あの作品のキャラがルイズに召喚されました part161
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。
(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part160
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1217929542/ まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/ 避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/ --------------------------------------------------------------------------------
_ ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
〃 ` ヽ . ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
l lf小从} l / ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,. ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
((/} )犬({つ' ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
/ '"/_jl〉` j, ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
ヽ_/ィヘ_)〜′ ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
--------------------------------------------------------------------------------
_ ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
〃 ^ヽ ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は
J{ ハ从{_, 本スレへの投下で問題ないわ。
ノルノー゚ノjし ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず、
/く{ {丈} }つ 本スレではなく避難所への投下をお願いね?
l く/_jlム! | ・クロス元がTYPE-MOON作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
レ-ヘじフ〜l ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。
--------------------------------------------------------------------------------
,ィ =个=、 ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
〈_/´ ̄ `ヽ ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
{ {_jイ」/j」j〉 ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
ヽl| ゚ヮ゚ノj| ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
⊂j{不}lつ ・次スレは
>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
く7 {_}ハ> ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
‘ーrtァー’ ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。
テンプレは1だけですよー。
乙!
>>1 乙ー
そういやカービーのデルフはカービーの腹の中だったな
9 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 06:59:06 ID:sv51Jli4
あ、ごめんageてもた
マダキテナイ‥‥乙スルナライマノウチ‥‥。(AA略)
乙
まんまーるー ぴーんくーだーよー ほーしーの かーびー
まだかなー?
拳一つで星を割るピンク玉マダー?(AA略)
まーるかーいて
おっまめがふたつー
おっむすびひとつー
あっーというまに
ほしのかーびぃー
16 :
カービィの人:2008/08/09(土) 10:19:11 ID:zLeuxu5w
おはようございます。たった今起きたカービィの作者です。
前スレの容量が心もとなかったんでこちらに投下したいんですがおkですか?
ダメとか言う奴は俺がシメる
18 :
カービィの人:2008/08/09(土) 10:31:06 ID:zLeuxu5w
それじゃあ11話投下したいと思います。
後半少し駆け足気味ですが、後に加筆修正しますのでスルーしといてください。
19 :
カービィの人:2008/08/09(土) 10:33:11 ID:zLeuxu5w
フーケ襲来の夜が明けた。
教師達は現場検証に追われ、学生たちも巷で噂の「怪盗」に学院が襲われたことで動揺を禁じえないようだ。
そんな慌ただしい雰囲気の中、現場検証を行っている教師以外は皆、オスマンの下へ集められていた。
フーケ犯行の瞬間に立ち会ったルイズ、カービィ、デルフを回収したシエスタの姿もある。
「落ち着くのじゃ」
それまでざわめきで溢れ返っていた執務室内が、オスマンの鶴の一声で静まる。
全員の注目が集まったのを確認すると、オスマンは目の前にいるルイズ達を見据えた。
「君たちじゃな? 昨晩フーケを見たというのは」
「はい」
オスマンの問い掛けにルイズがハッキリと答える。
するとオスマンに向けられていた教師達の視線が一斉にルイズ達へと移った。
シエスタはその強い視線に少し怯えたが、ルイズは全く怯んだ様子を見せない。
カービィに至っては状況を理解出来ておらず、ルイズの足元で頻りに辺りを見回すだけだった。
「まずは昨晩君たちが見た事をワシ等に説明してもらえるかの?」
「分かりました――」
それからルイズは簡潔に昨晩起こったことを話した。
いきなり巨大なゴーレムが現れ、塔を破壊したこと(自分が破壊したことは忘れている)
黒いローブを着込んだメイジが塔の内部へ侵入していったこと。
使い魔がゴーレムを迎撃したが、余りの体格差に手も足も出なかったこと。
ゴーレムが元の土へ還る頃には、既にメイジの姿はどこにもなかったこと。
「――以上が昨日目撃した全てです」
「ふむ……なるほどのぅ………」
「オールド・オスマン」
「うむ」
ルイズの話を聞き終えたオスマンは傍らに直立しているロングビルと顔を合わせる。
そして再びルイズに目を向けると、ゆっくりと重い口を開いた。
「先程ミス・ロングビルが独自調査で仕入れて来てくれた情報があってのう。その中に『黒いローブを着た人物が森の小屋に入っていくのを見た』というのがあるのじゃ」
『黒いローブを着た人物』というワードがオスマンの口から飛び出すのと同時に、ルイズの目が大きく見開かれた。
静寂を保っていた教師達にも動揺の色が浮かぶ。
「間違いありません! そいつがフーケです!」
「落ち着きなさい、ミス・ヴァリエール。君の証言とこの情報は確かに一致する点がある。じゃが、それだけで決めつけるというのはあまりに早計ではないかね?」
「あ―――」
確信を持ってオスマンに詰め寄るルイズだったが、あっさりと正論で押し込められてしまった。
ばつが悪そうに目を反らし、そのまま引き下がる。
その時、ロングビルが助け舟とばかりに「尤も……」と口をはさんだ。
「ミス・ヴァリエール本人が『昨晩の見た人物』と『小屋へ入っていった人物』を見分ければ信憑性も上がるのですが……」
「こ、これ。ミス・ロングビル!」
オスマンがロングビルを窘めたときには既に手遅れだった。
ルイズの表情には生気が蘇り、瞳には強い決意が見て取れる。
『貴族』というものを熟知しているオスマンにとって、ルイズが次になんと言い出すかは容易に想像できた。
「分かりました。私、そいつがフーケかどうかを確認しに行きます。そして私が見たフーケだったら……捕まえて、『煌きの星』を奪り還します」
「………ふむ」
――やはりのぅ。
想像通りの答えにオスマンは思わず頭を抱えた。
貴族というプライドの高い人種が、こんなことを言われて黙っている筈がない。
しかも犯人を目の前にしておきながら見す見す逃していては尚更だろう。
長としての権限でルイズを引きとめることも出来るが、それでは彼女が納得しないことをオスマン自身理解していた。
「どうしても……?」
「はい!」
最後の問い掛けも無駄に終わり、自信満々に返事を出されてしまった。
こうなるともう行かせる他なくなってしまう。
「ならば、何人か護衛を付けなければならん。誰か捜索隊に志願する者は……」
「あら、それならもうここにいますわ」
出番を窺っていたかのようなタイミングで声がし、執務室の扉が勢いよく開いた。
執務室にいた全員の視線が一点に注がれる。
そこにはキュルケ、タバサ、ギーシュの姿があった。
「あ、あんた達! なんで!?」
最も驚いたのはルイズだった。
素っ頓狂な声を上げ、三人の下へ駆け寄る。
「先生達が執務室に集まってるって聞いてねぇ。昨日の事件のことについて何か分かるかと思って来てみたのよ」
「そうじゃなくて! 私に付いてくるってどういうこと!?」
「ああ、その事? 決まってるじゃない」
キュルケは腰に手を当て、ルイズにズイと詰め寄った。
「ヴァリエールにばっかり良いカッコさせるもんですか」
ただそれだけ。当然のことのようにキュルケは言い放つ。
「レディや友人を助けるのに、理由がいるのかい?」
壁に寄り掛かっていたギーシュが、薔薇の杖をルイズに向けながらキュルケに続く。
「興味がある。フーケにも、その子にも」
最後に、タバサが蚊の鳴くほどの声でポツリと呟いた。
「あんた達………」
理由はどうあれ、キュルケ達は自分を助けてくれるというのだ。
鬼の目。いや、ルイズの目にも涙。
流石に涙を流すことはなかったが、ルイズは鼻の奥がツンとするのを感じた。
「何? 感動してものも言えなくなっちゃった?」
「バッ!? ち、違うわよ! ただあんた達の馬鹿さ加減に呆れただけなんだから!!」
「全く、ホーントに素直じゃないわねぇー」
「う、る、さああぁぁぁい!!」
ルイズの怒鳴り声が執務室に響いた。
そんな中、コルベールがオスマンの前へと歩み出る。
「では、オールド・オスマン。教師代表として私が……」
「いや、その必要はないじゃろう」
オスマンはコルベールが皆まで言い終わる前に申し出を却下した。
当然受け入れられるだろうと考えていたコルベールは狐にでも摘まれたような顔だ。
コルベールを置き去りにし、オスマンは話を続ける。
「ツェルプストー家とグラモン家、名門生まれの貴族が二人。それにミス・タバサは若くしてシュヴァリエの称号を持っておる。学生という身分を差し引いても、十分な護衛だと思うがのぅ?」
「し、しかしオールド・オスマン!」
「さぁ、ここに捜索隊は結成された。諸君らの活躍を期待しておるぞ」
コルベールの反論の声も聞かずに、オスマンは目の前の若き四人のメイジに激励の言葉を掛ける。
ルイズ達はそれに応え、横一列に整列すると自らの杖を掲げた。
「杖にかけて!」
捜索隊が結成された後、オスマンはロングビルに現場までの案内を任せ、集まっていた者達を解散させた。
教師達は去り際に不安を口にしていたが、会話にフーケの名が出ると震え上がってそれ以上何も言わなくなった。
執務室にいた人間は殆ど退出し、後に残ったのはオスマンとコルベールのみになる。
「オールド・オスマン! いくらミス・タバサや伝説のガンダールヴがいるとはいえ、ほぼ生徒だけの探索隊など正気の沙汰とは思えません!!」
コルベールは他の教師達が完全に出ていくのを確認してからオスマンに抗議した。
カービィがガンダールヴであることを考慮し、全員が出ていくこの時を見計らっていたのだ。
だが、必死になっているコルベールとは裏腹にオスマンはどこか余裕すら感じさせる表情を浮かべている。
「まあまあミスタ・コルベール。一回落ち着きなさい」
「ですが!」
「なぁに、ワシも生徒を見す見す死地に送ったりはせんて。ただ……」
徐に、オスマンは机の引き出しを開ける。
取り出したのは一冊の古ぼけたメモ帳。
このメモ帳と生徒のみの捜索隊に何の関係があるのかとコルベールが問い正そうとしたとき、メモ帳の表紙に書かれている文字が目に入った。
青いハードカバーの表紙には、消えかかった金文字でこう書かれていた。
―――『戦士の書』と。
「この老いぼれの記憶が正しければ、どうやら再来した伝説は一つではないんじゃよ」
「ミ、ミス・ヴァリエール! あの、私もお供いたします!」
出動の準備を終えたルイズとカービィが集合場所へと向かっていると、シエスタが二人に駆け寄りながら声を掛けて来た。
一旦立ち止まったルイズが何事かと尋ねると、出てきた言葉がこれだった。
この前は決闘の場に行くことさえままならなかったシエスタが、一緒に付いて行くと言い出した事にルイズは驚きを隠せない。
「気持は嬉しいけど、あなたは駄目よ。相手は悪名高い怪盗フーケ。魔法の使えないあなたじゃ危険すぎるわ」
「で、ですが……」
どもっているシエスタは、手足が僅かに震えている。
無理をしているのが手に取るように分かった。
「心配しなくても大丈夫よ。フーケを捕まえて宝を取り返して、それからちゃんと帰ってくるから」
――それに。
「帰ってきてあなたの配膳したおいしいご飯がなかったら、カービィが可哀想でしょ?」
シエスタを安心させるため、ルイズは満面の笑みで笑いかけた。
笑顔は相手を安心させてくれる。
カービィと生活していて学んだことの一つだ。
ルイズの笑顔にシエスタは一瞬呆気にとられたが、それが自分を安心させるためのものだと分かると不思議と体の力が抜けた。
そして、シエスタ自身も笑顔になった。
「……わかりました。では、デルフさんを持って行ってあげてください。今度こそゴーレムに勝つんだって意気込んでいましたよ」
「そうさせてもらうわ。あの姿のカービィが太刀打ちできなかったっていっても、何もないよりはマシだしね」
ルイズはシエスタからデルフリンガーを受け取り肩に掛ける。
ずっしりとした重みが肩に掛ったが、なんとか持ち運びは出来そうだ。
「それじゃあ」
「ええ。行ってらっしゃいませ、ミス・ヴァリエール」
「行ってくるわ、シエスタ」
「ぽーよー!」
これからピクニックにでも行くかのようにはしゃぎながら手を振るカービィ。
そんなカービィを見て、ルイズとシエスタはまた笑い合った。
目的の小屋は学院から馬車で一時間ほどの所にある森の中にあった。
遠目からでもその古さ加減はよく分かり、今にも倒壊するのではないかと思うほど老朽化している。
だが、こんなに古い小屋なら誰も寄り付かず、隠れるのには打って付けの場所だろう。
フーケが隠れているという情報にも信憑性が増してくる。
小屋に入る前に、タバサとロングビルによって作戦が立てられた。
まず、森の木に隠れながら小屋の周りを全員で包囲し、フーケがこちらに気づいて飛び出してきても誰かがカバー出来るようにする。
次に小柄で最も戦い慣れしているタバサが小屋に近付き、内部の様子を確認する。
何もなければ小屋内の探索。
もしもフーケがいたら、ギーシュのワルキューレによる物量作戦と、キュルケの炎による焼討ち作戦を状況に応じて実行することが決まった。
「手筈通りに」
「ええ。ドジ踏むんじゃないわよ、ヴァリエール」
「あんたこそ、大事なところでヘマしないでよね」
「全く、こんなところにまで来てまで喧嘩なんて。君達はもっと自覚を」
「「あんたは黙りなさい」」
「……はい」
「ぽょ」
ルイズとカービィ、そしてその他四人は散り散りになり、一斉に小屋を取り囲んだ。
しかし、小屋から誰かが出てくる気配はない。
ロングビルのゴーサインと共に、タバサが小屋へと近づいて行った。
やはり学生といえどもシュヴァリエだ。音も立てずに小屋へと辿り着く。
そしてゆっくりと窓から中を覗き込んだ。
「………どうなの?」
早くも待ちきれなくなったキュルケがタバサを急かす。
タバサは窓から背けると、小さく手招きをした。
中に誰もいない時の合図だ。
それを確認した仲間達も小屋へ近づき、探索のために次々と中へ入って行った。
「ミス・ヴァリエール」
そして最後にルイズとカービィが入ろうとしたとき、急にロングビルが二人を呼びとめた。
「どうしたんです? ミス・ロングビル」
「実は、先程隠れているときに妙なものを発見しまして」
「妙なもの?」
「それが……黒いローブのようなんです」
途端、ルイズの目つきが変わる。
カービィを抱きしめる腕にも力が入った。
ルイズの目を見て、ロングビルが口元を少し釣り上げたのだが、残念ながら気づくものはいなかった。
「あの、それはどこに?」
「こちらです。付いてきてください」
ロングビルに連れられ、小屋を離れていくルイズ。
しかし、目の前にいる人物こそが自分の探し求める人物。
そして自分に仇なす存在だということに、彼女たちは気付いていない。
以上です。
今回はフーケ戦への導入部なので、先に繋がる伏線を張るだけに留めておきました。
ところで、話は変わりますが、実は帰省のため2か月程マイPCから離れることになってしまいました。
なので、次回からは一年前の連載当時のように携帯からの投下になってしまいそうです。
その為短い話や誤字が増えるかもしれません。最悪2か月更新停止なんて事態も予測されます。
カービィの活躍を楽しみにしてくださっている皆さんには申し訳ありませんが、また気長に待っていただけると幸いです。
そして、次回はフーケ戦その1。デルフも活躍(?)予定です。……未定です。
それでは、また次回にお会いしましょう。
乙かれさま−
携帯からだと大変そうですが頑張って下さい、応援してます−
投稿してもいいでしょうか?
27 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 11:28:36 ID:XM9OD+uE
そろそろいいんじゃないかな
学園の人間がトルネコに対して抱く印象は大きく偏りがあった。
大部分は、トルネコをただの商人、平民だととらえている。教師と生徒の大部分は、『あの』ルイズが呼び出した使い魔が平民だという事実に失笑を浮かべるか同情を覚えた。
学園で働く平民は、そのほとんどがトルネコに対して同情した。弱者である平民たちから見ても、トルネコの立場はさらに低いものだったからだ。
そしてごく一部の人間が、トルネコの特異性に気づいていた。
キュルケはトルネコが『旅の武器商人』であるという事実に着目した。
平民が強い国の出だからこそ気がついた。常識的に考えて、そのような職業は成立のしようがないのだ。
武器・防具というのは極めて需要が限られる商品だ。売買や所持について国が制限をかけることも珍しくない。製造から販売にいたるほぼ全ての過程ががっちりと囲い込まれ、よそ者が付け入る隙など普通はない。
トルネコが旅の武器商人であるということは、彼が嘘をついているか、とてつもないやり手か、相当の有力者の支援があるか、
――それともそんな商売が成り立ってしまうほど武器の需要が多い地域、つまり治安の悪い地域で生活していたことを意味している。
そして、最後の可能性が示すのは、トルネコがそのような治安の悪い地域を一人旅できる、自衛できるだけの実力を持っていることを意味している。
キュルケの友人のタバサは、まったく違う道筋でキュルケと同じ答えに達していた。
彼女は単純にトルネコの戦闘力に気がついた。
召喚の際、トルネコは自身の倍はあるかばんを背負っていた。そこに詰め込まれているのが武器・防具であるというのはトルネコの主張と、かばんの生地にうかぶ影から知れた。
つまり、トルネコは、自分の倍ほどの容量のかばんに金属製品をたっぷりと詰め込み、確かな足取りで歩けるような人間なのだ。
それに気がついたタバサはトルネコを見る目を変えた。そしてすぐに、身のこなしと、ごつごつとした大きな手に気がついた。
あの手は、とタバサは思った。武器を扱うことに、それも本来の用途で扱うことに慣れた手だ。
オスマンはトルネコの交渉のしかたから彼が只者ではないことに気がついた。
トルネコは召喚後すぐに、コルベールとの話し合いで最低限必要な情報を集めていた。
そして、自分が召喚されたのが異常事態であることを把握し、コルベールが友好的な雰囲気に油断しているところに大きな衝撃を与えて正常な判断力を奪っていた。
端的に言ってしまえば、トルネコがオスマンとの交渉で主張したのは、『舐めるな』ということに尽きる。
本来が無茶なのだ。証明できない有力者とのつながりを主張し、責任者と顔を合わせる。
そして責任者――オスマンが無視できない程度の主張をしつつ、オスマンが強硬手段に出ない程度には譲歩してみせる。
実際、オスマンにしてみればトルネコの主張を嘘と断じて強硬手段に出るのは簡単なのだ。
だが、そうしたところでオスマンに何の得があるのか。
強硬手段の結果は、生徒と使い魔の関係を著しく悪くするか、最悪生徒から使い魔を奪うことになる。
そして問題の生徒はあのルイズなのだ。彼女が使い魔召喚の儀式に再度挑戦して成功するという保証はない。
つまりあの交渉において、トルネコの最初の主張はただの口実にすぎなかったのだ。
そしてオスマンはそのことに気がついており、トルネコは気づかれていることに気づいている。
さらに言えば、トルネコは交渉相手が短絡的で強硬手段に訴えたとしても、それを退けるだけの自信があったのだ。でなければあんな主張ができるはずがない。
さて、その自信はどこから来るのか。オスマンはその点に注目していた。
sien
***
ルイズにして見れば、トルネコの存在はまだ自分の中で確かな答えが出ない難問だった。
ゼロだった自分が始めて成功した魔法の成果。ただの平民の癖に、貴族に対して臆した態度を見せない大人。そして何よりも、ルイズのことを、心の奥底ではどう思っているのだろうという不安。
最初の印象こそひどかったが、立場が落ち着いて以降のトルネコは本来の明るく朗らかな性格を見せ、かいがいしくルイズの世話を焼いていた。
朝には眠っているルイズを起こし、半分眠っているルイズをきちんと着替えさせ、笑顔で彼女を送り出す。
食事は学園の使用人とともに取る。旅先での話を面白おかしく話すトルネコはすぐに使用人たちの間に居場所を作ることに成功した。
女ばかりの国での人質生活と、牢屋番の女兵士とのやりとりに、メイドたちが黄色い声を上げマルトーをはじめとする男連中が品のない笑いを上げる。
ルイズはトルネコとの生活が嫌いではないことを認めざるを得なかった。だが、最初の印象のためになかなか素直になることができないでいる。
教室での爆発騒ぎのときもそうだ。何も言わないトルネコの態度が不安で、内心馬鹿にしているのだろうと理不尽な怒りをぶつけてしまった。
だが、トルネコはルイズがどんなにきつい態度をとろうと、辛抱強く聞き役に徹して、最後はきちんというべきことをいう。
ルイズは、自分が優しいおじに世話される、すねた子供になったような気分になっていた。
***
「決闘だ!」
という声が食堂に響いたときも、ルイズはスープをかき回しながらトルネコのことを考えていた。
そして決闘がギーシュという生徒と自分の使い魔のあいだで行われると知り、椅子をけるような勢いで立ち上がった。
シエスタというメイドが香水のビンを拾ったのが発端だった。
そこからギーシュが複数の女性と付き合っていたことが発覚し、ギーシュがシエスタに当り散らした。
そして、シエスタをかばおうとしたトルネコに対し、ギーシュが決闘を申し入れたのだ。
野次馬を掻き分けてヴェストリの広場の中央に出るまでの間に、ルイズが耳にした話を総合するとそういうことになる。
信じられない、とルイズは思う。ルイズの知る限り、トルネコは最初の交渉以降自分から厄介ごとに近づくようなまねはけしてしなかったからだ。
「おお、これはルイズ様!」
いつものようにルイズを迎えたトルネコは、鎖帷子を身にまとい、銅の剣と木の盾を持ち、まびさしをあげた傷だらけの兜を被っていた。
突き出した腹を鎖帷子が覆う様子は、どこか田舎の祭りの仮装のようだ。実際、広場のあちこちからクスクスという失笑の声が聞こえる。
「何を考えているの!」
ルイズは怒鳴った。
「わ、私に何も言わずに、勝手に! だいたい平民がメイジに勝てるわけないじゃない!」
「ルイズ」
振り返ったルイズは、そこにキュルケが申し訳なさそうに立っているのに気がついた。
「ごめんなさい、ギーシュの態度があまりだったから、からかってやったんだけど」
キュルケが経緯を説明した。
食堂でのギーシュの行動ははたから見ていても気持ちのいいものではなかった。
シエスタと、シエスタをかばいただひたすら頭を下げるトルネコに気がついたキュルケは、ギーシュの失敗を自業自得と指摘し、大げさにため息をついてみせ、周囲の人間とともにギーシュを嗤った。
プライドを傷つけられたギーシュがキュルケに決闘を申し入れようとしたのはある意味当然のことだった。
だが、キュルケが学園の規則で決闘ができないことをいうと、ギーシュはかなり品のない罵倒をキュルケに浴びせたのだという。
「それを聞いて、トルネコがかわりに決闘を受けるといって」
「いえ、もともとは私の問題でしたから」
トルネコがなんでもないというように言う。傍らで、シエスタが不安そうにトルネコの様子を伺っていた。
「それに、うれしかったのですよ。キュルケ様は、私たちを庇ってくれた。なかなかできることではありません」
もうひとつ、とトルネコは付け加えた。
「キュルケ様を見て、古い友人のことを思い出しまして。彼女たちだったらば、誇りのために戦うのをよしとするだろうと思ったのですよ」
トルネコの脳裏に浮かんだのは、父親をなくした二人の姉妹。踊り子の姉と、占い師の妹。
支援だ。
***
野次馬がはやし立てる中で、トルネコは広場の中央へと歩いていった。
「よく来たな、逃げ出さなかったことは褒めてやる!」
薔薇の杖を持ったギーシュが言う。
トルネコがぺこり、と頭を下げると、その道化じみたしぐさにまたしても大きな笑い声が起きた。
ギーシュがにやり、と笑っていう。
「僕の二つ名は《青銅》、《青銅のギーシュ》だ。君に僕のワルキューレが倒せるかな?」
現れた青銅製のゴーレムにトルネコは驚いた表情を浮かべたが、すぐに気を取り直したかのように剣を構えた。
「では」
トルネコがまびさしに手を当てて言う。
「正々堂々とした戦いを」
ばちん、と音を立ててまびさしが下がった。
顔が完全に隠れたとたん、田舎祭りの仮装戦士は、歴戦の戦士へとその雰囲気を一変させた。
***
いきなり、トルネコが駆け出した。その巨体からは想像できないほどの踏み込みの早さだ。大上段に振りかぶった銅製の剣が一直線に相手を切り下ろしにかかる。
その相手――ギーシュはかろうじて振り下ろされた剣をかわすことに成功した。ギーシュの顔色が変わる。あんな剣をまともに受けたら、まともな防具も身に着けていないギーシュはどうなるか。
トルネコにしてみれば簡単な計算だった。相手が複数いた場合、弱いものからつぶしにかかる。敵を減らしたぶんだけ相手の手数が減るのだからそれが当然だと思っていた。
もちろん、銅の剣でギーシュを倒すのが危険であることはわかっている。
最悪の場合は一枚だけ持ち込んだ世界樹の葉を使うことになるかもしれない。
後ろから襲い掛かってきたワルキューレの剣を盾で受け、攻撃を流しながらゴーレムに一撃を加えて距離をとる。
やはり、銅の剣では攻撃力が低すぎるのか、ワルキューレの表面を削るだけに終わってしまう。
「ワルキューレ!」
背後でギーシュが叫んでいた。次々と呼び出される新たなゴーレム。七体のワルキューレがそろうにいたり、トルネコは先の一撃でギーシュを殺せなかったことを後悔した。
しえん。
***
トルネコがギーシュを狙ったことに驚いた野次馬たちも、七体のワルキューレにトルネコが防戦一方になったのを見て品のない野次を再開した。
むしろ、圧倒的に有利と思われていたメイジのギーシュを危険にさらしたために、トルネコをけなす言が目立ち始めている。
「ルイズ様、キュルケ様、この決闘を止めてください! このままではトルネコさんが」
シエスタが必死の表情で二人に言う。
ギーシュのゴーレム操作は巧みだった。三体のワルキューレが前後からトルネコを攻め立て、その間に他の四体が位置取りをしてトルネコを追い詰めていく。
攻め手と位置取りが柔軟に入れ替わり、トルネコには息を整える暇もない。
二体のワルキューレが、トルネコの死角から頭とひざ裏を同時に刈りに来た。
トルネコはほとんど超人的な身のこなしでひざに来た剣をかわし、頭に来た剣を首をひねることで兜のもっとも丈夫な部分を用いて受け流した。
うなり声を上げると、渾身の力で正面のワルキューレに体当たりをし、やっとの思いで包囲を抜けた。追撃に備えて振り返る。
追撃は来なかった。ゆっくりとギーシュの周囲に集まるワルキューレたち。ギーシュの表情を見て歯を食いしばる。勝利を確信し、トルネコをなぶっているのだ。
「息を整えたまえよ、平民くん」
ギーシュが明らかな蔑みをこめて言う。
「よくがんばったといっておこう。だが、メイジに逆らったのが運のつきだね。次で終わりにしてあげよう」
「おお! ありがたい言葉です」
トルネコがいつもの調子で返事をする。
「では、仕切りなおしということで私も別の武器を使わせていただきましょう」
「武器を変えたぐらいで」
ギーシュが嗤おうとしてとめた。
トルネコはそれまで使っていた銅の剣をその場に突き立てると、腰から一束の鎖をとって両手で構えた。鎖の両端には、それぞれ鋭い鎌と分銅がついている。
「ほう、距離をとって戦おうということか。少しは考えているみたいだね」
「恐縮です」
では、とトルネコは言った。
「決闘を再開しましょうか」
***
トルネコがその全身を使って鎖鎌を振り回し始めた。頭上で円を描き、周囲の土をはじきながら高速で鎖がうなる。
裂帛の気合とともに、トルネコが鎌のついた先端をギーシュめがけて走らせた。
蛇のように地を蹴りながら迫る鎖鎌に、ギーシュはワルキューレを盾とすることでこたえようとした。
だが、トルネコがその巨体をひねるたびに蛇の頭は向きを変え、ワルキューレの間を縫うようにしてギーシュを目指す。
何とか鎖の先端を避けたギーシュは、鎖の端を持つトルネコがさらに複雑な動きをしていることに気がついた。
伸びていた鎖がワルキューレを横なぎにしようと動く。
「よけろ、ワルキューレ!」
だが、数体のワルキューレが足元をすくわれ、逃げ遅れた一体がまともに鎖を受けてしまう。鎖はそのワルキューレに幾重にも巻きつき、身動きを取れなくした。
トルネコがいきおいよく鎖を引いた。金属と金属がこすれる不快な音と、飛び散る火花。
鎖により表面を削られたワルキューレが崩れ落ちて動かなくなった。
すぐに第二撃が放たれた。今度は鞭のようにうなりながら飛んでくる鎖鎌を、ワルキューレたちはすばやく左右に散って逃れた。
と、引き戻された鎌がワルキューレの一体を引っ掛け、そのまま空中へと跳ね上げる。
空中で身動きの取れないワルキューレを、一直線に伸びる鎖分銅が貫いた。
――って、殺す気まんまんな上、何てもの持ち込んでるかとwww
以上。ありがとうございました。
投下乙。さらっとすごい名前が出てきましたが、それが今後どういう役割を持つかが気になるぜ。
1話でフライング投下をかまし、そのことは謝罪しないで2話目も投下する
これはひどいトルネコ作者。そんなにヘイトを書きたいのかね、これだから蹂躙厨は
また、恫喝と説教でメイジヘイトをかますつもりですか、大概にしてください
なぜに絶対的に優位にある学園長が単身で吠えてるトルネコにあたまさげているのですか?
かみさまの自己投影の言うことは裏付けが無くても絶対圧力で恫喝できると?
突っ込みどころ満載のセリフ↓
>「私がこの国の人間であるならばまだ問題は簡単でしょう。ですが、私はそうではない。あなた方は、他国の人間に内容を知らせないままに契約を強要し、それが当然と言う態度をとった」
これはひどい
まず、これ国交が無い国、まして自分の国の主権が及ばない国で通用すると思っているのですか、国連の力が及ばなければ、それは現代でもありえん話ですよ
北 朝 鮮 と か な
まして中世相当の世界、国交があっても外国から来た相手に全く考慮する様子がこれっぽっちも無いうえに、平民の扱いがどういうものだかはゼロの使い魔原作をよーく読んでみればわかる話ですが、読んだことあります?
ここの二次作品をあさるだけでなく
それに、自分の国の価値観がそのまま、よその国でも通用すると思っているのですか?
思っているなら外交の”が”の字、交渉の”こ”の字、取引の”と”の字のから勉強してはどうです
現代でも酒を飲んだら死刑になる国、豚を食ったら死刑になる国だってありまして
まして中世では、
権 力 者 に 逆 ら う こ と = 死
これがあたりまえでしてね
だいたい、証明も証人も目に見える権力者の庇護なしに、さも、自分をどうにかすれば戦争になると、まことしやかに仄めかして、それが通用するとでも
どう読んでも、トルネコが自分の国と連絡取ろうとするなら殺してしまえという話になりません?
だって、どう考えても面倒でしょう、
生 か し て い る ほ う が さ
それにどこの誰だかわからないようにミンチにしてしまえば終わりじゃないですか、
何せどこの国からやってきたかわからない、まして国交が無いんじゃあ、
連 絡 の 取 り よ う も 確 認 の 仕 様 も な い じ ゃ な い で す か 常 考
つまり奴隷にするどころか殺しても、報復はありえないわけですが何か?
このトルネコもどきの脅しが交渉だ取引だと言うなら、ガキが駄々こねてるほうがはるかに理にかなってますね
それに、学園は外務省じゃありません、問題ごとは内部でもみ消しますね
昔からよくある話です
それにトルネコはなんて似非商人てくらい商売をしてない
やってることはダンジョンからの窃盗とモンスターからの略奪と転売厨
これをそのままゼロ魔にもちこんでどの面下げて商人だといえるか
タイトルから不思議のダンジョン持ち込むつもりでしょうけど
商売の”し”の字の勉強ぐらいして来いといいたくなりますね
まあ、自己投影した似非トルネコもどき作者さんようの頭の中は
ノボル原作の100分の一以下の知能しか持ち合わせていない
貶められたコルベールやオスマンが出てくるかみさま至上主義
作者の知能を超える人物は出て来ないから仕方ないか
な あ 、 い い か げ ん に し ろ よ 蹂 躙 厨
さーてNGNG
しかも、今回はテンプレのセオリーどおりギーシュいじめ
ご自分で話を考える能力すらありませんか、
こ れ は ひ ど い
商人の癖に、まともに交渉一つできないのですか
ちなみに、1、2話のアレは恫喝であって交渉ではないですね
コレがトルネコだとおっしゃるなら、村上ゆみ子先生のマンガでも読みなさい
蹂 躙 厨 さん
夏だねぇ
夏ですなぁ
そういうのを吐き出すために「毒吐きスレ」があるんだぞっと。
>>44 しかたないよ、夏しか来ない人にそんな難しいことはできないのさ
さて、次は危険視されたトルネコが抹殺されて終わる展開ですね普通なら
なにせ恫喝だけでは飽き足らず、学園で預かる子弟を傷つけようとしたのです。
まともな判断力を持ち合わせていれば
コイツだめだ早く何とかしないと
と、思うでしょう、問題持ち込みすぎ。
それに存在自体が他国とに問題を及ぶと自称している人物です。
外交面でも内政面でも、いずれルイズに類が及びかねない、
まともな判断力を持ち合わせていればトルネコの存在自体が害悪以外の何者でもないことがわかるでしょう。
あらゆる意味で生かしておいたら危険極まりないですね。なら、殺してなかったことにしましょう。
そう、
トルネコの母国に知られないように始末してしまうこと
これが正しい選択ですね。
ほ か に は あ り え な い で す ね 常 考
それにしてもトルネコ面白いな。
荒らしが常駐してるし夏なんだから、本スレを避難所に移せばいいのにな。
次スレでやってみるか。
トルネコの事だ、いかずちの杖とか隠し持ってるに違いない。
50 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 12:34:23 ID:mPxbYlCD
面白い もっとやれ
……上で毒を吐いている人はトルネコが「武器」商人である事を理解しているのだろうか?
強い武器を「売ってくれる」商人だぞ?「作ること」が出来る鍛冶師でもないのに始末するなんてありえないだろ。
構うな
トルネコってアイテムの艦艇って出来たっけ?
トルネコの艦艇fではデルフはいくらになるんだろう?
原作で才人達が買ったと値は100スゥだっけ。
54 :
53:2008/08/09(土) 12:53:47 ID:Rmeu4eVT
×艦艇
○鑑定
ラグドリアン湖に潜ってきます
トルネコはDS版ドラクエ4だと素で鑑定できたべ。
不思議なダンジョンだとインパスの巻物が必要だけど。
このトルネコ、冒険終えた後なら、破壊の鉄球持ってるんだろうな
天空の剣ももしかしたら…?
なあ、トルネコを批判している人は、ゼロ魔の世界が半島の北半分だと
つまり、ゼロ魔安置なんだw
底が浅いなぁw
58 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 12:59:36 ID:ntyDmmeI
>>55 確かFC版でも出来たと思う。
3の商人と同じくらいには。
トルネコ乙
面白いので次もよろしく。むしろ書いて下さい。
>>49 普通に「破邪の剣」は持っていそうだな。
第三章ではグループ攻撃手段としてお世話になりました。
>>53 新金貨かエキューで100じゃなかったっけ?
>>57 そっとしておけ、かわいそうな奴はスルースルー。
トルネコの人乙です
しかしちょっと落ち着いてくれトルネコw
殺すな殺すなw
ほら、金を積めば生き返れる世界の人だから
倫理観が違う世界から召喚された弊害か。 納得。
というか話的には
トルネコ「見せてやる、店頭価格100Gのどうのつるぎと、550Gで複数攻撃可能なくさりがまの性能の違いを!」
だと思う。
管理人様
以下自作品の削除をお願いします。
(本人証明として、自ブログの方も削除致しました)
長編:1編
「ゼロのgrandma」
短編:2編
「色鮮やかな空へ」
「四系統だけど」
色々とご迷惑をお掛けしました。以降、忘却願います。
夜天の使い魔 第一部
夜天の使い魔 第二部
http://rein4t.blog123.fc2.com/
トルネコの大冒険乙です
世界樹の葉とかすげえww話になりそうですな
ぶっちゃけ錬金したらギーシュ勝てるんじゃね
切れたトルネコが何するかわからんけど
トルネコ氏、乙です!
決闘で最初に使ったのは『銅のつるぎ』ですか
ギーシュ戦でとは言えませんが、『正義のそろばん』も使うシーンも見てみたいですな
まぁ、このトルネコが持ってればですがw
確かに相手が武器を持っていたら錬金で砂なり石なりに変えればギーシュは勝てるよな
例えばバージルの閻魔刀を砂に変えたら・・・・
ルイズが殺すなと頼んでも止めてくれるかな?
風神の盾かなんかでバシルーラくらったらどこ飛んでくんだろなw
正直、ゲーム終了後のトルネコなら素手でたいていののモンスターは倒せそうなイメージが。
さまようよろい位なら楽勝だし。
ドラクエ世界の命は軽いからなあ……特に勇者のは
4なんかAI神官が回復呪文よりも即死呪文優先させるし
このぐらいまで単純化できそうな気がする。
爆発召喚
キス契約
「ゼロ」の由来判明(教室で爆発)
使い魔の能力が明らかに(ギーシュ戦)
デルフ購入
フーケ戦
舞踏会
最近はその流れでいかに飽きない話を作るかに凝りがち
爆発
平民プゲラ
コルベール問答無用さっさと汁
キス契約
フライに唖然とする
説明はぁどこの田舎者?
何者であろうと今日からあんたは奴隷
二つの月にびっくり
洗濯シエスタと接触
キュロケフレイム顔見見せ
みすぼらしい食事厨房でマルトー
教室で爆発片付け
昼食シエスタの手伝い香水イベント
オスマンコルベール覗き見
ギーシュフルボッコ場合によって使い魔に弟子入り
キュルケセクロスの誘いしかし使い魔はインポテンツか童貞w
ルイズ寝取られの歴史を切々と語る
休日街でデルフ入手 キュルケタバサがついてくる
ルイズが爆破訓練宝物庫破壊フーケ侵入お宝げっと
この段階でフーケは絶対つかまらない
翌朝捜索隊保身に走る教師一同
教育者オスマン犯罪捜索を未熟な子供にマル投げ
小屋で破壊の杖ゲットフーケフルボッコしかし絶対死なない
オスマンから褒章 舞踏会 終わり
途中飛ばすけど、
対7万戦と再召喚(一度使い魔契約が切れ、まっさらな状態からルイズとの関係を再構築)
世界中の葉を持ってるって事は少なくともゲーム後半、おそらくはクリア後なんだろうけど、
ならなんで「どうのつるぎ」やら「くさりがま」やらを持ってるんだろう。また商いを始めたのかね。
2話でいきなり高い武器を売り買いできないとか言ってた。
>>72 ゼロ世界の魔法がどこまで通用するかによるな
スクウェアクラスの固定化ですら物理攻撃には弱いと言われた
元々別世界の強い魔法か何かかかってるような武器だと
錬金して構成素材を変えるのも難しいんじゃない?
閻魔刀とかは焼いても冷やしても電気通しても
悪魔の馬鹿力で叩きつけても切れ味落ちないし
>>75 PS版以降だと姫様のHPがちょっと減っただけで優先して回復するんだぜw
トルネコの人乙
なんという鬼切りwwそしてギーシュはこの先生きのこる事が出来るのか
あと批評とアンチは違うので完全スルーで気にされない方が良いですよ〜
言い忘れてた、トルネコの人乙です
さすが一時期はチュンソフトの経営を一人で支え続けただけはあるなあ
したたかかつタフだ
>>79 >姫様のHPがちょっと減っただけで優先して回復する
正しい判断するようになったんだなAI。なんか新しいDQW欲しくなってきた。
伝説の武具を発見後勇者一行と世界を救い、
裸一貫で再開業、またまた伝説級アイテムの発見に成功。
バカンス先で難破しても路銀のために働いて支店を開く。
ほんま商人の鏡やで
このぐらいまで単純化できそうな気がする。
本スレに1人か2人の荒らしが登場
「うぎゃああああ荒らしがでたああああ
本スレのやつら民度が低いから触りまくってスレが荒れるにちがいねええええええ」×20
本スレでスルー
「本スレの奴等も少しはマトモになったようだなプゲラ」×5
今までの流れが本スレに貼られる→スルーか一人二人が「肥溜めにカエレ」
「ここを肥溜めとか言う奴は上から目線のお子ちゃま。むしろ俺たちの方が大人」×10
いぬかみ投下
「まったくよー、本スレの奴等、嫌いなSSならあぼーんするかスルーしろってんだよなwwwwww
ちったあ俺達を見習えよwwwwww
・・・ナニ? いぬかみ投下? ぎゃあああああ何でここまで叩いてるのに投下できるんだああああ
お前らもっと叩こうぜえええええ 何? スルー? ここはお祭り好きな奴等の集まりだから良いんだよw」
以後ダラダラと「ぼくののうないのこんごよそうされるいぬかみのてんかいのひはん」×50
以降無限ループ
このぐらいまで単純化できそうな気がする。
本スレに1人か2人の荒らしが登場
「うぎゃああああ荒らしがでたああああ
本スレのやつら民度が低いから触りまくってスレが荒れるにちがいねええええええ」×20
本スレでスルー
「本スレの奴等も少しはマトモになったようだなプゲラ」×5
今までの流れが本スレに貼られる→スルーか一人二人が「肥溜めにカエレ」
「ここを肥溜めとか言う奴は上から目線のお子ちゃま。むしろ俺たちの方が大人」×10
提督投下
「まったくよー、本スレの奴等、嫌いなSSならあぼーんするかスルーしろってんだよなwwwwww
ちったあ俺達を見習えよwwwwww
・・・ナニ? 提督投下? ぎゃあああああまたビッチ談義でスレが埋め尽くされるううううううううううう
お前らもっと叩こうぜえええええ 何? スルー? ここはお祭り好きな奴等の集まりだから良いんだよw」
以後ダラダラと「ぼくののうないのこんごよそうされるていとくのてんかいのひはん」×50
以降無限ループ
けど商人としては奥さんのほうが上という認識を拭えないんだな…
>>72 武器屋の売り物ダメにしたら
多分トルネコにものすごくふっかけられて
ギーシュのサイフが死んでしまうw
>>77 そりゃ一般人は数万ゴールドの武器防具は買えないからでしょう
金持ち相手用の高価な物とか自分用のすごい武器とかも持ってるんじゃないかな
あぶない水着とか持ってればオスマンに売り払うだけで金持ちになりそうな気がするw
>>86 みずのはごろもでオスマンに取り入るんですね、わかりますw
>>86 ロングビルは着てくれなさそうだし、オスマンが着るのかね?
ものすごいマジックアイテム?→フーケが盗む
使い方→身に着ける
装備する
あぶない水着を着たフーケ
>>86 確かにそりゃそうだ。納得であります。
>>90 変態だー!!(AAry
ものすごいってそういう意味かよ
姐さんなら、マチルダ姐さんならきっと着こなしてくれる!
まあ「妖精のビスチェ」みたいなマジックアイテムということで、需要はありそうだ
ここはあえてエレオノールさんが手に入れてバーガンディ伯爵に迫るという話を
>>94 むしろエレオノールさんには般若の面と茨の鞭をお勧めしたい
般若って中の人?
それはなのはさ(r
トルネコはデルフリンガー(封印)を手に取って見定めた!
「ふうむ、しゃべる剣というのは魔物以外でお目にかかったことがないのですが…見た目はボロボロに錆びた剣なんですが、頑強さは下手な鋼の剣より遥かに上ですね。
それに微弱ながら魔法を吸収する性質があるみたいです。しかし、これで金貨百枚は暴利でしょう。」
うろ覚えなので色々間違ってるかも…それはともかくトルネコの人GJ
>>90 オスマンが取り戻しに先頭に立って突撃する新手の展開へ発展ですね
わかりまs
>>99 ぶっちゃけオスマンってどれくらいの強さなんだろうなあ
メイジの実力を知るには使い魔を見ろ、の法則によればギーシュ以下なんだがw
>>100 大きければ強いわけじゃないさ。
きっとすごい能力があるんだよ
ヴェルダンデって超使えね?
地中高速移動とかゲッター2並に便利。
鼠はかなり強いと思うんだよ。
何でも齧るし、群をなすし、体内に病原菌持ってるし、あと著作権的にミッk
……おや、誰か来たようだ。
>>100 ねずみの寿命はせいぜい三年だから、あの使い魔と契約したのは結構最近ということになる。
つまり、昔はすごかったけど、今は老いて使い魔がネズミのレベルになっているなんて説はどうだろう?
使い魔を見ればギーシュのポテンシャルは半端ない
>>105 しかしそのポテンシャルを発揮する機会があるかどうかはわからない。
ポテンシャルという見方をすれば、オスマンは才能がなかったけど努力で上り詰めた人という見方もできるな。
>>100 何百年単位で生きる幻獣かもしれんぞ、あのネズミ
姉妹スレかどっかで実は韻竜だって設定があったな>ネズミ
>>106 1.政治力、家柄で学園長の地位を得た。
根回しや献金で学園長という要職をGET。或いは逆に、高貴な家柄だけど無能なので学園長という名誉職に。
2.研究者としては一流。
魔法の腕そのものは大した事無いが、研究の成果が認められて出世。
3.叩き上げの教育者。
一介の教師から始まり、勤続何百年のベテラン。年功序列で学園長まで登り詰めた。
4.実は世襲制
親から地位を引き継いだだけ。
>>106 オスマンは魔法の才能ではなく統率能力を見込まれ今の椅子に座っているという見方もできる
>>107 このスレで良く出る話だが、実はネズミの群れを率いる能力があって、
学院の宝物庫も、その中に誘き寄せた盗賊や中の確認を依頼された学園のメイドを
ネズミの群れの餌にするためのブラフというのはどうだろう。「わたしが学園長です」。
>>112 アルジャーノンなつかしいな
幾度となく全滅させられた
>>102 ゲッターっぽいヴェルダンデと石川タッチのギーシュ想像した
何故、オスマンの使い魔がネズミなのか
ネズミ、ネズミ、電気ネズミ、音速ハリネズミでもそいつらよりもっと強いアメリカの世界最強のネズミ
ま、まさかオスマンのあのネズミは!!
ねずみ…
実はあの黒耳鼠とか黄色電気鼠をもってこれるんじゃね?
ある意味最強だ。
オスマンは凄い強いという前提で
モートソグニルは
・実はすごい強いよ説
・実は鼠の群れだよ説(使い魔いっぱいいるよ説)
・実は鼠の王様だよ説(ハルケギニア中の鼠が言うことを聞くよ説)
・オスマンの繁殖力の高さを象徴しているよ説
本命は最後の。
実はメシエ星雲人が作ったネズミ型ロボット
フェイスチェンジの上位呪文でネズミに変身させてるけど、実はもっとすごい使い魔である、つーのをどっかで見た。
120 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 17:00:13 ID:G06wCqRS
ものすごい才能を単なるノゾキに使うのがオスマンクォリティ。
……単に覗きやすい使い魔が出てきただけじゃないのか?
実は韻鼠
つまりちゅうべえ親分
実はオスマンが使い魔。
ところで「おすまんが」と入れたら「♂漫画」と変換された。
♂って「おす」で出るんだなあ。
今まで「きごう」で入れてたよ。
実は太陽よりも強い雲よりも強い風よりも強い壁よりも強い最強のねずみ
ランドのネズミを舎弟に出来るくらいすごいネズミなんだよ、きっと
一見普通のネズミだが、
金の針さえあれば笛で世界中の人間を子供にする能力のある
らんらんるー♪似のピエロに変身。
トルネコで疑問に思ったんだが、鎖鎌って分銅を投げるよな?
鎌の方投げる使い方なんてあるのか?
それに鎌投げたのに鎖の先端を避けたとかあるし…
>>128 古流で鎖鎌の流派が残っているが、鎌を投げることが絶対に無いわけではない
かなり珍しいけどね
「口にするのもはばかられる」使い魔とは、もしや…
あのネズミが実は超高知能生命体だったとか
しかし、その記憶容量の多くは女性の着替えや下着、入浴姿で占められていて
ゆえに、いつ自分のエロ画像が放流されるかと恐れた人たちが、口にするのもはばかられると
>>124 そういうのはわりとあるよ。
△も三角で出るし、□も四角で出るし、○もまるで変換してったら出る。
☆もホシで出る。
変換機能はわりと融通が利くんだ。
動物召喚系だと、流れ星銀…じゃなくて雅武はどうだろうか
>>128 ドラクエ世界の鎖鎌って、現実の世界のそれとはかなり異なる形状だったような記憶がある…。
昔見たドラクエVかそこら関係のイラストで。
具体的にどう、とは言えんが。
そろばんを武器にしてしまう様な世界なんだ。
鎌も投げられる様になってても不思議じゃないさ。
>>128 聖剣伝説(元祖)でも、鎖鎌の鎌の方を振り回して攻撃してたな
これで草刈りが楽しかった
>>134 たしか、柄の端っこに鎖がついてるんじゃなかったか?
本当は鎌の根元のところについてるんだよな。
刃牙の死刑囚の人も紐をつけた鎌を振り回してたな、そういや。
伊賀の影丸では投げるのは分銅で、鎌の方は振り回してたな。鎖の長さゆえ、振り回すのも難しいらしい。
>>131 ああ、「おす」ってのに気付かなかったんよ。
「おとこ」とか「かせい」とか入れて出なかったんで。
考えてみりゃ、「オス」って気付かなかった自分が不思議だ。
すこし疑問なんだが、ハルケギニアの世界って乗馬以外のスポーツってなんかあるのかな?
古代ローマだかインドだったかでは、肉体労働は奴隷に任せっきりで、醜く肥太った体をなんとかするためにスポーツが流行ったと学校で習った気がするが、ハルケギニアも肉体労働とかは平民に任せっきりだよな?
フライなんてめちゃんこ便利な移動手段が、初歩の初歩魔法の世界だし、運動とか全くしない貴族が多くてもおかしくないと思うんだけどな・・・
それとも、大物っぽい食事をするのが貴族のつとめみたいに、キッチリした体型を維持するのも貴族のつとめなんだろうか?
ローマ引き合いに出すなら
市民と奴隷はわけて考えとけよー
魔法が使えるのは貴族であり、またそれは遺伝する。
ひょっとして、貴族はより多くの食事を食べても太らない体質なのかもしれない。
というよりも、多く食事を食べると太ってしまう貴族は、すでに生活習慣病で絶えてしまい、
太りにくい体質の貴族だけが残っているとか。
>127
ちゅら ちゅらちゅらちゅらちゅらら〜 ちゅら ちゅらちゅら ちゅ〜ら〜ら〜 ヘイッ!!
ボンッ!?
ルイズ「ふ、ふええええ〜〜ん」
こうですか?
魔法が大量のエネルギーを消費するとか。
設定考察スレで聞いてみたら?
昔ドラクエ関連のイラスト(出版元は集英社?)で鎖鎌が
『三日月型の刃の中央に鎖がついている』タイプだった
以下が詳しい形状
(−--=
みんな胃下垂でFA。
というのは冗談で、乗馬っていうのも結構体力使う。
ギーシュがケティとのデートでラ・ロシェールまで遠乗りしてるから
他の貴族もデートで遠出してそう。
マリコルヌが学院では例外的に太ってるのも、女の子とデートできないから
馬に乗る必要がない=デブという事かもしれん。
貴族は剣術とか馬術で身体を鍛えるもんなんじゃね?
>>142 魔法を使ったバスケっぽいスポーツならあった。
手を使わずにボールを操ってかごに入れるやつ。
>>150 フライで簡単に空飛び回れる世界で、いちいち馬に乗ることにどの程度の実用的意味があるんだろう…
マゾコルヌとかタバサの冒険に出てきた不登校とか>ぽっちゃり
それはさておきスポーツと言う事ならテニスやフットボールやゴルフは存在しててもおかしくない(15,6世紀には既に存在した)。
後は水泳とか陸上競技とかボーリングとかか? ゼロ魔世界だと剣術や弓術は「下賎の技」だろうし。
剣術は平民のものだから、貴族とは縁がないな。
フライやレビテーションなどの移動系の魔術も、消耗するのは
精神力だ。
デートの場合、せっかく出かけたのに精神的に消耗しては
楽しめないから馬なんだろう。
朝食からして豪華だという話しだし、本当に不思議だ。
食物に含まれるカロリーが地球より少ないのかな?
>>152 やっぱずっと飛んでると疲れるんでしょ。
自転車をこぐ程度には疲れるとか。
で、馬はバイクと思えば需要はある。
それよりも、あのミニスカで平気でフライをする学園女子に問題が……
普通、ブルマとかスパッツで防備しそうなものだけど、見せパンすら……
やっぱり、見られることを意識して下着のオシャレにも凝っていたりするのだろうか。
飛んでる時他の呪文使えないんだったけ? それに飛べる速度もそう大したもんじゃかったはずだから……
フライは長距離は飛べないだろ。
学院からトリスタニアに行く時、竜なり馬なり徒歩なり、
とにかく貴族でもフライ以外の手段で移動しているのがいい例だ。
そういえば、格闘術はどうなんだろう?
日本の場合は戦場での組討のために柔術が発達したし、
古代ローマではボクシング+レスリングであるパンクラチオン
は貴族も身につけたらしい。
ヴァリエール流蹴撃術の名乗りとともにサイトを蹴り飛ばすルイズが見えたw
この手の話題は、設定・考察スレ向きだと思うが、どうか?
ワルドは体術も身につけてたから、案外あるかも知れん>格闘術
そしてビダーシャルに「お前のいる地点は我々が4000年前に通過した場所だっ!」と言われて崩れ落ちるんだ。w
>>161 克己=ワルドと烈=ビダーシャルか
メイジとエルフよりはるかに差が縮まったはずなのに勝てる気がしない! 不思議!
