【ジョジョ】ゼロの奇妙な使い魔【召喚84人目】

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1名無しさん@お腹いっぱい。
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     _      ここは「ゼロの使い魔」と「ジョジョの奇妙な冒険」のクロスSSスレよ。
    〃  `ヽ     他にも避難所にしか掲載されてないSSとかもあるから一度見てみなさい 
    l lf小从} l /    投下中は空気読んで支援しなさいよ 荒らしはスルーだかんね
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/     職人さんは荒らし防止にトリップを付けてよね
  ((/} )犬({つ'      次スレは900か950を踏んだ人が立てること
   / '"/_jl〉` j      480KBを超えた場合も立てるのよ。 わかった?
   ヽ_/ィヘ_)〜′

【ジョジョ】ゼロの奇妙な使い魔【召喚83人目】
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1216046212/

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2名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/26(火) 05:54:02 ID:VQ1fnlH6
第一部+第二部
ジョナサン 卿 ブラフォード シュトロハイム シーザー スケコマシーザー
究極生命体カーズ様 ワムウ様 スト様 石仮面+ブルりん+吸血馬

第三部
承太郎 法皇花京院 一巡花京院+平賀才人 メロン花京院
ジョセフ アブドゥル ポルナレフ イギー 
DIO様 ンドゥール ペットショップ ヴァニラ・アイス ホル・ホース
ダービー兄 ミドラー デーボ エンヤ婆 アヌビス神 ボインゴ 

第四部
東方仗助 仗助+トニオさん 広瀬康一 アンリエッタの康一 虹村億泰 ミキタカ+etc 間田
シンデレラ カトレアのトニオさん 岸辺露伴 静(アクトン・ベイビー)+露伴
デッドマン吉良 猫草 キラー・クイーン 猫→猫草

第五部
ブチャラティ ポルナレフ+ココ・ジャンボ(亀ナレフ) アバ茶 ナラ・アバ・ブチャ組
ルイズトリッシュ マルコトリッシュ ナンテコッタ・フーゴ アバ+才人 ジョルノ  ミスタ
ディアボロとドッピオ プロシュートの兄貴 リゾット ローリングストーン 偉大兄貴
ギアッチョ メローネ 俺TUEEEディアボロ ペッシ ホルマジオ スクアーロ
暗殺チーム全員 紫煙+緑日 ブラック・サバス セッコ 亀ナレフ+ジョルノ イルーゾォ
サーレー

第六部
引力徐倫 星を見た徐倫 F・F アナスイ ウェザー エルメェス エンポリオ ヘビー・ウェザー
プッチ神父 帽子 ホワイトスネイク 白蛇ホワイトスネイク リキエル

SBR
ジャイロ+才人 ジョニィ マイク・O
リンゴォ マウンテン・ティム Dio

バオー+その他
橋沢育郎 バオー犬 味見コンビ(露伴+ブチャ) 決闘ギーシュ タバサの奇妙なダンジョン
ジョナサン+才人 銃は杖よりも強し(ホル・ホース) 蓮見琢馬(小説・『The Book』より)

3名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/26(火) 05:56:02 ID:VQ1fnlH6
・行数は最大で60行。 一行につき全角で128文字まで。
・一度に書き込めるのは4096Byts、全角だと2048文字分。
・専用ブラウザなら文字数、行数を管理してくれるので目安がつけやすいかも。
・先頭行が改行だけで22行を超えると、投下した文章がエラー無しにザ・ハンドされます。 空白だけでも入れて下さい。
4名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/26(火) 05:57:48 ID:VQ1fnlH6
いやん鯖変わってたの忘れてたorz

【ジョジョ】ゼロの奇妙な使い魔【召喚83人目】
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1216046212/
5ゼロと奇妙な隠者:2008/08/26(火) 06:29:55 ID:VQ1fnlH6
「宝探し?」
 三日振りに六人が揃った朝食の席で、唐突な話題を振ったのはジョセフだった。
 ジョセフが持参した紙袋には、変色したり所々破れたりする地図がたっぷり詰まっていた。
「おう、トリスタニアで色んな店回ってたらすっげェ胡散臭い『宝の地図』なんか売ってたんでな。せっかくじゃから魔法屋に情報屋に雑貨商に古本屋に露天の出店まで虱潰しにかき集めてきた」
 イシシ、と笑うジョセフに、ギーシュは呆れた顔でパンを千切った。
「全く、そんな紛い物の地図を買ってきたのかい? 出鱈目な古地図を『宝の地図』だなんて売り付ける商人なんて数え切れないよ。騙されて破産した貴族だって同じくらいいるんだぜ」
「そりゃそうじゃろ。わしだってお宝なんて見つかるたぁこれっぽっちも思ってない」
 言いだしっぺなのにあっさりと宝探しの意義を否定するジジイにも慣れたもので、誰もツッコミを入れずに食事を続けていた。
「まー宝探しってのは実は二の次でな。この部屋から出られん王子様の気晴らしにちょっとした旅行なんか考えたんじゃが、ただ旅するのも芸がない。そこにこんな胡散臭ぇ宝の地図なんて見つけちまったからしょうがないじゃろ」
 何がしょうがないのかちっとも判らないことも、全員当然のようにスルーした。
「でもダーリンの言う事ももっともだわね、私達が帰ってきてから王子様はずっとこの小さな部屋に閉じ篭ってるもの。たまには外の空気を思い切り吸うのもいいんじゃないかしら?」
 ちらり、とシナを作った流し目でウェールズに微笑みかけるキュルケ。
 当のウェールズは紅茶の満たされたカップを手に持ったまま、薄い苦笑を浮かべた。
「レコン・キスタと戦っていた頃に比べれば、この部屋はまるで天国のような心持ちだ。ミスタ・ジョースターが思っている以上に快適な環境で有難いと感じているよ」
 紅茶で喉を潤してから、ウェールズはジョセフを見やる。
「だが、宝探しと言う単語には興味がそそられた。そんな言葉は物語の中でしか聞いた事がないからね、一度宝探しと言うものを体験してみたい」
 主賓が賛成してしまえば、宝探しの実行は決定事項となった。
「よし、決まりじゃな。わしと殿下以外に参加したいのはおるかな?」
6ゼロと奇妙な隠者:2008/08/26(火) 06:31:39 ID:VQ1fnlH6
使い魔が行くってなら、主人も参加しなくちゃいけないわね」
 部屋の中でも帽子を被ったままのルイズが、澄まし顔で参加を表明する。
「タバサも行くわよね、はい決定」
 サラダを黙々と食べているタバサは、勝手に自分の参加を決めるキュルケの物言いに異論を挟むこともない。
「ギーシュ、お前はどうするんじゃ?」
「僕かい? んー……率直に言えば、十中八九骨折り損のくたびれ儲けになるとは思ってるんだがね。面白そうだから、お宝は期待しないで行くことにしよう」
 ギーシュは苦笑しつつ、背凭れに体を預けた。
「よし、んじゃ決まりじゃな。じゃー後で学院長ンとこ行って、殿下連れてキャンプに行くからって外出の許可も貰っとこう。学院長に根回ししときゃサボリも余裕じゃよ」
 前途ある若者にサボリを推奨するダメなジジイであった。
「ところで」
 デザートのプティングをスプーンで切り崩し、ルイズがゆるりと手を上げた。
「この中でまともに料理が出来る人がいるのかしら? 地図の枚数からすると最低でも一週間くらいは宝探しすることになりそうだけど、まさかその間保存食ばかりというのは遠慮したいわ」
「わし一応料理できるぞ。ここに召喚されるちょっと前までキャンプや自炊しとったし」
 胸を張って断言するジョセフに、ルイズはあくまで冷静に言葉を続けた。
「贅沢は言わないけど、私達を満足させられるくらいだったら文句はないわ。最低でも今食べてる料理くらい作れるんでしょうね?」
 ぐ、と言葉を詰まらせた使い魔に、ルイズはふぅ、と漏らしたため息でカップの中で揺らめいていた湯気を散らした。
「さすがに厨房のコックを連れて行くわけにもいかないし。……そうね、この前、アンタに料理作ってくれたメイドいたわよね。ジョセフが頼めば来てくれるんじゃないかしら? まさか平民が王子様の顔知ってるはずもないし、問題ないわね」
 この場にいるほとんどの人間が聞き流す何気ない言葉に、口端を愉快げに吊り上げたのはキュルケだけだった。
7ゼロと奇妙な隠者:2008/08/26(火) 06:33:51 ID:VQ1fnlH6
「シエスタか? じゃあわしが聞いてみよう。来てくれんかったら食事係はわしっつーコトでカンベンしてくれよ」
 そこからおおよその計画が決まったところで、その日の朝食はお開きとなった。
 次の夜明け前の出発までに各々旅の準備を終えておくということで、授業に出る少年少女に代わって言いだしっぺのジョセフが出発前の準備に動き回る。
 ジョセフの話を聞いたオスマンが「わしが言える義理もないが、ジョースター君は大分フリーダムじゃなあ」と呆れた声で苦笑するのを「よく言われます」と笑い飛ばした。
 続いてシエスタを旅に誘うと、嬉しそうに快諾した。ただ同行するメンバーにルイズがいると聞いた瞬間に「わ、私が行って大丈夫なんでしょうか?」と怯え出したのを宥めるのに少々時間を要してしまったが。
 それから昼食の仕込みで大わらわのマルトーの所に行き、一週間ほどシエスタを連れて旅行に行く旨を伝えれば実に快く快諾したばかりか、弁当まで用意してくれると至れり尽くせりの振る舞いを受けた。
 そして次の日の夜明け前、七人と二匹の使い魔を乗せたシルフィードは学院を後にしたのだった。


 *


「いやー、はっはっは。今回も大ハズレじゃったなあ」
「いくら宝の地図がインチキばかりだと言っても、ここまでヒドい地図ばかりだとは思っていなかったよ。ここまで来るとジョジョがわざとヒドいのばかり選りすぐったんじゃないかと勘繰りたくなるね」
 陽気に馬鹿笑いするジョセフに、ギーシュが冗談交じりのツッコミを入れた。
 日はとっぷりと暮れており、シチューの鍋がくべられた焚き火を囲んだ一行は食欲をそそる匂いが漂う中で歓談を交わしていた。
8ゼロと奇妙な隠者:2008/08/26(火) 06:35:42 ID:VQ1fnlH6
 ジョセフが意気揚々と用意した宝の地図は、結果から言えばハズレばかりだった。
 学院を出発してから十日続いた冒険だが、地図に書かれた場所はどれもこれも化物や猛獣の住処になっており、それらの脅威を排除しても目ぼしい宝物など手に入らなかったのである。
 今日も打ち捨てられた開拓村の寺院に住み着いた十数体のオーク鬼の群れを殲滅したのはいいが、手に入ったのはそこらの露店でも売っていないみすぼらしいアクセサリーが幾つか。
 かけた手間と時間に見合った報酬とは誰一人思っていない。
 とは言え、三人のトライアングルメイジを含むメイジ五人、強力な炎を吐くフレイムに地中を自在に移動するヴェルダンデ、戦術指揮担当のジョセフの一行はそれほどピンチらしいピンチを迎えることもなかったのだが。
 最初の内こそはキュルケやギーシュがまだ見ぬ宝物に目を輝かせていたが、中盤からは「危険に対していかに対処するか」という点に楽しみがシフトしていた。
 地図に書かれた場所を見つけ出し、事前調査を踏まえて情報を得、危険をどう排除するか。
 真正面から立ち向かえば命が幾つあっても足りない化物をどう罠にかけ、いかに手を汚さず倒すか。全員で額を寄せ合ってアイディアを出し合い、組み立てた戦術に敵を嵌めるか。
 今日の敵であったオーク鬼も、平民だけではなくメイジにも脅威となる怪物である。
 身の丈は二メイルほど、体重は普通の人間五人以上。全身を分厚い脂肪に包み、脂肪の下に強靭な筋肉を持つ彼らは、豚のように突き出た鼻と、豚のような呻き声を立てる醜悪な顔も持ち合わせている。
 太りに太った人間の頭を豚に挿げ替え、二本足で立つ姿はほぼ全ての人間に対して嫌悪と恐怖を与える代物であった。
 標準的なオーク鬼一匹を相手にするには、人間の戦士なら最低五人は必要と言われている。
 少々の武器では脂肪と筋肉の鎧に阻まれて致命傷を与えるのは難しく、人間の体重分は優にある棍棒を振り回す膂力も持ち、かつ人間を餌とする激しい凶暴性と、それに反比例する低い知能。
 宝の地図が指し示す目的地である寺院にオーク鬼が巣食っていると判った時も、一行の顔にはさしたる変化はなかった。
 寺院を囲む森を上空から調査した後、森を散策して草やコケを一抱えほど採取し、それらを材料として即席の煙幕弾を作成する。
9ゼロと奇妙な隠者:2008/08/26(火) 06:37:34 ID:VQ1fnlH6
 寺院の入り口を取り囲むように七体のヌーベルワルキューレを配置し、寺院の入り口から見えやすい正面の地中をヴェルダンデに掘らせ、幅広く深い空洞を作り上げる。
 地中から掘り出した土を錬金した油を空洞に注ぎ直し、準備は完了した。
 寺院から見て落とし穴の対岸に配置した二体のワルキューレの中央にはジョセフが立つ。
 他の隠れた場所に陣取ったワルキューレの横には、メイジ達が一人ずつ立っている。
 木の陰に隠れたキュルケが門柱の隣に立つ木を火の魔法で吹き飛ばしたのを合図に、ルイズとジョセフは用意していた種火で煙幕弾に火をつけ、他のメイジ達は手短な魔法で火をつけた。
 寺院の中から一斉に飛び出してきたオーク鬼達へ放たれた七個の煙幕弾が、灰色の煙を撒き散らしながら彼らの足元へ落ちる。
 突然オーク鬼達を巻き込んだ煙は彼らの視界を奪うだけではない。煙幕弾の材料の中には、森に自生していた唐辛子も混ざっていた。例え強靭な肉体を持つオーク鬼と言えども、目や内臓などの粘膜に関しては他の生物と大差ない。
 カブサイシンがたっぷり入った煙は、オーク鬼達に今まで受けたことのない類の痛みを与え、同時に彼らの低い知性では拭いきれない致命的な混乱をも与えた。
 そうなれば後は七面鳥撃ちの時間である。
 ヌーベルワルキューレは自分の身体からもいだ青銅の砲丸を装填しては発射し、生半可な武器では傷つくことのないオーク鬼達を滅多打ちにする。特にジョセフが扱うことでガンダールヴの能力で強化されたボーガンの放つ砲丸は、脂肪と筋肉の鎧を容易く撃ち抜いた。
 当然ながら、メイジ達の魔法も次々にオーク鬼達に連射される。ワルキューレを錬金して精神力の枯渇したギーシュ以外のメイジは、三人のトライアングルメイジと爆破の威力には定評のあるルイズである。
 風の刃が首を落とし、炎の弾丸が頭を吹き飛ばし、無数の氷柱が全身を貫き、脳味噌が直接吹き飛ぶ。
 オーク鬼達が寺院からおびき出されてから数分も経たない内に、十数体いた彼らは入り口の前で様々な死因を晒すこととなった。
 しかしそれでも、旺盛な生命力を持つオーク鬼である。大火傷を負い、砲丸を全身に受けながらも辛うじて生き残った一匹が、仲間達を殺すのみならず自分をこれほど痛め付けた人間に復讐すべくその手に棍棒を握り締めて走った。
10ゼロと奇妙な隠者:2008/08/26(火) 06:39:04 ID:VQ1fnlH6
 怒りに燃えるオーク鬼は真正面に立っていた図体の大きい老人目掛けて走っていき――地面を踏み抜いて4メイル下の地面に叩き付けられた時に死んでしまわなかったのが、このオーク鬼生涯最後の不運だった。
 そこに落とし穴から這い上がることも許されず、油塗れになった生き残りはフレイムの吐いた炎で全身を改めて焼かれ、今度こそ絶命した。
 こうして襲撃をかけられたオーク鬼達が文字通り全滅したのに対し、襲撃側の人間達は死人の一人も出さなかったばかりか、手傷一つ負わなかったのである。
「骨を折るほど損はしなかったけど、くたびれ儲けはあったわね」
 この十日間で手に入れた宝物とはとても言えないガラクタの詰まった皮袋をじゃりんと揺らし、キュルケが笑う。
「さて、目ぼしい地図も大体消化したことだし。今日はここでキャンプしてから、懐かしの学院に帰るとしましょうか」
「ああ、そうだね。私もいい気晴らしが出来た。君達の様な友人を持てた事を始祖に感謝しよう」
 旅の終わりによく口にされる類の言葉を紡いで微笑むウェールズに、子供じみた笑顔のジョセフが真っ先に答えた。
「いやいやそう言って貰えると照れますのォ」
「主人として、多少は謙遜とかそういう類の言葉をいい加減覚えるべきだと思うのよね」
 ルイズは七十前には到底思えない使い魔をからかった。
 シエスタは積極的に会話に参加することはないものの、貴族達のやり取りを微笑ましげに眺めていた。
 最初のうちこそは貴族と使用人という身分の差をひしひしと感じていたものの、ジョセフが間に入ることによってある程度の親睦を交わせていた。
 旅が始まった時にはルイズがいつ癇癪を起こすかビクビクしていたシエスタも、初日の朝方にルイズ自身が譲歩する言葉を述べたので、ある程度は安心を持つことが出来た。
 曰く、「人に嫌われる使い魔より人に好かれる使い魔の方が主人としてもいいに決まってるわ。でもまた私が怒らない保証はしてあげられないけど」。
11ゼロと奇妙な隠者:2008/08/26(火) 06:40:48 ID:VQ1fnlH6
 仲良くするのは構わないがあまり近付き過ぎるな、と釘を刺した形となる。
 シエスタとしても、ジョセフはあくまで『憧れの人』の範囲を出ていない。憧れと一概に言っても、顔を見たこともない王族や威張ってばかりの貴族達に何倍もの差をつけた上での堂々一位である。
 しかしそれは、年頃の少女がアイドルやスターに関して抱くものとほぼ同じであり、恋愛対象としては完全に外れていた。
 タルブという田舎の村出身の少女にとって、例えジョセフが貴族と渡り合えてかつ人当たりの良い人気者と言っても、自分の父親どころか小さい頃に亡くなった祖父よりも年上という存在といい仲になりたい、という考えには至らないし、至れない。
 魔法を使えない平民にとって、老いると言う現象がどのような意味を持っているのか、小さい頃から隣人を見てきたから十分に理解している為である。
 第一印象こそは大人しそうで純朴な雰囲気を持つ少女だが、意外と大胆で手段を選ばない内面を持っている。これでジョセフが若ければ、一緒に食事をした日に服を脱いで実力行使に出たかもしれないが、彼が老人だからそのような暴挙には出なかったのだった。
 シエスタはルイズに対し、「今後気をつけます。申し訳ありませんでした」と頭を下げた。
 貴族であるルイズが大幅に譲った形で寛大な処置をしたのに対し、平民であるシエスタは自分の非を認める形で謝罪をする。それでこの件は決着と相成った。
 そしてシエスタの作る料理を「……確かに美味しいわね」と、微妙な顔をして認めたのはルイズなりの賞賛だということを、シエスタが理解したのは旅も半ばに入ってからだった。
「皆さん、食事の準備が出来ましたよ」
 この十日の旅の間で、シエスタの料理の腕は同行者全員が認めるところとなった。
 一行がオーク鬼達を罠にかける準備をしている間、シエスタは野兎を罠にかける準備をし、森の中で煙幕弾の材料を集める横でキノコや自生のハーブなど様々な食材を獲得していた。
 それらを入れたシチューに、唐辛子に様々な香辛料を調合したソースを好みでかけて食べる今夜の食事は、舌の肥えた貴族達にも絶賛の出来であった。
「うん、君の作る料理は美味いね! 特にこのソースが絶品だ、ピリッとした辛味がまた食欲をそそる!」
12名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/26(火) 06:42:13 ID:v9i12Lx+
支援だ
13ゼロと奇妙な隠者:2008/08/26(火) 06:42:57 ID:VQ1fnlH6
 ギーシュがシチューをがっつきながら、調子に乗ってソースをかけすぎてむせた。
「これだけ美味しい食事が、この森の中で取れた食材だけで作っているとは大したものだよ」
 シチューに舌鼓を打つウェールズに、シエスタははにかんで答えた。
「田舎育ちなもので、小さい頃からこうやって食事の材料を取るのに慣れてるんです」
 シエスタには、ウェールズはルイズの友人の友人という扱いになっている。
 一般的な平民は、隣の国の王子様の顔どころか名前も知らないのが当たり前だった。
「私の故郷の村……タルブって言う村なんですけど、名物料理なんですよ。季節の野菜やキノコにハーブを組み合わせているので、季節によって味が変わるんです。ヨシェナヴェ、って言うんですよ」
「へえ、あなたタルブの出身なの?」
 シエスタの言葉に出た単語を、キュルケが耳ざとく聞きつけた。
「タルブってワインが名物だって聞いてるわ。そうね……何本か買って帰るのもいいかもしれないわね。みんな、明日はタルブに寄ってから帰るのはどう?」
 特に異論も出なかったので、明日の朝にタルブに向かうことが決定した。
 タルブはラ・ロシェールの近くにある村で、シルフィードを飛ばせば学院からも一日足らずの距離になる。旅の最後の日は村でゆっくり泊まって、それから学院に帰る事も決まった。
 そして食事を終えると、夜中の見張りのローテーションを決めてから中庭に張ったテントにそれぞれ入る。
 四つ張られたテントの組み合わせはルイズとジョセフ、キュルケとタバサ、ウェールズとギーシュ、シエスタと使い魔達という組み合わせであった。
 シエスタはこの旅の間、貴族達だけではなく使い魔達とも交流を深めている。使い魔の契約を交わしたことで、野に生きていた頃と比べて高い知性を獲得しているとは言え、美味しい食事を分けてくれる相手に懐くのは動物として当たり前の習性だった。
 今夜のルイズとジョセフの見張りの順番は一番最後に決まったので、睡眠時間を確保する為に主従は毛布に横たわる。当然のようにジョセフの腕に頭を乗せたルイズは、ふぁ、と欠伸をした。
「もうそろそろ旅も終わりね……。帰ったら詔を仕上げなくちゃ」
14ゼロと奇妙な隠者:2008/08/26(火) 06:44:35 ID:VQ1fnlH6
 旅に出た時も始祖の祈祷書とにらめっこをしていたものの、特に結果が芳しくならなかったので、三日目が過ぎた辺りで大胆に諦めることにしたルイズである。
「大変じゃなあ」
 他人事丸出しで気のない相槌を打った使い魔に対する仕打ちは、脇腹チョップである。
「だってわし関係ないじゃあないか」
「うるさいわね、主人が大変な思いしてるのに相変わらず暢気な顔してるのがムカつくのよ」
「うわすげェ八つ当たり」
「うるさいわよ」
 そんなやり取りを終えると、今度はさっきより大きい欠伸をした。
「……ま、どうせ学院にいててもこの様子じゃ詔なんて考えられなかっただろうし。気晴らしにはなったから、誉めてあげる」
「お褒めに預かり光栄の極み」
「そうね、自分の物見遊山に私達を巻き込んだのは不敬の極みだけれど、楽しかったから不問に処すわ」
 何でもないことのように放たれたルイズの言葉に、ジョセフは幾つかの言葉を選んでから、ニシシ、と笑った。
「……バレてた?」
「バレるも何も。この旅で一番トクをしたのは誰かって考えたら明らかにアンタじゃない。私が考えるに、こっちの世界の見物をしたいと思ったら、一人で行くより私達メイジを連れて行った方が何かと便利だと考えるのは当然だわ。
 でも遊びに行くから付いてきてくれ、だけじゃ一緒に来るかどうかはちょっと怪しいから、宝の地図をダシにしてウェールズ様を誘ったってワケね。で、その場に居合わせる私達を一人ずつ切り崩していけば全員が儲けも何もないって判りきった宝探しに付いて来た、と」
 どう? と悪戯っぽく笑ったルイズの頭を、もう片方の手を伸ばして撫でた。
「そこまで理解してたら十分じゃ。わしも毎日授業してた甲斐があるってモンよ」
 くすぐったげに目を細めたルイズは、けれども少し物憂げな顔でジョセフを見た。
「……ねえ。姫様の結婚って……止められないの?」
15名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/26(火) 06:44:51 ID:v9i12Lx+
朝から豪勢で嬉しいぜ支援
16ゼロと奇妙な隠者:2008/08/26(火) 06:51:39 ID:VQ1fnlH6
 優しげな手付きでルイズの頭を撫でていた手が、髪にかかったまま止まる。
「ふむ。わしもどうにか出来ないかと色々考えちゃあみたんだが……」
 言葉を濁したジョセフの言葉を、ルイズが続けた。
「どうにもならないのね?」
「……ぶっちゃけるとそーなる」
 何も言わず責めるような瞳に、ジョセフは唇を尖らせた。
「そんな顔されてもどーしよーもないモンはどーしよーもない。もしお姫様を浚って逃げたところで何も問題は解決せんどころか、問題は悪化する。ゲルマニアとの同盟条件としての政略結婚だからな。
 ここでもし同盟が破談になったとしたら、トリステインはレコン・キスタに滅ぼされる。その後はどうなるか、賢いルイズなら説明されんでも判るじゃろ?」
「……ならいっそ、ニューカッスルでやったみたいなスゴいコトをやってみせてよ」
「ありゃあどうやっても全員討ち死にってのが確定してたところに、無理矢理ハッタリ利かせて上手く騙したから出来たんじゃ。
 今の状況を何とかしようとするなら、それこそわしが国の全権を任された上で時間があれば何とか出来んこともないだろうが、そいつぁ無理な相談だ」
 桃色の髪を撫でていた手がそっと離れ、どちらのものとも判らない溜息が漏れた。
「色々考えちゃみた。いっそアルビオンに単身乗り込んで次から次へとレコン・キスタの貴族を暗殺してみりゃちったぁ足止まるかもとかな。だが対症療法でしかない。本当にこの状況ひっくり返すには奇跡の数が足りん。
 今日のオーク鬼倒すのに、煙幕弾もヌーベルワルキューレも杖もナシで武器だけ持って真正面から前に出なくちゃならんくらいの状況だ」
 普段から気楽なジョセフが、真剣な顔をしてそう言うのならそうなのだろう。
 ルイズは悲しくなって、ジョセフの肋に手を回して顔を埋めた。
 貴族とはいざという時に身を捨てる覚悟がいるのだと、両親から教えられてきた。貴族を束ねる王族は、それ以上の覚悟を持たなければならないということも。
 けれど、判っていた事とは言え、やはり悲しいものは悲しい。
 せっかくウェールズを救い出して来たと言うのに、愛し合う二人がこんな事で引き裂かれるのを見なければならないのは……判っていても、悲しいのだ。
17ゼロと奇妙な隠者:2008/08/26(火) 06:53:29 ID:VQ1fnlH6
 この旅の間、一緒に過ごしてきたからよく判る。アンリエッタがウェールズを好きになってしまうのは自然なことだ。誇り高くて優しくて、なのに偉ぶったところがない。
 国が滅んで、愛する人が手の届かないところに行こうとしているのに、その悲しみを見せず何事もないように振舞っている。
 アルビオンから戻ってきた森の中で思わず漏らした言葉が、そう容易く変わるはずはない。今でも王子の心の中には、辛い痛みが存在しているのに、その痛みを優しげな微笑みで隠している。
 そんな王子様の振る舞いを見ていれば、どうしてこんな優しい王子様が幸せになれないのか。そう考えるだけで、胸ごと心が締め付けられるように悲しくなった。
「……あー、ちょっといいかい」
 地面に置かれたままのデルフリンガーが、ちらり、と鞘から刀身を覗かせる。
「なによ」
 ルイズはジョセフに抱きついたまま、そちらに視線を向けようともしなかった。
「なんだろうな、せっかく宝探しの旅に出てるってのに俺っちだけホント蚊帳の外でよォー。どうしてガンダールヴが剣使わないで頭使って戦ってんだ? こう肉とか骨とかズバァーッって斬りたいのよ、曲がりなりにも伝説の剣としての存在意義があるわけじゃん?」
 ここまでの宝探しの旅で、一度も血に塗れるどころか何も斬ってすらいないデルフである。今回の持ち主であるジョセフが近接戦闘よりも遠距離戦闘や策略を得意とする使い手の上、魔法を使う敵がいないのも伝説の剣の出番をより少なくしてしまっていた。
 用心の為に抜かれることはあっても、剣が届く距離に敵がやってくる前に魔法やらハーミットパープルやらが決着をつけてしまう十日間であった。
「相手の手の届かないところから攻撃するのは戦術の基本の基本の基本じゃからしょーがないじゃろ」
「いやそりゃあそーだけどよォ……まあいいや、わざわざそんな話をする為に出てきたんじゃない。俺っちも伝説の剣なワケだし、相棒も最近はどうも俺っちないがしろにしがちだが、伝説の使い魔なワケだ。これってけっこう偶然にしちゃ出来すぎてね?」
「……何が言いたいのよ」
「あれよ。物事って動き出すまではドッシリ構えてビクともしねえが、一度動き出したらものすごい勢いで転がってくモンだってことよ。で、転がってる真っ最中って意外と転がってるコトに気付かないモンさ」
 顔もないくせにしたり顔で喋るデルフリンガーに、ルイズは無言で手を伸ばすとデルフリンガーの鞘と柄を掴んだ。
「待て! まだちょっと待って! メイジが呼び出せる使い魔ってメイジに見合った使い魔が来るんだよな! だとしたら、伝説の使い魔を呼び出せた娘っ子は――」
「気休めは必要ないわ」
 なおも言い繕うとした剣の言葉を氷を思わせる響きの言葉で掻き消して、ちゃきん、と鮮やかな鍔鳴りを立てて鞘に収めてしまった。
18ゼロと奇妙な隠者:2008/08/26(火) 06:55:21 ID:VQ1fnlH6
 その後、テントの中に言葉はなかった。
 ルイズはもう何も喋る気持ちになれなかったし、ジョセフも無言で抱きついて来るルイズに腕を貸すだけだった。そしてデルフリンガーも、それ以上は何も言わず鞘の中に納まっていたのだった。


 *


 コルベールのフットワークは軽い。
 魔法学院で教鞭をとる教師という人種は、主に伝統と格式を重んじる。そしてその伝統と格式はかつて名のあるメイジによって記された書物と、何より由緒ある血筋の貴族の側にあると信じて疑わない。
 つまり実力あるメイジは自らの魔力の他に、図書館通いと派閥構成に長けた者が自然とそう呼ばれることになる。現在のトリステインでは、派閥構成の方が圧倒的な重きを占めてしまっていたが。
 この範疇でくくれば、コルベールは実力のないメイジという扱いをされてしまう。
 図書館通いこそは教師だけではなく、図書館に永住しているとさえ言われるタバサに匹敵するだけの実績はあるものの、派閥構成という重要なカテゴリーを彼は完全に放棄していた。
 それどころか、訳の判らない研究に没頭して先祖伝来の領地や屋敷まで手放したコルベールを、どの派閥も表立って口にしないが良くて軽んじ、悪ければ蔑視していたことは紛いない事実であった。
 だが当のコルベールは、そのような事に頓着する気配さえない。色々実験してみたいアイディアが山のように積み重なっている為、そんなどうでもいいことにかかずらっている暇はないからだ。
 特に異世界から来たと言う異邦人がもたらしてくれた技術と希望は、彼の研究意欲をこれまでにないほど加速させてくれていた。
19ゼロと奇妙な隠者:2008/08/26(火) 06:57:02 ID:VQ1fnlH6
 今まで誰も理解してくれなかった自分の研究を絶賛し、しかも行くべき方向が間違っていないことを教えてくれた友人に、せめて何か礼をしたいという気持ちが芽生えたのは、一般的な貴族の範疇から外れているコルベールにとっては当然のことだった。
 少し自分の研究の手を休め、図書館で異世界に関係しそうな書物を調べていたコルベールは、程無くして奇妙な伝説を発見する。数十年前、東方から現れた巨大な鳥のような存在が二つ、ハルケギニアを飛んでいたと記された書物に行き当たったのだ。
 それは風竜のような速度で空を飛び、上空を飛び去ってから数秒後に雷のような轟音を大地に響かせた。そのうちの一つはやがてラ・ロシェール付近の草原に降り立ったが、もう一つは日蝕が作り出した闇の輪の中へと飛び去り、姿を消したと言う事だった。
 そして大地に降りた「それ」からは一人の男が現れ、タルブ村に住み着いた。二度と空を飛ぶことのなかった「それ」は『竜の羽衣』と呼ばれて現在でも村の名物として拝まれている、と言う下りで締められていた。
「もしかすればミスタ・ジョースターの言う異世界に関係するものかもしれない!」
 普通のメイジなら眉唾か与太話として切って捨てるところだが、コルベールは本を本棚に戻した数分後にジョセフにこの話を伝えるべく走り出していた。
 しかしジョセフは主人や友人達と共に、泊りがけの研究旅行に行ってしまって不在だった。
 ここでコルベールが持ち合わせていた高い行動力は、黙ってジョセフが帰ってくるのを待つなどという悠長なことはさせない。すぐさま旅の準備を済ませると、馬に乗ってタルブの村へと出発した。
 それがジョセフ達がオーク鬼達討伐作戦にかかる前日の話であった。


――物事って動き出すまではドッシリ構えてビクともしねえが、一度動き出したらものすごい勢いで転がってくモンだってことよ――


 To Be Contined →
20隠者の中の人 ◆4Yhl5ydrxE :2008/08/26(火) 07:08:48 ID:VQ1fnlH6
以上投下したッ!

さてここまで来るのにもう一年以上もかかってしまってたり50回以上投下したりしてるんだなあと思ってみたり。
でも多分投下が三桁くらいになるまで隠者続けちゃうんだろうなあとか思ったりも。

ところでニュースサイトを巡回してたら「感想くれー!と叫ぶスレッド」なるものを見つけたんじゃよ。
うん、書き手の心の叫びが詰まってたね!
ちょっと一行だけ書いた感想が読み手に多大な勇気とやる気を与えてくれます!
SS書き手は感想乞食なんだー! ああそうさわしはちょお乞食さッ!
21隠者の中の人 ◆4Yhl5ydrxE :2008/08/26(火) 07:16:23 ID:VQ1fnlH6
>ちょっと一行だけ書いた読み手の感想が書き手に多大な勇気とやる気を与えてくれます! が正解なので心の眼で読んで頂きたいッ!
22名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/26(火) 07:35:36 ID:v9i12Lx+
隠者さんGJなんだぜ
ルイズがゆっくり成長している…だとっ!
23名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/26(火) 08:30:15 ID:aMdZPXJH
ゆっくり成ちょゲホッガホッ!!
24名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/26(火) 11:17:39 ID:G48xlMsU
隠者さんキター
3桁の投稿上等です
まってますよ
25名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/26(火) 12:14:50 ID:AScwKAKc
ゆっくりおおきくなっていってね!!!!(色々と)

たまに来る隠者の人は凄い楽しみなんだぜ。
26名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/26(火) 13:37:46 ID:OKNUB/cG
隠者さんGJでございます!
27名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/26(火) 16:04:42 ID:tkpURw4x
書き手が感想乞食なら読み手は良作乞食!
隠者の人の作品は十二分に満たしてくれてますっ。
28名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/26(火) 20:57:47 ID:4/moGJIU
>>1と隠者に最大限の乙
29名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/27(水) 00:11:59 ID:6DJy1E7I
隠者GJ。
それでもジョセフなら……ジョセフならきっと何とかしてくれるッ
30名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/27(水) 08:31:36 ID:4DKU+pix
途中でシュトロハイム出てきたりして…。
31名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/27(水) 09:22:36 ID:M0X7oHbC
隠者、アニメ版設定準拠かあ…
でも第4部の事考えるとジョセフはいずれ地球に戻らねばならないわけで…
そーいやジョセフと徐倫の組み合わせって見ないなあ
ジョセフの性格から考えて曾孫を可愛がっていたと思うが…もしかして第6部の時点でジョセフはハルケギニアに?
32名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/27(水) 10:57:45 ID:NXtMQcHK
>ジョセフの性格から考えて曾孫を可愛がっていたと思うが
前々から思っていたんだが、ジョセフにホリィさんは承りが離婚する時に考え直すように説得しなかったのかね
したけど無駄だったんだろうか?
33名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/27(水) 11:35:37 ID:la/Yr7mE
ハルケギニア産の嫁3号としてルイズを連れて帰るジョセフ。
そこに待ち受けていたものは――同じくルイズを連れて帰還した承りの姿だった!?
34名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/27(水) 15:14:56 ID:4DKU+pix
なに!?
35名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/27(水) 19:40:16 ID:ovjSg77w
>>32
離婚を言い出したのが嫁さんならどーしようもねーだろw
36名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/27(水) 19:55:54 ID:wAz0Ptxv
まあ承太郎もDIOを倒したことによって
逆恨みからあの後もずっとDIO配下のスタンド使い達に命を狙われ続けてだろうし
ジョースターの血筋の正義の心に漬け込まれて
SW財団から危ないオ・ネ・ガ・イ(ハート)で世界中の怪奇現象やスタンド使いたちの組織壊滅させられてたっぽいし
離婚することで家族を守ってたわけだし反対はされなかったんじゃん
37名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/28(木) 00:53:26 ID:D1eeklbJ
ポルナレフ+ジョルノ更新されてない?
38名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/28(木) 17:15:54 ID:aexWCvr8
ジョンガリの事か?
39名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 12:35:00 ID:8vzXklrW
Water seems to be a pudding!
(水がプリンのようだ!)
40名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 20:54:16 ID:aqsC1Jwp
なんか寂れちゃったな
41名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 21:09:01 ID:I0yoQQTL
ROMってます(´ω`)
42名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 21:12:31 ID:hjp84Pq9
そろそろ新連載こねぇかな
43名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 21:20:19 ID:N3NPadZ3
そんなオイシイ話が……あると思うのか?
44名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 22:27:41 ID:eEGbiWtf
寂れた。そう思ったなら筆を取るんだ!
頑張れば1スレ独占だぜ!
45名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 23:11:29 ID:ngjg+Q4m
見てみたい場面はあるが書くまでには至らないんだよなあ……

今まさに放たれんとするヘクサゴンスペル
だが、そんな中、アンリエッタを直属の兵が呟く
彼は、ルイズ達と合流して彼女を追っていた
「雨が降ってくれて助かった。ココには、水がある」
アンリエッタは、足元を見回した
降りしきる雨のせいで、周りにはいくつもの水たまりが出来ている
「あんたらの側までジャンプするための水があるッ!」
「な、何を……」
彼が何を言ってるのか分からず、アンリエッタはうろたえる
「噛みちぎれ、クラッシュ!」
彼がそう叫んだ瞬間
水たまりの一つから、彼と同じ名の生物――サメ(スクァーロ)が
勢いよく飛び出してきた
異形のサメは、ウェールズへその牙を向ける
「ウェールズさまの腕を杖ごと食いちぎれェェェェェ!」
『ボグアァァア』といわんばかりの音を立て
クラッシュと呼ばれた彼のスタンドは、
杖を構えていたウェールズの腕を噛みちぎる

みたいな場面は想像できるんだがなあ……
46名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 23:15:39 ID:aqsC1Jwp
>>45
はやくスクアーロを召喚する作業に戻るんだ
47名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 23:16:48 ID:dkWyctMe
SBRの最新刊は来月四日発売だっけか
そしてゼロの使い魔の新刊は来月二十五日だな
48名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 23:35:00 ID:41Gd8hDi
しかし荒木先生はまた形容しがたいスタンドを発案したものだな…(UJ最新号参照
49名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 23:47:30 ID:yuKCBsJa
雨でブラックモア連想したんだが中々良いかもしれんね
晴れてる日は能力が使えないから丁度良い縛りになるし
スタンドが使えなくても明晰な頭脳で活躍でき尚かつ個性も強く格好いい
実に主人公向きだとは思わないか?
50名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 00:57:52 ID:zIxUI+AO
1時から投下すると予告しよう
51名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 00:59:10 ID:xLy4ywCk
マジェントとかどうよ
52ゼロいぬっ!:2008/08/30(土) 01:00:51 ID:zIxUI+AO
廊下を駆ける。咎める者はいない。
通りかかる者も、呼び止める者も、誰もいない。
どこまでも、どこまで走っても誰とも出会わない。
ただ無機質な廊下と壁が果てしなく続く道。
そこを彼は息を切らせて走り続けた。

気付いていた、これは夢だと。
この世界に来てから何度目だろうか。
いや、本当はこちらが本当の世界で、
ルイズと過ごした日々が幻なのかもしれない。
悪夢から逃げるように走り続け、彼はそこに辿り着いた。

向かう側から差し込む陽の光。
あれほど巨大で存在感のあった隔壁は姿を消し、
代わりにその先へと続く道が視界一杯に広がっていた。

そこには皆いた。
投薬の繰り返しで身体が崩壊した者に、
過酷な環境実験に耐え切れずに死んだ者、
そして自分の代わりに焼き殺された最後の仲間。
そこにはドレスの実験で死んだ仲間達がいた。
日を背にした彼等の影が足元に映る。

彼等の一匹が小さく吠えた。
君はもう十分すぎるほどに戦った。
だから胸を張っていいんだ。
もう争う必要はない、一緒に行こうと。


涙が零れそうになった。
溢れた感情を抑えきれずに叫びたかった。
悲しみも嬉しさも全て吐き出してしまいたかった。

彼等は自分を受け入れてくれた。
憎しみに負けて破壊の限りを尽くす怪物に堕ちた自分を、
それでも彼等は仲間だと言ってくれた。
その感謝と歓喜は言葉では言い表せなかった。
このまま心安らかに仲間達と逝ければどれほど幸せだろう。

だけど、黙って首を横に振った。
まだやらなければいけない事が残っているから。
ルイズを守るという誓いはまだ果たされていないから。
誰に誓ったものじゃないけれど自分に誓ったから。

彼女が運命に負けないように、もう少しだけ力になりたいんだ。


爪を床に突き立ててあらん限りの力で吼える。
蒼い獣へと変貌し去っていく彼の姿を仲間達は見送った。
これでいい。何物に縛られる必要はない。
彼は自分の意思で自由に生きている、誰にも止められない。
自分たちがいくら望もうとも得られなかった物。
ならば彼等の行く末を見守ろう。
彼等はこの研究所から飛び出した一筋の希望なのだから。
53ゼロいぬっ!:2008/08/30(土) 01:02:02 ID:zIxUI+AO
「貴様と僕とでは覚悟が違うッ! 全てを捨てられる者こそが最も強いのだ!」

目の前のバオーに失望を覚えながらワルドは杖を押し込んだ。
彼が倒したかったのは、このバオーではない。
教会で見た真の恐怖と殺意を纏った怪物。
正に“世界を破滅させる存在”というべき姿だった。
だが今は違う。倒すべき敵にさえ情けをかけ挙句の果てにこの様だ。
彼の心を満たした充足感は薄れ、代わりに空虚な想いだけが込み上げる。
果たして、全てを賭して打ち倒す価値はあったのだろうか。
苛立ち紛れにワルドは押し込んだ杖をさらに抉り込む。

「………!」

ルイズも、タバサも、シルフィードも限界だった。
使い果たした体力がではない。
込み上げる怒りが既に限度を突破していた。
彼を嬲る姿を見せつけられて冷静でいられるはずがない。
タバサは精神力を使い果たし、ルイズの詠唱は時間が掛かりすぎる。
シルフィードは長時間の戦闘で体力が残されていない。
だけど彼女たちは一歩も引こうとはしない。
たとえここで敗れる事になろうと背は見せられない。
決意を込めた眼差しを向ける少女たちにワルドが向き直る。
満身創痍ではあったが、それでも彼女たちを倒すだけの力は十分に残されている。
身の程も弁えずに牙を剥く連中を片付けようと彼は杖を引き抜いた。
そして詠唱へと入ろうとした瞬間、彼の耳が何か異音のようなものを捉えた。
それは耳を澄まさねば聞こえないほど小さくか細い音。
音のする方へとワルドは視線を向ける。
そこには風竜へと爪を突き立てるバオーの姿があった。

否。突き立てるなどという勇ましいものではない。
力を失った爪頑強な鱗に阻まれて逆に指先から剥がれ落ちていく。
それでも爪をなくした手でバオーは風竜を引っ掻き続ける。
指先の通り抜けた跡に付いた血が赤い線となり風竜の鱗を彩る。
戦う力は失われている、だが彼の眼だけは力を失っていなかった。
“おまえの相手はルイズじゃない”その眼がそう強く叫んでいた。

「汚らわしいぞ! 貴様は負けたのだ!」

横薙ぎに払われた杖がバオーの額を裂く。
飛び散る血飛沫にも彼は目を逸らさなかった。
その視線に、さらに憎悪を募らせたワルドが杖を振るう。

「この僕の前でこれ以上の醜態を晒すな!」

まるで捨てられた子犬のように無力で哀れな姿。
なのに、それでも尚も足掻こうとする無様。
許せなかった。僕との闘いを侮辱しているかのように思えた。
潔く敗北を認めて死を迎えれば苦痛を味わう事もないというのに。
勝てる見込みもなくただ抗うだけ。
短い溜息をついてワルドは杖を構えた。

「……もういい。貴様はここで死ね」
54名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 01:03:55 ID:ED97kuqP
支援
55名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 01:03:56 ID:TaG6S7Ae
もっふもふ支援
56ゼロいぬっ!:2008/08/30(土) 01:04:01 ID:zIxUI+AO
どくん、とワルドの言葉に反応するように何かが脈動した。
だがワルドは気付かない。それはあまりにも微弱すぎる反応だった。

黙れ。おまえに何が分かる。
彼はまだ生きている、生きているからこそ足掻く。
何かが出来ると信じているから戦える。
それを否定する権利はおまえにも誰にもない。

ずっと彼の目を通して見てきた。
彼の耳を通して聞いていた。
彼の感情を通じて感じていた。
悲しみも憎しみも恐怖も勇気も優しさも、全てを。
それは研究所の中では知り得なかったもの。

何も知らなかった僕に、彼は生きる意味を教えてくれた。
辛くて、悲しくて、厳しくて、それでも価値のあるものだと。
自分が生きているからこそ何かを成せるのだと。
生まれてきた事に意味なんて無い。だからこそ誰もが意味を求める。

誰に作られたのか、何の為に生まれたのかなんて関係ない。
自身の意思で彼を守る為にこの命を使おう。
唯一、自分の為に泣いてくれた彼の為に。

穿たれた頭部の穴から何かが飛び出す。
それは1cmにも満たない小さな寄生虫。
彼の体から這い出た虫は一瞬にして風竜の傷口へと入り込む。
切り裂かれた皮膚の下、血管内を通り抜けて脳へと至る。
体内への異物の進入、その激痛に風竜が暴れ狂う。

「くっ! どうした!?」

突然、制御を失った騎竜にワルドは困惑の声を上げた。
構えた杖を下げて必死に振り落とされないようしがみ付く。

“寄生虫バオー”の麻酔作用開始!
脳内に入り込んだ“寄生虫バオー”は風竜の精神を麻酔し、その肉体を完全に支配した!

次第に落ち着きを取り戻していく風竜。
それを目にして安堵するワルドの前で異変は起こった。

瞳孔散大! 平滑筋弛緩!
異質な輝きを放つ黄金の瞳!
裂けた額からは竜には存在しない触覚器官!

「こ……これは!」

“寄生虫バオー”の分泌液は血管を伝って細胞組織を変化させ、
皮膚と鱗を特殊なプロテクターに変え、筋肉・骨格・腱に強力なパワーを与える!

ワルドの足元にいるのは、もはや風竜ではない。
怪物に変貌した騎竜を前にワルドは驚愕するほかなかった。
言葉を失った彼の代わりに“それ”は咆哮を上げた。

「ウオオォォォォォム!!」

これがッ! これがッ!! 
これが“バオー”! “バオー武装現象”だッ!
57名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 01:05:14 ID:ED97kuqP
支援
58ゼロいぬっ!:2008/08/30(土) 01:06:14 ID:zIxUI+AO
以上、投下したッ!
キリがいいので100回目をラストに。

59名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 01:18:39 ID:ZvOoH7Ci
乙ゥッ!
確かに「バオー」の本体は寄生虫だからな・・・ゼロりゅうっ!になるというわけか

それにしても100話も連載したクロス作品というのを、俺は寡聞にして知らないぜ
60名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 01:29:17 ID:lWeVgqJo
>>59
>>ゼロりゅうっ!になるというわけか
FFが満面の笑みで「気に入ったーーーッ!」と申しております
61名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 03:06:07 ID:TaG6S7Ae
これがッ! これがッ!! 
これが“乙”! “乙武装現象”だッ!
なんだこの熱さ!
62名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 07:47:04 ID:NR4YUmjV
これがッ! これがッ!!
黄金の精神!生命の賛歌だッ!!
わんこがブチャラティ並の良い男でwktkなんで全裸正座だ!!!
63名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 09:19:21 ID:QEVbfsks
仮面のルイズを読んでたらキンクリ食らったんだけど、お前らなんかした?
64名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 12:25:25 ID:WiWyKl08
しかし寄生虫が体内にいない状態ではわんこすぐ死んじゃうんじゃ……?
65名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 12:27:00 ID:j+jwStuA
キンクリするのはボスの仕事だろ?
66名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 13:27:25 ID:IHT/njnr
遅くなったけどゼロいぬの人乙!
そしてGJ!

>>59
ネットは広大だぞ…色んな意味で。
あれをクロスと呼んでいいのかは微妙だが、EVAザクラという怪作があるのだ。
67名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 16:07:31 ID:ZcmlrCcE
ゼロいぬさん、投下乙であります。
竜がバオー化してワルド絶体絶命っぽいけど、その一方で瀕死の犬がどうなるのか……
次回も楽しみに待っています。
68名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 18:01:07 ID:SNSY6IyK
Water seems to be a pudding
69名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 19:18:52 ID:ZZ0yg59k
兄貴の人(本人かどうか不明)が本家の方に短篇を投下。
なかなか良作〜。
70名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 19:59:56 ID:IjXXRQx9
>>69良作なのは同意だがこっちが分家みたいに言うなや。そもそもジョジョスレの方が先じゃい。
71名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 20:02:17 ID:ZcmlrCcE
あの作品のキャラがルイズに召喚されましたスレ、だな。
本家に該当するのは、ベーダー卿召喚のスレだったはず。
72名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 20:02:24 ID:NR4YUmjV
分家はあっちの方だろ、jk
73名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 20:11:54 ID:eqLInjhg
誰にでも間違いはあるんだ
荒木先生にだって…_ノ乙(、ン、)_
だから間違いを責めるより
おっぱいについて語り合おうぜ!
74名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 20:13:44 ID:ZZ0yg59k
失礼。あっちからこのスレが分化してきたものと勘違いしていた。
75兄貴:2008/08/30(土) 20:40:56 ID:usuw6dYY
>>69
Exactly(本人でございます)
76名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 20:47:16 ID:eqLInjhg
>>75
あ、兄貴ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ
愛してます(*´∀`*)
77名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 20:51:43 ID:xj9on4Ab
>>71
本家は今は亡きシャナスレなんだぜ
78名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 21:07:40 ID:NR4YUmjV
ベイダー卿(スターウォーズ). ━┳━━━┳━ vipベジータ(ドラゴンボール)
                    ┃     ┃
                    ┃     ┗━━━━━ ゼロの軍曹(フルメタルパニック)
                    ┃
                    ┣━━━┳━ シャナスレ(灼眼のシャナ)
                    ┃     ┃
                    ┃     ┗━┳━━ ゼロの奇妙な使い魔(ジョジョの奇妙な冒険)
                    ┃        ┃
                    ┃        ┗━━━━━━┳━ あの作品の〜(色々)
                    ┃                   ┃
                    ┃                   ┗━━━┳━ ヘルシング、ダイナミック
                    ┃                         ┃
                    ┃                         ┗━━ トレーズ閣下のちガンダム全般
                    ┃
                    ┗━━━━━ ゼロのミーディアム(ローゼンメイデン)


こんな感じなのか?
79名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 21:24:36 ID:ZZ0yg59k
なるほど、判りやすい図ありがとです。
80名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 21:52:51 ID:W2PtuqTo
漫画サロンにジョジョとのクロススレがあった→ジョジョとシャナのクロススレが立つ→ゼロ魔とのクロススレ(このスレ)
だと思ってた
81名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 21:55:25 ID:zoGPPNQV
>>78
トレーズ閣下スレは200/5/22から
あの作品〜スレは2007/6/3から
更に言えばトレーズ閣下スレはその辺からの派生じゃなくて独自発生で煽り的なスレ立てのをネタで再利用してって発展した物だからその場所なのはおもいっきし違うよ
82名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 22:00:04 ID:5IxtrYCW
三国志あたりの時代から…
83名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 22:42:39 ID:xj9on4Ab
>>80
その通りです
84名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 23:24:26 ID:QEVbfsks
ルイズが強くなるのが好きなわけだが
仮面とかDIOは超クリーンヒットだわ
85名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 23:54:13 ID:a9QIHp8w
スタンドもジョジョキャラも結構使いかっていいし
能力は文章にしやすいからいろんな作品とクロスする話のスレがあってもいいのにな
86名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 23:54:16 ID:/JPRNod2
DIOは長いこと止まってるな。
もう無理かな。
87名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 23:57:37 ID:usuw6dYY
鉄分と氷分と本気分とか鏡分とか変態分とか待ってるんだがなぁ…
暗チばっかだが……書くだけじゃなく読んでみたいというのがやはり…
ああ、後フーゴとか…
88名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/31(日) 00:02:32 ID:9I//pP3u
億康の続き読みたいなあ
89名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/31(日) 01:06:17 ID:CD2j3qMX
トレーズ閣下だけにアフターコロニー暦なのか
90名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/31(日) 02:43:40 ID:82ESMkDY
いぬっ、隠者の投下があって嬉しい

仮面、使空、スネイクの続きが読みたい…
91名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/31(日) 09:36:02 ID:Vl4KKSmT
ポルジョルのフーゴやトリッシュ、腋臭はどうなってるんだろうかとふと思った
92名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/31(日) 12:17:37 ID:4tJdkCYi
鉄の人復活してくれないかな〜。
93名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/31(日) 12:45:06 ID:q7bLxhkq
ジョナサンとじょーすけ…3部ポルにダービーイギーとディーボ
サメに腋臭とフーゴもたまに顔見せしていただけないでしょうか…お願いします
94名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/31(日) 13:02:02 ID:9VJG+nrC
『ゼロの臭い魔』には戻ってきて欲しいと切実に思うわw
95名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/31(日) 16:12:12 ID:hKwS/IKu
何という故人を偲ぶ流れ

DIO様まだかな・・・
96名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/31(日) 18:20:29 ID:3VEtaeC0
いいところで終わっている良作品が多すぎる。
97名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/31(日) 18:25:10 ID:JN/ovzJM
>>95
確かワルドとゾンビ(吸血鬼?)シエスタとの対決シーンで止まってるんだよな
98名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/31(日) 18:32:49 ID:ha7pUBBY
静かの続きも気になるんだぜ。
99名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/31(日) 18:59:10 ID:FshO1+Yz
あらかた召喚されてるけど、完結したのや続いているのは少しだからなあ。
100名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/31(日) 22:14:53 ID:9I//pP3u
短編ではあるけど何気にしげちーって長編で無いんだな
スタンドのパワー弱くて数が多い特性は範囲攻撃が得意な魔法と相性悪いし
ギーシュ戦以外一方的にならなくて話し作りやすいと思うんだけどな
101名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/31(日) 22:42:06 ID:Ikl5dwvS
噴上は…
チート過ぎて駄目か…
102名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/31(日) 23:38:39 ID:sus4fzgh
>>101
でも攻めだと強いけど、本体さらした状態だと守りきれない気がするな
103名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/31(日) 23:55:05 ID:5WxP3mmi
ハイウェイスターはどれだけ逃げても追いかけて来て捕まったら終わりのホラーみたいな部分が一番の怖さだと思う。
本体が目の前にいたら魔法で対処は楽じゃないか?
104名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 00:00:24 ID:B5OB1WgX
そりゃ近距離型じゃないしな。

ワルドがグリフォンで逃げてもぴったり後ろを付いてくる、とかいうシチュはちょっと恐いな
105名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 00:40:33 ID:rPI6eeob
重ちーだって
遍在だけで遠隔攻撃してくるワルドに「みつけたど!」ができるじゃないか
花京院のチート結界ほどじゃないがハーヴェストもヤバイ
106名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 00:49:09 ID:k5gDJ/bQ
…花京院って強いんだっけ?w
107名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 01:02:55 ID:nJsqm+AL
前から思ってたんだが花京院とポルって能力なくねw?
「ヌラヌラした石ころが出せる能力」「甲冑脱ぐのが能力」とか
能力としては史上最低レベルだよなw
戦闘能力はそこそこあるけど花京院とポルが4部以降の
パワーなんぞものともしない能力主体の戦闘してくるやつらに勝てる姿が想像出来ない
108名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 01:06:02 ID:eEjTIVYd
>>107
シルバーチャリオッツの能力は
タンスの裏に落ちた物を拾う能力だ
忘れるなよwww
109名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 01:16:10 ID:v444sSO7
>>107
ハイエレファントはひも状になって他人の体に入り込んで操ったりとか結構多様な能力だったじゃないか
110名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 01:23:24 ID:nJsqm+AL
>>108
Σ( ゚д゚ )

>>109
ひも状になるとか白蛇のドロドロになれるレベルのスタンドの特性じゃね?
エメラルドスプラッシュも何気に能力じゃなくてエアロスミスとかバッドカンパニーみたいな
スタンドの弾で能力じゃないと昔から思ってたんだよな
ゆえに花京院って何も能力ねえじゃんとおもってたがそういえば女医操ってたな
本来の能力は人体操作なのかもな、なんかタロットの暗示する「法皇」っぽい能力だし
滅茶苦茶悪役っぽい能力だがw

ということは能力無いのはポルポルだけw
111名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 01:25:49 ID:k5gDJ/bQ
ポルポルはそのスピードだけで最強だよ!
まあ4部の虫食いも結構そのまんまのスタンドだし
112名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 01:28:02 ID:nJsqm+AL
スピードなら音石とかプッチがいるお・・・
つかスタプラ
113名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 01:35:25 ID:Eodojj0g
ttp://slpy.blog65.fc2.com/blog-entry-997.html

チャリオッツの能力:
岩石や空気や炎を切断するほどの超人的剣技(パワー自体は強くはない)
甲冑の防御力はかなりのダメージを防ぐ
甲冑を脱げば感覚の目が追いつかないほどの速度で動き、残像分身をつくる
剣針を発射して攻撃(しばらく剣が使えなくなるという諸刃の剣)

純粋な近接戦闘だけならそれなりに強いじゃないか
アヌビス持てばスタプラにも押し勝てるぜ
114名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 01:47:04 ID:nJsqm+AL
>>113
これ能力か?スタンドのヴィジョンの特性じゃね?

初期の頃のスタンドだからしょうがないといえばしょうがないが
例えば甲冑にしてもギアッチョみたいに空気中の水分凝結してつくれるとか
地中の鉄分集めて作れるとか
ソフトマシーンみたいに刺した相手がペラペラになるとかそういうのが能力じゃね?
アヌビス持てばスタプラに押し勝てるが
そういう4部以降登場する格闘や物理攻撃をしてこない
能力主体の連中相手じゃ能力無いチャリオッツは勝てないんじゃねえのって話し
ハイウェイスターとか能力無いとクレイジーDみたいに撒けなさそうだしね
115名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 02:13:20 ID:QaGFrtZE
防御甲冑も十分能力だと思うぞ。
即死急のマジシャンズレッドの攻撃でもほぼ無傷ってかなり凄い。

が、あえて能力をつけるとしたら切る能力じゃあないかな?
空を切り水を作ると本人も言ってたし。
金属をスパっと切ったかと思うと、鏡を刺して剣針が撓む描写があったり。
ポルポルの意思で剣の切れ味が変わる能力じゃないかな?

