、ちっぽけな希望、知っておいて欲しいって、
押し付けられても迷惑かも知れないけど」
ぐっと袖を目に当てた愛衣が言う。
「じゃあ、私はもう行くね、仕事あるから。
今さらネギ先生たち捕まえてどうなるって事もないけど」
「待ってっ」
「?」
振り返った愛衣にのび太がスタスタと歩み寄り、ごそごそとポケットを探る。
「これ」
「?これ…」
「森の中に落ちてた」
愛衣が、のび太に渡された星の髪飾りを手にぶら下げる。
髪を解いた愛衣が、ポケットからもう一つの星の髪飾りを取り出し、
髪飾りで両サイドを結う。
「のび太くん」
「はい………」
ほんの一瞬、頬の柔らかな感触と共に、目をぱちくりさせていたのび太がぽわーんと赤くなる。
「じゃあ…お願い、私達の未来を…なんてね」
のび太の頬から顔を離し、しゃきっと立って真面目な顔で言っていた愛衣が、
にこっと笑みを見せた。
「じゃあ私は、私の仕事をして来ます。魔法使いとして」
愛衣の言葉にドラえもんとのび太が頷き、愛衣は二人に背を向けて歩き出した。
今回はここまでです。続きは折を見て。
432 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/19(水) 05:59:31 ID:BsIPTzF1
muge
434 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/20(木) 01:08:59 ID:w3DyJ/dD
muge
435 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/20(木) 23:55:20 ID:w3DyJ/dD
muge
436 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/21(金) 23:04:56 ID:mkJ9USlo
muge
437 :
ちさめとジャンク:2009/08/21(金) 23:59:35 ID:Q4UIzH1t
避難所に投下しました。 どなたか代理お願いします
438 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/22(土) 20:48:16 ID:F/6mU3s1
muge
>>437 やってあげたいけど、避難所がどこかわかんねー
440 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/22(土) 21:29:58 ID:lPPRouNW
439さん 避難所はこのスレの339にあります。
すみませんがお願いします
♪ 二時間目 ♪ マザーグース
――ふふっ――
時刻は午後の六時三十分。
寝転がりながら漫画を読んでいると、突然お腹が鳴った。
別に私の脳は空腹を訴えてはいない。だが、胃は空腹を訴えている。
夕食を食べるには、まだ早かったので、私は胃の訴えを却下して、漫画を読み続けることにした。
しかしほどなくして、無視をしたことにへそを曲げたのか、胃が余計に腹を鳴らす。静寂な部屋の中には間抜けな音
だけが、空しく響き渡った。
まったくうるさい奴だ。少しは我慢が出来ないのか。これでは小さな子どもがあれが欲しい、これが欲しいとだだを
こねているのと、一緒ではないか。
「――あーッ! ったく、うるッせー奴だ! 今から腹いっぱい詰め込んでやるから少し黙れ!」
だるい体をソファーから起こし、頭を?き毟りながらドカドカと足音を立てて、冷蔵庫の前まで来た。
その間もお腹は鳴っていたが、これから食べ物が流し込まれることを察したのか、幾分か大人しい鳴り方だった。
手を伸ばし扉を開ける。
「――げッ! 空っぽじゃねーか!」
目から脳へ、脳から胃へと光速で伝達されたのか、私が言葉を発したのと同時に、胃が大声で泣き喚いた。
だが、やってしまった。主食の冷凍食品が切れたので、学校の帰りにスーパーへと寄ろうと思っていたのを、すっか
り忘れていた。
しかし本当に困った。これでは夕食を食べることが出来ない。――学食は行きたくねぇしな……。
この女子寮の地下一階には、学生食堂が完備されている。だが、私はあまりあそこが好きではない。
何故なら、私は少し対人恐怖症の気があるからだ。決して人間が嫌いなわけではない。人間が大勢集まる場所に
居ると、どうも落ち着かないのだ。なのでたいてい、食事は部屋で取る。
もう、こうなったら仕方がない。腹をくくって買い出しに行くか。
鞄の中から財布を取り出し、中身を確認する。野口英世が三人と小銭が少々。これだけあれば一週間分の食料が
買える。スーパーに行くのはしんどいが、人間食べねば死んでしまう。
私はパジャマの上に、ジャンパーを羽織って部屋を出た。
――可哀相な――
レジで福引券を一枚貰った。なんでも、千円以上買うと一枚貰えるそうだ。
福引が行われているのは、ここから歩いて十分程の所にある、駅前商店街。
別に福引などには興味はないが、もしかしたら一等が当たるかもしれない。との思いで、福引を引きに行くことにし
た。
♪
商店街の一角に設けられた抽選所は、青いビニールシートが引かれた床に、長机が置かれ、その片隅に所狭しと
適当に景品が置かれていた。
福引店員たちは一人の女性を除きみんなヤル気がなさそうに、適当に声を出し、適当に鈴を鳴らしている。
――つーか、お前ら少しはヤル気出せよ! 客商売だろっ!
そう思いながらも私は福引券を店員に渡し、ガラガラを回した。
゛コテン゛という音と共に、金色の玉が落ちて来た。―― い、一等だ! ま、間違いねぇ! 心の中でそう叫んだ。
私は喜びの感情を押さえながら、店員に金色の玉を手渡す。
「出ました! 一等! 大当たりッ! おめでとう御座いま〜〜すぅ!」
――よしっ! 今、間違いなく一等って言ったよな! いや〜、さみー思いしてわざわざ来たかいがあったぜッ!
鈴をチリンチリンと鳴らしながら、抽選所の奥から袋に入った何かを店員が持ってきた。
――袋の大きさからして家電製品か? 紙袋だからよくわかんねぇな?
店員が私の前に袋を置いて、中身を見せてくれた。……私は、絶句した……。
「え? ……ヤクルト?」
――ちょっ、ちょっと待て? ふつー一等って言ったら、温泉旅行とかじゃねーのか? なんだヤクルトって?
「あ、あの、私が当てたの……、一等ですよね?」
「ハイ!」
「コレ、ヤクルトですよね?」
「ハイ!」
「ふつーは、温泉旅行とかじゃないんですか?」
「違いまぁ〜す。ヤクルト百本で〜〜すぅ」
――狂ってやがる!
袋を渋々受け取ると、さっきまで、まったくヤル気のなさそうにしていた店員たちが、一斉に鈴を鳴らし始めた。
通行人たちが私を見て失笑している。――なんで私が笑われなきゃなんねぇんだ! 特に!――このクソガキっ!
「イーヒッヒッヒッヒ……。ヤ、ヤクルト! プッ! 笑いが止まらねーですよ! イーヒッヒッヒッヒ……」
「ちょっと翠星石! 笑い過ぎだよ!」
「だって、プッ! ヤ、ヤクルトですよ! 翠星石なんて、ホレ、DS当てたってのに、この人間と来たら……、ヤクルト!
プッ」
――このクソガキっ! てめぇが人のこと笑えるか! てめぇが手に持って自慢してるのはな、DSじゃなくて、ゲー
ムボーイカラーってゆーんだよ! バカがッ!
「蒼星石! 見るですよ! この人間。あまりの羨ましさに目が点になってるですぅ! まぁ、土下座して頼むなら交換
してやらなくもないですが……ウソですけど」
――こ、こんのクソガキィィイー! 黙って聞いてりゃー調子に乗りやがってぇええ!
その時、野次馬の誰かが声を上げる。「それ、DSじゃなくてゲームボーイカラーだぞ」 すると幼女は、「えっ!? D
Sじゃねぇんですか!? ……やい、そこの人間! これはどう言うことです! ホントにDSじゃねぇんですか?」 と
店員に尋ねる。「違いま〜すぅ。ゲームボーイカラーで〜す」 と笑顔で返された。
そこからは失笑の的が、私から幼女に移り変わった。
私は暫しその光景を眺めた後、ひっそりと抽選所から立ち去った……。
――可哀相――
もう、四月になろうというのに、外気はまだ肌寒く、冬の香りが漂っていた。
私はポケットに手を突っ込み、背筋を軽く曲げて、エレベーターが上がって来るのを待っている。
周囲からは物音一つせず、静か過ぎて、この世には私一人しかいないのではないか、という感覚すら込み上げて
くる。
そんな中、エレベーターの到着音が鳴り、ゆっくりと扉が開かれる。
私は寒さから逃れるように、四角い長方形の小さな箱の中に飛びこんだ。中は外と比べれば、気持ち暖かかった。
目的の階のボタンを押すと、ゆっくりと扉が閉まり始める。後十センチ。そこで突然、扉に手が掛けられた。
ゆっくりと開かれる扉の向こうには、゛サイドテール゛がチャームポイントのクラスメイト、桜咲刹那が立っていた。
額に汗を薄らとかき、少し息も荒いように感じる。――早く乗れよ! さみーんだよッ!
桜咲は頭を軽く下げながら乗り込んできた。
私が゛何階だ゛と聞くと゛一階です゛と答えたので、そのまま゛閉゛ボタンを押した。
振動音と共に下に落ちていく。私はエレベーターの赤ランプをぼおっと眺めながら、今夜の夕食を何にするか考えて
いた。すると桜咲が話しかけて来る。「長谷川さん……。実は今、人を探していまして」
――人を探してる? ……ははーん! わかったぞ! こりゃあれだ! 見掛けませんでしたか、ってパターンだ。
「これくらいの身長の女の子を見掛けませんでしたか?」
――ほら! 思ったとーりだッ! ……ってか、ちっさ!? 九十センチあるかないかくらいか? つーことは、四、五
歳のガキだな……でもこいつに、妹なんか居たか?
「なあ、桜咲。お前妹なんか居たっけ?」
私の問いに対し、桜咲は少し間を置いてから答えた。
「……いえ、私の妹ではありません。龍宮の親戚の子供なんです。今、訳あって預かっていまして」
「何だ、そーゆーことか。てっきりお前の妹かと思ったよ。でもまあ、聞いといて悪いが、そんな子供見掛けなかった
な」
「そうですか……、じゃあ、長谷川さん。お手数ですが、それらしき子供を見掛けたらでいいんで、私が探している、と
伝えて貰えませんか」
――おいおい? 伝えて貰えませんか、って身長九十センチの女のガキなんて、そこらじゅうに居るだろ!
――下手に声掛けて、不審者に間違われるのはご免だぞ!
――それにな、そーゆーこと頼むんだったら、身体的特徴をもっと詳しく教えろ!
「ああ、わかった。見掛けたら声掛けとくよ」
もちろん、声など掛ける気は一切ない。だが、この場の雰囲気で取り合えず、そう答えた。
そう言うとほぼ同時に、一階に付き、扉が開く。
桜咲は、゛お願いします゛と頭を深々と下げた後、玄関ロビーの方へと走って行った。
「ガキは目を離すと、すぐ居なくなるからなー。まっ、目を離した桜咲が悪いな」
私はそんなことを呟きながら、寮を後にした。
――可哀相な――
レジで福引券を一枚貰った。なんでも、千円以上買うと一枚貰えるそうだ。
福引が行われているのは、ここから歩いて十分程の所にある、駅前商店街。
別に福引などには興味はないが、もしかしたら一等が当たるかもしれない。との思いで、福引を引きに行くことにし
た。
♪
商店街の一角に設けられた抽選所は、青いビニールシートが引かれた床に、長机が置かれ、その片隅に所狭しと
適当に景品が置かれていた。
福引店員たちは一人の女性を除きみんなヤル気がなさそうに、適当に声を出し、適当に鈴を鳴らしている。
――つーか、お前ら少しはヤル気出せよ! 客商売だろっ!
そう思いながらも私は福引券を店員に渡し、ガラガラを回した。
゛コテン゛という音と共に、金色の玉が落ちて来た。―― い、一等だ! ま、間違いねぇ! 心の中でそう叫んだ。
私は喜びの感情を押さえながら、店員に金色の玉を手渡す。
「出ました! 一等! 大当たりッ! おめでとう御座いま〜〜すぅ!」
――よしっ! 今、間違いなく一等って言ったよな! いや〜、さみー思いしてわざわざ来たかいがあったぜッ!
鈴をチリンチリンと鳴らしながら、抽選所の奥から袋に入った何かを店員が持ってきた。
――袋の大きさからして家電製品か? 紙袋だからよくわかんねぇな?
店員が私の前に袋を置いて、中身を見せてくれた。……私は、絶句した……。
「え? ……ヤクルト?」
――ちょっ、ちょっと待て? ふつー一等って言ったら、温泉旅行とかじゃねーのか? なんだヤクルトって?
「あ、あの、私が当てたの……、一等ですよね?」
「ハイ!」
「コレ、ヤクルトですよね?」
「ハイ!」
「ふつーは、温泉旅行とかじゃないんですか?」
「違いまぁ〜す。ヤクルト百本で〜〜すぅ」
――狂ってやがる!
袋を渋々受け取ると、さっきまで、まったくヤル気のなさそうにしていた店員たちが、一斉に鈴を鳴らし始めた。
通行人たちが私を見て失笑している。――なんで私が笑われなきゃなんねぇんだ! 特に!――このクソガキっ!
「イーヒッヒッヒッヒ……。ヤ、ヤクルト! プッ! 笑いが止まらねーですよ! イーヒッヒッヒッヒ……」
「ちょっと翠星石! 笑い過ぎだよ!」
「だって、プッ! ヤ、ヤクルトですよ! 翠星石なんて、ホレ、DS当てたってのに、この人間と来たら……、ヤクルト!
プッ」
――このクソガキっ! てめぇが人のこと笑えるか! てめぇが手に持って自慢してるのはな、DSじゃなくて、ゲー
ムボーイカラーってゆーんだよ! バカがッ!
「蒼星石! 見るですよ! この人間。あまりの羨ましさに目が点になってるですぅ! まぁ、土下座して頼むなら交換
してやらなくもないですが……ウソですけど」
――こ、こんのクソガキィィイー! 黙って聞いてりゃー調子に乗りやがってぇええ!
その時、野次馬の誰かが声を上げる。「それ、DSじゃなくてゲームボーイカラーだぞ」 すると幼女は、「えっ!? D
Sじゃねぇんですか!? ……やい、そこの人間! これはどう言うことです! ホントにDSじゃねぇんですか?」 と
店員に尋ねる。「違いま〜すぅ。ゲームボーイカラーで〜す」 と笑顔で返された。
そこからは失笑の的が、私から幼女に移り変わった。
私は暫しその光景を眺めた後、ひっそりと抽選所から立ち去った……。
――駒鳥さん――
「タカミチ」
「ん? やあ、エヴァ。君も夜の散歩かい?」
「バカ言うな。私は茶々丸を探しているんだ。で、茶々丸を見掛けなかったか?」
「……うーん? 見掛けなかったと思うけど……?」
「くっ! まったくあのバカ! マスターである私をほったらかして、何処で油を売ってるんだ!」
「ははは、でもエヴァ。こんな時間に出歩いて平気なのか? 学園長から夜の外出は控えるように言われてるだろ」
「ふんッ! まだ八時前だぞ! それにマザーグースなど私の敵ではないわ!」
「でも、茶々丸君が居ないんじゃあ、話にならない、だろ! それに居たとしても、今の君の力ではマザーグースには
絶対に勝てない。学園長曰く、大戦期の゛鬼神兵゛並み、もしくはそれ以上らしいからね。はは、まったくとんでもない
化け物に目を付けられたものだ。この学園も……いや、僕たち魔法使いと言うべきかな?……」
「゛鬼神兵゛並み? なら雑魚ではないか。それに、あんなボケジジィの言ってることなど当てになるか!」
「でも、今の君はメチャクチャ弱いじゃないか」
「…………!」
「機嫌を損ねちゃったかな? なら、お詫びのしるしに、僕が茶々丸君と苺仮面君を探してあげるよ。だからエヴァは
真っ直ぐ家に帰るんだ」
「な! お、お前……、苺仮面のこと知ってたのか!?」
「知ってるもなにも、苺仮面は有名人じゃないか。苺のマスクを被った道場破りってね。そうそう、今日は最後の砦
と言われてた、中武研部長の古菲君がやられたよ。僕もそこに居たんだけど、強いね。苺仮面。何だったかな……、
えーと、ワックス何とか、とか言ってたんだよな。んー、思い出せないな……」
「私が言いたいのは……いや、何でもない。とにかく苺仮面が私の弟子だということは誰にも喋るなよ!」
「はは、わかってるよ。別に悪さしてるわけじゃないからな。じゃあ僕はそろそろ失礼するよ。見回りをしなくちゃいけな
いからね」
「……そうだ、すっかり忘れていた! タカミチ。暇な時でいいから、図書館島の周辺を調べろ。昼間にあの周辺から
強い魔力を感じた……。気がしたんでな。
「気がした、か。……明日にでも調べてみるよ。……じゃあ気を付けて帰るんだよ。エヴァ」
「私を子ども扱いするな!」
――だぁれが殺した――
何も考えず、ただ赤く輝く、月光を眺めながら桜通りを歩いている。
目に映る風景は月光だけ。時折、風に揺られ舞い上った花弁たちが、風景を変える。
何もかも、本当に、外の世界は詰まらない……。――二次元の世界にいきてーなー。
そんなことを思っていると、ふと視界の端を何かが動いたような気がした。「ん?」 その方向へと目をやる。
よく見ると、暗がりの桜の木の下に、クラスメイトの゛宮崎のどか゛が居た。
――どーしたんだ? ……ちょっと声……掛けてみるか――。
「オイ、宮崎。こんなとこで何してんだ?」 突然声を掛けたからか、宮崎の肩が跳ねた。
「は、長谷川さん!? ちょっとビックリしちゃいました……」
宮崎のどか。麻帆良学園中等部所属。年は十四歳。
宮崎は生まれつき体が弱く、足に原因不明の障害を抱えている。私は詳しくは知らないし、ただの噂だが、もう長く
は持たないそうだ。
「で、何してんだ?」
「あの―、実は……、車椅子の車輪が窪みにハマってしまいましてー、身動きが取れないんです……」
「ん? ホントだ」 すっぽりハマっている。これではいくら電動車椅子でも、脱出は不可能だろう。
――はてさて、如何した物か。宮崎の体重は、おおよそ四十キロ位か? だが、問題は車椅子だ! 見るからに重
そーだよな……、コイツ。声掛けた以上は見捨てるわけにはいかねーし。……まっ! やるだけやってみるか!
「よしっ、宮崎! 私に任せろ!」 掛け声一番、気合いを入れて、私は車椅子を持ち上げる。――お、おもてーッ!
頭の血管が切れてしまうのではないか、というほど力を振り絞ったが、非力な私がいくら頑張ったところで、まったく
びくともしなかった。――カッコ悪すぎるぞ。私……。
「あの、長谷川さん。私は大丈夫ですから、先に帰って下さい」
「オイオイ! 全然だいじょぶじゃねーだろ! ちょっと待ってろ、今脱出方法考えるから!」
――考えろ! 千雨! 考えるんだ! 千雨! …………そうだ! 梃子の原理だ! 私って天才だなッ!
「直ぐ戻るから! ちょっと待ってろ」
宮崎をその場に待たせ、私は太くて長くて頑丈そうな木の棒を探す。――あった! コレならだいじょーぶだろ!
宮崎の元へ戻り、直ぐに木の棒を使って車椅子を持ち上げる。――オオッ! 持ちあがった!
「よし、これでだいじょぶだ! もうハマるなよ」
「あ、ハイ! 有り難う御座いました! 長谷川さん」
――なんかコイツ、またハマりそーだよな。それに心配だし、寮まで一緒に帰ってやるか。
「宮崎、一緒に帰ろうぜ」
「えっ!? ハ、ハイ!」
突然の私の申し出に宮崎は驚いたようだった。それもその筈だ。今まで挨拶くらいしか口を利いたことがなかった
のだから。
下らない雑談をしながら、寮を目指して歩いている。すると私は、宮崎が手に持っていた一冊の本に目を取られた。
「なあ、宮崎。その本? 何だ」
「これですか?」
本の色は茶色。そして分厚い。しかも本の中央には、金の十字架が埋め込まれている。だが、何より目を引くのが、
その本を覆っている鎖だ。
「この鎖は何なんだ?」
「さー、私も分かりません?」
「コレ? お前の本じゃないのか?」
「図書館島から、勝手に持って来ちゃったんです。何て言ったらいいのかな―……。そう、昔からいつも一緒に居たよ
うな、そんな感じがこの本から伝わって来たんです。だから持ってきちゃいました。えへへ……!」
「何だそりゃ、りゆーになってねぇぞ」 私がそう言うと、宮崎は゛内緒にしてくださいね゛と舌を出した。
――まったく、クラスの優等生が校則を破るとはな、世も末だ。なんてな。まあ、あんだけあるんだ、一冊くらい無く
なったって、バレやしねー。
「ああ、そうだ宮崎、言い忘れてた。さっきのはカシだからな、いつか倍にして返せよ」
「え! ハ、ハイ! 頑張ります!」
何を頑張るのか知らないが、この後も、下らない雑談で盛り上がった。
――駒鳥さん――
エレベーターのボタンを押そうとした時、丁度扉が開いた。
中から降りて来たのは、゛褐色の肌と美しい黒髪゛がチャームポイントのクラスメイト、゛龍宮真名゛だった。
――いつ見ても、でけぇな――ホントに十四歳か? ――ぜってーサバ読んでるだろ、コイツ――。
私が宮崎とエレベーターに乗ろうとしたら、龍宮が話しかけて来た。
「二人に聞きたいことがある。このくらいの背丈の女の子を見掛けなかったか?」
――そー言えば、桜咲にも似たようなこと聞かれたな。
「何だ、まだ見つかってないのか」
「ああ、……って、何で知ってるんだ?」
「さっき、つっても、一時間以上前だけど、桜咲に同じこと聞かれたんだよ。お前の親戚の子供なんだろ?」
龍宮の眉がわずかに動いた。
「親戚の子供か。……まあ、そう言うことにしておこうか。で、見掛けたか」
私と宮崎は首を横に振る。
「そうか……、一体何処へ行ったんだろうな? ……悪かったな、時間を取らせて」
そう言葉を残して、龍宮は玄関ロビーの方へ歩いて行った。
私たちはエレベーターに乗る。
私の部屋は五階。宮崎の部屋は六階。
宮崎は二年に進級するまでは、クラスメイトの゛綾瀬夕映゛と一緒の部屋に住んでいたが、二年に進級してからは、
一人で住んでいる。これもあくまで噂だが、綾瀬が宮崎との同室を拒んだらしい。――いつも仲良さそうに喋ってん
だけどな?
五階に付いて扉が開く。「じゃあな宮崎。もうハマるなよ」 私が言うと、「流石にもうハマりません」 と手をヒラヒラ
させながら、私を見送ってくれた。
私は扉が閉まるのを見届けてから、呟く。「あんなに元気なのに、ホントに死んじまうのか……?」
それが私の、素直な、感想だった――――――。
――そぉれはわたし♪――
「――――――――マザーグース――――――――!」
――わたしなの――
突然、高畑の目の前に浮遊する羽根のようなモノが現れ、羽根の先端部から、レーザービームのようなモノが放
たれた。完全に不意を突かれた高畑は、左の腕にその一撃を喰らう。顔を歪め、声にならない声を上げ、腕を押さえ
る。肉の焼ける匂いが、ツン、っと鼻に付く。出血はない。高温で焼かれたからだ。
高畑は痛む腕を押さえながら、浮遊する羽根から距離を取る。
浮遊する羽根のようなモノは全部で四枚。そして、見たところ間違いなく、゛アーティファクト゛。
しかし、それを操っているであろう、マザーグースの姿は何処にも見受けられない。
高畑が今いる場所は、世界樹前の広場。身を隠す場所なら幾らでもある。高畑は一瞬の内に思考を巡らせ、考え、
答えを出した。――ここでは僕に勝ち目はない……。なら――。
ここで戦うのは得策ではない。そう判断し、高畑は世界樹前の広場の裏手に広がる草原に移動した。
♪
夜天が映し出すシルエットは、高畑の想像と懸け離れていた。
年は四〜五歳ほど。美しい淡い白桃色の髪を靡かせ、右の瞳には白薔薇の飾りをつけている。左の瞳は、すべて
を見透かすような透明な金色色。全身白で統一されたゴシックファッションに、白薔薇の髪飾りと編み上げのロング
ブーツ。それはまるで、生きた人形のような、少女だった。
「まさか、マザーグースの正体が子供だったとはね……」
高畑は苦笑いを浮かべながら、言葉を続ける。
「君の目的は一体何なんだい? なぜ僕たち、魔法使いを狙う」
「――ふふっ――」 小馬鹿にしたように、口元を緩め笑う。
「もう一度聞くよ。目的は何だ。なぜ魔法使いを狙う」
少女は何も答えない。その代りに右の腕を前に突き出し、人差し指で高畑を指す。その刹那、浮遊する四枚の羽
根が高畑目掛け、一斉に攻撃を開始し始めた。
先程は不意を突かれたが、今回は違う。右へ左へと攻撃を避け、一枚、また一枚、と確実に羽根を破壊する。最後
の一枚を破壊し、高畑は少女に言った。
「君のアーティファクトは全て破壊した。もう勝ち目はないよ。大人しく捕まって呉れないかな。出来れば、君のような
子供を傷付けたくない」
少女は瞳を見開き、悪戯っ子のように笑って。
「――すべてを破壊した……。面白いことを言いますね。――人間……」
「――ッ!?」 高畑の腹部を青白い何かが貫いた。その直後、凄まじい激痛が走り、口から黒い血液が吐き出され
る。内臓にダメージを負った証拠だ。両膝から地面に崩れ落ち、両手を地に付ける。
誤算だった。勝手に四枚だけだと思い込んでいた。――まさか、一枚隠していたとは……。
高畑はゆっくりと少女の方へ顔を向ける。「なッ!!」 その目に映ったものは、少女の周りを浮遊する、数十枚に
も及ぶ、白い羽根。先ほど破壊した羽根とは大きさといい、形といい、まったく違う。そして今、腹部に受けた攻撃も、
左腕に受けた攻撃よりも遥かに強力。――さっきまでは、様子見ということか……。
高畑は痛みに耐えて膝を抱えながら立ちあがった。――時間がないな。早く手当てしないと、手遅れになる……。
高畑の眼つきが変わる。
「最後にもう一度だけ聞く。大人しく捕まってくれ。僕は君のような子供を殺したくない」
天使のように愛らしい顔が、血に飢えた悪魔の顔に豹変し。
「殺す? ふふ――本当に面白いことを言う人間ですね。――ですがそのお言葉、貴方にそっくりそのまま、お返しい
たしますわ」
少女の口が不気味に吊り上がる。それが合図とばかりに、螺旋を描き浮遊していた白い羽根が、一斉に高畑に向
けて、青白いレーザービームを放つ。
――早いッ! ――だが、この程度なら問題ない!
不規則に縦に横にと動きながら放たれるビームを交わし、着実に一歩一歩と、少女との距離を詰める。
高畑はその間に、気と魔力を融合させ、゛咸卦法゛を完成させていた。少女はそれに気付いていない。
少女との距離が十メートルと差し掛かった時、高畑は渾身の゛無音拳゛を放った。だが、少女は顔色一つ変えず、そ
の一撃をまともに喰らう。大地に怒号が鳴り響く。そして、天まで届きそうな土埃。――手応えはあった!
「――くッ!」 地面に膝を付く。戦いに勝利し気が抜けたのか、腹部と腕の痛み、両方が同時に襲ってきた。
――歩いて帰れそうにないな……。学園長に迎えに来てもらうか……。
ケータイをポケットから取り出し、学園長に電話を掛ける。
「――ああ、学園長。高畑です。すみませ……ん……!? ――な、何だ!? アレは…!?」
土埃の中、少女の姿が薄っすらと浮かび上がる。
高畑はケータイを投げ捨て、身構える。とその時、土埃の中から何かが伸びて来た。
一直線に高畑目掛けて伸びて来た何かを、ギリギリ避ける。と同時に、゛無音拳゛の一撃を入れる。が、その何かは
一つではなかった。背後からまともにくらい、吹き飛ばされる。意識が底に落ちそうになる。
ふら付く体を何とか動かし立ち上がり、少女を直視する。――少女は冷たく笑っていた――。
「もう終わりですか? タカミチ・T・高畑。――紅き翼のメンバーであったというから、少しは期待したのですが、ガッカ
リですね。――ん? 如何したの゛スゥーウィ゛……そう……、ええ、わかりました。……よかったですね。タカミチ・T・
高畑。騒ぎを聞きつけた魔法教師たちが、こちらに向かっているそうですよ。ふふ――」
少女は意味深に笑う。
「ですが、私の姿を見た以上、生かしておくわけにはいきません。なので、ここで死んでもらいます。ジェントルメン」
高畑は気力を振り絞り、身構える、が、それは直ぐに絶望へと変わった。「いったい何なんだ、アレは!? いった
い幾つあるんだ!? それにアレは……、手、なのか?」
「ふふっ、この子たちは゛ベクター゛と言うんですよ。全部で二十六本。これからこの子たちが、貴方を切り裂いて殺す
んです。少し痛いと思いますが、我慢してくださいね。ふふ――」
ベクターが高畑目掛け伸びる。空気を裂いて近付いてくる音が聞こえる。――――これまでか……。
高畑は目を閉じた。恐怖からではない。少女の冷笑を見るのが嫌だったからだ。――………………?