最近ジョゼフ×ルイズものに興味があるんだが、こりゃIF向きかな……
しかし使い魔同士が恋人とかだったら、いけるかも
長距離でもフライ>馬なら
ギーシュもアルビオンに行くときに
フライで飛んでくでしょ
タバサがデブになったら困るじゃないか
オレが
つうかワルド、ライトニングクラウドなんて見るからに大技を斬り合いの最中にほとんど隙なく詠唱済ませるって
どんだけ早口なんだか
立ちスクリューみたいにコツがあるんじゃないか?
実は頭の後ろにもう一つ口があって、前の口と同時に唱えていたのでは?
メイジの訓練法の一つが早口とか?
1.プレキャスト(呪文の大半をあらかじめ唱えておいて最後の一語を唱えれば発動するようにする)
(ファイナルセーラークエスト)
2.単語の繋がりを利用(呪文の最後の単語と次の呪文の最初の単語が同一ならば省略できる)
(ガンパレードマーチ)
3.呪文を唱える脳半球が三つある
(ブライトライツ・ホーリーランド)
よくあるのが口頭で詠唱、特定の効果を持つアイテムを作る、複数人で一つの魔法を使う儀式を行う、詠唱を代行するアイテムを使う。
あのおヒゲが常に静電気を帯電しており、ライトニング・クラウドの詠唱簡略化に成功している
>呪文の最後の単語と次の呪文の最初の単語が同一ならば省略できる
ガンパレより、DMCを思い浮かべてしまった
風のスクウェアスペルにフェイスチェンジがある。
きっとワルドはそれを使って髭の下に第2第3の口をつくって、多重詠唱をしているんだ!
・・・って、>171といっしょやん
シンガー(詠う者)を移植すればいいのさ
伯爵級以上なら簡単でしょ?
遍在+二人羽織で頑張っている可能性を示唆。
>176
残念ながらワルドは子爵級だ。
シンガーは持ってない。
うーん、トルネコはトルネコ一家の冒険記のイメージが強いからしかっりもののトルネコがしっくりこないというか何と言うか
まあ誰もトルネコ一家の冒険記なんて知らないだろうけど
風で音を圧縮しているのだッ!とかわけのわからないし意味があるのかわからん方法で騙されたい。
「貴族とは詠唱を噛まない者のことを言うのよ!」
釘宮、猪口、日野、堀江、川澄、桜井、高橋…退場
結局、最後に残ったのは青野御大と能登だけでしたとさ
呪文を唱えたら即座に発動するわけじゃないとか。
エアハンマーを唱えてもすぐに風が出るわけじゃなく、唱えたら好きなタイミングで発動させられるとか。
格闘ゲームのディレイと同じような感じで。
>>183 あっ、そっちか。てっきりバスタードの方かと思ってた
魔法衛士とか、魔術も武器戦闘もこなせて一流って見方があるから、
少なくとも軍人については体を動かすこともできなきゃダメ、って認識
はあると思う。
で、この世界は軍人が尊敬されてる世界だし、従軍は貴族の義務的
な感じだから、軍事訓練を積んだメイジは多かろう。
杖を使った体術(ブレイドの使用含めて)は貴族なら身につけてない
方が珍しいんじゃないか?
ここで烈風のカリンはヴァリエールに嫁ぐことで等級を上げ、力を得たんだと言ってみるテスツ
>>186 つまり貴族=魔族と…ハルケギニア終了のお知らせ。
>171
ノタリコンでも使ってるんじゃない?
ルイズが召喚呪文アレンジしてたことからすれば、魔法ごとに規定の呪文を唱える必要があるわけじゃなくて自分は今からこういう魔法を使うんだって認識できればいいっぽいし
カリンさんが隊長になったのは、実は公爵と釣り合うだけの地位、名声を手に入れるためだったのだと妄想してみる
思わずルイズがペタリコンになるところを想像した
>>188 まったく関係ないんだが、ノタリコンがペタリコンに見えた。
これがどういうことかと言うと、オールド・オスマンやら博士の淫望によって
PETALIスーツを着たタバサとかルイズの絵がd
(爆殺されました)
PETALIスーツは第3話の布地面積最小版が至高だと思う。
終盤の紐スーツもいいものだが。
取りあえずペタリコンとはなんぞや?とググってみた
…このロリコンどもめ!
魔法衛士隊とかは劇団員や声優みたいな発声とか滑舌良くする練習はするんだろうな。
>>181 駄目だ、猪口と聞くと、プリン中毒古典教諭が思い浮かんでしまう
タバサ「プッ(ボヨン)ンプリンの邪道です」
キュルケ「ちょとぉ…あなたプリンしかないの!?」
>141に呼ばれた様な気がした 呼んでない? 呼んでない! そりゃまた失礼しました
ちゅうことで第5回目、11:15分ほどから投下させて頂きます
マンガ雑誌で言う所の2P〜4P程度のおまけマンガみたいなものです
とりすていん大王 五回目
「おとうさん、街に行きませんか?」
ルイズのこの提案でお父さんと愉快な女生徒一同はトリステインの城下町にお買い物にいく事になりました
メンバーはいつものルイズ、キュルケ、モンモランシー、ケティ、そしてお父さん、
人数が多いので馬車を借りて出発しました
「あら?キュルケ、タバサはどうしたの?」
「なんか、バイトだって」
その頃、ガリアでは・・・・・・・・・・・・・・
「おおっとーーなんとコレでもう15皿目!!一体どこに入っていってるんだぁ!?」
ガリアで一番大きいと評判の酒場主催の大食い大会は異様な熱気に包まれていました
もの凄い勢いで料理を食べまくる茶色な長髪に日焼メイクの小柄な女の子、
そしてその女の子の親衛隊らしきお揃いのピンクの半被を着た一団が発する奇声
「「「L・O・V・E ラブ!! ギャルタバー フー」」」
この謎の女の子はギャルタバと言って、ガリア大食い界のアイドルなのです
「優勝はギャルタバー!!」
司会が勝利者を名乗り上げるあげると親衛隊の一団が一糸乱れぬ見事な歓喜の舞を踊ります
「いやあ、実に見てて気持ちがいいね、カステルモール副会長」
「いやあ、本当に可愛いですよねぇ 公務をさぼってきたかいありましたね、ジョセフ会長」
お前ら、真面目に仕事しろ
ちゃらああらあああ〜(場面が転換しました)
「今、どこかの機械生命体の場面転換ような音がした気がするわ」
「きのせいだろう」
一旦、ルイズとお父さんはみんなとわかれて、町の裏路地に入っていきます
その理由は、お父さんが武器屋さんに武器を買いに行こうと言い出したからです
「でも、お父さんは武器は必要ないんじゃないですか?」
ルイズの言う事はもっともです、お父さんは武器なんかなくても確かに強いのですから
「なに、私が使うんじゃない ギーシュ君の特訓に使うんだよ」
どうやらお父さん、前回、お父さんに修行に連れて行かれたギーシュ君の特訓用の武器を買うようです
そうこうしている内に武器屋さんに辿り着きました
投下予定11:15って言ってたけれども支援
「貴族様、うちは・・・・・」
「「まっとうな商売をしている、とお前は言う!!」」
ドドーーン
まぁ、そんな訳で早速店内を物色し始めた二人です
練習用の武器なのでそれ程高くない剣のコーナーをお父さんは見て回り、
ルイズは武器屋そのものが珍しいのか店内中を色々と見て回ってました
ふと、お父さんは一振りの剣を手に取って、じっと見つめます
穴が開くほどにじっと見つめます
見つめます
みつめ・・・・・
「だぁああああ!!何か言えよ!!この野郎!!」
ついに根負けしてしまったデルフリンガーが何故かお父さんに気に入られてギーシュ君の元に送られていったのでした
ちゃらああらあああ〜(場面が転換しました)
「今、どこぞの機械生命体の場面転換のような音がした気がするね」
「たぶん、気のせい」
ここはガリアの王宮の一つ、プチトロワと言います
今、ここではこの国の王女、イザベラ様とタバサちゃんが向き合ってました
「さて、来週のスケジュールだが・・・・握手会にぴ○(ガリア版)のインタビューがあるからサボるんじゃないよ」
タバサちゃんは黙々とメモを取って、王女様に一礼すると部屋を出て行こうとしました
「ちょっと待った、あとついでだが、最近ラグドリアン湖の水位が上がってるらしいから調査してきな」
「解った」
そう言って今度こそタバサちゃんは王宮を後にしたのです
ちゃらああらあああ〜(場面が転換しました)
「今、どこかの機械生命体の(以下略)」
「キュルケ、疲れているなら休んでもいいわよ?」
こちらは女の子三人でお買い物をしていたキュルケご一行、
キュルケの手にはいっぱいの紙袋が、モンモランシーはお父さんから貰ったお小遣いで秘薬の材料を買っていたようです
そこにお父さんとルイズもやってきました
「あ、お帰りなさい」
「やぁ」
そろそろ夕方みんなそろった所で、馬車に乗って学院に帰る事にしました
「そう言えばお父さん、秘薬屋で噂を聞いたんですが・・・・」
モンモランシーが聞いた噂、それはラグドリアン湖の水位が上昇していると言う噂でした
「そう言えば、モンモランシーの家って代々水の精霊との交渉役だっけ?」
ルイズの言葉にモンモランシーが頷いて肯定します お父さんも頷きました
「うむ、しかし私もいい歳だからモンモランシーが大人になるまで他の人に代役を頼んだんだよ」
その頃、魔法学院にお父さん達とは違う一台の馬車が向かってました
とある問題ごとを抱えてこの馬車が到着したのはちょうどお父さん達が乗ってる馬車が学院に到着したのと同時だったのです
続く
今回はここまで・・・・・あれ?
あ、しまった素で一時間間違ってた・・・・・・・・ごめんなさい 今、11時だと思ってた
投下乙です。
>>201 雑談中なら投下前に注意喚起しとく所だけど、
人が誰も居なかったので素で流しました。orz
乙です
なあ、やっぱりとりすていん大王ってギャグものじゃね?
水の精霊×お父さん
に気体したいっす!
何度も使い魔召喚に失敗して、ただ一人残され召喚儀式を続行するルイズ、既にとうに日も暮れ
腹も減って涙ぐむルイズ、そこへ…
「そんなに泣いてどうしたの?お腹がすいているんだね、僕をお食(ry
でもメンテ及び備品交換が常に必要な使い魔だから無理か
ロールパンな妹のほうはどうだろう?
常に単独行動でメンテいらずっぽいし、ルイズとツンデレ同士だし
姉属性×妹属性で案外…
いや、それはマルトーに頼めば大丈夫でしょう
シエスタがバタコさん役か。
チーズは……シルフィード?
>>207 問題はあんこが無いとアンパンマンとは呼べない
ハルケギニアに小豆があるのだろうか?
栗あんでもパイ生地でもどうにかなるんだが果たしてあずきがあるのか…
>>206 >メンテ及び備品交換
パンはあるだろうが問題はアンコか
小豆が無ければ、ほかの豆で代用できないかな
そこでシエスタが「あんこなら私の故郷にありますよ」と言い出すのが自然の流れ
大豆はあるけどな
小麦がなくて蕎麦粉で代用したこともあったから
同じ顔だったら
色と中身が違ってもおkかもな
確か原作でもクリームで代用したことあったけど、弱かったんだよな、その状態だと
もうメロンパンマンでいいよ
アンパンマンは多少弱体化して良いんじゃないかw
もとのまんまだと廚火力過ぎないか
>>221 馬鹿!
それじゃ、メロンパンナと被るだろ!!
焼きそばパンとかどーよ。
さらに難易度高いだろうw
もうホテルブレッドパンマンでいいよ
>>222 何せ大気圏突入して全身炎に包まれた&高速で飛んでる体であんパンチ繰り出すくらいだ
火力と耐久性が半端ない
そこでハシバミ草ですよ
だけど水とカバオには弱い
火力と耐久性が半端ないのに、水にぬれるとだめとかw
>>227 そういえば、アンパンマンて自力で宇宙までいけるんだよなw
探せば出てくると思うけど、
アンパンマンの頭のヴァリエーションは意外に多い
頭を変えると性格が変わったり必殺技の名前が変わったりする
そういえば頭が大きくなるとパワーも上がるんだっけ?
ソラマメがあれば、鶯餡が作れるよ。
グリーンピース(大豆)でもやってやれないことはない。
中の具がない場合はどうなるんだっけ
タネが無いだけにオカマになる
厳密に言うと、アンパンマンの頭の餡には「勇気のしずく」が入っている。
クリームパンマンではヘタレて戦えなかった。
蹂躙SSか
1000機のB-52が空を覆い
1万の戦車が地を掛け
100隻の戦艦が海を往く
そんなSSを読みたい
>>234 グリーンピースは駄目だろ
あいつら中絶医頃したり動物実験やってる製薬会社に放火するようなやつらだから
鯨肉強奪したりするしな
それ別のグリンピースじゃあ・・・
>>239 似たようなもんならあるがな、未来の日本がハルケギニアに召喚、っての。
ハルケギニアヘイトで、貴族主義=悪という思想でメインキャラを洗脳する主人公。
まあ、ゼロ魔とは無関係な作品だから気にすることは無い。
グルジア共和国(南オセチア除く)を比較的平和なハルケギニアに召喚
現代中国をハルケギニアに召喚して魔法で蹂躙する話をだな
ていうかwiki見たら焼きそばパンマンいたしw
アンパンで思い出したんだが、昔フランスの「ミシェル・ノートルダム」という人物が書いた『化粧品とジャム論』という本の中で、小豆のジャムのレシピが出てくる。
この本は1555年出版なので、これより未来のヨーロッパをモデルにしたハルケギニアに小豆がある可能性は否定できない。
因みに正式なタイトルは
『若干の魅力的な処方についての知識を得たいと思う全ての人々にとって優良かつ大変有益な二部構成の小論集。
第一論文は顔を麗々しく、一層美しいものにするための美顔料や香料の作り方。
第二論文は目次で多く言及されている通り、蜂蜜、砂糖、濃縮ワインなどをたっぷり使ったいくつかのジャムの作り方の手ほどきを示すもの。
プロヴァンス州サロン・ド・クローに住む医学博士ミシェル・ド・ノートルダム師が新たに編纂し、新しく公刊されたもの』
という。長いな。
日本じゃ予言しか有名じゃない人だが、本職は医者なのだ。
>>245 多分これ
ttp://blog.goo.ne.jp/sppw6739/
今まで呼び出された中で最強って誰だ
ルイズやハルケギニア滅ぼそうとしていないやつで
小ネタ長編それぞれで
記憶が正しければ、春巻なアンパンマンが居たはず
ギーシュが決闘で負けたりワルドの腕が切断されたりするのってヘイトじゃね?
風来のシレンよりシレン召喚
>>248 中学の時に何故か図書室にノストラダムスの万能薬なんて本があったの思い出した
あれには確か象牙を原料にした練り物を使って歯の欠損をどーたらってのが書かれてたんでひょっとしたらハルケギニアにも似たような虫歯治療が確立してたりしてな
火炎魔法を廻し受けでかき消し
ゴーレムや氷柱を拳で叩き壊していく
そんな独歩が活躍するSSがみたいw
まあデルフはワルド戦で避雷針がわりにしか使ってもらえ無そうだが・・
>>249 「どんな者だろうと人にはそれぞれその個性にあった適材適所がある
王には王の・・・・・・料理人には料理人の・・・・・・それが生きるという事だ
使い魔も同様『強い』『弱い』の概念はない」
「質問が悪かった・・・・・・子供が遊びで話す
『スタローンとジャン・クロード・バンダムはどっちが強い?』そのレベルでいいよ」
「『ご立派様』と呼ばれる使い魔が最も『強い』 だが手にあまる」
スレイヤーズから召喚されたら
デルフ・刃物フェチのねーちゃんに舐められて幸せ
教皇・ヴィンが、近所の家畜を手なずけてはうっぱらって頭いたい
ジョセフ・賢者と名乗るトロい生き物。役に立たずに陰謀失敗
ティファ・胸が標準だと思う。後性格が変わる
高笑いするテファとか嫌過ぎるぞ
じゃあ高笑いするイザベラと正義を謳うタバサで
>>259 それだとジョゼフが王子のままだったりしないか?
前スレでヤンデレシャルルを投下させて頂いた者ですが、
よく見たら誤字脱字だらけ(ハズカシー)
直してタイトルも変更したんですが、
投下し直したらダメですか?
内容が同じなら容量の無駄なので止めてください。
オチを知ってるモノを二回読むのは正直苦痛です。
内容まで新しくなっているようならぜひ投下してください。
>>261 んー、wikiの人にコメント欄か何かで言えばいいんじゃないでしょうか。
ここのwikiがどういうまとめ方式なのかよく知らないので的外れだったらごめんなさい。
>>261 You纏めサイトで直接直しちゃいなyo!
ちなみにここのwikiは自分で編集できます。
自分で誤字脱字を修正して、避難所の運営スレでタイトル変更を依頼すればいいよ
>>254 「火炎魔法を廻し受けでかき消し」ってのをみて
超電磁空手の刀耳を思い出した
そういえばヤンデレシャルルはまだ登録されてなかったな。
けど自分の作品を自分で登録するのはな。登録されない取り残しがあったらどうすればいいんだろう。
あと前前スレまで合わせたらゼロガーとウルトラ5番目もまだだが。
どのみち携帯住人の俺はどうにもできない。
270 :
蒼い使い魔 :2008/08/10(日) 01:50:32 ID:9/13iL6m
はぁ〜い、とりあえずアルビオン編の導入部分だけできたので投下しまする。
まぁ、そのなんだ、夢とフーケ脱獄までだけどさ…
中途半端だけどさ…許してね…
2時からいきます
何!?
俺を寝かせないつもりか!!
ルイズは夢を見ていた。まだ小さい頃、トリステイン魔法学院に行く前の頃の…。
「ルイズ、ルイズ、どこに行ったの? ルイズ! まだお説教は終わっていませんよ!」
ルイズは、生まれた故郷、ラ・ヴァリエールの屋敷の中庭を逃げ回っていた。
騒いでいるのは母、追ってくるのは召使である。理由は簡単、デキのいい姉達と魔法の成績を比べられ、
物覚えが悪いと叱られていた最中逃げ出したからだ。
「ルイズお嬢様は難儀だねえ」
「まったくだ、上の2人のお嬢様は魔法があんなにおできになるというのに」
召使達の陰口が聞こえてくる、ギリと歯噛みしルイズはいつもの場所に向かう。
そう、彼女の唯一安心出来る場所、『秘密の場所』と呼ぶ中庭の池へと。
あまり人が寄りつかない、うらぶれた中庭。池の周りには季節の花が咲き乱れ、小鳥が集う石のアーチとベンチ。
池の真ん中には小さな島があり、そこには白い石で造られた東屋が建っている。
その小さな島のほとりに小船が一艘浮いていた。船遊びを楽しむ為の小船も、今は使われていない
そんなわけで、この忘れられた中庭の島のほとりにある小船を気に留めるのはルイズ以外誰もいない。
ルイズは叱られると、いつもこの中に隠れてやり過ごしていた。
予め用意してあった毛布に潜り込み、のんびり時間を過ごそうとしていると……
一人のマントを羽織った立派な青年の貴族が、ルイズの小さな視界に写りこむ。
年は大体十代後半、このルイズは六、七歳であるから、十ばかり年上だろうと感じる。
「泣いているのかい? ルイズ」
つばの広い帽子に顔が隠されても、ルイズは声でわかる。子爵様だ。最近、近所の領地を相続した年上の貴族。
「子爵様、いらしてたの?」
「今日は君のお父上に呼ばれたのさ。あの話のことでね」
「まあ!」
それを聞いてルイズは頬を赤く染めうつむく。
「いけない人ですわ。子爵様は……」
「ルイズ。ぼくの小さなルイズ。きみはぼくのことが嫌いかい?」
おどけた調子で言う子爵の言葉にルイズは首を振る。
「いえ、そんなことはありませんわ。でも……わたし、まだ小さいし、よくわかりませんわ」
そんなルイズに子爵はにこりと笑い手を差し伸べる。
「子爵様・・・」
「ミ・レィディ。手を貸してあげよう。ほら、つかまって。もうじきパーティが始まるよ」
「でも・・・」
「また怒られたんだね? 安心しなさい。ぼくからお父上にとりなしてあげよう」
ルイズはその子爵の手をとろうとする。
雨が、降り始めた
「(あら…?雨…?)」
雨が降り始めるのと当時に、一陣の風が吹き、貴族の帽子とマントが飛んだ。
帽子とマントがなくなり、覗きでてきた顔と姿を見て、ルイズは思わず驚きの声をあげる。
オールバックの銀髪に氷の様に蒼いコート、手はさしのべられておらず、左手には閻魔刀を握っている。
「なっ…なっ…なんでっ!?なんであんたが…」
そう、子爵だと思った人物はいつのまにかルイズの使い魔、バージルにすり変わっていた。ルイズも元の十六の今の歳の姿に戻っている。
だがいつものバージルとは様子が違う、顔はいつものように仏頂面だがいつも以上に恐ろしい雰囲気を纏っている。
「ひっ…」
思わず声にならない悲鳴を上げる、当のバージルは目の前のルイズの存在が目に入っていないように遠くを見ていた。
「来たか」
バージルは小さく言うと静かに後を振り返る、
「全く大したパーティだな」
バージルの振り向いた方向から声がする
「酒もねえ、食い物もねえ―おまけに女も逃げちまった」
その声のする方向をルイズが見るとバージルとは対極な血のように赤いコートを羽織った男が立っていた
「(―えっ…?バージルが二人!?)」
男の顔はバージルと髪形こそ違えど瓜二つ、ルイズは二人の姿を交互に見比べる。
「(まさか…バージルの弟…?)」
「それはすまなかったな…気が急いて準備もままならなかった」
「まあいいさ、ざっと一年ぶりの再会だ、まずはキスの一つでもしてやろうか?それとも―」
赤いコートの男は手に持った銃の様なものをバージルに突き付け言い放つ。
「こっちのキスの方がいいか」
二人の間に一触即発の雰囲気が流れる、その恐ろしい空気にルイズの全身に鳥肌が立つ、ここにいたくない、でも動けない。
「…感動の再会って言うらしいぜ、こういうの」
「―らしいな」
そう言うと閻魔刀の鍔を押し上げるバージル
「(いやいやいや!ぜんっぜん感動的じゃないわよ!)」
ルイズの心の底のツッコミは二人に届くはずもなく、
二人の殺し合いが始まった。
いつの間にか、ヴァリエール家の屋敷の秘密の場所から手を伸ばせばなぜか一つしかない月にまで手が届きそうな塔の上に切り替わっていた。
凄まじい速度と威力で打ち合わされる剣と剣、男が両手に持った銃を撃てばバージルはそれを閻魔刀で受け止め斬り飛ばす。
人間の戦いではなく、悪魔の戦い。二人の顔は、兄弟同士で殺し合っているにもかかわらず、どこか楽しそうに、そして、どこか哀しそうに笑っていた。
「ダンテェェェェ!!!!」
「バージル!!!!」
二人はお互いの名を叫び切り結ぶ、二人の剣が打ち合わされる度に、火花とすさまじい力が流れてくる。
場面が、切り換わる、ここは河だろうか?だが何かが違う、空気が淀んでいて禍々しい雰囲気
魔界、そう呼ぶに相応しい場所だ。
それでも二人の戦いは続いている、ルイズはただ呆然とそれを見ることしか出来なかった。
「そんなに力が欲しいのか!?」
ダンテと呼ばれた男がバージルに向かって叫ぶ
「力を手に入れても父さんにはなれない!」
「貴様は黙ってろ!」
バージルが手にした大剣で斬りかかる、ダンテも同時に大剣を振りおろす、
その剣は打ち合うことなく、お互いの剣を手で受け止めていた。
「俺達がスパーダの息子なら…受け継ぐべきなのは力なんかじゃない!」
二人の手に力がこもる、
「もっと大切な―誇り高き魂だ!!」
ダンテがそう叫ぶのと同時に二人は距離を取り睨みあう
「その魂が叫んでる―あんたを止めろってな!!」
―ハッハッハッハ!バージルの笑い声が木霊する
「悪いが俺の魂はこう言ってる―もっと力を!」
「双子だってのにな…」
「あぁ―そうだな」
二人の悪魔がぶつかり合う、誇り高き魂を持つ赤い悪魔が、何よりも強い力を求める蒼い悪魔が
父への誇りを胸に、己の魂の叫びに従い剣を振う。
それは心から憎しみ合うというより、仲のいい兄弟げんかにみえた。
そして、決着がついた…。
ダンテが剣を振うのを待つかのように剣を振るったバージル、致命傷を負い手から落ちる父の形見の大剣と母の形見、
そして手に取ったのは…母の形見のアミュレット…
「バージル!!!!」
ルイズはそれを見て心の底から声を上げる、だが彼らに声が届かない。
「これは渡さない…これは俺の物だ…スパーダの真の後継者が持つべき物―」
そう言いながらバージルは後ろへと後ずさる、それ以上進めば深い闇へと落ちてしまうだろう。
それを止めようとダンテが駆け寄ると、バージルは閻魔刀を抜き放ちダンテの喉元へと突き付ける。
「お前は行け…!魔界に飲み込まれたくはあるまい…、俺はここでいい、親父の故郷の…この場所が…」
そう言うと最後まで兄を救おうと手を伸ばすダンテを拒否するかのように手のひらを閻魔刀で斬る、
そのままバージルは深い闇の中へと堕ちて行った。
「バージル!バージル!!」
ルイズは涙を流しながら淵から闇の中を覗き込む、だがそこにはもう見渡す限りの闇しか見えない
「よくもっ!よくもバージルを!あんた!バージルと兄弟なんでしょ!?双子なんでしょ!?この悪魔ぁッ!」
そのままダンテを睨むとすぐさま飛びかかった、だがダンテの身体にぶつかることはなく、そのまますり抜けて転んでしまった、
転んだままダンテを睨むルイズ、だがその目に飛び込んだものは
「…泣いてる…の?」
ダンテが泣いている、兄を救えなかった、家族を想う涙。
「悪魔が…泣いている…」
「はっ!!」
ルイズがベッドから飛び起きる、あたりを見渡せば、そこはもはや見慣れた寮塔の自室だった
目がしょぼしょぼする、どうやら夢を見ながら泣いていたようだ…。
「(あの夢って…)」
ぼんやりとだが懸命に先ほどみた夢を思いかえす、もはや最初の子爵のくだりなどどうでもよい。
あの夢ではバージルは最期、兄として魔界に散った、もしかしたら心のどこかで弟に止めて欲しかったのかも知れない…
「バージル…?」
夢に出て来た己が使い魔の名を呼び、あたりを見渡す
そこには窓辺に立ち外を眺めるバージルの姿があった、
その姿を見て安堵のため息をつく、
「どうした…」
こちらを見ずにバージルは言う
「その…あの…変なこと…聞いていい?」
「なんだ」
「家族を想うことってある…?」
「っ…」
バージルの目が一瞬だが優しくなった、すぐに元の仏頂面に戻ってしまったが
「…なぜそんなことを聞く」
「あ…う…その…ごめん、忘れて…」
「フン…」
そう言うとルイズはベッドに潜り込み目を瞑る
「(家族を想い涙をながす悪魔…バージルもきっとそうなのかも…)」
一瞬見せたバージルの優しい目、それが強く印象に残った。
一方その頃、フーケが囚われているチェルノボーグの監獄
「うぅっ…女の命である髪の毛をっ…よくもっ!あの使い魔め!」
牢屋の中ではフーケが悪態をついていた。
バージルに反吐が出るほど強烈に腹を殴られ、しかも気を失ってる間に
髪の毛まで毟り取られたのだ、頭の一部分が心なしか薄くなっている。
「なんとかしてあの使い魔に復讐してやりたいもんだけど…これじゃもう無理かねぇ…」
そう呟くとため息を吐く、ここから脱獄しようにも杖がない為魔法も使えない。
使えたとしてもあの宝物庫よりも強力な固定化がかかっているこの牢獄に自分の錬金が通用するはずもない。
あきらめて今はもう寝よう、そう考え横になる、するとコツコツと誰かが近づいてくる音が聞こえる。
見回りの看守の足音にしては妙だ。
現れたのは白い仮面をかぶった貴族の男だった。
「『土くれ』だな?お前の願い叶えてもいいぞ」
「聞いてたのかい、もうすこしマシな趣味をもちな」
男はそのまま両手を広げて敵意のない事を示す。
「我らに仕えて欲しい。マチルダ・オブ・サウスゴータ」
「…っ!!」
かつて自分が捨てざるを得なかった名、それを耳にしフーケは言葉を失った
「何が目的だい…」
「なに、革命を起こすのさ、アルビオンにな。その為には優秀なメイジが欲しい。協力して欲しいのだがどうかね? 『土くれ』よ」
「随分ペラペラと喋るんだね? 私が断らない理由でもあるのかい?」
「もし断ったら―――」
「分かってるわよ、どうせ殺すんでしょ?」
フーケが割って答える。仮面ごしではあるが、恐らく笑ったであろうと感じた。
「さぁ、どうする?」
「乗ったわ、あの使い魔の男に復讐してやる!…っと、その前に、その組織の名前を教えてくれないかい?」
フーケの問いに白仮面の男は鍵を開けながら答えた。
「レコン・キスタ」
277 :
蒼い使い魔 :2008/08/10(日) 02:05:23 ID:9/13iL6m
と、いうわけでここまでです
はげしいバレだけど、ネタとして、ごめん…
よーし、ワルドきゅんの活躍をかんがえちゃうぞー^^
蒼い人、乙
ワルドがいくら頑張ってもそもそもの実力が・・・
楽しみにしてますね
前にここで長編SSを投下したけど誰もWikiに登録してくれなくて
凹んで心が折れたぜ……
投下したスレの番号と作品名を述べよ
避難所で相談すれば受け付けてくれるかも知れぬぞ
オレは寝る
俺も寝る
もうワルドは人修羅がマサカドゥス手に入れて
入らなくなってその辺に捨てた勾玉飲み込んで悪魔になるしかないな
メガテンとDMCはクロスしてるし設定的にそんな無理じゃない・・・ハズ
え?メガテンにクラウザーさん登場すんの!?
>>262〜
>>269 皆さんありがとうございます。
とりあえず避難所へ・・・と思ったけど避難所開けない・・・・
自分でwikiへ登録するのはアリなのでしょうか?
問題ないと思う
他人の振りして登録するのも勿論アリw
バージルの人乙です。おマチさんはやまるなー!そっち行っちゃラメー!
連投スマヌ。吊ってくる。
|
〇
λ...
>>286 了解
自分で登録してみます。
とりあえず、誤字修正のついでに追加エピ入れてみたらますますヤンデレ成分増加しまくり。
お暇でしたら見てください。
メガテンとDMCってクロスしてるのか? マジ?
真女神転生Vノクターンマニアクスでダンテ登場
一瞬メガテンにクラウザーさんが出てるのかと思ってビビったじゃないか!
あやまれ!とにかくあやまれ!
ヘルズエンジェル(暴走族)やマタドール(闘牛士)もいるんだからクラウザーさん(ロッカー)がいてもおかしくはないな
そういや今度出るライドウの新作の限定版にマニアクスクロニクルエディションとやらがついてくるな
DMC3>>乙です
塔の頂上の一回目の決闘シーンはかなり痺れた記憶があります
マジで格好良かった。と言うか、素敵
塔での戦いはそうでも無かったですけど、最後の兄弟喧嘩は正直死に掛けた覚えが
魔人化したバージル本気で強いんですもんT T
以上、PC版DMC3SEを手に入れたは良いがスペック的に無理で糸色望した者の感想でした
ライドウはアトラスのキャラだから今度は何度でも再販できるな
>>288 避難所開けない・・・・・
とりあえず報告
「ゼロの傀儡人形」で小ネタに登録しました。
推敲して45分より投下します。
なんと言うか今更ながらやりすぎな気もする第10話。
ペルソナ4のネタバレ全力全壊ですので、未クリアの人ご注意ください。
298 :
ノラミイカチ:2008/08/10(日) 04:25:13 ID:84d8eMaX
今回、私、平賀才人は休憩中にエルフであり、生徒であるテファニアさんの
胸を揉んでしまい深く謝罪致します。まず、私がテファニアサイドが胸を揉んでくれと
訴える行為を働いた経緯を説明しますと、休憩中に私がテファの胸を揉み上げようとした際、
テファの胸が柔らかくて大きいので、私は、そこで、アラっと思ってしまい、胸を触ってしまいました。
休憩前に男子生徒内で「あの女ならある程度いっても大丈夫だろう」という噂があったのです。
私がテファの胸を揉んでしまった事は紛れもない事実であります。
しかし、エルフといえば一般的にどスケベなイメージがあるという事も事実であります。
よってここは二度と他人の胸には触らない事を誓うという事で、水に流して頂けないかと思っている所存でございます。
才人・シュバリエ・ド・平賀
戦いは死闘の様を呈した。
タバサを核にして立ち現れた巨大なシャドウ、ヨトゥンは恐るべき氷の力の使い手だった。
見た目は氷で出来た巨人の彫像であるが、その体にはタバサを始めとしていろいろな人間が氷漬けとなって閉じ込められていた。
勿論タバサ以外はタバサの心が作り出した幻想にすぎない、だがそれにしてもその姿があまりにも生々しすぎるのは、その閉じ込められた者たちにタバサが死の影を見ているのかもしれない。
執事のペルスランやジョゼフ、イザベラやシャルルの姿も見える。
だが一番象徴的なのはタバサとその影の姿であろう。
タバサは巨人の心臓の位置で、シャルロットは巨人の顔にしなだれかかる様にして、ともに厚い氷の棺に封じられていた。
目を瞑り、胸の前で腕を組んだその姿は、まるで救いを待つおとぎ話の中の御姫様。
もっともサイトにその可憐な姿に見惚れる余裕はない。
「うぉぉぉぉぉぉ!」
サイトは剣を構えて突進する、ペルソナの魔法で身体能力を強化しているとは言えかつての七万との戦いからは見る影もない無様な突進。
転がるようにして剣を振るい、巨人の右の二の腕をシャリンと言う音とともに切り裂いた。
だがその結果を皆まで見ることなくサイトはその場から飛びのいた。
僅かな間を置いてサイトが立っていた場所に霜が降り、一瞬にして巨大な氷柱となって天井まで伸びる。
「いっけぇぇぇぇ、ペルソナ!」
転がるように連続で立ち上がる氷柱を回避しながら、拳銃で頭を打ち抜きペルソナを発現させる。
現れたのは地獄の番犬、この世とあの世の境界を守る炎の猛犬。
ガルム。
真っ黒い影の炎を体に纏わせたその犬は思いっきり息を吸い込むとその口から炎の息を吐きだした。
――ファイアブレス!
地獄の炎に体を焙られ巨人がわずかにたじろぐ、その隙に拳銃に弾を込めその顔面に向かって発砲する。
「食らいやがれ!」
ダンダンダンと三連打してからシリンダーを叩き自分の頭へ、残り二発弾が残っている状態で恐怖に顔を歪めながらサイトは引き金を引く。
――イノセントタック!
ガルムがその爪を振りまわし氷の体を削り取る、三分の一の確率で自分の頭を吹き飛ばしてしまうと言う恐怖の代償か、本来持つ力よりも幾分か威力が高い。
足を削り取られ、ヨトゥンはその場に膝を着いた。
「これで……」
甘かったとサイトは歯噛みする、ヨトゥンは膝をついたままサイトを睨みつけると魔法を叩きつけてきた。
――ブフダイン!
氷の魔法の最上位、あらゆるものを凍らせる冷却の魔法。
それを広範囲に向かってめくら打ちにしてきている、狙いが甘く本来なら簡単に回避できるそれが今は出来ない。
「くそっ」
部屋中に降りた霜。
それがサイトの足にまで絡みつき、スニーカーごとその足を地面に縫い付けていた。
「こうなりゃ根比べだ!」
――アギダイン!
ガルムを発現させて炎を燃え上がらせヨトゥンの氷にぶつける。
炎と氷が燃え上がり激しい蒸気が吹きあがり、部屋中を白く染めていく。
だが際限なく冷気をまき散らすヨトゥンと違って、次第にサイトの背負ったガルムの火が薄くなっていく。
「駄目か……!」
ぎりりと唇を噛みながらサイトは俯いた。
こんなところで死ぬわけにはいかないのに、まだやらなければならないことが残っているのに。
あいつを殺さなければならないのに。
自分の尻ぬぐいを終えることなく、どうやら此処でゲームオーバーだ。
サイトは叫んだ、そのうちに秘めた思いのままに。
「ルイズゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!」
その魂の叫びに何故か返事が返ってきた。
「こんの、ばか犬ぅぅぅぅ!」
ルイズはなぜそんなことを口走ったのか分からない。
だが朦朧とする意識のなかで口走ったその言葉が、サイトに向けて言う言葉としては何故か相応しいと思えたのだ。
「ルイズ!? 馬鹿、なんで来たんだ」
此処まで走ってきたこともあるが頭がガンガンする、眩暈もするし、息切れだって厳しい。
だって言うのになぜこいつはこうも自分が危ない状態で人のことを馬鹿馬鹿言うのか?
「傷だらけじゃねぇか!? 此処は俺に任せて早く逃げろ、時間を稼ぐ、早く!」
そう言って自分のことを庇うように立ちふさがるぼろぼろの姿を見ていると、こいつの方が馬鹿なんじゃないかと思えてきた。
そもそも人のことを馬鹿と言うなと親から習わなかったのか?
「うるさい……」
「あ?」
「うるさいうるさいうるさい! なによあんた、なんなのよ。いきなり私の前に現われて思わせぶりに『忘れろ!』とか『全部幻なんだ』とか馬鹿じゃないの!」
ものすごい剣幕で怒鳴りつけるのは、そうしないとこのまま気を失ってしまいそうだから。
言いたいことはすごくいっぱいあるのに、聞きたいことは山積みなのに、このまま気絶してまた何も聞けないのは我慢できない。
この異様な既視感はなんなのか? あの巨大なシャドウは? そもそもあんた一体なんなんだ?
いくつもの言葉が脳裏に浮かんだが、結局出てきたのは自分らしい言葉だけ。
「帰ったら一切合切話して貰うんだからね、このばか犬!」
そう言って腰に両手を当てる、その誇らしげな姿があまりにも懐かしすぎて、サイトは思わず「ああ」と言いそうになった。
だがそれは出来ない、わずかに漏れた笑顔をかみ殺すとサイトはヨトゥンへと向きなおった。
すべての責は自分にある、ならばその始末は自分でつけなければいけない。
こちら側の“自分”はともかく、ルイズ達までは絶対にこれ以上深入りさせてはいけない。
サイトは再び“ピースメーカー”を構えると、氷の巨人に向き直る。
ヨトゥンはその周囲にいくつもの氷の槍を作り出し、今にも二人に向かって打ち放とうとしていた。
助けは来ない、たった今扉を開けて慌てて部屋入ってきたキュルケとギーシュでは間に合わない。
サイトは状況を理解すると、口の中の血を飲み下し、一言その言葉を唱える。
自分のなかを恐怖を打ち抜き、ガンダールヴの力を失ったただの高校生でしかない自分に力を与えてくれる。
魔法の言葉を。
「――ペルソナ!」
だが地獄の番犬が向かったのは霧の巨人ではなく、キュルケとギーシュの背後から部屋へと飛び込んできた存在。
獣じみた動きの、巨大なシャドウだ。
「がぁぁぁ!?」
その体をすべてルイズを庇うために差し出した為か、ガルムは一撃で叩き伏せられた。
見た目に反して可愛らしい鳴き声をあげるガルム、それを目で追っている最中氷の巨人が槍を打ち放つを見えた。
避けようにも背後には黒い獣、もはや逃げ場はないと断じたルイズはその場できつく目を閉じる。
それを理解するのにルイズはずいぶんと時間がかかった。
「あんた……」
何度もルイズたちの前に現れた巨大なシャドウ。
そいつが自分を庇ったのだ、身を挺して。
――オオオオオオ、ィィィィィズウウ!
そして気づいた、こいつは私を呼んでいる?
降り注ぐ氷の槍衾、それが一発たりともルイズに当たらないようにシャドウは大きく体を広げる。
一発ごとにその黒い体の表面が削られ、出来た穴から黄金の光が漏れる。
だが少しも怯むことなくシャドウはタバサを取り込んで強大なシャドウとなった雪の巨人へと向かっていく。
一歩踏みしめる度に地面が揺れ、一度吠えるごとに周囲のシャドウたちが身を竦ませる。
蒼の巨人と黒の巨人の一騎打ち、蒼の巨人が纏うオーロラの残像と黒の巨人の獣じみた動きから、見ようによってはその戦いは北欧神話の世界の終末に巻き起こる大神と狼の死闘にようだ。
――ルゥゥゥゥイズゥゥゥゥゥ!
そしてやはり勝ったのは今回も獣の方であった。
氷の槍に傷つけられながらも一切躊躇することなく黒の巨人は突き進み、爪とも鉄球とも分からない歪な手のひらで蒼の巨人の顔を木端微塵に粉砕した。
さらに一撃、もう一撃。
両手足を完膚なきまでに打ち砕き、最後にその心臓――タバサ……を抉りだす。
巨人は、ゆっくりとその華奢な体を両手で握りしめた。
ゆっくりと力を込めて行く、みしり、と骨が軋む音がする。
このままではタバサはまるで膨らませすぎた風船のように破裂するだろう、その光景を想像して思わずルイズは悲鳴を漏らす。
「やめて!!!」
やめた。
祈りはあっけなく凶暴なる破壊の化身に通じた。
巨人はまるで母親にしかられた子供のようにゆっくりとその両手の力を緩める、零れ落ちたタバサが地面に向かって頭から落ちて行く。
「タバサ!?」
はじき出されたタバサをヴァナディースが優しく抱きとめた、意識は失っているものの命に別状はないようだ。
胸を撫で下ろしたキュルケはそれに一瞬気づくのが遅れた。
傷だらけになった影の獣がこちらを振り返っている。
穴だらけになったその中身を見て、ルイズが驚愕に顔を歪ませている。
どうしたのよルイズ? そんな顔して……
一体何があったのか? とキュルケはルイズの見ている方向を見た。
黒い巨大なシャドウ。
シャドウと言う黒い殻が破れたそのなか、そこには一人の少年が蹲っている。
「ルイズ……」
黒い瞳に黒い髪、けして美形と言う訳ではないが不細工と言う訳でもない、けれど不思議な愛嬌のある童顔ぎみの顔。
その体を包むのはナイロンと綿で織られた青いパーカーだったモノ、もっともズタズタに引き裂かれて血で汚れきったそれを見てもとがなんであったのか分かるのはこの世でただ二人だけだろう。
傷だらけのその体に纏わりつくように影の糸が絡まり、まるで心臓のように脈打っている。
心臓と言えば、ヨトゥンと同じように巨大なシャドウのちょうど心臓の位置にその少年の体が位置しているのははたして偶然なのか?
「サイ……ト……?」
ルイズはその少年の名を、虚ろな目でただ「ルイズ」の名を呼び続ける少年の名を呟く。
絶望すら生ぬるい深い深い闇をその顔に刻んだ少年と同じ、まるで自分の一部のように慣れ親しんだ名前を。
「サイト!」
その瞬間、猛烈な頭痛に襲われルイズはその場にしゃがみこんだ。
――ふははは、滅びろ、滅びろ、ハルケギニアよ、ブリミルの残した遺産によって!
脳裏にフラッシュバックするのは幾多の光景、引き裂かれたガリアの王、始祖の焼印、第四の使い魔、悪魔の門、もう一つの月、大いなる封印、平賀才人、天へ至る道。
――さよなら、サイト。私の愛しい人
腕のなかで息絶える自分、サイトの慟哭、消える使い魔のしるし、四つの四の本当の意味。
――神様お願いします、もう一度、もう一度だけでいいからルイズに会わせてください! あの日に時間を戻して!
運命を嘲笑うものの助力と、虚無の呪文上級の上“時間門” そしてその身が砕け散るほどの後悔。
知るはずのない光景・知識がいくつもいくつも流れ込み、ルイズの脳は悲鳴をあげる。
それでもルイズは立ち上がって、まっすぐに前を見た。
虚ろな目をして、幼子のように自分の名を呼び続ける少年の姿を見た。
その胸で黄金に輝くルーン、記すことさえ憚られる虚無の使い魔最後の一人。
契約したはずがない、自分の使い魔はあのテレビだと言うのに。不思議な何かで繋がっているのを感じる。
私の使い魔、私の――サイト?
「サイトなの? 私の……」
「やめてくれ!」
夢見るように呟かれたルイズの声を遮ったのは、サイトの断末魔じみた悲鳴だった。
「見ないで、見ないでくれ……俺を、見ないでくれ……」
サイトの体から白い靄が立ち上る、その靄は瞬く間に部屋中を覆い尽くし、何もかも不確かな影へと沈める。
それは霧、あらゆるものを優しく覆い隠し、真実を遠ざけるもの。
「見るな、見るなぁぁぁぁ!」
その叫びと共にすべては霧に覆われ、サイトのものですらない言葉だけがこの場に残った。
「愚かな、何故“真実”などと言うものと暴きたてようとするのか」
まったく見知らぬ声が聞こえてきたことにキュルケとギーシュは驚き、声の主に問いかける。
「いきなり誰、あなたはなんなの!?」
声は答えた。
重厚なのに不確かで、穏やかなのに捉えどころがないそんな奇妙な声。
「私はアメノサギリ」
それは遠い世界に君臨する霧を司る神の名。
「霧を統べし者、人の意に呼び起されし者」
「そんな存在がなんでこんなところで出てくるんだ?」
その問いにキリノサギリは答えた。
「私はただ、何よりも真実を覆い隠すことを望むものの“願い”を手助けしていたに過ぎぬ」
霧の向こうで巨大ななにかが震える気配がする。
「我は覆い隠すもの、人が望みし偽りの現実、苛烈なる真実をまつろわせ、甘やかな欺瞞を与えしもの」
「“願い”って、それは一体……」
「愚かな、その“望み”を汝らが知ることすら彼の者に、そして汝らに耐えがたき痛みをもたらすと言うのに……」
僅かに視界を別の方向へ向けたような気配、アメノサギリは続けた。
「それほどまでに彼の者の痛みは深い、故にこそ誰よりも真実を隠す霧を望み、故にこそ我は人すべての大望よりも個の切望を優先させたのか」
さらにさらに深く深く、何もかもを隠す霧は広がっていく。
「すべては混迷たる霧の奥へ、去れ人の子よ」
その声の示すとおりすべては霧のなか。
ルイズの姿もサイトの姿も見えはしない、白い白い闇のなか。
せめてものつながりを求めるように、キュルケは腕のなかの小さなぬくもりを抱きしめた。
以上です、奴の名はサイト! 人外のラスボスにまでハーレムフラグを立てる男!
ええとこれだけだとなんともはやな方の為に説明致しますと、サイトは2のたっちゃんみたいに精神も来てるけど、
その後暴走状態になった肉体も“こちらの世界”に来ていると言った感じ。
“あちらの世界”はゼロ魔原作世界ですが、どうしてこんなことになっているかは後々と言うことで。
暫く精神世界の話ばかりでしたが、10話がある意味分岐点なのでこれからはハルケギニアの話に入っていけると思います。
それではこんな時間から失礼致しました、急いで書いたものなので納得いかないところも多いので後々いろいろと手を加えるかもしれません。
いくつかの単語や設定をこっそり変更するかもしれませんが、根幹のところは変えないつもりですので、できればご容赦くださいませ。
では失礼致しました。
げ、原作世界がニャル様のせいでえらいことに?!
ロキとかサタンとかもっと頑張れと思う今日この頃。
お久しぶりです。試験勉強の合間に色々と妄想が浮かんだので書いてみることにしました。
さすがにプリキュアはネタ切れなので戦隊シリーズから…
【作品名】 :シャイニング・マジック
【召喚元作品】:魔法戦隊マジレンジャー
【召喚キャラ】:天空勇者マジシャインというかヒカル先生
うまくいけば、10話くらいで完結できると思います。
一応、某資格試験の勉強をしていますので、前のような高速投下は無理だと思います。
ちょこちょこと書いていくつもりですので、お付き合いの程、よろしくお願いします。
第1話を8:30から投下します。
今週はキバもプリキュアも休みなのでちょっと早めにw
その日、トリステイン魔法学院で行われている春の使い魔召喚の儀式が執り行われていた。
魔法学院の生徒は、2年生に進級する時に『使い魔』を召喚する。
その『使い魔』によって、今後の属性を決定し、その後の専門課程に進む。
儀式はつつがなく進んでいた、一人の少女を除いて。
その、鳶色の目に桃色の髪の少女は、すでに何度も召喚に失敗していた。
数回にわたる失敗のすえに、彼女の『サモン・サーヴァント』は成功した。
そのゲートが消えた後に、その場に現れたのは…。
「…か、カエル…!?」
彼女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールが呼び出したのは、一匹のカエルだった。
体長は5サントほど、緑色のぬめっとした体に、独特の泣き声、どこからどう見ても普通のカエルだ。
自らが呼び出したカエルを呆然と眺めるルイズの横で、黒いローブに身を包み大きな木の杖を持った教師、コルベールがうんうんと頷いている。
「なるほど、カエルだ。ということは、ミス・ヴァリエールは『水』の属性である可能性が高そうだね。
では、早速『コントラクト・サーヴァント』を行いなさい。…どうしたんだね、ミス・ヴァリエール?」
コルベールの横にいるルイズはすっかり固まってしまっている。
ルイズはカエルが嫌いなのだ。
ぬめっとした体、ぎょろりと突き出た目、耳障りな泣き声、どれもこれも生理的に受け付けない!
しかも、使い魔として契約するためには、このカエルと唇を合わせる必要がある。
…わわ私のファーストキスが、こここんなカエルと…
…あ、ありえない。なんでよりによってカエルなのよ…
…ドラゴンとかマンティコアとかグリフォンとか、そういうカッコいいのがよかったのに…
…『微熱』のキュルケなんかサラマンダー呼んでるのよ…
…やばい、なんか変な汗まで出てきちゃった…
…なんでなんで、どうしてカエルなのよ?!…
(キスしてケロ!)
すっかり動転して青くなっているルイズの頭の中に、突然言葉が聞こえてきた。
「えっ?!」
ビックリしてルイズは周りを見回すルイズを、他の生徒が不思議そうに眺める。
「どうしたね、ミス・ヴァリエール。早く『コントラクト・サーヴァント』を執り行いなさい。
『サモン・サーヴァント』で、随分時間もかかりましたし、もう次の授業も始まりますよ。」
周りの生徒がそうだそうだとはやし立てる。
「あ、あのコルベール先生、今、このカエルが…」
ルイズがそこまで喋ったところで、彼女の周囲にいきなり爆発が巻き起こった!!
「あ、あれは!『冥獣』じゃないかっ!!」
『冥獣』とは、数年前に、突然ハルケギニアに現れた怪物たちである。
神出鬼没にどこからともなく各地に現れ、人間を好んで襲い、どこかへと消え去る。
個体によって能力は様々だが、戦闘能力は高くトライアングルのメイジでも1対1では苦戦するという。
最近、『冥獣』がよく現れるというアルビオンでは、いくつもの村が『冥獣』によって滅ぼされたとも噂される。
このトリステインでも、辺境地に『冥獣』が現れ、軍隊が出動する騒ぎにまでなっていた。
だが、魔法学院のすぐ近くにまで『冥獣』が現れるなど、今まで例がない。
突然の爆発と『冥獣』の出現に、生徒達はパニック状態になっていた。
…契約したばかりの使い魔を抱えて逃げようとする者…
…爆発に驚いて、座り込んでしまう者…
…恐怖のあまり、ただただ喚くだけの者…
何人かは『冥獣』に対して何らかの対処を考えていたが、集団恐慌状態の生徒が邪魔でまともな対処もできない。
コルベールが『なんとか生徒達を静めないと』と、振り返った瞬間に『冥獣』はルイズに飛び掛かった。
ルイズが頭を抱えて座り込んだ瞬間、その足元から金色の光が煌いた!!