何にせよ近距離では破格の強さ。
116名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 02:25:16 ID:k5gDJ/bQ
本体晒した近距離ならバッドカンパニー、ハーベスト、ハイウェイスターとかにも勝てると思う
117名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 02:50:37 ID:B5OB1WgX
ゼロの使い魔のジュリオ曰く、

「強いってことは、間合いが遠いってことだ。武器に関していえばね。」

後はわかるな?
118名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 02:58:56 ID:gPmUynlQ
最強のスタンドが近距離パワー型なJOJOでいうことでもない気がするがなw

チャリオッツは汎用型でキャストオフによって特性も変えれる辺り優秀ではあると思うんだけど、
人一人引きずれない貧弱さがなあ
(基本的には攻撃の鋭さで補えているけどね)
119名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 03:05:00 ID:sQYaF1Tb
>>113
棚の裏の物を取る能力を忘れてるぜ
120名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 03:07:00 ID:sQYaF1Tb
二番煎じ格好悪いです
>>219は見なかった事にしてくれ
121名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 03:08:13 ID:gPmUynlQ
結構なロングパスだな
122名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 07:37:56 ID:shIUpKlM
スタンドには強弱なんてありませんよ
DIO様も言ってたろ?
123名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 08:26:12 ID:Szw+/u+u
でもなんだっけ、あの太陽みたいなやつは弱そうだと思う……
124名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 09:31:52 ID:Vi7L4qru
>>123
「SUN」か?本人も巻き込まれているが、使いようによっては最強だろ。
せめて、車は防弾ガラスにして置けばよかった……
125名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 09:35:49 ID:uH9dfaWL
>>122
あの発言は優等生が皆同じ可能性を持ってるとか同じぐらい出来るはずだとか寝言抜かしてるみたいな感じ
126名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 09:46:23 ID:FTQiDdAq
「SUN」は砲台としてもかなり強そうだが。
アレが負けたのは隠れていて自分は絶対に安全だと驕り高ぶったからだろうな。
サイドから攻めてくるホル・ホースか、
もしくは硬い奴がサポートに一人でもいたらジョースター家一行は速攻で詰むわ。
127名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 11:25:25 ID:HdmaJLI3
>>122
あれはな〜、アメリカ様が「全ての国にはそれぞれ歴史や資源がありどちらかが優れているか比べるのは意味が無い」
とか言ってるのを聞いてる気になる。
128名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 11:35:12 ID:QaGFrtZE
スタンドは状況によって得手不得手がハッキリするからあのセリフが出たんだろう?
上にも書いたが近距離ならチャリオッツは時間系に一歩劣るかどうかってぐらい強いが、長距離型とか無差別型にはてんで弱い。

が、どこかで荒木さんが「弱点があると物語が面白くなる」って言ってたの見たから、
「何にでも弱点があるんですよ、だから最強は無いんですよ」って意味なのかもしれない。
129名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 11:39:59 ID:gPmUynlQ
まあ料理人には料理人の戦い方があるよね
【石鹸で撲殺されたボスを見ながら】
130名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 11:42:42 ID:INNOoYYC
泥棒なんてするから…
131名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 12:08:31 ID:QfsyE3Ke
つまり>>129の自業自得ってことですかあ
ヤッダバァ−
132名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 12:10:58 ID:gPmUynlQ
泥棒なんてしてないよ!
ちょっと誤爆してハイウェイ・トゥ・ヘルを発動させちゃっただけだよ!
133名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 13:48:20 ID:QfsyE3Ke
>>132
因果応報ってことか…
134名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 16:48:32 ID:yIyc7cdw
今思ったんだけど「SUN」ってDIO様に勝てるんじゃ?
135名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 17:35:17 ID:C5L86L5n
あれ紫外線を出してんのかね?
136名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 17:37:33 ID:gPmUynlQ
そもそも不意打ちできるようなもんなのか?
137名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 20:35:41 ID:permSVjE
「君は普通の人間にはない特別な能力を持っているそうだね?
 ひとつそれをわたしに見せてくれると嬉しいのだが・・・」
「あ、いいっスよー。ザ・サン!」(ピカー)
「こ、このDIOがァー!」(ジュワワワワー)
第三部完!

嫌だろこんなの
138名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 21:17:46 ID:reNgu0k0
きっとSUNはエンヤ婆あたりがスカウトしてきたんだよ!

>137
伝奇?シリアス漫画が一瞬でギャグマンガに・・・
139名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 22:16:01 ID:xZ3MkgNJ
害にしかならないスタンドを抜いたらトーキングヘッドが一番なまっちょろい能力じゃね?
140名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 23:42:22 ID:nJsqm+AL
能力だけ見たらやっぱりタンスの裏のものを拾う能力のチャリオッツが一番うんこだろ
141名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 00:19:30 ID:PLFtJ1qH
そうか?
ポルポルと銀戦車強いだろ
Dioを奇襲でぶっ殺す寸前までいったし(直後にぶっ飛ばされたがw)
ボスが血に気付かなかったら致命傷与えてたんだぜ
142名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 00:20:50 ID:q3NOo2Y6
×銀戦車強い
〇ポルポルくんが意外にすごい
143名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 00:21:45 ID:v1NSSpkb
ブ男戦を忘れすぎじゃあないか?
彫刻作ったりと結構高性能だぞ
144名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 00:24:22 ID:FTR4nivg
ヌケサクのほうがしょぼいだろ
145名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 00:40:35 ID:ypaPKzme
本体の精神的な成長でもスタンドのスペック上昇したり能力増えたりするし、ヌケサクのスタンドだって色々な物に変化できる能力とかに成長する可能性だってあったのかもしれないぜ?
そういう意味でもスタンドだけの強い弱いの概念はあまり当てにならん、という意味かも

あくまで作品中の表現だけで、というのならホリィさんのスタンドが一番弱いだろうし
146名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 00:43:35 ID:v1NSSpkb
ヌケサクはしょせんただの吸血鬼
147名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 00:55:24 ID:A/Fqh12i
銀戦車は本体の剣術とかの鍛錬がダイレクトに影響するところが怖いんじゃね?
本体との直結率が恐ろしく高いと言うか
148名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 01:01:41 ID:tO6UiWUL
チャリオッツの性能とチャリオッツ自身の能力を混同してね?
まあチャリオッツ自身の能力なんて無いに等しいが
せいぜいキャストオフかタンスの裏の(ryぐらいだし
149名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 01:11:01 ID:LNX31GAE
性質と能力はそこまでハッキリ切り分けられるものじゃないだろう
全部ひっくるめてチャリオッツであって、一部分だけどうのこうの言っても仕方ない
150名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 01:15:36 ID:Y+3zrE89
ひとつだけお前らにいっておくッ!

ここは「ゼロの使い魔」と「ジョジョの奇妙な冒険」とのクロススレだゼ・・・
151名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 01:16:54 ID:SKGSXLdS
>>139
スタンド使い同士の戦いではそうだが、一度取り付かれると声でも文字でも助けを求められないというのはかなり怖いと思うぞ。

>>148
自在に切れ味が変わる剣を使うのが能力じゃね?
剣針飛ばした時、柱や天井でバウンドしてるのにDIOから逃げたときは楽々壁に突き刺さってる。
152名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 02:11:34 ID:+qnYA6K0
トーキングヘッドに憑かれたらルーンが詠唱できなくなるじゃない
もしくは自分の出したい系統と反対の系統魔法になったり
153名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 10:26:10 ID:rkDEnpq5
>>147
それ考えるとポルナレフはJOJOキャラの中でもっともゼロ魔向きのキャラなんじゃね?
剣術を習得しててガンダのルーンつきでしかもデルフ有りならスタンド使わずにワルド相手でも楽勝だ
154名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 10:28:15 ID:q3NOo2Y6
ポルポルは昔から鍛錬を積んでるとか武人設定だからな
155名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 10:45:29 ID:wGXt14xJ
SS少なくなったな…
俺みたいにゼロ魔熱冷めて書かなくなった奴って何人居るかな?
156名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 11:37:36 ID:bp15dhJD
アニメ2期がヤバかったか。
157名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 11:49:48 ID:19kv4KQ3
[ヒント:夏コミ前後]
158名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 18:37:37 ID:2a9SPZ2a
本当に発想力少ないね、皆。

あれ?今何かにつかまれたきがs
159名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 18:47:05 ID:UdkqdB3P
チャリオッツはすごい小さくもなれるし。

大勢の前でチープ・トリックが召喚されたら悲しいよな。
160名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 18:55:27 ID:fkTaoH5e
小さくするのは、裏技みたいなもんじゃなかったか?
スタンド使い達が小さくできることに気づかないだけとか、弱点も多いから気づいても使わないとか。
161名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 18:58:01 ID:Y+3zrE89
「GS美神」で幽霊のおキヌちゃんが病魔をぷちっと潰したように、
でかいままで人体をすりぬけることはできなかったんだろうか
162名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 19:48:44 ID:tlEIMbaN
DIO戦で承太郎がスタンドで心臓を止めた事があるし、意外と出来るんじゃねぇの?
ただ、ラバーズ戦で使えんかった事考えるとミクロ単位の対象を指定する事は出来ないとか、
そもそも精密動作性がスタープラチナ並にないと透過した上で何かに干渉する作業は不可能だとか、
そんな所じゃね?
163ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/02(火) 19:49:41 ID:j08YukqB
生存報告も兼ねて、他に誰もいないなら今すぐに投下する
覚悟はいいか? オレはできてる
164名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 19:50:13 ID:II47zA0f
まあでかい状態で剣でズバズバとか弾丸ドカドカは周囲のダメージがでかそうだなw
165ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/02(火) 19:50:39 ID:j08YukqB
11話

「ホワイトスネイク……あいつ、一体何なの?」

恐る恐る、ルイズはホワイトスネイクの背中に聞いた。
今のホワイトスネイクはルイズの室内を身じろぎ一つせずに窺っている。
その片手にはDISCが一枚、その体は殺気に満ち溢れ、質問なんてとてもできた空気ではない。
それをひしひしと感じていながらもルイズが聞けたのは、
彼女の中に未だ潜む、本当の殺し合いを知らない「甘ったれ」の部分があったせいだろう。

「……ヤツノ名ハラング・ラングラー。
 カツテ『私がいた世界』ノ囚人デ、私ガ手下ニシテイタ男ダ」
「て、手下って、なんであんたが自分の手下に襲われてるのよ!
 手下だったら言うこと聞かせられるはずじゃないの!?」
「ヤツトノ契約ハトックノ昔ニ切レタ。
 ソレニヤツハ、別ノ人間ノ手下ニナッテルミタイダシナ……」
「別の人間?」
「ソウダ。ヤツニ自分ダケデ貴族ノ令嬢ヲ襲ウヨウナ甲斐性ナンカ無イ。
 ヤツハソレナリニ頭ガ切レルカラナ……ヨホドノバックアップガ無イ限リハ、コンナ真似ハシナイ」
「でもそんな……たとえどんなバックアップがあったって、ヴァリエール家の人間を襲うなんて……」
「御託ハ現実ヲ見テカラニシロ」
「ご、御託ですって!?」
「癇癪ヲ起コスノモ現実ヲ見タ後ダ」

むぅ〜、と唸って抗議の意思を示すルイズだったが、
頭の冷静な部分ではホワイトスネイクの言うことは理解できていた。
理由がどうあれ、事実として襲われてしまっているのだからどうしようもないのだ。
166名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 19:52:48 ID:II47zA0f
ふ、最初っからクライマックスだぜ支援
167ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/02(火) 19:55:10 ID:j08YukqB
「わ、わかったわよ……。それで、どうすればいいの?」
「ヤツノ攻撃手段ハ大キク分ケテ二種類。
 スタンド『ジャンピン・ジャック・フラッシュ』ニヨル近距離攻撃。
 ソシテ無重力ヲ利用シタ遠心力ノ弾丸ニヨル遠距離攻撃ダ。
 前者ハソレナリノ破壊力ハアルガ近付カナイ限リ脅威デナイ。
 ダガ後者ハ……」
「ちょ、ちょっと待って!」
「何ダ?」
「な、何よ? さっき言った……じゃんぴん、じゃんぴん、じゃんぴん……」
「『ジャンピン・ジャック・フラッシュ』ダ」
「そう、それ」
「一回デ覚エロ」
「うっさいわね! で、そのジャンピン何とか、ってのは何よ?」
「『スタンド』ダト言ッタダロウ」
「でも同じ種族なのに名前があんたと違うわよ」
「オ前ハ犬ト狼ヲ見テ両方トモ犬ダト言ウノカ?」
「……あ、そういうことね。トロールとかと一緒にして考えてたわ」

トロールが何なのかをホワイトスネイクが知ったらプッツンしかねないことを、平気な顔でルイズは言った。

「質問ハモウ無イナ?」
「まだあるわよ。『むじゅうりょく』って何? あと『えんしんりょく』とか」
「……コノ世界ノ科学ハ遅レテイルヨーダナ。
 分カラナケレバ魔法デ……イヤ、『呪い』デ弾丸ヲ飛バシテクルト考エロ」
「の、『呪い』?」
「ソウダ。一発デモ受ケレバ、アルイハ体ヲ掠メレバ10分以内ニ
 半径20メイルノ人間ヲ巻キ込ンデ死ヌ、トビキリ厄介ナ『呪い』ダ」
「な、何よそれ……そんなの私、一回だって聞いたことないわよ?」
「言ッタダロウ。元々ヤツハ『私がいた世界』ノ住人ダ。
 ソコカラ『呪い』ヲ持チ込ンダノダカラ、知ラナイノハ当然ダ」
「あ……そっか」
「今ノ説明デ分カッタダローガ、ココデ問題ニナルノハソノ『呪い』ダ」

いつになく深刻そうな声でホワイトスネイクは言った。
168ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/02(火) 19:58:21 ID:j08YukqB
「『呪い』ハ弾丸ニ込メラレテイルモノダ。
 弾丸ヲ受ケレバ『呪い』モ受ケル。
 加エテ面倒ナコトニ、弾丸ダカラ物体ヲ貫通デキル……ドア程度ナラ、簡単ニナ」
「……まさか!」
「察シガイイナ、ルイズ。
 オ前ガ一発デモ弾丸ヲ受ケレバ、オ前ノ半径20メイル以内ノ生徒ハ全滅。
 オ前以外ノ他ノ誰カガ弾丸ヲ受ケテモ、ソイツノ半径20メイル以内ハ全滅ダ。
 ツマリコノ状況……スデニ我々ハ追イ詰メラレテイル」

そう言ってホワイトスネイクが顎をしゃくった先には――

「そういう、ことだったのね」

ルイズは思わず息をのんだ。
ホワイトスネイクが示したのは、キュルケの部屋のドアだ。
キュルケの部屋のドアはルイズの部屋のドアの真向かい。
つまり、まさに侵入者――ラングラーから丸見えの位置だ。
幸いにもラングラーはまだ弾丸を一発も撃っていない。
だがラングラーが一発でも弾丸を発射して、それがキュルケに掠りでもすれば……。

「ど、どうすればいいの?」
「ソレガ分カッテイレバ私ハコンナトコロデ縮コマッテイタリハシナイ。
 下手ニ飛ビ出シテ弾丸ヲ撃タレデモスレバ、ソレデ終ワリダカラナ……」
「でも、このまま待ってたって!」
「ソーダナ……イクラヤツガ用心深クタッテ、ソロソロ動キヲ見セナケレバ奴ノ方カラ動クダロウ。
 ヤツハ自分ノ状況ヲ作リ出サナイ限リハ決シテ動コウトハシナイシ、
 特ニ予期セヌ事態ニ対シテハ尚更用心深クナルガ……ソレニモ限界ガアルカラナ」
169名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 19:58:29 ID:PLFtJ1qH
sien
170ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/02(火) 20:02:52 ID:j08YukqB
ホワイトスネイクの言葉に、ルイズは考え込む。
とにかくキュルケに弾丸が当たるようなことがあってはならない。
となると、キュルケを弾丸が当たらない場所に移動させること
――つまり部屋から逃げさせることが最優先となる。

だが、どうやってキュルケに危機を伝える?
下手に動けば逆にこちらが撃たれてしまう。
かといって、ラングラーにこちらがキュルケを逃がそうとしていることが知れれば、一気にこちらが不利になる。
ホワイトスネイクが自分とキュルケの二人を同時に守らなければならなくなるからだ。
だから、部屋の外から大声でキュルケに「逃げろ」と言う選択肢はない。

一体どうすればいいのか、ルイズには分からなかった。
しかし、迷っている時間もない。
今すぐにでもラングラーは行動を始めるかもしれないのだ。
いくら用心深くて、こっちを警戒してるからといっても……。

そこで、ルイズの考えが立ち止まった。
何故ラングラーはこっちを警戒しているのか?
それはホワイトスネイクがラングラーに対して先手を打ったからだ。
さっきホワイトスネイクは言った。
『ヤツハ自分ノ状況ヲ作リ出サナイ限リハ決シテ動コウトハシナイシ、
 特ニ予期セヌ事態ニ対シテハ尚更用心深クナル』
あの時、「風もないのに揺れるカーテン」を見ただけでホワイトスネイクはすべてを看破した。
そして奇襲をかけたのだ。
それはラングラーにとって大きなショックを与えたに違いない。
だからきっとラングラーは再び奇襲を受けることを恐れているのだ。
ラングラーが警戒しているのは、「再び予期せぬ攻撃を受けること」だ。
つまり、ラングラーが予期していない手段ならば、ラングラーは動かない。

ならば、ラングラーが予期していない手段とは何だ?
ラングラーが予期「できない」手段とは何だ?
ラングラーは一体いつからこの世界にいるのだろう?
ラングラーはどれだけのものを見てきたのだろう?
その上でラングラーが見ていないものは? ラングラーが知らないものは?
考えろ、考えろ……。
171名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 20:03:41 ID:II47zA0f
ルイズがんばれ! 支援
172ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/02(火) 20:06:42 ID:j08YukqB
あった。
これしかない。
ラングラーが絶対に知らないもの。
その上で、自分の手元にあるもの。
これ以外にはあり得ない。

それは「爆発」だ。
ルイズの失敗魔法による、強力な爆発。
これならラングラーの射線に入らずにキュルケの部屋のドアを叩ける。いや、吹っ飛ばせる。
それに古今東西探しても、失敗魔法が爆発になるなんてメイジは自分以外にいるはずがない。
ラングラーにとってもまったく予期できないものに違いない。

だが問題はある。
爆発でキュルケの部屋を吹き飛ばして、それでキュルケに対する「逃げろ」というメッセージになるだろうか?
ちゃんとこちらの意図通りに逃げてくれれば問題ない。
だが、そうでなければ――
例えば部屋のドアを吹き飛ばした相手をすぐにでも叩きのめそうとする行動に出たならば、
確実にラングラーに撃たれるだろう。

だがやるしかない。
迷ってる時間はないのだ。
これしか手段がないなら、もうこれをやるしかない。
173名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 20:09:59 ID:PLFtJ1qH
2,3,5,7,11、13,17,23支援
174ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/02(火) 20:10:12 ID:j08YukqB
ルイズは心の中で踏ん切りをつけると、静かに杖を抜いた。
そして、それをドアに向け、詠唱する。
ラングラーに聞かれてしまわないように、小さな声で。
しかし、力強い声で唱え、

「ファイア・ボール」

ドッグォォォオオオオン!!

ドアを吹っ飛ばしたッ!

一拍遅れて、爆風が巻き起こる。
その埃混じりの強風に思わずルイズは目を瞑る。
瞑ってからすぐにしまったと思い、眼を開けると、眼前にはルイズを庇うようにホワイトスネイクの腕があった。

「ルイズニシテハ、機転ガ利イタモノダ」

そう言うホワイトスネイクの眼は、僅かにルイズに向けられていた。
それを見てルイズはふふん、と笑い、

「当然よ。だって私、あんたのご主人さまなんだもの」
「ヨク言ウ」

それにホワイトスネイクは軽口で答えて、キュルケの部屋に目をやった。
ドアがあった場所はもくもくと黒煙を上げており、まだ何かがくすぶっているようだった。

(勝負はここから……。お願い、キュルケ! 気づいて!)
175ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/02(火) 20:15:07 ID:j08YukqB
そして一方、

「な、何だと!?」

驚いたのはラングラーである。
向かい側の部屋のドアが突然吹っ飛ばされたのだ。

(ば、爆発だと? 一体何が起きた?
 火種なんぞ、あそこにはなかったはずだ!
 設置する余裕だってある訳がない……。
 ホワイトスネイクの能力か? ヤツがまた何かやりやがったのか?)

これが爆発でなかったのなら、ラングラーは真っ先に「ドアが吹っ飛ばされた理由」を考えただろう。
しかし、今のルイズの爆発はあまりにも予想外すぎた。
この世界特有の「魔法」という存在にも、傭兵稼業を続ける中で幾度となく触れてきた。
だから分かる。
こんなことができる魔法は、存在しない。
その一方で科学文明溢れる世界からこの世界に飛ばされた男だからこそ、
この世界の科学の遅れっぷりは十分に分かっていた。
だからこそ分かる。
この世界の科学では、今の爆発は起こせない。

ならば一体何が爆発を起こしたのか?
あの爆発は威力はそこまでないだろう。
昔テレビで見た手りゅう弾の爆発の何分の一程か、とラングラーは推測した。
だから爆発そのものは怖くない。
怖いのはその爆発がいつ起こるか、だ。
戦いの流れは何でもないようなことでも修復不可能なほどに変わってしまう。
かつて空条徐倫に敗れたときもそうだった。
だから正体を突き止めようとせずにはいられない。
根拠もなしにホワイトスネイクを疑ったのもそのためだ。

かくしてラングラーはルイズの爆発に対して恐怖を覚えた。
爆発の威力にではなく、その正体の知れなさ、いわば「未知」であることに。
そしてこのことが、ルイズとホワイトスネイクに「一手」与えることとなる。


To Be Continued...
176名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 20:16:50 ID:BN8nxha1
GJ!!!
緊迫してる!!
そして相変わらずスネイクさんの語りがいいwwww
177ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/02(火) 20:17:36 ID:j08YukqB
投下完了
ここで今の状況を少し図で説明してみる


    ラングラー  |
         |
ルイズ部屋     |
_____ ___|
ルイズ スネイク

_____ ___
         |
キュルケ部屋     |

こんな感じでラングラーはドアさえ開いてればルイズの部屋にいながらキュルケの部屋まで目が届く位置にいます
次回はキュルケパートです
178名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 20:17:41 ID:PLFtJ1qH
GJ!
なんという心理戦、これはwktkせざるを得ない
179名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 20:19:10 ID:II47zA0f
いかにしてラングレーに「自分が圧倒的に有利である」事を気づかせないかが勝負の分かれ目だな
実に緊迫した状況、GJ!
180ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/02(火) 20:21:02 ID:j08YukqB
ズレまくりで説明になって無さ過ぎワロタ
これでうまくいけばいいけど……

    ラングラー   |
          |
ルイズ部屋      |
_____ ___|
ルイズ スネイク

_____ ___

キュルケ部屋 |
181ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/02(火) 20:22:36 ID:j08YukqB
ごめん
図で説明するのはあきらめる
とりあえずラングラーの立ち位置は>>177の通りなので、それで脳内補完してください
182名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 20:26:44 ID:BN8nxha1
あー、GJした後でわるいけど、読んでて気になったんで調べたんだが、
JJFの弾丸を喰らっても無重力にはならない。
ラングラーの唾液が付着すると無重力になる。
183名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 20:27:21 ID:PLFtJ1qH
弾丸につば付ければ解決じゃね?
184ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/02(火) 20:35:14 ID:j08YukqB
>>182
単行本5巻の「サヴぇジ・ガーデン作戦B」の徐倫のセリフに、

「ウェザー・リポート・・・そいつの能力は『重力』を無くすわッ!
 『重力』が無い所でどんな攻撃や動きをしていいかわからない
 そして・・・・・・そいつが飛ばす何かに触れてはならないッ!!
 『無重力』になってしまうッ!」

というセリフがあったので、それをアテにしました
なので、ゼロのスネイクにおけるJJFは「ラングラーが触れたものに触れると無重力化する」となっています

>>183
ツバ付けた弾丸飛ばすってのもアリっちゃあアリですが(改訂前ではやりました)、
よくよく考えたら汚いよなあ……と思ったので、こういう感じにしました
185名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 20:35:51 ID:tO6UiWUL

    ラングラー    |
             |
ルイズ部屋       |
_____ ___|
ルイズ スネイク

_____ ___
            |
キュルケ部屋      |
186名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 20:36:26 ID:II47zA0f
汚いとか気にするんだラングレーw
なんかイメージがかわいくなっちまわねえか?w
187名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 20:41:40 ID:PLFtJ1qH
うはw
ヤバイ、ラングラーが白蛇並みの萌えキャラに脳内変換されてきたw
ケンゾー爺に大工の「口から釘飛ばし」を習ったけど
「汚い」という理由で使うのを止めちゃうラングラーとか想像しちまったぜww
188名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 20:12:00 ID:/WQvA9h5
何でアニメ三期が始まったのに勢い落ちるんだろ?
189名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 20:39:43 ID:zS+iHelW
見てはないけど、二期より酷いという話だから……
190さぁう”ぁんといろいろ (代理):2008/09/03(水) 20:44:45 ID:578SXEv7
というか勢いは別に落ちてないだろ
前からこんなもんだったって
191名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 20:46:07 ID:578SXEv7
意味不明な誤爆スマン!
192名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 20:51:08 ID:VMFi8/Xs
別にアニメも酷くはないと思うけど。
3期は1、2期みたいに見せ場がないから仕方がないかと
193名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 20:59:06 ID:YkbfMp0N
銃杖の続きが書けなくなってきた……
ネタ切れというよりは、表現力の限界!

スレもなんだか寂しいので、以前書いて死蔵しかけてたヤツを投下する。
194Tedious Bastet:2008/09/03(水) 21:00:40 ID:YkbfMp0N
1 逃げ出してやる!

 馬の蹄が乾燥した大地を叩く。
 ガンマンを模した様相の男が砂埃に汚れた髪を風に乗せて街の一角を目指していた。
 天候は晴れ。乾燥地帯の日差しは強く、風に吹かれていても汗が肌から浮き上がる。
 白人である男はこの環境のために毎日早起きをして、全身に日焼け防止のクリームを塗りた
くらなければならない。そうしなければ、この太陽の光が肌を焼いて何日も寝込むことになる
のだ。
 ある事情から生まれ故郷から遠く離れたこの地に来たが、その事情も数週間前に唐突に終わ
りを迎えた。最早、留まる理由は存在しない。
 それでもこの街に留まっているのは、つい先日まで病院に入院していたことと、事情に関係
する仲間にわざわざ顔を見せて回っていたからだ。
 短くなったタバコを捨て、帽子を深く被る。
 肌を叩く砂が減り、風の様子も収まり見せ始めた頃、目的の場所が見えた。
 小さな飲食店のテラスは白く塗られた椅子とテーブルが並べられ、閑散としているとも繁盛
しているともいえない客数を見せている。
 その一つ、褐色の肌を隠すように麻布の赤いフードを被った女が、グラスに琥珀色の液体を
注いでいた。
 色が抜けたような灰色の髪に隠れる憂いを帯びた目は、流れる液体を見つめている。
 傍らに馬を止めた男は、気だるげな女の姿を見て舌打ちした。
「随分やさぐれてるじゃねえか、マライア姐さんよ」
 マライアと呼ばれた女はグラスに満ちた液体を一気に呷ると、チラリと男を見てため息を吐
いた。
「なんだい、ホル・ホースか」
「なんだとは随分な言い草だな。良い女と最後の別れを告げに来た紳士に向かって」
 くっと口元を歪めてホル・ホースは馬を下りる。
 エジプトでは酒の類は宗教的な理由から忌避されている。そのため、街中では酒は手に入ら
ない。しかし、ここは外国人向けに特別に酒を扱っている店らしい。
 客の殆どは顔に日焼けの無い人間ばかりだ。どう見てもエジプトの在住者ではない。
 良くこんな店を見つけたものだと感心しつつ、ホル・ホースは店に入ってウィスキーをボト
ルで買い、マライアの前の席に腰を下ろした。
 金属の蓋を乱暴に開けてボトルにそのまま口をつける。
 喉を幾度も鳴らし、ぷはっと空気を吐き出す。久し振りの酒の味だった。
「……DIOが死んだらしいな」
 ホル・ホースの唐突な言葉に、マライアはグラスに再び液体を注いで苦々しい表情を浮かべ
た。
「ジョースター家との因縁。DIO様自身が、一番理解してたんだろうさ」
 そう言って、またグラスを呷る。
「かもしれねえな」
 ボトルを空に掲げ、ホルホースはその手を逆さにした。
 ウィスキーが地面に落ちて乾いた地面に染み込んで行く。
 何も言わず、ホル・ホースとマライアの目が大地に注がれる液体を見つめていた。
 空になったボトルをテーブルに転がして、ホル・ホースは首筋をゴキリと鳴らして立ち上が
った。
 上着を叩き、何かの感触を見つけて内側のポケットに手を突っ込む。
「吸うかい?」
 取り出したのは出鱈目な言語が書かれたタバコの箱だった。有名会社の商品を模倣したもの
を更に模倣した、粗悪品だ。
 昔は高級メーカーの葉巻を好んで吸っていたホル・ホースだったが、この街ではまったく手
に入らず、仕方なくこんなものに手を出している。それでも、ここらでは最も上等な種類だっ
た。
195Tedious Bastet:2008/09/03(水) 21:01:59 ID:YkbfMp0N
 タバコを吸う理由が口元の寂しさからだったと気付いたのは、つい最近のことだ。
 差し出されたタバコの箱を見て、マライアは首を横に振った。
「……タバコは止めたんだよ」
「健康が理由かい?だったら、酒を飲んでちゃ意味ねえと思うがね」
 軽く笑いながらタバコに火をつけるホル・ホースを横目に、チッと舌打ちをして、マライア
は酒の入った瓶を持ち上げる。
 グラスに落ちる琥珀色の液体が一滴。
 マライアは空になった瓶の中を覗き込んで肩を落とした。
「まったく、退屈だねえ」
 頬杖を吐いて空を見上げる。
 相変わらずこの国の太陽は苛立つほどに熱い。
 退屈だと言いながら何一つ行動しようとしないのは、求めて止まなかったものが失われて無
気力になっているのかもしれない。
 自分らしくないとは思う。それでも、足は立って歩こうとはしなかった。
「未練ってやつか」
 ぼそりと呟いて、また溜め息を付く。
「感傷的だねえ。まあ、ヤツの信奉者はみんなそんな様子だったけどな」
「……だろうね。金で動いてたヤツには分からないだろうけど、あたし等はDIO様の力に希
望を見出してたんだ」
 水を使う盲目の男が口癖のように言っていた、悪には悪の救世主が必要だという話を思い出
す。
 自由であり、絶大な力を持ち、さらに無限の寿命を持っていたDIOという男は、社会から
吐き出された自分のような人間には、特に輝いて見えたのだ。
「それも、もう終わりだね。ジョースター家の連中は憎いけど、いまさらなにをしたってDI
O様が目指したものに辿り着けるわけじゃない」
 両手を肩まで上げて、マライアは自嘲気味に笑った。
 ふっと、タバコの煙が宙を舞う。
「まあ、過ぎたことをゴチャゴチャ言っても仕方ねえ」
 まだ長いタバコを地面に落として踏み潰したホル・ホースは、帽子を被りなおして馬の首を
優しく撫でた。
「行くのかい?」
「ああ。故郷に残した女が待ってるんでね。こっちの女も悪くはないが、戒律だのなんだのが
面倒臭くていけねえ」
 ホル・ホースは馬の背に跨って手綱を手に取り、帽子のつばを人差し指で押し上げた。
「良い女との別れは辛いが、これも運命ってヤツだ。スタンドが惹かれ合うようならまた会お
う。アディオス!」
 手綱を引いて馬の向きを変え、ホル・ホースは馬の腹を蹴る。
 風を切って走り出す馬の背でまた安物のタバコに火をつけた。
 ふう、と煙を吐いて大きな欠伸をする。
「アレでDIOにゾッコンじゃなけりゃ、すぐにでも口説くんだけどなあ」
 一人呟いて、ホル・ホースは実に残念そうに首を横に振った。
 まだ姿は見えるだろうと振り向き、特に気になる一部分をしっかり目に焼き付けようと目を
凝らす。
 黒いタイツに包まれた細く、しかし色気の詰まったグンバツな足。思いのほか早く走る馬の
せいで随分遠くなったが、エロ根性が出た男の目は時に鷹のように鋭くなる。
 目の中には、色、艶、形がしっかりと焼きついていた。
「ああああ、もったいねええぇぇ」
 椅子の上で組まれたマライアの足が組み直される。
 ゴクリと喉が鳴り、同時にピクリとこめかみが引きつる。
196Tedious Bastet:2008/09/03(水) 21:03:52 ID:YkbfMp0N
 奇妙なものがホル・ホースの目に映った。
「なんだあ、ありゃあ」
 視線の先では、新しく買い直したであろう酒の瓶を手にするマライアの背後に、鏡のような
光るなにかが浮かんでいた。
 マライア自身は気付いていないのだろうが、鏡は椅子のすぐ後ろにしっかりと浮かび、うか
つに椅子に背を預ければ頭が引っかかるだろう位置に陣取っている。
 あの位置はマズい。
 ホル・ホースは拳を前に出して己の相棒を呼び出す。しかし、それよりも早く、マライアは
グラスに満ちた液体を喉に流し込んで、ぐったりと背を椅子に預けた。
「お、おおおおお?」
 口から漏れる奇妙な声に気付くことも無く、鏡のようなものに引きずり込まれているマライ
アをホル・ホースは呆然と見送った。
 空気に溶け込むようにマライアと共に鏡が姿を消したのを確認すると、ホル・ホースは一度
馬を止め、周囲を見回して体の内から湧き出してくる汗を腰に下げた布切れで拭う。
 ヤバイ。なにか分からないが、非常にヤバイ気がする。
「お、オレは何も見なかった。何も見なかったぞ!!」
 滝のように流れ出す汗に服を濡らしつつ、ホル・ホースは叫びながら手綱を振るって馬を走
らせ、その場を去った。
 テラスには飲みかけのワインと中身の零れたグラス、そしてマライアが愛用していた白いウ
ォークマンが転がっていた。

 マライアが目を覚ましたのは、見たことのない石造りの部屋だった。
 白く塗られた壁にフローリングの床。豪華な細工の施された引き出しにベッドの周囲を囲う
レースのカーテン。
 どこかの病院の一室に見えるが、それにしては消毒の臭いがまるでしない。
 マライアは、何故、自分がこんなところで寝ているのかと記憶を辿ってみたが、記憶を呼び
起こしても、ホル・ホースのバカ面が浮かんでくるだけで何も進展しなかった。
 真っ白なシーツと綿がタップリ詰め込まれたベッドの寝心地は最高だが、呑気にゴロゴロし
てなどはいられない。
 なぜなら、スタンド使いに襲われた可能性があるからだ。
 スタンドとは、特殊な才能を元に発生する超常現象の一種だ。一人一種類という特徴がある
とはいえ、その能力は様々で、およそ想像できるものは全て網羅されているといっても過言で
はないだろう。
 当然、眠らせたり、気絶させたり、どこか遠い場所に移動させたり、亜空間に繋げることが
できたり、まるで節操が無い。
 それ故に、マライアはこの状況がスタンド使いの攻撃によるものだという可能性を視野に入
れていた。
 とにかく、情報が欲しい。
 そう思ってベッドを抜け出ようとしたとき、部屋の扉を誰かがノックした。
 とっさに、マライアはベッドを抜け出してスカートの中に手を伸ばす。
「……あら?」
 扉を開けて現れたのは、メイド服、と言えばいいのだろうか。酷く古典的な格好をしている
少女だった。
 その少女が目を丸くして、ベッドの上に視線を投げかけている。
 水の入ったコップと水差しが乗ったトレイを片手で支え、口元に手を当てて慌てたように周
囲を見回している。
「た、大変。ミス・ヴァリエールの使い魔さんがどこかへ……」
 消えてしまいました。という言葉を言うことなく、少女は首元に当てられた冷たいものに喉
を鳴らした。
「静かにしな」
197Tedious Bastet:2008/09/03(水) 21:06:37 ID:YkbfMp0N
 扉の裏に隠れていたマライアが、少女の首筋に小さなナイフを当てていた。
 ノブを掴み、音が鳴らないよう静かに扉を閉めると、トレイを傍らある引き出しの上に置か
せてベッドに突き飛ばす。
 悲鳴を上げる間も無く、少女の首元に再びナイフが突きつけられた。
「……あ、あの……」
「勝手に喋るんじゃないよ。こっちの質問にだけ答えな」
 両腕を頭の後ろで組むように指示し、トレイの上のコップに手を伸ばす。
「飲むんだ」
 少女にコップを突き出し、その口元に当てる。
 視線で何故と問いかけてくるが、それを無視して、マライアはコップを傾けた。
 口元に冷たい感触を感じたのか、少女は口を小さく開けて無理やり流し込まれる水を少しず
つ飲み込んでいく。
 コップの中身が半分ほどになったのを見て、マライアは残った水を自分で飲み干した。
「……毒は入っちゃいないようだね」
 鼻を鳴らし、マライアはナイフを少女の首元に突きつけたままベッドに腰かける。
「じゃあ、質問だ。ここはどこで、あんたは誰で、あたしはなんでここに居る」
 喉に感じる冷たい感触に喋ることにも恐怖を感じているのだろう。口をパクパクと動かすも
のの、呼吸は酷く小さく、出てくる声も蚊の鳴くようなものだった。
「喋るくらいでナイフは刺さりはしないさ。もうちょっと大きな声で言いな」
 そう言いつつ、ナイフを少しだけ離した。
 喉元から冷たいものが離れたのを感じたのか、少女は一度息を飲み込んで深呼吸をすると、
たどたどしくだが、しっかりと説明を始めた。
 ここが トリステイン魔法学院であること。自分はここで働いている使用人の一人でシエス
タという名前であること。マライアがここに居る理由は、召喚の儀式の影響で気絶していたの
で、コルベールという教師が医務室に運んだこと。
 何度も舌を噛んで言い直しをしたが、最後まで辛抱強く聞いたマライアは、熱を帯び始めた
額に手を当てて、乾いた笑い声を上げた。
 そして、叫んだ。
「バカにするのもいい加減にしな!どこの世界に魔法なんて信じる馬鹿がいるんだい!おまけ
に魔法を教える学校がある?人を勝手に呼び出して了解も取らずに契約!?貧困層の出身だか
らって舐めんじゃないよ!」
 シエスタの上に馬乗りになり、首に突きつけたナイフで皮膚を浅く切る。
 しかし、その物言いが頭に来たのか、シエスタのほうも声を荒げた。
「ウソだと思うなら左手を見てください!契約のルーンが刻まれているはずです!それに窓の
外。ちょうど召喚した使い魔に餌をあげている時間です。ご自分の目で確かめられれば嫌でも
真実だとお分かりになるでしょう!」
 その言葉に一理あると感じたのか、シエスタの体を引っ張って立たせると、首元にナイフを
突きつけたまま手袋に隠れた自分の手を口元に持っていく。
 口で手袋を銜えて左手を引き抜くと、確かに奇妙な模様が刻まれていた。
「信じられましたか?」
「……まだだよ。こんなもの、タダのタトゥーじゃないか」
 左手に手袋を戻し、視線を横に向ける。向かい合わせに並ぶ幾つものベッドの向こうにある
窓。時間は夕方に近いらしく、青い空の中に赤い光が混じって見える。だが、空が見えるとい
うことは外に繋がっているはずだ。
 シエスタを引きずって近づくと、窓にかけられた鍵を外して外側に開く。
 中庭なのか、高さの揃えられた芝生の向こうには背の高い石の壁が左から右へ、延々と続い
ている。どうやら、今居る建物全体を囲っているようだった。
 一瞬、刑務所をイメージしたが、それにしては陰気臭さがない。
 風に乗って吹いてきた青草の香りを感じて気分が良くなったかと思った瞬間、すぐに犬のも
のでも猫のものでもない鳴き声が耳に入ってきた。
198Tedious Bastet:2008/09/03(水) 21:10:48 ID:YkbfMp0N
 カエルや鳥の鳴き声はまだいい。だが、ピチャピチャとかヌタヌタとかウジュルウジュルと
か、実際聞いてみなければ理解できないような奇怪な音が聞こえてきた時点で、マライアはど
うしても音のする方向を向く気にはなれなかった。
「右です、右を見てください。ほら、メイド仲間が使い魔さん達に餌をあげてます」
「んなことは分かってるよ!」
 シエスタの言葉にイラついた様子で吐き捨てると、じっと地面を見つめた後、ゆっくりと慎
重に顔を右に向ける。
「……げ」
 視線の先に、赤や青や黄色のナマモノたちが肉や野菜や魚や虫を配るメイドに群がり、踊り
狂うように餌を貪っている姿があった。
 様々な色でカラフルになっている肉の塊は、それぞれが自らの餌を求めて動き回っている。
皮膚が硬そうな生き物に血管の浮いた触手が絡まり、硬さの差から肉が歪に動く。明らかに数
が多い足を持った生物が、足の付け根を生々しく動かして別の生き物の体の上を這い回る。真
っ赤に染まった口が血の滴る肉を次々と飲み込み、時折吐き出されるなにかの欠片が地面に転
がった。
 丸い生き物、四角い生き物、長い生き物、細い生き物、ヌルヌルしている生き物。それら全
てが団子になって蠢く不気味な空間の中心に、当たり前のように立っているメイドの姿が妙に
シュールである。
「……ぐふぅ」
 思わず胃の中の物を全て吐き出してしまいそうな感覚が、喉元にせりあがって来る。
「これで信じて貰えましたよね……?」
 シエスタの喉元からナイフが離れ、床に投げ出された。
 声に反応しているのかしていないのか。マライアは両手で口元を押さえて何かに耐えている
ようだった。
「あ、あの……大丈夫ですか?」
 なんとなくどういう状況か理解したシエスタが、マライアの背中を優しく擦る。
 首を縦に振っているため、すぐに吐き出すということは無いだろう。しかし、微妙に涙目に
なっているのがちょっと哀れだった。
 吐き気の峠を越したのか、マライアは震える声で指をいろんなものに食い付いている使い魔
たちを指差して、搾り出すような声で尋ねた。
「あ、あれはなんなのさ?でかい目玉とか、タコに人形の体がくっついたような生き物とか、
足が一杯あるトカゲとか……すごい、気持ち悪いんだけど」
 マライアの感想に、シエスタは笑いを押し隠して首を縦に振る。
「新人の子や町で育った方は大抵、同じような反応を示しますよ。普段見慣れない生き物が使
い魔召喚の儀式の後は一杯出てくるから、刺激が強いんですよね」
 今は慣れましたが、わたしは最初、あの光景を見て気絶しかけました。と、シエスタは言葉
を続けて、マライアに手を差し伸べた。
「多分、こんなところに突然連れてこられて混乱していらしたと思うんですが、さっきのこと
は水に流しますので、平民同士、仲良くしませんか?」
 そう言って無邪気に微笑む少女の姿にマライアは一瞬呆けて、我に返った後、すぐに鼻を鳴
らした。
「ふん。まだ全部信じたわけじゃないし、馴れ合いになる気も無いよ」
 差し出された手を叩いて払い、体を起こす。
 ぐらりと足がふら付いた。
「……うぷ」
「ああ、ほら。無理しない方が」
 放っておいてくれと言いたくても目に焼きついた光景が中々離れず、込み上げるものはすぐ
には収まりそうに無い。口を開くのも危険だった。
 とにかく一度休みたい。そう思ってフラフラとベッドに戻るマライアの前で、扉が唐突に開
く。
199Tedious Bastet:2008/09/03(水) 21:14:06 ID:YkbfMp0N
 姿を現したのは、柔らかいウェーブを描いたピンク色の髪を背中まで伸ばした、十歳前後の
小さな少女だった。
 白いシャツと紺色の短いスカート。色の濃いマントには五芒星の描かれた丸いタイ留めが、
シャツのリボンに重なるように止められている。
 数冊の本と一緒に抱えられた短い杖を見て、マライアはこいつが魔法使いかと、当たりをつ
けた。
 ジロジロと値踏みするように見るマライアに、不快であることを隠そうともせずに、少女は
棘のある声と共に人差し指だけで手招きをした。
「ちょうどいいわ。起きたなら着いて来なさい」
 それがルイズという少女とマライアの出会いだった。

 昔話や童話でしか聞いたことの無い魔法と言う概念。
 スタンドと言う超能力ともいえる力を持っているとはいえ、そんなものを頭から信じられる
ものではない。
 それでも、目の前で見せ付けられれば、認めざるを得ないだろう。
 杖を手におかしな言葉を唱えて空を飛ぶ連中を前にすれば、誰だって信じるしかないはずだ
と、あたしは思う。
 スタンド使いだと言われれば、それはそれで信じるのだろうが。
「でも、パンツがモロに見えるのはどうなのさ」
 夕暮れに赤く染まる女子寮の塔に、誰かが自室に戻るためなのか、魔法で空を飛び、かなり
高い位置の窓に足をかける姿を見て、マライアは呟いた。
「多分、一年生よ。覚えたての魔法に浮かれて周りが見えてないの。私が入学した年も同じこ
として、男子にスカートの中を覗かれて泣いていた子がいたわ」
 興味が無さそうにピンク色の髪の少女が杖をくるくると回して、小さく息を吐いた。
「浮かれて、浮いているわけか」
 何気なく脳裏に浮かんだ言葉を口にしたマライアを、ルイズはじとりとした目で睨み付けた。
「……親父臭い冗談は止めなさい。品位が疑われるわ」
 そう言って、また歩き出したルイズの後について、マライアは周囲を見回しながら今後につ
いて考え始めた。
 医務室で一方的に説明された内容は、三つに纏まる。
 このルイズという少女が自分を呼び出した張本人だということ。自分は一生涯、このガキに
面倒を見てもらいながら、奴隷のような生活をしなければならないこと。逆らえばトリステイ
ンとかいう国の法の下、それなりの罰を与えられると言うこと。
 最後の一つは、使い魔だからというより、平民が貴族に逆らったから、と言うべきだろうか。
本当にそんな法があるのかどうかは分からないが、逆らわないほうが良いとシエスタが言って
いたことは事実だ。
 医務室で本来の仕事に戻ったシエスタを見送った後、ルイズから聞かされた内容はおおよそ、
そんなところだ。
 飯と寝床が手に入るのはいい。しかし、酒も給料もないってのは、流石に勘弁だ。ガキの使
い走りになる気もないし、平民だ貴族だなんて話は、時代遅れとしか言いようが無い。とはい
え、生まれ持って存在する絶対的な身分を否定するつもりは無い。
 マライアの生きてきた世界の中では、確かにそれはあったのだ。
 いつか隙を見て逃げ出してやる。
 そう心に誓って、マライアは寮塔の中に足を踏み入れた。
「わたしの部屋はここの三階よ。寮塔の中はほとんど一本道だから迷うことはないだろうけど、
あんた頭悪そうだから、一回だけ案内してあげるわ」
「そりゃどーも」
 見下した物言いに、口だけの言葉を返す。
 生意気な使い魔ね。とマライアに聞こえるように呟いたルイズは、そのまま噴水や額縁が一
杯に飾られたエントランスを横切っていく。
200Tedious Bastet:2008/09/03(水) 21:17:50 ID:YkbfMp0N
「見れば分かると思うけど、一階はレクリエーションルームとして開放されているわ。男子も
使用は許可されてるけど、一応女子寮だから、滅多に男の姿は見ないわね」
 椅子の一つも見当たらないこの場所がレクリエーションルームなのかと、一瞬疑問が沸いた
マライアだったが、噴水の勢いは小さく、その縁は十分座れそうだった。そのあたりは意図し
たものなのだろう。ただ、水を使っている部屋に額縁を飾るのは、絵画には素人のマライアに
さえさすがに不味いのではないかと思わせる。
 奥にある階段は螺旋状に塔の内周を回るように上っていく構造らしい。松明の光で照らされ
た足元は意外に明るく、上るのに不都合はない。
 足音がよく響く階段を上ると、二階の通路に出る。
「この反対側がまた上り階段になっているわ」
 塔の中心を横切るように通路が続き、その両側に生徒が使用する部屋が並んでいる。
 部屋数は六つか八つか。余り興味がなかったので数えることまではしなかった。
 それでも、気になった点はある。
「塔は円形なんだから、これだと真ん中の部屋が広くなるじゃないか」
 構造を少しでも頭に入れていれば、当たり前のように沸いてくる疑問だ。放射状に部屋割り
をしている様子はない以上、半円を垂直に区切って部屋を分けているはずだった。
 まるっきりバカってワケでもないのねと、余計な一言を沿えて、ルイズは得意げにその理由
を語る。
「学院に通っているのは全員貴族よ。でも、貴族の中にだって上下関係はあるわ。領地の大小
やお金の有る無し、役職なんかがそうね。実家の家柄がこういうところで関係してくるのよ」
 自慢げに胸を張る少女を横目で見て、マライアはこいつは真ん中の部屋にいるんだろうなと
推測した。
「ここから上は、みんな同じ構造なのかい」
「ええ。屋根裏は物置だけど、そこまでは同じよ」
 空気の抜けたような気のない返事をして、マライアは再び螺旋階段を上る。
 恐らく、塔を一周する度に次の階に辿り着くのだろう。なるほど、パンツを覗かれてでも空
を飛んで部屋に戻りたがるわけだ。最上階付近の生徒など、毎日の上り下りだけで足が筋肉の
塊になるに違いない。
 あたしも、これからはここを上り下りしなけりゃならないわけか。
 すぐに訪れるであろう、自慢の脚線美を筋肉でピチピチにした自分の姿を予測して、マライ
アは深く溜息を吐いた。
「なに?平民の癖に、もう疲れたわけ」
 溜息を呼吸の乱れと思ったのか、ルイズが振り返ってマライアを見た。
「……そうだねえ。いろんな意味で疲れたよ」
 このクソ生意気なガキと共に足を鍛え続ける生活を送るのかと思うと、いまから疲れが溜ま
ってくる。
 ああ、逃げたい。早く逃げたい。今すぐ逃げたい。
 マライアの頭の中が逃亡一色に染まって足の動きも鈍くなったとき、ルイズが淑女らしから
ぬ声を上げた。
「げっ、キュルケ」
「げ、とは酷い反応ね、ルイズ。誰かさんの使い魔が目を覚ましたって聞いたから、顔を見に
行こうと思ったんだけど……その必要も無かったみたいね」
 身長差を利用して褐色の肌の女がルイズの頭越しにマライアを視界に入れた。
「あら、あらら、本当に平民を呼んじゃったのね。あははっ、さすがゼロのルイズね」
 軽快に笑うキュルケに、ルイズは肩を怒らせて小刻みに震えた。
「使い魔さん、お名前を教えて頂ける?」
「やだね。名前が知りたければ、そっちから名乗りな」
 マライアの不遜な物言いにキュルケは目を丸くすると、また楽しげに笑い始めた。
「あははははっ、アンタの使い魔面白いわね。うん、いいわ。どうせだから、あたしの使い魔
も一緒にご挨拶するわね」
201Tedious Bastet:2008/09/03(水) 21:20:45 ID:YkbfMp0N
 フレイム。と言葉を後方に投げかけると、のっそりとキュルケの太ももの辺りから巨大な赤
い物体が顔を覗かせた。
 縦に割れた瞳に平坦な頭、全身を覆う鱗。少々独特な骨格をしているが、間違いなくそれは
トカゲだった。それも、人間の大人より一回り大きい。
「あんたの使い魔、サラマンダーだったの」
「そうよー。それに、見て。この大きな炎の尻尾。ここまで鮮やかで大きな炎の尻尾は間違い
なく火竜山脈のサラマンダーよ。ブランドものよー。好事家に見せたら値段なんかつかないん
だから」
「あー、そう。良かったわね」
 自慢話に付き合いたくないルイズは、キュルケの横を通り過ぎてさっさと自分の部屋に向か
ってしまう。
 あとに残されたマライアは、壁に背を預けて顔を引きつらせた。
「あなたのご主人様、機嫌が悪いみたいね。ご愁傷様とだけ言っておくわ」
「そうかい。用事が済んだなら自分の部屋に戻りなよ」
 キュルケを遠ざけるように手を振るマライアに、キュルケは首を傾げた。
「何を、そんなに脅えてるのよ」
 まだ階段の途中にいるマライアは、少しずつ後ろに下がっていっている。それも、フレイム
がのそっと前進するのに合わせて、だ。
「まさか、この子が恐いの?大丈夫よ、あたしが命令しないかぎり、襲ったりなんてしないか
ら」
 キュルケはフレイムの大人しさを示すように抱きつき、その赤くて大きな体を両手で撫で回
した。
 気持ち良さそうに小さな高い声を出すフレイムに、マライアは更に階段を下がっていく。
「なによー。こんなに可愛いのに、逃げることないじゃない」
「そーいう問題じゃない。あたしは爬虫類の鱗とかが大っ嫌いなんだ!ブツブツ硬いくせに肌
に皺のできる構造がもう理解不能なんだよ!だから、近づけるな!!」
「えー?」
 完全に逃げ腰で徐々に小さくなるマライアの姿に不満そうな声を上げるキュルケは、フレイ
ムと目を合わせると、満面の笑顔を浮かべた。
「ちょっと遊んで貰いなさい」
 そう言って背中をキュルケに叩かれたフレイムは、嬉しそうに怪獣臭い声を上げて階段を下
り始める。
 それに気付いたマライアはフレイムと同じような声を上げて、全速力で階段を駆け下り始め
た。
 なにやら罵り言葉と思われる声が階下から聞こえてくるが、それもフレイムの足音に重なる
と悲鳴に変わる。
 他の生徒達の悲鳴も混じっているが、特に気にすることでもないだろう。
「あっはっはっは、ルイズったら、なんか面白い使い魔を呼んだわねえ」
 三度目の笑い声を階段に響かせて、キュルケはこれから楽しくなるであろう学院生活を思い、
期待に胸を膨らませるのだった。


「あんの、ビチグソが!後で覚えてろ!」
 学院の外まで走り、なんとかフレイムを撒いたマライアは、何で自分がこんな目にあうのか
と信じてもいない神様を呪いつつ、女子寮塔の三階に戻ってきていた。
 日は沈み、辺りが夜の闇に包まれている時間。塔の中である女子寮は各階のフロアと階段に
設置された蝋燭か松明か良く分からない光源で明るく照らされている。
 夕方頃はまだ人の気配がしていたが、この時間となると誰も出歩いていないようで、酷く静
かな空気が立ち込めていた。
 未だ収まらない憤りを壁を蹴りつけることで無理やり収め、マライアはタイトスカートのポ
ケットに手を突っ込んだ。
202Tedious Bastet:2008/09/03(水) 21:26:09 ID:YkbfMp0N
「……ああ、そうだった。タバコは止めたんだったっけ」
 馴染みある感触に指が触れないことで、思いつきで始めたものに気付く。
 なぜかアレルギーのように、タバコを吸う度に咽るようになってしまった。ジョセフという
ジジイとアブドゥルという頭が良いつもりのアジア人。あの二人に負けてからだ。
 口と肺がタバコを求めているが、ストレスから来る一過性のものだろうと思い込むことで、
マライアは欲求を押さえつける。
「さて、どれがご主人さまの部屋なのかねえ」
 案内をするといっておきながら、中途半端で逸れたために、最も重要な情報が抜け落ちてい
る。
 一応、寝泊りはご主人様と同じ部屋らしい。さもなければ、この冷えた石畳の上か、星が良
く見える草原に寝転がる必要がある。
 マライアの服装は東南アジアの特に気温の高い地域に適した服装だ。そのため、この北欧と
も呼べるこの土地の気候は、非常に寒いと言わざるを得ない。
 寝冷えして風邪ひくなんて格好悪いことはゴメンだ。と呟いて、マライアは周囲を見回した。
 左右に四部屋ずつ。合計八部屋ある。階段を含めれば、片側は五等分されていると考えて良
いだろう。当然、三番目の部屋が一番広いはずだ。
 ルイズの発言から、彼女が一番大きな部屋を使用していることは推測できる。最も広い部屋
は片側に一つしかない以上、どちらかがルイズの部屋で間違いは無いわけだ。
「こういうとき、形のあるスタンドがあればと思うわ……」
 スタンドは基本的に独自のルール以外の法則には捕らわれない。ものによっては視覚等の感
覚を共有することも出来る。つまり、壁をすり抜けて部屋の中を覗き込むといった行為も可能
なわけだ。
 しかし、マライアのスタンドはそういった行為には向いていないタイプで、感覚の共有も不
可能。そのため、ルイズの部屋をスタンドを使って判別することは出来ない。
 さてどうしたものかと、腕を組んだところで、近くにあった部屋のドアが開いた。
「まったく、あの使い魔ったら、何時になったら戻って……」
「……あ」
 右側の中央の部屋から姿を現したのは、上等のシルク地で織られたネグリジェを身に着けた
ルイズだった。
「あんた、そんなところでなにやってんのよ」
 少しトーンを下げた口調で声をかけてくるルイズに、マライアはふんと鼻を鳴らした。
「どっかのご主人様が自分の使い魔に部屋の正確な場所を知らせなかったせいで、塔内を迷っ
ていた使い魔は健気にも自分でご主人様の居場所を探してたのさ」
 皮肉をタップリと篭めた言葉に、ルイズは不快感を露にした。
「ああそう。ごめんなさいね、気の回らないご主人様で。じゃあ、部屋の位置も分かったこと
だし、適当にその辺に転がって寝て頂戴」
 それだけ言うと、ルイズはさっと部屋の中に引っ込んで金属音を鳴らす。扉に鍵をかけたら
しい。
 ルイズの言葉の意味を理解したマライアは、慌てて閉まった扉に飛びつく。しかし、鍵がか
かっているだけあって、押しても引いても扉は開きそうになかった。
「ちょ、ちょっと!冗談よ!そんなにへそを曲げなくったって良いじゃないさ!こんなところ
で夜を明かしたら、凍えちまうよ!」
「ご主人様に口答えする悪い使い魔は、一晩夜風に吹かれて反省したほうがいいのよ!」
 扉越しに聞こえてくるルイズの声に、この女は本気で扉を開ける気がないのだと確信したマ
ライアは、必死になってドアノブを引いた。
 ヒュウと風が吹いて肌を冷やす。まだ日が沈んで間もないと言うのに、この寒さ。毛布の一
つも無しに野宿をすれば、本当に死ぬかもしれない。
「それであたしが凍死したらどうすんだい!?人を勝手に召喚したんだ。約束どおり寝食の責
任くらい取りな!」
「あーもう!うるさいうるさいうるさーい!アンタなんか死んじゃえばいいのよ!そしたら新
しい使い魔を呼べるんだから!!」
203名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 21:28:14 ID:TwNKOxZB
支援
204Tedious Bastet:2008/09/03(水) 21:28:34 ID:YkbfMp0N
「んだと、このガキ!あたしに死ねって言ったか!?その顔面ブン殴ってやるから、今すぐこ
こを開けな!」
 あんたを追い出して、あたしが部屋を使ってやる!と言おうとして、思いも寄らない返事が
返ってきた。
「……そんなに開けて欲しければ、開けてあげるわよ」
 その言葉に続いて、扉の向こうで金属音が鳴った。鍵が開いた音らしい。
 以外に聞き分けがいいじゃないかと感心して、ノブを捻る。
 バカなガキだね。素直に応じれば、何もしないなんて思ってるのかい。
 既にマライアの心中ではルイズを殴り倒し、部屋から追い出す算段が整っている。悪の権化
とも言えるDIOという男に心酔していたのは伊達ではないのだ。
 そっとスカートの中に隠してあるナイフに手を伸ばす。
「いやあ、優しいご主人様をもってあたしは幸せだね……え?」
 油断を誘うために口調を柔らかくして、扉を開いたマライアの目に棒のような物の先端が映
った。
 杖を構えたルイズが、扉の向こうに立っていたのだ。
「優しいご主人様にも忍耐の限界ってものがあるの。それを、おバカな使い魔に教育してあげ
るわ」
 ファイアボールという言葉がルイズの口から飛び出し、同時にマライアの体の前に白い閃光
が走った。煙と火花が辺りに散り、夜の女子寮を揺るがす。
「ぐえっ!?」
 強烈な爆風と衝撃がマライアの全身を襲い、対面の壁まで吹き飛ばした。
 壁に背中を強く打ちつけ、肺の中の空気を一気に吐き出したマライアは、その場に崩れ落ち
る。
 同様に、ルイズも自分で使用した魔法の爆発の余波を受けて、ピンク色の長い髪とネグリジ
ェをボロボロにしていた。
 口に溜まった煙のカスを吐き出して、ルイズは胸を張った。
「これで上下関係がよーっくわかったでしょう?一晩そこで反省してなさい」
 蝶番の外れかけた扉を強引に閉じて鍵をかける。
 1人残されたマライアは、吐き出した空気を取り戻そうと肺を一杯に膨らませて何度も咳き
込むと、憎々しげに閉じた扉を睨み付けた。
「この、クソガキ……あたしにこんなマネしておいて、タダで済むと思うんじゃないよ」
 吐き捨てるように言って、マライアは立ち上がり、周囲を見回した。
「覗き見てんじゃないよ!見世物じゃないんだからね!」
 ルイズの部屋以外の全ての扉から女生徒達が顔を覗かせていたが、マライアの一喝に関わら
ないほうが良いと感じたのか、すぐに顔を引っ込める。その中の一つにどこかで見た赤い髪を
見つけて、マライアの全身を言い知れぬ怒りが駆け巡った。
「ああ、もう!なんで、あたしがこんな目に合わなきゃなんないのさ!人を不幸にするスタン
ドの攻撃でも受けてるっていうのかい!」
 天井に向かって吼えるように叫んだマライアをじっとりと、誰かが見つめている。
 髪を掻き毟り、苛立ちを無理やり誤魔化したマライアはその視線に気付いて目を向けた。
 かなり殺気立った目だが、見ていた人物は特に何も感じていないのか、ニヤリと笑ってその
手にあるものをマライアに投げつける。
「それ、アンタの寝床に用意しておいたものよ。狙ったわけじゃないけど、今のアンタと組み
合わせるとなんか惨めさタップリで、実にイイ気味ね」
 見ていたのは扉を僅かに開いていたルイズだ。
 投げつけたのは一抱えの藁の束。寝藁として使わせるつもりだったらしい。
「じゃ、良い夢を」
 ぱたん。と扉が閉まり、鍵の掛かる音が続く。
 手の中に納まった藁の束を見て、マライアはなんだか怒りを通り越して情けなさを感じ始め
た。
205名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 21:31:14 ID:XDh4Gl1/
支援
206名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 21:34:49 ID:MvlZE4Pi
支援祭りだッ
207名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 21:41:13 ID:XDh4Gl1/
規制か?
208Tedious Bastet 代理:2008/09/03(水) 21:47:35 ID:TwNKOxZB
ぐっと目頭が熱くなり、唇の辺りが震えてくる。
 もう、やっていられない気分だった。
「クソッ!クソッ!!なんなんだよぅ。あたしがなにか悪いこと……」
 自分が不幸に陥ったときに口から出る、在り来たりな台詞を口走りそうになって、唐突にマ
ライアは口を閉じた。
 悪いことをしていない。なんて、口が裂けても言えない様な人生を送ってきていることに気
付いたのだ。
「自業自得、ってやつかね」
 体中から力が抜けて肩がガックリと落ちる。
 とぼとぼとその場を去っていくマライアの背中は、煤けているのように見えた。

