あの作品のキャラがルイズに召喚されました part150
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part149(前スレ)
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1214579774/ まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/ 避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/ --------------------------------------------------------------------------------
_ ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
〃 ` ヽ . ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
l lf小从} l / ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,. ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
((/} )犬({つ' ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
/ '"/_jl〉` j, ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
ヽ_/ィヘ_)〜′ ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
--------------------------------------------------------------------------------
_ ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
〃 ^ヽ ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は
J{ ハ从{_, 本スレへの投下で問題ないわ。
ノルノー゚ノjし ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず、
/く{ {丈} }つ 本スレではなく避難所への投下をお願いね?
l く/_jlム! | ・クロス元が型月作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
レ-ヘじフ〜l ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。
--------------------------------------------------------------------------------
,ィ =个=、 ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
〈_/´ ̄ `ヽ ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
{ {_jイ」/j」j〉 ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
ヽl| ゚ヮ゚ノj| ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
⊂j{不}lつ ・次スレは
>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
く7 {_}ハ> ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
‘ーrtァー’ ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。
3 :
MtL:2008/06/30(月) 22:24:48 ID:kcVNTPEW
>>1乙です。
それではとりあえず、35分あたりを目処に投下したいと思います。
>>1乙
150ってSUGEEEEEEEEEEEE
150といえば某元薬剤師が思い浮かぶ俺ガイル
あいつ今何してんだろ。
8 :
MtL:2008/06/30(月) 22:36:53 ID:kcVNTPEW
マジシャン ザ ルイズ 3章 (37)ガリアの女王イザベラ
「何を……」
かすれた声で、喘ぐように女王が呟く、最初は弱く、次は強く。
「何を言っている!?」
月光の下、吠え猛る氷と静謐なる氷とが交錯する。
イザベラは燃え立つ怒りの形相で、跪いたタバサの襟首を両手で掴むと、締め上げるようにして彼女を立ち上がらせた。
「どういうつもりだと聞いている!? 答えろシャルロットッ!」
顔を真っ赤にし、握った拳を震わせているイザベラに、タバサは臆することなく言葉を返した。
「城に人がいないのは夜間警備での被害を少なくするため」
「……違う」
思わぬ言葉に、イザベラがその身を一瞬堅くする。その瞬間、タバサはたたみかける様に言葉を重ねた。
「殺したのはアルビオンの放った魔物」
「…違う!」
「楽しんでなんかいなかった」
「違う!」
「カステルモールを牢に繋いだのは、そこが王族しか知らない安全な場所だったから」
「違うっ!」
「彼に嘘を教えたのは、生きる気力を持たせるため、自分を殺させるため」
「黙れっ!!」
「黙らないっ!!」
荒々しく顔を引き寄せたイザベラが、タバサの首元を万力のような力で絞めながら激しい怒声をあげると、負けじとタバサも普段では考えられないような声量で声を振り立てた。
「あなたは自分を殺させて、それで全てを清算しようとしている! 全部が全部、死ぬことで終わらせようとしているっ!」
思うがままを、叫んでみてから驚いた。
母が心を狂わせる毒を呷って以来、タバサはこのような大声を出すのは初めてだった。
「全てお前の妄想だ! 証拠も根拠も何も無い! 勝手にお前がそう思っているだけだ!!」
負けじとイザベラも、尖った声で吠え立てた。
そのことが、タバサにますますの確信を抱かせる。
もしも本当にただの思い違いであったならば、イザベラはこんな風に怒鳴ったりしない。いつものように冷笑を返し、いつものように嘲笑を浴びせるだけだ。
その思いが、ますますタバサを奮い立たせた。
「そうです……」
譲らぬ二人、視線をぶつけ合う二人に、割り込んだのは新たなる第三者の声。
二人がそちらに目を向けると、開け放たれた扉の前には、カステルモールが幽鬼のように立っていた。
「シャルロット様、……それはシャルロット様の思い込みに過ぎません……、その女は……イザベラは、あなた様を何度も殺そうといたしました……。その女に、何を言われたか分かりませんが、信じてはなりません……。信じてはなりません……、
殺すのです、そして王権を正しき者の手に……」
ずるずると、体を引きずるようにして二人に近づいてくる。
その表情は困惑と深い嘆きの色で染まっている。この実直な騎士は、タバサの考えていることが分からないのだ。
だからタバサは彼をきっと見返して、思いの丈をぶちまけた。
「家族を……、家族を信じるのは悪いこと!?」
支援だ!!
とんでもない箇所で前回は切られてたな…MtL支援!
12 :
眠りの地龍:2008/06/30(月) 22:40:30 ID:M/K+HIhG
大変申し訳ありません、家庭の事情で今夜の投下は見送りになりそうです。
明日か明後日にまた出直してまいります。
ちょっとガタノゾーアに食われてきます……orz
と、支援。
13 :
MtL:2008/06/30(月) 22:40:47 ID:kcVNTPEW
本当に欲しかったもの。
それは家族。
みんなが幸せで、みんなが笑っていて、誰も泣いていない、そんな家族。
成したかったものは、復讐なんかじゃ決してない。
本当に取り戻したかったものは、家族なのだ。
そして、タバサの中で、家族の中には彼女も、イザベラも含まれる。
彼女はたった一人の従姉なのだから。
そのことを、タバサはいつかの夢の中で、はっきりと理解したのだ。
タバサの言葉に、イザベラとカステルモールが口を開けて唖然とした顔になる。
その意味を最初に理解したのは、カステルモールだった。
それは、冷水を浴びせかけられたような気分だった。
そう、自分にとっては簒奪者の娘、王にそぐわぬ無能者。それでも彼女にとっては、シャルロットにとっては、イザベラはたった一人の従姉妹なのだ。
そして、自分は彼女に肉親を殺せと言ったのだ。
カステルモールは顔をくしゃくしゃに歪めて、同じ色の髪をした、二人の少女を見た。
触れれば折れてしまいそうな細い手足を見た、その幼さの残る体を見た、本当ならただ笑っていることが許される年頃である顔立ちを見た。
そんな娘に、自分は肉親を殺せと言ったのだ。
罪深い、なんと罪深いことであろうか。
「ああ……何と言うことだ」
カステルモールは自分の愚かさを悟り、手で顔を覆って涙した。
「家族? 家族だって……ふざけるんじゃないよっ!」
今度はようやくタバサの言ったことを理解したイザベラが、罵声を浴びせかけた。
両手は襟首を掴んだまま、その顔を触れあうほどにタバサの顔に近づけて、その目を刺すようにして睨み付けた。
「あたしに家族なんていないっ! 父上は私を家族だなんて一度も思わなかった! 私には最初から家族なんていない!」
「……だったら私が、あなたの家族になる」
「うるさい! 黙れ!」
イザベラがその手を離し、一歩、二歩とその身を下がらせる。
「そうか! 同情か! 家族を失ったかわいそうな私を、恵まれたシャルロット様は哀れんで下さるって訳だ。 はっ! 良いご身分だねぇ!」
そう言って、イザベラは髪が乱れるのも気にせず、頭を振り回して掻き毟る。
その様子を見たタバサが手を伸ばすと、すかさずイザベラがその手を払った。
「私に触れるな! 同情なんてまっぴらごめんだ! 何が家族だ、何が杖を捧げるだっ! お前は自分を犠牲にして、良いことをした気分に浸っているのかもしれないが、わたしはそんなこと望んじゃいない!」
支援
この男(カスモステール)、堕ちたっ! 支援。
支援
17 :
MtL:2008/06/30(月) 22:44:42 ID:kcVNTPEW
手を振り払われ、激語を浴びせられたタバサが、傷ついたようなショックを受けたような、そんな顔を見せた。
「ははっ、いい顔だ! その顔が見たかったんだよ!」
――ああ、臭い。
「私はお前なんて必要としていない!」
――なんて臭いんだろう。鼻が曲がりそうだ。
「お前なんて死んでしまえば良いと思ってるっ!」
――自分が発している臭いに、気が狂いそうだ。
「お前のその態度が気に入らない!」
――これは、いつのころからか、ずっと自分につきまとってきた悪臭だ。
「お前のその目つきが気に入らない!」
――劣等感の臭いだ。
「私は、お前の全部が気に入らない!」
――私がシャルロットに感じている、劣等感の臭いだ。
叫びを繰り返すごとに、イザベラの目に涙が滲んだ。
物心ついた頃にはすでにシャルロットと比較されていた。
父親に似て何でもそつなくこなすシャルロット、父親に似てくずで愚鈍な自分。
その上で、シャルロットは自分にないものを、たくさん持っていた。
シャルロットが当然のように享受しているものを、自分は望んでも決して手にすることはできなかった。
誕生日、一度として父は自分を祝ってはくれなかった。
ブリミルの降臨祭、父はいつも狩りに出かけていた。
初めて魔法を使った日、父は「そうか」とだけ返して直ぐにチェスに戻ってしまった。
認めてもらいたくて、努力した。
魔法の勉強もやった、習い事だってきちんとこなした。
しかし、そのことを褒められることは誰からも、一度としてなかった。
そうして時間を過ごすうち、いつからか、周囲に期待を抱かないようにするようになった。
そして、周囲は私に何の期待も抱かなかった。
暗く重たい感情は、私の中で吐き出されることなく、心の奥底に黒いどろどろしたものとして鬱積した。
それが、劣等感。
分かってる、こんなものは馬鹿げてる。
でも止められない、これまで溜まりにたまった感情が、濁流となってシャルロットを打ち据えようと流れ出そうとする。
劣等感が叫ぶ、シャルロットに同情されるくらいなら死を選べと、いいや、殺してそのうさを晴らせと。
手を払われたタバサは、少しの間じっとイザベラを見て、それから段差を踏み越えて更に一歩、歩を進めた。
「私が憎いなら、殺したいなら、殺せばいい」
イザベラは、そう言って拒絶したにも関わらず伸ばされたタバサの手を見て驚いた。
そしてその真意を測るようにカッと目を見開いて、人でも殺せそうな双眸でタバサを睨め付けた。
その目にも怯まず、タバサは言った。
「でも考えて……、あなたが本当に欲しいものは何?」
「……何、?」
「私はあなたに与えるんじゃない。私の望むものは、あなたがいなければ手に入らない。そして、あなたが望むものとわたしが望むものは、きっと同じはず」
そう言って真っ直ぐに見返してくるタバサ。
その目は、嘘偽りなく、彼女を、イザベラを求めていた。
>>12 旧神(ティガ)は!!旧神(ティガ)はいないのか!?
と支援
20 :
MtL:2008/06/30(月) 22:49:04 ID:kcVNTPEW
イザベラは差し出したタバサの手を恐れるようにして、自然と一歩体を退いた。
「私の……何が……」
……何が分かる。
ちくしょう。
誰にも分からないと思っていた。分かるはずがないと思っていた。
だが、誰にも分かってもらおうとしなかったのは誰だ?
そんなの決まってる
自分自身じゃないか。
いつだって時間はあった、誰にだって言えた。
でも、それをしなかったのは自分自身だ。
「分からない。……だから、教えて欲しい。それだけじゃなくて、私のことも分かって欲しい」
手を伸ばしているタバサの顔を、もう一度イザベラは見た。
先ほどは気づかなかったが、その瞳は不安に揺れていた。
それを見てイザベラも気がついた、シャルロットもまた、恐ろしいのだと。
そして、うつむいてもう一度考えてみた。
自分が本当に欲しかったものは何かを考えてみた。
下げた顔をそろり上げて、もう一度シャルロットの顔を……
――?
思うより先に、体が動いた。
「こんのっ、馬鹿っ!」
イザベラがドレスの裾を翻し、タバサに向かって飛びかかる。
タバサはその突発的な行動の、意味が読み取れず、目を丸くしている。
そして、飛び出したイザベラがタバサの胸を力一杯突き飛ばすと同時、
血風が舞った。
「……あ、」
突き飛ばされたタバサは見た、イザベラの腹部が赤く裂けたのを。
「……ああ、」
尻餅をついたタバサは見た、自分の体に降りかかった赤く暖かい液体を。
「……あああ、、」
駆けつけたカステルモールを押しのけてタバサは見た、赤く広がっていく染みを。
「……ああああ!」
イザベラ様支援。
sien
sine?
24 :
MtL:2008/06/30(月) 22:52:52 ID:kcVNTPEW
「ヒ、《ヒドゥン・スペクター》!? そんな、まだ残っていたのか!? 」
カステルモールの驚く声、、しかしタバサは気にも留めずに必死の思いで倒れたイザベラへと駆け寄った。
ぐったりとして気を失っているイザベラの傷は、誰が見ても分かるほどに重傷だった。
傷の深さは内臓に達するほどで、その証拠に血に塗れた傷口からは臓物が覗いているのが見える。
急激な出血にその顔色から急速に血の気が失せていくのが分かる。
王国の暗部で活躍した北花壇騎士七号であった彼女は、こんな光景を幾度も目にしてきた。
だが、この時この場所で、タバサは明らかに平静を欠いていた。
タバサはイザベラの傷口を手で押さえ、懸命にそこから血、あるいは命が流れ出すのを留めようとした。
無論、そんなことをしても何の効果も無いことなど、普段のタバサなら直ぐに思い至るはずである。
けれど、彼女は今、目に涙を浮かべて、年相応の素顔で、突然に降りかかった悲劇に抗う術を持たずに身を晒していた。
彼女の中で繰り返しフラッシュバックするのは、あのサン・マロンの『実験農場』での光景。
待っていろシャルル!おれも今からそちらにいくぞっ!
突然せり上がってきた吐き気を、タバサは歯を食いしばって押さえ込んだ。
そして、目に焼き付いたジョゼフの末期の姿と、目の前のイザベラの姿を重ねて、唇をわなわなと振るわせた。
一方でカステルモールは杖を構え、出入り口である扉の方を注視していた。
先ほどまで呆然としていた様子などつゆほども感じさせない機敏な動作である。
しかし、彼の表情はこれまで以上に厳しいものとなっていた。
「……、十体……、いや、それ以上、?」
彼が呟いた言葉の意味。それは目の前現れた驚異を分析したものであった。
開け放たれた扉の前、その床を傷つけている無数の爪。この宮殿のどこに潜んでいたかも分からないその数は、確実に両手の指を超えるだけいた。
それらがあるいは円を描き、あるいはその場を繰り返し繰り返し、あるいはゆっくりと床に爪痕を残して動き回っている。
その様子はまるで、獲物を前にして舌なめずりをする猛獣のようであった。
誰かが泣いている。
胸を締め付ける子供の泣き声が響く。
こんな場所で、どこの間抜けが泣いているのだろうか。
どこのどいつだか分からないが、猛烈に蹴り飛ばしてやりたい。そう思ったイザベラは泣き声の主を探してみることにした。
闇の他に何も無い、空虚な世界。
そんな場所で湿っぽく泣いている奴を、あまりにうざったいと思ったからだ。
そうしてやることを決めると、彼女は小さな声を標にして近づいていった。
ルールじゃないけどマナー上しておく方が良い事・システム上の注意事項
投下時はタイトルをコテハンとする、トリップ推奨
予告でクロス元他必ず説明する(一発ネタ等でばらすと面白くないならその旨明示)
※過去「投下してもいい?・投下します」等の予告から
最低の荒らし投稿を強行した馬鹿者が居たため同類認定されるリスク極大
1時間に一定量超える投下は「さるさん」規制に遭うので注意
連投規制には有効な支援レスもこれには何の役にも立たない
文章量(kB)と分割予定数の事前申告をしておけば、規制に伴う代理投下をしてもらいやすい
投稿量カウントも規制も正時(00分)にリセットと言われている
他スレでの実験により規制ボーダーは8.5kBらしいという未確認情報あり
支援
27 :
MtL:2008/06/30(月) 22:56:51 ID:kcVNTPEW
幸い、イザベラは直ぐに声の主の元にたどり着くことが出来た。
そこには床に倒れた人が一人と、それに縋りついてなく少女の姿。
顔は―――闇に隠れて見えない。
(父さまっ……ひっく、ひっく…父さま…)
こちらに気付かぬまま泣き続ける小さな女の子、イザベラはその後ろに無言で立つと、声をかけた。
「悲しいか?」
(うん…父さまが…死んじゃった…どうして、どうしてっ)
「………」
イザベラは顔を歪める、彼女には、少女の気持ちが痛いほどに分かったからだ。
父ジョゼフは良い父親ではなかった。だが、それでもイザベラは父を愛していた。
生きている間はそんなことを言う機会はとうとう巡ってこなかったが、死んでからは、そう思うことが多くなった。
もう一度見下ろした、そこでは泣き続ける娘の姿。
正直、最初は蹴り飛ばしてやるつもりだったのだが、その姿を見ているとその気力も萎えた。
「あぁ、もう。うざったいねぇ、ほら、泣き止め、泣き止めったら」
イザベラはそう言うと、少女を後ろから抱いて、その豪華なドレスの袖口で少女の顔をごしごしと擦った。
(うっ…えっぐ……ひっく…)
女の子がしゃくりあげながら、振り向いてイザベラを見た。
そうして顔を向けた少女は、なんと五年前のシャルロットであった。
「シャル、ロット……」
その姿に思わず体を離して身を退きそうになる。
しかし、その腕を、幼いシャルロットがしっかと掴んで離さなかった。
(一緒にいて…、お願い……)
その小さな少女の願いに、イザベラは動揺した。
そして、再び床に倒れ伏した人影を見たとき、彼女は短く息をのんだ。
横たわっていた人物が一人ではなく、二人になっていた。
二人は叔父と父、シャルルとジョゼフであった。
シャルルとジョゼフは共に手を取って横たわっている、まるで仲の良い兄弟の様に。
生前、二人がそんな仲でなかったのをイザベラは知っている。
けれど、父が、実弟を殺めたことを後悔し、日々を嘆いて送っているのを気づいてもいた。
その二人の姿と、こちらを見上げているシャルロットの姿を見ていると、イザベラも無性に泣きたい気持ちが溢れてきた。
「分かった、分かったよ! 泣いてやるよ! くそっ! 一緒に泣いてやるさ! でもそれが終わったらお前も泣き止め! 私は一緒に傷を舐め合ったりする趣味は無いんだよ!」
イザベラはそう叫ぶと、勢いよくシャルロットの頭を抱き、見栄も羞恥もなく、その場で豪快に声を上げて泣き始めた。
ぽたぽたと顔にかかる滴に、イザベラは目を覚ました。
(――ああ……眠いっていうか、だるい)
体か冷たい、寒いわけではないが冷たい。加えてこの倦怠感、体一つ動かすのも億劫だ。
このまま起きなかったことにしてまた眠ってしまいたい。
「……ぅ、ああ……ひっく、」
だが、耳だけはいやにはっきりとその声を拾っていた。
それは、誰かの泣き声。
イザベラは瞼を動かすのも億劫だったが、その誰かの声がさっきの夢と同じようにうっとうしくて、渋々にその目を開いた。
目を開いて彼女が最初に見たのは、子供のように泣きじゃくる従妹の顔だった。
支援
支援
30 :
MtL:2008/06/30(月) 23:00:50 ID:kcVNTPEW
「……ん、ぁ?」
全く状況が理解できない。
記憶が混乱している。
自分は確か王の間でシャルロットを待っていて、それでその後……
確かシャルロットの後ろから、
急激に血が頭に巡り始める。意識がはっきりする。
同時に体が激痛を知覚した。
思い出した、シャルロットの後ろから何かが近寄ってきていて、それで、自分でも訳も分からぬうちにシャルロットを突き飛ばしたのだ。
「………ごふっ」
口を開いて喋ろうとした途端、自分の意志とは関係なく口から生臭い液体が溢れた。
血だ。
のろのろと首を動かして、自分の体を見た。
激痛の発生源は腹部、真っ赤に染まったそこを、泣きながらシャルロットが両手で押さえていた。
それだけで、何となくイザベラは状況を察した。
自分がシャルロットを庇ったこと、代わりに怪我を負ったこと、それが口から血を吐き出すくらい深いものであったこと。
そして、その所為でシャルロットが泣いていること。
ぽろぽろ、ぽろぽろと滴が落ちる。
あの無表情だった従妹が、自分の為に泣いている。
シャルロットの言葉に偽りはない、彼女は、本当に自分に家族になって欲しいのだと、その滴の暖かさが伝えていた。
二人の隔意を、涙が橋となって受け渡しした。
踏み出すならば、今しかない。
今度は、自分が勇気を持って踏みだそう。
「っ!、……泣くな、シャルロット」
「……っ!……っ!」
「良いから、泣き止め」
放っておくと喉の奥からせり上がってくる熱い固まりを、無理矢理に飲み込んでイザベラが言う。
「泣き止め、手をどけろ……良いから」
タバサはいやいやと首を振りながらイザベラの腹を押さえているが、彼女はそれを弱々しくも、さも迷惑そうに手で払う動作をした。
「全く……お前って奴は……」
イザベラはそう呟いて、すうっと一息、息をうと
「しゃきっとしろ!」
叫んだ。
「いいか、お前が泣いてたってどうしようもないんだ! そんなことよりできることをしろ! 迅速に! 速やかに! 使命を果たせ!」
タバサの体がびくりと震える。
その手を今度はイザベラが、夢の中でシャルロットにそうされたように、がっちりと掴んだ。
「あたしをこんな目に合わせたトンチキをぶっ倒せ! それがあたしの妹になるってことだ! 分かったかこの…、ごぶっ!」
叫びの最中で血を吐いた。
しかし、その意味は十分にタバサに、いや、シャルロット・エレーヌ・オルレアンに伝わった。
血まみれで、死にかけで、それでも少しも損なわれぬ自信に満ちた瞳が、雄弁に物語っていた。
『お前は私の妹なのだから』、と。
31 :
MtL:2008/06/30(月) 23:04:17 ID:kcVNTPEW
タバサは涙を拭いて立ち上がると、振り返ってイザベラに背を向けた。
「三分我慢して」
タバサがそう言うと
「二分でやれ」
イザベラが返す。
「分かった」
伝説が始まる。
「シャルロット様! お下がりください!」
カステルモールから制止の声が飛ぶが、気にしない。
圧倒的な戦力差と体中に突き刺さる殺意、気にしない。
前方に十体以上いる、見えない魔物しか、気にしない。
今なら何でもできそうな気がした。
先ほどまであれほど苦戦した魔物に、全く脅威を感じない。
イザベラの傷を完治させる回復魔法も、難なく使えそうな気がする。
今ならなんだって、できそうな気がする!
杖を振って呪文を唱える。
一度も使ったことのない、けれど識っているその呪文は、恐るべき早さと精度をもって完成した。
「!」
現れたるはタバサの虚影、その数は三つ。
『偏在』
風のユビキタスによって実存をもったタバサがそれぞれ、詠唱を開始する。
同時に異変を察知した《ヒドゥン・スペクター》が扉の前から散り散りになりながら、それぞれがタバサに襲いかからんと地に爪を立てた。
だが、それより先に呪文は完成する。
背後にいたカステルモールが目を剥いた。
タバサが唱えたその呪文、それは先頃自身が唱えた呪文と同一。
――しかし
タバサの呪文に応えて、中空に姿を現したのは氷の槍。
けれど、タバサが普段使う『アイス・ジャベリン』とは大きさが異なる。
ジャベリンのそれが手槍だとするならば、今彼女の前に精錬されたそれは、言うなれば騎兵の突撃槍。
しかもそれが一本ではない、無数の無数の無数の無数の――尋常ではない数の『アイス・スピア』。
視界を埋め尽くさんばかりの氷の槍。
その展開された物量たるや、数にして百二十八本。
それらが一斉に射出・激突・破砕・爆散、大音響。
天井に、壁に、床に、あらゆる場所を破壊し、砕け、更に刃の破片を撒き散らす。
氷塊によって生み出された冷気が周囲を覆う。
姿が見えぬならば広範囲攻撃を行うのが適切、当たり前の理屈。
タバサはその当たり前を実行したに過ぎない。
覚醒ktkr支援
半径20メイルアイス・スプラッシュ支援
34 :
MtL:2008/06/30(月) 23:07:36 ID:kcVNTPEW
氷槍の猛雨に《ヒドゥン・スペクター》の何匹かが巻き込まれたが、その多くは攻撃を避けきって、タバサに向かって反撃の刃を奔らせるべく進路を変える。
しかし、それで十分に目的は達せられた、捻出されたほんの少しの時間、――つまりはそれが詠唱の時間。
ドンッという音、風が逆巻きタバサの一人が、迫る来る敵に向かって、砲弾のような勢いで飛び出した。
否、それはまさしく砲弾であった。
その背後には杖を突き出した別のタバサ、彼女の作り出した風の魔法で背中を押され、もう一人のタバサはその身を弾丸として打ち出したのである。
形容するなら人間砲台。
その本命は
『ブ
迫る魔物以上の早さ突撃をかけたタバサが、流れる風に逆らう様に地面に足をかけ、杖を両手で自分の斜め上に向かって突き出した。
そして、全力全開で魔力を放出
レイドッ!』
瞬間、王の間の何もかもを巻き上げる、緑の大旋風が出現した。
本来、風の『ブレイド』は、杖に風を纏わせて刃とする呪文である。
それを彼女は全力で放ち 制御せず 力の限り 暴れるに任せた。
爆音と共に周囲の空気全てを巻き込んで渦巻く、風の猛威。
その威力に術者のタバサ自身が吹き飛ばされそうになるが、それを背後から支えるのもまた、風。
矢となって飛び出したその意味は、最効果地点への到達と、反動の相殺。
斜めに伸ばされた緑の尖塔の如き魔法の竜巻、それが城全体を振るわせるような衝撃を伴って天井へと突き刺さる。
つり下げられたシャンデリア、壁に飾られた装飾具、砕け散った氷の固まり、全てを拾い上げて荒れ狂う風、それは術者・タバサの手の延長上。
ならばこそ、そこに巻き込まれたものは、タバサにとってはそれこそ手に取るようにその位置を掴むことができた。
そして仕上げに
『ライトニング・クラウド!』
機会を伺っていた最後のタバサが、紫電の大蛇を空中へと放った。
それはのたうち回りながら正確に、狙い違わず全ての《ヒドゥン・スペクター》を焼き貫いていった。
カステルモールはぽかんと口を開いて、唖然とした面持ちできびすを返して戻ってくるタバサを迎えた。
「あ、……」
あまりの出来事に、言葉が出ない。
あれほど苦戦した相手を、正に一蹴。
過ぎたる力は人に畏怖を呼び起こさせる。
立ち尽くすカステルモールの横を、タバサは無言で通り過ぎていった。
「全く、愚図な奴だね」
彼女はそう毒づくと、気を失った。
――――バッソ・カステルモール「氷の姉妹」
自動発射管制モード支援
か・・・漢!
投下乙でした。タバサ覚醒ktkr!
39 :
MtL:2008/06/30(月) 23:11:31 ID:kcVNTPEW
というところで今日の投下は終了です。
なにやら結構長く続けていたガリア編も、次回で終わりなのですよ。
それでは、ご支援ありがとうございましたー。
このぐらいまで単純化できそうな気がする。
爆発召喚
キス契約
「ゼロ」の由来判明(教室で爆発)
使い魔の能力が明らかに(ギーシュ戦)
デルフ購入
フーケ戦
舞踏会
最近はその流れでいかに飽きない話を作るかに凝りがち
>>16 爆発
平民プゲラ
コルベール問答無用さっさと汁
キス契約
フライに唖然とする
説明はぁどこの田舎者?
何者であろうと今日からあんたは奴隷
二つの月にびっくり
洗濯シエスタと接触
キュロケフレイム顔見見せ
みすぼらしい食事厨房でマルトー
教室で爆発片付け
昼食シエスタの手伝い香水イベント
オスマンコルベール覗き見
ギーシュフルボッコ場合によって使い魔に弟子入り
キュルケセクロスの誘いしかし使い魔はインポテンツか童貞w
ルイズ寝取られの歴史を切々と語る
休日街でデルフ入手 キュルケタバサがついてくる
ルイズが爆破訓練宝物庫破壊フーケ侵入お宝げっと
この段階でフーケは絶対つかまらない
翌朝捜索隊保身に走る教師一同
教育者オスマン犯罪捜索を未熟な子供にマル投げ
小屋で破壊の杖ゲットフーケフルボッコしかし絶対死なない
オスマンから褒章 舞踏会 終わり
途中飛ばすけど、
対7万戦と再召喚(一度使い魔契約が切れ、まっさらな状態からルイズとの関係を再構築)
このぐらいまで単純化できそうな気がする。
本スレに1人か2人の荒らしが登場
「うぎゃああああ荒らしがでたああああ
本スレのやつら民度が低いから触りまくってスレが荒れるにちがいねええええええ」×20
本スレでスルー
「本スレの奴等も少しはマトモになったようだなプゲラ」×5
今までの流れが本スレに貼られる→スルーか一人二人が「肥溜めにカエレ」
「ここを肥溜めとか言う奴は上から目線のお子ちゃま。むしろ俺たちの方が大人」×10
いぬかみ投下
「まったくよー、本スレの奴等、嫌いなSSならあぼーんするかスルーしろってんだよなwwwwww
ちったあ俺達を見習えよwwwwww
・・・ナニ? いぬかみ投下? ぎゃあああああ何でここまで叩いてるのに投下できるんだああああ
お前らもっと叩こうぜえええええ 何? スルー? ここはお祭り好きな奴等の集まりだから良いんだよw」
以後ダラダラと「ぼくののうないのこんごよそうされるいぬかみのてんかいのひはん」×50
以降無限ループ
このぐらいまで単純化できそうな気がする。
本スレに1人か2人の荒らしが登場
「うぎゃああああ荒らしがでたああああ
本スレのやつら民度が低いから触りまくってスレが荒れるにちがいねええええええ」×20
本スレでスルー
「本スレの奴等も少しはマトモになったようだなプゲラ」×5
今までの流れが本スレに貼られる→スルーか一人二人が「肥溜めにカエレ」
「ここを肥溜めとか言う奴は上から目線のお子ちゃま。むしろ俺たちの方が大人」×10
提督投下
「まったくよー、本スレの奴等、嫌いなSSならあぼーんするかスルーしろってんだよなwwwwww
ちったあ俺達を見習えよwwwwww
・・・ナニ? 提督投下? ぎゃあああああまたビッチ談義でスレが埋め尽くされるううううううううううう
お前らもっと叩こうぜえええええ 何? スルー? ここはお祭り好きな奴等の集まりだから良いんだよw」
以後ダラダラと「ぼくののうないのこんごよそうされるていとくのてんかいのひはん」×50
以降無限ループ
今日のNGID:「2gPFEZbg」
157 :削除申請:2008/02/14(木) 20:56:50 ID:kMFXiYvI
管理人様
以下自作品の削除をお願いします。
(本人証明として、自ブログの方も削除致しました)
長編:1編
「ゼロのgrandma」
短編:2編
「色鮮やかな空へ」
「四系統だけど」
色々とご迷惑をお掛けしました。以降、忘却願います。
夜天の使い魔 第一部
夜天の使い魔 第二部
http://rein4t.blog123.fc2.com/
投下乙でした
>>42 荒らしのIDに微妙に似てて泣いた
投下乙でした。
タバサ可愛いよタバサ。
イザベラ様かっこいいよイザベラ様。
……このスレでのイザベラ様の愛されっぷりは異常じゃね?
地龍の人、Aの人かレオの人
サハラに住むでっかいアリジゴクの幻獣を倒しにいくタバサの外伝が見たいす
つ蜃気楼の彼方の町にはブリミル=ノアの石像が…
>38-
>>41何故糞テンプレを繰り返すのか。
MtLの余韻が台無しではないか。
クロスオーバーがどうしてオリジナル展開にばかり従い続けねばならないのか語るくらいしたらどうか。
それにしてもイザベラ様もかっけー。
>>48 荒らしに触らないように御願いします。
レスがついていると荒らしと判断されなくなります。
気持ちはわかりますが御願いします。
50 :
くろありー:2008/06/30(月) 23:44:48 ID:7IWHPYmd
地竜の人が予約してますよね。
その次に予約させていただきまする
地竜の人は予約を撤回していますから進路はクリアです
>50
地竜の人は家の事情で投下後日になったかと
今日も投下が多くてうれしい限りだ。
あら
じゃあ投下しまする
14話
>>50 地竜の人はガタノゾーアに喰われています。
進路クリアー
「え? あの? すいません。何て言いました?」
そんなことを言う目の前の女性に、理不尽な怒りがこみ上げてくる。
しかし、その怒りがどれだけ理不尽なものか十分に理解している故、彼はその怒りを己の心のうちに留めておく。
結局、彼も現実を受け入れるのことが出来ていないのだ。何にでもいいから強い感情をぶつけて、現実から目を背けていたいのだ。
だが、それはしない。
彼は声と感情を押し殺して言う。
「もう一度言う……マチルダが死んだ」
彼は『土くれ』のフーケの協力者だった。
盗賊稼業に手を貸していたわけではない。フーケがその仕事で稼いだ金を預かり、それを食料品や生活雑貨に変えてアルビオンのウエストウッド村に届けていた。
そこにはフーケの妹分とも言うべき存在がいて、その妹分と、彼女が面倒を見ている孤児たちを養うため。
目の前にいる女性。ティファニア・ウエストウッドこそが、そのフーケの妹分である。
「え? うそ? 何を言ってるんですか××××さん」
ティファニアは何を言っているのか解らないという顔をしている。
事実、その言葉の意味が理解できていなかった。頭がそれを理解することを拒んでいた。
彼は怒鳴りたくなる衝動を抑える。
「事実だ。10日ほど前に、マチルダは死んだ」
マチルダ・オブ・サウスゴーダ。『土くれ』のフーケの本名。
マチルダ自身、長いこと名乗っていない名で、もう名乗る者のいなくなった名前だ。
ティファニアの口からは乾いた笑いが漏れている。
「そんな、××××さん。変な冗談はやめてください。マチルダ姉さんが聞いたら怒りますよ」
ティファニアが信じられないのも無理はない。
彼も信じることは出来なかった。
『土くれ』のフーケが死んだという話を耳にしてから、あらゆる手を尽くして情報をかき集めた。
そのどれもが、フーケが死んだというものばかりだった。
だが、それもマチルダが世間を手玉に取り、死んだと見せかけているに違いないと思った。
きっと、盗賊稼業を辞めてもティファニア達を養う算段がついて、フーケを死んだことにしたのだと。
だが、彼のもとにマチルダが現れることはなかった。
彼はいてもたってもいられなくなり、終に、衛兵の詰め所の死体置き場に潜り込み、フーケの死体といわれるそれを確認した。
黒く焼け焦げたそれは、とてもじゃないが個人を判別できるようなものではなかったが、彼はわかってしまった。
唇が焼け崩れて、むき出しになった歯。少し並びの悪いその歯は、めったに見せないマチルダの笑顔から漏れるそれと同じものだということに。
彼が密かに思いを寄せていたそれと同じものだということに。
「嘘じゃあ、ない。マチルダはもう戻ってこない」
「嘘」
「嘘じゃない。マチルダは……死んだんだ」
ティファニアの口からは、相変わらず乾いた笑いが漏れている。
しかし、それとは別の生き物のようにその目から涙がこぼれていた。
その涙が頬を伝い渇いた口を潤すと、ティファニアの口から漏れるのは乾いた笑いではなく、嗚咽に変わった。
「暫くここにいろ。そんな顔で子供たちの前に出てくるな。あいつらの面倒は見といてやる。それと、落ち着いたら身の振り方を考えろ。あいつから金を預かった分、3ヶ月ぐらいは俺が面倒見てやる。
それを考えられるぐらい落ち着いたら……、あいつがどうやって死んだか、教えてやる」
彼はそう言うと立ち上がり、ティファニアの元から離れていく。
「嘘です……嘘に決まってます!」
ティファニアはその背中に声を飛ばす。
「だって、××××さん、全然泣いてないじゃないですか! ××××さんはマチルダ姉さんのこと……」
ティファニアが最後までその言葉を継ぐ前に、彼は振り返った。
その目には、涙など浮かんではいない。
「……俺はもう泣いた」
それだけ言うと彼はティファニアから目を逸らし、再び歩き始めた。
「あらら。また叱られたわね、ルイズ」
キュルケがからかうように言うと、ルイズの隣へと座った。その隣にタバサも座る。
学院のオープンテラスのテーブルの一つを、3人で囲んでいる。
「うるさいわね。だって仕方ないじゃない。風は最強しか言わないんだもの、あの先生。そりゃあ居眠りの一つもしたくなるわよ」
ルイズはそう言うとだらしなくテーブルに突っ伏した。
ルイズは寝不足だった。
早朝、皆が寝静まっているころに起きると、デルフリンガーを背負って走る。そして、爆発音が他の生徒の眠りを妨げない所まで着くと、デルフリンガーを振ったり、系統魔法の練習をしたりする。
それは夜も行っている。夕食を食べた後、すぐにそれを行う。
そして、それを終え、風呂を浴びた後、寝る前に魔術審議を行う。
就寝時間こそ他の生徒たちと変わらないが、起きるのが早い分、必然的に睡眠時間は短くなる。
「ふあ」
キュルケが欠伸する。
「私も睡眠不足なのよね。睡眠不足は美容の敵っていうけど、アレは美容にいいっていうのよね。アレで睡眠不足だとどうなるのかしら」
「アンタの睡眠不足と私のを一緒にしないでよ!」
「下品」
キュルケの言葉に、ルイズとタバサが突っ込みを入れる。
「私はアンタと違って真面目な理由で寝不足なんだから!」
ルイズが言う。
「ふーん。でも、あんまり根を詰めすぎないほうがいいわよ……タバサも」
キュルケが突然タバサに水を向ける。
タバサはそれに対し、読んでいた本から一瞬目を離しただけだった。
キュルケは、この小さな親友が何か大きなものを抱えていることを、何とはなしに感じ取っていた。
そして、ルイズも。
タバサはルイズのトレーニングに時折付き合うようになった。
初めてタバサがルイズのトレーニングに顔を出したとき、タバサは神妙な顔をして言った。
「もし、あなたの夢の話を話してもいいと思えるときがきたら話して欲しい」
それに対するルイズの返答は沈黙だった。
タバサはシュラムッフェンの恐ろしさを知り、ルイズがそれを話すのを良しとしないことを承知しながらも、そう言った。
言ったのはその一度きり。
タバサにはタバサで、力を手に入れない理由があるのだろう。
ルイズはそう感じていた。
対するタバサは、ルイズとトレーニングするようになって、ルイズには得体の知れない力があると確信していた。
ルイズは幾ら繰り返そうと、魔法を使えるようになる気配を見せない。爆発の命中精度も上がったかと思えば戻りを繰り返している。
しかし、身体能力が尋常から外れたものになっている。
タバサは自分の身体能力にはある程度の自信がある。実践の中で鍛えられた身のこなし、素早さは、並みのメイジでは並ぶ者はいないと思っている。
現にルイズでもタバサには及ばない。
だが、一方で腕力に劣ることも自覚している。単純な力は、どうしても体格に依存する。タバサの体格では身につかないものもあるのだ。
だがルイズは違う。
ルイズとタバサの体格に大きな違いはない。
だがルイズは巨大な剣を振り回してみせる。その膂力はある程度鍛えられた男に匹敵するのではないか。
ルイズの力は決して人間離れしたものではない。だが、ルイズの体格からは十分に離れたものだ。
ルイズは人間の範疇を超えさえしなければその異常性を悟られることはないと思っている。
だが、タバサの目はそれをしっかりと捕らえていた。
ルイズの持つ得体の知れない力。いつか自分も手に入れる。
タバサの友情が必ずしも純粋なものだけかといえば、それは違った。
不純なものだけかといえば、それも違った。
シエスタが紅茶を3つルイズたちの前に並べる。
ルイズはポケットから色とりどりの飴玉の入ったビンを取り出すと、それを弄り回しながらシエスタの手際を眺める。
シエスタは紅茶を並べ終えると、一礼をし、立ち去ろうとする。
「ちょっと、シエスタ。急いでるんじゃなければちょっと寄ってきなさいよ」
ルイズがその背中に言った。
シエスタは振り返るが、少し複雑な、申し訳なさそうな顔をしている。
ルイズはすぐその表情の意味を悟る。
「あぁ、いいのよ、こいつらのことは気にしなくて」
ルイズはキュルケたちを指して言う。
「こいつら呼ばわりはないんじゃなくって、ルイズ」
キュルケがルイズに言うと、シエスタが恐縮する。
「だからってあなたが恐縮しないでよ。ルイズに文句言っただけなんだから。シエスタって言ったっけ? 私に気をつかわなくったっていいわよ」
キュルケはそう言うが、やはりシエスタの表情から恐縮した雰囲気が取れることはなかった。
「別に呼び止めたからって、特に用があったわけじゃないけど……」
ルイズはそう言いながら自分の手元のビンを見る。
「『おやつの時間だから、食べるといいんだ』」
ルイズはそう言うと飴の入ったビンをシエスタに手渡す。
シエスタは小首を傾げる。キュルケとタバサも奇妙なものを見たような顔をしている。
「なあに? 今の。おやつの時間?」
キュルケが言う。ルイズの言葉も口調も、何か奇妙なものだった。まるで何かの台詞を棒読みしているような。
「ちょっと『本』に出てきた台詞を真似しただけよ。そんな変なものを見たような顔しないでよ!」
ルイズが顔を赤くして言う。
「へえ? タバサは何の本か判る?」
キュルケがタバサに水を向けると、タバサは首を振る。
タバサも心当たりはないと言う。
「今度はどんな本なのよ」
「秘密よ」
キュルケの問いに、ルイズは答えなかった。
モッカニアが言った言葉。その調子が妙にルイズの頭に残っていたため、何となく真似してみたくなったのだ。
「あの……」
シエスタが控えめに声を上げる。
「その本の中で、次はその台詞になんて返すんですか?」
シエスタが少し頬を染めながら言う。
「え? えっと……『甘いものは好かん』って飴を返しちゃうのよね。でもシエスタは食べてよね。べ、別に、このビンを空っぽにして別のことに使いたいだけなんだからっ、遠慮することないわよ」
ルイズがそう言うと、
「はい。いただきます」
シエスタはそう言って笑った。
sien
「好きな色の選んでいいわよ」
シエスタが選んだのは黄色い飴玉だった。
「綺麗……」
シエスタはそう言って、飴を日の光で透かして見てから口に放り込む。
「じゃあ、私も空にするのに協力するわよ」
キュルケはニヤニヤと笑いながら言う。
「別に欲しければあげるけど……アンタは赤いのにしなさいよ」
ルイズの言葉にキュルケは首をかしげながら赤い飴玉を取り出す。そして、タバサにもビンを回す。
「タバサは……青い飴玉を選んでもいいわよ」
ルイズが言う。
タバサはその言葉に素直に従い、青い飴玉を取り出す。
シエスタはそれを見て、髪の色に合わせているのか、などと思っていたが、ルイズはピンクの飴ではなく青い飴玉を選ぶ。ちなみにシエスタの髪の色である黒の飴はない。
「あ、なーるほどね」
キュルケが何かを思いついたらしく、楽しそうにニヤニヤと笑う。
「モンモランシーが言ってたわ。思い出した。おまじないっていうか、ジンクスっていうか」
「な、ななな、何のことかしらっ! 私はさっぱりわからないわ!」
ルイズが慌てて、しどろもどろになりながら否定する。
「何でも、赤い飴をなめると小さくなって、青い飴をなめると大きくなる、なんてねぇ」
キュルケは満面に得意げなニヤニヤ笑いを浮かべる。
「し、知らないわ! は、はは、初耳ね! な、何が大きくなったり小さくなったりするのかしら!」
ルイズはさらにしどろもどろになる。
「でも見直したわよ。タバサにも青い飴をあげるなんてねえ」
キュルケはそう言うと、楽しそうに口の中の飴をころころと転がす。
「でも、シエスタにも赤い飴をあげたほうがよかったんじゃなくって? そうでもしないと追いつけないわよ」
キュルケはルイズとシエスタの胸を交互に指差して笑った。
シエスタも思わず笑ってしまう。
ルイズは相変わらず顔を赤くしてキュルケの言葉を否定していた。
タバサはビンを振り、もう一個青い飴を取り出して口に入れた。
「でさあ、シエスタからも言ってやってよ。あんまり根を詰めすぎるなって」
キュルケはそう言うとティーカップを口に寄せる。
「別に、私は根を詰めすぎとかそんなことないわよ」
ルイズはキュルケの言葉を否定するが、シエスタは心配そうな顔をしてルイズを見ている。
「ミス・ヴァリエール。色々あったとは思いますが、無理して体を壊しでもしたら元も子もないですよ」
シエスタはそう言ってルイズの身を案じる。
シエスタは解ってくれない。ルイズはシエスタに案じられたいのではない。シエスタに頼られたい。そしてそれに応えたいのだ。
それなのにシエスタは心配そうな顔でルイズを見ていることが多い。
ルイズはそれを悔しく思うが、かといって、不快というわけでもなかった。
平民に心配されるというのは、ルイズにとっては憤慨するに足るようなことであるが、それがシエスタだったら不思議と悪い気はしなかった。
「それならば、その……」
シエスタはその続きを言いにくそうに、口ごもる。
しかし、すぐ意を決したように口を開く。
「今度私の村に来ませんか? 何もない所ですけど、すごいきれいな草原があって、その……ミス・ヴァリエールが毎朝毎晩、特訓なさってることは存じてますが、一度ゆっくり休むのも、いいんじゃないかって……」
シエスタの言葉は、最初だけ勢いがあったが尻切れに声のトーンが落ちていく。
「シエスタの村?」
「はい。タルブっていうんですけど……ミス・ヴァリエールには、その……いつも仲良くしていただいてますし……何かお返ししたくて……」
シエスタは言葉の途中から顔を赤くして、俯いて言う。
貴族の娘であるルイズを誘うということ自体が僭越であり、しかもタルブは名の知れた観光地でもないただの田舎の村。
シエスタは、普段メイドとしてルイズから声をかけられない限り、自分からルイズに声を掛けることなどなかった。平民から貴族にメイドとしての職務以外で話しかけるなど、無礼といわれてもおかしくないことである。
だがシエスタは、いつも何かと声をかけてくれるルイズに、自分からも何かしたいと思ったのだ。
「な、何言ってるのよ、シエスタ。私とあなたが仲良くしてるですって?」
ルイズの口からそんな言葉が発せられる。
シエスタは思わずルイズのほうをまじまじと見る。
やはり無礼だったか、そう思ったシエスタの目に映ったルイズは、顔を真っ赤にしてシエスタから視線を外しあらぬ方向を見ていた。
「な、仲良くしてるつもりだったら、『ミス・ヴァリエール』なんて呼ばないで、その……『ルイズ』って呼べばいいんじゃないかしらっ!」
ルイズはそう言うと、赤い顔をさらに赤くする。
シエスタはしばらくルイズの言葉が呑み込めないでいたが、すぐに理解する。
「は、はい。ルイズ様!」
だが、シエスタの言葉にルイズは不満そうに口をとがらせる。
「様付けじゃあ、ミスつけるのと変わらないわよ」
「じゃ、じゃあ、ルイズ、さん……で」
シエスタが言うと、ルイズが顔を綻ばせる。
「それでいいわ、シエスタ。じゃあ、今すぐってわけにはいかないから、夏休みとかまとまった休みに入ったら行ってみようかしら」
ルイズはそう言うと、満足げな笑みを浮かべてティーカップを口に運ぶ。
シエスタもルイズの言葉に花開いたように笑った。
キュルケはそれをにやにやと見ていた。
「忠告しとくけど、女同士は不毛よ」
ルイズは思いっきり紅茶を噴出した。
支援
支援
明くる日。
ルイズは相変わらず教室で欠伸をかみ殺していた。
今は火の授業。
だが、教壇の上には誰もいない。
担当教諭のコルベールが時間になっても現れないのだ。
結局コルベールは定時を10分ほど過ぎてから現れた。
何やら見慣れぬ物体をもって。
またか、と教室内のすべての生徒が思う。
コルベールの悪癖。発明趣味。
時折、意味のわからない発明品を持ってきては、それの説明で授業時間をつぶしてしまう。
生徒の中には、火の系統をすでに捨ててしまっている生徒も少なからずいれば、そもそも勉学にそれほど意欲を持たぬ者もいるので、授業がつぶれること自体にはそれほど不満は出ない。
それでもコルベールが満足するまで教室から出れないというのはいささかの不満がある。
「諸君は火の系統の本質を破壊と看做すものが多いようだが、私はそうは思わない」
コルベールが演説を始める。
キュルケがこれ見よがしに大きな欠伸をする。
彼女は火の系統の術者として、コルベールの言葉には真っ向から反対する思想を持っている。しかしそれはキュルケが特別なのではなく、それが火の術者の一般的な考え。
特別なのはコルベールだ。
ルイズも頬杖をつき、退屈そうにコルベールのほうを見ているし、タバサにいたっては、まるで話を聞かずに本に目を落としている。
コルベールの演説は続く。
「……それで完成したのがこの『愉快なへび君』。……こうしてふいごで油を気化させて……するとこの円筒内に……」
コルベールの演説に眠気を誘われたルイズがうとうととし始めた時、突如、爆発音がした。
「ほら見てごらんなさい! 円筒内で気化した油が爆発する力で、上下にピストンが動いているでしょう!」
眠りを妨げられたルイズが恨みがましい目でコルベールを見る。しかし、その眼は徐々に恨みがましいものから驚きの色へと変わっていく。
「それを動力として、車輪を伝って……ほら! ヘビ君が顔を出して御挨拶!」
ピストンの動きがクランクやギアを介して、最終的に不細工なへびの人形がぴょこぴょこと顔を出していた。
感極まっているコルベールを周りの生徒たちは冷めきった目で見ていた。
だが、ルイズは一人、机から身を乗り出さんばかりにしている。
「おお! ミス・ヴァリエールは興味がおありかな?」
コルベールがそんなルイズを目ざとく見つける。
「あの、先生。たとえばそれを使って車輪を回したりすれば……」
ルイズが恐る恐る言うと、コルベールは我が意を得たりとばかりに破顔する。
「そうなんですよ! すばらしい! よく解りましたね! これを使えばいずれは馬を使わない馬車もできると私は確信しているのですよ!」
コルベールは言うが、周りの生徒たちの反応は相変わらず薄い。馬で曳けばいいものをなぜそうしないのか。コルベールの発明品の意義が理解できない。
しかし、ルイズはコルベールの言葉により一層驚く。
『本』をいくら読んでも、魔法権利よりもよっぽど理解できないモッカニアの世界の科学技術。それが目の前で再現されていた。
(これって、モッカニアの世界でいう『エンジン』よね……)
目の前の禿げ上がった教師は、ルイズの思うよりよっぽど凄い人間なのかもしれない。
エンジンなんていうハルケギニアの人間からすれば「まるで魔法」といったものをゼロから作り上げてしまったのだから。
「すごい……」
ルイズの口から思わずそんな言葉が漏れると、近くに座るキュルケとタバサが奇異の目を向ける。
彼女たちはルイズが注目している、という理由でコルベールの発明品に注目した。
「素晴らしい! これの価値を分かってくれるとは! これの使い方次第ではいろいろな物を動かせるはずなのですよ! 馬車も! 船も!」
コルベールのテンションは右肩上がりで上がっていくが、ルイズの言葉がそれを遮る。
「空だって飛べる」
「そう空だって! ……空ですか? まぁフネの推力にすることはできるでしょうが」
コルベールは己の発明品にいろいろな夢を重ねていたが、空を飛ぶというのはその中にはなかった。
「できるわ」
ルイズは言う。
「風石なしでもその『エンジン』があれば空を飛ぶことはできます」
「ほほう」
コルベールは興味をひかれた顔をしているが、ふと首をかしげる。
「その『えんじん』というのはなんですか」
コルベールの言葉にルイズは己の失言を悟る。
「え、ええと、あれです!」
ルイズはあわてて取り繕う。
「その発明品。『トリステインに吹く熱風!』という意味で『エンジン』なんて名前はどうかなぁって思いまして!」
「どこの言葉なのか知りませんが……まあ、名前の候補の一つにしておきましょう」
コルベールはとりあえず『えんじん』という単語についてはそれ以上聞かなかった。
それよりも本題があった。
「で、ミス・ヴァリエール。あなたはこれを使って空を飛ばせる機械のアイデアがあるのですか?」
コルベールが尋ねる。
ルイズは必死に頭の中、『本』で読んだ記憶を辿る。
「そ、そうですね。まず、できるだけ軽い船を作ってですね、それに翼を付けます」
「翼、ですか? これを動力に羽ばたくわけですか……ちょっと厳しい気もしますが」
コルベールが頭の中で様々な試算をしながら言う。
「いや、羽ばたかないんです!」
ルイズは言いながらモッカニアの『本』の中で、最も理解しがたい科学の知識を総動員する。
「『エンジン』はあくまで前に進むための力で、浮くための力は……」
ルイズは指でこめかみを押さえる。
「えーっと、ほら! 斜めにした紙に息を吹きかけると舞い上がるじゃないですか! 翼に風を当てて上に上がる力にするんです!」
ルイズはうろ覚えの知識を総動員して、正しいのかどうか自分でも解らないことを言った。
殆どの武装司書は飛行機の運転ぐらいこなす。整備は者にもよるが、ある程度の原理は知識としてある。それは当然モッカニアも。
だが、ルイズには『ベルヌーイ』という単語が頭に残ってたりするだけで、原理なんて殆ど覚えてなかった。
周りの生徒たちは、何を言っているんだという目で見ているが、コルベールはあごに手を当てて考え込んでいる。
「ヘビ君を風車に……羽は羽ばたかない……角度を……」
コルベールはぶつぶつと言いながら黒板に次々と絵を描いていく。
ルイズはそれを見てまた驚く。
多少寸詰まりな感があるが、モッカニアの世界の飛行機に近いものがそこに描かれていた。
「うむ! これは飛びますぞ! もっと大きな力を生み出せるような改良が必要ですが……。ミス・ヴァリエール! 素晴らしい。素晴らしいインスピレーションをお持ちだ!」
コルベールはそう言うと、おもむろにルイズに拍手を送る。
それは、生徒たちの沈黙する教室にむなしく響き渡るが、キュルケが不意にその拍手に追従した。
それは、8割ルイズを、2割コルベールをからかう為のものだったが、それが伝染した。
タバサがパタリと本を閉じて、拍手しだしたかと思うと、今まで眠っていたギーシュが目を覚まし、よく解らないが拍手する空気なのかなと思い拍手する。
そこから先は加速度的に拍手するものが増え、最後にはルイズ以外の全員が拍手をしている。
「なんなのコレ?」
ルイズは顔を真っ赤にしながらつぶやいた。
shien
ギトーが教室に入ると、万雷の拍手で迎えられた。
というわけではもちろんない。
それはルイズへの拍手。コルベール以外の者はほとんど、そもそも何故自分が拍手しているかも理解していなかったが。
常に陰気な顔をしてて、生徒からの受けも悪いギトーが、珍しく目を見開いて驚く。
やがて、そんなギトーに気付いたのか、ひとり、二人と拍手をやめ、またコルベール一人の拍手に戻る。
それを見るや、ギトーが一つ大きく咳払いをする。
「いったいなんの授業なのか、ミスタ」
その言葉にコルベールが我に返る。
いや、そう言うには不十分なテンションを引きずっていた。
「おおう! ミスタ・ギトー! 私は素晴らしい才能に出会いました! 見てください! これは私が発明した……」
コルベールがそう言って指差す物を見て、ギトーはまたこの同僚の悪癖が発生したのだなと悟る。
困ったものだと、コルベールのことを思うが、ギトー自身も生徒からは困った教師と認識されていた。
往々にして、人は自分が一番困った人間だなどとは思わず、自分のことはいくら悪くても2番目か3番目あたりと思い込むものであった。
またギトーは咳ばらいをし、コルベールの言葉を遮る。
「私の要件を先に言わせてもらっていいかな。……アンリエッタ姫殿下が急遽、学院に行幸されるそうだ。生徒は歓迎の準備をするように、とのこと」
ギトーがそう言うと、生徒たちから歓声が上がる。
生徒たちはそれぞれに服装の相談などをしながら教室を出ていく。
あっという間に部屋にはコルベールだけが残され、彼も少し寂しげに発明品を抱えて教室を出て行った。
「あれ?」
シエスタは頓狂な声を上げる。
「どったの? シエスタ」
同僚のメイドがシエスタに聞く。
彼女たちは授業が終わった後の教室の清掃をしていた。
姫殿下が学院の設備を見たいと言い出すかもしれないので、急いで全教室を清掃しておけとのことだ。
「いや、この絵が……」
シエスタは黒板を指差して言う。
そこにはコルベールの描いた絵が残っていた。
「なんの絵だろね? なんか魔法っぽいあれじゃねーのぉ?」
同僚はめんどくさそうに言う。
「それより手を動かせい、手をぉ。他のメイドはエントランスとか客間だとかに持ってかれてんだ。くっちゃべってる暇はねぇってのよ」
そう言ってシエスタに雑巾を投げ渡す。
シエスタはそれを受け取ると、黒板に描かれた絵を消していく。
(なんか『竜の羽衣』に似てるような……)
そんなことを思ったが、それを口に出すことはなかった。
以上、14話終了
69 :
くろありー:2008/06/30(月) 23:57:13 ID:7IWHPYmd
投下終了です
支援くださった方、ありがとう御座います
まあ、露骨なまでに繋ぎの回です。先の展開のために幾つか複線ばら撒いておこうっていう、作者の意図が透けて見えるいやらしい回。
精進が足りないなと書いてて思った。
補足しておきますと、××××はただの名無しキャラです。
実は誰某でしたなんていう風な伏字ではありません。
ティファニア側の話にはまた出てくるかもしれませんが、ルイズたちとの関わりを持たせるつもりはないので、適当な名前付けるよりいっそ名無しでいいかなって。
もしかしたら気が変わってルイズを背中から刺して鬱エンドとかやるかもしれないけど。まあ、ないなw
あと、××クラゲがメメクラゲになるような改変が彼に起こることもないと思う。
一応、ただのモブキャラ(シエスタの同僚とか)よりは存在感を与えてみたオリキャラなので、説明しておきます
オリキャラが主要登場人物になるとスレ違いになっちゃうので、あくまでちょっと優遇された名無しでしかないと言っておきます
しかし、日常の話を書こうとしてもなんか落ち着かない。
なんか、書いてから「儂の日常は百八式まであるぞ」とかいう声がどこからか聞こえてくるような
あと、ちょっと百合っぽさを醸してみようかなと思ったけど、やっぱり「儂の百合は百八式まであるぞ」という声が……
不慣れな感は否めないなー
しかし不慣れなことをするたびにそんな声が聞こえてくるのは何故なんじゃろー
乙
ティファニアはまだ先かな 本格的な登場は
>>69 GJ
マルチダは生きてる!そんな風に思ってた時期もありましたOTZ
なんか今回の話で本当に死んだんだなと納得しました
前回の戦闘シーンからおっぱいの近況報告
話に引き込まれました
乙
いいツンデレ回でした。
Mtl乙です。
イザベラ様とタバサの魅力最大限に生かしてますね。イザベラ様はあれだデレるのが遅すぎるツンデレなんだきっと
こんな燃えたのは気さく以来だ。カステルモールもしっかり役目があって空気じゃないのが良いね
二人とも原作でも救われればいいが・・・。重要な位置にいるはずなのに二人とも空気なんだよねえ・・・。
乙したー。
名無しモブなら×使ってマスクワードにするよか
三点リーダーかダッシュを使った方がいいかもー。
黒蟻さん乙です。
コルベールの授業にギトーが来るというパターンは珍しいですね。
MtL氏と黒蟻氏、乙
かたや進行形で熱い展開かと思えば、かたやネタを散りばめた日常編
どちらも面白かったです
>>76 アク禁にされそうで焦ってるんですね、わかります
ざまあw
ルイズとシエスタの百合っぽい展開が期待出来そうな作品が増えたなぁw
もっとやれ(ぉ
>>69 乙〜
青いキャンディーと赤いキャンディーにふいたぜぇ
MtLさん、黒アリさん乙でした。
カステラ君はてっきりヒドゥン・スペクターが化けてるもんだと思ってました。
予約がなければ10分過ぎ頃から4回目投下します。
「ちょっと!あなた達、大丈夫!?」
正気を取り戻したわたしは、思わず目の前でひっくり返っていた3人の子供のところへ駆け寄った。
わたしの失敗魔法……爆発の威力は半端じゃない。
わたしの爆発は、どういうわけか人間を巻き込むことはまず無いのだけれど、酷いときには教室一つを一瞬で
ほとんど完璧に破壊する。こんな真似はトライアングルクラスの火メイジ、ツェルプストーにだって出来ない。
教室を破壊することそのものは、グラモンみたいな土メイジがゴーレムを暴れさせれば出来るだろうけど、一瞬
でっていうのは無理。
とにかく、その時わたしは焦っていた。
どう見たって10歳そこそこにしか見えない子供達を、そんな爆発に巻き込んでしまったのだから。一生残る
怪我なんかさせたらどうしよう。それしか考えられなかった。
「怪我したりしてない?痛いところとか無い?」
わたしが一番近いところにいた黒いローブを着た男の子を抱き起こすと、その男の子はにっこりと笑った。
うっ!かわいい。天使みたいな笑顔って、こういうのをいうんじゃないかしら。
いやいや、だめだめ、今はそれどころじゃないんだから!