金色の光に触れた『冥獣』は、苦しそうに後ろに飛びのく。
「えっ!なに?!この光…」
ルイズが下を見ると、さっき召喚したカエルが金色に光っている。
「…な、なんなの?、このカエルが…」
呆然と呟くルイズを『冥獣』が睨みつけてうなり声を上げた瞬間、『冥獣』は炎に包まれた。
コルベールの放った『ファイアーボール』を受けた『冥獣』は、苦しそうに呻きながら、気配を消した。
「大丈夫かね、ミス・ヴァリエール。」
コルベールの言葉に、ルイズは首を上下にさせる。
「よし、とりあえず危機は去ったようだ。だが、『冥獣』が近くに潜んでいるかもしれない。
みんな、急いで『学院』に戻りなさい。」
生徒達は、コルベールの指示に従い次々と『フライ』を唱える。
「ミス・ヴァリエール、確か君は『フライ』が使えなかったね。わたしに掴まりなさい。」
「は、はい。」
コルベールはルイズを抱き寄せて『フライ』の呪文を唱えた。
ルイズとコルベールがゆっくりと宙に浮いた瞬間、カエルは大きくジャンプしてルイズの顔に飛びついた。
「っひひゃう!!」
「ははは、ミス・ヴァリエールはずいぶんと、そのカエルに気に入られたようだね。
さっきの光といい、ただのカエルではなさそうだが、君の命の恩人だよ。
いや、この場合は『恩蛙』とでも言うべきかな…」
コルベールが話しかけても、ルイズはまったく返事をしなかった。
ルイズはコルベールに抱きかかえられたまま、白目を向いて気絶しているのだ。
その額には、緑色のカエルが振り落とされないようにしっかりとしがみついていた。
ルイズはその日の午後の授業を休んで、寮の自室で横になっていた。
学院についたとき、気絶からは目が覚めたがフラフラのルイズを見て、コルベールが自室待機を命じたのだ。
いきなり『冥獣』に襲われたのだから無理もない、とコルベールは考えていた。
事実としては、最後のカエルがトドメだったのだが…。
1時間ほど休んで、やっとルイズが落ち着いてきたところで、部屋のドアがノックされた。
ルイズがドアを開けると、コルベールが直径50サントほどの水鉢を抱えて立っている。
水鉢には水が張っていて、水草なども入っていた。
「コルベール先生、それは?」
「ヒカル君の住むところを作ってきたよ。」
「ヒカル…君…?」
「キラキラ光って、君を助けてくれたから『ヒカル』君だ。」
見ると、鉢の中には、さっきのカエルが泳いでいる。
「まぁ、気に入らないのなら名前は付け直してくれてもいいよ。
とりあえず、落ち着いたら『コントラクト・サーヴァント』を行いたまえ。
不思議なカエルだが、君が『サモン・サーヴァント』で呼び出したのは間違いない。
主人は使い魔の生活に対して責任を持って面倒を見なければならないからね。
このサイズなら君の部屋で暮らすのが一番良いだろう。
『冥獣』に関しては、王軍に連絡しておいたから、しばらくしたら警備もくるはずだ。心配ないよ。」
コルベールが棚の上に水鉢を置いて去った後、ルイズはベットに寝転がった。
横になったまま、水鉢の淵にいるカエルを恨めしそうに見つめる。
「ヒカル君…か。」
カエルはルイズのほうを向いたまま、じっと動かない。
「よりによって、なんでカエルなのよ…わたし、カエル大っ嫌いなのに…。」
ケロケロと喉を膨らませるカエルを見て、ルイズはため息をついた。
「契約の方法がキスって、誰が決めたのよ…」
ルイズはむすっとした顔で起き上がり、ベットの上に座り込んだ。
「わたしのファーストキスなのよ。最初のキスくらい、本当に好きな相手とするべきだと思わない?」
ルイズはそこまで喋って、カエル相手に話している自分が情けなくなってきた。
(キスしてケロ!)
また、ルイズの頭の中に言葉が聞こえてきた。
「まさか、あんたなの…!?本当に!?
キスは好きな相手とするって、言ってるじゃない!!
さっきは助かったけど、それとこれとは話が別…」
ルイズがカエルを見て真っ赤になった瞬間、ルイズの部屋の窓ガラスが粉々に砕けた!
「ささ、さっきの『冥獣』っ!?」
先ほどの『冥獣』がルイズの部屋の窓ガラスを割り、そこから部屋に飛び込んできた!
唸り声を上げて、ゆっくりとルイズに近づいてくる。
ルイズはベットに座ったままあとずさるが、後ろはすぐ壁だ、逃げ場がない!!
ルイズに飛び掛ろうとする『冥獣』の顔に、水鉢のカエルが飛びつく。
「ヒカル君っ!?」
カエルに飛びつかれた『冥獣』は気持ち悪そうに顔をくねらせた。
だがすぐに、手でカエルを振り払い下に叩きつけた。
バチンという音を立てて地面に叩きつけられたカエルを踏み潰そうと冥獣が足を上げる。
「ヒカル君っ!!」
ルイズは枕元に転がっていた『杖』を握って、呪文を唱えた。
彼女が唱えた『ファイアーボール』は、失敗して、大きな爆発となって部屋中を吹き飛ばした。
爆心地にいた『冥獣』は壁に叩きつけられて、苦しそうに呻いている。
ルイズは、その隙に煙を払いながらカエルを拾い上げて、割れた窓から庭へと飛び出す!
カエルを手に持ったまま、ルイズは全力で逃げた。
本塔の方まで逃げれば、衛士がいるはずだ。そこまで逃げられれば…。
だが、『冥獣』はすぐにルイズの部屋から出てきた。
このままじゃ逃げきれない。どこかに身を隠さないと…、ルイズは手近な扉に駆け込んだ。
「あの『冥獣』、なんでわたしを狙ってるのよ…」
物置の中でルイズはガタガタ震えていた。
(キスしてケロ!)
また、ルイズの頭に声が響く。
「ヒカル君、あんた…こんなときまで。そんなにわたしの使い魔になりたいの?
いいわ、2回も助けてくれたんだものね。」
ルイズは小さく頷いて、『杖』を握り締めた。
外では『冥獣』のうめき声がする。すぐ外にいるのだろう。
だが、ルイズは構わず『杖』を振って呪文を唱えた。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール
五つの力を司るペンタゴン、この者に祝福を与え、我の使い魔となせ…」
ルイズの声を聞きつけた『冥獣』が扉を破った瞬間、ルイズはカエルに唇を重ねた!
その頃、爆発音を聞きつけたコルベールたちは中庭に飛び出していた。
まさか、学院内にまで『冥獣』が侵入するなんて…
しかも、どうやら狙いはミス・ヴァリエールらしい…
召喚の儀式の丘でルイズが襲われたのは、一番近くにいたからだと思っていたが…
コルベールは自らの迂闊さを呪いながら走っていた。
彼が『冥獣』を見つけた瞬間、彼は信じられないものを見た!
ルイズがカエルにキスをした瞬間に、カエルは『金色の光』に包まれたのだ!
そして『光』はどんどん大きくなり、『人』の姿となって結晶した!!
「ゴー・ゴル・ゴジカ!!」
その者の手に持った何かから、強烈な『光』があふれ、『冥獣』を中庭の方へ吹き飛ばした!
「かかカエルが…人に…なっちゃった…なななんで!」
なにが起きたのかわからず呆然としているルイズの前で、端正な顔をした男は髪をかきあげて微笑んだ。
「君のキス、しっかりと受け止めたよ。」
それを聞いたルイズは、真っ赤になって唇を押さえた。
「もう大丈夫だよ。あとはまかせてくれ。」
その男は、もう一度笑いかけると、『冥獣』の方に向き直り、懐からカードを取り出した。
「天空変身 ゴール・ゴル・ゴルディーロ!!」
そう叫ぶと、手にしたカードを『携帯変身グリップフォン』で改札する。
先ほどよりも、さらに大きな閃光が走り、そこには金色の鎧を身に纏った戦士がいた。
「輝く太陽のエレメント!天空勇者マジシャイン!!」
「な、なによ、あれ…?」
金色のマントを翻して目の前にいる戦士を、ルイズは呆然と眺めていた。
マジシャインは襲い掛かる冥獣の攻撃を、かるくいなして、拳や蹴りで的確にダメージを与えていく。
ルイズやコルベールの呪文で傷ついた冥獣など、マジシャインの敵ではなかった。
冥獣の動きを掌握し、庭の隅の方へ追い詰めたあと、マジシャインは呪文を唱えた。
「ゴー・ゴル・ゴジカ!!」
その手から放たれた『光』は、冥獣の全身を包みこんだ!
そのまま冥獣が地面に倒れた瞬間、マジシャインは冥獣に背を向け手を前に突き出す!
「チェックメイトっ!!」
マジシャインがパチンと指を鳴らした瞬間、冥獣は爆発し光の粒へと変る!
騒ぎを聞きつけた生徒達やコルベールが呆然と見ている前で、マジシャインはルイズのところまで歩いていき、元の端正な顔の男の姿に戻った。
「くぅぅっ!な、な、なんたる不愉快っ!!
お、おお、おのれサンジェル!いや、マジシャインっ!!我の大事な『冥獣』を!!」
先ほどの戦いを、ずっと遠くで見ているものがいた。
魔導神官メーミィ…、元はマジシャインと同じ天空聖者だった者だ。
彼の天空聖者としての名前は『ライジェル』
15年ほど前、彼は『サンジェル』つまりマジシャインと共に、地底冥府インフェルシアに戦いを挑んだ。
いや、彼はインフェルシアの力を得るために、マジシャインたちをダシにしたのだ。
その結果、彼は魔導神官メーミィとなったが、裏切者としてマジシャインに追われ、両者は激突した。
その戦いで、マジシャインはメーミィを封印したが、メーミィの最後の呪いでカエルとなってしまった。
マジシャインは自分の周囲に結界を張り誰も入れないようにしたのだ。
それが、2年前…メーミィは『サモン・サーヴァント』でこの世界ハルケギニアに召喚された。
ルイズの『サモン・サーヴァント』にその時と同じ魔力を感じたメーミィは、冥獣を差し向けた。
だが、メーミィの悪い予感は当たってしまった。
「どうした、メーミィ。顔色が悪いようだが…」
「これはこれはジョセフ様、我のことは『女神(ミューズ)』とお呼びください。」
青い髪のガリア王ジョセフは、表情も変えずにメーミィの水晶玉を見つめている。
ゾンビの上にオカマのメーミィを『女神』と呼ぶのは、さすがの彼も抵抗があるのかもしれない。
「ジョセフ様、心配なさらずとも、我はこの2年で封印されし『冥獣人』を呼び出すまでに力を取り戻しました。
今さらマジシャインがこの世界に来た所で、手遅れというもの。
すぐに八つ裂きにしてご覧に差し上げますわ!ほほほほほ…」
「てん・くう…聖界、マジトピアぁ!?」
ボロボロになった部屋で、ルイズは素っ頓狂な声を上げた。
横にいるコルベールも、ルイズを止めるどころか、あまりに途方も無い話に驚くばかりである。
「そ、そそ、そんな馬鹿な話、信じられるわけ…」
「ルーマ・ゴルディ−ロ!」
チケットを掲げて呪文を唱えると、ボロボロだったルイズの部屋が、あっという間に元に戻る。
「え!?ええーーっ!!」
あんぐりと口をあけているルイズたちを見ながら、彼は話し始めた。
「裏切者のライジェルを追い詰めた僕は、彼をミイラにして封印した。
だが、彼の最後の呪いにかかりカエルの姿になってしまったんだ。
どれほどの時間が過ぎたかわからないが、突然鏡のようなものが現れて、ライジェルのミイラを吸い込んだ。
封印の中に取り残された僕は、ずっと封印から出るチャンスを待ち続けた。
そうしたら、君の呪文でゲートが出現したので飛び込んだんだ。
ライジェルの呪いを解くためには、僕の持っている魔法力だけでは足りない。
君とキスをして魔法力を分けてもらう必要があったというわけさ。」
彼の話を聞きながら、コルベールが質問した。
「そうだ!コントラクト・サーヴァントのルーンが刻まれていないようですが?」
「ああ、あのときのキスには何か呪文がかかっていたみたいだね。
魔法力は分解して、僕の体の中に取り込んだから…多分、呪文も中和したと思うけど…
こっちの世界の呪文はわからないから、実際のところはどうなったんだろうね。」
「ええーーーっ…」
ルイズが声を上げて落胆した。
「…せっかく、『ゼロのルイズ』を卒業して、まともなメイジになれると思ったのに…。」
「『ゼロのルイズ』って?」
不思議そうに聞く、彼にコルベールが申し訳なさそうに話しかけた。
「ミス・ヴァリエールは、これまで一度も系統魔法の呪文を成功していないのです。
それでついたあだ名が『成功確率ゼロ』というわけでして…」
「そうなのかい!?彼女は随分と大きな魔法力を持っているじゃないか。」
それを聞いたルイズが、えっ?と、不思議そうな顔をする。
「多分、ルイズの魔法力の使い方が上手くコントロールできていないだけだろうね。
この世界の魔法については素人だが、一緒に勉強していこう。
どうせ住み込みなんだから、時間はいくらでもあるだろうしね。」
「ちょ、ちょっと、なに一人で決めてるのよ!ここ女子寮よ。
勝手に男の人が住んでいいわけないでしょう!!」
「あれ?ちゃんと許可はもらったと思ったけど。ほら、コルベール先生が言ったじゃないか。
『ヒカル君とは、この部屋で一緒に暮らすのが一番いい』って。
僕の本当の名前はサンジェルだけど…、『ヒカル』でいいよ!」
それを聞いたルイズは思わずコルベールを睨みつけた。
コルベールはバツが悪そうに、頭をかいている。
「『冥獣』がこの世界に現れたということは、多分、ライジェルもこの世界の誰かに召喚されたはずだ。
ライジェルがルイズを狙ってくる可能性も、まだまだあるだろうね。
そのボディーガードを兼ねて、ここに住むことにするよ。
色々あるだろうが、よろしく頼むよ!!」
【おまけ】
ヒカル:「今日の呪文は『ゴー・ゴー・ゴルディーロ』、天空携帯グリップフォンでマジチケットを改札
太陽の力を身にまとい、天空勇者マジシャインに変身するんだ。」
ルイズ:「誰に向かって話してるの…?
それより、わたしの使い魔はどうするのよ…
結局、次のゲートは開かないし、『コントラクトサーヴァント』もできないじゃない。」
ヒカル:「ところで聞きたいんだけど、この世界の『使い魔』はなにをするの?」
ルイズ:「ええと、感覚を共有したり、秘薬を見つけたり、主人の身を守ったり…」
ヒカル:「ボディガードは今してるよね。
この世界の魔法薬にも興味はあるね。次の休みにでもいろいろ探しにいってみるかい。
感覚の共有…、そうだ、この指輪を渡しておこう。」
ルイズ:「なにこれ?」
ヒカル:「僕の家に伝わる、お守りの指輪だ。魔法力が篭っている。
これで、離れていても僕と話すことができるよ。」
ルイズ:「へー、便利なマジックアイテム…って!そうじゃなくて!!」
今回はここまでです。
最初はルイズがカエルとキスする所を書きたくて考えた小ネタだったのですが、マジレンジャーのDVDを見ていたらいくつかネタができましたので、暇を見つけてちょくちょく書いていこうと思います。
おまけに登場する「お守りの指輪」は、本編では会話の機能などはありませんでしたが改変しています。
…てか、ルイズにマージフォンを持たせるのは抵抗があるので…
それでは、またよろしくお願いします。
ペルソナ乙
次回に期待。
ヒカル先生乙
にちあさの人超頑張れ。
良作を作り続けてくれる職人さんに敬礼!
そしてこっそりと10分から小ネタ投下。
ざわわ、ざわわ。
「おいおい、ルイズ、『サモン・サーヴァント』で子供を呼び出してどうするんだよ」
ルイズが召喚したのは、兎のような長い耳付のトンガリ帽子をかぶって、大きすぎるマントをまとった女の子でした。
「むっかぁ! 私、魔法使いだもん!」
それを聞いて周りは大笑い。
「杖も持ってないじゃないかプッ」「まあまあ、夢を見たい年頃なのよ」「ルイズ、お似合いの使い魔じゃないか! 魔法が使えないのにメイジなんて言い張るところと、胸の大きさがね!」
ルイズと呼び出された少女は、怒りにプルプル震えています。
「うわぁ、ばっかにしたなぁ! よーし、私の魔法見せてあげる。」
そう言った少女の手に、どこからかピンク色のステッキが現れます。
「えっ」「まさか」「本当に?」「そ、そんな……ルイズがメイジを召喚するなんてなんかの間違いだ」
ざわめく群集を小太りの青年が制します。
「みんな落ち着くんだ。あれは、隠し持っていた杖を取り出しただけだよ! よくある子供の悪戯さ」
その言葉に群集は落ち着きを取り戻しますが、治まらないのは召喚された少女です。
「プッチーン! いかずちの精霊よ。その力を今、私に。私に。ムカムカァ、プッチン。私を小ばかにしたお兄さんにくだっちゃえぇ、天罰ぅぅ!」
少女の足元に魔方陣が現れ、スカートがそよめき、青い光が辺りにあふれます。
「ほにゃん!」
そして杖の先に現れたのは……とっても美味しそうなイチゴのショートケーキでした。
周囲を一瞬、静寂が覆います。
「ま、まさか本当にメイジを?」「外交問題」「身元の確認をしたほうが……」
「く、くっくっく、くだらないな。たったったんなる手品じゃないか。ちがうって言うのならもう一度やってみろよ、やってみせろよぉぉ〜!」
何故か一人、目を血走しらしてエキサイトするマリコルヌ。
「悔しいぃ!」
少女は、呼び出したケーキを一口でむしゃむしゃと食べて、もう一度ステッキを構えます。
「お庭のこだまよ。私に力を。ムカムカァ、プッチン。ムカムカァ、プッチン。そこでしゃがんで目を皿のようにしているお兄さんに、こんどこそ本当にホントにくだっちゃえぇぇ!」
魔方陣が再び出現し、光りと風があふれます。
そして、前回より力強く吹き出る風にスカートが大胆に煽られます。バタバタと。
スカートの下は、白でも縞々でも水玉でも苺でも、ましてや黒でも無くて……、あえて言うなら肌色?
「ぶはっー!」
マリコルヌがハルケギニア初の鼻血による有人飛行に成功しました。
口の開いた風船のようにどばすかと不規則な航路で誰かにぶつかっては、向きをかえて飛び回ります。
ぶつからなかった男子も鼻を押さえてうめいています。
ギーシュは、思わず身を乗り出してしまったため、隣にいたモンモランシーに目突きから飛び膝蹴りの制裁コンボを受けています。
不幸なことに彼女がその場にいた他の男子たちも似たような目に遭っています。
「あんなガキのもんみて、これだからDTは」
とか言って余裕のあるわずかな男子は、鼻と目から血を流した男子たちにぼこにされました。
学院は、もう血塗れです。
そんな中、ルイズは元凶の少女をわなわなと指差して叫びます。
「あ、あ、あ、あんたっ、なんでっ、履いて無いのよぉぉぉぉ〜〜!!」
「錬金3級まじかるぽか〜ん」から、ゆうまを召喚。
こ……これは避難所行きでは?
みなさん乙
>>249 今の所呼び出されたキャラで最強は
モコナ(複数の世界創造神)か孫悟空か美しすぎる煎餅屋さんだと思う
>>249 価値観の破壊って意味だとオーシア&ユークトバニアとか
>>144 だとしたら、マリコルヌは絶滅危惧種だな。
>>249 小ネタの魔竜シューティングスターだろ
ルイズに従ってなぎはらえー
女帝の瀬戸様も宇宙規模で強いな
普通に孫悟空だろ
小ネタだがアルビオンの5万を焼き払った(なぎはらった?)シューティングスターとかもランキング上位に食い込むな。
一つ質問だけど、分割投下とかってどのくらいからするものなのか教えてくれないか?
2万字超えてるんだが、前、投下した時8千字いくかいかないくらいでさる規制規制食らったし……
ダンジョンメーカーもたいそうなもんだろ。
「ボクが本気で殴ったらギーシュさんのお腹が無くなっちゃいますから」
空いてるようなので投下予約しますね。
三十分から第七話投下します。
小ネタならRXがいるだろ
次元レベルで不味い
北野くんもある意味最強だな。
そういう意味で事前支援
戦闘無しでハルケ世界の諸問題を解決した上に
萌えの聖地トリハバラを築き上げた
泉こなた
投下直前に申し訳ありません。
このレスだけ。
>>330 投下自体は分割しなくても運が良ければ問題ない。
規制を回避したいだけなら支援の手がそこそこあって、投下間隔を3分程度開ければ、1万字8レス程度なら問題にならない。
(ただし、2万字でレスが20超えたりすると、多分どこかで規制される可能性が高い)
あと、wikiに掲載するに当たっては、多分2万字だと分割される。
自分の場合以前1万5千字で、ギリギリ分割掲載になった。
「おーい、シエスタ! そこに置いてある皿を裏の奴らに持っていってくれ!」
「はーい!」
昼前のアルヴィーズ食堂は戦場だった。
料理人も使用人も世話しなく動き回り、各人が己の仕事をまっとうしていた。
そんな中、メイド服を着た一人の少女が料理長の指示を受けて食堂の裏手へと歩みを進める。
少女はおかっぱ状にした黒い髪をなびかせながら裏手の広場の一角に皿を置く。
すると、リスや小鳥といった小動物が皿に群がって食事を始めた。
そんな光景を微笑ましげに見つめるメイド少女。
「ふふっ、可愛い…」
少女――シエスタは愛らしい動物たちの姿に心癒されながら、周囲を見回した。
食堂の裏手は使い魔たちの食事場だった。
基本的にここにいる動物たち―――使い魔たちの食事は学園の平民が世話をしている。
勿論、肉食の動物や人よりも大きい使い魔は流石に怖いので規定の位置に餌を置いたらすぐに退散するのが常なのだが。
(…あら?)
シエスタは使い魔たちが食事をするといういつもの光景の中に、異物を見つけた。
広場の一角に使い魔たちが密集している。
記憶が確かならば、そこは餌置き場ではないにもかかわらず、だ。
(なにかあったのかしら)
興味半分、義務半分でシエスタはその方向へと目を細める。
ドラゴンの影でよく見えないが、密集地の中心に人影が見えた。
自分と同じ黒い髪に黒い服装。
体格を見た感じだと自分と同じくらいの年頃の男の子だろうか?
こちらから見ると後ろを向いているため顔はわからないが、メイジには見えない。
もしや自分と同じ平民が使い魔たちに絡まれているのでは…?
その想像に顔を真っ青にするシエスタ。
だが、その懸念はすぐに払拭された。
少し近づいてみると、それは危害を加えられるという意味での絡まれるではなく、懐かれているという意味でのものだったのだ。
大小様々な使い魔たちに身体を擦り付けられ、舌で舐められている少年が目に映る。
(凄い…)
メイジの使い魔は基本的に主人にしか懐かない。
にも関わらず、彼は複数の使い魔たちに懐かれ、親しまれているではないか。
しええええええ!
し・えーん
北野君だ北野君だ!
北野君を支援するぞー
「わあ…」
感動と羨望の入り混じった声がメイド少女の唇から漏れる。
少年はリスや小鳥といった小動物はおろか、狼やグリフォンといった肉食かつ獰猛なタイプの動物にすら懐かれていた。
終いには使い魔としては滅多にお目にかかれないドラゴンにまで顔を舐められて親しまれている。
なんて凄い人なのだろう。
きっと彼は、天使のような心を持っているに違いない。
だからこそ、使い魔の動物たちは競うように黒衣の少年を慕っているのだ。
シエスタは最早少年に畏敬の念すら抱いていた。
(でも、あれじゃあベタベタになっちゃうんじゃ…)
いつまでも見ていたい光景ではあったが、延々と少年が舐められているのを見ていると流石に不憫に思えてくる。
別に放置していても構わなかったが、シエスタとしては彼と話をしてみたかった。
彼は一体何者で、どんな人なのだろうか。
その好奇心に突き動かされてメイド少女は小走りに少年の方へと向かっていく。
「―――のね」
「く、くすぐったいよ」
近づいてみると少年の声が聞こえてくる。
人間は少年しかいないはずなのに、何故か女性の声が聞こえた気がしたが…
とりあえずシエスタは空耳だろうと自分の耳を疑っておいた。
少年まであと数メイル。
そこで少年と向かい合っていた青い竜がこちらに気がついたのか目を丸くして視線を向けてきた。
足が止まる。
思えば、少年には懐いていても自分までがそうであるというわけではない。
(か、かじられちゃう!?)
自分の数秒先に恐怖するシエスタ。
だが青いドラゴンは何故か慌てたように口を閉じると大急ぎといった風体で空へと舞い上がり、そのままその場を去っていった。
意外な展開にポカンとする。
だが、シエスタとしてはそれは好都合だった。
本来の目的を果たすべく、気を取り直したメイド少女は自分と同じく呆然としている少年の後姿に声をかけた。
「あの…このハンカチ、使ってください」
びくっ、と軽く反応する少年の背中。
驚かせてしまったかな、と反省しながらもシエスタは少年がゆっくりと振り向くのをドキドキしながら眺めた。
振り向いたらダメだー!
支援
さあどんな悲鳴を支援
「あ、どうもありがとうございます」
少年がこちらに振り向いた。
手渡しで握られるハンカチ。
と同時にシエスタの動きが眉毛一本に至るまで制止する。
「―――え?」
考えてみて欲しい。
北野君の容貌は極悪な三白眼、薄い眉毛、クマを目の下に携えてポマードでビッシリ固めたオールバックの髪だ。
その上、服装は黒のガクランとハルケギニア人からすれば黒一色のいでたち。
この時点で夜道で出会えば幼子を泣かし、老人をポックリ逝かせるに不足ない外見である。
にも関わらず、今の彼には更なる恐怖オプションが加わっていた。
そう、それは動物たちの唾液だった。
手と顔は唾液によってベットリと濡れ、ぬらぬらと不気味に光り輝いている。
こんな外見の少年をいきなり前情報なく至近距離で直視してしまった女の子はどういう反応をとるのが普通だろうか?
気絶する? 泣き喚く? 腰を抜かす?
「き―――」
シエスタがとった反応は、悲鳴を上げる。
そして、同時に家族から仕込まれた防衛反応を発動させる、だった。
「きゃああああああっ!!」
「うわっ!?」
ぶんっ!
ともすれば虫の一匹すらも殺せないような少女が突如繰り出す回し蹴りを北野君はかろうじてかわす。
が、シエスタはそれを気にする様子もなく、すぐさま右足を前に踏み込ませると腰の捻りで左の拳を突き出した。
いわゆる、逆突きである。
ひゅん、と空気を切り裂く音と共に繰り出される少女の拳。
だがこの一撃も北野君はバックステップで回避する。
しかしシエスタの攻撃はそれで終わらなかった。
前傾姿勢のまま軽くしゃがみこみ、タメを作るとそのままバネを活かしてアッパー気味の拳を突き上げる!
「小磯流古武術奥義―――悪魔封殺滅却拳!」
ここで断っておくとそんな奥義はシエスタの使う流派にはない。
単に彼女がノリで叫んでいるだけだった。
ある歴史においては北野君は彼女のはとこの父親から同じ技をくらう羽目になるのだが、それは余談である。
はとこかい!!
それはさておき。
渾身の力と共に繰り出された拳は確かに北野君の身体を捉えた。
手ごたえあり――!
軽い興奮状態の中、シエスタは何を相手にしているか、何でこうなったのかすらも忘れて会心の手応えに顔をほころばせる。
「び…びっくりしたぁ…」
「そんな…!?」
しかし、シエスタの一撃は北野君にダメージを与えてはいなかった。
シエスタの一撃で後方に吹き飛んだ北野君だったが、紙一重で回避に成功していたのだ。
代償として一番上の学生ボタンが吹き飛んでしまったのだが。
(こ、この人いきなりどうしたんだろう? ハンカチを貸してくれるいい人だと思ったのに…)
狼狽するシエスタと同じく、北野君も突然の状況に狼狽していた。
大人しそうなメイド少女がいきなり襲い掛かってきたのだから無理もない。
しかし北野君からすれば、自分の顔が怖いから条件反射で襲い掛かられたという事実は想像の範疇にはなかった。
だからこそ、彼は考えた。
自分が襲われるに足る理由を。
(どうしよう。つい手を出しちゃった…でも謝ってすむはずないし…ひいおじいちゃん、助けて!)
一方、奥義をかわされたメイド少女は混乱の極致だった。
思わず自分が会得した武術の開祖である曾祖父に祈ってしまう。
つい先程まで少年のことを天使のようだと考えていたことなど完璧に忘却の彼方である。
今の彼女の思考は突如現れた悪魔をどうするか、その一点に絞られてしまっていた。
「あ、あ、あなたは一体誰なんですか!? こんなところでメイジ様達の使い魔を手懐けて、何を企んでいるんですか!?」
魔法を使ってこないところを見ると、メイジではないのだろうが、この容貌である。
一体どんな悪事を企んでこの場にいるのか。
無力だとわかっていながらもシエスタは聞かずにはいられなかった。
第三者視点で考えれば、おいおいそりゃ流石に北野君に対して失礼じゃね? と思う場面ではある。
だが仕方がないのだ、北野君の容貌は誤解されて当たり前のものなのだから。
「食べ……」
目の前の怪異が悩むそぶりを見せて僅かに俯く。
そしてその口が開き、その言葉を聞いた瞬間。
シエスタは迷わず前へと足を踏み込ませた。
「ものをわけ……てって、わーっ!?」
「やぁっ!」
食べる、食べるといったのだ、目の前の存在は。
一体何を? そんなのは推理するまでもない。
ここにいる使い魔達を、そして自分達をだ!
恐怖と生存本能に突き動かされ、シエスタの足が跳ね上がる。
ふわっとロングスカートが舞い上がり、その下から白い肌の細足が露出するが少女は気にしなかった。
内心では逃げ出すよりも先に攻撃するという風に自分を仕込んだ家族達に恨み言を吐きながらシエスタは持ち上げた足を北野君へと差し向ける。
相手がメイジであれば勿論こんなことはしないが、今目の前にいるのは悪魔なのだ。
遠慮など今の彼女にはなかった。
「わ、たたた…」
スウェー気味に蹴りをかわす北野君にシエスタは更なる踏み込みと共に攻撃を繰り出す!
「破邪伐折羅正拳突きー!」
「わ!」
「十字切り踵落とし!」
「わっ!」
「九字護身呪法ラリアート!」
「わあ!」
くれぐれも注意しておくが、これらの技もシエスタの独断による捏造技である。
あくまでこれらは曾祖父から伝わった意味不明な単語の数々を組み合わせて勝手に作り出した技名なのだ、と注意書きしておく。
「ブリミル様―――スマッシュ!」
「!」
その時、北野君の足が草にとられて彼の身体がガクンと崩れ落ちる。
思い切りからぶったシエスタはそのまま体勢を崩し、地面へと倒れこんだ。
「あいたたた…」
「あ、大丈夫ですか…?」
「っっっっっ?!?!」
慌てて立ち上がろうとしたシエスタは絶句した。
目の前には自分へと手を伸ばしている悪魔がいる。
それどころか、先程まで彼に懐いていた使い魔たちが背後に控えている!
数十の瞳に見つめられてシエスタの身体が硬直した。
支援します。
こ、殺される―――シエスタは本気で己の愚かさを後悔した。
所詮平民である自分が悪魔にかなうはずなどなかったのだ。
しかし、予想に反して彼は自分に襲い掛かる気配を見せない。
無表情に(実際は心配そうに)こちらを見つめてくるだけだった。
もしや自分は助かるのだろうか?
突如湧いた儚い希望に光明を見るシエスタ。
そうだ、全ては自分の誤解かもしれないではないか。
そもそも彼は使い魔や自分に危害を加えようとはしていなかったし、今もこちらを見ているだけだ。
観察、あるいはもっと美味くなるのを待っているだけかもしれないが、そうではなく、彼は良い悪魔なのかもしれない。
彼はメイジではないはず。
ならば話が通じるかも、こちらの無礼さえ謝れば―――
根本的な誤解をそのままにしてシエスタは口を開こうとする。
と、右手から僅かな痛みが伝わってくる。
見れば転んだ拍子に擦り傷を作ってしまったようだった。
別に大した怪我ではないからいいか。
そう思ったその時。
こちらをじっと見つめていた悪魔が吠えた。
「きええええええええええっ!(訳:血がーっ!)」
「きゃあああああああああっ!」
必死の形相で自分に迫ってくる悪魔が視界に入る。
シエスタは無意識のうちに足を動かしていた。
ここで腰を抜かさなかったのはひとえに武術を習っていたおかげだろう。
始祖ブリミルと曾祖父に感謝を捧げつつ、シエスタはその場を逃げ出した。
「ま、待っ…」
当然北野君は彼女を追おうとする。
が、同族のメスとのじゃれあいが終わったと見た使い魔たちが再び北野君にじゃれつくべく彼の身体を押し潰していく。
「い、いっちゃった…」
使い魔たちに押し倒されたまま、北野君は呆然と呟いた。
手にはメイドの少女から手渡されたハンカチがある。
「どうしよう」
ぽつん、と呟く北野君に答えるものはいなかった。
こうして、同じ日本人の血を引く者同士の初邂逅は終わりを告げるのだった。
シエスタヒドス
バレバレですが、シエスタの曾祖父は原作のヒロインの曾祖父です、ちなみに名前は平一。
次回、ようやく北野君が食堂に入ります。
北野君じゃしょうがない乙!
乙ー。
そして食堂で仕事をするシエスタの前に再び現れたした悪魔の頭髪は、大気をゆがませるほどの怒りにより天を突かんばかりに……
>353
途中で切れた。北野君のポマード切れネタにも期待。
エンジェルGJ!
食堂が地獄絵図と化す様に期待w
というかサイトより強い主人公って存在するの?
どんな作品においてでも、作者の愛という補正が入れば誰でも最強です
遅ればせながら蒼い使い魔の人GJです!
特に腐敗貴族の象徴のモットの無様な死はスカッとして思わず拍手してしまいました
でもあんな屑でも国の中枢らしいので、それが殺されたとなると国も犯人を捜すんじゃないでしょうか?
もっとも封建制では証拠主義なんて存在しませんから、面子のために適当な平民を犯人に仕立て上げて拷問の末処刑するかもしれません
その場合、やっぱりシエスタを攫った直後だからタルブ村が怪しまれそうですね
魔法の優位性を疑わない貴族からすれば、まさか貴族の館に一人で乗り込んで制裁を加えられる平民がいるとは思わないでしょうし
下手するとタルブ村民全員が殴り込んだと決めつけてダングルテールみたいにタルブも見せしめとして皆殺しにしようとするかも・・・?
バージルにはそんな権力の犬の殺戮部隊を返り討ちにしたり、平民の命を軽んじる貴族をトリステインという国ごとぶっつぶしてもらいたいです
彼ならそれくらい軽くできる力はありますから
うぜえ
吹いたwww
元のサイトより弱いキャラを探す方が難しいべ
サイトからガンダールヴとったら何が残るの?
マゾッ気
主人公はルイズで、サイトは主人公のセフレ(未遂)
>>362 避難所の話題ではこなたとかシャーリーとか上がってましたが
いい悪魔・・・なんて矛盾した言葉だ。
>>367 昔は兄貴もダンテと同じだったんだろうけどね。
エヴァママが死んでからあいにーどもあぱわーになっちゃった訳で。
サイトより精神的に強い主人公の作品って存在しないだろ
ツンデレ胸無し娘が好みでマゾな単純熱血バカ
ってそうそういないと思うが。
と思ったけど、
よくよく考えればこの手の話の主人公にはよくいるタイプだな。
本来なら交わることの無いはずのキャラ同士を比較して、最強を論じることは無意味だろう
彼らそれぞれの特徴は、それぞれの物語での要請から与えられた能力・性格なのだから
>>369 幾らでもいるだろ、例:御神苗優(スプリガン)
勇午を召喚
あの人マゾだから何かにつけて自分から鞭打たれるような真似しそうだな
北野君乙!
トライアングルメイジ二人+ルイズを瞬殺した悪魔と戦った平民。
シエスタに凄い肩書きができそうです。
>>372 そいつのどこらへんがサイトより精神的に強いのかと
サイトのように自分の得にもならないことを進んでやったり誰かのために自分が傷つくことをものともしないぐらい強いのか?え?
スレで召喚されたキャラだと守った人類から迫害されると聞かされてもそれを恨まず
自分が世界から去ることを選択するダイは確実にサイトより精神が高そうだな
どんな厄介ごとに巻き込まれても、それで困ってる誰かを救えるからそれは幸運だと言い切る
上条さんもバリバリに精神強いな
とりあえず北野君はもう人間としては理解されないんだなー、と大わr・・・涙が止まりません
そして、次回は食堂にいい悪魔降臨か!
貴族たちは昼食を食べれるのか!?
>>375 例の優がどうなのか、ってのはとりあえずおいといても、
>サイトのように自分の得にもならないことを進んでやったり誰かのために自分が傷つくことをものともしないぐらい強いのか?
この辺がデフォルトな主人公は割と普通じゃないか?
>サイトのように自分の得にもならないことを進んでやったり誰かのために自分が傷つくことをものともしないぐらい強いのか?
つ 『柊 蓮司』
世界を滅ぼす害悪認定されたヤツをも救い上げる漢前だじぇ?
>>375 そういう事をやる主人公は腐るほどいるだろうに
>>355の最弱、俺(病の果て)ってすごいw
「対戦相手の「こいつが負ければ俺の勝ちなのになぁ」という思いに応えて自滅」ってなんなのw
>サイトのように自分の得にもならないことを進んでやったり誰かのために自分が傷つくことをものともしないぐらい強いのか?
それが本人の意思とは限らないぜ? ルーンによる「洗脳」の効果もありそうな作品だし
おまえら全員落ち着け!!!
そもそもノリで書いてる上に本編で面倒な設定とかに触れないようにスルーしてるノボルが
357 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/08/10(日) 13:36:30 ID:/C6CapwF
というかサイトより強い主人公って存在するの?
369 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/08/10(日) 14:32:55 ID:/C6CapwF
サイトより精神的に強い主人公の作品って存在しないだろ
弱いけど強くなるというのがありなら六道アキラがいるな
あれは召喚されて勝手に失敗扱い、見知らぬ土地に放り出し
暗殺と最悪な展開が続いたせいでひねくれたってのが大きいけど
こう考えるとサイトもけっこう恵まれてるよな
結論:映画版のしんのすけが精神的に一番強い
いや、映画版のび太だろJK
あと映画版ジャイアンは良い人
>>375 何度も何度も世界を救って、何度も何度も死に掛けて、何度も何度も留年しかけたやつだけど?
しょーもない釣りに必死になるなよ
スレが荒れるだけやで…
ぶっちゃけサイトは空気だからなー
このスレでは空気以前にほとんど無の存在(出番0)では
ジュリオよりは出番が多いと思うんだ、いやまじで
無とはいったい・・・・うごごごご!!
使い魔品評会って各SSで結構スルーされるイベントだよな
>>394 原作には無いイベントだからなあ。
モット伯ほどインパクトないし。
危険な連中になると品評会で芸やってくれなんて言い出したら殺されそうだしな
例えばバージルにそんなこといったらその場で刺身だろ
ご立派さまなら結構喜んで品評会に出てくれそうだw
>>397 『ご立派だ……』以外に品評のしようがあるのか?
>>375 ぶっちゃけ熱血系主人公ならデフォルトですね
>>394 拙作では品評会自体忘れてたのはキミとボクだけのヒミツだ
品評会でルイズの思惑以上に派手に活躍してくれそうなノリのいいやつ……
すぐには出てこないな。
>>397 参加することに異議がある!(誤字に非ず)
人の好すぎるあの人なら、なんだかんだ文句言いながら出るだけは出てくれそうだ。
>>397 アンアンが来た時、コッパゲさんやキトもといギトー先生から「お願いだから出てくれるな!」と
懇願されてたよーなw
あの話続き読みたいなぁ
紆余曲折の末やっと才人召喚、ほとんどの連中からはご立派様に比べるとなぁと落胆されるけど
ルイズにデルフにコッパゲにギトーにタバサにマザリーニといった常識人達からは偉く扱いが良くて
困惑する才人とかw
>>400について、スーパースターマンとか出てきた。
ノリはよさそうだけど活躍はしそうにないな。
>サイトのように自分の得にもならないことを進んでやったり誰かのために自分が傷つくことをものともしないぐらい強いのか?
原作で実際にそうゆう行動してるな。
>品評会でルイズの思惑以上に派手に活躍してくれそうなノリのいいやつ……
「MASK」のスクで品評会あったっけ?
全編が芸みたいだからどうだったか覚えて無い
>>405 確かにそうなんだけど……
その後、なんか自滅しそうなイメージが……
ルイズと青年が壇上に上がり、
ルイズ「ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールの使い魔、大十字九郎!種族、平民!芸をします!」
で、いったん引っ込んで。
しばらくしたらルイズに引っ張られて、落ち込んだ様子の美女が(いやいやながら)出てきました。
>>>ツンデレ胸無し娘が好みでマゾな単純熱血バカ
いるじゃないか
世界最強のロリコン探偵にして人を超えて人を棄て神様になった魔導書から邪神まで節操無しのペド野郎が
412 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/10(日) 16:27:59 ID:DrNgHXNS
>>411 あえて言おう!あのペド野朗に邪神のようなババアは抱けないのだよ!
>>411 彼はロリコンではない!
ストライクゾーンが(下方向に)広いだけだ!
ロリだったらライカさんルートが……おや、メタトロンさん、何か御用ですか?
………北野君が品評会に参加したらエラいことになりそうだ
理解者が出てきてくれることを望む、使い魔仲間しか仲良くできない今の状態はきつい。
>>>ツンデレ胸無し娘が好みでマゾな単純熱血バカ
なら坂井悠二とかまだ書かれてないけど
ガウリィはロリコンに入るのだろうか
マゾではないと思うけど
デモペからの召喚はことごとく途絶してるから心証がいまいち…;;
>>411 そういやルイズと嫁はんは性格が妙に被ってるんだ
それにしてもワルドってどうしようもないバカだよな
フーケ情報で相手の能力とかわかってるはずだろ?
なのに自分では絶対に勝てそうもない相手だろうが練兵場で試合挑んだり礼拝堂で正面から戦ったりするんだから
遍在に足止めを任せて自分はとっとと退却するべきだろう、常考
それから遍在に自爆攻撃させれば簡単に始末、最悪でも脱出だけは確実にできるだろうに
むしろ結婚式に本人が出る必要がないんじゃないか?
王党派と間違われてレコンキスタ兵に狙われたり、グリフォンで飛びだしたところを撃墜されたらどうするんだっての
まあ名前からして悪奴なんていかにも三下っぽい感じだし、俺は最強で絶対負けないと思い込んでるやられ役って定番の引き立て役だよな
>>408 「ギーシュ君、ヴァルキリーを作ってくれ。このスーパースターカッターで見事倒して見せよう。」
トァーッ!
「おーっ!割れた!」
「もちろんスーパースターカッターが。」
こうか?
>>416 悠二はある意味単純だけど慎重派だし、熱血バカとも違う気がする。
しかし、あっちの原作は微妙に自分の嫌いな方向に逝ってしまった…orz
あとよく間違われるけどガウリ「イ」ね。
熱血バカと筋肉バカ、どっちがマシかなあ……
>>400 パタリロなら小銭を払えば色々とやってくれそう
だが、見学者の殆どがそれを見て、気分を悪くすると思うw
>>422 リトルバスターズから謙吾と真人を召喚してみればいい
>>355 を見て思った、DBの孫悟空ってかなり弱いのな。
まあ、よく考えたら星系破壊とか宇宙破壊とか全知全能とかに比べれば、ミジンコ扱いか……
破壊の規模が大きい=強いではないぞ。
あのランクは『宇宙空間適応可』も結構考慮されるからなぁ
品評会で一番活躍したのは泉こなたでは
王女を巻き込んでハルケ世界に萌え文化を定着させる切欠になってた
王賊よりジン・アーバレスト召喚
登場人物を次々と食い物にしていき姫に頼まれ将軍に。そしてジョセフとの知恵比べへ・・・・・というのを妄想した
>>416 ガウリイは盗賊に絡まれてたリナを助けた(リナ本人は自力でぶちのめす気満々だったけど)あと、
リナの体型見て「何だ子供かよチェー」って小声で言ってた
まあ1巻目での描写だから設定変わってても不思議じゃないが
若オセロットが召喚される話読みたいな
>>431 元の世界に帰る前に死ぬとタイムパラドックスが起きるんですね
>>400 ルイズの思惑以上の派手な活躍をするノリのいいやつか
えがs――いや、なんでもない
>>431 オセロットというとネコ科の動物しか思いつかない俺ガイル。
ヒョウの仲間だったかな。
>>366 まて、こなたは素の格闘能力ならサイトより強いぞ、多分。
>436
今のマイパソの壁紙がそれだ。
>435
支援!
「う……うぅ……こ、こは……?」
瀬川が意識を取り戻すと、そこは木造の部屋だった。あまり物はなく、そこまで広いわけでもない。
そんな部屋のベッドの上で自分は寝ていたことをまだ覚醒し切ってない頭で確認する。
「おや、気付いたかい」
女性特有の高い声が、飄々とした拍子で聞こえてきた。
「いやはやまったく、死んじまったんじゃないかと驚いたけど、『人間』生きてるもんだね」
はっと顔をあげると……緑の長い髪の女性――フーケが部屋に一つ備えてある椅子に、足を組んで座っていた。
「フーケ……ここは?」
「まだ頭が揺れてるのかい? そうでなきゃ普通は気付くもんだけど」
フーケの言葉を受けて、ベッドに腕を突っ張るように置いて、地面を確かめる。
「これ……」
僅かに、揺れている。小さく着いていた丸い窓から外を覗き込むと……青空しか見えなかった。
空の上。つまり――空飛ぶ船の上。
「いや、あんたが死にかけてたのが幸いしたね。あんたのご主人、泣いてたよ。
そこに、あの青い髪のほうがそれにかこつけて、急いで船を出すように急かしてね。
お見事、知られる前に出発、大脱出ってなわけさ」
肩をすくめながら、息を吐くフーケ。明らかに、安堵感が漂っている。
「そうか……タバサにはお礼を言わないと。彼女は?」
「乗ってないよ、あの風竜と一緒となると目立つし、重量オーバーさ。何、風竜がいれば安全さ。空高く飛んでれば『遍在』も手が出せない。
しかも、もう3日は単独であいつの『遍在』は存在してるんだ。精神力が切れて消えるのも時間の問題ってわけ」
そこまで、言って、うんうんとフーケは何度もうなずく。
「かくして、わたしも誰にもばれずにここに乗りこめたって寸法さ。荷台に紛れて空き室に入るくらいなら毎度のことさね」
「……よく見つからなかったなあ」
正直に感心した声を上げる瀬川に、フーケは若干得意げな顔になった。
「わたしの商売忘れたのかい? 世間を揺るがす正体不明の大盗賊、ってことに一応なってるんだけどね。
それに半分あんたのおかげさ。あんたらを乗せるために、積み荷を降ろしたり、大分騒がしかったからね。
そこに死にかけたあんたが到着して場は大荒れ。あれならそこらのこすっからい物取りだって隠れられる」
なんというか、先ほどから話を聞いていると、口数が多いフーケ。
彼女の事情に合わせて完璧に物事が進んだことでテンションが高くなっているようだ。
「ところで話は聞かせてもらったよ。あんた、本当はなんなんだい?」
「話は聞かせてもらったって……」
市迂遠
「少し水の秘薬があったからね、あの大将、自分の正体がばれてるとはつゆ知らず、ねこをかぶっててあんたにそれを使ったんだよ。
そしたら、なんとあんたの体は水の秘薬が殆ど効かないじゃない! なのに、水の秘薬の力を全部吸い取っちまう始末さ。
もうこれは言い訳できない。で、連中が出てった後探査魔法で調べたら……あんた、人間とだいぶいろいろ違うじゃないか」
身振り手振りも交えて嬉しそうな様子のフーケ。
本来知られてはいけない秘密の共有者がこんなかたちで増えるとは。
「そうだな……俺の体はほとんど普通の人間と違う。それに、扱う力もエルフとかに近いよ」
「エルフ……?」
『エルフ』という言葉に、眉をあげるフーケ。
「あんた、『人間の姿なのに先住の力を使える』のかい?」
「そうなるかもしれない」
そのときだけ、ひどく悲しげにフーケが笑った。先ほどまでとは全く違う表情だった。
過去を振り返る時にもよく似ているし、何か悲しいことを思い出すときにもよく似ている。
……そして、何かを覚悟した時とも似ていた。
「どうしたんだ?」
「いやね、『エルフの姿なのに先住の力を使えない』子のことを思い出してね……
お人よしでいい子なんだけどね。別に先住魔法がつかえるわけじゃない。なのに、姿形のせいでろくに人前に出ることもできない」
「……その子が、家族か?」
フーケが、目を見開いた。その瞳には、困惑と驚きが彩られている。
瀬川は、窓の外を見ながら、自分も遠い過去を思い出し『分かった理由』を口にした。
「その子のことを話すときだけ、目が優しくなってたよ。それに……笑ってた。
家族まではわからなかったけど……大切な子なんだろ? 俺も、昔その癖があったから……」
「そうかい……まあ、否定も……肯定もしないさ。……あんたの家族は?」
「……もういないよ。両親は事故だった。妹は病気で、さ」
「……!
そうかい、悪いことをきいたね。 人の心をつかむのは、この仕事の基本のつもりだったけど……たまには失敗するものさね。
聞いて悪かったよ」
「いや、気にしなくていいよ。……もう何年も前のことだし、自分なりにけりはつけたつもりだから」
空気が重くなるのはいやだった瀬川は、別の話題をフーケに振る。
「でも、なんで隠れてないで堂々と……それに、よくこの部屋に来れたな」
「逆さ、逆。わたしがここに隠れてて、その後あんたが運ばれてきたってこと。
あと、隠れる必要がなんであるんだい。あたしとあんた以外はみんな甲板だよ。空賊が来たからね」
あっさりとそんなことを口にするフーケ
「空賊!?」
「そう。で、乗ってる連中は全員目が届くように甲板にお集まりってことさ。
死にかけてて起きても役に立たない、運ぶのにも手間なあんたはここで留守番。そもそもいないはずのわたしもそうさ」
支援
即座に身を起こし、立ち上がろうとする瀬川。
しかし体が言うことをきかず、ベッドを下りた瞬間膝をついてしまう。
そんな瀬川を見てフーケは呆れた顔になった。
「そんな体で何する気だい? 行ったって足手まといになるだけさ。
しっかしあんた、本当に人がいいねぇ。自分の体は二の次三の次かい、あんな小娘のために」
「別に、ルイズだけじゃない。……みんなのためだ。俺の体は、そのための力なんだ」
「対して知りもしない連中のため、命も投げ出す? そこまで行くと筋金入りだね」
そのとき、船体が一度大きく揺れた。
窓の外を見ると、少しずつではあるがまた船が動き始めていく。
「おや、動いたようだね。航空封鎖なんてできるのは貴族派だろうから、これで、平和に貴族派の港につける。
あとは……もう会うこともないだろうね。人がまた船の中に戻る前にさよならさせてもらうよ」
フーケは、フードを目深にかぶると、マントを揺らしドアに歩いていく。
「あいつには……十分気をつけることさ。いいかい、手心なんて考えてると死ぬよ」
ドアノブを回すと、最後に瀬川に振り返って、忠告を残し去っていった。
瀬川は、『足手まとい』という言葉を噛み締めながらまた白いベッドに横になるしかなかった。
そう、知っているのは自分だけなのだ。
自分が――どうにかしなければならない。今の、弱り切った自分が。
疲労と体力の消耗もあって瀬川はまたすぐに寝てしまった。
今、行動を起こしてもどうしようもならない。今は少しでも英気を養わなければいけなかった。
次に、瀬川が目を覚ましたのは、船が港に入る大きな衝撃によるものだった。
外を再度覗き込むと、薄暗い。僅かに水気で岩肌が光っており、鍾乳洞のようにも見える。
「ここは、どこの港なんだ……?」
「安心しなさい。ここは、『ニューカッスル』。ちゃんと、目的地に着いたのよ」
「フーケ……ッ!? ……いや、ルイズか」
今度、ベッドのそばにいたのはルイズだった。
別に、怪我などはなく、きれいな姿のままだ。それが瀬川に大きな安心を与えた。
「空賊は!? それに――」
――ワルドは?
そこまで言おうとして、あとの言葉を飲み込む。
ルイズは、ワルドのことが好きなのだ。迂闊に……そんなことは言えない。言えるはずがない。
「大丈夫よ。……空賊が、王党派の人たちだったの。だから、こうして直接ここに来れたってわけ」
つまり、ここは貴族派の港――つまり敵の懐――ではないらしい。
フーケからすれば、今頃当てが外れて困ってるだろうなと考えながら、ルイズに手紙の安否を確認する。
「それで、手紙は!? それに、指輪は!?」
「安心しなさい、ちゃんとあるわ」
懐から手紙と指輪を取り出すと、瀬川にルイズは見せてくれた。
これで、ひとまずは安心だ。これが、ワルドの手に渡っていたとしたら、最悪の事態になる。
「ほら、行きましょ。みんなが待ってるわ」
ルイズに言われ、ふらつきながらも立ち上がる。
どうやら、水の秘薬――水の精霊の力の結晶から作られるもの――のおかげもあっていくらかましになっていた。
寝ていて体力を温存できたのも大きい。
すっかり固定された船のタラップから、瀬川とルイズ、ウェールズ――そしてワルドは船を下りる。
先んじて船から降りる金髪で整った顔の男が、ウェールズらしい。
向こうからねぎらいの言葉をかけられ、困惑する中ルイズからそのことを聞かされた。
船から降り、老メイジと話していたウェールズが、叫んだ。
「喜べ、パリー! 硫黄だ、硫黄!」
すると、その場に集まっていた兵隊たちが、歓声を上げた。
老メイジはその言葉を受けて、涙を流し始めている。
「おお! 硫黄ですと! 火の秘薬ではござらぬか! これで我々の名誉も守られるというものです!