 空に双子の月が昇る。
 青と赤の光が夜を照らしているおかげか、外の景色は思ったよりもずっと明るい。
 遠くから聞こえてくる獣の鳴き声をBGMに、マライアは寒空の下を寝藁を抱えながら歩い
ていた。
 冷たい石造りの塔から離れ、適度に暖が取れて眠れそうな場所を探し、フラフラと当ても無
く歩いているのだ。
 明かりの下なら少しは暖かいかもしれないと思ったが、松明の下は火の粉が飛んで火傷しそ
うになったし、他の光源は魔法を使用しているらしく、暖かさはあまりない。
 こういう状況に囲まれると、あの嫌気が差すほど熱い灼熱の国が懐かしく思えてくるから不
思議だ。とはいえ、あの土地も夜は十分冷えるのだが。
 何はともあれ、とにかく寒い。
 誰か頼れる人間がいればいいのだが、見知らぬ土地で目を覚ましたのは今日の昼頃。出会っ
た人と言えば、人を小ばかにしている赤毛の女と頭の悪いご主人様。後は、人が良さそうでは
あるが、ナイフを突きつけてしまった手前ちょっと頼り辛いメイドのシエスタくらいだろうか。
 たったの三人。酷く疲れた一日だったはずなのに、たったの三人しか会っていない。
 相性が悪いのだろうか。それとも、単に見知らぬ土地の習慣に振り回されただけなのだろう
か。
 多分、両方だろう。
「誰でも良いから、どこかに起きてるヤツはいないの?」
 ひっそりと人気の無くなった学院の建物はどこも明かりが落とされ、通路を照らす僅かな照
明だけが目立っている。
 あっちこっちへ視線を向けると、人の存在を感じられる明かりも確かにある。学院の中央に
聳える塔の最上階と、女子寮の三階にある赤毛のクソ女の部屋、それに中庭の片隅に佇む煙突
つきの小屋だ。
「クソ女は最初から選択肢から外すとして、行くとしたら塔の最上階かオンボロ小屋のどちら
か、か」
 なんとかと偉い人は高いところが好き、という格言を誰かに聞いた覚えがあったマライアは、
格言通りなら塔の最上階にいる人物は学長かなにかだろうと推測する。
 強い権力をもった相手を何の見返りも用意せずに頼るのは馬鹿のすることだ。高い地位にあ
る人間は、損得勘定を常に計算できるから権力を握っていられる。無為に頼れば弱みを握られ、
割に合わない要求を突きつけられる恐れがある。 
 となると、残るのは小屋だけだ。
 夜の暗さで分かり難いが、煙突からは少量だが煙が出続けている。暖炉を使用しているらし
い。なら、小屋の中は相当暖かいはずだ。
 寒さに耐えかねたマライアは、他に選択肢がないことを確認して明かりの漏れるちっぽけな
家屋に足を向けた。
 レンガで組まれた本当に小さな小屋。一人用という前提で作ってあるのか、それとも魔法と
やらで中を広くしてあるのか。
209Tedious Bastet 代理:2008/09/03(水) 21:48:22 ID:TwNKOxZB
 どちらにせよ、頼れるのはここしか無いのだ。暖かければ中身など大した問題ではない。
「あ、あー、誰かいますか」
 ドアを叩き、声をかける。
 夜の静けさのお陰で中の物音が聞こえてきていた。
 こちらの声に反応はしているが、どうにも慌しい音が響いている。すぐに対応できるわけで
はないらしい。
 少しだけ待ち惚けをさせられた後、唐突に扉が開いて額に汗を浮かべる頭頂部の寂しい中年
が姿を見せた。
「す、すみません。まさか、私の研究室を、それも夜中に尋ねてくる方がいらっしゃるとは思
わず、研究資料に埋もれておりました」
 息を荒くして説明する男に、マライアは外向けのスマイルを浮かべて、丁寧にお辞儀をした。
「夜分遅くに申し訳ありません。わたし、マライアと申します。実は、折り入ってお願いがご
ざいまして……」
 頬に手を当て、腰にしなをつくって上目遣いに男を見つめる。
 ん、と喉を鳴らした男は、顔を一瞬赤らめたかと思うと、次に感嘆の声を上げて手を叩いた。
「おお、あなたはミス・ヴァリエールに呼び出された方ですな。そうですか、マライアという
名前でしたか」
 急に笑顔になった男は、薄い頭頂部に手を当てて小さく頭を下げた。
「申し送れました。わたしはこの学院で教鞭をとっておるコルベールと申す者です。今回の使
い魔召喚の儀では監督役を務めておりましてな、ミス・ヴァリエールがあなたを呼び出したと
ころも、この目で見ておりました」
 なら、話は早い。
 長々と交渉して凍える気などないマライアは早速本題を切り出した。
「実はそのことでお話があるのです」
 すっと身を乗り出し、懇願するようにに顔を近づける。
「わたしは遠い国の辺境に生まれたために、こちらの常識に疎いのですが……そのせいでルイ
ズさんを怒らせてしまい、部屋を閉め出されてしまったのです」
 実際は口答えや皮肉が多すぎたのだが、そんなことをコルベールが知るはずもない。しかし、
呼び出してばかりの使い魔が寒空の下、普段から誰も寄り付かない自分の研究室をわざわざ尋
ねて来れば、初めから疑って掛かるのも難しいだろう。
 コルベールはなんとも言い難い顔で自分の頭を撫で、ここでは冷えるからと、マライアを研
究室の中へと誘った。
「……ゆ、ユニークなお部屋ね」
 部屋の中を見渡した後、マライアは自分なりに言葉を選んでその惨状を言い表した。
 幅4メートル、奥行きは5メートルと言った所だろうか。壁際には本棚や何かの入れ物を収
めた棚が並び、部屋の中央を長机が占領している。足元には、無数の本や羊皮紙と一緒に生き
物の一部と思しき物体や様々な色の液体が零れていた。
 そして、なにより鼻の曲がりそうな異臭が特に酷かった。
「ああ、そこで少しお待ちを。椅子をご用意しますので」
 本人にしか分からない道があるらしく、コルベールはひょいひょいと部屋の中を移動して行
き、どこからか木製の小さな椅子を取り出した。
「まずは、これにお掛けを。……っと、置く所がありませんな」
 マライアが立っているのは玄関を一歩入った場所で、床が目に見える唯一の地点だ。
「あの、お手伝いしますので、少し片付けませんか?」
 このままでは寝ることだって出来ない。
 右側の壁にある暖炉の火に手を向けて少しだけ暖を取ったマライアは、床とコルベールの間
を視線で行き来させる。
「うむむ。これで便利に配置されておるのですが、改めて見ると流石に散らかりすぎておるよ
うですな」
 コルベールはそう言うと、白いローブの下から杖を取り出した。
210Tedious Bastet 代理:2008/09/03(水) 21:49:19 ID:TwNKOxZB
 その口からマライアには聞きなれない言葉が流れ出る。
 最後に奇妙な言葉を唱えると、床に散らばった本が次々と本棚へと戻っていった。
「こ、これは、魔法ですか?」
 目に見えないスタンドが本を元の場所に戻しているのかとも思える光景に、マライアは目を
丸くした。
「いや、これはちょっとした道具を本や資料の束に組み合わせておりましてな。魔法というよ
りも、わたしが適当に作った手間を省く技術ですな」
 コルベールはまだ宙を舞う本たちの隙間を縫って部屋の奥へ移動すると、そこから自分の胴
ほどもある丸められた羊皮紙を取り出し、その場で広げて見せた。
「これが設計図でしてな。風石とコモン・マジックの組み合わせで浮かばせており、位置の調
整はガーゴイルの技術の応用なのです。詳しく説明するなら、基点となる……」
 広げた羊皮紙にペンを当て、嬉々として語り始めたコルベールの説明をマライアは適当に聞
き流しながら、少しずつ床の見える面積が広がっていく部屋の中をぼうっと見守った。
 全てが全て、棚に収まるわけではなく。転がっているビーカーやフラスコ、単体の羊皮紙や
薄い本などはその場に留まっている。
 その中の一つを手に取り、書かれている文字を読もうとした。
「……英語じゃあ、ないねえ」
 自体そのものはどことなく似てはいるが、表記文字そのものが違っているようだった。
 解読は難しそうだ。と思いつつ、マライアがそれを眺めていると、いつの間にかコルベール
が説明を止めて近づいていた。
「それに興味がおありですかな!」
 コルベールの指がマライアの手にある羊皮紙に向けられている。
 それに気が付いて、書かれているものを見直したマライアは、ふと、どこかで見たことのあ
る形状が描かれていることに気付いた。
「……エンジンの気筒かしら」
 マライアの脳裏に、日本製の不気味なほど頑丈なバイクの姿が浮かんだ。
 交通手段が限られているエジプト近郊ではマライアも時々世話になっていたが、エンジン周
りが故障して修理も聞かなくなったことで手放したのだ。
 ヴァニラ・アイスが自分の能力の実験に使った後、バラバラになったものを一つ一つ集めて
解体屋に持って行ったから覚えている。
「えんじん、ですか?これと同じようなものを見たことがおありで?それは素晴らしいです
な!うむ、なんだかやる気が沸いてきましたぞ!」
 コルベールは声を上げたかと思うと、机の上にあるものをあっという間に片付けて、マライ
アの手にある羊皮紙を広げた。
 描かれているのは、円筒に幾つも歯車が組み合わさった図で、矢印で歯車の動きが解説され
ている。羊皮紙の端にある火の絵柄は、恐らく着火位置だろう。
 図だけ見れば、なんとなく動く気はするが、どうしても理解できない点があった。
 まだ何も書いていない羊皮紙を並べてペンを走らせるコルベールの肩を叩き、マライアは設
計図の一部を指差した。
「その、ヘビの絵はいったいなんでしょうか」
 設計図通りなら、箱の中で生まれる駆動にあわせてヘビの作り物が箱から出たり入ったりを
繰り返すだけに見える。
 意味が分からなかった。
「良く聞いてくれました!実はですな、市場で見た子供の玩具を参考にして、箱の穴から顔を
出し入れするヘビさんの玩具を作ろうと思ったのです!」
 自信満々に胸を張ったコルベールは、どのようにしてヘビが顔を出し入れするのかの仕組み
に関しての解説を始めるが、マライアはそれを遮って自分の気持ちを素直に示した。
「……で、なにか意味があるのでしょうか」
「お、面白いですぞ、たぶん」
 ちょっと自信が無くなった様子のコルベールに、マライアは肩を落として溜息をついた。
211Tedious Bastet 代理:2008/09/03(水) 21:50:09 ID:TwNKOxZB
 趣味でいろいろ作る変人が世の中にはいるが、こいつもその1人なのだろう。いつまでも話
しに付き合っていては、同じ趣味の人間と思われてしまう。
 いい加減本題に入ろうと、マライアは小さく咳をして話を切り出した。
「それはそれとして、相談に関して聞いていただきたいのですが」
「おお、そうでした、そうでした。申し訳ない、研究のこととなると、どうにも見境が無くな
ってしまいましてな」
 誤魔化すように笑い始めたコルベールに、マライアは放置された椅子を適当な位置に直して、
その上に腰を下ろした。
 コルベールも自分の椅子を用意し、暖炉の上に置かれたグラスを二つ取ると、薬品と思われ
る入れ物と一緒に棚に入れられたワインを取り出した。
「保存も悪く安物ですが、喉を潤すくらいなら出来ますぞ」
 目の前に置かれたグラスを手に取り、注がれる赤い液体に目を向ける。
 ほんのりと、甘い香りがマライアの鼻を刺激した。
「……頂きますわ」
 グラスの半分まで満たしたワインが喉を通る。
 一息ついたのを確認して、コルベールが話を促した。
「ええと、マライアさん、でしたかな。ぜひ、お話をお聞かせください」
 こくりと小さく頷き。マライアは口を開いた。

 小屋の明かりが消えた。
 暖炉の火は燻り、余熱が部屋を暖めている。
 寝藁を敷き、二つ重ねた毛布で体を包んだマライアは、厚めの本を枕にして、やっと緊張を
解いた。
 短い交渉の結果、研究室の床はルイズがきちんとした寝床を用意するまで使用することが許
された。しばらくは、ここで眠ることになるだろう。
 コルベールに語った話の内容は真実が五割、ウソも五割のちょっとした聞き取り方の違いで
誤解してしまうような、そんな話だ。
 マライア自身の身の上をでっち上げ、ルイズとのやり取りを誇張を含めて苛めを受けている
という内容にした。明日には、コルベールにこっぴどく叱られるルイズの姿を見ることが出来
るだろう。
 それよりも、一番助かったのは、この世界の知識が多く得られたことだ。
 あまり世界の地理や文化に詳しいわけではないマライアは、ここをヨーロッパ地方の辺境か
なにかと考えていた。貴族なんて言葉を当たり前のように使っているのは、現代の一般社会で
は珍しいからだ。
 文化や技術力に関してもそれなりの情報を得ることが出来た。要はイソップ物語やグリム童
話などが書かれた時代だ。暇つぶしに取り上げて読んでいたボインゴのマンガも、似たような
世界観が描かれていたはずだ。
 悪いニュースがあるとすれば、召喚魔法はあっても送還魔法は存在していないという事実だ
ろうか。
「まさか、帰る手立てがないとはねえ……」
 コルベールは文献を調べてみるとは言っていたが、あまり期待はできそうに無い。使い魔の
契約は、ルイズの学院における進退に大きく関係しているらしい。たとえ送還魔法があったと
しても、内心では逃がすわけにはいかないと思っているはずだ。
 左手に刻まれたルーンという文字に対してわざわざスケッチを取ったのは、使い魔としてマ
ライアを拘束する気があるということを暗に示していた。
 なんだかんだで根が善人であるために、罪悪感からこうして自身の研究室を寝床として利用
することを許可したとも考えられる。
 なんにせよ、コルベールの中にある優先順位は、ルイズの学院生活と教員としての心が上位
で、平民に分類されるマライアの人生は下位。
 貴族の都合は、平民のあらゆる都合に優先する。そんなルールが、この世界にはあるのだろ
う。
 以上のことから得た、最終的な結論はたった一つ。
 さっさと、こんな場所から逃げ出してやる。
 ただ、それだけだった。
212名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 21:50:47 ID:XDh4Gl1/
珍しい展開支援
213名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 21:52:16 ID:I5aY0taq
マライアってコンセントの人だっけ?支援
214Tedious Bastet 代理:2008/09/03(水) 21:52:23 ID:TwNKOxZB
626 名前:銃は杖よりも強いと言い張る人[sage] 投稿日:2008/09/03(水) 21:40:31 ID:0onyjGxA
以上です。
続きがあるみたいな終わり方をしていますが、続きは書いてません。
銃杖が終わったら書くかもしれないけど……、いつになるやら。

どなたか、代理投下していただけると助かります。

――――――――――――――――――――――――――――――――
 
代理投下、終了
215名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 21:56:10 ID:XDh4Gl1/
銃杖の人&代理の人GJ!
ルイズの使い魔は待遇の面だとハズレなんだなw
しかもバステトは直接攻撃の出来ないトラップタイプのスタンドだから折檻も出来ないな
相性が悪すぎるw
216名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 22:10:09 ID:MvlZE4Pi
ルイズはルイズでまたしても褐色でナイスバディな女を身近に置くことになって涙目ですねわかります
銃杖の人の圧倒的な文章力にS.H.I.T.G.J
217名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 22:13:06 ID:zS+iHelW
ルイズとキュルケが罠にかかって百合疑惑がつくオチかと思ってた俺
218名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 00:13:52 ID:IATocJlB
面白いけど銃杖の続き読みたいから続き希望はしないでおく
219名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 01:27:02 ID:LsAUriO4
どちらの更新も、ともに楽しみにしております!とだけ言っておこう!
220名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 02:20:39 ID:d9B6ghPC
弓と矢って、使い魔になれるかなぁ……と思ったので質問してみた
あんま関係ないけど弓と矢って何組か存在するんだね
221名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 02:38:43 ID:YmG6nfK5
一回こっきりの使用でブラックサバス呼べばいいじゃん
222名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 02:45:31 ID:d9B6ghPC
ああ、その手があったか
んでまた質問だけど弓と矢を持った青年(まぁ例えとしてサイト)とかと同時に召喚するのはありなのかな?
でもそうなるとこのスレとは若干離れた感じになるなぁ
223名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 03:06:00 ID:tNIGLP5+
矢とオリジナルスタンドのみとなるスレ違いな感じもするなぁ
せめて…うーん、なんだろうw
224名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 03:11:13 ID:DxgTcsB+
召喚したら矢が飛んできてルイズに刺さり
あわてて治療したけど、矢は怒ったルイズが焼いちゃった
とか……?
225名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 03:19:17 ID:d9B6ghPC
ん、まぁその言葉が聴けてよかった
とりあえずありがとう

創作意欲湧いてきた。文章が出来上がったら投稿しとく
226名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 03:50:52 ID:YmG6nfK5
>>222
形兆・音石・写真の親父好きなの選ぶんだ
227名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 03:54:26 ID:MQzbdyCE
そしてチリペッパーでサイトを越えるめくるめくHENTAIストーリー
228名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 04:15:31 ID:QNScBdGk
>>223
なにもオリジナルである必要はないんじゃね
ハーミットパープルとDIO(ジョナサン)の茨みたいに似たようなスタンドが発現することあるみたいだし
ハルケギニアって地球の平行世界っぽいし既存のスタンドに目覚めても不思議ではない、筈
229名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 06:08:20 ID:SS4TmEVS
避難所だったらオリスタだせるよ
230名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 06:55:52 ID:tTAjd6cW
この流れはサイトが発現してもおかしくないスタンドを考えてみようと言う流れだな?
ダメージを受ければ受けるほど強くなるエボニーデビルかエアロスミス(ゼロ戦仕様)なんかサイトっぽくね?
231名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 08:27:12 ID:LsAUriO4
サイトの性格… 基本ノーテンキだが不屈の精神をもつ。
これで考えると、
ハーミットパープル、シルバーチャリオッツ、
クレイジー・ダイヤモンド、ハーヴェスト、
セックスピストルズ、エアロスミス、ソフトマシーン、クラフト・ワーク、かな?

ハルヒスレで、一度同じコトを考えたことがあるんだが、上・下のようなテーマを根本に置くと考えやすい。
日常(仕事)、復讐(ポルポルくん除く)、挫折、絶望、狂信者、これらは似合わないと思う。


後、ギーシュは ザ・ハンドかタスクで。
(基本は劣等感、女好きは自己救済、+グラモンであるためのポーズとしての要素が強い気がする)
232名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 15:10:20 ID:fLlGSidm
>>226
まあ待て。
矢だけなら青年時代のボスという選択肢もあるぞ
233名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 15:21:26 ID:SS4TmEVS
いっそのこと矢が刺さったまま連れてくるとか
234名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 15:25:29 ID:uzivOAml
ライター召喚
235名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 17:17:19 ID:UzDy6c37
>>231
ガンダールヴのルーンが絡んでくると銀戦車が一番ピッタリくるけど
ギーシュにもスタンド覚えさせてコンビ組ませるんならクレイジー・ダイヤモンドもありと思う俺
(ギーシュはザ・ハンドかハイウェイ・スターで)
236名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 18:48:23 ID:PjcMddQg
ナイター召喚とな!?
237名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 19:53:48 ID:6jhkVarC
タバサ→ストーンフリー
キュルケ→キッス
だな
238名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 19:56:45 ID:UzDy6c37
んじゃルイズは……ラブ・デラックス?
シエスタの方が合いそうだが両方ともヤンデレ要素ありだしw
239名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 20:28:58 ID:wZ9N7jNk
コルベールがラブ・デラックス
240名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 21:14:02 ID:QNScBdGk
>>235
自分を殺そうとした相手を「なにも死ぬこたあねー」ってあっさり助けるくらい寛大な心がなければクレイジーDは発現しないだろ
確かにサイトもお人好しだけど、助けた奴が再び悪事をはたらいたときに後悔に屈せずケジメを付けられる覚悟があるかったら微妙だし
仗助の優しさってのはエロゲ主人公にありがちな金太郎飴みたいにどっかで見たような大量生産の嘘っぽさでなく
そこら辺の責任を取る"覚悟"があるってのも含めての強さだと思うんだわ
241名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 22:20:29 ID:pwFcuuFi
スタンド化するとこんな感じか。

能力名:ガンダールヴ(GANDALV、「魔法を使う妖精」の意)
本体:平賀才人(ヒラガ・サイト)

タイプ:本体サポート型
外見:本体の左手に刻印されたルーン文字。肉体・精神と融合し一体化している。

能力:あらゆる「武器」や「兵器」に触っただけで、使用法を瞬時に理解し、自在に扱えるようになる。
 その間は本体の身体能力も飛躍的に向上するが、「武器や兵器として作られたもの」でなければ能力は発動しない。
 また主人を危険から護る時、および本体の感情が高ぶっている時、最大の力を発揮する。

 ガンダールヴは四つの「虚無の使い魔」のひとつであり、「神の左手」「神の盾」とも呼ばれる。
 その本来の役割は敵を倒すことではなく、「虚無」という強大な力を発動させる為に長い詠唱を行う間、
 無防備になってしまう主を守ることだからである。

ダメージ伝達:なし
射程距離:E(使用する武器に本体が接触している必要がある)
242名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 22:31:49 ID:SS4TmEVS
SBRにありそうな感じ
243名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 22:47:14 ID:wZ9N7jNk
本体が平賀才人と言うのがちょっと引っかかる。
スタンドディスクみたいに他人の能力を使っている感じがする。
244名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 23:07:48 ID:VWY893Y4
マジェントカワイソス(´・ω・`)
245名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 00:38:00 ID:HA4cJpxv
>>241
無防備になってしまう主を守る事って所を読んで、
DアンGを守ってるサイトを想像しちまった。
246隠者の中の人 ◆4Yhl5ydrxE :2008/09/05(金) 03:40:23 ID:vJStMvJ5
よーしこんな時間なのに投下準備するぜー4時辺りから開始するぜー
247隠者の中の人 ◆4Yhl5ydrxE :2008/09/05(金) 03:59:43 ID:vJStMvJ5
「君はコルベールセンセだね! こんなトコで奇遇ですなあ!」
 馬に乗っていたコルベールが頭の上から名を呼ばれたのは、その日の昼前のことだった。
 ラ・ロシェールを抜け、タルブ村へと続く街道を進んでいたコルベールの前に風竜が降り立

ち、その背から見慣れた生徒達が降りてきた。
「そういう君はミスタ・ジョースター! それに……ミス・ヴァリエールにミス・ツェルプス

トーにミスタ・グラモン! どうしたんだね、こんなところで」
 研究旅行という体で一週間ほど前からいなくなっていたことは知っていたが、パッと見でも

明らかに研究旅行などと言う大層な旅をしているのではないのはすぐ判った。
 メイド連れの上、学院の生徒ではないらしき青年も一人混ざっている。
「そろそろ学院に帰ろうってコトになったんじゃが、近くを通りかかったんでタルブのワイン

を買い付けようって話になってな。コルベールセンセもワインが目当てで?」
 自分から研究旅行なんてうそっぱちですよと豪快にバラすジョセフの言に、ちょっとした苦

笑を浮かべながらコルベールは首を横に振った。
「いや、私はちょっと興味深い話を見つけたのでね。『竜の羽衣』というマジックアイテムが

タルブという村にあるらしいんだが、それがどんなものかこの目で確かめに来たんだ」
 竜の羽衣、という単語を聞いたシエスタが、驚いて声を上げた。
「『竜の羽衣』ですか!?」
「あらシエスタ、あなた何か知ってるの?」
 好奇心旺盛なキュルケが、興味津々でシエスタに振り向いた。
「……ええ、『竜の羽衣』は確かに私の村にありますけれど……マジックアイテムじゃないと

いう話なんです。確かに空を飛んでタルブに来たのを村の人達が見てたらしいんですけれど…

…それ以来、一度も空を飛んだことがないんです」
 視線を彷徨わせながら選び選び言葉を続けるたどたどしさに、沸点がイマイチ低いルイズが

眉間に皺を寄せ始めた。
「何よ、随分詳しいじゃない。で、その『竜の羽衣』って一体なんなのよ?」
「ええと、その……私達にもよく判らないんです。私のおじいちゃんがこれに乗っていたんで

すけれど……こうやって話すより、実際に見て頂いた方が……」
248ゼロと奇妙な隠者:2008/09/05(金) 04:01:02 ID:vJStMvJ5
 突然の告白に、その場にいた全員の視線が一瞬完全に沈黙する。その沈黙も数秒後、一斉に破られると同時に貴族達の視線がシエスタへ向けられた。
「ちょっと! それをどうしてもっと早く言わなかったの! 今までの苦労は一体何!」
「す、すいませんミス・ヴァリエール!」
「そうよ、そういう代物なら私のツテを使えばどうとでも好事家に高値で売り捌けるのに!」
「君は酷い女だな、ミス・ツェルプストー……」
「まあまあ、これからの話は実際に『竜の羽衣』を見てからでも遅くはないだろう?」
 ルイズがブチ切れ、シエスタが謝り、キュルケが早速売り飛ばす算段を始め、ギーシュがあきれ、ウェールズが宥め、タバサは読書を続ける。
「若いっていいよなァー」
「たまには抑えてもらえると有難いんだが」
 盛り上がりを見せる若者達の輪を、ジジイとハゲは温かい目で眺めていた。
 さてタルブという村は、ハルケギニアに数多く点在するのどかな農村だ。名物はワイン、それもトリステインだけではなく近隣の国でも結構高値がつく上質なワインである。
 その為、行商人だけではなく時折貴族が直々にワインを買い付けに来ることも珍しい事ではなかった。
 だが、そんなタルブ村でも同じ日に六人の貴族の来訪を受けるのは非常な珍事だった。
 しかも彼らがワインに目もくれず、村の近くの草原に建てられた寺院に安置されている『竜の羽衣』を見に行くというのは、かなり有り得ない出来事だった。
「――こいつは……」
 寺院を目の当たりにしたジョセフは、身動きもせずにじっと寺院を見つめていた。
「どうしたのよジョセフ」
 使い魔が普段見せない不審な様子を目敏く見つけたルイズが、不審げな視線でジョセフを見上げる。
「まあ……見たことのない建物ね。ゲルマニアにもない感じだわ」
 キュルケもジョセフの横に立って寺院を一瞥したが、十七年の生涯の中でも目にしたことのない、不可思議な雰囲気の建物だった。
249ゼロと奇妙な隠者:2008/09/05(金) 04:02:20 ID:vJStMvJ5
 丸木で組み上げられた朱色の門、板と漆喰の壁を木の柱に組み合わせ、屋根は黒い陶器の様な板を何十枚も並べていた。入り口に掛けられた縄から白い紙で作られた飾りが垂れ下がり、中は木の板を敷き詰めた床だった。
「こいつぁ……神社じゃあないか。どうしてこんなところに……」
「ジンジャ?」
 思わずジョセフが漏らした単語は、この場にいる誰も聞いた事のない言葉だった。ルイズが訝しげに問いかけるのにもジョセフが振り向かないので、とりあえずチョップを入れた。
「おぅっ、何すんじゃよルイズ!」
「ご主人様を無視するなんていい度胸ね! どうしたのよ一体、こんな妙ちくりんな建物がどうかしたの?」
「ああ……」
 不機嫌さを隠さない主人の耳元に自分の唇を持っていくと、そっと耳打ちした。
「……わしの世界にある国の建物に、凄く似てるんじゃよ」
 その言葉に目を見開くと、互いの帽子で自分達の顔を隠すように頭を寄せ、声を潜めた。
「……あんたの世界の?」
「ああ……似てるなんてモンじゃない。そのまんまだ」
 内緒話を続ける二人を尻目に、キュルケ達は寺院の中へ入っていった。
「じゃあもしかして、『竜の羽衣』って……」
「わしの世界から来た何か、という可能性は非常に強い。それも多分……」
「おーい、二人ともまだ来ないのかい?」
 まだ建物に入ろうともしない二人を、ギーシュが呼んだ。
「……とりあえず、見てみるわ。話はそこからよ」
「そうだな」
 どちらからともなく頷き合うと、寺院へと足を踏み入れた。
 先に入った五人のメイジ達の背の向こうに見えた『竜の羽衣』に、訝しげな顔を隠さないルイズの横で、ジョセフは驚きに目を見開いた。
 気のない様子で眺めているキュルケとギーシュ、身を乗り出しがちに見ているのはタバサ、ウェールズ。そしてガブリ寄りで『竜の羽衣』に食いついているのはコルベールだった。道案内をしてきたシエスタは、貴族達から一歩引いたところでそっと控えている。
250ゼロと奇妙な隠者:2008/09/05(金) 04:04:39 ID:vJStMvJ5
 キュルケとギーシュは一目見ただけで『竜の羽衣』をインチキな代物と判断していた。
「……興味深い」
「ああ……この目で見るまでは信じていなかったが。これは空を飛べる代物と考えていいようだ。だがその為に成立させなければならない条件がかなり大掛かりになるようだが……?」
 風のトライアングルメイジであるタバサとウェールズは、『竜の羽衣』が空を飛ぶ為にどういう条件が組み合わせられればよいか、という思考を巡らせていた。
 その結果、二人は『これは空を飛べる』という答えには辿り着いた。だがその為に必要とする膨大な風をどう用意するか、という点に辿り着くことは出来ない。
 二人が想定するだけの風を発生させるには風のスクウェアメイジが最低二人は必要だが、それなら自分の力で飛べばいいだけだ、という結論に達していた。
 コルベールは持ち前の知的好奇心を著しく刺激され、思わず早足になって『竜の羽衣』の周囲を動き回っていた。これを形作るフォルムはハルケギニアの常識からは完全にかけ離れた代物だというのに、そのどれもが研究者としての本能を甚くときめかせた。
 風を大きく受けられる頑丈な翼、前方に取り付けられた巨大な風車、奇妙な材質で作られた精巧な円の車輪。『竜の羽衣』を形成するパーツの一つ一つが高度な技術で作られていることに、息を呑む思いで見つめていた。
 そんなメイジ達を視界に入れることすら忘れたジョセフは、思わず声を張り上げた。 
「ゼロ戦か!?」
 濃緑の塗装を施されたその機体は、まるでこの前建造されたばかりのような姿を保っていた。『固定化』の魔法の効果が申し分なく働いていたためである。
 思わず駆け出したジョセフはメイジ達を押し退ける勢いで『竜の羽衣』……ゼロ戦に触れた。ゼロ戦を兵器と認識したガンダールヴのルーンが手袋の中で光り、目前にある機体の情報が、ジョセフの頭脳へ一気に押し寄せてきた。
「……は、ははははは……」
 見えた答えに、ジョセフは込み上げてくる笑いを抑えようとはしない。
 ジョセフ以外の面々は、突然の奇行に戸惑うしか出来なかった。
「ど……どうしたんだねジョジョ。こんな、カヌーに翼をつけただけのインチキな玩具がどうしたというんだ?」
251ゼロと奇妙な隠者:2008/09/05(金) 04:07:10 ID:vJStMvJ5
 ゼロ戦とジョセフに忙しなく視線を往復させながら、ギーシュが恐る恐るジョセフに問いかける。
「そうよダーリン、こんなものじゃ空を飛べないわ。翼だって羽ばたくようには出来ていないし……こんな小型のドラゴンほどもあるモノが空に浮かぶなんて有り得ないじゃない」
 キュルケも戸惑いつつギーシュの言葉を続ける。彼女もまた、これが空を飛ぶだなんて頭から信じていなかった。
「ちょっとジョセフ、これがどうしたのよ!? 笑ってないで説明しなさいよ!」
 ルイズもまたそれは同じようで、笑い続けるばかりのジョセフのシャツの裾を掴んでぐいぐいと揺らして問い詰める。
「はははははっ……まさかとは思ったが、こんな所でこんな代物に出くわすとはなッ……。長生きはしてみるモンじゃあないかッ……」
 若い頃の夢はパイロットだったジョセフにとって、第二次世界大戦の名機の一つであるゼロ戦を知らないという事は有り得ない。
 しかもそれが博物館に展示されているレプリカではなく、現役の姿そのままの完動品として目の前に現れた。飛行機マニア垂涎の代物を目前にし、ジョセフが歓喜してしまうのはむしろ自然なことであった。
 普段の飄々とした彼とは大きくかけ離れた振る舞いに戸惑うメイジ達にも構わず、ジョセフは喜びを隠そうともせず大きく腕を広げて一同に振り返った。
「こいつは飛行機だ! しかもこいつ、動く! 動くぞッ! コイツに燃料さえ入れてやればナンボでも飛ぶんじゃぞッ!」
 突然そんな事を言われても、ジョセフ以外にはその言葉の真偽を判断する術がない。だがコルベールはいち早く、メイジとしての理性ではなく、研究者としての感情に判断を委ねた。
「これが飛ぶのか! 本当に飛ぶんだね、ミスタ・ジョースター!」
「ああ! コイツの中にあるエンジンがプロペラを回す! プロペラが回ったらすげェ風が吹くから、その風を受けて飛んでくれるッ!」
「なんと! こんな巨大なモノを飛ばせるだけのエンジンだというのかね!? では燃料を早く用意しなければなるまい、一体どんな燃料が必要なんだね、万難辛苦排してでもこの炎蛇のコルベールが用意させてもらおう!」
252ゼロと奇妙な隠者:2008/09/05(金) 04:08:59 ID:vJStMvJ5
「その燃料なんじゃが、もしかしたらセンセでも知らんようなモノかもしれん。ちょっと待ってくれよ……」
 コックを開けたタンクの底には、ガソリンがほんの少し残っていた。固定化の魔法はタンクに少しだけ残っていたガソリンにも影響を及ぼしており、四十年以上の時間を経ても化学変化していなかったのである。
 コルベールはタンクの底を指でなぞり、指先に付いたガソリンを嗅いだ。
「ふむ、嗅いだ事のない臭いだな。熱を加えなくてもこれほど臭いを感じるとは、随分と気化し易い性質のようだ。これを爆発燃焼させて動くとすれば……私の作ったエンジンなど比べ物にならない大きな力が出るか。なるほど、それなら『竜の羽衣』が飛んでも不思議ではない」
「コイツは石油を精製して作るんだが、ハルケギニアって石油ってあるんか?」
「石油?」
「ええとだな、地下から湧いてきて燃える黒い水、って代物に覚えは?」
 若者をほったらかしてジジイとハゲだけが盛り上がる最中聞こえた言葉に、タバサがぼそりと呟いた。
「それなら聞いた事がある。ゲルマニアの北部で『燃える水』をランプの灯りとして使っていると聞いた」
 両手を固く握り締めて、両腕を肘ごと後ろへ勢い良く振ってガッツポーズをするジョセフ。
「よしッ! ソイツを精製したらガソリンが出来る!」
「本当かね! ならばそのガソリンを用意すればこれが飛んでいる所を見れるというわけか……! いいだろう、それでどのくらいのガソリンが必要なのかね!?」
「コイツのタンクの容量から言うと……ええと、ワイン樽で五本はいるな」
「なんと! そんなに必要なのか! だが取り掛かってみる価値はある、実に面白い!」
 そこからのジョセフとコルベールの行動は迅速だった。
 まず『竜の羽衣』を譲り受ける為、シエスタの生家に向かう。
 今は飛ばないとは言え、タルブ村の観光資源であり、飛んでいる所を目の当たりにした村の老人やらが手を合わせたりしているということだった。
 が、シエスタがジョセフを「学院で世話になっていてよくしてくれている人」と紹介したところ、現在の持ち主であるシエスタの父親は二つ返事で了承したのだった。
253名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 04:10:11 ID:fPMnTQoM
こんな時間に支援
254ゼロと奇妙な隠者:2008/09/05(金) 04:10:39 ID:vJStMvJ5
 続けて2トン弱ある機体を運搬する為に、竜騎士隊とドラゴンをギーシュの父のコネを使って用意した。運搬料として発生したかなりの金額は、コルベールが全額受け持ってくれた。
 さて蚊帳の外にほったらかされた若者達はジジイとハゲが駆けずり回っている間、二人をほっといてワインの買い付けに向かっていた。
 ひとまず竜の羽衣を譲り受ける算段がついたジョセフは、シエスタの案内で祖父の墓に参ることにした。自分と同じ地球からやってきた先輩に手を合わせよう、という殊勝な気持ちになるのは、ジョセフと言えどもおかしいことではない。
 祖父の墓はジョセフの予想通り、日本由来の縦長の墓石であり、そこに刻まれていた墓碑銘は読めなかったものの、漢字とカタカナ混じりの字は日本語であることは明らかだった。
「おじいちゃんが、死ぬ前に自分で作った墓石なんです。異国の文字で書いてあるので、誰も銘が読めなくて……何と書いてあるんでしょうね」
「ふーむ。日本語は話せるが読めんのじゃよなぁ……。ニ、とルだけは読めるな……」
 マンガ収集が趣味のジョセフだが、良質なマンガが多く出ている日本のマンガは英訳されるのを待っている。最新のマンガをいち早く読めるメリットと、「悪魔の言語」と称されるほど難解な言語を覚えるデメリットを比べたら、デメリットの方が圧倒的に大きかったのだ。
「ニホン語、ですか?」
「ああ、わしの娘が嫁いだ国で使われてる言葉だ。お前のお爺さんはそっちから飛んできて、こっちに来たと言うワケだな。その黒い髪と目は、お爺さん似なんじゃろ?」
「あ、はい。ご覧になってもらった通り、家族みんな目も髪も黒くて。遠くから見たらすぐに家族の誰かだって判るんですよ」
 うふふ、とたおやかに微笑むシエスタが、遺品を包んだ布を解く。そこから現れたのは古ぼけたゴーグルだった。これもまた固定化の魔法を受けていて、少し使い古してはいるが十分に実用に耐えうる状態を保っていた。
「おじいちゃんの形見はこれだけなんです。十年前に亡くなったんですけど、日記も何も残さなかったみたいで……遺言とこのゴーグルだけ残したんです」
「遺言?」
「はい、あの墓石の銘を読める人が来たらその人に『竜の羽衣』を渡してくれって。銘は読めなくても、またあの『竜の羽衣』が飛べるかもしれないなら、お渡ししてもいいって父も言ってましたし」
255ゼロと奇妙な隠者:2008/09/05(金) 04:13:08 ID:vJStMvJ5
「ふーん……あと十年ほど頑張って欲しかったがなァ。そしたら、せめて世間話も出来たかもしれんが……けどワシ、イギリス系アメリカ人じゃしなー。鬼畜米英とか言われてケンカになっとったかもしらんな」
 またよく判らない単語が聞こえるのに、曖昧な笑みを浮かべるシエスタを見たジョセフは、(やっぱり日本人ってどこでもこういう感じになるんかなー)と内心感心していた。
「それで……お渡し出来る人には、こう告げてくれと言ったんです。なんとしてでも『竜の羽衣』を陛下にお返しして欲しい、って。どこの国の陛下なのか判らなかったんですけど……ジョセフさんの娘さんのいる国の陛下なんですね」
「ああ、今もその国の陛下は生きとるしな。じゃが早いトコ行かんと、ちょっと危ないかもしらんなァー」
 ジョースター一行がDIO討伐の為日本を離れたのは、1988年の末の事だった。時折見るTVニュースに天皇陛下の病状が出ていたが、果たして年も明けて数ヶ月経った今、まだ今の天皇は生きているのか、それとも皇太子が皇位を継いでいるのか。
「とりあえず、地球とハルケギニアの時間の流れ方はそんなにズレちゃおらんと考えていいようだな……シエスタ、このゴーグルも貰っていいか」
「あ、はい!」
 受け取ったゴーグルを試しに着けてみる。
 全体的に小柄な日本人サイズのゴーグルは、欧米人でも大柄な部類に入るジョセフの頭には少々小さかったものの、何とか問題なく装着することが出来た。
「似合うか?」
「はい、よく似合ってますよ」
「よし、それなら問題ナシッ」
 それからジョセフはシエスタに案内され、村の周辺を歩き回った。
 ブドウ畑やワイナリーを見て回った後、シエスタが「私の一番のお気に入りなんです」と、嬉しそうな足取りでジョセフを連れて行ったのは、村の側にある草原だった。
 なだらかで平坦で、とても広大な草原だった。確かに飛行機を着陸させるには申し分のない場所だ。青々とした草の上をそよ風が渡れば、心地よい葉ずれの音を響かせて草が波打つ様は壮観と言っていい。シエスタの一番のお気に入りというのも、頷ける光景だった。
256ゼロと奇妙な隠者:2008/09/05(金) 04:14:24 ID:vJStMvJ5
「のどかでいいトコじゃなー……」
「はい、私の自慢の故郷です。ブドウもワインもこの草原も……」
 それからしばし、二人は無言で草原を見つめていた。
(……スージーQにホリィに承太郎、ポルナレフ……みんな、元気だろうか)
 普段は望郷の念は億尾にも出さないジョセフだが、それでもこうして地球に残してきた家族のことを忘れることはない。
 今すぐ帰れなくとも、せめて自分は元気にやっていると一言伝えられればもう少し安心は出来るのだろうが、それすら難しいのだろう。
 シエスタの祖父は太平洋戦争の最中、何らかの原因でハルケギニアに来てしまい――それから三十年、この地で生きて、没した。
 では自分は、あと何年ハルケギニアで生きていられるのだろうか。今年で69歳の自分は、果たしてあと何年、まともに動くことが出来るのだろう。
 基本楽観主義なジョセフではあるが、現実を見ないこととはイコールではない。老いると言う事がどう言う事か、自分の身や周囲の人間を見ているから十分に理解している。出会った時はチビのスリだったスモーキーも、今では立派にジョージア市長やってるジジイだ。
「なあシエスタ。もし、わしが今よりもっとジイサンになって、使い魔がロクに出来んようになったら……この村に住むのも悪くないかもなあ」
 普段のジョセフには似合わない類の言葉を聞いてしまったシエスタは、思わず目を丸くしたのだが。
「三十年後に備えて、どっか良さそうなトコに家を用意しとくのもいいかもしれんな」
 ニヤリと笑って言った言葉に、シエスタはさっき丸くした目を、困ったように細めた。
「あと三十年現役でいるおつもりなら、もうしばらくは大丈夫ですよ」


 *

257ゼロと奇妙な隠者:2008/09/05(金) 04:15:35 ID:vJStMvJ5
 その日の夕方。
 一行はシエスタの実家に泊まることになった。
 上物のワインを樽単位で買っていく貴族達が泊まるというので、村長やワイナリーの主人までもが挨拶に来たりする騒ぎであった。
 シエスタを頭に八人の兄弟姉妹と両親が住む家はそれなりに広く、板敷きの床の上に布団を敷けばひとまずベッドに貴族全員を寝かせることは可能である。
 固さはどうあれベッドで休めるのは有難い。それぞれ宛がわれた部屋で腰を落ち着けていると、夕食の準備が整うにはまだ少し早い頃合、ルイズとジョセフがいる部屋のドアがノックされた。
 ルイズはベッドに寝転んだまま、横に寝転がっているジョセフの背を指でつついて、無言で(誰か来たわよ)と横着を決め込む。
「どちらさんかな?」
 ジョセフも主人に倣って横着して、ベッドから起き上がらずに首だけドアに向ける。
「すまないが、二人とも話したいことがあるんだ。少し来てもらいたいんだが」
 ドアの向こうからコルベールの声が聞こえてきた。
 『竜の羽衣』を前にしていた時のはしゃぎっぷりとは異なる静かな口調の言葉に、ジョセフとルイズは枕元に置いていた帽子を被りつつ、ベッドから起き上がる。
「判りました、ミスタ・コルベール」
 ベッドから降りたルイズとジョセフは扉を開け、コルベールに導かれるまま家を後にする。
 三人は特に口を開かないまま、村の道を歩いていく。普段と違うコルベールの様子からして、あまり人気のある場所でしたくない類の話があるということは察していた。
 やがてコルベールの足が止まったのは、昼間にジョセフがシエスタと来た草原に着いた頃だった。西の稜線に差し掛かった夕日に照らし出された草原は、濃い蜜柑色で彩られて昼間とは異なる雰囲気を醸し出す。
 この美しさに感嘆の声を上げたのはルイズだけで、ルイズを挟む形で立つコルベールとジョセフは草原を見つめたまま無言を貫いていた。
「……で、センセ。話ってのはなんですかな?」
258ゼロと奇妙な隠者:2008/09/05(金) 04:17:07 ID:vJStMvJ5
 夕日の色が僅かに変わった頃、ジョセフがコルベールを見やる。
 言葉を促されても、まだコルベールは躊躇うように視線を草原に向けていたが、やがて意を決すると二人に向き直った。
「――何故私が『竜の羽衣』の伝説に行き当たったか。まずそこから話させてもらいたいが……いいかね?」
「晩飯に間に合わせてくれれば文句はありませんわい」
「……そうか。では出来る限り、努力するとしよう」
 一つ息を吐くと、コルベールはゆっくりと話し始めた。
「私は、ミスタ・ジョースターの言う異世界に関係のありそうな書物を探した。その中にあったのが、『竜の羽衣』の伝説だ。その真偽を確かめようと、このタルブ村にやってきて今に至る……ここまではいいね?」
 訝しげな視線で自分を見ている二人が特に言葉を挟まないのを確認すると、コルベールは言葉を続ける。
「『竜の羽衣』はタルブ村に降り立ったのとは別にもう一つあった。そしてそのもう一つは空を飛んだまま、日蝕の作り出した輪の中に飛び去ったと記されていた」
「なんじゃと!? もしかして、そのもう一つの『竜の羽衣』は……」
「ああ。異世界から何らかの要因によってこちらに二つの『竜の羽衣』がやってきたが、片方は通ってきた道を戻って帰る事が出来たのだろう。だがもう一つ、こちらに降りてしまったのがタルブ村の『竜の羽衣』という事だな。
 私も直接この目で見て、ミスタ・ジョースターの話を聞くまでは信じ切れていなかったが、どうやらそう考えることに疑いはないと見ていい」
 まだ話の全容が理解できていなかったルイズだが、ここまで来ればコルベールが何を言いたいのかを察することは出来る。鳶色の両眼を大きく開けて、教師を見上げた。
「――もしかして、ミスタ・コルベール! 『竜の羽衣』があれば……ジョセフは、元の世界に帰る事が出来るんですか!?」
 驚きの声を上げるルイズの視線から逃げるように、コルベールは顔を背けた。
「……ああ。私の仮説が正しければ……きっと日蝕が異世界とこちらの世界を繋ぐ扉の役割を果たしているのだろう。『竜の羽衣』がもう一度空を飛べれば、あるいは……」
259ゼロと奇妙な隠者:2008/09/05(金) 05:33:58 ID:vJStMvJ5
 唐突にコルベールが言葉を途切れさせた。
 これから先、言わなければならない言葉を発するのは躊躇われた。
 だが言わなければならない。
 二人に言わず、何も知らない振りをしてやり過ごせばいいのかもしれない。そうするのが一番ベストだとは判っている。だが、それでも。
 見つけてしまった真実を告げなければ、この二人に与えられた選択肢を一人で握り潰すことになってしまう。
 知らず乾いていた喉を濡らすべく唾を飲み込むと、改めて二人を見つめた。
「……だが、幾つか重大な問題がある。ミス・ヴァリエール――使い魔の原則は知っているだろう?」
 不意に告げられた言葉の意味を理解してしまったルイズは、言うべき言葉を見失った。
 呆然と立つルイズに悲しげな目を向けながらも、教師は意を決して真実を続けた。
「一人のメイジが召喚できる使い魔は一体だけ。その契約が破棄されるのは、メイジか使い魔のどちらかが死に至った時のみ。これに一切の例外はない」
「ちょ、ちょっと待ってくれッ! それじゃあッ……」
 ジョセフも、コルベールが何を言わんとしているか理解できた。
 コルベールは何かを言おうとしたジョセフへ手を翳して制止すると、静かに言葉を紡ぐ。
「もしミスタ・ジョースターが元の世界に帰れば、ミス・ヴァリエールはミスタ・ジョースターが死ぬまで新たな使い魔を召喚することが出来ない。いや、もしかしたら召喚のゲートが開くかもしれない。
 しかしその場合でも、ゲートが開かれるのはミスタ・ジョースターの前だろう。
 そして、私が君達に言わなければならない事がもう一つ、ある」
 突如残酷な選択肢を突き付けられた二人にとどめを差すような心持ちで、コルベールは静かに言葉を発した。
「私が先程計算したところ……次の日蝕は五日後の正午。その次の日蝕は……十年後、なんだ」


 To Be Contined →
260隠者の中の人 ◆4Yhl5ydrxE :2008/09/05(金) 05:35:30 ID:vJStMvJ5
以上投下したッ!
さてここに至って、中の人はこの話で分岐点が発生することに気付いてしまった……
具体的に言うと当初考えていた結末とは別の結末が二つほど。
考えてしまった以上はせっかくだから全部やってしまいたい……ということで、これから分岐シナリオに進むことにしました。
次回投下分からは一つ目の結末に向けた分岐の話をやっていく所存。
その後で二つ目の結末をやった後、本筋に向かっていこうかなと!
分岐したそれぞれの話のタイトルも既に決まっている、と宣言しておこうッ!

次回、『ゼロと奇妙な隠者・帰還の挨拶』 To Be Contined →
261名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 05:55:42 ID:+vXYO4F6
乙としか言えないっ!
262名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 07:23:58 ID:tWEdvxEd
乙ゥ!
263名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 12:12:01 ID:37BJlu0w
隠者さん乙&GJなんだぜ
264名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 12:31:29 ID:ujHt4CLh
早朝の投下、乙!
265名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 18:37:52 ID:q9x66QJM
風の流法=タバサ
熱の流法=キュルケ
光の流法=ルイズ
とても偶然とは・・・。
266名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 18:40:15 ID:9uI4iA00
ジョセフも承太郎に続いて「帰ったジョセフ」と「残ったジョセフ」に分岐するのか
267名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 19:42:10 ID:nZdgqOVz
しかし飛行機か……ジョセフと飛行機……
268名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 19:49:01 ID:rHsmzvyS
肝心なときに墜落してぶっこわれる、にアクトンベイビーの魂を賭けよう。
269名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 20:54:37 ID:81hCNGdp
よそ見してたらヤシの木に激突してバギオレェ〜〜ッと奇妙な擬音を発しながら墜落ですね
270名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 22:40:02 ID:M7exeboH
隠者のかた乙ですが
ジョセフ故郷で待たせている人の回想に「うっかり手を出しちゃった日本の女子大生」
の事は意識に無いんだろうなあ、やっぱ
271名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 22:55:19 ID:wMtkM2fA
>>若い頃の夢はパイロットだった
自分に飛行機の難があるから
断念しちまったのかなジョセフ…。可愛そうに。
272名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 23:04:00 ID:x85Tdvl6
ジョセフって香港で漢字読めるって言ってなかったっけ
いや、実際は読めてなかったのかもしれんが
273名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 23:32:59 ID:manM9E/C
>>272
 4部で露伴のマンガが読めないって言ってたから、本当は読めなかったんだろう。
274名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 01:28:58 ID:6ekFWO6A
>>272
ポルポル初登場の飯屋でのアレか。
頼んだら予想とは全然違う物が出てきたから、そんなに読めないと思われ。
275名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 02:47:17 ID:ntvAk30h
つまりゼロ戦墜落後ルイズの子供として、生まれ変わって完結というわけですね
276名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 08:54:01 ID:6ARLsMVI
産まれて完結…
277名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 18:44:56 ID:xggBo5dw
マジェントのスタンドってよォー、スタンド使い以外の人間からは見えなくなったりする効果もあんのか?
新刊の馬車での戦いで、警備隊にはウェカピポだけ見えてたみたいな描写があったもんでよォー
278名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 19:25:20 ID:sT1zJKNU
ウェカピポもスタンド使いじゃないからそう言う効果はないんじゃない?
279名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 21:14:42 ID:xe8mpz9w
普通にマジェントも怪しい人物として見られてるんじゃあないのか?
280ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/06(土) 22:43:48 ID:Nv4uH1L3
他に作者さんがいなければ今すぐに投下します
覚悟はいいか? オレはできてる
281名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 22:45:07 ID:xggBo5dw
キャモオオオォォーーーン
282名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 22:46:28 ID:9GJyYqc1
C・EEENは既に支援している・・・
283ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/06(土) 22:50:03 ID:Nv4uH1L3
まず投下の前に、前回話に上がった「JJFの能力発動条件」について修正します。
避難所でもご指摘があったとおり、能力発動後の強さに比べてあれではあまりにも便利すぎます
ということで、修正
>>168を以下のように修正します

「『呪い』ガ弾丸ニ込メラレテイルッテコトダ」
「……ってことは、『呪い』は他の物にも込められるの?」
「コノ非常時デ結構イイ質問ヲシテクレルジャアナイカ。ソノ通リダ。
 元々『呪い』ハ奴ノ唾液ニ込メラレテイルンダ」
「だ、唾液? 唾液ってツバでしょ!?」
「ソレガドーシタ?」
「き、汚いわ……」
「ソウ思ッタラクレグレモヤツノ弾丸ハ食ラワナイコトダナ。
 タダノ弾丸デモ奴ガソレニ唾ヲ吐イテイレバ弾丸ニ『呪い』ガツク」
「……その弾丸、絶対受けるわけにはいかないわ。
 呪われる上にツバを吐きつけられるのと同じことになるなんて……」
「イイ心ガケダ。是非ソウシテクレ」
「それと……もう一ついい?」
「何ダ?」
「ツバを弾丸に吐きつけていたら、『呪い』は弾丸に込められるんでしょ?
 でももしそれをやってなかったら、別に呪いのことなんて気にしなくてもいいんじゃないの?」
「希望的観測ハ捨テルベキダ。
 ソレニヤツハ極メテ合理的ダ。ソレヲスルノガ最善ナラ、ヤツハ確実ニソレヲヤル」
「わ、分かったわ……」
「トモカク、弾丸ヲ受ケレバ『呪い』モ受ケル。
 加エテ面倒ナコトニ、弾丸ダカラ物体ヲ貫通デキル……ドア程度ナラ、簡単ニナ」
「……まさか!」
「察シガイイナ、ルイズ。
 オ前ガ一発デモ弾丸ヲ受ケレバ、オ前ノ半径20メイル以内ノ生徒ハ全滅。
 オ前以外ノ他ノ誰カガ弾丸ヲ受ケテモ、ソイツノ半径20メイル以内ハ全滅ダ。
 ツマリコノ状況……スデニ我々ハ追イ詰メラレテイル」

そう言ってホワイトスネイクが顎をしゃくった先には――

「そういう、ことだったのね」

ルイズは思わず息をのんだ。
ホワイトスネイクが示したのは、キュルケの部屋のドアだ。
キュルケの部屋のドアはルイズの部屋のドアの真向かい。
つまり、まさに侵入者――ラングラーから丸見えの位置だ。
幸いにもラングラーはまだ弾丸を一発も撃っていない。
だがラングラーが一発でも弾丸を発射して、それがキュルケに掠りでもすれば……。

「ど、どうすればいいの?」
「ソレガ分カッテイレバ私ハコンナトコロデ縮コマッテイタリハシナイ。
 下手ニ飛ビ出シテ弾丸ヲ撃タレデモスレバ、ソレデ終ワリダカラナ……」
「でも、このまま待ってたって!」
「ソーダナ……イクラヤツガ用心深クタッテ、ソロソロ動キヲ見セナケレバ奴ノ方カラ動クダロウ。
 ヤツハ自分ノ状況ヲ作リ出サナイ限リハ決シテ動コウトハシナイシ、
 特ニ予期セヌ事態ニ対シテハ尚更用心深クナルガ……ソレニモ限界ガアルカラナ」

ツギハギ全開だが、問題なく「やる」ッ!
では次から、12話が始まります
284ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/06(土) 22:52:33 ID:Nv4uH1L3
12話

「やあ、キュルケ。今日の君は輝くように美しいね。
 どうだい、一曲僕と踊ってもらえないだろうか?」
「待ちたまえよ、君。キュルケに最初に声をかけたのは僕なんだ。
 先に彼女と踊るのは僕だろう」
「おいおい、何を言ってるんだ。
 僕は昨日のうちにキュルケと約束してたんだからな。
 勝手なことを言い出さないでくれたまえよ」
「だったら僕は一昨日前には声をかけていたさ」

自分の目の前には何人もの男の子が集まっていた。
どの子もハンサムだとか男前だとかで、学院の女の子たちを夢中にさせていた。
ここにいる何人かが、誰か他の女の子と付き合っていたという話も聞いたことがある。
でも――

「あらあら、よしてくださいな。私のことで争うなんて」

彼ら全員は、あたしに夢中になっている。
今だってあたしの悲しげな仕草をさっきまでしていた口論も止めて見入っている。

「とはいえ、私の身体は一つしかありませんから、いっぺんにお誘いを受けることはできませんわ。
 ですから、私をここで真っ先にお誘いしてくださった方から順番に……そうしましょう?」

そう言って、最初に声をかけてきた男の子の手をそっと取る。
それだけで彼は顔を赤くして、夢でも見ているみたいな表情になった。
この場でお誘いした順番に、としたのは、誰がいつ自分をお誘いしたかなんて覚えちゃいないからだ。
285名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 22:53:33 ID:9GJyYqc1
支援だッ!
286ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/06(土) 22:55:00 ID:Nv4uH1L3
フリッグの舞踏会の会場。
そこでの主役は、褐色のナイスバディと燃えるような赤髪の女の子、キュルケだった。

キュルケの周りにはいつも大勢の男の子がいた。
彼らはキュルケの仕草一つ一つに魅了され、虜になっていた。
そうしてキュルケと付き合った男の子は何人だっている。
でも長く続いた子は一人もいない。
キュルケはすごく熱しやすく、そしてすごく冷めやすいからだ。

今宵の舞踏会でキュルケと踊る彼らも、きっと明日、明後日には綺麗さっぱり忘れ去られているだろう。
それでもキュルケの周りから男の子がいなくなることはない。
それだけ彼女は魅力的なのだ。

そしてキュルケのダンスの相手は三人目になった。
この時点でキュルケは一人目と二人目のことを完全に忘れている。
今の彼女はどうやって目の前の美男子を自分にメロメロにするかで頭がいっぱいなのだ。
どんな言葉を紡ごうか?
どんな仕草で誘惑しようか?
そんなことばかりを――

ドッグォォォオオオオン!!