いつまでたっても死ぬ気配がない。高畑は目を開けた。「うっ!」 ベクターは首元で静止している。ゆっくりと、少女
に目を向けた。少女は何かを考えているような素振りをしている。そして、少ししてから口を開いた。
「気が変わりました。ベクターで殺しません。実は試して見たい技があるんです。その、実験台になって下さい」
そう言うと、少女は。
両腕を交差し。
――ズバッ――
型を決め。
――ビシ――
決めポーズを取る。
――キランッ――
そして最後に、両腕を天に掲げ、両足を開き。
「――エターナル――
――雪華――
――フィーバー!!!――」
少女の体がまるで太陽のように輝きだし、そして次の瞬間、体から超高出力の光線が高畑目掛け放たれた。
すでに高畑には、この攻撃を避ける力は残っていない。
高畑は薄っすらと笑みを浮かべ。
「すみません師匠……、約束を守れませんでした」
そう言い残し、光に包まれた。
451 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/22(土) 23:05:19 ID:lPPRouNW
439さん ありがとうございました。
♪
♪
地球から遥か離れた遠いところ。そこに一人の男が居た。
「オッ!? やっと治まったか! それにしても、ここ最近よく指輪の力を使うな。白薔薇の譲ちゃんの奴。――だが、
今回はいつもと違ったな。――間違いなく、アレを使いやがった! ったく、゛こんな恥ずかしい技、使えませんわ゛とか
言っておきながら、ちゃっかし使ってるじゃねーか! まったくよ! でもま〜、そこがまた可愛いんだよな。譲ちゃん
は。――何かしらねーけど、必殺技を作りてー気分になって来たな。よしッ!譲ちゃんの為に、もう二つくらい作って
やるかッ!」
そう言って、男は必殺技を作りに、何処かへ行った。
以上で代行終了です。
連続投稿規制がかかってしまい、最後だけ遅くなってしまいました。
更に、投稿の順番を間違えてしまった為、
>>442は除外して読んでください。
作者様にはご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ありませんでした。
454 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/22(土) 23:50:58 ID:lPPRouNW
い
455 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/22(土) 23:53:47 ID:lPPRouNW
453さん いえいえ、こちらこそ本当にありがとうございました。
456 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/23(日) 20:22:30 ID:TPb9D5qP
muge
457 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/25(火) 00:26:15 ID:ANQSECz0
muge
期待してるぜ
459 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/26(水) 22:09:54 ID:kmUrdlKr
muge
460 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/28(金) 23:51:04 ID:/6d0Ac58
muge
461 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/29(土) 14:52:53 ID:OJRaLPy4
muge
462 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 15:08:26 ID:9NkmJ+mX
muge
463 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/31(月) 22:46:11 ID:AW2B+u69
muge
ウィキのディケイドクロス、上手くまとめられない・・・。
誰か編集できませんか?
465 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/01(火) 23:04:17 ID:9YQRuQ7k
muge
466 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/02(水) 22:45:36 ID:uXMVIAFx
muge
467 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/03(木) 23:06:34 ID:kQyY9uOZ
muge
468 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/04(金) 21:38:38 ID:RlI2+PWJ
muge
469 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/05(土) 23:47:45 ID:KxBz9jzN
muge
>>464 ディケイドクロスまとめは劇場へ!
海東「…士!…死ぬな…!」
栄次郎「これが本当の麻帆良学園だったのか!」
鳴滝「正体を明かす時が来たなっ!チェインジ・プリキュア・ビートアップ!」
夏海「私がディケイドを倒すっ!」
ネカネ「これがキバーラの真の姿よ。ウフフ…」
ユウスケ「お前が本当の士だったのか…!」
???「世界は俺がもらう…!」
12月12日ロードショー
〔新番組〕
(マダオの声で)
主人公は、パパラッチ
主人公は、幽霊
主人公は、2人で1人の仮面ライダー!
新番組!仮面ライダーW!
学園長「学校行事が破綻し、生徒が未来に帰る。この学園ではよくあることだ」
さよ「幽霊と相乗りする勇気、あります?」
和美「半分力貸しなよ、相棒」
和美&さよ「「変身ッ!」」
和美&さよ『さあ、お前の罪を数えろ…!』
9月6日(日)、朝8時スタート!これで決まりだ!
サイクロン! ジョーカー!!
472 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/06(日) 15:39:43 ID:apWgSQ20
muge
そういやベルト音声はマダオだったのか。わからんかった
>>464 確かガンダムクロスオーバーSS倉庫にまとめ方を詳しく説明したり、わかんないところは質問できるコーナーがあったよ。
475 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/08(火) 22:48:20 ID:l15Hu+cd
muge
さささ
エヴァ戦の停電の時、襲撃者倍増で死に掛けてる刹那の前にゲイツ戦直後の召喚教師がやってくる、ってSS書こうとしてたんだがモチベ上がらず挫折した。
デスメガネに変わるお面の指導員、とか筆の進むとこだけ書いてたんだが、間補完して繋げる気力がわいてこなかった。
誰か代わりに書いてくれ。
誰だかわかんね
南雲慶一郎だろ
召喚教師でググったらでてくる
480 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/09/10(木) 21:58:05 ID:BzwS+kuC
みなさんお久しぶりです、前回から時間が空いて申し訳ございません。
その変わり本編はカメンライド祭りになってます。
第七話「クロスオーバー・ライダー。」
ネギとアスナが海東と遭遇したその夜の事、魔帆良学園都市の光写真館……その中で栄次郎は学園長と将棋をしていた。
「うむむむ……オヌシ強いのう。」
「いえいえ、私なんてまだまだですよ、はい王手。」
「ぬー!!待った!」
「まったく、年寄りがこんな時間にはしゃぎおって……。」
その光景を、3−Aの生徒でとある理由で修学旅行に行かなかったエヴァンジェリンが溜め息交じりにコーヒーをすすりながら眺めていた。
「まあまあ、楽しそうでなによりじゃないですか。」
「マスター、おかわりはいかがいたしますか?」
そこに同じくクラスメイトの茶々丸がコーヒーポットを持ってくる。
「ん、頂こう。」
「おいおい、あんまり飲むと夜眠れなくなるよ?」
ユウスケはエヴァを注意するが、彼女は不快そうにそっぽを向く。
「私を子供扱いするな、これでも私は何百年も生きているのだ。」
「えと……エヴァ様って吸血鬼でしたっけ?ファンガイアとはちょっと違うんですね。」
「夏海ちゃん?今“様”って付けた?」
(おそらくまだマスターの術が完全に解けていないのでしょう。)
「しかし数多の世界か……長い間生きてきたがそんな事実初めて知ったぞ。」
エヴァはタペストリーに描かれた自分達の世界が描かれた絵を一瞥し、ユウスケと夏海を見る。
「私達と士君は世界の崩壊を阻止するために幾つもの世界を旅しているんです。」
「それで今回立ち寄ったのが君達の住む世界ってわけ。」
「なるほど……。」
「でも驚きですよねー、この世界にはライダーは存在していない、その代わり魔法が存在しているんですか……。」
夏海達は先程エヴァ達からこの世界の説明を受けていた。彼女達の話によるとこの世界は秘密裏ながら魔法という力が浸透しており、士の同僚であるネギも魔法使いの見習いなのだ。
「ネギ君がねぇ……。」
「坊やは今関西呪術協会に関東魔法協会の新書を届ける任を受けている。向こうの奴らが余計な事をしなければ今頃は滞りなく……。」
その時、将棋に勤しんでいる学園長の携帯電話が鳴り響いた。学園長はすぐさま携帯を取る。
「もしもし、わしじゃが……おおなんじゃネギくんか!ほう、新書を渡したか……何!?」
突然の学園長の只ならぬ雰囲気に、辺りは緊張に包まれる。
「西の本山で……ふむ、ふむ……なんと!?西の長までが!?それは一大事じゃぞ!」
「な、なにかあったんでしょうか……?」
「……。」
不安そうに聞いてくる夏海を無視してエヴァは学園長の様子を見守る。
「し、しかしのう、今はタカミチは海外に出張中じゃし、今すぐ急行できる人材は……。」
そのとき学園長は、エヴァと茶々丸、そしてユウスケを見る。
「ん?なんだジジイ、間抜け面して?」
「俺がなにか?」
一方その頃、士達の泊まる旅館ではちょっとした騒ぎとなった。
ちゃららららら〜♪←ムーディーな音楽。
「うふーん。」
「あはーん。」
「いいぞいいぞー!」
「もっとやれー!」
アスナ、このか、のどか、夕映、和美、ハルナ、刹那が大広間でストリップショーを始めていたのだ。
「なにアホなことやってんだあいつら……。」
「先生!みたらアカン!」
その光景を、ちょうどUSJから帰って来た士と四班の一同は目撃する。
「な、なんでアスナ達あんな事やっているの?」
アキラがストリップショーを見学していた美砂達に声を掛ける。
「いやあ、なんだか京都から帰って来てからあんな感じなんですよ、お酒でも飲んだんじゃないんですか?ネギ君もちょっとおかしいですし……。」
「あはあはあは♪」
「確かに様子がおかしいな……。」
その時、士の隣にいた亜子が彼の服を引っ張る。
「先生……ちょっといいですか?」
「ん?」
そして士は亜子に人気のない廊下に連れて行かれた。
その光景を裕奈、アキラ、まき絵はにやにやしながら見ていた。
「おお〜!?これはこれはアレか〜!?最初に“こ”で最後に“く”が付くアレか〜!?」
「亜子……ガンバ!」
「ネギく〜ん、USJで買ったお菓子一緒に食べよ〜。」
「…………。」
一方士と亜子は人気のない廊下であることを話し合っていた。
「士先生……あのネギ君達様子おかしくなかったですか?まさか……。」
「うーん、ワームとかに露出狂がいるなんて聞いたことないがな……。」
「どうやらお困りのようだね、士。」
そこにどこからか海東が二人の前に現れた。
「海東さん?」
「なんだよ、俺に何の用だ?」
「いやあ、実はね……。」
海東は昼間自分の身に起こった出来事を二人に話した。
「ネギとアスナが……?」
「っていうか魔法って……いくらなんでもそんな……。」
「俺は不思議には思わんがな。」
「でさ、僕に提案があるんだ、この世界にはお宝が沢山埋まっている……そこで僕と手を組まないか?」
「断る、お前といるとロクなことが無いからな。」
「釣れないこと言うなよ〜。」
「どないするんですか?士先生?」
「どうするもなにも……ん?」
そのとき、士は玄関から出ようとする生徒のクーフェイ、長谷川楓、そして龍宮真名の姿を目撃する。
「あれ……真名さん?こんな時間にどこいくんやろ?」
「どうするんだい?士?」
「俺は一応あいつ等の教師だからな……夜旅館を抜け出すような生徒は注意しなきゃいかんだろ。」
それから数時間後、本山の付近を流れる河原……。そこでアスナと刹那はハリセンと大太刀を片手に鬼のような容姿をした妖怪達と闘っていた。
「てやあぁぁ!」
「奥儀雷鳴剣……!」
ドカっ!!
アスナ達の一撃で一気に消滅して行く妖怪達、だがその数は一向に減る気配がなかった。
「はあ…はあ…大丈夫ですかアスナさん!」
「うん!平気だよ!」
「あまり無茶はしないでください!」
よく見るとアスナと刹那は肩で息をしていた。
「大丈夫、いけるよ!あとはネギがこのかを取り返して戻ってくれば……。」
スパァン!
「きゃあ!?」
その時アスナは鳥の妖怪に不意打ちを食らってしまい、ハリセンを弾き飛ばされてしまう。
「アスナさん!」
『余所見しててええんか?』
「くっ!?」
ガキィン!
その時刹那も不意打ちを受けそうになるが、かろうじて防御する。
「くそ……!数が多すぎる……!」
『神鳴流のお譲ちゃん、譲ちゃんの相手はウチらや。』
そう言って大鬼の肩に乗るキツネの面をかぶった妖怪は刹那に襲いかかる。
「くぅっ……!」
その光景を、士と海東、そして亜子は物陰で観察していた。
「ななな!なんやねんこれ!?桜咲さんとアスナが戦っとる!?」
「うーん、あの妖怪、魔化魍じゃないみたいだけど……。」
「つかアスナ、なんでなにも履いていないんだ?」
その時、数匹のカラスの妖怪が士達の背後に降り立った。
『なんやねん兄ちゃん、あの子らの仲間かいな。』
『それなら見逃すわけにはいかんなあ。』
「うぎゃー!?こっちきた!?」
「しょうがねえな……。」
「ま、お宝の為さ。」
ドッコォォォーン!
「え!?なに!?」
突然の轟音にその方向を向くアスナと刹那と妖怪達、そこには吹き飛ばされて消滅しているカラスの妖怪達と、ディケイドとディエンドに変身した士と海東の姿があった。
「あー!あの時のカメンなんちゃら!」
「仮面ライダーだよ。」
「夜旅館を抜け出すとは……教育的指導が必要だな!」
「ええ!?その声……士先生!?しかも亜子まで!?」
「アスナ!刹那さん!大丈夫かいな!?」
亜子は擦り傷だらけのアスナ達に駆け寄り、持って来た救急箱を取り出す。
そこに……。
「おうおうにいちゃん!あの西洋魔術師の仲間かいな!!」
何匹かの妖怪が士達を取り囲んだ。
「妖怪相手か……ならたまにはこいつを使うか、亜子、アスナと刹那の治療をしてやれ。」
「は、ハイ!」
「先生……!?貴方は一体!?」
刹那の問いに士は響鬼のカメンライドカードを持ちながら答える。
「通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ!」
そして士はディケイドライバーに響鬼のカメンライドカードを装填する。
『カメンライド!ヒビキ!!』
するとディケイドのボディが青い炎に包まれ、士は“仮面ライダー響鬼”に変身した。
「それじゃ、僕もやろうかな。」
そう言って海東はディエンドライバーに二枚のカメンライドカードを装填する。
『カメンライド!ガタック!』
『カメンライド!ゼロノス!』
そしてディエンドライバーから、青いクワガタがモチーフの仮面ライダーガタック・ライダーフォームと、電王の世界の仮面ライダーゼロノス・アルタイルフォームが召喚される。
その光景を見て、妖怪達の間に動揺が走る。
「な、なんじゃあの術は!?わしらのものでも西洋のものでもない!?」
「こいつは……久々に楽しめそうじゃの。」
そう言って妖怪達は士達に襲いかかった。
『アタックライド!オンゲキボウ!レッカ!』
士は響鬼専用の武器、音撃棒烈火を召喚し、妖怪達に立ち向かっていく。
「最初に言っておく!俺はかーなーりー強い!」
「クロックアップ!!」
一方のガタックとゼロノスも妖怪達に立ち向かい、次々と倒していった。
『アタックライド!オニビ!』
士は響鬼の口に当たる部分から鬼火を放射し、薙ぐように妖怪達に炎を浴びせていく。
「ぐおおおお!!?なんじゃあれは!?」
「気イつけろ!あの太鼓の撥は……!」
士は怯んだ妖怪達に容赦なく音撃棒の一撃を加えていく。
「ぐぐ……おのれぇ!」
妖怪達は士の音撃やガタックのクロックアップ、ゼロノスのゼロガッシャーの多彩な攻撃に悪戦苦闘していた。
「おっと、僕を忘れないでもらいたいね。」
『ファイナルアタックライド……。』
するとファイナルアタックライドのカードが装填されたディエンドライバーから、幾つものライダーカードが円錐上に編隊を組み、召喚したガタックとゼロノスを取り込んでいった。
「こっちもやるか。」
『ファイナルアタックライド……。』
ディケイドライバーに響鬼のファイナルアタックライドのカードを装填する士、すると彼の目の前に巨大な音撃鼓が召喚される。
『ディディディディッエーンドゥ!!!』
『ヒヒヒヒビキ!!!!』
「はー……は!!」
海東はそのままディエンドライバーの引き金を引き、士は音撃棒を音撃鼓に叩きつける。
ディエンドライバーの必殺の巨大エネルギー弾と音撃棒の巨大な音撃が妖怪達を襲いかかり、妖怪たちは壊滅的な打撃を受けた。
「ぐぐ……ぐ……!」
「す……すごい……!」
「これが……仮面ライダー……!」
「士先生!すごーい!」
士達ライダーの力を目の当たりし、アスナ達はただただ圧倒されていた。そんな彼女達に士は話しかける。
「さて……お前ら、こんなところで何していたんだ?」
「え……!?いや、これはその……。」
すると刹那は観念したかのようにぽつりぽつりと話し始めた。
「アスナさん、ここまでいったらもう隠し通せませんよ……。」
「う、うん……。」
「士先生、すべてお話致します。私たちは……。」
そして刹那は士にすべて話した。
「つまりあれだ、ネギ達関東魔法協会とこのかの親父が元締めをしている関西呪術協会は仲が悪くて、今回の修学旅行のついでにネギが親書を届けたはいいが、
反対派の襲撃をうけてのどか達は石にされて、ネギは今このかを使った儀式を止めに反対派のボスを追いかけていったというわけか……大体わかった。」
「あ、あの……魔法とかいってもあんまり驚かないんですね……。」
「ま、ライダーの力も魔法みたいなもんだしな。」
「そうそう!士先生って何者なの!?ライダーって何!?」
刹那の説明が一通り終わり、今度はアスナが質問してくる。
「さっき言ったろ、俺は通りすがりの仮面ライダーだって。」
「いや!そんな説明じゃ……!?」
その時、どこからか刺すような殺気が放たれ、一同は一斉にその方角を見る、そこには……。
「こんばんわー、神鳴流です〜♪」
太刀を持った白いゴスロリ衣装の少女が現れた。
「月詠!!!?」
「あ!この前私たちを邪魔した女!!」
「あら〜、妖怪はん達全滅しとる〜、そこのかめんらいだーがやったんかいな?」
「な、なんやねんアンタ!士先生のこと知っているんかいな!?」
「ええ、聞いとります〜♪“彼から”」
すると辺りに地響きが発生し、月詠の背後から巨大なカニのような怪獣が現れた、さらにその上には、仮面ライダーに変身したカブキが立っていた。
「よう!久しぶりだなディケイド!」
「お前は……カブキ!?」
「何!?また仮面ライダー!?」
「うわ!?なにあの化けガニ!?」
「魔化魍……!!」
化けガニは士達の姿を見るやいなや、うねり声をあげて襲いかかってきた。
「きゃ!?」
「危ない亜子!!」
士は亜子を抱え込んで化けガニの攻撃から守ると、彼女を安全なところまで避難させる。
「お前はここに隠れてろ、アスナ!刹那!お前たちもだ!」
「で、でも……!」
そのとき月詠が刹那に切かかり、激しい鍔競り合いになる。
「邪魔をするな……!私はこのかお嬢様を……!」
「つれないこと言わんでや先輩、楽しみまひょー。」
「おーい、後は頼んだぞ、俺にはやることがあるんだ。」
ドカッ!
「ぐあ!!?」
そのとき士は化けガニの攻撃を受け、響鬼の変身が解かれてディケイドに戻ってしまう。
「くそっ……!」
「どうやらここにはお宝はなさそうだ。」
『アタックライド!インビジブル!』
「あ!?こらっ!?」
海東はインビジブルのカードを使ってその場から撤退してしまった。
「あんにゃろう……!」
「か、海東さんどっかいっちゃった!?」
「ちょちょちょちょっと!?私たちだけであんな化け物と戦うの!?」
刹那は月詠の相手、海東は離脱、亜子は戦力外、実質戦えるのはアスナと士しかいなかった。
「くそ……!」
「ゴアアアアアア!!」
そして化けガニは士達に襲いかかる、その時、
バキュー……ン
「グガアアアアアア!!!?」
化けガニの口の部分に銃弾がぶち込まれた。
「なんだ……!?狙撃!?」
一同は銃弾が発射された方角を見る、そこには……。
「どうやら間に合ったようだな、この仕事料はツケにしてあげるよ、刹那。」
「あいやー!?何アルかあの化けガニと黒い人!?」
「え、えええええー!?龍宮さん!?それにくーふぇ!?なにしてんのあんた達!?」
ライフルを抱えた真名とクーフェイが現れたのだ。
「お前ら……探したぞ、こんな時間に旅館を抜け出すと、新田にまた怒られるぞ?」
「ええー!?その声士先生アルかー!?」
クーフェイは士の変身した姿を見て驚く。
「士先生……ここは私達に任せて可愛らしい先生を助けに行ってください。先に楓も行っています。」
「おい!?真名!?」
するとアスナも士の前に立ちハリセンを構える。
「先生……ネギを助けに行ってください、あの子なんでも自分でやろうとして、無茶ばっかりするから……。」
アスナの真剣な表情に、士は頷いて、カブトのカメンライドカードを手にする。
「わかった、お前らこそ無茶はすんなよ……。」
その数分後、大きな湖にぽつんと浮かぶ大きな岩がある祭壇の上で、このかは台の上に寝かされていた。
「ん……!」
「まだですか?」
「もうちょっとや!急かすなや!」
千草はなにかの呪文を唱え、それを白髪のが急かしていた。
「………彼が来るよ。」
「何!?」
その時、少年は何かの気配を感じ、その方角を見る。
「まさかあのガキか……!?」
(いや……なんだこの気配は?)
「ラーク」
少年は札から角が生えた怪物を召喚する。
「ルビカンテ、あれを止めて。」
ルビカンテは頷くと、近づいてくる人影に向かってきた。だが……。
『ファイナルアタックライド!カカカカブト!!!』
バコン!!!
なにかに攻撃された音と共にルビカンテは少年の元に吹き飛ばされながら戻ってきた。
「おっと。」
吹き飛んできたルビカンテを避けながら、少年は近づいてくる人物を見る。
そしてその人物は水面を高速で走りながら、祭壇に足でブレーキを掛けながら降り立った。
「あれ?ネギは?もしかして追い越したか……?」
「き……貴様はディケイド!?」
千草はその人物……仮面ライダーカブトに変身した士の姿を見て目を見開く。
「お前は……あの時の猿女か、ウチの生徒を返してもらうぞ。」
すると少年が士に回し蹴りを仕掛けてくるが、士はクロックアップの高速移動でそれを避ける。
「へえ……君がカブキの言っていた……仮面ライダーディケイドか。」
少年は士のパンチによる反撃を、見えない障壁で防ぐ。
「お前も魔法使いなのか?あの女の仲間つーのなら手加減しないぜ!」
そして少年と士は高速の戦いを繰り広げる。
「ま、まったく見えへん……。」
「んん……!」
「まあええ、こっちは詠唱を完成させるだけや。」
そして千草は詠唱を再開した。
「ヴァーリ・ヴァンダナ……『水妖陣』」
少年が札を手に唱えると、泉の中から水でできた長い腕が何本も召喚される。
「ちぃ!?」
士は水の腕に邪魔されて思うようにクロックアップの機能を発揮できなかった。
「じゃあ……こいつだ!」
「カメンライド!リュウキ!!」
士は鉄仮面のような顔をした仮面ライダー龍騎に変身し、湖の中に飛び込む。
「どこへ行った……!?」
すると士は飛び込んだ場所とは違うところから飛び出し、少年に一発蹴りを入れ着地するとディケイドライバーに龍騎専用のアタックライドカードを装填する。
『アタックライド!ストライクベント!』
すると士の左腕に龍の形をしたドラグバイザーが装着され、そこから唸るように炎が発射され、少年と水の腕を飲み込んだ。
「やるね。」
そして少年は炎を払い、士に殴りかかる。
『アタックライド!ガードベント!』
士はそれを召喚したドラグシールドで防いだ。
「おいおい、怪人でもないのにライダーと互角に戦えるのか、すげえなおい。」
「君も中々やるね、興味が湧いてきたよ。」
その時、少年と士の足もとに銃弾が撃ち込まれ爆発が起こる。
「っ!!?」
「うおっと!?」
銃弾が撃ち込まれた方角を見ると、そこにはディエンドライバーを構えた海東が立っていた。
「海東!」
「いやあ、お宝の気配がプンプンするね!!」
「ちっ、新手か……!!」
その時、少年に目がけて魔力弾が撃ち込まれる。
「あれは……!」
士の視線の先には、杖に跨って飛来してくるネギの姿があった。
「な……なんですかこれ!?見たことないライダーが……!?」
「ネギか……魔法使いってのは本当だったのか……。」
「えっ!?その声……士先生!?」
ネギは仮面ライダーに変身しているつ士に驚きながら、彼の前に降り立った。
「士先生……貴方は……!!」
「アニキ!今はそんな場合じゃねえ!このか嬢ちゃんを助けないと!」
「う、うん!」
そしてネギと士は少年のほうを見る。
「これは分が悪い、でも……。」
少年は儀式の最中の千草を見る。
「……!?このかと猿女がいない!?」
「士!上だ!」
一同は一斉に上を見る、そこには中に浮いている千草と、札で口を塞がれているこのかの姿があった。
「ふふふ……一足遅かったようですなあ、儀式はたった今おわりましたえ。」
すると湖の中から、ドドドドドという音と共に巨大な鬼のような怪人が現れた。
「おいおい……あんなバケモンまでいんのかよ……ファンタジーにも程があるぞ。」
「いくらあれでも、僕には盗めないな。」
「な、なんて呑気な……。」
「二面四手の巨躯の大鬼『リョウメンスクナノカミ』千六百年前に討ち倒された飛騨の大鬼神や。ふふふ、喚び出しは成功やな。」
「さあどうする?ネギ・スプリングフィールドに仮面ライダー?」
「こりゃやべえな……!」
そのころ月詠と魔化魍相手に戦っていたアスナ達も、遠くでリョウメンスクナノカミが召喚された光景を目撃する。
「ちょ!ちょっと刹那さん!あれって……!」
「そんな……!ネギ先生……!」
「あーん、余所見しないでウチをみてやセンパイ〜♪」
ガキィン!!
「くっ……!」
「ウガアアアアアア!!!」
「あいやー!このカニ堅いアル〜!」
「ちっ……銃弾が通らん。」
「クケー!!!」
「!!!」
そのとき、魔化魍と戦っていた真名に浴衣を着た女が襲いかかってきた。
「くっ!!」
真名はその攻撃を銃撃で迎撃することで防ぎ、その女を吹き飛ばした。
「龍宮!」
「余所見していてええんかい?」
その時、月詠と戦っていた刹那の横から、浴衣を着た男が襲いかかってくる。
ドカッ!
「ぬあっ!」
「センパイ!?」
「刹那さん!」
刹那はその男に吹き飛ばされ、近くにあった岩に激突する。
「うあぁ……!」
「まったく、いろいろとお留守どすえ。」
その時、男は月詠に首筋に刀を押しあてられる。
「なんやねんあんたら?ウチとセンパイの戦いを邪魔せんでくれへん?」
「ふっ……。」
男は臆することなく、月詠を追い払うように回し蹴りを放つ。
「……!?」
一定距離をとってかわされたのを確認すると、男と女は一緒に並び立つ。
「さて……人間と仲良しごっこは終わりや、あんたらはこの子のえさになってもらいますえ。」
「何……!?」
すると男と女の体が変化していき、この世のものとは思えない化け物……怪童子と妖姫に変化した。
「う、うわ……!なにあれ!?」
(まさか春日の言っていた……!?)