先の陛下にお仕えして60年、これほどうれしい日はありませぬぞ、殿下。
反乱を起こってから苦汁をなめ続けておりましたが、これだけの硫黄があれば……」
老メイジと、ウェールズは笑っている。いや、その場にいる人間が全員、喜びの声を上げていた。
もしかしたら、この船の積み荷のおかげで勝てる――この人たちは死なずに済むのではないかと瀬川も喜びを感じていた。
そうでなければ、この喜びようはおかしい。瀬川たちは、ゆっくりとウェールズたちの側まで歩いて行く。
だが、次の瞬間ウェールズから放たれた言葉が、瀬川を凍りつかせた。
「王家の誇りと名誉を反徒どもに示しつつ、敗北することもできるだろう」
瀬川たちは、ウェールズに従い、場内の彼の部屋に向かった。
白の一番高い天守の一角にあるウェールズの居室は、王子と思えないほど質素な部屋だった。
ウェールズは椅子に腰かけると、机の引き出しから宝石のちりばめられた小さな箱を取り出した。
首のネックレスを外し、その先についている鍵で、宝石箱を開けた。
――蓋の内側には、アンリエッタの肖像が描かれている。
ルイズたちが、箱を覗き込んでいるのに気付いたウェールズは、はにかみながら言った。
「宝物、でね」
中に入っていた一通の手紙を取り出す。それが、王女から彼にあてられたものらしい。
つまり、戦争を回避するため、必要なものだ。
瀬川は、背中がじりじりするのを感じていた。もし、このときワルドが仕掛けてくれば……
ウェールズとルイズの盾になれるようにさりげなく位置をとりながら、ひたすら瀬川は緊張している。
しかし、ワルドには怪しまれていないらしい。
王族を前にして緊張しているとでも思っているのだろうか。
ウェールズは、その手紙を口付けの後読み上げ、丁寧に折りたたんだ。
siesie
手紙は、ボロボロで朽ちかけている。何度も何度も読み返したであろうことが見て取れた。
ウェールズは手紙を入れた封筒を、ルイズにしっかりと手渡す。
「これが姫から頂いた手紙だ。この通り、確かに返却したぞ」
「ありがとうございます」
ルイズは、深々と頭を下げると、両手でそれを受け取り、懐に入れた。
ウェールズは、明日の朝、非戦闘員を乗せた船がここを出港することを告げた。
そして、それに乗って帰れとも。
「無辜の民を命は必ず守る。戦うのは、望む者たちだけだ」
ルイズはその手紙を見つめていたが、そのうち決心したかのように口を開いた。
「あの、殿下……さきほど、英光ある敗北とおっしゃいましたが、王軍に勝ち目はないのですか?」
ためらいがちなルイズと対照的に、しごくあっさりとウェールズは答えた。
「ないよ。我が軍は三百。敵軍は五万。万に一つもあり得ない。
我々にできることは、勇敢な死にざまを連中に見せることだけだ」
ルイズは、うつむいた。瀬川も、拳を握り、心を押さえる。
「……陛下の、討ち死になさる様も、その中に含まれるのですか?」
「当然だ。私は真っ先に死ぬつもりだよ」
限界だった。抑えてきた心が、もう限界だった。
瀬川はウェールズの立場や、その行動の意味、それらを考え納得しようともした。
けれど、できなかった。
「何で、生き延びようとしないんですか!? 他の世界から来た俺が、勝手な価値観で叫ぶのは間違ってるというのはわかってます。
けど、なんで生きようとしないんです? 命が一つしかない掛け替えのないもので、何よりも重いのは同じはずです!」
別の世界から来た、という言葉にウェールズは一瞬目を見開いたが、すぐに冷静さを取り戻していた。
「命が一つしかない掛け替えのないものだからだよ。考えてみたまえ。もし、私が君の言う通り明日船に乗って逃げたとしよう。
どうなると思う?」
「それは……」
瀬川はそれを考え、即座に次に何があるか理解した。苦い顔で言葉を失う瀬川を見て、ウェールズは頷いた。
「そう、それを口実に戦争になる。しかも、同盟も消え、泥沼の戦いとなるだろう。あの姫のいる国が、そうなることを私は見過ごせない」
ウェールズもまた、戦争というもので踏みにじられるものを減らすために戦おうとしているのだ。
――自分の命すら捨てて。
瀬川はそれ以上何も言えなかった。
「お願いでございます! わたしたちと共に、トリステインにいらしてくださいませ!」
ルイズもまた、泣きそうな顔になりながら言った。しかし、ウェールズの態度は変わらない。
「……それは、できんよ」
「殿下、これはわたくしの願いではございませぬ! 姫様の願いでございます!」
ルイズは言った。アンリエッタが、ウェールズを見捨てるはずがないと。
sien
必ず、手紙で亡命を願っていると書いていることを。
しかし、ウェールズは静かに首を振るだけだった。
「そのようなことは、一行も書かれていない」
「殿下!」
さらにルイズがウェールズに詰め寄ると、ウェールズは、苦しそうにその言葉を否定した。
その顔、その口ぶりこそが、ルイズの指摘が当たっていたことをうかがえた。
「きみは、正直な子だな、ラ・ヴァリエール嬢。正直で、まっすぐな目をしている。
……いつでも君がそんな人であり続けることを祈っているよ」
うつむくルイズ。
ウェールズは一度微笑むと、時計を眺めて言った。
「そろそろパーティの時間だ。君らは、我らの王国が迎える最後の客だ。是非とも出席してくれ」
その言葉を最後に、瀬川とルイズは部屋を出た。
話があるとワルド一人、最後にウェールズに何かを呟いたのを感じ……瀬川も決意する。
瀬川は、あえてパーティに出た。
明日死に逝くために、今日を謳歌する人々を目に焼き付けた。
だれもが明るかった。悲しみに暮れる声はなく、ただただ明るかったことが瀬川は悲しかった。
それが、この世の理と言うならば、軽々に否定する資格は瀬川にはない。
彼らにとってはそれが名誉であり、最高の花道なのだろう。
彼らの考えは理解できずとも、彼らの世界があることは瀬川も理解している。
それに……大切なもののために命を投げ出すという行為は、瀬川も何度となくやってきたことだ。
だからこそ、瀬川は瞳に彼らを焼き付ける。
組んだ腕の指が、二の腕に食い込むほど拳を握り、歯を食いしばり、彼らを見届ける。
ルイズが、耐えきれなくなって外へ飛び出すのをワルドが追うのをぼんやりと眺め、胸を押さえた。
今瀬川のブルゾンの胸の内ポケットには、手紙と指輪が入っている。
明日、一足先に帰る瀬川が持っていたほうが安全だからとこっそりルイズから受け取ったものだ。
これで……大丈夫なはずだ。
明日、ルイズとワルドは結婚する。
ウェールズに、それを呟いていた。そして、今頃ワルドはそのことをルイズに伝えているのだろう。
ルイズに知られず、ワルドに問い詰めなければならない。
そのとき、ワルドの周りに人があまりいてはいけない。
ワルドは結婚式までは必ず顔を伏せているだろう。
それまでに、白か黒か、嘘か真かを見極める。
すべては、明日のために。
夜明けは、あっと言う間に訪れた。
迫りくる、決戦の日。
支援
しえん
拳を握る――力をあまりにも感じない。
意識を研ぎ澄ます――感じるのは、酷く存在が薄い自分。
けれど、心は揺れず。
僅か2日でどれだけ回復できたか分からない。
けれど、現状を嘆く余裕はない。今は、行くべき時なのだ。
瀬川は、城中を精力的に活動し、ワルドの姿を探し続けた。
そして――
「こんなところで、何をしてるんですか?」
そろそろ昼になろうとする頃、瀬川はワルドを見つけ出した。
城と秘密ドッグの中間にも当たる地点で、一人立っていたワルドに、瀬川は問いかける。
「いや、船が出港できないらしい。それで、君がどこにいるかを知ろうと思ってね」
柔和な笑み。いつもなら、それで瀬川も済ませていたろう。
しかし、このときばかりは、瀬川はワルドの全身を凝視し、視線を決して外さない。
だから、気付くことができた。――ワルドの目が全く笑っていない。
「『出航できない』? ……あなたが『出港させなかった』んじゃないんですか?」
「ほう……何を根拠に? 僕が」
ワルドの腕が、ゆらりと腰に添えられるのを瀬川は見た。
瀬川は、それを見て確信する。
「もういいでしょう。フーケから聞かせてもらいました。あなたが、『レコン・キスタ』ということは。
『遍在』のからくりも、ね」
次の瞬間、ワルドが杖を抜き放っていた。
銃口の如く付きつけられた杖から放たれるエア・ニードルを横に飛んで瀬川はかわす。
「……フーケを倒しただけでなく、『遍在』もとらえて正体を見破ったのかな?
まったくただの平民ではないと思っていたが、これは驚きだ。だが、後は君を殺して手紙をもらうだけだ。いまさら問題ないよ」
次々と詠唱され、矢継ぎ早に放たれる風の針が、鍾乳石を削り取っていく。
「だが、わざわざこんな人気のない場所を選んだのは失敗だったな。これでは、助けもない」
「……最初から、そのつもりだったんですよ」
ルイズに、このことを知られるわけにはいかない。後から話すならまだしも、目の前で信じる人が裏切る光景など見せたくない。
瀬川は、エア・ニードルが砕いた鍾乳石を一本掴むと、やり投げの要領で投げ飛ばした。
しかし、ワルドは冷静にエア・ハンマーでそれを迎撃、撃ち落とす。
破片となった石が、鍾乳洞の中で地面に落下し、音を響かせる。
エア・ハンマーを撃ったその隙に、空に瀬川は飛び上がった。
「愚かだな!」
ワルドの声――空中では、方向転換できない。つまり、的にしかならない。
そう思ったのだろう、空に向けて手早く魔法を撃とうとして――瀬川のけりがめり込んだ。
「が……ハっ!?」
そう、今のワルドの発想は、大空でしか通用しないのである。
狭い洞穴の中では、天井を蹴って方向転換、および加速も可能だ。
もっとも、そんなことできるのは、魔法で浮かぶのではなく獣のごとく四肢を使って跳躍できるもののみだが。
柱に背中を打ち付けた後、怒りに顔をゆがめながら立ち上がるワルド。
いつもの瀬川なら今の一撃で昏倒させられたのだろうが、今回はそうはいかない。
先ほど、確認したが跳躍力は10メイルがやっとといったところだ。
……かなり、身体能力が下がっている以上、まだ何発か当てる必要がある。
「だけど……いける!」
しかし、地の利は瀬川にあった。ここなら、縦横無尽に駆け回って、優位な位置を抑えることができる。
しかも狭いここでは相手は大技を撃つこともかなわないだろう。
一気に接敵し、相手を叩こうと拳を振い――ワルドに受け止められた。
「……魔法衛士隊のメイジは、ただ魔法をとなえるわけじゃないんだ」
感情が消えたワルドの平坦な声。
素早く、突き出されるサーベルの刃だけを棒に変えたような形状のワルドの杖。
さらに横から上からと鋭く振られるたび、逃げ場が減っていく。――信じがたい素早さ。
距離を取るために、強引に繰り出した大ぶりのフック。ワルドは難なくそれを回避すると、瀬川の脇腹に杖を突きこんだ。
「ぐッあ……!」
剣が貫いた箇所を、再度ワルドの杖が貫いた。傷口が完全に開き、血が流れだす。
意識が飛びかけた次の瞬間、風の魔法に吹き飛ばされる瀬川。
ワルドは、冷酷な瞳で瀬川を見下ろしている。
「詠唱さえ、戦いに特化されている。杖をかまえる仕草、突き出す動作……、
杖を剣のように扱いつつ詠唱を完成させる。軍人の基本さ」
さらに、ワルドの魔法。瀬川は、腕を組んで正面から受け止める。
どうやら、 刺突のエア・ニードルではなく、エア・ハンマーだったことが幸いした。
足を踏ん張り、どうにか耐えきり、肩からワルドにタックルを仕掛ける。
もんどりうって倒れたワルド相手にマウントポジションをとり、拳を振り上げようとする。
目に入るのは、まるで慌てていないワルドの顔。
右腕がちぎれるような痛み。――エア・ニードルが腕を貫いていた。
腕を押さえる瀬川を尻目に、フライを使って素早く置き上がるワルド。
足を止めたら、やられる――瀬川は、即座に壁を使いながら素早く移動。
何度となく瀬川が仕掛けるが、そのたびに、正確にワルドはカウンターを放つ。
ワルドも、こちらへのダメージを優先してか一手目は受け止めることがあるが、例外なくその後手痛いダメージを受ける。
しかし、瀬川はあきらめるわけにはいかない。
「おおおおおおおおっっ!!」
連続でひたすら加速をつけ続ける。
「悪いが、当たらないな」
左手で放った拳が、かわされた。余裕の笑みを浮かべるワルド。しかし。しかし、それでは終わらない。
瀬川は、貫かれた右腕を握りしめる。ワルドの顔が、何をするかに気付く――だが遅い
「当たれぇぇぇぇ!!」
右手が、根元からバラバラになる感覚とともに、ワルドの顎を正確に捕らえたことが伝わってくる。
これ以上ない、完全な一撃。
「……やってくれたな」
ワルドは、倒れない。相手も魔法を使う余裕がなかったのだろう、強引な姿勢からにひざ蹴りが瀬川にめり込んだ。
今ので、ほとんど力を使い果たした瀬川。まだ、立ち上がるワルド。
完全な、勝敗の決定。
ワルドの詠唱とともに、稲妻が伸び、瀬川の全身を貫いた。
「ぐあああああああっ!」
瀬川の叫びが、鍾乳洞に木霊する。痙攣する瀬川を足蹴にし、ワルドが嘯いた。
「まったく、君のもつ手紙と、ルイズと、ウェールズの命……すべて集めないといけないのに余計な手間を取らせてくれたな」
ゆるゆると処刑鎌を振り上げるように、杖を掲げるワルド。
「所詮は、盗賊になった貴族紛いは倒せても、平民じゃそこまでさ」
「じゃ、その貴族紛いに倒されるあんたは貴族ですらないね」
勝利の余韻に浸っていたワルドを、先ほどまでの戦いで生まれた破片で作られた巨大な腕が打ち抜いた。
すると、始めなから何もなかったかのようにワルドの姿が風の中に溶けていく。
誰かの足音が、鍾乳洞に響いた。
「あんた! 大丈夫かい!?」
「……フー……ケ……?」
そう、鍾乳洞奥の暗がりから現れたのは、その闇に溶けるような黒いローブを身にまとったフーケだった。
「どうして……ここに……」
支援
代理投下やります。
「用事もあったし、そのついで。ま、借りは返しとくものさ。
……最悪だよ、出る船に紛れて逃げるつもりだったのに、どこぞの馬鹿が風石を抜いたせいで船が動かない。
どうやら、最初から誰も逃がすつもりがなかったようだね」
憎々しげに、ワルドが虚空に消えた場所を睨み据えるフーケ。
「なんだ……って……?」
フーケの肩を借りながら、立ち上がる瀬川。
「今、風石を探して積み込んでるところさ。もともと、あたしらが乗ってたのは積み荷ばっかりだったからね。
二隻あっても『イーグル号』一隻動かせばいいんだ、余裕はあるのさ。
いくつか隠してたのも今見つかったみたいだしもうすぐ動くよ。けど……積み込む時間がない」
瀬川も、現状を掴む。つまり、風石はあっても、それを積んで動かす時間がない。
どれだけこの戦いで時間を稼げるかが全てを決するのだ。
瀬川は、もう一度ワルドの言葉を思い出す。
――まったく、君のもつ手紙と、ルイズと、ウェールズの命……すべて集めないといけないのに余計な手間を取らせてくれたな
ルイズが、危ない。
「頼む。今から礼拝堂に行くから……肩を貸してくれ」
フーケは、瀬川のその言葉に一瞬顔をひそめたが……ふっと笑顔を見せた。
「ここまで来たら、あんたみたいな常識外のやつに頼るしかないね。このまま行ったら何にもならないなら、やるだけやってやるさ」
――礼拝堂は始祖ブリミルの像の置かれており、かなり広い空間になっていた。
本来は、婚姻の契約を祝うため、多くの人で賑わうはずの場所だったが、今は3人しかいない。
すなわち――ワルド、ルイズ、ウェールズ。
戦の準備の忙しさで、他の人はいない。ウェールズもまた、準部が終わり次第そちらに駆け付けるつもりだ。
ウェールズは、それでもこの二人の門出を祝うために皇太子の礼装に身を包んでいる。
明るい紫のマントと、七色の羽根がついた帽子をつけ、微笑を浮かべたウェールズ。
そして、その前にいるのは白いマントを纏わせた、ワルドだった。
ルイズは、昨日のことでだいぶまいっていて、朝も気分が悪く布団にふてていたところを、ワルドに起こされた。
別に、ワルドが嫌いなわけではない。他に好きな人がいたわけでもない。
むしろ、この結婚は喜ばしいことだともルイズも思う。
だが、今の自分で本当にいいのだろうか、という気持ちがしこりになっている。
本当に自分は……憧れの子爵様に相応しい人間になれたのか。
正直、なれてない気がする。今の自分は、相変わらずの『ゼロ』だ。
ふと、思う。
昔の自分なら、おそらく迷いなく子爵様と結婚していただろう。
半ば、『ゼロ』であることにくじけそうで、自分を大切に思ってくれる人など子爵様だけだと思っていた。
けど……最近になってかわれたのだ。
素直に、自分を応援してくれる人ができた。
フーケを捕まえてから、周囲が自分を見る目も良い方向になっていった。
姫殿下まで、自分を頼ってくれた。
心の余裕ができて、そこで初めて知ったのだ。
世界が広いということを。そして、自分は卑屈になっていたのかもしれないと。
焦らず、ゆっくりでもいい。自分が『ゼロ』じゃないことを証明したい。
コウジは言った。
――別に今がどうだなんて、関係ないさ。信じれば、夢は必ずかなう。
ウェールズは言った。
――いつでも君がそんな人であり続けることを祈っているよ。
「では、式を始める」
粛々と進む式。
ステンドグラスから伸びる陽光が、3人を照らしていた。
ルイズは、一度周りに気付かれないよう胸を上下させて大きく息を吸った。
制約の言葉の時訪れる。
ワルドは、淀みなく誓うことを口にする。
次は、ルイズの番だ。
「新婦、ラ・ヴァリエール公爵家三女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
汝は、始祖ブリミルの名においてこのものを敬い、愛し、夫とすることを誓いますか?」
ルイズは、顔をあげて、決意を決める。
「今はまだ、誓えません。わたくしは、自分が子爵様に相応しいとは思えません。
……私が、『ゼロ』でなくなり、子爵様に釣り合うまで、婚姻の儀はまっていただけないでしょうか」
これには、二人揃って意外な顔をした。しかし、ウェールズはルイズの言葉に笑顔を浮かべ、一度頷くとワルドの肩を叩いた。
「子爵、誠に残念だが、花嫁が望まぬ式をつつけることはできない。しかし、ここまで一人の女性に愛されるとはすばらしいことだ。
そのような二人の仲介を私ができぬことはいささか残念だが、それも運命というものだろう」
だが、ウェールズの包み込むようなゆるやかな雰囲気とは逆に、ワルドの顔には焦りがにじみ出ている。
「ルイズ……今じゃ駄目なのかい?」
目を見開き、震えた声でワルドが言った。
「ごめんなさい、子爵様。でも、今のわたしでは……」
言葉を遮り、ルイズの両肩をはっしとつかむと、ワルドは言った。
「……緊張してるんだ。そうだろルイズ。君が、僕との婚姻を拒むわけがない」
目がつりあがり、日頃の優しさを湛えた瞳とは全く別の……そうトカゲを連想せるようなものに変わった。
ルイズは、ワルドの豹変に困惑しつつも、はっきりと言葉を紡ぐ。
「ごめんなさい……でも、今結婚したらわたし、後悔すると思うの」
「かまわないよ! 僕と一緒に学べばいい! 君には、始祖ブリミルにも劣らぬ、優秀なメイジになる才能がある!
君は気付いてないだけだ! 世界を手にするために、僕にはその力が必要だ!」
後ずさるルイズ。何が、彼をそこまで急かせて……熱狂させるのだろう。
夢にも思わなかった、あこがれの人の姿が崩れ行くのをルイズは感じた。
「ワルド、あなた……」
恐怖で、声が震えるのが自分でも分かった。
その時、ワルドのルイズに対する剣幕に見かねたウェールズが、間に入って取りなそうとした。
「何を焦っているのだ、子爵。君は、婚約者が成長するのも待てないのか……!」
「黙れ!」
ワルドは激高して叫ぶ。ウェールズの手をはねのけると、今度はルイズの腕を握った。
「ルイズ! 君の才能が必要なんだ!」
「わたしには……自分にそれがあるのかもまだ分からないわ。だって、これからだもの……」
「だから、何度も言ってる! 自分で気付いていないだけなんだよルイズ!」
手を振りほどこうとしても、ものすごい力で握られているため、振りほどけない。
苦痛に顔を歪めて、ルイズは問いかけた。
「あなたが愛していると言っていたのは、私じゃなくて、私の中にあるあるかもわからない魔法の才能だったの!?
そうだとしたら酷い! こんな侮辱はないわ!」
場が、凍りついた。
しかし、ワルドは、わななく腕をルイズからはがすと、小さく首を横に振った。
いつものように、優しい微笑を浮かべている。
だが、ルイズはそれが嘘で塗り固められたものであることに気付いた。
そう――瀬川はそのことに気付いたように、ルイズも気付いた。
ワルドの目は、まったく笑っていない。
「仕方ないな。目的の一つはあきらめよう」
「目……的……?」
ワルドは、唇の端を歪める。
もはや隠すこともないと、ワルドの内面を写したような禍々しい笑みがそこにあった。
「そうさ。一つは君。もうひとつはアンリエッタの手紙。そして……」
『アンリエッタの手紙』と言う言葉で全てを察したウェールズが、杖を構えて呪文を詠唱した。
しかしワルドはそれより早く、杖を抜き、呪文を詠唱し、相手に杖を向けた。
まさに、閃光の早さだった。
ルイズが状況を飲み込むより早く、物事が進行していく。
「き、さま……『レコン・キスタ』……」
ウェールズの口から鮮血があふれ、ルイズは無意識に悲鳴を上げていた。
力なくくずおれるウェールズを前に、顔色一つ変えず、ワルドは言い放った。
「三つ目は……貴様の命だ。ウェールズ」
さて、と呟き今度はルイズのほうに向きなおるワルド。歌うように呪文を詠唱している。
――何のためか? 言うまでもなく、ルイズの命を奪うためだ。
「なんで……なんであなたが……」
「しかたないだろう? 君が育つのを待つ余裕はないんだ。言うことをきかぬ小鳥は首をひねるしかない。なあ、ルイズ」
今、まさに、その腕が振り下ろされようとしたその時。
突如、壁を打ち抜いて巨大な腕が現れた。
「間に合わなかったか……!」
腕が明けた穴から、駆け込んで来る黄色いブルゾンの人影――瀬川と黒いローブをまとった人影――フーケ。
「ほう……すべて気付いているような口ぶりだな。『遍在』をまさか倒したと?」
風の魔法を使って腕をよけると、音もなくワルドは着地した。
腰を抜けたルイズを守るように、瀬川とフーケはルイズとワルドの間に立つ。
「ルイズ、無事か!?」
「わたしは……大丈夫……けど、殿下が……」
「なんでこんなことをするんだ……!」
「簡単なことだ。弱卒ばかりの王党を駆逐し、ハルケギニアを統一する。そして、エルフたちから『聖地』を奪還する」
それが当然と言わんばかりのワルド。瀬川は、怒りで拳を握り締める。
燃える瞳で、ワルドを睨みつけた。
俺は、この世界の人間じゃない。だから、この世界の決まりはわからない。……だけど、ひとつ言えることがあるよ」
「ほう、なにかな?」
「勝手な都合で人を裏切って、その人の心と命を踏みにじるようなことは、絶対に間違ってる!」
フーケが、石作りの椅子に錬金をかける。すると、小山のようにできた泥が6メイルほどの人の形に固まった。
問答無用で、ワルドに拳を打ち込むフーケのゴーレム。
ワルドは、フライを使って空に浮き上がって回避すると、冷たい声で言った。
「王党派に強い恨みを持つお前が何故邪魔をする、マチルダ・オブ・サウスゴータ?
このまま行けば、お前の父を殺し、家名を奪ったアルビオン王家が滅びるのだぞ」
瀬川は、突然明かされたフーケの過去に驚きで言葉を失う。
しかし、当の本人は、口の端を嘲るようにあげると、ワルドを見据えて言った。
「ああ、そうさ。こいつらには恨み骨髄までってやつだよ。……けどね、それがどうしたんだい?
こいつらを殺せば全部戻ってくるわけじゃないんだ」
もはや遺体となったウェールズをちらりとフーケは見る。
杖を構え、フーケは振りかざす。ゴーレムはそれに合わせてワルドを追撃する。
「逆にあんたらほっといたらどうなる? ……アルビオンが戦場になるに決まってるじゃないか。
そんなこと、悪いけど勘弁してほしいんだよ。ここには、最後に残った大切なものがあるのさ。
第一、今あんたのせいで逃げられなくて困ってるんだけどね!」
瀬川は断片的な言葉から、すべて理解した。
おそらく、フーケの出身がこの国だったように……家族もこの国にいるのだ。
戦争が起これば、彼女の家族も巻き込まれてしまうのだろう。
彼女も、アルビオンを戦場に起こる戦争が起こらぬことを願っているのだ。
瀬川のようにみんなのためでなくても、フーケもまた自分の大切な家族のために。
ゴーレムの剛拳を、ワルドはエア・ハンマーで吹き飛ばした。
ボロボロの体で瀬川はファイティング・ポーズをとる。
フーケは、視界を確保するために、フードを脱ぎ捨てると、杖を構えた。
「……いいだろう。こちらも本気だそう。風の魔法が何故最強と呼ばれるか、その所以を教育いたそう」
緊張から、瀬川は唾を飲み込んだ。
こちらはもう力をほとんど残っておらず、ボロボロだ。どんどん状況は悪化している。
「来るよ……あいつの切り札が。街で1つ、さっきで1つ。残りは……」
「ユビキタス・デル・ウィンデ……」
呪文の完成と当時に、ワルドの体が3つに分かれる。
「3か。……こりゃ厳しそうだね」
「分身……!?」
瀬川の声に、ワルドが答えた。
「ただの『分身』ではない。独立した意思と力を持っている。『風』は遍在する!」
3つのワルドは、同時にこちらにしかけてくる。
「はっ! 火ならともかく、風で吹き飛ばされるほど私のゴーレムはやわじゃないよ!」
腕だけであったが、フーケのゴーレムは強大だ。
すっぽりとこちらの姿を隠すと、ワルドの魔法を受けとめた。
「だが、土は動きが遅い」
しかし、早くも後ろに回り込みつつあったワルドを、瀬川が足止めする。
迫るワルドにあわせて拳を繰り出す――もうほとんど常人と変わらない拳は、あっさり空を切った。
「怪我に加えて『遍在』とは言え一度こちらと戦った。……もう限界じゃないかね?」
殺到する風に、瀬川は容易に吹き飛ばされ、壁に叩きつけられた。
壁に血の跡を残しながら、ずるずると地面に落下する瀬川。
「まだ……まだ……だ!」
最早気力だけで立っているだけの瀬川。
その体に、鞭を打って、どうにかフーケを守るように戦いを続ける。
「ちょっとあんた!? わたしのゴーレムを叩き切ったあれは使えないのかい!?」
「悪い、あれは一発で打ち止めなんだ」
しかもそれで精霊の力をほぼ振り絞っている。それを騙し騙し、体を引きずって戦っているのだ。
いつ倒れても、今や瀬川はおかしくない。
「こりゃ、あっちにつくのが正解だったかね……」
軽い口調と裏腹に、焦りと緊張のにじむフーケの声。
フーケはともかく、瀬川は『満身創痍』と言う言葉そのままの状態だった。
どうにか、相手の杖を受け、流し、そらす。だが、すぐ別方向から振られる杖と魔法が、前線に立って戦う瀬川に叩き込まれた。
それでも屈しない。膝をつきはしても置き上がる。
瀬川が、ワルドの『遍在』に、もう何度目かわからないほどの回数打ち倒される。
瀬川が立ち上がろうとしたとき、それより早く杖を振りかざすもう一人のワルドの『遍在』。
フーケは、最後の一人の相手をするのに手いっぱいだった。
万事休すか……!?
最悪それを瀬川が覚悟した瞬間……ワルドの一人が爆ぜた。
瀬川がそちらを見ると、15メイルほど離れたところで、ルイズが杖を振りかざしていた。
「コウジ!」
「何をやってるんだ!? 逃げるんだ!」
瀬川が叫んだ。しかし、ルイズは、杖を振り、魔法を繰り出す。
だが、当たったのは、先ほどの奇襲の一撃だけ。
そちらに標的を変えたワルドが、マントをなびかせルイズに迫る―――!
「ルイズ!」
瀬川は立ち上がり、走ろうとした。しかし、足がもつれて走れない。
それでも……無様な姿でも瀬川はルイズへ駆ける。
ルイズは、さらに魔法を撃とうとしていた。
しかし、ワルドの放ったウィンド・ブレイクがその手から杖を弾き飛ばす。
魔法を使ったことによって生まれた一拍のラグ。
瀬川が、追いついて、ルイズを庇うため、抱きしめる。
空から冷たい視線で二人を見つめるワルド。
次の瞬間、瀬川の腕をすり抜けるように、ウィンド・スピアーが……風の大槍がルイズと床を貫いた。
「ルイズ……?」
床の下にあった物置のような空間に落下していく二人。
真下にあったいくつかの樽がクッションとなって瀬川たちを守った。
樽が砕け、中身がぶちまけられる。中身は、緑色の水晶のようなものだった。
だが、そんなことはどうでもよかった。
「ルイズ!? ルイズ……! ルイズ、起きるんだ!」
脇腹から大量の血を流し、意識をなくしている。いや、もしかしたら……
その先の言葉を瀬川は考えないように頭から追い出し、ルイズを揺する。
「死んだか。いや、生きていたとしても終わりだ」
穴の上から、相変わらずの冷たい声が降り注ぐ。
しえん
「……何故だ。彼女は……あなたを信じてたんだぞ……」
「信じるのはそちらの勝手だ」
「信じていた人間を裏切って、なんとも思わないのか!?」
瀬川は泣いていた。瞳から、血の混じった赤い涙を流し、声を張り上げた。
「こんな風に……! 生きている人を踏みにじってまでしなければいけないことなんてあるはずがないだろ!」
「勝手にほえるがいい。
『遍在』もいいところに風石を隠していたものだ、ちょうどいい。そこにまかれた風石の力を借りて、塵も残さず吹き飛ばしてやろう。
あの裏切り者の盗賊も死ぬ。手紙はもらう。誰も逃がさない。これは、もう決まったことだ。
奇跡は―――起こらないものだ」
「させない……!」
「では、どうするかね?」
瀬川が、顔を上げる。
「絶対に、そんなことさせない!!」
瀬川の慟哭が――奇跡を呼ぶ。
大樽3つ分に詰め込まれていた風石が、一斉に目を傷めんばかりの輝きを放ち始めた。
「何……!?」
ワルドが、目を見張る。
だが、瀬川もまたその状況に驚いた。
「いったい……」
その時、脳裏によみがえる学院長オールド・オスマンの言葉。
――『風石』は、風の精霊の力の結晶じゃ
「まさか……」
次に、よみがえるのは、地球でこの力を授けた大神官ブレンの言葉。
――変身も、お前の力も、周囲の精霊の力が高まれば高まるほど、容易になるし力も上がる。
「これは……」
最後に思い出すのは、風韻竜のシルフィの言葉。
――精霊の力を借りるやりかが違うのね!
「もしかして……」
皆飯かね支援
何か名前欄に余計なモノが見えるが
支援
一つ一つの知識は、単なる木だ。
容易に吹き飛び弱弱しいように、大きな意味を持たない。
しかし、『木』も集まれば『森』となる。
森は、巨大な災厄すら受け止め、人を守る盾となる。強大な力で、人を長きにわたり見守る力となる。
瀬川の咆哮。
「俺がよそ者だって言うのは、分かってる! それでも……今だけでいい! 力を貸してくれ!
『我を纏いし風よ! 我の姿を変えよ』ッ! 変―――身!!」
風石が大量に砕かれ、濃密な精霊の力を宿す場となったことをオスマンから教わっていた。
瀬川の体が、周囲の力に合わせて変質するものであったことをブレンから聞いていた。
風の精霊の力を借りる詠唱を瀬川はシルフィから習っていた。
そして……瀬川の叫びに僅かに精霊が答えた。
いくつもの、条件が全て揃ったからこその奇跡。
おそらく、ここまで条件がそろうことはもうないだろう。ここ一度、次はいつになるか分からない。
それでも――今は可能なのだ。次はなくとも、今ならできる。
――足を開き、重心をしっかりと体の中心に固定する。
――左手を一度右前に突き出した後、左腰に添える。
――右手は、左手が腰に添えられると同時に左手があった右前へ。
――右手の親指と人差し指だけを伸ばした形で左胸に移動させる。
――最後は、右手をゆっくりと右胸へ水平移動させる。
瀬川の体が、七色の輝きを放つ。光が小部屋を余さず照らす。
光の粒子が、いくつも現れては瀬川に吸い込まれていく。
光の柱が立ち上り、ワルドの目を焼く。光の中で、瀬川が変わる。
腕は巨人の剣に。足はたくましい大樹に。瞳は灼熱の太陽に。
体は輝緑の鎧に包まれ、血脈に代わり命の輝きを流す金色の葉脈が全身に刻まれる。
人から、戦士へ。
そう、それは。彼の真の名は―――
Jupiter〈万能神〉の使い魔 仮面ライダーJ
「コケおどしを……っ! 姿が変わっただけじゃないか!?」
そこで我に返ったワルドは、杖を振りかざし、まとめて貫かんと再度エア・スピアーを放つ。
ライダーは、形なき風の大槍を……掴んだ。
「はあッ!」
手に力を込める。たったそれだけの動作で、あふれ出した精霊の輝きが槍をかき消した。
「馬鹿な……!?」
驚くワルドを無視し、ライダーは静かにしゃがみこむと、ルイズの脇腹にそっと手をあてた。
力を、集中させる。かつて、幼き少女を救った時のように、強く再生を念じる。
ライダーの輝きが、手を通してルイズへ伝わっていく。
ルイズの顔が生気を取り戻し……傷口は最初からなかったかのように消えた。
「うぅ……う……」
ルイズから、寝言のような言葉が漏れる。
ルイズをしっかりとライダーは抱き上げると、高く飛び上がった。
礼拝堂のステンドガラスの光を背負い、花嫁姿のルイズを抱いたまま、ライダーは堂々と立つ。
ワルドが、驚愕しながらも立て続けに魔法を放つ。
ライダーは、防御もしない。ただ、一歩ずつルイズを抱いたまま前進する。
当たらない。ワルドの魔法は、すべてライダーの纏う精霊の輝きの中に消えていく。
ライダーが一歩前へ。
ワルドが、一歩後ろに後ずさる。
ライダーが一歩前へ。
ワルドが、一歩後ろに後ずさる。
ライダーが一歩前へ。
ワルドが、一歩後ろに後ずさる。
「な……な……!?」
あらゆる魔法を、いくら当てても傷一つ負わせられないことに言葉を失っているワルド。
ブリミル像を背に押し当て、ライダーを見つめるワルドなど、ライダーの眼中にはない。
ライダーは燃える瞳でウェールズの遺体を見つめている。
そっと、ルイズを横に降ろし、先ほどと同じように手をウェールズの胸に押し当てる。
光とともに、ウェールズが、目を覚ました。
「う……これは……君は……?」
「昨日会った、ルイズの使い魔です。……姿は変わってますが」
信じられない事象の連続に、もはやどんな表情を浮かべていいのかすらわからない様子のワルドに、初めてライダーが瞳を向ける。
燃える瞳が、ワルドを捕らえる。ワルドは、理解を超えた目の前の存在に怯えに似た表情を作っていた。
ライダーが、右後方の虚空に拳を繰り出す。
すると衝撃波が奔り、20メイルは離れた場所にいたフーケと戦っていた『遍在』が砕け散った。
「すご……それが、あんたの本気かい?」
フーケの言葉に、親指を立てて瀬川は答えた。
「……まだ、やるのか?」
「黙れ!」
ワルドは、杖をこれまでになく大きく振りかぶり、横に振り切った。
烈風が、礼拝堂を駆け抜ける。
地面の本当にすれすれから舞いあげられた風が、砕けた石などを巻き込み、風の土石流となって4人を飲み込まんとうねり狂う。
天井をこすり、城を支える柱を粉砕し、取り込むものすべてを破砕しながら迫る極技。
超巨大な竜巻を発生させるスクウェアの風系統の魔法――『カッター・トルネード』!
ウェールズとフーケが、ライダーのそばに立つ。その足元にはルイズもいる。
ウェールズとフーケがたじろぐ中、ライダーは手で二人が行動しようとするのを制した。
「ふんッ!」
ライダーの突き出した右腕と、『カッター・トルネード』が衝突する。
強大な精霊の力が、緑色の火柱となって立ち上った。
場全てを支配しなぎ払おうとする烈風が、瀬川の守る一角には入ることができない。
右手で『カッター・トルネード』を支えたまま、ライダーは左手を振り上げる。
そう、それはライダーの技の一つ。古今東西、数多の怪人を屠りさってきた――
「ライダァァアアパンチッ!!」
巨大な大竜巻を、ライダーパンチの一撃が粉砕する。風に消えていく『カッター・トルネード』。
「……まだ、やるのか?」
再度のライダーの問いに、震えるワルド。
そこに、突然城全体を揺るがす衝撃が走った、
それを天祐と感じたのか、精一杯の虚勢と言った口ぶりでワルドは答えた。
「もう役目は終わりだ! 総攻撃は始まった! いくら強くとも、もはや関係ない! 言ったろう、君たちの死ぬことは決定していると!」
ワルドが口笛を吹くと、天井からグリフォンが舞い降り、ワルドを掴んだ。
「逃すものか……!」
杖を取り出し、振ろうとするのをライダーは阻む。
「やめてください。あなたには、その力でしてもらわなければいけないことがあるんです」
ワルドは、礼拝堂から消えるのを見送ると、ウェールズの肩を掴んでライダーは言った。
「ウェールズさん、イーグル号に乗ってください」
「何を……昨日も言ったはずだろう、私は真っ先に死ぬつもりだよ。それにもうイーグル号は出港……」
「してないんです! ワルドが風石を抜いたせいで、今でも積み込んでいます」
ウェールズの顔が、一気に青ざめる。
「お願いです! 今すぐイーグル号に乗って、あなたの風の力で補って、今すぐ出港してください!
遅くなればなるほど危険なんです。いますぐ出なければ手遅れになるんです」
ライダーは、ウェールズの肩を掴んだ。
「あなたは昨日、こうも言ったじゃないですか!『無辜の民を命は必ず守る。戦うのは、望む者たちだけだ』と!
でも、戦いたくない、戦えない人たちの命まで奪われようとしてるんです!
最後まで戦って命を落とすのも王族の役目なら、国の人々の命を守るのも王族の仕事でしょう!」
ウェールズは少し迷うような顔になったが、すぐに顔をあげた。
「わかった。今からイーグル号に乗ろう。ただし、幻獣とともに。安全な場所までイーグル号を飛ばした後、私はここで戦って死ぬ」
「安全な場所まで、どのくらいかかりますか?」
「20分と言ったところだろう」
「……わかりました」
ルイズを抱き上げ、ウェールズに手渡す。そして、フーケとウェールズを見て、大きくライダーは頷いた。
「さあ、行こう」
ウェールズがライダーも行くように促す。しかし、ライダーは首を横に振った。
「もう、戦いは始まっています。イーグル号が安全な場所に行くまで、俺が戦って足止めします」
「しかし、それでは……」
「俺一人なら、戦場を突破して逃げることもできます。……さあ、急いで!」
ライダーに一度、軍人として敬礼すると、ウェールズはルイズを抱えてかけ出した。
「……あんた、本当に人がいいねぇ」
フーケは、笑った。
「ま、あんたみたいな馬鹿見てて嫌いじゃ無かったよ。……死なないことを祈ってやるさ」
「………」
無言のライダーにそれ以上何もいわず、フーケもまたライダーに背を向けてイーグル号へ去っていく。
また、城に衝撃が走る。
礼拝堂に一人残されたライダー。
「20分で、五万か…… でも、やるしかない」
イーグル号のある方向を見て、静かにライダーは呟いた。
「……生きてください、ウェールズさん。あなたを待つ人がいるんです」
戦争は起こさせない。
ウェールズも生き延びる。そして……『レコン・キスタ』側にも死者は出さない。
それが、ライダーとして選ぶ道。
また、城に衝撃が走る。
礼拝堂の扉を瀬川は開け放ち――光の下、ライダーは飛び出した。
大空には、いくつもの船と、竜が城に群がるように飛んでいる。
それらから放たれる一発一発が、城に小爆発を起こしていた。
ライダーが、風の精霊の力を借りて、虚空を踏みしめ空に駆け上がる。
ぐんぐん高度を上げ、竜騎士の中に飛び込んでいく。
赤い竜たちが、こちらに気付き、火炎のブレスを吹きかけてきた。
「悪いけど、少し眠っててくれ!」
先ほど同じように片手を突き出して炎を切り裂く。矢の如くまっすぐ、一騎の竜騎士に肉迫する。
駆け抜けざまに、ドラゴンの首筋に軽く叩く。
それだけ、ドラゴンは昏倒し、落下していった。
他の竜騎士たちが、その光景に驚くその一瞬。さらに、ライダーは回り込み、二騎のドラゴンを気絶させた。
「なんだ……なんだこいつは!?」
竜が火を噴き、乗るメイジの魔法がライダーを狙って放たれる。
しかし、一発も当たることはない。
100メイル0,7秒――特殊技能を除けば全仮面の騎士最速。
跳躍力150メイル――特殊技能を除けば全仮面の騎士最高。
にも関わらず精霊の力が加えて加護を与える限り、上限なしに仮面ライダーJの能力は上昇する。
7000万年以上受け継がれてきた大自然の神秘が生み出す最強の改造人間の身体能力と、エルフを超える精霊の加護による力。
そのどちらもが桁はずれにも関わらず、その相乗効果で生み出される力を測定することは不可能。
40秒もかからず、10頭以上いた全ての火竜が、意識を失い、大地に伏している。
「打て、打て―――!」
周囲の戦艦がライダーに気付いて砲撃する。
たちまち、ライダーの体が爆炎に包まれ―――
「はああああっ! はあっ!」
――無傷。
精霊の風で吹き飛ばされた爆発の中から現れる、無傷のライダー。
人間の力では、ライダーの体を傷つけることはかなわない。
戦艦に乗る人々が青ざめる中、大空を足場と変え、ライダーが走る、走る、走る!
戦艦の上空で、剣を振り上げるように、まっすぐと腕を伸ばす。
精霊の力が、腕に集中する。生あるものを傷つけることなく、無機なるものだけを切り裂く手刀。
街で30メイルのゴーレムを切り裂いた、全力の数割とはまるで違う真の一撃。
「ライダァァァアアア チョォォォップッッ!!」
少女を傷つけずフォッグマザーだけを切り裂いたときと同じように、中にいた人間を傷つけることなく、100メイルを超える船体だけを両断する。
超合金の1000倍以上の強度を超えるフォッグマザーならまだしも、木と固定化と鉄だけでできた船体は、大きくとも、いとも簡単に両断された。
瀬川の人を傷つけたくないという意識に呼応し、風の精霊の力が船を包み込みゆっくりと地面に着地させる。
「あの化け物はなんだ!? 閣下から、閣下から承ったあれを出せ!」
超人の聴力を駆使し、その声のするほうへ向きなおすライダー。
200メイルを超えるひときわ大きな船から、白い何かが現れ、こちらに高速で飛んでくる。
「何!?」
風竜を追い越し、弾丸のように飛んでくるそれ――白い悪魔の彫像。
時速500リーグの速度で飛ぶ風竜より速い。瀬川は、相手の速さを読み間違いかわすことはできなかった。
30メイルはある巨大な彫像――ガーゴイルが、時速800リーグはあろうかという速度で、瀬川と衝突する。
「けど……力が足りないな!」
回避をあきらめ、瀬川がとった行動は……正面から受け止めることだったのだ。
ガーゴイルの質量は、10トンか? 20トン? さらに、そのスピードで体当たりした時の衝撃はもう一桁上がるか?
――たかがその程度で、仮面ライダーJは揺るがない。
勘違いしてはいけない。仮面の騎士最高の跳躍力も、走力も、仮面ライダーJにとっては長所にはなりえない。
むしろ、他の仮面の騎士と比べれば高くとも、彼にとっては、スピードは大きな短所に過ぎないのだ。
そう、仮面ライダーJは、正面から受け止め粉砕することを得意とするパワーファイター。
精霊の力が流れていないことから無機物であることをライダーは悟ると、拳を握りしめる。
完全機械化をはたした仮面の騎士の赤い腕にも匹敵する、500トン近い威力を持つ拳がガーゴイルに叩きこまれた。
一撃で、全身までヒビが行きわたり、過剰な破壊力が爆発となって粉々にガーゴイルは吹き飛んだ。
さらに戦線に投入されるガーゴイルの群れをライダーは睨みつける。
その場の誰もが、目を見張った。
だが、戦いを止めるわけにはいかない。
次々、次々、戦力が投入される。
そして、次々、『仮面ライダーJ』はそれを粉砕する。まったく相手にならない。
誰も殺さず……誰にも殺されず……絶対としてその場にいた。
強い。
強い。
途方もなく――強い。
いや、少し違うかもしれない。
仮面ライダーJは……大自然の化身。大自然そのものなのである。
人が決して強大な天災にかなわないことから分かるように、人間が自然に勝つことはないのと同じことなのかもしれない。
『仮面ライダーJ』の『J』は巨大な〈jumbo〉ではない。
確かに、精霊の力を浴び巨大な姿になることもあるが、それは結果的に巨大になったと言うだけのこと。
『J』は……天空よりあらゆる事象を司る全能神〈Jupiter〉を表す文字であり、同時に自然が絶対の力で下す審判者〈judge〉を意味するのだ。
もっとも最初に、神の名を冠して生まれた仮面ライダー。その力もまた人の弱き力から見れば神に匹敵する。
「ライダァァァアアア キィィィックッ!!」
しかし、それでもライダーキックの衝撃の余波が、大地にいる兵隊たちを根こそぎ吹き飛ばし、
巻き起こす大風が空にいる風竜から飛行能力を奪う。
そして、4基のガーゴイルを一瞬で貫き、爆発を大空に響かせた。
迫るドラゴンを軽い一撃で昏倒させる
戦艦を切り裂き、撃墜する。
ガーゴイルを容易に粉砕する。
腕の一振りが兵隊をなぎ倒す。
すべてを受け止めても――ひるみもしない
――巨大化するほどの力などなくとも、これだけの力を仮面ライダーJは発揮することができる。
ありえない事態が起きていた。
本当は、一方的に蹂躙するはずだった『レコン・キスタ』の空軍が、戦場を縦横無尽に駆ける一人の戦士に殲滅され始めていた。
支援
支援
この場で勝てぬと判断したのだろう、相手の巨大な旗艦が、撤退を始めた。
ライダーは、静かにそれを見送った。太陽の位置から、時間を見る。
戦いが始まって、ちょうど20分が経っていた。
478 :
代理:2008/08/10(日) 19:10:26 ID:LlAJKOXP
876 名前:Jupiter〈万能神〉の使い魔(8/8)[sage] 投稿日:2008/08/10(日) 19:07:38 ID:oYc442uo
これで、終わりです。
もともと左手氏の作品に触発されて書き始めたSSでしたが……ここで一つの区切りです。
左手氏の作品のV3の活躍を見ながら、スピードや跳躍力ではV3の2倍以上、パワーやタフネスではV3の10倍近いJを、
きちんと変身して活躍させながら物語が破たんしないように作ったつもりですが……想像以上に長くなってしまいました。
変身後が強すぎるため、ひとつひとつ伏線張って、追い詰められて、そして逆転!と王道を作ったつもりです。
死人が出たり、守るため以外でライダーが力を振るうことはライダーとしてNGなので、このような形に落ち着きました
乙でしたー!!
なんという爽快感乙
巨大化できることは知ってたけど、何だこの強さはwww
乙でした。代理投下人さんもお疲れ様です。
シンプルこそ最強!!魔法や特殊能力なぞ小細工!!そしてお人好し!!
いいなぁ。まさにこれこそ漢らしい強さというやつですよ
・・・でも今後は変身どうする気だろう?
ヴァリエール家とトリスティン王家の財力で風石を買い占めて、常に樽三個分は携帯していれば……
金喰う上に面倒な事この上ないかw
おお、ブラボー!ブラボー!
これぞライダーと言わざるを得ない。
よきものを読ませていただきました。
ヒーローってのは、無敵なのさ!
GJ!しかし強さよりも、ウェールズあっさり死んだなー>ルイズまで死んだだと!?
まさかのバッドエンド!!?>あっさり生き返ったーーッ!!?(ガビーン)に吃驚。
変身の場面で鳥肌が立ったのはエアコンのせいでは無い筈。
>何だこの強さはwww
ホビージャパンの連載では宇宙人のUFO大軍団を一発で全滅させてたような
489 :
ナイトメイジ:2008/08/10(日) 20:19:06 ID://gnHBDl
20時25分から投下させてください
OK蝿的支援
491 :
ナイトメイジ:2008/08/10(日) 20:25:48 ID://gnHBDl
「金の酒樽」亭
ラ・ロシェールにある酒場の一つである。
金とは誇大もいいところで実のところただの廃屋にしか見えないような小汚い酒場である。
しかし客はそれなりにいる。
その客の一人として角の席で土くれのフーケはカップを傾け、久しぶりにまともと思えるような酒を楽しんでいた。
実のところかなり質が悪い酒ではあるが、野宿で飲む革袋に入れた酒に比べれば何倍もましだ。
「まったく、やってらんないよ」
誰に聞かせるでもない独り言をつぶやき、何杯目かをあける。
フーケがここにいるのはアルビオンに上がるためである。
ベール・ゼファーの命令を渋々ながら引き受けて既に2週間そこそこ。
成果は上々と言ってもいい。
「こっちのほうでもやっていけるかもねえ」
盗賊をやっていた頃、あるいはそれより前のツテを頼りにちょっとつついてみただけなのだが、これが面白いほどに情報が集まる。
中には調べているとわかっただけで手が後ろに回りそうなやばい物もあるが、今のところ追っ手がかかった様子はない。
次はアルビオンにでも行こうかとラ・ロシェールに来たはいいがフネの出る日は限られている。
アルビオンが最もラ・ロシェールに接近する「スヴェル」の月夜の翌日までは待たねばならない。
そんなわけで空いた日を使って船乗りや傭兵達の話をいくらか聞いてみたのだが、そこでも面白い話をいくらか聞けた。
「のんびりやるしかないさね」
──それにあいつのいるトリステインから離れられるのが一番だね
杯を傾けもう一口。
少しばかり強い酒が嫌な思いと一緒に喉の奥に落ちていった。
「あら、ご機嫌ね」
そう言いながら、誰かが勝手に向かいの席に座ろうとする。
今日は一人で飲みたい気分のフーケはギロリとそいつをにらみつけた。
「そこは空いてないよ。ほかに行きな」
「そんなこと言わないで。いいでしょ?知らない仲じゃないんだから」
睨みつけたのはフーケだが、酒で焼けた喉ごと体が凍るような冷たさを感じたのもフーケだ。
フーケを、それだけでなくすべてを見下す瞳を持つ少女、ベール・ゼファーがそこにいた。
「あんた……何でこんなところに」
破壊の杖を盗んだときの事が頭の中をよぎる。
酔いは一瞬にして覚めた。
「もちろんアルビオンに行くためよ。あなたもそうなんでしょ?」
こんな事なら別の日にするべきだった、とも思うが今更だ。
会わなかったことにできるはずもない。
「よぉ、そこのお嬢さん達」
酒がなみなみついだジョッキを片手に、なにも考えていそうにない男の声が降ってくる。
この男がベルとフーケの間にある空気に気づかないのは酒のためか、元々考えが足りない男なのか。
なんの証拠もないがフーケは後者だと確信した。女のカンである。
「こんなところで女二人たぁ、あぶねえな。どうだい、俺が守ってやろうか?」
赤い鼻の男はベルの隣に無遠慮に座り、ついでに酒臭い息がかかるほどに口を近づけた上にベルの小さい肩に手を回した。
「うっとうしいわね」
ベルが半分だけ瞼を閉じたとき、フーケは飛び上がり、杖を男の鼻先に突きつけた。
「き、貴族?」
マントを着けていない今のフーケは貴族には見えない。
ベルにしたって風変わりな格好としか思われないだろう。
「ちがうね。だけどあんたをのしてやる程度の魔法なら使えるよ」
フーケの杖が男の持っているジョッキを軽く叩く。
それだけでジョッキは土くれに変わり、中につがれていた酒は床にこぼれ落ちた。
「お、俺の酒が……」
男は怒りで赤くなったのか、酒で赤くなったのかわからない顔をフーケに向けようとするがその前に魔法の杖が鼻先に戻っていた。
「次はジョッキじゃすまないよ。足下を泥に変えて生き埋めにしてやろうか?それとも、ゴーレムで踏みつぶした方がいいのかい?」
「ひっ」
男の顔から血の気が引いていく。
血の気と一緒に酒まで頭から引いていったのか、男はふらつきもせずに店から走り出ていった。
「助けてくれるなんて、やさしいのね」
492 :
ナイトメイジ:2008/08/10(日) 20:27:07 ID://gnHBDl
「冗談言うんじゃないよ」
周りの恐怖や好奇心の視線を無視してフーケは元いたところに座り、飲みかけの酒をあおった。
「あんたがその光であの酔っぱらいを酒場ごと焼き払ったらたまったもんじゃないからね」
ベルの手のひらには白い光を放つ球体が浮かんでいる。
それはゴーレムごとフーケを焼き払ったあの光と同じ物だ。
「ああ、これ」
ベルは手のひらを傾ける。
光は手のひらからこぼれ落ち、テーブルの上へ。
「あっ───」
フーケは逃げようとするが、奥の席を陣取っていたのが災いした。
どうやってもあの光球が店と自分を焼き尽くす前に逃げれそうにない。
意味はないとわかっていたが、フーケは両手で顔をかばった。
だが、なにも怒らない。
1秒
2秒
3秒
4秒
5秒
そして、10秒
やなりなにも起こらない。
代わりに、くすくすと笑い声が聞こえてきた。
フーケはおそるおそる、それこそ震えながら両手をおろす。
なにも起こっていない。
強いて何が起こっているかと言えば、笑っているベルとテーブルの上で光球が輝き続けているだけだ。
「なにしてるのよ。ただ灯りをともすだけの魔法よ」
ぽかんと大口を開けたフーケの視線は吸い寄せられるように光球に集まり、そして人でも殺せそうなそれをベルに向けた。
「なかなか面白かったわよ。あなたの驚いた顔」
もっとも視線で人を殺せるはずがない。
仮に殺せる視線をあったところでこの女の息の根を止めることなどできないだろう。
「あ、あんたってやつは!!」
ひとしきり笑った後、ベルは組んだ手に顔を乗せて酒のおかわりを二桁ほど注文したフーケに話しかけた。
「聞かせてもらえるかしら。あなたに頼んだこと。その成果を全部」
フーケの話を小さくうなずきながら聞いていたベルは、話に一区切り終わると
「なかなかよく調べたじゃない」
と、口を開いた。
「ロマリア、ガリア、ゲルマニアいずれも牙を研ぎ続けているわね。それに面白いこともしてるみたいだし」
「なら、そっちの方からかい?アルビオンは後にして」
そうさせて欲しかった。
同じアルビオンに行くなんて冗談じゃない。
「そうね……」
ベルはフーケの顔をちらりと見た後、宙を見上げる。
そこを飛ぶ茶色い蛾の羽に手を伸ばし捕まえた。
「アルビオンのレコンキスタからにしましょう」
フーケは小さく舌を打った。
一度は自分を殺した相手と同じところに行くというのはあまり気持ちのいい物ではない。
「そうそう、もうちょっと教えてくれないかしら」
「なんだい?」
「アルビオンに行く途中で出るって言う海賊。それが一番狙いそうな積み荷って何かしら?」
「そうだね……」
フーケが考える間、ベルは摘んだ蛾を自分が作り出した光に近づけ、離し、それを繰り返す。
蛾は光に近づくたびに足を動かしてもがいた。
映し身かしら支援
494 :
ナイトメイジ:2008/08/10(日) 20:29:24 ID://gnHBDl
「硫黄、だろうね。戦争のおかげで値段は馬鹿上がりさ。今の時期だと下手すりゃレコンキスタに手を出したってことで追われるかもしれないのに、度胸があるもんだよ」
「じゃあ、その硫黄を積んだ船で海賊が出そうなとこを通りそうな船は?」
「そんなのいないさ……いや、ちょっと航路は外れているけどマリー・ガラントが近いところを通りそうだね」
「ふぅん……ならそれにしましょう。それから」
ベルが指を開くと、蛾は羽をはばたかせてよたよたと飛び上がる。
どこかに逃げればいいのに蛾は光球に引き寄せられてしまう。
ベルは蛾のいなくなった指でフーケを招き寄せ、耳に口を近づけ、何事かをささやいた。
「……な!!そんなことにつきあえってのかい?それに、その話だって裏のとれてない噂からの推測じゃないかい!冗談じゃない、つきあえないよ!」
「あら」
フーケの怒鳴り声を聞き終えたベルは光球の周りを飛ぶ蛾を手のひらで包み込む。
次に手を開いたとき、蛾はばらばらの残骸となって床に落ちていった。
「拒否していいと思っているの?」
フーケは時々思う。
この女は本当に人間なのか、と。
もっと違う何かではないのか、と。
だがそれを知るすべはない。知りたくもなかった。
*******************************************
今回はここまでです
情報屋と化したフーケさんでした
ルール的にはベルの能力値使って情報収集判定しているので今のフーケなら必要とあらばジョゼフはブリーフ派だと言うことくらい簡単に調べてくるでしょう
GJ
そーいやベルが魔王って知ってんのはルイズだけか
そしてジョゼフはブリーフ派なのか(メモメモ
乙ですた。
フーケならベルの力を借りなくても男性キャラの下着を調べるぐらい簡単ですな。
一部特殊な趣味の方には対応しできないけど。
Jの人乙!!
