あの作品のキャラがルイズに召喚されました part159
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。
(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part158
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1217431486/ まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/ 避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/ --------------------------------------------------------------------------------
_ ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
〃 ` ヽ . ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
l lf小从} l / ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,. ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
((/} )犬({つ' ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
/ '"/_jl〉` j, ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
ヽ_/ィヘ_)〜′ ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
--------------------------------------------------------------------------------
_ ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
〃 ^ヽ ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は
J{ ハ从{_, 本スレへの投下で問題ないわ。
ノルノー゚ノjし ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず、
/く{ {丈} }つ 本スレではなく避難所への投下をお願いね?
l く/_jlム! | ・クロス元がTYPE-MOON作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
レ-ヘじフ〜l ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。
--------------------------------------------------------------------------------
,ィ =个=、 ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
〈_/´ ̄ `ヽ ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
{ {_jイ」/j」j〉 ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
ヽl| ゚ヮ゚ノj| ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
⊂j{不}lつ ・次スレは
>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
く7 {_}ハ> ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
‘ーrtァー’ ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。
テンプレここまで。
新スレ乙!
乙
5 :
ゼロな提督30:2008/08/03(日) 09:28:12 ID:+cwbXjth
>>1 乙です
投下の正確な時間指定、確かに必要ですね。失礼しました
では、am10:30に投下予定で
管理人様
以下自作品の削除をお願いします。
(本人証明として、自ブログの方も削除致しました)
長編:1編
「ゼロのgrandma」
短編:2編
「色鮮やかな空へ」
「四系統だけど」
色々とご迷惑をお掛けしました。以降、忘却願います。
夜天の使い魔 第一部
夜天の使い魔 第二部
http://rein4t.blog123.fc2.com/
このぐらいまで単純化できそうな気がする。
爆発召喚
キス契約
「ゼロ」の由来判明(教室で爆発)
使い魔の能力が明らかに(ギーシュ戦)
デルフ購入
フーケ戦
舞踏会
最近はその流れでいかに飽きない話を作るかに凝りがち
爆発
平民プゲラ
コルベール問答無用さっさと汁
キス契約
フライに唖然とする
説明はぁどこの田舎者?
何者であろうと今日からあんたは奴隷
二つの月にびっくり
洗濯シエスタと接触
キュロケフレイム顔見見せ
みすぼらしい食事厨房でマルトー
教室で爆発片付け
昼食シエスタの手伝い香水イベント
オスマンコルベール覗き見
ギーシュフルボッコ場合によって使い魔に弟子入り
キュルケセクロスの誘いしかし使い魔はインポテンツか童貞w
ルイズ寝取られの歴史を切々と語る
休日街でデルフ入手 キュルケタバサがついてくる
ルイズが爆破訓練宝物庫破壊フーケ侵入お宝げっと
この段階でフーケは絶対つかまらない
翌朝捜索隊保身に走る教師一同
教育者オスマン犯罪捜索を未熟な子供にマル投げ
小屋で破壊の杖ゲットフーケフルボッコしかし絶対死なない
オスマンから褒章 舞踏会 終わり
途中飛ばすけど、
対7万戦と再召喚(一度使い魔契約が切れ、まっさらな状態からルイズとの関係を再構築)
このぐらいまで単純化できそうな気がする。
本スレに1人か2人の荒らしが登場
「うぎゃああああ荒らしがでたああああ
本スレのやつら民度が低いから触りまくってスレが荒れるにちがいねええええええ」×20
本スレでスルー
「本スレの奴等も少しはマトモになったようだなプゲラ」×5
今までの流れが本スレに貼られる→スルーか一人二人が「肥溜めにカエレ」
「ここを肥溜めとか言う奴は上から目線のお子ちゃま。むしろ俺たちの方が大人」×10
いぬかみ投下
「まったくよー、本スレの奴等、嫌いなSSならあぼーんするかスルーしろってんだよなwwwwww
ちったあ俺達を見習えよwwwwww
・・・ナニ? いぬかみ投下? ぎゃあああああ何でここまで叩いてるのに投下できるんだああああ
お前らもっと叩こうぜえええええ 何? スルー? ここはお祭り好きな奴等の集まりだから良いんだよw」
以後ダラダラと「ぼくののうないのこんごよそうされるいぬかみのてんかいのひはん」×50
以降無限ループ
このぐらいまで単純化できそうな気がする。
本スレに1人か2人の荒らしが登場
「うぎゃああああ荒らしがでたああああ
本スレのやつら民度が低いから触りまくってスレが荒れるにちがいねええええええ」×20
本スレでスルー
「本スレの奴等も少しはマトモになったようだなプゲラ」×5
今までの流れが本スレに貼られる→スルーか一人二人が「肥溜めにカエレ」
「ここを肥溜めとか言う奴は上から目線のお子ちゃま。むしろ俺たちの方が大人」×10
提督投下
「まったくよー、本スレの奴等、嫌いなSSならあぼーんするかスルーしろってんだよなwwwwww
ちったあ俺達を見習えよwwwwww
・・・ナニ? 提督投下? ぎゃあああああまたビッチ談義でスレが埋め尽くされるううううううううううう
お前らもっと叩こうぜえええええ 何? スルー? ここはお祭り好きな奴等の集まりだから良いんだよw」
以後ダラダラと「ぼくののうないのこんごよそうされるていとくのてんかいのひはん」×50
以降無限ループ
10 :
虚無の鍛聖:2008/08/03(日) 09:31:32 ID:zUYQo6fa
>>1乙です
提督さんが10時半と言う事なので…寝ます。
起きたら夕方かもしれませんがコードギアスが始まるまでには投下終了しようと思ってます
ではまた後ほど
>>1乙です
提督が予想外の展開ですごく驚いてます!!
でもアンアン最後は空気?
>>13 アンアンが窒素だなんて持ちあげすぎ。
植物の肥料になる窒素にアレをなぞらえるなんて(窒素に)失礼だろ。
あっちは原作本編でも厄介事ばっか持ち込んでろくなことしてないし。
そもそも空気に例えるのが間違いだと思う。
提督作者の正体 = 薔薇乙女の作者
提督信者の皆さんお疲れ様でした、
あの捏造設定過多でローゼン信者から顰蹙を買い捲った駄文書きに踊らされてましたね
薔薇ジュン=提督ヤン=俺キャラ=自己投影
ざまぁwwwwwwwwwwwww
>699 :ゼロな提督30:2008/08/03(日) 01:57:48 ID:isP0xXj+
>
>>655-657 > あの〜、どうしたと言われても困るというか何というか
> 前回の投下から、二週間も経っていないのですが・・・
> もしやここの〆切は、どこかのヒゲな編集長より厳しいのでしょうか?
2chに締め切りなんぞあるかよ
> とにもかくにも、次の話が書き上がったので投下しようと思います
> いつものように長く長くなりました。前中後編に分けますね
いい加減簡潔にまとめろ、というか避難所に逝けよ
> ただ・・・これを最終話とするかどうかという点。
> 自分としては、この第30話後編に全てが集約しているつもりです
> これ以降の話は、単なるオマケだと感じます。エピローグに過ぎず、無理に書く必要があるのか、と
おまけなら書く必要ねえだろ、どうみても結局植民地化するだけだろ
> もともとこのSSのネタは、私の前作SS「薔薇乙女も使い魔」で使用しようかと思っていたものです
ああ、やっぱりあのジュンじゃないJYUNを書いてた人か
> ですが、まだゼロ魔本編が十分進んでいなくて、データ不足だった
> そのため「薔薇乙女も〜」を書いてる時点では、まだ考察が足りず書ききれなかった
> 非常に微妙で繊細なポイントだったため、中途半端に触れる事は憚られた
> ローゼンメイデンの世界観にも相応しく無かった
僕の考えた捏造設定1000%にゼロの使い魔原作関係ないだろ、それにあれがローゼンの世界観か?
ああ、僕の考えたローゼンの世界観か
> ETCの点から、「薔薇〜」では触れませんでした
今思いついただけじゃね
> で、今回とうとう触れたわけです
> 逆に言うと、これでSSのテーマは書き切れたと感じるわけです。
テーマってそんなものあったのか?
ハルケギニアヘイト、虚無ヘイト、エルフマンセー、俺キャラマンセーだろ
> 相変わらず話が長くなってしまいましたが、ぶっちゃけ簡単に言うと
> 今回の話を投下してからエピローグまで書くかどうかを考えようかな、ということ
まだ続ける気かよ。
> というわけで、まずは前編を投下します
ログの無駄遣い
ウンコをばら撒くのは自分の巣でやれ
そして死ね
>>16 お前はあれほどの長文の物語を書き完結させる、という努力と苦労を馬鹿にしている
お前が消えていい
>>17 自分に無い才能に嫉妬しているお馬鹿は放置でおk
>>16 夏で暇なのはわかるがその情熱を勉強に当てたほうがいいよお坊ちゃん
夏だねぇ〜
書き手と読み手、お互いの想いがあってこそのSSスレだと思うのだがね
青臭い理想論すぎたか
22 :
ゼロな提督30:2008/08/03(日) 10:28:16 ID:gcUR4Rf5
さて、そろそろ10:30
ジャストに行きましょうか
>>14 結果だけを見れば、ルイズ達には試練を与えて成長させたようにも…。
まぁ調べると「窒素」の名の由来は、密閉空間をそれで満たすと窒息するから、とか出てきたし
アンアンらしいといえばらしいかも。
>>16 下3行がまんま
>>16を言い表していて笑った。
>16
凄まじい嫉妬感あふれる駄文ですね
あなたのクズっぷりをこの上なく表現していますな
あなたがもはやどうしようもなく低脳なのはすれの皆さんに十分伝わりましたから
二度と湧いてくんな、ゲス
おっと失礼、早速支援だ
26 :
ゼロな提督30:2008/08/03(日) 10:30:06 ID:gcUR4Rf5
《教皇よ!》
シャン・ド・マルス錬兵場に、一際大音量でラインハルトの声が響き渡った。
《銀河帝国がハルケギニアへ侵略を企てていたなら、とうの昔にハルケギニアは予の
艦隊に蹂躙されていた。予にその意思がなかったから、卿等は繁栄を享受できていた
のだ。
この事実こそが、予が和平を望む証である!》
その言葉に、教皇は何も答える事が出来ない。愕然としたまま立ち尽くしている。ジュ
リオも剣を握る手から力が抜けていく。
《卿等のいかなる魔法も、どんな大砲も、予の艦に傷一つすら付ける事は出来ぬ。そ
もそも、とどきすらせぬし、魔法や大砲を放つ間も与えぬ。予が腕を振り下ろす間に
全て消し飛ばしてくれよう》
ラインハルトはジョゼフへ向けて手を差し伸べる。
ガリア王とミョズニトニルンは軽やかに悪魔像を模した巨大魔法人形から地上へ降り立
つ。魔法人形は地響きを上げながら会場の人々を離れ、周囲に誰もいない練兵場の隅に座
り込んだ。
光が爆ぜた。
次の瞬間、魔法人形は消えていた。魔法人形が座っていた地面も消えていた。半径十メ
イル程の大穴が出来ていた。
それがミサイル攻撃だというのは、会場の人々には分からなかった。だが、頭上の艦か
ら棒状の物が撃ち込まれた瞬間に巨大魔法人形が地面ごと吹き飛んだのは分かった。
ブリュンヒルトの側面には多数のミサイル発射口が口を開けていた。
それらが会場へ向けられる砲口なのは、アンリエッタ亡命後すぐに山ごもりをして魔法
の修行を続けていたため真相に関して何の知識も得られず、滑稽な道化と成り果てたギー
シュ・マリコルヌ・ヴィリエにすらも分かる事だった。
壊れたアルヴィーを握りしめ、虚しく地面にへたり込むギーシュ達の肩を叩く老人の手
があった。それはオスマンだ。その後ろにはコルベールもいる。
「おぬしらを責めはせんよ。ただ、今はあの者達の言葉を黙って聞くがいい」
三人は、呆然としたまま微動だに出来なかった。
《更に言うなら、あれらの艦は全て無人だ。卿等に分かる言葉で言うなら、ガーゴイ
ルなのだ。
教皇よ。お前の『虚無』の魔法が、どれほどの奇跡を起こそうとも、万一あれら全
てを消し去る事が出来ようとも、予には蚊が刺した程の事もない。新たに無人の艦隊
を送るだけだ。次は万の単位で、な。
なお言っておくが、卿等の頭上の艦を破壊したら、当然ながら残骸が降り注ぐぞ。
お前達の頭に》
それは、全くもって余計な台詞だ。
ラインハルトは、わざわざ言われなくても分かっている事を口にした。この点、まだラ
インハルトも若く、激情に身を委ねる事もある気性の激しい皇帝ゆえ、少々自らの権力に
酔っていたと言えるだろう。ジョゼフが言うように、見た事もない大艦隊を見て怯えうろ
たえる人々を目にして、「ついつい面白くなって」しまっても、非難出来る人は少ないだろ
う。
なんという死の勧告。支援
>>15 二酸化炭素だって光合成には必要だからなあ。
ここは逆に考えて姫様みたいなキャラを例える言葉を「アンリエッタ」とすればいいのではなかろうか。
29 :
ゼロな提督30:2008/08/03(日) 10:33:22 ID:gcUR4Rf5
事実、教皇にとって確かにラインハルトの言葉は、言われなくても分かっている余計な
ことだった。
ヴィットーリオは聖杖を取り落としていた。怯え震える火竜の背で、膝をついていたの
だ。もはや教皇としての威厳はなかった。俯き、噛み締められた唇からは何の言葉も出な
かった。頭から落ちた円筒状の帽子のことなど、本人含めて誰も気にする事は出来なかっ
た。
その姿はハルケギニアの敗北を、教会権威の失墜を象徴していた。竜に並ぶ恐怖の対象
であるエルフ達をも遙かに上回る軍団が聖地奪還に立ち塞がっている事実を、彼等の気ま
ぐれ一つで教会は消滅する事を、エルフ達との和平を受け入れなければ本当に消されかね
ない事を示していた。
「はーっはっはっはっはっは!」
ジョゼフの高らかな笑い声が響き渡った。
立ち上がる気力もない教皇へ向けて、満面の笑みで語りかけてくる。
「ま、そういう訳なのだよ!
これまでの詳しい話は後々教えてやるが、ともかく、今日の調印式典は全て狂言だった
のだ」
そう言いながら、ジョゼフはツカツカと教皇が乗る火竜へ歩み寄っていく。
顔を上げられない教皇へ、実に楽しげに朗々と語り続けた。
「いやあ!全くお前の絶望の程には同情するぞ。
自分の全人生を捧げてきたものが、全くの嘘。
力で真実を否定しようにも、圧倒的な戦力差に手も足も出ない。
しかも、それら全てをハルケギニアの全貴族を前に公にされてしまったのだ。
全くお前は立場がない、運もない、たった今から権威も権力も何もない!」
教皇は、何も答えない。答えられない。
ジョゼフは火竜の傍、教皇の近くまで歩み寄る。
そして腕を組み、うんうんと頷きながら話を続ける。
「あ、そうそう、一つ教えてやろう。
実は銀河帝国の人間は、そこで幻影の姿を現しているラインハルトも含めて、全てが魔
法を使えない人間なのだ。俺も驚いたのだが、その若者の国にはメイジも魔法も存在しな
いそうだ。
実際、俺も銀河帝国から迷い込んだ連中の遺留品をかき集めて、部下に調べさせたのだ
が、一切の魔法反応が無かった。エルフ達も調べたそうだが、精霊の残渣すらなかったそ
うだ」
その言葉に、ラインハルトもヤンも小さく頷く。
だが教皇は頷けない。
「つまり、俺たちの上を飛んでいる、あの神の軍勢がごとき大艦隊も、全て魔法無しで平
民達が作ったガーゴイルだ。ブリミルが俺たちに授けた系統魔法も先住魔法も無しに動か
しているのだよ。
つまり平民達の力は、系統魔法を遙かに上回るのだ。始祖がハルケギニアに授けた祝福
なぞ不要、と言うほどにな。始祖の系統である『虚無』の使い魔の一つ、俺の使い魔ミョ
ズニトニルンの力で生み出した巨大ガーゴイルですら、ほれ、あの通り。奴等の爆弾一つ
で粉々だ!」
ジョゼフはあごをしゃくって会場の隅を示す。
そこには、ミサイルで跡形もなく地面ごと消し飛んだ魔法人形の座っていた場所。
もちろん使用されたのは対艦ミサイルではない。核弾頭を外し、適当に火薬を詰めただ
けだ。
ラインハルト全開w
最終話に間に合った。支援。
ジョゼフ自重しろw支援
ジョゼフ・・・
なんて楽しそうなんだwwww
ジョゼフ浮かれすぎやw支援
美姫を生贄に差し出すのはラインハルト的には痛くはないのだろうか
支援
ラインハルトはターンエンド!ジョゼフのターン!!w
>>17 ほっときなさい
ゲーテも言ってるじゃない
人間本当に低劣になると他人の不幸を喜ぶしか楽しみがなくなるとか
悪口が絶えないのは他人の功績を認めると自分の価値が下がると思ってるアホーがいるとかさ
38 :
ゼロな提督30:2008/08/03(日) 10:37:05 ID:gcUR4Rf5
王は、わざとらしく肩をすくめる
「いやはや、俺だけでなく、マリアンヌ女王やアルブレヒトにも、エルフ達にすらどうし
ようもなかったのだ。
何しろ彼等、エルフと銀河帝国の連中が言う事に一つも嘘偽りは無かった。始祖が奪還
を求めた聖地は、草一本生えない荒野。ど真ん中にある召喚の門は、主たる始祖がいない
のに開きっぱなし。そして門から飛び出してくるのは、あの『ドラート』をはじめとした
銀河帝国の軍艦ばかり!
おまけに圧倒的軍事力。笑顔で『和平に応じろ』と言われれば否応もない。選択肢が他
になかったのだ」
その言葉には、ハルケギニアの女王や皇帝も頷いた。
そして王は、益々わざとらしく教皇へ微笑んだ。
「だが教皇よ、安心せよ!事の責任は、お前には全くないぞ!うむ、お前は全く悪くない
のだ!
教会の教えが誤っていたのは、お前が間違えたからではない。お前の先人達の誤りであ
り、そやつらの責任だ。
系統魔法が我等を六千年に渡って守り導いたのは真実だ。我等は系統魔法による恩恵を
受け続けていたのだ。ブリミルが我等を蔑ろにしたなんてことも、全く無い!多少の誤り
はあっても、ブリミル教自体は間違っていないのだ!」
その言葉に、教皇はようやくジョゼフの方を見る。
全てを失った若者の目に映るのは、満面の笑みと共に自分を慰める男。
「おお!これはつまり、教会はこれからもハルケギニアを導くべき地位にあるという事な
のか!?そうだ、お前が教皇である事に、全ブリミル教徒を率いる地位にある事に変わり
はないという事だ!
彼等、銀河帝国も俺たちに和平を申し出た。つまりお前の教皇としての地位も教会の存
在も不問とする、という事でもある。
良かったではないか、教皇聖下よ!お前が聖地奪還を諦めさえすれば、お前は自分の地
位を、権威を守る事が出来るのだ!今まで通りにハルケギニアの貴族と平民達へ始祖の教
えを」
バキィッ!
打撃音が鳴り響いた。
ジョゼフの言葉は、頬にめり込む拳で遮られた。
ガリア王を殴り飛ばした者がいたのだ。
だが、それはジュリオではない。ジュリオの前にはミョズニトニルンが立ちはだかって
いたから。落としそうになっていた剣を握り直してジョゼフに斬りかかったのを、無能王
の使い魔が遮っていた。
だが、王の頬には拳がめり込んでいた。翼人女性のアイーシャ、ビダーシャルをはじめ
としたエルフ達がいるのに、精霊はガリア王を守らなかった。火竜のブレスからは守った
のに、男の拳からは守らなかった。亜人達も、何も言わず驚きも怒りも何もせず、ジョゼ
フが殴られるのを黙って見逃した。教皇お付きの神官達が動かないよう見張っているのに
も関わらず。
上空にいるヤンやフレデリカも、銀河帝国艦隊も、全く動きを見せない。まるでそれが
当たり前のように。
そう、彼等は見ていた。この茶番劇の役者達は、わざと見過ごしたのだ。
ロマリアの教皇聖エイジス三十二世が、火竜を飛び降りてガリア王を殴るのを。
それが茶番劇の一つであるかのように。
だが、そんな事実にすら、教皇は思い至らなかった。
彼はただ、激情に身を任せた。
身の奥底からわき上がる憎悪と憤怒に身を任せるしかなかった。
最終話にして初のリアルタイム遭遇!
銃身が焼け付くまで支援する!
教皇若いねぇ
やっぱり教皇様逆ギレしましたかw 支援
支援。
ルイズはブリミルが大っ嫌いだと言っていたが、
ブリミル=魔法に対する恨みの深さじゃジョゼフの右に出る人間はいないからなぁ。
ある意味至福の瞬間だろうなw
支援\(^o^)/
キャラルイズ召還スレに、また新たな1ページ・・・・
46 :
ゼロな提督30:2008/08/03(日) 10:40:51 ID:gcUR4Rf5
「全部…全部、仕組んでいたのか…?」
端正な顔が怒りに歪む。
殴り飛ばされた王は、口の端から一筋の血を流し、それでも笑った。
笑顔で答えたのだ。
「そうだ、全て俺が仕組んだ」
「お前が…!?」
その言葉を、教皇は信じる事が出来なかった。エルフはおろか、銀河帝国という超大国
までがガリア王の筋書きに従ったという事実を信じるのは難しかった。
《ガリア王の言葉は真実だ》
ラインハルトがジョゼフの言葉を真実と保証した。
《それが、ガリア王が協力する条件だったのだ。
エルフ達との和解に応じ、ガリア王としても『虚無』の系統としても銀河帝国との
和平を結ぶ。そのかわり、今日の式典は全てガリア王の仕切りにさせよ、と》
ヴィットーリオの視線は、高速でジョゼフとラインハルトの間を往復する。
ラインハルトの説明に、ビダーシャルをはじめ老エルフ達も同意した。
「我等もガリア王の要求には首を捻った。何のために、こんな寸劇をするのかは全く分か
らなかったのだ。
だが、ともかくガリア王は全面協力を約束した。我等やヤンが求めた『不殺』の条件を
も受け入れた。実際、ジョゼフの筋書き通りに事は進み、誰も死なずに済んだ。なので、
我等としてもジョゼフの案に異論は唱えなかった」
ドゴォッ!
再び殴打の音が響いた。
もはや殺意すら顔に浮かべた教皇が、今度はジョゼフの腹に拳をめり込ませたのだ。
「それじゃ、それじゃあ、お前はこう言うのか?
全ては、私に恥をかかせるのが目的だったというのか!?」
「く・・・くく、く…。やっと、気が付いたか…」
「なんだ、と?・・・どういうことだ。簒奪者よ、一体どういう事だ!?弟を殺し王位を
奪って、次は教皇にでもなりたい…と、そういうのか!?」
ジョゼフは腹を押さえて膝をついている。だが、苦悶に顔を僅かに歪めつつも、それで
も笑顔が消えない。
いや、むしろ、心からの喜びに満ちている。満面の笑みを浮かべている。
「くく、くくく…違う。教皇の地位など興味はない。全ては、この一瞬のために仕組んだ
のだ」
「この、一瞬…?私が恥をかく、この一瞬に・・・。な、何故、何故だ。私が、お前に何
をしたと言うのだ?」
「お前は、何もしていない。本当に、お前は何も悪くないのだよ。だが、俺は仕組んだの
だ。今日の茶番を、な」
よろめきながら、ジョゼフは立ち上がる。
そして、トリスタニアはおろか、ハルケギニア全てに響きわたらさんとするかのような
声を張り上げた。
「お前に、お前に俺を、殴らせるためさっ!」
何つーか、本当に楽しそうだな無能王www
ジョゼフ・・・gj
次話がっ! 来るまでっ! 支援するのをやめないっ!
49 :
ゼロな提督30:2008/08/03(日) 10:43:30 ID:gcUR4Rf5
確かにジョゼフは告白した。教皇にガリア王を殴らせるために、今回の陰謀を仕組んだ
のだ、と。
だが、告白をされたからと言ってジョゼフの意図を理解出来るわけではない。殴りつけ
た本人である教皇も、あえてジョゼフ本人を守らないように精霊へお願いしたアイーシャ
やビダーシャルなどエルフの人々も、モニターで事の推移を黙ってみているラインハルト
達すらも、彼の意図が分からない。
『ドラート』二機はようやく降下艇の隣に着陸して、中からルイズ達が地上へ降り立っ
た。彼等もジョゼフの言葉を黙って聞いている。
ジョゼフは大きく息を吐き、呼吸を整え、静かに尋ねた。
「教皇よ、お前は『虚無』の力が何を源とするか知っているな」
その問に、教皇は目を見開いた。
だが口は開かない。何も答えない。
「知らないのか?それとも言えないのか?なら俺が代わりに言ってやる。教えてやる。
それは、闇だ」
闇。その言葉を口にしたジョゼフの顔は、確かに闇が浮かんでいるように見えた。
たとえ闇が浮かんでいるように見えるのが気のせいでも、その口調には明らかに憎悪が
含まれている。
「怒り、憎しみ、嫉妬、絶望…あらゆる負の感情が源となる。『虚無』の系統たる俺と、そ
このルイズが保証する。闇が心を満たす時、『虚無』の力は増す。精神力が溜まり、威力を
上げるのだ。
はっ!慈愛に満ち祝福を授けるのブリミルの系統が闇を糧にするとはな。大笑いだ!」
その言葉にルイズも黙って頷く。
彼女の顔には憎悪は浮かんでいない。ただ静かに話を聞いている。だが隣のヤンは知っ
ている。彼女の心が闇に浸食されていた事実を。
「大きな力には、暴走を防ぐために封印がかけられる。
そのため『虚無』の系統にも封印がかけられていた。それが始祖の秘宝だ。地水火風を
象徴する4つの指輪と、「虚無」の魔法を伝える4つの秘宝に触れる時、封印は解除される。
『虚無』が蘇る。
だが、この封印にはもう一つの意味があった…『虚無』の使い手に、その心に、闇を満
たすという効果が、な!」
ジョゼフは吐き捨てる。
その心に満たされた闇を吐き出すかのように。己を焼く憎悪が炎となって吹き出すかの
ように。心から忌々しげに。
「昔、俺は何一つ出来なかった。封印のせいで魔法が使えなかった。もちろん俺が本当は
『虚無』の系統だなんて、誰にも分からない。宮中の誰もが、母すらも、俺を暗愚と呼ん
ださ。
それに比べて弟のシャルルは何でも出来た。皆、弟が王になる事を望んだ。あいつは、
誰よりも魔法の才に優れていた。五歳で空を飛び、七歳で火を完全に操り、十歳で銀を錬
金した。十二歳の時には水の根本を理解した。俺には何一つ出来ない事を、シャルルは容
易くやってのけた」
弟の事を語り出すジョゼフ。その時の彼には、憎悪ではなく懐古と寂寥と、嫉妬と後悔
がみてとれた。天を仰ぎながら、懐かしげに、羨ましげに、そして悔しそうに弟の事を語
る。
ガリア王、かっこ良すぎる!
支援だ、支援
支援。
こ・・これは・・・
53 :
ゼロな提督30:2008/08/03(日) 10:45:51 ID:gcUR4Rf5
「いや、魔法だけじゃない。あいつは本当に賢かった。俺と互角にチェスを指せたのはあ
いつだけだった。あいつがいなくなって、俺のチェスの相手は、俺だけになってしまった。
自分で自分を相手にチェスを指す…なんて退屈な行為だ!
賢いだけじゃない、あいつは優しかった。家臣や父にバカにされる俺を見て、あいつは
言ってくれた。『兄さんは、まだ目覚めていないだけなんだ』『兄さんは、いつかもっと凄
い事が出来るよ』と。俺を気遣って、わざと失敗してくれたことすらあった。本当に、あ
いつは優しかった…」
突如、ジョゼフの顔が変わった。再び闇が浮かんだのだ。今度は気のせいでも何でもな
い、間違いなくガリア王は顔を憎悪・後悔・絶望で醜く歪ませたのだ。
「そんなあいつが、俺は羨ましくてたまらなかった!俺が持たぬ美徳、才能を全て兼ね備
えていた!
だが…それでも憎くはなかったんだ。本当だ。あんなことをしてしまうほど、憎くは無
かった。あのときまでは…」
ジョゼフは俯く。
わなわなと手が震える。
衆人環視の中、ジョゼフの独白は続く。
「病床の父は、臨終の間際に俺とシャルルだけを枕元に呼んだ。他には誰もいない、三人
だけの部屋で、次の王が定められた。
父は、俺の名を口にした。
信じられるか?なぁ、信じられるか!?俺は、本当に王に指名されたのだよ。父にバカ
にされ、母に暗愚と呼ばれ、宮中の誰もがシャルルを王に相応しいと思っていた。なのに
父は俺を王としたんだよ!」
彼はヴィットーリオへにじり寄る。いまだ唖然、呆然とする教皇の顔を、上目づかいに
見上げながら、腹の底から叫んだ。
「そうさ、俺は簒奪なんかしていない。本当に、俺は父から王に指名されたんだ。本当に
俺が正当なガリア王なのさ!」
彼は腕を振る。横へなぎ払う、会場の人々へ右腕を振り回す。
この中の誰一人としてジョゼフが正当な王だったと信じていなかったであろう、会場の
貴族達へ、真実を投げかけたのだ。
だが、すぐに彼の腕から力が抜けていく。肩が落ちる。
「俺は喜んださ…父は病気で呆けてたんだろうけど、王の言葉は絶対だ。自分は王になっ
たんだ、と。
そして、俺の心は、弟への、シャルルへの優越感で満たされた。シャルルの絶望がどれ
ほどのものか。自分のものになるはずだった権力が、一瞬で指の間からすり抜けた絶望は
どれ程のものか、とな。弟の悔しがる顔を想像した。それが見たくてたまらなくなり…、
横目で盗み見たんだ。弟の顔を。
そしたら、あいつ、どんな顔をしていたと思う?なあ、教皇様よ。どんな顔をしていた
と思うよ」
突然、ジョゼフは教皇の胸ぐらを掴む。
力の限りに、自分の間近にまで顔を引き寄せ、あらん限りに己の怒りと絶望を叩き付け
る。
「喜んでやがったっ!
俺の下衆な想像は、まったく外れだったんだよ!あいつはにっこり笑って、なんと、こ
う言いやがったんだ。『おめでとう、兄さんが王になってくれて、ほんとうによかった。ぼ
くは兄さんが大好きだからね。僕も一生懸命協力する。いっしょにこの国を素晴らしい国
にしよう』とな。
ああ、今でも一字一句覚えてる。あいつには何の嫉妬もなかった。邪気も皮肉も無かっ
たんだ。本気で俺の戴冠を喜んでた・・・」
支援
無能王の本領発揮!!
29話でのジョゼフと教皇の会話を思い出すと、当時のジョゼフのとぼけっぷりに笑いが止まらない
支援
問題は無能王をタバサが許せるかだな
ジョゼフがこれほどまでにはっちゃけてる作品があっただろうか?
……よく考えたら、同じ作者の薔薇乙女の方のジョゼフも最後に美味しいところ持っていったなw
作者氏はジョゼフが好きで好きで堪らないらしいwww
支援
ヤンが空気だww
そういえばヤンの姿がwww
60 :
ゼロな提督30:2008/08/03(日) 10:48:45 ID:gcUR4Rf5
教皇の胸ぐらを掴む手の力が衰えていく。
苦しそうな顔で、ジョゼフは言葉を絞り出した。
「シャルル…どうして、どうしてお前は、悔しがってくれなかったんだ…。どうして、お
前はそこまで優しかったんだ…どうしてお前は、俺が持たない全てを…手に入れていたの
だ?
俺は、本当に嫉妬した。あいつは素晴らしい奴だ、優しい弟だった。それに比べて、俺
は、なんて下衆なんだ。なんてクズなんだ。なんて愚かで、無様で、無能で、冷酷で、嘘
つきで、残忍で、阿呆で、間抜けで、嫉妬深くて、弱虫で、ちっぽけなんだ…。
なんで、俺は、こんな・・・惨めなんだ」
ジョゼフの目に、光が宿る。
全てを焼き尽くさんばかりに熱く、鋭く、狂気を帯びた光が。
「俺は、弟が憎くなった。
分かるか?教皇様のお優しくて寛大すぎる御心じゃ、俺の様な下衆の狭い心なんか、わ
からんだろう?嫉妬が憎悪に変わったんだよ…殺意になったんだよ!
そうだ、俺がシャルルを殺したんだ。簒奪なんかしていない!ただ、憎かったから殺し
たんだ!何が悪い?俺は王だ。そうだ、後の禍根を断つためだ。弟を担ぎ上げる連中が国
を割るのを防ぐためさ!
いやいや、そんな大義名分もいらんな。俺は王だからな。殺したいから殺した、それで
十分だ!何しろ王権は神から、始祖ブリミルから授かった神聖なものだ。王の行いは神の
行いだ!
もちろん誰も信じなかったさ!俺が王に指名されただなんて。証人もいない。だから誰
も彼もが俺を簒奪者と呼んだ。弟を殺して王位を奪ったと、な!」
ジョゼフの自白がトリスタニアを覆う。
次元の壁を越え、自動翻訳されて銀河帝国公用語となりステーションの司令室に響く。
狂った笑い声が、宇宙に満ちる。
「あはははっははははっ!ははっはははは・・・・・
そうだ。俺がシャルルを殺したんだ!シャルル、恨むなら己の才と優しさを恨め。お前
のあの晴れ晴れとした顔が、お前を殺したのだぞ。ほんの少しでも良いから、俺を羨んで
くれれば、殺さずにすんだというのに!
あの日、狩猟会の最中、俺は弟を殺した。何しろ魔法を使えない無能王だからな。しょ
うがないので毒矢で射殺した。ガリアの誰よりも高潔で魔法の才に優れた王子が、ガリア
の誰よりも下劣で無能な王子の下賎な矢で死んだんだ!
いやいや、それだけじゃないぞ!俺はシャルルの娘も狙った。エルフが調合した、心を
狂わす水魔法の薬だ。俺はあの姪に、シャルロットに飲ませようとした。だが、代わりに
母が飲んだ。おかげで、あの美しい女が、見事に狂ってしまった!人形を自分の娘と思い
こんでシャルロットと呼び、自分の娘を俺からの刺客と恐れ、怯えてグラスを投げつける
のだ!
教皇よ、知ってるか?なぜシャルロットがタバサと名乗るのか…。タバサってのは、そ
の人形の名前なんだよ!人形がシャルロットと呼ばれてしまうから、しょうがないので姪
はタバサと名乗った!以来、シャルロットは人形の様に表情を無くし、人形の名を名乗っ
てるんだ!」
再び哄笑が響き渡る。
狂気に満ちた笑いが二つの世界を包む。
狂った王は、ただ笑い続ける。
ヤンが危急時以外は空気なのは元々じゃろw
最後の最後でオイシイとこ取りのジョゼフに、限りない愛を込めて支援ww
このSS、いつからジョゼフが主人公になったんだ?、支援
支援がいるか?
宜しい、ならば支援だ。
一心不乱の支援を! 天地開闢以来の大支援を!
まさに「ずっとジョゼフのターン!」w
つか、このジョゼフが最後にどうなるかが読めないwww
67 :
ゼロな提督30:2008/08/03(日) 10:51:25 ID:gcUR4Rf5
「・・・俺は、俺は、後悔してるんだ。
あいつの愛した女性を、娘を痛めつけても、あの日の痛みには適わん。祖国を、人々を
苦しめても、あの日の後悔には適わん。なのに、なのに、何故なんだ。後悔してるのに、
心が痛まない…。
そうだ、俺は人間だ。どこまでも人間だ。なのに、何をしても心が痛まないんだ。神は
何故俺に力を、『虚無』を与えたんだ?ああ、『虚無』だ!それはまるで、俺の心のようじ
ゃないか!
俺の心は空虚だ。腐った魚の浮き袋だ。からっぽだ。喜びも、怒りも、憎しみすらもな
い。シャルルを手にかけたときより、俺の心は振るえんのだよ。まるで油が切れ、さび付
いた時計のようだよ。時を刻めず、ただ流れ行く時間を見つめる事しかできぬガラクタだ
よ」
ジョゼフは、教皇の胸ぐらから手を離した。
力なく、地に膝をつく。
ただ、懺悔するかのような自白ばかりが続く。宙の一点をみつめ、うわごとのように呟
き続ける。
「だから、俺は決めたんだ。神を倒すと。兄弟を斃すと。民を殺すと。街を滅ぼすと。世
界を潰すと。
あらゆる美徳と栄光に唾を吐きかけるために。全ての人々の営みを終わらせるために。
取り返しのつかない出来事に、後悔するために。シャルルを手にかけた時より心が痛む日
まで…。世界を慰み者にして、蔑んでやる、と。
人として、涙を流したいから」
ジョゼフは、顔を上げる。
ぼんやりと会場を見回す。彼を見つめる人々を見つめ返す。
全てを失った教皇を、信仰を否定された神官を、貴族の地位が砂上の楼閣と気付かされ
たメイジ達を、神権を無くした女王を、聖地奪還を諦めた飾りの皇帝を、哀しげな瞳を向
けるアイーシャを、理性的な中にも同情の視線を向けるエルフ達を・・・。
何より、自分の全てを理解してくれるルイズの涙する瞳を。自分と同じく『虚無』に心
を狂わされつつあった娘を。
支援ww
無能王の独白がすげぇ!
まだジョゼフのターンは終わっちゃいないぜ!支援
もうやめて!教皇のライフはゼロよ!w
おお、ジョゼフが主人公のようだ。
ガリア王、一世一代の告白タイム、支援する
73 :
ゼロな提督30:2008/08/03(日) 10:53:15 ID:gcUR4Rf5
ガリア王は、天を仰ぎ見た。
その頬には、止めどなく涙が流れ落ちていた。
両の手を掲げた。
拳を握りしめた。
そして、魂の全てを込めて咆哮した。
「やった・・・俺はやったんだ・・・勝ったんだ!
神を倒したんだ!
俺の全てを奪い取ったブリミルを、ぶちのめしてやったんだ!
は、はははは!これで、ハルケギニアは終わりだ!教会はゴミ箱行きだ!貴族なんぞ、
系統魔法なんぞ時代遅れの役立たずだ!
どうだ、見るがいい!ブリミルよ、お前の作った世界は崩れ去ったんだ!お前が授けた
系統魔法なんぞ、お前の『虚無』ですら、銀河帝国の艦一隻の砲弾一発にも勝てやしない
のさ!
神が授けた、あらゆる美徳と栄光は、貴様が守り続けてきた人間共に唾を吐きかけられ
るんだ!神を崇め奉るハルケギニアの営みは終わったんだ!信仰が消滅したんだ!!見
ろ!お前の忠実な飼い犬であるはずの教皇すら、お前の教えを忘れ、怒りにまかせて俺を
ぶん殴るほどだ!!
あははははっははあはははっ!!見たか、ブリミルのクソ野郎!お前が俺に授けた『虚
無』は凄いぞ!お前が俺にかけた封印は素晴らしいぞ!お前が俺に溜め込ませた闇は強大
だぞ!なにしろ、お前自身を打ち砕く程なのだからなぁっっ!!」
ジョゼフは、高々と両の拳を天に突き上げた。
「勝ったんだ!俺は、ブリミルに勝ったんだあーーーーっっ!!」
笑い声が響く。
世界に響き渡る。
狂った男の、悲劇の王の、人々が無能王と呼んだが故に本当に無能王にされてしまった
犠牲者の、神の生贄の、心からの笑い声が響き渡る。
人が神を倒した。
教会の権威と教典の教えは、暴力と陰謀の前に膝を屈した。
真実が信仰を打ち破った。
六千年にわたる、愚神を讃える狂宴が終わった。
第30話 狂宴は終わる END
これでノボル神の原作にもこんな独白があったら大笑いする支援w
言うことだけ言って派手に吹き飛びそうなジョゼフの動向にハラハラしつつ支援
ジョゼフ・・・ルイズ相手に変なフラグ立ってないか?
話しの重みがごちぃwww
支援だ!
まあこれで本人は言いたい事を言ってスッキリ出来たんだから死んでも後悔しないだろ
ただその前にタバサママンだけは治してやってくれ
後はエピローグ?
……お、終わった?
ジョゼフ……乙。
こういう熱く方向性を持った狂人は大好きだぜぃ。
これは…エピローグ要るだろ…
ヤン以外にもルイズとジョゼフその他諸々が揃って始祖ブリミルをブラスターで
蜂の巣にする場面が浮かんだ
ジョゼフのバトルフェイズ終了。
貴族、教会、魔法、ブリミル、対戦相手全てのLP0を確認。
乙!!
ジョゼフが燃えている・・・燃え尽きなきゃいいけど
乙でしたー。
エルフと和解したのだから、治療薬があるならタバサのママにあげてくれー。
……世界扉を安定させられるのなら、ヤンは帰るのか、それともこれ以上の混乱をもたらさないために帰還を諦めるのか、それとも混乱の中心の一人としての責務を果たすべくハルケギニアが平和になるまで過ごすのか。
うん、エピローグがとても楽しみだ。
提督の人乙
やっぱこれはエピローグがいると思う
その後どうなったのかをご想像に任せますでいいかも知れないけど
本当にどうなるかは知りたい
おおおおおおっ!
提督の人GJ!
エピソードはやっぱ欲しいデス
要るな、確かに
>「勝ったんだ!俺は、ブリミルに勝ったんだあーーーーっっ!!」
自分の人生に勝利で決着をつけた瞬間だな
タバサママンもだけどラインハルトとちぃ姉さまも忘れないであげてください
乙でした。
燃えるガリア王が、凄い!
これは、エピソード欲しいですが、書くの大変そう。
ガリア王が全部言い切ってしまったからな……
92 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 11:02:26 ID:wul26V9f
ワルドは?
そういやワの人忘れてたw
なんかもう出番ないやwww
ヤンとルイズの話はもういいや。ジョゼフとタバサの顛末だけがどうしても読みたいwww
作者様、乙でありました!
ある意味ジョゼフって「玉座の革命家」だよな。
ラインハルトとは全然方向性は違うけど革命っぷりはラインハルト以上だ
98 :
ゼロな提督30:2008/08/03(日) 11:06:30 ID:gcUR4Rf5
以上、第30話終了です
これにて、ゼロ魔SSを書く上で作成した二つのプロット
「ウェールズを本当に亡命させてトリスタニア決戦→ガチンコ艦隊戦」
「手紙を政治的に処理したらウェールズが洗脳されて結婚式乱入→策略で解決」
を、全て使い切りました
スッキリしました。
もうネタ切れです御免なさい。新たなプロットは作れませんです、はい
エピローグ・・・う〜ん、これで終わるのがスッキリしてて良いと思うんだけど
でも、色々と後始末を書いておかないといけないような気もする
書くと断言は出来ません
長々とお邪魔しました。では、失礼します
お疲れ、楽しかったですよ!
いろいろと読み飛ばした回があるのでまとめでじっくり読んどきます。
乙ですた。
それぞれのエピソードはみんなの心の中で考えるということかしら(´・ω・`)
乙でした!!!
>>98 再び乙です
確かに作品の根本をカミングアウトしているのだからあれで終わるのが綺麗ですが
私らがその後を知りたいというのは、まぁそこは私らの贅沢な望みという事で
これはEP欲しいなぁ・・・
最後のシメはそして伝説が終わり歴史が始まるで
主役はヤンとルイズなんだから、最後はこの二人で締めてほしいな
>>98 >新たなプロットは作れませんです、はい
今は燃え尽きちゃったんだろうけど、そのうちまた火が付くと見たw
おっと忘れてた!
長編SS完結を祝して
乙!
勝ったんだ、俺は犬神家の一族に勝ったんだ。ちょっと違うかw
提督の人、お疲れ様でした。一応完結(?)おめでとうございます。
書きたいこと書ききった、言いたい事を言い切った、それはよくわかりました。
ただ、作者とジョゼフは満足しているかもしれませんが、
その他のキャラは捨て置かれているような感じもしますので、後日談は欲しいです。
元主役のヤンとルイズの主従の事とか、(今回、どう考えても空気だったし)
タバサの事とか、作者なりの決着が欲しいです。
そして、こっちの世界でも、ブラジャーを普及させてくれる事を願って……あれw
完結おめでとうございます。
なんかガリア王が主役にしか見えないけど、まあいいか。
提督の人GJ!
敵でない時のジョゼフは最高でした。
そしてエピローグは是非に希望します。読者側から見てこれで終わりと言うのは
生殺しにも程がある…!!
何時の間にか主役がジョゼフにww
今回が最終回と言われても違和感ねーwww
>>108 ハルキゲニアでの主役はあくまでハルキゲニアで暮らす人々なのだなぁ、と
いえなくもない
おつかれさまです
本当に、本気で圧倒されました
読者としても、SS書きとしても
>>16 それがどうかしましたか?
だれがどんな作品書こうがいっさい関係無い。
問題は「投下されたSSが面白いか否か」 ただそれだけ
そして彼の作品は我等の心を揺るがしてくれた
我等は他に何も望まない
主役がまだ生きているのに最終回の主役の台詞がゼロって正直どうよ?w
いや、ここで終わらせたい気持ちも凄くわかるんだけどねww
ヤンがジョゼフに召喚されてたらこの終わり方でも違和感ないけど
>>113 ふんぞりかえったり涙目だったりのルイズを支えてる姿が目に浮かんで、
それほど空気とは思わんかった。
乙でした。
>書くと断言は出来ません
い、いや待って!ここで終わりだなんて生殺し過ぎるw
提督氏乙。
すっきりはしてないでしょう。ヤンがルイズに召還されたらって話で最後の最後で出番なし、その後の顛末もなしでは。
ジョゼフの復讐劇だけで終結するのはどうかと。個人的には教皇も好きなので挽回してもらいたいですけれどw
色々大変でしょうがもう少し続けてもらえませんか?
>>98GJ
完結?お疲れ様!
でもこれで終りでシメがないんじゃ画竜点睛を欠くと思うよ?
ルイズとヤンの別れやこれからのルイズの人生の展望、ガリア王とタバサのその後、アンアンやアルビオンの動向とか、まだまだ描き切っていない事が多いと思う。
後書きとか見るとどうも最近は完結に向けて多少駆け足で書いていた印象を受けるし、一応の決着がついたなら細かいことの描写に力を注いでみてはどうか?
>六千年にわたる、愚神を讃える狂宴が終わった。
で、30数余にわたる、駄文を称える狂炎はいつ終わるんだ?
オメーが死ぬまでか、目立ちたがりヤン=提督作者=薔薇乙作者
ウンコするのに努力なんて要らないけど肛門閉める努力はしてほしかったなー
ああ、緩いからだめか、しなねーかなーホント、まじしなねーかなー
>書くと断言は出来ません
お願いだからもっと書いて!って言われたがってるのがみえみえな下卑たお言葉ですね
>>16&119
ガタガタ言うなら文句言われないような作品を自分で書けよ。
以下、cIdSIyToをNGIDで。
提督の方へ
少なくとも、その後どうなったかだけは書く必要があるでしょう。小説という形でなくてもいいから。
常識的には
ヤンとフレデリカは元の世界に戻り、銀河帝国と講和するが、翌年のラインハルトの病死でどうなるかが気になる。
もし「銀河英雄伝説」の原作と違って、ラインハルトに子供が無かったとしたら、ヤンが二代目の皇帝に指名されることも充分有り得る。
ルイズはトリスタニアにて、ハルケギニアと銀河帝国との橋渡し役を務める。
ロングビルことマチルダの運命は、彼女の産んだ子供が男の子か女の子かで、相当変わってきそうな気がする。
聖エイジス32世ことヴィットーリオは退位、マザリーニが次の教皇となる。新教皇は、教団の新たな役割を「人々を救う事」と定め、その実践に全力を尽くす。
ジョセフは王位を娘か姪に譲って引退。自堕落な生活を送って若死にする。
レコン・キスタは解散。洗脳の解けたウェールズが改めてアルビオン国王となる。彼は激しい自己嫌悪に駆られながらも、祖国の再建と発展に全力を尽くす。アンリエッタはその王妃となるが、以後決して表に出ること無くひっそりと暮らす。
ティファニアは正式にアルビオン王家の一員と認められ、父の後を継いでモード大公に任ぜられる。
そんなところでしょう。
100レス以上前の叩きにわざわざ返事返して嫉妬乙とか…
なんでわざわざ荒れるような事するんだ?煽り厨なのか?それとも真性なのか?
作品や作者のことを考えるならスルーしろよみっともない。
乙でした。
読んでる側としては、ヤンが無事に帰還するところまでは見たいものですよ。
『遠足は家に帰るまでが遠足』と言うじゃないですかw
無理にとは言いませんが、やはりエピは読みたいですな。
あえてテファをアルビオン女王にしてみるのもいいかも
血筋的には問題ない訳だし
何よりハーフエルフって立場はエルフと人間の架け橋にするには政治的な都合もよさそう
>もし「銀河英雄伝説」の原作と違って、ラインハルトに子供が無かったとしたら、ヤンが二代目の皇帝に指名されることも充分有り得る。
なぜ帝国を持ってくる
提督さんGJ!!
ジョゼフさん格好良過ぎですwww
このジョゼフは銀英伝の元少将と仲良くなれそうですね。
続きがあるならば楽しみに待ってます、全裸で。
なんなんだあれ、言葉も無い。
結局自分の大好きな銀英の世界観でゼロ魔を否定して蹂躙したかっただけか。
>>123 >小説という形でなくてもいいから。
俺は読み専門だが、プロットを垂れ流されても全然嬉しくない。
……まさか「SS以外の形で」と言ってますか?
提督の人 投下乙
長い間楽しませてもらいました。
最高に乙!!
ジョゼフ・゚・(つД`)・゚・
さすがにこの展開は各キャラのその後を書かないと締まらないと思う
自分が読みたいだけって言われたらそれまでだがwww
「勝ったッ!ゼロな提督完!」
「ほーお、それで誰がこのルイズ・フラ(略の代わりをつとめるんだ…
ってジョゼフさん何やってんの?」
136 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 12:34:40 ID:VyPPGJAz
カステルモールさんはどうなったんだろう
ヤンの皮を被った何かがゼロ魔を否定する妄想
銀英厨もゼロ魔厨もこんなの見て喜ぶヤツはいねー
要するに提督信者は提督厨=薔薇
よーするにオナニーよりも下品なウンコを喰って喜ぶ変態なわけだ
まー、提督作者=薔薇乙女作者=自己投影厨=ウンコ=HENTAI
ともども死ね
>>137 うるさいよ。
でもまぁ一点だけは同意。
>六千年にわたる、愚神を讃える狂宴が終わった。
この表現はひどくないか?
アンアンって結局どうなったんだろ
>>134 読みたいのはお前だけじゃないぞ!
ここまできたらそんな意外な展開とか望んで無いから普通に後日談でいいから
間が空いてもいいから待ってるから…
読みたいですEP>提督の人
最初から今までの感想として…
どのキャラもそのキャラらしく生かされてて秀逸でした。
設定面も上手かった!
確かにヤンだったらこうするよな、とかルイズだったらこうするよな、とか
社会体制や技術力が違うあの国家が出会ったらこうなるよな、とか説得力が抜群だし
とにかくGJッ!!!!
すげえことになってしまった
提督の人乙!
ホントすげーよ、ここまで己の心情をゲロった無能王は他には居ない
愚神を讃える狂宴、ねぇ……
何かが醒める一瞬だった。
>>138 ガリア王の持ってる認識も含んでその表現じゃね?
まあ、確かに注意書きまで封印するような奴だから愚かっちゃあ愚かだけども
蛮人すいませんだし
スッキリしたのはジョセフと作者だけ、てのに同意
このままじゃマンセーできん(´・ω・`)
なんで隔離スレから出てきたやつに一々触るのかのー。
飽きたら肥溜めの仲間とグルーミングしに帰るだろうに。
やっぱり提督の人が来たあとは(いろんな意味で)凄いなぁ・・・
個人的には上から世界を書いている感じがして凄いなぁとは思う。
ならば私は下から書くぞ!という気概。
まぁさておいて、続きが書けたのですよ。
15分からがキリがいいのかな。
支援するお
支援だ!
>>144 zipのpassを書いたtxtをそのzipの中に入れてしまうほどのアホさ加減だな
虚無の力の源=心の闇なら、注意書き封印はうっかりじゃなくてわざとかもしれないけどな
メイジ(系統魔法使用者)を支配階級にすえて、魔法が権威の象徴な制度を作ったのもブリミルなわけだし
その状況で注意書きがちゃんと読めるようにしたら虚無の使い手たちは系統魔法が使えないことに悩むどころか最初から伝説扱いになる
そう考えると暗愚というより邪悪というか、今回ジョゼフに反逆くらったのも、自業自得ではあるな
>>148 降ってきた火の粉を払うのは普通です
払うな、無抵抗でいろってなれるほど誰もお人好しでもないしね
支援
>zipのpassを書いたtxtをそのzipの中に入れてしまうほどのアホさ加減だな
アーカイバーによってはそのtxtだけpass無しで仕込んだり解凍できたりと自在なんだが
各自、雑談をやめて支援に回れ。
これは訓練ではない。繰り返す、これは訓練ではない。
《こちらオメガ11、了解。支援する》
夕日が差し込む練兵場跡地。
タバサとギュスターヴの二人だけがその場所にいた。タバサはレイピアを抜いて構えから素振りを繰り返し、ギュスターヴはそれを見守っている。
初めは剣を持ち歩くのすらたどたどしいものだったタバサだが、熱心な修練によりやっと剣の稽古らしい稽古が出来るようになった。といっても形にはなっているものの、
体躯とのバランスで剣の振り終わりに体がぐらつく。タバサの体とのバランスで見るとどうしても今のレイピアは長すぎるのだった。
懐紙で短剣を拭きながらギュスターヴがタバサを止めた。
「出先だから軽くでいいぞ。教えておきたい事があるから」
「何?」
剣を振るのをやめたタバサの声に、期待がわずかに滲んでいる。
「そんな期待することじゃないぞ。……そうだな、今から教えるのは『技』じゃない。戦闘中、特に一対一でなければ使えない。そんな限定的なものだ」
言うとギュスターヴはタバサの前に立って短剣を緩く構えた。
「打ち込んでみろ。好きなように」
言われたタバサも剣を構える。ギュスターヴはタバサが打ち込みやすいように剣を少し下げると、タバサが大きく振りかぶって切り込んでくる。
ギュスターヴはそれをよく見てから、半歩踏み込む。そして短剣を振った。
短剣とレイピアが交差する。レイピアの切っ先がギュスターヴの胸元をわずかにかすめ、タバサのわき腹にギュスターヴは短剣の腹を優しく押し当てた。
「!!」
直後、切り込んだはずのタバサの体が後方へ大きく吹き飛んだ。
3.4メイル程は弾かれたタバサの体がとさりと地面に落ちる。
「っと、…すまん。怪我はないか?」
「いい…大丈夫」
腰から落ちたタバサはすぐに立ち上がった。軽くしりもちをついただけで怪我らしい怪我はない。
「今のは?」
「うん。相手と自分の攻撃が極めて近いタイミングで重なる時、相手の攻撃を受けつつもさらに踏み込んで自分の攻撃を倍加させて相手に与える。一種の
カウンター効果だな」
言われてタバサは短剣を当てられたわき腹を撫でさすった。軽く押し当てただけで体が飛んだのだ。全力で振り切っていたらタバサなど木の葉を切るように
真っ二つになっていたかもしれない。
「今のを『相抜け』という。利点は相手の出方が判ればこちらから意図的に『相抜け』による攻撃が可能な事。欠点は出方が判らなければ使えないし、
多人数が相手じゃこんなことをしている余裕はないだろう」
「使えない?」
「かもな」
指摘されてギュスターヴがばつ悪そうに頭をかく。
「でも覚えておいて損はないだろう。剣以外でも同じ効果が狙える」
「魔法でも?」
「多分な」
そう言って植え込みの下までギュスターヴが下がり、短剣を収めた。
「じゃ、今のを覚えつつ各構えから素振りを100本」
「わかった」
タバサは脳内で今のやり取りを反芻しながら、黙々と剣を振るのだった。
『襲来!土くれのフーケ』
「まぁーったく。主人ほったらかしてなーにやってるんだか……」
宿つきのバーでかっぱかっぱと水割りワインを飲んで管巻いているのは勿論ルイズである。ワルドは今日朝早くから何処かへ出かけ、タバサはギュスターヴとともに
練兵場で稽古をしている。仕方無しに酒場で酒でも飲みながらぼんやりと過していた。
「あら。婚約者の前で照れ照れしてたくせにそういうことを言うのね」
「ワルドは関係ないでしょ!」
近くのテーブルで花の砂糖漬けを舐めていたキュルケの言葉を砕くようにどん!と手のジョッキを叩きつける。
「関係ないと、本当にそう思ってるの?」
「当然じゃない。ギュスターヴと私は使い魔と主人よ。使い魔なら主人の機嫌くらいとって見せるべきだわ」
「…ルイズ。貴女って前から馬鹿だと思ってたけど、相当あの髭の殿方にほだされてるみたいね」
「何ですって!」
コーティングの溶けた花びらをパクリ、と口に入れたキュルケ。
「ギュスは貴女が思ってるより考えが深くてよ。使い魔だからとか、そういう目で見てると、失望されるわよきっと。…それって、貴女にとっても
あまりよろしくないんじゃないかしら」
「ツ、ツ、ツェルプストーの分際でぇ、わ、わ、私に意見しようってぇ言うの?!」
酒気も帯びているせいか微妙に舌の回らないルイズを見て、キュルケは緩く息を吐いて席を立つ。
「逃げるつもり?」
「今の貴女じゃ相手しても詰まらないから。ちょっと出かけてくるわ」
そしてそのままキュルケは宿を出て町へと出かけてしまった。
ルイズは空のジョッキをバーテンに渡して突っ伏す。
「……それくらい、わかってるわよぉ。バカァ……」
ルイズは、ゼロのままでも必要としてくれているワルドに甘えていたのだ。それはとても甘美で、苦力して疲れているルイズには抗いがたかった。
同時に自分を見捨てずに見守ってくれてきたギュスターヴに対して、裏切りのような暗い気持ちを抱きつつある事も。
「どうしろって、いうのよ……」
夜。
ルイズは部屋でひとりぼんやりと外を眺めていた。月が一昨日よりも重なってなお、明るい。
「どうして、今頃ワルドに会ってしまったんだろう…」
「ワルドがどうかしたのか?」
振り返ると、ギュスターヴがバスケット片手に部屋に入ってきていた。
テーブルにバスケットを置く。
「何しに来たのよ」
「何しにって…そうだな。ここしばらく相手して差し上げなかった主人の機嫌をとりに、かな」
「馬鹿にしないでよ。私が淋しがっているように見えた?残念でした。私には愛しいワルドという人が居て、彼は私を必要としてくれているのよ。使いでのない
中年使い魔なんて、置く場所が無いんだから…」
まくし立ててから、ルイズは一層に暗い気持ちを自分に打ち付けてしまった。なんて意地汚い娘なんだ、自分は、と。
そんなルイズを悟ったのかどうか判らないが、ギュスターヴは困ったように少し笑った。
「…それは要らぬ節介だったな。……そうか。ワルドはルイズを必要だといっているのか」
「…ええ」
バスケットからワインボトルを取り出し、二つのグラスのうち一方に注ぐ。
「…何故だろうな」
「え?」
持ったグラスを揺らしながら話すギュスターヴ。グラスに残る涙を通してルイズを見ているように。
「男と女なら、好いた惚れたは上等。貴族子女の結婚なら、それが無い場合もある。ないならないで、それは割りとはっきりと見せるものだ。よほどがなければな」
「…何が言いたいのよ」
ギュスターヴは空のままのグラスをルイズに渡した。
「…ワルドはルイズが好きだといってくれたのか?」
さて、支援しようか
しえん
し、支援!