「心配してくれてありがとうございます。」
男の子はそう言って、服に付いた草や埃、爆発のときについちゃったんだろう、煤をぱたぱたと払い落とした。
「でも、大丈夫ですよ。ぼく達、こういうのには慣れてますから……あっ!」
男の子の表情が急に変わる。なんか、酷く慌ててるみたい。
「チャチャさんは!?」
「チャチャ?」
「ええ、赤い頭巾をかぶったとっても可愛い女の子です。」
男の子が慌てて振り返ると、ちょうどその赤い頭巾をかぶった女の子が起き上がるところだった。
「あいたたた。リーヤ、しいねちゃん、ごめーん。」
「チャチャさーん!」
男の子が猛ダッシュで、てへへって笑う女の子のところへ走り出す。わたしもその後に続く。
「また、魔法失敗しちゃった。エアバッグ出なかったの。」
「いいんですよ、そんなこと。」
男の子は女の子を助け起こすと、にっこりと笑いながら、ポケットから取り出したハンカチで女の子の顔につ
いた煤を拭ってあげた。
うわぁ、なんていうか、う〜ん。見てるこっちが照れちゃうくらい、羨ましいくらいのナイトっぷり。
いいなぁ、わたしが魔法を失敗したって、心配してくれる男の子なんていないのに………。
って、そういう場合じゃない!!!
わたしは、男の子を押しのけて、女の子の肩をつかんで顔を覗き込んだ。
「あなた、大丈夫!?痛いところとか無い?女の子なんだから、顔に傷なんか付けたら大変なんだからね!」
「あ、えーと、その?」
わたしの剣幕に、女の子はちょっとびっくりしたんだろう。おどおどとしていた。
「返事は、はい、か、いいえ、で短くハッキリと!」
「はっ、はい!どこも痛くありません!」
女の子は、びくっと身体を震わせてそう答えた。
わたしは、女の子の顔をじーっと観察する。うん、ところどころ煤で汚れているけれど、擦り傷の一つもない。
宝石を埋め込んだような大きな瞳が、居心地悪そうに震える。
そりゃそうよね。いきなり爆発に巻き込まれて気が付いたと思ったら、見ず知らずの人間に顔をじろじろ見ら
れたら、わたしだってなんか嫌だ。
けど、この場合はしょうがない。
「そう、良かった。」
わたしがほっと胸をなでおろしたとき、後ろのほうで声がした。元気の良い、でも少し間延びした声。
「チャチャ〜、大丈夫かぁ〜」
振り返ると青みがかった灰色の髪。平民の男の子が着ている、頭から被って着る半袖のシャツと、帆布みたい
な丈夫な布で作った半ズボンを穿いた男の子がふらふらと起き上がるところだった。
「あっ!リーヤ!」
女の子の表情がぱっと明るくなる。ころころと表情が良く変わる女の子だなぁ。
「大丈夫だったー!?」
女の子はするりとわたしの手の中から抜け出して、半袖の男の子に向かって駆けていく。
「おう、大丈夫だぞ。」
半袖の男の子は煤だらけの顔をめくり上げたシャツの裾で拭きながら女の子に笑いかける。
「ぼく達がなんでもないのに、こいつがどうにかなるわけないじゃないですか。」
そんな半袖の男の子の言葉に、黒髪の男の子が憎まれ口を叩く。
「ひどーい!しいねちゃん!」
「酷いのだ!ちょっとくらい心配してくれても罰はあたらないのだ!」
楽しそうだな。
そんな3人を見てて、わたしはそう思った。魔法学院に入学してから、あんなふうに楽しいことなんてなかっ
たから。
「とりあえず。」
気が付くと、いつのまにか我に返ったコルベール先生が隣にたっていた。
「“使い魔”の召喚成功おめでとうと言うべきなのでしょうか。」
使い魔の召喚成功おめでとう?
わたしは、驚いて研究馬鹿のハゲ親父の顔を見上げた。
使い魔の召喚成功って、本気で言ってるんだろうか?
「コルベール先生?」
「おや、おや、そんな顔で睨まないでくださいよ。ミス・ヴァリエール。」
ハゲ親父はいかにも善人そうな顔で苦笑いをする。
「あの子達は、見たところ平民の子供のようですね。貴女の使い魔に相応しい動物をハルケギニアのどこかから
召喚するっていうサモン・サーヴァントの効果からは些か脱線している気もしますが、ミス・ヴァリエール、貴
女があの子達をどこかから召喚したという事実には変わりないでしょう。」
「ええ……」
と返事を言いかけた時、やっぱり我に返ったんだろう、同級生達のざわめき声が聞こえてきた。
でも、なんか変だ。
「あの子達、何かしら。」
「何って、アレだろう。ヴァリエールが。」
「そうよね、ヴァリエールが起こした爆発から出てきたんだモノね。」
「子供……」
「さすがバリエールだな。」
「ああ、俺達には出来ないな。」
なんか変だ。いつもだったら、今は間違いなく罵声と嘲笑を浴びせかけられている筈の場面なのに。
なんていうか、こう、毒が足りないというか、なんというか。
「ですから、サモン・サーヴァントの魔法としては一応成功したと評価するべきところです。おめでとう。問題
はこの後です。」
は!
そうよ!問題はクラスの馬鹿達が大人しいとかそういうことじゃないんだった。
「先生!」
「はい。貴女が言いたいことは分かります。あの子達を親元に送り返して、サモン・サーヴァントのやり直しを
したいというのでしょう?」
うんうん。わたしは猛スピードで首を上下に振る。
「でも、多分、同じ結果になりますよ。」
「はい?」
なんですって?
「ご存知でしょう?サモン・サーヴァントの魔法は、貴女にぴったりの使い魔を召喚する魔法です。あの子供達
を動物扱いしたくないのは私も同感ですが、サモン・サーヴァントであの子供達が召喚された以上、ミス・ヴァリ
エール、貴女にぴったりな使い魔は、あの3人のうちの誰か、もしくはあの3人全員です。そして、あの3人の
誰かが貴女にぴったりな使い魔である以上、あの子達を親元に送り返してから再びサモン・サーヴァントを行っ
たとしても、召喚されるのはあの3人のうち誰かなのですよ。」
「うっ」
そうだった。忘れてた。
サモン・サーヴァントの魔法って、良く分からない魔法だったんだ。
サモン・サーヴァントはその魔法を使ったメイジにぴったりの使い魔を召喚する。これは常識だ。だけど、ぴ
ったりな使い魔って、誰が決めるんだろう?
そういう謎な決め方で決めた使い魔をどこから連れてくるの?
そりゃ、宿敵ツェルプストーは火メイジだから火蜥蜴、その友達のタバサは風メイジだから風竜、水メイジの
モンモランシはカエル、土メイジのグラモンはモグラを召喚してるんだから、サモン・サーヴァントの魔法で呼
び出すのは自分にぴったりの使い魔なんだろう。
でも、じゃぁ、あの子達がぴったりなわたしって、いったいなんなの?
「いずれにしても。」
コルベール先生が小さく咳払いをして、わたしは我に返った。
「あの子達を親元に送り返すにしても、あの子達と契約して使い魔」
わたしが睨みつける視線に気が付いたんだろう、ハゲは言い直した。
「ゴホン、小姓あるいは従者として召抱えるにしても、あの子達と話をしてからでしょう。」
近づいていくわたしとコルベール先生に気が付いたのは黒髪の男の子だった。
「あの、すいません。ここはどこですか?なんか、学校みたいですけど。ぼく達はうらら学園に登校する途中だ
ったんですけど、なんでここにいるんでしょうか?」
男の子がこの場にいる唯一の大人コルベール先生に話しかけたのは当然で、わたしもコルベール先生が答える
ものだと思っていたのだけれど、コルベール先生はわたしの背中をちょんっと押した。
わたしの魔法の失敗で呼び出してしまった子供達相手に色々説明をするのは、わたしの仕事ってことか。
ま、しょうがないか。どっちにしても、暫くはわたしがこの子達の生活の面倒を見なければいけないのだし。
「そのことを説明する前に、まず名前を教えてくれるかな。」
名前を知らないと話するの難いしからね。
「わたしはルイズ。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ。ここ、トリステイン魔法
学院」
「魔法学院!?」
女の子と半袖の男の子の瞳がキラリンと光った。
「魔法学院って、魔法の勉強をする学校?」
「ええ、そうよ。」
女の子の言葉に答えると、二人はいきなり盛り上がった。
「すごい!魔法の学校って本当にあったのだ!」
「すごいねぇ。はり・ぽたみたい!ねぇ、ねぇ、はりーはいる?はーまいおにーは?」
はりー?はーまいおにー?はりぽた?なんのこと?
「チャチャさん、リーヤ!今はこのお姉さんが話してるところですよ!」。」
黒髪の男の子が二人の前に立つ。
「どーも、すいません。この間ちゅるやでDVD借りてハリー・ポッターの映画見たもんだから、二人ともちょっ
と盛り上がってるんですよ。気にしないで続きをお願いします。
男の子は苦笑いをしながらぺこりとお辞儀をした。なんか苦労人っぽいよ。
「え、あ、そう?」
DVDとか映画っていうのも気になるんだけど、まぁ、いいか。
「ともかく、ここはトリステイン魔法学院。わたしは1年生で、今、2年生になるための進級試験……使い魔召
喚の儀式をやってるところよ。」
進級試験っていうところで、それまで盛り上がっていた女の子と半袖シャツの男の子がピクって震えたのはな
んなんだろう。
「あなたは?」
黒髪の男の子に話しかけると、男の子は右手を左胸、心臓の前に添えて、恭しくお辞儀をした。なんか動きの
一つ一つが妙に板に着いてない?
「はじめまして。ルイズさん。ぼくはうりずり山の魔女どろしー様の下で魔法を学んでいる、しいねと申します。
ぼくの事はしいねちゃんと呼んでください。」
しいねちゃんがそう言って右手を出したのでわたしも右手を出して握手。
って、なんか今、すごく聞き流しちゃいけないことを言われたような気がするんだけど?
コルベール先生に目配せすると、コルベール先生はちいさく頷いた。話の腰を折るなってことだろうか。
「で、こちらはチャチャさん。」
そう言われた女の子が元気良く挨拶する。
「はーい!わたしチャチャでーす!もちもち山の世界一の魔法使いセラビー先生に魔法を教わってまーす!ルイ
ズちゃん、よろしくね!」
チャチャは、わたしの両手を持って力いっぱいブンブンと振った。っていうか、また出た。
魔法を学んでるって、この子達、メイジなの!?っていうことは、この子達、貴族の子供!?
まずい。
ここトリステインでは貴族は全員メイジだ。没落しちゃった元貴族で今は平民のメイジもいるからメイジが全
員貴族ってわけではないけれど。
問題は、しいねちゃんとチャチャが、魔法の先生の名前に“うりずり山の”“もちもち山の”って地名をつけ
て呼んでいるっていう点。名前に地名が着くっていうことは、少なくともしいねちゃんとチャチャの魔法の先生
は最低でも準男爵とか男爵の地方領主クラスの貴族だってこと。
そして、ここトリステインには没落して貴族じゃなくなったメイジの子供に魔法を教えようなんていう奇特な
貴族はまずいない以上、しいねちゃんとチャチャは貴族の子供だってことになる。
この子達、しいねちゃんとチャチャの言うことが本当なら、これはすごくまずい。
貴族の子供を使い魔として召喚しちゃったなんて、ひっじょ〜〜〜〜〜〜〜〜に、まずい。
うりずり山やもちもち山なんて地名聞いたことないけど、トリステインの中だったら、ヴァリエール家の力で
なんとかもみ消すことも出来るかもしれないけど、もちもち山もうりずり山も、そんな地名聞いたことないし、
ガリアやゲルマニア、アルビオンの何処かの領主の子供とかいったら、確実に外交問題になっちゃう!
しいねちゃんは、そんなわたしの懊悩も知らないで最後の一人を紹介してくれる。
「で、これはリーヤ。」
しいねちゃんは最後の一人、半袖シャツの男の子を指差した。
「これって、なんだよ。しいねちゃん!」
しいねちゃんに「これ」呼ばわりされた男の子が怒る。
「いいから早く挨拶しろよ。」
けど、軽くかわされた。
半袖の男の子はぶつぶつ言っていたけど、こちらに振り返った瞬間、すっごくいい顔で笑った。
「おれ、リーヤだ。強い子良い子の狼男だぞ。ルイズ、よろしくな!」
狼男?狼男って、狼に変身する人間ってこと?それって、それって……。
にこにこと差し出された右手。だれがどこから見てもただの子供の手。どう見たってハルケギニア最強の亜人
“人狼”の手には見えない。わたしがその手をとると、リーヤはチャチャに負けないくらい元気良く手を振った。
それにしても。メイジの子供2人に人狼の子供って、わたしはいったい、何を召喚しちゃったっていうのよ!
わたしは多分、唖然というか呆然っていうか、そういう顔をしてたんだと思う。
「あ、信じてませんね?」
しいねちゃんが鼻の頭をぽりぽり掻きながら苦笑いをした。
「まぁ、こんな子供の言う事ですから、簡単に信じろって言っても無理ですよね……、と、そちらの方は?」
「これは失礼。」
コルベール先生は、さっきしいねちゃんがそうしたように、右手を心臓の上にあててお辞儀をした。
「私はこのトリステイン魔法学院で教鞭を取っているコルベールと申します。よろしくお願いします。」
コルベール先生がそう言って右手を差し出すと、しいねちゃん、チャチャ、リーヤは次々に握手をした。
「さてと。さっきの質問の答えだけれど。」
わたしは気を取り直して、しいねちゃん、チャチャ、リーヤの3人の目を見ながら話し始める。
学院のカリキュラムの一つとはいえ、この3人を召喚してしまったのはわたしなんだから、可能な限りの責任
を取る必要がわたしにはある。
しいねちゃん、チャチャ、リーヤはハルケギニアの人間であれば。
問題はいろいろあるけれど、ご両親の元へ返してあげることは可能だろう。その上で、もう一度サモン・サー
ヴァントの魔法を使って、しいねちゃん、チャチャ、リーヤのうちの誰かが、じゃなかったら3人が召喚された
としたら、その時に、わたしの使い魔……人間なんだから小姓とか従者か……になってくれるかどうかを聞けば
いい。
問題は、しいねちゃん、チャチャ、リーヤの3人が、ハルケギニア以外の場所から召喚されていた時。
もし3人がハルケギニア以外のどこか、例えばロバ・アル・カイリエみたいなサハラの遥か東の遠い国から召
喚されてきてしまっていたら、この子達はもう2度とお父様やお母様に会えなくなってしまう……わたしのせい
で。
それだけは避けたい。避けたいけれど、3人が目の前にいるのは変えられない事実。だったら、最善を尽くす
ためにまず必要なのはお互いについての情報だ。
わたしが知っていることは全て話す必要があるし、しいねちゃん達が知っていることでわたしに話せることは
全部教えてもらわなければいけない。
「ここは、ハルケギニアのトリステインっていう国の王都トリスタニアから馬車2時間くらいのところにあるト
リステイン魔法学院の南に広がる草原よ。」
しいねちゃんとチャチャがトリステインの貴族から魔法を教わっているとしたら、トリステイン、トリスタニ
アっていう地名は間違いなく知っているはずだ。
「今、出てきた地名に心当たりある?」
「うーん、ちょっと聞いたことありませんね。」
しいねちゃんがこめかみに右手の人差し指をあてて頭を捻った。」
「チャチャさんは?」
「うーん、知らないわ。」
「リーヤは?狼男だけが知ってる地名とかある?」
「知らないのだ。」
「だよな。」
「じゃぁ、ねぇ。ゲルマニア、ガリア、アルビオン、ロマリアは?」
「あ、それなら聞いたことありますよ。えーと、確か……」
しいねちゃんは、背中に背負っていたしっかりした造りの革の鞄から、つるつる、ぴかぴかした本みたいな何
かを取り出した。
「何、それ。」
「あ、これですか。ぼく達が通っている学校、うらら学園で使ってる地理の副読本。世界地図帳でよす。」
「世界地図帳?地図帳って、地図がいっぱいセットになってる本ってこと?」
「ええ。」
「なんで、あなたみたいな子供が世界地図なんて持ってるの?」
地図は貴重品だ。軍事的にはもちろん、領地の経営にも不可欠だし、商人達だって正確な地図だったら咽喉か
ら手が出るくらい欲しがって、モノによっては平民が10年くらい遊んで暮らせるだけの値段がついたりする。
そんなものを持ってる子供って。
わたしがそう聞くと、しいねちゃんは怪訝な顔をした。
「なんでって、普通、学校に通う歳の子供ならみんな地図帳って持ってませんか?リーヤ!」
しいねちゃんはそう言って、リーヤに声をかけた。
「リーヤの地図帳、ルイズさんに見せてやってくれない?」
「おう、いいぞ。」
リーヤが肩にかけた布の鞄から落書きだらけの“地図帳”を取り出し、わたしに渡してくれる。
ぱらぱらと“地図帳”を捲ってみると、中身もやっぱり落書きだらけ……あ、これチャチャの似顔絵だ。
しいねちゃん達の国では、地図って貴重品じゃないの?。
わたしは考える。
わたし、もしかして、何かすごい勘違いしてない?
「あ、ありました。このページです。」
しいねちゃんの弾んだ声に、わたしの思考は一時中断された。
「古代ローマ時代のヨーロッパのページ。」
しいねちゃんが“世界地図”を開く。
そこにあったのは、少しいびつだけれど綺麗に色分けされたハルケギニアの地図に良く似た地図だった。それ
と、わたしには読めない文字で細かくぎっしりと、色々説明が書いてあるんだろう。
「なによ、これ。ハルケギニアの地図じゃない。」
「違いますよ。ここに書いてあるでしょう?古代ローマ時代(紀元前100年〜紀元0年頃)って。今から20
00年くらい前のヨーロッパの地図ですよ。ここ、大陸からちょっと離れたところにあるのがアルビオン。今の
イギリス王国ですね。それから、この辺がガリア。今のフランスとスイスのあたり。で、こっちがゲルマニアで、
地中海に飛び出してるブーツみたいなのの、脛のあたり、ここがローマ……」
ん?ここに書いてあるでしょう?って、この子達、文字が読めるんだ。
「今から2000年前?ヨーロッパ?なによ、それ。」
「なによ、それって……う〜ん。」
しいねちゃんは、いきなり考え込み始めてしまった。
丁度いい。わたしも少し頭の中を整理しよう。
まず1)わたしはサモン・サーヴァントの魔法で平民の普通の子供を3人も召喚してしまったと思った。
2)コルベール先生もそう思った。
3)本人の言うことを信用するなら、しいねちゃんとチャチャは魔法を勉強している。
4)同じくリーヤは“狼男”の子供。
5)しいねちゃんはハルケギニアでは超貴重品である地図を持っている。
、6)リーヤの地図帳を見る限り、しいねちゃん達の国では、地図は貴重品ではない。。
今までの会話で分かった事実はこれだけだ。
これから想像できることっていうと。
1)しいねちゃんとチャチャは、貴族の子供である可能性が高いけど、口ぶりからするとやっぱり平民っぽい。
2)しいねちゃん、チャチャ、リーヤは同じ学校に通っているらしい。
しえん
つまり、メイジと狼男……それだけじゃない、平民かもしれない、貴族かもしれない男の子と女の子、亜人の
男の子が同じ学校に通って、一緒に文字や地理、歴史なんかを勉強する国にしいねちゃん達は住んでる。
滅茶苦茶だ。
ハルケギニアではそんな国なんてありえない。
でも、楽しいだろうな。
ふと見ると、難しい顔で考え込んでいるしいねちゃんとわたしの顔を、チャチャとリーヤが心配そうに見てい
た。
あー駄目、駄目。
普通じゃないかもしれないって言ったって、しいねちゃんもチャチャもリーヤも子供なんだから。
子供にこんな顔させちゃ駄目だ。
パンパンと、わたしは手を叩く。
チャチャとリーヤは目をパチクリとさせてわたしを見た。
しいねちゃんもびっくりした目でわたしを見る。
「とにかく、ここは、しいねちゃんやチャチャやリーヤが住んでる世界とは全然違う何処かの世界の、ハル
ケギニアのトリステインのトリステイン魔法学院の南に広がる草原よ。それでいい?」
わたしはそう言ってしいねちゃんをみた。
チャチャとリーヤは、わたしの顔としいねちゃんの顔を交互に眺めている。
しいねちゃんはというと、じっとわたしの顔を見て、なんだか居心地が悪くなるくらいじっとわたしの顔を見
て、そして、
「そういうことですね。」って言って、にっこりと笑った。
今回投下分は以上です。
なんか予想以上にこっパゲ君がでしゃばってきたりして、予定を大幅にオーバーしてしまいました。
これでは、ただの通りすがりの皆さんの出番はいつになることやら。
GJ!!
のほほんとしていいね
95 :
紙袋の使い魔:2008/07/01(火) 03:18:44 ID:IFXRKiQb
10話投下したいと思うのですが、さすがに人はいなさそうですね・・・。
99 :
紙袋の使い魔:2008/07/01(火) 03:22:17 ID:IFXRKiQb
それでは投下しちゃいます。
俺で3人目だw
101 :
紙袋の使い魔:2008/07/01(火) 03:22:38 ID:IFXRKiQb
馬車は、深い森へと入っていった。
昼間だというのに薄暗く、気味が悪い森だ。
少し進んだ所で道が急に狭くなっている。これ以上は馬車では進めそうに無いので
ルイズ達5人はそこからは歩いていく事になった。
一行は開けた場所に出た。例の廃屋らしい建物がある広場である。学院の中庭程の広さは
あるだろう。
一行は、その廃屋の死角へと隠れ、廃屋の様子を伺った。
「わたくしの聞いた情報だと、あの中に入っていったようです」
ミス・ロングビルが廃屋を指差して言った。
人が住んでいる様子は見受けられない。
ルイズ達は、作戦を立てた。仮にあの中にいるとするなら、先手必勝であると
あちらは、自分たちの技量を上回る存在なのだ。対等にぶつかり合うよりも
奇襲をかける方が上策と言えよう。
タバサは地面に正座すると、地面に図を書いて自分の考えた作戦を披露する。
まず偵察兼囮が小屋の様子を探り、中にフーケがいればこれを挑発し、外へとおびき出す。
中にいてはゴーレムを作る土が使えない。外へ出てきた所を魔法の集中砲火で打ち倒す。
「分かりました。それでは皆さん、私が中へと行きますのでお願いしますねー」
「頼むわねファウスト」
「ええ。お任せ下さいルイズさん。いざとなったらすぐに逃げ出しますので!こう見えても後ろ歩きは速いんですよ!」
軽い口調で告げると、そのまま廃屋の方へと向かっていく。
そばまで近づき、中の様子を覗いた。部屋の中には、埃の積もった机と転がった椅子、部屋の隅には薪が置いてある。
その隣に木で出来たチェストがあった。この部屋には雰囲気が合わない大きい箱である。暫く様子をみたが、人の
気配は感じられないので、ファウストは、皆を呼んだ。
タバサが、扉にむけて杖を振る。
彼女の魔法では罠らしきモノは感知されなかった。
「ワナはない」
そう呟いて、小屋の中に入る。
ルイズも続いて小屋へと入る。すぐさまファウストは後に続いた。
キュルケは外で見張りをすると言って、後に残った。
ミス・ロングビルはあたりを偵察してきますと言って、森の中に消えた。
102 :
紙袋の使い魔:2008/07/01(火) 03:23:52 ID:IFXRKiQb
小屋の中でフーケの手がかりを探した。チェストの中を調べると・・・。
そこには「爆炎の鎌閃」が入っていたのだ。ルイズはそれを手に取ると、皆に見えるように掲げた。
「あっけないわね!でもこれってほんとにマジックアイテムなの?」
ファウストは爆炎の鎌閃を見つめルイズへと声をかけた。
「それが爆炎の鎌閃ですか?それは鎖鎌だと思いますよ」
「それってマジックアイテムじゃないの?」
「ええ・・・普通の武器ですね。私の知人が愛用しておりましたから」
2人の会話を聞いていたキュルケだったが、2人の話へと割り込む。
「でも確かに秘宝の筈よ。以前、宝物庫を見学したときにそれを見たわ」
その時、外の広場から異様な音が鳴り響いた。
急いで、小屋から外へ出た皆が見たものは・・・。
小屋へと向かってくる巨大なゴーレムであった。
「フーケ!?」
ルイズが叫んだ。ファウストは、「爆炎の鎌閃」を鞄へとしまうと、ルイズ達を守るように前へと出る。
タバサは、ゴーレムへと竜巻の呪文を唱えるが、その巨体の前では無力であった。
キュルケも負けじと自らの得意とする炎の呪文でゴーレムを火に包み込んだが、生命体ではないゴーレムは
それを意に介さずに向かってきた。
「どうしようもないじゃない!」
「一時撤退」
キュルケとタバサは、一目散へと逃げ出したが、ルイズは残ってゴーレムと対峙していた。
ルイズはゴーレムの前h出ると、呪文の詠唱を行った。気合と共に杖をゴーレムへと振る。
彼女の魔法は爆発となりて、フーケのゴーレムの右足を吹き飛ばした。ゴーレムが倒れる。
「やったわ!これで・・」
勝利を確信したルイズだが、ゴーレムの右足はみるみる内に修復されていった。
「そんな・・・!」
「ルイズさん!!」
ファウストはルイズへと駆けより、逃げるよう促す。が・・・。
「嫌よ!!私はあんたのお陰で魔法が使えるようになってきたわ!そのあんたが見ていてくれているのに
おめおめと逃げ出したりなんかできるもんですか!」
「ですがルイズさん・・・」
「それに私は貴族よ・・・。敵に後ろを見せない者を貴族と呼ぶのよ!!」
ルイズの意志は固い、彼女の今の気持ちを変えるには時間が無さ過ぎる。
その間にもゴーレムは彼らへと近づいてくる。
「分かりましたルイズさん。では不肖、闇医師ファウスト。助太刀させていただきます!ルイズさんは魔法で援護を!」
その言葉にルイズは微笑みファウストの後方へとまわった。キュルケとタバサも後方援護に入る。
「では・・・いきますよ!出番です。ちびポチョムキンくん!
「相棒・・・俺は・・・」
「デルフちゃんは後です!」
「ひでぇ・・・」
ファウストが手を振りあげると、そこには筋肉隆々としたちびポチョムキンなるものが現れる。
一瞬、タバサは微笑んだ、が。
「・・・・・・かわいくない・・・」
お気に召さなかったようだ。
103 :
紙袋の使い魔:2008/07/01(火) 03:24:31 ID:IFXRKiQb
ちびポチョムキンはゴーレムの方へと歩み寄ると・・・。
「メガ・フィストぉ!!」
ゴーレムへと飛び掛る。ファウストはそこに追撃をかける。
「ごーいんぐ!まい!うぇい!」
どうやっているかは分からないが、顔以外を回転させ、ゴーレムへと突っ込む。
そのまま通り過ぎた。ゴーレムの体は着実にダメージを受けているようだ。
「回復が早いのなら、それ以上の速度でダメージを与えればいいのですよ!皆さん、援護を!」
そういうが、ファウストとちびポチョムキンが邪魔で攻撃できない。
タバサだけはエア・ハンマーで2人?の居ないところへと攻撃を加えていた。
そこにちびファウストも援軍に入ると、戦いは荒れ模様と化していった。
ゴーレムはまとわり付くちびファウストとファウストを引き剥がそうとするが、ちびポチョムキンとタバサの魔法に
よる援護で上手くいかない。時間がたつにつれてゴーレムはその体積をみるみる内に削られていった。
「ハンマーフォール!!」
ちびポチョムキンの攻撃についにゴーレムの動きが止まる。
そのままちびポチョムキンはゴーレムを掴み持ち上げる。恐ろしい膂力だ。
「48の必殺技!ポチョムキィィィィィン・・・・・バスタァァァァァ!!」
空高くゴーレムを持ち上げ、落下する。あの強固なゴーレムはついに砕け散ったのだった。
ゴーレムの破片は辺りに降り注ぐと、土へと還る。後には小山のような土が残された。
ファウスト以外の3人は目の前の光景にぽかーんとしている。
「次、いってみよ〜う!後は問題の人物を探すだけですね・・・」
フーケは自らのゴーレムが完膚なきまでに叩き潰されていくのを見届けた。が、ファウストの発言を
耳にすると、急いでレビテーションをかけて逃げようとした・・・が。
「そこですね!!行きなさい!ちびファウスト君たち!」
森の方へと投擲すると、絹を引き裂くような悲鳴と共に、フードを被りこんだ人物を連れてでてくる。
「わ、私をどうするつもりだい!?このフーケ様に向かって・・・」
「おや・・・貴女、ミス・ロングビルではありませんか」
「!?どうしてフードを外す前から分かったんだい・・・?」
「いえね。心臓の音に聞き覚えがありましてね。一度近くで聞いた音なら覚えていますよ」
フードを外したフーケの正体に、ルイズ達は驚く。まさか自分たちとフーケ探索をしたミス・ロングビルが
フーケだったとは。
「盗んだはいいが使い方が分からなかったんで、あんたらに調べさせようとしたんだけどそれどころじゃ
無かったようだね。まさかアンタがこんな化けモンだとは・・・」
「化けモンは酷くありません?あ、ちなみにこれはマジックアイテムじゃないですよ。私の知人が使っていた
只の武器ですね」
「なんだって・・・?それじゃぁなんでそんなもんを秘宝とか呼んでたんだい?」
「それは、オスマンさんに聞いて見るしかないでしょうねぇ」
「そんなことも分かんなかったなんて、アタシも焼きが回ったようだねぇ。で、これからどうするつもりだい?」
ファウストの目の奥が光る。ルイズ達は、以前にもこのような目を見た記憶がある。
支援ー
105 :
紙袋の使い魔:2008/07/01(火) 03:25:24 ID:IFXRKiQb
「・・・オシオキをします。然る後に学院で対応していただきましょう・・・」
「ファウスト!いくら犯罪者だからってアレは拙いわ!」
「ルイズさん。これはケジメでありお約束なのです。誰にもこれは変えることは出来ません」
2人の会話に全く付いていけないフーケ。そう、彼女はファウストとギーシュの決闘の結末を
知らないのだ。あの時、所詮は子供の絡んだ決闘と見るのをやめたのである。
言い知れない悪寒が彼女を襲う。しかしもう遅かった・・・。
「ではロングビルさん!みなさんお待ちかねのオ・シ・オ・キ!タ〜イム!貴女はどんな声を聞かせて
くれますかねぇ〜!」
ちびファウスト達に体を押さえつけられ、身動きが出来ない彼女の前に宝箱が四つ現れた。
「この中から当たりを引き当てたら貴女へのオシオキはナッシング!さぁそれではお考え下さい!」
訳が分からない・・・。だがこの展開の向こう側には恐ろしい予感がする。
どうやら、当たりと引き当てれば、自分への悲劇を避ける事が出来るようだ。
彼女は、盗賊人生の中でここまで本気で悩みぬいた事はないと言うほど、真剣に悩んだ。
そして選ぶ・・・。盗賊としての本能と、乙女の感を信じて。
「一番左の宝箱に決めたわ・・・」
ファウストの顔がいやらしく微笑む。紙袋に隠されて見えないはずなのだが、その顔はみ○もんたの
ように微笑んでいた。
「ファイナルアンサー?」
「ファイ・・ナル・・・アンサー・・・」
永く沈黙をし・・・ファウストは声を上げた。
「・・・・・正解!!しぎゃぴぃー!!」
ファウストは爆発につつまれると、空高く、舞い上がった。皆さん!すまない!当たりを引かれたと叫ぶように。
自分の戒めは解かれ、目の前の珍妙な人物も空高く飛んでいった。勝った!第一部完!!
フーケは、今を好機と見た。残っているのは、自分のゴーレムの前では無力な生徒達。彼女は勝機を確信した。
ありったけの力でゴーレムを作り出す。最初に作った物よりは若干小さいが、強度は前よりあげてある。再生させる
余力すらない。これが本当の最後である。
「ファウストぉぉ!?」
ルイズは同じ女性であるフーケがオシオキされる様子に居た堪れない気分で見ていたが、オシオキは実行されず
ファウストが空へと吹き飛んでいく光景が目に飛び込んできた。
拘束から抜け出したフーケがゴーレムを作り出し、自分たちの目の前から逃亡しようとしている。
タバサ、キュルケはゴーレムへと魔法を放ったが、やはり効果は薄い。
このままでは逃げられてしまう。と2人は魔法を連射していた。
106 :
紙袋の使い魔:2008/07/01(火) 03:26:28 ID:IFXRKiQb
だが、ルイズは一人後ろで呪文を詠唱していた。ファウストと練習した時に初めて成功した時の感覚を
もう一度掴み直すように。ゆっくりと呪文を練り上げ、そして杖をゴーレムへと振り上げた。
「ガンフレイム!!!」
その名前に意味はない。だが、気合を込めてそう叫ぶ。自分のあの爆発呪文にふさわしい名前と直感で感じた。
凄まじい爆発音がすると、ゴーレムは跡形も無く吹き飛んでいた。
フーケは、一瞬目の前の事に頭が追いつかなかったが、事実を確認するとルイズ達の前にくると座り込んだ。
「もう、今日は種切れだよ。もう逃げようとはしないさ。煮るなり焼くなり好きにしな」
タバサとキュルケはルイズの起こした爆発を信じられないちいった様子でルイズを見ていた。
ルイズは、フーケを縄で縛っていると、上からファウストが落ちてくる。
「面目ないですルイズさん・・・。まさか当てられるとは・・・。しかし見ていましたよ。グッドでした!」
「褒めたってなんもでやしないわよ。あんたが飛んでった時はさすがに焦ったわ」
笑いながら談笑する二人にタバサ、キュルケが加わる。
「ルイズ。あんたいつの間にあんな魔法撃てる様になったの?火のトライアングル以上の威力じゃない」
「気になる。いったい何を」
ルイズとファウストは目で合図を送ると
「「秘密」」とだけ言った。
2人とも納得いかない様子であったが、ファウストが絡んでいるに違いないととりあえずは何も言わない事
にする。
「それじゃ。秘宝も奪還したし、フーケも捕まえた。学院に戻りましょうか」
ファウスト達は、ルイズの意見へと同意し帰途へとつく事になった。
「・・・テファ・・・ごめんね。お姉ちゃん・・・帰れそうにないよ・・」
そう、聞こえない程の声で呟くのを聞こえていたのはファウスト一人であった。
107 :
紙袋の使い魔:2008/07/01(火) 03:27:11 ID:IFXRKiQb
学院長室で、オールド・オスマンはルイズ達の報告を聞いていた。
「ふむ、ミス・ロングビルが土くれのフーケじゃったとはな」
「一体、どこで採用されたんですか?」
隣に控えたコルベールが尋ねた。
「街の居酒屋でな・・・彼女は給仕をしておった。あまりに美しいモンでな。つい・・・ワシの手が勝手に
尻を・・・」
「・・・で?」
「それでも怒らないんでな。気付いた時には秘書にならんかと言っておったわい」
「・・・去勢したほうがいいようですね」
「何じゃと!?」
様子を伺っていたファウストが2人の会話に入った。
「よろしければ私がしましょうか?」
「ミスタ・ファウスト。出来るのですか?」
「はいコルベールさん。私は医者ですので」
「ほう。お医者様でいらっしゃったのですか・・。ならばお願いできますかな?」
「ええ・・・。一瞬で仕上げましょう。ミセス・オスマンの誕生デスね」
真っ青な顔をしたオスマンは声を張り上げた。
「止めてぇぇ!!まだ若い証拠なの!!いつまでも元気でいたいのじゃぁ!だから・・・だから・・・
それだけは止めてくれぇ・・・」
老人は泣いている。漢泣きである。
コルベールは、オールド・オスマンが反省したようなので軽く笑い告げた。
「冗談ですよ。間に受けないで下さい」
「なんじゃー。コルちゃんったら・・・。イ・ケ・ズ」
「次は無いですから」
「・・・・ハイ」
沈黙した後、生徒達の冷たい視線を感じたので、オスマンは話を変える事にした。
「さてと、君たちはよくぞフーケを捕まえ「爆炎の鎌閃」を取り戻してくれた」
ルイズ達は、誇らしげに礼をした。
「フーケは城の衛士に引き渡した。「爆炎の鎌閃」は宝物庫でと収まった。一件落着じゃ」
オスマンは、生徒たちの頭を一人ずつ撫でた。
「君達の『シュヴァリエ』の爵位申請と、ミス・タバサは既に『シュヴァリエ』の爵位を持っておるので
『精霊勲章』の授与を宮廷に申請しておいた」
ルイズとキュルケは、自分たちへの爵位申請にも驚いたが、タバサが既にシュヴァリエであった事には
さらに驚いた。
「タバサ。貴女ッたら凄いじゃないの!なんで言わなかったの?」
あまり嬉しそうな顔をしなかったが、タバサは軽く頷いた。
「別にいうまでもないと思ったから」
タバサの微妙な変化を感じ取ったキュルケは話をそこでお終いにした。
すぐにオールド・オスマンへと話を振った。
「オールド・オスマン。ありがとう御座います」
108 :
紙袋の使い魔:2008/07/01(火) 03:27:47 ID:IFXRKiQb
「うむ。当然じゃ。君たちはそれだけの事をしたのじゃから」
「オールド・オスマン。ファウストには何も無いのですか?
「すまんのう・・・。彼は使い魔じゃから・・・」
「いえ。お気になさらず。私は私の出来る事をしただけなのですからところでロングビルさんの
事なんですが・・・」
「盗賊は大抵極刑と決まっている。残念じゃがな」
「そうですか・・・」
オスマンは手を叩いた。
「今日はフリッグ舞踏会じゃ。秘宝も戻ってきたのでな。予定通り執り行う」
キュルケは顔をぱっと輝かせると、タバサを連れて足早に出て行った。
ルイズも席を後にしようとしたがファウストとオールド・オスマンが見詰め合っているので
黙って待つことにした。
ふと、オールド・オスマンが喋りだした。
「ファウスト君・・・と言ったかの?少し話をしたいのじゃが時間はあるかね?」
「ええ。私もそう思って居た所です。ルイズさん、よろしいですか?」
ルイズはどれに同意し、頷いた。
「それでは、ファウスト君。君から話をしてくれていいのじゃよ?君に爵位を授ける事は出来んが
出来るだけ力になろう。せめてものお礼じゃ」
「それでは・・・。あの「爆炎の鎌閃」何処で手に入れられました?」
「あれかね?あれを知っているのかね?」
「あれは元いた世界で私の知人が使っていた武器と同じようです」
オスマンはその目を光らせた。
「どういう事じゃ?」
「私は、この世界の人間ではありません。あの日、ルイズさんの召喚の魔法で異世界からこの世界へと
召喚されました」
「なんと・・・!それは本当なのかね?」
ファウストは、初めてルイズに自分の説明をしたときと同じ様にオールド・オスマンへと自分の力と医者で
ある事を説明した。
「そうじゃったか・・・」
「ハイ。分かっていただいたようですね。それで、その「爆炎の鎌閃」をどうやって手に入れたのですか?」
オスマンは、ため息をつくと昔を思い出すように語りだした。
109 :
紙袋の使い魔:2008/07/01(火) 03:28:12 ID:IFXRKiQb
「あれは30年前の事じゃ森を散策していたワシは、ワイバーンの群れに襲われた。こりゃたまらんと逃げ出したのじゃが
追いつかれてしもうての。命の危機を感じたその時じゃ・・・彼が現れたのは・・・。彼はその「爆炎の鎌閃」にて
凄まじい炎を操るとワイバーンの群れを瞬く間に蹴散らしていったのじゃ。それも殺さずにな。全てのワイバーンを
気絶させると彼は人懐っこい笑みでワシへと話しかけてきたのじゃ」
「そこのじっちゃん!大丈夫だった?こいつらってギアかい?」
「ギア・・・?何のことじゃ?」
「アレ?違うのかい?そりゃまた失礼しました〜」
「危ないと所を助けてもらい何と言っていいやら・・・せめて名前を聞かせていただけぬか?」
「いいって〜いいって〜!気にしちゃダメだよ!あ、ちなみに俺はアクセルって名前ねー」
「アクセル君・・・。改めて礼を言わせて貰おう。ワシの名はオスマンという。君さえよければワシの
内で礼をしたい。酒でも振舞わせてもらえないか?」
「にょほほ〜!いいの!?お酒大好き!」
「ワシは彼を家に招待し、酒と馳走をふるまったのじゃ。彼と完全に打ち解けてきたころ、それは起こった・・・」
「オスマンのじっちゃんはいい人だね!今日は最高だ・・・あれ・・・まさか・・・」
「どうしたのじゃね!?アクセル君!体が光っているぞ!」
「アレが来たみたいだねぇ。オスマンのじっちゃん!楽しかったよ!いつの日かまたあおうぜ!」
「ワシは、彼が光っていたのでそれを召喚の光じゃと思った。離すまいと、つい恩人の武器を掴んでおった」
「あぁ!じっちゃん!はなし・・・・」
「彼はそういってワシの前から消えたのじゃよ・・・」
オールド・オスマンの話を最後まで聞いたファウストは自分の思った通りであったので、オスマンへと
説明をした。
彼、アクセルが自分と同じ世界の住人だという事、彼が次元を超えてしまう体質の持ち主だという事
そして彼の武器が炎を生んだのではなく、彼自身が法力にて炎を操っていた事を。
「そうじゃったか。これはただの武器じゃったのか。だとすればそのような強い炎を生み出す「法力」とやら
凄いものじゃのう・・・」
弾幕うすいよ、何やってんのー!!