超王道展開に身震いするほど燃えた!!GJ!!
フーケさん情報収集の演出要員かよwww悪いプレイヤーだなベルさんは!(誉め言葉)
今後も期待してます、乙でしたー
GJ!!
き、君こそ仮面ライダーだ!!
大自然の化身相手では勝てないわな、ワルド。
予約なさそうだし投下してもいい?
まずは投下作品名等を明らかにされたし。
小ネタなど、演出のために投下終了まで隠しておきたいならばその旨をお伝えくださいませ。
天誅の力丸に憑依した俺
ちなみに高1です。
あと携帯からなので投下スピードがおそいっす
、、xミミ州ィi彡三ミミ、、
、ミミミヾ州ソィ彡三三ミミミ、
三ミミヾヾY彡毛三三ミミミミ、
尨三=ミミヾ’く彡三三ミミミミミミ、
fl´ `ヾ三ミミミミミミ
i| }ミミミミミミミ’
l‐=、 ,. ==-、 `’ミミミミミミリ
r十ェ;ミ__,. -t:ェ、 ,,..-‐ヒi!r‐ミ、i
ヽ!_ソ^ヾ、_ノ´ illリ’ } )ソ!
‘, / ’ 、 , ” ’ンiリ
’, `‐^ ‘ ’ ‘´iil’
‘, -‐=‐-、 , /./ヽ、
ヽ  ̄ , ’ / /^\
,.-‐ゝ‐rr‐ ‘ ,/ / /ヽ
/ / ハ__/ / / \
/ _/ //^! /| / ヽ ヽ
オーコット・ワリー・シーマス [Orcott Wally Seamouth](1982〜 シーランド公国)
憑依は場違いだから理想郷かNTへ
はい、ダメです。
投下しないでください。
「淫売、根暗、生きてるか?」
「上から来るぞ^^、気を付けろ」
やがて、あたし達は小汚い階段を発見したのだ。
そのときデブは驚くべき言葉を吐き掛ける。
「なんだこの階段は?」
我々探索隊は先に進むことにした
うなると、その階段の先には遺跡があり、あやしい扉が・・・。
「せっかくだから、私はこの赤の扉を選ぶぜ」
「こうして私は、クリムゾンを手に入れたのよ」
目の前の少女は変てこな銃に頬ずりしながら茫洋とした表情を浮かべてなにか呟いている。
やばい、関わりたくない。
「いや、お友達との遠足の話はいいから
どうして俺は、ここにいるんだ?」
「あんたバカぁ?ああもう、うるさいわね!
今日から私の使い魔なのよ!白くても私が黒と言えば黒なの」
なんて無茶苦茶なガキなんだ、なぜに俺がこうまで文句を言われないといけない?
不愉快きわまりない表情を浮かべて喚き立てる少女を視界から排除し状況把握に努める。
>>504 憑依は明確なスレ違いではないが雰囲気的にあまり好まれないと個人的には判断するよ。
憑依と自覚しているならなおさらに。
でも天誅の力丸召喚自体はスレ違いではないよ。憑依じゃなくなったらまた来てね。
あと携帯からの投下はいろいろと煙たがられるよ。
どうしても携帯から投下するときは避難所の投下スレなどを介するといいかもしれないよ。
というわけで個人的判断では今の君はここへの投下はどうかなぁ?と思うよ。
夏だな。
投下すんなつっているだろカス
これは酷いw
つか遠足でどこに行ってんだよw
まて、みんな落ち着け。
これでは奴の思う壺だ。此処はひとつ、華麗にスルーだ。
よし、グルジアのサーカシビリ大統領が亡命中に聖地のゲートを潜ってしまってだな・・・
>>516 いくらなんでも不謹慎にもほどがあるぞ
まだ存命の人なんだから
故人の方がもっと不味くないか?
カードワースのカナン様がデュマデュオの力によって(ry
う……そうかもしれない。すまん、故人のほうがまずいのか。
……いかんな、脳が、故人を萌キャラ化した某アニメに侵されているのかもしれん
すまん、軍事板に張り付いててちょっとな・・・
天誅といえば、忍者キャラ召喚は何かあったっけ?
いやいや、実在の人物なら存命、故人関係なくダメだろ。
しかし、どうやら邪神召喚の儀式は阻止できたようだな。
どっちかといえば、あの世界に行くと面白そうな実在の人物は技術者だな。
アインシュタインみたいな理論畑より、実務畑の技術者が行くと
話を膨らませるのが容易な上に切り口としてはそこそこ斬新。
ハットリ君はありそうだけどまだないのな
忍者ハッタリと申したか。
>>525 俺、夜明けの人がダスクタバサ出すの待ってるんだ……。
とまれ、カイザーとハッタリを召喚するとカイザーの方がガチ魔術師だから類感魔術やら
すげー蘊蓄語り出しそうだなw
品評会でノリノリな使い魔ってことで、SWRPGアドベンチャーのリュクティはどうだ?
お偉方の前でロックを披露するってことなら喜ぶだろう。
一応貴族だったりもするとか、マジックアイテムを持ってるとか、面白そうだ。
>>526 なぎはらえールイズ旗なら
あれは国旗デザイン変更コンテストの作品だから
別にひどいことしてるわけじゃないぞ
どっかの他国の国旗焼いて喜んでる奴とは全然違う
映画「ロボコン」の4人とか……
ジュブナイルのテトラ開発直後とか
>>529 ナイトブレイカーズか……
ロリコン大魔道士がヒーローのやつだっけ
>>524 忍者系でくくってみようか。乱破S.S.より九能市氷雅さんを召喚とか。
失言の術はメイジ相手にはかなり有効だが、
敵陣粉砕の術(爆弾背負わせて特攻)をヴェルダンデに強要させそう。
>>529 彼は権威主義や既存の凝り固まった価値観を否定する立場だから、ハルケギニアに抛り込めば面白いかも知れんな。
>>523 田宮の俊作さんとか
本田の総一郎さんとか?
ノリノリな使い魔としてはバサラを薦めてみたい
>>527 カイザーはなぁw
一応テレビにも出演したシナw
>>529 折角だから俺はこのストラトフォートレスII世とシルバーブリーズを持ってロックの嵐を吹かせるのか。
でもあいつらは一人よりもパーティーで召喚したほうが面白そうだよな
そういや深夜アニメでも同じような事があったな
>>534 ロックだからなーw
リュクティって魔法使えたっけ?
ファイターで、バードだったと思うから使えない。
>>535 「戦いなんてくだらねえぜ! 俺の歌を聴けぇー!!」
で品評会でも大受けだろうな
でもファイヤーバルキリーに乗ったらルーンが光りそうだw
>>540 ファイアーバルキリーは武器じゃないよ、楽器だよ!
いや、バサラ本人は本気で楽器だと思ってるだろうけど、光るんだろうなw
忍たま召喚は止まっちゃってるな
うーむ、忍者で実務技術者で品評会にノリノリ参加で、
凝り固まった既存の価値観を否定する使い魔・・・・
パッパラ隊のとびかげ?
>>539 バード5レベルなんだから呪歌が5種類は使えた筈。
種類は忘れたけど。
呪歌ならルイズも覚えられるかな?
>>543 以前の小ネタだったら、とびかげは始祖だったから価値観の根底だったぞ
忍者の素早さと空手のダイナミックな攻撃を取り入れた格闘技の使い手を召喚するってのはどうだ?
とりあえず元一番隊隊長あたりを召喚
ただ掟で武器を使ってはいけないってのが問題なんだよなあ
>>530 アレを、真面目にUKの新国旗としてふさわしいと思ってデザインしたなら不謹慎ではないが、とてもそうは思えない。
ちなみにあのウェールズの国旗の赤い龍は「ブリテンの守護者たる赤き龍」なんだが、不評だな。
アーサー王の苗字にもなってるのに。
>>541 それもありかー
しかしそうすると楽器が気になるぜ。考えると面白そうだが。
>>543 とびかげ先生とたぶんみんながあがめるよ!
>>544 呪歌はマナさえあれば使えるんじゃね?
だからルイズも経験点500を払えばきっと覚えられるよ!
具体的には失敗魔法をファンブルとするのなら50回ほど唱えればおk
フォーセリアとハルケギニアなら技術レベルも近いだろうから楽器も似たようなものになるかもな。
ゼロ魔で楽器ができそうな奴っていたかなあ。
貴族の嗜みで何かやってそうな気もするけど。
>>544 呪歌は正確な音で鳴らせば効果を発揮するので、音痴で無ければOK。
オルゴールですら呪歌の効果は発揮されるぞ。
>>544 呪歌って魔法扱いなんだっけ?
確か「マーチ」を憶えてたような……
>>551 魔法的効果を発揮するけど、ルール上魔法扱いではない。
>>549 ジュリオが聖歌隊だって言ってなかったか……楽器が出来るかどうかは知らんが。
>>546 数日も経たない内にあの蛙面に学院の食料が食い尽くされるんですね、判ります。
少なくとも食費でルイズ破産フラグだw
丁度ゼロの使い魔+タバサの冒険全16巻タワーの下にナイトブレイカーズ爆発があったので見てみた
チャーム、ビブラート、ダンス、モラル、アテンションの五種だな
恐ろしく屁が臭くてヤンキーでオカマで寝てばかりな忍者カモン!
>>554 でもマルトーとシエスタには気に入られるぞ
>>555 アテンションってどんなのだっけ?
完全版には無かったから文庫か旧版にあるのだと思うけれど。
>550
オルゴールで呪歌が可能? まさか『始祖のオルゴール』の正体は……?!
よし、ならばジャイアンだ
日本において奴以上の呪歌の使い手はいまい
何故かアテンション&ダンス&チャームの文字を見て、使い魔品評会でマイケルジャクソンズムーンウォーカーのダンシングアタックばりに薙ぎ倒す姿が思い浮かんだw
>>558 アドベンチャー初出の呪歌(データ化はされていない)
抵抗に失敗したやつは奏者に注目してしまう呪歌
>>560 奴のは呪歌じゃない。
この世のありとあらゆる物を破壊し尽くす破壊音波だ。
>>562 なるほど。
キュアリオスティみたいなものか。
いや、むしろアテンションがキュアリオスティになったのかな?
回答ありがとう。
>558
注目。敵の目を引きつける、ただそれだけの呪歌。
リュクティの目立ちたがり屋という特性を再現するために作られたゲームにはない呪歌。
たしか脱衣系の呪歌があったような‥‥。
ケッチャがでてくるリプレイでサテュロスが使ってた奴。
>>555 マーチがあったような気がしたが、気のせいだったか……
しかし、ワルツにもナイトブレイカーズ出てくるよな。
うん、ナイトブレイカーズ召喚、書いてみようかな……
タイトルは「トリステイン衝撃!」みたいな感じで。
問題はSWアドベンチャーの文庫がどこにあるか探さねばならんことだな。
>>566 あれはサテュロスの種族特殊能力だからバード技能じゃ無理だよ。
>>560
歌声が日本刀相当の攻撃力の人を。
たぶん、CVは絵魔さま。
>>568 リュクティの身に付けてる腕輪がマジックアイテムで、操作するとマーチが流れる(ただし本編では未使用)
本当に卓ゲ人はどこにでもいるよなぁw
>560
少年ジェットの方が強そうだ。
>>569 ‥‥そうか。
どっかからサテュロスを拉致してくれば万事解決だ!
ここでSWを見ることになるとは。
あのころのSNEは輝いていたよ・・・。
一字違いのSNKも頑張ってたよなw
>>574 わたしゃへっぽこの続きが投下されるのを今でも待ってるぞ。
個人的には、イリーナはガンダールヴじゃないほうがよかったと思うが。
ライドウ続きまだっすか新作でるんすよ
技術者召喚は書いてみてるけど、変革を描くにはハルケギニアの技術を細かく描写しないと凄さが伝わらない。
しかし技術や文化を詳細に描写しようとするとクドくなる罠。
でも正直書いてて超楽しいわコレ。
固定化による血清の永久保存とか、ゴーレムで線路の敷設工事とか、風石搭載戦車時速200キロで疾走とかw
>>574 アレはそもそもイギリスを構成する民族国家が元々は4つぐらいあって、でもユニオンジャックは三色やん?
で、その内の一つの民族(の、一部民族主義者)が「俺等の象徴が国旗に入ってへんやんけ。国旗変更を求める!」
とか馬鹿な事を言ったので、(イギリスの東スポ的)新聞社が「じゃあ募集しようぜーww」とか企画をしたの。
そしたら世界中のシャレの分かる連中が、大グレン団だのポロネギだの尻尾だけだの、アホな国旗を色々送ってきたワケだ。
だから元々イギリス人がアレな人をからかうために始めたジョークなのな。
確かにその前提の上で見ないと不謹慎に見えるかもだけど。
いや、だからそれ自体が不謹慎だといってるんだが?
アレ、ウェールズの人はけっこう腹立ててるんだぜ?
>>578 『ほぼ』単一民族である日本人から見れば馬鹿馬鹿しいかもしれんが、
彼らにしてみれば名誉にかかわる問題でもあるぞ。
なにせ数百年にわたって迫害されてきたんだから、それを無いものにされちゃ
そりゃ誰だって頭に来るさ。
まぁ、イングランド人はブラックジョーク大好きな国だから、
あんな感じになったんだろうけどなw
ああでも、キヨシローの君が代ロック調とかも不謹慎だと思うタイプの人には受け入れられないよな。
俺はジョークすら受け入れられない真面目一辺倒な世の中は不自由で嫌だってタイプなんでなぁ……
まぁ何を不謹慎とするかは、その人のモラルに大きく影響を受けるよな。
おっと、これ以上はスレ違いだぜ
空気を変える為にちょいとプロローグ的な物を投下してもいいかい?
元ネタは途中発表になる
明治大帝が召喚されました
投下大歓迎
>>577 理(ryのフェ(ryさん出る奴が、技術者としての側面が書かれてて完結してる私が知る唯一だけど
好き嫌いは両極端になるよね、どうしても。
自転車の奴もそれなりに面白いし、技術側に対する裏づけさえあれば
科学技術という観点からハルケギニアを描く作品としてモノにはなると思うよ
ではでは、投下いたします
「おいおい、もうその辺にしといたらどうだ」
「無駄だって、所詮ゼロが成功するわけないじゃん」
周囲からの野次を受けながらも、ルイズ・フランソワーズ・ド・ラ・ヴァリエールは再び杖を振り下ろす。
爆発。
その振り下ろした先から爆風が発生し、周囲の人たちが顔を腕で庇い、さらに野次は酷くなっていく。
こんな事をこの少女は何度も何度も繰り返しているのだ。
トリステイン魔法学院。
ここは国の貴族達が魔法を習い、また(子供同士とはいえ)貴族同士の社交場としての意味を持つ教育施設。
魔法とは、始祖ブリミスによって授けられ貴族のみに許された奇跡の技である。
そう、つまり魔法は貴族が貴族たらんとする最大のステータスなのだ。
そんな中で、魔法が使えない前代未聞の貴族がこの少女である。
彼女の魔法は必ず「爆発」する。
それは火の魔法でも、土も、風も、水も、全ての魔法がルイズの唱えた場合は爆発しか起きないのだ。
家柄はトリステインでも名だたる大貴族なのだが、故に魔法が使えないという事実は彼女に強い劣等感を抱かせた。
そのため彼女は本を読み漁り、時には徹夜で読み明かして勉学に励んだ。
そこに自分が魔法を使えない理由が記されているかもしれないという希望を抱いて。
だがどんなに努力しようとも、今まで一度たりとも魔法が成功する事はなかった。
それでもルイズは諦めない。
いつかはきっと使えるようになる、努力しつづければ必ず報われると信じ続けていた。
しかし、今日ばかりは失敗は許されない。
今日は使い魔を召喚する為の大切な日なのだ。
この儀式で何を召喚するかによって、進級と専門課程が決まる。
つまり、召喚に成功しなければ進級することが出来ないという事だ。
それだけは許されない。
ルイズの貴族としての誇りが、今まで努力し続けてきた人生がここで終わってしまうという事実を受け入れられるはずがなかった。
再び杖を振る。
また爆発。
それでもめげる事無く、再度挑戦しようと試みる。
「ミス・ヴァリエール、もういいでしょう。また後日にやり直しましょう」
そう進言したのはコルベールという名の、少々寂しい頭部を持つ教師だ。
生徒思いの熱心な教師であり、生徒達からも厚く信頼されている。
「……嫌です。成功するまでは止めません!」
ルイズは再び杖を振り下ろした。
さらに爆発。
「ですがミス・ヴァリエール。あなたの後にもまだサモン・サーヴァントを終えていない生徒は残っているのですよ。
あなた一人のために、これ以上の時間を費やす事はできません」
コルベールはさらに厳しく諭した。
ルイズの後ろにはまだ使い魔を召喚していない生徒が数名控えている。
ルイズとてただ我侭なだけの人間ではない。
今度は素直に従った。
だが、
「わかりました、でもあと一回だけ挑戦させてください! お願いします!!」
ルイズはコルベールに詰め寄るように訴えた。
他人をバカにするのがジョークだって言うならそんなモン受け入れられない。
君が代ロックとはまるで違う。
現にあの絵、ウェールズ人にとっては侮辱と感じられるらしい。
そりゃそうだろう、自分達の誇りの象徴に他国のMANGAキャラが尻をのっけてるんだぜ?気分良い訳が無い。
支援
「……いいでしょう、本当にあと一回ですよ?」
その言葉に笑顔で礼を言い、最後の召喚を試みる。
もう失敗は許されない。
一人だけ居残りや後回しなどルイズが許容できるわけがない。
ルイズは深く息を吸い込み、心の中で思いついた呪文を口にしながらその杖を掲げた。
「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ!神聖で、美しく、そして強力な使い魔よ!
私は心より求め、訴えるわ。我が導きに応えなさい!!!」
その呪文を言い終えると同時に、今までの非にならない程の大爆発が起きた。
その爆風に巻き込まれて、周囲の生徒とコルベールが吹き飛ばされた。
「また失敗かよ! いい加減にしろ!」
「こっちにまで迷惑かけるな!」
さらにひどい罵詈雑言がルイズに浴びせられる。
(やっぱりダメなの……? 結局ゼロはゼロでしかないの……?)
ルイズは地に膝を付けて泣いていた。
今まで何度も挫けそうになった。
心無い言葉を何度も吐きかけられた。
それでも……それでも諦めなかった。
いつかは立派なメイジになると、そう信じて。
(でも、それでもやっぱり……)
「え?」
それは生徒達の中の誰かの囁き。
その声に反応して顔を上げたルイズは自分の目を疑った。
自分の起こした爆煙の中に、何らかの影が存在しているのだ。
「う……嘘だろ? ルイズが成功したってのか!?」
周囲の生徒達も動揺を隠せない様子だ。
それもそうだろう。
なぜならコレが、ルイズの初めて成功した魔法なのだから。
「嘘……ホントに私、成功したの?」
ルイズもまた信じられないという様子で、ゆっくりとソレに近づいて行く。
やがて煙が晴れ、その中から出てきたソレを見たとき。
「!?」
絶句した。
それはルイズも、生徒達も、いつの間にか起き上がっていたコルベールも、その場に居た全ての人間が言葉を失った。
なぜならそれは、
「……人?」
そう、それは人だった。
仰向けになって気を失っている男だったのだ。
「平民……なのか?」
ギャラリーとなった生徒達の一人が、自信が無さそうにそう呟いた。
それはその姿が余りにも異端だったからだ。
真っ白な髪と、その髪と同じ白い服。
腕や腰、背や脚に付けられた鎧の様なもの。
いや、むしろ彼を彩る為の装飾と呼ぶべきか。
その顔立ちは驚くほど整っている。
そして何よりも、両の肩と頬に刻まれた赤い刺青が皆の眼を惹いた。
それはトリステインの、いやハルケギニアの中にあって異端という以外の何者でもなかった。
「嘘でしょ……こんなのって……」
だが、ルイズにとってはそれがただの平民に見えたらしい。
「ミスタ・コルベール! やり直しをさせてください! こんなの聞いたこともありません! もう一度だけ――」
「それは出来ません。使い魔召喚の儀式は神聖なものです。一度召喚した使い魔を気に入らないからと言ってやり直す事はできません」
そう言われてしまっては引き下がるしかない。
ルイズは渋々とそれにしたがった。
「何をしているのですか? 早くコントラクト・サーヴァントを済ませてしまいなさい」
「え……えええぇぇぇぇぇ!?」
コルベールに言われてルイズは顔を赤くして飛び上がった。
コントラクト・サーヴァントとは召喚した使い魔にルーンを刻む魔法である。
その方法は使い魔に口付けする事。
つまり、コントラクト・サーヴァントをするにはこの男とキスしなければならないのだ。
(でもこいつを使い魔にしないと進級が……でもやっぱり私のファーストキスをこんな訳のわからない奴にあげちゃうなんて……)
迷いに迷った末、ルイズは前者を選んだ。
「うぅ〜」
未だ納得がいかないのか、唸り声を上げながらその男に顔を近づけた。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
五つの力を司るペンタゴン、この者に祝福を与え、我の使い魔と為せ」
呪文を唱え、そっとその男の唇に自分の唇を合わせた、
「ぐっ!」
途端、その男の顔が歪み、呻き声が発せられた。
ルーンを刻む再には多少の痛みが発生するらしい。
その痛みで目が醒めたのか、男は目を開いて起き上がった。
せめて、タイトル入れてくれ 一応支援
「うっ……くっ!……………こ……ここは……?」
男は周囲を見渡し怪訝そうな表情を浮かべている。
(まあ、それはそうよね。いきなり呼び出されたんだから……)
と、自分の使い魔に少し同情していたとき、その使い魔と目が合った。
「おいあんた、ここはどこのエリアだ!?」
「え……?」
急にかけられた質問はルイズにとって全く持って意味不明だった。
その男はさらに幾つか質問をしたが、ルイズには全く訳が分からず「何それ?」としか言えなかった。
その言葉を聞いて、男は絶望したように手で顔を押さえて歯噛みした。
その姿にルイズは苛立ちを覚えた。
(何よ、せっかく同情してあげてるのに……頭を抱えたいのはこっちだって同じなのよ!)
そして彼の前に立ってずいっと顔を近づけた。
「ねえ、あんた名前はなんていうの?」
「はぁ?」
人を小ばかにしたような彼の返答に、ルイズのこめかみがぴくりと反応する。
「い!い!か!ら! とっとと教えなさい!!」
「っ!」
男がビクっと体を震わせ、怯えたようにゆっくりと口を開いた。
「……ハ……」
「ハセヲ」
594 :
588:2008/08/11(月) 00:18:54 ID:fKKBSj0S
失礼した。支援。
全てを終えた戦い
救われた世界
救われた人々
だがハセヲを待っていたのは、
共に戦った仲間でも、平和になったThe Worldでもなかった
彼を待っていたのは……
「異世界だって!? そんなバカな話があるか!!」
「大人しく私の使い魔になりなさい!」 「ごめんだね」
「始祖ブリミル、って言ってわかるかしら?」 「様は神様みたいなもんか?」
「この事を上に報告すれば……」 「下手をすれば聖戦に発展しかねんぞ」
「あの……すみませんでした。私、逃げたりしてしまって」
「諸君、決闘だ!」
きっとまたこぼれる光
「そのルーンはガンダールヴという伝説の使い魔の印でな」
暖かく包んでくれる
「つまり君は神の御使いに等しき存在なのじゃよ」
現実から逃げようとして
「これが俺の新しい始まりってか?」
大事なもの見失ってる
「洒落になってねえぜ、オーヴァン」
ちょ、ハセヲだと?
これじゃ未帰還者、というか肉体は?PCだろ?
信じていたい あなたが来るのを
「だって……魔法が使えない私には……これしかないんだもん!」
いつの日かここで 巡り合うまで
「貴族の誇りもなかったら……私はどこにもいなくなっちゃう!」
感じていたい 時が止まるまで
「安心しろ、ルイズ」
暖かい手で 私に触れて
「俺もお前も、此処に居る」
冷たい手に 引き寄せられ
「俺は……もう逃げねえ」
流れてゆく 時を過ごし
「この現実からも……」
遠くを見た その瞳に
「コイツ等からも……」
何が映っているのだろう……
「そして……テメーからもな!!」
何が映っているのだろう……
.hack//G.U. vol3.5 The World of ZERO
ハセヲの物語は再び、
ゼロから始まる
細かい事は気にするな、支援。
って、これで投下は終了?
理想郷で、ハセヲが召喚されてた話し合ったのを思い出した
あっちは休止状態だけど
支援支援
という事でハセヲ召喚です。
新しい小説、「.hack//黄昏の碑文」を読んで、
「これはイケル!」
と、勢いで書き上げました。
1話は現在進行形で書いています。
それでは、支援ありがとうございました。
歌なら765プロがいるじゃないか
とりあえず千早とキングと小鳥さんなら歌唱力は問題ないよ!
と言っているが俺は雪歩好き
アバターが武器になってる以外は本編以上に面白かったよな、小説版。
とりあえずGJ、楽しみに待ってる。
主人公の名前発表乙
はせをというから指輪物語のアラゴルンの事かと思った。
投下乙。
>>596 蛇の使い魔のスネークも肉体なしだったな
そういうのどうするんだろ
>>588 やつらは平気で他人の民族をネタにするけどなー
.hackか…思い出すな。
なぁ、蒼炎の人よ…いつ還ってくる…(泣
>>606 そうなん?イギリス人じゃなくてウェールズ人が?よく知らんが。
>>573 サテュロス召喚以外にも、SWじゃなくて
SW2.0ならヌーディって服を脱がせる呪歌があるぜ。
SW2.0関連商品にヌーディ覚えてるバードがいるかは知らないけど、
むしろまだいない可能性のほうが高そうだ。
というより、ID:3PjWhf7Wの人の言う事に全くのソースが無い事が気になる今日この頃。
ここまで書き込みでは、自分の価値観を基準にして考えてるように見受けられる。
「自分がされて嫌なことは人にしない」というのは立派なことだが
「自分がされて嫌なことは非難する」というのはあまり立派とは言えないぞ。
投下乙
ハセヲか、ザ・ワールドのシステムがどこまで反映されてるかで強さがだいぶ変わるな
後半は次回予告風ですな。しかし原作といっしょだと次回予告は当てにならない罠w
ハセヲかあ
憑神は使えるのかしら?
体が白いってことは武器はアレか。
デルフが涙眼になるのが眼に浮かぶようだ。
>>610-611 む、確かに見返してみると感情的になっていたかも。
自分もウェールズの人とは少々縁があるんで、ムキになっていたかも知れん。
落ち着くことにしよう。
あと、いろいろ言った人、すまんかった。
俺もスマンかった。
反省の印として明日黄昏の碑文買ってきて読むことにする。
.hack新版小説出てたんだ
知らんかった;
て言うか、設定資料集すら買えてないorz
>>614 大丈夫、一応職業は“錬装士”扱いだから
武器四つあるけどww
黄昏の碑文の方か、.hack//G.U.の小説版だと思いっきり勘違いしちまってたw
GU小説版も本編より面白いこと請け合いだから気が向いたら読んでみる事をお勧めするよ
まぁ.hack//AI busterのキャラも登場するからそっちも読まないかんのが難点だがね。
デルフが不思議空間に飲み込まれるな
ま、あんまネタにする話じゃないよな
国の象徴コケにしたんだ国際問題になってもおかしくなかった
俺らだって某クソったれの隣人共が日本の国旗燃やしてるの見ちゃ腹たててるだろ
待て、ハセオの選択した武器は
鎌と双剣と『 大 剣 』だ。
ドッペルゲンガーの武器とか痛みの森クリアの
武器を持ってたらギーシュ涙目だなw
どうも、ようやく3話が書き終わりました。
特に投下予定が無いのでしたら、投下してよろしいでしょうか?
おk
支援しないとでも思っているのか?
では、3話投下開始です。
暖かな陽光が照らす朝。
朝食をとる為に食堂へと向かい、朝日が差し込む廊下を歩く影が二つ。ルイズとその使い魔=ジャンガだ。
「はぁ…」
「…何度目だよ、そのため息は?」
ルイズのため息にジャンガは顔をしかめる。
「仕方ないでしょ……他の皆は使い魔とのコミュニケーションもとっくに終えて、共に過ごしているっていうのに、
私は召喚から”4日”も経った今日、初めてアンタを連れているのよ?」
”4日”の部分を強調し、ルイズは振り返らずに答える。彼女が憂鬱なのもまぁ無理も無い事ではある。
ジャンガは召喚から三日三晩経った昨日の時点で目が覚めてはいた。
だが怪我はまだ完治しておらず、念の為にともう一日休息を入れたのである。
その為、召喚から計4日と言う開きが出てしまったのだ。
ただでさえ皆に馬鹿にされている彼女にしてみれば、これは非常に致命的な弱みでもあった。
このまま食堂に行けばどうなるか…考えただけでも更に気持ちが沈む。
「はぁ…」
更に鬱な気分になり、彼女の口から再びため息が漏れた。
学生達が食事をする『アルヴィーズの食堂』は既に大勢の生徒で賑わっていた。
三つ並んだ、やたらと長いテーブルにはロウソクやら花が飾られ、所狭しと豪華な料理が並んでいる。
ちょっと油断をすれば直ぐに腹の虫が鳴き出す香ばしい匂いの中、ルイズはジャンガを引きつれ足を進める。
案の定、周りからは嘲笑が聞こえてきたが、彼女は全力でそれらを無視。
ジャンガに席を引かせると着席する。
「で?」
「”で”……って?」
「俺は何処に座ればいいんだ?」
ルイズの左右の席には既に着席している生徒が居る。
自分の席は何処かと辺りを見回す。ルイズはそんな彼のコートの裾を引く。
振り向いた彼にルイズは床を指差した。
ジャンガが視線を向けると、そこには罅の入った皿が一つあり、豪華な料理とは比べる事などできないほど、
粗末なスープと如何にも硬そうなパンが乗っていた。
「おい…何だこいつは?」
「この席に座っていいのは貴族だけなの。使い魔は本来なら外で待っているのよ?
あんたは私が特別に計らってあげたから床。感謝しなさいよ?」
「……」
無言のままジャンガは床に座った。――額にハッキリと青筋を浮かべながら…。
朝食が終わり、午前の授業が始まった。
食堂でもそうだったが教室に入った途端、ルイズは生徒達に嘲笑や罵声を浴びせられた。
それにも彼女はやはり無視を決め込んだ。
そんな彼女と生徒達の様子を見つつ、ジャンガは他の使い魔達と共に教室の後ろの方で壁に凭れ掛かっていた。
暇潰し程度に授業の内容を聞きながら、ただ呆然と時間が過ぎるのを待った。
やがて暇を潰すのにも飽き、船を漕ぎ出した時、生徒達が急に騒ぎ始めた。
「んだぁ…?」
騒がしい声にジャンガは顔を上げる。
見ればルイズが席を離れ、先生(ミセス・シュヴルーズとか言ったか?)の方へと歩いていく。
そんなルイズに周囲の生徒達は一様に鬼気迫る表情を浮かべ、「やめて、ルイズ」などの言葉を投げかける。
食堂や教室に入って来た時などの嘲笑とはまた違うその雰囲気にジャンガは不可解な物を感じた。
「なんだってんだ…一体?」
そうこうしているうちにルイズは教卓の前に立った。
「では、ミス・ヴァリエール。錬金したい金属を強く思い浮かべるのです」
優しく促す教師=ヴァリエールの言葉にルイズは緊張の面持ちで教卓の上の石ころを見つめる。
その様子を静かに見ていたジャンガだが、ふと一人の生徒が扉を開けて出て行くのに気付いた。
ゆっくりと扉を閉め、タバサは教室を後にする。
ルイズが魔法を使おうとすればどうなるかは誰もが承知の事実。
故に誰もが必死にルイズを止めようとしたのだ。
あの教師は少し気の毒だが、今年就任したばかりで彼女の事を知らないのだから致し方ない。
それにタバサにしてみれば気に留める必要もない。…何せいつもの事なのだから。
教室を離れた後は読書をしつつ、次の授業の事を考えればいい。
タバサは本に目を落としながら、静かに読書できる場所へと歩みを進める。
「授業中に抜け出すたぁ、良くねぇな〜?」
唐突に聞こえてきた聞きなれない声にタバサは顔を上げた。
見れば壁に凭れ掛かりながら、こちらに顔を向けている長身の男が立っていた。
左右で色と見開き方の違う月目が自分を見つめている。
「…ジャンガ?」
「キキキ、嬉しいねぇ…俺の名前を知っているたぁな?」
何時の間に先回りしたのだろう?多少気になったが、タバサの興味をさらうほどではない。
タバサは本へと目を戻し、ジャンガの前を通り過ぎようとする。
「おいおい、無愛想だな…?」
「……」
タバサは最早顔も上げず、読書を続けながら歩みを進める。
そんな様子に舌打するジャンガ。
「まだ授業は終わっちゃいねぇぞ…?不味いんじゃないのか?」
「…いいの」
「おいおい…」
「多分…授業続けられない」
「そりゃ、どうい――」
――その時、ジャンガの声を遮り、学院内を揺るがす爆発音が響き渡った。
「な、なんだぁ?」
突然の事にジャンガは両目を見開き、爆発音の聞こえてきた方向=教室の方を振り返った。
タバサは全く動じずにその場を立ち去ろうとする。その背にジャンガは声を投げかけた。
「お、おいっ!?今の何だ?」
「…彼女の魔法…」
タバサは振り向かずに一言。
「はっ?」
「…行ってみれば分かる…」
そう言い残すと彼女は今度こそ、その場を後にした。
ジャンガはその背を暫く見送っていたが、やがて教室へとその足を向けた。
「……」
教室へと舞い戻ったジャンガは言葉を失った。
あの爆発音からある程度予想はしていたが、目の前の状況は多少それを上回っていた。
教室内は爆発の名残であろう煙が充満し、壁や天井には罅が無数に入り、窓ガラスは残らず割れていた。
床や机には砕けた壁や天井の欠片が散らばっている。
ふと、目を向けた先の床ではシュヴルーズが倒れている。
時折痙攣しているところから目を回しているだけのようだ。
爆発の状況などから考えて、おそらくは爆心地に近い所に居たのだろう。
不幸と言えば不幸だが、これだけの大爆発の爆心地にいて目回している程度で済んでいるのは幸運と言える。
と、シュヴルーズの近くの煙の中から人影が立ち上がった。…ルイズだ。
顔は煤だらけ、服やスカートはボロボロ、路地裏で生活している奴と比べても大差無い…いや寧ろ酷い。
ルイズはこんな状況下でありながら、全く動じる気配を見せず、取り出したハンカチで顔の煤を拭き取る。
「慣れてるな…」
ある意味、感心したジャンガは思わず声を漏らした。
「だから言ったのよ!」
突然、響き渡った声にジャンガは目を向ける。キュルケが怒鳴り散らしているのが見えた。
しかし、やはりルイズは動じる気配を見せずにハンカチを動かす手を止めない。
「ちょっと失敗したみたい」
そんなルイズに生徒が一斉に騒ぎ出す。
「どこがちょっとだよ!」
「今まで成功の確立ゼロじゃないか!?」
「ゼロのルイズ!!」
『成功の確立ゼロ』……その言葉にジャンガは彼女が何故『ゼロのルイズ』と呼ばれるのかを知った。
(なるほどねぇ…)
ジャンガは小馬鹿にするような笑みを浮かべ、ルイズを見た。
(ゼロ……つまり”無能”って事か…。キキキ…ピッタリじゃねぇか)
し、支援
以上で投下終了です。先の展開やら何やらを考えていた結果、
今回も可也遅れました。
次はギーシュ戦までいけるかなぁ?
では、夜も遅いので…おやすみなさい。
投下乙でありました。
……先約が無いようなら2:05分頃から投下してもよろし?
「あの馬鹿、何やってんのよ……!」
はてさて、今日も今日とて不機嫌そうに吐き捨てるルイズ。
既に夜は更けて双月も高く昇っているというのに、使い魔は一向に帰ってくる気配が無い。
暇を持て余しすぎて、幾度となく鳴らし続けてきた関節は既にどの角度に捻っても何の音も出てこず、
奥歯を噛み締めすぎたせいか、こめかみはキリキリと痛む。
まったく、一体どこで油を売っているのだ、あの阿呆は。
よもや女生徒やメイドにお手付きしているのではあるまいな。
とりあえずキュルケやタバサ、モンモランシーらの所には居なかったようだが。
待たされれば待たされるほどに、思考があーんなことやこーんなこと、危険な領域へとシフトしていく。
ここでクロードを弁護しておくとするなら、彼にはこと女性関係においてギーシュのような甲斐性は無い。
せいぜい市井の人々の懐からちょいと心付けを拝借したり、
どこぞの某公国よろしく各国貨幣、あるいは国家機密レベルの書類その他を偽造する程度である。
……それはそれで大問題ではあるが。
とは言え、そんなクロードの気質をルイズが知るわけもなく、懇切丁寧に解説してくれる人が居るわけもなく。
脳内劇場でちょいとばかり斜め上に脚色された使い魔に対し、沸々と殺気を漲らせるルイズであった。
「覚えてなさいよ……って、え?」
と、戸棚の中からお仕置き用の鞭を物色していたところを、ノックの音に思わず振り返る。
始めに長く二回。続けて三回。
ルイズの目がハッと見開かれる。
それは彼女の記憶の海の底、深い深い闇の中に残された大切な想い出。
恩知らずな使い魔のことなど既に意識に無い。
慌てて戸棚を閉じ、高鳴る心臓を押さえつけるように、右手を胸元に添えて彼女は待つ。
そして、再び同じリズムで繰り返される叩かれる木の扉。
間違いない。気の迷いなどではない。
息が詰まる。足がふらつく。瞳を閉じて天を仰ぐ。
ああ、始祖ブリミルよ。これは夢なのでしょうか。
いっそ夢でも構わない、このまま醒めないでいて。
震える手をドアノブへと伸ばし、ゆっくりと扉を開くルイズ。
そこに立つのは、メイドを先導役に黒の外套に身を包んだ女性が一名。
そして、何時まで経っても帰って来なかったクロードだった。
クロードの顔を見て軽く眉を顰めたルイズだったが、流石にこの状況では文句を言うつもりにもならず、
とりあえず無言で三人を部屋の中に招き入れる。
一行が部屋に入ったのを確認し、クロードが後ろ手にドアを閉めた。
さて、改めて話を聞こうかと思ったところ、メイドに片手で制される。
思わぬ展開にルイズがきょとんとしていると、懐から杖を取り出すと静かな声で詠唱を始める。
「……ディテクト・マジック? それに、メイドが魔法を?」
「どこに眼が光っているか、わかりませんからね」
そう言って、悪戯っぽくクスクスと笑うメイド。
一方のルイズはわけが解らない。
クロードの顔を見ても冷や汗をびっしりと浮かせて、視線を窓の外に向けている。
それでは、と今度はもう一人の黒衣の人物に視線を向ける。
フードを下ろしたその顔には見覚えが──────
「あれ、シエスタ?」
「は、はいっ」
そう。外套の下に隠されたドレスに身を包んでいたのは、シエスタだった。
いつもとは全く別の服装で、まるで印象が違っていて全く気付かなかった。
いや、それ以前に何故、彼女がこんなドレスを着ているのだろう。
ヴァリエール公爵家の娘であるルイズには、この衣装がどれほどの品かは一目でわかる。
最上級のシルクを最高の職人たちが己の誇りにかけて織り上げた、純白の清楚なドレス。
少なくとも、住み込みの奉公人の給金程度で手に入るような品ではないはずだ。
「うふふっ、まだ気付かないのね、ルイズったら」
そう言ってくすくすと笑う。
「えっ……ああっ!」
そこまで言われて、ようやくルイズはメイドの顔を見る。そしてようやく気付いた。
「あ、アンリエッタ姫殿下っ!?」
「ルイズ、ルイズ! ああ、懐かしいルイズ!」
思わず膝を付くルイズを、アンリエッタが優しく抱きしめる。
メイドに抱きしめられる貴族。ある意味シュールな光景ではある。
「姫様! このような下賎な場所へおいでになるなんて……」
「ルイズ・フランソワーズ! そんな堅苦しい他人行儀はやめて頂戴!
私とあなたはおともだち、おともだちではありませんか!」
「いけませんわ、そのような身に余る勿体無いお言葉を……」
「やめて、やめて頂戴、ルイズ。ここには枢機卿も母上も、欲の皮の張った宮廷貴族たちもいないのです。
あなたにまで、そんな他所他所しい態度をとられてしまったなら、私はどうすればいいのですか?
私とあなたは、幼い頃に一緒に中庭で蝶を追いかけて遊んだ仲ではありませんか!」
「ええ、二人で服をひどく泥で汚してしまって……侍従の方に手ひどく叱られてしまいました」
「そう、そうよ、ルイズ! クリーム菓子を取り合って争ったことも─────」
かくして、しばし二人の少女の思い出話に花が咲く。
くびきから解き放たれ、何に縛られることもなく笑いあう二人。
それはまるで二匹の子猫が無邪気にじゃれあうかのようで、とてもとても微笑ましい光景だった。
「あの……ところで姫殿下?」
さて、いつまでも想い出に浸っていられるわけでもなく。
鳩が豆鉄砲を食らい、夢から引きずり出されたような表情でルイズは首を傾げる。
「その、殿下のそちらのお召し物は……?」
「ああ、これ? これは、ね─────」
問いを受けたアンリエッタはにっこりと微笑み、視線をクロードとシエスタに向ける。
それを見てルイズも視線を、すっかり置いてけぼりにされていた二人へと向ける。
「ええっと、これは、その……」
クロードは困ったように頬を掻いて。
「あの、その……はわわわわ」
シエスタは緊張のあまり顔は真っ赤、完全に脳がオーバーヒートを起こしているようだった。
支援
さて、時間は少し遡る。
「……で、これからどうしましょう?」
ひとしきり土下座を済ませた後、クロードが改めて対策を練るために話しはじめる。
「どうするも何も、その……私には会わなければいけない人がいるのです」
アンリエッタはそう言って胸の前に手を添える。
「で、でも、どうやって? 見つかったら大騒ぎになっちゃいますよ?」
横から不安そうに至極真っ当な意見を述べるのはシエスタ。
「問題はそこだよなあ……その、アンリエッタ殿下。
変装する魔法や、姿を消す魔法ってありませんか?」
「私の属性は水ですから、フェイス・チェンジは使えませんわね。
姿を消す魔法も存じませんし……申し訳ありません」
「い、いや、そんなつもりじゃっ! 僕こそすいません!」
侘びようとするアンリエッタに、慌てて先手をとって頭を下げるクロード。
クロードとて軍人の端くれ。トリステイン王国の代表者の一人であり、
権威そのものとでも言うべきアンリエッタの存在がどれほど大きなものであるかは承知しているつもりだ。
そんな人に迂闊に頭を下げられてしまっては、下げられたこちらが困ってしまう。
変な噂が広まってしまうようなことがあれば、ルイズへの迷惑どころかトリステイン魔法学院全体の責任になってしまうおそれすらあるのだ。
部外者である自分がそんな責任を負えるはずもなく、クロードにしてみれば必死である。
シエスタもその辺りの事情を重々承知しているのだろう。
或いは単純に天下の王女殿下を前にした緊張からか、全身をガチガチに強張らせて眼を伏せている。
「でも、どうしよう? 皆が寝静まるまで待つって言うのは駄目……ですよね」
あからさまに表情を曇らせるアンリエッタを見て、意見を引っ込めると同時に溜息を吐くクロード。
だが、実際にこの3人で学生寮に乗り込むとなると、いかんせん目立ちすぎる。
クロード一人ならば家出だの何だので言い訳の一つも効いたかもしれないが、
この状況では迂闊なことを言えばアンリエッタの素性がバレてしまうかもしれない。そうなったらアウトだ。
父のように口や頭が回れば何とか切り抜けられるかもしれないが、自分がやる分には自信が無い。
シエスタに別行動を取ってもらったところで、3人が2人になるだけで何の解決になるわけでなく。
だからと言って彼女を一人で学生寮に乗り込ませるのは、それはそれで心臓に悪すぎる。
はてさて、どうしたものか。
「……ん?」
ふと、二人の方に視線を上げると、なにやらアンリエッタがシエスタのほうをまじまじと見ていた。
一方のシエスタと言えば、王女殿下の視線に射抜かれ、身じろぎ一つ出来ずに固まっている。
「……あ、あのう、姫殿下?
そそそそその……私、何か殿下の御心に触るようなことを……?」
「ああ、ごめんなさい、シエスタさん。吃驚させてしまったようですね」
やっとの思いで搾り出したシエスタの怯えた声に、アンリエッタが穏やかな微笑みとともに答える。
そして、その笑顔を年頃の少女らしい悪戯っぽいものに変えて。
さらに唇に指を添えて、こう言葉を続けた。
「実は私、とっても面白い作戦を思いついたんです♪」
「「へ?」」
「……とまあ、こんな調子でシエスタとアンリエッタ姫殿下の服を取り替えて、ここまで来たってわけ。
何人か擦れ違ったりもしたけど、なんとか気付かれずに済んだよ」
一通りの説明を終え、溜息混じりに言葉を切るクロード、
クロードは『運良く』と言ったものの、実際には人の気配のする場所を可能な限り避け、
さりげなく遠回り等も交えつつ、やっとの思いでこの部屋まで辿り着いたのだ。
色々と精神的にキツいものがあったのか、左手が胃の辺りを行ったり来たりしている。
「わわわわわわわ私も、こんな立派なお召し物を……はうぅ」
シエスタもさっきからずっとテンパりっぱなしだ。
いくらアンリエッタ姫殿下の頼みとは言え、畏れ多くもその服に袖を通し、
あろうことか貴族に成りすまして校内を練り歩いてきたのである。
そして、そんな状態でルイズの部屋に上がりこんでいるとなれば無理も無かろう。
「ふふっ、私は何だか子どもの頃に戻ったようで楽しかったわ。
ねえ、ルイズ。この服、私に似合っているかしら?」
そんな二人の気苦労など知る由もなく、茶目っ気を利かせてスカートをくるりと翻すアンリエッタ。
それにしてもこの王女、ノリノリである。
「あああああああ、おやめ下さい、アンリエッタ殿下ぁ……」
「え、えーと、あの、そのぅ……」
一方、シエスタは既に半泣きで、ルイズはコメントに詰まってしどろもどろになっている。
「んんっ! ……その、アンリエッタ王女殿下?」
そんなやりとりを見ていたクロードが露骨に一つ咳払いをする。
眉間に寄った皺を何とか誤魔化そうと、口元を引き攣らせているその表情は何ともぎこちない。
見る人が見れば、溢れ出しそうな苛立ちを隠そうと必死になっているのがミエミエだ。
……シエスタやルイズの気持ちも考えてください。
主君に面と向かってそうそう迂闊なことを言えるわけないでしょうが。
って言うか、お願いしますから話を進めてくださいよ。
リスクを負ってまでここに来たのは、旧交を温めるためですか。
本当に遊びに来ただけだったら本気で怒りますからね。
言外にそんな思いを込めたクロードの渾身の一手であったが。
「ああ、ごめんなさい、クロードさん」
果たして、それを受けてアンリエッタがハタと手を打った。
「私としたことが、再会に浮かれてしまったとは言え、ルイズを一人占めしてしまうなんて……
せめて一言、恋人である貴方に断りを入れるべきでしたね。
そう、ルイズは貴方のものなのだから、貴方が嫉妬するのも無理からぬことです」
間 違 っ て ま す 。 あ り と あ ら ゆ る 意 味 で 。
……もう勘弁してつかあさい。
突っ込む気力すら失い、手で顔を覆って天を仰ぐクロード。
「ちちちちち違います! な、な、何ば仰せになりやがっとりますか、姫殿下!?」
OK、まずは素数を数えて落ち着きましょうマイマスター。
「いいのよ、ルイズ。隠さなくても。
クロードさんも素敵な殿方でしょう。とってもお似合いの二人だと思うわ」
お褒めに預かり、たいへん光栄です。
「そ、そんなんじゃありません! クロードはただの使い魔ですっ!!」
ただの、と言うにはかなりの希少例みたいですけどね。
「うふふ、ルイズったら照れ屋さんなんだから。
けれど、そんな風にあまり意地を張らずに、もっと素直になった方が良いと思うの」
流石は竹馬の友、よくお解りで。
「だ〜か〜ら〜っ、クロードは本当に使い魔なんですってば〜っ!」
おお、もう……
「……ルイズの言っていることは本当です。その証拠に、ほら」
目の前で繰り返されるやり取りにいい加減うんざりした様子で、
クロードは自分の左手に刻まれたルーンを見せる。
「あらあら、まあ」
それを見たアンリエッタの瞳が大きく見開かれ、ようやく得心が行ったように微笑む。
「本当に、昔から貴女は人とは違った子でしたが……相変わらずなのですね。
貴方が素敵な使い魔を得られて本当によかったわ、ルイズ」
「そ、そんなことありません!
出来れば、もっと立派な……そう、竜みたいな使い魔が欲しかったです」
「使い魔の力は見栄えだけで決まるものではないでしょう?
クロードさんは頭も良いし、それにとっても勇敢だわ」
アンリエッタの言葉を受け、本当かよ、と言わんばかりに眉を顰めてクロードの方へと首を向けるルイズ。
その表情の渋さと言ったら、とてもではないが麗しの姫殿下に見せられるものではない。
一方のクロードも手放しに褒めちぎられて照れ臭いのか、気まずそうに頬を掻いて窓の外へと視線を逸らしている。
「そう、あの時の槍で貫かれるような感触と、
その後にやってきた何だかふわふわするような感じ……
ああ、あんな経験は私も初めてでしたわ」
微かに頬を赤らめて目を伏せ、ぼうっとしたような様子で呟くアンリエッタ。
「……」
「……」
「……」
一方、アンリエッタを除いた三人の顔から血の気が引いていく。
「……説明、してもらいましょうか?」
ギギギギギ、と言わんばかりにルイズの首が嫌な方向に傾いていく。
そして、ほぼ背骨から直角に近づいたところでガクン、と、糸の切れた人形のように動きを止めた。
これではちょっとした、どころではない、ホラーそのものだ。
「ちっ、違いますっ!
