【書き手の方々ヘ】
・作品投下時はコテトリ推奨。
・AA規制回避のため、レスの最初の行を改行する場合は空白を入れましょう。
・レスは60行、1行につき全角128文字まで。
・一度に書き込めるのは4096Byts、全角だと2048文字分。
・専用ブラウザなら文字数、行数を管理してくれるので目安がつけやすいかも。
・先頭行が改行だけで22行を超えると、投下した文章がエラー無しにザ・ハンドされます。空白だけでも入れて下さい。
【読み手の方々ヘ】
・リアルタイム投下に遭遇したら、支援レスを挟みましょう。
・投下直後以外の感想は雑談スレへどうぞ。
・気に入らない作品・職人はスルーしましょう。
・過度の本編叩きはご法度なの。口で言って分からない人は悪魔らしいやり方で分かってもらうの。
オ、オレ、この戦いでチンク姉に勝てたら
チンク姉に退院祝いの花束を贈るよ。
後結婚を前提につきあってくれとも言うか。
結局フラれて玉砕するのも悪くねえ・・・。
成功したら富士急ハイランドにでもつれていかせてもらおう!
>>1 シルバーチャリ乙
あなたには、甲冑を脱いだ本気のスピードのチャリオッツから、
針串刺しの刑をプレゼント。その後、真ソニックフォームのフェイトそんに
介抱されますw
>>1 乙です。
そして9時半頃にスパロボEの第5話までのあらすじを投下したいと思います。
すみません、思ったよりKBがないので前スレを埋める形で今から前スレに投下します。
六話Aの投下いきます。
・ラッド・カルタスのキャラがえらいことになってるので注意。
■
その瞬間、トーレの脳裏を埋め尽くしたのは恐怖だった。
体表面センサの弾き出した値から逆算される、男が放った砲撃の温度、威力―――推定温度にして摂氏数万度。
直径百ミリに満たないその光条が人体に直撃すれば、余波で半径三十センチ余りの風穴が開く。
それは半人半機であるトーレとて例外ではない。否、より的確に表現するなら、耐熱金属さえ瞬時に気化させる超高熱の前に、その程度は些細な差ですらない。
姿勢は崩れ、新たな回避軌道への移行にコンマ四秒。機械の知覚を凌駕するあの弾速に対して絶望的なまでに―――コンマ二秒ほど遅い。
―――何か、一手。一手あれば、辛うじて逃れられるものを……!
ほんの十分の一秒でいい。砲撃を遅らせることができれば。
臨死の思考圧縮が、マイクロ秒単位の思索を呼び起こす。
クアットロに、幻術による援護を要請する―――不可。幻像の構成速度は距離に比例して遅延する。この距離では一秒を超えるラグ。
こちらから攻撃を仕掛け、狙いを逸らす―――この距離だ。四肢のみを武器とする自分には不可能。
命中させる必要はないが、届く武器そのものが存在しないのではどうにもならない。
……届く、武器?
否、それすらも間違いだ。武器である必要などない。ほんの一瞬、集中を妨害できればそれでいい。
―――そうか!
右肩部と右腕部のフレーム、その連結を解除する。
痛覚遮蔽はしない。いや、できない。通常巡航ならともかく、戦闘機動では僅かな感覚の狂いが生死を分ける。
全ての感覚を、完全に維持したまま―――右腕の加速機構を超過駆動させ、
「ぐ……があああぁぁぁっっ!」
右腕を、肩口から引き千切りつつ音速超過で射出する―――!
トーレの視界、その人間部分が真紅に染まるほどの激痛。血―――を模した潤滑油が噴出することはない。循環系は閉鎖している。
脳髄を削るが如き苦痛と腕一本。だが、それだけの代償を支払った価値はあった。
アレックス―――キースシルバー/完全な戦闘型ARMSの知覚能力と反応速度は、極度の集中も相俟って、その一撃を完全に捕捉していた。
一瞬にして照準を修正、大気摩擦で赤熱しつつ迫る砲弾は、砲撃の前に一瞬で蒸発―――それこそが、トーレの狙いだ。
硬直する脚を必死に動かし、軌道上から退避。照準の修正によって辛うじて回避可能。
嫌な軋みを上げる躯は、それでも最高速度を維持。急速に戦場を離脱した。
■
「……奴には敵わない、か。予想通りとはいえ悔しいね。退却とチンクの回収は?」
「セインが往復輸送しています。ルーテシアに協力させると情報が漏れる危険性があるので。
『チェシャキャット・エミュレータ』を使用させたました。早ければもう帰還するかと。ですが、あれは―――」
「ああ、間違いなく『ネフィリム』、それも私が直に開発した個体だ……やれやれ。シューティングアーツのデータ収集が目的だったのに、予想外の大当たりが出たものだね。
エグリゴリと人間の間に生まれた巨人の名を持つ、戦闘機人の雛形にして完成形のひとつ……何処から流出、いや、何故生存している?
こればかりは予想外だ。よりによって、アレの居る部隊の人間が……いや、だからこそ、か?
アドバンスト適合者の生体情報から補整して、崩壊時期を先延ばしにしたのか? だとすれば―――むしろ、実験方針の正しさが証明された?」
「紛失した三十二体の『ネフィリム』の内、後に死亡を確認されず、ドクターの手が入っているものは六体、存在します。
管理局に捕獲された個体の追跡調査を怠った、私の責任です。申し訳ありません」
「いや、いいよ。なら―――ん?」
「……秘匿回線に、通信?」
『――――――貴方たちに、依頼があります』
支援
■
「……チッ」
舌打ちひとつ。またしても逃した。かつてない―――いや、『死んだ』時以来二度目の失態。
実戦を離れて勘が鈍ったか。眼前の表示/高度計を確認し、床を蹴って宙へと飛び出す。
両腕を大きく広げ、空気抵抗によって速度/姿勢制御。
「前線に出る。俺の行動は―――」
『障害を片っ端から排除するだけでええよ。手始めに、グリーン陸曹が戦ってたアレから頼むわ』
「……奴は、殺さなければ止められないが?」
腕を列車に叩き込んで速度を殺し、着地。思考する。
この組織の法体制は聞いた。
殺人/傷害を異様なまでに嫌悪し、ゴムスタン弾の使用すら、否、火器の存在そのものを否定する。
だというのに/故に、魔導師を―――
『構わへん。大体、止めるんやったらさっき撃つ前に止めとる。
……そや。同士討ちだけは避けてくれんと困るで。あと、できれば周囲の被害も』
「冗談を言うな、八神はやて。砲撃を使わず仕留められるほど、甘い相手ではない」
『撃ったら二次災害確定かいな……ならええよ。最悪でも結界で修復できるし、どうせ責任取るのはうちやない』
「……そうか。奴の武器については、可能な限り記録を取っておいてくれ」
通信を切断し、余計なウィンドウを全て消去。前方の敵―――キース・レッドに集中する。
両腕のARMSに加え、左手に短剣、右手に槍。四つの武器/漆黒と真紅。
「何故貴様がここにいる、レッド」
「それは私の台詞だ、シルバー。おまえが何故ここにいる。
エグリゴリとて、別の惑星に渡るような技術を持っているものか」
「……互いに、話す気は無いようだな」
左腕/砲撃を叩き込む―――躊躇い無く。ブリューナクの槍が噴き伸びる。
閃光/焦熱音。
影―――レッド、地を這うような低姿勢で突撃。
迎撃/疑問。荷電粒子は確かに直撃させた。だというのに無傷とは、
「喰らえ!」
「く……」
思考中断/腹を薙ぐ軌跡の短槍を受け流し、返す刀に放たれたグリフォンの刃を掴み止める。
「無駄だっ!」
レッド/超震動打撃。左手が分子の塵と吹き飛んだ。失策―――では、ない。
列車の屋根を蹴って踏み込み、跳躍/鳩尾狙いの膝蹴りが入る。
ARMSにダメージが入る攻撃ではない。目的は、回避のできない空中に移動させること。
「知っている―――消し飛べ、失敗作が」
「う、おっ!?」
右腕から放たれる光条―――荷電粒子ビーム『ブリューナクの槍』に、破壊できぬものなど存在しない。
そして、足場の無い空中では、避ける術もまた存在しない。
その、筈だった。
短剣を、さながら護符のように突き出す/硝子を切り裂くような、耳障りな音。
ただそれだけで、必殺の一撃が不可視の殻に逸らされる。
「なん……だと……!?」
「その過信がおまえの隙だ、シルバァァッ!」
着地から一瞬/神速の突き―――判断が遅れる/回避が遅れる/電子回路にも似た刃が左肩を抉る。
飛び退き、牽制の一射。辛うじて安全距離を取った。
「その武器が高強度の磁界で逸らしたか……だが、二度通じると思うな」
「一撃は……入ったぞ」
「それがどうした? この程度の傷、ARMSの移植者ならば……」
すぐにでも再生できる。そう言おうとした瞬間、違和感。
超震動によって砕かれた左腕は、再生が進んでいる。既に掌までは戻り、指を残すのみ。
だが、左肩の傷は、再生が極めて遅い。
これは―――
「再生できるとでも、思ったか?」
「……まさか、その槍は」
「そうだ。『ガ・ボウ』……癒せぬ傷を与える槍の名だ」
「『ARMS殺し』を、模倣した武器ということか……!」
危険/不利/戦力差―――その発生。遅々として進まない再生=蓄積されるダメージ。
電子回路のような刃/ARMS殺しと同様のプログラムを流し込む。
「便利な道具だな、キース・レッド。だが―――ひとつだけ欠点がある」
「……何だと?」
「名前がケルト神話とは、あのホワイトに匹敵する悪趣味だ」
「……ッ! いつまで強がっているつもりだ。キース・シルバー!
そしてこれはオレの命名ではない!」
「やはり、バックが居るのか……ふん、当然だな。そんなものを貴様が一人で作れる筈がない」
「おまえは、おまえ達は、いつも、そうやって……!」
最低限の情報は引き出し―――策も出来た。
この男はプライドが高い。そこに付け入る隙がある。
■
「いつまでも見下していられると思うなァァッ!」
跳躍から、左の短刀を叩き下ろす。
シルバーが右腕を構える。光―――舐めるな!
「無駄だと言っている!」
赤い短剣の機能を発揮。電磁障壁で荷電粒子を逸らす。
視界は無いも同然だが、このまま槍を振り下ろせば関係ない。切り刻んでやる!
「それはこちらの台詞だ。レッド」
「何……!?」
身を捻り、左半身をこちらに向けている。当然の帰結として、左肩に刃が喰い込み、止まった。
咄嗟に蹴りつけて引き抜こうとするも、易々と避けられる。この隙は―――!
「……スターレンゲフォイルッ!」
死を覚悟したその瞬間、閃光と轟音が放たれた。
同時、身体に何かが侵入する感覚。
これは―――
『威勢良く飛び出しといて、なぁーにボロ負けしてんだよレッドぉー』
「アギトか!? 来るなと……」
『言われたのはルーと旦那だけだ。あたしは聞いてねえ。
それに、おまえが負けっぱなしなのが悪いんだ。有利になった途端に反撃されやがって。
知り合いが噛ませ犬になってるのなんざ見てられねえのは当然だろ』
「貴様、よくも言いたい放題―――何をする!」
あろうことか、身体を勝手に動かされた。槍から手を離し、高架下に飛び降りる。
止めようとするが、できない。
「コアに直結して制御を奪ったのか!? 槍を置き去りにするな解析されたらどうする! 身体を返せ!」
『はい分かりましたよ―――っと』
高架下に飛び降りつつ、振り返りざまに指先に固めた炎を弾き飛ばす。
肩に突き刺さったままの槍に着弾し、爆裂した。槍が粉砕され、平衡感覚が麻痺している奴が転倒。
『さて、このままルーかセインに送って貰って、研究所まで帰るぜ』
「何故だ。私は奴を超えられると証明せねばならんというのに……!」
『……別に、制御は返してもいいけどよ。そら』
身体に自由が戻る。高架の支柱を三角跳びの要領で蹴り飛ばし、上に戻ろうとすると、
『あ、ユニゾンは解かねえぞ。で、おまえが戦ってる最中に』
「邪魔してやるとでも言うのか? 丁度いいハンデだ。そんな脅しで俺は止まらん」
『そう言うと思った。だから、全力で援護してやる。それで倒せても、証明とやらにはならねーと思うぞ』
「な……」
『おまえな、少しはあたし達の気持ちってのも考えろ。兄妹みたいなもんだろ。死なせるかよ』
「……俺にとって、兄弟とは憎むべき相手なのだがな。そこまで言うなら退いてやらんでもない」
拍子抜けしたような、独特の倦怠感がある。
それに任せたまま、地から生えた足首を掴む手に目をやった。
■
『……こちらとしては、先に申し上げた条件に同意して頂けなければ、更に有用な情報等を提供する準備があります』
「相互に協力したい、ということですね?
では、こちらの条件は―――失礼……ええ、六番の無菌ポッドに。とりあえず、安静にしておきなさい」
『部下の方ですか?』
モニターの向こう側に、女性の声。
特殊な隠蔽魔法によって詳細な目鼻立ちは判別できず、声も個性を消されている。
「ああ、そうだとも……そして、大事な娘でもある。
待たせた上に申し訳無いが、行っても良いかね? 君との交渉はウーノに一任しよう」
『お気遣いなく』
とん、と肩を叩いたドクターが、チンクの治療に赴くため部屋を出た。
チンクのことは、任せておいて大丈夫だろう。託された役割として、長い金髪の女性との交渉を続行する。
■
スバルとエリオが召喚師を捕えに走り出したとき、ティアナもまた、別の方向へ移動していた。
攻撃の要である第二、第三分隊長を欠いた108部隊の援護に向かうためだ。
「こちら、機動六課スターズ分隊員、ティアナ・ランスター二等陸士です。援護に行きます。座標を」
『オ前か……第一分隊長のラッド・カルタス二等陸尉ダ』
通信回線からは、独特の訛りが聞こえてきた。
スバルの姉の上司―――ということで、ラッド・カルタスとティアナの間には面識があった。
研修の際に108部隊へ行ったことから、その個性も知っている。
彼の一族の出身地である第23観測指定世界には、惑星の公転、自転周期や大気組成、地質の関係から、砂漠を更に極端にしたような環境しか存在しない。
昼間の熱量兵器じみた日光は、生物から脆弱な肌を駆逐し、その異常な光量は、進化から視覚を持つという選択肢を消し去った。
対して摂氏零度を遥かに下回る夜間の気温や、特殊な大気が弱い光を侵入させないための、欠片の光さえないという事実も同様だ。
そんな世界で文明を成り立たせる『人類』は、多くに比して強靭で、異形だ。
ウィンドゥに映る相貌。
眼から頭にあたる部分は、銀色の竜革で作られたターバンを巻いている。
鷲鼻の下には犬歯を覗かせる口があり、全身を覆うのは肌とも鱗ともつかない暗青色だ。六本の指には鍛鉄並みの強度の鉤爪がある。
『敵は退いテいル。援護は要らン―――六課ノ落とさレた三人は、既に第二分隊が回収していル。
そチらの通信コードを貰ってイれば、伝達もできタのだガな』
「すいません……と、敵が退いた?」
『あア、間違いナい。残ってイるのは、上空と召喚士の傍にヒトりずツだケだ』
視覚を持たないということは、即ちそれに代わる手段を有するということだ。
『特殊な』人材ばかりが集まる108部隊の中でも、彼の探知能力は群を抜いている。
だからこそ、第一分隊がバックアップを一手に引き受け、第二第三が強襲に専念するという体制が成立していた。
「部隊長の方の通信コードを送ります。報告はそちらで。
……何か、聞き取れた事はありませんか?」
『列車の上ノはグリーンの関係者らシいな……気をつけロ。この事件は何カおかシい』
「同意します……では、指示を」
そう、この状況は、最初からおかしいのだ。
ラッド・カルタスがあの程度の情報しか得られない―――敵は、会話を交わさない、あるいは何らかの手段によって傍聴を防いでいること。
ここに来て撤退を始めていること。諦めたと取れなくもないが、ガジェットを先に撤退させる意図が分からない。
そして何より、強襲能力に特化した108部隊が、護衛任務を担当していること。
やばそうだなあ退かせるべきかなあと考えるティアナの心中を読んだかのように、ラッドの指示が来た。
『総員、可及的速やカに退ケ。そちラのエース殿ガ無事なラ、仕留めラれたモのを……』
「了解です。シグナム副隊長と……アレックスさんには指示が出せないので、八神部隊長経由でお願いします」
『……正気カ? 了解しタ』
「さて、と。スバルにエリオ、聞こえる?」
■
「はいはい聞こえてる聞こえてるー!」
召喚士を護衛している一体以外、あらかた敵は退いたから撤退しろ。そういう話だった、気がする。
正直よく覚えていない。何故なら、
「このっ!」
「………」
その一体が、とんでもない化物だったからだ。撤退さえ許されない。
思考などしている暇はない。黒い影が独特の振動音を響かせ横に高速滑空し、空圧の鎚が避けられる。
射撃魔法では狙う事さえできない速度。エリオは初撃を防いだものの吹き飛ばされて、今は瓦礫に埋まって気絶している。
召喚士は、薄い紫の髪をした大人しそうな女の子だった―――出会い頭に無言でコレをけしかけてきたが。
瓦礫の山の上に静止した影は、さながら人型の虫だ。躊躇わずウイングロードで突っ込んだ。
振動音が一際高まったその瞬間、姿は残像と化して消え去り、胸元に衝撃が走る。
「……ガリュー、帰るよ」
女の子の声。
遠ざかる景色を見て、自分が吹き飛ばされたと気付いた。
■
ヴァイス・グランセニックは悩んでいた。
ヘリのセンサを稼動させつつ、上空を周回していたのだが、
「ゼスト、か? 生きてたのかアイツ……の割には老け過ぎだよなあ」
旧知と思しき顔を発見してしまった。だが彼は死んだ筈で、親族はいなかった。一人として。
しかし武器は同じ槍で、技も変わらない。確かに、自分がスコープ越しに死を確認した男と同じだ。
「どうすっかねえ……と」
その瞬間、シグナムと対峙している男が構えを変えた。
槍を右手一本で持ち、左腕を肘から引く独特のフォーム。
「おいおい……マジにあの野郎なのか?」
■
「くそっ!」
レッドを仕留め損なった。
空中に突如出現した閃光/轟音―――さながらスタングレネード。
数秒間は全ての感覚を奪われる。気付けば転倒し、奪い取った筈の槍は原型を留めず焼き尽くされている。
「ロングアーチ、聞こえるか! 奴らは何処に逃げた!」
『分かりません。地面に着地した時点で、反応が途切れています……転移反応もありません!』
「……地下、か? 構わん。燻り出してやる……!」
飛び降りつつ、右腕/砲口を地に向ける。
共振は捉えられないが、奴の機動力ではそう遠くへは逃げられない。手始めに一発叩き込んで―――
『ちょ、ま、待って下さい! 今報告が来ました地下にもいません!』
「何? ならば、奴はどこに消えたのだ……?」
■
シグナムは、急激に魔力を高めていく。男の防御は、槍の技によるもの以上に魔力操作技法が強い。
半端な攻撃では容易く凌がれる。使うのは最大威力の剣撃『紫電一閃』だ。限界まで剣身に魔力を集束する。
そして、
「レヴァンティン―――カートリッジロード!」
『Explosion.!』
カートリッジから弾き出された魔力の全てを推力に変換し、放つは炎を纏った神速の太刀―――!
同時、男が構えを変える。槍を片手持ちに変え、左はさながら掌を打ち込むように。
……構うか!
シグナムは勢いを殺さず、更に加速。剣先が水蒸気の尾を曳く。それほどの剣速だった。
―――それが、致命的だった。
「な……!」
ゼストもまた一歩も退かず、槍を剣の切先に合わせて突き込んだのだ。
寸分のずれも無い鋼同士の衝突は、火花を散らし軋みを上げる。
そして、身を捻っての左掌打が、その拮抗を縫うように放たれる。回避不能、必中の一撃―――
それを回避できたことこそ、シグナムの全力が生んだ奇蹟だった。
鋼の軋みが限界を超え、一瞬にして双の刃が砕け散る。勢い余ったシグナムは、そのまま横を通り過ぎた。
「くっ!」
双方とも、行動は極めて迅速だった。背は向けず、空中を急速逆進。
シグナムははやての指示、ゼストは自身の判断によって、戦場を離脱する。
■
「ドクター。チンクとトーレの様態は?」
「持ち直したとも。さすが私だ……そちらはどうなったね?」
「計画において障害になり得る人物、百名余りの情報を受け取りました。部隊戦力や特殊技能者についてが主で、108部隊のラッド・カルタスをはじめ、既知のものも多いですが」
「それは重畳だ……『依頼』とは?」
「『アインへリアル』とARMSに関する資料を要求されました」
「それは覆せなかったか……どちらの、だね?」
「誤魔化せませんでした。現状、稼動している方のアインへリアルです……宜しいのですか?」
「構わんさ。あれはどの道捨て駒だ……しかし、アインへリアルとARMSの情報を欲しがる……何者だ? その二つの存在を知っているというのは……
海の人間か『騎士団』の一部……エグリゴリの残党という線もあるな。機械部分の高度なメンテナンスは、資料が無いと難しい」
「地上の諜報員だとすると、こちらの行動が読まれているということになりかねませんが」
「ARMSについては、存在さえ知らない筈だ。今は、まだ。アインへリアルも、メンテに必要な情報は渡してある。
……ふむ、ではこうしようウーノ。既に地上に渡っている情報だけを提供して、様子を見る」
「了解しました、ドクター」
■
「あ、危なかった……あのまま撃たれてたら、一区画があらかた停電するところだった……」
「スターズ03、沈黙……敵、全反応が消失しました」
誰とは知れず、ふう、と息を吐いた。状況は集束し、しかし被害は甚大だ。
主要メンバーの殆どが行動不能に陥り、シグナムはデバイスを砕かれた。
■
「戦闘、終わったらしいわよ。負傷者も殆どいないって」
「……そうかい。そりゃあ良かった」
「……拗ねてるの?」
「そりゃあ、ね。スバルは?」
「負けて瓦礫の下。駄目駄目ねあの子……負けそうならすぐ退くように教えた筈なのに」
「僕がフォローに行ってれば……と」
士官用の病室のドアが、二度ノックされた。
インターフォンからは、ただ無愛想な声が響く。
『俺だ、グリーン。入るぞ……色々と聞きたいことがある』
■
医務室での検査は、予想よりも早く終わった。
閃光音響手榴弾のような魔法/アイゼンゲフォイルとやらに近いらしい―――の後遺症は一切見つからず、肩口の傷も易々と完治した。
所詮は模倣、ということか。しかし、戦闘中には再生の遅れが致命的なダメージを生むこともある。
対策を考えつつ廊下を歩み、目的の病室に到着。ドアを叩く。
「俺だ、グリーン。入るぞ……色々と聞きたいことがある」
『兄さんか……ギンガ、鍵を開けてくれ』
かちり、と金属音がしたのを確認し、ノブを回して扉を開いた。
中には士官と思しき長い青髪の女性と、
「グリーン……」
「久しぶりだね。シルバー兄さん」
ベッドから上半身だけを起こした、キース・グリーンがそこにいた。
「早速で悪いが、聞かせてくれ」
「何をだい?」
「全て、だ。おまえが何故ここにいるのか、あれから何をしていたのか……全てを、だ」
「……分かったよ。兄さん」
■
・陸士108部隊
主にクラナガン近郊での、強力な武力を有する個人や組織に対する強襲・制圧を担当する部隊。
部隊番号の下一桁は主な任務の種類を。それ以外は担当区域を表している。
かつては陸士08部隊がそれを担当していたが、ある事件の後、部隊としての活動を完全に凍結されたため、108部隊が新設された。
短時間だが強力な白兵戦能力を発揮する第二、第三分隊が陽動を行い、夜間や暗・閉所戦闘と索敵に長ける第一分隊が制圧するという戦術を主とする。
しばしば高位魔導師との直接戦闘を強いられるため、給料は良いが危険が極めて大きい。また、前線部隊は常に人手不足。
故に、何らかの事情を抱えた人材が多く集まり、優秀な者だけが生き残った結果、各々が特化した技能への依存が大きい、特殊な形の少数精鋭となった。
投下終了しーまーしーたー。
色々とやらかした感がありますが、ご容赦を。
GJ!
シルバーとレッドの戦いはお互いの試し合いで終わったか、6課とスカの本格的激突はまだ先になりそうだな。
スカさんに依頼してる謎の女性って…
ラッド・カルタスは虎眼先生の子孫か何かですか?ww
つうか陸士108部隊から激しくACAT臭を感じる。
前スレでスパロボEの「第5話までのあらすじ」を投下してごめんなさい。
そのお詫びと言うのは本当はおかしいのですが、第6話を9時半頃に投下しようと思いますけど、よろしいでしょうか?
長いので支援が欲しいと思ってます。どうかお願いします。
>>21 長い金髪、ってあるからカリムじゃね?
でもフェイトが不在な理由もはっきりしてないし……気になるなあ。
そしてGJ。アギトとレッドはツンデレコンビってことでいいのか。
ギンガとグリーンは内心物凄い爛れてそうなのがやだなあ、いい意味で。
それでは時間になりましたんので投下します。それと先ほど第6話と書きましたが、第5話の間違いでした。ごめんなさい。
なのはがアリサとすずかと共に、「海鳴病院」に行き、はやてのいる病室に行くと、そこには自分達「クロスナイト」が戦っている敵、ヴォルケンリッターの姿があった。
なのはは、闇の書の主がはやてだという事を知ってしまった。しかし、この場で戦闘は不味いと判断した両人は、ひとまず事情を知らないはやてとアリサとすずかを巻き込ませないために、
どちらも戦闘行動を起こさないようにし、何とかその場をやり過ごす。
そして夜になり、ヴォルケンリッターはなのはを病院の屋上に呼びつけ、なのははシグナム達を説得しようとするも、ヴィータが奇襲をかけ、説得は失敗。
なのはは戦闘態勢に入り、戦闘を行おうとすると、突然自分にバインドがかけられ、そのバインドはヴィータ、シグナム、シャマルにもかけられる。
そのバインドをかけたのは、以前にシャマルを助けた仮面の男であったが、その仮面の男は二人いて、一人がバインドをかけ、もう一人は闇の書を操り、
ヴォルケンリッターのリンカーコアを蒐集し、シグナムとシャマルのリンカーコアは蒐集され、二人は消滅。
ヴィータも蒐集されかけるが、その場にいなかったザフィーラが奇襲をかけるも失敗し、ザフィーラのリンカーコアも蒐集される。
その後、仮面の男の一人がなのはに化け、もう一人はなのはの周りにクリスタルケージを張り、なのはを見張る。
そして仮面の男達ははやてを強制転移させ、病院の屋上に連れ出す。そしてはやてが目にしたのは、目の前で倒れているザフィーラとつられた状態のヴィータ。
はやての後ろには、シグナムとシャマルの着ていたコートが置かれていた。
偽者のなのはは、はやてに向かって、ザフィーラとヴィータを公開処刑のように消滅させる。その様子を見たはやては泣き叫び、絶望した。
はやての絶望に反応したように闇の書は、はやての前に現れ、完全起動する。
なのははそれを見て、何とかバインドとクリスタルケージを破る。闇の書の覚醒となのはの脱出を見て、仮面の男達はすぐにその場を去る。
なのはははやてが闇の書の管制人格と融合する様子を黙ってみているしかなかった。
「はやてちゃん!!」
なのはがそう叫ぶが、はやての体は完全に管制人格に乗っ取られ、その姿ははやてのものではない。
そこにいたのは10代後半で、髪が銀色で、黒い服を着た女性であった。これが闇の書の管制人格の姿である。
その様子を少し遠くから見ていた仮面の男達は突然のバインドに驚く。
それは、何とか皆よりも先に海鳴市に向かったクロノのものである。
クロノは特殊なバインドを使い、その仮面の男達の変身魔法を強制解除させる。
変身魔法が解かれ、その仮面の男達の正体はリーゼロッテとリーゼアリアだった事を知る。
この二人は時空管理局の提督、ギル・グレアムの使い魔であり、クロノの師匠であった。
そしてギル・グレアムは11年前の闇の書事件に関わっていたクロノの父、クライド・ハラオウンの上司でもあった。
クロノはすぐに本局へと向かい、グレアム達を問い詰め、グレアムは観念したように話す。
グレアムははやてが闇の書の主だとすぐにつかみ、はやての父の友人と語り、資金援助などをしていたのだ。
なぜそんな事をしたのかというとそれは11年前に自分の部下であり、クロノの父でリンディの夫のクライド・ハラオウンを死なせてしまった事に負い目を持ち、
偽善だと思いながらもせめて少しでも幸せな日々を送らせて、闇の書を覚醒させ、封印しようと考えたのだが、
クロノは「そんな事は間違っている」と言い、グレアムは闇の書封印に使おうとした、デバイス「デュランダル」をクロノに託し、急いで海鳴市に戻る。
闇の書の管制人格、闇の書の意志は泣きながら、突然広域魔法を展開、なのははそれを防ぐ。
なのはは防ぎ終わった後、急いでその場を去ろうとする。闇の書の意志はすぐに結界魔法を展開し、その結界は海鳴市と、そこから半径数キロを覆う巨大なものである。
その結界は、アースラの方で観測されていた。
「艦長、海鳴市全体に新たな結界が張られました」
「なのはさんを完全に閉じ込めてるわね。皆さん急いでください!」
『了解!』
海鳴市へ向かっている一部の「クロスナイト」の面々は、さらにスピードを上げて、海鳴市へと向かう。
海鳴市では、なのはの他にも魔導師はいた。フェイトであった。
フェイトは海鳴市でジュエルシードを感知したのでその確保をしていたのだが、確保し終わった直後に突然海鳴市に結界が張られて、出られなくなっていたのだ。
アルフがその事をフェイトに伝える。
「ダメだよ、フェイト。この結果、特殊みたいであたしでも出られない」
「閉じ込められた……。でも一体何でまた?」
「わからないけど、何かすごい魔力を感じるよ……」
アルフが指を指す方には、闇の書の意志がいるのだ。
「とりあえず今は、出来る限りそこから離れよう。それと一応の為にアルフ、二手に分かれよう」
「大丈夫かい? フェイト。一人で……」
「大丈夫だよ」
フェイトとアルフは二手に分かれる。フェイトが進んでいくと、フェイトは闇の書の意志から遠ざかったいたなのはと出会ってしまう。
「あの子……」
「え? フェイトちゃん?」
なのははまさか、海鳴市にフェイトがいるとは思っていなかった。そんな時、バルディッシュがフェイトに伝える。
『一般市民が、近くにいます』
『え?』
その言葉に、なのはとフェイトは驚く。そしてバルディッシュがそう言ってから数秒も経たないうちに、その一般市民が現れる。
何とそれは、アリサとすずかであった。
「なのはちゃん……」
「え? アリサちゃんにすずかちゃん……」
「うん? あんた、フェイト・テスタロッサじゃない!」
アリサがフェイトの方を見て、そう言う。
「え? アリサちゃん、フェイトちゃんと知り合いなの?」
なのはがアリサがフェイトと知り合いだとは知らず、その事実に驚きを隠せない。
実はフェイトは、数週間前海鳴市でジュエルシードを探索中、些細な事でアリサと出会っており、顔見知りになっていたのだ。
「二人とも何? その格好……」
アリサがなのはとフェイトの姿を指摘する。今の二人はバリアジャケットを着ている状態である。
そうこうしている内に、闇の書の意志はなのはが最近になって習得した奥義「スターライトブレイカー」を放つ。
なのははその魔力を感じ、二人に警告する。
「二人とも、動かないで!」
なのははそう言って、二人を囲むようにバリアを張り、自分はその二人の前に立って、自分を守るバリアを張る。
フェイトも自分の身の危険を感知して、自分の身を守るバリアを張る。
なのはは攻撃を凌ぎきってすぐにエイミィに連絡を入れて、アリサとすずかを安全な場所に転移させる。
(見られちゃったな……)
なのはは見られたことよりも、嘘をついていたことがばれた事に恐怖を抱く。
そんななのはの前に、闇の書の意志が近づいて来る。
(あの人が、この結果を作っているのか?)
フェイトは近づいてくる闇の書の意志の姿を見て、すぐにそう考えた。
(なら、あの人を倒さないと、ここから抜け出せそうにないみたいだね。そしてあいつの目的はあの白い子。私もあの白い子に用がないわけじゃないけど……)
フェイトは考えた末に、ある答えを出す。
「そこの子!」
なのははフェイトが自分に声をかけたことに驚き、反応する。
「何?」
「とりあえずあの人を倒すの、協力してあげる。でもその代わり……」
「……、ちょっと待って!」
なのはは急いで、リンディやエイミィに通信を送る。
「どうします? リンディさん」
「本当なら、ここでフェイトさんの逮捕をしたいのですが、今は闇の書を止める事を最優先にします。そちらに向かっている人達は早くて、3分かかります。
ですので、なのはさん。あなたの判断に任せます。後、無茶はしないで下さい」
そう言って、リンディは通信を切る。
なのははリンディの言葉を聞いて考え、考え抜いた末に答えを出す。
「わかった! 協力して! これが終わったら、私が持ってるジュエルシードを分けるね」
「……ありがとう」
こうしてなのはとフェイトは、共同戦線を張る事になった。
第5話 聖夜の贈り物
なのはとフェイトは、並んで闇の書の意志と対峙する。
なのははフェイトにこう告げる。
「フェイトちゃん、言っておくけど、非殺傷にしてね」
「何で?」
「あの中には私の友達がいるの。だから……」
なのはの心情を、フェイトは理解する。
「……わかった。出来るだけの事はするね」
「ありがとう……。とりあえず、ここだと被害が出るから海まで移動するけど、いいね」
「わかった……」
なのはとフェイトは飛んで海まで移動し、闇の書の意志もなのは達の後を追う。
そして戦場の舞台が海へと変わり、闇の書の意志はなのはとフェイトに語りかける。
「我が主はこの世界が、自分を愛する者たちを奪った世界が、悪い夢であって欲しいと願った。我はただそれを叶えるのみ」
闇の書の意志は、手を自分の胸に当てて続ける。
「主には穏やかな夢のうちで永久の眠りを……。そして、愛する騎士たちを奪った者には永久の闇を!」
その言葉を聞いて、フェイトがなのはに尋ねる。
「君、そんな事したの?」
「私はしてないよ」
フェイトは納得する。フェイトはなのはとずっと戦っているので、なのはの性格上そんな酷い事が出来ない事もわかっている。
「こんなことをしてはやてちゃんは本当に喜ぶの? 心を閉ざして何も考えずに主の願いを叶えるための道具でいて……。あなたは、それでいいの!?」
なのはのその言葉に、フェイトの心は揺らぐ。
なのはは今、この言葉を闇の書の意志に向けて言ったのだが、それはフェイトに対しての言葉でもあった。
フェイトはなのはの言う通り、心を閉ざして母の言われるがままの事をしていると考えてしまうが、今はその考えを置いておく。
「我は魔導書、ただの……道具だ」
「だけど、言葉を使えるでしょ! 心があるでしょ!」
「この涙は主の涙。私は道具だ、悲しみなど……ない」
「嘘をつくな!」
その言葉を発したのは、フェイトであった。
「悲しみなどない? そんな言葉をそんな悲しい顔で言ったって誰が信じるもんか!」
常に冷静を装ってるフェイトの強い言葉に、それを聞いているなのはも驚く。
「フェイトちゃん……。そうだよ、あなたにも心があるんだよ。悲しいって言っていいんだよ」
そんな時、地が揺れ始め、海中から炎の柱が上がってくる。
「早いな、もう崩壊が始まったか。私もじき意識をなくす。そうなればすぐに暴走が始まる。意識のある内に主の望みを叶えたい」
(何が起ころうとしてるの?)
闇の書の事を知らないフェイトには何のことだが、イマイチ理解しにくい事であるが、最低でも言える事は、このままではまずいと言う事である。
「我が主は覚めることない眠りの内に、終わりなき夢を見る。生と死の狭間の夢、それは永遠だ」
その言葉になのはは、反論する。
「永遠なんて……ないよ。皆、変わってく……変わっていけなきゃいけないんだ! 私もあなたも!」
はやては暗い中でおぼろげながら、目を覚まそうとしていた。
「眠い……、眠い……」
そのはやての前には、闇の書の意志が立っている。
「そのままお休みを……、我が主。あなたのお望みはすべて私がかなえます。目を閉じて心静かに夢を見てください」
闇の書の意志のままにはやては眠ろうとするが、はやては必死に抵抗をする。
現実では、闇の書の意志となのはの討論が続いている。
「だったら、お前らも……もう眠れ」
「いつかは眠るよ、だけどそれは今じゃない」
「私にはまだやるべきことがある!」
「今ははやてちゃんを助ける。それから、あなたも」
なのはとフェイトが強い言葉を口にする。しかし今、フェイトはともかく、なのはの残り弾は少しばかり少ない。
何故なら、闇の書の意志と戦う前に、ヴィータ達と少しばかり戦いあっていたからだ。
なのはは残りのカートリッジの数を確認する。
「マガジン残り3本、カートリッジ残り18発。スターライトブレイカー撃てるチャンスあるかな?」
(スターライトブレイカー? この子、私のように大技を持ってるの?)
フェイトは心の中で思った。
「I have a method.(方法はあります)Call me "Excellion mode."」
「ダメだよ、あれは本体を補強するまで使っちゃダメだって……。それに、私がコントロールに失敗したらレイジングハート、壊れちゃうんだよ?」
「Call me. Call me, my master.」
なのはの制止を、レイジングハートは聞こうとしない。なのははレイジングハートが覚悟を持ち、そしていかに自分を信じているのかを悟る。
「レイジングハート、エクセリオンモード! ドライブ!!」
「Ignition.」
カートリッジを二つ消費し、レイジングハートが変形し、エクセリオンモードへと変わる。
その姿にフェイトは驚愕する。
(完全に姿が変わった……)
なのはの覚悟を見て、フェイトも決意する。
「バルディッシュ、ザンバーフォーム、いける?」
「Yes, sir.」
「いい子だ」
「Zamber form.」
カートリッジを二発消費し、バルディッシュは変形して魔力刃を持つ大剣「ザンバーフォーム」へと姿を変える。
「フェイトちゃん」
「私も付き合う」
なのはとフェイトによる、闇の書の意志との壮絶な戦いが始まる。
フェイトが接近戦で闇の書の意志とぶつかりあい、なのはは遠距離砲撃で闇の書の意志を撃つ。
そんな繰り返しばかりだが、闇の書の意志はダメージらしいものを見せない。
「困ったな……」
そんな時にようやく海鳴市へと向かっていた一部の「クロスナイト」のメンバーがやって来る。
「ダンガイオー、見参!」
「なのはちゃん、大丈夫かい?」
「ロールさん、勇さん……。大丈夫です」
ドモンがなのはに戦っている敵を聞く。
「奴が闇の書の管制人格か?」
「ドモンさん……、そうです」
「それと、フェイト・テスタロッサ……」
ドモンがフェイトの方を向く。
「私を捕まえる気ですか?」
「いや、そんな気はない。事情は一応聞いている。それに手を組むというのも悪くない」
「え?」
ドモンの言葉にフェイトは戸惑う。
「何故ですか?」
支援?
支援砲撃
「マドマンゼル、フェイト。我々は元々ファイターです」
「オイラ達は、本当は国が違う敵同士なんだよね……」
「だがよ、地球のピンチと来たら……」
「違う国のファイターだろうが、地球を守る心は同じ。ならば手を組む」
「そうだよ、今は敵も味方も関係ないよ」
ドモンと同じガンダムファイターのジョルジュ、サイ・サイシー、チボテー、アルゴ、アレンビーがフェイトに言う。
(敵も味方も関係ないか……)
フェイトはその言葉を聞いて、心が温まるように感じた。
闇の書の意志は敵が増えたと認知して、戦闘獣やモビルスーツ、バンカーの空中戦車、ギャンドラーの妖兵コマンダーにグランチャーを大量に出してくる。
「ギャンドラーのだけじゃなくて、グランチャーもか!?」
「でもグランチャーでも、ブレンみたいに意志は持ってるはずなのに……」
勇と比瑪が驚く。
「このロボット達に意志など存在しない。いけ、わが僕よ。邪魔者を排除するのだ」
闇の書の意志が、ロボット達に告げると、ロボット達は「クロスナイト」の面々に攻撃を仕掛ける。
フェイトは主にロボット達の相手を、なのはは闇の書の意志の相手をする。
敵は倒しても、闇の書の意志が止めない限り、ロボットは増え続けて、埒が明かない。
その中でははやてが自分の望んでない事を闇の書の意志に告げていた。
「私、こんなん望んでない。あなたも同じはずや、違うか?」
「私の心は騎士たちの心と深くリンクしています。だから騎士たちと同じように私もあなたを愛おしく思います」
闇の書は目を瞑り、はやてに話す。
「だからこそ、あなたを殺してしまう自分自身が許せない。自分ではどうにもならない力の暴走。あなたも侵食することも暴走してあなたを喰らい尽くしてしまことも止められない」
「覚醒の時に今までのこと少しは分かったんよ。望むように生きられへん悲しさ、私にも少しは分かる」
シグナム達と同じ、ずっと悲しい思い、寂しい思いをしてきた。
「せやけど……、忘れたらあかん」
はやては手を伸ばし、闇の書の頬に触れる。闇の書は目を見開いて驚いた。
「あなたのマスターは今は私や、マスターの言うことはちゃんと聞かなあかん!」
はやての足元に白い魔方陣が現れる。
「名前をあげる。もう闇の書とか呪いの魔導書なんて言わせへん。私が呼ばせへん」
闇の書の意志の目から涙が零れ落ちる。
「私は管理者や、私にはそれが出来る」
「無理です、自動防御プログラムが止まりません。管理局の魔導師とロボット達が戦っていますがそれも……」
「止まって」
はやての魔方陣の光が大きくなっていく。
現実の外では、突然闇の書の意志が行動を停止させる。
「何だ?」
「まさか、デビルガンダムの時のようなことが……」
かつて自分の兄のキョウジ・カッシュがデビルガンダムに取り込まれ、デビルガンダムを止める為にキョウジが作ったアンドロイド、
シュバルツ・ブルーダーがデビルガンダムのコックピットに入って、キョウジの体を持ち、デビルガンダムの動きを止めたことをドモンは思い出す。
「誰かが内部で奴を止めている!」
「外の方! 管理局の方! こちら……その、そこにいる子の保護者八神はやてです」
「はやてちゃん!?」
(誰(だ)?)
突然はやての言葉が聞こえてきたので、なのははびっくりするが、フェイトや他の面々ははやての事を知らないので誰の事か考える。
(流れ的には、闇の書の主だろうな……)
「なのはちゃん、何とかその子を止めたげてくれる?」
『え?』
「魔導書本体からはコントロールを切り離したんやけど、その子が圧してると管理者権限が使えへん」
そのままはやては説明を続ける。
「今、そっちに出てるのは自動行動の防御プログラムだけやから」
「う……うん?」
なのははいまいち、分かっていないようだ。
(闇の書が覚醒しているのに管理者の意識がある。何とかなるかもしれない!)
その通信を聞いていたユーノがなのはに頼む。
「どんな方法でもいい。目の前の子を魔力ダメージでぶっ飛ばして! 全力全快、手加減なしで! そうすればはやては外に出られる!」
「さっすがユーノ君、分かりやすい」
「It's so.」
「魔力ダメージでないとダメなのか?」
ロールがユーノに尋ねる。
「はい、あなた達の攻撃だと、目の前の子を傷つけて、はやてが死んでしまう恐れが……」
「そうか……、なら俺達は、なのはのアシストだな」
「つまり私ならいいって事だよね……」
ユーノの話を聞いていたフェイトが、話に入り込む。
「フェイト……、ああ。君も協力してくれるのか」
「……、とりあえずね」
(素直じゃない子ね)
ユーノとフェイトのやり取りを見て、比瑪はそう思う。
闇の書の意志の下からは触手が現れ、なのはを攻撃しようとする。
「させるか、ゴッドスラッシュ、タイフーーーーーーーーン!!」
ドモンがゴッドガンダムの必殺技「ゴッドスラッシュタイフーン」で触手を切り落とす。
「よし、なら俺達もだ。サイキック、ウェーーーーーーーブ!!」
ダンガイオーの右手から、サイコキネシスが放たれ、闇の書の意志の動きを完全に封じる。
闇の書の意志の中では、はやてが闇の書の意志の頬を撫で語る。
「夜天の主の名に於いて汝に新たな名を送る。強く支えるもの、幸運の追い風、祝福のエール。リインフォース」
その瞬間、はやてとリインフォースを白い光が包んだ。
作品名入れましょうさるかいひ
外では、フェイトが振り上げたバルディッシュザンバーの魔力刃に雷の魔力を帯びさせ、足元に魔方陣が展開される。
「疾風、迅雷!」
バルディッシュを横に振り、周りに雷の魔力が舞い、フェイトは大きく振りかぶる。
「スプライト、ザンバーーーー!!」
そして、力の限り振り抜き、闇の書の意志を斬る。
「今の内に!」
フェイトが待機中のなのはに言う。
「エクセリオンバスター、フォースバースト!」
レイジングハートの砲口にピンクの魔力が集束していき、大きくなっていく。
「ブレイク、シューーーート!!」
ピンクの魔力が螺旋となって闇の書の意志を飲み込む。
「リインフォースを認識、管理者権限の使用が可能になります。」
「うん」
「ですが、防御プログラムの暴走が止まりません。管理から切り離された膨大な力がじき暴れだします」
「うん、まぁ、なんとかしよ」
はやての目の前に夜天の書が現れ、それをはやては優しく抱きしめる。
「ほな、行こうか。リインフォース」
「はい、我が主」
大きな地響きが、結界内の空間が大きく揺れ始める。
「皆、気をつけて! 闇の書の反応まだ消えてないよ!」
エイミィが全員に注意を促す。
「さて、ここからが本番よ。たった今連絡がありまして、マリーメイア軍の反乱は治まり、大統領府の方に向かった「クロスナイト」の方々も急いでそちらに向かってます。クロノ、準備はいい?」
「はい、もう現場に着きます」
(アルカンシェル・・・・・使わずにすめばいいけど)
リンディはアルカンシェルのキーを見ながら心の中で呟いた。
投下完了。支援ありがとうございます。次回の第6話はさらに長いのでまたしても支援が必要に…。
ゲームのスパロボで言うと、フェイトはまだスポット参戦の扱いですね。
次回はA's第12話の話になります。
誤字脱字があるのはわかったのだが、展開が急すぎていまいち…
というかわからない
なんだか連載物を一話ごとに抜けてるというか、見逃したみたいな感じ
いきなり出て付けたみたいな設定もあるし、競馬の予想を当てながら見るみたいなものかな
話を伸ばしてでも内容はわかりやすくした方がいいと思う
つかスパロボ絡める意味あるのか?
意義は俺にはわからんよ。
>>37 いや、クロス先は職人の方々の自由でしょう
これはひどいと言わざるを得ないのは確かですが…
むしろ、ロボ系とのクロス自体に無理があると思うんだけど。
そうだね。無理あるね。ごめんね。
ま、まさかあなたはOGの……
>>40 いやいや、面白ければ問題はないんですよ。
ロボ系だろうとセカイ系だろうと
前スレでの酷評の意味解する気がかけらも無い事が一番の問題だな
「魔力の欠片も無い機械が何故かページの足しになった(意訳)」とか
平気で言い放って投げっぱなしのメンタリティとか
早く書くことだけに気を取られてるのか、肝心の中身を面白くしようとする努力が、なぁ
スパロボ×さんへ
作者の頭の悪さが前面に出すぎていて、正直読めたものじゃない。
超展開という言葉すら軽く飛び越えてる。
というか、スパロボに出たアニメ全部見ました? 質量差とか理解しておられますか?
前回だか前々回だかではシグナムがロケットパンチ切り払ってましたが……それがどういうことか理解しておいででしょうか?
仮にマジンガーZ下腕部が500kgと仮定しましょう。それがマッハ2ですっ飛んでくる。その衝撃どれ程のものか理解できますか?
……あー、私が悪う御座いました。理解出来てたら書かないですね。
最後に一つだけ言わせて頂きます。
貴方ゲームとSSの区別、ついてますか?
>>20 GJ!!です。
楽しみに待っていた作品が再開されると嬉しいですw
トーレさん気合が入ってますね、ナンバーズもエグリゴリの技術を使われてるようで
本編なんか眼じゃないくらい強いw
>>44 しかもそれを『何故か』で終わらせてる所とか
いつになっても謝ったとしても口だけなところとか
落ち着け>マヨネーズがけプリンとリンディ茶。
テンプレを読むんだ、トム。
それ以上はウロスで書いたほうが良いかも?
シルバー氏GJ!!(続きが気になっていましたので良かったです)。
DRIVEの斑鳩……とかは難易度高そうだ(乗り物に自在に変形するデバイスなんざまずないしー)。
スプリガンの面々は簡単に適応しそうだし(アーカム創設者からしてモノホンの魔法使いだし)。
>>50 斑鳩…。
バイク一台で十分じゃね? ヘリもいけるけど。
スバルとコンビ組んで二人乗りして…
後は…分かるな?
ま、ウロスでやるとバイドだゲッターだ人それぞれだでレスが流れてNGしろで終わるんだけどねwwww
ゼロ魔クロススレのように毒吐きでも避難所に立てるか?
>>52 じゃあ、こうだ。
避難所の職人用反省スレにいるみたいだから、そっち当たってみれば?
>>53 でも毒はきってかなりリスク高かったりするけど。
毒はいて終わりにすべきなのに
たまに誰も反論しないのを良い事に思い上がるのがいるから…
スルーの魔法を使わない人は、荒らしと変わらない。
Xさんはいいんです……ある意味でタフだから。
問題は気の弱い俺っちの体力がどんどん、どんどん、レッドゾーンになっていくんすよ。
まるで目隠しさせた人間の親指に傷をつけて出血させて、
その耳元で「人間の血は一定量流れていくと死にます」「いまあなたの体からその一定量が流れでました」といわれているような気がして……。
12時から投下良いですか?
今回ダンテは全く出ませんが
>>57 ロボ系そのものには問題ないと思いますが…
しつこいようですが、面白ければ問題ないと思います
毒吐きは断固反対。あそこを見た職人さんは間違いなく消えるから。
てかテンプレすらまともに読めない人が批判するのもどうかと思うがね。
ただ毒吐くだけじゃなく具体例や対案まで出てるのもガン無視だから
ここまで言われても(場所移れと言う意見はともかく)批判内容への反論は無いんだろ
みんなその意味ではかなり冷静だぞ
てかあまりにワンパターンな無進歩だから進歩の無さっぷり一通り批判したら
話題尽きて自然終息するしかないわけだが
そして既に今回の話題は尽きている
もうウロスに書くべき話題に移行していると思う。
>>58 待ってます。
>>58 おkですよー。あなたはこの空気を変えてくださる救世主様です
ごめん。そのとおりだわ。だから私にいい考えがある。
12時からの投下を支援しよう。
じゃあ、話題を変えて、フェイトさんの露出された美尻について。
おっぱいでも可。
あと、支援。
>そして既に今回の話題は尽きている
ココ重要、蒸し返さなきゃ終息する領域に既に入ってる
Devil never Strikers
Mission : 08
devil army corps
前回の模擬戦から一週間。
この日は地上本部公開意見陳述会が行なわれる。
会議は厳重な警備の中行なわれ、機動六課もその警備に加わっている。
外の見回りをしながらヴィータは考える。
カリムの予言によればこの陳述会が狙われる可能性が高いらしいが、その理由は何かを。
考えても分からないのでそのうち考えるのを止め、とりあえず念話でなのはに聞いてみることにした。
『なあ、なのは、ちょっと良いか?』
特に間をおかずになのはから念話で返事がが帰ってくる。
『ん?なあに?ヴィータちゃん』
『予言通りに事が起こるとして、何でこの会議が狙われるんだ?内部のクーデターって線は薄いんだろ?』
『アコース査察官が調査してくれた範囲ではね』
『そうすっと外部からのテロってことか…だとしたら目的は何だよ?』
『……』
『犯人が例のレリック集めてる連中……スカリエッティ一味だっけか?』
『うん』
『奴らだとしたら、さらに目的がわからねえ、局を襲って何の得になる?』
『兵器開発者なら、自分の兵器の威力証明かな』
『それにしたって他にいくらでも出来る場所がある、リスクが高すぎるだろ』
『だよね……でもあんまり考えても仕方ないよ。信頼できる上司が命令をくれる。私達はその通りに動こう?』
『そうだな』
念話を終え、疑問には何の答えも見つからないながらも、多少は気が楽になった。
そしてその信頼できる上司の様子が気になり、一緒にいるはずのシグナムに念話を送る。
支援
支援
『はやての様子はどうだ?』
『……ヴィータか、急にどうした?』
なのはと違いいきなり本題から入ったがいつもの事なのかシグナムは気にしない。
むしろ『ちょっと良いか』などと聞いてきたさっきのほうが異常なのだ。
『なんとなくはやての様子が気になってな。どうだ?大丈夫そうか?』
『今は別行動だ。主に直接聞け』
『別行動?ま〜たサボってんのかよ?ちゃんと働けって』
『サボってなどいない!ちゃんと動力室の見張りをしている!』
『動力室?』
『ああ、ここを攻められると防壁の出力が落ちるからな』
『なるほど、じゃあな』
はやての様子を聞けないのならシグナムと話す意味は無い。
早々に念話通信を切り、はやての事を考える。
そういえばはやては最近忙しそうだった。
予言の結果が上層部に伝わり、今日の警備は例年以上に厳重になっている。
有事のさいの指令系統の確認に、それが潰されたときの対処方法。
警備ルートは念入りに吟味され、ソリッド・スネークやジェームズ・ボンド、ゴルゴ13でも潜入は難しい。
(あのドンブラ粉みてーな奴でもせいぜい一部屋潰すのがやっとのはずだ)
前にエリオを襲いレリックケースを奪っていった戦闘機人の姿を思い浮かべるが、どの部屋だろうが一部屋潰された所で何も出来なくなるような事は無い。
警備は完璧だった。侵入者なんているはず無い。
当たり前だ。そんなものをスカリエッティは送り込んでいないのだから。
ゴートリングは魔法だけではなく格闘戦も強い支援
秘密道具っすかヴィータちゃん支援
戦闘機人ナンバー4、クアットロ。
地上本部の局員に捕捉されない距離、地上から見上げても小さな点にさえ見えない程の上空に彼女はいた。
前線での司令塔の役目を担う彼女は、着々と地上本部を攻め落とす準備を進めていた。
作戦の内容はいたってシンプル。
今現在自分らが従えている悪魔全てで地上本部を攻める。以上だ。
潜入工作なんて小細工は必要ない。
ただ数で攻めればいい。
この作戦で使う悪魔は以下の六十七種類だ。
マリオネット ムシラ アルケニー スケアクロウ
ブラッディマリー ホムロムシラ エニグマ メガ・スケアクロウ
フェティッシュ グブスムシラ ソウルイーター アサルト
シン シザーズ ジョモツムシラ ダムドキング ブリッツ
シン サイズ アゴノフィニス ダムドクイーン グラディウス
デス シザーズ テレオフィニス ダムドナイト カットラス
デス サイズ モルトフィニス ダムドビショップ バジリスク
サルガッソー ゴートリング ダムドポーン キメラシード
ベルゼバブ ブラッドゴート ダムドルーク キメラ
シャドウ アビスゴート デュラハン メフィスト
サイクロプス パイロマンサー フォールン ファウスト
ブレイド アウロマンサー ブラッドゴイル ビアンコアンジェロ
プラズマ ブロントマンサー ヘル=エンヴィ アルトアンジェロ
フロスト サヴェッジゴーレム ヘル=グラトニー フォルト
ノーバディ ピュイア ヘル=グリード
デモノコーラス ヘル=スロース
フラムバット ヘル=プライド
スピセーレ ヘル=ラスト
インフェスタント ヘル=レイス
もちろん一種類一体と言うことは無く、数体から数十体まで様々。
合計した数字は出してないが、三千以上は確実にいる。
シルバーカーテンを使う必要なんて無い。
ただ攻め込ませればそれで終わる。
「け・れ・ど♪それじゃな〜んの意味も無いのよね〜♪」
悪魔達はすでに興奮状態にあり、自分達の出番を今か今かと待ち侘びている。
待たせすぎて今にも悪魔同士で殺し合いでもしそうな雰囲気だ。
クアットロはスカリエッティへの通信回線を開いた。
「ドクタ〜?そろそろ良いですか?早くしないとvipにスレ立てちゃいますよ〜『今から公開意見陳述会を襲うんだけど』って♪」
クアットロの冗談に帰ってきたのはツッコミでもマジレスでもなかった。
『ククッ…ククククククククククク』
『楽しそうですね?』
『ああ、楽しいさ、この手で世界の歴史を変える瞬間だ、心が沸き立つじゃないか』
モニターの向こうのスカリエッティは立ち上がり、狂気の笑みを浮かべ、叫んだ。
『さあ、始めよう!』
それを聞いたクアットロもスカリエッティのそれと良く似た笑みを顔に浮かべる。
「ミッションスタート。いってらっしゃい、悪魔ちゃん達♪」
悪魔が解き放たれた。
ウロボロス社アリウス社長支援
なんと言う力押し…
だが原始的なそれが最も確実で有効だ支援
クアットロの合図を聞いた悪魔達は自らの魔力で転送魔法を起動する。
警備兵達は現れた転送魔方陣に混乱し、何もすることが出来ない。
無理も無い。完全に不意打ちだったしそもそも数が普通ではない。
自分達より数が多い相手への対処法は習っているだろうが、一度に数え切れない程の数の異形の者など見て動転しないほうがおかしい。
最初に動いたのはムシラ。
手近にいた局員に飛び掛り、頭に噛り付いた。
噛り付かれた局員は悲鳴を上げ、その悲鳴が全員の混乱をといた。
だが誰も彼を助けはしない。他の局員は皆、同じように襲われているか必死で逃げているかの二通りしかいないからだ。
逃げていく同僚の背中を見る彼の意識は、噛まれている所から発せられたゴリッという音と共に消えた。
「百体以上の化け物が西のエリアに!?」
騒ぎはスバルたちの元にも伝わった。
百体以上の化け物が建物の西に現れた。
聞いただけで襲撃者が悪魔だと分かったのは実際対峙した事のある彼女達だけだった。
そしてそこは今ギンガがちょっとした報告をしに向かった場所でもあった。
「助けに行かなきゃ!」
ギンガだって弱くは無い、むしろスバルより強いくらいだ。
だが、報告を聞く限りでは周りに協力者は少ないらしく、いくらギンガでも厳しそうだった。
そもそも厳しくなくてもギンガが戦っているのならすぐにでも駆けつけたかった。
すぐにでもギンガの元に行こうとするスバルだったが、ヴィータはそれを許さない。
「行くな!お前の持ち場はここだ!」
ヴィータが言うようにスバルたちはここを守らねばならない。
悪魔がこの場所に現れた時に「姉を助けに行っていたのでここにはいませんでした」では済まされないのだ。
正論だがまだ何か言いたげなスバルにティアナが顔を近づけ、耳打ちする。
「そのうちここにも悪魔が来るから、そうしたらどさくさに紛れて行きなさい」
良心が多少痛むがその方法をとることに決めたスバル。
その場の全員がバリアジャケットを纏い、未だ見ぬ悪魔の襲撃に備える。
太陽の沈む方角を睨みながら強く思う。
(ギン姉に何かあったら……泣かしてやる!)
