あの作品のキャラがルイズに召喚されました part149

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もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。

あの作品のキャラがルイズに召喚されました part148(前スレ)
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1214410855/l50

まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/



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    _              ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃 ` ヽ  .   ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
    l lf小从} l /   ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'     ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   ヽ_/ィヘ_)〜′   ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
              ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!




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    _         ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
     〃  ^ヽ      ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は
    J{  ハ从{_,      本スレへの投下で問題ないわ。
    ノルノー゚ノjし      ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず、
   /く{ {丈} }つ       本スレではなく避難所への投下をお願いね?
   l く/_jlム! |      ・クロス元が型月作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   レ-ヘじフ〜l        ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
               ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。




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   ,ィ =个=、       ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
   〈_/´ ̄ `ヽ      ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
    { {_jイ」/j」j〉     ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
    ヽl| ゚ヮ゚ノj|      ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
   ⊂j{不}lつ      ・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
   く7 {_}ハ>      ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
    ‘ーrtァー’      ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
                姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
              ・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
               SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
               レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。
2名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 00:17:58 ID:jQGt+RyL
>>1乙〜
3ブレイブストーリー/ゼロ:2008/06/28(土) 00:18:02 ID:8UwbeCjE
こんばんは。
10分後から投下をはじめますです。
4名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 00:18:10 ID:xGZ5aGJA
おつかれー
5ブレイブストーリー/ゼロ:2008/06/28(土) 00:18:36 ID:8UwbeCjE
言い忘れました。
1乙です。
6名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 00:18:39 ID:zIyhmZ2p
>>1
7名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 00:18:45 ID:TXOg/5AQ
>>1乙ー。
8名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 00:19:18 ID:32OQwatv
>>1
支援

9名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 00:21:47 ID:d14N1kQN
>>1乙! 支援
10名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 00:21:58 ID:tPCdiCPR
ルールじゃないけどマナー上しておく方が良い事・システム上の注意事項
投下時はタイトルをコテハンとする、トリップ推奨
予告でクロス元他必ず説明する(一発ネタ等でばらすと面白くないならその旨明示)
 ※過去「投下してもいい?・投下します」等の予告から
  最低の荒らし投稿を強行した馬鹿者が居たため同類認定されるリスク極大

1時間に一定量超える投下は「さるさん」規制に遭うので注意
連投規制には有効な支援レスもこれには何の役にも立たない
文章量(kB)と分割予定数の事前申告をしておけば、規制に伴う代理投下をしてもらいやすい
投稿量カウントも規制も正時(00分)にリセットと言われている
他スレでの実験により規制ボーダーは8.5kBらしいという未確認情報あり
11名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 00:22:10 ID:tPCdiCPR
157 :削除申請:2008/02/14(木) 20:56:50 ID:kMFXiYvI
管理人様
以下自作品の削除をお願いします。
(本人証明として、自ブログの方も削除致しました)

長編:1編
「ゼロのgrandma」
短編:2編
「色鮮やかな空へ」
「四系統だけど」

色々とご迷惑をお掛けしました。以降、忘却願います。






夜天の使い魔 第一部
夜天の使い魔 第二部

http://rein4t.blog123.fc2.com/
12名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 00:22:20 ID:tPCdiCPR
やる夫が小説家になるようです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-244.html

完結:やる夫が小説家になるようです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-245.html

やる夫が「売れっ子」ラノベ作家を目指すそうです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-284.html

やる夫が同人小説家になるようです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-371.html
13名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 00:22:33 ID:tPCdiCPR
このぐらいまで単純化できそうな気がする。

爆発召喚
キス契約
「ゼロ」の由来判明(教室で爆発)
使い魔の能力が明らかに(ギーシュ戦)
デルフ購入
フーケ戦
舞踏会

最近はその流れでいかに飽きない話を作るかに凝りがち>>16

爆発
平民プゲラ
コルベール問答無用さっさと汁
キス契約
フライに唖然とする
説明はぁどこの田舎者?
何者であろうと今日からあんたは奴隷
二つの月にびっくり
洗濯シエスタと接触
キュロケフレイム顔見見せ
みすぼらしい食事厨房でマルトー
教室で爆発片付け
昼食シエスタの手伝い香水イベント
オスマンコルベール覗き見
ギーシュフルボッコ場合によって使い魔に弟子入り
キュルケセクロスの誘いしかし使い魔はインポテンツか童貞w
ルイズ寝取られの歴史を切々と語る
休日街でデルフ入手 キュルケタバサがついてくる
ルイズが爆破訓練宝物庫破壊フーケ侵入お宝げっと
この段階でフーケは絶対つかまらない
翌朝捜索隊保身に走る教師一同
教育者オスマン犯罪捜索を未熟な子供にマル投げ
小屋で破壊の杖ゲットフーケフルボッコしかし絶対死なない
オスマンから褒章 舞踏会 終わり

途中飛ばすけど、

 対7万戦と再召喚(一度使い魔契約が切れ、まっさらな状態からルイズとの関係を再構築)
14名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 00:22:36 ID:2+mRKv7u
ID:tPCdiCPR
15名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 00:22:38 ID:EU3vQ5+y
いちもつ
16名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 00:23:01 ID:tPCdiCPR
このぐらいまで単純化できそうな気がする。

本スレに1人か2人の荒らしが登場
「うぎゃああああ荒らしがでたああああ
 本スレのやつら民度が低いから触りまくってスレが荒れるにちがいねええええええ」×20
本スレでスルー
「本スレの奴等も少しはマトモになったようだなプゲラ」×5
今までの流れが本スレに貼られる→スルーか一人二人が「肥溜めにカエレ」
「ここを肥溜めとか言う奴は上から目線のお子ちゃま。むしろ俺たちの方が大人」×10
いぬかみ投下
「まったくよー、本スレの奴等、嫌いなSSならあぼーんするかスルーしろってんだよなwwwwww
 ちったあ俺達を見習えよwwwwww
 ・・・ナニ? いぬかみ投下? ぎゃあああああ何でここまで叩いてるのに投下できるんだああああ
 お前らもっと叩こうぜえええええ   何? スルー? ここはお祭り好きな奴等の集まりだから良いんだよw」
以後ダラダラと「ぼくののうないのこんごよそうされるいぬかみのてんかいのひはん」×50

以降無限ループ



このぐらいまで単純化できそうな気がする。

本スレに1人か2人の荒らしが登場
「うぎゃああああ荒らしがでたああああ
 本スレのやつら民度が低いから触りまくってスレが荒れるにちがいねええええええ」×20
本スレでスルー
「本スレの奴等も少しはマトモになったようだなプゲラ」×5
今までの流れが本スレに貼られる→スルーか一人二人が「肥溜めにカエレ」
「ここを肥溜めとか言う奴は上から目線のお子ちゃま。むしろ俺たちの方が大人」×10
提督投下
「まったくよー、本スレの奴等、嫌いなSSならあぼーんするかスルーしろってんだよなwwwwww
 ちったあ俺達を見習えよwwwwww
 ・・・ナニ? 提督投下? ぎゃあああああまたビッチ談義でスレが埋め尽くされるううううううううううう
 お前らもっと叩こうぜえええええ   何? スルー? ここはお祭り好きな奴等の集まりだから良いんだよw」
以後ダラダラと「ぼくののうないのこんごよそうされるていとくのてんかいのひはん」×50

以降無限ループ
17名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 00:23:09 ID:V1J4XOlt
>>1


ブレイブストーリー支援
18名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 00:23:57 ID:R1JIujgw
リアルタイムで粘着に遭遇した。

それはともかくムスタディオ支援。
19名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 00:24:13 ID:tPCdiCPR
43 名前:小ネタ 「ゼロと帝国」 その1[sage] 投稿日:2008/06/26(木) 02:38:51 ID:zqnGu+Jv
なによこれー!」

 何度かの失敗の後、ひときわ大きな爆発と共に現れた物を見て、ルイズが、いや、その場にいた全員が目を見張った。大きさに
してゆうに二百メイルはあろうかと思われる、巨大な鉄の塊。押しつぶされて死ぬ者が出なかっただけでも奇跡だった。
 その場にいた生徒の何人かが、理屈抜きの恐怖心からそれに攻撃魔法を放とうとする。が、呪文を唱えてもなぜか魔法が
発動しない。気を取り直したルイズが、その物体にコントラクト・サーヴァントを行おうとしても、やはり発動しない。

 あまりの異常事態が二度続いて、生徒どころか教師までもがパニックに陥りかける。そこへ学院から他の教師全員と、
学院長であるオールド・オスマンが駆けつけた。しかし、彼らにしても出来ることなどあるはずもない。学院の全員が
途方に暮れる中、その物体はふいに宙に浮き上がると、そのまま彼方へと飛び去って行った。

 それっきり何事も無かったため、数ヶ月もたてばこの事件は忘れ去られた。しかし、それから一年余り後、ハルケギニアに
ある変化が訪れる。『銀河帝国』と名乗る国の交易船───マストも帆も無い上、とんでもなく高速な船───が各地に現れ、
勝手に様々な、しかもおそろしく進歩した道具を売り始めたのである。

 連発式で、しかも数百メイル先の的を正確に撃てる銃、鉄でも切れ、なおかつ絶対に刃こぼれしないナイフや斧、魔法を
使わずとも遠く離れた場所と話せる道具など、ハルケギニアには絶対に有り得ない物ばかりであった。それを平民でも買える
値で売るのだから、誰もが飛びつかない筈がなく、飛ぶように売れる。
 そのことに気を良くした銀河帝国の商人たちは、王家や領主に伺いをたてることすらせず、勝手にハルケギニア中に現れ
ては、様々な進歩した道具を売りまくる。それを白い目で見る者も当然いたのだが、彼らは商売敵どころか、貴族や王家の
意向すら気にもとめなかった。

 商売敵である商人や、勝手なまねをされて怒った領主が脅しても、銀河帝国の船は多数の武器を積んでいる上、屈強な男
たちが数多く乗り込んでおり、いかなる脅しも圧力も、実力ではねのけてしまう。無論その男たちは、商売の邪魔をする相手
以外には決して手を出さないのだが……。

 業を煮やした現地の豪商が、メイジを雇って報復に出たこともあった。ところがそのメイジまでもが、返り討ちにあって
ズダボロにされてしまう。驚いて話を訊くと、銀河帝国側は、魔法の発動を不可能にする道具すら持っていたという。噂を
聞いて集まった者たちに、銀河帝国の商人は、その道具をすら商品として売り始めた。
20小ネタ 「ゼロと帝国」 その2:2008/06/28(土) 00:25:02 ID:tPCdiCPR
 それから半年もたたずして、ある意味予想されたことが起こる。貴族に恨みを持つ平民たちが、それらの道具を復讐の
ために使い始めたのだ。何百メイルも離れた場所から銃で撃たれて死ぬ貴族、魔法の発動を封じられてなぶり殺しにされる
貴族が何人か出て、ついにハルケギニアの国すべてで、銀河帝国の道具を買う事、使う事が禁じられる。しかしそれは、
結果的に見れば、平民たちの不満という火種を、ハルケギニアすべてを焼く大火に燃え上がらせただけであった。

 銀河帝国側は、この機を逃さなかったのである。巧みに平民たちを扇動し、ハルケギニア全域で反乱を起こさせたのだ。
しかも辛辣なことに、あの道具のはるかに強力なものを使い、魔法の発動を、ハルケギニアすべてで完全に封じてしまった
のである。

 魔法を失った貴族たちは、銀河帝国の武器を持った平民たちの敵ではなかった。しかも反乱軍には、銀河帝国の屈強な
男たちも加わっている。武器には武器で対抗しようにも、そもそも数が絶対的に違う。それから三ヶ月たたずして、ハルケ
ギニアすべての国で、貴族や王族はほぼ皆殺しにされた。

 トリステイン魔法学院でも、生徒や教師はほぼすべて殺された。ギーシュもキュルケもマリコルヌも、オールド・オスマンも
ギトーもすべて死んだ。平民に対する差別意識を持たなかったコルベールは死を免れたが、魔法を失ってほとんど何の力も無い
役立たずに成り下がった。

 王宮において、アンリエッタ王女は死を免れたが、貴族制度の廃止と、王族の身分を捨てる事を、ハルケギニアすべてに向け
宣言させられた。

 貴族の中には、表向きおとなしく投降し、内心で、「この反乱が終われば、再び自分たちが必要とされるようになる」とほくそ
笑んでいた者もいた。しかしその思惑は、銀河帝国がさらに多くの道具を持ち込んだこと、その道具を作るための技術を教え始めた
ことで、水泡と帰す。

 銀河帝国の道具は、それまで「魔法を使わねば出来なかったこと」のほぼすべてを可能とした。ハルケギニアに、もう魔法は必要
なかった。平民たちにとって、銀河帝国の道具があれば魔法とメイジはもう無用の長物、何の価値も無いガラクタだったのである。
21小ネタ 「ゼロと帝国」 その3:2008/06/28(土) 00:25:40 ID:tPCdiCPR
 やがて反乱という名の炎は、魔法学院を退学させられ、失意の内に故郷に引きこもっていたルイズの元へも迫る。

 ラ・ヴァリエール公爵は、おのれの名誉にかけて必死に抵抗したが、それは所詮、巨大な岩を素手で殴りつけるようなもので
しかなかった。公爵自身は斧で真っ二つにされ、夫人は頭蓋を叩き潰され、長女エレオノーレは杭で串刺しにされた。皮肉にも
病弱だったカトレアと、元々魔法を使えなかったルイズだけが、お目こぼしにあずかることができたのだった。

 しかし当然ながら屋敷も領地も財産も失い、カトレアとルイズに残されたのは、裕福な平民程度の家と財産にすぎなかった。
しかも家族の死と環境の激変で、カトレアの健康状態が急速に悪化し始める。治療しようにも、ハルケギニアに水の魔法はもう
存在しない。姉を死なせないため、ルイズは屈辱をこらえて、『銀河帝国』の人間に、水の魔法を復活させてくれるよう懇願
するしかなかった。

 幸い頭目らしき男が、「魔法を復活させることはできないが、銀河帝国の医者による治療を受けさせる」と約束してくれた。
ハルケギニアより遙かに進歩しているらしい銀河帝国の医術でも、生まれつきの虚弱体質を治すことは出来なかったが、どうにか
死の危険からは救い出すことができた。

 かろうじて───本当にかろうじて戻ってきた平穏な日々。その価値を痛感させられる中、ルイズは突然、あの頭目らしき
男に呼び出される。

 いぶかしく思いつつ向かったその先には、ルイズの見知った顔が何人か集められていた。アンリエッタ元王女も、コルベールも、
オールド・オスマンの秘書だったミス・ロングビルもいる。その他にも魔法学院のコックとメイドだった者、反乱軍のリーダーの
一人である女戦士もいた。

 あの頭目に話を訊いてみると、これから自分の上司に会ってほしいと言う。そこで初めて、ルイズたちは頭目の正体を聞かされる。
なんと彼は、銀河帝国正規軍の将校だというのだ。彼の上司が、ハルケギニアの住民の、生の声を聞きたがっているというのだ。

 それを聞いたあの女戦士が、厳しい顔で進み出る。

「以前から疑っていたが、やはりあなたがたは、ただの商人などではなかったのだな? この反乱は、あなたがた銀河帝国が
仕組んだ謀略、ないしは軍事作戦だったのだな?」

「つまりアニエス殿は、我々があなたがたを利用して、ハルケギニアを支配下におさめようとしたのではないかと疑っているわけか。」

 あまりにあからさまなその言葉に、一同が息を呑む。そんな彼らに、頭目は苦笑気味の笑いを見せた。

「当然だろうな。しかし、我々にそんな意図は無い。ハルケギニアなど支配したところで、銀河帝国にはまったく何のメリットも
無いのだ。そもそも、支配するつもりならこんな回りくどい手は使わん。直接攻め込んで征服している。」

「…信じられんな。第一、何の得にもならないのなら、なぜわざわざこんなことをした?」

「今すぐ理解しろと言っても無理だろうが……。ハルケギニアにおける社会の現状が、我々にとって、決して許せないものだったからだ。」

「……わけがわからん。どういう意味だ?」

「それは私の上司が説明してくれるだろう。」
22小ネタ 「ゼロと帝国」 その4:2008/06/28(土) 00:27:08 ID:tPCdiCPR
 そのまま船の一室に押し込まれ、海上を飛ぶこと一刻余り。いかなる陸地からも遠く離れた洋上で、巨大な船(らしきもの)が
十数隻空中に浮かんでいた。もちろんただの船ではあるまい。これは明らかに銀河帝国の艦隊であり、当然ながらすべて軍艦に
決まっている。
 壁のスクリーン(彼ら自身は「開くことのできない舷窓」だと思っている)を通じ、感嘆の思いでそれを見つめる彼ら。ところが
その時、中の一隻に目を留めたルイズとコルベールが、揃って叫び声を上げた。

「あれは!」

 それは二年前、彼女がサモン・サーヴァントで呼び出した、あの物体であった。その時は何なのかすら判らなかったが、銀河帝国の
軍艦だったのか───。新たな事実に二人が呆然とする中、彼らの乗る「小船」は、艦隊中でひときわ巨大な艦───全長にして千
メイル以上あるであろう。当然ながら旗艦に違いあるまい───に接舷する。

 あの頭目───黒と銀の軍服に着替えている───に先導され、艦内の通路を進む彼ら。ある扉の前で威儀を正すと、頭目は声を張り上げた。

「シェーンコップです。お望みの者たちを連れて来ました。」

「ご苦労。入りたまえ。」

 中から、驚くほど端正で魅力的な声が答える。それと共に扉が開き、一同は部屋へと通された。

 正面で、巨大なデスクに一人の男が着いていた。背後に部下らしき男が何人か控え、両脇には、白い全身鎧をまとった兵士が警護に
ついている。この男が、頭目───シェーンコップ───の言っていた上司に違いあるまい。しかしそれにしては、拍子抜けするほど
「普通」の男であった。

 年齢は三十代前半だろうか。中肉中背、黒髪に黒い目。顔立ちは端正な方だが、目立つほどの美男でもない。服装もごく普通の白い
ブラウスに黒のスラックスで、正直街のどこにでもいそうな平凡な男である。無論ルイズ達とて、人間を外見で測ることの愚かさは
百も承知している。が、見るからに「只者ではない」と思わせるシェーンコップの上司にしては、落胆させる人物と言うしかなかった。

「それで、彼らはいったいどういう人々なんだ?」

 視線をシェーンコップに向け、その男が問いを発する。あの端正な声は、この男のものであった。それに対し、シェーンコップが
手短に彼らの素性を説明する。

「なるほど。元王女が一人、反乱軍のリーダー格が一人、元メイジだが平民に偏見の無い学者に、同じくメイジだが貴族嫌いな女性。
まったくの平民二人に、大貴族の娘だが魔法が使えなかった少女が一人か。少なくとも間違った人選ではないな。」

 男がそう言いつつ机のどこかに触れると、隣室から人数分の椅子がその場に運び込まれる。一同をそれに座らせ、彼は改めて
ルイズ達に顔を向けた
23小ネタ 「ゼロと帝国」 その5:2008/06/28(土) 00:28:00 ID:tPCdiCPR
「わざわざ呼びつけてすまない。すでにシェーンコップから聞いていると思うが、私に、君たちの生の声を聞かせて貰いたいんだ。
もちろん君たちは、自分の思った通りのことを言ってくれてかまわないし、ここで何を言ったところで、咎め立てされることは無い。
私が聞きたいのは君たちの本音であって、建前やお世辞ではないんだからね。」

「その前に、教えていただきたいのですが。」

 男を正面から見据え、アンリエッタが逆にそう問い返す。その顔には、露骨な疑惑の表情が浮かんでいた。

「何をだい?」

『シェーンコップの上司』は、穏やかな微笑を浮かべながらそれに相対する。

「あなたは、いったい何者なのです? ここに来るまでの兵士たちの態度から、シェーンコップ殿がかなりの上位者であることは
わかっています。その上司であるというあなたは、いったい何者なのですか? それに、『民衆の生の声を聞きたい』というのは、
最上位に立つ者の発想です。おそらくは、ハルケギニアに派遣された銀河帝国軍の総司令官、あるいはそれに準ずる立場の方と
見ましたが、違いますか?」

 元王女の鋭い指摘に、ほとんどの者が息を呑む。その中で、一人冷静だったアニエスが後を続けた。

「私も訊きたい。シェーンコップ殿の話では、銀河帝国には地位はあっても身分は無く、貴族もすべて名前だけの存在だと言う。
その地位も実力と実績と人望のみで決まり、血筋や家柄はまったく考慮されないと言うことだ。加えてシェーンコップ殿は、私の
目から見ても極めて優れた戦士であり指揮官でもある。その上司であるあなたは、すなわちシェーンコップ殿以上の実力者という
ことになるが?」

 それに対し、男の微笑が苦笑へと変わる。

「元王女の肩書きも、反乱軍リーダーの肩書きも、伊達ではないということだね───。しかし、それは買い被りだよ。と言うより
適材適所かな? 私は将ないし軍師としてはともかく、戦士としてはまったくの役立たずだ。」

「銀河帝国では、戦士として役立たずでも将や軍師になれるのか?」

「そうだよ。戦士の資質と将や軍師の資質は、まったく別のものだからね。」

「はぐらかすのはやめてください!」

 ごまかすつもりだったのだろう男に、アンリエッタの鋭い声が飛ぶ。

「もう一度訊きます。あなたはいったい何者なのですか?」

「───やれやれ、自己紹介は後にしたかったのだが、やむを得ないな。」

『まいったね』と言うように頭をかきつつ、男は言葉の───とんでもない事実の爆弾を落とした。

「私の名はウェンリー・ヤン。銀河帝国の、一応、皇帝ということになる。」

「───な!!」

「後にしたかったわけが解っただろう? こんなことを明かせば、君たちが本音を言ってくれなくなるかもしれないからね。」

 あまりの事実に一同が絶句する中、最初に我に返ったのはルイズであった。
24小ネタ 「ゼロと帝国」 その6:2008/06/28(土) 00:28:49 ID:tPCdiCPR
「こ、皇帝ですってー!」

 恨みに我を忘れ、『皇帝』に飛びかかろうとする彼女。しかし所詮は、非力な少女にすぎない。警護の兵に、あっという間に
取り押さえられてしまう。

「く───。」

 床に押さえつけられ歯がみするルイズに、皇帝は悲しみのこもった眼を向けた。

「私が憎いかね?」

「当たり前でしょう! あなたのせいで父様も母様も、エレオノーレ姉様も!」

「そうだろうな。」

 穏やかな口調で、しかしはっきりとそう断言する。これには、ルイズのほうが怪訝な顔になった。

「怒らないの?」

「恨まれて当然だからね。───実際、こんなことは過去何度もあった。かつて、戦場で倒した提督の息子に殺されかけたことも
ある。その子も君と同じ、まったくの子供だった。」

 その言葉にルイズは、目の前の人物が才能も器量も備えていることを知った。が、中の一言が彼女の心にカチンとくる。

「子供じゃないわ! これでも十八よ!」

 そう言われ、今度は皇帝のほうが怪訝な顔になる。かたわらの部下に顔を向け、小声で問うた。

「この星の一年は、我々のそれより短いのかい?」

「いえ、むしろ、わずかながら長いはずですが。」

 ルイズは内心で地団駄を踏んだ。身長と体型のせいで幼く見られるのには、もう馴れている。だからといって、子供扱いされて
気分が良いはずはない───。そんな彼女に『皇帝』が、申しわけなさそうな顔を向けた。

「それは済まなかった。───しかし、君に言っておかねばならないことがある。かつて貴族に愛する者を奪われ、今の君と同じ
思いを味合わされた平民が、ハルケギニア全体でどれだけいたと思う?」

「う……。」

「彼らの気持ちがわからないとは言わせない。それとも、貴族と平民はまったく別の存在で、大切なのは貴族だけ。平民などは
どうでもよいと言うのかな? だとしたら、私もここにいる者たちも、君を許さない。」

「………。」

「それに、君の両親と姉上にも、生きのびる機会は与えられていた筈だが?」

「地位も身分も財産も、すべて捨てた上でのことでしょう! そんなこと、誇り高い貴族が受け入れるもんですか!」

「……誇りを持つのは結構なことだが、その対象が『貴族であること』というのは感心しないな。」

「どういう意味よ!」

「はっきり言おう。貴族であることに価値など無い。血筋や家柄など何の価値も無い。そんなものが、人間の価値を左右しては
ならない。人間の価値を決定づけるのは、1に人格2に能力で、他にあるとすれば、過去の実績だけだ。」

 どうやら銀河帝国では、それが「国是」であり「正しい考え」であるらしい。価値観も考え方もハルケギニアのそれとは根本的に
違っていて、ハルケギニアの論理は通用しないということだ。だとすれば彼らを言い負かすのは不可能である。唇を噛むルイズだが、
すぐ逆襲のすべを見つけた。
25小ネタ 「ゼロと帝国」 その7:2008/06/28(土) 00:29:27 ID:tPCdiCPR
「……何よ! 血筋や家柄に価値が無いなら、あなたは何なのよ! 皇帝なんでしょう! 血筋でその地位を得たんじゃないの?!」

 それに対し『皇帝』が、初めてむっとした表情を見せる。だが、彼が口を開く前に、背後に控えていた中年の男が進み出た。

「陛下、ここは私におまかせを。」

 そう言ってルイズに向き直る男。長身で痩せぎす、半分白くなった髪で、少しだけあの「マザリーニ枢機卿」を思わせる。が、
こちらの方がはるかに冷徹というか、冷酷そうな印象だ。

「ルイズといったな。本気でそう思っているとしたら、君は愚か者ということになる。」

「なぜよ?!」

「血筋によって皇帝の地位を得た者が、みずからその価値を否定すると思うかな?」

「なんですってえ?!」

「そうだ。ウェンリー陛下は、先帝陛下とはまったく血の繋がりは無い。」

「それじゃ──もしかして──あんた簒奪者?!」

 皇帝に視線を向け叫ぶルイズ。それに答えたのは、中年男のほうであった。

「それも違う。ウェンリー陛下が現在皇帝の地位に着いているのは、先帝陛下によって指名されたからだ。」

「つまり、銀河帝国では、皇帝さえも血筋では決まらないって言うの!」

「そうだ、銀河帝国においては、皇帝も職務上の地位にすぎない。人格と能力のみで選ばれ、血筋など考慮されることもない。
───だから銀河帝国には、皇帝はいても王朝は存在せず、皇妃はいても皇子や皇女は存在しないのだ。」

「そんな………。」

「銀河帝国では、血筋や家柄に価値など無い───。だからこそ我々は、ハルケギニアの貴族たちが許せなかった。」

「その通りだ。特にトリステイン王国では、貴族がすべてを独占し、平民はほとんど人間あつかいすらされなかったと聞く。
そんな貴族たちの振る舞いこそ、我々には絶対に許せないものだった。」

「だから───だから貴族を滅ぼしたって言うの! 何の得にもならないのに!」

「───では訊こう。もし目の前で、決して許せない事を誰かがやっていたら、君はどうする? 自分自身の損得など度外視して、
やめさせようとするのではないかな?」

「く……。」

「ハルケギニアにおける貴族と平民との差別、魔法を使える者と使えない者との差別こそ、我々には許せないものだった。我々は、
それをやめさせたかった。そのためには、貴族を滅ぼし、魔法を滅ぼす以外に方法が無かった。───ま、君たちとの最初の接触で、
ある種の電磁波が魔法の発動を不可能にするとわかっていなかったら、もっと苦労しただろうが。」
26小ネタ 「ゼロと帝国」 8 ラスト:2008/06/28(土) 00:30:23 ID:tPCdiCPR
「……あれ? 待ってよ! 銀河帝国でも、能力の違いは認められているんでしょう! 貴族と平民との間には、魔法を使える
使えないという、れっきとした能力の違いがあるじゃない!」

「……もう一つ我々が許せなかったのは、ハルケギニアにおいては、魔法の才能が何より優先するとされていたことだった。」

「…どうしてよ! それのどこがいけないの!」

「国を治めるまつりごとの才能と、魔法の才能との間に、関係があると思うかい? 兵を指揮する将の才能、作戦を立てる軍師の
才能と、魔法の才能との間に関係があると思うかい?」

「………無いわ。確かに。」

「本来重視されるべき能力より魔法のそれが優先され、魔法が使えなければ、それ以外でどれだけ優れていても認めてもらえない───。
それもまた、我々には許せないことだったんだよ。」

「そのために───そのために魔法を滅ぼしたって言うの! 魔法の才能に価値を無くすために! そんなことのために!」

「───確か君は、大貴族の娘でありながら魔法が使えなかったんだろう? 魔法以外のことで認めてもらえたら、と思ったことは
無いのかい?」

「……有るわよ! それは認めるわよ! でも、魔法そのものがこの世に無かったら、なんて思ったことは一度も無いわ! 第一
そのせいで父様も母様も、エレオノーレ姉様も!」

「───魔法を使える者と使えない者との差別、それを無くすためには、少なくとも一度、魔法そのものを滅ぼすしか無かった。
そして魔法が滅びれば、貴族が滅びるのは必然だった。」

 歯ぎしりするルイズだが、その言葉に秘められた裏の意味に気づく。

「……待って! 今言ったわよね! 『少なくとも一度、魔法を滅ぼす』と! つまり、いつかは魔法が復活すると言うの?!」

「ああ、いつかは復活する。しかしそれは、今から少なくとも三、四十年後───魔法も貴族も、完全に過去の遺物となってからの
ことだ。その頃には魔法は、『役には立つが不必要なもの』になっている。当然、魔法の才能も、大して価値の無いものになっている
だろう。」

「………。」

「いずれにせよ、ハルケギニアにもう魔法は存在しない。魔法の才能は、もう何の価値も無い。貴族と平民の区別ももう無い───。
魔法と貴族の時代は終わり、科学と民衆の時代が来る───。君もこのままで終わりたくないなら、魔法以外で認められるよう、
努力することだ。」

「そうですよ、ルイズさん。元々、魔法の実技以外では学院でもトップクラスだったじゃないですか。」

 黙って聞いていたシエスタが、この時口を挟んだ───。


───結局、彼らが生きている間に、魔法が復活することは無かった。そしてウェンリー皇帝の言葉通り、復活した時には完全に過去の
遺物でしかなくなっていた。魔法とメイジが社会の主流を占めることは、二度と無かった。しかしアンリエッタ・ド・トリステインと、
ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールの名は、ハルケギニアの一時代を支えた女流政治家の名として、歴史に刻まれている───。


−『銀河英雄伝説』より、帝国軍駆逐艦を召還。

あの作品のキャラがルイズに召喚されました part133
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1209745513/349-357
27名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 00:31:27 ID:cVmAdg0D
かえれ
28ブレイブストーリー/ゼロ:2008/06/28(土) 00:32:32 ID:8UwbeCjE
では、投下開始します。
29ブレイブストーリー/ゼロ:2008/06/28(土) 00:33:01 ID:8UwbeCjE
 ムスタディオが凄まじい速度でゴーレムの元へ斬り込んで行く。
 その後姿を、ルイズは見つめていることしか出来なかった。杖を握る手が、力の込めすぎでぶるぶると震えている。

 自分は何も出来ないのか。自己嫌悪が頭の中でぐるぐる廻る。回転数が上がりすぎて、頭が破れて中で煮詰められたそれが噴出しそうだ。
 魔法の使えない自分。使い魔に平民を召喚してしまった自分。使い魔とうまくコミュニケーションすることすらできない自分。誰も助けられない自分。
 そして、使い魔に正しい貴族の在り方を示そうとして空回る自分。

 泣きそうだった。
 自分は何をしているんだろう。逃げなきゃいけない時に判断を誤り、今は座り込んでいるしか出来ていない。

「う、うぅぅ……!」

 ルイズは歯を食いしばった。
 泣いてなんかやらない、と思う。
 自分がフーケに立ち向かおうとしたことは愚かかもしれない。
 でも、間違いではない。
 絶対に。

 何か出来ることはあるはずだ、と立ち上がり、ルイズは辺りを見回す。何でもいい。ゴーレムの気を逸らすことだっていい。タバサと合流して何か案を練るのでもいい。
 しかしタバサの使い魔は空に見えず、はばたく音はゴーレムとムスタディオの戦闘音が騒々し過ぎて聞き分けられなかった。

「……あれ?」

 焦りながらふと地面を見下ろしたルイズは、そこで気付いたことがあった。
 自分から数メイル離れた茂みに何かが刺さっている。
 近づいてみれば、それは鈍い光沢を放つブレイズガンだった。

「…………」

 ルイズはブレイズガンを両手に抱き締めると、無言でムスタディオが飛び出して行った方向を睨む。

(――その中でもあれは魔ガンと言って、銃身に魔法が刻印してあるんだ。魔法が使えない者も、潜在的な魔法力に依存して決められた魔法を起動できるんです)

 胸の中では、街に出かけた日のムスタディオの言葉が反芻されている。



「ブレイブストーリー/ゼロ」-20



   ◇

30ブレイブストーリー/ゼロ:2008/06/28(土) 00:34:05 ID:8UwbeCjE
 まるで流星のように飛び込んできたそれが、一瞬何なのかフーケには理解できなかった。
 自らの手元に抑えつけている杖が轟音を吐き出した直後、弾丸が面白いように地面を大きく抉り、人間の頭程ある土塊がいくつも跳ね飛んだ。しかしその飛散物の中に本物の頭はない。
 自分は倒れていたキュルケという生徒に狙いを定めていたはずだ。
 ゴーレムの背後で、地面を転がる音。

「……げほっ!」

 むせ込む声に体を振り向かせたフーケが見たのは、キュルケを抱きかかえたまま立ち上がろうとする、擦り傷だらけのムスタディオだった。
 銃が炸裂する直前に飛び込んできたムスタディオが、キュルケを抱えてゴーレムの股下を飛び抜けたのだ。

「ちぃっ! まったく鼠みたいな素早さだね!」

 銃はゴーレムの肩に強固に固定してある。フーケは慌ててスペルを紡ぎ、柔軟に照準を変えられるよう固定具を変化させながらゴーレムを旋回、二人を踏み潰そうとしたが――それより先に、飛び込んできたのと同速度でムスタディオは森の中へ飛びずさっていた。

「逃がさないよ!」

 フーケは彼が消えた方向へ杖を解き放った。
 銃の機関部が凶悪な唸りを上げる。
 次々と木がなぎ倒され始める。
 彼女はここで彼らを逃がすつもりは毛頭なかった。
 逃がせば後々面倒なことになるし、それに、彼女はどうしてもあの杖を手に入れなければならなかったから。

 ふと、猛る理性の裏側で――どうしてこんなことになったのだろう、と問い掛ける自分がいた。
 彼らに助力を請うという選択肢もあったのではないかと思う。 
 森林伐採のごとく銃を乱射しながら獲物を追う。フーケは自嘲するように口角を吊り上げる。

(この家業を始めた時から、そんな選択肢は選べないわよ)

 犯罪者である自分は、
 もはや奪うことでしか得ることは出来ないのだから。

 そうだ。
「彼女」に何か与えるためなら、他のあらゆる全てから奪う覚悟は出来ている。
「彼女」がもう奪われないなら、他のあらゆる全てが奪われ続けても問題はない。

 心の内を再確認し、自嘲を獰猛な笑みに摩り替えたフーケは、しかし次の瞬間困惑することになる。
 ゴーレムが木や土の破片ではない何かを踏み付けた感覚があった。その何かが潰れた途端、足元から煙が噴出したのだ。
 瞬く間に周囲がもやでつつまれ、視界が遮られる。慌てて口を塞ぎながら、匂いで煙に土の成分が含まれていることを察知したフーケは素早く成分分析を試みる。

 ――明らかに人の手が加えられたもの。
 時折起こる、地面の下に溜まった毒霧の噴出などではない。

(これは、まさか罠かい!?)

 頭の中で位置関係を必死に思い浮かべる。そういえばこの近辺は、ムスタディオがついさっきまで潜伏していた。
 追い詰めたつもりが、自分が追い詰められていたのかもしれない。一瞬そんな考えが脳裏をよぎり、フーケはそれを否定する。
 彼我の間には圧倒的な火力の違いがあるのだ。早々後れを取ることは、ない。

「ふん、このあたしを謀るなんてやるじゃないか! たっぷりお礼をさせてもらうよ!」

 フーケは銃を猛らせ、狩りを開始する。

   ◇

31名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 00:34:12 ID:7B6JWT/8
レス番飛びすぎワロタww
そして支援
32ブレイブストーリー/ゼロ:2008/06/28(土) 00:35:23 ID:8UwbeCjE
 背後で大きな足音が響くたびに、追随して次々と煙が噴き出す音が聞こえてくる。
 足音の動きはでたらめであるように聞こえる。攻撃の照準も散漫で、そのお蔭でムスタディオはキュルケを抱きかかえるハンデがありながらも逃げおおせていた。
 運よく逃げ込めたのが自分が潜伏していた方向で良かった、とムスタディオは胸を半分だけ撫で下ろす。万一のために罠を広範囲に仕掛けておいたのだった。
 それはここ一週間程コルベールと行っていた研究の成果だった。こちらの世界に来る前の装備品の話をコルベールにしたところ興味を持たれ、彼はその再現にも腐心してくれたのだ。
 結局再現できたのは比較的安価で構造も単純だった煙幕一種のみだったが、ムスタディオはコルベールに内心感謝した。今となってはやや苦い思いと共に。
 必死に灌木や木の根を避けながら走っていると、煙幕に包まれた一帯を抜け、ぶわりと視界が開ける。
 ムスタディオはひときわ大きな木の陰に隠れると、先ほどからずっとぐったりしているキュルケを地面に横たえさせた。

「キュルケ、大丈夫か!?」

 小声での呼びかけに返事が来る。

「大丈夫だよ相棒、魔法の衝撃波に殴られて気絶してるだけだ」

 驚いて手元を見る。握り締めたデルフリンガーが鍔元をかちゃかちゃ言わせていた。

「よう、久しぶりだな相棒。ハゲの先生と遊んでばっかで構っちゃくれないから寂しかったぜ。
 しかしまぁ、久しぶりに抜いてくれたと思ったらおっかない状況だな、こりゃ」
「デルフ……」

 がちゃがちゃ笑うデルフリンガーの音が、フーケが撒き散らす騒音にかき消されていく。
 近づいて来ている。

「相棒、ありゃなんだい? またすっげぇ魔法、いやありゃあ武器だな。俺と似た匂いを感じるぜ」
「あれは……魔シンガンって言うんだ」

 のん気な問いかけに、キュルケを抱き直しながら短く答える。
 フーケが操る武器。それをムスタディオは二度、お目にかかったことがある。
 一度は軍事金稼ぎのために派遣されていた仲間が持ち帰って来た時。あの時はゴーグに持ち帰って散々父や機工士仲間と分解・解析したものだ。
 ムスタディオのブレイズガンが弓矢なら、あれは大砲である。その形状からは予測もつかない破壊力に、機工士たちは仰天していた。破壊力と反動の強さに、自分たちでは実用出来なかった代物だ。
 二度は、死都ミュロンドにて、蘇った同業者が操っていた。神殿騎士となり、自分たちに立ちはだかった機工士の顔が思い出される。
 しかし今はそんなことを考えている暇はない。首を振って思考を切り替えようとした時、ばさりという音が頭上で弾けた。空からシルフィードが降下してくる。
 その背中にはタバサが跨っていた。やや安心するものの、不安の種は消えない。
 一同が集合した。ルイズを除いて。

「タバサ様、ヴァリエール様はどうしたんだ!?」
「分からない。上からじゃ見つけられなかった」
「――まさか」
「そう、たぶん」

 悪寒が酷い。頭痛すら覚える。
 そんなムスタディオをじっと見ながら、タバサはあふれ出る煙幕を指差した。

「あの中。私じゃ助けられない」
「――行ってくる。タバサ様はキュルケを連れて、オレが戻るまで安全なところに逃げてくれ」

33名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 00:36:03 ID:+DBYfCv6
待ってました。
支援
34ブレイブストーリー/ゼロ:2008/06/28(土) 00:38:00 ID:8UwbeCjE
 言うが早いか、ムスタディオは煙幕と轟音の中に突っ込んだ。
 煙が徐々に晴れてきている。ムスタディオは異常なまでの速度で木々の間を駆け抜ける。
 三秒もせずに曇ったヴェールの先に巨大なシルエットを認めた。連続的に放たれる射撃音に頭をガンガンと打たれながらムスタディオは木の影に身を潜め、周囲を見回す。
 ゴーレムからの射撃は相変わらず無作為な乱射である。誰かを狙ってのものではなく、恐らくルイズはフーケに見つかっていないのだろう。だが、

「おーおー、こりゃまた酷い暴れっぷりだな。こりゃ嬢ちゃん、側杖食らって挽肉になってるかもしれねーな」

 デルフリンガーがムスタディオの内心を言い当てる。
 こんな状況では標的にされるされないは関係ないのだ。戦い慣れていないルイズがこんなやぶれかぶれな攻撃にさらされれば、時間が経てば経つほど死の危険性が増す。

「どうするつもりだい?」
「……勝機はあるよ。むしろ好都合だ」

 そう。ムスタディオは焦る一方でそう思う。
 ルイズの危険を棚に上げれば、敵は頭に血が昇るか錯乱するかして我を忘れている。虚をつくのは簡単だ。
 ムスタディオは木々を縫うように旋回する。体がやけに軽い。自分の右手に光るルーンを一瞥し、ゴーレムの真後の木に隠れた。
 煙が随分と薄まっている。
 今まではぼんやりとした概形だけだったものが、
 ゴーレムの肩上の人影が、魔シンガンを抑えつける格好で振動に揺れているのが分かるまでに。

「デルフ、相談があるんだ」
「なんだ相棒。なにかすげぇイヤな予感がするのは気のせいか? おい、その構えはなんだってんだ」

 ムスタディオは物影からゴーレムが見えるギリギリの角度に立ち、デルフリンガーを振りかぶって体中に捻りを加えている。
 彼は機工士であるが、戦いの中におけるその本分は狙撃手である。
 この状況ですべきことは決まっていた。

「本当に悪い。後で絶対回収するから」
「ちょっとまった相棒何をしようとしてやがるってうおおおおおおおお!?」

 投擲。

35名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 00:38:08 ID:BeJ9bTIL
支援
36ブレイブストーリー/ゼロ:2008/06/28(土) 00:38:52 ID:8UwbeCjE
 連動した体中の膂力を一身に受けたデルフリンガーは悲鳴の尾を耳朶に残しながらゴーレムに飛ぶ。
 照準は肩の上からぶれることなく、ゴーレムがその一瞬で大きく回避をするわけでもなく――
 デルフリンガーは、あっけないまでにフーケの人影に突き刺さった。
 
 衝撃でフーケが肩から吹き飛び、地面に落ちた。
 ゴーレムからの銃撃が止み、その動きが止まった。
 それだけ確認し、ムスタディオは慎重にフーケに近づいて行く。
 煙の中、フーケは胸からデルフリンガーを生やしたまま身じろぎもしない。
 死んだか、気絶しているだけか。後者なら捕縛するか止めを刺さなければならない。
 そんな剣呑なことを考えているムスタディオの耳朶を打つ声があった。

「近寄るんじゃねぇ相棒!!」
「甘いよ坊や」

 声は、二つ。
 しかしそれは、同じ方向から聞こえてきたものではなかった。
 ムスタディオがその時視界に捉えていたのは、土くれで出来た人形に突き刺さったデルフリンガーの姿で。

 次の瞬間、地面が炸裂した。

 頭上から降り注ぐ轟音と地面から殴り込んでくる石礫になす術もなかった。
 それが銃撃の衝撃波によるものだと認識する間もなく、ムスタディオは吹き飛ばされた。
 もみくちゃの浮遊感の後、鈍器で殴られたような衝撃に背骨が軋む。ぐう、というただの音みたいな声が涎と共に口から吐き出され、四肢を糸の切れた人形みたいに地面に投げ出す格好になった頃にはほとんど意識を失いかけていた。

37ブレイブストーリー/ゼロ:2008/06/28(土) 00:39:24 ID:8UwbeCjE
「相棒! おい、しっかりしやがれよ!」
「本当に残念。せっかくそんな実力を持ってるのに、詰めが甘いんじゃ興ざめよ」

 降り注いでくる声の意味が汲めない。
 輪郭という輪郭が崩れ、回る視界が暗くなる。
 しかし気絶はしなかった。少しずつ感覚が戻り始めるのを感じる。

「ムスタディオっ!!」

 視界の暗さは目の前に誰かが立っているためのものだと気づくのに、そんなに時間はかからなかった。
 そして、耳の右から左を流れ続ける声に、妙に馴染みの深い物をムスタディオは聞き分ける。

「あら、逃げなかったの。勇敢でいいけど、それからどうするつもり? 逃げたほうがいいんじゃない?」
「うっ、うるさい! 絶対にどかないわ! ムスタは死なせないんだから!!」

頭上からの声に反発するような響きの声。ハルケギニアに来てからというもの、ムスタディオに様々な感情を喚起させた声だった。
一時は頭がどうかなりそうな位憎らしく思った声だった。
それから、彼女の事情もあるのだろうと別の視点から見てやれば、年相応の素直でない少女だった声。

でも、それでも彼女は貴族ではないのか。
少女から大人になった後でも、今みたいに誰かが危険に曝された時や誰かが苦しむ時、その前に立ちはだかり、かばってくれるのか。
彼らのように。

それは戦いの最中において余計な思考だった。
しかし様々な感覚が吹っ飛ばされたムスタディオは、益体もなくそんなことを考えてしまう。

ムスタディオは幾分視界の戻った目で見やる。
桃色がかったブロンド。小さく、細い背中があった。
ゴーレムから自分を守るように、手を伸ばせば届く距離に立っていた。
38名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 00:40:39 ID:gojrRQDi
支援〜
39ブレイブストーリー/ゼロ:2008/06/28(土) 00:41:17 ID:8UwbeCjE
以上で投下終了です。支援ありがとうございます。

あとお絵かき掲示板に支援レスもありがとうございます。
約束通りおっぱい見せて下さい。
40名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 00:41:20 ID:2svJpLKI
1乙
41名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 00:42:12 ID:7B6JWT/8
ムスタディオきた! これでかつる!
42名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 00:43:11 ID:48N6Ytms
ちょっと待て、短いよおい
お次早めによろしく〜
43名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 00:47:00 ID:V1J4XOlt
これだけの長さがあれば十分だと思うが。
あんまり長いと規制に引っかかってしまうし。

ムスタディオ氏乙
44名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 00:58:46 ID:hIFtFSxD
ムスタディオ乙
45名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 01:02:55 ID:mZY0m8pN
ゼロと帝国乙です
最近はこれと提督と黒蟻と鋼が楽しみだ
46名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 01:04:08 ID:2+mRKv7u
ID:mZY0m8pN
47名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 01:14:11 ID:0GR8ejwq
>>ID:mZY0m8pN
これはひどい
48名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 01:19:54 ID:Lp9hlwkU
ID:mZY0m8pN
49名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 01:21:38 ID:i5whGYST
まあまあ
新スレ早々波風を立てることもあるまい
50名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 01:24:21 ID:SSU3Ulws
>>46-48
スルーの魔法を授けよう
51名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 01:40:26 ID:8zgVmMcT
ムスタの人乙。
男は黙って透明あぼーんだ。
52名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 02:03:06 ID:XoaXBNsr
>>51
「おれは女だ!」
53名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 02:16:33 ID:EU3vQ5+y
>>52
マコちゃんハァハァ

ごめん逆だった
54名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 02:23:58 ID:V1J4XOlt
>>52
龍之介だっけ?「うる星やつら」の。
55名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 02:30:09 ID:WW6dUXbH
>>54
だっちゃ。
56名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 02:35:47 ID:88//FMhE
【芸能】釘宮理恵と日野聡が婚姻届を区役所に提出した事をホームページで発表 [080627]
http://news24.2ch.net/test/read.cgi/liveplus/1214587760/
57名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 03:15:12 ID:gcvQjhUp
ワルドがメタナイト召喚してトリステインを立て直すってのが頭を過ぎった
58名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 03:25:18 ID:UzbN/Z4r
あのカッコイイ一頭親がワルドの使い魔になるなんて嫌だな
59名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 04:38:06 ID:oBmr76zJ
亀レスだが提督の方印度からの帰還乙。

しかし嫁さん登場ですか……。
ヤンの死因が激昂したフレデリカのブラスターによる一撃ならなきゃいいが。
60名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 04:42:48 ID:aLqQh0oi
俺……メタ様になら抱かれてもいいぜ?
61名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 04:44:55 ID:R+0kBfUh
メタタァ
62名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 04:48:00 ID:nBt5pJ7l
>>61
違う!

メメタァ

だ!!
63名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 04:52:37 ID:n4K8xWqB
メタスに見えた
64名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 05:25:34 ID:XPCdcx4N
>>62
星野「メ、メタナイトを!」

メメタァ

ですね、わかります
65名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 07:37:42 ID:owIhgldc
>>59
フレデリカさんならわかってくれると思う
おマチさんが今さらになってヤンへの未練を抱いたら話がややこしくなるだろうが
66名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 07:49:01 ID:EoVViROr
このスレは『ルイズが〜』ですが、時たま『あの作品のキャラがルイズ以外に召喚されました』になるじゃないですか。
……ワルドに誰かを召喚させて、悪の魅力全開な作品、というのは無いだろうか。
67名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 08:09:33 ID:hodgYeB8
>>66
遊戯王からルイズが遊戯、ワルドが社長を召喚。
くらいしか思いつかんね。
68名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 08:17:33 ID:kkd0KInF
ルイズがルイージ、ワルドがクッパを召喚
魔法の力を使って世界を支配しようとするワルクッパ軍団にルイージはどう立ち向かうのか!?
デルフリンガーは剣じゃなくてハンマー。ゼロ戦はスカイポップ号。
69名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 08:31:51 ID:t0yQaEaN
>>65
ひさびさの休暇にフレデリカと食事にでもとでかけたら、お腹の大きくなったおマチさんが笑顔でやってくるんですね。
「子供、できちゃった。認知して(はぁと」
ら〜じPONPONを思い出すなぁ
70名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 10:07:05 ID:FLWEe7Y1
>>69
Nice Boat !!
71名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 10:38:05 ID:KP7CbVek
それに比べ黒蟻のおマチさんは(ノд-。)
72名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 10:46:27 ID:kaUnf/sA
ご立派な最後だった。
悪に徹して、その業故に人間らしく死ぬ。最近見なくなった正当派だな。
73名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 10:48:41 ID:d/TT8NE7
なんだ。提督まだ続いてんのか。さっさとアンビッチぶっ殺して終了してくれよ。
74名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 11:03:47 ID:Bi794TVk
はいはい隔離スレに帰れ
75名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 11:07:52 ID:d/TT8NE7
うぜえ銀英厨はっさっさろ消えて欲しいわ。馬鹿アンアンぶっ殺して革命できりゃ満足なんだろ
76名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 11:10:42 ID:KIuDQih1
スル−でよろ
77名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 11:15:27 ID:d/TT8NE7
面白いと思って書いてるのが救いがたいな>提督
ヘイトしたけりゃ自サイト立ち上げてやって欲しいわ
78名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 11:23:18 ID:K3qByhz9
ただまあアレ見ると……
やっぱりテファの設定は後付けだったんだろうなぁ、と。
初期の(いくら貴族とはいえ)容赦なく子供を殺そうとするフーケと、
孤児院やってるおマチさんをイコールで繋ぐのが凄く抵抗が(苦笑
79名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 11:27:21 ID:ta0Et22N
>>78
そんでもフーケは平民には人気があったらしいし
完全な嫌われキャラにするつもりはなかったっぽくない?
80名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 11:32:56 ID:w5UdOSoI
>>78
ハッタリが三割、強がりが四割、あと三割が本気とか
そのぐらいの比率の発言だったんじゃないかな。
一巻最後のいわばボスキャラだったわけだし
81名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 11:41:46 ID:fBaaJ66o
叩くべきは厨であって作品でないと思うぞ。クロスものとしては面白い→提督
個人的には腑に落ちない点があるが。特にフーケとくっつけたあたりがさ。
82名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 11:47:05 ID:d7epVSJ+
荒らしにさわるな
83名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 11:47:34 ID:kaUnf/sA
>>78
それがノボルの上手いとこでな。
あまり深くは描写しない、伏線未満の”ぽいもの”を先にばらまく
ネタを思い付いた先にあったものだけ回収、不要になったらあっさり切り捨てるって感じで、
幾らでも展開変えて行けるように常に気を配ってあるんだ。
84名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 11:51:34 ID:eIBgwZhG
>>81
>叩くべきは厨であって作品ではない
同感だ。しっかしアンヘイトが鬱陶しくてたまらん。
あと撃ち斬られた右腕をネタにどーこーって話はちと不謹慎じゃないか?と思った。
憎まれ役でもあの反応は酷い。
85名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 11:55:06 ID:FZSRU1f+
>>67
それだとアレか?
アルビオンにはブルーアイズで行くのか?
86名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 11:55:16 ID:h6Uavx0Y
遅めの感想は避難所の感想スレに書いたりはできないのか?
ここに書くのが悪いとまではいわねーけど
87名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 12:22:28 ID:aLqQh0oi
そーいや何時だったかデズ子召喚とかあったが、召喚時はともかく
戦闘時はたぶん今までのゼロ魔クロス中でも格好がかなり変態の
部類に入るだろうな。公式によると大事な部分が隠れているようで
実は隠れていないらしい。お尻も女の子のアレも丸だしだそうな。
88名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 12:30:06 ID:V1J4XOlt
>>87
まずはパンツを穿かせることから事から始めるルイズですか?
大変そうですね。
89名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 12:32:30 ID:kaUnf/sA
>>87
マルコリが崇拝するな
90名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 12:36:55 ID:qYw/aUdE
ルイズ
「ねんがんのつかいまをてにいれたわ!」
マリコルヌ
・「そうかんけいないね」
・「ゆずってくれたのむ!」
・「ころしてでもうばいとる」

こうですね、わかりました
91名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 12:39:27 ID:yBltuLT5
今書いてるssが40kb超えそうなんだけど、二つに分けたほうがいいのかな?
92名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 12:50:37 ID:r3einWyT
いえいえ使い魔は獣と同じ。
使い魔に服を着させようとするなんておかしいですよ。

ってマルコメ味噌が言ってた
93名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 12:57:41 ID:wM0m8CTH
なんかこのスレって女多くなった?感想や文が女性っぽかったり、腐女子みたいな
書き込みが増えたみたいな気がして気になったんだが・・・。
94名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 13:02:52 ID:kaUnf/sA
>>93
脳病自重
95名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 13:09:09 ID:+DBYfCv6
なんだそりゃ…?
まぁ仮に女多くなったとして何か問題があるのか?

>>91
分けたほうが無難。
ちょっと前46kbくらい一気に投稿してた人もいたけど…
すぐさるさんになる人もいるしよくわからんが分けられるなら分けた方がいいと思う。
96名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 13:15:33 ID:yBltuLT5
>>95
そっか、キリの良いとこで分けてみるよ
97名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 13:19:33 ID:aLqQh0oi
>91
いっそのことtxt投下とかどう?
まぁ、携帯からの人が読めなかったりするから賛否両論あるだろうけど。
こことは違う板・スレの住人なんだが、あんまり長かったりするとtxt投下が
推奨される事もしばしばある。

ルイズが美少女キャラを召喚して原作のサイトのような犬扱いをしたら
マルコメあたりが辛抱たまらなくなりそうだな。首輪に繋いだり鞭でぶったりと
美少女が美少女をいたぶる、と書くと途端にアブノーマルw
98名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 13:28:26 ID:yBltuLT5
>>97
ソレってどうやるの?
99名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 13:36:28 ID:pRQ8u6iI
うpロダに上げて、URLはっつける
100名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 13:39:47 ID:aLqQh0oi
>98
メモ帳に書いてるんだったらメモ帳をそのまま適当なアップローダーに
上げればおk。後はリンクをこのスレに貼ったりすればいいんでないの?

でも過去に何度かtxt投下について賛否両論あったような気がするけど、
結局どうなのかねぇ? 長すぎるのは別に構わないんだけど余計なものが
くっ付いてる人なんかがtxt投下になったら嬉しいとは思う。
101名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 13:40:03 ID:yBltuLT5
なるほど
じゃあ前項編に分割して投下する方向で行くよ
102名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 13:42:29 ID:yBltuLT5
おおう、前後編だ。前項編ってなんだよ。
103名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 13:42:59 ID:ta0Et22N
>>88
尻尾が邪魔で穿けないんだよ
ギルティキャラ召喚を見ると毎回使い魔よりもシエスタに注目してしまう俺
『気』に目覚めたりしないかなとか
104名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 13:45:16 ID:FZSRU1f+
>>97
>ルイズが美少女キャラを召喚して原作のサイトのような犬扱い
ギーシュがその美少女の気を引こうとしてルイズに決闘を申し込んだりなんだりするわけかw
105名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 13:50:10 ID:x9/Wvxo3
>>104
それ、たとえルイズに勝ったとしてもモンモンとケティにnice boat.されそうだぜ。
106名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 13:56:55 ID:owIhgldc
>>97
>ルイズが美少女キャラを召喚して原作のサイトのような犬扱いをしたら
BLEACHの涅ネムなら、その程度なんともないだろうな
本来の主(マユリ)の方がもっとすごいから
107名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 14:06:12 ID:vOfMxkbO
>>97
美少女いんぱらの緋華なら、

本人が喜んでるので他人が口出しできない。
108名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 14:10:28 ID:lT5O1dK6
ツンデレに振り回されてお困りの、タザリア王国物語のジグリットなら
109名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 14:21:28 ID:qR0MVVYZ
ティファニアを召喚したら、フーケどう動くかな?
残された子供たち何とかせんとまずいけど。
110名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 14:34:59 ID:pwW32ytA
>>107
ルイズは『“牝犬”にしか興味が無い』だの、『鬼畜淫行生徒』だのの噂が広まるのか。
剣道部員だしデルフとの相性自体は悪くないんだよな、緋華。

……なんかメイド服着た緋華を連れ帰ろうとしたモット伯が
目の前にデルフを置かれて「これで今私のことが叩けますか?」と聞かれてドン引きするシーンが見えた。
111名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 14:44:17 ID:owIhgldc
>>110
本当はオールド・オスマンみたくメイドへの軽い(?)セクハラが趣味なだけの人だったのが、
噂が噂を呼んでとんでもない鬼畜エロ貴族のイメージができあがってしまい表も出歩けず涙目なモット伯とか
112名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 14:46:02 ID:FZSRU1f+
そして、話の中心はルイズからモット伯へ
113名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 14:57:49 ID:19/8qsDC
作品見てて思ったんだが、召喚するのは人じゃなくてもいいのか?
物とかそういうのを召喚して、ルイズが新しい力を得るとかいうのもOKなのか?


教えて、エロい人!
114名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 14:58:54 ID:kaUnf/sA
いいんじゃないか?
結局はそこからどんな物語が生まれるのかが重要なんだし。
115名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 14:59:28 ID:x8QjVRl6
KITTとか召喚されてるしいいんじゃね?
116名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 15:10:15 ID:pyh43yRI
どんな作品を書こうと必要なのは叩かれても飽きても投げ出さない心だ
たまには投げ出して欲しいのもあるけどwww
原作大幅改変(特にゼロ魔側を)はどうがんばっても叩かれるから根性しだいじゃない?
117名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 15:13:01 ID:YkEWqt0m
戦場の絆やってたら
称号「蘇る空飛ぶ犬」
PN「ひらが さいと」って人とマッチングした

ギャン使ってた
118名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 15:18:55 ID:pwW32ytA
ハルケギニアにも『戦場の絆』の筐体が召喚されてるのか……
いかんな、どうも才人と連れ立ってゲームばっかりしてるゲーマージョゼフがちらちらと脳裏に……
119名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 15:19:37 ID:rGiL44gb
>>113
ナイト2000とか大鉄人17とかタチコマ呼ばれてるから問題なし
まあ、コミュニケーションとれない機械だと話し作るのは難しいだろうが、がんばれ!
120名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 15:25:57 ID:lT5O1dK6
シェ「違います、こうです。歩きながら波動拳を入れるのです」
ジョ「なるほど、こうか? おお!出た、出たぞ! 見ているかシャルル!」

そして弱昇竜を繰り返すヨルムンガンド。
121名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 15:31:35 ID:gSMUl60I
エアカッター(弱)を追いかけてガード→投げを狙うワルド
122名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 15:31:47 ID:FLWEe7Y1
いっそ携帯ゲーム機込みでゲームセンターあらしをジョゼフに召喚させればガリアは平和になるぞ
123名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 15:35:16 ID:iDSSQQJJ
そしてエアカッターとサマソを駆使する
ヨルムンガンドが現れるんですね、わかります
124名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 15:38:32 ID:UzbN/Z4r
そして全ての攻撃をブロッキングするリュウ
125名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 15:40:46 ID:FZSRU1f+
>>113
以前、自転車と幽霊を召喚させた猛者もいたぞ(契約は自転車と)

アレはとても面白かったな……
126名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 15:46:10 ID:VlCn0Ofd
アレとご立派は異常に面白かったな…。
127名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 15:46:32 ID:lT5O1dK6
あれは面白かったなぁ…
128名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 15:46:50 ID:UzbN/Z4r
話の大筋が変わってなくても叩かれる場合もあるの?
129名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 15:47:55 ID:H23GDxpF
シエスタにサイヤ人の血が混じってた、とかいうのこないかな
130ライドウの中の人:2008/06/28(土) 15:48:17 ID:krXOAQmx
これは避難所で聞くことかもしれませんけど、ルイズ以外の原作キャラが召喚したのが別人だったり、
設定や展開が変わっていたらここじゃやめたほうがいいでしょうか。
131名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 15:53:30 ID:tDtlqx4y
>>130
つBASARA
132名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:01:13 ID:V8rlGHGh
>>128
変えないとテンプレ展開と叩かれ
変えればゼロ魔レイプと叩かれる
万人に受ける物語なんてないんだから好きにすればいいと思う
133ライドウの中の人:2008/06/28(土) 16:03:36 ID:krXOAQmx
BASARA読みました。まあ、本筋は変わりますけど、とりあえずやってみます
134名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:04:01 ID:aPJ5mZL0
要は愛よ、愛。
改変して一部キャラがスルーされちまうくらいならまだしょうがないが
ヘイトなんて叩かれて当然だべな
135名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:06:32 ID:pyh43yRI
あまりにテンプレだと空気化するだけじゃね?
ってかゼロ魔メインにするのかクロス相手メインかにもよるんじゃないかな
後者だと叩かれやすいよね、クロス相手のファンにはウケるけど
136名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:07:22 ID:5CPEuAtO
>>129
一般的なサイヤ人の場合、高値のつきそうなハルケギニアを征服することもせず、
下等種族どもに平民と見下される立場に甘んじていないだろうから、かなり難しそう。
137名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:10:56 ID:TXOg/5AQ
>>135
後者だとそもそもここ向きじゃなくなる恐れが高いからな。
138名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:12:09 ID:V1J4XOlt
サイヤ人って素で凶暴なんじゃなかったっけ?