「えっ?……そ、そうよ」
ルイズは自信がなかった。ワルドと再会してこの旅の途中、幾度と言葉は交わしたけれど、好きだと言われたわけではない。ただそれらしい言葉を
返してくれただけだからだ。
「…そうか。なら、いいじゃないか。婚約者なら、いずれ結婚するんだろう?」
「多分ね…」
「その時は、俺が祝福するよ。花嫁の使い魔らしくな」
そう言われた時、ルイズの心は淋しくなった。冷たい風が吹き込むように悲しい、冷めた気持ちが広がっていく。
これは、何…?
それが深くて涙が出そうになる瞬間、ふと窓から入っていた月明かりが陰った。
「…何?」
窓を覗いたルイズの視界に、巨大な、巨大な人影が写る。縮尺が可笑しいかのように見えるごつごつとした人影。それは宿の正面からどすどすと地響きを立てて
向かってくる岩のゴーレムだ。その足元にはお世辞にも綺麗といえない格好の男立ちが率いられている。
ゴーレムの肩には、仁王立ちでこちらを見据える女性がいた。その視線がルイズと交わる。
「まさか……『土くれのフーケ』?!」
宿を目指して足元にたむろする傭兵を従えて進むゴーレム。
その肩に当たる部分にはまさしく土くれのフーケが立っていた。その手に杖は、ない。
「あそこを襲えばいいんだろう?」
「そうだ。できるだけ騒げ」
答えるのは『フライ』でフーケの隣を浮遊している仮面の男だ。
彼は昨日、フーケに雇わせた傭兵の残りを率いて『女神の杵』亭を襲うことを決めたのだった。
「あまり荒事は好きじゃないんだけど、この足の分は働く約束だしね。それに…」
「なんだ?」
「あの貴族の小娘どものせいで、こんなはめになったんだ。お礼参りくらいはさせてもらっても罰はあたらないさ」
「ふん。好きにしろ」
急いで階下のバーに下りたギュスターヴとルイズだが、一階には既に矢玉が飛び込んで大騒ぎになっていた。
傭兵達が打ち込む矢をかわすためにテーブルを倒して盾にし、矢のお返しとばかりに魔法を放っているワルド、キュルケ、タバサ。
他の客も中には同じように応戦をしているメイジもいたが、多くはテーブルの影にうずくまって震えている。バーテンもカウンターの下に引っ込んでいた。
「ルイズ、ギュス!」
「皆無事みたいね」
身を低くしてテーブルの裏に集まった。
「この前の夜盗の残りかしら」
「さぁな。しかし率いているのはフーケだ」
「フーケ?!牢獄に居るはずじゃないの」
「誰かが逃がしたらしいな。となると、狙いは俺達だろう」
「諸君、ここは二手に分かれた方がいいだろう」
ワルドが羽帽子を押さえながら答える。
「僕らは急ぎアルビオンに向かわなきゃいけない。ここで囮になるものが必要だ」
「じゃ、私達がやらせてもらおうかしら、ね。タバサ」
頷くタバサ。
「キュルケ。あんた…」
「誤解しちゃ駄目よルイズ。ここらであのうるさい年増とも決着をつけたいだけよ。『破壊の杖』の時は、ギュスが相手してくれたしね。だからさっさと
アルビオンでやることやって、帰ってきなさい」
「わ、わかったわよ…」
ワルド、ルイズ、ギュスターヴの三人は、その場にキュルケとタバサを残し、バーから裏手の厨房へ抜け、厨房の裏口から外へと脱出した。
月明かりの中、先頭を切るワルドを追うように走るルイズとギュスターヴ。
振り向けば、『女神の杵』亭から煙と爆発音が沸きあがった。
「始まったみたいね…」
「急ぐぞ、ルイズ」
ギュスターヴの声で、ルイズは前を向いて走った。
無事に脱出できたらしい三人を見送ったキュルケとタバサは、再び矢玉が飛び込んでくる出入り口を見た。
「さて、どうしようかしら?タバサ」
「待ってて」
言うとタバサは這ってテーブルの影を進み、カウンターの下でうずくまっていたバーテンに話しかけた。
「ここで一番強いお酒は何?」
「へ?!あ、あの。ご注文ですかい?」
「いいから持ってきて。今、必要だから」
有無を言わさぬタバサにバーテンは半べそをかきながら地下の酒庫扉を開けて潜り、暫くしてなにやらラベルの剥げかけたタルを押して持ってきた。
「うちで一番強い、ブランデーの50年ものでさ。ゲルマニアの北方で飲まれるやつで、産地でも真冬じゃこれ一口で一晩暖かく過せる代物ですよ」
商売人らしくこんな時でも商品説明をするバーテンを無視して、タバサはタルを持ってテーブルの影に戻った。
「これを使う」
「あら、ちょっと勿体無いわね」
タバサが戻ってくるまで、なんとキュルケは化粧を直していた。
持ち出されたタルの栓を開け、栓に染み付いた芳香に頬を緩めるキュルケ。
タバサは栓の開いたままのタルを『レビテーション』でふわり、と浮かせた。
「それじゃ、無粋な盗賊と殿方たちに、一口おすそ分けねっ!」
浮いたタルがボールを投げるように弧を描いて傭兵が詰め寄る出入り口に投げ込まれ、空かさず『エア・カッター』を繰り出して宙を舞うタルを切り裂いた。
箍が切れて中の酒をばら撒くタルに向かって、キュルケが『フレイム・ボール』をぶつけると、火のついた酒が炎の波となって傭兵達を飲み込んだ。
頭から炎を被った傭兵達は悲鳴を上げながら外へ飛び出していく。
「ふふふ。お口に合わなかったみたいね」
出入り口や外へ向かって燃え広がった炎に照らされるキュルケ。火に炙られてその瞳が一層に潤いを湛えている。
外はゴーレムの上で傭兵達をけしかけていたフーケだが、鋒鋩の体で傭兵が逃げてしまうと舌を鳴らして顔をゆがめた。
「けっ!所詮傭兵なんてこんなものか」
「俺は逃げた連中を追う」
「好きにしな」
いうと仮面の男は『フライ』で飛び上がり、何処かへと消えてしまった。
フーケが眼下の宿を睨むように見下ろす。
「さー…あの端正な顔をぐちゃぐちゃにしてやるよ!」
フーケの一声でゴーレムが振り上げた足を宿屋の出入り口へ踏み下ろした。
キュルケとタバサの視界に出入り口を粉砕した巨大なゴーレムの足が広がっている。
「さて、次はあのおばさんをどうにかしなくちゃね」
そう言っている間にもゴーレムの足が揺れ動いて宿屋を削るように壊していくのだ。
タバサは散乱するバーを見渡すと、捨て置かれた木の丸テーブルに手をかけて外に向かって転がした。
タバサの目を見たキュルケは、転がっていくテーブルの影に入って店の外へ抜ける。
「逃げるんじゃないよ!」
それを見逃すフーケではない。ゴーレムの拳が振り下ろされ様とした時、宿の脇から飛び出したシルフィードが視界を遮った。
「この、またこのドラゴンか!」
きゅい、きゅいぃー!と鳴きながら、時たま拙いブレスを吐いてゴーレムの動きをけん制するシルフィード。
ゴーレムの腕がシルフィードを捉えようと空を掻いていると、ヒュン、とフーケの足元を何かが掠めた。
キュルケと同じく外へ脱出したタバサの『エア・カッター』である。
「ちぃ!」
足元のタバサをゴーレムで踏み潰そうと足を上げた、その時。
「上がお留守よ、オバサマ?」
キュルケが遥か上空から「落下しながら」フレイム・ボールでフーケを狙った。
キュルケはタバサとシルフィードがフーケの注意を引いている間、少し離れた場所から『フライ』で上空へと上がったのだ。
通常『フライ』で昇れる高度は精々30メイルから50メイルの間である。それは上昇速度などの兼ね合いからであるが、今回キュルケは時間をかけて高度100メイルまで
『フライ』で上昇したのだ。
上昇してから『フライ』をやめて『フレイム・ボール』の詠唱に切り替えると、当然地面へと落下してしまうが、地面に着くまでにわずかであるが時間が出来る。
その時間と落下による加速を利用した作戦だった。
落下加速がついた大火球は寸分たがわず真上からフーケに命中し、足を上げていたゴーレムは糸が切れたように膝を落とした。
すぐさまタバサの指笛でシルフィードが落下するキュルケを掬い取った。
「ふー、ありがとう、シルフィード」
きゅいーと一鳴くシルフィード。そしてタバサの傍へと降り立つ。
「これでもう大丈夫よね、タバサ」
「多分」
「もう、心配性なんだか…ら…?」
二人の目の前で徐々に形を崩すゴーレムだった岩の山。その頂で燃えている人型は、よろよろとよろめきながらも『立っている』
そしてよろめく火の玉は、一度腰を落とすと岩の上から跳び、身体を反転させて飛び込んできた。
「究極!サウスゴータキィィック!!」
フーケの叫びとともに火の尾を引くフーケがとび蹴りを放って吶喊してきたのを、キュルケとタバサは『偶然』かわすことが出来た。
地面に到達したフーケの蹴りは大地をがりがりと数メイルに渡って削り取り、やがて止まった。
体から煙を上げながらも両足で地面に降り立つフーケの顔は、荒ぶるドラゴンのように烈としている。
「い、生きてる?!」
「こんな事で私は死にはしないんだよ!」
一足でキュルケの懐にフーケが飛び込んできた、そして繰り出された蹴りがキュルケの手元から杖を弾く。
「きゃ!」
「さっきはよくもやってくれたねぇ。お陰で大事な一張羅が台無しだ」
怒りで顔をゆがめるフーケ。煤に塗れたローブを脱ぎ捨てると、胴着のようになっている衣服が現れる。その両手にも、懐の如何なる部分にも杖らしきものはない。
「貴方…杖を持っていない?」
「それがどうしたのさ?貴族のお嬢さん!」
後ずさっていたキュルケに迫るフーケ。その中段蹴りがキュルケの鳩尾にめり込んだ。
「あぐっ!」
しなやかなキュルケの腹部を蹴り抜いて。肉のメリメリという音が聞こえる。
蹴り飛ばされたキュルケは4.5メイルは吹き飛んで地面に落ちて、気を失った。
「さて、次はおまえだよ…」
その殺意の篭る目でタバサを見るフーケ。
タバサは杖を振って『エア・カッター』を繰り出す。
「無駄だよ!」
言うとフーケの前に地面から壁がせり出して『エア・カッター』を弾いた。そして壁はまた地面へと沈んでいった。
「『岩壁』【ロック・ウォール】…魔法を使っている?」
「不思議かい?青いおちびさん…お前も蹴り殺してやるよ!」
ダッシュして間合いをつめるフーケ。その上段蹴りがタバサの頭部を狙うが、とっさにタバサは杖の頭で側頭部に迫るフーケの足を受け止めた。
ピンと蹴り足を伸ばしたまま感心するフーケ。
「ほぅ…ちょっとは持ちこたえられそうだね。でも、まだまだだよ!」
風を切るように素早く繰り出されるフーケの連続蹴りを杖で受け捌くタバサ。しかし体格差によって徐々に追い込まれる。そんな
タバサを見かねたシルフィードが低空で二人の間に割って入ろうと飛び掛っていく。
「邪魔するんじゃないよ!」
また地面から今度は円錐状の岩が飛び出し、シルフィードの進路を塞ぐ。シルフィードは急上昇してそれをかわしたが、岩の先を柔らかなお腹を掠めた。
タバサがその隙に間合いを取って構える。
「『石槍』【グレイブ】…貴方はどこかに杖を持っている」
「それがわかったとして、どうするんだね」
間合いが取られて対峙する二人。
タバサははっと何かに気付いたように目を開くと、背中から剣を抜いて、握る。
「おやおや…今度はその剣で勝負するつもりかい?」
左に杖、右に剣を持ったタバサに、フーケがじりじりと間合いを詰めていく。
徐々に距離を殺していたフーケに、タバサが杖を捨てて飛び掛った。
フーケも水平に飛んで中段蹴りを放つ。
タバサはそれを見てからレイピアを横なぎに振るった。二人の攻撃点が重なる。剣先が滑る様に動いて、フーケの右脛に食い込んでいく。
「っ!!」
タバサの鳩尾にフーケの足が食い込む。もとより軽いタバサの体が弾き飛んだ。
しかしタバサの剣は振り切られている。その剣先はフーケの右足を両断し、足先をなくしたフーケは蹴りの着地が出来ず無様に倒れこんだ。
「あうっ!…足!足ぃ!私の足がぁっ…」
フーケの切られた足からは、血の一滴も流れていなかった。
倒れたフーケは残りの足と両腕で這うように動き、なくした片足を捜している。切り落とされた足先には魔法の杖に使われる木材の光沢が見受けられた。
土くれのフーケと呼ばれた女盗賊の両足はその実、巧妙に作られた魔法の義足に成り代わっていたのである。
「ちっ…今日の所は、この辺が潮時か…」
苦い顔をして拾った足を断面に『繋ぎ』、『フライ』で逃げるようにフーケが遁走した。
上空で旋回していたシルフィードは降下してタバサの前に下りる。舌先で倒れたタバサの頬を舐めた。
「……シルフィード…?」
か細いタバサの声にきゅい!と鳴く。
タバサはよろよろと起き上がると剣と杖を拾い、遠く倒れているキュルケに駆け寄った。
倒れたキュルケは動かない。タバサは険しい顔でキュルケの肩を揺すった。
「…キュルケ、キュルケ」
「……タバサ?」
キュルケは腹部の痛みに顔を引きつらせながら目を覚まし、ゆっくりと身体を起こした。
「大丈夫?」
「馬鹿ね。貴女もボロボロじゃない…」
「私は平気……いつものことだから」
「そんなこと、言っちゃ駄目よ…」
小さなタバサに肩を借り、近くに落ちている杖を月明かりの中で拾う。
「とりあえず…囮にはなれたかしらね」
「多分」
宿を襲った傭兵もフーケも退散し、何事かと周囲から人が集まっている。
「まず、宿に戻りましょ…頑張りなさい、ルイズ。それと」
見捨ててあげないでね、ギュス。
言葉を呑んでタバサとともに歩いていくキュルケだった。
しぇん
は、早い、早すぎるよ!
支援が間に合わ
しえん
投下終了。
ギーシュがいないからちょっと頭を捻ったよ。
小ネタは、まぁ、色々な今後の展開の(小ネタ的)伏線でもありetc
展開が遅いのは勘弁ですねー・・・。
必殺技じじゅうw
アルビオン関係者がいたら正体がばれるところだぜ…
鋼の人乙!
投下が早いのは良いんだけど、早すぎて読んでたら支援が間に合わなかったぜ!
さるさん対策もかねて、1レスの投下間隔は1,2分開けた方がいいかも。
>投下間隔をあける。
どうもo(´□`o)ぽんぽん!と投下すると良くないみたいなので今度から心がけますです。はい
提督の作者様へ。
最終話ですが、使えるプロットが有ると思います。
半年後、病に倒れたラインハルトが、治療法を求めてハルケギニアにやって来る
ところから始めれば良いのでは。
提督の人は薔薇乙女のひとだったのか
その筆(キーボード?)さばきに燃え尽きるかの如き嫉妬
なによりも、長編と称される長さで、途中で投げ出された作品がネットにはどれほど溢れ返っていることやら
そういう意味では完結されただけでも賞賛に値します。
ただ、できればきちんと閉めてほしいナァ
お疲れ様でした
鋼の人、乙したー。
原作を見る限り、この頃のルイズってぇのは「自分が一番可愛い」んですよね。
ワルド様とはいちゃいちゃしたい、でも使い魔が自分に構わないのもムカツク、という。
ギュス様はサイトと違って大人ですが……さてはて。
提督の人も乙でした。
ずっとジョセフのターン! でしたね(苦笑
確かに本編のエンドとしてはこれ以外にないと思います
(すいません、正直言って薔薇乙女の終わり方は打ち切りくさいなーとか思ってました)が、
他の人も言うようにエピローグが欲しいところです。
筆が乗れば、是非「伝説が終わり、歴史が始まる」過程の一ページを。
1ヶ月後、そこには顔の傷も心の傷も癒え元気に走り回るジョゼフの姿が!
>なによりも、長編と称される長さで、途中で投げ出された作品がネットにはどれほど溢れ返っていることやら
まったくだな(10Pに満たないものの数の多さを見ながら)
ううっ…続きが読みたいのに1年近く更新されぬ悲しさよ
まるで某ラノベのようだ
>>178 突然消失したり暴走したりするラノベですね。分かります
提督のジョゼフは最高に良かった
しかし、教皇にからんでる姿がクマーのAAを思い出して笑い死にしかけたwwww
流れが落ち着いたね。
ここらで北野君ネタを落としても良いだろうか。
今回の主役はタバサだが。。。
進路、空いてますか? これより10分後SSを投下開始を予定します
クロス先は申し訳ありませんがネタばれ保持の為、有名4コマとだけ表記させて頂きます
繰り返します、これより10分後SSを投下開始を予定します
183より 進路に先に投下予定の機影を確認しました 投下を延期し、支援に回ります
>>182 北野!北野!北野が来たぞ!北野君のお通りだ! 支援
>>183 カブってしまわれたようなのでしばしお待ち願えますか?
それにしても今日は豊作だな
被ったか…?
187 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 14:20:04 ID:xhgkPvm6
提督の人 乙 !!!
鋼の人 乙!! 支援!!
<<this is control tower,JT2182, 10km to touch down, over.>>
あらすじ
これは北野誠一郎くんが召喚してまだ日がなかった頃のお話。
登場人物
ルイズ:北野誠一郎の召喚者(マスター)。今回はあんまり出番がない。
北野誠一郎:ルイズに召喚された使い魔(サーヴァント)悪魔のような顔と天使のような
純粋な心を持った男子高校生。
タバサ:ルイズたちと同じ学院に通う女子生徒。基本的に大人しい性格だが、その実力
は…。
プロローグ
昼下がりの魔法学院。
「こことこの文章が繋がる」
「なかなか複雑だね」
「慣れれば大したことはない」
青い髪をした少女が、悪魔のような顔をした少年に本を見せつつ文字の
読み方を教えているようだった。
その様子を少し離れた場所から見つめている桃色の長い髪の少女。誠一郎
のマスターでもある彼女、ルイズ・フランソワーズは隣にいた褐色の肌の女子
生徒につぶやく。
「タバサと誠一郎って、あんなに仲が良かったっけ?キュルケ…」
「そうねえ、なんかいつの間にか仲良くなってたっていうか」キュルケと呼ばれる少女
は、ルイズと同じように二人の様子を眺めながら言った。
「タバサのことだから、最初から誠一郎の本質を見抜いていたんじゃないの?」
「そんなことないわよ」
「え…?」
「少なくとも誠一郎がこの世界に来たばかりの頃は、かなり警戒してたわ」
「警戒?そんな風には見えなかったけど…」
「私、あのコとは付き合い長いからわかるの。アンタは誠一郎につきっきりで気付かな
かったでしょうけど」
「そうなんだ」
「なんか、きっかけがあったのかしらね」空を見上げながら、何か独り言のように呟くキュ
ルケ。
「きっかけか…」
ルイズは、キュルケと同じように空を見上げた。
最「恐」の使い魔3
〜氷の中の少女〜
暗がりの中で囲まれた。人数は六人、いや八人か。手には槍や剣、それに弓矢などの武器
を持った者ばかりだ。
何日か前、魔法使い(メイジ)含む複数人の盗賊が出没するとの報告を受けたガリア王宮政
府がタバサをこの場所に派遣した。たった一人。でもタバサにはそれで十分だった。むしろチー
ムワークなどという面倒なことはいらないと彼女は常々思う。彼女の実力に合わせられる戦士
は、少ないからだ。
「ふざけやがって、こんな子供に何ができるってんだ?」
「バカ野郎、こいつはガリアのメイジだぜ。警戒しろ!」
「撃て!撃て!」
支援
一見するとまるで普通の少女のような外見のタバサに対して、盗賊どもは一斉に矢を放
つ。よく見ると光を帯びたその矢は、明らかに魔法がかかっている。矢の軌道をすべて見
きったタバサは、身を翻してそれをかわすと、素早く呪文の詠唱にうつる。
「魔法を出させるな!一気に潰…」盗賊の一人がそう言おうとした瞬間、彼の両足は凍って
おり、バランスを崩したそいつは転倒した。
「化け物か…」次々に倒されていく盗賊の仲間を見ながらリーダー各の男がつぶやき、そし
て自身も詠唱に入る。
貴族崩れの下衆。タバサはそう心の中でつぶやくと素早く氷の矢を放った。
「ふぐっ!」間一髪のところで炎の壁を作ったその盗賊の頭目は素早く反撃のための魔法
を繰り出そうとするも、タバサはその前に攻撃魔法をねじ込んでその動きを封じた。戦う相
手の考えや動きは、手に取るようにわかる。それが彼女の自信にもなった。
*
「悪魔だあああ、ルイズが悪魔を召喚したぞおお!」
タバサの平穏が乱されたのは、留学先のトリステイン魔法学院で二年生の春に行われる
使い魔召喚の儀式からであった。タバサはここで、見たこともない生物に出会うことになる。
同じ学校で学ぶヴァリエール家の三女、ルイズ・フランソワーズが召喚した使い魔(サー
ヴァント)。北野誠一郎と名乗るその使い魔は彼女がこれまで見たこともないような生物、いや、
生物であるかどうかすら疑わしい外見。
彼女はこれまで大抵のメイジや戦士たちの戦闘力をその眼力で見抜くことができた。何度も
戦闘を経験してきたけれども、その眼力には絶対的な自信があった。故に彼女はこれまでも
生きてこれたのである。
しかしあの使い魔、北野誠一郎に対してだけはその眼力が通用しなかった。
わからない。あの使い魔の実力がわからない…。タバサは一度気になりだすとそれを確かめ
ずにはいられない性質であった。一見大人しそうな外見は何事にも興味のないような雰囲気を
持っているけれども、それは抑えきれないほどの探究心から自身を守るためにほどこした壁の
一つである。
彼女は密かに北野誠一郎の観察をはじめた。誠一郎のマスターであるルイズは、「彼は普通
の人間なの」と言っていたが信じられるものか。私は自分の確かめたこと以外は信じない。タバ
サは常にそう思っていた。
ある日、彼女は学院の廊下で北野誠一郎とすれ違う機会を得た。間近で誠一郎を観察する機会
はあまりないので、このさいだからじっくり見てやろう、と思いよそ見をするふりをしながら彼の動き
に全神経を集中させた。魔力を持っているようには見えない。しかしなぜか人を寄せ付けないオーラ
のようなものは感じる。でも強いのか?体は特別に鍛えているようには見えないし、脚なんかも細い。
今、体重の乗っているほうの脚を払えば簡単に…。
次の瞬間、北野誠一郎はタバサの顔のすぐ前で拳を握っていた。
「危なかった、もう少しでやられてしまうところだったよ…」誠一郎はそうつぶやくと、またどこかへ歩い
ていった。
私の殺気を感じた…?
確かにその時タバサは、自分が北野誠一郎を攻撃するとどうなるだろう、と考えていた。けれども
それは、相手に反撃されることを前提とした考えだ。にもかかわらず、彼女は誠一郎の動きに反応
できていなかった。
あの拳が止まっていなければ、私はやられていた…。愕然とするタバサ。今までどんな多くの敵と
対峙しても恐れることのなかった彼女がはじめて感じる恐怖。恐怖はあの時から、自分の感情を捨て
てただ強くなろうと決意したあの日から忘れていると思っていた。しかし違った。
脚が、震えている。
ゼロの提督がなくころに〜罪滅ぼし編〜完結!!
あとは「悪魔の脚本」のTIPSを見なきゃね!\(^o^)/
心の蔵の音が耳元で鳴り響く。妙に汗も出る。
この学院では、教師たちを除けば自分に勝てる者は一人もいないと思っていた。事実彼女
の魔法の実力はずば抜けたものがある。にもかかわらず、正体不明の使い魔に対して
彼女は恐怖していた。
恐怖は無知からくるものが大半。真実を見てしまえば解消する。タバサは大きく息を吸い、
心の中で自分にそう言い聞かせた。
確かめなければ、北野誠一郎の実力を…。
*
廊下で数少ない知り合いに会った北野誠一郎は、声をかけた。
「ねえねえ、ギーシュくん」
「は、はい。なんっすか北野さん」やや緊張した面持ちでギーシュが答える。
「そこの窓、ちょっと開けてほしいんだ」
「はい」ギーシュは素早く窓を開けた。
すると誠一郎は窓から手を出し、握っていた右拳をゆっくりと開いた。掌から大きな蜂が飛び
立っていった。
「蜂、ですか」
「うん、今さっき女子生徒の目の前を飛んでたんでね。危ないから捕まえたんだよ」
「素手でつかんであぶなくないっすか?」
「え?夢中だったんで気がつかなかったよ」
「蜂なんてその場で殺しちゃえばよかったのに」
「そんな事をしたらかわいそうでしょう?」
北野さんって、残忍そうに見えるけど実は、自然とか生き物を大切にする魔王なんだな。と
ギーシュは思った。
*
北野誠一郎は常にマスターのルイズ・フランソワーズと行動をしている。マスターとサーヴァ
ントなのだからそれは当然なのかもしれないがしかし、誠一郎の実力を調べるためにはマス
ターの存在は邪魔であった。決闘は一応禁止されている。タバサは入学以来、不良性と相手
に数々の決闘をこなしてきたけれども、それは学校側に見つからないように密かにやった行為
であり、相手側もそれで納得しているから通報されることもない。
もちろんわざわざ決闘をする必要はない。ただ北野誠一郎の実力がわかればそれでよいの
だ。タバサは自分にそう言い聞かせて機会を待った。彼が、誠一郎が一人になったとき攻撃を
しかけてみる。実際に魔法に対する反応を見たら、その実力もわかるはずだ。
そんな機会は、意外にも早く訪れた。
北野誠一郎は毎朝マスターの服や下着などを洗濯する。早朝なら目撃者も少ないだろうから、
攻撃するにはうってつけだ、とタバサは考えた。そして翌日、いつもより早く起床したタバサは、
攻撃用の杖を持ち北野誠一郎の出現を待った。
足音もなく歩く北野誠一郎。まったく気配を感じさせないその動きは、まるで幽鬼がただよって
いるようでもあった。手には洗濯物を入れた桶を持っている。
彼女は前日に、誠一郎の通りそうな場所を予想して魔法地雷を仕掛けておいた。といっても、
戦場で敵の手足を吹き飛ばすような正規のものではなく踏めば強い光が出る程度の魔法である。
それでも牽制には十分だ。
しかしなぜか、誠一郎は魔法地雷のある場所を踏まない。絶妙なバランスで中庭を横切る彼の
動きは、まるでこちらの仕掛けた魔法を見抜いているようでもあった。
やはり並の悪魔ではなかったか…。そう心の中でつぶやいたタバサは、杖を強く握った。
こうなったら実力行使しかない。
タバサは素早く攻撃魔法の詠唱に入った。相手の実力がわからない以上、並の魔法を使えば
こちらがやられる。実戦の中で学んだ教訓を胸に、タバサは特別強力な氷魔法を放つ。
もっとひどくなるとな、佐藤某症候群っていう病気も出てくるんだぜ……
<<イマジェンシッ シエーン シエーン>>
「あれ?なんだこれは」
不意に間の抜けた声がしたと思ったら、誠一郎は身をかがめる。
なに!?
誠一郎の体のすぐ上を複数の氷の槍が通りすぎていく。
私の魔法を、かわした…?
ショックを受ける間もなく、タバサは次の戦闘態勢を整えなければならなかったが、悪魔
はこちらの動きに気がついたようだ。
「やはりこの程度の不意打ち、あなたは見抜いていたようね」タバサは誠一郎の前に歩み
出ると、そう言った。
「・・・」無言でこちらを見つめる悪魔。
「こうなったら正々堂々とやりましょう」そう言って彼女が杖を構えたとき、
「誠一郎、こっちの下着もついでに…、きょえええええ!!!」
「は!」
北野誠一郎のマスター、ルイズ・フランソワーズが中庭に仕掛けておいた魔法地雷を踏ん
だらしい。
しまった、地雷を解除するのを忘れていた。しかも強い光だけを出すつもりだったのに、
少し爆発している。でもまあいいか、ルイズだし。そう思ったタバサは誠一郎に向けて言う。
「邪魔が入った。この決着はいずれつける」そう言うとタバサは素早くその場から立ち去った。
誰も見えなくなったところでタバサは大きく息を吸った。そして変な汗をかいてしまったので、
ポケットに入れていたハンカチーフを取り出し、汗を拭こうとしたものの、そのハンカチーフは
なかった。
変だな。昨日入れたはずなのに…。
*
「なんなのよこれは…」軽い爆発ではあったが大きな怪我をしなかったのは、いつも自分の
魔法で爆発には慣れているためか。そう思いつつルイズは立ち上がる。
「ルイズちゃん、大丈夫?」
「平気よ誠一郎、このくらい。それより、この洗濯物もお願い」彼女の右手にはボロボロになった
下着らしきものがあった。
「うん、わかったよ」
「あれ?その手に持っているもの何?」ルイズは誠一郎の手に持っているものを指さして言う。
「あ、ハンカチのようだね。さっき落ちてたの拾ったんだ」
「それあなたの?私、そんなの持ってないわよ」
「うーん、僕のじゃないよ。誰かが落としたのかな」
*
その日の夕刻、タバサは親友のキュルケに頼んでルイズを別の場所に連れて行ってもらい、
北野誠一郎を一人にさせた。
「ああ、私もそんなことやってたわねえ」などとニヤニヤしながら言う親友の言葉は、何か別の
ことを考えているようでもあったけれど、今はそんな事を気にしている場合ではない。
「北野誠一郎…」
「は、はい」
中庭に一人たたずむ彼の前にタバサは立った。夕日に写る誠一郎の顔は、一段と怖さを増し
ているようにも見える。
「ちょっと、付き合ってほしい」タバサがそう言うと、彼女の背後に彼女の使い魔である風竜の
シルフィードが砂塵を舞い上げながら降り立った。
きょえええええww
支援
森の中に少し開けた場所がある。そこには木々や草がなく、広さもちょうど良い。何よ
り人に見られないというのが好都合だ。
「朝は邪魔が入った。ここで決着をつける…」そう静かに言い放つタバサ。
「決着…?」
とぼけた声を出す悪魔にタバサは苛立ちをおぼえた。いい加減に本性を現してほしい。
「そっちが行かないならこちらからいく」そう言うとタバサは杖をかかげた。
「うわ!なに?」
複数の光の玉が誠一郎の周りで爆発する。
タバサ自身、爆発の魔法はあまり好きではないのだが確実に葬り去るには爆発ものが
一番であることを悪魔のマスターであるルイズから学んだ。
「きええええええ!」
走って逃げようとする悪魔の前に氷の壁を作る。ここで逃がしてなるものか。この男が
実力を出すまでは逃がさない。
「さあ!あなたの実力を見せて頂戴」
「実力って…、なに?」
「まだとぼけるの?」
タバサは氷を混ぜた竜巻を起こして誠一郎にぶつけた。しかし間一髪のところでそれを
かわす悪魔。
やはりタダものではない。
魔法の命中率には自信のあったタバサだが、こう簡単にかわされてしまう事態に彼女の
プライドはえらく傷ついた。
「くっ…!」
彼女はこれまでよりも一段レベルの高い魔法を繰り出す。誘導魔法。どこまでも敵を
追いかける魔法だ。敵の殺気に反応するその魔法は、非常に難易度が高い。
「スネークアロー!!」蛇のように素早く、そしてしつこく追いかけまわるその魔法を放つ。
「きえええええええええ!!!!」
再び怪鳥のような声が森に響き渡り鳥たちが一斉に飛び立った。
「これで、終わりね」タバサが誘導魔法にさらに魔力を注入した。
しかしその時、魔法を避けようとした誠一郎がこちらに向かってきているのが見えた。
「きええええええええええ!!」
彼の背後には、タバサが自分で放った魔法の矢が複数追いかけてきていた。
しまった…!
誘導魔法は相手の殺気に反応する。つまり、自分自身にも反応するリスクをも伴っている
のだ。
まずい。タバサは素早く防御魔法の詠唱に入ったが、それよりも早く目の前に北野誠一郎
の姿があった。
間に合わない!!
タバサは基本的に接近戦を苦手としていた。杖も接近戦に合わせたコンパクトなものでは
なく長いものを使用している。ただし、並の相手なら彼女に近づく前にやられてしまうだろう。
そう、並の相手ならば。
投下しようと思っていたら元ネタが被っていたのでどうしようか支援
次の瞬間、タバサは誠一郎の肩越しに自分の放った光の矢を見た。そして、その矢は森
の木々を次々になぎ倒してどこかへ飛んで行ったようである。
「…は!」
冷静になって状況を把握してみると、今自分は北野誠一郎に両腕で強く抱きしめられて
いる状況であることに気がついた。まずい、これはまずい。いつの間にか杖が手から離れて
いたので、魔法も使えない。
「ご、ごめん…!」なぜか急に体を離した悪魔は、懐から何かを取り出した。
「…!」タバサは相手から目を離さずに素早く自分の杖を取ろうとしたが、杖は離れた場所に
転がっていた。
まずいまずいまずい…!
目の前が真っ暗になった気がした。
お母様。救ってあげられなくてごめん…。
そう思い目をつぶろうとした時、彼の、北野誠一郎の手には見覚えのあるものがあるのに気
がつく。
「これは…」
タバサが母親からもらったお気に入りのハンカチーフ。今朝なくしていたものだった。
「中庭で拾ったんだ。君、僕がこれを盗んだと思ったのかい?」
北野誠一郎は、こちらをまっすぐ見つめてそう言った。
「私の…」
「君のだったんだね。返すよ、ほら」
そう言って誠一郎はタバサの手にハンカチーフを握らせた。
「あなた…」
「ん、なに?」
「本当に普通の人だったの…?」
「…そうだよ」
その後、タバサは少しの間誠一郎のことを聞く。誠一郎、というよりも他人とこうやってじっくり話し
合ったことなど久し振りだとタバサは思う。
彼の元いた世界のこと、家族のこと、好きな食べ物、趣味。こうして話を聞いていると、違う世界
の住民ということだけで本当に普通の少年だった。彼の戦闘力が推し量れなかったのは当然で
ある。彼には戦う意思がないのだから。しかも彼は、勘違いで攻撃をしかけてきた自分の浅はかな
行動を笑って許してくれた。その優しさはもはや天使としかいいようがない。人が良すぎる。これで
は悪いやつに騙されてしまうかもしれない。
ああ、そうか。だからこそ彼のマスターであるルイズは、彼の世話を焼くのか。
タバサは自分の中にある氷が解けるような気がして少し嬉しくなった。
日も陰り始めた森の中、そろそろ帰ろうと思った時…、
「危ない!」
無意識のうちにタバサの体が動いた。
「タバサちゃん!?」
誠一郎を庇おうとしてタバサの左肩に矢が刺さった。それもただの矢ではない。
ぐっ…、毒か。
矢には毒が塗られていた。それも特別なもの。そう、魔法の力を弱めるための毒だ。解毒の魔法は
使用可能だが時間がかかる。何より解毒をしている最中に無防備になってしまう。しかしそれより何
より…。タバサは誠一郎の顔を見た。明らかに動揺している。それはそうだろう。目の前で人が矢に射ら
れて驚かない者はいない。
敵の殺気が近づく。少なくとも十人はいる。
今まで誠一郎に気を取られていて、周囲の警戒を怠っていた自分を激しく悔いた。
せめて彼だけでも。
混濁しはじめる意識の中で、タバサは立ち上がる。
「だ、ダメだよタバサちゃん!矢が刺さったままだよ!」
「大丈夫。この程度の矢、平気」
余計心配させると思い毒のことは口に出さなかった。
>>199 イイジャンyou投下しちゃいなyo!
間に
>>183の人が入るから平気だと思うze!
そして支援
「くる…!」
「ザマないな。『雪風』」
皮の鎧を着た男。盗賊の類か。見覚えはないが、その声は明らかに自分を知っているよ
うな口ぶりだった。
「以前、俺の仲間が世話になったらしいな」
かつてガリアで退治した盗賊一味か。
「兄貴の仇を討とうとトリステインまで来てみたが、好都合だった。こんな場所で男と密会し
てくれるとはな」
「ぐ…」
「効くだろう?メイジ殺しのために開発された毒薬。お前には賞金がかかってるからな、すぐ
には殺さねえよ」
気がつくとすでに囲まれていた。すぐに脱出したかったが毒がまわって上手く動けない。
何より、誠一郎をおいて逃げるわけにはいかない。
「ほう、この毒矢をくらってまだ立てるか。だが立っているだけが限界のようだな。撃て!」
リーダーらしい男がそう言うと、タバサと誠一郎に向かって一斉に矢が射られた。
「ふんっ」タバサは杖を振って風を起こし、すべての矢をなぎ払った。
「まだそんな力が残っていたのか。だが時間の問題だ。顔色が悪いぜ」
手に剣や槍を持ちじりじりと距離を詰める男たち。
遠くに避難させておいたシルフィードを呼ぶ間もない。
でもせめて誠一郎だけでも…。
「きえええええええええええええ!!!!」
「ぬわああ!なんだこいつは」
「落ち着け!そいつは顔が怖いだけで普通の…うわああああ」
「おい!今人が飛んだぞ」
「こいつメイジか」
「バカな!こんな魔法見たことねええ」
「こっちくるな…」
「うわ!逃げ…」
「ああ」
薄れゆく意識の中で、タバサには数人の盗賊が空に浮き上がっている姿が見えた。
あんな風に人が吹き飛ぶなんてありえない。
ああ、そうか。私は死ぬのだ…。そう思いつつタバサは瞼を閉じた。
死というものを怖いと感じたことはなかった。
むしろどこかで死を望んでいたのかもしれない。今のこの状態から解放されるならば、いっそ
死んだ方が…。
とても暖かい気持ち。かつて、まだ母親が元気だったころに感じた気持ち。こんなに心地よい
のなら、死も悪くないのでは…。
そう思った瞬間目が覚めた。
「ここは…。痛っ!」左肩にはまだ痛みが残っている。そうだ、自分は盗賊の放つ毒矢に射られた
うえに、意識を失っていたのだ。布でまかれた応急処置がなされている自分の肩を見つめながら、
もうすっかり暗くなっている森の道を歩く誠一郎の背中。
背中…?
ぼやけていた世界がはっきりしていく。
「気がついた」
「う、うん」
タバサは誠一郎の背中に背負われていたのだ。
「応急処置、あんまりうまくできなかったけど」
「盗賊は」
「逃げたみたい」
「誠一郎が倒したの?」
「いや、僕が倒したっていうか…」言葉を濁す誠一郎。
「私、ほとんど覚えてないんだけど。あなたが戦っていたことは、なんとなくわかった」
「う、うん。本当は好きじゃないんだけど。人を傷つけるってこと…」
「強いのね、あなた」
「いや、全然。僕なんて」
「強い。私よりもずっと…」
そう言ってタバサは目を細めた。
彼の背中。なぜ安心するんだろう。
「僕はその、戦うとかあんまり好きじゃなくて」
「でもあいつらと戦ってくれた」
「それは、キミを守らなくちゃって思ったから」
「え…」
人に守ってもらう。それはタバサにとっては初めての経験であった。いや、正確に言う
と強くなってからはじめてと言った方がいいか。昔は父や母によく守ってもらっていた。
魔法の力に覚醒してからは、特にその必要はなくなったけれども、同時に誰かを守ると
いう行為もしてはいなかった。守るのは常に自分自身。たった一人で戦っていた彼女に
は当然ともいえる。しかし、戦うことが嫌いだと言うその少年が戦った理由。
それは守るべきものがあるから。
本来戦いとはそうあるべきものなのに、自分はなんと浅い考えをしていたのか。盗賊ごとき
の不意打ちにやられるのも当然かもしれない。タバサはそう思い唇を強く噛んだ。
「誠一郎…」
「なに」
「その…、ごめん」
「どうして?」
「え、だって」
「タバサちゃんは、フラフラになりながらも僕を守るために魔法を使って助けてくれたじゃ
ない?」
「…うん」
「だから僕もキミを守るために、できる限りのことをしようって、思っただけだよ」
「でも私、あなたに酷いことをした」
「あんなの慣れっこだよ。誤解されるのも日常茶飯事だし」
「誠一郎、まるであなたは…」
「なに?」
「天使のようね」
「そんな、僕なんて全然」
「ありがとう」
タバサは誠一郎の体をほんの少し強く抱きしめた。
シルフィードを呼べばすぐに魔法学院に帰れるのだけど、もう少しのままでいたかったから、
しばらく何も言わないでおいた。
おしまい
乙!
タバサが小磯良子ポジションになってるw
きええええええ!!!!(GJ!!!!)
北野君の理解者が出来た回か。
GJ!
自分が書くのとは違う北野君を魅せて貰いました。
まあネタが被らないか結構ビクビクして読んでもいるのですが。
あと
>>183の人の後に投下予約しておきますね。
間を考えて四時くらいですかね。
投下乙かれ様でした
183です では15:20ほどより投下を開始します
きええGJ
>「究極!サウスゴータキィィック!!」
まさにサウスゴータのゲシュペンスト(幽霊)と言った所かw
この後ワルドと義手義足コンビになったりしてな
210 :
10:2008/08/03(日) 15:12:38 ID:zUYQo6fa
最恐の方乙っしたー
>>207 おはよー・・・眠い・・・ではその後を予約しておきますです。
投下予定が3作とは豪勢ですなあ
やっぱこういう波ってあるもんなんだね
212 :
183:2008/08/03(日) 15:20:15 ID:bASo7DMN
ではそろそろ、いかせて頂きます
夏休みの日曜日だからな
・・・・・旅行行きてえ・・・・ハルケギニアとか
月初は書き溜めしておいたのを放出というサイクルかもね
とりすていん大王 一回目
ドカーーン ドカーーン
今日はトリステイン魔法学院の2年進級の大切な使い魔召喚の日、みんなが思い思いの使い魔を呼び出す中、
この物語の(一応)主人公 ルイズは魔法を爆発させるばかりで成功しません
ドカーーン ドカーーン
そして何十回目かの失敗の後、ついに!!
「見ろ、煙の向こうに何かいる!!」
「ついに召喚されたのか?」
「あ、あれは・・・」
それはオレンジの体毛に包まれたふよふよと宙に浮かぶ座布団のよーな猫のよーな何かでした
「「「「なんだ?あれ?」」」」
誰もが見た事も無い物体に首をかしげる中、一人だけ目を見開いて驚愕の表情でその召喚された何かを見つめる女の子がいました
名前をタバサといいます
「あ・・・あれは・・・・」
ぷるぷるとその可愛らしい指先を謎の物体に向けて指すタバサちゃん
「え、タバサあれが何か知ってるの?」
お友達のキュルケが驚いた表情でタバサちゃんの次の一言を待ちます そして出てきた言葉はとんでもないものでした。
「あれは、お父さん!!」
「「「「お父さん!?」」」」
その場にいた全ての人が絶叫しました
「ちょ、ちょっと!!何、あの変なのが貴方のお父さんな訳!?」
召喚者のルイズはかなり取り乱しまくりです、そりゃそうです、魔法学院に通う子供の父親と言うことは少なくとも貴族、
しかもタバサちゃんは留学生、つまり、他国の貴族の強制拉致、国際問題です 殆ど涙目、と言うか泣いてます。
そんなルイズの思いを知ってか知らずか、タバサちゃんはまたハッキリといいました
「違う、私のお父さんじゃない」
その言葉に少し安心したのか、勢いを取り戻したルイズがタバサちゃんに喰ってかかりました
「何よ!!紛らわしいじゃない!!じゃあ誰のお父さんだって言うのよ!!」
するとタバサちゃんは冷静にまたとんでも無い事を言ったのです
「モンモランシーの」
「・・・・・・え?」
その瞬間、お父さんと呼ばれていた物体が急に大声を上げて光りだしました
「ぶっるうううわあああああ!!!」
「きゃああ!?」
「な、何と言う覇気だ、こんな覇気は私も経験した事が無い」
そして光が収まったその時、お父さんは引率のミスター○コミズに
「コルベールだ!!」
失礼、ミスターコルベールに
「始めまして、娘がいつもお世話になっております、モンモランシーの父です」
「あ、これはご丁寧に」
「これはつまらないモノですが・・・」
「いえいえ、お気になさらず」
貴族のご挨拶のお土産ランキング第4位、(貴族の友社調べ)ラグドリアン湖饅頭(こし餡12個いり)をコルベール先生に大人の挨拶で手渡してました
「「「ええーーーー?」」」
ここに(モンモランシーの?)お父さんの使い魔生活が始まるのでした。
さーたーあんたぎー吹いた
「いやいやいやいや!!始まらない!!始まったら問題!!」
大慌てで拒否の姿勢を示すルイズ、それもそうです見た目は変な猫?かもしれませんが級友のお父さんを使い魔なんかにしたなんて
実家のお母さんやお父さんに知られた日にゃあ、そりゃあ、もう、ねぇ、ほんと、・・・・・・・・・ご愁傷さまです
「何よ!!そのもう駄目だね見たいな言い方!!第一、あれは本当にモンモランシーの父親なの!?」
ルイズの言う事ももっともです ですが、
「あれを・・・」
タバサちゃんの指差す先には・・・・・・
ビコーーーン、ビコーーン、ビコーーーン・・・と目を点滅させてモンモランシーを見つめるお父さんと、
ミョーーン、ミョーーン、ミョーーン・・・・・・とロール髪を伸ばしたり、縮めたりと反応するモンモランシーが!!
「あれこそ親子の証明」
「あ、ああああ!!頭が!!頭が割れるよーに痛いわ!!」
頭を抱えて本気で悩みこむルイズに影が差します その主はいわずと知れたお父さん
「やぁ、君がルイズちゃんだね」
ふよふと浮きながらシュピっと手を上げてフレンドリー全開なお父さんは
「娘とコルベール先生から話は聞いたよ、使い魔の儀式をしてたそうだね」
ルイズはハッと思い出して謝りだしました
「御免なさい!!きっと何かの間違いだったんです!!モンモランシーのお父さんを呼び出すつもりは無かったんです!!
ですからどうかどうか、この今回の件は穏便にお願いします!!特にお母様にはご内密にまだ死ニタクナイッス!!」
ところがお父さんの答えは意外なモノでした
「使い魔は・・・・好きかい?」
「は?」
突然のお父さんの質問にルイズは一瞬固まって、よく考えて、答えました
「は、はい、好きです」
お父さんの表情がいっぺんしてあたりが暗黒に包まれます
「使い魔が好きだというのか!!」
「ひぃ!!は、はい」
そのお父さんのオーラにルイズが脅えます
「そうか・・・・・」
そう呟くとお父さんは今度はふよふよと空に上がっていきます
「え、ええーーー!?」
「ルイズちゃん、実は私は君の使い魔ではない」
「あ、安心したよーな安心できないよーな」
「君は自分の使い魔を探すんだ」
いつの間にか空は晴れ、鐘が鳴り響き、光が差す中で、お父さんはどんどん上昇していきます
「ええ、私の使い魔って!?」
もう何がなんだか解らないルイズは涙声混じりにお父さんに聞きます
「私に聞かれてもなぁーーー」
空の上からお父さんの無責任な声が聞こえてきました
「そんなぁーーーーー」
ルイズの絶叫が空しく空に響くのでした
その日の夜、結局使い魔は召喚できませんでしたが、進級に関しては学院長から太鼓判を押してもらったルイズは自分の部屋に帰ります
「・・・散々な一日だったわ・・・」
召喚の儀式の疲れがどっと来たルイズはもう寝ようと部屋の扉を開けると・・・・・・・・・
「やぁ、遅かったね 君の使い魔が見つかるまで代わりを務めてあげよう」
「なんでいるのよーーーー!?」
ベットの上でごろごろするおとうさんを見て本日、何度目かになるかわからない叫びをあげるルイズなのでした
続くよ
短いかと思いますが今回はここまでで終了です
元ネタは あずまんが大王 より お父さん です
それでは次の方の支援に回ります
しーくわーさージュース吹いた
期待して次回を待つ
モンモランシーはなんで飛ぶのん?
ともあれ投下乙。
ついでに前スレ埋め完了報告。
投下乙ですー。
腹筋痛ぇw
>モンモランシーはなんで飛ぶのん?
じぇっとえんじんやからー
222 :
蒼い使い魔:2008/08/03(日) 15:34:26 ID:w2XyNNti
な、なんだか大作がすごい投下されている…
そんななか投下していいのかわからないけど俺も投下予告だッ!
えーと…17時くらいにしておきますです
なんという全部「大丈夫、跳ね返した」ですましそうなおとうさんw
投下乙でした
今日はいつにもまして投下の量がハンパないな
確かに今日の投下量は、すさまじいな…。
昔のエヴァの確変連チャン並だw
提督の人、長いあいだお疲れ様でした。
ゼロ魔作品世界のメイジ至上社会とブリミルを見事断罪してくれたので、読んでいて気持ちよかったです。
大王の人も乙です。
ブゥゥゥゥゥリミル思い出したww
今日で1スレ使い切っちまう勢いだな
>>183 >クロス先は申し訳ありませんがネタばれ保持の為、有名4コマとだけ表記させて頂きます
これはネタばれとは言わん、出オチだw
231 :
10:2008/08/03(日) 15:50:56 ID:zUYQo6fa
たk、じゃなくて北野君お先どうぞ
ではそろそろ第六話の投下を始めます。
しかし投下しようと確認リロードしたら最「恐」の使い魔が投下され始めたのには吹いたw
なんというシンクロ…
『モンモランシー』
だがその瞬間、脳裏にギーシュの笑顔が浮かんだ。
まだ―――死ねない!
その想いだけでモンモランシーは咄嗟に跳ねるように立ち上がり、悪魔から距離をとる。
だが、悪魔は執拗だった。
彼は逃げ道を塞ぐような動きでこちらを牽制してきたのだ。
こうなってしまってはもはや逃げることすら叶わない。
「ちょうどよかった」
ニタリ、と悪魔が笑う。
何がちょうどよかったのだろうか。
三人では足りないから獲物が増えてよかったということか?
やはり、自分は食べられてしまうのか…?
不安に怯えるモンモランシーの涙腺はもはや決壊寸前だった。
「申し訳ありませんが、部屋の中の彼女たちを見ていてもらえませんか?」
だが、悪魔の口から出てきたのは意外な申し出だった。
戸惑うモンモランシー。
しかし、次の言葉によってすぐさま彼女はその言葉の意味を察することになった。
「それと、できれば食堂か調理場の場所を教えてもらいたいんですが…」
調味料か。
彼女たちを味付けするための調味料が必要なのか…!
流石の悪魔といえども生のままでは人間を食べることはできないようだ。
そして、自分にはそれらをとりに行く間の見張りをやれということか。
勿論、食堂の場所を教えることなどできるはずがない。
しかし悪魔に睨みつけられている状況では拒否するという選択肢は存在しなかった。
コクコクと頷きながら、ブルブルと震える指先でアルヴィーズ食堂がある方向を指し示す。
「ありがとうございます」
ニタァ、と微笑んで悪魔は一礼するとその場を立ち去っていく。
その姿が見えなくなると、モンモランシーはヘナヘナ…と倒れこむように廊下に座り込む。
「た、助かっ……た」
悪魔が立ち去った後、モンモランシーは北野君との約束(主観的には脅迫)を守り、ルイズの部屋にいた。
「…とりあえず、三人とも気絶してるだけのようね」
ベッドに横たわっている三人の少女を簡単に診察したロール少女はほっと息を吐いた。
食べやすいように身体が溶かされているとか裸に剥かれているとかそういったことはなかったようだ。
何故かルイズが失禁して下着を濡らしているのが謎だが。
だが、安心してばかりもいられない。
こうしている間にも悪魔はこの三人を食べる準備を着々と進めているのだ。
いっそ三人を強引にでも起こして自分共々逃がすべきか?
ふと浮かんだ考えをモンモランシーは首を激しく振ることで否定した。
ダメだ、そんなことをすれば悪魔の怒りをかってしまう。
そうなれば自分はおろか、家族にまで災厄の手が及ぶかもしれない。
何よりも、ここには見張りがいる。
(まさか、他人の使い魔に命令できる力があるだなんて…)
じいっとこちらを見つめている火トカゲの存在にモンモランシーは戦慄する。
実際のところ、フレイムは目の前の金髪ロールが主人たちに危害を加えないかと見張っているだけだった。
だが、そんなことがわかるはずがない彼女からすればその視線は自分への監視以外の何者でもない。
一体どうすればいいのか。
このままここにいて悪魔が戻ってきたとして、自分は解放されるのだろうか?
いや、そんなはずはない、獲物を引きずり込む現場を見た人間を逃がすわけがないではないか。
かといって逃げ出すことはできない、完全に八方ふさがりだった。
(こんなことなら食堂の場所なんて嘘を教えれば……って、あっ!?)
そこでモンモランシーは気がついた。
もうすぐ、午前の授業が終わる。
自分(ルイズたちもだが)は既に遅刻どころか無断欠席確定だろう。
だが、問題はそこではない。
授業が終わる―――つまり、学生たちは食堂に向かうということだ。
(ギーシュ!)