支援 支援
111 :
紙袋の使い魔:2008/07/01(火) 03:34:13 ID:MPdlxqTP
すいません。さるさんにやられました……。
どなたか、避難所から代理投稿お願い出来ませんでしょうか?
支援
今週のYAMABAはいつ使ってくれるのかな?
113 :
代理します:2008/07/01(火) 03:46:57 ID:OCcSkpMO
776 :紙袋の使い魔:2008/07/01(火) 03:30:39 ID:xZehqI6U
そこで、オスマン達の目の前に光が現れた。中から男が一人出てくる。
「やぁ〜っと見つけたよ!オスマンのじっちゃん!俺の鎖鎌返してもらいにきたよん!」
「ア、アクセル君!?」
「いやー。まさかあそこで武器をつかまれるとは思ってなかったんでねー!あれ?じっちゃん老けた?」
思わず涙ぐみアクセルへと抱きつくオスマン。そんな彼に苦笑いしていたアクセルだが、見知った顔が自分を
見ているのに気付いた。
「あっれー?ファウストの旦那じゃないの?どしたのこんなとこで?」
「アクセルさん。お久しぶりです」
そういうと、ファウストはアクセルへ自分の事情を話した。
「へー。なんか変な事になってるんだねぇー。ていうか別世界だったのねココ。ぜーんぜん気付かんかった!
ん・・・どうやら、時間が来た様だね。オスマンのじっちゃん。ファウストの旦那、それと・・・えーと。ルイズ
ちゃん?俺様は御暇するよ!元気でねー・・・・・」
そういうと、彼は光につつまれて消えていった。最初から最後まで騒がしい男だった。オスマンは満足そうな
顔をしてファウストへと話しかけた。
「ファウスト君。君のお陰で恩人に再会出来た気がするよ。ワシの知っている事を話そう。君の左手のルーン・・・・
それは伝説の使い魔、ガンダールブの物じゃ」
「伝説の使い魔ですか?」
「そうじゃ。そのルーンを持つものはありとあらゆる武器を使いこなしたそうじゃ。始祖ブリミルの伝承にはそう
残っておる」
ルイズは、椅子に座って話を聞いていたが、自分にも関係すると思われる話だったので、オスマンへと尋ねた。
「それでは、そのガンダールブを使い魔とする私は・・・」
「うむ。虚無の系統を継ぐ者・・・かもしれぬ」
「そう・・・ですか・・・」
「虚無の実態は伝承にも残されておらぬ。じゃが、ガンダールブが現れた以上、その可能性は高いじゃろう。虚無に関しては
ワシの方で調べてみるので待っていて欲しい」
114 :
代理:2008/07/01(火) 03:48:20 ID:OCcSkpMO
777 :紙袋の使い魔:2008/07/01(火) 03:31:22 ID:xZehqI6U
ファウストの言っていた事が最も事実に近しい事だったらしい。まさか・・・自分が・・・。ルイズは、自分の系統の解明に
また一歩近づいたと嬉しい反面。ファウストの考えを知りたかった。
「ワシの知っている事はとりあえずそこまでじゃ。何か分かったらすぐに教えるのでな。それでは今日の事については改めて礼
を言わせて貰う。ありがとう。さて、疲れたじゃろう。今日のところは舞踏会に参加せずにゆっくりしたほうがいいじゃろう」
2人はオスマンへと一礼し、自室へと戻った。
2人きりになったルイズはファウストへと問いかけた。
「ファウスト・・・その・・・ガンダールブに関してなんだけど・・・」
「安心してくださいルイズさん。ガンダールブであろうがなんだろうが私には関係ありません。私はただの医者ですから
貴女を見捨てて自分の世界に帰りたいだなんて思って居ませんよ。ここにはまだ私を必要としている人たちがいるのです
から」
ファウストの答えに、自分はまだまだ彼を信じきれていないのだな、と思い恥ずかしくなって布団へと潜り込んだ。
ファウストも彼女の反応に微笑みながら、自室へと帰ろうとした。ドアを閉める際一言聞こえた。
「・・・ありがと。おやすみ」
「おやすみなさい」
ルイズが眠るのを確認したファウストは本日最後の仕事へと取り掛かることにした。
月明かりだけが唯一の光となった時間。フーケは鉄格子から外を眺めていた。
明日を迎えれば、その日にでも処刑されるかもしれない。自分を待っていてくれる
妹や、民衆達の笑顔を見るの事は無いと思うと、目頭が熱くなった。しかし
困っている人のためとはいえ、自分は確かに罪を犯した。その事実は変わらない。
フーケが自室の方へと目を向けたときそれは起こった。
「ちょいとお邪魔しますよ」
「あ、あんたは!?」
急に壁に扉が出来るとその男は出てきた。
「ロングビルさん。お元気そうでなによりです」
「何が元気なもんか!こちとら明日が最後かも知れないってのに!」
元はといえば自分はこいつのせいで捕まったのだ。そう思うと語気が荒くなる。
115 :
代理:2008/07/01(火) 03:49:39 ID:OCcSkpMO
778 :紙袋の使い魔:2008/07/01(火) 03:34:42 ID:xZehqI6U
「ここから出してあげます」
「!?どういうこったい?自分たちで捕まえておいて・・・」
「いえ。貴女にも家族がいるでしょう?国に帰してあげます。貴女は確かに盗みを犯した。ですが、私たちを
傷付けようという意志は感じられなかった」
図星を付かれて黙り込んでいるとファウストはそのまま話を続けた。
「テファさん・・ですか?」
「どうしてそれを!?」
「あの時、貴女が呟くのが聞こえましたので・・待っている家族が居る。ならば貴女はここで命を散らしては
なりません。家族の為にも生きるのです。だから、盗賊家業から足を洗ってください」
「・・・分かったよ。あんたの話。聞いとくよ。」
「それじゃぁロングビルさん。行きたい場所を思い浮かべて下さい」
「それでどうかなるのかい?」
「貴女をそこに送り届けます」
「そんな事できるのかい?ま、今更何がおきたって驚かないさね。それじゃあお願いするよ」
何処○もどあーへと向かうフーケ。
「はい。ロングビルさん。お元気で」
「ロングビルじゃないよ」
「はい?」
そういうとファウストへと向きなおす。
「アタシの本当の名はマチルダって言うんだ。あんたは何て呼べばいいんだい?」
「私は・・・ファウスト。医者です」
「ファウスト・・・先生ね。ファウスト先生!恩にきるよ!それじゃあサヨナラだね!」
「テファさんにもヨロシクお伝え下さい」
分かったよ・・・と呟き彼女は扉の向こうへと消えていった。
その日一人の少女の涙を流させない事が出来たのだ。
ファウストの長い一日は終わりを告げた。
彼は自室へと音も無く帰ると、目を閉じたのであった。
だがしかし、その日、すすり泣くような声が響いたという。
「俺の・・出番・・・」
哀れ。デルフリンガーであった。
相変わらず酷い荒れようだな
良作が多かった頃の面影も無い
>紙袋さん乙です。
避難所分をこちらにコピペしました。これでよろしいですねー
119 :
紙袋の使い魔:2008/07/01(火) 04:06:05 ID:IFXRKiQb
>>118氏
すいません。
助かりました。
それでは私は寝落ちします・・・。
紙袋氏&代理人さん乙
改造までされたのに出番の無いデルフが哀れだw
121 :
紙袋の使い魔:2008/07/01(火) 04:11:48 ID:IFXRKiQb
忘れてました。
>>112氏
一応、考えているのでしばしお待ち下さい・・・。
それでは・・・。
>テファニア・ウエストウッド
黒アリさん、確かこの名はテファが学院に編入するときに付けた仮名で、この時点ではただのテファニアか
テファニア・モードとかテューダーとか言うと思います。
FF5からガラフ召喚(死亡後)とかどうだろう。
ルイズとは祖父と孫っぽい関係になるかな?
FF5といえばバッツの続きはまだかなぁ
デルフは出番が無いというネタで出番があるからまだいいだろ。
アニエスやジュリオなんかほとんどのssでろくに名前すら出てこないぞ
左手の人に至っては存在そのものが削除されたしな、ジュリオ
129 :
くろありー:2008/07/01(火) 09:08:38 ID:eV5/t5Xw
>>123 確かにそうですね
後でまとめのほう訂正しときます
まとめwikiいじったことないけど まあ、簡単だと聞くしやってみます
>>128 あれ?居なかったっけかジュリオ
ガンダが才人+V3でミョズがシェフィールド+V3だったから
てっきりヴィンダはジュリオ+V3だと思ってたんだぜ
あれ、そうだっけ?>『左手』のジュリオ
読み直さないと。
左手23話に
> 「ジュリオ」
> 「はい、聖下」
> 「シロウから連絡が入った」
> 「では、アルビオンに?」
> 「うむ、到着したようだ。これから行動を開始すると言っている」
とある
133 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 09:44:26 ID:hlA1i/+h
確かテファ以外はみんな原作使い魔+V3で召還してたと
こうなるとテファも『もう一人』召喚してる可能性が出てくるかと。
>>125 しかし鍛え上げた力は既に指輪だか何かに託してすっからかん
戦いの中でかつての力を取戻していくシチュって燃えね?
つーか、FF5本編だって似たような物だろLv1で始まる暁の四戦士w
なんか最近、さるさんにひっかかる人増えたような気がするんだけど、なんか厳しくなった?
LV1でもしんりゅうにもやりよう次第で勝てるのがFF5の奥深さだぜ
俺にとってFFは3まで、しかもFC版だが。
FF5の人気は高いな。
ファウスト>>乙です
アクセル、何て便利で迷惑な能力ww
後、何故ガンフレイムww
名前:小ネタ 「ゼロと帝国」 その1[sage] 投稿日:2008/06/26(木) 02:38:51 ID:zqnGu+Jv
なによこれー!」
何度かの失敗の後、ひときわ大きな爆発と共に現れた物を見て、ルイズが、いや、その場にいた全員が目を見張った。大きさに
してゆうに二百メイルはあろうかと思われる、巨大な鉄の塊。押しつぶされて死ぬ者が出なかっただけでも奇跡だった。
その場にいた生徒の何人かが、理屈抜きの恐怖心からそれに攻撃魔法を放とうとする。が、呪文を唱えてもなぜか魔法が
発動しない。気を取り直したルイズが、その物体にコントラクト・サーヴァントを行おうとしても、やはり発動しない。
あまりの異常事態が二度続いて、生徒どころか教師までもがパニックに陥りかける。そこへ学院から他の教師全員と、
学院長であるオールド・オスマンが駆けつけた。しかし、彼らにしても出来ることなどあるはずもない。学院の全員が
途方に暮れる中、その物体はふいに宙に浮き上がると、そのまま彼方へと飛び去って行った。
それっきり何事も無かったため、数ヶ月もたてばこの事件は忘れ去られた。しかし、それから一年余り後、ハルケギニアに
ある変化が訪れる。『銀河帝国』と名乗る国の交易船───マストも帆も無い上、とんでもなく高速な船───が各地に現れ、
勝手に様々な、しかもおそろしく進歩した道具を売り始めたのである。
連発式で、しかも数百メイル先の的を正確に撃てる銃、鉄でも切れ、なおかつ絶対に刃こぼれしないナイフや斧、魔法を
使わずとも遠く離れた場所と話せる道具など、ハルケギニアには絶対に有り得ない物ばかりであった。それを平民でも買える
値で売るのだから、誰もが飛びつかない筈がなく、飛ぶように売れる。
そのことに気を良くした銀河帝国の商人たちは、王家や領主に伺いをたてることすらせず、勝手にハルケギニア中に現れ
ては、様々な進歩した道具を売りまくる。それを白い目で見る者も当然いたのだが、彼らは商売敵どころか、貴族や王家の
意向すら気にもとめなかった。
商売敵である商人や、勝手なまねをされて怒った領主が脅しても、銀河帝国の船は多数の武器を積んでいる上、屈強な男
たちが数多く乗り込んでおり、いかなる脅しも圧力も、実力ではねのけてしまう。無論その男たちは、商売の邪魔をする相手
以外には決して手を出さないのだが……。
業を煮やした現地の豪商が、メイジを雇って報復に出たこともあった。ところがそのメイジまでもが、返り討ちにあって
ズダボロにされてしまう。驚いて話を訊くと、銀河帝国側は、魔法の発動を不可能にする道具すら持っていたという。噂を
聞いて集まった者たちに、銀河帝国の商人は、その道具をすら商品として売り始めた。
0 名前:小ネタ 「ゼロと帝国」 その2[sage] 投稿日:2008/06/28(土) 00:25:02 ID:tPCdiCPR
それから半年もたたずして、ある意味予想されたことが起こる。貴族に恨みを持つ平民たちが、それらの道具を復讐の
ために使い始めたのだ。何百メイルも離れた場所から銃で撃たれて死ぬ貴族、魔法の発動を封じられてなぶり殺しにされる
貴族が何人か出て、ついにハルケギニアの国すべてで、銀河帝国の道具を買う事、使う事が禁じられる。しかしそれは、
結果的に見れば、平民たちの不満という火種を、ハルケギニアすべてを焼く大火に燃え上がらせただけであった。
銀河帝国側は、この機を逃さなかったのである。巧みに平民たちを扇動し、ハルケギニア全域で反乱を起こさせたのだ。
しかも辛辣なことに、あの道具のはるかに強力なものを使い、魔法の発動を、ハルケギニアすべてで完全に封じてしまった
のである。
魔法を失った貴族たちは、銀河帝国の武器を持った平民たちの敵ではなかった。しかも反乱軍には、銀河帝国の屈強な
男たちも加わっている。武器には武器で対抗しようにも、そもそも数が絶対的に違う。それから三ヶ月たたずして、ハルケ
ギニアすべての国で、貴族や王族はほぼ皆殺しにされた。
トリステイン魔法学院でも、生徒や教師はほぼすべて殺された。ギーシュもキュルケもマリコルヌも、オールド・オスマンも
ギトーもすべて死んだ。平民に対する差別意識を持たなかったコルベールは死を免れたが、魔法を失ってほとんど何の力も無い
役立たずに成り下がった。
王宮において、アンリエッタ王女は死を免れたが、貴族制度の廃止と、王族の身分を捨てる事を、ハルケギニアすべてに向け
宣言させられた。
貴族の中には、表向きおとなしく投降し、内心で、「この反乱が終われば、再び自分たちが必要とされるようになる」とほくそ
笑んでいた者もいた。しかしその思惑は、銀河帝国がさらに多くの道具を持ち込んだこと、その道具を作るための技術を教え始めた
ことで、水泡と帰す。
銀河帝国の道具は、それまで「魔法を使わねば出来なかったこと」のほぼすべてを可能とした。ハルケギニアに、もう魔法は必要
なかった。平民たちにとって、銀河帝国の道具があれば魔法とメイジはもう無用の長物、何の価値も無いガラクタだったのである。
名前:小ネタ 「ゼロと帝国」 その3[sage] 投稿日:2008/06/28(土) 00:25:40 ID:tPCdiCPR
やがて反乱という名の炎は、魔法学院を退学させられ、失意の内に故郷に引きこもっていたルイズの元へも迫る。
ラ・ヴァリエール公爵は、おのれの名誉にかけて必死に抵抗したが、それは所詮、巨大な岩を素手で殴りつけるようなもので
しかなかった。公爵自身は斧で真っ二つにされ、夫人は頭蓋を叩き潰され、長女エレオノーレは杭で串刺しにされた。皮肉にも
病弱だったカトレアと、元々魔法を使えなかったルイズだけが、お目こぼしにあずかることができたのだった。
しかし当然ながら屋敷も領地も財産も失い、カトレアとルイズに残されたのは、裕福な平民程度の家と財産にすぎなかった。
しかも家族の死と環境の激変で、カトレアの健康状態が急速に悪化し始める。治療しようにも、ハルケギニアに水の魔法はもう
存在しない。姉を死なせないため、ルイズは屈辱をこらえて、『銀河帝国』の人間に、水の魔法を復活させてくれるよう懇願
するしかなかった。
幸い頭目らしき男が、「魔法を復活させることはできないが、銀河帝国の医者による治療を受けさせる」と約束してくれた。
ハルケギニアより遙かに進歩しているらしい銀河帝国の医術でも、生まれつきの虚弱体質を治すことは出来なかったが、どうにか
死の危険からは救い出すことができた。
かろうじて───本当にかろうじて戻ってきた平穏な日々。その価値を痛感させられる中、ルイズは突然、あの頭目らしき
男に呼び出される。
いぶかしく思いつつ向かったその先には、ルイズの見知った顔が何人か集められていた。アンリエッタ元王女も、コルベールも、
オールド・オスマンの秘書だったミス・ロングビルもいる。その他にも魔法学院のコックとメイドだった者、反乱軍のリーダーの
一人である女戦士もいた。
あの頭目に話を訊いてみると、これから自分の上司に会ってほしいと言う。そこで初めて、ルイズたちは頭目の正体を聞かされる。
なんと彼は、銀河帝国正規軍の将校だというのだ。彼の上司が、ハルケギニアの住民の、生の声を聞きたがっているというのだ。
それを聞いたあの女戦士が、厳しい顔で進み出る。
「以前から疑っていたが、やはりあなたがたは、ただの商人などではなかったのだな? この反乱は、あなたがた銀河帝国が
仕組んだ謀略、ないしは軍事作戦だったのだな?」
「つまりアニエス殿は、我々があなたがたを利用して、ハルケギニアを支配下におさめようとしたのではないかと疑っているわけか。」
あまりにあからさまなその言葉に、一同が息を呑む。そんな彼らに、頭目は苦笑気味の笑いを見せた。
「当然だろうな。しかし、我々にそんな意図は無い。ハルケギニアなど支配したところで、銀河帝国にはまったく何のメリットも
無いのだ。そもそも、支配するつもりならこんな回りくどい手は使わん。直接攻め込んで征服している。」
「…信じられんな。第一、何の得にもならないのなら、なぜわざわざこんなことをした?」
「今すぐ理解しろと言っても無理だろうが……。ハルケギニアにおける社会の現状が、我々にとって、決して許せないものだったからだ。」
「……わけがわからん。どういう意味だ?」
「それは私の上司が説明してくれるだろう。」
小ネタ 「ゼロと帝国」 その4[sage] 投稿日:2008/06/28(土) 00:27:08 ID:tPCdiCPR
そのまま船の一室に押し込まれ、海上を飛ぶこと一刻余り。いかなる陸地からも遠く離れた洋上で、巨大な船(らしきもの)が
十数隻空中に浮かんでいた。もちろんただの船ではあるまい。これは明らかに銀河帝国の艦隊であり、当然ながらすべて軍艦に
決まっている。
壁のスクリーン(彼ら自身は「開くことのできない舷窓」だと思っている)を通じ、感嘆の思いでそれを見つめる彼ら。ところが
その時、中の一隻に目を留めたルイズとコルベールが、揃って叫び声を上げた。
「あれは!」
それは二年前、彼女がサモン・サーヴァントで呼び出した、あの物体であった。その時は何なのかすら判らなかったが、銀河帝国の
軍艦だったのか───。新たな事実に二人が呆然とする中、彼らの乗る「小船」は、艦隊中でひときわ巨大な艦───全長にして千
メイル以上あるであろう。当然ながら旗艦に違いあるまい───に接舷する。
あの頭目───黒と銀の軍服に着替えている───に先導され、艦内の通路を進む彼ら。ある扉の前で威儀を正すと、頭目は声を張り上げた。
「シェーンコップです。お望みの者たちを連れて来ました。」
「ご苦労。入りたまえ。」
中から、驚くほど端正で魅力的な声が答える。それと共に扉が開き、一同は部屋へと通された。
正面で、巨大なデスクに一人の男が着いていた。背後に部下らしき男が何人か控え、両脇には、白い全身鎧をまとった兵士が警護に
ついている。この男が、頭目───シェーンコップ───の言っていた上司に違いあるまい。しかしそれにしては、拍子抜けするほど
「普通」の男であった。
年齢は三十代前半だろうか。中肉中背、黒髪に黒い目。顔立ちは端正な方だが、目立つほどの美男でもない。服装もごく普通の白い
ブラウスに黒のスラックスで、正直街のどこにでもいそうな平凡な男である。無論ルイズ達とて、人間を外見で測ることの愚かさは
百も承知している。が、見るからに「只者ではない」と思わせるシェーンコップの上司にしては、落胆させる人物と言うしかなかった。
「それで、彼らはいったいどういう人々なんだ?」
視線をシェーンコップに向け、その男が問いを発する。あの端正な声は、この男のものであった。それに対し、シェーンコップが
手短に彼らの素性を説明する。
「なるほど。元王女が一人、反乱軍のリーダー格が一人、元メイジだが平民に偏見の無い学者に、同じくメイジだが貴族嫌いな女性。
まったくの平民二人に、大貴族の娘だが魔法が使えなかった少女が一人か。少なくとも間違った人選ではないな。」
男がそう言いつつ机のどこかに触れると、隣室から人数分の椅子がその場に運び込まれる。一同をそれに座らせ、彼は改めて
ルイズ達に顔を向けた
名前:小ネタ 「ゼロと帝国」 その5[sage] 投稿日:2008/06/28(土) 00:28:00 ID:tPCdiCPR
「わざわざ呼びつけてすまない。すでにシェーンコップから聞いていると思うが、私に、君たちの生の声を聞かせて貰いたいんだ。
もちろん君たちは、自分の思った通りのことを言ってくれてかまわないし、ここで何を言ったところで、咎め立てされることは無い。
私が聞きたいのは君たちの本音であって、建前やお世辞ではないんだからね。」
「その前に、教えていただきたいのですが。」
男を正面から見据え、アンリエッタが逆にそう問い返す。その顔には、露骨な疑惑の表情が浮かんでいた。
「何をだい?」
『シェーンコップの上司』は、穏やかな微笑を浮かべながらそれに相対する。
「あなたは、いったい何者なのです? ここに来るまでの兵士たちの態度から、シェーンコップ殿がかなりの上位者であることは
わかっています。その上司であるというあなたは、いったい何者なのですか? それに、『民衆の生の声を聞きたい』というのは、
最上位に立つ者の発想です。おそらくは、ハルケギニアに派遣された銀河帝国軍の総司令官、あるいはそれに準ずる立場の方と
見ましたが、違いますか?」
元王女の鋭い指摘に、ほとんどの者が息を呑む。その中で、一人冷静だったアニエスが後を続けた。
「私も訊きたい。シェーンコップ殿の話では、銀河帝国には地位はあっても身分は無く、貴族もすべて名前だけの存在だと言う。
その地位も実力と実績と人望のみで決まり、血筋や家柄はまったく考慮されないと言うことだ。加えてシェーンコップ殿は、私の
目から見ても極めて優れた戦士であり指揮官でもある。その上司であるあなたは、すなわちシェーンコップ殿以上の実力者という
ことになるが?」
それに対し、男の微笑が苦笑へと変わる。
「元王女の肩書きも、反乱軍リーダーの肩書きも、伊達ではないということだね───。しかし、それは買い被りだよ。と言うより
適材適所かな? 私は将ないし軍師としてはともかく、戦士としてはまったくの役立たずだ。」
「銀河帝国では、戦士として役立たずでも将や軍師になれるのか?」
「そうだよ。戦士の資質と将や軍師の資質は、まったく別のものだからね。」
「はぐらかすのはやめてください!」
ごまかすつもりだったのだろう男に、アンリエッタの鋭い声が飛ぶ。
「もう一度訊きます。あなたはいったい何者なのですか?」
「───やれやれ、自己紹介は後にしたかったのだが、やむを得ないな。」
『まいったね』と言うように頭をかきつつ、男は言葉の───とんでもない事実の爆弾を落とした。
「私の名はウェンリー・ヤン。銀河帝国の、一応、皇帝ということになる。」
「───な!!」
「後にしたかったわけが解っただろう? こんなことを明かせば、君たちが本音を言ってくれなくなるかもしれないからね。」
あまりの事実に一同が絶句する中、最初に我に返ったのはルイズであった。
小ネタ 「ゼロと帝国」 その6[sage] 投稿日:2008/06/28(土) 00:28:49 ID:tPCdiCPR
「こ、皇帝ですってー!」
恨みに我を忘れ、『皇帝』に飛びかかろうとする彼女。しかし所詮は、非力な少女にすぎない。警護の兵に、あっという間に
取り押さえられてしまう。
「く───。」
床に押さえつけられ歯がみするルイズに、皇帝は悲しみのこもった眼を向けた。
「私が憎いかね?」
「当たり前でしょう! あなたのせいで父様も母様も、エレオノーレ姉様も!」
「そうだろうな。」
穏やかな口調で、しかしはっきりとそう断言する。これには、ルイズのほうが怪訝な顔になった。
「怒らないの?」
「恨まれて当然だからね。───実際、こんなことは過去何度もあった。かつて、戦場で倒した提督の息子に殺されかけたことも
ある。その子も君と同じ、まったくの子供だった。」
その言葉にルイズは、目の前の人物が才能も器量も備えていることを知った。が、中の一言が彼女の心にカチンとくる。
「子供じゃないわ! これでも十八よ!」
そう言われ、今度は皇帝のほうが怪訝な顔になる。かたわらの部下に顔を向け、小声で問うた。
「この星の一年は、我々のそれより短いのかい?」
「いえ、むしろ、わずかながら長いはずですが。」
ルイズは内心で地団駄を踏んだ。身長と体型のせいで幼く見られるのには、もう馴れている。だからといって、子供扱いされて
気分が良いはずはない───。そんな彼女に『皇帝』が、申しわけなさそうな顔を向けた。
「それは済まなかった。───しかし、君に言っておかねばならないことがある。かつて貴族に愛する者を奪われ、今の君と同じ
思いを味合わされた平民が、ハルケギニア全体でどれだけいたと思う?」
「う……。」
「彼らの気持ちがわからないとは言わせない。それとも、貴族と平民はまったく別の存在で、大切なのは貴族だけ。平民などは
どうでもよいと言うのかな? だとしたら、私もここにいる者たちも、君を許さない。」
「………。」
「それに、君の両親と姉上にも、生きのびる機会は与えられていた筈だが?」
「地位も身分も財産も、すべて捨てた上でのことでしょう! そんなこと、誇り高い貴族が受け入れるもんですか!」
「……誇りを持つのは結構なことだが、その対象が『貴族であること』というのは感心しないな。」
「どういう意味よ!」
「はっきり言おう。貴族であることに価値など無い。血筋や家柄など何の価値も無い。そんなものが、人間の価値を左右しては
ならない。人間の価値を決定づけるのは、1に人格2に能力で、他にあるとすれば、過去の実績だけだ。」
どうやら銀河帝国では、それが「国是」であり「正しい考え」であるらしい。価値観も考え方もハルケギニアのそれとは根本的に
違っていて、ハルケギニアの論理は通用しないということだ。だとすれば彼らを言い負かすのは不可能である。唇を噛むルイズだが、
すぐ逆襲のすべを見つけた。
名前:小ネタ 「ゼロと帝国」 その7[sage] 投稿日:2008/06/28(土) 00:29:27 ID:tPCdiCPR
「……何よ! 血筋や家柄に価値が無いなら、あなたは何なのよ! 皇帝なんでしょう! 血筋でその地位を得たんじゃないの?!」
それに対し『皇帝』が、初めてむっとした表情を見せる。だが、彼が口を開く前に、背後に控えていた中年の男が進み出た。
「陛下、ここは私におまかせを。」
そう言ってルイズに向き直る男。長身で痩せぎす、半分白くなった髪で、少しだけあの「マザリーニ枢機卿」を思わせる。が、
こちらの方がはるかに冷徹というか、冷酷そうな印象だ。
「ルイズといったな。本気でそう思っているとしたら、君は愚か者ということになる。」
「なぜよ?!」
「血筋によって皇帝の地位を得た者が、みずからその価値を否定すると思うかな?」
「なんですってえ?!」
「そうだ。ウェンリー陛下は、先帝陛下とはまったく血の繋がりは無い。」
「それじゃ──もしかして──あんた簒奪者?!」
皇帝に視線を向け叫ぶルイズ。それに答えたのは、中年男のほうであった。
「それも違う。ウェンリー陛下が現在皇帝の地位に着いているのは、先帝陛下によって指名されたからだ。」
「つまり、銀河帝国では、皇帝さえも血筋では決まらないって言うの!」
「そうだ、銀河帝国においては、皇帝も職務上の地位にすぎない。人格と能力のみで選ばれ、血筋など考慮されることもない。
───だから銀河帝国には、皇帝はいても王朝は存在せず、皇妃はいても皇子や皇女は存在しないのだ。」
「そんな………。」
「銀河帝国では、血筋や家柄に価値など無い───。だからこそ我々は、ハルケギニアの貴族たちが許せなかった。」
「その通りだ。特にトリステイン王国では、貴族がすべてを独占し、平民はほとんど人間あつかいすらされなかったと聞く。
そんな貴族たちの振る舞いこそ、我々には絶対に許せないものだった。」
「だから───だから貴族を滅ぼしたって言うの! 何の得にもならないのに!」
「───では訊こう。もし目の前で、決して許せない事を誰かがやっていたら、君はどうする? 自分自身の損得など度外視して、
やめさせようとするのではないかな?」
「く……。」
「ハルケギニアにおける貴族と平民との差別、魔法を使える者と使えない者との差別こそ、我々には許せないものだった。我々は、
それをやめさせたかった。そのためには、貴族を滅ぼし、魔法を滅ぼす以外に方法が無かった。───ま、君たちとの最初の接触で、
ある種の電磁波が魔法の発動を不可能にするとわかっていなかったら、もっと苦労しただろうが。」
小ネタ 「ゼロと帝国」 8 ラスト[sage] 投稿日:2008/06/28(土) 00:30:23 ID:tPCdiCPR
「……あれ? 待ってよ! 銀河帝国でも、能力の違いは認められているんでしょう! 貴族と平民との間には、魔法を使える
使えないという、れっきとした能力の違いがあるじゃない!」
「……もう一つ我々が許せなかったのは、ハルケギニアにおいては、魔法の才能が何より優先するとされていたことだった。」
「…どうしてよ! それのどこがいけないの!」
「国を治めるまつりごとの才能と、魔法の才能との間に、関係があると思うかい? 兵を指揮する将の才能、作戦を立てる軍師の
才能と、魔法の才能との間に関係があると思うかい?」
「………無いわ。確かに。」
「本来重視されるべき能力より魔法のそれが優先され、魔法が使えなければ、それ以外でどれだけ優れていても認めてもらえない───。
それもまた、我々には許せないことだったんだよ。」
「そのために───そのために魔法を滅ぼしたって言うの! 魔法の才能に価値を無くすために! そんなことのために!」
「───確か君は、大貴族の娘でありながら魔法が使えなかったんだろう? 魔法以外のことで認めてもらえたら、と思ったことは
無いのかい?」
「……有るわよ! それは認めるわよ! でも、魔法そのものがこの世に無かったら、なんて思ったことは一度も無いわ! 第一
そのせいで父様も母様も、エレオノーレ姉様も!」
「───魔法を使える者と使えない者との差別、それを無くすためには、少なくとも一度、魔法そのものを滅ぼすしか無かった。
そして魔法が滅びれば、貴族が滅びるのは必然だった。」
歯ぎしりするルイズだが、その言葉に秘められた裏の意味に気づく。
「……待って! 今言ったわよね! 『少なくとも一度、魔法を滅ぼす』と! つまり、いつかは魔法が復活すると言うの?!」
「ああ、いつかは復活する。しかしそれは、今から少なくとも三、四十年後───魔法も貴族も、完全に過去の遺物となってからの
ことだ。その頃には魔法は、『役には立つが不必要なもの』になっている。当然、魔法の才能も、大して価値の無いものになっている
だろう。」
「………。」
「いずれにせよ、ハルケギニアにもう魔法は存在しない。魔法の才能は、もう何の価値も無い。貴族と平民の区別ももう無い───。
魔法と貴族の時代は終わり、科学と民衆の時代が来る───。君もこのままで終わりたくないなら、魔法以外で認められるよう、
努力することだ。」
「そうですよ、ルイズさん。元々、魔法の実技以外では学院でもトップクラスだったじゃないですか。」
黙って聞いていたシエスタが、この時口を挟んだ───。
───結局、彼らが生きている間に、魔法が復活することは無かった。そしてウェンリー皇帝の言葉通り、復活した時には完全に過去の
遺物でしかなくなっていた。魔法とメイジが社会の主流を占めることは、二度と無かった。しかしアンリエッタ・ド・トリステインと、
ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールの名は、ハルケギニアの一時代を支えた女流政治家の名として、歴史に刻まれている───。
−『銀河英雄伝説』より、帝国軍駆逐艦を召還。
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part133
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1209745513/349-357
スル−
あぼーんしとこう
>>139 俺は6までかな、7でポリゴンになったのが受付けなかった。
3はダーククリスタルの存在に気付かずラスボスに特攻しまくってたなぁ…
5は名作だと思う、ミスティッククエストも楽しめた俺が言うのもなんだがw
俺も一番は6だな。
小学生のころだったけどセリスが身を投げるシーンではゲームで初めて泣いた。
召喚からズレて思い出話になってるんだがw
ここでFFは5しかやったことの無い俺惨状
しかもリフレクリングが取れなくて第2世界のエクスデス城で投げた!
まじごめんなさいorz
>>153 じゃあ光速の異名を持ち重力を自在に操る高貴なる女性騎士を召喚
と軌道修正してみるw
シルドラ喚んでファリスを思い出させたりシルフィードといい仲にと思ったこともあるけど投げた
FF9のビビ……生きるという事、死ぬという事を真正面から受け止めて言ったあの姿はゼロ魔世界でも通用すると思う。
黒魔導師としての能力が高くとも、日常的にはジタンにくっついていく気の弱さとか、体格的な弱さは書きやすいかもしれないし。
……文才の無い身には無念な話ですが。
FF5からものまねしゴゴを召喚。
「わたしーの名前、ゴゴ。もーのまねーの達人よー。
もーのまねーの極意は……、まねするーこと。
だから、ルイズちゃんをーわたしーの使い魔ーにするよー」
ものまねをしなかったギーシュ、フーケ、ワルド、その他大勢の敵には、
「ものまねーはもうやめー! でなおしてきなしゃーい!」
メテオ連発。
乗り物付き召喚で6のセッツァーかな、自前のカジノでタバサに大負けするとか
タルブにはかつての友、ダリルのファルコン号が
FF7で白マテリア召喚 ガリア王あたりが黒マテリア
タルブの村にはダンカン(FF6)の子孫がいる
→シエスタに「ひっさつわざ」
ルイズがマッシュを喚んでシエスタとダブル無幻闘舞ですね?
どうしてシエスタはムキムキキャラと組ませられやすいんだ。
そのうち赤くなってパワータイプとか言い出すんじゃないのか?
タルブ+FF+東方から来た男+デルフ
→むっつりで機械音痴でござる口調のシエスタ
>>163 青くなるとスカイタイプですかそうですか
荒ぶる肉体に全てを賭けた不動筋肉陣
だってシエスタは平民で魔法は使えないってのが基本だし
となると肉体言語で説得するようなタイプに持っていくのがルイズたちメイジと対比させやすい
それにほら、後衛を守る前衛は必要だろ?
一応ガンダだけでも事足りてはいるけど
せっかくだからシエスタにガンダ印を付けてみる。
おお、形見のゼロ戦を自前で飛ばせるではないか。
金剛石のシエスタはWiz侍だからそのうち魔法が使えるようになるはずなんだよな。
ひょっとしたらもう使えるのかもしれないけど。
それ以前に更新絶望的?なのが残念だが。
そういや黒蟻の人の所では竜の羽衣は誰が動かすのだ?
ど素人がルーンも無しで零戦なんてピーキーな代物いきなり飛ばそうなんて自殺行為だぞ?
黒蟻のルイズは自分が異端と自覚してるし、人前じゃ自重するだろ。
んでそうする限りガソリンは手に入らず整備もできないからオブジェと化す。
フーケ再登場の展開を切って殺す、と同様にゼロ戦の出番も切るんだろう。
ゴーストバスターズとマシュマロマンが召喚されました
前スレ>922
そういえば、エピGと言えば。
影技な人たち召喚とかは違和感少なくやれそうではある。一般的には聖闘士ほど化け物じゃないし。
字持ちならvs7万やvsヨルムンも行けるだろうしな。ガンダ補正+デルフ涙目確定だが。
タルブ村にパンジャンドラムが。
FF6の召喚だとタルブ村にあるのはブラックジャック号かファルコン号
でも動力が違うとは言え飛空挺だとコルベールはあんまり興奮しないかな
>>175 更新がもう一年近く止まってるけど、カインが召喚されたSSならある(ただし、ヴィンダールヴでガンダはおそらくサイ=オー)
(何故か)五万の大軍を撃退とかもやってたな…
個人的にはディアスなんていいんじゃないかと思う
兄さん人格者だし、修練闘士並に強いけど体壊してて全力出せないし
あとはアニメ版のロウなんてのも面白いかもな
>>178 いや、巨大かつ完成度極限のエンジンをみて、
コッパゲが食いつかないわけがないと思うんだが。
FF6から飛空挺以外だと、インペリアル・エアフォースの空中戦艦エアフォースは?
タルブ村の地底から発進してアルビオン艦隊を魔導レーザーで撃破、さらにアルビオン大陸を波動砲で粉砕。
波動砲ならヤマトと言いたいがサイズの問題があるのでR-9で妥協しない?
BWのメガちゃん召喚なんてどうかな。
中学の時体操部だったことが明かされるところから召喚されてさ。
「台本にそう書いてあるから仕方ない」で従う理由も解決するぞ。
タルブの地下にはロンカの遺跡が………。
アルビオン艦隊に波動砲。ランチャーで風竜たちを狙い撃ち。
>>185 攻略法はライトニングクラウド超連発だな
>>172-173 ルイズはモッカニアの本で操縦してるとこを見ている可能性はあるんだな
だからと言って操縦できるとは思えんが
そもそも原作でモッカニアが飛行機乗ってる記述はないんだよな
まあ、自分で自分を古臭いって言ってるおっさんキャラのビザクが飛行機乗ってることを考えれば、武装司書は全員飛行機乗れると考えてよさそうだけど
乗れないとしたらクジラに乗って移動できるボンボぐらいじゃないかね
黒アリの人も武装司書は皆のれる的な設定にしてるっぽいし
だから乗る乗らないはともかく、本を読んで操縦方法を勉強することはできるんだよな
普通にコルビー先生が「お手本」として齧り付くだろう。
大まかな原理はルイズがインスピレーション提供してく感じで。
>>182 ヤマトがだめならアンドロメダならどうだ?
半自動制御で人員は少なくてすむし、メンテナンスも自動で進む。
ショックカノンもカートリッジ式でなきゃ弾切れは無いだろ。
波動エンジンに燃料はいらんし、高速チャージが可能な拡散波動砲は言うに及ばず。
オーバーキルが嫌ならSaGa3のステスロスについてるはどうほうなんてどうだい?
蹂躙物は独立してやれよ
MTGの人乙!
どんどん白熱していくタバサの大冒険にワクテカが止まりません
タバサやイザベラの感情の表現が良かったなぁ。
>>194 毎度毎度見入るよね、この描写
目に浮かぶようにスッと頭の中にイメージが浮かぶような自然な魅せ方で、それを経て更に内容が盛り上がって行く。
実に、実に素晴らしいですよMtlの方…!乙です
シューティングはSFものが多いので
ファンタジーのゼロ魔との組み合わせは難しいかと…
パイロットの顔が分からない作品もあるしなあ
R-TYPEやグラディウスから自機召喚は俺も妄想したが…
>198
パンツァードラグーンのように、ルイズが乗るタイプならどうだろうか。
R-9って人道的に問題があるんじゃなかったか
地龍マダカナー
畳で空飛ぶアイン左衛門ガンバード2仕様なんてどうだろう?
子孫っぽいのがストライカーズ1945で震電乗ってるしそっちもアリかもしれないけど
ブルードラゴン召喚できたら大当たりだな…
>>185 タルブにある兵器がオメガになりそうだな
少年時代に散々苦戦して
最近買ったGBA版で量産されてたのを見たときの衝撃は未だに忘れられない
むしろ、タルブにはまだ手つかずのアポロンのハープがあるんじゃないかな
>>189 ルイズ「プリパレーションチェック」
シエスタ「プリパレーションチェック」
シ「IRS・モード・セレクターズ
ル「NAV」
シ「ヨー・ダンパー・スイッチズ」
ル「オン」
…
シ「フュエル・コントロール・スイッチズ
ル「カットオフ」
シ「フラップス」
ル「アップ」
シ「エンジン・アンド・APU・ファイアパネル」
ル「ノーマル」
…
シ「エルロン・アンド・ラダー・トリム
ル「セット・ゼロ(「ぼーいんぐ767」っていったかしらこの飛行機…ちょっと最後の最後でしゃくに障るわね…)」
シ「プリパレーションチェックコンプリートでーす」
ル「はーい」
<<グラウンドです、5分前出ました。どーぞー>>
なぜか旅客機を操縦しようとしている光景が浮かんだ。
>>178 言ったろう? 世界最速のハゲだって。(ふさぁ)
‥‥コルベール先生にセッツァーの代わりは無理がありすぎるなぁ。
主に頭部。
飛空艇の風になびく長髪が輝くおつむに・・・
FF6ってエンディングで世界から幻獣とか魔法が無くなっちゃったわけだし
ED後のFF6キャラを召喚しても魔法は使えないんだよな
エドガーとかマッシュとかまるで苦にしないヤツも多いけど
しかしFF6だと、ニューカッスル攻防戦も、タブル攻防戦も、対7万戦も、
ルイズが虚無の力で敵全員にバニッシュ→デジョンのコンボをかまして終わり
そうな悪寒がする。
FF6は魔法を主体としたキャラのほうが少ない
>>209 そこで頭にドリル装備ですよ。(SFC版のみ)
>206
本日は王立トリステイン航空をご利用頂きまして、誠にありがとうございます。
機長のルイズ・中略・ヴァリエールです…
FF7のクラウドを召喚するとルイズがユフィになってしまう気がする
ル「大人しくそのマテリアとやらを渡しなさい!」
ク「だが断る」
ル「ちょっと! ご主人様が渡しなさいって言ってんのよ!?」
ク「子供の玩具じゃないんでね」
ル「こ……子供ですって〜〜〜〜!!!」
……ユフィではないか。
>>214 うっかり燃料を少なく入れ間違えた時のために風のメイジも乗せているのですね
わかります
>>214 最近は料金値上がりで青息吐息ですね
分かります
>>216 そしてこうなるわけですね、分かります
〜ギムリ宅〜
___ __
_/ |___,,,,,//
煤レ___二___,,ヽ._l ‐― ―― ― ―
\ \  ̄
 ̄
\○/ ナンカデッカイノキター!!
│
<\ =3
↑ギムリ
>>216 お客様の中に風のメイジ様はおられませんか
今思っていることの逆が正解だ。しかしそれは大きなミステイク
FF6と言えばこのセリフが意味不明だった。
結果より後悔しない決断が大事だって意味なんだろうけど
当時はサッパリだったわ
>>214 着陸脚に爆弾を仕込まれたら高速エレベーターカーの出番ですね。
ルイズがウーマロを召喚
決闘のルールが理解できずギーシュが杖を落としてもタコ殴りされたりデルフがただの玩具扱いに
>>206 ル:Examin data link.
シ:Main trans engine No.1, 2 On. No.3, 4 Off. No.5, 6, 7 On.
こうですか?
銀河漂流ヴァイファムからロディを召喚するとか。
タバサがまんまカチュアっぽいからなぁ。
>>202 アインはガチホモだぞ、あれはアインの妹の子孫。
225 :
ライドウの人:2008/07/01(火) 22:56:43 ID:sihuMU2J
続きができましたので投下させていただきたく思います。全然話が進んでないですけど
>221
そこでD-LIVE!!の斑鳩悟登場ですね、わかります
227 :
ゼロの仲魔:2008/07/01(火) 22:59:03 ID:sihuMU2J
謹慎が解けるまでの数日、ルイズたちは買い物のあと、特に変わったことはなく普段どおりに生活をしていた。
日中ルイズが自室で勉学に没頭している間、ライドウはというと洗濯をすませ、奉公に来ているものたちと同じく雑用をこなす。
もともと彼がする義務もないのだが、ある菓子を作ってもらった礼にと進んで手伝いを申し出たのだ。
任された仕事の一つは薪割りだった。彼と『葛葉』にかかれば硬い木がバターのように切れてしまうのでもうこれは彼の仕事になってしまっていた。そのあとは食堂の掃除である。
午前の授業が終わる前、スープの蒸気などでほんのわずかに汚れてしまった窓を拭いていき、床にも雑巾をかけていく。
魔法は便利だが、綺麗なままに保存しておくといったものはなかった。平民の仕事を奪うことになるので使うわけにはいかないのだが。
一通りやり終えたあたりで、ライドウにシエスタというここに奉公に来ている少女が話しかけてきた。
「お疲れ様です。ライドウさん」
「これぐらいかまいません」
彼女は先ほどまでテーブルクロスをしいていたため、ほんのりと汗をかいているがさほど疲れた様子はなかった。お盆を持っており、そこには二人ぶんの食事が盛られていた。
「こちらミス・ヴァリエールと、ライドウさんのお食事です」
「毎度毎度、ありがとうございます」
ライドウは深々と頭を下げてからそれを受け取った。
以前、ここへきたばかりのときは食堂で賄いをいただいていたのだが、ライドウが己の仲魔を出した決闘から、彼が調理場の中へ入ることはなくなった。
仕方のないことである。メイジにとってライドウの仲魔は強力な使い魔というだけだが、平民にしてみたら命を脅かす獣と同等だ。
表面上は気にしない風に装っていても、恐怖はどうしても生まれてしまう。 気丈なマルトー、ギーシュの言いがかりから助けてもらったという恩があるシエスタ以外は、ぎこちなくなってしまうのだ。
228 :
眠りの地龍:2008/07/01(火) 22:59:51 ID:Ps5/lqB/
昨日は失礼しました。
ライドウの人の投下終了10分後あたりに投下予約します。
支援。
229 :
ゼロの仲魔:2008/07/01(火) 23:00:22 ID:sihuMU2J
「ところでライドウさん」
「はい?」
ライドウが食堂を去ろうとしたところで、シエスタが声をかけてきた。
「この前のお話、考えてくれましたか?」
「この前っていうのは……」
「私の村へと来ていただくことです」
ライドウは困った顔を見せた。頬をかく。
「駄目ですか?」
「駄目といいますか、僕は使い魔という立場ですから勝手に出て行くわけには」
「それもそうですね。だったら、今度ミス・ヴァリールに休暇を願ってはどうでしょうか。恐らく、もっと先になるでしょうけど。私もそこに休みをあわせてもらいますから」
「はあ……あの、素朴な疑問ですけどいいでしょうか」
「はい。なんなりと」
「そもそも、どうして僕をシエスタさんは村へ誘うんですか? なにか特別な理由でもあるんですか?」
「これがあるんです」
にこりと屈託のない笑みを浮かべた。
「最初はただの不幸な人かと思ってたんですけど、あの二回目の決闘でピンときちゃったんです。ああ、この人は村へとこないといけないって」
「ピンときちゃったんですか」
「きちゃったんです」
ふふと、まるで秘密を楽しむ子供のような態度だった。
「まあ、無理は言えません。ですけど、ライドウさんには絶対に来てもらわないといけません。ですから、忘れないでくださいね。それでは」
シエスタは小さく頭を下げてその場を離れた。ライドウも頭を下げると、お盆を持って食堂を出て行った。
支援
アインの一族は代々必ず兄妹で生まれて妹の血筋が家を継いでいる
兄の方は必ずハードゲイ
232 :
ゼロの仲魔:2008/07/01(火) 23:02:01 ID:sihuMU2J
その後、寄り道もせず、授業で静まり返っている学院を歩いていきルイズと自分の部屋にやってきた。ノック。了承をもらってから中へと入る。
ライドウは机で教科書を読みふけっているルイズに声をかけた。
「食事もって来ました。勉強はどうですか?」
「んー、悪くないわ。もともと今日やる予定だったやつはとっくに理解してるんだもの」
「思ったんですが、結構成績いいんですね。授業でもすらすら教師の問いに答えてましたし」
「実践では駄目駄目だけどね」
ライドウは言葉を返さない。
ルイズは教科書をぽーんと手放して、謝った。
「ごめんなさい。いまのは八つ当たりだわ。気を悪くしないで」
「いえいえ、かまいません」
「そういってくれると気が楽だわ。食事にしましょう」
「はい」
マルトーが用意したのは普段のものとかわらないものだった。おかげでライドウも豪勢な昼食にありつけることができたのだったが、彼は味が好みではないのかすぐに満腹になってしまっていた。
だが、デザート、彼がマルトーに懇願してメニューに入れてもらったそれだけは何個も平らげていった。それを見てさしものルイズも溜息が出てしまう。
「あんたほんと好きよね。その大学芋っていうの」
「ええ。ルイズ様、契約ですからお一つ譲ってください」
「わかってるわよ」
ルイズは自分の皿にあったものをわけてやった。
もともとこれの作り方をマルトーは知らなかった。大学芋というものの名前さえもだ。それをライドウが懸命に再現し、製法を教え、作ってもらっているのだ。
これのためにわざわざ仕事をしているといっても過言ではなかった。
一通り食べ終わると、いつもならライドウが食器を食堂へ持ち帰るのだが今日はそうならなかった。
「ルイズ様、実は、シエスタさんというここで奉公をしている人に言われたのですが、」
「なにを?」
「村へこないかと」
「なんで?」
「それが、具体的には教えてくれませんでしたが、なにか特別な理由があるそうです」
「特別な、ね」
ルイズはオレンジを一切れ口に含み、飲み込んでから答えた。
「別にかまわないわ。求婚していたわけじゃないんでしょう。学院が長期休暇に入ったときにはメイドも暇を与えられるから、そのときにあなたも一緒にいきなさい」
「ありがとうございます」
233 :
ゼロの仲魔:2008/07/01(火) 23:04:08 ID:sihuMU2J
ライドウは空になった食器を盆に戻し、部屋を出て行った。そして食堂でシエスタに返すと、ちょうど昼休みになるので次の仕事に入る。
調理されていない生肉やらくず野菜などをリヤカーに積み込んでからヴェストリの広場に出る。
そこでは学院の使い魔たちが思い思いに休みを取っていたが、彼らはライドウの姿を認めるとぞろぞろと統率の取れた動きで集まりだした。
モグラ、蛙、サラマンダー、大きなものから小さなものまで学院中の使い魔が彼のもとにいる。先日の馬も混ざっていたが目立っていなかった。
「はい並んで。お食事です」
様々な鳴き声とともに使い魔たちは一列に並んだ。これがライドウが重宝されているもう一つであった。契約をしていても獣の本性は失われない。餌やりの人間に噛み付くこともある。
ところが、ライドウの場合は静々と礼儀正しい人間のようにに食事を取ってくれるのだ。他ではこうはならない。
そうしてすべての使い魔たちに食事を配ると、肉の血で手が汚れているので水で洗っていると、ライドウへ一人の少女が近づいてきた。
「……なにか、用でしょうか」
ライドウはその、眼鏡をかけた青色の髪をした小柄な少女に尋ねた。
「あなたに、聞きたいことがある」
「はあ、なんでしょうか」
「あなたの右手にあるルーン、それはいつからある?」
ライドウは自分の右手を見た。そこには文字が描かれていた。
「これは確か、ルイズ様と契約してからできましたね。使い魔の証とか言ってましたけど」
「そう」
彼女は短くそういい、懐から紙とペンを取り出してスケッチをしだした。
「動かないで」
「は、はあ……」
時間はさほどかからずに終了する。彼女は礼をいってから食堂に戻っていった。ライドウはすぐさま仕事に戻っていった。
>>198 式神の城かサイキックフォースから呼べば、OK!