悟空も地球に着いて悟天(爺さんの方)に拾われたときは
手が付けられなかったっていうし。
(崖から落ちて頭打って今の感じになったはず)
139138:2008/06/28(土) 16:15:01 ID:V1J4XOlt
間違えた。

悟天じゃない悟だ。
140名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:16:09 ID:FZSRU1f+
だって、衝撃波が挨拶代わりの種族だぞ
141名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:18:02 ID:oXSXoM7R
投下来ないな〜
夜に期待か?
142名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:19:48 ID:i1q49yAs
やりたい放題に書けば角が立つ。
ヘイトに走れば叩かれる。
テンプレ通りは空気扱い。
とかくにSSは書きにくい。
143名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:25:16 ID:UzbN/Z4r
うーん、原作通りに書いても叩かれるんじゃどうしようもないなあ
ちなみにヘイトってどういう意味?
144名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:29:11 ID:FZSRU1f+
嫌悪・憎悪という意味らしい

ここでは主に読んでて「あいつは嫌いだから、酷い目に合わせてやろう」と感じる場合に使われる(ただ、明らかに過剰反応と思える時が多いけど)
145名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:30:11 ID:FLWEe7Y1
まあ原作で自分勝手な行動に走るそれなりに偉い奴がそういう目に合いやすい
146名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:30:43 ID:V1J4XOlt
>>143
あからさまに原作を貶めるようなこと。
なんの脈略もなくキャラを殺したり虐めたりする事ばかりすること。
147名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:32:11 ID:FLWEe7Y1
あと何度も同じ失敗繰り返してるような奴も叩かれる
148名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:33:32 ID:FZSRU1f+
>>144の文が変だった

>「あいつは嫌いだから、酷い目に合わせてやろう」と作者が思っていると感じる場合、だね
149名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:33:45 ID:nwt0e3TW
>>143
話の大筋を無視して特定のキャラをことさら貶めるような内容、かな。
よっぽどじゃなければ気にしないが吉。『嫌いなキャラだから本気で酷い目にあわせてやろう』みたいな意図がミエミエな胸糞悪いものを呼ぶ蔑称だし。
150名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:35:44 ID:pyh43yRI
・初期ルイズのサイトへの虐待が気に入らないからルイズを酷い目にあわせる、または洗脳していい子に
・アンリエッタのやらかしに説教、晒しage、酷い場合には傷つけるとか

このへんがよくあるパターン?
151名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:37:18 ID:UzbN/Z4r
>>144-149
なるほど
例えばクロスキャラがゼロ魔キャラの踏み台になったり酷い目に会ったりするのもヘイト?
152名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:40:16 ID:gZft8L+7
>>151
ゼロ魔のこいつは思いやりが欠片もない残忍外道なんですよー
という形になってないならセーフかと
153名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:43:04 ID:lT5O1dK6
>>151
フォローが入らないなら、いやがる人は出るかも
要は愛情
154エリザベスを降臨させた人:2008/06/28(土) 16:44:13 ID:tDtlqx4y
ギーシュが好きで好きでいじめたくなっちゃうのはヘイトではないよね?
155名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:45:42 ID:K3qByhz9
>>151
好例はブレイブストーリー・ゼロかな?
序盤は召喚されたキャラがサイト以上にキツイ目にあって精神的に追いつめられてる。
ただルイズがそういう行動に出た心理描写とかもきっちりしてあったんで、
俺はヘイトとは感じなかったよ。

>>150
結局、「展開として自然か、そこへ至る描写がきちんとできてるか」じゃないかなーって気はする。
まあ、できてても「ヘイトだ!」って言う人はいるから、ある程度は割り切るしかない。
例えばスレチだが、ゼロ魔キャラのやらかしに全く説教しないプロシュート兄貴ってのも変だろ?
156名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:46:22 ID:K3qByhz9
>>154
うむ、サディズム(加虐嗜好)だな。
157名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:46:33 ID:+DBYfCv6
原作通りに書いても叩かれるっていうか原作通りなら二次創作の意味がないよねという話。

ヘイトって言われるのは大抵作者が露骨にこのキャラを嫌ってるってのがわかるような表現があったりする場合かな…
酷い目に遭うって言っても展開上自然な形だったり、長編を書く上でそうなる理由が描かれているなら問題にはならない。
何の脈絡もなく酷い目に遭うとか、原作と全く違うキャラになってたりするのはアウト。
大雑把に言うと>>134。クロス元含めて原作へのリスペクトが感じられないのはダメでしょ…って話。
158名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:46:38 ID:FZSRU1f+
>>150
個人的な意見を言わせてもらえば、その辺はヘイトには該当しないかな。
勿論、度が過ぎれば論外だけど、それらの行為で話の深みが増すならいいんじゃないか?

まぁ、始めに書いたけど、これはあくまで個人的な意見だし、感性や作品に対する思い入れってのは同じファンでも皆違うから、
その考えが間違ってるって訳じゃなくて、こういう意見の人間もいるという風にとってもらいた。
159名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:47:06 ID:2+mRKv7u
兄貴はギーシュを決闘で殺してのけたからな・・・まあ相手が兄貴じゃあしょうがないが
160名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:49:07 ID:aPJ5mZL0
苛めたくなっちゃうの!
ってのがちゃんと笑いに昇華できてれば問題ないと思うけどな
タフなキャラじゃないと弄る対象にはできない
現実と一緒だね
161名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:49:26 ID:FLWEe7Y1
>>159
DIOなんか主要キャラを吸血鬼にゾンビ化に肉の芽植えつけて奴隷化ですよ
更新が止まってるのは話の収拾をつけようがなくなったからだろーな
162名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:51:40 ID:1A3EKDYQ
クロスキャラを洗脳して従わせるのもたいがいにしてほしい
クロス先とゼロ魔に愛があるなら、そんなことしないと従わせられないキャラを召喚すんなと
163名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:52:00 ID:pyh43yRI
>>155
原作を否定しない範囲に収まってるかどうかじゃないかな
あとキャラ人気にもよるところがあるし
タバサなんかはヘイトしたらかなり叩かれそう
164名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:53:56 ID:+DBYfCv6
今更だけどこういう議論はスレチかな…避難所でしたほうがよかったかも。
165名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:55:33 ID:K3qByhz9
>>163
マリコルヌが画面の端っこでどれだけひどい目に遭ってようが、誰も気にしないしな(苦笑

>>162
ある意味ゼロ魔クロス第一の難関だわなぁ。
ここをきちんと書いてる作品は、それだけで後の展開が楽しみになってくる。
166名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 17:04:10 ID:Lc4srYFA
そうだな
俺も黒田官兵衛が酷い描写されてたら歴史もん読む気無くすもんな
167名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 17:05:07 ID:UzbN/Z4r
では最後に
クロスキャラを無理やり別の世界に誘拐して下着を洗わせたり粗末な食事を与えたりするのはヘイトですか?
168名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 17:05:34 ID:ZMgKjArM
>>136
まあ、ベジータも後半おとなしくなったし、死にかけていた所を助けられたりして
やわらかくなったとか、ある程度過程を書けば成り立たないこともないんじゃないか?
169名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 17:05:46 ID:t0yQaEaN
それはごほうび
170名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 17:06:36 ID:Lc4srYFA
>>167
・・・クロスしなきゃいいんじゃね
171名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 17:08:44 ID:+DBYfCv6
>>167
それは間違いなくヘイトだな。
書くと総スカン食らうぞ。
172名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 17:09:32 ID:UWyE2ODa
なんと言うかこう、恨み言を日記かなんかにネチネチ書いて怒りゲージをためにため、やがて爆発させる……天からトルテのマカロンみたいなキャラは居ないものか。
一歩間違うとゼロ魔ヘイトのそしりを受けかねないものの、そういう需要ってあると思うんですよ。
173名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 17:10:53 ID:2+mRKv7u
トラクスとかかな

まあそろそろ避難所行こうぜ
174名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 17:15:09 ID:lT5O1dK6
>>167
とりあえず、避難所とかで万人向けの名作聞いて、wikiで読んで勉強してみるのをお勧めする。
175名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 17:17:12 ID:qz/bDUZg
>>167
それを間違いなく最悪のヘイトだな書くとどちらかというと確実に非難されるのは確定的に明らか
176名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 17:18:05 ID:Mp8c//mq
>>172
復讐日記といえば
ブラマトのルピルピとかかな?
177名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 17:21:20 ID:FLWEe7Y1
魔太郎だとその日の夜に速攻で恨みを晴らすな
178名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 17:28:40 ID:Ry3V8iNi
自分のお気に入りキャラの扱いが悪いとすぐにヘイトヘイト騒ぐアホがいるだけだから、
書いている時点では気にしないのが一番だと思うが

シナリオとしての展開の結果扱いが悪くなるキャラが出のはどうしようもなかろう
179名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 17:34:47 ID:M/dj9Kx/
ヘイトってなに?憎いってこと?
180名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 17:35:03 ID:9g3qzgTL
>>167
それってキャラしだいだよな。
FF7のセフィロスにパンツ洗わしたらヘイトだけど
ラブやんのカズフサとかなら大丈夫だろうし。
181名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 17:37:59 ID:OZxkRf1U
・・・無限ループって怖くね?

>>179
>>144-149
182名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 17:39:34 ID:/QWQlZXd
>>167
とはいえそれをやらせて、誰もかれも大人しくしてるのはどうなのかねえ。
このキャラの性格ならルイズ殴ってるだろというやつまで、我慢してるのはルーンの影響なのかね。
183名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 17:40:00 ID:M/dj9Kx/
>>181
ありがとうw
184名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 17:40:27 ID:qZtUJjfe
>>180
セフィロスのテーマをBGMに黙々と手洗いするセフィロスを想像してツボったwww
185名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 17:42:49 ID:AO6ERouo
そろそろルイズのパンツをくんくんしながらしこしこする猛者は現れないものか
186名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 17:45:43 ID:5CPEuAtO
>>185召喚と申したか?w
187名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 17:45:46 ID:uD337VZd
>>184
笑う犬の「東京で一人暮らし」に通ずるものがあるな。
188名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 17:47:23 ID:w5UdOSoI
>>185
被って変身するキャラこと変態仮面の帰還を待ち望んでいるぜ!
189名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 17:49:17 ID:FLWEe7Y1
>>178
>自分のお気に入りキャラの扱いが悪いとすぐにヘイトヘイト騒ぐ
そういえば微熱の使い魔の序盤で、才人がルイズ無視してエリーに好意抱いてたのをヘイトだとか言ってたのもいたな
続きまだかなー
190名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 17:49:46 ID:UzbN/Z4r
>>185
ゼロ魔のかずふさとか
191名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 17:51:48 ID:3s6Btr2l
>>180 >>184
ちょっと見てみたい気がしないでもない。
刀背負ったままシエスタの隣で黙々と洗濯にいそしむのはシュールだ。
192ライドウの中の人:2008/06/28(土) 17:59:08 ID:krXOAQmx
投下します。できたんで
193ゼロの仲魔:2008/06/28(土) 18:02:24 ID:krXOAQmx
「まー、あれじゃ。呼ばれた理由はわかるじゃろ。二人とも」
 そういったのはトリステイン魔法学院の長、オスマンだった。
 ここは学院長室、朝方ルイズとライドウの二人は彼の秘書であるロングビルという女性に授業を休んで、ここへ来るよう命じられたのだ。
 オスマンは膝の上に座るねずみの頭をなでながら話をする。
「そりゃあの、ライドウ君はとばっちりじゃが立て続けの決闘騒ぎに今度は怪我人が五人。教育者としてこんなことを言うのは気が退けるが、彼らの家はミス・ヴァリエールほどではなくともそこそこ身分が高い。
気は進まないんじゃが、なんらかの処罰は下さねばならん」
「重々承知しております」
 ルイズは静かに頭を下げる。ライドウもそれに倣った。
 もちろん違反をしたものすべてが罰を受けなければならない。しかし、今回は貴族と平民との決闘。
 決闘そのものは禁止されているもののあくまで貴族同士のものに限定されている。
 だからギーシュとの際にはなにもなかったのだが、今回は事が大きい。なんらかの罰を与えなければ寄付金やらなんやらで学院側にもルイズたちにとっても問題が発生するかもしれない。
 それを回避するため、彼らだけがここに呼ばれたのだ。
 だが、
「学院長、それだけではないのではありませんか」
 ルイズは頭を上げ、まっすぐとオスマンを見つめた。
「どういうことじゃ?」
 オスマンの問いにルイズははっきりと言った。
「このライドウが召喚したあの幻獣についてのことではないのですか」
「……実のところ、本題はそっちじゃよ。立ったままじゃなんじゃし、二人とも座りなさい」
「失礼します」
 本来は来客用のソファ、そこにルイズとライドウは座った。オスマンも机をはさんだ反対側に腰掛けた。
 ちょうどそのとき、堅い空気を和らげるために秘書のロングビルが紅茶を差し入れた。
「ありがとの。さて、ライドウ君や」
 オスマンがじっとライドウを見据えた。
「率直に聞くが、お主はメイジなのかの」
「いいえ。違います」
 彼はハッキリと否定をした。オスマンは顎鬚をさすり、目を細めてライドウを観る。
 心の奥底、心情、過去まで見通しそうなほど不躾な目線だ。常人ならばいい気分はしないだろうが、ライドウは表情を変えることなく、それを受け入れた。
「――はあ。参ったの、これは」
194名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 18:02:27 ID:GqtfT0zF
とはいえ、世話をしてくれる人か相当なSF世界でも無ければ、
誰しも家事(炊事、洗濯、掃除)は自分でしなけりゃならんので、問題が無いといえば無い気もする。
セフィロスも人目につかないところで自分のコートとか洗ってるだろ。リアル過ぎて、ちょっと引くかもしれんが。
195名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 18:02:56 ID:Ry3V8iNi
超支援
196名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 18:03:13 ID:GqtfT0zF
うわ、割り込んじゃった。
すみません。支援します。
197ゼロの仲魔:2008/06/28(土) 18:06:30 ID:krXOAQmx
 オスマンはやがて根負けしたかのように溜息をついた。
「ライドウ君、君ってもともと、ミス・ヴァリエールの使い魔になる前は一体なにをしていたんじゃ?」
「一応学生であります。勉学に精を出しておりました」
「一応ってところが怪しいの。聞けば、君は召喚されたときに大怪我を負っておったらしいが」
 ライドウは静かにうなずいた。
 ルイズがちらりとライドウの横顔に視線を向ける。彼の顔には、左眉から斜めに切り裂かれた傷跡が痛々しく残っていた。
「ミス・ヴァリエール。そんときの状況、わしは知らんでの。詳しく教えてもらえんか?」
「は、はい。ライドウは召喚したさい、全身に傷を負ってました。一番深かったのは顔に残っている切り傷です。他には特に。コルベール先生の指示で治癒を施し、後に契約をいたしました」
「水の秘薬を使っても傷跡が消えんかったのじゃから、よほど深かったんじゃろ。して、ライドウ君」
「はい」
「君は、なにと戦ってそんな怪我をしてしまったんじゃね?」
 オスマンの再度の問い。ライドウは、質問に答えず、じっと前を向いたまま口をつぐんでいた。
 さすがにその態度は失礼である。
 ルイズはオスマンから見えないようにライドウの太ももを抓ろうとし、ぺちんと払われた。
「……」
 ルイズはムッとした。
 また手を伸ばす。また払われる。
 ぺちん。
 ぺちん。
 ぺちん。
「仲がいいのう。二人とも」
 オスマンが微笑みを浮かべてそういった。ルイズは自分たちがやっていた行為のばかばかしさに気付き顔を真っ赤にした。
「違います! これは、その、ライドウ! あんた黙ってないでちゃんと言いなさいよ! 失礼でしょ!」
「はあ。わかりました。それじゃあ、わかりやすく言います。僕は、僕の国を内側から支配しようとする敵と戦いました」
 そういうライドウの手が震えていることにルイズは気付いた。
「ふむ。では、君は騎士だったのかの」
「……そうですね。大体そんなものです。表に出ないことをのけるとあってます」
「そうか。じゃが、妙じゃな。国を支配するというからには、政治的になんじゃろ? 命を懸けて戦うというより、捜査し、なんらかの企みの証拠を掴み、逮捕するというのが対抗手段じゃと思うんじゃが」
「そこらへんは、事情があるということで」
「そうか。ま、深くは聞かんよ。で、次に、君が使役していたあの幻獣、ありゃどこからでたんじゃ?」
「この管からです」
 ライドウは懐から一本の管を取り出した。
198名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 18:07:27 ID:m08W2R+q
支援
199ゼロの仲魔:2008/06/28(土) 18:07:51 ID:krXOAQmx
「これには、あなたたちメイジが使う魔法のようなもので、この前の幻獣が封じ込められています」
「ほお……そんなものがあるとはの。火、水、風、土、どんな系統にも当て嵌まっておらんの。どうやっとるんじゃ?」
「門外不出の秘術ですので、ご遠慮願います」
「ケチじゃの」
 オスマンはそういいながらもしつこく聞かなかった。
 ルイズは冷や汗が背中に流れていた。なんでそう貴族、それもお偉い相手に向かってそんな口が利けるのか。
「さて、あと聞くものというと、そうじゃ。おぬしはメイジじゃなかったのなら、あの幻獣をどうやって従わせたのじゃ? あれはなかなかの力がある。グリフォンやマンティコアにも並ぶ強さじゃ」
 ライドウはルイズにしたものと同じ説明をした。
 それを聞いたオスマンは声を出さず、目の前の二人を交互に見やった。
 無言でコメカミを押さえて、溜息混じりにぼやく。
「なんというか、かんというか、まあええわい。わしが聞きたかったことはとりあえずここまでじゃ。あとは、忘れるところじゃったが、罰を与えんとな」
「あるんですね。やはり」
「まあの。ミス・ヴァリエールは気の毒じゃが、使い魔の不始末は主の不始末じゃ。おぬしに、一週間の謹慎を命じる」
 ルイズはすっと息を深く吸い込んだ。そうして、心を落ち着かせる。
 謹慎。
 不満はあるが、それぐらいですんだのは行幸だ。
 たとえ悪いのがあの色ボケ男たちであっても、実家に連絡されてしまえば恥になり、姉かもしくは母親が乗り込んでくるかもしれないのだから。
「ま、形だけのものじゃからの。ミス・ヴァリエール、言い換えれば一週間の休暇ってところじゃ。図書館で予習もよいし、町に出かけてもかまわん。ライドウ君を案内させてやるのもよいじゃろ」
「ありがとうございます」
 ルイズは頭を下げ、それにならってライドウも頭を下げた。
「話はこれでしまいじゃ。ごくろうじゃった」
「はい。それでは、失礼いたします」
200名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 18:07:55 ID:Ry3V8iNi
アームターミナルよりはゼロ魔世界に馴染みやすいわな支援
201名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 18:09:11 ID:Ry3V8iNi
グリフォンやマンティコア程度とケルベロスを同列に見てると痛い目に会うと思うが・・・支援
202ゼロの仲魔:2008/06/28(土) 18:09:26 ID:krXOAQmx
 ルイズとライドウが退室してからオスマンは一人、パイプをふかした。
 彼は、ただ身体に広がっていく煙の味を確かめる。たいしてうまいものではなかった。それでも、ゆっくりと鈍っていた頭が冴えてくる。
 火を消して、煙を吐き出すと自分の椅子に座り、影に向かって声をかけた。
「参ったのう。コルベロス君や」
「コルベールです」
 彼の視線の先から中年の頭が禿げ上がった男性が顔を出した。
 召喚の儀式を担当し、ライドウの怪我を治癒することを命じたものだ。彼はオスマンに命じられてこの部屋に隠れてライドウを観察していた。
「のう、君から見て、彼はなにもんじゃった? 直感でかまわんぞい」
「わかりません。戦うものとは思いますが。印象を一言で言えば山でしょうか」
「山、か。なるほどのう。確かに、そんな感じはした。どっしりとしていた。どんな甘言にも乗らぬ、そんな強い意志が見えたわい」
「ええ。ミス・ヴァリエールは本当に自身の鏡となる使い魔を召喚したものです。あの意志の強さはある意味彼女にそっくりですよ。
言ってはなんですが、心配していました。彼女は実にいい貴族なのに、魔法が使えないことで鬱屈がたまってましたから」
「そうじゃな。世の中は不平等じゃが、救いの手は与えられる。そう思わなければやってられん。願わくば、彼がミス・ヴァリエールのよき友にならんことを」
「ならんことを」
 コルベールもオスマンと同じように願った。
203ゼロの仲魔:2008/06/28(土) 18:10:56 ID:krXOAQmx
 翌日、謹慎一日目。
 ルイズとライドウは一頭の馬に乗って学院を出発していた。
 草原を走り、風を切り、マントとコートをたなびかせている。
 馬は学院で暴れ馬と知られていたものでルイズは別のものを選ぶ予定だったが、ライドウが彼にしようといったのだ。
 ルイズは落とされるかもしれないと言ったが、その馬はライドウに静かに頭をたれて忠誠を誓う騎士のような態度をとった。
 ルイズがなんでよと尋ねるも、ライドウは右手を見てからさあと首を振るだけだった。結局、二人はその馬に乗るのだが、暴れ馬といわれるだけあった。
 脚力は類を見ないほど強く、走りにも安定感がある。
 そのおかげで通常よりもはるかに時間を短縮して王都であるトリスタニアにたどり着いた。
 王都なだけあり、城下町には活気がみなぎっていた。人ごみにのまれてはぐれないように注意しながら二人は歩いていく。
「そういえば、ねえ」
 ルイズがライドウに尋ねた。
「今思ったんだけど、あんたの仲魔の、あのでかい白犬でくればよかったんじゃないの?」
「それは駄目です。僕の仲魔は基本、大喰らいですから走っていたら肉をよこせとわめきます。そのぶん、馬だったら文句も少ないのでこっちのほうがいいんですよ」
「なるほどね。確かに、あんな犬だと食費がかさみそうだわ」
 昨日の決闘に呼び出された犬、ライドウ曰くケルベロスを脳裏に思い描く。
 あまりにこき使ってたらそのうちオレサマ、オマエ、マルカジリ、とか言われそうだ。
「で、どこへ連れて行ってくれるんですか?」
「特に考えてないわ。とりあえず、観光案内っていうか、街がどういうものかを教えようとしただけだもの。希望があれば、そこに連れて行ってやれるけど」
「なら武器屋をお願いします」
「武器屋?」
 ルイズはライドウの懐に目を移す。そこには魔法をもかき消す、常識からは考えられない刀が差されている。
「必要ないじゃない」
「いや、とりあえず覗いてみたいんです。どういうものがあるか、気になりますから」
「まあ、かまわないけど。あなたのものよりすごいものなんかそうないわよ」
 そういってルイズはあまり頼りにならない記憶を駆使し、迷いながらも町に一つだけある武器屋にたどり着いた。
 看板があり、わかりやすく盾と剣が掘り込まれている。
204ゼロの仲魔:2008/06/28(土) 18:12:28 ID:krXOAQmx
 二人は中に入る。内装は薄暗い明かりに照らされて、ありとあらゆる武器が壁にかけられていた。槍、斧、剣。装飾も様々であったが、実用的かといえば疑問があった。
 主人はカウンターの前におり、ルイズたちを認めるといかにも慌てているという様子で頭を下げた。
「これはこれは貴族のご婦人様。ようこそいらっしゃいました。ご用件は何でございましょうか。やはり、そちらの従者の方に剣か槍でも買い与えるのでございましょうか」
「あら、よくわかったわね」
「いえいえ。先日も同じように、ご婦人と従者のお二人でいらっしゃいまして、とある長剣を購入なさったのでございます」
「へえ。多いのかしら」
「ええ。最近は貴族様方を狙った盗賊なんかもいまして、流行になっておるんです。それで、どのようなものをご所望なんでありましょうか」
 主人の問いに、ルイズはライドウに振り向いた。
 彼が使うのだから、彼の意見が必要なのだ。しかし、当人は店内を物色して、一束いくらのナイフを手に取った。
「これでかまいません」
「……へえ? そいつで、いいんですか?」
 主人は戸惑いの声を出した。
「あの、剣も槍もあるのですが……」
「これでいいです」
「えと、しかし、そいつだけじゃあ心もとないかと。ここはなにか、別の手持ちの武器でもご購入しておくべきかと、そうではありませんかご婦人様」
「いらないわ。値段を言って」
 助けを求めるように主人はルイズを見るが、そげなく言われて愕然とした。
 しかし、それでもなお食い下がる。
「いやいやいや、戦いを舐めてはいけませんよ。そんな投げナイフぐらいじゃあとてもとても。ここはですね、この、」
 よっこらしょと主人はカウンターの中にあった大剣を持ち出してきた。
「こちらは、ゲルマニアの高名な錬金の大家、シュペー卿の作でしてね。鉄でもなんでもずんばらりといく切れ味ですが、それもさることながら見てくださいこの豪奢な細工。美しいではありませんか。
こいつを一目見てしまえばもう盗賊だろうがなんだろうが只者じゃないと驚き逃げて……」
「いいわよ。こいつ持ってるから」
「へえ、どこに?」
 主人の言葉に、ルイズがライドウに促す。彼は白木の鞘に収まったままの刀を出した。主人はそれを見て鼻で笑った。
「お客様、そんなものじゃあ駄目ですぜ。木刀じゃありませんか」
「違います」
 ライドウが主人の言葉を遮って刀を抜いた。鍛え上げられた鉄の切っ先が突きつけられる。
205ゼロの仲魔:2008/06/28(土) 18:14:56 ID:krXOAQmx
 主人は汗だくになり、言葉を詰まらせていた。
 ルイズは売り込もうとしていた大剣とライドウのものとを見比べる。
 シュペー卿とやらのものは型どおりに作ったものである。
 それが悪いとはいえない。決して鈍らではなく、美しさもある。なかなかのもの、名剣の部類に入るだろう。
 それでも、ライドウの持つものとは、次元が違う。
 刀身の密度が、素人目で見ても区別できるのだ。
 夜のように吸い込まれそうな峰と太陽のように光り輝く刃。
 波打つ紋様。細身でありながらも凝縮された力強さがある。
 過剰な装飾もなく、シンプルな美しさ。機能美。
 見栄えなど余計なものを排除し、斬ることだけを目的として作られた。さらに、店の主人は知らぬことだが過去に魔法を打ち消すことを実証している。
 これに勝てるわけがない。
 主人はごくりと唾を飲み、手を上げた。
「……言いたいことはわかりやした。うちにはそちらのもの以上のものは置いてありません」
「そう、ならお代を」
「いや結構であります」
 ルイズは目をぱちくりした。
「そちらのナイフ、ただでかまいません。その剣の拝観料として安いぐらいです」
「……なんか悪いわね」
「いえ、うちも武器屋です。そんな一生に一度あいま見えるかどうかのものを拝観させていただいたのです。満足でありますよ」
「じゃ、ありがたくもらっておきましょう」
「はい。それでは、ありがとうございました」
 二人は礼を言ってから店を出た。主人は手をふるだけであった。
206名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 18:15:04 ID:Ry3V8iNi
支援
207ゼロの仲魔:2008/06/28(土) 18:17:14 ID:krXOAQmx
 武器屋から出ると、二人は喫茶のオープンテラスで早めの昼食をとった。
 小麦を粉に轢いたものを水で練り、棒状にして肉や野菜、ソースを絡めたもの。要はパスタを食べていた。
 ルイズは先にデザートのパイを食べながら、質問をした。
「ねえ、ライドウ、本当の目的は一体なんだったの?」
「これですが」
 ライドウは椅子を後ろに引き、太もものホルダーにあるナイフを指した。
「そうなの? なんか、溜息ついてたように見えたんだけど。目当てのものじゃなかったんじゃない?」
「そうですね。欲を言えば銃弾がほしかったところです」
「銃? ああ、そういえばあなた持ってたわね。でも、あれってすっごく近くじゃないと当たらないとかいう代物じゃないの?」
「それはここの銃です。僕のものはもっと遠距離でも問題ありません。それで、淡い希望を持っていたんですが……」
「なかったのね。弾が」
「ええ」
 弾がない銃などアップルがないアップルパイ。だからその代わりにナイフを買ったのだ。
「でもそんなのいらないじゃない。銃があっても、使う機会なんかそうはないわよ」
「だといいんですけどね……」
 ライドウがそういって天を仰いだときだった。太陽の光を一羽の鳥が遮っていた。
 それはゆっくりと高度を下げていき、やがてライドウの肩に着陸した。
 それはカラス。ゴウトである。
「二日ぶりだな。二人とも。時間はあるか?」
「見ての通り暇してるわよ。けど、あとにしなさい」
「ん? なぜだ?」
「衛生面で問題があるわ」
「……なるほど。こいつはすまなかった」
 文句も言わず、ゴウトはライドウの肩から空へと飛び立っていた。そのときの羽ばたきで羽を落としていったので周囲の客からの視線が痛かった。
 ルイズとライドウは若干急いで食事を進めて会計を済ませた。
 二人は人気のない裏通りに入ってゴウトを呼んだ。
「それで、なんなのよ。ゴウト」
「いやな、ルイズではなくライドウに関係することかも知れんので小耳に入れておきたかったのだ」
 ゴウトはもったいぶらずに言った。
「私が情報収集のためあちこち飛び回っていることは知っているだろ。そこでな、ある国でルイズと同様に使い魔に人間を呼んだものがいるという話を聞いたのだ」
「それは……なかなか興味深いわね」
 ルイズは召喚当日のあの周囲の目を思い出した。
 いまでも、ライドウにとりたてての不満はなくなったけれども、身震いが起こってしまう。
 普通から外れているという疎外感。 
208名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 18:17:16 ID:Ry3V8iNi
・・・あれ?デルフ・・・
209名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 18:19:05 ID:Ry3V8iNi
うわさ話はメガテンの基本
210名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 18:19:38 ID:kkd0KInF
まあゴウトも仲魔もいるのにデルフがいても…という感はある。
ヒノカグツチクラスの名剣でもないと新たな武器は必要そうにないな
支援
211ゼロの仲魔:2008/06/28(土) 18:19:54 ID:krXOAQmx
 ゴウトは続ける。
「残念だが名前やら詳しいことはわからなかった。しかし、なかなか高貴なやつらしい。場所が王宮で、話をしていたやつらが口をつぐんでいたからな。ま、陰口を叩いていたのだ」
「大変ねその人も。私みたいな学生じゃないでしょうに。で、その国ってのは、どこなの?」
「ガリアというところだ」
「またおおきなところじゃないの。機会があれば顔を会わして見たかったのだけれども。もしかしたらその人も魔法使えない、ゼロなんて肩書きかもしれないわね」
「うむ。それではな、これからも俺は情報を探ってみる。さらばだ」
 ゴウトは羽ばたき、空へと戻っていった。カラスらしくカァカァと鳴いていた。
212名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 18:20:50 ID:t0yQaEaN
デルフはジョゼフか教皇のところか。支援。
213ゼロの仲魔番外―レッツフィッシング:2008/06/28(土) 18:22:33 ID:krXOAQmx
 これは話の本筋に絡まないある日の出来事です。


 ルイズはそりゃあもう怒り狂っていた。
 久しぶりに学院へと帰ってきたゴウトが狩りをしていたのだ。その相手がただの虫とかだったらどうってことはないのだが、なんということか、学院長の使い魔であるモートソグニールという鼠だったのだ。
 ゴウトが自慢の爪と嘴で学院長の使い魔を攻め立てている光景を見たときのルイズの焦りは人生においてワースト5に入った。
 急ぎ救助をし、汗だくで学院長のもとへ送った。もちろん、彼女が説教されることはなかった。ただの鳥だと思われているからだ。
 それでも、いつルイズと既知の存在であると知られるかわからない。なのでいまのうちに反省させておかなければいけなかった。
 しかし、どうすればいいのか。ゴウトの居所は知れない。わかっても空を飛んでいるので捕まえることができない。
「そういうわけで、どうすればいいの?」
 ルイズは広場で休んでいるライドウに案がないか尋ねた。
 彼はすっと懐から石を取り出した。
「これを使ってください」
「綺麗な石、ね」
 太陽の光をきらきらと反射している。しかし、それだけ。貴重な宝石でもなんでもない。そこらに落ちているものを磨いただけだ。
「これに糸を括りつけて、隠れていてください」
「そんなんでくるの?」
「きます。あと、」
 今度は懐から風船を取り出した。ライドウはそれを膨らませた。そんなもの常備してるのかとかツッコンではいけない。
 空気が詰まったそれには黒い円が三重に描かれている。
「捕まえたらこいつを近づけてやってください。一番効果的です」
「ま、言われたとおりにやってみるけど」
214名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 18:24:17 ID:gnictUdl
あれ、デルフ?
支援。
215名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 18:24:34 ID:kkd0KInF
ライドウの性格はジョジョで例えるとジョルノに近いのだろうか。
支援
216名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 18:25:03 ID:iQX+/1UZ
魔法が効かない剣と魔法を斬る剣対決ですね、わかります支援
217ゼロの仲魔番外―レッツフィッシング:2008/06/28(土) 18:25:16 ID:krXOAQmx
 ヴェストリの広場にてルイズは待っていた。ライドウに言われたとおりに光る石を餌にして己は身を潜める。
 こんなもので引っかかるのかと疑問に思うが、彼女にできることはこれ一つしかないのだ。仲魔の言葉を信じ、ただ待つ。
 数分、数十分が経過すると、羽音が聞こえてきた。地面に影が落ち、ゆっくりと大きくなっていく。
 大きく、大きく、大きく……大きすぎた。
 石の上に降りてきたのはカラスとは比べるまでもない巨体を誇る、竜だった。
「きゅいきゅい」
「チェンジ!」
 ルイズが叫ぶと青髪の少女が走ってきてその竜とともに飛び去ってしまった。

 仕切りなおし。
 竜が消えてからさらに数十分が経過した。
 再びルイズの耳に羽音が聞こえてきた。今度は大きすぎない。しかもカァカァという鳴き声が聞こえている。
 今度こそ当たりだった。
 ルイズの予感どおり、ゴウトが石ころのそばに降り立った。きょろきょろと首を左右に振り、辺りを警戒している。
 ルイズがいるのはその真後ろであるため、ばれてはいない。
 焦らず、心を落ち着かせる。糸を握り締め、機会を待つのだ。
 カラスは光物が大好きだという習性を利用するのだ。
 確かめるようにゴウトは爪でころころ転がす。ライドウが何度もやったのか、怪しんでいるようだ。
 それでも我慢ができないのか、ゆるゆると嘴を近づけ、ばくりと飲み込んだ。
 だが、まだだ。いまやれば石を吐き出して終わりだ、
 口から喉へ、いったところで、
「どっせええええええい!」
 ――釣りあげる!
 ゴウトは目をひん剥きながらルイズに引っ張られてしまった。すぐさま石を吐き出すのだがルイズのほうが速い。即座に飛びつき、糸で縛り上げる。
「く、放せ! 放さんか小娘!」
「誰が小娘よ! いいこと、今日はあんたにお仕置きをするの」
「なにを馬鹿な。この俺に仕置きだと? なにをしようと堪えん。これでも貴様より長い時間、生を体験しているのだ」
「それは、これを見てもいえるのかしら」
 ルイズは背中からライドウに渡された風船を出した。
「ば、馬鹿な! どうしてそれを持っている!」
「ライドウに渡されたのよ! ほれ、どうだー!」
「よ、よせ! 近づけるなー!」
 ゴウトの悲鳴が響き渡る。効果はばつぐんだ!
 ルイズは悪魔のように笑っている。
「ひ、ひい! 悪かった! 俺が悪かった! なにが悪かったのか知らんが俺が悪かった!」
「そうよ! あんたが悪いのよ!」
「わかった! わかったから!」
「これから他人の使い魔を狩ったりしないって約束できる?」
「する! 使い魔を狩らない! もう、もうやめてくれえええええ!」
 ルイズは笑いが止まらなかった。甲高く、女王のように甲高く笑った。

 ゴウト、カラスの習性をなんとかすべく思案するが、どうにもならない。
 ルイズ、結果に大満足だったが一部始終を見ていたコルベールにお説教と反省文を書かされる。他人の使い魔を虐めていたと勘違いされたらしい。
 ライドウ、大学芋を食べた。
218ゼロの仲魔:2008/06/28(土) 18:27:07 ID:krXOAQmx
番外はこういうこともあるだろうなというので書いただけです。あんまおもしろくなかったらごめんなさい。
投下はこれで終わりです。支援アリガトウございました。
219名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 18:29:05 ID:Ry3V8iNi
この飄々とした風景・・・なんかいいなぁ
220水の使い魔Splash☆Star :2008/06/28(土) 18:29:29 ID:m08W2R+q
ライドウのかた、投下乙でした。

それでは、感想タイムをはさんで45分からこちらも投下します。
…てか、なんでわたしが投下しようとスレを開くといつも他の人が投下してるの…。
221名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 18:33:36 ID:eULC09iq
<<毎日新聞、海外向け自社サイトにて1999年から2008年に渡りヘンタイ記事をサイトに掲載>>
<<謝罪後ヘンタイ記事を再び掲載、2chに指摘され光の速さで記事を消す>>

<<一日20万アクセスを誇るサイト(毎日談)、映画バベルの女子高生のモデルもこの記事からか?>>
<<現在もヘンタイ記事の悪を認めず(英語ではそういうニュアンスのことを主張)>>

<<記者はダッチワイフを抱え笑顔で外国人記者クラブでアニマル浜口ばりに激しく講演>>

http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1214638948/
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1214630364/
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1214630364/
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1214528483/l100
http://pc11.2ch.net/test/read.cgi/streaming/1214375128/l100
222水の使い魔Splash☆Star 第18話(1/4):2008/06/28(土) 18:45:20 ID:m08W2R+q
ルイズたちがトリスタニアから学院に帰った次の日…

ルイズは、寮の自分の部屋で目を覚ました。
昨日は結局1日何も言えなかった。
夜も、『どうしよう』と一人で考えているうちに眠ってしまったらしい。
もう陽はとっくに高くなっている。
とにかく…話をしなくちゃと、ミズ・シタターレの小屋まで行く。
ルイズは、扉を叩こうとして中から声が聞こえることに気づき、耳を澄ます。

「やけに早いわね…。満と薫はどうしたの?」
「満殿と薫殿は、ダークフォールを裏切りました。
 あのふたりはプリキュアと『お友達』になってしまいました。『お友達』とは戦えないそうです。
 そして、偉大なるアクダイカーン様が直々に制裁をお加えになりました。
 あのふたりは、ダークフォールの暗い水の底…。2度と目を覚ますことはないでしょうね。」
「ふーん、そうなの。」
「はい、次はあなたの番です。ミズ・シタターレ殿…。
 あなた様も、こちらの世界で随分と楽しんでいた様子。
 あのふたりの二の舞を踏むことだけは、なさらないように。」
「馬鹿言ってんじゃないわよ、わたくしを、あんな奴らと一緒にしないで!!」
「『プリキュア』は強敵です。すでに5人の戦士が倒されました…。くれぐれも、油断なさらぬように。」
「だから、わたくしを今までの奴らと一緒にしないでくれる?わたくしは、ダークフォール最強の戦士よ!!」
「存じております。あなた様はアクダイカーン様からの信も厚い。ゆめゆめ、そのご期待に背かぬように…。」
「わかってるわ。準備ができたらすぐに戻るわよ。」
「それでは、お待ちしております…。あまり、アクダイカーン様をお待たせせぬよう…。」

223水の使い魔Splash☆Star 第18話(2/4):2008/06/28(土) 18:46:10 ID:m08W2R+q
ゴーヤーンの姿が消えた後、ミズ・シタターレは扉の方を向き、口を開いた。
「おチビちゃん、聞いてたわね。入ってらっしゃい。」
ルイズがうつむいたまま扉を開けて入ってくる。
「本当に…帰っちゃうの?」
「説明の手間が省けたわ…。そういうことよ。」
「『プリキュア』ってやつと、戦うために?」
「そうよ。」
「『プリキュア』って、あんたの仲間を何人も倒してるんでしょ!?」
「あんな奴らと一緒にしないで、わたくしはダークフォールでも最強の戦士よ。」

まったく表情を変えずに話すシタターレの顔を見ていられなくて、ルイズはうつむいて、小さな声で聞いた。
「わたしが『行かないで』って命令しても…帰っちゃうの…?」
「わたくしは偉大なるアクダイカーン様の忠実な下僕よ。おチビちゃんの下僕じゃないわ。」
…その答えが返ってくるのはわかっていた…。
奥歯をかみ締めながら顔を上げたルイズを見ながら、シタターレは言葉を続けた。
「最初に言ったでしょ、ここにいるのはアクダイカーン様からお呼びがかかるまでの暇つぶしだって…。
 全ての世界を滅ぼし、全ての生命を滅ぼし、永遠の静寂をもたらす…。
 それが、わたくしのダークフォールの戦士としての役目よ。」
「『全ての世界』って、『全ての生命』って…人も、虫も、草も木も?それを全部殺して回るの!?
 …そんなこと、できるわけないじゃない…。あんたがどれだけ強くたって、そんなことできっこない。」
「できるのよ…。わたくしはそのために生み出されたのだから。」
ルイズには、シタターレの言葉は全く現実感がない。
このトリステインだけでも多くの人が住んでいる。人だけじゃない、様々な生き物が住んでいる。
それを全て滅ぼすなんて、ずっと殺して回っても、それこそ永遠ともいえる時間がかかるだろう…。
ルイズにとっては目の前の彼女がいなくなることの方がずっと大問題だった。
そんな、わけのわからない事のために、二度と会えなくなる…。
ルイズは震えながら、シタターレの顔をじっと見つめた。


「遊びはおわりよ。わたくしの本来の役目に戻るだけ。」
「じゃあ!!」
(なんで、そんなに…辛そうな顔してるのよ!)
ルイズは喉まで出かかった言葉を飲み込んでうつむいた。
ミズ・シタターレの手に視線がかかる。
…その手は、ぎゅっとかたく握りしめられ、小さく震えている…。

それを見たルイズはハッと気がついた!
ワルドが死んだ日、おそらく、自分はこんな顔をしていたのだろう。
あのとき、ルイズは嘘をついた。
…大切な『何か』を守るために、嘘を突き通すことにした…。
…とても、本当に大切な、『何か』を守るために…。

目の前にいる使い魔も一緒だ。
ルイズにはわからないけど、彼女の大切な『何か』を守ろうとしている。
…言えない…
…止められない…
…止められるはずない…


「ひとつだけ…約束して…。」
ルイズはうつむいたまま、口を開いた。
「あなたが役目を果たしたら、必ず帰ってきて…。わたし、ずっと待ってるから…。」


長い沈黙の後…、ミズ・シタターレは微笑んで話しかけた。
「ルイズ、ちょっと、つきあってくんない…。」

224水の使い魔Splash☆Star 第18話(3/4):2008/06/28(土) 18:46:59 ID:m08W2R+q
ミズ・シタターレがルイズを連れてきたのは、学院にある5つの塔のひとつ『火の塔』だった。
教職用の研究室のある一角で、やたらと薬品臭い部屋の扉を叩いた。
「やっほー。いる?」
「やあ、ルイズの実家に帰省すると聞いていたが、帰ってたのか?」
刺すような臭いの研究室の中から、コルベールが出てきた。
「あの油、そろそろできた?」
「やっと樽に3つ分といったところだ。なかなかに『錬金』の調整が難しくてね。
 わたしの見立てでは、まだ半分といったところかな。」
「それだけあれば充分よ。すぐに飛びたいの、いける?」
「今すぐかい?それは随分と急な話だな。」
「野暮用ができてね。しばらくここを離れるから、その前にね…。」
「そうか、そういうことなら仕方あるまい。なんとか準備しよう。」
「『竜の羽衣』のほうは、わたしが外の丘に運んでおくわ。あそこなら広いしね。」

ミズ・シタターレは、ルイズを連れて『火の塔』の隣にある天幕の中に入った。
そこには、タルブの村にあった『竜の羽衣』…緑色の飛行機がある。
彼女は、ルイズの手を握ると、『竜の羽衣』に手を当てた。
次の瞬間には、彼女達は魔法学院から少し離れた丘の上にいた。
『召喚の儀』で、ルイズとシタターレが始めて出会った場所である。
ルイズが学院のほうに目をやると、コルベールが樽と一緒に『フライ』で飛んでくる姿が見えた。

コルベールが燃料タンクに、樽の中身(ガソリン)を注入すると、ミズ・シタターレは風防をあけて操縦席に登るはしごに足をかけた。いつのまにか、パイロット用の飛行服に着替えている。
上まで登ったところで、ルイズに手を伸ばす。ルイズが登ると、操縦席の後ろに水でできたシートがある。
「とりあえず、作ってみたわ。狭いけど我慢してね、ルイズ。」
ルイズは奥のシートにちょこんと座った。大柄なシタターレが乗り込むと、コクピットは一杯だ。
「さて、はじめましょうかね。」

225水の使い魔Splash☆Star 第18話(4/4):2008/06/28(土) 18:47:31 ID:m08W2R+q
『竜の羽衣』の緑色の機体は、トリステイン魔法学院の周りを飛行機雲をたなびかせながら旋回する。
「すごい、飛んでる!本当に飛んでる!!」
「そりゃ、飛ぶわよ…。そのために作られたんですもの。」
ルイズが風防から顔を覗かせると、下に小さく『召喚の儀』の丘が見える。

…あれから色々なことがあった…
…教室で変な格好に着替えさせられたり…
…『土くれのフーケ』を捕まえたり…
…シタターレにドレスを着せてみたり…
ルイズは、あの丘で最初に出会ったときに、変な水の固まりに弾き飛ばされたことを思い出した。
そういえば、あのときも空を飛んだんだっけ…、あんなの2度とごめんだけど…。

ルイズが思い出にふけっていると、学院の庭から、青い風竜が飛び立ってこちらの方に来るのが見えた。
背中に乗っているのは、キュルケとタバサだ。
シルフィードは、『竜の羽衣』と並んで飛んでいる。背中では、キュルケがこちらに向かって何か喚いている。
その声は、エンジンの音と風防でさえぎられてまったく聞こえないが、おそらく、自分に無断で『竜の羽衣』を飛ばしたのを非難しているのだろう。
ミズ・シタターレが操縦桿を引くと、『竜の羽衣』はさらに加速した。
幼いとはいえ、風竜であるシルフィードを引き離して、『竜の羽衣』はさらに速度を上げる。
後ろで呆気にとられているキュルケとタバサをおいて、『竜の羽衣』は上昇し、雲を突き抜けた。
二人の前には、からっと晴れた空だけが広がっている。


「ルイズ、約束する。帰ってくるわ…、なにがあっても…。」
青い空に目を奪われているルイズに、シタターレが話しかける。

ルイズはうんと首を振って、気がついた。
いつのまにか、彼女が自分の事を『ルイズ』と呼んでいることに…。
「さぁ、そろそろ降りましょう。あんまりアクダイカーン様をお待たせするわけにはいかないわ。」
『竜の羽衣』は、『召喚の儀』の丘に向かってゆっくりと降下した。

226水の使い魔Splash☆Star:2008/06/28(土) 18:48:22 ID:m08W2R+q
回はここまでです。

ちなみに「じゃあ、なんで、そんなつらそうな顔してるの?」は、Splash☆Star本編で舞が薫に放った言葉です。
本編とは状況も全然違うし、舞とルイズの性格もかなり違うのでこうなりました。

次は明日のYes!プリキュア5GoGo!放映後(AM9:00)に投下する予定です。

227名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 18:58:35 ID:krXOAQmx
プリキュアが映らない地方から乙
ルイズかわいいなあー
228名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 19:02:11 ID:kkd0KInF
二人とも乙!
ライドウの方はクーフーリンやシヴァといった仲魔以外の悪魔は出ないのか気になる
229名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 19:18:37 ID:fBaaJ66o
乙。まぁデルフ出さないのは正解だろうな。特に専用武器持ってる場合はさ。単なる魔法盾と漫談の相手にしか、キャラのスペックによってはそれすらならない。
無理に出した挙げ句、話のテンポが悪くなりつまらなくなったSSがどんだけあるか・・・
230名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 19:44:00 ID:Nd20HeDE
思いもよらない方法でデルフを使っている作品もなかにはあるけどね。
何はともあれ水の使い魔の人 GJ!
死なすのが惜しい悪人ってのはこういうときつらいですね。

さて、思いつきなんですが。

各人がメフィラス星人を召喚

「君を魔法を使えるようにしてあげよう」
「お母さんの病気を治してあげよう」
「死んだ母親を生き返らせてあげようじゃないか」
「ウェールズともう一度会いたくないかね?」
「この国の女性すべてが君のものになるようにしてあげようではないか」
「レコン・キスタに勝ちたくないかね?」
「聖地をエルフどもから取り戻そうではないか」
「シャルロットとやらをよりすごい力がほしくないか?」

 そして
「だから私に、「ハルケギニアをあげます」と、一言言ってくれないかな?」

 さて、フジ隊員の弟(小学生)程度の意思の強さがあるのがどれくらいいるかな?
231名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 19:53:52 ID:d14N1kQN
>>230
いや、それ意志の強さとか関係ないから。
女性すべて以外、クリティカルすぎるわ。
あと、中世〜近代の人間の世界観(文字通り)的に世界=自分の住んでいる地域、あと隣の地域
ぐらいだからハルケギニアをあげます、だと下手すると通じないんじゃね?
232名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 19:53:53 ID:xGZ5aGJA
ハルケギニアオワタ\(^o^)/
233名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 20:12:01 ID:d1ghOcxm
地球を侵略しようとする宇宙人がいるってことを認識できてないと普通にやるって言うだろうな。
234名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 20:12:40 ID:Nd20HeDE
初代メフィラスはまさに「悪魔のささやき」だからね。
自分のたったひとつの願いと世界をてんびんにかけて、それぞれが出す答えは?

多少キレやすい面もあるが、「あげます」と言わなければあきらめてくれるだけ救いがある。
あくまで"言わなければ"だが。
235名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 20:15:16 ID:rRW/pZD/
毎○新○からwaiwaiが召還されたら

「24時間オルガズムが止まらない病気で苦しむゲルマニア女性の数が増えている」
「トリステインのあるレストランでは、トリステイン人は食事の前にその材料となる動物と獣姦する」
「ワルドの母親は、息子が試験に合格するためにはどんなことでもする。『お母さん』、
息子のワルドは内気に、しかし、しっかりとした声で言った。
『お母さんとやりたい』。そして、毎晩、ワルドの勉強は、15分間の母親によるフェラチオから始められた。彼の集中力は向上した。そして彼の成績は急上昇した。」


「・・・」
「殺して新しい使い魔を呼ぶしかないわね」
「そんな!これはマスコミ弾圧だ!」
「うるさいわね」
「謝罪と賠償しる!!!!!!!!!!!」
「ふふふ使い魔くん、さすがにここまで侮辱されたのは初めてだよっ!!!!風の偏在!」

たこ殴りになり報道に殉じた記者はヴェルダンデが掘った穴に葬られた

その後新しい使い魔 平賀サイトが召還されたが原作より待遇が改善されたのだった これが役に立った一点であろう

おわり
236名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 20:16:43 ID:/QWQlZXd
メフィラスは悪魔メフィストからネーミングされてるから、まさに悪魔の囁きだよな。
237名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 20:39:49 ID:2+mRKv7u
喪黒福三もメフィストをイメージして作られたらしい
238名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 20:45:34 ID:kkd0KInF
菊池作品から誰かを召喚
239名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 20:46:03 ID:FLWEe7Y1
>>234
ジョゼフなんかは分かってて「あげます」と言いそうだな
んでその後メフィラスによって統治されるハルケギニアを宇宙から鑑賞して楽しんでると
つーかメフィラスって地球を手に入れたらどうするつもりだったんだろ?
240名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 20:52:42 ID:oe0JAZsj
文字道理に綺麗にするんじゃないのか?
ウルトラ世界の異星人達は地球の美しさに惹かれて侵略してるらしいからほら。
241名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 21:01:52 ID:+w3HnPyY
>>230
多分ほとんどが実際にメフィラスなら可能なのがすごい
242名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 21:09:54 ID:vKpjnF//
初期のウルトラ世界の宇宙人は、地球人類と文化が違いすぎて完全な理解が不可能な存在だからな
243名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 21:13:40 ID:GnvgkjcA
>>230
それをそれぞれの言葉で断固No!と言い返す展開だったら読んでみたいな。
誇り、意地、尊厳……何でもいい。
244名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 21:20:33 ID:nGq/3Nh2
>>230
言質をとったはいいけど、他のメフィラス星人とバトルったりして。
245名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 21:24:38 ID:VRvTKO2x
>>244
よし、ここは穏便に巨大化でいこう
246名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 21:26:47 ID:GnvgkjcA
>>244
ウルトラファイト番外編、メフィラスファイト勃発!

>>245
何処が穏便なんですか(w
247名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 21:28:04 ID:RXPiXwrF
>>230
どこぞのニャルさんとかもやりそうだなそれ
248名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 21:29:40 ID:zC2qtiVO
言質をとったはいいが、それを叶えるために、他の悪魔と戦わねばならなくなる……。面白い話が出来そうだな。
ただしシリアスで書こうとしても、一歩間違えるとギャグになってしまうだろうが。
249名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 21:30:52 ID:2+mRKv7u
宇宙人というか外なる神々だな
250名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 21:31:49 ID:/QWQlZXd
旧神はウルトラマンだな。
251名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 21:36:14 ID:PTg7bNIh
>>250
聖地には巨人の石像がゴロゴロしてたり宝物庫には闇のスパークレンスがあったりジョゼフの下にはカミーラがいたりするのだろうか
252名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 21:37:50 ID:eKNq3X61
世紀末リーダー伝のたけしを召喚とか考えたけど
たけしは人間的に立派過ぎて逆に面白みが無さそうだ
253名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 21:42:31 ID:M2tJ2jrF
ライドウの人Gj!今後の展開楽しみにしてます。
メガテン物は秀作が多いからメガテン好きにはたまりません。
ただ、短命なのが殆んどでそこが悲しい・・・。
アクマがこんにちはの人、もうチョイで二桁です。首を長くしてお待ちしております
254名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 21:44:59 ID:VRvTKO2x
>>250
一瞬レイディアントシルバーガンが出てきた
そうか聖地の下には向こうの世界のループから追いだされた石のような物体が…
255名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 21:45:31 ID:UzbN/Z4r
ヘルトラマン喚ぼうぜ
もしくは時雨キョウゴ
カードはデッキを持っていてもバイク型竜のテスティナルしか使わないし基本ポン刀のみだからデルフとも相性は良いはず
256名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 21:52:55 ID:+DBYfCv6
ライドウの人乙です。
ところでゼロの仲魔をwikiに追加したのってライドウの人本人かな?
ちょと聞きたいのだけど、ゼロの仲魔の一覧ページの名前が「ゼロの仲魔 - 01」になってるのはなにか意味がある?
ゼロの仲魔 - 01 の中にゼロの仲魔-01、ゼロの仲魔-02と続いていって、ゼロの仲魔 - 02というのを別シリーズみたいな形で書くとか。
基本的に同シリーズなら「ゼロの仲魔」というページ内で分けた方がいいと思うのだけど…
更新しようと思ったけど気になったので聞いてみる。

wiki更新報告スレで聞くべきなのかもしれんがあっちを見てないと困るのでこっちで失礼。
257名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 21:55:57 ID:3GRIYi6y
むむむ
258名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:00:26 ID:rRW/pZD/
コモンマジックのフライとかレビテーションは重力操作している節があるから
応用してブラックホールを作ってですね
259名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:01:39 ID:SYlDpO0c
タバサがペギラを召喚したら
通り名が『雪風』から『吹雪』になりそうですね・・・
260名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:02:25 ID:1FYORbbf
サハラのとある村にノアの神の像が…
261名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:03:50 ID:Zo9NG1j5
まさに白い悪魔か(道警的な意味で)
262名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:05:03 ID:FffTNze+
>>230

メフィラスはメフィラスでも、昔あった「超闘士激伝」のメフィラス召喚では?
263名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:11:15 ID:lKhcsZHt
>261
ほくとくんですねわかります
264ライドウの人:2008/06/28(土) 22:14:19 ID:krXOAQmx
>>256さん、白状します。ついまとめに入れたくて自分でやって失敗しました。ごめんなさい。
まったくその通りにやろうと思ったんですけど、間違って【‐】と【-】の二つを使って一話を二個作ってしまったんです。
それで片方をゼロの仲魔にしたらいいかと思ったんですけど、ページ名の編集ができなかったので、更新報告スレで、
半角じゃないほうを「ゼロの仲魔」にしてくださいと管理人さんにお願いしました。

なんかすごく恥ずかしいです。
265名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:14:30 ID:/QWQlZXd
>>262
ピッコロさん+ベジータなメフィラスですね。
266名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:15:20 ID:YcXSpQyW
フライはあるけど、レビテーションはあったっけ?
267名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:15:32 ID:Zo9NG1j5
ほくとくんを思い浮かべようとしてJR北海道のモジャくんを思い浮かべた道民が通りますよ
268名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:19:27 ID:+DBYfCv6
>>264
ああ、更新報告スレを見てみたら書き込まれてました…
すみません私も見落としてました…
どんまいです次回も期待してますー。
269名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:22:05 ID:d0JFi/Zm
>>250
ティガなんかマジに旧支配者・ガタノトーア倒したようなもんだしな。
時空間移動するノアとあわせて旧神扱いでもおかしくない強さだな。
270名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:22:24 ID:pwW32ytA
タバサに風殺破とか封殺裂空破を教えるメフィラス烈風斎
271名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:26:42 ID:kkd0KInF
タバサに風の拳を教えるリュウ
272名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:29:22 ID:UzbN/Z4r
>>271
あれは相手を活かして一撃で倒すという概念的なものでな
273名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:29:23 ID:eNx2hWfh
>>256
>>264
>>268
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9616/1197447480/576

これだけだとわかりにくいので
「ゼロの仲魔」
で新規作成して旧ページをアドレスとあわせて削除依頼出そうと思ったが
wiki鯖自体が不調で更新不能OTZ
274名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:33:52 ID:pwW32ytA
>>271
殺意の波動に目覚めたジョゼフを倒すタバサのお話ですね、わかります
275名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:37:49 ID:Vv6fd96y
風の拳と聞いて最初に思い浮かんだのがエアマスターの渺茫(びょうぼう)でした。
276名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:39:51 ID:vOfMxkbO
瑞原風の剣を思い出した。
277名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:40:46 ID:qYw/aUdE
行動原理が『復讐』の奴に「『相手を生かす』風の拳」なんか使えるわけねえだろw
278名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:43:09 ID:+DBYfCv6
渺茫弐あたりを呼べば発勁祭りですね
279名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:48:08 ID:PTg7bNIh
エアマスターか……
坂本ジュリエッタ召喚
ギーシュ戦で
「例えばお前が昔……貴族に売られる女の子を助けた事があるとしよう」
「でも死ね」
そういえばこいつ爆殺シューターなんて異名持ってたな
280名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:48:08 ID:YjlXH3KP
エアマスで一番かっこいいのはリーさん
異論は認めない
281名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:50:45 ID:FLWEe7Y1
どうでもいいがリュウ召喚で、ファミマガに短期連載されていた漫画の方が話に挙がらないのは何故だろう?
282名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:51:49 ID:UzbN/Z4r
>>280
八極拳の八極とは一撃の意だか
リーさんもいいけど尾形が好きなんだよね
>>281
知名度かと
283名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:51:57 ID:aLqQh0oi
乙女度という点でなら長門には負けるぜ!
284名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:53:52 ID:FLWEe7Y1
>>282
一時期あの漫画のためにファミマガ買ってた俺としては悲しい事実だ
個人的にはあのいつも腹減らしてて大雑把で陽気なリュウの方が好きなんだが
285名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:54:17 ID:hch4yzgP
ルイズのためならハルケギニア絶対究極破壊爆弾だって受け止める使い魔ですね
286名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:54:49 ID:+DBYfCv6
長門は金治郎の嫁
287名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:55:19 ID:hch4yzgP
>>282
それだと情報統合思念体になっちまうぜ。

長戸だよな。男で妊娠できるあの人
288名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:56:11 ID:QAu7eCgg
ルイズはダッドリーか弟子でも育てようかと思ってるナイスな仙人でも呼べば良い方向に育ててもらえるんじゃないか
289名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:56:17 ID:d1ghOcxm
>>276
葉月乙
290名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:58:19 ID:kTu4Z/+j
カナダから人権擁護審議会員(俗に言う人権擁護委員)を
呼んだらトリステインは移民の侵食で悩まされた上に
未成年の凶悪犯罪の発生率がアメリカ以上になるな。
でも人権擁護委員の消えたカナダは売国奴と移民とカルトの処分がやりやすくなって
無茶苦茶平和になるだろうw
291名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:59:31 ID:K3qByhz9
>>284
神崎将臣のやつだっけ?
俺も全部読んだなぁ。
あれはあれで中々良かった。
292名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:01:29 ID:gmccPXPc
>>277
ちげーよ。
行動原理が復讐のヤツが、憎い仇を活人拳で倒すのがドラマチックなんだろう?
こう、殺意の波動に目覚めてグラントロワを拳一つで粉砕したジョゼフを、
リュウ直伝の風の券で倒してだな、そんであえてトドメを刺さないでだな、

「なぜこの俺を殺さないシャルロット! 己はお前の父を、シャルルを殺した男だぞ!!」
「……それは、あなたの目が悲しみを湛えているから」
「馬鹿な!? 己は……俺はッッ!!」
293名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:04:15 ID:UzbN/Z4r
>>292
そしてもう一度ファイトすると
294名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:09:02 ID:pwW32ytA
ジョゼフ倒した後

さあ、たいかんしきだ
なにいっ、しゃるろっとさまがいない!!
295名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:11:11 ID:WJRITObH
>>294
その後普通の女の子になるわけですね
296名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:11:23 ID:FZSRU1f+
>>285
それは長戸じゃなくてジュリエッタな

でも、ジュリエッタに愛された場合拒否ると殺されるからピンチだ。
好きな相手に対しては強姦もやってのける危険人物だしな。


ところで、ゼロ魔にジュリエッタに『ジェニー』の称号をもらえそうなキャラっているか?
297名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:17:16 ID:RXPiXwrF
ヨクサルつながりで谷仮面から谷を召喚

島さんと無理に離された時点で絶対に暴れだす上に奴を止められる人間がいない・・・・
298名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:25:01 ID:Vv6fd96y
ストゼロからソドム呼ぼう。
あれなら剣も使える!
299名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:25:59 ID:pwW32ytA
>>298
素直にサムスピから覇王丸でも呼ぼうぜ
300名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:29:33 ID:TdKAOkSz
>>299
強い奴と戦わせることを約束すれば使い魔だろうが何だろうがやってくれそう。

問題なのは貴族の子息・令嬢達から見るとだいぶ不潔だってことか。
宮本武蔵も不意討ちを恐れて極度の風呂嫌いだったから匂いが凄かったらしいし。
301ブレイブストーリー/ゼロ:2008/06/28(土) 23:31:09 ID:DAgn24Jy
こんばんは。
まとまった時間がとれたので、次を書きました。投下してもよろしいでしょうか?
よければ10分後からはじめます。
302名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:31:17 ID:CKMRqamT
さてT-0を読み直すか
303名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:32:24 ID:VRvTKO2x
>>298
ソドムを呼ぶならいっそファイナルファイトの方で

あんたは やりすぎた。アルビオンは いままでどうり
おれたちレコンキスタの すきにさせてもらうぜ。

これ以上 ぐんをかいにゅうさせるなら、
まほうがくいんのせいとのいのちは ないとおもいな。
304名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:32:33 ID:rVECoqBH
おお、ペ−スが早いですね。支援
305名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:35:05 ID:oXSXoM7R
どんとこい!
306ブレイブストーリー/ゼロ:2008/06/28(土) 23:39:07 ID:DAgn24Jy
 フーケは孤児院のことを思い出していた。
 自分が貴族から奪った財産で子供たちを養っていた場所。
 今はもうない場所。

 ゴーレムの上から、銃の照準を合わせる。標的はルイズ・ヴァリエール。名門の娘。
 フーケは結びつける。孤児院が襲撃された時、あの子は次々と殺されていく年下のきょうだい達を見てどんな行動に出たのだろう。
 皆殺しにされ、自分が発見するまで野ざらしにされていた子供達を置いて一人連れ去られたのはどんな気持ちだっただろう。

「……ゼロのルイズ、って呼ばれていたわね。無能力のあんたがそれを扱ったって、焼け石に水だって分からない?」

 眼下の少女が歯がゆそうに体を震わせる。ルイズもまたブレイズガンの銃口をこちらに向けている。フーケは結びつけてしまう。彼女とあの子のことを。
 あの子は、今ルイズがムスタディオをかばっているように、皆をかばったのだろうか。
 きっとそうに違いない。

 決心が鈍る。彼女を救うために自分は鬼にならなければならない。
 なのに引き金にかけた指は震えている。

「だったら、何だって言うのよ?」

 ルイズがそう切り返してくる。
 貴族然とした、堂々たる声だった。




「ブレイブストーリー/ゼロ」-21



   ◇

307ブレイブストーリー/ゼロ:2008/06/28(土) 23:40:56 ID:DAgn24Jy
「だったら、何だって言うのよ?」

 その言葉は虚勢だ、とムスタディオは思った。
 彼女は興奮すると声が震える癖があるけど、今は毅然とした声音でいる。
 なのにムスタディオは、小さな背中にそんな印象を抱いていた。
 高級な舞台の上の、達者な踊り子を連想する。人前では決して仮面を外さず、誰かに何かを伝えるために演じるのだ。
 ルイズは誰に、何を、伝えようとしているのだろう。

「ヴァリエール様、逃げろ」

 そう言おうとしたつもりが、声が掠れてろくに言葉にならなかった。ルイズが流し目でこちらを一瞥するのが、ぼやけた視界の端に映った。
 自分を見た瞬間、その表情にもう一枚仮面が重ねられたのも見えた。
 不適に笑ったのだ。

「あんた、私たちを逃がすつもりはないでしょ。だったらここで逃げ腰になったりしたら、それこそ鹿狩りが始まっちゃうわ」
「へぇ、勇敢だねぇ。でもそれで何か変わるの?」

 ルイズが無言で、ブレイズガンをぎゅっと抱き込んだ。華奢な体には無骨な銃は不釣り合いで、銃に構えさせられている格好になっている。
 勇敢じゃない。無茶だ。

「ヴァリエール様」

 今度は声が出た。
 ムスタディオは太い荒縄みたいにぐにゃぐにゃになった腕で地面を掻き、体を起こそうとする。

「何よ」
「逃げ、てくだ」
「嫌よ」

 にべもない反応。ムスタディオは上半身をなんとか起こしながら、そんなこと言わずに逃げてくれと思う。
 単純な計算だ。
 今彼女が飛びのいたなら、自分は弾丸の餌食になるかもしれない。それでも、彼女一人はタバサ達の助けを見込めるのだ。まだ生き延びられるかもしれない。
 どの道、どう考えても自分は死を避けられそうにない。
 ……そうか、オレ、死ぬのかと思う。
 死にたくなんてない。最後の戦いの地で一度は覚悟した。それでも生き延びてみればやはり死ぬのは嫌だ。
 それでも。

(アグリアスさん)