気がつけば少女の脚は駆け出していた。
悪魔への恐怖も、気絶したままの三人の少女のことも一切が頭の中から消える。
残っていたのはただ、愛しい少年のことだけ。
腹ペコ状態の悪魔とギーシュを遭遇させるわけにはいかない。
モンモランシーは顔面を蒼白にして、ルイズの部屋から飛び出した。
「それにしても、いい人がいてくれてよかったな」
ルイズの部屋でモンモランシーが悩みぬいている頃、北野君は食堂へと向かって歩いていた。
ドアを開けた時、女の子が尻餅をついていたのには吃驚したものだ。
しかも、その女の子は大股を開けているため下着が丸見えという状態。
これはまずいとばかりに頭を下げつつも、服の乱れを指摘しようと指を伸ばせば跳ねるように少女は立ち上がった。
怒っているのだろうか、そう北野君が考えたのも無理はない。
それはそうだ、下着を覗かれて怒らない女の子がいるはずがない。
だが、あまりしつこく謝るのも少女に気恥ずかしい思いをさせるばかりである。
だからこそ北野君はあえてその件をスキップし、本来の目的を果たそうとした。
つまり、折角人に出会ったのだから食堂の場所を聞こうとしたのである。
しかし少女は余程怒っているのか口を開こうともせずに逃げ出そうとするばかりだった。
が、数秒後、ようやく落ち着いてくれたのか少女は大人しくしてくれた。
しかも、彼女は怒っていたであろうに、道を教えてくれただけではなく、ルイズたちの看病をも承諾してくれたのだ。
(後で改めて御礼を言わないとね)
そして、これによって北野君はもう一つの懸念をも解消していた。
少女はルイズたちと同じ制服を着ていたのだ。
その彼女が授業について言及していなかったということは、つまりこの時間帯に授業はないということだ。
主となった少女、及び気絶してしまった二人の少女が遅刻ないしは無断欠席にならなかったという事実が素直に嬉しい。
そうほっとする北野君の鼻に、美味しそうな料理の匂いが漂ってくる。
(いい匂いだな……あそこが食堂かな?)
食堂らしき施設を発見した北野君はふと立ち止まると正面入口を迂回した。
学生でもない自分が堂々と真正面から入るのはどうかと思ったのである。
(コックさんに料理をわけてもらおう。皿洗いとか皮むきくらいならできるし、大丈夫だよね)
責任者の人が気難しい人じゃなければいいんだけど。
北野君は期待と不安を半々に浮かべながら食堂の裏手へと回る。
すると、そこには意外な光景があった。
「うわあ…」
感嘆の声を上げる北野君の目の前にはまず日本ではお目にかかれない光景が広がっていた。
犬、猫、鳥、亀、馬、蛇、もぐら…
多種多様な動物たちが広大な広場の中でたむろっていたのだ。
動物園でもまずここまで多くの動物はいないだろう、という状態に北野君は目を輝かせる。
しえん
支援!!
(うわっ、見たことがない鳥がいる…それにあれはグリフォン? あの火トカゲもそうだったけどここは本当に異世界なんだなぁ)
中でも、地球では幻想世界にしか存在しない動物たちの存在にはただ感心するばかりであった。
北野君は動物が好きで、また好かれていた。
動物たちは外見で人を判断せず、内面を見て接してくる。
つまり、天使の心を持つ北野君は動物に懐かれる性質なのだ。
と、自分たちを見つめている存在に気がついたのか、数匹の動物が彼へと近寄ってくる。
(うわ、大きいモグラだな)
人一人くらいの大きさのモグラが北野君の目の前に立ち、見つめてくる。
つぶらで愛らしい瞳がどことなくキラキラと光っているように見えるのは気のせいだろうか。
なんとなくこのモグラに触りたくなった北野君はそっと手を伸ばす。
すると、モグラは頭に触れられる直前に顔を上げるとペロリと北野君の手を舐めた。
「わっ」
これには驚いて北野君は慌てて手を引っ込める。
が、別に噛まれたわけでもないので再度手を差し伸べてみる。
ペロペロ。
やはりモグラは北野君の手を舐めた。
(うわあ、可愛いな)
可愛らしいモグラの反応に北野君はご満悦だった。
と、モグラの周りにいた動物たちがコイツだけずるいぞとばかりに北野君の周りに集まってくる。
空いたもう片方の手を、我先に争うように動物たちは舐め始める。
「あははっ、くすぐったいよ」
思わぬ歓迎に北野君は戸惑いながらも喜色を浮かべる。
と、その時。
今まで北野君のご執心だったはずの動物たちが一斉に身を引いた。
一体どうしたのだろうか?
北野君が疑問を頭に浮かべたのと同時に、その頭上に影が降りた。
「え?」
バサッ…
空いた空間に舞い降りたのは、青い表皮を身に纏わせた一体のドラゴンだった。
「きゅい?」
鳴き声(?)をあげながらこちらを見つめてくるドラゴンを北野君は呆然と見詰める。
恐怖心はなかった。
いや、あるにはあったのだが、それを上回る好奇心と感動が彼を突き動かす。
何せ目の前にいるのはドラゴン、竜である。
幻想の動物の中でも知名度、格好よさ、強靭さ、威厳ではトップクラスの生物だ。
ファンタジーを知る年頃の少年ならばまず憧れないことはない。
そして、北野君はその例に漏れなかった。
(か、格好いい…!)
本物のドラゴンを目の前に北野君は感激に打ち震える。
昨日見たときは着ぐるみか何かだと誤解していたが、こうして至近距離で見てみるとそれがおろかな誤解だったことがよくわかる。
目の前の竜は間違いなく生きている、動いている、存在しているのだ。
火は吐くのだろうか? 人を乗せるのだろうか? 鱗は硬いのだろうか?
少年らしい好奇心で北野君の胸は張り裂けそうだった。
(この男の子、シルフィのことじっと見てる…)
一方、見つめられる立場のドラゴンことシルフィードは寄せられる視線に戸惑っていた。
この場には数々の使い魔がいるが、その中でもドラゴンは珍しい。
そういう意味では少年の視線も納得できなくはない。
だが、この熱い視線はどうか。
恐れを抱かず、あるのはただ自分への好意だけ。
感じ慣れない視線にシルフィードは思わず恥ずかしくなってぷいっと視線をそらしてしまう。
が、視線が気になるのは変わらない。
横目でチラチラと見てみればやはり少年はこちらをキラキラと輝かせた瞳で見つめている。
単にご飯を食べに来ただけだというのにこの展開はどういうことだろう。
(も、もしかして…この男の子、シルフィのこと、気づいてる!?)
戦慄にわななく青き竜。
彼女は竜の中でも特に希少とされる風韻竜である。
強烈なブレスや先住魔法を使いこなし、人語を操るなど知能も高い強力なドラゴンだが、現在は絶滅したとされている古代の幻種だ。
面倒を避けるため、また主人であるタバサからの命で普段は風竜だと偽っているのだが、まさか見破られてしまったのか。
冷や汗をかきつつ、少年を観察する。
やはり彼はこちらに興味津々な視線を向け続けている。
まずい、非常にまずい。
自分が風韻竜だとバレてはいけないと主人の少女から厳命された次の日にいきなりバレそうだ。
なんとかしなければ…!
とりあえずこの場は逃げてしまおうか。
そう考えかけたシルフィードの機先を制すように北野君が動いた。
好奇心を抑えられなくなり、彼は彼女の身体に触ろうと手を伸ばしたのだ。
「きゅいっ!?」
慌てて回避するシルフィード。
別に身をかわす必要などなかったのだが、混乱していたために反射的に回避行動をとってしまったのだ。
「あ、ごめんね…」
「あ、謝るのはこっちのほうなのね! ごめんなさい!」
「え……しゃ、喋った?」
「あ」
しまった、とばかりに口をつぐむ。
しかし時は既に遅し。
思いっきり人語を喋ったことを記憶されてしまっていた。
けれど、仕方がないではないか。
別に彼が悪いわけでもないのにあんな風に申し訳なさそうに謝られたら…
シルフィードは混乱の中、自己の正当化へと勤しむ。
タバサは「自分以外の人と会話してはダメ」と言っていた。
これは見事にそれを破っている。
このままでは叱られてしまう…と、その瞬間。
怯える彼女の頭に天啓が閃いた。
そうだ、会話してはいけないのは『人』だ!
「き、気のせいだったのかな? そうだよね、竜が喋るなんて」
「気のせいなんかじゃないのね、きゅいきゅい!」
「や、やっぱり喋った! 凄い、会話までできるなんて!」
「シルフィは特別だから喋れるのね。あ、でも今のは秘密よ?」
「え? あ、うん。わかったよ」
コクコクと頷く少年を見ながらシルフィードは満足気に微笑んだ。
そう、彼は主人がいうところの悪魔なのだ、決して人間ではない。
自分から見ればどう見ても人間なのだが、主人がそういうのならそうなのだろう。
だが、どちらにしろシルフィードには関係ない。
タバサが悪魔だという以上、彼と会話することにはなんの問題もないのだから。
会話相手が増える、こんなに嬉しいことはない。
シルフィードは嬉しさのあまり、北野君の顔をぺろんと舐めあげた。
うちの北野君はヴィンダールヴの力もあり、動物に好かれまくります。
まあ、素でも好かれるとは思いますが…原作ではその辺が不明だったんですよね、確か動物と接する場面ありませんでしたし。
投下乙です
しかしこれ周りから見てると、竜すら魅了する恐るべき悪魔って感じなんだろーなw
原作やOVAだと、犬やスズメに怖がられていた描写があるぞw
しかし、これもヴィンダールブの力ということで納得できるw
GJ!!
猫に逃げられたことがあったようななかったような・・・
しかしシルフィ、なんという叙述トリック(?)ww
乙でした
もう片方はヴィンダールヴだったのか…コッパゲ先生調べてくれなかったのか?
北野君、動物に好かれでもしないとルイズ達への誤解解消フラグ立たないのかな
良い人なのになぁ 外見はともかく。
では自分も4時半から投下させて頂きます。
人間扱いされてねえw乙
横目チラ見しるふぃが、やるおAAに見えたのはナイショですが。
投下乙。
動物と戯れる北野くん可愛ぇw
北野くんは異世界にくることで動物に好かれるようになったんやーっ!
しかし、食事を摂るというミッションはこなせるのだろうか。
ゼロの提督グッジョブ!!
ジョゼフファンとしては最高の内容だった。
銀凡伝も完結してしまったし、これから楽しみが減ってしまう。
今回の注意
今回色々と内心でキャラ達が考えていますが、色々な人が考えるような考えの1つです
そんなワケ無いだろ!!とか、ふざけんな!!と言った意見もあるかと思います。
ある作品を批判しているように取れる部分もあるかと思いますが、1つの意見として聞き流してください。
では始まるザマスよ!!
おおっと、支援
起きたら、やっぱり月が2つ。シュガレットはまだ寝ていて起こそうかどうしようか迷った挙句、やめた。
リィンバウムにいた時寝る前で、こっちに来たら昼間で、頭がごちゃごちゃしてワケが分からないままに寝たけれどどれだけ寝たのかよく分からない。
(――――寝不足じゃないだけいいのかな。何もされて無いし荷物も無事だし。なんとかなるかな……まだみんな寝てるし、でもちょっとお腹減ったなぁ…)
こっちの世界はどんな食習慣か分からない。調味料も何があるか分からない。分からない以上は安全な物を食べるしかないんだけど……何を食べればいいのか。
そこらの動物捕まえて食べるにも毒とかあるかもしれない。多分無いけど在ったら怖い。
決闘前にお腹壊しました、なんてどう見ても聞いても言い訳だよね。駄目だ駄目だ、こうなったら昼まで我慢して…(この間13秒)…ごめん無理。
とりあえず水だけでも飲まなきゃ。身体が動かない事にはどうしようもない。
そう思って井戸に行くと、ばったり。
「きゅい♪」(おはよう!)
「……………………おやすみ」
土埃に塗れた蒼い髪の小さい……… 名前なんだったっけ?
あの赤い髪の(赤髪の人はボクの苦手なタイプが多いので覚えやすい)浅黒いコと一緒にいたコ。
起き抜けだから、眠くてお腹が減っていて良く思い出せない。朝に弱いのは鍛冶師として致命的らしいけど、こればっかりはどうしようもないよね?
眠くてお腹が減ってるのは向こうも同じみたいだ。シルフィードは元気いっぱいみたいだから危険だったのかどうかはともかく彼女も疲れてるだけかな。
それでも睨まれてる。サクロさんの「信用されるには信用しろ」だけど、この状況でもやっぱりそうすべきかな。
「あ、ちょっと待ってタバサ…さん、ルイズさんの部屋ってどこ?」
「………呼び捨てで良い。彼女は貴方を認めていない。……先生の誰かに言われたとしても行かない方がいい」
それを言い終えると彼女の身体が浮いて窓の1つに吸い込まれるように――――――――――がつっ…ごっ……がすっ…
・・・・・・・・アレ、やばくないかな?
「君のご主人様大丈夫?」
「きゅい!」(もちろんなのね!)
まかせとけ!!って感じに元気に声を張り上げるシルフィード。この子、ちゃんと現状把握してるのかな?タバサさん怪我してないといいけど。
あんな状態で魔法を使える彼女も凄いと褒めるべきだったかもしれないけど、何となく口には出せなかった。
―――――――――つんつん。…ぐいっ!!
「何?うわっ!?ちょっと何するのシルフィード!?」
「くー!!くぅー!!」(んー!人間の割に重いのー!)
「ボクは食べられないってば。キミが肉食だったとしても、このまま食べたらお腹壊すよ?」
シルフィードは確かに大きいけどボクを丸ごと飲み込めそうなほどには大きくない。…と、待てよ?この子普段どこに住んでるんだ?
「きゅぅ!!」(てりゃっ)
「うわっ・・・と!」
気合い一発、すぽーん、と上空にすっ飛ばされて空に向かって堕ちていく。どんな勢いなんだか。 これ位の高さなら何度も堕ちてるんだけどね。
ぺこ、とちょっと情けない音を出して思ったより柔らかいウロコの上に受け止められた。
「きゅい!!きゅいきゅい♪」(成功したのねっ!!どう?どう?)
「楽しいかって?うん、空を飛ぶのは初めてだから。でも良かったの?タバサに怒られたりしない?」
「………」(あ…………)
中庭に戻るとタバサが待っていて コンッ! と音を立ててシルフィードをお仕置きするとそのまま近くの階段に座ったまま眠り始めた。
そして・・・
「――――――――――――随分と楽しい空中散歩だったみたいですね、クリュウ様♪」(にっこり♪)
朝っぱらから最強魔法のラピッズバーストを至近距離で撃つのはどうなんですかシュガレットさん。貴女は一体どこの言ってる事が説得力皆無の白い魔導師ですか?
支援します。
「ようクリュウ、朝っぱらからびしょ濡れで水も滴るいい男ってか?」
「…水に濡れていい男になれるなら溺死すればいい事になりませんか?分かってて言ってるでしょマルトーさん。それにそれを言うなら女性に対してですよ」
「細かい事きにすんな、さあ食え食え。お前さんはこれからが大変なんだろ」
ワハハハと豪快に笑うマルトーさん。どこの世界でも親方みたいな立場にある人はこんな風になっちゃうんだろうか。
昨日のキッチンナイフの代金分は食事で払うという事で、賄い料理の具沢山のスープとサラダを貰った。鶏肉は全部シュガレットに取られた。
そんな様子をシエスタにまで苦笑いされた。ボクは悪くないよね?何もしてないよね…?
平民の人達が貴族の人達よりも先に食事をする理由はマルトーさんに曰く「良い物は早い者勝ち」だから。
実際には朝早くから働くからそれくらいに食べないとやっていられないって事なんだろうな。「勤勉かつ真直ぐ務めに励む者こそ国の主たるべし」って感じでいいかな?
これも書いておこう。
「この後どうするつもりだ?お前さん、あのヴァリエールのお嬢様には大層嫌われたらしいじゃないか」
「何で知ってるんですか。あそこには誰も平民の人達はいませんでしたよ?」
「知ってるも何も、貴族の坊ちゃん連中やらお嬢様達が五月蠅いくらいに騒いでたんだ。あれじゃあ外回りの連中にだって聞こえたかもな」
「それは…参ったなぁ。この後彼女に付き合って授業も一緒にいなきゃいけないらしいんですよ」
「あーあ……そりゃ難儀なこったな」
「その上、お昼には先生方とルイズさんがそれぞれ選んだ決闘相手と戦わなくちゃいけないんですよ。ねえクリュウ様」
まだ怒ってらっしゃいますか。だから何故そうなるのか教えてよ。ヴァリラもサナレもラジィもハリオもへリオも母さん達も溜め息吐くだけで教えてくれないし。
一体何の事なのやら。
「クリュウさん、お昼の配膳手伝ってくださいませんか?よろしければ、シュガレット様にも手伝ってもらえないかなぁ、なんて……」
「私は構いません。で決闘がありますからクリュウ様は正午までしかできませんよ?それから、様付けされるほど私は偉くありませんよ、シエスタさん」
「ですが、精霊をそんな風に軽々しく扱うなんて事は…」
「人間であれ獣や草花であれ悪魔であれ…神であってさえ、命は等しく平等に尊い物なんです。それを態々貶める様な言い方をしてはいけませんよ。ごちそうさまでした」
「んぐっ!?……っ、ごちそうさまでしたっ!!」
「え、あ、いってらっしゃい……お気をつけて」
いつの間にか食べ終えていたシュガレットが立ちあがったので慌てて食べ終えて後を追いかけた。
「おはようございますルイズさん。お目覚めですか?あらためて、本日より貴女にお仕えする事になりましたのでお迎えにあがりました」
メッチャ事務口調ですねシュガレットさん。これは相当に昨日の事頭に来てるんだろうなぁ……。サプレスの上位の人達はプライド高い人(?)達多いんだよね。
「……そういえばそうだったわね。まあいいわ、着替えさせなさい。それからシーツ片づけて昨日の服洗濯しておいてくれる?」
「ええ分かりました。それではクリュウ様はルイズさんをお願いします」
シュガレットさん、不機嫌ゲージ増大。笑顔の端っこが固くなってきてる。眉がぴくぴく動いてる。現在20%って感じ……って、ボクさ、脇役っぽくなってない?
そういえば食堂の人達以外で男性に会った事無いや。
・・・・・・あ、校長先生とコルベール先生も男性だったっけ。
私の目覚めはあまり良くは無かったが無事に目が覚めた事と2年生になれた事に満足しよう。
そうしないと嫌な事を思い出して仕方がない。ともかく2年生になって最初の日。しっかり学生と貴族の本分を果たしに行こう。
「授業って初めてなんだよねー。つまらないって聞くけど新しい事を聞くのがつまんないワケないのにな」
どう見ても私より数歳年上の男のセリフには思えない。肩より伸びた灰色の髪が声に合わせて軽く揺れるのさえ腹立たしいがガマンしよう。
私は貴族なのだから、些細な事にいちいち口を出していてはキリがない。精霊を連れた男が些細な事しか引き起こせないのも何か納得いかないけど。
「あ、おはようクリュウ。…あら、ルイズもおはよう」
「おはよう。ええと…キュルケさん、だったよね?」
私がついでみたいな扱いなのはいつも通りとして、この平民も平民で何平然と挨拶してるのよ。
「朝から随分な挨拶じゃない、キュルケ。そんな平民に挨拶するだなんてよっぽど余裕がないのね」
「余裕と胸が無いのはそっちでしょう?私の様に召喚を成功したわけでもないのに。ねえフレイム」
暑い…違う、熱い。何か重い物を引きずるような音と一緒に紅い塊がのっそりと出てきた。…これって
「火竜山脈産のサラマンダーよ。元気も良くて、そこらのレッサーワイバーン程度に負けないくらいに強いんだから」
「ふんっ、どうせたまたま大きいだけじゃない。お先に」
立ち去ろうとした途端、間の抜けた声が背中に当たって足を止めさせられた。
「へー…本当にシッポが炎なんだ。ボディガードにもぴったりだね。触っていい?」
「いいけど、火傷しちゃうわよ。私みたいに♪」
「女の子のそういう言葉には慣れてるし痛い目見てるよ。……ボクはホントに何もしてないのにさ……何でだよ……。フレイム、今日からよろしくね」
「……………」
「大丈夫だよ。君をケガさせたりなんかしないから。良い子だね…大人だったらごめん」
じーっと見つめるサラマンダーの目が単なる好奇心だけに見えないのは私が人間でメイジだからだろう。
って…
「ちょっと、触ったりなんかしたら…!!」
「平気平気。鍛冶師の手袋は溶けた鉄に触る事だってあるんだから。……熱いのに硬い鱗かぁ…みっちり詰まってるのは断熱性を高める為なのか逆なのか…良い鱗だね」
「良い手袋ね、譲ってくれないかしら?言い値で構わないわよ」
「良いよ、まだ代わりがあるから。その代わり決闘の後でボクの頼み事を聞いてもらうけどいい?そんなに無理は言わないつもりだから」
「喜んで。フレイム、これであなたに触ってあげられるわね」
パチパチと鋲を外すとあっさり外して手渡す。
「決闘?何の事?」
「あー、やっぱりその事は……ってさ、2人とも授業はいいの?」
あ。
支援支援
私が辿り着いた時にはすでに授業は始まっていました。ドアが開いていなかったので、はしたないですが仕方なく窓から入る事にしました。
教室は石造りの巨大な会議室を2つに割った大きな空間、その前の中心に教師が立って教える、と言う感じの場所でした。
あちこちに私の知らない生き物達が沢山います。それらの生き物達の力を観る限りは全てがこの世界の中に生まれ出てきた命だという事が感じ取れます。
お話の中では知っている生き物達も沢山いて、それらが楽しそうに話しあっているのは多分人間には聞こえてはいないでしょう。
あるいは、主従契約とやらを結んでいる関係なら別なのかもしれませんが。
「クリュウ様、ルイズさん、遅れて申し訳ありません。先生にも授業の途中で入ってしまった事をお詫びします」
「話は聞いています。あなたが精霊のシュガレットね。使い魔達と一緒にいてくださるとありがたいわ。さて授業に戻りますよ、みなさん、静かになさい」
この世界では精霊は余程珍しい存在の様で、私を下に置く事をしようとしない人が大半です。魔法や精霊とて、たかが世界のルールや存在の1つに過ぎないというのに。
「待って下さい先生、精霊と仰いましたが彼女は本当に精霊なのですか?もしそうだとしたらむぐ!?」
「だからと言って授業を疎かにするなど許されません。貴方はそのままで授業を受けなさい。良いですね、ミスタ・マリコルヌ」
彼と同じようにざわついていた生徒さん達の口に赤い粘土がへばりついて教室があっという間に静かになりました。
クリュウ様はといえば、階段状になっている通路で何か腕を動かして書いている。……多分日記でも書いてらっしゃるんだと思いますが何をしているのやら。
見渡せば、皆さん1人残らず短い棒を持っていらっしゃいます。昨日も見かけましたが、この世界では魔法の発動に必須な発動体の様ですね。
「では『錬金』の魔法を覚えてもらいます。1年生で覚えた人もいるでしょうが、基本に忠実にもう一度覚えてもらいましょう。いきますよ」
呟いて杖を振るうと、机の上の石が眩く輝く鉱石に…あー、でもあれは・・・あー・・・
多分素人さんには分からないでしょうけど、やはりと言うか何と言うか。先生も人間で女性と言う事なんでしょうね。
「お、黄金ですかミス・シュヴルーズ!?」「真鍮だよ」
身を乗り出して驚いたキュルケさんにクリュウ様が間髪入れずに言いました。…言ってしまったと言うべきですよねこの場合。
「……その通り、これは真鍮ですよ。『土』系統の魔法は―――――――――――――」
すみません先生。クリュウ様は悪くないんです。ただ場の空気を読む事が苦手なだけなんです。
やや気落ちしてしまったシュヴルーズ先生の話が長かったので後ろの方にいた髪を縦に螺旋状にしたお嬢様の(全員貴族である以上は以下略ですが)子に要約してもらうと
・魔法には土水火風の4つの系統があり、始祖ブリミル以来使われた事の無い『虚無』という系統の魔法の系統によって魔法が確立している事。
・土系統は物体の組成や変化に最も関わるモノであり、ゴーレム等を始めとして建築や農業など社会や生活の基盤に関わる
・水系統は水そのものを操る他に生物の体内に作用して病気やケガを癒したりと生命に深く関わり、自分も水系統を学ぶメイジだと言う事。
・風系統は風を操るだけに限らず、速度を強化させたり、分身を作りだしたりと風自体よりそちらの発展形を用いるメイジが多いのだと言う事。
・火系統は戦いに向いた系統であり、何かを作り出す事は出来ないモノであり、ほぼ炎を扱う事に終始していると言う事。
・幾つ系統を扱えるのかによりメイジとしての強さが決定すると言う事。系統を足す事によって魔法を強化出来るのがその主な理由。
・1つの系統ならドット、2つならライン、3つならトライアングル、4つならスクウェア。虚無を使える人はいないのでペンタゴンはいない。
私にとって最も気になったのはやはり土の系統でした。リィンバウムでしか手に入らない鉱物ならともかく、それ以外なら作り放題というのはイコール元手タダという事。
何て言うか、詐欺ですよね。実力でやる事ですから加工や品質はその人次第である事は理解できますけど…
そういう能力って生まれで大差がつく事もあるじゃないですか。後から努力したんだーとか言った所でオンリーワンがナンバーワンに勝てる理由にはなりませんし。
そういうの、私は嫌いです。どれだけの精霊が許しても、神が望もうが魔王がそれで世界を満たそうが、私はそれを望みません。
たとえそれをクリュウ様が望もうと。…無論その様な意志が無いからこそクリュウ様と護衛獣として契約したわけですが。
初めから力を持つ者など、全ての世界において不要なはず。
そんな世界が存在しなければならないとすれば、それは創造主が元々創造主足り得るだけの格の無い出来損ないである事以外に理由はあり得ません。
と。私を使い魔である生き物達がギョッとした目で見ているのに気付きました。……ちょっと本性の姿が見えかけてしまっていたみたいです
私の2つ名は妖姫。聖と魔、どちらかと言うまでもなく魔の側に属するモノであって、そう見られてしまうのも仕方ない事なのですがちょっとショックです。
話しを聞き終えた私は教室を見渡せる後方の吹き抜けの窓に腰かけて授業を見る事にしました。これならクリュウ様の行動も見ていられます。
「―――――――――待ってくださいミス・シュヴルーズ!!彼女は!!」
「何ですミス・ツェルプストー。静かにしていなさい」
キュルケさんが少し慌てた様子で叫んで先生にたしなめられました。
何だか嫌な予感がします。 生徒のみなさんが机の下に潜ってます。でも地震が起きるような場所には見え―――――――――――――――――――――?
―――――――――――ごがっ!!!!
爆発があった。爆音もあったはずなんだけどそんなものは聞こえなかった。耳には届いたんだろうけど頭には届かなかった。
先生の後ろの壁が爆風を受けて吹っ飛んだせいでその破片が飛んできたんだ、と気付いた瞬間思わず身体が反応してた。
ボクの体重の5倍はあるだろう重さの瓦礫の塊が向かって来た途端、瞬間的に左手で腰の剣を抜いてしまっていた。
自分に驚く間も無く跳躍して生徒達に当たらないように瓦礫を斬って蹴り上げたり弾いたりを繰り返した。我ながら人間やめてるよね。どうしてこんなになったんだろ?
自分としては初めて地下迷宮に潜った時から取り立てて特別な事をしてるつもりなんて欠片も無いのに。まあ、ちょっと危ない事も多かったのは認めるけど。
爆発が1発で済んだせいかそれで気を抜いてしまっていた。
「荒れ狂い、そよぎ、巡るままに、吾の言霊と共に渦巻け――――――――ウインドストームッ!!!!」
聞き慣れているはずなのに、聞き惚れてしまうような研ぎ澄まされた水晶よりも澄んだ鋭い声。
その声と共に粉塵と瓦礫が翠色の巨大な螺旋に一纏めにされて壁の大穴へと飛び出していく。竜でさえ引き下がらせてしまう魔法なのだからそれくらいは容易い。
爆発の中心地には爆風で吹き飛んだせいで気絶したらしいちょっと焦げたルイズさんと壁にぶつかってやっぱり気絶中のシュ…ナントカ先生。
「ごめん、シュガレット。そっちの子達にはケガはない?」
「まったく、気を抜いちゃ駄目じゃないですか。「大技よりも怖いのは小技」ってクリュウ様が自分で言ってる事ですよ?こっちの子達には何もありません、大丈夫ですよ」
「そっか、良かった。ルイズさーん、先生ー、大丈夫ですかー?」
「……完全に気絶しちゃってるみたいですね。普通の人間なら耐えられるものでもありませんし」
苦笑するシュガレットを机の下から這って出てきた生徒達が見上げてた。何て言うか、憧れと言うよりも神様に祈るみたいなみっともない情けない顔で。
口々に何か言ってるけど、聞く気になんかなれない。ああいう顔した人間が言う事は大抵決まってるんだから。
旅に出てからああいう顔をした人間を何度も見たけど、1人もロクな人間なんていなかった。中には人殺しな上に罪の意識を感じてない人間までいた。
勇者や英雄、聖女に聖人、魔王だの悪魔だの言われる人間がいるのは別に構わない。本人達がそうしたかったからなのかどうかも別に知った事じゃない。
けど、それを勝手に評価する周囲の人間やそれを聞いて勝手に囃し立てる人間は好きになれない。無責任どころか彼らの責任までその人達に被せられるのが許せないから。
唯一正しい正義なんか無い。犯罪者を捕える方だって相手の希望と人生奪うんだから同罪なんだ。勝手なルールでその人達を排除したいだけじゃないか。
英雄何て呼ばれてる連中が自分のやり方を正しいなんて思っていたら…もしそんな人間がいたなら迷いなく斬り捨てる。そうするのがその人の為でもあるって思うから。
考えを変えていくから人間なんだ。変えない想いがあったとしても、その人間は変わっていかなくちゃ、って言うのがボクの考え方。
だからこの考え方も変わっては行くだろうけど、でも多分この子達がしている様な醜い憧憬の顔は―――――――――きっと死ぬまで好きにはなれない。
「助かったわ。カッコ良かったわよ、クリュウ!!」
いきなりパン!と肩を叩かれた。背の高い綺麗な長い赤毛と短くて青くて小さい背丈。
キュルケさんは興奮しているのか顔の色が髪の色に近い色になってる。タバサは逆に変わらずに涼しい顔のまま本を読んでた。
「すごいじゃない、あんなの風のメイジにだって出来るのは少ないわよ?それにあっちの子だってあんな魔法ラインのメイジにもそうそう出せないわよ?」
「シュガレットがすごいのは認めるけど、ボクはそんな凄い事なんてしてないよ。2人ともケガは無かった?使い魔の子達は大丈夫?」
「ええ!!…そんな顔しないで。この世界では精霊が特別に見られるのは仕方ない事なのよ。トリステインもメイジ至上主義だものね」
・・・そうじゃないんだけどな。
…ボクも汚くなったな、って思う。曖昧に笑ってごまかすなんて、友達同士や分かり合ってる相手にしか、しなかったじゃないか。
ルべーテさんの気持ちが今なら少しだけ分かる。…自分の思うがままに心のままに振る舞う為にはチカラが必要なんだって事だ。偉くなって力を入れて、何が欲しい?
―――――――――結局、自由が欲しいんだ。呆れかえるほどのお金や食べ物に豪華な生き方。そんな物、意味の無いただのオマケでしかないんだ。
自由に生きたいという気持ちを満足させたい。それは我儘で汚くて卑怯で卑劣で………でも何より人間らしい純粋な気持ちなんだ。それは否定なんてしちゃいけない。
だから争いは起こってしまう。全ての人が、生き物が幸せに生きる事なんてそれこそ絶対に無理なんだ。そう感じる世界があるとしたらそんなの狂ってる。
だけど、それはそれぞれの命が求めるものなんだ。何かに頼っても意味なんか無い。大勢でやったとしても…そんなの幻だ。
そうして気付いていても止められなかったのが過去のリィンバウムで起きた戦争。どの世界でも人間の様な心を持つ生き物がいる限り起きる戦争なんだ。
……あれ?考えがずれてきちゃったみたいだ。……やだなぁ、もう。大人になるって事がこういう事なんだとしたら本当に生きる事って試練なんだね。
「クリュウ?」
「え?あ…うん。ちょっと考えちゃった。ボクも学校に通ってたら色々考える時間があったのかな、なんてね。…あーあ、どうしよう、これ」
「………。瓦礫は殆ど飛んでいったから、ルイズが説教されて終わりでしょうね。それはそうと講義が潰れたし、お昼を一緒にどうかしら?」
「気持ちは嬉しいんだけど、ごめん。マルトーさんにみんなの昼食の手伝いするように頼まれてるし」
「・・・・・・決闘がある」
ボソリと呟いてすぐに本に目を戻すタバサ。そんなに本が好きなのかな?…って以前なら思えたのに。
「先生達にそう言われちゃったから断りようが無くって。ルイズさんに認めてもらう為にもそうするべきだし、逃げても逃げ切れないだろうから」
「帰る方法なんてすぐに見つかるわよ。逃げるとか考えず気楽にしてたらいいのに」
今の彼女みたいな、こんな優しいウソばかりならいいのに。
「シエスタさん、お手伝いに来ましたよー!」
「約束通り来たよー!!」
2人の声が同時に厨房に響くと2人にとっては馴染みのある、この国にしては珍しい黒髪の少女が出てきた。背はそこそこなのに発育がかなり良い。
・・・が、
普段から露出が多いのに発育を遂げてきているパートナーのシュガレット。
ちょっとだけクリュウより年上で姉譲りのスタイルの良さになった赤い髪のサナレ。
姉妹揃って美人でスタイルも文句無しのクリュウの前でのみ伊達メガネを外す双子のハリオ(姉)とへリオ(妹)。
数年前には考えられなかった有り得ない胸や腰の発育(byサナレ)を遂げたクリュウを兄と慕う小麦色の肌の少女のラジィ。
・・・以下省略。
そんな周囲が存在する中で(彼としては一切恋愛感情抜きに)過ごして来たクリュウにとってシエスタは「可愛い給仕服を着た女の子」という位置づけでしかない。
付け加えると「可愛い給仕服」であって「給仕服を着た」「可愛い女の子」ではない。
どうやら数年前のとある一件で彼の中で「給仕服=可愛い」とイメージ付けがなされたらしい。同様に他の件とも合わせ「ギャップ萌え」という嗜好にもなったらしい。
女性と言うのは恐ろしい物で、あっという間にそれは彼の与り知らぬ所で共通認識となり激しい鬩ぎ合いがあったのだ。
シエスタがそんな理由を知らぬが為にシュガレットも彼女を敵視したりせず良好な関係を築きつつある事をクリュウは知らない。
閑話休題。
「正午までまだ時間がありますからよろしくお願いしますね。クリュウさんは食堂で食べ終わった方々のお皿の片づけをお願いしていいですか?
私とシュガレットさんはデザートを食堂に出すという仕事になるのですが……いいでしょうか?」
「何遠慮してるんですか。任せて下さいシエスタさん!きっちり仕事を終えて正午までに終わらせましょう!!」
「そうですね、頑張りましょう!!」
そんなわけで、やたらと気合いの入った女性2人と
「じゃ、頑張るかな」
それとは対照的に長期休暇の課題をやる学生が如く諦め半分な表情(残り半分は今になって睡眠不足の影響が出たせいで眠くなってきた顔)の青年
それぞれがそれぞれの用途のカートを掴むと食堂へと出て行った。
なお、ルイズとシュヴルーズの2人はまだ医務室で香ばしい匂いをさせたままである事を述べておく。決して忘れていたわけでは無い。 一応。
しゃかしゃかじゃかしゃかしゃかしゃか・・・
「量があると大変だよねー」
つまらなそうにざかざかと皿を積み上げてはカートに入れていく。元々凝り性なのだ、彼は。作業的に何かを延々とする行為は彼にとって退屈でしかなかった。
彼にとって「は」。
「何なのアレ……さっきの男の人よね?」
食後の紅茶を楽しみながらボンヤリと優雅な空気を味わっていた縦ドリルことモンモランシ―は高速で動くカチャカチャ音に目を向けた。
何か動いてる。高速で皿が積み上がってはカートに乗せられる事が繰り返される。
空腹を満たした胃に血が行ったせいか、あまり考える気になれなかったので考えない事にした。
その彼の向こうにギーシュがいたのだが、モンモランシ―は騒ぎが起きるまで意識を向ける事なく紅茶を飲み続けた。
相変わらず自分の知らない女の子を引っかけているらしい彼の頭をどうやって冷やしてやろうかとボンヤリ考えながら。
【ツヅク・・・】
263 :
虚無の鍛聖:2008/08/03(日) 17:00:10 ID:zUYQo6fa
以上です。支援してくれた方ありがとうございます
批判も受け付けます。それではまた。
乙でしたぁ。次回も楽しみに待ってます。
乙でしたー
ギャップ萌え合戦って…なんか物凄く壮絶な争いに発展しそうな気がするのは自分だけだろうか…。
傍から見てたら笑えるを通り越して怖いかもw。
266 :
蒼い使い魔:2008/08/03(日) 17:05:58 ID:w2XyNNti
お疲れ様です、
投下は…20分頃にいたそうと思います
今日は多いな
特に鋼の人乙
おもしろいし提督終わった今、楽しみなのは
元ネタわかるあなたの作品だけだわ
にしても足に仕込むのは某兄貴を彷彿させるな
鍛聖の人乙。
バージルさんが来る!支援の用意だ!!
―フッ…
突如タバサの視界からバージルが消える
「…っ!?」
ズガンッ!一瞬でタバサの上空まで間合いを詰めたバージルのヘルムブレイカーが襲いかかった。
一瞬バージルを見失ったものの上空からの凄まじい殺気を感じ
横へ転がるように避けたタバサはすぐさま魔法の詠唱へと移る
「エア・ハンマー」
かつて彼を昏倒させた魔法を使う、今回は昏倒とまでは行かなくとも距離を取るつもりで放つ
バージルは即座に反応、閻魔刀を抜き放ち魔力が込められた空気の塊を両断、
両者の間に大きな風の流れが巻き起こった。
タバサはフライを使い距離を取りつつ次の魔法の詠唱へと入る、
その隙をバージルが逃す筈もなく、デルフに魔力を込めタバサに思いっきり投げ付けた
「いやあああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
広場にデルフの悲鳴が木霊する、回転しながらすっ飛んで来るデルフを何なく躱し、
次の動作に入ろうとする、が
「……ぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!」
後ろから戻ってくる悲鳴を上げる剣にすんでの所で気が付き杖で受け流す。
ガキィン!という音とともにデルフは宙を舞いバージルの手元に吸い込まれるように収まった
「あ、あぶねーな相棒!いきなりぶん投げるなんて!」
「黙れ、貴様が叫ばなければ決着はついていた」
杖に固定化が掛っていなければ戻って来た剣に杖ごと真っ二つにされていただろう。
手にはまだしびれが残っている。
「Humph, What's wrong? "―フン、どうした?"」
「ウィンディ・アイシクル」
バージルの挑発に反応するかのように魔法を放つ
多数の氷の槍がバージルに襲い掛かる、バージルは閻魔刀を使いそれらを叩き落とす、
その様子を見ながら(?)おずおずと背中のデルフが話しかける
「あ、あの〜相棒?」
「なんだ」
「俺っちもそれに似たようなことが出来ることを思い出したんだけど…使う気ない…」
「ない」
そう冷たく言いながら全ての氷の槍を叩き落としたバージルはタバサに向かいスティンガーを突き放つ。
「エア・ハンマー」
バージルがスティンガーを放つのと同時にタバサも魔法を放つ、
空気の塊とデルフが激突する、すると空気の塊がふっとかき消え、勢いの衰えぬスティンガーがタバサに襲い掛かる
「!?」
自らの死を覚悟したタバサは杖をぎゅっと握り締め目をつぶった、
―ズガンッ!と激しい音とともにタバサの身体が杖と共に木の葉のように吹き飛ばされる
地面に強かに打ちつけられ意識を手放しかける。
「くっ…かはっ!」
激しい衝撃とともに全身に痛みが走る、だがなぜか死んではいない、仰向けになり霞む目で杖を探す、杖は運よく手を少し伸ばせば届く場所に落ちていた
右手を必死に伸ばし杖を取ろうとする、が、バージルがタバサの腕を踏みつけそれを阻止した、
「ぁうっ…」
無言のまま閻魔刀を抜き放ちタバサの首に突き付ける、少しでも妙な動きをすれば斬るつもりだろう。
バージルの眼はゾッとするほど冷たく感情などまるで窺うことが出来なかった。
「愚かだな」
ギリッと右腕を踏む力が強くなる、
「うっ…!」
「愚かだ」
「っ…!」
「力なくては何も守れはしない」
ゴキッ!骨が砕ける音が広場に響く
「あぐっ!!!」
「―自分の身さえもな」
年端もいかぬ少女の腕をへし折りながらバージルは呟く、
まるで自分自身に言い聞かせるように…。
その言葉が終わると同時にタバサは意識を手放した。
「おい相棒…いくらなんでもやりすぎなんじゃねぇの?」
閻魔刀を静かに納刀するバージルにデルフが話しかける、
「この女から仕掛けて来た、降りかかる火の粉を払っただけだ」
「でもまさか腕折っちまうなんてな…、あの突きで娘っ子の杖を狙った時はいいとこあるとおもったんだがねぇ。
相棒はやっぱり正真正銘の悪魔だよ…」
「フン…ところで、あの魔法どうやって消した」
「あぁ、あれか、俺、あのくらいの魔法なら吸収できるのよ、だから激突した瞬間消えたワケ、
使う気ないとか言っといてしっかり使ってくれちゃって、俺っちうれしくて泣きそうだったぜ!」
「黙れ」
そう言いながらバージルはコートを翻し広場を後にした。
「(この女も…俺と同じ…)」
「ところで相棒、なんか落としたぜ?」
「…」
「う…うぐっ…」
バージルが立ち去ってからしばらくして、激痛にタバサが意識を取り戻す。
負けた、今まで数多くの危険な任務をこなし、生き残って来た
そんな自信があった、なのにあの男の足元にも及ばない。
今まで戦ってきた相手とは明らかにレベルが違う、
そもそもあの男はギーシュとの決闘時に使った幻影剣や居合を使ってはこなかった、
まるで手に入れたばかりの剣を試すかのように、遊ばれたのだ。
情けなくて涙が出る、感情を殺すと決めたのに。
「力…」
あの男が去り際に言っていた…
『―力なくては何も守れはしない、自分の身さえも』
そうだ、力だ、かあさまを守るために、復讐を果たすために力が欲しい
だが自身の持つ力は、あの男にまるで及ばない、だがさらに高めることは出来る
「もっと力を…」
そう呟き、右腕を抑えながら杖を取ろうと立ち上がる、ふと足元をみると緑色に光る石が落ちていた
なんだろうと思い緑色に光る星の形をした石を手に取る、おそらくあの男が落としていったのだろう。
「きれい…」
そう呟くと、―パリンッ!という音とともに砕け散ってしまった
すると光がタバサを包み、体の傷が癒えて行く、
砕けていた右腕の痛みも消えている、
試しに右手を動かして見ると痛みも感じないしなんの不自由もなく動いた。
「治った…」
タバサは信じられないと言った表情で広場に立ち尽くしていた。
翌朝
バージルが廊下を歩いていると部屋のドアが開き、中からタバサが出て来た。
バージルはまるでそこにはなにも存在していないと言わんばかりに通り過ぎる、
そんなバージルにタバサは声をかけた。
「昨日は…」
「……」
バージルは立ち止まるが振り向かずに話を聞いた
「ごめんなさい」
「……用は済んだか」
そう言うや立ち去ろうとするバージルにタバサは言葉をつづけた
「あの石は」
「フン、俺には必要ないものだ」
「そう…、私は…力が欲しい…かあさまを守る力が、復讐を果たす力が。」
かあさま、その言葉にバージルが少し反応する、
「やはり貴様も…俺と同じ…か…」
「え…?」
「いや、こっちの話だ」
そう言い残し、バージルは立ち去る、その背中を追うようにタバサも歩き出した。
274 :
蒼い使い魔 :2008/08/03(日) 17:24:40 ID:w2XyNNti
今回はこれで終わりです
短いですねごめんなさいごめんなさい(´Д`;)ヾ
シエスタ救出入れたら果てしなく長くなりそうだったんで、次に;;
支援
276 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 17:26:06 ID:AglPlLxi
支援します。
お疲れ様でした。
乙
さすがに殺しはしないが容赦ねえなw
容赦はしないがアフターケアは忘れない、そんなバージルに惚れた。
バイタルスターをさり気なく落とすバージルに惚れた
実力差がありすぎて経験を得る間も無かった感じだな
こういうのを、ツンデレっていうんですね。わかります。
ちがうな、スタイリッシュと言うんだ。
>>282 バージル「べっべつに怪我させたままだとちょっとかわいそうだなーとかそんなんじゃないんだからね!?
怪我させたのがばれて後々面倒なことにならないようにあげただけなんだからね!?」
ダメだ、ツンデレじゃない。だってデレがないもん。
つーか「ばーじる」→「バー汁」ってどんな変換だATOK
今日の勢いはすさまじいな。
今日はまだまだくるぜ
鍛聖さん乙ー
今から決闘が楽しみだ
うわあ、今日は物凄い大豊作だな。
全ての作者さんに乙。
ではこの勢いに乗らせていただいて。
5分後に投下を始めたいと思いますが、予約等大丈夫でしょうか?
よろしい。ならばしえんだ。
作者様みんな支援
クラフトソードってアドバンスソフトか…買ってみるかな
体の中心が引き裂かれるような衝撃。
スクウェアの風の刃は、容易く臓腑を貫き……痛み、なんて言葉では到底表せない致命傷の苦痛に、ゼロのメイジの意識は闇に落ちた。
―――死ぬのかな。私。
―――任務を果たせず申し訳ありません、姫さま。
―――ワルド様が、なんで……。
―――ああ、ウェールズ様。私などに構わず、お早くお逃げください……。
麻痺した意識とも夢の中ともつかない闇の中に、そんな言葉が浮かんでは消える。
―――コーイチ。
最後に浮かぶのは、変貌した自らの使い魔の、大きな背中。
あれが、エルクゥ。なんと恐ろしい生き物だろう。なんと力強い生き物だろう。
命を賭してようやく人一人をなんとか一度庇えるぐらいでしかない『ゼロ』が、なぜあんなものを使い魔にできたのだろう。
わからない。なぜだろう。なぜ―――。
「―――?」
思考が螺旋に入り込んだところで、周囲の闇がゆっくりと晴れていく。
目に映ったそこは、街並み……おそらく、街並みであろうという風景だった。
見た事もない風景が流れていく。
灰色で幾何学的に窓がついている四角い建物。
魚の鱗のような奇天烈な屋根がついた三角の建物。
色とりどりの不可思議な……そう、コーイチと同じような、てぃーしゃつ、とか、じーんず、とかいう服を着た人々。
道の端には四角い建物と同じ灰色の柱が幾本も立ち並び、そのてっぺんには黒いひもが蜘蛛の巣のように張り巡らされている。足元は固い何かで綺麗に覆われ、舗装されていた。
やがて到着したのは、大きな邸宅だった。
魚鱗屋根のついたタイプで、周囲を大きく塀で囲まれている。
ヴァリエール家の本邸に比べれば猫の額に等しいが、これまで見てきた建物の中では、随一の広さを誇っていた。
木とガラスで出来た引き戸を開けて中に入ると、板張りの廊下の先に、なんと紙で出来た扉があった。
徹頭徹尾見慣れない、異国と言うのもおこがましいほどの異風景。
しかし、怪我のために意識の薄いルイズは気にもせず、足が歩くに任せていく。
靴を脱ぎ、廊下に上がり、見た事のない木々が生え揃う庭を眺めながら廊下を抜けて、紙の扉を開けた。
「おかえりなさい、耕一さん」
「おかえり、耕一」
「おかえりなさい! 耕一お兄ちゃん!」
「……おかえりなさい」
4人の女性が、そこにはいた。
優しげな微笑みを浮かべながら、どこか自らの長姉を思わせる鋭さを持つ女性。
活動的な短髪をヘアバンドでまとめたボーイッシュな外見のくせに、けしからん胸部装甲を持つ女。
それとは違ってかなり親近感の持てる体型の、ぴょこんと一本髪の毛の飛び出した、一番小さな女の子。年下っぽいのに雰囲気が次姉に近く、不思議な感じ。
そして……どこか陰を背負ったような、残りの一人。
「ど、どうも。お邪魔します……」
そこは『ただいま』と言うべきじゃないのかしら、と思ったが、『私』の口から出たのは、そんな他人行儀な挨拶だった。
彼女達は四姉妹であり、『私』の父の兄の子……つまりは従姉妹だった。
『私』の父は彼女達四姉妹と住んでおり、『私』の住んでいるところは、ここ―――隆山ではなく、遠くの東京というところで。
その父が死に、その葬式のために、この家に厄介になりに来た、というところであるらしい。
色々と複雑な事情でそうなっていたようだが、『私』にはそれ以上の事を彼らの会話から聞き取る事は出来なかった。
……これは、コーイチの記憶。
流れるように時間が過ぎていく中でルイズが思ったのは、まずそれだけであった。
§
「きゃああああああああっ!!」
ニューカッスル城客室から、絹を裂くような悲鳴が響き渡った。
「ぐ、う、あああっ……!!」
「コーイチっ!? カエデ、あなた何を!?」
耕一が腕を抑えて膝をつき、キュルケが目を剥いて叫ぶ。
―――耕一の左の手首から先が、すっぱりと切り落とされていた。
「……! 左手の、使い魔のルーンが?」
「……こりゃ、おでれーた」
「やっぱり、これが耕一さんを……っ!」
どくどくと床が赤く染まっていく。
床に落ちた左手の甲から、スゥッと使い魔のルーンが消え失せるのを見ていたのは、タバサと楓の二人と腰に差さっているデルフリンガーだけだった。
「使い魔のルーン? どういう事よ、説明して……ああもう! その前にコーイチを治さないと! ほらあんた! 混乱してないで早く治療して! ルイズの方は落ち着いたんでしょ!?」
「あっ、は、は、はいっ!」
あまりの光景に、最初に金切り声を上げたまま放心していた水メイジの女性は、キュルケの一喝に、慌てて耕一に向かって杖をかざす。
先ほどまで血を吐いて苦しんでいたルイズの呼吸は、うって変わって落ち着いていた。
落ちた手首を切断面に当て、杖をかざして呪文を唱える。
水色の光が患部に灯り、じわじわと出血が止まっていった。多量の出血のためか、苦悶に歪んでいた耕一の顔がふっと緩み、床に倒れ込んで眠り始めてしまう。
「……すいません。残っていた精神力では応急処置が精一杯で……見た目だけはくっつけられましたけど、中身は全然……」
「ありがとう。とりあえず命が助かったんならそれでいいわ。さあカエデ、説明してもらうわよ」
女性がふらつきながら言うのに頷いたキュルケは、騒動を引き起こした張本人―――今しがた、その手刀で恋人の手首を切り落とした少女に視線を向けた。
「……はい。ですが、その話は、行きがてらにしましょう」
「? どこへ行くのよ?」
「……耕一さんとルイズさんを、治せる人のところへ」
§
どうやら、『私』はあまり父親の事が好きではなかったらしい。
お葬式の間、四姉妹達はひどく悲しみに暮れていたというのに、『私』の態度は平静そのものだったからだ。
式も終わり、しばらく父親の傍にいてやって欲しい、という姉妹の長女の頼みで、『私』はその家―――柏木家に滞在する事となった。
ブツダン、という、おそらく死者を弔うためのものであろう祭器におざなりに手を合わせ、やる事もなく退屈を持て余して日々が過ぎていく。
そして、夢を見る。
今の『私』が夢を見ているような状態なのに、その中でまた夢を見るというのは不思議な体験だったが、その夢は、そんなものを吹き飛ばすほどの衝撃だった。
怪物が、自分を乗っ取ろうとしてくる。
乗っ取られれば、その怪物は圧倒的な力で、周りの人間と言う人間を殺し尽くすだろう。
そんな事をさせるわけにはいかない。
少しでも気が緩めば、怪物は表へと出てくる。
気を張り詰め、心の中の檻を抑え付け、じっと目が覚めるのを待つ事しかできないのだ。
朝になれば、怪物は大人しくなる!
朝だッ!
朝はまだか!
アサだあッ!
アサあッ!
朝はまだかあぁーッ!!