「きゃあっ!」

――考えていたところで、キュルケはベッドから飛び起きた。
287ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/06(土) 22:57:25 ID:Nv4uH1L3
「な、なに!? 今の……爆発? ってことは、ルイズ!?」

暖炉から彼女の使い魔のフレイムものそのそと出てきた。
キュルケと同じくぐっすり眠っていたところを叩き起こされたようで、機嫌悪そうに低く唸っている。

「出ちゃダメよ、フレイム……そこでじっとしてて。
 一体誰かしら? ドアを吹っ飛ばされるほどあの子に恨まれる覚えはないんだけど……」

今にも飛び出していきそうなフレイムを制しつつ、キュルケは素早く壁の陰にまわる。
そして化粧棚からひったくってきた手鏡で、そっと部屋の外をうかがった。

「な……何よアイツ?」

ルイズの部屋の中にラングラーの姿を認めたキュルケは、思わずそう呟いた。

「っていうかなんでルイズの部屋に?
 夜這い、なんてことはあり得ないわよね……あの男、殺気全開だし。
 それに……何かしら? アイツの傍にもう一人、何かいるけど……まあいいわ。
 しかしアイツ、ダサいカッコしてるわねえ……どこで流行ってんのかしら?」

見れば見るほどおかしな男を、まじまじと観察するキュルケ。

「ルイズは……と。何よあの子、部屋の外にいるの?」

手鏡の角度を変え、廊下にいるルイズの姿も確認した。

「それで、すぐ横にはホワイトスネイクもいる、と。
 ……何で二人して、あんなとこに張り付いてるのかしら?
 ルイズはしょうがないにしても、ホワイトスネイクは相当に腕が立つのに……」
288名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 22:58:00 ID:9GJyYqc1
支援だッ!
289ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/06(土) 23:00:33 ID:Nv4uH1L3
ルイズの室内に陣取るラングラー。
そして廊下から室内をうかがうホワイトスネイクとルイズ。
この構図からキュルケは少し考えて、

「……アイツ、飛び道具でも持ってるのかしら?」

すぐに答えに通じる紐を掴んだ。

「ホワイトスネイクの様子からすれば、ギリギリまで粘る気満々ね。
 ってことは、あれはかなり強力な飛び道具……あるいは『絶対当たってはいけない飛び道具』かしら?
 アイツはみたとこ杖持ってないし……何か毒矢みたいなものでも持ってるのかもね」

そして、その紐をどんどん手繰り寄せていく。

「と、なると……ルイズがあたしの部屋のドアを吹っ飛ばしたのは……」

そして答えが目前に迫った――

「あたしに助けてほしい、ってことね!」

――迫ったとところで、紐を答えごと暖炉の中にブチ込んだ。
聡明なキュルケが辿り着いた結論は、残念ながらルイズの希望の真逆だった。
290名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 23:01:10 ID:xggBo5dw
支援未起隆
291ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/06(土) 23:04:45 ID:Nv4uH1L3
「そうとなれば、話は早いわ」

そう言うが早いが、キュルケは小声で呪文の詠唱を始める。
戦うと決めた以上、勝負は先手必勝、一撃必殺に限る。
キュルケはいつだってずっとそうしてきたのだ。

そして、呪文の完成と同時にキュルケは壁の陰から躍り出た。

「へ?」

それにルイズは唖然とし、

「そうか、あの爆発は援軍を呼ぶための……」

ラングラーは納得し、

(ヤハリ、出テキタナ)

ホワイトスネイクは一人ほくそ笑んだ。

キュルケが杖をラングラーに向け、ラングラーはJJFの照準をキュルケへと絞る。
先手を取ったのはラングラーだ。
最初にホワイトスネイクに放った数よりもさらに多い弾丸を、まとめてキュルケに撃ち放つ。

ドンドンドンドンドンドンドンッ!

それより一瞬遅れて、キュルケの杖の先から巨大な火球が放たれる。

ゴォッ!

刹那のうちに交錯する弾丸と火球。
打ち勝ったのは――

「あたしの『火』を甘く見ないことね」

キュルケの火球だ。
キュルケの火球は、ラングラーが放った弾丸を全て飲み込んでいた。

「あたしの『火』は、欲張りなのよ」

そして火球は、全く勢いを落とさずにラングラーに襲い掛かる。
まだ食い足りない、と言わんばかりに。
キュルケの「甘く見るな」はこのことだった。
彼女にとってこの程度の弾丸を溶かしつくすことなど、当たり前のことだったのだ。
学院随一の「火」の使い手、トライアングルメイジの「微熱」のキュルケは伊達ではない。
292ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/06(土) 23:08:57 ID:Nv4uH1L3
キュルケの火球がラングラーの目前に迫る。
もはやラングラーが骨のかけらも残さずに焼き尽くされるのは、眼に見えていた。
だがそのラングラーは焦り一つ見せずに、それに対処した。

「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」

火球がラングラーの体に触れる寸前で、ラングラーは自分のスタンドの名を呼んだ。
瞬間――

ドジュゥゥゥッ!

――火球は、溶けるように消滅してしまった。
ラングラーは黒コゲどころか、火傷一つ負わずに火球を防いで見せた。

「え、ええ!?」

驚きの声を上げるキュルケ。
だがそこに、ラングラーは容赦なく弾丸を撃ち込む。

ドンドンドンッ!

「しまっ……」

完全に虚を突かれた。
もはや炎で迎撃する余裕もない。
呪文を詠唱するうちにあの弾丸は自分の体を貫く。
やられた、とキュルケは思った。

万力のような力で肩を引っ掴まれたのはそれとほぼ同時だった。

バゴバゴッ!

それに続いて弾丸が何かに弾かれる音が響く。
そしてキュルケは声を上げる間もなく、廊下の方へと引っ張り込まれた。

「全ク、トンダ無謀ヲシテクレルナ」

最後に、ホワイトスネイクの遠慮の無い愚痴を浴びた。

(ダガ思惑通リニ戦力ヲ得ラレタノダカラ、良シトシヨウ)

そうホワイトスネイクは胸中で付け加えた。
293名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 23:10:00 ID:IIeEM9rM
支援したッ!
294ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/06(土) 23:12:47 ID:Nv4uH1L3
ホワイトスネイクがラングラーのJJFとの戦いを有利に運ぶ上で、絶対に必要だったのが遠距離攻撃能力だった。
でなければラングラーに一方的に撃ちまくられるばかりになってしまう。
そのため、弾幕を張れる遠距離攻撃能力が必要だったのだ。
それによって決定打を与えることが目的ではない。
例え牽制程度であったとしても、それができれば大きな効果がある。
敵に警戒心を植え付けられるからだ。

(トハ言エ、私ノ口カラソレヲ頼ミ込ムツモリハナカッタ。
 私ニモプライドガアル。私ノ頭ハ小娘ニ下ゲラレルホド安クハ無イ)

そのためキュルケをこちらに引き入れる上で、ホワイトスネイクはルイズを誘導することを考えた。
あたかもルイズが行動した結果、キュルケがこちらを助けに入ったかのようにするためだ。

(結果的ニハコレガ一番良カッタノダ。
 ルイズヲ成長サセル、イイキッカケニモナルカラナ……)

そしてルイズは「爆発」でキュルケに危機を知らせる、という手段をとった。
その後キュルケが逃げることも一応考えられたが、ホワイトスネイクはそれはほぼ無い、と踏んでいた。
何故なら、ずっと観察していたからだ。
姿こそ現わさなかったが、決闘騒ぎからの一週間の間、
ルイズが見るものを全てホワイトスネイクは同じように見ていたのだ。
そしてその観察の結果ホワイトスネイクは、
キュルケがこういう状況でも逃げださない人間であると見立てていた。
元々「水族館」でプッチ神父のスタンドとして山ほどの囚人を見てきたホワイトスネイクだ。
各々の性格とそれに見合ったスタンドの選別もプッチ神父と行ってきた。
そういった人間観察とその精度は、彼らが選んできたスタンドを拒否したものが一人もいないことが証明する。
それぐらいにホワイトスネイクには、良くも悪くも「人を見る目」があった。
そして、キュルケはホワイトスネイクの思惑通りこちらを助けに入った。

自分は何もしていないように見せかけながら、その裏で全ての操り糸を握っている。
それは他人を信じていないということであり、また他人の心への侮辱でもある。
邪悪な行いとは、他人の心を踏みにじるところから始まるのだ。
295名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 23:20:04 ID:hH35PhWn
白いのに腹黒い蛇さん支援
296携帯スネイク:2008/09/06(土) 23:22:58 ID:YBtsu1+b
回線が重過ぎて投下できないので、回復するまで携帯から投下します
297携帯スネイク:2008/09/06(土) 23:40:24 ID:YBtsu1+b
「ホワイトスネイク、キュルケは!?」
「無事ダ。弾丸ハ叩キ落トシテヤッタサ。ツイデニ手土産モ一ツクレテヤッタ」

ホワイトスネイクはこともなげに言う。

「そ、そう……うまくいったなら、それでいいわ。でも」

そう言ってルイズはキュルケに向き直ると、

「ホワイトスネイクの言う通りよ! さっきの爆発はあんたを逃がそうと思ってやってあげたのに!」
「なんだ、そういうつもりの爆発だったの。だったらなおさらお断りだわ」
「何でよ!」
「ツェルプストーの女がヴァリエールの女に尻を叩かれて逃げるなんて、真っ平御免よ
 ……逆だったら大歓迎なんだけどね」
「な、ななななんですってえええ!?」
「それにあたし……」

そう言ってキュルケはホワイトスネイクの手を取ると、

「窮地に陥ったあなたを、放っておくことができなくて……」

うっとりした目つきでホワイトスネイクを見上げた。

「は、はあ!?」

ルイズは思わず頓狂な声を上げた。
キュルケはそれに構わず、さらに続ける。

「さっきのあなた……追い込まれてたのに全然あきらめてなかった。
 それどころか、絶対に逆転してやるって目をしてたわ……。
 あたしはそれにすごく魅かれたの。
 だから助けに入ったのよ?
 ……だけどあたし、あいつを倒せなくて……危うく死ぬところだったわ。
 そのあたしを、あなたは身を呈して守ってくれた……その時あたしは確信したわ。
 あなたはあたしの騎士(ナイト)なんだ、ってこと……」

もちろん上から三行目まではデッチ上げである。
事実、さっき追い込まれていたホワイトスネイクを見ても、キュルケはそんなことは思わなかった。
だがホワイトスネイクに身を呈して助けてもらったのをきっかけに、
そういったものが全部美化されたのだ。
ともかく、キュルケはホワイトスネイクにゾッコンになっていた。
298名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 23:43:56 ID:V8ogvXqC
支援
299携帯スネイク:2008/09/06(土) 23:58:16 ID:YBtsu1+b
「ソーカ。ソイツハヨカッタナ」

にも関わらずホワイトスネウクはキュルケの手を無下に振りほどき、

「ダガソイツハ後ニシロ」

そう言って、キュルケの額に軽くこつん、と拳を当てた。

「んもう、つれないのね」

キュルケは潤んだ瞳でホワイトスネイクを見つめるが、ホワイトスネイクの方は既にキュルケを見ていなかった。
キュルケに憧れる多くの美男子たちが見たら、激昂しそうな光景である。

「オイ、ルイズ。何シテル?」

ホワイトスネイクが、さっきからずっと口をぱくぱくさせていたルイズに声をかける。
だが返事はない。
必死に考えた末のアイディアで救出しようとした仇敵が、
逃げてくれるどころか戦いに参戦し始めた上勝手にピンチに陥ったところを助けたら、
今度はいきなり自分の使い魔を口説きはじめたのだ。
その心境たるや、察するに余りある。

「オイ、ルイズ?」

だがそんなことお構いなしのホワイトスネイクは、ぺちぺちとルイズの頬を叩いた。

「……あ、あぁ……え?」
「何ヲ呆ケテイルンダ。正気ヲ失ッテイラレルヨーナ状況ジャアナインダカラナ……ソコノトコロヲ自覚シロ」
「あ、ええ……そ、そうね……って、そうじゃないでしょ!」
「何ガ?」
「あんたじゃないわよ! キュルケ、あんたのことよ!」

キュルケが不思議そうな顔で聞き返す。

「そうよ! せっかく助けてあげたのに、ここ、こんな状況で、人の使い魔を、ゆ、誘惑するなんて!」
「しょうがないじゃない、好きになっちゃったんだもの」
「だからって!」
「二人トモ黙ッテロ」
「「へ?」」
「ラングラーガ動クラシイ」

いつの間にか壁の陰に移動して、室内を窺っているホワイトスネイクが静かに言った。
300携帯スネイク:2008/09/07(日) 00:12:23 ID:ThOxpAeP
「なるほど……油断ならんのは、やはりヤツだな」

床に転がる一枚のDISCに目を落とし、ラングラーは呟いた。
ホワイトスネイクがキュルケを助けに入った一瞬に、投げ付けてきたものだ。
やはりヤツは侮れない。
それにこちらの策もいくらかは看破されているだろう。
自分が弾丸にツバを吐きつけていることは、ほぼ確実に。
そしてさっきの火球を防いだ仕掛けのタネも、真空のバリアーも、あるいは。

この真空のバリアーはこちらにきてから思い付いたものではない。
やろうと思えば元いた世界でもできた。
だが、あまりにも使えなさすぎたので全く使わなかった。
自分の回りの空気を無重力化して一瞬だけ真空のバリアーを作れたところで、
それて防げる攻撃をしてくるヤツなど一人もいなかったからだ。
しかしここでは違う。
真空のバリアーはどんなに強力な炎も、どんなに強力な熱も通さない。
真空では炎は燃えず、そして温度も伝えない。
炎に対してはまさに無敵の防御壁だったのだ。

だがホワイトスネイクは、それに対する自分の慢心さえ見抜いていた。
炎が効かないでいい気になっていた自分の油断をついて、完璧なタイミングで飛び出して攻撃してきた。
DISCはギリギリのところで防げたが、叩き落とす余裕は全く無かった。
それぐらいに完璧なタイミングを突かれたのだ。
やはりヤツは、ホワイトスネイクは油断ならない。
301携帯スネイク:2008/09/07(日) 00:25:30 ID:ThOxpAeP
ならば、どうするか。
自分に出来ることはほとんど知っている。
何故かと言えば、答えは簡単だ。
自分のスタンド「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」はホワイトスネイクから貰ったスタンドだからだ。
つまり、ホワイトスネイクはJJFの元々の持ち主のスタンド使いと戦い、それに勝利している。
元々の持ち主は当然自分より上手くJJFを扱っただろうから、自分に出来ることは当然そいつにもできただろう。
つまり、こちらの手の内は割れている。
ならば、どうするか。
その答えも簡単だ。

ホワイトスネイクが対処しきれない攻撃をすればいい。
このJJFなら、それができる。
確信めいた自信とともに、ラングラーはJJFに腕を構えさせる。
そして計算を始める。
弾丸を発射する角度。
弾丸を反射させる場所。
その反射の角度。
それらを頭の中で試行錯誤し、弾丸の軌道を組み立てる。

そして、試し撃ちにかかる。

ドンドンドンッ!

軽く三発、部屋のドア枠に撃ち込んだ。

「う、撃ってきた!?」

ドア枠に当たった弾丸は微妙な角度で反射して廊下の壁に向かう。

「焦り過ぎよ、ルイズ。あんな風に撃ったって、ここにいるあたしたちにあたり筈が――」

さらに弾丸は廊下の壁を反射して、部屋と廊下を隔てる壁の、その廊下側――

ルイズたちがいる側に突っ込むッ!

「「え?」」

ほとんど反応できなかった二人をよそに、弾丸は二人の頭上僅か10センチほどの位置に着弾した。
302携帯スネイク:2008/09/07(日) 00:37:00 ID:ThOxpAeP
「ほほ、ほら見なさいよ! もも、もうちょっとで、あ、当たってたわよ!?」
「ま、マグレでしょ? 弾丸を跳ね返らせて、それでこっちを狙うなんて、そんなこと……」
「残念ナガラ狙ッテキタノサ」

ホワイトスネイクが冷徹な声で言う。

「『跳弾』トイウ。障害物ニ微妙ナ角度デ弾丸ヲ撃チ込ムト、弾丸ガ反射シト軌道ガ変ワルノダ。
 撃タレル側トシテコレホド厄介ナモノハナイ。
 超高速デ向カッテクル弾丸ノ軌道ヲ正確ニ見切ッタ上デ、ソレヲ防ガナケレバナラナイノダカラナ……。
 コレニ関シテハ、私デモ完璧ニ防ゲルトハ言イ切レナイ」
「そ、そんなのやろうと思ってできるものなの!?」

ルイズが青い顔で聞く。

「練習次第ダガ、可能ナコトダ。
 ソシテ気ヲツケナケレバナラナイノハココカラダ……今ノハ恐ラク、タダノ試シ撃チダ」
「ってことは……」
「ソウダ」

「次カラハ確実ニ、殺スツモリデ撃ッテクル」


To Be Continued...
303携帯スネイク:2008/09/07(日) 00:39:07 ID:ThOxpAeP
や、やっと投下完了……

2時間近くスレを占有してしまって本当に申し訳ありません
明日にでも無線LAN買って来て、回線軽くしようかな……
304名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 00:40:46 ID:65CbeJlP
お疲れ様です!
ラングラー強いな・・・
305名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 00:47:41 ID:RXdNxsi7
GJ!!!
実に面白い!読ませるSSだよ全く!!!
スネイクさんの喋り方が原作っぽいしバトルもいい!!
いっつもこればっかりだけどマジに原作っぽいのがいい!!!
306名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 01:17:31 ID:qeFtKsgD
敵も戦いの中で成長していく流れがステキだぜ……次回に期待&GJ!
307相馬:2008/09/07(日) 03:30:31 ID:4FmAuKJp
投下していいでしょうか?
初投下なので緊張します
308ゼロの世界:2008/09/07(日) 03:35:47 ID:4FmAuKJp
使い魔の召喚儀式――この日この時をどれほど待ち望んだのだろう。
 この儀式に失敗すれば、間違いなく退学になってしまうだろう。
 『ゼロのルイズ』と呼ばれる私が、この一世一代の大博打をする。
「では次に――ミス・ヴァリエール!」
 コルベール先生の一声で全身に緊張が走る――。
 大丈夫、落ち着いて……そうよ、落ち着いてやれば大丈夫なのよ……。
 二回の深呼吸で心を落ち着かせるルイズ。
 ゆっくりと一歩、前に出た。
「おいルイズ! 頑張ってネズミでも鳥でも使い魔にするんだな!」
「第一種警戒態勢。各員爆発と衝撃に注意せよ!」
「サモン・サーヴァントに成功しないに賭けるぜ!」
 次々と野次が投げられる、がルイズはそんなことで挫けはしない!
「(見ていなさい……ギーシュのジャイアントモールやキュルケのサラマンダーなんかよりも凄いのを出して見せるんだから……ッ。さすがにタバサみたいな竜は無理っぽそうだけど)」
 そう思い、詠唱を唱える。
「来なさい! 私の使い魔ッッッ」
 そして、爆発が起こった。いつもよりも過激的な爆発が。
 爆発の衝撃で生徒皆が姿勢を維持できず倒れ、粉塵と煙で咳き込んでいた。
まさか爆発が使い魔とか……いやそりゃないな、とコルベールは内心ハラハラしつつも自分で自分を呆れていた。
 そして爆発が晴れ、ルイズの前に使い魔が……ん? あれは――。
 我が目を疑い、すぐさま駆け寄って確かめてみようとコルベールはすぐさま立ち上がった。
 が、しかしルイズは何を思ったのか、そこに落ちていたものをなにやら慌ててしまったかのように見えた。
「ミス・ヴァリエ「失敗しました」」
 コルベールは今の言葉がなんとなく異世界の言葉に聞こえた。が、ようやく意味が分かってただ、ふむ、と答えた。
「失敗したのならもう一度するしかない。が、次の授業に遅れてしまうのでミス・ヴァリエールの使い魔召喚儀式は明日にでも持ち越そう」
 ルイズは無言でいた。ただ俯いてこの場を必死に立ち去ろうとしていた。
 生徒の嘲笑がルイズに向けられる。
 可哀想だ、そう思ったコルベールは、パンパンと手を叩いてこちらに意識を向かわせた。
「はいでは皆さん、儀式も終わったことですし、次の授業に入りましょう」
 生徒は次々と自分の使い魔を従わせ、各々教室へと歩き出した。
 ただ、ルイズ・フランソワーズだけは教室に来なかった――。
309ゼロの世界:2008/09/07(日) 03:38:09 ID:4FmAuKJp
 『弓と矢は答えない』

「まぁ流石『ゼロのルイズ』ってところよね、期待を裏切らなかったわほんと」
 教室へと向かう生徒一行。炎を連想させるように赤い髪に褐色の肌、そんじょそこらの男も一瞬で悩殺されるような体躯の女生徒、キュルケが言う。
 彼女の後ろには彼女が召喚したサラマンダーが従事していた。
 キュルケの隣には、赤い髪とは正反対の水を思わせる青い髪にぺったんこの胸と小さな身体。全く(身体だけ)正反対の彼女二人であった。
 その小さな少女の名はタバサ。メガネをかけ、さっきからずっと黙々と本ばっか読んでいる。
「『弓と矢』」
 タバサがぽつりと呟いた。
「『弓と矢』? ルイズが弓と矢を召喚したっての?」
 タバサは小さく頷いた。
「まさか、いくらなんでも生物じゃないものを召喚できるなんてありえないわよ」
 キュルケは軽くあしらい、タバサとともに教室へと入った。
 暫くしてコルベールが教室へと入ってくる。
 全員集まったな、と人数からしてそう思ったコルベールは授業を始めた。
キュルケは気付いていた。誰かが来ていないことに。
でもここで彼女をからかっても何の面白味も無いしつまらない、そう思ったキュルケはただ授業を受けていた。

* * *

「何でよ……何でこうなるのよ……」
 ルイズは枕に顔を埋まっていた。ただ、僻みと悔しさでいっぱいだった。
 ルイズはさっきから目に涙がいっぱいで、何度拭っても涙が溢れて止まらなかった。
 テーブルには、サモン・サーヴァントで召喚した『弓と矢』が一組置かれていた。
 自分はやっぱり落ちこぼれなんだ。メイジの落ちこぼれゼロのルイズ。
 サモン・サーヴァントどころか基本的な魔法すらできない、成功率ゼロのルイズ。
 悔しい。ツェルプストーや他の皆が羨ましい。
 せめて、使い魔だけは召喚したかった。
 ただの爆発ならそれでもよかった。本当に失敗してもう一度やり直しが効くだろうから。
 でも、私は生物でも何でもないものを召喚してしまった。武器なんていう杖を振るって魔法を使うメイジなんかには似合わない、平民が使う武器だ。
 こんなのを持って出歩いていたら、恥ずかしくて死んでしまう。
 ルイズは、袖で服を涙を拭う。
 それでも溢れてくる涙。ぼろぼろと頬を伝って流れる。
「何でこうなるのよォォォォォォッッッ!?」
 ルイズは必死に叫び、そして『弓と矢』の『矢』を掴み取り、床へと全力で投げつけた。
 『弓と矢』は答えない。
 ただ、その身を傷つけるまで――。
 ルイズは再び、ベッドに身を任せた。
「(もう寝よう……)」
 瞼の目尻から、一滴の涙が零れ落ちた。

 * * *
310ゼロの世界:2008/09/07(日) 03:39:44 ID:4FmAuKJp
 朝もやがかかったトリスティン魔法学院の広場に、桃色のかかったブロンドの髪がかかった少女と、頭髪が寂しい男性――ルイズとコルベールはいた。
「それではミス・ヴァリエール。やってください」
「はい」
 ルイズは短く答えると、杖を取り出した。
 時を遡ること、一時間ほど。
 まだ夜明けにすらなっていない時間での出来事だった。
 コンコン、とドアをノックする音が部屋に響いた。
 ノックをしたのは、コルベールだった。
 昨日の使い魔の召喚儀式で失敗したと自ら告白したルイズをどうにかしようという教師の気持ちでいっぱいなコルベールだったが、女の子の……しかも少女の部屋まで訪れた時点でどうもなぜか罪悪感がある……私は一体何をした。
 まぁとりあえず……私は一教師として生徒であるミス・ヴァリエールを心配してこうしてやってきたわけだ。理由を話せばわかってくれる、はず。
 しかしいくらノックしても返事が無い。へんじがない、ただねむっているだけのようだ。
 まぁこんな早朝ですからな、仕方ない。多少荒いがこれで……。
「誰ぇ?」
 ドアの向こうから間の抜けた声が聞こえてきた。どうやら寝起きのミス・ヴァリエールだろう。
「私です、コルベールです」
「ミ、ミスタ・コルベールッ!?」
 私の名を名乗った途端、ドタドタと足音が響いた。『サイレント』の魔法をかけていないのだろう。
「ミス・ヴァリエール。昨日は残念な結果でしたが、このまま使い魔を召喚せずに進級するのはあなたの将来にとってもとても響くこととなります」
 私は事実だけを淡々と伝える。無論、それはミス・ヴァリエールも知っていることだ。
 自分の手足となって使役する使い魔がいないメイジとなると、何かの不便だし不都合が多いだろう。
「ですから、なんとしてもサモン・サーヴァントだけは成功させねばなりません。よろしいでしょうか?」
「――わ、わかりました。でも何で私のためだけに……」
 ドアの向こうから聞こえる。重い声。
「それは、私があなたたち生徒を立派なメイジにする役割を担う教師だからですよ」
「………」
 数秒、数十秒、数分。時が少しずつ流れる。
 コルベールはドアの前にただ立っていた。
 一息吐いた時、ドアは開かれた。
 そこには、ルイズが立っていた。

 * * *

「ミ、ミスタ・コルベールッ!?」
 スタンドも月までぶっとぶくらいの衝撃で眠気が一気に吹っ飛んだルイズは、どうしてと慌てていた。
「ミス・ヴァリエール。昨日は残念な結果でしたが、このまま使い魔を召喚せずに進級するのはあなたの将来にとってもとても響くこととなります」
 ドアの向こうから聞こえるコルベールの声は、真実であり予測すべきルイズの未来だった。
「ですから、なんとしてもサモン・サーヴァントだけは成功させねばなりません。よろしいでしょうか?」
「――わ、わかりました。でも何で私のためだけに……」
 ルイズは、戸惑っていた。
 何で、私だけのためにこんなに尽くしてくれるのだろうか、と
「それは、私があなたたち生徒を立派なメイジにする役割を担う教師だからですよ」
「………」
 ルイズは、ただコルベールの言葉を鵜呑みにして感動していた。
 私のためにこんなに尽くしてくれる人がいたんだ、その事実に、その思いに感謝した。
 ルイズは、ネグジュリを脱ぎ、急いで着替え始めた。
 下着を穿いて、シャツを着て、スカートを穿いてマントを纏う。最後に杖を手に取り、懐に入れた。
 最後に、ソックスだけがなかった。
 ソックスを取ろうと戸棚へと足を動かした矢先。
「痛ッ」
 足の裏から痛みが走った。
 足を上げると、そこには『矢』が転がっていた。
 昨晩床へと投げつけてから、そのままにしてしまったんだ、とルイズは思い出した。
 運悪く、ちょうど鏃の部分を踏んづけてしまったようだ。
 親指の付け根に小さな傷があり、血が滲み出た。
そんなに痛くもないし小さい傷だから、すぐに治るだろうとルイズは無視した。
戸棚からソックスを一組取り出し、すぐさま足を通す。
よし、と小さく呟いてルイズはドアへと向かう。
ひとつ間を置いてから、ルイズはドアを開けた。
 ドアの前には人間サイズほどの大きい杖を持ったメガネをかけた教師、コルベールが待っていた。
311ゼロの世界:2008/09/07(日) 03:42:30 ID:4FmAuKJp
そして現在へと至る。
 ルイズは詠唱を唱える。
 それを少し離れた場所から見守るコルベール。
「(今度は絶対に成功させてみせる!)」
 ルイズは強くそう思い、願った。
 詠唱を唱え終える。杖を勢いよく振り落とす。ビュッと風を切る音が聞こえた。
 そして、爆発。
「………」
 コルベールはただ見守っていた。今度こそ、とサモン・サーヴァントの成功をただ願っていた。
 土煙が舞い上がる。
 風で煽られて、土煙が流れる。
 コルベールはマントで口元を覆って呼吸を整えていた。その視線は、ルイズが立っている場所へと向けられている。
 土煙が晴れる。
 桃色のかかったブロンドの髪の少女が見えてくる。
 ルイズの視線は、地面へと向いていた。
 コルベールはルイズの視線を辿る。その先には、緑の草が生い茂っただけの地面。
「………」ルイズは無言のまま俯いていた。
 コルベールは、まずい、そう思った。
「だ、大丈夫ですよ。何もこれ一回で最後というわけじゃないのですから、何回もやればいいじゃないですか」
「は、はい。……わかりました」
 力のなさそうなその声は、何回も同じ詠唱を唱え、回数が増すごとに弱弱しくなっていった。
 霧が晴れてきた。
 もう夜明け間近だ。さすがにこの時間になってしまえば他の生徒からの苦情不満が出るだろう。
 時間的にも、最後となるだろう。精神面でも……。
 ルイズは、最後の詠唱を唱えた。
「宇宙のどこかにいる私の僕よ!」
 ルイズは杖を振り上げた。
「神聖で、美しく、そして強力な使い魔よ!」
 ルイズの叫びは、コルベールにしか聞こえない。
「私は心より求め、訴えるわッッ!」
 最後のチャンスだ、コルベールはルイズの成功を最後まで願った。
「我が導きに、答えなさい!」
 ルイズは振り上げた杖を数回振り、下ろした!!
312ゼロの世界:2008/09/07(日) 03:43:48 ID:4FmAuKJp
 次の瞬間。もう何度も見てきた爆発が起きた。
 しかし威力は今までのとは段違いだ。精神力を一気に使ったのだろう、衝撃が大きい。
 時間が経つにつれて土煙が晴れる。
 ルイズは、自分の周りにはコルベールしかいないことだけを知って、涙が溢れた。
 失敗だということが、如実に伝わってくる。
「う、うぬ……」
 コルベールはただ、何も言えずにルイズを見守っていただけだった。
 ルイズの周囲には、何も無い。小動物の一匹や二匹や、虫すらいない。
 ルイズは、杖を手放した。
 ぽと、と落ちた杖は力無く、棒切れのように落ちていた。
 拾わなくちゃ――。
 だが、体が動かない。
 拾うという意思はあるものの、体がそれに従わない。
「(もう、やめようかな……)」
 ルイズは真剣に退学を考えた。もうこれ以上いたら、実家の名前を汚してしまうかもしれない。そんなの嫌だ、私は誇りある貴族でいたい。
 だが、使い魔を召喚させるどころか、基本中の基本の魔法すらも使えない『ゼロのルイズ』なのだ。もう耐えられない。
 杖を捨て、服装も変えて、平民にでもなって残りの人生を過ごそうかと思い始めた。
今日にでも荷物をまとめて、明日明後日にでもここを出ようかな。
 そう思った時だった。
「ミ、ミス・ヴァリエール!」
「はい?」
 コルベールのかなり驚いた声に対して、ルイズは弱弱しく答えた。
「つ、杖が……」
「杖?」
 ルイズは視線を変えて、落ちた杖を見る。
 『浮いていた』。
「(これは…『レビテーション』!? いや、違うッッ!!)」
 杖は、『持ち上げられていた』。
 ルイズの右腕から出てきた、奇妙な『腕』によって。
 『弓と矢』は答えた。
 傷つけたものに力を与えた。
 『弓と矢』は答えない。
 次に傷つけるものが来るまで……。
313ゼロの世界:2008/09/07(日) 03:45:15 ID:4FmAuKJp
以上、投下しました
うぅむ、疲れたwww

いろいろな意見が出てきたので、サイト登場版なども作ってみようかと思います
314名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 04:46:11 ID:IaLGqm70
メール欄…
315名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 07:41:06 ID:hNVsGLJB
その色々な意見が出た所でやれ、といわざる終えない
あと、メル欄
316名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 08:38:14 ID:U7xuU0N3
よく分からないが続くのか……?
読みたい気はするけど

後、目欄が……
317名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 09:40:45 ID:bQgOgutA
冗談抜きで半年ROMれ
それで理解出来なきゃ自分でサイト作るといい
もう学生は新学期じゃないのか?
318名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 10:35:28 ID:IB2115xM
>>315
ちょっと前になんか話があったような気もしないでもないが

まあ半年ROMれ
319名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 10:38:29 ID:CCWK9vfZ
こいつバカじゃねーの?
しかも感想下さい目欄ってか
嵐なのか真性馬鹿なのか・・?
320名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 11:05:06 ID:InYv5z5M
wiki見たんだけどジョルノ+ポルナレフってもうちょっと話進んでなかったか?
続き見た記憶があるんだけど…
321名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 11:15:12 ID:S4/EN9Et
まてまて、批評するにしても荒っぽいコメントは避難所でしよう。

勇気ある投下には乙という!それがジョジョ魔スレのジャスティスのはずだッ!!
ネタは悪くないし、相応の頑張りも見えた。だが、指摘したいところも多い。
とりあえず俺は、雑談&毒吐きスレにいくぜ!!
322名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 11:18:23 ID:S4/EN9Et
>>320
なんか、改装してるっぽい。以前は第一章とか第二章とか、分けられてなかったもの。
これから更新されると思われます。
323名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 11:21:04 ID:o1tUDHC4
メル欄はあれだが矢を召喚した短編ってんなら問題ないんじゃないか?
>>319
自分の発言を省みた方がいいな。
324名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 11:55:55 ID:K4d6KUnj
NG設定した
すっきり爽やかな画面になった
325名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 12:44:42 ID:ur2V4/h7
叩かれすぎワロタ
326名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 14:52:54 ID:TpZqgEZk
仕方あんめーよ、「初心者だから」「初投稿だから」は言い訳にならない。
テンプレ見てないのが一目瞭然・・・・・。
327名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 15:56:23 ID:x67iKRAY
なんでこんなにも叩かれてるんだ?
初心者だからでいいじゃない
328名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 16:58:04 ID:qeFtKsgD
このスレでこれだけ叩かれるってことは、他のスレならフルボッコ確定だからな。
メ欄にsage入れてないのも宜しくないしましてメアド書くのはもっとよくない。
初心者だからこそ投稿する前に「投稿したいんですけどやっちゃいけないことってありますか?」
くらい聞いてもバチはあたるまいよ。
それを叩かずにスルーするといつまでたっても同じことするだろうし。
とりあえず>>307は半年ROMれ。
329名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 17:17:51 ID:FM1k7XZn
よく分からないがこれは"やっちゃった"系なんじゃないか…?
330名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 17:35:00 ID:JuNGo+A4
叩いてるの単発IDばかりだな
心の狭い馬鹿の言うことなんて気にするなよ
次に気をつければいいだけさ
331名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 17:37:59 ID:ljR+2IDC
単発……って人の事言えないよね
3行目には同意
332名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 17:38:23 ID:XXt+grNx
何を気をつければいいのかも分かってなさそうな気がする
333名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 17:39:45 ID:65CbeJlP
>>307には誰か・・・そうだな・・・兄貴みたいな人が必要だな
334名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 17:48:02 ID:IaLGqm70
そんなに流れの速いスレでもないのに単発も糞も
335名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 18:00:28 ID:k0ZDdDa3
俺と同じ失敗をするとは…
336名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 19:35:32 ID:K4d6KUnj
>>307>>330はJOJO三大兄貴に説教されてくるべきだw
337名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 19:56:12 ID:JI7rWoiD
>>335
あげんな
338名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 20:17:22 ID:rX/KC7tj
オリジナルスタンドの話が難しいのは分かるが、ゼロ魔キャラが原作スタンドっそのまま所有するってのも(DISK絡み以外で)
改変型スタンドってのはどうなんだろ?
銃使いのアニエスあたりなら「皇帝」「セックス・ピストルズ」がいいが、女性のアニエスの場合、ピストルズが女性よりにならないか?
No.0 ピンク、ツンデレ
No.1 リーダー格 ビッチ
No.2 レッド かなりデカイ
No.3 無口、眼鏡娘
No.4 メイド
No.5 うんとデカイ 革命家
339名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 22:30:26 ID:qeFtKsgD
ピストルってのは男のシンボルを暗喩することもあるそうな。
つまりアニエスがふたなりうわ何をするはなry
340名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 23:27:50 ID:rufNqUYN
え、ワキガを暗喩してるんじゃなかったk(ターン
341名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 23:47:24 ID:M3YymJUg
アニエスがふたなりt(パーン)
342名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 03:21:10 ID:DsD2T8lz
アニエスがスタンドを発動するたび「セックス・ピストルズ!!」「セックス・ピストルズ!!」
と叫びまくるわけだな
実に卑猥d(メメタァ)
343名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 16:06:39 ID:ieQCbUgo
>>342
> アニエスがスタンドを発動するたび「セックス・ピストルズ!!」「セックス・ピストルズ!!」
> と叫びまくるわけだな

5部ゲーでL1を連打するt(ry
344名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 18:22:43 ID:C57w1QAv
>>343
連打したらセッセッセとしか聞こえなくなった。
345名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 18:34:06 ID:89rmgF1U
じゃあ途中で止めればセックスセックスと連呼するわけですn
ん?こんな時間に届け物かな?

346名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 18:39:21 ID:ovvxPWwB
5部ゲーじゃミスタが連呼するだけでただのセクハラ親父じゃねーか
347名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 21:10:00 ID:t9oPdG3k
>>344
せっ・・・!せっ・・・!
348名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 21:28:57 ID:3Lf0oQTR
>>347
おせっ・・・!おせっ・・・!
349名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 22:12:52 ID:NsgfMze+
>>348
だが断る

この伊藤カイジが最も好きな事のひとつは
自分で金持ちで勝ち組と思ってるやつに
「NO」と断ってやる事だ…
350名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 22:39:46 ID:yqa+Zaiv
>>349
間違っては無いから困るwww
第一部の最終話は本気で漢だったよ
351名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 00:17:26 ID:9TZVmcQK
叩かれ過ぎてるが、そう悪くないと思ったな。
ただメルランはどういう意図なのか測りかねるが。

ググッた結果だとどうも中高生っぽいな…。
352ゼロの世界:2008/09/09(火) 00:28:09 ID:wlRD+MAy
二日過ぎて自分の反省点などがよくわかりました
ここで反省を申し上げます

確かに初心者だからということでは言い訳になりません。以後、気をつけるよう精進したいと思っております
353名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 00:35:27 ID:AJRwPCxC
>>352
釣られてしまう・・・でも、本人だったらと思うとッッ!

そういえば、前回投下した時も酉つけて無かったんだな・・・とりあえず最低二月は黙ってROMっときな。
話はそれからだ。期待してる
354名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 01:33:37 ID:J0mD23gB
反省しつつもageてる所が憎めないな
355名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 01:40:16 ID:zMUzZeVE
まあまずはテンプレを読んで、分からないところがあったら
グーグルとかで検索してみるところからはじめるべきだと思うよw
356名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 02:26:55 ID:fVAQPj0R
しかしこのスレのテンプレには

メルランはsage
とか、
アドレスは入れるな
とか書いてないぜ。

大体現状このスレの住人がSS作者の行動にどーだこーだ言える状況か?
文章自体に問題があるとか、どちらかのアンチだったとかならともかく、
sage入れてない事を鬼の首を取ったかのように皆で非難するのは馬鹿げている。
半年ROMれなんて…今のペースで連載が減ったらその間にスレ自体なくなってるかもしれないんだぞ?
357名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 02:33:53 ID:X72/QGUE
sageてないからROMれって言ってるわけじゃないぜw
358名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 02:58:24 ID:CoTihX8q
2ch全体的な常識をかかれてないからとか言い出してもな
その場の常識を見極めるまでは余計な事はしないのは社会の常識と言うかなぁ
覚えるまで待ってたら間に合わないかもしれない場合でも、そりゃ仕方ないとしか言えない
順序を踏まえる下積みが無いと何も出来ないなんて世の中有り触れてることよ

取りあえず
>半年ROMれなんて…今のペースで連載が減ったらその間にスレ自体なくなってるかもしれないんだぞ?
これは今回の問題と無理矢理絡める話しでもなんでもないよ
359名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 13:24:31 ID:RAIOboH2
>>358
2chの常識なんて俺達以外が教えればいい事だろ。
2ch中には「半年ROMれ」といいたくてウズウズしてる厨工房共がわんさと居るだろうから。
物事の優勢順位を履き違えてるぜ。
360名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 13:24:58 ID:/cZKxSAs
半年ROMれってのは空気を読めってことだと思ってたんだが違うのか?
空気読めなきゃどこ行っても同じことになると思うがね
361名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 14:54:53 ID:BrlRbrvk
んで叩かれてる理由は何よ?
個人的にはなんかコルベールがイラやしい感じがした
ルイズ一人呼び出してなんかエッチー事でもするんじゃねーかと
362名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 14:55:41 ID:2+1p8dtM
> んで叩かれてる理由は何よ?
わからないのか・・・?
363名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 15:28:01 ID:bAX6Nr00
目欄にマジでアドレス入れてるやつ始めて見た。
貴重な体験だ。
364名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 15:39:37 ID:BTJseRkI
こんな便所の落書きみたいな掲示板で厳しいこと言わんでもいいでしょ
様式に五月蝿い型月のほうは過疎ってるし・・・素人は大事にしないといけないッッ!
365名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 15:47:20 ID:PSaLCV4j
厳しいこといわれたくないなら2chなんて書きこむもんじゃないよ
366名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 17:39:19 ID:v6JuZ9RQ
なぜ叩かれているか?理由は簡単!

すでに『ゼロの世界』というタイトルで『リンゴォ』が召喚されているからだ!
367名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 17:40:59 ID:e/i65U21
こんな時しか盛り上がらないこのスレが悲しい……


なんというか、向こうと比べると投下もあまりないし
人が少なくて感想もつきにくいから、作者さんもモチベあがりにくいだろうし
決定的に過疎る前に、あの作品の〜あたりに合流したほうがいいきがする。次スレからってわけじゃないけど

368名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 17:47:08 ID:BTJseRkI
今の初心者お断りな雰囲気だと向こうと合わないな・・・
向こうはきちんと毒吐きスレが機能してるし住人のマナーが信じられないくらいに良い
369名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 18:37:53 ID:/aiS5hC6
とりあえずこの流れはここでやるべきではないな
毒吐きでやってこい
370名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 22:06:36 ID:LiRim0PA
>>367
過疎ってる?この状況で?
型月クロススレやHellsingクロススレに謝れ!!
371隠者の中の人 ◆4Yhl5ydrxE :2008/09/09(火) 22:50:21 ID:3sEh5GXD
ここで叩かれるのを承知であえてコテを出してカキコ

確かに連載作品は昔と比べたら少なくなってる、かくいう自分もペースが落ちている
だがゼロの奇妙な使い魔スレはたかが半年ではなくならん。何故なら半年後以降もわしやわし以外の作者が書き続けるからだッ!

そして素人だから無条件に大事にしなくちゃいけないというのは違う。
初めて投下する場所だからこそ、何をして何をしてはいけないのかを理解してから投下すべきだ。
知らないからと言って畳の上に泥まみれの土足で入ってこられたらいい気はしない。他は知らんがわしはムカつく。
まして他の連中が土足で上がっていいものだと思い違いして次から次へと入ってきたら?
そこでやっと注意しても「最初のヤツは土足で上がったのに注意されなかったじゃないか」と言ってきたらどうする?

あとあのキャラがスレとの合流は個人的な意見だが不要だと思うなァこの隠者の中の人は!
書き手はそりゃえてして感想乞食だし上でもそー言ってるが、だからって他のスレと合流しなきゃならんとは思わんなァー。
こういう場面で盛り上がるならわし以外の投下があった時に多少時間が経ってても感想や乙などつけてやればよかろう。
過疎らせるのは住人一人一人の心がけだと思うんじゃがどう思うね?
ちなみにここを過疎スレとか言ったらマジバチ当たるぞ。本当の過疎スレってのはもっとひどい。マジ引く。
ま、どっかの誰かがここを過疎スレにしたいんじゃないかなァー、とか勘繰ったりするが多分気のせいじゃろなー。
372名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 23:24:12 ID:VVovPxyN
俺は兄貴や隠者の人達が書かなくなるまで…このスレを見るぜw
373名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 23:30:19 ID:c27KP9EE
おっぱい紳士は騒がず焦らず狼狽えない
皆が原作と作品に対する愛を忘れない限り
何も問題は無い、と思うんだが
374名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 23:34:30 ID:de7z/3KF
もう引っ張るのはやめようぜ−!空気悪いからな
375名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 23:42:24 ID:y9Q7NnW0
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ィ彡三ミヽ  `ヽ     ,ィハミミミミミミミミミヽ、|
彡'⌒ヾミヽ   `ー  /ililハilミilミliliミliliミliliミ|
     ヾ、        /iiiiイ!ヾヾミ、ミニ=ー-ミ|
  _    `ー―' i!ハ:.:.\\_::::::::::::::/:.| このスレは
彡三ミミヽ        i! ヽ:.:.:.:冫': : :::/,,∠|
彡'   ヾ、    _ノ i!::: ̄二ー:: : ::::ソ ・ ,| 怪帝(ケティ)様に
      `ー '    {ヘラ' ・_>シ;テツ"''''"|
 ,ィ彡三ニミヽ  __ノ ヽヘ`" 彡' 〈     | 監視されて
彡'      ` ̄       `\   ー-=ェっ |
      _  __ ノ  {ミ;ヽ、   ⌒   | います
   ,ィ彡'   ̄        ヾミミミミト-- '  |
ミ三彡'        /⌒ / ̄ ̄ | : ::::::::::|
       ィニニ=- '     / i   `ー-(二つ
     ,ィ彡'         { ミi      (二⊃
   //        /  l ミii       ト、二)
 彡'       __,ノ   | ミソ     :..`ト-'
        /          | ミ{     :.:.:..:|
            ノ / ヾ\i、   :.:.:.:.:|
      ィニ=-- '"  /  ヾヾiiヽ、 :.:.:.:.::::|
    /     /  `/ ̄ ̄7ハヾヾ : .:.:.|
   ノ     _/   /   /  |:. :.:.:.:.:.:.:|
376名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 23:45:41 ID:8ByP5X/p
               . -―- .     やったッ!! さすが隠者の中の人!
             /       ヽ
          //   乙     ',   おれたちにできない年季の入った苦言を 
            | { _____  |      平然と呈してくれるッ!
        (⌒ヽ7´        ``ヒニ¨ヽ
        ヽ、..二二二二二二二. -r‐''′  そこにシビれる!   
        /´ 〉'">、、,,.ィ二¨' {.  ヽ     _ _  あこがれるゥ!
         `r、| ゙._(9,)Y´_(9_l′ )  (  , -'′ `¨¨´ ̄`ヽ、
         {(,| `'''7、,. 、 ⌒  |/ニY {      乙       \
           ヾ|/// ^'^ ′///,ノr')リ  ,ゝ、ー`――-'- ∠,_  ノ
           |   「匸匸匚| '"|ィ'( (,ノ,r'゙へ. ̄ ̄,二ニ、゙}了
    , ヘー‐- 、 l  | /^''⌒|  | | ,ゝ )、,>(_9,`!i!}i!ィ_9,) |人
  -‐ノ .ヘー‐-ィ ヽ  !‐}__,..ノ  || /-‐ヽ|   -イ,__,.>‐  ハ }
 ''"//ヽー、  ノヽ∧ `ー一'´ / |′ 丿!///, -===- 、///}くー- ..._
  //^\  ヾ-、 :| ハ   ̄ / ノ |.  { {ハ.  V'二'二ソ  ノ| |    `ヽ
,ノ   ヽ,_ ヽノヽ_)ノ:l 'ーー<.  /  |.  ヽヽヽ._ `二¨´ /ノ ノ
/    <^_,.イ `r‐'゙ :::ヽ  \ `丶、  |、   \\'ー--‐''"//
\___,/|  !  ::::::l、  \  \| \   \ヽ   / ノ
377名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 00:36:29 ID:xs2OwezK
>>376
語呂わる
378名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 00:44:04 ID:FzL7AUl4
>>371
第一歩が泥足だとしても、次の一歩から気をつけるように諭す事は出来るだろ。
無知な奴に行き成り出て行けというのはどうかとおもう。
やさしく諭すという事をすっ飛ばして、追い出すんじゃなけりゃ全く口を出さないとか両極過ぎる。
というか、書き手目線で語ってるんじゃねーよ。
このスレには書き手より読み手の方が多いっつーの。
結局このスレが半年以上持つだろうという安心はあんたの心の中にしかない。
読み手は書き手の量が多くないと安心が出来ない。
379名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 00:50:12 ID:dlP7f6Oz
>>378
……はぁ?
バカジャネーノwww
お前、必死すぎwwww
380名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 00:54:18 ID:X5vPzvOO
もう寝る
どこかでギーシュが死んだら起こしてくれ
381名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 01:11:58 ID:U5jSQc+O
荒らしに共通する見分け方を発見した。それは…荒らしは自分の意見と少しでも違う意見を言われた時…
顔を真っ赤にして頭の悪いレスを返す
382名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 01:23:46 ID:82YdhfcC
>>380

ギーシュ「僕が最後に見せるのは代々受け継いだ未来に託すグラモン魂だ! 人間の魂だ!」

こうですかわかりません
383名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 01:28:20 ID:xg6K+oZq
>>378
追い出された小僧が無様に悪あがきワロタw
384名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 01:30:37 ID:pfeXqn6m
別に追い出すようなことはしてないとおもうんだけど…
メル欄にはアドレス入れないでsageを入れてね
連載するつもりならコテだけじゃなくて酉もつけてね
ってくらいのことをキツ目に言ったくらいだし
もう書くな氏ねなんか誰も言ってないだろ
385名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 01:33:27 ID:pEJoKtqi
荒らしたいだけの奴が脳内で追い出してるって事にして騒いでるだけだから
何言っても同じ事を繰り返してるだけだから相手しても損
386名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 01:35:38 ID:EwVbZ9UO
むしろ、あっちのスレで同じような事やらかしたら再起不能になるぞ。
387名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 01:40:41 ID:U5jSQc+O
あっちのスレなら半年ROMれどころか荒らし扱いされるのが当たり前
388名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 01:49:13 ID:WyHWzHZQ
ちょっと人がいないぐらいが荒れなくて好き
隠者の人だけでもいれば見続けると思う
389378:2008/09/10(水) 02:00:31 ID:FzL7AUl4
庇ったつもりが余計心証を悪くしてしまったみたいだ。
挙句、自分の当初の思惑と逆の方向でレスしてしまった。

よってこのスレの皆様にお詫び申し上げます。

念のため明記しておくと、私は今回の「ゼロの世界」の作者ではありません。
「ゼロの世界」の作者様にも荒し呼ばわりさせてしまって申し訳ありません、とお詫びさせていただきます。

以後、この話題に関する書き込みはいたしません。
このスレが末永く存続する事を願っております。
以上。
390名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 02:40:02 ID:U5jSQc+O
庇うつもりで書いて>>378
もう一度>>378を読み直してみろ、件の作者なんかどうでもよくて荒らしついでに隠者の人をけなしてるだけじゃないか。
顔真っ赤にしてバカ丸出しのレスするくらいなら日本語の勉強してろ、ゆとり。
391名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 02:47:41 ID:Huyw7Sz/
えー……


なんだっけ忘れたァァァワハハハハハハハハハハハハハハハハッ!
なんだっけなんだっけェェヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘ
えっとなんだっけェェエヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘ
ぜんぜん忘れたァァワハハハハハハハハハハハハハハハハ
ハハハハハハハハハハハハハハハハ



おやすみなさい
392名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 08:19:09 ID:XbhA+ent
↓よどんだ空気を吹き飛ばす痛快なギャグ
393名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 09:17:47 ID:En4zWj2U
ふ・・・ふとんがふっとんだ!
394名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 09:18:50 ID:X5vPzvOO
>>393
朝から笑わせるな
395名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 10:34:47 ID:mECJ3JmG
>>390
きちんと謝罪してるのにそれはないだろ
お前さんの方が池沼だよ
少なくとも>>378は大人だ、納得できないが住民の総意だと理解して引いた
それに言い分も半分同意できるし。

今ここで定期的に連載してるの隠者とスネイクだけじゃね?
このままじゃ書き手いなくなるぞ
ゼロの世界も続きを読みたいけどな俺は
396名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 10:38:26 ID:pfeXqn6m
せっかく>>393の渾身のギャグで流れが変わったのに戻すなよ
かわいそうだろ
397名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 10:43:13 ID:XbhA+ent
>>393
君の才能に俺がshit

DIOが使い魔?!と仮面のルイズの続きが非常に読みたくてたまらない
もちろん隠者も大好きだ
398名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 11:27:24 ID:vfB/0Uiy
ジョジョを読み返して露伴先生の家とか康一くんの家とかを参考にしようと思ったんだが、露伴先生はともかく、康一君の家って一般家庭にしてはでかすぎね?
399名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 11:46:19 ID:YFfTd0cH
杜王町だから不思議じゃない
400名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 12:17:52 ID:KHSxTz8o
その発想はなかったわ。
401名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 12:18:07 ID:xNb9QA+w
>>398
康一くんが小さいからね、帳尻あわせですよ
402名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 13:14:12 ID:3lFg6fU8
康一君の家は割と裕福なんじゃないかな…
403名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 16:12:31 ID:UJ28lHnR
>>395
ぽるじょる忘れるとかちょっとsyれならんしょ…
404名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 16:35:46 ID:m8lHpV3Z
いぬっだって、仮面だって、使空だって定期連載しているぞ!
いぬっ以外はそりゃちょっとは間隔が長くなっているけど、気のせいだ
続きが読めるはずだ
…読めるはず …読みたい …お願い読ませて
405名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 16:40:39 ID:/pEXe4Jt
>>404が出したSSは勿論楽しみだが
そろそろアンリエッタ+康一が読みたいぜ
406兄貴:2008/09/10(水) 17:28:07 ID:EwVbZ9UO
>>395>>404
月一ペースでは連載していないと
いや、エアーマンという事か

フゥ〜〜〜……死にたくなった。
鉄、マジでカムバック。
407名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 17:45:36 ID:kxC96JlY
プロシュート兄貴とエルメェス兄貴読みたいです
兄貴達の楽園に行きたいです(^p^)
408名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 18:33:56 ID:TTo6TpT0
なんてこった
409名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 19:49:30 ID:wgNXlFqr
今の落ち込んでる兄貴を優しく誘ったら、きっとホイホイついてくるかも知れんなw
410名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 20:53:56 ID:rtfyctyd
>>409
おめーは兄貴を、別な意味の兄貴にしたいのか?
411名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 21:09:28 ID:OkQdXDoG
このスレに影響されて俺も書いてみたくなったんだけど、誰かいいキャラはいないだろうか。
書くかわからないけど未来安価出してもいい?1〜6部まででキャラ指定しておくれ。

>>412
412名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 21:10:21 ID:WyHWzHZQ
アナスイ
413名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 21:40:26 ID:dlP7f6Oz
>>411
そういうのはVIPでやれ
あとsageろ
414名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 22:21:11 ID:U5jSQc+O
あーあ、これからアナスイ召喚ネタが荒らし扱いされるのか
バカが一匹迷い込むと他のバカも馬鹿面晒して来るのはゴキブリとおんなじだな
415名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/11(木) 00:14:59 ID:Ds6aBC5f
また攻撃的な奴が沸いてるな・・・
指摘するにしても言い方ってのがあるだろう
これ以上スレが荒れるのは勘弁してくれ
416名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/11(木) 00:19:02 ID:yub96Ftn
ID:U5jSQc+O
君の発言もスレの空気に合ってないのが分からないかな?
半年ほど・・・ね?
417名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/11(木) 00:23:08 ID:EyYmNHsR
ID:U5jSQc+O
は自分が荒らしだという認識ができてないようだな
418名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/11(木) 00:40:55 ID:vFARmihP
ワムウが神砂嵐で全て吹き飛ばしてくれると良いよね
419名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/11(木) 00:45:25 ID:hTpmlt8W
ひとまず作者の人達が新しい作品を投下するのを楽しみにしながら落ち着こうぜ
これ以上荒れると本当に過疎スレになってしまう
420名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/11(木) 00:56:30 ID:9mzCQIIk
もう寝る
どこかでギーシュが死んだら起こしてくれ
421名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/11(木) 00:59:45 ID:vFARmihP
育郎君元気にしてるかなあ
422名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/11(木) 09:53:43 ID:pahvUqwp
>>420
兄貴の夢は見れたかい?
423名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/11(木) 10:01:12 ID:9mzCQIIk
>>422
駄目だった
424名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/11(木) 13:08:25 ID:2gE4RPc2
兄貴の続編はいつ?
425名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/11(木) 18:46:06 ID:MEZtEJKr
>>424
tomorrow
426名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/11(木) 19:12:06 ID:DNjDzlB8
デイ・アフター・トゥモローですね、わかります
427名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/12(金) 00:32:22 ID:/d0xRp85
>>426何そのホワイト・アルバム・ジェントリーウィープス
428名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/12(金) 02:19:21 ID:wr5ptCbt
あのシーンで「ホワイトアルバムッ!」と叫んだのは私だけではなかったのか・・・
429名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/12(金) 21:09:59 ID:6F2zYizn
ルイズ強化系が好きだから石仮面呼ばせてみたけれど
仮面のルイズにはとても勝てそうに無いこの悲劇
一応フーケ討伐までは書いたが、削除しちまうかなあ
430名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/12(金) 21:14:36 ID:xyfaZSjs
>>429
やらずに後悔するよりやって後悔した方がいい
次へ繋げることができるから
それにやっても後悔しないかもわからんぜ?
つーわけでカモン
431名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/12(金) 21:15:30 ID:4VC6vF9V
>>429
どんな者だろうとssにはそれぞれその個性にあったファンがいる
王には王の…… 料理人には料理人の…… それが『作品を楽しむ』という事だ

ぶっちゃけ、単なる好みの問題なんだから勝つ負けるとか考えても仕方ないぞ
432名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/12(金) 21:21:43 ID:aR7PRTd4
同じものを召喚しても展開や作品の傾向の違いによって楽しさは全然違う…
スネイクと白蛇、兄貴と偉大、絶頂と不死と大冒険Uとかが良い例だ。
433名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/12(金) 21:24:10 ID:6F2zYizn
OKOK、自信でた。もうちょっと推敲する!
434名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/12(金) 22:08:16 ID:FrTnXHbe
ふーいんをかいじょするのだ!
435名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/12(金) 22:51:21 ID:6zW72bdo
>>429に支援するつもりで、これより投下します。
436仮面のルイズ:2008/09/12(金) 22:52:55 ID:6zW72bdo
夕焼けに空が染まる頃、ウエストウッド村の台所から小さな鼻歌が聞こえてきた。

「〜♪」

声の主はティファニア、彼女は久しぶりにマチルダが帰ってきてるので、とても機嫌が良かった。
華族の命を奪われてから、ずっと面倒を見てくれていたマチルダは、年に何度も仕送りを送ってくれていた。
自分の家族は皆失ってしまったけど、サウスゴータの太守だったマチルダの一族が、家族代わりになって自分を助けてくれている。

それは返しきれないほどの恩だった。
以前に一度、自分と母親のせいでマチルダの一族にまで迷惑がかかってしまった……と謝ったことがある、しかし、マチルダはそれを怒った。
間違っているのは王の方だ、と言って、決して自分を蔑んではいけないと、何度もティファニアに言い聞かせた。
小さい頃から姉のように慕っていたマチルダが、そのとき本当の姉になった気がしたのは、けっして気のせいではないだろう。


火箸で釜戸の灰を軽くかき分けると、昼に使った薪(たきぎ)の、炭化したものがちょこんと姿を見せた。
それを種火として利用し、よく乾いた小枝に火を移し、薪を燃やし…手慣れた様子でお湯を沸かしていく。