しかしすぐ再生するサヴェッジゴーレムはランクの低い陸士じゃ永遠に倒せないかも支援
つか2chあるのかw支援
スバルのその決意を試すかのように辺りに多数の召喚魔方陣が現れる。
ヴィータは目の前の魔方陣から出かけているフロストにアイゼンをぶつける。
砕け散るフロストの前半分。魔方陣はフロストの後ろ半分を地面に落とし、掻き消えた。
ヴィータはアイゼンを改めた。そこにはごく少量だが赤い液体が付いていた。
落ちた後ろ半分を見ると、同じ物が流れ出ている。
「凍ってるくせに血は流れてるのかよ、不思議な体だな」
血はすぐに固まり、レッドオーブとなるがそれが無害であることはダンテから聞いている。
次々と現れる悪魔達にアイゼンを向け、牽制しながらその場の全員に叫んだ。
「行くぞ!!」
「頑張ってくださいね〜♪」
答えたのは様子を一方的に見ていたクアットロだった。
もちろん誰にも聞こえやしない、何となく言ってみただけだった。
彼女の仕事は戦況のコントロールだった。
これ以上出現場所を増やしたら管理局は対応しきれないだろう。
早々に落ちてもらっては困るので出現させる場所を増やすのを止める。
残りの悪魔が大体どのくらいかを示すカウンターは未だに三千を下らない。
この数字が三桁になってくれれば本格的に作戦が始まるのだが、それはまだまだ先になりそうだった。
「そ・れ・ま・で、ちょ〜っと遊んじゃいましょ♪」
そう言いながらちょっと強めの悪魔を適当に見繕う。
ブリッツを選び、スバルたちがいる方に送り込む。
この悪魔はなかなか手強いが、選んだ理由は周りの人間や悪魔を見境無く巻き込むからだ。
「どれだけやられちゃうか、楽しみ〜♪」
敵も味方も関係ない、ただやられるのを見るのが楽しいのだ。
私怨
じゃなかった 支援!
だがクアットロの期待はあっけなく砕かれる。
ブリッツを手強い敵、と判断したヴィータの鉄槌によって文字通りに。
「アイゼン!」
「Gigantform」
カートリッジを二発ロードしてハンマーヘッドを巨大化。
周りの悪魔は無視してブリッツに接近し、アイゼンを振り下ろす。
「ギガントハンマァァァ!」
真上から叩き付けられたハンマーの直撃を受けたブリッツ。
ブリッツの溜め込んだ電気が近くにいた数体のヘル=レイスの爆弾に触れ、爆発した。
爆風が土埃を巻き上げヴィータの姿が見えなくなり、次いで広がった爆煙で三メートル先も見えなくなった。
「チャンスよ、フォローは任せなさい」
「……分かった!行ってくる!」
爆煙が視界を塞いでいる今なら、人が一人いなくなっても気づかないだろう。
この状況をチャンスと見たティアナはギンガの所に行くようスバルを促す。
仲間を置いて行く事に罪悪感を感じながらスバルは走り出した。
だがその目の前にはいつの間にかヴィータが立っていた。
「うわ、と」
慌てて急ブレーキをかけ、その場に足を止めた。
怒られる、そう思ったが、ヴィータは何も言わずに左手を目の高さまで持ち上げ、開いた。
手の上にはミニチュアの剣と、剣十字が乗っていた。
その意味を察したスバルはその手に小さな赤い宝石を加えて、再び走り出す。
罪悪感は少しだけ軽くなっていた。
Mission Clear and continues to the next mission
無敵の爆弾スピセーレを大量に送り込まれたらひとたまりもないぞ支援
今回は以上です
3の表に関しては思いっきりずれたのであとで修正依頼だしときます
っていうか教団が作った悪魔がたくさん‥‥すげえなクアットロ、どこで調達した支援!
GJ!ヴィータが男前w
GJ!
もう悪魔も潜入工作員もVIPPERクア姉も何から何まで自重しろwww
GJ
メガ姉が見事な悪役を…
いや、それにしても次回が気になって仕方ない引きだな。
GJ この悪魔軍団だけでも地上本部制圧可能だよ。
魔帝や教団の人造悪魔もいるがウロボロス社製のセクレタリーはいるのかな?
寄生生物が2種類もいるキメラシードとインフェスタント
ふと思ったんだが
「非常に進んだ科学技術は魔法と区別がつかない」
ってある意味リリカルの世界のこと表してるなと。
さらば、アーサー・C・クラーク。
激しく遅レスだが、メタルサーガ氏GJ!
そして正直最終回は「悲しみの向こうへ」をBGMに、
全力全壊なのはと融合はんたの殺し愛しか思い浮かばない
さて、あまり人もいなさそうで常連さんの投下もなさそうな今のうちに
自分の駄作小ネタ(壊れ注意かも)なんてものを
初投下しようとか考えてる愚か者ですがよろしいでしょうか?
誰もいなさそうなので投下
その日、あるべきこととしてミッドチルダ臨海空港は炎に包まれた。そして
「お父さん……お姉ちゃん……どこぉ……」
火災にとある少女が巻き込まれたのもまたあるべきことであったのだろう……ただ……
此度のそれにはイレギュラーがあった……
「誰……」
炎の中、少女は見た。二本足で確固としてその場に立つ人影を……
恐怖で一杯になった彼女は自身よりも大きいその人影に助けを求めようと掛けようとして途中で……やめた。
「え?」
見つけた当初は誰でもいいから助けてという思いの方が強く炎も揺らめいていてよく見えてなかった。
だが、少し駆け寄っただけでわかった……あれは人ではないと……
影が振り返る……それは
「イカカカ!イカんよお嬢ちゃん!こんなところにいてはね!イカカカ!」
イカだった。人影に一瞬でも見えたのは立つのに使ってる足が人間の足だったからだ。
しかも、声はおっさんなのにハイヒールをはいていた。いや、それだけじゃない
スネ毛が目に見えるほど生えている。ついでに額には4という数字。
正直生理的に受け付けたくない……関わりたくない存在だった。
呆然とする少女を尻目にイカは続けた。
「こんなところにいるイカん子には……」
イカが口をあける。あけた口には
「え?」
炎の揺らめきがあった。
「ホータルイカファイヤー!」
そしてイカの口から炎が解き放たれようとして……
バラララ
「イデデデ!」
炎が四散した……見ていた少女はわからなかったが食らったイカはそれが何か知っていた……
マシンガン……ミッドチルダでは禁止された質量兵器だ。イカはあたりを見渡し叫ぶ。
「だ、誰だ!?イカん子にお仕置きしようとする善良なイカを奇襲するイカれた奴は!?」
「イカに善良も何もないでしょ。ね、るるちん」
「うん、ららちん」
そう返事が変えてくるや否や……イカの視界は火災とは別の要因……人為的に引き起こされた爆発によって遮られた。
めぐるましく変化する状況とは反対に先ほどの少女は呆然とし続けるしかない。
と、そんな少女の後ろから声がかけられる。
「大丈夫ですか?」
「え?」
振り向くとそこには……2人の少女がいた。年は呆然としていた少女と同じくらい……2人の外見は瓜二つ……
一目で双子とわかった。それだけならいい……だが、双子はその手に銃を抱えていた。
どうみても異質だった。だが、双子は気にせず少女へと話を続ける。
「ここは危険だから」
「早く離れて。向こうならまだ大丈夫なはず」
そういうと双子は少女の背中を指し示した方向へ通した……
なぜだかわからないが少女は示された方向へと走っていた。
よくわからない物への恐怖から一刻も早く逃れたかったのかもしれない。
少女の姿が完全に見えなくなると双子は口を開いた。
「やれやれ……十二賢人とワダツミの連中もこりないね……」
「まさか、自分達の世界外にスポンサーを見つけるなんてね」
「それにしてもどうする、ららちん?」
先ほどイカを吹っ飛ばした時の会話から察するにもう一人をららちんと呼んでいたほうがもう一方のるるちんなのだろう。
るるちんはららちんへと語りかけながら先ほど吹っ飛ばした方へと目を向けた。そこには
「てめぇらあ!人が下手に出てやれば調子に乗りやがって!触手プレイにしてやる!」
イカり、もとい……怒り心頭のイカがいた。しかも無傷……いや、傷が再生していた。
「あいつ強化イカ外骨格装備みたいだよ」
「ノンノン違う違う!強化イカ外骨格など古い古い!今の俺様に装備された
強化イカ外骨格ニューZはただの強化イカ外骨格とは一味も二味も違うぜ。
むろん噛んだ時の深みも倍増だ!イカカカ!」
「これはちょっとまずいかもね……」
そう話し合う姿を見せてから表情をあまり変えなかった双子の顔には
焦りの色がほんのわずかであるが確かに浮かんでいた……
その後、鎮火した臨海空港には双子の姿もイカの姿もなかったという。
そして、あの時逃げた少女、スバル・ナカジマは管理局のエースオブエース、高町なのはに助けられ将来を志していた。
その前にあったことも忘れたくても忘れられないようなできごとであったがなぜだか不思議と記憶から薄れていった……
そして、4年後……再び、スバルとなのはの運命が交錯したときにそれも動き出す……
因縁……
それと会うのは4年前に出会ってしまったときから会った必然だったのだろう……
隊長が不在のスターズの前に現れたのは4年前、空港を炎に包んだイカだった。
「あ、あんたはあの時の……!」
「スバル、知ってんのか!?」
「え!?ヴィータ副隊長も……」
「ああ……忘れるものかよ……!」
声を押し殺しそう搾り出したヴィータの顔は憎悪に歪んでいた。
「イカーーッカッカッカッ!いよう!久しぶりだな!お嬢ちゃん!それに……え〜っと!そうそう!
てっちりの騎士!ご機嫌イカが?」
呆然とするスバルと憎悪に顔を歪ませたヴィータを嘲笑するようにイカが喋る。
「……だれが河豚だ……ふざけんじゃねぇぞ……!あの時はよくも……よくもなのはを!!!」
「さあて……なんだっけ?」
「てめぇぇぇぇぇ!!!」
「イカーーッカッカッカッ!来いよ、遊んでやるぜぇ!このイカファイヤー様がなぁ!!」
燃えるクラナガン……
「あ、あのイカの化け物が……こんなに……」
空を舞い、地上を駆けるイカの怪人とブルドーザーと呼ぶには疑わしき手足が生えてロボットのような
ブルドーザー?
それがクラナガンを蹂躙する……その数はもはや計算不能。
暗躍する組織、ワダツミ
「皆さ〜ん!聖王降臨及び聖王のゆりかご、進宙式!!」
「イン・ミッドチルダ!!」
赤いスーツを着たイカの覆面の男が声を上げるととそれにあわせて黒いスーツの覆面達が
声を上げる。
「長き時を経、時代に空白を挟んでの聖王の復活!」
「イッカす〜!!」
「聖王が降臨し、聖王のゆりかごが軌道上に到達!2つの月の魔力を受けたとき!
聖王の魂はゆりかご内に建造したニューイカファイヤー製造プラントに吸収され、
ニューイカルスシリーズを完成に導くのであります!
さらに、たとえそうでなくともゆりかごをガジェット、我が組織の優秀なブルドーザーと共に
防衛するイカファイヤーはこのたび、イカルス計画に参加してくれたドクタースカリエッティの
技術により強化されております!
97管理外世界の核兵器も!管理局の魔力至上主義ももう時代遅れ!世界に優しいイカルスシリーズ!
さあ、まずは二千万円から!」
苦戦する六課
スバル、ティアナが相手にするのは額に8、9、11、12、13とついた5体のイカファイヤー。
「この!」
「グアアアア!」
ティアナの射撃を食らう額に12番と番号のついたイカファイヤー。
「や〜ら〜れ〜た〜!……な〜んちゃって!!イカしてるだろ?」
だが、すぐに復活する……たとえ至近距離からスバルのディバインバスターを受け消し炭の状態になっても……
「……どうしたら……」
「クッ……」
スカリエッティを確保せんとするフェイトの前に立ちふさがるのは1、3、7と額に番号のついたイカファイヤー3体。
ソニックムーブを使い、一時距離をとろうとするが
「フハハハ!逃さん!許さん!イカして返さん!イカ速装置!」
イカファイヤーが加速し、距離をつめる。3番のイカファイヤーに積まれているのは加速装置。
そして、イカファイヤーの触手がフェイトを捕らえた。
「しまっ……ッ!」
イカファイヤーの触手がフェイトの体を締め付ける。
「触手プレイはイカがかな!?イカカカ!」
「クッ……」
呻くフェイト。苦しい、そして何よりヌルヌルして臭い。
「ディバインバスター!」
「シュワルベフリーゲン!」
ゆりかごを止めんと動力と玉座を目指すなのはとヴィータ。
それを阻もうとするイカファイヤーにはナンバリングがない。
それにかなりのダメージを与えれば再生せずに崩壊する……後にはイカ臭い臭いのみ。
まだ、ほかの仲間達が相手にするイカファイヤーよりはなんとかなりそうだ。
ただ……
「クッソ……!一体一体は前に倒したやつに比べりゃよえぇけど……どんだけ、いるんだよ!こいつら……
つうか、死骸が臭すぎるぞ!」
「イカカカ」
嗤うは視界を埋め尽くす無数のイカファイヤー。数が途方もなく多い。
それらすべてが2人をあざ笑うかのように笑みを浮かべながらヌルヌルした体を揺らす。
「……クッ」
(このままじゃヴィヴィオのところにたどり着けない……どうすれば……)
気づいたらイカがいた
「失礼します」
ゼストと対峙するレジアス。その様子を固唾を呑んで見守るシグナム、オーリス、アギト……
その最中に乱入してきたのは数名の局員。
「……なんのようだ?わしは忙しい」
「すぐに済みますので……中将、騎士ゼスト……死んじゃいなよ。イカカカ!」
先頭の女性局員がそういうや否や女性局員は2と額についたイカファイヤーに……
他の局員はナンバリングのないイカファイヤーへと姿を変えた。
「イカカカ!」
「貴様は……!」
驚きながらも構えるゼストとシグナム。そんな中、レジアスは呟いた。
「……これが報いということか……」
天は世界を見捨てず。
「グワベッ!?」
フェイトを追い詰めていたイカファイヤーが吹っ飛ぶ。
フェイトはイカファイヤーを吹っ飛ばした物を見る。それは
「……野球……ボール?」
転がったそれを見つめるフェイト。僅かだが放電しているのが見える。と、
「フン……おせぇぜ、イカ野郎……ハエが止まって見えるぜ」
声のした方を振り返る……そこには野球のユニフォームに身を包んだ男がいた。
「あ、あの……あなたは?」
尋ねるフェイトに男は不敵な笑みを浮かべ答えた。
「俺か?ただの会長秘書だよ。プロ野球選手になりたかったな」
「な、なんだとぉ!?」
11番のイカファイヤーの体を何かが貫く。そして、イカファイヤーが爆発する。
「な、なんなの!?」
ティアナが呆然とする中、スバルはイカファイヤーを貫いた何かを目で追っていた。
そしてそれは……
ガシャン
「愛之助よぉ……お前が俺の腕をこんなにして以来……ホントに退屈しねぇ日々だぜ……」
それは義手だった……鋭そうないかにも凶器な感じのそれは
いつの間にかスバルの後ろにいた老人とドッキングした。
これだけでも驚愕すべき事態だが事態はそれだけでは収まらない。
「グフッ…」
突如、9番のイカファイヤーの体が貫かれ呻きと共に崩れ落ちる。
崩れ落ちたイカファイヤーの後ろから現れたのは
「ギン姉!?」
地上本部襲撃の際に連れ去られたはずのスバルの姉ギンガだった。
「ギン姉!無事だったの!?」
「ごめんね、スバル。心配掛けちゃったわね」
「逃げ出せたんですか!?」
「私もよくわからないんだけど……目が覚めたときにちっちゃな双子の女の子がいて拘束を解いてくれて……」
「それはいいんですけど……ギンガさん、その腕……」
ティアナが見つめるのは高速回転しドリルのように見えるギンガの左手。
「なんか、改造されちゃった……」
「いや改造されちゃったって……」
「助けてくれた子達の話では多分管理局の技術でも元に戻せるだろうって言ってたし、
とりあえず後回しにして助けに来たんだけど……」
「さすがにそれはどうかと……」
と、老人が口を挟む。左手の義手から炎を出し加えた葉巻に火をつけながら
「なあに……腕なんて使ってるうちになれるもんさ」
「大変、説得のあるお言葉ですけど……そうホイホイと」
「やれやれ、そんくらいわかってるさ。だからよ……
おめぇらも今がそんなこと話してる場合じゃねぇのもわかってるよなあ」
老人がそういいながら細めていた目を開きギラついた瞳を見せると自然とその場の雰囲気が引き締まった。
一方、
「こんなに銃やら手榴弾やら撃ちまくれるチャンスここ逃しちゃいつ来るかわかんねぇからな……
派手にかますぞ木下!ヤクザァ!」
「上等だぁ!おまわりィ!野郎共、きっちり締めるぞ!」
「了解でさあ!若頭!」
「いや、ホントはここって拳銃とか禁止らしいんですけど、先輩も若頭も……
まあ、プルト…………持ってるそっちのお嬢さんらよりはマシだろうけど……」
「な、何のことかしら?」
「そ、そうよ!ゴスロリ仮面は地球に優しいのよ!」
(……ここ地球じゃないんだけど……)
「ともかく!私たちもやらかすわよ!ユラちゃん!」
「OK!キラちゃん!」
「お嬢!お気をつけて!」
「お嬢じゃなくてゴスロリ仮面1号、2号!そこんとこよろしく!」
「へ、へい……」
「今、自分で……」
「言ってたよなぁ……」
地上防衛部隊のところには謎の助っ人の警官2名、ヤクザ、ゴスロリ仮面1号、2号の姿があった……
そして、地上本部……
部屋でイカファイヤーが正体を現したとき小さく呟いたレジアスは
「だが!」
突如そう叫びイカファイヤーへと飛び掛った。
「父さん!」
と、オーリスがレジアスに何か放る。それはバットだった。ただし普通の物ではない。帯電していた。
それを受け取るとレジアスはそれを思いっきりイカファイヤーへ向かって振りぬいた。
2番とついた個体にはかわされてしまったが後ろに控えていたイカファイヤーが真っ二つに裂ける。
その様子に残りのイカファイヤーが後退する。
「貴様ー!そんなイカがわしいものを!」
歯噛みする2番のイカファイヤー、それを睨みつつレジアスは唖然とするゼストへと口を開く。
「ゼスト……後ですべて話す……こいつらのことも……あの時のことも…………わしが犯した罪もな……
それを聞いて許せなかったらわしのことは好きにしろ……だが、今はそのときではない……
わしはこの手で責任を取らねばならん……頼む……」
「レジアス……」
「オーリス、地上部隊にも装備をまわせ!」
「わかりました!」
オーリスが部屋にある端末を操作していく。
「!一部の部隊に既に支給されてます!それに……所属不明の人間が何人かイカファイヤーと交戦してます!」
「何?……もともとアレは97管理外世界にあったもののコピーに過ぎんが
本局の連中が簡単に手を出せるとは思えん……まあいい……それと……」
レジアスは部屋の傍らからバットをさらに2本引っ張り出すとそれをシグナムとゼストへと投げ渡した。
「そいつを使え!こいつらには専用の武装でないとあまり効かん!」
「おのれ……」
地上本部レジアスの部屋……戦いの場には不似合いなところでもイカファイヤーとの戦いが幕をあけた。
「おおおりゃああああ!!!」
そんな掛け声と共にブーメランのようなものが飛来し一気に数体のイカファイヤーを切り裂いた。
ヴィータ、なのはをもってしても片付けるのにそれなりの労力を要したそれをだ。
さらに
「ほらほら!ぼさっとしてると巻き込むわよ!!」
バラララ
マシンガンを乱射する音がその場を切り裂いた。
マシンガンが着弾したイカファイヤーは苦しんだかと思うと溶けていきイカ臭いを放つだけになった。
なのはとヴィータが銃撃が放たれた方向を見るとそこにはマシンガンを2丁持った少女と
その少女と同じ顔の……おそらく双子だろう……ゴルフのクラブケースのようなものを背中に背負った少女、
さらに先ほどブーメランだと思ったもの……帯電した金属バットをキャッチしている男がいた。
「あ、あなた達は!?」
「あ、どうも……自分こういうもので……」
尋ねるなのはに男は名刺を差し出した。名刺に書いてあったのは
「双葉探偵事務所所長双葉恋太郎?」
「うぃっす。よろしくお願いしま〜す」
「助手の白鐘沙羅で〜す」
「同じく助手の双樹で〜す」
ノリのいい挨拶をする双子だがなのは達が聞きたいのはそういうことではない。
「じゃなくて!どうして探偵なんかがこんなところにいるんだよ!?」
「変な小学生くらいのデイジーチェーン・ソーとかいう双子に依頼されたの」
完結に答える沙羅。
「はぁ?」
「まあ、ワダツミが絡んでるみたいだし……ワダツミの亡霊がさ迷ってる以上、おとなしくニコタマで
眠っていられんのでなというノリもあるんすけどね……」
「他のみんなにもばれちゃってついてきちゃったのは失敗よね」
「ちなみにソーはチェーンソーのソーで通った後はズタズタとのこと」
「だぁ〜!わけわかんねぇ!」
「えっと……とりあえず……」
おずおずといった感じで双樹が歩み寄って2人に何か差し出す。
「それを……えっと……デバイスとか何とかに組み込んでください……あのイカを倒せるようになるらしいです……
なんか燃費が悪くなるとかも聞いてますけど……」
「なんだと!?マジか!?」
「いや、あたしらも渡しとけと依頼されただけだし知らないというか、この世界に面食らってるんだけどね」
「この世界ってことは……まあいいや……ものは試しだ……」
ヴィータは渡された物をグラーフアイゼンへと組み込む。そして、組み込むと試しうちとばかりに
手近なイカファイヤーに攻撃を叩き込んだ。攻撃を受けたイカファイヤーは刃物でもないのに
攻撃を受けた部分から体が真っ二つに裂けた。
「おお〜!こいつぁ」
効き目があるのを確認しなのはも遅れてそれを組み込む。
「正直いろいろと疑問だけどこう囲まれてちゃゆっくり話もできないし、急いで片付けようか」
そういうなのはに恋太郎と沙羅が待ったを掛ける。
「いや」
「事情は聞いてるよ。ここはあたし達に任せて先にいきなよ」
「え?でも……」
確かになのはは早く行きたい。行って自分をママと呼んでくれる少女ヴィヴィオを一刻も早く助けたい。
だが私情を優先するわけにはいかないという思いがそれを制止する。
と、恋太郎が口を開く……
「今のあんたの顔、結婚式ぶっ壊しにドイツに不法入国する前のしょげてた俺の顔にそっくりだ。
んで、そんな顔をしてた経験者からのアドバイス!そういう時はな……全力でやりたいことやってみろ!」
「でも……」
まだ、渋るなのはにヴィータも口を挟む。
「いいじゃねぇか……そいつの言うとおりにバカやってみても……
それにあたしもここ最近副隊長だの階級だの余計な肩書きついちまってバカやれねぇで
ストレス溜まってたんだ!久々にバカやらせてもらうぜ!
それにさ……そういうバカはもともとおめぇの得意分野だろうが!」
「なるほどね……ならば、なおのこと!さっさと行ったらどうっすか?バカの大将」
「バカの大将は恋太郎でしょ」
「うっせ!一度言ってみたいかったんだよ!」
「んじゃ恋太郎はバカの大元帥ってとこで……」
「お前な……」
「「「ははは!」」」
沙羅、双樹、ヴィータが笑う。
「あ〜もう!」
その様子になのはがあきれた表情を浮かべているのに気づくと恋太郎たちは態度を改め……
「ともかく!たまには無茶するのもいいんじゃね?ってことっす!」
最後に恋太郎がそう締めた。その様子になのはは苦笑し……
「そうだね……じゃあ、ヴィータちゃん、双葉さん、白鐘さん、この場はお願いします!」
「「おう!」」
「はい!」
「任しときなさい!」
威勢のいい返事を聞くとなのはは口元に笑みを浮かべ……彼らの援護をバックにゆりかごの奥へと飛び立った。
「んじゃまあ」
「暴れるとすっか」
「賛成!」
「やっちゃえ〜!」
宴は終わらない
「!?爆発!?プログラムは止めたのに……」
スカリエッティを捕らえたフェイトだが突如ゆりかごが不自然にゆれ、音が響いたことで
爆発が起こったことに気づき動揺する。
「フハハハ!やはり君は感情的になると周りが見えなくなるようだ……
未だに私が私一人だけで事を運んでいると思ってたね?」
「どういうこと!?」
「何、私が捕まり、イカファイヤーもこのようなことになった以上長居は無用。
証拠隠滅ということだろうさ。大方、新型の自爆スイッチの実演販売も兼ねてるんだろうがね。
やれやれ……失敗したにしろ自分の功績を残すということは悪くはないとは思うんだがねぇ……
所詮ブローカーということか」
「クッ……」
そして、脱出したものたちが目にしたのは崩壊するゆりかごの中から現れた
「起動!」
内部で赤いスーツのイカ覆面がそう叫んだ瞬間それは動き出した
「なっ!?あれは……」
「あんなのありか!?」
「またかよ!」
巨大なイカ……巨大戦艦イカルスウイング……
なすすべもない地上部隊。だがそれに接近する存在があった。
オンボロ飛行機とウイングロードを駆けるバイク。
オンボロ飛行機には恋太郎、白鐘姉妹、バイクにはティアナ、スバル、なのはが乗っている。
それらが、イカルスウイングへと向かう。
「しゃらくさい!」
内部でワダツミのボスが嘲笑する。
それに呼応するかのようにイカルスウイングは戦艦にあるまじき触手とミサイルで迎撃する。
オンボロ飛行機はそれを軽々と交わすがバイクの方はギリギリだ。次第にバイクは追い詰められていき……
「このままじゃ……」
「ランスターさん、スーパーブーストON!」
と、沙羅が叫ぶ。反射的にティアナがそれらしきスイッチを押した。その瞬間、バイクは一気に加速する。
「え、ええ〜〜!?」
「豆腐屋玄さんのバイクをなめんじゃないわよ!!」
「なんで豆腐屋のバイクにこんなのついてるのよ〜〜!!」
ティアナ達が乗っていたのはゆりかごに突入した時のバイクではなかった。
恋太郎達の知り合いの豆腐屋玄さんのバイク(ジェット搭載)
加速したバイクとオンボロ飛行機はイカルスウイングに接近し、
2機から恋太郎、なのは、スバルが飛び出し……
「探偵キィィィック!!!」
「「ディバイィィィィン……バスタァァァァァァ!!!」」
必殺の一撃を両目に叩き込んだ。
このところいつも同じ夢を見る。
酷くでたらめな夢で異世界やら秘密結社やらイカの怪人やら複葉機やら筋道立てて説明するのはめんどくさいのだが
あえて一言で言うならそれは、たぶんそれは……
「イカについての物語だ!イカーッカッカッカッ!というわけで
イカと人間を合体させた脅威の新人類!イカルスイカファイヤーStrikerS始まるぜぇ!
イカーッカッカッカッ!!!グベッ!」
「始まってたまるか!もうイカは見たくもねぇっての!」
「同感だぜ」
「ヴィータ、今日のスパゲティはイカ墨スパやで」
「嫌だぁぁぁぁ!!」
魔法少女リリカルなのはStrikerSオルタナティブ……始まりません……
投下終了です。
なんていうか……すいません。
特に数の子好きな皆様。
クロス先フタコイオルタナティブかwww
イカファイヤー・ナンバーズwww
なんかイカ食べたくなってきた。
ふーむ、どうやら色んな意見がありますね。そして少しですが、答えさせていただきます。
>「魔力の欠片も無い機械が何故かページの足しになった(意訳)」とか
平気で言い放って投げっぱなしのメンタリティとか
それは前スレにある「第5話までのあらすじ」ちゃんと理由は書いてますよ。
それと思うんですが、スパロボでテッカマンが出てますが、核にも耐えられる相手にモビルスーツやM9で普通にやりあったら勝てると思いますか?
スパロボだから勝てるのだと思ってます。ですのでスパロボにしたらなのは達もロボットに勝てると言ってみる。
スルーの魔法を使った方が良いのでは。
>>104 あんなあからさまな後付けが通ると思ってるのかお前?
そもそもいくらなんでも無理あり過ぎだろ。
魔法文明のものに追加でつけれる機能じゃない。
マサキだから、とかいうなよ? 釘指しとくけど
あとその発言は原作ファンに思いっきり喧嘩売ってるんだよな?
アレはゲームという形にするための補正で、文章という形でならそれなりに設定に忠実で無いと
というかその理論だとなのはたちは真ドラゴンやグレートゼオライマー、量産型エヴァンゲリオンとかにもかてるって事になるが、その辺考えてるのか?
長文スマソ
都合の悪い所はスルー。ごめんなさいに誠意はない。
もう何言っても無駄だからやめとけ
>Devil never Strikers
神展開ktkr! あまりにサービス良すぎる悪魔軍勢の登場に鼻血出るわw
確かにヘタな作戦立てるよりも全然効果的な力押しですけどね、これは押しすぎてるだろう!
シャドウとメフィストとか、特定の手順踏まないと倒せない悪魔なんて、タッグで出てきたら死ぬwクロスだからこそ実現する悪夢の組み合わせに管理局涙目ww
ダンテが2仕様なので「まあ、どんな悪魔来ても大抵は余裕だし?」みたいな安心感がありましたけど、これは予想してませんでしたね。
そして、そんな絶望的な戦況下でスバルやティアナがカッコいいです。
っていうか、何よりこの回ってスーパーヴィータタイムじゃね? 幼女は正義ですよ。
次回はダンテサイドか、隊長陣サイドか? テンション上がってきたw
>StrikerSオルタナティブ
元ネタ知らないけど、カオスなことは理解出来た。
というか、もうメチャクチャすぎて原作どんな感じなのか想像できねえw
しかし、ネタ知らなくても、シリアスなのかギャグなのか分からないけどとにかく熱い展開に笑いながら感動しました。
クライマックスのなのはへの台詞、何気にいいですね。少女時代の思い切りの良さが戻ってる感じです。
そしてナンバーズが……っていうか、2番のミステリアスな美女がw
っつか、ここでもヴィータタイムのような気がする。
イカの化け物相手に奮闘するハンマー少女とか……何かに目覚めそうじゃないか。
ふきのとうやレギオンと同じにおいがするよ!(゚∀゚)
俺、最初オルタナティブのタイトルを見た時マブラヴのクロスかと思った。
いや、フタコイも知ってたけどさ
>>111 マブラヴはオルタネイティブじゃなかったか?
俺か!? 俺も悪いのか!?
いくらロボットの中では格下の部類とはいえ、ナイトメアフレームを振動破砕で易々と撃破した俺も悪いのかぁ!?orz
>>113 もちつけ。
ほら、そんなKMFにはD.O.Mだw(マッチョゼロ様参照)
あといきなりどうしたw
>>112 なのはとのクロスは設定的に無理だろ、空とんだ瞬間に蒸発しちまう。
例
ドモンが(他の中核級ガンダムファイターでもOK)ロケットパンチを蹴り飛ばした(あくまで一撃VS一撃)→OK
スバルVSナイトメアフレームもこの部類(別名主役補正、ただしその攻撃の瞬間一対一が作れること)
対して
ロケットパンチとアトミクパンチとブーストナックルをシグナムが簡単に切り払う→ダメダメ
各スパロボをガジェット以下に貶める愚行でしかない、特に「もう相手をしてやれん!」などと言う捨てゼリフで最悪っぷりがさらに上乗せ
以後の戦闘の成立が不可能なほどのチート行為、五右衛門が斬鉄剣で拳銃弾切り払うのと同レベルのパワーバランスにしちまってる
でも何の反省も無く登場初期とのパワーバランスの矛盾にあふれた戦闘を強行展開
だから批判しか出て来ない
一例として「打ち込みの反動を利用し、ことごとく回避して見せた」事を文章力でスマートに描写してみせることが出来てれば
話はまた違っただろうが(時代劇での百人斬りシーンを思い浮かべると近い、アレを撃破ではなく逸らしてかわす為の最低限の一撃に置き換える)
>>116 セリフはおいといて、1対1ならよかったって事ですか?
もう少しわかりやすくお教えいただけませんでしょうか?
さんざんガン無視くれてた過去ログの批判から読み解いて来い馬鹿者
2スレ前の闇の書関連とか特にだ
ガン無視かましまくってた責任も取らない教えてクンにそれ以上言う事は無い
>>117 一言でいうならサイズ比を考えて、描写しろということだな。
明らかに人間大を超えるサイズのロケットパンチを、一発で弾き払うとかゲームならともかく
SSでは無茶がある。カートリッジで威力増加し、渾身の勢いで弾き払うとかならともかくね。
スパロボの特殊能力は一部ゲームという状況にあるから成り立つものがあるのであって、
SSでの一部物理法則が成り立っている環境内でそのまま反映とか無茶がありすぎる。
スパロボだからOKとかいうまえに、サイズ比と両者の能力を考えて実現可能かどうか検討してからやってくれ。
あと描写も。
それなら誰も文句は言わないから。
あと連レスですまんが。
ここは雑談スレじゃないから、
>>117 聞くならウロス行ってくれ。
>>119 すいません、描写不足でした。
>カートリッジで威力増加し、渾身の勢いで弾き払うとかならともかくね
これを書いてないだけでやったつもりでした。ごめんなさい。
へんなことをいいますが、以前に他の事をウロスで聞いてもスルーされまくってるので、どうも聞きずらくて…。
後、過去ログ見たくても無理です。色々ありまして…。ごめんなさい。
それとガン無視した気はありません。
いっそスパロボしたいのならば、最初からスパロボに合わせて全ロボSD化してしまえばよかったのにと思う。
そうすりゃサイズ比的に全てのロボが10メートル以内の小型機になって、ロケットパンチもギリギリ切り払えるサイズになったと思うが。
>>122 書いていないだけで、XとEの話のロボットはデフォルトで全てSDですよ。
書いてなきゃ意味無いだろ…
自分の中ではこうなんです!って言ったところで描写が無きゃ
ただの後付ないし、言い訳にしか聞こえない
>>123 「書いてない」事を前提に話をされても。
つか、いい加減ウロス池
言い訳も弁解もこっちには要らないから
何か言いたいならウロスで言いなさい
まあまあまったり行こうぜ、兄弟。
と、それはともかく。
19時頃からビスケット・シューターの三話の投下予約してもよろしいですかな?
ようやく機動六課編に入るんですが。
反省ゼロの「書いてない事を解らない読み手が悪い」論法(別名責任転嫁)全開だな
受けた批判を解する意思が欠片も無い
進歩が無いから批判内容もループするばかり
グダグダにも程がある
dat落ちしてないまだある過去スレすら読まないってどこまで傲慢なんだこいつは
>>127 執筆早いなあ、流石。
待ってます。闇王女進めんとなあ。
・・・アレ?ゲッター昴はどうしよう。
……あれ?
かなりの勢いでスルーされると思ってたら、なんか受けがいい。
もしかしてビスケット・シューターとかって嫌われてなかったのか?
絶不人気だと思ってたのに、ビックリです。
あ、そうだ。
あと今夜はもう一本小ネタも投下できるかもしれません。
アンリミテッド・エンドラインのSIDE1.5という扱いで、ギャグ話です。
だから、あと三時間ほど待ってくださいねw
>>134 俺はあなたの作品好きだぜ
特にビスケット・シューターはかなり大好きだ
アンリミテッド・エンドラインは更新が待ち遠しい作品で3本の指に入ります。
時間的に支援できるかどうかは微妙ですが、お待ちしております。
137 :
一尉:2008/03/20(木) 17:00:54 ID:55XCX/9r
イカたろうがダコ方がいいじゃん。支援ます。
>>134 たまたまリアルの都合で支援や感想が出来なかっただけで、いつも楽しんで読んでますよw
>>89 それは違うだろ。
リリカル世界は魔法が科学を代用してるだけで
建築物とか見るに普通の科学は余り進んでなさげ。
クラークのそれは御伽噺の魔法みたいに万能化するんではなくて
ブラックボックス化して専門家以外は理解不能になることを指すんじゃなかったっけ?
>>89,
>>140 むしろ、何でもできるってことじゃないかなぁ
”失われた宇宙の旅2001”に書かれている、2001年の宇宙の旅の初期アイデアなんか読むと、ディスカバリー号がまるごと、えらくファンタジックな世界につれて行かれてしまってるが、
それは異星人の超科学力によるものだろうし
一発ネタおk? 誰か投下予定あります? ちょっと長めの嘘予告なんだが。
>>143 19時から予約あるから後にした方がいいかも
>>144 thank you それならその後に予約入れてもOKかな?
チェックしてきて19時以降なかったから夢境学園さんの後に投下予約します。まぁ、一発ネタなんだけどね・・・
クソ!リアルタイム支援が出来なくなった
ええと、そろそろいいかな?
レス番号のチェックをしているので、ちょっとだけ待ってくださいね。
大体9レスほどになる予定です。
相変わらず長い……orz
支援お願いします。
ビスケット・シューター三話。
相変わらずシグナムの姐さんが出張ってます。
しえ〜ん!
お待ちしてました、支援!
支援だ序ー!
用意万端。
投下開始します。
支援よろしくお願いします! ハードボイルド注意!!
人は何かを思い出しながら生きている。
現在は過去の終着点であり、未来は過去の延長線。
日を浴びながら歩いていても、その背後から付き従う影のように、過去を振り切れるものなんてこの世にはいない。
過去は追ってくる。
過去は刻み付けられる。
過去は迫ってくる。
記憶は、思い出は、降り積もる雪のように膨大な記録に埋もれていくだろう
けれども、いつかは雪は溶ける。
そして、その下に芽吹く過去は春の兆しを浴びる新芽のように、或いは迂闊に足を乗せた地雷のように。
その者の前にそれは姿を現すのだ。
――脳漿をぶちまけた遺骸の手に握られた手帳より
そいつのことは一目見た瞬間から理解出来た。
ティアナ・ランスター。
特徴的なファミリーネーム。
誰かを思い起こさせる赤毛。
だから、ヴァイスは彼女を見た瞬間、息を飲んだ。
かつて失った親友の面影を、かつて取りこぼした悲劇を突きつけられたような気がして。
「平和と法の守護者、時空管理局の部隊として事件に立ち向かい、人々を守っていくことが私達の使命であり、
為すべきことです」
本来ならば聞かなければいけない部隊長の挨拶を殆ど聞き流してしまっていた。
だから彼は、パチパチと続く拍手の音に、慌てて手を鳴らし始めた。
そして、同時に思い出す。
今いる場所。
――古代遺失物管理部【機動六課】本部隊舎。
そして、目の前で手を振るっているのは八神 はやて。
若き天才指揮官として目される才女だった。
【AnrimitedEndLine】
外伝 『Biscuit・Shooter/3』
その日、過去と出会った
……機動六課。
そこに所属することになったのは俺の意思ではなく、一つの誘いからだった。
「えっと、シグナム姐さんもう一回言ってくれるか?」
運搬部隊の宿舎からの散歩道。
非番の日に懐かしい声で呼び出された先に居たのは、鮮やかな髪をなびかせた見覚えのある女性。
数年ぶりに顔を合わせた元同僚であり、先輩でもあるシグナムの姐さん――“ヴォルケンリッター”のシグナムは相変わらず何一つ変わらない顔つきで告げた。
「主……いや、私たちが創る新設部隊に入らないか? ヴァイス・グランセニック」
「新設……部隊?」
「ああ。詳しい話はまた今度するが、ある試みを持った実験部隊になるだろう」
「試み?」
ヴァイスが首を傾げると、シグナムは少しだけ鋭さを秘めた瞳を浮かべた。
「ヴァイス。お前は今の武装隊の事件への対応をどう考えている?」
「今の武装隊って……俺が武装隊にいたのはもう二年も前ですよ? 状況なんてわからないっすよ」
「外部の人間としての感想でいい。どう思う?」
「そうっすね……海の方は相変わらずよく分からないっすけど、地上のほうは相変わらず人手不足みたいすね。
発生する事件に対応しきれて居ないというか……」
ヴァイスは空の彼方に自分の思い出すべきことがあるというように空を見上げながら呟いた。
そんな……彼の手は小刻みに震えていた。
煙草が欲しい。
控えめにしているが、どうしてもやめられない煙草を吸いたくなった。
思い出そうとする思い出を殺し尽くすほどの苦々しい毒を吸いたくなってくる。
「お前もそう思うか……」
そんな彼の手先の震えに気が付いたかのように、シグナムはヴァイスの言葉の終わりを待たずに結論を言った。
「地上では頻発するテロや治安に追われ、海では広大な管理世界に慢性的な人手不足に悩まされ、常に対策は後手に回り、
重要度の低い事件は後に回されている。ヴァイス、私達はそんな状況を変える一石を投じたいのだ」
支援!
ハードボイルド支援
「……一石?」
「ああ。そのための実験部隊、優れた高ランク魔導師と高い成長性を持った新人たちによって構成された広域機動部隊。
既存の管理局にはありえないほど充実した部隊になるだろう」
高ランク魔導師によって構成された部隊。
高い成長性を持った新人。
それはすなわち選りすぐりのエリート部隊とも呼べるものだろう。
「そんな部隊に……俺なんか誘っていいんすか。優秀なヘリパイロットが欲しいなら、Aランク試験落ちたばっかの俺じゃなくて、
他の奴を紹介しますよ?」
ヘリパイロットとして最高位のAランクライセンス。
その取得試験にヴァイスは落ちた。
勉強もした、腐るほどシミュレーターもやって、輸送用ヘリから軍事ヘリまで動かしても届かないAランクライセンス。
それが手に入れられなかったのはただ単純に才能がなかったのか、それとも今だにヘリの操縦桿を握る自分に
違和感を覚えているからだろうか。
いや、それは単なる言い訳だ。
「確かに単なるヘリパイロットが欲しいならAランクの者を紹介してもらったほうがいいだろう。
けれど、私はお前を誘っているんだ。いや、お前にこそ来て欲しいと思っている」
シグナムの言葉に、ヴァイスは不審げな表情が浮かんだ。
「……なぜ俺なんすか?」
疑惑の目でヴァイスはシグナムに目を向けた。
ヘリパイロットとして特別でもない、自分を誘うメリットが読めなかった。
武装隊も止め、“表向き”には引退したも同然の自分に誘う価値なんてあるわけがないと思っていた。
けれど。
「ヴァイス……私はな、お前に夢を見せたいのだ」
「夢?」
「ああ。お前の妹の悲劇……それを食い止められるかもしれない可能性を見せたいのだ」
可能性?
「“救えなかったはずの誰かを救える部隊”、“助けられなかった誰かを助けられる力”。
つまらない夢物語かもしれないが、そんな可能性がある。だからこそ、お前に見届けて欲しいのだ」
その言葉は、その時の彼にはあまりにも眩しかった。
まるで太陽のようで、もし少しでも違う俺だったら希望を携えて頷いていただろう。
雨の日に引き金を引き続けていた俺だったら、多分涙を流しながら惹かれていたかもしれない。
けれど、“もう一つ信じるべき正義を持っていた俺は”。
太陽ではなく、月明かりのような“もう一つの正義”を知っている俺は。
「少し……考えさせてください」
即答も出来ずに、そう答えるので精一杯だった。
理想支援
SS書けなくて鬱状態だけど支援。
支援
支援
あの時とは違う空が見上げた視界に見えた。
同じ晴れた日。
「そうやって二年前の俺は結局頷いて来たわけで……」
これからの任務を共にする武装隊用の新鋭機【JAF04式】の装甲に背を預けながら、ここに来るまでの経緯を思い出し、
自分の情けなさに呆れた。
(自己嫌悪に陥るぐらいなら、最初から断れっつう話だよな)
先ほどの部隊長挨拶の時のスーツから着替え、専用のフライトジャケットと皮製のグローブを身に付けた手で
眉間をつまみながら、ヴァイスはため息を吐いた。
自己嫌悪。
そうなのだ。この機動六課に入ったのはなにも自分の意思だけが全てではなかった。
レジアス・ゲイズ中将。
あの人からの指令もあったのだ。
「――彼女達の正義の行く末を見極めろ。もしお前の正義が間違っていると思った時には、
それを“止める”力になれ」
たった数行の言葉と渡されたデータベースへのアクセスコード。
それだけを手に、俺はここにいる。
阻むためでも、排除するためでもなく、“止める”ために。
(まったく大将は難しい注文をするよな)
ただ単に瓦解されるだけならまだしも、それを止める、或いはその進路を逸らす。
それがいかに難しいことか、分かりきっているだろうに……
(レジアスの大将も期待しているんだろうか……彼女たちに)
天才には頼らない。
奇跡には祈らない。
それを公言し、レアスキル保持者に対しては嫌っているとまで誤認されているあの人はどこまで
厳しい道を歩むのだろうか。
ただの手足としか望まない自分だけれども、心配になる。
あの人が実現させる【100年の平和】の足掛かりを築き上げるまでの幾多の苦難に。
影に潜むべき正義支援
『――Friend』
「ん? ああ、もうこんな時間か」
ストームレイダーの声に気が付いて、時計を見ると既に八神はやて部隊長とフェイト・T・ハラオウン隊長の
輸送予定時間まで五分を切っていたことに気が付いた。
「よしっ」
顔を軽くはたいて、気合を入れる。
見れば、隊舎内から出てこようとしている二人の少女を見て、俺は笑みを浮かべた。
「あー、ヴァイス君。もう準備出来たんか?」
「準備万端。いつでも出れますぜ」
心の葛藤を押し潰し、焼き潰し、押し込めて。
俺はただこの場にいる人間として相応しい笑みと言葉を作っていた。
支援
首都クラナガン 中央管理局。
地上本部の中心部とも呼ぶべき場所に、ヴァイスは足として二人と……あと忘れていたが、リインフォースU空曹長を
運び終えていた。
業務を終えた三人の再輸送まではまだ時間がある。
JAF04式から起動キーでもあるストームレイダーを引き抜いて、隊舎だと吸えないニコチンを
補給するため駐機場から立ち去ろうとした時だった。
「あ、すみませんがちょっと待ってください」
ヴァイスを呼び止めたのは変哲もない作業服を着た男。
油にまみれ、世話しなく働き続けているであろう整備員の一人。
「ん? なんだ」
「あ、9番駐機場の申告されている時間での航空規制なんですが……」
そういって、その整備員はヴァイスに歩み寄り――“一枚の紙を握らせた”。
誰にも見えないように、不自然ではない動きと角度で、ヴァイスの手に一枚の紙が収まる。
「ん? もしかして、また航空ルートに指定が入ったのか?」
それにヴァイスは気づいて、軽口を叩きながらその紙切れを裾に仕舞い込んだ。
「ええ。最近はクラナガン上空の航空規制も厳しいようで、このレポートに書かれたルート通りに
離陸してください」
そう告げて、整備員は脇の下に挟んでいたバインダー付の航空ルートについて書かれた書類を
ヴァイスに渡すと立ち去っていった。
「なるほど、ね」
周囲を一瞥し、駐機場で邪魔にならない壁際に背を預けると、ヴァイスは手に持ったバインダーを前に立て、
周囲の視線から隠すように裾から出した紙切れを広げる。
そこに書かれていたのは簡素なアクセスコードと参照すべきデータベースのアドレス。
その文面をヴァイスは頭の中で数度反芻すると、紙切れを音を立てないように細かく千切った。
そして、あくびを隠すような動作でその紙切れを口の中に放り込む。
(まずっ)
当たり前だが、美味くもなんともない味にヴァイスは一瞬だけ眉間に皺をよせた。
メモに使われている繊維もインクも人体には影響がなく、唾液で溶ける特殊な紙。
何度も同じ手段で処分してきたからわかっているものの、この不味い味にはいまだに慣れない。
……慣れたくもないが。
何というか、六課を取り囲む連中は皆リアルな大人だなぁ…支援
またレトロな手段を……支援
葛藤こそが人間支援
「……ストームレイダー」
『YES』
待機状態の己の相棒に呼びかけて、ヴァイスは思考操作によって先ほど覚えたばかりの
アクセスコードとパスワードを入力する。
静かな駆動音と共にストームレイダーが、複雑なヘリの操縦システムも扱える高精度の処理能力を稼動させて、
地上本部のデータベースにアクセスを開始する。
その際に本来ならば出現するはずのディスプレイは浮かばない。
その代わりにヴァイスの網膜に、浮かぶべきディスプレイの映像が投影されていた。
もし注意深く、彼を観察しているものが居たら気づいたかもしれない。
ファイルを読んでいるだけにしては激しく動き過ぎている、彼の眼球の動きに。
(なるほど……ようやくフォワード陣のデータが提出されたのか)
他の誰にも見えずとも、ヴァイスにだけは見えるディスプレイには本日配属されたばかりの
新人フォワード陣四名のデータが写っていた。
(スバル・ナカジマ……あのゼスト部隊の所属のクイント・ナカジマの娘で――戦闘機人?
しかも、タイプゼロシリーズかよ。隊長たちはそれを知っててスカウトしたな)
蒼い髪の凛々しい決意を秘めた瞳を浮かべる少女を見て、ヴァイスは僅かな息を吐いた。
彼は知っている。
ライトニング分隊の隊長であるフェイト・T・ハラオウン捜査官が誰を追っているのかを、いずれぶち当たるであろう必然という名の偶然に皮肉を感じられずには居られない。
(それとキャロ・ル・ルシエとエリオ・モンディアルは……フェイトさんの保護対象だってのは知ってたけど、
こんなに幼くて大丈夫なのか? 片方はレアスキル持ちみたいだが、もう片方は魔力適正の高いだけの子供だぞ?)
魔力適正の高さは年齢や身体能力の差を軽々と凌駕する。
才能は経験の差を簡単に覆し、力を与える。
それを知っているとはいえ、ヴァイスはどこか嫌悪にも似た感覚を抑えることが出来なかった。
幼い子供。
それだけで彼のトラウマを連想させて、吐き気がする。
(それで最後に……ティアナ・ランスター。やっぱり、アイツの妹か)
データベースに登録された情報を見て、半ば確定事項だった予想を確信する。
ティーダの妹、ティアナ。
同名同姓の別人だという希望は崩れ去った。
苦々しい思いと溶けきったはずのインクの混じった唾液が苦い。
彼は気づかない。
その手が僅かに痙攣するように震えて、バインダーの上の用紙が見えないほどに震えていることに。
ヴァイスかっこいいなー支援
(やっぱりアイツの後を追うつもりか……)
何度も何度も聞かされていたアイツの夢。
――オレは執務官になりたいんだ。
――だけど、それまではお前と一緒の戦場で飛んでいたいな。
いまだに夢に見る友人の顔。鋭く刻まれた傷の一つ。いまだに後悔し続ける悪夢。
彼女は目指しているのだろうか。
執務官という選ばれた者にしか成りえない高い道を、まるでティーダの道をなぞるように彼女は歩むのだろうか。
(かんべんしてくれ……)
彼女達の身体データ、経歴、地上本部に提出されているだけの情報と裏づけされた事実。
それらを総合し、頭の中であることを実行するためのデータとして咀嚼しながら吐き気を堪える。
(オレに、友の肉親を撃たせないでくれ)
――知りうる限りの戦闘機人の急所と重要臓器の位置。
――竜という生物が持つ臓器の箇所と生体データ、及びそれらに通用する毒物の情報。
――高速機動を行う魔導師に対する狙撃方法。
――幻術魔法に対する解析プログラムの用意手段とその脳漿をぶちまけた時の想像図。
二年間の武装隊での従軍経験が、六年間の“対テロ経験”が、必要無いと叫ぶヴァイスの意思に反して、
冷徹なまでの狙撃手段を模索させる。
骨の髄まで染み込んだ肉を撃つ感触と匂い立つ硝煙の幻嗅に、手を震えさせながらヴァイスは祈った。
誰に?
それは彼にも分からない。
ただ――
彼女たちの道と己が歩む道が違わないことを祈っていた。
支援
読み耽って支援を忘れそうだw
支援
支援
6課が余りにも悪い意味で子供なだけでしょう。支援
しかし、彼は知らない。
その願いは叶わないことを。
二つの正義があった。
太陽のように眩しく、誰もが引き付けられる輝かしい正義。
夜闇のように暗く、輝かしくもないけれど必要な正義。
二つの正義が交わり続けることは決してありえない。
太陽と月が同時に重なるかのような奇跡。
それがこの運命の果てにあるのかどうか、それは誰にも分からなかった――
軋みを上げる信念の咆哮は今だ時は訪れず。
ただただ噛み合わない歯車が回り続けるのみ。
盲目の正義。
理想の正義。
現実の正義。
重なり合う正義は歪な悲鳴を上げて、破綻の時を待つばかり。
投下完了です。
支援ありがとうございました。というか、今までに無い支援っぷりに動揺してますw
これにてビスケット・シューターの”プロローグ”が完了しました。
次回よりアンリミテッド・エンドラインの本編とリンクし始めます。
時空管理局の正義。
機動六課の正義。
レジアスの抱く正義。
そして、その中で躍る一つの悪。
それらの動きと葛藤と軋轢をお楽しみください。
あと今夜にもう一本、小ネタでアンリミテッドエンドラインの話が投下できるかもしれません。
完全なギャグですがw
その時もお願いします。ありがとうございました。
おぉ!GJだぜwww
この作品においては、敗北するのはレジアスではなく機動六課であって欲しい支援
5分後に禁書目録との一発嘘予告を投下しますねー
ふぅ……正義というたった二文字の言葉がこれだけ重く感じるのは、そうそう無いですな
本編の裏側を描く外伝だからこそ、より強く違いを前面に打ち出せる構成も見応えありました。GJです!
正義の反対はまた別の正義ってどこかで聞いたことあるな……GJ!!!
ヴァイス、渋すぎるぜ
GJ!…実は正義の反対は悪じゃなく慈悲と寛容だったりする。
GJ!
六課が色々とヤバ気だなあ……
……何故だろう。シグナム辺りが、「おまえが裏切ったのか、ヴァァァァイィスッッ!」とか言ってるのが克明に想像できるw
>>183 パワポケ7の表サクセスだな。嘘みたいな本当の話。
やべぇー・・・この流れで嘘予告の一発ネタやりづらいけど、予約通り投下します
嘘予告「リリカルなのは×禁書目録」
「人間のロストギア指定? それって珍しいことなの?」
「オーパーツ、オーバーテクノロジーなどがロストギアに認定されるのに人がそんな存在だとおかしいでしょ?