「はあ……興ざめです。お給料分は働きましたし……またあいまひょ♪センパイ♪」
「あ!おい!?」
月詠は刹那の制止を聞かずにどこかへ去っていった。
「さあ……若い女子の肉はうまいでぇ、ゆっくり味わいや。」
「ガアアアアアアア!!!!!」
そして魔化魍と怪童子と妖姫はアスナ達に襲いかかった。
「あ……あかん!このままじゃみんな食われてまう……!」
物陰でアスナ達の様子を見ていた亜子は、不安そうにオドオドしていた。
「どないしよう……!士先生も大変そうやし……でも……!」
亜子は悔しかった、仲間や大切な人が危険な目に逢っているのに、自分には何もできない。
「ウチはやっぱり……脇役なんやな……。」
「いえいえ〜、そんなことはないですよ〜、いい意味で〜。」
そんな亜子の元に、モツとしちみがあるものを持って現れた。
「あれ?確かあんた等は光写真館にいた……。」
「亜子ちゃん、お友達を助けてあげたい?」
しちみの問い掛けに、亜子はしっかりとモツ達を見て答える。
「当たり前やん!みんな大事なクラスメートに……た、大切な人や……///ウチにライダーや龍宮さんぐらいの力があったら……。」
「なら……貴女に力をあげましょう、いい意味で〜♪」
「え……!?」
モツはどこからか、鬼の紋章が入ったリストバンドと、禍々しいデザインのベースのような楽器を持ち出す。
「あなたはこの二つの物語が交わった世界で〜ライダーに変身するヒロインになるので〜す!超!いい意味で!」
「え……えええええー!!!!?」
亜子の絶叫が、京都の夜空に木霊した……。
本日はここまでです。あの最終回見てモチベーション落ち放題でしたが、Wのおかげでまた頑張れる気がしてきました。
次回は士とネギがパクティオーする……かも。
490 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/11(金) 23:16:18 ID:iBjmLG6c
GJ
次回は仮面ライダー亜子
GJ!
……この世界にもライダーが生まれてしまった。おのれディケイド!
493 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/12(土) 22:55:38 ID:e3t1ggL8
muge
494 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/13(日) 21:02:18 ID:6PRGvsib
muge
495 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/14(月) 21:22:06 ID:RgfByY/6
muge
496 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/16(水) 00:03:50 ID:XvZpl4uP
muge
497 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/16(水) 21:08:03 ID:XvZpl4uP
muge
498 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/19(土) 00:33:17 ID:wDv+hM7Y
muge
499 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/20(日) 16:35:34 ID:qmsGnlLd
muge
500 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/21(月) 17:14:05 ID:fScv1HT6
muge
501 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/09/21(月) 20:28:13 ID:V2GCw0ll
臼井先生の御冥福を祈りつつ、第八話を投下します。
第八話「契約者は世界の破壊者!?」
「もー!なんなのよこのカニー!!」
化けガニの魔化魍と怪童子と妖姫に苦戦していたアスナ達は、ある違和感に気付く。
「おかしい……この化けガニ、いくら攻撃しても倒れない?」
そんな真名の疑問に、妖姫が笑いながら答える。
「はっはっはっ!当たり前じゃ……その化けガニにとどめを刺すには鬼の清めの音が必要なのじゃ、ただの小娘のに倒せるわけが……。」
「スキアリね!!マーティーボンチユアン!!」
その時、クーフェイが妖姫の横っ腹に重い一撃を加える。
「ぐぉふ!!?」
妖姫はそのまま遠くへ吹き飛ばされ、大爆発を起こして倒された。
「お、おのれぇ!!」
「今だ!神鳴流……!百花繚乱!!!」
妖姫を倒され動揺した怪童子に、刹那が必殺技を食らわせる。
「ぐわああああ!!!!」
上空に吹き飛ばされた怪童子は、そのまま大爆発を起こして倒された。
「よし……!」
「桜咲さーん!終わったらこっち手伝ってよ〜!」
化けガニと戦っていたアスナは刹那達に助けを求める、そうして余所見をしていた彼女は、化けガニから放出された糸に絡めとられてしまった。
「にゃー!!?なによこれ!?」
「アスナさん!!」
「ちぃ……!!」
「今助けるネ!!」
刹那、真名、クーフェイはアスナを助けようと、化けガニに攻撃するが、堅い殻に阻まれてしまう。
「銃弾が通らん……!」
「アイヤ〜!手が痛いアル〜!」
「く……!やはり奴らが言っていた通り、鬼の力とやらがないと駄目なのか……!?」
そうこうしている内に化けガニは糸に絡めたアスナを食べようと自分の口に近付けた。
「ガァァァ……。」アーン
「ちょ、ちょっと!!?私なんて食べてもおいしくないわよ!!?」
そう言ってアスナは化けガニから逃れようと暴れるが、あまり効果はなかった、その時、
『クォー!!』
「!!!?」
突如赤いクリスタルの鳥のような生き物が、アスナを絡め取っていた糸を切り裂いた。
ドテッ
「痛っ!?」
「大丈夫ですかアスナさん!?」
糸から解放されたアスナは刹那に助け出され、鳥が飛来した方角を見る。
「な、なんなのあれ……?」
その時、どこからか激しいベース音が鳴り響いた。
「あ!あそこアル!」
一同はクーフェイが指さす方角を見る、そこには士が先ほど変身した響鬼と似たようなデザインの、全体的に青が目立ちビキニアーマーのようなものを付けた仮面ライダーが立っていた。
「戻って……アカネタカ。」
そのライダーはクリスタルのような鳥……ディスクアニマルを回収すると、高く飛び上がって化けガニの前に降り立った。
「お……お前は!?」
「……。」
そのライダーは何も答えず、ベルトの真ん中に付いていた弦の付いた部品を、ベースのような武器に取り付け、
「音撃斬……雷電激震!」
軽くそれを弾きならし、そのまま地面に突き刺した。すると化けガニの足もとから大爆発が発生し、化けガニは大きく怯んだ。
「ゴァァァァァァァァ!!!!?」
「今だ!」
ライダーはそのまま化けガニにベースを突き刺し、それを思いっきり弾き鳴らす。
「はああああああ!!!」
「おお!あのカニ苦しんでるネ!」
「あれが……鬼?」
そして謎のライダーの演奏が終わると、化けガニは大爆発を起こして倒された。
「にょわ!!?」
「きゃ!?」
アスナ達は突然起きた大爆発でとっさに顔を覆う、そして再び顔をあげると、そこには謎のライダーはいなくなっていた。
「あ……あれ?あの人は……?」
「どうやら去ったらしい、しかし……あれは一体?」
「あ!呆けている場合じゃない!早くネギ達を助けに行かないと!」
「そうだったアル!急ぐアル!」
そう言ってアスナ達はスクナが佇んでいる方角に駆けて行った……。
その頃、アスナ達がいた場所の近くの草陰には……。
「あああああ!!こわかったー!!」
変身を解いた謎のライダー……亜子の姿があった。
「いや〜、中々よかったですよ〜、いい意味で〜。」
「亜子ちゃんカッコよかったみゃ〜。」
「は、はあ……どうも。でももうちょっとかわいいのになれへんの?これじゃ怪人っぽいやん……。」
「わがまま言わないでください〜、“仮面ライダー咲鬼”を使いこなせるのは亜子さんだけなのですから〜、キャラ的な意味で〜。」
「そ、そうなん……?」
「ま、後はネギちゃんと士先生にお任せみゃ。」
「うん……。」
そして亜子はスクナが佇んでいる方角を見る。
「ネギ君……士先生……がんばって!!」
『ファイナルフォームライド!!リュリュリュリュウキ!』
「ヨウイス・テンペスターズ・フルグリエンス!!」
一方その頃、士とネギはリョウメンスクナノカミに必殺の攻撃を加えるが、見えない障壁に阻まれてしまう。
「ぐおおおお!!!?」
「士先生!!」
士はそのまま地面に落下し、変身が解けてしまう。
「くそ……!サイズが違いすぎる……!」
「アハハハハハ!!それが精一杯か?サウザンドマスターの息子が!?世界の破壊者が!?まるで効かへんなぁ!!」
「ありゃー……こりゃなんでも分が悪いね。」
「僕の事も……忘れないでね。」
その時、謎の少年が海東に攻撃してくるが、軽く防がれてしまう。
「おっと……!」
「このかお嬢様の力でこいつを完全に制御可能な今!もう怖いもんはありまへん!明日到着するという応援も蹴散らしたるわ!
そしてこの力があればいよいよ東に巣食う西洋魔術師に一泡吹かせてやれますわ!アハハハハハ!!」
上空で高笑いしている千草を、士は睨みつける。
「畜生……いい気になりやがって……!」
「はあ……!はあ……!」
その時、士は苦しそうにしているネギに気付く。
「お……おいネギ?大丈夫か?」
「は……はい……!」
「無茶すんなよアニキ!もう魔力すっからかんじゃねえか!」
「ん……?」
その時士は、ネギの足元にしゃべるオコジョがいることに気付く。
「おいおい……今度はしゃべるオコジョかよ、マジで魔法の世界だなここ……。」
「お、おう!カモミール・アルベールっつうんだ、カモって呼んでくれ、てか兄さんあんま驚かないんだな……。」
「ああ、しゃべるコウモリやらカエルやら猫みたいな軟体動物がいるんだ、もう驚けねえよ。」
「なんじゃそりゃ……。」
ドカンッ!
「ぐあぁ!!」
その時、海東は謎の少年に付き飛ばされ、湖の中に落ちてしまう。
「善戦だったけど……残念だったね。」
「海東!くそっ!マジつかえねえ!!」
((ひどっ!!?))
そして少年は少しずつ士達に近付いてくる。
「殺しはしないけど……自ら向かってきたということは相応のリスクを負う覚悟はあるということだよね。」
「はぁ……はぁ……!」
「くそっ……!!」
「体力も魔力も限界だね、よく頑張ったよネギ君。」
その時、カモは小さな声でネギに合図を送る。
(今だアニキ!パクティオーカードを……!)
(うん……!)
そう言ってネギは二枚のカードを天に掲げる。
「エウオケム・ウオース・ミニエストラエ・ネギイ!カグラザカ・アスナ!サクラザキ・セトウナ!」
するとネギの目の前に二つの魔法陣が地面に描かれ、そこからアスナと刹那が召喚される。
「お待たせネギ!……ってなによこれー!!!?」
「スクナリョウメンノカミ……!」
アスナと刹那はスクナを見て目を見開きながら、ネギと士達の元に駆け寄る。
「お前ら……?どうやって……?」
「士先生!!?怪我してるじゃない!」
「だ、大丈夫ですか!?」
「何人いても……結果は変わらないよ。」
そう言って謎の少年は詠唱を始める。
「なっ!?これは呪文詠唱キー!?こいつ西洋魔術師!!しかもこれは……姐さん!あいつの詠唱を……!」
「だめ!間に合わない!」
「ブノエーン・トウー・イウー・トンクロノン・パライルーサン」
そして謎の少年の指先が光る。
「プノエー・ペトラス!!」
そして士達のいた場所から大爆発が起こる。
「しまった……大きすぎたか?」
少年はそう言いながら爆煙が晴れるのを待つ。
「…………!?」
そして……爆煙が晴れた先に、ネギ達の代わりに二人のライダーが立っていることに気付く。
「アニキ……ここはどうやら地獄じゃないみたいだね。」
「ああ、だが……おもしろいことになっているな。」
そこには緑色のライダー……キックホッパーと、灰色のライダー、パンチホッパーが立っていた。
「何?またライダー?」
『アタックライド!ブラスト!』
「!!」
その時、謎の少年にむかって湖の方角から銃弾が襲いかかってきた。
「くっ……!」
「僕のこと……忘れてもらっちゃ困るな。」
湖から出てきた海東は二枚のカメンライドカードをディエンドライバーに装填する。
『カメンライド!ギャレン!』
『カメンライド!ゾルダ!』
海東はディエンドライバーからブレイドと龍騎の世界のライダー、ギャレンとゾルダを召喚し、彼等と共にスクナに一斉砲撃を加える。
「な、なんやねんあれ!!?」
「ちっ!」
「おっと、俺達を無視するな。」
「お前もこいよ、闇はいいぞぉ。」
『『ライダージャンプ』』
海東達を止めようとした少年に、キックホッパーとパンチホッパーはライダーキックを繰り出す。
「なんだっていうんだい、君達は……!!!?」
謎の少年はライダーの攻撃を防ぎながら軽く顔をしかめた。
「ここは……?」
気がつくと士達はオーロラの世界の中にいた。
「危なかったわねー士♪」
そんな彼らの元にキバーラが飛んでくる。
「うわっ!コウモリが喋ってやがる!」
「あんたはオコジョでしょーが!!」
「キバーラ……!?お前が俺達を助けてくれたのか?」
「ええ、しちみに頼まれちゃって……あの子なんだか他人の気がしないのよねー。」
「よ、よくわからないけどありがとうございます、助かりました……。」
ネギはキバーラにお辞儀する。
「ところでさー、助けてあげたのはいいけどこれからどうするの?あんな大きいものどうやって倒すつもり?」
「……私に考えがあります。」
キバーラの言葉に、刹那が意見を述べる。
「なんだ?何か考えがあるのか?」
「ええ、スクナの肩のあたりで浮遊している千草に囚われたお嬢様を助け出せば、勝機はあるはず……!」
「で、でもどうやってあんな高いところへ……?それにめちゃくちゃ強いあの男の子もいるし……。」
「はいはいはーい!私にいい考えがありまーす!」
その時キバーラが一同の周りをパタパタと飛び回る。
「お前の考え……?なんか嫌な予感がするんだが……。」
「いやね、さっきまでの戦いみてたんだけどさー、ネギ君がそこの二人に使っていた魔法、ディケイドにも使えるんじゃないの?」
「魔法?パクティオーの事か?」
「パクティオー?」
すると刹那が顔を真っ赤にして士の疑問に答える。
「えと……パクティオーというのは……その……ネギ先生が一人前の魔法使いになるまでに、仮の魔法のパートナーを決めるもので……私もアスナさんもその……///」
「?それでいきなり出てきたのか……じゃあ俺にも使ってくれよ。」
「いえ……仮契約するには……そそそそその……///」
いつの間にかアスナも顔を真っ赤にしていた。
「モツとしちみから聞いたわ、仮契約するには……ネギ君と士がキスする必要があるのよ。」
「は?」
キバーラの言葉に、士は頭の上に?マークを浮かべる。すると慌ててカモとアスナが意見を言ってきた。
「おいおい!確かにその通りだけどよ!男同士だぜ!?」
「そそそそうよ!さすがにそれはアレというか……!」
その時、ネギと士がいたって真面目な顔で口を開いた。
「いえ……確かに士先生の力は今の状況を打開するのに必要なものです。」
「確かにな、俺はまだ自分の世界を見つけていない、こんなところで終わりたくない。」
「お、おい……!本当にいいのかよアニキ!?」
「そ、その……男同士なのよ?」
「今は躊躇っている場合じゃないんです!このかさんが危ないんです!」
「「う……。」」
ネギの正論に、カモとアスナは押し切られる。
「……わかったぜ、アニキがそう決めたってならオレッチも覚悟を決めるぜ!」
そう言ってカモはネギと士の足もとに魔法陣を描く。
「さあさあ!さっさとぶちゅっとやっちゃいなさい!」
「ちょ……!何煽ってるんですか!?」
「ネギ……。」
アスナと刹那は顔を赤らめながら二人を見守る。
「よっし!さっさとやるか!」
士は腰を落とし、同じ高さの目線でネギの瞳を見る。
「あ……あの……よろしくお願いします……//////」
「おう。」
そして二人は唇を近付け……。
数分後、ネギ達はオーロラの中から出てきた。
「…………。」
ネギは先ほどの出来事が原因で茫然自失になっていた。
「ちょ……ネギ!大丈夫なの!?」
「まあ、犬に噛まれたとでも思え。」
「士クールねえ、じゃあ頑張って〜♪」
そう言ってキバーラはどこかへ飛び去っていった。
そして刹那が、スクナに向かって一歩前に出る。
「それでは……私はこのかお嬢様を助けに行きます。」
「どうやって行くつもりだ?結構高いぞ、あそこは?」
「……。」
刹那は悲しそうな顔をしながら、士達から視線をそらす。
「この姿を見られたら……私は皆さんとお別れしなくてはなりません。」
「え……?」
刹那は前かがみになり、背中から大きな白い羽を広げた。
「……!」
「刹那……さん……!?」
「……。」
「これが私の正体……奴らと同じ化け物です……でもっ、誤解しないでください!私のお嬢様を守りたいという気持ちは本物です!
今まで秘密にしていたのは……この姿をお嬢様に知られて嫌われるのが怖かっただけ……!」
「……。」
士達は黙って刹那の話を聞いていた。
「私……!宮崎さんのような勇気も持てない……情けない女です……!」
そう言って刹那は瞳から涙を浮かべていた、その時士は刹那に近寄り、彼女の頭を優しく撫でてあげた。
「士……先生……?」
「これのどこが醜いんだよ、オルフェノクやファンガイアと比べたらきれいなほうだぜ。」
「そうよ!背中から翼出すなんてかっこいいじゃない!それに……そんなことでこのかは刹那さんを嫌ったりしないわよ!」
「アスナさん……。」
「守るんだろ?大切な人を……なら迷わないで行けよ。」
「は……はい!」
その時、海東が少年に攻撃を受けて士達の元に転がってきた。
「くそっ!なんだあいつ!」
「海東、ちょうどよかった。」
「士?ん?何だいその子?背中から翼出してるけど?」
「後で話してやる、それよりあそこにいるこのかを助け出す。手伝え。」
「君に指図されるのは不愉快なんだがね。」
そう言いながら海東はディエンドライバーにカメンライドカードを装填する。
『カメンライド……!サイガ!』
そしてディエンドライバーから白い装甲に背中にブースター……フライングアタッカーを装備した仮面ライダーサイガが召喚される。
「イッツ!ショータイム!」
「よし!行って来い刹那!」
「はい!桜咲刹那……参ります!」
そして刹那は背中の羽を羽ばたかせ、サイガと共にこのかと千草の元に飛び立っていった。
「さて、俺達は……。」
「彼の相手ですね。」
士達はそう言ってキックホッパー達と戦っている少年を見る。
「アニキ……どうやら俺達の役目は終わったみたいだよ?」
「行こう、次の地獄が待っている……。」
するとオーロラが出現し、キックホッパーとパンチホッパーはその中に入って戦場から離脱した。
「やれやれ、やっかいなのがいなくなったか……。」
「はあああ!!」
その時、ギャレンが少年に襲いかかってくるが……。
「なめるな。」
逆に返り討ちにし、ギャレンを湖に落とした。そしてそのまま少年はネギ達をみる。
「さて……そろそろ終わりにしようか?」
「生憎だが、俺はここで終わるつもりはない!変身!」
『カメンライド!ディケイド!』
士がディケイドライバーにカードを装填しディケイドに変身したことを確認したネギは、杖を高く掲げ詠唱を始める。
「シス・メア・パルス・ベルノーナギンタ・セクンダース!」
その時、士の体に妙な感覚が伝わる。
「おう……!これが魔法か……。」
「ミニストラ・ネギイ『カドヤ・ツカサ』!!」
そして士は勢いよく少年に殴りかかる。
「うおおお!」
「くっ!さっきより攻撃が重い……!?」
「まだまだ……どんどん行くぜ!」
『カメンライド……ブレイド!』
士は巨大な人ほどの大きさのカードを目の前に召喚し、それで少年を吹き飛ばす。
「ぐっ……!」
そして士はそのカードに入り、仮面ライダーブレイドに変身する。
「はっ!はぁっ!」
士はライドブッカーソードモードを少年に振り降ろす。だがそれは簡単にかわされてしまった。
「どうやら……分が悪いみたいだ。」
「おっと、簡単には逃がさないよ?」
『アタックライド!ブラスト!』
『シュートベント』
そこに海東とゾルダの援護射撃が加わり、少年は完全に囲まれてしまった。
「くっ……!」
「君が石にしたのどかさん達を元に戻してもらうよ……!」
そのころ、刹那はサイガと共に千草に囚われたこのかの元に向かっていた。
「い……いつの間に!?」
「天ヶ崎千草、お嬢様を返してもらうぞ……!」
そう言って刹那は千草とこのかに向かって猛スピードで突っ込んでいった。
「く……!近すぎてスクナの力が使えん!猿鬼!熊鬼!」
千草はすぐさま二体の式神を召喚するが……。
「ファイヤ!!」
サイガの砲撃で怯んだ二体の式神は、そのまま刹那に切り裂かれた。
そして刹那はそのままこのかを抱きかかえ、その場から離脱していった。
「お嬢様!ご無事ですか!?」
刹那は気を失っているこのかに呼び掛ける、するとこのかはうっすらと瞳を開いた。
「う……ん?せっちゃん?ああ……せっちゃん、また助けに来てくれた!」
「お嬢様……よかった……。」
そこに、サイガが刹那達に近づいてくる。
「……?せっちゃん?あの人は?」
「え、えっと……私にはよくわからないのですが……。」
刹那はサイガに向けていた視点を、このかに向ける、そして再びサイガに向き直るが……。
「あ、あれ?」
そこにサイガの姿はなかった。そして刹那は、このかがとても怯えたような顔になっていることに気付く。
「せっちゃん……!湖の中になんかおる……!」
一方少年を追い込んでいた士達も、辺りに漂う異変に気付いていた。
「おい海東……これは……。」
「ああ、なんかおかしい……!」
「……?」
ドコォン!
「ぐあぁぁぁぁ!!!!?」
その時、ベルデの足もとから巨大な蛇のような生き物が現れ、ベルデを一瞬で一飲みにしてしまう。
「なんだあの化け物……!?」
「こいつは……“オロチ”つう魔化魍の親玉さ。」
そこに、変身したままのカブキが、気絶した楓と暴れまわる夕映を抱えて現れた。
「は、放してください!」
「カブキ……!?」
「随分やられたなフェイト、本気を出さないからそうなる。」
「ふん……。」
すると少年は蜃気楼のようにその場から消え去った。それを確認してカブキは楓と夕映を投げ捨てる。
「ちょ……!なにすんのよ!」
「いたたた……。」
アスナはすぐさま二人に駆け寄り、楓と夕映を引きずりながらカブキから二人を引き離した。
そして上空の千草がカブキに向かって叫ぶ。
「カブキはん!ちょうどよかったわ!このかお嬢様を取り返してくれへんか!?このままじゃスクナの力が引き出せん!」
「…………。」
するとカブキは変身を解いて不敵に笑う。
「そうか……なら、都合がいい。」
「「「………!?」」」
するとオロチは、魔力の弱まったリョウメンスクナノカミに巻きつき、そのまま体を食いちぎった。
「ゴァァァァァァ!!」
「な……!?」
「スクナを食べてる!?」
「何するんやカブキはん!?」
「千草……お前はよくやってくれたよ、これで……。」
そして体の殆どを食べられたスクナは、そのまま断末魔を辺りに響かせて湖の奥に沈んでいった。
「これで……人間共を皆殺しにできる。」
「「「「…………!!!」」」」
辺りの人間は、カブキが放つ殺気に思わず後ずさった。そしてスクナを食べたオロチはカブキの元にやって来た。
「さあオロチ!次は……!」
「ギャオオオオオオオ!!!!」
そして……オロチはそのままカブキを飲み込んでしまった。
「きゃあ!!?」
「あ……あの人、食べられちゃった……!」
あまりの光景に、アスナと夕映は目をそらした。
「一体何を……!」
その時、ネギの肩を士がポンと叩く。
「ネギ……アスナ達を連れてここから逃げろ。」
「士先生……!?」
「いや、どうやらそれは無理みたいだ……。」
海東に言われて一同は辺りを見回す、すると水中から尋常じゃない量の妖姫と怪童子が浮かんできた。
『お前らはここでオロチの……いや。』
「グガアアァァァァァァァ!!!!」
その時、オロチが苦しそうにもがき苦しみ、そのまま轟音を立てて倒れる。
そしてオロチの腹を突き破り、血まみれのカブキが出てきた。
「俺の生贄になるんだ。」
カブキは取り出した変身音叉を指で鳴らし、そのまま額に掲げる。
「変……身!!」
するとカブキは黒い炎を纏い、その中でいままでの緑の装甲とは違う、真っ白な装甲に身を包み、右腕はオロチの頭のように変形したライダーに変身していた。
「“仮面ライダーオロチ”……!見参!」
「仮面ライダー……オロチ……!?」
そんな彼等の様子を、遠い所から見つめている赤い髪の男がいた。
「始まったか……ネギ、ディケイド、生き延びろよ……これは始まりに過ぎない。」
そう言ってその赤い髪の男はその場から消え去った。
510 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/09/21(月) 20:48:43 ID:f5Djg68K
書き込めなくなったので携帯から失礼。
今日はここまでです。修学旅行編はあと二話で終われると思います。
511 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/21(月) 21:03:16 ID:fo3QSVbY
面白かったです。
リョウメンスクナノカミとオロチの力を手に入れ、仮面ライダーオロチと
なったカブキ、どう戦うのか楽しみです。
GJ,
良いライダー祭りでしたよ
513 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/22(火) 21:11:19 ID:ga2JbWLw
muge
514 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/23(水) 15:21:14 ID:ZK7bwjlO
muge
ライダー祭り!
516 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/25(金) 00:22:02 ID:/+FV9OYp
muge
517 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/25(金) 23:41:25 ID:/+FV9OYp
muge
518 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/26(土) 20:46:06 ID:8gDSpcdA
muge
519 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/09/28(月) 21:58:19 ID:VTnkNgqq
muge
520 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/01(木) 00:02:46 ID:9QLFd5Bu
muge
521 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/02(金) 20:37:56 ID:mJfh4m0U
muge
522 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/03(土) 11:28:45 ID:WHEgK1UY
muge
みなさんお久しぶりです。第9話投下します。
第九話「歩くパクティオー大図鑑」
士達がオロチの力を取り込んだカブキと対峙する、その数分前の事。
クーフェイ達と共にネギの救援にやってきた楓は、彼等とは離れた場所で千草の仲間である小太郎と戦い、勝利していた。
「……結局本気を出さなかったなコタローとやら。勝った気がせぬでござる。」
「いや……言い訳はせん、負けは負けや、強いな姉ちゃん。」
小太郎の腕をとって彼の身動きを封じる楓、そこに草陰に隠れていた夕映が出てきた。
「お……終わったですか?」
「おおリーダー!こっちは終わったでござるよ!」
「ゲームセンターの時の……お前がこの姉ちゃん呼んだんかいな……。」
「え、ええ……ところで……さっきネギ先生が使っていたあの力って……。」
「うむ、拙者にも信じられないのだが、あれは恐らく……。」
「ガァー!!!」
「「「!!!?」」」
その時、巨大なカラスのような怪物が楓に襲いかかってきた。
「うわっ!?なんでござるか!?」
「ケシズミガラス!?カブキの兄ちゃん!!?」
するとケシズミガラスの背中からライダーに変身したカブキが降り立った。
「よう小太郎!なんだなんだ?負けたのかよ。」
「う……うっさい!」
「な、なんですかアナタは!!?あの化け物の仲間……!?」
その時、カブキは目にも止まらぬ速さで夕映の元に行き、彼女の首を締めあげた。
「うっ……がっ……!!?」
「おい……人を化け物呼ばわりかよ……!?」
「カ、カブキにいちゃん!!?」
「む……!これはいかん!」
楓はすぐさま幾つものクナイをカブキに向かって投げた。が……。
カンカンカン
「こんなもの……効くと思ってんのか?この時代のくのいちは貧弱だな。」
「なっ……!?」
ガンッ!