 近しい女が死ぬのは、もう耐えられない。

「逃げろッ、ヴァリエール様!!」

 血を吐くように叫んだ。
 その懇願に返って来た返答は。

「――うるさい! 何よあんた、さっきから私がかばってあげてるってのに!」

   ◇

308ブレイブストーリー/ゼロ:2008/06/28(土) 23:42:15 ID:DAgn24Jy
 ルイズは声を荒げた後にしまったと思ったがもう遅かった。ぐっと八つ当たり気味にフーケを睨む眼光に力を込める。
 ルイズがここに立ちはだかっている理由。身も蓋もなく言ってしまえば、それは見栄だった。
 本心は逃げたくてたまらない。

 しかしそれは馬鹿なことではないと思う。
 見栄のために動く。それの何が悪い。元々貴族の見栄と信念は表裏一体なんだ、と開き直って考える。そして信念とは信ずるに足る貴族像。自分の理想像だ。

 信念は幾度も折れ続けてきた。ムスタディオがやってきて、一際大きく折れた。
 ルイズは未だに、皆から認められたくてたまらない。同級生達から。教師から。家族から。そして一番認められたいのは。

 そしてその努力を諦めた時。
「ルイズ・ヴァリエール」は根底から折れてしまうのではないか。

「あのね! 言っておくわ!」

 ルイズは叫ぶ。
 彼には知っておいて欲しい。
 今はそんな状況ではないかもしれないが、やけだ。知ったことか。

「私はこいつを倒すし、あんたも見捨てないわ!
 いい? 私は魔法だって、ろ、ろくに使えないけど! それでも貴族なのよ!
 貴族って言うのはね、魔法を使える者のことを言ってるんじゃないわ! 敵に後ろを見せない者のことを言うのよ!」

 それが、私が信じる貴族の理想像だ。
 貴方は誤解してる。
 貴族は貴方が思うような存在じゃない。

 ルイズは引き金を引く。
 フーケもまた引き金を引こうとするのを、そのまなじりで受け止めながら。

   ◇

309名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:42:15 ID:+DBYfCv6
しえん
310ブレイブストーリー/ゼロ:2008/06/28(土) 23:43:17 ID:DAgn24Jy
 その瞬間。
 ムスタディオは意識の上を駆け巡るあらゆる感覚を忘れた。
 動かない体の苦痛も、張り詰めた危機の空気も、フーケの嘲るような声も。
 ルイズの背中には、先ほどまでは戦死した沢山の仲間達、好きだった女性の背中が重なっていたが――それも吹き飛んだ。

 残ったのは、英雄達の既視感。

 ――異端者の烙印を押されようとも戦い続けたラムザ。
 ――その彼に「私はお前を信じる!」と言い放ったアグリアス。
 ――信念を以って共に闘い抜いた貴族達。

 絶望にまみれながらも誉れ高い、多くの背中。

「――うあああああああっ!」

 ムスタディオは恥も外聞もない声を上げる。体が動く。抱きつけ。引きずり倒せ。盾になれ。引き金に力を込める彼女をかばえ。たとえ無駄な努力だとしても。
 死なせるものか。
 死なせてたまるものか。

 ムスタディオの傷ついた体は、本人が思っているほど俊敏に動かない。
 彼の手がルイズの体を掴む前に大きな衝撃が走る。
 ムスタディオはもみくちゃにされて吹き飛んだ。

   ◇

311名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:43:47 ID:/QWQlZXd
これが支援の臨界!!
312名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:43:59 ID:2svJpLKI
支援
313名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:44:20 ID:2svJpLKI
支援
314ブレイブストーリー/ゼロ:2008/06/28(土) 23:44:36 ID:DAgn24Jy
 ……ぱり、ぱりと何かが砕ける澄んだ音があちこちで鳴っている。
 まるで茂みの中で鈴虫が合唱しているみたいだ、とフーケは思った。しかしその季節にしては凍て付くような寒さだった。

「……、ぅ」

 これはどういう状況なんだろう。
 フーケは起き上がろうとし――全身がばらばらになるような痛みに息が詰まり、激しく咳き込んだ。しかしその痛みは我を取り戻させてくれる。
 辺りは惨憺たる状況だった。
 スクウェアクラス、いやそれ以上の使い手の氷魔法が炸裂したかのようだ。
 森は凍て付き、木々はなぎ倒され、自分のゴーレムはというと――ガラスの人形を床に落としたように、凍てついたまま砕け散っていた。
 氷が溶け始めているのか、あちこちで氷割の音が虫が鳴くように爆ぜている。

 何が起こったのか、フーケは一瞬思い出せない。
 自分が後手に回ったのは覚えている。
 ルイズのあの言葉を聞いて、さらに逡巡が大きくなってしまった。
 彼女は自分の信念に基づいて行動している。
 自分は、自分の信念をどうしてしまっただろうか。
 そんな迷いのために、引き金を引くのが遅れた。

「ぅ、く、」

 思考がざらついて、頭が痛む。その後は。

(……まさか、この氷はあの銃の仕業だっていうのかい)

 色々と思うことはあったが、フーケはとりあえずその一点に思考を絞った。
 そうして心中に生じたのは驚きと。
 歓喜。

 あれがあれば、自分はきっと。

 フーケはよろめきながら立ち上がる。
 ナイフを鞘から抜き、

   ◇

315名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:44:45 ID:e+xcJyzR
ここが支援の分かれ道。
316名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:45:30 ID:K3qByhz9
さあ、支援をしようじゃないか。
317名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:46:00 ID:6xy1lnbH
【競馬】声優の新谷良子さん、ダビスタDSの宝塚記念を「ニューヤワラチャン」という『セン馬』で制覇! [080628]
http://news24.2ch.net/test/read.cgi/liveplus/1214660785/
318名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:46:02 ID:pwW32ytA
シ・エーン
319ブレイブストーリー/ゼロ:2008/06/28(土) 23:46:18 ID:DAgn24Jy
 空中で竜が旋回しているのを、ルイズは放心状態で見上げていた。

「……キュルケ、タバサ」

 その竜の上に見知った人影を見止めた。キュルケが手を振っている。その表情が少しだけ必死だ。普段嫌っているキュルケの余裕のない顔を見て、ルイズはちょっとだけざまあみろと思う。
 だけど何であんな顔をしているの、と思ったところでルイズは自分が寝ころんでいることに気づいた。
 自分は立っていたはずだけど。立ってブレイズガンを抱えて引き金を――

「!!」

 がばりと上半身を起こす。体が痛む。やけに寒い。周囲の様子を見て絶句する。

「ムスタディオ!」

 そして一番の心配を叫びながら立ち上がろうとして、後に誰かが立ったことに気づく。

「ムスタ!?」

 振り返った先にあったのは――、フーケの顔だった。

「おとなしくしな!」

 緊張の糸がぶちりと切れた。
 悲鳴を上げようとした口を掴まれ、その腕が蛇のように首に巻きつきあっという間に抱き寄せられる。喉元に冷たい物が突き付けられた。
 反射的に手に噛み付いたが、途端に首に鋭い痛みが走り、ルイズはひきつけを起こしたように固まってしまった。
 心が、萎縮する。

「あんたらも降りてくるんだよ! ――そう、聞きわけがいいね」

 瞬く間に事態が進行する。シルフィードが着地する。タバサとキュルケが手を挙げて背中から降りる。キュルケが何か悪態をついているが、内容を理解できるような心境ではなく、もう声も出なかった。

 ただ、助けて、とルイズは思った。
 今しがたまで自分が助けようとしていた使い魔の顔が、頭を占めていた。

   ◇

320名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:46:26 ID:2svJpLKI
ティファどうなっちゃたの支援
321ブレイブストーリー/ゼロ:2008/06/28(土) 23:48:12 ID:DAgn24Jy
「あんたたち、動くんじゃない! 動いたらこの小娘の命はないよ!」

 フーケは乱れ切った自分の呼吸を正せない。それは焦りと興奮によるものだ。
 迅速かつ的確に、状況の天秤は自分の方へ傾いた。
 両手を挙げたままの二人のメイジ、そしてその使い魔を睨み付けたままフーケはじりじりと移動し、転がっていたブレイズガンを空いた手で拾い上げた。
 銃口を少女達に向ける。

「あんたたちに恨みはないけど、死んでもらうわ」

 どちらを先に始末しようと考えて、どちらでも良いと思った。自分がブレイズガンを用いれば、とんでもない威力を発揮するだろう。竜は死なないかもしれないが、隣り合った二人の人間などひとたまりもあるまい。
 そう考えてたまたま標的にした小さな少女が、何故か驚くほど平静でいることにフーケは眉をひそめた。

 そして弾かれたように思いだす。
 ムスタディオはどこだ。

「ムスタディオ! どこにいるんだい!? 姿を見せな!!」

 フーケは叫びながら前しか見てなかった視界を急いで広げる。
 その瞬間、自分と少女達以外に動く何かが掠めた。

 それは砕けたゴーレムの残骸の中。
 砕けた肩口に未だ固定された銃。
 その無骨な兵器に、体を引きずるようにしてムスタディオが取り付いていた。
 その手の甲に異様な輝きが灯っているのを見て取った瞬間、フーケの背筋が総毛立つ。

 反射的にルイズを弾き飛ばした。
 反対方向に跳んで逃げようとした彼女はしかし、ムスタディオの片手に刻印されたルーンの力を知らなかった。

 光の筋が一直線に大気を貫く。
 魔シンガンから発射された弾丸は、標的以外への衝撃波を最小限に抑え、フーケの脇腹に直撃した。

   ◇

322名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:48:56 ID:XCmbjcmH
シエン
323名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:49:10 ID:2svJpLKI
支援
324名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:49:35 ID:7B6JWT/8
ムスタディオと聞いてとんできました
支援
325ブレイブストーリー/ゼロ:2008/06/28(土) 23:50:23 ID:DAgn24Jy
 魔シンガンを発射した瞬間に跳ね返って来た衝撃に、ムスタディオは耐えられなかった。
 全身の骨が軋み、地面を転がった。
 しかしのたうっていたのはほんの短い間で、すぐに細い腕に抱き起こされる。

「大丈夫、折れてるのは末端の骨だけ」

 タバサ様。ありがとう、と言おうとしたが声にならなかった。
 少し離れた場所では、ルイズもまたキュルケに助け起こされている。

「よかった、無事なのか……」

 安堵するムスタディオの耳元で、タバサが囁く。

「フーケはあそこ」
「――――、」

 見慣れた光景とはいえ、一瞬思考が止まる。
 ルイズ達からさらに離れた位置に、フーケは転がっていた。
 二つになって。

 フーケの体は、胴体から真っ二つになっていた。

326ブレイブストーリー/ゼロ:2008/06/28(土) 23:51:20 ID:DAgn24Jy
 酸鼻極まる光景だ。思わずルイズとキュルケの様子を窺う。二人もまた息を呑んでフーケだった物を見つめている。

「――――――、――ぃ」

 いや。
 それはフーケだった物ではなく、フーケだ。

「んで、ぃ、ぃき、」

 まだ上半身が動いている。手が空を掻き、獣のような息遣いが地面を舐める。
 ムスタディオはタバサの手を借りて立ち上がると、よろめきながら落ちていたブレイズガンを拾い上げた。使い魔までもが固唾を飲んで見守る中、フーケのすぐ傍に立つ。
 何か言おうかと思ったが、何を言えばいいか分からなかった。無言でブレイズガンを構えるとフーケと目が合った。

 その眼は、殺されてたまるものか、とムスタディオを射抜いていた。
 
 厭な汗が噴き出した。
 これは呪いだ。生きたいと呪う。殺したいと呪う。渇望。
 空気が冷たい。ブレイズガンのせいで冷えている、それだけではない。そんなはずはないのに酷い悪寒がする。
 不意に目の前に霞がかかった気がして、ムスタディオは慌てて周りを見回した。煙幕が残っていたのかと思うが、違う。

 暗がりを凝縮したような何かが、フーケの体から湧き出ている。

 ムスタディオは引き金を引こうとしてたが、その前に。
 ぴん、と何かが張り詰める音を聞き、
 緑色の光が空間を貫くのを見た。

   ◇

 ――聖石の適合者よ、我と契約を結べ。
327名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:51:44 ID:d0JFi/Zm
マチさぁぁぁぁぁぁん!!!!
支援
328名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:51:50 ID:XCmbjcmH
(´;ω;`)
329名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:52:10 ID:K3qByhz9
なんかヤバげだな支援
330名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:52:33 ID:/QWQlZXd
聖石がぁああ!!支援
331名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:52:34 ID:e+xcJyzR
オレハニンゲンヲヤメルゾォォォォォォ
332ブレイブストーリー/ゼロ:2008/06/28(土) 23:53:05 ID:DAgn24Jy
以上で投下終了です。
支援ありがとうございます。
なかなか続きを書く時間がとれなくってごめんなさい。次はなるべく早く書こうと思います。
333名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:53:28 ID:2svJpLKI
聖石キター
334名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:54:36 ID:K3qByhz9
乙したー。
シュラムッフェンとどっちがヤバいんだろうなー(遠い目)
335名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:55:01 ID:oXSXoM7R
ああああああああ
黒ありさんに続いてこちらでもおマチさんが…><

どうなる? 支援だ!
336名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:58:24 ID:2+mRKv7u
てけてけおマチさんが襲ってくるのか!?乙
337名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:58:51 ID:Zo9NG1j5
「やめて!おマチさんのライフはもうゼロよ!」
ル「(ビキビキッ)誰がゼロだぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ちょっ…違っ…」
338名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:59:56 ID:e+xcJyzR
>>336
なにげにぬ〜べ〜グロかったよなぁ
339名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 00:00:27 ID:bg3e+n+f
>>337
そんな頭がサザエさんみたいな人の怒り方ry
340名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 00:04:11 ID:JXb78TAH
最近のおマチさんの悲惨さは異常w
これはアレか、フレデリカ嬢の呪いかww
341名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 00:04:43 ID:OluNqanU

黒蟻といい、おマチさんの訃報が相次ぐなぁ
342名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 00:05:37 ID:hUQQJ0sv
>>338
ぬ〜べ〜の作者のオートマティックレディから7号召喚、竜の羽衣はでっけぇミニ四駆でw
まずはコルベールに単三乾電池を作ってもらわねば…
343名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 00:08:21 ID:MRQt5pqL
>>342
なにその、俺的にジャンプ黄金期の作品は。
344名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 00:12:14 ID:hUQQJ0sv
>>343
あの頃は他にも、タイムウォーカー零とか変幻戦忍アスカとか好きでしたw
345名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 00:17:33 ID:ISJFtw9o
>>344
刹那零召喚は考えたんだぜ。
原作コミックスがどっかいっちゃってたんで諦めたが。
346名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 00:17:56 ID:nF7V8E01
リョナラーとしてはおマチさんのはみ出た内臓の描写が欲しかったぜ!
347名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 00:19:05 ID:aSss54yy
>>344
時間移動能力者はハルケギニアでも過去にいけるのかな?
いけるんならタバサやジョゼフにはやり直したい過去が……。
348名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 00:27:13 ID:xqVagnWo
>>344
タイムウォーカー零と変幻戦忍アスカって、軽く十年くらい時間あいてたような気がする…。


黄金期のジャンプからの召喚。
奇面組の誰かとか。
349名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 00:28:28 ID:XSiBrFdd
>>347
「ルイズのエクスプロージョンで時間を破壊すれば時間移動できるかも」
というのを召喚されたキャラが考えてた作品があった気がする。
350345:2008/06/29(日) 00:29:31 ID:ISJFtw9o
>>347
召喚した零に「やっと逢えた!」と抱きつくルイズ。
青い上着(零がいつも着てるGジャン)を見ながら、
留学前のシャルロットに昔を懐かしむように転機となった事件を話すジョセフ。
もちろんその理由は……。
みたいな展開での短編ネタでした、ええ。
……どーこにいったのかー。やっぱり捨てちまったかなorz
351名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 00:32:24 ID:SSTUZEy9
>>348
ブラックエンジェルスから水鳳を
352名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 00:36:11 ID:NEKH5Wv1
ワルドの雷を食らって時間を逆行する美神令子ですね
353名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 00:40:14 ID:hUQQJ0sv
>>348
そんなに離れてない、多分3〜4年くらい。
354名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 00:41:18 ID:ait2HX9r
時間旅行者か…
時をかける少女より、ケン・ソゴル召喚…召喚儀式の時、ルイズが感じたのは一片のラベンダーの香りだけだった…
当然、錬金失敗の掃除で三人で掃除するシーンからすね
355名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 00:42:03 ID:OluNqanU
>>349
「バイツァダストッ!!」だの「時を吹っ飛ばすッ!!」だの叫ぶルイズが見えた
356ブレイブストーリー/ゼロ:2008/06/29(日) 00:46:30 ID:cK0kWB2+
こんばんは。
たびたび失礼します。
相変わらず回線か何かに問題があるようで、まとめwikiの編集が出来ません。
よければ、どなたか昨日と今日の二話分をwikiに掲載して頂けませんか?
357名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 00:52:18 ID:GaeTA1TL
いや、最近@wiki自体の調子が悪いんだ。
まぁ今日俺遅くまで起きてるから軽くなったら適当にやっておくよ。
358名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 01:01:09 ID:pYzKgBip
>346
同好の者として忠告するが自重しろwww
359名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 01:02:00 ID:zSYPLBn7
>>348
そのまま一堂零召喚でいいかもしれない
零つながりで
360名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 01:12:57 ID:PvxXs7xy
何の訓練も受けてない小娘に懐に入られ易々とキスされる。
魔法で召喚した、帰す手段は無いと、拉致した本人に言われて素直に信じる。
帰る手段を探してやるとの口約束を信じ、以後は催促することもしない。自分で調べることもしない。
衣食住の保障と引き換えに使い魔(主を守る仕事)を引き受けると、後から洗濯などの雑事まで押し付けられても反論しない。


ここら辺に引っ掛からないのって何があるかな?
361ブレイブストーリー/ゼロ:2008/06/29(日) 01:13:14 ID:cK0kWB2+
>>357さん
ご丁寧にありがとうございます。
お願いしますね。
362名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 01:16:00 ID:khXOI7rs
一つ目以外はルーンの力でどうとでもなりそうだが
支配を跳ね除けるような人物だと1つ目の条件は満たせないだろうし難しいんじゃね
363名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 01:17:36 ID:xUCpHTie
>>360
まとめwikiを一通り全部見渡してみると
幸せになれるんじゃないかな?

1話だけでもいいとおもうけど?
364名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 01:21:04 ID:523S2OhQ
>>360
登場時に死にかけで、もとの世界に未練が無い上に、流されやすく甲斐甲斐しい奴

いないね、そんなやつ
365名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 01:22:15 ID:/XuFcc1r
行進止まってるけど東方不敗マスターアジア
既に死人で元の世界に未練もないし
ルイズの従順な下僕にはならないけど
366名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 01:22:16 ID:NEKH5Wv1
>>364
ハヤテだなw


あれは続きに期待してたんだがなあ。
367名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 01:24:36 ID:W9RvmHP8
>>360
キスされる
 回避できない状況(気絶中、瀕死な状態等)

帰る手段のないことを信じる
 学院内や今いる人間でそのような知識がないから
 しばらくの間だ、で短期間なら納得して貰えるかも。

ぱっと思いつく屁理屈はこんなトコかな。
細かいところはキャラ次第というか
そこら辺をどうするかが長編を書く人間の腕の見せ所なんじゃないかな。  
368名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 01:28:06 ID:VuY1cd+K
何の訓練も受けてない小娘に懐に入られて易々とキスされたりせず
魔法で召喚した、帰す手段は無いと、拉致した本人に言われて素直に信じたりもせず
帰る手段を探してやるとの口約束など信じず、以後も執拗に催促し自分でも調べる
衣食住の保障と引き換えなんかでは使い魔(主を守る仕事)を引き受けず、洗濯などの雑事まで押し付けられば反論する

さういふ使い魔に私はなりたい?
369名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 01:32:57 ID:EhzyKJgR
勇次郎だな
間違いない
370名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 01:34:32 ID:RBc2POce
石原さんちの次男坊?
371名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 01:36:45 ID:NEKH5Wv1
嵐を呼ぶ使い魔ですね
372名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 01:39:48 ID:/XuFcc1r
ピクル召喚
キスをしようとしたらレイプされるルイズ
373名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 01:40:41 ID:wMiQwCrH
ランスは召喚されたかな?
374名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 01:43:37 ID:lN1cwEG9
>>360

そんなことを気にしていたら、そもそもゼロ魔のSSは書けない。
そこら辺は各作者方なりの展開に任せれば良いじゃないんですか?

わざわざそんな事を書くのは揚げ足を取って楽しんでいるようにしか思えません。
っつーか、アンタ本当にゼロの使い魔が好きなの?
375名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 01:46:59 ID:3bpoMUPb
ふむ、使い魔は従順にゼロ魔世界に服従し、テンプレ展開という運命に身を任せよということだな。
376名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 01:48:38 ID:VuY1cd+K
逆に考えるんだ
使い魔が主人を屈服させてしまえばいいんだと
377名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 01:52:37 ID:AU4XaTLS
>>376
キスすることで何らかの能力を発揮するタイプでかつそれが洗脳系または魅了系の能力持ちなら自然に可能だな
378名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 01:54:35 ID:1bG8Fk1T
30分の恋奴隷(インスタントラヴァー)!!
379名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 01:55:25 ID:VuY1cd+K
現人鬼 散(はらら)降臨(済み)である


…姉妹スレだがジャイロは召喚時にけっこう暴れてたな
380名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 01:59:44 ID:EhzyKJgR
ギーシュが甲賀忍法帖の陽炎を召喚
口では不本意だと言いながらにやけ顔で契約のキスをしたら・・・
381名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 02:19:17 ID:/CE6PScg
シャドウハーツ三作目の敵、レディを召喚。
レディとキスするとマリスに汚染され化け物になる。
レディのキスには死者を蘇らすような力があった。
つまり、負の感情が高まると異形へ変身するルイズが誕生です。
ウェールズも生き返ります。
レディの強さ?
一応ラスボスです。
382名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 02:30:26 ID:MR3e7fYF
キスした相手が毒を帯びていたんでひどい目にあったというのもあったような。
あとはキスした相手(大気圏突入直後のモビルスーツ)がとんでもない高熱だとか。

死人相手なら帰れないと言われてもあんまり問題ないよね。
後はミカヤみたいに死んだわけじゃないけど帰る未練が希薄な人とか。
383名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 02:30:38 ID:lN1cwEG9
「クレイモア」でイースレイ召喚。
それで他の虚無の担い手もそれぞれが深淵の者を召喚。
結果ルイズの意思に関わらず、各々の使い魔によってバトルロワイヤル状態ってのはどうですか?
384名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 02:31:03 ID:xwz7JE1O
>>380
あれ性的興奮が前提だから無理じゃね
385名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 02:31:58 ID:w0l5xoTu
それよりイレーネ召喚の続きが見たい
386名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 02:34:52 ID:/XuFcc1r
まだ完結して無い話だけにイースレイ自身がどれ位プリシラに執着してるかもわからないしなぁ

居なかったら勢力拡大とかせずに普通に食っちゃ寝食っちゃ寝のニート生活を満喫するタイプなのか
どうしてもプリシラが居なきゃヤダーって駄々こねるタイプなのか
387鏡のなかのルイズ:2008/06/29(日) 02:50:33 ID:KXMUXDkr
お約束どおり小ネタ持って参上いたしました
3時から投下よろしいですか?
388名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 02:52:04 ID:EhzyKJgR
今投下してもいいよ
389名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 02:54:01 ID:wMiQwCrH
それよりもう寝ようぜ?
390鏡のなかのルイズ:2008/06/29(日) 02:54:15 ID:KXMUXDkr
それでは投下致します。

 その男は訝しがることもせず使い魔の契約を受け入れた。
 どこの田舎者だとルイズが尋ねると、男は辺境の村で農夫をしていたと応えた。
 眼に見えて落胆するルイズに何も言うこともせず、その日から男の使い魔としての生活が始まった。
 男は有能であった、炊事に洗濯、その他の雑用など男は何も言わず淡々とこなしたし、寝床が床であろうと食事が使い魔のエサであろうと文句一つ言うことすらなかった。
 そんな男に馬鹿にされているとルイズが癇癪を起こしたことがあったが、しかしいくら鞭で叩いてもいつもと変わらない陰鬱な表情を崩さない男にルイズの感情は長続きしなかった。
 次第にルイズは男のことを気味が悪いと思うようになった。
 ギーシュと決闘でそれは頂点に達した。
 ワルキューレ達に滅多打ちにされる男、体中から血を流し、常人なら昏倒するほどの傷を受けながら男はいつもの陰鬱な表情をまったく揺らさなかったのだ。
 そしてむせ返る血の匂いにギーシュが嫌になり始めたころ。
「気は済んだか?」
 ただ一言そういい置いて、折れた足を引きずりながらヴェストリの広場を男は後にした。
 誰も一言も口を利けなかった、それは男の雰囲気に呑まれたと言うだけではない。
 服が破れ、流れ出た血で赤黒く染まった男の背中には、夥しい数の傷跡が刻まれていた。
 その傷の数と、醜く引き攣れた火傷の跡が残る背中が空想のなかでしか戦を知らない若き獅子の子供達を思いとどまらせたのだった。
 だがその背中を見ていたのは平和を謳歌する魔法学院の生徒たちだけではなく……

 ルイズと男の仲が進展したのは“土くれ”が学院を襲った時である。
 これまでルイズは主人でありながら使い魔として男をどう扱っていいか分からなかった。
 だが身を挺してフーケの攻撃から庇ってくれたと言うのになんの感謝の言葉も言わないのでは貴族として誇りが許さない。
 それからはルイズの別の形で苦悩に満ちた日々が始まった。
 どうやって主人と使い魔の形を崩さずにお礼をすればいいのか? そう言うことばかり考える毎日だった。
 男の方にもそんなルイズの気持ちは伝わったらしい、いつもの陰鬱な顔を僅かに緩めながら男は今日も雑用と畑仕事に精を出す。
 だがもっとルイズは気に掛かるべきだったのだ、どうやって男が破壊の杖――M72ロケットランチャーの直撃を真正面から受けながら僅か全治2ヶ月程度の怪我で済んだのかと言うことを。



 そしてついにその時は来た。
「はっはー、燃えろ、燃えろぉぉぉぉ!」
 燃え盛る炎、真っ赤に真っ赤に人と家屋と空気を焼き焦がす炎。
 その光景を見たとき、男の血は凍りついた。
「――相棒? おい、どうした、相棒!?」
 男の異常にデルフリンガーが叫ぶが、しかし今の男にはその言葉は届かない。
「貴様……」
 男の声に、先ほどまで炎を撒き散らしながら高笑いを上げていた白髪の男はゆらりと振り向いた。
「ほう、これは見誤っていたようだ。匂いからしててっきり燃えカスかと思っていれば……」
 そうして鉄で出来た棍棒のような杖を振り上げる。
「燃え残りの種火の中にこんな極上品が残っていたとはな!」
 そしてメンヌヴィルは白く輝くほどの炎を放った、だが今の男にとってそれはなんら障害とは成りえない。
 系統魔法を無効化する魔剣デルフリンガーがある上、男にはハルケギニアにはないある技術がある故だ。
 男はゆっくりとデルフを構えその切っ先をメンヌヴィルに合わせる、ここ数年ただの一度も抱いたことのない殺意を込める。
 不意に視界の端に鏡が映った、おそらく今の自分はおぞましい怪物の顔をしていることだろうと考えて……
「だめぇぇぇえええええええええええ!」
 “頸”を込めた一刀で叩き切ろうとした炎の前に、男の主が飛び出して来たのは次の瞬間のことだった。
 まさに刹那の出来事だった。
 男を焼き尽くすはずだった炎は一人の少女が身を持って壁となったことで進路を変え、男の隣を通り過ぎていく。
 その視界の端には鏡があった、生徒の素行を監視するためその場所で起こったほんの少し前の出来事を記録し映し出す魔法の鏡。
 焼け焦げ、爛れたその鏡には男を庇おうとする主の必死の姿と――そして戦魔が映っていた。

「きぃぃさぁぁぁまぁぁぁああああ!!!!!」

 男の全ての感情が塗りつぶされる。
391名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 02:54:28 ID:piWy1Rqj
この流れを読んでて、
某世にも珍しい和姦触手エロマンガから主人公の淫獣召喚して、
キスした拍子に大変なことに……とか妄想してみたが、
どう考えても18禁です本当にありがとうございました没。

つかアレにガンダールヴ付いたら嫌すぎるなぁ。
392名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 02:55:56 ID:piWy1Rqj
おっと割り込み失礼支援
393鏡のなかのルイズ:2008/06/29(日) 02:59:30 ID:KXMUXDkr
 主が消えたことでゆっくりと薄れていく左手のルーンがまばゆいばかりの漆黒の輝きを放つ。
 それは憎悪。
 人一人が紡ぎだしたとは信じられないほどの極大にして純粋な憎悪の輝きだった。
 その輝きにその場にいる者全てが心臓の鼓動を打つのさえ忘れ、ただ恐怖した。
 炎の蛇もメイジ殺しもそして歓喜に震える白き炎さえ。
 自分が死んだと錯覚した。
 もっとも血と焔に餓えた盲目の傭兵だけは、二度とその心臓を動かすことはなかったが。
 全てが終わった後、男は炎によってルイズの姿が焼きついた鏡を持って姿を消した。
 男の名はヴァレル、ヴァレル=アワード。
 かつてその陰惨を極める戦い方から戦魔と謳われた一人の傭兵である。



 以上、作品は榊一郎氏の「ストラグル・フィールド〜鏡のなかの戦魔〜」より「戦魔ヴァレル=アワ−ド」を召喚でした。
 キャラ的にはコルベール先生とメンヌヴィルを足して2で割った感じの人です。
394名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 03:14:14 ID:fcB2/DRj
ふっと思ったんだが吸血鬼召喚ってまずいよな。
青空の元で儀式やってるから普通なら一瞬で灰に(ry
395名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 03:17:44 ID:VuY1cd+K
ダイ=アモンのことかー

さておき、投下乙……と言っていいものか
396名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 03:19:25 ID:EhzyKJgR
>>394
美神のピートなら大丈夫
ドラキュラシリーズの月下夜想曲の主人公は日の光はどうだったっけ?
397名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 03:25:14 ID:sg5ElNQX
昼間歩ける吸血鬼で俺がパッと思いつくのは黒人で反り込みのブレイドと、怪物王女の令裡さん。
ブレイドは相手にしないでとっとと出て行くだろうけど、令裡さんはバイセクシャルなのでキスや
美少女との共同生活とかはむしろ望むところか。
ただ、いざというときに真っ先に逃げるから、護衛としては期待できない。
398サイヤの使い魔(通りすがり):2008/06/29(日) 03:28:44 ID:MLhxCc5c
>>129
そのせいで構想がタルブ村手前で止まってます
十中八九シエスタに尻尾が生えてました的な展開が予想されますので

ついでに言うと、夏コミ合わせの修羅場中でして、まだ投下できません
ごめんなさい
399名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 03:29:58 ID:LXdcAt11
>ドラキュラシリーズの月下夜想曲の主人公は日の光はどうだったっけ?
ハーフだし人間世界で生活してたり大丈夫なはず

でも装備無しから始めないと敵をアルカードシールドでぶん殴ってデルフいらない状態になるな
400名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 03:42:32 ID:HSg8NQqt
>>398
予想されましたって……
自分で書いているんだからその構想気に入らないなら捨てればいいのに。

夏コミ合わせって…入稿に間に合うの?
401名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 03:43:27 ID:lN1cwEG9
>>320

ヴァレル来た〜〜〜(・∀・)
作者さん激しくGJ!!できるなら是非シリーズ化を希望!!

もしもヴァレルではなくムーグ召喚ならばヴィンダールブでしょうか?
彼の能力との相性も絶妙でしょうねw
402名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 03:45:03 ID:EhzyKJgR
アルカードはダンピールになってるね
あるゆる武器、防具の扱いに長け、狼、霧、蝙蝠に変身でき、七種類の使い魔を呼び出し、魔法まで使い、そのうえデイウォーカーで美形
誰か書きませんかね?
403名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 03:46:57 ID:vcEAmmvE
>>382
毒怪鳥ゲリョスはあったな。こんな時間まで起きてるのもカプコンのせいだ
404名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 06:16:18 ID:FpNRTkas
アルカードは暁や蒼月で日本人のフリして、公務員?やってたな。
たしか有角幻夜って名前だった、出てきたときは「ちょっ!アルカードさん何やってんすか!」と思ったもんだが。
405名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 06:28:15 ID:L1vbNsjr
新参でこんな朝から予告というのもなんですが、近日中に投下できそうです。
クロス先はGUILTY GEAR Xからギアの姫君ことディズィーで。
XXではなくXなので、まだ快賊団には入ってません。不幸のどん底です。

それでは今度は投下の際にでも…失礼しました。
406名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 07:51:06 ID:5KxSipKY
怪鳥ロプロス〜空を飛べ〜


ポセイドンも空を飛べ〜


ロデム〜変身 空を飛べ〜
407名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 08:03:17 ID:AY8oewDp
>>406
フライを使えないルイズへのあてつけかw
408名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 08:05:25 ID:nhDKCJpo
ちょっと気になっているんだが最近まとめwiki重たくないか?
編集や書き込みエラーが頻発しているんだが…
409名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 08:12:31 ID:X2UrkleS
アルカードの親父、ドラキュラ若本召喚
死亡して復活するまでの百年の間に召喚されたため、力は十分の一以下。肉体も若い頃の(マティアスの姿)。
だがその持ち前の魔力でルイズやアンリを掌握し、ハルキゲニアの支配、そして元の世界への侵攻を企む。
キュルケだけは、「ハンサムだし頭もいいんだけど何だか近づきにくい」と正体に薄々感づいている。
410名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 08:21:39 ID:5KxSipKY
ついでに神父若本も召喚
411名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 08:22:20 ID:bc7DNJUs
>>409
ルイズとアンアンは基本的にアフォの子だから簡単に落ちそうだねw
412名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 08:36:00 ID:a1wcN1ni
つまりシエスタ・ベルモンドですね。
413ヴェストリの広場の頭脳戦:2008/06/29(日) 08:39:05 ID:sg5ElNQX
事の起こりは午後のお茶の時間、私も多くの学生と一緒にお茶を楽しんでいた時の事だった。
あの気障なギーシュが落とした小瓶。
それに気付いた給仕の一人が、善意からそれを落とし主に渡そうとした。
しかし、それが不味かったらしい。
この小瓶(中には香水が入っていた)のせいで二股がばれてしまったとの事で、
ギーシュは少女二人の時間差攻撃で名誉と顔に痛みを受けていた。
すぐさま痛みは怒りに変わり、その怒りは給仕に向いた。
その給仕が誰か分かったとき、私は頭の中が真っ青になった。あれ、私の使い魔じゃない!


ギーシュ「君が!君が少し気を利かせていればこんなことにはならなかったんだよ!」
私の使い魔はなにやら反論している。何してんのあの犬!?
ギーシュ「決闘だ!決闘だよ、君!!」
私の使い魔も望むところだといった雰囲気で、それに応じていた。
ギーシュはヴェストリの広場を決闘場所として指定すると、一足先にその場を去る。
ちょ、ちょっと、止めてよ馬鹿!?シャレになんないわよ!?
私はすぐに使い魔の元に行き、アイツにメイジと平民の力の差を教える。
場合によっては殺されてしまうという事、すぐに謝れば許してもらえるかも知れないという事。
しかし、結論から言うとあいつは私をまったく相手にせず、さっさとヴェストリの広場へ向かった。
なんなのよ、アイツ!死ぬかもしれないのよ?
私は使い魔の命をあきらめようかとも思った。しかし、平民とはいえ人が死ぬなんて嫌だ。
あいつは私の使い魔でもあるわけだし……。
414名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 08:39:30 ID:ZqOrfMgb
>409
ルイズも最初の頃は使い魔が召喚できた事に興奮して、色々と拙い事を見過ごしそうだな。
ただ、感情的になりやすい事を除けばルイズも気付いてくれると思う。
姫は……わからないが。
415ヴェストリの広場の頭脳戦:2008/06/29(日) 08:40:25 ID:sg5ElNQX
私がヴェストリの広場に着いたとき、幸か不幸かまだ戦いは始まっては居なかった。
ギーシュ「ここに来た勇気は認めるがね」
彼は小馬鹿にした笑みを浮かべながら、薔薇の花を一振りした。
ギーシュ「僕はメイジだからね、魔法を使って戦わせてもらうよ」
するとその薔薇から落ちた花びらが地面に触れた瞬間、そこから青銅の女騎士が現れる。
ギーシュ「僕の二つ名は"青銅"のギーシュ。紹介しよう僕のゴーレム"ワルキューレ"だ。
 君の相手をするのは彼女だよ」
私の使い魔は少し驚いてはいるようだが、一歩も引かない。
ギーシュ「そういえば君、元の世界では学生だったそうじゃないか?」
どこから聞いたのだろう?ギーシュは余裕の表れなのか、私の使い魔に話しかける。
ギーシュ「僕は知っての通り、この由緒正しいトリステイン魔法学院の生徒だ」
ワルキューレは動かない、いったい何を考えているのだろう。
ギーシュ「君はなんていう学校に通っていたんだい?もっとも平民の通う学校なんて
 程度が知れているけどね」
使い魔「東大です」
ギーシュ「・・・え・・・!?」
使い魔「東京帝国大学です」
ギーシュ「・・・う、うわあ・・・ああ・・・ああああああああああ(ワルキューレが崩れ落ちる)」
使い魔「どうかしましたか?」
ギーシュ「ああ、あふゥッ・・・ひいいい・・ガクガク(足が震える)」
使い魔「やだなあ、そんなにびびらないで下さいよ。ちょっと頭がいいだけですから^^」
ギーシュ「ああ・・あ・うんっ・ああ・・・ビクンビクン(小水を漏らす)」
使い魔「ちなみに理3です。」
ギーシュ「あんっ!ああん・・らめ・・・もうらめえ!ビクンビクン(射精する)」

もはや、何がなんだか分からないが、ギーシュは死んだ。社会的な意味で。
学歴を誇ろうとした彼は、その学歴ゆえに滅んだのだ。
って、あれ?私も同じトリステイン魔法学院の生徒だから……。
「・・・う、うわあ・・・ああ・・・ああああああああああ(イスから崩れ落ちる)」



たまに見かけるコピペシリーズ「東大生」

お目汚し、失礼しました。マジで。
416名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 08:40:45 ID:EhzyKJgR
普通にアルカード召喚でええやん
417名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 08:42:05 ID:ZqOrfMgb
投下中に雑談失礼しました。
支援します。
418名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 08:42:24 ID:tM1a6/oJ
>>412
つまりゲームとするなら、シエスタとキュルケを操作して、
何処かに囚われたorモンスター化したルイズ達を救助または撃破しつつ進んでいくわけですね? わかります。
419水の使い魔Splash☆Star:2008/06/29(日) 08:46:08 ID:TAmGJYeI
Yes!プリキュア5GoGo!終了後(9:00頃)から、第19話を投下します。

しかし、アナコンディさん。怒るだけでなんのアイデアも出さないなんて…
失敗を生かせないのなら報告書の意味はあるの…?
420名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 08:46:59 ID:DDAXqYWl
モンモンの香水でハイドロストームを使うわけだな?
421名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 08:59:06 ID:8lejaNrn
>>415
予想guyのオチに吹き出したガイドライナーが通りますよ
422水の使い魔Splash☆Star 第19話(1/5):2008/06/29(日) 09:00:04 ID:TAmGJYeI
あれから2ヵ月の時が流れた…。

トリステインはアルビオンと戦端を開いた。
トリステイン・ゲルマニア間の『反共和制同盟』にガリアが加わり、アルビオンに侵攻したのだ。
傍観を決め込んでいたガリア王ジョセフが、なぜ今になって協力を申し出たのか様々な憶測が流れた。
強力な援軍を得た『反共和制同盟』は、アルビオン空中艦隊の再建が整わぬうちに一気に攻勢をかけた。
夏期休暇中の魔法学院の生徒も、何人か学生士官として参戦したという。
ルイズはその戦いには参戦していない。
アンリエッタ女王から求められた時も「使い魔のいないわたしでは、お役に立てませぬ」とはっきり断った。

戦争は意外なほど早く終わった。
空中艦隊の再建が進んでいないアルビオンに対し、その名も高き、ガリアの『両用艦隊』。
アルビオン側の士気も低く、上陸作戦はあっさりと成功した。
その後も、同盟軍は大した抵抗を受けることもなくロンディニウムまで侵攻した。
アルビオン軍は、戦力として使役していたはずのオークやトロル鬼が次々と統制を離れて暴れだし、同盟軍の迎撃どころではなかったのだ。
戦いは1ヶ月ほどで終了し、新皇帝クロムウェルも自決した。
学生士官達は、ほとんど怪我人すら出ずにトリステインに帰還し、いつもどおりの学校生活が始まった。

423水の使い魔Splash☆Star 第19話(2/5):2008/06/29(日) 09:00:49 ID:TAmGJYeI
ルイズは、毎朝ミズ・シタターレの小屋を覗いている。
部屋に入って、香水の瓶を取り出す。
毎日、朝一番にシエスタが掃除している部屋は、ほこり一つ落ちてない。
帰ってきたときに、好きだった香りで迎えよう…。ルイズが香水を吹くのは、すでに日課になっている。

ルイズが香水を吹き終えたとき、部屋の隅が白く光った。
そちらの方を向いた瞬間、床から、ミズ・シタターレが出現し、その場に倒れこんだ。

「な、に…これっ?!」
ルイズは、嬉しさより、懐かしさより先に目の前にいるシタターレの姿に驚いた。
体中が傷だらけでボロボロ、服も半分破けている。
何よりも、ミズ・シタターレの体自体が、色を失ったように半透明で、下の床が透けている。
「ちょっと、どうしたのよ!?」
「ううっ…。」
ルイズが呼びかけても、苦しそうにうめくだけ。
「待ってて、すぐに誰か呼んでくる!!」


「どう、何とかなりそう!?」
モンモランシーの部屋まで飛んでいったルイズは、ありったけの秘薬を抱えてシタターレの小屋に戻った。
ルイズの騒ぎを聞きつけたキュルケやタバサたちが見守る中、モンモランシーは治癒の水魔法をかけた。
「ねえ、何とかなる?」
不安そうにシタターレを見つめ、何度も聞いてくるルイズに、モンモランシーは答えた。
「傷だけならね…。でも、これは…。」
一同は、シタターレの姿を見つめた。色を失い、透明になるなど聞いたことがない。
「こいつがここまでボロボロにされるなんて…、『プリキュア』ってどんな相手なのよ。」
「『プリキュア』じゃないわ…、『ゴーちゃん』よ…」
ミズ・シタターレがゆっくりと体を起こした。
「ありがと…、大分楽になったわ。」
「あんた、その体は…?」
「『奇跡の雫』を全部失っちゃったからね。長くは持たないわ…」
「7つもあった、あれを全部!?」
ルイズは驚いて声を上げた。『アンドバリ』の指輪の力は自分も知っている。
…それに匹敵するような秘宝7つ分の力を全部使い切るって…。

唖然としてみているみんなを尻目に、ミズ・シタターレは立ち上がった。
「ちょっと、まだ無理しちゃダメよ!」
「『ゴーちゃん』が追ってくるはず、ここは危険よ。…急いで、ラグドリアン湖にいかないと…」
ルイズも立ち上がり、ミズ・シタターレの目をじっとみつめた。
「ラグドリアン湖までいけば、何とかなるのね。」
シタターレがうなづいた。
「わかった、あとでちゃんと説明してよ…。みんな、お願い、手伝って!」
まわりにいる全員がうなづいた。

「ちょっと、無理いわないで、あんたたちじゃゴーちゃんにかなうわけないわ…。」
ルイズは、前に『魅惑の妖精』亭であったゴーヤーンの姿を思い出し、みんなに説明する。
キュルケはうなづくと、シタターレに向かって話しかけた。
「心配しないでよ。だれが、あんたをこんな風にできる奴と戦うものですか。
 とりあえず、そいつをラグドリアン湖に行かせなければ良いんでしょう。」
「あとは、そいつに見つからないように、こっそりラグドリアン湖までいく手段だな。」
「急がないと、追っ手が来る…」
一同は小屋を出て、それぞれの準備を始めた。

「ありがと…。」
「その言葉は、あんたが助かったときに、みんなで改めて聞くわ。」
ルイズはシタターレの手を引き、裏庭へと駆け出した。

424水の使い魔Splash☆Star 第19話(3/5):2008/06/29(日) 09:01:25 ID:TAmGJYeI
ルイズたちが小屋を出てから十数分後…。
小屋の奥にある『ゲート』から、ゴーヤーンが姿をあらわした。
羽織袴に緑色の顔は同じだが、どす黒いオーラを隠そうともしない。
「まさか、この直通ゲートを通って『ハルケギニア』に逃げ込んでいるとはね…。
 ですが、こんなに強い匂いをつけて逃げられるとでも思ってるんですかねぇ。」
ゴーヤーンは、凶悪な笑みを見せると小屋から出た。



「ここですか…?」
ゴーヤーンがカーテンを閉めた窓に飛び込むと、そこでは金髪巻き髪のメイジがなにかを調合していた。
「あら?奇妙なお客さんね。」
そのメイジは、ゴーヤーンの姿を見ても、あまり驚かずに話しかけてくる。
「この匂いは…」
「もしかして、わたしの香水を気に入ってくれたの。」
金髪のメイジは、香水の瓶を取り出し、ゴーヤーンの顔に直接吹きかけた。
「な、なにするんですか!?『匂い』がわからなくなっちゃったじゃないですか!」
「あ、これはお嫌い?それじゃ、こっちはどう?
 そうだ!今、新しいやつ作ってるから、ちょっと手伝ってくれない?」
メイジはそういいながら、ゴーヤーンのほうに手を伸ばす。よく見るとその手は震えている…。
「わたしはこんなことをしている場合じゃないんです!失礼しますよ!!」
ゴーヤーンはメイジの方を見向きもせず、窓から飛び出した。

…ひとり部屋に残されたモンモランシーは、その場に座り込んだ。
「あー、怖かった。…ルイズ、ギーシュ、頼むわよ…。」



香水を直接吹き付けられて、鼻が利かなくなったゴーヤーンは、しばらく鼻をこすり続けた。
しばらくして、彼は、同じ匂いの源がいくつかあることに気づいた。
手近な源に向かってみると、そこでは、赤い髪の女が誰かとキスしていた。
「失礼しました…。」
女にじろっと見られて、ゴーヤーンはそのまま後ろへ飛び去った。

ゴーヤーンが飛び去った後、キュルケはにこっと笑って唇を離した。
「なんでわたしが、香水をつけて、こんなことをしなくちゃならないのかね…」
「あら、いつも薬品臭い服着てるんだから、たまにはいいじゃない。」
キュルケのキスの相手はコルベールだ。
彼は禿げ上がった頭をかきながら、照れくさそうにしている。
「コルベール先生だって、これで研究が続けられるでしょう。」
「そ、それはそうだが…」
「風竜より速く飛ぶ機械なんて、ゲルマニアにだってないわ。
 出資者の目処も立ってるし、あとはがんばってね。コルベールせ・ん・せ!」

425水の使い魔Splash☆Star 第19話(4/5):2008/06/29(日) 09:01:58 ID:TAmGJYeI
香水の匂いはあてにならないと悟ったゴーヤーンは、学院からはなれる気配を探した。
あの匂いが『囮』なら、全力で逃げているはずである。
ゴーヤーンは、学院から離れようと上空を飛ぶ気配を感じた。
「きゅい〜、変な人が飛んでるのね〜。」
「あらら、ここも違いましたか?」
青い風竜が、小さな主人を乗せて飛んでいる。
シルフィードは高度3000メイル以下では喋らないように約束していたが、ここは空の上、遠慮することなどないとばかりにシルフィードはまくしたてる。
「小さな人、こんなところで何をやってるのね〜。」
「こういう服を着た女性を見ませんでしたか?」
ゴーヤーンは飛びながら掌を前に突き出す。すると、その上にミズ・シタターレの姿が浮かび上がった。
「あ、シルフィ、この人知ってるのね!きゅい、ほら、お姉さまの友達の使い魔なのね!」
タバサも無言でうなづく。
「この人最近見かけないのね。そうだ、きっと街にいるのね。
 シルフィたちも今から街に行くの!、シルフィが探してあげるのね。
 シルフィは目がいいからすぐに見つけちゃうのね。空の上から、走ってるネズミでも見つけちゃうのね!
 小さな人、シルフィと一緒に街に行くのね。きっとお姉さまも歓迎してくれるのね!」
「あ〜、もういいです。あなたと話してたら、時間が幾らあっても足りませんよ!」
そういい残してゴーヤーンの姿は消えた。

「…お姉さま、シルフィ怖かったのね〜。」
ゴーヤーンが消えた後、シルフィードはそういってガクガクと震えた。
タバサはそんなシルフィードの頭を優しく撫でた。
「帰ったら、ルイズに肉をお腹いっぱいおごってもらう…。」



その頃、学院の裏にある森では、大きな穴からギーシュ顔を覗かせていた。
「大丈夫みたいだ…。」
ギーシュの使い魔ウェルダンテが掘ったトンネルを通って、ギーシュとシタターレはここまできたのである。
シタターレは、トンネルに入る前にハルケギニアの服に着替えている。
今は少しの力も無駄にしたくないので、シエスタが大急ぎでサイズの合う服を探して着せ替えたのだ。
そこに、ルイズが馬を2頭引いてやってきた。
「とりあえず、学院で一番速い馬を借りてきたわ。ぶっ通しで走れば昼までには着くわ…。」
ギーシュはルイズの姿を確認すると、トンネルの中にいるシタターレを手招きした。
ルイズは、シタターレの姿を見ると、くんくんと匂いをかいだ。
「『消香剤』はちゃんと効いてるみたいね。」
「疑ってたのかい!これがよく効くのはこの僕が保証するよ。」
「確かにね、でも…なんでギーシュがモンモランシーの香水用の『消香剤』なんて持ってんのよ!」
「あ、いや…それは、その…」
「まぁいいわ。今回は助かったから黙っといてあげる。」
「じゃ、ルイズ、後を頼むよ。」

ルイズは力強くうなづくと、シタターレと共に馬に乗って駆け出した。

426名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 09:02:28 ID:dGQre0nu
>>409
ワルドに色目使うキュルケだけが気づくというのも凄い違和感があるが
これもいい人補正かね
427水の使い魔Splash☆Star 第19話(5/5):2008/06/29(日) 09:02:34 ID:TAmGJYeI
ルイズたちはラグドリアン湖の畔まで駆けると、そこには『水の精霊』の姿があった。
ミズ・シタターレと同じ姿の『水の精霊』を見つけると、ふたりは馬から下り、近づいた。

「…話は聞いている。使うがよい…」
『水の精霊』から、なにかが飛んできたのをミズ・シタターレが受け取る。
紫色の大きな宝石が入った古ぼけた指輪…『アンドバリ』の指輪だ。
シタターレがそれを指に嵌めると、今にも消えそうだった身体が元に戻る。
「大丈夫…」
心配そうに話しかけるルイズにシタターレが笑いかける。
「なんとか、いけそうよ。」


「なるほど…この世界にも『奇跡の雫』と同じものがありましたか…!」
ほっと安堵の表情をしたルイズの顔が、ふたたび凍りつく。
いつのまにか、『水の精霊』の姿はなく、かわりにそこに浮いているのは…。

「ゴーヤーン!!」
「ほう、あのときのお嬢さんじゃないですか。
 あれから店に行ってもいないのでおかしいと思ってたんですが…久しぶりですね。」
ゴーヤーンは言葉とは裏腹に、ルイズのことなど視線にもいれず、ミズ・シタターレを睨みつけている。
「そんなものがあったとは、こちらも誤算でした…。」
その身体から、禍々しいオーラが立ち上り、手には、黒い光弾があらわれる。
「…ですが、そんなちっぽけな『指輪』一つで、私に勝てると思ってるんですか…!?」
黒い光弾はどんどん大きくなり、ラグドリアン湖の水面には激しい波が立つ!
黒い光弾が直径1メイルを越えたところで、ゴーヤーンはそれを投げつけた!!
シタターレが手をかざすと、ラグドリアン湖の水面が大きく膨れ、光弾にぶつかって爆発した!!


「思ってるわよ!ここの『精霊』が力を貸してくれているし…」
あたりには激しい水しぶきが立ちこめて雨のように降り注いだ。
すると、一瞬、視界が真っ白になったゴーヤーンを、後ろから何者かが蹴り飛ばした。
ゴーヤーンはもんどりうって、岸に叩きつけられる!

「…一人じゃないしね!!」
水しぶきが収まったラグドリアン湖の水面には、金色の男が立っていた。
「ゴーヤーンっ!!貴様は、ミズ・シタターレを傷つけたばかりか、
 今まで、ずっとアクダイカーン様を騙し続けていたとは、絶対に許さんぞっ!!」
「キ、キントレスキー殿が、なぜここに…」
したたかに打ち付けた頭をさすりながら立ち上がったゴーヤーンは、自分が囲まれていることに気づいた。


「満殿に薫殿…、それに『プリキュア』まで…もしかして、わたし、ハメられちゃいましたか?」
「そういうこと!さぁ、覚悟なさい。『滅びる』のは、あんたの方よ!!」


6人に囲まれたゴーヤーンは小さく笑うと、口を開いた。
「まったく…、あなたたちは予定外のことばかりしてくれますね…。」
その声は、今までよりも1オクターブも低い。
禍々しいオーラも、更に大きくなり、つないでいた馬が暴れて紐を引きちぎり森のほうへと逃げ出した。
森からは鳥がこの場を離れようと、バサバサと逃げ出す。
周囲の空気全体が震えるような感覚に包まれた後、ゴーヤーンの身体が黒い光に包まれる!
シタターレは、さっとかがんでルイズの身体を守る。

次の瞬間、ゴーヤーンのいた場所には、身長5メイルはある屈強な『戦士』が立っていた。
「まさか、あなた方相手に『この姿』を見せることになるとは思いませんでした…。
 この『ハルケギニア』も、『緑の郷』も、『泉の郷』も、『ダークフォール』も、全てわたしが滅ぼします!」

428水の使い魔Splash☆Star 第19話 解説:2008/06/29(日) 09:03:17 ID:TAmGJYeI
【解説】

《ダークフォールの正体》
この作品の世界観を表す言葉に「すべてのものに生命は宿る」というのがあります。
ゴーヤーンは『宇宙が誕生する前の暗黒』の精霊です。

永遠とも言える時間を、暗闇と静寂の中でたゆたう存在だったゴーヤーン。
やがて、宇宙が誕生し、星々が生まれ、生命が生まれます…。
ゴーヤーンはそのノイズを嫌って、「ダークフォール」という世界をつくり、その中に引きこもっていました。
ですが、あろうことか、長い時間の中でダークフォールに生命と精霊が宿ってしまいます。
業を煮やしたゴーヤーンは、ダークフォールに宿った『生命の炎』をアクダイカーンに、『精霊』を7人の戦士に作り変えて、全ての生命を滅ぼすべく行動を始めました。



《緑の郷でなにが起きたか》
ミズ・シタターレは『アンドバリ』の指輪を嵌め、自分が『水の精霊』と同じ存在であることに気づきました。
そして、『緑の郷』でプリキュアと戦っているうちに、アクダイカーンすら『作られた存在』だと気づいたのです。

真相を知ったシタターレは一計を案じます。
(満と薫をどうしても助けたい)プリキュアと、(シタターレにほれている)キントレスキーに協力を求めました。
そして、自分はゴーヤーンの前で「真相を知った」と暴露して、相手の気を引き付けます。

そのスキにプリキュアとキントレスキーは『水の泉』と『金の泉』を解放し
(シタターレが『奇跡の雫』を持っていなかったのはこのため)、フィーリア王女を復活させました。
王女の力でアクダイカーンを元の姿にもどし、満と薫を助け出してラグドリアン湖で待ち伏せたのです。
(『奇跡の雫』を失った力は、キャラフェで補充しています。)

429水の使い魔Splash☆Star:2008/06/29(日) 09:06:16 ID:TAmGJYeI
今回はここまでです。
『緑の郷』の話はゼロ魔側のキャラクターを出す余地がないので、全て割愛して解説のみにとどめました。

次で最終回です。
なんとか仕上げようと努力はしたのですが…

気分を盛り上げるためにSplash☆Star本編を見る

一緒に録画してあるボウケンジャーやカブトも見る

はっと気がついたら朝の3時…

このコンボにはまってしまい、残念ながら完成しませんでしたw
何とか今日中には…
430名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 09:15:35 ID:SjtWPGTe
Splash☆Starの作者乙
431名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 09:58:43 ID:OluNqanU

まさかプリキュアと共闘なんて熱い展開が待っているとは……
432名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 10:02:06 ID:VmM0HAgY
おお! またまたGJ! にぎやかになってきてまさにクライマックスという雰囲気になってきました。
けど、急いては事を仕損じるといいますし、じっくり推敲して最高のものができてからのほうがいいかと愚考しますが。
433名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 10:19:45 ID:TI82TG3i
【芸能】田村ゆかり、今週から新ブログで競馬予想を開始。宝塚記念の本命馬は「サクラメガワンダー」
http://music8.2ch.net/test/read.cgi/musicnews/1214701691/
434名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 11:37:41 ID:yYFJXemn
投下乙そしてGJでしたー!
物凄く熱い展開にドキドキが止まりません
キントレスキーは、原作では全力で戦う戦士としての
ミズ・シタターレに惚れていたようでしたが、
こっちでは、女としてのミズ・シタターレに惚れたのかな?
とか勝手に想像しながら続きを楽しみにしてます!
435名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 11:40:22 ID:jdQGfjaY
プリキュアは子供向けのアニメかと思ってたら、あれ、意外と面白い・・・?
ともかく乙でした!
436名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 12:01:23 ID:1pQB4kSn
プリキュアには正直興味無いのですが大変面白く読ませて頂いております
この先の展開も興味シンシンです
頑張って下さい

フと思ったのです
ゲイナー召喚して「竜の鎧」がキングゲイナーとか
437名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 12:02:04 ID:InKLexq/
最強作者様&竜剣バハムートとか
アレすぎるSSがタバサがヒロインだっつーだけで
マンセーされる世界があるというのに
438名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 12:06:03 ID:yAuBEIql
>>437
気持ちは解るが他所の話はここですんなと。

いや確かにアレは非常にアレだけど…
439名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 12:13:19 ID:CeV46Doo
>>437
どこにあんの?理想郷?
440名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 12:13:54 ID:fcB2/DRj
エルドラン召喚。
「この世界を頼んだ…異世界の…子供たちよ!」

「機械化獣が出たわ!水霊騎士団出撃よ!」
トリスタン魔法学園の校舎が変形して出撃、という電波を受信した
441名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 12:17:33 ID:1pQB4kSn
>>440
トリスタン  それは円卓の騎士の一人だ トリステインね

しかしそれは面白そう
やっぱワルドがやられ役を割り振られるんだろうな
剣王がギーシュで獣王がキュルケで鳳王はタバサ?
442名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 12:23:45 ID:GhmfJSai
最強とかオリ設定満載とか面白ければどうでもいいじゃない(マリー

こういうのって「パイナップルの入ってる酢豚」みたいなもんだと思ってる俺。
443名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 12:28:50 ID:VdDgC/B5
>>442
パイナップルの量による


最悪パイナップルの甘酢炒め肉風味かも知れない
444名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 12:29:07 ID:CeV46Doo
>>437
虚無に舞う雪風の剣舞
これか?感想が100超えてたので期待したんだがまったくおもろない
毒吐きで叩かれてるここのSSのほうがましだったわ
445名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 12:30:13 ID:SHHRnW1F
>>437
ageてまで言うことか
446名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 12:30:51 ID:8x98vsLv
吸血鬼が太陽光浴びたら即死ってのは「吸血鬼ノスフェラトゥ」という映画での演出上の設定だったのが広まったので
別に全ての吸血鬼が致命的弱点ってわけじゃないぜよ
元祖のドラキュラも昼間にロンドンをうろついてたし
カーミラも日光を鬱陶しがってたがカーテン閉めただけで部屋でゴロゴロしてた
447名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 12:34:23 ID:yAuBEIql
>>439、444
だから他所の話は(ry

ただでさえ最近はこのスレにもヘンなヤツが増えてきてるのに、
アレの信者がココに乗り込んできたらどうするだよっ!?
448名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 12:35:31 ID:/kpg8hq5
吸血鬼と言えば、昔吸血鬼のおしごとという作品がありましてなぁ……
449名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 12:35:35 ID:0r7Ppyd9
吸血鬼といえば「ボクらの太陽」からおてんこさまとガン・デル・ソル召喚とか面白そうだ
450名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 12:37:46 ID:N3tOmSAf
ドラゴンか・・・

新紀元社ではコイツもドラゴンに入るそうです・・・

ルイズがゴジラを召喚しました!







・・・ただし、金子監督版(マテ
451名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 12:38:23 ID:f4aaHwtJ
吸血鬼といえばD
美しすぎて話が成立しないけどな
452名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 12:40:02 ID:1pQB4kSn
「ジャングルの王者ターちゃん」では吸血鬼は全員極めて敬虔な
クリスチャンなので十字架を見せ付けられると己の罪業を
思い出し、ひるむという解釈があった

アレは実に秀逸だったな
453名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 12:40:11 ID:fcB2/DRj
>>448
前半ほのぼの、後半ダークなあれですな
454名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 12:40:16 ID:8x98vsLv
クロノクロスのドラゴンはオーソドックスな爬虫類タイプから昆虫型、両生類型、まんま人間の姿のまでいたぞ
455名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 12:43:05 ID:MicTLR/s
>>451
陽光症で寝込んでる時なら契約は可能だけどそこから話が続かない
(美しさのあまり機械が攻撃を一瞬躊躇ったとか無茶苦茶だしw)
「左手」を単体で呼んだほうが面白いかもしれん
456名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 12:46:00 ID:SHHRnW1F
>>451
Dの左手の人面疽だけ召喚とな?
457名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 12:58:25 ID:PBQIHGYO
アダムス・ファミリーからハンドくん召喚かと思った
彼はどっちの手だっけかな
458名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 13:00:45 ID:qMA94/Tw
アーマードコア・マスターオブアリーナよりナインボール召喚。










錬金一発でデッドエンドorz
459名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 13:04:13 ID:n9rl9p1y
>>455
美しすぎて「この方と契約するなんてとんでもない」とコルベールが止めて
美しすぎてそんな言葉が耳に入らなくなったルイズがキスしようとしたら周囲の生徒が発狂しかかって
「ゼロのルイズがそんな美しい方と契約なんてしようとするな」と他の生徒が自分の使い魔見捨てて契約しようとして
そこで人面疽が起きてそいつならなんとか許してやると契約させられるんだな
460名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 13:08:02 ID:MicTLR/s
あの人面疽なら初見でルイズの才能を見抜いて、こいつと契約させるのが面白そうだと考えるだろうな
最近の話は読んでないけど初期の頃はDをいじめて楽しんでいるようにしか見えなかったしw
461名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 13:10:47 ID:+/Q0/nKt
菊池作品でも別に美形じゃない秋月あたりなら。
結構人がいいし。
462名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 13:13:35 ID:XYTjm7Jo
イカモノ料理人の内原さんも、たまには思い出してやってください。
463名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 13:15:39 ID:GXpWeYn4
>>450
どうせならガメラ(小さな勇者ver)召喚で。
最初はちっこいからバランスとれるし、七万兵あたりで赤い石食べさせて
巨大化&プラズマ火球会得とか。ルーンは憚られるやつになりそうだけど。
464名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 13:18:04 ID:8x98vsLv
内原は最近復活してたね
ちょっと残念な話だったけど
465名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 13:24:18 ID:T0vpe8+7
あの内原は無かったことにしたい。
菊地ならドクターモヒカンが一番いいよ
正確には細馬キャラだけど
466名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 13:27:54 ID:MicTLR/s
>>465
何気にいい人な、体内に邪妖精飼ってる神父も捨てがたい
467名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 13:28:19 ID:XYTjm7Jo
>>464-465
ほほぉ…いい情報だな 登場作品の出版社名と作品名は!?