それに人の場合はランクが与えられると思うわよ」
「そっかぁ。でも噂なんでしょ?」
「そ、あくまでも噂よ」
ティアナとスバルの何気ない会話、ある紅茶が美味しい喫茶で行われる日常。
「ちょっと待ってください。魔道師ランクFの少女にロストギアを認定?」
「管理局の上層部により決まったことだ。聖王教会からの進言でもある。八神はやて二等陸佐」
「聖王教会から…ですか」
「そうだ。聖王教会は以前からこの案を申請していたのだよ」
管理局の本部の一室で繰り広げられる何やら何かがありそうな会話。
「第97管理外世界、である人物がロストギアに認定されたわ…
『10万3000冊の魔道書』である通称『Index-Librorum-Prohibitorum』」
「地球にいる人が? 何で?!」
「なのは、あの世界についてなぜ管理外なのか。
ただ、管理局が関与しなかったからじゃなく管理できなかったかららしいのよ」
「フェイトちゃん…それ、どういうこと…?」
あの世界の隠された部分があらわになっていく。それは科学と魔法の戦争だった。
『ついにあちら側も動いてきたようでありまするね』
「管理局か…懐かしい奴らだ。グレアムなどがいるところだな。しかしあいつらがかかわってくるとは珍しいことだ」
『直接あなたと連絡すること自体が私はあり得ない状況ですけどね』
「何をいうか、ローラ=スチュアート。このことはそちらにおいては大きな問題としてとられているのだろう」
『あなたもでしょう? 今、禁書目録は学園都市にいるのですよ? 戦場となる場合、その年がなるのです』
「都合が悪いのは私だけではないはずだ。
学園都市、イギリス清教、ロシア正教、そしてローマ成教。すべてがそれについて考え始めている」
『動いてどこの者にも都合が悪くない自分物が動く必要がありますね。特に学園都市の場合、レベル0が』
「決まっている、誰が動くかなんて」
フラスコが電子画面に映された女と話している。その会話はこの都市で起こる戦いの予兆。
―――――――――魔法少女と禁書目録――――――――
「どきやがれ、お前は一体なんだ」
「…あなたこそ、そこをどいてください。私はそこを進む必要があります」
「変な服装して、こんな路地裏に来て偉そうな口をたたくんじゃねぇ…」
金髪の少女の前に立つのは鼻にピアスの空いた男。男はずっとジャケットの後ろに手を突っ込み拳銃に手をかけている。
「こちら側は縄張りに入られると困るんだよ…特に能力者を俺は嫌いだ」
運命の名を持つ女性と、本当の無力でも大きなものに立ち向かう男はそこで出会った。
「一面の炎に囲まれて倒れるか、それともこちらの最強の一手で燃えつくされる気か」
「いえ、僕は負ける気はありません」
「私もです…フリード!」
大きく泣いた龍を見ている男はマントがところどころ破けている。
長髪、長身、赤く燃えるような髪を見せる男は歯を見せるように歪んだ笑いを見せた。
「子供に苦戦を強いりられ、龍と闘う。それもまた私の最強への証明なのだ。
そして、彼女を守るためにこれを倒すことも私の試練だ。
『Fortis931(我が名が『最強』である理由をここに証明する)』」
その大きな龍と少女、少年の前に紅き魔人が降り立つ。
「ころしつくし、燃やしつくせ。わが強さを証明しろ、『魔女狩りの王(イノケンティウス)』」
男の最大の切り札。それはまるで魔法使いを殺すために存在するような化け物。
「…なぜこちらの手が読まれてんだよぉ!?」
「まるで私たちのことを知っているようだな」
無線で声が聞こえる。はやてからの情報。それは彼女たちには致命的なこと。
『彼女の脳内には夜天の魔道書の知識もあるみたいやわ』
「だからある程度の距離をとられているのか」
「さっきの遠距離攻撃も振りかぶったらもうすでに逃げてやがったし…どうする、ザフィーラ」
「とりあえず、鼻で追うぞ。ついて来い」
紅い少女と蒼い犬は、白い少女を追い続ける。
「たぁあああああああああ!!!」
金属がぶつかる音。その音はあまりにも奇麗でそして、怖い音。
肩で息をするシグナム、それをサポートするシャマル。その二人に立ちはだかるのはこの世界では最強に部類する人種。
「聖人相手にここまでするか…さすがだ、異界の魔道師」
「こちらも驚いた。お前のような奴がこの世界にいたなんて、依然探したときには見つからなかったのにな」
「名は?」
二人の間に沈黙、シャマルはそれを下から見つめていた。
「シグナム、ベルカの騎士だ」
「私は神裂火織、本気を出す。だからそっちも本気を出せ。彼女を守るのに時間をかけてはいられない」
シグナムは弾丸を込める。神裂は長刀を腰につけ、自分の身に刻んだ言葉を言った。
「いざ、勝負!」
紫電 ―――― 一閃
「『Salvere000(救われぬ者に救いの手を)』」
刀が引き抜かれ7の斬激と1の必殺が放たれ、大きな力はぶつかった。
支援
だけど、マジで30分ルールは守れ。
五分後って駄目だろ。
そして――――幻想を殺す少年は―――――――――
「あぁ、守るんだよ。
あんたがあいつをどんだけ危険か知ってるみたいだし、おれもそれは分かってる。
だけどよぉ…あいつを確保してそのまま連れていくやつらなんか信用できねぇ!」
「…無理やりにでも連れていく必要があるよ。
それだけ危険な少女なら、私たちも…協力するから!」
「あんたは信用できる。だけど、あんたの上が信用できる保証なんてどこにもねぇ。
守ると決めた奴のために後から来たやつが”私がやるから”なんて言われて”はいそうですか”って渡せるわけねぇーだ!」
「…でも…」
「“でも”も“へちま”もねぇ!
理屈じゃねぇーんだ! 俺が守るって決めたんだ!あいつが笑ってここにいるのを守るんだよ! あんたにもそういう人がいんだろうが! 守りたいと思う奴が!」
「っ!」
「いるならわかるだろうが!
見捨てるなんて選択肢は最初っからねぇーんだ! 世界が変わるから!? 世界が滅ぶから!?
そんなの俺でも大変なことだってわかるさ!
でも自分でも説明できない理論を持ってきたあんたに俺はあいつを渡すわけにはいかねぇ!
俺が、俺自身がそれを許せねぇーんだよ!」
「…それでも私は救うために動く! 力ずくでも…引いてもらうよ!」
「引くかよ…ここで引いてたまるか!」
大きな杖を構える無傷の女性、彼女は周囲に何かを飛ばしてすべてを青年に向けている。
一方青年は血だらけになりながらも立ち上がれるかどうかという感じでぎりぎりの状態。
しかし、彼から破棄は消えない。
「あんたにも正義があるのはわかるんだよ…それでも俺には俺のやり方があるんだ!
そんなんでもあんたが自分の流儀を引っ張り出すなら俺は自分の道を進むために
…あんたの―――――」
「痛いのはちょっと…だけだよ」
「全力…全壊!! スターライト――――――ブレイカー!」
光があふれ杖から青年に向かっていった。青年は右こぶしを挙げ、叫んだ。
「ブレイク―――――シューーーーーーーーート!」
「あんたのその幻想をぶっ殺す――――!!!」
光とこぶしはぶつかり、人は互いの道を進まず、自分の進む道を選ぶ。
どちらが正しいなんてない。その人から見れはそれは正しい道。
道なんてそれこそ五万とある。しかし、だからこそ道は人によって変わる。
二人は自分の道を進むために杖と拳、そして信念でぶつかり合う。
投下完了。
今頃言われて思い出すマナー…屑だ俺…
>>191 本気でごめん。マナー違反だ…
皆さんにも多大に迷惑かけました。実に申し訳ありません…
まあもうちょっと置いてくれればよかったかな
けどGJでしたよ
てかカミヤンがヴォルケンズ触れたらどうなるんだろうなw
長そうなので、連投規制に掛からないように支援。
あれ? まだ三十分立ってないですよね?
まあいいか。
シグナムは七閃に反応できるのかな? 支援
>>193 GJ!!!
しかし、アクセラレータの兄貴とレールガンとかは不参加ですかwwww
>>194 消えるんじゃね?
>>193 GJでした!
過ぎた事ですし、誤字も含めて次から気を付けるようにすれば良いのではないかと。そう、『次』から……超期待してますw
嘘予告だけで終わらせるのは実に勿体ないw
GJ!!!
>>194 たぶん消滅するかと思われ・・・・・・
ここの住民の皆さんの心の広さに多大な感謝を;;
もう一度本当にごめんなさい
っでおそらく俺も
>>194 消滅するとおもいますよ
>>194 設定的には消されそうですが、そこは上条効果で騎士甲冑分解→フルボッコ→「不幸だー!」のコンボにするのがおいしいかとw
ってか、消える前に甲冑分解が先な気もしますね^^;
>>202
GJ。
神裂の言葉づかいに違和感が、基本戦闘中でも敬語だったと。
……なのはと上条は似ているようでまったく違うんだよな。
というか、ローラも違うしww
>>200 まあ気にしない、気にしない。
次回から気をつければいいです……さようなら、感想。
お詫びに連載を開始するんだ!w
しかし、上条には破廉恥属性がついているような気がするのは自分の気のせいだろうかw
207 :
193:2008/03/20(木) 19:56:26 ID:GMKU6+Ch
ローラはしゃべり方があまりにも思い出せませんでした…ってか本を読んでもつかめませんでした…
神裂は俺の勘違いです…
しかし、参考になりますね。皆さんの言葉が。
連載は厳しい^^;
>>202 騎士甲冑分解→ギシギシアンアンどうしたんだ私の体!
と妄想した俺は、ちょっとバイド本体に日参してきますね・・・・。
・・・・おかしいなぁ、行きつけのスレがみんなエロいネタで盛り上がってるぞw
>>204 なのはの正義はあくまでも管理局の正義もしくは理想としての正義
なのは自身はfateの士郎に非殺傷設定と才能と運命補正を+した感じキャラで
当麻はデモンベインの九郎のようなだれもが持つ当たり前の正義
助けられるのに見て見ぬふりするなんて後味ワリーんだよみたいな感じ
なので当麻的には理解はできるが納得できねーって感じかな?
つかなのはと上条の対決って
上条がスターライトブレイカーそのまま溯ってBJに触れた途端分解で
セクハラ的勝利しか思いつかないw
>>210 んでそのあと敵味方両方から
少し頭冷やそうか・・・・になるわけかw
>>210 その後を偶然見つけたビリビリに攻撃ってのを今エンドの一つとして思いつきましたね…^^;
そして結局、上条はフラグを多数増やしたのであった(声:キートン○田)
増やしてはぶっ壊れる、
まるでこち亀の両さんの経済事情みたいだな。
なんか多重クロスのフラグが立ちそうな流れですなw
これ以上は
>>208エロス……もとい、ウロス行きの方が良いですかねー?
まぁ、ぶっちゃけ上条さんにそんなことする甲斐性があるわけねーべ
やっぱり禁書目録はメジャーなだけあって反応があるなー。
羨ましい限りです。
っと、検討がついたので今夜23時に再び投下予約してもいいですか?
アンリミテッド・エンドラインのギャグというか、SEID-2に入る前のネタ話ですが。
ビスケットだと足りないギャル分がバイド汚染気味に盛りだくさんな内容ですが。
……今度は潰されないことを祈ろう(トラウマ)
他に予約もないですし、問題ないと思います
寝落ちて無ければ支援しますー
今度こそリアルタイムで支援させて頂こう!
短い嘘予告投下してよろしいでしょうか?
カモン
OKさw
それでは初ですが、嘘予告投下します。
しかし、これわかる人いるかなぁ?
全ての始まりはここからだったのだろうか?
「次回の検査は精密検査のためにここに行ってくれないかしら」
迫りくる強大な力
「次の標的が決定した、この少女だ」
「この少女の力を解明することが次の戦争の勝利に結びつくだろう」
対するは闇
「急ぎですまないが、急遽調べてもらいたいことが出来た」
「八雲君が焦っているなんて珍しいこともあるね、何?」
「調べてもらいたい人物の名は……」
圧倒的物量
「くっ、まだ援軍が存在するのか」
「このままだとこちらが疲弊するだけです!引きますよ!」
容赦無き戦闘
「じゃあね♪」
BANG!!
「なんで殺したんや、相手に抵抗はないのに」
「あいつはこちらの情報を握っていた、生かせばすぐに援軍がやってきて追い詰められる」
「でも……」
「おぼえといてね、これがこっちの世界だから」
ヒーロー参戦
「……ヒーローキック」
第三勢力の介入
「ミスターパイロ、次の任務です敵の目的が分かりました」
「で、こいつをどうすればいい?」
「出来れば確保してください、最悪殺してしまってもかまわないです」
敵は正義
自らも正義
では悪は?
プロローグ「物語は、はじまるのか!?」
近日公開予定
「その子なんて名前やの?」
「……スキヤキ」
「えっ!」
以上です。
クロス元はパワポケです。
八雲は8主の名前です。
時間軸はA’sエピローグの中三と8のED後です。
自分で書いててなんだが、
これって野球?
228 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/20(木) 20:54:56 ID:ImWe/ofa
ウロスの方にも書きましたが、10時頃にスパロボEの第6話を投下したいですが、よろしいでしょうか?
>>227 俺はやったことないけどそれ野球である必然性ないだろwと巷で話題のパワポケだったのか
>>229 3日ぐらい推敲したほうがいいよ。一度くらい。何度も書かれてるけど展開早いからもっと日常のシーンとか増やしたほうがいい。
そこまで言ってくれる人がいるだけで幸せだとおもう。心底から暖かいぞ、このスレの住人達は。
ここで本当に投下したら、もう見捨てられても文句はいえんと思う。
投下は明日にします。
見捨てる、っつうか出現するたびにスレが荒れるんでもうNGにしとるよ
…とここまで書いておいて荒れてる事自体に変わりは無い事に気づいた
235 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/20(木) 21:57:50 ID:LP5c75GE
初めまして〜。
皆様の素晴らしいssを見てたら
自分も嘘予告でいいので書きたくなったので書いてみました。
なんでこいつなんだよwって感じですが。
予約が取り消されたのでしたら、今から投下してもよろしいでしょうか?
取り敢えずsageろ
投下云々はそれからだ。
申し訳ありませんでした。初歩的なことを忘れていました。
じゃあ、初歩を思い出して。
そのまま投下だ! 支援しますw
暖かい言葉、感謝致します〜。
それではちょっと長いしすっごいドキドキしますが、投下します!
酷く荒んだ大地である。地面には大きな溝やクレーターが幾つも作られ、草木がまったく見当たらない。
とても生物が生きていけるような環境にない。いやそもそも、この星は今、終わりの時を迎えようとしていた。
空に巨大な丸い物体が見える。それは圧倒的な質量を持って近付いてきていた。
この星は今、巨大隕石の衝突の危機に曝されているのだ。
辺りの岩が空に舞い上がり、大地の表面が削れて行く。
あと数分もしないうちにこの星は死を迎えるだろう。
そんな運命にある星で二人の男が対峙していた。
一人は上半身の服は完全に破れ、身体もいたるところに傷ができた男。
そのような身体になっても足は大地をしっかりと踏みしめている。
髪は金髪で、緑色の瞳は力強く輝いている。
一人は異常なまでに筋肉が隆起し、同じく上半身を露出させているが、身体や服には傷はない。
かなりの身長があり、3m近くもある大柄な男である。
緑がかった金髪を逆立たせ、その目は白目で埋め尽くされているが、確かな意思・・・確固たる狂気を持っていた。
二人はお互いの力を最大限まで高めていく。その力が、巨大隕石の接近と相まって地面を割り、大地がせり上がる。
先に白目の男が、次いで緑色の目の男がお互いに向けて駆け出す。
「ウオオオオオオオアアッ!!」
「でやありゃあああああっ!!」
己の拳が届く範囲に入り、二人が拳に、自身の全力を乗せて繰り出す。
「エヤアッ!!」
「許さねぇぇ!!!」
同時に拳が繰り出される。緑色の瞳をした男の方が早い。
だが白目の男はそれに何も臆することはなく拳を振るう。
今まで自分の身体に傷を付けることができた者などいないのだから。
この身を”終わらせてくれる”人間など、存在しないのだから。
故に男は止まらない。だが・・・
「グオオォ?!」
白目の男の筋肉を突き破り、拳がめり込んでいく。
初めて傷つけられた身体。その傷が元になり、相手のパワーと自身の強大なパワーが狂い、身体を駆け巡る。
元々制御できていなかった力が溢れ出し、己の身体を崩壊へと導いていく。
瞬間、赤子の時の記憶が、走馬灯のように浮かび上がった。
ベッドに寝かされた二人の赤子。
片方の赤ん坊が泣き声をあげ、もう一人の赤ん坊がその泣き声によって泣かされていた。
泣き声に悩まされている赤子が自分で、もう一方が、今現在対峙している男。
唯一自分を泣かせ、父親以外で唯一覚えていた同じ種族。
そして奇しくもこの身体に傷を付けることができたのがこの男。
自分の始まりの記憶と、今まさに終わりの記憶を与えようとする男。
「馬鹿なああああああああああああああああああッッ!!!!!!!!!!」
(死ぬ。オレが・・・このオレが・・・・・だが・・・)
男は、自分が死に向かっていくことを実感しながら、どこか安堵していた。
(これでオレは、何も破壊しなくてすむ・・・・貴様のことは憎いが・・・感謝するぞ・・・)
薄れゆく意識の中、近付いてくる巨大隕石を見る。
星々を破壊してきた自分が、星と共に命を終える。
それも悪くない。そう思い、男は意識を手放した
意識が無くなる直前、突如目の前現れた光を、キレイだと思いながら――――
支援
「星がキレイやな〜。」
「ええ、そうですね。主はやて。」
八神はやてとシグナムは、家のベランダから夜空を眺めていた。
この日は晴天で星がよく見えていた。夜空に輝く星はまるで宝石のようでとても綺麗だ。
人工の光にはない優しい光が、はやては好きだった。
そしてそれ以上に、大切な家族と共に過ごす時間が大好きだった。
「前にも、こうやって星を見たな。」
「ええ、あの時もこのような星空でした。」
二人ともどこか遠い目をして過去を振り返る。
過去といっても一ヶ月も経っていない。だというのに、何故か二人とも黄昏ている。
直視したくない現実から逃れようとするかのように。
「はやてちゃ〜ん。シグナム〜。ご飯ができたわよ〜♪」
「・・・できてしまいましたね。」
「せやな・・・・・。」
リビングから聞こえてきた弾むような声に、二人はこの世の終わりのような顔をしてため息を吐いた。
今日の夕食はあろうことか、ヴォルケンリッター毒殺担当・シャマルが作っていたのだ。
そう、彼女の作る料理は壊滅的なのである。
普段ならはやての手伝いに専念しているから、横で注意を促すことができるが、
今日は病院の診査が遅れ、夕飯を作る時間に間に合わなかったのである。
電話でそのことを伝えたのだが、おそらくこちらに気を使って先に料理を開始していたのだろう。
帰ったときには修復不可能な状態になってしまっていたのだ。
「さて、逝こか。」
「主、漢字が間違っていますよ。」
諦めた様子で二人は部屋の中に入っていく―――
「ッ!」
突如シグナムが今までいた空間を凝視する。はやてが何かあったのかと後ろを振り返る。
先程いた場所、何の変哲もないベランダの空間がゆらいでいく。
「主・・・御下がりください。」
「シ、シグナム。なんなん、あれ・・・。」
ま、まさかこのクロスは・・・・・・!?
支援
シグナムははやてを下がらせようとするが、はやては目の前の光景に釘付けになっている。
(まさか時空管理局の連中に嗅ぎつけられたか?だとしたら、主だけには被害が出ないようにしなければ。)
警戒しながら目の前の空間を凝視する。
ゆらぎから光が溢れ、光が収束したあと中から人影が現れる。
「来る・・・!」
シグナムが己が獲物を取り出そうとするが、光の中から現れた人物を見てその手を止める。
その人物は、瀕死の重症を負った男だった。もはや意識がないのか、目には生気がない。
そしてそのまま地面へと倒れ付してしまった。
「・・・・・・・・はっ。シ、シグナム!早くこの人助けな!」
「か、かしこまりました!シャマル!来てくれ!」
「どうしたの二人とも?!今、次元が揺れた感じがしたけど・・・。」
「はやて!大丈夫か!?」
しばらく固まっていたが、はやてが我に返り声を上げる。
リビングからシャマル、ヴィータ、ザフィーラが駆けてくる。
シャマルは目の前の光景を見て息を呑むが、すぐに自分がやるべきことを理解し、
男に治癒魔法を施していく。
しばらくしてシャマルが治療の手を止め一息つく。
「どうだ?助かりそうか?」
「なんとかね・・・本当に危ない状態だったけど、この人の回復力が高いおかげもあるのか、助かりそうよ。」
「こいつ、次元漂流者かな?」
「次元漂流者?」
ヴィータの発言を、はやてがオウム返しに聞き返す。
「それについては、後ほど説明いたします。まずはこの男を布団に寝かせましょう。」
「では俺が運ぼう。」
ザフィーラが男の身体を抱え上げ家の中へと入っていく―――
これは悪魔と呼ばれた、決して救われることがなかった男の
ありえない奇跡がもたらした物語
伝説のスーパーサイヤ人 ブロリー
彼はここで、破壊をもたらすのか。それとも・・・
『魔法少女リリカルなのは。超戦士は眠れない』
このような物語が始まると思っていたのか!
以上で投下完了です。
書き終えた感想が「ありえねぇw」な作品ですw
文章書いたことないし勉強もしてなかったので拙い文ですが、いかがでしたでしょうか?
うん
っと同時にGJ!
とりあえず闇の書とグレアム涙目決定ですね!!
>>246 GJ!
・・・・・・俺からは特に何も言うことはない、さあ続きを書いてくれ。
ブロリコンはやべえw
戦う意思を見せなければ星を破壊つくしかねないぞw
パワーバランス抜きで言うと哀しみで超サイヤ人になった男なのだから
そういうのもアリなのかもしれんですな。
ブロリーだと!?
だめだ、リリなの世界でこいつに勝てる奴が想像できない
むしろブロリーってアルカンシェル使っても倒せないんじゃねーか?
スパロボXと比べれば桁違いに上だ
比較対象の程度が低過ぎてなんとも言いようが無いが
何より精進で伸びる可能性が見える点が良い
>>252 何かこう…受け止めて跳ね返しそうな気がする
「……ブロリーです」「……はい」モードならまだ抑えは効くかもしれんw
これは怖い〜!!>ブロリー
ふいにコブラ(サイコガンなあの人)とのクロス……うーん、体的にストライクなのは大人フェイトとかシグナムさん…。
つうか生身で仮面ライダーと戦えそうな(素手でガジェットは引きちぎる)人間? を呼ぶのはー(マグナムもありえない口径だし)。
ゴクウ(野菜の人じゃない神の目の)くらいなら……
ブロリーは生まれたばかりで戦闘力10000という超怪物。
南の銀河を滅ぼしたし
なのはの世界が星一つを現してるなら、ブロリー1日で幾つの世界を滅ぼせるやら
ランクに例えたらSSSSSクラスでもSが足りないだろうな。
しかも超彗星の衝突でも平気なので、アルカンシェルを100発撃っても傷一つ付かないだろうな。
しかも手加減をしらないから、死者が続出…
管理局が潰されるだけで済めばむしろラッキーと思うしかない。
でも何よりも、ブロリーが協調する光景がまったく思い浮かばない。
暴れ回ってるほうが自然だし。
書籍とかじゃ突然変異の超サイヤ人て書かれてるしなあ。
闇の書の意思にエネルギー弾ぶち込んでコアごと消滅させる場面しか浮かばねぇ…
思いのほか暖かい言葉ばかりで嬉しいです!
投下前は心臓バクバクでした。今もですがw
>>250 悲しみにより・・・てのがブロリーの設定だったので、
いろいろ想像してたら悲しくなってしまいまして、
何か救済作品はないかと探し回ってた時期がありました。
そして皆さんの言うようにパワーバランスのせいで続きを書くのはちょっと無理です。
すみません。
>>260 それで収まらず日本が吹っ飛んでも違和感無いわ
>>258 大人しいブロリー、はやてと仲良くなる。
↓
戦闘に入って暴走する。
↓
「このまま暴れたらはやても死んでしまう」
↓
暴走を自分の意志で食い止める。
な超展開を想像してしまったではないか、どうしてくれるんだ。
うお。萌えるぜ、そのブロリー
ブロリーのデコピン一発でもなのはは死にそうだZO!
ドラゴンボールネタならフュージョンネタもありかな
サイズはStrikerSならある程度同じだし
気と魔力の相性問題で相対火力差が圧縮
とか
次元転移の際に変質して人並み(ただし超々高位魔道士レベル)までパワーダウン
とか
バランス取りにこじつける方法論はいくらでもある
覚えておくべき考え方の基礎と言う意味であって
これて実行しろと言う事じゃないから、念のため
ブロリーが超サイヤ人3や4まで行ったら
もはや誰も止められん可能性が高い
あ、そろそろ投下時間なのですが、ちょっと遅れます。
修正しないといけないところを見つけましたので。
すみません。
十五分までには投下出来ると思います。
>>266 なるほど、はやてとシグナムが合体して、見た目と性格をあわせ持った真のおっぱい魔人となる訳だな?
>>268 高いってより間違いなしだw
全宇宙が滅んじまうwww
ブロリーを蒐集したら1000ページくらい埋まらねぇかな
〆のアルカンシェルが失敗して、ブロリーが宇宙まで飛び出してコアを月に叩きつけて紅葉おろし
とどめに全開フルパワーで一人フルボッコ
大勝利だけど月が半分になってはやてに怒られるブロリー
>>270 メアリー・ジェーンみたいに自分の乳を揉むのか
>>267 アドバイスありがとうございます!
そうですね・・・自分も、できるなら続きを書いてみたい思っていますので、いろいろ考えてみます。
ただ、弱くしたブロリーが受け入れられるのかと心配なんです・・・。
ブロリーと言えば、圧倒的な強さと恐怖ってイメージでしたので。
こんな嘘予告書いた時点で何言ってんだって感じですがw
大気中に存在する水分が凝縮され、大量の水の塊を創り出す。
石像を頭上から押しつぶし、水の圧力により、石像にところどころにひびが入り、片足が砕け散る。
石像の周りにできた水溜りから茨が生じ、石像を絡めとっていく。
額に汗がにじむ。
覚醒直後に、慣れない魔法を使ったせいで体に今まで感じたことのない疲労感が襲う。
倒れそうになるのをこらえる。……まだ終わってない。
石像が口を開く。
ソレと同時に口元から亀裂が入り、崩れ落ちていく。
だというのに、ソレは痛みに悶えることもない。
「クウオォォォォォォォオゥン!!」
風が吹く。
石像の前に風が舞い、集い一筋の牙となる。
まだ終われない。
体から吹き上がる形容し難いナニカ。
いまだどうやって扱ったらいいかわからないソレを全力で開放し、防御へと回す。
――阻め――
『マジックレジスト』
突如発生した光に風の牙が阻まれた。
突然のことに事態が理解できず、戦闘中だというのに思考が停止する。
「そこまでだ、エミュレーター」
声が聞こえた。それは空から降り注いだようで。
277 :
>>276:2008/03/20(木) 23:13:31 ID:y6eze2wj
すみません。誤爆しました。
ドラゴンボールZヒット曲集の収録曲「魔人ブウの悲劇」の歌詞で
お前倒せばまた孤独が増える 運命嘆いても 体は血の雨に撃たれてる
誰の胸にも悪魔は住んでいる 正義を気取ってる お前の心にも俺がいる
お前倒せばまた孤独が増える 永遠より長い 愚かな闘いはまだ続く
ってのを思い出した<ブロリー
柊蓮司が落下してきたなw
さすが下がる男だww
えっと投下予約していたんですけど、もしかしてお呼びじゃない状況かな?
それならまた今度にします。
もしよろしければ投下開始したいんですが。
おk待ってたぜ
それじゃあ投下開始します。
注意、多大にギャグが投入されています。
本編であるかもしれないし、ないかもしれません。
ついでにバイド汚染されていますが、気にしない。
そこそこ長いので、支援よろしくお願いします。
嘆くだろう。
喚くだろう。
傷つくだろう。
どんなに叫んでも止まらない。
如何にもがこうともそれは収まらない。
其は永久の苦痛。
永久の地獄。
そう、本当に――この駄洒落は面白い!
――腹部を押さえ、呼吸停止で死んだ人の遺書より
【あんりみてっど・えんどらい】
SIDE―1.5? 『がんばれ! 我らのナンバーズ』(タイトル)
時刻は真夜中。
どこかにあるゆりかごではない、スカリエッティの研究所。
その作戦室で、一人の男が手を打ち鳴らしていた。
「よーし、よくぞ諸君集まってくれたね」
無論、手を鳴らしていたのはスカリエッティだった。
「警報鳴らしてまで、集合掛けておいて集まらないわけないッスよ……」
「寝みぃ」
パジャマ姿でくまを作ったウィンディと不機嫌そうに目を擦るノーヴェがぼやき。
「まだ寝化粧の途中でしたのにっ、もうドクターったら」
「分解整備の……途中だった」
普段は三つ編みにしている髪形を纏めて結い上げたクアットロとまったくもって色気のない肌着姿のチンクもそれに続き。
「セインの訓練途中だったのですが……」
「せ、戦闘機人の体は浮くようには出来てないのにぃ……」
男物のジーパンに乾ききっていない肌の上にYシャツを羽織ったトーレと、慌てていたのかまだポタポタと髪から水滴を垂らした
Tシャツ姿とスパッツ姿のセインが怨むような声を上げる。
他にも様々な作業の途中だったナンバーズが集まっている。
そして、最後に――
「ドクター、何用でしょうか?」
何故かタオルで髪を拭いているバスローブ姿のウーノが立っていた。
……ちなみに三十分前までは普通に作戦室にスーツ姿で立っていたことも記述しておくべきだろう。
『狙ったー!!?』
どうやら他の姉妹に負けないために頑張った模様です。
「……とりあえずチンクとウーノは着替えてきなさい。話は長くなるからね」
「了解」
「……はい、ドクター」
(現在、ナンバーズが身なりを整えています)
支援
――五分後。
室内に備え付けられたディスプレイの前で教鞭を持ち、何故かクアットロから強奪したメガネを装着したスカリエッティが
両手を広げていた。
「というわけで、話を再開しよう」
「そもそも始まってすらいなかった気がするのですが?」
トーレがもっともなことを言った。
「さて、ウーノ。これから話す内容を君は把握してるかね?」
「はい、ドクター」
ビッシリとスーツに身なりを整え、乱れ一つない髪をなびかせたウーノが即答する。
「あ、ガン無視ッス。ドクター揚げ足取られて、大人げないッス」
「ウェンディ。この後、装備無しでトレーニングルームに行くかね?。ちなみに私は銃所持だが、問題はないな」
「いやー!! ッス!」
ウェンディが悲鳴を上げたりしつつも、スカリエッティは気にも留めずにポチっとリモコンのような端末を操作し、
バッと室内の照明が落とされる。
同時に映し出されるディスプレイ。
そこには――『脅威! これが機動六課の本性だ!』 と書かれていた。
「?」
それを見た途端、ナンバーズ全員が小首を傾げる。
こうクイッと。
「なんッスかこれ?」
「うむ。実は現在もっとも障害となりそうな、管理局の構成部隊に関するデータが届いてね。その対策を検討しようと
思ったのだよ」
ピシッと教え子に、黒板の内容を指摘する教師のような動作でスカリエッティが教鞭をディスプレイに当てた。
「まずは今現在脅威度の低いフォワード陣からだ」
カシャリと音を立てて、ディスプレイにナックル形のデバイスをつけて、ガジェットを粉砕している
鉢巻を付けた青い髪をした少女の姿が写る。
支援します
本編とのギャップがw
支援
「彼女の名はスバル・ナカジマ。習得魔法は近代ベルカ式のようだ」
「おー、なんかノーヴェと装備が似てるッスね」
「動きも似てる……」
「ハン! あんな小娘と同じなわけないだろ!」
カシャカシャとスライドショーのように切り替わっていく彼女の動きに、ウェンディとオットーが呟き、
ノーヴェが眉間に皺を寄せて声を荒げた。
「ちなみに彼女も戦闘機人だが、データによるとクイント・ナカジマが回収したタイプ・ゼロシリーズらしい」
『っ!』
タイプ・ゼロ。
それは彼女達にとって“憎しみの対象”だった。
ある者は侮蔑するような目つきに変わり、ある者は怒りにも似た光を目に浮かべ、あるものは興味なさそうに首を振る。
そんなナンバーズの様子に気づいていないのか、スカリエッティが言葉を続けた。
「まあ彼女に関してはこんなものだろう。続いて、彼女とコンビを組んでいる魔導師ティアナ・ランスター」
カシャリと再び映し出されている映像が切り替わり、画面の中心には二挺のハンドガン型デバイスを構えた
ツインテールの少女が映し出される。
「射撃型かよ。しかし、杖じゃないな?」
「……変則的なデバイスだな。ヴァイス・グランセニックと同タイプか?」
つまらなさそうにノーヴェが興味を失い、トーレが興味深そうに呟いた。
その間にもカシャカシャと切り替わる映像には縦横無尽にデバイスを操り、四方に魔力弾を撃ち放つ少女の光景が映っている。
「魔力素養も平均以上、AMFに対する多殻弾頭も形成出来ることからそれなりにセンスはあるようだが、
変則デバイス持ちという点を除けば特記すべき点はない少女だ……しかし」
「しかし?」
「データによると幻術魔法も使えるという情報がある。具体的に言えば、センサー関係に関してはクアットロ以上の幻術だな」
――クアットロ以上。
その言葉にナンバーズの間に衝撃が吹き荒れた。
「んなっ! そんな極悪人だったのか!!」
「ヤバイ、ヤバイ、それはヤバーイッス!! まさしく外道ッス!!!」
「……ノーヴェ? ウェンディ? それはどういう意味かすごーい知りたかったりするんだけど、いいかしら〜?」
カシャンとティアナの映像に【まさしく外道】という赤いマークが付けられた。
しえん
外道赤さん支援www
うむうむと頷くスカリエッティ。
どうやらクアットロの外道さは彼も承知らしい。
「それで次はキャロ・ル・ルシエとエリオ・モンディアルなのだが」
カシャンと画面が切り替わり、ピンク色の髪をした少女と赤毛の槍を勇ましく槍を構えた少年が写り――
「こっちの方はデカイトカゲを召喚する。向こうはすばしっこいから気をつけたまえ、以上!」
数秒でスカリエッティは説明を切り上げた。
「はやっ!!?」
「わけわかんねーよ!」
「ど、ドクタ〜?」
ギャーギャーと文句を告げるナンバーズに、スカリエッティはメガネ(クアットロのものです)のつるを指先で
クイッと上げて、告げた。
「いや、君たちに怪獣を倒す訓練をしろだとか。対電撃コートを装備しておきたまえとか、わざわざ説明しても意味ないだろう?
あと、正直彼らは解説しても面白くないのだよ」
「ドクター、ぶっちゃけすぎです」
ウーノの指摘もあり、スカリエッティは渋々といった感じに画像を切り替え、解説をしていく。
ちなみに副隊長陣であるシグナムとヴィータにもそんな説明であった。
具体的には。
「うむ。彼女は魔導師ランクも高いし、攻撃力も高いし、空も飛ぶ。しかし、基本的には白兵戦しかしないので、発見次第
距離を取ることを忘れないでおきたまえ」
というのは、シグナムに対する解説。
「なんだろうね、このお子様は……とはいっても純粋な破壊力はこの部隊でも最高だろう。見かけに騙されず、
集団で相手するように」
とは、ヴィータに対する解説である。
スカさんぶっちゃけすぎ支援
支援支援
などという感じで、解説をしていたスカリエッティだったが、シグナムの解説を終えた瞬間、キラリとメガネが光った。
こう嬉々とした感じで。
「次に隊長陣の説明に入るが――これを見てくれたまえ」
カシャリと映し出されたのは長い金髪をなびかせたスーツ姿の女性。
「これをどう思う?」
「美人だな」
「羨ましいぐらいスタイルが整っていますわね〜」
「……爆破したい」
「なに、趣味が分かれるだけで君たちも十分魅力的さ。というわけで、次はこれだ」
ポチッと端末を操作する。
すると、そこには先ほどの女性を丁度十年ほど若くして、子供にしたような光景があった。
ちなみに魔導師だったらしく、バリアジャケットの姿である。
「これを見てどう思う?」
「凄いエッチです」
「破廉恥」
「逆セクハラ」
「寒くないんッスか? あ、魔導師のバリアジャケットだから冷えないんッスね」
「教育を疑うな」
口々と生じる意見。
そうそれはまさしく――ヤバイというべき代物だった。
「うむ。君たちの意見に関しては私も同意見だ。今のところ確認されているバリアジャケットは大したことはないが、もしかしたら未だにその趣味が継続しているかもしれない。故に!」
クワッとスカリエッティが目を見開いて、叫んだ。
「やはり私も君たちの衣装を、こういうものに改良すべきなのではないのかと――」
「取り押さえろ」
「ドクターがご乱心ッス!」
「とめろー!!」
(現在スカリエッティが押さえ込まれています。しばしお待ち下さい)
チンク姉ぶっちゃけた!支援
確かにフェイトは露出狂の変態だが支援
スカさん乱心頑張れ支援w
スカさんナイスバイドw
「ううむ。残念だ、せっかく夜なべしてデザインをしていたのに」
いそいそとガジェットたちが運び出していた、極めて、露出度、高い戦闘服の数々を片付けながらスカリエッティが呟いた。
「ドクター、全員の心労をお考えてください。あと、あまり手足を露出させすぎると機械部品に毒ですので」
「うむ」
殴られたせいでひび割れた元クアットロのメガネを光らせながら、スカリエッティが気を取り直して端末を操作する。
そして、映し出されたのは白いバリアジャケットを纏い、紅玉を備え付けた杖型のデバイスを構えた女性だった。
「そして、彼女が一番の懸念材料である――高町 なのは。通称≪ホワイトクラッシャー(白い悪魔)≫だ」
「白い悪魔?」
「うむ。というわけで、彼女に関してこういうデータを手に入れた」
ポチッと端末のスイッチを押す。
映し出されたのは。
『管理局員に聞きました 高町なのはの実体〜』
「またですか」
というウーノの指摘も無視し、画面に映像が流れ続ける。
しえん
支援
『某執務官 T捜査官より』
「え? なのはですか。えっとなのははいつも頑張っていて、教導隊でもよく頑張っているという評価を聞きます。
私の一番の親友ですね」
――情報によると高町局員の砲撃魔法は凄いと聞いたのですが、どうでしょうか?
「え? なのはの砲撃ですか……そうですね、あれは防ぐとかそういうレベルじゃないです。
昔受けたことがありましたけど……死ぬかと思いました。ええ、本当に」
――なるほど。ありがとうございました
「もしかしてこの質問してる人ってドゥーエ姉?」
「姉さん……なにやってるの」
『某教導隊の卒業生より』
「え? 高町教官ですか? ええ、自分よりも年上なのに凄い人でしたよ。魔力資質の高さもそうですが、本当に10代かと
疑うような大人の雰囲気がありましたね」
――ところで、高町局員は教導隊ではどのような指導をしていたのですか?
「そうですね。まずは魔力負荷のトレーニングは必須でしたし、さらには魔力誘導弾の制御を死ぬほどやらされましたよ。
数十発の誘導弾を一発でも外したら最初からやり直し。あれはきつかったなー」
――なるほど。あ、そういえば局員たちは自主的に模擬戦なども行うと聞いたのですが、あなたも高町局員と模擬戦を
やったことがあるのですか?
「教官と……ですか。それはあまり話したくないですね。なんせ魔力弾が――通らないんですよ。堅くて、なのにそのまま
こっちに魔力弾は乱射してくるし、少しでも足を止めたら砲撃ですよ? なんというかまるで……空飛ぶ要塞でした」
――ありがとうございます。あ、後ろに高町局員がいますよ?
「え?」
「――君。ちょっと私と久しぶりに模擬戦やってみる?」
「いやだー!! もう砲撃は、病院生活はいやだー!!」
――ありがとうございましたー。
支援
ブツン。
そこまで映し出されて、ディスプレイの電源が切れた。
同時に室内の照明も付いて、部屋が明るくなる。
「以上、わかったかね?」
クルリと成し遂げたような顔で振り返るスカリエッティに帰ってきたのは冷たい目線だった。
「いや、全然わかんないんだけど」
「意味不明ッス」
「とりあえず砲撃する、堅い、空を飛ぶだけは姉にも理解出来た」
「まあ要点は理解出来たようだね。とりあえず彼女は空を飛び、極めて優れた防御魔法と砲撃魔法を習得していることになる。
つまり、我々の能力や装備ではもっとも対処し難い存在なのだ」
「……一番の障害ということね」
オットーが久しぶりの発言をする。
「マジでヤバイね。どうしょうか? 対策は考えてあるっしょ、ドクター」
セインの言葉に、ウムと頷いてスカリエッティが顔からメガネを外す。
「なに私も遊んでいたわけではないのだよ。いずれ、ぶつかる時には成果を見せよう。さて、説明は以上だ。
今日は皆休みなさい」
『ハーイ』
ゾロゾロとナンバーズが解散を始める。
ドゥーエ姉まで!支援
「ちなみにウィンディ、あとでトレーニングルームに来るのを忘れないように」
「覚えてたッスか?!」
などという光景もあったものの、今日の彼らの一日は終わった。
(……あら? なにか忘れているような気がするのだけれど)
ディスプレイを見つめて、小首を傾げるウーノ。
しかし、数秒経ってから片づけを開始した。
「ドクターが仰られなかったのですから、問題ないのでしょう」
そうして、ウーノもそれに関して考えることをやめた。
これは機動六課が稼動開始してから少し経ったころのお話である。
誤字発見
年上になってますよ支援
忘れられたはやてw支援
もしかして部隊長はアウトオブ眼中?支援
投下完了。
色々と暴走しすぎたのは自覚している。
正直言って、ティアナのまさしく外道とフェイトそん(敬愛の意味を篭めてそん)のジャケットへのつっこみ
そして、なのはさんを弄りたかった。
後悔はしていません。
支援ありがとうございました。
どうしても、シリアスの後にはギャグが書きたくなるんです。
あと一名忘れているのは意図的です。本当にありがとうございました。
GJ!
あと一名?ああ、ラッド・カルタスか!
>>307 あ
>「え? 高町教官ですか? ええ、自分よりも年上なのに凄い人でしたよ。魔力資質の高さもそうですが、本当に10代かと
疑うような大人の雰囲気がありましたね」
確かに年上になってますね。
本来なら『年下』のはずなのに orz
指摘ありがとうございました。
はやて「忘れられた…orz」
シャマル「………」
ザフィーラ「………」
リイン「………」
ともかくGJ!
なんというか、修学旅行の班長会を思い出したw
そしてこのナンバーズぶっちゃけスカへの忠誠心低いやろwww
本編とのシリアス差に吹きましたw
そして意外と忘れられている人は多いんだな
お疲れ様でした
なんというか、まるっきりの不憫長ww
しかしホント何でフェイトのBJに突っ込む奴がいないんだろう
GJでしたー。
GJ
僕もさっき完成しました…短いですけど。
先程言ったようにかなり壊れてます。
しかしこんなバカ回は一回しかやりませんのでご安心を…
十一時半ごろ投下おk?
>>316 > 十一時半ごろ投下おk?
……取り敢えず、落ち着こう、ね?
gj!
本編のシリアス度が凄まじい意味で台無しにwww
いいぞ、この台無しな雰囲気は好みだ。もっとやれ!(何
>>316 君は過去に飛ぼうとでもいうのか……!
それはともあれ支援。
>>316 時間逆行してますよ? 12時半ですか?
>>311 ラッド・カルタス……
それはスカリエッティの情報網でも捉えられなかった謎の男ですね。
>>313 はやてはマジ忘れです。一応データは取りましたけど。
他三名は正式な戦闘人員ではないので、無視しました。
一応情報は取って、対策も考えていますけど……多分このスカさんは眼中外です。
>>315 このスカさんはフェイトそんのバリアジャケットが普通に通っているのに誤解して、
管理局はああいうのに戦術的アドバンテージがあるのではと勘違いしかけてます、ええ。
ごめんなさい……多分嘘です。
しまった…ハイパークロックアップしてしまった…
十二時半です。
スマソ…
>>316 つまりノーメマイヤーによってバイド化し過去にワープ、「夏の夕暮れ」ということですね。
315 決まってるじゃないかここでは
フェイトは露出狂だというのは暗黙の了解だからだ。
はやてがスルーされたのは本人に特徴らしきものがないせいか
ライダー氏はいつ天の道を行き全てを司れるようになったんだ・・・・・・!?
何はともあれ支援、待ってたぜあなたの作品。
>>316 あと、5分ですね。
あのヘタレライダーにヴァイス、ユ〜ノ、グリフィス、ティアナ、シャマルもハイったら面白いんだが
アンリミテッドさん分かりやすそうで分かりにくい要はフェイトさん狙いですか
私も今月末にリリ電climaxを書きだいと思います!
では、ストームレイダー支援
水樹さんって昔演歌やってたって本当
あとシャマルの中の人がピンク映画やってたとかラジオで放送禁止用語連発とか←筋金入りの腐女子ですな?
とりあえず『全て』の字が違うとどうでもいいことを突っ込んでみる
正確には『総て』
>>319 GJ!!です。
ビスケット・シューターに続き、面白かったですw
フェイトそんはナンバーズと接触時に変態魔導師だ!!とか逆セクハラ女とか
言われそうwww
そして・・・はやてぇぇぇ!!呪文詠唱中にヴァイスに瞬殺されそうなぐらい
影薄いw
井上支援
>>319 ラッド・カルタスが運命を握っているのかもしれない…
そろそろいきます。
もう一度言いますが皆原形止めてません。
投下良いですか?
>>325 書き込んだ後気がついた、何て初歩的なミスをしてるんだ俺・・・・・・。
支援。
行きます。
【AAMON日本支部 司令室】
「聞いたぜ夏美。ボロ負けして逃げてきたんだってな?」
「クッ!」
夏美は禍木にたしなめられ、唇を噛む。
「なさけねーぜ。それでもラルクかよ?あ?」
「こっの…!」
「二人とも、それぐらいにしておけ。」
険悪なムードが漂う中、司令室の扉が開き、志村が入室してきた。
「おお志村、コイツ…」
「ああ、聞いてるよ…」
志村は夏美に視線を移し、冷たい目で見つめる。
「夏美、戦わずして逃げてきたそうだね。」
「でも…あの場所には何人もライダーが…」
「言い訳はいい…次にやったら、ラルクバックルを取り上げて死刑台送りだよ。」
「うっ…分かったわ。」
「そう…分かれば良い…」
志村はそう言いながら後ろを向き、司令室のスクリーンに戦車に似た巨大な兵器の設計図の映像を映し出した。
「志村、何だよコレ?」
「AAMONタンク…幽霊博士が開発している、新型の戦車さ。大きさは自衛隊で使用している物の二倍。頑強さは通常の戦車の五倍以上ある。
大砲は荷電粒子砲に改造されている。
これが完成すれば、世界征服も楽になる。
禍木、東京湾にある倉庫で、幽霊博士と鬼火司令が待っている。
このタンク開発の護衛に行ってくれ。」
「っしゃあ!任せとけ。俺は夏美と違って強いからな。」
禍木は夏美に向かってそう吐き捨てると、司令室から出て行き、東京湾に向かった。
「アイツ…見てなさいよ…必ず…いつか…!」
夏美は瞳に憎悪を滾らせ、禍木の去って言った方向を睨んだ。
橘さんよりマシです
原型?
そんなこといったらうちのスカさんだって原型留めてないさ!
支援!!
【新ボード研究所 作戦計画室】
一方その頃、橘、サバキ、三原、R良太郎の四人は、新ボード研究所の作戦計画室の円形デスクに座り、中心の電子スクリーンで自分達の今までの活躍を見ていた。
「うむ…」
負け続け、アンデッドに騙され、恐怖の雄叫びを上げ、丘から転げ落ちて入院する橘=ギャレン
「うう…」
ヤマアラシに倒され、カッパに秒殺され、怪人たちに袋叩きにされるサバキ=裁鬼
「うわぁ…」
家に帰りたいと喚き、雑魚オルフェノクにすらボコボコにされ、簡単に村上にベルトを奪われる三原=デルタ
「うーん…」
全フォーム最強のスペックを持つも、イマジンの撃墜数は全フォーム中最低(スポット参戦のウイング除く)で、いつの間にかアントホッパーイマジンにボコボコにされてしまったR良太郎=電王ガンフォーム
「…!」
サバキはデスクを勢い良く叩き、立ち上がる。
「皆!こんなもので良いのか!?俺達の扱いは…こんな物で良いのか!?」
『良くない!!』
橘、三原、R良太郎の三人もデスクを強く叩き、椅子から立ち上がった。
「こうなったら…日頃弱いだの、ヘタレだのと言われている現状を打開するためにも、今こそ立ち上がろうでは無いか!!」
サバキは拳を振り上げ、三人に熱く語りかけた。
『オオオオオオオオオオオオ!!』
三人もサバキの言葉に同意し、雄叫びを上げて拳を突き上げ、大声で叫んだ。
【平成ライダーサイド】八話「燃え上がれバーニングボンバーズ!」Aパート
………数分後
「で、サバキさん。」
「何だ橘?」
「我々のリーダーは、関東12鬼最年長でありながら、ヤマアラシ、カッパのような一般魔化魍に即座に敗北し、ディスクアニマルでも倒せる鬼の鎧にまで完膚なきまでに敗北した貴方が一番相応しいと思うのですが、どうでしょうか?」
「俺は異論は無い。三原、リュウタロス、お前らはどうだ?」
『異議なーし。』
万場一致だ。
「なぜ怒らない?」と思っている読者も少なく無いだろう。
まぁ…今回はノリとして。
「よし、俺に決まりだ。さて橘、副リーダーは序盤、下級アンデッドに何度も苦戦し、恐怖心に蝕まれ、アンデッドを恐がってとんでもない叫び声をあげるという醜態を晒した挙句、
上級アンデッドに騙されてシュルトケスナー藻のような怪しい植物に漬けられ、以後何度もアンデッドに騙されたお前が相応しいと思うが、どうだ?」
「俺は構いません。三原、リュウタロス、お前達は?」
『異議なーし。』
またもや万場一致だ。
「だからなぜ怒らない?」と思っている読者も少なく無いだろう。
まぁ…今回はノリとして。
「よし…では副リーダーは俺で。」
「分かった。」
サバキはA4サイズの用紙とシャーペンを取り出し、「リーダー・佐伯宋」「副リーダー・橘朔也」「隊員・三原修二・リュウタロス」と書き記した。
「え?僕隊員?やだやだ〜!」
しかし、R良太郎は突然隊員と言う自分の地位を不満に思い、駄々をこねる。
「リュウタロス、何が不満だ?」
「だってさ〜サバキさん!サバキさんとダディだけずるいよ!僕もリーダーやりたい〜!」
「リュウタロス、リーダーがそう何人も居ては、隊が成り立たないだろう?」
橘は優しくR良太郎に言うが、R良太郎は耳を貸そうとしない。
「やだ!リーダーリーダー!!」
「うーん…そうリュウタロスが駄々をこねると、俺もリーダーをやりたくなってきたな…」
「三原…お前まで…」
橘はR良太郎と三原の突然の要求に困ってしまい、首を傾げる。
「サバキさん、どうします?」
「よ〜し…」
サバキは隊員と言う文字を消しゴムを取り出して消し、新たに、「保育リーダー・三原修二」「ダンシングリーダー・リュウタロス」と書き直した。
「よし…流石はリーダーの俺だ、センスが良い。」
「…(…良いのか?)まぁいい、リーダー。」
「何だ、副リーダー?」
「これから我々は、何をすればいいのですか?」
「そうだな…」
サバキは顎に手をあて、最初の活動を模索し始める。
そして五分ほど経った後、何かをひらめき、手を叩いた。
「よし、俺はAAMONの情報を集めてくる。お前達は、「ヘタレ」と思われる者達を勧誘して来い。」
『え?』
「「え?」じゃない、ライダーにはまだまだヘタレと思われる奴らが存在するだろう?そいつらも味方につけ、さらに戦力を増強するんだ。」
『はぁ〜、成程、流石はリーダー!ナイスアイディア!』
橘、三原、R良太郎は手をポンと叩き、サバキを褒め称える。
「なお…これから我々のチーム名を「バーニングボンバーズ」と呼称する。良いな?」
『はい!何かダサイ感じがしますが文句ありません!』
「よし!万場一致で「バーニングボンバーズ」だ!行くぞ諸君!我々の明日のために!!」
『オオオオオオオオオオオ!!』
かくして、ヘタレ専門部隊「バーニングボンバーズ」が始動開始した。
【新ボード研究所食堂】
「バーニングボンバーズ」始動開始から二十分後。
サバキと別れた橘、三原、R良太郎は、研究所の食堂で食卓に座り、ドリンクを飲みながら誰を仲間にするかを話し合い、三人で議論していた。
「ねぇねぇダディ!真司なんてどうかな?」
まず初めに真司=龍騎の名を上げるR良太郎。
「駄目だ。あいつは主役だ。俺達の隊にはふさわしく無い。」
「そっか〜」
「副リーダー!」
三原は勢い良く手を上げ、橘に意見を出そうとする。
「何だ三原?」
橘は即座に三原を指差し、彼を喋らせる。
「睦月なんかどうでしょうか?橘さんの弟子ですから、取り込みやすいのでは…」
「それは俺も考えたさ。しかし、あいつも望ちゃんと言う恋人が居る身、仕事も忙しいし、おそらく仲間になってはくれないだろう。」
「そうか…」
議論は難航し、終了までに九十分と言う長い時間を要した。
そして…
「僕決まった!」
「俺も決まりました!」
「よし、俺も決まった…活動開始だ!」
長い議論の末、勧誘メンバーを決めた三人は、一斉に食堂から飛び出し、そのメンバー達の所へ向かった。
【花鶏】
「バーニングボンバーズ?」
「ああ!俺のように、ヘタレなライダーを探している!」
三原が向かった先は、紅茶専門喫茶店・花鶏だ。
城戸真司、秋山蓮、霧島美穂の三人の仮面ライダーが下宿している。
三原は今、花鶏のウェイターである秋山蓮と会話をしている
「悪いな、城戸は、今日は霧島と一緒に東京ドームシティに…」
「いや!俺が勧誘しているのは城戸じゃない。秋山…君だ!」
「…何?」
三原は背負っていたバッグからレポート用紙を取り出し、書き記してあるデータを読み始めた。
「秋山…仮面ライダーナイトは、初の対ライダー戦…つまり仮面ライダーシザース戦で、自分よりスペックが劣るシザースに実質的な敗北を喫し、その後ライア、ガイ戦でも敗北している。
しかもテレビ版では、自分が甘いと散々言っていた龍騎=城戸にも負けている。
これだけ敗北を重ねているんだ、君は俺達の仲間になる権利が…」
この後、三原が蓮にタコ殴りにされ、店をつまみ出されたのは言うまでも無い。
【甘味処たちばな】
「僕ですか?」
「ああ!」
橘が来ていたのは、鬼ライダー達のたまり場、甘味処たちばなだ。
橘が勧誘している人間は、イブキ=威吹鬼である。
「でも…僕はヘタレじゃ…」
「デタラメを言うな!お前は番組後半、中々魔化魍に勝てなかったり、鬼払いに失敗したり、弟子関係で情緒不安定になったりと、宗家の鬼にしては俺のように失敗続きだったじゃないか!
しかもお前は銃を持っている…来い!お前は仲間だ!」
「え?ちょ!橘さん!?ねぇ!?」
橘はイブキの手を強引に引っ張り、共に店を出る。
多少強引ではあったが、これでメンバーが一人増えた。
【水上喫茶店】
一方、R良太郎は水上喫茶店にシグナムを呼び、彼女の勧誘に入っていた。
「私をお前達の…「バーニングボンバーズ」という隊の隊員になれだと?」
「そうだよ〜」
「なぜ私なんだ?大介のほうが適任では…」
「あの人はストーリー的に優遇されてるし、ぶいすりーでヘタレのイメージ解消してるから駄目だよ。僕が呼んでるのはシグナムお姉ちゃんなの!」
「馬鹿馬鹿しい。私にヘタレは縁が無い。帰る。」
シグナムは座っていた椅子から立ち上がり、帰ろうとする。
「良いの〜?ニートのままで?」
「ガッ!」
R良太郎はそんなシグナムを背後から「ニート」という単語で呼びとめ、シグナムはそれを聞いた瞬間動きを止めた。
「新人ホッポリ出して独断先行とか、仕事してる描写が無いとか、シグナムパンチとか、散々な言われようだよ〜」
「…」
「このままじゃ、大介とも破局しちゃうかもね〜、破局〜♪破局〜♪そうなったらきっと、ヘタレじゃ済まないよ〜♪人生の負け組みだよ〜♪」
「………アギトを呼んでくる。」
「へへ…やた〜♪メンバーゲット〜♪」
リュウタロスの巧みな話術(?)により、シグナムはアギトと共にバーニングボンバーズへの入隊を決意した。
支援するぜよー
【二時間後 新ボード研究所】
交渉を終えた三人は、再び食堂に集まり、新メンバー・イブキ、シグナム、アギトと共に食卓に座って会合を行っていた。
「新メンバーのシグナムだ。」
「ア…アギト…です…(なんであたしまで入ってるんだよ!?)」
「…イブキです。(僕はヘタレじゃない…)」
「良く入ってくれた…嶋さんじゃないが、俺は今猛烈に感動している。」
橘は瞳を輝かせ、新メンバーに祝福の言葉を送った。
「おお!終わっていたか!」
そこに、書類を持ったサバキが現れ、三原の隣の席に座る。
「ん?」
当然、サバキは三原のボコボコの顔に気付くことになる。
「どうした三原?ボコボコの顔して?」
「いえ…なんでもありません…」
「ならいいが…よし、俺が得てきた情報だ」
サバキは書類を食卓の中心に広げ、メンバー達に見せる。
「どうやら、東京湾の辺りに怪しい奴らが動いているとの情報が入った。おそらくAAMONだろう。
我々は今から東京湾に向かい、調査に入るぞ!」
『了解!』
「りょうか〜い…」
気合を入れる橘達とは違い、やる気の無い返事をするアギトとイブキ。
まぁ、強制的に入隊させられているのだから当然だろう。
「何だ貴様ら!?」
サバキはやる気のなさを前面に押し出すアギトとイブキの態度に怒りを表し、二人を怒鳴る。
「声が小さいぞアギト!イブキ!もう一度だ!」
『は…はい!』
「ようし…バーニングボンバーズ!出動だ!」
『ラジャー!!』
「(お願い…)」
「(誰か助けて…)」
果たして、バーニングボンバーズの運命や如何に!?
後半へ続く。
短いけど投下終了
なんかホントにごめんなさ〜い!もうしませ〜ん!
そして次回をお楽しみに。
投下乙
次回楽しみにしてます
いや謝るぐらいなら最初からやるなよ
ガンフォームの撃破数が少ないのは単純にガンの出番が少ないだけのような
弱いとかヘタレとは違わなくない?
バッタの時は一対二だったし
少ないですか?