「夕食の分か。薪は足りているかい?」
ティファニアが振り向くと、そこにはワルドが立っていた。
どこか気遣うように釜戸の様子を見ている。
「ええ、大丈夫ですよ。ワルドさんのおかげです。薪割りもあんなに沢山やってもらって、本当に助かります」
「世話になっているんだ、これぐらい当然だよ」
ワルドが笑みを返すと、踵を返して台所を出て行った、ティファニアほほえんだままそれを見送る。
ティファニアは家族と、珍しいお客さんのために、美味しい料理を作るべくよし!と気合いを入れた。



「………」
台所を出たワルドは、夕方の見回りをしに外へと出た。
空を見上げて竜騎兵がいないことを確認する、年には念を入れ、木々の影を縫うように素早く、音もなく森の中へと移動していった。
風系統のスクエアたるワルドは、風の流れに敏感で、気配を消すことも感じ取ることも得意としている。
更に、ウエストウッド村に滞在している間、『土くれのフーケ』として盗みを働いていたマチルダから、山や森の知恵をいくつか教わっている。
マチルダは時々、暇つぶしの雑談に混じって、猟師が如何に気配を消して獲物に近づくのだとか、獣の踏みしめた地面の見分け方を語る。

それらの知恵は、王族の親衛隊を勤める魔法衛士隊ではほとんど発揮される事は無かった、そういった索敵の技術は基本的に使い魔が有しているものであるからだ。
メイジがそれを行うのは、花形部隊では忌諱されがちですらあったが、大いに参考になる知恵であり、戦いを有利に進めるため学ぶものも少なくはない。
その一人がワルドだった、母を失い、トリステインの内情を知るにつれて歪んでいったワルドは、裏切りを正当化するための材料として己のプライドを肥大させた。
泥臭い猟師の知恵など下賎なものだと思いつつも、それを習得して数多くの任務を成功させ、それでいて自分は崇高な理想を持ってトリステインを裏切り、いやむしろトリステインを「見限ってやった」とすら考えていた。

それを打ち砕いてくれたのがルイズだった。
437名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/12(金) 22:53:24 ID:wNGaqkP7
仮面!仮面じゃないか!!
438仮面のルイズ:2008/09/12(金) 22:56:23 ID:6zW72bdo

ルイズは、己の能力をよく理解し、それを有効活用する術をしっかりと考えている。
虚無の系統とか、公爵の血筋だとかそんなものではなく、ルイズは己の今と、これからの生き方によどみない自信を持っていると思えた。
だからこそ、ワルドは自分が矮小だと気づき、ルイズに忠誠を誓った。

そして今、このウエストウッドという小さな村で、子供達の相手をする時間が、とても安らかなものだと思えていた。
以前なら平民の子供や、落ちぶれた貴族の子供には、作り笑顔で接していたことだろう、しかし今は違う。
マチルダ、ティファニア、ルイズが子供の相手をしているのを見ると、なぜだろうか、とても安らぐ……




「…?」
ふと、周囲を警戒していたワルドに、何か人の気配のようなものを感じた。
手入れのされていない森は、獣道でもない限り歩いて通ることはできない、背の高い草で木々の隙間が埋められてしまう。
その草の向こうから、ガサガサ、という葉擦れの音が聞こえてきた。

「……」

血が冷めていく。
ワルドは短剣状の杖を手に持ち、腰を低くして木の陰に隠れた。
ガサガサ、ガサガサと近づいてくるその音だけでなく、周囲360度を警戒する。
敵か、動物か、第三者か、陽動か、疎開か、迷い子か、斥候か……
考えを巡らせていくうちに、その音は間近まで迫ってくる。

ザッ、とかき分けられた草の向こうから姿を現したのは、全裸で、しかも胸と腹に陥没した痕の残るルイズの姿だった。

「!」
驚いて目を見開いたワルドは、そっとルイズに見えるよう顔を出した、左手で口を覆う仕草で『誰かに聞かれていないか?』という意図を伝える。

ルイズはさして驚きもせず、ワルドの仕草を見て口を開いた。
「大丈夫、追われてはいないわ…」
「どうしたんだ、大丈夫なのか?その怪我は?」
ワルドは『レビテーション』で身体を浮かせると、すぐにルイズに近寄り抱き上げた、右膝を曲げてそこにルイズを座らせ、足跡をつけぬようゆっくりと森の中を移動していく。
「ちょっと…手強いやつがいたのよ、けっこう、だめね、疲れたわ」
「血は必要か?」
「いい…」

ルイズの返事はどこか弱々しかった。
439名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/12(金) 22:57:10 ID:79cR2MJ3
この瞬間を待っていた、喰らえ支援だ
440仮面のルイズ:2008/09/12(金) 22:58:31 ID:6zW72bdo



ワルドは、ティファニアや子供達に気づかれぬように注意しつつ、マチルダの部屋へとルイズを運んだ。
自室で裁縫をしていたマチルダが、ルイズの姿に驚いたのは言うまでもない。

「何があったのさ…あんたがそんな怪我を負うなんて」
「火のメイジよ、トライアングルか、それ以上よ。とんでもない熱だったわ…焦げるなんてもんじゃない、胸の肉が一瞬で炭になったもの」
「とんでもないね。ところで、そいつらは?」
「ダメージが大きすぎて、殺せなかった…詠唱する暇がないぐらい正確に火が飛んでくるのよ、記憶を消すのがやっとだったわ」

マチルダはルイズをベッドに寝かせようとするが、ルイズはその手を払った。
「すぐに行かなきゃ、あいつら、トリステインに向かってる」
「え?」

そのとき、がちゃりと扉が開かれワルドが入ってきた。
ワルドはデルフリンガーを、ルイズの座るベッド脇に立てかける。
「食事が出来たそうだ…食べる余裕は、あるか?」
「ごめんなさい、食事の時間も惜しいわ…ティファニアには悪いけど。ワルドよく聞いて、トリステイン魔法学院が狙われてるわ、とても強力な火のメイジの、傭兵達によ」
「!」
とたんにワルドの表情が険しくなった、思い当たるものがあるのか、ワルドは跪いてルイズに顔を近づけ、声を荒げぬよう気をつけて問いかけた。
「それは、この間デルフリンガーが言っていた奴か? 長距離から気配を探られたとか言う…」
「ええ」
頷くルイズに、マチルダがはっとした表情になった。
「まさか、白炎のメンヌヴィルじゃないだろうね」
ワルドもまた何かに気がついたように目を見開き、ルイズに問いかけた。
「…ルイズ、そいつは盲目では無かったか」
「顔に大きな火傷の痕があったわ。目じゃなくて…熱を感じてるみたい、そのせいで苦戦したのよ」

マチルダとワルドが顔を見合わせた。
「間違いないね、そいつがメンヌヴィルさ。とんでもない火の使い手だよ」
「メンヌヴィル?」
「とにかく、人でも亜人でも、焼いていたぶるのが好きなキチガイだって聞いたね、そんな奴に狙われるなんて…」

腕を組み、眉間に皺を寄せ考え込むマチルダだったが、ふと何かを思いついたのか顔を上げる。
「陽動ってことは無いのかい?この孤児院が狙われる可能性は?臭いや魔法で追跡されるとか…とにかく、一度調べるよ」
そう質問しながらマチルダがディティクトマジックを唱え、ルイズの身体を調査する。
ルイズの身体には何も仕掛けられている様子は無かった。

「尾行の可能性はごく低いわ。十分注意してた。森の中を移動する途中、何度か動きを止めて周囲の音を観察したの。
蟻の足音も、鳥の羽音も、地下の音も疑ったけど、それらしい音は感じられなかった」
「そう…それだけ注意してれば何とか大丈夫だと思うけど。魔法学院の件はどうするのさ」

沈黙が流れる。
時間にして数秒のことだったが、答えを決めかねているルイズにとって、それは一分よりも長く感じた。
「どちらにせよ、すぐ報告せねばならないだろう。
今の時期、アルビオンはラ・ロシェールを離れ、ガリア寄りになる。…遍在を繋ぎの取れる場所に飛ばすのは無理だ。僕が直接飛んでいこう」
ワルドの言葉に、ルイズ瞳が揺れた。
「……私も、私も行くわ」
441仮面のルイズ:2008/09/12(金) 23:00:27 ID:6zW72bdo

ルイズの言葉に、ロングビルが血相を変えて叫ぶ。
「正気かい!? 言ったろう、シエスタって嬢ちゃんは吸血鬼殺しの英才教育を受けてるんだよ!」
「魔法学院に乗り込むつもりは無いわよ、可能ならメンヌビルって奴を迎え撃つ…もしくは、奴らの奇襲を奇襲してやるわ」
「あんた…! ああ、いくらなんでも、そこまで魔法学院に義理はないだろう?いくら王宮と繋がってるとはいえ、タダじゃ済まないかもしれないんだよ」
「義理なんて無いわよ。私はただ、あいつらの思い通りにさせたくないだけよ」

キッ、とマチルダを睨む。
その視線は極めて鋭いものだったが、恐怖は感じなかった、怒りではなく純粋な決意がそこに秘められており、マチルダはルイズの言葉に納得するしか無かった。

「マチルダ、悪いがティファニアに説明しておいてくれ。急用が出来たとな」
「わかったよ」
マチルダが部屋を出るのを見ると、ワルドはポケットからアルビオンの地図を取り出した、それは四つに畳まれた羊皮紙であり、広げると幅三十サント四方になる。
焼き付けられているのは地図と、ハルケギニアとアルビオンの周回図だった。
「ルイズ、場所と時間を教えてくれ」




ルイズはここ数日の間に知り得たことを、簡潔に述べた。
メンヌヴィルと接触した場所、時間、ウエストウッドへと移動した経路など…
馬車で移動した時に見た街道の風景や、町中の様子から、アルビオンの民が過酷な環境に置かれていると言うこともハッキリした。
できればクロムウェルを暗殺したかったが、それは『可能ならば』という但し書きがつくので、重要度はそれほど高くない。
ルイズも、またトリステインで待っているウェールズ達もそれが可能だとは思っていないはずだ。

話をしながらもルイズは、目立ちにくいくすみとムラのあるオリーブ色に染められた服に身を包む。
飾り気のないシャツ、足首を縛れるズボン、フード付きのマント、そして…デルフリンガーに手をかけようとしたところで、ルイズの動きが一瞬止まった。

ルイズはデルフリンガーの柄に手を触れず鞘を掴んだ、それはデルフリンガーに触れるのを恐れているようにも感じられた。

コツコツ、とドアがノックされる。
ワルドは地図を懐にしまい込みつつ、「どうぞ」と呟いた。

「お食事、食べていかれないんですか?」
扉を開いたのはティファニアだった、心配そうな表情をしていると、一目で分かる。
「ごめんね、せっかく準備してくれたのに…」
「いえ、いいんです。あ、でもパンがありますから、お弁当代わりに持って行ってください」

「ああ、そうか…ありが」「ごめんなさい、急ぐから食べていられないの、道中食べる暇も無いし…」

ワルドが、パンの入った小さな包みを受け取ろうとした時、ルイズがそれを遮った。

「そうでしたか…ごめんなさい」
「いいのよ。私たちが無駄にするより、みんなで食べた方がいいでしょう? ワルド、そろそろ行くわよ」
「ああ」

ワルドとルイズが、ティファニアの横を通り過ぎる。
「あ…」
その時、ティファニアはルイズの横顔を見て、記憶の中にある在りし日の母と重なった気がした。

兵士が屋敷に殺到したとき、生き残ることは不可能だと思いながらも、生き残るために毅然とした態度を崩さなかった母に。

「マチルダ姉さん…」
ティファニアは寂しげな瞳で、マチルダの顔を見上げた。
「なんだい?」
「二人とも、大丈夫、かな。何か危険なことをしに行くんでしょう?」
「心配しなくても大丈夫さ、あの二人なら大丈夫だよ」
「でも……石仮面さん、何か辛そうな気がする」
マチルダは顔を上げ、ルイズの後ろ姿を見送った。
一抹の不安があったが、それは口に出さず心の中だけで処理をした。
442名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/12(金) 23:00:42 ID:FrTnXHbe
うぉーっ!うぉぅっ

感涙の支援だ!
443名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/12(金) 23:01:16 ID:aR7PRTd4
仮面さんとルイズを支援する
444仮面のルイズ:2008/09/12(金) 23:01:16 ID:6zW72bdo
それから半日ほど後、すでに太陽は姿を隠し、二つの月が空高く上がっている。
ルイズとワルドの二人は森を越え、街道を越え、首都ロンディニウムとは逆方向になる川へと出ていた。
「ワルド。悪いけど強行軍になるわよ。川から流れ落ちる水に紛れるよう『イリュージョン』を使うわ。そこから雲を突き抜ければ、今の時期はガリア寄りの海上に出るわね」
「僕はそこから『フライ』を使って、トリステインまで飛べばいいのだな?」
「ただし高度は私の言うとおりに維持して貰うわ……哨戒に出ている竜騎兵に見つかる可能性もあるし」
「わかった、君の目を信用している」

二人は小声で会話をしながら、川沿いの道から獣道へと入り、岩場を歩いていく。
早ければ朝日を迎える前に、川の終点にたどり着けるだろう。

「パン、食べたかったな」
川沿いの岩場を歩いていたルイズが、不意に呟いた。
「今更どうしたんだ、貰ってくれば良かったじゃないか」
「歩きながらでも食べたかったわよ、でも、気を利かせてたっぷりバターを入れてくれたんでしょうね、臭いがしたわ」
「バターの香りが?」
「そうよ、あの臭いじゃ目立って大変だわ。私にだって50メイル離れていても分かる臭いだもの」
「なるほどな…そうか、臭いか。すまない、そんなことにも気がつかないなんて、僕も気が緩んでいたかな」
「攻める訳じゃないわ。それに、逆に考えるのよ、子供達に囲まれて良い休暇だったでしょう?」
「ふふ、まあな。生意気な奴がいたが、木の実を拾うときなんか、年下を庇ってよく動いていたよ」
どこか清々しいはにかみを見せて、ワルドが呟く。
ティファニアを母として、姉として慕う孤児院の子供達は、ティファニアのお陰かマチルダのおかげか、家族を守るという意識が小さいながらも根付いている。

「皆、血は繋がらなくとも兄弟のようだ……領民は皆我が子であると、先々代の王は言っていたそうだが、その通りかもしれん。新しい世代が育つのを見届けるのは、いいものかもな」
魔法を行使する貴族の、魔法によって領地を守るという観念の元になった、慈愛と勇気の意識。
それこそがティファニアの持つ精神であり、皆その影響を受けて育っている、そうワルドは感じていた。


ぴたりと、ルイズが足を止めた。
「…子供」

不思議に思ったワルドが、ルイズの顔を覗き込もうとするが、ルイズはミシリと音が立つほどに拳を握りしめて、ワルドに顔を見られぬよう早足で歩き出した。
「ルイズ?」
「なんでもないわ、急ぎましょう」
445仮面のルイズ:2008/09/12(金) 23:03:09 ID:6zW72bdo
気を抜くと、歩くのを止めてしまいそうになる。
まるで体中を鎖でがんじがらめにされたような、過度の閉塞感を感じていた。
ルイズは、なぜ自分から『子供』という単語を使ってしまったのかと、ひどく後悔している。

ウエストウッド村の子供達は、皆素直で、小さくてもティファニアを守ろうという意識があって、とても眩しい。
そう、ルイズは子供達を見て、元気を分けて貰っている。

昨日、街道脇の森で、たまたま見つけた親子もそうだった。
自分のことを心配してくれた上、死体をケモノに食い荒らされぬよう、土に埋めようとしてくれた。

それなのに自分はその親子を『食った』。

ウエストウッドの子供達は、とても可愛いと思える。
しかしあの親子もまた、とても美味しかった。


子供を可愛いと思えるのも美味しそうだと思えるのも、どちらも偽りのない自分の意識。
石仮面を被り、吸血鬼となったときは、人間は餌に過ぎないと思っていた、合法的に殺人と吸血ができる傭兵を選んだのは、ただの気まぐれに過ぎなかったはずだ。

しかし今は、そんな自分が恐ろしい。
ふと…何かの拍子で、それこそ枯れ葉が風に舞うような、ごくごく小さな何かがきっかけで、ウエストウッドの子供達を『美味しそうだ』と思えてしまうのではないだろうか。

そうなってしまったら、次は?

『美味しかった』となってしまったら………




ルイズは、鎖で縛り付けられた体が、ゆっくりと海の底へと沈んでいく気がした。
震えそうな手を、力を込めて必死で押さえ、カチカチと鳴りそうな歯を、食いしばって必死に耐える。

そこでふと気がついた。
デルフリンガーは心が読める。
『だから自分は、デルフリンガーを恐れていたのか』と。

デルフリンガーを握れば、自分のしでかしたことすべてを見透かされてしまうかもしれない。
永遠に近い寿命を、共に過ごしてくれるかもしれないデルフリンガーに、嫌われてしまうかもしれない。

もし、ワルドにも嫌われたら?
もし、マチルダにも嫌われたら?
もし、ティファニアにも嫌われたら?
もし、アンリエッタにも、ウェールズにも、姉様にも…


ルイズの後ろを歩くワルドの目に、力強く映るルイズの足取り。
その芯は今にも崩れそうなほど危うかった。




To Be Contined →
446名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/12(金) 23:06:23 ID:FrTnXHbe
乙!
ルイズ 不憫だ
447仮面のルイズ:2008/09/12(金) 23:06:51 ID:6zW72bdo
今回はここまでです。
ネタバレになりますが、原作でティファニアに記憶を操作して貰った後のルイズを見ると辛いですね。
思い詰めたら責任感と後悔の狭間で苦しみながら生きる正確タイプなのか……と考えてしまいました。
今回はそういった心理をどうするか悩んでて、かなり遅れました。すんません。
448名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/12(金) 23:10:24 ID:6F2zYizn
相変わらず素晴らしいですね……。乙でした
ルイズは幸せになって欲しいなあ……
449名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/12(金) 23:28:59 ID:FrTnXHbe
Wiki登録してマクロで全編連結したら539514字(番外編2つ含む)にも達している!
本当にお疲れさまです
450名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/12(金) 23:54:50 ID:oe13xUDW
DIOのやつとセツコさんのやつとハム兄貴のやつの続きが気になるぜ
451名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/13(土) 00:27:35 ID:vE1rWwdh
グレートっすよ〜!!
ルイズやそんなに悩むんじゃあない。
可愛いと美味しそうという感情は両立するんだよ。
ほら、誰だって猫を撫でて指がその太ももさんを這った時、「あ、この大きさ=フライドチキンと同じだな」と思うだろう?
それと同じだよ。
ねえ?皆猫美味しそうだと思うよね?ね?ね?
452名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/13(土) 00:35:25 ID:ko/xyzhk
ミスタ「猫は不味い」
453名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/13(土) 01:06:15 ID:Lr8hxKcQ
>>452
なぜ味を知っているのか怖くて聞けないよ!
助けて露伴先生!
454名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/13(土) 01:06:58 ID:oM1RGVu8
ちゃんとご馳走さまを言っておけば良かったのにね
食べ物に対する感謝を忘れてしまったらダメだよね
455名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/13(土) 02:12:13 ID:ko/xyzhk
第5部 ゴールド・E・レクイエムCを参照だ

            ,. <><><ヽ
           /><><><>ヽ
          / ./ コ 「 ̄ヽヾ>く|
           | .| 代___ア  | |XX|
          .| | ノ    `ヽ | |XX|
           | l ●   ● | |XX |
            |_|ヘ⊃、_,、_,⊂⊃|_|XX|
             /⌒l,、 __, イァト
            /==イ,┃, ,_┃XXヽ
            || |il !トー癶-イXX/X ||
456名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/13(土) 06:52:51 ID:TULzoJuP
仮面きた〜
457名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/13(土) 11:55:38 ID:mJRBUI1z
ルイズ≒エルザ
458名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/13(土) 12:55:04 ID:z6rjsATk
ひまつぶしに地球辞典読んでた
ハルキゲニアって大昔の海底にすんでた生物を発見した。
だからなんていうことはないんですがね。
459名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/13(土) 13:14:22 ID:murn0XXp
生物の教科書とかにも載ってるよハルキゲニア
460名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/13(土) 13:17:05 ID:hNQ5Lt7l
こことかもういっこのスレではしょっちゅう書き間違えられてるんだよな。
461名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/13(土) 13:28:52 ID:YhZZT/ug
ハルキゲニア(Hallucigenia)は、古生代カンブリア紀前期-中期(約5億4,500万-約5億3,000万年前)の海に生息していた動物。
バージェス動物群に属するものの一つである。
属名(ラテン語)は「奇怪で夢幻のような特質(bizarre and dream-like quality)を持つもの」との意味合いをもって造られた
ギリシア語由来の名称であり、多くは「幻覚のようなもの(like a hallucination)」の意味であると解説される。
その姿のあまりの不思議さ、理解しがたい造形に由来する名づけである。中国語名「怪誕虫」。 wikipediaより

そこからとったのかもね。
462名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/13(土) 13:30:19 ID:jvN3P5LJ
あの時代の生物は愉快すぎる
463名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/13(土) 13:41:46 ID:W7f6P3el
ハルゲキニアと書き間違える事が多々あるね、俺は
464名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/13(土) 13:56:48 ID:xDZtvOSe
ハルキゲニアはいっぺん小ネタかなんかで召喚されてたような気もする
完全にネタだったからまとめには登録されてないかもしれんがw
465名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/13(土) 13:58:01 ID:xDZtvOSe
スマン誤爆
というか姉妹スレと勘違いしてしまった
466名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/13(土) 13:59:19 ID:jvN3P5LJ
あいつ酸素があったら死んじゃうんじゃねーの?
467名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/13(土) 14:13:42 ID:61mgcYv4
>>461
つまり本編は夢オチですね
468名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/13(土) 17:07:24 ID:UDQFOxiO
ブリミルが最新刊でいたというところはイグジスタンセアで、これはラテン語の実在とか実存という語から来ていることを考えれば、ハルケギニアの名前って意味深だよねー。
469ねことダメなまほうつかい:2008/09/13(土) 19:35:41 ID:MKXw/58g
ちょっと投下しますよ
470名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/13(土) 19:35:59 ID:J/m4d2rY
支援します
471名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/13(土) 19:36:03 ID:eR90ANlp
支援。
472ねことダメなまほうつかい:2008/09/13(土) 19:37:10 ID:MKXw/58g
 アルビオン王国の首都であるロンディニウムのハヴィランド宮殿の奥の部屋で、
 ふたりの男性がソファーにもたれてくつろいでいました。
 そのお部屋は見た目はあまり豪華ではないのですが、居心地がいいように考えられて造られたお部屋です。
 位が低い神官が着る僧衣を着た中年の男性はなにやら難しそうな本を読み、平民が着るような服を着た
 若い男性は腕を組んでなにかを思い出そうとしていました。
 その若い男性があまりに難しい顔をしているので、中年の男性は読んでいた本を閉じて話しかけました。
 
「ジュリオ、難しい顔をしてどうしたんだ?心配ごとでもあるのかい?」
「ああ……心配ごとじゃないんだけどね、二年前にきみといっしょにサウスゴータを襲ったじゃないか。
 そのときに、きみが生かしておくように言った太守の娘の名前がどうしても思い出せなくてね」

 ジュリオと呼ばれた若い男性はたいしたことじゃないと笑いましたが、僧衣を着た男性は
 なにかを考えるように手を合わせると、真面目な顔でジュリオを見ながらゆっくりと語りかけました。

「ジュリオ、それは啓示だよ」
「啓示だって?だがねクロムウェル、ぼくは神なんて信じていないよ」
「それはわたしとて同じだ、神はこの世に存在してはいない。あるのは運命という名の呪いだけだ。
 だが、人は運命に翻弄されるだけではない。極めて稀だが……人は運命を感じ取ることがある。
 それが啓示だ。ほとんどの者はそれに気がつかないがね」

 そう言ってクロムウェルは今のきみのようにねと笑い、それにつられてジュリオ笑いました。
 ふたりはしばらく笑いあっていましたが、突然ジュリオは笑うのをやめて遠くのものを見るように
 目を細めると、クロムウェルに向かって言いました。
473ねことダメなまほうつかい:2008/09/13(土) 19:38:57 ID:MKXw/58g
「クロムウェル、きみが正しかったようだ。ウェールズがこちらに向かってきている。
 それからワルド子爵も客をつれて到着した」
「そうか……ならば、出迎えてやらねばならないな」

 クロムウェルはジュリオにフードつきのローブを渡すと、それを着るように言います。
 ジュリオは少しふしぎに思いましたが、クロムウェルになにか考えがあるのだろうと思って、
 それを身につけてから部屋を出ました。
 それからふたりが謁見の間に向かって歩いていると、ジュリオが思い出したように言いました。
 
「そういえば、サウスゴータの娘はなんて名前だったかな?きみはおぼえているのかい?」
「ああ、彼女の名はマチルダ。わたしたちを天国へと運ぶ階段のひとつだよ」

 ジュリオはマチルダの名前を思い出して、のどに刺さっていたさかなのほねが取れたような
 スッキリした顔で廊下を歩きます。
 そんなジュリオの顔を見てクロムウェルはほほ笑み、指にはめた琥珀色の指輪をさわって
 感触を確かめると、ジュリオの後ろについて歩きました。
 

 ワルド子爵とマチルダは謁見の間であたまを下げながら、クロムウェルを待っていました。
 マチルダのこころはメラメラと復讐の炎に燃えています。
 苦しいこと、辛いことがたくさんありましたが、ようやくここまで来たのです。
 マチルダは今か今かとクロムウェルを待ちわびました。
 ですから、謁見の間に兵士がいないことに気づいていません。
 ワルド子爵はそのことに気がついていましたが、ここまで来て引き返すことはできません。
 それに、もし罠だったとしても、マチルダを命をかけて守ろうと自分に誓っていましたし、
 それができるだけの自信もありました。
 そうしていると、扉が開いてカツカツと足音がふたつ謁見の間にひびきました。
474名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/13(土) 19:39:33 ID:eR90ANlp
4円。
475ねことダメなまほうつかい:2008/09/13(土) 19:40:40 ID:MKXw/58g
「待たせたね子爵、ふたりとも顔を上げたまえ」
「ハッ!お忙しいところ、わたしなどにお時間を割いていただき、ありがとうございます」

 ワルド子爵がこころにもないことを言って、ふたりは顔を上げました。
 そして、マチルダは玉座にすわるクロムウェルを見て、がく然としました。
 マチルダの記憶の中のクロムウェルは、金髪の若い男性だったのですが、玉座に座るのは
 見たこともない中年の男性だったからです。
 あまりにおどろいたので、なにも言えずに呆然としているとフードつきのローブを着た男性が
 クスクスと笑ってフードを下ろしました。
  
「な……っ!クロムウェル!?」
「違うよ、クロムウェルはこっちだ。ぼくの名はジュリオ、ジュリオ・チェザーレだ。
 ああ……、きみの記憶違いじゃないよ、きみの両親を殺したのはぼくだし、
 クローゼットの中でふるえていたきみを見逃したのもぼくだ」
「きさま……なにを言っている……?クロムウェル閣下、お教え願えますかな」

 ワルド子爵は混乱するマチルダを守るように前に出ると、杖を抜いてクロムウェルたちに向けます。
 クロムウェルは玉座からマチルダを見下ろして、子どもに語りかけるように言いました。

「二年前、サウスゴータを襲ったとき、わたしとジュリオは名前を名乗らなかったのだが、
 きみはどうしてわたしが両親の仇だと思ったんだ?
 無名の神官だったわたしの名を……なぜきみは知っていた?
 レコン・キスタの総司令官であるわたしの名を知ったとき、きみはどうして盗賊になった?」
476ねことダメなまほうつかい:2008/09/13(土) 19:42:27 ID:MKXw/58g
 混乱していろいろなことがあたまの中で渦を巻いているマチルダには、なにも答えられません。
 ですが、ワルド子爵はクロムウェルが言っていることを理解してしまいました。
 それはとても信じられないおぞましいことです。
 しかし、ワルド子爵の考えている通りだとすれば、どうして王家に忠誠を誓う有力な貴族たちが
 レコン・キスタに参加したのか、強力なアルビオンの軍隊を指揮する司令官が戦いの最中に
 味方を裏切ったのか納得ができました。
 ワルド子爵が真実を知っておどろいていると、ジュリオはあたまを押さえてうずくまるマチルダを
 見下して、あざ笑うように言いました。

「フンッ!まだ理解できんのか?……マチルダ、お前はな……あの夜からずっと、操られていたんだよ。
 お前の感情も……行動も……その全てが……クロムウェルの思いのままになァーーーーッ!!」
「わたし……は……わ……たし……は……」
「マチルダ!気を確かに持つんだ!!あいつの言うことに耳を貸すんじゃあないッ!!」

 ワルド子爵がうずくまるマチルダを抱き起こして顔を見ました。
 マチルダの顔はまるでのっぺらぼうのように、なんの感情もなく、ブツブツとなにかを呟いています。
 ワルド子爵はマチルダを抱えたままクロムウェルたちから離れようとしましたが、
 それを読んでいたジュリオがワルド子爵に襲いかかってきました。
 ワルド子爵は閃光の二つ名に恥じないスピードで呪文を唱えて、風の刃をジュリオに向けて撃ちます。
 ですが、ジュリオは恐ろしい動体視力と反射神経でうしろに飛んで魔法を避けました。
 ワルド子爵は魔法衛士隊の隊長に任命されるほどの実力者ではありましたが、
 ジュリオの凄まじい殺気を感じて、ケツの穴にツララを突っ込まれた気分になりました。
 このままでは確実にふたりとも始末されてしまうと感じたワルド子爵は、マチルダの手をつかんで
 自分のうしろに放り投げます。
477名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/13(土) 19:43:45 ID:J/m4d2rY
支援
478ねことダメなまほうつかい:2008/09/13(土) 19:44:00 ID:MKXw/58g
「まずは裏切り者のワルドを始末する。マチルダ……次は貴様だ」
「逃げろマチルダ!!早く行くんだ!」 

 次々に呪文を唱えてジュリオを攻撃するワルド子爵をマチルダは虚ろな目で見ていました。
 ワルド子爵は様々な魔法が唱えますが、ジュリオは軽々とそれを避け、ワルド子爵の胸を
 打ち抜こうと腕を振り上げました。
 そのとき、ワルド子爵とジュリオの間を物凄いスピードでなにかが飛んでいきました。
 それは壁にぶつかるとガリゴリと壁をけずり、ゴトンと音を立てて床に落ちます。
 ワルド子爵はあわててジュリオから距離を取って自分の胸を見ると、けものの爪のような形に
 服が切り裂かれていました。
 なにかが飛んでくるのがほんの少し遅かったら、胸をえぐられて死んでいたでしょう。
 ワルド子爵はジュリオをにらみながら、なにかが飛んできた方向をチラリと見ると、
 マチルダがジッと自分の手を見つめていました。
 それからマチルダはゆっくりと立ち上がり、ジュリオに向けて言いました

「思い返せばおかしなことばかりさ……確かに、わたしは操られていたかもしれない……けどね、
 この胸の!アンタを殺してやりたいってこの気持ちは!復讐のために磨いたこの技術は!
 このマチルダ・オブ・サウスゴータのものだ!!決して操られたものじゃあないッ!!!!」
「それがどうした?お前が死ぬこと変わりはないッ!!」

 ジュリオがマチルダに襲いかかろうとすると、足元にまるいものがころがってきました。
 それを見たジュリオは次に起こることを予想してうしろに飛ぼうとしましたが、
 それより早くマチルダが叫びました。
479ねことダメなまほうつかい:2008/09/13(土) 19:45:54 ID:MKXw/58g
「喰らいな!サウスゴータの鉄球ッ!!」

 マチルダが叫ぶと、ジュリオの足元にある鉄球がまるで意思があるように飛び、
 円を描くようにしてジュリオへと襲いかかりました。
 ふつうに投げられたなら、どんなにスピードがあってもジュリオは避けられますが、
 距離が近すぎたことと、変則的な動きだったこともあり鉄球を避けられそうにありません。
 ですから、ジュリオは避けるのをあきらめて鉄球を手のひらで受けとめ、その回転を止めてしまいました。
 サウスゴータの一族が編みだした鉄球の技術は門外不出とされていますが、
 ジュリオはマチルダの父親との戦いで、サウスゴータの鉄球の秘密は回転にあると見抜いていたのです。
 そして、回転の止まった鉄球はただの鉄のかたまりにすぎません。
 ジュリオはこれで鉄球を封じたと思いましたが、マチルダはそう思ってはいません。
 復讐のために磨き続けたマチルダの鉄球の技術は、彼女の父親よりも攻撃的なものになりました。
 マチルダは王族護衛官としてではなく、復讐者として新しい鉄球の技術生み出したのです。

「甘いねぇ、まだまだ終わっちゃいないよ。衛星ッ!」
「なにッ?!」

 鉄球にはまっている小さな鉄球が次々に飛びだしてジュリオを襲います。
 さすがのジュリオの反射神経でも、こんな近くから無数に飛んでくる小さな鉄球は避けられません。
 そして、その動体視力で見た小さな鉄球の回転の威力は大きな鉄球と同じくらいあることがわかります。
 マチルダは勝ったッ!ねことダメなまほうつかい完!と思いましたが、彼女は大切なことを忘れていました。
 敵はジュリオひとりではないのです。

「うぐおぉぉお!?」
「ジャ、ジャン?!なんで……ハッ!?」

 柱の影から自分にめがけて鉄球が飛んできたので、マチルダはもうひとつの鉄球でそれを撃ち落とすと、
 その鉄球の回転でふたつの鉄球と衛星を回収してからワルド子爵に駆けよりました。
480ねことダメなまほうつかい:2008/09/13(土) 19:47:06 ID:MKXw/58g
「ジャン!ジャン!大丈夫?!」
「あ……ああ、なんとかな……それよりもヤツはどこに……」

 ワルド子爵はマチルダに支えられながらヨロヨロと立ち上がりました。
 ワルド子爵は大丈夫だとマチルダに言いますが、からだのアチコチが傷ついて血が流れていました。
 そのマチルダの鉄球の威力を褒めるようにパンパンと拍手の音が柱の影から聞こえてきます。
 ワルド子爵とマチルダが柱の方を振り向き、信じられないものを見ました。
 なんとジュリオがそこにいたのです。
 起こったことをありのままに受け入れると、マチルダの鉄球が当たる直前にジュリオはワルド子爵と
 入れ替わり、柱の影まで移動していた。
 ジュリオがなにをしたのかわかりませんし、ワルド子爵とマチルダもなにが起こったのかわかりません。
 ふたりのあたまは、どうにかなりそうでした。
 魔法や超スピードといった、そんなチャチなものでは断じてありません。
 もっと恐ろしいものの片鱗をふたりは味わいました。
 
「ジュリオ、遊びはそろそろやめにしないか?」
「ああ……すまない、すっかり忘れていたよ」

 今まで動かなかったクロムウェルが立ち上がったので、ワルド子爵とマチルダは警戒しました。
 ですが、クロムウェルとジュリオはふたりを無視して謁見の間から立ち去ろうとしていたので、
 マチルダは鉄球を投げようとします。
 ですが、先ほどと同じようにふたりの姿がまたもや消えてしまいました。
 マチルダはあわててクロムウェルの後を追おうと思いましたが、傷ついたワルド子爵が心配で動けません。
 ワルド子爵は構わずに追えと言いますが、マチルダはワルド子爵の傷の手当てをはじめました。
481ねことダメなまほうつかい:2008/09/13(土) 19:48:03 ID:MKXw/58g
「クソッ!ぼくが足手まといになるとは……」
「ジャン……それは違うよ。あなたがわたしを守ってくれたから、わたしは戦えたんだ」

 マチルダはワルド子爵の手をそっと握りました。
 ワルド子爵とジュリオの戦いは、あの悪夢のような夜の出来事を再現したようなものでした。
 もし、マチルダが鉄球を投げなければワルド子爵は死んでいたでしょう。
 ですが、マチルダは復讐のために磨いた技術で、今度は大切な人を助けることができたのです。
 それはクロムウェルに操られていたという真実に潰されそうになっていたマチルダのこころを救いました。
 助けられたという事実が、厚くて暗い雲の間から差し込む太陽の光のような希望をマチルダに与えたのです。
 たとえ過程が同じでも結末は変えられるということを、マチルダはこの戦いで気づきました。
 そして、そのチャンスを作ってくれたワルド子爵に感謝しました。

「だから……その……ありがとう」
「マチルダ……」

 マチルダは潤んだ瞳でワルド子爵を見つめ、ふたりは抱きあうように顔を近づけていきました。 
482ねことダメなまほうつかい:2008/09/13(土) 19:49:57 ID:MKXw/58g
「クロムウェル、これで何枚目だ?」
「そうだな……37枚といったところか。もう少し欲しいところだ」

 クロムウェルとジュリオは倒れているワルド子爵とマチルダを見下ろしていました。
 ふたりは抱きあうようになりながらドロドロに溶けていて、生きているかどうかもわかりません。
 クロムウェルはマチルダとワルド子爵のあたまに指を突っ込んで、キラキラ光る円盤を取り出すと
 それをポケットにしまいます。
 それから、カツカツと足音をひびかせて出口に向かいながらジュリオに言いました。

「あとは風と水のルビーを手に入れねばな」
「なに、ぼくたちなら簡単に手に入るさ」 

 クロムウェルはジュリオに答えようとしましたが、とても恐ろしいなにかを感じました。
 それから考える間もなく、からだがかってに後ずさりしました。
 クロムウェルがよく言っている運命というものなのか、それとも、かつて感じた恐怖によるものかは
 わかりませんが、かろうじてクロムウェルの命は救われました。
 先ほどまでクロムウェルが立っていたところに、腕から刃物を出している男が舞い降りたからです。
 男が床に着地すると同時にクロムウェルの服が裂けました。
 もしそのままでいたなら、クロムウェルは間違いなくに真っ二つにされていたでしょう。 
  
「おのれ!貴様もマチルダの仲間かッ!!」
「待てジュリオッ!」
「いいや、これ以上は待たねーぜ」

 クロムウェルを襲った男に飛びかかろうとするジュリオを、クロムウェルは止めようとしましたが、
 ふたりの後ろに現れた男に、ふたり仲よく殴られて吹っ飛んでしまいます。
 ふたりは壁まで飛んでしまいましたが、なんとか受け身を取って床に立ちました。
 着地した後にジュリオは男たちをにらみましたが、クロムウェルはうろたえていました。
 その男たちの恐ろしさを、とてもよく知っているからです。 
483ねことダメなまほうつかい:2008/09/13(土) 20:03:56 ID:MKXw/58g
「やれやれ、五千年ぶりってところか」
「フォルサテ……ワムウとティファニアのDISCを返してもらおうか」
「なぁクロムウェル、やつらが言っている意味がわかるかい?」
 
 男たちがなにを言っているのか理解できないので、ジュリオはクロムウェルに聞きました。
 ですが、クロムウェルはブツブツと素数を数えているだけでなにも答えようとしません。
 この男たちが現れたのは、クロムウェルにとって最悪の事態になりました。
 レコン・キスタ総司令官、オリヴァー・クロムウェルの本当の名前はフォルサテといいます。
 このフォルサテという名前はとても有名です。
 ロマリアを建国した始祖の墓を守る弟子の名前なので有名なのは当然です。
 始祖の伝説の中ではフォルサテは弟子ということになっていますが、真実は違います。
 フォルサテは始祖の兄であり、そして、実の弟である始祖を殺した男でもあります。
 始祖を殺した後、フォルサテはエルフをだまして彼らの大切な宝物を盗んでなにかをしようとしました。
 それを止めたのが目の前の男たちなのです。
 その後、男たちの追跡から五千年も逃げて、今度こそ目的を果たそうとレコン・キスタを立ち上げたのです。
 ですが、もう少しで目的が叶おうというのに、男たちはフォルサテの前に現れました。
  
「バカな……わたしは運命に選ばれたんだッ!それを……貴様らごとき俗人がッ!!」
「……もういいか?そろそろ死んでもらいたいのだが」

 ふたりの男たちがゆっくりと近づいてきます。
 運命に選ばれ、夢を叶えようとした男は、いま、運命に見放されたのでした。
484ねことダメなまほうつかい:2008/09/13(土) 20:06:35 ID:MKXw/58g
投下終了です。支援ありがとうございました。
次回予告

・そらとぶねこ
・ギーシュ折れる
・タバサがなんだか死にたくなったようです。
・以外!それは武器屋のオヤジ!!

以上でお送りします。お楽しみに!
485名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/13(土) 20:10:36 ID:7GThzhXL
リアルタイムで見たぜ…おお、ブラボー
486名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/13(土) 20:54:02 ID:dlB4oTDp
相変わらず所々に散りばめられた小ネタが最高だ!
だがシリアスな展開が予想外と感じてしまう俺はおかしいのかそれとも……
次回も楽しみにしておくッ!
487名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/14(日) 00:19:51 ID:t3UjzPyx
以前ジョルノ+ポルナレフ貼ったんだが、生存してるんだぜってことで30分くらいから続きを投下したい。
名無しさん、一言でいい…『許す』と投下の許可を与えて欲しい。私にはそれが必要なんだ。
488ポルナレフ+ジョルノ 第二章_04:2008/09/14(日) 00:33:36 ID:t3UjzPyx

時間なので許可はなくとも投下を行いますw

あ、ありのまま今起こったことを説明するぜ!
お、俺達はラ・ロシェールから予定通り出港したと思ったら海賊に襲われたがそいつらは王党派で、すんなり王党派の最後の拠点であるニューカッスル城についちまった。

な、何を言っているかわからないと思うが俺にも何が起こったのかわからなかった…
孔明の罠とか既に条件はクリアされたとかそんなチャチなもんじゃねー。
もっと恐ろしいコネの恐ろしさを味わったぜ!

「…ポルナレフさん」
「なんだよ…」

背中にかけられたため息交じりの声に、俺は肩越しに視線をやった。
俺の寝床でもあるソファに深く腰掛けた黒髪の成金野郎が太ももがグンパツのお姉さんと胸がありえないエルフの美少女を左右に侍らせているのが目に入り、俺の目はごく自然に細くなった。
船員達への指示を終え、部屋に戻ってくるなり亀の中に引きこもりにきたジョルノだ。
一瞬、『DIO』の野郎と重なった印象を俺は振り払う。
そうすると髪を染めたその顔立ちは、俺と共に旅した戦友の一人、空条承太郎と…いや、あるいはその祖父ジョセフ・ジョースターとよく似ているのかもしれねぇが。

「何の為に王党派と貴族派の両方に顔の利く元アルビオン空軍高級仕官の方々をわざわざ船員に選んだと思ってたんです? 単に海賊対策なら、もう少し安くつきます」
「今は話しかけるんじゃねぇ。この庶民の敵が!」

俺は思わず怒鳴りつけていた。
この船自体コイツが用意したものだから我ながら酷い言い草だとは思わなくもない。
だが金と金で購入した権力を使い揃えた亡命アルビオン貴族達を使いあっさり到着って…

「テメェッ! かなり危険な任務じゃあなかったのかよッ!!」
「やれやれ…」

俺の叫びには亀の中にいる皆も同じ気持ちらしく、新参のミキタカはおろかテファまでが少し怒ったような目でジョルノを見る。
特にマチルダ姉さんの形相と言ったら、俺に体があったら逃げてるね、って勢いだぜ。
だが冷たい視線を受け止めたジョルノの表情は驚くほど爽やかで、照明の科学的な光を真っ黒に染まった艶やかな髪で反射させていた。
俺の中から、少しだけだが、怒りが薄まる。読んでいた本を軽い音をさせて閉じて、一瞬だけテファに一瞥を送ったのを俺は見逃さなかった。

「ルイズのことも頼まれていますし、アンタ達を泥沼の内乱状態の所に行かせるとわけがないでしょう」
「本物の海賊の時はどうする気だったんだい?」

最初俺と同じく不満そうな顔をしていたのに、今はもうどうでも良さそうな顔をして寛いでいたマチルダ姉さんが、ジョルノに尋ねた。
毛繕いをするペットショップ以外はどう答えるのか気になり、ジョルノの返事をじっと待つ。
ジョルノは一瞬呆れたような顔を見せた。

「…パッショーネと関係がある船を襲う程間抜けじゃあありませんよ」

チッと俺は舌打ちをして冷蔵庫に入れていたワインを取り出す。
マジシャンズレッドの手刀でワインのコルク栓のちょっぴり下を切らせた。
トリスティン産の、名前は忘れちまったが結構有名な産地のワイン…つまり結構値が張るらしいんだが、今だけは知ったこっちゃねぇと水代わりに飲み干す。

ったく…貴族派の囲いを突破し、戦火の中を潜り抜け、一人に二人と犠牲さえ払って泥だらけになってここに来ることになるかと思ったが、そんなことはなかったぜ!
489ポルナレフ+ジョルノ 第二章_04:2008/09/14(日) 00:35:25 ID:t3UjzPyx
悪態をつくポルナレフから視線をはずしたジョルノは再び本を読むふりをしながら「ジョナサン。これはなんて読むんです?」
考えごとを始める前にミキタカが開いたページを見せに割り込んできた。
学生らしく勉強中のミキタカは簡単な本を読んでいるようだが…ジョルノはミキタカが指差して示す一文を見て答える。

「直訳は皿の上のミルクをこぼしてしまった∞です。慣用表現ですから取り返しのつかないことをしてしまった≠ニいう意味になります」
「おお! つまりは"耳にたこができる"だとか"ここのストロベリー&チョコチップアイスを舐めながら登校するのは嫌いな月曜の朝の唯一の心の慰めなのによぉ〜"と一緒ですね!」
「…二つ目はどう考えても月曜の学生が大げさなこと言ってるだけでしょう」

どーでもよさそうに、あるいは、出来るだけ関わらないようにしているとも受け取られかねない素っ気ない口調で返す。
だがジョルノの隣でハツカネズミをなぜていたテファは興味をひかれたらしい。
ソファの後ろに立つミキタカに振り向いた。

「ストロベリー&チョコチップアイス? それっておいしいの?」
「はい億康さんと丈助さんとよく買ったものです……舐めたいですか?」

懐かしむように言うミキタカに丈助と憶康って誰だよとワインの瓶に口をつけたままポルナレフは目で尋ねていたが、そちらは無視らしい。
ミキタカはテファに尋ねた。

「え?」
「ねぇ? なめたいんですか?」

戸惑うテファをのぞき込むようにしてミキタカはもう一度言う。
顔を近づけられたテファは、腰掛けたソファの空いたスペースの上に仰け反って逃れていく。
一緒に重力を無視して持ち上がっていく胸を見ていたポルナレフは少し前かがみになった。
それは鬼の形相となったマチルダが一瞬で距離を詰め、肘を眉間に叩き込むのに実にいい位置だった。
鈍い音だけがあがる…悲鳴も上げずに崩れ落ちたポルナレフの持っていた酒瓶を、中身が零れる前にマチルダは奪い取った。
そのまま残りを飲み干す豪快さに乾いた笑いを浮かべてから、テファはミキタカに返事をした。

「…う、うん。でも二人の故郷の話だし」
「そうですか!ちょうど2本持ってました……面倒を見てくれるせめてものお礼としてお受け取りください」

ジョルノ達の体が一瞬硬直した。
ミキタカが(そもそもそれをどこから持ってきたのか不思議だったが)いつの間にか抱え込んでいた薄っぺらい鞄の中からストロベリー&チョコチップアイスを2つ取り出していた。
上にストロベリー、下にチョコチップを見事に二段重ねたアイスがテファに差し出される。

「ちょっと待て。なんかそれおかしかったぞ!?」

間髪入れずカーペットの上に転がっていたポルナレフが突っ込みを入れるが、テファはそんな反応こそ妙だとでも言わんばかりに首を傾げてアイスを受け取った。
彼女にとっては、亀の中にはいれるのだから今更鞄から冷えたアイスが出てこようがさほど驚くことではないらしい。

「つ、冷たい…」
「上がストロベリー、下がチョコチップです」
「そうなの? …いただきます」

ひんやりしたアイスを袋から取り出し、ジョルノとマチルダの顔色を伺ってから口をつける。

「おいしい! とっても甘くて、ストロベリーって苺のことなのね! チョコチップは…不思議な味ね。初めてだけど、とてもおいしいわ!」
「そういえば、余りこちらでは見かけませんね…」

ポルナレフはそれを聞いて物欲しそうにミキタカを見る。
ジョルノは、新しいビジネスチャンスかもしれないと思案顔になっていく、ミキタカはポルナレフの視線になど気付いていない様子でもう一本を自分で食べ始めた。
挑発と受け取ったポルナレフが、マジシャンズレッドでアイスを奪いさる。

「ジョルノも欲しい?」
「え?」

だが今度はテファに呼ばれ、顔の前に食べ差しのストロベリー&チョコチップアイスが差し出される。
甘いものはジョルノも嫌いじゃあない。特にチョコは好物だったが、ジョルノは首を横に振る。
その時の視線の動きを見て、テファは歯形のついたチョコチップアイスとジョルノの横顔を交互に見た。
490ポルナレフ+ジョルノ 第二章_04:2008/09/14(日) 00:38:36 ID:t3UjzPyx
その後ワルドから、結婚相談を受けていたようだが、その手の相談はエレオノールとバーガンディの件だけで辟易したジョルノはさっさと逃げたので知らない。
ジョルノは片手でミキタカを払いのけながらアイスに齧り付く三十路のフランス人に一瞥を送った。

詳しくはジョルノも尋ねていない。
尋ねられた時、ポルナレフはソファをマチルダに占領され、床にクッションを持ってきて座っていた。
壁を背にし、立てた片膝で頬杖をついたポルナレフは不愉快そうに言った。

「お前の言いたいことはわかる。疑ってるんだからな。お前が言うんだからある程度確証もあるんだろうさ。だが…これは関係ない話だろう? 奴はただのロリコンさ」
「…いいのかいそれは?」

問題はその後、出立前になって街で騒いでいた傭兵達が襲撃をかけようとしていたことだ。
街の宿を経営する組織の人間から通報された情報によってそれは未然に防がれ、全員ペットショップの氷で串刺しになってもらった。
氷の塊でグチャッっとなった者達もいたようだが、『逆に始末されるかもしれない覚悟』を決めていたものと見ているジョルノは特に気にしていなかった。

やはり内通者がいる。雇ったのは白い仮面の男。
マチルダを助けに向かった時に現れ、手合わせしたラルカスもスクエアクラスと断言した者に違いないだろう。
アイスを食べてご満悦の仲間達を置いて、ジョルノはソファから立ち上がった。
この後は、海賊船を装い船を襲って物資を得ようとするまでに落ちぶれた王党派の船の船長と会う予定だった。

「じゃあ僕はルイズ達と一緒に海賊船の船長に会ってきます」
「お、ああ。この亀を持っていってくれよ」
「はい」
「私も行っていいですか? 海賊船の船長がどんな人か興味があるんです」

ついてこようと自分からアイスを取り上げたポルナレフから放れるミキタカにジョルノは拒否する態度を見せようとする。
だがその前に、ミキタカの体がバラバラに解けた。
驚く皆の前で細い繊維へと姿を変えてジョルノの足に纏わりついていく…いつでもスタンドを繰り出せるようにするジョルノの靴に、ミキタカは完全に覆いかぶさった。
ジョルノが触って見ると、確かに靴の…牛革の感触がした。

「これなら大丈夫でしょう?」
「こんな能力があったんですか?」
「はい。私は大抵の物に変身できます」

騙されたような感じがして不満そうな顔をしたポルナレフが残りのアイスとコーンを口の中で租借しながら言う。
びっくりしているテファの手に、溶けたアイスがちょっぴり垂れた。

「食えない野郎だな…「食えない?? そんなことはありませんよ。今、手の一部をアイスクリームにもしましたよね」
「「「え?」」」

革靴になったミキタカのどの部分に当たるのかはわからないが、靴紐の部分が変形し、先ほどテファ達に渡されたアイスクリームへと変化する。
ひんやりしてて、甘くておいしそうなストロベリー&チョコチップだった…テファの手からアイスが落ち、床が汚れるのを嫌ったポルナレフが慌てて手で受け止める。

「でも『複雑な機械』や自分以上の『力』の出るものにはなれません…後人の顔に化けるのも無理ですね。私宇宙人だから人の顔って皆同じに見えるんです」
「…行ってきますね」

付き合いきれないと言いたげな顔でジョルノは亀から飛び出す。
すぐには部屋を出ずにジョルノは鏡の前に立つ。
ギャングスターになった頃に作ったスーツの一着を着た自分の姿を確認し、ボタンの位置を少し直してから床に転がっている亀を持ち上げ歩き出す。
外には既に準備を終えたルイズとワルドが立っていた。
二人は部屋からやっと出てきたジョルノを促し、先を歩いていく。
狭い通路を抜け、甲板に出ると船員と船を襲った海賊が和気藹々と言葉を交わしていた。
突風が吹きすさぶ中をよく、と風に流れる髪を押さえたルイズが小さな声でぼやいた。
行き来出来るほどの距離に二つの船を近づけ、船は雲の中を進んでいた。
491名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/14(日) 00:39:48 ID:UoYHa15J
支援
492ポルナレフ+ジョルノ 第二章_04:2008/09/14(日) 00:40:57 ID:t3UjzPyx
彼らの腕に感心しながら三人は向かいの船へと乗り移る。
髪の毛はすっかり刈られてしまったので流れはしない。
そう、ほんの少しだけ気を抜いていたワルドの帽子が、その時風に吹かれて飛ばされていった。
泣きそうな顔のワルドに困ったように笑うルイズの後にジョルノは続いていく。

三人は海賊の格好をした貴族に連れられ船長室へと案内された。
客を待っていたのは、凛々しい金髪の若者であった。
変装道具の眼帯や髭などが机に置かれているのが目に入る。
海賊の服を着たまま、彼は威風堂々名乗った。

「私はアルビオン王立空軍大将、本国艦隊司令長官……、本国艦隊といっても、すでに本艦『イーグル』号しか存在しない、無力な艦隊だがね。
まあ、その肩書きよりこちらのほうが通りがいいだろう。アルビオン王国皇太子、ウェールズ・テューダーだ」
 
ルイズは口をあんぐりと開けた。
まさかこうも簡単に目的である皇太子と出会えるとは思わなかったからか。
その表情はアンリエッタが愛する男が海賊の真似をしていることに唖然としているようでもあった。
ワルドは興味深そうに、皇太子を見つめており、ジョルノは普段と変わらぬ様子だった。
ウェールズは、にっこりと魅力的な笑みを浮かべると、ルイズたちに席を勧めた。

「アルビオン王国へようこそ。大使殿。さて、御用の向きをうかがおうか」

そう言われて、呆けていたルイズは目的を告げようとしたが、すぐには言葉にはならなかった。
それをどう取ったのかウェールズは悪戯っぽく笑った。

「その顔は、どうして空賊風情に身をやつしているのだ? といった顔だね。いや、金持ちの反乱軍には続々と補給物資が送り込まれる。
敵の補給路を絶つのは戦の基本。しかしながら、堂々と王軍の軍艦旗を掲げたのでは、あっという間に反乱軍のフネに囲まれてしまう。まあ、空賊を装うのも、いたしかたない」
「アンリエッタ姫殿下より、密書を言付かって参りました」

緊張して言葉が出ないルイズに代わり、ワルドが、優雅に頭を下げて言った。

「ふむ、姫殿下とな。きみは?」
「トリステイン王国魔法衛士隊、グリフォン隊隊長、ワルド子爵」

それからワルドは、ルイズたちをウェールズに紹介した。

「そしてこちらが姫殿下より大使の大任をおおせつかったラ・ヴァリエール嬢と協力者のジョナサン・フォン・ネアポリス伯爵です」
「なるほど! 君のように立派な貴族が、私の親衛隊にあと十人ばかりいたら、このような惨めな今日を迎えることもなかったろうに! して、その密書とやらは?」

ルイズが慌てて、胸のポケットからアンリエッタの手紙を取り出した。
恭しくウェールズに近づいたが、途中で立ち止まる。それから、ちょっと躊躇うように、口を開いた。

「あ、あの……」
「なんだね?」
「その、失礼ですが、ほんとに皇太子さま?」

ウェールズは笑った。
ワルドも突然の失礼な言葉に驚いたが、逆にルイズらしいと笑い出す。

「まあ、こんな形だ、無理もない。僕はウェールズだよ。正真正銘の皇太子さ。なんなら証拠をお見せしよう」

ウェールズは、ルイズの指に光る、水のルビーを見つめて言った。
彼は自分の薬指に光る指輪を外すと、ルイズの手を取り、水のルビーに近づける。
二つの宝石は、共鳴しあい、虹色の光を振りまいた。

「この指輪は、アルビオン王家に伝わる、風のルビーだ。きみが嵌めているのは、アンリエッタが嵌めていた、水のルビーだ。そうだね?」

二つの宝石が生み出す虹に見とれていたルイズは恥かしげに少し頬を染めて頷いた。

「水と風は、虹を作る。王家の間にかかる虹さ」
「大変、失礼をばいたしました」
493ポルナレフ+ジョルノ 第二章_04:2008/09/14(日) 00:42:00 ID:t3UjzPyx
ルイズは一礼して、手紙をウェールズに手渡す。
ウェールズは、愛しそうにその手紙を見つめると、花押に接吻した。
それから、慎重に封を開き、中の便箋を取り出して読み始めた。
真剣な顔で、手紙を読んでいたが、ウェールズはそのうちに顔を上げた。
動揺した瞳が読み終わるのを静かに待つルイズ達へと向けられた。
ルイズはその手紙を書いたアンリエッタののことを思い出して苦しげな顔をする。
それだけでウェールズには衝撃的だったこの手紙に書かれた内容、既に苦境にある彼を苦しめる知らせが真実味を増した。

「姫は結婚するのか? あの、愛らしいアンリエッタが。私の可愛い……、従妹は」

ワルドは無言で頭を下げ、肯定の意を表した。再び、ウェールズは手紙に視線を落とす。
最後の一行まで読み終わるとウェールズは先ほどの動揺など微塵も感じさせぬ微笑を見せた。

「了解した。姫は、あの手紙を返して欲しいとこの私に告げている。何より大切な、姫から貰った手紙だが、姫の望みは私の望みだ。そのようにしよう」

ウェールズの様子に引き摺られ、暗く沈んでいたルイズの顔が輝く。
しかしながら、とウェールズは優雅にどこか芝居がかったような調子で言う。

「今、手元にはない。ニューカッスルの城にあるんだ。姫の手紙を、空賊船に連れてくるわけにはいかぬのでね」

そう語る皇太子は笑っていたが、「多少面倒だが、ニューカッスルまで足労願いたい」
告げた口調には微かに動揺が残されていた。



ラ・ロシェールから乗ってきた船と別れ、ジョルノ達を乗せた軍艦…『イーグル』号は、浮遊大陸アルビオンのジグザグした海岸線を、雲に隠れるようにして航海していく。
ウェールズはその間自由に船の中を歩き回る許可をルイズ達に与え、部屋で休むか甲板に出て他では滅多に経験できぬであろう雲の中を地形図を頼りに進む気分を味わうことを勧めた。

測量と魔法の明かりだけで航海するというアルビオン王立空軍の腕前に興味を惹かれたらしいワルドがルイズを連れて部屋を後にした。
ジョルノは残り、部屋の扉を閉めてからウェールズへと向き直った。

「ウェールズ殿下。折り入って貴方に話があります。人払いをお願いできますか」

皆部屋を出て行ったものと決め付け、もう一度アンリエッタからの手紙へと目を落としていたウェールズが顔を上げる。
申し出を受けるか否か、考えたウェールズは「…わかった」と応じて、部屋を出て行く。
すぐに戻ったウェールズはジョルノが先ほど閉じた扉を閉じて杖を抜いた。
洗練された優雅な動作で杖を振り、彼が唱えたのはサイレント。密談などに使用される魔法の効果はすぐさま現れた。
窓の外を流れる風の音や風に微かに軋む船体の音。船員達が各々の仕事を果たす内に自然と奏でられる様々な音が全て消えた。

「さて、話とはなんだ? まさかここで君が逆賊だったなどとは言わないでくれよ」

そう言ってウェールズは杖を仕舞う。
客に自分が先ほどまで腰掛けていた椅子を勧め、かつらや付け髭などを脇に寄せて自分は埃一つない机の上に座り込んだ。
椅子に腰掛け、亀を膝に乗せてジョルノは言う。

「用件は二つあります。貴方を始め王党派の貴族の方々に亡命をしていただきたい」

皇太子は直ぐには返答を返さなかった。
じっくりと亡命を勧める若い…彼が愛するアンリエッタより年下でありながら落ち着いた、余裕と冷静な態度が引っかかっていた。
494ポルナレフ+ジョルノ 第二章_04:2008/09/14(日) 00:44:21 ID:t3UjzPyx
「アンリエッタの願い、と言うわけではないようだね。何故だ?」
「公にはしておりませんが、今私の所で何人ものアルビオン貴族のご婦人達やお子さんを匿っています。彼女らには父親が必要だ」