468名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 13:32:35 ID:LXdcAt11
>>440
与えられるメカはライジンオーかガンバルガーかゴウザウラーのどれかな
ライジンオーとゴウザウラーは魔法学院から出るからまだしも
ガンバルガーにしちゃうとブルドンネ街とか城とかから出撃する事に
469名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 13:38:50 ID:myBk0csF
>>468
ここでまさかのダイテイオー(おい
470名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 13:42:13 ID:OluNqanU
>>467
邪神迷宮でぐぐれ

>>463
ハルケギニアならレギオンを召喚しても大して問題が無いように見えるのは気のせいか
471名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 13:44:43 ID:Aho4i9OI
なら、イリスを召喚して、ルイズに触手プレイだ
472名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 13:45:26 ID:UDg8IqIC
>>470
草体も一緒に召喚されたらヤバイけどな
473”IDOLA” have the immortal servant 0/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/06/29(日) 13:47:20 ID:HNv6ISpO
予定がなければ55分あたりから7話目投下したいと思います。
474名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 13:51:11 ID:GfX/LgNY
キター続きが気になってたんだ。
475名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 13:51:42 ID:myBk0csF
ファンタシースターポータブルのためにPSP買おうと計画している自分が支援!
でもPSOはDC版しかやったことない…
476名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 13:54:57 ID:GfX/LgNY
>>475
お前は俺かw
477”IDOLA” have the immortal servant 1/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/06/29(日) 13:55:07 ID:HNv6ISpO
 低く唸るような音がルイズの耳に響いている。
 “それ”は、体の接合部に、淡く輝く光の粒が走っていた。
 生き物なのか、ゴーレムなのかすらルイズには判らない。
 シルエットは巨大な角を持つ鹿に見えなくも無い。どこか神々しさすら感じさせる、力強い姿だった。
 ―――フォトンブラスト。それがこの現象の正体。
 戦闘行為で『浮遊の蟲』が蓄積したフォトンエネルギーを、一気に解放し、様々な効果を発揮させる。
 その際、フォトンミラージュと呼ばれる幻影の獣の偶像を伴うのである。
 これが、ハルケギニアの民が『浮遊の蟲』と呼んだ、D型因子をコアに持つエモーショナルAI、『マグ』の力だ。
 “それ”が、啼いた。
 前足を振り上げ、振り下ろすと同時に巨大な雷を前方のゴーレムに叩きつけた!
 ゴーレムの頭部を一瞬で吹き飛ばし、その胴体をも無慈悲に削り取っていった。
 雷が収まると、先程の光景が嘘のようだった。先程の魔法陣も、異形の鹿も、閃光と共に消え失せていた。
 ただ―――巨大な破壊の爪跡だけが現実の物として残されていた。腕と足だけになったゴーレムの残骸……土の山があるばかりだ。
「おでれーた! こりゃおでれーた!」
「……は……あは、は」
 ルイズは腰が抜けたのか、へなへなと地面にへたり込む。
「すごいわ! なにいまの!?」
 木陰から飛び出したキュルケが尋ねてくるが、ルイズはへたり込んだまま「知らない」と首を横に振った。
(敵わないわねー、こりゃ……)
 キュルケは今更ながらに震えているルイズを見て、目を閉じると頭を掻いて小さく笑った。
 ルイズはキュルケの見ているその前で、フロウウェンの為に命を張って見せたのだ。
 キュルケは欲しいものがあれば、それを力ずくでも奪い取る主義だ。
 だが、その者にとって一番大事なものは奪わないという制約も己に課している。命の取り合いになる事を知っているからだ。
 タバサのシルフィードが降りてくる。
「フーケはどこ?」
 タバサがぽつりと言った
 その言葉にルイズとキュルケは、慌てて周囲を見渡した。どこにもフーケらしき者の姿は無い。
 茂みの中から、ミス・ロングビルが戻ってくる。
「ミス・ロングビル! フーケはどこからあのゴーレムを操ってたのかしら?」
 キュルケがミス・ロングビルに問う。
「わかりません。もしかしたら今の雷で吹き飛ばしてしまったのでは?」
「そうかもね。もしどっかに隠れてたとしても、あんなの見て向って来ようなんて思わないでしょうけど」
「ええ……フーケのゴーレムが一撃で粉々なんて……本当……すごいわ」
 ミス・ロングビルが感激したように笑みを浮かべる。
「ミスタ・フロウウェン。『浮遊の蟲』に大事は無かったのですか? 少し見せて頂けますか?」
 その一連の行動で、最後に残った疑問が氷解し、限りなく黒に誓い疑惑は確信へと変貌していた。
 フーケは何故わざわざ盗んだ宝を敵に渡したのか。
 フォトンブラストの事を学院の一部の者は『召喚』という認識をしていたに違いあるまい。だから『浮遊の蟲』などと呼ばれ、宝物庫に収められていたのだ。
 だがこのハルケギニアで『浮遊の蟲』と呼称されるこの虫どもは、フロウウェンの文明においては最先端の技術として存在しているものであった。政府よりハンターズに支給されてはいるが、一般レベルではほとんど認知されてはいない。
 人の意思に反応しやすいという特性を持っているから、規律を重んじる軍隊よりもハンターズに優先的に支給された。軍隊でも所有するものは稀で、ハンターズ以外にはほとんど馴染みのないものなのである。
 だから、どうすればフォトンブラストを放つ事ができるのかが、当然フーケには……いや、このハルケギニアの住民に知る者はいないだろう。フーケはそれを知ろうと、わざわざ学院の者を誘き寄せて敵に使わせる事で、それを知ろうとした。
 そうして、自分の手に取り戻したところで、手順を知るオレからフォトンブラストについて聞き出そうとするのだろう。
 だがフォトンブラストの手順を、メイジが知ろうとする事。フォトンブラストが自分に役立つと、メイジが思っている事。それ自体が、『浮遊の蟲』の事を半分も理解していないという、何よりの証拠なのだ。
 メイジ……或いはフォースがこれの正確な機能と効果を把握しているならば、まず所有した時点で満足する。フォトンブラストなどはおまけのようなものとしか思わないに違いあるまい。
「ヤクシャ。彼女の所へ」
 フロウウェンが背後に漂う『浮遊の蟲』に指示をすれば、『成虫』であるヤクシャ二匹―――実際は二体一組だが―――はふわふわと宙を漂い、ミス・ロングビルの肩の後ろの空間に留まる。
478”IDOLA” have the immortal servant 2/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/06/29(日) 13:55:58 ID:HNv6ISpO
「それにしても分からなかったのですけれど、ミスタ・フロウウェンは平民なのに、よくあんなものを召喚できるのですね」
 それは予期していた問いだった。
「召喚したわけではないが……あれは撃とうと『思う』だけで撃てる。そういうものなのだ」
 問いただすより踊ってもらった方がルイズ達に説明する手間も省ける。そう思い、話を合わせる。
「そう、ですか―――」
 すっと、ミス・ロングビルは皆から間合いを離した。
「ミス・ロングビル?」
 キュルケが怪訝そうな声を漏らす。
 姿形は変わらないのに、目の前にいる女性がまるで別の生き物になってしまった。そんな印象を受けて。 
「そこから動かないでね? わたしがその気になったら、あなた達みんな、粉々になってしまうわよ。わたしのゴーレムみたいに、ね―――」
 眼鏡を外すミス・ロングビル。その目に猛禽を思わせる鋭い眼光が宿る。
「わたしのって……」
 ルイズが目を丸くした。 
「そう。『土くれ』のフーケはわたし。分かったら、さっさと杖と剣を捨てなさいな」
 全員がミス・ロングビル……いや、フーケの言葉に従う。武装解除を見届けると、フーケは満足げに頷いた。
「どうして!?」
 ルイズが怒鳴るとフーケは笑った。
「そうね、事情も知らずに死んでいくのは可哀想だから、説明してあげる」
 得意げにフーケが言った。
「わたしはね、『浮遊の蟲』がああいったものを召喚する事ができるのをオールド・オスマンから聞き出して知っていたけれど、その方法が分からなかったの」
「方法?」
「ええ。叩いても魔法をかけても、この蟲はうんともすんとも言わずに浮かんでるだけなんだもの。困ったわ。
売るにしても自分で使うにしても、一番目玉の能力が使えなければ、魅力は半減じゃない。そうでしょ?」
 紅潮したルイズが飛び出そうとするが、フロウウェンが手で制する。
「それで、魔法学院の人間なら知っているかもと思い、呼び寄せて使い方を探ろうとしたわけだな」
「ご明察。その通りよ」
 フーケは笑いながら拍手をする。
「私達が、誰も方法を知らなかったら?」
 タバサの問いに、平然と答える。
「その時は全員踏み潰して、次の連中を連れてくるだけ。その手間は省けたけどね。誰かさんが親切に教えてくれたお陰で」
「いずれにせよオレ達を見逃すつもりはないのだな?」
「そうね。可哀想だけど、あなた達はわたしの顔を見てしまった。さようなら。短い間だったけれど、楽しかったわ」
 フーケが先程フロウウェンがそうしたように、ぐっと身を屈める。
 キュルケは観念して顔を背け、目を閉じた。
 タバサも目を閉じた。
 ルイズも目を閉じた。
 フロウウェンは……ただ、静かにフーケを見ているだけだった。何も起こらない事を知っているが故に。
「……勇気があるのね」
「…………」
 フロウウェンは答えず、デルフリンガーを拾い、鞘に収める。
 フーケがあからさまにうろたえた。二度、三度と身体を屈め、手を伸ばす。何度も後ろの『浮遊の蟲』に命令を下した。
 それからはっとしたように顔を上げ、フロウウェンを睨みつけた。
「だ、騙したわね!?」
 顔を赤くしたフーケが一歩、後じさる。
「いいや。嘘ではない」
 真実の一部しか言わなかっただけだ。フォトンブラストに必要なエネルギーは、装備者の戦闘行為によってまかなわれる。
それも物理的な攻撃を行うか、或いは自分が何らかの理由により肉体に損傷を負うかしなければならない。
 その際に拡散した余剰なフォトンを、『浮遊の蟲』は内に溜め込むのである。それをある程度積み重ねなければフォトンブラストは放つ事ができない。
更に、一度放てば、もう一度同じ過程を経る必要がある。燃費が悪いのだ。
 いずれにせよ、魔法攻撃が主体のメイジには余り必要のないものである。
「じゃ、じゃあどうして!?」
 フロウウェンはその問いに答える事はなかった。フーケもそれ以上は答えを聞こうとする事はできなかった。
 文字通りの瞬く間にフーケの間合いに踏み込んで、首筋に手刀を叩き込んだからだ。フーケは悲鳴を上げる事すら叶わずに昏倒した。
 
 
「にわかには信じられないわね」
 と、キュルケ。
 帰りの馬車の中で、ルイズとフロウウェンはキュルケとタバサ(それにおまけとしてデルフリンガー)からの質問責めに遭っていた。
479”IDOLA” have the immortal servant 3/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/06/29(日) 13:56:42 ID:HNv6ISpO
「ち……あたしもヤキが回ったもんだ」
 縛られて馬車の荷台に転がっていることを理解すると、フーケは諦めたかのように笑みを浮かべた。
「さてオレは彼女と取り引きをしたいのだが、交渉を任せてくれるかな?」
「ちょっとヒース! 取り引きって何を!?」
 顔色を変えるルイズに、フロウウェンは言う。
「衛士に引き渡し、取調べを受ければ彼女は見た物を話すかもしれない。それはオレにとってもルイズにとっても好ましくない」
 例えば、あのグランツとマグを使った『召喚』の方法を知る使い魔の事。
「あ……」
 だからここで、フーケの口を封じることは絶対であった。ルイズは理解する。
 ここで悪党などと取り引きはできないと突っぱねるなら、身の安全を守る為にすべき事は一つしかない。
 即ち、杖を取り上げられて縛られた、無抵抗の相手を殺すこと。
 しかも、親しかったわけではないが学院で一緒に暮らしていた顔見知りなのである。
 あれらは全て演技で、さっき殺されかかったのが事実とは言っても、こうして戦いが終わってからまた血を流さねばならないというのは心情的には遠慮したい。
「キュルケとタバサは……オレに任せてもらってもいいだろうか?」
「あたしは別にかまわないわ。ほとんど役に立てなかったしね」
「同じく」
「………」
 フーケは無言でフロウウェンを見やった。
 この老人が何を考えているのか。どんな人物なのかが分からない。
 迂闊なことは言えなかった。出方を伺うべきだろうと判断する。
「キュルケ。彼女をこのまま衛士に引き渡したらどうなるかな」
「十中八九縛り首でしょうね。フーケによる盗難の数はかなりの件数だったし、被害者は貴族ばかりだわ」
 と、肩を竦めてみせる。
「というわけだ。オレやルイズは今日見せたものを余人に話して欲しくは無い。無抵抗の相手を殺す、というのも気が引けるが、引渡しても死罪だというのならば、いっそこの手で引導を渡す方が、最後まで責任を負うことと言えるかも知れんな」
 要するに、自分を殺すことの優先順位は低いが視野に入れていないわけではない、という意思表示だ。
「……どうしろって言うのよ」
「簡単だ。今日の事を黙っている事を約束するなら、オレ達もフーケを取り逃がしたということにしていい。明日からオールド・オスマンの秘書に戻れる。決して悪い話では無いと思うが」
 確かに……悪い話ではない。セクハラを受け続けるのは少し辟易するが、それには目を瞑ろう。自分にとっては都合が良すぎるぐらいだ。それだけに、フーケは裏を疑った。
「それだけでいいの?」
「当然、盗賊稼業も今日限り廃業にしてもらう。異存はないな?」
 ぬるい。折りを見て、ほとぼりが冷めた頃に逃げ出せば良いだけの話だ。こちらが今日掴んだの情報を人に漏らさない事とフーケの名を使わない事を徹底すれば、彼らとて自分の情報は漏らすまい。
「いいわ」
「では、これを飲んでいただく。それでこちらの条件は全てだ」
 そういって、フロウウェンが取り出したのは彼の世界の精神補強薬、モノフルイドの入った小瓶だった。
「何よ、それ。いやよ」
 フーケの顔が少し青褪める。
 フロウウェンが何らかの方法―――恐らくは先住魔法の類―――でゴーレムのポテンシャルを著しく低下させていたのは分かっていたし、『浮遊の蟲』の知識を持っていてそれを使いこなして見せた。
 故に、得体の知れない男が取り出した得体の知れない薬品、としかフーケの目には映らなかった。
「こちらとしても、これは保険のつもりでな。毒ではないし、お前の自由意志に干渉するようなものでもない事は保証するが」
「く……」
 この男は他の小娘達のように甘くはない、とフーケは認識を改めた。
 どの段階からかは知らないが、こちらの意図を読んで、自分がフーケであることに気付いていたようだった。口約束だけで済ますつもりは最初からなかったのだろう。
 ただ、「毒では無い。自由意志には干渉しない」という言葉も事実に思える。
 殺すつもりならこんな回りくどいことはしないだろうし、水のスペルのように相手を操れるマジックアイテムを所有しているのなら、交渉するまでもなく無理やり飲ませるだろうから。
 どちらにせよ、否も応もないのだ。あの娘達の事を考えるなら、自分はここで命を落とすわけにはいかない。そんな思いが、彼女に選択させた。
「わかった。その条件、飲むわ」
 苦々しい声で、フーケは答えた。
480”IDOLA” have the immortal servant 4/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/06/29(日) 13:57:11 ID:HNv6ISpO
 ルイズは呆気に取られていた。あの小瓶はただの薬だと、前にフロウウェンは言っていなかったっけ。
「さて……ルイズ」
 フロウウェンはルイズに向き直る。そして、言った。
「すまなかった。オレのしたことはあまり誉められたものではない」
 ルイズは苦笑した。
 そもそも、人前で使うな、と言われていたグランツを勢い余って使ってしまったのはルイズなのである。
 その結果生じる問題の解決を、フロウウェンに任せてしまった格好の自分には、それを責める資格がないと思えた。
「……いいわ。盗賊を一人、改心させたと思えばいいじゃない。際どい場面もいくつかあったけど、宝も戻って、誰も死ななかった。だから、そういう事でいいじゃない」
 
 
「さて、君たちはよくぞ『浮遊の蟲』を取り戻してきてくれた。フーケを取り逃がした事は残念じゃが、それなりに手酷い目に会わせたようじゃしな。学院の名誉は守られ、ここにある『浮遊の蟲』どもは宝物庫に戻される事になろう。一件落着じゃ」
 木箱をぽんぽん、と叩いてオールド・オスマンは厳かに言った。
 その脇に、途中から折れて焼け焦げた杖と、同じく切り裂かれて焦がされた黒いローブの切れ端がある。フーケと戦った証拠として帰路中に用意したものだ。
「ついてはその功を労う為に王宮へシュヴァリエの爵位申請を出そうと思うのじゃがいかがかな。といっても、ミス・タバサは既にシュヴァリエの爵位を持っているから、精霊勲章の申請を行うことになるが」
『ミス・ロングビル』は、道案内しただけで後は隠れていただけだと言って、褒章をもらうことを辞退することをオールド・オスマンに告げていた。
 三人はオスマンの言葉に思わず顔を見合わせていた。
 自分達がフーケを撃退したという事にはなっている。実際交戦もしたのだが、ほとんど見ていたばかりだったしオスマンには決して話せない顛末がある。
 慌ててルイズが言った。
「いえ。フーケを取り逃してしまった以上、そのような過分な褒章に与るわけには参りません」
 キュルケとタバサも頷く。
「何と。三人とも辞退すると? 学院の名誉を守り、国中の貴族達の溜飲を下げたという点で、決して小さくはない功績だと思うのじゃがな」
 予想もしていなかったのか、オスマンは怪訝そうな顔を浮かべた。そうして腕組みをし、暫し考え込む。
「ふむ……では、君ら三名の勇気を称えるともに、私からの感謝の意味で、個人的に特別な恩賞を渡そう。シュヴァリエの爵位からは大分格が落ちてしまうが、それならば受け取ってもらえるかな?」
「オールド・オスマンのご厚意を無にするわけには参りません」
 キュルケが答える。あまり頑なに固辞しても薮蛇という可能性がある。
「それでは、この『浮遊の蟲』の『幼虫』をな、一匹ずつ授与することとしよう」
「えっ!?」
 三人はまたも顔を見合わせた。
 馬車の中でフロウウェンが語った、マグの特性を考えるなら、それはとんでもない宝物なのだ。
「そ、そのような、学院の秘宝ではありませんか」
「いや。確かに稀有な魔法人形ではあるが、実はこれ、私の私物に近いものがあってな。君らの働きなくば、フーケに盗まれて帰ってこなかったであろう品物じゃし、幸いにして『幼虫』は数も多い」
 そう言って、『幼虫』を一匹ずつ、キュルケ、タバサ、ルイズへと順に手渡していく。
 彼女らは呆然として手の中のマグを眺めた。
「ヒース……」
 と、ルイズが背後に控えるフロウウェンを見やって言った。
 フロウウェンがいなければ、フーケを捕える事はできなかっただろう。
 それどころか無策で対抗しようとした自分は生きて帰ってくる事も出来なかったかもしれない。
「受け取っておけ。オールド・オスマンはルイズ達の勇気に対して与える、と言われたろう」
 静かにフロウウェンは言う。
 オスマンはぽんぽんと手を打った。
「さて、今日の夜は『フリッグの舞踏会』じゃ。フーケの一件は解決した事じゃし、予定通り執り行う」
「そうでしたわ! すっかり忘れておりました!」
 キュルケは笑みを浮かべる。マグを手に入れた事も嬉しいが、派手好きの彼女は舞踏会も好きなのである。
「今日の主役は君たちじゃ。用意をしてきたまえ。せいぜい着飾るのじゃぞ」
 三人は礼をするとドアに向かった。
481名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 13:57:27 ID:GfX/LgNY
一万年と二千年前から支援するぅぅぅー
482名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 13:57:40 ID:PDR/KmRu
支援
483”IDOLA” have the immortal servant 5/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/06/29(日) 13:57:44 ID:HNv6ISpO
「オレはまだ話がある」
 フロウウェンが言った。ルイズは何か言いたそうにフロウウェンを見上げていたが、やがて小さく頷いて部屋を出て行った。
 オスマンがフロウウェンに向き直る。
「なにか、私に聞きたいことがおありのようじゃな」
 頷くフロウウェンに、オスマンはコルベールとミス・ロングビルへの退室を命じる。肩を落としてコルベールが出て行く。フロウウェンの話を楽しみにしていたのだろう。
 ミス・ロングビルはちらり、とフロウウェンの顔を伺うが、何も言わずに出て行った。
「この『浮遊の蟲』はオレが元いた土地の防具。これについて話を伺いたく」
「防具とな。元いた土地、とは?」
「惑星ラグオル。空に浮かぶ星のどれかということになるでしょうな」
「本当かね?」
「ええ。あのルイズの召喚でこちらに喚ばれたのでしょう」
「……なるほど。そうじゃったか。あの、ヴェストリの広場で使った魔法は君らの星のものかね」
 ザルアに気付いていたか、とフロウウェンはオスマンを見やった。
 普段は飄々としているが、かなり食えない人物のようだ。
「厳密に言うとあれは魔法では無いのですが、そういう事になるでしょう」
「それは興味深いのう。……おっとと。話の腰を折ってすまんかった。続けてくれ」
 オスマンに促され、フロウウェンは切り出す。
「差し支えなければ聞かせて頂きたい。この『浮遊の蟲』をどこで?」
 オスマンは溜息をついた。
 あの時見た物。それはハルケギニアの常識からは相当に外れるものだったからだ。
「これを私にくれたのは……人間ではなく、ガーゴイルじゃよ」
「ガーゴイル?」
「ゴーレムのお仲間みたいなもんじゃ。これを手に入れたのは、実はごく最近の話でな。そう……半年ほど前の事じゃったか。森を散策していた私は、そこで見た。
三頭ものワイバーンと渡り合う紫色のガーゴイルの姿を。なんとも不気味な大鎌を手にしておったよ」
「……―――」
 フロウウェンの目が驚きに見開かれた。
「確か、『浮遊の蟲』を使って、双子の亜人を召喚しておったな。そこからは鬼人の如き動きじゃったよ。じゃが、空を飛ぶ相手に攻めあぐねていたようなので、ちょいと手を貸してやってな。
私が風のスペルで叩き落した次の瞬間には、あっという間にワイバーンどもがバラバラじゃった」
 ワイバーンがどんな生き物かはフロウウェンは知らないが、オスマンの口振りからするとかなり油断ならない相手のようだ。 
 それを三体同時に相手にして、遅れを取らないというのは……オスマンの言うゴーレムが、彼ならばそれくらいの事はやってのけるかもしれない。
 しかも、話にある双子の亜人。それはフォトンミラージュのマイラとユウラのことだろう。
 シフタ、デバンドという身体能力強化のテクニックを所有者にかけるのがその能力だ。その精度は熟練のフォースのそれに匹敵する。
 それで、オスマンが防具という言葉をすんなりと受け入れたのと、あっさりと生徒に渡したことに納得がいった。オスマンもまた、マグの効果を正確には把握していないのだ。
「それで、借りを作るのは性分ではないと言うので、彼の手持ちの『浮遊の蟲』どもを譲ってもらったと言うわけじゃ。なんと言っておったかなぁ。商人の依頼で、逃げたこいつらを集めていたが、何時の間にかこの世界に迷い込んでいたとか何とか」
「一体誰が、そのガーゴイルをここへ?」
「それは彼自身も分かっておらんようじゃったよ。アレはどこかに行ってしまったが、今思い出しても寒気がするのう。殺気すらも漂わせるガーゴイル。そんなもん初めて見たわい」
 長生きはするもんじゃ、とオスマンは呵呵大笑した。
 フロウウェンは笑えなかった。そのガーゴイルとやらに、心当たりがあったからだ。
 ―――キリーク・ザ・ブラックハウンド。
 本星コーラル政府の裏の実行部隊、プラックペーパー。
 要人の暗殺や拉致といった汚れ仕事を請け負う、血に飢えた猟犬ども。
 キリークはその闇の実行部隊において尚、始末屋と呼ばれて恐れられるアンドロイドだ。
どんな感情レンジの調整を受けているのかは知らないが、闘争・殺戮を好み、ひたすら強者を求める傾向にある。
 はっきり言えば、会いたくない部類に入る相手であった。
「あの猟犬がハルケギニアに来ているというのか……」
「知り合いかね?」
「違っていてくれる事を願っておりますよ」
 あれはやけに自分に拘っていた。迷惑な話だ。
 キリークに好敵手として認められるということは「オマエと殺し合いをしたい」と言われているに等しい。
 仕えている主が同じ本星政府であるという「縛り」がないこの星では、出会い次第戦いを挑んでくるかも知れない。
484”IDOLA” have the immortal servant 6/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/06/29(日) 13:58:34 ID:HNv6ISpO
「アレは君の敵なのかね?」
「会えばそうなる可能性は高いでしょうな」
「そうか。……ふむ」
 オスマンは暫く思案にくれていたが、
「やはり、これはおぬしが持って行きたまえ」
 と、箱の中からマグの『成虫』……ヤクシャを取り出して、フロウウェンに手渡す。
「この世界では貴重なものかと存じますが」
「おぬしはミス・ヴァリエールの使い魔じゃからな。彼女に二重に報酬を渡すわけにはいかんが、これは貸し出しじゃ。貸し出し。返還期日は無期限で良いぞ」
 ひらひらとオスマンは手を振った。
「……ご厚意感謝いたしますぞ」
「ふむ。あーあと、おぬしの胸に刻まれたというルーンについてじゃが」
「……これが何か?」
 胸元に手を当てるフロウウェン。
「正体は分からぬが、ミスタ・コルベールは始祖ブリミルの伝説の使い魔の印と、同じではないかと言っておる」
「伝説の使い魔の印?」
「……詳細もわからん。わからんことばかりですまぬが、おぬしがここへやって来たことと、その印は何か関係しているかもしれん」
 唯一分かっている一文を伝えようかどうか迷って、オスマンは結局言わなかった。彼からは、あの一文から受ける印象にあるような邪悪なものを感じないのだ。本当にブリミルのそれだと言う確証もない。もう少し様子を見てから伝えるべきだろう。
「大した力になれんですまんの」
「いえ。ブラックハウンドがこちらにいるならば、マグが手元にあるのは心強い」
 ハルケギニアは広いし情報網が発達しているわけでもない。
 見つかる可能性が高いとも思えないが、それでも警戒と準備は怠るべきではないだろう。
「おぬしほどの腕の男にそこまで言わしめるとはのう」
 慄然とした様子で、オスマンは言葉を漏らした。
 
 
 アルヴィーズの食堂の上の階は、大きなホールになっている。『フリッグの舞踏会』はそこで行われていた。フロウウェンはバルコニーの枠にもたれ、一人静かに酒を飲んでいた。
「相棒は中には入らないのかい?」
 バルコニーに立てかけてあるデルフリンガーが言った。
 心なしか気遣うようなその声に、フロウウェンは笑った。
「場違いだろう。主役は学生達だからな。オレは剣を相手にしている方が性に合っている」
「物好きだねえ、相棒は」
 さっきまでドレス姿のキュルケとタバサがバルコニーにいたのだが、パーティーが始まると中に入っていった。
 キュルケは幾人もの男に囲まれて笑っている。タバサは一人黙々と食事している。どちらもパーティーを楽しんでいるようだった。
485”IDOLA” have the immortal servant 7/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/06/29(日) 13:58:56 ID:HNv6ISpO
 ホールの壮麗な扉が開け放たれ、ルイズが姿を現す。門に控えた衛士が、高らかに声を上げる。
「ヴァリエール公爵が息女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール嬢のおな〜〜〜〜〜り〜〜〜〜〜!」
 ホールの中にわずか、どよめきが生まれる。
 ルイズはいつもの髪形ではなく、長い桃色がかった柔らかそうなブロンドを、豪奢な髪飾りでアップにまとめていた。
 純白のパーティードレスと肘までを包む絹の手袋は、似合う似合わないというよりも、始めから彼女の高貴さを引き立てる為だけにしつらえられたかのような印象すら受ける。
 清楚でいて凛とした顔立ち。肌は透き通るような白さだが、ルイズ自身は己のドレス姿に照れがあるのか、頬が仄かに朱に染まっている。小柄なルイズの体格と相まって、如何にも可愛らしかった。
 全員が揃ったことを確認した学士たちが、流れるように軽やかな調べを奏で始める。さながら、ルイズというパーティーの主役が登場した事を皆に告げるかのようであった。
 ルイズの周りには早くも貴族の少年達が群がり、彼女をさかんにダンスに誘っていた。今までゼロのルイズと馬鹿にしていた相手なだけにノーマークだったらしい。ここで得点を稼いでおこうと言うところだろうか。
 そうこうしている内に、ホールでは貴族達が優雅にダンスを踊り始めた。ルイズは誰の誘いも断ると、バルコニーで酒を楽しんでいたフロウウェンの所にやってくる。
「馬子にも衣装って奴だな」
「うるさいわね」
 軽口を叩くデルフリンガーを睨むルイズ。それからフロウウェンに向き直って言う。
「ヒースは中に入らないの?」
「何。月見酒というのも風情があるかと思ってな」
 バルコニーを煌々と照らす幻想的な二つの月に、琥珀色の液体が注がれたグラスを掲げる。
「ルイズこそ、踊ってくると良い。学生でいられる間は短い。楽しまねば損をするぞ」
「相手がいないもの」
 ルイズは小さく笑って肩を竦めた。
 要するに、お眼鏡に適う相手がいない、という事らしい。
「生徒達も気の毒にな」
 と笑う。
 ルイズはフロウウェンの目の前に立つと、スカートの裾を両手で恭しく持ち上げ膝を曲げて、古式ゆかしいカーテシーの挨拶をした。
「一曲踊ってくださいませんこと。ジェントルメン」
「……」
 一瞬きょとんとした表情を浮かべたフロウウェンだったが、笑みを返してルイズの手をとった。
「不肖ながら、お相手をつとめさせていただこう」
 二人は並んで、ホールへと向かった。
 
 
「その、ヒース」
 軽やかにステップを踏みながら、ルイズが言う。かなり身長差があるので見上げるような形だ。
「ん?」
「今日は、ありがと。ううん、昨日からだけど、何度も命を助けられたわ」
「礼などいらんよ」
 フロウウェンは穏やかに笑って答える。
 それは、逆だと思った。礼を言うべきは自分なのだと。
 オレは無力さと無念さだけを抱えて、ただ朽ちていくだけの魂の残り火に過ぎなかった。
 英雄と呼ばれていた男の、残骸に過ぎなかった。
 そんなオレに、まだ暫くの間を生きる理由を与えてくれた。
 何気ない日常の安らぎを思い出させてくれた。
 人を育てる喜びを思い出させてくれた。残り少ないこの老いぼれの人生に、まだ何かを残す事を許してくれた。
 何者にもはばかる事の無い戦いの場にオレを導き、誰かを守る為に戦う事への誇りを思い出させてくれた。
 だから礼を言うのなら、それはオレの方だ。
 感謝する。ルイズ。
 
 
「ふん。一人で良いみたいに言ってたわりにゃ、楽しそうじゃねーか」
 バルコニーからフロウウェンを見ていたデルフリンガーが呟く。
「……良かったな、相棒」
 双月はどこまでも高く高く、その輝きで幻想的にホールを彩り、優雅な調べは途切れる事無く流れ続ける。
 それに合わせて着飾った人達が揺れる。きらきらとそれはまるで宝石のようだった。
486”IDOLA” have the immortal servant  ◆GUDE6lLSzI :2008/06/29(日) 13:59:19 ID:HNv6ISpO
以上で投下終了です。
487名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 14:01:09 ID:bsAzji/f
>>470,>>472
ガラスを食って普通の生物が棲めないくらいの高濃度の酸素を放出、さらには大爆発を起こす草体を育てる習性があるから…各国の首都とかがふっとぶんじゃないか?
おまけに共生関係で多分単品では取り扱えないし(w
488名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 14:07:01 ID:h5aoakkr
IDOLAの人、乙です

MIND型マグに育てればキュルケもスクエアクラスに軽く入門できそうだな
もっとも、エサとして使えるものが高価な秘薬に限定されそうだけど
489”IDOLA” have the immortal servant  ◆GUDE6lLSzI :2008/06/29(日) 14:07:58 ID:HNv6ISpO
あれ。2/7と2/3の間の文章がちょっと抜けてる。
以下の文章が更に追加されます。Wikiに登録される時には修正しようかと。失礼しました。


 帰りの馬車の中で、ルイズとフロウウェンはキュルケとタバサ(それにおまけとしてデルフリンガー)からの質問責めに遭っていた。

 ルイズの使ったグランツ。フロウウェンの使いこなしたマグとフォトンブラスト。
 しっかりと二人に見せてしまっていたのだ。今更言い逃れは出来ない。フロウウェンに言わせればグランツもマグも『科学』の範疇なのだが、
それらのヴィジュアルがなまじ魔法に近しいから誤解を簡単に解く事ができない。まずフォトンの概念を前提として認めされる事が必要だったりするのだ。
 極度に発達した科学は魔法と変わらないと言ったのは誰だったか、とフロウウェンは呟く。
 とはいえ、昨晩の時点で二人はルイズのグランツを目にしていたのだが、フーケを捕まえるまで黙っていてくれたのだ。
 その点から、フロウウェンは二人を信頼できると思っていた。だから包み隠さず、全てを正直に話した。
「他の人には言わないでね。ヒースがアカデミー送りになっちゃうから」
「誰が言うもんですか。そこまで馬鹿じゃないわ」
「約束する」
「相棒を売ったりはしねーよ」
 二人と一振りの答えに頷くと、フロウウェンは馬車を止める。それから荷台にロープで縛られて横たえられていた、フーケの肩に手をかけ、それから背中に手を当てた。
 ぐっと力を入れると、フーケが咳き込みながら目を開ける。

「ち……あたしもヤキが回ったもんだ」
490名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 14:08:57 ID:0r7Ppyd9
しえん
491名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 14:13:14 ID:OluNqanU

ヒースじいちゃんかっけーなぁ
492名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 14:21:01 ID:GfX/LgNY
キリークの旦那登場wフロウ爺同様に他の虚無の使い魔なのか?もしかしてリコも・・・
なんて想像しちゃいます。乙でした。
493名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 14:21:36 ID:nfX98hd7
よく当てたなあ、ゴウラ
ボス戦でも何処に撃ってんだ、ってことになるのに
494名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 15:06:23 ID:myBk0csF
しまった、調べ物に夢中になって支援し損ねた…。
ともあれお疲れ様&GJでした。
キリークの旦那キター!EP1のクエストですごい怖かった覚えがあるのですが。壊れていく様子とか。
495名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 15:09:06 ID:nF7V8E01
キリークの旦那になら抱かれてもいい
むっちりとした太股がエロいよ旦那ハァハァ
496名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 16:10:40 ID:fwrgIa9P
エルノアとモンターギュ博士と予想してたが外れた。
自分はアプサラスのパイラが多かったな。
497虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第13話:2008/06/29(日) 17:26:41 ID:su/twB4o
投下したいのですがかまいませんかね?
黒蟻13話です
短めのお話です
人はいないかな? いたら支援していただければ有難いです
498名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 17:27:26 ID:/mU37lQI
しえーん
499虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第13話:2008/06/29(日) 17:27:46 ID:su/twB4o
「目が覚めたかね。ミス・ヴァリエール」
ルイズが目を覚ますと、オールド・オスマンが居た。
なぜ自分の部屋にオスマンが居るのか、ルイズは辺りを見渡してその考えが間違いであることに気づく。
ここは自分の部屋ではない。
ルイズの寝ているベッドに並ぶように、3つのベッドが配置されている。
ルイズの隣のベッドにはキュルケ。そしてその隣のベッドにはタバサが居る。2人ともベッドに腰掛け、オスマンと話していたようだ。
室内の調度は質素のものばかり。棚の中にはルイズには得体の知れない壜が並んでいる。
そこは学院の医務室だった。
「大体の話はミス・タバサから聞かせてもらったわい。ご苦労じゃったの」
そう言うとオスマンは椅子から立ち上がる。そしてルイズに向けて深々と頭を下げた。
「済まない。生徒であるお主にとんでもない仕事を任せてしまったようじゃ」
オスマンのその態度にルイズは目を丸くする。
目上の者から頭を下げられることなどそうないことだ。
「あ、頭を上げてください! あれは……私から志願したことですし……」
ルイズはそう言うが、
「いや、何であろうと生徒にこんな危険な仕事を任せるべきではなかった。もしこれでお主らを死なせてしまったらと思うと、いくら頭を下げても足りんわい」
オスマンはそう言って、その態度を変えようとはしなかった。


ルイズは、あの後どうやって帰ってきたのかを思い返す。

500名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 17:28:37 ID:KmtC8kOs
支援
501虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第13話:2008/06/29(日) 17:28:55 ID:su/twB4o
シュラムッフェンの笑い声が納まってからも、当然火は燃え続ける。
大規模に燃え広がったら事なので、その後、必死に周りの木を切り倒していった。キュルケもタバサも魔力は底を突いてしまったので、シルフィードのブレスで倒していく。
やがてシルフィードが恨みがましい声を上げ始めたころ、空から大粒の雨が降り始めた。
モッカニアの『本』の中で、雨乞いに火を焚きあげるのには科学的な根拠があるという情報があったが、その理屈までは覚えていない。
科学というものはルイズにとっていまいち馴染みが薄く、聞いても理解できないことが多い。
自動車や飛行機などが、魔法的な力は一切関係なく、あくまで道具の延長なのだと言われても、ルイズには魔法にしか見えない。
もっとも、バントーラ図書館には魔導庁と科学庁が共同開発したという飛行機もあるので、魔法を使った飛行機がないわけではないのだが。
ともあれ、雨が降り出したことによって火は一気にその勢いを弱めた。ルイズたちも作業を止め、木立の下で一休みする。
しかし、忙しくしているうちは考えずにいられたことだが、そうでなくなると途端に思い出すことがある。
体の痛みと、心の傷み。
初めて人を殺した。
率直な感想は、「気持ち悪い」。
手に感触が残るわけでもなければ、そもそもルイズは手を下してもいない。ルイズはただ見ていただけだった。
しかし、殺すという意思はあった。その意思のもとフーケは死んだ。
「気にすることはない」
タバサがルイズとキュルケに言う。
殺さなければ死ぬのはこちらだった。フーケは悪人だった。犯罪者だった。
だからいちいち気に病むことはない。
殺さなければ殺される。しかも殺されることには正当性がなく、殺すことには正当性がある。そして殺す方法もある。
そこで殺さないのは聖人だけだ。
聖人になりたかったのなら思う存分に気に病めばいい。そうでないのなら程々にしておかないと、次に進めない。
タバサはそう言った。
結局、己の生き方として、あの状況に陥ってまで人を殺すことを許容できないのかということだ。
そしてルイズは己に非があるわけでもなく、非は相手にありような状況で、黙って殺されるのを良しとは出来ない。
ならば、フーケを殺したという行為の是非、善悪についてはいつまでも気に病んでいても仕様がない。
己の生き方と法。そのどちらにも反していないのだ。
生理的な嫌悪感は簡単に拭えなくても、その行動の是非を悩んで引きずるのは建設的ではない。
だからルイズは、事の善悪についてはもう考えまい、と思う。
ただ考えてしまうのは、殺さなければ殺される、そんな状況に陥ったのは己が弱いからではないかということ。
この場にいたのが自分ではなく、モッカニアだったなら? ハミュッツだったなら? マットアラストだったなら? イレイアだったなら? ユキゾナだったなら?
フーケを殺さずに無力化することも出来るだろう。もっとも、ハミュッツなら確実に殺しているとは思うが。
殺したくなければ強くなればいい。
だが。
502名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 17:29:19 ID:su/twB4o
レイナウドきたーーーー!!!
503ごめん 超誤爆:2008/06/29(日) 17:30:02 ID:su/twB4o
だが、モッカニアは強くなってしまったが故にその心を病んだ。
自分がその気になれば周りの人間をいつでも簡単に殺せる存在なんだと自覚してしまったが故に、人と接することができなくなった。
そして、モッカニアは人と接することを避け、図書館の地下に広がる迷宮の中で暮らすようになった。
フーケを殺して、ルイズは気づいた。
自分はもう、シエスタのことなら容易く殺せるような力を持っている。そして、このまま強くなって、モッカニアの半分どころか、10分の1の力も手に入れれば、今、同じ木の下で雨をよけるキュルケもタバサも容易く殺せるようになる。
「強いって、力って、何なのかしらね」
ルイズはポツリとつぶやく。
ルイズはノロティ・マルチェのことを思い出す。
シュラムッフェンでキャベツの千切りしかできなかった司書見習い。
モッカニアと直接会話をしたことはほぼ皆無。
ただ一度、モッカニアの最後の戦いが始まる少し前に接する機会があった。モッカニアの部屋にあってはいけないストーブを持ってきたノロティが、モッカニアの部屋の触ってはいけないものに触ろうとした。それをモッカニアが追い払おうとした。
ただそれだけのやり取り。
しかし、裏を返せばほとんど会話らしい会話をしたこともないモッカニアのためにストーブを持ってきてくれたのだ。
ノロティはやはり心優しい娘なのだろう。
モッカニアは迷宮に籠ってからも他の司書たちと全く接点がなくなったわけではない。
モッカニアを気にして時々顔を見せにくる者がいる。
また、迷宮内での業務。迷宮内の書庫に『本』を配架するなどのことは迷宮内に籠るようになった後もやっているので、その時、他の司書と接することもある。
その時にどれほどの会話があるわけではないが、武装司書の一員として知っておくべき情報は報告される。もっとも。モッカニアは右から左に聞き流していたが。
ノロティのことは、司書見習いになった時点でその名は耳に入っていたが、「怪物事件」と呼ばれる戦いの顛末を聞かされた時、その人となりも聞いている。
武装司書になりたい。だが人は殺したくない。
そう言っていたそうだ。
戦うことが仕事の武装司書になれば、いずれ人を殺さなければならない時が来る。
司書養成所時代から、考えを改めないのなら武装司書を目指すのは諦めた方がいいと諭され続けてきたらしい。
それでも彼女は人を殺さずに戦いを終結させるだけの力を手に入れようと努力し続けた。
「簡単に人を殺せてしまうから」という理由で武器を持つことを拒み素手という圧倒的に不利な戦い方ながら、終には見習いの地位にまで至った。
武装司書になれてればいい。ルイズは心からそう思う。
もし彼女が人を殺すことなく、一人前の武装司書としてやっていくことができたなら。
今のルイズの思いに答えをくれるに違いない。
そしてもし、モッカニアが武装司書になる前に彼女が武装司書になっていたなら、モッカニアに道を示してくれたに違いない。
だが、それは叶わない。
ルイズはノロティと話すことなどできないし、モッカニアの人生は『本』に記されたとおりだ。
それでも、ノロティが武装司書になれていたなら、それはきっと素晴らしいことなのだ。

504名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 17:30:11 ID:pYzKgBip
支援
505名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 17:31:03 ID:JRIrq6w9
ちえん
506虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第13話:2008/06/29(日) 17:31:35 ID:su/twB4o
いつの間にか火はほとんど消えていた。
まだ所々燻っているところもあるが、まだ雨はやみそうにもないし、いずれ消えるだろう。
ルイズたちは焼け野原のちょうど中心のあたりへシルフィードで舞い降りる。
それはすぐに見つかった。
黒く焼けた人型がすぐに目に入った。そして嫌なにおいが鼻を突く。
ルイズは思わず胃の中のものを吐き出しそうになるが、必死にこらえる。
黙ってルイズは己のマントをフーケの遺体に被せた。だがそれはもともとルイズの背丈ほどもないものだった上に、傷の手当てをした時に切り裂いてしまったもの。
フーケの全身を覆うにはまるで足りない。
それを見て、キュルケも己のマントをはずしてフーケに被せる。続いてタバサもそれに倣う。
3人ともその後はなにも言葉を発さず、シュラムッフェンを回収すると、シルフィードに乗って学院に戻って行った。
シュラムッフェンは最初から最後まで、ルイズが折れている腕で抱えるようにして持っていた。
学院につくと、コルベールが慌てて飛び出してきた。
その辺りからルイズの意識は朦朧としていたが、いつの間にかやってきたオスマンにシュラムッフェンを手渡すまでは、何とか意識の手綱を離さずにいた。


そこから先の記憶はない。
オスマンの言によれば、その後すぐに医務室へと運ばれ治療が施されたそうだ。
キュルケもルイズが意識を失ったすぐ後に、同じように意識を失ったらしい。
タバサだけは最後まで意識を失わず、また、ルイズとキュルケの治療が終わるまで自分に人手を割く必要はないと言って、治療を受けずにいたらしい。
そして、その間にオスマンに事の顛末を説明したという。
言われるまでは気づかなかったが、すでに丸一日が経過していた。
昨日のうちにフーケの遺体は回収したらしい。
今日の昼ごろには官憲がフーケの遺体回収と、事情を聴きに来たそうだが、これもタバサとオスマンで応対した。
本来なら、ルイズたちからも事情を聞くところだが、身元もしっかりしているので、何か新しい事実がない限りは特に日を改めて聴取する必要はないとのこと。
官憲には、シュラムッフェンの力のことは言わなかったそうだ。
今は戦いの翌日の夕暮れ時である。
キュルケはルイズが目覚める1時間程度前に目を覚ましたらしい。
そして、オスマンから謝罪といくつかの質問を受けていたところにルイズが目を覚ました。


「ミス・ロ……フーケの部屋からの、いろいろ見つかっての。宝物庫の目録を作るため……にしては多すぎる宝物の資料などな。お主らの行動の正当性は間違いなく証明されるじゃろうからその辺りは気にする必要はない」
オスマンが言うと、ルイズの表情が陰鬱なものになる。
「私が殺しました。……私がもっと強ければ生きて捕まえることもできたのに……」
ルイズの言葉にオスマンの表情もいっそう神妙なものになる。
「すまないのう。生徒に辛い仕事をさせてしまった……」
507名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 17:32:36 ID:KmtC8kOs
ちょ、投下しながら誤爆となw 支援
508虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第13話 :2008/06/29(日) 17:32:59 ID:su/twB4o
「それで、まだ傷も癒えぬうちに悪いんじゃがのう。お主が一番蜘蛛の魔剣、シュラムッフェンと言うたか、について詳しい、というよりもお主だけが蜘蛛の魔剣のことを知っていたということで、いくつか聞きたいことがあるんじゃが」
オスマンが話題を変える。
だがそれは、ルイズにとっては別の意味で辛い話題。
「オールド・オスマン。アレは今どこに?」
ルイズが尋ねる。
「宝物庫に戻しておいたが?」
オスマンが、ルイズの言葉の意図を尋ねる。
「アレを処分することはできませんか?」
「ふむ?」
「アレは幾らなんでも簡単に人を殺せ過ぎます。……あってはならない物だと思います」
「確かにのう……」
オスマンが頷く。タバサから聞いたシュラムッフェンの力は、弱点もいくつかあるがそれでも強すぎる。
「しかしのう……知っていると思うが、一応所有権は王室にあるんじゃ。わしの一存で破棄することなどできんのじゃ」
「ならば……」
ルイズは考える。
「ならば、誰も使うことのないように今まで以上に、厳重に保管していただけますか」
まだオスマンたちに説明していないことだが、蜘蛛の魔剣は破壊することはできない。追憶の戦器と呼ばれるモッカニアの世界の創造神が創ったものには常世の呪いが掛かっており、それを破壊するにはその神を超える力が必要となる。
破壊できないからといってどこか人の立ち入らない場所に捨てたとしても、誰かが見つけてしまうかもしれない。ならば、厳重に管理しておいた方が良いかもしれない。
「厳重に……か。実際に盗まれてしまった今言っても虚しいだけじゃが、今よりより厳重となるとのう……」
「宝物庫をより強固なものにするのが不可能なら、違うものを強化すればいいじゃないですか」
「違うものとな」
「箱です。シュラムッフェンを泥にでも沈めて、泥ごと鋼鉄にでも錬金してください。それが箱です。そしてそれに宝物庫の壁と同等の固定化と、さらに硬化でもかけましょう」
ルイズの提案。それは事実上シュラムッフェンの封印だった。
「学院の宝物庫に入ってさえいれば体裁はつくのです。誰にも使わせないのならそれでいいじゃないですか」

オスマンは結局その申し出を飲んだ。
大げさすぎやしないかとも思ったが、目の前でその猛威を見た者の意見は無視できない。キュルケとタバサは少し惜しそうにしていたが、それだけ厳重に扱う必要があるという点には異論はないようだ。
オスマンとしても、元より使ってよいものだとは思っていなかったため、ルイズの意見を承認した。
それはさておき、とオスマンは頭を切り替える。
「ところでのう。お主はどこでアレの情報を手に入れたんじゃ?」
きたか。ルイズは誰にも聞こえないような舌打ちをする。
あの時、シュラムッフェンを使ってしまった以上、聞かれることは避けられない。
しかし、だからと言って適当な嘘は許されない。
30年間のうちどれほどの期間費やしたかは知らないが、オスマンも蜘蛛の魔剣のことを知らべたはずだ。適当な誤魔化しはむしろ追及を呼ぶ。
「さあ? 覚えておりませんわ」
だからしらばっくれる。
「覚えてない、じゃと?」
「ええ。本で読んだのかもしれませんし、もしかしたら夢ででも見たのかもしれませんわ」
勿論、そんなものをオスマンが信じるわけはないだろう。
これは拒絶の意思の表明。
話すつもりはない。
そもそもルイズが何かを知っているからといってそれを報告する義務があるわけではない。
蜘蛛の魔剣は一度も王室の手に渡ることなく学院の宝物庫に納められた。その成り行きから、王室は蜘蛛の魔剣に対する調査をどこにも命じていないのだ。
だから話さない。
いくらオスマンが話せと言ったところで、それはオスマンの私的な命令でしかないのだ。
そもそも、オスマンは危険すぎるという理由でシュラムッフェンを王室に引き渡さなかったのだ。
ルイズはシュラムッフェンの封印を進言した。ならば、この拒絶もシュラムッフェンを世に出さない為。そう受け取ることもできる。
シュラムッフェンの力を欲しいと思う人間でなければ、拒絶するルイズに無理に言わせようとは思わぬだろう。
「ふむ。夢なら他の誰にも知られることはない。そう考えてよいかの?」
その言葉の裏で、ルイズが黙ってさえいれば他に情報を得ることはないと思っていいのかと聞いている。
「ええ。人の見た夢の話なんてどうでもいい話の筆頭ではありませんか。今後そんな話題だけは人にしないように気をつけようと思いますわ」
ルイズは慇懃に言った。
509虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第13話 :2008/06/29(日) 17:34:39 ID:su/twB4o
「うむ。怪我人にこれ以上話に付き合わせるわけにはいかんの。儂はここらで退散するとしようかの」
オスマンはそう言って立ち上がった。
「魔法で骨はつないだし、傷は塞いだとはいえ暫くは安静にしておくように。秘薬代は当然学院もちじゃから心配はいらんぞ」
オスマンは言いながら扉へと向かう。
そしてドアノブに手をかけたところで、ふと気がついたように、物のついでのように言った。
「そう言えばミス・ヴァリエール。その夢はいつごろから見るようになったのかのう。使い魔を召喚したあたりだったりせんかい?」
ルイズは言葉に詰まった。
少し詰まった挙句、
「覚えていませんわ」
そう答える。
「いや。使い魔と視界を共有するように夢に使い魔の思考が流れ込んだり、っつう話も聴いたことがあるでのう。ちょっと思いついただけじゃ。覚えてないならそれでかまわん」
オスマンはそう言うと部屋を後にした。

「不意討ちには弱いようじゃの」
オスマンは廊下で独りごつ。
先程のルイズは、殆ど「そうだ」と言っているようなものだ。
使い魔に関して、何か隠し事をしているのは間違いないだろう。
使い魔の召喚によってシュラムッフェンの知識を得た。それが何を意味しているのか。
オスマンはそれこそガンダールヴの証左ではないかと考えていた。
過去のガンダールヴが使った武器の情報が、ルーンを通じて流れ込んできたのではないか。そう仮定すれば筋は通る。
神の左手ガンダールヴ。またの名を神の盾。
あの自動防御こそブリミルを守ったという力なのかもしれない。
しかし、あの使い魔がガンダールヴだという前提に引きずられた考えという感も拭えない。
そんなことを思いつつ歩いていると、前方からコルベールがやってきた。
「ただいま戻りました。オールド・オスマン」
コルベールはオスマンの命で、ロングビルとフーケの繋がりを調べていた。
学院の仕事ではないが、出来るなら王宮に先んじて情報を得ておきたい。
「ミス・ロングビルと思しき人物が、かなりの額をアルビオンの方面へ送金していたという情報を得ました。しかも、学院の秘書になる前。酒場の給仕でしかなかったころから」
コルベールがそう報告する。
ルイズたちの言葉を疑っていたわけではないが、やはりロングビルがフーケに間違いないようだ。
自分が秘書として招きいれ、そして仕事も優秀だっただけに、なんとも言えない気持ちになる。
オスマンは何も言わずに歩を進める。コルベールがその後ろについていく。
「のうミスタ。聞いてくれんかね」
不意にオスマンが口を開く。コルベールのほうを見返ることもなく、前を向いたまま。
「あの娘たち。3人が3人とも『自分がフーケを殺した』なんて言いおる……」
コルベールから表情は窺うことはできないが、その背中はどこか悲しげだ。
「あんな娘っ子にそんなことを言わせてしまうなんてのう……。儂は教育者失格じゃわい」
「いや、私こそ……、私が行っていれば……」
コルベールが言うが、
「いや、お主には戦いの為に火を使わないという誓いがある。その誓いは大切にせい」
オスマンはコルベールを諌める諌める。
「兎角この世はままならぬのう」


そのころデルフリンガーは、一人ルイズの部屋にいた。
「なんかどこかで俺の地位が脅かされてる気がするな……」
その呟きを聞くものは誰もいなかった。
「暇だな」

510虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第13話:2008/06/29(日) 17:35:50 ID:su/twB4o
オスマンが出て行くと部屋の中は沈黙に包まれた。
ルイズはキュルケとタバサを見る。
いまいち居心地が悪い。
そもそもキュルケのことは今まで敵としか見ていなかったし、タバサに至っては殆ど接点などなかった。
それが協力し合い、おなじ死線を潜り抜けた。
学院の医務室という場所は、フーケと戦った森のような非日常ではないが、自室や教室といった学院のほかの場所に比べると日常とは言いがたい。
任務中のテンションを引きずるのも不自然だし、だからといって普段通り振る舞うのもおかしな塩梅だ。
「例の粉挽きの遺書……あれには大きな嘘があるのよね」
ルイズは黙考の末、そんな話題をキュルケたちに振る。
それは長く続いた非日常を締めくくるための話題。
「嘘?」
キュルケが聞き返す。
「ええ。村一つ全滅させる。シュラムッフェンの力をどう開放したところで、そんなこと不可能だもの」
キュルケはその言葉の意味を考える。そして理解する。
「確かにそうね。斬りたいものを斬るか、攻撃してくるものを斬るか。だものね。村人全員を斬りたいと思っていたか、村人全員が襲い掛かってこない限り、全滅は有り得ないわね」
「でもね、自動防御じゃ皆殺しは起こらないのよ。周りがばたばた死んでいく中、誰も逃げ出さないなんて有り得ないもの」
ルイズはそう言うと言葉を切り、少しの間をおく。
「……始まりは自動防御だったかもしれない。でもその後、粉挽きは明確な殺意を持ってシュラムッフェンを振ったのよ。逃げる村人を追いかけて。そうでないと皆殺しは起こらない」
ルイズはそう締めくくった。
それが30年前の、事の発端の真相。
遺書にはシュラムッフェンが暴走したように記されていたが、真実は粉挽きの殺意が暴走したのだ。
所詮シュラムッフェンは剣に過ぎない。剣とは力。力を持っていてもどう使うかはまた別の話。
力がなければ出来ないこと、起きないこと。しかし、力があってもその力を使わないことも出来る。
粉挽きは使ったのだ。俄かに手に入れてしまったその力を。
「でも、村全員を殺したいほど憎むなんて、その村と粉挽きの間に何があったのかしらね?」
キュルケがそんな疑問を口にする。
「昔、本で読んだけど、粉挽きって仕事はどうしても村から嫌われてしまう仕事なんだそうよ」
ルイズが言う。
「何の本よ、それ。村の中で粉挽きがいじめられる話?」
「そんなひどい話読まないわよ! ……なんか、行商人が人間に化けた狼と旅する話」
ルイズは学院に入る前に読んだその本を思い出す。
「変な話ねぇ。面白いの?」
キュルケが尋ねるが、それに答えたのはルイズではなかった。
「……面白い。わっちも昔読んだ」
タバサが答えた。読んだことがあるらしい。
「わっち?」
キュルケが首を傾げる。
「わっち」
タバサが少し顔を赤くしながら言う。
「わっち」
ルイズもそう言うと、少し楽しそうに笑った。


ルイズは、非日常を締めくくり、今まで通りの日常に戻るために、事の発端の真相の話をした。
その話で非日常はおしまい。少しずつ、今までの日常が戻ってくるはずだった。
しかし、ルイズは思い違いをしていた。
今まで通りになるはずなどなかった。
死線を潜り抜けた前と後で、同じ場所に戻ってくるわけがなかった。
ともに死線を潜り抜けた者を、敵としか見ないなどできるわけもないし、ろくに会話もしないただのクラスメイトに戻るわけもなかった。 
学院に通い始めて1年。
ルイズに初めて貴族の友人が出来た。
511名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 17:37:22 ID:5QfSw5a0
おい豊作の神自重w
512くろありー:2008/06/29(日) 17:37:49 ID:su/twB4o
以上13話終了です フーケ編も終了です
テレビでサッカー見ながら、実況すれ見ながらだったので
あほな誤爆をしてしまった
支援してくださった方ありがとう
レイナウドいらねなんて言ってごめんなさい
513名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 17:37:51 ID:qYLDXpU8
レーベルすら違ぇ支援
514名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 17:38:06 ID:kqfdSsja
ホロ自重知る
515名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 17:43:02 ID:/B72JqsJ


デルフ哀れw
516名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 17:55:42 ID:KmtC8kOs
乙でしたー

なんとなく常驚きの魔剣デルフ、なんつー単語が浮かんだw
517小ネタ:2008/06/29(日) 17:55:50 ID:1qQffrZG
ガンダム00から刹那

「俺がガンダムだ」
「いいから服を着替えさせなさいよ」
「結婚しても居ない女性の裸を見るわけにはいかない」
「じゃあいわ」

食堂
「これはなんだ?」
「スープよ」
「ハラムじゃないか・・・」

「ゼロのルイズは使い魔に食事すらやらないのかw」
「・・・魚か野菜を貰えないか?」

中庭で魚を焼いて食べている刹那
「きゅいきゅい」
(竜はハラムだろうか?)
「(なんだか眼が怖いのねー)きゅーい」
518名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 17:57:04 ID:N3tOmSAf
黒蟻の方乙!