そういや、前スレで自力で帰還できるキャラの召還の話が出てたけど、
無名世界の有名キャラなら世界間移動こなす人結構いるよね。
ルイズに少年探偵、キュルケに「贅沢にしか生きられない」ニーギ、
タバサにふみこたんあたりで。
支援
236 :
ゼロの仲魔:2008/07/01(火) 23:07:27 ID:sihuMU2J
夜、ライドウが新たに薪を割る、ではなく切っていたらゴウトがやってきた。鳥目というのがあるが、彼にとってそれは問題ないようであった。
迷うことなくライドウの肩に着陸すると、小声で仕入れた情報を語り始めた。
「ある田舎村で耳にしたんだが、この国のある領主がまるで人が変わったかのように優しくなったらしい」
「というと?」
「それまでは人買いといったことを堂々としていてな。民からは恐怖の対象として見られていたようだ。それがいまや聖人君子になっているらしい。贅沢もやめてなかなか質素な生活をしているのだとか」
「他には?」
「アルビオンという国の政治家たちが、まるで人が変わったかのように王家を糾弾しているらしい。このままでは革命も起きるやもというほどだ」
「イギリスみたいに?」
「いや、ここにおいての王家を打ち倒すというのはあちらでのとは意味合いが違ってくる。調べたところ、ここでの王家とは神に相当するものから与えられた力だからな。それを滅ぼすなど、考えられん。
恐らくだが、彼奴らが関わっている」
「恐らく、じゃなく、確実に関わってるだろうな」
ゴウトは反論しなかった。
早計だとか、いまだ様子見が必要だとか。
なぜなら彼もまた、確信を持っているからであった。
ライドウは心底疲れたかのような、重い、溜息をついた。
「あいつらは、こっちでやるつもりなんだろう。でも、科学がないから、周到な準備をしないといけない」
「これは布石といったところか。いつ出る?」
ゴウトの問い、ライドウは薪を切りながら答えた。
「今夜にでも。ルイズ様が寝入ってから、その領主のところへ」
そういって葛葉を鞘に収め、腰から弾がこめられていない銃を抜いた。
引き金を引く。弾は出なかった。
支援
238 :
ライドウの人:2008/07/01(火) 23:09:40 ID:sihuMU2J
これで投下は終わりです。支援アリガトウございました。
乙したー。
なんてーか、キレのいいルイズですな。こういう感じは大好きです。
ツンデレキャラはある種の高潔さを持ち合わせてないと
ただウザイだけではないかと思う今日この頃。
>>234 「豪華絢爛にしか生きられない」じゃなかったっけか。
絢爛舞踏と引っかけてるんだと思うし。
240 :
眠りの地龍:2008/07/01(火) 23:15:19 ID:Ps5/lqB/
乙です、では30分から投下開始。
乙でしたー!
>>207-208 飛空挺の舳先に腕を組んで颯爽と立ち、高空の日差しを頭頂部で反射させるコルベール。
その輝きが船と共に空を翔る事から、新たな二つ名は「光」。
あるいは「流星」のコルベールと呼ばれ、実情を誤解されたままイメージだけが広まることに。
ならば「閃光」のワルドとは……まさかあの帽子ッ……
>>220 今思っていることの逆が正解だ(セッツァー談)
しかしそれは大きなミステイク(ダリル談)
このセリフを言う場面では今思っていることの逆が正解だったから、この賭けはセッツァーの勝ちってこと
まさか、太陽拳の使い手か!?
>>まさか、太陽拳の使い手か!?
DBの天津飯を召喚して「太陽の使い魔」ってタイトルを思いついた
タイトルだけ
248 :
眠りの地龍:2008/07/01(火) 23:30:46 ID:Ps5/lqB/
それでは投下します。
>>234 どいつもこいつもどう考えても絶対と言っていい程従わないけどな。
特にニーギとふみこ。
契約とか強要しようもならガチで殺しに来る。
あいつらその辺マジで容赦ないし。
250 :
眠りの地龍:2008/07/01(火) 23:31:45 ID:Ps5/lqB/
国王の財力、エルフの先住魔法、そして異世界人の知謀が結集し造り果せた、冷たき2体の巨人。
ガリア王国の何処かにある、広く薄暗い室内で、その巨人達は眠っていた。
ぴたりと並んいるその2体は、血を分け与えた双子の兄弟にも見える。
それほど、よく似ていた。
2体を外見がら個別化する為に用意された、蒼きを染めし鎧と、紅を司る鎧。
その彩色が、後に偶然ながら、彼等に付けられる名称の由来となり、
そしてさる事毎に因果な按排を弾き出すとは、ガリア王国の長とて現段階では予知すら叶わない。
彼等は光という存在を知らずにいる。
未だ1度たりとも、起き上がるのを赦されていないから。
仄暗い無の世界を漂う先に見つけるものは、果たしてガリア王が望する正しき事なのか、
はたまた、2体の誕生に携わった異世界人の危惧する、過ちの繰り返しなのか。
その運命を委ねるはガリア王、そして蘇りし神の頭脳次第。
遠くない未来、神の頭脳が灯す光は、彼等を何処へ導くのだろうか。
子は親を選べないとは、先人とてよくも適切な言葉を残したものだ。
何れにせよこの2体の巨人が、まだ目覚めてはならぬが故に彼等を固く束縛する、
強靭な紐から解き放たれる為には、暫時の経過を必要とした。
眠りの地龍 第3話 「あしなが姉さん」
支援
かっこよく死艶
253 :
眠りの地龍:2008/07/01(火) 23:32:48 ID:Ps5/lqB/
ゴモちゃんで良いじゃない、とけんもほろろ気味に言うのはキュルケ。
生き物、よりも置き物、として認識され始めた感すらある、動かざる眠りの地龍ゴモラの名称について、
毎日散々思考する挙句、結局は決まらない事を悪循環的にひどく悩むルイズが、
少々プライドを捨て、この日授業の直前、キュルケに相談した処、前記の答えが返ってきた次第である。
やっぱこのゲルマニア女なんかに聞くんじゃなかった、とルイズは溜息をつく。
だが、キュルケとの雑談は続いた。それもわりと和気藹藹に、だ。
学院1年生の頃の彼女達は、犬猿の仲を具体的に表した仲の悪さであった。
同じ机に、それも隣同士で座るなど、例え天地が引っ繰り返りようとも考えられなかった程に。
ルイズは魔法が不得意とするが、それは周知の事実にも程があるので、敢てその詳細は省くとして、
爆発乃至、発光しか能がない彼女を嘲弄していたのは、何もキュルケに限った事ではない。
2人の仲が悪かった原因として、そこだけを指摘するのは見当違いではなかろうかと思える。
また、ゴモラたる大層な使い魔を召喚したから、2人は仲良くなったと捉えるのもまた然り。
確かに魔法劣等者ではあるが、ルイズは努力を怠ってはいない。ただ何故だか報われないだけだ。
それに早い段階で感ずいた者もいたのに、当のルイズは性分からか強がってしまい、
理解しようとしてくれた者達を、これまで遠ざけてしまったきらいは大いにあると言える。
そう、孤独の巌窟に片足を突っ込んだのは、他ならぬルイズであり、
召喚されたゴモラは、その巌窟から脱出するチャンスを、無意識がら与えてくれたのに過ぎないのである。
ルイズ自身にその気がなければ、何を召喚しようが、キュルケ達との距離は今も遠かったであろう。
「あの、さ。マウンテンガリバー、なんてどうかな?」
さて、そんな2人の少女の会話に、唐突に顔を突っ込むは、後の座席から乗り出す膨よかなる少年マリコルヌ。
その丸っこい顔に備え付けられた口から放ったのは、どうやらゴモラの名前についての発言らしい。
ルイズとキュルケは、彼の弾力のありそうな事実柔らかい頬を目の当たりにし、軽く怯む。
そして、ルイズはマリコルヌの案を即座に却下した。
ガリバーだなんて、いかにも男っぽい名前じゃ駄目よ、長いし。
と。
ゴモラの性別は未だ不明である。
昏睡状態なのではと疑ってしまう程に深く眠り、なかなか目覚めないため、
通常使い主と使い魔が可能とする、意思の疎通が儘ならないからなのも原因の1つだが、
最大の理由は、単純明快に生殖器による雄雌の判断がつかないからである。
竜の生殖器は、大抵他種の生物と同じ様に尻尾の付け根にある。
これに倣いゴモラの尻尾の付け根を調べた処、所謂突起物の類は見受けられなかった。
だが、まだ雌だとは断定をしかねる。何故なら、ゴモラはその巨体をうつ伏せにさせ眠っているため、
或いは案外小さな生殖器が、巨体と大地の合間に埋もれている可能性が高いからだ。
依然未確認のままのルーンと同じく、性別の方も曖昧模糊なのが暗黙の了解となっている
(半陰陽、という単語も浮かび上がるが、生物学的にそれはあり得るのだろうか)。
目覚めてくれれば、そう事が有耶無耶に縺れる必然性も消えうせるのだが、
起き上がらない巨体を目の前に、ほとほと待ち惚けを喰らっているのが現状だ。
そんな良く言えばミステリアス、悪く言えば真偽があやふやではっきりとしない、
物言わぬゴモラは、今は如何な夢を見ているのだろうか。
254 :
眠りの地龍:2008/07/01(火) 23:34:00 ID:Ps5/lqB/
マリコルヌの方に視線を戻してみると、絶対的な命名決定権を握るルイズからの冷たい即答を受け、
軽く残念がっているのだが、そんな彼を煽るが如く、
そうそう、君にはセンスがないよ。とさらに横入りする、頬に真新しい火傷の痕を負ったギムリの姿がある。
キュルケはギムリをルイズ越しに目にすると、少しげんなりとした表情を見せた。
大方昨晩あたり、その火傷に繋がる、何かしらの関わり合いがあったのは間違いない。
センスがないだなんて、君に言われたくないぞと指差し反論するマリコルヌに、
少なくとも君よりも高貴な名を考える自信はあるね、と胸張って言う妙に自信ありげなギムリ。
2人のやり取りを封切りに、他の生徒達もゴモラの名称について各々語り始めた。
たとえその正体が地龍であると知らずとも、ゴモラの存在に憧れを抱く者は少なくなく、
その名付け親になれるのならばなってみたい、と衝動にかられたのかもしれない。
最初はほんの雑談程度だったのだが、次第に誰が名をつけるか、どんな名をつけるかの口論に発展した。
何故に使い主である私の意志は無視なのよ、と当然至極なルイズの主張をも掠れ消してしまう程に。
その議論は、ギトーの風魔法の授業が始まっても尚継続するほど白熱し、
授業中だぞ、厳粛にできんのか、と怒鳴るギトーを誰もが無視した、というか気づいていない。
痺れを切らしたギトーが、いい加減にしゃぁがれこの糞餓鬼どもが!
と教師らしかぬ暴言を吐こうとした直前であった。
「グノーム」
囂然たる場をまるでサイレントの魔法の如く沈め、そしてギトーのモラル崩壊を未然に防いだのは、
それまでキュルケの隣で、普段通り淡々と本を読んでいたタバサである。
彼女の声は極めて小さく、鶴の一声と例えるのも怪しいものだったが、まさか想定外の参入に人目を引かせた。
何かしら魔法の呪文でも詠唱したのかと勘違いした者もいるが、
それは普段から勉学を疎かにしている証拠である。
実技の結果はともかく、毎日の勉強を欠かさないルイズは、すぐにタバサの放った言葉の意味を理解した。
「土の精?」
以前何かの本で読んだか、或いは1年生の時授業で学んだ覚えがある。
四系統魔法と呼ばれる、火、水、風、土には、それぞれ系統の名を冠とする精霊が存在する。
火の精はサラマンダー、水の精はウンディーネ。
風の精はシルフィード。そして、土の精はグノーム。
そう、タバサの使い魔の名シルフィードは、ここからの因由なのである。
蒼い体色で、空を自由に飛び回る韻竜(表沙汰では風竜)には秀逸な命名と言えよう。
妥当、いやこれは秀逸かもしれない、とルイズは断案に達した。
グノーム、であれば、後々雄か雌か判別した際に、それに沿った名前に変える必要も無い。
土の精という意味ならば、地龍への命名由来としては十二分である。
それに、ゴモちゃんやらマウンテンガリバーやらなんかよりも、よっぽど響きが良く、程よく短いし、
何よりタバサの使い魔と共通点のある名というのも気に入った。
他の生徒達も概ね納得したらしく、感嘆や反論の声が僅かに漏れるのを除き、教室内は治まりを見せる。
なんかよく解らんがこれで授業が再開できる、とギトーもタバサに心の中で感謝の意を表したのであった。
その後、ゴモラを嫌うシルフィードが「んな、なんじゃとてなのねぇぇぇぇ!?」
と悲観に打ちひしがれて叫んだのは、敢えて記するまでもない。
255 :
眠りの地龍:2008/07/01(火) 23:35:06 ID:Ps5/lqB/
それ自体が、巨大な風石の塊であるという説がある。
始祖ブリミルの力が時節「ナンデモアリ」的な意味合いで取られる謂れの1つに、
その始祖の息子が作り上げたという、ここ浮遊大陸アルビオンが挙げられる場合が多い。
常に地上から3000メイルの位置にて、巨大な1つの大陸が浮かぶ光景は圧巻である。
そこでは、人々や動物達が、地上と然程変わらぬ生活を送っており、
高度3000メイルだからと、高山病の類、酸素欠病症等に苦悶する例は殆ど無い。
森林などの自然環境が調っているから、と言えるが、
その自然環境も何故、雲の上なぞで、地上と大差無しに成り立っているのだろうか。
それもまた、ブリミルの「ナンデモアリ」が干渉しているのかもしれないが、だとすれば、
本当に「ナンデモアリ」である。
そのアルビオンのサウスゴータ地方、何かを隠すのに適する程深い森に囲まれた、ウエストウッド村は、
住人の平均年齢が一桁という、端から‘活気ある村’を志していない、小さな村である。
しかし活気はなくとも元気は溢れており、常に笑い声が絶えないのがこの村の特徴で、
収入源の皆無による貧困の対策は、とある1人の女怪盗によって成されている。
村から10メイル程森の中を突き進んだ場所に、せいぜい雑草が生い茂る程度の、広場とも言える更地がある。
木々の中にぽかんと開いたその空間に、さらに場違いと言わざるを得ない異様な物体が、ずんと身を置いていた。
岩山である。
いや、岩山と記述するのも怪しい。
何故ならそれは、少なく見積っても3つの色彩が塗りたくられているからだ。
「悪い事は言わない。今すぐこの化物と、なんとかしてでも絶縁するんだよ」
カラフルなる岩山を見据えそう言う、緑色の髪を生やす麗人は、
数日前まではトリステイン学院に身を置いていた、ロングビルであった。
髪を下ろし、眼鏡を外したその姿は、身に纏う黒い衣類と相俟って、
御淑やかな学院長秘書とはかけ離れた雰囲気を醸し出している。
前述の1人の女怪盗とは彼女の事であるが、なるほどその目付きたるは、がめつい盗人に相応しくもある。
「縁を切れって、何を言い出すの? マチルダ姉さん。ティルは私達の大切な家族なのよ?」
ロングビルのすぐ隣に、これまた麗人と言わざるを得ない少女の姿がある。
その少女の特異点たるは、1つや2つ指摘するだけでは済まない。
まず長い耳は明らかに人間の備える類ではないく、それは彼女が混血なる身であるのを示している。
しかし長いブロンドヘアーは、宝石と見違えんばかりの鮮麗さを放ち、端正な顔立ちを際立たせている。
さらに胸部は布地からはみ出さんばかりに豊満でいて、
対照的にすらりとした細い肢体が、彼女の女性としての外見的魅力を、必要以上に見せつけている。
身に着る服は、肩と腋を惜しげなく露出させ(透明の衣は被っている)、腰を纏うスカート部分の両腰側面には、
大きな切れ目があるため、足の付け根に程近い肌白き太ももが、ありありと眼に飛び込んでくる。
その肌の魅せ具合は、健全なる青少年の海綿体を刺激為兼ねず、周りの目を気にしないからこその服装である。
彼女こそが、ロングビルがこのウエストウッド村に投資を重ねる起因である、ティファニアだ。
(因みにマチルダとは、ロングビルの本名であり、以降彼女の事はマチルダと記す。
何故マチルダは、身を呈してウエストウッド村に尽くしているかの経由は、またいずれに)
化け物、そして大切な家族とは、2人の目の前にある岩山であるらしい。
カラフルな岩山の正体は、竜であった。
256 :
眠りの地龍:2008/07/01(火) 23:37:36 ID:Ps5/lqB/
以前、冬の終わりかけだったか、このウエストウッドに立ち寄った際、初めてマチルダはこの竜を目にした。
これまでティファニアは、魔法を扱えるながらも、使い魔を召喚する運びには至らなかったのだが、
「呼んで欲しい、と願われたから」というよく解らない理由で召喚していた巨大なドラゴンが、これだった。
当時は、こりゃまた面倒なものを呼び出しちまったねぇ、と飼育資金面に関しての懸念は抱いたが、
あくまでサイズの大きい、えらく長く眠る竜とだけ認識し、マチルダはそのまま学院へと戻った。
しかしその後、学院での召喚儀式によって出現したゴモラを目にするや、
‘地龍の生き残り’という聞き捨てならない単語が脳裏を過り、もしやと思い‘地龍録’を読んでみた処、
あのサウスゴータの森で眠る竜と、瓜二つな地龍の解説項目を発見した時は、青ざめたものである。
「十数メイルもある大きな竜」ではなく、「十数メイルしかない小さな地龍」だったのだ。
直後にオスマンから、休暇の許可をすんなり得られたのは僥倖であった。
逸早くアルビオンへのフネに乗り、一息足りとも休む事無く、ついぞ先ほどティファニアと再会した次第だ。
紅い色の頭部から発せられる低音の唸りは、恐らく竜の鼾と考定される。
額にあたる個所が、角の様に前にのめり出す形で突起しており、
図太い首元には、まるで人工物の装甲ではないのかと見違えんばかりの、
段々に構造された硬い皮膚が覆われている。この皮膚が、3色の内の灰色をなしていた。
太い前脚と後ろ脚は、濃い青色に染め、所々に数は僅かだか小さな斑点も見られる。
大凡に見計らって、尻尾も合わせ大きさ15メイル弱程だろうか。学院のゴモラの半分以下である。
まだ成体にまでは成長し切っていないのか、さもなくば生まれて間もないのかもしれない。
しかし、1匹の生物の大きさとしては、やはり非常識であると評するに差当り支障は無い。
「いいかい? ティファニア。何故この古代の竜が、おまえに呼ばれたのかは解らない。
だけどね、このままじゃ碌な結果を生まないよ。
幸い、こいつはまだ夢の中。今の内にここから離れる支度をするんだ」
ハーフエルフと、絶滅したはずの地龍。嫌でも目立ってしまうこの組み合わせは、非常に芳しくない。
万が一にも使い魔の儀式が失敗していて、目覚めたと同時に暴れ狂ってしまえば、太刀打ちできる道理もあらず。
マチルダは、これまでの悪行もとい窃盗(それ自体はティファニアには伏せている)で得た資金で、
ウエストウッド村の子供達と共々、少しでもこの地龍から逃れようと算段していた。
今この瞬間にでも、巨大土ゴーレムを造り、ゴルザを不意打ちし葬ってやりたいが、
いくらなんでも妹や村の子供達の目前で、それを実行するには危険が伴う上良心も痛むし、
第一、戦闘能力が未知数の地龍を相手に、果たして自分の戦法が通じるのか、という不安要素もある。
一旦ここから身を離した後、この地龍の存在をアルビオンの政府だかアカデミーだかに匿名で知らせばいい。
危険な存在と看做され、軍に退治されるもよし、アカデミーの研究材料として捕獲されるもよし。
場合によっては、此処ウエストウッド村に戻ってこれなくなるかもしれないが、致し方なかろう。
新たなる安住の地を見つけるには、どれほどの時間を費やさねばならぬか、苦悶を余儀無くされない。
「聞いて姉さん、ティルは――」
そんな風に1人で悶々と、今後についての不安を胸に廻らせているマチルダに、
ティファニアが複雑そうな表情で、心境を伝えようとした、その瞬間。
岩山が、ピクリと動いた。
さらに、岩山から重い轟音が迸る。
それは鼾ではなく、その地龍が眠りから覚めた事を示す、欠伸の咆哮であった。
257 :
眠りの地龍:2008/07/01(火) 23:39:21 ID:Ps5/lqB/
岩の様に固定されていた身体が縦に震え、地表が軋む音が、辺りに佇んでいた鳥や小動物の逃走を促した。
ゆっくりと上半身を持ち上げると、その岩のような身体の先端、紅い顔面から、2つの微光が放たれる。
その光の正体が眼球であるのが判った刹那、日光が思いの外刺激を与えたのか、すぐさま眼を閉じた。
そして、眼の下部がばっくりと穴開き、その穴から鋭い牙と長い舌を見せると同時に、
断続的な唸り声が放たられた。低く、重たい音程を轟かせるその唸りは、
大型の獣の咆哮、というよりも寧ろ男性の荒い鼾を彷彿とさせる。
眠りから自為的に目覚め、豪快な欠伸を無意識に披露している、その地龍。
「――ゴルザ!」
マチルダは再度、あの日『地龍録』で目にし記憶に刻んだ竜の名を反芻した。
忘れもしない、地龍「ゴルザ」。
立ち上がった事により、その外見の全貌が、より鮮明と肉眼で確認できる。
やはり、挿絵として描かれていたものと酷似しているし、第一「起立する竜」は、地龍以外に考えられない。
現在既存する殆どの竜は、余程の事態でも舞い降りない限り、
前脚は常時地面に付け、後ろ脚は屈折させ、爬虫類と同様4足で佇む。
求愛行動などに限り、2足で歩行する場合もあるらしいが、あくまで稀でしかない。
だが地龍は、太い後ろ脚をぴんと伸ばし、尻尾をぐでんと垂らして重心を調整することにより、
人間や猿が直立した体制と似た姿勢を、難なく常にとることを可能としている。
また、直立するにより、必然的に地面から離れる前脚は、もはや『腕』であると断言して良く、
その腕で大小様々な物を掴み、持ち上げる事ができるなど、竜としてはありえない動作をやってのける。
地龍の体の構造は、その種類によりけりだが、竜でありながら哺乳類と非常に似ているのだ
(故か、そもそも地龍は実は竜族で無く、皮膚等が特異なだけの哺乳類なのでは、という極端説が存在する)。
>>234 239が言っている通り「豪華絢爛にしか生きられない」だな。
たぶん質素な生活様式してても勝手に豪華絢爛になってしまうんだろう。いろんな意味で。
そして地龍の人支援
259 :
眠りの地龍:2008/07/01(火) 23:41:28 ID:Ps5/lqB/
長い欠伸を終えると同時に、ゴルザは瞼を再び開かせ、ぎょろりとした漆黒の眼をティファニア達に向けた。
まさか目覚めてしまうとは夢にも思わなかったマチルダは、血相を変え、咄嗟に杖を構えようとするが、
慌てて落してしまい、素早く拾おうと身を屈ませた寸前、ゴルザの鼻息が彼女の身を強張らせた。
マチルダにとって、その鼻息が醸す恐怖は、大砲による砲丸発射の爆音にも等しい。
杖に構うのは諦めた。先ずは、ティファニアの身を護らなければ……と、
マチルダは妹のいる方へ身を翻したが、そこに見えたティファニアの様子は、なんともはや落ち着いていた。
事の状況に驚愕としている面構えではないのは、見るに明らか。
どうやら、ゴルザが起床する現場に居合わせたのは、これが初めてではないらしい。
ティファニアは、おはようティル、と10メイル程上空にあるゴルザの顔を見上げながら、明るく声をかける。
そんな彼女と対照的に、マチルダは冷汗を垂らし、その場から1歩後退りした。
ゴルザ――基、ティルという名のそれは、見慣れない客人、マチルダを視野に入れると、
警戒心からか鋭い目つきで彼女を睨み、短く唸る。
思わず腰が抜けそうになったマチルダを、ティファニアは守る様に寄り付き、その姿勢でティルに一喝した。
「ティル! 駄目よ、この人はマチルダ姉さんよ! 前に話したでしょう!」
明らかに動揺した仕草を見せる、ティル。
鋭く光らせていた威嚇の目付きを、何度か瞬くことで緩んだ表情へと変え、
少しばかり気の弱く感じる唸り声を上げると、その巨体を数歩後退させた。
もう大丈夫よ、とティファニアがマチルダに言う。
一瞬の出来事に、マチルダの脳内が、数秒の合間真っ白な世界に染まったのも束の間、
ティファニアがこの地龍を、こうまで忠実に手懐けていた事に驚き、目を丸くした。
260 :
眠りの地龍:2008/07/01(火) 23:42:53 ID:Ps5/lqB/
ゴモラがそうであるように、地龍は長期間床に伏せ、そうは起きない性質だと想定していたのだが、
このゴルザはとっくに長い眠りから覚めていた。
マチルダが地上で出稼ぎをしている合間、目覚めてしまった裂帛なる風貌を相手に、
名を付け従わせる情景を想像してみると、それに如何な勇気を注げなければならなかったか、考えるに難しくない。
ティファニアは、少なくともメンタルの部分では、マチルダの思っていた以上に逞しく成長していたのだ。
危ない喰われる近づくな、と警告するだけ無駄な気配りであろう。
しかし『地龍録』によると、ゴルザの生態的特徴は、火山地帯を住処とし、
地龍の中でも随一に好戦的で凶暴な性質だった、とある。
一説によれば、溶岩を好んで食し、栄養源に変換してしまうという、
地龍においてもかなりの常識はずれな特殊種生物であるらしいが、果たして、本当なのだろうか?
ティファニアの説教に大人しく耳を傾けている姿からは、凶暴性に関してはその名残すらも喪失している。
寧ろ滑稽さすら感じたが、火山生息で溶岩摂取を可能とする生物と同一のものとは到底思えない。
火山の、それもサラマンダーすらめったに近寄らない、溶岩を容易に口にできる程の灼熱地帯となると、
ウエストウッドの森のような緑が鬱葱と青茂る森林との環境の差は、そこに生息する生物の生態を及ぼす。
簡単且極端に例えるなら、人間は海中で呼吸できないし、魚も地上での鰓呼吸は不可能。のようなものだ。
二酸化炭素を吸収した植物達が放つ酸素濃度が、召喚されたゴルザの物質代謝に、
多かれ少なかれの悪影響を及しているとは考えられないだろうか。
百歩譲って、森の中でも生息できる理由は高い適応能力を備えているからだとしても、
ティルと名付けられたこのゴルザは、ここで何を食べているのだろうか?
森で採れる食物が、溶岩を喰らう奇想天外龍の口に合うの否かは甚だ疑わしい。
若しくはこの個体が、ゴルザそのものでなく、ゴルザと外見酷似した亜種目である可能性もありうる。
そうであってくれれば、草食であったり小食だとしても、さして疑問を抱く面倒も回避できるのだが。
ふとその時、幼い、奇声ともとれる荒ただしい声が、村から聞こえたかと思うと、
小さな影が続々とマチルダ達のいる元へ集まってきた。
それは、ティルの欠伸の咆哮を聞いて、そら起きたぞとばかりに駆け付けた子供達の姿だった。
禍々しい地龍の風貌に臆しもせず、その脚部に豪快に飛びつくと、純粋無垢なる楽しげな声を挙げ、
まるで父親だかに甘えるかのように、じゃれ惚けている。
当のティルは、さも関心を示していないかの様な、感情の読み取れない双眸で眼下を見据えてるが、
うっかり踏みつぶしてしまわないようにか足を微動だにさせない辺り、子供達を考慮しているのが窺えた。
261 :
眠りの地龍:2008/07/01(火) 23:43:59 ID:Ps5/lqB/
この日何度目かの「呆気に取られている」のはマチルダである。
子供達との仲もここまで進展し、直に触れ合うとは、
俄かに信じがたい光景だが、トリステイン学院でのゴモラの人気ぶりを思い出してみると、
さりとて違和感は覚えなかった、と自分に言い聞かせたい処だが、
すぐにこの状況を受け入れるのには、やはり無理があった。
この地龍の生き残りが危険極まりないのに変わりはない。
確かによく懐いているかもしれないが、その巨体を地表に晒すだけで、
巡邏中のアルビオン竜騎兵だかに発見されてしまう可能性は大いにある。
そうなってしまうと、今まで大切に守り続けてきたこの村の秩序が崩壊するのは、瞬く間であろう。
何よりハーフエルフであるティファニアが、世間に知られた挙句忌み嫌われ、虐げられるのを一番恐れていた。
だがそのティファニア曰く、今日はたまたま地上で昼寝をしていただけで、
普段は地面に浅く身を潜らせており、大人しくしているという。
何より、この森の木々が姿を晦ましてくれるから、絶対に見つからない、とも。
「お願い姉さん、私達はちゃんとやっていけている。だから、ティルを屠るだなんて、言わないで」
マチルダの肩をぎゅっと掴んで訴えるその瞳は、いつの間にか潤んでいた。
こうまで感情移入されると、「いいえ」とは即答できない。
それに彼女達の絆は、たかが怪盗如きが盗めやしない程に、既に固く結ばれていたようだ。
「……あぁ、わかった。誰にもゴルザ……ティルのことは言出しないよ。だから、泣くのはおよし」
我が意思を捻じ曲げない、そんな妹の屈強な精神に、ついにマチルダは折れた。
金色の長髪に手を触れ、優しく告げると、彼女も内心で決意した。
こうなれば、どんな運命にだって一緒に立ち向かってやろう。何も今に始まったことではない、と。
支援
あと葛葉ライドウさん乙です
gnomeのgは発音しないから、表記するなら「ノーム」なんだ支援
火竜山脈へ不法投棄支援
人造の巨人……テラノイドか?
支援
不法投棄イクナイ支援
>>249 では、新井木を召喚して当事者達(新井木含む)も気付かないうちに救ってもらうのはどうだ?
ついでと言ってはナンだが、支援
さるさんかな?
支援
代理投下します
271 :
地龍代理:2008/07/02(水) 00:09:23 ID:0zJiQdTg
やや興奮していたが、落着きを取り戻したティファニアは、持ってくる物があると言い、1人村へと戻った。
マチルダは、これまでの緊張を解し、ティルの足元に群がる子供達の姿を見た後、先程落とした杖を広う。
そして、地表から約10メイルにある、ティルの顔を恐る恐る見上げてみる。
眼が合ったが、その眼光から悟れるは、先の威勢は去勢し、マチルダを味方として迎え受ける感情だった。
素直に喜んでいいんだか、少し複雑な気分になったマチルダは、暫く空虚に立ち尽くしていると、
背後でティファニアの呼ぶ声が聞こえた。
いつの間にかその手には、何やら赤い果実が詰められた籠が抱えられている。
ティルとのアイコンタクトを試みている間に、取りに戻った物とはこれであるらしい。
今朝摘んだばかりの新鮮な木イチゴを、おやつに食べようとのこと。
そう言えば、昨日から不安の余り、何も口にしなかったのを思い出したマチルダは、
途端に湧いて出てきた食欲を抑えきれず、座るのに頃合いな岩を見つけると、そこに座る。
隣に腰を下ろしたティファニアが、愛くるしい笑顔で先程の籠を差し出した。
好意を受け、マチルダは籠に山盛りにされた木イチゴを1粒掴み、口に入れる。
小さな果肉を噛むごとに、甘酸っぱい香りが口内に広がり、鼻孔にも酸味が伝わった。
久し振りに食べた、懐かしい味に余韻に浸っているさ最中、
子供達の内の1人、エマが、ひょこひょことマチルダ達の元へ近寄った。
するとエマは、ティファニアに許容を得てから、籠から木イチゴを1粒手にする。
それを頬張るのかと思いきや
「いっくよー、ティル!」
と、後ろに振り向き、ティルの口元目掛け、思い切り木イチゴを放り投げた。
272 :
地龍代理:2008/07/02(水) 00:10:04 ID:0zJiQdTg
しかし、年端もいかない女の子が放った弾道は頼りなく、
大して高く上がらないまま、落下の一途を辿ろうとしていた。
その時だった、立ち尽くしたままで1歩たりとも動かなかったティルが、
顎を大きく開き、上半身を素早く前のめりにさせたかと思うや否や、その木イチゴをパクリと口に入れたのは。
人間と同じような味覚器官を備えているのかも疑わしい地龍だが、木イチゴなぞ口に合うのだろうか。
吐き出す行為は見て取られない処を見ると、少なくとも毒になりはしない様だ。
それどころか、再び口を開き低く短く唸った。2つめをねだっているのか?
きゃっきゃと笑うエマを撫でるティファニアが、
「姉さん、仲直りの印に」
と、木イチゴをマチルダに渡す。
仲直り? それはつまり、こう、木イチゴを、ゴルザあいやティルの口元に投げてやれということか?
マチルダは、ままよ、と果実を放る。さすがにエマが投げたのと比べて、真っ直ぐ正確に飛んだ木イチゴを、
ティルは難なくとらえ、咀嚼を開始した。
やったぁ、と笑うエマが、マチルダに対しガッツポーズを示している。
気づいた時、マチルダも心の底から、声に出して朗らかに笑っていた。
これだけ笑ったのは、何時だかぶりだろうか。
笑い合うマチルダとエマに自然とつられたか、ティファニアも眼福たる笑顔を振舞う。
よくよく鑑みてみれば、ティファニアや子供達の笑顔に、以前よりも純粋さが増した気がしないでもない。
威嚇や警戒の意思が感じられない、呑気な呻きを鳴らしている新しい家族、ティルが、
この笑顔を齎しているのだとしたら、自分が勝手に遂行しようとした事は、愚行だったのかもしれない。
しばしマチルダは、この穏やかなひと時を、大切な人々と1匹の地龍と共に噛み締めることにした。
273 :
地龍代理:2008/07/02(水) 00:10:29 ID:0zJiQdTg
以上です。
代理乙でした。
0040時に投下しようかと
乙!&GJ!
ルイズは、図書館に入り浸っていた。ジルを元の場所に──異世界とかの話は信じてない
が──戻す手段を探す為に。
誇りでできている様なルイズが、使い魔の為に奔走しているのは、数日前の、召喚した次
の日の会話と行動による。
「貴方を殺せば、私は元の世界に戻れるの?」
使い魔か主が死ねば、契約は解除される。それから弾き出される疑問を、ただ口にしただ
けだ。
『死ねば』ではなく『殺せば』である。流石にジルも子供を殺しはしないが、ルイズはそ
の言葉に怯えてしまった。ジルは、人を殺した事がある。直感で、それを悟ったのだ。
無論、即答でそれを否定した。
「契約が解除されるだけで、使い魔は残るわ」
その答えに、暫く考え込む。
「貴女は、私、いいえ、平民が使い魔である事に不満なのよね?」
召喚された時、コルベールに抗議していた姿を思い出す。
「え、ええ」
「そして、私がいなくなればどうなるの」
「多分、契約は解除されるわ」
「その場合、使い魔は?」
「また召喚する事になるわ。使い魔が死んだ場合の話だけど」
ジルが微笑みを浮かべる。
「利害は一致したわね」
「え?」
「貴女は普通の使い魔が欲しい。私がいなくなれば、私が元の世界に戻れば、また別の使い
魔を召喚できる」
「成程ね」
「貴女は私を元の世界に戻す方法を探す。対価として、私は貴女の使い魔をしてあげる。ど
う?なかなかの条件じゃない?」
「乗っ……らないわよ!何で私が平民の指図なんか……!」
文句を言おうとして、封じられる。ジルに睨まれたからだ。生物として逆らってはいけな
い何か、それを感じさせる瞳だった。
「感覚の共有や、秘薬の材料集めはできないけど、護衛に関してはかなり使えるわよ」
ジルはルイズが起きる前、見舞いに来たコルベールから大雑把な話を聞いて、使い魔の役
目を知っていた。
「そ、そう。判ったわ。貴女を元に戻す方法を探してあげるわ。感謝しなさいよ」
「そう、それでいいのよ、ルイズ」
「御主人様と呼びなさいよ」
「嫌よ。私にそんな趣味は無いわ」
軽くあしらわれる。
「くううううう……」
それから、ジルは大人しく雑用をして、ルイズは図書館に入り浸る様になった。
その次の日の授業。
ルイズとジルが教室に入ると、ざわついた教室が一瞬、静かになる。ジルが美人だから、
それだけではない。ズタボロの状態で召喚され、その疲労と傷は一ヶ月はマトモに動けない
、そんな話を噂で聞いていた(一部の生徒はコルベールに訊いて裏を取った)のに、もうピ
ンピンとしてルイズについて歩いている。本当に人間か、と疑いたくなるのも無理は無い。
普通、サモン・サーヴァントで人間は喚ばれないのだから。
そんな視線など知ったこっちゃないと言わんばかりに、堂々と歩を進め、席に座るルイズ
。その隣に、普通に座るジル。
その堂々とした姿に畏怖を覚え、誰も追及する事はできなかった。
微妙な緊張の中、ひそひそ話で静かにざわつく教室に、やがてふくよかな中年女性の教師
が入ってきた。今度こそ、全員沈黙する。
一度、教室を見渡して、
「使い魔召喚は、皆さん成功ですわね。このシュヴルーズ、春の新学期に様々な使い魔を見
るのが楽しみなのですよ」
更に、今度はルイズを見て、
「ミス・ヴァリエールはまた変わった、使い魔を……召喚しましたね」
何かに気圧される、そんな気分を感じながらも、シュヴルーズは言葉を最後まで言い切っ
た。
ルイズの使い魔にから、言い表せない何かを感じたのだ。ルイズなら威圧感、コルベール
なら殺意と表現するだろうが、本人は『余計な事を言うな』と言いたいだけである。
この数日でルイズが蔑まれている事を知ったジルは、空気を読まないシュヴルーズに生徒
達を調子づかす発言をさせたくなかったのだ。一応、使い魔として契約したのだ、義務を果
たそうとした。
「ゼロのルイズ!召喚できなかったからってそこら辺歩いてた平民を連れてくるなよ!」
案の定、一人の生徒が騒ぎだす。
「なっ……」
反論しようとしたが、ジルに止められた。
「ああいった馬鹿は、無視するに限るわ。相手にすると調子に乗るから」
そうは言うが、その生徒とシュヴルーズにそれぞれ『黙れ、殺すぞ』『早く駆逐しろ』と
オーラを送る。
シュヴルーズ以上に空気の読めない生徒は更に囃し立て、シュヴルーズはそれを諫める。
「侮辱はおやめなさい」
「しかし先生、これは真実です。実際にゼロのルイズは魔法がぼっ」
生徒達は何が起きたか、一瞬判らなかった。
先程の少年を見ると、口から赤土を掻き出していた。
「貴方はそのまま授業を受けなさい」
残酷にも、口に赤土が大量に残っている状態で授業を受ける羽目になった。
「ね、正解でしょう?」
と、悪戯が成功した少女の様な笑みを浮かべるジル。
それからは、授業は順調に進んだ。一年の時の復習の様な授業で、ルイズは退屈そうに聞
いていたが、意外にも、ジルが真剣な顔で授業を聞いていた。
やがて手本を見せ、生徒に実践をさせようと教室を見渡して、ある一人の生徒に白羽の矢
が立った。
「ミス・ヴァリエール、この小石を望む金属に変えなさい」
教室を独特の緊張感が包んだ。
「ミス・シュヴルーズ!危険です!」
声の元はジルの斜め後ろ、紅い髪と褐色の肌の美人だった。キュルケだ。
「何故です、ミス・ツェルプストー?」
「先生は知らないからそんな事が言えるんです。あの威力は……」
召喚の時の、あの威力を思い出す。大砲などメではない。上手く使えば対艦戦闘すら可能
なのだ。
しかしシュヴルーズはそれを聞き入れず、ルイズは頭から湯気を出しながら教卓に向かっ
ていった。非常に怒っているのだ。
ジルがキュルケを止めなかったのは、その声が本気だったからだ。
「すううぅぅぅぅ……はあああぁぁぁぁぁァァ……」
深呼吸をして頭を冷やす。気を落ち着かせ、集中する。そして詠唱。
「錬金!」
閃光、破片、爆風、爆炎、そして爆音。
ジルは爆心にいたルイズの死を確信した。
それ程の爆発だった。
しかし彼女は生きていた。元いた場所に平然と立っていた。酷いのはシュヴルーズだ。壁
際まで吹き飛ばされ、小さな破片が刺さっている。いつもより甚大な被害に、教室がパニッ
クに陥る。
「シュヴルーズ先生が死んだ!」
「メディーック!」
「ふざけてないで水!回復!」
「モンモン!」
「誰がモンモンよ!」
誰も助ける気は無い様で、一つ嘆息したジルは、シュヴルーズに近寄る。軍も警察も経験
している彼女は、かなりの救急技術を持っている。バイオハザードでかなりレベルアップせ
ざるを得なかったので、外傷に関しては相当なものだ。いざとなれば、魔法より魔法らしい
『回復薬』を使えばいい。
傷は軽い。頭を強打した痕跡は無い。純粋に衝撃波で頭を揺さぶられたのだろう。念のた
め救急スプレーをかける。火傷や傷が瞬時に消え、破片が落ちる。いったいどんな薬なのだ
ろうか?
「誰か、運ぶの手伝いなさい」
いつの間にか静かになった教室で、ジルの声はよく通った。
「へ、平民の分際で……」
バシュ。言葉にするとそんな音がした。傲慢な反論をした生徒の額に、筒が刺さっていた。
「ふ、ふりぇぃ……」
数秒の硬直の後、パタリと倒れる。ホルスタに麻酔銃を戻し、教室を見渡す。
『反論は許さない』と、その行為は如実に語っていた。しかし、名乗り出る者はいない。
「仕方ないわね……ルイズ。医療設備のある場所まで案内して」
気絶したシュヴルーズを軽々と担ぎ上げ、ルイズに先導させる。
残された生徒達は、その役立たずぶりにより、駆けつけたコルベールに教室の片付けを命
ぜられる事になった。
その日の昼食時に、トラブルがあった。
色ボケと名高いギーシュがヘマをしでかし、そのとばっちりを受けたジルが決闘をする羽
目になったのだ。
事の一端を担うメイドは顔を青くして逃げ、ルイズはジルに謝る様に言うが、当の本人は
知った事じゃないと言わん限りのスルーっぷりを発揮し、決戦の場ヴェストリの広場に向か
う。
そこでルイズは今までの常識が如何に儚いかを知った。
その騒ぎの数刻前、ちまちまと書類の処理をするオールド・オスマンの学院長室に、騒が
しくコルベールが入ってきた。
「なんじゃコル君。ノックぐらいしたらどうじゃ」
「コルベールです。すみません、これを」
分厚い書籍を二冊と、数枚の紙を差し出す。
「ミス・ヴァリエールの使い魔に現れたルーンですが、とんでもない事が判りましたぞ!」
鼻息荒くまくしたてるコルベールに、迷惑そうな顔をしながら、仕方ないと言わんばかり
に訊く。
「何が判ったんじゃ、コルネオ君」
「コ・ル・ベ・ェ・ル。彼女はガンダールヴです」
本の一つを手に取り、付箋の場所を探り、そのページを開く。本の題名は『始祖の使い魔
達』。
「真か!?」
「それしか考えられません。ルーンの形は完全に一致します」
紙に描かれたスケッチと、本の図は、どう見ても一致した。
「やれやれ、また厄介事の種ができたわい」
「残念ですが、まだ厄介な話はあります。これを」
もう一冊の本を広げる。
「『霞の中より現れし使い魔、この世の者に非ず。其の者、伝説を纏い、伝説を破り、伝説
となる。
其の者、不死に非ず。しかし剣も魔法も効かず。異界の理を以て、世を変える。
全ての歴史は、其の者と、禿頭の男と共に始まる。其の者、理と知恵を男に授ける。
世は変わる。しかし争いは無くならず』」
「なんじゃそれは」
「始祖の言葉でありますぞ」
題名は『始祖の予言書』。これも幾つか付箋が挟んでであった。
「私は、これがあの使い魔の様に思えて仕方無いのです」
「考え過ぎじゃろうて」
「そうだといいのですが……後、これを」
「何じゃ?」
紙の束を渡される。それらには、絵が描かれていた。
「彼女の持ち物です。全て合わせるとかなりの重さですが……それは置いておいて……これ
とこれとこれを」
束から幾つか紙を選り出す。
「現物を見た方がいいですぞ。あれを造る技術は、このハルケギニアのどこにもありません
。中には素材すら判らぬ物も。この世の者とは思えんのです」
全て、ジルの装備のスケッチであった。ジルが気絶している間に調べ上げたが、全く判ら
なかった。
「ふむぅ……」
暫く考える素振りをして、
「コルサコフ君。これは他言してはならん」
「コルベールです。何故です?」
「暇を持て余している貴族に知れたらどうなる?また戦争じゃ。それに伝説の真相は大抵が
ロクでもない内容じゃ」
「そうですか……」
「じゃが、調査は続けておいてくれ。備えあれば憂い無し、じゃ」
「判りました」
結論がでたところで、外が騒がしくなる。
「何じゃ?」
オスマンの秘書、ミス・ロングビルが駆け込んできた。
「決闘です。ミスタ・グラモンとミス・ヴァリエールの使い魔が決闘を。生徒が制圧不可能
なので、教師が眠りの鐘の使用許可を求めています」
「何と、まあ……」
「どうしますか?」
「アホか。ガキの喧嘩に秘宝を使う馬鹿がどこにいる」
コルベールの言葉にそう返す。しかし、
「オールド・オスマン。ミス・ヴァリエールの使い魔ですぞ」
と反論される。
「そ、そうじゃった。許可する。ただし、どちらかが負傷するまで使うな。そう伝えてくれ
、ミス・ロングビル」
「判りました」
有能な秘書は、すぐに学院長室から出ていった。
「さて、高見の見物といくかね、コルホーズ君」
「私は集団農場ですか。そうしますか」
オスマンが杖を振ると、鏡が現れた。鏡面には、決闘の場ヴェストリの広場が俯瞰視点で
映っていた。
魔龍伝の6話はまだ?
以上で終わりです。
ジルが召喚されたことにより世界が変わっていく予定です。
バイオの人乙
>>284 投下しようと思ったら人が続いてたのでしばらく様子見してました
このレスの10分後に投下します
期待
6.ブルドンネ街
決闘から三日、ルイズの周囲は少しずつ変わっていった。
まず表立って馬鹿にする生徒が少なくなったのである。
メイジについて表す言葉に「メイジの実力を見るなら使い魔を見ろ」というのもあり
「ギーシュのゴーレムを圧倒的かつ一瞬で葬り去ったのはルイズの使い魔」
という衝撃的事実はあっという間に学院内を駆け巡っていた。
元々魔法以外の成績はトップクラスであり、家系もトリステインの中では相当に有名な部類に入るので
「あのルイズがとうとう」と感心する者もいたという。
「どうせ嘘に決まっている」「ルイズが凄いのではなく使い魔が凄い」
人づてに話を聞いた者や、ルイズを侮蔑目的でからかっている心無い者もいたものの
決闘の当事者であるギーシュとルイズ、更にこの決闘を見ていた彼女らのクラスメートも多く
何より使い魔の名前が「ゼロ」であったためルイズのクラスでは「ゼロ」とルイズを馬鹿にする者は一人もいなくなった。
「アンタが名前をゼロゼロ言うから私の二つ名が“ゼロ”のままじゃないのよーーーーーーー!!!!」
当人はこんな感じで相変わらずご立腹であったが。
「買い物に行くわよ」
その日の夜、ルイズから提案があった。
話によると明日は休日にあたる虚無の曜日なので街へ買い物に行くとの事らしい。
「それで、アンタの寝具と…剣ね、それを買うわ」
「…どういう風の吹き回しだ」
「あんたがボロっちぃマントで寝てるのがみっともないからよ!
使い魔の管理をするのも私の仕事!それに…私が受けた決闘で剣、壊しちゃったみたいだし…」
今までの待遇からするとあり得ない提案とちょっとしおらしくなった言動に疑心暗鬼になるゼロ。
この娘の事だ、何か物を買わせてまた雑務を押し付けるに違いないと彼は思ってしまった。
「物で釣っても俺は着替えの手伝いもしないし顔は洗わんからな」
使い魔が出来て色々と雑務をさせようというルイズの企みは事実失敗に終わっていた。
呼び出して2日目の朝は何とかなったものの、それ以降は着替えと洗顔に関しては
「そのぐらい自分でやれ」と断固として断られたのだ。(水は朝の鍛錬のついでに汲んでくれているようだが)
更に部屋の掃除と洗濯は率先してシエスタがやるようになってゼロをこき使う機会も無くなってしまった。
着替えと洗顔をやらないなら飯を抜こう、とは思い立ったがシエスタの話では
決闘で気を良くした厨房の人達がご飯を出してくれており、ゼロも
「俺の飯と、シエスタがルイズの世話をしている礼だ」
と薪割りや物の持ち運びなどの力仕事や使い魔への餌やり(使い魔達がゼロに妙に懐くかららしい)を
行っているので「言う事聞かないから飯を抜く」とはとても言い出せなかった。
しかし決闘で見事圧倒的な力の差を見せ勝利した使い魔、
褒美で何か買ってやろうという気持ちも無い訳ではなかった。
それがゼロの一言で見事に打ち砕かれた。
ゼロの鈍感な言葉にルイズの心に火が灯り、それは徐々に炎を形作る。
「あー…っそ! アンタ異世界から来たなら当然この世界のお金ってのは持って無いわよね?」
「そういえば…そうだな。元々流浪の身だから手持ちは殆ど無かったが…」
「いくら強くても騎士たるもの、剣を持ってないと駄目よねぇ…!」
「確かに…いや、向こう側にいた頃のように魔物を退治をして路銀を…」
「私がそんな事許可すると思う?それより何より、アンタの種族はこの世界でアンタだけ。
信用されるどころか下手すると魔物扱い、追う筈が追われる立場にねぇ…」
「くっ!」
この世界での路銀と、決闘で使い物にならなくなった剣の調達。
食事と寝床が保障された学院に数日いたおかげでそこまでゼロの考えが回っていなかった。
実を言えば雷龍剣には剣を使わない技もあるのだが、的確な指摘をされたゼロは
すっかりルイズのペースに呑まれてしまいぐうの音も出なかった。
「まぁ、別に物を買い与えて働けって訳じゃないのよ?