ウェールズは痛いところを突かれたように表情を変えた。
真っ直ぐに向けていた視線を外し、部屋に飾られた海賊の雰囲気を醸し出す為のおふざけ…鳥かごを始めとしたガラクタの辺りに視線を漂わせる。
答えをすぐに返さなかった王党派の実質的な党首を更に悩ませる出来事をジョルノは言う。

「保護した方々の幾人かは売られる所でした」
「何だって?」
「平民が貴族に買い取られる話をご存じない?」

トリスティンのモット伯等、貴族の中には平民を慰み者にする為に雇い入れる者もいる…
アルビオンでもそうした話があり、耳に入っていたのかウェールズの体に力が篭っていた。

「それと同じようなものです。襲われた方もいますし、その中には少年もいました」

ケアを行うのに夫や父親の力が必要なこともある。
ジョルノは椅子に深く腰掛けて、ウェールズの返事を待った。
机の上で唇を噛み、汗をかいている皇太子がどう答えるのか…動揺している様子を眺め、足を組見直す。
亀の中が騒がしくなっている。サイレントの効果で静かになった室内ではそれはとてもよく目立ったが、ウェールズにそんな暇はなかった。

「わかった。それについては、検討させてもらおう」
「殿下についてもです」
「私には王家としての義務がある。内憂を払えなかった王家に、最後に課せられた義務がな」

毅然として、言い放つ。
課せられた義務が死ぬことと悟り亀の中で誰かが息を呑んだようだった。
ジョルノの持つ覚悟とは違ったが、皇太子は既に覚悟を決めている事が見て取れた。
そんな相手に、「では」と殊更に冷たい声で告げる。

「私はアンリエッタ王女を暗殺するかもしれませんが、構いませんね?」
「どういうことだ…ッ?」

厳しい声と共に、腰掛けていた机から飛び上がるように降りる。
一瞬で気色ばみ、杖をまた引き抜いてジョルノの急所へと突きつける。
ウェールズの目には殺気が漲っていたが、身動ぎもせずに返事が返された。

「貴方が死ねば、貴方の従姉妹が仇討ちを考える位には情熱的だと言うことです」

突きつけられた杖が怯んだ。
苦々しい笑みを浮かび、そうした考えをアンリエッタが持つかもしれないとウェールズは考えた。
同時に、心の中にそれを望む気持ちがないとは言えない事も悟る。

だがトリスティンにはそんな戦力はない。更には、マザリーニ達もそれを許すはずがないのだ。

「トリスティンには…いや、まさか」

だが、返事を返す為相手を、ゲルマニアの貴族を見た瞬間に、ウェールズの脳裏に一つの新しい予想が生まれた。
それを見て取って更に表情を曇らせたウェールズに言う。

「四十の男一人籠絡すること位出来る。そう考えていますね?」
「できるわけがない!アンリエッタは…」

ウェールズの言葉は自分に言い聞かせているようだった。
心の迷いを写したように杖を持つ手が、小刻みに震えている。

「私はその可能性もあると考えています」

気が動転しているウェールズの心に無造作に、だが深く鋭くジョルノの言葉は突き刺さり…杖を持つ手を下ろさせていく。
凍りつく眼差しにじっとりとした汗が止まらず、真っ黒に染まった髪が、ウェールズの目には一瞬金色に輝いているように見えた。瞬きをする。輝きはやはり目の錯覚で真っ黒な髪だった。
495ポルナレフ+ジョルノ 第二章_04:2008/09/14(日) 00:46:13 ID:t3UjzPyx
「…ですが、私と付き合えばその不安も心の中から取り除ける。私と王党派の方々の力があれば、ゲルマニアとトリスティン。両国にとってより良いやり方で貴族派を打倒できる…」

シャツと首の隙間。透き通るように白い肌に、星型のあざが見えた。
妖しい色気と、「どうです? 一つ、私と手を組みませんか? 既に保護した方々、貴族派を打倒した後も今まで以上に力を貸しましょう」
囁かれる言葉にウェールズは、心が安らぐのを感じた。
危険な甘さに、恐ろしさを感じていた。

すると、不意にジョルノは不機嫌そうな顔をした。
アルビオン王党派を率いてきたウェールズを恐れさせた何かに、少年自身も戸惑っているような態度で、頭部に手を触れた。

「もう一度、次は貴方のお父上にお願いするでしょう。返事はその時に態度で示してくだされば結構です」

囁かれた言葉にウェールズは頷きもしなかった。
構わずに、ジョルノはもう一つの話を始める。
今の話で亀の中は騒然としていたが、「ところで殿下はプリンス・オブ・モードを知っておられますか?」

頷き、ジョルノが出した名前に愛しいアンリエッタのことで頭が一杯になっていたウェールズは我に返った。
ウェールズは頷いたが、最大限の警戒を持って再び杖をジョルノへと向けた。
敵意に近い警戒心に表情を厳しくする皇太子に、ジョルノは何の反応も見せず薄く微笑んで佇んでいた。

「…勿論だ。私の叔父であり、間接的に今の事態を引き起こした要因の一つでもある」
「レコンキスタにモード大公へ忠誠を持っていた者でもいるのですか?」
「伯爵なら知っているのではないか? 父は否定しているが…叔父とその部下達が抜けた穴を父は塞ぐことが出来なかったのだからな」

ウェールズが言ったことについてはジョルノも知っていた。
アルビオンで力をつけていく間に、アルビオン貴族だった者達も従えるようになったジョルノにはそうした情報は素早く入っていた。
財務監督官だったテファの父は、そしてマチルダの父親であるサウスゴータの太守らはアルビオンの政治と経済に深く関わる人物達でもあった。
そんな彼らが皆テファの父共々次々と重罰に科せられ、いなくなった。
それはモード大公の事件を利用し、新たに権勢を得ようと一部の貴族達が暗躍した結果だった。
新たに権勢を得た貴族達は前任者が引き継いできたものを捨て去り、自らの手腕を発揮しようとした。
だがそれは、うまくいかなかったのだ。
もっと長い時間をかければ形になったかも知れぬ彼らの仕事が実を結ぶ前に、押し退けられた者達とまた新たに力を得ようとする者達が手を取りこの戦争を引き起こした。

「さあ? それより知っているなら話が早くて助かります。テファと会っていただきたい」
「テファ…まさか、叔父上、モード大公の」

呆然とウェールズが呟いた。手に持っていた亀を、ジョルノは床に下ろす。
「ま、待って姉さん…っ、わ、私、まだ心の「30秒で仕度しなって言ったろ!?」
すると亀の中から帽子を被った頭が出た。驚いて杖を向けようとするウェールズの腕を、その頭を押し退け伸びた腕が掴む。
殺気に満ちた目をしたマチルダがウェールズを睨みつけながら姿を現し、その後ろに隠れるようにして、テファが亀から出た。
向けられる殺気に覚えはなかったがウェールズは、慣れたものと受け止め、深く被った帽子を押さえた女性を見た。
マチルダが家を潰され、家庭を滅茶苦茶にされたことについてどれ程の恨みを持っていようとも…ウェールズはそれに取り合う気はないようだった。

ニューカッスル城で会うものとばかり考えていた。
それにジョルノは王女の暗殺を考えているなどと聞かされ、更に宇宙人が変身したアイスなんてものを食べて大騒ぎしていたテファに、心を決めることなどできているはずもなかった。
顔が真っ赤になるくらい緊張して、最初俯いていたテファが助けを求めてジョルノを見る。
ジョルノはそんな態度を不思議がってでもいるように、体を傾けて立っていたが…暫くしても何も動きがないのを見てテファに言う。

「テファ。貴方がどうしてこの方と会いたいと言ったのか、僕は知りませんが…既に覚悟をしたから会いに来たのではないんですか?」
ウェールズの手を放し、少し距離を置いて一挙手一投足を油断なく監視していたマチルダが、その言い草にジョルノにも怒りの篭った視線を向ける。
テファがこんな様になっている理由の半分以上がジョルノのせいなのに、身勝手なことを言うのが気に入らなかった。
496名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/14(日) 00:48:20 ID:cfv/gV4F
支援
497名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/14(日) 00:49:15 ID:+umPJq/j
さて、気づいたし支援しようかな
498ポルナレフ+ジョルノ 第二章_04:2008/09/14(日) 00:51:19 ID:t3UjzPyx
言葉に詰まりまた俯いてしまったテファは、「う、ん…ご、ごめんなさい」と小さな声で答えた。

小刻みに震える指でテファは深く被った帽子を取る。
帽子の中から現れたエルフの特徴である長い耳に、ウェールズは目を見開いたがもう杖をテファに向けたりはしなかった。

「は、初めまして。ウェールズ殿下。お会いできて嬉しいです。わ、私ティファニアって言います。えっと、わ、私…母はエルフで父はモード大公です」
「もう一人の従姉妹殿が…生きていたのか」

マチルダから向けられた敵意で我に返ったウェールズが呟く。
頷き返したテファを不思議そうに見ていた。
何故ここに、こんな危険な場所にわざわざ現れたのか、ウェールズには理解が及ばなかった。

「ティファニア。何故こんな危険な場所に来たのだ。今までどおり隠れていれば、私と父王の状況を知らないわけもあるまい」
「私、お父さんのことが知りたかったの。私が生まれたせいでどうなたったのか…よく知っているはずのお二人から」
「それだけの為に?」
「う、うん…」

頷き返されたウェールズは唖然として、言葉が出なかった。
死んだ父親の死に纏わる話を聞く為だけに内乱中のアルビオンに潜入し、既に負けが決まった自分達に会いに来たなど信じがたい話だった。
レコンキスタの軍勢に、今『イーグル』号が向かっているニューカッスル城も包囲された自分達に…なんと無謀なことかとウェールズはジョルノ達の顔を見た。
偶然自分が彼らの乗る船を襲ったとはいえ、そんな無謀な行為を許し、連れてきた者達の正気もウェールズは疑っているようだった。
今やウェールズにはネアポリス伯爵と言う少年は、自分達王家の血を引く者を惑わす悪魔のようにさえ映っていた。
悪魔と視線が絡み合った。

「ウェールズ殿下。彼女の望みを叶えてもらえますか?」

合わさった瞬間、微かな怯えを見せた皇太子にジョルノは尋ねる。
マチルダや、亀…何故かジョルノの革靴からも視線を感じながらウェールズは居住いを正し、力強く頷いた。

「…それについては、私に反対の意思はない。モード大公の娘として正当な権利が欲しければ私から父上を説得しよう」
「え…「少し話が飛躍しているように感じますが」
「伯爵、我が王家には時間が残されていないのだよ。絶えるはずだった我が王家の姫が一人生き残るという機会を先延ばしにする理由があると思っているのか?」
「し、信じてくれるの? 私がお父さんの娘だって」
「王家の血を引く姫だと言ってハーフエルフを連れてきておいて、よく言うね」

言うなり、ウェールズは先ほど自らの身分証明に使用した王家の証、王家に伝わる始祖の秘宝『風のルビー』を指から外し、テファの手の中にねじ込むようにして押し付けた。

「え? あの…」
「父も反対はすまい。例えエルフの血を引いていようと、いやレコンキスタなどと言う輩が現れた今となってはいっそ小気味よいかもしれないな」

一人笑い出したウェールズに、テファは手の中に入れられた指輪と初めて顔を会わせた年上の従兄弟の顔を交互に見る。

「その『風のルビー』は君が持っているんだ。もしもの時、証明する道具の一つになる。譲渡する書類もすぐに作成しよう」

そうしたやり取りは、マチルダの目には不愉快極まりなかった。
わなわなと手が振るえ、目を血走らせたマチルダが怒鳴る。

「アンタ、ふざけてんじゃないだろうねっ!? モード大公や、お父様を殺しておきながら…ッ!!」
「マチルダさん、黙ってください」

詰め寄ろうとするマチルダとウェールズの間に、ジョルノが割って入った。
ジョルノは普段と変わらぬ冷静な態度でマチルダを、そしてテファへと視線を向ける。

「いらなければ後で棄てればいいんです。テファ、そんなことよりお父上のことを聞かなくていいんですか?」
「あ、うん…ウェールズ殿下。父のことを、教えてください。この内乱も関係あるようなことをおっしゃられてましたけど…?」

王家の、始祖の秘宝をあっさり棄てろと言う少年に皇太子は苦笑した。
ウェールズを悩ませるもう一つの用件の時といい、始祖や王家等に対する敬意など欠片も持ち合わせていないらしいと、ウェールズは感じていた。
だがそんな人間がこのハルケギニアに何人いるのか、ゲルマニアの血統らしいがまるでサハラや東方から来たと言われた方がウェールズには信じられただろう。
499ポルナレフ+ジョルノ 第二章_04:2008/09/14(日) 00:55:49 ID:t3UjzPyx
「直接関係はない」
「どういうことですか?」
「……遺恨が残ったのだよ。貴族にも、平民達との間にも」

言いにくそうに返された返事に、テファは息を呑んだ。
彼女の姉であり保護者。今もウェールズを睨むマチルダの姿から、テファには容易に想像がついたからだった。

「叔父上の話は、私ではなく父上に聞くといい。私もまだ幼く、数えるほどしか会わなかったのだ」

ウェールズがそう言って話を切り上げて三時間ばかりが過ぎた。
思っても見なかった程好意的に自分を受け入れたウェールズに驚きと共に、次第に嬉しさがこみ上げてきたらしいテファは、国王に会うことを楽しみにして亀へと戻っていった。
それとは対照的に、怨敵と顔を合わせてもテファの為には堪えなければならないマチルダの顔は、表面に出さぬように努めていたが…ジョルノの目には消えることのないどす黒い感情で歪められていた。
テファがこれに気付くより先に、マチルダへの慰めをポルナレフに期待して甲板に上がっていたジョルノ達の視界に大陸から突き出た岬が見えた。
岬の突端には、高い城がそびえていた。
そしてそこへと王党派を追いやった貴族派が如何にして包囲を行っているかも一目で確認することが出来た。
ウェールズは後甲板に立ったジョルノ達に、あれがニューカッスルの城だと説明した。

貴族派を避ける為か『イーグル』号は真っ直ぐにニューカッスルに向かわずに、大陸の下側に潜り込むような進路を取る。

「なぜ、下に潜るのですか?」

ウェールズは、城の遥か上空を指差した。遠く離れた岬の突端の上から、巨大な船が降下してくる。
慎重に雲中を航海してきたのはこの為で向こうには『イーグル』号は雲に隠れて見えないはずだとウェールズは語った。

「叛徒どもの、艦だ」

本当に巨大、としか形容できない、禍々しい巨艦であった。
『イーグル』号の優に二倍はある船体に何枚もの帆をはためかせ、巨艦はゆるゆると降下していく。
ゆっくりと巨艦の腹に幾つもの窓が開き、ニューカッスルの城めがけて並んだ砲門を見せた。
斉射の震動が『イーグル』号まで伝わってくる。砲弾は城に着弾し、城壁を砕き、小さな火災を発生させた。

「かつての本国艦隊旗艦、『ロイヤル・ソヴリン』号だ。叛徒どもが手中に収めてからは、『レキシントン』と名前を変えている。やつらが初めて我々から勝利をもぎとった戦地の名だ。よほど名誉に感じているらしいな」

ウェールズは微笑を浮かべて言った。

「あの忌々しい艦は、空からニューカッスルを封鎖しているのだ。あのように、たまに嫌がらせのように城に大砲をぶっ放していく」

雲の切れ目に遠く覗く、無数の大砲を曝け出したままの巨大戦艦の艦上をドラゴンが舞っていた。

「備砲は両舷合わせ、百八門。おまけに竜騎兵まで積んでいる。あの艦の反乱から、すべてが始まった。因縁の艦さ。
さて、我々のフネはあんな化け物を相手にできるわけもないので、雲中を通り、大陸の下からニューカッスルに近づく。そこに我々しか知らない秘密の港があるのだ」

城からの反撃を受けぬ位置に野営する兵の姿を目に納めてからジョルノは亀を持って船内へと戻っていく。
雲中を通り、大陸の下に出たのか船内は次第に真っ暗になった。
大陸が頭上にあるため、日が差さないのであろう。船内のあちらこちらに備えられた魔法の照明に灯りが灯っていく。
雲の中にいるせいで並んだ窓の外には何も見えない。
視界がゼロに等しく、簡単に頭上の大陸に座礁する危険があるため、反乱軍の軍艦は大陸の下には決して近づかないのだ、と甲板でルイズ達にウェールズが語っているのが聞こえてきた。

「地形図を頼りに、測量と魔法の明かりだけで航海することは、王立空軍の航海士にとっては、なに、造作もないことなのだが」

貴族派、あいつらは所詮空を知らぬ無粋者さ、とウェールズは笑っていた。
その笑い声は、そんな者達に追い詰められる自分達の滑稽さを嘲笑っているようでもあった。


To Be Continued...
500ポルジョルの中の人:2008/09/14(日) 01:00:17 ID:t3UjzPyx
以上です。投下したッ

ジョルノが外道な気がするけど気にしない。
次はもう少し早く仕上げられるといいのですが…
501名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/14(日) 01:15:04 ID:+SUKUwS/
絶対に許した
502名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/14(日) 01:43:56 ID:FUl1DWLb
ジョルノたまんないよジョルノ
どんどん親父に似てきて……身体はジョースターやり口はDIOというヤツだなッ!
503名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/14(日) 02:16:48 ID:wMvZAO2y
ジョルポルもねこも乙!
何かどっちも話のスケールがでかくなっていく…。
DIO化していくジョルノを見ているのは妙に気持ちいい気がするし、ねこさんの小ネタ探しもたのしい。

っていうか、マジに柱の男たちですかwwwww
504名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/14(日) 14:54:46 ID:UoYHa15J
フレッツ光の導入完了は早くて三ヶ月後だとォ〜〜?
バカかテメーはッ!
今のオレの回線が重過ぎて全然繋がらないのわかってんのか!
その三ヶ月が経つまでネカフェから投稿しろっつーのかァーーッ!?
時間もカネも無駄にかけさせやがって、超イラつくぜェーーーッ!
ナメやがって、クソックソッ!
三ヶ月後ってどういうことだ、クソッ!
505名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/14(日) 15:36:18 ID:/G2T5Ulg
>>504
ま…まさか貴方は!?
待ってます…三ヶ月でも一年でもずっと待ってます…
506名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/14(日) 15:44:24 ID:2ZRnsJYM
ま・・・まさか・・・!?
いつまでも待ち続けます・・
507名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/14(日) 18:31:47 ID:wdi/F6q6
覚悟だッ…
覚悟を決めるんだッ…
508名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/14(日) 20:01:44 ID:10XInKaB
第七部も佳境に入ってだいぶ盛り上がってるな
だっていうのになんで第七部キャラが全然召喚されてねーんだよッ!?
どれも更新止まっちまってるしよォーッ!!


という俺も規制やら回線やらPC不調やらネタ思いつかなかったりで続き投下止めちまったんだけどな・・・
509名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/14(日) 20:15:51 ID:uBZlA641
マジェントとかどうよ
510名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/14(日) 22:42:31 ID:Y/BVS5YJ
スケアリー・サーヴァントの続きが読みてー。
511名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/14(日) 23:03:41 ID:Xtxr92zg
遺体召喚で爪が回り始めるルイズ
512名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/14(日) 23:48:14 ID:10XInKaB
歩き出す使い魔の続きがよみたいです
513名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 03:30:24 ID:3LQkGMRm
変身ものが好きだからバオーの人・・・待ってます

若ジョセフの人も、このssを読むきっかけになった仗助の人も首をながーくしてまっちょります
514名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 08:12:27 ID:dhdoEMrV
仗助、億泰、トニオさん…待ってます
515名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 09:19:07 ID:aAHw1FCm
>>511
そういえばジャイロ&才人召喚の話で遺体がルイズの体に入っていったけど、続きまだかしら?
516名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 10:57:54 ID:NF1P3tqG
ジョルポルさんGJっす。相変わらず面白い。ただ彼の相棒のように、サイト空気化してね?
いやまぁ、ジョルノ中心で進むからしょうがないっちゃしょうがないんですけど、
態々つれてきて空気化ってないんじゃ
517名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 11:17:28 ID:aAHw1FCm
才人は神父絡みで出番ありそうだからいいんじゃね?
ルイズなんか全然成長してないわ、使い魔は只の小鳥だしでこの後活躍できそうにないぞw
518名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 12:29:18 ID:YsfkfmlB
どっちかというと今のサイトの主人が、この先すごい微妙な扱いを受けそうで……
519名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 12:44:30 ID:tL/f9Vv/
小鳥超大活躍の予感
520名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 12:48:46 ID:qKCFfw4K
そういえば、これまでの投下作品でサイトが登場してる作品ってなにがあったっけ?
521名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 12:53:48 ID:TYybTyQt
ジャイロとか・・・
522名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 12:57:46 ID:0GtrpkK4
ギーシュの奇妙な決闘
523名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 13:11:15 ID:oXlhC+aQ
ほれ薬を使ったギャグとか大好きなんだ。
でも自分で書くとただの箇条書きになっちゃうんだよ。
ちくしょう…
524名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 14:32:28 ID:xyyx5MlA
>>522
銃杖に並んで最も好きな作品なんだが、もう復帰の可能性はないんだろうか。
525名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 15:01:49 ID:qKCFfw4K
鉄の使い魔の続きも読みたいな
526名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 17:36:33 ID:3jMrM8DW
ドロの〜の続き読みたいな
527名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 17:37:07 ID:rCy49L/A
まさか仮面の人にサイト登場とか…?
確かに石仮面→吸血馬→サイトでもありなんだよなあ
作者の人もそれっぽいことを…
528名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 17:40:54 ID:6Th11y6t
ヨーヨーマッって使い魔になったら最強じゃね?
不死身だし、強酸性の唾液持ってるし。
529名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 18:41:51 ID:EPcj3AAw
>>528
二人っきりになったり、誰も見て無いと攻撃してくるけど、皆がいる前だと献身的に世話をしてくれる
まさにツンデレ
530名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 18:51:34 ID:xyyx5MlA
嫌なツンデレだなwwww
531名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 19:03:49 ID:qKCFfw4K
サイトのガンダールブは武器に反応する
鉄球は黄金回転で威力を増す
ガンダールブは武器を『使いこなす』ことができる

つまり、サイトならレッキングボールを黄金回転でまわして攻撃!なんてこともできるのだろうか?
532名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 20:01:55 ID:Lpd9JVjw
単純なパワーうpはするだろうが黄金の回転はムリ
533姉貴の人:2008/09/15(月) 20:07:19 ID:57oYmgf1
お久しぶりです。
こんな時間になんですが、投下します。
534姉貴の人:2008/09/15(月) 20:08:37 ID:57oYmgf1
「エルメェス?変な名前ね。」
「初対面の人間にそんなこと言うか、普通。」
向かい合う形で座りお互いに悪態を付き合う二人。どちらも今日一日の疲れからか元気がない。
ルイズはそのまま椅子の背もたれに身を委ね、目を閉じ大きく息を吐き、言葉を続ける。
「で、さっきのって何?私の体、いきなりフワッと浮いたけど。」
さっきの、もちろんエルメェスの『キッス』のことだ。
確信する。やはり見えていないのだと。
ならば今はまだ話すべきではない、と思うのだが如何せん状況が状況。話さなければいけないだろう。
エルメェスは一度溜息をつき、それから話し出した。
「あれはあたしのスタンド、『キッス』だ。」

使い魔の兄貴(姉貴)!!〜夜が来る!(後編)〜

「すたんど?」
ルイズが伏せていた目をぱっと開きこちらを見る。
思っていた通りの反応が返ってきて、エルメェスは頭を抱える。
スタンドについてスタンド使いじゃない人について説明するのは尋常じゃなく難しい。
何故ならスタンドという概念はとてもあやふやで、どういった理由で、いつ、誰が、どのようにして手に入れるのかをエルメェスもよく理解していないからである。
エルメェスは、頭をかきながら説明できそうな言葉を探す。
彼女は生前(今も生きているのだが)典型的な不良娘であった。
勉強よりも陸上を優先していたので、授業なんてそこそこしか頭に入っていない。
人生の後半は復讐のために刑務所に入っていたので、娯楽として本をたしなむ程度しか文字を見た記憶がない。
それに今まで他人への物事の説明や敵スタンドの起こす現象の説明などは物知り博士(命名リキエル)がしてくれていたから、彼女は考える必要がなかった。
日常使わないものと言うものはすぐに風化してしまう。
つまり今の彼女の語彙力はたとえるならクモの巣のはった状態である。
考えても考えてもいい答えが浮かび上がってくるはずがない。
「なんなの、すたんどって?」
ルイズは未知の単語に興味で目を光らせながらそう尋ねる。
「えーっとその、あれだ、あーーー…」
何か良い言葉を、と考えていたエルメェスの頭にひとつの単語が思い浮かぶ。
そうそれは、彼女にとっての『キッス』を表すのに一番適した言葉だ。
「あたししか使えない能力で・・・あたしの使い魔みたいなモンだ。」
535名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 20:08:44 ID:qKCFfw4K
支援するッ!
536姉貴の人:2008/09/15(月) 20:09:28 ID:57oYmgf1
「使い魔って、あんた平民じゃない。」
エルメェスのひねり出した言葉にルイズはすかさず反論をする。
当たり前だ。名門の家の出である魔法使いの自分ができないのに平民にそれができるわけがない、とルイズは考えたのだ。
エルメェスは頭をかきむしり言葉を続ける。
「あー、あたしのいた世界では使える人間がちらほらいたんだよ、コレが。」
「あんたのいた世界?」ルイズは不思議そうに小首をかしげる。
「それじゃあまるで世界が二つあるみたいじゃない。」
このルイズの一言でエルメェスは思い出した、自分の境遇をまだ主人に伝えていなかったことを。
隠し通そうと思ってももう手遅れだ。
それにどうせスタンドのことを説明するのならどっちみち話さなくてはならない。
「えーと、ルイズ。黙って聞いてくれな。」
エルメェスはゆっくりと過去を回想する。こういうときはどこから喋るべきなのか、考えながら。

ルイズにとってエルメェスの言葉は信じられないものばかりだった。
夢の国アメリカ、殺されてしまった姉、姉に誓った復讐、水族館と呼ばれる刑務所。
目覚めた能力『キッス』、自殺志願者との決闘、農地探検隊、浜辺のマリリンモンロー、見つけ出した宿敵。
脱獄、ヘリコプター、目には見えない未知の生物、穴に広がる過去、縦横無尽に架かる虹、すべってGO、新月の時、そして宇宙一巡。
いつものルイズなら話の途中で「ふざけるな」と怒鳴り、不貞寝していたところだろう。
なぜそんなルイズが今回はちゃんと起きていたかと言うと、理由はエルメェスにあった。
エルメェスがとても真面目にそれを話していると言うのもあったが、それだけではなくコレが本当なら彼女の服装、化粧、言動、行動、知識の差などに一気に説明がつくからだ。
起きた後のことを話し終わったエルメェスは再び息を吐く。今度は大きく、ゆっくりと。
「コレがあたしの世界と能力だ。信じるか?」
エルメェスの顔は、やはり真剣そのものだった。
「ひとつ聞いてもいい?」
すべてを聞き終えてからルイズが口を開いた。
「キュルケとも会ったのね?」
エルメェスの話は今日の出来事も含まれていた。
つまり、ルイズが寝ていたときの決闘の事も含まれている。
「ああ、使い魔のことも、この世界のことも、全部キュルケに聞いたんだ。世話になったぜ、お前の恋人には。」
ルイズは耳を疑った。今、エルメェスはなんと言ったのか。
しかしエルメェスは先ほど同様真剣な顔で続ける。
「しかし、別にあんたの好きな人に文句を言うわけじゃあねぇが、女同士ってあたしは不便だと思うぞ。色々とな。」
その言葉を聞いて、ルイズの怒りのボルテージは一気にメーターを振り切った。

「誰が恋人だ!誰と!!誰が!!!」
怒髪天をつく、と言う文字通りルイズの頭髪はまるで猫のように逆立たせた。
そのまま椅子から乱暴に立ち上がり眦が裂けんばかりに目を見開き、エルメェスの胸倉を掴みそのまま彼女を壁へとぶつけた。。
「もう一度言ってみなさい。誰が、誰と、どんな関係だって?」
しまった、と思ったときにはもう遅い。
エルメェスが言い分を述べるよりはやく、ルイズは杖をエルメェスの喉元に突きつけた。
その形相、まさに阿修羅。
エルメェスは気付いた、この話題もタブーだったことを。
537姉貴の人:2008/09/15(月) 20:10:54 ID:57oYmgf1
起こると困るときに限ってよくないことは立て続けに起こるものである。
ちょうどルイズがエルメェスの喉に杖を突きつけた瞬間、部屋のドアが大きな音を立てて開いた。
「ルイズー、エルメェスー?」
入ってきたのはまさに話題にあがっていた人物キュルケだった。
その格好は先ほどエルメェスと分かれたときとは違い【自主規制】や【自主規制】、はては【自主規制】まで見えてしまいそうなほどの透け透けなピンクのベビードール一枚。
この雰囲気を粉砕するような格好で飛び込んできた来訪者に、今の今まで怒りをあらわにしていたルイズもさすがに言葉を失った。
「キュ、キュルケ・・・あんた・・・」
唖然とするルイズを前に、キュルケは両手を頬に当て恥ずかしそうに腰をくねらせている。
「ごめんなさいね、少しはしたないと思ったんだけど。でもどうしても見せたくて。
実は実家から新しい下着を取り寄せたの、どうかしら?少し派手かもしれないって思ったけどやっぱり女は目立ってなんぼでしょ。
率直な意見を聞かせてもらえると嬉しいわ、あなたはこういう女と一緒に暮らしたい?」
ルイズは少し考えた後「ピンクは」と言い、そして何かを振り払うように乱暴に首を振りこう言った。
「違う!なんであんた勝手に部屋に入って来てんのよ!」
しかしキュルケはそんな言葉は軽く受け流し、
「違うわルイズ、ただのピンクじゃなくてピンクがかったブロンドよ。あなたの髪とおそろいの。
あなたを肌で感じられるようにって言うことで私自ら職人に頼んで色付けをしてもらったの。
最初は『できるわけがない』って言われてたけど、やっぱり私の愛が伝わったのね。みて、こんなに綺麗なブロンドピンク。
これさえあれば私は夜中、寝ても覚めてとあなたと一緒よ…うふ」
などと自分の世界に入ってしまっている。
「な、え、ど、どうでもいいから、用がないならさっさと出てってよ!」
さすがにこれを真正面から見せられたらたまったもんじゃない。
ルイズはエルメェスの喉元に突きつけていた杖をキュルケのほうへと向け、そのまま部屋の外を指す。
キュルケはしぶしぶ「はーい」と返事をして言われたとおりドアのほうへと歩いていく。
しかし途中で何かを思い出したようにもう一度ルイズの、今度はその先で壁に張り付いているエルメェスのほうへとつかつか歩いていく。

「エルメェス。」
「なんだ?」「これ」
エルメェスが渡されたのは小さな包みだった。
「きっと必要になると思うから。」
そういってキュルケはまたドアのほうへと歩いていく。が、もう一度振り返り今度はルイズのほうへと足を進めていく。
「こ、今度は何よ・・・」
先ほどの奇行をを見てしまい、未だにしどろもどろになりながらも、ルイズがそう尋ねると、キュルケは
「お休みのキスよ、マイハニー。」
と言い、軽くルイズの頬にキスをして帰っていった。
538名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 20:11:38 ID:qKCFfw4K
支援
539姉貴の人:2008/09/15(月) 20:12:13 ID:57oYmgf1
キュルケが帰ったあともしばらくの間は沈黙が続いていた。俗に言う嵐の前の静けさであろう。
人間と言うものは恐怖や痛みよりも、それに到達するまでの時間が一番の恐怖であると、再度エルメェスは認識した。
先ほどよりも数段張り詰められた空気、それを打ち破ったのは他でもないルイズだった。
「なんで・・・」
ゆっくりと強く拳が握られる。
「キスをする必要がある・・・」
肩が震えだす。
「誰が・・・」
髪の毛が少しずつ逆立っていく。
「マイハニーだ・・・」
そして。
「ふざけるなァァアア!!!」
とうとうルイズはブチ切れた。

エルメェスは叫んだルイズの瞳を見て直感した。
これは「やる気」だ。
もちろん「ヤる気」ではなく「殺る気」である。
何とかしなければと思うエルメェスの前で、わなわなと肩を震わせながら家具のひとつに向かって杖を振り下ろすルイズ。
と同時に大爆発が起こり、杖の向けられた先の家具が消し炭に変わる。
エルメェスは初めて顔から血の引く音を聞いた。
先に戦ったキュルケの火炎球の比ではない。
これを食らえばどんな人間でも間違いなく一発で天国直行。
迷わず、まだ震えているルイズを羽交い絞めにする。
「落ち着けルイズ、それはやばい、よく分からんが絶対にやばい。」
しかし激昂したルイズがエルメェスの言うことを聞くわけもなく、
「離してエルメェス。
あれほどの辱めを受けてもう私の堪忍袋の緒も限界点突破したわ。えぇもう、ご先祖様に顔向けできないほどにね。
あいつは、キュルケだけはもう生かしておけない。
先祖代々の恨み、ここで晴らさせてもらうわ。死ねェェェエエエエイ!!!」
そう吼えながら何度も杖を振り下ろすルイズ。何とかその杖先をドアや壁や床ではなく安全な方向へとずらすエルメェス。消し炭へと変貌を遂げていく部屋の家具達。
エルメェスは必要になると言われた包みを胸の谷間に隠し、説得を続ける。
やはり耳も貸さず吼えるルイズ。消し飛ぶ家具。必死に止めるエルメェス。
咆哮、消滅、説得、また咆哮とこのやり取りはルイズの部屋から主だった家具以外のすべてのものが消えるまで続いた。
540名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 20:13:04 ID:qKCFfw4K
しえーん
541姉貴の人:2008/09/15(月) 20:13:32 ID:57oYmgf1
「とりあえず、明日は私より早く起きて汚れているものの洗濯をしておいて。あと授業前に起こすこと。」
そういってエルメェスの目の前でルイズはポイポイと無造作に制服や下着を脱ぎ、寝やすそうなものに着替え無事だったベットに横になる。
相当疲れていたのだろう、横になるやいなや、ルイズはすぐに寝息を立て始めた。
エルメェスはそれを見て大きく息を吐く。
やっと終わったのだ。
ルイズがこちらを向きあいつを殺して自分も死ぬと言ったときはひやひやしたがそれでは本末転倒、天国でも追いかけられることになると言ったら、何とか怒りは収まった。
なんとも気難しい主人に当たってしまったものだ。
溜息についで大きな欠伸が思わずもれる。どうやらエルメェス自身気づかなかったが相当疲れているらしい。
だがそこでエルメェスはあることに気づいた。
寝る場所がないのだ。
唯一のベッドはルイズが使っているためもう満員だ。
詰めれば三人くらいは入るかもしれないが、もし見つかったらのことを考えると怖い。
仕方なく床に横になったところで、エルメェスは思い出した。キュルケから何かをもらっていたことを。
さすがにあのサイズの寝袋はないかもしれないが、しかしそれでも魔法が存在する国だ。もしかすると水に濡らすと出来上がる簡易ベッドかもしれない。
そう期待しながら胸の谷間に突っ込んでいた包みを取り出し、おもむろに広げてみる。
包みを開け、中を覗き、しばし言葉を失うエルメェス。
「・・・確かに、確かに必要だけどさ。」
それを握り締め、がっくりとうなだれる。
「もっと役に立つものくれよ・・・」
エルメェスの手から一枚の赤い布、もといパンティがこぼれ落ちた。

・・・
むくりと体を起こす。
どうやらあのまま寝ていたらしく、体の節々が痛む。
「痛ゥー・・・」
じわじわ体をほぐしていくエルメェス。
刑務所でさえベットは完備していたというのにこの扱いはなんだろう。
エルメェスは昨日からのつのる不満から恨めしげにルイズの寝ているベッドのほうを睨む。
そこで彼女はあることに気づいた。いやにベッドの膨らみが大きいのだ。
ルイズは年の割には少し、いやかなり華奢だ。身長も体の凹凸も少ない。
間違いなく二人以上の人間が今あのベッドにいる。
問題はそれが誰なのかだ。
エルメェスは音を極力たてないように気をつけながら立ち上がる。
そしてベッドへと近づく。
近くで見てみると、やはり不自然だ。
小さな何かを抱え込むようにして大きな何かがその布の中に存在している。
嫌な予感がする。
この大きさは十中八九あれだろう。動機もはっきりしている。
エルメェスはそっとシーツを捲りその中の大きなほうの頬をはたきながら声を掛ける。
「何やってんだ、キュルケ?」
中に眠っていたもう一人は案の定赤髪の美女、キュルケだった。
542姉貴の人:2008/09/15(月) 20:14:33 ID:57oYmgf1
「あれ、もう朝?」目をこすりながら起き上がるキュルケ。
寝乱れた髪、発育の良い体を頼りなげに隠す薄いシーツ。エルメェスは思わず息を呑む。
もし彼女の鼻に真っ赤なハンカチが詰まっていず、エルメェスが男だったのなら一目で恋に落ちていただろう。
「ルイズ、絶対怒るから出てったほうが身のためだぜ。」
「大丈夫よ。初めてだと思う?起きるまではまだまだあるわ。」
うふふといつものように笑うキュルケ。その笑みもやはり同性さえはっとさせるような艶やかだった。
キュルケはグッと体を伸ばし、そのまま立ち上がる。
「おはよう、エルメェス。いい朝ね。」
「ああ、おはようキュルケ。」
その服装は昨日の制服でも昨晩のベビードールでもなく、白いパンティ一枚というとても過激なものだった。
「その格好でここまで来たのか?」
「そこまで恥知らずじゃあないわ。服ならそこ。」
無事だった衣装箪笥の方を指差すキュルケ。
ベッドから静かに下り、箪笥に近づき、おもむろに箪笥を探り始める。
一番下の棚から派手な下着。上から二番目の棚から制服のリボン。上の棚からは制服とマントと杖。
その準備の良さを見て、エルメェスは思わず苦笑する。
手馴れているなんてもんじゃない。きっと毎日に近い間隔で来ているのだ。
当のキュルケはそんな苦笑も気にせず、「今日はこっちのほうが…」などと下着の選別をしていた。
その下着を見ていて、エルメェスは思い出した。今日一番最初の仕事を。
ベッドの足元近くにあったはずのそれを探す。しかし見当たらない。
制服はある。マントもある。しかし洗っておけと言われた肝心のそれがない。
「なぁ、キュルケ。」一種の確信を持って、斜め後ろで今日のパンティを選んでいるキュルケに声を掛けてみる。
「ルイズのパンティ、知らないよな?白のパンティ。」
まさかな、とへらへら笑いながら彼女のほうを向く。
すると、キュルケもへらへら笑いながら
「あら偶然、あたしが今穿いてるのがそうよ。」
と答えた。
へらへらと笑いあう二人。
(まさか、毎日こいつに付き合わなきゃならねぇのか?)
いそいそと着替えているキュルケを見ながら、ふっとそんな考えが浮かんでくる。
543姉貴の人:2008/09/15(月) 20:15:55 ID:57oYmgf1
〜〜〜〜〜
朝。起床。キュルケを起こす。
やっぱり下着はキュルケが着用済み。
下着を受け取り洗濯を済ませ、ルイズを起こす。
朝食。キュルケが寝起きのルイズに絡む。
|ルイズが授業を受ける。その間フリー。
昼食。キュルケが満腹のルイズに口移しでデザートを与えようと試みる。
|ルイズが授業を受ける。その間フリー。
夕食。キュルケ「ご飯?お風呂?それとも私?(もちろん性的な意味で)」をかまし、ルイズの怒りが沸点越え。
|しばらくお待ちください。
ルイズ落ち着く。疲れ果てて就寝。
深夜。隙を見てキュルケが不法侵入。
〜〜〜〜〜

「……ェス、聞いてる?エルメェス。」
声が掛けられていたことに気づき、我に返る。
脳裏になんだかものすごく嫌な未来予想図が過ぎった気がするが、きっと気のせいだろう。
「ああ、スマン。なんだ?」
「洗濯、行くんでしょ?場所教えてあげるわ。」
「そいつはありがたい。よろしく頼むよ。」
エルメェスは落ちている洗濯物を拾い上げ、ドアへ向かって歩き出す。
「じゃあルイズ、行ってくるわね。」
キュルケもまだ寝ているルイズに軽い挨拶を済ませ、パタパタと部屋の外を目指す。
「で、洗濯機は何処にあるんだ?」
「センタクキ?何それ。」
やはり前途は多難である。

TO BE CONTINUED…
544姉貴の人:2008/09/15(月) 20:18:10 ID:57oYmgf1
以上、投下終了です。
支援ありがとうございます。
気がついたら前回の投下から数ヶ月経ってる、不思議!!
それでは、拙い文章ですが何かあればよろしくお願いします。
545名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 20:23:25 ID:AkagWciJ
なんというキュルケ。
これは間違いなく原作であったコルベール先生と一緒に船を作るイベントは起こりようも無い。
546名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 20:24:54 ID:zc4JSrIh
これはいくら何でもやりすぎだろう…
変態ってレベルじゃないし、キュルケのやることなすこと酷すぎるし、もう何と言うか…
最ッ高にGJって奴だァァアアア!!!姉貴さんお疲れ様でした!!!
547名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 20:25:22 ID:PqTiPUsX
なんという百合展開
間違いなく圧迫祭りが起こるのも時間の問題
548名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 20:28:14 ID:yQSwwWgm
よくやったもっとルイズにちょっかいかける権利をくれてやろう
549名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 20:46:02 ID:cOwNE+ou
ダメだこのキュルケ、メローネクラスの変態だw
550名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 23:18:17 ID:R+/dC3ww
おっぱい子爵すら超えたな…
拙い?これだけやりゃあGJすぎるだろう!
551名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 23:35:56 ID:Xk/2Fj4v
サイトが戻ってからの再召喚にて 「再『召喚』したな!」  ガシィ! 「な、なんだ『こいつ』はっ!」
いや、ふと思いついた(妄想)だけだよ


ところで墳上裕也って召喚された?地味に好きなんだよね
552名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/16(火) 00:02:09 ID:P7iGFI3P
とりあえずGJッス!
ただキュルケ変貌の原因があったら良いと思う。
例えば父親がメローネを召喚していたとか・・・
553名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/16(火) 00:16:40 ID:1pN3anMG
いいじゃあないか理由なんかなくったって
ガチ百合キュルケがいるというだけで十分じゃあないか……
554名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/16(火) 16:29:42 ID:mcJ1/fH1
例のキュルケの家に伝わる書物が百合の本だったとか
555名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/16(火) 17:09:56 ID:pwCZj8aa
うるせー!!
ファーストレディ呼ぶぞ!!
556名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/16(火) 18:31:17 ID:1pN3anMG
呼べるモンなら呼んでみやがれェィ!
557名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/16(火) 18:34:51 ID:pwCZj8aa
圧迫祭りよッ!
558名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/16(火) 18:52:41 ID:v7wRGbfl
もう遅い!
脱出不可能よッ!
559名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/16(火) 21:19:48 ID:5gs0Kd8x
S.H.I.T、射程距離5メートルニ入リマシタ!
560名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/17(水) 17:20:37 ID:Ymbj/tbb
トォばッ!
561名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/17(水) 22:57:17 ID:wyykL2Wz
過疎っててさびしいなあ……
562名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/17(水) 23:32:44 ID:K4MoKVVS
俺もいるぜ!!
563名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/17(水) 23:46:24 ID:ide/6Yjq
お前だけに、いいカッコさせるかよ
564名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/18(木) 07:44:48 ID:H1UQL1zi
ノシ
565名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/18(木) 07:52:06 ID:7rRf9aH6
おせっかいやき
566名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/18(木) 16:12:23 ID:Wwcqs82p
ふぁああああああ
567名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/18(木) 17:12:35 ID:yTsF2Spb
貴様ッ!見ているなッッッ!
568名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/18(木) 18:40:54 ID:+YXGcSp+
エンペラー!
569名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/19(金) 01:10:39 ID:LniIfMbM
せっかくの有志追い出すからだな
570名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/19(金) 02:33:35 ID:+6uEBh8K
>>569
本人乙
ちゃんとセキュ設定しとけよ
571名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/19(金) 04:43:28 ID:+lHxJECZ
572名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/19(金) 06:36:55 ID:cm+noLEc
>>571
お前は最低な奴だと思うよ
573名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/19(金) 06:45:09 ID:ehWmKb60
サバイバーじゃ、サバイバーの仕業じゃ!
574名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/19(金) 07:10:39 ID:Nx1p7QKR
さすがにマナ−悪すぎるだろ、これは。
575名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/19(金) 10:48:13 ID:jr5930y4
わたしは「投下」だけを求めてはいない。
「投下」だけを求めていると、人は催促をしたがるものだ………
催促をした時、職人は真実を見失うかもしれない。
やる気もしだいに失せていく。

大切なのは、『次スレに向かおうとする意志』だと思っている。
向かおうとする意志さえあれば、たとえ今回は投下がなかったとしても、
いつかは投下があるだろう?スレは続いているわけだからな。
…………違うかい?
576名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/19(金) 16:40:20 ID:/2Sw3IEx
>>575の意志が言葉ではなく心で理解できたッ
577名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/19(金) 17:23:20 ID:jQHgnbs4
どーでもいいからはやく投下してくれ〜
578名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/19(金) 19:51:58 ID:BrFbRVFv
なあ>>577
いい住人ってのには三つの「S」が必要なんだなあ・・・!
一つ目はな「スレを荒らさない」だ
二つ目は「静かに投下を待つ」・・・
そして三つ目は作者に「支援する」・・・
いいだろ?住人の三つの「S」だ
579名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/19(金) 23:20:08 ID:m7CsI9ER
すっかり遅くなっちまったけどよぉ、仮面さんGJ!!
俺はあんたの投稿だけが人生のたのしみなんだぜ!!
580名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/20(土) 00:27:48 ID:Pw/SXqUt
>>579
悪いことは言わない、少し外に出てみようか
581名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/20(土) 01:28:32 ID:2ROsP5sv
規制されてて書き込めずに涙目だ
582名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/20(土) 01:32:06 ID:2ROsP5sv
……と思ったら解除きてるー!

ルイズ強化形のSSがすきなんだけど、皆はどういうタイプが好み?

1.原作通りヘタレ気味主人公+いつも通りなルイズ
2.強い使い魔+デレただけのルイズ
3.強い使い魔+成長したルイズ
4.ルイズ自身がなにかの力を得て強くなる

個人的にすきなのは3と4だ
583名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/20(土) 01:35:02 ID:0OvYQiYo
2・3・4
584名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/20(土) 01:40:44 ID:FCXvN4QO
>>582
3,4

たまにはへたれ使い魔と成長したルイズも見てみたいけど。
585名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/20(土) 02:43:56 ID:J1gH/ChP
>>582
一緒に成長していくのは…1になるのかな
586名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/20(土) 11:21:08 ID:+6zF7EdR
3と4だな。
あとちょっと変則的な3

使い魔と相性が良い(強くなくても良い)+精神面で成長するルイズ

使い魔も女の子か、もしくは人間じゃない生き物が良い。
587名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/20(土) 15:41:47 ID:2e6aGv2f
そういえばサイトも召喚される作品も少しはあるけど
どれもサイトの影が薄くなるかまわりにそれ以上強いのが多いよな
588名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/20(土) 17:35:04 ID:Pw/SXqUt
バトル漫画とラブコメだからな
ジョジョが強くなるのは仕方がない
いっそのことデルフをスタプラの強さを覚えたアヌビスにすれば…
589名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/20(土) 17:36:22 ID:WNf6l0qK
サイトの身体を乗っ取って魔法学院で辻斬り物語ですねわかります
590名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/20(土) 17:42:21 ID:T5zX4dqy
アヌ○ス神はメインじゃなくてもちょこちょこ呼び出されてるよな
色々と使い勝手がいいキャラってことか
591ぜろいぬっ!代理:2008/09/20(土) 20:20:32 ID:FrxbUh3i
代理以来があったので投下いたします

―――――――――――――――

銃声も、怒号も、靴音も、悲鳴も、
その咆哮は戦場に響き渡る全ての音を打ち消した。
アニエスもギーシュもキュルケも空を見上げる。
そこにいるのは竜に似た、しかし明らかに違う異質な存在。

「た……祟りだ! あの怪物を殺したから祟られたんだ!」

それを目にした誰かがそう叫んだ。
突然の竜の変貌。バオーの存在を知らない彼等には理由など見当たらない。
誰が口にしたのかすら判らない発言が水辺の波紋のように広がっていく。
倒すべき敵を前にして彼等の動きが止まった。
もしかしたら自分達も祟られてしまうかもしれない。
そんな考えが脳裏を過ぎり、彼等の身体を束縛する。

「ウオォォォォォオム!!」

雄叫びを上げながら“バオー”は舞う。
呆然とする竜騎士たちを余所に艦隊へと向かう。
分泌液から与えられた筋力が突風じみた速度を生み出す。
“バオー”は触覚で『ある臭い』を嗅ぎ当てていた。
人の生命を弄ぶ救いがたい下衆の臭い。
ウェールズと共に見上げたアルビオンの夜空で嗅いだ臭い。
その臭いが大嫌いだった。彼から掛け替えのない相棒を奪った、その臭いが。
“バオー”は思った! この臭いをこの世から消してやると!


振り落とされそうなほどに凄まじい加速の中、
ワルドはバオーが何処へと向かうのかを理解した。
奴が向かっているのは『レキシントン』ではない!
クロムウェルがいる艦へと一直線に進んでいる!

総大将が討たれれば、この戦争は終わる。
だが、そうはさせない……させてなるものか。
クロムウェルは“虚無”の手がかりを持っている。
それを知るまでは死なせるわけにはいかない。

「虫けら風情が! 僕の野望を邪魔するんじゃないッ!」

杖を突き立てるように“バオー”の首筋へと打ち込もうとした。
だが突き刺す直前、“バオー”の背中が音を立てて変形する。
隆起するのは青く染まった帷子のような鱗。
それが逃げ場の無いワルドの目の前で爆散した。

「う……ウオォォォォォーー!」

放たれた鱗が次々とワルドの身体を撃ち抜いていく。
機銃弾さながらの衝撃に困惑と悲鳴が入り混じった声が上がる。
それでも血に染まった視界でワルドは睨む。
憎悪を滲ませ、執拗に“バオー”への殺意を滾らせる。
だが杖を振り上げようとした瞬間、彼の身体は炎に包まれた。
ただの鱗ではない、それは“バオー・シューティング・ビースス・スティンガー・フェノメノン”
幾万の針に神経を貫かれるかのような苦痛。
全身を焼かれていく苦しみに悶えながらワルドは背から引き剥がされた。
592ゼロいぬっ!代理:2008/09/20(土) 20:21:56 ID:FrxbUh3i
遠ざかっていく奇形の蒼い竜。
しかし、それもすぐに視界から消えた。
吸い込まれるような空の青だけが広がる。

不意にワルドは手を伸ばした。
世界を掴もうとした手が虚しく宙を漂う。
誰かに助けを求めるように突き出された腕。
しかし彼を助けようと手を差し伸べる者は誰もいない。

…………いや、一人だけいた。
彼女だけは僕を助けようとしてくれた。
たとえ、それが思い違いであったとしても、
『助けたい』という彼女の気持ちに偽りはなかった。
だが、アルビオンの空で差し伸べられた手を僕は拒絶した。

「報い、か」

呟いた一言は誰にも聞こえず、彼の身体と共に空へと消えていった。



絶え間なく響く艦の軋む音にクロムウェルは怯えるしかなかった。
艦隊からの砲撃を浴びても尚、怪物は止まらなかった。
瞬く間に自分の艦に取り付くと爪と牙で壊し始めたのだ。
まるで雪解けのように削り取られていく艦体。
竜騎士たちの応戦も実を結ばない。
静かに降下していく艦の中で沈痛な空気だけが流れる。

「皇帝陛下、早く脱出を!」
「馬鹿を言うな! 外には奴がいるのだぞ!」

兵士の声をクロムウェルの怒号が掻き消す。
無論、脱出艇の用意ぐらいはある。
しかし、艦から出た先には怪物が待っている。
小船などそれこそ容易く握り潰されてしまうだろう。

「艦隊は!? ジョンストン総司令は何をしておる!?」
「はっ! 今、艦隊の一部をこちらの救助に向かわせております」
「全部だ! 全ての艦を動かすように伝えよ!」

たった数隻では怪物に沈められないとも限らない。
既に御自慢だった艦隊への信用は失墜していた。
地上への砲撃でもさしたる被害を与えられず、
“光の杖”にはまるで歯が立たず、今も怪物を食い止める事さえ出来ない。
あれだけの数と質を揃えておきながら何の役にも立ってない。
もはやクロムウェルが頼れるのは手に嵌めた指輪の力だけだった。
593ゼロいぬっ!代理:2008/09/20(土) 20:23:34 ID:FrxbUh3i
「バルバルバルッ!!」

雄叫びを上げて“バオー”が艦を引き裂いていく。
“メルティッディン・パルム・フェノメノン”の前では強度など何の意味も成さない。
彼は嫌な臭いのする方へとひたすらに爪を走らせる。
ただ臭いを消すだけならば“ブレイク・ダーク・サンダー”を打ち込めばいい。
この至近距離ならば確実に艦体を吹き飛ばせるだろう。
だが“バオー”はそれを望まない。何故なら“彼”がそれを望まないからだ。
無用な犠牲を避けて戦い続けた“彼”の意思を裏切りたくはない。
消すのは“この臭い”だけだ。もうそれで十分だ。
あまりにも……生命の臭いが失われすぎた。

“バオー”の覚悟を示すように、その身体は正しく満身創痍だった。
至近距離で撃ち込まれた散弾の銃創に、魔法や息吹で負った火傷。
分泌液の修復無しではまともに飛ぶ事さえ叶わなかっただろう。
残された力を振り絞り“バオー”は戦いの決着を付けようとしていた。


とん、と小さな靴音を鳴らしてタバサは地上に降りた。
彼女の乗っていたシルフィードの周りにはギーシュやキュルケたちが集まっている。
何があったのかを彼女に問い質せる者はいなかった。
いつも感情を露にしない少女が浮かべるのは明らかな悲哀の色。
そして、続けて降りてきたルイズの姿を見て誰もが理解した。

視線を落として俯く彼女が抱えるのは小さな犬の哀れな姿。
頭蓋を穿たれて赤黒く染まった毛並み。
傷の深さも場所も素人目に見ても助かるものではない。

彼はまだ死んではいなかった。だが、それだけだった。
体内に残ったバオーの分泌液が僅かに彼の命を繋ぎ止めていた。
だけど、それもあと僅か。いつ息絶えたとしてもおかしくはない。
風が吹けば消えてしまうのではないかという生命の炎。

何かを言おうとしてルイズは言葉を詰まらせた。
代わりに溢れてきたのは止め処ない涙。
このまま泣き続けていても仕方ないと分かっている。
なのに立ち尽くして泣く事しか今の彼女には出来なかった。

その彼女の腕でもぞもぞと何かが動く。
何かなどと考えるまでもない、彼女の腕にいるのはただ一匹。
ルイズに抱きとめられたまま懸命に彼は前足を動かしていた。
遠のいていく意識の中で震える足で歩みだそうとする。

「だ……ダメよ! 動いたりなんかしたら……!」

そこまで口にして彼女はそれに気付いた。
ワルドに立ち向かっていた時と同じ、闘志に満ちた瞳。
彼は動こうとしているんじゃない。
こんな姿になりながら、まだ戦おうとしているのだ。
594ゼロいぬっ!代理:2008/09/20(土) 20:24:36 ID:FrxbUh3i
なんで、と言おうとして必死に飲み込んだ。
そんな事は訊かなくても分かっている。
いつも彼は私の為に戦ってくれた。

あの時と同じだ。フーケのゴーレムに襲われた、あの森と。
泣いていた私の代わりにアイツは立ち向かっていった。
あの頃からずっと変わらずに守り続けてくれた。
でも、もう戦わなくていい。

「タバサ。少しお願いするわ」

喉を震わせながらルイズは彼を託す。
空いた腕で、ぐしっと袖で涙を拭い取る。
ギーシュのブラウスを汚してしまったけど気にしない。
泣くのはもう終わりにしなきゃいけない。
いつまでも泣いていたらアイツは心配する。

「待ってて。すぐに終わらせてくるから」

彼に優しく微笑んでルイズは背を向けた。
もうすぐ彼はいなくなる、そして二度と会うことはない。
最後に憶えているのが私のくしゃくしゃな泣き顔だなんて、そんなの絶対に許さない。
助からないと分かっている。だからせめて最期に安心させてあげたい。
見せてあげなきゃいけないんだ、私が一人でも大丈夫だって。

自慢のご主人様だと、彼が胸を張って言えるように。

「私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!」

自分の名を誇るように告げて歩む。
頭上には間近にまで迫ってきた無数の艦影。
実感する、私はようやく歩き始めたのだ。
メイジとして、一人の人間として、自らの足と意思で。

「私は背を向けたりしない!」

高々と杖を掲げる。それは宣誓であると同時に詠唱の姿勢。
『始祖の祈祷書』を広げ、そこに書かれたルーンと言葉を注視する。
偉大なる始祖ブリミルよ、きっとこれは貴方が望んだ使い方ではないでしょう。
だけど私は“この力”を使います。自分が正しいと思える事に使います。
彼がそうしたように、そして私もそうありたいから。

「私は自分の運命に背を向けたりはしない!」
595名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/20(土) 20:26:47 ID:L3W5X2Rm
クライマックス支援
596ゼロいぬっ!代理:2008/09/20(土) 20:27:21 ID:FrxbUh3i
642 名前: ゼロいぬっ! [sage] 投稿日: 2008/09/20(土) 18:42:42 hFcPvowI
以上、投下したッ!