かなり出番は多かったような記憶がありますが?
GJ.
一言いうなら……アギト、頑張れ。(とばっちりだし)
腹がよじれ〜る
隣人に起こられる。
白倉作品はヘタレンジャーが多いししかも感情移入できる。
リリカル脆はヴァイス、シグナム、ティアナ、エリオ、グリフィス、ユ〜ノ、とか、最近はやてはヘタレンジャーだと思う。
あとカルタスはケタックの資格がある!
とりあえず、映画ネタOK
あと、春劇場や最終回みたいに完熟した特異点によって存在を固定できるから、基本良太郎いなくても良い、つまり良太郎もヘタレンジャーになるから本当はダンシングリーダーの後に不幸リーダーがつくはずなんだが。
うん分かった。
詰まる所お前はリュウタロス並びにガンフォームが好きな俺に喧嘩を売ってるんだな?
今回はギャグ満載ですねぇ〜。
まぁ、これもまた今あるライダーシリーズの面白さの一つなんでしょうね。
それにしても、あのプライド高いシグナムまでが…哀れですねぇ。
それに猛烈に感動って…それは嶋さんじゃなくて速水克彦ことザ・ブレイダーだったと思いますが?
所で前々から気になってたんですが…ルーテシアはどうなったんです?
二期になってから全然姿を見せていませんが…。
私から一つ提案があるのですが…現在AAMONにいると思われるスカリエッティとウーノら
悪ナンバーズですが…恐らくドゥーエも復活してるんですよね?
もし再び登場するなら、スカリエッティ達も怪人にしちゃってはどうでしょう?
ウーノは思いつきませんでしたが、ドゥーエ達の怪人としての名称を妄想しちゃいました。
ドゥーエ=ライアーズパンサー
クアットロ=シルバーカメレオン
トーレ=インパルスイーグル
セッテ=スローターマンティス
>>345 誤解するな俺はリュウタのおかげで鈴村キャラを好きに馴れた位で特に39話の
linerformで「いくよリュウタロス」とかみんなに「ゴメンナサイ」
銃ライダーTUEEEな感じでサーバー落としそうになったくらい
むしろ、あえてリュウタロス単独で活躍させたいんだo(`▽´)
それよりガンフォーム好きの君とはclimaxformしても善いくらいだ
ガンの出番?確かに多かったかもしれない、が!
リュウタが飽きたり、“俺にやらせろ!"って先輩たちに途中から変わったり
さらに良太郎からのストップも結構あった
だから、おいしいところを持って行かれたりで……結果的に撃破数とかは少ないわけで
(リュウタもおいしいとこを、もってったりするが。
>>318 >速水克彦ことザ・ブレイダー
ばれたか…
ルーちゃんは原作通りメガーヌさんと一緒に無人世界で服役中っす。
おそらくNEXT編の後に出すと思います。
NEXT編はまだ先ですが一人の改造人間の哀しみと真の戦士としての目覚めを描こうと思っています。
今言えるのはそれだけです。
ナンバーズの件についてですが…ええ、もう皆さんお気づきの通りかと思いますが、怪人にする予定です。
どんな怪人になるかは…まぁ、お楽しみに。
立場的に彼女達の相手をするのは龍になりそうです。
>>348 >おいしいところを持っていかれたり
それってつまりへry
ここはやはり八百万神スレだ涙があふれてくる、
俺もアンリミテッド並みにリリカル脆をヘタレにかくぞ〜
シグナムって意外と中途半端なキャラだな巨乳キャラもフェイトに奪われてるし
住民達は画一直線のツンデレキャラだし
流石は催眠能力を持つだけはある某元皇子と違ってガンフォームはマジでMS倒せるスペックだし
何故かヘタレってチビっ子には人気無いがネットでは酒の肴にされてる
無駄に高スペックの力を出し切れてないのをヘタレって云うんだ。
ドレイクシステムは高スペックではないしスピンオフだからヘタレではない
とりあえずライダーsts最高
何故か外伝になると最強何だよヘタレンジャーは
つーか隊長挌のシグナムが隊員だぞコレじゃ〜良太郎や橘さんにサバキは管理局適に役所は何になるんだが…
よく考えたらなのはも分類状銃までいかなくても砲撃だからな、現に氷川さんやスーパー弁護士はヘタレッポイし(ロボライダーやペガサスフォームは出番が少ない)00のロックオンやギロロとか銃使いって扱いワルいな?
チビッ子たちのヒーロー像とはかけ離れていて 頼りないと感るからでは?
ネットでの人気もネタキャラとしての人気の予感。
258
ちょ!? 元祖悪魔の人!
353
そういや サイヤ人は瀕死から回復すると戦闘能力が格段にアップするんだっけつまりこのブロリーは
劇場版第二段のブロリーということになる。
あの筋肉ムキムキ!
このブロリーに闇の書の暴走体がびびりまくってちぢりこむ様が容易に想像できるのは俺だけか?
安価付けようや・・・解んないなら調べる
それと雑談で居座る気ならウロス
春か
あーわーきー光たつにーわーか雨ー
いーとーしー面影の沈丁花〜
あーふーるーる涙のつーぼみから〜
ひとつーひとつーかおりーはじーめるー
・・・なんかいろいろカオスになってる。
何 故 止 め た し
埋めでもないのにクロスでやることじゃない
そーれはーそーれはーそーらをー越ーえてー
どうやらレギュラー化した作家が多くで投稿規制とか容量とか代理投稿に新ネタの愚痴や嫁争いにマニア作品のコラボ率とか
初心者は近付き辛く
ここだけアニキャラ板と独立して、まんま管理局化してる
ウロス=海 此処=陸
なんか、考えないと、あとバトロワスレも一般人はよく解らないし【常連=貴族】な制度が出来ている。
だから新しく初心者用の感想スレと嫁争いのためのカップル想像スレ
コレは必要だと想うが現場の人はどう想う?
あーそれは俺も思った 一見さんお断りみたいな雰囲気になってる。
ここ数日過疎になってていたのも話題がマイナーネタなどの殆ど知らないものになっていて
参加できない ついていけなくなった人が続出したからだと思った。
ブロリーやカービィが大盛り上がりしたのはその証拠だと思う。知名度高いし。
>>364 流れに任せてぶっちゃけますが…最近、初投稿した人間としては身にしみて感じた事実…
もう投稿した今だから言いますが途中で
さらにアイデア浮かんで変更したりとかしてはしましたが
実は自分大体は投下する3日前から完成し投下すべきかせざるべきか…とか
タイミングがつかめん…とか悩んでる状態でした。
俺はノリで初投下しちゃったけどなー。
初めての支援、そして感想を貰った時の嬉しさは今でも忘れられない!
>>368 カミングアウトしてもらった早々で申し訳ないんだが、これ以上はウロスか避難所でなお願いね。
あと夜9時頃から日付が変わるまでは投下ラッシュだから、気まずいならその時間外すといいよ。
敢えて、名無し【町民】でだしたが
その、避難所の存在感がないんだよ!
俺も春休み気分で浮かれ気味だが、いざSS書くと難しい、
プロットあっても文才がNai
まだ【町民】だけど5話以上書くと空気詠まない活けないし、それでも【職人】か!と突っ込まれるし、国で言うとバチカンみたいにその割に横の情報がない
やはりいろんな【異論】な作品を扱うだけにアニメサロンとかロボゲーなどのスレと繋がりが必要だと想うが
最後にウロス板マニアック過ぎる、ソフトバンクとか投稿規制が誰とかカオス化してる
君の宇宙語は分かりにくい
避難所に存在感がないのは同意だな
ここやウロスでの設定叩きを防ぐために立てた設定議論スレも過疎ってるし
書き込みないから書くぜ!
注.これはリリ電climaxとはいっさい関係ありません
最初に逝っておくこれはカ〜オスだ
僕、エリオは養母フェイトさんの思い出の地、97管理外世界に旅行に行きました。
途中船に乗ってた僕は
建築ミスか、相棒フリードが時空海に落ちました、その時不思議な青年がBJ無しに海に飛び込みました、彼はフリードを助けてくれました、僕が御礼を言おうとすると彼は「時の運航を保つのが役目だから」
と云って、突然消えました(後でわかったのですが偶々床がボロボロになってたそうです)
ぼくは地球に来てからも彼の正体気にしました。
書き終えてからまとめて投下しましょう。
何を書いているのか、外伝なのか別タイトルなのかを明確にしましょう。
ここはあなたの日記帳ではありません。少しROMってから出直して下さい。
その日の夜、風呂に入ってた僕はカメラの音にビックリしました。
どうやら僕を女の子と勘違いしたみたいです、彼は僕に気付くと一目瞭に逃げ出しました。
彼の顔をみた僕は彼が数多の世界で性犯罪を起こし一週間前にフェイトさん達に牢獄されるも3日前に魔力反応のある砂を零れ落としながら脱獄した奴だと
すると、キャロが悲鳴を挙げ
さっきの男に下着(なぜか、司書長や僕のバックまで)や金品を盗まれた挙げ句
はやて部隊長やスバルさん達のドリンクに眠り薬が入ってたようで僕が悩んでると
【風呂上がり】のフェイトさんと出逢い僕は興奮状態で(しかも鼻血をだしながら)
訳を話してる途中一人起きてたキャロが謎の怪人に連れ去られて仕舞いました、
僕とフェイトさんは急いで追いました。
ついでに魔王はフェレット男と仲良くお寝んねしてたそうです。
(てめ〜は白い魔王じゃなくて、ピンクの痲王だ)
てっきり規制でも食らったと思ってたんだがマジで書きながら投下してんのか?
一応支援
>>375 スイマセン
今後気おつけます
続きです。
追いつくと脱獄者は「そんなちっこいのじゃなくて俺を牢獄した金髪執務管だ」と怒っており、
怪人は契約完了だといい、その人を眠らせ…た時にフェイトさんのプラズマランサーがあたり、
僕も参戦しながら、全力で倒すもフェイトさんは疲労で倒れ僕も鼻血と湯冷めで熱を出しながら倒すも奴は巨大な蝙蝠になり街を破壊してると
謎の新幹線が現れあの不思議な青年が
「俺、漸く参上」といい
昔見た仮面ライダーブラックみたいになって倒していきました。
彼に助けられた日から僕の周りは異魔人との戦いが始まり、何かが変わりました。
嘘予告
クロス元;仮面ライダー電王(響鬼風)
続きません!
スイマセン誰もいないと思いました
新しいパソコンは4月まで買えないので
面汚しスイマセン。
なんか、書けば住人が戻ってくると思い
今後気おつけます。
新しいパソコンを買ったらきちんとした奴を書きます。
あくまでも響鬼の明日夢をエリオにして良太郎を響鬼にしました。
これが、目が滑るってヤツか…
DMCクロスが多くてとても嬉しい,ここで同じ系譜ゲーム……ライジング・ザンとか?
不味い、華のトドメができん!
凄まじく馬鹿(ホメ言葉)で素晴らしいが……
やぁ、お久しぶりです。
シュリュズベリイ先生の授業の後編が余りに長すぎるので、とりあえず良い所で区切って、
後編パートA的なモンでも投下しようと思うのですが……。
まぁ、その、なんだ。
とりあえずついてきてくれると、とてもうれしい。
投下は十時くらいにさせてもらってもよろしいでしょうか……?
勿論、待ってますとも!
384 :
魔装機神:2008/03/21(金) 18:28:01 ID:DNz8g2eR
45分くらいに嘘予告と浮かしてもおkですか?
なんか最近自分は嘘予告ばっか投下してる気がするけど
おk
386 :
魔装機神:2008/03/21(金) 18:46:15 ID:DNz8g2eR
「ディムロス……」
ここは地上を外殻で覆い、空高く浮かんでいる天空都市、ダイクロフト。
その中枢にある巨大なレンズ、神の目の前に4人の人影がいた。
その中の一人、スタン・エルロンは自分が持つ意思を持つ剣、ソーディアン・ディムロスを見る。
『いいんだスタン。我等は長く生き過ぎた』
既に神の目には、ほかのソーディアンが3本突き刺さっている。
後はディムロスを突き刺すだけ。
その後、ソーディアンの力をとなるレンズの力をオーバーロードさせ、神の目を破壊する。
スタンは意を決してディムロスを構え、前を見る。
「うおおおーーーーー!!」
そして、スタンは叫びながらディムロスを思いっきり神の目に突き刺した。
突き刺すと同時に、膨大な力がスパークとなってあふれ出す。
「いくぞスタン!ここはもうじき崩れる!!」
それを見たウッドロウはスタンに脱出を促せる。
既に他の名前は準備をしていて、神の目に一番近いのはスタンだった。
(じゃあな、ディムロス)
スタンはもう一度ディムロスを見た後、スタンも脱出を開始した。
そのときだった。
突然、神の目がすさまじい光を放った。
「う、うわああぁぁぁーーーーーーー!!!」
「スタン!!」
その光はスタンを包み、完全に包んだ後、その光は突然と止む。
「な!?」
だが、光が止むと、そこには神の目とソーディアン達、そしてスタンの姿はなかった。
「な、なんや!?」
ここはミッドチルダにある機動六課隊舎。
自室でデスクワークを行っていた八神はやてだったが、突然のアラームにはやては作戦司令室に飛び込んでいった。
「何か近く時空のゆがみが観測されたんです」
「近くってどのくらい?」
「それが……今なのは隊長たちがいる訓練場で」
直属の部下であるグリフィス・ロウランの発言ガクッとこけそうになるが、はやては何とかそれを抑える。
「と、とにかく、すぐになのは隊長たちに連絡を」
「いえ、既につながっているようです」
「え?」
そのグリフィスの発言に、え?となのははモニターを見る。
『はやて部隊長、至急シャマル先生を呼んでください。時空漂流者がケガで倒れてるの!』
なのは示した指の先には、一風変わった服装をしている自分達と同じくらいの年齢の青年が倒れていた。
かくして、彼と彼女たちはであった。
死者の寝覚め支援
388 :
魔装機神:2008/03/21(金) 18:48:14 ID:DNz8g2eR
『起きんかばか者!!』
「どわあ!!」
そして知らされる、知らぬ土地の名前。
「ミッドチルダ?世界中を旅してきたけど、聞いたことない場所だなあ」
そして始まる新しい生活。
「ふ、中々の腕だな、スタン」
「ありがとうございます、シグナムさん」
「シャーリーさん!!何をやってるんですか!?」
『スタンさん、早くなんとか止めてください!!』
「いやあ、ソーディアンというものがどういうことか興味深くて、あまっているソーディアンで解体作業を……」
「やめてくださいよ……」
だが、その平穏はもろくも壊される。
一人の科学者によって。
「ふはははは、すばらしいではないかこれは……」
「あれはまさか……神の目!?」
そして二度と会えないと思ったものとの再開。
「お前は…リオン!?」
「違う…僕の名前はジューダスだ」
「なんだよリオン!120個ってどういう意味だよ!?」
「……それは10ダースだ」
そして、再びまみえる最大の敵。
「ふはははは!我は天上人の王、ミクトラン!」
「生きていたのか……ミクトラン!!」
そして、再び集う仲間たち。
「みんな……」
そして最後の戦いへと赴く……
「いくぞ、スタン!」
「はい、シグナムさん!」
「駆けよ隼!」
「鳳凰天駆!」
「「奥義!皇王天翔駆!!」」
「いきます、シャーリーさん」
「はい、フィリアさん」
「「吹き荒れる爆発の嵐!ボムトルネード!!」」
「いきますよ、ルーティさん」
「解ってるわ、シャマル」
「私の手料理!」
「ライフディスチャージ!」
「まさに無限ループ!生き地獄!」
「……ルーティ、それってどういう意味?」
「いくぞ、ヴィータ」
「ああ、いくぜウッドロウ」
「リミッターを外させてもらう!」
「リミッター解除!いくぞアイゼン!!」
「「あとは……たのんだぞ(よ、はやて……)」」
運命の歯車はまた新たに回り始める。
STRIKERS OF DESTINY
「……半分ギャグじゃないのか、これ?」
389 :
魔装機神:2008/03/21(金) 18:50:41 ID:DNz8g2eR
ネタ2
「あなたも最近この海鳴町で起こっている数々の怪しい事件、お耳にしていると思います」
ここは、私立聖洋大付属小学校の校長室。
その校長室に、校長先生と一人の教師がいた。
「はい。私も噂でよく耳にしますし、何度か依頼で海鳴の事件も解決しています」
彼は、今年この聖洋大付属小に転任してきた教師だ。
一見見るだけでは少々顔の整った教師である。
少しおかしいところといえば、左腕に黒い手袋をはいているぐらいである。
「任せてください、この地に潜む悪霊。私が対峙して見せますし、子供達も安全にさせます」
彼の名は鵺野鳴介。
日本でただ一人の霊能力教師である。
この世には目には見えない闇の住人達がいる。
やつらは時として牙を向き君達を襲ってくる
彼は、そんなやつらから君達を守るため地獄のそこからやってきた、正義の使者
……なのかもしれない……
「ふあぁぁ……」
いきなりのあくびでごめんなさい。
私の名前は高町なのは。
聖洋大付属小学校に通う、普通の小学生。
「今日から3年生か……」
今日は学校の始業式で、今日から小学3年生。
気分も新たに頑張ろうと思います。
私は起きて制服に着替えて……
「おはよう、なのは」
「今日はちゃんと起きられたみたいだね」
リビングに下りると、そこには私の両親である高町桃子さんと高町士郎さん。
ちなみに、私はどうも朝に弱く、こうやってチャント起きれる回数が少なく、よくお母さんやお姉ちゃんに起こしてもらってるの。
「なのは、おはよう」
「きょうはちゃんと起きれたのか、なのは」
そのとき、お姉ちゃんの美由希さんとおにいちゃんの士郎さんも稽古に戻ってきました。
私の家、お父さんの実家は、有名な剣術の使い手だってきいてます。
その後、朝ごはんも食べて、気分も新たに学校に行こうと思っています。
「けど、また見事に一緒のクラスになっちゃったね」
「そうだね」
「嬉しい事だけど、ここまでいくとなんか逆に怖いわね」
新しい教室の中、3人で苦笑しあってるのは、月村すずかちゃんとアリサ・バニングスちゃん。
私の取っても大切なお友達です。
「そういえば、新しい担任の先生って今年はどんな人かなあ?」
そこに話は今年の担任の先生の話になった。
はたして、今年はどんな先生のなるのか……
まあ、あと数分もすればお目見えする事になるのだが……
そのときだった。
「お、もう全員揃っているのか、このクラスは優秀だな」
自分達の教室に、誰かが入ってきた。
ここは小学校だが、入ってきたのは大人。
と言う事は、この人は先生と言うことだ。
「容姿みんな席に着け、俺はこの1年間みんなの杏仁になる先生だ」
どうやら彼が新しい教師らしい。
ふと、なのははその教師のポケットからはみ出しているものを見た。
「お経に……数珠?」
何か強い宗教にでも入っているのだろうか……
「まずは俺から自己紹介だ」
そういって新しい先生は黒板に自分の名前の漢字とひらがなを書く。
「俺の名前は鵺野鳴介(ぬえのめいすけ)。ぬ〜べ〜って呼んでくれていいぞ」
これは、まだ私が魔法の力を持つ少し前から始まるおはなしです。
地獄先生リリカルぬ〜べ〜
鬼の手支援
391 :
魔装機神:2008/03/21(金) 18:52:32 ID:DNz8g2eR
投下完了。
見て解るとおり、テイルズオブデスティニーと地獄先生ぬ〜べ〜とのクロス。
ふと、ちょっとテイルズのほうを書いてみようと思った今日この頃。
まだ二つとも終わってないのに
乙!
杏仁になる先生ってw
>私が対峙して見せますし
退治だっちゅーねん
GJ
リリカルぬ〜べ〜見てみてえ……。
待ってるべ
待ってるべさ
リリカルぬ〜べ〜もいいけど、STRIKERS OF DESTINYの方が見たい気がする・・・・・・。
ってか10ダースクソ吹いたwwww
リリカルぬ〜べ〜は見てみたい気がするw
ところで、120個は1スモールグロスでは?と野暮を言ってみる
>>391 GJ
だけどぬ〜べ〜は自己紹介は普通に名乗るのではなくターザンのネタで自己紹介してましたよ
置鮎だと!?イレギュラーハンターZEROだ!
>>399 頭が良くないと自認している目立ちまくりな元忍び部隊隊長か
予約状況をみたところなにもはいっていないようなので
メタサガ12話投下予約します。20:45から投下始めますね。
それと、テキストで文字だけの容量を見られると教えてくださって本当に助かりました。
今回の容量33KBとわかって安心して投下できます。
足止めを続ける俺の射線に飛び込んできたのは援軍に来たヴィータとリインフォース。
地上に出ると同時に成されるレリックを奪おうとした少女達の速やかな捕縛。
そんなとき、無言だった少女の口が開かれて、
同時に索的レンジの中に発生したのは高エネルギー反応。
狙撃以外にありえない。そして対策はなにもとられていない。
速度と距離的になのは達が間に合うか怪しい。
ならば、手が届く俺がやることは1つ。
レールキャノンを展開。現状使える最大火力で最速の兵装。
アルファが悲鳴のような声を上げる。
第一宇宙速度の反動を受けても満タンドリンクで直せばいい。
そんな思考の中、巨大な魔方陣が6つも砲身に纏わり付くように激しく回転を始め、
後はトリガーを引くばかりとなる。
ターゲットまでの間に障害物は何1つ存在しない。外すはずがない状況。
しかし、トリガーを引く段階になって腕の震えに砲身が揺れ動く。
過剰ダメージ確定のレールキャノンでなにを狙えばいい?
魔法少女リリカルなのはStrikerS―砂塵の鎖―始めようか。
第12話 中破
全身が炎に包まれる。
ひよっこだったころならばパニックぐらいは起こしただろう。
だけど、火達磨なんて状態にはあまりにも慣れすぎた。
この程度ならたいしたことはないと炎に包まれながら思考する。
直撃したナパームが高粘度でへばりついて消えない炎に延々と炙り続けられたり、
丸焼きにされた戦車の中に閉じ込められることに比べれば、
ほんの数秒で終わる火達磨などダメージなんて言わない。
そしてなにより、装甲タイルがある。
バトー博士が再現したそれはあの荒野のそれと寸分たがわぬ同じもの。
決定的な違いは、戦闘中でも装甲タイルを回復できること。
魔力がある限り、装甲タイルは回復する。
装甲タイルがある以上、致命的な一撃は限りなく皆無。
キャロを守るついでに装甲タイルのトライアルとしてトカゲの攻撃を喰らってみたが、
貫通属性で抜かれてしまった。
本当に忠実に再現されている。
ならば、高出力の攻撃にも気をつけねばならないか。
「はんたさん!!」
「ノーダメージだ。さっさと立て直せ。」
スバルがわめいているが、即座に言い放つ。
アギトとか言ったか。
時間か…バニー服支援
リインフォースUとどこか似た小さな個体。
それが絨毯爆撃のように炎をぶちまけてくる。
舞い上がる爆煙。
そんなとき、レーダーに動体反応を感知。マーカーはトカゲ。
舞い上がった爆煙にまぎれての奇襲か。
その程度で逃げられるはずが無いだろうが。
亜音速で振るわれる電撃鞭の手元に感じるのは絡みつく手ごたえ。
捕まえた。
魔法のおかげで電撃鞭の電力設定はつぎ込む魔力に応じて自由。
身体が覚えている最大電流はドクターミンチの死体蘇生1ギガワット。
人間なら即座に行動不毛になる電流を迸らせながら間髪置かずに引き寄せると
フォワード達から距離をとらせるべく反対方向へ投げ飛ばす。
鞭から開放されて再び轟音と共に下水の壁に突っ込むトカゲ。
「ガリュー!!」
「野郎!!」
少女が悲鳴のような声をあげる。
ガリュー。それがあのトカゲの名前・・・・・・使い魔というやつか。
怒りに震えるような声を上げて再びアギトが放った炎4発が直撃。
ダメージチェック・・・・・・・装甲タイル損傷・・・・・・回復完了。
「もっとデバイスの知識を手に入れて置くべきだった。」
思わず呟く。
炎を好き好んで使うということは炎属性に耐性があるからか、単に趣味か。
あの荒野ならば高確率で前者。
火炎瓶で火達磨にしても効果は薄い。
*すことさえできれば・・・・・・。
*す・・・・・・*せ・・・・・・*そう・・・・・・。
何度も最適に思える行動が脳裏によぎるのに、捉えられないもどかしさだけが胸に募る。
「ティア、どうする?」
「任務はあくまでケースの確保よ。撤退しながらひきつけたいのだけど。」
「こっちに向かってるヴィータ副隊長とリイン曹長と上手く合流できれば
あの子達を止められるかも・・・・・・だよね。」
「レーダーに機影2。ヴィータとリインが索敵レンジに入った。踏まえて現場指揮をしろ。
俺がデコイになるから撤退ルートの指示を。撤退はいい判断だ。」
ティアナの言葉に成長を感じる。
逃げるという選択肢が浮かぶようになったそれだけで、以前とは比べ物にならない。
以前のままだったら、相手を**することを優先とでも言っていただろう。
**ってなんだったか。
なんにせよ、ヴィータ達がくれば少しは楽になる。
レーダーに未だに健在の反応が苛立たしくてしかたない。
人間ならとっくに昏倒するダメージを叩き込んでいるのに、
まだ行動できるガリューとかいうトカゲはタフすぎる。
*してしまえればとっくにカタがついているのに!!
「なかなかいいぞ。スバルにティアナ。」
「「ヴィータ副隊長!」」
「私もいっしょです。二人とも状況を呼んだナイス判断です。」
「副隊長、リイン曹長、今どちらに?」
「アルファ、フォワード全員にレーダーをリンク。真上だ。」
「裁断機野郎。相手を串刺しにしてでも足止めしておけ。」
「・・・・・・了解。アルファ、リベットガン!!」
「了解しました。」
変形を始めるアルファ。
リベットガン。つまりは釘撃ち銃。
あの荒野では銃弾の代わりに五寸釘をぶちまけていたそれは串刺しに最適装備。
似た魔法に鋼の軛とかいう魔法があるらしいが、いったい誰が使う魔法なのか。
どうでもいいことだ。
まずは、相手を串刺しにしてでも動けなくするとしよう。
狙うのは関節部。
変形が完了したリベットガンの銃口をガリューに向ける。
好都合だ。
アギトと子供も一緒にいる。
まとめて行動不能にできる。
少し痛いだろうが泣かないでくれよ。
俺はトリガーを引いた。
========
「魔力反・・・・・・ルールー!!避けろ!!」
「え?」
視界に一瞬だけ映ったのはこっちに向かって飛んでくる大量の針。
次の瞬間、黒いものに全身を覆われる。
それがガリューのお腹だって気がついた。
お肉にナイフを刺したような音が止まない。
声を上げないガリューが震えながら、私とアギトをかばい続ける。
「リロード。」
そんな言葉と一緒に音が止んだ。
そっと頭を出すと、背中が針山みたいになったガリュー。
はっと息を飲む。
視界の向こうにいるのは爛々と光る赤いレンズの光。
ビル風みたいな音が響いてくる。
これはもしかして呼吸?
怖い。
初めてそう感じる。
目の前にいる人は物凄く怖い人。
ガリューと同じ使い魔かと思ったけれど、全然違う。
ドクターやクアットロよりもずっとずっと怖い人。
少しもやさしくない怖い人。
ケースを手に入れないとお母さんが眼を覚まさない。
でも、このままじゃガリューが・・・・・・。
そう思ったとき、怖い人から再び針が撃ちだされた。
再び聞こえ始めるお肉に針が突き刺さる音。
早く終わって!!
そう思ったとき、天井が割れる。
飛んでいた針が止んだ
========
「いくぞリイン。」
「はいです!!」
「おりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
道を塞ぐ床をぶちやぶる。
舞い上がる土煙。
飛び込む一瞬で確認した全員の位置。
「射線に飛び込むな」とか声がした気がするけど今はそんなことよりこっちだ。
「リイン!!」
「捕らえよ。凍てつく足枷!!フリーレンフェッセルン!!」
忌々しいが見事としか言いようが無いほどに完全に相手が1箇所に固められてる。
チャンスとばかりにリインが唱えたのは捕縛魔法『凍てつく足枷』。
展開される氷の檻に閉じ込められる3人。
これでもう逃げられはしねぇ。
「おう、待たせたな。これでもう逃げらんねぇ。詰みだ。」
「皆、無事でよかったです。」
フォワード全員無事みてぇだ。
どこか呆然としたみたいにあたしらを見てる。
「副隊長達やっぱ強―い。」
「あの、局員が公共施設壊しちゃっていいんですか?」
「ギンガさんも壊してましたよね。」
「まぁ、この辺はもう廃棄都市区画だし・・・・・・大丈夫よ。たぶん・・・・・・。」
「ギンガさん、たぶんって絶対まずいですよ。」
あー、始末書になんのかな。
まぁ、必要な処置ってやつだ。
事件は会議室じゃなくて現場で起こってるんだ。
だからこれは現場の判断ってやつなんだ。
だからOK。問題なし。
そんなことを考えていたとき、無言でいた裁断機野郎のデバイスが声をあげる。
「敵、逃走します。同時に召還魔法の詠唱を確認。」
「なに!?」
「まさかそんなはずは!?」
その言葉にあたしは驚きの声をあげ、リインが慌てて凍てつく足枷を解除。
消え去った氷の檻の中にはなにもいない。
残されたのは穴の開いた床・・・・・・。
しまった。
まだ、下があったのか。
代わりとばかりに轟音が響くと激しく揺れ動き始める足場。
違う下水全体が揺れてるんだ。
揺れは収まる気配がない。
「なんだ!?」
「アルファさんがいったように、大型召還の気配があります。たぶんそれが原因・・・・・・。」
「ひとまず脱出だ。スバル!!」
「はい!!ウイングロード!!」
渦を巻いて天井へ伸びていくスバルのウイングロード。
これで脱出ルートは確保できた。
ケースはこっちが確保してる。
後は、こいつらを安全に脱出させて、あいつらを捕縛するだけ。
「スバルとギンガが先頭で行け、裁断機野郎は2人のバックアップ。
あたしは最後に飛んで行く。」
「「はい!!」」
「了解。ハンターフォーム。」
マッハキャリバーでウイングロードを駆け上っていく2人を裁断機野郎が追っていく。
裁断機野郎にぴったりのイカレた外見がいつもどおりの外見に戻っちまった。
なんで戻す必要があるかわかんねぇけど。
それにしてもあいつ足早ぇな。
人間ってマッハキャリバーの速度と同じぐらいの速さで走れるもんなのか?
傍らでなにかやってたティアナとキャロとエリオも駆け上り始める。
さぁ、とっととあいつらを捕まえるぞ!!
========
地上に逃げ出した私が呼び出したのは地雷王。
地雷王はさっきまで私達がいた場所の真上の道で電流を迸らせている。
あそこが壊れれば下はぺちゃんこに潰れる。
全部潰れてなくなる。
「駄目だよ。ルールー。これはまずいって!!埋まった中からどうやってケースを探す?
あいつらだって局員とはいえ潰れて死んじゃうかもなんだぞ!!」
「あのレベルならたぶんこれぐらいじゃ死なない。残念だけど。
ケースはクアットロとセインに頼んで探してもらう。」
「残念って全然よくねぇよ。ルールー。あの変態医師とかナンバーズ連中なんかと
関わっちゃだめだって!!ゼストの旦那も言ってたろ?あいつら口ばっか上手いけど、
実際あたし達のことなんてせいぜい実験動物くらいにしか・・・・・・。」
下で響き渡る轟音。
地雷王を中心に丸く陥没した地面。
ちゃんと落盤を起こせたみたい。
全部潰れたかな。
「やっちまった。」
「ガリュー、背中・・・・・・大丈夫?」
支援。
痛々しいほどに突き立てられた針は既に外したけれど、
ガリューの出血が止まらない。
全身が穴だらけのガリュー・・・・・・。
私に頷いてくれるガリュー。
「戻っていいよ。アギトがいてくれるから。」
一瞬、悩んだような仕草をしたけど、気のせいかな。
ガリューを送還する。
私はガリューに怪我をさせてばかり。
やっぱり怖い人はいなくなればいい。
「地雷王も・・・・・・。」
戻っていいと言おうとしたとき、突然展開される魔方陣。
拘束される地雷王。
抵抗するように地雷王が電撃を放っているけど、拘束はほどけない。
これは・・・・・・召還魔法?
「な、なんだ?」
横で驚いてるアギトを片目に、私は詠唱している局員の女の子を見つけた。
他には赤いのと、髪の長いのと短いのと・・・・・・。
数が足りない。
はっと気がつくと、建物の上から局員の女の人がシュートバレットを撃ってくる。
飛びのくアギトと私。
いつの間に・・・・・・あれ?
怖い人はどこ?
そう思った瞬間、全身に衝撃を受ける。
息が止まる。物凄く痛い。いったいなにが・・・・・・。
そう思う暇も無く、身体に巻きついたこれはガリューが捕まえられた鞭?
道のほうへ投げ飛ばされる私の身体が赤い髪の男の子に受け止められる。
2人ともいつの間にいたんだろう?
格好は全然違ったけれど、アギトを今捕まえようとしている緑色の人が
さっきの怖い人だって今更気が付いた。
「ここまでです。」
アギトと同じユニゾンデバイス?
小さな子が私とアギトにそう告げる。
氷の短剣に囲まれてアギトは動けない。
捕まっちゃった。どうしよう。
五寸釘ガン支援
支援少ないっ
「子供を苛めてるみてぇでいい気分しねぇが、市街地での危険魔法使用、公務執行妨害、
その他もろもろで逮捕する。」
赤い人がそう言って拘束具を取り出す。
怖い人はなにをしているかな。
恐る恐る目を向けると私達を見ている他の局員とは違って、
1人だけ地雷王がいる地面を見ていた。
========
「ディエチちゃん。ちゃんと見えてる?」
「ああ、遮蔽物もないし、空気も済んでる。よく見える。でもいいのか、クアットロ。
撃っちゃって・・・・・・。ケースのほうは残せるけどマテリアルのほうは破壊しちゃうことになる。」
「ドクターとウーノ姉さま曰く、『あのマテリアルが当たりなら、本当に聖王の器なら、
砲撃くらいでは死んだりしないから大丈夫』だそうよ。」
そう言いながらも考えていることはまったく別。
死んでも死ななくてもどちらでも私は構わないの。
だって、壊れたらまた作り直せばいいだけなんですもの。
視界の下ではディエチちゃんが固有装備イノーメスカノンをくるんでいた布を剥ぎ取っている。
そろそろ撃ち落しごろかしら。
そんなとき、通信が入った。
相手はウーノお姉さま。
「クアットロ、ルーテシアお嬢様とアギトさんが捕まったわ。」
「あー。そういえば例のチビ騎士に捕まってましたねー。」
「今はセインが様子を伺ってるけど・・・・・・。」
「フォローします?」
「お願い。」
それだけで通信は終わり。
念話を使えばいいのにどうしてお姉さまは通信を使うのかしら。
さて、念話をセインちゃんに繋げてっと・・・・・・。
「セインちゃん?」
「あいよー。クア姉。」
「こっちから指示を出すわ。お姉さまの言うとおりに動いてね。」
「うん。了解。ところで、クア姉。私のインヒューレントスキルのディープダイバーって
索的されないはずだよね?」
「もちろんよ?どうしたの?」
「なんかこっち見てるのがいるから。」
「そうねー。警戒するに越したことはないから、地雷王は後回しになさい。」
「了解。」
私達の索的でも捉えられないセインのディープダイバー。
管理局ごときのシステムで捉えられるものか。
偶然に決まってる。
さて、さっさとヘリを片付けちゃいましょう。
ついでにルーお嬢様の救出も・・・・・・。
念話を繋げる。
「はぁい。ルーお嬢様。」
「クアットロ!」
「なにやらピンチのようね。お邪魔でなければクアットロがお手伝いします。」
「お願い。」
あら、なんて素直なルーお嬢様。
あまりにも素直すぎて笑っちゃいそう。
「はい。では、ルーお嬢様。クアットロの言うとおりに言葉を、その赤い騎士に。」
傍らではディエチちゃんのイノーメスカノンへエネルギーが収束を始めている。
「インヒューレントスキル、ヘビーバレル、発動。」
「『逮捕はいいけど、大事なヘリは放っておいていいの?』」
「あと12秒。11・・・・・・10・・・・・・。」
「あ、お嬢様。もう一言追加してもらっていいですか?
「『あなたは、また守れないかもね。』」
「発射。」
イノーメスカノンから噴出す砲撃のエネルギー光。
放たれた砲撃はヘリという的めがけて一直線。
今更なにかやってももう遅い。
これでおしまい。残念でした。
これから繰り広げられる光景を想像して、私の唇は自然と弧を描いた。
========
「市街地にエネルギー反応!!」
「大きい!!」
「そんな・・・・・・まさか・・・・・・!!」
騒ぎ始めたロングアーチ。
アルファの予測を信じなかったのか。
それとも・・・・・・。
「八神はやて、狙撃への対策は?」
「今、なのはちゃん達が向かっとる。」
「現在の高町なのはの速度では到達まで1.7秒±0.3間に合いません。」
「砲撃チャージ確認。物理破壊型。推定Sランク!!」
アルファとロングアーチの誰かの言葉。
なのは達の推進力がどかんと上がらない限り、間に合わない。
ヘリまでの距離を考えると、ソニックムーブで追いつくことも難しい。
狙撃もチャージが始まってしまったのならば止めようがない。
Sランクの砲撃をシャマルやヴァイスが受け止められるとも思えない。
残る手段はカウンタースナイプ。
今、手が届くのは・・・・・・。
「アルファ、マゾヒストフォーム、レールキャノン展開!!」
「無茶です、マスター!!!!!!」
悲鳴のようなアルファの声。
そう言いながらも変形をしてくれるアルファは優しい。
今まで俺はどれだけアルファに救われただろう。
たぶん、これからも救われ続けるのだろう。
なんて不甲斐ない・・・・・・。
そんなことを思ったのもほんの一瞬。
変形が完了したアルファから伸びる長大なバレル。
バレルを取り囲むように展開される○と△と幾何学模様の魔方陣が6つ。
どの魔方陣もどこかで見た気がするが思い出せない。
それらが一斉に回転を始める。
魔法陣が加速器の代わりだと感覚で理解。
わずか数秒で回転数がトップスピードに到達し、
同時に網膜に映るレールキャノンの表示がStandbyからReadyに切り替わる。
相手の位置も完全に補足済み。
狙撃はまだ放たれていない。間に合った。
後はトリガーを引くだけ。
クアットロが可愛く思えてくるな支援
だが、構えた瞬間に凍りつく。
なにを・・・・・・狙えば・・・・・・いい?
カウンタースナイプの定石である狙撃主を撃つか?
だめだ。これでは確実に*してしまう。
この砲撃の前には装甲もバリアもシールドも紙以下・・・・・・。
サディスト設定があったとしても意味は無い・・・・・・。
魔力ダメージのみにしても過剰ダメージ分はそのままダメージになると知ったから。
だが、撃たれる前に撃たねば相手に撃たれてしまう。
レールキャノン以外では狙撃するにも迎撃するにも間に合わない。
今から他の装備に変更していては間に合わなくなる。
まだ砲撃は放たれていない。
だが、時間はどんどん無くなっていく。
狙撃主を撃て、撃つな、撃て、撃つな、撃て、撃つな、撃て、撃つな・・・・・・。
早鐘を鳴らすように頭に鳴り響く2つの選択。
トリガーにかかった指が触れては離れてを繰り返す。
動揺を感じ取ったように震えるレールキャノンの長大なバレル。
まるでひよっこに戻ったみたいな見苦しい動揺。
だが、本当にどうすればいい?
*せ、*すな、*せ、*すな、*せ、*すな、*せ、*すな、*せ、*すな・・・・・・。
なにかとても重要な単語が欠落した最適解が、
脳裏によぎっては消えてよぎっては打ち消されて・・・・・・。
「マスター!!砲撃がなされました!!」
アルファの声に反応する。
高速で飛んでいく狙撃主からの砲撃。
これならまだ間に合う!!!!
アルファのデータを信じきった、完全なパラメータのみで行うブルズアイ。
アルファのデータが間違っているはずが無い。
高速で飛ぶ砲弾の到達位置めがけてトリガーを引く。
辺り一面に音速を突破した時に生じるブーム音が盛大に響き渡る。
発生したソニックブームに巻き込まれた周囲の地形が罅割れ崩壊を始める。
イエローから一斉にレッドに染まる俺のバイタル。
全力で抑えこんでも盛大に跳ね上がろうとするバレルを膂力に任せて押さえつける。
しかし、膝をついて必死にこらえても後ろに吹き飛ばされる身体は勢いを衰えさせることなく、
やがては俺の身体を道路から突き落とす。
いったい何mの高さがあったのか。
飛行できないマゾヒストフォーム。
当然のように俺の身体は下の地面に叩きつけられ、次に襲い掛かるのは全身の痛み・・・・・・。
装甲タイルの表示が駆け抜けるような速さで減少する。
「満タンドリンク投与します!!」
アルファの言葉と共に成されるのは、
まるでニトロオキサイドシステムのスイッチを入れたような爆発的な過給。
激痛が消えていく。
バイタルはレッドからイエローへ移行。
上の道やロングアーチが騒いでいるが、確信がある。
外すはずがない。
12000mの遠距離射撃に比べれば、この程度の狙撃・・・・・・。
ただ、薄々気がついていた欠点に確信を得てしまった。
走り回りながら戦えるように、あれが取り付けられていないのだと・・・・・・。
だから、反動で吹き飛ばされる。
普段、88mmを選んでいたのは無意識に身体が気がついていたからだと・・・・・・。
身体に合わせて武器を選ぶのではなく、武器に合わせて身体を作る。
明日が来るとは限らないあの荒野で当然の思考を反映した結果の欠点。
あまりにも脆弱。
どうしてこんなに俺の身体は脆い・・・・・・。
戦うのにあまりにも不向きなこの身体に感じるのは苛立ちだけ。
地面に転がったままアルファに尋ねる。
「ドーピングタブ何錠で耐えられるようになる?」
「・・・・・・。」
「アルファ!!ドーピングタブ何錠で耐えられるようになる?」
「・・・・・・無理です。致死量に至るほうが先です。」
「そうか。ハンターフォーム。ドリルアタッカー。」
起き上がりながらアルファに変形を指示。
バリアジャケットが分解され、再展開されると同時に、
金属音を上げながら変形を始めるアルファ。
ドリルアタッカー。分かりやすくいえば穿孔ミサイル。
古めかしくバンカーバスターなんていう名前で呼ぶべきか。
時折現れては消える微弱な反応への対策。
時間を止めるとか、召還のように空間を超越なんてファンタジーなものでないかぎり、
全てに対抗武器が存在する。
この状況で考えられる移動手段は召還と地中移動の2択のはず。
対熱、対冷気、対電気、対酸、対シェルター、対地、対空、対高高度、対遠距離・・・・・・。
それらの半分をカバーできるティンダロスやエクスカリバーはまだ使えない。
もちろん一番凶悪なミサイルも・・・・・・。
支援
だが、対地武器はある。それだけで十分。
次に反応が現れたら、容赦なく撃ち込む。
さぁ、顔を見せろ。顔も知らぬ敵。
展開した翅によってのろのろと上昇をしながら、敵の出現を待ち構えた。
========
「砲撃・・・・・・ヘリに直撃?」
「そんなはず無い。状況確認!!」
「ジャミングが酷い。連絡つきません!!」
悲鳴のようなロングアーチからの声。
でも、大丈夫だ。
はんたさんが撃った物凄い砲撃が絶対になにか意味があったはずだから・・・・・・。
僕ははんたさんを信じる。
「そんな・・・・・・」
「ヴァイス陸曹やシャマル先生が・・・・・・?」
「てめぇ!!」
「副隊長おちついて!!」
「うるせぇ!!おい、仲間がいんのか?どこにいる!!言え!!」
激高しているヴィータ副隊長を止めようとするスバルさん。
でも、尋常じゃないくらいに起こっているヴィータ副隊長はスバルさんの腕を振り払い
女の子の胸倉を掴みあげる。
物凄い砲撃を放ったはんたさん。
たぶんなにか意味があったんだろう。
だから、きっとはんたさんが守ってくれたはず。
今は警戒するのが優先・・・・・・。
下水から出るときに共有されたはんたさんのレーダー。
僕達のレベルアップのために共有しなかったのに、
共有した現状がそれだけ切羽詰っていると考えるべきなんだろう。
僕達が未熟すぎて仕方なくっていうのもありそうだけど、なんでもいい。
とにかく油断だけはしない。
それに不意に現れた微弱な反応に僕は気がつき振り返る。
そこにあったのは・・・・・・指?
ほんの一瞬の戸惑い。
その動揺を読みきったように突然飛び出してきたなにかに腕を切りつけられる。
痛みで手放してしまうケースはそのまま相手の手元へ・・・・・・。
腕の痛みを我慢して、ジャンプ、詠唱。
ティンダロスの猟犬支援
「ストラーダ!!ソニックムーブ!!」
「Sonic Move.」
まだ、間に合う。
ストラーダの推進力に任せて飛び上がる。
腕を切りつければ向こうもケースを落とすはず。
相手は・・・・・・女の人?
「おっと。残念でした。」
かわされた!!
そんな言葉を残してすれ違いで落ちていった女の人は、
まるで水に飛び込むみたいに地面に消えてしまう。
足場が無いから連続で攻撃できない!!
ティアナさんが魔力弾を撃ち込んだけど、そこにあるのは変わらない地面。
逃げられた。
上昇しながら、周囲を確認。
下にいるはんたさんはなにを・・・・・・。
あれはミサイル?
あんなところで構えてどういう意味が?
考えるんだ、エリオ。
地面を水みたいにすり抜けられるなら相手はどうする?
そのまま下に逃げるのが一番自然。
足場が遮蔽物になるから追撃されない。
でも、下で待ち受けているのにはんたさんの反応は無い。
レーダーに変化もない。
つまり、相手はまだ逃げていない。
なにか狙いがあるから。
だとすれば、次に狙うのは・・・・・・。
「ヴィータ副隊長!!女の子の確保!!次に狙われるのはその子・・・・・・!!」
言うのが一瞬遅かった。
ヴィータ副隊長とティアナさん達が女の人がもぐった位置に走りよっている。
だから、女の子が完全にフリー。
案の定、現れた女の人が抱きしめるように女の子を連れてもぐってしまう。
大丈夫。
まだ、はんたさんがいる。
そして、反応は・・・・・・レーダーに機影1。
やっぱりこの機能は便利すぎる。
支援
気がつけば見てしまう。
たしかに頼りきりになってしまうからとはんたさんがやめさせようとする理由が分かる。
そう思った瞬間、はんたさんのミサイルが火を噴いた。
立て続けに撃たれたミサイルは次々に地面に文字通り突き刺さりながら、
容赦のない爆風を巻き起こしていく。
・・・・・・刺さるミサイルってあるの?
やがて爆風が収まったとき、アルファさんの声が響いた。
「敵影の反応を消失。逃げられました。」
「直撃とまではいかないまでも、かなり至近弾になったはずなんだが。
思ったよりもタフな敵が多いらしい。」
呆然としているリイン曹長。
手元には何もいなくなった拘束具だけ。
着地する僕。
「ロングアーチ。ヘリは無事か?あいつら、落ちてねぇよな!!」
悲鳴のようなヴィータ副隊長の言葉が響きわたる。
そんな悲痛な空気とは正反対に、響いたのははんたさんのどこまでも淡々とした声。
「スバル。ウイングロードの展開を。狙撃主を追撃する。距離はいらない。
飛行の出だしができればいい。」
「りょ、了解。ウイングロード!!」
即席で作られたウイングロードのスロープ。
かなりの傾斜があるそれを身体強化がかかったような速度ではんたさんが駆け上がり、
空中に身を躍らせた次の瞬間、姿が消えた。
・・・・・・あっ!!
「そうだ。はんたさんなら詠唱0のソニックムーブが使える!!」
まだ終わってない!!
ヴァイス陸曹達も無事に決まってる!!
はんたさんがいて誰かが死ぬはずがないんだ!!
レーダーには凄まじい勢いで飛んでいく機影が1つ。
間違いなくはんたさん・・・・・・・あれ?
この位置にあるマーカーは・・・・・・・ヘリ?
それとその近くにある別のマーカーはなのはさんとフェイトさん!?
支援
「ヘリも全員無事です!!」
僕の言葉にぽかんとしたような全員。
ああ、はんたさんの気持ちが少し分かったかもしれない。
僕でさえレーダー見てよって言いたくなってしまった。
ひょっとしたら僕達を見る度にこんなもどかしさをずっと抱えていたのかもしれない。
しかし・・・・・・以前も驚いたけど索的範囲が冗談みたいに広い。
これでもまだ全力って気がしないのは、僕の買いかぶりすぎなのかな。
けれど、どうしてもそう思えなかった。
さて、これからどうするか。
僕達の足じゃ追撃できない。
ケースは奪われてしまった。
陸戦魔導師ばかりの僕達にできることはない。
========
「スターズ2とロングアーチへ。こちらスターズ1。ぎりぎりセーフでヘリの防御成功!
別方向からの物凄い砲撃の余波でけっこう危なかったけど、もしかしてはんた君の狙撃?」
「あぶなかったー。ぎりぎりや。」
通信越しのはやての言葉に思わず同意しそうになる。
限定解除があと少し遅れていたら・・・・・・。
けれど、もしも間に合わなくてもヘリは撃墜されなかっただろう。
かなりゆれることにはなっただろうけど。
でも、高速で飛ぶ砲撃を何km先から迎撃したの!?
それにヘリ狙いの砲撃よりもはるかに早くて高火力・・・・・・。
もしかすると私達の持っている砲撃魔法のどれよりも早いかもしれない。
驚くのは後。今は、捕縛が最優先。
容疑者を確認。
プラズマバレットを撃ち込む。
相手を追い立てるような軌道で・・・・・・。
この軌道だと、着地できる足場はあそこ!!
「見つけた。」
「こっちも!?」
「早い!!」
私の声に驚いたように逃げ出す2人。
追跡開始。
もちろん追い込む方向は決まっている。
まずは、管理局の規則を守って相手の罪状を述べていく。
「止まりなさい!!市街地での危険魔法使用および殺人未遂の現行犯で逮捕します!!」
周囲にプラズマランサーを展開。
いつでも撃てるけど、撃たない。
この先ではやてが待っているから。
「今日は遠慮しときますー。」
私の言葉にそう答えた容疑者の姿が消えていく。
まるで幻影魔法で作られたフェイクが消えるみたいに・・・・・・。
これはいったい・・・・・・。
「LOVEマシン1323、トリガー。」
「え!?」
いつの間に!?
私の横にいたはんた君に驚く。
でも、それ以上に驚いたのは消え去った容疑者の姿が元通り現れたこと。
幻影魔法破り!?
相手も戸惑っていることがはっきり分かる。
「なんで?どうして?私は解除してないわよ!!もう1回!!インヒューレントスキル、
シルバーカーテン!!」
「LOVEマシン1323、トリガー。」
消えた瞬間に再び姿が浮かび上がる。
パニックを起こしている容疑者。
これなら絶対に成功する。
「はやて!!」
「位置確認、詠唱完了。あと4秒。」
「はんた君、はやての広域攻撃が行われるから退いて!!」
上昇しながら逆方向に進路を変える。
念話ではんた君に状況を伝えながら・・・・・・。
急ブレーキをかけて戻り始めるはんた君。
私の下を平行するように戻り始める。
ああ、そういえば上昇が苦手だったっけ。
でも、速度さえあれば上昇は簡単なはずなんだけど・・・・・・。
今はどうでもいいか。
戸惑う容疑者達。そして4秒が経過。
支援
「遠き地にて闇に沈め。デアボリックエミッション!!」
はやての広域空間攻撃、デアボリックエミッションが発動。
球状に展開された純粋な魔力攻撃。
私となのはが9歳のとき、闇の書事件で初代リインフォースが使っていた魔法。
この魔法に逃げ場は無い。
悲鳴を上げて逃げ出す容疑者2人。
「We won’t surrender. Just as there is danger escape.
(投降の意思なし。逃走の危険ありと認定)」
デアボリックエミッションの射程の外、
バルディッシュの声を受けて、トライデントスマッシャーの詠唱に入る。
反対側でもなのはが同じように詠唱を始めている。
飛び出してきた2人の容疑者は視界に移った状況に驚いたのか。
固まったように脚を止める。
逃がさない!!
「トライデント・・・・・・」
動かない容疑者2人。
バルディッシュが稼動し魔力カートリッジが重厚な音と共に装填される。
詠唱完了。
後は放つのみ。
「・・・・・・スマッシャー!!」
三叉の光条が2人の容疑者に突き進む。
反対側からも同じように発射されるなのはのエクセリオンバスター。
2つの砲撃魔法に挟まれた容疑者。
そして着弾。
響き渡る激しい炸裂音。
爆風で満たされる一帯。
「アハハハ、ビンゴー!!」
「じゃない!!避けられた!!」
ロングアーチのアルトの喜ぶ声を打ち消すように響いたのはなのはの言葉。
私も気がついている。
まるでソニックムーブを使ったような高速移動で2人を一瞬でさらっていった。
かろうじて分かったのは何かが通っていったというだけ。
視認しきれなかった。
あれはいったい・・・・・・。
「直前で救援が入った。」
「アルト、追って!!」
「ハンター1。依然追撃中。」
「「「ええ!?」」」
シャーリーの言葉に私達は驚く。
気がつけばさっきまで私の下を飛んでいたはんた君がいない!!
あ、そうだ。
はんた君は詠唱0でソニックムーブが使える。
もしも動きを見切れたなら・・・・・・追跡できる!!
「アルト!!位置情報教えて。私たちも追いかける!!」
「はい!!」
逃がすものか!!
========
「トーレ姉さま。助かりましたー。」
「感謝。」
「ぼうっとするな。さっさと立て。馬鹿どもめ。監視目的だったが来ていてよかった。
セインはもうお嬢とケースの確保を完遂したそうだ。合流して戻るぞ!!」
そう言った直後に飛来した何かの直撃を受ける。
くそっ、なんだ!?いったいなにが・・・・・・。
まさか、事前に待ち伏せされていたとでもいうのか?
こんなイレギュラーな事態予想できるはずがない。
ならばレーダーさえ振り切り視認さえ出来ない速度で移動する私のライドインパルスを
追跡したとでもいうのか。
ありえない!!
だが、私の思いとは逆にレーダーがなにかを捉えている。
嫌な汗が滴り落ちるのを感じる。
私が動揺するだと!?
「市街地での危険魔法使用および殺人未遂および逃亡扶助の現行犯と認定。
逮捕するにあたり昏倒させて捕縛します。フェイトが述べたのでいまさらですね。」
「「「なっ!!」」」
支援、さ!
しえん
響いたのは女の声。
だが、目の前にいるのは男・・・・・・インテリジェントデバイスか!?
いったいどうやって私達を補足・・・・・・。
いや、そんなことより、どうやってこの場を切り抜ける?
「クアットロ、シルバーカーテンを展開。一気に距離をとるぞ。」
私達の同類か?
いや、それ以上にヤバイ人型の何かだ。
いったいどこの誰がこんなやつを作り上げたって言うんだ!!
時間を稼げるかさえ怪しいが、まずは少しでも情報を集めなければ・・・・・・。
「は、はい。インヒューレントスキル、シルバーカーテン。」
「LOVEマシン1323、トリガー。」
これは!?
解除されたクアットロのシルバーカーテンに驚きを隠せない。
まさかこいつ対戦闘機人用の!?
そんなことを考えた瞬間さえ惜しかった。
空中にいた緑の男が高速で移動する。
無詠唱のライドインパルス!?
「ディエチ、クアットロ!!避けろ!!くそっ。インヒューレントスキル、
ライドインパルス。」
言っても間に合わない。
だが、分かっていても言わずにいられない。
奇妙な塊となったデバイスで殴り飛ばされるディエチとクアットロ。
響いた鈍い音が攻撃の重さを知らせる。
銃のように見えるのに、扱いがまるで鈍器じゃないか!!
吹き飛び瓦礫に突っ込むとそのまま昏倒してしまった2人。
回収して即座に撤退しなければ・・・・・・。
だが、まさかと思う事態が目の前に発生する。
首を撥ね飛ばしたと思った瞬間に響く鋭い音。
肉を抉った感触があったが、
実際は足首についているインパルスブレードが僅かに相手の左肩を切り裂いただけ。
こいつもライドインパルスの速度域が見えているのか!?
だが、確認している暇も休んでいる暇もない。
支援
「高速振動剣。」
緑の男が告げると同時に私の目の前で変形を始めるデバイス。
チャンス。どうやら戦いなれていないようだな。
こんな高速戦闘の真っ最中にデバイスを変形させるのだから!!
2度目の攻撃に移る。
相手のデバイスは変形中。
全身にインパルスブレードが展開されている私と違って、
デバイスしか持たない相手には避けるしか選択肢は無い。
この攻撃で相手を吹き飛ばして、クアットロとディエチを攫って逃げるしかない。
可能な限り遠くへ・・・・・・。
こんなやつが管理局にいるなんて聞いてないぞ!!
紛れも無く必殺の一撃を叩き込む瞬間、割り込むように変形中のデバイスが差し込まれる。
ふん、なんのつもりだ。デバイスの変形中は脆くなっていることも知らん馬鹿か。
だが、次の瞬間、起こったのは噛み砕かれるように潰される私の右脚。
高速戦闘の最中に意識が驚きに染まる。
しまった。
他の思考に意識が飛んだ一瞬が命取り。
姿勢を崩して着地した私の視界に移ったのは、追撃を仕掛けてくる男。
右手には変形を完了した相手のデバイス。
ライドインパルス発動には時間が足りない!!
腕を犠牲にしても諸共にやられる!!