私は決闘ですっごい活躍したゼロになんか買ってあげようかなーって思っただけ。
でも、そう思ってたのにガンダムが「物で釣っても働かない」って勝手に決めつけちゃって…」
「ぬぬ…」
「あー傷ついたなー、ご主人様すっごい悲しいなー」
あからさまな演技なのは分かっているのだが、もはや言い返す言葉が見つからないゼロ。
彼女が「あの言葉」を要求しているのは何となく感じてはいるが自分の意地がそれを言わせまいとしていた。
「ガンダムがもうちょっと素直ならねぇ…」
「(迂闊に疑ってしまった俺にも非がある… 仕方が無い、背に腹はかえられん…)」
「疑り深くなって…すまなかったな、ルイズ」
「もっと分かりやすく簡潔に」
「何?」
「反省しているんでしょ?じゃあもっと分かりやすい言葉がいいわ」
ルイズの顔はとてもにんまりしていた。
しかしそれはクックベリーパイを前にした時のような無邪気なものではなく、
何か黒いものが奥底にあるような邪悪なにんまり顔。
その顔を前にゼロはその言葉を言わざるを得なかった。
「……ごめんなさい」
「よろしい、じゃあ明日はお買い物ね」
ルイズ、召喚して以来初めてゼロより優位に立った瞬間であった。
「…プフッ」
「何がおかしい」
明くる朝、魔法学院前の正門前。
馬に乗ったゼロを見てルイズは思わずちょっと吹き出していた。
ゼロの身長こそルイズよりも大きいとはいえ、ゼロの頭身は大体2.5〜3頭身であり
馬に乗っているゼロの姿はルイズの目にはなんともユーモラスに映っていたのだから。
「何でもないわよ……ックク」
「昨夜か!?昨夜のアレか!?俺はもう謝ったぞ!」
「じゃあ私が先導するから付いてらっしゃいな」
「おい!」
昨夜のやり取りの事かと思ったゼロが話しかけても、どこ吹く風といったルイズは
ゼロをよそに楽しそうに馬を走らせていった。
ブルドンネ街、トリステイン王国で一番の大通りである。
休日で人がごった返すそこを窮屈そうに歩くルイズと、それに付いてくる
フードを目深にすっぽり被った何か…もといゼロ。
何があったかというと、街に近づくちょっと前に馬を止めたルイズから
「ゴーレムにしてはかなり例外な見た目だし喋るから目立つわよね…」
という懸念から来る提案で表向きは「自分で喋る珍しいゴーレム」という扱いで行動することになった。
無論ゼロも余計な騒ぎは好かなかったので
「ルイズにしては中々真っ当な考えだな」
と彼女に蹴りを入れられるような感想を返しつつ素直に承諾した。
街の入り口にある駅で馬を預けた時も最初は駅の者に珍しい目で見られたが
それだけだったので一安心で街へを繰り出せたのである。
「ん〜と、確かこの路地を入って……四辻を抜ければ近くに武器屋だったかな…」
記憶を辿りながらルイズは人ごみを外れて街の裏路地へと入ってゆく。
建物の間に位置する日の差さない路地は昼間でも薄暗く、そこらに汚物やゴミが散らかっており
ゴロツキやならず者の溜まり場になっていた。
昼間はそこまでたむろしている訳でもなく、壁にもたれかかったり地べたに座ってる者が
ほんの少しいるぐらいでここを通るルイズとゼロを一瞥するとまた視線を元に戻していた。
「おいお嬢ちゃん」
が、もうすぐ四辻に出ようという所で道端に座っていた男に声をかけられてしまった。
そいつがすっくと立ち上がって前に立ちふさがると同時に、後ろからも男が三人ほど
こちらに向かって歩いてきておりちょうど挟まれた形になる。
「…ちょっとそこを通して欲しいんだけど」
「通して欲しいってかお嬢ちゃん!げひゃひゃひゃ!」
前にいる男の片方が卑下た笑いをし周りの男達もニヤニヤと笑いを浮かべる。
しかめっ面で対峙しているルイズをよそにゼロは男達の観察をする。
後ろから来た男達はちらつかせてはいないものの腰元に短剣をぶら下げていて
いつでも抜けるような態勢になっており、前の男はというと何も持っておらず
腰にも何かぶら下げている様子は無かった。
「(……後ろ三人はともかく前の奴は何も持っていないな、一体どういう事だ?)」
「ここは俺達の縄張りって奴でな、通る奴には通行料を頂いてるんだ」
「で、いくらたかろうってのよ」
「お嬢ちゃん可愛い見た目して言い方キツいねぇ、じゃあ金貨20枚って所だな」
ルイズが買い物に持ってきた金額は新金貨300枚。ルイズが200枚、ゼロが100枚持っており
出せない金額ではないもののカツアゲとあっては貴族のプライドが黙ってはいなかった。
「ゴロツキに出すものは何も無いわ、そこをどきなさい」
いつもの調子でルイズが言い放つとやはり男達は卑下た笑いを浮かべた。
「よぅし分かった、じゃあ払わない場合どうなるかご覧頂こうか」
前に立ちふさがる男が後ろのズボンをまさぐると短い棒――即ちワンドを取り出した。
「悪いが俺はこのブルドンネの裏通りじゃちょいと有名でね」
そう言った片方の男がワンドを壁に向け呪文を唱える。
小さな炎がワンドの先に発生しそれは膨れてあっという間に火球へと変貌してゆく。
ファイヤーボール、火球を発生させそれを放つ火系統の魔法である。
杖を向けた瞬間から身構えるルイズとゼロに余裕ありげに男が話す
「おっと今は当てないから大丈夫、い・ま・は」
そう言うと発生した火球が二個、三個と増えてゆく。
「兄貴を怒らせると痛い目に遭うぜぇ!」
「何せトライアングルだからな兄貴は!治療が追いつかねぇほど爛れちまうかもなァ!」
「悪いが後ろへ逃げようとしても、呪文を唱えようとしても、俺達がブスリ!といくぜぇ…」
後ろにいた男達が腰の短剣を抜いて構える。
「(ゼ、ゼロに何とかしてもらわないと…って剣使えないじゃない!
壊れたからって学園内に置いてきてたんだった!でも壊れてるからあの技は使えないんだし
持って来てもしょうがないって言うか…えーっとえーっと…)」
目があちこちに泳ぎどうしようもないルイズの様子に「カモれる」とふんだ男達がにじり寄ろうとしていたその瞬間であった。
「お待ちください!我々とて争いは好みません、金貨はお支払いしますので
袋から金貨を取り出すまでお待ちいただけないでしょうか!」
ゼロは確かにそう言い放った。
それを聞いて唖然とするルイズと、話がまとまったと思い返事をする男。
「従者さんは賢い事で!おい、お前らそこで止まっときな!何か怪しい素振りをしたら俺が始末する」
「ちょっと!何言っ…」
「お嬢様申し訳ございません!ここはひとつ彼らに!」
ゼロはそう言うとルイズの手を掴み引き寄せる。ファイヤーボールが周囲を照らしているものの
薄暗い場所なので鼻先まで近づかないと深くフードを被ったゼロの顔は見えない。
鼻先までゼロの顔が近くに来た時、小声でゼロが喋った。
「いいか、俺が合図をしたら後ろの三人の男の誰でもいい、手に持ってるナイフを錬金してみろ」
「いきなり何なのよ、そこまで正確に狙いつけてやった事無いし」
「これも経験だ、前のメイジは俺がやる」
「アンタ剣無いじゃない」
「心配するな、手はある」
「手だけあってもしょうがないじゃない!」
「そういう意味の手じゃない!」
「おい従者さんよぉ!いい加減早くしてもらえねぇかなぁ!何なら従者さんから先に焼いちまってもいいんだぜ!」
「申し訳ありません!早速お金を…」
「とにかくお前を信じてるからな」と言いルイズの前に立ち金貨の詰まった袋を前に掲げる。
ひゅぅ、と男が袋を確認しゼロ達に向けていた杖を下ろしたその時。
「今だ!」
ゼロの袋を持ってない空いた片手が男の方に向くのと、ルイズの杖が後ろの男達に向いたのはほぼ同時だった。
「錬金ッ!」
「雷電破(サンダーエレクトロン)!」
ゼロの手から稲妻が男に向かって迸る、それは杖を向きなおした男にとってあまりにも早すぎる攻撃であった。
火球を飛ばす間もなく稲妻が男の体を貫き、火球が虚しく掻き消えながら男が崩れ落ちる。
ルイズの錬金は狙いを外す事無く、見事真ん中の男のナイフに作用しいつもの失敗のようにナイフが爆発した。
「武器屋に走るぞ!」
「う、うん!」
ゼロの呼びかけにルイズが走り二人はその場を走り去ってゆく。
倒れた男の手に持っていた杖が走ってゆく二人に踏まれ、虚しく軽い音を立て割れた。
余談だが、そのほんの少し後に爆発音に気づいた通行人が様子を見に行った所、気絶している男と
何かに吹き飛ばされたかのように壁に打ち付けられて気絶した煤だらけの男三人が発見された。
男達は「貴族のガキとフードを被った従者にやられた」と証言しているものの
ここらへんで顔の知れたゴロツキであるのと証言のみで信用に乏しく、この件に関しては
「内輪もめの喧嘩」として処理されたそうだ。
閑話休題
ゼロとルイズは何とか武器屋の前まで辿り着いていた。
周囲を見回しているゼロに対し、恐らくはあまり運動をしていないであろうルイズは
すっかり息を荒くしており肩で息をしていた。
「…この様子だと奴らは全員気絶していると見て間違いないだろうな、上手くやったな」
「アンタ…さっき…かっ……雷を…ぜぇ…手から撃ってなかった…?」
「あれも雷龍剣の技だ。まぁかなり加減はしてあるが」
「なんなのよもう…なんでもありじゃない…」
「しかしこれぐらいで息が上がるとは鍛えが足りないな、少し運動しろ」
「う…うっさ…い!」
「店の前で何だいあんたら!買うなら買うでさっさと入りな、冷やかしならさっさと…」
「買うわ!買うわよ!」
いつの間にか武器屋の入り口に立っていた五十がらみの男が、パイプを片手にうっとおしそうに二人へ話しかけてきた。
しかし勢いよく買うわと答えながら振り向いたルイズの胸に紐タイ留めに描かれてある五芒星を見て
「これはこれは貴族様でございましたか!」
と、彼はころっと態度を変えつつ、もみ手しながら二人を店まで案内したのであった。
その頃、魔法学院内の学院長室――――――
「ミス・ロングビルや」
「はい、なんでしょうオールドオスマン」
「おっぱい揉みたい」 「今度は折りますよ」
いつものようにオスマンのセクハラな質問を書き物をしているロングビルが無慈悲な返答で返す。
「…ちょっと位ケチケチせんでもええのに、まーええわい。ミス・ロングビルや、この間宝物庫の目録を作りたいと言っておったの。
今用事があって宝物庫に入るところでな……行ってみるかえ?」
「えぇ、是非」
施錠の魔法がかかった引き出しを開錠し、大人の掌ほどの頑丈そうな鍵を一つ取り出したオスマンとロングビルは学院長室を後にした。
オスマンの後ろを歩くロングビルの顔が今までにない、歪んだ笑みを浮かべていたのには
前を歩いていたオスマンが気づくはずも無かった。
「ここが…宝物庫」
箱に収められているアイテムが大半であるが、様々な杖がかけられている一画があったり
また別の壁に目をやれば見た事も無い剣や鎧などが置かれておりそれらが一体となって
尋常ではない空気をかもし出していた。
「わしはちょっと探し物をするから、ロングビルは目録を頼むぞい」
「はい」
宝物庫の奥へと進むオスマンを見届けると、ロングビルは目録を記しつつ保管している箱や
飾られている鎧をやけに丁寧に眺めた。
「…飾ってあるのは大体かさばるような大きさで…箱は魔法で施錠…流石に今ここで…ってのは無理、ね」
「何か言ったかのー!」
「い、いえ、なんでもありませんわオールド・オスマン!」
「…お、あったあった」
オスマンの方から声が聞こえ、つい声に出してしまったとハッとするロングビル。
しばらく目録を作る作業に打ち込んでいるとオスマンがレビテーションの魔法で大きな箱を三つほど浮かせて持って来た。
「よいしょと、ふぃー…長らくしまっておると出すのにもひと苦労じゃわい」
「それは何ですか?」
「聞きたい?」
宝物庫の開けた場所に置かれた三つの箱を前に、オスマンの手がいやらしくわきわきと動く。
「一揉み100エキューはいただきましょうか」
「…しゅ、しゅみません」
にっこりとした顔でオスマンの襟を締め上げるロングビルにどうしようも出来ず、
素直にオスマンはこの箱について話す事にした。
「これは三つ合わせて「三獣の武具」とワシは呼んでおる。
それぞれ獅子と、梟と、竜をあしらった武具じゃから三つ纏めて“三獣”という訳じゃな」
「三獣の武具…思い出しました、宝物庫に納められている物の中でも指折りのものだと聞いております。
確か斧・杖・盾の三つでしたわね。しかしそのような代物を何故?」
「これを受け取るべき者が現われた、とでも言うておこうかの」
「受け取るべき…者…」
「これでいつでも武具は渡せる準備は整ったの、ではここから出るぞい」
「はい」
オスマンの後に続いて部屋を後にするロングビル。
閉じてゆく扉の向こう側にある三つの箱を見ている眼差しはいつもとは違う、獲物を定める狩人の眼差しであった。
――――――――――――三獣の武具、今度の獲物はこいつに決まりだねぇ
投下終了、3/5が二回続いたのはミスです
宝物庫でロングビルが品定めする展開はやや強引だったかな…うーん
乙!
アルガス騎士団の武装が来るとは思ってなかった……まじで続きが楽しみ
ああ、アルガスの騎士団のあれか。
投下した方々乙です
それにしてもジオダンテの武具が出るとはwktkせざるをえない
地龍を読んでたらおらぁグズラだぞを思い出した
アルガスと聞くとどうしても某家畜に(ry
の人を思い出してしまうw
もしアルガスが召喚されたらどうなるのかな?
最初の決闘の所もギーシュと一緒になってシエスタを虐めてる姿しか浮かんでこないw
まあでもアルガスもハルケギニアでは魔法が使えないから貴族扱いされなくて性格がさらに歪みそうだな
地龍の人乙
タルブの村にはウルトラホーク一号のアルファー号があって実は存命だったシエスタの祖父がルイズを人質にジャックするなんてどうでしょ?
>>300 竜の血が主食だったせいで体に引火して焼け死ぬのかね?
魔龍の人、乙です
使い魔はゼロなのに重要な言葉、宝はジークジオン編w
これからどうなるんだw
>>301 スンマセン、ベータ号間違いすね、残り二機はロマリアの地下に
意味無くコッパゲにルイズが
「コニチワ、がそりんヲクゥダサイナ…」
とか声かけて欲しい
いまだにあの外人のねーちゃんの出演理由がわからん
なぜか
開国シテクダサイヨ〜
を思い出した
>>305 スレ違いながらも答えるが、たしかどっかで短編を見た記憶があるぞ
場所は失念したがその絵のもう一方の題材の2ch系列のSS保管所を
片っ端から調べて回れば多分見つかる…と思う
おお、thx!読んできます
ズドーーーーン!
今や魔法学院の風物詩となった、ゼロのルイズこと『ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール』の失敗魔法。
だが、今回に限っては辛うじて成功したようである。
進級試験も兼ねた使い魔召喚の儀、サモンサーヴァント。
立ちこめる煙の中から現れたのは、羊(?)のぬいぐるみを胸に抱きスプーンのような形をした妙な杖を持ちマントを羽織った小柄な少女だった。
「に、人間…」
「ゼロのルイズがメイジを召喚したぞっ!」
てな感じのななついろものが読んでみたい今日この頃。
>>263 普通に考えるとそうなんだけど、なぜかグノームって読んでる
ファンタジー関係の考察本が結構あるよ。
英語じゃない発音なんじゃないの? たぶん。
サラマンダー・シルフ・ウンディーネ・ノームって表記に対して
サラマンドラ・シルフィード・アンダイン・グノームって表記になる。
きゅいきゅいがシルフィードである以上、グノームって呼び方で
おKだと思うよ。
Swordを「スウォード」と読むようなもんだな
D&Dかよ
その辺の考察は、フレイムがサラマンダーであることを考えるとノボルクオリティとしか言えないけどな。
まあでも、問題ではないと思う。
しばらくスレ見れなかったから遅レスになるけど、紙袋の使い魔に関して突っ込み
アクセルの炎はどうやって出しているのかは不明、ですが少なくとも法力ではありません
これに関しては初代GGの攻略本で明記してあります
初代GGって・・・設定としちゃ糞古いんじゃねーのか。
アクセルの炎は法力ってのはどっかで見た記憶あるし、
とっくに設定上書きされてるだろ。
「ゼロのルイズが貴族を召喚したぞー!」
「流石にシャレにならねーぜ!」
そう。春の儀式でルイズが召喚したのは貴族だった。
杖もマントも身に付けていないが間違い無い。
瀟洒な衣装、お洒落なお髭、何よりその手に持ったワイングラスが、彼が貴族であることを証明していた。
「ルネッサーンス!」
ひげ男爵がルイズに召喚されました出オチ。
ああ、男爵ディーノですね、わかります
>>311 X Window Systemのデスクトップ環境のGNOMEはグノームと発音する事になってる。
頭のGを発音するかどうかは慣例みたいなもんで
発音しても不自然ってわけではないのかも。
たまにはゼロ戦以外の第二次大戦機がタルブにあるのが見たいな。
紫電改とか
同一作者作品の多重クロスはありみたい?だから
スーパーちばてつや大戦風にして
ガンダ:上杉鉄兵
ヴィンダ:石田国松
記す事も:力石徹
あたりにして、タルブには滝城太郎曹長の墓と彼の愛機が…
魔龍さん乙です。
ルイズが自分の杖と梟の杖をニューのように構えるのを想像しました。
盾と斧と杖は誰が持つのか楽しみです。
盾と斧と杖ですが鎧闘神でデュオ達が使ってましたね。
ノームだとイメージが柔らか過ぎるけど
グノームだと怪獣に居そうでかっこいいじゃないか
地底怪獣グノーム的な
>>319 タルブ村にあったのは大日本帝国の最終決戦兵器「桜花」だった
シエスタ「サイトさん、これなら巨大戦艦だろうと一撃で轟沈です!」
ルイズ 「サイト!男らしくイってらっしゃい!異世界の大和魂とやらを見せなさい」
コッパゲ「特別にこの250kg蛇くんを着けといてあげよう」
タバサ 「…水杯…」
>>323 単体で離陸できないし、そもそもどうやって着陸したのかと
ココは回天だろうjk
14巻ラストの付近の戦車に乗ってるルイズを見ると
「両津のバカはどこへいった!」と戦車で水精霊騎士団の詰め所に怒鳴り込むルイズが見たくなります。
アスラーダ呼ぼうぜ
ゼロが付く戦闘機という事でマクロスゼロのVF-0を
通称フェニックスだからマザリーニの出まかせにも対応
竜の盾(どんな攻撃も防げる)梟の杖、獅子の斧(それぞれ魔力、力倍増)
梟の杖はメイジにとってはどんな事をしても欲しい宝だろうな。
どうも。
何時ぞやにGGXからディズィーを召喚した作品を書くと言ったものです。
何の支障もなければ10時から投下したいと思いますが、今回の投下は
31.5kbあるのでかなり時間がかかるかもしれません。
よかろう、ならば支援だ
ティガー戦車をチハタンにすれば無敵
多分、10レス近くかかると思うので、規制に引っかかったら避難所に投下しておきます。
そうなった際は何卒よろしくお願いします。なにぶん初めてなものなので。
支援支援支援(残響音含む)
ルイズはこの日を待ち望んでいた。
今日は二年生への進級の際に行われる、春の使い魔召喚の儀式を執り行う日である。
それによって召喚された使い魔の種類により、二年生達は今後のトリステイン魔法学院
で学ぶ各々の魔法の属性を固定し、属性に特化した専門課程へと進む事になっている。
今まで散々、ゼロのルイズという有り難くも何とも無い、否、むしろ自尊心を著しく傷付け
てくれる二つ名を付けてくれた級友達が、全員でも及ばないような、宇宙の果ての何処か
に居る、心より訴え求める、神聖で美しく、そして強力な使い魔を呼び出し、自分を馬鹿に
してきた遍く全ての人々を見返してやる筈であった。
今日は記念すべき人生再出発の日。 今までの汚辱に塗れた日々は仮初に過ぎない。
強く美しい使い魔を召喚し、由緒正しく旧い家柄を誇る、かの名高き大貴族ヴァリエール家に
生まれ育った子女として、それに相応しい優秀なメイジである事を証明するのだ。
少女がその小さな胸にそう希望を抱いた矢先の出来事であった。
召喚魔法サモン・サーヴァントが失敗し、何時も通りの盛大な爆発が巻き起こったのは。
当然、周囲にいた生徒達は爆風に煽り飛ばされ、其処彼処からは聞き慣れた誹謗中傷、
冷やかしの声が上がった。
だが何時もの事だ、とそれらに慣れてしまったルイズは適当に聞き流していた。
ただ、今は、自分が召喚してしまった得体の知れない物体に視線が釘付けだった。
また失敗したとばかり思っていたのに、実は成功していた!――その事実に、一瞬我を
忘れて飛び上がる程に嬉しくなったが、召喚された得体の知れない物体が何であるかを
視認した瞬間、期待が萎んで代わりに絶望と驚愕が胸中を満たしていった。
爆風が晴れると、ルイズの足元には見知らぬ少女が気を失って倒れていた。 着ている
質素な衣服から推察するに平民――なのだろう。 少なくとも貴族ではなさそうだ。
年の頃はルイズと同年か、十代半ばから後半といったところだろう。 若干ながら、あど
けない顔立ちは非常に整っているが何処となく儚げな印象を受けた。 しかし幼さの残る
面差しとは裏腹にその姿態は、女性の成熟度から言えば、未だ発展途上にある少女の
ものとは言い難く、手足はすらりと長く伸び、しなやかな肢体を黒を基調とした丈が膝まで
ある質素なワンピースに包んでおり、ゆったりとした衣服の上からでもツンと形良く上を向
いた胸の豊かな膨らみが見て取れた。 深みのある鮮やかな瑠璃色の髪はさらさらとして
いて、扇状に広がったそれは春の陽光を受けて柔らかく輝き、まるで後光のように見える。
露出した首筋は肉付きが薄く、肌は肌理が細かく雪のように白い。
「こ、こんなのが…神聖で美しく、そして強力な………」
ルイズの鈴のように良く通る上品な声は微かに震え、くりっとした鳶色の瞳には涙が滲み、
可愛らしい顔は受け入れ難い現実に引き攣っていた。
この少女は、体型は兎も角容姿にはそれなりの自信があるルイズから見ても目を見張る
程の美貌を備えていた。 派手さはないが、高山にひっそりと咲く花のように慎ましやかで、
何処か侵し難い神聖な美しさがある。 しかし、彼女が求める美しさというのはこういったもの
ではなく、もっと別のもの――幻獣の人ならざる獣ゆえに持つ美しさである。
やはり、というか、案の定またか。
ルイズを含め、ある程度の距離を置いて彼女を見守っていた教師と生徒達の誰もが、口には
出さないがそう思っていた。
何を如何こうして間違ったのかは定かではないが、ルイズは幻獣ではなく人間を召喚して
しまった。 それも平民の少女をである。 流石にこの事態は、彼女自身を含めた誰もが予期して
いなかったが、慌てる心を落ち着かせ、ルイズが口を開けたのはまさに奇跡だった。
「あんた誰?」
取り敢えず、ルイズは足元の少女に声を掛けた。
深層に沈んでいたディズィーの意識は、陽気に暖まった空気から香る土と草の優しい
匂い、春の柔らかな日差し、耳元でかさこそと音を立てる草の囀り――そして誰かの呼び
声によってゆっくりと覚醒した。
繊細な睫毛が震え、薄っすらと赤茶色の無垢な双眸が開かれていく――目を覚ますと、
何処までも広がる蒼穹を背景に、薄桃色の可愛らしい生き物≠ェ自分の顔を覗き込ん
でいるのが視界に映った。
年の頃は十五、六歳ぐらいだろうか。少なくとも人間よりも成長の早い自分よりは年上と
見てまず間違いはないだろう。人間は成長速度が早く調整されているGEARと違ってこれ
ぐらいの大きさにまでなるには十数年と少しの時間が掛かる筈だから。黒いマントの下には
白い長袖のブラウス、綺麗な折り目の入ったグレーのプリーツスカートといった出で立ちで、
肩に羽織った魔法使いのようなマントを除けば、年相応の女の子に見えなくもない。
白い肌に、陽光を受けて薄桃色に光るブロンドの髪、高貴な西洋人形のように美しく整った
顔立ちからは少女の生まれと育ちの良さがそこはかとなく察せられる。裕福な仏蘭西系の
お嬢様といった形容が相応しいと思われた。
「…人間の…女の子?……」
ディズィーは、自分の顔を怪訝そうな表情で覗き込む人間の少女を、焦点の定まらない、
寝起きの瞳でぼんやりと暢気に眺めていた。が、意識が徐々に明瞭になってくるにつれて、
それが如何いった意味を示しているのかを思い出すと、驚愕に目を大きく見開いた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
人間の女の子がいる!
それはディズィーにとっては到底信じられぬ事であった。聖戦時には、此処はGEARの
拠点の一つが存在し、人が何度も襲われた為に何時しか悪魔が棲んでいるという噂が広
まり、近隣の村人も気味悪がって誰一人近寄ろうとはしなかった――ただし、彼女の小さ
な友達であるジョゼフィーヌを除いては。
だが、ジョゼフィーヌはもうディズィーの元から去ってしまった。人間が立ち寄らない静か
過ぎる森で、孤独と寂しさに日々堪えながら生きてきたディズィーにとっては、唯一無二の
掛け替えの無い友達だったが、ジョゼが去ってしまったのは生態兵器GEARとして生まれ
ながらに備えた強大過ぎる力を制御しきれなかったからだ。嫌われて当然だった。自分が
GEARである事を隠し、彼女が盲目であるのを良い事にその純真な心を騙し続けたばか
りか、その生まれ育った村まで跡形も無く焼き払ってしまった。それはディズィーには如何
する事も出来ない不可抗力が招いた結果だったとはいえ、やはり許されるべき事ではない。
一体この少女は、何故、此処にいるのだろうか?
まさか、自分の首に懸けられた500000ワールド$という高額な賞金を狙ってやって来た
賞金稼ぎなのだろうか。成程、確かにそう考えれば合点がいく。 わざわざこんな辺境に
まで人間がやって来る理由は自分に懸けられた賞金が目当てとしか考えられないからだ。
しかし、現在の悪魔の棲む森はテスタメントによって守られている。如何見ても目の前の
少女がその彼を出し抜いて此処まで辿り着けるような人物とは思えない。それに懸賞金が
目当てなら、眠っている間に命を奪えば簡単に済む筈だ。
何故そうしなかったのか?
間違っても、わざわざ眠りこけているGEARを起こし、馬鹿正直に正々堂々と真正面から
戦いを仕掛ける為ではなかろう。魔法の理論化に伴い、その技術を応用して生み出された
生態兵器であるGEARのその戦闘能力及び生命力は並の人間を遥かに凌駕している。
そんな危険な存在を真っ向から相手にすれば無事で済む筈が無いのだから。 それに目の
前の少女が、GEARを相手に戦えるような人間には欠片も見えなかった。
起き抜けで、いきなり目の前に人間の少女が佇んでいたという事実に多少は戸惑ってし
まったが、冷静に考えれば色々と不可解な点が多過ぎる。 それに、自分の顔を覗き込ん
でいる少女は怪訝そうな表情こそすれ敵意は見当たらない。 ディズィーは少女の様子を
窺いながら、身体を起こしてその場に足を揃えて斜めにして座った。
チハたんは愛でるもんだろ支援
そしてそこで漸く自身に起こった異変に気が付いた。
ディズィーは、木々が鬱蒼と生い茂った悪魔の森ではなく、何時の間にか自分が陽光の
下にあるだだっ広い草原にいるのに気が付いた。 そして目の前の人間の少女の他にも、
同じ格好をした少年少女が一定の距離を置いて自分に対して後期の眼差しを向けている。
何だか珍獣でも見るようなその視線にディズィーは居た堪れなくなった。 豊かな草原が
広がるその向こうには、幽玄な佇まいの石造りの巨大な古城さえ見える。
現在、自分が置かれている常軌を遥かに逸した状況を目の当たりにして、ディズィーは
困惑を通り越して異質な恐怖さえ感じていた。 一体全体自分の身に何が起こったという
のか――急速に膨れ上がる不安で胸が押し潰されそうだった。
心細さに揺れる気持ちを抑えて、取り敢えず、目の前の桃色の髪の少女にこの不可解な
状況の答えを求めた方が無難だろうとディズィーは考え、問うた。
「此処は……何処? 貴女は?」
ディズィーの声音は弱々しく、心なしか震えていた。 地上最強のGEARである彼女が、
見る限り非力な人間の少女に怯える道理は少しも無いのだが、今は状況が状況である。
それにこれ程の大勢の人間を見られ、囲まれるのは苦手だった。生まれ育った村を追い
出された、あの忌まわしく恐ろしい夜を思い出すから。だが、周囲の反応から察するに、
未だ自分がGEARである事は悟られていないようだ。 容姿が一見すると普通の人間とは
区別が付かない完全な人型であった事と、少々大きめのゆったりとしたワンピースを身に
纏っている事が背中の翼と尻尾を誤魔化すのに役立ち、幸いしたのだろう。 自分が忌み
嫌われるGEARである事を知られたら、と考えるだけでとても怖くなった。
「ちょっとあんた、何様の心算よ。先ず私の質問に答えなさいよ」
ディズィーのおどおどした態度が気に入らなかったのか、目の前の少女は今にも噛み
付かんばかりに詰め寄った。 思わずその迫力にディズィーは圧倒されたじろいでしまう。
体躯は小さいが、まるで獅子のような少女だ。
「もう一度訊くわよ。あんたは誰なの?」
「あ、えっと・・・・・・あの、秘密です」
その言葉を言った直後、ディズィーは慌てて口を噤んだ。目の前の少女の怒りが頂点に
達するのが傍目にも分かった。尤も正直に、GEARです、と言える筈も無い。ディズィーと
しては、なるべく自分がGEARである事を悟られまいと思って答えた心算なのだが、結果
としてそれが余計に少女の怒りを買う事になってしまった。
「くやしー! あんたまで私を馬鹿にするのね!? 私なんかには名前も教えないっていうのね!?」
「そんな…私はそういう心算で……」
病的なまでに激昂し、感情を統御出来ない少女の反応にディズィーは如何すれば良い
のか分からなかった。 先程の自分の配慮が足りなかった発言は、多少なりとも彼女の
神経を逆撫でるようなものだったかもしれないが、何もそんなに怒る必要は無いのでは。
そう困り果てていると、意外な方向から助け舟が出された。
「おいおいルイズ、サモン・サーヴァントで呼び出した平民なんかに八つ当たりするなよ!」
「さっすがゼロのルイズ! 期待を裏切らないな!」
「平民にまで馬鹿にされるとは貴族としての威厳もゼロだな!」
直後、ルイズと呼ばれた目の前の少女以外の全員が大声で笑った。
「ちょ、ちょっと間違っただけよ!」
周囲から笑い者にされた目の前の少女が、怒りの矛先をディズィーから周囲の生徒達に
変え、鈴のように良く通る声で自棄っぱちに怒鳴った。
支援
「間違いって、ルイズは何時もそうじゃん」
「流石はゼロのルイズだ!」
誰かがそうからかうと、人垣が再度どっと爆笑の渦に巻き込まれる。 今の一連の遣り
取りから、目の前の少女の名はルイズというらしい。
取り敢えず、少女の名前がルイズと分かっただけでも随分と進展したが、問題なのは
この不可解な状況を誰かが説明してくれる事だ。 だが、当面の間はディズィーの疑問を
誰も解決してくれそうにない。 そう判断して諦め、彼女は大人しく状況の推移を静観する
事にした。それにまた余計な事を言ってルイズを怒らせる訳にもいかないだろう。
「ミスタ・コルベール!」
ルイズが怒鳴ると、生徒達の人垣が左右にさっと割れ、真っ黒なローブに身を包んだ
中年男性が現れた。手には大きな杖を携えている。
「何だね。ミス・ヴァリエール」
「あの、もう一回やらせて下さい! こんなのが私の使い魔だなんて納得できません!」
ルイズは必死になって抗議しているが、その願いはにべもなく一蹴された。
「それは出来ません」
「何故ですか!?」
「使い魔召喚の儀式はメイジとして一生を決める神聖なもの。 やり直すなどとは儀式そのものに
対する冒涜ですぞ。 好むと好まざるに関わらず、彼女は君の使い魔に決まったのです」
「でも、私、平民を使い魔にするなんて聞いた事がありません!」
「その少女はただの平民かもしれないが、君だけを例外として認めるわけにはいかない。
召喚されたからには契約を結んで貰わねばならない。 それが決まりなんだ」
「そんな……」
ルイズはまだ何か言いたげな様子だが、やがてがくりと肩を落とし、諦めた。
「さて、それでは儀式の続きを」
「……本当にこの娘(こ)と?」
「そうだ。春の使い魔召喚の儀式のルールはあらゆるルールに優先する。例え相手が
平民であろうと何であろうと――女の子であろと、だ。 それに君は召喚にどれだけ時間を
費やしたと思っているのかね? 何度も失敗してやっと呼び出せたんだ。 いいから早く契約したまえ」
何かを渋るルイズを、コルベールは有無を言わさぬ態度で促している。 それに続いて
周囲の生徒達からも「早くやれ」と野次が飛ぶ。 困り果てた顔で彼女は、未だに状況が
よく飲み込めずに不安そうな顔をしているディズィーを見詰めた。
一体、何をされるのだろうか?
更に胸の不安が大きく膨らむ。 ルイズは、自分に対して危害を加える心算は無いのだ
ろうが、間違いなくこれから何かをするようだ。 ディズィーは身体を緊張で硬く強張らせ、
万が一に備えて身構えた。
「ねえ」
ルイズは少し苛立たしげにディズィーに声を掛けた。
「はい」
「あんた、いい加減名前ぐらい教えなさいよ」
そう言えば未だ名乗ってもいなかったのをディズィーは思い出した。
「私はディズィー。 貴女は…ええと、ゼロのルイズさん?」
「……!ッ 卑しい平民風情が!………一体何処まで私を馬鹿にすれば気が済むの!?
私にはルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールという立派な名前があるの!!
今度その忌々しい二つ名で呼んだら怒るわよ!!!」
「ご、ごめんなさい…」
如何やらまた知らず知らずの内にルイズを怒らせてしまったようだ。一見すれば仔猫の
ような可愛らしさとは裏腹に、凄まじい剣幕で食って掛かられ、ディズィーは傍から見ても
気の毒な程ぎゅっと身を竦ませて謝った。
支援ヌゥルポーォア!
「はぁはぁ…フン、まあいいわ。無知な平民の無礼な振る舞いぐらい許してあげる。
でなければ貴族は務まらないものね」
漸く落ち着きを取り戻し、ルイズは威儀を正してディズィーに向き直る。 手に持った小さな
杖を、ディズィーの目の前で軽やかに振った。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
朗々と呪文を唱え上げ、杖の先端をディズィーの額に置いた。 そして地面に膝を着き、
彼女と目線を同じ高さに合わせ、すっと顔を近付ける。
「な、何をするんですか」
予想だにしなかったルイズの突然の行動にディズィーは驚きを隠せず、距離を取ろうと
反射的に尻で草を擦って後退る。 間近に迫ったルイズの真剣な面差しに、如何してかは
分からないが、どきりと胸が高鳴った。
「いいからじっとしていなさいよ」
少しだけ怒気を含んだ声でルイズが言う。離れた間を詰めようと、彼女の顔が再度近付く。
「えと、その、あ、あの、ルイズさん。な、何をしようというんですか」
ルイズの、少し湿り気を帯びた吐息を頬に感じた。 彼女がこれから何をしようとしている
のか全く分からず、ディズィーの胸中は混乱と未知に対する恐怖が綯い交ぜになっていた。
訳も分からず、身体が小刻みに震えている。
「ああもう! じっとしてなさいって言ったじゃない!」
逃げようとするディズィーに痺れを切らしたルイズは、逃がすまいと咄嗟に伸ばした左手を
彼女の形の良い頤に添え、くいっと上を向かせた。
「あ」
ディズィーの口から小さい声が漏れる。 見上げた先にはルイズの顔があったが、その
表情は逆光でよく窺い知れない。 だが、ディズィーには、影に沈んだその鳶色の瞳が、
少しだけ悲しそうに見えた。
「……契約の方法が、誰がキスなんて決めたの?」
キスって何だろう?
初めて聞くその言葉に不思議そうな顔をしていると、ルイズの顔が急に下げられて、
ディズィーの唇に近付いた。
「ん……」
どちらのとも知れぬ声が漏れ出た。
柔らかく、湿った感触を不意に唇に感じた。 この世に生を受けてから三年というあまり
にも短い月日の中で初めて経験する、全く未知の感覚に、傷つきやすく、脆く、感受性の
高い彼女の心は、戸惑い、悩み、狼狽し、赤茶色の無垢な瞳が驚きに見開かれる。
唇に、ルイズの唇が重ねられている。 この行為の意味は何だろう、とディズィーは考える。
そして心に生まれたこの不思議な感情は何だろう。 重ねられた柔らかく瑞々しい唇から
伝わる、人肌のなんとも言えない優しい穏やかな温もりが、まるで氷のように冷えたきった
心の奥底にある蟠りを、ゆっくりと溶かすかのようだ。 ルイズの桃色の髪から仄かに香る、
石鹸の良い匂いが鼻腔を擽り、肺を一杯に満たした。
解らない――だが、決して嫌な感覚ではない。 何とも言い表し難く、複雑で、けれども
優しい気持ちになれる、甘く神秘的な情動――驚きに開かれていたその瞳は徐々に蕩け
るように潤み、やがては陶酔の境地にさえ至っていた。
一体、どれ程の間、そうして口付けを交わしていたのだろうか。 ほんの数秒の出来事に
過ぎなかったのかもしれないが、ディズィーにとっては常しえに思えた。 それ程までに
この口付けというものは、彼女の幼い魂にとっては凄烈な衝撃を齎したのだ。
やがて、その刹那とも永劫とも思える甘美なひと時は、始まりと同様に唐突に終わりを告げる。
「終わりました」
いやに素っ気無くルイズの唇が離れた。 ディズィーは遠ざかる彼女の唇を、何処か
夢見心地な眼差しで見送る。
「今のは感覚は……なに?」
ディズィーは自分の唇に、名残惜しそうに指先をそっと這わす。まだ、あの魂を揺さぶる
感触が残っているかのように、触れた指先は熱い。 感触を確かめるかのように唇を舌で湿らした。
ふと、ルイズを見遣る。 何故か、彼女は顔を真っ赤にして俯いていた。
「如何かしたんですか?」
しかし顔を俯かせたままルイズは黙りこくっている。 またそれと気付かずに、自分は
何か彼女の気分を害する事でもしたのだろうか、とディズィーは急に不安になった。
「ふむ。 サモン・サーヴァントは何回も失敗したが、コントラクト・サーヴァントはきちんと出来たようだね」
コルベールは嬉しそうだが、彼とは対照的にルイズは暗く沈んでいた。
「ファーストキス、だったのに……私、女の子と…しちゃった………」
ぽつり、ぽつりと途切れがちにルイズはそう呟く。
「ミス・ヴァリエール。そう気に病む必要はありません。 昔から女の子同士のキスは数の内に入らないというそうですから」
そう言って傷心のルイズを慰めるが、如何やら彼の言葉は届いてなさそうだ。
「相手がただの平民だから契約できたんだよ!」
「そいつが高位の幻獣だったら、契約なんか出来っこないぜ!」
そこへ茶々を入れるように何人かの生徒がまたルイズを嘲ったので、悄然と顔を俯かせ
ていた彼女は強い意思を再度瞳に宿し、睨みつけた。
「馬鹿にしないで! 私だってたまには成功するのよ!」
そしてそのままルイズは元の獅子のルイズに戻り、嘲り笑う生徒達と舌戦を繰り広げた。
一人取り残されたディズィーは暫し惚けた表情であの不思議な感覚の余韻に浸っていたが、
それも長くは続かなかった。
それは唐突に訪れた。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁっ!」
まるで熔けた鉛を直接体内に流し込まれたかのように、身体が熱かった。 満ち足りた
気分から一転して、苦痛と恐怖がディズィーの心を締め付け、蹂躙する。
まさか、先程のあの行為が?
思い当たる節と言えばそれしかない。だが、何が起こっているのかは全く解らない。
ディズィーは自分の身体に起こった得体の知れない変化が齎す恐怖と、体内で地獄の
業火の如く燃え上がる苦痛に耐えようとし、華奢な腕に爪が深く食い込む程、強く自らの
身体を抱き締め、その場に蹲った。
「身体が……熱い…」
苦しそうにディズィーは呻くが、ルイズはそんな彼女の様子に苛立たしそうだ。
「大袈裟ね。使い魔のルーンが刻まれているだけよ。直ぐ終わるから待ってなさい」
ルイズにとっては如何でも良い他人事なのだろうが、当のディズィーにとっては大事だ。
そしてそれはディズィー本人だけの問題ではなく、彼女がその背に宿す二つの独立した
人格達にとっても看過できぬものであった。
「やめて…ネクロ…お願い…ウンディーネ……」
苦痛に耐えながら、ディズィーは必死になって顕現化しようとする二つの人格達を抑え
込もうとした。 彼女が原因不明の苦痛に苛まれているのを、彼らは外敵からの攻撃に
よるものと判断したのだ。 ディズィーが生まれながらにしてその背に宿す、各々が独立
した人格を備える二体のGEARであるネクロとウンディーネは、宿主であるディズィーの
身に何かしらの危険が起これば、ディズィーの意思に関係なく顕現化して自動的に防衛
行動を実行する。 それは彼女が如何なる闘争を望まない時であってもだ。 彼らの行動
の絶対的な規範は全て宿主であるディズィーの生命を守護する事に直結しており、喩え
その結果が如何なるもので、彼女の心を痛く悲しませるものであったとしても、それに対し
彼らには一切の思慮や躊躇いは無い。
蹲るディズィーの背中で、何かがむくりと蠢いたその直後だった。
「駄目! 言う事を聞いて! ネクロ! ウンディーネ! いい子だから! お願い!」
サモン・サーヴァントが成功したかと思ったら、召喚されたのは見るからに大人しそうな
平民の少女だった。 今まで何度も失敗して何も呼び出せなかったのだから、一応これは
成功なのだろう。 だが限りなくゼロに近い成功だ。 全くのゼロよりは幾分ましかもしれな
いが、それでも理想が高かったルイズの期待にはそぐわない結果である。
とはいえ、満足のいく内容ではないのは認めるところだが、内心ではちょっと嬉しかった
のもまた事実だ。 確かに、目の前の平民の少女と、召喚されるであろうと心に強く思い
描いていた美しく気高い幻獣とでは雲泥の差がある。 召喚された少女を一瞥して失望し、
これ呼ばわりし、契約を促す教師に反発し、些細な事で辛く当たったりもした。 だが、今
思えば何と度量が狭い振る舞いだったのだろうか。 相手は無力で、突然の召喚に動転し、
すっかり怯え切った平民の少女だというのに、貴族に対する口の聞き方さえ知らないのか
と声を荒げて怒鳴り散らしてしまった。 これでは民の上に立ち教え導く貴族とは呼べない
どころか、王家に誉れ高いヴァリエール家の子女としても失格だ。 弱者を虐めて、己の
矮小なる虚栄心を満たそうなどとは反吐が出る。 生来からの自己のかなり意地っ張りな
性格をルイズは深く恥じ入った。 もっと素直に生きられれば、この少女に対して気の毒な
事をせずに済んだかもしれないのに。 そうしてちっぽけな自分に嫌悪する事も無かった
のではないだろうか――だが、少なくともこれで自分が魔法の才能が全くのゼロではない
事が万人に対して証明された。 この調子でいけば人並みに魔法を扱える日もそう遠くで
はない事を祈りたい。
ところが、契約の口付けを交わしてからのルイズは、嘗てない程に酷く狼狽していた。
ルイズには幼き日に固く契りを交わし将来を共に誓い合った婚約者がいる。 彼は魔法の
才能が皆無に等しい自分には不釣り合いな程に有能で、飛び切りの美男子である。 だが、
初めてのキスの相手はこの平民の少女だった。 ルイズの数少ない自慢の一つである、
非常に魅力的な婚約者の彼ではない。 契約の儀式により仕方がないとはいえ、キスを
した事について納得がいく訳ではないし、それに対する抵抗もあった。 ルイズにとっては
多少なりとも初めての口付けが同じ女の子という事が悲しかった。
確かに、ディズィーには、そこいらの貴族の娘には無い、白い蓮の花のように清らかな
美しさがある。 この学院に学籍を置く者として昨今の貴族の子息子女がどれ程に自己を
省みず自由奔放に生きているのかというのを、嫌というほど目の当たりにしていた。 成り
上がりが多いゲルマニアの女は兎に角として、トリステインの古き良き貞淑な乙女は希少か、
最早絶滅してしまっているのではないかとさえ思えてしまう。 しかし、ディズィーには、
トリステインの多くの乙女から失われて久しいものがあった。
更に、何処か浮世離れした神秘的な雰囲気が清廉な美しさをより一層引き立てている。
人の手が全く届かない、岩清水と澄んだ空気に満ちた巨木に苔むする森で、まるで厳かな
自然によって慈しみ育てられたかのような印象を受けた。
それは同性であるにも関わらず、魅了されてしまう程だった。 しかし、だからといって、
初めてのキスの相手が同じ女の子であるというのは、未だ初心で純真無垢な乙女である
ルイズには少なからぬショックを齎した。
そう、それはショッキングな出来事で間違いない。 間違いない筈。 間違いない筈。
間違いない筈なのに、何故こうも胸の鼓動が激しいのだろうか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
もしかして私、女の子とキスをしてドキドキしてる?
そんな馬鹿な、とルイズは心に芽生えたその感情を頭ごなしに否定した。 女の子同士で
キスをして胸をときめかせるなんて間違っている。 始祖ブリミルだってこんな感情を御許し
になる筈がない。 始祖ブリミルは、虚しい思いに耽る者を、恥ずべき情欲に任せ、自然の
関係を自然に悖るものに変えたとして御怒りになるだろう。
嗚呼、始祖ブリミルよ、卑しく哀れなる小娘に御慈悲を御与え下さい。 ルイズは胸中で
静かに十字を切り、跪き、懺悔し、この邪な想いを忘れ去ろうと努めた――だが、唇を離した
時に見せた、ディズィーのあの惚けた表情が脳裏にこびり付いて離れない。
白い頬を薄っすらと上気させ、無垢な輝きを秘めた瞳は涙に潤んでいた。 そして名残惜し
そうに口付けていた唇を繊細な指先でなぞる仕草が、妙に心に訴えた。 あの涙に潤む瞳が
物欲しげな視線を投げかけていたような気もする。
いけないわ、こんな事、いけないのよ。 嗚呼、始祖ブリミルよ、御許し下さい!