作者諸兄には専用ブラウザの更新をオススメします
クッキー?がどうのこうのの規制は
専用ブラウザの更新によって解除されたりするようです
597名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/20(土) 20:30:49 ID:L3W5X2Rm
乙!わんこもモット伯も実は生きていてほしいぜ……!
598名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/20(土) 20:35:59 ID:5xvkgUlg
作者さんも、代理さんも乙!
599名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/20(土) 21:10:00 ID:N+sPJYxP
ああ、終わりが近付いてきている……
切なさを感じつつも続きを期待
600名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 01:31:04 ID:jTTvaETi
久々に保管庫覗いて仮面見たら物凄い更新されてて
勢いに任せて夕方あたりに始めから見始めたのにもうこんな時間か、熟読してしまった
明日はゼロいぬを読み直す作業がはじまるお…楽しみだ
601名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 14:11:07 ID:FOim2Bok
バオーの絶望さがいいな、これがカタルシスって奴か?
バオー犬というレアな題材でここまでくるとは、驚嘆するわー。
602名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 18:39:16 ID:yI0SLCQz
今、三部のアニメ見てるんだが承太郎とジョゼフって声同じなんだな


はっ、まさかジョゼフの十四巻での技はスタープラ…
603名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 18:53:58 ID:ZVpSkbcJ
ざんねん、メイドインヘブンが正解だ
604名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 22:25:10 ID:N3c94G65
最新巻読了!
実はジョゼフの悪夢を払ってくれるに最良の使い魔はアバッキオだったんだなあ…
誰か小ネタでいいからジョゼフ×アバッキオものを
605名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 22:29:33 ID:C6us8uYP
>>604
悪夢を払うためには「茶」が必要って、ジョゼフはどういう男なんだ……
606名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 22:49:47 ID:Z1oajQFH
行き成りのネタばれは止してくれ。
まだ買ってない奴だって居るんだから。
607名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 00:31:36 ID:Fhb8pGHB
億康や重ちーのアホさをルイズが作戦立ててカバーするような
成長ものが読みたいのー
608名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 00:38:13 ID:dynSB8sy
生ハム兄貴と覚醒魚料理を呼び出して涙目なルイズ
段々殺伐とした性格になっていくルイズ
そしてアルビオンで覚醒してギャング化するルイズ

ただの原作レイプだな
609名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 00:58:45 ID:ksCtwzza
とりあえずきゅいきゅいが卵を産む種族なのは確実!
610名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 01:06:39 ID:OeOnisEr
その卵からチクヴァァと叫ぶ「掃除屋」が生まれるわけだな?
611名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 01:12:03 ID:1VpwrXq0
じゃあまさかの掃除屋召喚で
612名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 20:19:20 ID:kcayaaG3
メタボ大統領召喚
フーケ戦終わった後ぐらいにはスリムな大統領
613名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 20:24:11 ID:OeOnisEr
興奮して机の上でプレイされちまうじゃねーか
614名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 02:21:23 ID:J7CKRzNO
>>608
殺伐としていく過程をきちんと書けば普通に面白そうだと思うが
615名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 14:56:59 ID:mS9MvBs2
あえて殺る気満々なキャラクターを召喚してルイズや他のキャラとの心の交流に触れる事でジョジョ側は温かさ、ゼロ魔側は覚悟を身に付けるストーリー…
駄目だ…単なるツンドラの二番煎じじゃねえか…
616名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 21:00:55 ID:7OUrgFlg
>>608
多分ギーシュが死ぬな、心臓抉り出されて……
617名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 21:25:18 ID:HFA25349
オサッ!オサッ!
618名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 21:29:56 ID:AyTWkVZp
>>615
貴様らの鮮血の「温かさ」を・・・・
あああ味わってやる! 
ウヒヒ
絶望ォォーーーに身をよじれィィーー
ムシケラどもォォォーーーッ
619名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 23:12:43 ID:ProDw4Tj
俺もSSを書いてみたいので、とりあえず原作を5巻まで手に入れた
だが、ここでSSを書くにはまだ読み込みが足りないかな…Lesson4「(原作に)敬意を払え」か、厳しいな…
620名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 23:21:53 ID:AKCaRfHx
>>619
ほんっとうに最低で、第3部までは読んでおくべき。5部までは読んでおいてほしい。
できれば第6部までは読破しておく事が理想。スティール・ボール・ランは書くSSの内容と、趣味で。
621名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 23:23:16 ID:baFNbEfF
>>620
>>619の言ってる原作ってゼロ魔の方じゃあないか?
622名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 00:19:13 ID:EvGnwNSY
ムチャシヤガッテ……(AA略
623名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 00:24:58 ID:9zNo9OWE
>>620
まあ今更ジョジョを読もうとするやつがわざわざこっちに来ることないわなw
624名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 01:17:28 ID:tpNLw9SY
まあこういっちゃなんだが
クロスしやすい設定と定型的なストーリーに
自分たちのお気に入りのキャラを当てはめてどんなリアクションするのかが楽しいのであって
別にゼロ魔本編が楽しいわけじゃないからなw
これがオーフェンとかブギーだったらまた違うけど
625名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 01:20:46 ID:YQFHH8Wz
姉妹スレの提督でスーパージョゼフタイムを見てから
誰がジョゼフの使い魔にぴったり合うかなー
と考えるようになった
あの人の破壊願望とJOJO勢は相性悪いのぅ
626名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 01:41:17 ID:MM62ckHc
ジョジョキャラは前向きだからな
627名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 02:34:50 ID:pAmb7812
マックイイーンマジおすすめ
628名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 07:43:13 ID:brLh5Dhh
逆に考えるんだ。
ジョゼフも黄金にしちゃえばいいよって考えるんだ。
629名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 09:03:01 ID:t9pJI0ay
前向きとは相性最悪
後ろ向きには逆に喰われる(キャラ的な意味で)だろうし
630名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 13:11:14 ID:DKjFCNqC
いるだろ後ろ向けキャラ幾らでも
一部二部の雑魚敵的に
631名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 16:03:40 ID:mI94upLJ
書きたいんだけどね、
ゼロ魔買いづらいの。
レジ持ってくと店員が白い目しそうでね。
632名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 16:19:44 ID:oHcUUWe0
世の中には通販というものがあってだな
633名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 16:28:48 ID:O9Mdv/hX
お前が思ってるほど世間はお前に注目してないから堂々とレジへ向かえばいい
634名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 17:05:10 ID:C8Qcaub7
店員が突然心不全にでもかからない限り目が白くなることはない
安心して買え
635名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 17:53:51 ID:VwAYurZG
>>631は店員が心不全にならないように買いに行かないわけか
636名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 18:01:25 ID:8jTWmcmp
>>631は無意識のスタンド使いか
637名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 18:05:46 ID:O9Mdv/hX
店員が白い目を操るスタンド使いなら諦めるしかない
638名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 18:13:22 ID:c/0Ho+N4
実は店員は新たなスタンド使いの攻撃下にあるのかもしれない
彼を助けるために>>631は買いに行かねばならないのでは?
639名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 18:55:09 ID:sRcY/OCF
>>631
何?店員さんが自分の事を白い目で見てくるって?
逆に考えるんだ、「店員さんが実はルイズかイザベラ様だった」と考えるんだ。
640名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 18:59:34 ID:hBolNior
逆に考えるんだ
アニ○イトとかとら○あなとかメ○ンブックスとかで買えばむしろゼロ魔くらいで白い目では見られないと考えるのさ
641名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 19:35:54 ID:hiKnatWU
ウチの店来いよ
642名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 02:38:55 ID:c2aO8jvP
白い目で見るぐらいなら入荷して無いよ
643名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 04:48:35 ID:tRE6FW8D
もっとやばい本いくらでもあるし
ゼロ魔くらい平気
644名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 07:59:59 ID:Rpqwvszq
普通に売ってるんだから普通に買えるよ
645名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 11:48:25 ID:Dk5OYYDr
エロ本と一緒に買えばいいんじゃね?
646名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 12:59:20 ID:GB1/tz4A
>>639
通はそこでシエスタだろう
647名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 13:00:00 ID:C1Oy/BBC
>>643
武林クロスロードとかなww
648名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 14:05:33 ID:c2aO8jvP
>>646
全然通じゃねえええええ
真の通はエレオノールだと考えてどういう風に罵られるか怯えた結果本を本棚に戻して速やかに撤収する
649名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 15:04:38 ID:zKaODw+Y
とりあえずSSを書くなら7巻まで買えばOKだと思う
8巻以降はあまりオススメ出来ない
650名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 15:12:35 ID:q/CoUZum
全巻とタバ冒買うのがデフォだろ
PBと画集も持ってるのが好ましい
651名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 18:42:55 ID:OOSu9lOy
8巻から先は惰性で読んでるだけだな
二次SSも7巻までが殆どだし魅力的なエピが少ない気がする
虚無の謎が知りたいから取り合えず全部買ってるけどな
652名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 18:54:57 ID:JZwQo0Fs
7巻って何の話が進行中?
というか、アニメも二期までしか見てねーんすよ〜。
653名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 20:54:15 ID:FTB9SbOy
七巻はスカロンって素敵です、七万サイト突撃の二本立てでお送りしています。
654名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 21:54:48 ID:02bGKKvI
良い子のための原作展開早見表
※まだ原作を読んだことがない人はネタバレになるので注意。

1巻……対フーケ戦まで。
2巻……アルビオン脱出まで。
3巻……タルブ村でのエクスプロージョンまで。

―――ここまでアニメ1期―――

4巻……ラグドリアン湖での対ウェールズ戦まで。
5巻……魅惑の妖精亭からリッシュモン捕縛まで。
(この頃から展開がアニメとかけ離れていく)
6巻……ルイズの帰省から対メンヌヴィル戦まで。
7巻……ジュリオ登場から対7万人戦まで。終戦。

―――ここまでアニメ2期―――

8巻……ティファニア登場から対シェフィールド(森の中)まで。
9巻……水精霊騎士隊結成から対シェフィールド(オストラント号登場)まで。
10巻……タバサ救出まで。

―――ここまでアニメ3期―――

※アニメ派の人はここまで。

11巻……再度帰省、新学期、再びウエストウッド、対ヨルムンガンド(1体)まで。
12巻……ティファニアの入学、風呂覗き、再び惚れ薬騒動まで。

※アニメ派の人は絶対にここまで。

13巻……ロマリア編。ルイズの「忘却」まで。
14巻……「タイガー○○」と対ヨルムンガンドまで。
655名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 22:25:49 ID:fCO8XOJx
>>651
8巻のサイト行方不明→再開で完全にルイズとサイトがラブラブになっちゃうし、
話もそれを前提にした流れになってくるからなあ……二次創作でやっていくとなると、そこから先はキツくなるのかもね
656名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 23:13:09 ID:LAr0bw78
8巻で読むのやめちゃったけどSSは読み続ける俺
657名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/26(金) 00:21:50 ID:MqRsXcjE
まあ全巻面白いけども最高にいいのは8巻までだな
そこまで読めば書けるし読める
658名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/26(金) 00:36:36 ID:70VHzOak
ホワイトスネイクをルイズが幼少の頃に召喚できていたら? というのをここのに触発されて書こうと思ったけれど
なんかルイズじゃなくなっちゃうしどうしようこれって感じになったぜ……
黒いルイズが好きなんです。そりゃもう大好きなんです
659ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/26(金) 00:41:37 ID:oiaCkjvV
>>658
ごめんね、うちのルイズが黒くなくってごめんね

それはさておき、他に作者さんがいないのなら今すぐに投下する
覚悟はいいか? オレはできてる
660名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/26(金) 00:42:16 ID:H/ZLyy+y
そんな時こそ避難所連載
661ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/26(金) 00:42:47 ID:oiaCkjvV
13話

状況は最悪だった。
ラングラーにこちらの攻撃は通じない。
しかし、ラングラーはこちらを攻撃できる。
その上、一度でもラングラーの攻撃を受ければ、それですべてお終いだ。
はっきり言って、完全に追い込まれている。

「ここまでヤバくなるとはねぇ……」

キュルケもさっきまでの余裕が吹っ飛んで、厳しい表情になっている。

「アア、マッタクダナ」

ホワイトスネイクも表情を変えずにそれに同意した。

「ダガコノ状況、ドウニモナランデモナイ」
「な、何か考えがあるの?」

心配そうにルイズが聞く。

「アル」

ホワイトスネイクはそれに短く答えた。
662名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/26(金) 00:45:56 ID:70VHzOak
うほっ! いい蛇! 支援しないか
663ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/26(金) 00:46:17 ID:oiaCkjvV
「そ、そうなの? だったらわたしも……」
「ダメダ」
「へっ?」
「コレカラヤルコトニハ、オ前ハイナイ方ガイイ」
「な、何よそれ! わ、わたしが、足手まといだっていうの!?」
「勘ガイイナ、ルイズ。マッタクソノ通リダ」
「な、何ですって……」
「理由ハ後カラ説明シテヤル。トモカク今ハソコデ大人シクシテイロ」

ホワイトスネイクは淡々とした口調でそう言うと、今度はキュルケに声をかけた。

「サテ……キュルケ、ダッタカ?
 コレカラヤツヲ追イ詰メルカラ、オ前モ手ヲ貸セ」
「貸さなかったら?」
「全滅ダ」
「ならやりましょう。で、具体的にはどうするの?」
「ソウダナ」

ホワイトスネイクはそう言って、壁のある一点を見上げた。
そこには、ラングラーが弾丸を跳弾させた痕が残っていた。

「手始メニアノ辺リヲ燃ヤセ」
664ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/26(金) 00:50:10 ID:oiaCkjvV
「今の試し撃ち……着弾の音からすれば、だいたいあの辺りか……」

ラングラーは顎に手を当てて、跳弾の弾道を計算する。

「少し高い気がするな……ターゲットのガキの身長、あとから出てきた女の身長……
 人間に当たった音じゃあなかったしな……屈んでたんだろーな……だからちょっと高くなったんだ」

そしてラングラーはJJFに再び両腕を構えさせ、

「少し下げて、」

その両腕のリングを回転させ、

「多めにバラ撒くか」

ドバババババァッ!

弾丸を撃ち放ったッ!
しかもその数は、先ほどの倍以上!
一発でもルイズたちに掠らせるつもりでの攻撃だ。

放たれた弾丸たちは先ほどと同様、ドア枠にぶつかって軌道を変え、
さらに壁にぶつか――

ヒュンヒュンヒュンヒュンッ!

――らなかった。
弾丸はぶつかるはずの壁にぶつからず、そのまま直進した末に
どこかの壁だか家具だかにぶつかって、めり込んだ。

「何だと?」

思わずラングラーはそう呟き、そしてすぐに理解した。
ぶつからなかったってことは、障害物が存在していなかったということ。
つまり――

「壁ヲ焼イテ、弾丸ヲ反射出来ナイヨーニシテヤレバイイ」
「さっすがダーリン! 頭いいわね!」

反射するはずの壁はキュルケの手で全て跡形もなく焼き尽くされていたのだ。
665ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/26(金) 00:54:07 ID:oiaCkjvV
「……ちょっと待ちなさいよ」

ホワイトスネイクの横ではしゃぐキュルケをじろりと睨んで、ルイズが低い声で言った。

「壁を無くすぐらいだったら私の爆発でもできたじゃない!
 何であんたはそうやってご主人さまを除け者にするのよ!」
「音ガ立ツカラダ。
 ルイズノ爆発ハキュルケガ燃ヤスノニ比ベテ立ツ音ガ大キ過ギル」
「音が何だっていうのよ!?」
「音ガ立テバラングラーニコチラノ動キヲ悟ラレル。
 ラングラーダッテ馬鹿デハナイ……弾丸ガ反射シナイト分カッテイテソコニ撃ッタリハシナイダロウ。
 跳弾ノ軌道ヲ再検討シ、先程トハ全ク別ノ軌道デコチラニ跳弾ヲ撃チ込ンデクル」
「うっ……」
「ソレニ音ヲ気ニスルノハラングラーダケデハナイ。
 他ノ生徒ダッテ、大キイ音ガ立テバ目ヲ覚マスダロウ。
 部屋カラ出テクルモノダッテイルダロウ。
 ソウシテノコノコ出テキタヤツラハドウナル?
 ソシテソウナラナイタメニソイツラヲ守ッテヤラナクッチャアイケナイノハ一体誰ダ?」
「わ、分かった、わよ……」

完全装備の理論武装で追い詰められたルイズは、力なく降伏した。
666ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/26(金) 00:58:08 ID:oiaCkjvV
「ルイズ、今の状況がどれだけ危ないか分かっているの?
 アイツには私の炎は効かないし、弾丸を壁に跳ねさせて襲ってくるわ」
「オマケニソノ弾丸ニ掠リデモスレバ終ワリダ」
「そうらしいわねぇ、どうも。
 致死性の毒か何か……一撃必殺になりうる何かが塗られてるか何かしてるんでしょ?」
「詳シイ説明ハ省クガ、ソウイウコトダ」
「つまりこんな感じなのよ。
 メンツとか体面とか気にしてて生き残れるほど甘くないわ」
「ふ、ふん! 体面を気にするなですって!?
 何よ、節操の無いゲルマニア女らしい言い草じゃないの!」
「あ、あんたねぇ……」

この期に及んで負けん気と意地っ張りを発揮するルイズと、それに怒りを通り越して呆れるキュルケ。
見かねたホワイトスネイクは、

「黙レ、小娘」

殺気を撒き散らしながら間に入った。
というより、ほとんど脅して、無理やりに止めた。
ルイズとキュルケは一瞬、背筋にツララを詰められたような気分になって、口論を止める。
それを確認したホワイトスネイクは、ルイズの目を見て言った

「一ツダケヲ見ルナ」
「へ?」
「タッタ一ツニ気ヲ取ラレルナ、ルイズ。ソノ一ツト何ガ線デ繋ガッテイルノカヲ見ルノダ」
「そ、それってどういう……」
「分カラナケレバ心ニ留メテオケ。ソノウチ分カル時ガ来ル」

そう言って、ホワイトスネイクは次にキュルケの方に向き直る。
667ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/26(金) 01:02:11 ID:oiaCkjvV
「キュルケ、本番ハココカラダ」
「と、言うと?」

余裕ぶって、口端に笑みを浮かべて聞き返すキュルケ。

「壁ヲ焼カレタコトデラングラーノ計算ハ大幅ニ狂ッタハズダ。
 ダガヤツモ再ビ計算ヲ立テテコチラヲ狙ッテクル」
「でも、どうやって?
 弾丸を反射するものなんて廊下にはもうないわよ?」
「大方、室内デ家具ニ弾丸ヲ当テテ反射サセルノダロウ」
「ど、どういうこと?」
「コチラニ弾丸ヲ当テルニハ角度ヲ稼ガナケレバナラナイ。
 ダガ今ノママデハ反射角度ガ足リナイカラ、ソレヲ補ウタメニヤルノダ」
「わ、分かったような、分からないような……」
「理解デキナクテモイイ。
 トモカク、室内デ反射ヲ殆ド完了サセタ跳弾ヲ撃ッテクルノガ問題ナノダ。
 反射角度ガ十分ニ足リテイレバ、天井ナリ焼ケ残ッタ壁ナリデ少シ反射サセテ、
 簡単ニコチラニ当テテクル」
「相変わらずよくわかんないけど……ヤバそうなのは分かったわ。じゃあどうすればいいの?」
「簡潔ニ言オウ」

ホワイトスネイクはそう言って、

「ルイズノ部屋ニアル家具ヲッパシカラ焼キマクレ」

とんでもないことを口にした。

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ! わわ、私の部屋の家具を、どうするですって!?」
「全部燃ヤス」
「な、何ですってえ!? あああ、あんた一体どういうつもりよ! どれもこれも高い家具ばっかりなのよ!?」
「後デ買イ直セ」
「オーダーメイドのだってたくさんあるのに!」
「モウ一回オーダーメイドサセルンダナ」
「ひ、ひどい!!」
「全ク同感ダ」

かくしてルイズの至極当然かつ悲痛な抗議は、ホワイトスネイクにあっさりスルーされた。
668ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/26(金) 01:06:10 ID:oiaCkjvV
「でも……あたしが家具を焼くってことは、あたしはそのドアから身を乗り出すわけよね?
 それって、アイツの射撃の範囲内に入ることになるから……」
「ソレハ問題ナイ。ソレヲヤル間ノキュルケハ私ガ援護スル」
「なあんだ、二人の共同作業ってわけね! だったら喜んでやらせてもらうわ!」

キュルケが張り切っているのを尻目に、ルイズは地獄の底のような心境になっていた。
ルイズが愛用した家財道具の数々がコゲコゲの燃えカスになるのはもはや確定的で、
ホワイトスネイクが「やると言ったら必ずやるタイプ」であることからもそれは明白だった。
キュルケの言葉にいちいち目くじら立てる余裕など、今の彼女にはなかった。

「あ、そうだわ! フレイムにも手伝わせましょうよ!」
「フレイム? ……アア、オ前ノ使イ魔ノアレカ」

記憶の隅から真っ赤な巨大トカゲの姿を引っ張り出すホワイトスネイク。

「そうよ。あの子の炎は強力だから、きっと何かの役に……」
「ダメダ」
「え? な、何で?」
「アイツデハラングラーノ弾丸ヲ避ケラレナイ」
「……確かに、あの子に俊敏な動きは無理だわ。どちらかというと腕っ節が強い子だもの」
「ダガオ前ノ言ウ通リ、何カノ役ニハ立ツダロウ。
 イツデモ動ケルヨウニ命令シテオイテクレ」
「オッケーよ」
「サテ……始メルカ。ルイズ、私ノ近クヘ来イ」
「……いまさら何よ」

どんよりした空気を漂わせつつ、ルイズが答える。
669ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/26(金) 01:10:07 ID:oiaCkjvV
「私ハ、ルイズトノ距離ガ近ケレバ近イホド強イパワーヲ発揮スル」
「「えっ!?」」

ルイズとキュルケが同時に声を上げる。

「距離が2メートル……イヤ、2メイル以内ノ時ニ最モ強イパワーヲ発揮スルノダ。
 弾丸ヲ弾キ飛バスニハソノパワーガ必要ニナル」

ホワイトスネイク自身は、自分の能力を最大限に発揮するために言っただけでしかない。
だがルイズやキュルケのようなうら若き乙女にからすれば、
「君が近くにいてくれるほど、僕は強くなれるのさ」
みたいな、某家の四男が言いかねないような甘ったるいセリフを聞かされたのと同じだったのだッ!

そして、先ほどのセリフはルイズの脳をびりびりと痺れさせ、

(えっ……ちょ、ちょっと何よ今の!
 今のって、今のって……ひょ、ひょっとして……)

またホワイトスネイクに夢中なキュルケの心に敗北の二文字を刻みつけた。

(ま、負けた……この私が……。
 恋愛において未だ負け知らず、百戦無敗のこのキュルケがこうもアッサリと……)

二人ともが、しかしまったく異なる理由で思わずフラリとした。

「オイ、何ヲ呆ケテイル」

そしてホワイトスネイクの声で、二人とも同時にハッと我に返った。

「わ、わかったわよ! 行けばいいんでしょ行けば!」

ルイズは強い口調でそう言ってホワイトスネイクのすぐ横、部屋の入口のすぐ脇にちょこんと座り込んだ。

(ふ、ふふふ……たった一週間かそこらで何をしたか知らないけど、ルイズにしてはやるじゃない。
 見てなさい、いい女ってのはこういうとこから挽回するものなんだから!)

そう心に誓い、しかし何も言わずにホワイトスネイクのすぐ後ろに立って杖を抜いた。

「……行クゾ」

ホワイトスネイクが低く呟くのと同時に、ホワイトスネイクとキュルケが入口の前に飛び出した。
670兄貴:2008/09/26(金) 01:13:39 ID:zRPLYEPo
ヒャッハー支援だぁー
671ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/26(金) 01:14:25 ID:oiaCkjvV
(何だと……何故、今更になって出てきやがった……?)

ラングラーがそう思ったのは一瞬のことだった。
しかし、その一瞬のためにラングラーの動きは完全に止まり、
同じ一瞬でホワイトスネイクは部屋に入って一歩のところで踏みとどまり、
その背後のキュルケは呪文の詠唱を完了した。
次の一瞬でラングラーが脳内で進行していた跳弾の計算をストップさせ、
かわりにJJFの両腕の狙いをホワイトスネイクとキュルケに定め、
一方のホワイトスネイクは弾丸を叩き落とすために両腕の拳を力強く構え、
キュルケは杖の先から6発のファイア・ボールが花のように膨らんだ。
そして――

「ジャンピン・ジャック・フラッシュッ!!」

ドンドンドンドンッ!

「ファイア・ボール!」

ヒュゴオァッ!

ラングラーの弾丸と、キュルケの火球が同時に放たれ、交錯したッ!

放たれた弾丸は一直線にキュルケに向かい、

「シャアアアアアアアアアアッ!!」

バシバシバシィッ!

しかしその手前に立つホワイトスネイクにすべて叩き落とされた。

一方、キュルケが放ったファイア・ボールはラングラーの方には向かわず、
室内の家具に命中して次々と燃やし始めた。
火がついた家具はその瞬間に丸ごと火に包まれ、たちまちに真っ黒い炭と燃えカスの塊に変わっていく。

「そうか……こいつら、オレの跳弾を潰すために……」

ホワイトスネイクとて、跳弾への対処が難しいことなど十分に承知していた。
だから「跳弾を防ぐ」のでなく「跳弾を使わせない」ことを選択したのだ。

「だがホワイトスネイク……アンタ一つミスッたな」

ラングラーは素早く室内に目をやる。
今まさに片っぱしから燃やされまくっている家具には目もくれていない。
どうせ反射の対象としては使えないからだ。
計算してるうちに燃えカスにされてしまう。
だから、ラングラーは家具は見ていなかった。
その向こうにある部屋の壁を見ていたのだ。
反射角度の計算、弾道の計算、反射する弾丸の数。
全ての計算をあっという間に処理し、ラングラーはおもむろにJJFの両腕を下ろした。
672名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/26(金) 01:15:20 ID:zRPLYEPo
ブラウザから戻ったら名前入ってやがった…支援再びかぁーーー!
673ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/26(金) 01:18:41 ID:oiaCkjvV
「……何ノツモリダ?」

構えを崩さずに、ホワイトスネイクが問いただす。

「いや……そろそろ、止めにしようと思ってな……」
「……何ヲ言ッテイル」
「この仕事……結構キツいんだよなあ……。
 空条徐倫に散々やられたせいで、体には後遺症まで残っちまってるからさあ……余計キツいんだよ。
 だから……終わらせるのさ」
「引キ返スノカ?」
「いや……」

そういった直後、だらりと下がっていたJJFの腕が跳ね上がり、部屋の壁に向けられた。

「決着をつけようかと思ってね」

ドンドンドンドンドンドンドンッ!

そして弾丸が放たれる。
放たれた弾丸は壁に当たって反射、天井に当たって反射、床に当たった反射、
全てが異なる軌道と反射角度で、一斉にホワイトスネイクに、その後ろのキュルケに襲い掛かるッ!

瞬間、キュルケが肩を強く掴まれ、ルイズのいる廊下側の、JJFの射界の外に放り出された。

「へっ?」
「キュルケ!?」

唖然とした声を上げるキュルケと、思わず声高に叫ぶルイズ。
そしてキュルケが目の焦点をホワイトスネイクに合わせ、
そしてルイズが未だホワイトスネイクを見上げた時。

ルイズの鳶色の瞳に、キュルケの赤い瞳に、

バシュバシュバシュバシュバシュッ!!

全身を弾丸に貫かれるホワイトスネイクの姿が映った。
室内に突入してから、まだ30秒も経っていない時のことだった。


To Be Continued...
674ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/26(金) 01:22:32 ID:oiaCkjvV
投下完了

フレッツ光を始めようとしたら3カ月かかると言われたり、
結局モデムの故障でつながらないだけだった回線はあっさり復活して最高にハイになったり、
ポケモンプラチナを買って一日中ごろごろしながらプレイしたりしてました
そしてこれからマクロスFの最終回を見る

余談だけど、シリアスやってる最中にラブコメっぽい何かを挟むのが癖になってる気がする
直した方がいいかなーと思いつつも結局やらずにはいられない(今日のでもそうでした)のでこのままでやっていくつもりです
675名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/26(金) 01:26:55 ID:MqRsXcjE
乙〜
俺もマクロス見てくるよ! キラッ☆
676名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/26(金) 09:01:53 ID:lgo59zCq
うおおおおッ、白蛇さんGJ!
>だがルイズやキュルケのようなうら若き乙女にからすれば、
>「君が近くにいてくれるほど、僕は強くなれるのさ」
>みたいな、某家の四男が言いかねないような甘ったるいセリフを聞かされたのと同じだったのだッ!
この捕らえ方は実に斬新ッ!眼から鱗が落ちてくる思いだったッ!!
677名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/26(金) 11:42:20 ID:/9bJSQfU
GJ!!!
スネイクのセリフは真面目なのにクスっと笑えるのが多くて困るwwww

シリアスにラブコメ挟んでもいいと思いますよ!
いや、むしろその方がいいww
678名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/26(金) 13:29:45 ID:2Sn+3ajH
乙でした

670 :兄貴:2008/09/26(金) 01:13:39 ID:zRPLYEPo
ヒャッハー支援だぁー
671 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/09/26(金) 01:14:25 ID:oiaCkjvV
(何だと……何故、今更になって出てきやがった……?)

あとこの流れには吹いたwww
679名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/26(金) 16:52:48 ID:4DelLN3f
スネイクの人、乙でしたー。

関係ないけど、過去ログで確かめたいことがあって見てみたら、77までしか入ってなかった。
ご厚意でしてもらっていることを急かすわけにもいかんけど、続きまたお暇があればお頼みします。
680名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/26(金) 17:58:19 ID:zRPLYEPo
>>674
それが…いいんじゃあないか……
681名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/26(金) 18:05:26 ID:RD959y2U
>>679
どうぞ。

【ジョジョ】ゼロの奇妙な使い魔【召喚78人目】 1001レス
http://www.23ch.info/test/read.cgi/anichara/1202329825/
【ジョジョ】ゼロの奇妙な使い魔【召喚79人目】 768レス
http://www.23ch.info/test/read.cgi/anichara/1204895725/
【ジョジョ】ゼロの奇妙な使い魔【召喚80人目】 689レス
http://mimizun.com/search/perl/dattohtml.pl?http://mimizun.com/log/2ch/anichara/anime3.2ch.net/anichara/kako/1206/12069/1206915020.dat
【ジョジョ】ゼロの奇妙な使い魔【召喚81人目】 786レス
http://p2.chbox.jp/read.php?url=http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1210336417/all
【ジョジョ】ゼロの奇妙な使い魔【召喚82人目】 828レス
http://p2.chbox.jp/read.php?url=http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1213409431/all
【ジョジョ】ゼロの奇妙な使い魔【召喚83人目】 866レス
http://mimizun.com/search/perl/dattohtml.pl?http://mimizun.com/log/2ch/anichara/changi.2ch.net/anichara/kako/1216/12160/1216046212.dat

ちなみにここで検索しました。便利ですよ。
http://www.geocities.jp/mirrorhenkan/
682名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/26(金) 19:45:27 ID:GQSlftRh
>>681
ありがとう。
683名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/26(金) 20:54:51 ID:N7q3yGnb
>>679
申し訳ないです
追加しておきました
684名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/26(金) 22:45:54 ID:R8aj42oa
乙です!
個人的にJJF好きなんで楽しみにしてました。
誰かラングラー召喚書かないかなぁ…
かなり悪い奴だからすごい難いと思うけど…
685名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 00:02:19 ID:6nbsj7fU
第一話が完成したので投下させていただきたい。一応は長編予定です
呼び出したのはホワイトスネイク。だけど時期がヴァリエール家に居た頃という設定

12:10分から投下させていただきます
686DISCはゼロを駆り立てる:2008/09/27(土) 00:11:49 ID:6nbsj7fU
ルイズはヴァリエール家の領地にある泉の畔で、泣きはらした真っ赤な目を擦りながら立っていた。
教科書の内容を全て覚えても、腕がちぎれるかと思うぐらい杖を振っても、喉が枯れるほど呪文を唱えても、成功の欠片すら見えない。
火も水も風も土も、どれもこれもダメだった。どんなルーンを叫んでも、大爆発という不躾な結果に終わってしまう。
明日は久しぶりにワルド様が"にんむ"から帰ってくるというのに、自分はまだ才能無しのゼロのままだ。
ちい姉さまのお部屋に行けばきっと慰めてくれるけど、こんなに頼ってばかりではダメだと思う。けれど、本当にどうしようもない。
ルイズはゼロのルイズが嫌いだった。自分を殺したいほど大嫌いだった。

「ふぁいあー・ぼーる!」

噛み破られて薄っすらと血が浮いた唇から、やや舌足らずなまでも発音は完璧に近い呪文が紡がれる。
だが少女が幼い胸を壊すほど願っても、血反吐を吐くような渇望の果てでも、結果は今までと同じ失敗だけだった。
間近で発生した爆発によりルイズは吹き飛ばされ、草の上を無様に転がる。小さな手の平から杖が飛んで行った。

「なんで……なんで、なんでよ……」

再び零れかけた涙を、目が潰れるぐらい強く目蓋を閉じて押し込めた。また小舟に戻るのは嫌だから。
やがて涙を湛えた瞳でルイズが見たものは、見るも無残な姿になった自分だった。ぼろを纏った姿はとても貴族には見えない。
特に杖を持っていた右腕は酷く、破けてしまった袖が縋りつくように残っている程度で、小石が跳ねたのか怪我までしていた。
ズキズキと鈍い痛みを発する二の腕を無意識的に摩る。

「なんでなのよっ!!!」

やり場の無い怒りは自らを焼き尽くすように燃え上がり、左手で傷跡を掻き毟るように痛めつけた。白い肌に無数の蚯蚓腫れが走る。
この世界が憎かった。才能の無い自分が嫌だった。魔法を使えるメイジが羨ましかった。

やがて自分を引き裂く痛みで我に返ったルイズは、数メイル先に転がっていた自分の杖を拾い上げ、呼吸を整え始めた。
体の隅々にまで酸素を行き渡らせ、未だ痛む右腕を意識の外に放り出す。脳裏に描いたのは当たり前の、でもルイズは持っていない物。
アンリエッタのような友達が、ちい姉さまの動物たちのような存在が欲しかった。何でもいいから力を願った。笑われない実力を渇望した。

「わが名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
五つの力をつかさどるペンタゴン。
われのうんめいにしたがいし、"つかいま"をしょうかんせよ」

再び耳をつんざくような爆発が起きたが、同時に大きな銀色の鏡がルイズの前に現れた。
現実を信じられぬままに茫然とそれを見つめ、ゲートから現れた大きな亜人をただただ凝視している。
不思議なマスクを被った、全身に横縞模様のある奇妙な人物だったが、初めて成功した魔法にルイズの心は高鳴っていた。

「こ、こんにちは! 私の名前はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
……あ、あなたのお名前は? 亜人さん」

「……私ハ、ホワイトスネイク。"亜人"デハナク、スタンド、ダ」

この日この瞬間から、ルイズの物語はまったく別の方向に進み始める事となった。
687DISCはゼロを駆り立てる:2008/09/27(土) 00:12:38 ID:6nbsj7fU




眠りから覚めて薄く眼を開けたルイズは、見慣れた天蓋を確認して大きく体を伸ばした。久しぶりにあの時の事を夢に見た。
今日は使い魔召喚の儀式の日だから、恐らくはそのせいだろう。全身から力を抜いてベッドの上で寝返りをうち、大きく溜息を吐いて起き上がる。
すでに使い魔を持っている生徒は一日お休みだから、図書館にでも行ってみるのも良いかもしれない。

ホワイトスネイクを発現させて着替えを手伝ってもらながら、ルイズ自身は杖を振るって桶の中を水で満たした。
風のスクェアであるルイズには、この程度の芸当はまさに朝飯前だ。もっともあまり注目されたくないので、まだトライアングルで通している。
手際よく朝の支度を済ませ、最後に貴族の証であるマントを羽織って食堂へ向かう。廊下で擦れ違った生徒と軽く挨拶を交わした。

「あら、おはよう、ルイズ」

「おはよう、キュルケ」

ルイズがいつもの席に座ると、珍しくキュルケが先に来ていた。普段は後から来るか、ほぼ同時に部屋から出てくるのが常だが、やはり今日は特別のようだ。
失敗の不安は微塵もなさそうだが、一生物になりえる使い魔召喚の儀式には興奮するのだろう。火のトライアングルとして、下手な使い魔を呼び出す訳には行かないのだろうし。
もっともそれは殆どの生徒に言える事なようで、2年生のテーブルはすでに食堂の中は生徒たちで溢れていた。自分が呼び出すであろう使い魔の話で盛り上がっている。

「見てなさいよ? 絶対に、あなたより凄い使い魔を召喚して見せるんだから」

「ふふぅん。ま、一応は期待しておいてあげるわ」

ホワイトスネイクは一種の幻獣という扱いで通しており、ルイズの実力とも相成ってこのトリスティン魔法学校ではかなりの有名人だ。
ただし幻獣の癖に魔法が使えず拳しか能が無いこと、基本的にメイジの戦闘は遠距離での魔法の打ち合いという事実が重なり、評価は素晴らしく高いという訳ではない。
もっとも、隠している能力を知られた場合は、間違いなくハルキゲニア一の使い魔だろうが。

「言ってくれるじゃないの。それでこそ、私のライバルよ……。胸は私の圧勝だけど」

「……っ! 胸は関係ないでしょ、胸は!」

ニヤニヤしたキュルケの視線から胸を庇うために両手を組んで、顔を少し赤らめながらルイズは叫ぶ。
いずれはスクェアも近いとされているルイズにとって、唯一の弱点にして最大のコンプレックスは貧相なボディだった。
豊胸体操やらマラソンやらでそれなりに鍛えているのだが、まさに絶壁という感じで全く成長せず、こればかりは魔法でもどうにもならない。
その辺の男が迂闊にこのキーワードを口に出すと恐ろしい報復を覚悟せねばならないが、唯一キュルケだけは笑って言い合える仲だった。
部屋が隣り合った当初から何かと衝突するも、正面からぶつかり合っている内に悪友と言える間柄になっていたのだ。

やがて朝食の時間がくると、何人ものメイドたちが忙しなく駆け回り始める。二人はまだ言い合っていたためにやや遅れたが、あわてて両手を合わせた。

「偉大なる始祖ブリミルと女王陛下よ。今日も我にささやかな糧を与えたもうたことを感謝いたします」

内容とは裏腹に贅を尽くした豪華な食事が所狭しと並べられており、祈りが終わると再び食堂にざわめきが戻る。
皮がパリパリに焼けている美味しそうなローストチキンにナイフを入れながら、ルイズはふと遠い日の記憶を思い起こした。
そう、あれはまだルイズがゼロだった頃、そして道を踏み外す前の話。
688名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 00:14:12 ID:v9kXiTUw
支援
689DISCはゼロを駆り立てる:2008/09/27(土) 00:16:52 ID:6nbsj7fU



湖畔でホワイトスネイクの召喚に成功したルイズは大いに喜んだが、その驚くべき特性を知ると戦慄してしまった。
なぜか自分にまで伝わってきた焼き鏝を押し付けられたような熱さも忘れ、ただ息をのんで説明に聞き入る。
彼は才能や記憶をDISCという不思議な円盤に変えて抜き出し、さらには他者にそれを与えることができるのだという。

「そんな、誰かから、奪うだなんて……」

幼いルイズは自らが呼び出した"すたんど"という物に恐怖を覚えたが、心中ではそれを遥かに上回る狂気が荒れ狂っていた。
ずっと持たざる者であった彼女にとって、魔法の才能という誘惑はあまりにも大きい。身を焼かれながらも誘蛾灯に引き寄せられる昆虫のように。
それでも抑えていられたのは、一重にルイズが貴族であったからだ。10歳にも満たない少女は、その実誰よりも貴族たらんとしていた。
自分が魔法を使えるようになるのは素晴らしい。だが、この苦しみを誰かが代わりに味わうとなれば話は別だ。

「私ヲ使モ、使ワヌモ、君ノ自由ダ……。強制ハ、シナイ」

結局ルイズはどちらも決断できず、日が暮れるまで悩みぬいた後で屋敷へと戻った。
お母さまに叱られることを覚悟していたものの、ルイズの酷い格好と腕を自分の爪で引っ掻きまわした痕に気づいたのか、着替えと水メイジの居るカトレアの部屋に行くように言われただけに終わる。
初めての魔法が成功した事を伝える事はしなかった。ホワイトスネイクに情報はできるだけ隠すべきだと言われたからだ。

「どうしよう……。どうしたらいいの……?」

大好きなちい姉さまに恐れられるのが怖くて、ルイズは治療が終わった後ですぐに自室に戻り、身を縮込ませながらベッドでシーツをかぶっていた。
能力を使わないホワイトスネイクだって、接近戦闘なら並の使い魔よりよほど強いようだし、それだけで満足することも考える。
魔法は使いたい。でも誰かから奪うのは嫌だ。けれどもこれ以上馬鹿にされたまま生きていたくない。
どれほどそうしていたのか、いつの魔にか夕食の時間を逃していたようで、使用人の一人が部屋にサンドイッチをいくつか運んできた。
はっきり言って食欲は全く沸いてこなかったが、とりあえずお礼だけは言った。テーブルにおいてもらい、再び深慮の彼方に思考を飛ばす。
自分の魔法の才能をDISCにしてもらい、自分がまだ開花していないだけだという確認も取れた。やがてはルイズだって普通に魔法を使えるようにはなるはず。

「でも、それはいったい何時になるの……?」

すでに社交の場では、ルイズより幼い年齢の少年少女がコモン・マジックを成功させたという話がいくつも聞こえて来る。
上品に隠された口元からは暗にルイズを馬鹿にする内容ばかりが漏れ、それを聞くたびにドレスの裾を手が白くなるまで握り締めるしかなかった。
自分だってと思って、ひたすらに魔法の練習を重ね、服をボロボロにして叱られる。
教科書を完全に暗記して、それでも水泡に帰して涙を流す。
腕が上がらなくなるまで杖を振り、呪文をつむげば爆発で吹っ飛ばされる。
何時までこの出口の無い暗闇を歩けばいい? 何度、ヴァリエール家から放り出される悪夢を見ればいい?

しかし、今のルイズには力があるのだ。もしスクェアの才能を奪い取れれば、きっとドットぐらいならすぐに使えるようになる。
ドットでも良い。大歓迎だ。せめてコモンマジックだけでも使えれば、そうすればもう誰も私を……。
690DISCはゼロを駆り立てる:2008/09/27(土) 00:19:50 ID:6nbsj7fU

「……のど、渇いちゃった」

あまりに重すぎる選択に、ルイズの頭と心は悲鳴をあげていた。熱をもった頭に腕を押し付けて冷やす。
年齢の割には膨大な知識を詰め込んでいるとはいえ、ルイズはまだ外を駆け回って遊んでいてもおかしくない子供なのだ。
熱に浮かされながらルイズは屋敷の中を進み、厨房で飲み物をもらうために歩き続けた。答えの無い二択が常に頭の中にある。
やがてやっと入り口まで辿りついたとき、中から声が聞こえた。

「……んとに、ルイズお嬢様は難儀だねえ」
「まったく。上のお二人はあんなにおできになるというのに」

平民である使用人たちがルイズをバカにしている。
聞いてはいけないと思うのに、体が硬直して動かなかった。

「奥様も、お辛いでしょうねえ……。カトレアお嬢様があんな体で……」
「魔法もよくおできで、心の優しい良いかたなのに、あんな風に生まれついて……」
「これで、ルイズお嬢様がもう少しちゃんとなさってたら、少しはねえ……」

違う。私は、貴族として……。だから、魔法を……。努力して……。

「ここまで違うと、もしかして、ルイズお嬢様は……」
「たしかに、それなら……」
「魔法の才能が無いのも……」

何だ。何を言っているんだ。私はヴァリエールだ。そんな訳が無い。才能だってあった。確かめた。まだ時がいるだけ。
ホワイトスネイクに頼らなくても、いつの日かきっと立派なメイジになって……。

「そういえばその頃、確かに旦那様の浮気疑惑があったと……」
「ええ! なら、本当に……」
「平民の……」


違う。
違う違う違う。
違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う。
違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う。
違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う。
違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う。
違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う。
違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う。
違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う。
違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う。


違う……よね?
誰か教えて! わたしは本当にヴァリエールなの?
こんな才能無しで、本当にメイジなの?
私は、わたし、わた、し……。

ルイズの右手が蛇のように剥き出しの二の腕に喰らいつき、爪で皮膚を割って肉を引き裂いていた。
豪奢な絨毯の上に朱の雨が何粒も降り注ぐ。限界を超えた負荷に骨がきしみ筋肉が悲鳴を上げ、ルイズの手は真紅の川が流れているように染まった。
恐ろしい物を前にした時のように後ずさり、血を滴らせながら自分の部屋へと逃げ込んでいった。


おとうさま、おかあさま、わたしは、ほんとうに、きぞ、く……。
691名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 00:21:52 ID:v0kKJzBs
支援
692名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 00:21:59 ID:Qmrbuyl1
支援
693名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 00:22:33 ID:6nbsj7fU
とりあえず以上です。現在第二話執筆中
ルイズを苛めたいわけではないのですがね……
694名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 00:24:04 ID:Qmrbuyl1
GJ!!
スネイクさん人気だなwww
学院で虐められてないルイズってのも珍しい。

それに、オレ様のちっちゃい子メーターが振り切れそうだったぜ・・・
695名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 00:41:11 ID:7L7/qMwm
GJ!!
ルイズが一生懸命なのがいい!
どうなるのか楽しみだ・・・
696名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 00:41:14 ID:bSATLVfK
風のスクウェアってwwwちょw
697名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 00:53:23 ID:iAEe0B6T
GJ!

ルイズ怖いよ、ルイズ
698名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 06:56:12 ID:N3FQsbZm
ワルドから取ったか、カリンママンから取ったから。
それともギトー先生から取ったか。
誰からだろ。
699名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 08:00:50 ID:0899Zfth
某闇の書と能力的には似たようなものなのにこの性格の差はなんだろう?
あ、でも主人を半病人にしないだけ白蛇さんのほうがマシなのかなあ
700名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 10:39:28 ID:tfGmoHMu
>>698
> ギトー先生
それはない。
701名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 11:22:50 ID:m/CWQzs6
おお、白蛇3人目の召喚か。
最初から強いルイズ、4大系統が使えるルイズっていうのは珍しいからなぁ。
期待させてもらいます。乙乙。
702名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 13:10:28 ID:N3FQsbZm
>>700
ギトー先生なら後腐れなく取れね?
703名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 13:14:24 ID:tfGmoHMu
>>702
ひでぇwwww
と言うかギトー先生ってスクウェアだったっけ?
704名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 15:16:13 ID:AK2c5KA4
スクエアスペルの遍在使えるっぽいからスクエアでは?
705名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 16:15:02 ID:+EJ4yJ2j
少なくとも、トライアングルのキュルケの放つ魔法をなんなくかき消せる実力はあるな
魔法の相性はあるにせよ
706名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 18:12:57 ID:szLZ4j8h
>>703
14巻でカステルモールが「遍在はスクウェアスペル」って言ってる
だから遍在使えるミスタギトーはスクウェアなのは確定
ヘタレじゃなければフーケも普通に一人で何とかできたんじゃねぇか?あの人
707名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 18:14:40 ID:tfGmoHMu
・・・参りました。
ギトー先生スクウェアだったのか・・・見えんな。
708名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 18:16:43 ID:m1KujgaK
スクエアでも使えねえから教師なんかやってんじゃね
709名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 18:20:47 ID:X0Oi2QXI
黄金の精神も漆黒の殺意も持ってないんだからしょうがないさ
仮面だとシエスタにいい所見せようと頑張ってたし、ジョルポルでもパッショーネに
スカウトされてたし今後に期待できるさ、多分……
710名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 18:31:05 ID:iAEe0B6T
実は偶然カリンさんが旦那とケンカしてる現場に居合わせしまい
風のスクウェアとしての自信をすっかり消失してしまい
落ちぶれに落ちぶれて駄目教師になったとしたら……
711名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 18:35:36 ID:BLwSB7ad
>>707
まあフーケとシュヴルーズ先生が同じ土のトライアングルなんだし、
使える属性が同じなら強さも同じってわけでもないんでしょ
712名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 19:07:48 ID:i5i1Kf/Z
同じスクウェアだとしても戦闘経験とか
魔法を効率よく戦闘で運用できるか否かとか
他の属性の魔法について対策を練ってあるとかで
強さにかなり差があるんだといろいろ妄想する
713名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 19:10:39 ID:+ZTMPb+s
スクウェアだから戦闘強くなくちゃならない理由はどこにもない。
714名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 19:16:54 ID:Kw6NGSLs
それこそ戦闘向きのスタンドとそれ以外のスタンドを比較するようなもんだろ
パワーが同じでも戦闘能力は全然違うことになるわけだ
ほら、仗助とトニオさんが戦ったらトニオさんの圧勝だろ?

……あれ?
715名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 19:45:08 ID:v0+ZeCWV
スクェアって凄いんだぜ! なにしろギトーみたいに偏在が使える!

だと物凄く微妙に聞こえるが

スクェアって凄いんだぜ! なにしろ烈風のカリンみたいに偏在が使える!

だと印象変わるよね
716名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 19:47:44 ID:+EJ4yJ2j
たまにはワドル・フォン・ワルドハイム氏のことも思い出してください
717名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 20:05:51 ID:2GxlBgjq
実はギトーって遍在使ってないよ
あれは使おうとしたんじゃなくて呪文の説明だけだった可能性もあるよ
718名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 20:09:03 ID:tfGmoHMu
ギトー先生って偏在を使おうとしたところを
コッパゲに邪魔されたんだっけ・・・?
719名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 21:42:56 ID:0ZdcqBQb
>>709
シエスタにいい格好を見せようとした時は、遍在がトライアングルかスクエアだか分からなかったんだ。
だからギトー先生の活躍どころがちょっと想像しづらかった。
でもフーケ討伐の時、「今日は授業で精神力を消費したので討伐には行きません」とか言わせてみたい気もする。
720名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 21:51:01 ID:Qmrbuyl1
毎度思うんだけど、フーケ討伐って行かない理由は「いるわけないだろ」って発想からじゃないかな?
今まで証拠がまったく挙がらなかった謎の盗賊のアジトが見つかったって聞いても、どうせ無駄足になるだろうと予測するのが当然。
アジト見つかりました→行きます!という短絡思考をするのはルイズと億泰とナランチャだけだよ・・・
721名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 21:56:05 ID:+ZTMPb+s
まあ仕事がすんだら仮のアジトなんてとっとと捨て去ってるわな。
722名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 22:42:14 ID:BvfbU4t8
実は教師陣は思ってるよりも優秀で
馬で4時間もかかるとこなのに、朝騒ぎになってるの見てから調査に行って今帰ってこれるわけないだろjk
と思ってたのかも
723名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 23:34:59 ID:N3FQsbZm
なら言えよ、と思う今日この頃。
724名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 23:38:21 ID:BvfbU4t8
(明らかにおかしいけど学園長に意義唱えるなんてできないよなー
それで給料減らされたりしたらたまんないしここはとりあえず黙っとこ)
725名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 23:38:37 ID:+EJ4yJ2j
トリステイン教師組合(ト教組)の陰謀だ!
726ねことダメなまほうつかい:2008/09/28(日) 01:17:51 ID:WK+bpSUX
騙せると思ったフーケも居ると思ったルイズ達も頭脳がマヌケってことだなw
727名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 01:18:36 ID:WK+bpSUX
名前欄は見なかったことにして。
728名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 01:33:56 ID:W3jaa+xa
あの名台詞が思い出されるの〜

だがマヌケは(ry
729名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 01:40:06 ID:OSayF3Eg
あの名台詞が思い出されるの〜

見ていない!オレは見てな(ry
730名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 01:49:42 ID:Ch5JhW9N
どうでもよかろうなのだ!
731名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 02:03:29 ID:iROokBAj
つまり猫は不味いんだ!
732名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 03:22:36 ID:Rp9KNvsN
>>723
またオスマンがすっとぼけた振りしてロングビル弄んでると察したんだろ
733名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 04:27:14 ID:2du6SMaL
見たか、見なかったか 心の中を読んでみりゃあいいじゃあねーか
734名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 05:10:11 ID:gnnDLEp9
何という新解釈が進行中なんだw
735名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 10:07:40 ID:iROokBAj
つまり、ロングビルの頬を舐めて
「コイツは嘘をついてる味だぜ!」を決めて
教師とルイズ達にドン引きされ、オスマンとコルベールが血涙を流しながらGJ!するという
ブチャラティの召喚ですね
736名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 18:15:59 ID:SM6v28RO
フェルディナンド博士
737名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 19:58:54 ID:Ubr2ERmZ
原作15巻読了。
偶然なんだろうが、このスレ(のギャグパート)が原作にフィードバックされてる感じがするw
マゾコリヌとか嫉妬マスクとかw
あとntr狙いのタバサとか
738兄貴:2008/09/28(日) 20:15:16 ID:EreP4X6b
>>658
ごめんね、黒いルイズどころかルイズすら出なくてごめんね。
さて、ミノ編が思いのほか長くなった。
多分、後一回ある。後悔はした。反省はしていない。

確認作業とか色々あるから、九時に投下すると賭けようッ!
739名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 20:30:21 ID:Ubr2ERmZ
>>738
グッド
740ゼロの兄貴:2008/09/28(日) 21:02:32 ID:EreP4X6b
もうすっかり日が沈んだ人気の無い宿場街の出口へ向かう影五つ。
老婆が一人、メイジが二人、韻竜が一匹、そして元ギャングが一人という混成チームと相成っております。
その集団の中から、ものスゴクたるそうな、やる気の無い声が聞こえてきた。

「歩きで三時間か……」
「なにせ、エズレ村はわずかな畑があるだけの何も無い村なんですえ。ですから、ほとんどが歩きだけになっておりますのじゃ」
平均的な人間の徒歩の速度が時速5km。この婆さんだともう少し遅くなる事や休憩を計算に入れると、約十〜十二kmというところか。
それでも冗談じゃあねー、というのが本音だろう。
普通ならまだいいのだが、酒が入っているのでダルいのである。
予定外の事をやらねばならなくなったためというのもあるが、とにかくダルい。
ダルいだけにさっさと終わらせたいのだが、徒歩で三時間なぞ御免被るというところだ。

シルフィードが人間形態を取っているため、この場合の最速の移動方法は馬ぐらいしかないのだが
夜、しかも主要な街道から外れた宿場街だけに、正規の手段では手に入りそうにない。
まぁ盗んでもいいのだが、最低三頭は必要な上に、足手纏いが居るので下手打って厄介な事になる可能性高い。
騒ぎになっても面倒なので、他になんかないかと考えていたが、うってつけの移動手段がある事を思い出した。


「だからってあんたら……」
少し時間が経ち、今のフーケの目に映るのは、『ライト』で照らしながら本を読むタバサ、爆睡しているシルフィード
さっきから怯えてしがみ付いているドミニク婆さん、そして店から持ってきた酒を瓶のまま飲むプロシュートの四人。
「わたしのゴーレムを馬車代わりにするんじゃあないよ!」
自慢のゴーレムの上で思いっきりくつろがれている様子に、さすがのフーケもこれには怒鳴った。
「構やしねーだろ。減りゃあしねぇんだからよ」
「減るんだよ……!精神力とかが思いっきり!」
何時になく強気だが、自分はゴーレムを動かすために命令とか出さなくちゃあならないのに
ドミニク婆さんを除いて、こうもゆったりされてはそりゃあムカつきもするというものだろう。

肩を掴まれ振り向いてみると、すっげぇ良い顔をしながら『ゴーレムを出せ』だ。
表情こそ若干笑顔寄りだったのだが、酒せいか、それとも素でそうなのか、目だけは全く笑っていなかった。
正直、いつもの数倍怖かったので、言われるがままにゴーレムを出したのだが、さすがに、いいや限界だッ!というところだ。

この際、振り落としてやろうかとも思ったが、それはそれでディ・モールト後が怖いので考え直した。
第一、振り落としてもゴーレムにしがみ付かれてそのまま老化させられそうな気がする。
741ゼロの兄貴:2008/09/28(日) 21:05:00 ID:EreP4X6b
中の自分に言い聞かせつつゴーレムを動かしていたが、三十分もすると例のエズレ村が見えてきた。
「ほら、見えたよ」
ゴーレムの手が下に降りると各自地面に降りたが、一人だけ動こうとしない。
「ふにゃ……もうお肉食べられないのね……」
そんな寝ぼけた声を出すのはご存知シルフィードだ。
起こそうと一発頭を叩いたのだが、潰れたような声をあげると、またぐーすか寝息をたてはじめた。
「このヤロー……」
あんだけ食ってまだ食い物の夢を見るとは大したタマだが、放っておくわけにもいかない。
雪山での遭難者を起こす要領でシルフィードを起こそうとしたが、それより先にタバサがドミニク婆さんに聞こえないように小声で話しかけてきた。
「人の姿に化けてる時は脳の疲労が凄く大きい」
それを聞いて起こすのを諦めた。
今のシルフィードは、ギアッチョがジェントリー・ウィープスを展開し続けているようなものだ。
そう考えればエネルギーの消耗も半端ではないのだろう。
それに、ミノタウロスのアジトは洞窟だと聞いた。
竜の姿に戻っても通れやしないだろうし、人の姿のままでは極めて役立たずである。
それならば、このままでも特に問題はない。
完全に起きる気配が無いので、猫を扱うかのようにシルフィードの首元を掴むとそのまま背負う。
「ちッ……見かけより重いなこいつ……」
そう文句を垂れたが、元の質量がこの姿に収まっていると思えば、まだ軽い方だ。

「さすが、おにいさまはお優しい事で」
棒切れで造った貧相な門に近付くが、横からフーケの茶化すような声が届く。否、確実に茶化している。
「なら、てめーが代われ」
「ゴーレム作って疲れたからね。絶対にノゥ」
その返事に思わず舌打ちをしたが、さっきまでゴーレムの上でくつろいでいたので、仕方ねぇと思うことにした。
タバサはミノタウロスと戦るにあたって精神力を温存しておきたいだろうし、ドミニク婆さんはどちらかというと背負われる方である。
つまるところ、自分でやるしかないのだ。
無論、背中で無駄に良い夢を見ている寝ボケ竜が起きてくれれば、それが一番いいのだが。

「それでだ、ミノってのは何時から居んだよ」
「ミノタウロスが現れたのは先週の事でして……その時に手紙を村の広場の掲示板に貼り付けていったんです」
ドミニク婆さんが一枚の獣の毛皮を差し出したが、内側に血文字が書かれてある。
『一週後の晩、森の洞窟前にジジなる娘を用意するべし』
「……先週ってこたぁ……今日じゃねーかッ!」
「ですから、騎士様の姿をお見かけした時は、藁にもすがる思いでお頼みしたのでございます……」
よくやんぜ、まったく……と本気でそう思う。
一週間の時間的余裕があるなら、とっとと逃げるなりすればいいはずだ。
といっても、それは生粋の現代イタリアンの思考。
この世界の一般的な価値観は村は全てで、一度それを捨てれば他の場所で受け入られるかどうかの可能性はそう高くは無い。
そもそも、村中をかき集めて集まった金が三エキューにも満たないようでは、野垂れ死には確実だろう。

毛皮をタバサに渡しながら門をくぐると、ゴーレムの足音で外に出ていたのか、あちこちから村人が家から出てくるのが見える。
「騎士様を連れてきたよ!」
ドミニク婆さんが声をあげると、分かりやすい杖を持っているだけに、ゴーレムもタバサが出したのかと思った村人が、わらわらと集ってきた。

完全に村人の関心はタバサに移っているので、半ば放置されているプロシュートとフーケだが
村人達の姿を観察していると、少しばかり様子がおかしい事に気付いた。
「妙だな」
「……そうだね」
村人の意識がタバサに集まっている事は分かる。
ミノタウロスを倒しにメイジが、こんな何も無い寂れた村にやってきたというのだから当然だ。
解せないのは、村人がドミニク婆さんと目を合わせようとしない事。
村にとって救世主的な存在を、やっと連れてきたのだから
連れてきた方にも、なんらかのアクションがとられてもおかしくはないのだが、それが全く無い。
どいつもこいつも、例えるなら『全焼した家の前に、やっとやってきた消防車』でも見るかのような目をしている。
大方、十中八九ドミニク婆さんにとって、あまり喜ばしくない結果が待っているという事だ。
742名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 21:05:41 ID:JeJ5gs4y
言葉でなく魂で「支援」
743ゼロの兄貴:2008/09/28(日) 21:07:03 ID:EreP4X6b
「どうも、後手に回ったみてーだな」
やれやれだ、と思いながら息を吐き出すと、出した量だけ吸い込んだ。
冷えた温度と、森の澄み切った空気が酔いを醒ましていく。
イタリアの淀んだ空気では、こんな事すらやる気にならないだろう。

タバサとミノタウロスがどうあれ、殺し合いの場に出向くのだから酒に酔ったままというのも問題がある。
あまり酒に酔わない方なので、あのままでも特に問題無いのだが、万が一でも酒に酔ったせいで死んだなど言い訳にもならないのである。
どうせ殺られるなら万全の状態で。というのが暗殺チームの慣例だ。
もっとも、あくまで『殺られるなら』であり、大概は殺られるより先に殺ってきたので、『殺るなら』自分が万全の状態で、となっていたのだが。

タバサがドミニク婆さんに、家はどこかと促したが、肝心の当人は気付いた様子は無い。
場合が場合だけに必死なんだろうが、これから数十秒後にどうなるかと考えただけで頭が痛くなる。
ただでさえ割に合わない仕事なのに、これ以上厄介な事が上乗せされては、精神的にも赤字というやつだ。
ギャング的に考えるなら、搾り取れるだけ搾り取るのだが、正直この村自体から取れる物が全く無い。
あるとすれば家や土地ぐらいだろうが、そんなもんあってもどうしようもないし
現金化するにも、こんなド辺鄙な村の猫の額のような土地なぞ二束三文にもならないし面倒だ。
となると、残された物は命ぐらいしか無いのだが、生命保険も無いような世界では同じように意味は無い。

「しょうがねぇ……か」
少々思考が危ない方に向いていたが、昔の仲間の口癖を聞こえない程度に言うと頭の中を切り替える。
こうなれば、精々タバサに頑張ってもらって出番が回ってくるような事態にならない事を願うだけだ。
「これって最悪のパターンよねぇ」
フーケも似たような結論に達したらしく、ドミニク婆さんと少し距離を取っている。

少し歩くと、プロシュート視点からすれば、素朴というより貧相というドミニク婆さんの家は村外れにあった。
ドミニク婆さんが扉を開くと、どう見ても若い娘には見えない女性が一人で泣いているところだった。