「がっ……!?」
その時、楓は背後から現れた魔化魍に殴られ昏倒する。
「ぐるるるる……。」
「まだ食べんなよ、こいつ等は大事な生贄だからな。」
カブキは夕映を解放すると、気絶した楓を抱え込んだ。
「お前はそのガキを連れて行け。」
「ぐるるる。」
カブキの指示に従い、魔化魍は咳き込む夕映を担ぎあげた。
「げほっ!げほっ……!は、はなして……!」
「か、カブキ兄ちゃん!なに酷い事してんねん!!?」
「小太郎……。」
カブキは兄が弟をあやすような優しい声で、小太郎に語りかけた。
「お前も来い……人間達を滅ぼして、俺達だけの世界を作ろう。」
仮面ライダーオロチになったカブキや魔化魍達の猛攻にさらされ、士やネギ達は絶体絶命の窮地に立たされていた。
『ファイナルアタックライド!ブレイド!』
「はぁー!!!」
「甘い……。」
カブキは士のライダーキックを片手で軽く受け止めた。
「なっ……!!?」
「そうら!!」
カブキはそのまま士の足を掴み、そのまま彼を勢いよく地面に叩きつけた。
「がっ……!!」
激突のダメージにより、ブレイドに変身していた士の姿はディケイドに戻っていた。
「士先生!!!」
「ネギ!!余所見は危ないわよ!!」
「う、ああ……!」
ネギ達は気絶している楓と腰を抜かしている夕映を魔化魍から守るのに必死だった。
「いってらっしゃい、僕の兵隊たち。」
『カメンライド……ライオトルーパー!!!』
海東はディエンドライバーから三体のライオトルーパーを召喚して、ネギ達のサポートをさせる。
「いやあ……これだけの数を相手にするのはちょっときついかな?」
海東は襲いかかってくる魔化魍に銃弾を撃ち込んでいく。
一方上空では、イッタンモメンの魔化魍から逃げ回る千草の姿があった。
「なんやねんこれ!!うちはカブキはんの味方やのにぃ……ひいいい!!!!」
千草は恐怖で顔を涙と鼻水だらけにしながら逃げ回っていた。
「はぁ!!」
一方刹那はこのかを抱えながら魔化魍の攻撃をしのいでいた。
「せっちゃん!うちを降ろして!このままじゃみんな……!」
「なりません!私は……うちはこのちゃんを守る!しっかり捕まってて!!」
「うけけけけーーー!!!!」
「くけーーーー!!!」
「んもー!!なんなのこの河童やら化け猫やら鳥やらは!!!」
「これがライダーの力……!?」
するとカブキは倒れている士を踏みつけながら、ネギの疑問に答えた。
「ライダー……?違うな、これは俺の力……この力で俺は全世界の人間を……!」
その時だった。
「カブキ兄ちゃん!!」
小太郎が魔化魍ひしめく戦場にやって来た。
「小太郎君……!!?」
「あ!あの時の犬耳の男の子!!」
「おや、あの時のわんこ君じゃないか。」
「小太郎……。」
「か、カブキ兄ちゃん!なんでこんなことするんや!?俺はネギと正々堂々と戦いたいんや!こんな奴らの力を借りなくったって……!」
「…………。」
カブキは黙ったまま士から足を離し、小太郎の元へ近り、彼の頭を左手で優しく撫でた。
「小太郎……俺は嬉しかったんだ、種族や立場は違うが、俺みたいな思いをしている奴が、こんな遠い世界にいることに……。」
「え……?」
カブキは上空で戦っている刹那を見る。
「あのお嬢ちゃんも……妖怪とハーフってだけで、人間共から虐げられてきたんだ、命を掛けて守っている奴らからだぞ……?」
「……。」
ネギ達は戦いながらカブキの言葉に耳を傾けていた。
「俺も数百年前、魔化魍から人々を守るために鬼になった……だが人間共はそんな俺に石を投げつけ、蔑んできたんだ……こんなのってねえよ、もう人間なんて信用できない、だから俺は魔化魍の……あのお方の仲間になった。」
そしてカブキは小太郎に左手を差し出す。
「小太郎……俺と一緒に来い、俺達が新しい世界を作るんだ。」
「…………。」
小太郎はカブキの差し出された手に、自分の手を近付け……。
パァン!
そのカブキの手を払い除けた。
「小太郎……!!」
「嫌や……確かに人間はむかつく奴が多いけど……ネギやそこの蒼い兄ちゃんみたいな奴もいるんや……!」
「小太郎君……。」
「蒼い奴?もしかしてボクのこと?」
「俺……もっと強い奴と戦いたいんや!だからもうこんなことやめてくれ!カブキ兄ちゃん!」
「小太郎……。」
カブキは押し黙ったまま小太郎から距離をとり……。
「はぁ!!」
魔化魍のオロチの頭になった右手で、小太郎に殴りかかった。
「うわっ!!」
小太郎はそれをバックステップでかわす。行き場を失ったカブキの右手はそのまま床を食いちぎった。
「か、カブキ兄ちゃん!!!?」
「小太郎……お前も俺を拒絶するんだな。」
「ち、違う!!」
「なら……死ね!!」
カブキは再びオロチの腕を操って小太郎に襲いかかる。
「あ……!」
いきなりの事に小太郎は反応できず、その場から動けなかった。
「あ、危ない!!」
その時、ネギが小太郎に飛び付き、オロチの牙から彼を守った。
ガブッ!
「うあっ……!!」
「ね、ネギィーーーー!!!!」
「アニキ!!!」
自分の身を犠牲にして。
「ネギ!?おいネギ!!」
オロチの牙に噛まれたネギを、小太郎が抱え上げる、だがネギは噛まれた部分から大量の血を流して意識を失っていた。
「ネギ……!そんな……!」
「ネ、ネギ!」
アスナは魔化魍を吹き飛ばし、慌てて二人の元に駆け寄る。
「ひどい……!血が止まらない……!」
「やべえ!こりゃやべえ!アニキが死んじまう!!」
「そんな!死ぬなよネギ!」
アスナとカモと小太郎は必死にネギに呼び掛けたが、彼が目を開ける事はなかった。
「俺を裏切るからそうなるんだ、言う事聞いておけばそいつだけでも助けたのに……。」
「ふざ……けるなぁ……!」
その時、倒れていた士が起き上がり、ネギ達を見降ろしていたカブキに言い放った。
「……?なんだ、まだ息があったのか。」
「生憎……体は頑丈なほうなんでね。」
「ふうん……。」
カブキは士の方に赴き、彼の首を掴んで持ち上げた。
「お前は……人間を信用できないって言ったな……!なら何を信じて戦うんだ……?」
「何……!?」
士は首を絞められながらも話を続けた。
「俺は……“世界の破壊者”だとか言われて、色んな奴らに嫌われていた……でも、こんな俺でも、一緒に旅をして、一緒に戦って、ずっと信じてくれた奴らがいる……。」
士の頭には夏海やユウスケ、栄次郎にキバーラ、それにこれまでの旅で出会ったライダー達の顔が浮かび上がっていた。
「俺は……俺を信じてくれているそいつらの為に戦っている……!だがお前は……!自分でそれを突き放した!!」
ドゴォ!
「ぐっ!?」
士はカブキの腹に右ひざを撃ち込み、彼の首絞めから逃げ出す。
「守るべきものを捨てたお前に……これ以上戦う資格なんてない!!!」
「お前……!何者だ!!?」
士は携帯ゲームほどの大きさの端末……ケータッチを取り出す。
「通りすがりの仮面ライダーだ……!覚えておけ!!」
『クウガ!アギト!リュウキ!ファイズ!ブレイド!ヒビキ!カブト!デンオウ!キバ!(プルルルル)ファイナル・カメン・ライド・ディケイド!!』
士はベルトのバックル部分を取り外して右腰に取り付けた後、バックルが装着されていた部分にケータッチを装着する。するとディケイドの肩から胸にかけて9人の仮面ライダーのカードが装着された追加装甲、“ヒストリーオーナメント”が装着され、
頭部にはディケイドのカメンライドカードが装着された。そして全体が黒と銀色が強調され、士はディケイドの進化フォーム、“仮面ライダーディケイド・コンプリートフォーム”に変身した。
「くけー!!!」
「くるるるるる!!!」
その時、何匹かの魔化魍が士に襲いかかって来た。
『ファイズ!カメンライド!ブラスター!』
それに応じるように士はケータッチを操作し、自分の隣に仮面ライダーファイズ・ブラスターフォームを召喚する。
『ファイナルアタックライド、ファファファファイズ!!!』
右腰に付けていたバックルにファイズのファイナルアタックライドのカードを装填しバックルを叩く士、その動作を隣にいたファイズも真似をする。
そして士はライドブッカーソードモードを、ファイズはファイズブラスターを構え、ほぼ同時にエネルギー光線を放ち、大量の魔化魍達を薙ぎ払った。
「てめぇ……!」
憤ったカブキは士に襲いかかる、士はすぐさま役目を終えて消えたファイズの代わりのライダーを召喚する。
『キバ!カメンライド!エンペラー!』
仮面ライダーキバ・エンペラーフォームを召喚した士は、キバのファイナルアタックライドカードを装填し、その動きをキバが真似る。
『ファイナルアタックライド!キキキキバ!!』
キバは士がファイナルアタックライドカードを装填しバックルを叩く動作を真似したあと、ライドブッカーソードモードを振る動作を魔皇剣ザンバットソードで真似をする。
すると二つの斬撃がカブキを襲い、彼に大ダメージを与える。
「ぐぁ……!!くそっ!!」
「よし……。」
士はキバが消えたのを確認すると、先ほどネギと契約したことにより手に入れたパクティオーカードを取り出した。
「オコジョ!使い方はさっき説明した通りなんだな!!?」
「ああ!こんなやつやっちまってください旦那!!」
「何をする気だ……!!?」
「なあに、もらった力を試しに使ってみるのさ。」
士は持っていたパクティオーカードを人差指で二回叩いた後、カードの効果を発動する呪文を唱えた。
「アデアット。」
するとパクティオーカードは光を放ち、それは金色のライドブッカーに変わった。
「ライドブッカー……?でも色が違う……。」
士は試しにライドブッカーの中身を確認する。
「……なるほど、どうやらこの世界……俺の力と相性が合うみたいだな。」
士はそのライドブッカーから一枚のカードを取り出し、バックルに装填する。
『ファイナルフォームライド!カグラザカ・アスナ!』
「へっ?」
ネギの介抱をしていたアスナは突然自分の名前を呼ばれ素っ頓狂な声を上げる。すると突如彼女の体が浮かびあがり、士の元まで移動していった。
「きゃあああああ!!!?なになになに!!!?」
「アスナ……ちょっとくすぐったいぞ。」
士はスカートを抑えて騒いでいるアスナの背中に手を突っ込む。
「はああああ!!んんんんん!!!!」
アスナは喘ぎ声をあげた後、全身から光を放ってどんどん小さくなっていった。
「あ……アスナの姐さん!!!?」
そして光が収まり、アスナの姿を見たカモは口をぽかんとあけた。
「チョット〜!ナニヨコレ〜!!?」
カモの視線の先には士の手にチョコンと乗っかった一頭身サイズのイノシシのキグルミをきたデフォルメアスナがいた。
「カードには“スカアスナ”と書いてるな……まあいい、お前の力を見せてくれ。」
「モウ!ショウガナイワネ〜!」
士は野球選手のように振りかぶってスカアスナをカブキに向かって投げつけた。
「猪突猛進!トリャ〜!!」
チュドーン!!
「なああああ!!!?」
投げつけられたスカアスナは大砲の弾のごとくカブキに襲いかかり、彼を大きく怯ませた。
「次は……こいつだ。」
『アタックライド!ハマノツルギ!!』
士は天空からアスナが普段使っているハリセン型の武器を召喚し、スカアスナと連携しながら怒涛の勢いでカブキを何度も叩いた。
「ふざけた技を……!!!」
「だが効いているだろ?」
「カクゴシナサイヨー!!」
士はカブキを蹴り飛ばすと一枚のカードを取り出し、それをバックルに装填し、それを叩く。
「ファイナル“マギ”ライド!カグラザカ・アスナ!アーマー!!」
すると士の隣に騎士のような格好をし、身丈以上の長さがある大剣を携えたアスナが現れた。
528 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/10/03(土) 21:11:37 ID:nja6nFFq
「エエ〜!?ワタシガフタリ〜!!?」
「これでフィニッシュだ、いくぞ。」
アスナ専用のファイナルアタックライドのカードを装填する士の動作をを、隣にいたアーマーアスナが真似をする。
『ファイナルアタックライド!カグラザカ・アスナ!!!』
士とアーマーアスナはお互いの剣を同時に振り降ろす、その衝撃波はカブキに襲いかかり、辺りに大爆発が起こる。
「終わった……か?」
その瞬間、アーマーアスナはその場から消え去り、スカアスナはもとのアスナに戻った。
「うわ!もう……なんなのよ!」
「ぐ……くうう!!!」
爆煙が晴れると、そこには傷だらけで倒れているカブキの姿があった。
「カブキ兄ちゃん……。」
「ふ……ふははははは!流石だなディケイド!だがこれで終わりじゃない!」
するとカブキの背後にオーロラが現れ、カブキはその中に入って行った。
「待て!」
「落ち着けよ……まだこれで終わりじゃない、スクナの力を引き出せてない俺を倒したって楽しくないだろう、それに……。」
カブキは一旦小太郎を一瞥する。
「これは始まりにすぎない、お前達はいずれ……ライダー大戦以上の争いに巻き込まれて、その身を滅ぼすだろう、だが安心しろ、世界は“あのお方”が救ってくださる。それまでせいぜい生き延びるんだな。」
そしてカブキはその場から消え去った。
「あのお方……?ライダー大戦……?」
「あそうだ!ネギは……!」
アスナはすぐさま大けがをしたネギを介抱している小太郎の元に飛んでいった。
「おいネギ!しっかりせえよ!」
「ら、乱暴に扱ったら……!」
その時、空で戦っていた刹那とこのかが戻ってくる。
「ネギ君!!どないしたん!!?」
「突然化け物達がいなくなったんですが……。」
「どどどどうするよコレ!このままじゃアニキが!!」
「くっ……!このままじゃ応援が来る前にネギ先生は……!」
「ね、ネギ先生……!」
「…………。」
「あーあ、こりゃえらいことになってるね。」
変身を解いた士と海東も倒れているネギを心配そうに見ていた。そこに……。
「士先生ー!」
「ネギ坊主―!どうしたアルかー!!?」
気絶した千草を抱えたクーフェイと真名、そして亜子がやって来た。
「亜子……それにクーフェイ、真名……そいつはどうしたんだ?」
「ここに来る途中、草陰で気絶していたんです、それよりもこれは……。」
「ネギ坊主!酷い怪我アル!」
「あああ!ほ、ホンマや〜!」
血まみれのネギを見るなり、亜子は士の元に倒れこんだ。
「お、おいおい……。」
ふと、アスナは士と海東に提案する。
「ね、ねえ!ライダーの力とかでネギを助けてあげられないの!?」
「無茶言わないでよ、ライダーの力は万能じゃないんだ。」
「ああ……すまねえ。」
「そ、そんな……!?」
「ば、万事休すか!!?」
529 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/10/03(土) 21:13:28 ID:nja6nFFq
「お嬢様……。」
「うん。」
その時、このかがアスナに話しかけてきた。
「あんな、アスナ……ウチ、ネギ君にチューしてええ?」
「はぁ!!!?何言ってんのよこのか!こんな時に……!」
その時、士はこのか達の意図に気付く。
「成程、パクティオーか。」
「パクティオー?なんだいそれ?」
「そ、そうそれ……みんなせっちゃんに聞きました……ありがとう。」
神妙な面持ちで、このかは話を続けた。
「今日はこんなにたくさんの人に助けてもらって……ウチにはこれぐらいしかできひんから……。」
「そうか!仮契約には対象の潜在能力を引き出す効果がある!このか姐さんがシネマ村で見せたあの治癒力なら……!」
「はい。」
そしてこのかはネギを抱えこみ、彼の唇を自分の唇に近付けた。
「ネギ君……しっかり……!」
そしてネギとこのかの唇が合わさった瞬間、辺りに強い光が放たれた。そしてネギの傷口はみるみるふさがっていき、彼はうっすらと目を開いた。
「このか……さん?無事だったんですね……。」
「ネギ君……!」
その瞬間、周りの人間は歓声をあげる。
「やれやれ、終わったのかい?じゃあボクはこれで。」
「お、おい?」
海東はそのままその場から去っていった。
「まったく……勝手な奴だ。」
ドゴ―――ン!!!
「「「!!!?」」」
その時、湖の方から爆音が響き、一同は一斉にその方角を見る。そこには……。
「はぁーはっはっはっ!!またせたなボウヤ!この私!エヴァンジェリン・マクダウエルが助けにきたぞ!!」
「俺達が来たからにはもう大丈夫だぞ!!」
エヴァと茶々丸、そしてクウガに変身したユウスケが登場ポーズを決めていた。
「「「「「「「「「「…………。」」」」」」」」」」
その光景を、士やネギ達は目を点にして見ていた。
「あれ?なんだこの空気?私がわざわざ助けに来たんだぞ?」
「マスター……もしや全部終わったのでは?」
「あー、なんかそうっぽいね……。」
「なっ………!!?」
ぬわんだとおおおーーーー!!!!!?
「さて〜きれいにオチがつきましたね〜いい意味で。」
「いい意味でだみゃ〜。」
モツとしちみは士達とは離れた場所で、その光景を見ていた。
「さてと、帰りましょうか、ご主人様にお土産買いませんと〜。」
「木刀買うみゃ!」
そんな二匹の様子を影から鳴滝が見ていた。
「何者だあの生き物は……この世界の人間にライダーの力を与えおって……!これは捨て置けんな……。」
530 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/10/03(土) 21:14:51 ID:nja6nFFq
本日はここまでです。
ディケイドやWのベルトほしいけどお金が……。
乙!!
お疲れ様でした
533 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/03(土) 23:52:16 ID:J996h/Yc
GJです。カブキと小太郎の関係、ディケイドのアーティファクト等大変
面白かったです。後、士の説教がいつくるか楽しみにしてましたが、
実に士らしくてかっこよかったです。後最後のオチのユウスケとエヴァが
笑えました。次回も楽しみにしてます。
534 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/04(日) 12:28:10 ID:1rQWNPmY
muge
535 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/05(月) 21:14:11 ID:jhelc+VK
muge
536 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/07(水) 00:58:20 ID:75SUu3mN
muge
537 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 00:45:12 ID:HdHieCRm
muge
538 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/08(木) 23:25:23 ID:HdHieCRm
muge
539 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/10(土) 12:55:49 ID:KSvClC5w
muge
540 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/10(土) 17:08:23 ID:KSvClC5w
muge
541 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/11(日) 17:20:07 ID:aUAbdagt
muge
542 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/11(日) 22:37:48 ID:aUAbdagt
muge
543 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/12(月) 19:51:14 ID:skD+MMsm
muge
544 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/13(火) 21:59:55 ID:cKaIRloM
mugen
545 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/14(水) 21:13:20 ID:BGNkI7l8
muuge
546 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/15(木) 21:13:30 ID:RWIHHvVP
muge
547 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/15(木) 23:20:56 ID:RWIHHvVP
muugwe
548 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/16(金) 23:10:06 ID:turgaUna
mmuge
549 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/17(土) 18:53:42 ID:WvKV+50G
muge
550 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/18(日) 15:37:13 ID:YomdwMyI
muge
期待待ち
552 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/19(月) 20:56:33 ID:+pLFHSlM
muge
553 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/20(火) 02:20:43 ID:wzDOvFsE
ドラネギ、来ないな・・・
あれ、かなり好きなのに
554 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/20(火) 13:42:05 ID:k7JewkKb
ネギきゅん
仮面ライダー剣のでなんか書きたいけど実力無いから自重
556 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/20(火) 21:41:03 ID:7WX0N0eD
muge
557 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/10/21(水) 21:45:24 ID:BWiIRPie
先日某スレで投下してみたのですが……反応が芳しくないのでしばらくこっちに集中します。
第十話「旅の終わり、旅の始まり。」
オロチやこのかの事件から一夜明けた朝、士とユウスケはネギが眠っているこのかの父の家の寝室にいた。
「うーん……むにゃむにゃ……。」
ネギは昨晩の戦いで、傷はこのかの力で完治はしているのだが、今までの疲れがどっとでたのかぐっすりと眠っていた。
「ったく……ガキンチョのくせに無茶しすぎだ。」
「でもすごいよなー!この子魔法使いなんだろ?生身で怪人に立ち向かったなんてすげーよなぁ。」
「ああ……ってかユウスケ、お前どうやってここに来たんだ?」
「京都の事件を受けて学園長さんが俺に協力を申し込んできたんだ、まあ……一足遅かったけどな。」
「せめてもうちょっと早くこいよ……。」
「いやあ、同行者の方が手間取っていて……。」
そのころ、部屋の外では……。
「おのれー……私を差し置いてさっさと事件を片付けるとは……!お陰で折角解いた力が使えなかったではないか!」
エヴァンジェリンが茶々丸に宥められながら昨晩の決戦に出遅れたことに腹を立てて不貞寝していた。
「マスター、しょうがありませんよ……学園長は三人同時に転移魔法を使ったのですよ?マスターの封印を解くのにも時間が掛かってしまったのです。」
「くそっ!あのユウスケとかいう奴がいたから……!覚えていろよ……!」
「あれ……?俺もしかして恨まれている?」
「ご愁傷様。」
「先生……。」
その時、士達のいる部屋に刹那がやって来た。
「ん……?どうした刹那?こんな朝早く……?」
「いえ……実は先生達にお別れを言いに来ました……。」
士達にある程度事情を説明した後、刹那はその場から去ろうとしていた。
「刹那ちゃん……本当にいっちゃうのかい?」
「はい、これは私達一族の掟……私の正体をお嬢様に見られた以上、この場にはいられないのです。」
「もう行くのか……せめて別れの挨拶ぐらい……。」
「……顔を見れば辛くなりますから……。」
そして刹那は一歩を踏み出す……その時、士が大声で彼女に語りかけてきた。
「俺が旅をした世界の中に!怪人でありながらも大切な人を守り続けた男がいた!」
「士先生……?」
「……。」
一同がキョトンとしている中、事情を知っているユウスケだけはしっかりと士の言葉に耳を傾けていた。
「そいつは……守りたい人に拒絶されてもその人を守り続けた……なんでだと思う?」
刹那はゆっくりと士の方を向く。
「何故その人は……守り続けたのですか?」
士は自身満々といった感じで答えた。
「簡単なことだ……その人がそいつにとって大切なものだったからだ。人だとか、怪人だとかは関係無しでな。」
「……!」
刹那は頭に強い衝撃を受けた感覚に見舞われていた。
「刹那……お前にとってこのかやネギ達は大切なものなんだろ?なら……掟だとか背中の翼だとかは関係ないはずだ。」
「わ……私は……!」
士の言葉を受け、歩もうとする足に迷いが生じる刹那、その時……。
558 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/10/21(水) 21:47:02 ID:BWiIRPie
「せっちゃんせっちゃん!たいへんやー!!」
「大変よ刹那さーん!」
「ぷげらっ!?」
突如このかとアスナが突っ込んできた。
「なななっ!何事ですか……!?」
「実は3−Aの旅館に飛ばした私達の身代わりの紙型が大暴れしているらしいのよ!」
「ええっー!!?」
その時、屋敷から和美やクーフェイ達が慌ただしく出てきた。
「お!ここにいたか桜咲!」
「ホテル嵐山に急行するアルよ!」
「なんか今日はみんなテンション高いねー。」
「これで2日連続寝不足です……。」
「士先生!ウチ先に戻ってます!」
「ホラ刹那、身代わりはお前専門だろ?」
「せっちゃんはよー!」
「刹那……。」
士は刹那の肩を優しく叩く。
「少なくとも……アイツ等はお前が何者であろうと、お前を受け入れるぞ。」
「……!はいっ……!」
そして刹那は目にうれし涙を浮かべながらこのか達と共に旅館に戻っていった……。
「士先生……。」
その時、寝室で寝ていたネギが士の元にやってきた。
「いいのかい先生?まだ寝ていなくて?」
「はい……もう大丈夫です、ご迷惑をおかけしました。」
「そっか……じゃあ俺達も行くぞ、お前の分身が大変らしいからな。」
「あ、あの……その前に少し聞きたい事があるんです……。」
「…………。」
辺りに冷たい空気が流れる。ユウスケやエヴァ、茶々丸はその様子を黙って見守っていた。
「鳴滝という人に聞きました……士先生、貴方は“世界の破壊者”なんですか?」
「なるほど……お前も奴に吹き込まれたか……。」
「ま、真面目に答えてください……!」
そう言ってネギは持っていた杖を士に向ける。
「ま、待ってくれネギ君!」
そんなネギを、ユウスケが二人の間に入ることによって止める。
「士は……士は確かに無愛想だけど……これまで幾つもの世界を救ってきたんだ!俺のいた世界だってこいつが頑張ってくれたから……!」
「ユウスケさん……。」
「だからネギ君……士を信じてくれ!」
ユウスケの必死の言葉を聞いて、ネギは杖を降ろした。
「……すいません、先生を疑うような真似をして……。」
「別に……いい加減なれた。んじゃ俺達も旅館にもどるか。」
「は……はい!」
そして士はネギを引き連れて旅館に戻っていった……。
559 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/10/21(水) 21:48:45 ID:BWiIRPie
その日の昼の事、士達はエヴァの京都観光に付き合ったあと、とある場所でこのかの父と待ち合わせていた。
「いやー♪俺京都なんて初めてだよー♪」
ユウスケは京都の土産屋で買ったちょんまげ鬘をかぶりながら木刀で素振りをしていた。
「お前はしゃぎすぎだ……ところで俺達はどこに向かっているんだ?」
士は一緒にいたネギ。アスナ、このか、刹那、和美、のどか、夕映、ハルナ、エヴァ、茶々丸に声を掛ける。
「実はこの先に……僕のお父さんが使っていた別荘があるんです。」
「そこに行けばネギのお父さんの手がかりがある筈なのよね。」
「ふーん……。」
士はふと、この世界に来る前に見た夢に出てきたネギ似の青年の事を思い出していた。
「やあ皆さん、休めましたか?」
そこに、このかの父で関西呪術協会の長である近衛詠春がやって来た。
「ほう……あんたがこのかの親父さんか……。」
「近衛詠春と申します、いつも娘が世話になって……。」
「やっぱ私服も渋いわね……!」
渋い親父がタイプのアスナは詠春を見て思わず顔を緩ませる。
そして一同はネギの父が使っていたという別荘に向かって歩き出した、その途中、ネギとエヴァは詠春にある事を尋ねた。
「長さん……小太郎君はこれからどうなるんですか?」
「それほど重くはならないと思いますが……それなりの処罰はあるとおもいます、天ヶ崎千草に対しても……まあその辺は我々にお任せください。」
「問題は……逃げたフェイト・アーウェルンクスとカブキとかいう男だな……。」
「……。」
そう言いながらエヴァは何食わぬ顔で歩いている士の方を見る。
「あの少年の方は自ら名乗ったフェイト・アーウェルンクスという名と一か月前にイスタンブールの魔法協会から研修として派遣されたとしか……まあコレは偽証でしょうがね。」
「問題は……カブキと名乗ったあのライダーですね。」
「ええ……千草を取り調べたのですが、どうやら彼はある日ふらっと現れ、仲間にしてくれと千草に懇願してきたそうで……彼女自身、カブキの素性は知らないそうです。」
「そうですか……。」
そしてネギ達は草木が生い茂った所にある一軒の隠れ家風の建物にやって来た。
「ここです。」
「うわー、なんか秘密の隠れ家みたいだねー。」
「ここに……父さんの手がかりが……。」
そして隠れ家の中に入ったネギ達は、散らばって辺りを物色していた。
「なあ士……。」
その時、ユウスケは本棚にあった本を取って読んでいる士に声を掛けた。
「ん……なんだよ?」
「実はさ……ここに来る前に学園長から聞いたんだよ、ネギ君の昔の事……。」
ユウスケは学園長から聞いた話を士に話す。
「ふうん……行方不明のネギの父親が、この世界では偉大なる魔法使いねえ……。」
「ネギ君は行方不明になった父親を探しているようなんだよ、それに……学園長さんは話してくれなかったんだけど、どうやら彼……過去になにかあったみたいなんだ……。」
「なるほど、道理であの歳で先生やっているわけだ、それに妙に大人びてるしな。」
「大丈夫かな……まだあの子、九歳ぐらいの子供だぞ……誰か近くで支えてあげなきゃ、近いうちに押しつぶされるんじゃないか?」
「お前……ホント子供には甘いな……。」
その時、士達の元に和美がやってくる。
「せんせー!これから写真とるんだけどさー!先生達も入りなよー!記念記念♪」
「お!いいなー、行こうぜ士!」
「ああ……じゃあ俺も一枚、撮らせてもらうかな。」
そして士達はネギ達が集まる部屋にやって来た。そこで士は……ある写真立てを見つける。
「この写真……。」
写真には、ネギによく似た青年や、若い頃の詠春らの姿が映っていた。
「ああそれ……僕のお父さんとその仲間達の写真です。」
「お前の父親……。」
士はそこに映っているネギの父親が、夢の中に出てきたネギ似の青年と被って見えた。
(まさか……あの夢に出てきたのはネギの親父なのか……?)