ルイズがそうやって心中で始祖ブリミルに対して厳粛な面持ちで祈りを捧げていたが、
それも間も無く級友達の野次に中断されてしまい、ルイズは有りっ丈の声量を搾り出して、
心の神殿に入り込んできた彼らと真っ向から立ち向かった。
そうやって言い争っている最中にそれは起こった。
唐突に響き渡る少女の悲痛な叫びが耳朶を打つ。 ルイズが何事かとその方へ視線を
転じれば、ディズィーが地面に蹲って苦悶の表情を浮かべて、何かに耐えていた。
多分、使い魔のルーンが刻まれているのだろう。 自らの身体を掻き抱くディズィーの
左手の甲にそれらしき文字が光り輝いていたから、そう見做して間違いない。
ルイズは苦しむディズィーを見て、大袈裟ね、と素っ気無く言ったが、内心ではほんの少し、
というよりもかなり動揺していた。 他の生徒とその使い魔の契約を見る限りでは、使い魔は
ルーンが刻まれる痛みをむず痒そうにしていた。 人間ではない幻獣だからこそ、むずがる
程度で済んだのかもしれない。 もし、人間だったら、ルーンが刻まれる痛みは想像を絶する
ものなのかもしれない。 何しろ前例が無いのだから、そう考えても不思議はない筈だ。
それにディズィーの痛がり方は尋常ではない。 放って置いたらこのまま死んでしまうの
ではないかと思える程、その叫びは苦痛に満ちている。 聞いている此方の心まで痛くなる。
如何しよう、とルイズは狼狽した。 此処はこの場を監督する立場にあるコルベールに
助けを求めるべきだろうか。 平民とはいえ、このまま一人の少女を無為に死なせては、
それに対する謗りを免れられないだろう。 それに、平民を使い魔として召喚する事自体が
前代未聞の出来事だが、契約の儀式でそれを更に死なせてしまうとなったら、今度は自分に
どんな二つ名を付けられるか分かったものではない。
意を決してルイズがコルベールに助けを求めようとしたその時だった。
ディズィーが一際大きな声で啼くと同時に、背が膨らみ、何かが勢い良く飛び出したのは。
ルイズを始め、コルベールや生徒達も呆気に取られて、少女の変貌に見入る。
それは一対の翼だった。 左翼はまるで天使のように一点の穢れも無い純白だが、それとは
対照的に右翼は悪魔のようにどす黒い。それらが目一杯まで広げられ、抜け落ちた何枚かの
羽根が宙をふわふわと軽やかに舞っていた。
ルイズは目の前に蹲る少女の突然の変化に言葉を失っていた。 人間だと思ったら、
なんと彼女には翼が生えていた。 少なくとも普通の人間の背中に翼は生えていない。
それは即ち翼人であるという証拠に他ならなかった。 翼人といえば恐れられている
エルフと同様に先住魔法を使う。 そのような存在を自分は召喚してしまったのか。
「あれを見ろよ! 翼が生えてるぜ!」
「鳥か!?」
「違うぜ! あいつは翼人だ!」
翼人の少女を目の前にして生徒達がすわとばかりに色めき立つ。 殆どの生徒が亜人を
その目で直に見るのが初めてだからだった。 人間と亜人の共同体はほぼ隔絶されている。
お互いに別の種族であると自覚しているからこそ、二つの種族はあまり交わろうとはしない。
それ故に未見の者が多いのは当然の帰結であった。
ルイズはすっかり動揺し、如何していいのか分からず、コルベールに助けを求めようとして
縋り付くような視線を向けたが、彼も困惑した表情を浮かべている。
取り敢えず、自分は平民ではなく、亜人の一種である翼人の少女を呼び出してしまった
という事になる。 平民と違って先住魔法が使えるだろうから、自分の中で少女に対する
先程よりも評価はぐんと上がった。 ただ、主人は魔法が使えず、その使い魔だけが魔法を
使えるというのには何となく納得がいかない気もするが、まぁ、いいだろう。使い魔としての
価値が上がるという事は、それだけルイズの実力も比例するという事なのだから。
「あ、あんた、翼人だったのね!? 如何して初めに言わなかったのよ!」
ディズィーはまだ自らを抱き締める形で苦しそうに蹲っていた。 ルイズはそう声を掛け
ながら、苦しんでいるのならば背中ぐらいは擦ってあげようかな、と思い、翼人の少女に
小走りで駆け寄る。
だがそこで、はた、とルイズの足が止まり、その場に根を生やしたかのように凍り付く。
彼女の視線は、蹲る少女のあるものに注がれていた。
確かに、背中に生えるそれぞれ羽の色が対照的な翼は目を引く程に珍しい。 珍しい。
珍しいが、翼ではなく、それは全く異質で、ルイズはいよいよ混乱した。
ルイズの視線が注がれるその先――蹲るディズィーの黒いワンピースの裾から、ずるり、
とはみ出ている、太くて黒くて長い物体。
それは紛れも無い尻尾だった。 表面が艶々と黒光りする皮膚に覆われており、尻尾の
先には彼女の瑠璃色の髪を二つに分けて留めている黄色いリボンと同じものが結び付けら
れている。 それが似合っていなくて、滑稽というよりも不気味さを醸し出していた。
「ちょ、ちょ、ちょちょちょちょっと! これ! 何! 何なの! 本物なの!?」
ルイズは素っ頓狂な声を上げ、ワンピースの裾から盛大にはみ出している長くて太い、
爬虫類のような尻尾を指差す。 周囲の生徒達は、ルイズが何に驚いているのか初めは
分からなかったようだが、彼女が指差す先にあるものを見て、再度どよめきが広がった。
「尻尾だぞ! あの翼人、尻尾も生えてるぞ!」
「馬鹿いえよ! 翼人には尻尾なんか生えてないぜ!」
「じゃあ何だよ!?」
「化け物だ」
誰かが言ったその言葉によるものなのか、生徒達の騒めきがぴたりと止んだ。
デッドエンドフラグー!
支援
大変だー!支援
化け物――耳に届いたその言葉が、鎖となってディズィーの心を強く締め付ける。
途端に、過去の忌まわしい情景の数々が断片的に脳裏に呼び起こされた。 GEARと
分かるや否や凶器を手に携え迫り来る村人たちの、燃え盛る劫火に照らし出されて浮か
び上がった恐ろしい形相。 目は煌々と不気味に輝いている。 ディズィーの瞳には、彼ら
人間の方がGEARよりもおぞましい化け物として映っていた。 口々に浴びせ掛けられる
罵詈雑言が、本当にまだ幼いディズィーの無垢な心を容赦なく抉り取り、突き刺し、切り刻み、
粉々に打ち砕こうとする。お姉ちゃん、お姉ちゃんと慕ってくれた小さな友達に言われた、
悪魔という一言が真っ白なキャンバスのような魂を、悲しみで滅茶苦茶に塗りたくる。
私は化け物なんかじゃない!
ディズィーは声ならぬ悲痛な叫びを上げる。 だが、その言葉は誰の耳にも、心にも、
決して届かない。 世界の全てが、何も知らない幼子の存在を許そうとはしなかったのだ。
そこでディズィーの意識は現実に引き戻された。 何時の間にか、体内で嵐のように荒れ
狂っていた痛みと熱さが嘘のように引いている。 それに伴い、背中に宿る二つの人格達も
各々の死神と女神という形態を形作る寸前で沈静化していた。
ディズィーの心に漸く平静が訪れた。 ほぅっと一息つき、恐る恐る顔を上げる。
見上げた視線のその先には、ルイズが自分を、何か得体の知れない恐ろしいものでも
見るような顔で佇んでいた。 それでディズィーは気付いた。 必死になって隠していた翼と
尻尾が露わとなり、人々の目に触れてしまった事を。
村を追われたあの夜の出来事が再び鮮烈に脳裏に蘇る。 周囲を怖々と見渡すと、目の
前のルイズと同様に、生徒達も薄気味悪いものでも見るかのような目で此方を見ていた。
何人かの生徒は杖をその手に握ってさえいる。 恐怖が漣のように押し寄せた。
「化け物だ」
再度、誰が言ったかは分からぬその言葉は、瞬く内に生徒達の間に波紋のように広がった。
支援
支援。
そうか、ルーンを刻む苦痛は自動防御系の能力を持つキャラならこうなるのか。
支援
さるさんか?
代理行きます。
357 :
代理:2008/07/02(水) 10:35:20 ID:Ah8dZigu
サルさん食らったので続きを此方に投下します。
「あんなの亜人ですらねえ」
「翼は兎も角、あの黒い尻尾を見てみろよ。気持ち悪い」
「ああ、グロテスクな造形だ。尻尾のリボンが悪趣味過ぎる」
「まるで悪魔そのものね」
口々に囁かれる言葉の一つ一つが、幼く無垢な心を無造作に踏み躙る。
「あ、ああ…」
ディズィーは胸が悲しみと恐怖で押し潰されそうだった。
私が一体、彼らに何をしたというのだろうか。 私はただ平穏に暮らしたいだけなのに、
如何して世界は私を傷つけようとするの?――息苦しいとディズィーは感じ、止まる事を
知らない言葉の暴力によってずきずきと痛む胸を両手で押さえながらその場で再び蹲り、
空気を求めて必死に喘いだ。 上手く呼吸が出来ない。 肺の中を暴れる二酸化炭素は
絶対零度の青白い炎に等しく、降り掛かる言葉は魂をその場に釘付ける。
ふと、誰かの足が俯いた視界にすっと入り込む。 顔だけ少し上げて見ると、ルイズが
直ぐ傍に佇んで自分を見下ろしていた。 その表情は影になっていてよく見えないが、
多分他の生徒達と同じに違いない。 気味の悪い化け物を見下す冷たい目だ。
ルイズが目の前で膝を折って屈み込んだ。 ディズィーはびくりと身を震わし、慌てて
視線を逸らした。
「あんた、一体何なの? まさかそんな格好してて、人間です、とは言わないわよね。
亜人…なの? でも翼と尻尾を生やした亜人なんて聞いた事ないわ。 それとも新種?」
心の中を探るような、値踏みするような、そんな訝しんだ声音でルイズが問い掛ける。
「……私は、人間ではありません」
蹲ったまま、ディズィーは素直に白状する。
旧技術(ブラックテック)と魔法理論によって作り出された生態兵器――そう、自分は、
世界を百年の長きに渡る凄惨な戦い巻き込んだGEARだ。 運用時に於ける兵站を全く
必要とせず、自ら数を増やし、機械化歩兵部隊並みの機動力と圧倒的な戦闘力を持つ、
生ける兵器。 ギガデス級ともなれば、たったの一時間で百万都市を灰燼に帰せる程だ。
GEARとは、人類にとっては悪魔の別称でもある――いや、人類にとってはそれ以上に
邪悪な存在なのかもしれない。 GEARとは、悪魔よりも狡猾で、死よりも無慈悲であり、
そして何よりも存在そのものが決して許されざる原罪なのだから。
「ふーん…やっぱそうよね、うん。 流石に翼と尻尾を生やした人間がいる訳ないもんね」
嘆息と共に、納得した、と言わんばかりにルイズがそう漏らす。
すると、今度はディズィーばかりか、ルイズにも心ない言葉が容赦なく投げ付けられ、
生徒達は二人を寄って集って嘲った。 ディズィーは何だかルイズに対して、済まない
という気持ちになった。自分の所為で、彼女まで自分と同じに見られたらと思うと心が痛んだ。
そっと顔を上げてルイズの横顔を盗み見ようとする。それと同時に彼女は弾かれるように
立ち上がってしまったので、結局その表情は窺い知れなかった。
「あんた達! さっきから喧しいのよ!」
今まで以上に迫力のある声でルイズは言い、世界の全てを敵に回すのも辞さないという決意を
漲らせた瞳で、周囲を力いっぱい睨み付ける。
「人の使い魔を散々化け物呼ばわりして! 本当に失礼しちゃうわ!」
そしてその次にルイズの口から出た言葉に、ディズィーは息をするのさえ忘れた。
「この娘の何処が化け物なのよ!」
はい、此処で一旦投下を終わります。
話のテンポが悪くてすみません。
次でようやく召喚一日目終了かな?
「あんなの亜人ですらねえ」
「翼は兎も角、あの黒い尻尾を見てみろよ。気持ち悪い」
「ああ、グロテスクな造形だ。尻尾のリボンが悪趣味過ぎる」
「まるで悪魔そのものね」
口々に囁かれる言葉の一つ一つが、幼く無垢な心を無造作に踏み躙る。
「あ、ああ…」
ディズィーは胸が悲しみと恐怖で押し潰されそうだった。
私が一体、彼らに何をしたというのだろうか。 私はただ平穏に暮らしたいだけなのに、
如何して世界は私を傷つけようとするの?――息苦しいとディズィーは感じ、止まる事を
知らない言葉の暴力によってずきずきと痛む胸を両手で押さえながらその場で再び蹲り、
空気を求めて必死に喘いだ。 上手く呼吸が出来ない。 肺の中を暴れる二酸化炭素は
絶対零度の青白い炎に等しく、降り掛かる言葉は魂をその場に釘付ける。
ふと、誰かの足が俯いた視界にすっと入り込む。 顔だけ少し上げて見ると、ルイズが
直ぐ傍に佇んで自分を見下ろしていた。 その表情は影になっていてよく見えないが、
多分他の生徒達と同じに違いない。 気味の悪い化け物を見下す冷たい目だ。
ルイズが目の前で膝を折って屈み込んだ。 ディズィーはびくりと身を震わし、慌てて
視線を逸らした。
「あんた、一体何なの? まさかそんな格好してて、人間です、とは言わないわよね。
亜人…なの? でも翼と尻尾を生やした亜人なんて聞いた事ないわ。 それとも新種?」
心の中を探るような、値踏みするような、そんな訝しんだ声音でルイズが問い掛ける。
「……私は、人間ではありません」
蹲ったまま、ディズィーは素直に白状する。
旧技術(ブラックテック)と魔法理論によって作り出された生態兵器――そう、自分は、
世界を百年の長きに渡る凄惨な戦い巻き込んだGEARだ。 運用時に於ける兵站を全く
必要とせず、自ら数を増やし、機械化歩兵部隊並みの機動力と圧倒的な戦闘力を持つ、
生ける兵器。 ギガデス級ともなれば、たったの一時間で百万都市を灰燼に帰せる程だ。
GEARとは、人類にとっては悪魔の別称でもある――いや、人類にとってはそれ以上に
邪悪な存在なのかもしれない。 GEARとは、悪魔よりも狡猾で、死よりも無慈悲であり、
そして何よりも存在そのものが決して許されざる原罪なのだから。
「ふーん…やっぱそうよね、うん。 流石に翼と尻尾を生やした人間がいる訳ないもんね」
嘆息と共に、納得した、と言わんばかりにルイズがそう漏らす。
ゴメン!被った!!!
すると、今度はディズィーばかりか、ルイズにも心ない言葉が容赦なく投げ付けられ、
生徒達は二人を寄って集って嘲った。 ディズィーは何だかルイズに対して、済まない
という気持ちになった。自分の所為で、彼女まで自分と同じに見られたらと思うと心が痛んだ。
そっと顔を上げてルイズの横顔を盗み見ようとする。それと同時に彼女は弾かれるように
立ち上がってしまったので、結局その表情は窺い知れなかった。
「あんた達! さっきから喧しいのよ!」
今まで以上に迫力のある声でルイズは言い、世界の全てを敵に回すのも辞さないという決意を
漲らせた瞳で、周囲を力いっぱい睨み付ける。
「人の使い魔を散々化け物呼ばわりして! 本当に失礼しちゃうわ!」
そしてその次にルイズの口から出た言葉に、ディズィーは息をするのさえ忘れた。
「この娘の何処が化け物なのよ!」
はい、此処で一旦投下を終わります。
話のテンポが悪くてすみません。
次でようやく召喚一日目終了かな?
以上、代理完了。
>>359 お気になさらずー。ってか素敵なまでにタイミングが悪かったようで(苦笑
代理レスが分身した?
GJ!
でず子…(´;ω;`)
感想ー。
んー……ルイズらしいっちゃらしいんだけど。
個人的には手前勝手な思考がすっげぇムカツクキャラになっちゃってますナー。
さんざっぱら言葉の暴力で嬲っておきながら内心でちょびっと反省しただけで、
謝りもしてないし。
この後の展開はなんとなく想像がつきますけど、
「騙されてるよ、ディズィー」って言いたくなる感じになるんだろうなぁ。
禿げも注意しろよな
乙、なかなか気合が入った文章で良いです。
>>322 既存の怪獣でいそうでいないんだよな、確かにそれっぽいのに。
なんか代理投下スレに抜け分ガガガ。
……責任とってWiki編集してくらー。
タルブの村に保管されているのは、エクスプローションパルス推進装置で飛行可能なエプシィガンダムでどうか
取り敢えず、乙
んー… ギーシュとの決闘で暴走しなきゃいいけどね
つーかマルコメあたりが道踏み外すとかがあったら緩和剤になりそうだな
しかしGGはやったこと無いがMUGEN界隈でのディズィはなぁ…
破壊神だし…
投下乙
ドラマCDを聞くと分かるが、デズ子の本質はかなりボケボケなんだぜ?
騙されやすいキャラではあるな
まぁ、初めからGJだけ貰える人なんていないし、今後に期待
まぁ知能は高くても所詮3歳児で人生経験が不足していますから>ディズィー
主の性格については……ディズィー共々成長していくのを見守りましょう。
あめ玉をもらっただけで尻尾振ってついていきそうなんだよなぁ、デズ子は
GJ! 確かに気合いの入った文章だ。そして微妙にゆりりんぐ。
この状況、きっと胸のサイズに気付いたマルコメが味方してくれるに違いない。
ああ畜生、かわいいなぁデズ子は!
豚やギーシュもここで化け物呼ばわりしておいて、後で手のひら返して「おっぱがいっぱい!」「ちちしりふとももー!」とか盛り上がるんだろうなぁ。
ああ殺意が……
その3歳の娘にあの服を着せたのは一体誰なんだろうなー。
ディズィーを拾って育てた老夫婦か? それともテスタメントか?
あるいはGGの時代では、あの服が普通…!?
それについては諸説様々だが、有力なのはギア細胞が変化したものだとか
だから瞬着できるのだとか
あんな服が普通……工画堂の羅刹シリーズから召喚とか思いついた。
でも人間メンバーは生体装甲、戦闘用アンドロイドは存在自体がメンテ必要。
となれば、羅刹・弐で追加された、過去の敵であるあいつらを……白兵戦大好き野郎だし。
ディズィーがいなくなったらテスタメントが・・・
確かGGXXじゃディズィーを探すのがストーリーだったよな
379 :
紙袋の男:2008/07/02(水) 11:29:10 ID:YFm59ckZ
おお…自分以外のギルオタが来てくれた…。応援しますぞ!
>>314氏
自分も初代からアクセントコアまで一応やってる身なので、その設定は覚えております。
今回SSを書くにあたって、一応調べた結果WIKIにてアクセルが火の法力に分類されていたようなので……。
違っていたら申し訳ないです。
ディズィーの衣装……無限のフロンティアの面子は召喚したらまずいだろうなあ。
特にマリコルヌ的な意味で。
>>380 あの乳牛姫は服もそうだが下衆な意味で100前後だからなあ
ティファニア声の臍姫はロリコンを増殖させそうだ
テファ「闇に惑いし哀れな影よ…人を傷つけ貶めて、罪に溺るる業の魂」
ベア「ヒィ!」
無限のフロンティアで時が止まった
ぐわんげからの場合…まともにいくなら八飛車召喚かな
ただし早く解かないとルイズの命も残り1年という呪縛つきになってしまうが
これまで滅ぼされた魔物の怨霊がなんらかに憑依して次々と襲来していくのよ
ギーシュのワルキューレが勝手に動いて斑百足になったり
フーケのゴーレムが勝手に動いてぬこ蜘蛛になったり
ワルドにサル式神(魔魏羅)が憑依していたり
>>148 最近投下多くて楽しみだな
こんなSSほかにないの?
>>364 確かにGJ!には今一つかな。
後半のルイズの描写が少なくて、単に自分の使い魔だからかばっている様に読めるし。
記憶喪失ルイズを引っ張ってきて、本来こんなもんと言かもしれんが
そこはそれ、これはこれだし。
まあ明らかに亜人を忌避する風潮(翼人、エルフ)が世間だから
一人個人的な理由でかばうのも序盤は間違いではない。
もう少しフォローが欲しかったのと、今後の挽回期待。
てか、文体が真面目だから思考が引きずられてそう感じるだけでね?
緩い思考だとスルーされる部分が顕在化しただけで。
>>364 >さんざっぱら言葉の暴力で嬲っておきながら内心でちょびっと反省しただけで、
>謝りもしてないし。
そこがルイズのかわいいとこじゃないか。
つか、ラストの一行で十分かわいいルイズになってると感じたんだけどね。
キスが死亡フラグというねたを考えてみた。
レジンキャストミルクより城島晶&硝子召喚。
硝子のほうと契約のキス。
「はじめては大好きな人と…マスターと(ry」
虚界渦オープンでルイズ抹殺
とキスをしたという事実がなくなってルーンは消える。
プリンで回避できる死亡フラグではあるが
…ハルケギニアにプリンってあるんだろうか?
プリンが出来た時代を知らんのでなんとも言えんが。
技術レベルはともかくとして、食文化くらいなら良いのでは?科学と共に進歩するものでも無いし、味の素とか出たら問題だけど
過去世界じゃなくて異世界だから
>>390 18〜19世紀にカスタードプリンは出来上がったらしいのでぎりぎり…あるかどうか。
なければ晶が作る方向で。
キスが死亡フラグねえ。
宵闇眩燈草紙の大澤操とか。
394 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 13:28:19 ID:LSRukxWC
イギリス的な意味でのプリンならあるだろう。
日本的な意味でのプリンはどうだろうな。
作ろうと思えば中世レベルでも簡単に作れるけど。
というか、お菓子関係で原作に出てきたのってクックベリーパイと飴玉かクッキーくらいだったような。
…つまりパティシエ系を召喚するんですね!(何
「オーガストファンBOX」で結先生がシンフォニア王国にプリンを伝える話があったなぁ
X-MENのローグだったっけ、キスで能力奪うのって
ポイズン・アイビー辺りもやばいことになるな
>>397 ローグはキスじゃなくて触るだけでも奪えたと思う
正確には「素肌が触れた箇所から」エネルギーやら能力を奪います。だからほぼ全身タイツ姿でいるのです。>X−MENのローグ
今の怪力とか飛行とかは他のヒーローから奪った能力だったりする。
>>395 タイムスリッパーなお医者さん、仁ならお菓子も作れるぞw
江戸時代にドーナツとかプリンとかサブレとか作ってた。
…冷えた牛乳をよくまぜて…
キュルケ「風竜がアルビオンから運んできた貴重な牛の乳を?」
…ここで砂糖を加えます…
タバサ「南方の砂糖黍や北の甜菜は貴重、あ…そんなに…」
…溶いた卵を入れてよくかきまぜます…
「タマゴなんて盆正月か病気の時しか食べられないわよ!」
つまり金剛番長を召喚するんですね。
コーラは?
>>400 プリンニサブレも作ってたのかあの先生w。
ドーナツ作ってたのは知ってたけど…結構いろいろできるなあの人w
キスが死亡フラグ・・・・・「らんま1/2」のシャンプー?
他にも「体液が毒」キャラ(アルバフィカとか)なら全員
死ぬのルイズだけど
マーベルからファンタスティックフォーを召喚
レギュラーキャラの系統にメンバーの能力と当てはめれるから相性はいいはず
トーチをキュルケ、シングをギーシュが召喚するって感じで
>>399 その奪われたヒーロー(というかヒロイン)Ms.マーヴルは先日復活
マイティ・アヴェンジャーズに参加して政府に従わないヒーローを狩り立ててます
仮面ライダーSPRITSのドクガロイドことプワゾンなんかもやばいな。>キスが死亡フラグ
MF文庫J繋がりで「きゅーきゅーキュート!」からスイート。
キスすると数分間の記憶が失われるので
ルイズが召喚の儀式のことを忘れてしまうという事態に。
FF5のハリカルナッソスもキスで呪いをかけられるな
陸軍中野予備校に出てきた体育教師はどうよ?
あ、あれは人工呼吸の実践だったかw
戦術鬼・破夢子(はむこ)の熱烈なキッス
>>389 キスが死亡フラグと言えば、ソードワールドのシャドーニードルですかね。
ご愁傷さま二宮くんからサキュバス妹を召喚とかは?
キスが死亡フラグなんて、ハリポタの吸魂鬼くらいしか思いつかねー
魚座(ピスケス)の黄金聖闘士アルバフィカ
毒薔薇漬けの生活してるのでかなりヤバい。
近付くだけでもヤバいため周りに人を寄せないようにしてたくらいだからコスモもろくに燃やせない人間が直接触れたら多分酷いことになる
アラレちゃんに出て来るピンク色のアレ。
キスが(社会的に)死亡フラグ。
>>404 あの先生、一応は剣道経験者なんだよな。
あくまで一応ってレベルだけど。
>>418 大丈夫。御立派様と接吻をなされた強者が既に存在する。
ご立派様相手ならむしろ名誉な事だ
>>404 毒と言えば初代ライダーに自分の出した毒ガスで死んだ面白怪人居たよな。
召喚された途端に周囲がバタバタ倒れた挙句自分が死ぬ使い魔w
ファーストキスから始まらねぇ二人のヒストリーw
死亡フラグやるんだったらクヴァーシルは月輪に飛ぶくらいやれ
>>395 1巻、ギーシュ決闘イベント直前にサイトがデザートのゼリーを配ってた。
スマヌ。月輪書いたのも俺だ。
よく考えたらネタかぶりじゃん orz
スマヌと聞くと、
凄ェ!ゼロのルイズが平民を召喚したぞ!みたいな台詞が脳裏をよぎる
>>426 本人かよww
あれはあれで結構好きなので(って言っても原作なぞってるだけだけど)
死亡フラグやるなら死亡だけで終了しないで最後まで面倒見てやってほしいんだ
キスじゃなくていじめたり、校門および窒への異物の挿入が死亡フラグになるキャラならあるが…
スマヌと聞くと、
スマヌ、スマヌ! と言って丸太振り回す師匠召喚しか思い浮かばなかったw
時々剣道経験者だからとか言ってる人がいるけど、あまり役に立たないぞ?
あれはあくまでもルールありきのスポーツで武術じゃないから
竹刀は軽すぎて真剣と振り心地が違いすぎるとか、そもそも竹刀とデルフは使い方が違うとかは置いといてもだ
一対一限定、合図なしの不意打ちや側面や背後からの奇襲禁止、規定の打突部位以外への攻撃無効(よって防御技術もそこ以外は想定していない)、
体当たりや相手の身体や武器を掴むなどして封じるといった奇策も使えない
こんなのが実戦じゃ斬ってくれというものだろう、ましてや魔法なんてトンデモ攻撃がある世界では
まあ一般人よりは剣に馴染みがあるって程度の扱いならいいけどさ
よほどの達人でもなければ剣道経験者だからデルフ使って大暴れ!ってのは無理
下手すると剣道やってて染みついた癖が邪魔して素人より危険かもしれん
>>428 つつつつつまり、今朝がた出オチと書いたヒゲ男爵を最後まで面倒みろと。
しかし繰り返す出オチ。
「アンタ誰?」
「ワシの名は……ザムディン」
「あの爺さん、ザムディンだって?」
「ザムディン……なんだか知らないが凄そうな名前だぞ……」
春の召喚の儀式でルイズが召喚したのは何処にでも居そうな老人だった。
だが、その名はザムディン。只者ではなさそうな響きにザワザワとざわめくクラスメイト達。
そのざわめきに一目で「ハズレ」だと判断していたルイズもその気になった。
「ザムディン。貴方ひょっとして凄い人物なの?
メイジ殺しの剣士とか、あるいは名のある将軍だとか?」
ワクワクテカテカしながら、そう問いただすルイズ。
しかし……
「いんやぁ、ただの農夫じゃ。息子はキタの町の町長をしておるがのぅ」
老人はそう答える。
そしてその答えは一分の隙も無くマジだった。
その後ザムディンは特に活躍もせず、ヴァリエールの領地に小さな農地を与えられ、
国元を普通に治めたルイズの使い魔として、ごく普通かつ平凡に一生を終えたと言う。
めでたしめでたし。
出てきただけで強制デッドエンドねぇ・・・
つ『メモリーズより田中信男』
まあガンダールヴがあればそこらのパンピーでもすぐ超人になれるけどな
剣道達人キャラ…武装錬金の早坂秋水とか
デルフもソードサムライXも特性は似ているぜ
うん、だから剣道経験者なんてのは何の売りにもならないってこと
それだけデルフ補正が高すぎるってことでもあるけど
でもそうでもしないと一般高校生の才人があの世界で英雄になるなんて無理だしね
>出オチ
究極はミッ…電気じゃない方の世界的に有名なネズミだなあ
デルフ補正じゃなくてガンダ補正じゃね
いかん。
秋水クン召喚ならデルフとサムライソードで二刀流は見たいよなーとか妄想してたら、
光の速さでジョゼフと悪だくみするブラックストマック姉ミョズが連想されたわw
やがてマジックアイテム作成技術と錬金術を融合させて、ロマリア超人同盟を結成した
バタフライのジジイ・ウィズ・ヴィンダールヴによるハルケギニア征服計画が発動、
姉弟タッグで抵抗するも、あまりの戦力差に絶体絶命のピンチ。
その時、虚無第四のアイテム「始祖の核金」を手にしたルイズと共に、
「記す事すらも憚られる」ヴィクトールが月から飛来して……
>>436 まあ某拳法伝承者と愉快な仲間たちの世界における
ボクサーorレスラーよりはマシなんでね?
>438
おk、流されて間違えたぜ
>439
早く執筆作業に戻るんだ
しかし時に閃光にも例えられる剣道の踏み込みの速さは驚異だぜ?
初撃必倒を狙った攻撃+ガンダ補正なら、ワルドとの決闘も制するかもしれんよ。
あとキャラによるけど、剣道経験キャラの持ってるサムライの心意気だよな。
「男子の本懐」の妹人みたいに、覚悟が決まってると色々展開も変わってくるだろうし。
時々ブレイバーが憑依するタマちゃんでも可w
途中で投げてはいかんといったじゃないか
だから
>>439の執筆に早く戻るんだ
特殊能力持ってるとそっちに話が流れてしまいがちだからなぁ
魔法だのなんだのが使えないのが個人的に好みだ
うん、短期決戦の決闘なら使えると思う
一足刀かそれに近い間合いから始まるなら、だけど
上級者の試合見てると気合いを発した次の瞬間にはもう残心に入ってたりするからなぁ
ただ、剣道は動きが激しい分体力も消耗するから長期戦になりかねないフーケ戦は厳しいかも
ゴーレムはエネルギー攻撃じゃないからソードサムライXも役に立たないだろうしw
憚れる…ってエルフかな
同族を裏切ってブリミルに仕えたとか
それでもブリミルの味方にエルフがいるのは拙いってんで記すのも…とか
パワーバランスが崩壊したり蹂躙したりしないようにゼロ魔キャラを強くするってのはまずいかい?
ギーシュのワルキューレがパンチ一発で地面にクレーターを作るくらい強くしたり
ワルドが一般人では視認できないぐらいの速さで攻撃できるようにしたり
>>446 そもそも初代ガンダールヴがエルフじゃなかったっけ?
>>447 物語が破綻しない自信があるのなら書いてみてもいいのでは
ただ、本編でワルドは十分一般人では視認できないぐらいの速さで攻撃出来る
強過ぎたから本編では排除されてしまったのだろうし
ワルドか…あれだけ宿敵として今後も才人達の前に立ちふさがるよフラグを立ててたのになぁ
というか、あまり魔法を非常識な強さにすると平民の傭兵が成り立たないと思うんだが
ドットにすぎないギーシュのワルキューレだけで一蹴される熟練傭兵の集団とか、戦争の役に立たないだろそれ
>>449 もう、そういうレベルじゃなくて
数十メートル先にいたと思ったら次の瞬間には背後に立たれてたとか戦ってる姿が見えないとか009の加速装置レベルの速さ
>ワ排除
ワルドを普通にライバル程度の強さに弱くして再登場でいいじゃん。
何事も無かったかのようにサイトと普通に渡り合って、偏在も一人しか出せなくすればいい。
もちろん誰も突っ込まない。それが当然と受け入れる。
過去の話をすれば、Drくれはの握力にオーガがびびってたんだ。今更ワルドがなにをうわやめ、ちょ、まtt……
>>450 クロムウェルだって、あれだけただ者でない描写しときながら、
ネタに見切りを付けるやいなや、小物化してあっさり切り捨ててるだろ。
ノボルはゆるゆるに見えて、ドライなんだぜ。
今更ながらデズ子の人乙でした。
個人的にはルーン刻む時にネクロ暴走して、避難所のプレデターみたいな展開(使い魔が周囲に結構な被害を出して逃亡)になるかと思っていました。
及第点は多々あるでしょうが頑張って下さい。
>>448 最新刊まだ読んでないのに〜 ><
って良いんだけどさ別に
ググったら初代ガノタがエルフってたくさん出てきたよ orz
剣道経験者のメリットってのは、一番最初、まだガンダの効果も知らないときに、
武器を取って立ち上がれるかどうかの後押しをしてくれることじゃね?
サイトみたいなアホなら勢いでいけるだろうけど、色々考えてしまう様なキャラを動かすのに。
>>452 ただ、それをやると「普通の優秀なメイジごときがライバルな伝説の使い魔」となってしまうんですよね
例えるならキングゴジュラスがサーベルタイg もといセイバータイガーをライバルに、って感じ
まあ例えばワルドをジョゼフの使い魔ミョズニトニルンにしてしまうとか。
それならそれ程の強さは強化系マジックアイテムの能力だ、と出来る
>>457 何やら得たいの知れない力を手にいれたとか
DIO様のように人間をやめるワルドしか思い浮かばんw
ロック魔理沙ことMegamari召喚・・・
こちらも遅かれながらディズィーの人乙
ゴモラの人も乙
まさか超古代怪獣ゴルザとは、最初バキシムかと思った。
ティガやダイナと戦った強豪も借りてきた猫のよう、テファ恐るべし。
しかしガリアの巨人は一体……ニセウルトラマンの類とは思うがわからん。
アグルとか?
>>455 初代ガノタはエルフ・・・
お前はひとにどんな妄想をさせたいんだ?
>>455 1979年4月7日土曜午後五時半、テレビの前に座り込むエルフ
デパートで子供たちとおしくら饅頭の末1/144ガンダムをげっとするエルフ
「プラモ狂四郎」を読むエルフ
1981年3月13日深夜、映画館前で白い息を吐きながら新聞紙に座り込むエルフ
いかん、なにか珍妙な幻影を見てしまった
才人最強無敵じゃ話が盛り上がらないからライバルを作ろう
↓
長期続刊ものになったので魔法関係の設定もある程度決めよう
↓
…規格外れで都合悪いな、ライバルキャラはジョゼフとシェフィいるから退場させるか
…って感じだよな、ワルドの扱い
>461
三次創作はNGだぜ
左手にガンダムのルーンのあるエルフか。
どんなクロスオーバーだ。
>>466 「ぱちゅコン!」が小ネタんところにあったけど、ダメなの?
明鏡止水でシャイニングフィンガーとか使うんだろ
>>468 グレー。でも三次というのもアレだし、面白いからいいやって感じの結論だったかな。
まああんまり蒸し返さないであげようや。
>468
荒らし御用達の某憚られる代物のせいで三次はNGってことにしようと運営スレで話し合われてた
>>469 きっと額が「キュピーン」と光ったりするんだよ
>>465 そして2006年8月10日に彼の訃報を知って涙にくれるエルフ
教皇に召還される物ってない?
個人的にジュリオ嫌いでサイトスキーだからそういうのが読みたい
ヴィンダがジュリオじゃなくてもストーリーが破綻しなそうだし
>>474 アレを三次創作と呼ぶのはこのワタシが許さんません
>>475 今のところ、
・慈悲深さと容赦の無さを兼ね備えた狂信者(シリアス)
・ガチホモ(ネタ)
……くらいしかキャラ性が無いように思える。
原作が進んで人物像が掘り下げられたら
教皇召喚モノも増えるんじゃないかな。
まだだ……まだ「実は教皇の傍で仕えるために男装してたジュリエッタたん」という可能性は消えてはいないッッ!!
>>477 腹黒、もとい伊達に教皇勝ち取ったわけじゃない政治手腕も。
教皇がジュリオ以外を召喚するのはいくつかあるが、
主人公が教皇のところに召喚されるのはまだないと思ふ
サイトは誰に召喚されても主人をからかう事を止めない気がする。
ジョゼフなんかは、その辺りは寛容そうだけど教皇は大丈夫か?
教皇とジュリオが女だつー設定のエロパロなら読んだことあるが
それくらいかなぁ SSで教皇見たのは
教皇がベイダー卿を召喚
なんで、こんなデンパ受信したんだろう?
>>293 サンダーエレクトロンキター!ドラグブレイクやバキュアムボルトも希望。
教皇が先々代蟹座の教皇セージを召喚
神の一手先を行ってこその教皇よ
ジョゼフと教皇とテファは誰が来てもそれなりに大丈夫だろうけど
原作どおりのルイズだと地雷過ぎてサイト以外には無理だろ
14巻まで読んでそう思った
アニメ版ならまだ大丈夫だけど
ジョゼフが召喚したのドラえもんの他にいないの?
>>475 >>481 いや、何もそこまで17をスルーせんでも、気持ちはわかるが…
今のところ唯一の教皇サイトもんなのに
まあ教皇に一番合うのは姉妹スレでよく召喚されてる某神父だろうな
つまり宗教関係が乙か
17歳と聞くだけで勃起する和尚さんなんかどうでしょう?
>>487 「イーシャの船」から宮脇年輝でも召喚するかね?
忍耐力と人の好さならサイトすら及ばんよ。
つかね、「先達」に御登場願いたいんだよなぁ。
年輝の事が好きなのに、自分が宇宙人だからって年輝の前から姿を消したイーシャ。
そのイーシャを探す年輝が山の中で出会った修行僧の先達が言うワケだ。
「それで、お前さんは恋人を追いかけてるってワケだな?」
「いや、恋人だなんて……イーシャはまるっきり子供みたいなもので」
「子供? 惚れた相手のために身を引けるモンが子供なら、この世に大人なんぞおらんわ」
「でも、アイツは宇宙人で……」
「宇宙? どこが宇宙か? ここが宇宙や! 宇宙なんて所は、ちぃーとばかし地面が繋がってないダケの事やないか。
お前さんもその娘も、何一つ違いやせん」
こう、宇宙と異世界だけ言い換えて、ぜひ力説して欲しいんだよ。いかにルイズがイイ女かって事を。
>>493 年輝さんはもうイーシャと言う嫁さんが居るので召喚するのはどーかと
いや、無茶辛抱強い良い漢なのは同意するがw
サイトは辛抱強いんじゃない、ドMなんだ。
>>493 >いかにルイズがイイ女かって事を。
いや、凄くハードル高いことを希望するなよ
宗教関係なら教皇がアンデルセン神父を召喚だ
どうなるかは知らんが
>>498 どの道殺し合いにしかならんかと。
姉妹スレでアニエスの姐さんを弟子にして
ブリミル教に喧嘩売ってた短編があったかな。
KOFからゲーニッツ召喚したら・・・といってみる
教皇がアンデルセン呼んだら、信仰対象が違うの=異教徒
その場で全員死亡じゃないかなぁ
R-TYPE FINALからバイドシステムα(夏の夕暮れクリア直後)を召還。
ちなみに、タルブの村にあるのはキウイベリー、とか思いついたが、
書ける技量がないので忘れることにしよう。
教皇とは対極ながら同じく野心家のチェ・ゲバラを召喚
ハルケギニアをバイクで横断して現状を憂いた二人は「革命」を決断
メイジと平民の革命も宗教革命も産業革命もIT革命も需要の無いハルケで
ヒゲを伸ばした二人は葉巻を吹かしながら、とにかくなんでもいいから革命するぜ!
ならば教皇がベネディクト16世、もといシスの暗黒卿をだな……
腋だけでアヘ顔晒す霊夢ですねわかります
最終的に母乳のような液体を腋から分泌するようになるんですねわかります
急にどうした?
ダース・シディアスを召喚するとなるとロマリアが喰われちまう
なんかジョセフが弟子入りしそうだなw
なんかもうなんもわかんねぇ
うわぁぁぁぁぁ誤爆したぁぁぁぁぁぁぁ
スパロボOG外伝からフォルカ召喚
シエスタのおじいさんはアルカイドで
一方ジョゼフはミザルとアルコを召喚しました
大神官大総統ルガールを召喚なら……
強い者だけが生き残り、弱い女子供など滅んで当然という凄まじい宗教だが。
お前のその妄想力を生かして霊夢SSの続きか新作書いてくれw
なんか恥ずかしい誤爆だな
どこに投下しようとしていたのか気になるが
17はゼロ魔クロスじゃないし
なにせ作者が誰と誰を共演させたいから書いてるって言ってるくらいで
つまり召喚って理屈で好きなキャラ出し放題なゼロ魔世界を利用したスーパー石ノ森大戦
ゼロ魔キャラは名無しモブの代わり
KOFなら矢吹真吾だ
メイジになれば技の再現が出来ると張り切って勉強する矢吹真吾を
>>515 君の言いたいことはわかった。
けど、そういう事のは毒吐きで言おう、な?
空気を読まずにMr.0の続きが見たいといってみる。
じゃあ俺はガンパレード
おーけー、つまり教皇にグィード・ボルジアを召喚させろというんだな?
そしてルイズのところに以蔵、テファにいのり、ジョセフにスリンガーのスーパー田中天大戦を…
うん、卓ゲ板に帰るよ。
>>520 構わん続けろ
俺はルイズにクレオパトラダンディを召喚させるよ
>>518-519 んじゃ自分は、力を求める使い魔の続きを待とう。
求道者ルイズは燃えるから好きだ。
あと姉貴分な使い魔に懐く妹型ルイズや、
妹分な使い魔と二人三脚(?)なおねえちゃん風味ルイズも好きだ。
随分前に、キスで死亡フラグで思い出した。
某ドリルアニメのの銃もってる女の人、キスした人2人ともその直後の戦闘で死亡してる。
それにしても、せっかく、ジブリール新作でたからヤマ繋がりで誰か書かないかな?
教皇の虚無魔法「世界扉」か
あれを有効活用できる使い魔とか
あまり魔力を消耗しない小さな穴でも移動できて異世界の技術を持っあてきてくれるキャラとか
昔の東宝のガス人間、液体人間、電送人間とかなら小さな穴でも移動できるな
姉妹スレ逝きだがジョジョの徐倫も身体を細い紐状に出来るから…
>>524 天国からの転送途中に事故が発生して、ナギがルイズに召喚されるのは考えた。
しかし、起動直後は『名無し』の状態なので、どうやってルイズに『ナギ』と名付けさせるかで詰まった。
あと、アモーレの補充はどうするか。
>>521 なら俺はせっかくだから
ルイズに柊、テファに上月司、教皇に隼人でジョゼフに王子を!!
>>528 そのノリでいくなら
ルイズににゃふぅ、テファに緋室灯、教皇にアンゼロットでジョゼフに神戸屋るんかなぁ
>>528 待つんだ!隼人はOはたのキャラだ!
あと、王子本人はちょっと反則だw
リンカイザーをルイズに召喚させようと考えたことはあったけど、
装備の構成があまりに隙がなかったので断念したのもいい思い出だ。
>>530 それならゲシュペンスト呼ぼうぜw
取り憑かれれば魔法が使えるようになるよ!
(どこからどう見ても悪霊に乗っ取られています)
532 :
適当:2008/07/02(水) 22:01:08 ID:X58151wE
美神令子がルイズに召還されたら
「ハァ?このあたしを雇うなら年俸百億くらい出しなさいよ」
「そんなお金あるわけないでしょ!」
「じゃあこの話は無しね」
「ってちょっとこら待ちなさいよ!」
宝物庫前
「って魔法だのあいつら一体なんなのかしら、あらこのいかにもな宝石箱は・・・!大粒の精霊石!もしかして大当たり?!」
持てるだけオカルトグッズを背負った守銭奴がちょうど部屋から出るのと鉢合わせたフーケ
「泥棒ー!」
「なんだか知らないけど、ぶん殴って」
ブオン
神通昆で殴られたフーケが「うきゅぅ」と伸びたのを
呪縛ロープでがんじがらめにして逃げ出した
「おほほ、こんな所に馬が居るなんてついてるぅ!」
厩舎に居た立派な黒馬をゲットすると大きな街に向けて転進
トリテニアに到着
中世の町並みにやはり平行世界に飛んでしまったのかと気が付き
なんとか帰る方法はないかと思案するが
しばらく時間が掛かりそうなので流れのGSとして傭兵でもやろうかと思っていると
武器屋にたどり着いた
「へい、らっせーませ」
「あら、なんだか貧相な店ね」
十字をおでこに浮き上がらせながら店主がイライラしたように
「冷やかしはけーんな」
と美神の手が偶然錆びた刀に触れわずかな霊気がショートした
「うひひひひひひ斬らせろー俺に人を斬らせろー」
「うわ、止めろデルフ!」
「何かしらこの刀・・・霊気を感じるわ」
「うひひひひひひ俺を持てば誰でも斬り放題だぜー」
「なんかやばそうだわ・・・」
絶対可憐チルドレン放送中
ゲシュペンストと聞いてPTの方を連想した
無限のフロンティアのファントムなら良さそうな感じだな
間違ってもお笑い集団の主人公達は呼んではいけないが
特に乳牛姫
連中は召喚されなくても向こうから来れそうでやだなぁ・・・
ゲシュペンストって言ったらヴァイア艦の灰のゲシュペンストですよね
ルイズ「全速順回転で粉砕し破砕し爆砕し塵芥と化せ!」
wikiで読んでも良いのだけど、EM・ONEでaozorakonekoの縦書きで読みたくて、気に入った作品を青空文庫形式のファイルにまとめてる
[#改頁]とか[#ここから○字下げ]〜[#ここで字下げ終わり]なんてのを入れてね
整形するのに正規表現の使えるエディタやらで文頭に空白入れたり、文末の空白を取ったり、複数行に分かち書きされた1文をまとめたりとかもしてる
新しく追加になった話をその都度整形して、各作品1ファイルにまとめているけど、結構大きくなってきたのがある
興味本位で文字数をカウントしたら45万字を超えるものもあったりして、改めて作者の皆さんは偉大だと思ったよ
勝手に整形していたり、勝手に追加した[#改頁]みたいな記号も含んでだけどね
>>532 守銭奴召喚ならロックマンDASHのロールに特殊武器作ってもらうのもいいよなルイズ。
DASH2のシャイニングレーザーなんて、無尽蔵に使える武器にできるしな!
>>526 アモーレとか言われたら立木文彦を思い出す。
>>526 「突如電光の如く閃いた」でよくね?
そんな名前の平行存在いるし(ry
>>538 でも、改造費がとんでもないぜ?
ロックが「改造費をピンはねしてる」って言われても反論できないくらいにw
しばらく投下祭りが続いていたせいか、今夜はいまのところSS投下はまだか
俺も書いてる途中だがな…
ルイズがワンピースのキッド海賊団(キッド、戦闘員、ゾンビ、高身長網タイツ、他二人)を召喚しました
そしたら夢を笑われた上にそれが叶えられなくなってしまった事を知りました
ルイズ\(^o^)/
>>541 シャイニングレーザーの最終改造費は9999999か・・・
ルイズは当然ロールの好感度下げまくるから、1割以上増しになるはずだな。
ヴァリエール家の資産ってどれくらいなんだろう・・・
527
バイオライダーはいくらなんでもチート過ぎる
>>543 笑ったのがルイズで笑われたのがキッド他数名です
すいません
元いた世界でしか叶えられない夢を持つ人を召喚するのは難しいですね。
あとは恋人や家族などの守りたい、側にいたい人。
>>545 そこでゼロ魔キャラ全体の強さを上げるんですよ
>>548 駄目だ!RXがそれ以上に進化してしまう!
うぇいくあっぷ
あれでフルスペックが発揮されて無いらしいってのがもうね・・・
正直てつをは攻略法が思いつかねー
>>548 神と互角に戦えるキャラに対抗できるだけ強化ってドンだけ〜
ガイバーからドクターバルカスを召喚すればゼロ魔キャラの実力アップが可能だな。
そんなパワーアップを望むかどうかは置いといて。
でも調整受ければ、カトレアも健康になれそうな気がするんだ。
式神の城から誰か呼んでみたいがどいつもこいつもろくに使い魔出来そうにないから困る
まあ、てつを談義はその辺で。
サザンアイズの紅娘とか、ネタに走るなら魔法陣グルグルのニケとククリとか
ハルケギニア全体の底上げ……オメガトライブ・オメガトライブキングダムよりWILLを召喚?
STGならデススマイルズとか良いんじゃないか?
異世界に召喚されて居場所が無かった所を保護された娘さんばっかりだから
とりあえず一緒にやっていけそう
>>554 カトレアさんは改造手術ができる人を召喚すれば健康になれると思う
邪教の館の主人でも、ある意味大丈夫だが
メンヌヴィルの炎がバイオライダーを
ワルドの遍在とエアニードルがロボライダーを
そしてジョゼフの虚無がRXを倒すような展開があってもいいじゃない
変身は変身でも、ブラスレイターが終ったら誰か書いてくれないかな?
設定は完全には解明されていないけど、ジョゼフならザーギンの言う黙示録の日も諸手を上げて歓迎だろうし。
ジョセフが召喚された時期と同じくしてガリアやアルビオン辺りで融合体が出現。
んで、トリスティンでも遂に出現し魔法学院でデモニアックが大量発生。ルイズとシエスタを残して全滅とかw
……スイマセン、12話視たばかりで勢いで書き込んでしまいました。
っつーか、契約がキスである以上、口を付ければ口内感染でルイズはデモニアック化確定ですねw
>>558 契約のキスで
「何すんのよバカぁ!」って叫ぶキャスパーを想像した
公式スペックだけでチートすぎるRXの談義は有り得ない、最強すぎる、RXTUEEEEEできりがないので、話題を変えよう。
個人的には好きだが、スレ違いだしな。
仁さん呼んで医療革命が起きるのを読んでみたいが、難しすぎて自分ではとても書けない・・・誰か書かないか?
ルイズにキスされて、
地面の泥水で口をすすぐ使い魔を…
963 名前:名無しさん 投稿日:2008/07/02(水) 23:05:48 [ B4JCphg. ]
特撮は割合スルーできるが、それでもアイツらはどうにかならんか。
無敵モードが受けなくなったから、予算が下りること無く終わったのに。
そっちは奇妙な使い魔だろw
>>566 なぁ、いつも思うんだけど、何でわざわざ隔離スレから転載するんだ?
569 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 23:17:34 ID:2XXqFCJB
>>463 テラノイドかルルイエの巨人3人組のだれかじゃない?
このスレを否定するわけじゃないんだが
使い魔を見ればメイジの実力が分かるって件からも
ルイズは虚無の使い手としても未熟だったから、よくあるギーシュ涙目wwwな
キャラじゃなくて、わざわざ異世界から取り寄せたのに
サイトみたいなタダの人が来たって解釈もできる。
元は一般人キャラで、超人的なキャラじゃなくて、
ガンダールヴ活かせそうなキャラってどんなだろう?
元は一般人、話が進むごとに強くなっていく、中身は当たり前の人間。
……白浜兼一?
>>563 知識面での難しさもさることながら、
肝心とパトロンとなりそうな貴族が
「魔法でやればいい」と結論づけそうなのがなぁ。
>>570 >使い魔を見ればメイジの実力が分かる
モートソグニルを見れば、オスマンがただのスケベ爺だと分かるわけですね
>>570 サモンナイト1の主人公ズ
虚無の属性が既に廃れてる、つまりハルケ側で賄いきれないが故に
異世界からじゃないと召喚できないって認識は、14巻で完全否定されたって認識でいいのだろか
>>570 要は、戦闘描写の作品のキャラを呼ぼうって話か?
それなら考えるまでもなく色々いるだろ?
それでパッと出てくるのが、何故かTo Heartの藤田浩之なんだが・・・・・・
>>570 ・(魔法に対抗できるような)特殊能力を持ってない
・ルイズの行動にブレーキをかけ(られ)ない
・自活能力がない
ギャルゲーの主人公なら大体いけそうな。
『夜王』の的場遼介
>>570 一般人ではないが、リリカルルイズのユーノは元々の弱点(攻撃力皆無)を補完する形になるから
かなりガンダールヴの能力を有効に使えそうだ。
……作者の人速く回復するといいな。
堀江さん。覚悟のススメの。
感情の昂ぶりで力が増すんだから明鏡止水とまでもいかなくても
ハイテンションなキャラなら実力が発揮される?
>>578 とらはシリーズの主人公は当てはまらんな。
そこそこ自活できるし2と3の主人公は戦闘能力あるし。
ルイズの相手もサイトよりはこなせると思う。
>>583 黄色いハンサムボーイ音速丸さんとか緑のイケメンパクマンさんとか
もうやりたい放題じゃねえ?