§
しえん
あ、切るところ間違えた……。
------------------------------------------------------------
少しの後、未だ眼を覚まさないルイズと、出血の為に眠っている耕一を連れた5人は、空の上の人となっていた。
困憊していたシルフィードは一度ぐずったものの、特に急がなくていい&帰ったら好きなだけ肉を食べさせるという(彼女の主人にしては)破格の約束を取り付け、今は上機嫌で翼を広げていた。
「違和感はあったんです。エルクゥの力ではない、何か別のものが、耕一さんを動かしている……と」
「それが、使い魔のルーン?」
キュルケの答えに、こくりと楓は頷いた。その膝の上では、少し青い顔で、耕一が寝息を立てている。
「耕一さんが鬼となって暴れていた時と、先ほどルイズさんをエルクゥにしようとした時……何か金属の刃のような、熱いような、冷たいような感じがして……その時に、ルーンが光っているのが見えたんです」
「ルーンがコーイチの意志を無視して体を操り、ルイズの仇を取るために暴れさせて、ルイズの命を助けようとさせた……って事? そんな強力な強制効果、使い魔のルーンには無いわよ」
「でも、そうとでも考えないと……耕一さんが、他の人間をエルクゥに変えようとするなんて、するはずがないんです……」
「……と、言ってもねえ」
楓の言葉に嘘はないとはわかる。しかし、『コントラクト・サーヴァント』によって刻まれる使い魔の証の紋章にそんな強い服従の効果があるというのも、またキュルケの知識ではあまり考えられない事だった。
「……考えられなくはない」
「タバサ?」
風竜の背びれに背中を預け、本に目を落としていたタバサが、ぽつりと呟いた。
「『コントラクト・サーヴァント』は、危険な魔獣であっても主人に友好的にしたり、小さな小動物が人間の言葉を理解出来るようになったり、主従で感覚のやりとりが出来るようになったり……かなり強く、頭の中身を変えてしまう魔法とも言える」
最後の言葉を語る際、タバサの声がほんの少しだけ沈んだが、気付いた者はいなかった。
「人間に掛けられた例は、少なくとも記録にはない。人、もしくはそれに類する思考や意志を持つ者に掛けられた場合、その者の意志を、主人に友好的なように誘導、強制する効果は、どちらかと言えば、あると考えるのが自然」
そして、少しだけタバサの言葉が熱を帯びる。
「何かしらの行動が使い魔本人の性質や信条に著しく反するようなものであり、尚且つ、その行動をしなければ主人の命が危ない、というような極限の場合には……もしかしたら、無理矢理に体だけを強制させる、と言うような事もあるのかもしれない」
例として、通常の動物の使い魔が自発的に主人を庇って死んだと言う話は枚挙に暇がない、と付け加えた。
「……なるほどね」
「特に……彼についていたのは、ガンダールヴのルーン。どんな効果があっても不思議ではない」
タバサの言葉に、カチリ、と耕一の差している剣が微かな金属音を立てた気がした。
「がんだーるぶ? 何それ?」
「始祖ブリミルに仕えたという4体の使い魔の一人。神の左手ガンダールヴ」
「始祖ブリミルの使い魔って……ちょっとちょっと、初耳よ?」
「……どちらにしろ、今は消えてしまったもの。もう意味は無い」
「……はあ。もう、つれないんだから」
打ち切るように言葉を切ったタバサに、キュルケは髪を書き上げて溜め息を付いた。
「それにしても、珍しく饒舌ね、タバサ」
「……機会があって、調べた事があるから」
ふい、と、まるで照れて顔を背けるかのように、タバサは本に目を落とす。
それを見て、キュルケはくす、と小さく含み、楓に向き直った。
「話を戻すと、だからルーンのあった左手を切り落とした、って事?」
「はい。耕一さんにあんな事をさせるものを、放ってはおけなくて……」
「……無茶するわねえ。消えてくれたから良かったようなものの、右手とかに新しく出てきたりしたらどうするつもりだったの?」
呆れたような、微笑ましいような、そんな複雑そうな感情を滲ませて、キュルケは苦味を含んで笑った。
……右手だったらヴィンダールヴ、とタバサが本に目を落としたまま小さく呟いた言葉は、風に消えていった。
「……ごめんなさい。衝動的にしてしまった事ですから、そこまでは考えていませんでした」
「私に謝られてもね。ま、後でゆっくりコーイチに謝っておきなさいな」
「はい……」
耕一のあまり整えられていないざんばらな髪をそっと手櫛で梳いて、楓はそっと顔を伏せた。
§
……うわぁ。コーイチって、ロリコンだったんだ。
目の前に展開されるピンク色の光景に浮かんだ感想は、ただそれだけだった。
滞在して数日。あれよあれよという間に、四姉妹の三女―――少し陰のあるカエデという少女といい仲になってしまい、その部屋で男女の関係を築いてしまっているのだから。
―――いや待て。待つんだルイズ。そうじゃない、そうじゃないぞ。
だって、今この状況をロリコンだと認めてしまったら、このカエデとかいうあまり発育の良くない少女よりさらにヤバイ私は、ロリータなどという言葉では表しきれない幼児体型という事になってしまうではないか。
それはない。ないから、コーイチはロリコンではない。これ既定事項ね。破ったら殺すから。ここ、殺すから。
『私』が現実逃避をしている間に、二人は行為を終えて身なりを整え、真剣な顔で話し込んでいた。
それはいつか聞いたお話だった。そう、確か……『雨月山物語』。
剣士の男と鬼の娘の、悲しい恋の物語。
それはこの地方に伝わる昔話であり、コーイチとカエデはその二人の生まれ変わりだというのだ。
なるほど、と疑問が氷解した。それは、スッキリと心地よい感覚だった。エルクゥと、ジローエモンと、コーイチの関係。本人ではないが同一人物であったと。
何はともあれ、来世で再びと誓った二人は今ここに結ばれ、めでたしめでたし。
―――とはいかなかった。
エルクゥとは、紛れも無い『鬼』であるのだから。
§
そして数刻。シルフィードの背に乗った一行の目に、大きな森が見えてくる。
「あの森の中です。しばらく行ったところに森を切り開いた小さな村があります」
楓の指示通り、タバサはシルフィードを下降させ始める。
「そんなところに、腕のいい医者がいるっていうの?」
「……医者、というわけではなくて」
どう言ったものだろう、と思考を巡らせたところで、ふと気が付いた。
「……そういえば、お二人とも、エルフと言うのはご存知ですか?」
彼女は、この世界では迫害、敵対種族であるらしい、という事に。
「そりゃ知ってるわよ。この世界のメイジでエルフの事を知らない奴なんていないわ」
「ん」
二人ともが、肯定の意を示した。
彼女はきっと、そういう事に敏感だ。先に言っておくべきだろうと楓は判断した。
「怪我を治せる人というのは、エルフ……いえ、人間とエルフの間に生まれたハーフエルフらしいんです。見ても驚かないであげてください」
「ええええええええっ!!?」
見てもどころか、聞いただけで、キュルケが素っ頓狂な声を上げた。
「ちょっ、ハーフエルフっ? 何それ、なんでエルフがこんなところに? いや、そんな事より、エルフとの間に子供なんて出来るものなの? ああもうっ、今日は驚いてばっかりだわあたしっ!」
自棄になったかのような言葉だが、その語調は、どこか愉しげですらあった。
世界は、まだまだ新鮮な発見と驚きに満ちている! ゲルマニアの、ツェルプストーの血は、学院で楓に出会ってからというもの、騒ぎっぱなしだった。
「……そのハーフエルフが、治療を?」
「はい。耕一さんの痕跡を追っていた私を偶然召喚した方なんですが……私を送り出す際、誰かに怪我があれば戻ってこい、完全に死んでいなければ治す事が出来るから、と」
「エルフの治療、か。確かに良く効きそうではあるわね。オーケー、機嫌を損ねないようにしとくわ」
キュルケが爛々と目を輝かせて頷き……タバサは、俯いていた顔をゆっくりと上げた。
「……一つ、いい?」
「タバサ?」
「その人が治せるのは……怪我だけ?」
「……何を治したいのかは知りませんが、ごめんなさい、わかりません。私も、そう言われただけですから」
「……そう。……降りる」
特に何の感慨もないように言い、小さく宣言した通り、ばさっばさっと翼のはためく音が響き渡って、シルフィードは地に降り立つ。
そこは、港町ロサイスの近郊、ウエストウッドと呼ばれる森だった。いきなり村の広場に竜が舞い降りてきたので、遊んでいた子供達は驚きつつも、興奮を隠そうとせずにはしゃぎまわる。
ちょうど子供達の遊び相手をしていたティファニアは、最初こそ戸惑っていたものの、その背に乗っている人影の一人を見て、ぱあっと顔を綻ばせた。
「カエデさん!」
「テファさん、いきなりですいません、この人の治療をお願い出来ますか?」
眠ったままの耕一を抱えて風竜の背から降りた楓は、挨拶をするのももどかしいというように、耕一を地面に横たえた。
「この人は……わ、わ、手、手がっ!?」
ティファニアはその人物をぐるりと眺め回し、その左手首を見て仰天した。赤黒く幾筋もの血線が走っており、くっつききっていないところから向こう側の地面が垣間見える。
「水の魔法で外だけはくっつけたらしいのですが、中までは駄目だったと……」
「わ、わ、わかりました」
ティファニアは深呼吸をして気を落ち着けると、その指にはまっている指輪をかざし、目を閉じた。
「……お願い、お母さん。おともだちの大事な人を、助けてあげて……っ!」
その小さな願いの言葉が届いたのか、指輪と耕一の体が青く光りだし、みるみるうちに左手首の傷が無くなっていく。
光が消えた時には、手首だけでなく耕一の体全体が、すっかりと血色を取り戻していた。
すがりつくように、楓がその体を一度抱きしめる。続けて風竜の背から降りてきたキュルケ達が、その光景をほっとした様子で見守っていた。
「ありがとうございます……テファさん」
「う、ううん。治療したのは私じゃなくて、この指輪だし……そ、それに、わ、私達、おともだちでしょ?」
「……はい」
その透き通るような白い肌を朱に染めながら、ティファニアは言う。二人はじっと見つめあい、ほんわかとした雰囲気が流れ始めた。
入りにくい空気ねえ……と淑女らしくなくぽりぽり頭を掻いて、キュルケが一歩進み出た。
「あー、再会を喜んでるところ悪いんだけど、こっちも治してもらえるかしら?」
「は、はいっ!?」
「ご、ごめんなさい、キュルケさん」
ティファニアが飛び上がるように驚き、楓が我に帰って頭を下げた。
「あちらの桃色の髪の子も治してあげてくれますか。お腹を刺されたそうなんです」
「う、うん。わかったわ」
戸惑いつつも、ティファニアは同じように指輪をかざす。ぽうっとルイズの体に青い光が灯り、消えた。
「どうもありがとう。貴女がカエデを召喚したっていうハーフエルフのお方? 随分と可愛らしい方ですのね」
キュルケが一礼して胸を張ると、そのメロンのような双子の山が、まるでその正面にあるスイカに対抗するかのように、健康的に跳ねた。
「…………エイケニスト」
タバサは、じーーーーっと、そのティファニアの胸元のスイカだけを見つめ、誰にも聞こえないほど小さく何事かを呟いた。
「あ、あの、あ、あなたがたは? というか、ハーフエルフって……ええええっ!? わ、私の事、怖くないんですかっ!?」
「……なんだか、本当に可愛らしいわね。エルフって、皆こんなのなのかしら?」
夜に出歩く悪い子はエルフが来て食べられちゃうぞ、と母親が子供を躾るぐらいにハルケギニアで怖れられている種族を目の当たりにしたキュルケは、どこか気の抜けたような、安堵したような顔で、ほっと溜め息を付いた。
§
長く艶やかなその黒髪が、風もなく、自然と舞い上がる。
吹き付ける冷気が、彼女―――四姉妹が長女、千鶴の『鬼』を示していた。
そして、それに呼応するように、『私』も『鬼』を目覚めさせる。
目の前の千鶴は人の姿をとったままだが、『私』は違う。
目覚めた鬼の遺伝子が、体を作り変えていく。
人間の域を越え、骨と筋肉が増殖、再構成されていく。
膨張する体が内側から服を破り、膨れ上がった腕の先に刃のような爪が伸びた。
体の奥底から溢れ出る力。
『私』は目覚めた殺戮の本能のまま、近くにいた楓に爪を振るい、それを庇う千鶴との殺し合いを始めた。
何合も何合も、腕と爪を交差させる。
そのたびに風が舞い、地は震え、水を揺らし、火が身体中を駆け巡る。
人智を越えた戦いの神楽の中、『私』は思った。
―――ああ。私も『これ』になってしまったのだ、と。
以上です。支援ありがとうございました。お楽しんでいただければ幸い。
乙!!
・・・なんか「おっぱいエルフはわるいおとこにたべられちゃうぞ♪」というフレーズが浮かんだ(謎)
この勢いだと、今年中に200までいくなあ・・・
オレも今年中に復帰したいよorz
なんとエルクゥまで来てしまったか。
今日はなんていい日だ。
お疲れー。
千鶴さん派の自分は初音ちゃん派の友人と楓派の弟と「真のベストend」について散々やりあった思い出が……
別なルーンが浮かぶと聞いてナンバー47を思い出した。かむばーっく。
エルクゥの人、乙!
>朝だッ!
>朝はまだか!
久々にこの台詞を見たなぁ・・・。
309 :
虚無の鍛聖:2008/08/03(日) 18:59:50 ID:zUYQo6fa
乙でしたー。てかタバサ、エイケニストってww
個人的には一番好きな次女が出てくれなくてちょっと寂しくもありましたがいい展開だと思います
>>292 個人的には話が一番面白くていい作品だと思ってます。必殺技とかはありませんがその分プレイヤーの腕次第で…
エルクゥさん乙です。
エイケニストについて説明したのかなサイトは。
エルクゥ氏乙&GJ。
ルイズ&タバサ…………需要はあるさ、ありのままの君達でいておくれ。
あと楓&ティファニアの初々しさはいいな……。
しっかし耕一の契約切れちまったみたいだけど、今後どう付き合っていくんだろ?
次回も期待してます。
>>303 たわけw
>>307 痕の話はよー知らんが、梓さん……( ´・ω・`)
……これは自分の偏見なんだが、
三人以上いる兄弟姉妹の上から二番目って、クセの強い性格になり易いんだよな。
竜童さん家の次男坊しかりローゼンさん家の次女しかり。
だからかねぇ……。
っと失礼、童じゃなくて堂かorz
ローゼンさんとこの次女は外的要因がなぁ・・・
オーデルの中盤までは素直だったのに
>>311>>313 ローゼンの次女ってカナリアのことだよな?
姉妹達の中では一番のドジっ娘だが一番クセの無い性格じゃないか
>>314 あれ、水銀燈は長女だっけ?
原作読み返してみたらルイズ側に感情移入出来なくなってた
アニメの方の設定は真に受けないほうがいい
アニメのローゼンスレではOVAが黒歴史認定されてるし
ルイズがサモンサーバントをしたら手紙が召喚され
その手紙には巻きますか、巻きませんかと書かれているのですね、わかります。
提督の中の人、薔薇乙女の第二部書いてくれんかな
”まかなかった”ジュンにハルケギニアにいるジュンからメールが…
薔薇乙女達がゼロ魔キャラと契約するとしたら
真紅がルイズ
金糸雀がギーシュ
蒼聖石がタバサ
水銀燈がイザベラ
ってとこかな
翠聖石は水繋がりでモンモン、雛苺は母性が強そうなキュルケ辺りで
負けますか
負けませんか
>>318 ゼロのミーディアムですか……喧嘩別れの後どーなるんだか今も待ってる。
>>314 うん、何と言うか…………上から二番目の子はその兄弟姉妹の中の異端児ってなイメージを持ってるモンでつい。
たとえば柏木さん家の次女の発育具合とか、ヴァリエールさん家の次女の人当たりの柔らかさとか。他にあるかなこのテの話。
>>320 いばりんぼ、のーてんき、献身や冷徹さ、拗ねっ子っぽさ、意地っ張りかつ照れ屋……かな?共通項は
あとキュルケと雛の組み合わせはキュルケの保母さんっぷりに磨きがかかりそうだなw
そーいや提督の人、ワルドがアンアンがデルフが、いやいやヤン自身がラスト空気やん
と言われてるが、あの場面で一番ハブにされてるのって…
東方=ロバ・アル・カリイレの方々じゃね?
「ちょwwwwwwwっ!そーーーいう重要な問題、ハリケギニアとエルフの連中だけで決めるなよおおっ!」
原作ではハルケギニアより文明が発達している地域なんだからハブにされる理由は無いはずなんだが…
まあ、東方の国々まで作中に出してんの例の「@日本合衆国召喚」だけだかんなあ
あの手の元祖っぽい若草物語でも、やっぱり次女は活発で異端なイメージではあるな。
>>326 小ネタだとたまにあるぞ。
麻雀の本場とか。
原作に東方が発達してるって描写あったっけ。
弾幕射撃がやたら…
(弾幕的な意味で)赤く燃えているんですね、分かります。
三つ編みおさげのヒゲ面じーさんやゴテゴテ衣装の妖怪じょーちゃん達自重w
てか東方は魑魅魍魎の巣窟かよww
赤く燃える方より、東方→東方見聞録→ジパングな俺が颯爽と通過。
ということでジョゼフとタメ張れそうな某帝国海軍少佐召喚。
>332
なに、昔から東の方のイメージなんてそんなものじゃないか。
それにして投下ラッシュが凄まじい、皆さん乙でした。
鍛冶の人についてはネタが思いついたので一言。
「私は貴方の言うことには何一つ同意できないが、
貴方がSSを投下する支援には全力を尽くすつもりだ」
東方見聞録と聞いてトラウマ思い出しちゃったぜ
336 :
虚無と狼の牙:2008/08/03(日) 21:08:35 ID:M9s/kZwp
21:15からウルフウッド、投下します。
最近のウルフウッド、間隔が短いなw
支援
らららるら〜ジェノサイド〜支援
りりりるる〜血ィのオォゥーシャン〜 支援w
>>333 最近はgdgdだけどな
それならもうDDH182呼べばいいんじゃね?
341 :
虚無と狼の牙:2008/08/03(日) 21:15:03 ID:M9s/kZwp
虚無と狼の牙 第十三話
空が白んでいく。
ウルフウッドは夜明けのアルビオンを一人、城のバルコニーから眺めていた。あの晩餐の後、また部屋の戻る気分ではなかった彼は、こうして朝までずっと空を眺めていた。
「長い――今日が始まるな」
ぼそりと独り言をつぶやく。今日これから起こるべき事がまるで夢のように感じられる。しかし、そのポケットにはしっかりと、ウェールズから託された指輪の感触がした。
「相棒」
一人目を閉じたまま何かを考え込むウルフウッドにデルフリンガーが話しかける。
「なんや」
「馬鹿なことは、考えるなよ」
「馬鹿なこと?」
デルフリンガーは少し間を置いた。
「連中のために一緒に戦おうとか、そういう類のこった」
「悪いけど、ワイはそんなお人好しちゃう。いつでも、自分のことだけでいっぱいいっぱいや」
ウルフウッドは静かに言い放った。朝の、霧の匂いのする空気が彼にまとわり付く。
「じゃあ、これからどうするつもりだい?」
「じょうちゃんの結婚式が終わるのを待って、それから船で陸に戻る」
「……ここで待つのかい?」
「あぁ」
こともなさげにウルフウッドは呟く。デルフリンガーは、もしも息が吐けるなら特大のため息を付いてやりたいところだと思った。
「相棒。お前さん、じょうちゃんの結婚式には出ないつもりかい?」
「そや」
「あのよぉ、相棒。あのワルドって貴族が気に食わないのはわかるけれどもよぉ。子供じゃないんだ。拗ねてもどうしようもないぜ?」
デルフリンガーがあきれ返るような声を出した。
「ちゃう。そんなんやない」
「じゃあ、どんなんだよ」
ウルフウッドはゆっくりと下唇を噛んだ。そして、静かに言葉を続けた。
「ワイの手は汚れすぎてんねん。とてもやないけど、人を祝福することなんてできひん。牧師いうても、葬式専門がええとこやな」
ウルフウッドは己の両手を開いて、手のひらをみつめる。彼の目には、そこにおびただしい量の血がついているのが見えた。
「血塗られたこの手で、一体何を祝福できるいうんや」
両手を朝日に透かしてみた。指の間から漏れた朝日がウルフウッドの顔に差して、彼は目を閉じた。
$
342 :
虚無と狼の牙:2008/08/03(日) 21:16:07 ID:M9s/kZwp
礼拝堂。そこにルイズとワルドとウェールズの三人はいた。
「すまないな、ワルド子爵。いかんせん、こんな日なのでね。本来ならもっと盛大に祝福をしたいところなのだが」
「いえ、構いませぬ。殿下。そんなことよりも、殿下が我らの結婚式の媒酌人をお引き受けしていただいたことには、感謝の言葉もございませぬ」
ワルドが慇懃に礼をした。
ウェールズは皇太子としての正装でワルドに向かい合って立っている。そして、ワルドの隣には花嫁衣裳に身を包んだルイズがいた。
「さて、いつ貴族派の連中が襲ってくるかもわからぬ。略式で申し訳ないが、結婚式を始めさせていただこう」
ウェールズは大仰に手を二人の前で上げた。
そのまま辺りを見回して、結局彼は来なかったか、と心の中で呟く。
「どうかなされましたか、殿下?」
「ん? いや、なんでもない。失礼。それでは」
ワルドの言葉に襟を正して、ウェールズは気を取り直すと、
「では、式を始める」
ウェールズの声が、静かに響く。
しかし、ルイズはその言葉にも反応せず、静寂の中で時間が止まったように佇んでいた。
「新郎、子爵ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド。汝は始祖ブリミルの名において、このものを敬い、愛し、そして妻とすることを誓いますか」
「誓います」
ワルドは重々しく頷き、落ち着いた声ではっきりと言った。
ウェールズ領くと、視線をルイズに移した。
「新婦、ラ・ヴァリエール公爵三女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール……」
朗々と、ウェールズが誓いのための詔を読みあげていく。
ルイズはただ考え込むように、下を向いている。
「新婦?」
ウェールズが不思議そうにルイズの名を呼んだ。
ルイズは慌てて顔を上げる。
頭の中でさっきから繰り返されているのは、ウルフウッドの言葉。
――それはおじょうちゃんが決めるべきことや。
ワルドとの結婚。それは自分で決めたことだったろうか。
いや、違う。許婚と決めたのはお互いの両親同士の話だ。それも、遠い昔子供の頃の。 あの頃は、将来ワルドと結婚するものだと思っていた。けれども、それは本当に自分自身で決めたことだろうか。
違う。
ワルドと結婚するのが嫌だとか、そういうことじゃない。ただ、これは自分の答えではない。
それが間違いでもいい。ただ、自分で決めたことを後悔しないだけでいい。胸を張って、自分で決めたことを自分で貫き通したい。
そうしないと、いつまでも自分は追いつけない。
ルイズは顔を上げて、はっきりと前を見据えた。フーケのゴーレムに立ちはだかったときのように。空賊の頭と対峙したときのように。
「続けてもよいかな? では繰り返そう。汝は始祖ブリミルの名において、このものを敬い、愛し、そして夫と……」
ウェールズはそんなルイズの目を見てにこりと笑った。彼女は彼女の答えを出した。ならば、それでいい――
ルイズは深く深呼吸して、決心した。
ウェールズの言葉の途中、ルイズは首を振った。
343 :
虚無と狼の牙:2008/08/03(日) 21:17:28 ID:M9s/kZwp
「新婦?」
ウェールズは柔らかい笑みでルイズに声を掛ける。
せめて、この目の前の小さな少女には、自分で決めた生き方を貫いていって欲しい。
「ルイズ?」
ルイズは、不思議そうに彼女の顔を覗き込むワルドに向き直った。
「どうしたね、ルイズ。気分でも悪いのかい?」
「違うの。ごめんなさい、ワルド……」
「どうしたんだい? 日が悪いなら、改めて……」
「そうじゃない、そうじゃないの。ごめんなさい、ワルド、わたし、あなたとは結婚できない」
「新婦は、この結婚を望まぬのか?」
ウェールズは優しい声でルイズに問いかけた。
「そのとおりでございます。お二方には、大変失礼をいたすことになりますが、わたくしはこの結婚を望みません」
ワルドの表情が少し歪んだ。思わずルイズの手をとろうとしたワルドをウェールズが遮る。
「子爵、誠にお気の毒だが、花嫁が望まぬ式をこれ以上続けるわけにはいかぬ」
「……緊張してるんだ。そうだろルイズ。君が、僕との結婚を拒むわけがないじゃないか」
「ごめんなさい。ワルド。あなたのことが嫌いなわけじゃない。ただ、今のわたしにはあなたと結婚することを決心できるだけのものがないの」
ワルドは静かに両手をだらんと垂らした。そして、その場にある石を見るような目でルイズを見た。
「ルイズ。一体僕の何が物足りない? 力も、名誉も、僕にはある。それでも、君は僕に何が足りないと言う?」
「ワルド……」
「ルイズ、君がそれでも満足しないなら、僕は世界を手に入れる。世界をこの手にね。ルイズ、そのためには君の力が必要なんだ。君は僕と共に来れば世界を手に入れられるんだよ?」
「わたし、世界なんか、いらない……」
ワルドは深く息をつきながら、首を左右に振った。その様子にルイズは無意識に後ずさりをした。
「そんな爬虫類みたいな目をしないで」
「……魔法の才能、そして従順さ。君はそれだけあればいい。自らの意思など、貴族としての矜持など、そんなものは君には必要ないんだ」
ワルドはゆっくりとルイズを振り向いた。
「自分の行き方を自分で決めて、わたしは後悔したくないだけ。ワルド、あなたがわたしに望むのが、あなたの傀儡なら、わたしはわたしの貴族としての誇りにかけてお断りするわ」
「随分立派になったものだ。あの泣き虫が。誰の影響だ? まぁ、もうそんなことはどうでもいいか」
ワルドはそのままルイズに正対する。落ち着き払った態度が逆に不気味だった。
「ワルド子爵。彼女の意思は固い。あなたも貴族なら、ここはおとなしく引き払ったらどうかね?」
ウェールズがルイズとワルドの間にすっと割って入った。
「君の気を引くために色々小細工をしたのが、徒労に終わったか。まぁいい。目的の一つはあきらめよう」
「……何を言っているのだ、子爵?」
ワルドのどこか異様な雰囲気を感じ取ったウェールズが杖を構える。
「今回の旅の目的は三つあった。一つは、君。ルイズを手に入れること。二つ目は、君の懐にあるアンリエッタの手紙」
「逃げるんだ!」
全てを察したウェールズはルイズを振り返り、大声で言い放った。そして、杖を構えて詠唱を始める。
しかし、ルイズは動けなかった。頭で状況が理解できても、心は納得してくれない。呆然と、そのまま立ち尽くす。その視界の片隅で、ワルドが杖を抜くのが見えた。
ドン、という鈍い音がした。ほぼ同時にルイズの顔に何かがかかった。
「がっ、はっ……」
恐る恐るルイズが視線を向けた先で、ウェールズが口から血を溢れさせていた。彼の服が見る見るうちに紅く染まっていく。
彼女の頬にかかったのがウェールズの血だと気が付くのに、そう時間はかからなかった。
支援
345 :
虚無と狼の牙:2008/08/03(日) 21:18:53 ID:M9s/kZwp
「『閃光』こそがわが二つ名。アルビオン王国皇太子ウェールズ・テューダー、確かにその命頂いた」
ワルドがウェールズの身体に身を預けるようにして立っている。その手元では杖が深々と腹に刺さっていた。
ウェールズが詠唱を終える前に、ワルドの術による凶刃が彼を捕らえていた。杖を持ったままのウェールズの右手が震えている。ウェールズの顔が痛みに歪む。
「さてと、これでルイズ。あとは君から手紙を頂けば、僕の仕事は終わりだ。おとなしく渡してくれるなら、それでいいのだが――」
ルイズはワルドの言葉に我に返ると、胸のポケットに入った手紙をかばうように礼拝堂の入り口へと走り出した。
「やはり渡してはくれないみたいだね。仕方がない。ここは力ずくで頂くとしよう」
ワルドは杖をウェールズから引き抜こうとした。しかし、抜けない。
「……殿下。往生際が悪いですぞ」
ウェールズが必死の形相で、ワルドに抜かせぬべく左手で杖を握り締めていた。口から血を溢れさせながら、今にも倒れそうな足で、ワルドをにらみつける。
「悪いが、きっちりと仕事はさせていただいた。致命傷だ。あなたは助からない。さっさと、この手を離されたほうが楽になりますぞ」
最後の力を振り絞るウェールズにワルドはあざ笑うような視線を投げかける。
「――!」
その刹那、ウェールズがおもむろに上半身を上げ、右手の杖をワルドへと向ける。とっさの判断で杖から身を離し、体勢をしゃがみこませるワルド。
ウェールズの杖から放たれた最後の魔法は、ワルドにかすることすらなかった。ウェールズの放った真空の刃で出来た竜巻は、礼拝堂の入り口のドアを破壊した。
ワルドは「ふぅ」と息を吐くと、安心したように笑う。
――どうか、気が付いてくれ。
力を使い果たしたウェールズはそのまま身体を折り曲げて、床に崩れ落ちた。
「最後の力を振り絞って相打ちを狙うまではよかったが、残念でしたな」
こと切れたウェールズの身体を足で仰向けにひっくり返して、ワルドは杖を引き抜いた。ウェールズが死んでいるのを確認してから、ワルドは杖を構えてゆっくりと逃げようとしているルイズへと振り向いた。
ワルドの放った風の魔法がルイズの足を取る。逃げようとしていたルイズは足をとられ、地面に叩きつけられた。
「手荒な真似をしてすまないね、ルイズ。けど、今君にここから出て行かれると、いろいろと厄介だ。悪いがさっさと終わらせてもらうよ」
床に手を着いたままおびえるルイズに、ワルドはゆっくりと近づいていく。
しかし、ワルドはこのとき気が付いていなかった。ウェールズの本当の狙いは成功していたことを。
「さて、ルイズ。手紙はどこだい? 渡してくれないか?」
ルイズは涙を溜めた目で、ワルドをにらみつける。絶対に泣くことはしない、そう決意した目だった。
「仕方がないな。下手に手荒な真似をして、手紙を破ったりしたら大変だからな」
ワルドは大げさに嘆息してみせると、杖を大きく掲げた。
「だから、ここは君の首でも切り落とさせていただくとしよう」
ワルドが魔法の詠唱を始める。ルイズは目を瞑った。
もうどうしようもない。絶体絶命だ。
けど、けど――
ルイズの頭の中で一人の男の顔が浮かぶ。
わたしは、ちゃんと自分のことは自分で決めたよ。ちゃんと言われたとおりに、がんばった。だから、だから――助けて!
心の中で、叫んだ。
次の瞬間、聞こえてきたのは、何かが爆発するような音だった。それも一瞬のうちに何発も。
目の前で、何かが殴り飛ばされるような激しい音がした。それは、自分が襲われる音ではなかった。
ルイズは恐る恐る目を開けた。目の前のワルドが何かの衝撃で横なぎに飛ばされ、床に横たわっている。
そして、
「無事か! ルイズ!」
聞きたかった声が聞こえた。
ルイズは安心して、ぽろぽろと泣き始める。こくりと頷くのが精一杯だった。そして、それだけで十分だった。
彼女の視線の先にある壊れた礼拝堂の入り口には、巨大な十字架と大きな剣を構えた彼女の使い魔がいた。
$
しぇん
347 :
虚無と狼の牙:2008/08/03(日) 21:20:07 ID:M9s/kZwp
ワルドとウェールズ。突然ウルフウッドの左目の視界に奇妙な光景が映った。
「なんや……」
「どうしたんだい、相棒?」
「ワルドとウェールズが見える。これは……じょうちゃんの視界?」
ウルフウッドは左目を抑えがら、呟く。
「使い魔と主人の感覚は繋がっている。まぁ、そういうこともあらぁな。けど、どうして今になってそんなもんが見えるだろうな、っておい!」
ウルフウッドはデルフリンガーを乱暴に掴んだ。そして、立ち上がりパニッシャーを背負う。
「まずい」
「え?」
「まずいことになった! クソ、しくってもうた!」
ぎりぎりと歯を食いしばりながら、胃の奥から吐き出すような声で吐き捨てるウルフウッド。
「まさか、あの娘っ子の身に?」
「あいつらは、あいつらは今どこにいる!」
「わ、わからねーよ! 結婚式っていうんだからどっかの礼拝堂だと思うけど」
「ちっ!」
ウルフウッドはがむしゃらに走り出した。彼の左目に映る光景、そこにいるワルドの姿は――見慣れた殺人者の目だった。
「くそ! 礼拝堂ってどこやねん!」
ウルフウッドは城内を走る。しかし、辺りには人影は見当たらない。全員、今は地下で戦闘と脱出の準備を進めているはずだった。
「相棒、落ち着け! とにかく見晴らしのいい場所に出るんだ!」
間に合うか?
その言葉だけがウルフウッドの頭の中を埋め尽くす。焦る心は冷静な判断力を奪う。
血を吐いているウェールズの姿が見えた。
急がなくてはいけない。事態は刻一刻と悪い方向へ向かっている。
そのときだった。何かが爆発するような音が聞こえた。
「……あっちや!」
ウルフウッドは全力で走り出した。
確証はないが、確信はある。ルイズたちは間違いなく、そこにいる。
ウルフウッドたちはまっすぐに先ほどの爆発音の場所にたどり着いた。
「相棒、間違いねえ。ここが礼拝堂だ!」
粉々に砕け散った入り口の扉越しに、ルイズと――ワルドの姿が見えた。
「相ぼ――」
デルフリンガーが声を掛けるよりも早く、ウルフウッドはパニッシャーを構えた。
警告も何も必要ない。叩き込むだけだ。ワルドに向かって、己の牙を。
十数発の弾丸は確実にワルドを捉えた。撃たれた衝撃で教会の床を転がっていくワルド。土煙を上げて転がるワルドを見届けると、ウルフウッドは礼拝堂の入り口へと走りこんだ。
「無事か! ルイズ!」
大声で叫び、ウルフウッドは礼拝堂の砕けたドアの破片を乱暴に踏みしめる。
こちらを向いたルイズと目が合う。泣いてはいるが、傷はなさそうだ。
ウルフウッドはルイズがこくりと頷くのを見届けると、ここでほんの少しだけ肩の力を抜き、辺りを見回した。
床にへたり込んだまま泣いているルイズ。そのルイズに襲い掛かろうとしていたワルドがパニッシャーの弾丸を受けて、中央の床に倒れている。そして、その奥には――
「……ウェールズ」
唇を噛み締めながら、ウルフウッドは呟いた。彼の視線の先に横たわっているのは、昨日の夜話をしたアルビオン王国皇太子ウェールズ。
彼の服が血に染まっているのが見て取れる。おそらく、あの出血量では――
くそったれ。
なんでこんなとこで終わっとんねん。お前は王家の誇りとやらを見せるん違ごたんかい。なにを、こんなところで――
ポケットに入れた風のルビーの感触が、痛い。
「う、ウルフウッド……」
「すまん、じょうちゃん」
震えるルイズの声に立ち尽くしたまま、ウルフウッドは小さな声で応えた。
「本当に、すまんかった」
何が、自分には資格がない、や。結局のところ、オレは逃げ出しただけで、それで、その結果がこれや――
気が付いていたはずだった。ワルドという男に何かがあることは。しかし、それを自分には関係ないと勝手に決め付けて、そしてその結果が、これだ。
自己嫌悪。ウルフウッドは唇を血が出るまで噛み締めた。鉄の味が、口の中に広がる。
支援
349 :
虚無と狼の牙:2008/08/03(日) 21:21:54 ID:M9s/kZwp
なにをやっとんねん。なんも成長してへんやないか。
「ウルフウッド、あの、わたし」
「大丈夫や。なんも言わんでも、大体の事情はわかる――」
ウルフウッドの目が見開いた。殺気が、する。
「じょうちゃん、伏せろ!」
ウルフウッドはルイズの前に走りこみ、パニッシャーを盾のように構えた。そこへ、巨大な雲のようなものが迫ってくる。それはウルフウッドを包み込むと、
「がぁっ!」
ウルフウッドの全身に鋭い衝撃が走った。身体が、痛い。そして、熱い。
全身から煙を出しながら、ウルフウッドは肩膝を付いた。全身がしびれたように力が入らない。
「おんどれ……」
ウルフウッドが上目遣いににらみつけた、その先には、平然と杖を構えるワルドがいた。
350 :
虚無と狼の牙:2008/08/03(日) 21:22:56 ID:M9s/kZwp
今回は長くなってしまったので二回に分けて投下します。
後半は十一時ごろに投下するつもりです。
ウェールズ暗殺に成功したワを見たのは久しぶりな気がする
お疲れ様
盛り上がってきたね、後半もwktkして待ってます。
>189
原作のエピソードを展開や視点まで同一のままパクって名前を差し替えただけじゃSSとは呼べないと思うんですが
ウルフウッドが心配で心配で堪らない。
顔のインパクトしかない出オチマイナーマンガファンなんてそんなもの
他の凡作もだが、提督の壮大さや緻密さを見習って欲しいものだな
口ではああ言ってもエピローグを書く気満々みたいだし、一週間以内に投下してくれるだろう
既得権益に驕り高ぶった貴族が没落しギロチンに掛けられるのは分かり切ってるから、魔法という呪縛から解き放たれ優秀な平民を中心とした新時代のハルケギニアの発展の萌芽を見届けたいものだ
球磨ー
狼氏に触発されて、というわけではないが現在ヴァッシュ召喚で書いてるぜ。
まだ一話分くらいしかできてないけど、書きたまったら投下させてもらおう。
魔法の優位性と科学の優位性
両方あるんだから貴族の没落はあってもギロチンはないだろ
>351
諜報部より報告
我が国のスパイが
アルビオン
において
ウェールズ王子
の暗殺に成功しました。
……いやスマン、ちょうどこのゲームやってたもんで……。
>358
触るな危険、ですよ。
>>359 さあ早く44年ドイツでモスクワを踏みにじるんだ
プロジェクトA子より英子を召還
アルビオン落ちそう
「ちょっと仕事いって帰ってきたらよぉ〜、スゲー投下来てるんだがよぉ〜。これって喜んで良いんだよなぁ〜?」
・・・と言う訳で今からありがたく読ませていただきますwwww
6000年も始祖ブリミルの名の下に宗教的洗脳を施し、更に魔法という力による恐怖で弾圧することで貴族という特権階級として平民に対し搾取や虐待をし続けた
これ以上の根拠は要らないし、この罪は地獄行きすら生ぬるいだろう
自分たちも都合の悪いことがあれば異端審問や宗教裁判などの名目で一つの村を丸ごと鏖殺したりしてきたんだからな。因果は巡り己に返ってきたというだけだ
市中引き回しや車裂きではなく、一瞬で命を刈り取れ余計な苦痛を与えないギロチンなんて人道的すぎるがあまり血生臭いのもイメージが悪くなるからな
そして作中でラインハルトが明確に平民の科学技術>越えられない壁>虚無や系統魔法と断言している以上、もはや貴族共に安楽の地などない
待て!罠かもしれん!俺が先に読む!
>>363 彼女のくつ下についてる劣化ウランで
トリステインが放射性物質汚染されます。
はいはい基地外基地外
NG行きと
終わったんだからあんな汚いものもう話題に出すなよ
ふと思った
誰かHoiかVic用のゼロ魔MOD作らないかな
Vicは難しくて日本を1回プレイして放置したけど
今まで服従を強制され、理不尽に抑圧されてきた者が解放されればどうなる?
当然報復を始める、これは歴史上の必然だ
史学志望だったヤンがそのことを知らないはずはないし、その上で貴族の正当性の基盤であるブリミル教の破壊に反対しなかったことから提督作者もこれを念頭に置いていることは間違いない
根拠を捏造してバッシングを始めるアンチや、他人をキチガイだのとレッテル張りし見下すことでしか自尊心を満たせない輩にはこの程度の想像力も働かないのかもしれないがな
>>359 早くDPRJでアメリカ西海岸にICBMを降らせるんだ
でもブリミルって最新刊見てると悪人じゃない可能性がでかいんだよな
気が弱いけど才気に溢れて一族を守ろうとする立派な青年って感じで
全てを歪めて対立構造と支配構造を作り上げたのって
当時のロマリアの祖とエルフ達の祖って感じがする
釈迦にしろキリストにしろ弟子達がいらんことして教えを歪めてしまってる部分はあるわけだし
提督でも最後は名誉回復して欲しいわ
374 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 22:28:04 ID:iAbIBpgq
ここで支援支援言ってるヤツはみんな気持ちが悪い
吐き気を催すきもちわるさだわ
権力を握れば人は変わる
独裁者にも理想に溢れた革命家や清廉な青年政治家と言われていた時代はあった
うむ、あのブリミルは性格よさそうだったしな。
そもそも貴族がいなきゃハルケギニアの民は今ほど豊かな暮らしはできてないし、
宗教がなきゃ健全な人間に育てるのは難しいからな。
人間が宗教から脱却できるのはSF世界にまで達しないと無理で、今の現実世界も宗教なくしたら大変なことになる。
馬鹿の一つ覚えみたいに「ワルイノハブリミル!」って繰り返してたあの作者にそんな感覚があると思うか?
>376
まあ、それ(SF)にしたって、金や科学、あるいは企業が「神」の位置に入っただけ、
ってぇ見方もできるがね。
「信じるべき何か」がないと人は生きていけませんて。
(そんなことはない! と言い切る人も、結局「自分」を信じてるのさ)
>>議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
姉妹スレでちょうどエイメン神父が降臨してる時に何を言ってるのかね!
いいからキミも空飛ぶスパゲッティモンスター教に入信したまえ、ラーメン
提督の人の作品自体は楽しんでるよ
こういう解釈も有りだなって意味では
それに始まったのは14巻発売以前だしな
途中からプロット変えるのマジ大変だし
ああいう結果を引き起こした張本人ってことで
登場キャラクター達が嫌ってただけで
悪人か善人かってのはまた別問題じゃないか
教皇の人格も多少は変化あったかな…?
原作だとロマリアの地下に大量の地球産兵器、「世界扉」で異世界の町並み見物と
ガルケギニアの外に得たいの知れない世界があると知っていただろうが
提督の人ではどうかな?
聖地から出たとたんに破壊されてまうのでロマリアの地下にはここ数百年ろくな遺物なし
人類の領域が広がりすぎたので世界扉で見れるのは宇宙空間だけだったんじゃ…?
そーいや、第二地球を含む第二銀河には、人類が移住可能で手付かずの第二オーディンや第二フェザーンや第二ハイネセンがあるうんだろうなあ…
しかし何というか、思ったよりHoIネタに反応できる人間が多くてびっくりだ。
ホントにこのスレは読者層が幅広いな。
とりあえずUTB入れて宇宙勝利目指してくる。
貴族がいなくても人間ならやっていけるだろ
科学の変わりに魔法があるみたいなもんなんだから
宗教があろうがなかろうが、健全な人間なんてできるときはできるし
できないときはできないだろ
「聖地を奪還せよ」というのも、ブリミルの意図をきちんと表現してるとは限らんよな。
始祖の祈祷書は、現代ハルケギニア語と異なる古代ルーンで書かれてる。
なので、「聖地」という現代ハルケギニア語の訳語が、誤訳の可能性がある。
たとえば、
・何かを封印するためにエルフと共同して「聖地」を目指していた。
・完全な封印が達成できず、エルフに防衛線を築いてもらった。
・ブリミル教内部で「聖地」の知識が失伝した。
・始祖が目指していた地=聖なる土地として、「聖地」に誤訳が当てられた。
・エルフは盟約に従って「聖地」を守り続けている。
・「聖地」への到達を妨害するエルフは敵。
みたいな感じなのかもしれん。
誤訳は教会内に取り込まれたであろう非マギ族による
ミスリードという設定もありだろう。
389 :
虚無と狼の牙:2008/08/03(日) 22:53:35 ID:M9s/kZwp
ぼちぼち投下していきます。
おっとこれ以上は設定・考察スレの出番だぜ?
391 :
虚無と狼の牙:2008/08/03(日) 22:54:38 ID:M9s/kZwp
「ふう、危ない危ない。全く、恐ろしい火力の銃だ」
「あんだけ、ぶちこんだったのに、無傷やと?」
ウルフウッドは歯を食いしばる。確かにあの時パニッシャーはワルドの身体を捉えていた。彼の視線の先にいるワルドはしっかりとその足で立っている。対するウルフウッドは、パニッシャーである程度防いだとはいえ、それでも全身にダメージを食っている。
「どれだけ火力があっても、それは銃だ。僕は風のスクエア。風を使って銃弾の方向を変えてやれば、ダメージは受けないよ」
余裕の表情で立っているワルド。
不意をついたはずなのに、防がれた。知っていたのだ、ワルドは己の武器を。
「くそったれ。こっちの手の内はバレとったか」
「例の手合わせのときに、隠して通したのが無駄になったな。まぁ、あの手合わせの際に本気を出していなかったのは、僕も同じことだが」
この状況はまずい。こちらの攻撃が通じない上に、相手の攻撃を防ぐ術がない。
ここは礼拝堂だ。辺りには備え付けの椅子が並んでいる。小回りの効いた動きで魔法をかわすのは難しい。
「じょうちゃん、もう立てるな? 逃げろ」
ウルフウッドは搾り出すように声を出した。
しかし、ルイズは首を振る。
「逃げろ、言うとんねん。駄々こねんといてくれ」
それでもルイズは首を振り続ける。
「いや。わたしも戦う。わたしは逃げない。逃げたくないの。誰かを置いて逃げたくないの」
「わがまま言わんといてくれや。この状況がわからんわけちゃうやろ」
ウルフウッドはゆっくりと立ち上がる。
敵に背を向けないものを貴族という――なんとなく、今ならその意味が理解できるような気がする。
ルイズは涙を流しながらも、その場から動こうとしない。健気にも杖を構えている。
「泣くな、ルイズ。お前は間違ってへん。堂々と胸を張れ」
素直に敬意を払おう。自らの主人の勇気と、貴族としての矜持に。
ウルフウッドはパニッシャーを持ち上げ、力強くワルドを見据える。
「使い魔と主人の美しい絆、と言いたいところだけれども、こっちも時間がないのでね。無粋だが、これで終わらせてもらう」
ワルドは二人の様子を鼻で笑うと、魔法の詠唱を始めた。
ウルフウッドはパニッシャーをワルドに向けて撃った。しかし、その銃弾はワルドの手前でワルドを避けるように曲がり、後ろの方向の椅子を打ち砕くだけ。
ウルフウッドは歯を食いしばる。
何をやっとんねん、ワイは。結局、なんもできひんのか。こいつにいいようにやられて、それで、それでもうアカンいうのか。こんな小さい女の子一人守れへんのか――
「相棒! オレを構えろ!」
デルフリンガーの声が響いた。
「お前……」
「思い出した、思い出したぜ。相棒、お前の心が震えたから、オレは思い出した」
「何をや」
「説明は後だ。来るぜ!」
さっきと同じ、いや、それ以上に巨大な雷雲が彼らに迫る。
「ちっ、この際や。どうにでもなれ!」
ウルフウッドは左手のデルフリンガーを構えて、その雷雲にぶつけた。
ぶつかった瞬間、ウルフウッドは電撃を覚悟した。しかし、その瞬間は訪れない。代わりに、デルフリンガーが触れた雷雲が見る見るうちに小さくなっていく。
見ればウルフウッドの左手が力強く光り輝いている。
392 :
虚無と狼の牙:2008/08/03(日) 22:55:40 ID:M9s/kZwp
「こ、これは?」
「へへへ。思いしたぜ、相棒。オレはよー、ガンダールヴの左手。こうして相手の放った魔法を、吸収することが出来るんだ」
得意げに響くデルフリンガーの声。見る間にワルドの魔法は消え去った。
「馬鹿な」
驚きを隠せない表情で、ワルドはウルフウッドを呆然と見つめている。
「なるほど。なら、これで五分やな」
ウルフウッドがにやりと笑う。そしてパニッシャーですばやくワルドの足元を撃った。弾丸の衝撃で木屑が飛び散り、椅子が砕け散る。
ワルドは足場を取られないように飛んだ。その隙を逃さずに、ウルフウッドが一気に距離を詰める。
しかし、ワルドはウルフウッドの作戦を見抜いていたかのように、魔法を放って迎撃した。ウルフウッドは向かってきた巨大な風の刃をデルフリンガーでなぎ払い、後方に下がる。
魔法で受けたダメージはあるが、身体の痺れは抜けてきた。これならば、いける。
「さすがは、伝説のガンダールヴ。一筋縄ではいかないか」
「こっちの弾が尽きるか、そっちの魔法力が尽きるかの勝負やな。じょうちゃん、危ないから、どっかに隠れとき」
ウルフウッドはパニッシャーを構えた。長距離からの銃撃は風の防壁に遮られ通じない。ならば、近距離に持ち込むしかない。
お互いにロングレンジの攻撃は効かない。ならば、先に尽きてしまったほうが、負けだ。
「悪いが、馬鹿正直に消耗戦に付き合う気はない。一気に決めさせてもらう」
そしてワルドは呪文の詠唱を始めた。
「……魔法は通じひんで?」
「わかっているさ。ただ、これから使う魔法は攻撃魔法ではない。そうだね。ちょっとした、手品みたいなものだよ」
そう言ってワルドが笑った瞬間、まるで風に揺られるように、彼の身体が五つに分かれた。
「なんやと?」
「偏在のスペル。言っておくが、これらは全て幻などではない。全て実体として存在している。あぁ、そうだ、せっかくだから種明かしもしてあげよう」
ワルドは懐から仮面を取り出した。そしてそれを被ってみせる。
「……なるほど、全てはお前の手の内にあったいうことか」
「その通り。いろいろと策を練った割には大した成果は得られなかったが、まぁいいさ。さて、果たして我々五人から同時に魔法攻撃を受けて、防ぎきれるかな?」
ワルドの偏在たちはウルフウッドを囲むように広がった。
「これで終わりだ!」
ワルドの偏在の一人が魔法を放った。巨大な雷雲がウルフウッドに迫ってくる。
「相棒!」
ウルフウッドは走り出した。パニッシャーを構えて雷雲へと突進する。
「無駄だ! 銃弾は効かないと言ったはずだ!」
ワルドのあざ笑うような声が響く。しかし、ウルフウッドはそれに構わず前へと走る。パニッシャーを盾にして、魔法を真正面から受け、正面のワルドの懐へと飛び込む。
ウルフウッドの全身から煙が起こる。それでも、焼け爛れた足で、焼け爛れた腕で、ウルフウッドは前へと進む。
デルフリンガーで防御するものと高を括っていたワルドは少しだけ面食らう。
「馬鹿め! 防ぎきれないと見て玉砕に出たか」
「……お前の風の防御壁いうのは、これだけ近づいても効果あるんか?」
ウルフウッドはパニッシャー銃口をワルドの身体に当てた。
ワルドの顔が強張る。偏在の一人が慌ててウルフウッドに向けて魔法を放ったが、
「まずは、一人目」
パニッシャーのゼロ距離砲撃がワルドの身体を射抜いた。銃声と共にワルドの身体にいくつもの穴が空く。
sien
394 :
虚無と狼の牙:2008/08/03(日) 22:56:42 ID:M9s/kZwp
ダメージを受けたワルドの偏在が薄くなり、そして消えた。
「偏在を一つ倒したくらいで調子に乗ってもらっては困るね!」
ワルドの魔法、巨大な真空の刃がウルフウッドに迫る。しかし、それをウルフウッドは何事もなかったかのようにデルフリンガーで横なぎに払った。
――今だ!
ワルドはその隙を逃さない。ウルフウッドの死角から偏在の一人が魔法で剣と化した杖を構えて、背後から刺し貫くべく突進する。これはウェールズを死に至らしめた魔法だった。
しかし、ウルフウッドはその動きを読んでいたかのように、ワルドの姿を見ることなくデルフリンガーを回転させ、突きを放った。
「ごふっ」
ワルドの杖とデルフリンガー、レンジの差で先にデルフリンガーが深々とワルドの喉元に突き刺さる。
「これで二人目や」
「……甘いね」
ワルドの偏在は深々とデルフリンガーをその旨刺したまま不敵に笑った。そして、デルフリンガーを握り締めると、思い切り身体をひねる。
「偏在をにはこういう使い方もあるのだよ!」
ワルドの偏在はウルフウッドの手からデルフリンガーを強引にもぎ取った。ガランという音と共に消え去るワルドの偏在とデルフリンガーが床に転がり落ちる。
「相棒!」
「ウルフウッド!」
デルフリンガーとルイズが叫んだ。
「これで、貴様にはもう魔法は防げまい!」
ワルドの偏在は杖を構えて魔法の詠唱を始めた。
偏在二体を破壊されたのは痛いが、それでこの男の手からデルフリンガーを奪い取れたなら、十分だ。風の魔法で防御している以上、銃弾は効かない。
「甘い」
ウルフウッドは不敵に呟く。
「何が――」
その瞬間、ワルドはウルフウッドが足元にあった何かを投げたことに気が付いた。自らの元へまっすぐに飛んでくる、それ。それは、
「ウェールズの、杖だと?」
ウェールズの杖が自分へと向かって飛んでくる。しかし、そんなものを放り投げたくらいで、ダメージを受けるはずがない。
ワルドはウルフウッドの行動を悪あがきと重い、あざ笑った。
「往生際が悪い。こんなもので一体何が出来るというのだ!」
「……三人目。きっちり食ろうてもらうで?」
その刹那、ワルドへ向かって飛んだウェールズの杖に向かって、ウルフウッドはパニッシャーを振りかざした。それはまるでパイルバンカーのようにウェールズの杖の背を押し、ワルドの胸を貫いた。
「なん、だと?」
銃弾よりも激しい力を持って、叩き込まれた杖を胸に深々と刺したまま、ワルドの偏在は宙を舞う。そして、ワルドの偏在はまた一つ消えた。
デルフリンガーさえ奪えば、ウルフウッドは何も出来なくなる。そう考えたことで、ワルドは大きな過失を犯した。
偏在を破壊されたワルドは焦った。残った二体で一気に魔法を放って、勝負をつけようとする。しかし、ウルフウッドはワルドのその焦りを見逃さなかった。
「四人目、もろたで」
「しまっ――」
ウルフウッドはパニッシャーを右手で担ぎ上げ、大きく回転させると、ワルドの偏在へ向かって砲火した。
勝負を焦ったワルドは、風の防壁を維持することを怠った。ゆえに杖を構えたままなすすべもなく、銃弾にその身体を貫かれる。
「残り一体。これで終わりやな、ワルド」
パニッシャーの銃口を下げ、涼しげにウルフウッドは言った。
「馬鹿な……」
ワルドは自分の思い違いを後悔した。
このウルフウッドという男のもっとも恐るべき点は、圧倒的火力を誇るパニッシャーなどではない。言うならば、その戦闘センス。
強引に可能性の扉をこじ開け、戦況をそのままひっくり返してみせる、驚異的なカン。
その全てを完全に見誤っていた。
支援
396 :
虚無と狼の牙:2008/08/03(日) 22:57:44 ID:M9s/kZwp
「くそっ。こ、この『閃光』の二つ名を持つ私が、ここまで追い詰められるとは」
いらだたしげにワルドは呟くように言った。表情からさっきまでの余裕は消えている。
「二つ名、か。お前ら貴族はそういうのを持っているんやったな。自慢やないけど、似たようなものならワイにもあるで。ニコラス・ザ・パニッシャー」
ウルフウッドはパニッシャーの銃口をワルドに向けて構える。
「お前ら風に言うなら、『断罪』。それがオレの二つ名や」
ワルドは悔しげに唇を噛む。
――何が『断罪』だ、ふざけるな。
しかし、ワルドにはもう精神力はほとんど残っていないのが実情だった。強力なスペルの連発に、偏在の魔法。風の防御壁を維持するだけでも、相当の精神力を消耗する。
今のこの状況では、風の防御壁をほんの数分保持するだけで、自分の精神力は尽きてしまうだろう。
追い詰められている。自分が、スクエアメイジの自分が。
――くそ、偏在のスペルなど使うべきではなかった。
そんなワルドの状態を見抜いているのか、ウルフウッドは積極的に攻撃を仕掛けようとしてこない。
こうしてワルドに牙を突きつけているだけで、彼を追い詰められることにウルフウッドは気付いていた。
「殺しはせえへん。その代わり、しゃべってもらうで。洗いざらいな」
――ふざけるな。たかが使い魔ごときが、偉そうに。見下すんじゃない。
ワルドは考えた。
今、ウルフウッドの手にデルフリンガーはない。魔法を防がれることはないはずだ。あとは、このパニッシャーさえ、なんとか出来れば――まだ、勝機はある。
そしてワルドは気が付いた。ウルフウッドの後ろ、そこにいるルイズの存在に。
ワルドはにやりと笑った。そしてスペルを唱える。
「まだ抵抗するんか!」
強力なスペルはいらない。我が二つ名は『閃光』。ヤツが銃弾を撃つよりも早く――
ウルフウッドは、ワルドの目が自分に向いていないことに気が付いた。歪んだワルドの目の先に目をやる。ルイズが何が起こっているのかわからないという表情で、ウルフウッドを見た。
「くそが!」
ウィンドブレイクがルイズに向かって飛ぶ。ワルドは賭けに成功した。ウルフウッドの行動より早く、魔法を放った。
ウルフウッドはすばやく、右手に持ったパニッシャーを投げつけるようにして、ルイズをかばう。風の塊が当たる衝撃に、ウルフウッドの右手が宙を泳ぐ。
その隙をワルドは見逃さなかった。がら空きになったウルフウッドの胸元めがけて、一気に突進する。
ほとんど最後の魔法で、鋭利な刃物と化した杖。これをこの男の胸につきたてれば全ては終わる。ヤツの左手には、何もない。この攻撃を防ぐことは出来ない。
――もらった。その甘さが命取りだ!
ワルドは心の中でそう叫んだ。しかし、その直後、彼の身体は芯から冷え切った。
ウルフウッドが彼を見ていた。その目は恐ろしいほど空っぽで、間違いなくそれは殺人者の目だった。
殺すものと、殺されるもの――今、間違いなく自分は殺されるものの側にいる。ワルドは直感的に恐怖を感じ取った。
ウルフウッドは左手を懐に差し込む。そして、拳銃を取り出し、それをワルドの頭へと向けて構えた。ワルドにはその一連の行動がスローモーションで見えた。
まずい。避けなくては――
ワルドは必死に体勢を変えようとする。しかし、勢いの付いた身体はもうどうしようもなく、まっすぐに狼の牙へと向かっていくことしか出来ない。
――終わった。甘かった。
そうワルドが覚悟を決めた瞬間、
「ウルフウッド!」
ルイズの声が礼拝堂に響いた。
その声にウルフウッドの動きが止まる。彼の目が殺人者としての光を失った。
そして次の瞬間、ドンという音と共に、深々とワルドの刃がウルフウッドに突き刺さっていた。
397 :
虚無と狼の牙:2008/08/03(日) 22:58:46 ID:M9s/kZwp
ワルドは一瞬何が起こったかわからなかった。確かに、ウルフウッドの銃は自分を捉えていたはずだ。なのに、なぜまだ生きている?