「士先生!何してるのー?早くしてよー!」
「……ああ、わかった。」
士は写真立てを机の上に置き、ネギ達の元に向かった……。
560 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/10/21(水) 21:51:47 ID:BWiIRPie
その夜の事、修学旅行最終日を明日に控えた士は、ある人物に呼び出されカブキ達と戦ったあの湖に来ていた。
「ふふん……来たか。」
「こんなところに呼び出しておいてなんの用だ?エヴァンジェリン?」
士はそこで茶々丸を引き連れたエヴァを見つける。
「いやな、私の体はな……ネギの父親が無理やり封印して全力が出せない状態なのだ、だが今回、あの爺が封印を一時的に解いてくれたおかげで、今は全力全開の力が出せるんだ。でもな……。」
「その力を出す前に、事件は解決したってわけか、ったく、難儀な吸血鬼だな。」
「ほう……ユウスケに聞いたか、で、だ、私がこれからしたい事……解っているな?」
その時、辺りに冷たい空気が流れ、辺りに緊張が走る。
「大方、俺でストレス発散したいんだろ?」
『カメンライド!ディケイド!!』
士はディケイドに変身し、ライドブッカーソードモードを構えた。
「貴様が世界の破壊者なら……少々全力を出しても構わんよなあ……?」
その時、エヴァの体が何百匹ものコウモリになり、そのコウモリは士の元に飛んでいった。
「はあ、しょうがねえな……素行の悪い生徒を矯正するのも教師の仕事か!」
そう言いながら士はライドブッカーを使ってコウモリの群れを切払った。だがその攻撃は一匹も命中することなく、それらは再びエヴァの体を形成する。
「さあ……私に見せてみろ!ライダーの力を!」
エヴァはそのまま士の腹部に重いパンチを食らわせる。士の体はその威力により何十メートルも吹き飛ばされてしまった。
「ぐぁっ……!?なんつう力だよ!?しゃあねえ!吸血鬼には吸血鬼だ!」
『カメンライド!キバ!!』
士はすかさず仮面ライダーキバに変身し、エヴァに向かってとび蹴りを食らわせる。彼女はそれを両手で受け止めた。
「ぐぉ!?中々重い攻撃だ……!そうでなくてはな!」
そして士とエヴァは激しい肉弾戦を繰り広げる。そんな彼等の元に、騒ぎを聞きつけたユウスケがやってきた。
「士!エヴァちゃん!なにやってんだよ!?」
「見てわからねえか!?指導だよ指導!」
「はっはっはっ!邪魔はするなよ……!?こんな機会滅多にないんだからな!」
「くっ……!」
それでもユウスケは二人を止めようと駆けだした。
「しょうがない……茶々丸!」
「はい、マスター。」
茶々丸はエヴァの指示に従い、ユウスケの行く手を遮るように彼の前に立ちはだかった。
「茶々丸ちゃん!そこをどいてくれ!」
「できません……マスターの命令です。」
エヴァは淡々と答えながらユウスケに殴りかかった。
「くっ……!変身!」
ユウスケは茶々丸の攻撃をかわしながら腰にベルトを召喚して仮面ライダークウガに変身する。
「はっはっはっ!いくらライダーとはいえロボットである茶々丸を甘く見ていると痛い目にあうぞ!」
「くそっ……!」
「あきらめろユウスケ……戦うしかないぞ。」
『フォームライド!キバ!ガルル!』
ガルルフォームに変身した士はガルルセイバーでエヴァに切りかかる、しかしその攻撃は彼女が影を使って転移したことによって当たる事はなかった。
「これが……魔法使いか……!!」
「いいや、“不死”の魔法使いさ、ボウヤ。」
そしてエヴァは影を使って士の背後に現れ、再び魔力の籠ったパンチを繰り出そうとする。
『フォームライド!キバ!ドッガ!』
だがエヴァの一撃はドッガフォームの防御力によって決定打にすることはできなかった。
「うおおおお!!」
「くっ!?」
士はエヴァに振り返りながらドッガハンマーを振り降ろす。エヴァはそれを両腕で受け、彼女が足を据えていた地面はその衝撃によって砕けてしまった。
「あっはははははははは!!!その程度の攻撃で……私を倒すことはできんぞ!!」
「おいおい……ホントに人間かコイツ……?」
561 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/10/21(水) 21:53:49 ID:BWiIRPie
そして激しい肉弾戦を繰り広げた後、エヴァと茶々丸は空高く飛び上がった。
「さあ……これに耐えられるかな?」
「何をする気だ……?」
エヴァは不敵に笑いながら詠唱を始めた。
「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック・来れ氷精・闇の精!!」
するとエヴァの手に魔力が集束されていった。
「お、おい!なにか来るぞ!?」
「しょうがねえな……ユウスケ!」
『ファイナルフォームライド……。』
「闇を従え吹雪け常夜の氷雪……さあこい!仮面ライダー!」
そしてエヴァから放たれた魔力の渦が、士とユウスケに襲いかかった。
「闇の吹雪(ニウイス・テンペスターズ・オブスクランス)!!!」
その刹那、士達が居た場所から大爆発が起こる。
「ふむ……少々やりすぎたか?」
エヴァは全開の魔法を使って満足そうだった。そのとき、茶々丸が何かに気付いたのか大声を上げる。
「……!マスター!上空に……!」
「ん?」
エヴァは何事かと思い空を見上げる、そこには……。
「あ……危なかった……!」
「ちょうどお前がいて助かったぜ。」
クウガゴウラムにファイナルフォームライドしたユウスケに乗ったディケイドに戻った士がいた。
「なんだあの姿は……!?」
「さて、今度はこっちの番だ。」
『ファイナルアタックライド!!ディディディディケイド!!!』
士はディケイドライバーにファイナルアタックライドのカードを装填した後、クウガゴウラムを踏み台にして空高く飛び上がる、すると彼とエヴァの間に幾つもの巨大なカードの幻影が現れる。
「はあぁ――――!!!」
士はそれを突き破りながらエヴァに必殺のディメイションキックをお見舞いした。
「………!!!」
そして上空に大爆発が起こった……。
次の日……。修学旅行が終わり、3−Aの生徒達は帰りの新幹線に乗り込んでいた。
「ハーイ皆さん、この後私達は午前中の内に麻帆良学園に到着、その後は学園駅で解散となりまーす。皆さん修学旅行は楽しかったですかー?」
「「「「「「はーい♪」」」」」」
「元気いいなこいつら……。」
「士先生?なんでボロボロなんですか?エヴァちゃんにユウスケさんに茶々丸さんもですけど……。」
「ああ、ちょっとな……。」
士は昨晩のエヴァとの戦闘でボロボロの状態だった。そして自分の座席に座ると、通路を挟んだ隣にはエヴァと茶々丸がいた。
「ふふん……昨晩は燃えたなぁボウヤ。」
「ボウヤっつうのやめろ、てか昨日の戦闘……俺が勝ったのになんでお前等無傷なんだよ?」
「マスターだからです……。」
「へいへい、そうかよ……。」
そして3−Aを乗せた新幹線は麻帆良へと向かって行った。
その道中でのこと、士は隣に座っていたネギが疲れて眠っている事に気付く。
「うーん……むにゃむにゃ……。」
「まったく……しょーがねえな。」
士は悪態をつきながらも、乗務員から借りた毛布をネギにかけてあげた。
「お父さーん、むにゃ……。」
「父親、か……。」
士には家族の記憶がなく、必死に父親を探すネギの気持ちも解らなくはなかった。
そして士は……あのネギに似た男の事を思い出す。
(あいつが……ネギの父親なのか?なら俺がこの世界ですること……こいつを父親に会わせればいいのか?)
その時、士は猛烈な眠気に襲われ、瞼が重くなるような感覚に囚われた。
「ふああ……ねむ……俺も眠らせてもらうか……。」
そして士はそのまま瞼を閉じた……。
一つの事件が終わりを告げた、それと同時に、ネギ達のも含む全次元世界が破滅への第一歩を歩み始めたという事は、この時の彼等には知る由もなかった……。
562 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/10/21(水) 21:57:56 ID:BWiIRPie
本日はここまで、次回から短い短編をちょいちょいやった後、新シリーズに入りたいと思っています。
>>555さんへ、何事もやってみれば色々と上達するものですよ、自分はまだまだですが。
とりあえず一区切り、お疲れ様でした
別スレの電王とひぐらしのクロス作品と合わせて今後も期待しております
564 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/22(木) 22:35:09 ID:qenyQOB0
GJ。次回からの短編と新シリーズ楽しみにしてます。
なんか、月刊にすらなってない…マジすいません。
それでは、今回の投下、入ります。
>>431 × ×
「とりよせバッグーっ」
を取り出したドラえもんは、バッグの中から野球ボール、お人形、ラジコンを引っ張り出す。
「警察犬つけ鼻ーっ…行こう」
森の中で、取り出した仲間の私物を前に鼻をひくひくされていたドラえもんが言い、
のび太が頷いた。
× ×
「誰もいない…」
「石ころぼうし」を被り、
「タケコプター」で低空飛行しながら教会の礼拝堂に滑り込んだのび太が言う。
「あの様子だと、みんなネギ先生の所かな?」
ドラえもんが言い、床スレスレに飛行しながらつけ鼻をヒクつかせる。
「三人とも、ここで途切れてる」
>>565 ドラえもんが言い、のび太とドラえもんがエレベーターの前に立つ。
他にも建物の中をくまなく探したが、建物の中の地上階地下階全てを含め、
エレベーターの臭気が最も濃厚であるとの結論に達していた。
「エレベーターは危ないけど…」
不安そうに顔を見合わせたが、共に小さく頷いた。
× ×
ドラえもんがスイッチを押し、籠が地下へと吸い込まれる。
「この階だ」
「警察犬つけ鼻」で察知したドラえもんが言い、二人が籠を下りる。
二人がエレベーターを下りると、エレベーターホールの前方に廊下が延びている。
「危ないっ!」
ドラえもんが叫び、
「タケコプター」で飛行しながら前進していた二人がさっと身を交わす。
「うわっ!」
気が付いた時には、両サイドの壁には大量のマスクが浮かび上がり、
次々とその目が光っていた。
「わあっ!」
「熱線だ、気を付けてっ!」
>>566 マスクの目から放たれる熱線がのび太とドラえもんの頭をかすめ、
「石ころぼうし」が無効化する。
「ぼくからはなれないで」
「うんっ」
「ひらりマント」で熱線を回避するドラえもんに、のび太がひっつく様にして二人は前進する。
× ×
「なんとか」
「抜けたみたい」
ドラえもんの言葉にのび太が続ける。
マスクの廊下を抜け、二人は暫し寝っ転がって荒い息を吐いていた。
「それで、ここは…」
「ホールみたい…」
「ドラえもん?」
広い地下ホールで立ち上がり、言いかけて硬直したドラえもんに、
身を起こしたのび太も又、立ち上がって硬直した。
「えーと…怪獣?…」
「逃げろっ!」
「ドラえもーんっ!………ドラえもおおおーーーーーんっっっ!!」
>>567 目の前の巨大な犬からすたこら逃げようとしたのび太が、
目の前の巨大な鷲の顔に改めて絶叫する。
「な、ななな、何?」
「ケルベロスにヒッポグリフ?」
「え?な、なにそれ?」
「魔物、魔獣だよ。魔法使いがいるぐらいだから…」
「そんなあーっ」
「しっ」
のび太が泣き言を叫ぶ間にも、二人の間にズドーンと巨大な足が落下する。
「この魔獣、きみが操ってるの?」
ドラえもんの言葉に、のび太もようやくゲルベロスの上の存在に気付いた。
「とっ、友達を迎えに来ただけなんだ、通してよっ!」
「こんなトコに入り込んだ時点で、そんな言い訳は通用しません。
後悔しなさい」
「くっ、ドッカーンッ!」
「空気砲」を装着したドラえもんが、前進するケルベロスに一撃を入れた。
「ドッカンドッカンドッカーンッ!!」
「このこのこのっ!!」
ドラえもんとのび太が「空気砲」と「ショックガン」を連打する。
>>568 「わあああっ!!」
だが、土埃が晴れると、ケルベロスは悠然と前足を踏み下ろした。
「ドッカーンっ!」
その間に急接近するヒッポグリフの横っ面にもドラえもんが一撃を入れるが、
ヒッポグリフは僅かに反応するだけだ。
「のび太くんっ!」
「ドッカーンッ!」
ドラえもんがのび太にもう一つ「空気砲」を放り投げ、
のび太が今正に迫っていたケルベロスの真ん中の顔面を砲撃する。
「ガアッ!」
「ドラえもぉーんっ!」
砲撃をものともせぬケルベロスの大口開けた威嚇に、
のび太がぴゅうと逃走した。
そんな二匹の魔獣に、ドラえもんがありったけの
ホームミサイル、ゆうどうミサイルを撃ち込む。
「やったか…」
>>569 もうもうと上がる土埃が切れた時、ケルベロスの上でニッと歪む唇とは対照的に、
二人の顔は絶望に彩られる。
「ドラえもぉんっ!!」
「くっ!」
ズシーンとケルベロスが足を踏み下ろし、ドラえもんが懸命に空気砲を撃ち込む。
「ドッ、ドッ、ドラえもぉぉーーーーんっっ!!」
転倒したのび太の上をヒッポグリフが素通りし、
のび太は振り返ったヒッポグリフを砲撃しながら方向を変えてダッシュする。
「ちょこまかとしぶといですね。そろそろ戻って来る頃です。
そういう事なら…」
異変に気付いたドラえもんとのび太が周辺を見ると、
ホールの壁を構成するブロックと言うブロックから、ぼとぼとと何かが落ちてくる。
それは、大量の小動物としてドドドとホールに渦巻き、二人を呑み込もうとする。
ホールに、ドラ声の雄叫びと銃声がわんわんと響き渡った。
「の、の、のび太くんもこれを」
のび太の手にズシッと重い得物を手渡すドラえもん、
そのドラえもんが手にするアサルト・ライフルの銃口は、まだ煙をくゆらせていた。
>>570 「えーっと、これってたしか…」
「ジャンボ・ガンに熱線銃」
「これの威力ってたしか…」
「ジャンボ・ガンは一発で戦車を…!
熱線銃は、一しゅんのうちに、鉄筋のビルを…」
「ね、ね、ね」
「出たか」
その先の問題点について若干の疑義を唱えようとしたのび太の言葉は、
全方位に放たれたアサルト・ライフルの銃声によってかき消される。
そして、一度壁へと避難した小さな大軍勢は、
今後こそ二人を飲み込まんと降下の気配を見せる。
「ようし!こうなったら……
地球はかいばくだんを!フヒーッ、ヒ…」
>>571 × ×
「うえーん、パパー」
「ドラえもん、ドラえもんっ」
のび太にゆさゆさと肩を揺すられ、ドラえもんが周囲を見回す。
ちょうど、小さな黒い影がぴゅうと逃げ去った所だ。
「あれ?あの魔物と…」
「きみの勢いにおどろいてにげていったよ」
「よかった……よかった。さあ、急ごう!」
「うんっ!」
キリッと前を向いて言うドラえもんに、のび太も力強く応じた。
今回はここまでです。
>>452ちさめさんGJです。
>>562ライダーさん、お疲れ様でした。今後とも楽しみにさせていただきます。GJでした。
続きは折を見て。
乙!
女装先生ネギま
575 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/10(火) 19:41:09 ID:gPPpeFL8
マイナーなギャルゲーSS祭りを開催したいです。
マイナーなギャルゲーSS祭り!
1. SS祭り規定
自分の個人サイトに未発表の初恋ばれんたいん スペシャル、エーベルージュ、センチメンタルグラフティ2、canvas 百合奈・瑠璃子のSSを掲載して下さい。(それぞれの作品 一話完結型の短編 20本)
EX)
初恋ばれんたいん スペシャル 一話完結型の短編 20本
エーベルージュ 一話完結型の短編 20本
センチメンタルグラフティ2 一話完結型の短編 20本
canvas 百合奈・瑠璃子 一話完結型の短編 20本
ダーク、18禁、クロスオーバー、オリキャラ禁止
一話完結型の短編 1本 プレーンテキストで20KB以下禁止、20KB〜45KB以内
2. 日程
SS祭り期間 2009/11/07〜2011/11/07
SS祭り結果・賞金発表 2011/11/08
3. 賞金
私が個人的に最高と思う最優秀SSサイト管理人に賞金10万円を授与します。
576 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/10(火) 19:41:51 ID:gPPpeFL8
(1) 初恋ばれんたいん スペシャル
初恋ばれんたいん スペシャル PS版は あまりのテンポの悪さ,ロードは遅い(パラメーターが上がる度に、
いちいち読み込みに行くらしい・・・)のせいで、悪評が集中しました。ですが 初恋ばれんたいん スペシャル PC版は
テンポ,ロード問題が改善して 快適です。(初恋ばれんたいん スペシャル PC版 プレイをお勧めします!)
初恋ばれんたいん スペシャルは ゲームシステム的にはどうしようもない欠陥品だけど。
初恋ばれんたいん スペシャル のキャラ設定とか、イベント、ストーリーに素晴らしいだけにとても惜しいと思います。
(2) エーベルージュ
科学と魔法が共存する異世界を舞台にしたトリフェルズ魔法学園の初等部に入学するところからスタートする。
前半は初等部で2年間、後半は高等部で3年間の学園生活を送り卒業するまでとなる。
(音声、イベントが追加された PS,SS版 プレイをおすすめします。)
(3) センチメンタルグラフティ2
前作『センチメンタルグラフティ1』の主人公が交通事故で死亡したという設定で
センチメンタルグラフティ2の主人公と前作 センチメンタルグラフティ1の12人のヒロインたちとの感動的な話です
前作(センチメンタルグラフティ1)がなければ センチメンタルグラフティ2は『ONE〜輝く季節へ〜』の茜シナリオを
を軽くしのぐ名作なのではないかと思っております。 (システムはクソ、シナリオ回想モードプレイをおすすめします。)
(4) canvas 百合奈・瑠璃子シナリオ
個人的には 「呪い」 と「花言葉」 を組み合わせた百合奈 シナリオは canvas 最高と思います。
577 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/11/10(火) 21:21:04 ID:rwMKDBay
久々に投下します。
第十一話「31人目の生徒」
魔帆良学園中等部、夜の3−A教室……そんな誰もいない筈の教室に、少女のすすり泣く声が響いていた……。
(しくしく……しくしく……私も修学旅行行きたかったです……。)
修学旅行の振り替え休日の日、ネギはカモとアスナとこのかとのどかと刹那と和美、そして亜子と鳴滝姉妹を伴って光写真館にやってきていた。
「なるほど……では士先生はこれまでいくつもの世界を旅してきたというんですか?」
「おったまげたぜー、異世界なんてもんがあるなんてよー。」
「まあそうなるな、あの変身能力も今までの旅で出会ってきたライダー達のものだ。」
ネギは出されたコーヒーをすすりながら士の話を聞いていた。
「ネギ君、砂糖とミルクはいりますか?」
「あ……すいません夏海さん。」
そのころアスナ達は、これまで士が撮ってきた写真をユウスケに見せてもらっていた。
「うっわー何よこれ?ピンボケばっかりじゃない……。」
「士先生写真好きな割にはあんまうまくないなー。」
「お嬢様……もうちょっと歯に衣を着せたほうが……。」
「というかちょっとありえない写り方してます……。」
「だろだろ?アイツの腕ちっとも上達しないんだよなー。」
「そんなことないですよー、うち、士先生の写真好きです。」
「ホントに写真のほうー?写真を撮っているほうじゃないのー?」
「もう!やめてや!//////」
「亜子ちゃん顔が真っ赤ですー♪」
とそこに、士達が撮った写真を現像していた栄次郎と和美がやってきた。
「現像終わったよー、いやあすまないね和美ちゃん、手伝ってもらって……。」
「いえいえ!自分の分も早く現像したかったですし……。」
「あ!写真できたのー!?」
「みせてみせてー!」
そう言って一同は写真を持つ栄次郎達の下に集まってきた。
「おお!和美の写真はきれいに撮れてる!」
「それに比べて士先生は……。」
一同は士が撮った写真を見る、そこには奈良公園での亜子達がブレた状態で写っていた。
「やっぱりなー、こいつが撮る写真はいつもこうなんだよ。」
「ふんっ、世界が俺に撮られたがっていないだけだ。」
578 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/11/10(火) 21:21:50 ID:rwMKDBay
その時、一枚の写真が亜子達の手から舞い落ちた。
「おっと……。」
和美はその落ちた一枚の写真を見て、首を傾げる。
「どうしたの朝倉?」
「いや、この写真……。」
そう言って和美はその写真……修学旅行に出発する直前、教室で撮った写真を皆に見せる。
「どれどれ……うぇ!!?なによこれ!!?」
写真にはアスナやこのか、ネギにのどか達が映っていた、そしてネギの足もとに、なにやらぼんやりと少女の顔らしきものが写っていた。
「「んぎゃー!!!おばけー!!!?」」
幽霊の類が苦手な鳴滝姉妹はそのまま士とユウスケの後ろに隠れてしまった。
そして栄次郎がその写真を手に取り、珍しそうな物を見る様子で眼鏡を上下させていた。
「あれまあ!長い間この仕事しているけど心霊写真なんて初めてみたよ!」
「これ、士君が撮ったものじゃないんですか?」
「私が撮ったものです……何でしょうねこの子?」
「ん?この人確か……。」
そう言ってネギは出席簿を取りだし、その影らしき人物を特定した。
「出席番号一番“相坂さよ”……なんでしょうかこの人?」
「ああ、そういや一度も会ったことのない生徒がいたな、引きこもりか?」
「実は私達も見た事ないのよー、一体何者なのかしらね?」
「まさか……幽霊?」
その夏海の一言に、一同は一斉に彼女の顔を見る。
「え!?へ!?なんですか!?」
「うーん、どうやら調べてみる必要があるぞ士。」
「そうだな、この前のワームとかの事もあるし……。」
「ごめんくださいましー!!!」
その時、光写真館に大量の来客がやってきた。
「お邪魔致しますネギ先生♪折角の休日ですのでお茶などご一緒いたしませんか?」
「げっ!?委員長!!?なんでここに……!!?」
「亜子がここにいるって言ってたからー。」
「まき絵に裕奈、アキラまで……。」
「ネギ君カラオケ行こ〜!士先生も〜!」
すると今度は美砂、円、桜子がやって来た。
「ネギ坊主〜!」
「んー♪」
すると今度はクーフェイと楓がry
「おい、邪魔するぞ。少し話がある。」
「マスター……どうやら光写真館は満員のようで。」
今度はエヴァと茶々丸ry
「おーい、遊びに来たよー!」
「少しお話したい事が……。」
夕映とハルナry
「うおおおおい!!!お前等押し掛けすぎだ!!」
「はいはい、コーヒー出すから少し待っててね。」
「栄次郎さん……冷静だなあ。」
「ネギ君、とりあえずこの件はまた今度にした方がいいですね。」
「は、はい……。」
579 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/11/10(火) 21:22:52 ID:rwMKDBay
次の日の放課後、3−Aの生徒全員とネギとカモと士は調査のため教室にやって来ていた。
結成!3−A出席番号一番 幽霊「相坂さよ」除霊討伐隊!
ハルナ、裕奈、和美、まき絵、桜子は超や瀬聡美が作った除霊グッズに身を包んで身構えていた。
「さーて、やっつけちゃうよー!」
「3−Aの科学班、超一味が作ったこの除霊ガンでね!」
「それ本当に効くの?」
「た、頼みましたわよみなさん。」
「OKOK、いいんちょも怖がりだねー。」
「差し入れアルー。」
「どうぞー。」
「おお!肉まんじゃん♪」
「おい、どうなっているんだコレ?」
「いやあ……みなさん光写真館で話を聞いていたみたいで……。」
少し離れた所で、ネギと士とカモは今の教室の状態について話し合っていた。
「しゃーない、とにかくその幽霊ってやつの正体をさっさと突き止めるか。もしかしたら怪人かもしれないからな。」
「うーん、でもこの写真を見るかぎり悪い人には見えないですけど……。」
「おーいのどか、ちょっと来い。」
「あ、はーい。」
士は夕映達と一緒にいたのどかを呼び出す。
「どうしたんですか先生?」
「お前……ネギと仮契約したんだよな?その力で幽霊の思考を読み取れないか?」
「なるほど!士の旦那、冴えてるぜー!」
「わ、わかりました、やってみます……。アデアット。」
そう言ってのどかは自分の本の形をしたアーティファクトを召喚する。
「そ、それじゃ行きます、相坂さん、アナタは一体何者ですかー?」
え……私?この人は宮崎さん……どうして私の名前を?
するとのどかの本に……なにやら禍々しい少女の絵が浮かび上がった。
「この人悪霊です〜!!」
のどかはそれを見て思わず悲鳴を上げる。
「総員戦闘配置―!!」
「出会え出会えー!!!」
「コンディションレッド発令―!!!」
すると教室中が大騒ぎになる。
「おい!お前等落ち着け!」
「皆さん冷静に〜!」
580 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/11/10(火) 21:24:20 ID:rwMKDBay
あああ、誤解されている……なんとかしなきゃ、なんとかしなきゃ……がんばれ私!
すると突然、教室の机や椅子が浮遊し教室の天井で飛び回り、3−Aにいた人間はさらに混乱した。
「ぎゃー!ポルターガイストだー!!」
「に、逃げろお〜!」
「おお!大スクープだ!今こそ激写の時!」
「珍しいな……とりあえず撮影するか。」
「士先生!朝倉!呑気に写真なんて撮ってんじゃないわよ!!」
あああ事態が余計に悪化してる……!なんとかして誤解を解かなきゃ……!
すると誰もいない窓に「ゴカイデス」と赤い文字で書かれた。
「ひいいい!!血文字だー!!!」
「ゴカイです……五回DEATH!?五回殺すってこと!!?」
するとその様子を見て、裕奈の頭のネジが吹き飛んでしまった。
「うふへへへ……ごかい、ゴカイデス……。」
「裕奈が取りつかれた〜!!?」
すると教室に、クウガに変身したユウスケが入って来た。
「悲鳴を聞いて飛んできた!大丈夫か皆!!?」
「ぎゃー!!!未確認生命体まで出たー!!!」
さらにそこに、鳴滝が窓から入って来た。
「ディケイド!!今日こそ貴様を始末してやるー!!!」
「きゃー!!コートを着た変質者―!!!」
「アカン!うちら皆殺されるー!!!」
亜子は恐怖のあまり、正常な判断力がついてなかった。
「じょ、除霊ガンを!除霊ガンを撃てー!!」
「ちょっと待て!ユウスケが……!」
「裕奈に当たる……!」
「ファイヤー!!!!」
すると除霊ガンから謎の怪光線が放たれ、裕奈やクウガや鳴滝はそれに巻き込まれてしまった。
「うわー!!?」
「ちょ……!!ひでええええ!!!!」
「ゆーなー!」
「ホントになんか出たー!!!!!」
「こらー!!人に向けるなー!!!」
581 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/11/10(火) 21:25:03 ID:rwMKDBay
あああ!さらに事態が悪化した……!
「滅茶苦茶だなおい……。」
「こうなったら……助っ人を呼ぶしかねえな。先生、せんせーい!!!」
すると教室に武装した真名と刹那が入って来た。
「報酬は弾んでもらうからな。」
「いいのかなあ……お嬢様達の前で……。」
「せっちゃんかっこええー♪」
「むっ!!?そこだっ!!」
その時真名は何かの気配に気づき、その場所に指先から何か衝撃波を放った。
ひええええ!!!?
「おい、アイツなんか出したぞ。」
「深く突っ込むのはよしましょうや旦那。」
だだだ誰か助けて〜!!
「逃げた!追うぞ真名!」
「解った!」
刹那と真名はすぐさま気配を追って教室を出て行った。
「俺達も追うぞネギ!」
「は、はい!」
「ちょ!ちょっと待って先生!」
すると和美が、追いかけようとした士とネギを呼びとめた。
「ん?どうした。」
「あ、あの、さっきの幽霊の姿を写真に収めたんですけど……。」
そう言って和美は先ほど現像したばかりの写真を見せる。そこには、目に涙を浮かべながらアタフタしている女の子が映し出されていた。
「あれ?意外とかわいい……。」
「おい、このまま除霊するのはまずいんじゃねえか?」
「と、とにかく追いかけないと!」
そう言ってネギと士は真名達の後を追いかけて行った……。
その頃真名と刹那は必死になってその気配を追いかけて行った。
「このままじゃ逃げられるぞ!」
「そうはさせない……私の魔眼からは逃げられん!」
すると真名の瞳になにかの紋章が現れ、その気配の位置を捉えて札などで攻撃を加えていく。
なんですかそれ〜!?
そして二人は、その気配を壁際まで追いつめた。
「さあ、おとなしく成仏するんだ。」
あ……あああ……!