そう思ったまさにその瞬間だった。
まるで出来の悪い機械の電源を落としたように、ぴたりと止まる緑の男。
目の前に叩きつけられる相手のデバイス。
いったいなにが・・・・・・。
いずれにせよ、チャンスだ。
「インヒューレントスキル、ライドインパルス!!」
このとき、目の前の男の撃破ではなくクアットロ達を連れての逃走を選んだのはなぜか。
ずっと分からないままだった。
レーダーに入り始めた管理局の人間のせいかもしれない、
あるいは戦力分析をした結果、無意識に導き出した結論なのかもしれない。
屈辱だった。
戦闘用の私達以上に戦闘用の対戦闘機人なんてものが存在するなんて!!
もっとも、アジト戻った私達の目に映ったのはずたぼろになったセインとお嬢の姿。
ディープダイバー対策までなされているというのか!?
その事実に戦慄を覚えると同時に、違和感を覚えた。
・・・・・・あれは本当に管理局の人間なのか?
その人は戦闘機人より戦闘機人してる人だよ、支援
========
「すまない。取り逃がした。」
「仕方ないわ。みんなで油断しとったってことやな。」
意識を取り戻した俺の周囲に着地するなのは達。
はやての言葉にギリリと奥歯が鳴る。
目の前に転がっているのはさっきまで戦っていた相手の脚か。
たしか、トーレとか言っていたか。
フェイトのように高速戦闘をする女。
もっともそんなことよりも別のことに意識は向いている。
レッドフォックスもどき。
俺からすればそう表現すべき相手。
彼女と比べるなんてあまりにも愚かしいけど・・・・・・。
転がった脚の断面から見えるのは機械の配線が見えている。
アンドロイドか、サイボーグか、それともスバルが話していた戦闘機人か・・・・・・。
ヴィータやティアナからの報告が入り始める。
レリックは守りきったらしい。
幻影魔法でキャロの頭に隠していたとか言っている。
応用が利くようになったのは成長だろう。いいことだ。
逆に俺は・・・・・・。
かなり危ういことに嫌でも気がつく。
さっきの戦闘においてどのあたりから意識を無くし始めたか境目が思い出せない。
高速振動剣に変形を指示したところまでははっきり覚えている。
だが、そこから先は・・・・・・。
最近周期が早くなってきたことを切実に感じる。
時折起こる意識の喪失は、まぎれもなくあの薬の重度中毒症状。
ほんの数秒に過ぎないが、戦いの中では致命的。
刻み込まれた遺伝子の記憶で身体は勝手に戦いを続ける。
だが、そうなれば識別なんてありはしない殺戮マシン。
それでは高町なのはとの約束が果たせなくなる。
それでは駄目だ。今しばらくは持ちこたえねばならない。
バイタルはとっくに全てがイエローアラート。
決してグリーンに戻ることはない。
満タンドリンクでも直らない。
だけど、壊れるときはきっと全身がレッドアラートになってから・・・・・・。
感覚がそう教えてくれる。
だから、まだ戦い続けられる。
最後まで強くあり続けた彼女のように最後まで・・・・・・。
彼女を理解するまでは壊れられない。
だから、バイタルに赤と黄色の明滅を繰り返す部位があることを俺は黙殺した。
機械にとって一番怖い状態はどんな状態か?
壊れすぎて完全に動かなくなる大破では無い。
大破したならば、部品を交換すればいいのだから。
壊れるときにかかった負荷はあちらこちらにダメージを残す。
そのせいで全体的には壊れやすくはなるが、部品さえ変えれば元には戻る。
以前のようにとまではいかなくとも動けるようになる。
壊れているけど致命的ではなく動くことが出来る小破でも無い。
それは歯車の1つが欠けたようなもの。
元通りの性能で動けないだけで致命的にはなりえない。
動かし続けてもいいし、部品を交換してもよい。
では、致命的な損傷が起こっているのに動けてしまう状態は?
例えるならそれは全ての部品に皹が入ったエンジン。
いつ崩壊するか分からず、なぜ動けてしまうのか不思議なほどに絶望的な状況。
明らかに性能は落ちているのに、動けてしまうエンジン。
万が一そんな状態で動かし続けたらどうなる?
しかも、だましだましなんてレベルじゃない次元で稼動させたならば・・・・・・。
エンジンは修復不可能なまでに壊れてしまう。
大破よりも絶望的に、跡形も無く、エンジンと分からないほどに・・・・・。
致命的に壊れているのにまだ大丈夫と動かせてしまう。
中破と呼ばれるのはそんな状態。
あんた、ハンターになるんだって? 支援
以上でメタサガ12話の投下完了です。
今回、1話のころから言われている視点人物ころころかわってわかりにくいっていうところに
=======をいれてみましたが、いかがでしょうか?
2段階行で追いつかないようなのでこれでだいぶ分かりやすくなったと思います。
不評ならやめて3段改行にして書き続けようと思います。
もっとネタ絡めればよかったかな。五寸釘の効果音でごっすんごっすん言わせたりとか。
それでは、感想ご指摘お待ちしております。
GJっした!
なのはさんとの約束が呪いの域に達している…
そしてその以上に一機を除き本人すら気付いていない恐ろしさ
破滅へのカウントダウンは着々と刻まれていて――その時が非情に楽しみですww
GJでした!
殺せないことがもどかしいです。
続きが楽しみ。
お疲れ様でした
押さえつければ押さえつけるほど反動は大きいと言いますし
開放されたときにどうなってしまうか楽しみです
GJ!
約束とはいえ無茶しすぎだな
まあ、手加減というの極めて難しいもので
神様でもなきゃ簡単にはできまい
GJ はやいところ他の連中がはんたの体調に気付いてくれることを
祈らんばかり。でもバレンタインの時点ではまだ気付いてないんだよなぁ
チクショウ。
はんた怖ぇぇ!
あ、それはさておきGJ!
私としてはなのはさんとの賭けの(ry
メタルの人乙。
>442
開放する前に壊れてしまいそうで怖い。
乙
なんだかヴィヴィオとの絡みが気になる。
>>446 ほら…タガ壊れて開放されるってパターンもさ…
まずは素早い感想を下さった皆様に最大級の感謝を。
以下レスです。
>>440 さて、大破するのが先か、気がつくのが先か。
中破したボディのままどんな行動をとるでしょう。今後をお楽しみに。
>>441 実は描写を探すと別のフラグが隠れています。
それはもう少し後になってから意味を成しますので今後をお楽しみに。
>>442 >>446 >>448 開放が先か崩壊が先か。どうやってそれが始まるのか。
そして、そのときはんたがどのような行動をとるのか。今後をお楽しみに。
>>443 オーバーキルすぎるレールキャノンを持ち出したため、カウンタースナイプが出来ないというジレンマ。
これでもまだお気に入り兵装もカートリッジも封印中。開放されるときを心待ちにしていてくださいな。
>>444 いつになれば気がつくのか、お楽しみに。
>>445 ラストまで書ききります。それまでお待ちを。注目していただいているということはフラグ1つは回収してくださったようでなによりです。
ハッピーエンドフラグなので回収はお忘れなく。
>>447 次回はついに13話。ようやく1クール書ききれるところです。
ヴィヴィオとどんなふうに絡むのかお楽しみにどうぞ。
この無茶を次に気付くのは誰なんだろうな
どっかのフリゲにあった魔法少女みたく最後まで無茶しそうなはんた君
デバイスを起動しようとした時点で血反吐を吐く末期ぶり
それでも無理やり起動して戦場に飛びだすような真似を今の彼なら多分やるだろう
この後予約ありますか?
なければLMS13話を10分後ぐらいから投下しようと思います
>>メタサガ氏
GJ! 文字通り身を削り続けるはんたがクールです!
一応十時からリリカルサンダルフォン氏が投下予定です。
たしか12時に変更になったような…
>>453 マジですか、ここしか見てなかったんで・・・
失礼しました。
ウロスを見たらサンダルフォン氏の予約が12時に変更と書いてあったので、投下します
1
Lyrical Magical Stylish
Mission 13 Arc Enemy
「―――これだから人間はやめられない、そうだろう?」
残す敵は後一体、次が最後の闘いになる。ダンテは弾倉を交換し、剣に付いた血糊を拭きながら隣で昏々と眠り続けるなのはを見て、軽く吹き出した。
「ったく、大したモンだよ。イヤマジで」
眠るなのはの頭を軽く撫でる。
「……でも、サンキューな。助かったぜ」
何か、静かになった。
そして、ひんやりと感じる下となぜか暖かい上。そういえば何故自分が寝ているのかも思い出せず―――
「!!」
「お早う、寝ぼすけ」
なのはが突然ガバッと跳ね起き、焦点の定まっていない目でダンテを見て、頭をブンブンと振って眠気をすっ飛ばした後、もう一度ダンテを見る。それがバージルでないことに安堵の溜息一つ。
「…………」
「何だよ、惚れたか?」
「……まさか」
銃をクルクルと玩んでいるダンテの冗談は、なのはにとって思考がはっきりとしない寝起きにはキツかった。
「……どのぐらい寝てました?」
「んー……二時間ぐらいか?」
「Exactly, one hour, fourty-five minutes, twenty-eight seconds.(正確には、1時間45分28秒です)」
「……そんな寝てたんだ」
そのおかげか、驚くほど体が軽くなっていた。周囲に満ちる濃密な魔力が回復を促進したのか、家で二時間寝たときより遥かに回復している。
「ところで、バージルさんは?」
「消えたけど、何でだ?」
「普通こういう場合って、改心して手伝ってくれるじゃないですか」
「……漫画の読みすぎだな」
「ダンテさんに言われた……」
たった数日滞在しただけで高町家の漫画を全部読破したダンテに言われるのは、なのはにとって甚だ心外だったようだ。相手にするのを諦め、なのははダンテにつられて上を見上げる。
「……行きましょうか」
「だな」
二人が睨むのは天に開いた穴。バージルが言うには、そこが今回の終着点だ。なのははフィンを駆り、ダンテは周囲に浮かぶ彫像を蹴って上に飛ぶ。
穴から感じるのは、今まで周囲にあったものとは比べられないほどの圧力と瘴気。
ファントムとグリフォンを退けた後に僅かだが邂逅した魔帝のもので間違いないだろう。
2
「「Let's get crazy yeah!!」」
凄まじい魔力と重圧にも全く恐れを見せず、二人は獰猛な笑顔を見せてそこに飛び込んだ。
「来たか……ここで積年の因縁、断ち切ってくれる!」
「ああ、そーだな。いい加減テメーの顔も見飽きたぜ!」
空間に開いた穴を突き抜けて、二人がたどり着いたのは一瞬宇宙と錯覚するほどの深い闇に覆われた深淵の世界。魔帝ムンドゥスが生み出した戦闘空間である。
「さあ行くぜ? Are you ready!?」
そして、爆音と共にダンテの姿が変化する。闇の波動を纏ったその姿は悪魔そのもの、思わず隣にいたなのはがビビッてしまうのも無理はないだろう。
「……ダンテさん?」
「It's Alright.(問題ない)俺は俺だ、信じろ」
人間の姿をしていた頃に比べ、彼の念話同様酷くノイズ掛かって聞き取りにくくなったダンテの声。それでも、そこに秘められたダンテらしさだけは全く失われておらずに。
「ちょっと驚いただけですよ、そんな大げさな」
なのははすぐさま頭を切り替え、最終決戦を前に失態だったと少しだけ悔いる。それでも、次の瞬間そんなものをダンテと共に笑い飛ばすことは忘れない。
短い時間の中で築いてきた二人の絆は今さらどんな理由があったところで崩れるものではなかった。
「ならいい。派手にぶちかまそうぜ!」
「Yeaaaaaaaaaaaaaah!!」
上下左右の感覚がどうなっているかすら定かではない空間に何の恐れも見せずに舞い上がる。闇の中において輝く白と、闇の中においてその闇より更に深い黒は、大きさこそ魔帝の足元にも及ばない。
それでも、両者から発する絡み合った力の波動は魔帝に十分匹敵するレベルで周囲に吹き荒れていた。
「俺様からのプレゼントだ。遠慮しないで受け取りな!!」
「GYAAAAAAAAAAAAAA!!」
開幕の合図はダンテが呼び出した火龍。空間を揺るがすほどの咆哮を上げながら遥か彼方に見えるムンドゥス目掛けて突き進んでいく。
「ディバインバスター・ダブル!!」
その火龍に沿うように目を焼く二重の白光が螺旋を描いて唸りを上げる。ドッペルゲンガーとの同時行使によって全く同時に放たれた二筋の閃光がムンドゥスを護るように展開される岩石や魔力弾を容赦なく塵に変えていく。
「グオオオオオオオッ!!」
姿は随分遠いのに、その絶叫ははっきりと聞こえてくる。二乗のディバインバスターによって守りを無力化され、そこに直撃した膨大な魔力によって生み出された火龍。
いくら魔を統べるものといったところで、あの直撃を受けてダメージがないわけない。
「シャアアアッ!!」
ド派手な開幕の合図、その結果を見届ける前にダンテは両の手から火炎弾を滅茶苦茶に飛ばしながら、ムンドゥス目掛けて空間を疾走する。
「Fire!!」
なのはもまた、ダンテを守護するように、そしてムンドゥスの守りを邪魔するようにディバインシューターを操りつつ、ダンテのやや後ろをムンドゥスの巨体目掛けて駆ける。
自分より遥かに巨大で、力強い相手に挑む。だというのに、その目には微塵の恐れも感じられない。
「ヌアアアアッ!!」
3
初っ端の大ダメージから立ち直ったムンドゥスが、二人の接近を許すまいとレーザーを放ち、岩石を投げつけ、雷を落とし、そして流星を降らせてくる。
「ガアアア!!」
「どーこ狙ってるの!」
「Flash move」
それでも、二人は止まらない。なのははバリア、ダンテは漆黒の翼でレーザーを弾き、岩石はダンテの火炎弾となのはのディバインシューターが打ち砕き、雷撃はドッペルゲンガーの操るライトニング・プロテクションが無効化。
そして流星はどちらが流星か分からないほどの加速で掠らせることすら許さない。
「ウオオオオオー!」
ダンテの火炎弾の連射は留まることを知らず。ムンドゥスもまた、ダンテの放つ火炎弾をレーザーで迎撃しようと試みるが、なのはの駆るディバインシューターがそれを阻止する。
「Blast!!」
正確無比に誘導された光弾が、無数のレーザーを放つビットのような黒球を発生の瞬間に悉く爆砕する。遮るものがなくなった火炎弾は巨大すぎて回避運動の取れないムンドゥスに片っ端から直撃していく。
「させぬわぁ!!」
雨霰と降り注ぐ攻撃にも、全く怯みを見せない二人に業を煮やしたムンドゥスが怒号を放つ。それと同時に周辺を覆いつくしていたムンドゥスの攻撃が一旦止まる。
「!? 諦めた?」
「違う! 大技来るぜ、避けろよ!」
「塵と―――」
一瞬の停滞。だが、ダンテは次に何が来るか知っていた。そしてなのはもまた、脊髄に氷柱を差し込まれたような悪寒を背筋に感じ、急加速で無理矢理に軌道を変える。
「―――化すがいい!!」
ディバインバスターを遥かに超える極太の熱線が、空間そのものを断ち切らんと迸る。魔帝ビーム、なんの捻りもない名前だが、この戦場でムンドゥスが放つ攻撃の中では単発の威力が最も高い。
さすがのダンテもこれの直撃を受けたらタダでは済まないし、なのはなど掠っただけで半身が吹き飛ぶほどの威力を内包している。
「……とんでもない、ね。でも、当たらなきゃ意味がない!」
凄まじいエネルギー量を肌で感じつつ、なのはは眼前のムンドゥスを睨む。敵の切り札は知れた、発射のモーションやタイミングも覚えた。このまま勝負が進むなら、負ける要素はない。
「ウオオオー!!」
「はあああっ!!」
そして、開幕直後は無限に思われた両者の距離、それをあっという間に詰めきった二人がここぞとばかりに大技を放つ。
「ディバインバスター・ダブル!!」
まずはなのは。二条の閃光は螺旋を描いた後融合し、蒼白い輝きを放ちながらムンドゥスが体の防御に回していた天使のような翼、両翼の重なる一点を槍の如く貫通する。
「オオオーッ!! ヴォルテックスッ!!」
その先に見えた、ムンドゥスのコア。ディバインバスターに追随する形で滑空していたダンテが、雷撃を纏った渾身の回転体当たりをムンドゥス最大の弱点に叩き込む。
身を護るビットを全て破壊され、最後の砦であった翼に大穴が開いた状況で、スパーダと化したダンテを止める術をムンドゥスは持っていなかった。
「グガアアアアッ!!」
「オオオーーッ!!」
コアに直撃してなおその回転を止めないダンテと、その破壊の力に抗うコアが凄まじい発光現象を起こし、闇に染まった空間全体に世界が太陽を取り戻したかのような閃光が走る。
4
「やった!?」
「いや、まだだ!!」
なのはの耳に、ピシリ、とコアに亀裂が走る音が届いた。だが、その結末を見届けるより早くダンテが翼を広げ、なのはに覆いかぶさってくる。
「ダンテさん!?」
「歯ぁ食いしばれよ!!」
「ガァァァァァァァーーー!!」
体内を蹂躙する想像を絶する激痛がそうさせたのか、周囲には無数の流星群。大技を放った直後の二人に回避する手段はない。
「グアアアッ!」
「きゃああっ!」
二人は成す術もなく流星に叩き落され―――
「効いたぜ……」
「痛たた……」
叩き落された先は最終決戦の場、溶岩の上に突き出した足場が無数にある、火山の中と勘違いするような灼熱の戦場だった。撃墜された二人は、自身もまた傷つき、溶岩の中に堕とされたムンドゥスと対峙する。
姿こそ先ほど変わらず、禍々しい殺気を放っている。だが、先ほどと違うのは覇気だ。押し潰されそうになるほどのプレッシャーを生んでいた覇気が随分と衰えている。
ドッグファイトで二人が与えたダメージは、形こそ見えないけれど確かにムンドゥスを追い詰めている。
(……チッ、こっから先はテメーでやれってか、クソ親父。上等じゃねーか、やってやんぜ!)
急激にエネルギーが失われていくスパーダに内心舌打ち一つ、だが、それを面に出すことはしない。今はいい流れ、この流れを維持して攻勢をかけたいところだ。
ダンテは内心の葛藤を全く感じさせないそぶりで両手を広げ、ムンドゥスを挑発する。
「ハハハ、つまんねー見世物だったな?」
「あんなのはただの遊びよ、貴様等を纏めて叩き潰すにはこの場のほうがふさわしい」
「強がりはたいがいにしときな。さあムンドゥス、年貢の納め時だ。ぶっ飛ばしてやるぜ!!」
ダンテがリベリオンを抜き放ち、中指を立てる。なのはもまた、想像していたより遥かにあっさりムンドゥスを撃墜できたことに士気がレッドゾーンを振り切っていた。
レイジングハートを肩に担ぎ、投げつけるのは嘲りの言葉。見せ付けるのは不敵な笑顔と馬鹿にした行動だ。
「ホント、その三つの目は飾り? でかいだけじゃ、私たちはどうにも出来ないよ」
ダンテが中指を立てるなら、なのはは親指を落とす。二人の態度にあっさりプッツンしたムンドゥスが怒りの咆哮を上げた。
「―――前と同じになると思うな、小物が!」
第二ラウンドの先制はムンドゥス。繰り出された魔帝の拳が、二人の立っていた大地を爆砕する。
それが合図となり、二人は最後の決戦に挑むべく各々行動を開始した。
「おおおおおっ!!」
ダンテは前へ。
「行くよ、レイジングハート!」
「Let's get crazy yeah」
「……分かってるじゃない! ディバインバスター!!」
なのはは後ろへ。
魔界に来てからあまりなかった、二人のコンビネーションが炸裂する。
5
「鬱陶しい……」
ダンテの頭上を飛び越えて突き進んだディバインバスターは魔力を込めたムンドゥスの左手に弾かれる。
先ほどは効いた一撃があっさり無効化されたことになのはは驚愕するが、そんなのお構い無しとばかりに飛び込んだダンテのリベリオンがムンドゥスに直撃する。
「効かぬ!」
「ちぃ!」
完全に直撃した一撃すら全く歯牙に掛けず、ムンドゥスは再度ダンテを拳で潰そうとする。愛剣の一撃が殆どダメージになっていないことに歯噛みする暇もなく、ダンテはその一撃をかわす。
「消し去ってくれる!」
ムンドゥスの左手と背中から大量のレーザーが迸る。無差別に放たれたそれは、回避行動の結果足場の端に追い詰められ回避行動の取れないダンテと、やはり魔法の発射直後で大きな魔法を使えないなのはへと襲い掛かる。
「うおおおっ!!」
そんな大量のレーザーをダンテは神速の剣捌きで全て薙ぎ払い。
「フラッシュムーブッ!」
なのははシールドを解除、その分の魔力をフィンに叩き込んで一発の被弾もなくかわしてみせた。
「もう一発行くよ、ディバインバスター・ケルベロス!!」
ディバインバスターは弾かれた。なら、弾かれるのを承知で放つ。ダメージが与えられなくても、弾いた腕を凍結させることが出来ればダンテが攻撃に集中できる。
突き進む青白い一撃がレーザーを放った左手へと着弾する。だが――
「小賢しいわぁ!!」
「くっ……」
凍りついた左腕はすぐさま真下の溶岩へと叩きつけられ、あっという間に元に戻ってしまった。さらに、ムンドゥスが溶岩の中から生み出した炎の龍が咆哮を上げてダンテへと突き進む。
「Shit!!」
全身が溶岩で出来ている相手に突撃されてはたまらない。ダンテは慌ててムンドゥスへの攻撃を中断すると、龍を横から斬り飛ばして大きく距離を取る。
切った際に飛び散った溶岩が服につき、煙を上げて周囲が溶けるが一々気にしている場合ではない。
「Satellite!!」
「サンキュー!」
下がったダンテと入れ替わるようにしてなのはが前に出る。狙いをダンテからなのはへと変えた龍が顎を大きく開いてなのはへと突撃し、その直前放たれたサテライトが龍を吹き飛ばす。
効果は抜群だったが、なのはもまた飛び散った溶岩を受け、バリアジャケットが焦げ落ちる。
「ハァッ!!」
吹き飛んだところになのはの横を疾走してきたダンテの一撃。頭部を切り離された龍は咆哮を上げながら元の溶岩へと還っていく。
だが、不意打ち気味の新たな相手を打ち倒したことを喜ぶ暇もなく、ムンドゥスからの攻撃が襲い掛かる。
「いつの間に……」
「めんどくせぇなぁ、おい!」
ムンドゥスを護るように浮く太陽の如き輝きを放つ白い球。そこから発射される無数のレーザーが襲い掛かる。これもまた、先ほどと同じようにダンテは弾き、なのはは避けるが、ムンドゥスの連撃に反撃の暇を見出せない。
その際にダンテは弾ききれなかったレーザーを受け、受けた場所から血を吹き出し、なのはもまたかわしきれなかったレーザーが掠めた場所から出血する。
「ヌンッ!」
防御に手一杯の二人を尻目に、ムンドゥスの左手から放たれた赤い刃が衝撃波を伴い、大地ごとダンテを真っ二つにせんと迫る。
6
「しつけぇ!」
一瞬避けよう、と思ったが、それ以上にどこかで攻撃のターンを掴まないとジリ貧だと確信したダンテがムンドゥスの放った赤い刃へと自ら飛び込む。
なのはは目を疑ったが、すぐさま思考を切り替えてダンテを助け、更に攻撃へと導くために、レイジングハートを全力で大地へと叩き付けた。
「Crystal!!」
「ナイスだ!」
「当然っ!」
ダンテが真っ二つになる寸前、なのはの生み出したクリスタルが地中を突き破ってダンテの足場となる。
本来なら真上にいるものを易々と貫く鋭い攻撃なのだが、ちょっと操作してやれば、先がある程度の広さを持った氷柱を生み出すことなどなのはにとっては容易いことだ。
ムンドゥスの刃が氷柱を破壊するが、それより早くダンテは更に前に飛び跳ねて、渾身の力でリベリオンを振るう。
「イィィィヤァァァア!!」
一番近い部分、左手の肘付近に振り下ろされた一撃は、食い込んだ後ムンドゥスの左手をバッサリと切断した。
「ハッハァ!」
「小癪な!」
それでも、切られた左腕を気にすることすらなく、着地の瞬間を狙った右拳がダンテに迫る。
「捻り潰してくれるわ!」
「させない! ディバインバスター!!」
それを阻止せんと、なのはの魔法が突き進む。ダンテに直撃する寸前、その右腕を貫通し、吹き飛ばす。両手を失ったムンドゥス、ダンテはその隙を逃すまいと更に魔剣を駆る速度を上げる。
「小賢しいわ!」
だが、ダンテの一撃を咆哮による衝撃波だけで弾き返したムンドゥスは、失った両手をすぐさま復活させると、マグマに拳を叩きつけて二人の足元から火柱を発生させる。
「アイス・エイジ!」
ファントムに似た攻撃ゆえ、大地が赤く染まった瞬間次の展開を見越したなのはがディバインバスターの詠唱を中断し、周囲に極寒のバリアを生み出した。ダンテとなのはを包み込むように生じた氷の加護が間一髪で火柱を無効化する。
「助かった」
「どういたしまして」
連鎖的に吹き上がる溶岩がおさまるまではこの中から出るに出れない。だが、ムンドゥスもまた火柱を発生させているために他の攻撃ができない。
ダンテとなのはは好機とばかりに作戦を練る。両者とも受けたダメージは比較的浅く、その目は未だ戦意でギラついている。
「どうします?」
「小技でチマチマいくか、大技でぶっ飛ばすか。どっちがいい」
「……大技はまだ取っておきたいですね。あるにはありますけど、使ったらもう何も出来なくなりますから」
「わかった。なら、今まで通りだ。気をつけろよ」
「ダンテさんこそ」
灼熱の溶岩がおさまり、ムンドゥスが周囲に深遠の闇の如き黒い球を生み出す。ダンテはその瞬間駆け出しており、黒球を生み出した隙を逃さない。
なのはもまたアイス・エイジを解除し、ムンドゥスにダメージを与えるというよりはダンテの援護を主体に魔法を組み上げていく。
「なのは! あれを破壊しろ!」
「Alright!!」
ダンテが攻撃を緩めぬままなのはに指示を飛ばす。ムンドゥスの周囲に浮かぶ黒球、これを吸収されるとやっかいだというのは以前の戦いでイヤというほど思い知らされていた。
7
それでも、そちらに気を取られるとムンドゥスからの攻撃を食らう可能性が出てくる、その状況に随分苦しめられたが、今はなのはという頼りになるガンナーがいる。自分は攻撃に専念すればいい。
「Rock it!!」
放たれる光弾が、ムンドゥスの生み出した黒球を貫き爆砕する。ディバインバスターの効き方から鑑みて、ディバインシューターではムンドゥス本体には殆どダメージは与えられないだろう。
それでも、使い道はいくらでもあると言わんばかりに、持てる技全てを使って立ち向かう。
「おおおおっ!!」
ダンテもまた、周囲を飛び交う光弾のダンスには目もくれずにムンドゥスへ狂ったように剣を繰り出す。一撃一撃が小さくても、積み重ねれば必ず届くと確信して。
「チョロチョロと鬱陶しいわ!」
「ぐああっ!」
「きゃああっ!」
だが、どんなに攻撃を積み重ねたところで、水滴が石を穿つにはかなりの時間がかかる。石のように無抵抗ならいざ知らず、相手もまたこちらを殺そうとあらゆる手を駆使してくるのだ。
我慢比べでは、体力的になのはは相手にすらならず、ダンテもまた激戦の連続で磨り減った精神ではいつまで持つか分かったものではない。今もまた、背中から噴出した超広範囲にわたるレーザーの爆撃をかわしきれず、ダメージを負ったところだった。
「大丈夫か?」
「余裕」
「いい返事だ」
ダンテが再び駆け出す。迫り来るレーザーを弾き、衝撃波を避け、溶岩の上に突き出した足場を文字通り飛ぶように移動していく。
「ヌアアッ!」
「オラァッ!」
そして繰り返される闘い。ダンテの剣は悉くがムンドゥスの巨体に直撃している。そのくせ傍から見ていれば全く効いてるように見えないのだが、そんなことはなのはには関係ない。
「ディバインバスター!!」
そしてまた、聖なる一撃がムンドゥスの目を貫通する。人間ならば確実に急所であろう箇所を貫かれても、仰け反りすらせずにダンテと攻防を繰り広げている。
「セカンドッ(第二射)!!」
それでも、相手の体力は無限ではないのだろう。今は、そう信じて力の限り魔法を撃ち続けるしかない。寸暇を置かず放たれた二発目が今度はダンテを打ち抜こうとしたムンドゥスの右手を爆砕する。
「サードッッ(第三射)!!!」
今まさにダンテを叩き潰そうと迫っていた右手が爆砕され、それでも叫び声一つ上げないムンドゥスに更にもう一発叩き込まれる白き制裁。最後に狙うのは、ヒビが入っているくせに無防備に晒されているコアだ。
「いっけぇぇぇぇぇ!!」
「邪魔だぁ!!」
その一撃が直撃する寸前、コアを防御しようとする左腕をダンテが薙ぎ払う。なのはの操る魔法の威力は折り紙付きだ、たとえ倒せなくとも、コアに直撃すれば甚大なダメージを与えることができる。
「グガアアアッ!!」
ビシリ、とヒビは更に大きく広がる。それでも、ムンドゥスは倒れない。仕返しとばかりにはためく翼から、避けきれない量のレーザーが降り注ぐ。
ダンテは咄嗟に急所を庇いつつ後退、なのははギリギリ掠る程度でかわしつつ、ダンテの前に出てシールドを展開する。二人がムンドゥスの攻撃に耐える間に、コアを除いて与えた傷が全て修復されていく。
「クソッタレ、このままじゃ埒があかねーぞ」
腕を切っても、目を潰しても、すぐさま再生してしまう。もちろんダメージは蓄積しているのだろうが、無尽蔵に思える敵の体力や魔力はいささかの衰えも感じられない。このままでは、体より先に心が折れてしまう。
支援
8
「ですね……でも」
それでも、特になのははこのままの戦法をもう少し続けるべきだと言う。
ダンテ自身も、なのはの最大魔法がなのはにどの程度の反動をもたらすか分からない以上、万が一失敗したときになのはを護りつつ戦わなければいけなくなってしまう、
そう考えると、やはり博打に出るには早いと判断せざるを得ない。
「さっきの力、使えないんですか?」
「ああ、打ち止めだ。それに、こんな不安定な場所であんな力使ったら足場が滅茶苦茶になる」
「そうですか。なら、しょうがないですね」
「何とかするさ」
「二人で、ね」
「ああ、勿論だ」
先ほど、ムンドゥスを撃墜した際、ダンテは伝説の魔剣士スパーダの力をほぼ完璧に再現していた。だが、今はスパーダから力の波動を感じない。
よって先ほどのようにスパーダの姿になることは不可能だった。それ故、剣としてのスパーダを使ったところでリベリオンと大差ないだろう、という結論がダンテの中で出ている。
「折れるなよ?」
「大丈夫、まだまだいけます」
「オーケイ。派手にいくぜ!」
ダンテが飛び出す。なのはの魔法が吹き荒れる。だが、そんな二人の決死の攻撃をまるで意に介さないムンドゥスが、戦いに幕を下ろすべく死の宣告を行った。
「虫けらが―――絶望の果てに死ねぃ!!」
ムンドゥスが両手をマグマに叩きつけ、上空に跳ね飛ばす。そこから放たれる死の流星群―――メテオスウォームが、ムンドゥスに楯突く全てのものを塵一つ残さず消滅せんと降り注ぐ。
こう狭い足場では、全方位に降り注ぐ流星を回避することは不可能、何とかして撃ち落すしかない。
「レイジングハート、ドッペルゲンガー!」
「Mode Doppel ganger ignition」
「アイス・エイジ・ダブル!!」
圧倒的な流星群を前に、二人のなのはが生み出す絶対零度の鎧が立ち向かう。ダンテとなのはを護るように吹き荒れる二重のバリアが、触れる流星群を灼熱の溶岩からただの石へと変えていく。
「おおおおおっ!!」
その中で、背中になのはを庇いながらダンテが神速でリベリオンを振り回す。剣の壁が氷の鎧を突き破る溶岩の成れの果て、岩石の弾丸を片っ端から弾き飛ばしていく。
「があっ!?」
だが、ダンテの神速の剣を以ってしても視界を埋め尽くす弾丸を全て叩き落すなど不可能だった。撃ち漏らした小さな礫がコートを突き抜けダンテの体を穿つ。
銃弾で打ち抜かれるのと大差ない痛みにダンテの剣は鈍り、一度でも鈍ってしまえば後はただの的になるだけだ。
「クソッ!」
それでもダンテはリベリオンを盾に、急所だけは護ると銃弾の嵐を耐える。今自分が倒れれば、後ろにいるなのはがあっという間に蜂の巣にされる、それだけは何としても阻止しなければならない。
「Shit!」
「やば……!」
そんな二人に襲い掛かる更なる絶望。二人を押し潰して余りある巨大な隕石が凄まじい勢いで迫る。アイス・エイジで防げるのは炎だけ、あの質量そのものを止めることは出来ない。
残る隕石がその一つだけならば、今すぐにアイス・エイジを解除してディバインバスターで撃ち抜くことも出来よう。
だが、今もまだ雨霰と降り注ぐ小さなメテオとそのために灼熱地獄になった周囲の超高温がそれを許さない。
ダンテもまた、自身を削る隕石を無視して叩き割ろうと防御を解こうものなら、すぐさま蜂の巣になることを理解しているがゆえに、巨大なメテオに対して取れる手段がない。
「諦めない……絶対に!!」
「あったりめーだ!」
支援
9(終)
されど、絶体絶命の状況において二人の目はまだ輝きを失ってはいない。なのはは自身が操るアイス・エイジを解除、周囲の業炎と降り注ぐ隕石へのバリアをドッペルゲンガーに任せる。
解いた瞬間凄まじい高熱がアイス・エイジのバリアを突き破って二人を襲う。服が燃え出しそうな温度の中、なのはは今まさに二人を押し潰さんとする巨大な一発に向けて砲撃を放つ。
「ディバインバスター・ケルベロス!!」
放たれた凶暴な閃光が隕石に直撃、宿る溶岩を消し飛ばし、破壊する。
「イィィィィヤァァァァァアア!!!」
その中、轟音に負けないダンテの咆哮が響き渡り、盾にしていたリベリオンを先ほどを上回る、最早視認すら出来ない速度で駆る。縦横無尽に駆け抜ける剣閃が降り注ぐ砕かれた隕石の欠片を叩き割り、粉塵へと変えていく。
「はぁっ……はぁっ……」
「ゼェ……ゼェ……」
ドッペルゲンガーが消え、アイス・エイジが霧散する。その跡に残ったのは、無茶な魔法行使の反動に膝をつくなのはと、全身に岩石の弾丸を食らって血塗れのダンテ。
ムンドゥス最強の攻撃は辛くも耐え凌いだが、その代償にあまりに力を使いすぎた。
「塵一つ残さぬ!!」
そんな二人に、次いで放たれた極大のレーザーをどうにかすることなど出来るわけがなかった。
「ぐわああああっ!!」
まず、なのはを護るように立っていたダンテの全身がぶち抜かれ、吹き飛ばされる。凄まじい勢いで吹き飛んだダンテが大地をその体で砕くのを見る暇もなく、次弾がなのはに直撃する。
「きゃああああっ!!」
「Reacter purge」
バリアジャケットが爆発を起こして消し飛ぶ。
グリフォンの時と同様、ハジケ飛ぶジャケットがダメージを相殺したおかげでギリギリ致命傷を免れ、それでも止まらないレーザーに全身を切り裂かれながら、なのははダンテ同様吹き飛ばされる。
「フフフ……ハハハハハハ!! これで我が障害は全て消えた!!」
大地に横たわるなのはと岩石に埋め込まれたダンテはピクリとも動かない。
流れ出る血が大地を赤く染め、周囲の熱がそれを蒸発させていくなか、ムンドゥスは動かなくなった二人には目もくれず勝利の哄笑を上げていた。
「フハハハハハハハハハ!! ハーッハッハッハッハッハ!!!」
支援ありがとうございます。Mission13はここまで
次が最終話になります
後一話、最後までお付き合いいただければと思います
それと、この間はロクにレスできなかったけれど、トライガンネタを分かってくれた人がいて凄く嬉しかったです
支援するぜ!
もうR指定パーティだ!!
支援
……キョロキョロ。
すみません、十二時のサンダルフォン氏以降の予約空いてますか?
アンリミテッドエンドライン本編の続きが出たので、投下予約したいのですが場違いですかね。
うー、今夜も名作ラッシュでやめておいたほうがいい気がしてきた。orz
>>466 GJ!
遂に長く続いてきたパーティの終幕ですか!
原作よりもパワーアップしているムンドゥスを次回以下にスタイリッシュに叩きのめすのか楽しみです。
え? ピンチ?
ハハハ、ダンテとなのははいつだってピンチを笑いながら乗り切ってきたのでまったく心配してません。
次回のラストショータイム楽しみにしてます!
GJ 本気でこのなのはさんはガラわりぃ。両親兄姉に聞かれたり
見られたら説教確定なんじゃなかろうか。
ああ、いや、あの家族無駄に懐広いから、あっさり受け止めたりも
しそうだ。
>>469 何という筆の早さ……羨ましいぜ!
氏の投下wktkしながら待ってますよー!
GJです
なのはさんがどんどんカッコよくなるな
このなのはさんを原作のなのはが見たら卒倒するんじゃないだろか?
ええと、結局予約は空いているのかな?
それでは、サンダルフォン氏の次に予約しますね。
前に予約している方がいれば、そちらにお譲りします。
ああ、ようやく本編の時間軸だ。
そろそろ不気味な泡が出せる……
確かに 姉妹や双子ならまだしも自分と同じ姿でありながら
中身は似ても似つかないなど恐怖以外の何者でもないな。
476 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/21(金) 23:20:37 ID:dXQPROSH
477 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/21(金) 23:21:37 ID:dXQPROSH
478 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/21(金) 23:23:35 ID:dXQPROSH
花見スレでも別人認定されてるしな
皆様、感想ありがとうございます
ぶっちゃけ話とかしたい衝動に駆られますが、それは全て終わらせてから
>>夢境学園氏
さすがにラスボスということで、最大のピンチを迎えるようにしました
こうでもしないと盛り上がらなくてw
アンリミテッドの最新話期待してます
>>470 家族の前ではきっと猫被ります
あっさりボロ出しそうだけど
>>473 お花見でそのような事態が起こる!? かも知れません
>>475 そこはドッペルゲンガーという非常に便利な技能がありましてw
>>479 別人認定を上手く使えたらなぁ、とか考えてます
そろそろ投下開始なので、ご支援よろしくお願いしますorz
風は虚ろな空を征く 支援
『ラバン・シュリュズベリィィィィィィィィィィィィィィィィ―――――――――ッッッッッ!!!!!!』
怨嗟の叫びが神殿の中で響き渡る。
『長老』……『神官イマシュ=モ』は目の前に立った勇壮たる老人に向かって、絶望と憎悪の限りを尽くし、其の名を呼んだ。
彼らは互いの面識がなくとも、因縁がある。“クトゥルー眷属邪神群(CCD)”の一つでもある彼らにとって、このセラエノの知識を駆る賢者の名は忌み名の他ないだろ う。
その忌み名を叫ぶと同時に、生き残りの信徒らがシュリュズベリイらに気付く。
先ほど生贄として奉げた筈の眼はこの瘴気に当てられてか、人間のソレとは全く違う瞠目を した眼球に再生されていた。
その際に流れ出た血涙を舌なめずりしながら、己が身体を変化させていく。両指計十本の皮膚が内部から引き千切られ、新たな指が産まれ出でる。
まるで鎌の様に鋭利な指の形容をとっているソレを構え、獲物を狩猟する肉食獣らのように陣形を形成し、じりじりと詰め寄ってくる。
……恐らくは、信徒である人間がロイガー族との精神的な交配によって融合し産まれてしまったモノなのだろう。人の形をした異形。
そのグロテスクな姿をみて、その圧倒 的な邪悪を視て、フェイトは顔を強張らせてたじろいだ。
だが、そんな恐怖は自分の右肩へ無造作に置かれた大きく、そして勇壮な手が、それに歯止めを掛けてくれた。
「大丈夫だ、恐れることはない。我々人間のしぶとさ……強さとやらを、人間の強さを蔑み邪神に尻尾を振って降った弱い化物達に教授させてあげようじゃないか」
「そう。“この程度”の邪悪、私達の敵じゃないよ、フェイト」
「そうだとも。いつの世も、邪悪を滅し魔を討つのは我々人間だということを、私達と共に奴等の魂に刻み込もう!」
聴こえてきたのは、しわがれた老人の声と幼い少女の声。だが、そこに弱弱しさの欠片も無く、その掌と同じ様な暖かさと勇気に満ち溢れた言霊が返ってくる。
彼女の心に宿った邪悪への恐怖心は消えることは無い。だが、ソレに対抗しうる『勇気』が、炎の様に魂に燃え広がっていく。
そうだ。ならば、なればこそ。その期待に応えなくてはならない。邪悪を討ち倒すのは、いつだって―――人間だという証明を、掲げるべく。
だから彼女は、精一杯の勇気と誇りを胸に、ただ一言で、肯定してみせた。
「……はいっ!」
「良い返事だ。……奴等、ロイガー族との混血児は純正のロイガー族とは違い、各々に意思を持ち、尚且つ完全な肉体を持っているようだな。
先ほどの奴等と比べて、格段に戦いやすくなっているだろう。今の総数は……少なく見積もっても五十体以上、か。この狭い空間ならば各個撃破が好ましい。
――やれるか ね、フェイト君?」
何を今更。その問いは用意される以前から、在るも同然。さすれば彼女は語らずとも、その手に握る金色の刃の煌きこそがその証明。
今宵、邪悪を屠る為に、彼らはこの場に立っているのだから。
魔風と神雷は一瞥すらなく、まるで一つの意思のもとに動くように、二人と一つは闇黒に彩られた敵地を駆け抜けた。
神鳴る風雷を呼び起こしながら。勇壮に魂を昂ぶらせて、その刃を手に執って。
そして無意識に、彼女の心の中にその言葉が燦然と煌きを放ちながら浮かび上がった。
―――魔を討つ意思は、此処に在り。
◆◆◆
『運命の探求』
後編
僭越ながら支援させていただきます。
支援!支援!
◆◆◆
フェイトは迫り来る狂爪らをにべも無く回避し受け止め、或いはソレよりも早く攻撃を繰り出す。
正に迅雷の名に相応しき閃光の数々はロイガーとの混血児らに多大なダメージを負わしていく。元々非殺傷設定という枷(リミット)があることを忘れさせてくれそうな乱舞。
彼らの返り血すら受けずに、金色の閃光は妙なる剣閃を描きながら彼らの意識を闇へ昏倒させていく。
瞬間、左右から鋭利な爪牙が超速で襲い掛かってくる。それら総てが大気を切り裂く異形の刃。だが、その軌道は余りに真っ直ぐ過ぎた。
奴等は知らない。この若い女性が、かの世界において最強の一つに数えられている事を。最速と誉れ高き、雷光だと言う事を、知らないのだ。
刹那、なんの前動作もなくフェイトは文字通り金色の雷光へと成り、その直線的な攻撃を回避。それと同時に己の軌跡を捻じ曲げるように、妙なる曲線を描きながら剣閃が また一つ煌く。
戟音すら響かせず、文字通り彼らの狂爪を綺麗に寸断し、そして追う様に雷撃が放たれる。
怯んだ彼らの身体に流し込まれた超圧の電流は瞬く間に脳に至り、またしてもロイガーの混血児の意識を、闇の中へ誘っていった。
その様子を前方でロイガーの混血児達を相手取るシュリュズベリイが、楽しそうな声色で驚嘆の意を投げかける。
「ほう……! 相手の命を狩らず、総て意識を昏倒させるだけで終わらすとは。中々精緻な技術を魅せてくれるな、フェイト君!」
「あ、ありがとうございます……!」
「だが―――吹き荒べ、険悪にして窮極の風!!」
シュリュズベリイは詠唱を口訣したと同時に振るった腕。
そこから魔力の圧縮化によって質量を編んだ風の刃が五陣、フェイトの後方へ吹き荒んだ。肉が断絶する音。
振り向けば、今にも立ち上がり襲い掛かろうとしたロイガーの混血児が四肢の総てを断絶させ、その場に屈した姿がはっきりと視認できた。
「流石に気絶させるだけでは、危険度はそう低下しないぞ。やるならば徹底的に動きを止めてしまえばいい」
「す、すみません。ありがとうございましたっ!」
「フェイト、謝るのか感謝するのかどちらか絞り込んだ方がいいよ―――ダディ、前と左、上の三方向からっ!」
「ハスターの風よ!」
ハヅキの的確な指示は、盲目たりえるシュリュズベリイの失われた感覚の一つとして役割を果たし、彼の腕から顕現した風の刃は襲い掛かる敵の悉くを寸断する。
だがその中の一体だけが、その風の刃を掻い潜って肉薄し、鋭利な爪を魔術的に巨大化し洗練化させ、死神の鎌となり彼の脳天から振り落とされようとした。
「ぬぅ……!?」
「ダディっ!」
ハヅキの指示すら間に合わぬ一撃は、まさに必滅の一撃だった―――筈である。
白い光が突如として視界を遮った直後、シュリュズベリイの後方から雷光の刃が二陣。楕円の軌跡を描きながら異形の瞬発速度すら超えてその両肩から切断された。
「大丈夫ですか、シュリュズベリイ先生!」
聴こえてくるのは、この雷光の刃を放った張本人である彼女の――フェイトの声。
その声色にはこの身の醜態を嘲笑う感情など一切無い。
まるで“人として当たり前のように”、心配の感情を表に出す彼女に、シュリュズベリイは心の中で感嘆した。
「ふむ……むしろ私こそが迂闊だったか。生徒に教えられるとは、中々興味深い経験だ―――感謝するぞ、フェイト君!」
「ダディ、まだ来るよ!」
ハヅキの言葉によって、再び彼は五指に魔力を循環させていく。
フェイトもバルディッシュに魔力を行き届かせ、輝く金色の光を一層に煌かせた。
其処からお互いに掛ける言葉すらなく、ほぼ同時に風と雷は疾駆する。暴虐の限りに魔風は吹き荒れ、無尽に迸る神雷は留まる事を知らず。
人として戦いぬく彼らのその勇姿は、実に人らしく、人の域を超越した舞踏を繰り広げる。
異形を蹂躙する暴風と迅雷は、瞬く間に、確実に、この神殿に蔓延っていた幾数もの魔を破滅に追いやっていった。
声は絶えよ 支援
支援支援
汝こそ最強の邪神狩人!
支援
◆◆◆
神官『イマシュ=モ』は驚愕と憎悪に打ち震えていた。
よもや、たかだか人間風情が。人間如きが、このように神の加護を受け入れた我々の悉くを蹂躙し破滅に追いやっていくとは、誰が思おうか。
我々の同胞とも呼べるであろう『深きものども』の拠点を文字通り壊滅に追いやった遺跡破壊者(トゥームバスター)、
忌々しい我等が怨敵たる邪神狩人(ホラーハンター)、ラバン・シュリュズベリイならばいざ知らず、あのような小娘如きに我等が蹂躙の限りを尽くされるなど、断じて赦せる筈がない。
魔風が猛り、雷光が閃く。その二重輪舞を驚愕と共に見据えながら、彼はその場から動くことが出来なかった。
―――赦セヌ。
沸々とわきおこる、炎に似た劣情。
盲目の賢者と金色の魔導師を視るその眼に焼き付けられた、余りに劣悪な激情。
―――赦セヌ。
そうだ。何故に我等がこの様な劣悪たる人間如きに。霊長という仰々しい名を掲げる愚かな生物どもに。
何故、こうまでして一方的な蹂躙をされなくては成らぬのか。
否。否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否。
―――断ジテ、赦セヌ!!!!
ならば如何するべきか。如何にして我々が奴等を圧倒的に蹂躙し陵辱し破滅に追いやる事ができるのか。
其の“術”は、一体どこに在ると言うのか。
突然、イマシュ=モの耳に“異形の声”が囁いた。
『在るじゃないか、ソコに。異界の理を持って凝結させられた、原初の魔力の塊りが。最も穢れのない、我等が宇宙に最も近い純粋『可侵』たる魔力の宝玉が』
それはまるで女の様でもあり、男の声でもあった。
余りに一定しない、まるで“幾つも在る”ような異形の言霊だ。
『世界自体を魔力として変換し凝結化されたソレだ。君が望めば、君達が最も敬い崇めた神を……異界の神を呼び起こす事だって容易く出来るだろうさ』
イマシュ=モはその淫靡な誘惑に、にべもなくとりつかれた。
祭壇に視線をやる。ソコにあるのは、無色の煌きを放つ異界の理により創造された宝玉。
イマシュ=モは後方にて同族を蹂躙する風と雷をも意識から外し、“剥奪され”、幽鬼の様に其の祭壇へ歩み寄る。
其の祭壇の前に立ったイマシュ=モが視たソレは―――余りに巨大な神像だった。
今までずっと、数千年も其の神像を視てきたというのに、彼はまるで初めて遭遇した時のような……あるいはそれ以上の衝撃と感激に打ちひしがれる。
彼はその場で屈服し、祈りを奉げた。
総てを。己の総てを。腕を。脚を。臓腑を。骨を。脳髄を。生命を。『眼』を。
文字通り彼が持ちえる総てを奉げる様に、その神に祈りの言葉を苛烈に、熾烈に、躊躇わずに紡いだ。
ソレに応えるが如く、無色の煌きが識別不可能な極彩色の極光を解き放ち神殿全域を包み込む。
―――滑(ぬめ)りと、神像の瞼(まぶた)が蠢いた。
◆◆◆
きたあああああああああああああああああああああああああ
支援
歌は消えよ 支援
支援
総ての異形を戦闘不能にまで追い込んだフェイト、シュリュズベリイ、ハヅキの二人と一つが、その異変に気が付いた。
突如として顕現された圧倒的な魔力の波濤に彼らは苦悶の声をあげて、その場から吹き飛ばされぬように踏ん張って耐え抜く。
「何!? 何が起こってるの……!」
『魔力総量、瞬間的に計測領域突破―――数値及びランクでの計測は不可能。術式的に換算すれば、少なくともSランク以上に相当します』
「Sランク以上!? そんな莫迦な……!?」
原因不明の魔力の波にフェイトは最早何が起こっているのか理解が出来なくなっていた。
バルディッシュから得られる情報も、計測不能の魔力総量だけ。原因が未だ突き止められず、余りに膨大過ぎる波濤がバルディッシュの演算能力を直ぐに超越してしまう。
だがその暴虐の最中、ハヅキだけがソレを視覚した。
「ダディ! あの『神像』が……動き出してる!」
この神殿の最奥に存在した異界の神像が、その堅牢な岩肌を内側から砕いて、眩い無色の光源を放ちながら顕現を果たそうとするのがはっきりと理解できた。
世界最強の邪神狩人(ホラーハンター)と名高き彼ですら、驚愕に打ち震えるその魔力の猛り―――彼は、“その術を知っている”。
「この魔力、この術式……真逆、『神』を召喚したとでも言うのか!?」
―――是、也。
瞬間、世界は異界と化す。
石灰の牢獄に幽閉されたかの『神』は暴虐の限りを尽くし、その魔力の波濤を外界に向けた。
蹂躙される神殿。この場で気絶させた信徒達を飲み込む事すら厭わない、理性の欠片も無い純粋な破壊。
其の威力を撒き散らせ、フェイトらを翻弄させる存在の前で、神官イマシュ=モは歓喜に震えた。自ら抉った眼窩より、感極まった血涙を流しながら感謝の言葉を羅列して いく。
『嗚呼! 我ガ敬愛セシ神ヨ! ヨクゾ……ヨクゾ御前ニ現臨ナサレタ!! サァ、神ヨ! 我ガ神ヨ!! カノ愚カナ人間ドモニ、ソノ神威ナル眼デ裁キヲ与エタマ』
だが、その愛に匹敵する感謝の言霊を吐き続けた直後、蠢く眼がその神官を捉えた。瞬間、イマシュ=モの言葉が途中で詰まる。否、“途絶えた”。
否応と問う暇すら与えられず。かの神官イマシュ=モは、先ほど眼前の『神』が幽閉された様に鎖された。
そう……要約すればイマシュ=モは、その神に視線を射抜かれただけで、その身を“石に変えられてしまった”のだ。
イマシュ=モを石に変えた其の神の体躯は、余りに現実離れした異型な巨躯だった。
まるでそれは蛸にも見えるし、ヤドカリにも見え、或いは龍頭を手足の触覚として機能させる異界の甲殻生物にも見えた。
其の生物の顔……とも呼べるだろう、その眉間にまるで無理やり埋め込まれたかのように浮かび上がる無色の宝玉。
ソレは、フェイト・T・ハラオウンが追っている物質そのもの。つまりは―――
「アレは……『ロストロギア』……ッ!?」
その驚愕の声と共にフェイトはその神を凝視しようとした瞬間、シュリュズベリイが彼女の行為に勘付いた。
シュリュズベリイはハヅキに念の波動を伝え、即座にバイアクヘー形態に移行させると、言葉より先にフェイトの手を掴み、形振り構わずバイアクヘーの背に飛び乗った。
「……っ、いかん! フェイト君、“眼を閉じたまえ”ッ!! レディ、直ぐに此処から外に出るぞ!」
『了解、ダディ! フーン機関、出力増加……一気に行くよ……!!』
涙はッ! 支援!
◆◆◆
刹那すら遠く、前動作すら行わず飛翔したバイアクヘーは己の影すら追い越す勢いでその神殿から脱出を試みる。
二秒と掛からず外界に脱出し、すぐさまその場から距離をとり、霊峰『ヤディス=ゴー』全体を見渡せる程の高みに到達した。
余りに突然とした行動だった為、フェイトの心臓がニコンマ遅れて再起動。息詰まる飛翔はいくら最速と謳われし彼女でも耐えうる事が厳しい行為だった。
シュリュズベリイはヤディス=ゴーを見据えたまま、深呼吸を行うフェイトの肩を叩いて謝罪を述べた。
「突然済まなかった。だが……『ヤツ』と視線を合わせては絶対に駄目だった。そう、何故ならばアレは―――」
瞬間、霊峰が爆砕音を上げながら文字通り崩れ落ちた。
その粉塵から見える巨大な影。そう……先ほど、額の部分にロストロギアを埋め込まれているのを確認しえた、謎の巨大生物。
余りに禍々しく、同時に神々しい威風を纏うその巨躯は、この管理外世界の事を詳しく知らない彼女にだって理解できる。アレは―――正真正銘の『神』だと。
そんなフェイトの心中を察してか、シュリュズベリイはその巨躯の影を見据え忌々しげに応えた。
「―――アレの名は『ガタノトーア』。ヤディスの地で眠る、ロイガー族の頭領にしてユゴス星の支配者。
ヤツは極上の魔眼を持っていてね、アレと視線を合わせれば此方は問答無用に呪術的に、魂の髄まで『石化』されてしまう。邪神の名に相応しい、この星を……人類を脅かす異界の邪悪だ」
『ガタノトーア』、やはり知らない名だとフェイトは思った。
それも当然なのだが、これ程の魔力を内包する生物を時空管理局が把握しきれていないとは、次元世界の広大さがよく解ってしまう。
……が、そう考えている暇も無いようだ。粉塵がだんだんと薄くなり、ガタノトーアの全容が見渡せてしまいそうになる。
遥か天空に静止するバイアクヘーの上までは視線は合わせられないが、あの様な邪悪をのさばらせては決してならないと理性と本能の両方が告げている。
だが、如何にしてあの巨躯を討ち倒す事が出来ようか。あの圧倒的な邪悪をも超える、理不尽を超えたご都合主義が――在ると言うのか。
そんなフェイトの心中など察してるワケではないのに、シュリュズベリイは突如としてそのフードを翻した。
先ほど見せた、あの負ける要因など欠片も見当たらない、不屈の闘志が込み上げてくる荘厳かつ広大な背中が視界を覆った。
「―――レディ、行けるか?」
『任せてダディ。アレくらい、何とかしてみせる』
「よく言った。ならばやろうじゃないか」
親子の様に意気投合した会話の中には、まるで恐怖心が微塵たりとも存在せず。
シュリュズベリイは背中越しにフェイトのいる後ろに横顔を向けて、不敵に微笑んだ。
「フェイト君、少し下がっていたまえ。次の講義は『如何にして圧倒的邪悪に対抗しうるか』だ。―――よく視ておきなさい」
もはや、彼女の心の中に疑念など無くなっている。
この老人は。この賢者は。ラバン・シュリュズベリイは。必ず―――活路を見出してくれると確信できてしまってるのだから。
フェイトがバイアクヘーの背から離れ、空中で静止する。
それを確認したシュリュズベリイは、体内の魔力を……そしてバイアクヘー自身の魔力を異常なまでに活性化させた。
何度も循環されていく魔力はまるで回路を奔る光と化して、刹那の内に膨大に膨れ上がる。
―――口訣。
「―――機神召喚ッッ!!!」
届け支援の風よ!!