そこで、今自分がウルフウッドの身体に身を寄せていて、自分の杖が深くウルフウッドの腹に突き刺さっていることに気が付いた。
なぜかウルフウッドは引き金を引くのをためらった。ワルドにはその理由はわからない。しかし、確実に現実として言えることは――これで自分はもう勝ったも同然だということだ。
急所は外してしまっている。だから、もう一つ止めを刺せば、ウルフウッドは死ぬ。
――何をやっとんねん。ワイは。
ウルフウッドは腹から伝わってくる痛みを感じながら、自嘲していた。
引き金を引くのをためらってしまった。絶対の場面で、自分はためらった。その結果がこれだ。
なぜためらってしまったのか、と思う。
あの瞬間、ルイズの声が聞こえた。そのとき、彼は不思議な感覚にとらわれた。いつだったか、孤児院の前で戦ったときと同じあの感覚。
見ないでくれ、人殺しとしての自分を――
なんということだろうか。自分は、ルイズの目の前で、彼女に自分が人を殺すところを見られるのを――怖がった。彼女に人殺しとしての自分を見られるのが、怖かった。
「僕の勝ちだな」
ワルドはにやりと笑う。爬虫類のような目が歪んだ。
杖を引き抜き、止めを刺すべく構える。心臓を一突き。これで、終わる。
「死ね!」
ウルフウッドは覚悟を決めた。急所は外れているが、ダメージは深い。左手にも右手にも力が入らない。
――終わり、か。
あきらめて目を閉じようとしたときだった。
目の前で爆発が起きた。その衝撃にウルフウッドは目を見開く。直撃を食らったワルドの身体が、視界の横へと飛んでいく。
ウルフウッドは右を振り返った。そこには杖を構えたルイズがいた。
「がぁ!」
爆発の衝撃にワルドは床を三メートルほど床を転がる。直撃を受けたらしい左肩からおびただしい量の血が流れている。
ルイズは震えながら、杖を構えて立っていた。涙で濡れた目は赤く、表情は青ざめている。恐怖と、初めて人に向けて魔法を放ったショックだった。しかし、それでも彼女は立っていた。
「ル、ルイズ。貴様……」
ほとんど千切れそうになっている左腕を押さえながら、うめくようにワルドはルイズを見据える。ワルドの顔が痛みに歪む。
「ぐっ」
ウルフウッドはドスンと崩れ落ちるように床に腰を落とした。黒い服が血に染まり、床に血溜まりをつくっている。
「ワルド。……あなたの思い通りには、させない」
震える声で、震える指で、ルイズはワルドに杖をむける。
「まさか、君にやられるとは思わなかった。やってくれるじゃないか、ほとんど左腕がちぎれそうだよ。まったく、これじゃ『閃光』の二つ名が形無しだ」
半身を起こしながら、ワルドは自嘲気味に笑う。ルイズは唇をかんだまま、ワルドを見据える。
「まぁ、目的の一つを果たせただけで、今回はよしとしよう。厄介な君の使い魔も急所は外してしまっているとはいえ、その出血量では助かるまい。
それに、こちらもそれなりにダメージを食ってしまった。今回はここで退かせてもらおう」
そう吐き捨てると、ワルドは最後の力でフライの呪文を唱えた。礼拝堂の窓を突き破って、外へと飛び立った。
「もうすぐ、我がレコン・キスタの大群が押し寄せる。果たして、その傷だらけの状態で生き延びられるかな?」
そう言い残して。
$
398 :
虚無と狼の牙:2008/08/03(日) 23:00:01 ID:M9s/kZwp
「ウルフウッド、 大丈夫? しっかりして」
ルイズは床に崩れ落ちたままのウルフウッドの背中を揺さぶる。
「よう、じょうちゃん。すまんな。ヘタ打ってもうたわ」
ウルフウッドは痛みで歪む表情で「助かったわ」と強引に笑ってみせる。
「じょうちゃんに助けてもろたな。ワイ一人やったらほんまにあかんとこやったで」
「何言ってるのよ……。わたしが、わたしが、いたせいで。だから、ウルフウッドはわたしをかばって。あぁ、血が、止まらない……。どうしよう」
ルイズはウルフウッドの傷口にハンカチを当てる。しかし、すぐにそれは紅く染まり、全く意味のない物となる。その朱色のハンカチの上にルイズの涙が一滴ずつこぼれていく。
「わたしが、わたしがちゃんとした魔法を使えたら。水の魔法を使えたら……ごめん、ごめんなさい」
泣きながら掴むウルフウッドの服の生地の感触はぼろぼろだった。二度もライトニング・クラウドを食らったせいだ。
「泣くな言うたやろ。大丈夫や。急所は、外れとる。ワルドのヤツ、へっぴり腰やったからな」
「それでも、血が」
「大丈夫や。それよりもおじょうちゃん。あんたは早う船に行け。その手紙を届けなあかんのやろ? やったら、はよせえ。置いてかれるぞ」
「いやよ! あんたも行くの!」
ルイズはウルフウッドの両肩に手を入れて、ずるずると引きずる。床に血のわだちが出来ていた。
「あほか。こんなちんたらしとったら、間に合わへんで」
「使い魔を見捨てるなんて、メイジじゃないわ!」
「くそったれが……」
ウルフウッドはルイズの手を払うと、ゆっくりと自力で立ち上がった。右手で血のあふれ出る傷口を押さえる。
ゆっくりとした足取りで、ふらつきながらも、床に落ちたままになっていたデルフリンガーとパニッシャーを拾い上げる。
「そ、その身体でそんな重たいもの持てるわけないでしょう!」
「そうはいかへん。これはワイの身体の一部みたいなもんや」
「あ、相棒……」
「お前にも世話になったしな。置いていくわけには、いかへんやろ」
ふらつく足取りで、椅子に手をかけながらドアへとゆっくりと歩いていく。そんなウルフウッドにルイズは駆け寄り肩を貸した。
「じょうちゃん、ちっこいなぁ。バランスがめちゃめちゃやんけ」
「うるさいわね! あんたが馬鹿でかいのよ!」
ルイズは涙を流しながらも、精一杯目を吊り上げて怒鳴りつける。なんとか二人は助け合いながら、外へ出た。
遠くから遠雷のように怒号が聞こえる。もう、侵攻は始まっているようだった。一刻の猶予も許されない。
「ぐっ」
小さなうめき声を上げて、ウルフウッドがルイズを押し倒すようにして倒れた。パニッシャーが落ちる重たい音が響く。
「あかんなぁ。ちと、血の気が抜けすぎや。視界が、白うなってきた」
「ウルフウッド! しっかりしなさい!」
「……じょうちゃん。すまんなぁ。これ以上は無理みたいや」
ウルフウッドは空を見上げながら、大の字で倒れている。もう、満足に腕も動かせない。
「何言ってるのよ! い、一緒に行くのよ!」
「あほか。ワイに付き合うとったら、助かるもんも助からん。行け、行くんや」
「いやだって、言っているでしょお!」
ルイズの泣き声が響く。
「じょうちゃん、忘れろ。何もかも忘れろ。目の前で、人が殺されたことも、人に裏切られたことも、そして人を傷つけたことも。お前には似合わん。
お前みたいに気の優しいやつには血なまぐさい世界は似合わへんのや。そんなんと関係ない世界で生きろ。忘れろ。全て忘れるんやで。ええな?」
「な、何を言っているよ? そんな別れの言葉みたいに……あんたも来るの。あんたも、一緒に来るのよ!」
「使い魔は主人を守るんやろ? やったら、その使い魔のせいで主人が死んでもうたら、本末転倒やないけ」
アカン。もう薬はないか。血がこんだけ、だばだば出とったら、もうアカンな。
白くなっていく世界の中でルイズの顔が見える。
何べん泣くな、言うたらわかんねん、こいつは。
アホが。行けいうとんのに。仲良く一緒にくたばる必要なんかないんやで。
「ウルフウッド、しっかりして!」
早よ、行け。ボケ。
「ウルフウッド! ウルフウッド!」
早く、行け。そう言うとんのじゃ、ボケナス。
ルイズが口をぱくぱく動かしているのだけが見える。
あぁ、くそ。ついに耳までいかれてきたか。
やから、早く行け言うてるやないけ。このアホルイズ。
ルイズの顔がぼやけていく。ウルフウッドの視界が滲んだ。
そして、そこで彼の意識は途絶えた。
支援
400 :
虚無と狼の牙:2008/08/03(日) 23:01:04 ID:M9s/kZwp
以上です。
長々と失礼。
乙。
狼乙でしたー
ニコ兄(´;ω;`)ウッ…
ウルフウッドに濃厚な死亡フラグ臭が
第3者の手がないと運べなさそうだ
>>387 暗黒卿を召喚したらルイズやアンアンがチェンバレンやチャーチルみたいな事になりかねん
ウルフウッドが動けないなら…おめえの出番だ、デルフ!!
虚無と狼の牙のかた、乙です。
しかしワルドの死亡回避率は異常。
今まで片腕で済まなくあっさり死んだ事ってありましたっけ?
おお!その手があった!
すっかりデルフのことを失念してたぜw
宵闇の使い魔ではウェールズヌッコロそうとしたけど失敗してあっさり殺られた
でもハルケギニアに来てた馬に改造ゾンビとして復活させられた
その後タルブ戦で本気の虎蔵にあっさり薙ぎ払われてたけど
>>403 カーゴ・カルトと言われると、諸星大二郎の『マッドメン』を思い出す。
作者つながりで栞と紙魚子を召喚……してもすぐ帰っちゃいそうだなぁ。
乙でしたー。
ウルフウッド、かっこいいなぁ。
……あと、なんかちょっといい話みたいに纏まってるけど。
冷静かつ客観的に見ると、ルイズって足引っ張ってるだけだよね……(’’ )
ウルフウッドが一番ヤバイ状態になるまで、何にもしてないし。
>406
黒騎士
悪く言うとルイズのマッチポンプ…
ついさっきまで投下されてたエルクゥのワルドも瞬殺でしたなあ…。
>406
何故かほとんどないなぁ……
圧倒的実力差があっても、なんでか原作通りになるんだよね、この辺。
基本的にタルブで死ぬよね>ワルド
心臓を貫かれたウェールズを前に天才外科医ブラックジャック
「術式 開始」
「心臓が裂けているじゃないか・・・」
「確か人間に化ける人形があったな・・・今回はこいつを使うか」
ウェールズに変身させた人形の心臓を使い、移植手術をする。
むろん、人形が機能を停止したら死亡だが数百年単位を置いても稼動する
優秀なアイテムだから寿命はまっとうできる筈だろう
「代金はその風と水の指輪を頂こうか」
「そ、そんなこの指輪は王家に伝わる由緒正しい」
「ならウェールズ王子はその指輪以下の価値だってこった」
「・・・わかりました指輪を差し上げます」
そして二人で東方を目指し逃避行
しかしレコンキスタの魔法テロにより死亡
二人の墓の前で指輪を弄ぶBJ
「・・・風と水は虹を掛ける・・・か」
「どうしたのブラックジャック?」
「なんでもない、行こう」
「ひひひ、ブラックジャック、どんなに貴様が助けても死の運命からは誰も逃れられないのさ、ヒヒヒ」
「隻腕のワルドか・・・さっさと失せろ」
「あー怖い、片輪になっちまった俺にはトリステインは年金すら出しやがらなかった!どこも腐っているのさ、ヒヒヒ」
「失せろといっている」
ワルドの狂笑が続くのだった おわり
>ウルフウッドに濃厚な死亡フラグ臭が
>第3者の手がないと運べなさそうだ
どう考えてもウルフウッドならそこから回復するけどな
かなり大幅な寿命削りと引き換えにではあるが
418 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 23:54:38 ID:hDwdHt7P
>>415 もうやめて! ワルドの(出番の)ライフポイントはもうゼロよ!
表舞台からは消えるけど、
地味に魔法学院襲撃の手引きとかに顔出ししてるから!
風系統が空気だからって・・・忘れないであげて・・・
今回のウルフウッド登場シーンにはまとめにあるカッコイイあのイラストを挿絵として入れたいね。
読んだとき状況ぴったりで感動した。
贅沢病のプリン体とか虫歯も
水のメイジが治療してそう
貴族だけ物凄い健康なんだろうな・・・
そして平民の栄養状態は信じられない酷さ
>>418 そういやギトーも風系統だったよね。
結構空気率高くない?
スーパードクターKを召喚するしかあるまい…
彼なら青銅のゴーレムくらい素手で粉砕できる。
>>421 風だけに・・・なに、気にすることはない
雪風のタバサのこと・・・たまには思い出して下さい・・・
マルコメはどうでもいいから
kは倒壊した家の柱を瓦礫ごと持ち上げたり
崖から落ちそうな乗用車を一瞬とはいえ引っ張り上げたりするからなw
しかしフーケゴーレム並のでかさになるとどうしようもないかもしれん
ただあそこにガンダールヴ補正が加わると非常に恐ろしいことに
サイトでさえアレなんだ…((;゚Д゚)ガクガクブルブル
>414
そうなんですよね。姉妹スレの暗殺者チームからも逃げ切ってますし。
某ロリな吸血鬼からも。
ギーシュが勝つSSがあるんだからワルドが勝つSSがあってもいいじゃないか
ワルドが勝つ=使い魔が死ぬ、になるんじゃないか?
>>428 死んでも問題の無いやつを召喚すれば良い
甲賀忍法帖の薬師寺天膳とか
ワルドに使い魔を殺されて再召喚……というのも面白そうだ。
>>429 ただ、一度死ぬとその時点で使い魔契約解除になってルーン消滅は確定だけどな。
五代ならライトニング・クラウドで殺されたらパワーアップして復活しそうだな
>>428 死んでもかまうことなく出てきそうなキャラを呼べばいいんじゃないか?
GSから元幽霊のオキヌちゃんとか。
そこで赤がトレードマークのヒゲ配管工をだな
>>532 ライジングは強すぎ・・・いやメイジ相手では・・・うーん
殺さないといけない相手を蹴り殺したらグロンギよろしく魔力が反応してドカーンになるんかね。
>>434 ハルケギニアに緑のキノコがあるかどうか不明だが、金貨はあるからデルフ買わなきゃ余裕で1人増えるな。
>>435 爆発は封印エネルギーがどうとかって理由だったから爆発はしないんじゃないかな
再生キノコも爆発しなかったし
クウガの蹴りのエネルギーで爆発したのかグロンギのエネルギーに爆弾のように起爆して爆発したのか
ワルドは相手によって強さが同等になる能力があるんじゃね?
つまり戦う相手が魔人ブウならブウと同等の強さになるわけよ
や、クウガのパワーで人に必殺技を喰らわせたらミンチじゃね?
怪人連中は警官とかを普通に殴り殺してるし…
>虫歯も水のメイジが治療してそう
虫歯の治癒は大変な殺菌技術が必要な上に歯自体を復元する技術も必要になる
魔法唱えたら新しい歯が生えてくるとかそんな魔法あるんかね
オスマンって歯並びどうだったっけ
あいつが本当に数百歳で全身健在なら水の魔法の治癒能力はとんでもなく凄まじいものになる
>グロンギのエネルギーに爆弾のように起爆して爆発したのか
こっちだろ
強い奴ほど大爆発だったし
>>442 真夜中なのにトニオさんの娼婦風スパゲッティーが食いたくなってきた
一応生きる伝説っぽい扱いされてるんだし、
それ相応に生きているんじゃないの。
3桁というのは誇張かサバ読んでいるかのどちらかだろうけど。
あの年であんだけ元気なんだから
そろそろセクハラに留まらず性的な意味でおマチさんを食っちまう雄マンが出てくる気がするぜ
>>446 ご立派様に中てられて危うい所まで行ったじゃないですか
脳移植の応用で歯も移植
実は風魔法で小型オゾン気体塊を口内に発生させて虫歯菌のみを集中殺菌する技術。
歯のエナメル質にはわずかに再生する機能があるんで、
軽度ならまったく無痛で完治させられる新技術フロム現実なんだそーだ。
鍛聖さん帰って来てたのか
アンチルイズテイスト?の作風もいいな
451 :
ゼロガー:2008/08/04(月) 02:25:54 ID:MTUcG8gR
寄り添う二つの月の下
鬱蒼と茂る森の中を松明のように燃えるシャーマン戦車に照らされて影絵達が
死の舞踏を踊る
「むう、こやつ等戦い慣れている」
魔法学院でただの喋る石像、変り種のガーゴイルと侮りちょっかいを出してきた
貴族の子弟達を軽く一蹴してきたガーゴイルだったが
流石に内戦で鍛えられた職業軍人のメイジは一味も二味も違った
「こいつらSASだよ!」
地面を盛り上げて造った堡塁にタバサママンとイザベラとシルフィードを退避させ
錬金で作り出した鉛の散弾を跳ばしながらマチルダが叫ぶ
スペシャル・エア・サービス(空軍特務隊)
それは紳士の国アルビオンを影から支える不正規戦部隊
全裸にソックスのみで冬山サバイバルをこなし
味方の砲弾が降り注ぐなかバグパイプに合わせてシリーウォークで行軍する
さらに一秒間に十回レイプ発言など
常軌を逸した妄訓練によって鍛え上げられた彼らは同じ空軍兵士からさえ
(色々な意味で)「人間じゃない」と評される殺人マシンであり
卑怯上等闇討ち最高というそのダーティーな戦い振りはエルフさえ恐れおののくと
言われている
彼らはこれまでガーゴイル達が打倒してきたメイジ達とは違い
相手の目の前で仁王立ちし
杖を振りかざして朗々と呪文を唱えるような間抜けではなかった
足音を忍ばせ気配を殺し
魔法を放つ瞬間まで位置を掴ませない
そして一つの標的に対して常に複数でティームを組み
巧みな連携でガーゴイル達をバラバラに分断し各個撃破を狙っていた
「不味いぞこれは…」
ガーゴイルとて完全無欠ではない
周囲で展開される大規模な魔法戦は彼の感覚器官に干渉し
チャフを撒かれたレーダースクリーンのように無数のノイズを発生させている
すでにガーゴイルはパーティーの何人かの現在位置をロストしており
その中の一人はこういう時こそ真っ先に保護しなくてはならないティファニアだった
452 :
ゼロガー:2008/08/04(月) 02:26:57 ID:MTUcG8gR
火の玉や氷の矢に加え光線やミサイルが飛び交う森の中で仲間とはぐれた
ティファニアはひたすら身を縮め隠れ場所を捜して彷徨っていた
「見つけたぞ害虫」
闇の中から煌く金髪とハッとするような美貌の青年が現れる
ウエールズ皇太子だった
「お従兄(にい)さま…?」
思わず呟いたティファニアへの返事は杖から生み出された空気の鉄拳だった
「黙れ悪魔め」
仰向けに倒れ激痛に巨大な胸を波打たせて喘ぐティファニアに注がれる視線は
果てしなく冷たい
「お前は邪悪な存在だ、異種族の混血というのはすべての害悪の根源であり
われわれの文明におけるすべての災厄は混じってはならないものが混じることによって
もたらされる。ゆえにお前の存在を許すわけにはいかないのだ」
ティファニアは足元の地面が波間に浮かぶ薄皮一枚となって漂い出すような
そんな非現実感に襲われていた
この英雄譚の絵本から抜け出してきた白馬の王子のような好青年は
何故こんな凛とした表情でこんな非情なことを平然と口に出来るのだろう
それはウエールズが自分は真に善良な人間であり
自分の行いは正義の執行であると心から信じているからだった
『手前勝手な理屈をほざくな若造』
ティファニアを庇うように地面が盛り上がり全身緑色の女性が現れる
「下がれ下郎、卑しき魔物の分際でこのウエールズ・テューダーの前に立ちはだかるなど
不敬であるぞ!」
傲岸不遜に言い放つ皇太子に無言で触手を向けるオシリスだったが
『小賢しいわ!』
振り返ると同時に背後に伸びた触手が死角から魔法を放とうとしていたメイジをなぎ倒す
森で戦う限りオシリスを奇襲することは出来ない
全ての木々や草花がオシリスの目となり耳となるのだ
だがその間にウエールズは右手の握りこぶしを突き出し呪文を唱え終えていた
人差し指に嵌った年代物の指輪が妖しく輝くとオシリスの全身から力が抜けていく
『貴様…何をした……?』
よろめきながらも皇太子に触手を向けるオシリス
「さすがは異界の魔物、この“アンドバリの指輪”の力をもってしても
完全に支配することはかなわぬか」
何故かウエールズの指に嵌っているアンドバリの指輪
それは死者に偽りの命を吹き込むことすら出来る強力なマジックアイテム
そして錬金術によって強化されているとはいえ植物をベースとしているオシリスは
無機物から生み出されたガーゴイルやケルプ、自動人形のデュラハンに比べ
生命操作系の魔法の影響を受けやすかった
『舐めるなあ!』
渾身の力を振り絞り光線を放とうとしたオシリスの体が爆発する
見通しの利かない夜の森で敵味方入り乱れて戦うなか闇雲に放たれたルイズの失敗魔法が
直撃したのだ
『う…ぁ……』
全身を焼け爛れさせ地に伏したオシリスと半狂乱になって泣き叫ぶティファニアを
拘束したウエールズと手下達は上空で待機していた風竜を呼び寄せ素早く撤収していった
453 :
ゼロガー:2008/08/04(月) 02:27:39 ID:MTUcG8gR
ウエールズはサディストだがシリアルキラーではない
ただ彼なりに公正無私ではあるものの
規律を乱すもの、不正を働くもの、そして何より王家の名誉を汚すものには
一片の慈悲も持たなかった
七歳で使用人に鞭を振るうことを憶えてから十余年
あらゆる機会を捉えては鞭を振るい続けてきた彼はアルビオンでも三本の指に入る
鞭打ちの名手だった
彼は男を、女を、老人を、子供を、平民を、貴族を鞭打ってきた
手首の返しひとつ、指先の握りひとつで骨を砕くも肉を切り裂くも思うがまま
相手が人間だろうが亜人だろうが大した問題ではなかった
皇太子にとって拷問部屋は自分が修練を積んできた技術を披露するステージであり
相手がタフであるほど彼の独演会の時間が増えるというわけだ
「あの汚らわしいハーフエルフの娘は生かしておくわけにはいかないが
お前を始末してしまうのは色々と勿体無い」
鎖で天井から吊り下げられ無言で拷問者を睨みつけるオシリスに
粘液質な視線を浴びせながらウエールズは言った
体を覆う装甲を剥ぎ取られ艶めかしい裸身を晒すオシリスのつややかな緑の肌に
先刻の戦闘の傷跡は僅かな痕跡を残すのみとなっている
アンドバリの指輪の魔力によって攻撃手段を封じられたオシリスだったが
再生能力だけはかろうじて機能していた
「私の配下になる気はないか?」
返事はウエールズの顔に吐きかけられた唾だった
「そうか!」
皇太子が鞭を一振りすると銃撃のような轟音が室内に響く
先端の速度が音速を超えたことによる衝撃音を伴いオシリスのなめらかな腹に鞭が
打ち付けられた
一撃で皮膚が裂け虹色の体液が飛び散る
激しく身悶えしながらも固く口を結んで悲鳴を押し殺すオシリス
「ひどく痛むか、うん?もっとひどくなるぞ。これに立ち向かえる者はいない。
どんな屈強な兵士も最後は涙と小便を垂れ流して『ひと思いに殺してくれ』と頼む。
分かるか?誰もが私の鞭に屈服しないわけにはいかない。無駄な抵抗というものだ」
ウエールズは再び鞭を振り熟練の技でオシリスの豊かな胸の先端の敏感な部分を
二つ同時に打ち据える
オシリスはもう沈黙を守ってはいられなかった
【続く】
なんだこの黒さ爆発みんなのさくら屋なウェールズは!
おら興奮しちまったぞ
召喚時に吹きあがった大量の煙が、キュルケの視界を悪くしていた。あのルイズが、ついに何者かを召喚したのだ。キュルケは、からかいがいのある友人の成功に内心喝采を送りたい気分だった。
ルイズの努力も、憤りも、全てがキュルケの好みだった。さんざんからかっておきながら、キュルケは本心ではけしてルイズのことが嫌いではなかった。
ルイズの成功を本心から喜んでいるのは、彼女を除けば担任のコルベールくらいのものだろう。しかし、そこはキュルケだった。喝采のかわりに、何かしらいってルイズをいじってやろうと笑みを浮かべる。
だが、煙の中から現れた影を見て、キュルケはからかいの言葉を呑み込んだ。
キュルケ以外の生徒の反応はもっと露骨なものだった。
固唾を呑んでいた中で、誰かが我慢できないように噴出したのが引き金になった。
どっと巻き上がる笑い声。
「ぜ、ゼロのルイズが平民を喚(よ)びやがった!」
「いい加減にしてくれよな、俺たちを笑い殺す気かよ!」
ぎゅっと両手を握ってうつむくルイズ。その姿を見て、キュルケは思わず駆け寄って抱きしめてやりたい衝動に駆られていた。
***
巻き上がる笑い声を、ルイズは手のひらにつめを立て、唇を噛むことで耐え抜いた。
落ち着け、と自分に言い聞かせる。屈辱に耐えろ。慣れるのではない、耐えるのだ。
今までの失敗よりはましなはずだ。何もないよりは、ゼロよりはましなのだ。
何しろ、彼女の召喚にこたえて、何かが来たのは事実なのだから。
ルイズは自らが呼び出した相手を観察した。
彼女の召喚に応じたのは、たっぷりと突き出した腹ときちんと手入れをされた口ひげを持つ、穏やかな顔つきの中年の男だった。
縦縞のシャツにベストを羽織り、足元はたっぷりと余裕のあるズボンに靴。頭には平たいパンケーキのような帽子を被り、体の倍はありそうな、はちきれそうに膨らんだ大きなかばんを背負っていた。
と、驚いたように周囲を見回していた男がルイズの視線に気がついた。男はにっこりと笑うと、確かな足取りでルイズのほうへと歩いてきた。
思わず後ずさるルイズに気をつかったのか、絶妙な距離で立ち止まると言葉を発した。
「こんにちは、お嬢さん! 見たところ、あちらで楽しげに笑っている方々も、お嬢さんもどうやら人品卑しからぬ身分のご様子。私はこのあたりは初めてなのですが、今日はお祭りか何かなのでしょうか?」
「――あんた、誰」
「これは申し遅れました」
愛想よく男が言った。
「私の名はトルネコ――旅の武器商人をしております」
ぶっちぎりで平民だった。
***
ルイズは猛烈な勢いで抗議をした。コルベールに食って掛かり、召喚のやり直しを訴え、その全てを拒否されてうなだれた。笑い転げる生徒たち。
ルイズはやるしかない、と覚悟を決めた。
その間、トルネコは一切口を挟まなかった。興味深そうに黙り込み、時々考えるような表情を浮かべるほかは何もせずにいた。
いや、一度だけ奇妙な行動をとっていた。後ろ手にかばんを探ると、美しい羽根で作られた装身具のようなものを取り出し、エジンベア、とつぶやいて空に投げた。
なにもおこらずに落ちてくる羽根を片手で受け止め、なるほど、とだけ口にする。
覚悟を決めたルイズがトルネコの前に立つ。
「かがみなさい」
「何故ですか?」
「いいから!」
かんしゃくを起こしかけたルイズに笑みを浮かべて、トルネコは片ひざをついてルイズと同じ高さまで視線を下げた。
「"我が名はルイズ。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール"」
ルイズの呪文が響き渡る。
「"五つの力を司るペンタゴン。かの者に祝福を与え、我が使い魔となせ"」
ルイズは両手を伸ばして、トルネコの顔をとらえようとし――
がっちりとトルネコの手で押さえられた。
「な、何をするのよ! 平民の癖に!」
「今、口づけをしようとしたでしょう」
トルネコがすまなそうにルイズにいう。
「私は妻帯者でして。たとえお嬢さんのような歳の方であっても、妻以外の女性と口づけをするのには抵抗が」
「なにそれ!?」
トルネコの言葉が聞こえたのか、周囲の生徒たちがさらに大きな声で笑う。
「いいから放しなさい! 命令よ!」
「そうは言っても」
そのとき、後ろから来ていたキュルケがトルネコの腕をつかんだ。
「今よ、ルイズ!」
笑いながらキュルケが言う。
「ちょ、ちょっとお嬢さん!?」
「ルイズ! 男の人はね、なんだかんだ言って既成事実を作ってしまえばこっちのものよ!」
「妙に生々しくないですか! もしもし!?」
「ありがとうキュルケ! 今日だけはお礼を言うわ!」
ルイズは飛んだ。己の全人生がかかっているこの瞬間のために飛んでいた。
キュルケに押さえられているトルネコに向かって飛んだ。その唇を奪うために飛んでいた。
***
結局、一度学園に戻ってコルベールが説明をすることになった。
なぜか和やかな雰囲気になってしまった召喚の儀式に、コルベールも苦笑を隠しきれない。
他の生徒たちが空を飛んで学園へと戻る中で、ルイズ、トルネコ、コルベールの三人が並んで歩いていく。
「ほう! つまり私はある種の魔物のように召喚され、こちらのルイズさんと使い魔の契約をしたということですか!」
「ええ」
適切なタイミングで入る質問と感嘆の声に、コルベールは気持ちよく説明を続けていた。
「私もこの仕事について長いですが、人間が召喚された例は初めてです。色々と困ることもあるでしょうが、学園も、そして私個人も協力を惜しみません」
「ありがたいことです」
なるほど、なるほどとつぶやきながら、トルネコはあごに手を当てて考えるような表情を浮かべていた。
ルイズは中年男たちの会話を上の空で聞いていた。冷静になって、少しずつ状況に対する理解が芽生えてくる。色々と問題はあったが、ついに彼女は使い魔を手に入れたのだ。
つまり、私は平民を使い魔にしたわけね、とルイズは思う。他の生徒に比べれば見劣りするが、それでも使い魔を手に入れたのは事実。これで、誰にもゼロとは言わせない。
と、そこでルイズは本来の頭の回転を取り戻し、問題がそれだけではないことに気がついて青ざめた。
「もういくつか質問をしてもよろしいでしょうか」
というトルネコの声が遠く聞こえる。
コルベールがルイズの様子に気づかずに気安くトルネコに
「どうぞ」
と言った。
トルネコが穏やかに言った。
「今回の犯罪に関する責任は、結局どなたが負うことになるのでしょうか」
***
トルネコの説明を聞くにつれ、コルベールの顔も青ざめていった。
「ええ、確かに平民は貴族の方々には逆らえないでしょう。ですが、『私が平民である以上、どこかの領民である』という当たり前の事実を無視なされたのは問題ではないですかな?」
トルネコは穏やかに続けた。
「私がこの国の人間であるならばまだ問題は簡単でしょう。ですが、私はそうではない。あなた方は、他国の人間に内容を知らせないままに契約を強要し、それが当然と言う態度をとった」
トルネコは背負っているかばんをゆすって見せた。
「私は武器商人です。武器を商う以上、最大の顧客が誰かはおわかりですね? ――そう、軍隊であり、軍隊をもつだけの領主さまがたです。わたしも幾人か懇意にさせていただいている方々がいます」
いまやコルベールの顔は蒼白だった。反対に、トルネコはにこやかな表情を崩さない。
ルイズは、自分が呼び出したのがどういう男なのかを理解していなかった。
トルネコは商人だった。武器を商う人間だった。
戦争間際にある二国家間で、人殺しのために使われると知りつつ武器を売りさばき、利益を上げられる男だった。
武器という極めて市場の限られる商品を、ほぼ囲い込みが完成している商品を、旅先で商い利益を上げられる男だった。
血のにじむような努力の果てに得た資金を、トンネル採掘や町の発展といった公共の利益のために投資できる男だった。
魔物に命を狙われ、各地を転々としながら、それでも生き延びられる男だった。
そして。
美しい妻。可愛い息子。あの、故郷を失った少女。勇者と言われた少女。
トルネコは夫であり、父であり、勇者の、英雄の仲間だった。
「では、話し合いましょうか」
トルネコは穏やかにコルベールに言った。
あ、予告忘れとった。とりあえずここまでです。
無粋すまない。
今更ながら提督の人乙
でも正直今回の内容は酷いと言わざるを得ない
ヤンとルイズが空気過ぎだろ、常識的に考えて
あと薔薇乙女の作者だったことを今更カミングアウトするのはどうかと
言うなら最初から言え、じゃなきゃ最後(もしくは指摘される)まで黙ってろ
自分の作品拒否されるのが怖いなら最初から書くな
終わり際でそういうことするのは卑怯なんじゃないかな?と思うわけで
>>459 アンチ乙
>>459 嫉妬乙
提督の人が薔薇乙女の作者だったからって何だって言うんだ?
別に卑怯でもなんでもないだろ。
大冒険の人乙でした
トルネコがカッコ良くていいなあ
ギャグ担当にさせられてるのはよく見るけど、英雄なんだよなこの人も
続きをすごく楽しみにしてる
>>455 >何者かを召喚したのだ。
何者かっておかしくないか?姿を見もしてないのにこれだと人を召喚したと確定さてれましまわね
あとこのSSじゃないが『戦後以来』とか日本語でおkな文や単語をちょくちょく見て萎える
>>461 5章でメインで使ったことは一度もないな
3章は楽しかったけど
トルネコの人乙
冷静に脅しをかけるトルネコがかっこよすぎるwwww
>>460 言うなら最初から言っておけ、って書いたのを読んでもらえなかったようですね^^
アンチにビビって黙ってたのを最後にバラして書き逃げするのを卑怯と言っただけなんだがな
夏だなぁ・・・・おやすみ
>>468 毎回偽テンプレを立てるような某狂信者が荒らしまくるチャンスを奪ったのを卑怯だと言ってるんでしょうねww
まぁ…皆そこまで熱くならんでも
いろんな作品があっていいじゃないかくらいの広い心で見ようや
トルネコの続き期待支援
で、だね・・・
そろそろ根本的な質問を指せて欲しい
提督作者=薔薇乙女の作者
これで何か問題があるのかい?
ゴルゴ13の作者がサバイバルの作者
ドラゴンボールの作者がアラレちゃんの作者
一人の人が色々なものをかくのは珍しくないはずだが
問題なのは最終回と明言しているのにヤンが空気だということ
凡人も唐突に終わったけど、後日談はちゃんと書いてたし
これじゃあゼロの"提督"である意味がない
荒れそうな話題は毒吐きでやれ。
>>472 それはあくまで「お前さん個人の」良かれと思う物語の理屈
>>472 締めの地の文見ればわかるだろ?
あの作者は単に銀英の設定を使ってゼロ魔をレイプしてただけなんだから
ヤンなんてホントはどうでもいいんだよ
つまり
薔薇アンチ「提督にも粘着したかったけど出来なかったから悔しい」
提督マンセー「これでラストなんて納得イカネー!続きキボンヌ」
提督アンチ「ヤッター!とうとう叩けるネタをゲットしたー!」
で、FAなわけね
結局、アンチとしては
「薔薇乙女も提督も凄いです。だから・・・
『俺は、本当に嫉妬した。あいつは素晴らしい作者だ、優しいネ申だった。それに比べて、俺
は、なんて下衆なんだ。なんてクズなんだ。なんて愚かで、無様で、無能で、冷酷で、嘘
つきで、残忍で、阿呆で、間抜けで、嫉妬深くて、弱虫で、ちっぽけなんだ…。
なんで、俺は、こんな・・・惨めなんだ
俺は、提督と薔薇の作者が憎くなった。
分かるか?教皇様のお優しくて寛大すぎる御心じゃ、俺の様な下衆の狭い心なんか、わ
からんだろう?嫉妬が憎悪に変わったんだよ…粘着になったんだよ!
そうだ、俺がゼロ魔スレを荒らしたんだ。内容なんか気にしない!ただ、憎かったから捏造したんだ!
何が悪い?俺は読者だ。そうだ、後の禍根を断つためだ。ゼロ薔薇作者を担ぎ上げる連中がスレを
を割るのを防ぐためさ!
いやいや、そんな大義名分もいらんな。俺は読者だからな。アンチをしたいからアンチをした、それで
十分だ!何しろ感想書きは2chから、ひろゆきから授かった神聖なものだ。読者の行いは神の
行いだ!』
なわけだ
結局、アンチが粘着して、叩いて、捏造すればするほど
どれほど薔薇と提督に嫉妬しているかを示すようなものだな
不自然な単発IDが・・・
あえて言おう
夏だなぁ
>>477 お前外の某所でもしつこくアンチが捏造だ云々言ってた馬鹿だろ
>>476 判るだろうと言うけど
それは君個人の中の勝手な作者像だよね
大冒険の人乙です。
カッコ良いトルネコって初めて見た。
何のための隔離スレだよ・・・
ゲロ吐きたいなら肥溜めスレでやれ。
それと、もう一つ。あえて言うが
粘着やアンチが言うゼロ魔蹂躙についてすら、作者は言及してるな。
メックリンガーのぼやきとして
叩き潰す教会すらも、かけがえのない文化の一つだ
そう、作者はちゃんと描いている
それでも、やらなければならない暴挙だった。それが
「教会の権威と教典の教えは、暴力と陰謀の前に膝を屈した」
の意味だろう
――――――――――
ここから何事もなかったかのようにおっぱい談議スタート↓
カービィの人の帰還をwktkしながら待っている
それにしてもルイズとカービィの組み合わせって最強すぎるだろ。色々と
ちっぱい談義ではダメなのか!?
トルネコの人乙です。
トルネコは愛妻家だからなぁ、そりゃ変なところに召喚されたら怒るよなw
でも光の鏡に入ったのは自分の意思なんだろうから、拉致じゃなくて過失くらいにしてやってくれw
落とし穴で落ちた先にでもあったんだろうか?
4コマとかだと役立たず扱いされてるけど、勇者パーティーの台所的存在ではあるすごい人。
並の戦士よりはよっぽど強い。ギャグで動きとめたりすっ転んで会心の一撃とか、某バトランドの戦士よりかは(ry
よくよく考えるとトルネコはボンモールとエンドールの戦争を回避させ、互いの後継者の婚姻に一役買っている上に勇者のパーティに居ました。そして後々には『不思議なダンジョン』関連で世界中を旅している分けです。
酸いも甘いも噛み分けた、百戦錬磨の商人。貴族以外に価値を見出そうとしない学園の生徒達では太刀打ちできそうに無いな。
ちっぱいと言えばアイマスの千早
そうだな 王宮の神官のくせに基本戦術が呪って殺すの邪神官なんかよりは(ry
てか女勇者と旅してたんかこのトルネコは?
けっこう珍しいな……小説にしろドラマCDにしろゲームブックにしろ
大概は男勇者だったしな
トルネコか……ゲーム的には単騎でデスピサロを倒せる唯一のユニットでもあるな
他の連中だと無理なんだこれが
トルネコなのに虎の意を狩る狐みたいな脅し方がアレだ。
あと、軍事力と立場を傘に来て脅しにかかるのは提督のマネだよね。恥って言葉知ってる?
いや脅しかける時普通立場を利用するだろ
借る
威を
夏だから顔真っ赤にしてレス付けちゃうぞ
>>468-469 じゃあ何で最後まで黙ってなかったんですかね?
言えば荒れるのは確定的に明らかだというのに
>>471 上手いこと言ったつもりだろうけど、その例えは適切ではないな
さいとう・たかをや鳥山明は別名義でその作品を書いていたのかい?
今回の件は声優の表名義と裏名義の関係に例えるべき
これで質問への答えとさせてもらう
>>477
>>495 軍事力つってもなあ。武器商人なんだからどっかの軍と繋がりがあってもおかしかないし。
第一、昔からある手段の一つなんだから使うとパクリもないだろ。
あと、なんでもかんでも提督の名前出してりゃいいとか言う考え方は正直不快だ。
言っちゃ悪いが原作しらないからヤンの性格がどうとか知らんからどうでもいい。蹂躙がどうとか言ってるがそんな風にも“俺は”見えないし、文章レベルも素人の中では優秀だと思うし(余韻に浸れないほどスッパリ切りすぎてたけど)純粋に楽しんでんだよ。
万人にウケないのはどんなに凄いプロの作品でもそう。
勝手に喚くのはいいが、楽しんでる人もいる場所ではやめてくれ。そういう為の場所もあるわけだし。
……っと、長い乱文失礼
>>499 その場所のルールも守れない馬鹿には何も要求する権利は無い。
ま、ノイジーマイノリティが鬱陶しいのはよくあること。
……朝鮮とか、な。
マイノリティほど声が大きく我を通したがり目立つもの。
そんなことより誰か 木津千里 を召喚してみてください。
・・・無理か。
>>503 魔法がきっちりしていないルイズが真っ先に被害に遭いそうな悪寒しかしないんですが。
>>504 モンモンとケティに、「きっちり」半分にしたギーシュを渡す姿が目に浮かぶ…
途中送信しちまった
>>477 >薔薇アンチ「提督にも粘着したかったけど出来なかったから悔しい」
>提督アンチ「ヤッター!とうとう叩けるネタをゲットしたー!」
それが出てくるから
>>459で「カミングアウトするのはどうかと」と言ったんだがな
スレに荒れる元凶投げ込んで自分はスタコラサッサですか?と言いたい
あとネタレスだったなら謝るけど、大きい空白以降のレスは信者乙と言われても仕方ないぞ
>>495 提督ってそういう脅しかけてたっけか?
オスマンとコルベールが勝手にビビってたような気がしたが
>>501 流石に引っ張りすぎた、避難所行くわ
最後に一つ、これだけは言わせてくれ
俺は提督嫌いなわけじゃないからな?
>>459での感想は純粋に一読者として意見しただけだし
それ以降も要は「余計なカミングアウトしてんじゃねーよ」と言いたかっただけ
おのれ死の商人
良き父良き旦那気取ってやがるから騙されがちだが
本質は殺しの道具で利益を得ている食えない中年だもんな
あんなにこやかな顔で血に塗れた棍棒だの斧だの扱ってるんだものな
勇者一行の中で一番怖い男だったことを失念してたぜ
たしかにドラクエの商人は軍隊を呼ぶという特技があるし、リメイクされればトルネコも使えるか。
とはいえ、自分でキメラの翼が使えないような世界にいる自覚はあるんだし内心冷汗流しながら笑顔で交渉してんだろうな。
勇者や戦死じゃなくてあくまで商人だし。。
>>507 金が貰える訳でもなく、履歴書に書ける経歴にもならず、ネット上のSS書きにとっての唯一の報酬は読み手からの反応。
自分はこれを書いた、あれも書いたと言う事がそんなに悪いことか?
スレが荒れない最小限度のところでそれを披露した程度のことを、何を悪事みたいに言ってるのか。
そもそもスレを荒らしてる張本人が「荒れの責任」だの言い出しても臍で茶が沸くってもんだ。
だいたい、外部にまで騒ぎに行き、本スレまで溢れ出して来る熱烈アンチが叩いてるだけで、
提督も薔薇乙女も喜んでる読み手はたくさんいる。
アンチの心情だけを語ってんじゃねえよ。
その昔、
「錬金術」という、平民でも使える魔法の様な技術をハルケギニアに広めて、
メイジ=貴族による支配体制という、ゼロ魔世界の根幹を破壊する様なエンディングにしたSSがありましてな。
まともな読者は一読し、感想を書いて終わる
まともじゃない奴は何度も何度も読み返して、あら探しして、
ネチネチネチネチと何の役にも立たない世迷い言を垂れ流し続ける
だから、まともじゃない奴が沢山いるようにみえる
いや、そこまでするほどの価値がある作品だという意味でもあり
可愛さ余って憎さ百倍になるほどのファンまで生む作者という事だ
まあこういう状況作ってるのは殆どアンチじゃなくて信者を装った煽り厨だけどな。
必死にアンチこき下ろしてる暇があったらスルーするだろ普通。
スレが荒れるのはアンチのせいではなく、反応する信者のせい。
本スレで毒を吐いてるのはアンチじゃなくて、それを装った荒らし。
アンチは何も悪くないんです!
トルネコ召喚の人、乙でしたー
ここ数日の盛況っぷりについついリュカ召喚の人とか帰ってきてくれないかなと期待したくなるドラクエ5DS版プレイ中の自分。
まだ結婚もしてないのにレベル35とかいっちゃったよおい。
もし、ルイズがガチ腐女子でワルド×サイトの信望者だったら。
「ワルド、ごめんなさい。わたしやっぱり貴方と結婚できない!」
「なぜなんだルイズ!世界が!世界が手に入るというのに!」
「ワルド、あなたには真実の愛が待ってるのよ!サイトとの!」
「「「ちょっと待った」」」
すまん、IFスレに出そうとして誤爆。
そしてモンモランシーが
「違う!サイト×ワルドよ!だってワルドは誘い受けじゃない!」
とか
誤爆に反応してしまった俺まじ道化w
>491
フルフラット艦隊がどーしたって?
>495
最適解だと個人的には思うけどね。
頭のいい人間なら、少し話せば
「自分が『ただの平民』である限り、こちらの言い分は何も聞いてもらえない」
ことは分かるだろうし。
だったら、それなりの権威の裏づけを持ってくるしかない。
そういえばホモが召喚されたのってバンコランと阿部さんだけだなw
百合は結構いるけど
>>516 藤吉晴美や早乙女ハルナを召喚すれば問題無し。
さあ、書くんだ。
>>511 それは酷いゼロ魔世界蹂躙ですな!
ところで、
科学の代わりに魔法が発達した異世界に、現代科学で作られた近代兵器を持ち込んで、
「魔法なんかよりロケットランチャー」「竜騎兵よりもゼロ戦」ってな具合に蹂躙してるラノベもありましてな。
>>516 ルイズ「♪基本的には24時間 爛れた脳が活動してる〜」
こうですね、分かります。
>>523 で?そのラノベは馬鹿で無知蒙昧な
魔法が幅利かせてる世界の連中を偉大にして崇高な科学の力で啓蒙してやったりしたのか?
なんだこの流れは?
要するに恋空風の文体でSSを書けばいいんだ?
>>523 ロケットランチャーで思い出したが、「ポリー・ハッターと石の賢者」という本があった。
ポリー少年がバイクに乗りロケットランチャー片手に大暴れする話らしい。
タイトルだけ見ると、ゼロ魔的な世界に殴り込みをかけるような話だと思ってしまう。
>527
……えーと。マジでそんな題名の本が……。
(検索中)
……あるんだ……。
>>420 水メイジがウォータードリルで虫歯をガリガリと削って
土メイジが錬金で詰め物を作る
人口比率が貴族ばかりになっていないあたり
貴族の健康状態は良くない(メタボ?)か
平民の栄養状態もそこそこ良さそう
>>441 でも平気だった刑事もいるよ?
どこぞの馬の骨とも分からないキャラにゼロ魔キャラが倒されるのってヘイトじゃね?
クロスさせるならゼロ魔を最大限に尊重してゼロ魔キャラには傷ひとつつけず失礼な態度を取ってはいけいと思うんだ
>>530 徳光を思い出した
「ローズのような、私が生年月日も血液型も知らないバッターに、
王さんの偉大な記録が破られてしまうのかと思うと複雑な心境になる」
>>530 「ゼロ魔キャラには傷ひとつつけず」ってのもどうかと思うぞ
ルール完全無視の邪気眼は確かにつまらんが、あまりにルールで縛られたSSもつまらない
遅ればせながら、提督の人、乙
これで最後とはちょっと唐突過ぎる気もしますが、
この辺はもっと続きを読みたい読者のわがままが多分に入っているから余計にそう思うのかな
とりあえずエピローグが投下されることを期待
ただ、ちょっと気になったのは
提督の終盤では、キャラクター達がブリミルが悪意に基づいて魔法社会の基礎を作ったと解釈しているかのような描写が見受けられるけど、
これは、魔法社会の被害者側(提督の主要キャラ達)からみれば当然そういう解釈になってもおかしくはないと思う。
しかし、結果的にそうなってしまったとはいえ、ブリミルが実際に魔法を使えない者達への悪意や隔意を持っていたような描写が無い状態で
完全否定というのはちと不自然に思えた。(彼が間抜けなのは否定しませんが、少なくとも原作では厭世家でも差別主義者でもなさそうですし)
まぁ、ブリミル(神)の立場にある以上、結果責任をとらなきゃならんのはわかりますけど、
キャラクターだけじゃなくて地の文で否定してしまったのはやり過ぎでは?
個人的にはキャラ達には総スカンでも、地の文では結果的に全てが裏目ってしまったブリミル君に哀れみを見せておけばもっと余韻のあるラストになったと思います。
ゼロの提督はハルキゲニア世界の描写と考察が非常に丁寧で、そこが好きな作品だっただけにちと残念でした。
とはいえ、長いこと本当に楽しませていただきました。
こんなおもしろい作品を読ませてくれた作者さんに心からの感謝を
次回作も期待しています・・・できれば提督の後日談も
長文すみませんでした
>>530 傷付けるなんて以ての外。
だから洗脳してハーレム要因その1にしたり、叩きのめした後洗脳して弟子にするのがこのスレでは正解。
>>492 ボス相手でも狂ったように呪い殺そうとするしなw
537 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/04(月) 11:21:30 ID:TQjEFxsK
まとめで提督が完結に入ってるのはどうよ?
一応作者は完結って言ってんだしいいんでない?
話としても完結できるし、後から追加はできるんだし。
>>492 昔「呪殺系呪文」は使えば使うほど相手の呪殺系呪文が効き易くなるって噂が流れた
だから呪殺専門神官は馬車から一度も出さなかった。
アレの取り柄って呪殺と「みんな治るよ回復呪文」だけだからアイテムで補えるし
いい加減隔離スレでやってくれよ。
>>537 完結してるんだからいいんじゃねーの。入れたの作者だけど。
>>530 >どこぞの馬の骨とも分からないキャラ
まずはクロス先のキャラを知るところから始めたらいいと思う
……スルーの魔法使えよおまいら
夏なんだよ
見えない……
おにいさま、さおりの目はどうなってしまったの?
スールの魔法を唱えれば
ルイズがいも・・・いや、はとこくらいに。
>546
「呼んだにゅ?」
提督
エピ入れるのなら14巻ねたでヤンがブリミルやサーシャと会話するものを…
そーいや、まだこのネタは見ないなあ
550 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/04(月) 12:36:10 ID:PcYg03qD
提督も、短編で投下された銀英もどきなアレも、やってること同じ……
ゼロ魔世界の基本秩序壊しているという意味で
まあ、そこに至る過程は、段違いで提督の方が上であるが……
結果よりも過程が重要ってアバッキオの元同僚も言ってた
>551
同意する
ただね、誰もそういう視点を持っていないようだから感想をちょっと書いてみた
上のレスで医者と不死身の人物といえば、BGの赤屍蔵人を思い浮かぶんだけど。
一応、自分の血でブラッデーソードとか使うし、たぶんデルフも使ってくれるかもしない。
ただ、ギーシュの生存率がなぁ……。
ちょくちょく思うのだが、
ギーシュと決闘させなくてもいいんじゃないの?
その場合は同ギーシュと絡ませるかという問題が出てくるけど、
女性キャラならモンモンを代わりに持ってくると言う手もありそうだし、
いっそのこと無視してしまうと言うのもありだともうが。
ギーシュとの決闘、フーケやワルドとの戦闘のないSSがあったような
…誰か覚えてる人いますか?
ギーシュと決闘させないと色々後から皺寄せが来るから
それやるなら注意が必要だけどね。
ギーシュの成長、ギーシュと使い魔の友情、モンモン惚れ薬使用、
アンドバリの情報仕入れ、キュルケがタバサの領地に行ってタバサの出生を知るとか。
探せばそこらへんにある
>555
チキ召喚がそんな感じ。
結果、為すすべもなくトリステインは滅亡したが。
>>533 提督の連載開始したときは、まだゼロ魔14巻が売ってないので
原作ではブリミルがどんな人間か分からなかった
クロスでのゼロ魔踏襲って、魔法主義世界に現代科学や機械を大量に投入して
魔法を陳腐なもの扱いしたり、クロス先のキャラをこれまた大量投入して、ゼロ魔キャラの
扱いを薄くしたりないがしろにしたりすることでおk?
えーと進路はよろしですか。提督の人、私もずっとファンでした。今まで本当にお疲れ様でした。
考えてみれば銀英伝原作もラインハルトの死後はどうなるのか詳しく語られないまま終了でしたね。
では私も9話が完成いたしましたので14:40ごろから投下開始したいと思います。
なお、今回は長さが過去最高になってしまいましたので(7/14)以降は代理投下をあらかじめお願いしておきます。
ちなみに、作中での才人は大のウルトラマンマニアの怪獣マニアで、怪獣や宇宙人の解説役兼エースの代弁者をかねていますので、原作の才人とは少し違うことをあらかじめお断りしておきます。
予防線とかそう敏感にならんでも。
しえーん。
第9話
WEKC結成!!
四次元ロボ獣メカギラス 登場!
ホタルンガとの戦いの2日後、魔法学院。
この日は朝早くから学院の校門前に数台の馬車が集まっていた。学院所蔵の豪華でもなければみすぼらしくも無い
ありふれたもので、1台に6人ほど乗れる中型なものだ。乗り込もうとしているのはルイズに才人、それにキュルケ、タバサ、
ギーシュなどかつて防衛軍としてベロクロンと戦った生徒たち、総勢19人。かつてはもっと多くいたのだが、
ベロクロンの2度目の襲撃の際に負傷したり、戦いの恐怖に負けてしまったりしてこれだけに減ってしまっていた。
彼らは今日、王宮からの呼び出しを受けて出立しようとしていた。
そして、それを見送る人影がひとつ。
「はい、皆さん乗り込みましたね。王宮までは正午までには到着するでしょうけど、帰りの予定は立っていません。
もしものときに一泊する用意はありますね」
馬車を一台ずつ周り、生徒達に注意を与えているのはあの元フーケことロングビルだった。
彼女は給金5倍という見返りの代わりに学院にとどまり、秘書として学院の様々な事務仕事に当たっているのだった。
「ロングビルさん、頑張ってるなあ」
「元々秘書としては有能だったんだ。給料5倍の上にやくざな副業をしなくてすむようになったらそりゃはりきるさ」
その様子を才人とデルフが最後尾の馬車から顔をのぞかせながら眺めていた。
この馬車に乗り込んでいるのは才人、ルイズ、キュルケ、タバサとデルフの4人プラス1であの夜の経緯を知っている者だけで
あったから会話の内容に気を使う必要はなく、馬車の騎手も人間ではなくゴーレムだから問題はない。
「しかしああして見てると、とてもフーケだったとは思えないなあ」
「ふん、男の前で猫をかむる女なんてろくなのがいないわよ、案外まだ何かたくらんでるんじゃないの」
この中では、まだキュルケだけはロングビルのことを完全に信用してはいないようだった。
だがまあ当然といえば当然だろう、怪盗として貴族を相手にこれまで好き放題に暴れていたやつを急に信用しろというほうがどうかしている。
実際にあの日の遅くにロングビルをそのまま秘書として雇い続けると聞いたときには彼女は本当に驚いた、
万一発覚すれば学院の名誉どころか共犯として自分達も罪に問われてしまうのだ。
しかし、衛士隊に引き渡すということは、そのまま死刑台送りにするのと同義であり、ヤプールに操られていたことと、
見てはいないがルイズを助けたこともあってキュルケもそこまで非情にはなれず、仕方なく怪しいそぶりを見せたら
いつでも焼いてもいいという条件付でロングビルの滞在を認めていた。
「あらツェルプストー、あなたの口から猫をかむるなんてよく言えたものね。毎度男の前では厚化粧と二枚舌を使う化け猫のくせに」
「む。おや、これはヴァリエールには大人の駆け引きがよくわからないみたいね。いいこと、化粧は女の真の美しさを隠す仮面、
小さな嘘は相手にその人の魅力を想像させる鍵、女は秘密のヴェールを軽くまとうことで輝きを増す。
男に尻尾を振って爪と牙を隠すのとは次元が違うのよ。まあ、あなたにはまだわからないよね。恋愛経験"ゼロ"のルイズ」
しえん
「キ、いいいいい言ってくれるわねツェルプストー! 恋愛経験が無い!? ああそりゃあんたは有り余るほどあるでしょうね!