582 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/11/10(火) 21:26:28 ID:rwMKDBay
「「ちょーっとまったー!!」」
するとそこにネギとカブトに変身し和美を背負った士がやって来た。
「先生……?」
「おいネギ!やってくれ!」
「わかりました。」
士の指示を受け、ネギはとある魔法の呪文を詠唱する。
「深い霧よ我は求める、閉じた眼に映りし影を塞いだ耳に聞こえし声を、今ここに霧を裂いて我が前に現せ、テルマ・アモリスター……!」
するとネギ達の目の前に、白い長髪の少女……相坂さよが現れた。
『あ、あの……。』
「ごめんなさい、怖がらせてしまって……友達がほしくって、あんなことしてしまったんですよね、だったら……。」
ネギと和美は、半泣きのさよに自分たちの手を差し出す。
「僕がお友達になりますよ。」
「私も、席となりだしね。」
『あ……。』
するとさよの体は溶けるように消えていった……。
「ネギ〜!士先生〜!」
するとそこにアスナとこのかがやって来た。
「ようやく来たか、もう終わっているぞ。」
「ネギ君!幽霊はどうなったん?」
「さよさんは……。」
ネギは日の光が差し込むさよがいた場所を見つめる。
「成仏しました……。」
「そう……。」
「いい話やったなー……。」
「これで一件落着か。」
「あ、あの?士先生?」
「きれいにまとめているところ悪いのですが……背中。」
それから数日後、光写真館。
『うわ〜!面白い写真がいっぱいありますね〜!』
成仏していなかったさよは何故か士に取り付いて光写真館に居ついていた。
「士君!!なんてもの連れてきているんですか!!?」
「俺が知るか!!!」
そこにコーヒーポットを持った栄次郎が質問してきた。
「夏海、幽霊ってコーヒー飲むかな?」
「えー?どうなんでしょうか?イマジンは飲めるみたいですけど……。」
『あ、お構いなく〜。』
そんな光写真館に、和美がメモ帳片手にやってきた。
「すいませーん、さよちゃんいますー?」
『あ!朝倉さーん!またお仕事ですかー?』
「うん、さよちゃんの力をかしてよー!」
『わかりました、じゃあいってきまーす。』
「はい、いってらっしゃい。」
さよはそう言って和美と共にスクープを求めて写真館を出て行った。
「はあ……ま、あいつも影でメソメソ泣いているよりは楽しそうだし、まずはよしとするか。」
「ですねー。」
こうして31人目の生徒として相坂さよが加わり、ただでさえ騒がしい3−Aはさらに騒がしくなっていくのでした……。
583 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/11/10(火) 21:28:29 ID:rwMKDBay
おまけ
士達が刹那達を追いかけて行った後の3−A教室にて。
「おにょれ……ディケイドー……!」
「うわ〜、この人ボロボロだよ〜。」
まき絵とアキラはボロボロになって倒れている鳴滝を棒でつんつん突っついていた。
「とりあえず救急車呼んだほうがいいかな?」
「うーん、亜子も気絶しちゃったしね。」
するとそこに、玩具の救急車に跨った医者のコスプレをしたモツとしちみがやって来た。
「患者さんはどこですか〜?いい意味で〜。」
「この状況にいい意味なんてあるのかみゃ?」
「はうあ!!!?」
その時まき絵はモツの姿を見て目を見開いた。
「あん?なんですかあなた?」
「お、お父s「すみませーん、俺達の保護者を引き取りに来ましたー。」
するとそこに、鳴滝を引き取りにきたキックホッパーとパンチホッパーがやって来た。
「うわ!!?なんですかあなた達!!?」
「いやあ、その男を引き取りにきたんだよ、さっさと行こうぜ兄貴……兄貴?」
パンチホッパーはその時、キックホッパーがモツの姿をじっと見つめて微動だにしないことに気づく。」
「兄貴、どうしたんd「親父……!!!」は!!?」
キックホッパーはそのままヘッドスライディングをするようにモツに抱きついた。
「会いたかったぜ!!オヤジぃー!!!」
「「「え゛――――!!!!!!?」」」
「違いますよ?」
「おにい……ちゃん?」
一同が混乱する中、まき絵だけは目に涙を浮かべてモツとキックホッパーを見つめていた。
「まさか……!!!?お前は……!!?」
「その人があなたのお父さんで、私のお父さんであるなら、私たちは……!」
次の瞬間、まき絵とキックホッパーはモツを挟んだまま包容した。
「お兄ちゃん!!」
「妹よー!!」
「「「え゛――――!!!!!!?」」」
「いやだから違いますって。」
モツはさっきから否定しているが、自分達の世界に入っている二人の耳に届くことはなかった。
そしてキックホッパーはパンチホッパーの手を取り、彼にまき絵の手を握らせる。
「まき絵……お前の弟だ。」
「はじめまして……お姉ちゃんだよ……。」
「おい!!?俺が末っ子設定!!?」
「よし!今夜は兄ちゃんが腕によりをかけてマーボー豆腐を作ってやる!」
「わーい!楽しみー!」
「え!おい兄貴!?鳴滝は!!?」
「あのわたくし、バッタの息子を持った覚えがないんですが……。いい意味でー。」
そう言ってキックホッパーとまき絵はパンチホッパーとモツを連れて教室から出て行った……。
「何……コレ?」
「盛大なドラマだみゃ。ところでこのオッサンどうするのかみゃ?」
「おのれ……!これもすべてディケイドのせいだ!」
今日はここまでです。規制とか厳しいから次回からは避難所に投下しようかなと思っています。
カオスすぎるwww
586 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/11/18(水) 00:58:39 ID:jt6L/7cU
マイナーなギャルゲーSS祭り!変更事項!
1. SS祭り規定
自分の個人サイトに未発表の初恋ばれんたいん スペシャル、エーベルージュ、センチメンタルグラフティ2、canvas 百合奈・瑠璃子シナリオ
のSSを掲載して下さい。(それぞれの作品 一話完結型の短編 10本)
EX)
初恋ばれんたいん スペシャル 一話完結型の短編 10本
エーベルージュ 一話完結型の短編 10本
センチメンタルグラフティ2 一話完結型の短編 10本
canvas 百合奈・瑠璃子 一話完結型の短編 10本
BL、GL、ダーク、18禁、バトル、クロスオーバー、オリキャラ禁止
一話完結型の短編 1本 プレーンテキストで15KB以下禁止
大文字、太字、台本形式禁止
2. 日程
SS祭り期間 2009/11/07〜2011/11/07
SS祭り結果・賞金発表 2011/12/07
3. 賞金
私が個人的に最高と思う最優秀TOP3SSサイト管理人に賞金を授与します。
1位 10万円
2位 5万円
3位 3万円
ディケイドの人乙!
地獄一家www
父:モツ
保護者:鳴滝
長男:矢車想
長女:佐々木まき絵
次男:影山瞬
589 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/12/05(土) 20:12:22 ID:Vmg2PRzj
久々に投下します。
第十二話「もう一つのグラン・ブルー・フレンズ」
とある日の放課後、魔帆良学園中等部の屋内プール……そこで水泳部に所属している大河内アキラは、すぐそこまで迫っている大会に向けて練習をしていた。
「アキラー!私達先にあがるからー!」
「うん、わかったよー。」
同じ部活の仲間を見送った後、アキラは引き続き居残り練習を続けていた。
それから一時間後……。
(そろそろ上がるかな……。)
そう言ってアキラは練習を切り上げようとしていた。その時……。
キィィィィィィィィン…………
「え……?」
突如彼女の耳に耳鳴りが響き、彼女は泳ぎをやめてプールの中で立ちあがった。
キィィィィィィィィン…………
「また……一体何……?」
アキラは謎の耳鳴りの原因を探る為、誰もいなくなった屋内プールを見回す。そして彼女はプールの中に何か得体のしれないものが居る事に気付いた。
「何……?あれ?」
そしてその影は、アキラに少しずつ近づいていき……。
590 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/12/05(土) 20:13:25 ID:Vmg2PRzj
それから一週間後、日付が変わったばかりの深夜のとある街……そこで数人のバイクに跨った暴走族が、爆音を撒き散らして疾走していた。
「ひゃーははははははは!!!」
「おらおら!ひき殺すぞ!」
暴走族は散歩をしていた通行人などにちょっかいを掛ける、街の住人達はそんな彼等を物陰から迷惑そうに見ていた。
キィィィィィィィィン…………
「ん?」
その時、バイクを運転していた暴走族の一人が何かに気付いた。そんな彼を見て、隣にいた総長が声を掛ける。
「ん?どうしたムラヤマ?」
「いや……なんかミラーに魚が写っていたような……。」
「ぎゃ!!!」
その時、後ろでバイクを運転していた仲間の悲鳴を聞き、彼等は後ろを振り向いた。
「あ、あれ……!?モリは!?」
しかし後ろにいた筈の仲間の姿はそこになかった。
「ぎゃあ!!!」
「な、なあああ!!!」
すると彼等の周りにいた暴走族達も次々と悲鳴を上げながら夜の闇に引き摺りこまれるように消えて行った。
「そ、総長!?」
「ど、どうなってんだこりゃ……!?はっ!!?」
その時、総長と呼ばれた男は自分の乗るバイクのサイドミラーに、魚のような生物がこちらに牙を向けているのに気付いた。
「な、なんだこれはあああああああ!!!!!ひぎゃああああああああ!!!!!」
「総長―――!!!?」
そして総長と呼ばれた男は、悲鳴を上げながらサイドミラーに引き込まれていった。そして乗り手が居なくなったバイクは、そのままゴミ置き場に激突していった。
「な、何だよコレ!!?どうなっているんだ!!?はっ!!?」
その時ムラヤマと呼ばれた男は、自分の乗っているバイクのサイドミラーに、恐らく総長達を襲った魚の怪物が自分に狙いを定めている事に気付いた。
「ひひっ!ひああえあああ!!!」
ムラヤマは恐怖のあまりバイクから飛び降りて道路に転げ回る、そしてすぐさま近くにあった八百屋のシャッターを叩いた。
「たっ助けてくれ!!!化け物が!!食われるううううう!!!」
しかし中の人間は、ムラヤマが恐らく喧嘩でもしているのだろうと思い、巻き込まれる事を嫌がって彼の助けを求める声を無視した。
591 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/12/05(土) 20:14:16 ID:Vmg2PRzj
「ち!畜生!」
ムラヤマは悪態をついた後、その場から尿を撒き散らして走り出した。
そして彼は、息を切らしながら街頭の光しかない薄暗い路地裏に逃げ込んだ。
「なんなんだよ……!なんなんだよアイツ!!?」
ムラヤマはその場で大の字に倒れ込み、ほっと胸を撫で下ろした。
「あの魚野郎……!よくも仲……間……を……。」
その時ムラヤマは、路地裏に捨ててあったテレビのモニターから魚の化け物がこちらを見ている事に気付いた。
「ひっ!」
ムラヤマは思わずその場から後ずさる、すると彼の手が先日の雨で出来た水たまりに入った。
「冷て!……ひいいいい!!!?」
その水たまりの中にも、魚の化け物がムラヤマを狙っていた。
そして窓に、鏡に、自販機に、魚の化け物達が出現し、ムラヤマに狙いを定めていた。
「ぎ……ぎゃあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!あがあああああああああああああ!!!!!!」
その直後、夜の街に断末魔と肉が食いちぎられる音が得体のしれない何かを誇示するかのように響いた……。
その日の夕方、放課後の魔帆良学園の女子寮のまき絵と亜子の部屋……そこでまき絵、裕奈、亜子はお菓子を食べながらアキラの帰りを待っていた。
「アキラ遅いねー、もう9時になるよ。」
「大会も近いし……気合入っているんじゃないのー?」
「そうやな……。」
相言って亜子はうす塩味のポテトチップスを口に入れながら何気にテレビに映っていたニュースに目をやる。
『本日未明、××市で暴走族が突如集団で行方不明になる事件が発生し……。』
「××市って魔帆良のすぐ近くじゃん。」
「最近物騒な事件が多いねー。」
「暴漢か……。」
亜子はふと自分がワームや魔化魍に襲われた事を思い出し、少し不安を募らせる。
(もしかしたらアキラ……一人で帰っている最中に襲われていたりしてないやろうか……?)
そして亜子の足は自然と玄関の方に向かっていた。その手には先日モツ達から貰ったリストバンドが握られていた。
「亜子?どこ行くの?」
「ちょっとアキラ迎えに行ってくる、留守番よろしくな?」
「え!?亜子一人じゃ危ないよ、私達も行く!」
592 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/12/05(土) 20:15:05 ID:Vmg2PRzj
そんなこんなで三人は屋内プールがある夜の体育館までやって来ていた。
「ううう、夜の学校って不気味〜!」
「まき絵!あんまり引っ張らないでよ!」
「電気が付いている……まだ練習してるんやろうか?」
そう言って亜子達は競泳プールがある運動場にやってくる、そしてそこであるものを目撃した。
「アキラ……?」
「何かと泳いでいる?」
亜子達はアキラがプールの中でイルカみたいな生き物と泳いでいる光景を目撃する。
「あれ?亜子?まき絵?裕奈?」
すると亜子達に気付いたアキラが、プールサイドから上がって彼女達に近付いてきた。
「どうしたのみんな?こんなところで……。」
「アキラの帰りが遅かったから迎えに来たんだよ、それにしても……一体何をしていたの?それに……あれは……?」
裕奈はそう言ってプールの中にいる水色のイルカのような生き物を指さした。
「ああ、あれは……。」
「うわー!イルカだー!かわいいー♪」
するとアキラが答えるよりも前にまき絵がそのイルカを見ようとプールに顔を突っ込んだ、しかし……。
(あれ?)
プールの中には何もいなかった。まき絵は試しに顔を出してみる。すると……プールの中にはちゃんと水色のイルカが居た。
「ど、どういうことコレ!?」
「うん……実はあの子、鏡の中にいるみたいなんだよ……。」
「「「はあ?」」」
そしてアキラは亜子達に事の次第を説明した。それによるとアキラは一週間前、居残り練習をしていた際にあの不思議な水色のイルカと出会い、
友達になってこうやって誰もいなくなった放課後に一緒に泳いでいるのだという。
「この子は水の中だけじゃなく、鏡の中にも現れるんだ。」
「へー!不思議だねー。」
『キューイ!』
すると水色のイルカは亜子達に気付いたのか、嬉しそうに飛びはねながら彼女達に近付いてきた。
「ひとなつっこいんだねこのイルカ。」
「うん、ルカは優しい子なんだ。」
そう言ってアキラはプールに飛び込み、その水色のイルカと泳ぎ始めた。
「アキラ人魚みたいだねー。」
「ていうかルカって名前にしたんだー。」
「…………。」
まき絵と裕奈がアキラを優しく見守る中、亜子だけはどこか不安そうにルカと楽しそうに泳ぐアキラを見守っていた……。
593 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/12/05(土) 20:16:03 ID:Vmg2PRzj
次の日の朝、ネギ、アスナ、このか、刹那は登校のため魔帆良学園都市内を走っていた。
「今日は遅刻しないで済みそうねー。」
「遅刻じゃなくても走るんですね。」
「毎日こうやとええんやけどなー。」
「でも大丈夫でしょうか?僕達朝食まだ食べていないですよ?」
「ふふーん♪問題ないわよ、ちょっとついてきなさい。」
そう言ってアスナはネギを連れて中華料理の屋台「超包子」が展開している広場にやってきた。
「あそこにいるのは超さんにクーフェイさん……それに葉加瀬さんに四葉さん?」
「学祭が近くなるとクーフェイ達がここにお店を開くのよ〜!あの子達の作る点心はおいしいんだから……おーい!」
そしてアスナは作業をしていた四葉に声を掛ける。
「あ、アスナさん……。」
「四葉ちゃん!いつもの点心フルコース頂戴!ネギもいるから四人前ねー。」
そんなアスナの注文に四葉は少し暗い表情で首を横に振った。
「あ、あの……それが材料がなくて……。」
「え!?なんで!!?」
「十分に仕入できなかったんかいな?」
「それが……。」
アスナ達は四葉が向いている方角に視線を向ける、そこには……。
「お客さん、よく食べるアルなー。」
「いいからさっさと次持ってこい。」
謎のチンピラ風の男が、超達の出す料理を次々と平らげ皿を重ねていた。
「もう材料ないネー。」
「何……?まったくイライラさせる……ん?」
その時、チンピラ風の男は、隣でモーニングコーヒーを飲んでいたモツとしちみを見つけた。
「三人の子供を養うため、今日もせっせと働きます、いい意味で〜。」
「いい意味でだみゃ〜。」
すると男はモツとしちみをむんずと掴んだ。
「あー、中身がでるー。」プヒー
「ちょっと!なにするみゃ〜!」
男は掴んだモツとしちみを超達に差し出し、とんでもないことを言い放った。
「ちょうどいい、こいつでなんか作れ。」
「ええ〜!!?」
「わたくしには三人の子供が〜!」
「アイヤー、そんなの出されても困るネ。」
「ここはカエル料理も猫料理もやってないアルよー。」
「いいからとっとと作れ、俺をイライラさせるな……。」
「ちょ!ちょっとまってくださーい!」
そんな彼女達の間にネギが仲裁に入り、チンピラ風の男からモツとしちみを取り返した。
「お前は……。」
「い、いくら貴方がお客さんだからって他の人に迷惑かけちゃダメですよ!」
「ちょ!ちょっとネギ君!」
「危ないわよネギ!この人絶対その筋の人間よ!」
勇み足を踏むネギをアスナとこのかが止める、その後ろでは……刹那が刀に手をかけて構えていた。
「お前は……。」
そのチンピラ風の男はネギの顔を見てにやりと笑う。
「なるほど、あの時の魔法使いのガキか、それに……。」
男は次に刹那やクーフェイ、それに超を見てまるで獲物を見つけた獣のような目で口元を釣り上げた。
「ライダーじゃないが……それなりに強いのがいるな、食後の運動でもするか……!」
さきほどから異質なオーラをさらけ出している男は、懐からカードが沢山入ったデッキのようなものを取り出した。
594 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/12/05(土) 20:17:10 ID:Vmg2PRzj
「そのカードは……!?」
周りの人間が驚く中、男はそのカードデッキを自分持ったまま何かに変身するかのように構えた。
「変身……!」
そして男はそのカードデッキを腹部に取り付けようとした、その時……。
「まて!浅倉!」
突如男の目の前に鳴滝が割って入ってきた。
「鳴滝さん!!?」
「え!?誰この人!?」
「貴様……何こんなところで油を売っている?調査はどうした!?」
「チッ……!」
浅倉と呼ばれた男はカードデッキをしまった。
「興ざめだ……次ぎ会った時はもっと楽しもうぜぇ……!?」
浅倉はそう言い残してその場を去って行った。
「まったく……すまない、君たちに迷惑をかけたな。」
鳴滝はそう言ってネギ達に向かって深く頭を下げた。
「え、あ、いや……。」
「あの人なんだったの……?」
「“ライダー”……と言っていましたね。もしかしたら彼も士先生と同じ……。」
「それ以上は私の口からは言えない。とにかく君たちはディケイドから……。」
その時、熱心に話している鳴滝の肩を四葉がポンポンと叩いた。
「ん?何かね?」
「あの……あの人が食べた料理代、払ってもらいたいんですけど……。」
「何……!?」
鳴滝はあわてた様子で四葉から伝票を受け取り、それに目を通した。その瞬間、彼が掛けていたメガネのレンズがパリーンと割れた。
「しめて11万5千円になるアルー。」
「…………お、おのれディケイドー!!!!!!」
そして空に鳴滝の叫び声が木霊した……。
「ディケイド関係ないでしょうが!!!」
595 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/12/05(土) 20:18:09 ID:Vmg2PRzj
その日の放課後、ネギ達4人は光写真館に赴き、士達に今朝の出来事を説明した。
「ライダーらしき男がいただあ?」
「ええ、鳴滝さんと一緒に居たみたいで……。」
「お陰で朝ごはん食べそこなっちゃったのよ!?もう最悪ー!」
そう言ってアスナは栄次郎が出したプリンをがつがつと胃に運んだ。
「おかわりもっとあるからねー。」
「アスナよく食べるなー。」
「ここに来て鳴滝さんの仲間が出てくるなんて……一体何者なんでしょうか?」
「その時あの人は僕の事を魔法使いだって言っていました。それにあの人が持っていたデッキ……王蛇と名乗ったライダーが所持していた物です。」
「仮面ライダー王蛇……なんでそんな奴がここに?」
「多分この事件の事を調べに来たんだと思うよ。」
すると、どこからともなく海東が現れ、一冊の新聞を士に渡す。
「海東……これは?」
「その記事の一面、よく見たまえ。」
士達は海東に指示されその記事を見る、そこには先日の暴走族の行方不明事件の記事が載っていた。
「なんや、不思議で物騒やな……。」
「どんな危険があろうと私が守ります。」
「ふふふ、ありがとうせっちゃん。」
「おい海東、こいつあ……。」
「ああ、僕もさっきお宝を求めてそこに行ってみたんだけどね、どうやら手口からいって……ミラーモンスターの仕業みたいなんだ。」
「「「「ミラーモンスター?」」」」
聞いたことのない単語に首を傾げるネギ達。
「夏ミカン、ユウスケ、説明を頼む。」
「もう!自分でやってくださいよ!」
「あのね、ミラーモンスターっていうのは……。」
「ごめんくださーい。あ、ネギ君もいるな。」
その時、光写真館に部活帰りの亜子がやって来た。
「あれ?珍しいですね亜子さん、今日はお一人?」
「もしかしてー、士に会いに来たのかー?」
「そんなんちがいますよー、ちょっとアキラの事で相談があって……。」
「アキラ?」
「アキラさんがどうかしたのですか?」
「実は……。」
数十分後、亜子は士やネギ達を女子寮にある大浴場に連れてきた、そこには水着姿の祐奈、まき絵、そしてアキラが湯船の中で何かと遊んでいた。
「みんなー、士先生を連れてきたよー。」
「え!マジー?」
「今行くー。」
そう言ってまき絵と裕奈は湯船から上がり士達の下に駆け寄った。
「お前ら……入浴時間でもないのにこんなところで何をしているんだ?」
「えへへー!実はねー!」
「ルカと泳いでいたんだよー。」
「「「「「「「ルカ??」」」」」」」
頭に疑問符を浮かべつつ、士達は湯船で楽しそうに泳いでいるアキラを見る、そして彼女の後ろに、何か巨大なイルカのような生き物が泳いでいることに気づいた。
「……!」
士は慌てて変身しようとするが、ユウスケに手で制される。
「待て士!なんだか様子がおかしい。」
「あれ……ミラーモンスターでしょうか?」
596 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/12/05(土) 20:18:56 ID:Vmg2PRzj
「うふふ……こっちだよルカ。」
『キュイー♪』
アキラとルカは湯船の中を楽しそうに泳いでいた。その光景は幻想的で、見ていた者達の心を鷲みにしていた。
「わー!イルカやー!」
「ふーん、いい絵だな。」
士はすかさずカメラを取り出し、その光景をカメラに収める。
「亜子さん、あのミラーモンスターは一体……?」
「なんかアキラが居残り練習中に見つけたらしくて……今ではすっかり仲良しですわ。」
「士……。」
ユウスケと夏海は神妙な面持ちで士と隣にいた海東を見る、どうやら彼等に判断を委ねるようだ。
「……多分こいつはこの前の事件の犯人じゃなさそうだな。」
「だね、もしそうなら彼女、とっくの昔に食べられているよ。」
「なっ……!!?」
「ねーねー、何の話―?」
「さあ?」
士達のとんでもない言葉に、事情を飲み込めていないまき絵と祐奈を除く全員が目を丸くする。そして今まで話を聞いていたネギが、士に質問する。
「士先生!あのイルカは一体……?」
「あれがさっき言っていたミラーモンスター……“龍騎の世界”に生息するモンスターだ、本来は人間を襲ってそのエネルギー体を取り入れて生き永らえるはずだ……。」
「私たちが龍騎の世界に行った時は、ライダーと契約したもの以外はほとんどいなくなっていましたよね。」
「それがなんでこの世界に……。」
「なんだ、たいしたお宝じゃないな……失礼するよ。」
そう言って海東は興味なさそうに欠伸をしながらその場を去っていった。
「とにかく……もし何かあったら僕か士先生に言ってください。」
「わかりました……。」
「ねーねー、さっきから龍騎だのライダーだのなんの話?」
「はいはい、後でゆっくりと説明してあげるから。」
アスナはメンドくさそうに裕奈とまき絵の背中を押してその場を去っていった。
「せっちゃん!うちらも一緒に泳ごう!」
「お、お嬢様!!?」
一方このかは自分の部屋にある水着を取りに刹那の手を取って去っていった。一方ネギはハラハラした様子で楽しそうに泳ぐアキラとルカを見守っていた。
「ルカ、こっちだよー。」
『キュイ〜♪』
「アキラさん大丈夫でしょうか……?あのモンスター、いきなり襲ってきたりは……。」
「大丈夫なんじゃね?俺達が今まで旅をしてきた世界でもモンスターと共存している世界なんていくらでもあったぞ。」
「でも少し不安です……なんだか良くない事が起こりそうです……。」
「…………ったく。」
そんな不安そうにしているネギの頭を、士はクシャクシャと撫でてあげた。
「うわぷっ!?」
「お前はいちいち細かい事を気にしすぎなんだよ、もっとガキらしくしてろ。」
「な……何言っているんですか!!?僕は心配で心配で……!!」
「なんだか士君、ネギ君のお父さんかお兄ちゃんみたいです。」
「ははは、士の前で言ったら怒りそうだな。」
597 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/12/05(土) 20:20:16 ID:Vmg2PRzj
そんな彼等を、大浴場にある洗面台の鏡の中から様子を窺っている一つの影があった。
(くくくくく……!見つけたぞディケイド……!!)