その言霊が彼の世界を駆け巡り、踏破し、新たな世界を創造し構築する。
吹き荒ぶ魔風が彼らを巻き込み、傍から見ればまるで竜巻の様だ。
そして尚も、詠唱は終わらない。
ハヅキが静かに祈りを謳う。
『我は勝利を誓う刃金
我は禍風(まがつかぜ)に挑む翼』
シュリュズベリイが高らかに祈りを叫ぶ。
「無窮の空を超え
霊子(アエテュル)の海を渡り
――翔けよ、刃金の翼!」
そして―――二人は願う様に、天高々と咆哮をあげた。
「『舞い降りよ―――アンブロシウス!!』」
その言葉が紡がれた瞬間、暗雲が立ち込めた空より鮮烈を極めた光輝が爆砕を起こし、世界を吹き荒ぶ魔風の嵐が舞い込んだ。
猛り狂う暴風の最中、フェイトはおぼろげな視界の中でその儀式を目の当たりにした。理解するよりも早くそれを知覚する。アレは……『神』の召喚だと。
吹き荒んだ魔風が止み、威風をたずさえ、彼女が思い描いたとおり嵐の最中より巨大な『神』が現臨する。
其れは顔の無いヒトの形をした鳥。鳥の形をしたヒトだろうか。手には己よりも長い鎌を携えており、その容貌はより死神に近くなっている。
どちらにせよ、ヒトが持つには余りに行き過ぎた代物だというのは理解できた。
肌で感じるその圧倒的な存在概念。その鋼を纏った存在が内包する魔力は余りに桁違い過ぎて――確かに、『機神』と呼ぶに相応しいと、フェイトは心の底から思った。
其の刃金の名を『アンブロシウス』。魔導書『セラエノ断章』が召喚せし鋼の神――“鬼戒神(デウス・マキナ)”。邪神狩人ラバン・シュリュズベリイが駆る、神の翼である。
これならば―――或いは。あの邪神を、討ち倒せれるだろうか。否、討ち倒す事ができる。
アンブロシウスを駆るシュリュズベリイは絶対的な自信を持って、なれど油断の欠片もなく高らかに宣誓した。
「では文字通り、“ご都合主義”とやらを見せ付けてやろう。―――征くぞ、レディ!!」
『オーケイ、ダディ! 戦闘準備完了(ミード・セット)―――勝負(デュエル)!!』
舞い降りよ!支援!
イアイア支援
ティガの敵!支援
おまえなんか落第だっ! 支援
暗雲の中で映える紫紺の機神が、遥か暗雲の空彼方より邪神ガタノトーアに向けて音速すら遠く置いていく疾さで急降下する。
嵐を巻き起こす軌跡がまるで飛行機雲の様な形状を残し、アンブロシウスの後方から産まれ出でる。
音速の衝撃(ソニックブーム)が間髪無くガタノトーアとその周囲ごと巻き込んで理不尽なる破砕を呼び込んだ。
――轟ッ!
と、凄まじい音を響かせて、ヤディス=ゴーという霊峰がまるで積み木を壊すように、ただの衝撃のみで霊峰を崩れ落とす。
神の魔風は何処ぞの国に言い伝えられている伝説の破山剣に匹敵しうる強大さで、邪神の甲殻を圧し潰した……筈だった。
舞い散る風塵が止み、おぼろげな影が色彩を持ちえて、その姿を捉える。其処には派手な爆発音を響かせただけで傷一つ負ってないガタノトーアの全貌がはっきりと視えた。健在である。
だが、それでもなおアンブロシウスの魔風は知ったことではないと言わんばかりに暴れ回る。傷が付かないなら、付くまで繰り出し続ける無限機関に成り果てる。
右回転から左回転。上下運動にも似た軌道での風向き。
逆しまを描くような横殴りの暴風。三次元の角度では測りきれない妙なる方角からの洪水に似た嵐。
渦を巻き、物体そのものを無理やり引き裂こうとする全周囲方向からの旋風。
ありとあらゆる風の流れが瀑布となって、ガタノトーアの堅牢な甲殻に幾度も幾度も幾度も傷跡を刻み、軋む音をも響かせていく。
窮極の風が蹂躙するその様は、一目見ただけでは此方が優勢と見えるだろう。
なれど……それでも尚、あの邪神は……旧支配者が一柱、ガタノトーアはさしてダメージを受けている様子は無い。
その余りに高すぎる防御力に、アンブロシウスを操るシュリュズベリイは忌々しげに舌を弾いた。
「たかだか膨大な魔力を有する媒体に頼って顕現された半端モノでも、この堅牢さ……! 流石に甲殻生物の体躯を持っているだけはあると言う事か!」
『防御力に定評のある邪神か……シュール過ぎて笑えない現実(ジョーダン)だね―――来るよ、ダディ!!』
“■■■■■■――――――ッッッ!!!”
ハヅキの霊的直感が現実を呼び起こした。
ガタノトーアは人語に翻訳不可能な叫び声を金切り、それと同時に体躯の下部より幾数も、粘着した汚濁に塗れた触腕が伸びゆく。
幾重にも織られた糸のような膜状を展開し、瞬間それらが追撃ミサイルの様な“弾道”を残して飛来。
右、左、上、下。その軌道は余りに不規則だが、それら総てはアンブロシウスを目指し伸びていく。
だがその程度の速度ではこのアンブロシウスのスピードに追いつける筈も無く、その軌跡を追うだけの肉塊になってしまう。
上から来ればそれ以外の角度に半回転し、下から来ればそれ以外の方向に軌道修正し、両横から来たるならば超音速によって跳ね除け飛翔。
見た目こそ愚鈍そうなガタノトーアであったとしてもその動きは機敏の域を超えていた事だろう。だが、相手が悪かった。ヒアデスの海を翔け抜ける風を止めるモノなど何 も無いのだ。
だが考えても見て欲しい。たとえ邪神が我武者羅にアンブロシウスのみを狙い、その触腕を振るっていたのならばソレは単一思考しかないただのケダモノと変わらない。
解っている筈なのだ。己の腕では絶対にあの魔風を捉える事が出来ない事を。そう―――元よりガタノトーアの狙いはアンブロシウス「だけ」では無かったのだ。
アンブロシウスが回避し、開けた視界の向こう側にその標的が中空で静止していることを、ガタノトーアははっきりと五感以外の感覚で知覚した。
其の感覚の先に居る存在を―――フェイト・T・ハラオウンを。
「―――っっ!!?」
言い様も無い悪寒がフェイトの身体に雷で撃たれたように駆け抜ける。
彼女の視線の先には、おぞましい触手を蠢かせているガタノトーア。その邪神から発せられた圧倒的な圧力(プレッシャー)が彼女に圧し掛かる。
ただそれだけで彼女の身体は中空で静止したまま、まるで鎖で縛られ拘束されたかのように“動けなくなった”。まるで石の中に鎖された様な感覚。
眼前に迫る、幾重もの巨大な触手。異臭を放ちながらその先端部分が生々しい音を立てながら破られ、中から磯巾着の様に一部分に密集した触手達が“生えてきた”。
生理的に……否、生物的に嫌悪せざる得ないその行為。動けないフェイトはその怪異なる恐怖を目の当たりにして胃の中が反転し逆流しているような不快さに苛まれていく。
アイ!アイ!ハスター! 支援
蜂蜜授業! 支援!
ウルトラマンと戦った邪神! 支援
やがてその触手群がフェイトの四肢に絡まってゆき……その末端から、成す術なく一方的にフェイトの身体が“灰色の塊に侵され”、ゆっくりと蹂躙されていく。
余りに複雑な術式で構成された石化の呪法。
フェイトは動けぬまま、かの封印された邪神と同じ様に、灰色に閉ざされた石像に成り果てた。
術式発動すら行えず、空中に浮遊する事すら侭ならないこの状態で起きる事は自然界でごく有り触れた法則。翼を持たぬヒトは空には昇れず、堕ちるのみ。
絡まれた触手がまるで縄の様に縛り上げて、その触手ごと石化され拘束されたフェイトにこの状況を打破しうる力は持っておらず。
遥か空の彼方より、フェイトは成す術なく、理不尽の限りを尽くされて堕天する。
――此処に、一つの魔を討つ意志が凍結した。
◆◆◆
触腕の攻撃を避けつつガタノトーアに反撃し続けるシュリュズベリイがその異変に気付いても、既に遅かった。遅すぎたのだ。
「っ! フェイト君!!」
シュリュズベリイは叫ぶ。あの金色の髪を揺らす教え子の名を。
なれど返ってくる言葉は無く、来るとすればこのおぞましい触手どもばかり。
不意に、魔力の波濤に勘付いた。その波長、属性、術式……どれを取っても上級であり至高の魔術能力。ガタノトーアの眼が、彼女を捉えたということか。
ガタノトーアが持つとされる『石化の魔眼』の能力は事前に情報で聞いていたが、よもや完全な召喚を仕切れていない劣化神性であの魔力の昂ぶり……流石に邪神相手では劣化も本物も何もないということを思い知らされてしまう。それがどうしても煩わしい。
『ダディ! あのままじゃフェイトが……!』
「レディ、緊急旋回だ。あの状態のまま大地に触れれば文字通り木っ端微塵だろう……行くぞ!」
『……っ! ミード残量を考えたら、無駄は少しでも省きたいけど、止むを得ないか……しっかりつかまってて、ダディ!』
ハヅキの応訣が耳に冴えずんだ刹那、アンブロシウスは妙なる曲線を描いて疾風と成る。
その軌跡は真空を呼び起こし、襲い掛かる触手らを巻き込んでミキサーのように盛大と引き千切りながら、ヒアデスの風は石と成って果ててしまったフェイトの下へ。
そこまでするのに、このアンブロシウスは刹那すら短い。
彼女が落下しうる瞬間にソレはまるで時間を逆行したかのような速さを持ってして、
呪術的に石化されてしまったフェイトをその腕に抱え、すぐさまにガタノトーアの死角に位置するだろう、
大きな岩が乱立する大地まで運び、傷つけないよう細心の注意で優しくその場に身体をおろした。
その間は一秒すら生温いだろう。この速さだといくらガタノトーアだとしても反応できずに、何が起こったか理解できまい。
シュリュズベリイは一連の動作を終えた後、老壮な顔に亀裂を浮かべ、憤怒と懺悔をその表情に刻んだ。
「すまない……“先走りすぎた”。教え子の安全を第一に考えぬ教師など、どれほど愚かしいことか。本当に、すまなかった」
アンブロシウスの操縦桿で握る拳から、一筋の赤い血が線を描く。自らの歯を砕かんと言わんばかりに軋ませる顎。
シュリュズベリイは、己が舞い起こしてしまった失態を殺意を抱かん程に悔やんで悔やんで、悔やみ尽くした。
……やがて彼は激情する心を鎮めて、後方でうめき声を咆哮する邪神に気配を向ける。その顔は正しく、世界中の外道たる魔をその風で屠り滅し尽くしてきた邪神狩人の貌そのもの。
右の五指に魔力を注ぎ込み、無詠唱で石化したフェイトの半径数メートルに及ぶ強固な認識阻害結界を形成。
ガタノトーアの眼を、これ以上彼女に向けさせるワケには行かないと徹底的に欺く術を顕現させた。
シュリュズベリイは確かな術式完成の手応えを感じ、再び操縦桿を握る。
それに呼応するかの様にアンブロシウスは再び空を舞い、あの場から一歩も動けずにいる巨大な邪悪を見据えた。
「よくもやってくれたな。我が生徒を傷付けた報い、この魔風を持って存分に晴らさせてもらうぞ―――人々を脅かす邪悪の権化よ!」
しかし何故に支援コメントも熱いのか。支援
支援だあああああああああああああああああああああああああ!!!
まかせてダディ! 支援
静かな怒りを紡ぎ、アンブロシウスは霊子の軌跡を巻き起こし飛翔し疾駆。
刹那のうちにガタノトーアの背を過ぎ、その後方よりアンブロシウスを追いかける軌跡が怒涛を引っ提げて荒れ狂った。
冴え渡る刃の如き鋭さを孕ませる音速の衝撃(ソニックブーム)が、これまで掠り傷程度しか負わしきれ無かったガタノトーアの堅牢たる身体を一撃で抉り取る。
ガタノトーアの声帯機関より声にならぬ大絶叫が、アンブロシウスの魔術回路を灼く。だがこの程度で終わる鬼械神ではない。真なるご都合主義は、これだけでは幕を下ろさない。
もっと苛烈に。もっと劇的に。もっと徹底的に。
冴え渡れ。冴え渡れ。冴え渡れ。
三度唱え、アンブロシウスに内包された術式が音を上げて開封された。
「征くぞレディ! これで決める!!」
『了解!!』
猛る魔力の波濤を打ち出しながら、彼らがアンブロシウスは真の意味で魔風と化した。
斬戟にも似た疾風が一陣、ガタノトーアの身体を掠める。亀裂。ニ戟目。裂傷。三戟目。血傷に至らす。
もはやソレは風と呼ぶのもおこがましい不可視の刃が織り成す音速の冴え刷り。ガタノトーアは絶叫を上げる暇すらなく、その鈍重な身体を魔風によって蹂躙され尽くされる。
だが、ソレでもこれはほんの序の口だ。まだ、彼らは“成り果ててなどいない”。これは只の祈りの舞いにすぎない。
五戟目でその舞踏は行き止まり、アンブロシウスは右手に持った賢者の鎌を携えた。
舞踏の構えを見せつけながら、ハヅキの口訣が魔風のうねりを引き起こす。
『―――ミードセット!』
体内に搭載した蜂蜜酒の注入を開始する。鬼械神の血脈に流れ出る黄金の血流が魂の髄まで循環していく。
霊子の結合速度および循環速度の限界すら熾烈に突破させ、超過熱(オーバーブースト)により装甲が閃光に包まれる。
そしてその舞いの名を高らかに、シュリュズベリイは咆哮した。
「―――戯曲『黄衣の王』!!」
その言霊を紡がれた瞬間、アンブロシウスは風すらも超越し、一陣の閃光の刃となりて邪神の身体をその賢者の鎌で抉り取る。
だがそれでも終わらない。内蔵された多発型飛翔魔術群の猛りはこの程度じゃ止まれない。エグゾーストにも似た機関からの咆哮が後からやってきた。
軌跡が描く線に刻まれた魔術式が光輝を発するのを見たシュリュズベリイはその舞いの謳(うた)を、厳かな声色で歌い上げる。
「風は虚ろな空を逝く!」
光速に至る風の斬戟がまた一つ重なる。
それと同時にシュリュズベリイの歌を、ハヅキも歌い上げる。
『声は絶えよ、歌は消えよ……』
今度の一撃は五度。
同時に繰り出された物理法則を超越し別次元に至る速度が蹂躙し制覇し、邪神の甲殻を破砕へ導いていく。
だがそれでもアンブロシウスの猛りは留まることをしらず。
幾十も折り重なった風の斬戟が幾度と無く、永劫と、終焉すら無いかのような刹那の内に繰り出され、その斬戟数は百を軽く超えた。
それでも耐え抜くガタノトーアの身体は破格といえよう。だが……この鋼の猛禽の嘴は、それすらも穿つ。
百数の斬戟を終わらせ一拍、静寂が訪れる。その静寂の中、ハヅキとシュリュズベリイは同時に、破邪の意を胸に祈りの口訣を刻んだ。
ハスターの風よ支援
『―――涙はッ!』
「流れぬまま枯れ果てよッ!!」
歌は最終節に至る。
幾百と折り重ねなれた斬戟はこの為に。この一撃の為だけに。
この一撃に孕められた、幾百すら超え、幾千、幾万、幾億もの必滅の神威の為故に。
破滅の暴風が一陣に凝縮され―――躊躇い無く、放たれた。それは蹂躙とすら呼べぬ、破邪の囀り。死神の鎌。
音速の次元すら超越した別次元の音速により繰り出されるこの絶技こそは、鬼械神アンブロシウスの奥義『凶殺の魔爪』。
人と魔導書と神による窮極の三位一体が織り成す、窮極の秘奥だ。
吹き荒んだ魔風は、暗雲に風穴を穿ち、その果てには無数の星々の煌きが燦然と降り注いでいた。
その風穴の中枢に静止するアンブロシウスは、まさに空を統べる神そのものの威容。
『―――ここが、最果ての空』
「……カルコサの夢を抱いて、眠れ」
ハヅキとシュリュズベリイは歌を終えたその刹那、この星の輝きと神の下で、強大な魔力が爆砕する。
確かな手応え。ガタノトーアの甲殻を穿つどころか、その身体ごと粉微塵に切り刻みペーストにした筈だ。
彼の胸に安堵が生まれ、アンブロシウスの動きを止めた。
「終わったか……よし、まずはフェイト君のもとへ……―――ッッ!!」
瞬間、言い様も無い悪寒が彼の身体を電流が迸るように頭から爪先まで駆けぬける。
シュリュズベリイは衝動的に粉塵に帰したはずのガタノトーアが眠る場所に振り返った。舞い上がる風塵の彼方、その影が……威容が、蹲っていた。
信じられない。よもやこの必滅の奥義を耐え抜いたとでも言うのか。驚愕の念がシュリュズベリイの魂に響いた瞬間、彼は一つの些細な……決定的な失態をおかす。
無用心にも、その体をガタノトーアの眼に留めさせてしまったからだ。
―――滑りと蠢く、異界の眼。硬質的でありながら汚濁の水に塗れた、人間の知能理解の限界を超える眸が、アンブロシウスの風貌を垣間見た。
瞬間、アンブロシウスの世界が沸々と凍結されてゆく。末端からゆっくりと骨の髄まで、侵されていく。
『魔術回路汚染! 五十……六十……七十!! ミード残量も、残り僅か!!』
「ぐ、ぅぅ……!! 何故だ、何故、動ける!?」
石化の侵食に苛まれるアンブロシウスの操縦桿から、シュリュズベリイは超常的な感覚で魔力の流れを垣間見る。
『凶殺の魔爪』で幾重にも切り裂いたガタノトーアの身体。あの場で確かな手応えと共に屠り去った邪神の魔力の流動を。
そしてシュリュズベリイは理解した。そのおぞましさだけが残る醜悪な術式を。圧倒的な魔力だけで再現できた、字祷子(アザトース)粒子の再構成を。
「馬鹿な……あの状態から自己再生しているというのか!?」
いや、それは自己再生と言う事すら生温い、“新生”だ。
引き千切られただの一つの分子へ還った筈の身体は、圧倒的な魔力だけで再構成されてゆき、末端から傷一つ無く練成されていく。
その魔力反応を、ハヅキは見逃さなかった。
『魔力反応、確認! 多分、原因はアイツの額に埋め込まれた“宝玉”だよ、ダディ!!』
「宝玉……そうか、あの魔力媒体のことか!」
―――然り!
女の声が、シュリュズベリイが知覚する事無く、何処からとも無く別次元の宇宙で響き渡った。
立ちふさがる魔を打ち砕き、切り刻み、灰燼を化せ!
支援!!
まさか奴が!?支援
◆◆◆
其処は異形の闇が四方を統べる大海原だった。
右も左も上下も無い、平衡感覚が奪われた不定形の闇が侵す異界。
その中心が確立しない世界の“中心”で、女は身を捩りながら嘲笑していた。
『そう! その宝玉こそは我等が宇宙の極々々々一部を採取して創生された原初の魔力の凝結体! 寸分にも侵されていない純粋な字祷子で構成された異界の宝玉!』
異界の中心で女は掌の上で開闢を起こして、世界の果てからその様子を伺っていた。
まるで新しい玩具を貰った子供のような無邪気さが際立った、無垢過ぎるが故の邪悪の微笑み。
『ソレは世界自体を一つの結晶に収束させた逸品だ。たかだか一度滅ぼされた程度じゃ、その無尽蔵の魔力がソレを覆すのさ。フフ……下手を討ったねぇ、シュリュズベリイ』
其の見詰める眼は燃える■つの眸。灼ける貌。
黒夜の世界でなお映える漆黒を纏う異形の存在。かつて、これほどまでに純粋な邪悪が存在していただろうか。
ソレほどまでに極まった、吐き気を催す邪な存在概念。
女は笑う。人間達の抗う様を見据えながら。
女は嘲る。人間達の愚かな抵抗を見続けながら。
女は微笑む。人間達の凄絶な覚悟で抗い続ける魂に見惚れながら。
だが……女の本意はソコじゃなかった。その世界を見据えながら、女は別の事を思い描いた。
『さて……今回も君達が現れてくれるのかな? 真のご都合主義を信仰する、僕の愛しいキミよ?』
遥か彼方、誰かを思い続ける様はまるで恋をし続ける初心な少女のような笑みを浮かべながら、女は人の抗いを高見から見下ろし続ける。
瞬間、この闇の異界に似つかわしく無い、穢れなき憎悪と正しき怒りを孕んだ叫びが、何処からとも無く轟いた。
―――当たり前だろう、邪神! テメェの描いた物語なんざ、こっちから願い下げだ!
―――人間達の諦めの悪さ、今一度……いや、何度でも思い知らせてやろうではないか!
“否”と叫ぶその意志が、また一つ、闇黒の狭間に煌く新たな光芒(ほし)を創造(つく)る。
続く。
きたーーーーーーーーーー!!!GJ!!!!!
旧神キター!!!
GJ
魔を断つ剣キタァァァァァァ!!
これはニャル様とロリペドの御大将が来るのか!?
熱すぎるぜチクショウ!GJ!
投下完了。
皆様の支援がひしひしと伝わってきました。
よもや規制から逃れ得ることができようとは……感激に御座る。
さて。今回の後編は『Aパート』です。
次こそは……次こそは、完結させてやるんだぜ……!
では今日の授業はこの辺で。なんだか某赤貧旧神やら古本娘とか若干でてたっぽいが、
そんなことなかったぜ!(何
GJ!
『Aパート』だとおおおおぉぉぉぉ!!
次回に期待
そしてネ申イ士事!
GJ!
もうこれは単なる短編の枠組みに収まるようなちゃちな代物じゃないですね!
やばい、もう教授の次の授業が待ち遠しい。
早く続きを、続きを!(落ち着け)
最高でした!!
それでは自分の投下は一時十分ぐらいでOKですかな?
ちょっと私用で一時すぐの投下が厳しいので(汗
次回投下まってまぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁすw
文章から鋼と魔術のにおいがするぜ……GJ
はっ!? 俺たちはすでにリリカルサンダルフォンの『運命の探求』という禁書に精神を――!?
リリカルサンダルフォン氏
私の云ふべき言葉は一つ也。
GJ!!!
バカな、これが短編だと!?
信じらんねぇ……GJ!!
どう転がるか分からない展開にwktkしっぱなしです!
GJ
僕も投下おkでしょうか?
今回はこの前異常に滅茶苦茶です。
シグナム汚名返上できてません。
もうすぐ投下ありますよ
>>530 15分から夢境学園氏が投下されますよー
ああ…じゃあもちっと待つです。
何度も言いますが滅茶目茶です。
リュウタロスとイブキが時間の都合でへたれていません。
支援
えっとそろそろ投下よろしいでしょうか?
今回から本編の時間軸ですが、モノローグに近いので短く5レスぐらいで済むと思います。
でも、怖いので支援を出来れば頼みます(チキン)
今回は機動六課のフォワード陣がメインです。
支援
支援準備完了
支援
クロスアウッ!支援!
では、時間ですので投下開始します。
ちょっとだけ色濃くなったフォワード陣注意!
人の魂とはどんな色をしているのだろうか。
肉体を斬り捌き、抉り取り、臓物を開いて見たその中に何があるのだろうか。
古来、人の魂とは心臓にあると考えられていた。
けれども、進んだ医学と技術は考えるべき能力――知性を脳にあると発見する。
けれども、その精神は。
誰もが生きて染め上げたその高潔な魂がどこに秘められているのか、それを知る者は今だに存在しない。
ただの一人でさえも。
――手を空に伸ばし、歓喜の表情で息絶えた受刑者の背に刻まれた焼文字より
【Anrimited・EndLine/SIDE 2−1】
――それは憧れに輝く者。
その日、少女は小さなお墓の前で言葉を紡いだ。
「お母さん、私魔導師になったよ」
小さなお墓。
大きな大きなお空と比べればとってもちっぽけだけど、派手なことが好きじゃなかったお母さんにはこれぐらいで丁度いい。
お父さんはそう言って、悲しい瞳で苦笑していた。
中には誰もいないけれど、きっと魂だけはこの中に納まっていると信じている。
「あのね、前にも言ったと思うけど、私尊敬する人がいるんだ」
返事を返す人はいない。
けれど、彼女は空を言葉を高く高く飛ばすかのように呟いた。
「私ね、明日からその人と一緒の部隊に配属されるの」
その少女の笑みは嬉しさで、喜びに満ちて、そして希望に満ちていた。
暑い夏の日に、焦がれる向日葵の花のような大輪の笑み。
「お母さん。不肖、このスバル・ナカジマ、機動六課に配属されてきます!」
ピシッと笑顔を浮かべて、少女――スバルは彼女の母親の墓の前でややズレた敬礼をした。
それは彼女が機動六課に正式配属される前日のことだった。
支援
――それは過去に縛られた者。
引き金を引き絞る。
魔力を生成し、脳内に組み上げた仮想の撃鉄を金属音と共に叩き降ろした。
「BLAME」
自作デバイスであるアンカーガンの銃口から空気が焦げるような音と共に魔力弾が射出され、数十メートル先の的を打ち砕いた。
口ずさむ掛け声の代わりの銃声の物まね。
幼いころに年甲斐もなく映画大好きだった兄が射撃魔法を彼女に教える時に、指鉄砲の構えを取ってキラリと小石を弾き飛ばす
程度の魔力弾を飛ばしながらそう呟いたのだ。
その時のはしゃぐような兄の態度は記憶に焼きついて、記憶を深く沈める時にうっかりと引き上げてしまう。
「……くだらないわね」
打ち砕いた的に目もくれず、次の弾丸形成のための魔力をデバイスに充電しながら、彼女は呟いた。
思い出がくだらないわけじゃない。むしろ大切な思い出。彼女を形成する大切な1ピース。
ただ思い出にすがり、過去を懐かしむような弱い自分に吐き気が催しただけ。
彼女は質量兵器に触れたことは無い。
ただフィクションの中の空想の重火器を見て、それを己のイメージの代用にしているのみ。
その理由はたった一つ。
収束の集中に便利だから。
彼女の使う変則型デバイスのは、従来のデバイスとは違って魔法発動時の形成イメージが難しい。
それにうってつけなのが、空想の中の銃器だった。
そして、もう一つ、彼女が空想の中で気に入っているものがある。
「心を冷徹に、銃身に熱を篭めて、対象を打ち砕く妄想を実現させる……」
タイトルも覚えていない映画の殺し屋が呟いていた台詞を唇でなぞりながら、彼女はデバイスの銃身を構える。
歯を噛み締め、引き金を引く、引く、引く。
僅かな魔力弾の射出の反動に揺れ動く手の動きすらも燃え盛る炎の揺らめきの如く揺らめいて、彼女の手は僅かな休みも無く
引き金を引き続けていた。
無表情に、冷徹に、されど確かな殺意を篭めて、彼女――ティアナ・ランスターは撃ち続けていた。
その心の中に秘めた激情を吐き捨てるかのように、身を焦がす焦燥に逃げ惑うかのように。
それは陸戦魔導師Bランク試験を受ける数日前のことだった。
支援する!
――それは爪と牙を従えた者。
心が休まる。
緑は生き生きと輝いて、生い茂る木々の間から差し込む陽の光はどこまでも優しかった。
「皆、今日も元気だね」
濃厚な緑の匂いを肺一杯に吸い込みながら、その少女は静かに両手を広げた。
ピピピと喉を鳴らして、小さな小鳥たちがその腕に集まり、少女に少しだけくすぐったキスをする。
「アハハハ、くすぐったいよ」
喉を鳴らし、小鳥たちは少女の苦笑混じりの抵抗も気にせずに、鳴き声のハーモニーを鳴り響かせた。
チチチと小さな声が木霊して、ピピピとどこかの鳥が鳴らし返し、それが終わればまるで悪戯心を覚えた風がザワザワと木々を
揺らめかし、擦れあうような音楽を奏でたてる。
野生の生物たちの合唱団。
そして、自然が作り上げた演奏曲。
それは文明の奏でたてる音の前では脆くも掻き消される静かな音だけれども、傾ける者の心を響かせる大いなる音楽。
古来、音楽が生まれる切っ掛けとなったのは全て自然からだった。
雨の降り荒び、雨音が大地を叩く音。
風が吹き、木々がざわめく音。
動物達が嘶き、時には咆哮を、時には悲鳴を上げながら世界に音を齎す。
そうして、世界には音が溢れていた。
そして、その偉大なる音楽の前に……
「ァー――」
少女は目を閉じて、ただ喉を鳴らして、声を上げた。
幼い少女には意外な、けれども力強い音。
動物達の声に乗せて、自然が奏でる音楽に寄り添って、少女の声が緑の中に木霊し、そして静かな彼女の世界を支配していく。
歌が何故生まれたのか。
それは神へと捧げる祈りから。神として祭られる偉大なる自然へと感謝の祈りと畏敬の念を篭めて、巫女の言葉から生まれた。
神へと捧げる言葉はすなわち自然へと捧げられるべき贄であり、呪文である。
巫女は歌を覚え、祈りを習得しなければならない。
故に彼女は――キャロ・ル・ルシエは自然への感謝の念を篭めた歌を識っていた。
「キュクルー」
どれぐらい長い間歌っていたのだろうか。
時間も忘れ、風の鳴り止むまでの間、その歌声を鳴り響かせていた彼女は、風の鳴り止んだ瞬間を狙ったかのように頭の上に
降り立った小さなパートナーの存在に気付いた。
「あ、フリード。どうしたの?」
頭の上で小さな首を折り曲げて喉を鳴らすフリードを、懸命に上へと上げた目線で捉える。
「キュルー」
「え? タントさんたちが呼んでるって……ああ、もうこんな時間!」
パートナーの言葉を彼女は理解し、空を見上げれば既に太陽は真上へと差し掛かっていた。
「皆、また今度ねっ」
「キュルー!」
ザクザクと足音を立てながら、彼女は走り出し、小さな竜であるフリードもまたその頭から飛び立って、
相棒である少女の横を飛んでいた。
それは彼女が管理世界61番「スプールス」から旅立つ数日前のことだった。
支援
――それは代用品であることを自覚する者。
「探さないと」
与えられた役目を理解する。
遂げなければいけない任務を確認する。
何度も何度も頭の中で反芻し、決して間違えぬように、忘れないように考える。
「彼女はどこだろう?」
人ごみに賑わうミッドチルダ空港の中。
彼は――その少年は誰にもぶつからぬ様に、過敏とも言える動作で歩き回り、周囲に目を向けていた。
「キャロさーん! 機動六課配属予定のキャロ・ル・ルシエさんはいませんかー!」
声を上げて、少年は目的の人物を探し、歩いていた。
不思議なことに視線を他に向けていても、彼はまるですり抜けるかのように人ごみを歩き抜ける。
背を向けていても、彼は足首を曲げ、つま先の位置を動かし、ターンをするように人を避けていた。けれども、それは誰にも気付かれないほど自然な動きで、誰もその異常性には気付かない。
それを成し遂げるための条件は三つ。
過敏なまでの周囲の把握能力。
そして、高い動体認識能力と身体操作能力。
その少年はその三つの能力を兼ね備え、そしてそれすらも歪めるほどのある理念を備えていた。
(人に迷惑をかけてはいけない。目的は達成しなくてはいけない。早く、早く、早く、最適な速度で――)
歩きながら、少年は考える。
――もっといい方法はないのかと。
避けながら、少年は想像する。
――目的を実現するための手段を。
探しながら、少年は思う。
(そうじゃないと僕が、フェイトさんに助けられた意味が無い)
異常とも言える思想と、外見から伺えない利発そうな少年の表情を浮かべたエリオ・モンディアル――“の代用品だと自認する”少年は静かにそう考えて。
「はーい!」
「え?」
背後から聞こえた声に振り向いた。
それは機動六課の稼動開始、数時間前のことだった。
――それは世界の敵を狩る者だった。
風が吹いていた。
高い、高い、数百メートル以上の高層ビル。
その先端で一人の奇妙な格好をした人物が浮かんでいた。
まるで一本の太い柱のような影をした黒帽子に、黒マントの怪人。逆光に照らされて見えない口元には黒いルージュが塗られ、
片方の口はしには笑みを、もう片方の口はしには嘲るような笑みをした左右非対称の不思議な笑顔。
「やれやれ、今度は随分な場所に浮かび上がったものだね」
それは彼だろうか、それとも彼女だろうか。
性別の捉えられない奇妙な中性的な声は轟々と振り荒ぶ風に何故か吹き飛ばされずに、世界に響く。
「≪僕≫が現れたということは世界の敵がいる」
それはこの世界で知るものない噂話の登場人物。
「今はまだ姿を現さず、けれども必ずやってくる」
それは人がもっとも美しい瞬間に殺してくれるという死神。
「運命は廻り出す」
世界の敵の――敵だった。
こうして運命は動き出す。
歪な魂を持った者達と高潔な魂を持った者たちの戦いが。
世界を揺るがす運命の始まりが、誰も知らない瞬間を迎えて動き出した。
―― To Be Next Scene SIDE 2−2
START SIDE2 【マーブル・ロード】
支援
投下完了。
短くて申し訳ない。
次回よりアンリミテッド・エンドラインの物語が動き始めます。
今回は各フォワード陣の導入部でした。
本編とは変わった過去により、少しだけ彼らも違う性格になっています。
ちょっとだけスカ博士の出番が少なくなり、しばらく彼女たちがメインで動く予定ですが、
単なる原作の再構成とは違う構成にするつもりです。
短い内容でしたが、支援ありがとうございました。
GJ!でした。
原作読んでないんですけど、世界の敵の敵の活躍に期待してます。
支援したとレスしたときにはすでに投下は終わっていたっ!?
GJ!
GJです!
とうとう不気味な泡がキター!
これからの活躍に期待大です。
GJ!!です。
エリオの歪み方にびっくり、これはSS本編で彼の話を数話は見れそうですw
ナンバーズとスカ博士、レジアスとヴァイス以外に面白そうな人物が追加だw
不気味な泡がきたー!!支援
エリオの思考が少し歪で心配な、でもそこに魅力を感じてしまう私はやばいですかねw
>>551 彼女(彼?)は原作においてはジョーカーそのものなキャラなので、
あんまり活躍させると敵が全て死んでしまう要注意なキャラクターの一人ですw
>>552 今回は短くてすみません。
次回から何時もどおりの無駄に長い内容になると思います。
>>553 ついにブギーポップが出せました。
ちなみに依り代は”宮下藤花”ではありません。
漫画版のように、違う誰かから【自動的】に浮かび上がってます。
それが誰なのかも密かな伏線なので、考えてみると楽しいかもしれません。
>>554 本編だとレアスキルもなく、葛藤シーンもなく、能力がフェイトと被っていたせいで
唯一の個性が数少ない男の子なエリオをちょっと精神的に強化してみました(駄目な方向)で。
彼の単独エピソードもビスケット及びエンドラインでありますので、お楽しみに。
女性キャラは大好きなんですが、何故か野郎キャラが活躍しまくってるのは何故でしょうね?
>>555 ふふふ、お楽しみに。
皆さん支援ありがとうございました!
おっとコテが外れてました。
連レスですが。
>>555 そんな歪みキャラばっかり書いている私も当然大好きですから大丈夫ですよw(何の保障にもなってない)
そして、予告がないですがそろそろ時間でしょうから
リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー氏 支援です!
眠いよ…辛いよぉ…でも…投下おk?
OKですよー
進路クリアー
560 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/22(土) 02:02:20 ID:eozIzDBz
支援
駄目だ…黙ってると眠くなる…いくら滅茶苦茶でも、投下しなければ…
【平成ライダーサイド】八話「燃え上がれバーニングボンバーズ!」Bパート
【東京湾 AAMON秘密倉庫】
バーニングボンバーズが始動し始めたころ、禍木は志村の命令どおり東京湾にある秘密倉庫に着き、幽霊博士、鬼火司令と合流していた。
「良く来たな禍木慎。」
「ワシ等は歓迎するぞ。」
「おお。」
幽霊博士、鬼火司令は手を差し出し、禍木と交互に握手する。
「ところであんたら、新型戦車ってのはどこだよ?見たところ、ここにゃコンテナも無いじゃねーか?」
禍木の言うとおり、倉庫の中はコンテナもラックも無い、ただコンクリートの灰色一色の空間だった。
「少し待っとれ…ポチッとな…」
幽霊博士は白衣のポケットから金色のスイッチを取り出し、それを押す。
すると三人の前方のコンクリートの床が開き、下から巨大な戦車がリフトで持ち上がってきた。
「これか…すげぇな…」
禍木は食い入るようにAAMONタンクを見つめ、その大きさと迫力に圧倒される。
「幽霊博士、完成はいつなんだよ?」
「後は荷電粒子砲の調整が終われば終わりじゃ。後はこの戦車で、東京を焼け野原にしてやるわい!」
「へぇ…けど、ここまで事が運んだあとにどっかから情報を仕入れて、邪魔に来るのがライダー共だ。
なぁ幽霊博士、鬼火司令、俺が護衛はするけど、奴らは多分団体で攻めてくる。
確実に守りきるのがもっと戦力が…」
「それは分かっている。こんなこともあろうかと、奴らの目をごまかす為に、ダミーとして同じ倉庫を六つ、隣に立てているのだ。
それに、怪人も用意してあるのだ…待っていろ…」
鬼火司令は息を吸い込み、
「出て来い!タンクバトラー五兄弟!」
大声で怪人の名前を呼ぶ。
『タンクタンクタンクタンクタンク!』
すると、鬼火司令の前に赤、黄、緑、青、銀の五体の戦車型怪人が現れた。
「見よ禍木慎!戦車型怪人・タンクバトラー四兄弟だ!さぁ、タンクバトラー、名乗りを上げよ!」
「タンクバトラーレッド!」
「イエロー!」
「グリーン!」
「ブルー!」
「シルバー!」
『我ら、タンクバトラー五兄弟!』
五体のタンクバトラーは激しいアクションをし、それぞれ違う決めポーズを取った。
「へぇ…ノリはどうかと思うけど、強そうじゃねーか。」
「禍木、貴様を含めれば、こちらの戦力は六人。そうそう負けることは無いだろう。護衛をしっかり頼むぞ。期待している。」
鬼火司令は禍木の肩に手を置き、彼に激励を送る。
「任せとけ。どんな奴らもぶちのめすぜ!!」
禍木はそれに応えるかのように、好戦的な態度を表した。
【新ボード研究所食堂】
「なぁ〜大介〜」
その頃アギトは、休憩時間を利用し、食堂のテーブルの上で携帯電話(リィンやアギトサイズの特注品)を使い、大介と連絡を取っていた。
『そうか…シグナムが…』
大介はアギトの話を聞き、訳の分からないチームに巻き込まれた彼女を哀れんだ。
「可哀想だろあたし?助けてくれよ〜」
『無理だ。』
即答である。
「即答するな!何でだよ!」
『お前、あいつの融合騎だろ?我慢して付き合え。』
「やだ!大体なんで無理なんだよ!?」
『俺はこれからミュージカルに出なきゃならないんだ。』
「は?」
『…冗談、これから仕事なんだ悪いな。』
大介はそれだけ言うと、容赦なく電話を切った。
「オイ待てコラ!オイ!カトベーーーーーーーーー!!…ガク。」
アギトは心底絶望し、よつんばいに崩れ落ちた。
「アギトちゃん。」
「お?」
そんな落胆する彼女の元に、同じく疲れ切った表情をしたイブキが現れた。
「イブキさん…」
「疲れきってるねぇ…」
「そっちも大分参ってるね…」
「お互い…とばっちりだからね。」
イブキは食卓の椅子に座り、肘をテーブルにつけて額を押さえた。
「どうするんだよイブキさん?このままじゃ干上がっちゃうよ。」
「もう耐え切るしかない…あの人達の目は本気だ…」
「やっぱり…」
「お、ここに居たか。」
絶望と疲労に打ちひしがれている二人の元に、事の発端の一人であるサバキがタイミング悪く現れた。
「サバキさん…」
「何の用だよ?」
「そう嫌そうな顔をするな。仲間だろう?」
『(誰がだ!)』
イブキとアギトは心の中で少し悪態を付く。
「おっと…用だったな。そろそろ休憩時間が終わる。心の準備は出来たか?」
『はい、できました(棒読み)』
「よし、東京湾に向かうぞ二人とも!」
『は〜い…』
かくして、二人はやる気をなくしたまま、他のメンバーたちと共に東京湾に向かった。
【東京湾 京浜港】
シグナム、アギト、イブキを加えた七人は、サバキが掴んだ情報を頼りに、東京湾の京浜港に辿りついた。
しかし、ここで予期せぬ自体が彼らを襲った。
バーニングボンバーズの副リーダーであり、頭脳でもある橘は、これまでのAAMONのデータを元に、妙な気配が感じられ、どことなく暗い雰囲気がする場所が秘密倉庫であると判断していた。
そして彼の予想通り、怪しい倉庫はあった。あったのだ。
だが…
「橘…これは…」
「あ…ああ…」
妙な気配が感じ取れ、暗い雰囲気がする倉庫は、同型の物が六つも並んでいた。
この中からただ一つ、AAMONが潜んでいそうな場所を探すのは至難の技であった
「う〜ん…一杯だぁ〜…」
「かなり倉庫の数は多いな…」
倉庫の数に圧倒され、R良太郎は愕然とし、シグナムは眉をひそめる。
「こうなったら…手分けするしかないな…」
橘はそう判断しなおし、メンバーの割り振りを瞬時に決める。
「よし…一つ目がサバキさん、二つ目が俺、三つ目が三原で、四つ目はリュウタロスが五つ目にはイブキが入り、六つ目にはシグナムとアギトに入って貰う。」
「良いだろう。」
「分かりました!」
「は〜い♪」
「承知。」
『はい…』
イブキとアギト以外は快く返事をし、バーニングボンバーズのメンバー達はそれぞれ裏口に回って倉庫の中に入っていた。
六つの倉庫全てに罠が待ち受けていることも知らず…
【倉庫1内部】
「よし…」
サバキは倉庫の中に入ると、すぐに倉庫の内部を見渡す。
しかし、倉庫の中はコンテナやラック一つ無く、ただただコンクリート色が広がる何も無い場所であった。
そして…
【倉庫2】
「何も無いな…」
橘の居る二つ目の倉庫も、
【倉庫3】
「はぁ…ハズレか…俺らしいなぁ…」
三原の居る三つ目の倉庫も、
【倉庫4】
「あれ?空っぽだぁ〜?」
R良太郎が居る四つ目の倉庫も、
【倉庫5】
「何も無いな…」
イブキの居る五つ目の倉庫も、
【倉庫6】
「シグナム〜、何もねーぞ〜?」
「ハズレか…いかん!ここで何もしなければまた「ニート」と呼ばれてしまう!?」
シグナムとアギトが居る六つ目の倉庫も、全て何も無い空間になっていた。
【倉庫1】
そして視点は倉庫1に戻る。
「早速ハズレか…ヘタレの俺にふさわしい結果だな…さて、他の奴らの所へ向かうか。」
ハズレを引いたと判断したサバキは他の仲間と合流するため、裏口のドアノブに手をかける。
だが…
「…ん?」
ドアは開かない。
「おかしいな…む!む!」
何度もノブを回し、ドアを開けようとするが、それでも開かない。
そして…
【倉庫2】
「あれ?開かなry
と、なんども同じような話を繰り返すのは面倒なので申し訳ないが省力。
他の全ての倉庫の裏口のドアもオートロックがかかり、外への脱出が不可能になった。
【倉庫2】
そして次の視点は倉庫2の橘から始まる。
「どういうことなんだこれは?」
「ハハハハハ!おいおい!皆して随分古典的なトラップにかかるじゃねーか!?」
「む!?」
橘は自分を嘲笑う声を耳にし、後ろを振り向く。
すると、何も無かった倉庫の中心に、ランスバックルを巻いた禍木慎の姿があった。
「お前は!?」
「禍木慎…またの名を…」
禍木はランスバックルをオープンアップさせ、出現したエネルギースクリーンを潜り抜けて仮面ライダーランスに変身を遂げた。
「仮面ライダーランスだ。」
「何だって…じゃあ、お前がグレイブのコピーとか言うライダーか!?」
「まぁ…そうなるなぁ橘朔也…いや、ギャレン!」
「チィ!」
橘はギャレンバックルにエースのカードをセットし、腰に巻き付けてレバーを操作した。
「変身!」
そしてギャレンバックルから出現したエネルギースクリーンを潜り抜け、ギャレンに変身する。
「来いよ…ロートル!仲間が死ぬ前に俺を倒して、助けに行きな!」
「何!?」
「言い忘れてたが、今頃テメーの仲間も、俺が各倉庫に待機させたタンクバトラーの奴らに襲われてる頃なんだよ!」
「クッ…(皆…無事で居てくれ…)」
ギャレンは倉庫に閉じ込められた他の仲間の無事を祈りながら、ランスとの戦いに望んだ。
【倉庫1】
「タアァァァァンク!!」
「うお!?」
一方、倉庫1では仮面ライダー裁鬼と、タンクバトラーレッドが戦闘を行っていた。
「ライダー…死ねえぇぇぇぇぇぇえ!!」
タンクバトラーレッドは頭部が大砲、両腕が拳銃になった戦闘用改造人間だ。
大きな威力を誇る大砲が轟音を上げ、両腕の拳銃が裁鬼を遠距離から狙い打つ。
裁鬼は鋭い反射神経で弾を回避していくが、レッドの頭部の砲弾が次々にコンクリートの足場をボコボコにしていく。
足場が悪くなり、回避スピードが落ちていく裁鬼は、いつ力尽きるとも知れない不利な持久戦に追い込まれていた。
「このままでは負ける…そして…負けたらヘタレのまま死んでしまう!相討ちでも良い…何か手は…そうだ!奴は遠距離戦しか現在していない…一か八かの賭けだが、接近すればもしや!」
(BGM・輝・木琴バージョン)
裁鬼は小型音撃弦を一本取り出し、構える。
「行っくぞおぉぉぉぉぉぉぉぉお!!」
そして勢いをつけて走り出し、タンクバトラーレッドに突貫した。
「おおおおおおおおおおおおお!!」
「こいつ…死にたいのか!?」
レッドは両腕の拳銃を発砲し、裁鬼を狙い撃つ。
しかし、裁鬼は怯まず、小型音撃弦で銃弾を切り払いながらレッドに接近し、密着して弦を突き刺した。
「うわああああああああ!!」
「(こいつ…やはり近距離には弱かったか…)この距離なら大砲は使えないな!喰らえ!音撃斬・閻魔裁き・極!!」
「閻魔裁き・極」
小型音撃弦を使用した裁鬼の必殺技である。
弦が閻魔より小さいため、基本的な威力は「閻魔裁き」に劣るが、この技はかき鳴らす回数やリズム、勢いによって威力が増減する技である。
長い間鬼として戦いぬき、一流のセンスを持つ裁鬼にとって、この技は正に「極」の証であった。
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
渾身の力を込め、弦をかき鳴らす裁鬼。
かき鳴らす回数を増やせば増やすたび、強烈な音と衝撃がタンクバトラーレッドの体内に流れ込んでいく…
「タアァァァァァァァァァァンクウゥゥゥゥウ……」
耐久力の限界を迎えたタンクバトラーレッドは、体の内部から爆発し、粉々になった。
「よおぉぉぉぉし!勝ったぞおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!!」
裁鬼は拳を突き上げ、歓喜の雄叫びを上げた。
【倉庫3】
「タンクウゥゥゥゥウ!!」
「おわああああああああああ!!」
倉庫3では、デルタとタンクバトラーイエローの戦闘が始まっていた。
イエローは頭部がガトリングガン、両腕がマシンガンの機関銃式戦車型改造人間で、連射された無数の弾丸がデルタを襲う。
デルタは今の所何とか逃げ切れてはいるものの、障害物が倉庫の中に無いため、物を盾にして体を休めることが出来ず、裁鬼と同じく苦しい持久戦を繰り広げていた。
「どうしたライダー?疲れてきたか?」
「チィッ…!」
元々三原は戦いが得意な方ではないため、体力は他のライダー達に比べると大分少ない。
そんな三原デルタがもう何分も全力で銃弾を避けているのだ。
とっくに体力は限界に近づいている。
「(クソォ…悔しいけど体力には自信が無い…どうすれば…そうだ!体力にも限界があるように、もしかしたらアイツの弾も!?)」
「今度こそ死ぬが良い!!」
イエローは再び三つの銃を構え、照準をデルタに合わせる。
そして再び無数の銃弾をデルタに向けて発射した。
「(やるしかない!里奈…俺に…力を!)おおおおおおおおおおお!!」
デルタは体中の力を振り絞り、銃弾を走って回避していく。
どんなに足の感覚が無くなっても、肺が苦しくなっても…
「里奈あぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
自分の最愛の人の名前を呼び、力を振り絞りながら…
その必死さが幸運を呼んだのか、デルタが期待していた出来事が遂に起こった。
「しまった!弾が切れた!」
タンクバトラーイエローの、弾切れである。
「今だ…チェック!」
デルタはミッションメモリーをセットしたデルタームーバーに音声入力でフォトンブラッドをチャージさせ、チャージしたフォトンブラッドを銃弾状に変えてイエローに撃ち込む。
命中した銃弾状のフォトンブラッドは三角錐状に変化し、イエローの動きを拘束した。
「クソオォォォォオ!!」
「トドメだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
デルタは宙にジャンプし、キックポーズを取って三角錐に突っ込む。
三角錐はドリルのようにイエローの体を貫き、キックを決めたデルタはイエローの背後に現れる。
デルタの必殺技・「ルシフェーズハンマー」だ。
「タンクウゥゥゥゥウ!!……」
ルシフェーズハンマーを受けたイエローは赤い炎に焼かれ、灰となって消滅する。
「よっしゃああああああ!!勝ったぞ里奈あぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
デルタは再び愛する人の名前を叫び、喜びを表した。
【倉庫4】
(BGM・Double-Action Gun form)
倉庫4…
ここでタンクバトラーグリーンと戦闘を行っている電王ガンフォームも、裁鬼やデルタのように苦戦していると思われた。
しかし、実際は予想と違い、ここでは電王が優勢だった。
「アハハハハ♪どうしたの?僕はここだよ!」
「ちょこまかしやがって…このガキ!」
グリーンは頭部がレールガン、両腕が精密射撃用ライフルの暗殺特化型改造人間だ。
武器の特性故に、グリーンは狙いを絞って敵を撃たなければいけない。
しかし、電王ガンフォームの変則的なダンスアクション翻弄されてしまい、狙いを付ける事が出来ず、闇雲に撃った銃弾は全く当たらなかった。
暗殺特化型のタンクバトラーグリーンにとって、ガンフォームは最も相性の悪い相手なのだ。
「クソオォォォォォオ!!あたらねえぇぇぇぇえ!!」
「あ〜あ、飽きちゃったな…」
電王は声のトーンを低くしてそう言い、持っていたデンガッシャー・ガンモードの照準をグリーンに合わせ、無数の銃弾を発射した。
「うわ!!」
沢山の銃弾は全てグリーンの体に命中し、グリーンは射撃を止めて怯んだ。
「馬鹿な…あんな動きからこれほどの射撃を…」
「しっかり狙えば良いってモンじゃないんだよ、銃は。」
電王はライダーパスを取り出し、ベルトの中心にかざしてフリーエネルギーをガッシャーにチャージする。
「もう倒すけど…良いよね?」
「ま…待て…」
「答えは…聞いてないっ!」
電王はチャージを終えたデンガッシャーを両腕で構え、両肩のドラゴンジェムとデンガッシャーのエネルギーを一体化し、敵に放つ必殺球状弾・「ワイルドショット」を放つ。
「ぐあああああああああああ!!」
ワイルドショットを受けたタンクバトラーグリーンは、コンクリートの上に倒れ、爆発する。
「やった〜♪勝った〜♪相手との相性がよくてラッキ〜♪運も実力の内〜♪」
電王は大げさにはしゃぎ、勝利の喜びを表した。
【倉庫5】
(BGM・威風堂々)
「ハアアァァァァァァァァア!!」
「おおおおおおおおおおお!?」
こちらも、戦いは威吹鬼の圧倒的優勢であった。
威吹鬼の相手であるタンクバトラーブルーはレッドと同型の改造人間で、タンクバトラー五兄弟の副リーダーである。
そのブルーが手も足も出ず、威吹鬼に圧倒されていた。
「ハァ!ヤァッ!ハッ!」
威吹鬼は素早い動きを駆使し、狙撃の暇を与えずに旋風刃でブルーを攻めていく。
ヘタレ扱いされ、強引にこんな不名誉なチームに入れられてしまった事への怒りが、威吹鬼に更に力を与えているのだ。
「馬鹿な…副リーダーの俺が…」
「僕はヘタレじゃない…ヘタレじゃなーーーーーーーーい!!」
威吹鬼は烈風を取り出し、鬼石モードに切り替えて零距離射撃で鬼石をブルーの腹部に撃ち込む。
「ちょっと待て!いくらなんでも早す…」
「黙れ!疾風一閃!」
間髪居れずに烈風に鳴風を取り付け、音撃モードに切り替えた威吹鬼は、速攻で疾風一閃を繰り出し、烈風を激しく吹き鳴らした。
「タンクウゥゥゥゥゥゥウ!!」
タンクバトラーブルーの内部に撃ち込まれた鬼石が破裂し、ブルーは粉々爆散した。
「勝った…僕はヘタレじゃない!ヘタレじゃないぞーーーーーーー!!」
威吹鬼は天井を見上げ、雄叫びを上げた。
(曲終了)
支援!
【倉庫6】
倉庫6では…
「火竜…一閃!」
「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ……」
Aシグナムとタンクバトラーシルバーの戦いは、いつの間にかAシグナムの勝利に終わっていた。
『よっしゃあああああ!即勝ち!やっぱ必殺技は先に出すもんだな〜!』
「待てアギト!なんだこの空気の読めない戦い方は!?私の活躍を描いていないではないか!
これではまたニートと…」
『良いんだよ。ニートであるからこそシグナムはシグナムなんだから。』
「…orz」
それぞれが歓喜に震えている中、シグナムだけが情けなさに包まれていた…
【倉庫2】
「オオオオオオオ!」
「せやあぁぁぁあ!」
皆が勝利を収めたころ、倉庫2で続いていたランスとギャレンの戦いは熾烈を極めていた。
ギャレンの射撃をランスが捌き、ランスの槍をギャレンがかわす。
そして遠距離戦が不利と悟ったギャレンはラウザーを腰にしまって自分の拳を使った格闘戦に移行し、ランスも自分のラウザーを振るってギャレンを攻撃する。
二人のライダーの戦いは熾烈を極め、激しい戦いを繰り広げていた。
「クッ…(流石はグレイブのコピー…スペックは奴の方が上だ…)」
「チッ…(ロートルのクセにやりやがる…こりゃ手間取るぜ…だが、楽しいじゃねーか!)…ん?」
戦いを楽しんでいるランスの耳に、幽霊博士と共に倉庫から撤退していた鬼火司令からの通信が入る。
『禍木、楽しんでいるようだな。』
「邪魔すんなよ。今良い所…」
『そうは行かん。タンクバトラーが全員敗れたよ。』
「何!?」
『だが、お前が戦っている地下の倉庫の隠し通路を使って、AAMONタンクの輸送は完了した。
お前の仕事はもう終わったのだ。戻って来い。』
「チッ…!」
ランスは通信を切り、ギャレンに視線を移す。
「悪いな、お前と戦ってる間に、俺の仕事は成功しちまったぜ。」
「何だと!?」
「仕事の成功」…つまり「計画の成功」…その言葉を聞いた瞬間、ギャレンの仮面の下の表情が凍りついた。
「安心しな。すぐに効果が出るって訳じゃねぇ!その時が来たら、もう一度勝負だ!ギャレン!」
ランスはそう言うと、志村から貰ったワープ装置を取り出し、何処かへワープして撤退して行った…
「クッ…奴らの目的を…阻止できなかった…!」
ギャレンは拳を強く握り締め、自分達の悲劇を嘆いた。
「奴らは…一体何を成功させたんだ?」
この暫く後…ギャレンを含むライダー達は、この計画の恐ろしさを知ることになるのだが…それは後のお楽しみ…
………
かくして、バーニングボンバーズの初仕事は失敗に終わった。
しかし、悔しんではいられない。
AAMONは、また新たな計画を企んでいるのだ。
奴らの野望を今度こそ砕くため、これからも頼むぞ!バーニングボンバーズ!
アギト&イブキ「って!もうやらねー(ない)よ!!」
【次回予告】
コゴエンベエ「冷蔵庫怪人コゴエンベエ!!貴様ら二人とも、俺の体内に吸い込まれるが良い!!」
矢車「うわああああああああ!!」
シャマル「きゃああああああ!!」
(コゴエンベエに吸い込まれる矢車とシャマル)
シャマル「そ…う…さん…」
矢車「死ぬな!おい!シャマル!死ぬな!!」
矢車「シャマル…らしくない話だが、聞いてくれるか?」
シャマル「…え?」
影山「クッ…ウソツキ!!」
次回「地獄兄弟崩壊」
投下終了
いや…眠気に苛まれつつ書いたので自分でも何がなんだか分からない…次回からは地獄兄弟の不器用な恋への意外な決着、そして兄弟の終焉を描いていきたいと思います。
お楽しみに。
間に合え、支援!
支援っと
シグナムパンチ支援
っシャマルよ3Pというルートは使えないのかorZ
バーニングボンバーズの次回に期待
↑スペックならレッドドラゴンにも負けないが、
あと、質問、佐野こと鏡ライダーインペラーや真ライダーを忘れてるような気が
アンリミテッド最高です。原作も見てみます。←(ギアス見る気になったのも反目さんのお陰様で)
このスレの御陰で様々な作品に興味を持った有難う御座い升
今日の映画みてドラえもんもいいと想う
ドラえもん=はやて
のび太=エリオ
静香=キャロ
スネ夫=ティアナ
ジャイアン=スバル
スネ吉=ヴアィス
母=シャマル
父=ゲンヤ
出来杉=少年クロノ
ドラミ=フェイト
セワし=少年ユーの
神鳴=なのは
どうかな
はじめまして
皆様のSSに触発されたので自分でも書いてみました
クロス元はアークザラッド2です
予約無いようなら投下してもよいですか?