重い空気の払拭とはいえ
さりげなく、トンでもないクロスオーバーに吹いた!(爆笑)
519アオイツカイマ:2008/06/29(日) 18:00:11 ID:QXUZu+w4
黒蟻の人乙
18:10から6話投下いきます。
520くろありー:2008/06/29(日) 18:01:28 ID:su/twB4o
試合終了したので追記

豊作の神を出したのは、ちょうどフーケ編を書き始めた時に香辛料の4巻を読んでて、何となくで粉挽きという単語を使ってしまったので。
まぁ、村全体と対立しそうな立場ということで。
ついでにちょっとネタとして
さらに狼と虚無のメイジさんが戻ってきてくれることに期待をこめて

粉挽きが嫌われる理由などは、狼と香辛料4巻をご覧ください
521アオイツカイマ 6話 1/4:2008/06/29(日) 18:10:31 ID:QXUZu+w4
 ルイズの部屋に現れたアンリエッタ王女は、感極まった様子で、膝をつくルイズを抱きしめた。
「ああ、ルイズ、ルイズ、懐かしいルイズ!」
「姫殿下、いけません。こんな下賎な場所へ、お越しになられるなんて……」
 ルイズはかしこまった声で言うが、それは王女のお気に召さなかったようだ。
 なんでも、幼少の頃ルイズは王女の遊び相手を務めていたとのことで、王女からみたルイズは、昔馴染みのおともだちなのだそうだ。
 楽しげにお転婆だった頃の話をする2人。ルイズは、時々恥ずかしそうに私に眼を向け、王女の方は私の存在に気づいてすらいないようす。
 まあ、上流階級の人間にとって使用人は家具のようなものだと聞いたことがある。メイド服を着て、扉の前に立っている私の存在などないようなものなのだろう。
 ひとしきり思い出話を花咲かせた後、王女は急に物憂げな表情になってベッドに腰掛けた。
「姫様?」
「あなたが羨ましいわ。自由って素敵ね。ルイズ・フランソワーズ」
「なにをおっしゃいます。あなたはお姫様じゃない」
「王国に生まれた姫なんて、籠に飼われた鳥も同然。飼い主の機嫌一つであっちに行ったり、こっちに行ったり……」
 後半部分は、私の現状に対する皮肉だろうか? そんなことを思ってしまったが、王女が私の事情など知るはずもないし、これは庶民の僻みかもしれない。
 王女はルイズの手を取ると寂しそうに笑って言った。
「結婚するのよ。わたくし」
「……おめでとうございます」
 王女の口調に、何かに気づいたのかルイズは沈んだ声を出したあと沈黙した。

 何度目かの王女のため息に、痺れを切らしたルイズがついに口を開く。
「姫様、どうなさったんですか?」
「いえ、なんでもないわ。ごめんなさいね……、いやだわ、自分が恥ずかしいわ。あなたに話せるようなことじゃないのに……、わたくしってば……」
「おっしゃってください。あんなに明るかった姫様が、そんな風にため息をつくってことは、なにかとんでもないお悩みがおありなのでしょう?」
「……いえ、話せません。悩みがあると言ったことは忘れてちょうだい。ルイズ」
 そこまで言っておいて、話せないなどとルイズが納得するはずがないだろう。
 私の予想にたがわず、ルイズはおともだちなら話してほしいと訴え、王女もそれで決心したのか頷いた。
「今から話すことは、誰にも話してはいけません」
 言われたルイズは私に眼を向け、王女も今初めて私がいることに気がついたように私を見つめる。
「出てようか?」
「お願い」
 ルイズの短い答えに、私は扉を開き、バタンッ! という音を聞いた。
 そういえば、扉がいつもより重かったわね。と廊下を見るとひっくり返ったカエルのようなポーズで寝ている少年が1人。
「ギーシュ?」
「うん」
 答えて立ち上がるカエルは、やはりギーシュだった。
「夜這いなら、謝ってからのほうがいいわよ。それ以前に、ここはモンモラシーの部屋じゃないけど」
「違うよ! 君はぼくをどういう目で見てるんだ!」
 心外だ。と嘆いてみせるギーシュに、言ってあげたほうがいいのかしらと少し悩む。
「じゃあ、どうしてここに?」
「薔薇のように見目麗しい姫様のあとをつけてきてみればこんな所へ……、それでドアの鍵穴からまるで盗賊のように様子をうかがえば……、急にドアが……」
 なるほどストーカーか。納得したけど胸はって言うことじゃないわね。
「そんなことより姫殿下! なにやらお悩みのようですが、是非ともこのギーシュ・ド・グラモンにお任せください」
522名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 18:12:16 ID:pYzKgBip
支援
523アオイツカイマ 6話 2/4:2008/06/29(日) 18:12:29 ID:QXUZu+w4
「グラモン? あの、グラモン元帥の?」
「息子でございます。姫殿下」
 きょとんとした顔の王女にギーシュは恭しく一礼した。
「あなたも、わたしくしの力になってくれるというの?」
「姫殿下の力になれるなら、これはもう、望外の幸せにございます」
 話の内容も聞いてないのに、熱っぽく安請け合いするギーシュに王女は微笑む。
 まあ、どうでもいいか。
「えーと、じゃあ私は出てるから」
 と、開いた扉から出て行こうとしたところでギーシュに呼び止められる。
「何?」
「いや。どうせルイズの使い魔である君は、後で話を聞くことになるんだから、今出て行く必要はないと思うんだけど」
 私もそう思うけど、別に今すぐに聞きたい理由もない。というか一生聞きたくない気がするのは何故かしら。
「使い魔?」
 不思議そうに私を見る王女。
「メイドにしか見えませんが……」
「メイド……です。姫様」
 言いにくそうなルイズに同情の念が芽生えそうになったけど、考えてみたら私にメイド服を買い与えたのはルイズだった。
「そうよね。はぁ、ルイズ・フランソワーズ、あなたって昔からどこか変わっていたけれど、相変わらずね」
「好きであれを使い魔にしたわけじゃありません」
 そうね。私も好きで使い魔になったわけじゃないけど。
「メイジにとって使い魔は一心同体。席を外す理由がありませんね」
 そう言って王女は語り始めた。

 王女の結婚する相手というのは、他国ゲルマニアの皇帝であるそうだ。目的は同盟。
 なんでもアルビオンという更に別の国では、今貴族の反乱で王室が倒れかかっていて、反乱軍が勝てば次はトリステインに侵攻してくる恐れがあるらしい。
 それに対抗するために、トリステインはゲルマニアと同盟を結ぶことになったので、王女がゲルマニア皇室に嫁ぐことになった。
 しかし、トリステインとゲルマニアの同盟を望まないアルビオンの反乱軍は王女の婚姻をさまたげるための材料を探していて、それをアルビオン王家のウェールズ皇太子が持っているというのだ。
 王女の頼みとは、皇太子が持つそれ、かつて王女が書いた手紙、を取り戻してくることであった。
 ここで私は、アルビオンが何故トリステインを攻めてくるとわかるのかとギーシュに聞いてみたところ、反乱軍の目的はこの世界から王家というものを排斥することだと教えてくれた。

 どうしたものか、私には王女の頼みの内容は理解できても、なぜそういう頼みをする結論に至ったのかの過程が理解できない。
 そういう理由でアルビオンがトリステインを攻めるのなら、次はゲルマニアにも攻めるのだろう。
 そう考えれば、同盟を組む必要があるのはゲルマニアも同様で、無理に婚姻という形で結ぶ必要はないのではないだろうか? 必要があっても手紙一通で婚姻を反故にするだろうか。
 異世界人であり庶民に過ぎない私には分からない、いろいろな事情があるのかもしれないのだけれど。
 それに、学生にすぎないルイズに戦地へ赴けというのも理解できない。他に心許せる友達がいないと言っていたが、それならば、なおさらこんな頼みをするべきではないと思うのだけど。
 ぐるぐると思考を空回りさせている私をよそに、王女はベッドに倒れこみシーツを掴んで悲痛に叫ぶ。
「ああ! 破滅です! ウェールズ皇太子は、遅かれ早かれ、反乱勢力に囚われてしまうわ! そうしたら、あの手紙も明るみに出てしまう! そうなったら破滅です! 破滅なのです! 同盟ならずして、トリステインは一国でアルビオンと対峙せねばならなくなります!」
 ああ、なるほど手紙って恋文なのね。今更気づく私は鈍いのだろうか。でも、恋文一通で滅ぶ国ってどうなのかしら。まともな外交能力があればなんとかなるような気がするのだけど。
「無理よ! やっぱり無理よルイズ! わたくしったら、なんてことでしょう! 混乱しているんだわ! 考えてみれば、貴族と王党派が争いを繰り広げているアルビオンに赴くなんて危険なこと、頼めるわけがありませんわ!」
524名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 18:13:48 ID:NbOclTQ3
くろありOO乙
525名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 18:14:28 ID:NbOclTQ3
支援
526アオイツカイマ 6話 3/4:2008/06/29(日) 18:14:45 ID:QXUZu+w4
「何をおっしゃいます! たとえ地獄の釜の中だろうが、竜のアギトの中だろうが、姫さまの御為とあらば、何処なりと向かいますわ!
 姫さまとトリステインの危機を、このラ・ヴァリエール公爵家の三女、ルイズ・フランソワーズ、見過ごすわけにはまいりません!」
 一息に言い切り、ルイズは膝をついて恭しく頭を下げた。
 なにこの寸劇?
「『土くれ』のフーケのゴーレムをも倒した、このわたくしめに、その一件、是非ともお任せくださいますよう」
 フーケには逃げられたけどね。
「このわたくしの力になってくれるというの? ルイズ・フランソワーズ! 懐かしいおともだち!」
「もちろんですわ! 姫さま!」
 ルイズが王女の手を握って、熱した口調でそういうと、王女の瞳から涙が溢れ出した。
「姫さま! このルイズ、いつまでも姫さまのおともだちであり、まったき理解者でございます! 永久に誓った忠誠を、忘れることなどありましょうか!」
「ああ、忠誠。これが誠の友情と忠誠です! 感動しました。わたくし、あなたの友情と忠誠を一生忘れません! ルイズ・フランソワーズ!」
 熱に浮かされたような2人に、私は冷めた感情を面に出さないよう気をつけながら小さく拍手し、ギーシュは感動した面持ちで涙ぐんでいる。
 大丈夫なの? この国。

 アルビオンの王党派はもう追い詰められていて敗北は時間の問題と王女に教えられ、ルイズは明日の朝には出発すると宣言した。
 実はこの時、他人事のように思って聞いていた私は、ギーシュが王女に差し出された左手にキスをして感動してたことも、
ルイズの筆記用具を借りて王女が皇太子に向けて書いた手紙を渡したときも、ルイズが王女の右手薬指にはまっていた指輪を受け取ったときも、どこか遠くの世界の出来事のように見ていて。
 だから、自分も行くのだとルイズに聞かされて驚いてしまった。
 だって、ありえないでしょ。この世界に来て学院の外にほとんど出た事もない、貴族との付き合いもわからないちょっと剣が使えるだけの小娘をそんな大事な任務に連れて行くなんて。
 ルイズやギーシュが、世間知らずという点では私と同レベルだと知るのは後の話である。




 朝もやの中、馬に鞍をつけているとギーシュがすまなそうに言ってきた。
「お願いがあるんだが……」
「なに?」
 初めての作業に集中しているため、私の返事はそっけないものになる。
「ぼくの使い魔を連れていきたいんだ」
「好きにすれば?」
 どんな使い魔か知らないけれど、邪魔にならないなら連れていってもいいのではないだろうか。そういえば、ギーシュの使い魔は見たことがないわね。
「ていうか、どこにいるのよ」
 私たちの作業を退屈そうに見ていたルイズが口をはさむ。
「ここだよ」
 ギーシュが、にやっと笑って足で地面を叩くと、地面が盛り上がり、小さなクマくらいの大きさの生き物が顔を出した。モグラ?
「ヴェルダンデ! ああ! ぼくの可愛いヴェルダンデ!」
 可愛いと言うには大きすぎるそのモグラを、ギーシュは愛しそうに抱きしめる。
527アオイツカイマ 6話 4/4:2008/06/29(日) 18:16:36 ID:QXUZu+w4
「あんたの使い魔ってジャイアントモールだったの?」
「そうだ。ああ、ヴェルダンデ、きみはいつ見ても可愛いね。困ってしまうね。どばどばミミズはいっぱい食べてきたかい?」
 嬉しそうにモグラに頬ずりするギーシュは本当に、自分の使い魔を可愛がっているんだろうけど。
「ねえ、ギーシュ。ダメよ。その生き物、地面の中を進んで行くんでしょう」
 ルイズの言葉に、そんな生き物が馬の足についてこれるか疑問だと、私も同意する。
 素早く地面を掘って進むと言われても、知らない間においていってしまうかもしれない。そうなったら可哀想ではないか。
 そんな話をしていると、急にモグラが鼻をひくつかせ、ルイズに擦り寄った。
「な、なにっ! ちょ、ちょっと!」
 ルイズにモグラの巨体を支える膂力があるはずもなく。押し倒される。
「や! ちょっとどこ触ってるのよ! ショウコ、助けてよ!」
 モグラの鼻に、体中をつつきまわされ地面をのたうち回りながら助けを求めてくるけど、私にどうしろと?
 クマのような巨体を私の腕力でどうにかできるはずもなく。だからといって、たんにじゃれついているだけにも見える人の使い魔を斬るわけにもいかない。
 どうしたものかと見ていると、モグラはルイズの右手薬指の指輪に鼻を擦りつけはじめた。
 このモグラは宝石が大好きでルイズを押し倒したのも、ルイズの指輪のルビーに反応したのだろうとはギーシュの弁。
 私は納得したのだけど、王女に頂いた大事な指輪に鼻を擦りつけられたルイズが納得するはずもなく、無意味に暴れているとき、一陣の風が吹いてモグラを吹き飛ばした。
 風の吹いた方向には、杖を構え羽根帽子をかぶった青年が1人。
「貴様、ぼくのヴェルダンデになにをするんだ!」
 怒りに燃えるギーシュが薔薇の造花を掲げるが、次の瞬間には青年が杖をふるい、魔法の風が薔薇を吹き飛ばしていた。
「僕は敵じゃない。姫殿下より、きみたちに同行することを命じられてね。きみたちだけではやはり心もとないらしい。しかし、お忍びの任務であるゆえ、一部隊つけるわけにもいかぬ。そこで僕が指名されたってワケだ」
 青年は、帽子を取って一礼すると、自分は女王の魔法衛視隊、グリフォン隊隊長のワルド子爵であると名乗った。
 文句を言おうとしたギーシュは、魔法衛視隊と聞いて言葉を飲み込んだのを見て首をふる。
「すまない。婚約者が、モグラに襲われているのを見てみぬ振りはできなくてね」
 青年、先日のルイズの夢にも出てきた子爵は、ひっくり返ったままのルイズに歩み寄り、抱え上げた。
 2人は楽しげに語り合い、その合間に私とギーシュの紹介をルイズが済ませた。


「では諸君! 出撃だ!」
 ワルドが口笛を吹くと、鷲の上半身と獅子の下半身のついた幻獣グリフォンが現れ、その背に跨ったワルドがルイズを抱きかかえてグリフォンを走らせた。
 次いで、ギーシュと共に馬を走らせながら私は考えていた。
 結局、放置した巨大モグラのことではない。
 ワルド子爵が同行することの意味だ。
 王女がルイズにこの任務を持ってきたのは、他に信用できる人間がいなかったからではなかっただろうか。
 ワルド子爵にも話を持っていったというのなら、彼もルイズと同じように信用できる人間ということになるのだろうが、それならルイズに声をかける意味がない。
 どう考えても、私たちは足手まといになるのだから
528アオイツカイマ:2008/06/29(日) 18:19:45 ID:QXUZu+w4
以上投下終了。
梢子の心の中の突っ込みが足りないなあ、とか思いつつも上手く入れられないのでした。
529ウルトラ5番目の使い魔 7話:2008/06/29(日) 18:45:04 ID:8uVchb1w
皆さんに比べればスローペースですが、7話が完成いたしました。
今回は容量に気をつけましたのでさるさんは喰らわないと思います。
昨日はウルトラな談義で盛り上がっていたようですね、同士がいっぱいいてうれしいです。
まだ感想タイムがあるので55分から開始します。では支援よろしくお願いします。
530名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 18:51:19 ID:xw7fzmwd
支援します
531ウルトラ5番目の使い魔 7話 (1/7):2008/06/29(日) 18:59:06 ID:8uVchb1w
 第7話
 降り立つ光の巨人

 宇宙有翼怪獣アリゲラ 登場!

 
 彼女は、夢を見ていた。
 暖かいまどろみのなかで、子供のころからの思い出がひとつずつ浮かんでは消えていく。
 人が昔を思い出すとき、その中にはよい思い出もあるが、大半は悲しい記憶だという。
 幸せだった子供のころ、しかし突然全てを奪われて落とされた暗黒の淵。
 それらをもたらした者達への怨嗟の念。しかし彼女の心を闇の一歩手前で引きとめた手、守ろうと決めた者。
 裏の世界で悪と善の矛盾した思いで生きてきた日々。
 そして現れた闇の化身の暗黒の世界への招待、死の直前にわずかに見えた光に手を伸ばしたとき、彼女の意識は光の中へと呼び起こされた。
「はっ……こ、ここは?」
「おお、ようやく目を覚ましたかね、ミス・ロングビル」
 彼女、ミス・ロングビルこと『土くれのフーケ』は目を覚ますとあたりを見渡した。
 木製の簡易な部屋と鼻を突く薬の臭い、思い出した場所は魔法学院の医務室、そして彼女のベッドの横にはオスマン学院長がいつもどおりの表情で椅子に座っていた。
「わ、私は……」
 まだ頭がくらくらする。なにかを考えようとしても集中できなかった。
「無理をするでない。あれから君は半日眠っていたんじゃ、まだ調子はよくなかろう」
「半日……はっ! ……」
 あの夜に起こった出来事を思い出して、ロングビルはとっさに身構えたがオスマンは顔色を変えずに穏やかなまま言った。
「心配せんでも誰にも言っとりゃせん。安心せい」
「でも、あなたは私が……」
「ああ、知っとる。フーケ、ただここでの君はロングビル、わしゃその呼び方のほうが好きでね」
「ちっ! ぐぁっ!」
 起き上がろうとしたロングビルは全身を貫いた痛みでベッドに崩れ落ちた。
「しばらくは安静にしておれ。なにせ死んでもおかしくない目にあったのじゃ、体をいたわりなさい」
「あんた、私をどうするつもりだい?」
 彼女はロングビルではなくフーケの口調でオスマンに問いかけた。
「それは……いや」
 オスマンは口を開きかけると、一度やめてからあらためてゆっくりと話し始めた。
「その前に、一言礼を言わせてくれ。君はあの超獣に閉じ込められたときにミス・ヴァリエールを助けてくれたそうじゃな。教師として、生徒を助けてくれたことを深く感謝する」
 彼はそう言うとロングビルに向かって深々と頭を下げた。
「なっ!? ……あっ、あれは……そ、それよりあたしはお前の生徒を殺そうとしたんだぞ」
532名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 18:59:16 ID:xw7fzmwd
しえん
533名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 18:59:36 ID:xw7fzmwd
支援
534ウルトラ5番目の使い魔 7話 (2/7):2008/06/29(日) 19:00:17 ID:8uVchb1w
「それは、本当の君ではないのだろう」
「うっ……だが、あたしのことを誤解してるのかもしれないけど、必要とあればあたしはガキどもを遠慮なく殺してたよ」
「それはそれ。そのときはともかく今は君はわしの恩人じゃ、素直に礼を述べて何か悪いかな?」
 思いもかけないオスマンの言葉にロングビルはうろたえていた。
 するとオスマンは椅子によっこらしょと座りなおすと、杖に寄りかかりながら話しはじめた。
「なあミス・ロングビル。わしは君がどんな経緯で裏の道に手を染めるようになったかは知らないし、聞く権利もない。
ただ、わしは君のこれまでの働きに感謝しているし、君個人のことも好きじゃ、たとえ仮の姿だったとしてもな」
「……だから?」
「率直に言おうか。怪盗をやめて、このままここで働かんかね?」
「そりゃできない相談だね。あたしも遊びでやってたわけじゃないんだ」
 ロングビルの返答にはまったく迷いがなかった。
「ふむ。だがそれでは君はまた闇の中へと逆戻りしていくことになるぞ、再びヤプールに狙われてもよいというのかね?」
「うっ」
 ロングビルは返答につまった。
 また襲われたときは、はっきり言って手立てはない。そして、あの死にながら生かされているような闇の世界、今度落ちたら戻ってこれるとは思えない。
「ミス・ロングビル、わしは人よりもちいとばかし長く生きてきた。だから君のこれまでの怪盗としての悪名など、闇のほんの入り口に過ぎないことがわかる。引き返すなら今のうちじゃ」
「なら、なんでヤプールは中途半端な悪人のあたしを狙ったんだ?」
「ヤプールの言うには単なる悪人ではなく、悲しみや憎しみ、複雑にねじくれた心がよいらしい。奴は君の心の葛藤のすきまを狙ったのじゃ」
「ちっ」
「しかし、だからこそわしは君が本当の悪人ではないと思う。人がそれほど深い悲しみを背負うのは誰か大切な人を奪われたとき、
心の底まで悪なら悲しみはどこかに捨てていく。それに、君が闇に全てを奪われかけたとき、君は誰かの名を呼んでいた。まだいるのじゃろう? 君にも大切な誰かが」
「! ……」
 ガディバに取り込まれかけ、命すら危なくなったときロングビルの心を光に引き戻したのはたったひとつの名前、彼女はその名の持ち主のことを思い出して胸を押さえていた。
 オスマンはあらためて、もう一度ロングビルに言った。
「もう一度言おう。怪盗をやめてここで働く気はないか?」
「……残念だけど、それはできない。言ったろ、遊びじゃないんだ」
「……金かの?」
「ああ、結局世の中はそれさ。人間ってやつは王から平民までこいつの業からは逃れられやしないのさ」
「では、わしが盗みをして稼ぐぶんの金額を給料に上乗せしてやる、と言ったらどうだね?」
「なに?」
 オスマンは懐から一枚の紙切れを取り出した。
 それは学院の勤務契約書で、そこには以前の3倍に加算された給料が明記されていた。
「からかってるんじゃないだろうね?」
 あまりに都合のいい話に当然ロングビルは信用できないといった顔をした。
535名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 19:00:23 ID:xw7fzmwd
支援
536名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 19:00:38 ID:xw7fzmwd
537ウルトラ5番目の使い魔 7話 (3/7):2008/06/29(日) 19:01:34 ID:8uVchb1w
「心配するでない、学院の金には手を出さん。これはわしの懐銭じゃ、昔いろいろ貯めたものの年をとるとろくな使い道がなくての、このくらいなんということはない」
「そうじゃない! なんでたかが盗人のあたしのためにこんなことをするかと聞いてるんだ!」
「年をとると耳もいろんな意味で遠くなっての、フーケの手がかりを探すために衛士隊がここ最近の不自然な金の流れを探ったが、結局何も見つからなかったという。
つまり、君は盗んだ金や品物を自分のためには使っていないのだろう? 君の普段の生活も浪費とはまったく無縁じゃったしな」
 ロングビルはオスマンの見識の鋭さに正直言って驚いた。
 普段はただのダメじいさんと思っていたが、中身のほうはなかなかどうして。
「誰のためかは知らぬが、どうせ人のための金ならきれいなほうがよいとは思わぬか?」
「同情ってのならお断りだよ」
「そうかの、同情とは一番大切な優しさだとわしは思う。誰かをかわいそうだと思い、助けたいと思う。そのなにが悪い? もちろんその表現の仕方は大事じゃが、人の不幸に同情できないような人間がなぜ人に優しくできる」
「……」
「それに、何度も言うが君は生徒の恩人じゃ。礼をせねば貴族としても教師としても大人としても立つ瀬がない。第一、君はそれだけの報酬をもらう実力があると思うが?」
 確かに、ロングビルが魔法の名手であり秘書としても有能なのは学院の誰もが知っている。
 突然のアップも、フーケ退治に功績があったからだとか言えば疑う者はまずいないだろう。
「もし、それでも断ったとしたら、どうする?」
 ロングビルは細めた目でオスマンを見つめながら言った。
「……」
「はっ、つまり選択じゃなくて強制じゃない。だったらはっきりここで働けって言いなさいな。きっぱりしない男はいくつになってもみっともないものよ」
 沈黙の答えの意味を理解したロングビルは苦笑しながら言った。
 するとオスマンはごほんと咳払いをするとおもむろに。
「ミス・ロングビル、君の勤務継続と副業の禁止を命ずる。報酬は前給金の3倍、返答はいかに?」
 ロングビルは答えずにペンを取り上げるとサラサラと契約書にサインして見せた。
「ほらよ。まったく、とんでもないところに潜り込んでしまったものですわ。こうなったらボーナスと退職金をもらうまでテコでもやめませんからね。ふふ」
 彼女は契約書をオスマンに渡すとようやく笑顔を見せた。
「うむ、わしもうれしいわい。これで……ん!? こ、これは」
 なんと給料明細のところが塗りつぶされて3倍だった数字が5倍にランクアップされている。
「勘違いしないでください、財宝や魔法道具のぶんを穴埋めするにはそれくらいはいるってことです。それに私を買おうっていうのならそれ程度は出してもらわなくては」
 今度はロングビルがオスマンにしてやったという不敵な表情を見せた。
「く、仕方あるまい……男に二言はないからの、じゃがこれでこれからも……」
「セクハラは許しませんからね」
「!?」
 顔をにやけさせようとしたオスマンにロングビルは速攻で釘を刺した。
「……こほん。あー、それからフーケはヤプールに操られたあげくに超獣に殺されたということにしておくわい。
森の超獣の死骸を見れば疑う者はおらんじゃろ。君は体調が整ったら職務に復帰してくれい。それから……」
538名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 19:02:13 ID:xw7fzmwd
支援
539名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 19:02:18 ID:xw7fzmwd
支援
540ウルトラ5番目の使い魔 7話 (4/7):2008/06/29(日) 19:03:05 ID:8uVchb1w
 オスマンは懐から一本の杖を取り出した。
「これは君に返しておこう。杖なしでは他の人間にかっこうがつかんだろうからな」
 ロングビルはその杖を受け取ると、少し手のひらの上でもてあそんでいたが、やがて呆れたような顔でオスマンに言った。
「……学院長、いくらなんでも信用しすぎなのでは? 今ここで私が約束を破って魔法で逃亡を図ったらどうするつもりですか?」
「うむ、そのことで実は言い出しにくかったのじゃが、ミス・ロングビル、ちと試しに適当に何か魔法を使ってみたまえ」
「?」
 彼女はその言葉の意味を理解できないでいたが、とりあえず自身がもっとも得意とする錬金の魔法を棚の上のビンに唱えた。
 だが、何も起こらなかった。
「あ、れ?」
 驚いてロングビルはほかにもいくつかのドットやコモンマジックを唱えてみたが、やはりどれも無反応であった。
「やはりの。まさかと思っていたが」
「ど、どういうことだ!? ……いや、ですの?」
「君を助けたあと、念のためディティクト・マジック(探知魔法)を使ったのじゃが……恐らく君はヤプールに邪念を吸い出されたのと同時に魔法の力も奪われてしまったのじゃろう」
「!? そんな」
 ロングビルは愕然とした。メイジが魔法を使えないということは鳥が翼をもがれるようなものだ。
「永続的なものなのか、時間がたてば回復するのかはわからんが、しばらくは杖はかざりとして持っておきたまえ。
なに、心配することはない。職務上そう魔法はそう必要ないし、万一文句を言う奴がいても、だったら他に有能な秘書はいるのかと言えば誰もぐうのねも出んじゃろ」
 オスマンはそうカラカラと笑ってみせた。
 そしてロングビルは、たった魔法が使えなくなったというだけで、この国で自分のいられる場所がここだけになっていくのを肌で感じていた。
「さて、そろそろわしは行くわい。君ももうしばらく休みなさい、色々考えを整理する時間も必要じゃろ。お休み、ミス・ロングビル」
「おやすみなさい……学院長」
 オスマンは足音を立てないように静かに医務室を後にした。
 そして廊下に出ると、そこにはふたりの人間が待っていた。

「ありがとうございます、学院長」
「ミス・ヴァリエール、気にすることはない。わしは責任者として当然のことをしたまでじゃ。それよりもミス・ロングビルの上乗せぶんの給料の半分は君が持つということではないか、本当に大丈夫なのかの」
 オスマンは待っていたルイズと才人に、簡単に説明をしてからそう聞いた。なにしろ秘書二人半分の給料である、ルイズの家が名門とはいえ学生に自由にできる額には限度がある。
「恩人に最大の謝意を示すのが貴族の義務です。なんとか生活費をやりくりしてみます、幸い平民やメイドに知り合いもいることですし、彼女は私の命の恩人、私にはこれくらいしかできることはありませんから」
「そうか、よい心がけじゃ。じゃが無理はするなよ」
 オスマンはルイズの肩を軽く叩いてそう言った。
 そして、その後ろで真剣な顔をしている才人を見て。
「わしに、何か言いたいことがあるようじゃな……ここではなんじゃ、わしの部屋へ行こうか」
 
541名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 19:03:09 ID:xw7fzmwd
支援
542名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 19:03:33 ID:xw7fzmwd
シエンン
543ウルトラ5番目の使い魔 7話 (5/7):2008/06/29(日) 19:04:03 ID:8uVchb1w
 放課後、日の落ちたあとの学院長室は生徒たちの喧騒ももう聞こえずに静かだった。
「それで、話とはなんじゃな?」
 その問いに、才人はまっすぐにオスマンの視線を見据えて答えた。
「あなたが使った、あの『破壊の光』についてです。あれは明らかにこの世界のものじゃない。いったいどうやって手に入れたんですか!」
「ちょサイト、あんた学院長に向かって!!」
 ルイズはすごい剣幕でオスマンに詰め寄るサイトを叱り付けたが、このときばかりはサイトはまったく引き下がらなかった。
「ミス・ヴァリエール、しばらく彼の好きにさせてやりなさい。サイトくんといったね、これのことだね」
 オスマンは、ごとりと『破壊の光』を机の上に置いた。
「やっぱり、ビームガンの一種だ」
 地球からやってきた才人には、それがこの世界のテクノロジーで作られた代物ではないことが一目でわかった。
「ふむ、君にはそれがなんであるのかがわかるようだね」
「俺の世界の武器とよく似ています。思い出しましたが、昔恩人からもらったそうですが、その人はいったい!?」
 するとオスマンは遠い目をして、つぶやくように語り始めた。
「あれは昨日のことのように思い出せる。もう30年になるか、わしは森に薬草をとりに出かけておった。しかしそのときはどうにも収穫が悪く、気がついたら人の入り込まない奥地にまで足を踏み入れていた……」


 30年前。
 深い深い森の奥で、一昔前のオスマンはようやく目的にしていた薬草を見つけていた。
「やれやれ、ようやっと見つけたわい。まったく今年は不作もいいとこじゃ、こんな年寄りに重労働させよってからに」
 木陰でひっそりと生えていたその薬草を摘むと、オスマンは疲れた体を木の根っこに腰掛けさせて、ふぅと息をついた。
 森の涼しげな風が汗ばんだ体をひんやりと心地よく通り過ぎていく、木漏れ日が揺らめき、周囲は静けさに包まれていた。
「ずいぶんと奥まで来てしもうたの……わしとしたことが年甲斐も無く張り切りすぎたか……少し、休むとするか……」
 小鳥の声に耳を預けて、オスマンはゆっくりとまぶたを閉じた。
 それから、どれくらいたっただろうか。
 オスマンは、まだ眠気が残っているのにもかかわらず、何か違和感を感じて目を覚ました。
「……ううむ。どれくらい寝入っていたのか……」
 目の前には、眠る前と変わらない眺めが広がっていた。それこそ、何も変わらない姿で。
 だが、何かおかしい。
「……鳥の声が聞こえない……」
 眠る前にはにぎやかなくらいに聞こえていた鳥たちの声が今はひとつも聞こえない。
 いや、それどころか動物も虫も、生き物の気配がまったく無くなっていた。
「……」
 悪い予感を感じ、オスマンは薬草のつまったバッグを背負うと腰を上げた。
 と、そのとき突然突風が吹きすさんで森の木々が大きく揺らめき、巨大な影が空に現れた。
544名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 19:04:41 ID:xw7fzmwd
背イン
545ウルトラ5番目の使い魔 7話 (6/7):2008/06/29(日) 19:05:04 ID:8uVchb1w
「ワイバーン!?」
 それは、凶暴さで知られる竜の中でも、腕の代わりに巨大な翼を手に入れたドラゴンの亜種、飛竜・ワイバーンの姿だった。
「くっ!」
 ワイバーン相手に素手では勝ち目がない。オスマンは木に立てかけてあった杖に手を伸ばした。
 しかし、ワイバーンの翼の羽ばたきが作り出す突風で杖はオスマンの手の寸前で吹き飛ばされてしまった。
「ああっ!!」
 杖が無ければメイジはただの人間と同じだ、そして老いたオスマンには走って逃げる体力もない。
 飢えたワイバーンが裂けた口からよだれを垂らして迫ってくる。
 もはやこれまでか、とオスマンがあきらめた、そのとき。
「待ちやがれ、このバケモン!」
 突然森の奥からひとりの青年が飛び出してきた。
 彼は腰の銃を手に取ると、銃口をワイバーンに向けて引き金を引いた。
 閃光一閃!! 銃口から放たれた光は一筋の矢となってワイバーンに吸い込まれて爆発を起こし、ワイバーンは何が起こったのかを知ることも無いまま断末魔の遠吠えをあげて大地に落ちた。
「大丈夫か、じいさん?」
 青年は銃をしまうとオスマンに駆け寄ってきた。
「あ、ああ、助かったよ、ありがとう」
 礼を言いながら、動悸が治まってくるにしたがってオスマンは彼が妙なかっこうをしているのに気がついた。
 不思議な光沢を放つ服に派手めの服に変わった形の兜をつけていた。理解しがたいがそうとしか表現できなかった。
 ただ、とりあえず顔つきは間違いなく人間である。やや抜けたところがあるが美形といっていいだろう。
「ほんと、危ないところだったんだぜ。あとちょっと遅れてたらじいさんぺろりとやられてたな。運がいいぜまったく」
 彼はそう屈託のない笑顔で笑って見せた。
 だがそのとき、無数の羽音とともに、今度は数多くの影が彼らの頭上に現れた。
「ワイバーン!? 群れをなしていたのか!?」
 そこには、10匹を超える数のワイバーンが凶暴なうなり声をあげて空を覆っていた。
 普通野生のワイバーンは単独で行動するが、餌が不足したときなどは群れを作って集団で狩りをすることもあるという。
 オスマンは、今度こそ終わったと覚悟したが。
「仲間を連れてきやがったか、おもしれえ、食えるもんなら食ってみやがれ!!」
 彼は、再び銃を抜くとオスマンを木陰に隠してワイバーンの群れの真下へと飛び込んでいった。
 ワイバーンは飛び出してきた獲物に喜び勇んで飛び掛ってくる。彼は先頭きって飛び込んできたワイバーンを撃った。
「食らいやがれ!」
 再び閃光が走ってワイバーンが撃ち落される。だが2匹、3匹目が次々と来る。
 彼は走りながら追ってくるワイバーンを狙いすまして撃つ、撃つ。
 しかし、残るはあと3匹となったところで完全に怒りが頂点に達したワイバーンは3匹同時に火炎のブレスを放ってきた。
「あ、危ない!!」
 オスマンは思わず叫んだ。あれを受けては骨も残るまい。
 だが、彼は地面に身を投げ出すと、そのまま転がりながら回避して、さらに撃った。
 1匹目が落ちる、2匹目も落ちる。
 そして3匹目は、彼に向かって2回目の火炎放射を放とうとした瞬間、顔面に直撃を受けて自ら放とうとした火炎に包まれて火達磨になって落ちた。
「見たか!! 俺のファインプレー」
 彼は起き上がると銃を指でくるくると回しながら陽気にそう言った。
546名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 19:05:28 ID:xw7fzmwd
支援
547名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 19:05:43 ID:xw7fzmwd
支援
548ウルトラ5番目の使い魔 7話 (7/7):2008/06/29(日) 19:06:14 ID:8uVchb1w
 そして彼は腰が抜けているオスマンに駆け寄ると「大丈夫か」と声をかけた。
「わしは大丈夫じゃ……しかし、あれだけの数のワイバーンを……君はいったい?」
「なーに、宇宙人なんかに比べればたいしたもんじゃないさ。それより、立てるかい?」
 彼はオスマンに手を貸して立たせてやった。
「……」
 見れば見るほど奇妙な格好であった。彼が銃を持っていて、なおかつ動きやすそうで兜のようなものをつけていることから戦闘服であろうが、柄はまったく見覚えがなかった。
「ありがとう。けれど、君はどこから来たのかね。わしもだいぶん生きてるがその服と武器はこれまで見たこともない」
 すると彼はこれまでの陽気な笑顔ではなく、苦笑しながら空を見つめて言った。
「ここからすっごく遠いところさ。それこそ、この空のかなたくらいにね」
「遠く……東方からか?」
「ま、そういうことにしといてくれよ。それより、もうすぐ日が落ちるから早く帰ったほうがいいぜ」
「ああ、
 と、そのとき彼らの頭上をこれまでとは比べ物にならない、まるで夜になってしまったかのような影が覆った。
 はっとして、空を見上げたそこにいたものは、真っ赤な体に巨大な翼、大きく裂けた口と目を持たない顔を持つ全長50メイルを超えようかという超巨大な飛竜がいた。
 巨大飛竜は、ふたりに向かって大きく吼えた。森が揺らめき、風がとどろく。
 オスマンは、今度こそ全身の力が抜けていくのを感じた。こんな化け物、たとえ軍隊がいたとしても勝てるかどうか。
「もういい、わしは置いておいて君だけでも逃げなさい」
 しかし彼は笑って答えた。
「わりいけど、怪獣と戦うのが俺の仕事でね、そこの木の影に隠れててくれ、絶対に出るんじゃないぞ」
 彼はオスマンを強引に木陰に隠すと、怪獣のもとへと飛び出した。
「こっちだ! 怪獣野郎」
 彼はオスマンのいる気の影からできるだけ離れるように走った。
 巨大飛竜は森の木々を踏み潰しながら彼を追っていく。ワイバーンを倒したあの銃もこの怪物にはまるで通用していない。
 そして、巨大飛竜はその肩に空いた砲身のような穴から真っ赤な火炎弾を彼に向かって撃ちだした。
 大爆発が起こり、森が焼け、空が赤く染まる。
「ああっ!!」
 オスマンは、彼の姿が炎に包まれようとしているのをまるで時間が圧縮されているかのようなゆっくりした流れで見ていた。
 だが、そのときオスマンは見た。
 彼がまさに炎に飲み込まれようとした瞬間、彼の手の中に握られた小さな何かが輝いたのを。
 そして聞いた。強さと勇ましさを意味するその名を。
「ダイナァァ!!」
 太陽のような光が森の一角を包み、オスマンは見た、怪獣に向かって立ちはだかる光り輝く銀色の巨人を。
「光の……巨人」

 続く
549名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 19:06:25 ID:xw7fzmwd
支援
550ウルトラ5番目の使い魔:2008/06/29(日) 19:07:24 ID:8uVchb1w
今回はここまでです。
ほんと2〜3日ごとに投下可能な人がうらやましいです。

さて、今回は後に思うところがあるのでフーケには足を洗ってもらいました。
そして、終盤のウルトラマンはウルトラ兄弟との劇場版初共演記念というわけで特別出演していただきました。
あくまで多重クロスではなくウルトラシリーズ名物の『客演』です。ティガにウルトラマンが出演したこともありましたしね。
と、いうわけで次回はあのダイナミックなヒーローの活躍です。

さあ! 来週もみんなで見よう! (次回予告風に)
551名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 19:12:22 ID:GXpWeYn4
ちょwwwつるのでたーwwww
どういうことだ? 最終回のあとでこっちにたどり着いたのかね?。
552名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 19:19:30 ID:OluNqanU
シン・アスカもといアスカ・シンでたー!w
553名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 19:20:59 ID:Y6QSpOax
ここの「ゼロな提督」読んでミス・ロングビルが可愛らしい
…と思うようになった人、自分以外にいませんか?
554名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 19:25:19 ID:GaeTA1TL
ロングビルは元々可愛らしいです
555名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 19:26:00 ID:j+KFftXK
しゅーちしん
556名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 19:27:08 ID:ISJFtw9o
アオイシロはやったことないんだが。
梢子が心中色々愚痴りながら表面上は唯々諾々と従ってるのが違和感あるんだけど、
(もうちょっと口に出して色々言いそうって意味で)元々そういうキャラなん?
 20:00から投下してもいいですか?
558名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 19:49:11 ID:nF7V8E01
そういや契約のキスシーンはやけにあっさり書かれている作品が多いけど、
ねちっこく描写するのはNGなん?
559名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 19:51:19 ID:xwz7JE1O
>>558
さあ避難所で書き進めたまえ今すぐに
560名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 19:51:55 ID:GhmfJSai
NGじゃないけど、ルイズにしてみれば好きでもない男と契約の為いやいやキス、だし、呼ばれた側にしてみれば訳も分からずいきなりキスだからねぇ。

よっぽどのスケコマシでも呼ばないとねちっこく描写する程の時間キスしてないんじゃね
561名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 19:53:21 ID:pYzKgBip
>>557
問題ないかと
562名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 19:57:54 ID:K3rjClAQ
サガフロ1、2、ゼノギアス、FFTとスクウェア往年の名作の作品のキャラが召喚されてるけど
聖剣伝説とかデュープリズムのキャラは召喚されてないよな?
個人的にミント様召喚が見てみたいなw
563名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 19:59:48 ID:xc2y19as
>>562
召喚されてるけど止まってるのが多いのが泣き所

それと支援
 ルイズは暗闇の中に立っていた。
 右を向いても左を向いても闇、闇、闇。紛う事無き暗闇である。
 闇は深く、一寸先どころか自分の手すらも見ることが出来ない。
 しかし、ルイズは恐怖を感じてはいない。それどころか、これから起こる事にワクワクして仕方がないくらいだ。
 それもその筈、今から自分の全てを賭けた舞台なのだから。

『瞬間を感じる。もう昨日までの私じゃない! この新しい道は、望むところまで続いている……』

 ルイズは今までに無い充足感を感じていた。瞳には暗闇など一瞬で掻き消してしまう程の強い意志の輝きが灯り、四肢には怪力乱神もかくやと力が漲り、髪の一本一本までにも恒星の如き魔力が迸る。
 暗闇で見えないがルイズは、白のオペラドレスと肘まである白の手袋に身を包み、髪は自然に流している。そして、各部に華美に成らない程度の装飾品。
 既に準備は万端だ。
 不意に暗闇が薄れた。薄っすらとだが、周囲の様子が分かる。
 ルイズの目の前には、眼が並んでいた。無数の2対の瞳が、闇の中に浮かんでいる。
 眼は、ルイズの立つ位置より低い所から徐々に上に昇っていき、見渡すとほぼ180度の範囲で囲われている。
 どうやら、すり鉢型のホールの舞台に立っているようであった。
 眩い光がルイズを照らす。一瞬眼が眩むが、眼を細めて入ってくる光を調節する。
 眼が光に慣れぬうちに、軽快で何処か気の抜けた音楽が流れてくる。

『もう少し待ってくれても良いのに…… 後で文句を言わなくちゃ』

 一人ごちるが、顔には出さずに前奏に合わせて体全体でリズムを取る。
 やがて前奏が終わり、ルイズは陽気に歌いながら舞台の端から端まで移動する。そうする事で、観客全体に自分をアピールするのだ。
 歌の内容は、前人未到で空前絶後の偉業を、手探りながらも成し遂げた自分自身を大袈裟に歌ったもの。
 やがて曲も終わりに近づき、サビに差し掛かるとルイズは回転を始める。クルクル、クルクルと回転し、その勢いは衰えることを知らない。

『嗚呼…… 世界が回る。みんな回っている。回転は素晴らしい。回転が全てを支配している。
 馬車の車輪は回転する事で前に進み、自然の生態系も円環を成して巡っている。そして、星の動きですら回転が支配している。
 私は永劫回転する車輪の、永劫静止する中心点になって森羅万象を見通す。もう少しで、もう少しで宇宙の真理が見える……
 嗚呼…… 大きな星が、点いたり消えたりしている…… 大きい…… 彗星かしら……?
 いえ、違うわ。彗星はバアーッと動くもの……』

 やがて回転は螺旋へと変化し、宇宙へと上っていく。ルイズの意識は銀河の海を渡り、星屑の煌めく庭を駆け抜ける。光の粒子を追い抜き、視界が輝く白に染まる。
 両手が真理の扉に掛かろうとした時、音楽が鳴り止み万雷の拍手が奔る。その拍子に回転は勢いを失ってしまう。
 真理に至れなかった事を残念に思うが、鳴り響く拍手は悪くない。拍手が鳴り続ける中、ルイズの傍に人影が現れた。

「お見事だったわね、ルイズ」
「姫殿下!」

 現れたのは、ルイズの幼馴染でありトリステイン王国の王女、アンリエッタであった。
 アンリエッタの格好は、公の場の為の豪奢なドレスではなく、この舞台の主役であるルイズを引き立たせつつ地味にならない物である。
 2人は、柔らかに微笑み合って抱擁を交わす。

「姫殿下! お越し下さり、真に有難う御座います。 このルイズ、感激の極みで御座います」
「ああ! ルイズ! ルイズ・フランソワーズ! そんな堅苦しい真似はやめて頂戴!
 あなたとわたくしはお友達でしょう! 昔のように、アンと呼んで頂戴!」
(中略)
「でも、貴女は遠い人になってしまったわねルイズ。まさか貴女が××だったなんて……」

 アンリエッタが誉めそやすが、肝心な部分が聞こえない。
 詳しく聞こうと身を乗り出すが、また新たに人影が現れてその行為は中断させられた。人影の数は5つ。

「おめでとうルイズ。貴女には負けたわ」
「すごい」
「貴女は自慢の生徒ですぞ」
「君のようなメイジが我が学院から出るとは、ワシも鼻が高いのう」
「ルイズ。改めて君に結婚を申し込みたい」

 キュルケは素直に負けを認め、タバサは素直に褒める。コルベールとオスマンは学院の誇りだと持ち上げ、婚約者のワルドからはプロポーズを受ける。
 夢にまで見た光景が目の前で展開され、先程の疑問は吹っ飛んでいった。
 再び現れる人影。
565名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 20:00:52 ID:pYzKgBip
支援
 
「おめでとう、ちびルイズ」
「おめでとう、ルイズ。我が身の事のように誇らしいわ」
「貴女はヴァリエール家の誇りです。良くやりましたねルイズ」
「小さなルイズ…… 本当に大きくなったね。 父は、父は……  おろろ〜んっ!」
「姉さま! 母さま! 父さま、泣かないで下さいまし」

 祝福するのは、ルイズの家族。
 姉(怖いほう)は素っ気無く、姉(優しいほう)は温かい言葉で、何時もは厳しい母ですら優しい。父は、感極まって盛大に涙と鼻水を流しながら泣いている。 
 その言葉を聴いて、ルイズの目頭に熱いものが宿る。堪えようとしても、堪えきれない熱い塊を零さないように顔を手で覆って上へとそむける。涙とは、嬉しい時にも流れるものだとルイズは初めて知った。

「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとう」

 多くの人達が、ルイズを祝福し、拍手を送る。
 過分な幸福に包まれながら、ルイズは一つの事を確信する。

「私は…… 此処に居てもいいのね!」

「おめでとう」
「おめでとうゲコ」
「おめでとうゲコゲコ」
「おめでとうゲコゲコゲコ」
「おめでとうゲコゲコゲコゲコ」
「おめでとうゲコゲコゲコゲコゲコ」

 ゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコ。
 ゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコ。

 何時しか祝福の声は聞こえなくなり、辺りが再び闇に没する。拍手の変わりに聞こえてくるのは、カエルの求愛音のような音。
 闇の中には、小さなオレンジ色の点が3つ浮かび、それは徐々に大きくなってきている。やがて、その点が金貨程度の大きさになった時に、その3つの点を有するモノの輪郭が浮かび上がった。
 滑らかな曲線を描く体。その体の割には小さく、本来の役割を果たす事が出来ないであろう飛膜の翼。吸盤のせいで、大きく膨らんだ指先を持つ四肢。
 大きく割れた口の上には、先程のオレンジ色の3つの点。人間のそれとは違う3つの瞳である。それらの特徴を持った巨大蛙が、暗闇の奥から飛び出してきた。
 ルイズの足は、何かにガッチリと掴まれて動かす事は出来ない。そしてそれは、顔も同じであった。顔を背けることも、逃げ出す事も出来ないルイズが出来る事は唯一つ。それは即ち、叫ぶ事しかない。

「いぃぃ――――やぁ――あぁ――――っ!!」


567名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 20:01:03 ID:dTmHABX4
>>558,560
どこのユリア100式ですか?
                未来の大魔女候補2人 〜Judy & Louis〜

                 第2話 前編『ルイズとカエルの関係』



 軽快なノックが部屋に響く。ここは、トリステイン魔法学院の本塔の最上階にある学院長室。
 その音を聞いた学院長秘書ロングビルは、学院長を使って椅子を破壊する作業を止めて、素早く自分の席に戻る。
 学院長であるオスマンは、立ち上がって総白髪の長髪長髭を正してから、威厳のある声で訪問者に問いかける。

「誰かね?」
「コルベールです、オールド・オスマン」
「うむ、入りたまえ」
「失礼致します」

 コルベールは一礼をしてから入室し、ぐるりと中の様子を眺める。
 学院長室は、格調高い調度品で整えられており、部屋の奥にはセコイアのテーブルが置かれ、その斜向かいにあるテーブルでは、ロングビルが仕事をしている。
 奥にある机の上には30サントほどの水煙管が置かれており、その傍らにある紙袋からは、糖蜜で固められた煙草の葉がチラリと見えた。
 オスマンは、何故か机の前に置かれた椅子に片手を掛けて、胸を張りながら威厳に溢れた雰囲気を醸している。
 ロングビルは涼やかな顔をしているが、その内心、そんな様子をメガネの奥から覗いて笑いをかみ殺していた。

「用件は何かね?」
「使い魔召喚の儀式ですが、全ての生徒が召喚の儀式を終えた事を報告します」
「ほう…… ほぼ予定通りの時刻じゃの。すると、ヴァリエールの末娘も召喚出来たのじゃな?」
「はい。全ての生徒が使い魔を召喚し、無事契約を終えました」

 その報告を聞いて、オスマンは胸を撫で下ろす。最近では、成績が悪いと学院に文句を言ってくる馬鹿親が増えているので、その要因が減るのに越した事はない。

「報告はそれだけかね?」
「いいえ。1つ問題が起きました」
「何じゃと?」

 生い茂った眉毛を吊り上げてオスマンは驚きを表す。
 コルベールは頷いてから、問題の報告を始める。

「はい、結論から述べるとミス・ヴァリエールが女の子を召喚しました。
 そしてその女の子は、メイジだと推測されます」
「何じゃとーっ! 君、さっき全員が契約を済ましたといったね? 
 まさか、その女の子と契約させたんじゃ有るまいなっ!?」

 突然の大声に、書き物の仕事をしていたロングビルが驚き、ビクリと顔を上げる。
 コルベールは落ち着いたもので、いきり立つオスマンをやんわりと宥めて話を続ける。

「ドウドウ。早合点してはいけません。
 ミス・ヴァリエールはその子とは契約をしていません。そして、彼女は既に使い魔との契約は済ませております」
「つまり…… 彼女は使い魔を召喚した。そして、そのついでに女の子も召喚してしまった。と、言う事じゃな?」
「Exactly(その通りでございます)」
「だったら、初めからそう言ったら良いじゃろうに…… 人が悪いのぉ、お主。この、このぉ」
「気色悪い声出さないで下さい。オールド・オビワン」
「オスマンじゃよ…… ミスタ・コンターギオ」

「「……………………っ!」」

 コルベールとオスマンは無言で睨み合う。2人の間の空間に火花が散るのが、ロングビルには幻ではなく見えた。
 永遠に続くかと思われた睨み合いだが、大人気無いと思ったのか2人同時に相好を崩す。些か引きつった笑顔ではあったが。
 冷戦に突入しなかった事に、ロングビルはホッと胸を撫で下ろした。この2人の睨み合いは、一般人には心臓に悪い。
「それで、その女の子は何処に?」
「はい、召喚した時には気絶しておりましたので、医務室へと運びました」
「そうか…… なら、目を覚ましたならヴァリエールの末娘と共に此処へ連れてきてくれい。
 夕刻までに目覚めなんだら、明日の朝に事情を聞こう」
「分かりました。その様に致します。
 それでは、私は様子を見てきましょう」
「うむ、そうしてくれい」

 女の子から事情を聞くための軽い打ち合わせをして、コルベールは一礼して部屋から去っていった。
 コルベールが退室し、再び2人に戻った学院長室でオスマンはため息をつく。平和とは、長くは続かないものだと鼻毛を千切りながら憂鬱に感じる。
 千切った鼻毛を息で吹き飛ばすのを、ロングビルに白い目で見られているのに気が付きもせず独り言を呟く。

「ふぅ〜 妙な事になったもんじゃのう。
 しかし、使い魔召喚で人間を召喚するとは如何なっとんのじゃ?」
「元の場所に送り届ければ、問題ないのでは?」
「まっ、そうなんじゃがのぅ。それでも責任逃れは出来まいて」

 オスマンは椅子を机に戻して、だらしなく腰掛ける。机に肘を突いて、水煙管に手を伸ばすがその手は宙を切った。
 水煙管は空中をふよふよと漂って、ロングビルの机に着陸する。
 オスマンの眼には、杖を振るうロングビルの姿が映る。どうやら、レビテーションの魔法で水煙管を取り上げたようだ。

「まったく、一服くらい良いじゃろうが」
「もう一日の喫煙量は既に超えていますよ。あなたの健康管理も仕事ですので悪しからず」
「まったくお堅いのう」

 文句を言うオスマンだが、顔中の皺をクシャクシャにして微笑む。
 この老人は、美人の秘書が構ってくれる、それだけで嬉しいのだ。
 そこら辺はロングビルも承知しているのだが、気が付くとついつい乗せられてしまっている。それはオスマンの憎めない性格故か、人望の厚さから来るものか。
 どちらにせよ忌々しい事だ。後ろで纏めている緑髪を掻き揚げながら、ロングビルはつくづくそう感じる。

「所で、ミス・ロングビル」
「? 何でしょう?」
「白の下着も良いんじゃが、君には黒の下着が似合うと思うんじゃ。
 もし良かったら、今度プレゼントしても……」

 セクハラ発言は、空気を切り裂く鋭い音で中断される。背後の壁にはペーパーナイフが突き刺さり、細かく振動していた。




570名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 20:02:43 ID:pYzKgBip
昨日BS11見てたろwww 支援
「いやぁ――――――っ!」

 コルベールが学院長室に赴いているのと同時刻に、白い部屋に絶叫が木霊する。場所は学院の医務室。
 部屋に居るのは、絶叫する少女と耳を両手で塞いでいる少女、そして絶叫する少女の隣のベッドに寝ている女の子の3人。中年の養護教諭は席を外している。

「五月蝿いわよっ、ヴァリエール!」
「あぉがっ!?」

 絶叫する少女、つまりルイズの頭部に、良い角度でチョップが振り下ろされる。
 ルイズの視界には星が飛び散り、光が明滅する。キョロキョロと辺りを見回すと、白いカーテンと赤毛の少女の姿が眼に映った。
 赤毛の少女、つまりキュルケは腰に手を構えて、ルイズを呆れた様子で眺めている。

「うぅ…… 何故かチョップを食らったみたいに頭が痛いんだけど、何か知らない?」
「さぁ? 気のせいじゃない? 何か変な夢でも見たの?」
「夢? 見たかも…… 所で此処、何処?」
「此処は医務室よ。貴女、気絶して此処に運び込まれたのよ」
「……医務室?

 ………………っ!

 そっ、そうだ、儀式は? 早く召喚しないとっ!」

 ルイズはベッドのシーツを跳ね除けて、飛び起きる。
 だが、急に起き上がったせいで平衡感覚が乱れて眩暈が起き、足を縺れさせてスッ転んでしまう。
 キュルケは呆れ顔を更に深くして、溜息をつく。

「落ち着きなさい。貴女、使い魔の召喚は成功したでしょう? 覚えてないの?」
「使い魔? 成功?」

 その言葉に暫し呆然とするが、ルイズの脳裏にオレンジ色の3つの瞳を持つ巨大蛙の姿がフラッシュバックする。

「ひ、ひぃぃ―――――っ!! いやぁ―――っ!」

 思い出した恐怖に、ルイズは恥も外聞も無くキュルケの腰に抱きついて泣き散らす。
 抱きつかれたキュルケは振り払おうと試みるが、ルイズの腕は万力の如くビクリとも動かない。

「ちょっ、ちょっと落ち着きなさい、ヴァリエール!」
「やあぁぁ、つぶらなひとみのあくまがくるよぉ。はなしちゃいやぁ……
 こあいのぉ…… たすけて、ちいねえさまぁ……」

 ルイズの双眸は、キュルケの姿を通じて姉の姿を見ている。
 恐怖ゆえに、幻の姉に助けを求めるルイズは、更に腕に力を込めて涙で滲んだ瞳で縋りつく。

「うっ……」

 潤んだ瞳で見上げられたキュルケは、自分でも良く分からない感情が湧き上がってくるのを感じた。
 しかし、何とかその感情を押さえつけて、ルイズを泣き止ませようと努力する。
 縋ってくるルイズを柔らかく抱き返して、出来るだけ優しい声で慰める。
「ねえルイズ、泣き止んで頂戴。貴女がそんな有様じゃ張り合いが無いわ。
 貴女はツンと澄まして、からかうとムキになって噛み付いて来る位が丁度良いのよ。
 恐いのは此処には居ないから、泣き止んで頂戴。ねっ?」
「こあいのここにはいない?」
「そう、此処には居ないから安心して。何も恐いのはないから」
「うん、うん」
「そう、良い子ね」
「…………」
「ルイズ、そろそろ離して頂戴」
「…………」

 何とか泣きやんだルイズに話しかけるが、返事が無い。キュルケは怪訝に思い、再度呼びかける。

「ルイズ?」
「すぴー……」

 恐怖に駆られて泣き喚いていたルイズは、泣き疲れたのか眠ってしまっていた。
 先程押さえつけた嗜虐心が、ムクムクと首をもたげてくるのがキュルケには分かった。その感情に任せて行動を開始する。
 眠っているルイズの腕からは、既に万力の如き力は失われ、簡単に外す事が出来た。
 柔らかな両頬に指を掛けて左右に思いっきり抓り上げる。スベスベプリプリした頬は良く伸びて、いったい何処まで引っ張れるのか挑戦したくなる程だ。

「ひたい(痛い)……」
「おはよう、ヴァリエール」
「ほはひょう(おはよう)……」

 寝ぼけ眼で素直に返事を返すルイズであったが、すぐさま自分が何をされているのかに気が付き、熱湯に入れられた蛸よりも早く顔が朱に染まる。

「ひたいひゃなひっ(痛いじゃない)!」
「うふふふふふっ……」

 ルイズは怒りを露にして怒鳴るが、キュルケは聞く耳持たず微妙な力加減で頬を引っ張り続ける。
 キュルケはただ微笑むだけで、ルイズの言葉には一切耳を貸さない。

「いひゅまへひっはってふのふぉっ(何時まで引っ張ってんのよっ)!」
「んっん〜? 何を言っているのか、分からないわねぇ。言葉はちゃんと発音しないと伝わらないのよ?
 うふふふふふふふふふふっ……」

 ルイズは必死になって腕を振り回すが、18サント差もある体格差のお陰で、なかなか振りほどく事が出来ない。
 真っ赤に成りながらジタバタするルイズに視線を落として、キュルケは今までに無い征服感に酔っていた。
 ゾクゾクと背筋に電気が走り、快感のシグナルが発信される。そして、その快楽を増幅させる為の思考に脳が支配されていく。

『嗚呼…… あんなに必死になって、ルイズったらカワイイわぁ……
 引っ張るだけじゃ物足りないわね。このままこねくり回したら、一体どんな反応が返ってくるかしら?
 甚振るだけ甚振った後に優しく慰めたら……
 うふっ、うふふふふふっ…………』

 加速する思考は次第に肥大化していき、周りの状況が隅に追いやられていく。
 状況が好転しない事に苛立つルイズは、強引に体当たりをしてキュルケを振り払おうと試みる。

「こにょうっ(このうっ)!」
「あふぅんっ」

 思考、もとい妄想に耽るキュルケは、成す術なくその体当たりを受けてベッドに押し倒されてしまう。強引な手段だったが、ルイズは目論見通りに指が外れた事にほくそ笑む。
 結果、医務室の硬いベッド、キュルケ、ルイズの順で積み重なり、キュルケに抱きつく格好になったルイズは、その肢体の持つ柔らかさと熱を体全体で感じ、蟲惑的な香水の匂いに鼻腔がくすぐられる。
 なんとなく気恥ずかしくなり、キュルケの上から退こうとした瞬間、空気が動いた。
 ガチャリとドアノブが回る音が部屋に響き、ドアが開け放たれる。
 闖入者は2人。頭が半ば禿げ上がった中年教師と、自分の身長ほどもある杖を持った小柄な蒼髪の少女が2人。
 4人が部屋の状況を理解した時、部屋から音が消え去った。

 後半へ続く
573未来の大魔女候補2人 ◆kjjFwxYIok :2008/06/29(日) 20:05:38 ID:/mU37lQI
第2話のルイズ編を投下完了。
後編のジュディ編は日付が変わったら投下しようと思います。

支援を有難う御座いました。
574名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 20:06:56 ID:VuY1cd+K
要SANチェック支援
575名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 20:25:42 ID:KM/QY35r
ポセイドン、そんな怖いかなぁ
576名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 20:33:08 ID:IQgtP90u
>>560
ONEの浩平がやっちゃってたな、流石胸にルーンを宿す漢w
面白かったのに、続き来ないかなぁ…
577水の使い魔Splash☆Star:2008/06/29(日) 20:37:11 ID:v45B59xF
予約がなければ、20:45から最終回を投下します。
578名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 20:38:08 ID:jdQGfjaY
ついに最終回・・・寂しくなるけど支援
579名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 20:42:35 ID:nhDKCJpo
sien
580水の使い魔Splash☆Star 最終回(1/5):2008/06/29(日) 20:45:07 ID:v45B59xF
「なによあれっ!影も見えないじゃないっ!!」

ルイズはラグドリアン湖から森へ続く道を全力で走っていた。
岸辺では、シタターレたちがゴーヤーンと戦っているはずである。
だが、その姿はあまりにも早すぎてルイズには目で追う事すらできない。
時おり、パシン・パシンと鋭い音を立てて空が輝き、風が走っているルイズのマントを煽る。
プリキュアが空中で『精霊の力』を踏み台にしてジャンプしているのだが、その姿すら目には止まらない。
彼らが攻撃をかけるたび、空は震えて風が巻き起こり、大地は鳴り響く!

ミズ・シタターレは揺れる湖面の上に立ち、指を鳴らした。
湖の水が水柱となり、10メイルほどもある龍に変化して、ゴーヤーンに襲い掛かる。
それと同時に、満と薫が赤黒い光弾を乱射する!
ゴーヤーンは片手で龍を切り裂くと、返す手で光弾を次々と弾いた。
弾き飛ばされた光弾は、湖へ、森へ、次々と落下しラグドリアン湖周辺の地形を変えていく。
次々と白煙を上げる森、崩れる崖、低く震動する大地…
「ちょ、ちょっと冗談じゃないわよ!あんなのに巻き込まれたら、わたしなんかひとたまりもないわ。」
頭を手で隠しながら、それでも全力で走るルイズの上に、一発の流れ弾が迫る!
黒い光に気づいたルイズは、頭を抱えてその場にうずくまる…。
だが、しばらくたっても衝撃がこない…。

ルイズが顔を上げると、そこには黄色く輝く服をまとった少女がいた。
ルイズを守るように、光の壁を作っている!その顔はルイズよりも、まだ幼い。
女の子は、ルイズに向かってにんまりと笑うと、大地を蹴ってラグドリアン湖の方に飛び去った。
「あ、あの子が…プリキュア…?」
ルイズは立ち上がり、服の泥を払うと、また走り出した。
「とにかく、急がなくちゃ!」

「さすがプリキュア!味方にしたら、頼もしい事この上ないわ…。」
ミズ・シタターレは、水でムチを作り出すと、近くにいるキントレスキーに目配せをした。
あんな調子じゃ、そうそう無駄弾を撃つわけにもいかない。
金色の体を赤銅色に変え、今や巨人と化したキントレスキーが、ゴーヤーンに飛びかかる!!

581水の使い魔Splash☆Star 最終回(2/5):2008/06/29(日) 20:45:44 ID:v45B59xF
ルイズは、ラグドリアン湖の近くの森にある小屋を目指していた。
やっとのことでたどりついた小屋は、心なしか光り輝いて見える。
ルイズが扉を開けると、中には1メイルほどの人がいた。
いや、人というよりは『花』のような雰囲気をたたえた、不思議な女性だ。
「あなたが、フィーリア王女?」
「ルイズさんですね、頼みます。」
ルイズはうなづくと、小屋の中に入った。シタターレから聞いたとおり、窓からはラグドリアン湖が一望できる。

(ゴーちゃんは『虚無』のことをしらないわ。ルイズが切り札よ!
 小屋はフィーリア王女の力で守ってもらうから、安心して、できるだけ長く詠唱して…。
 合図をしたら、きっかり5秒後にゴーちゃんの動きを止めて、水面スレスレまで押し込むから
 特大の『爆発』をちょうだい!頼むわよ!!)

ラグドリアン湖までの道中で聞いた手はずを思い出し、ルイズは『杖』を引き抜くと『始祖の祈祷書』を開いた!


6人は、ラグドリアン湖の岸辺に、森に、水中に吹き飛ばされ、倒れていた。
次々とまとわりついてくる6人を、蹴散らしたゴーヤーンは、空の上で雄たけびを上げている!!
すると、ラグドリアンの湖から、白い煙が立ち昇った…。
ゴーヤーンがそちらを振り向くと、キントレスキーが立ち上がった。
その体は炎のように熱く、近くの湖面がボコボコと沸騰して、白い煙を上げている。

「強い!強いぞっ!!まさか、ゴーヤーンがこれほどの力を隠していたとはな…
 だが、わたしは負けんっ!!わたしは、わたしより強い者に出会ったときに、
 一歩も引かずに戦うために、この身と心を鍛え続けてきたのだっ!!」
キントレスキーは雄たけびを上げると、体を炎に包み助走をつけてゴーヤーンに飛びかかった!!
離れようとするゴーヤーンに『水』のムチが巻きつく!
ゴーヤーンが舌打ちをして『水』のムチを引きちぎったところで、キントレスキーがゴーヤーンを捕えた!
そのまま全力で締め上げて、ラグドリアン湖に向かって投げつける!!
すかさず、咲・舞・満・薫が4方からゴーヤーンに殴りかかった。
空中で大きな爆発がおき、ゴーヤーンは悲鳴と共に爆心地から投げ出された!

582水の使い魔Splash☆Star 最終回(3/5):2008/06/29(日) 20:46:32 ID:v45B59xF
「よぉし!いくわよぉぉっ!!」
ゴーヤーンの姿を確認したシタターレは指輪を嵌めた手を高々とかざした。
すると、『アンドバリ』の指輪は溶け出して、一粒の水滴になり宙に浮かんだ!
その水滴を中心に、ラグドリアン湖の水が巻き上がり、次々と集まり凝縮していく…
空の雲や水蒸気、あらゆる水を巻き込んで、水滴はどんどん大きくなり、6メイルほどの固まりになった。

「来ましたっ!!」
フィーリア王女の言葉にルイズはうなづいた。
ルイズの目に、シタターレが見ている光景が流れ込んでくる。
今まで全然見えなかった戦いが、スローモーションのようにはっきりと見える。
ルイズは『虚無』の締めに入った。この『爆発』だけは外すわけにはいかない…。
湧き上がる魔力を螺旋を描くように細く鋭く捻りこみ、己の精神力の限界まで集中する。



…4…
「逃がさんっ!!」
水弾をなんとかかわそうとするゴーヤーンに、キントレスキーが体ごとぶつかり、無理矢理押し込んだ!


…3…
「はあぁっ!!」
凄まじい水圧に翻弄され、それでも逃れようとするゴーヤーンを、すかさず満と薫が赤い光でロックする。


…2…
「風よっ!!」
上空に陣取ったキュアウィンディが、凄まじい風を起こして赤い光ごとゴーヤーンを水面の方へ吹き飛ばす。


…1…
「光よっ!!」
ゴーヤーンの目に、巨大な光の弾を作り出すキュアブライトが見えた。
『光』はどんどん大きくなり、ついには100メイルを超える!!


…0…
凄まじい水圧の中、それでも『光』に対する防御姿勢をとったゴーヤーンの背中に『虚無』が炸裂した!
『光』と『虚無』に挟み込まれる形で、ゴーヤーンの体はつぶれ、ラグドリアン湖に大きな閃光が走る!!

一瞬遅れて、凄まじい音と共にものすごい水柱が上がった!
琵琶湖ほどの広さのあるラグドリアン湖の水位が目に見えて下がるほどの水柱は、
大きな波となり岸辺を襲い、水しぶきは雨へと変り周囲へ降り注ぐ…。
疲労感で座り込んだルイズが、この小屋は大丈夫かしらと思ったとき、突然、空が明るくなった!

583水の使い魔Splash☆Star 最終回(4/5):2008/06/29(日) 20:47:17 ID:v45B59xF
フィーリア王女に連れられて外に出たルイズは信じられないものを見た。
あれだけの激戦の舞台となったラグドリアン湖が元の姿に戻っているのだ!!