クロードさんはそんな破廉恥なことをしようとしたわけではなくて!
ちょっと、うっかり姫殿下をブン殴って、気絶させてしまっただけなんですっ!」
「 ほ う ほ う 、そ れ で そ れ で ? 」
「……あっ」
たまらぬ地雷であった。
「いや、違うんだってば、ルイズ!
なあデルフ、お前からも何か言ってやってくれよ!」
「んー? まあ、別に間違ったことは言ってないだろ」
「待て待て待て待て待て! 誤解を招くような言い方をするなーっ!」
明らかにデルフの口調は面白がっている。
話がややこしくなるからと口を挟ませなかったことが不満だったらしい。
「───つまり、畏れ多くも姫殿下を腕ずくで失神させ、暗がりに引きずり込んだあげく、
あ〜んなことやこ〜んなことをいたしていたと、そう言いたいわけね?」
腕を組み、見る者の恐怖を駆り立てずには居られぬ笑みとともに上半身をにじりよらせるルイズ。
それを目にした途端に涙目になって、クロードの背に隠れてしまったシエスタを、果たして誰が責められよう。
そのクロードもまた、圧倒的な殺意を前にして、あー、うー、などと意味不明な言葉を繰り返すばかり。
「わ、わかった! まずは落ち着いて話し合おう、ルイズ!」
「黙れ下郎。私はその薄汚れた口を開くことを許可していないわ」
クロードの必死の言い訳も、有無を言わせぬ威厳と気品に溢れた声にピシャリと遮られる。
シエスタに至っては既にガン泣きだ。あまりのプレッシャーに泣き声を上げることは許されていないが。
猛り狂う怒りが魔力の奔流として具現化でもしているのか、ルイズの髪を燃え上がる炎のように揺らめかせている。
「降服も抵抗も無意味よ、あんたに許可されるのは贖罪のみ。
なあに、気にすることは無いわ。姫殿下を陵辱せしめた使い魔の主が無事で済む道理は無いものね。
せめて、決着は私自身の手で。それが主として貴方にしてやれる最後のことよ」
「はわわわわ……ル、ル、ルイズ様! おやめくださいっ!」
「シエスタ、何時か貴方が父様や母様……ヴァリエール家の者に会ったら、伝えて頂戴。
ルイズは使い魔を御することすら叶わぬ、貴族を名乗るもおこがましい愚かな娘であったと。
せめて最期は誇り高く、ヴァリエールの名に恥じぬよう、己の不明を命でもって贖った……とね」
後にクロードとシエスタは、口を揃えてこう語る。
この時のルイズの姿は、恐ろしくも神々しく、そして美しく。
それはまるで世界の終焉を司る天使のようであった、と。
「……ルイズ、どうしたの? そんな声を出して」
そんな中、唐突に耳に飛び込む魔の抜けたアンリエッタの声。
空気の読めぬことではルイズに劣るとも勝らない彼女でなくては、このような真似は出来なかっただろう。
そして、その声を発したのが彼女だったからこそ、烈火のごとく猛り、竜巻の如く荒れ狂うルイズの心にも
ギリギリのところで理性という一筋の光が差し込んだ。
「ああ……ああ、姫殿下!」
ルイズは瞳を涙で潤ませ、アンリエッタの眼前に跪いて涙ながらに訴える。
「どうか、どうか何も仰せにならずに、この私に自決をお許し下さいませ!
使い魔の罪は主の罪。畏れ多くも御身の純潔を穢したその所業、万死に値します!」
「何を言っているの、ルイズ!? わたくしにそんな残酷なことを言わせないで頂戴!
あなたが居なくなってしまったら、わたくしは本当にひとりぼっちになってしまうわ!
愛する人と信じられるおともだちを失って、私にこの世界でどう生きていけと言うのですか!?」
「ああ、私ごときにそんな勿体無いお言葉を……これで何も思い残すことはございませんわ。どうか、御慈悲を」
「嫌! 嫌よ、ルイズ! 貴方にこの場で死ねなどと、言えるわけがないでしょう!?
貴方を喪うくらいならば、私のこの命を始祖に捧げます! だから、そんなことを言わないで!」
「アンリエッタ姫殿下……!」
「ああ、ルイズ……!」
ひしと抱き合い、感極まっておいおいと泣き出すルイズとアンリエッタ。
何はともあれ、かくしてクロードとシエスタの眼前に迫った破滅の危機は去ったのである。
「後で覚えてろよ、デルフ……」
「あ〜ん? 聞こえんなあ〜」
以上、21話投下完了。アン様自重してくださいお願いします。
投下に間が空いてしまってすいませんでした。
実は9月いっぱいは全く持って時間が取れそうに無いので、次はさらに間が空く可能性大。
帰ってくる頃には忘れ去られてるかもなぁ……
苦労奴乙
ところでギーシュが使い魔をガチで殺しちゃって
そのままオリ展開で話進めるのはスレ的にアウトですかね?
いいんでない?
というか、そういう感じでメインキャラを最初に殺して名作になってる作品も事実あるし。
そういや黒蟻の人最近見ないなー
あれのvsおマチさん戦は良かった
投下乙
そういえば暗がりに有無を言わさず引き込んでたなw
アンアンに許してもらったとはいえ、ルイズには後で処刑されそうだw
>642
蘇生するとかならいいんじゃね?
乙ー。
でもさ、前の人が投下終了してから10分と経たずに投下開始ってのは
ちょっと早すぎると思う。
>>642 ヴェルダンテは原作の流れに沿うと、結構重要な仕事してるから
原作の流れから外れてストーリー組めるなら大丈夫だと思う
>>647 いや、ギーシュの使い魔ヴェルダンテを殺すんじゃなくて
ギーシュがゼロの使い魔を決闘で殺してしまう話
>>642 んー?主人公が殺されるのか?
男の世界って前例あるし話作れる自信があるなら問題ないんじゃね
使い魔が死ねば、そこで話が終わるような気がするが…
フライングマン召喚ですね、わかります。
>>650 使い魔死亡→新しい使い魔としてサイトを召喚→原作よりも大切に扱われるサイト
多分、こういうことだよ
一つの概念としてキャラを召喚して死ぬごとに更新していくって方式もありか
例えば仮面ライダーなら1号が死ねば次2号に生まれ変わるという仕組み
今の使い魔は飽きちゃったから殺して新しい使い魔を喚びましょう
あるいは召喚した使い魔が気に入らないからこ(ry
いくら生殺与奪権がある貴族でもやっちゃいけないだろ
V3のでアルビオンがやろうとしてたな
ドラマがかけないじゃないか
>次から次に当たらしい使い魔
>>643 その作品の名前教えてちょうだい。
作品多すぎてもう一つ一つチェックして探すなんてできひんよ。
>>657 ジョジョスレの「ギーシュの奇妙な決闘」だとおもう。
ルイズがリンゴォ・ロードアゲインを召喚するも決闘で死亡。その後サイトを召喚。
青(ぽややんにあらず)と舞が召喚される構図が何故か頭を離れない
でも今までに使い魔が二体ってのはないし無理か
そういや最強の使いまでクロコダイル思い出した
663 :
天地の人:2008/08/11(月) 05:02:36 ID:+PRq13vs
二話がようやく書きあがったんだが、まだ人いるかい?
いるよ。
ギーシュの奇妙な決闘は名作ではあるけど、なんつーか変則的な話だったねえ。
まだ完結はしてないが。
ギーシュを主人公にしちゃってるんだぜい。
666 :
天地の人:2008/08/11(月) 05:19:08 ID:+PRq13vs
おk、投下するからちょいお待ちを。
創世の使い魔
第2章 ――召喚――
「やった……」
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは歓喜のあまり声を上げた。
トリステイン魔法学校の恒例行事、晴れて二年生になった者達が行う『使い魔召喚の儀』。
サモン・サーヴァントに失敗すること数えて十七回、その度に爆発を振りまいた所為で
体が少し埃まみれになっている事すら今の彼女には眼中にない。
「とうとうやったわ!」
万感を込めた叫びと共に、淑女あるまじきガッツポーズ。
普段のルイズならば思ってもしないであろうそのしぐさも、今の彼女には自重という言葉すら浮かばない。
誰かが叫んだ「ぜ、ゼロのルイズが成功させやがった!」と言う言葉も、右から左に聞き流していた。
それほどまでに彼女は――いわゆる、最高にハイという奴だった。
太陽光を燦然と反射させながら、後頭部近くまでつるりと禿げ上がった男がルイズにやさしく声をかけた。
「おめでとう、ミス・ヴァリエール」
「あ、有り難う御座います! ミスタ・コルベール!」
コルベールと呼ばれた、教師然としている男は鷹揚そうにうなずく。
彼にとっても、ルイズが成功した事は我が事のようにうれしかった。
魔法が使えず『ゼロのルイズ』などという蔑称で彼女が呼ばれているのを彼は知っていた。そして、その汚名を払拭するために
死に物狂いで勉強していることも彼は知っていた。
その彼女がようやく魔法を成功させたのだ、うれしくないわけがない。
「さ、儀式の続きを。
「はい!」
ルイズは『それ』のそばまで近づき、そっとやさしく抱きかかえる。
真っ白の――いや、土埃で少々茶色く斑がかった『それ』はまさしく『鳥』だった。
「――我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」
歌うように呪文が紡がれる。
間違えるはずも無い、何度も練習したのだから。
「五つの力を司る ペンタゴン――」
優しく持ち上げ、その美しいくちばし(ルイズ主観)に―――
「この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
――そっと唇をつけた。
667 :
天地の人:2008/08/11(月) 05:19:54 ID:+PRq13vs
そして両手に抱えた鳥がふるふると震えているのに気づくと、ルイズはほんの少しだけ力を込めて抱きしめた。
使い魔のルーンが刻まれるときには激痛を伴う。それはどんな使い魔であろうと例外は無い。
「ごめんね。大丈夫、すぐ収まるから」
このとき正常な判断力がルイズに少しでもあれば、泣き声ひとつあげないことをいぶかしく思ったことだろう。
だが、今の彼女にそんな余裕は無い。
ただひたすら、「大丈夫、大丈夫」と優しくその背中をなでるだけだった。
震えが止まり、ルーンが刻まれたであろう事を見計らって、コルベールは正式に使い魔になったであろう鳥の体をさっと見渡す。
「サモン・サーヴァントは何回も失敗したが、コントラクト・サーヴァントはきちんとできたようだね」
左足に小さなルーンが刻まれているのを確認したコルベールは満足げな笑顔をうかべる。
「それにしても……ふむ、珍しい形のルーンだな」
珍しい? どこにでもいそうな何の変哲も無い鳥なのに。
ルイズが疑問符を浮かべる中、コルベールはさらさらとそのルーンを紙に書き取っていく。
何か分かったらおしえますよ、とルイズに一言告げてコルベールは他の生徒のほうを向いた。
「さて、それでは皆さん。学園に戻りましょう」
その言葉を聞いて見物気分で群がっていた生徒たちが三々五々、≪フライ≫の魔法で飛び上がっていく。
次いでクラスメート達から発せられたルイズを揶揄する言葉を聞いてルイズは思わず歯噛みをした。
売り言葉に買い言葉。ルイズはいつものように罵声を上げようとしてふと口をつぐんだ。
……いや、ちょっと待てよ。
「ゼロのルイズ、お前には地べたがお似合いだ!」
どう見ても豚にしか見えない物体が何かのたまった気がした。
気のせいに違いない。豚がしゃべるなんてありえない。例え空を飛んでも豚は豚だ。
ちゃっちゃと頭の外に押し出すと、ルイズは思考の海へと埋没する。
サモン・サーヴァントは一応だが成功した。
コントラクト・サーヴァントに至っては一発で成功した。
だから……もしかして……ひょっとしたら――――。
その考えが完結するよりも先に、ルイズは杖を振った。
「フライ!」
――ズズンッ
森の向こう、遥か彼方で爆発の華が咲いた。
遠くかすかに見えたのは地面に向かって急降下していく真っ黒い塊と、「マリコルヌぅぅぅぅぅぅっ!」という誰かの叫び声。
「あっ」
ルイズの頬に汗が一筋つるりと落ちる。
「………あ〜、まぁそのうちなんとかなるわよ!」
興奮冷めやらぬルイズは、普段の彼女からみれば考えられないほどプラス思考だった。
無論、そのプラス思考の中には『マズイものを見なかったことにする』も含まれていたりする。
喜びは人を楽天的にさせるのだ。
地面と再開を果たしたソレに他の生徒が集まっているところから眼をそらすように、両手に収まっている鳥を見やる。
ショージキなところ、ドラゴンやグリフォンを召喚して周りの連中を見返してやりたいという気持ちも無くは無かったが、それはそれ。
この際、平民あたりが召喚されなかっただけ破格と言うものだ。
――無論、彼女自身は知る由も無い事だが、彼女が望んでいたような使い魔を召喚しても、良い結果がもたらされるかと言えばそうでもない。
もしそんなモノが呼び出されてしまえば家柄ゆえのプライドの高さから彼女は増長し、魔法が使えない事も相まって周りの反感をよりいっそう買うことは日の目を見るよりも明らかだ。
それこそ貴族ではない平民が使い魔になれば、彼女が生来持つ性質……癇癪が大爆発する事は誰もが予想しえることだろう。
可も無く不可も無く、ごく普通の使い魔であった事が彼女の持つ気の強さを良い塩梅で抑えていたのだった。
「それに……」
ルイズはさらに思考をめぐらせる。
鳥が召喚されたと言うことは、ひょっとしたら自分の魔法の属性は『風』なのかもしれない。
『風』の魔法――奇しくも偉大なメイジであった母と同じ属性。
期待するな、と言うほうが酷というものだ。
皮算用とはいえ、未来に明るい見通しが出てきた事ににんまりと笑みを浮かべ――思い出したように己の使い魔に声をかけた。
「まずはあんたを綺麗にしてあげなくっちゃね」
668 :
天地の人:2008/08/11(月) 05:20:37 ID:+PRq13vs
残りの授業は使い魔との交流を深める時間に当てられたため、実質自習になっていたのが幸いした。
だがそれもあくまで時間的に、である。
「ったく、なんでわざわざサモン・サーヴァントするのにあんな遠くまで行かなきゃいけないのよ」
使い魔を片腕に抱え、老人くさいとは分かりつつも太ももと腰をトントンと叩く。
「運動不足かしらね……」
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、御年十六歳、年の頃から言えばまだまだ健康盛りである。
「これじゃあまるでエレオノール姉さ……」
そこまで言いかけて、ルイズは考えるのをやめた。
オーク鬼の居ぬ間に…とはよくある言葉だが、やはり性根の奥底まで植えつけられた恐怖は根強い。
ハルケギニアにおける結婚適正年齢を大きく越え、そろそろ『行かず後家』と呼ばれてもおかしくない長姉の笑顔にも似た形相を思い浮かべて
ルイズは一瞬、身を振るわせた。
「そ、そんな事よりまずはこの子を……って、あっ!」
そうだ、使い魔のお風呂どころではない。
「わたしもお風呂はいらなきゃ……」
自分の体を見下ろし、嘆息する。
率直に言ってしまえば、ひどい有様だった。
十数回にも及ぶ失敗と爆発の所為で、服も髪も肌も埃だらけ。
使い魔の身づくろいを心配するより、まず自分の事を考えなければ。
「だけど、ね……」
運動不足も手伝って足はパンパン、お風呂へ行ったあとこの子を洗うような元気も無い。
もちろん使い魔と一緒にお風呂に入る気は無いし、そもそも校則で禁止されている。
となれば、手は一つしかない。
「まっ、これぐらいなら始祖ブリミルもお目こぼしして下さるでしょ――シエスタ!」
視界の遠く、校舎の影で洗濯物を干していたメイドに声をかける。
シエスタ、と呼ばれたメイドは辺りを見回し、ルイズの姿を見つけるとユッサユッサとたわわに実ったバストを揺らしながら走りよってきた。
このとき、ルイズの表情が一瞬引きつったのはいうまでも無い。
「はい。何か御用でしょうか、ミス・ヴァリエール」
丁寧な言葉と共にシエスタはルイズに向けて深々とお辞儀をする。
「ええ、シエスタ。一つ頼みたい事があるの」
「何なりと」
シエスタはお辞儀の姿勢を崩さず応える。
本来、貴族は使用人の名前など覚えない。平民の名前など覚えるだけで誇りに傷が付くなどという輩もいる。
しかし貴族にそういう考えがあるのと同様に、平民にも似たような考えを持つものも少なからずいる。
――魔法の使えない、親の名前だけで貴族をやってる娘っ子に下げる頭なんて無い。
無論、本当に頭を下げないわけではないが態度に出てしまっているような奴は少なくない。
そういう意味で、ルイズにとってのシエスタは別格だった。
平民にも貴族にも『ゼロのルイズ』と蔑まれてきた彼女だからこそ分かる微妙な悪意を、彼女は持っていなかった。
お人よしなのかもしれない、お頭が弱いのかもしれない。だが、ルイズにとってはどちらでもよかった。
シエスタは私を蔑まない。ルイズがシエスタの名前を覚えたのは至極当然の事だった。
「たいした用じゃないわ。この子を綺麗にしてあげてほしいの」
「この子?」
ようやく顔を上げたシエスタはルイズの胸元にいる小さな遣い魔をみて、あっと声を上げた。
「遣い魔を召喚なされたのですね、おめでとうございます!」
我が事のように顔を綻ばせるシエスタの表情を見て、ルイズの表情も思わず緩む。
この笑顔は和むわ〜。
「かわいらしい使い魔さんですね」
使い魔に向かって、よろしくお願いしますねと声をかけるシエスタ。
「本当なら私が洗ってあげるべきなんでしょうけどね」
苦笑いしながら軽く肩をすくめるルイズ。
本来の彼女ならばシエスタの前といえどそんなしぐさはしなかっただろうが、使い魔を召喚できた事も手伝ってか
いつもよりもオープンな気持ちになっていた。
「はい、わかりました。この子は私が責任を持ってお預かりします」
「よろしく頼むわね」
ルイズから手渡された使い魔を両腕で抱き込むとシエスタは再びお辞儀をし、洗い場のある方向へと歩いていった。
ちなみにシエスタが使い魔にその豊かな胸元が押しあてられていたを見て、ルイズは再び顔を引きつらせた。
669 :
天地の人:2008/08/11(月) 05:21:12 ID:+PRq13vs
残りの授業は使い魔との交流を深める時間に当てられたため、実質自習になっていたのが幸いした。
だがそれもあくまで時間的に、である。
「ったく、なんでわざわざサモン・サーヴァントするのにあんな遠くまで行かなきゃいけないのよ」
使い魔を片腕に抱え、老人くさいとは分かりつつも太ももと腰をトントンと叩く。
「運動不足かしらね……」
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、御年十六歳、年の頃から言えばまだまだ健康盛りである。
「これじゃあまるでエレオノール姉さ……」
そこまで言いかけて、ルイズは考えるのをやめた。
オーク鬼の居ぬ間に…とはよくある言葉だが、やはり性根の奥底まで植えつけられた恐怖は根強い。
ハルケギニアにおける結婚適正年齢を大きく越え、そろそろ『行かず後家』と呼ばれてもおかしくない長姉の笑顔にも似た形相を思い浮かべて
ルイズは一瞬、身を振るわせた。
「そ、そんな事よりまずはこの子を……って、あっ!」
そうだ、使い魔のお風呂どころではない。
「わたしもお風呂はいらなきゃ……」
自分の体を見下ろし、嘆息する。
率直に言ってしまえば、ひどい有様だった。
十数回にも及ぶ失敗と爆発の所為で、服も髪も肌も埃だらけ。
使い魔の身づくろいを心配するより、まず自分の事を考えなければ。
「だけど、ね……」
運動不足も手伝って足はパンパン、お風呂へ行ったあとこの子を洗うような元気も無い。
もちろん使い魔と一緒にお風呂に入る気は無いし、そもそも校則で禁止されている。
となれば、手は一つしかない。
「まっ、これぐらいなら始祖ブリミルもお目こぼしして下さるでしょ――シエスタ!」
視界の遠く、校舎の影で洗濯物を干していたメイドに声をかける。
シエスタ、と呼ばれたメイドは辺りを見回し、ルイズの姿を見つけるとユッサユッサとたわわに実ったバストを揺らしながら走りよってきた。
このとき、ルイズの表情が一瞬引きつったのはいうまでも無い。
「はい。何か御用でしょうか、ミス・ヴァリエール」
丁寧な言葉と共にシエスタはルイズに向けて深々とお辞儀をする。
「ええ、シエスタ。一つ頼みたい事があるの」
「何なりと」
シエスタはお辞儀の姿勢を崩さず応える。
本来、貴族は使用人の名前など覚えない。平民の名前など覚えるだけで誇りに傷が付くなどという輩もいる。
しかし貴族にそういう考えがあるのと同様に、平民にも似たような考えを持つものも少なからずいる。
――魔法の使えない、親の名前だけで貴族をやってる娘っ子に下げる頭なんて無い。
無論、本当に頭を下げないわけではないが態度に出てしまっているような奴は少なくない。
そういう意味で、ルイズにとってのシエスタは別格だった。
平民にも貴族にも『ゼロのルイズ』と蔑まれてきた彼女だからこそ分かる微妙な悪意を、彼女は持っていなかった。
お人よしなのかもしれない、お頭が弱いのかもしれない。だが、ルイズにとってはどちらでもよかった。
シエスタは私を蔑まない。ルイズがシエスタの名前を覚えたのは至極当然の事だった。
「たいした用じゃないわ。この子を綺麗にしてあげてほしいの」
「この子?」
ようやく顔を上げたシエスタはルイズの胸元にいる小さな遣い魔をみて、あっと声を上げた。
「遣い魔を召喚なされたのですね、おめでとうございます!」
我が事のように顔を綻ばせるシエスタの表情を見て、ルイズの表情も思わず緩む。
この笑顔は和むわ〜。
「かわいらしい使い魔さんですね」
使い魔に向かって、よろしくお願いしますねと声をかけるシエスタ。
「本当なら私が洗ってあげるべきなんでしょうけどね」
苦笑いしながら軽く肩をすくめるルイズ。
本来の彼女ならばシエスタの前といえどそんなしぐさはしなかっただろうが、使い魔を召喚できた事も手伝ってか
いつもよりもオープンな気持ちになっていた。
「はい、わかりました。この子は私が責任を持ってお預かりします」
「よろしく頼むわね」
ルイズから手渡された使い魔を両腕で抱き込むとシエスタは再びお辞儀をし、洗い場のある方向へと歩いていった。
ちなみにシエスタが使い魔にその豊かな胸元が押しあてられていたを見て、ルイズは再び顔を引きつらせた。
670 :
天地の人:2008/08/11(月) 05:22:25 ID:+PRq13vs
入浴を終え、自室まで使い魔を連れてきたシエスタに髪を梳かせながら、ルイズは思いだしたように口にした。
「この子の名前、どうしようかしら」
「あら、まだお決めになっていなかったのですか?」
「お風呂に入りながら考えはしたんだけどね。『ブラン』とか『オワゾー』とかじゃあ味気ないでしょ」
「あ、あはは……」
それはそうだろう、『白』と『鳥』ではそのまんまでしかない。
「いいのよ。ネーミングセンスが無いって自分でも分かってるから――そうだわ」
妙案とばかりにポンっとルイズは拍手を打った。
「シエスタ、あなたもこの子の名前を決めるのに協力してちょうだい」
毛布の敷き詰められたバスケットにちょこんと座る使い魔を見ながら言う。
「そ、そんな! 恐れ多いです!」
自分で言っておいてなんだが、シエスタがそう思うのは無理もないとルイズも思った。
使い魔とはメイジにとって文字通り手足となるもの。主人が愛情を込めて名付けるのが普通であり、平民に意見を聞くなど
本来ならばありえない。
「いいのよ。わたしもこの子にとびっきり良い名前を付けてあげたいし。なんてったってルイズ・フランソワーズ・ヴァリエールの
使い魔なんですもの。平々凡々な名前なんて付けられるわけが無いわ」
おどけながら言ってみせると、それが伝わったのかシエスタはクスリと笑うのが分かった。
「私などで宜しければ、よろこんで」
「そう、よかったわ。で、早速だけどなにか思いつかない?」
「えぇと…………『ヨシェナヴェ』なんて如何でしょうか?」
ブッと思わずルイズは噴き出した。
「……あたし、知ってるのよ。それってアンタの故郷の名物料理じゃない」
「し、失礼しました。では、『ペットショップ』……」
「却下ね。よくは分からないけど鳥にはつけちゃいけない名前のような気がするわ」
彼女達は知らない。その名を持つ鳥が『殺戮追跡機械』と呼ばれた事を。
671 :
天地の人:2008/08/11(月) 05:23:00 ID:+PRq13vs
「う〜ん……」
「とりあえず、アンタのネーミングセンスがあたしと似たり寄ったりだって事は分かったわ…」
堂々巡りもいいところだった。
髪を梳かし終え、シエスタの対面にルイズが座る形に変わって十数分。
悩みに悩んで悩みきったそのとき、天恵が降りたかのごとくシエスタが、あっと声を上げた。
「―――ゼファー」
「ぜふぁー?」
シエスタは笑顔を浮かべながら、行商人の方から教えていただいたのですけど、と前置く。
「『春をもたらす西風』という意味だそうでして、転じて『新しいモノを呼び込む風』という意味もあるそうですよ」
「ふ〜ん、ゼファーね」
ゼファー、ゼファーと口の中で何度か繰り返す。
語呂も良く、意味も良い。加えてどこか高貴な響きすらある。
「いいじゃない、気に入ったわ。今からこの子の名前は『ゼファー』ね」
膝の上に伏せながら寝息を立ててる使い魔に「いいわね、ゼファー」と優しく囁きかける。
「たいへん宜しゅうございますよ、ミス・ヴァリエール。よかったですね、ゼファー……」
ルイズと同じように、優しげな笑みを浮かべながらゼファーを見つめるシエスタ。
よし決めた。学園を卒業するときになったら、ヴァリエール家にこの子を召し抱えて自分の専従としよう。ルイズはそう固く誓う。
「―――それでは、私は失礼させていただきます」
そうとなれば……。
「ちょっと待った」
「はい?」
怪訝そうにシエスタは小首をかしげる。
その様子にニンマリと笑い、わざとらしく咳払いをして尊大そうな口調でルイズは言った。
「タルブのシエスタ。今後はわたしの事を名前で呼ぶ事を許します」
使用人は貴族を名前で呼ぶ事は許されていない。家名で呼ぶのが世の倣いだ。
『名前で呼ぶ事を許す』、それは即ちその使用人を信頼したという証である。
それを聞いたシエスタは何を言っているのか分からないといった風に、ポカーンと口を開けるだけだった。
ちょっとしたイタズラの成功にルイズがクスクス笑うと、途端にシエスタは満面の笑みを浮かべた。
「はい! かしこまりました、ルイズ様!」
こうしてルイズはその日、親しい使用人と愛しい使い魔の両方を得た。
――その片方はあまり長く続かなかったが…………。
ごめ。ちょっとせきはずしてた。しえん
673 :
天地の人:2008/08/11(月) 05:25:08 ID:+PRq13vs
これで第二話は以上。
三人称でかっちりした小説書くのは初めてだったけど、結構すらすらやれるもんだ。
まぁ二次物をかっちりしたと言っていいモノかどうかは怪しいがw
いや、それ以上に各キャラがちゃんとイメージどおりいけるかどうかが一番怪しいな…
>>385 中年状態で召還
せっかく召還先で生きていく決心をして
妻子持ちの好中年になったところを召還されて
再び捻くれるとか?
乙。
途中二重投稿しているのはさておいて、うん、いい感じ。
続きも期待します。
676 :
天地の人:2008/08/11(月) 05:30:49 ID:+PRq13vs
>>途中二重投稿
ぶほっ、やってもうた!
トリップつけようと思って思い切りつけ忘れてるし…。
脳みそがそうとう馬鹿になってるな、こりゃw
己を卑下するのはやめなさい
>>674 中年の時は強すぎだろw
いくら中途半端といっても異界の魂だぞw
ところで、以前ネバーランドに召喚される前のアキラ召喚を考えた事があるんだが、
ゲイルやマックスなんかのポジションが思いつかなくて断念したよ
キュルケやタバサはアキラから見たら自分を拉致した連中だし、シエスタは何か違うし
据次タカシ召喚。
ただのニート&ヒッキーの使い魔出来上がり。
な ん の や く に も た た ぬ。
>>天地の人
上でも言ってる人いるけど卑下はやめれ
マジ見苦しい
内容は丁寧に書かれてる感があって好感が持てるだけに勿体無い
天地の人
ミスは誰にでもあるから次から気をつければいいと思うよ。
俺的には面白いのでおk。
>>678 箱のアブソリュートでは魔王の倍は強かったしなw(と言うかジャドウが弱かった)
完全な異界の魂の小雪より強かった…
天地無用じゃなくて天地創造か
ゲームのほうは大ファンだから楽しみにしてる
684 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/11(月) 08:31:51 ID:fgnwjVMY
天地の人乙ですぅ^^
。。。そして暑かったんですね。
>>682 彼なにげに七年戦争時最強だったらしいしな
やっぱ素体の能力技量が違ったんだろう
ハンも誉めていたし
天地の人乙です。
私も昔ゲームをやったことがありましたが
原人以外でクリアするのを色々試して恐竜のよいとこどりしたような奴でクリアしたことがあります(苦笑)
しかも何故か、その姿が今で言うモンハンの『ディアブロス』にソックリな姿(爆笑)
もうすぐ終戦記念日だなあ
となれば
>零(ほたる)の墓
しかないでしょう。
魔法の使えない魔法使いの少女が召喚したのは見たことが無い風体の幼い少年と幼女だった…
食事を与えない、床に寝かせる、制裁と称して同級生の少年をけしかける、爆破実験の被対象にされる…
度重なる虐待についに耐えかね使い魔の少年は…
後に貴族性批判の名作とされるが
「主人の少女は最低限の生活は保証していた。当時、もっと悲惨な眼にあっている平民は腐るほどいた。脱走は少年の単なる我侭」
「本人だけ脱走すればいいものを、妹を巻き込む必然性があったのか?」
との批判も多い。
二次会創作しか読まないとこんな脳みそになるのね
はて、蛍の墓には貴族どころか最下層の水呑み百姓くらいしか出てこなかったと思うが
天皇制の批判してたわけでもないし
>>673 投下お疲れ様です。処でデルフはやっぱり槍なんでしょうか?伝承に曰く「神の左手は剣と槍を持ち〜」だし。
そういえばちょっと前にSWの「呪歌」ネタがあったけどSWの呪歌は「上位古代語(魔法語)」による歌唱
と言う設定だったような気がします。上位古代語は簡単に言うと「正しい抑揚と旋律でマナを操る言語」
因みに最近発売されたSW2,0の呪歌にはその名もずばりの「ヌーディ」と言うのがあったりします。
一枚脱がせるたびに判定が要るのが難点ですが。あと「ラブソング」とか(隣の異性に恋する/種族関係なし)
SWの呪歌の怖さは、
「たとえ言葉が聞かなくとも、音程さえ聞き取れれば効果対象になる」
という点だったりする
SWの呪歌は楽器が必要だけど、横笛、縦笛などでも呪歌を使用できる
みんな「こんなキャラを召喚して欲しい」ちう希望はする
だが、逆に考えてみよう。「こんな使い魔hは召喚されて欲しくない」というのはどうだ
小ネタにあったエイリアンとか、バイオハザードのメネシスとか、寄生獣とか
呼んでも話がBADエンド確実というヤツを使って、ちゃんと話を展開出来れば評価高いと思うぞ
薔薇乙女の「召喚したけどさっさと帰っちゃった」
ご立派様の「卑猥にも程がある」
提督の「サイトより弱いぞこいつ」
なヤツでも話が進むんだ。アイデア次第ではいけるんじゃないか?
むしろ、そういうのの方が面白いかも
「日本人が歌う英語の歌のようなもの」だったか?>SWの呪歌
意味がわからなくても音程と発音が合っていれば問題ないってことで
それからするとハルケギニアの人間にも効きそうだな
>>693 厨二病全快の僕・私・俺の考えた強くてかっこいいオリキャラ
こんな使い魔は召喚されてほしくないな
>>695 つまり少女マンガのキャラ召喚ですね、分かります。
ちなみに、「会長はメイド様」のヒロイン的♂キャラ(主人公♀の相手役)
>碓氷 拓海(うすい たくみ)
>年齢(クラス):17歳(2-2)。血液型:O型。身長:186cm(多分)。体重:忘れた。特技:特になし。好きなこと・もの:観察。
>美咲の隣のクラスに在籍する星華高校の男子生徒。学力試験ではライバル(と美咲は思っている)。乱暴な生徒が多い星華の中では
>ダントツの美形で、>女子からの人気は非常に高いモテ男。美咲に勝るとも劣らない能力の持ち主で、男子からも一目置かれている。
>英語に堪能でチェスの腕も超一級(全国大会4位に完勝)。中学まで少林寺拳法をやっていたためケンカも強い上、料理の腕もプロ級、
>試験前に勉強をやらなくても1、2位になってしまうなど能力面では欠点が見当たらない。洞察力も優れている。性格は飄々としており、
>他人になかなか本心を見せない。また、学校の屋上から飛び降りる等の無鉄砲な一面もある。偶然美咲の秘密を知り、以後、彼女に
>付きまとうようになる。美咲に好意を持っており、美咲のピンチを救うことも多い。必要とあらば男女を問わずキスをする。祥一郎が言う
>には男子生徒の中で唯一美咲と対等に会話ができ、同級生の大半が「さん」付けで呼ぶ程すごい人。兄が1人いる。昔から「要領がい
>い」と言われ、習い事を色々やってきたがすぐにそこそこできたのでやめたり、最初の入り方を教わると大体わかると本人は言っている。
>星華高校の驚異の完璧男。一人暮らしをしている。
>視力が悪いようで普段はコンタクトをしているが、自宅では専ら眼鏡で過ごしている様子。
>>696 ごめん。召喚以前に、何故そんなキャラをマンガに登場させるのかが疑問だ
一瞬勝手に改蔵のチタンみたいに便利キャラとしてどんどん設定が付加されたキャラかと思った
まぁ少女漫画では比較的普通だよね、その程度のチート具合は。
S・Aとかもそんな感じじゃなかったか
ようするにそんな完璧男子に愛されちゃうワタシすごいって感じでしょ
そんな設定のヒロインキャラなんて腐るほどいるだろ
男女入れ替えただけだ
>>696 GS美神の作中内小説家「安奈みら」がそんな感じのダメライトノベル書いてた気がする。
>>693 >呼んでも話がBADエンド確実というヤツを使って、ちゃんと話を展開出来れば評価高いと思うぞ
それを書く為に避難所がある(鮮血の使い魔とか、プレデターとか)
荒れる元なので、わざわざこっちに引っ張り出すなよ
なんとなくスクウェアの光速の異名を持ち重力を自在に操る高貴なる女性騎士を思い出させる。
鮮血はコッパゲを手始めに学院関係者惨殺BADで終わるかと思ったらああなるとはな
>>704 あれは酷い、超クールでイナガキ似のイケメンがなんちゃら、とかいう説明だったっけ?w
>>657 かつてサイトが物語のしょっぱに死んだ話があってな……
完結の作品、上から読んでけ。
710 :
868:2008/08/11(月) 13:09:52 ID:hjqCMeav
>>867 あっ、ホントだ(汗)
ご指摘サンキュー
711 :
686:2008/08/11(月) 13:14:42 ID:hjqCMeav
誤字訂正
>>687 あっ、ホントだ(汗)
ご指摘サンキュー
>>708 それ見た昔の文豪の幽霊が絶望して文学は死んだ!!
とか言って成仏してたなw
あの話は今思えばかなり興味深い話だよな
>>704 イナガキ似でクールだが裏では大怪盗で
その実クラスメイトのみかんちゃんだけはに弱いというあのキャラですね
腐ったスイーツですね、わかりたくありません
男が想像する典型的少女漫画のキャラですね。
実際はどうだか知らないけど。
最近ここでご立派連呼するのが沸いてるなぁ
あれはあくまでもあえてこっちでやらずに避難所でやってた物何だからその辺察しろ
稲垣ってのがまた時代を感じさせるな
天地創造の、良かった!
英雄と分離して、最初のアークが姿を変えた鳥だけが
召喚ゲートをくぐったってことでいいのかな。あのゲームはBGMも最高に燃えた。期待。
720 :
BIO3 ◆6RW/qJehaM :2008/08/11(月) 15:15:59 ID:rVqjoHxD
1530時に投下しようかなぁ
さげるのわすれてた
FE聖戦の系譜のニーナ王女と、ライブ・ア・ライブ中世編のアリシア王女を召喚し
「なんで私たちビッチ悪女扱いされるんでしょ?」と話し合うアンアン
>>721 どうぞ
「よく逃げずに……」
ぱあん、と、破裂音。ギーシュの口上と、頬の皮膚を切り裂いて、鉛弾は壁に突き刺さった。
「油断大敵」
ギーシュの顔に冷や汗が浮かぶ。
「尻尾を巻いて逃げるなら、許さないでもないわ」
「な、舐めおって……」
その冷や汗も、怒りで吹き飛んだ。
卑怯者、と沈黙していたギャラリーからも野次が飛ぶ。
「そうね、ちょっと大人げないわね。たかがお遊び、しかも子供相手に銃は過激すぎるわね」
愛用のベレッタとタクティカルベストをルイズに預ける。
「すぐ終わるわ」
わざとギーシュに聞こえる様に言う。
「舐、め、お、っ、てえええ……」
怒り心頭のギーシュ。
「さて、始めましょ。勝敗はどうするの?」
その言葉に、少しだけ落ち着きを取り戻す。
「……すー、はー、僕としたことが、下らん挑発に乗ってしまったな。ルールは三つ。降参したら負け。僕は杖を手放したら負け。貴様は死んだら負け」
「破格の条件ね。死ぬまで負けさせてくれないなんて、太っ腹」
「ふん、言っていられるのも今の内だ!始めるぞ!」
ギーシュは薔薇の造花を振る。あれが杖か、と確認したジルは、それを見ながら手袋をはめていた。
「出でよ!ワルキューレ!」
薔薇の花弁が一つ、地面に落ちる。そこから、鎧われた人の形がせりあがる。
「僕はメイジだ。よって魔法で戦う。文句はないな!」
「木偶の影で震えるがいいわ、坊や」
完全に余裕をかましている。ワルキューレに対し半身に立ったまま動かない。
「減らず口ををを……行け、ワルキューレ!」
ギーシュの号令と共に、ワルキューレが駆ける。そしてジルに殴りかかった。
タバサはその光景をじっと見つめていた。キュルケに引きずられるまま連れてこられたが、これはなかなか興味深かった。ルイズの使い魔の平民、彼女は初めて見た時から異質な匂いがした。大爆発した教室での異様なオーラ、騎士の自分より絶対に強い。直感で、そう感じた。
「ねえ、タバサ。どうなると思う?」
キュルケに訊ねられる。愚問だ、ギーシュごとき素手でも相手にならない。
「ギーシュ、生きてたら幸運」
「は?」
「負ける」
「そう。何でそう思うの?」
「彼女は歴戦の戦士」
ギーシュと相対している凛々しい女性と、ピンクの髪の少女の方向に視線をやり、呟いた。
「フッ」
緊急回避。空振りしたワルキューレはバランスを崩し、ジルに無防備な背を晒す。
「フンッ!」
その背を蹴り、ワルキューレは倒れる。そこに拳を叩きつける。
バキャッと粉砕されたワルキューレの背。その穴を広げる様に殴り、上半身と下半身を泣き別れにした。ネメシスを突き落としマグナムリボルバーを片手で撃つ腕力×サンドナックル=弱い金属なら砕く威力。ワルキューレなど木の板の様なものだ。
「青銅?脆いわ。薄いし、論外ね」
事前にルイズに聞いていた通り、ギーシュは指揮官タイプのメイジだった。青銅のゴーレムを操り、戦う。その時点で彼女の戦闘スタイルは決まった。サンドナックルとコンバットナイフで、砕き切り刻む。
最初の挑発は、冷静を失わせる為の作戦だ。今までロクな情報も無くバイオハザードに身を投じていた彼女に、久し振りにブリーフィングもどきをしてくれたルイズに、少しだけの感謝していた。
「舐めおってェェェ!」
三度目の咆哮。素手で青銅を粉砕した事実は完全に頭の中から消えていた。杖から花弁が飛ぶ。六枚のそれは地面に落ち、六体のワルキューレとなる。
一つ溜息を吐いたジルは、ベルトのシースから新たにナイフを抜く。そこで違和感を覚える。
左手が熱を持っている。妙に躯が軽い。
しかしそれは戦闘に不利になるものでもない。むしろ有利ですらある。それを頭に入れ、自分を囲む様に走るワルキューレの一体に向けて走り出す。
予想外の速度、そしてその速度についていける思考。ロックフォード島・南極基地の報告書にあったウェスカーもこんな感じだったのだろうか。
「ハッ」
青銅の人形を切り刻む。四肢を奪い、動けなくする。それにやっと反応するワルキューレ群。遅い。
背後に回ろうとした三体目を刻む。何百何千と人間(だったもの)や化物を切り刻んだナイフ。硬い甲殻を持つクリーチャーや、巨人の頑強な骨すら切り刻み、今もなお切れ味は落ちていない。
合衆国では一般的なコンバットナイフだ。ジルがラクーンシティ時代から愛用している武器も、カスタム品以外は外観は一般
的な物と変わらない。だが、R.P.D.に、特にS.T.A.R.S.に回される官給品の武器の質は異常だった。ナイフはそれが特に顕著に
現れた例だ。どんなに酷使しても、切れ味は鈍らない。たとえ、青銅を切り裂いたとしても。
「遅い」
四体目、足払いをかけて倒し、片脚を踏み潰す。残った脚を掴み、寄ってきた五体目に叩きつけ、壊す。
「フッ」
背後から何かがくる感覚に反応して、無意識の緊急回避。前転の後にクイックターン。視界には、青銅の剣を持ったワルキューレ。
「へぇ、そんな事もできるの?」
「い、今までは油断していただけだ!貴様など、このワルキューレ二人で充分だ!」
もう一体は長槍を持っていた。
「そう。なら私も……」
サイドパックに手を入れる。そこから取り出したのは────
「これを使わせてもらうわ」
四つの穴が前面に開いている、濃緑色に塗られた四角い箱。その大きさは、常識ならサイドパックに入る筈はない。
「はっ!何だそれは?」
しかしその事実のに疑問を抱けるほどの余裕はギーシュにはない。笑うギーシュを無視し、ジルは箱を肩に担ぎ上げ、箱から突き出た棒を握る。
ギーシュの疑問に、それは答えた。何かがその箱から放たれ、ワルキューレの一体に向かって飛翔し────爆発した。
ギーシュの頭に何かがコツンと当たり、地面に落ちる。それに眼を向け、そして爆発した場所に視線を戻し、数秒の後、何が起きたのかを理解した。
ギーシュの前には、指が幾つか欠けた、ワルキューレの手。爆発した場所には何も無い。
────ああ、そうか。
トドメと言わんばかりに、最後のワルキューレも爆散する。
────壊れたのか。
ジルはM66をサイドパックに仕舞い、残されたギーシュに向き直る。
口を開けたまま呆けていた。ただただ空虚な顔で、眼の前に広がる惨状を見ていた。バラバラにされ、炎に包まれるワルキューレ。その炎を背景に、悠然と歩むジルは、生徒達には魔王に見えた。
「これで終わり?呆気ないわね」
ナイフをシースに戻し、サンドナックルを外す。
「指揮官なら、奥の手を隠していると思ったけど……それすらないなら、貴方は無能よ。挑発に乗って冷静さを失い、自身を過信して、相手を侮って、少ない兵力を失い孤立する。まるでどこかの雑魚悪役の幹部ね」
腕を振り上げ、平手打ちを食らわせる。気持ちがいいほどにいい音が響き、綺麗な跡がギーシュの頬につく。
「貴族?薔薇?笑わせないで。二股かけて、女の子を泣かして、関係無い弱者に八つ当たりして、挙げ句の果てに決闘?貴方には貴族を名乗るに相応しくないわ」
情けなく倒れたギーシュに、容赦無く言い放つ。
「貴族で在りたいなら、よく考える事ね。貴方が真っ先にするべき事を」
もう話す事は無いと言わんばかりに、ギーシュに背を向け、ルイズの元に向かう。既に炎は燻っていた。
「勝ちましたね……」
「そうじゃな……」
信じられない、といった表情を浮かべている中年と老人。勝つ事自体は信じられる。慢心した貴族など、恐るるに足らず。二人はそれを知っている。
信じられないのは彼女の行為と武器だった。
「あれは……なんでしょう?」
「ワシに訊くな。君の専門分野じゃろう?」
「そうですが……」
ああ、厄介事が増えたわい。そう呟いて、オスマンはコルベールにジルを調べる事を命じた。
「勝ったわよ」
誰が見ても完璧な勝利だった。ワルキューレが全滅した時点で終わったも同然だったが、平手打ちでギーシュが杖を手放して確実となった。
「凄いじゃない!」
ルイズははしゃぐ。ギーシュはドットメイジだが、戦闘魔法に関してはそれなりの成績を残している。それなりに強いのだ。
「凄くないわ。私の仕事場だったら、助ける暇もなく死ぬわよ、彼」
アークレイ山地の洋館、ラクーンシティをはじめとするあらゆるバイオハザード発生地域を生き残った彼女は、経験からその評価を下した。
「仕事場?」
「そう、仕事場。街中を死んでいる筈の人間が歩き回り、化物がうろつき回り、生きた人間を襲って喰らう……」
その顔には、一瞬だけ計り知れない感情の渦が垣間見えた。憎悪と憤怒と悲哀と……ほんの僅かな希望。
「無駄に疲れたわね。授業が終わったら、さっさと部屋に戻って休みましょう」
平民。なのに貴族より凛々しく誇り高い使い魔の歩く姿は、ルイズの考えの幾つかを変えた。
貴族と平民の差。
魔法と貴族が中心の社会の在り方。
全て失敗し爆発する自分の魔法。
ルイズの全てが根本から覆される。この使い魔の女性は、この世界をあらゆる方向から変えていく。そんな予感がした。
その夜。
ルイズの予感を一層強くする出来事が起きた。
ギーシュがジルに謝りにきたのだ。
終了ですよ
おつでした
乙〜
魔王の人乙でしたー。
このジルはナイフクリアのジルですね?
GJ!
ひょっとして「ゲーム内」からの召還?
>>722 ニーナは聖戦じゃなくて紋章のキャラだぞ
とっても都合のいいように強化されています。
ナイフが頑丈なのはナイフクリアの際の統一された切れ味がベース。
ちなみに、BIO1時代のひ弱なジルではなく、BIO3のタイラント顔負けの化物のその後ってかんじでかいてます。
乙
ナイフと言えば64の
豆腐モード思い出した
BIO2の豆腐は鬼畜
体力だけはハンクの1.5倍あるから攻略本を参考にすればクリアできないこともない。
しかし、投下後もコテつけて延々会話続けるというのはいただけないと思うのだが
>>737 たった2レスで延々って…
自分が好きなゲームのネタがカキコされたらちょっとぐらい反応したくなるのは普通だから大目に見てあげなよ。
ええと、ここで書いていいのかな?
まとめのBASARAの50と51が同じ内容になってたよ
52の内容からしてたぶん51自体入ってないっぽい
IDでもろばれだから開き直ってもしょうがないか?
そんな些細な事で空気悪くすんなよ
某最強バール物理学者で書こうと思ったが彼は一言もしゃべらないんだよな
うめき声一つ上げないから他のキャラが言いたいことを全部汲み取ってくれないとどうにもならない・・・
>>744 ルーンの光の強弱で感情を表現するのはどうだ?
>>745,746
いいねそれ
ちょっとチャレンジしてみる
>>744 破壊の犬が目覚めたらおマチさんがゴーレムごとスープレックスで投げられてしまう…
>>691 遅レスですが、呪歌は、「下位古代語」による歌唱 です。
(参照:ロードス島戦記)
シザーマン召喚
思うんだが、俺Tueeeが問題だというなら、ゼロ魔蹂躙がイヤだと言うなら
無茶苦茶弱くてしょうがないヤツを呼べばいい
つか、強さと関係ないヤツを呼べばいい
音楽家とか、
医者とか、
政治家とか、
弁護士とか、
ジャグラーとか、
料理人とか、
ピエロとか、
パティシエとか、
何やってるのか分からない謎の人とか、
そもそも、「動物のお医者さん」のチョビとか「Air」のカラスとかさ
>>749 DOGはちょっとチートキャラだからな
死亡フラグへし折ったし
建設的にそういうの問題にしてた人って居たっけ?
俺Tueeeだのゼロ魔蹂躙だのグダグダ言ってる奴ってのは書きもせずに文句ばっか垂れてるもんだと思ってたんだが
2030年代の日本丸ごと召喚は論外(いじめ、かっこ悪い)として
どの時点、どの作品の”日本”ならハルケギニアといい勝負か?
”太正”時代の日本を召喚すてリュテスあたりに文化交流と評して劇場を…
提督の人の次回作はこれで
>>750 呪歌は設定が安定していなくて、時期によって設定が違う。
後出し優先の法則に則ると、現在は“バイカル地方の偉大な偉大な詩人によって生み出された”(リウイ)という事になっている。
>>752 テンプレに頼るなら戦闘は避けて通れない。
そしてテンプレに頼らずに独自の物語を紡げる能力を持った奴なんてそうはいない。
そもそも、このスレの住人自身がテンプレ大好き、俺Tuee大好き。
>>754 使い魔くん千年王国かな。
現実世界みたく不平等と公害と戦争ばかりの世界にならない様に気をつけつつ
ハルキゲニアを蹂躙するのが目的。
ちょっと気になったんだけど殺虫剤の類ってゼロ魔劇中で出てきたっけ?
>>754 的外れな創作論を根拠にグダグダ言ってた奴らだらけだったし
「書きもせず」ってのはそう外れてもないかもな
>>752 俺Tueeeeeが問題じゃなくて、
そう言うのは大抵面白くないから叩かれるんだ。
>>759 原作にはそれらしいものはないと思う。
けど舞台設定としてそれらしいものは用意できると思う。
>>755 「魔法」というアドバンテージがある以上ちっとやそっとの
技術もってる日本じゃ相手にならない
第二次大戦直前の日本くらいかな
資源の枯渇をなんとかできれば、の話だけど
>>755 いっそ胸に七つの傷を持つ世紀末覇者の時代に
サバイバリティと順応性が半端なさそうだから
トンクス
>>752 医者、音楽家、政治家、弁護士、料理人はゼロ魔キャラは蹂躙しない可能性はあるけどゼロ間世界を蹂躙する可能性がある
まあ、俺はキャラ蹂躙より世界蹂躙のが好きだけど
てかパティシエって料理人じゃね?
>>755 大正時代には既に金剛級巡洋戦艦があったり長門級戦艦があったり加賀や赤城があったりする
艦載機に零戦はまだ乗ってないけどそれでも十分なような
キャラクターで蹂躙かそうでないかなんて決まらねーつの
作者方の問題にROM専の俺らが口出ししてどうするよ
>>764 モヒカンレザーのコルベールがタングルテールを消毒するんですね、わかります
いい加減軍板辺りに専用スレ立てた方がよくないか。
いっそ阿部さんを呼んで片っ端から蹂躙してもらおうぜ
軍板はゴミ捨て場じゃないです
>>757 単発IDらしき煽りに言っても何だけど
作者や住人を丸ごと見下すくらいなら、作品書いて皆を黙らせてみては?
>>767 菓子作り専門の料理人って意味で使ったんだが、違った?
ミュージシャンとギタリスト
シェフとパティシェ
細分化、つうか専門化した職業だわな。
前から不思議に思ってたんだが
帝国歌劇団から誰も召喚されてないんだよな
なんで大神を呼ばないんだろう。
適度に強いし、元々は戦争嫌いな平和主義者だし、性格は真面目な好青年だし
もぎりだし
トリスタニアの劇場で昼はもぎり、夜は事務仕事、朝は女優と剣の修行
そしていつしか自分の舞台を作りたくなり、劇作家を目指す
うん、ゼロ魔じゃないな
>>766 現代のパティシエなら、技術的にハルキゲニアと段違いだろうけらやはり蹂躙する可能性はあるね
主にルイズとタバサの舌を
>>774 それであってると思う
因みに最近はチョコレート系専門のパティシエをショコラシエとか言うんだっけ?
>>777 俺は一応パティシェだが、中世レベルの食材機材で貴族の舌を蹂躙する自信はないぞ。
ピエロも呼ばれたな。
教祖様のほうだが
パティシエならアンティークの小野裕介を呼べばよさそう。
ケーキ作りの達人だからルイズの舌も納得の物を作れるぞ
問題は魔性のゲイなのでギーシュが別の意味で蹂躙されかねないことか
>>776 大神一郎は普通に最強だしタイミングによってはヒロイン同伴だし
ピンチには大天使ミカエルが降ってくるし
あの当時砂糖は高級品だからなぁ
スパイス関係も貧弱だし
何より品種改良されて今の小麦があるんだから小麦の質から上げないといけないのか
そう考えるときっついな
なんでか知らんが食材で珈琲を思い浮かべてしまった。
個人的には稀にインスタントコーヒーの粉を焼く前のクッキーにまぶすが…
ハルケギニアにコーヒーはあったのだろうか?