どうぞー。
ばっちこーい!
モンスター好きな俺にとっては2が一番好き。
でも借りパクされる。
んじゃ行きますね〜
夢だ。
紅い夢だ。
紅き焔は捧げた祈りを嘲笑い、森を村を人を焼き。
守人たる民はその身に流れる紅い血で、己と大地を染めあげる。
そして地上の灯を映した紅い空に浮かぶのは、精霊像を奪い去る巨大な………
リリカルなのはARC THE LAD始まります
『第一話:炎に消える真実』
「………ッ!」
ミッドチルダ北部の安アパートの一室でエルクは眼を覚ました。
室内はカーテンの隙間から入り込む月の光で蒼く浮かび上がっている。
静寂と秩序、夢とは対極にあるような自室。
「………今夜はもう眠れそうにないな」
汗で張り付いた衣服が気持ち悪い。
自嘲気味につぶやくとバスルームに向かう。
最近よく見るあの夢、あれは自分の過去の記憶だろうか。
温めのシャワーを浴びながら何度も自問するが何も思い出せない。
気分転換にハンターズギルドへ行ってみる事にしよう。
何か仕事があれば気が紛れるかもしれない。
着慣れた服に身を包み、相棒の十文字槍型デバイスを掴むと、エルクは夜の町へと出て行った。
◆
昼間は喧騒に包まれている大通りも、夜になれば人もまばらで物寂しい雰囲気となる。
そんな大通りの一角に佇むようにハンターズギルドはあった。
「何か仕事はあるかい?」
ギルドに入り声を掛けると、カウンターの難しい顔をした事務員はエルクを見て破顔した。
「丁度良かった。急な仕事が今入ったところで、お前さんを呼ぼうと思っていたんだ」
話によると空港で男が暴れているらしい。
しかもその男は強力な魔法を使い、管理局の捜査官では手に負えないとの事。
「ったく。天下の管理局様が聞いてあきれるぜ」
そうは言ったが、仕方の無い事かともエルクは思う。
多数の世界を管理するには人手がいくらあっても足りない。
ゆえに強い魔法が使えるもの、優秀なものは本部に引き抜かれ、地方の局員は二番手三番手ぞろい。
それゆえにハンターが仕事に困らないのだが………。
「管理局の手の回らない所を何とかするのがハンターだ。報酬は弾むから頑張ってくれよ」
「分かってるって」
「ヘリを待たせてある。すぐに向かってくれ」
「了解」
時間が経つほど状況は悪くなるものだ。
短い応答の後エルクはすぐに飛び出した。
◆
海上に浮かぶように建設された臨海第8空港。
ミッドチルダ内だけでなく、他の管理世界との橋でもあるこの空港に昼夜の区別など無く、常に多くの人で賑わっている。
だがそんな常とは異なり空港のターミナルの一角では緊迫した空気が張り詰めていた。
「近づくな!そうすれば危害は加えない!」
そう叫ぶのはマスクを着けフードを被った男。
その手には銃型のデバイスを持ち空港職員を盾にしていた。
「何をしている!さっさと捕まえろ!」
相対し、その男を取り囲むように陣取っているのは時空管理局の局員たち。
隊長格の管理局員が後ろから野次を飛ばすが、周りを囲んでいる局員は近づきたくとも近づけなかった。
先ほど一度魔法で吹き飛ばされており、その威力練度共に自分たちよりも上回っている事を身をもって味わったからだ。
「何度も言っているが空港の運行を停止しろ!僕の要求はそれだけだ!」
金でもなければ物でもない、この男の奇妙な要求に局員達は困惑もしていた。
離陸予定の飛行機は今の所なく、着陸待ちは輸送機が一機だけ。
こんな騒ぎを起こす必要などないようなものだからである。
それに男の使った魔法も怪我をしないよう加減されたものであったし、人質に対してもデバイスを近づけてすらいない。
なにより声やフードから覗く眼は犯罪者と言うよりはむしろ………。
そんな思考を遮るように天井のガラスを突き破り一人の男が乱入した。
◆
「もうすぐ着きます」
パイロットの声を受けて、エルクはヘリのハッチを開けて下を見下ろした。
海は満天の星空を映し、都市の夜景を背後に海に浮かぶ空港は幻想的で、平和そのものの様であった。
だが事実としてその中には犯罪者という異物が紛れ込んでいるのだ。
頭を戦いに向けて切り替えると、エルクは戦地へと夜の空気を切り裂いて飛び降りた。
着地してまず目に入ったのは驚いた様子の犯人と、半泣きの人質と見られる中年男性。
そして揃って似たように驚いている管理局の面々。
「ハンターだ、おまえを捕縛する」
エルクはそう宣言するやいなや、驚愕がその場を支配しているうちに行動に移った。
すなわち犯人のデバイス、及びそれを持つ腕への槍による刺突。
要するに不意打ちである。
本来ならば、いくつもの実戦経験に基づく正確にして鋭敏な一撃により、犯人の戦力を奪っていたはずだった。
だが今回の相手はそれなりの熟練者だったらしい。
いち早く冷静になると体勢を崩しながらもギリギリで槍を避けたのだった。
「へぇ………」
多少感心はしたが、しかしこれは予想の範囲内のことである。
槍の軌道は犯人と人質の間を縫うように突き進み、両者を分断する。
エルクはすばやくその隙間に滑り込むと、反撃の機会を与える間もなく、
「炎の嵐よ全てを飲み込め!」
己が最も得意とする魔法『ファイヤーストーム』を零距離から放った。
◆
さすがに今度の一撃は避けきれなかったらしく、焼き焦げた犯人はピクリとも動かない。
「よし、制圧完了だな」
エルクがそう言って犯人のデバイスを取り上げた時、初めて管理局員らは状況に追いつき我に返った。
「だれだ!ハンターのごろつきなんぞを呼んだのは!」
声のした方を見ると、局員の輪の外側の安全圏にいた隊長と思わしき人物が喚き散らしている。
「揃いも揃って無能どもめ!これだけいてハンターの若造に遅れを取るとはな!」
どうやら自分たちだけで解決できなかったのが不満らしく、その怒りを部下にぶつけているようだ。
コネだけでのし上がった奴だろうとエルクは適当に予想する。
魔法の実力があるなら先頭に立って戦うだろうし、指揮能力が高いなら気力を削ぐ様な事は言わないはずだからである。
ひと通り愚痴を言い終えたのか、その男は周囲の局員を掻き分けてエルクの前まで来るとジロリねめつけてきた。
「犯人は我々が連行する。捕獲に協力した謝礼は払ってやるから、ハンターのごろつきはとっとと帰れ」
そう言われてエルクはさすがにむっとした。
ハンターはいわば便利屋だ。
仕事内容は今回のような荒事から子守やお使いなど多岐にわたる。
それゆえ金さえ払えばなんでもする輩と思われる事も少なくないが、エルクはこの仕事をプライドを持ってやっていた。
ゆえに何か言い返してやろうと口を開いたのだが、
「いやー、ハンターさんすばやい解決ご苦労様です。報酬はギルドに払っておきますので。隊長さんも犯人がなぜうちの空港を狙ったのかキッチリ絞り上げてください」
横から空港の責任者に口を挟まれ盛大に毒気を抜かれてしまった。
バインドで拘束されて連行されようとしている犯人を横目に眺め、手持ち無沙汰にしていると。
「何はともあれ、これでようやく輸送機が着陸できます」
空港の責任者が上を見上げつつ言うのを聞いて、エルクもそれにならってなにげなく上を見た。
―――そこにあったのは悪夢だった。
突然の轟音と共に火達磨になった輸送機は、ジェット燃料を撒き散らしながら巨大なナパーム弾となって空港に直撃したのだった。
出だしが西川先生の漫画版じゃないですか!!!
支援
◆
空港全体を大きな揺れが襲った後、辺りは激しい炎に包まれる。
周囲の火の海、倒れ伏す人々、そのどちらにもエルクは既視感を感じた。
何かが脳裏をちらつくが、思い出そうとすると全身が拒絶するかのごとく不快な気分に苛まれる。
そんな折、不意に強力な魔力を感じ内へと向かう思考を外へと向けると、目に入ったのは打ち倒された局員と拘束を破り走り去る―――
「あの野郎!」
エルクが倒したはずの犯人。
魔法の直撃を受けたにしては回復が早すぎるのが妙だったが、そんなことを考えるよりも捕らえる方が先決だろう。
この事故と今回の事件、何か関係があるに違いない。
そう決断するやいなやエルクは犯人を追って灼熱の中へと飛び込んだ。
◆
事件による騒ぎがあったおかげか、客の多くはすでに空港の外に出ており、多数の局員が集まっていた為、残った民間人の誘導も比較的円滑に進んでいた。
しかし、この人数を持ってしてもカバー出来ないほど空港が広すぎた事、火の勢いが強く火の回りが速すぎた事。
この2つが災いし、空港内にはまだたくさんの民間人が取り残されていた。
「おとうさん………おねえちゃん………」
泣きながらうつむいて歩き回る少女もその一人。
自分はただおとうさんに会いに来ただけなのにどうしてこんな事になるのだろう。
そんな事を考えているとふいに上から影が差した。
誰かが助けに来てくれたのだろうか、淡い期待を胸に見上げた先にあったのは、無常にも自分に向かって倒れ掛かる石像の姿だった。
◆
エルクは燃え盛る火の海の中を走っていた。
煙のために視界が悪く、それに乗じた奇襲の可能性も捨てきれない。
周囲を探りつつ慎重に進んでいると、目前の扉から人の気配を感じた。
(………ここか?)
扉を蹴破り中に入ると、部屋の中は燃えておらず、火災で電気も止まっていたため暗く、全体を把握できない。
「キュルルルルル」
獣のような爬虫類のような、なんとも形容しがたい唸り声。
エルクは警戒心を強めて声のした方へと槍を向けた。
「だめだよフリード」
今度は幼い少女の声、闇に慣れたエルクの目に映ったのは白銀の幼竜とそれを従える少女。
服装から見ておそらく逃げ遅れた民間人。
「お嬢ちゃん怪我は無いか?」
犯人の確保より、民間人の救出を優先に考えたエルクはこの少女に近づくが、少女の方は怯えたように一歩下がった。
そんな時ふと見えた少女の目、その目に宿るものにエルクは見覚えがあった。
この仕事をするようになってよく目にするようになった、何らかの犯罪に巻き込まれ人を信じられなくなった者、行き場を失った者の持つ負の感情。
まさしくそれがこの少女の目にはあった。
様々な理由が考えられたが、そのいずれにしてもこのままにして置く訳にはいかない。
相手の警戒心を解くために体勢を低くし目線を合わせる。
「怯えなくていい。俺はエルク、ハンターだ。お嬢ちゃんを連れ出しに来たんだ」
「私を………?」
「ああ」
そう言ってエルクは少女に微笑を向ける。
「私はこんどはどこへ連れて行かれるのでしょう?」
「あ〜、それはお嬢ちゃんがどこに行きたくて何をしたいかによるな。何せハンターは人の願いを叶える仕事だから。お嬢ちゃんはどこへ行って何がしたい?」
思案している様子の少女により強い笑みを向けると、エルクは自分の着ていた上着を火避けのために被せる。
「ここは危ない。とりあえずここを出よう」
少女を抱えエルクは再び炎の海に踏み込んだ。
◆
部屋の外では炎がますます勢いを増し、紅蓮の他は殆ど何も見えない。
(出口はどっちだ………)
辺りを見渡していると、ふと何か聞こえた気がする。
気のせいかとも思ったが耳を澄ましていると、炎のはぜる音に混じり聞こえてきたのは………。
(まだ子供がいるのかよ!)
エルクは微かな声を頼りに駆け出した。
キャロがリーザwwww
支援wwwww
しばらく進むと辿り着いたのは吹き抜けのホールであった。
憩いのために植えられた観葉植物も今ではただの薪として空港の壁を黒く焼いている。
その中央には倒れた石像とその下に広がる血溜まり。
(まさか………)
最悪の想定と、一縷の望みを託しエルクが近寄ると、
「あんたは確か………」
逃げ出したはずの犯人がそこにいた。
「生きているか?」
「………ああ………さっきの、ハンターさんか」
「事件を起こしたツケがまわったな」
「ははは………皮肉なものですね………」
エルクは槍を一閃させ、石像だけを切り払った。
巻き上がる粉塵、それが収まると先程の剣圧でだろうか、男のフードが外れていた。
「おまえ………その顔は」
見えたのは異形の姿、顔全体にトカゲのような鱗が生えている。
「魔が、差したんですよ………強い力を、得られると聞いて………おかげで、半身が潰れても、死に切れません………」
自らの愚かさを嘆くような笑みを浮かべると。
「頼みがあります………これを、ティアナ、ランスターという子供に、渡して欲しい………報酬も、ある………」
そう言って手帳と使い古した財布をエルクへと差し出した。
「心配するな。助け出してやる。だから―――」
「向こうに………女の子が、行った………その子を………」
遮るように言われた事にエルクは舌打ちすると手帳だけ受け取り。
「依頼は受けた。報酬は仕事の後でおまえから受け取る。だから勝手にくたばるんじゃねぇぞ」
そう言うと周囲に防壁を張り、示された方へと走り出した。
エルクは通路を突き進む、だが行けども行けども子供の姿は無い。
(あいつ嘘ついたんじゃねぇだろうな)
そう考え出したとき目の前に現れたのは少女を抱えたツインテールの白服の女、浮いている事から見て空戦魔導師だろう。
「あなたがこの子を助けてくれたお兄さんですね」
出会い頭に言われたその言葉を聴いて、エルクはふと気がついた。
自分の槍をかわせるやつが普通石像の下敷きになる訳が無い、だとしたらまさか―――
「さあ、早く脱出を………」
エルクは相手の言葉を聴いていなかった。
自分の張った障壁が破られたのを感じたからである。
「この子を頼む」
背中の少女を相手に押し付けると、制止の声も無視して来た道を全速力で戻った。
◆
「いい格好だなティーダ」
「………」
「勝手に行動を起こすからこういう事になるのだよ」
エルクがホールに戻ったとき、そこに居たのは中央で犯人の男―――ティーダを取り囲むようにして立つ黒服達。
「カサドール執務官、レリックの回収終わりました」
「ご苦労………例の娘は?」
「不明です、この火災に紛れてどこかへ行ったものと思われます」
「ふん………まあいい、あれはたいして重要ではないからな。一応捜索隊は出しておけ」
指示を出す素振りは管理局の部隊の様だったが、それにしては服装が変であるしエンブレムも無い。
そんな集団を見てエルクは警戒感を露にして近寄った。
「なんだ、おまえは?」
声を掛けたのはこちらに気がついた黒服。
「ハンターだ。そいつは俺がギルドに引き渡す」
「ハンター?ああ、あのクズの寄せ集めか。悪いがこのキメラは我々が連れ帰る」
「何の権限があってだ!」
露骨な侮辱にエルクは激昂するが、
「地上本部秘密部隊カサドール一尉だ。問題なかろう。………引き上げるぞ」
懐から取り出した局員カードを軽く振ると、ほぼ同時に転送の魔方陣が展開される。
制止する間もなく黒服達は消え去り、後にはエルクだけが一人残された。
最後に一瞬だけこちらを見たあの男―――ティーダの顔、あれはまるで死を待つ殉教者のように穏やかで………。
「………ッ!怒りの炎よ!敵を焼き払え!」
行き場の失った怒りをそのままに己の魔法『エクスプロ−ジョン』を正面の壁に叩きつける。
桁外れの爆発と共に外まで達する大きな風穴が開いた。
外から冷たい夜の海風がエルクへとやさしく吹き込むが、エルクの心は全く晴れなかった。
そのまま外に出るとちょうど本局の航空魔導師隊が飛んできているのが目に入る。
少し前までならその命を賭して活動する姿に感心する事もあったが、あんなやつを見た後ではまるで道化のようにしか見えない。
もう帰ろう今日は心も体も疲れきってしまった。
そう思いながら歩こうとすると、服の裾を引かれるのを感じた。
後ろを見るとそこに居たのは………、
「ハンターさん、お願いがあります。私を管理局から逃がしてください」
白銀の幼竜を連れた少女。
どうやら今日はまだ忙しいらしい。
◆
明け方のニュースで昨日の事件が放送されている。
自分の部隊を作ると意気込む友人を応援しつつ高町なのはは昨夜の事を思い返していた。
要救助者の連絡を受け駆けつけた先にいた女の子。
目立った怪我も無く無事保護出来て、いざ脱出しようと抱き上げたとき、助けてくれたおにいちゃんが中に居ると言い出した。
そこにちょうどそれらしい人が来たから安心したけど、どうやら違ったみたいで自分に別の女の子を預けてどこかへ行ってしまった。
二人を外に逃がせて、急いで戻ったとき聞こえてきたのは『レリック、キメラ、秘密部隊』。
管理局には自分の知らない事があるみたい。
真実を知るには―――
「少数精鋭のエキスパート部隊、それで成果を上げていったら上のほうも少しは変わるかもしれへん。私がもしそんな部隊を作る事になったら協力してくれへんかな?」
「そんな楽しそうな部隊に誘ってくれなかったら逆に怒るよ」
―――上を揺さぶる必要がある。
以上です
初めての投下は緊張しますね
>>590 GJ!!!
良い感じだったwww続きをしたいしてもよろしいか?
ごめwwwしたいじゃなくて期待でしたww
>>591 そう言ってもらえるとうれしいです
自信が無くて四日ほど推敲したもので
一応最後までのプロットはできてます
実にすばらしい
ああ…ハンター…
なんて卑しい仕事なんだ…
>最後までのプロットはできてます
な、なんだってーッ!!
GJ!!でした。続きが楽しみです。
597 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/22(土) 12:21:20 ID:JEdDrMkC
GJ!
次も楽しみに待ってます。
>>594 うひゃー、死ねえ、銀髪の蜘蛛ぉ!!
今思えばあの頃からえぐい話書いてたなあ、あの人。
キャロ=リーザというのは新鮮です。
>>594-599 気付いたらたくさんの感想が
設定はゲーム:漫画:黒歴史が8:1:1ぐらいで行こうと思ってます
黒歴史?まさかエルクの声が変わってたりエンディング曲がいいあれか?
>>601 ED曲をドラマに取られたトラウマ物のあれです
職人の皆様GJ!
リリカル殺生丸3話を投下したいのですが……えーっと……今どれくらい人いますか?
あんまりいないようでしたら、今日のガンダムが終わった頃に改めて出直します故
とりあえずここに一人います。
ここにも一人いますよ
おまえは一人じゃない
私は……生きている、というわけで支援します。
OK把握。
では行きます!
……っと言いたいところですが、このレスと上の確認含めて、計11レスになってしまった……
というわけで……
皆の支援、俺に預けてくれッ!!!(CV勇者王)
ホテル・アグスタ。
「つまり、被害自体はその密輸品のみに留まったってことやね?」
ロビーのテーブルに腰掛けた女性の関西弁が響いた。
時空管理局の制服に身を包んだ、短い茶髪の歳若き女性。
古代遺物管理部「機動六課」部隊長・八神はやてである。
若干19歳という若さで陸上二佐に就任、本局提督や聖王教会の後任を受けつつも六課設立を成功させた、エリート中のエリートだ。
なのはやフェイトとも交流があり、現在も彼女らを中心とした少数精鋭部隊を率いている。
『はい。そちらの件は、調査班の方々が捜査に当たってくれています』
「アコース査察官も協力してくれるって言うとるから、よろしゅう言っといてな」
モニターの向こうの若いオペレーターに告げ、通信を切った。
「……ごめんな、ロッサ。面倒なことに巻き込んでもうて」
そして向かい側に座った人物に向け、申し訳無さそうに苦笑する。
「いやいや、気にするほどのことでもないさ」
ライトグリーンの長髪が気さくに笑っていた。
本局の査察官ヴェロッサ・アコースだ。
はやての後見人の1人である聖王教会所属の騎士カリム・グラシアの義弟に当たり、彼自身もはやてとの交友は深い。
今日は彼女らがここのオークションの護衛につくということで、プライベートで顔を出していた。
「さてと……部隊、上手くいってるみたいだね」
ヴェロッサが話題を切り出す。
「うん、カリムが守ってくれとるおかげや」
「僕も何か、直接手伝えることがあるといいんだけどね」
テーブルに置かれたカップを手に取り、コーヒーを飲むはやてに向かってヴェロッサが言った。
「アコース査察官も遅刻とサボリは常習やけど、基本的には忙しいやん」
遅刻とサボリ、という部分を微妙に強調し、皮肉げな響きをもってはやてが返す。
「ひどいや」
ばつの悪そうな苦笑いを浮かべたヴェロッサに対し、はやてが面白そうに笑いかける。
この男は現在失われた魔法体系・古代ベルカ式魔法のレアスキルを保有しており、査察官としてはかなり優秀な部類に入るのだが、
どこか子供っぽい性格もあり、勤務態度はいたって不真面目だった。
「カリムも心配しとるんやよ、可愛いロッサのこと。色んな意味で」
「心配はおあいこだよ。はやてだって、僕とカリムにとっては妹みたいなものなんだから」
言って、お互いに笑顔を向け合う。
既に8年もの付き合いというだけあって、友好度合いは上々のようだ。
「主はやて」
と、そこへ低い男の声がかけられる。
声のする方を見ると、そこにはあの言葉を話す青い狼――ザフィーラの姿があった。
「あ、ザフィーラ。どないしたん?」
「先ほどの戦闘の最中、妙な男を見つけました」
結局逃げられたのですが、と付け足し、ザフィーラが報告する。
「妙な男?」
「服装は白い和服に、黒い日本風の胴鎧。額には青い刺青のようなものが」
「和服……」
柔らかなはやての表情が真剣みを帯び、顎に手を添えて思考をめぐらせ始めた。
言うまでもなく、ここミッドチルダに和服という概念はない。日本風の鎧というのも同様だ。
更にそもそも今となっては、和服は歴史上の代物である。地球においても、何かの行事以外で身に付けることは滅多にない。
であればその男は、次元漂流者の可能性もある。それこそ和服が一般的に出回っている世界からの。
そしてそれは奇しくも、4年前に同じ男にフェイトが抱いた推論と全く同じだった。
「ガジェットや召喚士の仲間なんかな?」
「その割にはあっさりと引き下がりましたが……ともかく、今は何とも言えません」
きっぱりとザフィーラが言い切る。寡黙な彼は、推測で物事を語ることは滅多にない。
そしてその推測は、部隊長たるはやての役目だ。
(……額に、青い刺青のある……和服の男?)
その過程で、あることが脳裏にひっかかる。
(どこかで聞いたような気がするんやけどなぁ……)
フェイトが彼女から話を聞き、それが空港火災事件で出会った男だという推測に行き着くまでには、それから1週間を要した。
魔法妖怪リリカル殺生丸
第三話「クラナガンの休日」
「まぁ〜ったく、毎度毎度何考えてんだよあの変態科学者はぁ!」
クラナガン郊外で、うんざりとした様子のアギトがぼやいた。
ホテル・アグスタ襲撃事件から2週間以上が経過。
スカリエッティの望みの品は、混乱の隙にルーテシアの召喚虫によって、無事に(?)確保されていた。
後から殺生丸が聞いた話だが、彼女は「召喚」と呼ばれる特殊な魔法の使い手なのだそうだ。
どこか遠く離れた場所にいる下僕達を一瞬で呼び寄せるレアスキルで、
それによって呼び出されたのが、あの釘虫こと「インゼクト」であり、ロストロギアを奪ったまだ見ぬ召喚虫である。
そしてその殺生丸だが――
「『時が来たら会う』って言っといてさ、もうどんだけ待たせてると思ってんだよ!」
未だにルーテシア達に同行させられていた。
ホテルでの戦闘が終了した後、スカリエッティはロストロギアの受理を確認したということで連絡をよこしてきた。
そこでゼストが殺生丸の処遇について問いただしたのだが、
「折り合いがつくまでそちらで預かっていてほしい」ということで、ルーテシア達が一時的に身柄を引き取ることになったのだ。
それからあちらこちらをレリックを探して渡り歩いたりしているうちに、既にこんなに時間が経ってしまった。
これは絶対都合が合わないからではない。明らかに遊んでいる。
いつもいつも不愉快なまでに楽しそうなスカリエッティのことだ。それぐらいはするだろう。
「別にいいよ。もう、4人でいることも慣れたし」
空中で器用にあぐらをかきながらぼやくアギトに対し、ルーテシアが言う。
事実彼女ら3人は、徐々に殺生丸の存在を受け入れ始めてきていた。
常に自分達に壁を作り、1人でいたがる気難しい面もあるが、それを除けば人畜無害で、おまけに腕も立つ。
そもそも無口というのは、程度の違いこそあれどルーテシアやゼストも同じなのだ。今更無口が1人増えたところで何が変わろうか。
「でもなぁ……なんかそれも、慣らされてるような気がするんだよなぁ……」
「スカリエッティにか?」
「そうそう」
木の幹にもたれかかるようにして座っていたゼストの確認に、アギトが頷く。
こうして過ごした殺生丸との3週間近い時間も、スカリエッティが意図して過ごさせた時間なのではないか。
アイツはただ遊んでいるだけではなくて、何か目的があって自分達を殺生丸に馴染ませているのではないか。
だとしたら、何のために? 彼に何をさせるために?
そんな違和感が、どうしても彼女の頭から離れなかったのだ。
反応からして、恐らくゼストも同様なのだろう。もっとも、残るルーテシアがどう考えているのかは分からないのだが。
「何にせよ、今はその『時』というのを待つだけだ」
ゼストが立ち上がると、少し離れた場所に立っていた殺生丸の元へと歩み寄る。
相も変わらず、彼は1人他の人間から離れて、ぼんやりとした様子で空を見上げていた。
わざわざ1人きりで一体何を考えているのだろうか。それは誰にも分からない。何も言わないのだから。
しかし、詮索したところで話してくれるというわけでもないだろうし、そもそも何も考えていないのかもしれない。
だからゼストは特にそれには触れず、その太い右腕を殺生丸に向けて差し出した。
「……何だこれは」
殺生丸は手の中にあったものへ視線を向けると、それだけを短く問いかけた。
そこにあったのは、暗い紫色の球体だ。透き通るような質感が水晶を連想させ、数珠によって丁度ネックレスのような形状になっている。
恐らく殺生丸の服装に合わせての意匠なのだろうが、
こうしてみると、元の世界で弟や奈落がその破片を集めていた宝玉・四魂の玉と瓜二つなのは、一体何の冗談なのだろうか。
「バリアジャケットというものだ」
殺生丸の問いに、ゼストが答える。
「魔導師が戦闘時に身に付ける防護服で、着脱は一瞬で行うことができる」
「それが私にどう関係があるのだ」
彼の疑問も最もだった。
妖怪である殺生丸は、人間よりも遥かに強靭な肉体を有している。
別に特別な防護服など用意せずとも、よほどのことがない限り手傷を負うようなことは有り得ないのだ。
「いや……この中に用意されているのは、ミッドの一般的な服装だ。街で目立たぬようにと、スカリエッティがよこしてきた」
ゼストはそう答えた。
なるほど確かに、それならば納得がいく。
既に何度か触れたことだが、殺生丸の服装は、このミッドではあまりに目立ちすぎるものだ。
こんな服装で人里に足を踏み入れれば、空港火災の時のように、真っ先に職務質問を受けることになるだろう。
「それで、今これを渡した意味だが……」
言いながら、ゼストは首を傾け、その視線をルーテシアへと送る。
「今日はそれを着て、ルーテシアと一緒にクラナガンへと入ってくれ」
そして、再び口を開いた。
クラナガンといえば、ここ中央区画に位置するミッドの首都である。当然周辺の中でも最も大きく、かつ最も整備された都市だ。
おおよそ古代の遺産たるレリックが見つかるとは思えないし、
そもそもこんな目立つ場所、探すつもりならとっくに探しているはずである。
つまり、レリック捜索という意味では、わざわざ向かう意味は全くないのだ。
「俺とアギトは、それぞれ別行動を取る」
「何故我々だけが?」
当然、殺生丸は尋ねた。
それに対し、一拍の間を空け、ゼストは口を開く。
「客人と子供には、休暇が必要だからな」
クラナガン市内の様子は、戦国時代の殺生丸には衝撃を与えたに違いない。
あのホテル・アグスタにも匹敵する高さと四角さを有した細長いビルが、視界一面に建ち並び、
無数の建築物の中には、赤やら青やらに塗られた色とりどりのものも多く含まれる。
未だ見慣れぬ洋服というものを、道行く人間全員が身に付けていた。慣れ親しんだ和服の姿はどこにもない。
鉄柱の先端についた丸い球体は、以前に電灯というものだと聞いたが、夜にはあれが一斉に光り出すのだろうか。
一見自然の介在する余地のなさそうな場所だが、それでもところどころに街路樹が植えられている。
見慣れないものと見慣れたものが奇妙な割合で混ざり合う街並みは、さぞシュールなものだっただろう。
そして、今は遠方の上空に走った道を、細長い直方体がとてつもない速度で駆け抜けていった。
「あれはリニアっていう乗り物」
その様子を見つめていた殺生丸に、傍らのルーテシアが短く説明する。
バリアジャケットを身に付けた彼は、どうにかこうにか街並みに溶け込むことに成功したようだ。
時折視線を向けてくる者もいるが、それは単純に殺生丸の人間離れした美貌ゆえの反応。十分許容範囲である。
上下共にびしっとした紺色のスーツ。胸元を彩る赤いネクタイ。それが今の殺生丸の服装だった。
休みの時に正装を着ているのもどうかと思うだろうが、これがスカリエッティのチョイスなのだから仕方がない。
一方の殺生丸も、特に気にはしていない様子だ。
今着ているものがそういう服装であることを理解していないというのもあるが、何よりそれほど着心地が悪くない。
元々殺生丸は、こうまで肌に密着している服装に対して、動きづらいのではないかと一種の抵抗を抱いていた。
しかし、そこはそこ。文明の進歩というのは大したもので、関節が予想以上に動かしやすい。
とはいったものの、やはりこれを着続けられるかどうかというと、それはまた別問題になるのだが。
そんなこんなで、無口な男と無口な幼女という奇妙な2人組は、無口のまま並んで街を巡っていった。
支援
河川敷にやって来た殺生丸とルーテシアは、並んでベンチに腰掛ける。
そのままお互いに特に何かを話すわけでもなく、ぼーっとした様子で、川の向こうの街並みを見つめていた。
「………」
片や、この世界の文明に触れたばかりの次元漂流者。
「………」
片や、恐らく遊びらしい遊びをしてこなかったであろう、複雑な事情を抱えた幼女。
ゼストからお金をもらってきてこそいるが、急に街まで来て何をしろと言うのか。
早々に方向性を見失い、結果こういう手頃なベンチに座って、ぼーっと何もしない時間を過ごす方向に流れていっていた。
とはいえ、これもゼスト達からすれば分かっていたことなのだろうが。
実際彼は、「遊んでこい」とは言わず「休んでこい」と言っていた。そうして事実、殺生丸達は休めている。
どうにも奇妙な論法のような気もするが、ともかくも彼らにとっては、これが想定通りなのだ。
2人の視線の先では、白い鳥が何羽か水辺で飛んでいる。
煉瓦色の道の上を、老若男女多種多様な人間が歩いていく。
そしてそれを、2人はただただじっと見送っていく。
特にすることもないので、何もしない。特に話すこともないので、何も話さない。
視線をぼんやりと目の前に向けて、ベンチに座って過ごすのみ。
傍目に見るとかなり異様な光景である。
ぱっと見では兄妹や親子にも見える2人組が、特に家族らしい会話もじゃれ合いもせず、ただただ無言で座っているだけなのだから。
そしてある時、遂にルーテシアが立ち上がり、そこからすたすたと歩いていった。
とはいえ、この空気に耐えられなかったというわけでもないだろう。
かなり図太い神経の彼女のことだ。こういう展開に音を上げるタイプではない。
そしてそれを指し示すように、ルーテシアはアイスクリームの屋台の所まで歩いていって、
オレンジ色の丸いアイスクリームと小銭を交換して帰ってきた。
そのまま再び殺生丸の隣に座り、コーンの上に乗っかったアイスをぺろぺろと舐め始める。
当然、彼はそんな物を見たことがない。その正体を探るように、横目でそれを見やる。
しばらくそのままの態勢が続いたが、やがてルーテシアがその視線に気付き、顔を殺生丸の方に向けた。
金色の鋭い瞳と、赤色の大きな瞳が向き合う。
「……これはアイスクリームっていう、氷のお菓子」
一拍の間があった後、これまた短い説明をした。
それで納得したのか、殺生丸は視線を元に戻す。
そしてそのまま、また遠くの方をぼーっと見つめ始めて、今度はその視界にオレンジ色が入り込んできた。
そちらを見ると、ルーテシアの食べていたアイスが突き出されている。
「食べる?」
ルーテシアの真紅の瞳が、覗き込むようにして殺生丸の顔を見つめていた。
一瞬殺生丸は、どうすべきかを短く悩む。食べたいか食べたくないかと言われれば、正直微妙なところだったからだ。
しかし、この状況を見る限りでは、どうやら食べた方が手っ取り早く済むらしい。
ルーテシアの小さな手からコーンを受け取ると、殺生丸は、その表面を僅かにかじり取った。
そして口の中に広がる、ひんやりとした感触と砂糖の甘み。氷の菓子と言うからには、その辺りは想定内である。
(……妙に柔らかいな……)
しかし、その一点だけは意外としか言いようがなかった。
氷というのは元来冷たいのが相場である。だがこのアイスクリームというものは、その常識を覆すような、滑らかな舌触りを持っていたのだ。
殺生丸はその不思議な食感を味わうように、舌の上でそのオレンジの氷菓子を転がした。
そしてそれを、ルーテシアはじっと見つめていた。
妖怪支援
一口分を飲み込むと、殺生丸はアイスをルーテシアへと返す。
そして、再び視線を前方へと向けた。
「もういいの?」
ルーテシアが問いかけてくる。
「私に物乞いの趣味はない」
殺生丸が短く返した。
「……そう」
それだけを言うと、ルーテシアはまたも立ち上がった。
そしてそのまま先ほどと同じようにすたすたと歩いていき、先ほどと同じようにアイスクリーム屋台へ行き、
先ほどと同じだけの小銭で同じだけのアイスを買って帰ってきた。
その様子を、殺生丸はずっとぼんやりと見続けていた。
そして帰ってきたルーテシアが、今買ったばかりのアイスを、彼の目の前へとそっと突き出す。
要するに、これを食べろということか。
「……いいのか?」
特に表情を変えることなく、殺生丸はそれだけを問いかける。
「今日はまだ、そんなにお金を使ってないから」
こくりと頷いた後、ルーテシアが言った。
一瞬、沈黙が訪れる。
そしてその後に、殺生丸の手が伸び、差し出されたアイスを掴んだ。
満足したかのように、ルーテシアが彼の隣へと戻る。
2人はそのまま、無言で同じ色のアイスクリームを食べ始めた。
殺生丸のアイスが半分ほどのサイズになった頃、1人の少女が河川敷へと足を運んでいた。
歳は10代中ごろから後半といったところか。茶色い髪が外側へとはねていて、長い後ろ髪は黄色いリボンで縛られている。
服の色は全体的に黒い。
白いシャツに灰色のライダースジャケットを羽織り、下半身はタイトな黒いジーンズ。
ジャケットの白いファーと、銀色のドクロのネックレスが首元を彩った、全体的に男性的な印象を受ける服装だ。
「あ、いたいた」
そして眼下にルーテシアの姿を認めると、小さく呟きながらそちらへと降りていく。
彼女らの元へ歩み寄り、前方に回りこむと、赤と金の瞳が少女を出迎えた。
「どうも」
淡々と言いながら、殺生丸の方へと一礼する。
それが合図であるかのように、ルーテシアが立ち上がり、少女の方へと歩み寄った。
「知り合いなのか?」
殺生丸がルーテシアに問いかけた。
無理もない。今までずっとゼストらと3人で旅を続けていたという娘だ。そうそう顔見知りがいるとも思えない。
そしてその問いかけに、ルーテシアがこくりと頷く。
「ドクターのお使いの人。……少ししたら帰ってくるから」
それだけを答えたのを確認した後、少女はルーテシアと共にその場から立ち去った。
2人はそのまま街中を渡り歩き、街の片隅に手頃な路地裏を見つけると、そこへ入っていく。
「……この辺でいいかな」
茶髪の少女が呟き、通信端末を開いた。
薄暗い路地裏に、薄紫のストレートヘアーの女性の映像がぼうっと光る。
『こんにちは、ルーテシアお嬢様』
「うん」
礼儀正しく挨拶する女性に対し、ルーテシアも頷いて答えた。
『早速ですが、本題に移らせていただきます』
女性の事務的な声と同時に、少女が自分の着ていたジャケットに手をかける。
それを脱いですぐ横の大きなゴミ箱に放り捨てると、今度は白いシャツに手をつけ、それすらも脱ぎ捨てた。
『以前よりドクターが捜していた「マテリアル」が、2つのレリックと同時に発見されました』
「そう」
本来なら下着一枚の半裸の上半身が姿を現すはずだが、そこにあったのは、身体に密着したフィットスーツ。
青と灰色を基調としたそれは、一般的な洋服とは明らかに異なる、非日常の気配を漂わせていた。
首元のプレートに刻まれた黄色いナンバーは、「]」。
ルーテシアと女性の淡白な会話をよそに、少女は着替えを済ませていく。
『管理局機動六課のヘリがマテリアルと片方のレリックを回収、もう一方は廃棄区画の地下水路に放置されています』
黒いジーンズを一息に降ろすと、スーツに包まれた形のいい脚が姿を現した。
靴を脱いで、ジーンズ共々、やはりゴミ箱へと放り込む。
『ヘリに確保されたケースとマテリアルは、妹達が回収します。お嬢様は地下の方に』
「うん」
手袋の上から手甲をはめ、専用の靴を履く。
最後にタートルネックの襟首を引っ張り上げ、頬にストッパーを当て、全ての衣装替えが完了。
何となく、首にかけた銀のドクロはそのままにしておいた。
ジェイル・スカリエッティに付き従う13人の兵士「ナンバーズ」の1人、ナンバー]・ディエチ。
街中を歩いていたありふれた10代の少女は、冷徹なプロフェッショナルの戦士へと姿を変えた。
『騎士ゼストとアギトはどちらに?』
「別行動」
女性の問いかけにルーテシアが答える。
この女性もまた、ディエチと同じナンバーズの1人だ。13人の中でも最年長に当たる、ナンバーT・ウーノ。
実質的なナンバーズのリーダーにして、スカリエッティの補佐全般を一手に引き受けていた。
『殺生丸様はご一緒ではなかったのですか?』
ウーノが更に尋ねる。
これまでは彼女の言葉に即座に答えてきたルーテシアだったが、この時だけは一瞬の間があった。
静かに、目を伏せる。
「……今日はお休みだから」
そして、赤い瞳をゆっくりと開きながら答えた。
『そうですか。では……お1人ということで?』
「1人じゃない」
言いながら、アスクレピオスの右手が前方に差し出される。
紫色のスフィアが発光し、漆黒のグローブに紫電のラインが走った。
ごう、という音と共に、スフィアから楕円状の何かが生まれ出る。
紫色の炎を纏う暗黒の卵は、闇よりもなお深き純粋な黒。
「私にはガリューがいる」
漆黒を愛しげに抱きしめ、ルーテシアが言った。
『失礼しました。協力が必要でしたら、お申し付けください。最優先で実行します』
最後に言い残し、ウーノの顔は影の中に消えた。
「じゃあルーお嬢様、よろしく」
そしてそれを見届けたディエチが声をかけ、廃棄区画の無人の街へと駆け出していく。
ルーテシアはそれを無言で見送ると、足元にあの近代ベルカの魔法陣を輝かせた。
「行こうか、ガリュー。探し物を……見つけるために」
紫と黒の幼女が呟き、その身体が紫色の光に包まれる。
やがてその姿はたちどころに消え去り、魔法陣もろとも、闇の中へと溶けて消えた。
支援
それからいくらか経った頃、殺生丸は相変わらず同じベンチに腰掛けていた。
ルーテシアと同じようにコーンを食べ、同じように包み紙をゴミ箱に捨て、ベンチで帰りを待っていた。
元よりすることはない。しかし、ゼストらと合流する際には、建前上彼女と一緒でなければならない。
故に、そこに腰掛けてじっとしていた。
『現在廃棄区画地下水路にて、管理局員がガジェットドローンと交戦中です。危険ですので……』
先ほどから断続的に聞こえてくる、アナウンスの声。
ガジェットドローンというのは、確かあのスカリエッティの操る傀儡の名前だったはずだ。
ということは、何かしらレリック絡みの抗争が起こっているのだろう。
殺生丸はそう解釈した。
(……遅い……)
そしてふと、ルーテシアの存在を思い出す。
もう自分の元から立ち去ってから、随分と時間が経過した。
そもそも記憶を辿ってみれば、この放送が聞こえてきた時期と彼女がここを発った時期は、大体合致する。
嫌な予感がした。
あの娘は自分に黙って、スカリエッティに協力し、戦闘に加わったのではないだろうか。
あのいけ好かない科学者との共闘という下らない形で、自分を待たせているのではないだろうか。
「――殺生丸ーっ!」
不意に、頭上から声が聞こえてきた。
金色の瞳が見上げると、そこにはすっかり見慣れた小人アギトが突っ込んでくる姿が。
恐らく事態を聞きつけて、大急ぎでクラナガンまで戻ってきたのだろう。
「何でお前だけこんな所にいんだよっ!?」
目線の高さで急ブレーキをかけたアギトが、開口一番に怒鳴りかける。
内容からして、やはりあのルーテシアはあの戦闘に加わっていたようだ。
「奴は私には一言も話さなかった」
「ああ〜もうっ! どうしてこう2人ともこうかなぁっ!」
殺生丸の目の前で、アギトが苛立たしげに頭を掻き毟る。
彼女のことだ。きっと殺生丸を巻き込まないように、自分だけで仕事に当たったのだろう。
どうしてルーテシアは妙なところでお人よしで、殺生丸は周りに無関心なのだろうか。
そして再び、殺生丸に向き直った。
「とにかくっ! 今ルールーの方に、あのホテルでの時の魔導師が5人も向かってるんだ!」
先ほどまでのキツイ口調とはうって変わって、真摯に懇願する。
「いくらルールーでもやばいかもしんない……頼む! 一緒にルールーを助けにきてくれよっ!」
今にも掴みかからんばかりの勢いで、アギトが殺生丸に詰め寄った。
「……面倒だ」
「お願いだ! ルールーを助けてくれよぉ!」
「何故私がそこまで面倒を見なければならん」
しかし殺生丸は、アギトの言葉に取り付く島もない。
冗談ではない。何故取るに足らない人間の娘1人を、わざわざ助けに行かねばならないのだ。
そもそも勝手に動いたのは彼女の責任だ。ならば責任は自分で取るべきではないのか。
どちらにせよ、彼は気が乗らなかった。
「……あーもういいっ! 分かったよ! あたし1人で行く! この冷血漢っ!」
遂に痺れを切らしたアギトは、最後に盛大な罵声をぶちまけると、そのままそこから飛び去っていってしまった。
また殺生丸は1人になる。
1人ぼっちで、ぴくりとも動かずベンチに腰掛け、アギトの飛んでいった方を見つめていた。
視線を剥がし、再び見ていた対岸の街並みをぼうっと見つめる。
これでいいのだ。所詮あの連中との付き合いなど、自分が元の世界に帰るまでの手段でしかない。
そこまで関わり合ってやる義理などありはしない。ましてや、敵から助けてやるなど論外だ。
そのはずだった。
――食べる?
不意に、あの大きな赤い瞳が脳裏に浮かぶ。
差し出されたオレンジ色の氷の塊が、記憶の中から顔を出す。
どうして急にそんなことを思い出したのかは分からなかった。
何故だ。何故奴の顔が浮かんでくる。
額の広い、小さな顔。さらさらと背中に流れる紫の髪。一際目立つ、赤い瞳。
切り捨てたはずのルーテシアの、指でも触れれば崩れてしまいそうな儚げな姿が、妙に気になって離れない。
5分、10分、20分……30分はそこでそうしていたが、いつまで経っても彼女の顔が消えない。
自分のために買ってきた、アイスクリームとやらのせいか。
あるいはそうして、心を開かない自分に歩み寄ってきたせいか。
何一つ知らないこの世界で、初めて深く関わろうとしてくる相手が、あの娘だったが故か。
(……馬鹿馬鹿しい)
そう、全くもって馬鹿馬鹿しいことのはずだ。
冷徹無慈悲に他者を切り捨ててきた、孤高の道。
それが自分だったはずだ。それが何だこの有様は。あまりに自分らしくない。
こういうことはもう沢山だったはずだった。
――あの自分が助けた人間の娘と、長年従えてきた老妖怪だけで十分だったはずだ。
「……フン……」
こうして鼻を慣らすのは、もうこの世界に来てから、何度目になるか分からない。
殺生丸は立ち上がると、ゆったりとした動作で歩き出す。
そして河川敷から街道まで上がると、一目散に駆け出した。
アギトが残した臭いを辿り、ルーテシアのいる廃棄区間目掛けて、人間の走力を遥かに凌駕したスピードで疾駆する。
これは単に、放っておいてやられては寝覚めが悪いからだ。
自分にそう言い聞かせる。
あの娘が心配だからというのでは断じてない。
必死に否定しながらも、殺生丸のスピードは決して緩むことはない。
もっと速く。もっと速く。
灰色のビルが大森林のように建ち並ぶ、あの場所へ向かって。
遂に人のいない廃棄区画へと辿り着いた瞬間、その身に纏ったバリアジャケットを脱ぎ捨てた。
紺色のスーツがさながらガラス片のように砕け、純白の着物が姿を現す。
膝裏まで届く銀色の長髪と、右肩から流れるたてがみのごとき毛皮が、紺碧の光の中で揺らめく。
綺羅星のごとき輝きの中で、左肩と袖口の真紅の花が烈火に燃える。
瞬間、気高き犬妖怪の身体は疾風と化した。
鋼鉄の具足が大地を離れ、電光石火のごとき速度でビルの間を駆け巡る。
路傍の石は吹き抜ける風に煽られて虚空に舞う。ガラス窓が衝撃波に殴られてびりびりと振動する。
「面倒なことになっていては、ただでは済まさんぞ」
殺生丸の呟きは、神速の旋風に巻き込まれ、消えた。
そして早速誤字orz
×氷というのは元来冷たいのが相場である。
○氷というのは元来固いのが相場である。
GJ!
「食べる?」……ルーちゃん可愛ええのう……。
ルーちゃん勢が楽しみだ。
殺生丸のスーツ………
洗った猫みたいな姿が浮かんでくる
とにかくGJ
俺の青春キタコレ
ラスボスに武器投げつけて勝ったのはいい思い出w
でもね、エルク。さすがにキャロは犯罪だと…おや?何だか窓の割れる音が(ry
>>624 エルク15歳だから、まだおkなレベルじゃね?
あとは当人の心の持ちようだなww
12時から更新するの忘れてたww
殺生丸もGJ。しかし最近スレのロリータ率がry
>>625 キャロ→エルクならわかるよ?兄を慕う妹な感じで。
でも逆だったり両思いになると話が変わってくると思うぜ
某探偵みたいに突き抜けると尊敬するけどww
「とかなんとか言ってますけど、銀さんの場合、そこんとこはどうなんですか?」
「安心しろ。そーいう展開は無いから」
「……ちょっと荒縄買ってくるわ……」
「早まらないでください主!」
>>627 なんだかんだではやてENDにBET。
俺の魂を賭ける。
わかった。ルーテシアとアギトの魂も賭けよう。
GJ!!です。
んもう、殺生丸ッたら凄いツンデレなんだから〜w
新人達がルー子に手荒なことしたら、殺されちゃうぜ。
後、ギンガとの再開が気になります。
殺生丸にはティアナの幻術は効きそうにないですね。
>>光と音のLNS氏
ガチンコでやりこんだアーク2とのクロスが投下されてるっ……!
それだけで懐かしさ爆発、GJ!
上でも言われているけれど、リーザ=キャロという発想はなかったわw
他のアーク勢がどうなってるのか凄い楽しみです
>>反目氏
ルーと殺生丸にほのぼのをさせるとは、GJ!
それでもどことなく殺伐としてたのがツボでした
そして、3時にLMS最終話投下の予約をしたいと思います
GJ!
あと気になったのですが
>>ジェイル・スカリエッティに付き従う13人の兵士「ナンバーズ」の1人
…13人?
何気にル〜のアイスに間接キスする殺生丸に燃えた。
そしてビジネスーツに萌える
しかもバリアー装備なのに戦闘時は和服へのこだわりがいい
後、ガラスに破片の描写がリアル
しかし、フラグ作るのがオイシイ、ナンバーズも行動開始したからチンクと遭ったらどうなるか
>>631 諸般の事情でロストナンバーになったんだよ!>13番目
多分強すぎるからとかスカの言うこと聞かないとかじつはオカマだったとかw
ちょw誰かリヴィオとニコ兄の薬持ってこいw
>>631 うきゃーっ! やっちまったぁぁぁ!
……12の間違いです……orz
よし、まだ密かに仕込んだ声優ネタには気付かれていないようだ(ぇ
さて、時間なので投下します
1
Lyrical Magical Stylish
Final Mission Jackpot
「フハハハハハハハハハ!! ハーッハッハッハッハッハ!!!」
倒れ伏す二人には最早目もくれず、ムンドゥスは狂ったように笑い続ける。
(…………)
その光景を見る―――いや、感じ取っている―――存在があった。
(……全く、世話の焼ける連中だ)
テメンニグルの屋上でダンテに斬られた男、バージルその人。と言っても、その場に実体があるわけではなく、幽霊のような存在なのだが。
どういうことかというと、肉体があったなら確実に死んでいた一撃だったが、幸か不幸かあのときのバージルは悪魔と同じ存在だった。
ムンドゥスが作り出した魔力、それに指向性を与え、仮初の体を得た存在。それがあのときのバージルだ。
ゆえに、体が失われても、その存在の根底を支えるだけ魔力が残っているのであれば、いずれ周囲の魔力を吸収して復活できる存在だったのだ。
もっとも、ダンテが与えたダメージはあまりに甚大で、こうやって意識を残しておくのが精一杯だったのだが。
(……だが、今なら俺は―――)
相変わらずひたすら笑い続けるムンドゥスを完全に無視して、バージルは二人へ目を向け、そして決めた。
「……あれ、私」
目を開けると、そこは真っ暗な空間だった。ドッペルゲンガーと戦った場所以上に暗く、周囲には何も見えない。魔法で照らそうと思ったところで、握っていたはずのレイジングハートがなくなっていることに気付く。
「……死んじゃったのかな」
レーザーを食らったところまでは覚えているが、そこから先の記憶がない。だとすれば、死んだと見るのが妥当か。
「あーあ、ゴメンねフェイトちゃん、クロノくん、ダンテさん」
今なお戦っているであろう友人たちに謝る。だが、死んだはずの自分が何故こうやって色々考えたり出来るのだろうか、そこに疑問を持つより早く、なのは以外の人物の声が響いた。
「……俺と互角に戦ったくせに、随分あっさりと認めるのだな?」
「あ、バージルさん。どうもこんにちわ。こんにちわ、であってますよね?」
「そんなのはどうでもいい。貴様は、死んだと認めるのか!?」
「認めるも認めないも……こんな何もない場所、死後の世界くらいしか考えられないじゃないですか」
そこにバージルが出てきたことも、そう認識させる要因の一つなのだが。なのはは周囲を見回しながら答える。
そんななのはにバージルは溜息一つ付くと、心底見下した表情でつまらなさそうに呟いた。
「……所詮、その程度か」
「そりゃ私だって死にたくないし、死んだなんて認めたくないですけど」
「ならば立ち上がれ。聞こえぬのか? 耳障りな笑い声が」
言われるままになのはは耳を澄ます。だが、何も聞こえない。
2
変に期待を持たせるな、バージルにそう文句を言おうとしたところで―――
―――ハハハハハハハハハハ!! ハーッハッハッハッハッハ!!!―――
「…………」
かすかだが、聞こえてきた。何がそんなに面白いのか、狂ったように笑い続けている。その哄笑になのはは顔を顰め、心底魔帝を蔑んだ表情を見せて一言。
「Too noisy(うるさいなぁ)……」
なのはの言葉を聞いたバージルが初めて笑みを見せる。それは、彼の弟ダンテとそっくりな、凶悪で、大胆で、不敵な笑顔だった。
「ならばどうする」
「決まってます。黙らせる」
いつの間にか手の中に現れていたレイジングハートを肩に担ぎ、バージルに負けないぐらいの不敵な笑顔を見せる。そこには、自分が死んだなんて思いは欠片も残っていなかった。
「―――いい返事だ。征け、高町なのは」
「あ、私の名前、覚えててくれたんですか」
「……まあな」
「嬉しいです。じゃあ、バージルさんもお元気で」
「ああ」
それと同時に、周囲の闇が消えていく。顔を上げると、まばゆい光が射し込んでいた。
「う……」
目を開くと、視界がぼやけていたが、そこは随分と見慣れた戦場だった。
痛いほどに握り締めていたレイジングハートを杖代わりに立とうとして、全身を激痛が突き抜ける。が、こんなところで跪いてなんていられない。
―――この体には、まだ戦うだけの力がある。この心には、まだ戦うための意志がある。
「あああああっ!!!」
「……ほう、まだ立ち上がるか」
なりふり構わぬ咆哮で全身に喝を。ふらつく体、霞む視界、止まらぬ出血、残り少ない魔力。
状況は絶望的、それでも、未だ魂は砕けてはいない。なら、戦える。
「私は、諦めない。絶対に、諦めない!!」
「たった一人で我に歯向かう? 驕るな! 矮小な人間風情が!!」
ムンドゥスの怒気が衝撃波となってなのはを襲う。なのははそよ風が吹いただけでも倒れそうな体を無理矢理支え、さも可笑しいとばかりにムンドゥスの言を笑い飛ばした。
「一人? ハッ、笑わせないでよ。ダンテさんは絶対に立ち上がる。それに―――」
どんな状況でも不敵に笑って軽口一つ。
「私は、一人じゃない」
その姿は、本人を前にしたら口が裂けてもいえないけれど、ひそかに憧れた魔剣士そのもの。
「いつだって、一緒に戦ってくれる相棒がいる」
「Yes. You are the sweet master(あなたは最高だ)」
自分が負うはずだった傷を肩代わりして、全身ヒビだらけになりながらも共に闘うと言ってくれる。
3
「私を信じて、何も言わずに送り出してくれた家族がいる!」
いつもいつも、全幅の信頼を置いてくれる家族を裏切ることなんて出来やしない。
「強さで言っちゃえば圧倒的に劣る私を信じて、背中を任せてくれた人がいる!!」
たった数日共に闘っただけなのに、相棒と呼んでその背中を任せてくれたダンテ。
自分はこんなにも多くの人に支えられている。それなのに、自分勝手に諦めて道を閉ざすなんてそんなことは絶対に出来ない。
「だから―――仲間を平然と見捨てるテメェなんかに、絶対に負けてやるもんか!!」
「騒がしい小娘が……我を侮辱した罪、死すら生温い!」
「Com'n winp!!(かかって来いよ、ノロマ野郎!!)ダンテさんが戻るまで、私が相手をしてやる!!」
締めとばかりに中指を突きつけ、飛んできたレーザーを空に舞って回避する。
「「―――Let's Rock!!」」
そしてなのはは無数のヒビが入ったレイジングハートを構え、最後の戦いへと挑む。
「あー、死んじまったのか……参ったな、ダディやマミィに何て謝りゃいいんだか」
目を開いた先は、何もない闇。周囲には何もなく、ダンテはリベリオンを失った自身の右手を眺めてぼやく。
―――ふん、散々大口叩いて、結局お前も俺と同じだったということか―――
聞こえてきたのは懐かしい声。つい先ほどダンテに斬られて消えていったはずの兄のもの。
「まあ、そーいうことだな。ったく、情けない話だぜ」
それに反論する気力もなく、ダンテは首を振る。何と言われようが、自分は死んでしまったのだから。
「そうか、ならば俺は貴様の体を奪い、今度こそ魔帝を倒す」
その言葉と共にバージルが突如現れる。それでも、ダンテは特に何も思うところがなかった。
「好きにしてくれよ」
「……ふん、見下げ果てたヤツだ。だが、これを見てもまだ同じことが言えるか?」
「あん?」
バージルが閻魔刀を振る。すると、真っ暗だった周囲が一部裂け、そこについ先ほどまでの戦場が浮かび上がった。そこで見た、信じられない光景にダンテは驚愕する。
そこには、愛杖もろともズタボロになり、ダンテを失い、それでもなおムンドゥスに立ち向かうなのはの姿が映し出されていた。
「!!」
「聞こえるだろう。あの女の叫びが」
―――ダンテさんは、絶対に立ち上がる!―――
「……耳が痛いな」
―――私は、一人じゃない! 私を信じて、背中を任せてくれた人がいる!!―――
「……参った、こりゃ参ったぜ」
自然と口の形が笑みを象っていく。
支援
4
かつて、自分はなのはに何と言った?
「俺がやるから安心しろよ」
かつて、自分は士郎と桃子に何と言った?
「なのはは俺が守る」
今までお前はどうやって生きてきた?
「でかい口叩いて、それを嘘にしないように生きてきた。地べたを這いずり回って、血反吐を吐いて、それでも言ったことだけは絶対に譲らなかった」
なのに、そうやって平然とくたばるつもりか? まだ何も終わっちゃいないと言うのに?