「ちょ、ちょっと、なんで?ほら、あの崖とか崩れてたでしょ!?」
「ゴーちゃんが消えたからね。『滅びの力』も消えたのよ。」
「いや、でも…それおかしいでしょ!?」
「いつもそうなんだよ。戦いが終わった後は、元の姿に戻って誰も覚えていないんだ。」
「満さんと薫さんがいなくなったときなんか、誰もふたりの事を覚えてなかったわ。」
変身を解いた咲と舞が話しかけるが、ルイズは納得しない。
「そんな事いったって、因果関係とか色々あるでしょ。」
「そういうものよ。深く考えないの!」
「だって…、まぁ、いいか。」
ルイズはシタターレの顔を見つめてそう言った。とにかく、戦いは終わったのだ。

「あなたがルイズさんね。さっきはありがとう。」
「魔法使いって本当にいたんだね。」
さっきのふたりが、笑いながらルイズに話しかけてくる。
「こっちこそ、助けてくれてありがと…。えと、『プリキュア』って呼んでいいの?」
「わたし、日向咲!で、こっちが舞で、満と薫と…」
「キントレスキーだ!!ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。」
その声の主は、いつか学院で会った変な格好の大男だった。
「名前、覚えてくれたんだ。」
「まあな、少々苦労したがな…。」
キントレスキーはそういって大きく笑った。ルイズも釣られて笑う。


ルイズがふと気づくと、ラグドリアン湖の水面に『水の精霊』が立っていた。
「ごめんね。使っちゃったわよ!」
シタターレが指を立て、宝石のなくなった指輪を精霊に見せる。
「かまわぬ…。あれは、放っておけば我らの世界すら危うくする災厄となる。
 世界を守るためなら、『アンドバリ』の指輪も喜ぶだろう…。」
宝石のなくなった指輪を見て、ルイズが心配そうに駆け寄る。
「ねえ、『アンドバリ』の指輪がなくなって、あんたは大丈夫なの?」
「無理しなきゃ大丈夫よ。アクダイカーン様も元の姿に戻ったし、そのうちわたくしの力も戻るわ。
 しばらく次元を超えるとかは無理だから、ルイズのところに厄介になるわね。」
それを聞いたルイズは、大きなえくぼを作ってうなづいた。
「そうだ、さっき、急にあんたの見てる光景が見えたわ…
 どうなってるんだろう。今までこんなことなかったのに。」
「本当の意味で、ルイズの使い魔になったっていうことじゃないの?」
事も無げに話すシタターレを見て、ルイズは何故か照れて横を向いてしまった。

「わたしたちは、咲や舞と一緒に『緑の郷』で過ごしたい。」
照れるルイズの隣で、満と薫がそう話した。
すると、それを聞いたキントレスキーはあきれるような声で応えた。
「なんだ、それではダークフォールはわたしだけになってしまうではないか…。
 まあよい、アクダイカーン様が元の姿に戻られたのだ。そのうち、ダークフォールにも『生命』が宿るだろう。
 もしかしたら、カレハーンたちにも、また会えるかもしれないな。」
「別にいいわよ、あんな鬱陶しい奴らに会わなくたって。」
「酷いことを言ってやるな。あんなやつらでも、もしかしたらいいところが少しはあるかもしれんではないか。」
「それ、あんたの方がひどい事言ってるわよ。」
笑う一同の前では、ラグドリアン湖の水面に太陽の光が反射して、キラキラと輝いていた…。

584水の使い魔Splash☆Star 最終回(5/5):2008/06/29(日) 20:48:02 ID:v45B59xF
…それから…

「はいはーい、いらっしゃいませ、カキ氷『みずしたや』へようこそ〜!
 おいしいおいしい『ラグドリアン湖』のカキ氷はいかが〜!」

快晴の空の下、トリステイン魔法学院に、ミズ・シタターレの声が響いた。
新学期が始まってからもまだ熱い日が続いている。
生徒や教師達が庭のあちこちでカキ氷を食べている姿も見える。

そんな昼下がり、ふいに庭にいる人たちにどよめきが走った。
みんなが注目している方を見ると、大きな金の塊を抱えた大男が、シタターレの小屋のほうへ歩いてくる。
「よっ…と。」
トレーニングウェアの大男は、小屋の前まで来ると、金でできた大きな岩を地面に下ろした。
「何の騒ぎかと思えば…、キンちゃんじゃない…なんの用よ?」
「お前がカキ氷屋をしていると聞いて、食べにきたのだ。これで、食べられるだけ頼む。」
キントレスキーはそういって、1メイル以上はある『金の大岩』をポンポンと叩いた。
(1m角として、約2トン。日本円にして約60億円相当)

「これ、なに?」
「『金の泉』で拾ってきたのだ。足りなければ、まだまだいくらでもあるぞ。」
「これだけあったら、あんたが一生食べてもお釣りがくるわよ…」
呆れた顔で喋るシタターレをじっとみつめてキントレスキーが応える。
「わたしはそれでもかまわんぞ!お前が一生作ってくれるというのならばな!!」
それを聞いたシタターレは、顔を真っ赤にして手を振った。
「ちょ、ちょっと、なに言い出すのよ!そんなことするわけないでしょ!!」
彼女は、照れた顔で横を向きながら金塊の一部を削り取る。


「銀貨10枚にしちゃ、やけに多いわね。」
「…100杯分はある…」
「馬鹿ねー、あとで『お釣りの代わりよ』とかいって、手料理作って渡すに決まってるでしょ。」
「あー、なるほど、そういうことかー!」
一連の行動を見たルイズたちが口々にからかうと、耳まで真っ赤にしたシタターレがバンと机を叩いた。
「あ、あんたたちね…。よくも好き勝手なことばかり言ってくれちゃって…。
 じゃあ、こうしましょう。今日はこれでキンちゃんのおごり!誰がどれだけ食べても無料!!」
シタターレの小屋の周りの人から歓声が上がる。

「キンちゃんもそれでいいわね?」
「わたしはなんでもかまわんぞ。それより早くしてくれぬかな…」
シタターレはキントレスキーに一瞥もくれず、ルイズ達のほうをじろっと睨んだ。
「あんたたち、わたくしをここまで焚きつけて、ただで済むとは思ってないわよね…。
 こうなった以上、人手はいくらあっても足りないわ…手伝ってもらうわよ!!」
シタターレの手には色とりどりのアロハシャツが握られている。


…その日、カキ氷『みずしたや』の前から行列が途切れることはなかった…



−THE END−

585水の使い魔Splash☆Star おまけ:2008/06/29(日) 20:48:39 ID:v45B59xF
〜〜チャン♪ チャン♪ チャッチャッ♪〜〜


咲「たいへん、たいへーん。タバサがさらわれちゃった!!」
舞「みんなで助けに行ったガリアの国、そこでみんなを待っていたものは、」
咲「『精霊の力』を自在に操るエルフと…」
舞「ビルみたいに大きな『甲冑人形』!!」

『このヨルムンガントはハルケギニアの系統魔法と、エルフの先住魔法を組み合わせたハイブリッドゴーレム
 そして、この私、ガンダールヴのための、ハルケギニア最強の「武器」なのよ!
 ヨルムンガントの力さえあれば、もう、あんたなんか怖くないわっ!!』

咲「ヨルムンガントには『滅びの力』も『魔法』も全然効かないの!」
舞「だんだんと追い詰められていくみんな…」
咲「え…?あれは、あれはなにっ!?」


『次回、水の使い魔Splash☆Star「ガリアの国の甲冑人形」 ぶっちゃけはっちゃけ、ときめき☆パワーで絶好調!』




水「…あんたたち、なにやってんのよ!?」
舞「あまりにも、私達の出番が少なかったから…」
水「その話はボツになったわよ。戦車に負ける程度で、わたくしの相手ができるわけないでしょ!」
咲「ビダーシャルが私たちを呼び出す話は?」
水「それもボツ!!そんな厨臭い話、誰も読みたくないわよ!」
舞「プリキュアの活躍はこれからもず〜っと続くよ〜」
咲「じゃあ、また、どこかで会おうね!」
水「最終回バージョンも止めなさい!!あんたたち、それを言った直後に
  締めの1枚絵をプリキュア5に持っていかれて黒歴史扱いされてるんでしょうが!!」

 『ちょ…それ禁句!』

586水の使い魔Splash☆Star:2008/06/29(日) 20:49:34 ID:v45B59xF
以上で、水の使い魔Splash☆Starは終了です。
おまけは、カワリーノさんのときほどいいネタを思いつかなかったので、没ネタでお茶を濁してますw

最初は、ルイズを着せ替えて遊ぼうと思って始めたんですが、色々あってこういう形で収まりました。
水下姐さんのスペックが「桃白白くらいは楽勝できそうな強さ」に「持ってるものを含めて瞬間移動可能」に「次元を超えてアイテム持ってき放題」と半端じゃなく俺Tuee!でしたので、かなり無茶な話を作りましたけど、楽しんで書けました。

プリキュア関連で書きたいことはほとんど書けたので満足しました。
(ガリアでルイズと一緒に踊り子の衣装を着る姐さんも書いてみたかった気はしますがw)

それでは、約2ヶ月間お付き合いくださった皆様、ありがとうございました。

587名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 20:57:09 ID:ISJFtw9o
乙、そしてGJしたー!
588名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 21:00:02 ID:523S2OhQ
GJ!
最後まで面白かったです

さみしくなるな〜
次回作にも大期待です
589名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 21:00:07 ID:bD/RGHkX
おつかれー

しかし60億か…G550(ガルフストリーム社のフラッグシップモデル。早い話が高級ビジネスジェット。)1機分だな…
590名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 21:05:33 ID:eMlAJymM
魔女候補の人、水の人、GJ!アンドお疲れ様でした!!
591名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 21:06:56 ID:pNygL1U/
投下乙そしてGJでしたー!
連載お疲れさまでした、とても面白かったです
シタターレ姐さんとキントレスキーのやりとりが
可愛すぎてニヤニヤしてしまいました
592名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 21:07:40 ID:ptLdZbYj
>>573
なんで全体的におかしな性格なんだww

関係ないがジュディたんに術合成来たんで嬉しいです
これがスクエアクラスの力か!
593名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 21:21:11 ID:APA5OVuB
>394
日光の下で当然のように学校に通ってる吸血鬼だってザラにいるぞ
594名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 21:24:30 ID:ISJFtw9o
>>593
デイライトウォーカーってどこが初出の言葉なんだろうな。
ちなみに真っ先に思い浮かべたのはネギまのエヴァだけど、
次点が江神美咲ってマイナーすぎるだろヲイ。
595名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 21:28:58 ID:xw7fzmwd
>>394
あったな、吸血鬼が即退場した小ネタ
596名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 21:31:44 ID:W9RvmHP8
>>594
自分は月詠の葉月で知った。

そんなに珍しい能力じゃなかったんだ。
597名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 21:34:07 ID:VuY1cd+K
そもそも吸血鬼が日光に弱いなど、近代以降の小説での話
スラヴの民間伝承には、正午から真夜中まで活動し午前中は寝ている健康的?な吸血鬼もいるぜ
598もう一人の『左手』(その32) ◆utAARsQ0ec :2008/06/29(日) 21:35:06 ID:4u610rOK
>>586
水の使い魔さんお疲れ様でした。個人的に、結構楽しみにしてました。
十分後から投下します。やや長めなので、支援頂けると嬉しい限りです。
599名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 21:43:08 ID:NbOclTQ3
プリキュア乙
そしてライダー支援
600名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 21:43:18 ID:GaeTA1TL
GS美神の吸血鬼も日光おkだったな。
日光に弱いのは多いけど日光に当たると灰になるくらい徹底してる方は少ないかも。
601名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 21:45:50 ID:523S2OhQ
支援
602もう一人の『左手』(その32) ◆utAARsQ0ec :2008/06/29(日) 21:46:23 ID:4u610rOK
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「え……?」

 少女は耳を疑った。
 あの竜騎士は、確かにいま自分の名を呼んだ?
 ルイズ、と叫んだ?
 そんなバカな? 貴族派の竜騎士が何故自分の名を呼ぶ?
 いや、疑ったのは自分の耳だけではない。目もだ。
 爆光の中、彼女は確かに見た。
 爆発のあおりを食らったドラゴンの鞍から、宙に弾き出された少年。たすきがけに背負った一本の長剣。メイジであるはずの竜騎士にもかかわらず、杖を持たず剣をたばさむ?
 まあ、それはいい。ワルドのようにサーベル状の杖を持つメイジもいる。
 だが、彼が着ていた衣服はどう考えても軍服ではなかった。後頭部にフードをつけた、青と白のツートンカラーの上着。

 ルイズは知っていた。
 彼女がよく知る少年も、同じような衣服を着衣として使用している事を。
 そして、その着衣は、ハルケギニアには存在しない素材と製法で作られた、類似品さえ在り得ないシロモノであるということを。いや、そもそも、さっきの叫び声すらが、間違えようもないほどに聞き覚えがある人物の声である事を。

(サイト……!?)

 しかし、記憶と直感を理性が否定する。
 あの使い魔の少年が、ここにいるわけがない。
 いわんや、貴族派の竜騎士のドラゴンに何故、自分の使い魔が乗っている? そもそも馬さえ乗れないアイツが、あんな巨大な風竜を乗りこなす? そんなこと在り得るわけがない。
 なら、今のは何!? ――決まっている、空耳だ。それと幻覚。もしくは錯覚。そうに決まっている。ありえない場所でありえない人物を見て、ありえない声を聞いた。それが現実であるはずがない!!

 彼女――ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの脳漿が、その結論を導くのに費やした時間は、おそらく2秒にも満たなかったであろう。なぜなら、その2秒後には、ふたたび事態は動き出していたからだ。
 脳にはしる混乱を落ち着かせようと頭を振り、再度、夜空に目をやったルイズの視界に飛び込んできたのは、さらなる竜騎士の遠影。だが、その背に騎乗していたのは、数日振りに見る級友たち――。
「キュルケ……タバサ……それにあれは……ギーシュ……!?」
 そして、その後続のドラゴンに騎乗する黒髪の男。
「……カザミ……ッッッッ!?」

「なに!? 一体何が起こったんですの!? 何故あの国賊のフネは爆発を!?」
「って言うより、自爆じゃない!?」
「陛下、一体これは……!?」
「決まっておろう! 王に逆らいし国賊どもに、始祖ブリミルが怒りの稲妻を下しなさったのじゃ!! すなわち、天は我とともに在りという事じゃッッ!!」

 背後でジェームズたちが何か勝手な事を言っているが、ルイズは彼らを振り向きもしない。客観的に見れば、先程の『レコン・キスタ』の戦列艦は、確かに突然、謎の自爆を遂げたように見えても仕方がないからだ。
 ならば、かくいうルイズ本人は、事態の真実を把握しているのかと問われれば、それもかなり疑わしい。
 さっきのフネが起こした大爆発は、自分の呪文の結果である事。それは間違いない。
 そして、その呪文は、始祖のオルゴールから聞こえてきた“声”に導かれて唱えたものであることも、間違いはない。更に言えば、その“声”の所有者は、オルゴールを後世に遺した当の本人・始祖ブリミルであろうことも。

――ならば今の呪文は、始祖の系統“虚無”なのか?

 ルイズには分からない。
 確かに、先程自分の唱えた呪文は、追っ手を爆発させ、絶体絶命の危機を回避させた。
 だが、……自分の呪文が爆発を起こすのは、いつもの事ではないか?
 その威力は、自分が日常的に起こしている『失敗呪文』の比ではなかったとはいえ、それでも結果に於いて爆発という見慣れた光景を現出したのは間違いない。
603名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 21:46:23 ID:xw7fzmwd
支援
604名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 21:47:11 ID:xw7fzmwd
支援
605名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 21:47:56 ID:EhzyKJgR
>>600
ブレイドの吸血鬼
紫外線を発生する装置だかだけでも灰になる
606もう一人の『左手』(その32) ◆utAARsQ0ec :2008/06/29(日) 21:48:23 ID:4u610rOK
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 ルイズには分からない。いや、もう考えられない。
 頭脳を働かせようと、懸命になればなるほど、血の巡りは鈍くなる一方だ。
 原因は分かっている。さっきの少年兵。――彼の持っていた剣、彼の着ていた服、彼の叫んだ声、そして彼が呼んだ自分の名。あれは錯覚で空耳だ。そう理性が断定しようとすればするほど、彼女の無意識下に押し込められた自我が抵抗する。

――やっぱりあれは、サイトだったんじゃないの……?

 違う! 違う!! そんな事はない! 在り得ないっ!!
 馬にも乗れないアイツが、竜に乗れるわけがないとか、それ以前の話よっ!!
 わたしとアイツは喧嘩してるのよっ!? 二度と顔を見せないでって言ったのよ!? そんな勝手なわたしをアイツがわざわざアルビオンくんだりまで会いに来るなんて、そんな事があるわけないっ!! そうよ、サイトはいないわ! アイツはいないのよ!!

「なっ、なんじゃああ〜〜〜〜〜ッッッ!?」
「『レコン・キスタ』よっ、『レコン・キスタ』の竜騎士が、また来たわっ!!」
「みなさんっ、杖を取りましょう!! 及ばずながら、私たちだけでも陛下を守りましょう!!」
「ええっ!?『たたかう』って伯爵夫人、ワタクシたちがですのっ!?」
「何を仰ってるんですっ!! 当たり前でございましょうっ!!」

 なにやら背後が騒がしい。
 ジェームズと、その取り巻きの女官や貴婦人たちが、また恐慌に陥っているらしい。
「ルイズっ!!」
 聞き覚えのある声――クラスメートのギーシュ・ド・グラモンの声。
 ルイズは顔を上げた。
 羽音が聞こえるほどまで近くに、二騎の竜騎士が接近している。
 戦うも何も、こんなに接近されてしまえば、手の施しようがないではないか。杖を取るまでもなく、ドラゴンのブレス一発で黒コゲにされるのがオチだ。
――まあ、その鞍上にあるのが、顔見知りの少年少女たちでなければ、自分ももう少し、泡を食っていたかもしれないが。

「ギーシュ、頭が高いわよっっ!!」

 久しぶりに見る金髪の級友。その端整な顔が、一瞬キョトンとなる。
 いや、彼だけではない。彼とともにいるタバサは少し眉をひそめ、キュルケも「え? 何言ってるのコイツ?」と言わんばかりの怪訝な表情をこっちに向けた。
 その彼らの視線が、余りにもあからさまだったので、さすがに気分を害したルイズは思わず声を荒げる。

「この御方は、アルビオン国王ジェームズ・テューダー陛下よ!! 知らぬ事とはいえ無礼は許されないわ! 貴族ならば作法に乗っ取った礼を尽くしなさいっ!!」

 変わらず無表情なタバサはともかく、金髪の少年と赤毛の少女は飛び上がらんばかりに驚き、三人は『フライ』で小型艇に乗り移ると、次々と老人の眼前で膝を着き、無礼の詫びと名乗りをあげた。
「この三人は敵ではありません。皆わたしの級友でございます」
 やや困惑したような王は、しかし、安心した表情を浮かべると、
「大儀であった」
 と、鷹揚に言葉をかけ、そのさらに背後――いまだドラゴンの背から降りようともしない黒革の上下を身に纏った男へと視線を向けた。

「頭が高いわ“ブイスリー”ッッ!! 王の御前と知っての事かッッ!!」

 唖然とした表情の三人を放置して、後方にいる風見に一喝するジェームズ。だが、ルイズはニューカッスル城にいるときから、最前線で戦闘をしていた改造人間を、この老王が毛嫌いしていた事実を知っているため、さすがに慌てた。
「へっ、陛下、違いますっ!! あの者はニューカッスルにいた“ブイスリー”ではなく、わたしの使い魔めにございま――」


「アルビオン王国のジェームズ1世国王陛下でございますな」
607名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 21:48:57 ID:PBQIHGYO
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608もう一人の『左手』(その32) ◆utAARsQ0ec :2008/06/29(日) 21:50:17 ID:4u610rOK
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 彼女も知る、風見志郎の錆びたアルトヴォイス。
 思わず振り向くルイズだが、不遜という枠にさえ収まり切らない冷徹な彼の視線は、その場にいた全員から声を奪った。
 彼の視線や声音に含まれる威圧感。
 ルイズは知っている。
 その不躾さは、風見志郎という男が身に纏う、体臭のようなものに過ぎないということを。
 だが、主であるはずの自分でさえ、数日振りに味わえば、やはりその剣呑さに息を呑まざるを得ない。いわんや、唯々諾々と顔を俯けて王の罵倒を聞くだけだった“ブイスリー”しか知らないジェームズにとっては、言うまでもない。
 だが、二人は気付いていない。
 ここにいる風見志郎は、ルイズの知る“使い魔”とも、ジェームズの知る“王党派の赤い悪魔”とも違う、全くの別人である事を。
 彼が何者かを知るのは、風見と行動をともにしていた三人の学生たちだけであったが、彼らが状況に口を挟める空気では、勿論なかった。

 風見は散歩にでも行くような飄然とした態度で、ふらりと小型艇に飛び移る。“風”のメイジと見紛う程の、まるで体重を感じさせない動きで。
 ジェームズと婦人たち、舵取りの青年とルイズ、そしていま新たに乗り込んできた三人の少年少女たち――ラッシュ時の電車並みに人口密度の多い小型艇の人垣が、途端に分かれる。まるで風見の行く手を遮る事を恐れるように。そして“道”の終着点に“王”がいた。
 
「きっ、貴様……“ブイスリー”……ッッッ!?」

 ジェームズが泡を食ったように目を白黒させる。彼はすでに杖を手にして立ち上がり、臨戦体勢を取っていた。万が一、この亜人が牙を剥けば、文字通り、自分は八つ裂きにされてしまうだろう。――ジェームズには、そうされるだけの心当たりがあったのだから。
 だが、風見の視線は、まっすぐ彼を向いたままだ。ルイズにさえ一瞥たりとも向けられる事はなかった。
 この男が一体何をする気なのか?
 この場にいる全員の神経は、その一点に尽きた。
 が、ジェームズを前にして風見が取った行動は、ある意味、常識的な――違う意味で彼らの予想を裏切るものであった。

 風見は膝を着き、作法どおり頭を垂れ、視線を落とした。
 まるで宮廷貴族が国王にそうするように、自然な所作で。
 数瞬、ジェームズは凝然としていたが、それでも冷静さを取り戻し、わめく。
「ぶっ、無礼者っ!! 目通りすら叶わぬ亜人の貴様が、王に誰何を致すなど――」
「我が主、ロマリア教皇・聖エイジス三十二世からの親書をお届けにあがりました」


 わがあるじ……ッッッ!?
 ロマリア教皇……ッッッ!?

 
 ルイズの顔が歪む。いや、彼女だけではない。ジェームズと、その周囲の女性たちもだ。
「あっ、あんた何言ってのよッッ!?」
 声を上げようとするルイズを、タバサが抑える。
「何すんのよタバサっ、放しなさいよっ!!」
「王の御前。許可を得ない発言は無礼」
 おそらく、今この少女を黙らせようとするなら、これ以上的確な言葉はなかったであろう。激昂のあまり頬を紅潮させたルイズだが、そう言われて、なおもわめき続けられるほど血の巡りは悪くはない。しぶしぶだが、その口を閉じた。
 逆に、ジェームズは憤然どころか、半ば呆然とした表情で口を開く。

「“ブイスリー”……おのれは何を言っておるのだ……!? お前の主は、この余であろうが……!?」

 が、次の瞬間――ハッと何かに気付いたような素振りをすると、老人はわなわなと、今度こそ怒りに形相を歪ませる。
「貴様……亜人の分際で、余を見限るつもりか……!? 『レコン・キスタ』の国賊どもと同じく、王家の恩を忘れて、新たな飼い主に尻尾を振る気なのかッッッ!?」
 だが、王の怒りをまともに喰らっても、風見は微動だにせず、反論どころか顔すら上げない。
「何とか言わぬかっ、この裏切り者めがッッッ!!」
 そう言って、ジェームズが杖を振りかざした瞬間、初めて風見が動いた。
609名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 21:50:28 ID:xw7fzmwd
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610名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 21:50:32 ID:xw7fzmwd
支援
611名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 21:51:31 ID:xw7fzmwd
支援
612もう一人の『左手』(その32) ◆utAARsQ0ec :2008/06/29(日) 21:52:22 ID:4u610rOK
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――といっても、彼が何をしたわけでもない。
 単に顔を上げて、王に視線を向けただけだ。だが、その骨すら刺すような氷の眼差しは、ただ一瞥で痩せた老人の動きを封じた。

「きっ、貴様……ッッッ!?」
「何か、勘違いをなされておられるようですが……陛下の仰る“ブイスリー”なる者と、私は全くな別人でございます。……その親書をお読み下されば、お分かり頂けると思いますが」
「――なっ、なにぃっっ……!?」
「その“ブイスリー”なる者と面識はございませんが、彼は言うなれば、私の双子の兄弟とでも言うべき者。同じ顔と肉体を所有していても、その存在は全くの別人でございます」
 そう言いながら、風見はゆっくりとルイズにも視線を送る。
 よく見ろ、とで言いたげに右手の手袋を外しながら。

「うそ、でしょう……ッッッ!?」

 その右手には、彼女の見慣れた文字で刻まれた、使い魔のルーンがあった。
――ヴィンダールヴ、と記されたルーンが。


00000000000

「どういうつもりですか、大司教閣下?」
 シェフィールドが硬い視線を、黒衣の男に送る。
「ウェールズを殺さぬどころか、側近に加えるですって? そんな勝手な事を誰が貴方に許したというのです?」
 まるで成績が下がった子供を叱責する教師のような、冷たい声。
『レコン・キスタ』の関係者が、この光景を見れば、おそらく唖然とするだろう。そして、この女性は首領の秘書に過ぎない、という事実を疑い始めるに違いない。
 
――そう。この女性は単なる秘書などではない。
『レコン・キスタ』と、その真なる黒幕とを結びつけるパイプ役。クロムウェルが振舞った莫大なる軍資金も、“虚無”と謳われる奇跡も、いや正確に言えば、その貴族連帯の理念さえも、その黒幕が与えたものに過ぎない。
 神輿・傀儡と評されて憚らないクロムウェルであったが、その人形の繰り手は、世間の言うような貴族派中枢の大諸侯たちではない。無論、アルビオンの大諸侯たち本人は、そうは思っていないようではあるが。
 そして、傀儡であるはずの男は、その主に叱責されてなお、切れるような笑みを、口元から失わせる事はなかった。

「ミス・シェフィールド」
 クロムウェルは言った。
「一度、陛下と話をさせて頂けませんかな?」
「……ッッ!!」
 シェフィールドの表情が怒りに歪む。彼女の敬愛する主は、クロムウェルごときが馴れ馴れしく口にしていい人物ではない。
「あの御方の事を気安く呼ぶなっ!!」
 だが、眼前の男の反応は、彼女が知るはずのクロムウェルとは一線を画したものであった。


「貴女では話にならない」


 男は臆病者であるはずだった。
 僅かばかりの謀才を鼻にかけた、小賢しい男であるはずだった。
 キナくさい臭いを敏感に嗅ぎつけたなら、何よりまず、身の処し方を考える男であるはずだった。
 そんな男が、自分に向かって――いや、“あの御方”に向かって、こんな不遜な態度を取る。
……シェフィールドは、このときに気付くべきだった。
 自分たちが下したクロムウェルという人物に対する評価は、あるいは間違っていたのではないか、という事に。
 この男は自分たちが考えていた以上に食えない男だったのではないか、という事に。
 だが彼女は気付かなかった。否、気付けなかった。

「陛下ならば、ウェールズを我が側近に加える意味を御理解頂けるはずでございます」
613名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 21:53:29 ID:xw7fzmwd
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614名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 21:53:41 ID:PBQIHGYO
支援
615もう一人の『左手』(その32) ◆utAARsQ0ec :2008/06/29(日) 21:54:16 ID:4u610rOK
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 シェフィールドは一歩後ずさると、ふんと鼻を鳴らし、クロムウェルを睨みつける。
 それが『レコン・キスタ』のためになると、この男なりに考えた結果の行動であるならば、自分は何も言うまい。この保身に長けた男が、考えもなしにそんな危険な行為をするとも思えないからだ。
「念のために訊いておきますが、大諸侯たちがその人事に納得するとお思いですか?」
「テューダー王朝の嫡子が、革命の理念を認めたのですよ? 何をいまさら若造ごときを警戒する必要がありますか?」
「ウェールズが実権を握れば、彼が王政復古を唱える可能性があるのでは?」
「ありえませんな」
「その根拠は?」
「彼が生きている限り、アルビオンの民はジェームズ陛下の失政を忘れぬでしょう。そんな中で、テューダー朝の再興を考えるほどに彼は愚劣ではありませんよ」
「ならば、ウェールズが王党派の復讐を大諸侯たちに果たそうとする可能性はない、と?」
「そんな気があれば、そもそも彼が『レコン・キスタ』に参加するはずもございませんよ。地下に潜ってゲリラ活動をする方が、ある意味よほど簡単だ」
「……」
「御納得いただけましたか?」
 そう問われて、シェフィールドは顔を上げた。

「始祖の秘宝は?『風』のルビーと始祖のオルゴールは?」
 そう。これだけは彼女といえど、絶対に譲れない。
 始祖の秘宝を入手するのは、彼女が主から受けた、絶対の最優先命令なのだから。
 だが、その事実を知らないクロムウェルは気楽な口調で答える。
「ウェールズがこちら側にいる限り、たとえ誰が入手したとしても、簡単に返還を請求できますよ。むしろ、それを宣戦の口実に使ってもいい。――どちらにしても、『レコン・キスタ』の最終目的は“聖地”の奪回ですからな。始祖の秘宝など関係ないでしょう?」
「……あの御方の命に逆らうつもりなのですか、大司教?」
 シェフィールドの目が据わる。
「分からん方ですな」
 だが、むしろクロムウェルは、なだめるような口調で続けた。
「王家の嫡子を折角こちらに取り込む事が出来たのですよ? 秘宝を持って逃げたのがジェームズである以上、腕ずくで回収するような真似をすれば、ウェールズの決心に水を差す結果を招きかねない。長い目で見れば、結局それは組織のためにならないと考えますが」
「言い訳ですか?」
「それとも、いますぐ始祖の秘宝を入手せねばならない理由があるのですか? 私にも聞かされていない、別の事情が?」
「図に乗るなッッッ!!」

 その言い草に、さすがにシェフィールドも切れた。彼女は元来、気の長い女性ではない。
「ひっ!?」
 クロムウェルは、反射的に声を上げてへたり込み、怯えた目で彼女を見上げる。

――そうなのだ。この男は、やはりこういう男なのだ。しょせん腰抜けの小才子。王国のカリスマというべき皇太子をまんまと篭絡して図に乗ったようだが、結局のところ地金が剥き出せば、途端にこのザマだ。
 シェフィールドは、むしろ安心した。
 手柄に酔って調子に乗る程度の元気がなければ、むしろ自分たちの傀儡は勤まらない。だが、一瞬でも自分を苛立たせた走狗には、やはり釘を刺しておかねばなるまい。主の手を噛むような勘違いをする前に。
「秘宝の入手は『レコン・キスタ』の存在意義における最優先目的。分からんようなら、貴様の首をスゲ替えるまでだ。――それが分かる人間とな」
「……出過ぎた言葉を吐きました……申し訳ございません……!!」
 ガタガタ震える黒衣の男を、虫でも見るような視線で一瞥すると、シェフィールドは踵を返した。
「この一件は、あの御方に報告させてもらう。貴様には本来、独断専行など許されてはいないということを、よぉくわきまえなさい」


「役者だな、大司教」
 廊下の陰から現れたウェールズは、いまだへたり込んだままのクロムウェルに苦笑を投げかけた。
「これも仕事のうちですよ、殿下」
「ならば、いよいよ君の後継を辞退しておいてよかったと言うべきだな」
「しかし閣下、もし殿下が『レコン・キスタ』の首座に就くことを承知なされたら、閣下はその後、いかがするおつもりだったのですか?」
 ウェールズの背後からワルドが顔を出す。
 彼らはそうやって、廊下の隅からクロムウェルとシェフィールドの会話を窺っていたのである。
616名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 21:54:52 ID:xw7fzmwd
支援
617名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 21:55:51 ID:xw7fzmwd
sage損ねすみません。
支援
618名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 21:55:55 ID:MicTLR/s
何という狸支援
619もう一人の『左手』(その32) ◆utAARsQ0ec :2008/06/29(日) 21:56:15 ID:4u610rOK
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 腕利きの“風”のメイジである彼ら二人が、その気になって気配を消せば、なまなかな者ではその存在を感知することは出来ない。彼ら以上の戦士であれば話は別だが。
「決まっているだろう子爵」
 立ち上がり、ブザマにへたり込んだ尻から埃をはたきつつ、クロムウェルは笑った。
「もし、殿下が『レコン・キスタ』を引き継いでくださるならば、後顧の憂いなど何もない。どこかの田舎で庵でも結んで隠棲するさ」
 本気か嘘か全く分からぬその返答に、ワルドは、ぽかんとしてしまった。
 一人苦笑いを隠さぬウェールズは、
「冗談じゃない。人をこんな百鬼夜行に引っ張り出しておいて、自分は楽隠居を決め込もうなんて虫が良すぎると思わないか?」
 と、楽しそうに呟いた。

 艦橋にふたたび入室した三人は、給仕が淹れ直した熱い紅茶に舌鼓を打ち、思い思いにくつろいだ。
 ウェールズは、先程まで座していた椅子に。クロムウェルは、王子に背を向けつつ窓から月を眺め、ワルドは、その二人を俯瞰できる位置に立ち、壁にもたれていた。
「それで殿下、段取りは手筈どおりに進んでおられますか?」
「一応、な」
 クロムウェルが言う“段取り”とは、王党派の撤兵のことだ。
「『イーグル』号のパリーと、地上部隊のマーヴェリーからは、したためた書状の返書が先程届いた。王党派総員三百名、速やかにトリステインに向かう、とな。――大司教、フネの用意は?」
「地上部隊撤収用の大型船なら、すでに手配は完了してあります。砲門の取り外しに、もう少し手間がかかるようですが」
「砲門の取り外し?」
 ワルドが怪訝そうな顔をしたが、ウェールズが紅茶をすすりながら答える。
「僕の決断は、いわば白旗挙げた逆賊どもから、こっちが背中を見せて逃げるという事だ。そんな命令に、血の気が多い部下たちが素直に従わない可能性があるだろう? そんな連中に貸す軍艦に、武装をそのままにしておけるものかよ」
「なるほど……。ならば『イーグル』号が、殿下を取り戻そうと攻撃してくる可能性もありますな」
「いや、それはない」
 斬り捨てるようにウェールズが言う。

「兵どもならば知らず、パリーならば分かっている。この交渉のキモは、僕が人質になる危険を顧みず、クロムウェルとの直談判で撤収の時間を稼ぐ、という点にある事をな。僕の努力を不意にするような真似を、パリーは絶対にしない」
 その言葉に、クロムウェルが口を挟む。
「王党派の中核たる三百人が生き延びている限り、王朝再興は可能であるということですか。ならばこそ、一足先にトリステインで殿下の帰還を待て、と?」
「希望を持たせてやらない限り、奴らがそんな命に従うわけがないからな」
 抜け抜けと言うウェールズだが、さすがに背中からは、そんな家臣たちを裏切る後ろめたさを漂わせているのが、ワルドには見えた。
 王党派の兵団がトリステインへの亡命を了承したのは、この王子の身柄を一番に考えての事だ。そうでなければ、こんな敵前逃亡に等しい屈辱を、彼らが容易に受諾するわけがない。――しかし、もはやウェールズに、彼らのもとに戻る意思はない。
 ならば、自分がやるべき事は決まっている。――ワルドは口を開いた。

「殿下、しばしの間、わたしにトリステインに帰国する事をお許し願いたい」

 ウェールズとクロムウェルは、思い詰めた表情を浮かべるワルドを硬い視線で見つめる。
「……僕のフォローをしてくれるつもりなのか?」
「殿下を待つ者たちには、殿下が戻らぬ理由が必要になりましょう」
「礼を言う、ワルド」
 そう言うと、ウェールズは立ち上がり、悪戯っぽい眼差しをクロムウェルに向けた。


「そうだな。なら――『ウェールズはクロムウェルに一度殺され、“虚無”の秘術で甦り、彼の側近に加えられた』ということにでもしておいて貰おうか」


620名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 21:57:25 ID:xw7fzmwd
支援
621名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 21:57:43 ID:ISJFtw9o
やべぇ……この狸っぷり、トップクラスだぜ支援
622もう一人の『左手』(その32) ◆utAARsQ0ec :2008/06/29(日) 21:57:52 ID:4u610rOK
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「なっ!?」
 さすがにワルドとクロムウェルの表情が凍りつく。
「僕がすでに死んでいる、ということになれば王党派の残党も士気が上がるまいし、弔い合戦を謳う連中にとっても、僕が大司教の側近となっている事実は、やはり戦意を削ぐだろう」

 こともなげにウェールズは言うのを、クロムウェルは呆然となって見ていた。
 黒衣の首領が行使する“虚無”の噂は、いまだ『レコン・キスタ』の上層部にしか知られていない軍事機密なのだ。
 何故それを知っていると訊きたいのをこらえ、ワルドは口元を歪めた。
 この情報を知っているということは、ウェールズは『レコン・キスタ』内部に、相当の諜報網を布いているという事になる。じりじりと敗けを装って、ニューカッスルに撤退しながら、その間に、貴族派内部にこれだけの協力者を手なづけていたというのか……?
 ならば、王党派があれほどの敗北を重ねたのは、何故? 貴族派の裏をかくことなど当然のように可能だったはずだ。
 ウェールズは自嘲するように言う。
「納得いったか? 貴様らの連戦連勝は、ひとえに父上のおかげだということが」
 ならば、王軍の指揮をジェームズではなくウェールズが執っていたなら……?

――大司教、貴公の首は、とっくの昔に胴から離れ離れになっていただろうよ。

 さすがにウェールズは、その一言を口にしなかったが、言いたいことは充分に伝わった。
 クロムウェルは、背中に冷たい汗を感じながら言う。
「……恐ろしいお方だ、あなたは。昼行灯を気取っているのはお互い様だと思っていましたが、やはり殿下は――あらゆる面で、わたしごときの敵う相手ではないようですな」
 だが、その王子はクロムウェルの言葉を鼻で笑うと、うそぶくように呟いた。

「ところで、――先程の爆発は一体何だったのであろうな?」


:::::::::::::::::::::

 小型艇は、そのまま竜に引かせて、ラ・ロシェールに向かう事になった。いま乗船している全ての人数を、そのままドラゴンの背に載せてもいいが、どう考えても定員オーバーだったからだ。
 無論、すし詰め状態の船内に、大人しく全員が乗っているわけでもない。
 魔法学院の生徒たちと、風見志郎。そして、好奇心からドラゴンの背に乗ってみたいという貴婦人や女官たち数人を、二匹の風竜に分乗させ、そのままロープで竜籠のようにフネを引っ張る。
 それらの竜は、シルフィードのような幼生とは違い、完全な成竜だったので、四・五人が同時に乗っても、落ちるようなことは無かった。

「そういやアンタたち、ここに何しに来たの?」
 風見志郎が手綱を握るドラゴンの背で、ルイズが思い出したように口を開いた。
 問われたキュルケとギーシュは一瞬、ぽかんとなったが、やがて真っ赤になって怒り出した。
「何しに来たって……なによ、その言い草っっ!! アンタのために来てあげたに決まってるじゃないのっっ!!」
「わたしの、ため……?」
 その台詞に、ルイズが逆に呆然となる。

(だって、わたしとあんたたちって、そんなに仲良くなかったでしょう?)
 そう言いたげなルイズに、ビシッと指を突きつけたキュルケは、
「ここまで来るために、あたしたちがどれだけ苦労したと思ってるのっっ!? 何リーグも穴ボコの中を進んだり、オーク鬼の一個小隊に襲われたり、シルフィードの背中にいるときに大砲でバカスカ撃たれまくったり――とにかく何回死ぬかと思ったか分からないわっ!!」
「……そう、なの……?」
 ルイズがおそるおそる、隣にいるギーシュを窺う。
 だが、ギーシュも鼻白んだ様子で、冷たい言葉を返す。
「おまけに、助けにきてやった当の本人には『何しに来たの?』とか言われちゃうしな」
「なっ、なによっ! 助けてくれなんて、いつわたしが頼んだのよっ!!」
623もう一人の『左手』(その32) ◆utAARsQ0ec :2008/06/29(日) 21:58:52 ID:4u610rOK
.
 ルイズからすれば、その言葉は無理もなかったかもしれない。援護を依頼しなかったのは事実だし、何より、級友たちに再会したときには、事態はあらかた終わってしまっていたのだから。だが、キュルケやギーシュたちに、それを納得しろというのは、さすがに無理だ。
「ああああああっ!! そうよねっ!! 大体なんであたしが、わざわざアルビオンくんだりまで来て、こんな目に遭わなきゃいけないのよっ!? これはもう、貸しよ!! 壮絶なまでに大きい貸し!! いずれ利子付きでキッチリ取り立てるからねっ!!」
「そうだよ、この貸しは、明日中にでも物理的に返してもらうよっ!! 明日、僕はまた朝イチでアルビオンにとんぼ返りしなきゃいけないんだからなっ!! 往復のチケット代、立て替えてもらうっ!!」

 さすがにギーシュのその台詞は、ルイズのみならずキュルケもきょとんとした。
「え、とんぼ返りって、――何で?」
 だが、ギーシュはキュルケのその反応に、一際大きな声で吠える。
「何でって――何言ってるんだよ君はっ!! 僕の可愛いヴェルダンデを、あんな浮島に置き去りにする気かァッッ!!」
 つかみ掛からんばかりに激昂するギーシュを、キュルケが「ごめんごめん、忘れてたわけじゃないのよ」と、いなしながら、そっぽを向く。そんな赤毛の少女に、金髪の少年はますます憤然と怒鳴り散らす。

――その様子を見ながら、ルイズはいつの間にか、胸の内に温かいものが込み上げてくるのを感じた。
 理由は分からない。でも、この二人――いや、向こうの竜で手綱を握っているタバサを含めて、三人は――頼んだわけでもないのに、彼らは、わたしを助けに来てくれたのだ。


「ありがとう……」


「あ……まあ、分かればいいのよ……」
 以前の彼女からは考えられもしない、そのしおらしい一言に、掴み合いをしていた二人は、逆に照れたように動きを止めた。

 そして、キュルケが思い出したように口を開く。
「――そうよ、使い魔といえば、確かカザミも消息不明になっているはずよね」
「カザミ、が――!?」
 とっさにルイズは、鞍上にいる黒革の上下を纏った男に目をやるが、
「勿論、あっちじゃないわ。あなたも知ってるアイツの方よ」
「カザミが、どうしたの!?」
「大砲に撃たれたんだよ。僕らがアルビオンに上陸する時にさ」
 ギーシュが言葉を引き継いだ。
「――ま、アイツの事だから、死んじゃあいないとは思うけどね」
 キュルケもそう言いながら、心配そうな顔をする。

 あのカザミが……わたしのために……アルビオンに……!?
 信じられないけど、もし本当なら……やっぱりわたしを主と認めて、心配してくれたの……?
 その思いは、彼の心配よりもむしろ嬉しさの方が上回った。
 心配といっても、ルイズとキュルケは、カメバズーカ相手に大砲を肉体で受け止めていた彼を見ている。あの改造人間が死ぬワケがない。――それはルイズの実感でもあった。
「ギーシュ、往復のチケット代、わたしが出すわ」
「え……?」
 だが、不安にならないと言えば、さすがにそれは嘘に近い。
 そういえば忘れていたが、ワルドもまたアルビオンにまだいるはずだ。彼に頼めば風見の捜索を手伝ってくれるかも知れない。
「わたしもアルビオンに戻るわ。明日の朝一番でね」
 そしてキュルケも、そんなルイズを見て、
「……仕方ないわね。ならあたしも付き合ってあげるわ……。毒を喰らわばって言うしね」
「――で、ルイズ、結局サイトはどうしたんだい? 会ったんだろ?」
624名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 21:58:58 ID:xw7fzmwd
支援
625名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 21:59:01 ID:xw7fzmwd
支援
626もう一人の『左手』(その32) ◆utAARsQ0ec :2008/06/29(日) 21:59:42 ID:4u610rOK
.


「……え?」



 ギーシュの一言で、ルイズは凍りついた。
――文字通り、魂の底の底まで。
 だが、空気の読めない金髪の少年は、くつろいだ調子で言葉を続ける。
「『え?』じゃないよ。僕らより一歩先にドラゴンに乗って、君のところへ来ただろう? 彼の姿は見えないけど、どうしたんだい?」



 サイトが、……………いた……………ッッッ!??
 サイトが、……………アルビオンに……………来ていた……………ッッッッ!!?



「でも、ここにいないって事は、一足先にラ・ロシェールに向かわせたのかい?」



 じゃあ、あれはやっぱり……あのドラゴンに乗っていたのは、やっぱり……!?
 あれが、……あれがサイトだったの……ッッッッ!?
 だったら、だったらっ、――サイトをわたしが、わたしが、わたしが、わたしが、わたしが、わたしが、わたしが、わたしが、わたしが、わたしが、わたしが、わたしが、わたしが、わたしが、わたしが、わたしが、わたしが、わたしが、わたしがッッッッ!!


「ルイズ? どうしたの? 調子悪いの?」
 さすがにキュルケは少女の様子の変化を感じたらしい。
 それも当然だ。もはやルイズの心臓はパンク直前まで脈打ち、その脳は過呼吸と酸欠で、眼球が飛び出さんばかりになってしまっていたのだから。
 だが、無理もないだろう。いま、彼女の脳裡を駆け巡っているのは、ルイズが最も認めたくなかった現実。直視したくなかった現実。知りたくなかった現実。そして、もはやどうしようもない現実……。
 ルイズは、自分の眼前が、ぐにゃりと音を立てて捻じ曲がるのを感じた。




 わたしがサイトを、こ ろ し て――しまったっッッッッッッ????




「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッッッ……………!!!!」




 少女と同じドラゴンに乗っていた風見と二人の級友、小型艇に座乗していたジェームズたち、そしてもう一匹の風竜に乗っていたタバサや貴婦人たち――早い話が、この場にいた全員が、突如夜空に轟いたその悲鳴に、思わず振り向いた。
 人間が、あるいはこれほどまでに悲痛な叫びをあげられるのか、と疑わせるほどの絶叫。
 そして、少女は、――そのまま目を閉じる事もなく意識を失った。
627名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 21:59:49 ID:xw7fzmwd
支援
628もう一人の『左手』(その32) ◆utAARsQ0ec :2008/06/29(日) 22:00:16 ID:4u610rOK
今回はここまでです。
支援有難うございました。
629名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 22:00:20 ID:xw7fzmwd
支援
630名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 22:01:17 ID:xw7fzmwd
>>600
ヴァンパイア十字界のヴァンパイアも日光に当たると灰になるという設定だったな。
ストラウスは克服してたけど。
631名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 22:01:58 ID:MicTLR/s
>ルイズは、自分の眼前が、ぐにゃりと音を立てて捻じ曲がるのを感じた。
いかん、福本顔のルイズが頭の中に浮かんできたw
632名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 22:02:09 ID:ISJFtw9o
乙したー。
壮絶な展開だなぁ。
633名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 22:05:39 ID:PBkchIaK
タバサがきゅいきゅいを通して無事かどうか教えてくれるのでは?
あるいは、建てたフラグの回収とか、ダメ?
634名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 22:11:53 ID:4Ut2ON3E
>>631
それを想像すると、雰囲気が一気に変わるなw
635名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 22:13:58 ID:VuY1cd+K
乙!ッッッッッッ……………!!!

福本作品ってまだ来てるのカイジだけだっけか
636名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 22:20:01 ID:OluNqanU

クロムウェルの面従腹背っぷりがすごいw
637名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 22:20:05 ID:4Ut2ON3E
そういえば、福本作品で零とかいうのがあったな(通称 綺麗なカイジ)
638名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 22:25:37 ID:SZXcCfkX
美心顔のシエスタを思い出すからやーめーてーw
639名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 22:30:57 ID:ait2HX9r
むむむ、黒ウェールズ乙
しかし黒ムウェルさん独断だたんだなあ
てっきり全部ジョゼフのアイデアかと思ってた

さて地上で睨みあってるミョズV3と記すこと憚れV3は…?
640名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 22:31:54 ID:NbOclTQ3
乙です

福本顔のルイズwww
641名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 22:59:19 ID:3VzJjhV+
>>640
今までっ…ゼロだゼロだと言われてきたがっ……!
生まれて…初めて…魔法が成功した…っ!!
しかし…っ!!まただ…またしても…
呼び出されたのは…平民…っ!この上なく平民…っ!
自身の…ある部分のように…平らな民…!
さらに…さらに問題がある…っ!ブリミルに…苦情を入れたいところだが…生憎電話番号もメールも分からない…っ!!
そもそも…っ!6000年前に電話など…あるわけがない…!!常識的に考えて…っ!!
いや…そんなことは…どうでもいい…!
こいつは…私の…目の前にいる…こいつは…いったい何者なんだ…っ!
知りたい…っ!某青髪ツインテールのように…小一時間ほど問い詰めてでも…知りたい…っっ!!

こうですか?分かりません!
642名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 23:01:53 ID:pUPbdRMk
>>641
君ィ、ちょっとそれで長編一本頼むよ
643名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 23:04:22 ID:523S2OhQ
>>642
フーケ戦ですら2ヶ月ぐらいかかりそうな悪寒
644名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 23:05:17 ID:3VzJjhV+
>>642
うん、それ無理
645名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 23:06:22 ID:waUxQpOT
>>640
フーケに宝物庫を破られた時、会長顔のオスマンの提案で
当番のシュヴルーズ先生が焼けた鉄板の上で土下座させられる所まで想像した

倒すべき敵がオマチさんじゃなくてオスマンになっちゃうなあ
646名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 23:15:24 ID:VmM0HAgY
うーむ、やっぱり土日のこの時間帯はラッシュになるな。
遅感ですが水の使い魔の人、本当にご苦労様でした。長い間楽しませていただきました。
何はともあれハッピーエンドで万歳。

他の方々も個性的な展開ですごいです。
647名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 23:19:38 ID:MDdxnOmg
>眼球が飛び出さんばかり
>目を閉じる事もなく意識を失った

眼球が飛び出た白目で気絶とか、ヒロインのする事じゃねぇなぁw
648名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 23:21:57 ID:EhzyKJgR
やっぱりテンプレ的な展開じゃ駄目なのかのお
テンプレ的なお話で進みながらクロスキャラとゼロ魔キャラが成長して行くのは見向きもされないか
649名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 23:23:19 ID:ptLdZbYj
ハゲ「メンヌヴィル・・・俺が蛇に見えたか?」
盲目「蛇だろうが・・・!」
ハゲ「そうか・・・なら・・・お前が蛇なんだ・・・!

(中略)

炎蛇の炎は・・・二度焼く・・・!
650名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 23:24:11 ID:9ZiO7ehd
>647
飛び出てねーよw
651名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 23:26:14 ID:g4ecsWQ0
5分後に小ネタ投下してよろしいでしょうか?
国民的サッカー漫画より『トモダチ』を召喚で。
652名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 23:29:11 ID:LI7D16Mx
>>648

筆者の実力しだいだと思う。

それにしても、呼ばれたキャラが強キャラじゃなくて虚無無しだと、
タルブ戦でレコスタに勝てずに話がすすまねえ…orz
さすがに、戦火での鬱ルートは書きたくないしなあ…。
653名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 23:29:11 ID:ISJFtw9o
>>648
別に問題はないと思うよ。
ただ、「強引にテンプレ展開」なら、やめた方がいいと思うけど。

>>651
Com'on
654ゼロのトモダチ:2008/06/29(日) 23:31:11 ID:g4ecsWQ0
『お聞きください この割れんばかりの歓声!
 ハルケギニア史上初となる トリステイン−アルビオンの親善試合
 国立トリステインスタジアムは熱狂で満ち溢れております!

 それもそのハズ! 今日 スタジアムには我等の小さな女神が戻ってきたのです!!

 背番号10 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!!』

スタジアムの熱気を全身に浴びながら、桃色髪の少女がフィールドを駆ける。
小さな体躯を懸命に動かし、稲妻のようなスピードで突き進む。

(このフィールドに 私は戻って来た・・・)

「えっ」
「なにィ!?」

『ああーっとォ!? これは ルイズ選手の18番・イリュージョンフェイント!!
 アルビオンのディフェンスラインを華麗に抜き去り 早くもキーパーと1対1・・・

 いや違う! アルビオン司令塔・ワルド選手が立ちはだかります
 レコン=キスタから投降し フィールドプレイヤーへと転向したアルビオンのエースが この位置まで下がっていた!!』

「私は勝つ! ここで勝って そしてアイツに・・・」
「甘いぞォ ルイズ!!」

ワルドの叫びと同時にその姿が僅かに揺らぎ、直後、五人のワルドがルイズへと襲い掛かる。

「偏在スライディング部隊だあぁ〜!!」
「・・・ッ! キャアアア!!」

逃げ場のない5人がかりのスライディングが牙を剥き、小柄なルイズの体を大きく吹き飛ばす。

「ルイズ! いくら君が伝説の虚無−サッカーの申し子だからといって
 たったひとりでアルビオンの牙城を崩せると思うなよ!」

「・・・まだまだ これからよ!」

『この場面は少し強引過ぎたか?
 ボールはアルビオンへ ワルド選手自身が上がっていきます!!』

かつてのハルケギニアには存在しなかった究極のスポーツ、
そして、トッププレイヤーが魅せる空前の名勝負に、スタジアムの熱気は最高潮へと達した。


655名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 23:32:30 ID:xw7fzmwd
支援
656ゼロのトモダチA:2008/06/29(日) 23:33:24 ID:g4ecsWQ0
「本当に素晴らしい勝負だ!
 いやあ 方々に骨を折ってこの試合を組んだ甲斐もあったというものだ」

周囲の熱狂を受け、アルビオン皇太子・ウェールズが立ち上がる。
発する言葉は熱を帯び、徐々に早口になっていく。
一国の代表という立場も忘れ、彼の心は少年時代のそれへと帰っていた。

一方、隣の席に座るトリシテイン王女・アンリエッタは、一言も発しない。
ただ、どこか遠い目をしながら、ひたすらにボールの行方を追っている。

「・・・どうなされました 王女? 何か心配事でも」
「いえ・・・ ただ 私は大きな過ちを犯したしまった、と」
「・・・?」


―1年前―

碌に魔法を使えず、『ゼロのルイズ』と揶揄されていた少女が召喚した使い魔は
みすぼらしい格好をした平民の少年であった。
初めは自らの未熟さを呪い、少年を呪った彼女であったが
やがて、彼がこっそりとしていた奇妙な球遊びに徐々に興味を持つようになった。
彼女は学園で初めての『トモダチ』と出会い、少年に、そしてサッカーの魅力に惹かれていった。

『トリステインのゴールデンコンビ』の名が国中に広がり始めた頃には
彼女は既に、『トモダチ』を触媒とした、幾つかの虚無の力に目覚め始めていた。

トリステインの貴族達は、少女の力を軍事的に利用するべきであると主張した。
アンリエッタは、友を道具として利用する事に迷いながらも、それを是とした。
家臣団をまとめるため、他に選択は無かったし、それこそがトリステインの未来に繋がると信じていた。

少女が命令を受け入れた時、少年は姿を消し、少女は『虚無』を失った・・・。


「何故 少年がルイズの元を去り 彼女が力を失ってしまったのか・・・ 今なら分かります
 ルイズの力は国を救うためのものではなく 人々の心を救うためのもの
 この人々の熱狂が それを証明しています。
 私は自分勝手なエゴのために 彼女の大切な友人を奪ってしまった・・・」

「だが 全てが遅かったわけではないでしょう
 サッカーとの出会いは 私の運命 そして 今やアルビオンの重臣となったワルドの運命をも大きく変えてしまった
 サッカーを世に広げるため この試合の実現に向け 貴方がどれ程心を砕いてきたか 私は知っています」

「ウェールズ様・・・」

「見届けましょう
 彼女たちの情熱が この試合の結末が ハルケギニアに何をもたらしてくれるのかを!」


657名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 23:35:15 ID:waUxQpOT
しえん
658ゼロのトモダチB:2008/06/29(日) 23:35:24 ID:g4ecsWQ0
『これはスゴイ! ワルド選手 これで8人抜きだあああ〜!!
 時に稲妻の如く 時には疾風の如くトリステイン陣を切り裂いていく!!
 そして! ついにキーパーと1対1ッ!!』

「コイツで決める! 受けてみろッ この必殺の一撃を!!」

ワルドが右足を大きく振り上げる。
大気の異常な流れが、グラウンドにほどばしる静電気が、次に放たれる一撃の威力を予感させる。

「ウィンドブレイクショオォォットッ!!」

『で、で、で、出たァァァー!? 成功率100%を誇る ワルド選手のウィンドブレイクショット!!
 唸りを上げて トリステインGK・ギーシュ君に襲い掛かります!!』

(猛烈な疾風を纏ったW.B.S・・・ ただ待ち構えていては ボール触れることもできずに吹き飛ばされてしまう)
「これだああああああああああ!!」

『ああーッと!? ギーシュ君のこれは・・・ 錬金!?
 ギーシュ君 ワルキューレ7体分のブロンズアーマーを全身に纏って踏みとどまったーッ!?』

「体の何処かに当たってくれえええッ!!」
超重量と逆風の中、全身でボールの軌道を塞ぎに飛び込むギーシュ。

「甘いぞォ!! そんな小細工で 俺のW.B.Sが防げると思うな!」

『ギーシュ君ボールをキャッ・・・ ああ!? アーマーがブッ飛んだ!?
 猛烈なシュートの威力が両腕を弾き ボールが顔面を直撃ッ!!
 そのままギーシュ君の体ごと ゴールネットに吸い込まれていくゥ〜!?』

「ぐおおおおおおッ!!」

  ガンッ

『いや・・・ 止めた!? 止めましたッ!!
 ギーシュ君 両腕でゴールバーを掴んで踏みとどまったァ!!
 文字通り体を張ったスーパープレイで ゴールを守り抜きました!!』

「な なにィ!!」

必死にボールに覆いかぶさりながら、ギーシュはその場へと崩れ落ちた。

「大丈夫!? ギーシュ!? ここは一度外へ・・・」
あまりの惨劇に、その場に駆け寄ろうとするDF陣を、ギーシュ自身が手で制する。

「へ・・・ 平気さ 
 ボールは・・・ トモダチだからね!」

(そう言えば それを教わったのはアイツとの決闘の時だったな
 この試合 アイツも何処かで見てるんだろうか・・・)

「さあ行くぞ! 反撃開始だッ!!」
溌剌とした表情で、ギーシュが天高くボールを蹴り上げた。


659名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 23:35:36 ID:xw7fzmwd
支援
660ゼロのトモダチC:2008/06/29(日) 23:36:53 ID:g4ecsWQ0
『なんという荒々しいドリブル! パスを受け取ったキュルケ選手
 強引に中盤を突破していく』

体を張ったプレイの連続に観衆が再び沸き立つ。
フィールドを駆けるキュルケの瞳が静かに燃える。

(まったく あんなプレイを見せられちゃあ こっちも熱くならざるをえないじゃない!)
「やってやるわよ! タバサ 準備はいい!?」

「・・・・・・」
キュルケの合図を受けタバサの瞳がキラリと光る。

『ここはタバサ選手へのパス・・・ではない?
 ボールは二人の中間に転がり・・・ え!? 早くもシュートの体勢か!?』

「「いっけええええええええ!!!」」
 鏡合わせとなった二人の蹴り足が同時にボールを捉え、前方に一直線に弾き出す。

『これは何とッ 超ロングシュート!!
 キュルケ選手のファイアーショットと タバサ選手のハンマーショットが同時に炸裂!?
 ヘキサゴンスペルクラスの強烈なツインシュートが飛び出したァァァ!!』

「馬鹿な!? どんなに強烈とはいえ
 センターサークルから放ったシュートが決まるものか!?」
「フン! もちろんそうそう都合よく行くなんて思っちゃあいないわよ!」

ワルドの叫びにキュルケが応じる。同時にボールが不自然な変化を見せ始める。

『ボールは一直線にゴールへ・・・ いやッ! 曲がったァァァ!!
 ボールは左へと大きく反れ・・・ そこに ルイズ選手が詰めて来ている!?
 これはまさかシュートではなく DFを切り裂くダイレクトパスかッ!?』

「私とキュルケではキック力が大きく違う
 当然 ボールは大きく曲がる・・・」

『オフサイドの笛は無し! しかし このスピードボールに追いつけるのか?』
661ゼロのトモダチD:2008/06/29(日) 23:38:23 ID:g4ecsWQ0
ルイズが走る。ボールに向かって一直線に駆ける。
(トモダチは 手を使われる事を嫌うんだ・・・)

ルイズの脳裏に、かつての彼の言葉が響く。
(あなたがいなくなった時 私は裏切られたと思った
 あなたもボールも 私の事を見捨てたのだと思った・・・でも違った
 あなたはトモダチを サッカーを愛していた だからトモダチもあなたに応えてくれた
 裏切ったのは私のほう・・・
 トモダチを愛していない私に トモダチが応えてくれるはずが無かった・・・)

『ルイズ選手ダイレクトに飛び込む! 届くかァ!?』

(今なら言える・・・ 私はサッカーが好き
 この試合で最高のプレイをして それを証明する
 そして そして もう一度・・・)

「いやあああああああ!!!!」

『届いたー! ルイズ選手のゼロトラップランニングボレーシュート!!
 しかし!? GKのマチルダ選手も反応しているぞ!!』

「なめるなあああ!!」
マチルダが飛びつく、その右腕に土くれが集まりだし、直ちにゴーレムの巨大な右腕が出現する。

『出たァ――!!!! S.G.G.K(スーパー・グレート・ゴーレム・キーパー)
 マチルダ選手のパンチング! シュートを大きく弾き返したァ!!』

「・・・ッ!? そんな!?」

鉄槌の如き一撃を受け、ボールは中央付近まで一気に押し返される。

『激しい主導権争いの末 ボールはラインを割りました
 −ッと ここで選手の交代があるようです。』

ショックを受け、その場に棒立ちになるルイズ。
彼女だけではなく、トリステインイレブンの顔は一様に暗い。

「完璧なシュートだと思ったのに」
「あのキーパーを 破る事は出来ないのか・・・?」
「・・・・・・」

「 あ き ら め る な ! ! み ん な ! ! 」
662名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 23:39:10 ID:ISJFtw9o
はちくまの次回作「ゼロサッカー」の予告だな支援
663名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 23:39:22 ID:xw7fzmwd
支援
664名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 23:39:27 ID:xw7fzmwd
支援
665ゼロのトモダチE:2008/06/29(日) 23:40:20 ID:g4ecsWQ0
フィールドにこだまする雄たけびに、ルイズが稲妻に打たれたように顔を上げる。

『ああっと! 先ほど交代したばかりのトリステインの12番
 ワルド選手へのパスをカットした!?』

「なにィ!?」

ルイズだけではない、トリステインの面々が呆けたように12番をつけた少年を見つめている。

「やらせるかあああ!!」
『ワルド選手が追いついた しかし これは危険なプレイ!
 真後ろからタックルに行ってしまっ・・・ え ええ!?』

眼前で起こる光景に、冷や水を浴びせられたように観客が静まり返る。
少年は、まるで後ろに目があるかのように、5人のスライディングを次々と切り返していく。
蝶々サンバ、ジグザグサンバ
縦横無尽のボール捌きで、次々に敵を抜き去る12番。

「ス スゴイ」
「なんで魔法も使わず あんなプレイができるんだ・・・!」
「まさか あの12番・・・!!」

「帰ってきたのね! サイトッ!!」

ルイズの叫びに、観衆が再び沸き返る。
ヘッ、と サイトが笑う。

「この一発 ワイン一本分の価値があるぜ!」
手にしていたワインの小瓶を投げ捨てる。同時に、サイトの左足に黄金のルーンが出現する。

「このセンタリングで勝負を決めろ! ルイズ!!」
才人の左足が黄金の軌跡を描き、ボールが大空へと舞い上がる。

『サイト君からのセンタリング しかしこれは大きい〜!
 これはミスキックか? ・・・いや 
 いつの間にか ゴール前にタバサ選手が詰めているーッ!!』

「タバサ! こっちよ!」
「分かってる」
タバサの頭上めがけ、ルイズが飛び上がる。タバサが詠唱を唱える。

「ス カ イ ラ ブ ハ リ ケ ー ン !!!」
666名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 23:40:26 ID:xw7fzmwd
支援
667名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 23:40:40 ID:xw7fzmwd
支援
668名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 23:41:27 ID:waUxQpOT
四円
669名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 23:41:41 ID:/mU37lQI
支援せざるを得ない
670名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 23:41:46 ID:xw7fzmwd
支援
671ゼロのトモダチF:2008/06/29(日) 23:41:49 ID:g4ecsWQ0
『なんとおおおッ!! タバサ選手のエア・ハンマーをスパイクで受け止め
 ルイズ選手が上空へ一気に飛び上がる
 きりもみながら空中で体勢を変え・・・ そ そしてこれは〜!?』

(覚えてるわね サイト・・・
 これは あなたが私に教えてくれた 最初のシュート)
「オーバーヘッドキイイイィィィック!!」

『出たアアアァァァ!!! ルイズ選手のスカイラブオーバードライブエクスプロージョンシュートだああああああ!!!!
 今世紀最高の究極シュートが遂に炸裂!! しかしこれは マチルダ選手の真正面か〜!?』

「いえ 違う!?」
「あのシュート キーパーの股下を狙っている!!」
「そうだルイズ! ゴーレムの巨大な両腕に死角があるとしたら そこしかない!!」

「こ こんなシュートオオオオオオ!!!!」
「いっけえええええええ!!!!」

全身に土くれを纏いながら、シュートを止めに行くマチルダ。
閃光、ついで爆音が炸裂し、巨大な土柱が舞い上がった。

『ゴ ゴオオオオオオオオオオオルッ!! 決まりました!!
 土くれごとマチルダ選手を吹き飛ばし ルイズ選手のシュートがッ! ネットを突き破りました!!

 そして どうやらここで 試合終了のホイッスル!』

「やったわ! 私・・・私 やったわッ!」
「・・・勝った!」
「今まで最高のシュートだったわよ!ヴァリエール!」

たちまちチームメイト達に揉みくちゃにされるルイズ。
敗れたアルビオン面々にも、不思議と悔しさが見られない。
観客の割れんばかりの拍手がイレブンを包む。

そして、仲間たちを掻き分け、才人がルイズの前へ歩み寄る。
672名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 23:42:06 ID:xw7fzmwd
支援
673名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 23:42:15 ID:xw7fzmwd
支援
674名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 23:42:43 ID:PBkchIaK
ワルドの遍在を使えばチームの人数が+3人になるな、なんという反則。
つまり、カリンお母さまは一人でチーム組めるんじゃないのか?
675名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 23:43:01 ID:xw7fzmwd
なんかテンション上がってきた支援
676ゼロのトモダチG:2008/06/29(日) 23:43:10 ID:g4ecsWQ0
「サイト・・・」
「・・・・・・」

「サイト・・・私 ずっと信じてた・・・
 サッカーを続けていれば きっと もう一度 あなたに逢えるって・・・ だから」
「・・・バッカ野郎」

今にも泣き出しそうな少女。その、薄桃色に輝くブロンドの髪をぶっきらぼうに撫ぜる才人。

「あんまりやきもきさせやがるんでよ 思わず飛び出しちまったじゃあねえか・・・
 あんなスッゲえプレイができるなら 最初からやりやがれ」

「・・・何よ 主人に黙って 勝手に姿を消したくせに・・・」

二人がまともに会話を出来たのはそこまでだった。
友人たちの祝福の嵐が、再び二人を揉みくちゃにする。

『ああ! 今 ユニフォームの交換が始まりました
 死力を尽くした両雄の間で結ばれた深い友情! 実に美しい光景です!
 ありがとう! ありがとう選手たち!