>>583 だねぇ。逆に感情を抑制する方向に向かうキャラはキツイ。
ヤンや濤羅なんか典型かね。
ガンダの本質が主の盾となることであって矛ではないのだから、
つまりは打たれ強いキャラが相応しいということです。
つまりでたとこプリンセスのコハクとか。
>>583 マテパのドルチル
上限知らずのハイテンションと下限知らずのローテンションを使い分けるナイスガイだぜ
>>575 つまりシルフィを見れば、タバサの将来の胸は保証され(ry
何度か名前は出たが、小岩井よつば とか
ギーシュがやんだ扱いされるけどな
>>588 パッパラ隊の水島君とかどうだろう、ルイズもランコより大分マシな気がするw
>>591 よつばをあの環境から引き出すのに罪悪感を覚えない書き手なんて・・・
そこまで拘って一般人キャラを召喚する必要もないと思うんだけどね
書き手の好きなキャラを出せばいいじゃん
こだわりすぎず 考えすぎず
ベリーベリーマッチでイイ感じ
最初から強い奴が駄目なら
ルイズ並に馬鹿力を持て余した落ちこぼれ魔法使いとか
>>594 「やはり、ルイズではダメじゃったか」
と去っていくジジイが召喚されるんですね。
>>588 コハクは考えたなぁ。
不死身だし、弱い分はガンダで補えるし、結構ハイテンションだし、
何故か博識だし、ラピスに付き合ってたからワガママ娘の扱いは慣れてるし。
……ただ、ひょっとすると王妃様迎えにこれるんじゃね?
というのはあるが。
サモアペット博士でいいよもう
いっそ、契約させないで「様子見期間」でも設けられるんだったらよかったかもな。
ガンダ補正とか一切なし。
>>597 そういえばディスペル・マジックで死ねる体になれるのか。
>>599 たしか人修羅がそんな感じだった。>猶予期間
>>600 それが可能ならラピスの魔法消去で出来てると思うが
召喚する
↓
被召喚者がゴネる
↓
金で雇う形にする
↓
取り敢えず一ヶ月間の試用期間
とか言う話を考えてた
>>600 きっとリムーブ・カースかパーフェクト・キャンセレーションじゃないと無理なんだよ。
ルイズの召還前日の夢落ちとか
シャンゼリオン最終回的な夢落ちじゃないことを願おうか
>>602 あれはこき使うために、あえてそのままにしたんだが。
死ねる体になりたきゃ、言うこと聞けって。
>>608 あー、そういやそうだった。
……最近読んだ本のせいか、ラピスの脳内イメージが大首領様だけどまあそれはそれ。
上にも何回か出てたが
彼岸島のスマヌ師匠を召喚してだな
インテリジェンス丸太のデルフリンガーと共に主を守るため戦うストーリーを…
…原作がカオス過ぎて再現不可能だな
こんなところに○○があったぞ!!
でかした!!
というやり取りが繰り返されるのですね、わかります。
>>610 斧神さま召喚とかどうだろう
そして宝物庫には破壊の鉄球が
ロリカードでも丸太出てきてクソワロタww
>>612 宝物庫よりも、原作に忠実にゴミ捨て場にしたほうがいいんじゃないかw
「あったわよ、鉄球が!」「凄ェ!」
>>609 大首領とウィンドの2人セットもいいなあ。
ウィンドの過労死は確定するが。
>>610 インテリジェンス丸太ってwwwwwwwwwww
最近このスレを見つけたんだが、なんだここ、アニキャラ板だけど特撮なんかも有りなのか?
本格的ガチムチパンツレスリングより兄貴を召喚
ウィンドはルイズに奴隷扱いされても元の世界での扱いと大して変わらないな。
そしてガンダールヴの力を得れば少しは頼もしくなると思うが、
スペック上どんなに有利でも何回かはボコボコにされるw
>>617 一応特撮もゲームも映画も漫画もあり
実在の人物はありなことも極稀にある
(小ネタのおじいさんの時計とか)
>617
クロスの土台になってるゼロ魔がアニメになってるから
クロス先はアニメじゃなくてもOK
ただし著作権的にヤバいのや実在の人物、三次創作は勘弁な!
>>616 まともな、会話は無いが似たのならスーパーマリオシリーズにワンワンって敵キャラいてだな・・・
最近このスレを見始めた新参者なのだが
>クロス元が型月作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
……何があったの?
624 :
622:2008/07/03(木) 01:00:01 ID:CXZ/kyqx
あ・・・寝ぼけてて614と616がごっちゃになってるよ・・・
一度キラーの砲台で逝って来ます・・・
マリオ召喚でも割といける気がするぞ
破壊の杖(スーパースコープ)を片手に戦う配管工
>>623 型月信者もアンチもマジうぜぇ、型月の二次創作にろくなもの無し。
後は言わなくても判るな?
彼らは自重しないからな……うん、まぁ 予想はしてたけど
東方とかもやはりこのスレでは嫌われ気味だったり?
スレ住人の皆様は、くれぐれもワザとらしい釣りに引っ掛からないようにご注意を。
ジャンルが嫌われるんじゃない、所構わず延々と考察やら○○最強といった談義を繰り広げスレ占拠する雑談厨が嫌われるんだ
>>627 大部分が酷いだけで極一部には名作もあるぞと擁護してみる
……極一部には。
ところで魔法が使える亜人って吸血鬼と翼人とエルフでよかったよな
他にまだなんかそういう種族あったっけ?
粘着になるからこの話題はなしだ
>>627 型月厨とアンチがウザいのは同意だが、
二次創作にろくなもの無しというのは同意しかねる。
駄作は確かに多いが、絶対数が多いから中には名作もあるはず。
まぁマトモな作品を作ろうとする奴なら、
わざわざ他所へ出て波風立てようともしないだろうが。
ん、悪かった みんな親切にありがとう 隔離までされてるとは……
召喚ネタにして買いてみたいのが無機物というかアイテムばかりでデルフ涙目やあたし
637 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/03(木) 01:18:29 ID:FToI1rbR
ブレイブストーリーが一気に更新されている何が起こった?
>>623 銀英も危険ですwwwwうぇうぇwwwww
誤字修正とかそんなのじゃね
naviつけただけ。
昨日は更新少なかったから丁度いいと思ってな。
>>638 「○○厨ウザいから隔離スレで」
を繰り返して話題が無くなった某所を思い出した
それは隔離したからじゃなくてそういう運命だったからだろw
ネタ切れで消えるならそれもまたよし
3x3eyesから八雲に会う前のパイ召喚はどうだろう?
逆にルイズのほうをウーにしちゃって事あるごとにルイズがスプラッタになる
バキからピクル召還は?
召還直後速攻でキュルケが×××されてさあ大変!
ギーシュは決闘で片足になり、フーケのゴーレム投げ飛ばしたりwww
>>645 妖怪軍団に狙われない分、わりと暢気に過ごせるな。
デジモンテイマーズよりギルモン召喚を考えたが
どう考えてもルーンの位置が胸です本当にありがとうございました
>>645 しかし、光術使用後の眠りに入る主人を守るための无と
長すぎる詠唱をする主人を守るためのガンダールヴだと見事に役目がバッティングしてるんだよな
結果どっちも全力を出せないと言う状態にw
>>648 逆に考えるんだ
「どんなに相手が出てきても完全体まででケリがつくから問題ない」と考えるんだ
同じ作者の「ストライクウィッチーズ」から誰か、というか何か…
まさかハルケ世界の数百年後がアレなんだったりしねえだろうな
>>649 あー、ガンダの設定ってなんかどっかで見た事あるな〜と
思ってたらサザンアイズだったんだ。そうかそうか。
>>652 攻撃力はUPするけど防御力はそのままなガンダ、
防御力、つうか回復力は∞だけど攻撃力はそのままのウー、
ガンダでウーなら最強だな。
まあ、ベナレスにはそれでも勝てそうに無いけどw
そういや三只眼もツンデレだよな
ラグナロクからリロイとラグナロクを召喚
ダークワンの代わりはハルケギニアの亜人さんたちで
>>655 ヤスケンラグナなら、ラグナロク単品で小ネタがあったな。
元作品読んでないとわからないけど
0204を呼びたいです
3×3eyesからの召喚ならやっぱ道士リチャード・龍さんだろう
パワポケの亀田召喚
おーけー、ヤスケンラグナの0204知ってるヤツいないのだけ理解った
>>653 防御力そのものが上昇しているのかは不明だが、
耐久力ならガンダも上がるはず
>>652 いや、何をパクったかって言えばガンダの設定は完璧にネギまのミニステル・マギでしょう
ばかもの、古式ゆかしきRPGの前衛と後衛職の関係だ
ティルトウェイトを唱える間、戦士は防御に徹するんですね。わかります。
後半になると前衛も一緒になってティルトウェイト唱え出すけど。
>>654 あれはとても良いツンデレ、後半はニヤニヤしながら読んでたわw
しかし副人格はdでもない電波になってしまった…
元の世界にあっさり帰れそうなキャラはたまに話題に上るがその逆はあんまりないよね
どっかの土木作業向きハイエルフとか召喚したら
ピンチの度にハーフとかクォーターとか以下略エルフを召喚しちゃってトリステインがエルフだらけに
エルフが凶悪な存在としての扱いって珍しいよね
他の作品でエルフが凶悪な扱いor本当に凶悪な存在ってあったっけ?
>>658 娯楽が無くて発狂するんじゃね?
設備もないし博士もいないからガンダーを作ることも不可能だし
RPG編のやつなら裏で手を引いて世界制服を企むだろうから面白いかも
スパロボMXからメディウスロクス(AI1)召喚
コイツなら整備や補給の心配ないし、あのマッドなおばさんがいなけりゃ暴走もしないでしょう
ルイズがAI1を一から育てたらどんなのになるかな
漫画や小説やアニメとかこれまでの人生でだいぶ見てきたつもりだけど、某スレの大日本帝国がファンタジー世界に召喚される奴しか知らないなぁ。エルフが凶悪というか、敵対してるっぽい存在なの。
しかもダークエルフを味方にしてるし。
もしや龍神様?
あれに出て来るのは、エルフというよりエロフだな。
ある意味原点に忠実なんだけどね、凶悪なエルフ。
指輪物語のエルフは中世ヨーロッパ人に対するイスラムのイメージで、
トールキンセンセイの、進んだ異国文化に対するあこがれみたいなのが原型なんだけど、
(↑中世だとイスラム圏のがバリバリ文化的で、ヨーロッパは野蛮人の住むド田舎。
つかホビットはホビットでトールキンのカントリージョンブルへの憧憬が入ってるらしいが。)
逆に当時のヨーロッパ人のイスラムへのイメージを書くと、たぶんゼロ魔みたいな感じになる。
なんか知らんが進んだ技術持ってて凶悪な異教徒ってヤツ。
凶悪と言うと洋モノRPGでタマにファンキーでアナーキーなパンクエルフみたいなのが居るけどな。
髪緑とピンクに染めて中指オッ起ててピアスとかジャラジャラな貧弱体型のヤツ。
時代が進んだら、いつのまにかエルフはヤンキーになりましたとさ。
モヒカンパンクのラノワール産エルフですね、わかります
エルフときくと真女神転生IIのオベロン様を思い出す
「またパックの奴がいたずらしおってブツブツブツ」とか、あー苦労してんだなこの王様とw
そしてアヌーン怖いよアヌーン
>>653 元は普通の人間、元は知性のない邪悪な龍、
八雲もベナレスも无だからこそのキャラだものな。
>>675 別にベナレスは无になったから知性を手に入れたわけじゃないぞ
大魔道士と呼ばれ、獣魔術を始めとする様々な術を開発したのは无になる前からだし
ドラゴンナイト4からルシフォン倒した後のエトを呼ぶのは?
ぷれいぼーいだから女の子に囲まれてウハウハ
>>672 つまりサイバーパンクのエルフでDヘッド召喚ですね、分かります。
……サイバースペースがないから何の役にも立たん。
バイオパズラーからだれか呼ばれないだろうか
おまけカードの裏に一応ストーリーもあるし説明書にはキャラクターの説明もあるから出来なくはないと思うんだ
そもそも食玩なんで知名度低いと思うけど
>>681 何故かエスパークス召喚というのが浮かんできた。
小学生の頃流行ってたんだよなー。
もう設定とか色々は忘却の彼方だから書けないけどさ。
>>673 ウォーハンマー?
あの世界だとフランス(相当)のエリアは駄目だからなぁ。
エルフといえばエルフを狩るものたちしか思い浮かばない
>>685 こっちの世界でも脱がしまくったら新しい伝説ができるな
SWのエルフが悪魔の体を手に入れ、親戚のグラランと一緒に
別世界へ侵攻を始めたと聞きました
エルフと言ったらグレーエルフのスイフリーを召喚だろ
このスレって、絵師が少ないよね
>687-688
小ネタでは喚ばれてるぞ>付け耳白粉エルフ
エルフったらあれだろ、地面に植えて増やすサラダなヤツ。
オーガの健康食だなw
>>664 ラウラといわれて真っ先に浮かぶのが足洗邸のラウラ・シルヴァー・グローリーだなぁ。
あれもドレインライフ体質だからキスのときぶっ倒れそうだ。
キスしたらしたで顔を真っ赤にして×の口で「H」と言われるんだろうな、ルイズ。
>>693 初見で気に入った奴以外は
キスしようとした時点で撃ち殺されてると思うが・・・
エルフのイメージの変遷ってこんなんだっけ?
いわゆる「妖精」の呼称の一種
↓
(指輪物語)
↓
森(ヨーロッパ人にとって『よくわからないおそろしいものの象徴』)に住む誇り高き弓や剣の名手
↓
(アメリカ産近代ファンタジー)
↓
森(人間の手が入っていない場所)に住む美形で魔法の名手だが高慢で華奢な種族
↓
(日本産ライトファンタジー)
↓
耳が長くて美形で背が高くてスタイル抜群で魔法の達人な森の(神秘的な)住人
エルフと言ったら呪われた島のハイエルフが真っ先に出てくる俺参上!!
>>667 ギャンブルフィッシュの阿鼻谷先生は・・・
耳がとんがっているがエルフじゃないな
>>694 そんなこと言うから、みなぎ絵で眉間撃たれるルイズを想像したじゃないか
ルイズはO型ってことにしとけば、あるいは……ダメか?
っていうかこんなに早く反応が返ってくるとは思わなかったぜ
わりかしマイナーな漫画だと思ってたんだが……ここは恐ろしいスレじゃ
エルフを狩るものたちって名乗った時点で妙なことになりそうだなw
何故かエルフが一匹混じってるし
>ラウラ嬢
福ちゃんはダブルマンだから耐えられたようだったけど、パンピーが抱きついたらそれだけで気絶+一週間ベッドの上だしなぁ。
ていうかみなぎはもっとラウラを出せ、もうどれだけラウラ分に飢えていると思っているのだ!
ラウラ嬢がダメなら、兼康備後でも喚ぶか。医者だし、カトレアとかタバサ母を診てくれるかも。
……問題は、どの程度の腕なのかわからんということだ。腕は確かみたいだけど。
>>695 もっと言うとこう
いわゆる「妖精」の呼称の一種
又は北欧の天上に住む美しくて光り輝く人々。たまに流星になって落ちてくる。
↓
(指輪物語)
↓
森(ヨーロッパ人にとって『よくわからないおそろしいものの象徴』)に住む誇り高き弓や剣の名手
↓
(アメリカ産近代ファンタジー)
↓
森(人間の手が入っていない場所)に住む美形で魔法の名手だが高慢で華奢な種族
↓
(世界初のファンタジーRPG、D&D)
↓
剣も魔法も使えて能力値高めで美形な超有利種族。マンチキンな人達が好んで使う。
↓
(日本産ライトファンタジー)
↓
耳が長くて美形で背が高くてスタイル抜群で魔法の達人な森の(神秘的な)住人
あと活力低めで滅びつつあったりするのが、滅びの美学スキーな日本人仕様。耳の長い義経。
>>700 ラウラ分も補給したいが、むしろ万魔学園編をやって欲しい俺参上。
ゼロス呼ぼうぜ
>たまに流星になって落ちてくる。
ここいいなw
>>702 しかし最近では人間のほうが特技ひとつもらえるから悩みどころ。
いや、明らかにローグとしてみるとエルフ優良だし、魔法職にもいい感じだけどさ。
まぁ、そんなことはどうでもいいからオンセしようぜオンセ。
温泉掘り当てる使い魔ですね
日本だと悪役なダークエルフだけど、トールキン作品だと単なるエルフの一種なんだよな。
輝く木を見て光に住んでいるか、見ないで闇に住んでいるかのちがいだけで。
そしてエルフというと、キングスフィールドのメレル・ウルかガルス・フィーを真っ先に思いつく俺。
って事で、ライル王子が召喚されるはな……ダメだ、オリキャラとなにが違うんだ。
エルフというと遺作とかドラゴンナ げふんげふん
ドリッズドかザク父さんを喚べばいーじゃない
ガンダ以外の方が便利そうだけど
誰もいすゞのトラックに触れないなんて…
お約束過ぎるからか
ここで城壁を粉砕する戦闘力を持つガラドリエルの奥方を召喚(ry
映画版レゴやんがガンダになったら7万全殺しぐらい余裕そうだ。
まさにエルフ無双。
>>708 ACの話題は比較的良く見るし、過去には大統領まで来ているこのスレだが、
遂にKFの話題まで出てきたか。
いっそルイズに単眼の王冠を召喚させて…
エルフか・・・
DODのアリオーシュとかどうよ
魔法も使えるし人も食べるし
>>712 ケレボルンの殿も召喚されるけど影が薄すぎて誰にも気づかれないんですね。
だから新世紀スタンダードエルフ像を体現したスリンガー教官を呼べとあれほど…
あと
>>712をグラドリエルと読み間違えた。
あの王女様って魔法使えたっけ?
闇の力でセクシーチェンジすれば、見た目派手だが隙のでかい魔法が確か。
>>717 ハイ・ラガード公国にそっくりさんが居られる陛下なら、
闇の姿に変身すれば魔法で戦えるぜ。
>>715 アリオーシュとかX指定になるだろ…
完全な狂人で好物は子供でウンディーネとサラマンダーつきだぜ?
SO2からアシュトンを召喚
周りからは亜人扱いか?
エルフ……と言うと、ベルセルクのパックみたいなタイプが真っ先に浮かんでくる。
……ベルセルクゼロの続きを首を長くして待ち続けております
>>703 ツンデレにツンデレをぶつけても、疲れるだけかと・・・
>>720 マジで子供食ってたからな
完全にキてるキャラだし
>>701 もれなく異常性欲者がついてきて、キャラが被ってるキュルケの影が薄くなるんですね。わかります。
個人的には遺骸を井戸に放り込まれた味野翁がしれっと復活、召喚されて、
ルイズやタバサに飴ちゃんをあげてるとか萌ゆる。
ガンダ補正が入ったらごく当たり前のように強そうだし。
>>696 やあ、同志
私はあの作品の初代アニメ版をテレビで観てしまってからオタ道まっしぐらですw
>>726 俺のオタ道は、それがTVでやるなんて知らずに有り金はたいてビデオ買っちゃった時からです。
日本人のエルフ像みたいなもんだよな>呪われた島のハイエルフ
ハイエルフは美しく、ダークエルフは色っぽく、黒騎士は格好良く、
髭は熱く、老人キャラは燃える。今振り返ると、王道過ぎる程に王道だ。
実体はしまっちゃうおじさんの集団なのに
なに善人ヅラしてるんだか
>呪われた島のハイエルフ
>>730 そそそれをいうな!
リプレイの時のプレイヤーが誰だったとかそういうことは禁kうわなにをするやめ(ry
なにこのエルフスレ
うなずきエルフのマイス召喚
「まったく、そうですね。」
「僕はここでうなずいています。」
しかし戦闘ではわりかし役に立つ
>>730-731 呪われた島戦記は好きだが、TRPGやリプレイはなんの興味もないな。
正直、小説とOVA版が全てだと思ってる。
>>728 みたいな、じゃなくて和製ファンタジーにおけるエルフ像(とんがり長耳、つり目、金髪)の始祖
>>733 つまりは出渕の仕業と。
…にしてはブチ穴が開いてませんな<ディード
リプレイから小説が作られたんじゃなかったか?<初代ロードス
灰色の魔女召喚したら色々トリステインの為に自主的に頑張ってくれそう。
>>736 サークレット召喚、翌日から並のスクエア以上の魔法が使えるようになるルイズですね?
>>737 正確にはルイズ=カーラだなw
契約の力で自我を保っててルーン効果もプラスなんてチート性能になれるかもw
確かに魔法至上主義戦国時代なハルキゲニアとカーラの相性はいいかもしれん
カーラの目的って確かバランスを保つために戦争を煽っているんだっけか?
光の神(ファリスとか)と闇の神(ファラリス様とか)の勢力のバランスを両者の戦争に介入して調整するから白と黒の中間で灰色ね。
力の一極集中によるカストゥール崩壊のような大破壊を予防するのが目的
光が強ければ闇を支援し、闇が強ければ光に加担して、乱世の統一を阻んでいるのだ
過保護な女やのう
カーラはツンデレ
いずれかの陣営に力が偏りすぎると最終的には壊滅的な破壊がもたらされるって思想を持ってて、
人間の敵だろうが味方だろうが、常にその時劣勢な陣営の味方をする。
その為なら手段は選ばないし弱者が勝者になった途端に見限って相手側の陣営につくってことも有り得る。
なんかこのスレの平均年齢が急上昇した気がするw
……シェフィールドかジョゼフの正体がカーラだったりしてな
ルイズたちがパーンの役
「灰色のルイズ」
魔女の名である。
>>734 >>735 古参ファンからするとアレの人気の理由は
絵が6割元ネタ(リプレイ)が3割、水野はそれに乗っかってただけ、
って感じっぽい。
日本のTRPGの金字塔だからねぇ。
リプレイで一冊本つくって売るなんてもアレが始まりだし。
急上昇?もとからゼロ魔メインターゲット層の倍はいってそうだけどな
>>745 ニッチネタにも古いネタにも誰かしらついてくる辺り、
元から大概じゃないかって気もするが<平均年齢
ロードス島は内容全然知らんが
夕方に流れてた奇跡の海はやたら頭に残ってるな
ブリモルフで胸を大きくするルイズ。
もーエルフの話題ばかりしてると
ガンダールヴの槍に「いすゞのエルフ」が機関銃積載して現れんぞ
>>751 坂本真綾のOP曲は最高だったよTV版は。
内容は…まあ…その…なんだ…
投下がないと自然と雑談になるからな。
じゃあ、ここ最近の投下作品の感想でも
水の使い魔の人、乙
高速投下で面白くて完結させるなんて凄い。
チャチャの人、ほのぼのとしてて楽しい。
ディズィーの人、今後期待しています。
えー、エルフで盛り上がっているところ申し訳ありません
話の腰をブチ折って、エルフが出てこないゼロな提督第26話を投下させて下さいな
「さて、泣くのはこのへんで終わりにしておくれ。
そして、これからどうするか、急いで考えようじゃないか」
ロングビルの言葉は冷たかった。
だが、急いで考えなければいけないことだ。泣いている暇はない。今は涙を一滴流す時
間がエキュー金貨の詰まった革袋より価値がある。
第26話 世界が変わる日
最初に声をあげたのはシエスタだった。
「それだったら、タルブへ行きましょう!しばらくブドウ畑に囲まれて、静かに過ごしま
しょうよ」
その意見にロングビルは肩をすくめ首を振った。
「何いってんだい?タルブはトリステイン国内じゃないか。これからアルビオンとゲルマ
ニアに焼かれる国になんか、いられるかね」
その言葉にシエスタは絶望的現状を改めて気付かされた。顔は青ざめ、口を両手で覆っ
てしまう。
ロングビルはヤンの方を見た。
「あたしの村にみんなでおいでよ。今となっちゃ、ハルケギニアで安全なのはアルビオン
だけだろう?テファも喜ぶよ」
いきなり三人の間に、長い杖が差し込まれた。
いままでずっと傍観していたタバサが、いつのまにやらすぐ隣にまでやって来ていた。
「うちに来るといい」
無表情なまま、突然の申し出。三人はキョトンとして青いショートヘアーの少女を見下
ろした。
後ろからきた青く長い髪を持つ女性が、無口なタバサに代わって話を続けた。
「きゅいきゅい!あのね、お姉さまはね、ガリアにお家があるの。オルレアンって言って
ね、とっても大きなお屋敷なの!きゅい!」
三人は、今度は唖然とした。
どう見ても年下のタバサを姉と呼び、成人女性なのに子供のような口調で、セリフの最
初と最後に「きゅい」なんておかしな言葉が付く。そんな事を気にしていられる状況では
ないのだが、どうにも奇異なものを見る眼で見てしまう。
「おでれーた、ヘンな女だ」
ヘンな剣が失礼な事を呟いた。
まぁそんな事はどうでもいいや、とヤンは気を取り直し、改めて女性の言った言葉を思
い返してみた。
オルレアン家といえば、ガリアの王弟だ。王宮の命でビダーシャルを学院へ案内してき
たのは、その縁か。ということは、ガリア王から自分の監視と護衛、必要に応じてエルフ
との連絡役を命じられているだろう。
だが、最悪の場合は・・・。
「僕の護衛役を買って出てくれる、ということかな?僕だけじゃなく、ここにいる僕の関
係者全員も含めて?」
「そうなのね!きゅい!」
見た目二十歳くらいの女性は、まるで子供のように天真爛漫な笑顔で答えてくれた。
タバサも小さく頷いた。
「おそらくはガリア王から、僕が危機に陥った時は拉致してでも保護してガリアに連行し
ろとか、ガリアに仇なす時は殺せ、とか命令されてるだろうけど。今は敵対も妨害もしな
い、ということだね?」
ストレートすぎるヤンの言葉に、タバサは一瞬遅れて頷く。
隣の女性は「きゅ、きゅい!?」と呻いて目を逸らした。
しえん
さてどうしよう。ヤンは腕組みして思案にふける。
トリステインは数日以内に灰になる。アルビオン艦隊はおそらくトリステイン近くの上
空で待機しているはずだから、ウェールズとアンリエッタを回収次第トリスタニアへやっ
て来る。ただでさえ混乱を極めている王宮とトリスタニアへさんざん砲撃を加え、抵抗の
意思も可能性も完膚無きまでに破壊し尽くしてから、地上部隊が降下してくるだろうか。
それとも、まずはラ・ロシェールを占領して地上侵攻拠点とするかもしれない。そうだ、
まだトリステインとゲルマニアの艦隊がラ・ロシェールにいるから、まずそっちを狙うだ
ろう。
いずれにせよ、トリステイン占領に一週間もかからないだろう。その次はゲルマニアの
都市国家群だ。ゲルマニアもトリステインへ報復のため攻撃する。実際の侵攻には数日か
かるだろうが、ゲルマニア国内を戦場にしないために一気に侵攻して、戦端をトリステイ
ンで切ろうとするか。
ゲルマニアの諸侯は皇帝への忠誠は薄いから、もし戦局がアルビオン優勢とみれば即座
になだれをうってレコン・キスタに付く。残るはガリアとロマリア。この二国の出方次第
にかもしれないが、両国も戦火が及ぶのは避けがたい。
そういえば、ガリアの動きが分からないな。完全に沈黙を守るって、どういうことだろ
う?どこかと同盟するなりなんなりの動きがあっていいはずなのに。無能王って呼ばれて
るけど、ガリアの発展具合を見ると、無能とはほど遠い。単に魔法の才が低いというだけ
で、為政者としての才は長けている。なのに動かない。でも僕の護衛や強制連行をタバサ
さんに命じているなら、今の事態は予想していたということだろうか?…この点は情報不
足だな。
なんにせよ、今は逃げた方が良いな。
ウェストウッド村で静かに暮らそうか、いったんガリアに渡ってエルフと連絡をとろう
か…。
「ウェンリーよ」
ヤンを呼ぶ声が、彼を思考の海から現実世界へ引き戻した。
そこには、悲壮な決意を秘めた表情を見せる公爵がいた。公爵夫人は愛娘の背を押し、
ヤンのもとへ行くよう促している。
「逃げるのであれば、ルイズも連れて行け」
その言葉は、あまりにも苦渋に満ちた言葉に聞こえた。
ルイズは悲壮な色を浮かべた瞳で父と母を見上げる。
「ま、待って下さい父さま!母さまも、私だけ逃げよとはどういうことですか!?父さま
と母さまは、どうなさるつもりですか?」
「私と父さまは、トリステインに殉じます」
公爵夫人の言葉は、苛烈なる眼光そのままに苛烈だった。一切の迷いも恐れも含んでは
いなかった。
「そんな、それでは!私も、私も残ります!侵略者から国を守るため戦います!!」
縋り付いてくる娘に、母の眼光には寂寥が混じった。
「ダメです。もはや、トリステインは終わりです。エレオノールとカトレアもガリア辺り
に亡命をさせます。マリアンヌ陛下と共にトリステインの大地を覆う屍になるのは、私達
だけでよいのです」
「ダメです!死んではダメです!そんなの、そんなのダメ!…あたしの、あたしの魔法な
ら、『虚無』なら戦えます!
私、分かるのです。自分の中に溜め込まれた精神力なら、アルビオン艦隊もゲルマニア
艦隊も、まとめて吹き飛ばせます!!この国を、ヴァリエール家を、トリステインを守れ
るんです!」
支援
提督ktkr!
進路は開いております。
支援仕る
ルイズの言葉は、系統魔法の常識からはかけ離れたものだ。
だが、ルイズの言葉を聞いた公爵が首を横に振ったのは、娘の言葉と魔力を疑ったから
ではなかった。
「確かに、お前の『虚無』は大きな力を秘めている。それは先ほど聖堂を消した事からも
分かる。だが、残念だが…もはや、艦隊を倒せばどうにかなる、という段階ではないのだ
よ、ルイズ。
アルビオンもゲルマニアも、艦隊が潰れたなら再建すればいい。だが、トリステインは
もはや再建出来ない。アルビオンとゲルマニアに挟まれているという地理に変化はなく、
アンリエッタ姫が貴族達の忠誠を裏切ったという事実は隠せないのだよ。地の利も人の輪
も失ったのだ。
利に聡い者達は早々にゲルマニアかレコン・キスタのいずれかにつく。特に我がヴァリ
エール家はゲルマニアのツェルプストー家と隣接している。ゲルマニアの侵攻を一番に受
けるのだ。そして王家も他の貴族も援軍には来ない、来る事が出来ないのだ」
ルイズの背を押して逃亡を促していた母も、悲壮感を漂わす口調で絶望的未来像を語っ
た。
「ベアトリス殿下は、この一件を報告するためクルデンホルフ大公国へ戻りました。かの
地はゲルマニアとの縁が深いので、すぐにゲルマニア側に立ち、トリステインへ杖を向け
る事でしょう。
いかにルイズの『虚無』が強き力を持とうとも、アルビオン側とゲルマニア側の両方に
立つ事は出来ないのです。それに、敵は艦隊だけではないの、地上から騎士隊も銃士隊も
傭兵も来るのよ。
そして精神力が尽きた時、あなたも敵に討たれ、死んでしまうのですよ」
「そ、そんな、そんなの!でも、だったら母さまだって、父さまだって!もう、トリステ
イン王家に忠誠を尽くす必要は無いではないのですか!?」
王家への忠誠を捨てる。
これまでのルイズからは、ヴァリエール家の者としては有り得なかった言葉。
そして、その言葉を投げかけられた夫妻は、哀しげに微笑んだ。
「わしはな、ルイズ。もう年をとりすぎた。もはやトリステイン貴族として以外の生き方
が出来ん。今さら新しい人生を歩めなど、酷な事をいわんでくれ」
「でもルイズは、私達の娘達なら、過去を捨てて新しい人生が歩めます。どこかハルケギ
ニアの片隅でも良い、貧しい平民としてでも構いません。生きなさい。決して死んではな
りません」
「そ、そんな、そんなことって、そんな・・・」
もう、ルイズの瞳からは涙すら流れなかった。
顔は血の気を失い、足からは力が抜け、指は動かし方を忘れたかの如く震えるのみ。
ただ死を覚悟した父と母の手に支えられて、どうにか立っているだけだ。
その思考からは、何一つ現状に希望を見出す事が出来なかった。
どうして?どうして、こんなことになったの?
ヴァリエールの名を捨てるだなんて
貴族の地位を失うだなんて
敵に背を向けるだなんて
名誉の為に死んではならないだなんて
生き恥を晒すだなんて
トリステインから逃げろだなんて
父さまも母さまも見捨てろだなんて
貧しい平民として生きろだなんて
支援せざるを得ない
全部お友達のせいなのです支援
あたしの、あたしの人生は何だったの!?やっとの思いでメイジになったのに、すぐに
死ななきゃいけないの?今度は貴族じゃなくなるというの!?
もう、終わりなの?本当に、本当にもうどうしようもないの?
何でもいい!何か、何か出来る事はないの?
何か上手い手は、一発逆転なんて調子の良い事は言わないから、なんとかトリステイン
を、いえヴァリエール家だけでも、ああもう父さまと母さまとちい姉さまとついでにエレ
オノール姉さまだけでいい!
どうか助けて!みんなを救って!!
この状況を、何かいい手は、助けてくれる人は・・・助けて、くれる、人・・・そんな
都合の良すぎる人がいるわけが・・・?
い る
いるじゃ、ない…いるじゃないの!
ルイズは、ヤンを見上げた。
もはや涙は枯れ果てた目で、それでも輝く大きな鳶色の瞳で。
父と母の手を振り払い、黒い燕尾服へすがりついた。
どこへ逃げようかと算段を立てていたヤンへ、自分の執事へ。
「ヤン!お願い!みんなを助けて!!
トリステインを、いえ、ヴァリエール家だけでも!ああ、父さまと母さまだけでも!え
と、ちい姉さまと、エレオノール姉さまも!」
「る、ルイズ…」
縋り付かれたヤンは、急激な思考の方向転換を要求され、些か混乱してしまった。この
絶望的状況をなんとかしろとは、さすがの彼も「無茶言うなぁ」と呆れた。
だが、ルイズはいたって本気だった。彼女にとり、ヤンの頭脳はまさに最後の希望だっ
た。その細い腕で力の限り、精一杯ヤンにしがみついていた。
「お願いよ!あんたしかいないの!
あんた、元帥だったんでしょ!?強大なローエングラム王朝軍を相手に、圧倒的不利な
状況でも戦い続けてたって教えてくれたじゃない!『ふりーぷらねっつ』の軍最高司令官
だったんでしょ!?
なら、その力を見せて!あたし達を助けて!!」
ヤンは、困惑していた。
いや、ヤンだけではない。何も言いはしないが、公爵夫妻もロングビルもシエスタも、
タバサ達もルイズの懇願に困惑していた。彼女の気持ちは分かる。だが、こんな状況をど
うにかできるはずがない。デルフリンガーですら何もしゃべろうとはしない。
哀しげな視線がルイズへと集中する。
ヤンは溜め息をつき、しゃがんでルイズと目線を合わせ、小さな肩に手を置いた。
「ルイズ・・・逃げよう。もう、トリステインの事は諦めた方がいいよ」
「ダメよ!あたしは逃げない、諦めない!父さまも母さまも助けたいの!みんなを、みん
なを助けて!力を貸してっ!!」
ヤンの言葉にルイズは力一杯首を振る。長い髪を振り乱してヤンへ懇願し続ける。
「ルイズ、ルイズ・・・」
ヤンは、主の肩を掴む手に力を込めた。
全力支援だ! ファイエル!
「トリステインは、このままじゃ、もうすぐ火に包まれるんだ。いや、ハルケギニアの中
で安全なのは、おそらくアルビオンだけだろうね。
僕は、ヴァリエール家の執事じゃないんだ。ルイズ、君個人の執事なんだよ。僕が助け
なければならないのは、君なんだ。君を死なせるわけにはいかないんだ」
「そんな!あんたでも、どうしようも無いって言うの!?」
「この国に君を残すなんて危険な事、僕には出来ないよ。
昔、僕の父にも等しい人を戦争で失った時に思ったんだ。誘拐してでも助けるべきだっ
たって。
もう、あんな辛い想いはゴメンだよ。必ず君の命を守るから、一緒に来て欲しい。僕ら
と一緒に安全なところへ逃げて欲しい」
「ダメェッ!!そんなこと、そんなの出来ない!あたしだって、あたしだって父さまも母
さまも失いたくない!」
「ルイズ…」
小さくて可愛い主は、再び涙を流す。
ぼろぼろと大きな雫が、クシャクシャになった顔の上を流れ落ちる。
噴水の水で濡れたピンクのドレスを、さらに濡らしていく。
今度は、ヤンに視線が集中する。
ヤンは天を仰ぐ。
まったくもって、女の涙というのは最強の武器だ。
しかも自分の命の恩人で、召喚以来ずっと一緒に暮らしてきた少女。
ユリアンのように、自分の娘かとすら思える愛しい女の子。
色々な事があったけど、杖で脅されたり死地に向かわされそうにもなったけど、今では
大事な家族だと思ってる。
執事なんて言い訳だ。本当はこの子と、マチルダと、シエスタと、みんなと一緒に平和
に暮らしたいんだ。
分かってる、分かってるんだ。
今逃げても、どこへ行っても、必ず戦火が追ってくる。
飢えた難民が、傭兵崩れの盗賊が、度重なる飢饉が、屍の山から湧き出す疫病が、重税
を取り立てる貴族という名の強盗達が襲ってくるんだ。それはアルビオンでもガリアでも
変わらない。
どこへ逃げたって、平和じゃないんだ。安全とは言い切れないんだ。
でも、この状況をなんとかしろ…と言われてもなぁ。
果たして、どこかへ逃げるのと比べてマシと言える策なんてあるのだろうか?
平和を守る手段か・・・
ヤンは、天を仰ぎ続ける。
かつて皇帝ラインハルトすら元帥の地位をもって旗下に加える事を望んだ慧眼を。ジョ
アン・レベロが独裁者になる事を恐れた頭脳を。人類の歴史を学び続けたことにより得た
知性を。その頭蓋に収められた全てを総動員する。
寝たきり青年司令官とか、むだ飯食いとか、非常勤参謀とか呼ばれる事を自慢にすらし
ていた節のある彼が、その悪名を返上するかのように灰色の脳細胞を働かせた。脳神経細
胞が超過勤務手当を求めてストをするのではなかろうか、とバカな事を考えてしまうくら
い必死で。
しばしの時が過ぎる。
ヤンは何も言わず、天を仰ぎ見て考え続ける。
その場の誰もが口を閉ざし、中肉中背で収まりの悪い髪を持つ男を見つめている。
支援
さあ、戦争の時間だ!
ヤンは目を閉じる。
口元を引き締める。
そして、寝ぼけまなこを開いた。公爵夫妻へ向けて。
「公爵様、そして奥様」
いきなり声をかけられた二人は、何事かと目を見開いた。
「お二方にお伺いしたい事があります」
二人は顔を見合わせる。
口を開いたのは公爵だった。
「良かろう、何を聞きたいのだ?」
しゃがんだままのヤンは公爵を見上げ、真っ直ぐに問いただした。
「先ほどの言葉、真ですか?」
「さっきの、言葉?」
「聖地奪還の過程で流れる血と国土の荒廃を考えよ、民草を守れ、間違いを指摘するのも
忠義…これらの言葉です」
公爵はヤンの意図が掴めなかった。いきなり見当違いなことを聞かれたかと思ったが、
何か意味があるのだろうと想い、ヤンの話に応じる事にした。
「真だ、嘘偽りはない。
われら貴族は民の安寧を守るための力を始祖より授けられたのだ。決して無為に戦乱を
起こすためではない。特にヴァリエールのごとき旧き貴族は、トリステインの品位と礼節
と知性の守護者たるべき地位にある。
…いや。あった、と言うべきだな。わしの若い頃は、名誉と誇りと忠誠だけを守れば、
誰からも後ろ指を指される心配はなかった。しかし、それは今日をもって終わりを告げた
ようだ」
公爵は笑った。自嘲と無念を含んだ笑みを浮かべた。
そんな公爵を、ヤンは変わらぬ口調で問い続ける。
「それでも、平和を守りたいと望めますか?名誉より、忠誠より大事なものがあると。メ
イジだけでなく、平民も含めた全ての人々が、戦乱で傷つき死に逝くことのない世界であ
るべきだ、と言えますか?」
「・・・何を、言いたいのだ?」
ヤンはゆっくりと立ち上がる。
自分にしがみつくルイズの背に手を回しながら、公爵夫妻を正面から見据えた。
「あなたの命、いえ…あなた達二人の命、名誉、忠義。平和のため、私に預けて下さい」
それは、この場の誰もが耳を疑う言葉。
ヤンの言葉は、平和を守る手があるということ。
ただの平民が、ハルケギニアでも指折りの有力貴族であるヴァリエール家の当主に、自
分に従えと言う。
命はおろか、王家への忠義も、貴族にとり命を上回る価値を持つ名誉すら、彼に渡せと
命じている。
皆はヤンを見る。
疑念・疑惑・不信・軽蔑・怒りも含めた全ての視線が、目の前のとぼけた男に集まる。
だが、エル・ファシルの英雄は一片の迷いも恐怖も見せていない。
我、現在31ノットで支援中
つかエレオノールはついでかよ!!
親兄弟友人すら殺しつくして自分だけ幸せになろうとするビッチに死を支援
ついでと言ったわね、おちび。支援
公爵は、重々しくバリトンの声を響かせた。
「手が、あるのだな?」
ヤンは頷く。
「極めて危険で、成功の可能性は低いです。ですが、このままでもトリステインは来月を
待つことなく亡びます。国民の多くが、戦火に死に絶えます。ならば、無為に戦端を開く
よりはマシでしょう」
「そのために、われらの命と名誉を捧げよ、というのだな?我らがお前に膝を屈すれば、
トリステインの平和を守ってみせる…そういうのか?」
この言葉には、首を横に振った。
「膝を屈する必要はありません。ただ、協力して下さい。私の言うとおりに動いて下さる
なら、最小限の犠牲と引き替えにハルケギニアは戦乱の業火に焼かれずに済む…かもしれ
ません」
「犠牲?…わしとカリーヌか…」
「お二人だけではありません。アルビオン艦隊の侵攻はもはや止められないのです。この
点は覚悟せねばなりません。
ですが軍人以外の、別の人達があえて犠牲になることで被害を最小限に抑える事が出来
ます。ただ、この策が上手く行けば、その人達も絶望的な戦乱と、死だけは免れる可能性
を得るのです。
無論その人達も、彼等の名誉とひきかえに、ですが」
「別の…人達、だと?」
別の人達、それは誰の事か。
公爵の目は、ヤンの次の言葉を促す。
ヤンは、ハッキリと犠牲となる予定の人物を宣言した。
「マザリーニ枢機卿。そして…大后、マリアンヌ陛下」
絶句した。
ヤンを取り囲む全ての人が、息を呑んだ。
彼は、始祖より王権を授けられた、貴族が忠誠を尽くすべき王家を生贄にしろと言って
いるのだ。しかも、よりにもよって、旧き貴族として仕えてきたヴァリエール公爵夫妻自
身の手で。
一瞬の空白。
公爵夫人が残像も見えぬ速さで杖を引き抜いた。
同時にシエスタが手に持っていたままのブラスターを構える。
ロングビルも杖を婦人へ向けた。
デルフリンガーはカシュッと音を立てて半ば飛びだし、自らの刃を煌めかす。
公爵夫人は、シエスタとロングビルに銃と杖を向けられても、怯む様子は見せない。
ヤンと公爵は視線をぶつけ合ったまま動かない。
ルイズは二人の男に挟まれ、視線をせわしなく左右させる。
空気が凍り付く。
恐るべき天界に支援せざるを得ない。
「やめるのだ、カリーヌ」
公爵は妻へ視線を向けた。その目は、トリステインに殉じると語った時よりも悲壮な覚
悟に満ちているようだった。
「ですが、あなた…」
「このままなら、陛下は死ぬ。レコン・キスタに粛正されるか、アルブレヒト三世に今回
の責を問われるか…いや、アルビオン王家と同じように、貴族の名誉を穢され尽くした後
に、名も無き一兵卒の剣に倒れるだろう。そして、我ら二人も、トリステインの全ての民
も等しく、だ。
しかも、それら全てがトリステイン王家アンリエッタ姫の仕業と歴史に記される。品位
も礼節もあったものではない。もはや伝統だの、名誉や忠義に拘っていられる時ではない
のだ。
ならば、賭けるしかあるまい…陛下のお命を、ハルケギニアの平和を守れるというウェ
ンリーの策に、な。
なにより、この不始末の責任は、誰かが負わねばならぬ。責を負うに相応しい者が、負
わねばならんのだ」
「あなた・・・」
公爵も、そして婦人も顔を伏せる。
二人は唇を噛み締めていた。
その手は強く握りしめられている。
肩が小刻みに震えているのは、押さえきれぬ怒りと悔しさゆえだろうか。それとも己の
無力に絶望しての事か。
「ウェンリーよ、聞いての通りだ。お前の策を話すが良い」
「ご協力、感謝致します」
深々と頭を下げる。
その彼の頭に、婦人の峻烈な言葉が降ってきた。
「そこまでの大言壮語を語る以上、失敗は許しません!必ずやトリステインを、ハルケギ
ニアを救いなさい!もし失敗すれば、お前も我らと共に、トリステインの土となってもら
います!!」
「承知致しました、奥様」
かつて英雄と呼ばれた男は頭を上げる。そして、彼を囲む人々全てに語りかけた。
「さぁ!聞いての通りだよ。悪いけど、もしできるなら、みんなも協力して欲しい!
もちろん強制はしない。なにしろ、かなり分の悪い賭だからね。おまけにスピード勝負
なんだ。既に手遅れになっている可能性だってある。
逃げる人は、急いで逃げてくれ!でも手伝ってくれる人は、この場に残って欲しい!」
「あ〜に言ってんだい?今さら、まったく…」
ロングビルは、呆れたように肩をすくめた。
「ここまであんたに付いてきたんだ。最後まで付き合うよ」
横に立つシエスタも小さくガッツポーズ。
「あたしだってです!アルビオンが攻めてきたら、タルブだってただじゃ済まないんです
から!サヴァリッシュ家の力を見せてあげます!」
デルフリンガーも元気にツバを鳴らした。
「オレッちはおめーの剣だぜ!好きに振るいな!」
「きゅいぃ〜…お姉さま、どうするの?」
尋ねられたタバサは、相変わらず無表情に答えた。
「ヤンの監視と護衛が主たる任務。ガリアへの連行は最後の手段」
「あうう〜、やっぱりい…
シルフィ、お肉もらうんだから!あとで、いっぱいいっぱいお肉もらうんだからね!」
シルフィと名乗った女性は、溜息とやけくそ混じりにご褒美を要求した。うら若き美女
が報酬として大量の肉を要求する姿、かなり珍妙だ。
「ヤン・・・」
鳶色の瞳が、涙を一杯に溜めて見上げてくる。
ヤンがこんなマキャベリズムの徒になろうとは……
外面はこんなんでも内心は後悔と慚愧で千々に乱れてるんだろうなあ。
凄い展開に驚愕しつつも支援
ヤンは再びしゃがんで、ルイズと視線を合わせる。
「いいかい、ルイズ。最後に聞くよ。僕の策に、乗れるかい?」
二人の瞳が真っ直ぐに見つめ合う。
「時計の針は戻せない。トリステインも、王家も、ハルケギニアも、全てを元通りにする
方法はないんだ。
でも、泥沼の戦乱だけは回避できる可能性がある。貴族の名誉、王家への忠誠…君がい
つも、ヴァリエール家の貴族として命より大事と言ってきたものを、平和のために犠牲に
する事ができるかい?
命を惜しんで名を捨てれるなら、貴族の名誉より名も無き平民達の命が大事と言えるな
ら、僕は、公爵夫妻を救いたいという君の願いを叶えるよ」
ルイズは、細い腕で涙を拭った。
ヤンの体から一歩身を引く。
そして腰に手を当てて胸を張った。
「分かったわよ…あんたの策に乗ってあげるわ!
さぁ、あんたの主が命じるわ!この、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・
ヴァリエールの命に従い・・・」
大きな声でヤンに命じようとしていたルイズだが、途中でその言葉が止まった。
真っ直ぐに自分を見下ろす使い魔を見上げながら、一瞬の迷いを見せる。
そして、すぐに迷いは消えた。腰に当てていた手を下ろし、細くしなやかな太ももの前
で手を重ねる。
そして、自分の使い魔へ、深く頭を下げた。
「ヤン、お願い!トリステインを、ハルケギニアを救って!
貴族とか、メイジとかじゃなくて、ただのルイズとしての、お願いなの!