なんせ何百年も前から他人の男を寝取ることだけ考えて生きてきた泥棒猫の家系ですものね!」
「あら、恋愛は人生の宝石、それが多くて困ることなどなんにもなくてよ。ま、わたくしに有り余ってるのは経験だけじゃなくて、
首とお腹の間にある"なにか"もですけど」
キュルケがそう言ってルイズのある部分を指差すと、ルイズは今度は聞き取るのも難しいような金切り声をあげてわめきだした。
その様子を才人はやれやれまたかと思って見ていた。触らぬ神にたたりなし、まだ出発もしていないのにこんなところで
爆発でも起こされたらロングビルにいらぬ迷惑がかかってしまう。
「なあタバサ、今回呼び出されたのはなんでだと思う?」
すぐ隣で暴れているサウンドギラーを刺激しないようにして、才人はこんなときでも平然と本を読んでいるタバサに話しかけた。
「……多分ヤプールに対するなんらかの対策が決まったんだと思う。ただし、外国人であるわたしやキュルケも呼び出すところを見ると、
トリステイン軍の再建はおぼつかないと見える」
「まあ、軍が元通りになったならわざわざ学生にお呼びがかかるわきゃないわな。やだなー、軍人に混ざって訓練とかやらされたくねえな」
あの2度に渡るベロクロンとの戦いで軍が受けたダメージは大きく、特に空中戦力である魔法衛士隊はほぼ全滅に近い損害を受けたらしい。
最精鋭戦力であるグリフォン隊だけはまだ戦力を保持しているが、それとて以前の3割にも満たない。
と、そのときそれぞれの馬車の見回りが済んだらしく、ロングビルが窓を覗き込んで話しかけてきた。
「こらあなたたち、そんなに騒ぐとはしたないわよ。城に着くまでそうしてるつもり?」
どうやら途中から話し声が大きくなりすぎて外に聞こえてしまったらしい。キュルケとルイズはそう言われて。
「だってヴァリエール(ツェルプストー)が!」と、声をそろえて仲良く言い返したが、どう見てもふたりとも淑女の態度とは程遠い。
「どっちもどっちよ。やれやれ、これじゃずっと一緒に乗ってくふたりは大変ね」
「……私は、気にしない」
「あー、もう慣れてます。ところでロングビルさん、今度の呼び出しの理由、ロングビルさんはなんか聞いてませんか?」
「いえ、私も特には、けどあなたたちも呼び出された顔ぶれを見れば薄々見当はついてるんじゃない。それに、
噂では近々軍の大幅な配置転換や新設部隊の設置が行われるって聞いてるわ」
そう聞いて才人はあらためて大きくため息をついた。
「ふぅ、やっぱし軍隊がらみか、ヤプールと戦うならまだしも、軍隊に入れられるのは勘弁してほしいよ」
「ま、そうは言っても実際今のトリステインは猫の手も借りたい台所事情なんでしょうよ。まあ、
そうは言ってもいきなり学生を軍に組み込んでも役に立ちはしないでしょうから、気楽に行ってきなさいな」
「ありがとう、ロングビルさんも無理はしないように気をつけてください」
「ありがと、でもあたしは大丈夫よ。なんてったってもう学院長のセクハラに遠慮する必要がこれっぽっちも無くなったんだからね。
おかげであれから積もり積もったうっぷんを気分よく晴らさせてもらってるわ、あはははは」
それを聞いてルイズはここ数日続いていた、あることを思い出した。
「そういえば、ここのところ学院長室のほうから何かを叩きつけたり、物が砕けたりするような音が聞こえてきたりしたけど、まさか……」
「ご想像どおりよ、あんたたちもあのエロジジイに何かされたらあたしに言いなさい。3倍返しにしてやるから。
なあに、あのじいさんそんなもんじゃ死にゃしないし、あきらめもしやしないから」
ロングビルはそう言ってカラカラと笑った。
どうやら、キュルケの心配も杞憂だったようである。絶好のストレス解消法を得てロングビルは心から仕事を楽しんでいるようだ。
「ま、そういうわけだから学院のことはまかせて君達はいってらっしゃい。なあに、万一無理やり軍に入れられそうになったら
適当な口実つけてやめちゃえばいいのよ」
「そんな! 貴族たるものが一度望んで入った軍役を勝手にやめられるわけな」
「あなたたちには、そんなことよりここでやるべきことが山ほどあるでしょう。そういう台詞は一人前になってから言いなさい」
ルイズの反論をぴしゃと遮ると、ロングビルは馬車の窓を閉じ、従者のゴーレムに出発を命じた。
「いってらっしゃい。くれぐれも、身命をとして果たしますなんて馬鹿な仕事もらってくるんじゃないわよ」
遠ざかっていく馬車を、ロングビルは目を細めて見送っていた。
トリステイン魔法学院から首都トリスタニアまでは馬車でおおよそ3時間、その間ルイズとキュルケは飽きもせずに言い合いを続けていた。
才人としては屋根の上にでも避難したい気分だったが、あいにく怒りが度を越えたルイズのかんしゃく玉の先として、
うれしくもない仕事が回ってきたせいでそうもいかなかった。唯一救いがあるとしたら、暴発したふたり(9割方ルイズ)が
魔法を炸裂させないように公平にタバサに杖を預けて舌戦を繰り広げていたため馬車が無事な状態で街まで着いたことだろうか。
「へーっ、もう大分復旧したな」
トリスタニアの街は、ベロクロンの襲撃で半分以上が焼け野原となったものの、現在では掘っ立て小屋やテントも減り、
元の煉瓦や石造りの建物が軒を連ねるようになっていた。
そして馬車は、城へ向かう最後の準備を整えるための軽い休息を馬車駅でとるためにいったん停車して、
生徒たちはこわばった体を存分に伸ばして、ある者は身なりを整えたり、ある者たちは飲み水に群がったりしていた。
ルイズたちも水を受け取り、乾いた喉を潤して一息をついていたが、駅の客達がしきりになにかを話し合っているのを見て、
好奇心から何を話しているのかを聞いてみて少々驚き、そしてにやりとほくそえんだ。
それは、ここ最近トリステインを駆け回っている噂だった。あの土くれのフーケが実はヤプールの手先で、
数々の貴族惨殺事件は人間を超獣のエサにするためだったということで、最後はフーケまで喰われてしまったが、
超獣はかろうじてウルトラマンAがやっつけて、ある森の奥ででっかい首が見つかって魔法アカデミーに運び込まれて大騒ぎになっているということだった。
「ルイズ、これって」
「ええ、オールド・オスマンの情報工作、うまくいったみたいね」
これはまさしく、オスマンが王宮に対してした報告のたまものであった。
あの戦いの後、オスマンはロングビルをかばうために事件の内容をフーケが死んだということに改ざんした報告書を提出したのだった。
もちろんバレたら大変なリスクが伴う賭けだったが、そこは年の功で事実をベースにうまく虚実交えた内容の報告書には
特に不自然なところは無く、なにより森の奥に転がっているホタルンガの首が絶大な説得力を持っていた。
これによりフーケが死んだということはあっという間に国中に伝わり、すなわちロングビルの立場が安全になったということを意味していた。
「あのじいさん、とぼけた顔してなかなかやるものだな」
才人は、胸ポケットにしまってあるガッツブラスターを確かめながら、オスマンの気さくな顔を思い出したが、
同時に今頃はまたこりずにロングビルに手を出して半殺しに遭っているのだろうなと、手を合わせた。
さて、長い馬車の旅も終えてトリステイン城へと着いてみると、そこは貴族から雑多な職業の平民などでごったがえしていた。
「うわ、すげえ混雑してるな」
「どうやら噂は本当だったみたいね。さて、広間に行く前に受付を済ませなきゃならないんだけれど、これじゃどこがどこだか……」
19人の学生達は、どこに行けばいいのか見当もつかずにただ呆然と立ち尽くしていた。
そのとき、生徒達の先頭に立って先導を名乗り出たのは、金髪で薔薇の花を掲げた一見して分かるキザ男、ギーシュであった。
「諸君、僕についてきたまえ」
どうやら彼はこの状況にかこつけてみんなの先導をすることで目立とうとしているようだ。
「ちょっとあんた、ついて来いってどこいけばいいのかわかってるの?」
「もちろん、僕に間違いなどないさ。さあ、いざゆかん一番乗り!」
彼は決して悪い奴ではない。トリステイン貴族の常として傲慢な点はあるものの、以前才人と決闘して敗れたときには素直に敗北を認めて、
その後頭を冷やして自身の非を正すような潔さも持っている。
ただし、それとは別に、でしゃばりでかっこつけ屋の上、考えなしで行動するという、一言でいうならばアホでもあった。
そして、半信半疑でついていったルイズたちも当然、訳の分からないところに迷い込むはめに陥ってしまった。
「ちょっとギーシュ、ここはいったいどこなのよ」
「えーと、城の中かな」
ギーシュは、どこだかわからない通路の真ん中で、怖い顔をした皆に囲まれて冷や汗を流していた。
「んなことはわかってるのよ! わたしたちは入門の受付をしようとしてたんでしょうが! ああもうどうすんのよ、このままじゃ
不審者に間違えられて捕まっちゃうじゃないの」
いまや焦っているのはこの中では才人とタバサを除く全員だった。
確かに、子供が揃って城の中をうろついていては怪しくないというほうがどうかしている。
そしてもしこんなところを捕まって収監されでもしたら、彼らの貴族としての名誉は台無しになってしまう。
しえんっ
「だ、大丈夫だよ。きっとその曲がり角の先に行けば、受付のあるところまで行けるさ、さあ行こう!!」
冷や汗を流しながらも名誉挽回に燃えるギーシュはまた先頭きって駆け出していった。
しかし、焦っていたのと後ろがついてくるか確認しながら駆けていたため、曲がり角の先から人が来るのに気づかずに
思い切りぶつかって尻餅をついてしまった。
「あ、いてて、ちょ、気をつけ……」
「何者だ! 貴様!」
ギーシュが抗議するより早く、無数の刃の切っ先が彼の喉元に突きつけられた。一瞬のうちに、
彼は剣を持った騎士数人に取り囲まれていたのだ。
さらに彼のぶつかった相手は、彼が思い切り吹っ飛んだのにも関わらずに、何事もなかったかのように立って彼を見下ろしていた。
「ひっ!?」
「ギーシュ!」
驚いたルイズたちが駆け寄ろうとすると、通路の先から続々と剣や銃を持った兵士たちが現れて生徒たちに武器を向けた。
兵士達は全員鎖帷子をつけているが身のこなしが速く隙が無い、単なる警備兵などではなく、よく訓練された熟練の部隊だ。
明らかに、こちらを不審者と思って警戒している。当然のことだが、生徒たちはそれとは別の意味での驚きも受けていた。
「お、女?」
なんと、兵士たちはその全員、およそ20名くらいだろうがすべて若い女性で占められていた。
そして、その指揮官と思えるギーシュがぶつかった相手は、短く刈りそろえた金髪の下から氷のように冷たい目で彼と生徒たちを睨み、
やがて、およそ20代前半らしき容貌からは想像もできないほど、威圧感のある声を生徒達に発した。
「全員動くな。ミシェル、ひとりでも不審な態度をとったらかまわず撃て」
「はっ」
副隊長格と思える青髪の女性騎士が銃口を向けてくると、もはや彼女たちが本気だということを疑う余地は無くなっていた。
ギーシュは無数の剣に囲まれて身動きできず、ルイズたちも銃口を向けられては杖を取り出すこともできない。
「見たところ学生らしいな、なぜこんなところをうろついている?」
「そ、それは……」
ルイズやキュルケや他の生徒達も、このときばかりは何も言えなかった。なにせ彼らは皆地位も名誉もある貴族の子弟たち、
間違っても「迷子です」とは言えようも無い。
だが、幸か不幸か、こういうときに守るべき誇りなど何一つ持ち合わせていない男が一人いたのが、彼らを最悪の不名誉から救う
希望の光となった。
「あの、それが受付行こうとしてたらいつの間にか迷っちゃいまして、すいませんがどっちに行けばいいんでしょうか?」
「サイト!」
後ろから頭をかきながら出てきた才人に全員の視線が集中した。
しえんっっ
「迷子か?」
「まあ、平たく言えば」
あっさりと言ってのけた才人に生徒たちの非難の視線が集中したが、相手の威圧感のほうが強くてそれを口に出せた者はいなかった。
やがて、その指揮官らしき女性は順に生徒達を見渡すと、部下達に武器を収めるように命じた。
「どうやら本当らしいな。そういえば防衛軍の中に魔法学院の生徒達の志願部隊があると聞いていたが、お前達のことか」
ようやく刺すような緊張感から開放されて、生徒達はほっと息をついた。
ギーシュも一寸でも動いたら首をはねられそうだった白刃から開放されて呆けていたが、
落ち着いてくると彼女たちの誰一人として杖を持たずに、武器として剣もしくは銃のみを持っていることに気がついた。
なぜ疑問に思ったかというと、普通王宮を警護する任についている者は貴族出身の魔法衛士隊であり、
当然すべてメイジであるから武器は杖であるが、彼女たちはそれを持っていなかった、つまり貴族ではないということになる。
「君達、平民か?」
その言葉は特に考えも無く自然にギーシュの口から出たものであったが、彼はそれを聞いて氷のような眼で自分を見下ろす女隊長の顔を見て
不用意な自身の発言を瞬時に後悔した。
「いかにも、我々は全員平民の出。今度新設されることになった『銃士隊』の者だ」
それを聞いて生徒達の中からは「なんだ平民かよ」「魔法も使えないくせに生意気な」などといった陰口が叩かれたが、
彼女は凛とした態度で言い放った。
「だが勘違いするなよ。軍の中では我々は衛士隊とも同格に扱われる。それに、自身の存在に誇りを持っているのはお前達だけではない、
侮辱をするならそれなりの覚悟を持ってすることだな」
そう言われて何人かの生徒はかっとなったが、それ以上のことはできなかった。
通常なら剣士はメイジの敵ではないが、それも相手によりけりで、例えば目にも止まらぬ速さで間合いを詰められたり、
もしくは呪文の詠唱より速く銃を撃たれたりしたら当然負けるのはメイジのほうで、この『銃士隊』とやらなら、そのどちらも可能に見えたからだ。
つい先日も、ただの平民と誰もが侮っていた才人にギーシュが剣一本で敗北したのは記憶に新しい。
虚勢で対抗できる相手ではないと悟った一部の生徒たちは黙りこくった。
しかし、気まずい空気が場を包む中、それを救ったのはキュルケだった。
「失敬、ミス。お互い言いたいことはあるでしょうけど、時間も迫っていますし、初対面で理解が足りないこともあったでしょう。
このことはお互い水に流して、先を急ぎませんこと」
優雅に、それでいて敵意の無いよう両手を広げて穏やかに話しかけるキュルケの態度は、まるできかん子をあやす母のようであった。
「……いいだろう。我々も集合命令を受けていたところだ、ついてこい。それから、お前はいつまでそこでへたっているつもりだ?」
女隊長は、まだ腰を抜かしているギーシュに冷ややかな視線を向けていた。
「……っく、誰が」
「ほう、少しは骨があるか……さっさと来い、置いていくぞ小僧」
「小僧じゃない! 僕にはギーシュ・ド・グラモンという名がある。それに、へい……いや、貴君も騎士なら名を名乗りたまえ!」
女隊長は振り向くと、ギーシュの眼を真っ直ぐに見つめた。その、思わず眼をそらしてしまいそうになる圧迫感を、彼はもちうる勇気のすべてを
動員して押さえ込んだ。
「私の名はアニエス。どうやら少しは根性があるようだな。先におびえていたときとは違う目だ」
「……え?」
「だが、身のこなしや注意力は標準以下だ。もっと鍛えることだ、死にたくなければな。さあ、時間を喰ってしまったぞ、全員駆け足!」
アニエスが号令をかけると、銃士隊員だけでなく生徒達も思わず「はいっ!」と姿勢を正して返礼をして慌てて駆け出していった。
王宮内の、普段は式典やパーティなどに使われる大広間はすでに集まってきていた人々によっていっぱいになっていた。
「トリステイン魔法学院の義勇軍の方々ですね。こちらへどうぞ」
生徒達は銃士隊と別れて、広間のすみに整列した。順序は男子・女子・外国人・その他の順で、才人は一番後ろにいた。
その後しばらくは、集まってきた人たちの喧騒が続いていたが、やがて会場に王女アンリエッタがマザリーニ枢機卿を連れて現れると
皆一様に最敬礼の姿勢をとり、才人も見よう見まねで礼をした。
(あれが王女様か、ルイズと同じくらいの子だな。けど……あっちのほうは勝負になってねーな)
初めて見る王女様に向かって不埒なことを才人が考えていると、皆を見下ろせる壇上に立ったアンリエッタは広間によく通る声で話し始めた。
「皆さん、今日はよく集まってくれました。トリステインへの忠義の志、平和を守る正義の使途の集いに、わたくしはとてもうれしく思います。
ですが、ここに集まりの皆ももう知ってのことと思いますが、先日よりの貴族の惨殺事件、それがあのヤプールの侵略の一端であることが
判明しました」
広間に、聞こえるはずの無い汗の流れる音やつばを飲み込む音が響いたかのように思えた。
「幸いにも、事件の主犯であった超獣はウルトラマンAが撃破して、利用されていたフーケも死亡したそうですが、
ヤプールが直接的な攻撃だけでなく、内側からもこの国を蝕もうとしていることが明らかとなった以上、対策を根本から見直す必要が出てきました。
そこでわたくしは、軍を再編成するにあたって、対ヤプール用のあらゆる事態に迅速に対応できる専門部隊の設立をすることに決定しました」
しえんっっっ
広間のあちこちから「おお……」と感嘆の混じった声が聞こえた。
才人はこの話を漠然と聞いていたが、アンリエッタの話が一段落ついたあたりで、すぐ前にいるキュルケが小声で話しかけてきた。
「ねね、タバサ、ダーリン、聞いた? あの王女様、なかなか思い切ったことするわね。まあ発案はあっちの鳥の骨さんでしょうけど、
これで軍の意向に左右されずにヤプールの侵略のみに対抗できるってわけね」
「そうだな。ふぅ、これで安心したよ、ルイズのことだから軍に入ったままだと、いずれろくに考えずに戦争にまで出て行きそうだからなあ」
「あら、ダーリンは戦争は嫌い?」
「嫌いだね。戦争なんて言ってみれば国家公認の殺し合い競争だろ、殺しが好きなんて奴をどうして好きになれるか」
「怖いの?」
「怖いさ、俺なんて戦場に出たら真っ先に死ぬタイプだからな。戦争なんてせずにどこの国も仲良くやってくれてれば一番いいんだけど」
「ふーん、ダーリンはほんと変わってるわね」
キュルケは臆面も無く戦争は嫌い、怖いと言ってのけた才人に新鮮な驚きを感じていた。彼女の知る男達はいずれも、
国のためならいつでも戦う、誇りを守るためなら命はいらぬ、と誇る者ばかりだったからだ。
しかも、もし才人がなんの力も無いただの平民だったらそれもうなづけただろうが、ギーシュとの決闘の際や、ホタルンガにルイズが
捕らわれてしまったときに単身向かっていったことを考えると、彼を臆病だとはどうしても考えられなかった。
「そういえば、どこの国も仲良くといえばさ。王女様はハルケギニア全土の国家間でヤプールの攻撃に関して情報交換から
非常時の援軍派遣まで考慮に入れた同盟を考えたそうだけど、頓挫したらしいわね。まあ、アルビオンは最近内戦が激化してきた
らしくてろくに内情すら分からないし、ガリアの無能王は言うに及ばず、ゲルマニアとは最近軍事同盟を考えてるそうだけど、
実際は腹の探りあい、うまくいくはずもないわね。どこの国も仲良く協力なんて、あの王女様も甘いわよね」
「……」
才人は無言で聞いていたが、キュルケの言うとおりにアンリエッタの考えを否定する気にはならなかった。なぜなら、国家間の利害を
超えての侵略に対する防衛、それは科学特捜隊からGUYSまで連綿と続く地球防衛軍の思想そのものであるからだ。
恐らく、アンリエッタは国家間の複雑な情勢などを考えずに、ただ平和を願う気持ちだけでそれを口にし、現実に負けたのだろうが、
周りの人間は彼女を笑う資格がないことに気がついていない。理想の邪魔をしているのは彼ら自身の利己心であることに。
やがて、王女の演説が終了し、マザリーニによる具体的な組織編制の説明に入った。
それは、2匹目の超獣ホタルンガの出現と、その作戦がトリステインの貴族達に与えた衝撃の深さを物語るものであった。
連日続いていた貴族の惨殺事件、それがヤプールの仕業であったということは、ヤプールは単なる力押しの侵略者ではなく、
謀略や策略を駆使する油断ならない相手ということになり、その道具として超獣が使われたら、それこそ今後被害は爆発的に増大していくだろうと思われた。
そして、その予想はまったく正しかった。
かつて地球でヤプールが暗躍していたころも、ヤプールは超獣や宇宙人を人間社会の中に送り込み、
社会の混乱をあおるとともに超獣を育てるといった戦法を得意としていたのだ。
すぐ隣にヤプールの手先がいるかもしれないという恐怖は貴族たちの間から、その従者や兵を通して平民に行き渡り、
やがてトリステイン中へと伝染していった。
これに対して王国のマザリーニ枢機卿は即座に緊急会議を開いて、ヤプールの内側からの侵略に対する対策を立てることに腐心したのだった。
しかし、戦力の中心となるメイジの数は激減し、魔法衛士隊を即座に再建することは絶対不可能、そのため平民を中心とした部隊がいくつか新設され、
そのひとつとして当時1小隊に過ぎなかったが、剣士としてずば抜けた実力を有していたアニエスの小隊が銃士隊に格上げされたのだった。
(アニエスさん、きれいだったな……けど、性格はルイズよりきつそうだよな。ありゃ絶対Sだ、しかもドSだ)
才人はさっき会ったばかりの凛々しくも恐ろしい女騎士の顔を思い出して、背筋がぞっとするものを感じた。
ルイズ、シエスタ、キュルケ、タバサ、ロングビルと短い間にいろんな女性と接してきた才人であったがアニエスの威圧感はずば抜けていた。
いや、アニエスだけでなく、副官のミシェルという人を始め銃士隊の女性たちの目つきは尋常ではない。できることなら彼女たちとはあまり係わり合いに
なりたくないなと彼は思った。
その後、才人にはよくわからない単語や部隊名などの説明が続いたが、その中から魔法学院の生徒たちの志願部隊は防衛軍の一部隊とされ、
学院周辺の守りを主に請け負うことになったことが聞き取れた。
「要するに、自警団ってわけか」
才人は自分にわかりやすく解釈した。学院の守備といえば聞こえはいいが、実際は超獣が攻めてこない限り特にやることは無い。
もっとも、いくら魔法が使えるとはいえ成人もまだずっと先の子供に多くを任せるほど、この国が理性を失っていない証拠でもあったが。
やがて、細やかな説明に入る前にいったん休憩をとって15分後から再開しようということになった。気がついてみたらすでに1時間ほどが
過ぎていた。地球時間で言えば午後1時半くらいになるだろう。
生徒達は広間から中庭に出て花壇の周りのベンチなどに腰掛けながら、先程のことについて話していた。
「やあやあ諸君聞いたかい。僕らが王国から正式に学院の守護者になるよう命が下ったのだよ。大変名誉なことだねえ」
と、両手を広げて大仰に言ったのは言うに及ばずギーシュである。彼のほかにも何人かの生徒は名誉だとか誇りだとか言っているが
才人は正直どうでもよかった。彼らの意気込みはともかく、ハルケギニアの武力では超獣に歯が立たないのは証明されている。
だが、そんな彼の雰囲気を悟ったのかルイズが話しかけてきた。
「サイト、あんたわたしたちが正式に王国所属の部隊として認められたのに、うれしいとは思わないの?」
「ん? そりゃあさ、あの銃士隊みたいに歴戦の兵士の揃った部隊ならともかく、こっちは所詮ガキの集まりだろ」
「なによ、あんた名誉ある貴族の子弟のわたしたちと平民の部隊をいっしょにするつもり?」
「じゃあお前、アニエスと勝負して勝つ自信あるか?」
「ぐ……」
その質問にはルイズも返す言葉が無かった。杖を握り締めたまま思考が硬直している。
もしアニエスと対決したとして、勝つ見込みがあるとしたら剣の間合いの外から魔法を撃ち込み続けることだが、一撃で致命傷を
与えなくては彼女の鍛え上げられた体から生み出される瞬発力は、一瞬で間合いを詰めて剣を振り下ろしてくるだろう。
そして当然、強力な魔法を使うにはそれなりの詠唱時間が必要であり、さらに完全に間合いに入らなくても銃なら10メイルもあれば
充分であり、剣を投げつけるという方法もある。そして自分達にはそれを避けるだけの動体視力や瞬発力はない。
するとデルフも鞘から出てきてカタカタ笑いながら言った。
「まあ、獅子は百獣の王と言われるが、ガキのうちはシマウマに蹴られて死ぬこともある。そっちのにぎやかな姉ちゃんとぼんやりな嬢ちゃんは
ともかくとして、あとの連中は正直話にならねえな」
ルイズはデルフの言う、あとの連中の中に自分も入っていることを心ならずも自覚していた。
「ま、どのみちマジで超獣が現れたりしたら「超獣が出たぞー、逃げろー」くらいしか言うこともねえんだ。立ち向かったところで
勝ち目なんか皆無なのはお前さんが一番よくわかってるだろう」
「……ええ、そのとおりよ。けどね、それがなんだって言うのよ!」
デルフの言葉に我慢ならなくなったルイズの、これまでにないくらい凄みのある声が響いた。
「わたしたちの実力じゃヤプールには敵わない? そんなこと百も承知してる。けどね、だからといって何もせずに逃げ惑えっていうの。
そんなことしたらますます相手を付け上がらせるだけじゃない。力があるかないか関係ない。わたしたちは断固として
侵略には屈しないということを見せ付ける。戦う人間がいるんだってことを敵味方に知らしめる。そんなこともわからないの!!」
4円
今度は才人のほうが言葉に詰まった。
「そうだ、ミス・ヴァリエールの言うとおり!!」
会話を聞いていたらしいギーシュが突然ルイズの横に立って、誇らしげに語り始めた。
「ここにいる皆は、我こそは超獣の首を獲ってやろうと考えてることだろう。しかし、敵は王国の精鋭が総力を結集しても傷すら負わせられない
のに対して、僕らはまだ学生、残念ながら自らの非力を認めるのもひとつの勇気だ。しかし、それでも杖をとり、敵に立ち向かう我らの
姿は戦う力無き者たちの心にも響き、決して服従や隷属を認めることはないだろう。諸君、我らは旗、戦場に翻り、その存在で
味方の指揮を鼓舞する勇壮な軍旗なのだ!」
「おおーっ!!」
思いもよらぬギーシュの名演説ぶりに男子生徒たちのほとんどが声をあげていた。
「へー、ギーシュにしてはまともなこと言うじゃない。これまで目にも入れてなかったけど、これなら目の片隅くらいなら置いていいかな」
「……希望……でも、ギーシュだし」
キュルケとタバサも珍しく感心していた。特に、自分の非力を認めるなど以前のギーシュでは考えられなかったことだ。
「どう、これでもまだ不満なの?」
「いや、俺が間違ってたよ……」
才人は、ルイズやギーシュの言葉を聞いて、自分が大切なことを忘れていたことに気がついた。
小さなころから憧れてきたウルトラ兄弟や歴代防衛チーム、自分も大きくなったらああなりたいと思ってきた。2006年にGUYSが
宇宙斬鉄怪獣ディノゾールに全滅させられたときはがっくりしたものだが、新生GUYSとなって復活した彼らはバードンやグドンなど
歴代チームやウルトラマンさえ苦戦した相手に敢然と立ち向かっていき、ニュース画面を見ながら本当に頼もしく思ったものだ。
「……希望か」
まさかギーシュに教えられるとはと、才人は頭をかいて苦笑いした。
そのとき、ある生徒がふと思いついてギーシュに言った。
「ところでギーシュ、俺達の部隊名はどうする? いつまでも王立防衛軍魔法学院小隊じゃしまらないだろ」
「おお、よく聞いてくれたギムリくん。ふふふ、聞いて驚け、とっておきのを考えておいた。その名も『水精霊騎士隊(オンディーヌ)』だ!」
「水精霊騎士隊!?」
その名を聞いて才人以外の全員が驚いた。なぜならそれはトリステインの名高い伝説の騎士団の名だったからだ。数百年前に
廃止されて現在は名が残るのみだが、外国人のキュルケとタバサも知っていたことからその知名度の高さもわかる。
「ふふふ、どうだ驚いただろう」
「お、驚いた……だけど」
「だけど?」
「水精霊騎士隊なんて大それた名前を、学生風情が勝手に使って周りの部隊や、第一王国が黙ってるか? 絶対まずいことになると思うが」
「ぐっ!?」
ギーシュは思わずグサッとなった。確かに、国が公認してくれたとかいうならともかく自称するには立派すぎる名前だった。
かといって、没にするにも惜しい名前だった。伝説の騎士隊の名を受け継ぐ、これほどの誇りはそうはない。
すると、端でじっと見つめていた才人が前に出てきて一言言った。
「そのまま言うとまずいんなら、少しもじればいいだろ。なら、WEKC(ウォーク)ってのはどうだ?」
「ウォーク!? って、なんだそれ」
「俺の国の隣の国の言葉に水精霊騎士隊を訳すと、Water Element A Knight cors これを略したんだ。これなら俺達以外の連中が聞いても
意味が分からないだろ」
それは才人の乏しい英語知識を総動員したものだった。
「な、なるほど……しかし、異国の言葉を隊名にするのは……」
「なら別にいい。ほかにいい案があるなら好きにすればいいだろ」
「ぬ……し、仕方ない……それに、我が友サイトの発案だ。みんな、意義はあるか?」
どうやら誰にも他にいい名前の案は無い様だった。だが、聞きなれない響きの言葉に戸惑いながらも、逆に新鮮味があって悪くないと
感じてくれてもいるようだ。また、暗号じみているのも少年心を刺激したようだ。
「よし、これから我らは部隊名ウォークと名乗る。だがいつか誰に対しても水精霊騎士隊と名乗れるようにすることを目指すのを忘れるな!」
「了解!」
意外とあいつリーダーシップあるのかもしれないなと、才人や女子連中はギーシュを見ていた。もっとも、いざ実戦となったら
怖じ気ずいて震えだすかもしれないが、少なくとも人を乗せる才能はあるようだった。
「ふ、ふん。あんたにしてはいい発案じゃない」
「さすがダーリン、さえてるわね」
「……ちょっと、かっこいい」
ルイズたちも、温度差は大きいようだが部隊名が穏便に決められたことを喜んでくれたみたいだった。
「チーム・WEKC……か」
幼いときから防衛チームに憧れて、いつかなりたいと思ってきた自分だが、まさか異世界で、自分が名付け親になるチームに
入ろうとは夢にも思っていなかった。
この戦闘機もレーザーガンも持たない20人ぽっちのチームでどこまでできるかは分からなかったが、とにかくやってみなければ
わからないなと、才人は自分を奮い立たせた。
そのとき、休憩時間の終了を伝える鐘が中庭に響き渡った。中庭で同じように休息していた騎士やメイジたちが立ち上がって去っていく。
「おっと、そろそろ戻らなければな。じゃあ、みんな行こう」
「……ちょっと待て、今気づいたが、俺達はまだ隊長を決めてなかったよな。つい乗せられてお前に合わせてたけど、
この際誰が隊長につくかしっかり決めておこうじゃないか」
「なっ、ヴィリエ……い、今そんなこと言わなくてもいいだろう。僕はただあのとき皆をまとめようとして……」
「いーや、騎士隊の隊長ってのは大変名誉な職務だからな。この際は……な!?」
彼がギーシュに詰め寄ろうとしたとき、突然中庭を大きな影が覆った。
「な、竜!?」
それは王国の竜騎士隊の飛竜であった。しかし、そこから降り立ってきた騎士は全身傷だらけで、中庭に降りたとたんに倒れこんでしまった。
すぐそばにいた生徒達はすぐに駆け寄り、キュルケが横たわって荒い息を吐いている彼を抱き起こした。
「あなた、しっかりしなさい! 誰か、水系統のメイジを探してきて! それからすぐに衛士隊を連絡よ!」
「いや、そんなことはいい……すぐに、陛下にお知らせしなければ……ゴホッ、ゴホッ!」
「なにがあったの? すぐ医者が来るわ、気をしっかり持ちなさい!」
「ザントリーユ城、陥落……城主リシャール公、戦死……」
「ええっ!」
生徒たちの間に動揺が走った。ザントリーユ城といえばトリスタニアから南東に120リーグほどのところにある城で、竜使いの名手
リシャール公をはじめ、ゲルマニアとの国境線にも近く、小さいながらもかなりの軍備を備えていたはずの場所だ。
「そ、それってまさかゲルマニアが攻めてきた……?」
「いや、違う……敵はたった、たった一体だけだった……」
「一体……まさか、超獣!?」
「違う……銀色の、全身鉄でできた巨大な竜の形をしたゴーレムだった……ゴホッ!」
そのとき、ようやく生徒のひとりが水系統のメイジを連れて戻ってきた。
メイジが秘薬を使い、杖を彼の傷に当てて呪文を唱えると、淡い光が傷を包み、やがて苦痛が和らいできたのか彼の息が整ってきた。
「それで、いったいなにがあったというの?」
「突然、突然だったんだ。我々はいつものように城の周りを警戒していたら、いきなりパッ、パッと光が走ってゴーレムが現れた。
ゴーレムは、口から火の弾や光の弾丸を吐き出しながら城を攻撃してきた。もちろん我らも必死で迎え撃ったけど、俺達の攻撃は
まるで見えない壁に阻まれるかのように途中で消えてしまったんだ。しかも、ゴーレムは城の西に東にと消えては現れてを
繰り返したから、俺達はふいを衝かれて次々に撃ち落され、リシャール公も……俺だけが、このことを知らせるために
ひとりだけで……それが公の最後の言葉だった……くっ、ううう」
彼は語り終わると、男泣きに泣いた。
やがて、衛士隊もやってきて、彼を担架に乗せて運び去ると、生徒達は呆然とした様子で立ち尽くしたり、座り込んだりしていた。
「こりゃあ、集会の続きも中止ね……それでサイト、心当たりはあるの?」
「ああ……鉄でできた竜、それに出たり消えたりするやり方……ドキュメントUGM、四次元ロボ獣メカギラス」
続く
838 :ウルトラ5番目の使い魔:2008/08/04(月) 14:58:50 ID:M9ka3rd.
終了です。支援及び代理投下、本当にありがとうございました。
ほんとはもっと短くまとめるつもりだったんですけど、怪獣出現まで書こうとしたらこの長さになってしまいました。
さて、今回アニエスが初登場ですが、原作とは違い、タルブで手柄を立てたわけではないのでまだシュバリエの称号は得ていませんから名前しかありません。
また、銃士隊の結成理由もアンリエッタのメイジ嫌いではなく魔法衛士隊が壊滅したための繰上げです。
そして、ウルトラシリーズといえば絶対必要な防衛チームも、今回めでたく結成できました。初期GUYS以上の超ド素人集団ですけど知恵? と勇気? で事件に立ち向かっていきます。って、これじゃむしろウルトラQですね。
なお、私は英語は大の苦手なので、WEKCの翻訳や発音は単に水精霊騎士隊をyahoo翻訳しただけなので、間違ってるかもしれませんが才人が考えたということで勘弁してください。
今回は変身シーンまでは行きつけませんでしたが、次回はウルトラタッチまでこぎつけたいと思います。
投下――終了。
代理投下は二度目だけど、神経疲れるね…結構…。
なにはともあれ、作者の人乙したー!
そして何気に怪獣の細かい名前も覚えているサイトは改めてすごいと思った。
つか、オタクだなあ、こいつ。
おつー。
やっぱり「お話」なんだから無謀な勇気にみんなで同調するのもありっちゃありだよな。
だからこそヒーローが映える。
GJ&代理乙
才人は歩く怪獣事典ですねw
男塾の雷電ポジかよw
じゃあ王先生は誰だ
男塾一号生召喚での才人の活躍ぶりは大したものであった
石ノ森テイストに”熱い男”になっていた「左手」のサイトは、改竄だ改竄だと毒吐きで大絶賛だったな。
はたして怪獣博士に改竄されてるこのサイトの評判や如何に?
唐突だけどルイズがサイトとネギまの麻帆良学園中等部3-A生徒全員を召喚して
サイトが麻帆良学園中等部3-A全員にモテるなんてお話はあり?
他にもカップルを召喚して恋人をギーシュに取られるみたいな話とか
ネギ先生なら読んでみたい。
>>594 それは踏襲じゃないだろ?っていうことを言いたいんだと思うが。
提督つながりで垣根提督召喚ネタがうかんだ
>>596 作品中屈指に分かりづらい能力じゃないか提督
598 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/04(月) 16:46:56 ID:wgHBg/la
ルイズの顔面押さえつけてウンコ食べさせたい^^
こんにちは。投下よろしいでしょうか。
1巻分のラストとなります。
前回のヘビビンガーへの多数の反応ありがとうございました。
今回もちょっぴり別作品ネタを仕込んでますが
かっとなってやって、今は反省してますのでご容赦くださいませ。
使い魔はじめました―第14話―
「……盗む以外で手に入れた品をあんたに流すこと?
それが、あたしを逃がす条件?」
サララが告げた条件を聞いて、他の面々はきょとんとしていた。
「さ、サララ! こいつは盗賊なのよ! そんな約束守るわけないじゃない!
泥棒はうそつきだって昔っから言うわ!」
「……うそつきは泥棒の始まりとはいうけど、その発想はなかったよ」
ルイズの言葉にチョコは思わずツッコミを入れた。
サララはただ、彼女なら信じられる気がする、と笑顔を崩さなかった。
その笑顔をフーケは睨んでいたが、やがて観念したように息を吐く。
「分かった分かったよ。その条件も飲むし、あんたらに攻撃もしない。
それでいいんだろ? 全く、そんな顔で見られちゃあ、
嘘もつけないし、悪いこともできないじゃあないか」
そう言いだしたフーケを見て、ルイズは驚いた。
ひょっとして、根は悪い奴じゃないのかしら? と思った。
「で、でも、学院長にはどう説明するつもりなのかしら?」
それに関しても考えがあります、とキュルケの問いに笑って答える。
「……そういやあ、一つ聞きたいんだがねえ」
フーケが、ちらりとサララの抱えた袋を見ながら尋ねた。
「『魔王の宝珠』が手元にあったのに、どうしてあたしを捕まえるのに
使わなかったんだい? 祈るだけで使えるんだろ?」
サララはそう聞かれて苦笑いを返す。
この珠は、そんなに質の高くない、ただの宝石ですよ、と告げた途端、
チョコとサララを除く全員の顔が凍りついた。
「え、ど、どういうことだい? だって……」
混乱するフーケに対して、サララは説明する。
自分の家には、古い日記が何冊も受け継がれている。
その中には確かに、あらゆる願いを叶える『魔王の宝珠』、
サララの故郷で呼ぶところの『魔珠』の存在が記されている。
瀕死の怪我人を救ったり、恋愛を成就させたりと凄まじい力を持っていたらしい。
また、ある時は暗黒の力を持ったドラゴンの卵だったこともある。
しかし、ウワサだけで存在しなかったことも、
商店会の会長がにぎやかしのためだけに置いたものだったこともあった。
サララの故郷では、どれも全部一つにくくって『魔珠』と呼ぶのだ。
これはおそらく、そのにぎやかし用のイミテーションだろう、と。
「あ、あはは……何だい、そりゃあ……」
「そ、そんなもののために、私達は死にかけたの……?」
フーケとルイズが心底脱力した。
「学院長はこれがただの宝石だってことを知ってるのかしら?」
キュルケの問いかけに、サララも一緒になって首を傾げた。
まあ、それは学院に帰ってから聞けばいいだろう。
ロングビルの格好に戻ったフーケと共に、サララ達は学院長の下へ向かった。
学院長室で、オスマン氏は五人の報告を聞いた。
「ふむ……。フーケには逃げられてしまったか……。
いやいや、しかし『魔王の宝珠』が戻っただけありがたいわい」
誇らしげに、ロングビル以外の四人が礼をした。
ロングビルだけは居所が悪そうだ。
「君たちには、シュヴァリエの爵位申請を宮廷に出しておこうかの。
ミス・タバサはもうシュヴァリエじゃから、精霊勲章の授与を申請するかの」
「ほんとうですか! ありがとうございますオールド・オスマン!」
キュルケが喜びのあまりオスマン氏に抱きつく。
柔らかい感触を感じて、鼻の下が伸びる彼をルイズがひややかな目で見る。
「あー、こほん」
その視線に気づいたオスマン氏は真面目くさった顔をする。
ちょっとよろしいでしょうか、とサララは学院長に問いかける。
『魔王の宝珠』の正体について、オスマン氏はご存知でしょうか、と。
オスマンはきょとん、とした後、からからと笑い出した。
「あれはただの綺麗なだけの宝石じゃろ? どれだけ調べても
魔法の痕跡など見つかりはせんかったわい!」
笑う彼に、今度はサララ達がぽかーんとするばかりだ。
「あの、ではどうして、宝物庫に? 宝物庫にしまっておかなければ、
フーケに盗まれることもなかったのでは?」
ロングビルは微笑みながら尋ねるが、その額には若干血管が浮いている。
うむ、とオスマン氏は説明し始める。
「20年くらい前にの、時の王女様が旅の商人から買ったんじゃ。
で、ワシのところへ調べてくれ、と持ち込んできてな。
ワシも調べたんじゃが、結局はただの石じゃった。
だが、王女様があまりにもワクワクして結果を待っておったものじゃから、
まさかただの石です、というわけにもいかなくてのう……」
彼は遠い目をして、ため息をこぼした。
「それで、『この石は恐ろしい力を持っておるので、学院で預かる』
と言ってごまかしたのじゃよ……。あ、だから他言無用じゃぞ?」
茶目っけたっぷりに、彼はウインクをした。
「時の王女というと……マリアンヌ様、ですか」
現在は大后となった人物の名をあげて、ルイズは脱力した顔をする。
「うむ……、その通りじゃ」
オスマン氏の言葉にルイズは頭が痛くなった。
あァ、そういえばアンリエッタ殿下と幼少のみぎりに、
遊び相手を勤めさせていただいた時、宝物庫に色んなものがあったな、と追憶する。
あらゆるものの動きを止めるとかいうみょうちきりんなからくりとか、
青い鉱石で作られた魂も切れるとかいうナイフとか、
宝物の地図が刻まれてるとかいう古ぼけたメガネとか。
ガラクタにしか見えなかったけど、あれは本当にガラクタだったのね……。
そんなことを思い出しながら、ルイズは遠い目をした。
「あーそうじゃ、褒賞じゃがな。ミス・ロングビルとミス・サララには
ワシから特別ボーナスを出しちゃおうかの」
その言葉に、二人が小さくガッツポーズしたのをタバサは見た。
ツッコミを入れるのも面倒でスルーした。
「さて、今日は『フリッグの舞踏会』じゃ! みな楽しんでくれ! 解散!」
三人は礼をするとドアに向かった。
ルイズはちらっとサララとチョコを見つめた。そして、立ち止まった。
「ちょっと話があるから、先に行ってていいよー」
チョコの言葉にうなずくサララを見て、心配にはなったが頷き、部屋を出た。
サララはオスマン氏に向き直った。
「何か、聞きたいことがおありのようじゃな?」
サララは頷き、自分の事情について説明した。
自分が異世界から来たこと、魔王の宝珠が元々自分の世界のものであること、
それから、額のルーンに不思議な力があるらしいこと。
それら全てを聞いて、オスマン氏は頷いた。
ミス・ロングビルを部屋から出すタイミングを計り損ねたのは
失敗だったかのう、と口の中で呟いた。
「元の世界に帰る方法や、どうしてそれがこちらにあるのかは分からぬ。
だが、そのルーンについては知っておるよ」
彼女になら話しても問題あるまい、と思い口を開いた。
「ミョズニトニルンの印じゃ。伝説の使い魔の印じゃよ」
「伝説ゥ? サララが? うっそだー!」
チョコにそう言われて、若干腹を立てるサララ。
軽くそのわき腹を靴の横で蹴る。
「その伝説の使い魔は、あらゆる『魔道具』を使いこなしたそうじゃ。
おぬしの使う道具の力が増大されたのも、そのおかげじゃろう」
なるほど、とサララは納得がいった。
でもどうして、私が伝説の使い魔に? と首を傾げた。
「それについては何も分からぬ。まあ、こちらも出来る限り
おぬしの居た世界については調べてみるつもりじゃよ。
ああ、帰れんかったとしても恨まんでくれな」
オスマンはニヤリと笑いながら言葉を続けた。
「なあに、こっちの世界も住めば都じゃ。婿さんだって探してやるぞい」
「それはセクハラです」
ロングビルが盛大にオスマン氏の頭を叩いた。
サララは乾いた笑いをこぼしながら視線をそらし、部屋を出た。
ただいま戻りましたー、とサララがルイズの部屋に戻る。
「おかえり。待ってたわよ」
すると、そこにはルイズ以外の三人の人物が居た。
キュルケとタバサとシエスタである。
舞踏会に出席するためであろう、ルイズとキュルケとタバサは着飾っている。
「あなたも、今回の主役だものねえ」
綺麗なドレスに身を包んだキュルケがサララににじり寄る。
嫌な予感がして、サララは後ずさった。
「このドレス、昨日買っていただいたんでしょう?
きっと、よぉくお似合いになりますよぉ?」
その隣で、シエスタがひらひらのついたドレスを構えている。
買い物に行った際、キュルケに見立ててもらったものだ。
あまり着飾ることをしないサララには、少々気恥ずかしい。
背を向けてとっさに逃げようとしたが、つんのめった。
ルイズに足をひっかけられたのだ。
「あ、あなたが主役なんだからね! 逃げようなんて許さないわよ!」
サララがこけた拍子に、袋から転がり出たデルフリンガーが最終宣告をした。
「諦めな、相棒」
それは、放置されたうっぷんを晴らすかのような声音だった。
きっと、彼に顔があったら満面の笑みをこぼしているに違いない。
黒いパーティドレスを着たタバサが、どこか楽しげにため息をついた。
なんか最近恐る恐るな感じの投下前文があるけど細かいこと気にすんなお!
SSなんだから自分の好きなこと書くのが一番だ。
スレ違いになるくらいとんでもない方向にいかなきゃ大丈夫さ。
ホールの壮麗な扉が音を立てて開いた。
「ヴァリエール公爵が息女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・
ヴァリエール嬢とその使い魔、ミス・サララのおな〜〜〜り〜〜〜」
着飾ったルイズとその使い魔であるサララを見て、
舞踏会に来ていた生徒達がざわめいた。
主役が全員揃ったことを確認した楽師達が音楽を奏で始めた。
ルイズの姿と美貌に驚いた男達が群がり、盛んにダンスを申し込み始める。
だが、彼女は彼らの誘いを丁寧に断りながらバルコニーへ向かう。
「サララったら、こういう場面は苦手なのね?」
サララの弱点を見つけ、してやったり、というようにルイズが笑った。
普段つけている帽子を外し、ルイズのより少し色の濃い桃色の髪は
ルイズのものと揃いのバレッタでまとめあげている。
クセっ毛なので大変でした、とはシエスタの談だ。
もっとも、目元だけは本人が凄い勢いで拒否したので隠したままである。
普段のワンピースと同じ若草色を基調としたドレスは
素朴な感じの彼女にとても良く似合っている。
顔を赤くしているサララの足元で、チョコがくすくすと笑った。
「サララったら、いつもの服装で王城に入れるくせに、
こうやってオシャレをするのは苦手なんだねー」
「けっ。おめーさんだって風呂に入れられて、
ぎゃあぎゃあにゃあにゃあ騒いでたじゃねえか!」
カタカタとデルフリンガーが鍔を振るわせた。
その言葉にチョコはムッとした顔をする。
『使い魔の使い魔が汚れてたらパーティーに相応しくないじゃない!』
そう言われてチョコは洗われた。茶色の毛並みはつやつやと輝いており、
首元には美しい宝石をあてがった新しい首輪がつけられている。
ちなみに、デルフリンガーの声が若干苛立ち混じりなのは、
本人(本剣?)もリボンで飾られてるからだ。
鞘からはほんの少しだけ出されて話している状況である。
ああもう騒がしいし恥ずかしいし、と顔を赤くしているサララ。
そんなサララをおかしげに見ながら、ルイズは彼女に手を差し出す。
「踊りましょ? 折角の舞踏会なんだから!」
戸惑うサララの手をとって、ホールへと出て行く。
踊り方なんて知らない、とわたわたするサララにルイズは微笑む。
「大丈夫よ、私に合わせて」
サララがぎこちないステップを踏むのを見ながら、
ルイズは、不意に小さな声で呟いた。
「ねえ、元の世界に、帰りたい?」
その問いにサララも小さな声で答える。
帰りたいですけど、我慢します。帰る方法の検討もつきませんし。
それに、今はルイズさんのパートナーですから。
そう言って、サララはルイズに笑いかけた。
「馬子にも衣装ってやつだね」
「お、なんでえ毛玉。珍しく意見があうじゃねえか」
「毛玉っていうな! このガラクタ!」
バルコニーでは一匹と一人が言い合いをしていた。
だが、どちらも本気で怒っているわけではなく、ふざけているだけだ。
「にしても、おでれーたぜ、相棒!
主人のダンスの相手をつとめる使い魔なんて、始めて見た!」
サララとルイズを見つめながら、デルフリンガーが楽しげに叫んだ。
二人の魔法が使えない魔法使いのダンスを、
水晶玉のように美しく輝く二つの月が見つめていた。
支援するお
以上で投下終了です。
魔珠に関しては重大なネタバレと相成りましたことを
未プレイの方にはお詫び申し上げます。
自分も初めて知った時は何じゃそりゃああ!でした。
ゲーム中最強スペック(非戦闘力で)を持つ吸血鬼のおにゃのこは出るのか支援
支援オソカタ
乙でした。2巻目も楽しみにしてます。
そろそろ蒼い人が来る予感
支援
15巻は来月の終わりか
>>520 何で知ってる奴がいるんだよ
マジでここの住人はカオスだな
ウルトラ5番目の使い魔GJ!!
ハルゲニア(といっても国際組織ではないが)防衛隊発足!!
超・超ド素人の集団がどう立ち向かうか楽しみです。(エルフの立ち位置もきになりますね)
やぁ。
できたよ。
時間が微妙だなぁ。5時15分から投下したい。
今回は微妙な小ネタしか入れられなかったや。
必殺!ゲシュペンストパンチですね。わかります
<<This is control tower,
>>614, 10 kilometers to touch down,over.>>
♪たららららー たーららららー たららららー たーらららら らららら らーらーらーらーらーらー
って45分ほど時間過ぎ取りますがなw
>>614 無理してまで小ネタは入れなくても良いのでは?