 うう もうガマンできない!!
 サイトさんステキー!! サイトさんサイコー!!』

興奮のあまりマイクをかなぐり捨て、グラウンドへと飛び出すシエスタ。
その行動を皮切りに、興奮が頂点に達した観客たちが、次々と飛び降りてくる。

万人の祝福の中、やがて、ルイズの小さな体が3度、鮮やかに宙に舞った。





―それは、ハルケギニアに初めてサッカーが誕生した瞬間だった。

いくつもの問題を国家間に抱えるハルケギニアの地は、今後も幾度となく難局にさらされる事になるだろう。

しかし、彼女たちの情熱が、現実の壁を突き崩す一矢になる事は間違いない。
677名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 23:43:29 ID:xw7fzmwd
支援
678名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 23:43:54 ID:xw7fzmwd
支援
679名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 23:44:12 ID:xw7fzmwd
支援
680名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 23:45:22 ID:xw7fzmwd
支援
681ゼロのトモダチ:2008/06/29(日) 23:45:55 ID:g4ecsWQ0
以上、投下終了です。
ロベルト召喚にするかボール君召喚にするか最後まで悩みましたが、
ベタな青春要素は欠かせないと思いサッカー少年才人召喚としました。
682名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 23:48:06 ID:523S2OhQ
燃えました乙
683名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/29(日) 23:48:22 ID:xw7fzmwd
GJ!
呼んでるうちにテンション上がってきて、なんかすごい勢いで支援してしまった。
684名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 23:49:35 ID:waUxQpOT
乙です

しかしロベルト召喚だと最後に敵になるんでは……
685名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 23:52:04 ID:ISJFtw9o
GJしたー。
しかしキャプツバっつーより東方サッカーだよな、脳内イメージ(苦笑
686名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 23:53:41 ID:tJYXw+o1
GJ
でも女性キャラもユニフォーム交換で脱いだのか?w
0:10位から後編を投下したいと思いますが、よろしいですか?
688名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 00:01:24 ID:ykTpcKad
投下乙。
こんなに短いのに、何だか無性に感動したんだぜ。
S.G.G.Kは予想通り来たけど、さすがにキュルケの淫獣シュートはなかったかw
689名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 00:07:05 ID:1oKeNoEk
「もう一人の左手」のクロムウェル、相当な狸だったんだなあ。周囲だけでなく、
シェフィールドやジョセフまでだましてのけるとは……。
690名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 00:07:27 ID:CWr1uJuj
>>687
OKです
 
                未来の大魔女候補2人 〜Judy & Louis〜

                  第2話後編『ジュディと老爺の関係』



「ミスタ・コルベール」
「おや? ミス・タバサ、丁度此方も探そうとしていた所です」

 コルベールが学院長室から退出すると、ドアの横に蒼髪の少女が待っていた。
 タバサは言葉少なに声を掛けて、小さくペコリと頭を下げる。

「赫々然々」
「成るほど。コレコレウマウマと言うわけですね」

 タバサは医務室で女の子に起こった異変と、ルイズを運んできたキュルケに2人の看病を頼んだことを手短に伝え、コルベールは言葉少なに語られた内容を正確に把握する。

「ワザワザ伝えに来てくれたのですね? 有難う御座います。
 しかし、これでまた1つ問題が増えましたな。
 女の子に現れたルーンらしき痣、確りと究明せねば彼女の親御さんに申し訳が立ちませぬ」
「…………」

 タバサは小さく頷きを返す。
 道中それ以上の会話はなく、2人は並んで階段を下りて水の塔に在る医務室へと歩を進める。
 特筆に価する出来事は何も起こらず、あっさりと医務室へと辿り着く。あえて語る事があるならば、医務室の向こうの角に金の巻き髪が揺れるのを見た事くらいだ。

 医務室の外には3メイル程ある火蜥蜴と、それより一回り小さい巨大蛙が居た。キュルケとルイズの使い魔である。
 寝ていた火蜥蜴は、2人の接近に気がついて顔を上げるが、巨大蛙の方は、相変わらず表情の読めない顔で鎮座している。
 部屋の中からは、何やら物音が聞こえてくるが、きっとルイズとキュルケが喧嘩をしているのだろう思い、コルベールは気にせずドアノブに手を掛けた。
 まったく喧嘩するほど仲が良いというが、TPOを弁えて喧嘩して欲しいものだとコルベールは思いながら、ドアノブを捻る。ガチャリとラッチが内側に引き込まれる音が響き、抵抗のなくなったドアが蝶番を軋ませて開かれた。

 医務室特有の臭いが鼻を刺す。開かれたドアの先で2人が見たものは、ベッドにキュルケを押し倒しているルイズの姿であった。
 それだけならば、取っ組み合いの喧嘩をしていたと解釈するのだが、それでは顔の上気したキュルケの説明が付かない。
 と、成れば、コルベールは自分の評価が間違っていたと考える。
 つまり、2人の仲は『喧嘩するほど仲が良い』と言うレベルではなく、唯為らない関係であると認識するには十分であった。
 ならば、何時も喧嘩していたのは、周りの目を欺くためだったのか? 成程、2人の家は仇敵同士であると言う事実を踏まえれば、関係を知られたくないと思うのは当たり前だ。
 未来ある若者の為に、自分は何も見なかった。1時間ほどしてから、また来よう。そうコルベールが判断を下すのに要した時間は、僅か5秒足らず。

「ごゆるりと……」
「…………」

 コルベールは平静を装って踵を返す。タバサは何も言わないが、小さく頷いてからコルベールを倣って回れ右をする。

「待って下さい、ミスタ・コルベール! 何か勘違いしていらっしゃらないですか!?」
「大丈夫です。このことは誰にも言いません。私の胸の中に仕舞って置きますから安心を」
「絶っ対、盛大な勘違いをしてらっしゃいます! ただ喧嘩をしていただけです。お願いですから仲裁するなり、説教をするなりして下さい!」
「判っています。判っていますぞ。このコルベール、伊達に年を重ねている訳では有りません。この位の空気を読むことは造作もないことです。
 ですから、言い訳はしなくても宜しい。誰も医務室には近づけさせません」
「お願いですから話を聞いて下さい! 誤解なんですってば!」

 コルベールの襟元を掴んで、必死に誤解を解こうとするルイズだが、コルベールは悟りきった表情で優しい言葉を掛けてくる。髪も無ければ、取り付く島も全く無いコルベールであった。
 暫らく呆けていたキュルケだが、ルイズに遅れること数瞬、事の重大さに気が付き、自分の親友にヨロヨロと近づいて声を掛ける。タバサは眼鏡の奥から、平静な瞳を返す。

「ねえ、タバサ? 貴女は判ってくれるわよねえ?
 これは事故なのよ。お願いだから先生を説得するのに協力して」
「…………」

 その懇願にタバサは『判っているから何も言わないで。どんな事になっても私は貴女の友達で味方だから』とでも言うかのように、サムズアップを返す。
「タバサぁ〜 お願いだから私の言う事を信じて!」
「誤解なんです、ミスタ! 私とコレは仲良しなんかじゃありません!」
「…………」
「う〜む……」

 ルイズとキュルケは、それぞれコルベールとタバサに縋り付いてガクガク体を揺らしながら訴える。
 余りにも必死な様子にコルベールは、もしかしたら勘違いだったのでは? と、いう疑念が浮かんでくる。
 改めて話を聞こうと耳を傾けようとした時、4人の中の誰でもない声が聞こえてきた。

「う〜ん……
 ここ、ドコ?」

 ルイズが寝ていたベッドの隣。白いカーテンで区切られているベッドから、女の子の声が聞こえる。 
 その声を聞いて、コルベールは此処に来た目的をはたと思い出す。
 取り合えず、ルイズとキュルケには、勘違いしていた事を後で謝っておこう。そう考えながら、襟元を掴んでいるルイズの腕をやんわりと解いて部屋の中にはいっていく。
 それでも、しつこく追い縋って来るルイズをチョップで引き剥がして、閉じているカーテンに手を掛ける。
 カーテンを引くと、医務室の簡易ベッドの上で上半身を起こしている金髪の女の子が此方を伺っていた。不安を与えないように極めて優しい声で話し掛ける。

「目が覚めたようだね。
 何処か痛い所は在りますかな?」
「えっと……
 少し頭が、ぼや〜ってなってるけど、ダイジョウブです」
「そうですか。それは良かった。
 それでは、貴女のお名前を教えて頂けますかな? 私の名前はジャン・コルベールと申します。
 後ろに居るピンクの髪の子がミス・ヴァリエール。蒼髪の子がミス・タバサ。赤髪の子がミス・ツェルプストーです」
「ハイ。わたしの名前はジュディスです。でもみんなからは、ジュディって呼ばれています。
 コルベールさん、ココはドコですか?」

 ジュディと名乗った女の子の質問に、コルベールは丁寧に答える。

「ここは、トリステイン魔法学院です。分かりますかな?」
「トリステイン? ドコですか?」
「トリステインを知らないなんて、一体どんな田舎から来たのよ?」

 クエスチョンマークを頭の上に乗せて首を傾げるジュディに、コルベールの後ろからルイズが口を挿む。レディとしてはしたない行為だが、ハルケギニアで最古の伝統を誇るトリステインを知らない者が居るとは、とても信じられなかったからだ。

「フム…… 聞きたい事はまだ在りますが、学院長がお呼びですから続きは学院長室で話しましょう。
 ミス・ジュディス、私の後に付いて来て下さい。ミス・ヴァリエールとミス・タバサにもご同行願います」
「はーい。でもコルベールさん、わたしのことはジュディで良いですよ?」
「それではジュディさん、行きましょうか」
「あの〜 ミスタ・コルベール、私もなんですか?」
「当然です。この子を召喚した張本人なのですから、つべこべ言わずに付いて来なさい」

 コルベールは不本意な表情を浮かべるルイズに、ジュディとは打って変わって厳しい言葉を掛ける。
 その強気な態度にルイズは鼻白んでしまう。
 一方ジュディは、危なげ無くベッドから降りてブーツに足を通す。荷物掛けからネクタイを手に取り、手馴れた様子で締める。
 そして、白いブラウスの上に赤い魔道着を纏い、更にその上に紫のローブを羽織ってバッグを逆袈裟に掛ける。仕上げに、大きな紫の尖がり帽子を被って着替えは完了した。
 ジュディが荷物を持って出発しようとした時、何とかタバサの説得に成功したキュルケが声を掛ける。

「ミスタ・コルベール、私も同行しても宜しいでしょうか?」
「却下します」
「ええっと……」

 即決で答えが返ってくる。取り付く島も無いコルベールに、キュルケは鼻白み言葉が閊える。
 その隙にコルベールは3人を連れて、さっさと医務室から出て行ってしまった。


 ジュディが医務室を出ると、巨大な蛙が近寄ってきた。
693名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 00:12:22 ID:CWr1uJuj
支援
694名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 00:14:39 ID:hRusiUHE
>「ごゆるりと……」

理解のありすぎる教師コルベール。
自重してくださいw


そして支援仕る。
「あれぇ? ポセイドン、如何して実体化してるの?」
「ひぃぃぃっ!」

 ジュディは不思議に思う。今まで寝ていたのだから、巨大蛙−ポセイドン−は非実体化しているはずだ。もしかして、寝ぼけて実体化させてしまったのだろうか? と、頭を捻る。
 取り合えず非実体化させようとジュディは、意識を集中させる。だが、幾ら集中しても自分の中に在るはずのポセイドンの存在が感じられない。
 他の2体のファミリアの存在は、感じる事ができるのに、如何いう訳かポセイドンの存在がぽっかりと抜け落ちて、別の何かに置き換わっているのを感じる。
 取り合えず、ポセイドンの背に腰掛けて、代わりに置き換わった何かに意識を集中させる。

「ちょっと! 誰に断って人の使い魔に乗っかってんのよっ!」

 その怒鳴り声にジュディは驚き、顔を上げる。声の聞こえてきた方向に眼を向けると、そこにはコルベールの姿が在り、その隣にはタバサが立っている。
 しかし、先程響いた声は女性のものだ。ジュディはタバサの方を見やるが、タバサは湖面の様に静かな視線を返してくるだけだ。

「聞いてるの!? さっさとソレから降りなさいっ!」

 その声は、確かにコルベールの方から聞こえてくるのだが、明らかにコルベールの声ではない。
 眼を点にしているジュディに、タバサが後ろだと指を指して教える。

「ミス・ヴァリエール…… 言いたいことがあるなら、せめて私の背中から顔を出しなさい」

 呆れてルイズに話しかけるコルベールの様子から、ジュディは成程と納得する。つまり、ルイズがコルベールを盾にしてジュディに文句を言っていたのだ。

「いいたい事があるなら、きちんと顔を見せなさい」
「いゃ…… んーっ、ん――っ モガモガ……」

 今までの様子から埒が明かないと判断したコルベールは、無理矢理ルイズを背中から引き剥がし口を塞いでからジュディの前に立たせる。
 矢面に立たされたルイズは、暫らくもがいていたが、やがて痙攣して大人しくなった。

「ミス・ヴァリエール、落ち着きましたか? 使い魔を見る度に叫んでいては話が先に進みませんぞ。先ずは、為るべく見ない様にしてみなさい」
「は、はい……」
「あの〜? ヴァリエールさん、ポセイドンが使い魔って如何いう事ですか?」

 ルイズは眼を合わせずに、ジュディのジュディの質問に答える。逃げ出そうにも、肩はガッチリとコルベールに抑えられている。

「言葉の意味どおりよ! ソレは私が召喚して、私の使い魔になったのよ! だ、だからソレはもう貴女のペットじゃないの!」
「えっ! それって、どういう意味!? ポセイドンは、ペットじゃなくてわたしのファミリアだよ。
 どうやってわたしのファミリアを、ヴァリエールさんのファミリアに出来たんですか?」
「どうやってって…… コントラクト・サーヴァントで契約したのよ。
 ……契約した記憶は無いけど、そうですよねミスタ・コルベール? 所で、ファミリアってなによ?」
「確かにミス・ヴァリエールは、コントラクト・サーヴァントを成功させて、そのポセイドン君を使い魔にしました。そして、その証拠が左前足に刻まれたルーンです。
 ですが……」

 コルベールはルイズの言葉に肯定を返すが、ジュディの言動から得られた1つの推測に額に汗を滲ませる。
 固い唾を飲み込む音が、辺りに小さく響く。

「ジュディさん、お1つ聞きたいのですが、そのファミリアというのはもしかして、使い魔と同義語ですか?」
「そうですよ? 知らないんですか?」
「なんと……っ! また1つ問題が増えてしまいましたか……」
「どう言う事ですかミスタ・コルベール!? アレは使い魔じゃないって言ってたじゃないですかっ!」

 ポセイドンに刻まれたルーンを確認していたジュディは、当たり前の事を聞かれてキョトンとする。
 ルイズとコルベールは、愕然とし泡を食ったかのような表情になる。
 難しい顔をしているコルベールをルイズが非難するが、この状況を動かし得るものではない。予想外の出来事に、コルベールの頭皮は確実に大ダメージを受けている。
 流石のタバサも、この事態に眼を大きくさせて驚いている。

「うむむ…… 何にせよ、これ以上此処で話をしている訳には行きません。早く学院長室に行きましょう。話しはそれからです」
「あの〜、ミスタ? 私は如何すれば?」

 急ぐコルベールに話しかけるのは、先程袖にされたキュルケだ。
 
「むっ? 今の話を聞きましたね?」
「はっ? はい聞きましたが、それが何か?」
「ならば、余計な事を言いふらさないように連行します。答えは聞きません」
「ご、強引ですのね…… まあ、宜しいですわ。行くわよフレイム」
「わっ! おっきなトカゲさん!」

 不本意な形ではあったが、同行を許されたキュルケは、自分の使い魔を呼ぶ。その呼びかけに、ジュディの背後に居た火蜥蜴がのっそりと歩み出る。
 フレイムと呼ばれた火蜥蜴は、キュルケの足に体をこすり付けて友愛を表す。
 その存在に気が付いていなかったジュディは、初めて見た生き物にビックリする。それに気を良くしたキュルケは、上機嫌に自慢を始める。

「うふふ。もしかして火蜥蜴を見るのは初めて? この子は火竜山みゃ……」
「お喋りは後にしなさい。
 時間は一滴の水の秘薬よりも貴重なり、です。学院長室へ急ぎますぞ!」
「……はい」
「待って下さい、ミスタ・コルベール。少し早いです」
「追いかけてポセイドン」

 コルベールは無駄話を切り上げさせて早足で歩き出す。文句の1つも言いたいキュルケなのだが、置いて行かれるのは嫌なので後を追いかける。
 一行は水の塔を出て、本塔へと続く石造りの通路を急ぐ。コルベールはあくまで早歩きなのだが、ルイズ、タバサ、キュルケは殆ど走っているのと変わらない。
 その後をポセイドンに乗ったジュディとフレイムが追いかける。
 建物の中でポセイドンに乗るのは礼儀に外れるのだが、ジュディ自身が小柄であるのと重い荷物を持っているのが相まって、走っていては置いて行かれてしまうのでやむなしの行為である。

 本塔に入ってもコルベールの足が鈍る事は無く、相変わらずの姿勢で歩き続ける。止まる事無く一気に最上階まで上りきり、5人と2体は学院長室の前に到着した。
 ジュディはポセイドンに乗っていたため疲れはないが、ルイズとキュルケは肩を大きく上下させて息を整えている。それとは対照的に、コルベールとタバサには、さしたる疲労は見受けられない。
 コルベールは二人の息が静まるのを待ってから、学院長室の両開きの扉をノックして来訪を告げる。

「オールド・オスマン、例の件でお話があります」
「……うむ、入ってきたまえ」
「それでは、失礼いたします」
「しつれいします」
「「し、失礼いたします」」
「…………」

 コルベールを先頭に、ジュディとポセイドン、ルイズとキュルケ、タバサの順番で入室していく。
 その際、コルベールは模範的な、ジュディはポセイドンから降り、帽子を脱いでからコルベールの仕草を真似て、ルイズとキュルケは些か慌てて、タバサは静かに、一礼をする。
 最後に入室したタバサが後ろ手で扉を閉め、フレイムは廊下に取り残される。慌てて扉を前足で叩くが、誰も気づかない。
 机に両肘を突き、手を口の前で組んだオスマンが、5人と1体を出迎える。秘書机で仕事をしていたロングビルは、ポセイドンを見て顔が引きつっている。

「思ったより早かったのう」
「そんな事より、大変なことが起きました! 鼻毛を抜いたり、セクハラをしている場合ではないですぞ!」
「な、なにを言っているんだね、君?」
「そんな事はどうでも良いのです! 先ずは彼女の話を聞いてからです。
 さっ、先ずは自己紹介を」

 何時にないコルベールの強気な態度に、さしものオスマンもたじろぐ。

「始めまして。わたし、ジュディです」
「ほう〜 ジュディちゃんと言うのか、可愛いのう。
 ワシはこの学院の長、オスマン。人はオールド・オスマンと呼ぶ。そちらの女性は、ワシの秘書をしてくれておるミス・ロングビルじゃ」
「えへへ アリガトウございます、オスマンさん。
 ロングビルさんもよろしくお願いします」

 オスマンの言葉にジュディは素直にお礼を返すが、他の人間は少し白い目でオスマンを見ている。まさしく、日頃からの言動の賜物であろう。
 その視線に気が付いたオスマンは、ゴホンと咳払いをして誤魔化す。

「それでは、どの様な状況になっとるのか説明してくれい」
「はい。ではミス・ヴァリエール、前へ」
「は、はい。では説明します……」
 




「成程。召喚の儀式でその巨大蛙とジュディちゃんを呼び出して、その蛙を使い魔にしたら、それはジュディちゃんの使い魔だったと言う訳じゃな?
 ミスタ・コルベール、君はディティクトマジックを使ってルーンの有無を調べたといったね? 本当に無かったんじゃろうな?」
「勿論です。目視でも調べてみましたが、ルーンは左前足のモノのみです」
「ふーむ…… まっ、取り合えず下がりなさい」

 オスマンは顎に指を当てて唸る。
 召喚でジュディを呼び出されたのは、不幸な事故であったと言うしかない。
 しかし、他人の使い魔に契約出来たと言うのが腑に落ちない。
 試したという前例は無いが、そもそも他人の使い魔にコントラクト・サーヴァントが効くはずが無いのだ。と、言うことは、あの巨大蛙はジュディの使い魔ではないと言うことになるのだが、ジュディがそんな嘘を付く理由が判らない。
 オスマンは、一人で考え込んでいても埒は明かない、と思考を中断して、ジュディに事情を聞くために話しかける。

「ジュディちゃんや、此処に来る前はどうしておったのか爺に教えてくれるかのう?」
「はい、わかりました。うちにオジイチャンの古い友達がたずねてきて……」





「そうか、そうか。つまり、ジュディちゃんの家はサドボスという町で魔法屋を営んでおったんじゃな。
 そして、クライドという魔道士にジュディちゃんの祖父が鏡に閉じ込められて、その時に発動した防衛術とやらで家族が離ればなれになってしまった。
 それで、ジュディちゃんが家族を探す旅に出たところでサモン・サーヴァントのゲートが開き、召喚された。そう言うわけじゃな?」
「そのとおりです。だから、早く家族を探しに行かないとダメなんです」
「まあ、慌てる事は無い。ワシもお手伝いして上げるから、大船に乗った気で居なさい」
「本当ですか? アリガトウございますっ!」
「ふぉっふぉっふぉ、礼などいらぬよ。小さなレディを手助けするのは、年寄りの責務じゃて。
 さて、使い魔の件じゃが……」
「オールド・オスマン、その前にもう1つ問題が発生しました」
「……なんじゃね?」

 話を中断されてオスマンは、不機嫌な声で続きを促す。これだけでも十分なのに、まだ問題があると言う理由も少なからずあるだろう。
 コルベールはタバサを手招きして前に出る。

「これはミス・タバサが気が付いた異変です。ミス・タバサ説明を」
「彼女の左手の甲に、ルーンらしき痣が現れました。原因不明」
「左手? ……ホントだ、痣が出来てる」

 今、指摘されて初めてジュディは左手の痣に気が付き、驚きの声を上げる。
 これまた、厄介な問題を突きつけられたオスマンの心労は如何ほどか。オスマンは表情には出さないが、心の中では大汗をかいている。

「……ルーンらしき痣? ジュディちゃんや、こっちに来て見せてもらえるかのう? ディティクト・マジックも掛けるがかまわんかね?」
「はーい、どうぞ」
「ちなみにこれが、ポセイドン君に刻まれたルーンです。見比べてみましょう」

 ジュディは机の上に身を乗り出して、左手の甲をオスマンに差し出す。それと同時に、ポセイドンに刻まれたルーンをスケッチしたノートも差し出される。
 オスマンは、机に身を乗り出して軽くジュディの手を取って杖を振るう。輝く粒子が小さな手を駆け巡り、情報をオスマンに伝える。
 
「ポセイドン? ああ、その巨大蛙の名前か。
 ふむ、確かにルーンのように見える痣じゃのう」
「何かの手掛かりになると思いましたが、ポセイドン君のルーンと見比べても全く違いますね」
「あのー、これ何なんですか?」
「すまんのうジュディちゃん、もう手を引っ込めて良いよ。その痣の事じゃが、何か体に異常を感じたりはしておらんかの?」

 オスマンの質問に、ジュディは小さく眉を寄せて考え込む。
 
「んー? そうだ、ポセイドンが居たところに、何か変なモノがある様に感じます」
「ポセイドンの居たところ? ジュディちゃん、ポセイドンは君の使い魔だった証拠はあるかね?」
「証拠? 眼に見えるようなのは有りません。だけど、ポセイドンの存在が全然感じられなくなってます」
「つまり、五感の共有が出来なくなったと?」
「そうです。他の子の存在は感じられるのに、ポセイドンだけ居なくなっちゃってるんです」

 オスマンはジュディの言葉に引っ掛かりを覚える。ジュディは今、他の子と言った。それは他に使い魔が居るという意味に聞こえる。
 だがしかし、使い魔は1人1体というのが原則である。使い魔を2体以上召喚しようとしてもサモン・サーヴァントは絶対に成功しない。

「ジュディちゃん、他の子と言うのは他の使い魔という意味かね? 君は何体も使い魔を連れているのかね?」
「? そうですよ。あと残っているイアペトスとアストライオスが、わたしのファミリアです。見せましょうか?」

 あっけらかんとジュディは答える。次の瞬間、ジュディの隣にポセイドンと同じくらいの大きさがある狛犬の様な動物が出現した。
 突然の出来事に、ジュディ以外の全員が度肝を抜かれる。

「そ、それはなんじゃね!?」
「いきなり出てきましたぞ!?」
「紹介します。わたしのファミリアのアストライオスです」

 ジュディは、何故そんなに驚くのか不思議に思いながら、自分のファミリアを紹介する。
 オスマンとコルベールは驚きの声を発するが、他の4人は言葉を失っている。タバサだけは、驚いているのかいないのか良く判らないが、キュルケには凄く驚いていると判った。
 オスマンの脳裏には1つの仮説が浮かび上がる。そして、その仮説は限りなく真実に近いと感じるが、早合点はしてはいけないと言い聞かせて、ジュディに説明を求める。

「もうその使い魔、いやファミリアか、は仕舞ってほしい。
 そしてジュディちゃん、そのファミリアについての定義を教えて欲しい。
 君も奇妙に感じているかも知れぬが、如何やらワシ等の間には、認識の齟齬があるようじゃ」
「はーい、わかりました。
 ファミリアと言うのは、術者の五行要素を抜き出して形を与えられた術者の分身のようなものです。
 ファミリアは五行の力と術者の魔力の塊で、術の行使を助ける役目を持っています」
「術者の分身……? そうか、ならば……
 ジュディちゃん、その五行と言うのは何かね?」
「五行と言うのは木、火、土、金、水の世界の理を司る力のことです。
 それぞれが強めあったり弱めあったりして、五行は世界を循環させているんです」
「つまりそれは、精霊……」
「ミスタ・コルベール! この話はこれでお終いじゃ。他の者も他言無用じゃぞ」

 仮説を立てようとするコルベールをオスマンは、強い声で制止する。そして、他の者にも言及を封じ、強引に話を切り上げる。
 今の説明から、ジュディは四系統魔法とは異なる魔法の使い手と言うことになる。そしてそれは、エルフ等が使う先住魔法にも似た理論を持つ魔法系統である。
 平和の安寧の中にあって、多少のトラブルを望みはしたオスマンだったが、今更ながら平和の有難さが身に染みる。
 若い頃は平和の有難さなど判っておらず、老いぶれてから平和の有難さを判った気でいた自分の愚かさに呆れかえる。

「それで、その痣の件じゃが予想が付いた。
 コントラクト・サーヴァントは、サモン・サーヴァントで呼び出された生物を使い魔にする魔法じゃ。
 しかるに、ファミリアが術者の分身なのならば契約可能なのじゃろう。
 そして、ファミリアと術者が繋がっているが故に、ジュディちゃんにも契約の影響が出た、という訳じゃな。なんせ、術者の一部を乗っ取った訳じゃからのう」
「じゃあわたし、ヴァリエールさんの使い魔さんになっちゃったの?」
「いや、それは無かろう。何せこれは痣にしか見えんし、ルーンとしては認められぬものじゃて」

 ルーンとは力在るシンボル。オスマンがディティクト・マジックで調べてみても、痣からは魔力を感じられなかった。ゆえにこれは、使い魔のルーン足り得ないと言うのがオスマンの見解だ。

「そして、既に刻まれたルーンは、使い魔の死によってしか解除されん。ジュディちゃんには悪いが、ポセイドンの事は諦めて欲しい」
「え〜? ポセイドンを諦めなくちゃいけないの?」
「すまんのう。コントラクト・サーヴァントを解除する方法はソレしかないんじゃよ。
 こちらで調べてはみるが、余り期待せんでくれよ」
「ううぅ〜」

 あからさまに落胆するジュディをみて、部屋に居る者は多かれ少なかれの罪悪感を感じる。自分の使い魔を他人に奪われたショックは、いかばかりだろうか。
 オスマンはすかさずフォローを行うが、さしたる効果は見られず慌てて話を切り替える。
 
「そうじゃ! ジュディちゃん、家族の居る位置がわかる水晶を持っていると言ったね?
 ソレを使って居場所を探ってみたらどうじゃ?」
「うぅ…… 
 そうですね! 先ずは家族を探さなきゃ!」
「ジュディさん大丈夫ですか?」
「ダイジョウブです!
 水晶さん、皆がいる方向を教えて下さいな?」

 気丈に振舞うジュディをコルベールが心配するが、ジュディは前向きに家族を探す事を考える。
 ジュディは肩に掛けているバッグから水光晶輪を取り出し、家族のいる方向を探す。
 だが、方角を示すはずの赤い光点は、水光晶輪の中をグルグル回り続けて一向に方向が定まらない。

「あれ〜? どうしちゃったの? 水晶さん」
「どうしたんじゃ?」
「水晶さんが教えてくれないの。何処にいるのか判らないみたい」
「ふーむ、ソレを貸してみてくれんかの?」
「はーい、ドウゾ」

 オスマンは杖を振るい、手渡された水光晶輪にディティクト・マジックを掛けて良く観察する。円環状の水晶には見慣れぬ記号の羅列が4つ、等間隔で並び、光の赤点は方向を示さずにフラフラと揺らいでいる。
 深知の魔法が伝える情報に、やはりと呟く。水光晶輪には魔力を感じるが、それがどう作用するのかが判らない。
 そのことは、四系統魔法とも先住魔法とも違う魔法体系の産物である事を示している。先住魔法とはエルフや吸血鬼、そして既に絶滅した韻竜等が使う精霊の力を借りる魔法体系であり、人間には使う事は出来ない。
 齢が300を超えると、まことしやかに囁かれるこの老魔法使いは、実際に先住魔法を見たことが何度もあり、どういった物かも理解している。だが、この水晶に使われている魔法技術は、そんな長い人生の中で培った知識を持ってしてもわからない代物であった。
 水光晶輪が作用しない原因として、オスマンに1つ考えが浮かぶ。

「ジュディちゃんや、君はサドボスという所に住んでいたといったね? そして、君は旅に出るところだった。
 ならば、地図は持っているかね? 持っていたら見せて欲しい」
「持っていますよ、ちょっと待って下さいね……

 はいドウゾ、世界地図です」

 ジュディは旅行カバンを開き、羊皮紙で作られた地図を取り出す。何枚か在る地図の中でも広範囲を記したもの、つまり世界地図をオスマンに渡す。
 手渡された地図を見てオスマンは驚く。海岸線が詳細に描かれ、主要な都市と街道が記されている。此処まで詳細な地図は、中々お目にかかることが出来ない。
 そしてなにより、それはハルケギニアの地図ではなかった。見知った地形がひとつも無く、幾つかの大陸が描かれている。そして、水晶にあった記号と似通ったものが要所要所に書かれており、文字だと推測できる。
「ジュディちゃん…… よく聞いて欲しい。そして皆も、今から話す事は決して言いふらさず、胸の内に留めて欲しい。
 ……よいな?
 結論から述べよう。ジュディちゃんは、ハルケギニアとは違う場所から呼び出されたようだ」
「ハルケギニアではない? ならば東方?」
「其れは判らぬ。だがワシは、東方ですらないと考える」
「東方ですらない……?」
「そうじゃ。この地図には幾つかの大陸が記されておる。そしてそれらの大陸は、詳細に記されてはおらん部分がある。
 これは世界地図だといったね?」
「そうです」
「つまり、まだ未開の地があるという訳だ。
 そこからワシは、ハルケギニアや東方もそういった大陸の1つであると考える」
「つまり、彼女は別大陸から来たと?」
「うむ。 そして水晶は、余りにも距離がかけ離れているが故に探知範囲外となり、正しく動作しなかったのじゃろう」

 オスマンは余りにも大胆な仮説を述べる。
 突拍子も無い話に、ジュディ以下5人は眼を白黒させて困惑している。辛うじてコルベールだけが、話しについて行けている状態だ。
 オスマンは片手を挙げて落ち着くように、と言う。

「まあ、これはあくまでも仮説じゃ。
 本当の事はまだ何も分かっておらんのじゃから、心に留めておくだけでよい。
 それよりも重要な事は、ジュディちゃんの処遇じゃ。行くべき方向も、帰るべき手段もサッパリ分からんのじゃからのう」
「ホントウだ、どうしよう……?」
 
 不安げに身を捩るジュディを見て、成り行きを見守っていたルイズの罪悪感が膨れ上がる。
 呼び出してしまったのは自分なのだから、自分が責任を取らなくては。と、決心して進言しようとする。
 だが、ソレよりも一足早くコルベールが発言する。

「如何するのです、オールド・オスマン?
 と、取り敢えずは聞いておきましょう。その顔は、もうとっくに如何するかは決めているのでしょう?」
「面白くないのう、お主。まあ如何するのかはもう決まっておる。
 ジュディちゃんや、さっきも言ったがワシが何とかして上げよう。帰る方法が見つかるまでこの学院に留まればよろしい」
「でも…… そんな事してご迷惑じゃないですか?」
「子供が遠慮するもんじゃない。爺に任せておきなさい。
 なんなら、此処に居る間は生徒になってみるかね?」
「オールド・オスマン、彼女は話を聞く限り平民です。此処は伝統ある魔法学院ではないのですか? それに彼女の使うファミリアの件もあります」

 発言をしたのは秘書のロングビル。オスマンの不用意な発言を諫めるために、キツイ言葉を浴びせる。
 だがオスマンは、風に靡く柳のように言葉を軽やかに受け流す。

「お堅いのう、じゃから逝き遅れるんじゃ。平民だと知っているのは此処にいる者だけじゃし、ワシが身元保障人となれば何も問題は無い。
 ファミリアに関してもそうじゃ、黙っとりゃ分かりゃせん」
「しかし、彼女がこちらの魔法を使える様に成るかは分かりません」
「見学する位なら大丈夫じゃよ、本当に生徒になるかどうかは後で決めりゃ良い。
 さて、長話も此処までにしよう。今日はもう休めば宜しい。急いで全部決める必要は無いじゃろ」

 山の向こう側に夕日が沈んでいくのが見える。
 夕映えは、森を鮮やかな朱に染め、燃え盛る炎の如く見せている。窓から差し込んでくる斜陽で部屋の明暗が深まり、夕刻が過ぎ去ろうとしているのを告げている。
 突拍子の無い事の連続で、大人しく立っているしかなかった3人は、漸く話が終わった事に胸を撫で下ろした。
 ジュディはまだ少し不安そうに俯いていたが、不安を振り切るかのように頭を振る。


701名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 00:19:47 ID:b3jkfaaD
魔法を使ったサッカーって………。
コスモスストライカーを思い出しました(マイナー過ぎだw)

「おっと、そうじゃ。まだ決める事があったわい。
 ジュディちゃんをドコに泊まらせるかじゃ。寮に部屋は余っておったかのう?」
「そういえばそうですね、失念していました。ミス・ロングビル、寮に部屋が余っているかどうか分かりますか?」
「男子寮なら空いていますが、女子寮は既に満室と成っています」
「そうか…… ならミス・ロングビル、君の部屋に……」
「待って下さい! オールド・オスマン!」
「いきなりどうしたの? ルイズ?」
「私の部屋に泊まらせます。その子を召喚したのは私の責任です。ですから、その位の責任は取らせて下さい。
 何から何まで学院に責任を取ってもらう訳には行きません!」

 ルイズの申し立てにオスマンは、何か眩しいものを見るかのように眼を細める。
 僅かに沈黙が降り、ルイズに一筋の冷や汗が流れる。それも束の間、すぐにオスマンは破顔一笑する。

「ソレだけで責任を果たしたと考えるのは、お門違いじゃぞ?
 だが、良い覚悟じゃミス・ヴァリエール、流石は公爵家の令嬢だと褒めておこう。その心を忘れるでないぞ?
 ジュディちゃん、彼女が部屋に泊めてくれるそうじゃ。お礼を言っておきなさい」
「アリガトウございます、ヴァリエールさん。ヨロシクおねがいします」
「え、ええ…… これは私の責任の取り方なんだから、お礼なんて要らないのよ」
「決まりじゃな。ミス・ロングビル、彼女達を送っていってあげなさい。そうしたら、今日はもうあがってヨロシイ」
「分かりました」

 6つの長い影法師が学院長室から出て行き、扉がバタンと閉まる。 
 残ったコルベールとオスマンは互いに何も喋らず、暫し部屋に静寂が訪れる。
 おもむろにオスマンはコルベールに話しかけた。

「のう、ミスタ・コルベール、君は五行の説明を聞いてどう思った?」
「はっ、言っても宜しいので?」
「此処にはワシと君しかおらん。そしてワシは君の意見が聞きたい」
「わかりました、私の考えを述べましょう……」






 今回の成長。
 ルイズは、L1を手に入れました。
 ジュディは、土のファミリアがL2に成長しました。


 第2話 −了−
「おっと、そうじゃ。まだ決める事があったわい。
 ジュディちゃんをドコに泊まらせるかじゃ。寮に部屋は余っておったかのう?」
「そういえばそうですね、失念していました。ミス・ロングビル、寮に部屋が余っているかどうか分かりますか?」
「男子寮なら空いていますが、女子寮は既に満室と成っています」
「そうか…… ならミス・ロングビル、君の部屋に……」
「待って下さい! オールド・オスマン!」
「いきなりどうしたの? ルイズ?」
「私の部屋に泊まらせます。その子を召喚したのは私の責任です。ですから、その位の責任は取らせて下さい。
 何から何まで学院に責任を取ってもらう訳には行きません!」

 ルイズの申し立てにオスマンは、何か眩しいものを見るかのように眼を細める。
 僅かに沈黙が降り、ルイズに一筋の冷や汗が流れる。それも束の間、すぐにオスマンは破顔一笑する。

「ソレだけで責任を果たしたと考えるのは、お門違いじゃぞ?
 だが、良い覚悟じゃミス・ヴァリエール、流石は公爵家の令嬢だと褒めておこう。その心を忘れるでないぞ?
 ジュディちゃん、彼女が部屋に泊めてくれるそうじゃ。お礼を言っておきなさい」
「アリガトウございます、ヴァリエールさん。ヨロシクおねがいします」
「え、ええ…… これは私の責任の取り方なんだから、お礼なんて要らないのよ」
「決まりじゃな。ミス・ロングビル、彼女達を送っていってあげなさい。そうしたら、今日はもうあがってヨロシイ」
「分かりました」

 6つの長い影法師が学院長室から出て行き、扉がバタンと閉まる。 
 残ったコルベールとオスマンは互いに何も喋らず、暫し部屋に静寂が訪れる。
 おもむろにオスマンはコルベールに話しかけた。

「のう、ミスタ・コルベール、君は五行の説明を聞いてどう思った?」
「はっ、言っても宜しいので?」
「此処にはワシと君しかおらん。そしてワシは君の意見が聞きたい」
「わかりました、私の考えを述べましょう……」






 今回の成長。
 ルイズは、立ち直りL1を手に入れました。
 ジュディは、土のファミリアがL2に成長しました。


 第2話 −了−
704名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 00:29:26 ID:sCvAzcye
乙!
タイトル見たとき魔女娘ビビアンだと
思っちまったぜよ
705名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 00:39:52 ID:xiwbO7Xu
フレイム早くも空気w
パネル位置が気になるところだ
706名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 00:41:47 ID:YP12Iw1S
>>704
アンリミテッド:サガをやってない俺は、最初ヴィヴィ・オールリンかと思ったぞ。
ただ、彼女は「大魔女なんて大した職じゃない」と言ってのける、不老不死の猛者だけどな。
707松下:2008/06/30(月) 00:50:34 ID:Jzbmoq2c
いやあ、皆様乙でした。それにしても凄い執筆速度だなあ。
どうもぼかぁ遅筆ですいません。貸本漫画家とかやってたら餓死するネ。

ということで、1時ごろから千年王国を投下します。よろしく。
708名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 00:55:10 ID:/HSvsS0S
ベアルファレスからファトゥム呼ぼうぜ
709名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 00:57:35 ID:KeRAflpi
>707
支援でござる!
710未来の大魔女候補2人 ◆kjjFwxYIok :2008/06/30(月) 00:58:28 ID:VoMzH7Cc
ようやく投下終了宣言できた。再起動させればいいことに気づくのが遅かった
途中、行が長すぎたり容量オーバーしてたり9/9にミスがあったりしたけど、何とか投下終了。
最後の最後にさるさん食らってました。

やっと夕の部が終わった……
第3話は夜の部です。
これでやっと一日目が終わる。予定通りには行かないものだなぁ。

支援
おっと、終了宣言がまだだったか。乙でした。
では投下開始。いろいろとアレですが、虚無注意。


《私は甦りであり、命である。私を信じる者は、たとい死んでも生きる。
 また、生きていて私を信じる者は、いつまでも死なない。あなたはこれを信じるか》
  (新約聖書『ヨハネによる福音書』第十一章より)


アルビオンでの戦いで死に、雪の吹きすさぶ反逆地獄へ落下した松下、ルイズ、シエスタ一行。
そこで思いがけず佐藤と再会した松下は、突如現れた奇怪な『案内人』と対峙していた……。

「さあて、どっちへ行きたいんです? 上かい、それとも下かい?」
「……下、だ。ここから現世へ戻るには、さらに深淵の奥底へ向かうしかない」

案内人の問いかけに対する松下の不思議な答えに、短気なルイズは首を傾げると異論を唱えた。
「ってマツシタ、なぁんで『下』なのよ? ここは地下世界、地獄の奥底なんでしょ?
 だったら常識的に考えて、『上』に行けば地上に出られるはずよ!」
確かにそうだが、ここは現世の常識が通用しない世界なのだ。松下は静かに返答する。
「地獄というのは、不帰の国とも言って、一度死人が入ったら普通には帰れないという法則が働いているんだよ。
 特にここは反逆地獄だから、罪人を逃がさぬよう永劫の中に閉じた時空の構造になっている」

「……? いや、普通はそうでも、あんたは救世主(メシア)ってやつでしょうが。
 それにほら、私の虚無の魔法でまた門を開ければ……」
「あれだけの大魔法を使った直後だぞ。今きみは精神力をほとんど使い果たしているだろう。
 その門を開けるには、やはりこの深淵を降りて行かねばならんのだ。
 ややこしいから、道々説明するとしよう。それとも、そこの案内人が詳しく説明してくれるのかな」

松下に話を振られた案内人は、ヘラヘラと笑った。
「ええ、出口は確かに、下ということでよろしいかと。それじゃあまあ、ご説明いたしますかね。
 おっとその前に、そこのサトウさんを起こしてあげて下さい」
と言われて足元を見れば、先ほど倒れ伏して気絶した佐藤が雪に埋れかけている。

「手間のかかる奴だな。おい、起きろ佐藤、ヤモリのなりそこない」
佐藤の襟首を掴んで引き起こすが、揺さぶってもなかなか目を覚まさない。
「……さっさと起きろと言っているだろうが、この家ダニ未満。毛ジラミ、ミジンコ、ボルボックス」

ビビビビビンと珍しい松下のビンタが飛んだ。ビックリしたルイズが珍しく止めにかかる。

「まぁまぁ、あんたでもたまに怒るのね。ところでなんなのボルボックスって」
「原始的な緑藻の一種で、ミジンコの餌になる程度の下等な生き物だ。気にしなくていい」
「…………うう、メシア……」

どうやら佐藤も気がついたようだ。ハッと声をあげるや、彼は再び松下の前にひれ伏す。
「おおメシア、この佐藤の罪を許して、赦してくださいましたね」
「ぼくは裁きに来たのではなく、世を救うために来た。ぼくを拒むものは、やがておのずから裁きを受けるだろう。
 わかったか。わかったらついてこい。不浄に満ちた、悪魔の支配する世界をフンサイするために戦うのだ」
「では、千年王国戦争はまだ続くのですか」
「命があるかぎりやめられん。いや、今我々は死んでいるのだったが。
 とにかく『千年王国』を築くことは、ぼくの存在理由だ。死んでもやめられん」

臆面も無くそう言うと、松下は胸を張る。精神的奇形児、神が殺し損ねた子供である松下にとって、
それはもはや生理的欲求、本能的行動とさえ言ってよいのかも知れない。

「しかしメシア、私は死人でして、もうとっくに肉体もありませんし……」
「ついてこいと言っているだろう。少しはぼくの役に立って、罪滅ぼしをしろ。
 地上に着いたら、そこらに転がっている死体を適当に見繕って蘇生させてやる。それともヤモリがいいか?」
「……わ、わかりました。あなたについて行きます、メシア」
「よし。さあ諸君、出発するとしようか」

なんともはや、強引なメシアである。その主従の様子を見て、思わずクスクスとルイズたちは笑いを漏らした。
「ねえシエスタ。ここは地獄だけど、世の中っておもしろいわねえ」
「ほ、ほんとですねえ」


四人と占い杖が揃うと、冷たそうなぶよぶよした質感の案内人は3対の腕を広げ、上側の脚を揺らしながら挨拶を始める。
「―――ええ、それでは改めまして、この案内人から皆様にご挨拶させていただきます。
 Welcome to this crazy time、このイカレた時代へようこそ、救世主ご一行様!
 詩聖ダンテにウェルギリウスがいたように、不肖私がこの地獄の道案内、説明係となります。
 ご退屈でしょうが、しばらくお付き合い願いますね」

「たわごとはいいから、さっさと説明してよ。私たち、早いとこ地上に帰りたいのよ。
 残された肉体が腐っていて生き返れなかったら、あんたのせいだからね」
「サトウさん以外の皆様がたの肉体は、最終目的地であるアルビオンの某所に、ちゃんと匿われているようなのでご安心を。
 それにまあ、ここはいわば時間の埒外にあるからして、少々寄り道したって大丈夫ですよ」

先をせかすルイズに、案内人はハハハと笑った。どうも地獄にいるというのに緊張感がない。
713名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 01:05:24 ID:vEEd04By
エロイムエッサイム!
我を求め支援したり!
「さて、一口に地獄と言っても種類はさまざま。仏教では八大地獄、八寒地獄に十六ずつの付属小地獄を説いています。
 ユダヤ・キリスト教やイスラームでは、ゲヘナ(ジャハンナム)というのがいわゆる地獄のこと。
 ここは中世イタリアの詩聖ダンテの描いた地獄の最深部、《反逆地獄》コキュトスの外縁部にあたるのです。
 では皆様、ついて来てください」

そういいながら、『案内人』はざくざくと雪を踏みしめて歩き出す。
彼につき従って尾根に近づいていくと、周囲には高さが数十メイルもある、大きな岩が数えきれないほど林立している。
どこか人間の顔や姿を思わせる凹凸、表面に刻まれた渦巻き紋様、名も知れぬ異郷の装飾。
それは轟々と吠えたけり、あるいはシュウシュウと啼き叫び、吹雪の中に傲然と立ち並んでいるのだった……。

「これらは神話の時代に地獄に落ちてきた、太古の巨人族です。神に反逆した罪で、ここにいるのです。
 あれはギリシアのタイターン族とギガス族、こちらはヘブライのネピリム族。
 遥か向こうで角笛を吹いているのは、バベルの塔を築いたニムロデ大王ですな。
 ゲルマンのヨーツン族や、ケルトのフォモール族なんかもいるそうですよ」


《人が地のおもてにふえ始めて、娘たちが彼らに生れた時、
 神の子たちは人の娘たちの美しいのを見て、自分の好む者を妻にめとった。そこで主は言われた、
 「私の霊はながく人の中にとどまらない。彼は肉にすぎないのだ。しかし、彼の年は百二十年であろう」。
 その頃、またその後にも、地にネピリムがいた。これは神の子たちが人の娘たちのところにはいって、
 娘たちに産ませたものである。彼らは昔の勇士であり、有名な人々であった》
  (旧約聖書『創世記』第六章より)


「どうです、なかなか物凄い雰囲気でしょ!
 安心してください、彼らは神の罰によって石にされた上、終わりの時が来るまで切れない鎖で縛られています。
 せいぜい吹雪を避けるのに使わせてもらいましょう」

尾根に登ると、断崖絶壁がある。
それは弧を描くように果てしなく続いていて、向こう岸は深く重く冷たい霧に霞んで見えない。
断崖の下は、測り知れないほど深く真っ黒い淵だ。
ただ、深淵の底の遥か彼方には巨大な山のようなものが聳えており、そこから上方へ吹雪が吹き出している。
高さは恐らく、数千メイルを下るまい。頂上のあたりは三つに分かれ、腕を広げた人間のようでもあった。

四人はその恐ろしげな光景に圧倒されたのか、呆然としたまま声もあげられない……。
715名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 01:05:43 ID:OKaTGiSE
「皆様、これが《反逆地獄》です!
 底の方はすり鉢状に落ちくぼみ、無数の罪人が沈んでいる凍りついた沼地になっています。
 目的地は、あの中心部に聳え立つ巨大な岩山ですよ」

シエスタがおずおずと、案内人に尋ねる。
「あの……あれは、あの岩山はいったい、なんなのですか? 目的地とは?」
「よくぞ聞いてくれました。あれこそが地獄の中心、大地の中心に坐す邪悪な巨人。
 造物主に反逆して敗れた太古の神々、悪魔族の王。つまり天国から落下して地獄を造った《悪魔大王》です!」

「悪魔、大王……地獄の中心……!」
ルイズが、ごくりと唾液を呑み込んだ。なんという恐ろしい響きであろう。


ここで松下が案内人に代わり、簡単な状況の説明をする。
「そうだ。地獄の構造は混沌としていて変わりやすいが、おおよそ反逆地獄を含めて九つの階層がある。
 最上部からの入り口はタルブの村にある、あの『地獄の門』なのだが……、
 我々は例の《送還》の魔法の暴走ゆえか、途中を省略して最下層の手前まで落ちてきたようだな」

「地獄っていうと、罪人を罰する悪鬼がたくさんいて、業火に包まれた場所ってイメージがあったんだけど……」
「そういう場所も、上の階層にはあるさ。
 ここはただの拷問場ではなく、神々に等しい魔王や巨人族の本体を幽閉しておく牢獄でもある。
 召喚されて地上に時々出てくる連中は、より格下の悪鬼か、せいぜいさまよい出た分霊というところだ。
 そいつら全ての総帥が、あの悪魔大王・ルキフェルだ。サタンとかディスとか様々な別名はあるがな」

「ま、そんなに恐れずとも大丈夫ですよ。我々が近づいても、とって喰われたりはしません。
 いかに悪魔大王といえども、この地獄では罪の重さに縛られて、ほとんど身動きできませんから」
なんとも気楽げな案内人の言葉に、ルイズたちもやや警戒を解いた。
「で、なんでそんな恐ろしげなところまで行かなきゃならないわけ?」

「うむ。悪魔大王は『この世の王』であり、地獄と地上に対する一時的な支配権を持つ存在だ。
 霊的には彼の体が球状の大地……《地球》の中心であり、そこは地上のあらゆる場所に通じている。
 いわば多次元のチャンネルだ。ルイズ、きみの虚無の魔法でそこに門を開き、アルビオンへ帰るとしよう」

松下の説明に、ルイズは腕組みをしてしばらく考え込んだ末、キッと顔を上げた。
「―――――………なんだかよく分からないけど、よく分かったわ。
 結局この地獄から出るには、私の魔法が必要ってわけね!」
「まぁ、そうだな。あんまり長居したい場所でもないし」

「ええと、でも、ここからあの山までは何百リーグもありそうですよ。どうやって行くのですか?」
717名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 01:07:29 ID:vEEd04By
バランガバランガしえんを唱えよう♪
シエスタの素朴な疑問には、案内人が再び答える。
「こちらで小さな、空を飛ぶフネを用意していますよ。風に乗ってすーっと飛んで行けば、二日もあれば着きます」
「なるほど、それなら安心ですねえ!」

「……けど、ああ、この現実離れした光景ときたら……悪い夢でも見ている気分だわ……」

ぼそりと呟いたルイズに、案内人がピクリと反応した。というか、ぬめっとした体の内側から不気味な燐光を放ち始めた。
「夢、だって? きみ、人生とは夢のようなものではないか。
 闇の中をつかの間からつかの間へ渡る光、一つの幻影に過ぎんよ」
「と、いうと………?」

急に渋い口調になると、案内人は3対の手を後ろ手に組み、どこまでも続く深淵の縁を歩きながら、哲学的な話を始めた。
「いいかね、人生とは例えて言えば、一冊の本のようなものだ。
 長い長い、静かな闇夜の世界が何万年、何億年と続いていると考えたまえ。
 その中に一冊の本が落ちている。きみたちはそれを拾い上げて読む。そして喜んだり悲しんだりする。
 ……そして読み終わる。それからまた、静かな黒い世界が何十億年と続く……。
 生きている間というのは、その本を読んでいる僅かの間だ」

名前も分からない冥土の案内人の、奇妙な諦念と厭世観に満ちた虚無的な呟きに、一行はシーンと押し黙る。
しかし松下は、いわゆる超人ではあっても、彼のようなニヒリスト、虚無主義者ではない。
「『現世は夢になり、夢は現世になる』とファウスト博士はぼくに言い遺したものだ。
 ぼくの人生の目的は、人類全てが平等に幸福になる、夢のような理想社会の実現だ。
 千年王国運動とは、いわば《永遠の世界》を現世に建設しようとする、世界革命運動なのだよ」

だが、案内人は飄々と歩きながら、ヘラヘラと松下を嘲笑うばかりだ。
「それもまた、千年もすれば元通りになってしまうんでしょう?
 どんな宗教にしたって思想にしたって、過ぎ去り滅び行くもの。今までと大した違いはありゃしませんよ。
 第一、この静かな反逆地獄では全て霊になっていますから、メシを食う必要というものがありません。
 従って、地上や他の地獄でのように働く必要もなければ、欲も争いもなく、煩わしい政治も必要としません。
 言うなれば、人間が本来の自分に立ち帰るところですね。うふふふふふふ」


《怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ。
 おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ》
  (フリードリヒ・ニーチェ『善悪の彼岸』より)


(つづく)
719名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 01:11:58 ID:vEEd04By
おつー
720松下:2008/06/30(月) 01:12:32 ID:Jzbmoq2c
投下終了、支援感謝。まあ、あんまり深く考えないで下さい。
《案内人》は墓場からの出張ですが、一度松下と対話させてみたかったこともありましてね。
なんだかよく分かりませんけど。

では、また何万年か何億年かあとに。
……もとい、一週間か十日ばかりお待ちください。
721名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 01:54:49 ID:vKv8biDZ
GJ!
722名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 02:30:41 ID:XEeML0UU
最近投下多くて楽しみだなー
723名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 02:38:00 ID:kfIW9evu


水木漫画の底にあるのはいずれ無になるという考え方とそれでもたくましく生きようとする人間だよな
724名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 04:46:39 ID:G/7VW8F7
乙乙しい事だにゃー

次回もwktk
725正午の使い魔:2008/06/30(月) 10:18:28 ID:w9gpUD0C
「オ、オルゴール……? そんな」

 呆然とした表情でルイズが呟く。
 他の生徒たちはあっさりと召喚に成功し、中にはドラゴンやサラマンダーといった強力な幻獣を召喚させている生徒だっている。
 なのにルイズは十二回も失敗した挙句、よりにもよって何の役に立つのかもわからないオルゴールを召喚してしまった。

「嘘でしょ……? こんなに、こんなに頑張ったのに、どうしてオルゴールなのよ……」

 ヴァリエール家の三女として誇れる結果を出せるように、誰よりも真剣に準備して召喚に望んだのに、小動物すら召喚できなかった。
 ルイズは泣きそうになりながら己が召喚したオルゴールを見つめる。
 そのオルゴールは白を基調にした箱にキラキラと光りを出す宝石、端には小さな人形を結わえた飾りが付いているハルケギニアでは見かけないような物だった。
 貴族のルイズでもそのようなデザインのオルゴールは見たことがないが、このように不思議な光りを出しながら聴いたこともないような音で音楽を奏でていることからマジックアイテムではないかと考えた。
 召喚されたの生き物ならまだ使い魔として格好がつくだろうが、ことマジックアイテムとなると何がどうなっているのか理解の範疇を超えてしまった。
 追い討ちをかけるように、群衆から野次が飛ぶ。

「ルイズがオルゴールを召喚したぞ!」

「さすがはゼロのルイズね!」

「……ユニーク」

 かなり凹んだ。特に拍手までした三人目の言葉に凹んだ。
 本人は純粋に労っているつもりなのかもしれない。
 だがルイズにしてみれば無表情で、しかも本を読みながらおざなりにやられても嫌味にしか聞こえなかった。
 一縷の望みをかけて、ルイズは儀式の監督をしていた教師に頼み込む。

「ミスタ・コルベール! やり直させてください! マジックアイテムを使い魔にするなんて、聞いたことがありません!」

 ローブを着た、禿げ上がった頭の中年男性は一瞬同情的な目でルイズを見つめるが、真剣な表情で首を横に振る。

「それは許可できない。春の使い魔召喚の儀式が伝統のある神聖な儀式だということは、勤勉な君ならよく知っているだろう。
 自分の意に添わない使い魔が出たからって例外は認められないんだ」

「た、確かにそれはそうですけど……」
726正午の使い魔 2:2008/06/30(月) 10:18:59 ID:w9gpUD0C
 言い返す言葉が見つからずに、ルイズは唇を噛み締めた。
 コルベールの言葉は一々もっともで、言われるまでも無くルイズはそのことをよく理解していた。
 それでも、召喚の儀式をやり直したかった。
 立派な使い魔を召喚して、自分を『ゼロ』と馬鹿にする人間を見返してやりたかった。
 ルイズは大切な家名にこれ以上泥を塗りたくなかったのだ。
 落ち込むルイズを見かねたか、コルベールが励ましの言葉をかける。

「安心しなさい。慰めにもならないかもしれないが、一応召喚はできたんだ。君がゼロでないことは証明されたじゃないか」

 指摘されて初めてその事実に気が付く。
 どういうわけかどんなに簡単な魔法でもルイズが唱えると全て爆発になってしまい、ルイズは一度も魔法を成功させたことがない。
 それ故『ゼロ』という不名誉な二つ名がつけられていたのだが、確かにもうゼロじゃない。
 しかし、使い魔を召還出来ずマジックアイテムを召還したとなれば逆にマイナスではないのか。これでは『マイナス』のルイズである。

(……語呂まで最低よ!)