「……ジジは、ジジはどうしたんだい!」
ただならぬ様子にドミニク婆さんが問いただすが、返ってきた返事は、思ったとおりだった。
「あの娘は……あの娘は、自分のために、誰かが犠性なるのは耐えられない、と言ってミノタウロスの所に……」
予想的中。
やはり事後だったようで、プロシュートとフーケが気付かれないように家の外に避難した瞬間、家の中から大きな泣き声が聞こえてきた。
「せ、せっかく騎士様をお連れしたっていうのに、あ、あんまりだよ!この世の幸せを一つ知らんで死ぬなんて……!」
どっかの炎の柱の男のように、ドミニク婆さんが泣き喚いていたが、それを見ていたタバサがぽつりと小さく言った。
「どのぐらい前?」
「さ、三十分ほど前です」
少し考えたようだったが、短く答えた。
「まだ間に合う」

それを聞いて外の二人が、さらに三歩下がった。
「おおお、ありがとうございますだ!ありがとうございますだ!ジジを、ジジをよろしく頼みます!!」
「後生でございます!どうか!どうか娘をお助けください!」
絶叫ともいえるような声と共に、ドミニク婆さんとジジの母親がタバサの足にすがりついて泣いている。

その光景を見て、外に出ていて良かったと本気でそう思う。
なにせ、今の婆さんと母親の顔の表面は涙と鼻水の混合物で溢れているのだ。
その状態で、あんな風にすがり付かれたのではたまったもんじゃあない。

よく、アレに絡まれて平気な面してんなー、と思っていたが、タバサがドミニク婆さんに向け、何時もどおりに言った。
「洞窟まで案内して」
そして次にプロシュートを振り向いて同じ調子で言った。
744ゼロの兄貴:2008/09/28(日) 21:08:46 ID:EreP4X6b
「んなこったろうと思ったよッ!クソッ!」
ミノタウロスの洞窟までは、村から歩いて三十分程。
鬱葱と茂る森の小道を、三つの影が突き進んでいる。
ジジが、父親に連れられて洞窟に向かったのが三十分前。
1.5〜2kmの距離といったところで、休み無しで走れば十分足らずで着く。
全員、そのぐらいの距離なら特に問題無いのだが、洞窟への道案内をするドミニク婆さんは無理だ。
思いっきり悪態を付いているのは、置いてきたシルフィードの変わりに背に乗っているドミニク婆さんのせいだろう。

いくら、グレイトフル・デッド要らずの婆さんとはいえ、十や二十で済む筈がない。
ある程度はスタンドでカバーしているといっても、そんな余分な重量を背負って突っ走っているのだから
否応無しにアルコールなぞ汗と共に外にブッ飛んでしまっている。
面倒だという思いもあって、だんだんイラついてきた。

ミノタウロスはタバサに任せると言ったが、即日撤回だ。
現れた瞬間に、直触りブチ込んでミイラにした挙句、天日干しにして酒の肴にしてやる。
修行など知った事か。ド畜生の分際で人間様に手ぇ出そうとした事を干物になりながら後悔しやがれ。


――頼むから、わたしに当たらないでくれ……。

フーケが横目でプロシュートの顔を見たが、これはかなりヤバいと判断した。
人間、一定の怒りを通り越すと血の気が引くというが、横の火薬樽はまさしくそれ。
今のところ導火線に火が入る事は無いだろうが、これ以上厄介事が重なれば問答無用で暴発する危険性がある。
そうなれば、例えミノタウロスの群れが現れようとも、ボロ雑巾のように蹴散らしていくであろう事が容易に想像できる。
当然、それに巻き込まれるであろう、二度と見たくない己の姿も。

実際は、広域老化に巻き込まれても氷を持っていれば、ラッシュでもしない限り
そうそう老化は進行しないのだが、一度直を食らっただけに半ばトラウマ化しているのだ。

プロシュートとは別の意味で血の気が引いていくフーケだが
走っている途中、肩を落としながら村に向かっている人影……ジジの父親とすれ違った。
その体たらくといったら、もう今にも水桶に頭突っ込んで自殺しそうなぐらいだ。
幽霊のように彷徨っていたが、プロシュートの背中のドミニク婆さんに気付き、近付いてきたがヤバい。
万が一にでも、髭面のおっさんに抱き付かれでもしたら、間違いなく導火線に火が入って吹っ飛ぶ。
焦るフーケをよそに、事の成り行きをるドミニク婆さんが説明しよとした時、淡々とした、それでも有難い声がした。

「時間が無い」
元より、プロシュートも止まるつもりは無いようで、一気に走り抜けている。
走りながら、はぁ、と溜息を吐いたが、今のは本気で危なかった。
早いとこミノタウロスを見つけてストレス発散の的にさせるかさせないと、何時その余波がこっちまで届くかと不安だ。
なにせ、ミノタウロスや火竜の群れより、こいつ一人の方がよっぽど怖い。
なんだか、腕一本で済んだワルドが凄いやつに思えてきた。
ペンダントに母親の絵を入れていたのを見てから、今の今までママっ子だと思っていたが、やっぱり遍在は凄いや。


そんな事を考えながら、走ること五分。
ようやく、切り立った崖に開いた洞窟の前まで辿り着いた。
が、後ろで一人息を切らしているのは触れない方がいいだろう。畜生がッ!とか聞こえるし。
745名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 21:09:39 ID:cfBHBaD7
しえん
746ゼロの兄貴:2008/09/28(日) 21:10:33 ID:EreP4X6b
案内役のドミニク婆さんは、洞窟が見えた時に村へ帰した。
さすがに、洞窟の仲間では詳しくないだろうし、例え知っていたとしても邪魔なだけだ。
タバサはともかく、プロシュートとフーケは致命的な足手纏いをカバーしながら行動するほどお人よしではない。
戻りながら、何度も何度も振り向き、拝むように手を合わせていたが、その内に、その姿も森と夜の影に消えていった。

「さて……結構広いようだけど、足場は悪いと思っていいみたいね」
入り口から『ライト』で照らしながら、洞窟の中をフーケが少し探った。
湿った空気が流れてくる事から、何箇所か滑るような場所がある。
おまけに、この暗闇では何処から攻撃を受けるか分かったものではない。
職業柄夜目が利くとはいえ、限度ってもんがある。

「わざわざ、敵の領域に突っ込むこたぁ無いんだがな」
洞窟特有の冷えた空気を得るために、上着を脱いでシャツだけになっていたプロシュートが、多少落ち着いた声で言った。
フーケがどういう事かと訝しげにしていたが、そういえば、LESSONでそんな事も言っていたなと合点がいった。思い出したくないけど。

「敵が亀みてーに閉篭もって出てこないってんなら、ひきずり出してやりゃあいいんだよ」
「例えば?」
「色々あんだろ。油、撒くなりして火付けて燃やすとか、水攻めにしたりよ。落盤起こして生き埋めって手もあるな」
「あんた鬼か」
でなけりゃ、やっぱり悪魔だ。
魔法もスタンドもクソも無い。効果的かつ、準備次第では平民でも立派に可能な作戦ばかり挙げられた。
こいつにかかれば、最悪の妖魔と言われる吸血鬼だってお手上げだろう。
問題は、周りの被害を気にしないで行動を起こすという、ただ一点。
無関係のヤツが巻き込まれても、すぐに死なないから大した事ぁねぇ。で、軽く済ましてしまうから、かなり性質が悪い。
多分、その精神の大部分は漆黒のそれ。
その色ツヤは、黒真珠かと言わんばかりに光沢を持っていて、ドス黒いものと違い一種のさわやかさすら感じられる。
が、付き合わされる方の精神負荷はバカでかいので、大抵の人間は、そんな事を感じる暇は一切無いというのが致命的。
もっとも、その大抵の枠からはみ出た人間が結構存在するというのが、世界を問わない七不思議というやつだ。

だが、今回も巻き込むつもりで行くかといえば、そういうわけにもいかない。
シケた仕事とはいえ、内容はあくまでミノタウロスの始末とジジの身柄の確保。
先にあげた手は全て殺る気満々の作戦なので、この状況下では使うわけにもいかないのだ。
行くだけでアレだったのだから、死体なぞ持って帰った日にはどうなるかなぞ考えただけで頭が痛い。
ならば、広域老化はどうかと言えばだが、洞窟特有の冷えた空気のせいで大した効き目は望めそうになく、スタンドパワーの無駄遣いは確定している。
747ゼロの兄貴:2008/09/28(日) 21:12:01 ID:EreP4X6b
洞窟から冷えた空気が流れてくるおかげで、さっきまでのイラつきはどっかに飛んだが
こいつは、タバサに任すというのも骨が折れるかもしれない。
足場は安定せず、視界は超が付く程の不良、おまけに得意の風系統の魔法はミノタウロスには利き辛いときた。
これだけ不利な条件が揃えば、賭けなど9:1で殆ど成立したりしない。
大穴狙いで一発逆転狙うような考えはしていないし、どうせやるなら三対一でフクロにするのが一番楽だ。

一度やると決めれば、この男の行動は尋常でなく早い。
まずは、戦力、地形、敵の状況を把握し、作戦を組み立てる。
「タバサが派手に注意を引いて、フーケが動きを止めた所に、俺が直を叩き込む。これより楽な方法あったら言えよ」
ミノタウロスが風系統の魔法を受け付けないからには、タバサの役割は、なるべく派手な魔法をブッ放して敵の注意を反らし
広いと言っても、ゴーレムを出す空間的余裕が無いフーケは、タバサがミノタウロスの相手をしている間に、錬金か何かで動きを封じる。
どのぐらい持つか分からないが、下半身を鉄か何かの金属かで押さえ込めば三十秒は持つ。
そして、動けない間に、どれだけ皮膚が堅かろうが防御力無視の直触りを叩き込んで終わりというわけだ。

他に楽な方法があるなら言え、と言ったが、目下のところはこれが一番楽だろう。
タバサは言うまでも無いが、移動という方法に一回ゴーレムを造ってしまった以上、フーケの精神力の残高は高くは無い。
何があるか分からない以上、肝心な時にガス欠では洒落にもならない。
だが、移動に三時間もかけていたのならば、とっくにジジはミノタウロスにINッ!しているので、運が良いのか悪いのか。

「わたしは、それでいいけど……」
肯定した割りに言葉の切れが悪い。
オメーが、それでいいなら他に何がある。と、思ったが、近くに肝心のタバサの姿が無かった。
性格からしてバックレるという事は無いだろうが、作戦聞いてなかった事にまたムカついてきた。

てめーで受けた仕事なのに、どーこ行きやがった、あんの青豆粒。

背中に、ゴゴゴという文字が浮き上がりそうな勢いで後ろを向いたが、やはり姿は見えない。
いくら小さいとはいえ、消えるはずは……いや、あくまで何でもアリだ。
ファンタジーやメルヘンでなくとも、鏡の世界だって存在する。
ならば、魔法のようにファンタジーにブッ飛んだ世界なら、そういうやつもあるのだろう。

雪風のタバサ――行方不明により再起不能。

←To Be Continued
748ゼロの兄貴:2008/09/28(日) 21:12:45 ID:EreP4X6b
そんな文字が浮かんだ気がしたが、どうでもよくなってきた。
超常現象で居なくなったのなら、どうしようもない。
いっその事、一巡した世界の出来事にしておくかと頭を掻いたが、少し視線を下げると地面の方で青っぽい物が動いた。

「なにやってる。食いすぎで腹でもイテーのか?」
暗黒空間に飲み込まれたかと思ったが、何の事はない。
夜という事も手伝って、ただでさえ小さいタバサがしゃがんでいたので見え辛かっただけだ。
それにしても、幼く見えるとは言え、年頃の少女に遠慮無しに食いすぎかと聞くところが、この男のダメな所である。
それでも、当の本人は気にした様子もないのだから、どっちもどっちと言うべきだろうか。

「……足跡」
タバサがぽつりと、小さく言ったが、軽い衝撃によって頭が揺れた。
「足跡なんざ、あるに決まってんだろーが。飛んできたってか?時間がねーつったのもお前だろ」
軽い膝蹴りがタバサの頭を揺らしたが、そうなるのも無理はない。
なにしろ、タバサは言葉が足りなさ過ぎる。
ギアッチョなら間違いなくブチ切れてるだろうし、ペッシなら『何でェーッ?』と聞き返しまくっているところだ。
知り得る人物の中でタバサの意図を一発で正確に見抜けるであると思うやつは、やはり、リーダー、リゾット・ネエロぐらいなものだった。
早い話、膝蹴りを交えながら説明しろと言っているわけである。

「そうじゃない。この足跡は村とは別の方に続いている」
どれ、とプロシュートとフーケも、タバサの近くにしゃがんでその足跡を見たが、確かに村とは別の、茂みの中へと続いている。
「この具合だと……新しいね。そんなの時間経ってないよ。あと、それ」
足跡を調べたフーケが、その近くを指差す。
すると、そこには別の、丁度人一人が転がされていたような跡があった。
「アジトが洞窟ってんなら、足跡はそっちに向かってるはずだが、逆か」
例えるなら、家の前まで配達しにきたピッツァを受け取って、家の中に戻らず別の場所で食うようなものだ。
人間なら、分からない話でもないが、この場合の相手はミノタウロスという畜生。
捕らえた獲物は、その場で食うか、巣に持ち帰って食うというのが妥当なところである。

今一、考えが纏まらないうちに、タバサがその足跡の方へ歩いていったが、どうするかは決めねばならない。
「ま……違ってたら違ってたで、それで終わりか」
どっちでもいいか、と納得するとプロシュートもタバサに続いて足跡を追う。
間違ってた場合、ミノタウロスの食事中か食事後に立ち会わねばならないが、そこまで知ったこっちゃあない。
そうなったら、シルフィードをドミニク婆さんの家に預けてあるので、バックレるわけにもいかない。
行くだけでアレだったのだから、食われたなどと言えばどうなるかなど考えただけでも頭が痛くなる。
とりあえずは、どうやって汚れずに、食われかけの死体を持って帰ったもんかと考える事にした。

茂みをスタンドで掻き分けながら進んでいったが、しばらくすると小さい明かりが見えてきた。
「……誰か居るな」
その言葉で、全員が同時に音を消した。
サイレントも使わずにそれができるというのは、さすがというべきだ。
749ゼロの兄貴:2008/09/28(日) 21:14:19 ID:EreP4X6b
そのまま近付いていったが、少しばかり妙な光景が見えた。
「おいおい、見ろよ。牛と人間が仲良く突っ立てやがる」
見ると、薄汚い上着を着た人相の悪い連中が5人。牛頭が一匹。カンテラの周りを囲うようにして立っている。
その男達の足元には茶色い髪の少女……恐らくジジが縛られ猿轡をされた状態で地面に転がされていた。
「ミノタウロスの正体は、人攫いってとこだね。別に珍しい話じゃあないさ」
「あの村から搾り取れる金なんかあんのか?」
「売るんだよ。あのぐらいの娘なら良くて貴族、悪くて……まぁそうだね、娼館行きってとこさ。ったく、気に入らない連中だよ」
頭をかきながら吐き捨てるかのようにフーケがそう言う。
すると、その横から押し殺すような笑いが声が聞こえてきた。
「ん、なにさ。言いたい事があるならハッキリ言いなよ。気味が悪い」
「いや、案外甘めーなと思ってよ」
「土くれのフーケとあんな人攫いを一緒にしないで欲しいわねー。あんたはどうなのさ」
「ノーコメントだ」
「どうして?」
「連中にオレの事話したら『こいつには言われたくない』って言うだろうしな」
暗殺と人売り。どっちがマシか選べと言われて選択できるヤツなどそう居やしない。
こればかりは、例えどんな大賢者でも選択できない永遠のお題目というやつだろう。

「そ、それでどうするのよ。あんなに近くちゃわたしの魔法だと全員巻き込むし、あんたのだと……わたしまで巻き込むね」
軋む様な音をさせながらゆっくり首を正面に戻し話題を変える。
今の心の内は『聞くんじゃなかった』という声で一杯だ。
「夜ってのがな。それに、そんなに動いてねーようだし、今は利き辛い」
なにせハルケギニアはそろそろ冬の足音が聞こえ始めてくる季節。
屋外戦闘の場合グレイトフル・デッドの能力が最も利き辛くなる時期が近付いてきた。
相手が動いてくれればすぐに体温が上がるし、屋内なら大抵は暖を取っているので使えなくなるという事はないが
今の状況では広域老化は役立たずというやつだ。

「にしても、化けモンっつーからわざわざ来てやったっつーのに、ただのゴロツキとかナメやがって」
「まぁ、あの婆さんからすればどっちも変わらないと思うよ。で、どうしようか」
フーケが再び明かりの方を見たが、男達は六人。
それぞれ武器を持っていて短刀が二人、拳銃が二人、槍が一人、大斧が一人。
もちろん、トライアングルクラスのメイジなら問題無い数だが、最悪なのがジジを人質に取られるパターンだ。
『スリープ・クラウド』なら最適なのだが
生憎と効果範囲が狭く一人を眠らせるのがやっとだし、相手の精神力次第では利かない事がある。
第一、水のトライアングルスペルなので選択肢からは外さねばならない。

「ラグーズ・ウォータル・イス・イーサ・ウィンデ」
大味な能力の二人を置いて黙っていたタバサが呪文を唱える。
一八番。『ウィンディ・アイシクル』が音も立てずに飛んでいき、男達の手や肩に突き刺さった。
呆れるまでの正確さに、さすがのフーケも舌を巻く。
「おチビさんかと思ってたけど、さすがにガリア王家の血筋ってわけか」
ゴーレムを出せば勝てるだろうが、詠唱の様子を見て気付いた。
唇の動きを最小限に抑え、敵に詠唱を悟らせないようにする実戦技術。
おまけに、詠唱がやたら早いときた。ゴーレムを出していない状態なら相当に分が悪い。
恐らく、それに対応できるのは詠唱を必要とせず、スタンドとやらで攻撃する事ができる横の男ぐらいだろう。

本人は魔法なんぞに興味を持っていないため、あまり自覚していないが、老化というのはメイジにとって最大の敵なのだ。
老いれば疲労し精神力も無為に消耗される。
自然な老いなら精神も自然に付いていくが、急激な老いはそれを許したりはしない。
それに、魔法とスタンドでは起こす事象の燃費が格段に違う。
魔法は攻撃呪文を立て続けに唱えれば、あっという間に精神力が枯渇し戦闘続行不能に陥るが
スタンドは能力次第だが、かなりの長時間戦える。持続力Aのグレイトフル・デッドはその代表格だ。
750名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 21:16:28 ID:iROokBAj
C-EEEN
751ゼロの兄貴:2008/09/28(日) 21:17:10 ID:EreP4X6b
「動かないで、次は確実に心臓を狙う」
暗がりの中を進みタバサが男達に向け警告し、再び武器を拾う事を牽制しながら近付いていく。
当然、フーケもその後に続こうとしたが、見えない力に行く手を遮られた。
「まだ早ぇ」
憮然とした声でプロシュートが言ったが、フーケも奇襲を警戒しているわけかと納得した。
月が出ているとはいえ、辺りは森に囲まれていて視界が恐ろしく悪い。
三人固まった場所に、そんな所から攻撃されては一まとめに攻撃を受ける可能性がある。
程なくして別の場所から、先ほどタバサが放った物と同じ氷の矢が飛来しタバサの杖を吹き飛ばした。

「これはこれは……ドミニク婆さんがメイジを探しにいくと言っていたが、こんなお嬢様だったとは」
声と共に暗がりの中から、プロシュートにとって見覚えのある顔が現れた。
もっとも、見覚えがあると言っても知っているわけではない。
最近久しく見ていなかったが、イタリアの貧民街や橋の下に居を構える浮浪者に似ているという意味でだ。
「見たところ、かなりの高貴の生まれのようだが武者修行かね。
  それにしては詰めが甘いな。まぁ、おかげでこちらとしては上玉と貴族の娘が一度に手に入った」
タバサの顔が少し歪む。焦っているわけではない。
他の二人の姿が見えないあたり、自分だけがこの事態を想定できなかった事が少しばかり悔しいのだ。

「詰めが甘いのはお互い様だ」
タバサの姿をじっくりと観察していたメイジの後ろから声がする。
メイジが咄嗟に振り返ろうとしたが、それよりも早く膝の裏にプロシュートの蹴りが入れられ、バランスを崩し膝を付き倒れた。
「さて……頭をメロンみてーにブチ抜かれたいってんなら構わねぇし、オレとしてはどっちでもいいんだがよ。つかここメロンってあんのか?」
倒れたメイジの杖を持った方の手を思いっきり踏み付けると、頭に銃を突き付ける。

そしてそのままタバサの方に向き直ると……説教が始まった。
「こいつが無けりゃあド無能になんなら、例え腕を飛ばされようが脚をもがれようとも決して離すんじゃあねぇ。
  大体、遠距離型がてめーからのこのこ姿見せてどーすんだ。自信持ってるってのは悪かぁないが
 能力の過信ってのが一番性質が悪ぃんだよ。ったく、なに考えてるか分かんねー面ぁしやがって、聞いてんのか?おい」
説教と共に自分の杖でコンコンと頭を小突かれながら杖を受け取ったが、なにしろ今のタバサには返す言葉が無い。
一人なら確実に終わっていた状況だからだ。
「対スタンド使い戦ではあらゆる状況を想定しろ、無いと思う事は無い。だ」
これも列車戦での教訓だ。あの時ジッパーから風が吹き込んでこなければ、マトモにスティッキィ・フィンガースを食らっていた。

「盛り上がってるとこ悪いんだけどさ」
「なんだ」
フーケが説教に割り込んできたが、指を指している方向を見る。
「杖を向けんじゃあねーぜッ!このマヌケがぁあああーーーッ!」
男が汚らしい笑みを浮かべながら勝ち誇ったかのようにジジの首元に短刀を向けていた。
「あんたも人の事言えないじゃないか。ああなったらどうしようもないよ」
その恫喝にタバサとフーケは仕方なしに杖を下げたが、プロシュートはまだメイジに銃を向けている。
「お前もだ!それ以上動くってんならジジをぶっ殺してやる!」
男がそう凄みジジの首筋に錆びた刃を当てるが、返ってきた言葉は実にッ!意外なものだった。
「あ?別に構わねーが」
何の焦りも無く、朝の挨拶を返すかのような平然さで言い放つ。
「な……なんだってぇぇぇぇえええ!」
これには人質を取ったと余裕をかましていた男達も逆に焦った。
752名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 21:17:43 ID:m0og2ud9
支援
753ゼロの兄貴:2008/09/28(日) 21:18:37 ID:EreP4X6b
「そいつ連れたまま逃がしたら逃がしたで、どっか得体の知れねぇとこに売り飛ばされんだ。
   そうなりゃあ死んだも同然だし、なら、今ここでオメーら全員始末できりゃあ死んでもいいだろ。本人もそう思ってるだろうしな」
暗くてちと分かり辛いが、男達に抑えられている茶色い髪が横に揺れている。
たぶん、肯定してくれているのだろう。いや、しているはずだ。
「ほ、本気か!?ジジが死んでもいいのかよ!」
そう叫びながら首元に刃を突きつけているが、この男にそんなシャバい脅しが通用するはずもない。
そもそも、この状況下で人質を取るという事が何の役にも立っていないし、逆に採るべき選択肢を狭くしてしまっている。

このドチンピラが!と説教しながらブン殴りたくなる衝動に耐えつつ、そのお目出度い頭にも理解できるように説明してやる事にした。
「ヘマやらかす前に先に説明しといてやるが……そいつ殺ったら、オメーら全員死ぬって事分かってんのか?」
その通告に一瞬の沈黙が流れたが、程なくして男達が慌てはじめた。
やはりと言っていいか、人質を取るという事のリスクを考えるまでには到っていなかったようだ。
第一前提として人質は生かしておいてこそ価値がある。
言うなれば人の形をした盾だ。それを自ら捨ててしまっては、結果は言うまでもなく……ボン!ってやつだろう。
人質なんぞ取った時点で、チェスや将棋でいう『詰み』にハマっている。
「別にオレは殺らなくてもいいんだが、村の連中はどうだろうな」
娘がミノタウロスを騙った人売りに殺されたなど知れば、こいつらがどうなるかなど考えるまでもない。
身内は元より、村人総出で私刑というのがオチである。

「ど、どうすんだよ……」
「どうするって……」
残された男達が相談しながらこっちを見ているが、どうなるかの予想は付く。
敵のメイジの戦闘能力は奪ってあるし、武器を持っているとはいえ
タバサとフーケの二人相手ではどうにもならない事ぐらいは、栄養の回っていない貧相な血の巡りの悪い頭でも理解できるはずだ。
「決断しやすいように有難い提案を出してやる。そいつ置いくってんなら好きにしろ。こいつさえ居れば後はどうでもいいからな」
その言葉に男達がまた相談を始める。時折、メイジの顔を窺うように見ているあたり、もう答えは出たようなものだろう。
「今すぐ死ぬか、後で死ぬか、逃げるか、の分かりやすい三択だ。どれ選ぶのもそれはオメーらの勝手だ」
それがダメ押しになった。
悪びれる様子もなく、一人の男が笑いながらメイジに向け言い放った。
「へへ、悪いな。俺達はまだ死にたくもないし、捕まりたくもねぇんだ」
「貴様ら……今まで俺に頼っておきながら、裏切るつもりか!」
「これも生き延びるための手段ってやつだ。悪く思うなよ」
捨て台詞を残して男達が逃げ出したが、マジに呆れた様子でプロシュートがメイジに向けて言った。
「おいおい……チームの割りに仲間意識全くねーな。まー安心しろよ、お前一人だけ仲間外れってのも寂しいだろ?」
プロシュートがそう言うと、今まで空に出ていた月が隠れる。
月が雲で隠れたのか。答えはNoだ。
巨大な人型。通常のものより半分程度の大きさだがフーケのゴーレムが月の光を遮っている。
「まったく……こうなるとは思ってたけど、これじゃあどっちが人攫いだか分からないわね」
「無駄口叩いてる暇あったら、さっとと動かせ。逃げんだろーが」
地面を揺らしながらゴーレムが動く。
なにせ巨大なゴーレムと人間とでは歩幅が圧倒的に違う。
一分もしないうちに、ゴーレムの手には六人分の体が捕まえられていた。

「だ、騙したな!」
その手の中で一人がそう叫んだが、返ってきたのは笑いを含んだ冷徹な言葉だ。
「騙したとは心外だな。いや、確かに逃げても良いとは許可したが……それをオレが逃がすとは言った覚えはねーぞ」
「んなぁ!?」
さっさと逃げねぇ方が悪い。と付け加えながら今まで手を踏んでいた足を離しメイジの杖を奪う。
男達からすればあっさりと約束を反故にされたようなものだが、別に破っちゃあいない。
言葉のとおり逃げてもいいと許可しただけで、再び捕らえないと言った覚えは無い。勝手に向こうが勘違いしただけだ。
「人質ってのは相手より弱いやつが取っても意味がねぇって事だ。テストに出るから覚えとけよ」
いや、そんな問題出ないし、出たとしても受けたくないから。というフーケの突っ込みというか呟きは無視しておく。
754名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 21:23:26 ID:JeJ5gs4y
すごく・・・ヤクザです・・・
支援
755名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 21:25:57 ID:iROokBAj
矢の支援
756名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 21:30:45 ID:PlHFPHOU
これ、改行エラーでも投下カウントされんのな支援
757名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 21:32:08 ID:PlHFPHOU
メーデーメーデーこれで駄目なら避難するオーバー
758名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 21:32:48 ID:iROokBAj
支援だ、支援を数えるんだ
759名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 21:34:04 ID:iROokBAj
支援ックス・ピストルズ
760ゼロの兄貴:2008/09/28(日) 21:34:42 ID:EreP4X6b
「さて……と」
メイジをフーケに任せ、言いながらジジに近付き猿轡を外した。
後はこいつを連れ帰って任務完了といきたいのだが、どうもそうはいかないらしい。
「こ、来ないで……」
ジジが震えながらそう言ったが、その場に妙な沈黙が流れる。
特に気にしないでいたが、後ずさりしてつまづいたのかジジがしりもちをついた。

「おい、お前なんのマネだ」
上から見下ろすようにそう言ったがやはり脅えているかのように震えている。
「はい、そこの物騒なお兄さんこっち来なさい」
その様子を見て、見かねたフーケがプロシュートを呼び、どうしてこうなっているのかを説明する。
たぶんというか、こいつ絶対分かってないから。

「いいかい?あんた、さっきまで人質にとられてた娘に『死んでもいいだろ』とか言った挙句、メイジ相手に銃突きつけてたんだ」
「それがどうした」
ここまで言ってまだ気付かないか……。
悪い意味での天然というやつを見た気がする。
「……ほっんとこういう事は鈍いねー。逆に清々しいよ」
「手短に言え。ただでさえ負け犬ども相手にしてイラついてんだ」
「あー、じゃあハッキリ言うけど……間違いなくあんたも人攫いの類に見られてるね」
「……マジか?」
その問いに無言でフーケが頷く。
タバサを見るが、同じように一回縦に首を振られた。
恐らくここに居ないシルフィードでも、見ていれば同じ反応だろう。
「何も知らない村娘にはそりゃあショックが大きかったろうさ。
  助けが来たと思ったら実は別の人攫いだったなんて。ああ、もう鈍いを通り越して一種の犯罪だよこいつは」
オーバーリアクションを取りながらフーケがそう言ったが、プロシュートはいきなりキレた。
「うるせぇぇぇぇぇ!弁護士を呼べぇぇぇぇぇぇ!!」
あの連中からして、人質を殺してメイジ二人と戦り合うようなやつらではないと踏んだまでで、これでも最大限に気を使った結果だ。
犯罪者には違いないが、あの程度で人攫いと同じにされては笑い話にもならない。
老化に巻き込んでないだけ感謝しろと言いたいぐらいだ。

――誰が人攫いだS.H.I.Tッ!

心の中で思いっきりそう毒付く。
そこで震えてるのが人攫いも狙うような可愛気のある少女だからまだそれだけで済んでいるが
これが男だったら問答無用で殴り飛ばした挙句、蹴りを入れながらの説教コースである。
もちろん老若男女一切合財区別する気なぞ無いのだが、その意味ではジジは運が良かった方だろう。
761ゼロの兄貴:2008/09/28(日) 21:35:33 ID:EreP4X6b
横目でジジを見たが、やはり反応は同じだ。
「……ちッ!埒が開かねぇ、オメーに任す」
「はいよ」
今度はフーケが近付いたが、結果は同じ。
だが、そこは手練の盗賊。伊達や酔狂で魔法学院でミス・ロングビルとして生活していたわけではない。
瞬時に相手の感情を読み取り、まず安心させるかのように言った。
「大丈夫ですよ。ドミニクさんに頼まれて、あなたを迎えにきただけですから」
「ほ、ほんとに、おばあちゃんに?」
「ええ」
返事と共に優しい笑みを浮かべる。
盗賊の土くれのフーケから秘書ミス・ロングビルへの見事な切り替え。まさしくプロというやつだ。
そうすると緊張が解けたのか、ジジがフーケに抱き付くと泣き始めた。

「ったく……メンドクセぇ」
計画どおりと、後ろでフーケが親指を立てているが、どうもいま一つ納得できない。
元ギャングと村娘であるからには食い違って当然なのだが。やはり釈然としないものがある。
「どうどう」
「馬かオレは」
そこへなだめるように背中を2.3回ぽんぽんとタバサに触られた。普段は無口だが案外ノリがいいのかもしれない。
やってらんねー、と天を仰ぐ。動物扱いされんのはカトレアからだけで十分だ。

「で、オメーは何時から気付いてたんだ?」
とにかく気分を切り替えて、そう尋ねる。こいつの事だから恐らくはどこかで感付いていたはずだ。
「手紙の字が整いすぎてた。それとミノタウロスは若い娘なら誰でもいいはず」
「そういやそうだな」
字に関しては整ってるのかそうでないかは未だ判別付かないが、ターゲットが指定された時点で気付くべきだった。
喰うのであれば確かに誰でもいい。

まぁそれはそれ。
こんなド辺鄙な場所まで来させた挙句、こんなクソ面倒な真似させてくれたヤツらには、それ相応の落とし前というものを付けさせねばならない。
プロシュートが足音を立ててメイジに近付いたが、それを見たフーケが心の中で始祖ブリミルに全力で祈った。
イラつきのハケ口を与えてくれてありがとう。そして、どうか一人で済みますように……と。

「これからオレがいくつかの質問をする。オメーはそれに黙って答えりゃあいい。一つ目だ、リーダーはオメーか?」
「さぁな。答える必要はなあぼォ!」
メイジがそう言った瞬間、打撃音と共にその頭がハジケたように吹き飛んだ。
プロシュートが縛られたメイジの顔を遠慮なく蹴り上げたのだ。
「今、何か言ったか?」
そして、そのまま倒れたメイジの頭を掴み、口の中に銃身を突っ込むと引き金に手をかける。

(こ……こいつのこの目……こいつはヤバい!一つでも余計な事を言えば躊躇い無く引き金を引く……それだけのスゴ味があるッ!)
この段階になってようやくメイジも理解したらしい。同業者などではなく、別の道のプロであるという事に。
銃を咥えたまま首を縦に振るメイジを見て、銃を抜きプロシュートが次の質問に移る。
「二つ目だ。オメーらの仲間はこれで全員か?」
これも同じように首を縦に振る。それでも、万が一に備え何時でも攻撃できる体勢には入っているが。
「三つ目。酒場の親父から聞いたが、最近ここいらで流行ってるガキの誘拐ってのもオメーらの仕事か?」
「そ、それは知らない!俺達はつい一週間ぐらい前に流れてきたんだ!」
わめき立てるメイジの顔をじっくり観察する。
「……汗をかいたな?こいつは……嘘をついている皮膚だぜッ!」
「本当だ!十年前のミノタウロスの話を聞いて、それで今回の計画を立てたんだ!」
「そうか、まぁ仕方ねぇ。他のやつに聞けば分かる事だ」
その言葉にメイジがほっとしたが、一瞬遅れて後頭部に何度目かになるか分からない冷たい金属が当たった。
762名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 21:36:08 ID:iROokBAj
支援色の波紋
763ゼロの兄貴:2008/09/28(日) 21:37:14 ID:EreP4X6b

「ま、待て……なんのつもりだ!嘘は言ってない!」
「オメーが答えないってんなら生きてても仕方ねぇし、別に生捕りにしろとは言われてないからな。一人生きてりゃ後は死体でも構わねぇって事だ」
頭の上からカチリと撃鉄を上げる音が聞こえてくる。
この超至近距離ならば、その無機質な金属音は確実な死の宣告というやつだろう。
メイジとて例外ではなく、ガタガタと震え始めた。
「やや、やめてくれ!子供なんか攫っても高く売れやしない!」
「あるかどうか分からないが一応祈ってやるよ。お前の来世にLuck(幸運)を。そして地獄の閻魔に会うためにPluck(勇気)を持っていけ」
「ひぃ…あ、悪魔……」
懇願するメイジの言葉を無視し、淡々と処理をするかのような声で言うと、プロシュートが手にかけた引き金を引いた。


「……マジに違うか。てめーらのせいで余計な時間食っちまった。どうしてくれんだよ。ええ?」
ここまでやって吐かないなら、本当にこの件だけなのだろう。
元より銃に弾は残っていないし、装填もしていない。
それでも効果があったのだから持っててよかったというところだ。
森が再び静寂を取り戻したが、どこからか水が流れるような音が聞こえてきた。
「……ッ!汚ねーなボケがァッ!」
唐突にそう声を上げるとメイジの腹を蹴り飛ばす。
見るとメイジの股間の辺りが濡れ、そこから少しばかり湯気が立っている。
蹴り飛ばしても悲鳴を上げないあたり失禁というやつなのだろうが
少しでもかかっていれば、目覚めるのを待たずに今度こそ天国への扉が開かれていたであろう事、疑いの余地なしだ。

「わたしも色んな物見てきたけど、生まれて初めて人攫いってやつに同情したよ」
捨てられ雨ざらしになった仔犬か、はたまた巣から落ちて鳴きわめく雛鳥か。
とにかくそんな心底可哀想な物を見るような目でフーケがそう言う。
例え人攫いというド外道であろうと、弾の入ってない銃で散々脅され、仲間にもあっさり裏切られ、失禁までさせられた挙句
トドメと言わんばかりに蹴りを入れられた人間に同情できないヤツがいるだろうか?
いっその事、脳漿ブチ撒けられていた方がまだ幸せだったかもしれない。
なにせ人として色んな意味で再起不能(リタイヤ)になったのだから………

「さて……戻るか。ダルい」
メイジの髪を掴んで、引きずりながらゴーレムの足元に置くと、こいつも運ばせるように促したが……
森の中にどこからか獣の咆哮が響いた。

←To Be Continued

投下したッ!さぁ、次のアライグマラスカルはどうしよう。
サンダーヘッドよりメビウスTへ、支援により代理は不要、繰り返す、支援により代理は不要。オーバー
764名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 21:48:33 ID:UV1Zb+PD
GJ!
兄貴の鬼畜ぶりに吹いた
765名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 21:53:55 ID:iROokBAj
GJ!
イタリアギャング怖ええええ!!!!!
流石兄貴!俺達には想像もつかない鬼畜技を次々と披露してくれるッ!そこにシビれるあこがれるぅーッッ!!
766名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 22:23:11 ID:Tw1d5wM4
GJ!!!!
兄貴の凄味に寒気がしたぜ!!
767名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 23:02:38 ID:XaOdaAvf
鬼だ、鬼がいる!!
768名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 23:39:49 ID:4wDhDxQR
いやー、どんな凄腕の弁護士もこれは無罪に出来ねーやw
GJ
769名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 23:51:22 ID:wTNxTgTF
さすが兄貴ッ!半端な覚悟の悪人じゃ、歯が立つわけがねえ!
プロシュート兄貴はやっぱすっげーや!
770名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 23:54:22 ID:JeJ5gs4y
乙ッしたッ
「悪」の力をもって「正義」を・・・
いや、やっぱ悪かな・・・
771名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 00:30:54 ID:qkPxKLAh
こりゃどう見ても悪だわww最悪でないだけでww 兄貴GJ
772名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 08:24:13 ID:MtJKjW8o
>>768
ナルホド「む、無理だっ…!いくら僕でも、こんな悪人を
無罪になんて…できる訳がない!!」
773名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 09:03:28 ID:oWihQS3w
兄貴さんGJ!
プロシュート兄貴の行動に何の疑問も湧かず寧ろ、「ジジごと殺らずに終わらせるなんて兄貴優しいな」
とか思った自分は間違いなくゲス野郎なのでアリアリラッシュ食らってきます。
774名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 19:47:39 ID:z/7dRhWU
兄貴の容赦無さ、頭じゃなくて心でわかっつたよ
775名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:05:55 ID:y2cc3+uq
さすがは兄貴!!
最悪なんて生ぬるいもんじゃねぇや!!
極めし悪…極悪だよwww
776名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 23:24:37 ID:IZHkn+mr
白蛇さんと兄貴ではどっちが悪党なんだろうか
777名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 00:17:17 ID:ak6j/eW+
もう黒過ぎて肉眼では判別不可能
778名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 00:42:00 ID:QJENbn6B
手足を縛って池に沈めて、先に浮かんできた方がより悪党です
【兄貴に不利すぎるルール】
779名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 08:15:14 ID:udTebvGp
これは確かに、いっそ清清しいまでの黒さw
兄貴GJ
780名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 17:15:03 ID:/crvMkhy
時は過疎化する
781名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 18:18:16 ID:tqvtFpMU
kasokaha
nannde
okiruno
desuka?
782名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 19:04:39 ID:PywAd3Nu
過疎じゃないです
キングクリムゾンです
ボスです
783名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 19:18:08 ID:xKAUwbrO
アニメが終わって熱が冷めたんじゃ
784名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 19:33:17 ID:BG9VXtES
このぐらいまで単純化できそうな気がする。

爆発召喚→説教→ 対7万人
785名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 22:13:20 ID:CHeWIRvH
いやこのくらいじゃないか?

落ちこぼれルイズ→覇王ルイズ
786名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 22:36:09 ID:fx4kp+eD
ノトーリアスB・I・Gを自由に出し入れできるルイズ……

とんでもなく暴走しそうだなぁ
787名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 23:04:29 ID:OB2TlQhv
本体が死なないと真の力を発揮できないタイプのスタンドだろ、あれは
しかも動くものには必ず飛びつくから、本体さえもうかつに動けない
788名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 23:08:43 ID:qWBnWQvB
>>787
その状態で且つ完璧に制御できて出し入れも自由ってことなんじゃね?
789名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 23:12:22 ID:FW6p/mch
完全に制御できても本体という弱点ができるだけな気がする。
790名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 00:13:46 ID:uUz1fnQu
久々に吉良の話よみてー
デルフとの絡みがよかった
791名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 01:09:17 ID:n+SZMxf9
>>789
無敵ではつまらんジャマイカ
むしろ弱点ができた方がいいと思うね、俺は…
792名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 01:18:01 ID:OIiyuMP6
>>791
ギャップ萌えですね、分かります
793名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 13:59:30 ID:o9WhMmpq
ゼロの兄貴面白いな〜! 
794名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 15:28:59 ID:zbgedHue
過疎では無い、今日はいつだ?平日だぞ・・・・
書き蓄めている最中、そう思うんだ。
795名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 15:42:29 ID:JVXp/cZ5
続きはあるのに後で治したくなるから投下できないのは俺だけじゃないと思うんだ
796名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 18:46:16 ID:3iCrhPyr
使空高の続きが読みたいな
797名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 21:55:25 ID:u0NKqrFk
続きが気になるのばかりだ……。
うおーい!職人さん方、戻ってきてくれー!
798名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 23:56:37 ID:MFb50GeY
>>795
気持ちは分かる
今書いたのと昔書いたのではクォリティが違うからな
799名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 00:11:10 ID:mBE/EoRW
ゼロいぬっ!と銃は杖よりも強しの続きが読みたい
800名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 00:41:21 ID:mu2Yo01e
新刊は出たが、「ゼロの使い魔」そのものに飽きてきてしまってな・・・
801名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 00:53:12 ID:iGidG0l7
ゼロ魔自体は2巻までしか読んでないけどこのスレの作品は大好きだぜ
802名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 01:42:45 ID:mu2Yo01e
つうか銃杖さんは昨日避難所に来てるじゃねえか
803名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 01:57:33 ID:nLNwwntz
クロスから原作に入ったんだけど読むのがちょっと……
今では資料という認識になった
804名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 02:10:47 ID:9gTeuZbE
8巻以降は原作死んでるしなー
このスレのが面白いぜ
805名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 02:36:34 ID:IQbdiCd4
原作には原作の…クロスにはクロスの役割というものがある…。
806名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 02:39:21 ID:nLNwwntz
この時間でもしっかり人が居るのね……
行き詰ると新しいのを書きたくなるのが俺のダメなところだ
807名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 06:02:24 ID:ikwD3id6
>>802
!?
気づかなかった 読んでくる
808名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 09:19:32 ID:QbzoTQIz
>>804
痛いなあ…
809名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 10:11:23 ID:L+e83Of+
原作読んでると
『若い頃ジョゼフがアバを召喚していたらこんなことには……』
とか色々考えてしまうから困る
810名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 10:52:31 ID:5c5S0a9k
        _..  - ―‐ - ._
        , '"          \
      /"レ'/  /\_. へ、 ∧lヽ
     / /´ {/ノノ ,ィ爪Yハ`′  ',
   /  / // ノ´    ヽ ', l
   |  /   //   :    ', l |
   | l| l  /     .::     ,,l !l |       ジョゼフ君だっけ?
   |l |l |  ド==、、::  ,r='"-| ! |        シャルル君に劣等感持ってるのはわかったから
  ノ|| |l l  |t‐t・ッテ,  ィrt・ッラ|l  |         ここ座んなよ
≦ノノll│ |  |. ´¨~〃 .,,_ ヾ~´ .|l lト、
_./ノ|l | |  l:.   ゙:. ′゙    ,'|l l|ヽヾニ=‐       お茶でも飲んで
‐''"ノ| | |  ト、     `''"__  /:l  l\ー-`ニ=-       話でもしようや・・・
:::´ノ,l li l  | ヽ、 '‐ニ-'' ,イ:::l  lヾミヽ::l
:::‐"/ / ハ l  | ヽ ヽ、._"_/ l:::! l`ヽ、`二>‐
:::::/ノ/ } i l― -、ヾ三/ __ll l::::::::::::::`>― ---- 、
::::"´:::::::;.' ノ、 ', ⊂) 〈フフ  _,l l::::::::::::r'´ /¨>'"  )
:::::::::::::://::| ヽ ⊂⊃ノ7 '"´l _l. ― 、`='-、/( _,∠ヽ
:::::::::/´:::(cl=  ⊂二ノ   ,r'‐、  ‐= }   `ヽ |   }
:::::::::::::::::::::::`l   ⊆¨l  ハ __ノ} <l ,' ⊂) 〈フフ\-‐'´}
::::::⊂) 〈フフ:::l    ⊂ 」  { `¨´ l_> / ⊂⊃ノ7  ヽ/}
::::⊂⊃ノ7:(cl"´┌i 00 V ム Δ /   ⊂二ノ    l/}
::::⊂二ノ:::::::::l`⊂ ⊃   {` ー''"     ⊆¨l   l/
:::::::::::⊆¨l::::::::l (フl」<)=、‐-∨⌒ヽ     ⊂ 」   /
 ̄ ̄⊂ 」 ̄ ̄ ̄r'rブノ   `  ',   ┌i 00 // ̄ ̄
  ┌i 00'" ̄ ̄} }} ̄ ¨''‐、____ノ_  ⊂ ⊃ //
  ⊂ ⊃ |`` ========''"r==、ヽ-(フl.」<)‐'´
  (フl」<) ',          ノ   } }
811名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 14:37:41 ID:4FDhzj1k
>>810
ちょっwwwwなんてwwwww素敵なお茶ライフwwwwww
812名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 19:55:02 ID:Q9DZnNqM
>>810
一国の王(この時点じゃまだ王子か?)相手にタメ口ッ!!
さすがアバッキオ、おれたちにできない事を平然とやってのけるッ
そこにシビれる! あこがれるゥ!
813名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 21:48:22 ID:R6PWPPg8
ムーディブルースを使ってガリアを平和にするには、
やっぱ原作のごとく過去のシャルルを見せて
「なんだこいつも劣等感抱いてたんじゃーん!」
とジョゼフに納得させるのがいいのだろうか
それともシャルル相手にアバッキオが
『自分がワイロを受け取って後悔した過去』を語って
「ワイロイクナイ!」と思わせるべきだろうか
夢が広がりんぐ
814名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/04(土) 00:17:19 ID:w+ruIoGR
アバとジョゼフは基本的に反目しそうだけどいざというときは息が合うって感じかな
二人ともやさぐれてるからどうしても完全に仲良くなる展開はないな
ジョニィとジャイロのコンビが一番イメージにあってると思う
815名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/04(土) 02:06:42 ID:/W8+9udP
最近避難所に投稿されてる作品がほとんど更新されてなくね?
816名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/04(土) 15:11:00 ID:3hTlfmBD
更新よろしく
817名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 14:49:05 ID:3Yf71Q24
あれ? おかしいな……
今日は出かける予定だったのに、銃杖読んでたらもうこんな時間だぞ……?
818名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 17:40:05 ID:QMD02DB5
>>817
ボスの仕業。
819名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 23:40:56 ID:gk4X87k1
>>817レクイエム発動したんじゃね?
820名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 07:33:19 ID:0I0+VeC0
時を止まらせない
821名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 07:34:28 ID:QQNnbstv
時止め入門
822名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 07:42:47 ID:k4jIKNjd
クックックッ、最終ラウンドだ!いくぞッ!ザ・ワールド、時よ止まれッ!
823名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:19:58 ID:R9fPp9Cv
そして、投下がされ始める……
824名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:20:03 ID:bzoHTRyN
ルイズと相性がいいスタンドってどんなのだろう

切れやすいって意味ではホワイトアルバムとか似合ってそうなんだが
能力的な意味ではやっぱホワイトスネイクかね
他人を拒絶するって意味ならマン・イン・ザ・ミラーとかもあいそうだ
鬱積したストレスが爆発した形でグリーン・ディとかもいいかなと思う
825名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:22:07 ID:IkHDZ+q6
間を取ってキラークイーンで
826名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 20:29:37 ID:Fo3kpW3n
なんという、そのものズバリ
827名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 21:11:36 ID:yxqyS6T+
パープルヘイズじゃね?
828名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 21:23:23 ID:ej0ycYcr
サバイバー
829名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 22:02:03 ID:a4AogJcm
マンハッタントランスファーで爆発を中継出来たら最強なんだろうが…どうなんだろ、やっぱ銃弾限定なんだろうか?
830名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 22:54:43 ID:LEtyhfip
つまり、変な帽子みたいな使い魔ですね。
831名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 23:34:56 ID:Hz19vx6z
マジェントが可哀想だからマジェント召喚
マジェントって悪かな?極悪ではなさそうだけど…。
832名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 23:44:23 ID:AIGNQ5yq
ギーシュ戦で引きこもるマジェントを幻視した
833名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 01:25:49 ID:nLWQ155L
>>824
「虚無のメイジ」って名称だけ聞いたら
ガオンッ! のスタンドが一番似合ってそうな気がする。
834名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 14:41:03 ID:6HlUfg2f
コンビニで吉良が突っ込んでたが、
手は右手以外要らないよな。
835名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 17:33:29 ID:VjDanCTo
飛び降り自殺した後、墓場からよみがえり「ルイズ草」として復活するルイズはどうだろう?
一種の武器として鉢植えのままサイトに装備されるルイズ草
しかし主人であるメイジを武器として認識するだろうか?
836名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 18:28:03 ID:Tj1kGTPR
>>835
おい、お前それ想像してから言ってんのか!?
837名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 18:32:44 ID:XnXOPioH
武器っていうか・・・生物兵器はヴィンダールヴの管轄?
いや、ていうかいろんな意味でヤバイそれ
838名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 18:36:01 ID:Q4f3Avuh
某生首育成ゲームのヒロインみたいな感じになるのか
839名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 18:36:15 ID:4/Csba6o
>>835
PS2のギャルゲでそんなのあったよーな
鉢植えから顔が生えてる奴w
840名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 19:14:49 ID:6HlUfg2f
841名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 19:19:51 ID:A4efxa96
自殺してノトーリアス・B・I・Gが発動したが、なぜか自分自身の死体を食って復活してしまったルイズが浮かんだ
ストレスが溜まってるときに動く物があると無差別で襲い掛かってモグモグしちゃうの
泣きながらキュルケを貪るルイズとか、皆に逃げてって言いながらも追いかけて食べてしまう、とか
アンリエッタ率いる討伐隊に追われた結果、ごめんなさいと繰り返しながら親友の首筋に牙を……

凄くイイな! 実にイイ!
842名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:10:59 ID:xrNNTGVj
なんというハートフル(ぼっこ)な展開は。
843名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:40:33 ID:EQe3qoH5
どんなホラーだよwwww
せめて、動く物があると無差別に性的な意味で食べちゃう程度にしとけ
そしたらルイズ×キュルケとか、ルイズ×タバサとか、ルイズ×モンモランシーとか、ルイズ×シエスタとか、
ルイズ×アンリエッタとか、ルイズ×アニエスとか、ルイズ×エレオノールとか、ルイズ×カトレアとか、
ルイズ×カリーヌとか、ルイズ×ティファニアとか、ルイズ×マチルダとか、ルイズ×イザベラとか、ルイズ×ベアトリスとか、
ルイズ×きゅいきゅいとか、ルイズ×ジェシカとか、ルイズ×ミシェルとか、ルイズ×複数とか、
色々出来るじゃないか!



出来るじゃないか!
844名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:47:47 ID:um0DU424
【ジョジョ】4部で墓場鬼太郎OP
http://jp.youtube.com/watch?v=RUeAk2m5lNI
845名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:48:48 ID:XnXOPioH
もうだめだ・・・こいつ 完全にイカれちまってるぜ・・・
846名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 01:00:01 ID:zjV3uhFW
すまん。俺、カトレア×エレオノール派なんだわ…

それはそうと、ルイズの使い魔にキング・クリムゾンはどうだろう
帝王に成り上がるべく邁進するけど親友キュルケとも敵対して孤独になってしまうとか
…え、キンクリはアン様やジョゼフの方がお似合いだって?
847名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 01:02:28 ID:Truh134I
ジョゼフこそノトーリアスBIGが似合うかもしれん
848名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 09:50:31 ID:nM+Db+E3
シエスタが波紋使いはあるけどスタンド使いは無いなあ
メイド業→几帳面でないと勤まらない→形兆兄ィの子孫
スタンドはメイド・カンパニー
発動させるとモップや箒や包丁で武装したミニチュアのメイドさん軍団が…
849名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 10:27:55 ID:NWfk8ZS9
>>848
それなんて武装神姫?
850名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 11:50:23 ID:JBemnrtg
短編としてトーリアス・B・I・G書き始めてみた
クロスSS1不幸で救いの無いルイズを目指して頑張ります
851名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 11:51:09 ID:h8PptBaT
支援した
852名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 14:06:00 ID:qw1EgChZ
>>848
ゼロのスネイクのシエスタはスタンド使いフラグが立っている
853名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 14:34:50 ID:0tO60nUm
>>849
武装神姫よりもまじあかのプチネウスだろ
854名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 18:46:35 ID:vqdvtXXE
>>850
このスレでおまえが来るのを楽しみに待っててやるぞッ!
855名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 20:26:11 ID:cxgKARxO
投下直前までキング・クリムゾン!
そして支援が始まる・・・
856名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 00:01:32 ID:vvLQF3pK
メイドインヘブン!
世界は一巡し、ゼロ魔勢が全員ARAKI絵になr……
げふんげふん、世界は一巡し、IDが変更される
857名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 00:02:37 ID:3DZ2Y8GY
どうして投下がないのよぉーッ!
858名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 00:16:35 ID:L9qZ0yMZ
SS執筆中
投下待機中
859名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 00:30:27 ID:QtEI76RY
前回本スレにSSが投下されたのは・・・・・一週間以上前か。
寂しいことこの上ないな。
860名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 05:10:51 ID:Kq1QmPng
ごめんね。
原作を読んで進行を確認しながら書いていたけど途中で「これじゃコピペじゃね?」ってぐらい○写しで消したり書いたりを繰り返してて乳として進まなくてごめんね。
861名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 08:38:23 ID:JD3ObdWL
乳とな
けしからん、実にけしからん
862名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 17:28:03 ID:kenNU/1r
>>856
男キャラや大人の女性なら簡単だが、ルイズやタバサのようなちっこい女の子の荒木絵って
ちょっと想像できない俺
863名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 17:32:48 ID:P9eWZeOR
3部の家出娘みたいな
864名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 18:59:09 ID:eq19fFir
タバサはアンダーワールド戦に出てきた包帯少女な。
これは譲れん。
865名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 21:20:24 ID:GCns5l9Y
スカロンはワムウさん風なんですね。わかりますん。
866名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 00:29:17 ID:RDcYlxzt
我々は、投下を待つ。それだけだ、それだけなのだ・・・・。
867名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 09:38:25 ID:ZmW2de6A
>>862
バオー来訪者のスミレちゃんとか
868名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 09:42:28 ID:7nyqPg+P
レッチリってワルド戦まで、役立たずなんじゃ……
それはそれでカタルシスがあるけど。
869名無しかわいいよ名無し:2008/10/10(金) 14:50:58 ID:E25BRMcv
カタルシスって魂の浄化って意味だよね?
870名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 14:53:02 ID:K6baYCU+
快感って意味でも間違ってないんじゃない?
871名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 15:40:09 ID:3cnGVr8Q
腹の底から「ザマミロ&スカッとサワヤカ」の笑いが出てしょーがねーぜッ!
ってとこだな。
872名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 15:49:06 ID:e2TxPJZk
レッチリってやっぱり完全に電気依存なのかな?
電気内とやっぱり駄目なの?無くてもパワーダウンするだけじゃないのかね
随分特殊なスタンドだから良く分からないんだよ
873名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 17:06:16 ID:gbg/ylzh
レッチリは普通に原作で電気ないとエネルギー尽きて消えちゃうって
いわれてなかったか?確かオクヤスと戦ったとこらへん
874名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 17:16:10 ID:VTI05Nwq
依存してるな。タイヤの中に封じ込められた時点で死に掛けてるし。
水でスタンド自体が拡散してしまってるから、電気を失ったら死亡するだろ。
ハルケギニアではどんなスタンドよりも役に立たない。
875名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 17:30:55 ID:nSjpby/K
>>867
ああ、そういえば彼女がいたな
ツンと気品?が無いルイズ=スミレって感じかな?

>>872-874
個人的には、電気でエネルギーを充填することによって遠距離でも活動可でパワーも持続できる
近距離型スタンドだと思うんだが
で力技で遠距離活動しているから、遠距離でエネルギーが切れるとスタンドを維持することも
戻すことも出来ずに消滅してしまうと解釈してみる
876名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 18:28:00 ID:P4b3kXmG
どの道ワの人無しでは生きられない体、という事か…。
877名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 18:28:19 ID:VTI05Nwq
なるほど。
しかし、そうすると絶縁体や海水のような過剰な導体を怖がる理由が薄い気がする。
本体が近くに居れば、電気を失っても弱体化するだけで死なないことになるし。
港で音石がレッチリをどうやって海から引き上げたのかがわからんから、答えが出ないな。

近距離か遠距離かってのも、区別できない。
電気的に繋がっていればどこにでもいける反面、そうでない場所には移動できないし。
ん?レッチリって、電波に乗るってのはダメなのか?電磁波は電気の範囲じゃない?
878名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 18:47:10 ID:7nyqPg+P
レッチリは電気と一体化してるスタンドじゃないかな。
充電してパワーアップしたり、電線伝って射程無視したり。
バイクのバッテリーの時は、壊されたせいでその周りしか動けなくなって
スタンドを戻すこともできなくなったっぽいし。
実際の射程は近距離なんじゃないか?
形兆に成長したと言ってるから、最初は電線を移動するくらいしかできなかったんじゃないか?
充電できることに気付いて凶悪に
879名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 19:24:32 ID:77WnWDez
筋電流などで維持だけはできるだろうが・・・流石に電力なさ杉だから役には立たないか。
880名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 19:32:59 ID:yF36ZABM
>電磁波は電気の範囲じゃない?
そりゃ水のスタンドに水蒸気になれと言ってる様なもんだぜ

やがり例の拷問器具をいかにゲットするかになるな
もしくはバッテリーの錬金での無限使用
881名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 19:37:19 ID:rD7uDQ2I
>>880
アクアネックレス……
882名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 19:45:59 ID:au9Dvo1u
バッテリーなら禿に原理を説明すれば嬉々として作ってくれるって
むしろ禿のガラクタの中に電池が在っても何ら違和感がない
883名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 19:47:11 ID:Uf5btfKe
魔法じゃなくても自然に雷が落ちてくれば充電は可能なんじゃないのか?
884名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 20:40:38 ID:ZmW2de6A
ここで懐かしのフルーツ発電


豆電球が灯るよ!
885名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 20:45:54 ID:EjHsenFo
やったね音石!
886名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 20:56:23 ID:VTI05Nwq
単三電池にも満たない電力で出来ることってなんだよwwwww
887名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 21:01:44 ID:VxeSMavR
つ 直列
888名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 21:09:52 ID:1W1/Ko5a
>>883
蓄えとくのは無理じゃないか?それが可能ならバッテリーに頼る必要ないし。
雷が落ちても一瞬すごいパワーが出せるだけだと思う。

レッチリはなあ。亀とかで恒久的電源を得でもしない限り役立たずすぎる。マイナススタンドじゃないだけ増しだけど
889名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 21:10:24 ID:P4b3kXmG
>>882
コッパゲの場合、先に電池が出来てしまうも、それで駆動する機械が無かった為に
お蔵入りしていたなんて事もあり得そうだな。
890名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 21:50:46 ID:VTI05Nwq
初期のエレキテルなら、人力発電だな。
レッチリにパワーを与えるため、自転車を必死に漕ぐルイズの姿が見えた。
891名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 21:54:44 ID:I0EBxyCo
ギター型の発電アイテムを登場させて
スタンドで戦うときは絶えずギターを掻き鳴らしてないとダメってすればいいんじゃね
892名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 21:56:55 ID:WyKiEXnL
何故あたしがってストレス溜まって虚無の充電もばっちりですねっ!
893名無しさん@お腹いっぱい。
オロシャヒカリダケを持っていれば大丈夫だろう