無理はしてないよー。
ただガッチガチにシリアスだと疲れるしなーという
では投下始めるよ。
月明かりを背に、ワルド、ルイズ、ギュスターヴの三人が走る。
その足は少し登った丘に立つ巨木へ向かっていた。
ギュスターヴは先行するワルドを追いかけつつ、傍を走るルイズに聞いた。
「ルイズ。『桟橋』とは言ったが何処なんだ?……というか、何で船に乗るのに山の中なんだ?」
ギュスターヴの質問にルイズが答えぬまま、三人は丘の上の巨木の前にたどり着いた。
それは巨木、と一言で言うには足らぬほどの巨大な樹木だ。幹周りが何百メイルもある一本の樹。
町より続く道が樹木まで続き、それは樹木に明けられた巨大な洞に通じていた。
見上げれば樹から四方に伸びる、これまた巨大な枝先には、魚のひれのように上下左右に帆をもった見慣れぬ船が繋がれている。
「ここが『桟橋』よ。船へは枝を伝って乗るの」
「あれが船か?……なんであんなところに」
「なんでって、アルビオンは空の上だもの。風石船に乗らなきゃ行けないじゃない」
当たり前のようにルイズが言う。まだまだこの世界は分からない事だらけだな、とギュスターヴが感心しつつ、三人は洞より樹木の中へ入る。
樹木の内側は完全に人の手が入れられ、内壁を螺旋に切って階段が作られていた。階段の途中途中の壁は穴があり、
そこから枝へ移って船に乗るらしかった。
延々とつづく螺旋階段を三人は登って行く。
枝にはいる穴を4つは通り過ぎた頃、最後尾を行くギュスターヴの背後に人の気配を感じた。
ギュスターヴはそれを培われた勘で味方ではないと判断した。
「先に行け、ルイズ」
「ギュスターヴ?!」
振り返るルイズの視界には、デルフを抜いたギュスターヴと、その先の階段に立つ白い仮面をつけた謎の男が杖を抜いて構える姿が見えた。
仮面の男が杖を振って『エア・ハンマー』を放つが、ギュスターヴはそれをかわしながら接近、デルフを振り込んだ。
デルフと男の杖が交差する。踏み込んで一閃、二閃とギュスターヴが剣を振るうと、男はそれを杖で捌きながら距離をとる。
ギュスターヴが再び距離を詰めるべく踏み込もうとしたとき、男が今までとは違う杖の構えをしていた。
「やばい、避けろ相棒!」
「?!」
デルフの声で踏み留まったギュスターヴは男を見た。
仮面の男の杖先がバチバチを何かが爆ぜる音をさせている。そして次の瞬間、男の杖先から光がほどばしりギュスターヴを貫いた。
「ぐぅっ!」
空気を吐き出せない感覚と左腕を引き裂くような痛撃を受けたギュスターヴの体がはじけるように宙を舞った。
ギュスターヴの体は階段を何段と飛び越えてルイズの前に落下した。
「がふっ」
「ギュスターヴ!」
「おのれ族め!」
ルイズを背後に隠していたワルドが杖を振って『エア・カッター』を放つ。
仮面の男はそれをかわせず胴体にまともに受ける。身体をくの字に曲げ、階段の手すりをへし折る。
声も上げない謎の男は夜闇深き床へ向かって落ち、見えなくなった…。
倒れたギュスターヴにルイズとワルドが駆け寄った。
「大丈夫?ギュスターヴ」
「大丈夫かね、使い魔君。あれは風の魔法『ライトニング・クラウド』だな。まともに食らえば即死も免れない魔法だが…」
その言葉とは裏腹に、よろよろとだがギュスターヴは身体を起こす。
「なに、わりと身体は頑丈なんでね。…っつ!」
魔法を受けた左腕が痙攣する。ために握ったままだったデルフを床に落としてしまう。
ワルドは床に落ちたデルフを拾うと、しげしげとそれを眺めた。
「剣が盾代わりになったのだろう。ただの剣ではないようだが」
「しらねーな」
デルフの言葉に持っていたワルドの目が見開かれる。
「……驚いた。インテリジェンス・ソードとは」
ギュスターヴはワルドからデルフを受け取って鞘に収める。
「ひとまず敵は退けた。船に急ごう」
言うと再びワルドを先頭に一行は階段を上った。
『ウェールズ邂逅』
ハルケギニア数字で『七番』と書かれていた枝には一隻の船が停泊していた。
全長約50メイル。乗員20名ほどの貨客貨物船である。
タラップから船に乗り込んだ三人は甲板で寝泊りしている船員の一人を起こし、船室で寝ているらしい船長に取り次いでもらう。
暫くして船員に率いられて船長らしき身なりの比較的綺麗な男性が姿を見せる。
「なんだいあんたら、こんな真夜中に。悪いけどアルビオン行きなら日が昇ってからだぜ」
「すまないが今から出航してもらいたいんだ。金なら払おう」
「そうは言いますがね。風石の量がスヴェルの最短行路分しか積んでませんで。今から出たら途中で落ちますぜ」
「なら、足りない浮力は僕が賄おう。僕は風の『スクウェア』だ。それくらいはできる」
「へ、へぇ。…料金は弾んでもらいますぜ」
「ふん。僕らは王族の命で動いている。請求はトリステインにしてくれよ」
ワルドと船長が交渉を進めている間、ギュスターヴとルイズは甲板の上に座り、船上の色々な物を眺めていた。
「…積荷は、硫黄か」
ぽつりとギュスターヴがつぶやく。傍にいた船員は頷いた。
「へい。アルビオンの貴族派は羽振りがいいもんで、火薬の材料になる硫黄は同じ重さの黄金と同じ値段で買い取ってくれるんでさ」
「賊軍にしては資金が潤沢なんだな」
「今じゃ王党派が賊軍みたいなもんですよ。前に行った時はニューカッスルを残して拠点は全部貴族派が落としてしまっていたし、もう5日ともたないんじゃないかって言うのがもっぱらの噂ですよ」
「…そんなに、追い詰められているのね」
ルイズは自分達に与えられた時間があまりないということに心を暗くした。隣のギュスターヴを見上げる。
「…ところでギュスターヴ。どうして積荷が硫黄だってわかったの?ここには積荷が何処にも置いてないけど」
「ん?床に摺ったような黄色い粉が残っていたし、それを嗅ぎ取れば臭いですぐにわかるさ。…船員の人、悪いけど水と包帯もらえるかな。
やけどに効く薬があればそれも」
先程まで船長と交渉していたはずのワルドが、ピーっと指笛を吹く。
すると町の方に残していたグリフォンがやがて飛んできて、甲板に着地した。
「よく躾けてあるのだな」
「魔法衛士大隊の幻獣騎士にとって、身を任せる幻獣は兄弟みたいなものさ。生憎ここからアルビオンまで飛べるほど足は長くないがね」
乗客となった三人を除いて徐々に甲板の上が騒がしくなる。ロープが外され、四方のマストが呻りを上げて動く。
桟橋から切り離された船は徐々に上昇していき、遠くラ・ロシェールの町明かりが見える。
ギュスターヴは持ってきてもらった包帯と水を腕に当てながら、それらを眺めていた。
船は夜を通して飛び続け、途中からワルドは船底に潜って風石の変わりに船を浮かすべく、魔法を使い続けた。
ギュスターヴとルイズは貨客用の一室に通され、そこで夜を明かした。
陽も上がって暫く。ギュスターヴは甲板から外を眺めていた。
視界には、巨大な大地が雲を纏って浮かぶ光景が広がっている。
「…何度みても、奇異だな」
「サンダイルにはこういうのはないのかしら?」
気が付けば、隣にルイズが立っていた。
「…ないな。第一『空を飛ぶ』というのが珍しい行為だ。幼いワイバーンや魔物なんかを手なずけて空を飛ぶ、なんていう輩も居なくはないがな」
「ふーん」
言いながら、違和感が残る左腕の包帯を撫でる。
「…まだ、痛むの?」
「薬と包帯はもらったし、痙攣はおさまった。やけどの腫れが引けば問題はない」
「……そう」
そうしていると、船の内部に通じる階段からワルドが出てきて身体を解している。
「いやぁ…、やっとアルビオンの浮力圏内までついたね。もう僕の魔法は空っぽだよ。暫くはそよ風も出せないね」
「浮力圏?」
「アルビオンの国土周囲5リーグはね、風石がなくても舟艇を浮遊させる力場が存在するのだよ。なぜかは誰も知らないがね」
再び感心しているギュスターヴを尻目に、ルイズはアルビオン大陸の下部、白くけぶっている雲の中に影を見た。
それは徐々に雲の中から姿を現してこちらに向かってくる。
遠目に見てもそれは船であった。しかし、こちらの船よりも2回りほど大きいように見える。
「船がいるわ……貴族派の船かしら」
「船長に聞いてこよう」
ワルドは甲板から船長室へ歩いていった。
しえーん
船長室では見張り台へ続く導管に向かって怒鳴りつけていた。
「いいからやるんだよ!この辺りをうろついてるんだから貴族派の船に間違いないだろうが。
いいか、『当方ハ商船、スカボロー港マデ行路ヲトル』だ」
雲から出てきた船は識別旗を上げずに接近してくるのである。こちらとしては敵意等が無いことを見せて進行を遮らないように伝えるしかない。
暫くして見張り台から声が返ってくる。
「船長、向こうから返答です。『停船セヨ、シカラザレバ砲撃ス』と!」
「あんだって?!」
そうしている間にも謎の船は見る見る近づいてくる。タールを塗られた黒い船体が日光で光沢を放っていた。
相手の船は舷側にずらりと砲を並べ、その数24門。こちらは申し訳程度に数門が移動式で用意されているに過ぎない。
どうすればいいのかと逡巡していると、相手船の大砲の一つから砲撃が走る。
空気を割るような音がして、砲弾は商船の進路上数十メイルの位置をすり抜けた。
「再度向こうから『停船セヨ、シカラザレバ砲撃ス』と」
見張り台の報告とほぼ同時に船長室へワルドが入ってきた。
「船長、どうしたのだね。あの船は一体何だい?」
「いや、その…停船しなければ砲撃すると向こうから」
「ふむ。…仕方ない。停船を」
「しかしですねー…」
「僕らもここで死にたくはないんだ。頼むよ」
「は、はい…」
停止した商船に黒い船は舷側をぴったりとつけ、黒い船から武器を持った男たちが乗り込んできた。
「空賊だ!抵抗するな!」
「空賊?!」
驚くルイズや船員を尻目に続々と乗り込んでくる男達。その手には短銃身の銃、クロスボウ、曲刀や斧を持っている。
最後に薄汚れた派手な格好をしている一人の男が荒々しく降り立つ。
「船長はどこでぇ」
「私だ」
船長室から空賊たちに前後を挟まれ拘束されるように船長が姿を見せた。
「船名と積荷を言いな」
「トリステイン船籍『マリー・ガランド』号。積荷は硫黄が1000リーブルだ」
おお、と空賊たちから声が上がる。空賊の頭らしき派手な男は、にやりと笑う。
「よっし。船ごと積荷はもらうぞ。代金はてめぇらの命だ。ありがたく受け取りな」
悔しい顔の船長を横目に、空賊頭は甲板にいる船員らしからぬ姿の三人を見つけた。
「ほぅ。この船は貴族も積荷に入ってるみたいだな。…連れて行け!」
「へい」
頭の一声で空賊たちに拘束される三人。ギュスターヴとワルドは押し黙ったまま杖と剣を取り上げられた。
「ちょ、離しなさい!下郎が」
「威勢がいいな!おっと杖は預からせてもらうぜ」
突っかかっていくルイズをギュスターヴが引き止める。
「ギュスターヴ」
「ここは大人しく捕まっておけ」
「でも…」
「おらぁ!きりきり歩け!」
前後を空賊に挟まれて、三人は空賊船の中へと連れて行かれた。
三人が入れられたのは空賊船の中にある空き部屋らしかった。荷物が雑然と置かれ、はめ殺しの窓から陽光が残酷なまでに
部屋を明るくしている。脇に置かれた古ぼけた机にはなんだかよく分からない小物がゴチャゴチャと詰め込まれていた。
「もう!どうして止めるのよ!」
軋みを上げる椅子に座って地団駄を踏んでいるルイズである。
「あそこで暴れたってしょうがないじゃないか。いざとなれば船を砲撃して沈めてしまえばいい分、あの場は不利だった」
「ふむ。おそらく空賊たちは僕らを貴族と見て、身代金なりを取れると思ったんだろうね」
「でも、不甲斐ないわ…手紙と指輪は手元にあるけど、これじゃ任務をすすめられないじゃない。ニューカッスルの王党派は
もう長くないっていうんだから」
さて、これからどうしてくれようかと三人が膝つき合わせていたその時。部屋の扉が空けられ、見張りらしき男が入ってくる。
その手にトレイを持ち、スープとパンが乗っている。
「食事だ」
受け取ろうと手を伸ばしたギュスターヴ。しかし男はトレイを渡さずにギュスターヴの手を払った。
「質問に答えてもらおう」
ルイズが立ち上がる。
「言ってみなさい」
「今のアルビオンに何の用があってきた?」
「旅行よ」
「冗談を言うな、アルビオンは内乱中だぞ。もっとも、最近は貴族派が勝ちに勝っているがな。王党派につくような酔狂な奴は、もう殆どいねぇ。
そんな奴がいたらとっ捕まえて貴族派に引き渡すとたんまり礼金がもらえるのさ」
ニヤニヤと男がルイズを見下ろす。男は船乗りらしい焼けた肌と筋肉の張り詰まった身体をしている。
「この船を無傷で出たいなら、貴族派に突く奴だって船長に口利きしてやるぜ。出なけりゃお前さんたちは王党派の連中ってことで
貴族派に突き出す」
ルイズはハッとして、次にぎりりと歯噛んで叫んだ。
「ふざけないで。始祖の王権をないがしろにする貴族連合に組するつもりはないわ。私達はニューカッスルのアルビオン王家に用があるのよ」
「なんだと?!」
次の瞬間、ギュスターヴが飛び上がって男に組み付く。声を出さないように口を押さえ、部屋にあったロープで手足を縛った。
「さて、叫ばれないように口にも布をかませておかないとな……。しかしなぁ、ルイズ」
「何よ」
鮮やかに男を捕らえたギュスターヴの声が呆れている。
「無理な物言いかもしれないが、もう少し駆け引きをするべきだったな。もうちょっと情報を引き出して欲しかった」
それを聞いて朗らかにワルドが笑った。
「それは無理な注文だよ使い魔君。ルイズのような乙女に切った貼ったの男達と交渉させるのは難しい。今ので十分だよ、ルイズ」
「…そう」
ワルドの慰めのようなそうでないような物言いに釈然としないルイズだった。
それを脇に、ギュスターヴは捕らえた男の持ち物を探っている。船を脱出するなり何なりするにしても道具がいるからだ。
「ん…なんだこれは」
口を封じられてもがもがと男が呻くが無視する。
「どうしたの」
「首から何かを下げているな。アクセサリの類じゃなさそうだ」
麻らしき首のひもを引きちぎりって取り出した。それは手のひらに収まる程度の小さな金属の板切れ。穴を開けてくび首を通していた。
「銅板だな。彫り物がしてある」
「見せなさい。…『アルビオン近衛艦隊 少尉 レオニード』……近衛兵の認識票じゃない」
「それだけじゃないな。衣服は汚れ物だが、小物が小奇麗過ぎる…」
男の持っている道具に杖はなかったが、持っていたナイフは拵えに象牙が仕込まれた美麗なもの。とても空賊のような人間が
持っているものではないとすぐにわかる。
「少し調べてみる必要がありそうだな」
持ち物を見ていたワルドが捕まえた男を見る。男は先程と違い、黙ったままこちらを見ている。
「いくつか質問をする。首を振って答えるんだ」
ワルドの言葉にも男は反応を示さない。
「この認識票はお前のものか」
首を振らない男。
「この持ち物はすべてお前のものか」
やはり首を振らない。
「応えたほうが身のためだと思うぞ」
「変わりなさい!」
ワルドを押しのけてルイズが男に迫った。
「あんた!この認識票とナイフはどこで盗んだのかしら!?栄えあるアルビオンの近衛兵の持ち物でしょ。こんな薄汚れた
空賊風情がもつものじゃないわ。さぁ、これを何処で手に入れたか教えなさい!」
肩を使うんで男を揺さぶるルイズ。しかし応えない男。その内ルイズの方が息切れして手を離してしまう。
「ハァ、ハァ…答えなさいって言ってるでしょーがー!」
四円
「落ち着け、ルイズ」
ギャアギャア言い始めたルイズを宥めたギュスターヴ。その手には部屋の机の中から発見した虫眼鏡と釣り針が握られている。
「さて、残念だがお前に拷問をしてみる」
ギュスターヴが冷淡な声で男に語りかけた。男はわずかに身を固めたが、静かだ。
「まず瞼にこの釣り針を通し吊り上げる。釣りあがった瞼は閉じる事ができないな。
その上で開いたままの眼球に、虫眼鏡で集めた光を当て続ける。今はいい時間で日が高い。じっくり時間をかければ目玉が焼けるぞ」
表情のないギュスターヴが淡々と『拷問』について説明した。焼けた眼球がどうなるのかをとくとくと語る様は、傍で聞いている
ルイズやワルドの背筋を寒くする。
「さて…」
にじり寄るギュスを見て男が暴れだす。
「しゃべるか?」
男は首を横に振る。
「よし」
暴れる男を押さえ込んだギュスターヴは目をつぶっている男の左まぶたを指で摘み、片手の釣り針を押し付ける。
男が悲鳴を上げているかのようにふさがれた口で叫んでいる。
「しゃべるか?」
今度は男の首が縦に振れた。
「君も結構、なんというか…」
流石のワルドも顔が引きつっている。
「さ、流石私の使い魔ね」
「いいのかい?あれで」
ルイズの声が震えていて、ワルドは本気で心配になりそうだった。
さて、そんな二人を置いて、ギュスターヴは捕まえた男の口をゆっくり解いた。
「わ、我々はアルビオン王直属の近衛部隊だ。空軍司令と共に貴族派への撹乱工作をしている」
「王直属?!」
その言葉にルイズが沸き立つ。
「そうだ。我々は残された空軍戦力を動員し、貴族派へ物資を輸送する船籍があればこれを捕縛し、物資を奪うのだ。
これは補給線を絶たれた我々の貴重な物資補給手段でもあるのだ」
男の言葉はにごりが無い。官給を受けて生活する人間独特の堅さが含まれている。
ニッ、と笑ったギュスターヴは男に言った。
「さっきも言ったが、俺達はアルビオン王党軍に用がある。船の責任者に会わせてくれ」
アルビオン軍人であると名乗った男の拘束を解くと、男の先導に依って部屋を脱出した三人は一つの部屋の前で暫く待たされ、
暫くしてその部屋に招かれた。
そこにはあの派手な格好の空賊頭がいたが、鬘と付け髭、そして眼帯を外した姿である。
その姿は王族らしい気品と、若者らしい瑞々しさをもった青年が座っていた。
「ようこそお客人。先だっては無礼な振る舞いをしたことをここでわびよう。私はアルビオン空軍司令、ウェールズ・テューダーだ」
威風堂々としたたたずまいでウェールズと名乗る男は三人を出迎えた。
二人より一歩前に出てルイズは恭しく頭を下げた。
「トリステインはアンリエッタ王女殿下より、ウェールズ王太子へ密書を託ってまいりました」
「ふむ。…すまないが、それらを証明する事はできるかね?つまり、君達がアンリエッタの使者であることを」
そう聞くと、ルイズは懐から託された指輪を出した。
「これを見せればよいかと」
「!…それはトリステイン王家秘宝『水のルビー』に間違いない。…なるほどアンリエッタの使者らしいことは認めよう」
含むように笑うウェールズに、困惑する声でルイズが聞いた。
「あ、あの」
「なにかな大使殿」
「本当にウェールズ王太子なのでしょうか」
「ふむ…。これで十分かな」
言うとウェールズは引き出しから水のルビーに良く似た作りの指輪を取り出して、指にはめて見せた。
「これはアルビオン王家に伝わる『風のルビー』だ。始祖から続く四国に相伝わる秘宝のなかで、トリステインの『水のルビー』と対になるとされる」
二つの指輪の間には魔法の作用なのか、朧気な虹が浮かぶ。
「大変失礼をばしました」
「いやいや、立派な心がけだ。では密書を」
ルイズが懐に大事に抱えていた手紙をウェールズへ渡す。
ウェールズはそれを開き、静かに読んだ。一度は素早く。そして二度読むと、風のルビーとともに机の中へとしまいこんだ。
「…そうか。アンリエッタは結婚するのだね。僕の可愛い…従妹は」
穏やかに微笑んで話すウェールズ。しかしの顔にはわずかに影が差しているように、ルイズは思えた。
「残念だがこの場には所望の手紙は持ってきていない。このまま我々の本陣までご同行願おう」
片目を瞑って笑うウェールズ。それは年相応の茶目っ気が滲んでいる。
「少々、面倒だがね」
投下終了。
ってーいうか展開が本当に遅くてごめんなさい。
原作とかじりつきでシナリオ書くと長くなっちゃうね。うん。
私だけかもしれないけど。
アルビオンの浮力圏っていう考えは独自解釈です。
海賊行為だって風石(消耗品)いるんだからどうしてるんだろう。とかそういうところからの発想ですね。
では。
ワの人の技見てて何か閃いたりしないのかな
サガは見るだけじゃダメか
ギャングダンスがいつ行われるかと期待してたんだぜw
投下乙ー。
お疲れ様でした。
GJ!
ナイス拷問。
拷問って言うと、とある作品で主人公がやった、相手の指をへし折って「殺したの誰?あと9回聞くけど」ってのが印象に残ってるなあ。
ズッダンズッダン乙w
えーと、どうもお久しぶりです
使い魔大作戦!の書き主です
ほぼ一年ぶりですが、誠に勝手ながら投稿を再開しようかなぁと思いまして書き込みます
実を言うと、今年の4月頃くらいから再開を考えていたのですが、別の方が同一のキャラでのクロスを
投下なさっていて、自重していました。
ですが、自作がなんとも尻切れトンボで座りが悪いのと、過去ログを見るとありがたいことに
続きが読みたいというレスが、極少数ながらありましたので再開することにしました
早くて明日には投下できると思いますので、どうぞよろしくお願いします
使い魔はじめました乙ー。
サララはやっぱ目元は死守なんだなw
635 :
蒼い使い魔 :2008/08/04(月) 18:59:37 ID:unAmCV/+
お疲れ様であります
12話書いとりますが、
そこそこ長くなりそうなので分割して投下しとうございます
Aパートは19時10分くらいに投下します
一気に読みたいな。とにかくツンデレバージル支援
さすがギュス様だ。拷問もお手の物だぜ。乙でした。
虚無の曜日から数日後、
バージルが昼食のために厨房へ入ると、
厨房全体の空気が重く沈んでいる。
別にバージルが入って来たから空気が重くなったわけではない、
厨房には使用人達やマルトーを筆頭とする料理人たちが集まっていたが全員表情が暗い、
その中にシエスタの姿は見ることが出来なかった。
「何をしている」
「おぉ、『我等の剣』!来てくれたか…!」
バージルに気がついたマルトーが声をかける、だがその声はどことなく元気がない。
「…、あの女はどうした」
先日幻影剣を放ったことにより、シエスタがバージルに対し怯えるようになってしまったが
洗濯はしてくれるのでバージルはそれほど気にしていなかった、が、見かけないのは少し気になったらしい、
バージルはシエスタがいないことをマルトーに訪ねる
「あの女っていうと…あぁ、シエスタか…実は…もういないんだ…」
「そうか」
自分から聞いておきながらその返答を軽く流す
そんなバージルに気にせずマルトーは続ける
「先日王宮からの勅使で来ていた、モット伯って貴族に見初められて仕える事になってな。
今朝早く迎えの馬車で行っちまったんだ」
「ならうれしそうにしたらどうだ?」
苦々しく話すマルトーに皮肉を返す
「そんなことできるか、元々あのモット伯ってのは、あまりいい噂を聞かないんだ、
そうやって気に入った若い娘を次々召抱えているらしい」
「フン…くだらんな」
そう言うと席を立ち厨房を出ようとするバージルを見つつマルトーが呟く、
「結局平民は貴族の言いなりになるしかないのさ…」
バージルが厨房を出ると背中のデルフが話しかける
「ま、こういうのはいつの時代にもいるもんだな」
「……」
「おい相棒、妙なこと考えてないだろうな?」
「知らん」
バージルが短く答えるともはや聞きなれた声が聞こえて来た
「そうよ、妙なことを考えるのはよしなさい」
「…フン、いつから聞いていた」
現れたのはバージルの主であるルイズだった
「あんたが厨房に入ってからよ、あんたがいくら強くっても、貴族を殺すなんて許されないことなのよ」
「逆に貴族が平民を殺しても罪にはならない、か」
―フッとバージルの口の端が歪む
「まるで悪魔だな」
「なっ!なんですって!?貴族を侮辱する気!?」
「違うのか?貴族は抵抗できぬ平民を生かすも殺すも隷属させ辱めるのも自由、これが悪魔でなければなんだ?」
バージルの強烈な皮肉、『お前もその一人だ』、口では言っていないがそう言われている
「真の貴族はそんなことしないわ!」
「では真の貴族とはなんだ?貴様は真の貴族なのか?」
「それはっ……」
バージルのいたぶるような言葉は続く。
「全ての貴族の中に真の貴族だ、そう呼べる人間がいるのか?」
「もうやめて!」
「フン、俺からして見れば、モット伯とやらも、貴様もたいして変わらん」
そう言いながら左手のルーンを見せる
「違う…違うわ…」
「どうだかな…」
「相棒、その辺にしておけ」
続けようとするバージルをデルフが制する
「思ったことを言ったまでだ」
ルイズは座り込み目に涙を浮かべ耳をふさいでしまっている
「まったくおでれーた、悪魔の囁きってのは存在したんだな…やりすぎだぜいくらなんでも」
そんなルイズを見て(?)デルフは呟く
バージルは静かに踵を返しその場を後にする
残されたルイズは「違う…違う…」と壊れたレコードのように繰り返すだけだった
バージルツンデレすぐる
バージルが学院の正門前につくとデルフが話しかけて来た。
「相棒、やっぱり行くのかい?」
「モット伯とやらに挨拶に行くのも悪くはない」
「悪魔同士話し合うのも悪くないかもな相棒」
とデルフが茶化すように笑う
「モット伯?」
後ろから声が聞こえた
「来たか…」
まるで来るのが分かっていたようにバージルが声がした方向を振り返る、そこにはタバサが静かに佇んでいた
「シエスタを助けに行くの?」
「…だったらどうする」
「私も行きたい」
答えるバージルにタバサは同行を申し出る
「何故だ?」
「もっと力が欲しい、それだけ」
その言葉を聞くとフッっとバージルは笑う
「力を求め、魔を求めるか、いいだろう好きにしろ、場所は知ってるな?案内しろ」
その言葉を聞くと、タバサは自身の使い魔、風竜のシルフィードを呼ぶ、
「それが貴様の使い魔か、あの日追ってきたのはそいつだったか」
「シルフィード、乗って」
そう言うと、バージルに手を差し出した、
バージルがシルフィードに乗ろうとした時、背後から声がかかる
「待ちなさい!!」
そこにいたのはルイズだった、目は赤く泣き腫れている
「貴様か、何の用だ」
「私も行くわ!貴族として、シエスタを助けるわよ!」
「好きにしろ、かまわんな?」
タバサはコクリと頷く、
それを見るとルイズはバージルの背中にしがみつくようにシルフィードに乗り込む
こうして、3人を乗せた風竜はモット伯の邸宅へと飛んでいった。
風竜のスピードは早く、あっという間にモット伯の邸宅へと辿りつく
「こ…ここまで来たけど、ここからどうするの?」
「高度はそのままでいい、そのまま邸宅の上空へつけろ」
「わかった」
タバサはそう頷き指示通りシルフィードをモット伯の邸宅上空へと近づける
「えっ?ちょっとまって?すごく嫌な予感がするんだけど…まずは話し合いでしょ!?ねぇ!?」
ルイズが止めるのも聞かず
バージルはシルフィードから身を翻し飛び降りる
邸宅の庭へと着地するバージルに驚き見回りの兵が驚きの声を上げる
「だっ誰だ貴さっ―」
言い切るよりも先にバージルの閻魔刀による無慈悲な一撃が兵士の首を斬り飛ばす
「Scum..."―クズが…"」
そのまま邸宅の扉の前へと集まっていた兵士たちへと向かい疾走居合を放つ
その余りの速さに兵士たちは反応しきれず、斬られたことにすら気がつかないまま一瞬で絶命した。
血飛沫を浴び垂れ下がった髪を無造作にかき上げながらいつものオールバックに戻しながら辺りを見回す
まだ殺していない見回りの兵士が続々集まってくる、その時、僅かに地面が盛り上がった。
その様子を見てバージルは静かに呟く
「フッ…まさか本当に悪魔共がいるとはな…」
その呟きと同時に兵士が血飛沫を吹き上げ倒れ伏す、
「なっなんだっ!?ぐあっ!」
また一人、兵士が倒れる、その背中には巨大な鎌が深く突き刺さっていた。
地面から血のように赤い派手な服を着た悪魔が次々と沸き出てくる
「ヘル=ラスト…色欲…か…」
地獄で色欲の罪を犯した人間を責める下級悪魔、巨大な鎌を持ち、その姿は人間が見れば死神を連想させる。
それを見てニヤリと笑いながらデルフを抜き放ち悪魔の群れに向かいスティンガーで突っ込んでいく、
ハイタイムで上空に跳ね上げられた悪魔が飛んできた幻影剣によって串刺しにされなすすべもなく砂へと戻って行く
突如バージルが群れから飛び出し居合の構えに入る
「Cut off...!"―斬る…!"」
目にも止まらぬ居合切り、空間が裂け全ての悪魔が両断され崩れ落ちる。
その鬼神のごとき戦いぶりに唖然と口を開けるルイズとタバサ
「どうなってんのあれ…?」
「……」
なんて無謀なことをしたんだろう、タバサは内心命を拾っていた事に安堵していた
とてもじゃないがあんな攻撃をもらって生きている自信はない。
生き残りの兵士共々悪魔を皆殺しにしたバージルは屋敷へと進もうとすると。
上空からシルフィードにのったルイズとタバサが降りて来た
「ちょ、ちょっと待ちなさい!なんなのこいつらは!?っていうかなんであんた兵士も皆殺しにしてるのよ!」
「フン、こいつらが悪魔だ、モット伯とやらの歪んだ欲望に呼び寄せられ地獄から迎えに来たんだろう。
色欲とはな、ヤツに似合いの悪魔だ。俺が手を下さずとも、この屋敷の者はじきに皆殺しになるだろう」
「これが悪魔…、みっ、皆殺しって!シエスタが危ないじゃない!早く助けに―『―ヒュン!』」
「ギャァァァァァァアアアア!!」
バージルから放たれた幻影剣がルイズの頬を掠め飛んで行く、幻影剣はルイズの後ろに迫っていた
悪魔の顔を貫き、悪魔は苦悶の絶叫上げながら絶命した
「えっ…?あ…」
今ので腰をぬかし動けなくなってしまったルイズを冷たく一瞥すると
「ここは貴様に任せる、俺はモットとやらを殺す、罪の元を断たねばこいつらはさらに湧き続ける」
バージルはタバサに伝える
タバサは少し青い顔でコクリと頷くと
エア・ハンマーを唱え迫る悪魔を吹き飛ばし、氷の竜巻で上空へと打ち上げた。
それを見たバージルはモット伯の邸宅のドアを開け、内部へと足を踏み入れていった。
しぇん
644 :
蒼い使い魔 :2008/08/04(月) 19:14:57 ID:unAmCV/+
Aパートはここまででございます、
え?このままのペースでも長くないって?
すいまえんでした;;
正直いうと落雷で停電してBパートがまるで添削してない状態に
もどってしまいますた、すこし時間かかりますが今日中、
いや!3時間以内には投下します!
では〜
ていうか悪魔と解る前に一般兵切ってませんかあなたー?!
でも支援しちゃう、くやしいっ
乙でした。Bパート期待してます!!
>「違うのか?貴族は抵抗できぬ平民を生かすも殺すも隷属させ辱めるのも自由、これが悪魔でなければなんだ?」
バージルさん容赦ないww でも封建社会の世界から来た人間でもなければそう見えるのは仕方ないやね
>>645 ./ バージル ;ヽ
l _,,,,,,,,_,;;;;i <いいぞ ベイべー!
l l''|~___;;、_y__ lミ;l 死神っぽい格好なのは悪魔だ!!
゙l;| | `'",;_,i`'"|;i | 兵士の格好をしているのはよく訓練された悪魔だだ!!
,r''i ヽ, '~rーj`c=/
,/ ヽ ヽ`ー"/:: `ヽ
/ ゙ヽ  ̄、::::: ゙l, ホント モット邸の周囲は地獄だぜ! フゥハハハーハァー
|;/"⌒ヽ, \ ヽ: _l_ ri ri
l l ヽr‐─ヽ_|_⊂////;`ゞ--―─-r| | / |
゙l゙l, l,|`゙゙゙''―ll___l,,l,|,iノ二二二二│`""""""""""""|二;;二二;;二二二i≡二三三l
| ヽ ヽ _|_ _ "l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |二;;二二;;二=''''''''''' ̄ノ
/"ヽ 'j_/ヽヽ, ̄ ,,,/"''''''''''''⊃r‐l'二二二T ̄ ̄ ̄ [i゙''''''''''''''''"゙゙゙ ̄`"
/ ヽ ー──''''''""(;;) `゙,j" | | |
こうですね、分かります。
はぅ……兄貴マジ容赦ないよwww
この場合デレというより単にムカついたから殺してるだけのようなw
モット伯死んじゃう
ゆ〜しゃ〜るだぁ〜い
ロードス島戦記の魔神クラスだと
ソウルクラッシャーしか効かないんだっけ?
しかしベルドはルイズの使い魔にならないだろうな
遅ればせながらゼロの提督完結GJ!&お疲れ様でした。
連載中はスレが賑やかになったりもしましたが毎回楽しみに読んでました。
波風立てない上手い感想なぞ書けないのでせめてと、まとめを編集w
アラシはともかく批判的なレスの中には自分も同様に感じる部分もありました。
女性のヤンに対する態度はギャグ描写とわかっててもどうかなとか
ラストのギーシュの行動など納得はいくんですが別に彼等じゃなくても他のモブ学生や
アンアンに心酔してる貴族などに振ってもよかったんじゃないかなと。
アンアンの行動は心情的にはギーシュと同じなんですが
話的に代役がいないのとやってることが原作の変化なので
ジョセフ怖いよジョセフと思うとともにすんなり受け入れられました。
最後のオチも最初読んだときはコレってどうよ?とかブチギリ終了?と感じたんですが
読み返してるとヤン達や自分でゼロ世界を問題はあれど肯定的に捉えてきた描写や
それをなしたのがジョセフ、境遇やSS内の描写を見るとあれはあれでイイ終わり方なんだと思えるようになりました。
もし短編でオチだけ持ってこられても正直こんなに面白いと感じなかったと思います。
長くそして書き込んだ描写があってあのラストが光ったんだなと。
贅沢を言えばやっぱりその後どうなったかを少し見たいなと思ってしまいます。
特にギーシュたちにあの役回りを振ったならその部分も合わせてエピローグを〜〜〜と。
終了と思うと寂しくもありますが5ヶ月以上の長い間本当に楽しませて貰いましたありがとうございます。
>>655 なかなか面白いな
ダンクーガはまだ呼ばれていないのか?きっとアルビオンに介入することだろう
>>656 それってノヴァのほうだよね?
ダンクーガを呼び出すなら初代チームこと獣戦機隊を希望。
ルイズとケンカする忍。ルイズやキュルケと気が合ったりする沙羅。キュルケやシエスタをナンパする雅人。ルイズに皮肉をとばしながら支える亮と。
>657
え、雅人は炉の人じゃないんですか?
だからベアトリスを軟派。
そして死刑。
なんというきれいなバージル
しかしいまいちシエスタを助けに行く理由が良く分からんな
そこまで仲良かったっけ?
>>657 タイミングにも寄るけど、基本的に地球が大変な事になるな。
つーか、毎度言われてるがロボット物は「ロボをゼロ魔の話に絡め辛い」と言う
かなり致命的な問題点があるのが何とも。
だからと言ってロボ抜きで話を進めると、何の為にロボット物から召喚したのか
判らなくなるし。
>提督の人
大作の連載お疲れ様でした
これで最終回というのは名残惜しいですが、今からありがたく読ませていただきます
>>660 そんなときは歌って踊れるオーガニック・エンフォーサー ガルディーンを召喚だ
じゃあ、狼王ロボで
>>660 ファーストガンダムからガンダム抜きでアムロを召還しました☆
…奇天烈大百科チックにコルベールさんと組んで、海賊王ならぬ発明王になるくらいしか…。_| ̄|○
鉄人二十八号から金田正太郎君だけを召還しました☆
知恵と勇気と半ズボンで、それなりに頑張ってくれそうですが、やはり切札の鉄人がないと締まらないかな…_| ̄|○
機動戦艦ナデシコからアキトだけを召還しました☆
マルトーと組んでクッキングパパしか…_| ̄|○
…ううむ、おまいさんに「そんなことないよー」とか突っ込もうかと思ったんだが、いざ
何か考えろといわれると、ネタが載ってないお寿司みたいな感じになっちゃうな。出来んことはないだろうが、
かなり至難だな。かといって迂闊にロボも混ぜちゃうとワンサイドゲーム化しやすいし。
>>664 ATとかガーランドクラスならなんとか魔法で対抗できそうじゃね?
と思うわけだが。
……ああでもキリコ呼んじゃうと色んな意味でリーサルウェポンだからな……。
>>663 コミュニケーションとれるのかw
狼だったらシャドハ2のブランカとかはどうだろう
ああそういやロボの嫁もブランカだったなー
コロ助とかの人型サイズロボなら問題なくね?
ナデシコのアキトに限っては逆にそのほうが幸せなのかもしれん。
イネスさんの若かりしころの…アイちゃんだったけ?
テファあたりに呼ばせて平和に過ごすのも良いかもしれん。
>>664 Gガンダムからドモンを(ry
ジャイアントロボから衝撃のアルベルトを(ry
本家か真(チェンジ!)あたりのゲッターロボからぐるぐる目の竜馬を(ry
>670
なにその歩く戦略兵器。
>>669 アイちゃん。絶対胸にルーンじゃねえか……
>>665 >>ATとかガーランドクラス
仮に弾薬だの補給OKの状態で、数機前後くらい
現れたとしても、ここまでなら魔法と用兵で出し抜ける
だろうな。キリコ呼んじゃうと…もう、色んな意味でルイズさん、
歯牙にも引っ掛けないんじゃないか感もあるしな。コルベールさんの
使い魔として登場の方が、まだ話も作りやすいかもしれんw
>>664 まあ、ロボ物召喚における最大のネックって、ロボット物のキャラって例外はあるにせよ、
ロボもそのキャラを構成する上で欠かせない要素の一つだって事だからな。
その辺がどうしてもロボなんて端から無縁のゼロ魔とクロスさせるのが難しい要因だと思う。
>>668 17の人がいろいろ連れてきてるわけだが。
なんというか、ロボでありつつゼロ魔らしさを保つって難しいよね。
じゃあラノベ界からフルメタのセガール軍曹とか伯林の犬バーガー氏とかMAZEのメイズとか。
>>670 そいつらだったら活躍しすぎて破壊神扱いになるような………。
始祖ブリミルがハルケギニア世界の創造神なら、破壊神は………てなふうに。
エヴォリュダーガイなら多分メンテ受けなくてもいけるはず!
と破壊神と聞いて思ってしまった
GGGGとかキングジェイダーならESミサイルやギャレオリアロード開いて勝手に帰りそうだな・・・
ドモンなら既にあるじゃないか
ここは学園戦記ムリョウから統原無量を・・・
彼の場合は本当に神扱いされかねないか?
オリジナルフェイ・イェンなら
人間にもなれるよ!
ハ_ハ
('(゚∀゚∩ なれるよ!
ヽ 〈
ヽヽ_)
ここでベターマンですよ!(ベターマンはマシンに乗りません)
>>678 じゃ無難に、手負いのケイン・マクドガルとテスタロッサで
>>682 鬼才現るw
そうか。奴は生だったな。召還前に宣伝風味に
「来るよー来るよー」と、何だかホラーチックに女子キャラが
エコーかかりつつ、ぶつぶつ唱え、召還成功と同時に「ベターマン!」と
叫ぶわけですね((((;゚Д゚)))…ガクガクブルブル
685 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/04(月) 21:43:45 ID:nKF1p9wh
ぼのぼのからシマリスを呼び出すんだ。いぢめる?
>>682 どんどんキャラが発狂してくんですね
そして毎回「まさか……これがアルジャーノンの正体!?」
むしろ吉田戦車のかわうそ君を召喚すべき
>>682 なるほど、ミス・ロングビル(眼鏡だから)が「たんぱく質が、たんぱく質が」と言いながら様々な幼虫を手づかみで貪り食ったり、
きし麺から人食い管虫が飛び出してきたり、ルイズがちぃ姉さまの部屋に入るとちぃ姉さまが首を吊ってる幻覚を見たりするんですね?
>>682 アニムスの花の苗床にするためにルイズを守るラミアか。
嫌な話になるな。
で、一連のアルジャーノン騒動の原因はアカデミーで、
エレオノールもそれに直接関わってたと…
そうなると、
>>688で書いたたんぱく質云々はエレオノール担当か
サクラ大戦の霊子甲冑。
動力源が搭乗者の霊力と蒸気機関なので、コルベール先生なら何とかしてくれるかもしれない。ただ、召喚対象が李紅蘭か山崎真之介が望ましい。
これなら、十分パワーバランスが取れる上に敵兵器として登場する可能性も十分?
聖刻シリーズなら上位クラス以外なら結構相性良いと思う。
間違っても【八の聖刻】【八機神】【ウェン=サイクロード】とかは呼んではいけないが。
「狼」の一巻辺りのデュマシオン+ソレイヤードなら丁度いいか。
>>684 そういえば、その娘(紗孔羅)も髪がピンクでしたな。
>>680 走って跳んで宇宙に生身でいけるような奴だぞ、無量は。
宇宙人サンたちも然り、他の天網の民にしたって一部はちーと使用だし。
汁がいっぱい滴るの……とってもとってもおいしそう……
タンパク質の奪いあい……喰わずに飢はいやせない……
お願い、私に食べさせて……あなたを骨までしゃぶらせて……。
トリスティン魔法学院に毎夜響くノリノリの岩男潤子さん
風味の予告編な声wガオガイガーと世界観を共有してると知った時には
コーヒー吹きそうになったものでつ((((;゚Д゚)))…ガクガクブルブル
堪能させていただきました。
練りに練られた大作に相応しい最終回だったと思います。
今まで長期の連載本当にお疲れ様でした。
薔薇乙女の方と同一人物だったとは驚きでしたが、それに関してはまた後ほど。
色々と批判の声もあるようですが、まずヤンやルイズの出番が少なすぎるという批判は的外れだと思います。
結末から考えればこの作品でのヤンの役目は銀河帝国にハルケギニアの存在を気づかせ、干渉を引き出すこと。
つまり28話でフレデリカがやってきた時点で彼の仕事は終わっているわけです。
それにルイズも27話で虚無の聖女として真相を流布し、今回の狂言の旗頭として教皇を表舞台に引きずり出したことで役割を果たしています。
また、この二人では最後の場面で教皇を論破するには役者が足りません。
まずルイズはヒステリー気質で理知的とは程遠く、論戦には全く向かない性格です。
ヤンも元々スピーチが苦手ですし、ハルケギニア人からすればルイズに取り入った胡散臭い異邦人でしょうから教皇相手では言葉の信憑性という意味で不利でしょう。
そもそもこの二人はブリミルを嫌っているどまりで、良心というものに行動を抑制される立場ですから、聖地奪還の正当性の否定は出来てもそれ以上、ブリミル批判までは踏み込めません。
つまり、妄信の狂皇に対して互角に当たれるのは世界そのものや魔法などというものをもたらしたブリミルを憎んでいる狂王ジョゼフだけなんです。
彼だからこそブリミル教を、ひいては今の狂った世界を作った元凶であり始祖と呼ばれ神扱いされている愚者を全否定し断罪することができたんだと思います。
また、エピローグを求める声もあるようですが不要だと思います。
作者ご本人が蛇足だと仰っているように、今回で今作のテーマを全て書ききったわけですから。
これから各自がどうなるかなど、書かれずとも容易に想像できますしね。
予想通りだと平凡なオチだと笑われますし、それどころか自分の想像と違ったから余韻がぶち壊しだと逆恨みに近い叩きを受けることもあります。
そんな百害あって一利なしの抜け殻に手間をとられるよりは、むしろ次回作の構想を練っていただいた方がいいんじゃないでしょうか?
私にはまるで提督は薔薇乙女も含めた三部作が前提の作品にようにも見えます。
薔薇乙女で市民をいきなり拉致しておきながら、反省どころか自分は貴族だから何をやっても許されると虐待する差別主義者の小娘に己の矮小さと無力さを教え込み人格を矯正。
提督ではそんな思い上がった貴族の正当化の拠り所であるブリミルとその教えの否定と断罪。
また、平民の技術は貴族の魔法を遥かに凌駕する可能性を見せつけました。
そうすると、最後の締めとして貴族制度の否定と平民による打破がテーマの作品を書く予定なんだろうなと期待できます。
どうやって現実を見ずに愚神の狂宴のまま踊り続ける貴族の権威を失墜させるのか。
平民どんな手段で力を蓄えさせながらもその存在を隠しいつまで雌伏の時を過ごすのか。
そんな提督以上のカタストロフが味わえる作品をお願いします。
>>692 ソレイヤードは1度の出撃ごとに修理が必要なうえ
デュマシオンは簡単な整備程度しかできないと思うんだが…
しかも外装ならともかく内部は材料が特殊過ぎて錬金程度では作れるとも思えん
>>683 それの何処が無難だw
むしろ前途多難すぎだわw
つーか、テスタロッサがスペック的に出鱈目と言う事もあるけど、
それ以上にケインの性格がね……。
召喚したのが誰であろうと絶対に従わないわ、あいつは。
>>692 八の聖刻はわかるが、八機神だのウェン=サイクロードだの狼だのそんなの存在しないよ!
コーエグとズィーダルの仮面(原作終了後、仮組のボディといっしょ)でも呼んだ方がマシだよ!
>>683 いやむしろデュアルマガジン版のケイン・マクドガルとブルーナイトを!
>>669 それ小ネタでやってみたいんだが、なかなか文章が出てこないんだ……
第一話のボソンジャンプ寸前で二人とも召喚されて、アキトとアイちゃんは
ハルケギニア世界で幸せに暮らしましたとさって感じに
ナデシコ世界の方は一流のジャンパーであるアキトとイネスさんが存在しないので
なかなか戦争に決着がつかないだろうけどw
>>691 ブラックボックスになる部分が少ない事+現地でパーツの代用品も探せそう+超人時空の素敵ギミック装備しまくってない。
この三点セットがないのだと、光武は確かに良い線いっているかもな。コルベール先生の発明で蒸気について色々語られてる
わけだし。破壊の杖の代わりに、中破か大破した試作光武でも、回収してて研究もある程度していたとか理屈付けが入るなら
他のメンバーでもいけそうな気も。いいんじゃん?
>>697 それを考えると結局自己再生する八の聖刻クラスが便利なんだよな。
風つながりで”白い鳳”フェンを召喚するタバサ。
ポリマーリンゲル液を使わないATってあったかな?
んじゃ、巨大ロボット「メガネウス」召喚で。
三時間が経ったけど蒼の人来ないなぁ・・・
>>704 W-1
メンテナンスフリーではあるが、自我意識つーか本能持ってるのがやっかい
・・・いや、この場合AT単体で使い魔になれる訳か
最大の問題はつがいになる機体を造って勝手に増殖しかねん事だな
>>694 ルイズたちの知らないところで戦争止めたり事件を解決していくってのはどうだ?
710 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/04(月) 22:20:36 ID:k34K6I3A
>>705 ギガミヤビの方がいい
近接格闘しかできないが
712 :
710:2008/08/04(月) 22:22:57 ID:k34K6I3A
sage忘れた…(ノ_< ;)
ROMります
>>701 着の身着のまま、ティファニアの家にボロボロのアイちゃん担ぎ込んだアキトが
彼女をティファニアに救ってもらい、そのまま居ついて、家賃の代わりに弁当屋の
行商でも始めるなんてどう?w
とりあえずここにロニー・シャトレ召喚しときますね。
ルイズと競争できる可能性がある。
Ζガンダムからカミーユを召喚
ガンダールブ+心の震え+BGM【宇宙を駆ける〜ゼータ発動】
巨大な光の剣と化したデルフを振り下ろします。
>>705 プチネウスの方が……
>>697 「錬金」と「固定化」でだましだまし使っていくってやればいいかと。
そして聖地に「千の守護者」
もはや続編は望めないが、異次元騎士カズマから、当人か
はたまた乱れに乱れた素敵モラルの持ち主達を召還というのもありかしらん?
最大の難点は後者を召還した場合、一瞬で十五禁になりそうなことだが。異世界
度も似たようなもんだし。色んな意味でw
>>660 ですよねぇ………。
実は私もチェンゲ9話で海中に没したブラックゲッター召喚ネタを考えたことがあります。
召喚直後にコクピットでなんかいろいろ見せられて、
「そうか、魔法とは! 虚無とは! 進化とは! 」
とかいろいろ悟っちゃったルイズが、ハルケギニアの存亡をかけてインベーダーと戦う内容で。
途中、手紙イベントでアルビオンに行ったら王党派が全員インベーダーと同化してたので、
王も皇太子も皆殺しにして、帰還後にアンアンによって刑務所送りになったり。
途中でブラックゲッターが敗退、大破したあと、戦う力を求めて教皇の下で虚無に目覚めたり。
もちろん、最後はティファニアの開いた門を通り、
何故かこの世界に来ていた真ゲッターにルイズ・ジョゼフ・教皇が乗り込み、
虚無の戦いに身を投じるエンド。
と、プロットはできてたんですが、どう考えても「ゼロ魔蹂躙SS」といわれそうなんでお蔵入りにしましたが。
>>697 そいで精神がブッ飛んだ後は、ウエストウッドのジャンク屋少年が主役になるんですね、わかります。
>>719 途中でデルフがへし折られてしまい、ZZデルフが登場して二倍うるさく
なるんですね分かりますw
精神がブッ飛んだ後のカミーユは
「婚約者に気を付けて」
「大丈夫、彼女は今でも君のことを………」
などの助言を飛ばしまくって精神がブッ飛ぶ前より神懸かり的な活躍をします。
ロボットのようでロボットでない、ロケット人ならどうだろう。
ムックさんを登場させたら面白いですぞ
緑色なんかよりもよっぽど面白いですぞ
ガチャピンってレアってホント?
緑色はブログの更新とかで忙しいからな
赤いのは暇そうだからちょうどいい
神ー湯が生身でハイパー化したらまずいだろw
風竜もサラマンダーもモグラもカエルもネズミもグリフォンも犬猫も無数のガチャピンが演じて(チャレンジ)いる中。
ただ一人ムックを召喚してしまうルイズ。
「さすがゼロのルイズだ! ムックなんか呼び出したぞ!」
まあ、緑色のあん畜生はある意味チート臭いからな。
赤い奴は何の役に立つのかイマイチ思いつかないが。
>鉄人二十八号から金田正太郎君だけを召還しました☆
新作アニメ版だと鉄人が無いとそこそこ優秀ではあるが貧弱な坊やだが
原作スペックだとガキのくせになんでも出来る超優秀エージェントだぞ
鉄人無くてもサイトの百倍は活躍する
大塚署長も「この子はどこで覚えたのか拳銃が得意でねえ」と大喜びの逸材だ
マリコルヌをいい意味で男にしてやりたいんだけど、奴を成長させるにはどうしたらいいんだろう?
やはり地下迷宮作ってパーティー結成させてポイ?
>>683 片腕・片脚・片目・言語障害の頃のケインだったら最悪か。
キリコとどっちがマシ?
>>711 レグジオネータ=ヴァン・ヴィール
なのでATとは認められません。
>>714 根っからの庶民である彼女がお貴族様連中と仲良くするのは猛り狂うバンダースナッチを繋ぎ止めるようなものだと思うけど。
時期的には射殺された直後、何故か蘇生して第二の人生スタートか。
>>731 鉄拳6のボブ
ボブを見れば彼も成長するはず
知らないならとりあえず公式へ
>>729 もしや語ることも憚られるって緑色の事じゃ・・・
>>729 ジムカーナからダイビングまで何でもこなすしな
ドラゴンドライブから生徒たちが全員各種ドラゴン召喚してルイズはチビを。
というのを考えてみたが、ルイズやチビが活躍することなくフーケが瞬殺されそうでやめた。
ゴーラオーをアルビオンに連れて行きたがるギーシュとか書いてみたかったんだけどね。
>>732 ありゃ自分の意思でウェイトアップしたんでしょ。不摂生と遺伝的体質で今の体型になった奴とはスタート位置から違うような。
でもボブって指導者向きの性格みたいだからあの世界に格闘技の可能性を見せ付けてくれそう。
OPムービーでも銃を持った銀行強盗に立ち向かっていたし。
どうでもいいがトルネコのやつ
最初名前が出るまでハクション大魔王を召喚したのかと思った
>>731 警死庁24時のマゾの人でも召喚すればいいんじゃ?おもにMの方向で漢になると思う。
>>730 うん、原作基準で考えるとサイトなんぞ鼻にも引っ掛けん事は間違いないが…
なんか、それでも鉄人を使ってほしいと思ってしまうんだよう・゚・(ノД`)・゚・
『名探偵☆金田正太郎の事件簿』とかいうタイトルだったら、目をつぶったけど、
正太郎君が二十八号の操縦者でないと思うと、何か寂しいじゃあないか。ふふ、ちっぽけな
コダワリだけど、どうしても惜しいと思っちゃうのさ_| ̄|○
マルコメに美少女召喚させてみたいw
ナルトからうちはイタチ召喚。
サスケとの決着がついた後なら面倒見のいい元の優しい兄貴に戻ってくれて
サスケにしていたみたいにルイズを指導してくれるんじゃないかと期待。
……でも強さが尋常じゃないよなあ、この人……
始祖がお父さんの作品で美少女召還成功していたな。マルコメは。
小ネタで
〜昴〜からミヤモトスバルを考えてみたが・・・
音楽がなぁ・・・
>>741 ウェールズを殺したワルドに一言。
幻術だ。
>>740 森薫系のメイドさんを召喚させてみたいですなw
>>731 >片腕・片脚・片目・言語障害の頃のケインだったら最悪か。
最悪なんてもんじゃないなそれは。
その頃は打倒レグジオネータ&自分の同朋の旧劣等種を救うのに燃えてる頃だから、
その目的を奪われたとケインが判断したら何をしでかすか想像すら出来ん。
後、ロニーはあらゆるタイミングで不可能だと思う。
生前はいなくなると向こうの方の話が成り立たなくなるし、死亡した後も死体は手榴弾で
木っ端微塵になってるからなぁ。
>>740 アフロダイA ミネルバX ゲッターQ フェイ・イェン アーシー ドロシー1
さぁ選ぶがいいマルコメ、ただしR・ドロシーやヴァルシオーネという選択肢は無い。
>747
モッコスで。
>>748 しかし時空を飛び越えて颯爽とやってくるのは邪神モッコス様。
751 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/04(月) 23:24:28 ID:WiSbnl38
時空を越えてフランクマ召喚
>>627 更新お疲れ様です
ところでライトニングクラウドが普通に効いてた(原作並みには)所から考えると
やはり「アニマ由来の術」と「メイジ・スペル」は全く別のモノなんでしょうか?
サガフロ2における金属製品の「術阻害効果」は『装備時の減少術ポイント÷2%』
なのですが、ギュスターヴはデータ上『術ポイントが100下がる金属製品』を
内蔵しているのでアニマ術なら鎧無しでも−50%するはずなんですよね…
やる夫がイザベラに召還されたようです。
VIPでやれ
むしろジュリオがオプーナに召喚されました。
756 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/04(月) 23:43:15 ID:IJsSIyWQ
>>747 フェアリオンを2機召喚してだな。
ロイヤルハートブレイカーを使うんだ。
マルコメ「ユーハブコントロール!」
???「アイハブコントロール!」
>>755 ジュリオ「今日もまたまたオプーナを定価で売り歩く仕事が始まる…」
>>756 節子、それフェアリオンやない
覚醒人1号や!
>756
ラトはマルコメにはもったいない
中尉あたりに踏んづけてもらえ
ああっ、
>>759が激怒しているオッドアイのお姉さんに無言でTA・KO・NA・GU・RIされてる!
ドラゴンズからキモコアラを召喚
なんだか外れっぽいな
最強のマスコットである広島のスラィリー・・・は版権が難しいか
>>664 アムロはろくにスポーツ経験もなさそうなのに
士官学校とかで鍛えているシャアに対して
フェンシングで勝利(1ST)
マウントを取る(逆シャア)
と中々運動神経は良好
NTの共鳴とガンダは相性が良さそうだし化けるかも知れん…
ルイズに召還され「くそっしょうがねえな!」
ギーシュとの決闘で
マリコルヌ「逃げるぞこっちも危ない」
モンモン「なんて恐ろしい」
フーケゴーレムを吹き飛ばして「ざまあみろ!」
(冒険王版アムロ)
ガンダムは姉妹スレで
764 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/04(月) 23:53:00 ID:wgHBg/la
475 :無冥 蹟怜:2008/07/22(火) 20:35:49 ID:???
またヴァカが全然解ってない。
「原作が好きだから」二次創作を始める者と
「原作に不満があるから」二次創作を始める者と
「書き手」が作品を書く「理由」には様々なパターンがあるのをしらないのか。
ワタシはシャナ「原作」で
余りにも人の生命が軽視されてるのは違うと想ったし、
フレイムヘイズがジョジョキャラみたいな高潔な精神を持ってないのもイヤだったし
それよりなにより悠二があまりにも「男」として情けなさ過ぎるのが非常に不快だった。
(正直自分が悪だと気づいてない悪よりもっと悪い「最悪」にしか「ワタシ」には見えない)
でも設定や世界観、キャラや能力は面白いと想ったから、
そしてジョジョキャラと絡ませたら実際面白かったから(少なくともワタシは)
こうしてSS書き続けてるの。(ドミノと教授は大好きだし)
>>762 あのひきこもりが強いのは単に「未来予知」で相手の行動が分かるだけだろ。
声優つながりでジーグでもよぶか?
>>765 特に訓練を受けた訳でもないのにカタパルト射出の際のGにも耐えられるのはどう説明する?
この野郎、アムロブリーカー、死ねぇ!
>>697 聖刻シリーズなら一番性格の良い初代ズィーダルの仮面の方が良いと思うが。
他の仮面は、人間を餌くらいにしか思ってないのが多い。
ハイダル辺りが召喚されたらハルケギニア全土を巻き込む大戦乱を嬉々として起こしかねん。
提督の所為で、ジョゼフ×ルイズなる謎CPに目覚めてしまったじゃないか。
人生勝利したジョゼフ様なら、愛人の女性もルイズもまとめて嫁にしてくれそうだ。
プロポーズした日には、ルイズ本人も公爵パパも王女も姪もカステラその他も
まとめて大混乱なのを、ミョズといっしょにニヤニヤして楽しんでそうなんだが。
>>768 うん、イザベラ様が間違いなくグレるね!
イザベラは原作からしてグレてるようなものじゃないかな?
史上最強のコック召喚
またセガールか
>>771 皆の関節が極められるんですね、判ります。
進路が空いてるなら25分から2話目を投下しますよー
カモン
ロボットものならガクセイバーだろう
コルベ「単位をやろう!」
支援
そろそろ時間だ、とりすていん大王始まりっす
とりすていん大王 二回目
「ん・・・ふかふか・・・・くー」
召喚の儀式から一日たった朝、ルイズ(一応この物語の主人公)は低血圧で未だに寝てました
「すごく・・・・ふかふ・・・か?」
ルイズの血が段々と頭にめぐってくると一つの疑問が浮かびます
(あれ?私の布団ってここまでふかふかだっけ?)
チッ、チッ、チッ、ガバッ!!
ルイズが勢いをつけて飛び起きると、枕があるべき場所には
「やぁ、ルイズちゃん良く眠れたようだね」
お父さんが横たわっていました
「え・・・・きゃあああああ!?」
「はははは、昔はよくモンモランシーも私のお腹枕でぐっすり眠っていたものだよ」
なんとかルイズは持ち直し、流石に級友のお父さんには手伝えなどとは言えず、
なんやかんやと着替えや、何やら準備も自分で終わらせ、朝食に食堂に行こうとした時、
廊下で何かにつけてお隣のキュルケとばったり会いました
「あら、ルイズ、あなたの使い・・・・え?確か・・・・あなたは・・・?」
「始めまして、モンモランシーの父です」
「いや、昨日会ってますから・・・・それに帰ったんじゃ?」
キュルケの疑問に朝っぱらから非常に疲れた顔したルイズが答えます
「・・・私の使い魔が見つかる間、使い魔の代わりをしてくれるって・・・」
その言葉を聞いて、キュルケは唖然と口を開けてしました
「・・・・ねぇ、ルイズ・・それっていいの?」
「私がいいと言ったんだよ」
くるくると回転しながらお父さんはキュルケの使い魔のフレイムに近づいていきました
「なかなか立派なサラマンダーだね」
そういってお父さんはフレイムの頭を撫でます
「そうでしょう、なかなかのモノでしょ」
キュルケも使い魔を褒められてまんざらでもありません
「そうだ、ルイズちゃん、君もなでてみないか?今のうちに使い魔になれるのもいいだろう」
「そうね、それはいい案ね」
そうお父さんとキュルケに言われてルイズはフレイムの頭に手をのばし・・・・・・
ガプッ
右手をかじられてしまいました
「痛い・・・・」
フレイムはルイズの手を放すと凄い勢いで物陰に隠れてしまいました
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・ルイズ」
「機嫌悪かったのかしら?」
所変わってここは教室、朝食を終わらせタバサちゃんは一人本を読んでました
でも実は別の事を考えています
(モンモランシーの髪の毛・・・・)
何かを確かめるべくモンモランシーの所にやってきました
「あら、タバサ何か用かしら」
無言でモンモランシーの左右のロールした髪の毛をくいくいとタバサちゃんはひっぱります
「・・・・取れない」
「取れる訳ないでしょ」
「一体式なの?」
「何が?」
聞くだけ聞くとタバサちゃんは自分の席に戻っていきます モンモランシーも首をかしげるばかり
タバサちゃんがノートに何か書き始めたのでこっそり覗いて見る事にしましょう
タバサノート
モンモランシーのドリルは一体式、取り外し不可
「私の髪の毛はドリルじゃないわよ!!」
スパンとタバサちゃんの頭をモンモランシーのハリセンがヒットしました
頭をさすりながらタバサちゃんは考え込んで言いました
「じゃあ・・・・バーニア?」
「それも違う!!」
本日二度目のハリセンが飛んだ所で、授業が始まったのでした
この後シュヴルーズ先生がお父さんに説教されたり、ルイズが魔法を失敗したり、
飛び散る破片をお父さんが跳ね返したり、ルイズが掃除したりと色々あるのですが、
お昼にあんなとんでもない事件が起きるとはまだ誰も想像できなかったのです
続く
2話はここまで
ありがとうございました
乙……した……?