 思わずへなへなとその場に崩れ落ちるように膝をつく。その拍子に自分が呼び出した平民と眼が合い、フツフツと怒りが湧き上がる。

(全部コイツのせいだわ。何で出てくんのよ)

 ルイズは八つ当たり気味にオルゴールを手にし、コルベールが止めるのも聞かずその箱を開いた。
 依然音楽が鳴り響く箱の内側には見たこともないような美しく光り輝く絵と、規則正しく並ぶ一見してハルケキニアの物ではない記号が書かれたボタンが並んでいた。
 ルイズは出鱈目にボタンを押すと音楽が鳴りやんだ。
「……なによ! マジックアイテムまで私をバカにするの!」

「何か聞こえる」
いつの間にかルイズの隣に居た青い髪の少女が呟いた。

「あら、何かしら…」
コルベールの静止も聞かずおもむろにそのマジックアイテムを耳に近づけるとルイズが驚愕の表情を見せた。

「もしもーし、クギミヤさーん、なかなか出てくれなくて焦っちゃいましたよ、ハハハハハ」
たしかに人の声が聞こえた。
「え、あ、あ、あなた何なの! て言うか、こ、これは何! もしかして先住魔法!」

しかしそんなルイズの声が聞こえているのか聞こえていないのかオルゴールがまた喋り始めた。
「何言ってるんですかクギミヤさん。今いいともに出てたんですけど見てくれてなかったんですかー? あ、今タモさんにかわります。」
「どもー はじめましてー タモリです。」
オルゴールから出てくる声が急に変わり驚き混乱したルイズは
「な、なに! なんで声が聞こえるの?」
まったく理解出来ないルイズであった。

「あー、今ヒノさんからご紹介に預かりまして。さっそくですが、来週ゲツヨウビ、来てくれるかな?」
「え、あ、は? いいともー!」
 なぜそんな事を言ったのかルイズ本人にも理解できなかった。
 おそらくマジックアイテムに込められている魔力のせいなのだろう。

 気が付くと今まで出ていた声もプッツリと聞こえなくなり、さっきまで光り輝いていた絵は何やら冴えない風貌の男と、それに寄り添うように並んでいる女のまるで生き写しのような絵に変わっていた。
「なによこれ、まったく意味がわからないわ… でも、この女…」
 何やらその女の絵の胸の部分に他人とは思えぬ共感を覚えるルイズなのであった。
727名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 11:32:13 ID:HQDAR5bE

761 名前:名無しさん 投稿日:2008/06/30(月) 11:21:32 [ k.vIP.FY ]
>>760

ttp://www35.atwiki.jp/anozero/pages/4082.html

ゼロの戦乙女の丸コピーだね。これ



つうわけで、以後はスルー。
まとめwikiにも転載禁止、転載した奴は本人と見なしてアク禁ってことなんでヨロシク!
728名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 13:03:06 ID:EntRAW9B
ここまでの無恥、クズ、DQN、外道、木端、論外、阿呆は初めて見たな
729名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 13:14:58 ID:eYrZu9Nk
というか実在の、しかも存命してる人物って時点でアウトでしょ
フィクションキャラが前提なんだしさ
730名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 13:20:40 ID:Gi9Lz0lF
おそらく以前に投下された「世にも奇妙な物語」ネタに触発されたんじゃないか?
731名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 13:52:24 ID:DSZU+/i3
>>730
だからって丸コピするっていう頭は知的障害級だな
732名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 13:59:48 ID:2dV1WNal
投下予告もないageてる
ただの荒らしだスルースルー
733名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 15:22:46 ID:TSBdyeWz
タキシード仮面呼ぼうぜ
734名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 15:25:40 ID:Vokh4/76
タキシード銀なら見てみたい
735名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 15:27:22 ID:e40ZUJ1d
ジェームズボンドなら是非みたい
736名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 15:57:32 ID:uVbnoM8R
>>734
また懐かしいなヲイ。
見た目は普通にペンギン(恐らくトリステインでは見慣れない生物)
だから、当たり扱いだろうなー。
737名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 16:07:42 ID:EdTSvybW
イブシ・ギンジロウなら超見たい
738名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 16:07:46 ID:2M8Mj5oA
バットマンのペンギンだったら大ハズレだろうけどな。
739名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 16:09:48 ID:t8KLkGdb
タキシード銀か。実は1話だけ書いてお蔵入りさせてあったりするんだな、こいつが。
ちゃんとした動物だわ珍しい鳥だわペンギン可愛いすぎるわ姉譲りの動物好き発動するわでルイズが最初からかなりデレてるという不思議。
ちょうどタバサ2が出たあたりに書いたから、ギーシュじゃなくモグラと決闘したりする予定だった。
740名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 16:10:08 ID:WyPAeqrI
>>738
召喚した瞬間からガンダールヴ効果バッチリじゃないか
大ハズレなのは無条件で同意だが
741名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 16:24:50 ID:eYrZu9Nk
ボンドは何代目かで微妙に変わりそうだ
742名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 16:25:42 ID:cc62KW3O
人があんまり居ない今のうちに小ネタを投下したい
よろしいかな?
743名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 16:28:49 ID:WyPAeqrI
どうぞどうぞ
744使い魔といっしょ:2008/06/30(月) 16:33:16 ID:cc62KW3O
学院内を一人の生徒が走っている。
ピンクのブロンドヘアーを振り乱し、息を切らしながら学院内のとある小屋目指して駆けて

いた。
その生徒の名は、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。もちろん

我らがヒロインである。
小屋の前まで来たルイズは息を整えようとして・・・あきらめた。小屋とはコルベールの実

験小屋なのだが、漂ってくる異質な臭いに正直鼻が曲がりそうになる。
ポケットからハンカチを取り出し、目にしみる臭いに顔を背けながらドアを開けると数メイ

ル離れるのだった。
「コルベール先生!! ヴァリエールです。こちらに使い魔のアイツが来ていませんか!!」
あまりの臭さに中に入ることが出来なかったルイズは外から大声で小屋の中に呼びかける。
すると、中から弱々しく怯える様なコルベールの声が聞こえてくるのだった。
「ミス・ヴァリエール… 扉を閉めて頂けませんか。その… あなたの隣で… 体がグリフ

ォンのおっさんが… 私を睨んでいるんです… お願いで」
そこまで言いかけたところでドアはそっと閉められた。
「もう大丈夫っスよ。扉閉めましたから〜」
辮髪の男は、ドア越しにそう声をかけると壁に寄りかかりルイズと向かい合う。
「いきなりドア開けちゃダメだろう。コルベールのおっさんもお楽しみ中なんだからさ。」
「この臭いと言い、コルベール先生はどうしたのよ!!」
「どうしたって、シンナー教えただけだが?」
「シンナーって良くわかんないけど。イトキン!! アンタ何やってるのよ!!!」
「この透明な化学の臭い。俺の家族シンナー。今後ともヨロシク。」
埒が明かないと判断したルイズは男の腕を掴み広場へと引っ張っていくのだった。
745使い魔といっしょ:2008/06/30(月) 16:33:44 ID:cc62KW3O
ヴェストリの広場ではすでに決闘が始まっていた。
「サイトの奴、ボッコボコじゃねぇか」
ルイズはイトキンにサイトを助けるように言うが「無理」と一言で返されてしまう。
「だ、だってぇ〜。か弱い平民だしぃ〜。」
真っ青な顔で弱腰なイトキンの態度をを見て、ルイズはなぜこの男に頼もうとしたのかわからなく

なった。
「まっ、そーゆーことで。」
と言いながら去るイトキンのケツを、ルイズは思いっきり蹴り上げるのだった。
ルイズは意を決してサイトの前に立ちギーシュと向き合う。もちろんこの馬鹿げた決闘を止

めさせるためだ。
「ギーシュ!!決闘は規則で禁止されているはずよ。もう止めなさいよ!!」
「ヴァリエールか、禁止されてるのは貴族どおしの場合だろう。まぁ、君の使い魔が謝れば

・・・」
ここでルイズはふと気がついた、芝居がかった台詞を吐くギーシュの後ろからさっきの辮髪

の男がこっそり近寄ってきている。
「謝る気も無い様だね。決闘の邪魔だミス・ヴァリエール下がってもらえないかい?」
渋々下がるルイズを広場にいる全員が確認したところで、ギーシュの舞台俳優のようなオー

バーな身振りの後「かかれ、ワルキューレ」が響き渡る。が・・・
7体のワルキューレがボロボロに崩れていく。ギーシュはそこで初めて自分の杖を手にしてな

いことに気づく。慌ててギーシュが辺りを見回すとイトキンがギーシュの杖を持っていた。
「き、貴様!!貴族の杖を何だとおもっへぶらぁ」
その後、ギーシュはサイトにタコ殴りにされましたとさ。
746使い魔といっしょ:2008/06/30(月) 16:34:26 ID:cc62KW3O
その夜
「ただいま〜、マリコルヌの旦那。」
イトキンはマリコルヌの部屋に帰ってきたのだった。
「いや〜、サイトのおかげでいい飯喰えたわ。土産で上物のワイン貰ったから呑もうぜ。」
マリコルヌは深いため息をつきながら一緒にテーブルでワインを飲むのだった。
「いや〜、ここは天国だな。飯は旨いし皆親切だし。だからてめぇ、オレの事元の世界に戻そうとかするんじゃねぇぞ。」
マリコルヌの顔面スレスレでメンチ切って来る自分の使い魔に胃が痛くなるマリコルヌだった。
747使い魔といっしょ:2008/06/30(月) 16:35:31 ID:cc62KW3O
初めて投下したので、メモからペーストして
こんなにおかしくなるとは思わなかった。ゴメン
748名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 16:42:52 ID:ZJgNe1kK
ごめん、なにが何だかサッパリだ
749名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 16:45:06 ID:YP12Iw1S
せめて、せめてクロス先を教えてくれ……
750名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 16:45:17 ID:cc62KW3O
>>748
あぁ、スマン半年ROMって来るわ
751名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 16:45:48 ID:uVbnoM8R
展開は分かった、分かったんだが……。
ゴメン、元キャラ分からないし、何が面白いのかも分からない。
(俺がいわゆるヤンキーが嫌いだからかもしらんが)
752名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 16:47:15 ID:cc62KW3O
元ネタは「僕といっしょ」
召喚キャラはイトキンです
ではROMりますノシ
753名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 16:48:49 ID:x6oj5oxx
ごめん、何だかサッパリ妖精だ
754名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 16:50:26 ID:SXboF0FP
>>752
古谷実のやつか?
755名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 16:51:09 ID:EdTSvybW
GTAみたいなもんか?
ダイジェストすぎでどんなキャラなのかすら解らんのだが。
756名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 16:52:17 ID:Gi9Lz0lF
>>753
そういえばさっぱり妖精って召喚されたっけ?
757名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 16:54:43 ID:YP12Iw1S
キタキタ親父召喚の小ネタでルイズが呼び出してた
758名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 16:54:48 ID:WOcUfhX9
>>756
多分まだされてないと思うが、喚ばれた所で、
魔法を失敗する度にルイズの頭上で踊って激昂させるのが目に見えてるw
もって2日だろうな。
759名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 16:55:17 ID:WOcUfhX9
>>757
ってあったんか。適当な事いってすまんかったorz
760名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 16:59:03 ID:Gi9Lz0lF
>>757
ああ、それか!
個人的にはさっぱり妖精よりも才人とギップル同時召喚してほのぼのギャグラブコメ書いてみたいなw
761名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 17:01:06 ID:YP12Iw1S
>>759
いや、サッパリ妖精を召喚したネタはないけど、キタキタ親父召喚のネタ中にルイズがグルグル使って召喚したという話だ。

だから何が言いたいのかというと、説明不足で申し訳ないorz
762名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 17:32:32 ID:x6oj5oxx
>>756
亀レスでご免。ちゃんと召喚した(おまけ扱いではなく)ものは無いらしいですな。
いやぁー、サッパリと聞いたら何故かふっとよぎったもので
・・・・特に理由が無くて申し訳ない
763名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 18:04:43 ID:1Gqg7kg6
半熟忍法帳から雷太を召喚。
まさしく「神の盾」
シエスタ、キュルケはお色気担当、縛られたり揉まれたり。
フーケの尋問シーンはいろいろ弄くり回して、
「ハァハァ……、もう許してぇ……」
ルイズと一緒に「「忍法、微塵隠れ!」」

ネタだけは浮かぶんですよ……。
764名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 18:16:24 ID:YWpeoQ0T
坂井三郎を召喚。
元々エースパイロットだからガンダ補正で零戦が鬼神の如き強さになりそうだ。
765名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 18:18:34 ID:B2KqCtYD
亡きギャグ王のやつだっけ?
766名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 18:18:53 ID:i5xYfcna
ドクター・メフィスト召喚

ガンダールヴのルーンはこの美しき医師に自分のようなルーンがつくのは失礼にあたると思い、自らその存在を消した

まあ、メフィストを目の前にして正気を保っていられる訳ないし、保てても先生がキスされるとは思えんがな
767名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 18:25:39 ID:Vokh4/76
>>763
懐かしい、あの作者まじかるアンティークのアンソロ本で描いてて驚いた
あの頃のガンガン系からだと、もけけ召喚でハルケギニアが不思議時空にw
768名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 18:37:14 ID:BYB1pkal
>>763
レズ集団の担当は誰になるんだろう
769名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 18:37:42 ID:MvQGLnVr
>>766
「私には私の治療を待つ多くの患者がいる。君は、その患者達から私を引き離した罪を贖わねばならん」
と言われて内臓抜かれたりするルイズが見えた。
女という生き物を嫌悪してる人だし。
770名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 18:50:06 ID:Dk0Ua41f
ガンダールヴのルーン補正で通常よりも弱くなるってことはないかい?
人間が反応できないくらいの速さで動けるキャラがガンダールヴになって速いけど人間が反応できないこともない速さになるとか
例えるなら120の力を出せるのがガンダールヴの力によって100しか出せなくなるみたいな
771名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 18:54:50 ID:NSG3t4j3
感情が強さに逆効果となる人にはマイナスになるかも。
明鏡止水やジェダイあたりはまずいかな?
特にジェダイはライトセイバーがあるからデルフリンガーの出番もなくなるかも?
772名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 18:54:51 ID:LwlyCAxf
ルイズに反発すると-
ルイズと心が共鳴すれば+
でいいんじゃね?
773名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 18:55:32 ID:vMQjBByB
それは不明だろ
原作の才人は普通の人間なんだし
そういう設定にした必然性をちゃんと持たせられるなら書いてみれば?
774名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 18:56:46 ID:UxKxaYdm
>>770
力が強すぎて制御できないから不便ってのは見た事あるな。
……どの作品か忘れたけど
775名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 18:57:05 ID:btF5mGGf
>>770
内家拳の人がそんな感じ。
776名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:05:53 ID:8Jvept0l
史上最強の弟子ケンイチからケンイチ

「うわ、なんだこの幼女」
「幼女じゃないわよ!あなたのマスターよ!」
「(アパチャイさんにいいのを貰って気絶していた筈なんだけどおっかしいなぁ)ところで君誰?」
「ルイズ 略 よ!」
「なるほど、それでここはどこですか?」

「ふむ、これは珍しいルーンですね」
「っは(この人全く気配を感じなかった)」
「おやおや、驚かしてしまったようですね。私はこの学院の教師をやっとります、こういうものです」
コルベールが名刺を渡すが、なんだかわけのわからない文字なので読めない
「はぁ・・・(いったいここはどこなんだろう)」

「ほら今日からあんたが働く場所を教えてあげるから付いて来なさい、この愚鈍」
「うわっ酷い、強制労働ですか!」
「だからあんたは使い魔だって言ってるでしょ」
「なんて野蛮な!」

どう考えてもケンイチが途中で脱走するとしか思えない
続きは誰か考えてください
777名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:07:42 ID:1Gk1tM3j
ケンイチは武器使わないがその点どうする
778名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:07:49 ID:R4fZqKJq
>769
抜かれる前にカトレアの診察を依頼すればオッケー
779名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:20:01 ID:8Jvept0l
大勢を相手に戦えてたっけ?ケンイチ氏・・・
七万相手でも長老だったら生きて帰ってきそうだけど
780名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:20:02 ID:XUc6RHd/
>>768
姫様直属のレズ忍軍が傷心のアンを慰めます。
アニエス?
部下に慕われます、物凄く!
781名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:29:39 ID:L/vkbuIC
>>774
たしか、エグゼリカだったかと。
勝手にリミッターを解除されてて、ギーシュ戦で困惑してた。
782名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:32:16 ID:Wg7Wnn4V
ケンイチだと厳しいんじゃないか?
流水制空圏を使えてるなら行けるかも知れんが。
783名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:33:04 ID:Bs4bHQWA
ギーシュといえば、最初の決闘でギーシュにボコボコにされてる作品ってどんなのがある?
原作では一般人に対する魔法の脅威の表現+ガンダールヴの能力披露でボコボコにされた後勝ってるけど、
原作を知ってることが前提のこのスレでは前者が不要だから能力披露だけになってギーシュが一方的にやられんだよな。
784名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:33:13 ID:isJI4dx9
じゃあ肉体が武器の戸愚呂弟もだめだな。
パワー出した瞬間100%を越えたひずみが…
785名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:40:44 ID:qhtEvJ7y
>>784
時々は彼が、兄が変じた武器を用いて戦ってたのを思い出してあげてください
786名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:40:46 ID:UxKxaYdm
>>781
それそれ、思い出した。
そういう感じのパターンで行くと、手加減して半殺しするつもりが勢い余ってギーシュ全殺しとかありえそうだ。
787名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:41:28 ID:YP12Iw1S
>>783
パッと出てくるのやつだと『S-O2 星の使い魔』でクロードが殺されかけた
788名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:46:51 ID:yHeKG1px
>>779
それ以前にケンイチが戦争、それも侵略戦争(いや解放戦争っつー名分はあるが、
あくまでこっちから戦争を起こすって意味で)に参加するとは思えないんだが。
それこそ力ずくでもルイズを止めそうな気が。

>>774
ジョジョ系だったと思うが、ナイフ投げをしようと思ったら力が強すぎて
いつものように投げれない、てのがあった。
789名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:49:19 ID:EdTSvybW
>>783
印象深いのは微熱だな。
ギーシュ大勝利でサイトフルボッコという珍しい結末だった。
790名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:51:27 ID:InMsynRs
>>774
人の良い使い魔
Jの力が先住の力で始祖の力とバッティングして弱体化
791名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:54:47 ID:Dk0Ua41f
探せば弱体化ってのもあるのね
792名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 20:05:45 ID:iaIpNf6y
急激に上がった運動能力に、ガンダの効果が切れた途端に心停止になるお爺ちゃんってのはいないか?
793名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 20:07:07 ID:NSG3t4j3
>>774
名無し番おめ。
ミカヤの場合力が強くなりすぎて手加減に苦労していた。
794名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 20:08:02 ID:8Jvept0l
ヘキサゴンスペルへの対抗手段を持っているか居ないかで
実力が分かれる
795名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 20:15:00 ID:cu326vw5
>>771
「わが心、明鏡止水。なれどこの掌は烈火のごとく」だし。
怒りを捨て、迷いを捨て、より純粋な感情をあらわにするということだし。

>>769
でも嫌悪してるといっても、あくまで女性に近づきたがらない、ってだけだと思うが。
メフィスト医院には看護婦(中身が何かは知らないが)もいるし、女性の患者にも
優しいし。
見た瞬間、平民じゃないってわかるからひどい応対はしないだろうし(コッパゲ含めて)。
「お医者さまなの? ちいねえさまを助けられる?」
って聞かれたら、メフィストが助けないわけがない。
《新宿》にはいつでも帰れるだろうし。
796名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 20:17:15 ID:4AMgGbZ8
>>789
肉体的にというより、むしろ精神的にフルボッコという点も評価したいな、あれはw
797名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 20:22:05 ID:MvQGLnVr
>>795
メフィストの女嫌いはそんなレベルじゃねえ。
患者以外の女は死に絶えてしまえばいいと常々思ってるくらいだ。
ただし患者でさえあれば女にでも無償の愛を与えてくれます。
798名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 20:29:06 ID:LuiyUO1h
?メフィストの患者以外の女性観は
腐汁の詰まった水風船。ですよ
一瞥して、何も言わずに去っていくか、
とても新宿らしいことになるか・・・

まあ、ゼロ魔とは会わないような気がするけどねぇ・・・
799名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 20:34:05 ID:AVhPmJiU
そういやフーケ編もいろいろ分かれるよな。

1、原作通り
2、改心
3、退場した後2度と出てこない(死亡も含む)
4、フーケ編自体無い
5、その他

その他にはどんなのがあるかな。到底全部なんて読めないから分からない。
800名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 20:34:07 ID:Ksx8sGie
メフィスト先生ならちぃ姉さまもタバサママンも治してくれる
医術に関してはファウスト並みに便利キャラだよなぁ
強さも光速メス投げとかふざけてるし(本人は自分から戦おうとしないが)

ただ菊池作品の主役は総じて神も平伏す美形揃いだから
召喚ゲートからこの方を召喚するなんてとんでもないと自動的にゲートが消えそうな
801名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 20:41:21 ID:Dk0Ua41f
ファウスト医師って召喚されたことあるっけ?
802名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 20:43:46 ID:wO05EsJz
立て続けに丸投げ質問?少しは自分で調べろよ
803名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 20:45:17 ID:isJI4dx9
流石にネタだろ?
804名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 20:47:26 ID:yWuXRzTm
>>763
今更だが、コルベール先生が小頭のポジションで実はハゲが偽装で美形とかオスマンが女どころか微妙に稚児趣味まであったりするのか?
805名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 20:51:39 ID:wBVtdN0E
メフィストの師匠のファウストのことだろ。
806名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 20:51:49 ID:AVhPmJiU
そういうことならドSな銃士隊隊長どのはどうなる?
つかアンリエッタの悪口は多いが、そんな人に忠誠を尽くすこの人は何も言われないな。
807名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 20:54:21 ID:YP12Iw1S
そんな人に忠誠を尽くしてるからじゃないか?  と言ってみる
808名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 20:56:25 ID:Dk0Ua41f
まとめで調べたけどまだ召喚されてないね
というかシャーマンキングからは未だに誰一人として喚ばれてないのか
809名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 20:59:05 ID:9KJuh4DF
>>799
ジョジョの方だと記憶DISCを抜かれたりもしてるし出番もワルドより早いから不憫な目に会いやすいんだよなぁ
ギーシュよりはマシとはいえ
810名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 20:59:48 ID:cu326vw5
>>805
あれって漫画だけの設定?
漫画だとさやかちゃんとかに、普通に接してるよね、メフィ。

原作の怖いところはメフィストでさえも封じ込めるようなやつが
ごろごろ出てくるところだと思う。
811名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:00:13 ID:yHeKG1px
>>806
立場相応のことをしてるだけだからじゃね?

……まあそれ以前に、基本的にクロス作品では殆ど出番がない、
(話がそこまで進まない)ってことの方が大きそうな気もするが。

>>798
ゼロ魔とどーこー以前に「混ぜるな危険」でしょ、アレは……。
812名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:02:12 ID:i5xYfcna
ファウスト先生って名前のキャラはあちこちにいるからなぁ
813名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:10:02 ID:btF5mGGf
>>810
うんにゃ、小説にも登場する。メフィストとシビウの師匠。
んで、メフィストは実はファウストの最終試験を受けてなかったりする。(=無免許)
814ZERO A EVIL:2008/06/30(月) 21:12:20 ID:UnTRDi8M
こんばんは。
時間がかかってしまいましたが、なんとか第9話が出来上がりました。
9時20分ごろから投下したいのですが、よろしいでしょうか。
815名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:13:49 ID:uvMuTXIx
待っていた
816名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:13:54 ID:Gi9Lz0lF
>>810
彼女は別格というか聖女的な存在だからな
というか下手にぞんざいに扱うと想い人に嫌われるしw
817ZERO A EVIL:2008/06/30(月) 21:20:12 ID:UnTRDi8M
早朝、ルイズ達は使い魔の石像の前に集合していた。アンリエッタから、あの目立つ石像の前を集合場所にしましょうと提案されたのだ。
ルイズはさっきから石像の前をうろうろしている。どうやら緊張して落ち着かないようだ。
ワルドと話をするのも幼少期以来なので、ルイズが緊張するのも無理はなかった。

「少しは落ち着いたらどうだい、相棒」
「うるさいわね、私は落ち着いてるわよ」

そう言いながらも、今度は石像の周りをぐるぐる回り始めているので、その言葉に説得力はなかった。
ちなみにデルフリンガーは今はシエスタが持っている。メイジのルイズが長剣を持っているのはおかしいので、シエスタに持っていてもらっているのだ。
ルイズがデルフリンガーを持ってきたのは、いざとなればデルフリンガーを使って戦うこともあるかもしれないと考えたからだった。
夢に出てきたオルステッドは剣士だった。彼がこの不思議な力に関係しているのなら、自分も剣が使えるのではないかと考えたのだ。
もっとも、今のルイズはデルフリンガーを満足に振り回すこともできないのだが。

その時、空からグリフォンが現れ、ルイズ達の前に着地した。
グリフォンには羽帽子を被った長髪の男が乗っている。男はルイズの姿を確認すると、笑顔を浮かべて話しかけてきた。

「ルイズ、僕のルイズ! 久し振りに会えて嬉しいよ!」
「私もですわ、ワルド様! お会いできる日を楽しみにしておりました!」
「きれいになったね。幼少の頃から君はかわいかったけど、成長して一段と美人になったよ」
「ワルド様……」

ルイズはうっとりとした視線をワルドに向けている。その姿は恋する少女そのものだった。
二人の間に入りづらいシエスタ達は静かにその様子を眺めている。

「ルイズ。そこにいる二人が今回の任務の協力者だね」
「はい。メイドのシエスタと学院長の秘書をしているミス・ロングビルです」

アンリエッタから協力者のことを聞いていたワルドは、ルイズに確認を取った後、シエスタ達の方に向き直り羽帽子を取って一礼する。

「姫殿下から今回の任務を任されたグリフォン隊隊長、ワルド子爵だ。危険な任務だがよろしく頼むよ」
「こ、こちらこそ! 足手まといにならないようがんばりますので、よろしくお願いします!」
「……よろしくお願いします」

ルイズの許婚の貴族に挨拶されたシエスタは、恐縮して頭を何度も下げている。だが、ロングビルは違った。
どうにも、ワルドのことが信用できないのだ。今まで盗賊として名を馳せてきた自分の勘がそう告げていた。

ロングビルがそんなことを考えているとは思ってもいないルイズは、ワルドと出発の段取りをしていた。

「ワルド様、私達はミス・ロングビルの用意してくれた馬車で出発するつもりなのですが」
「では、僕はグリフォンで空から行くことにするよ。怪しい者が君達に近づいてきてもすぐわかるようにね」
「ありがとうございます」
「任務の間は、僕は女王陛下ではなく君の魔法衛士さ。グリフォン隊隊長の名誉にかけて君を守ってみせるよ」

その言葉を聞いたルイズは、真っ赤になって俯いてしまう。嬉しさと恥ずかしさで、どういう返事をすればいいのかわからなかった。
818ZERO A EVIL:2008/06/30(月) 21:21:08 ID:UnTRDi8M

「よし、では諸君、出撃だ!」

そんなルイズの気持ちを知ってか知らずか、ワルドは変わらぬ様子で全員に出発を告げる。
真っ赤になって俯いてしまっているルイズは、シエスタに手を引かれながら馬車に乗り込むのだった。

偽装工作がうまくいったのか、特に問題もなく、ルイズ達はその日の夜に港町ラ・ロシェールに到着することができた。
だが、アルビオンへの船は明後日にならなければ出ないらしい。急ぎの任務だが船が出なければどうしようもなかった。
仕方がないので、ルイズ達はラ・ロシェールで一番上等な宿『女神の杵』に泊まることにした。
シエスタは平民の自分がこんなすごい宿に泊まっていいのかと恐縮していたが、ルイズだけでなくワルドまで勧めてくれた宿を断ることはできなかった。

「部屋は二つ取ってある。部屋割りは僕とルイズ、ミス・ロングビルとシエスタだ」
「ワ、ワルド様!」
「ルイズ、僕は君と二人っきりでゆっくり話がしたいんだ。長い間会っていなかったのだからね」

最初は相部屋に驚いていたルイズだが、真剣な顔で自分を見つめてくるワルドを見てしまえば何も言うことができなくなってしまう。
それに、好きな人が自分と二人っきりになりたいと思ってくれているのだ、反対する気など起こるわけもない。
結局、ルイズはワルドと一緒に部屋に向かっていった。

その場に残されたシエスタとロングビルは、ワルドに連れられるように歩いているルイズの後ろ姿を眺めていたが、ルイズの姿が見えなくなると自分達の部屋に向かって歩き始めた。

「ルイズ様、嬉しそうでしたね」
「そうね。浮かれすぎて足元をすくわれなければいいけど……」
「え、それってどういう意味ですか?」

ロングビルの言い回しが気になったシエスタだが、質問の答えが返ってくることはなかった。

部屋に着いたルイズは、ワルドに促され中央に備え付けてある椅子に座っていた。
ワルドはワインとグラスを用意すると、テーブルの上に置き、ワインを注いだグラスの一つをルイズに手渡す。

「二人の再会を祝して乾杯しよう。さあ、ルイズ」
「は、はい」

二人はグラスを合わせると、注がれているワインを飲む。最初は緊張していたルイズだが、ワインのお陰なのか、少しずつ緊張がほぐれてきたようだ。
それから二人は、離れていた時間を埋めるようにお互いに起こった事を話し始める。
ワルドは父親の死後、魔法衛士隊の見習いになった事、そして努力の結果グリフォン隊の隊長にまで上り詰めた事を話し、ルイズは魔法学院に入学した後、使い魔召喚の儀式で初めて魔法が成功した事を話した。
そして、使い魔との契約の際に自分の左手の甲にルーンが刻まれ不思議な力が使えるようになり、土くれのフーケを撃退した事もルイズは話してしまう。

「君が土くれのフーケを撃退したことは知っていたが、まさかそんな力が働いていたとは知らなかったな、ちょっと左手のルーンを見せてもらってもいいかい?」
「ど、どうぞ」

ワルドはルイズの手を取って、真剣な顔でルーンを見ている。手を触られていることでルイズの顔は真っ赤になってしまっていた。
819ZERO A EVIL:2008/06/30(月) 21:22:16 ID:UnTRDi8M

「間違いない、これはガンダールヴのルーンだ」
「ガンダールヴ?」
「ああ、始祖ブリミルが用いた伝説の使い魔さ」

ワルドの話では、ガンダールヴはあらゆる武器を使いこなし、敵から主を守る盾となったため『神の盾』とも呼ばれた使い魔とのことだった。
にわかには信じられなかったが、実際に破壊の杖を使用してフーケのゴーレムを倒せたことを考えれば、納得できる所もある。
だが、あの力は本当にガンダールヴの力なのだろうか。何故だかはわからないが、何となくそれだけではないような気がした。

「誰でも持てるような力じゃない。君はそれだけすごい力を持ったメイジなんだ」

ワルドはルイズの手を握りながら興奮気味に語りかけてくる。

「ルイズ、僕と結婚してくれないか。僕には君が必要なんだ」

ワルドからのいきなりのプロポーズにルイズの頭は混乱してしまう。嬉しいはずなのだが、急な展開に頭が追いついていかないのだ。
ワルドは、返事もできずに俯いてしまったルイズの顔に否定の色がないことを悟ると、ルイズの顎を持ち上げ唇を合わせようとする。
恥ずかしさで瞳が少し潤んでいるルイズは、そのままワルドとキスしてしまうのだった。
ルイズにとってはファーストキスだったが、好きな人に捧げることができたのが嬉しかった。使い魔の石像は生物ではないのでノーカウントである。
ワルドは、そのまま勢いに任せてルイズの着ているブラウスのボタンに手をかけようとしている。これから行われるであろう事を想像してしまい、ルイズの頭はパンク寸前になってしまう。
しかし、頭のわずかな冷静な部分が訴えかけてくる。姫様は苦しんでいるのに、自分ばかりが幸せな目を見ていいのかと。

「ワルド様、これ以上は駄目ですわ。まだ、大事な任務の途中ですし……」
「……すまない。僕としたことが、君があまりに魅力的だから少し焦ってしまったようだ」

そう言うとワルドはルイズから離れる。ワルドを傷つけてしまったかもしれないとルイズは心配したが、ショックを受けているような様子はなさそうだった。

「今日は疲れただろうし、もう寝ようか。結婚の返事は後でもかまわないよ」
「ありがとうございます、ワルド様」
「うん、おやすみルイズ、いい夢を」

だが、ルイズは興奮しているせいか中々寝付くことができなかった。それに、再びあの不思議な夢を見る可能性もある。
あの夢にこの不思議な力のヒントが隠されているかもしれないと考えると、妙に目が冴えてしまうのだった。
何としてもこの力を使いこなし、ワルドの力になりたいとルイズは思っていた。
そんな風に考えていたルイズだが、しばらくすると睡魔に襲われ、深い眠りの中に落ちていった。
820名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/30(月) 21:23:08 ID:yz/jAh2t
支援
821名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:23:16 ID:zy5grZtf
私怨
822名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/30(月) 21:23:20 ID:yz/jAh2t
支援
823ZERO A EVIL:2008/06/30(月) 21:23:53 ID:UnTRDi8M

ルイズは夢を見ている。

夢の中のルイズは金髪の剣士だった。
ルイズにはストレイボウという親友がおり、二人はお互いを高めあいながら自分の技を磨いていった。
ある日、ルクレチア国で武闘大会が開かれることを知った二人は、自分の力を試すために大会に参加することにした。
順調に勝ち上がった二人は、ついに決勝戦でぶつかり合うことになる。勝った方が王の娘、アリシアに求婚する権利を得られることもあり、二人とも真剣勝負で戦いに望んだ。
激しい戦いの結果、ルイズが勝利を収め、武闘大会はルイズの優勝で幕を閉じた。
だが、その日の夜、ルイズの目の前でアリシアが魔王に連れ去られてしまう。
かつて勇者ハッシュに倒された魔王が蘇ったことで城内は騒然となる。そんな中、ルイズは魔王を倒し、アリシアを救い出すため魔王がいる山に向かう。
途中でストレイボウ、かつて勇者ハッシュと共に魔王と戦った僧侶ウラヌス、人間が信じられなくなり山に篭っていた勇者ハッシュを仲間に加え、ルイズは魔王山を登っていく。
そしてついに魔王の元に辿り着いたルイズ達は、激戦の末に魔王を打ち倒す。
だが、倒したのは魔王ではないとハッシュは言う。魔王との戦いで傷を負い、病も患っていたハッシュは、ルイズに自分の剣と人を信じるという想いを託し、命を落としてしまう。
その時、魔王がいた部屋が激しい揺れに見舞われる。ルイズ達は急いで部屋を出るが、ストレイボウが逃げ遅れてしまう。
ストレイボウとハッシュを失い、アリシアを救い出すこともできなかったルイズ達は失意のまま城へと戻った。
王に魔王山での出来事を報告し、城で休んでいたルイズは、夜中に目を覚ますと玉座にいる魔王を発見する。
すぐさま魔王を倒したルイズだが、気が付くと魔王の姿は消え、そこには血まみれで息絶えている王の姿があった。
その場に現れた大臣と兵士達に、王だけでなくストレイボウとハッシュを殺した疑いまでかけられたルイズは、魔王と呼ばれてしまう。
ウラヌスのお陰でなんとか城から逃げ出せたが、もはやルイズのことを信じてくれる者は誰もいなかった。
そして、捕らえられたウラヌスが心配になり城に戻ってきたルイズは、兵士に捕まり牢屋に入れられてしまう。
そこでウラヌスと再会できたのだが、彼は瀕死の状態だった。ルイズが魔王ではないと言い続けたせいで拷問にかけられたのだ。
そんな目にあっても、ウラヌスはルイズに、人間を憎まずに自分達が命をかけて守ってきたものを守り続けてくれと願いを託す。
そして、最後の力を振り絞り牢屋の鍵を開けたウラヌスは、ルイズのことを信じているであろうアリシアを助けに魔王山に向かえと告げるとそのまま息を引き取った。
牢屋を脱出したルイズは、再び魔王山を登っていく。自分を信じて待っていてくれているアリシアを助けるために。
魔王がいた部屋に辿り着いたルイズは、石像の下にある隠し通路を見つけ、さらに上へと登っていく。
山の頂上までやってきたルイズを待っていたのは、大きな騎士の石像と死んだと思っていたストレイボウだった。
死んだはずの親友がいきなり現れたことにルイズは動揺する。だが、そんなルイズをあざ笑うようにストレイボウは真実を語り始める。
魔王の部屋で起こった激しい揺れも、ルイズが王を殺してしまったのも、全てストレイボウが仕組んだことだったのだ。
ストレイボウはルイズを憎んでいた。自分がいくら努力しても、すぐ追い抜いていってしまうルイズに苛立ちを覚えていたのだ。
そして、ストレイボウはルイズに戦いを挑んでくる。ルイズの引き立て役だった過去に決別するために。
激闘の末に、勝利を収めたのはルイズだった。だが、勝利の余韻などはなく、心には虚しさだけが残った。
その時、ルイズと倒れ付したストレイボウの前にアリシアが現れる。すぐに駆け寄ろうとしたルイズだが、アリシアから発せられたのは拒絶の言葉だった。
真相を知らないアリシアは、ルイズが助けにきてくれなかったことを責める。そして、助けにきてくれたストレイボウを殺したルイズに言葉を投げかける。
ルイズには負ける者の悲しみなどわからないという憎しみの言葉を……
そして、ストレイボウの後を追うためにナイフで自分の喉を突き刺し、ストレイボウと折り重なるように倒れ付した。
全てを失ってしまったルイズは、その場に崩れ落ちるように膝をついてしまうのだった。
824名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/30(月) 21:24:10 ID:yz/jAh2t
支援n
825名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:24:21 ID:hRusiUHE
>>800
ハルケギニアは月が2つあるんだ。
それだけでメフィスト先生を呼ぶ意味があるw
826名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/30(月) 21:24:37 ID:yz/jAh2t
支援
827ZERO A EVIL:2008/06/30(月) 21:24:51 ID:UnTRDi8M

ふと気が付くと、ルイズは金髪の剣士ではなくなっていた。
ルイズは先程よりも少し高い場所から、倒れているストレイボウとアリシア、そして膝をついている金髪の男を見つめていた。
やがて金髪の男が顔を上げる。男の目は絶望と憎しみに満ち溢れていた。
そして、金髪の男はある宣言をする。それは今までの自分を全て捨て去ることを意味していた。

「私には……もう何も残されてはいない……帰る所も……愛する人も……信じるものさえも……
 魔王など……どこにもいはしなかった…… 
 ならば……この私が魔王となり……自分勝手な人間達にそのおろかさを教えてやる……
 私は今より……オルステッドなどではない……わが名は……魔王……オディオ……!」

そのオルステッドの言葉を聞いた瞬間、ルイズは目を覚ました。
以前の夢では、オルステッドとストレイボウの会話を聞き取ることはできなかった。
だが今回は違う。ルイズはオルステッドの身に起きた事を全て知ってしまったのだ。

「なんで……こんな……酷すぎるわ……」

瞳からは涙が溢れて止まらなかった。オルステッドの悲劇を体験したルイズには、彼の悲しみと絶望が痛いほどよくわかったからだ。
外出でもしているのかワルドの姿は見当たらない。みっともなく泣きじゃくっている姿を見られないですんだのは運がよかった。
その時、ドアがノックされる音が部屋に響く。

「ルイズ様、朝食の用意が……どうかなさいましたか?」

朝食の用意ができたことを知らせにきたシエスタだが、ルイズの様子がおかしいことに気付く。泣いているような声がドア越しに聞こえてきたからだ。
心配になったシエスタは、失礼だとは思いながらも扉を開けてルイズの様子を伺うことにした。すると、ベッドの上で泣いているルイズの姿が目に飛び込んできた。

「ルイズ様、大丈夫ですか!」

自分の方に駆け寄ってきたシエスタに、ルイズは縋り付くように抱きついた。シエスタの柔らかい胸に顔を埋めていると、心が安らいでいくのがわかる。
シエスタに甘えている自分をみっともないとは思う。だが、全てに裏切られたオルステッドと違い、自分には側にいてくれる人がいることが嬉しかった。

シエスタと一緒にルイズの部屋までやってきていたロングビルは、扉の隙間から二人の様子を覗いていた。
そこにワルドが現れる。ロングビルの様子からルイズに何かあったのに気付いたようだ。

「ミス・ロングビル、ルイズに何かあったのかい?」
「少し具合が悪いそうです。シエスタが看病していますので問題ありません」
「そうか。では、僕も少し様子を……」
「ミス・ヴァリエールはあなたに今の顔を見られたくはないはずですわ。ここは私とシエスタにお任せください」
「……そうだな。ではここは君達に任せるよ」

そう言ってワルドはこの場を離れていった。
ルイズがワルドに今の状態を見られたくないというのは事実だろうが、それとは別に、ロングビルはルイズとワルドを会わせたくなかった。
自分がワルドを信用できないというのもあるが、ルイズがワルドを信頼しすぎているのが心配だったからだ。
828名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/30(月) 21:25:04 ID:yz/jAh2t
支援
829名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/30(月) 21:25:17 ID:yz/jAh2t
支援
830ZERO A EVIL:2008/06/30(月) 21:25:38 ID:UnTRDi8M

夜になり、ワルドが一人で一階の酒場で飲んでいると、二階からルイズ達がやってきた。

「ルイズ、具合はもういいのかい?」
「もう大丈夫です、ワルド様。ご迷惑をおかけしました」
「気にすることはない。君が元気ならそれでいいさ」
「ありがとうございます」

ワルドに優しい言葉をかけてもらったルイズは嬉しそうにしている。元気になったルイズを見て、シエスタも安堵の表情を浮かべていた。
だが、ロングビルだけはどこか不機嫌そうな表情をしている。

「さて、お腹もすいてるだろうから、何か料理でも注文しよう」

ワルドが料理を注文するために席を立とうとしたちょうどその時、入り口の扉が物凄い音を立ててぶち破られる。
そして、鎧を着て武器を手に持った傭兵と思える集団が大挙して押し寄せてきた。
いきなり現れた傭兵の集団に、ほとんどの人間が慌てふためき逃げようとする。だが、勇敢にも立ち向かう者もいた。

「おのれ、礼儀知らずな傭兵どもめ! このワ・タ・ナーべが相手だ!」
「父上ッ!」
「お前は下がっておれ!」

親子連れの貴族の父親が傭兵に戦いを挑む。どうやら風のメイジらしく、近づいてきた傭兵達をエアハンマーで吹き飛ばしていた。
その隙に、ワルドは床と一体になっているテーブルの足を折り、ルイズ達にこの裏に隠れるよう指示を出す。
だが、デルフリンガーをシエスタ達の部屋に置きっ放しにしてきたことに気付いたルイズは、ワルドが指示を出す前に二階に向けて走り出していた。

「ルイズ様!」

シエスタも慌てて後を追おうとするが、ロングビルに止められてしまった。

「まだ二階は大丈夫だから大人しく隠れてな!」
「は、はい!」

有無を言わせぬロングビルの迫力に、シエスタはテーブルの裏に隠れることしかできなかった。
確かに、傭兵達は親子連れの父親の魔法で前に進めなくなっている。ワルドや他の貴族も加わり、戦いは拮抗していた。

「さすが父上!」
「この程度の傭兵に遅れは取らんわ。ハアッハッハッハッ!」

だが、傭兵達は徐々に魔法が届かない位置まで後退し、今度は弓矢による攻撃に切り替えてきた。
すでにかなりの精神力を消耗していた親子連れの父親は、弓矢による一斉射撃を防ぎきることができず、体の至る所に矢を受けその場に崩れ落ちる。

「ち……父上ええッ!!」

矢を受け倒れた父親を息子は泣きながら後ろの方に引きずっていく。
これにより他の貴族は恐れをなしたのか、目に見えて攻撃を行う者が減ってきた。今や魔法で攻撃を行っているのはワルドを含めて数人ほどであった。
831名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/30(月) 21:26:05 ID:yz/jAh2t
支援
832名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/30(月) 21:26:20 ID:yz/jAh2t
支援
833名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/30(月) 21:26:25 ID:yz/jAh2t
支援
834名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:26:40 ID:lm5QENYV
ワタナベーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!
835ZERO A EVIL:2008/06/30(月) 21:26:48 ID:UnTRDi8M

その時、二階から戻ってきたルイズがテーブルの裏に滑り込んできた。その手にはデルフリンガーが握られている。

「戦況は?」
「良くないね。あいつら、メイジとの戦いに慣れてるみたいだし」
「もしかして、狙いは私達かしら?」
「だろうね。強盗にしちゃ数が多すぎるよ」

ルイズとロングビルが話しているとワルドが会話に入ってきた。

「このような場合、半数が目的地に辿り着けば任務は成功となる。従って、ミス・ロングビル、囮になってはもらえないだろうか?」
「で、でもワルド様……」
「僕とルイズには重要な任務があるし、平民のシエスタには囮はできない。それに、土のメイジのミス・ロングビルならゴーレムを作って敵の目を惹きつけることができる」

ワルドの言うことはもっともだが、ルイズとしてはここでロングビルを置いていくのは気が引けた。いくら土くれのフーケといえど、この数の傭兵を相手にして無事でいられるとは思えない。
一方、ロングビルは溜息を一つ吐くとルイズの正面に向き直った。

「こうなったらしょうがないね。そんな心配そうな顔しなさんな、私の力はあんたが一番よく知ってるだろ」
「……わかったわ。あんたにはアルビオンを道案内してもらうんだから死なないでよね」
「その時は私の家族をあんたに紹介するよ。あの子とも仲良くできそうだからね」
「楽しみにしとくわ。ワルド様、シエスタ、行きましょう」

ルイズはワルドとシエスタを促して裏口へと向かう。
シエスタもルイズの後に続こうとしたが、ロングビルに呼び止められる。どうやら何か伝えたいことがあるようだ。

「シエスタ、ルイズの側を離れるんじゃないよ。私の勘が正しければ、あの子を助けられるのはあんただけだからね」
「わかりました。ミス・ロングビルもお気をつけて」

そして、シエスタもルイズの後を追って走り出し、その場に残されたのはロングビルだけになる。

「まったく、土くれのフーケともあろうものが随分とお人よしになったもんだね」

フーケがここまでルイズに肩入れする理由は、大事な家族であるティファニアとルイズが似ているからだった。もちろん容姿ではない、似ているのはその境遇だ。
ハーフエルフとして産まれたせいで人々からその力を恐れられ、自分を怖がらない子供達とひっそりと暮らすティファニア。
使い魔を召喚した後に手に入れた不思議な力のせいで多くの生徒達に恐れられ、魔法学院ではシエスタしか親しく話す相手がいないルイズ。
どちらも持っている力に振り回され孤独になっていったのだから……

「さあて、こんな所で死ぬわけにはいかないからね。いっちょ気合入れてやるとするかい!」

フーケは傭兵達の弓矢の攻撃が収まる一瞬の隙を突いて駆け出すと、頭から窓を突き破った。
そうして外に出ると、岩でできた巨大なゴーレムを作り上げる。突然現れた巨大ゴーレムに傭兵達が慌て始めた。

「誰に喧嘩を売ったのか教えてあげようじゃないか。覚悟しな!」

土くれのフーケ、久々の本領発揮であった。
836名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:27:20 ID:RMGCNcqV
ワタナベーーーーーーーー!! 遂に出てきたかぁぁぁぁぁぁぁ!!
私怨!!
837ZERO A EVIL:2008/06/30(月) 21:27:29 ID:UnTRDi8M
以上で投下終了です。支援ありがとうございました。
あの親子はLIVE A LIVEには欠かせない存在なので、最初からどこかで出したいと思ってました。
838名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/30(月) 21:27:36 ID:yz/jAh2t
支援
839名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/30(月) 21:27:48 ID:yz/jAh2t
支援
840名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:27:52 ID:lm5QENYV
乙!
841名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/30(月) 21:28:15 ID:yz/jAh2t
GJ!
842名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:32:37 ID:hRusiUHE
投下乙です。
そして、投下中の割り込みすみません。
あの世ででZERO A DEVIL氏にわび続けます。
843名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:37:01 ID:hMaFRM9h
投下乙
この夢を見たあとに裏切りは……シエスタ、お前さんだけが頼りだ!
844名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:41:03 ID:8hSEGm8M
GJ!
そういえば幕末編の夢はまだ見てないよね?
なにか意味があるのかな?
845名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:43:39 ID:lm5QENYV
>>844
…ワルドとの結婚式… ボソッ
 … …

そろそろ470kbか…
846名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:47:04 ID:yHeKG1px
GJしたー。
……あー、この後を考えると鬱になる。
「裏切り」って重要なタームだからなぁ……。
847MtL:2008/06/30(月) 21:49:45 ID:kcVNTPEW
10時から投下しようと思うのですがよろしいでしょうかー。
848名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:53:47 ID:yHeKG1px
んー……微妙?
15k程度なら大丈夫だと思うけど。
849名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:54:45 ID:hYQkwYR5
>>844
……カエル
850MtL:2008/06/30(月) 21:55:28 ID:kcVNTPEW
あー、今確認したらもうちょっとありますね。
次スレが立ったら投下することにしますー。
851名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:58:58 ID:B2KqCtYD
しかし最近は1000までいかなくなったな。
852名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 22:01:06 ID:YP12Iw1S
それだけ多くの作品が投下されてるって事だから、いいじゃないかw
853名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 22:02:52 ID:zy5grZtf
うむ、多くの作品が読めるのは良い事だ。
ところでウルトラ五番目の最新話がwikiにうぷされてないみたいなんだが、これって作者が上げる待ち?
854名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 22:02:57 ID:uvMuTXIx
ワタナベのトーチャンうわあああああ
855名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 22:06:34 ID:B2KqCtYD
別に悪いとは言ってないがな〜^^

ワタナベ・・・いたなあ、各時代で酷い目に合うあれ。
856眠りの地龍:2008/06/30(月) 22:07:22 ID:M/K+HIhG
さすれば次スレのMtLさんの後に投下予約。
857名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 22:07:45 ID:isJI4dx9
>>853
Q:あの作品がまとめに無いんですけど……。
A:気付いた人が積極的にやりましょう。

昨日いくつかwikiに追加したけど、読んでもいない作品を勝手にまとめに入れるのは失礼かなー
と思ってるので自分が読んでない作品は他の人に任せてる…
858名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 22:11:22 ID:yHeKG1px
なんか最初に編集作業やると、その後も自分があげなきゃって気にはなってるんで、
とある作品についてはやるようにしてるなぁ。
859名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 22:14:22 ID:FgSnXH4P
ゴモラの人ではありませぬか!
この日をどれだけ待った事か!
860名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 22:15:00 ID:uvMuTXIx
なんと
眠りの地龍の人が眠りから目覚めたぞ
861名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 22:15:37 ID:WyPAeqrI
これは早いところ埋めねばならぬ
862名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 22:16:47 ID:lm5QENYV
取り敢えず次スレ立ててくる
863名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 22:18:59 ID:isJI4dx9
ちょっと早いけど現状では投下できないし仕方ないか…
864名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 22:20:36 ID:lm5QENYV
次スレ
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part150
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1214831965/
865名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 22:21:32 ID:yHeKG1px
>>864
乙。

まあ、ぎりぎりでいっぱいになりましたー、とかもアレやしねぇ。
866名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 22:28:27 ID:lm5QENYV
取り敢えず誰かの埋め立てネタの投下待ちか
次スレに投下される作品の支援所にでもするか
867名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 22:29:51 ID:JDJzpjnq
右対スレ戦闘、CIC指示の目標、埋めー立てはじめー
868名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 22:32:00 ID:zy5grZtf
ゼロ魔の世界ってさー、ジョセフ(とイザベラ)さえ魔法が普通に使えてたら結構平和なんだよねぇ…
或いはシャルルが弟じゃなく兄だったら問題なかったのかな
869未来の大魔女候補2人 ◆kjjFwxYIok :2008/06/30(月) 22:33:04 ID:w0HhDqir
最近1000までいってないな
870名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 22:33:55 ID:w0HhDqir
あっ……
コテハン外し忘れた。サーセン
871名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 22:36:41 ID:4sGMcUcC
>>869
力作の投下が多いってことだ。
よきかなよきかな
872名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 22:36:47 ID:Dk0Ua41f
>>869
ほら、いらんものを色々と貼るおかしな人がいるからスレの容量を圧迫してるんだよ
873名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 22:37:42 ID:yHeKG1px
>>868
或いは、シャルルがもうちょっと悪い人間であったら、かなぁ。
874名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 22:38:27 ID:Gi9Lz0lF
小ネタ怪盗フーケ

オスマン 「コッパゲ君、フーケは本当に破壊の杖を狙ってくるのかの?」
コルベール 「……学院長。 どうやら来たようですよ。」
フーケ 「ハッハッハッ! 怪盗土くれのフーケのお出ましだよ!!
      んじゃ2000エキュー出すからこれ貰っていくよ。
      あ、妹へのプレゼントだからちゃんと包んでおくれよ。」
オスマン 「毎度あり……」
フーケ 「ハッハッハッ!」
875名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 22:50:51 ID:FgSnXH4P
2000エキュー確かに領収しました

            ―オスマン
876名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 22:54:17 ID:QwESxiAD
ワタナベwww
877名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:00:10 ID:6DQYXH//
878名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:02:35 ID:C1c5pw0p
>>869
次スレ立てんのが早過ぎんだよ!
879名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:03:32 ID:83y+hd5n
>>878
大作連続投下が続いて容量喰いまくるからしょうがないよ。
880名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:06:24 ID:zy5grZtf
>>878
逆に考えるんだ、過疎るよりよっぽど(・∀・)イイ!!と考えるんだ
881名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:06:55 ID:B2KqCtYD
次スレ立てるのが早いから1000いかないんじゃないぞ。
容量が一杯になるから1000いかないんだ。
882名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:11:33 ID:jOe0jlIA
ええと、今で475KBか。
結構あるな……でも大作が多いから念を入れて新スレなのか。
883名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:14:52 ID:YP12Iw1S
予約が二つもあったからな。

それでは、作品を投下できない俺らは適当に埋めるか?
884名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:16:41 ID:LuiyUO1h
今までに読んだ作品の、良いところを書いてみるのはどうだろう?
885名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:17:05 ID:6KN6IhfS
偽テンプレ荒らしが今回は投下中自重してたな
886名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:17:51 ID:isJI4dx9
最近は30kbくらいあるのも珍しくないからな
ギリギリで乙でしたーとか言ってて次スレ移行がgdgdになると重複する可能性もあるし…
887名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:18:20 ID:zy5grZtf
作品の構想はいくつかあるし読める程度のモノは書ける自信はあるんだけど「書き続ける」自信がないんだよなぁ…
誰か俺の代わりにSS書いてくれないか原作俺で。
888名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:20:29 ID:B2KqCtYD
自重してるんじゃなくて埋もれるのが嫌だったんだろ。
NG登録ですっきりすればいいだけだがな。
889名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:20:58 ID:+Eb7oK3G
思いつき=ネタじゃないぞ
思いつきを整理して一つの糸に紡いで初めてネタになるんだ
原作者名乗るなら更にそのネタを織って布にしてから威張れ
890名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:21:47 ID:LuiyUO1h
ということで、言い出しっぺが書いてみる

作品名:待つのと待たせるのとどちらが辛いね
出展:走れメロス

まさか、太宰作品からクロスするとは思わなかったw
力の抜けるようなばかばかしさと、メロスの大まじめさがgoodというか、なんというか
最近の小ネタ系では一番おもしろかった
891名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:23:05 ID:6KN6IhfS
>>887
ならばウン!と一晩で一気に書き上げるのだ
筒井康隆は執筆活動を排便行為に例えていた。
892名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:23:49 ID:B2KqCtYD
ところで小ネタで自力帰還が可能で即行で帰れるキャラを呼ぼうと思うんだが、TFPバイク付きの破壊魔、仮面ライダーBLACKRXと・・・他に何かないか?
893名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:25:44 ID:JDJzpjnq
いっそラノベ「ゼロの使い魔」を14巻まで持ってて内容も知ってる奴をだな(ry
894名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:26:56 ID:zy5grZtf
でかくてもいいなら勇者王の白き箱船「ジェイアーク」が異次元航行可能な筈。
後はウルトラマンに出てくるボス級宇宙人どもとか。
時渡りポケモン・セリビィもいける気はするが、そうするとパルキアやディアルガもこれそうな。
895名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:27:18 ID:ByL0PcAb
海外アニメのアトミック・ベティ
宇宙の彼方まで一日の間に何度も呼び出される多忙振り

こいつなら地元で日常生活送りながらルイズに呼ばれる度に出勤出来る
896名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:32:31 ID:6KN6IhfS
同じ宇宙の違う星か完全に別世界かで変わってくるな
897名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:33:14 ID:Dk0Ua41f
>>892
アルファシステムの八神
Q連続体
898名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:34:04 ID:WyPAeqrI
>>892
スタートレックのQなら何とかなるな
脳味噌沸騰するまで考えてもまともな作品に出来る自信は無いが
899名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:34:40 ID:zy5grZtf
地球とハルケギニアが同じ宇宙に存在するなら悟空の瞬間移動で行き帰り出来るんだな、そういえば。
900名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:37:10 ID:B2KqCtYD
>>899
それは考えたんだが、そうすると地球がDBの地球になるからなあ。
別次元の方が都合がいいのだが。
小ネタでそこまで難しく考えんでもいいのかな。
901名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:38:03 ID:km6rBv74
思い付くのが、ドラえもんの「どこでもドア」ぐらいしかなかった…
902名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:38:47 ID:WyPAeqrI
>>900
幽遊白書の桑原くらいなら丁度良いかもな
903名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:39:42 ID:+Eb7oK3G
次元刀はそこまで便利な代物じゃないと思うぞ
904名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:42:28 ID:ByL0PcAb
どこでもドアも限界があるからな
既知の宇宙の外にあったコーヤコーヤ星付近へは二度と行けなくなったし
905名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:42:53 ID:iaIpNf6y
>>902
あれは次元の回廊を塞いでた結界を切り裂いただけだぞ。
906名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:43:39 ID:7QXMzmcu
>>892
アンリミテッドサガのイスカンダール
907名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:43:43 ID:w0HhDqir
>>892
アンサガのイスカンダルも自力帰還可能っす。
何だかんだで暫らく留まってくれそうですが、無敵すぎるしコントラクト・サーヴァント自体を無効化しそうなので正直難しいキャラです。

あとは、saga2の天使の翼とかがありますね。
908名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:44:14 ID:QwESxiAD
ダオスかな
909名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:44:27 ID:w0HhDqir
>>906
お前は俺か
タイミング合いすぎだろww
910名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:44:52 ID:isJI4dx9
第6世界群と考えれば風を渡れる人たち全般は比較的容易に行き来できるかな。
あとラクリマ界の竜騎兵。
911名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:45:14 ID:qhtEvJ7y
>>905
いや、閉じこもってる犯人が居る建物に突入する際に
空間を切り裂いて内部に突入する入り口を造ったりしてた
912名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:46:12 ID:WyPAeqrI
>>901
どこでもドアは確か距離制限あった気がする、10光年だったかな

>>905
最後の宗教テロん時に都合よく瞬間移動みたいなこともしてたんだぜ
913名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:46:21 ID:QwESxiAD
>>906-907
結婚式には呼んでくれよw
914名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:47:44 ID:7QXMzmcu
>>909
リール回そうぜ!
915名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:47:59 ID:uKX+VGTh
後期魔導物語のサタンあたりもできそうだ
916名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:49:22 ID:Vokh4/76
雪菜に会う為なら次元も越える、それが桑原クオリティ。
917名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:55:00 ID:zy5grZtf
幽白ならむしろ闇撫の樹だろ
918名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:55:39 ID:B2KqCtYD
桑原なら・・・やりかねん
919名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:56:57 ID:5RtlagHu
500kbなら、「映画ドラえもん のび太と魔法の大陸」投下
920名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:58:43 ID:YP12Iw1S
>>892
一輝兄さんは生きたまま冥界の最深部に一気に行けるんだ。次元の壁を越えるくらい簡単だろw
921名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:00:28 ID:pWWwygiP
そういう意味じゃ黄金聖闘士はほぼ全員そういう事出来そうだよな…
蟹ですら普通にテレポーテーションしてたし。

マニゴルドのかっこうよさに蟹座の俺が泣くんだぜ
922名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:05:15 ID:YP12Iw1S
そっちは知らないが、同じく蟹座のオレはエピGデスマスクの悪を貫くかっこよさに泣いた

何で無印の蟹はあんなんだろうな…
923名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:05:22 ID:46kZv6y1
デスマスクが>>921を見ています。
924名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:06:07 ID:rKuJQJZ5
ハルケギニアの人間から見たら聖闘士の技は先住魔法に見えるのだろうか
あくまでも力で地面をひっぺ返すアルテバランのタイタンズノヴァとかも土の先住魔法と勘違いされそう
925名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:07:50 ID:aHX6CGsS
どーでもいいがふっ飛ばされて地面に顔面から落ちるギーシュを幻視した
926名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:08:47 ID:d9FCON3B
ハルケギニアの人達って単純なバカ力に耐性が無いよな
927名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:09:04 ID:rt9U79/X
>>920
使い魔になることを拒否されて切れたルイズの失敗魔法で(なぜか)真上に吹き飛ばされ
頭から地面に落ちる一輝
   ↓
聖衣にヒビが入り、粉々に壊れる
   ↓
一輝「バ、バカな!? 88の星座の中で最強を誇る不死鳥の聖衣が砕け散るとは!」


という流れが連想されたわけだが
928名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:09:08 ID:km6rBv74
>>925
ついでに、ふっ飛ばされて地面に顔面から落ちるワルドを幻視した
929名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:11:40 ID:BxB3n98L
今回こそは1000行ける気がしてきたぞ…
930名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:13:16 ID:4Mg4kAew
辰巳にやられてた雑兵ならまだしも
青銅聖闘士でも直球勝負じゃハルケギニアの連中では誰一人として止められんぞ
931名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:14:55 ID:0RjRKBQu
あとは埋めるだけ?
932名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:18:32 ID:in/sXuiM
テレポーテーションができる連中は召喚されても帰還できる奴がいるかもしれない。
『ジャンパー』のデイヴィッドは実際訪れた場所ならどこでも行けるようだし。
933名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:18:36 ID:cnxWpFi/
>>930
青銅聖闘士はむしろ、シルバーより特殊能力が豊富でより厄介ともw
最低条件が音速以上拳と言うバケモノぷりだから、ふつーは勝負にならなくて当たり前かと
934名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:21:37 ID:yGHI1EK9
一輝は保護欲が強いから、黙ってルイズを助けてくれると思う

ただ兄さん、アレで15歳なんだよな……
935名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:22:04 ID:rKuJQJZ5
それでもそれでもワルドなら
うん、グレートホーンが拳による高速の突きであることすら分からずやられるな
936名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:24:17 ID:d9FCON3B
>>932
転移元と先の位置関係が分からなくても転移できる奴なら可能かも
だが大抵のテレポーターは距離とか↑みたいな条件があるような
937名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:28:11 ID:YgxQJH3w
>テレポーター
* いしのなかにいる! *
938名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:29:49 ID:8riGGFh7
世界扉の魔法でちょっとでもつなげてもらって
位置関係が分かればテレポートが可能になりそうかな?
それか聖地の(たぶん存在する)ゲートを頼るか
939名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:29:50 ID:HWywcoux
エターナルアルカディアからヴァイス召喚
きっと風石を駆使して冒険の旅をしまくるはず

何故か横に居る人がルイズじゃなくタバサな気がした
940名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:30:25 ID:4Mg4kAew
宇宙を破壊できるセーラームーンも昔は五人がかりでないと北極程度にテレポート出来なかった
基本的に大変な技だわな
941名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:31:43 ID:KgiEBO/q
>>937
マロールも距離限界があるしなー。

ちなみにSWのキャラでゲートを覚えてるやつなら何とかなったりする。
……遺失魔法だからリプレイキャラにはいないけどナー。
(ロードスのティエルぐらいか?)

そういやSWからだと、精霊魔法使うやつ呼んだらそのまんま先住魔法だよな。
人間シャーマンのトリムだと中々楽しい反応が見れそうだ。
942名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:34:50 ID:kL26zBz5
「アマランス」シリーズのリアンならどこからだろうと楽勝で帰れる……って言うか、こいつはもともと全ての次元宇宙を包括する「カーオス」出身で、次元宇宙を旅する放浪者だから、帰るとかそういうのとはちょっと違うなあ。

つうか絶対神の一柱だし。
943名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:41:35 ID:e4ICMK8a
>>942
ディンの方が使い魔としてはおいしいんじゃあるまいか

見た目エルフで中身は精霊



・・・クライマックスのいいところでアマランスの花が散って消えてしまうというオチまでつくし
944名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:48:09 ID:ocIp2k/w
>>943
絶対神になったあとのディンなら消えないと言う罠。
945名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:48:34 ID:ocIp2k/w
>>943
絶対神になったあとのディンなら消えないと言う罠。
946名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:50:14 ID:ocIp2k/w
・ディンが召喚される。
・リアンが迎えに来てさようなら。
・ルイズ涙目。

こんな感じかねえ。
947名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:59:37 ID:4Mg4kAew
ヴァグランツの連中なら自分の世界まで帰れるな



歩いて
948名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 01:04:36 ID:g5Dfbtst
>>947
途中立ち寄った世界で妖魔に凌辱されるけどな
949名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 01:18:39 ID:B6LYWYns
覚悟のススメから葉隠覚悟召喚
キュルケorルイズで調教完了!
スマン、言ってみただけ
950名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 01:20:01 ID:zrRMv3NG
さすがに知らんキャラや扱い難いキャラは無理だ・・・
ジェイアークと桑原なら使えそうなのでちょいと練ってみるわ。
951名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 01:32:41 ID:IT5j5Q7S
ぷにぷに☆ハンドメイドのヤノト(ゆい)とか玉藻の前ならどこにでもいけるだろうし
何でもできるし誰にでも勝てるからいいんじゃないかな。
952名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 01:33:42 ID:etJxbPNZ
ライブアライブからブリキ大王召喚とか。
ルイズならその膨大な精神力ゆえに扱いこなせそう。
953名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 01:48:23 ID:RxpBmSRw
水のルビーをコルベールに渡したらへんたいパールになってブリミル涙目ですね、わかります。
954名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 01:49:34 ID:YqrkcRgh
>>952
……無理だろ。
ブリキ大王を動かす為に無法松は命を落としたし、アキラだって完全に扱いこなす事は不可能だった。
近未来編のエンディングでは、ブリキ大王を動かす事が出来なくなってたからな。
アキラ(主人公)ですら完全には扱い切れなかった代物を、そう簡単に使いこなせるとは思えない。
955名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 01:51:14 ID:rKuJQJZ5
要するにアキラや無法松をヘイトしたいんですね?
956名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 01:53:41 ID:phdudWaf
ア・キ・ラ・・・
28号を・・・「AKIRA」を呼び起こすだとッ
957名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 01:54:31 ID:1WH+m7c2
>>952
「私が液体人間になります。 そうすればずっとルイズと一緒に居られるもの。ずっと」

というカトレアを想像した俺は最低だ
958名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 01:58:00 ID:t63Gbu6q
>956
魔法学院…地下施設…? そこにアキラって奴はいるのかッ!
959名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 01:59:39 ID:ByutTS/y
ゲーム版の設定なら地下に封印されてるモノもいるっちゃあいるがw
960名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 02:14:28 ID:Ce8MA7YT
影牢Uから魔神を召喚。
魔神+ルーン+虚無=ダークイリュージョン。
オルゴールに巻き込まれたり、時計の針で挟まれたり。
バナナの皮で転倒するギーシュ。
デルタホースを食らって悶えるフーケ。
トラップコンボ食らうワルド。
961名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 02:29:28 ID:etJxbPNZ
>>960
刻命館系列は、室内戦じゃないと天井系トラップが使えないって弱点がある罠。
壁系は仕込めない訳じゃないけど、場所が制限されるなぁ…。
962名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 02:41:13 ID:etJxbPNZ
トラップがフルに使えそうな戦いというと…
モット伯邸(VSモット伯)、ニューカッスル城(VSワルド戦)…位か?
963名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 02:41:40 ID:rKuJQJZ5
学園戦記ムリョウの統原無量を召喚
彼なら七万の軍勢を相手に生き残れるかな?
964名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 03:06:36 ID:iSrCZU6h
>>963
7万ごとき相手にならんだろ
965名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 03:14:55 ID:rKuJQJZ5
ハルケギニアでの七万の軍勢は宇宙艦隊にも匹敵するんですよ
966名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 05:29:06 ID:vnKJF6Vp
零(フェイタルフレーム)シリーズから主人公のうちの誰かを召喚
射影機で魔法を発動する瞬間のメイジを撮影すれば、精神力を削ることができる
ゴーレムやガーゴイルなら、動かなくなったり土くれになったりする

としておけば、何とか戦えるか
967名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 06:11:50 ID:8bAf0v2C
【世界中から信頼される日本記者クラブの毎日新聞が英語版で、世界に向けて9年間も発信していた記事】
■思春期の受験生の集中力を増すために母親はフェラチオで息子の性的欲望を解消する。
■日本人の若い女性はファーストフードを食べると性的狂乱状態になる
■日本人主婦は皆コインランドリーに附属のコインシャワーで売春している
■日本のティーン(10代)たちはバイアグラを使ってウサギのようにセックスをする
■少女嗜好が発達した日本では、小学校に通うごく普通の少女たちが放課後、売春婦として働いている。
■日本の看護婦たちは通常、病院内にバイブレーターを持参し、仕事柄、アナル開発に興じている。
■日本人女性の55%は、出会ったその日に男と寝る。
■20才から35才の間の日本人の4分の3がセックスの写真やビデオを撮ったことがある
■漁師経験者談;日本人は何とでもセックスをする。
■24時間オルガズムが止まらない病気で苦しむ日本人女性の数が増えている
■六本木のあるレストランでは、コックは食事の前にその材料となる動物と獣姦する
■福岡の米祭りは、顔にベトベトの白い液体を塗るため、AV業界が「顔射」と呼ぶものによく似ている
■日本の最新の流行 : 70歳の売春婦
■老人の売春婦の人気にもかかわらず、日本では小学生の売春婦にも仕事がある
■ほとんどすべての漁師は海でマンタとSEXしている
■男色は日本の伝統。八坂神社では女装祭りを行っている
■日本男子は柔道や空手の部活で男相手に童貞を捨てている
■日本の首相は結婚生活ではなくオナニーで政権が取れると言っている
■横浜の女装祭りはゲイの宣伝になる
■かつてパールハーバーと南京大虐殺を起こした日本政府が、児童性愛者向けのマンガを作ってオタクを自衛隊にひきつけようとしている。
■熱海の伊豆山神社のある木は、屠殺人の木またナギと呼ばれ、その後イザナギと呼ばれたが、イザナギは神道伝説の神話の神であり、日本列島は彼のこぼした精液から生まれた

スレチ申し訳ありません
興味のある方は是非このスレへ足をお運び下さい
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1214851435/
968名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 07:34:42 ID:ogDPzUk2
次スレ
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part150
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1214831965/
969名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 07:50:32 ID:ogDPzUk2
疑問なんだが、
『空間』を対象とする『重力操作』を『反射』したら、
『宇宙』に向かって『落ちる』のかな?
970名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 08:17:34 ID:BUyQrh6M
プッチに聞いてくれ
971名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 09:01:10 ID:vSRybLMY
>>1000なら千と使い魔の神隠しを投下
972名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 09:17:15 ID:2glHn/le
ワープ技術でビムラーを思い出した俺戦国魔神
973名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 09:20:45 ID:7PSX062j

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974名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 09:21:42 ID:7PSX062j
>>971
>>1000は無理だな
975名無しさん@お腹いっぱい。
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