みんなを助けて下さい!お願いします!!」
ただのルイズとしての願い。
貴族の名を捨てる、ヤンの言葉を彼女なりに体現した行動。
それは、名誉を捨てるヤンの策を受け入れる覚悟。
それは、彼女の使い魔を満足させるに十分なものだった。
「オーケー!合格だよ、ルイズ」
ヤンと、顔を上げたルイズは、満面の笑みで向かい合った。
そして彼は大声を張り上げる。
「さぁ!さっきも言ったけど、この策はスピードが勝負だ!まず大急ぎで城へ戻るよ!」
と言ってヤンはタバサを見た。
タバサはシルフィと名乗った女性を杖でつついた。
「シルフィードを連れてきて」
「うぅ〜、しょうがないのねぇ。呼んでくるのね」
青く長い髪の女性は、街の路地へと走っていった。
次の瞬間、突然街並みの向こうから、タバサの使い魔シルフィードが飛んできた。
青く輝く竜は広場に降り立ち、きゅいっ!と一声鳴いてヤン達に背へ上がるよう促す。
その場の全員が「バレバレだ…」と思ったが、指摘するのは気の毒だし余計な事に費や
す時間がないので口にはしなかった。
こうして一行はシルフィードの背に乗り、トリステイン城へと飛び立った。
犠牲を出すことを前提とした作戦はヤンらしくないけど
責務を果たすべき人間に責任を取らせるのはヤンらしいな
ヤンはトリステイン城へ向かう間に、彼の策を皆に説明していた。
その策に公爵も、不承不承という感じだが頷いた。
「た、確かに…もはや、戦乱を回避するにはそれしかあるまい」
公爵夫人は、その策の困難さを考えて、しきりにこめかみを押さえる。
「やると決めた以上、全力は尽くしますわ。ですが、それでも上手く行く保証はありませ
んわね。どうやって説得したものやら…」
ロングビルは、既にフーケの地を晒していた。
「ま、せいぜい頑張るっきゃないね!これに失敗したら、あたしゃヤンをかっさらって逃
げるとするよ」
シエスタはブラスターを顔の前で握りしめる。
「そうは行きません!絶対成功させて、タルブに平和を取り戻して、ヤンさんと一緒に蒸
留酒を造るんです!名前は、えっと、ヤンシエスタ!…ゴロが悪いなぁ」
ルイズは、シルフィードの一番前で城を杖で指しながら立ち上がっていた。風で乾いた
ピンクのドレスが旗のように翻る。
「行けー!急げーっ!絶対トリステインを救うんだからねー!」
その真後ろのタバサは、黙って城を目指している。
ヤンは、皆に策の説明を続けながら、ふと考えこむ。
「ん〜?ヤンよ、やっぱ不安なのか?」
背中から尋ねてくる長剣に、ヤンは諦めたような笑いを向けた。
「いやあ、そうじゃないんだよ。結局、自分はどこへ行っても負け戦の後始末をさせられ
るんだなぁ…と思ってね」
「おめぇ、苦労してんのな」
「まったくだよ。はぁ…早く引退したい。トリステインにも年金があるといいんだけど」
ここへ召喚された時に家族も、友も、兵も、地位も、信用も、何もかも失った。
全くのゼロだった。
魔法成功率ゼロだったルイズに、何もかも失ってゼロになった僕。
ゼロなメイジと、ゼロな提督。
全く、お似合いの主従だなぁ…。
そんな呑気な事を考えてる場合でもないのに、つい頭に浮かんだ言葉遊びに少し笑って
しまった。
そして、ついにシルフィードは降り立った。
既に混乱を極め怒号が飛び交うがため、中庭に突然降り立った彼等を咎める者もいなく
なったトリステイン王宮に。
なんて支援
その頃、衛星からの画像を表示する管制室でも怒号が飛んでいた。
「次回同調まで48時間…ですってぇ!?そして、気象兵器の攻撃をかいくぐって、現場
に向かって…それじゃ間に合いません!」
それはイゼルローン共和政府軍司令官、ユリアン中尉の怒号だった。
ポプランも、そして他のイゼルローン士官達も、シャフトの胸ぐらを掴もうかという勢
いで詰め寄る。
「あんた、提督の状況がわかってんのか!?どうみても戦闘状態にあるぞ!あんな無茶苦
茶な超能力者共を相手に!すぐ救助を、いや援軍を送らないと間に合わないかもしれない
んだ!!」
「そ、そんな事を言われても!」
詰め寄られるシャフトは、撃墜王の怒気に押されて滝のように汗を流している。
部屋に待機する警備兵達は、既にブラスターの引き金に指をかけ、事態の推移を見守っ
ていた。
立派な体格を持つ美男子が、司令官席の皇帝を見上げ、睨み付ける。
「このローゼンリッター第13代連隊長、ワルター・フォン・シェーンコップが直々に向
かうとしましょう。小型機を一機貸して下されば結構。ゲート拡大の必要もありません。
あんな泥人形の壁なぞ、華麗にすり抜けてみせよう」
「おーっと!そいつは俺の役目だ。陸戦隊の出番じゃねえぜ!」
シャフトの首を締め上げようとしていたポプランが口を挟む。今度は撃墜王と陸戦隊長
が睨みあう。
「静まれ!落ち着くのだっ!」
皇帝の声が管制室に響き渡る。人々は、その威厳を湛えた張りのある声に打たれた。一
瞬にして静寂が支配する。
「皆、忘れるな!!あのゲートは、人一人がくぐる程度の大きさしかない!ワルキューレ
も通過できぬ!あれを通過出来る程度の現有の小型機では、湧き出す大地の障壁を突破出
来ぬのだ!」
その言葉に、イゼルローンの将官達は唇を噛み締める。
皇帝は、ようやくポプランの詰問から解放されて一息ついていた男を睨む。
「シャフト!そして総員に命じる。座標算定作業を一時中断せよ。ゲート拡大に全力を尽
くせ!早急にヤン・ウェンリーへ救援を送るのだ!!」
そして背後に立つ主席秘書官にも矢継ぎ早に指示を飛ばす。
「技術開発班に命じる。あの土の化け物共を突破出来る小型機を造れ!強襲降下艇の強化
も急がせよ」
伯爵令嬢の返事も待たず、ラインハルトはモニターへ視線を戻す。
そこには中庭から城内へ駆け込むヤンの姿があった。
モニターに映るヤンの姿が一瞬歪んだ。
だが、モニターの故障では無い事を皇帝は承知していた。軍服の袖で自分の目を拭い、
視界を歪ませた汗を取り除く。
「く…このような時に、また!」
フロイラインは、皇帝の白皙の頬に薄明るい赤さを帯びているのに気が付いた。
第26話 世界が変わる日 END
さて、どう出るラインハルト……
支援
提督の人乙でしたー。
キルヒアイスが生きていれば・・・・・・支援
しかしこんな所で切るなんてイケズですねぇ
また溢れかえるだろう阿呆など気にせず、楽しんで書いてくださいまし
お疲れ
しかし始まった頃はまさかラインハルトまで出てくるとは思わなかった
ゼロの使い魔のIFだけでなく銀英伝のIFとしても楽しめて幸せだ
乙
アルビオン&ゲルマニアにげてー(AA略
さてラインハルトは生き延びることが出来るか?
魔法の力で皇帝病(だっけ?)を治せれば銀河帝国と良好な関係が築けそうだが
第26話、ここまでです。投下終了
ヤンの行動について様々な意見はあると思います
彼の策についても読者それぞれの考えがあるでしょう
それら全てを受け入れるのも、書いてる本人の責任です
私はただ書き続け、投下するのみ
偉そうな事を言いましたが、早い話が
「もうプロット作り上げて、続き書いちゃったんだよー。今さら書き直せだなんて殺生ですだー!」
つーことです
そして、続きはまたの機会に
いいところで切れたー!
乙でした。熱い展開に次回が待ちきれない。あとお願いルイズが可愛い。
乙でした。
さて、完結まであとどれぐらいなのか…
まだまだ続きそうでもあるけど
投下乙でした。
「ゼロな提督」の意味がここにきて明らかに。
タイトルを作中で上手く用いて雰囲気出している作品って良作が多い希ガス。
>>791 膠原病じゃないか?
>>795 原因不明治療法不明の膠原病及びその他諸々の発熱とか症状を総称して皇帝病だったはず。
提督氏乙
やっぱり人の尻ぬぐいに頭抱えているほうがヤンらしいというかなんというか。
「変異性劇症膠原病」しかしラインハルトが最初にかかったので通称「皇帝病」
ビッテンフェルトいわく「いやがらせか」
>>798 ずいぶんとご都合というか適当というか、
酷い病名だな。
「治療法は」と問われて医者いわく「前例がないのでこれから研究します」
昔は贅沢してると痛風や糖尿病に罹ったんで、これを指して「皇帝病」と言ったらしいが。
あっちょんぶりけ、しーうーのあらまんちゅ。
>>795 ふと思ったが、「ゼロ」「使い魔」「ルイズ」をタイトルに使ってない長編って少ないよな(小ネタでなら結構見るが)。
いや別に否定してるんじゃなく、ただふと思っただけで。
804 :
適当:2008/07/03(木) 18:32:50 ID:jRjwBT/t
アメリカ合衆国軍がハルゲキニア解放に動きました
「圧制から民衆を解放する、それがわが国の正義!」
「メイジは収容所に収監する」
「撃てうてうてー」
ぱんぱm
「ぎゃああ!!!」
バタリ
白い家
「これでレアメタルの安定供給が出来ますね大統領閣下」
「うむ、かの国が握っているレアメタルがわが国で生産し輸出もすれば世界秩序は安定するだろう」
結構あるような気がするが?
>>742 でも、カーラは世の中や世界の為にバランサーになったんじゃなくて
自分が太守の家系であり、愛着のあるロードスの為に動いてただけだからなあ。
ルイズの体乗っ取ったあとは、ディメンジョンゲートでそのままロードスに帰りそうw
>806
ハルケギニアにもカーラのような、バランスを重要視するメイジが居た可能性は無いのだろうか。
もしかしてエルフの立ち位置こそがそれなのかな?
提督の人、乙!
ヤンは生き延びてもラインハルトの病気は残ったままか…
このパラレル展開に銀英読者だった事もあり、ワクテカが止まりません
いやぁ、あいかわらず読み応えがあるなぁ。ゼロの提督氏、GJ&乙でした!
…しかし、ゲートが300mまで拡大できるなら、ちまちま降下艇の強化なんぞせずに、地表への降下機能のある帝国側の駆逐艦(全長200m)を、無人で時速数百キロ程度の低速で突っ込ませればいい気がしたり(w
>>741 ファラリスが様付けなのは、ツッコミ待ちなのかや?
>>807 地球では信じられないことに、六千年間も四つの国が同じような体制で続いてるんだから、
密かなバランサーがいると見ていいんじゃなかろうか、とは思う
白っぽくて頭のでかい宇宙人とか
813 :
適当:2008/07/03(木) 18:52:11 ID:jRjwBT/t
涼宮ハルヒの憂鬱からキョン
「・・・これは一体なんの冗談だ?」
「あんたうるさいわよ」
突如拉致されキスをされたキョンは一方的な契約で
死ぬまでこのピンク頭の怪女の下僕をする事になった
「やれやれ異世界が本当にあるとわな・・・」
空を見上げれば二つの月が何も言わずに存在している
「ルイズも平民を召還したの?奇遇ね」
赤い髪のおっぱい、いやキュルケとかいう女が朝比奈未来バージョンを連れている他
タバサとかいう暗そうな女が長門を連れていた
「(おい長門元の世界には帰れないのか?)」
「(本体とのリンクが切れていて今の私は能力の10パーセントも使えない、無理)」
「朝比奈さん・・・何故あなたがここに?」
「き、禁則事項ですっ」
「あっそうですか」
とそこに金髪で薔薇を咥えたキザな男が偉そうに近づいてきた
「諸君の召還した平民はどうも知り合いどうしのようだね、こんな事が起きるなんてこれもブリミル様の導きだろうね」
「と、そういうわけです。キョンくん、長門さん、朝比奈?さん」
薔薇っぽい超能力者も呼ばれたようだ
そんなこと言ってると、シャフトの血管が切れるぜ。そして怒濤のお説教…もとい解説タイム。
しかし宇宙時代は想定外だったとは言え、永世現役の兵器キャプチャー☆ぶりみるは凄いな。
>>753 吊しのエルフそのまま、しかも鳥とか猫の絵が描いてある、
とかのほうが絵的にシュールでおもしろいと思う俺ガイル
816 :
適当:2008/07/03(木) 19:04:53 ID:jRjwBT/t
その頃
「あんた一体なんなのさ!」
「うるさいわね!魔法を私に教えなさいよ!」
「だから平民には使えないって言ってるじゃないの!馬鹿!」
「まぁまぁその辺にしておけイザベラ」
「パパン・・・」
「だーれこの友達いなそうな親父は?」
「この国の王様だっ!頭下げろ!」
ハルヒの頭を押さえつけようとしたが
鋼のように体を堅くして抵抗をしている
「この私がたかが一国の王に頭を下げるわけないじゃない!」
「ほほぅ、気概を見せたな異邦人」
「そうでしょ何しろSOS団の団長様なんだから」
「SOS団?」
「世界を大いに盛り上げる涼宮ハルヒの団なんだからっ」
「いや、団長一人では団とは呼べまい。ちょうど余がサークルを作ろうと思っていたのでな名前を貰おうか」
「私が団長なんだから其処の所間違えないでよ」
「まったくなんでこんな変な子を召還したんだか」
数ヵ月後
出鱈目に描いた文字が虚無の魔法となりガリアがその領土ごと空に浮かんだり
吸血鬼を倒しスレイヤーの称号を貰ったり
イザベラのでこからビームが出るようになった所で
ハルヒが飽きて元の世界に帰還
ある日の部室
「そういえば中世ヨーロッパで騎士になる夢をみたんだが・・」
「え、そうなんですか?」
「私も魔法戦士になる夢を見ましてね」
「私は世界を混乱の渦に巻き込んで、みんなが右往左往している所で目が覚めたわ」
「今回役立たず」
(なんで魔王を倒すのが勇者のキスだったのだろうか・・・)
終わり
ファリス様を呼び捨てでファラリスを様づけとは許せん。
正義の為に殺すしか。
汝の為したいように為すがよい
最近スレの存在を知って何か書いてみたいと思ったんだが
例えば過去に既に使われてる作品、登場人物で別の話を書いたりするのは
スレのローカルルール的にどうなんだろう
教えてエロい人
マイリー女王様と聞いて飛んできました
ファラリス様の教えの下、人の善性を証明するのは神に保証された殺戮ではなく
人自身の信念によるのだ。
>>819 まったく違う話にできる自信があるのなら、いいんじゃないかな。
>>819 同じ戦国武将が主人公でも、書く人の違いで別の話になったりするだろう。
そんなもんだ。
>>819 比較されやすくなるから気後れしてるだけで別に書いてもいんじゃね
へっぽこーずの続き、今でも待ってます…
>>819 俺判断では
同じ作品の同じキャラが召喚されるのはOK
展開が同じだったり表現が似ていたらダウト
>>824 実際、真・女神転生IIIの人修羅で書いてる人が3人いたりするし、大丈夫だと思う
828 :
827:2008/07/03(木) 19:25:38 ID:bIW4WrAS
>>819 書いて投下するのは自由だろ。ただ評判の良かった過去作品だと比較されるのは間違いない。それが平気なら…さあ創作するんだ!
オーフェンも2回召喚されてるな。
つっても片方はティファに召喚されてるけど。このSS好きだったな…
へっぽこーずはリアルタイムで読めなくて残念
SW専用のスレあるけど作品投下ないしなあ
ダイのほうは活性化してきたというのに
>>830 あれは上手かったな。らしさが出てるし、コルベール格好いいし。
提督の人GJ!!
あれだな、やっぱりヤンは無能なビッt…ゲフンゲフン上司の尻拭いに奔走するのが似合ってるし格好良いんだよな。
>>832 ゼロ魔外伝としても、オーフェン外伝としても秀作だったな、キチンと完結したし。
ライドウの人乙!
カリカリじゃないけどドライなルイズがいい
そうそう。完結してるって点も重要だよな。
あの無常なまでのラストのあっさり感とか、まさにオーフェンだった。
それはそれとして、キン肉マンからテリーマン呼ぼうぜ。
「使い魔?ガール!おとなをからかっちゃいけないよ!」
話を広げすぎて停滞してる作品って多いよね
>>837 テラ初期テリーww
犬助けて予選失格したりしてたけど、子供を平気で殴る様な奴だったよなw
>>838 やっぱり、プロットぐらいは最後まで作ったほうがいいのかな
最期までというよりも終わり方を考えておくべきだと思う
ノボルもラストのオチは考えてあるそうだからな
どこまで続くのか分からんが
>>842 サイト「う〜ん、……ハッ!? 何だ夢か……。
異世界で魔法少女ときゃっきゃうふふしてたような気がしたが、別にそんなことはなかったぜ!」
>>842 佐藤大輔も雑誌の取材には結末は考えてある、と答えたけど実際終わってるのは征途だけだからな。
レッドサン何年停滞してると思ってるんだ。
まあプロでさえ止まるんだからアマチュアで完結させるのは大したものだと俺も思う。
ぶっちゃけたことを言えば、
「過去のあの名作と比較されるんだぞ、あれより面白くできるのか?」
などと言わせるような前例が殆ど無いわけで。
オルソンだ、オルソンを呼ぶんだ
リィイじゃなくてURYYYYYYの「方な
>>839 あのテリーはひどいよなw
怪獣から守ったからと報酬を要求したり、金持ってない奴は助ける価値がないと言う様な態度を取ったりw
結末まで考えてても、途中の過程書いてて、これは面白くないのでは?
と思ってしまって投下を躊躇してしまってそのままと言う場合もあるのかもしれんよ。
850 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/03(木) 20:51:20 ID:LQVu1Pu/
提督の人乙です。
なーんか、次回以降ジョゼフがヤンの事を物凄く気に入るフラグが盛大に立つような気が沸々とする……
キン肉マンの悪魔将軍召喚
強くてデザインもカッコ良いうえに一人で六人とお得。
トリスティンの兵も悪魔超人化で富国強兵だ!
>>842 ノボルがゼロ魔は全て実際にあったことで異世界へ召喚された少年こそが
若かりしころの僕だったんですよと告白して終わる
>>852 ノボルがAV男優のようなガチムチボディをしている理由が今分かった気がするw
>>830 一つ訂正するならオーフェンは3回召喚されてるし、一時期はその3作品が同時に走ってた
>>845 まあでもご立派な方を召喚しようとするやつはもう出ないだろうなーw
>>848 「ボーイ!ビジネスをナメちゃいけないよ!」と言いながら子供を殴るシーンは取り分け至高w
>>848 初期テリーの考えは、あれはあれで間違っているわけではない
キン肉マンや初期以外のテリーが、もっとヒーローらしかったってだけだ
テリーと聞いて、ボンボン餓狼のテリーを連想してしまったオレが来ましたよw
ヤツも女にライジングアッパーかましたりするなど、かなりダーティだったw
提督の人乙です!
やはり、ヤンはぼんやりしつつも凄い事を考えるんだなww
提督の人、乙
地球教徒は原作以上に徹底的に弾圧されてるから、皇帝暗殺計画とかも未遂に終わり
ロイエンタールさんの反乱は無しですなかねえ
仮にこの状況で反乱しても
「ロイエンタールが反乱?んなもんほっとけい!それよりヤンだヤン!」
とかなりそうですしねえ。
>>808 ハルケギニアに行ったヤンにラインハルトの病気は水魔法で治せるかも、
と言われて悩む展開なんだろうか。
「帰れないけど行くしかない。手に入れた銀河を捨ててでも。というかむしろ行きたい」とかw
>>809 帝国の艦船は大気圏降下ができるんだよね……
>>813 薔薇っぽい超能力者は「キョンくん」とは呼ばないぞw
代名詞でしか呼ばない。
調べたら本当にロードス島からって無いんだな。
よし、ギムリ呼ぶか。
>>858 つうか、ロイエンタール自身もビッテンフェルトみたいに
「ヒマだなー。やることないしハルケギニアでも行きてー」
と思うかもしれない。自分に妻子いない(と思っている)し。
>>860 短編でシューティングスター召喚があるぞ
>>844 そういや谷川流も結末は考えてある、と答えたけど
未だに続刊が出ませんね。予定より一年が過ぎてしまいましたw
崩御寸前に、テファがラインハルト召喚ですよ
ルイズ「なんでテファの使い魔はあんないい男なのに、私の使い魔はボーっとしたおっさんなのよ!」
ロードス島戦記福神漬からパーソ君御一行召喚。
パーソキムロッキーチャックスエインディードリッヒあとなんだっけ?
>>865 ミッターマイヤーやビッテンフェルトがシャフト脅して十万隻単位で乗り込んでくるぞ。
>>866 懐かしすぎるぞw
昔のPC版は「カシューを手に入れた」とかもあったな。
いっそ英雄王を喚ぶとか
でもあの人って要するに傭兵だよね
>>868 thx
それと、重要なこと忘れてた。
提督の人乙!
>>859 >>帝国の艦船は大気圏降下ができるんだよね……
木星型惑星レグニッツァの大気圏内や恒星アムリッツァの大気(?)の影響を受けるところで戦闘してるから、おそらく同盟もできると…
ただ”着陸”できるのは帝国製のみじゃないかなぁ(w
>>870 あの人はやっぱり傭兵王と呼んでもらいたい。
ってかソリッドスラッシュ持ってると武器屋に行かずデルフ涙目w
鉄腕アトムからアトム
「な、なんだお前は!」
「ぶちゅー」
うわああああ
「手が熱い!まるでマグマのようだ!」
アトムが大げさに手塚アクションをする
「ほほほ、これであんたはわたしのいうがままよ!」
「これこれルイズ、使い魔呼び出しは神聖な儀式ですぞ!」
「うわあ禿茶瓶」
ピュー 頭から蒸気を噴出し ジャンプし 両手を上げる古典的怒りの表現
「初対面の人間に向かってなんたるいいぐさっ!私は怒り心頭ですぞ!」
むずかしいな
ロードスからフレーベ召喚
フレーベはルイズのために戦った。そして勝った。
完
>>879 そういや、英雄王が大陸から渡ってくる話っていうのをやるって昔ミズノが言ってたけど、あれってどうなったんだ?
そして混沌の大地の続きはどうなったんだ?(こっちは清松か)
>>865 記すことさえはばかられる、ほど高貴な使い魔だなw
で
「余はヤンに勝てなかった。配下にもできなかった。
それほどの力を持つ使い魔を得て幸せだな、ルイズ」
とでも言わせてノロけるのだろうかw
>>877 なんとなくサーラが無事に(といっても続きありそうな終わり方だったけど)終わったのがおかしい気もしてきたぜ
880 :
sage:2008/07/03(木) 22:00:56 ID:r22vlHQC
ヴァリエール神聖皇帝にでもなるとか?
ラインハルトがやったことをパクるとか
>>865 それは明らかに武力侵攻フラグだぞw
いくら何でも流石にそれはやらんだろww
そういえば山口ノボル召喚がありそうでなかったなあ
>>865,881
一方ガリアではすでにジョセフによって義眼が召喚されていたり‥‥。
と思ったらオーベルシュタイン登場済か。ちえー。
885 :
大使い魔17:2008/07/03(木) 22:23:58 ID:14dx9O+l
投下予告。
ルイズがヤバイ人になってます。
>>884 そこでジョセフがトリューニヒト召喚ですよ
ワルドさんの遍在4体がそれぞれに召還されるとか
888 :
大使い魔17:2008/07/03(木) 22:27:40 ID:14dx9O+l
だがだん♪ だがだんだがだん♪
「大使い魔ー、ワーンセブーン!!」
オゥオオー オゥオオー 彼こそは〜
オゥオオー オゥオオー 大使い魔〜ワンセブ〜ン
燃える真っ赤な太陽
ギラリ輝く装甲
見よ! 右手の虚無のルーン
風の唸りか雄叫びか〜
イザベラ企画の大殺戮
立て! 要塞ワンセブン
防げる者は他になし
オゥオゥオゥ オゥオオー オゥオオー 彼こそは〜
オゥオオー オゥオオー 大使い魔〜ワンセブ〜ン
「大使い魔ワンセブンは、自らの意思を持つロボットである。ルイズを守るため、この世の邪悪と戦うのだ!」
第十三話「ヤンデレラ・ルイズ」
戦勝ムードに沸くトリスタニアの喧騒を、イチローと茂はとある店の屋根の上から見ていた。
「この世界で、ジローは家族を手に入れたのか……」
「どうする? 当初の予定通りに向こうに連れて帰るか?」
「難しいな。王妃様とお姫様が許さないだろう」
「ワンセブンを連れ帰るのも無理かもしれないな。ルイズってのが納得しないだろ」
「……恋人同士を無理に引き裂くわけにもいかないからな」
889 :
大使い魔17:2008/07/03(木) 22:29:10 ID:14dx9O+l
一方、魔法学院では、ルイズとワンセブンがイチャついていた。
「んふー♪」
ワンセブンは掌にルイズを乗せ、空いている右手の指で、絶妙な力加減でルイズをいじっていた。
それが気持ちいいらしく、ルイズは甘ったるい声をあげていた。
「ルイズちゃん、ルイズちゃーん」
「ふにゃーん?」
ワンセブンにいじられながら、ルイズは声がした方に首を動かした。
そこにはワンエイトがいた。
「ワンエイト、どうしたの? にゃふ、あふぅぅぅん♪」
「オスマンさんがね、学院長室に来てくれって。後、真昼間からそういうイチゃつき方をするのはどうかと思うよ」
イチャつき、強制終了。
ワンセブンは名残惜しそうに、ルイズを指でいじるのを止めた。
「兄さん、ああいうのは、せめて夜にやった方がいいよ」
「頭では分かっているのだが……」
人間と巨大ロボットでもバカップルって成立するんだなぁー……(思いっ切り他人事)。
学院長室。
「学院長、どのような御用件ですか?」
「実はの、王宮の連中がロクでもないことを言い出しおってな……」
「まさか、ワンセブンを引き渡せ、とでも?」
「その通りじゃ。これには王女殿下も烈火のごとく怒り狂って反対したのじゃが……。リッシュモンにマザリーニ、挙句にお主の父君までもがワンセブン坊を引き渡せと主張し始めての……」
「連中は、ワンセブンをどうするつもりですか?」
「手始めにアカデミーで調べて、それから王軍にでも組み込むつもりじゃろう。お主を人質にでもすれば、裏切ることもないじゃろうし……。ミス・ヴァリエール、大人しくワンセブン坊を引き渡すか?」
直後、ルイズの怒号が学院長室を貫通して、屋外にまで響いた。
「絶対に嫌です!!!」
「ま、そう言うと思ったワイ。しかし、向こうが「はいそうですか」、で大人しく引き下がるとは思えんの」
「その時はその時です……。私にはワンセブンに作ってもらった銃と、虚無の魔法がありますから」
「オイオイ、どうする気じゃい!?」
「決まっているじゃないですか。見せしめにアカデミーの職員を10人か20人殺せば……」
「待て待て待て待て待て!! 正気か!!? 流石にそれはマズイぞい!!」
「ええー、アカデミーの職員ぐらい代わりは幾らでもいるじゃないですかー♪」
「アホー!!!」
どんどん思考と言動がヤバイ方向に傾いていくルイズを、オスマンは思わずなじった。
学院の広場。
「ロボター、何かオスマンさんの部屋から凄い量の瘴気が溢れてきているんだけど。ちょっと見てこようか?」
「世の中には、見てはいけないモノがあるんだよ、ワンエイト」
「あそこから溢れている瘴気、ルイズちゃんが発しているんだね……?」
「ピンポーン……」
>>870 こっちは最初に読んだのがアシュラム外伝だったせいでいまだに漂流王びいきですよ
そういやクリスタニアってどうなったんだっけ
1740(17支援、の意)
892 :
大使い魔17:2008/07/03(木) 22:31:56 ID:14dx9O+l
王宮の会議室。
数日後に戴冠式を行う予定のアンリエッタは、極めて不機嫌であった。
「ですから、あれ程の力を持ったロボットを野放しにする訳にはいかないと何度も……」
「相変わらず、マトモなことを言うだけの口は持っているようね、リッシュモン。しかし、マトモなことを言えば誰もが納得すると思ったら大間違いですよ?」
瘴気を込めた冷徹な目で睨んで、リッシュモンを黙らせたアンリエッタは、今度はヴァリエール公爵に怒りの矛先を向けた。
「ヴァリエール公爵、楽しいですか? 自分の娘の使い魔を取り上げようとすることが」
「お言葉ですが王女殿下、あの子に強すぎる力は……」
「その強すぎる力であるワンセブンさん自身は、自分自身を完全に制御していますが」
「ですが、一個人が持つには余りにも……」
「もし無理に引き裂こうとしたら、ワンセブンさんもルイズも黙っていないと思いますわ。最悪の場合、公爵自身の命の危険も在り得るかと。それほど深く愛し合っていますから、あの二人は」
「……!!」」
ヴァリエール公爵の顔が、一気に引きつった。
「どいつもこいつも救いようのないのばっかり……」
失恋のダメージもあってか、アンリエッタは思いっ切り毒づいた。
次の日、学院の広場。
BAQUN! ZUQUUN!! DOQUUUN!!!
ルイズのショットガンが、シルフィード目掛けて火を吹いた。
「きゅいきゅいきゅいぃぃぃぃ〜〜〜〜〜〜〜!!」
「近づくな近づくな近づくな近づくな近づくな近づくな近づくな近づくな近づくな。私のワンセブンに近づくな! この泥棒蜥蜴!!」
「無茶苦茶にも程があるのね―――――――!!」
昨日よりも精神状態が悪化しているルイズが、ショットガンを手にシルフィードを追い掛け回していた。
数秒後、騒ぎを聞きつけたワンセブンが止めたため、ルイズの暴走は沈静化した。
「兄さん、ルイズちゃんの頭の中、相当酷い常態になってない?」
「……言うな、弟よ」
愛しのルイズの頭の中がヤバくなっているとは分かっていても、どうすればいいのか分からず、ワンセブンはただ自分の拳を握り締めることしか出来なかった
空を見上げるワンセブンの視界に、不意に数匹の大型の竜と、明らかに風石以外の動力で動いている数隻のフネが入った。
893 :
大使い魔17:2008/07/03(木) 22:33:12 ID:14dx9O+l
ルイズの部屋。
ベッドにうつぶせになっているルイズと、彼女が心配で、クックベリーパイを運んできたのを口実に部屋に来たシエスタがいた。
「ミス・ヴァリエール」
「何?」
「昨日から様子が変ですよ? 遠い目でワンセブンさんの名前を連呼したり、他の方の使い魔たちを睨んだり」
「……自分がおかしいってことは分かるの。今日もシルフィードがワンセブンの背中の上で気持ちよさそうに寝ていたのを見ただけで頭に血が上ったし……」
「嫉妬、ですか?」
「うん。他の使い魔たちがワンセブンをたまり場代わりにしているのは知っているし、文句を言う気もないつもりなのに、あの竜が凄く気持ちよさそうに寝ていたのを見たら……」
「疲れているんですよ。どうせ今日と明日いっぱい謹慎なんですから、今の内に休んだ方がいいですよ」
「そうする……」
そう言って、ルイズは目を閉じようとしたが、直後にワンエイトの怒号とロボターの悲鳴が響いた。
「今のって……」
「ワンエイトくんとロボターくんの声です!」
二人は、即行で部屋を出て、広場へと向かった。
広場に駆けつけた二人が見たものは、騎士とアカデミー職員たちによって拘束されたロボター、船から出たワイヤーで身動きが取れなくなったワンエイト、そして無数の爆弾アルヴィーが張り付き、その爆風で思うように反撃できないワンセブンであった。
「ル、ルイズちゃ〜〜ん!!」
「こいつら、いきなりやって来て……。わー、兄さーん!!」
「ワンセブンー!!」
「嫌――――!!」
張り付いた爆弾アルヴィーが一斉に爆発し、ワンセブンがよろめいたのを見て、ワンエイトとロボターとルイズが悲鳴を上げた。
「そこで何をしているの? ちびルイズ」
捕縛船と、アカデミーの職員たちと騎士たちを指揮していたエレオノールが、ルイズを睨んだ。
「エレオノール姉さま……。姉さまこそ何をしているのですか?」
「……知れたこと。お前の使い魔を、接収しに来ました」
「ワンセブン……を!? どうして?」
「……ニューカッスル城を包囲していた艦隊をたった一機で全滅させ、王子殿下たちを苦戦させたロボットたちをも圧倒した力……。あのような強すぎる力は、お前一人には荷が重過ぎるわ」
「だから、その力を……、ワンセブンを私から引き離すというの?」
「そうよ。当然でしょ?」
エレオノールの悪びれない態度に怒りが頂点に達したルイズは、爆弾アルヴィーたちの第二陣目掛けて、ショットガンを撃った。
弾丸が爆弾アルヴィーの一体に直撃、誘爆によって残りの爆弾アルヴィーも全滅した。
「おちび!?」
「渡すもんか。渡すもんか渡すもんか。ワンセブンは渡さない。ワンセブンは私のもの。だから、私とワンセブンを引き裂こうとするものは……殺してでもそれを思い知らせてやる!!!」
ルイズはデタラメに発砲し、銃弾は全部捕縛船に命中、玉切れになったが、かまわずルイズは杖を手に詠唱を開始した。
「エクスプロージョン!!」
爆発が、手当たり次第にアカデミーの職員や騎士、竜たちを吹き飛ばした。
「あは、あはは、あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」
狂った笑い声を出しながら、ルイズはエクスプロージョンを連発した。
「ちびルイズ……!」
人が変わったように狂った妹に戦慄したエレオノールは、恐れをなして猛ダッシュでルイズから離れた。
894 :
大使い魔17:2008/07/03(木) 22:34:24 ID:14dx9O+l
ルイズは、それを見逃さなかった。
「…………逃げるなよ」
ルイズはエレオノール目掛けて、“殺すつもりで”特大のエクスプロージョンを放った。
「ルイズちゃーん!!」
が、ワンセブンが間一髪で間に割って入り、爆発をその身で受け止めた。
爆発が収まり、煙が霧散し、ワンセブンの姿が現れた。
「どう……して…………!? 私たちを引き離そうとしたのよ?」
「それでも……、大好きな、君には背負わせたくなかった。身内殺しの業を……!!」
体の各所から火花が吹き出し、ボロボロになったワンセブンは、エレオノールを庇った理由を述べた。
「あんな女でも、君の、お姉さんだ。それを殺したら、君のお父さんもお母さんも、カトレアさんも凄く悲しむ……」
「ワ、ワンセブン……。でもワンセブンが……。私がワンセブンを……」
「私なら、大丈夫だ…………」
そう言って、ワンセブンは右手をルイズに差し伸べようとしたが、胸部から激しい火花が吹き出し、そのままワンセブンはあお向けに倒れた。
(三郎君、レッドマフラー隊のみんな、ロボター、ワンエイト、……ルイズちゃん)
「ワンセブンさん!」
「ワンセブン!」
「兄さん!」
轟音が鳴り渡り、それに続いてシエスタとロボターとワンエイトの悲鳴が空気を切り裂いた。
そして、最後にルイズの絶叫が響いた。
「ワンセブ――――――――――ン!!!」
ルイズに差し伸べようとした状態で固まった、ワンセブンの右手の甲に、それも神の笛のルーンが刻まれた部分に、亀裂が走った……。
鉄より堅いこの体 鉄より堅いこの想い
決めたぞ 堅く 愛するぞ
私は使い魔ワンセブン
使い魔ワンセブン
厳しい私の宿命も
花も嵐も乗り越えて
悪のハスラー ブチ殺して
ルイズちゃんを 守り抜く
895 :
大使い魔17:2008/07/03(木) 22:35:52 ID:14dx9O+l
投下終了。
こっちのルイズはツン味が殆どないので、代わりとしてヤン味を加えたら修羅場に……。
ちょっと質問なんだけど、俺は1日に20kb書くのが限界なんだけどそれが普通なの?
俺は5kbくらいが限界かな
>>896 意味がわからんな、自分の限界がなぜ他の人の普通ですかって質問になんだ
さ、さあ、色んな意味で気を取り直そう!
そーいや、他作品キャラの使い魔を召喚したルイズが他の虚無キャラが召喚したサイトとくっつく話って見ないなあ
>>898 自分の書くペースが他の人と比べて遅いのかどうか気になったんで。
こりゃ久しぶりに1000行きそうだな
>950踏んだ人スレ立てお願いね
確かに。久々だな。
>>899 ただ単純にそこまで行ってないだけじゃないか?
>895
投下乙!
ルイズがキレたw
そして17が… このあとどうするんだろ?
>896〜
投下直後に乙すらしないのかよ…
「あんた誰?」
抜けるような青空をバックに、鬼作の顔をまじまじと覗き込んでいる女の子が言った。歳は15〜16歳ってところか。
顔は……。可愛い。桃色がかったブロンドの髪と透き通るような白い肌を舞台に、くりくりと鳶色の目が踊っている。ガイジンの娘のようだが肉壷を味わうにはまだ早い年頃だなと鬼作はボンヤリと考えていた。
鬼作はどうやら仰向けに地面に寝転んでいるらしい。また酔っ払って道端で寝ちまったかと顔を上げて辺りを見回す。
目の前の少女と同じ黒いマントをつけて、自分を物珍しそうに見ている人間がたくさんいた。豊かな草原が広がっている。ここはどこだ?
頭痛がする。鬼作は頭を振りながら言った。
「誰って……。俺様は鬼作。伊頭鬼作。気さくな鬼作さんとでも呼んでくれ。」
「はぁ? どこの平民?」
平民? なんだそれは? 人でなしや鬼畜など蔑称は慣れているが平民とはまた変わった呼び方をするもんだ。
「ルイズ、『サモン・サーヴァント』で平民を呼び出してどうするの?」
誰かがそう言うと、鬼作の顔をじっと覗き込んでいる少女以外の全員が笑った。
「ちょ、ちょっと間違っただけよ!」
鬼作の目の前の少女が、鈴のようによく通る上品な声で怒鳴った。
「間違いって、ルイズはいつもそうじゃん」
「さすがはゼロのルイズだ!」
誰かがそう言うと、人垣がどっと爆笑する。
鬼作の顔をじっと覗き込んでいる肉壷は、どうやらルイズというらしい。
それにしても俺様はどうしてこんな場所に寝てたんだ?
>>903 スピノザのサイトはイザベラと
エルクゥのサイトはタバサとくっつきそう…
17のサイトは教皇に召喚されてるけど影薄い
テファに召喚されると素直にテファとくっつきそうだしなあ…
>>989 まあ、仕方が無いよ。
テンプレの
・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
これにどう見ても抵触しまくってる代物だし。
「ミスタ・コルベール」
ルイズと呼ばれた少女が怒鳴った。人垣が割れて、中年の男性が現れた。大きな杖を持ち、真っ黒なローブに身を包んでいる。まるで魔法使い気取りの姿を見て、気がふれてでもいなければあんな格好はできねぇな、何か怪しい新興宗教の会場か?
鬼作は自分の置かれている状況がいまいちはっきりしないので様子がわかるまでおとなしくしていようと思った。
ルイズと呼ばれた肉壷は、必死になってまくし立てる。もう一回やらせてください。とか、お願いです、とか、そう言って腕をぶんぶん振っている。
この肉壷、かわいいのに妙な宗教にハマってるのか……。俺様の肉棒をハメられた方が救われるだろうに……、とちょっぴり哀れになる。
「なんだね。ミス・ヴァリエール」
「あの… もう一回召還させてください!」
召還?
なんだそりゃあ? さっきも言っていやがったが。
ミスタ・コルベールと呼ばれた、怪しげな格好のハゲが首を振った。
「それはダメだ。ミス・ヴァリエール」
「どうしてですか!」
「サモンサーヴァントは神聖な儀式だ。やり直しは効かない。好む好まざるにかかわらず、彼を使い魔にするしかない。」
「でも! 平民を使い魔にするなんて聞いたことがありません!」
ルイズがそう言うと、再び周りがどっと笑う。ルイズは、その人垣をにらみつける。それでも笑いは止まらない。
意味がわからない。こいつらはさっきから何を言っているんだろう。さすがにきさくな鬼作さんでもそろそろ堪忍袋の尾が切れるってもんよ。
「さて、では儀式を続けなさい。拒否すると言うのなら退学にせざるをえませんが」
何かを決心したかのように桃髪肉壷が鬼作に声をかけた。
「あんた、感謝しなさいよね。貴族にこんなことされるなんて、普通は一生ないんだから」
貴族? アホか。何が貴族だ。お前らはただの変態コスプレ新興宗教野郎じゃねぇか。
ルイズは、あきらめたように目をつむり手に持った小さな杖を鬼作の目の前で振った。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
朗々と、呪文らしき言葉を唱え始め、すっと杖を鬼作の額に置いた。
そして、ゆっくりと唇を近づけてくる。
「ん? キスか?」
「いいからじっとしてなさい」
怒ったような声で、ルイズが言った。
ルイズの唇が、鬼作の唇に重ねられる。
さも当然のように鬼作の舌がルイズの唇を割って入り、口内を蹂躙し始める。
ルイズにとっては初めての経験である。
「くぎゅぅぅぅぅぅ」
あまりのショックにルイズを気を失った。
こらこらネタ的に避難所だろこれは?
どうもこうもないな
奇を衒えばオリジナルティ溢れる面白いSSになると勘違いしてるタイプか
>910
ていうか投下宣言もなしに投下始めてる時点で…
まあ荒らしだろうが、もし万が一本気なら避難所の練習用スレか隔離スレでやれ。
久しぶりにスレが1000に届きそうになってからの宣言なしの投下
ここから導き出される答えは一つだ
そう、これはノストラダムスの仕業だったんだよ!
避難所にあった自転車だったか召喚してたイザベラ様関連か?
とか思ったが全然違ったぜ!
な、何だってー
初代TFでのデストロンへの最大の貢献者、コンドルを召喚なんてどうか。
フーケによる盗難事件から始まり、事あるごとに
ナレーション(正宗一成)「だがしかし!その光景を見ている者がいた!ゼロのルイズの使い魔、コンドルだ!」
タラララーァラ♪(キュピーン)
ルイズ「コンドルが戻ってきたわ」
気さくな王女様の続編なら見たかったが…
13、14巻の展開にどう気さくな王女様が絡むか
取りあえずサイトはカレーとか地球産の物品で篭絡してると思う
上の方で元は一般人で話が進むごとに強くなっていく中身は当たり前の人間ってあったが、
ラブひなの浦島景太郎読んだら普通にやってけそうに思えた
不死身だけど
ルイズのスカートをめくって爆発する景太郎と
キュルケのおっぱいさわっちゃって爆発する景太郎と
タバサと偶然に暗闇で抱き合ってるところを見られて爆発する景太郎を幻視した
ところで
>>875の続きがツボにはまってめちゃめちゃ読んでみたいのだが…
続き書く気ナイ?
>>896 わたしは「量」だけを求めてはいない。
「量」だけを求めていると、人は近道をしたがるものだ………
近道をした時、質を見失うかもしれない。
やる気もしだいに失せていく。
大切なのは、『完結に向かおうとする意志』だと思っている。
向かおうとする意志さえあれば、たとえ今回は投下が少しだとしても、
いつかはたどり着くだろう?向かっているわけだからな。
…………違うかい?
>926
荒らし本人乙
ゼロな提督GJ!!
いつもまとめオンリーだけど、たまには作者さんに応援を送りたくて。
毎度毎度面白すぎる。
以上!
>>928 ごめんなさい
もしかして触ったら駄目なところ触っちゃった?
今回も提督グッジョブでした
ラインハルトたちの動向が気になるww
シティーハンターの召喚キャラっていないんだな
少し意外な気がする
避難所向けかもしれんが
基本的に銃あってこそって感じだからか?
銃が無ければ作ればいいじゃないって言いそうな気もするが
カーラのサークレット召喚と言った人がいたが、それ着けたらルイズじゃなくね?
銃キャラは弾の問題があるからな
安易に弾数無限と言うのもアレだし・・・
>>936 虚無の不思議パワーで精神支配に抵抗して、ある時はルイズある時はカーラの意識が表に出てくるとか。
>>935 コルベールならこんなこともあろうかと作れるはずだ
ゼロ戦や戦車整備できるなら作れないほうが不自然って感じも
オスラント号?の機関って蒸気機関だっけ?
それ考えるといけそうだけど
>>936 ならば宝物庫にあったサークレットをフーケがつけてカーラフーケに
そしてそれを追うルイズ一行ってのは
一応作れるけど量産は無理ってノボルが言ってたらしい>銃弾
>>938 そこはそれ
かつてシャドウジャックであった杖にのっとられた緑色の何かのようにですね(ry
銃がダメならナイフだ!
野上冴子を召喚するのだよ
弾薬の問題は如何ともし難いな
かといって無限バンダナやコスモガンはなぁ
銃はリロードが肝だろ
>>941 いまさらその設定守る必要性があるかどうか
もっと根本的なとこ改変してる作品が結構あると思うんだぜ?
最古ガンなら弾の補給もできるだろう
銃ならピースメーカーのホープとか
基本、人の皮を被った悪魔にしか銃は使わないし、精密射撃で弾の消費も少なくて済む
弾数無制限なのが問題ではなく、それによって面白くなるのかどうかが問題だと思うけど
弾の事を気にせず撃ちまくる作品の方が面白いって判断するなら気にせず書けばいいんじゃねーかな
冴羽やジーザスの場合、銃が無ければ、弾が無ければ、
その場にあるものを使って戦うだろけどな。
黒曜石で即席のナイフ作ったり。
問題は、単なる銃撃戦なんぞよりも遥かに描写の難易度が高くなることだが。
>>936 カーラのサークレットは、装着者の人格を利用して、戦乱と平和のバランスを取る。
確かそんな設定だったと思う。
つまり、貴族の誇りを理由にして、戦乱の種をまくルイズ・カーラ。
シル幻のナナシ・ゴンベイ呼んだらどうなるだろうか
たんす撲殺モードか馬鹿服理力モードかで少し変わるだろうけど
>945
設定厳守とは言わないけど、撃ち放題だと射程距離や速射性からして現代兵器>魔法だから単なる蹂躙になるぞ
そこまでいかなくてもルイズの活躍の場がなくならないようにしないといけない
例えばゼロ戦の機銃使い放題ならタルブ戦どころか七万戦だって楽勝すぐる
あの世界の戦艦の装甲なんて紙だから簡単に落とせるし、竜騎士だって機動力で相手にならないから
>>954 持ち運べる弾数には限界があるし
ゼロ戦でも700発*2と60*2?だから万は無理よ
魔法使えるほうが蹂躙に近い気がするぜ
足止めするのに七万皆殺しにする必要なんてないだろw
上空から陣を見て、指揮官がいそうなところに斉射すればいいだけ
そもそも防御とかほとんど考えてないからな、あの世界のメイジは
_.,., --''." ̄゛゛゛- 、 私、次スレ立てるのに相応しい人、知ってるよ。
, -'´ ゙ー- 、 白々しいよ。あれだけ立派に950踏んでて、自分だけは蚊帳の外?
,,//// /,// ゙ヽ
,イ ///// /ソソ// ィ/ ゙|,,,,..,、 ノ゙、 踏んだんでしょ、立ててよ
>>950くんが。
>>949ちゃんは駄目だってさ、踏んでないから。
イノ从/,/ / イ//リ// //゛゛゛'ヾ.,lii トヽy'从゙、 じゃあ仲間想いの
>>950くんがお手本示さないと駄目だね。
!ハ从! l! i! i! il i li il! / リ l l 从ヾil lk i
iハi l! il! lilハl>k从 イ, _,,..ィチ 从i li il! ll!リ スレ立て宣言して、スレ立てて、テンプレ張って、次スレのURL張って終わり。
゙ミ il!从(( ::: )ハl <( ::: ) Yイ l / i! il リ それでめでたく次スレの悩みは解決!
,,,彡爪ハ ミ -'" _____ `"-イノ /リ////リ
////从从ミ [  ̄カ 彡ノノ/イ/// あら何?これでもう終わり?あっけない話だったね!はいはいお疲れ様!!
./////////ハ从ヽ、`ー-'_,,彡彳/リ///リ じゃぁもう今日はいい?!私帰るねランランラン!!
: ' //イ iハリ´リ ___゛77' "/////ソリ 今日は久しぶりにVIPスレにでも行こうかな!!
lリ lソリ _∠派、 / ///ィ"/从.
ハノ リ ,/ ヽトミ、__lミイ // /ソ< ̄ト, 昨日まではずっと次スレのことが心配で全然見る気になんかにならなかったしぃ!!
/_____ l,ゝ<゛<イノハノ リ ゛i l l 今日はどんな糞スレが見つかるかな、はぅー……。
/,.==、>" ゝ /" /-- 、 ノ/ l
k"ァ-y".: /l /ァ==ミヽ / / l …………何か言ってよ?私だけ喋り尽くめッ?!
lイ 〔ミ::" ,,ノ |(/⌒ヾ、ミV" ト-" 黙ってんじゃないわよ、聞いてんの
>>950ーッ?!?!
だから蹂躙を防ぐならゼロ魔キャラ全体を強くすればだな
とりあえず一般的なメイジでも銃弾を見てから避けることができるくらいの強さにして
冴羽リョウ召喚に障害が発生した
周りがガキばっかだ
それとフーケが大変だ
カトレアに手を出したら……
インフレバトルになると十中八九つまらなくなるぞ
どれだけのマンガがテコ入れや引き延ばしの名目で腐っていったか
>>962 それを逆手に取ったギャグがGSにあったな。
宿命の対決っぽく前フリしときながら、「戦力インフレ」を名目に1コマで終わらせたやつ。
オカマのやつかw
マスケット銃だからそもそも命中精度低いけどな
というか冴刃とかの要求する射撃性能に耐えられるような精度の弾丸は作れないんじゃないか?
下手な鉄砲数撃てば当たると言わんばかりに乱射するなら別だけど
そこでボウガンですよ
インフレでも面白くすることはできるだろ、というDBと幽白が大好きな俺が言ってみる
まあでも最初にどこまで書くか、どれだけ強くするかを決めて一気に駆け抜けた方がいいだろうな
ダラダラ続けるには難易度が高いジャンルだ
>>961 そこで平民なのに騎士の血に目覚めてだな
やっべえ、腕を振って衝撃波出したり分身しながら突撃するアニエスとか超かっこいいじゃねえか
968 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/04(金) 00:53:05 ID:hcFZCdXe
>>965 命中精度だとライフリングとか銃の構造の方が問題なような……。
マスケットの命中精度が低いのってよーするにナックルが落ちるのと同じ原理じゃなかったっけ。
いや、推測だけで物言ってるけどさ。
スレ建てしてんのかね?寝たんだかどっかいったんじゃないだろなw
そこまでいくとゼロ魔の皮がちょっとだけ引っ掛かってるオリジナルだろw
やっちまったorz
とりあえず950の姿が見あたらないし、代わりにスレ立ててくるわ……。
>>967 インフレするにしても過程が大事だろ?
いきなり説明もなく強くなるってのはどんなモンだろ
>>967 マジックアイテムでそのぐらいは可能かもな
974 :
971:2008/07/04(金) 00:57:23 ID:hcFZCdXe
駄目だった。誰かたのまぁ。
FF6の魔石装備すれば誰でも魔法は使えるんじゃないか?
スレ立て立候補
>>965 命中精度が低いなら、十分に命中させられる距離までおびき寄せれば良いじゃない。
立てれるかな
試してみる
>977
そしたら魔法の射程内に入ってしまうじゃないかw
鋳掛け屋の巳代松かってのw
同タイミングではじかれた
重複しなくてよかった
いきなり来やがったよ'A`
とりあえず頂点をどのくらいの強さにするか決めればいいんだよ
作中でトップクラスの実力だったワルドを超サイヤ人3ぐらいの強さにして全体の強さのバランスを考える
そうすると、エクスプロージョンとかは超元気玉クラスにならないか?
アニエス達銃士隊がメイジの脅威として認識されず、女王のお遊びとしか思われてないのもあの世界の技術では射程も速射性も魔法に比べて圧倒的に劣るからだろうし
>>972 その辺はインフレバトルものだけじゃなくて、主人公の成長要素を持つありとあらゆるジャンルに存在する課題な気もする
過程の部分を長々と書きすぎてもだれるし、過程を一切書かないと違和感が強くなりがちだと
練習シーンを書きすぎたせいで人気が出なかったスポーツ物とかわかりやすいね
そう考えると練習をほとんど書かずに試合だけでインフレを長期間続けていた某テニス物はやっぱ怪物だったんだなー
>>973 自分で書いといてあれだが、さすがに無理があるんじゃねーかなw
いや、実際に書いてくれる人がいたら俺はすげえ楽しく読む自信が有るけどw
>>981 乙かれさん
>>981 サイレントキリングは得意だぜ?
何も開けた場所で真正面から対峙するわけじゃないし。
でも、相手が常に1人とは限らないし、隠れる場所が豊富にあるって訳でもないんじゃないか?
ドラゴンボール測定ならスクウェア=フリーザが基本だろうに
冴羽って自分で弾丸作れるはずだぞ
>>995 そうすると悟空クラスを喚んでも蹂躙にしか
素材だけなら錬金で作ってもらえるんだけどな…
1000
1001 :
1001:
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。