なんだこのカオス(いい意味で)
提督の人、エピローグ書いてくれー。
ダイジェストでいいから。或いは年表でもいいから。
ヤンとルイズから始まった物語が、ヤンとルイズで終わらないのは投げっぱなしすぎるよ。
こっちはヤンとルイズの話を読んでいたのに、作者はジョセフの話を書きたかっただけなのかー。
ここで切ったらそーなっちゃうよ。変だよそれ。おかしーよ。
全世界に放送しといて、反応もなしに終わるのも変だよ。小ネタのオチみたいだよ。
自分だけ気持ちよくなったら終わりじゃなくて、相手のケアをすることも大切だったりするよ。
というわけでエピローグ書いてくれー。
投下乙。
ついでに噛みフレイム乙。
髪の毛がとれるのはちよちゃんだったっけ?
乙っした
バーニアだったのか……
お父さん乙でした。
そして亀ながら提督の人もお疲れ様でした。
でも…提督があれで終わりというのは、読み手としてはすっきりしませんでした。
エピローグが欲しいという声に、私も賛成です。
洗脳されたのかリビングデッドなのか真相不明な人や脳内がファンタジーな人や元婚約者といったレコンキスタ側の人々や教皇のその後が知りたいです。
個人的には、サブタイトルは……還らずじゃないんだからああなって欲しい……と思っていますが…
タバサ「ごめんモンモン…外し方がまちがってた…」
ちよ父…いや、モン父乙っ
あのロールはスプリング状になっててだな、こう・・・びよーんと跳ねたりする?
闘牌伝説ルイズ 〜虚無に舞い降りた天才〜
>>762 いんやあ、前期と後期で変わるのは間違いないわな。マジで最初の最初で
ハロ作ったりしてた一歩間違うと変人系引き篭もりになりかけてたモヤシ
の時分を抜きにすると、整備だの何だので、意外と肉体労働しとる。
ついでに殺った殺された&思春期で色んな意味で頭の中もカスタマイズされとるだろ。
そこにニュータイプな先読みも加わるんだ。士官学校出っていっても、一応出し抜ける
可能性は生身でも後期の奴は持ってたんだろうな。
後期のアムロならガンダールブ加わったなら、確かにトリスティンの白い奴になれる見込み
はあるかもしれん。ただし、ルイズさんがいちいち、頭の中読まれちゃったり、ララアと寝言で
呟くアムロに色んな意味で振り回されそうだがなw。ちなみに、逆シャアなどのアムロの場合は、
正式な訓練も受けてるだろうし。…普通にそっちの能力も高いだろうね。
HELLSINGから少佐召還
HELLSINGは専用スレがあるねん
ドアラを一心不乱にドアラ召喚SSを
mjkスマンカッタ
799 :
蒼い使い魔 :2008/08/05(火) 01:20:06 ID:LVaEZ73G
アッハッハ、P4やってたらいつの間にかこんな時間になっちった
アッハッハ、
色々約束やぶったね、ごめんなさい
Bパート、進路クリアなら30分位に投下します
ゼロな提督のエピローグを求める声が多いね
でも、読者の要望とは関係なく、止めた方が良いと思う
提督作者は、これを最後にするつもりで「薔薇乙女作者だ」とカミングアウトした
つまり、提督と薔薇乙女の作者が同一人物とばれると、両作品の内容と無関係に粘着荒らし叩きが
現れると百も承知だった。だから最終話まで言わなかった。ならエピローグを投下したら、もう、
とんでもない荒し叩き祭になるのも百も承知だろう。エピローグの内容と無関係に。
最終話の内容を見て「ゼロ魔蹂躙」「帝国と同レベルだ」なんて叩き荒しが出るのも予想済みだったろうな
それもあって、最終話にしたんだろうよ。
つーわけで、エピローグは書くべきじゃないと思う
もし投下するにしても、少なくとも夏休み明けるまでは投下すべきじゃないな
>799
すごいぞチエちゃん! 支援
802 :
蒼い使い魔 :2008/08/05(火) 01:29:42 ID:LVaEZ73G
一方その頃、モット伯邸内では…
モット伯は自室のソファに腰掛け優雅にワインを味わっていた
久しぶりの上物だ、どのようにして愉しもうか、
数多くの若い娘を召抱え味わって来たがあの娘はそのなかでもいい体つきをしている
顔も悪くない、そう考え一気にワインを煽る
その時、モット伯のドアがコンコンッとノックされ先ほど呼びつけた若い娘の声がする
「シエスタでございます」
「入れ」
そう命ずるとかなり際どい格好をしたシエスタが入ってきた
その顔は何かに怯えるように青くなっている。
「おぉ来たか、待っておったぞ、こっちだ」
そう嬉しそうにモット伯はシエスタを手招きする
シエスタが覚悟を決めモット伯に近づいて行く、その時、ドンドンとドアが激しくノックされた
「なんだ?」
これから久しぶりの上物を愉しもうとしているところを邪魔され不愉快そうにドアを見る
「大変です!賊がッ!ばっ化け物が侵入しました!」
「化け物だと!?どういうことか報告しろ!」
報告では突如死神の様な化け物が現れ使用人や衛兵を殺している、
それを蒼いコートを纏った長伸の男が衛兵もろとも斬り倒しながらこちらに向かって進んでいるとのことだった。
蒼いコート、その言葉を聞きシエスタが呟く
「まさか…バージルさん…?」
そんなはずはない、だってあの時バージルさんを怒らせてしまったんだ、それなのに助けに来てくれるはずはない…。
そうシエスタが俯きバージルのことを考えるその横でモット伯は狼狽していた。
「はっ、早くなんとかしろ!化け物と賊を食い止めろ!」
そうドアの前の使用人に言い放ち杖を取る。
だがその返答が返ってくることはなかった、
ドアを破るように飛び込んでくる使用人の死体
その体には無数の鎌が突き刺さっている。
「キャアアアアアア!!!」
部屋にシエスタの悲鳴が響き渡る、その声に反応するかのように部屋に悪魔が入ってくる
その姿は手に大鎌を携えまさに死神の姿をしていた。
803 :
蒼い使い魔 :2008/08/05(火) 01:30:51 ID:LVaEZ73G
外では腰をぬかし立ち上がれないルイズを庇う様にタバサが一人悪魔の群れを相手に奮闘していた
氷の槍を飛ばし悪魔を串刺しにし、風を巻き起こし吹き飛ばす。
「何よ…私だけ…」それを見てルイズは呟く
―守ってもらってばかりじゃない、あの時バージルは私を見ずタバサにここは任せると言った
つまり数にもいれられてない、貴族として助けにいく、そんな大見得切っておきながら戦いもせず腰を抜かしている
そう考えると情けなくなる。
討ちもらした一体がタバサに襲い掛かる、鎌がタバサに突き刺さるその刹那
「フライ!」
その詠唱と共に悪魔が爆発した
タバサが驚いて後を見る、そこには杖を構え立つルイズの姿があった
「私だって…戦うわ!バージルはあんただけに任せるって言ったんじゃないんだから!」
タバサは小さく頷くとルイズと共に悪魔へと向き直り魔法を放った。
「なっ、なんなんだコイツは!」
部屋へ入って来た悪魔を見てモットが叫ぶ、
ゆっくりと歩み寄ってくる悪魔に向かい杖を向ける、その瞬間
―キィンッ!「ギャアッ!」
歩み寄って来た悪魔が真っ二つになり崩れ落ちる、そこには蒼いコートを羽織った男が立っていた
「だっ、誰だ貴様は!」
「バージルさん!どうして!?」
二人は一瞬で悪魔を斬り殺した男に向かって叫ぶ
「貴様がモットだな?死ね」
バージルはそう言うと閻魔刀に手をかける
「なっなんだと!?この化け物どもを呼び寄せたのは貴様だな!?」
「フン、あれは貴様の欲望が呼び寄せただけだ、奴らが消える方法は貴様が死ぬことだけだ」
「たわごとを!貴様のような平民に殺されるような私ではない!
私の二つ名は『波涛』!『波涛』のモット!トライアングルのメイジだ!」
「だからどうした、貴様は死ぬ、それだけだ」
その挑発に反応しモットは水を生み出す
水が竜の如く舞い上がり、渦を巻きながらバージルに殺到した。
ズッバァーン!とバージルに水がぶちあたる
「まだ終わらんぞ!」
そうモットは吠え水を氷の槍に変えバージルに向け発射する
部屋の壁は崩壊し土煙りが上がりどうなったかは確認できない
だが、あれほどの攻撃を受けたのだ、普通の人間ならメイジであろうと無事ではいまい
それを見たシエスタは気を失ってしまう。
「ハァハァ…、フン!平民が貴族に敵うとでも―「それで終わりか?」」
土煙りが収まると腕を組み詰まらなそうにモットを見るバージルの姿があった。
「ばっ、バカな!あれほどの攻撃を受けてなぜ立っていられる!?」
それを見たモットは驚き声をあげる。
「あれが攻撃?失望だな…」
そう言うとモットに向かってバージルは悠然と歩きながら距離を詰める
向かってくるバージルにモットは魔法を放つもそのすべてがバージルにかすりもしない、
―ゴッ!
モットの目の前に立ったバージルは閻魔刀の鍔でモットの頭を打ち抜く
予備動作なしで飛んできたバージルの攻撃にモットが反応できるはずもなく
もろに一撃をもらい錐揉み状態になりながら壁に叩きつけられる。
804 :
蒼い使い魔 :2008/08/05(火) 01:32:11 ID:LVaEZ73G
「ぐっ…うっ…」
モットが顔をあげると目の前には案の上閻魔刀の切っ先が突き付けられていた。
「ま…待ってくれ!助けてくれ!」
「それは無理だ」
必死に命ごいをするモットを冷たい目で見ながらバージルは答えた
「そうか!金だな?いくらだ?幾らでも払うぞ!」
「だめだ、気が乗らん」
「この屋敷にあるものならなんでも持って行ってもいい!だから助けて―」
そう言い切る前に閻魔刀をモットの心臓に深く突き立て、捻る。
「ぐぁっ…あぁっ…」
そう短く呻くとモットはあっけなく絶命した。
モット伯の絶命と同時に邸内の悪魔の気配が急速に消えていくのがわかった
「ひゅ〜相棒、相変わらずえげつないねぇ、でも貴族殺しちまったな?どうするんだ?」
「フン、こうすれば問題ない、おそらく屋敷から逃げだせた人間も存在するだろう、
状況を見れば下手人は悪魔、そう言うことになる」
そう言いながらヘル=ラストが握っていた鎌をモット伯の遺体にドッ!と突き立てる。
「死人に鞭打つか…おめーはどこまでも悪魔だな…」
「…帰るぞ」
そういうと気を失っているシエスタの首根っこを持って引きずるようにその場を後にした。
「来た」
「バージル!」
庭に出たバージルをルイズとタバサが出迎える。
「フン、生きていたか」
「生きてるわよ!っていうかあんたはっ!?っ・・・シエスタは無事だったの!?」
「この通りだ」
そう言いながら気絶したシエスタを放り投げる
「うっ…うぅ〜ん」
「ちょっ!どこの世界に気を失ってる女の子を放り投げるやつがいるのよ!
もうちょっと丁寧に扱ってあげなさいよ!」
そう言いながらルイズはシエスタを抱えると放り投げられた衝撃かシエスタが目を覚ます。
「あれっ?ミス・ヴァリエールにミス・タバサ…バージルさん…あの…これは一体?」
「目を覚ましたわね、あんたを助けにきたのよ、散々な目にあったけどね」
「えぇっ!?そんな!私のために!あのっ!モット伯は!?」
「そうよ!モット伯は!?まさかあんた…」
最も重要なことを思い出しルイズはバージルに訪ねる、まさかこの男殺してはいないだろうか?
もし殺していたら一大事だ。
「フン、当ぜ―「あぁー、いやいや、モット伯ならあの化け物共に殺されちまってたよ!おでれーたなあれはー!」」
と急いでデルフがハッタリを利かせる。
「そっ、そう!ならいいんじゃない?あんたが殺してないならね…
でも…なんだったのかしら?あの化け物…急に砂になって消えちゃうし」
「さっきも言ったが、あれは色欲を司る下級悪魔だ」
「消えたのは?」
「奴等の目的、モットが死んだからだ、今頃モットは地獄でよろしくやってる所だろう」
その話を聞き三人は押し黙る
「あんなの…いままで見たことなかったわ…タバサは?」
「見たことない」
「そこまでだ、貴様らはあの竜に乗って帰れ、俺は歩いて帰る」
そう言うとさっさと邸宅の門に向かってバージルはさっさと歩きだす
その背中にシエスタが声をかけた
「あのっ!バージルさん!助けてくれて…ありがとうございました!」
「……」
無言のまま立ち去るバージルに向かいシエスタは深々と頭を下げた。
「まぁ、アイツはあーゆーやつだから…あんまり気にしないで」
とさすがにフォローに回るルイズであった。
805 :
蒼い使い魔 :2008/08/05(火) 01:33:18 ID:LVaEZ73G
「なぁ、相棒、思う事があるんだ」
「なんだ」
学院へと戻るバージルにデルフが話しかける。
「お前さんのそのルーンのことだが、どうもお前さんにあまり力を貸してないみたいだな」
「どういうことだ」
「通常使い魔のルーンってのは、元々主人に従順になるように働きかける力があるんだ、相棒のルーンはそれプラス
なんらかの特典がついてくるはずなんだがね、だが相棒の場合、そのルーンの力の大部分が従順になる力に費やされているみたいだな」
「何が言いたい」
「お前さん、あの娘っ子に全然心を開いてないだろ?」
「…」
図星である、事実バージルは召喚されてからルイズのことを一度も名前で呼んでいない。
自分から語りかけることすら稀である。形式上従っているだけであり心を開いているわけではない。
「つまり、このルーンの本当の力を引き出したければあの小娘に心を開けと?」
そう言うと忌々しい表情でルーンを見つめるバージル
「そういうことにならぁね、ま、相棒がいらないっていうなら俺はなんとも言わんよ?
相棒はこのルーンの力なんざなくったって恐ろしく強い、俺っちを使ってくれれば文句はないしな。」
そうカチカチと笑うようにデルフは音を立てた。
「いい機会だ、もう少しあの嬢ちゃんに少し心を開いて見た―「気にいらん」」
一蹴されてしまった。
「ハァ…しっかし、主人も主人なら、使い魔も使い魔だぁね…」
と、デルフが小さくぼやいた。
「しかし相棒、どうしてあのメイドの嬢ちゃんを助けようと思ったんだ?いつものお前さんなら無視しそうなもんなんだが」
「フン、奴がいなくなったら誰があの小娘の洗濯をするんだ」
「まさか…それだけの理由…?」
「あぁ…」
「…おでれーた…それだけで何人殺したんだよ…おでれーた…」
さすがにその発言にはデルフも思わず絶句せざるを得なかった
翌日、学院はモット伯邸宅で起こった何者かによる襲撃事件についての噂でもちきりだった
噂は、謎の化物の襲撃で邸内にいたほとんどの人間が殺害されてしまった。モット伯もその一人であり
自室で心臓に大鎌が突き刺さった状態で発見された、という内容だった、
蒼いコートを纏った人物が、という言葉が出てこず心の底から安堵するルイズ、これなら面倒毎にはなるまい。
シエスタも雇われた先の人間が殺されたとあって、学院に再配属になった。
さらにシエスタのバージルに対する認識が変わり、わだかまりも消えた
バージルに至ってはいつもと同じだが…
全ては元の鞘に戻り、いつもの学院生活にもどったのだった。
バージルが廊下歩いていると、向こう側からタバサが近づいてくる
「悪魔との戦い」
先日とは違い、今度はバージルが話しかける
「楽しめたか?」
その問いにコクリと頷く
「いい経験になった」
あの悪魔の群れとの戦い
悪魔は手強く、狡猾で、残忍だ、そんな化け物と戦いそして生き残った
それは今まで以上にタバサを成長させた。
「もっと力が欲しい…」
そう呟く、この男について行けば、より大きく自身の成長につながり
目的へと前進する、この男の技術を自分のものにできれば…。
そう思いながら歩き去るバージルを見送った。
806 :
蒼い使い魔 :2008/08/05(火) 01:35:00 ID:LVaEZ73G
投下おわりです
あぅぁ…ちょっぴりgdgdなのは許してNE!
次は…もっとうまくかけるようにがんばってくる…
洗濯するのが嫌でここまでやっちゃうのはさすがだぜバージルw
乙
支援だぜ
>>800 夏休みは関係無いだろ。
叩いてるのは昔から毒吐きスレに居着いてる連中であって、この期間に増えた住人じゃねえし。
人を殺すにゃ理由は要らぬ、殺した後に理由がいる とは戦争に行って来た死んだ祖父の言葉
蒼い人乙でしたー
えげつないとは言うが、バレたらバレたで平気な顔してるんだろうなバージルは
蒼い人、乙
次は順当に行けばフーケの追跡だが・・・・おマチさん死んじゃうんじゃね?
蒼い人乙ー
久々に容赦なく死んだなモット伯
こりゃフーケも真っ二つルートか?手加減してやる理由ないし
兄貴乙。え、何で助けに行くの!?と思ってたら、ちょ、
洗濯イヤ>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>そこ等へんのやつ等の命と小娘の心
むちゃくちゃバージルで納得したよ!
モット伯の欲望で悪魔が沸いたなら、フーケやワルドも悪魔を呼び寄せるんだろうか。
クロムウェル辺り、大物悪魔に乗っ取られたり?
無能王は魔王クラス呼んで逆に乗っ取りそうだ。
ロボ物だったら、もう最強ロボの御一行でも呼んで、世直しでもしてもらえ。
>>679 小ネタで今そういうのを書いてる。
兄貴乙です
殺せ殺せー。情け容赦無く血風雷火の如く斬殺劇をスタイリッシュに
と、思ったのは俺だけでは無いはず
>>813 多分、洗濯はその辺のヤツ引ッ捕まえて代わりにやらせるって手も
まぁ、掴める労力>始末しに行く労力なら、迷わず後者選ぶでしょうけどw
盗賊と子爵様は、等価交換してそう。で、前者は乗っ取られて後者は地力で抑え込んでる感じ
問題は、王様が御すだけの精神力とスキルを保持しているかと言う事
P3からベルベッドルームを召還とかなったら随分カオスになりそうやね…。
毎回契約しようと押しかけるが、そのたびにザベスに逆に依頼をされてしまう
ルイズww ちなみにイゴールとキスするのは鼻の問題で大変なことだろうよ…。
バージルの人乙。
フーケやワルドだとそれぞれ「物欲」「傲慢」かな?
でもまた下級悪魔ってのもないか。
ウルトラ五番目のアルビオン、ヤプールの侵略受けているのにやっぱ内戦中なんか
ジョセフの性格からして内乱起こすよりヤプールの相手する方が絶対楽しみそうだと思ったが…
「国際超獣退治チーム?やるやるーーーっ!」
タバサが受けた秘密司令がサハラ上空を航空中の飛空船が相次いで消息を絶つ謎の事件の捜査だった。
砂漠の一角から突如発射された怪光線に傷ついたシルフィード、砂漠のとあるオアシスに不時着するタバサ一行
そこで彼女は村の住人が神として崇める石像を発見する…
「これは…ウルトラマンA?」
と思ったが、アントラーの磁力光線、風石航行船や風竜に効かないか…?
むしろジョゼフならヤプールのハルケ侵略作戦を横からかっさらって「敵の敵は味方」で共闘する形になるんじゃないかな。
無論ジョゼフは味方のつもりなんざ欠片もないだろうけど。
>>746 最終決戦時のミーマの良い人っぷりは一種異常で、
偽装マッチメーカ時代のこすっからい奴と同一人物とはとても思えなかった。
あまりに良い人過ぎするので、実はロニーは殺される直前にミーマに助け出されていて、
ケインが見た死体はミーマが密かに用意したニセモノで、
ケインを覚醒させる為にあえて騙していたというオチが待ってるんじゃないかと思えるくらい。
orz
ルーンの効果がバージル兄貴のわずかなデレのために消えるとかwww
さすが兄貴www惚れ薬にwktkせざるをえないwww
これでこそバージル!!なにものにも心を開かぬ孤高の半人半魔
でも境遇が似ているタバサとはしっかり会話を交わす。
そこがかっこいい。モットを殺した理由もいかにもバージルらしい
>820
ジョゼフが興味を無くしても、黒幕に操られてるって知らないレコンキスタの連中には関係ないしな
むしろ「ヤプールに対処するために一刻も早い統一を!」と新しい旗印を手に入れて勢いづくくらいのものだ
特に出世目当ての奴にとってはせっかくの勝ち戦を放り出す理由がない
クロムウェルにそれをなんとしても止めさせる理由はないし、止める力もないわけで
バージルの人乙ー
しかしモット伯程度の欲望で悪魔が寄ってくるんだったら貴族のほとんどがヘルプライド(傲慢)寄せてくるんじゃないだろうか
>>752 そんな「ゲームのシステム上」の設定と「キャラクターの設定」を混合するのはよくないな。
ギュス様のJPがゼロなのはあくまで術不能者だからであり、ゲームのシステム上の設定はそれを再現する装置なだけ。
他のサガシリーズで言えば、ロマサガ2の亜人の特性は亜人専用装備の特性だし、
上級妖魔が精神耐性を持つのは妖魔の鎧のせいだが、それはシステム上のことでしかない。
他に分かりやすい例を挙げれば、グスタフはポリシーで最強剣二刀流をやってるだけで、本来は他の武器も使えるとかな。
アルティマニア巻末の二次創作ならばギュス様はアニマに対する抵抗力がないから、
アニマを使った攻撃には弱くほんのちょっとの負傷が命取りになるそうだ。
ま、二次創作設定だからこっちはどうでもいいが。
魔法は物理的に起きている現象なのだから、術不能者に通じない理由は無い。
アニマが無いというギュス様の場合は考察するための資料が少ないが、
フロ2製鋼鉄装備をしてない場合どうなるかは作者のさじ加減でいいと思う。
そーいや科特隊本部ってパリにあったんだな
>故郷はハルケギニア
「ガリア王よ、今あなたはあの怪物を見てラルカスと言いましたね、もしやあの怪物に見覚えがあるんですか?」
「ラルカスーーーッ!お前は人間らしい心なんか無くしちまったのかよーーーーっ!」
>>828 やめてくれ!その元ネタは幼い頃に見てトラウマになった話なんだ!・゚・(ノД`)・゚・
うわぉ、胸を抉られるぅぅ!
昔トリビアで完璧ネタとしか扱われてなかったのはむかついたっけな
ウルトラ5大トラウマ(昭和)
ダダ メイツ星人 バードン ツルク星人 シルバーブルーメ
いあまぁ初代ゼットンとかプリズ魔とかドラゴリーとか色々あるけどさぁ。
ジャミラは本当に報われないな・・・・
母国に見捨てられて、それでも帰ってきたら事実を隠蔽するために怪獣として殺されるなんて
ウルトラマン系のトラウマといえば、ノンマルト…
>トラウマ
レコンキスタがハルケギニア全ての王家と闘うため手当たり次第に誘拐した平民の
体内に「一定時間後に作動する魔法(ファイヤボールとかエアハンマーとか)」を
仕込んで開放するのですね、よっく判ります
判りたくないくらいによっく判ります
「シエスター! あなたは一体何のために生まれてきたのぉ!」
Tシャツの首の穴から顔だけ出して「ジャミラ」
これも定番でしたよね
ロボットものから召喚・・・・・・・・・メロウリンク?
アレの装備ならコルや土メイジの協力得れば再現可能
欠点としては自力で生きていけるから使い魔になる理由が無いって点かな
まあアストラギウスの連中サバイバビリティという点ではドイツもコイツも
チートだけどさ。
小ネだがメビウスの防衛組織ガイズのドキュメントアーカイブ
(歴代防衛組織ガ遭遇した怪獣や異星人のデータ)
にもジャミラの詳しいデータは記載されてない…
黒い設定なんてもんじゃねえ
それはハルケギニア各国がエルフに占領されている聖地へと工作員を盛んに派遣していた時代
某国の工作船がついに聖地へとたどり着いた。
しかし、始祖ブリミルが守護したもうた聖地は―――地獄―――異界への送還ゲートだった。
空気も水もない、その異界で彼―――ラルカスは何とか生き延びた、しかし
と思ったが、そのパターンだとジョセフ
「メイジでなく一匹の怪物として処理せよ」
じゃなく、存在や正体を公表しそうだな。
「見ろ――――っ!これが聖地にたどり着いたもののなれの果てだ―――っ!
お前らの崇める始祖の聖地は怪物を生み出す穴だったんだ――!
ウェーーーハッハッハッハッッハーーー
んーーー反撃が無いな?
勝ったぞーーー俺はブリミルに勝ったぞーーー」
とかやりそうだが
ラルカスって誰だ?
ジャミラだろ
ラルカスがラスカルを召喚したら
>>832 しかも、弱点の水を執拗に浴びせられて…
つか水メイジに弱そうだなジャミラ
>>834 ザンボット3思い出すんですがw
人間爆弾の恐怖
>>840 ミノタウロスとアライグマが繰り広げる心温まるストーリー
ここで一発ネタとして、ニコ動ネタからガチムチ兄貴を……やっぱ、やめたほうがいいな
超兄貴からイダテン、サムソン、アドンを召喚
当たりじゃね?
>>845 それだとザビタンかイビルが涙ながらにミノさんを斬る展開しか想像できねぇ・・・
ミノタウロスとアークマデテクール?
ミノタウロスとアクマ?「我、殺意の波動を極めし者也」
ルイズじゃ制御できねー っていうか一体誰がアレをコントロール出来るんだ?
歴代ウルトラシリーズトラウマエピソードかあ…
Aの人なら当然マリコルヌ主演で「クヴァーシルを返せ!」の回を…
日本の代表的TRPGであるところのソードワールドの(異論可)ミノタウロスにはステキ設定があってな……
曰く
「ミノタウロスには雌は存在せず、人間やエルフの女性を襲って出産させる。
出生する赤子は全て雄のミノタウロスになる」
ふぅ……時代を先行しすぎたな奴らは。
>>854 松雄芭蕉の時代から触手プレイというジャンルがあるんだが…
日本はHINTAIの国だからありとあらゆるジャンルは先行しまくってます
>>852 かのゲーメストで連載されていた珠玉の名作RYUファイナルのよーに、
殺すのではなく、勝つ為の拳をルイズさんが会得すればあるいはww
ただし、もはやラブコメの欠片もない真の格闘家を目指す東方武闘伝な話に
なっちゃいますけどね。
いやいや、ギリシャ(神話)もなかなかのものだよ。
西部警察をだな
ギリシャ神話
ああ、アテナ率いる88星座の聖闘士とハーデスによる長きにより戦いの話ですね
>>855のHINTAIに突っ込まない、おまいらの優しさに乾杯www
>>857 いつかゼウス様の股間にシャイニングフィンガーが打ち込まれ
右に二十度、左に三十度、アップダウン、ブチィーとなるに違いないと読んだ時
には思ったものでございます。んっもう、槍珍なんだからー( ´д)ヒソ(´д`)ヒソ(д` )
>>859 そのうちバッカスに従う酔闘士(ドランカー)とかアフロディア率いる恋闘士(ラヴァーズ)とか出てきたりして
ゼウスとの戦いまで話引っ張ると思ったんだけどねぇ
>>863 最後の最後で「あやつめ!やりおったわ!」でした。
コーヒー吹いちゃったのは懐かしくも、忌まわしい思い出でございます。
つーか、誤植祭りもいい所でしたなぁ…(遠い目)
>>862 酔っ払いに愛の狩人の群れと書くと、なんか飲み屋街で管巻いてそうな響きにww
歌舞伎町や新橋の飲み屋街が彼らの聖地という設定だったりしてね。
ルイズがギース・ボヒョー・ハワード召喚
何人が知ってるんだそんなモノ
ボヒョー…。四コマだったっけか。さらばギースもあれと絡んじゃうと
余韻が木っ端微塵になっちゃうよNE_| ̄|○
>>862 ゼウスの話まで行こうとして失敗したんじゃないかw>天界編
>865
ギース様といったら墓標だろ、JK
(正確には墓石だけど)
強くて必殺技が文字通りの『必ず死ぬ』技だけど、コケると手も足も出ないあのお方ですねw
>>353 クロス先の話そのままなのか?
エンジェル伝説とやら読んだことないから知らない奴もいるし問題ないんじゃね?
特にこれのファンって誰がどのポジションだのなんだのと言ってるあたり、ゼロ魔キャラにネタ元キャラ憑依させてゼロ魔世界でエンジェル伝説再現させたいだけなんだろ?
ギーシュとの決闘
「食らうがいい、『死風拳』!」
「平民・・・・じゃなくて石のクセに必殺技とはね、それを受けるとどうなるんだい?」
「当たると死ぬ 無条件で死ぬ」
「どひゃあああ! デンジャラスな技繰り出してんじゃねぇ!」
「ではこれを 『ダブル霊風拳』! 当たると霊界に連れて行かれます」
>>872 すみません、貴方は別にこの作者を貶めてはおられませんね
申し訳ありませんでした
第一話の時一応ググった
レビューにカメレオンのパクリって書いてあったから興味失せた
昔マガジンで定期的にやってた不良マンセーの頭悪すぎマンガの劣化コピーなんて読むだけ時間の無駄
>>874 釣りですか?
>>867 車田の同人かなんかだとゼウスとアテナに呼応してシャカが仏陀の転生体として覚醒する展開があるらしいな
どうやら、蒸し暑い時期は妖魔が多く発生するようだな……
釣りも何も事実だろ?
単行本の表紙からして古くさい不良マンガの一種にしか見えない
遅レスだけど
>831
ギエロン星獣も結構キツかった
>>877 ちゅんと読んでからそういうことを言いましょうね
暇で仕方ない時に古本屋に寄ってそこに置いてあったらな
>>874 >>877 まあ、周りが勘違いしているギャップを楽しむ漫画だから同系列ではある
ただしパクリではない。
これがパクリなら、サッカー漫画はキャプテン翼のパクリとかそういうおかしな事になる。
>>877 なんだ、やっぱり読みもしないで文句言うアレな人だったのか 謝って損した
読め、とか興味持てとか言いはしません。
ただ興味無いのならスルーすべきでしょう。
十五年前の漫画なのだから「古臭い」のは当たり前
文句言うなら読んでから
読む気無いなら無視しろ
ティファニアがGOW2のクレイトスを召喚
過去の記憶を消して貰う事で従い、デカい木槌や神々の剣振り回し魔法で地震や竜巻起こして暴れる禿頭オヤジを…
>>877 カメレオンとは全然違う。
そもそも、あの作品はヤンキーマンセーなど微塵もないぞ。
読まずに決め付けるお前の品性を疑うぜw
漫画喫茶辺りで適当に読んで来るという発想はないのだろうか?
・・・ところでエンジェル伝説のイメージが強すぎて
クレイモアを読む気にならないのは自分だけだろうか?
第六話仕上がりました。
ちょこちょこ前の話を加筆修正したりで設定変更したりしてるところもありますが、15:45分から投下よろしいか?
支援の準備は出来ている
ちょっと待てよ、俺が最初に言いたかったことはそうじゃないだろ
俺はエンジェル伝説とやらをクソだと叩いた覚えはないぞ
自分が好きな作品知らない奴がいたからってヒス起こす前にちゃんと
>>870を読めっての
ああ、でも言うだけ無駄か
脊髄反射で勝手に人を荒らしと決めつけて勝利宣言するような奴らが愛読するような代物だからな
ファンがそんな奴らなら原作もそんな感じなんだろう
なんかトゲトゲしい雰囲気だけど投下していいんかな……
それではいきます
ペルソナ0 第六話
あれから三日が過ぎた。
夕刻のアルヴィーズの食堂で三人はテーブルを囲みながら、これからについて談笑していた。
「まずは礼を言わなければね、ありがとう助かったよ」
薔薇の形をした杖を振りながら、ギーシュは笑みを浮かべる。
「しかし分からないことだらけだね、ペルソナと言う力もあの世界も」
「そうね、下手をしたら全部夢だったって言う方が納得できるくらい」
紅茶を啜りながらルイズは答える。
「でも現実よ? 見て乙女の玉の肌にこの傷跡、堪らんないわー」
恨みがましい言い方だがキュルケの目は笑っている。
話を振られたギーシュはこほんと咳ばらいをして、言った。
「ともかくだね一旦整理してみよう」
そう言ってギーシュはルイズを指し示す。
「君の使い魔、ええとテレビだったかな? あれを通り抜けるとあちら側の世界へ行ける」
「そうよ」
「けれどテレビを通り抜けられるのは力を持った人間か、それにくっついていくってことだけだ」
「ええ、あたしも試してみたけどルイズと一緒じゃないと無理だったもの」
まだ気になるのかキュルケは爪と枝毛の手入れをしている。
「けれどルイズ、君は最初から通り抜けられた」
「ええ、そうじゃなければ存在すら分からなかったものね」
と言うことは、だとギーシュは前置きする。
「君にはあの最初からあの世界へ行く才能があったのか、もしくはその他の何かの影響だと言うことになる」
「よく分からないけど、才能って言うのは違うと思う」
「そうクマね、そうじゃなければルイズちゃんのシャドウは出なかったと思うクマ」
そう言いながらガツガツとデザートのケーキをホールごと頬張るまるっこい物体はまさしく……
「ク、クク……」
「「「ク、クマーーーー!」」」
深淵・・・じゃないな支援
自分で話を変えたと思うが?新陳代謝の活発な脳で羨ましいよ
三人の声が見事にハモる。
そうそれはあちら側の世界の住人であるクマであった。
「な、なんであんたが此処に居るのよ!?」
「そ、そうだよ。君外に出れたのかい!?」
空になった皿をぺろぺろと嘗めながらクマは答える。
「もちろんクマ、と言うかクマがルイズちゃんたち外に出してあげたんじゃない」
しかし自分まで外に出てこれると言うのは完璧に三人の予想外だった。
「今日も美味しいクマ、さすがねマルトーのおっちゃん」
しかもなんだか厨房のみんなと仲良くなっているらしいことに、ルイズたちは頭を抱える。
「あんたねぇ……」
「うーん、やっぱり腹八分目じゃ満足できない、シエスタちゃんおかわりクマ!」
「あっ、はい」
その言葉にケーキの配膳台を押していたシエスタはルイズたちの側にやってきた。
「はっ、はい。この学院で働かせて頂いておりますシエスタと申します」
シエスタは必死に頭を下げる、よほど貴族が怖いのか――怖いのだろう。
ルイズはペルソナを得て思ったことがある。
魔法とは力であってそれ以上でもそれ以下でもない。
自分も自分の影も、使っていた魔法はほとんど変わらない――同じ存在の表と裏なのだから当然と言えば当然だが、それが起こした結果は全く正反対だ。
影の魔法はキュルケを殺しかけたが、しかし同時に自分やキュルケを救ったのも同じ魔法。
系統魔法だって同じだ、正しく使えば人を助けるがしかし誤った使い方をすれば人を苦しめる。
だからこそその力をどう使うかが大切なのだと。
風の噂で聞いた魔法を悪用してスリを行う盗賊や、権力を笠に着て平民の娘を手篭めにする貴族の話を聞いていると、なおさらそう思うのだ。
「そう、ねぇシエスタ」
「はっ、はい」
「貴族って一体なんなのかしらね……」
「はい?」
魔法は貴族の必要条件だが、しかし魔法が使える人間が必ずしも貴族として相応しいとは限らない。
ならば貴族とは一体なんなのだろうか? それがルイズの心のなかに浮かんだ疑問であった。
「いいわ、ただの気まぐれよ、忘れて頂戴」
シエスタが困惑したことに気づいたルイズはそう言って紅茶を啜った。
埒もないことだとは、ルイズ自身が一番よく分かっていた。
「ところでミスシエスタ、今日はあのサイトと言う平民の姿が見えないようだが、なにかあったのかい?」
「ぶっ」
啜っていた紅茶を盛大に吹き出しそうになったがなんとか踏みとどまる。
だが無理をしたせいで少々咳きこんでしまった、我ながらなんて情けない。
「サイトさんは、今日は……」
言いよどむシエスタ、その姿に何かひっかかるものを感じて問いただそうとしたが、その前にギーシュが横やりを入れてきた。
「いやいないならいいよ、すまなかったね可憐なレディ」
一礼して下がっていくシエスタ、訳が分からないままどういうつもりなのかギーシュに尋ねる。
「あの世界に行けるのは、ルイズの部屋のテレビから、ペルソナを扱う才能のある人間だけ――ここまではあっているはずだよね?」
「ええ、たぶん……」
「ならなんで、あの平民があの世界に居たのかな?」
「――ギーシュ! それってどう言う!?」
問いただそうとしたところ、突如として振動が食堂を貫いた。
地震とは違う、何か巨大なものが地面を踏みしめるような振動である。
「なに!? 一体!?」
慌てて食堂から飛び出したルイズ達が見たもの。
それは一体の巨大なゴーレムだった。
支援
「一体なんなんだいこいつは!?」
学院長の秘書であるロングビルは焦っていた。
もっともその正体は宝物塔に納められた秘蔵のマジックアイテムを狙って学園に潜入した巷間を騒がす一人の盗賊なのだが、今は彼女は秘書の仮面を外していない。
だからこそロングビルと呼称すべきであろう。
ロングビルは宝物庫の目録を整理すると言う名目で、人の少ない時間を狙って宝物庫の調査をしていた。
だが分かったのは異様なまでの分厚さの壁には異常と言えるほどの強度の固定化が掛かっており、まともな手段では全く歯が立たないと言う事実だけ。
落胆し、しかし怪盗フーケの名に賭けて必ず破ってみせると決意した彼女に災厄が降りかかったのは一旦諦めて汗でも流そうかと踵を返した時だった。
光と闇が混じり合いすべてが橙色の影に染まる逢魔ヶ時だと言うのが災いしたのか、彼女は地面に蹲る一匹の化け物と眼を合わせてしまったのだ。
まさに影が凝固したかのような真っ黒な体表の、犬とも猿とも付かないその体躯。
片目に突き刺さった剣を引き抜こうともせず塔の屋根から天を見上げていたそいつは、ロングビルのことを認めると落ちるようにして塔から降りてくる。
その黄金の瞳に睨み据えられた瞬間、ロングビルは死んだと思った。
理由の分からない嫌悪感に押しつぶされそうになり咄嗟に杖を振るった。
唱えるのは自分がもっとも信頼するゴーレム作成の魔法。
影の化け物に相対するように地面から巨大なゴーレムが立ちあがり、そして……
「え?」
ロングビルの呆けた声が響く、ゴーレムはそのまま踵を返すとその術者自身に向かってその拳を振りおろしたのだから。
だがロングビルは自分自身の作りだしたゴーレムに潰されて圧死しなかった。
気づいた時にはロングビルは一人の少年の腕の中で御姫様だっこで抱えあげられていた。
「え、な、なに、誰だいあんた!?」
どこかで見たことがあるような気がしたが思い出せない。
ロングビルが瞬く間の間に起きた信じられない出来事の連続に戸惑っている間に、少年はロングビルに当て身を食らわせる。
ロングビル――マチルダ・オブ・サウスゴータは薄れゆく意識のなかで確かに聞いた。
「どうか“こちら側”ではテファと元気で……」
(ガキのくせになんて悲しそうなもの貌をするんだい……)
そんなことを思いながら、マチルダは意識を失った。
支援
マチルダが意識を失うと同時に崩れ始めるゴーレム、だがそのゴーレムの体表を侵食するように影の化け物が触れた場所から“影”が広がっていく。
それはまるで土と言う虫を数多の蟲が食らって穴だらけにしてしまうようにも見えた。
彼は――サイトはそれをただ辛そうな顔で眺めている。
数秒後、そこには巨大なシャドウを引き移したかのような黒い巨人が立っていた。
サイトは息を吐くと右のポケットから拳銃を取り出した。
ハルケギニアでは場違いな工芸品と呼ばれるその銃は、別の世界で“平和の作り手”と名付けられた名銃だ。
やはりギーシュの影と闘った時のようにそのシリンダーに一発だけ弾を込め、何処に入っているのか分からないように回転させ、自分の頭に突き付ける。
そして目を堅く閉じ、震える指で引き金を……
「ウインドブレイク!」
突然巻き起こった爆発に、サイトは引き金を引くのを踏みとどまった。
視界の端に映るのは桃色のブロンドを翻した一人の貴族の少女。
杖を振りかざすその姿に堪らない懐かしさを感じ、サイトは思わず声を上げそうになったがそんでのところで踏みとどまった。
自分にはその資格がない、少なくともこの“自分”には……
ふと見てみるとハンマーが叩こうとしていたのは唯一先ほど実弾を込めた薬室で。
「また、救われちまったな」
天に輝き始めた二つの月を眺めながら、サイトはそう呟いた。
せっかく決死の覚悟をして向かっていったのに拍子抜けするほどあのシャドウはあっさりと去って行った。
こちらの世界ではペルソナはほとんど力を出せない、だから使ったのはただの失敗魔法。
爆発させることしか出来ない出来ない出来そこないの系統魔法だったと言うのに。
取り残されたゴーレムはまるで熟れすぎた肉が腐り落ちるようにぐずぐずと崩れ落ち、後には気を失ったミスロングビルを抱えたサイトと言う平民だけが残された。
「これは一体、あんたは……?」
まともに話したこともないはずなのに狂おしいほどに既視感を感じさせる青い服装の少年――スケベでお調子者でけれど大切な……あり得ない筈の記憶がいくつもフラッシュバックし、ルイズは吐き気に口を押さえた。
「俺はただの平民さ、それだけだよ」
「嘘よっ!」
聞いている者すら不快にさせる、明らかに嘘と分かる言葉。
ルイズは堪らず癇癪を爆発させる。
まるで大事に大事にしまっておいた宝物を奪われ、その記憶すら誰かに持っていかれたみたいにじりじりと心が乱れる。
何も失くしていないはずなのに、何か大切なものを奪い去られてしまったようなそんな感じ。
(あれ? この感じ前にどこかで……)
「おーい、待っておくれよルイズー!」
そんな風に考えていたら、後ろからギーシュやキュルケたちが追い付いてくる音が聞こえた。
それがきっかけとなったのか、サイトは床にロングビルを横たえるとルイズに向かって背を向けた。
「出来るなら全部忘れてくれ、お前が感じているのは全部ただの幻だから」
そう言って去っていく背中を、ルイズはただ見送ることしかできなかった。
サイトは去っていく、一体彼は何者なのか? あのシャドウとの関係は? そして一体どうやってテレビのなかに入ってきたのか?
ただ深まりゆく謎だけをルイズに残し。
二つの月光が夜を照らし、今宵もまた霧がやってくる。
>>888 >>874 で「頭悪過ぎ漫画の劣化コピーなんて読むだけ時間の無駄」
>>877 で「表紙からして古臭い不良漫画の一種にしか見えない」
>>890で「ファンがそんな奴らなら原作もそんな感じなのだろう」
と読みもしないで随分貶されてる様に見えますが
それともこれが貴方の誉め言葉なのだろうか
>>886 支援させて頂くのですよー
おまいら可哀想な子にかまう暇があったらペルソナの人を支援するのが人の道だろうよ。
というわけで支援。
以上です、速度重視なのでいくつか端折ったシーンはWiki掲載後時間ができた時に後々加筆修正で対応しようかと思います。
とにかくまずは時間があるうちに書けるところまで書いて、完結を目指します。
当初の予定とはだいぶ違ってきてますけど、がんばりますのでこんな駄作でよろしければよければお付き合いくださいませ。
乙でしたー。
才人の台詞から、此処とは別のハルケギニア(並行世界?)の人間と思われますが……それが何故ルイズの記憶として存在しているのか。
次回も楽しみにさせていただきますね。
ペルソナの人乙!!
まさかサイトは2のタツヤみたいな存在だったりするのか?
>>902 乙です。
サイトは無駄に思わせぶりな所も含めて完全に罰のたっちゃん状態っぽいなあ。
たっちゃんが最後にはデレたのと同様にこのサイトもデレればいいなと思った次第。
時に、罰っぽいところからひしひしとみんな大好きニャル様の気配を感じますけど
彼の人もとい外なる神の下僕は出てくるのか、楽しみにしてます。
投下お疲れ様です
いや、素晴らしい、これが自分が求めてたペルソナって作品ですわ・・・この伏線具合とか、たまらない。
投下乙でした
888はどうまた肥壺から出張してきたクズだろ
あそこの連中は少しでも人気がある作品には難癖つけて叩きたがるからな
他人が称賛する作品に駄目出しする俺って玄人!とでも思い込んでるんじゃないか?
ID:gVsghIeFには色々言ったけど
>>870 には一理有るんだよ
サイトの替りに別のキャラがきた結果、原作サイトとの性格や能力の違いから様々な変化が発生するのを見るのが楽しくてこのスレ見てるんだし。
召喚キャラ以外のキャラの性格を置き換えたんじゃもうゼロ魔でもなんでもない。
ゼロの使い魔の世界でエンジェル伝説の再現がしたいなら他でやって欲しい。
待て、肥壺といったらまずここが肥壺の中の一掲示板なのだが
870には一分の理もないだろ
クロス先のネタをどんどんパクれ、読んだことない奴にはウケるから問題ない
そしてエンジェル伝説のファンはそんなゼロ魔レイプを望んでるって言ってるんだから
ジョジョ板の住人と同じだな。
朝目新聞のネタ絵レベルの内容でジョジョっぽいことさえしてりゃそれが誰だろうとよさげだものな。
>>870の言うことが間違っているとは言わない
ただ彼は知らん作品を(間違った)思い込みと確かめてもいない
他人からの情報のみで判断した挙句「読むのは時間の無駄」と言い切っている
否定する者は肯定する者よりもより深く理解していなければならない
元ネタを知らないのなら読まなくていいからスルーすべきだったのだ
毒吐きがそんなに気になるのか?
毎日ご苦労様
>>908 それにエンジェルの人と重なるようにして投下したことも評価を落とす
うまく共存できればいいけど、使うネタが衝突するようだとまた問題だな
北野君原作はカメレオンという作品のパクリがらしいけど、多分そうだろうな
小説や漫画の基本はパクリの集合体
いろんな作品のパターンをパクって、組み合わせて新たな物語を形成するわけだ
パクリと言う言葉は、斜め読みの評論家気取りになれる魔法の言葉
パクリ呼ばわりほど意味のないものはない
最「恐」の使い魔書いてる奴はゼロのエンジェルが終わるまで自重しとけよ
他人の褌で相撲をとるな
>>915 ぶっちゃけ共通点といったら「不良モノ」「偶然と誤解から周囲が勝手に怯えてる」
だけだからな
むしろ似てる所を探すほうが難しい
>>916 その共通点である不良モノですら主人公が不良どころか模範生っていう変化球だし
ID:gVsghIeFにとっては不良が出てくる漫画は全部パクリなんでしょ
野球漫画も野球やってるからパクリ
えらくパクリの範囲のでかいヤツなんだよ
ググってみた
確かにエンジェル伝説をカメレオンの亜種だと書いてあるブログは実在したが…かなりの下位だぞ?
普通は上位から読むだろう、jk
そんな事言ったら日本の漫画はみんな鳥獣戯画のパクリだな
パクリではない。
パロディーだ。
とか誰かが言っていたような………。
パロディーですらないと思うが
ジャンルが同じだけだろ
不毛だ……スレが荒れてる
それを言い出したら石器時代の壁画まで遡って(ry
最「恐」の使い魔の人は書くなとは言わないけど少し場の空気を読んで欲しい
ここは>1にもあるとおり「あのキャラがゼロ魔世界にやってきた」話を書くスレであって、あくまでもゼロ魔がベースなんだから
特に今回のようにクロス先のストーリーをそのまま再現、オチまで同じというのはSSとすら言えないと思う
なんというか、悪意的に穿った見方をするとゼロのエンジェルの人の連載が好評なのをいいことに美味しいところだけつまみ食いみたいな?
スル−スル−−−−−−
スルーはやはり風系統なのだろうか
なかったことにするだから虚無なんじゃ?
ルイズが杖振ってるAA張りたくなったけど自重しよう。
今469kBだからそろそろ次スレだし、下手なAAは容量を食ってしまう
風が最強な理由はスルーができるからなのか…
>>931 風のスクウェアの人は最近は原作でもスルーされてるしな。
>>923 不毛だ…先生の頭のように不毛だ…
ってルイズが言ってた
風がスルーというのも妙な話だ、四元素で一番空気なのといえば地属性のはずなのにギーシュ人気あるし
しかし風がタバサなら魅力爆発するからいい風と悪い風があるんだろうなワルドは悪い風
>>932 ワルドの空気さは異常。
3巻でゼロ戦に打ち落とされてから、学院襲撃にちょっとかかわったのを最後にもう登場してないような……
2巻最初のサイトへの態度とか見るに、思想絡まなきゃそこそこ気のいい上司っぽいんだが。
偏在がチートすぎたと判断したノボル神に偏在の存在ごと抹消されたとしか思えん
風スクウェアスペル扱いになったのも、風水複合のタバサが使えないようにって措置なのかも
>>932 戦闘に諜報に暗殺に万引きに覗きに、とあらゆる局面と状況で便利過ぎるからでしょう
確かにチートな能力だったw
敵味方に分かれて自作自演できるし、分散すると1体当たりのパワーがそがれるとかデメリットもなしとか強すぎるw
こんちわ。
本編は最近連投が続いたので少し休んで(楽天の押さえのようにはいかないものだ)
ずっと前に聞いた『ライブラリ』を手慰みに作ってたんだけど、投下しようかしまいか。
微妙にネタがばれちゃうんだよねー…どーしよ。
投下どうぞどうぞ、
このスレに〆に一つ。
>>939 支援したいところだが、あと29KBしかないが大丈夫か?
次スレまで待った方がいいかもしれないと注進する。
ワルド影が薄すぎて原作でもタルブで死んだと記憶が改竄されてた
タイミング的にも微妙なのでまたの機会にしますわ。
本編はアルビオン編+幕間までプロットが出来ているので書くだけ。
お待ちの方はメガリスビーストでも狩りながら待っていてくださいまし。
次のスレッドの2か3でお願いするのです
そーすりゃ阿呆の来週を掣肘できるし できるよ・・・・ね? できたら良いなぁ
偏在以上にワルドが強すぎたからな
偏在はたくさん作るとその分魔力を消耗するとか、3人目とか3の倍数の偏在はアホになるとか制限を作ればよかったのに
>>939 ネタバレが気になるなら、ネタバレにならなくなるくらい本編が進んだときに投下すればいいのでは?
下手ァうつと遍在は遍在で休めば体力&魔力回復可能っぽかったから。
ナルトの分身修行並みの卑怯さ爆発
因みに「偏在」でなくて「遍在」な
遍在の数をxとして、一人あたり(本体含む)1/xの攻撃力、とかやれば…
さようでござる
亀レスだけど、
>>831 タロウに出てきた蔦怪獣バサラの回もトラウマ。
ストリウム光線を受けて死んだかと思いきや
少しの間だけ復活してお寺をぶっ壊したり
赤ん坊のような泣き声あげたり。
その通り
偏在を動かしてる間、本体はほとんど動けないとかか?
実際よく頭の中で動きが混乱しないもんだと思った
メイジとして相当強力な部類に入るはずのタバサとの間にすら越えられない壁がある奴だからな。
かといってカリン様ご出陣なさるともはや後は2倍界王拳が4倍8倍のハイパーインフレの流れ。
「なんかもう全部ワルドでいいじゃん」「ていうかカリン様いれば誰も要らなくね?」
まあ出番がないせいでその実力が勝手に上方修正されて噂になってるのかも知らんが。
怪我の影響で魔力ダダ漏れになって風石を持ってないと魔法が使えないってしたらどうだろう
遍在も持つ必要があって風石切れたら遍在消滅とか
おk、次スレを立てるのに挑戦してくると同時に投下を試みます
>>954 独立した思考を持っているらしいからその心配はないと思う。
ただそうなると仲間割れならぬ一人割れの危険が……
そのあたり考察スレで以前話題になったはず。
きゃあ、じぶんごろし!
遍在「きゃあ、自分殺し!」
遍在「やめろよ、自分同士のあらそいはみにくいものだ」
遍在「精神力がへると気が荒くなるんだなあ」
X−MENのマルチプルマンは皆「自分が分身」という自覚を持ってたから偏在も
そういうのでない?
もっともマルチプルマンは仕事の徹夜明けに帰宅したら分身の一人が家から出てきて
妻に「夕べはスゴかったわ」とか言われたけど
スレ立てご苦労様。
でもなーんか投下と同時に騒がしい感じになってるねぇ…。
×立てると同時にスレ立てしたんですが……すいません、不手際であれなことになってますね
○立てると同時に投下したんですが……すいません、不手際であれなことになってますね
すいません、どうもあせりすぎてるようです
>>963 お疲れ様
しかし酷いことになってるな…
>>952 俺もバサラの回は本気で怖かった。
トラウマになったのでは似たようなのでワイアール星人、夜道でいきなり襲われて怪物にされたり
電車で隣に座ってる人が振り向いたら宇宙人だったなんてどうよ
しかしなんで植物系の怪獣はケロニアやアストロモンスといい吸血鬼系が多いんだろう?
>961
ワルドさんも青いからな
髭も生えているし
スレが立ったらちゃっちゃと埋めるのです
んじゃ埋め代わりに質問したい、
瀬川の他に、自分から率先してアルビオンに手紙回収に行った被召喚者っていたかな?
ご立派は率先して行ったと思う
>959
分身魔法を使ったら
分身同士で痴情の縺れから一人割れを起こしたという話なら
虚神のクロス元でヒロインがやらかしてる
さすがご立派
自分の知る限りいないはず
人のいい使い魔は新境地を開拓したんだと思うが。
偏在がまた偏在を使ってその偏在が偏在を使ってを繰り返せば無限に増えるんじゃね?
ご立派 が先でしたか
ああっ女神さまっのちびウルドみたい
寄生獣のミギーとか(あれはただの分裂か)
>>975 101人ワルド大行進
イヤァァァァァァゼロ戦の20mm機関砲で掃射したい
500kbまたは1000getだったら殺伐としたこのスレにあの人が召喚。
>>967 実際に生き物の体液を吸う植物がいるからじゃね?
981 :
新スレ32:2008/08/05(火) 19:49:38 ID:iuFDK+qL
薦められたこともあるし埋めがてら書いてみる。
今回の提督で気になったのが前回ラストでシェフィールドが何しに来たのか全然解説が無かったこと。
今回のコピーたちの態度・行動や前回指輪持ってるのを強調してたことから元々ミスリード狙いだったのは分かるし、
時期的に既にジョセフは真実を知ってるはずだからジョセフの名代として交渉に来たんだろうと想像は出来るけど、
それについての解説が全然無いからどうしても『結局何しに来たんだこいつ』と言う印象が拭えないんですよね。
それはそうと道化三人がいらんことしなかったらどういう筋書きで進むはずだったんでしょうかね。
>>967 ワイアール星人はほんと怖いよな
やっぱ怪獣よりも人間サイズで色々してくるのは怖い
>>981 ガーゴイル動かすためじゃないの?
一番怖いのはウルトラQのケムール人だろjk
>>981 30話の後半
《ガリア王の言葉は真実だ》
の後あたりに、シェフィールドとヤンのセリフでも有れば
29話ラストのネタバラシになるのに、
なにもないから29話と30話の行間を想像で埋めるしかない。
自分もちと気になりました。
>>984 偏在が偏在を使っても精神力を消費するのは偏在だから大丈夫なんじゃないの?
単純に偏在は偏在を作れないでいいんじゃない
遍在が遍在を作るとワルドじゃなくてワルトになったりワハドになったりウルドになるんでダメなんだよ。
誰かが言ってたけど、
ナルトの影分身のように、それぞれの遍在に精神力が等しく分割される方が納得行く。
ギトーが遍在使った場合、精神力使い切った役立たずメイジ×2ができあがるとか。
>>989 ネギまの出来損ないの式神ネギを思い出した。
ウルトラネタならやっぱ
「使い魔使いとルイズ」あたりが見たいな
ワルドの遍在の遍在がウルドになるのか
変態紳士なワルドだったら、喜びそうだなw
あるいは繰り返していくと、段々自我が保てなくなって終いにはエクトプラズムになるかスライムだな
遍在は、個々が独立した意思を持つのに、全体で知覚の
共有とかできるよな?
大人数を展開すると共有部分へのアクセスがボトルネックに
なって分身できなくって混乱するとか。
995 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 21:27:14 ID:hTJ/1oN4
>>991 段々雑な遍在や髭とかのデザインが明らかに違う偏在が出来るんじゃ……
最終的には『ワルドを探せ 最終ステージ ワルドの国』
50人のワルドが甘い言葉をかければルイズなんてイチコロです
>>994 使い魔との知覚共有と似たようなもんだと思うけど…
しかしまだこっち1000逝ってなかったのか…
MtLのワルドを思い出したな
1000なら次スレに行く
1001 :
1001:
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。