>>784 どんな粗末な機材・食材でもこなせてしまうパティシエもしくは料理人ならどうだろう
人相の悪い二代目覇王とか
もう美味しんぼでいいよ
>>775 細かいことを言うようだが、「料理人」と言いたいのなら「シェフ」ではなく、「キュイジニエ」だ。
「シェフ」ってのは英語で言うところの「チーフ」って意味だぞ。
>>779 そこは異世界から機材が迷い込んで〜
>>784 またまたそこは異世界から通いこんだ人からもたらされて〜
錬金で土から肉が作れたんだから錬金で作れるかも
某新聞社の山岡氏…はある意味二代目覇王並みに危険人物か
>>761 たしかに、小ネタのメロス召喚は『ゼロ魔キャラを片っ端からぶっ飛ばすだけ』の内容だったのに笑えたしな
書き方って大事だ
>>776 艦隊と7万見てから震天動地余裕でした
>>752 それならばまぶらほの和樹はどうだろう?
一応魔法関係で繋げる事はできる。
オレはゼロ魔はアニメ知らない&小説書く技量が無いので無理。
>>752 チョビをハムテルから引き離すとか、マジ外道w
こうなったら「動物のおしゃべり」から、ふじのミカちゃんを召喚
>>779 俺は素人だが、貴族の舌を(別の意味で)蹂躙する菓子なら作れそうだ。ハシバミ草があれば。
でもタバサやルイズなら舌よりも下を蹂躙したい……すまん、下品だ。
よし、料理人呼ぼうぜ(と言い出せる機を窺っていた俺が来ました
料理は勝負と叫ぶ男とか、人の使い魔を勝手に料理しちゃう裏食医とか
俺Tueeeeeeがダメならガンダ補正でもギーシュとの決闘で成す術なく死ぬならいいんだよな?
>ふじのミカちゃん召喚
ナチュラルボーン・ヴィンダールヴキター!
おにいちゃんもわりとヴィン気質だよねー…
ミスター味っこ
美味しんぼ
中華一番
あとどんなんあったっけ?
喰いしん坊!
>>796 その後続けられるならいいんじゃない
正直ここの住民の全ての言うことを聞いていたら何も書けないよ
>>777 冷たい菓子を作るために水メイジが必要
タバサが料理人見習いに転職しました…
>>798 虹色ラーメン
償還するのが親父だったら小麦の質をものともしないか
どんな戦争も紛争も料理で解決できる味の外交官、大沢公か、その弟子の一木くるみを召喚。
拉致問題だって料理で解決なんだぜ。
>752にない職業として農家の人を召喚ってのはどうだ
しかも品種改良ができるだけの知識持ちとして
工業系の人間を呼んで機械SUGEEEEというのとは別の展開ができると思うんだが
>>804 前にも出てたが、カムイ伝から正助だな。
>>752 ピエロ召喚か……
ふわふわ浮かぶんだよ、ルイズ。
>>797 ミカちゃんのお母さんも昔はナチュラルヴィンダールヴだったらしいぞ。あの家系は実はハルケギニアから逆召喚されたヴィンダの
末裔に違いない。
料理人といえばセガール
>>798 ギーシュやワルドが料理勝負を挑むんですね。わかります。
>>796 俺Tueeeを通り越して異世界蹂躙なんて嫌味も煽りも吹っ飛ぶ程
山ほどあらゆるパターンをやっているスタートレックというシリーズがあってな
ちなみに蹂躙の対象には地球の第二次大戦時代も含まれてるぜ
>>810 適正
ガンダ…◎
ミョズ…灸とか針とかの怪しい知識が豊富だから○
ヴィン…橇犬に襲われた事があるから△
あえてテンプレをかっ飛ばして、ゼロ魔キャラを料理のリアクション要員にすれば角は立たんな。
その料理漫画のハルケ外伝になっちゃうけど。
食材は、使い魔連中?
面白くて、自己主張少なくて、スレの空気が読めれば別になんでもいいだろ
「面白く」書くことについてはともかく、後ろ二つは誰だって簡単にできるだろ
リアクションといえば焼きたてジャぱん
アニメはグレーゾーンすぎだ
投下予告
10時ごろから作品を投下いたします。
もしも蒼天版曹操と賈言羽とあの人とあの人が召喚されたら
>>804 よく考えたら、提督でやってるやんか
シエスタのひい爺さんがブドウ農家出身で、タルブが見事なワイン産地になってしまった
なら、夏子の酒だ
料理技術対決やってみたり。
キャベツの千切り勝負とか、
水を張った洗面器の上にキュウリを浮かべて包丁で切るとか、
まるまる牛肉一頭を糸を使って解体するとか。
包丁人味平はゲームセンターあらしと並ぶリアクションマンガの元祖ですよー。
ジャンは普通に戦闘的な面でも強いな
少なくとも水中の鮫より強い
823 :
双月の女神:2008/08/11(月) 21:49:26 ID:u+L2f+Ih
支援とともに御挨拶。
どーもです。お久でございました。ミカヤの筆者です。
時間かかりましたが何とか次話を書き上げました。
割れぬなら様の後、投下いいですか?
割れぬならの人、女神の人、お待ちしております。
「何故?」
タバサは、賈言羽に訪ねた。
何故作戦を変更したのか?
一晩経った今でも、タバサの中にその問いに対する答えは無い。
賈言羽は笑って。
「感情というものは、存外馬鹿にはできぬものでしてな」
と、答えた。
その笑顔は『無理矢理作りました』とでも言いたげ代物だったが、
その笑顔は『計算高い謀略家』のイメージを『嘘のつけない不器用人間』のものへと変えてしまう。
「印象操作」
「左様」
つまり、今見せた不器用な笑顔も、土壇場で作戦変更をして見せた温情も、賈言羽にとっては同列の行動なのだろう。
悪印象を持たせるよりも、好印象を持たせた方が、何かと都合が良いのは間違いない。
情に流された訳でも、ヨシアの熱意に負けた訳でも無かったのだ。
「安心した」
賈言羽はやはり『計算高い謀略家』であった。
それを確認したタバサは、ほんの少しだけ賈言羽に対する警戒を弱めた。
「こちらもです」
タバサはたった一言で賈言羽の意図を読み取って見せた。
自分の想像以上の聡明さを有する少女を確認し、賈言羽は内心ほくそ笑んだ。
時刻は正午、村のあちらこちらから炊煙が上がっている。
翼人達の巣からも、同じような煙が見えた。
……それが、作戦開始の合図。
森に潜む複数の密偵が、同時に火薬玉に点火した。
賈言羽はあくまでも『自然出火』と言い張るつもりであった。
翼人を殲滅するのが目的だったのならともかく、和解をさせるのなら、対人感情も対翼人感情も悪化させてはならない。
共通の大敵は、あくまで第三のものでなくてはならない。
そうでなくては、全面戦争に突入しかねない。
火の廻りが速すぎてはいけない。
『誰かが放火したのでは?』と疑われてしまう。
火の廻りが遅すぎてもいけない。
人間、あるいは翼人達が、独力で鎮火してしまう。
速すぎず、遅すぎず、そんな神業的な火計を賈言羽は立案し、計画し、見事に実行の段階までもってきてみせた。
そんな綿密な計算の基に出火した炎は……
そんな綿密な計算の基に出火した炎は……開始5分で森全体にまで広がった。
「「消せるかっ!!」」
ヨシアとアイーシャが、それぞれ別の場所から同時にツッコミをいれていた。
タバサとシルフィードが、賈言羽に冷たい視線を浴びせた。
2人……もとい、1人と1匹に言われるまでもなく、賈言羽はこの異常の原因を探り当てていた。
「メンヌヴィルという男に間者達のまとめ役をやらせましてな……
その男、焼けた肉の臭いを嗅ぐと恍惚とした表情になる異常性癖の持ち主でして」
タバサが溜め息を吐きだした。
それはもう盛大に吐き出した。
その瞬間『計算高い謀略家』のイメージは、一気に『呉学人』の域にまで急落した。
・
・
・
沸き立つ祝福 新しい門出
見守る人々は みんな目が死んでる
和解に賭けた作戦 けど みんな目が死んでる
シルフィードが陽気に、かなり悪趣味な歌を歌っていた、
賈言羽とタバサを含め、村の人々も翼人達も、死んだように眠っていた。
翼人の巣の付近だけはかろうじて死守したものの、森の半分以上が焼け落ちた。
あれから2人は、燃え盛る火炎の中で悦に浸っていたメンヌヴィルをとっちめ、
指揮系統の混乱により右往左往していた間者達を纏め上げ、その後はひたすら不眠不休の消火活動にあたった。
またメンヌヴィルの抵抗は激しく、タバサは全治1週間の火傷を負い、賈言羽は手持ちのマジックアイテムの半数近くを焼失した。
完全に鎮火するまでの6日間、全員が全員不眠不休。
特に作戦準備の為に前日を徹夜した賈言羽、メンヌヴィルと死闘を演じたタバサ、
そして力の限り飛び続けたシルフィードの疲労は言語を絶するものである。
4日後、村の広場でヨシアとアイーシャの結婚式が行われた。
しかし、いろいろな物を焼失した村の復興に追われていた村人達や賈言羽は当然のように寝不足であり、
式に出席していた者達のほとんどが、死んだ魚のような目をしていたという。
貴方と私は 同じじゃないけど
貴方と私は 同じ道を往く
だいたい そんな感じ
……しかしまあ、村人と翼人の和解だけはなんとかなった。
一組の男女が、大きな障害を乗り越えて結ばれた。
村人達も翼人達も、疲れ果てた体を奮い立たせてまで、2人の門出を祝おうとしていた。
ちょっとした手違いはあったが、一応作戦は成功したと言っても良いのではなかろうか?
タバサはそんな思いを抱えて、賈言羽の回復を待っていた。
作戦成功
タバサからの評価が下がった。
タバサとの関係が『警戒』から『用心』に変わった。
『呉学人』の称号を得た。
翼人編は3回ではなく2回に分けるべきだったと思った。
それはそうと、今日から次回分の投下予告をやめます。
更新頻度と投下する時間帯を変えるつもりはありませんので、
実質何も変わらないと思うかもしれませんが、そういう心境の変化があったのです。
キャベツと聞いてけよりなキャベツを思い浮かべたのは俺だけでいい
殷周伝説キャラならゼロ魔世界でもやってけれるかも
831 :
双月の女神:2008/08/11(月) 22:09:34 ID:u+L2f+Ih
乙でございました。
それでは続けて投下逝きますです。
第一部十二章『会議』です。5分後に投下します。
832 :
双月の女神:2008/08/11(月) 22:13:38 ID:u+L2f+Ih
ファイアーエムブレム外伝 〜双月の女神〜
第一部 『ゼロの夜明け』
第十二章 『会議』
―――――トリステイン魔法学院会議室。
そこでは張り詰めた空気に包まれていた。
会議室の四方枠状に組まれたテーブルの上座の席に学院長のオスマンがかける。その左隣には秘書のロングビルが
控える。
その左右の席には昨夜の騒動を受けて教職員会議に召集された、真剣な表情の教師達。
最後に末席である学院長席と向かいの席にミカヤとルイズがつく。
「さて、ミセス・シュヴルーズ。昨夜の件について聞かせてもらえるかね?」
「はい、オールド・オスマン。昨夜の事件の事を報告させていただきますわ。」
オスマンの促しを受けてシュヴルーズは、正式な書類にのみ使用する高級紙で書き上げた報告書を広げる。
「まず、深夜ミス・ミカヤとミス・ヴァリエールが宝物庫前にて魔法の練習を行っていた所、学院に侵入した何者かが
ゴーレムを召喚。二人によりゴーレムは破壊、撃退されていました。」
報告を聞きつつ、早朝にシュヴルーズが現場で検分した内容を記載した書類に目を通す教師陣。
「その時に残骸となった周囲の土を『ディテクト・マジック』で詳しく調べたところ、かなりの濃度の魔力残滓を
確認。
襲撃者は私の見立てでは恐らく、『土』系統の『トライアングル』クラスのメイジと思われますわ。」
「では、巷を騒がせている『フーケ』の可能性があるのでは?」
シュヴルーズの報告に口を挟んだ男性教師から出た人名に、周囲はいろめき立つ。
833 :
双月の女神:2008/08/11(月) 22:15:33 ID:u+L2f+Ih
―――怪盗『土塊』のフーケ。
二つ名が示すように、『土』系統の魔法を操る盗賊。その手口は大胆にして繊細。
強固な『固定化』をかけられた宝物庫の壁を『錬金』で崩し、土塊へと変えてまんまと値千金の宝物を盗み出す。
かと思えば30メイルに及ぶ巨大なゴーレムを操り、白昼堂々魔法衛士隊を蹴散らして王立銀行の金庫ごと莫大な預金を
せしめてみせる。
特に価値ある魔道具を標的としており、狙うのは裕福な貴族のみであることから平民達からは義賊として
名が知られている。
「ならば宝物庫の壁に罅を入れたのはフーケと仰るか、ミセス・シュヴルーズ?」
そう詰問するようにシュヴルーズに聞いたのは、長い黒髪で漆黒のマントを羽織った
男性教師―――――『疾風』の二つ名を持ち、学院でも希少な『スクウェア』メイジであるギトーだった。
彼の講義は自身の系統の『風』こそが四大系統の至上であり伝説の『虚無』すらも凌ぐという自論を持ち、
それを前面に押し出すことから快く思わない教師や生徒が多い。
「ゴーレムの腕と思しき残骸が罅のある壁に積もっていたことからも、間違いないかと思われますわ。
ただ侵入した賊がフーケと断定するには資料が少なく、難しいかと。」
陰鬱な雰囲気を出しながらのギトーからの問いに、やや顔をしかめて返答するシュヴルーズ。
昨夜の戦闘でミカヤの魔法で破壊されたゴーレムの拳と思しき残骸が、偶然にも罅が入った外壁付近に積もっていた。
「ふん、では当直だったミセスはどう責任を取るつもりかね?対応に遅れ、すでに襲撃者は撃退済み。
今回の一件はミセスではなくミス・ミカヤの手柄ではないか。」
「それは・・・。」
厳しい追及を続けるギトーにさすがのシュヴルーズも、思わず口を噤んでしまう。
なんというギャグマンガ日和w
割れぬならの人乙
って呉学人てww
そして双月の人待ってました支援!
836 :
双月の女神:2008/08/11(月) 22:18:26 ID:u+L2f+Ih
「これ、ミスタ・ギトー。あまり女性を苛めるものではない。責任を取らねばならぬのは我々学院職員全員じゃ。
無論の事、わしもじゃ。」
そうオスマンはギトーを嗜め、席の一同を見渡す。
「さて諸君、今回の賊の侵入についてじゃが「我々は魔法を使えるから」という慢心から起こってしまった事じゃ。
この国にはかの『蒼炎の狼』が『スクウェア』すらも討ち取った前例があるにも関わらず、な。」
トリステインのメイジにとっての恐怖の代名詞を上げられ、うつむく教師一同。
それを聞き、ミカヤは『蒼炎の狼』―――アイクの足跡をおぼろげながらも知ることが出来て内心苦笑する。
「では、ミス・ミカヤとミス・ヴァリエール。現場で賊と対峙した状況を説明してくれるかの?」
「はい、オールド・オスマン。私からご説明します。」
オスマンから話を振られ、立席して証言を始めるミカヤ。
「私はミス・ヴァリエールに乞われて、宝物庫外壁前の庭で魔法の練習に立ち会っていました。
襲撃があったのは、その目途が立った矢先のことです。
おおよそ30メイルはあろう巨大なゴーレムが私達の背後から出現。宝物庫に真っ直ぐ向かってきました。
ミス・ヴァリエールが先制して魔法を行使。ゴーレムを中破させましたが、途中精神力を使い果たして戦闘不能に。
その後私が魔法での攻撃を加えて、ゴーレムの完全破壊に成功しました。」
「何、ミス・ヴァリエールが?」
837 :
双月の女神:2008/08/11(月) 22:20:51 ID:u+L2f+Ih
ミカヤの証言に口を挟んだのはギトー。
魔法を一度も成功させたことが無いルイズが『トライアングル』クラスのゴーレムを中破させるほどの破壊力を持つ
ものを行使できたことに懐疑的だった。
「はい、ミスタ・ギトー。今までの魔法行使の失敗による爆発を魔法として制御することに成功しました。
私はそれでゴーレムに攻撃をしたんです。」
「まぁ、あれを御することに成功したのですか?」
それに答えたのはルイズ。初日の講義においてその効果を目の当たりにしていたシュヴルーズは驚きを隠せなかった。
他の教師陣も同様の反応を示していた。
「・・・・・。」
「・・・・・。」
対して、複雑な表情で黙して様子を見ているコルベール。
オスマン同様真実を知る身の彼はルイズ自身の『系統』について話さねばならないか、何時話すかで思考が
空転していた。
ロングビルもまた、ルイズを複雑な面持ちで見ていた。
目の前の少女が成し得たことは『土』系統のメイジである彼女には「文字通り」他人事では無い。
「っ!?」
その時、ルイズの隣にいるミカヤから視線を感じて注視してしまうロングビル。
金色の眼は全てを見通し、あたかも心までも見通すかに感じた。
視線を合わすまいとし、周囲から怪しまれないようにオスマンを伺う。
それを見て取ったミカヤは瞑目し、視線を戻す。
838 :
双月の女神:2008/08/11(月) 22:22:48 ID:u+L2f+Ih
「まだまだ論議せねばならぬ事項が多々あるが、窃盗は未遂に終わって何よりじゃ。
ミス・ミカヤとミス・ヴァリエールには何らかの褒章をさせてもらおう。
諸君らには今後の警備箇所、巡回ルートは外壁周辺も含めて厳重にすることを命じる。努々慢心をせぬようにな。」
こうしてオスマンの総括で纏められ、教師陣の「杖に懸けて」と貴族の誓いを唱和することでこの議題は
締め括られた。
会議終了後にミカヤだけ残るよう言われ、一旦ミカヤ達は退室させられることになった。
―――――会議終了後、オスマンとコルベール。そしてミカヤが会議室で向かい合う。
「さて、ミス・ミカヤを残したのはちとわしの話に付き合うてもらいたくてな。
・・・実は、『テリウス』からの来訪者に一度わしは会っておる。」
「何故今になってその話を?」
ミカヤの質問に椅子に深くかけ、追憶にふけるように瞑目するオスマン。
そして、暫しの沈黙の後にオスマンは一人の人名を挙げた。
「サナキ・キルシュ・オルティナという方を知っておられるかな?」
「!?」
その名は祖母の血を分けた無二の妹だった。動揺を隠せないミカヤ。
同時に昨夜の夢を思い出し、オスマンの思考を読み取ると脳裏に浮上した推測は確信に変わる。
一呼吸置き、二人に告げるミカヤ。
「・・・・・サナキは、祖母からの血の繋がりを持つ妹です。」
―――目の前の老メイジとの世界を超えた深い縁。追憶と共に夢は現と重なる。
839 :
双月の女神:2008/08/11(月) 22:25:37 ID:u+L2f+Ih
以上です。
何分にオリジナル展開に近かったもので難産でした。
こちらのシュヴルーズにはお仕事させました(笑)。
次回は若いオスマンとサナキの追憶話と共に破壊の杖について書きますです。
では失礼をば。
割れぬなら氏、双月氏乙
>>827 ってギャグマンガ日和かよ!
終戦云々ならこれしかあるまい。
ここはタルブ、トリステインの古戦場。
今では、タルブの草原に足を踏み入れる者は稀にしかいない。
耳を澄ます時、どこからともなく、虚無のメイジとその教師の、雄雄しく無残な運命を語る呟きが聞こえてくる。
ここでこのエンジンが鼓動を止めてから、もう五十年近い歳月が流れた。
全ては永遠の眠りにつき、赤錆びた機銃は二度と火を吹く事はないのだ。
雨に打たれ、風に晒され、焼けつく太陽に照らされながら、そのエンジンは語る。
二人のメイジの、鉄と血の物語を……
…タイプしてて鬱になってきた…orz
>>804 ルーンファクトリーのラグナは農家兼酪農家兼鉱山採掘屋兼鍛冶屋兼
薬剤師兼料理人で副業として剣士と魔法使いをやっているのでどうだろう。
カブの種をまくと四日で収穫できる上に魔力の結晶が手に入るような
魔法のお百姓さんだからすごい事になりそうだけど。
>>789 ユー・ユーハイムですね。わかります。
あの世界からさらに召喚されても、
世界が変わったことに気付かんかったりしてw
ルーンファクトリーなら、ミストを召喚したルイズがハルケギニアで最高のカブ農家になるまでを書いたサクセスストーリーというのはどうだろう?
食材とか道具とかあまり関係ない凄い料理人なら…
妖神グルメ(著:菊地秀行)の主人公はどうだろう。
確かあまり美形描写はされていなかったので、そっち関連の問題はクリアできるんだが、
問題は使い魔連中が殺されないかだけ。
>847
それも確かに不安要素だが
マルトーが散々に扱き下ろされて首吊りかねんw
やはりアウディだな
ヴァリエール公爵「ホラ、カトレアにプレゼントあげなきゃ」
ルイズ「ちぃ姉さま、私、クックベリーパイ作ってきたの」
カトレア「まぁ!上手になったわねぇ…美味しいわぁ。早く元気になるからね」
ルイズ「お病気治ったら王都行こうねちぃ姉さま」
カトレア「ありがとう…ほんっとにおいしい…私も早く退院できるように
山岡「やれやれ、こんなクックベリーパイをうまいと言っているようじゃ、
ほんとに治るかどうか怪しいもんだ」
ヴァリエール公爵「な、何だあんたは!娘がせっかく…」
山岡「明日もう一度この病室に来てください
こんなゼロが作ったようなクックベリーパイよりずっとうまいクックベリーパイを
ご覧に入れますよ」
……なんて失礼なやつだ。
山岡自重www
しかもケンカ売ってる相手と目を合わせようともしないんだぜ、あいつ…
明後日の方向向いて
「美食家と奉られる人間は滑稽だねえ!」
って大声でわざと聞こえる様に言うんだよ
なんという無礼者……
見ていて思わず首を締めたくなるほどの暴虐振り
間違いなくこの山岡は烈風カリンに無礼討ち
オラ、こんな村イヤだ オラ、こんな村イヤだ 東京さでべこ買うだ〜
しかし、彼が行き着いた果ては
凄い料理人か……
ワンピースの闘うコックさん“黒足”のサンジ
至郎田正影を召喚と申したか
>>850 山岡がその態度に出る時は
的外れなシッタカぶった素材自慢や腕自慢の伴った
不味い料理に対した時だけだぞ
結果の伴わない努力が見える不味い料理は駄目出しこそすれ貶しはしない
カトレアの口に入る前に「これじゃ駄目だ、手本を見せてやる」
→(自作品をルイズに食わせてから)「作り方を覚える気はあるか?」
だろう
秋山ジャン召還しようぜ
史上最高のかませ犬である裁鬼さんを呼ぼう!!
秋山の『魔法』ですね。
以前からあるコピペ改変に突っ込まれても、その、なんだ、困る
863 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/12(火) 01:13:56 ID:I9nO+TQv
茉莉「あの…」
ルイズ「その声は姫様!?ってあれ?」
アナ「ここどこですか?」
ルイズ「ティ…テイファニア!?い、い、一体…どうなってるの…」バタン
「「あ…倒れちゃった…」」
すみません
さげます
>史上最高のかませ犬である裁鬼さんを呼ぼう!!
鬼の人はたとえ裁鬼さんであってもとんでもないハイスペックだぜ
殴ってヨルムンガンドとか壊せちゃう
でも裁鬼サンならやられるか
10分後から投下しても良いですか?
>>865 そういえば裁鬼さんの苦戦や敗戦の原因は斬鬼さん負傷の穴を埋めるために頑張ってたら
過労で限界になって負け続けたんだったっけ
どんだけ人手不足なんだ?音撃戦士は
あらすじ。
「いいか我々は『ラピッドストリーム』言う陣形で戦う」
「鳳天舞の陣は皇帝に防御ボーナスと御供に攻撃ボーナスがある分あつかいやすいし素人から玄人まで幅広く使われている帝国の基本陣形。
対してラピッドストリームは見た目なんかはフリーファイトとほとんど変わらねぇが皇帝が少し前に出ることにより敵より早く行動できるが受動防御が全く発生しない分
使いこなせねぇとインペリアルアローより使えないホーリーウォール以下だってのに何であの皇帝は?」
・
・
・
「地獄爪殺法をやらせるな――――ッ!!」
「いいや! 限界だ、するね!」
【クイックタイム!!】
「俺が時を止めた、行動順5の時点でな……」
未来の大魔女候補2人 〜Judy & Louise〜
第5話前編『魔法少女と美人秘書』
学院で一番空に近い場所、つまり学院長室。そこには、老人と中年男性が居た。
老人は、顔の半分以上が真っ白な髪と髭によって隠されており、露出しているのは額から鼻までの範囲だ。そこから覗く眼には、確かな知識の輝きが宿っており、ただ無為に年を重ねたわけではない事を物語っている。
中年男性は老人とは対照的に黒い髪の毛を持ち、額から頭頂部までが禿げあがっている。そして、残った黒髪にはツヤが失われて白髪が覗いており、彼の気苦労が偲ばれる。
2人は部屋の中で杖を振っていた。その行為だけを見るならば、奇異な行為に見えるのだが、部屋の変化を感じ取ることが出来れば、その意味が分かるだろう。
杖が振られる度に、煌めく粒子が杖の先から飛び出す。その煌めく粒子は、割れた壷や粉々に砕けた椅子に纏わり付き、光が消え去ると破損部分が修復されている。
部屋の様子を観察すると、壁は何かが高速でぶつかったかの様に陥没しており、調度品もこれまた何かが高速でぶつかったかの様に粉々に砕けている。
既に部屋の大半は修復されており、残すのはセコイア製の大机だけであった。しかしそれも、何度目かの修復の魔法が掛けられて、元の形を取り戻した。
修復された物品を細密に観察すれば、破壊の痕跡である細かい傷跡が見て取れる。いかな修復の魔法といえど、傷も無く元通りの状態に修復するには、多大な精神力と豊富な経験が必要となるのだ。
部屋がようやく一応の体裁を整えたことに老人は、曲がった腰を伸ばして安堵のため息をつく。
「部屋の修復も漸く終わったのぅ。御苦労じゃったね、ミスタ・コルベール」
「ええ、お陰で朝食は食べそびれましたがね」
コルベールに皮肉気に返されたオスマンは、そっぽを向いて話題を逸らす。
「それにしても、なんでミス・ロングビルは怒ったんじゃろうな? ワシは善意で制服を用意したというのに……」
「言い方に問題があったのでは?
しかし何時、ジュディさんを生徒にするのが決まったのです?」
「なに言っとるんじゃ?
君が昨日、ど〜ぅしてもと言ったんじゃろうが」
「はぁ、そうでしたか? とんと覚えがありませぬ」
「まあ酔っ払っとったし、憶えていないのも無理はない。
其れよりもじゃな……」
首を傾げるコルベールを見て、オスマンはほくそ笑んで、更なる話題の変更を試みる。
元のモノよりかけ離れた話をすれば、思い出されることもないし、より重大な話を始めれば蒸し返されることはない。そういう魂胆なのだ。
「そんな事より重大な事があるじゃろう?」
「そういえば、朝から呼び出しを食らった理由を聞いておりませんでしたな」
「呼び出した理由は勿論、ジュディちゃんの件についてじゃ。
君には、ジュディちゃんが何処から来たのかを調べてほしい。
まず、帰還の手段を考えるにしても、何処から来たのか、ひいては、帰るべき方向はどちらなのか。これが分からねば始まらん。
とりあえず、ジュディちゃんが家族の居場所を示す水晶を持っとったのが不幸中の幸いじゃったのう」
「そうですね。何とかあれを使える状態にすることが出来れば、大きな一歩になりますな」
生来の真面目な性格が祟ったのか、あるいは如何でも良い事だったのか、コルベールは割合あっさりとオスマンの話に乗る。
オスマンは髭を撫でながら満足げに頷いて、話を続ける。
「そういう訳で、君には暫くの間、授業はお休みしてもらって、あの水晶の原理の解明に尽力してもらいたい。
原理さえわかれば、より広範囲を探知できる装置を作れるやもしれん」
「承知いたしました。
ところで、わたしの授業を引き継ぐのは誰でしょうか?」
「ミスタ・ラガンに頼んでおる」
「ナン君にですか…… 人格に問題がある気がしますが、文句は言いますまい。能力は一級ですからな」
オスマンの人選にコルベールは眉を顰めるが、妥当な人選だと思い直したようだ。
トリステイン魔法学園に在籍する教師は、優秀な者が多いのだが、変人奇人も多く、教師らしからぬ教師の方が圧倒的に多い。先ほど挙げられた者は、その中では比較的まともな部類に入る。
多少腕の立つメイジが、自分の扱う系統が最強だと主張するのは珍しい事ではない。
しかし、裏を返せば真の達人は、そんな狭い視野を持ってはいないのだ。その事実にオスマンは、学院の教師の質も下がったものだと頭を抱える。
仮にも、人に物を教える立場の人間ならば、偏った価値観や知識を持つものではない。持っていたとしても、それを表に出すべきではない。と、いうのがオスマンの見識だ。
しかし、そんなことはおくびにも出さず、オスマンは話を元に戻す。
「そんな訳じゃから、暫くガラクタ弄りは中断して、その事に専念してくれい。
そのための予算は出す。事は全力を持って当たってくれい」
「分かりました。しかしサンプルが1つしかないというのが……」
コルベールが、ある懸念をオスマンに伝えようとした瞬間、部屋に小気味良い音が響いた。
扉をノックする音だ。その乾いた硬質の音の後に、潤いを帯びた色気のある声が続く。
「オールド・オスマン、入っても宜しいでしょうか? 彼女を連れて参りました」
「おっ、おお…… 御苦労じゃったね、もう部屋の片づけは終わっておる。入って来なさい」
「失礼致します」
「しつれいします」
蝶番を軋ませることなく、ドアノブを回す微かな音だけを響かせて、緑髪を後ろで纏めた美女が入室してくる。
そしてその後に続いて、黒目がちなハシバミ色の瞳を持ち、金髪セミロングの女の子が入室してきた。
オスマンは、その女の子の格好を見て嬉しそうに目を細める。
「ほぅ〜 早速、制服を着てくれたようじゃな。よく似合っておるよ、ジュディちゃん」
「えへへ、そうですか? アリガトウございます」
ジュディは素直にペコリとお辞儀をする。
オスマンの言うとおり、ジュディの格好は、昨日のコンポーズボルドーの色合いの古風な魔道士の格好ではなく、トリステイン魔法学院におけるスタンダードな制服姿であった。
校則で決められている女子の服装は、白のブラウスにグレーのスカート、そして学年毎に定められたマント及び校章でもある五芒星のタイ留めの着用である。
その校則に則って、ジュディの格好は白のブラウスにグレーのプリーツスカート、その上から茶のマントを羽織り、襟元には黒のリボンタイを締め、そして、胸元に何時ものとんがり帽子を抱いている。
「うんうん。今すぐ校章をあげてもいい位に様になっとるよ。
できればそこで、クルッと回って……」
「ンフンッ、ンフンッ! オールド・オスマン! ミス・ロングビルが……」
「…………」
「そ、それでは本題に入ろうかの」
必死に咳払いをするコルベールのお陰で、オスマンはロングビルの目尻がつり上がって行くのに気が付き、咄嗟に言葉を飲み込むことに成功した。
今日のロングビルは非常に機嫌が悪いらしく、少しでも茶目っ気を出そうものなら、朝の出来事の焼き直しになるのは目に見えている。
オスマンは、ロングビルの機嫌を損ねぬように、真面目な顔で話し始めた。
「オホンッ。
ジュディちゃん、君を此処に呼んだのには2つの理由がある。
まず一つ目じゃが、この学院の生徒になってみないかね?」
「生徒に……ですか?」
「そうじゃ。ジュディちゃんに学ぶ意志さえあるならば、こちらは大歓迎じゃ。どうかね?」
オスマンのにこやかな問いかけに、ジュディは少しの間考え込むが、直ぐに顔をあげて笑顔で応える。
「それじゃあ、お世話になりたいと思います」
「そうかそうか、生徒になってくれるか。嬉しいのう。
それならば、先ずは此方の読み書きをミス・ロングビルから習ってくれい。それが出来たなら、この学院の校章を授与しよう」
「はーい、分かりました。がんばります。
ロングビル先生、ご指導のほどヨロシクお願いします」
ジュディはロングビルに向き直り、ペコリと頭を下げる。
「ええ、厳しくいきますが頑張って下さいね。
あと、オールド・オスマン。私がジュディちゃんに読み書きを教えている間、あまり羽目を外し過ぎないようにお願いします」
ロングビルはジュディには優しく答えるが、オスマンに釘を刺しておくことは忘れない。
「あ、ああ。わかっとるよ……
で、ロングビルに言付けしておいたのじゃが、あの水晶とそれに類する道具を持って来てくれたかね?」
「はい、持ってきています。水光晶輪と術具のことですね?」
「おお、やはり持っておったか。では早速見せてほしい」
ジュディは、肩から掛けたバッグの中から水光晶輪と5つの術具を取り出し、机の上に丁寧な手つきで並べていく。
目の前に置かれた水光晶輪を手に取り、目を細めて観察してからジュディを見据えて頷いた。
「うむ、確かに。
ジュディちゃんや、折り入ってお願いがある。いいかね?」
「なんですか?」
「今日呼んだのは他でもない、この水晶を研究することの許可をくれないかね?
これの原理を解明することが、ジュディちゃんを元の場所に戻すことに繋がるとワシは確信しておる。
その水晶が、君と家族を結ぶ唯一の物だという事は分かっておる。しかし、この通りじゃ! 頼む! ワシらに預けてくれぬか?」
そう言ってからオスマンはスッと立ち上がり、ジュディに頭を下げる。
その行為に、コルベールから焦った声が上がる。
「オ、オールド・オスマン!? 何もそこまで……」
「ミスタ・コルベール、礼を尽くすのに大人子供は関係がない。これは此方が尽くすべき礼なのじゃよ」
「そうですか…… 確かにそうですね。
ジュディさん、わたしからも頼みます。その水晶とこれらの道具をわたし達に預けてほしい。
必ずそれの原理を解明して、帰還の手掛かりを掴むことを約束します」
「えっ、えっ? えっとぉ……」
大の大人2人に揃って頭を下げられて、ジュディは困惑している。
だがオスマンは、突然の事態に戸惑うジュディに真摯な瞳を投げかける。その瞳に宿るのは混じりっ気なしの誠実さだ。
ジュディは何度も深呼吸をして気持ちを落ちつけている。そうやって暫しの間を置いて、ジュディは口を開いた。
「えっと、わたしには、あまり良く分からないけど、水光晶輪と術具をオスマンさんに預けた方がいいって事は分かります。
ですから、この水光晶輪と術具をお預けします」
「ありがとう、ジュディちゃん。大切に扱うと約束するから、安心してほしい」
研究する許可を得たオスマンは、ジュディに優しく声を掛けてから、水光晶輪をコルベールに手渡す。
水光晶輪を手渡されたコルベールは、それを柔らかい布に包んでから、懐に大事に仕舞う。
ロングビルは一連の遣り取りを、ジュディの傍らに立ち、眼鏡の奥から冷静な瞳で見つめていた。
通りすがりに支援
超・支援拳!!
「オールド・オスマン、その水晶を研究するのは分かりますが、その術具を預ける意味も説明しなくてはならないのでは?」
「ん? おお、そうじゃな。それを説明せねばな。
水晶を研究する理由については先程の通りじゃ。しかし、この水晶は貴重なサンプルじゃし、ワシらにとっては未知の魔法の産物じゃ。
よって、サンプルは多い方が良い。
じゃから、このマジックアイテム、術具というのか? を、調べることによってより多角的な理解を深め、水晶の原理を解き明かす手段とするのじゃ」
「なるほどそう言う事ですか」
ロングビルは深く頷き、後ろへ一歩下がる。もう質問はないらしく、相変わらずの涼しい瞳で成り行きを見守る姿勢のようだ。
オスマンは、机に並んだ杖、短剣、腕輪に目をやる。杖と腕輪は2つずつあり、それぞれ、紅と黄土色の杖、蒼の短剣、黒と白の腕輪である。
そして、どれもが石製だということが表面の質感で判断できる。
オスマンは、その内の1つ、黒の腕輪を手に取り尋ねる。
「ではジュディちゃん、この術具というものはどういう物なのかね?
少し説明してくれぬか?」
「はい。術具って言うのは、五行の力が宿った杖とか腕輪に、魔法の術式が組み込まれた道具です。
これを使えば誰でも簡単に、基本的な術なら使う事が出来るんです。その腕輪には『ピュリファイ』っていう傷を癒す術が込められてます」
ジュディの説明に耳を傾けていたオスマンは、満足したように頷き、手に取った腕輪をしげしげと眺める。
「ほう、なるほど。これを使えば誰でも術を使えるのか」
「はい。でも、あまり多くは使えません」
「使用回数が決まっておるのか、少し不便じゃのう。
……もしかして、この水晶にも使用回数はあるんじゃろうか?」
嫌な憶測に思い当たり恐る恐る質問をするが、ジュディは左右に首を振る。
「水光晶輪は何度使ってもダイジョウブです」
「そうか、それを聞いて安心した。ふぅ〜 嫌な汗かいたわい」
オスマンは、額に浮かんだ汗をローブの袖で拭って、安堵のため息をついた。
傍らに居るコルベールも冷や汗をかいていたようで、同じようにホッとしている。
それも束の間、ジュディが大きな瞳で微笑み、話し掛けてきた。
「あのね、オスマンさん。術の事をよく知りたいなら良いのがあるよ?」
「ほう〜 それは何かね?」
ジュディは、再び肩から掛けたバッグに手を突っ込み、その中から石板を引っ張り出してオスマンに手渡す。
石板はだいぶ古ぼけており、オスマンの見知らぬ文字が彫り込んである。その文字は、昨日見た地図に書かれた物とも違うようだった。
「これは……!?」
「それは魔道板です」
「魔道板?」
オウム返しに返すオスマンに、ジュディは得意気な顔をして説明を始める。
テンプテーション対策支援
「魔道板というのは、術を習得するための教科書です。
これには五行の理が記されています。
それを五行法則に照らし合わせて読み解いて、五行法則への理解が深まることによって、術を覚える事ができるんです」
「……これは魔道板と言うのか。
読み解くという事は、暗号か何かで記されているのかね?」
「そうです、魔道文字というもので書かれてます。高度な魔道板になればなるほど、読み解いていくのは難しいんです」
「なるほどのう。じゃが、五行とやらの概念が分からんと読み解ける物ではなさそうじゃのう。
それはまだ必要ないじゃろう。まだジュディちゃんが持っておきなさい。
ところで話は変わるが、ミス・ヴァリエールとは仲良くやっておるかね?」
魔道板をジュディに返し、柔和な笑みを見せてルイズとの仲を聞く。
「はい、ルイズさんには色々親切にしてもらってます」
「そうか、それは良かったのう。これからも仲良くするんじゃよ」
「はい!」
元気よく答えるジュディにオスマンは、目尻に皺を幾重にも重ねて微笑みかける。そして、杖を2本ともジュディの前に押しやる。
「あとジュディちゃん、杖は持っておいた方が良い」
「どうしてですか?」
「杖、マント、使い魔はメイジの証明となるモノじゃ。君がメイジだという証明のために、持っておきなさい」
「わかりました。じゃあ、これを持っておきます」
その説明に得心がいったようで、ジュディは赤い杖を手に取り、腰に下げる。
オスマンは満足気に頷いてから、ロングビルに視線を移す。
「さて、長話もここまでにしよう。
ミス・ロングビル、早速ジュディちゃんに読み書きを教えてやってくれ。場所は図書館の個室を使えばよいじゃろう」
「承知いたしました、その様に致しましょう。
ではジュディちゃん、行きましょうか」
「あいや、暫し待たれい!」
ロングビルは、ジュディの手を引いて退室しようとするが、唐突に呼び止める声がかかる。
「なんじゃね、ミスタ・コルベール?」
間の悪いコルベールにオスマンは、胡乱な視線を投げかけて非難する。ロングビルも怪訝な目をしている。
しかしコルベールは、そんな事は意にも介さずジュディに話しかける。
「ジュディさん、時間の空いた時で宜しいので、わたしの研究室に足を運んでくれませんか?
実際に術具を使って見せてほしいのです」
「いいですよ。でも、今じゃなくて良いんですか?」
ジュディは小首を傾げて尋ねる。
コルベールは、気さくに額を照からせて朗らかに言う。
「いいえ、あとが良いのです。先ずは独力で調べてみたいのです。出来れば今日1日は」
支援だ! アパーム!! 弾持ってこい!!!
コルベールは、新しいおもちゃを見つけた子供のような無邪気な笑顔を浮かべる。
それを見てオスマンは、やれやれと言った顔をしてジュディに弁明する。
「済まんのう、ジュディちゃん。これは、彼の病気みたいなものじゃ。やり過ぎて壊さないようにワシから言っておくから、安心してほしい」
「はい分かりました。明日お伺いします」
ジュディが素直に頭を下げるのを見計らい、ロングビルが切り出す。
「それでは、今度こそ失礼致します。それでは行きましょう」
「しつれいします」
2人は軽く会釈をして扉に向き直る。そして、ジュディはロングビルに手を引かれて学院長室から退出していった。
再び2人きりになった室内に、ほぼ同時にため息が洩れる。
「何としてもこの水晶の原理を解き明かさなくてはの。
ミスタ・コルベール、君の尽力に期待しておるよ」
「お任せ下さい、オールド・オスマン。このコルベール、一研究者として約束いたしましょう」
「うむ、君が研究者として優秀なのはワシが一番分かっておる。じゃが、知識欲に負けて暴走せぬようにな。それだけが気がかりじゃ」
オスマンの厚い信頼を匂わせる期待に、コルベールは意外だという顔を見せて驚く。
「そこまで買ってもらっているとは初耳ですな。今まで放っておかれたものと思っておりましたが?」
「普段の君は、教育者としては並みじゃ。しかし、研究者としては一流だとワシは思っておる。
それにしても、ミス・ヴァリエールとは仲良くやっておるようでひと安心じゃな。別段気に揉むこともなかったの」
「ええ、彼女は気性が激しいので上手く接する事が出来るか心配でしたが、これでひと安心です。
言い方は悪いかもしれませんが、怪我の功名という所でしょうか?」
「さあのう?」
気のない返事をしてオスマンは、椅子ごと体を90°回転させた。そうすると、背後にあった窓が横手に見える。
窓から空を見上げると、降雨の心配など無い青空が広がり、鳥達が楽しそうに戯れている。
「平和なものじゃのう。これ以上何も起こらねば良いが……」
オスマンはひとりごちて椅子の背凭れに体を預けた。
すると、修復の魔法の精度が甘かったのか、体重を掛けられた椅子の足が絶望的な悲鳴を上げ、次の瞬間、へし折れた。
バランスが崩れた椅子は、オスマンをきりもみ回転させて空中に放り出た後、バラバラに砕け散り木材と布材の集合体へと変じる。
放り出されたオスマンは、絨毯が敷かれた床に顔面から着陸し、床の味を存分に味わう事になった。
こんな突発的な事態には、魔法も無力である事を噛み締めながら、もうセクハラはやめよう、と心に誓うオスマンであった。
−後半へ続く−
とりあえず前編は投下完了。後編はブラウザを再起動後に投下しようと思います。
未来の大魔女候補2人 〜Judy & Louise〜
第5話 後編『落ちこぼれメイジと香水少女』
学院の本塔を囲む5つの塔の内の1つ、土の塔。その中にある講義室の一つで授業が執り行われていた。
講義室は前に行くほど下がっていく構造をしており、長テーブルと長椅子が階段状に配置されており、部屋の中央と両端には通路が通っている。
壇上では、紫のローブを着て帽子を被ったふくよかな中年女性が教鞭を執り、それを生徒達が思い思いの場所に座って講義を受けている。
その中には生徒以外の存在も居た。それは、使い魔である。生徒達は、先日召喚した使い魔を連れているのであった。
ある者は、肩に双頭の鳥をとまらせ、またある者は、前足がなく後ろ足が発達した毛むくじゃらの大型鼠のような獣を連れている。
机の下を覗くとヘビやトカゲ、犬猫が寝そべっており、窓の外には、講義室の入れない大型の使い魔が大人しく主を待っている。
様々な動物が溢れる教室の後方、後ろから2番目の窓際の位置にピンクい少女がいた。その隣には、見事にとぐろを巻いた金髪の少女が座っている。
2人の少女の傍らには、オレンジの3つ目と、小さな皮膜の翼を持つ巨大なカエルが鎮座し、それの頭には通常サイズの黄と黒の斑模様のカエルが乗っかっている。
「ねえ、モンモランシー。何でアンタが隣に居るの?」
貧相な体つきのピンク髪少女は、不機嫌なのを隠しもせずに、何かと話しかけてくる髪が螺旋を描く少女にぞんざいな物言いをする。
しかし、モンモランシーは意に介した様子もなくカエルの方を見ている。
「別にいいじゃない? ロビンがポセイドンと仲良くしたいって言うんだから」
「だからってアンタと私が仲良くする必要はないでしょ!」
「わたしだって仲良くしているつもりはないわよ」
モンモランシーはルイズの方は見ずに、ポセイドンに視線を注いでいる。
「じゃあなんで笑顔なのよ!? しかもすっきり爽やか!」
ルイズの言うとおり、モンモランシーの顔には笑顔が浮かんでいた。それを誤魔化すように彼女は顔の前で手を振り、ルイズに向き直る。
「そんな事無いわよ。でも、立派なカエルねぇ、こんなの見たことないわ。
新種の幻獣かしら? ねえルイズ、あの子から何か聞いて無いの?」
やはりカエルから目を離さずに、モンモランシーはルイズの肩を揺さぶる。
「はぁ…… ジュディは東方から来たんだって。だからそのカエルは東方の生き物」
ルイズは投げやりに答える。
それはオスマンから用意された言い訳だった。無用な詮索を避けるために、虚実入り混ぜて周りには説明するようにと、今朝ジュディを迎えに来たロングビル経由でルイズに伝えられたのである。
東方と聞いて、モンモランシーは目を輝かせる。
「東方!? へぇ〜、そうなんだ。東方から来た人なんて初めて見たわ。一体どんな所なのかしら?」
「あの子、森の奥の町に住んでいて、其処から出たことがないって言ってたから聞くだけ無駄よ」
「それは残念ね、森の奥じゃ田舎も田舎よね」
「そうそう、こっちとあまり変わんないって」
当たり障りのない適当な言い訳を聞いて、モンモランシーは興味を失ったようだが、舌の根の乾かぬ内に新しい話題に飛ぶ。
「うーん、面白くないわね。でもでも、ポセイドンは素敵よね。流石、東方のカエルは違うわよねぇ」
「……自分の使い魔はいいの?」
「それはそれ、これはこれよ。どちらも素敵で甲乙なんてつけられないわ」
ルイズはモンモランシーの瞳の中に、煌めく流れ星が見えた気がした。
モンモランシーと仲が良いわけではないが、1年間同じ教室で授業を受けていれば大体の人となりは知っている。
だが、こんなに妙なモンモランシーをルイズは見たことがなかったし、。
しかしそれも、今までの言動から推察すれば、自ずとその原因は見えてくる。
『今朝は私のことを変だのなんだの言ってたけど、自分の方がよっぽど変じゃない。この、カエルフェチめ!』
心の中で毒づく。そのの視線にも気が付かずにモンモランシーは、2匹のカエルを眺めて悶えている。
それは、おおよそルイズには理解しがたい性癖であり、絶対に相成れないと確信するのであった。
1つ溜息をついてから顔を前に向けて、授業に耳を傾ける。講義室の前には黒板が掛かかっており、そこには系統魔法の相関図と土系統の詳しい説明が書かれている。
そして、その手前も教壇では『赤土』のシュヴルーズが教鞭を執っていた。内容は、土系統の初歩『錬金』の魔法についてである。
シュヴルーズが杖を振ると、実用第一の大型机の上に転がっていた石ころが、光沢を持った黄色の金属へと変化する。
すると、ざわ…ざわ…と教室中に軽くざわめきが走り、キュルケなどは身を乗り出して「ゴールドですか!?」などとのたまっている。
「いいえ、これは真鍮です。色はよく似ていますが、銅と亜鉛から成る合金で金管楽器に多用されていますね。
さて、ゴールドの錬金についてですが、それを出来るのは『スクウェア』クラス、それも『土』の4乗のメイジだけです。
私は所詮……」
そこで言葉を切り、勿体ぶりながら続ける。
「『トライアングル』ですから……」
そう言ってから生徒全体を見渡す。
スクウェア、トライアングルというのはメイジの格をあらわすものであり、それは同時に扱える系統の数が1つ増えるごとにドット、ライン、トライアングル、スクウェアと呼び表わされる。
扱うのは異なる系統同士である必要はなく、同じ系統を足しても構わない。例えば、『火』と『火』を足せばより強力な炎を扱えるようになるし、シュヴルーズのように『土』『土』『火』であれば、2つの金属を混ぜ合わせて合金を作ることも出来る、という具合だ。
「では、誰かに実践してもらいましょうか。
そうですね…… ミスタ・グラモン」
「それでは、この『青銅』が……」
指名を受けて、壁側の席に居る少年が立ち上がった。何を勘違いしているのか、口には薔薇を咥えている。
「と、見せかけてミス・ヴァリエール、貴女に決めました!」
「うぇっ?」
シュヴルーズは大きく体を捻って、少年とは部屋の反対側に居るルイズを杖で指し示した。
そのフェイントに、ルイズは頓狂な声をあげ、それに数瞬遅れてクラスメイト達がどよめき始める。
「いけません! それは絶対に駄目です!」
「危険ですから止して下さい」
クラスメイト達は口々にシュヴルーズに指名し直してくれと懇願する。
ルイズは失敗の2文字が頭にちらつき、立ち上がることが出来ない。
騒然となる室内を見渡して、シュヴルーズは不思議がる。
「何故ですか? 彼女は大変な努力家だと聞いています。
さあミス・ヴァリエール、失敗を恐れずにやってご覧なさい。失敗しても、それはきっと今後の糧となるでしょう。
さあ前へ! ミス・ヴァリエール!」
まるでオペラ歌手のように大仰に両手を広げ、シュヴルーズはメゾソプラノの声を張り上げる。
ルイズはそれに背中を押され、少し前向きな気持ちになるが、脳裏に映る何時もの光景が二の足を踏ませる。
「そう かんけいないね」
「やめてくれ たのむ!!」
「ころしてでもやめさせる」
ルイズが逡巡していると、次々とクラスメイトの声が聞こえてくる。そのどれもが、否定的で失敗すると確信しているものばかりだ。
その事実がルイズの癇に障る。
『なによ、100%失敗すると思ってるの?
昨日は、サモン・サーヴァントとコントラクト・サーヴァントを成功させたじゃない。しかも2連続で成功したのに、そのことは考慮しないわけ!?』
歯に衣を着せぬクラスメイト達の物言いにルイズの思考は加熱され、沸騰寸前となる。
「ねえ、ルイズ。まさか挑戦しないわよね? 無謀な真似は止して頂戴」
しえ
「ねえ、ルイズ。まさか挑戦しないわよね? 無謀な真似は止して頂戴」
隣からの猫なで声に、ルイズの怒りのメーターは振り切れた。固定されている椅子を、蹴倒さんばかりの勢いで立ち上がり、怒りに任せて叫ぶ。
「な なにをいうだぁー きさまらー!」
シーンと教室に静寂が訪れる。ルイズは鋭く周りを見回してから、シュヴルーズに向き直る。
「やります、やらせて下さいミセス・シュヴルーズ」
「そう言うと信じていましたよ、ミス・ヴァリエール」
「や、やめてルイズ…… お願い」
弱々しいモンモランシーの懇願に、ルイズは振り向きもせずツカツカと教壇に向って歩いて行く。
それを見て、呆気にとられていたクラスメイト達は、弾かれたかのように行動を始める。
「いかん、総員退避ー!」
「間に合わないわ! クリーム、机の下へ」
「対閃光、対衝撃用意。身を低くして遮蔽物に隠れ、両手を耳に当てて、目を閉じて口を半開きにするんだ!」
「今日こそ爆発を見切る」
クラスメイト達の反応は、ドタバタと蜘蛛の子を散らしたかのように教室から逃げ出す者、もしくは急いで机の下に使い魔と共に隠れる者の2種類だ。
そして、ルイズとシュヴルーズはその分類には含まれない。
「さあ、この石ころを貴女の望む金属へと変えるのです。
心に強くその金属を思い描き、杖に魔力を集中させるのです。ルーンは覚えていますか?」
「大丈夫です、ミセス・シュヴルーズ。見ていて下さい」
教壇に上がったルイズにシュヴルーズは熱心に指導をする。そして、熱心に指導をするあまり、周りの状況に気が付いていない。
ルイズは目を閉じ、魔力が螺旋状に体を巡るのを意識して深呼吸をする。それによって心と呼吸を落ち着かせ、イメージングを容易くさせるのだ。
やがてイメージが定まり、杖を振り上げる。思い描くのは鉄、鈍色に輝く金属。
「アンサス カー イーサ エワーズ……」
「ブリリアント! 発音は完璧です!」
慎重な詠唱をシュヴルーズが大袈裟に褒めるが、深く集中するルイズの耳には届かない。
「ベルカナー ベオーク ジエーラ!」
詠唱の終わりと同時に目を見開いて、杖を石ころ目掛けて振り下ろす。
その瞬間、音が消え去り光が満ちた。
◆◇◆
学院本塔には図書館がある。いや、それは適切な表現ではないかも知れない。図書館は巨大な円筒形の空間で形造られ、壁際には本棚が並び、本が隙間なく整然と並べられている。
天井は30メイルの高さにあり、本塔の大部分が図書館で出来ていることがわかる。つまり、本塔の中に図書館があるのではなく図書館塔が本塔の役割を果たしていると言える。
今の時間、此処を利用する者は少なく、静寂が耳に痛い。此処の蔵書量はトリステインでも指折りで、種類も豊富だ。魔法の指南書をはじめ、文化、歴史、教育、娯楽、雑学、はては閲覧制限をされている禁書の類まである。
そして、蔵書の閲覧用に長テーブルが幾つも並べられているが、それとは別に個室も存在する。
幾つかある個室の1つ、学院長専用の個室で授業が行われていた。
授業とは言っても、生徒は1人しか居ない。
「アー、べー、セー……」
「アー、べー、セー……」
一語一語区切って発音される女性の声の後に続いて、女の子の復唱する声が聞こえる。女性というのはロングビルであり、女の子というのは当然ジュディである。
ロングビルの瞳には、一生懸命に後に続いて発音をするジュディが映っている。2人は1つの机に向かい合って座り、机には幾つかの教科書や辞書、そして書き取りをするための小さな黒板が置かれている。
ジュディに読み書きを教えることは、ロングビルにとって有意義な時間であると言えた。
それは、ジュディから学ぼうという一生懸命な気持ちが伝わってくるのからである。
セクハラ常習犯のオスマンや、変人揃いの教員、我儘で小生意気な生徒にいつも囲まれているロングビルには、その素直さや無邪気さが好ましく映るのだ。
ジュディに、アルファベットの書き取り練習をするように言いつけて物思いにふける。
曇りのないジュディの瞳を見ていると、残してきた妹分のことが思い浮かぶ。多くの孤児と共に住んでいる妹分も、このような人を疑う事を知らない瞳を持っている。
けれど、ジュディと妹分のソレとを比べると、決定的に違う部分がある。ジュディが溌溂と照らす太陽だとするならば、妹分は物悲しく輝く月だ。
『もうあれから4年が経った……』
沈んでいく気持ちを頭を振って切り替える。
『今度の仕事は成功するかどうか分からないし、あまりにも分が悪いなら、とっとと見切りをつけてお暇しようかねぇ?