その人影は士達に襲いかかろうと身構える。しかし……。
「ちょっと待て。」
仮面ライダー王蛇がその人影の背後に立ち、剣を突きつけていた。
「貴様……!」
「あのガキは俺の獲物だ……!どうせなら俺と戦え……!」
「ふん……。」
人影は興ざめと言わんばかりに構えを解き、王蛇に向き合った。
「貴様……俺の知らないライダーだな、確か鳴滝が言っていた……まあいい、とっとと俺と戦ってもらうぞ。」
「まあちょっと待て、お前……もっとたくさんのライダーと戦いたくないか?」
「何……?」
人影はそう言って鏡の向こうの士とユウスケを指さす。
「もう少し待てば最高のライダーバトルが楽しめるぞ、どうだ?悪い話じゃないだろう?」
「確かにそうだな……いいだろう、少しの間待ってやる。」
そう言って王蛇は構えていた剣をしまい、そのままどこかへ去っていった。
「さて、思わぬ邪魔が入ったが……まあいいだろう、貴様が死ぬのは変わりないのだからな、ふふふ……ははははははは!!!」
そして鏡の中にその男の高笑いが絶え間なく響いていた……。
おまけ
その日、村上夏美は自分の部屋で帰りの遅いルームメイト、那波千鶴を待っていた。
「ちづねえ遅いな〜、最近物騒だし心配になってきた……。」
『ただいまー。』
「あ、言ってる傍から帰って来た。」
そう言って夏美は千鶴を迎えに玄関に向かった、そしてそこで扉をちょっと開けて部屋の様子を窺っている彼女を見つけて首を傾げた。
「ちづねえ?そんなところでなにしているの?早く入ってきなよ。」
しかし千鶴は部屋に入ろうとせず、真剣な面持ちで夏美に質問する。
「夏美……ちょっと聞きたい事があるの、夏美って動物は苦手?」
「うん?平気だけど……もしかして子犬でも拾って来た?」
「まあそんなところね、で、ペットは大丈夫なのね?」
「うん、平気だよー、どんな動物拾ってきたの?」
「実はコレ……。」
そう言って千鶴は扉を開け放つ、そして夏美の目に……。
「イー!!!」
全身黒い網タイツ姿の男が右手を高々に挙げて奇声をあげていた。
「ちょ!ちづねえ何これ!!?」
「捨てショッカー戦闘員よ、段ボールの中で雨に打たれて震えているところを拾ってきたの。」
「イー!!!」
「イー!!!じゃないよ!!何女子寮に男の人連れてきているのさ!!?」
「イー……。」ブルブル
「まあ、雨に打たれて震えているわ、可哀そうに……お風呂に入れてあげなきゃね。」
「ちょっと待って!色々と待って!」
夏美は必死に制止しようとするが、千鶴は構わずさっさと浴室に向かって行った。
「イー♪」
「さあ小太郎君、綺麗にしてあげるからね。」
「もう名前まで付けているー!!!?」
(犬神)小太郎君が来る一週間前の出来事でした……。by夏美
598 :
被本塁打王 ◆uPLMpKy1kA :2009/12/05(土) 20:25:36 ID:Jzx62ddf
今日はここまで、12日の映画見たら本気出す。
捨てショッカーってなんだwww
投下乙。そうか、映画まで1週間切ったのか・・・
もう映画やってんだな。見に行こう
602 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/18(金) 09:32:33 ID:BNOc1Hvw
muge
ここで書いていいのかと思いましたが。
某理想郷でのFate系とのクロス、エヴァに襲われた千雨が自分で首掻っ切った。
ほ
605 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/11(月) 17:07:39 ID:+NZF7NAH
だが、断る
606 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/17(日) 15:43:42 ID:vyZ8tYHu
muge
607 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/18(月) 09:18:15 ID:LVV9EP9D
muge
608 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 09:46:30 ID:OGBbyxbI
muge
609 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 09:15:28 ID:2ynb2Mbi
muge
610 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 23:07:29 ID:2ynb2Mbi
muge
611 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 01:39:42 ID:KNUZprse
ドラネギ
612 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 20:55:03 ID:g3g6yWrw
MUGE
613 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 09:04:08 ID:wwsv5R+A
muge
614 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 14:59:04 ID:i45/chDO
muge
615 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 13:24:54 ID:Yak6Xj2o
muge
616 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 20:49:53 ID:thOC5mlO
muge
617 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/13(土) 22:14:58 ID:PN+IJMlg
muge
618 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/15(月) 09:46:17 ID:JLdmh+7O
muge
619 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/17(水) 22:09:23 ID:PbUHwJJB
muge
620 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/18(木) 22:10:14 ID:Eg0/fXH5
muge
621 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/19(金) 21:51:18 ID:lYs24bG5
muge
622 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/20(土) 17:07:34 ID:AfWYoaLy
muge
623 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/24(水) 09:24:56 ID:NODMJYK2
muge
624 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/26(金) 20:54:14 ID:vXcugFmd
muge
625 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/06(土) 21:53:51 ID:ewvfxDa6
muge
626 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/07(日) 11:07:57 ID:QFA7xErW
muge
それでは変り種として菊地秀行作品とのクロスで。
紅虫魔殺行の後日談ってなかんじでこの作品で死んだヒロインのみどりちゃんが木乃香の双子の姉妹として
前世の記憶をもったまま転生。木乃香と同様に巨大な魔力持ちで麻帆良に住んでいる。
木乃香と同じように狙われ、木乃香の代わりにつかまってスクナの復活に利用されるてピンチになったとき紅虫を呼びそしてやってくる。
なんか本編が大幅に変わること間違いなしですな。
628 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/12(金) 00:22:09 ID:qWosn3Rg
保守
629 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/13(土) 20:09:58 ID:rM7RuECE
MUGE
630 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/14(日) 21:30:09 ID:ErbEWVNK
muge
お久しぶりとか何とか言うレベルじゃなくなってしまってます。
本当にすいません。
まずはここまでの粗筋を。
時空乱流に巻き込まれたタイム・パトロール隊員と出会った
ドラえもん以下ドラ・パーティーは、
彼の残した言葉
「まほらがくえん、ちゃおりんしぇん」
を追って麻帆良学園の調査を開始する。
麻帆良学園に立ち入り早々、
行き違いから学園警備の警戒を受ける事となったドラ・パーティーは、
直後から開催された麻帆良祭に潜入。
紆余曲折を経て、
超鈴音の歴史改変計画を彼女自身の口から報される事となる。
超鈴音との交渉が決裂したドラ・パーティーは計画阻止のために
ネギとの接触を図ろうとするがそれが果たせないまま超の計画が発動。
大混乱の中、超鈴音との関与を疑われ龍宮神社裏山で佐倉愛衣に捕まるのび太。
指揮に当たった明石教授は最後の手段としてコア破壊装置の起動を裕奈に委ねる。
事情を知らぬまま、
麻帆良学園都市そのものの機能を完全に停止させる破壊装置の起動に驚愕した愛衣は、
ロボット軍団に囲まれながらのび太にその停止を委ねる。
裕奈との一対一の対決を経てコア破壊装置の機能停止には成功したものの、
膨大なロボット軍団の手によってみんなまとめて後夜祭まで飛ばされる。
>>631 強制認識魔法が発動した世界。一度は帰宅したドラ・パーティーは
超鈴音との関与を疑われ学園警備に拘束される。
愛衣の協力で脱出したのび太とドラえもんは、
仲間を捜して教会地下に潜入した。
以上が今までの粗筋です。
以下、大変お久しぶり、「のび太のin麻帆良祭」続き行きます。
それでは、今回の投下、入ります。
>>572 × ×
「ごめんなさい」
広間を抜けると、槍を持った若い魔法使いの姿があったが、
「タケコプター」で強襲した二人の「ショックガン」で一蹴された。
「こっち!」
「警察犬つけ鼻」を装着したドラえもんが言い、ドラえもんとのび太が一枚の扉の前に立つ。
× ×
「ドラちゃん!」
「ドラえもん!!」
「心の友よっ!!」
>>632 のび太と共に「通りぬけフープ」をくぐって地下牢の中に入ったドラえもんに、
そこで待たされていた残る三人が泣き付いた。
「どうなってるの?急に魔法使いが…」
「話しは後、今の内に脱出しよう」
「うんっ」
× ×
「しっ!」
教会周辺で、ドラえもんの合図で一同が茂みや木陰に入る。
「ネギ先生…」
「危ないところだった。この本隊が戻って来ていたら簡単には脱出できなかった…」
のび太が呟き、ドラえもんが続いた。
改めてドラ・パーティーが森の中に入りドラえもんが一通りの事情を説明する。
「大変な事になったのね」
ほーっと聞いていた一同の中で、しずかがようやく口を開いた。
「みんなが魔法を知ってる世界…」
「なんか、すっげぇ事になりそうだな」
スネ夫にジャイアンが続く。
>>633 「早すぎる」
ドラえもんがぽつりと言った。
「あの魔法の大きな力、今その存在を知って世界がそれを上手に利用する。
それにはまだ早すぎるんだよ」
「じゃあどうするの?」
ドラえもんの言葉に、のび太が尋ねた。
「魔法使いの人たちも色々と奔走してるみたいだけど…」
「インターネットを中心に分散して拡散して、
そういう事だったら、ここまで時間が経ったら回収するのは難しいだろうね」
スネ夫が言った。
「強制認識、一種の集団催眠を世界規模で実施したとも言った。
逆催眠の方法も無いでは無いけど、
一度にそれだけの規模の催眠をかけられた今、それに匹敵する方法は無い。
個別にやっていても追い付かない、齟齬が出てもっと収拾の付かない事になる」
「やっぱり、タイムマシンは無理なの?
タイムマシンでさかのぼってやり直してまた新しい世界を…」
ドラえもんの言葉に、しずかが尋ねた。
ドラえもんが首を横に振る。
>>634 「超さんが言っていた言葉、それがどこまで本当か。
でも、あの人ならやりかねない。
だとすると、超さんの警告を無視してタイムマシンであの時間に干渉する事は危な過ぎる」
皆が唸る中、はあーっと嘆息したのび太がその場に腰を下ろし、何かを手にして立ち上がった。
「どうしたののび太さん?」
「うん、チラシが…でこぴんロケット…」
「学園祭のチラシ、風で飛んで来たのかな」
ドラえもんが言う。
「凄かったなー、あのライブ」
スネ夫が言った。
「メンバーの人たちもかっこよくて綺麗だったし、ああ、のび太見てないんだっけ」
「スネ夫さん、こんなときにっ」
ニシシと笑いながら言うスネ夫にしずかが叱責を入れる。
「うん、見てない…メンバーの人って、この四人の事?」
「ああ、この四人だった」
チラシを見たスネ夫が言った。
>>635 「でも、あの時確かに和泉さんが広場にいた。間違いなくこの和泉さんだったんだけどな」
「まだそんな事言ってるの?」
「ずっと、最初から和泉さんも出演してたわよ」
首を傾げるのび太の側でスネ夫が呆れた様に言い、しずかも続けた。
「のび太くん、それ、確かに和泉さんだった?」
ドラえもんが質問した。
「うん、青っぽい髪の毛のショートカットで、それに楽屋にいたし。
後夜祭でも見かけたから間違いないと思う」
「でも、ドラちゃんものび太さんと連絡とるまでずっと会場にいたの見たでしょう。
それまでずっと四人で演奏してて」
「そうそう、MCだってやってたじゃん」
のび太の返答に、しずかとスネ夫が続いた。
「ずっと、気になってたんだ」
「なんだ?」
ドラえもんが言い、ジャイアンが続いた。
「「たずね人ステッキ」に「人さがしがさ」。どっちも異常な反応を示していた」
「そういえば…」
ドラえもんの言葉に、のび太が呟いた。
>>636 「ネギ先生を探した時はいつも。あの反応を解析すると、
同じ空間に探す相手が複数いる。そういう反応だった」
「同じ空間に複数…和泉さん?」
のび太の言葉に、ドラえもんが頷いた。
「でも、どうして…」
「タイムマシン…」
のび太の後に、しずかがぽつりと呟いた。
「もしかしたら、タイムマシン…」
再びの、もう少し大きなしずかの言葉に、ドラえもんが頷いた。
「超さんは未来人だった。
のび太くんが見た和泉さん、ネギ先生を探す道具のエラー。
こう考えると説明がつく。
ネギ先生は、タイムマシンを持っている」
>>637 ナ ゝ ナ ゝ / 十_" ー;=‐ |! |!
cト cト /^、_ノ | 、.__ つ (.__  ̄ ̄ ̄ ̄ ・ ・
ミミ:::;,! u `゙"~´ ヾ彡::l/VvVw、 ,yvヾNヽ ゞヾ ,. ,. ,. 、、ヾゝヽr=ヾ
ミ::::;/  ゙̄`ー-.、 u ;,,; j ヾk'! ' l / 'レ ^ヽヘ\ ,r゙ゞ゙-"、ノ / l! !ヽ 、、 |
ミ/ J ゙`ー、 " ;, ;;; ,;; ゙ u ヾi ,,./ , ,、ヾヾ | '-- 、..,,ヽ j ! | Nヾ|
'" _,,.. -─ゝ.、 ;, " ;; _,,..._ゞイ__//〃 i.! ilヾゞヽ | 、 .r. ヾ-、;;ノ,.:-一'"i
j / ,.- 、 ヾヽ、 ;; ;; _,-< //_,,\' "' !| :l ゙i !_,,ヽ.l `ー─-- エィ' (. 7 /
: ' ・丿  ̄≠Ξイ´,-、 ヽ /イ´ r. `ー-'メ ,.-´、 i u ヾ``ー' イ
\_ _,,......:: ´゙i、 `¨ / i ヽ.__,,... ' u ゙l´.i・j.冫,イ゙l / ``-、..- ノ :u l
u  ̄ ̄ 彡" 、ヾ ̄``ミ::.l u j i、`ー' .i / /、._ `'y /
u `ヽ ゙:l ,.::- 、,, ,. ノ ゙ u ! /_  ̄ ー/ u /
_,,..,,_ ,.ィ、 / | /__ ``- 、_ l l ``ーt、_ / /
゙ u ,./´ " ``- 、_J r'´ u 丿 .l,... `ー一''/ ノ ト 、,,_____ ゙/ /
./__ ー7 /、 l '゙ ヽ/ ,. '" \`ー--- ",.::く、
/;;;''"  ̄ ̄ ───/ ゙ ,::' \ヾニ==='"/ `- 、 ゙ー┬ '´ / \..,,__
、 .i:⌒`─-、_,.... l / `ー┬一' ヽ :l / , ' `ソヽ
ヾヽ l ` `ヽ、 l ./ ヽ l ) ,; / ,' '^i
今回はここまでです。続きは折を見て。
639 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/16(火) 21:57:00 ID:KMcAAEJA
MUGE
640 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/17(水) 20:15:48 ID:rPXvUV/2
muge
皆様、お久しぶりでございます。
前スレで雪広あやかが主役の「ヒッチャー」を書いた者です。
あれから色々ありまして、ここに来るのはご無沙汰になりました。
前スレで書いた「ヒットマン」の続きが書けるようになりましたので、
久々に新作を投稿させて頂きます。
dat化して以前投稿した内容が読めなくなっていますので、
最初の話から、書き終わった新作まで投稿させて頂きます。
話はまだまだ続きます。
おそらく、完結すれば、前作「ヒッチャー」より長くなると思います。
が、完結させられるよう努力します。
前作の方は、よろしければまとめサイトに投稿させて頂きます。
途中、投稿制限などで間隔が空くかもしれませんが、よろしくお願いします。
prologue
雨の打つ、激しい音。
男が車に乗り込む前から降り続いていた雨が、車全体を包み、支配している。
だが、車内を包むのは、外の雨の音だけには留まらなかった。
男の体内から響く鼓動が木霊していた。
やけに煩い。
脈打つ鼓動は雨の音よりも大きく木霊し、男にとっては耳鳴りがしそうだった。
男は胸を押さえていた。
身体から飛び出そうな鼓動をしている心臓を。
……原因はわかっている。
今回の仕事は最初からおかしかった。
何から何までお膳立てされているかのようだった。
明らかに自分以外の何者かの影響があった。
だが、それを確かめる時間もなかった。
結果的に、自分は尻尾を巻いて逃げるだけだった。
だが、結果など現時点ではどうでもいいし、真相の解明もどうでもいい。
今、男にとって大事なのは、男を襲っているこの危機だ。
数分……いや数十分だろうか?
男は命からがら逃げてきた。
毒を盛られたのだ。
霧状の毒物だった。
その毒の症状が何かはわからない。
仕事の前のブリーフィングで説明を受けた気がするが、思い出せない。
記憶力が著しく低下し、意識障害もおきている気がする。
心臓が大きく脈動し、身体中の血管が燃えるように熱い。
汗もどんどん吹き出ている。
男はなんとか思い出そうとしていた。
……この毒は、最終的にどんな作用を起こすのだろうか?
身体中が痙攣する。
寒くて震える。
ふと、鼻から口へ伝う物が流れた。
手にとってそれをみると……それは鼻血だった。
……男は思い出した。
この毒に侵された人間の末路を。
男は震える手で車の座席に置いてあるブリーフケースを取り出した。
特徴のある刻印のあるケースだった。
男は開くと、身につけている品を全部ブリーフケースに仕舞い込み始めた。
ありとあらゆる品が詰め込むと、最後の品を懐から取り出した。
……それは、二挺の拳銃だった。
シルバーのコルト・ガバメントだった。
標準より銃身は長く、また、グリップにブリーフケースと同じ刻印が施されていた。
ガバメントをケースに仕舞うと、男は自身が着ているスーツの上着を脱ぎ、ホルスターを脱いで同じようにケースに仕舞う。
……よし、これで身元を特定する品はないはずだ。
残りの物は、この車のキー、そして……。
男はブリーフケースの小物入れから、円筒状のスチール製の小物を取り出した。
キャップを外すと、鋭い針が剥き身になり、暗闇の中、月の光を浴びて光っていた。
ブリーフィングの時の説明に、この小物の説明を受けた。
毒の影響で意識混濁だが、覚えている限りでは、これは解毒剤の入った使いきりの注射器だ。
この鋭い針を心臓に垂直に刺せば、圧力で中の解毒剤が体内に注入されるという。
……今回の仕事で使うかもしれないと渡されたのだ。
一応念のため……のつもりだったが、まさか本当に使う事になろうとは思わなかった。
副作用の説明もされたような気はするが、今のこの状況で副作用を危険視し、解毒剤を使わないなどという選択はできない。
男は車のキーと解毒剤だけを持ち、車から降りた。
電子音が鳴り、車の施錠がされるのを確認すると、車から出来るだけ離れた。
自分と車、そしてその中の品を結びつける物を出来るだけ離したかった。
……足元がおぼつかない。
片足を引きずるように駆ける。
身体中の血管が破裂しそうだった。
(限界か……)
男は街路樹の一本に目をつけ、その根元を掘り始めた。
頭痛や眩暈を起こしている中、勢いだけで掘り進めると、その中に車のキーを埋めた。
そして、立ち上がり、また離れるように駆けた。
もう、自分がどこにいるのかもわからない。
木々が覆い茂る地帯にいるが、街から離れているのかもわからない。
ふと、ついに脚を引っ掛け、倒れこんだ。
全身を強い雨が打ちつける。
男は仕舞いこんでいた解毒剤を取り出し、天にかざした。
……身元を特定する物を隠匿する為に多くの時間を費やした。
毒が回ってからどのくらいの時間が経っているかはわからない。
もしかしたら、今更解毒剤を打っても助からないかもしれない。
(……なら、その時はその時だ)
仰向けになった男は、ワイシャツの上から注射器の針を心臓に突き刺した。
パシュッという空気の圧力で、解毒剤が心臓に注ぎ込まれた。
男は全身を痙攣させながら、意識が薄れていく気がした。
薄れる視界の中、最後に見たのは満月だった。
雲からのぞく満月が、男を惹き付けた。
そして、その記憶が、最後だった。
男は、雨の中、仰向けに倒れたまま目を閉じ、動かなくなった。
――――― ヒットマン -Code MAHORA- ――――――
Chapter.1「Who am I ?」
宮崎のどかは大雨の中、後悔していた。
ルームメイトの早乙女ハルナに頼まれごとをされていたのだ。
普段、ハルナの趣味を手伝っているのどかだが、今回ばかりはレベルが違っていた。
ハルナの趣味である「マンガ」の締め切りに付き合わされた。
ここまではいい、いつものことだ。
だが、今回は並外れての「修羅場」だった。
いつ終わるかわからない無間地獄のようだった。
意識の混濁、睡魔、ありとあらゆる誘惑から負けないようにがんばっていた。
二人の親友である、綾瀬夕映と共にがんばった。
そして、数十分前に、とうとう完成した。
今日完成し、すぐに入稿するために郵便局に行こうとした。
だが、ここで問題が発生した。
以下、問題点を列挙する。
1、ハルナ、夕映、両名の活動停止(緊張状態を解いた事による急激な睡眠)
2、問題点1により、郵便局へ持ち込む人間がのどか一人になったという事。
3、完成時、すでに深夜を回っており、寮から出るのは校則違反に相当する。
4、深夜まで開いている郵便局はひとつしかない。
5、しかもその郵便局は、明日は開かない。
6、今日速達で送らないと、確実に原稿を「落とす」ことになるという事。
この問題点を、のどかはひとりで解決しなくてはいけなかった。
今日、一生懸命頑張って作った原稿を落とすなど、親友に顔向け出来ない。
寮を抜け出し、校則違反になるかもしれないが、そんな事は気にしていられない。
他の人に助けてもらうわけにもいかない。
自分達の都合で助けてもらうなど、筋違いだ。
のどかは意を決して、外に出た。
どのくらいの時間が掛かったかはわからないが、無事郵便局に原稿を持っていくことが出来た。
速達で印刷所に送り全ての仕事は終わった。
凝った身体を少しでも休めるため、郵便局に備え付けの椅子に座った。
……それが仇となった。
郵便局員に起こされ、自分が一時間程居眠りしていた事を知った。
あわてて外に飛び出るが、外はいつのまにか大雨が降っていた。
寮を出るとき、降りそうだなとは思っていたが、すぐに戻るつもりで傘を持って来ていなかった。
のどかは泣きながら、寮へ向かって走っていった。
早々に規制がかかりましたので、
一旦投稿終了させていただきます。
投稿の再開は改めて告知してから行ないますので、
他の職人様も遠慮なくご投稿下さい。
余裕がありましたら、まとめサイトなどに、
前作も含めまして投稿させていただきます。
中途半端になりましたが、よろしくお願いします。
648 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/21(日) 21:04:15 ID:/kBnuHCB
muge
649 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/23(火) 22:35:38 ID:ILL46YZ7
フェイトからセイバー召喚。
作者アニメしか知らないから変なとこあったらごめんね。
「サーヴァント。セイバー。召喚に従い、参上した」
え!? サーヴァントセイバー……? いやいや、サーヴァントって、召し使って意
味だよな……? てことはセイバーは名前? か……。
騎士が名前ってのも変だな……。いやいやいやいや! そんなことより誰だよこい
つ? 鎧見たいの身に着けてるけど。それに、床から出てきたぞ? マジシャンか?
「問おう。あなたが私のマスターか」
マスター……? 行き成りなに言ってんだこいつ……。わたしはおまえみたいな外
人しらないよ。以前にしりたくもない。
「改めて問おう。あなたが私のマスターか?」
改めて問われても、なんて答えていいのかわからないんですけど……。でも、下手
にマスターです、なんて答えたらこの先なにが待ち受けてるかわかんねーし、断った
ら断ったで、なんかされそーだし……。
「たぶん……違うと思います……」無難な断り方をした。すると、セイバーと名乗った
外人女の眉がぴくり、と動いた。「三度(みたび)問おう。あなたが私のマスターか?」
背は百五十センチちょいか? 顔はフランス人形見たいに整ってて、煌びやかな金
の髪を頭の後ろで三つ編み団子にしてる。
深い青を基調とした服の上に、鏡のように磨きあげられた胸甲(きょうこう)を身に
纏ってて、前腕にはガントレット、足にはグリーブ(金属製の靴)を履いてる。
頭の先からちょこんと飛び出た一本のアホ毛は可愛いんだけど、その下にある孔
雀の羽根見たいに深い緑の瞳でわたしを睨めつけてる? のか……。
「たぶん、訪問する家間違えてると思います……。見ての通り、わたしはただのオタ
ク少女ですし」フィギュアやアニメのポスターを指差す。「なにより、わたしに外人の知
り合いはいませんので……」おどおどしながら下目使いで外人女を見る。
外人女は目を細めると、こちらにゆっくり手を伸ばしてきた。手をつかんで立ちあが
れ、という意味だろう。わたしの今の状況を簡単に説明すると、驚いた拍子に腰がぬ
けて、床に尻もちを着いてる状態だ。
わたしはその手を見て、なんて細くて綺麗な指なんだ、と見惚れてしまった。つかん
で立ちあがる。「どうも」とぺこりとお礼を忘れない。
「あなたが、私を、召喚したのではないのですか?」外人女は、゛あなたが゛と゛私を゛
を強く強調した。
「あ、あの……召喚した記憶がないんですけど……」
外人女は自分の足もとに視線を向けると、「では、この魔法陣はなんですか」と床を
指差した。
学校から帰ってきて、まずわたしがすることは、パソコンの電源を入れることからは
じまる。
鞄をベットに放り投げると、冷蔵庫に缶ジュースをとりにいって、ついでにキッチンの
棚からポテチを出す。コンソメパンチだ。
椅子に座って、缶を開けるとひと口飲み、ちうホームページを開く。
「今日のアカウント数は三百ちょいか……。少ねぇな……」ぼやきながらホームペー
ジを簡単に更新する。
終わるとチャットルームに顔を出し、わたしのファン――いや、ちうのファンとチャット
を楽しむ。
時が経つのは早いもんで、パソコン画面の右下の時計に視線を向けると、もう、夜
の七時を回ってた。
どーりでさっきから腹が鳴ってるわけだ。
「みんな―! ちう、ご飯食べてくるね〜」とちうに酔いしれてるアホどもに別れを告げ
て、キッチンに向かう。
キッチンテーブルの上にはカップ麺がある。それが今日の晩飯だ。包装をはがして、
ふたを捲(めく)ると、ポットのお湯を注ぎ込む。
三分するとふたをはがして、箸を持ち、麺に齧りつく。「あちぃいいいい――!」と口
の中を火傷した。
風呂に入りながら、今後はどんなコスプレで攻めようか、と一人模索する。やっぱビ
ブリオンしかねーな、と風呂からあがって、パソコンの前に陣取る。
「ん?」
メールをチェックしてると、ちうのファンからメールが届いてた。
「僕の重い! ちうタンに届け!」とある。こいつは焦ってたのか、それとも緊張して
たのか、もしくはただのバカなのか、゛思い゛違いをしてる。
開いて見ると、わけわからん魔法陣見たいな物が描かれてた。その下に、「この魔
法陣を地面に描いて、その上で願いごとを言うと、願いが叶うんだよ。ちうタン」とあ
る。
のわけねーだろバカが! と絨毯(じゅうたん)をずらして、水性ペンで魔法陣を描
いた。
一ミクロンも信じちゃいねぇが、もしかしたら、ってことがあるからな。描きあがった
ばかりの魔法陣の上に立って、どんな願いをしようかと思考をめぐらせてると、ピン
ポーン、とチャイムが鳴った。いったい誰だよ、と無視をする。
しかし、チャイムはしつこく鳴り続ける。
「あーあーわかったわかった! 出ればいいんだろ出れば」どちら様ですか、と扉越
しに声をかけた。
「しろネコ宅急便です。お荷物をお届けにあがりました」
若い男の声だ。宅急便を装って、襲われちゃたまらないからな。扉の覗き穴から外
を窺う。
緑の帽子の正面に、白猫の絵が描かれてる。腕にしっかり荷物を抱えてた。
間違いねぇな。しろネコだ。
しかし荷物ってなんだ……? なんか買ったっけ……。ああ! オークションでビブ
リオンの魔法のステッキ競り落としたんだ! それか!
はーい、と扉を開けて、荷物を受け取りサインをして、扉を閉めた。宅急便のあんち
ゃんは、扉を閉める直前まで頭を深々とさげてた。たぶん、わたしが超絶美少女だか
らだと思う。
ダイニングテーブルに荷物を載せると、ダンボールを開けた。
「え!? なにこれ?」
ビブリオンのステッキとともに、変なもんが入ってた。長さ一メートル以上はゆうにあ
る棒みたいなものだ。白い外観に青い三本線が走ってて、真ん中によくわからん文
字見たいのが書かれてる。手にとって見ると、結構重い。
「なんだこりゃ? 送り主のやつ、間違えて一緒に入れちまったのかな? めんどくせ
ぇな。送り返すの……。でもよく見ると結構綺麗だし、部屋のインテリアとして飾るか。
返えせって言ってくるまで」
それをソファに放り投げ、わたしは再度魔法陣の上に立った。なにを願うかあれよ
これよと考えてると、まだ三月だってのに、正面の壁にやつがいた。ゴキブリだ!
「な、なぜやつが……? い、いや! ゴキジェットだゴキジェット!」
わたしはキッチンからゴキジェットを持ってきた。やつは一歩も動いてない。噴射口
を向けて、狙いを定める。
「この下等生物が! ぶっ殺してやる!」
ゴキジェットが唸りをあげた。白い煙が一瞬でゴキブリを覆いつくす。やつは今頃あ
の中でもがき苦しんでるはずだ、った。
「だーっはっはっはっはっはっは! 長谷川千雨様の前に現れたのが運の付きって
やつだ!」
しかし、やつはただものじゃなかった。白い毒霧をものともぜず、ブーン、とわたし目
掛けて一直線に飛んできたのだ。
わたしはゴキジェットを放り投げ、その場に尻もちを着いて、悲鳴をあげた。
「うわぁあああああああああああ――! た、助けてくれぇええええええええ――!」
すると床が輝きだした。
「そして、あなたが現れたんです……。信じてもらえないでしょうが……」
「そんなことはありません。その話が本当ならば、あなたが」外人女がわたしを指差し
た。「私のマスターです」
今日はこんな感じで……。
653 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/24(水) 23:41:38 ID:Ceb7rjdC
muge
SSサイトみてるとネギまはオリ主が多いみたいだけどなんで?
オリ主と憑依物だけは作者のオナニーって感じで受け付けないわ。
・ネギってキャラが薄くて浅いから。絵のない小説で話廻そうとしたらつらくなってくる。
・自由度が大きいから、物語をかなり引っ掻き回してもたいして問題にならない。基本的に「ここがないと駄目」って部分がない。
だからチートオリ主で好き勝手やるSSが多くなる。
656 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/28(日) 09:27:34 ID:HkkixQ6f
muge
657 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/29(月) 09:49:48 ID:pO1gplZI
muge
>>654 手っ取り早いからだろ
つか、たとえ原作キャラ使っても、ほぼ作者のオリキャラにしかならんw
しかもどんどん原作からしてキャラ劣化が加速しているのが現状。
結構な数の古参のSS書きは頭抱えている始末だ。
まあ、完全に冒険活劇にクラスチェンジしちゃったしねえ
>>660 今すぐ他の全ての冒険活劇に謝ってこい
あれは冒険活劇(笑)だよ。
千雨TUEEEEEが好きな俺が来ました。
お薦めないでしょうか?
>>663 理想郷にGO!
ネギといたしててもおkならなw
スマン Arcadiaと図書館は一通り読んだ
666 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/06(火) 09:16:04 ID:XLsAswCz
muge
ディケイドの奴再開しないかな?
もやしは今TAXMENの世界にいるから無理か?
668 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/11(日) 13:30:19 ID:+6UJP558
muge
一体何が向いているのだろうか?
最近は魔法使い連中が気に食わなくて仕方がないしな……。
もう奪還屋(当然原作終了後)で良いか……。
バトロワは?
671 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/11(日) 23:15:11 ID:+6UJP558
muge
>>663 なろうにジョジョ+なのは+ネギま!の奴がある
673 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/22(木) 19:21:18 ID:pk1Q4ZcJ
muge
674 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/25(日) 23:13:24 ID:7oQEJQVM
muge
3日間で20時間以上かけて読んだSSが結局のところ微妙作品だった・・・
時間損したわ
a
a
本当にお久しぶりで大変申し訳ありません。
「のび太のin麻帆良祭」、続きの投下行きます。
ここまでの粗筋
ひょんな事から超鈴音の計画に関わる事となったドラ・パーティー
誤解から学園の魔法使いからは追われる事となり、
3‐Aの生徒と学園祭を楽しんだりしながら、超鈴音より計画を聞かされる。
阻止に動いたドラ・パーティーだったが奮戦虚しく計画は成就。
超鈴音の関係者と誤解され学園警備に拘束されたが
佐倉愛衣の協力で脱出したのび太とドラえもんが魔法使い本部から他の仲間も救出。
取りあえずここまで。
それでは今回の投下、入ります。
>>678 >>638 × ×
「じゃあ、ぼくが見た和泉さんは?」
「のび太の前からタイムスリップしてライブに出たって事?」
のび太とスネ夫の問い、ドラえもんが頷いた。
「じゃあ、タイムマシンを持っているのは…」
しずかが言う。
「あの時、もう一人だれかが来て…」
「ネギ先生だろうね。人さがし道具を使った時、ネギ先生の反応が一番おかしかった」
「魔法でタイムスリップができるの?」
しずかの言葉に、ドラえもんは腕組みして唸った。
「だったら、これからネギ先生に会いに行こうぜ。
タイムマシン持ってるならなんとかなるかも」
ジャイアンが言うが、ドラえもんは難しい顔のままだ。
「ネギ先生には魔法使いの直轄下におかれるって言ってた。
ネギ先生を取り返しに行ったら魔法使いの人たちとぶつかる事になる」
>>679 ドラえもんが言い、一同がうーんと考え込む。
「俺たちだけじゃ無理か」
ジャイアンが言う。
「ネギ先生のために集められたって言ってたから、強いんだろうね」
のび太が言った。
「せめて、もう少し味方がいたらなぁ」
スネ夫が言う。
「3‐Aの人たちはどうなのかしら?ネギ先生がいなくなって…」
「麻帆良は、魔法使いの事が知れ渡って大騒ぎになってるみたい。
今学校に行っても…」
「ん?」
しずかの問いにのび太が言いかけるが、ドラえもんが閉じていた目を開いた。
「一癖ある仲間がいる…」
「あ…」
ドラえもんの呟きにのび太が反応した。
「どうしたのび太?」
ジャイアンが聞き返す。
>>680 「ネギ先生には仲間がいる。だから、佐倉さんたちはそっちに行く、そう言ってた」
「じゃあ、その人たちと合流したら…」
スネ夫が言う。
× ×
「この辺の筈なんだけど」
「人さがしがさ」を掲げたドラえもんを先頭に、
タケコプターを装着したドラ・パーティーは桜ヶ丘周辺を飛行していた。
「でも、誰もいないぞ」
「林の中かな?」
針葉樹林を眼下にジャイアンとスネ夫が言った。
「何やってんの?」
スネ夫の問いに答えず、「警察犬つけ鼻」をのび太の頬に近づけたドラえもんが降下を始めた。
「あれじゃない?」
木陰から覗いた姿に、しずかが言った。
「やあ」
「あ、ドラえもんさん」
>>681 匂いに釣られたドラえもんに愛衣が答えた。
「えーと、誰かにやられたの?ネギ先生の仲間?」
ドラえもんの問いに、愛衣は小さく頷く。
「それって…ん?」
しずかと、しずかにストップを掛けられたのび太ジャイアンスネ夫の所に、
ドラえもんが戻って来た。
「どうだった、ドラえもん?」
「匂いが残ってた、ごく最近の強い匂い。あっちに続いてる」
× ×
「結局、戻って来たね」
教会付近でスネ夫が言う。
「佐倉さんたちを倒したのは3‐Aの人なんだね?」
「うん、そう言ってた」
のび太の問いに、ドラえもんが頷いた。
「こりゃあ、3‐Aと一緒に魔法使いの本部に殴り込みか?
腕が鳴るぜぇ」
ジャイアンが、本人が武者震いと思ってるものと共に腕を回す。
>>682 「それしかないね。ネギ先生が仲間と合流してタイムスリップしたら、
今度こそ手がかりがなくなる」
ドラえもんの言葉に、一同が頷いた。
× ×
「あちゃー…」
「やるじゃん」
教会で伸びている面子を前に、スネ夫とジャイアンが言った。
「これは、本当にそういう事みたいだね」
ドラえもんが言い、のび太が頷いた。
そして、再び地下牢へと降下していく。
「行ったか?」
「みたいだね」
髭のおっさんと父子らしい太め中年+女の子をやり過ごしたドラ・パーティーが、
「ぺたりぐつ」と「ぺたり手ぶくろ」で
地下通路の天井に張り付いたままシャカシャカと這い進む。
「…教授が言っていたよ。頼もしいボーイフレンドが…」
>>683 × ×
「やっぱ明るいっ!」
「地下牢の方?」
スネ夫が言い、のび太の問いに「警察犬つけ鼻」を付けたドラえもんが頷いた。
「こっちだっ!」
地下空間の真ん中に掛けられた架け橋から地下通路へと、
ドラ・パーティーはタケコプターを飛ばす。
「何か光ってるわ!」
前方のぼうっとした光に気付き、しずかが叫んだ。
「この光って…」
「どっかで…」
口々に呟いていたドラ・パーティーが急停止した。
「ひらりマントーッ!」
ドラえもんが先頭に立ち、「ひらりマント」で辛うじて火炎の一撃を凌いだ。
「こ、こここ、これって…」
「ドラゴンーっ!?」
のび太に続いてスネ夫が絶叫した。
>>684 「ほ、ほらあれっきび太郎印の」
「桃だんごっ!」
のび太との掛け合いをしているドラえもんのポケットから大量の鍋釜下駄がばらまかれる。
「ひいぃーっ!」
「くそっ!」
その間にも、絶叫するスネ夫の前でジャイアンが「ひらりマント」を振る。
「ガアアアッ!!」
「ひいいいっ!…ん?」
頭を抱えたスネ夫が改めて前を見る。
「もしかして、つっかえてる?」
「あそこ!」
状況を把握したスネ夫に続き、しずかが指を差した。
「ん?…確かに、あそこはどう動いても死角になりそうだけど…」
汗を浮かべた一同が、頷いた。
「ひらりマント」の横を突き抜ける熱風と衝撃波に震えながらも、
タケコプターでドラゴンの首の死角に入ったドラ・パーティーはそのまま天井に張り付いた。
そして、通路に挟まっているドラゴンと天井の間、
天井と壁の角付近をしゃかしゃかと通りぬける。
>>685 「追っ掛けてくるーっ!」
「ひらり、ひらり、ひらりっ!!」
隙間の出来る曲がり角まで一度退いたドラゴンが
方向転換してドラ・パーティーの追跡を開始し、
一転しんがりについたドラえもんが必死に火炎を反らす。
× ×
「飛んだーっ!」
大広間に出るや否や、
背後で翼を広げたドラゴンの姿にドラ・パーティーはしゃにむに飛翔する。
「ひ、広い」
「ここって」
「いたーっ!!」
「わっ!」
巨大な広間中央を指したのび太からかなり離れて、
空中をガクガクと上下したスネ夫が叫ぶ。
「今のでタケコプターに負担が掛かったんだ」
「ひいっ!と、取り替えて…」
ドラえもんの言葉にスネ夫が言いかける。
>>686 「あれっ、ネギ先生たちが光り出したっ!」
「く、来る、来る、ドラゴンくるーっ!!」
のび太とスネ夫が絶叫した。
「行こうぜっ!!」
ジャイアンが叫び、ドラえもんが先頭を切った。
「ドラちゃん、タケコプターがっ」
「みんなつかまって、少しでも負担をっ!」
「ネギ先生っ!」
叫んだのび太は、振り返ったのを見た、気がした。
「ネギ!」
ネギが、ぐっと目を閉じた。
ドラ・パーティーが集結した。
「みんな掴まってください!!
いきます!!」
ドラえもんが「ノビールハンド」を掲げた。
今回はここまでです。続きは折を見て…せめて連載と言えるものにしたいですごめんなさい
688 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/21(月) 23:38:39 ID:pR8obQEm
h
689 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/14(水) 23:56:37 ID:2DigBjWp
o
690 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/01(日) 23:02:00 ID:wQJQnP6C
s
691 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/10(火) 10:44:48 ID:JWnFIE7C
>>691 ……なぁ、そんな昔のカキコにそんなレスしてどうするんだ?
と、俺も20日近く経過している現状で言ってみる。
過疎ってるなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
h
ネギアンチ
いいんでね
>>691 皮肉られてすぐファビョる 〜狂気のネギま信者〜
ワロタw
ネギまは終わったコンテンツ
何を今更
まだまだ
700 :
一尉:2010/10/17(日) 11:12:59 ID:cNFO/JsU
最強
ネギはアンチされても仕方ない
>>695 汚豚の赤松信仰〜moe and burn fusion〜
東方厨沸きすぎ
h
o
s
708 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 12:38:18 ID:E8TEPfNn
あけおめ
710 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/02/02(水) 15:44:30 ID:nTDTeX7g
おらおら、ネギをアンチする話を書け
自分で書けないのか
712 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/02/14(月) 13:50:20 ID:SKBEDG4Y
うん
713 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/02/26(土) 16:34:04.45 ID:ZR+A8VZg
さらし
夕映スレはどこです?
715 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/04(金) 14:29:19.82 ID:pOhQ+7XR
あ
のび太視点でスーパー魔法大戦みたいな作品誰か書かないかな ネギまの世界観ならチンカラ、ホイも最強魔法
…前回の投下から約一年って言ってもいいですね…
すいませんとしか言い様がないです。言い訳の仕様もございません。
と言う訳で、とにもかくにも「のび太のin麻帆良祭」
続き投下いきます。
それでは、今回の投下、入ります。
>>687 × ×
頭の中がぐらぐらする。
台風のど真ん中に放り込まれて強烈に船酔いした様な感覚に、
のび太は吐き気を覚えた。
だが、もっとまずい事に、頭上からぷすんぷすんと、
経験上生命の危機に直結する事が分かる音が聞こえて来る。
とにかく、どこかに下りないと、と、のび太は頭を振って下を見る。
「わわっ、わっ、わあっ!!」
だが、その前に、フルスピードでかっ飛ばしたのび太は、
墜落するジャイアンに飛び付き右手を掴む。
「持ち直した、サンキュー」
遅れたスネ夫に左手を持ち上げられたジャイアンが感謝を述べた。
「でも、段々高度が下がってるね」
>>717 スネ夫が言う。
そして、三人は見てはならない下を見て言葉を失う。
「わあああっ!!」
「ドラちゃんっ!!」
「なんかないかなんかないかなんかないか…
「バショー扇」!!」
× ×
「きゃあっ!」
「やぁーんっ」
どこかから悲鳴が聞こえる中、
下から吹き上げる大風に巻き込まれたのび太が尻餅を着いて周囲を見回す。
「みんな無事っ?」
「おうっ」
「うん、大丈夫」
ドラえもんの呼びかけに、周辺に着地していたドラ・パーティー全員が返答した。
「えーっと、ここは…」
「あっ!」
駆け出して叫んだスネ夫に続き、一同が今いるビルの屋上から下の路上を見る。
そこでは、先ほどの騒ぎも一段落して、賑やかな人通りが続いている。
>>718 「これって…」
「学園祭?麻帆良学園の?」
見覚えのある光景に、ドラえもんとのび太が言葉を交わす。
「そうだよ」
携帯電話でインターネット接続したスネ夫が言う。
「ほら、これ、間違いない、学園祭の最終日」
「じゃあ…戻って来たんだーっ!!」
手に手を取り合っての感謝感激雨あられ。
「ネギ先生、本当にタイムマシン持ってたのね」
「そうだ、ネギ先生」
しずかの言葉に、ドラえもんが我に返った様に言った。
「駄目だ、いない」
周囲を見回した他の面々が首を横に振った。
× ×
「石ころぼうし」と「タケコプター」を装着して一度その場を離れたドラ・パーティーは、
しずかに導かれて建物の窓に「通りぬけフープ」を張り付け、侵入した。
>>719 「ここ、本当に大丈夫なの?」
「ええ、ここは使わない予定だって話を聞いたから」
しんと静まり返った大きな書斎を思わせる一室で、
スネ夫としずかが言葉を交わす。
「じゃあ、少し状況を整理しようか」
それでも、なるべく声を潜めた会合で、ドラえもんが言った。
「最初に遭難したタイムパトロールの人が残した言葉、
それがまほらがくえん、ちゃおりんしぇんだった」
ドラえもんの言葉に、床に車座になった他のドラ・パーティーが頷いた。
「それで、この麻帆良学園に行ったら、
魔法使いの人達の邪魔になったみたいで、それからマークされる事になった」
「家にも帰れなくなったしね」
ドラえもんの言葉に、スネ夫が言う。
「謎を解くために麻帆良祭に潜り込んで、
最初は武道会にも参加したけどそれは取りやめ。
ネギ先生や3Aの人達とは時々遭って話もしたけど、肝心な所は話せずじまい。
超鈴音の計画、魔法の事を公表する、その事が分かって本人と話し合ったけどそれも決裂」
「超さんの決意は固かった。ネギ先生や3Aの人達の事は最初はよく分からなかったし。
超さんの計画が分かった後、最終日にはネギ先生達がどこに行ったのか分からなかったのよね」
>>720 ドラえもんに続いてしずかが言う。
「そうこうしてる内に、最終日の夜になってロボット軍団が聖域を占領」
「ああ、結局おれ達もあのロボット共にやられて後夜祭まで飛ばされたしな」
「コア破壊装置の所でゆーなさんと揉めたのもね。
あれで色々ぐだぐだになっちゃったし」
ドラえもんの状況説明にジャイアンが悔しそうに言い、スネ夫が続いた。
「多分、裕奈さんは裕奈さんで魔法バレを止めようとして、明石教授の指示だったと思う」
「じゃあ、良かったのかなぁ。あの時のゆーなさん…」
ドラえもんの言葉に、のび太が考え込む。
「コア破壊装置、学園都市全体が完全に壊滅するって、
いくらなんでもやり過ぎよ、魔法使いの都合で。
のび太さんはよくやったわ、あの時、本当に本気だった裕奈さんに」
「い、いやぁ…」
「ふん」
「のび太のくせに」
「それで、最終的にぼくらは超さんの計画に完敗した」
ドラえもんの宣告が詰まらぬひがみを黙らせる。
「後で佐倉さんから聞いた話だと、
大量のロボットが六カ所の魔力溜まりを占領して強制認識の魔法を発動。
その他のメディア操作も合わせてあのまま行けば
遠からず世界中で魔法が存在する、その事が信じられる世界になってた。
>>721 混乱した魔法使いは超鈴音の一味と誤解されていたぼくらを捕まえた。
佐倉さんがぼくとのび太くんを逃がしてくれたから、
みんなを助け出すことができた。
魔法使いに捕まえられていたネギ先生たちと合流しようとして」
「図書館島の地下でドラゴンに追い掛けられて…」
ドラえもんの言葉の後にスネ夫が言って、のび太共々ぶるりと震えた。
「もう少し、もう少しだったんだ。ネギ先生のすぐそばまで」
のび太が悔しそうに言う。
「たしか、のどかさんや他の人たちもいたと思う。
もうすぐそこまで近づいて、そしたらみんな光に包まれて…」
「また、学園祭最終日までタイムスリップ」
しずかの言葉にドラえもんが結論づける。
「やっぱり、ネギ先生たちもこの時間に戻って来たのかな?」
のび太が質問をした。
「そう考えた方がいいね。
タイムマシンみたいに直接のコントロールが効くタイムスリップじゃないみたいだし。
そうじゃなかったら…」
「なかったら?」
「時空の渦に呑み込まれて超空間を漂流するかどこかの岩の中とかにワープするか…」
骨川スネ夫後に曰く聞かなきゃ良かった。
>>722 × ×
「このまま行ったら、また同じことになるのよね」
おおよその状況が整理できたところでしずかが言い、一同が頷いた。
「夜になったら物凄い数の、
ぼくの大雑把な計算だと二千台以上のロボットが魔力溜まりを占領して…」
「魔法がバレて怒った魔法使いがぼくたちを捕まえに来る」
ドラえもんの言葉にスネ夫が続き、一同にぶるりと震えが走る。
「超さんを止められないかなぁ?」
「無理だろうね、決心硬そうだったし」
「ああ」
のび太の提案はスネ夫とジャイアンの唸り声に却下され、しずかも頷かざるを得なかった。
「ロボットが占領しなけりゃいいんだよな」
ジャイアンが言う。
「佐倉さんの話しぶりとか作戦の内容から考えると、
学園祭最終日の夜、それも、そんなに長い時間じゃない。
その時間だけ魔力溜まりを押さえる必要がある。
それができなかったら強制認識は発動しない…」
ドラえもんがブツブツと分析する。
>>723 「つまり、その時間だけロボットが六カ所のポイントを占拠していれば超鈴音の勝ち。
その時間に一つでも欠けてたら…」
「おれたちの勝ちだっ!」
スネ夫の言葉に続けてジャイアンが雄叫びを上げた。
「ドラえもんっ!」
「んー」
勢い込むジャイアンを前にドラえもんが腕組みをする。
「ドラえもん、ぼくらの武器は?」
「毎度おなじみ「ショックガン」に「空気砲」…」
のび太の質問に対するドラえもんの返答は、へなへなとずっこけるには十分だった。
「サバイバルゲームができる龍宮神社でもそれじゃきついなぁ」
ここの他の面々同様、実際に龍宮神社で交戦したスネ夫が言った。
「数だけでもきびしいのにあのワープ弾。
まさか「ヒラリマント」ごと呑み込まれるなんて」
「ひとたまりもなかったよなぁ」
心底恐ろしそうに言うドラえもんにジャイアンも低く続く。
「せめて、もう少し武器とか味方とか…」
「佐倉さんに」
>>724 腕組みしてうめくジャイアンの言葉にのび太が言った。
「佐倉さんに話して、魔法使いの人たちにも手伝ってもらって…」
「そうよ、私たちのことだって助けてくれたんだし」
のび太の発言にしずかも同調する。
「でも、あの人とまともに話したのってロボットが出てきてからだよねのび太くん」
ドラえもんの指摘に、のび太も頷かざるを得ない。
「それで未来からきたとかロボットとか魔法をなんとかとかいってたら、
あの魔法使いのやり方からして無事じゃすまないね。
ただでさえ、今の時間はぼくら、魔法使いの人たちから見たらお尋ね者なんだから」
言い返したいのび太だったが、只でさえ決して頭の回転が速いとは言えないのび太。
まして、このスネ夫の発言は理論的にも経験上も説得力がありすぎた。
「やつらが攻めてくれば、いやでも信じるだろうけどな」
「おそすぎるんだよ、それじゃ………」
苦り切ったジャイアンの言葉に、スネ夫も苦い顔をして続いた。
「あとは、ネギ先生。
こっちに戻ってきたネギ先生をタイムリミットまで見つけ出して…」
ドラえもんが言う。
>>725 「ネギ先生、強いんだよね。他の人たちも…」
「ああ、武道会でもすっげぇ強かったしな」
のび太が言い、ジャイアンが続けて頷いた。
「また、はぐれちゃって、この広い学園のどこにいるのか…」
「探すしかねぇだろっ」
スネ夫が言い、ジャイアンが押し切る。
「でももし見付からなかったら…
もっと強いみかたがほしいよ!!」
ギリギリ声を殺しながらののび太の叫びに、一同しんと静まる。
「ん?」
「なんだこんなときに」
携帯を手にしたスネ夫にジャイアンが非難めいた声を上げる。
「あ、もしもし…え?できた?そう…うん…ん?ああっ」
電話をしながら何かに気が付いた様なスネ夫が、
ドラえもんに何やら囁いて電話を渡す。
「もしもし、ぼくドラえもんです」
「ドラえもん?あ、あのふしぎな力をもったロボット………
………、………、………、………、………、………、………、………、………
そりゃあおもしろい!こういうチャンスをまっていたんだ」
>>726 × ×
「やっぱり、佐倉さんを探して見る。なんとか話してわかってもらう」
一時中断の後、のび太は食い下がっていた。
「うーん。難しいけど魔法使い、
佐倉さんだけでもみかたになってくれたら心強い。悪い娘じゃないと思うし。
ぼくも一緒に行くよ」
「じゃあ、あたしはネギ先生。
一緒にいたのどかさんやハルナさんをさがして見るわ」
「じゃあジャイアンとスネ夫もネギ先生を捜して」
「わかった」
「おうっ」
「この時間ではまだお尋ね者だから、また「動物ごっこ帽子」で変装して。
ネギ先生や仲間を見付けたら「糸なし糸電話型トランシーバー」で。
「タケコプター」は残り少ないから慎重に」
最後にドラえもんが念を押し、
ドラ・パーティー一同は「通りぬけフープ」を張り付けた窓から表に出た。
他の面々と共に「タケコプター」の飛行で表に出たドラえもんが、
麻帆良学園女子中等部付設図書室内第二学習室の窓から「通りぬけフープ」を回収する。
それを見届ける様にドラ・パーティーはそれぞれ麻帆良の空に散って行った。
見ての通り大半が解説って言ってもいい展開でしたが。
今回はここまでです。続きは折を見て…
今度こそまともなタイミングで投下出来ますように…
728 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/19(火) 20:54:37.28 ID:SROFLml9
ネギまSSも原作のせいでかなり下火
なろうとかアルカディアの方に書き手が移動しただけじゃね
731 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/05/19(木) 18:14:32.07 ID:g6pNN5vV
ドラネギさんよろしければ
ネギま!×好きな作品クロス小説スレ567時間目に投稿していた話もあげてもらえないでしょうか
732 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/05/19(木) 18:20:02.55 ID:gKFRO8H2
あ
今週も話が碌に進まなかったね!!
オワコン
>>735 やーっと戻って来ました。代行依頼は取り下げます。
>>731 漫画サロンで連載していた際には圧縮やら何やらで
ブツブツ切りのゴタゴタになってしまいました。
過去分も、と言うのも考えないではなかったのですが、
>>731さんの指定しているスレがよく分からないと言うのもありまして、
今は見送らせてもらいます。
それでは、間が空きまくりですいませんが
今回の投下、入ります。
>>727 × ×
「のび太くーん」
のび太は、思考に沈んでいた。
「のび太くーん」
当面の受け持ちは佐倉愛衣を説得して魔法使いをこちらの陣営に引き入れる事。
確かに、今では悪い印象はそれほど持っていない。
「のび太くーん」
>>736 のび太から見て、年上の綺麗な女の人。それでいて相当な実力の魔法使い。
味方に引き入れたら心強い。
だが、まずそこが難しい。
「のび太くーん」
まず、出発前に指摘された通り、
のび太が愛衣とまともなコミュニケーションを取ったのは事件の後。
今いる時点から見てかなり先。時間的にはさ程ではなくても
決定的な事態が発生した後であり、だからこそ説得力があって、
そして、それでは遅すぎる。
「のび太くーん」
それは、最初から指摘されていた事だ。
まして、のび太の頭脳でタイムスリップの関わるこの事態を
上手に説明しろと言うのは至難の業、と言うより
頭の周囲を星が幾つも周回軌道してそのままビッグバンするだけだ。
相手が真面目な性格である分、理屈が立たない事を説得するのは難しい。
「のび太くーん」
そして、例え佐倉愛衣。そして魔法使い側を味方に引き入れたとしても、
それでも超鈴音陣営のパワーは圧倒的。
特に、謎の消滅弾。どうやらタイムマシンの一種らしいあれ、
あれのせいで魔法使いが全滅に近い様相を呈した事も見て来た。
決定的に不利な要素が大きすぎた。
>>737 「ま、いいか」
考えすぎても仕方がない。そもそも、そんな自分で解決出来るタマじゃない事ぐらい、
のび太は一番よく知っていた。
「ここはドラえもんに…ドラえもん?」
のび太が振り返った時には、
「タケコプター」で伴走飛行していた筈のドラえもんは既に姿を消し、
その二人の間に割り込む形で悠々と飛行していた実行委員会飛行船もずっと先を浮遊していた。
× ×
「参ったなぁ…」
空中で一人取り残されている現状に気付いたのび太は、
一通り両手でで踊り狂ってから
「糸なし糸電話型トランシーバー」で連絡を取ろうとしたが、
どうもうまくいかない。
このお祭りの真っ最中の空中の事で、どうも電波が混み合っているらしい。
「あれ?」
当て所なく浮遊しながら、しょんぼりとしょぼしょぼした目を向けた先には、
深い緑が広がっていた。
>>738 × ×
深呼吸をする。空気が美味しい。
あの夜、ちょっと未来のあの時は激戦の中を走り回った恐ろしい場所だったが、
只、こうして着陸して立っていると空気の美味しい緑の森だった。
のんびりと昼寝をするには打って付け。
のび太はいたく気に入ったが、彼にしては驚異的とも言える自制心で
その場にごろんと寝転がる誘惑を退ける。
取り敢えず、麻帆良学園の中でも比較的縁の深い、目立つ所だったからここに来たが、
何とかみんなに連絡を取って作戦を進めなければならない。
何よりも時間がない。世界の浮沈が懸かっていると言ってもいい。
そこまで考えて、のび太の背筋にぶるりと震えが走る。
「…あ…」
一度、近くにある筈の龍宮神社社殿に向かおうと歩き出したのび太だったが、
物音に気付き、思わず木陰に隠れる。
他でも無い尋ね人の佐倉愛衣が、美化委員の腕章を着用してざしざしと箒を掛けていた。
のび太が木陰で第一声を考えている間に、
愛衣がきょろきょろと周囲を伺い始めてのび太は慌てて木陰に身を隠す。
のび太が木陰からそちらを伺った時には、
カードを額に当てていた愛衣はタタタと走り去った後だった。
のび太は顎に指を当て、ダラダラと汗を流しながらうろうろとその辺を歩き回る。
そして、ええいままよとばかりに、当てを付けた方向へと走り出した。
>>739 「わっ!?」
そして、すってんころりんと転倒したのだが、今度は木の根っこではなかった。
ビール缶を手にしたのび太の顔は、不快に歪む。
周囲を見ると、空き缶が幾つか。
そして、やたら大量にゴワッと固まったティッシュペーパーの塊。
のび太は、それを手近で見付けた弁当の使い捨てトレイに乗せる。
これ又不愉快な事に、だがこの場合は助かったコンビニのビニール袋を見付け、
見付けた先から放り込んでいく。
一杯になった袋の口を縛り、のび太はふーっと伸びをする。
「オヤ?」
「?…!?」
× ×
のび太の背後からするりと現れたのは、
「超、さん…」
「これはこれはのび太クン」
尋ね人と言うか、一人で会ってはならないナンバー1、
ラスボス超鈴音その人が、ニヤッと不敵な笑みを浮かべていた。
「えっと、超、さん?」
「いかにも超鈴音、昨日会ったばかりだがネ」
「あ、う、うん」
>>740 のび太は、記憶を辿り辛うじて頷く。
学園祭二日目、お饅頭をご馳走になりながら交渉決裂。
その後には会っていない。確かにそうだ。
「ふむ。君たちは私を止めると言たネ。
それが一人でいるということは…」
のび太の背筋がさああっと冷たくなった。
「え、あの、超さんはこんな所で何を?」
「ウム、ちょっと空気を吸いに来ただけネ。
ここの森、この時代の空気は美味しいからネ」
「未来は、そうじゃないの?」
「うむ、それは禁………とでも答えておこうカネ?」
2003年のものぐさ小学生には今ひとつ理解できない言葉で説明され、
未来用語か何かかしらとのび太は首を傾げる。
「超さん」
「何カナ?」
「未来で何が起こるの?」
「うむ、だからそれハ…」
「みんなと争って、あんな、丸で戦争みたいな事までして、
それでネギ先生たちにまで迷惑をかけて、
それでも、大変なことになるって分かっていて、
それでも魔法をバラしたい、その未来って」
>>741 「ハテ」
超の反応に、のび太が言葉を切る。
「私は、そこまで説明したカネ?」
「え?」
「確かに、魔法をバラすと言う事までは知られてしまた訳だが、
君たちはそこまで調べた?
ふむ、ネギ坊主にネ…しかしネギ坊主は今、確かに転移トラップ…
君たちのタイムマシンは既に制約…ふむ…あるいは…そうかなるほど…」
猛烈な回転を見せる超鈴音の頭脳を前に、
のび太はひたすら悪い予感しか覚えなかった。
今回はここまでです。続きは折を見て。