テファに最後に会ったのは3ヶ月前位か。何時もより少し早いけれど、あの家に帰ろう。
読み書きなんて、私が教えなくても教師は腐るほどいるし途中で投げ出しても……』
そこまで考えてハタと気が付く。この学院には碌な教師が居ないのだ、いま少女に歪みでも生じて、将来捻くれた大人にでもなったとしたら、流石に寝覚めが悪い。
結局、自分が教えるしかないという事に辿り着き、頭を抱える。きっとオスマンも、それを見越して自分に依頼したのだろう。全く嫌になる老人だ。
ハルケギニアではない場所から来たという事に、少なからずの興味もあるが、態々首を突っ込む必要もないし、自分に出来る事もない。
願う事は唯一つ、ジュディが早く読み書きを覚えてくれる事だけだ。
「……ロングビル先生?」
「な、何ですか? もう終わりましたか?」
ジュディから呼びかけられ、ロングビルは現実に呼び戻される。
対面に座るジュディに目を覗きこまれ、ロングビルはもしや考えが顔に出ていたのか? と、思い焦る。
無垢な瞳には、取り乱した自分が映っている。それはまるで、感情をはね返す鏡のようで後ろめたく感じる。
「今、揺れませんでしたか?」
しかし、それは取り越し苦労であった。ジュディには此方を不審がる様子はない。
「いえ、少し考え事をしていたので気が付きませんでした。ジュディちゃんは感じたのですか?」
「う〜ん…… よく分からなかったけど、ほんの少し揺れたような気がしたの。気のせいだったかな?」
部屋の中を見回しても、そのような痕跡は見つけられない。揺れていても分からないほどに小規模な揺れだったのだろう。
ジュディにもよく分かっていないらしく、首を傾げている。
そして、ジュディは再び白墨を手にとり、手元の黒板にアルファベットをゆっくりと書きつけていく。
それを見てロングビルは、ジュディに手を休めるように言いつけて、教科書を広げる。
「書き取り練習は、もうその位でいいでしょう。
次は単語です。ここからは、少し難しくなりますよ? しっかりとついて来て下さいね」
「ダイジョウブ、まっかせて」
「元気が良いですね。では、テキストの12ページを開いて……」
ジュディの威勢の良い返事に、思わず微笑みがこぼれる。
このペースなら、午前中には簡単な単語なら幾つか覚えてくれるだろうと思い、授業を進めていく。
2人きりの授業は、昼を告げる鐘が鳴るまで続くのであった。
◆◇◆
しえn
アルヴィーズの食堂。それは、トリステイン魔法学院の本塔1階にある大食堂の名前であり、アルヴィーズとは『賢い小人』の意である。
その小人の名前が付けられた食堂の壁際には、その由来となった小人の精巧な彫像が幾つも並んでいる。
この大食堂で、学院全ての生徒と教師が朝、昼、夕の食事を取るのだ。
食堂には、100人以上が同時に座れる長いテーブルが3つ置かれており、教師用兼歓談スペースのロフトには、数人掛けの丸いテーブルが幾つも並べられていた。
それらのテーブルは、一様に純白のテーブルクロスで覆われ、各所に蝋燭と花が添えられている。テーブルの上には、贅を尽くされた料理が並べられ、様々な果物が盛られた籠が置かれている。
食堂の構造は、ゆったりとした間取りになっていて、全ての生徒と教員が入っても窮屈に感じることはない。
時刻は昼。午前の授業が終わり、多くの生徒が昼食を取るためにこの食堂に集まってきている。
その人波の中に、ロングビルとジュディが居た。ジュディはキョロキョロと食堂の中を見回している。
「ルイズさん、居ないね」
「そうですね、如何します? 待ちますか?」
ジュディの視線は、中央のテーブルの昨夜と今朝に座った席に注がれており、そこには誰も座ってはいない。
3つある長テーブルは、座っている者達のマントの色で分けられている。ジュディが居るのは入り口付近であり、そこから茶、黒、紫の順で並んでいた。
マントの色は学年を表している。ジュディが纏っているマントは、1年生用の茶色のマントであり、2年生であるルイズが纏っていたのは、黒のマントであった。
必然的に紫のマントの者が、3年生と言う事になる。なるほど、他の者達よりも落ち着いた雰囲気がジュディにも感じられる。
改めて食堂を見回すと、昼食にはまだ時間があるらしく、給仕達は料理の載った皿や食器を並べ、生徒達はペチャクチャと雑談に興じている。
「まだ時間がありそうだし、待ちます」
「そうですか。なら、上で待ちませんか?
上からなら見渡しやすいですから、着たら直ぐに分かりますよ」
「そうですね。じゃあ、上で待ちます」
ロフトへと上がる階段に進もうとして、足を止めた。それは、人波を潜って、黒のマントを纏った赤毛の少女が此方に近付いて来るのが見えたからである。
赤毛の少女は、褐色の肌とルビーの如き瞳を持っている。背はロングビルよりも少しだけ高く、長い脚が短いスカートからスラリ伸び、シャツの胸元を大きくはだけさせ周りに色香を放っている。
少女は目の前まで来ると、色よい唇でニッコリと微笑む。
「ジュディ、ミス・ロングビル、ごきげんよう」
「こんにちは、キュルケさん。ルイズさんが何処に居るか知ってる?」
「あら、ルイズを探してるの? そう言えばジュディは、一緒にいなかったから知らないわよね」
含みを持ったキュルケの声に、ジュディは小首を傾げる。
「何かあったんですか?」
「ルイズが魔法を失敗して、教室を滅茶苦茶にしたのよ。だからその片付けをしてるわ。
あれはお昼までには終わらないわね」
「ええっ、爆発!? ルイズさん、怪我とかしなかったの!?」
物騒な単語に反応してジュディは酷く驚くのだが、キュルケは苦笑いを浮かべる。
「大丈夫よ。爆発の至近距離に居たのにピンピンしてたわ。ミス・シュヴルーズは気絶したのに、ルイズは服がボロボロになっただけよ」
「そっかぁ、良かった。怪我はしてないんだね」
怪我をしていないと聞いて、ホッと胸を撫で下ろす。
「で、制服を着てるけど、ジュディは何をやってたの?」
キュルケは好奇心に瞳を光らせながら聞いてくる。
「オスマンさんに呼ばれて学院長室に行って、そのあと図書館で、ロングビル先生に読み書きを教えてもらってたの。覚えが良いって褒められちゃった」
「ふーん、読み書きね。詳しい話は向こうでしましょ。もう直ぐお祈りも始まるしね」
「えっと……」
そう言われて、迷いながらロングビルを見上げる。
「私に構わなくて結構ですよ。お友達と昼休みを過ごした方がいいでしょう。では、午後も図書館で……」
そう言ってロングビルは踵を返すが、走ってきた生徒にぶつかりよろめく。
ぶつかった女生徒は、謝りもせずに食堂から走り去ってしまった。
しえn
「さっきのは、モンモランシーよね? あんなに慌てて如何したのかしら?」
「何があったのかは知りませんが、泣いていたように思います」
「本当ですか!?」
「向こうから走ってきたんだよね? 何があったんだろ?」
キュルケの言うとおり、走り去っていったのはモンモランシーである。あの特徴的な髪形は、そうそう間違えはしない。
何があったのかを知るために、3人はモンモランシーが走ってきた方向に目を向ける。
すると、2年生のテーブルの周りに人だかりが出来ている。
「行ってみましょう」
キュルケの提案に、3人は目配せをしあって頷く。
人垣を縫って近づいていくと、人だかりの中心には、フリフリのシャツを紫色に染めた金髪の少年が、黒髪の給仕に何か文句を言っているようであった。
耳を傾けて成り行きを見守る。
「どうしてくれるのかね?
君が軽率に香水の壜を拾い上げたおかげで、2人のレディの名誉が傷ついてしまったではないか。
機転を働かせるという頭はないのかい?」
金髪の少年は足を組み変えながら、黒髪の給仕を小馬鹿にした風に厭味ったらしく文句を言っている。
ジュディには、事の状況があまりよく飲み込めていないが、1つだけ分かったことがあった。この少年は、女の敵だ。幼いながらも女の直感でもってジュディは理解した。
・
・
・
今回の成長。
ルイズは、おしゃれL2を破棄して肉の鎧L2のスキルパネルを手に入れました。
ジュディは、聞き耳L2のスキルパネルを手に入れました。
第5話 −了−
第五話投下完了。ブラウザを再起動とか言ってたけど、ありゃモデムの間違いだったわ。3/6の投下もミスったし、正直すまんかった。
青銅だって合金だろ? っていうツッコミは無しの方向でお願いします。
そんなに細かく考えてるわけでもないので、混ぜ合わせる金属の比率が増えると『土』が、高度な合金になると『火』が必要になるという感じでひとつ……
モブキャラは所詮モブキャラなので、出番はありません。名前だけです。
あと、最後の方は急ピッチで仕上げたので、完成度はイマイチです。今日から月曜までネット環境の無いとこに行くので急ぎました。帰ってきたら修正します。
青銅って、何で青銅って言うんだろうな。
普通に銀色じゃん。配合によっては黄色っぽかったりもするな。
青はないだろ。
>>887 青銅は大気中で徐々に酸化されて表面に炭酸塩を生じ緑青となる。
そのため、年月を経た青銅器はくすんだ青緑色、つまり青銅色になる。
マクロスFどうなるんだろうなぁ。
北海道じゃ二時半からやってるんですよ。
17歳黒いよ17歳。エレオノールは意外な役割を与える予定。
まぁそれはともかく、次の話が出来たので投下したい。
ちょっと時間が微妙なので3時5分からで。
小クランとかミシェル呼び出したら初見でエルフ扱いされるんだろうか
クランクランクラン いいひとね〜
しえん
降伏勧告の時限が迫るニューカッスルの地下。
隠し港は少なくない数の非戦闘員を脱出させる『イーグル』号、『マリー・ガラント』号へ人と物を載せるべくごった返していた。
特に『マリー・ガラント』号はトリステイン船籍であるため、避難民の中でもトリステインに伝手のあるものが多く乗り込んでいた。
船の所持者は居なくなってしまったが、運がよければ無事に国外に出ることができるだろう。
ウェールズの計らいで不意の客人たちのためにも席が用意されていたが、うち二人は用があって、そこには居ない。
そして残る一人、ギュスターヴの姿が……そこにはなかった。
『ギュス対ワルド』
ニューカッスル城内に作られた、ブリミル教の礼拝堂の中で、ウェールズは待っていた。
礼拝堂とはいえ、そこは王族の所有する城である。天井には煌くような巨大なシャンデリアが吊られている。
ウェールズの格好は礼服。今ここで結婚式を挙げる二人の門出を祝うべき正装である。
勿論、式が終われば二人の脱出を見送って後、戦場となっている陣にとって返すつもりだった。
何事もないならば。
礼拝堂に安置された始祖の像へと伸びる絨毯の上を、ルイズとワルドの二人が腕を組んで歩いていく。
ルイズはウェールズより借り受けた花嫁衣裳を身に着けて居るが、表情は冴えない。昨晩は倒れる様に眠り、今朝もワルドに起こされてからもずっとこの調子だった。
そんなルイズを知ってか知らずか、ワルドはルイズを優しくリードしながら始祖像の前で待つウェールズの前に立った。
「では、式を始める」
厳かに言ったウェールズはワルドを見た。
「新郎、子爵ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド。汝は始祖ブリミルの名において、このものを敬い、愛し、そして妻とすることを誓うか?」
その手の杖を胸に掲げ、ワルドはわずかに緊張が乗った声で答える。
「誓います」
続いてウェールズはルイズに向かい、同じように文句を繰り返した。
「新婦、ラ・ヴァリエール公爵三女…」
ルイズの思考はどこか遠かった。今この場の結婚式すら、まるで他人の出来事のように思えた。
どうして今、結婚式をするのだろう?
ワルドと結婚するのは、多分、やぶさかじゃない。
ウェールズ殿下の媒酌で式を挙げるのも、悪くない。
でも、どうしてだろう?
私の中の何処からか、『今は駄目』って言っているような気がしてならない。
どうして駄目?
誰かがいないから?
誰?お父様やお母様?お姉様たち?キュルケやタバサ?もしかして姫殿下?
誰も違うような気がする。
どうして?
「新婦?」
ウェールズの問いかけにはじめてルイズは顔を上げた。
「緊張してるのかい?」
そう言ってワルドは笑いかけた。その様は何処までも、優しい。
(ワルドは好きと言ってくれたのか?)
「では、改めて。汝は始祖ブリミルの名においてこのものを敬い、愛し、そして夫とすることを誓うか?」
ウェールズの言葉の後に広がる数拍の静寂が過ぎる。
そしてルイズは静かに、首を横に振った。
「ルイズ?」
顔を上げたルイズはワルドに答える。
「ごめんなさい。ワルド」
「何を言っているんだい?」
「貴方が嫌いではないの。だけど、貴方が本当に私を愛してくれているのか、私はわからないわ」
「緊張しているだけさ。深呼吸して、気分を落ち着ければ」
「そういう問題じゃないの。ごめんなさい。今、貴方と結婚できないわ」
ウェールズはルイズの様子が変わったことを見抜いた。
「新婦はこの結婚を望まぬか」
「はい。お二人には大変失礼をいたす事になりますが、私は今、この結婚を望みません」
立ち並ぶ二人の男に浮かぶ表情はそれぞれだ。ウェールズは静かに首肯した。
ワルドは驚きがありありと顔に浮かび、ルイズの肩を両手で掴んだ。
「ルイズ。君は緊張しているだけだ。僕との結婚を拒むなんて」
「ごめんなさい。本当にごめんなさい。でも、でも今は駄目。今の私は…」
ルイズはワルドの顔を見た時、どこかで深い後悔を覚えた。
見えたワルドは険しい顔で、飢えた犬が肉を追いかける時に見せる獰猛さをはらんでいた。
「ルイズ!僕は、君とともに世界を!世界を手に入れるんだ!その為にも君が必要なんだ!」
ルイズは慄いてワルドを振り切り、後ずさった。
「そ、そんなの…私は要らないわ」
「僕には必要なんだ!君の力が!君の秘められた能力が!」
「そんなの、私には無いわ」
両手を広げてワルドが叫ぶ。
「君は気付いてないだけだ!君の秘められた力は、始祖に匹敵する奇跡を呼べる!嘗て誰もたどり着く事が出来なかった聖地を手に入れることが出来る力なんだ!」
恐怖で顔を引きつらせるルイズとの間に、ウェールズが割って入りワルドを押さえた。
「もう辞めたまえ子爵!ラ・ヴァリエール嬢にこれ以上の狼藉、この私が許さん!」
「黙っておれ!」
ワルドがウェールズを突き飛ばす。ウェールズの体が浮いて傍の机をなぎ倒して落ちた。
ルイズはその様に明確な恐怖を覚えて、尚も後ずさった。
ワルドはじりじりとルイズに迫っていく。
「さぁ、ルイズ。僕と結婚してくれ。僕と君の力で、世界を、聖地を、全てを手に入れるんだよ」
「私にはそんな力は無いわ。四属性ですらない私にそんな力は無いし、世界も聖地も興味はないわ」
「君は気付いていないだけなんだよ!君の力は」
「もういい!何よさっきから力ちからって。そんな理由で結婚できるわけないわ!こんな侮辱をうけるなんて。ワルド、貴方を見損なったわ!」
組み付こうと手を伸ばすワルドを、横から再び起き上がったウェールズが飛びついて突き飛ばした。
「それ以上の狼藉は僕の魔法が君の体を八つ裂きにするぞ、子爵」
殺意の篭ったウェールズの杖先が向けられ、ワルドはようやく二人から距離をとった。
「こうまで言ってもだめなんて。つれないな、僕のルイズ」
優しげにワルドは言ったが、もうその言葉をルイズは聞く気になんてなれなかった。
「誰が貴方のルイズよ!絶対に貴方と結婚なんてしないわ!」
ルイズの眼が燃える。それは己を燃やす炎だ。怠惰な昨日までの己を燃やすための。
こんな奴に寄りかかろうとしていた自分が憎らしい、という意思が入っている。
そしてそんなルイズの意思を汲み取れる男が、たった一人。
応えた。
「それが聞きたかったぞ。ルイズ」
礼拝堂を包むように聞こえる、誰かの声。
当然のようにルイズは気付いた。パッとその表情に光が差す。
「ギュスターヴ!」
出所不明のギュスターヴの声はワルドに向けられる。
「さて、ワルド。少なくとも俺の主人だ。狼藉の報復はさせてもらうぞ」
「どこだ!どこにいる?ガンダールヴ!」
ルイズを背に負いながらウェールズがじりじりとワルドから遠ざかっていく中、ワルドはどこかに潜んでいるだろうギュスターヴに向かって叫んだ。
「どこにいる!!」
叫んだ次の瞬間、バチンと金属が切断される音が鳴り、天井を飾っていたはずのシャンデリが落ちた。
「!!」
シャンデリアは落ちながら天井と繋がる飾り綱をブチブチと引きちぎり地面と激突する。飾り綱が蛇のように暴れ、並べられている椅子を薙ぎ、小窓が割れる。
ガラスやフレームの砕ける音にワルドが慄いて身を屈めた。シャンデリアはちょうど遠ざかったウェールズ、ルイズとワルドの間に落ちたのだ。
「な?!」
眼を開いたワルドはその光景に思わず飛びのいた。
「少々派手な登場になってしまったかな…えぇ?子爵」
砕け散ったガラスを踏みしめて、ギュスターヴが抜き身のデルフを手に立っていた。
果たして、なぜギュスターヴはこの場に立っているのか。
ギュスターヴは昨晩、ルイズが寝付くのを見てから夜遅くウェールズを訪ねた。
そしてウェールズに主人の身を守る為、礼拝堂で行われる結婚式の時に身を隠しておく場所を用意してもらったのだ。
ワルドへの不審をチラつかせたものの、ウェールズ自身は半信半疑ではあった。
しかしルイズを前にしての豹変を見て、ウェールズは己の見解の浅さを思い知ったのだった。
「き、さ、ま」
ガチガチと歯が鳴りそうなほど、ワルドは目の前の不敵な男を睨んだ。
「どうした?あまりの衝撃に声も出ないか?それとも、お目当てのお宝が手から遠ざかって狼狽しているのか」
そういわれて初めてワルドは、ルイズとウェールズが手の届かぬ礼拝堂の反対側に移動した事を理解した。
「貴様、なぜそれを」
「何のことだ?」
得心がいったらしいギュスターヴは、少し離れた場所に居るルイズにも聞こえるようにはっきりと話した。
「ラ・ロシェールの賊、宿を襲ったフーケ、桟橋の仮面の男…すべてお前の差し金、だろう?」
「そんな?!」
ルイズの悲壮な叫びが男達を貫いた。
「そうさ」
嗤うワルド。その眼は腐った魚のように濁っている。
「どうやら、伏せ札はすべて見られてしまったらしい。これ以上虚飾する必要も、ない」
ククククク、と噛み殺す様に、嗤った。
「僕はあの無能な姫より任務を与えられた時から、この旅で三つの収穫を得るはずだった。
一つは、ルイズ、お前だ」
ワルドはシャンデリアの後方に居るルイズを指差す。
「誰があんたになんか!」
「そう、残念だ」
ちっちっちと指を振るワルド。
「しかし、あとの二つは手に入れさせてもらう」
「お前は『君のポケットにある、アンリエッタの手紙をもらう』という」
「君のポケットにある、アンリエッタの手紙をもらう…何?」
割り込まれたギュスターヴの声に振り向けば、今度はギュスターヴが笑っていた。顔を抑えて下らない世話話で笑うように、笑っている。
「もう一つも当ててやる。ウェールズ王太子の首だ。今なら新鮮な首を持って、貴族派の大将の元にはせ参じる事ができるからな」
「…忌々しい。使い魔の分際で」
笑いながらもギュスターヴはデルフを構えた。
「どうした。自分で言ったのだろう『伏せ札はすべてばれた』と。手前の言葉くらい覚えて置けよ、若造」
「貴様ぁぁぁ!」
激昂するワルドから叩き込まれる『エア・ハンマー』。間合いが狭く、ギュスターヴはとっさに剣で受ける。その体が吹き飛んでシャンデリアに叩き付けられた。
「ぐぅ!」
「どうしたガンダールヴ。威勢がいい割に所詮、そんなものか」
「ギュスターヴ!」
砕けるシャンデリアの音がルイズに恐怖を与える。
握られたデルフが騒ぐ。
「おおー、思い出したぜ」
「こんな時に無駄話は出来ないぞデルフ」
のっそりとシャンデリアから立ち上がるギュスターヴ。
「相棒、俺様でもう一度、魔法を受けな」
「何?」
立ち上がるギュスターヴへ再度繰り出されるワルドの『エア・ハンマー』。これ以上下がれず、脇に飛ぶ。
『エア・ハンマー』でシャンデリアがさらに砕け、ガラス片が後ろのルイズとウェールズに降り注ぐ。
「きゃあ!」
「ルイズ!」
余所見していると三度、『エア・ハンマー』が迫った。
やむなく再びデルフで魔法を受ける。するとデルフの剣身が輝いて、空気の塊がデルフに吸い込まれる。
「相棒。俺様はな、6千年前のガンダールヴにも握られていたんだぜ。長い間、つまらねぇ時間を過す為に、姿も変えていたのを、すっかり忘れていたぜ」
剣身の光が収まると、鏡のように磨き上げられた白銀の剣身のデルフが姿を見せる。
「ちゃちな魔法は俺様が全部、吸い取ってやるよ」
「ほう、それはいい」
魔法が失敗したかと体が浮ついたワルドにギュスターヴの剣撃が迫った。ワルドはそれを杖で受ける。
「やはりただの剣ではなかったようだな。ますます、ルイズを手に入れたくなった」
「娘一人くどき落とせない童貞坊やが生意気なんだよ。寝言は寝てから言うんだよ」
あくまでも不敵なギュスターヴの言葉がワルドの神経をぷつぷつと刺激する。ワルドは乱暴に杖を叩きつけて間合いを開けた。
「ユビキタス・デル・ウィンデ……」
聞きなれない呪文に踏み込むのをやめたギュスターヴの前に風が巻き上がり、次の瞬間に新たな四人の人影が現れた。
「「「「「これぞ風の最大特性『偏在』(ユビキタス)だ」」」」」
同時に杖を構える5体のワルド。
「一人一人が意思と力を持った分身だ。君程度では相手にもならんよ」
「やはり桟橋の男はお前自身だったのだな」
5人のワルドの杖、その先端に渦が巻いて真空の切っ先を作る。
「気付いていたのか」
「剣をあわせれば一度やりあった相手なら大概わかる。お前はやり方がへたくそだぞ。子爵?」
「……串刺しになれ、ガンダールヴ!」
杖を中心に真空の切っ先をつくる『エア・ニードル』。それを纏った5人のワルドがギュスターヴへ迫った。
ハルケギニアの戦士なら、瞬く間に肉体を穴だらけにして絶命するだろうその攻撃を、ギュスターヴは漏らさず受け、捌き、流した。
防御技『ディフレクト』が杖の纏う魔法の風を受けると、それがデルフによって徐々に削れるように吸われていく。
「ちぃ、『エア・ニードル』でもだめか!」
飛びつこうとするワルド達を剣で受けてかわす。
「裏切り者のくせに手が甘いぞ、若造」
「舐めた口を「エア・カッター!」なに?!」
対峙する二人の脇から飛び出した真空の刃が一体のワルドの首を刎ねた。偏在のワルドが蜃気楼のように掻き消える。
(シャンデリアの影から…!)
ウェールズが巨大なシャンデリアの影から、ワルドの一体にエア・カッターによる攻撃を試みたのだった。
ワルドの一体がシャンデリアの影から飛び出して、ウェールズとルイズに迫っていく。
「ルイズ!ウェールズ!」
「余所見すんな相棒!」
振り向けば迫る三体のワルド。
「ちっ!」
遮二無二突っ込んでくるワルド三体を剣で突っぱねながら構えを変える。
「『スマッシュ』!」
一瞬の隙を見せた一体が袈裟に両断される。
「後二人……!」
接近戦を嫌ったか間合いを取った残り二体のワルド。その周囲の空気が白く光っている。
「同じ手は食わん!」
空かさず懐からナイフを二本抜き、ワルドに向かって投げる。
『ライトニング・クラウド』が電撃を放出した直後、飛翔するナイフへ電撃が反れ、ギュスターヴへの狙いが外れた。
「「なんだと?!」」
「『剣風閃』!!」
驚くワルドに向かって振られるデルフ。斬撃が衝撃波となって飛翔し、二人のワルドが胴抜きになって消滅した。
「あとは本体だけだぜ、相棒」
「ああ」
シャンデリアの向こう側でウェールズと交戦しているワルドに向かおうと足を向けた時。
「動くな、ガンダールヴ!」
ワルドの声に身を固めて動きを止めた。
「ゆっくりと、こっちに出てくるんだ」
ワルドの声は先程とは変わって余裕を含んでいる。不意の攻撃に備えながら、そろりとギュスターヴは動いた。
視界に入るワルドは、手元に引き寄せたルイズに『エア・ニードル』を突きつけて、こちらを見ている。
その傍でウェールズが血を流して倒れていた。
「ギュスターヴ!来ちゃ駄目!」
「はははははは!形勢逆転だな、ガンダールヴ」
ギュスターヴは剣を構えてワルドとにらみ合う。
「おおっと、動かないでくれ。僕の手元が狂えば、ルイズが死ぬぞ」
「ギュス…ターヴ…君……すまない…」
息が絶え始めたウェールズを尻目にワルドは嗤う。
「ここからじゃ僕のグリフィンは呼べない。だがもう暫くで始まる攻城の砲撃を合図に、この礼拝堂に飛び込んでくるようにしつけてある。それまで、大人しくしてもらうぞ…」
にらみ合ったまま、じりじりと時間が過ぎていく。
がっちりと腕に押さえ込まれたまま、ルイズは豹変した嘗ての婚約者へ哀れむように聞いた。
「ワルド…どうして貴方がアルビオンの貴族派なんかに…」
「ふふ、我々『レコンキスタ』は国を越えた貴族の連盟なのさ。今ある腐敗しきった王家を粉砕し、聖地の獲得とエルフを打倒するために団結したのだよ」
「正気じゃないわ…エルフに勝てると思っているの?」
「我々の首領はそれが出来るお方なのさ」
「…いつからそんな人になってしまったの…昔の貴方はそんなじゃなかったわ」
俄に城が揺れ始め、花火を上げるようなドン、ドン、という音と共に近くで爆発音が響き始める。
「砲撃が始まったようだ」
「ぅ…」
ウェールズは焦っていた。なんとかしてこの場を納め、一刻も早く陣頭に立たねば鳴らない。
しかし今の自分は杖を落とし、さらに『エア・ニードル』の突きを受けて流血している。
自分でも流れる血が命の砂が落ちるのを早めているのがわかった。
「気をしっかり持て、ウェールズ」
声をかけるギュスターヴに視線で答えるウェールズだった。
「さて…どうやら僕の目的は達せられつつあるわけだが…」
ワルドは嗤いながらも拘束を一切緩めず、『エア・ニードル』を纏った杖先をギュスターヴへ向けた。
「この僕を散々虚仮にしてくれたガンダールヴ。お前だけはこの場で殺す」
「!」
耳元でしゃべるワルドの言葉がルイズを青ざめさせた。
「まず剣を捨てろ。その場を一歩でも動いてみろ。僕はためらい無くルイズを殺す」
「……」
ワルドの眼を身ながら、ゆっくりと剣を降ろしていくギュスターヴ。
「ギュスターヴ……」
今にも消えそうなルイズの声。
「おい、相棒……」
安否を気遣うデルフが囁く。
ギュスターヴが床に剣を落とそうとした、その時。
ガラスを打ち砕く音と、吹き込む烈風。ステンドグラスを割ってワルドのグリフィンが飛び込んできたのだ。
先刻の予告通り、グリフィンは砲撃の音を聞いて礼拝堂に出現した。
「!!」
その音と風に一瞬、ワルドとルイズの注意が反れた。
一陣の風がルイズと、ワルドを撫でた。
「…ん?」
視線を上から下ろすワルドには、間近に剣を振り下ろしたギュスが居る。
「『無拍子』」
一言、同時にワルドの杖を握る左腕が、二の腕から切れてぼとりと床に落ちる。
「……ぁああああああっ!」
腕が落ちた衝撃で錯乱するワルド。その腕に居たルイズは目の前の惨事に失神してぐったりと脱力する。
噴水のように血がワルドの腕から噴出す。目前のギュスターヴはその返り血をたっぷりと浴びている。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ…」
「どうした若造。腕一つで裏切りを贖えると思っているのか」
静かに、だが怒気を含んだ声。血で服と顔を真っ赤に染めたギュスターヴは合わさって鬼のように見える。
「ぐ、グリフィン!」
ルイズを打ち捨てて一声。躾けられたグリフィンがギュスターヴ目掛けて前足を叩きつけるように、ステンドグラスの窓から急降下する。
振り返ってギュスターヴが飛ぶ。ガンダールヴのルーンが肉体能力を引き出し、喉笛を振りかざされた前足ごと『払い』、『袈裟切り』にグリフィンを薙ぎ、
翼を掴んで空中で反転し、脳天を目掛けて再び『払う』。
「『ファイナルレター』!」
対象の五体急所を連続して叩く剣技を変形気味に叩き込む。着地と共にグリフィンが重い音を立てて、床に広がるシャンデリアの中に落下した。
再度ガラスやフレームの砕ける音がして、倒れこんだグリフィンの身体に深深と突き刺さる。ギュスターヴの剣技によって命を削った幻獣は、
煌くシャンデリアに飾られながら絶命した。
「ふ…ふ…」
気が付けば周囲にワルドが居ない。視線を上げると割られたステンドグラスの前で、断ち切られた左腕ではなく、右腕に杖を持ってワルドが浮遊していた。
「ワルド!」
「せいぜい、そこで、ウェールズと、瓦礫に、埋まるがいい」
失血によるものであろう、引きつったような嗤い声を上げて、ワルドはステンドグラスから外へ飛び去っていった。
「ウェールズ…」
血に塗れたままだったが、ギュスターヴはウェールズを抱き起こした。流れる血で礼服は染まり、健康的だったウェールズの肌は青白くなり始めていた。
「…ヴァリエール嬢…ギュスターヴ君……」
力なく、立ち上がるウェールズ。何気なく自分の胸元を押さえると、布生地の吸いきれない血が溢れるくる。
「僕は…行かなくては…」
「最期に言う事は無いか」
今にも斃れそうなはずのウェールズは、一歩二歩と歩いてから振り返った。
「最期…?」
ウェールズの死相に駆られたはずの表情が、割れた窓から陽光が差して明るくなる。
「アンリエッタに…伝えてくれ。強く、生きろと…そうだ…」
礼服の懐から千切り取るように取り出したのは『風のルビー』だった。
「これを見せれば…納得するはずだ……」
投げるようにギュスターヴに渡す。受け取ったギュスターヴはそれを大事にしまった。
「これで…行ける」
「武運を祈る」
安堵したようなウェールズにギュスターヴは深く礼をした。
ウェールズは振り返らず、そのまま礼拝堂を出て、姿を消した。
「ん…んぅ……」
ルイズは頬に当たる風を感じて目を覚ました。
自分が気が付けば、そこは10メイルほどの大きさのボートである事がわかった。
「ここは……」
「気が付いたか?」
振り向くと、ギュスターヴがロープで繋がれた3枚の帆を後ろで動かしている。
「ギュスターヴ…そうだ!ワルドは?ウェールズ様はどうなったの?!」
「ワルドは逃がしてしまった。ウェールズは…」
空気が揺れる。
見上げれば既に遠くにあるニューカッスル城が、砲撃で火の手が上がりつつある。
「……行かせたのね」
「ああ」
「生きているのが不思議なくらいだったウェールズ様を、戦場に残したのね」
「俺をなじるか?ルイズ」
「……ううん。連れ出しても、あの瑕じゃ、もう……」
伏せた顔を、熱い雫がこぼれていくのだった。
ボートは静かに揺れて、段々とアルビオンから離れている。
「……ところで、どうして私達はボートに乗っているの?」
「ああ、それはな」
あの後、ギュスターヴはルイズを背負って港まで戻り、遺された小型ボートを操って港を出、遠くここまで漕ぎ出したのだった。
「浮力圏から滑降して適当な場所に降りられるといいんだが」
「うそ!こんな高いところから落ちるつもり?」
「あの場にいても瓦礫の下敷きになるだけだぞ」
「ぅ……」
雲の切れ間に森が見える。
地上まで3,000メイル。帆を張って降下するにしても風石が無い小さなボートではルイズの想像する以上の速度で地上に向かっていくはずだ。
「ところで下を見てくれ、こいつをどう思う?」
「すごく…高いです…」
ボードの帆は寝かせられ、少しでも揚力を得られるようにしている。が、それも焼け石に水。
「お、だんだん高度が下がってきたな」
「え!?えぇ?!ちょ、ちょっとまって」
「そうは言ってもな」
「ま、まだ心の準備が」
着実にボート高度が下がっていき、降下速度が上がっていく。耳に風を切る音が聞こえ、ルイズの背筋が凍っていく。
「ちゃんと捕まってろ」
「ひぃーーーー!」
ギュスターヴは懸命に寝かせた帆が戻らないようにロープを引っ張っていたが、揺れるボートは当然、速度を落とさない。
「おお、スリルがあるな」
「降ろしてー!ここから降ろしてー!!」
風がごうごうと呻って二人を包んでいた。
視界一杯に広がる空。その果てから青い物体がこちらに向かって飛んでくる。
それはきゅいーっと、鳴いていた。
「あら、楽しそうねお二人さん」
キュルケとタバサはフーケを撃退した後、負傷で丸一日ラ・ロシェールに釘付けになっていた。
手遅れかもしれないが、今からアルビオンに行けばルイズたちと合流できるかもしれない、という希望を持ってシルフィードを飛ばしていた矢先。
もう少しでアルビオンという場所で、見知った二人が風石も積んでいないような小さなボートの帆を寝かせ、落下しているのを見つけたのだ。
「キュルケ、二人をこっちへ」
「わかってるわ」
キュルケとタバサは杖を振ってシルフィードの上から『レビテーション』で二人を浮かす。
そのままホバリングするシルフィードの背中へと移した。
「きゅぅ〜…」
「あら、目回してるわね」
数瞬の後にボートが森の中に落下してぐしゃりと砕けた。
「た、助かった…」
「感謝しなさい、ルイズ」
「う、うううううるさいわね!」
「ありがとう、タバサ」
「大丈夫。生きていてよかった」
四者がそれらしい言葉を交わせる。互いに言外に再開を味わった。
よく見るとキュルケとタバサは体の各所に包帯を巻いている。
「水の秘薬がラ・ロシェールじゃ暴騰してるんだもの。同じ重さの黄金並だったわ」
「それでそんな格好なのね…」
「タバサが秘薬を持ってなかったら宿屋で寝てたわね」
タバサが携帯していた水の秘薬をキュルケとシルフィードで分け合って使ったのだという。
「さて、これからどうするのルイズ…あら」
気が付けばルイズはシルフィードの背びれに抱きつくようにして、眠っていた。
「よほど疲れたのね…どうするのミスタ」
「ここからトリスタニアまで行けるか?」
「大丈夫。頑張って」
こんこん、とシルフィードの首を叩く。
きゅいー、と鳴いてシルフィードは遠く王都を目指して飛んだ。
寝る前に支援
880 名前:鋼の人 ◆qtfp0iDgnk 投稿日: 2008/08/12(火) 03:24:45 ID:ZcH8NoTk
投下終了宣言がさるさんで出来ません(汗
だそうな。鋼の人乙。
鋼の人乙!!
しかしワルド精神、技術全ての面でギュス様にフルボッコされてるがなww
ある程度歳とってる使い魔は良いなー
今久々にまとめ見たんだが作者専用チャットなんて出来たのかw
いつのまにあんなもんが
鋼の人乙
すごく…高いです…
にフイタ
今日のサガ系作品はネタまみれだなwww
作家用チャットって一年前にはもうあったろ?
909 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/12(火) 08:29:18 ID:ZB2Pbcid
>>41 歴代主役ライダー戦闘力小話でもあったけけど、RXだけ飛びぬけてるわけじゃない、しかし戦闘力だとこれが浮かんで困るwww
初代1号 「水爆でも壊れない研究所のバーリヤを壊す破壊ボールをけり返すために、、ライダー電光キックを編み出す特訓をした」
初代2号 「至近距離で原爆を受けたときもかなり驚いたが、どうにか無事だったな」
X「いやあ、地球より重い大地球をXキックでけり帰すときは足が折れるかと思いました。太陽まで怪人を投げ飛ばすのは楽ですけどね……」
アマゾン「俺、ギギとガガの腕輪が一つになれば、パンチ力もキック力も無限大。1km以上ジャンプもできる」
ストロンガー「チャージアップで戦闘力100倍、必殺技はV3キックの300倍以上の威力だぜ。あと河を上流から下流まで一瞬で干上がらせられるぜ」
スーパー1「パワーハンドは、軽く殴って300t、全力の破壊力は1万メガトン(広島型原爆が150メガトン)、あと星をテラフォーミングするための冷凍ガスと炎があります」
ZX「最近、影薄い呼ばわりから脱出して、神の器として超状的な設定と力が付いたぞ!」
BKACK「溶岩が出るまで近くを置くまで抉りとばす攻撃より僕のキックは強力です」
RX 「 ぶ っ ち ぎ る ぜ (説明不要、問答無用に最強)」
真「最終的には65535倍まで能力が上がり、太陽に匹敵するエネルギーを持ちます。あと、体の87%以上もってかれない限り0,01秒で再生できるよ」
ZO「100分の1フェムト秒の反応速度のおかげで、光速レーザーも止まって見えるし追い抜くこともできた。車も50台くらいなら目にもとまらぬ速さで破壊できる」
J「惑星が吹き飛ぶ爆発で何でもない宇宙戦闘母艦を殴り飛ばして破壊できるぞ! 山が吹き飛ぶくらいの攻撃ならノーダメージだ!」
クウガ「半径3kmを炎上に炎のドームが包み周囲を壊滅させるような爆発の中心にいて大丈夫でした。あと、禁じ手ですけど相手の分子組成を変えて問答無用で発火できます」
アギト「皆さん、凄いですね。俺の場合、最終話の時点でも、アギトとしてはよちよち歩きの赤ん坊程度の力しかないので……完全に覚醒したらどうなるかちょっと」
龍騎「10km四方を破壊するゾルダのシュートベントの4倍の破壊力のある必殺技が使えるのと……半径20km以内を壊滅させる攻撃にたえられること?」
555「戦艦を両断するブラスターエッジと、その威力を1点集中させて、相手を貫通して何百年と核より壊滅的に土壌を汚す猛毒を相手に叩き込むクリスマと……1000倍速移動か?」
ブレイド「ウルトラ怪獣みたいな70mもある始祖の邪神を必殺技一撃で倒せるディス。あと、人間やめてるから不死だし、カードを使って時を止められるディス。……DIOとか言うの禁止」
カブト「おばあちゃんが言っていた……36000kmを10秒で移動でき、半径100kmの範囲を全て焼殺する荷流電子砲が使えると」
電王「わー、みんな凄いなあ。僕なんて最弱とか言われたのに」
1st1号「俺たちはリアル路線だから仕方ないな、これくらいが地に足付いた感じだから」
スカイライダー「そういうこというと俺もそうですね。初代路線で落ち着きを意識して作られてますし。
初代飛ぶライダーと……一瞬で10km走るグランバサーミーより速いのと……あと一応ストロンガー先輩並みの威力がある必殺技かな?」
1st2号「スカイライダー、お前は向こうに入ってていいんじゃないか?」
スカイライダー「いや、俺があっちにいっちゃうと……」
NEXTV3「安心しろ、俺がこっちにいるから」
初代V3「何で俺だけ……ライダー人気最高……V3キックは戦車も砕けるのに……露骨にストロンガーには何百倍とか言われる始末……突拍子のない描写も設定もなし……」
スカイライダー「大丈夫ですよ、先輩! 先輩には、数km以上の巨大な火柱を上げる最強必殺技がライスピで追加されたじゃないですか! 自爆技だけど!」
クウガ「あ、俺最終全話で同じような火柱の爆心地にいて全然平気だったんですけど……」
ZX「ライスピでも、逆ダブルタイフーンより俺のシンクロZXキックのほうが派手だったな。大地に巨大な横線を残してたし」
龍騎「というか、別に自爆しなくても大概の人はそれくらいできるし、大体の人はそれ耐えられますよね……しかもそれなかったら飛びぬけて弱くないですか?」
J「そこのアホの子、空気読め! 現実そうだとしても言っちゃいけないことがあるんだ!」
初代V3「お前ら、もう黙ってくれ」
月姫vsライダースレの誤爆orz
すごいなぁライダーシリーズ
こんなんで、よく話を続けれるなぁ
私なら、こんなのと戦う敵を出すだけで頭が痛いよ
RXは一人で40億人が住む怪魔界を消滅させたんだよなあ
誰かてつを召喚で書けよ
俺Tueeeeeeとかゼロ魔蹂躙とかそういう不粋なことは言わないから
てつをソングでゼロ魔世界の歌文化を蹂躙するんですね、わかります
信じることがジャスティス 俺のファンタジー
響鬼さんは…響鬼さんはー?
>>912 小ネタで今書いてる・・・すぐに帰っちゃうけど。
>>911 クライシス帝国を見習うといい。
毎回繰り出してくる怪人が最強なんだぞ。
>>916 RXで奇跡を起こして「ええぇー!? そりゃねーよ!」な方向か?
ロボライダーで、太陽を宇宙の果てまで吹き飛ばす攻撃食らって片膝つくだけとか硬過ぎ「ええぇー!? そりゃねーよ!」な方向か?
それとも、細胞融合、ミクロ化、全攻撃無効化のバイオライダーで「ええぇー!? そりゃねーよ!」な方向か?
それとも、時間操作や因果律操作を無効化した挙句自分4人がやってきて「ええぇー!? そりゃねーよ!」な方向か?
どの方向でも「ねーよ」www
ていうか、明確な悪が存在しない世界にライダーはやりすぎだろw
巨悪があるからヒーローが必要なんであって、ヒーローが必要だから悪役出そうって本末転倒やん。
だからシャドームーンもだそうぜ
ライダーマンは・・・・・ライダーマンはー?
巨大化してJと戦うんですね。
ライダーマンが巨大化してJと戦うのか、斬新だな。
フジ隊員が巨大化したようなもんか?
ふっと思ったんだが
昭和ライダーシリーズ悪の大首領を召喚したら楽しそうだよな
以前ドラクエ魔王は読んだけど
あれ系のヘイトじゃなくダークな話を読んでみたいものだ
本スレじゃなく避難所行きだろうけどw
>>924 駄目だ、毎回愉快な計略で現れる敵怪人を、ルイズたちが倒していく図しか浮かばないw
召喚された瞬間「トリステイン学院の諸君、また会おう! はははは…・・・」とか言いながらどこかに消えていきそうだ。
桃色バットとか思い浮かんだ
半年ぶりに来てみたけど何か変化あった?
>響鬼さんは…響鬼さんはー?
安心しろ
素のスペックでは全ライダー中最強ランクだ(ブレイドの最強フォームよりただの響鬼の方が圧倒的に強い)
ただし必殺技の描写が地味な上に平成ライダーでは珍しく威力の設定が無く
個別に特有で特殊なスーパー能力も無い
>>924 ええー?BADANを召喚しちゃうんですか?
むしろゼクロス召喚?
そういや他のライダーはともかくアマゾンとゼクロス呼ぼうって話題出た事無いな
>>928 文字通り、特殊能力なしの人間が「鍛えてますから」で辿りつた局地だからな。
むしろ、何の能力もない普通の人間が鍛えてあそこまで行けばかなり凄まじい。その意味では響鬼はNO1だなw
今日はサガ二つもあるのかお二方乙
下を見てくれで吹いたわw
バットマン召喚
仮面ライダーって少女マンガ並の厨二病全快な設定なんだなぁ
パンチやキックが水爆を超えるって一体…
いつので誰のバットマンだ?
電脳世界でコンピューターウィルスと戦うのもいれば
ロビンにケツ触らせろとか暴言吐くやつまでいるぞ
>厨二病全快な設定なんだなぁ
幼年向け娯楽作品に何言ってやがる
なにも考えずにいってるだけだろう
>>933 ちょいと前の特撮、アニメなんてそんなモンだ。
そこいら辺にこだわると柳田理科雄みたいな扱いされるぞ。
画面に映っていることが全てだ、とスルーするのが作法ですよ。
>>930 >文字通り、特殊能力なしの人間が「鍛えてますから」で辿りつた局地だからな。
ARMSの某サラリーマンみたいなものか。
>>933 アンパンマンなんて、自分と同じくらいの体格の持ち主を、パンチひとつで視認できないくらいの距離まで吹っ飛ばすことができるんだぞ?
もっともそんなパンチに耐えられるバイキンマンの体はどんだけ強靱なんだ、ということになるが。
早くね?
仮面ライダーの描写と設定の乖離と言えば戦闘員。
人間の中でもかなり優れたもののみを選んで更に改造を施されているのに
100%人間なライダーの仲間達にかなり簡単にやられる謎w
イーッ
早漏のいつもの荒らしの人は放置しておくが吉。
てか950が立て直したら?
召喚の仕組みが、サモン・コントラクトの2段階に分かれてるのは何でなんだろうな。
コルベールはやり直しを認めなかったが、実際には気に入らないのが出てきたらやり直すこと前提なんじゃないか?
送り返す方法が無いっつーのも、そのまま別のを喚べば自動的に交換で帰っていったりしてな。
6回目くらいでヤクザが召喚されてきそうだけどな。
>>949 前、IFスレであったな
ルイズ「チェンジで!」
ブリミル「有料になります」
951 :
950:2008/08/12(火) 13:32:25 ID:I48lFzjq
次スレ、立て直したほうがいいのか?
テンプレ間違ってるらしいから立て直したら?
>>888 でもその青くなった部分は青銅じゃないよな。
荒らし目的のスレ立てだから明らかに削除対象
正規に立てたほうがいい
954 :
950:2008/08/12(火) 13:37:13 ID:I48lFzjq
どっちにしろ今俺には新スレを立てる権利が無いようだ(分かりやすく言えば失敗した)。
皆様の判断に任せる。
使いたくないけど使うしかないだろうな。
余計なモノはついているけど建ったスレに問題はこれといってないわけで。
スレッドのルール無視で立てたと言うことで
スレ削除依頼出して
>>950に新しく立ててもらう?
956 :
955:2008/08/12(火) 13:39:46 ID:Uk8E7xrW
スレ立て挑戦します。
失敗したら
>>960さん御願いします
>>957 おちゅ
NG推奨 ID:8N/Me2Kq
>909
V3はある意味仕方ないんだけどな、比較して見劣りするのも
だって改造手術をしたのは科学者でもなんでもない1号と2号、それも死にかけているのを助けるために急いで自分たちの力を分け与えたって形だったから
それにしても「危険だからついてくるな」と言ったのに勝手に後をつけてきて殺されかけた奴を助ける為にパワーダウンするとか、1号と2号はどれだけお人好しっつーか考えなしなんだよ
もし手術失敗して死んだり、力が融合しなくて1.0x2が0.5x3になったり、殺されかけた恐怖で俺は戦わないぞとヘタレてたらどうするつもりだったんだか
そのときはそのときでしょ
命を救うために改造しただけなんだから
>だって改造手術をしたのは科学者でもなんでもない1号と2号
本郷は名うての科学者でもあるんだが?
たしかにお人よしといえばお人よしだけど…
だからこそ『仮面ライダー』なんじゃないかな。
もっとシビアな思考が出来るようだったらそれは正義の味方とはまたちがうものでしょ。
「切り捨てるべきは涙を呑んで切り捨てる」じゃヒーローはやってられません
「助からない人も救ってみせる」がヒーローの心意気
本郷猛の専門分野って何だっけ?
化学かそのあたりだったと思うんだけど。
あとオートレーサーでもあったな、本郷。
>>964 所属が大学の生化学研究所なので薬物とか生物とかそのあたり?
まあぶっちゃけあの時代の作品に出てくる科学者らしく
何でも出来る「総合科学者」(ネクシャリスト)なんでしょうね
本郷と言えば某三佐が思い浮かんでしまう
石森ライダーは変身前から厨性能な人間ばかりだったような
気がするのだが。
発想を逆転して死神博士やプロフェッサー・ギルや宇宙猿人ゴリでも召喚したらええねん
魔法学院から追放されたこの悔しさを忘れなければええねん
まあ、ショッカーからして優秀な人間を狙って改造してたからな。
そうでない場合でもかなり特殊な生い立ちしてたりするし。Xとかアマゾンとか。
大切断なんか見たらルイズがショック死しかねんだろ
ここは白いギターを持った、さすらいのヒーローを(ry
> 宇宙猿人ゴリ
ルイズがゴリを召喚するも話の内容はキュルケの召喚したスペクトルマンに!
強い科学者か・・・
よし、ここは海外ではバイソンことベガを召喚しよう
プリンは縁とか言ってる人でいいじゃないか。
>>971 ある意味究極の厨性能キャラじゃないか。
なにせ「挑戦すれば必ず勝つ」わけだし。
本郷猛の知能指数は600
まあ昔の特撮の設定は出版社が勝手に書いたとこがあるからな
荒唐無稽になるのはある意味仕方ない
>>971 「たぁ〜だし!!その遍在、ハルケギニアじゃあ二番目だ」
人知れず現れ、事件を解決去って行く。
これがヒーローってモンじゃない!
>>977 そこらじゅうのメイジにそのセリフを言いまくって勝ち続ける訳かw
ワルド「むむ!!では一番は誰だ!!」
個人的には厨性能とか言われてもTUEEEストーリーは好きだぜ
wikiの片っ端から読んでたら書きたくなったんだけど
原作読んでないアニメ見てないな俺がSS書いていいのだろうか
ってあれ?テンプレに原作読んでからっての消えたのか?
>>977 ズバット召喚、ズバット解決、人呼んでさすらいの使い魔、怪傑ズバット!
こうですか? わかりません
>>980 書きたきゃ書けば?
HDDの肥やしにする分には、君の自由だと思うぜ。
>980
男は度胸、何でも試してみるもんだ。
ホイホイ書いてクソミソに叩かれても泣かない事。
OKOK、書いてくる。クソミソならお手の物さ!
アナルとか浣腸なエロパロSSぐらいしか書いたこと無いけどな!
書いたらそのままHDを電子レンジでチンすればおいしくなるよ
>>962 昔のライダーってよく覚えてないんだけど、左手読む限り少なくともV3はどうみてもお人好しじゃないような。
書きたいってことは、『覚悟』があるって言う事ですよね…。
原作を尊敬し、そして原作の胸を借りて自分で世界をつむいで見せるという『覚悟』あるということでいいですね…。
誰かラブラブなカップル召喚してくれんかな
旧シャア板のガロティファはたった一日でルイズの精神にかなりのダメージを与えていたw
ルイズが亜人(?)を召喚
「あんた、名前は?」
「きんたま いじろう」
「ちょ!いきなり何言い出すのよ!」
超人キンタマンなんて憶えてるやつなんかいないだろうなw
>>989 まぁV3だからな。
アマゾンなんてお人よしな感じじゃないか。(純朴とも言う
>>993 ここにリアルタイムで読んでた俺が参上
……ところで君はいくつかねwww
>995
おそらく下限は30ではないかと。
>995
女性に年齢を聞くのは紳士のすることではないぞ
999 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/12(火) 18:47:27 ID:WNCFVWWB
ウホッ いい男
1001 :
1001:
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。