「……確かに、どうかしてたわ。俺」
そうだ。ここで倒れるというのは今までの自分を全否定するのと同じだ。いや、自分だけじゃない。自分を信じて、力を貸してくれた気のいい連中全員を裏切ることになる。
どんなに情けなく映ったとしても―――それだけは、絶対に出来るわけがない。
―――Com'n winp!!(かかって来いよ、ノロマ野郎!!)ダンテさんが戻るまで、私が相手をしてやる!!―――
「やれやれ、ホントとんでもねーガッツだな」
ダンテは笑って、いつの間にか手の中に生まれていたリベリオンを強く握り締める。その笑顔は、先ほどなのはが浮かべたものと全く同じだった。
「オーライ分かったよSweet Magical Girl. お前が折れないのに、俺が先に折れるわけにはいかねーよな」
折れていた心が蘇る。光を失った目に、再び戦意が満ちる。
「……ふん、手間のかかる弟だ」
「わりーわりー、さすがにこんな経験は始めてでよ」
ハッハッハ、とダンテは笑う。バージルもまた、ダンテの決意をかすかな微笑で受け止める。
「じゃ、行くわ。あんまり待たせちゃ悪いしな」
「ああ」
ダンテはバージルに背を向け、その背にバージルの声を受けながら、かすかに見える光へと向かう。
光は瞬く間に強くなり、周囲の闇を吹き払う。ダンテは眩しい光に目を細め、そしてバージルが小さく何かを呟いたのを聞いた、気がした。
「―――ああ、わかってんよ、兄貴。頑張ってくる」
目を開く。流れた血が入り込んだか、左目の視界が酷く悪い。そんな中で、ダンテはムンドゥスと、その周囲を飛び交う光、そしてそれを操るなのはの姿を捉えていた。
「……よし、行くか」
強かに打ちつけた頭は酷く痛む。半分塞がれた視界が気持ち悪い。血を流しすぎたか、剣を握る右腕が震えている。レーザーにぶち抜かれた腹は未だ白煙を上げ、覗き込めば内臓が見えそうだ。
それでも、気持ちは未だかつてないほど充実している。人の力の根源である魂が燃え滾っている。
「俺は、いつだって一人じゃない」
バージルに言った言葉を、そしてなのはが言っていた言葉を反芻する。俺が死んで、困るのは俺だけじゃない。なら、死ぬわけにはいかない。
支援
5
ダンテは口を笑みの形に歪めると、愛剣と共に駆け出した。
「―――Let's Rock!!!」
「!! ダンテさん!!」
「! 貴様ぁ!」
「おおおおおおおっ!!!」
ダンテがいないことから、接近しての直撃を狙わざるを得なかったなのはに迫る魔帝の拳、それを雄叫びと共に弾き飛ばしたのはダンテのリベリオンだった。
「悪い、待たせたな!」
「全くです!」
「その分派手に行くぜ!」
ズタズタに傷ついた体のどこにまだそんな力が眠っているのか、ダンテの振るうリベリオンは全快時と何ら遜色ない、いやむしろ、強力になったまである。
そして、リベリオンが遂にムンドゥスの腹部にヒビを入れた。それまでと違う小さな、だが確実なヒビは、ダンテとなのはの攻撃がムンドゥスを着実に追い詰めていることを示している。
「行ける! レイジングハートッ!!」
「うおおおおっ!!」
闘志が爆発する。敵の体力も底なしではない、そしてその底が確実に近付いている。二人は裂帛の気合と共に、息も付かせぬ総攻撃を仕掛け続ける。
「があああああっ!!」
「どわっ!?」
「きゃあっ!」
凄まじい猛攻に耐えかねたか、遂にムンドゥスが絶叫を上げる。だが、そこから迸った衝撃波が二人の猛攻を止める。
「貴様らぁぁぁぁぁ!!」
「へっ、とっとと止めを刺さねーからだぜ」
「その通り。そんな慢心ばっかだから私たちに勝てないんだよ、間抜け」
「許さん、許さんぞぉぉぉぉ!!!」
ムンドゥスは両手に限界を超えた魔力を溜める。それは、魔力を糧に生きる悪魔にとって自身の寿命を縮める行為だ。それでもなお、捨て身の行動に出た理由はひとつ。
―――決着のときは、近い。
「……さて、そろそろいいんじゃねーか?」
「ですね。あんまり出し惜しみするのもよくないし」
そして、二人もそれを受ける。いくらバージルに背中を押され再度戦えるようになったとは言っても、もとより分の悪い勝負だ、賭けの一つにでも勝たなければ勝機はない。
「そんなわけでダンテさん。しばらく時間稼いでくれますよね?」
「任せろ」
血塗れのダンテが不敵に笑う。その顔には一片の迷いもなく、ダンテ同様血塗れのなのはもまた、ダンテの全幅の信頼を不敵な笑顔で受け止める。
「無駄だと言うのがわからぬか!!」
「無駄かどうかは、テメエ自身で確かめな!」
魔力の篭ったムンドゥスの拳を同じく魔力を乗せたリベリオンで弾き返し、ダンテは真正面から斬りかかっていく。
フラフラのなのははそれを見届けると、痛みで消えそうになる意識を繋ぎ、霞む目を見開いて愛杖を一振り。気合は十分、リアクター・パージで消し飛んだために残り少ないバリアジャケットすら極一部を除いて魔力に再変換し、なのはは魔法陣を描く。
6
「まさか無理だなんて言わないよね? レイジングハート?」
「Too easy, and you?」
「もちろん、楽勝!!」
自身も愛杖も状態は最悪。それでも、この体を突き動かす魂だけは、何人たりとも挫くことなど出来やしない。
「レイジングハート・ドッペルゲンガー起動」
「Mode doppel ganger ready」
アフターイメージ、ドッペルゲンガーの使える唯一の機能。なのはの隣に全く同じ姿をした影が現れる。
「……いくよ。風は空に! 星は天に! 輝く光はこの腕に! 不屈の心はこの胸に!! レイジングハート、シーリングモードフルドライブ!!」
「Sealing mode full drive ignition. Get ready, Master?」
星をも打ち抜く破壊の光が二つのレイジングハートに収束していく。
「Lyrical Magical Stylish!! 咎人達に滅びの光を! 星よ集え、全てを撃ち抜く光となれ! 貫け! 閃光!!」
地獄に二つの太陽が出現する。
限界まで収束された、なのは最大の切り札が発動の瞬間を今か今かと待ちわびている。
「ダンテさんっ!!」
「ウオオオッ!!」
ダンテはなのはが魔法のチャージを終えたことを知り、渾身の力でムンドゥスにリベリオンを投げつける。回転しながら突き進むラウンドトリップが周囲を巻き込む竜巻じみた攻撃なら、今回の投擲は外れることのない真紅の弓矢。
「グアアアアアアッ!?」
音速を超えたダンテのソードピアスはムンドゥスの生む力場を容易く貫通し、狙い済ましたようにムンドゥスの第三の目に深々と突き刺さる。
「派手にぶちかませ!!」
「Alright!!」
魔力を溜める、そのポイントであった第三の目を貫かれ、ムンドゥスの攻撃の手が止まる。ダンテはその隙に一っ跳びで魔法の射程外へ退避。
それを見届けたなのはは、限界を超えて集った魔力に最後のワンフレーズとともにレイジングハートを叩きつけようと振りかぶった。
―――さあ、全ての準備は整った。魔帝に、人の真の力を見せ付けてやろう。
「スターライト―――
これを撃ってしまったら、もう次はない。一瞬頭を過ぎったそんな後ろ向きの思考を不敵に笑い飛ばす。後のことを考えるなんて、随分余裕じゃないか。
通じなかったらどうする。次に過ぎるのはやはりネガティブな思い。だが、それすらもまた悪魔の笑みで吹き飛ばす。通じる、通じないではない、通すのだ。
自身に囁く弱気の虫を完膚なきまでに叩き潰し、なのはは万感の想いを込めて最後の魔法を解き放つ。
―――ブレイカァァァァァァーーーー!!!!」
アフターイメージもまた全く同時に解き放った二筋の閃光は、全てを撃ち抜き無に帰す星の怒りだ。
ディバインバスターを遥かに超えた空間そのものを破壊しつくす断罪の剣が、ダンテの頭上を飛び越えムンドゥスに直撃する。
Show time! 支援
レッツロック! 支援
さて、こんな魔力だらけの場所で、全部の魔力を使って、大量の魔力残滓を吸収した収束魔法がどの位の威力か・・・
ムンドゥス南無産。
支援
支援w
7
「ガアアアア!! この程度ォォォ!!」
目を焼く光の向こうから聞こえるのは、未だムンドゥスが健在であることを示す咆哮。
「ブレイク―――」
それを打ち消すが如く、残る魔力を全てレイジングハートへと注ぎ込む。
何もかもが光でかき消されていく中、未だ止まない砲撃は更に凶悪な発光を見せ、終盤に向けてその威力を上げていく。
「Come on!!」
ダンテはムンドゥスに突き刺さったリベリオンを呼び戻し、肩に担ぐいつものポーズを見せながら口笛を吹く。
「ヒュゥ、コイツはスゲーぜ。負けてらんねぇなぁ、相棒?」
自身の頭上を超え、あのムンドゥスの巨体を真っ向から消滅せんと迸るスターライト・ブレイカーに感嘆の声を漏らし、ダンテは止めの一撃を放つべく自身の魔力を練り上げる。
確かにとんでもない一撃だが、ムンドゥスを倒すには至らない、ダンテは何故だか分からないけれどそう直感していた。ならば、ソイツに止めを刺すのは俺の役目。
リベリオンが発光を見せるのと同時に、ダンテは自身の中に浮かんだトリガーに手を掛けた。
「―――シューーート!!!」
なのはの絶叫、そして最後に一際強く輝く星の怒り。
「はぁっ……はぁっ……ダンテさん!!」
「ウオオオオオオーーーーッ!!!」
目に痛い白光が収まったのち、その中から現れたムンドゥスは胸から下が吹き飛ばされて、それでもなお健在だった。
フィンで浮遊するための魔力すら使ってしまったなのはは地上に跪き、急激な消耗で一気に消し飛びそうになる意識を必死の思いで掻き集め、ダンテの最後の攻撃を見守る。
なのはが見守る中、一直線にムンドゥスまで突き進んだダンテは遂に、手を掛けていたトリガーを全力で引いた。吹き荒れる魔力、リベリオンの装飾が凶暴に発光し、ダンテの姿が人間から悪魔のそれへと切り替わる。
スパーダとも違う、どこか人間ダンテを感じさせるその力。それはまさしく、最強の魔剣士スパーダの魂を受け継いだ、魔人ダンテの姿だった。
溶岩に崩れ落ち、随分と頭が低い位置に来たムンドゥスを足場に飛び上がり、エア・ハイクを使って更に高く飛び上がる。
「Sweet Dream(おネンネしてな)!!」
遂にムンドゥスの上を取ったダンテは、あまりの光景に目を剥くムンドゥスに中指を突き立てると、全身の力を込めてリベリオンを振り下ろした。
「オオオオオオーーーーーーッッ!!!」
「ガアアアアアアアアアア!!」
ムンドゥスの頭に突き刺さる死の一撃。ダンテの放つ業火のような真紅の魔力が周囲一体を染め上げる。荒れ狂う魔力がスパークを起こし、ダンテの攻撃が凄まじい威力であることが容易に見て取れる。
それでも、ムンドゥスは倒れない。なのは最強の一撃に耐え、今なおダンテ最強の一撃を受け続け、それでも膝を折らない姿はまさしく魔を統べる者だった。
「ダンテさん……頑張れ!!!」
薄れゆく視界の中、なのはは掠れる声で叫ぶ。力が全てを支配するこの場において、それはあまりにも弱弱しく。
―――だが、期せずして放った言葉は、偶然にもバージルがダンテに向けたものと同じ。
兄と、相棒。二人の同じ声援が、ダンテの背を最後に強く押す。
8
当事者にしてみれば随分と長い、されど一瞬の停滞の後、リベリオンがムンドゥスをそのコア諸共真っ二つに引き裂いた。
「グアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」
凄まじい絶叫が周囲の空間そのものを揺るがす。それは、魔帝ムンドゥスの断末魔の叫び。
「我は……諦めぬ……何度でも……蘇って……見せようぞ……」
最後の恨みを残してムンドゥスが溶岩の中へ消えていく。それを見届けたダンテは魔人化を解除し、リベリオンを戻して不敵に笑った。
「へっ、何度だってぶっ飛ばしてやるさ」
魔帝が倒れたことにより、この空間そのものが崩壊する。以前の戦いでそれを知っていたダンテは踵を返すと、慌てて崩れ落ちたなのはの元へと駆け寄った。
すでに崩壊の予兆である地震が起き始めている。時間はあまりなさそうだ。
「ヘイ、しっかりしろ! 寝てる場合じゃねーぞ!」
「う……」
ペシペシ頬を叩くが、全く起きる気配がない。レイジングハートも杖の形こそしているが、応答がない。
それもそのはず、魔力が完全にゼロになってしまったのだ。少し寝てれば回復するのだろうが、今はその少しの時間も惜しい。
「ち……しょうがねーか」
なのはを抱えて外まで向かう、というのも考えたが、魔帝が力を失っても他の悪魔が消えるわけではない。
時間制限もあるし、残された悪魔がダンテとなのはを崩壊の巻き添えにせんとばかりに襲い掛かってくるのも目に見えている。そんな中、なのはを抱えて突っ走るのはさすがに無謀だ。
ダンテは唇を噛み切ると、相変わらず起きる気配のないなのはのそれに躊躇なく重ねた。
「……ン」
「あ……」
ダンテの血がなのはの口に流れ込む。意識が消えていたなのはだが、ダンテの血が無理矢理流し込まれた瞬間――
「!!!!」
ビクン! と大きく体が跳ねた。強引に流し込まれたダンテの魔力が体内を蹂躙している。
だが、それも一瞬。周囲に霧散した魔力をも自身の魔力に変換できるなのはにとって、人の魔力を自身の魔力に変換するのは容易い。無意識ながら体が勝手にそれを行い、体に僅かだが力が戻る。
「……よぉ、寝覚めの気分はどうだ?」
「……最悪です」
僅かに開いた目から見えるのはダンテのアップ。なのはは今の心境をなんの躊躇いもなく口にした。
それを聞いたダンテは、ようやく調子が戻ってきたとばかりに笑い出す。
「ハハハハ、ソイツは結構。寝るのは布団まで我慢しな」
「……終わったんですよね?」
「まだだ」
「え」
「先生に教わらなかったか? 遠足は帰るまでが遠足だ。そら、とっとと行くぜ!」
地震が徐々に激しくなってきている。この場所も、今まで通ってきた場所も、いつまでもっているかなど分かったものではない。
ジャックポット! 支援
9
なのはもまた、何となく起ころうとしていることを理解し、そして慌てて飛び上がる。
「ダッシュだ! しっかりついて来いよ!!」
「ダンテさんこそ! 転んでも待ちませんからね!!」
不敵な笑みを浮かべ、ダンテとなのはが全力で駆け出した。
大地を揺るがす爆炎が、周囲一体を真っ赤に染める。地球から程よく離れた無人世界の一つに魔界の門を空間ごと転移させたのは良かったが、後から後から際限なく溢れ出る悪魔を食い止めるにはアースラの乗組員だけではあまりにも人手が足りなかった。
「はぁ、はぁ……」
フェイトは荒い息をしながら、バルディッシュを強く握りなおす。リンディの機転により、門を無人世界に移してから一日。
休むまもなく増え続ける悪魔をひたすら狩り続けていたのだ。体力も魔力も既に限界を突破している。
それでも、なのはが出てくるまで、最悪の手段をとるわけには行かない。既にアースラの横で待機している巨大戦艦、それに装備されたアルカンシェルが、門を世界ごと吹き飛ばす準備を終えている。
フェイトたちが抑えきれないと分かったら、なのはたちを犠牲にしてでも門を消滅させるということだ。この世界が魔界になり、そして周囲の世界へ悪魔が飛んでいくのを看過するするわけにはいかないのだ。
「なのは……」
「フェイト、後ろだ!!」
「!!」
朦朧とする意識の中、親友の無事を祈る心だけが支える体。さすがに、そろそろアースラに戻って回復したほうがいいかもしれない。このままでは、いつ倒れるか分からない。
そんな状態のフェイトに、聞き慣れた声で突如叫ばれた己の名前。振り返ると、切り捨てたはずの死神が、フェイトに向かって鎌を振り下ろそうとしていた。
「あ……」
その奥に、必死の形相で助けようとこちらに向かうクロノが見える。でも、ちょっと間に合わないな……なんて他人事のように感じながら、フェイトは鎌の切っ先を眺めることしか出来ず―――
「Divine buster Ceruberus」
第三の声とともに迸った白光が、死神を一撃で氷漬けにし、それだけでは飽き足らないとばかりに凍ったまま粉々に吹き飛ばす。
続いて聞こえてきたのは、ここを戦場だと思っていないかのような暢気な会話。
「随分違う場所に出たが、砂しかねーな」
「良かったじゃないですか海に落ちなくて。ダンテさん、飛べないでしょう?」
「おいおい、そーいうときは運んでくれるもんだろう?」
「イヤですよ」
「え……な、のは?」
今のフェイトを救った一撃の声、それは今まで何度も聞いた、なのはの相棒レイジングハートのもので。その後聞こえてきた会話は間違いなくなのはとダンテのもので。
フェイトはふらつく足で門のほうに向き直る。クロノもまた、見覚えのある魔法に周囲の状況も忘れて門の方を見る。
「なの……は?」
歩いてくるのは二人の影。そのうちの一方は自分の親友であり、待ち焦がれていた人物であるはずなのに、フェイトはすぐにそれをなのはだと断定できなかった。
10(終)
「What's wrong? フェイトちゃん。まるでお墓から出てきた死人でも見るような顔だよ?」
「そりゃ違うぜなのは。俺らを向かえるパーティの準備が終わんなかったから、せめて笑わしてやろうとあんな面白い顔してるのさ」
「あー成る程。それじゃあしょうがないか」
完全に周囲を気にしていない会話。周囲を覆う悪魔の群を一顧だにせず、二人は悠然と歩を進める。そんな二人が徐々に近付くにつれ、その凄まじい姿が露になる。
ダンテは、素晴らしい銀髪を半分以上血に染め、さらに頭から血を流している。頭から流れ出る血が顔を半分覆っており、さながらピエロだ。
真っ赤なコートは、元々赤かったのか血で染まったのか分からないぐらい血で染め上げられており、さらにところどころ開いた穴からはどう見ても致命傷というほどの傷跡が覗いている。
なのはもまたダンテに負けず劣らず凄まじい様相であり、頭から流れた血が顔を伝い、唇からさらに一筋、そして頬にも裂傷と流血が見て取れる。
可愛らしかったバリアジャケットはその殆どが消し飛んでおり、僅かに残ったそれも血で赤く染まり、さらに焦げ跡や斬られた跡が見える。
体がむき出しの部分にも無数の裂傷が刻まれ、白い肌を毒々しい赤が這っている。
だが、フェイトやクロノは二人の凄まじい様相よりも、何よりもその佇まいに目を奪われていた。
リベリオンとレイジングハート、自身の得物を肩に担ぎ、浮かべる笑顔は今まで見たことも無いほど大胆で、不敵で、そして凶悪に歪んでいた。悪魔も泣き出す、そんな表現がぴったりの凄惨な笑顔だ。
「ところでダンテさん、私、さっきのでスッカラカンなんですけど」
「ハハハ、そーいう時のためのコイツさ。片方使うといい」
「そうさせてもらいます」
戦闘の衝撃で高台になった砂地を歩くなのは。その隣、逆に窪んだところを歩くダンテ。上手い具合に身長差が消え、ちょうど二人の頭が同じぐらいの位置にある。
「それよりなのは、キメ台詞は覚えてるか?」
「あの品のないキメ台詞ですよね? 覚えてますよ。非常に残念ながら、ね」
「ソイツは結構。オーディエンスに見せ付けてやろうぜ」
自分たちを見る奇異と畏怖の視線はまるで意に介さず、ダンテとなのはは笑みを更に歪めて立ち止まり―――
「!! なのは、うし」
門から、とてつもない殺気が吹き上がる。ワンテンポ遅れて飛び出してきた、巨大な”何かが”ダンテとなのは目掛けて一直線に飛び掛るのを見て、フェイトは思わず声を張り上げかけて。
それよりも早く、ダンテがホルダーに収めていた拳銃を一挺ずつ抜き放った二人が背中合わせに最後のポーズを決め、飛び出してきた半身すらないムンドゥスに止めの銃弾を叩き込んだ。
「「Jack pot!!」」
投下完了! 大量の支援、本当にありがとうございます。最大級の感謝を捧げます
そして皆様、約半月もの間拙作にお付き合い頂き誠にありがとうございました
以上をもちまして『Lyrical Magical Stylish』を完結とさせていただきます
やりたいことをひたすら詰め込んだ最終話、少しでも熱血していただけたなら幸いです
色々暴露トークとかも考えたんですけど、余り長くなるのもあれなので一つだけ
時々言われていた続編についてですが、今のところ何も考えていません。エピローグに関しても同様です
新作か、続編か、LMSの番外編か、どうなるかは分かりませんが、いずれまた何かしらの作品をここに投下できたらいいなと考えています
いつになるかはちょっと分かりませんけど
それでは、また
GJっした!
すっかりなのはさんが感化されて…。いや大好きですけどねw
エピローグが今の所予定されていないのが残念でなりませんが――
LMS先生の次回作にこうご期待!
GJ いかん。悪魔に混じってオレもダァァァンンンテェェェェと
恨みの篭った呼び声をしてしまいそう。
なのはさんになんということを。何はともあれ乙でした。続きまってます。
このままA'sに続いたらゲボ子一話から涙目w
>>654 まさにGOD JOB!
実にスタイリッシュな最終回でした!
ダンテ復活シーンで脳内から「d.m.c」が流れ出し、最後の最後に見せた魔人化にビックリ。
そしてラストの決め台詞でシメ! これで燃えずに何で燃えるか!
最後に、連載お疲れ様でした!
ああ、そうか。今あれなんだ、スタッフロール中のバトルシーンなんだ。
湧き出てくるスケアクロウ100体倒さないとエンディング見れない使用。
ダンテ&なのは+時空管理局の皆さんにがんばってほしい所。
>>659 湧き出てくる管理局員100体を二人が倒すなんて想像してしまいました。
661 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/22(土) 15:31:00 ID:uTPDIyTq
GJしかしこれAsに続いたら ヴィータ一戦目に捕縛されて終了だぞw
しかしなのはやダンテの場合血を被って 服が赤くなってもブラディマリーのようにパワーアップはしないかw
おお、GJ!!です。お疲れ様でしたー。
ところで今投下OKでしょうか?
オヤジキャラ(地味なオリ)注意です。
おk。支援します
HAHAHAHA!若干下品なオヤジと強い『ゆりかご』注意。
魔法少女リリカルなのは 闇の王女 第三章後編
意識を持っていかれそうになるほどの暗さ。
その暗黒に――XV級次元航行艦『クーガー』艦長である男――マーティンは思わず魅入られそうになっていた。
しわの刻まれた顔の、顎鬚を指でさする。
まったく――宇宙に出るとすぐこれだ。
一瞬任務を忘れかけるほどに、ミッドチルダ衛星軌道上から見る光景は美しかった。
青く輝く、人々の住まう大地。
(我々が――守るべき場所だ)
地上で帰りを待つ妻子にも一度実際に見せてやりたいな、と思いながら指示を出していく。
XV級『クーガー』ブリッジ。時空管理局の最新鋭艦に相応しい整理された艦橋で、マーティンは最も地位の高い男だった。
部下に現状を問う。
「所属不明艦の動きはどうだ」
「依然として上昇を続けています。あの図体でたいした加速です。このままだと――」
「あと少しで衛星軌道に乗ってくる、か」
馬鹿げた話だ。全長数キロメートルの艦船が大気圏内を高速で上昇する、などというのは――。
しかも探知機のデータによれば、AMFまで船の周囲から観測されていた。
まるで魔導師との戦闘に備えているかのような、化け物じみた異形の船。
あれが軌道上に上がれば――搭載している兵装によっては、ミッドチルダ全土が爆撃の射程に入る――というのが、観測班及び本局解析班の共通見解だった。
ましてや、相手は並みの艦船ではないのだ。
ありえぬほどの巨体に――どれだけの災厄が積まれているのか、想像したくもない。
いや。
(最悪を想像するのが、我々の仕事か)
所属不明艦――アンノウンには、旧暦時代に用いられた非魔導兵器――『質量兵器』が搭載されている可能性があった。
幾つもの都市を、文明の痕跡へと変えた怪物達。
この星を丸ごとたいらげに来たのか。
〈なんとしてでも防がなければ〉
それが、XV級三隻とL級改装型――早期警戒を目的とした船だ――二隻からなる艦隊の総意であり、決意だった。
艦隊司令として――マーティンは全ての艦に命令を下していた。
不明艦が衛星軌道に入る前に全力でこれを撃沈せよ、と。
魔導兵器アルカンシェルの装備は結局認められなかったものの――急速上昇中の船ならば付け入る隙はいくらでもある筈だった。
今、艦隊の砲門はすべて所属不明艦に向けられ、充填されたエネルギーの解放を今か今かと待ち望んでいた。
そしてついに――そのときがやってきた。
『クーガー』観測班からの報告。
「目標、攻撃ポイントに到達。どうしますか――艦長」
攻撃する場合、これは独断専攻ということになり、命令を下した人間には重罪がのしかかることになるだろう。そのことを見越しての、気遣いだった。
マーティンは顎鬚をさすりながら、ゆっくりと、ブリッジの全員によく聞こえるように命じた。
まるで、それが己一人の意思だと言わんばかりに。
心中で、妻と子に謝る。
(すまんな、駄目な親父で)
「艦隊司令として命ずる。アンノウンに向け、全艦攻撃を開始せよ。なおこの命令の責任の所在は、全て私に有るものとするッ!!」
緊急通信。本局からのものだ。聞かれていたのか、と嫌な気分になる。最初から首輪付きだったというわけか。
ご執心な老人どもだ。
『こちら本局司令部!『クーガー』何を言っている?ただちに命令を撤回せよ!そんな命令は出ていないッ!!』
にやり、と笑って答えてやる。
政治屋でもあるまいし、一度言ったことを翻せるかよ、と毒づきながら、
「でしょうな。私がたった今下した命令ですから」
モニター越しに相手が怒るのが手に取るようにわかった。おおかた蛸みたいに真っ赤になっているのだろう。
『マーティン、お前は今命令違反を犯しているのだぞ!わかっているのかッ!」
「わかっていますとも。私が管理局に入ったのはこういうときに対処するためです。断じて――貴方達の勢力争いの道具にされる為などではない」
『―――事が!露見すればお前も私も無事では済まんのだぞ!貴様が……」
モニターの向こうで支離滅裂なことを喚き始めた。
俺じゃなくて連中が相手だったら、もっと無事では済まないだろうよ。今働かなくて何時働くんだ、間抜け。
時空管理局――それも主に『海』の管轄では、この上なく醜い政争が行われていた。
管理局全体を統括する最高評議会と『海』で絶大な権力を持つ3提督の間での権力闘争だ。
どちらが次代の管理局の統括者となるか――。一見すれば、保守派と革新派の対峙のように思えるが、実態は異なった。
所詮どちらも同じ穴の狢――権力保持に必死な老人達と、暗殺や違法魔導師の登用による勢力拡大を狙う狡猾な狸たちの戦だ。
黒い噂の絶えぬ両者の対決の余波は、『海』にも及んでいた。
組織に属する者に絶えず降りかかる問題――『どちら』につくのか、という問題だ――は、当然マーティンにも降りかかってきていたが、今日までこの男はその問題に対して
無言を貫き通してきた。
知ったことか、というのがマーティンの正直な気持ちだ。
どちらも 糞ったれである。
尻の糞は自分で舐めとれ、そういうことは他所でやれ、というのがこの男の本音である。
ある意味、マーティンが艦長の地位にあり続けたのはかなり奇跡的なことだった。
そのお陰でアンノウンの最前線での監視、などという貧乏くじを引かされたのかもしれないが。
部下にはいい迷惑だったかもな、と思う。
だが、今この状況は、とても見過ごせるものではなかった。
人々が――妻と子が暮らす地上に、異形の船の砲門が向けられる事態だけは――なんとしても避けたかった。
それにしても五月蝿いな。
「通信を切れ」
『貴様ッ!―――』
沈黙。五月蝿い馬鹿の声はようやく収まった。
「艦長、全艦、主砲の装填及び照準完了しました。何時でも発射可能です」
オペレーターからの報告。自動化の進んだ管理局の艦船の中でも、最新鋭艦たるXV級の主砲の命中精度は高く、信頼に値するものだ。
つまり、外すことなどありえない。
あれだけの巨体だ。一撃では沈められないだろう。だが、ありったけの砲をぶち込めば、どんな艦船だろうと撃沈できる。
マーティンは大声を張り上げた。
「敵のフィールド系防御術式に注意しろッ!何時もより出力を上げておけよ――――」
すう、と息を吸い込み、
「―――撃て!!」
「了解!全艦、砲発射!!」
支援支援!
この作品の渋さ度は異常だ! 支援w
なんと言う灼熱の提督だw 支援
支援
魔力集束――駆動炉から送りこまれたエネルギーが、一瞬で同時展開された無数の魔方陣によって加速し、じりじりと音を立てて砲撃へと昇華していく。
刹那、五隻の次元航行艦から合計15本の魔力の奔流が発射された。
大気中の魔力素を巻き込みながら、減衰することなく砲撃はアンノウンに突き刺さらんとする。
真っ直ぐにアンノウンに向け奔る光の柱が、アンノウンの防御術式――ドーム状に船体を覆い尽くす不可視の壁だ――にぶち当たり閃光を放った。
空間が湾曲し、ねじれ、集束した魔力を散らさんと防御術式が唸りをあげて、光り輝いた。
『クーガー』のブリッジにL級からの観測データが転送されてくる。
「第一射、突破できそうにありません!」
「第二射、撃てぇぇッ!!」
更なる砲撃。高出力の砲撃を、ようやく散らし終えようとしていたアンノウンの防御術式に、二回目の砲撃が襲い掛かった。
突如として加えられた負荷に―――防御術式の一部に限界がきた。
アンノウン――『聖王の揺り篭』には本来ありとあらゆるロストテクノロジーがつぎ込まれており、如何に時空管理局の最新鋭艦といえど敵うものではなかった。
しかし。
『聖王の揺り篭』は衛星軌道上での運用を目的とした艦船であり、防御や攻撃の為に掛かる膨大なエネルギーを、
月の魔力――無尽蔵のエネルギーである――に頼った船だった。
つまり、衛星軌道上につくまでは、十分とはいえない自前の駆動炉の魔力で運用するしかないのだ。
その結果、豊富な武装――いずれも地上を焼き尽くせる兵装――はそのほとんどが使用出来ないという状況に陥っていた。
防御術式もまた、十分な性能を発揮できずに、砲撃にさらされることとなったのである。
ぴしり、と。
音を立てるようにして、不可視の壁に亀裂がはしり――大きな穴が、開いた。
その穴に吸い込まれる魔力の奔流。着弾。巨大な要塞が、震えた。
砕け散る装甲――全体の面積からすれば、小さなものだが、確かに砲撃は効いていた。
「やりましたッ!砲撃、敵艦に着弾。第三射、いけます」
報告の、直後だった。
レーダーから――僚艦のL級二隻の姿が消えたのは。
悲鳴のような声があがる。
「僚艦、『アーサー』、『ハインライン』の反応消えました!これは――敵からの攻撃?!」
「敵の攻撃は何だ!質量兵器か?」
青ざめた顔でオペレーターが答えた。
「不明……です……。あ、いえ、計測機器に次元震の一種が観測されました。これは――次元跳躍攻撃ですッ!!」
「何!糞ったれ、全艦回避行動!空間座標を敵に予測させるなッ!一斉射の後、退避行動に移れ、いいな!!」
マーティンは心の中で神様を罵った。
何のつもりでこんなもん用意したんだ、畜生。
どうなる親父支援
支援!
原作のゆりかごもこれぐらいだったら盛り上がったぜw
このとき、『クーガー』指揮下の艦隊にとって不運だったのは、『聖王の揺り篭』が既にある程度月の魔力のフィードバックを受けていたことだった。
勿論、本格的な稼動には足らない微々たるものである。
その為に、防御フィールドの強度すら満足に保てない状況だったのだが――艦隊の砲撃着弾の時点で、数射の次元跳躍攻撃には十分すぎる量の魔力が蓄えられていた。
発動した次元跳躍攻撃において最も恐ろしいのは、空間座標さえわかればどんな場所にでも攻撃が撃ち込める点である。
戦艦は通常、何らかの形で敵からの攻撃に対して防御手段を取る。
それが、分厚い装甲や機動性であったり、対空防御や防御フィールドだ。
だが、これらが無効化されるとしたら――どんな船も攻撃に耐えることなどできない。
L級次元航行艦、『アーサー』と『ハインライン』を襲った砲撃は機関部に転移し炸裂、一撃で駆動炉を葬り去り、両艦を消し飛ばしたのだ。
聖王の揺り篭内部で発射された直後に、次元跳躍により目標の空間座標で炸裂する弾頭――それが、感知不可能な攻撃の正体。
防御方法のない最強の精密砲撃の前に、今、艦隊の命運は風前の灯火だった。
ぐん、と『クーガー』が加速する。高速で移動することで、敵に空間座標を予測されない為だ。
残った僚艦――XV級二隻も『クーガー』を追って前進。
目指すは、敵の防御の穴。そこに向け、砲撃を加え、敵を揺さぶったうえで逃走する――それが、マーティンの立てた作戦だった。
左舷を映すモニターの向こうで、空間が歪んだ。
「来るぞ!右に切れッ!」
急いで舵を切らせる。
大きく傾く船体――手すりに掴まって呻いた。
爆発。
巨大な火球が『クーガー』左舷すれすれで発生し、その装甲を焦がした。こちらの防御フィールドも無視というわけかよ、と毒づく。
「照準、主砲、副砲エネルギー充填完了しましたッ!」
「発射後、転移魔法により次元の海まで退避する、撃てぇッ!!」
再度の砲撃――9本の光の柱がアンノウンに突き刺さり、先ほどの砲撃で大きく抉れた装甲を穿ち、突き崩した。
黒煙が上がる。
「よし、全艦退避―――」
命令を下しかけたとき、右舷僚艦であるXV級の、上半分が綺麗に消し飛んでいた。
数瞬後、機関部を中心に爆散する。
「糞がッ!!」
マーティンが咆哮するのと同時に、二隻のXV級は次元の海にジャンプしていた。
後に残るのは――衛星軌道目掛けて上昇する一隻の方舟。
――――『聖王の揺り篭』本格起動まで、あと僅か――――。
リンディさんの如くディストーションシールドを張るんだ!
支援
支援じゃあ!
左舷、弾幕薄いよなにやってんの!!
まだだ、まだ終わらんよ支援
以上になります。今回は作者の趣味炸裂です。
オヤジ(オリ)ことマーティンさんはクリス・ライアンの小説読んだ後に書いたためにこんな人に。
イギリス人のジョークとドイツ人の悪態という悪癖持ちのミッド人です。
今後登場するかは不明。
皆様、支援ありがとうございました。
感想等よろしくお願いします。
GJ!
何だか今日は盛り上がった展開のSSばかりで、その中で自分のSSだけはのほほんとしてて、嫉妬orz
しかし、マーティン提督で乗艦がクーガー……
……スクライド?
>>677 GJ!
まったくオヤジキャラを書かせたら最高ですねw
大規模な艦隊戦に次回も期待しまくりです!
……い、一応黒なのはも期待してますよ?(馬鹿はオヤジキャラが好きだった)
そして、クリス・ライアンの小説は本屋で探したら見つからなくて orz
あとすみませんが、恐ろしいことにエンドライン及びビスケットシューターが半分近く書きあがったので、
今夜の9時頃にでもどちらかを投下出来ると思います。
その時間に投下予約をしている方はいらっしゃるでしょうか?
灼熱の親父にはぜひともまた登場してもらいたいなぁ
提督ということでクロノと知り合いでも不思議じゃないし
GJです
最新鋭のXV級を衛星軌道に到達する前に叩き落す揺り篭をなのははどう叩くんだろうか
>>678 いや、反目さん(ですよね?)のも面白かったですよー。
ほのぼの書きたいなあ・・・。
あとモトネタはお察しの通り。
戦艦の名前はSF作家からです。
>>679 ええい、オヤジ以外も書かせろーい(音速丸化)
黒い人も頑張ります。
>本屋で探したら見つからなくて
むう、それは残念。色々と泥臭くて素敵ですよー、あれ。書いてるの元SAS隊員ですし。
>>680 >灼熱の親父
格好いいフレーズセンキュー!です。クロノについて言及させようかとも思ったんですが、尺の都合上今回は無理でした。
なのはさんは――ほら、ブラスt(以下略)
歩くロストロギアですから、フフフ。
GJ!!です。
評議会と三提督の権力争いが海でやっているというのが今回で分かりましたが。
こいつら、なのはとスカ博士の因縁に決着が付いたら、なのはかスカ博士どっちが勝利したとしても
始末されそうだw
なのはだったら三提督をキシリアを殺すシャアみたいな殺し方をしそうなイメージがある。
かっこいい親父イイ!GJ!!
帰って来たぞタコ野郎ー!と発射口に突っ込む親父かと思いましたがww
遅くなりましたが、皆様感想ありがとうございます
>>655 感化されたのは表面だけで、なのはの根底にあるものは変えていない、つもりですw
なのはの無印〜A’sの熱血っぷりは異常w
>>656 なのは「寝てたからノーカン」
だそうです
>>657 661
ヴィータが勝てるビジョンが見えないのが続編考えてない一番の理由ですw
そこさえ何とかすれば……
>>658 LMSはマキシマム・ザ・ホルモンとシャムシェイドとDevils never Cryとd.m.cで構成されています
イメージソングはホルモンの絶望ビリー
>>659-660 続編をどうするか決めてから、それに矛盾しないようにエピローグは書くつもりでいます
どっちも内容はまだ何も考えてないですけど
>>ゲッター昴氏
ありがとうございます
ゲッターも闇の王女も楽しみにしています
>>684 つヴィータが“勝つ”必要性は無い。だが、“負ける”のはA'Sが終わってしまう。
>>682 ろくな死に方しそうにない人達ですよね。TV本編より5万倍くらい真っ黒ですし。
>>683 それは死亡フラグ!いや、大好きですが。
>>684 完結、おめでとうございます。ノリノリでいいですねー、ダンテは。
>ゲッターも
げおぷ(吐血)
竜馬とドゥーエのラブ成分書かないとなあ。あとネオゲも。
>>681 うう……ありがとごぜます……
ついでに
>>684に便乗。
当方のリリカル殺生丸の成分は「犬夜叉」の劇中BGMの割合が100%。神曲が多いのです、ハイ。
ちなみに、反目のスバルは「Pray(なのは)」、「God knows...(ハルヒ)」、「Revolution(龍騎)」、「語りつぐこと(血+)」。
……あれ? これなんてラブコメ小説?
>>686 >竜馬とドゥーエのラブ成分
とな?めっさ期待させていただきます!
ぬ。
反応がないということは……お呼びではないということですね?!
投下はまた次の機会にします。
最近の書きすぎ、投下しすぎのペースは少し自重します。すみませんでした。
そして、
>>688 竜馬とドゥーエにはめっさ期待していますw
頑張ってください!
>>689 ってまてこらー!
呼んでるって、ここで!!プリィィィーズ!!HB成分!!!
あと…変則カップル……始まるよ?!(予告)
否否。
高クオリティハイペースは諸手を挙げて歓迎ですが。
投下予約はなかった――筈。存分にやっちゃってくださいな。
あ、了解です。
うー、それならば全力で肯定するのが勤めですね。
一応十時に予約しておきます。
推敲も兼ねたいので。
これを書き終わったらノーヴェが出せるー!(馬鹿はシャウトした)
>>677 GJ!
名無しでオヤジキャラっていいもんですよね〜。
夢境学園氏の予約までまだ間があるっぽいし予約してる人が居なければ今から
リリグナー投下して構わないっすか?
また例によってゲストな方々が登場しますぜ!。
支援します!
つまりOKです!!
「覚悟してもらうぞドラグナー!」
ゲルフのパイロットのカール・ゲイナーが気勢を挙げる。
「ケーン…。」
「ハッ…リンダちゃんか?くっ…。」
甲板の端にリンダが居る事を悟ったケーンが唇を噛んだ。
そしてその一瞬の隙にダインを従えてカールのゲルフとそれに続くダインがD1に斬りかかる!
その頃…
「よーし、そのまま動くな。その武器らしい物を捨てろ!」
ダンがいつもの冷静な彼とは違った調子でなのはに怒鳴った。
今まで彼が相手にしてきたのはいずれも彼より年上の男ばかりで
こんなうら若き女性を相手にした事なんかなかったのだ。
正直彼は焦っていた。といよりも緊張していた。
対照的に巨人の如きゲルフにハンドレールガンをつきつけられてなおなのはは焦ってはいなかった。
彼女には策があったのだ。
「…あのさあ、あなたいくつ?」
「うっ…?19だが…。」
無線を通じてのいきなりの問いかけに戸惑いつつ答えるダン。
「そうなんだ。じゃあ同い年だ。」
「あっ…ああ…どうも…。って…。違うだろうが!キサマそれでも兵士なのか?て…敵と馴れ合うなどと!」
にこやかな返答に顔を熱くして怒鳴るダン。何故自分はこうもこの訳の判らん女性を
前にして動揺しているのだろうか?彼自身は全く訳がわからなかった。
「私は戦う事はあっても兵士じゃないから…でも一つだけ君に教えてあげるね?」
「な、何…?。」
「メタルアーマーの事はよく知らないけど戦ってる最中は辺り一面すべてに気を配るのが鉄則って事!」
なのはの声とともに…
≪Axel Shooter≫
「うわあっ…メインカメラが!」
ゲルフのメインカメラである赤いゴーグル状の部位をアクセルシューターの弾丸によって破壊された!
なのははわざとダンの動揺を狙ってわざとフレンドリーに接し、その隙にあらかじめ生成しておいたアクセルシューターを
忍ばしておき、これをもって一撃を入れたと言うわけだ。
もっともこれがダンのような新米でしかも思春期抜けきっていない兵士でなかったとしたら通用しなかったのだろうが。
さて、その頃…。
「う…よくも私の愛機の腕を…!糞っ…ウェルナー、ダン。撤退するぞ!」
2対1にも関わらずケーンのD1との斬り合いに競り負け、乗機であるゲルフの右腕を失うはめに陥ったカールが尻に帆かけて撤退していく。
だが…
「クッ…プラクティーズだかなんだか知らないが所詮この程度の肝っ玉か。
わたしは逃げんぞ!突撃戦功賞を今度こそっ!」
ゲルフとともにD1と相対したダインのパイロットは逃げようとはしなかった。幸い乗機はほぼ
ノーダメージだし彼はギガノスと地球連合軍が開戦を始めたころから
メタルアーマーに搭乗していた古参兵である。D1と彼のダインでは性能の面から言っても
かなり不利だがどうしても譲れないものがあった。
「えい…くそっ…。」
視界の隅にとらえられたリンダをちらと確認しつつ愛機のD1にレーザーサーベルを構えさせる。
D1はダインより性能はかなり上だがレーザーサーベルは直撃すればそれで終いだ。
しかももしD1がダインを撃破したとしてその際ダインの融合炉を破損してしまえば機体の爆発に巻き込まれてリンダ達
はひとたまりもなく蒸発してしまう。
激しいスパークとともにメタルアーマー同士の熾烈な鍔迫り合いがディードの目に映った。
レーザーサーベルがぶつかり合って生まれる
激しい電磁波の嵐と熱によってそれらの数値を計測して視界に映し出す機構がバグを起こし、デタラメな数値を表示している。
「じ、次元が違う…。」
セインがぽつりと呟いた。
さらなる剣戟。微妙にD1の方が動きの機敏さで勝っている。
競り負けたダインが弾き飛ばされ、一瞬態勢を崩した。
…一瞬だった。ダインの胸部中心より少し左に寄った辺り、ドラム缶を
横にしたような形状のコクピットを一寸と外さず
D1のレーザーソードが貫いていた。装甲が融解し、スパークを起こしている。
轟音とともに甲板を揺らして倒れ伏し、動かなくなるダイン。
「…リンダを放せ!放すんだ!」
それを確認するとズシズシとディード達に近寄ってレールガンを突きつけるD1。
「ああ…あはは…。」
セインとウェンディは尻餅を付いて引き攣った笑いを見せ
オットーはリンダから手を放すと両手を頭の後ろで組み、ディードを促してツインブレイズを捨てさせた。
この時残りのメンバーは既に捕まっており、かくしてナンバーズはお縄に付く事になったのだった。
そしてこのとき既に兵力の大半を喪失していたギガノス軍も撤退していく。
支援
その頃…彼らが戦っていた海鳴から百数十キロほどはなれた日本空軍・百里基地。
関東の守りの要であるこの基地も、今やギガノスの猛攻を受けて壊滅状態となっていた。その一角…。
「…この基地は今や兵の大半は斃死してしまい、稼動できる戦闘機はほぼ無く、まさに風前の灯火である。
それでも一部残った兵士達が先ほども僅かに残った滑走路から機体を発進させていく。今攻撃があったのなら確実に我々の命は無いだろう。
…全くこんな事になるのなら取材をする前に遺書でも書いておくんだった。奇しくも私と同じ名前だった
祖父もこんな思いをしていたのだろうか?…。」
年のころ30代ほどなのだろうが実際それよりも老けて見える男性…「アルベール・ジュネット」がパソコンのキーボードを叩いている。
不意にカン高いジェットエンジンの音が響いてきた。
振り返ると3人の兵士…まだあどけなさが残ってはいるがいかにも気が荒そうな若い兵士が2人「シン・クリプト」と「リョウ・ルーツ」。
そして髪を青を基調に左目の上辺りだけ黄色という
ド派手な色に塗り分けた傍らの2人の兵士よりもさらに幼い女兵士「アリサ・ウォーカー」が
空を睨んでいる。3人とも体の各部に包帯を巻いており、
顔も疲労と緊張の色が濃い。不意に彼らの視界に黒い影が映った。
「帰ってきたぜルーツ!……シット!一機しか居ねえぞ!四機出撃して一機だけしか戻ってこないなんてよぉ…。」
クリプトが双眼鏡を降ろすとルーツに怒鳴る。
「………!!…ロッシェ様…うっ…うっ…。」
それを聞いた瞬間アリサがしゃくり上げ始めた。
「…てことは生き残ったのは誰だ?日本空軍か?」
それを横目で鬱陶しそうに睨むとリョウがシンに問いかける。
「待てよ…ありゃシルフだ…元々この基地に居た日本空軍の奴らはこれで全滅かよ…
喜びな嬢ちゃん!愛しのロッシェ中尉は無事だぜ!」
「判ったらメソメソすんじゃねー!耳障りなんだよ!あのキザヤローになんかある度にメソメソピーピーと喚きやがって!」
リョウがアリサを怒鳴りつけるのとほぼ同時に、滑走路に流線型の形状にカナートが
特徴的なFFR-31型戦闘機…「シルフィード」が着陸した。
キャノピーが開きパイロットスーツに身を包み、昆虫の頭のような形状のヘルメットを抱えた金髪の男性が滑走路に降り立つ。
「…ブルム、グラーツに続き優秀な日本のサムライを三人も喪い、また私だけが
生き残ってしまうとは…これでは彼らに対して顔向けできんな…」
その男性…「ロッシェ・ナトゥーノ」は散っていった同僚達を思いつつ、悔しげに言った。程なくしてルーツ達の居る部屋にやってきた
ロッシェにルーツが無言でスナックバーを投げ渡す。
「ロッシェ様!…お怪我は…?」
「とりあえず私は無事だよアリサ。この通り…全身ジーズルズ(激しい機動によってGがかかり、
血管が破れて内出血を起こすためにできる痣のようなもの)だらけになってしまったがね。」
支援、
スカ博士無謀だよ、所詮人間に機械仕込んだ程度の物で
音速に近い速度で飛び回り、ミサイルやレールガンを撃ちまくる兵器を壊してこいって。
「自分は心配で…気が気がではありませんでした。」
「…ア、アリサ。皆が観ている。私の身を案じてくれるのは嬉しいが…。」
「ヒュー…。」
頬を赤らめてそんな台詞を吐くアリサと照れるロッシェを冷やかすクリプト。
その時、彼らの居る部屋にどやどやと兵隊達が入ってきた。
士官と思われる女性…「カティー・マネキン」大佐と「ルクレツィア・ノイン」大尉。そして男性が2人ずつ。
1人はマネキン大佐に寄り添うように歩いているまだ若い…といってもケガをしていて疲労が濃いせいで
老けて見えるが…「パトリック・コーラサワー」少尉。
そしてノイン大尉にすまなそうによくない報せを持ってきた「ユジーン・ソラーノ」曹長。
何れもこの基地にもとから居た日本空軍の兵士ではない。
「やはり三沢との連絡は付かないか…。」
「はい、それだけではなく座間とも横田とも連絡がとれません。申し訳ありませんノイン准佐。」
「お前が悪い訳ではないだろう。」
ノインが項垂れるソラーノを励ますように言った。
この基地に居る二十人にも満たない生き残りのうち十人余りが日本軍の兵士、そしてここに居る
ルーツとクリプトがスペース・コロニーから、ソラーノがオーレリアから、マネキン、ノイン、コーラサワー、アリサ、メッシェが
ヨーロッパから転属してきた兵士である。ジュネットはジャーナリストだが日本人でもなければ日系人でもない。
「ナトゥーノ中尉…。一緒に出撃したフジワラ空尉達は残念だったな…だがよく戻った。」
労いの声をかけるマネキンだったが…
「これで出撃できるのはシルフが一機と日本軍のF/A27が二機だけになっちまった訳だ!ケッ…もう御仕舞いだぜ。」
あてつけのようにルーツがわざとらしくでかい声で茶々を入れた。
「大体メカのパワーが違うのよ。戦闘機じゃ話になんないって。こっちにも
メタルアーマーがありゃあちょっとは格好付くんだろうけど。」
クリプトも相槌を入れる。
「ルーツ少尉!クリプト中尉!場を弁えろ!」
「へーへー。上官の命令は絶対ですからなあ…ノイン大尉殿。」
怒鳴るノイン大尉だったがクリプトはともかくルーツはまともに聞き入れようとしていない。
ゲー!G−UNITなんとマイナー支援
この2人は基本的にプライドが高く他の軍区出身の者を
見下す傾向があるヨーロッパのエリート集団「OZ」から派遣されてきた軍人が
もともと嫌いであった。従ってここから派遣されてきた
メッシェとノイン(マネキンとコーラサワーは別の派閥出身)も快く思っていないというわけである。
しかし、ノイン大尉に限って言えば他の軍区出身のものに尊大に振舞うなんて事は無い。では何故ここまで反抗的なのかというと
やはりノイン大尉が女性でしかも自分達よりも年下であるという事が大きいのだろう。既に戦死してしまった彼らのかつての上官
「ストール・マニングス」大尉がまさに歴戦の勇士とも言うべきいかつい軍人であった事も拍車をかけていた。
「もう指揮系統なんかめちゃくちゃになってんのに今更格好付けてどうなるんだよッ!大体なぁ、俺は手に職付けるため
だけに軍に入ったんだよ!そうでもしねえと俺みたいなのはクズ扱いだからな…。
それがどうだ。こんな分の悪い戦いに放り込まれるなんて思いもしなかったぜ。
言っとくけど俺はこのまま基地捨てるような事になっても
ゲリラをやらされるのは御免だからよ!」
「いい加減にしろルーツ中尉!グリソム少尉とオルドリン少尉を喪って気が立っているのは判る。
だが貴様はトラブルメーカー過ぎるぞ!」
マネキンに一喝されて渋々黙るルーツ。
「大佐…いいっすか?染みますよ?」
傍らでは喧騒も何処吹く風のコーラサワーが消毒キット片手に慎重にマネキンのケガと向き合っている。
「いいからさっさと付けろ。む…お前の方が酷い怪我をしているではないか。見せろ。」
「…こ、こんなの大した事無いっすから。」
腕を庇うコーラサワーだったがそんな彼の腕を掴むとおざなりに巻かれた包帯をほどくマネキン。
「見せろというのに!…膿みかけてるじゃないか…痛いぞ。我慢しろよ。」
「た…大佐の腕の感触がぁ……痛ッ…ぅぅぅぅぅうぅぅぅぅぅぅっ〜!」
「何だ、だらしない。ほら、シャンとしろ!」
すり傷に消毒液をぐりぐりと刷り込まれて悲鳴を挙げるコーラサワーの肩をバシっと叩くマネキン。
彼を元気付けるという意味もあったのだろう。何しろ彼はこの基地に着任して始めての戦闘で仲間を全て
喪ってしまいそれがよほど堪えたのがもとから強気で能天気だった気性は何処へやら。
見る影も無く弱気になってしまっていたのだった。
Sガンダム来ないのー?
「曹長。私に出来る事は無いのかな?」
口を開いたのはずっとだまって見ていたジュネットである。
「あなたは軍人ではないですから。別にやってもらうことは…。」
「1人でも働き手が多いほうがいいだろう?大体の機器の扱いは判るんだが。」
「では曹長と一緒に全周波無線をチェックしてもらいたい。一抹の望みということもありますから。
どこかの部隊がキャッチしてくれるかもしれない。」
ノインが言った。
その頃…
「さて…こいつらをどうしたものか。」
「死者は1人も出てないとはいえこれだけの事をやらかした訳ですからな。」
ダグラスとベンはじめ艦内の軍人が総出でナンバーズ全員が閉じ込められている独房の前に集まっていた。
「弁護士を呼べ〜。」
「あっしは無実っス〜。ここだけの話、犯人はうちらじゃなくてヤスの野郎なんス〜。」
「うっせえよ!てめーらどういう脳ミソしてるんだこのアホコンビ!」
鉄格子をガタガタと揺らすセインとウェンディをノーヴェが怒鳴りつけた。
医務室。
「…ま、軽い脳震盪といったところだろうねえ。しばらくすれば目を覚ますと思うよ。しかし…。」
ベッドには戦闘が終了する頃になって再び気を失ってしまったフェイトが寝かされている。
「このお嬢ちゃんは一体何者なのかね?着ている服は何で出来てるかも判らないし何から何まで怪しすぎるよ。まあいまさら鬼が出ようが
蛇が出ようが驚かないがね。」
軍医は脇で一人心配そうに見守るライトに訝しげにそう言うと艦長に報告すると残して医務室を出て行った。
同じ頃CICでは
「なんだよ誰もいないのか。軍艦のCICに人がいないなんてサボタージュでもあんめえし。」
部屋の入り口から中を覗くと呆れたように言うケーン。
アクアポリスのCICは負傷者の処理などに要員が駆り出されて目下のところ無人になっていた。
「おろ、無線機が動いていやがる。はい、こちらアクアポリス〜。あの〜出前ですか?」
≪繋がった…繋がったのたか?こちらは百里基地だ。救援を求む、救援を…。≫
「何?よく聞こえねーぞ?……判った。百里さんだっけか?今艦長さん呼んで来るから待っててくれよ。
あー…ブリッジっすか?ワカバ准尉であります。
えーと艦長!百里って人から電話…じゃなかった。無線が入ってきてますぜー!」
ケーンが暢気に言った。
ガンダニュウム合金製MAの登場フラグっすか支援
終了。
いや〜やらかした〜(汗
アルベール・ジュネットとユジーン・ソラーノがエースコンバットからのゲストで
ロッシェがGユニット。
リョウとクリプトがセンチネルでマネキンとコーラサワーがご存知の通り00っす。
選考基準は「ガンダムシリーズ野郎軍人VSエレガントなヨーロッパ人軍団」
エスコンと雪風はメイヴとかフェンリアとかこれからも色々機体に設定と出す予定ですが
今回のガンダムシリーズについては収拾が付かなくなるんでパイロットのみにする予定。
GJ!
てかMAのレールガンを生身?の人間に突き付けるとはwww
喰らったらミンチどころではないw
GJ!!です。
AMFと仲間との連携でSクラスの魔導師を倒すことも出来る性能を持つとされる
ナンバーズ、でもそのナンバーズでも雑魚メタルアーマーを壊すのは大変ですよね。
質量差が違うよ。メタルアーマーは数百キロのスピードで体当たりするだけで
魔導師やナンバーズ殺せるんだぜ。
スカ博士は自分の作品と能力を過信しすぎですね。
>>699 なぜスカ博士がこういう無茶な彼らしくない作戦を行わせたのかというと
元々スカ博士にしてみればメタルアーマーの登場は予測していなかった訳です。
メタルアーマーに気付いてからもしばらくは「管理外世界の玩具なんて眼中にナシ」とたかをくくって
本来メタルアーマーに関係する行動も起こすつもりは
ありませんでした。しかし管理局の「管理外世界とは不可侵」という取り決めまで無視して
ゲイズや三脳がメタルアーマーを持て囃して挙句自分を蔑ろにし始めたことに鶏冠に来て
つい無茶な行動に走ってしまったというわけです。
>>709 なるほど、逆にメタルアーマーの方が訓練すれば、誰でも扱えて便利って事を
証明してしまいましたねw
今度のスカ博士の登場時の奮闘に期待www
>>709 そんな理由ならそれはもうスカリエッティじゃない気がするな…
博士は研究欲の塊みたいな人で、そんな親の目を引きたいだけのガキみたいな行動はしないと思う。
>>711 その研究欲を満たし続ける為にも、
決定的な優位に立つまではスポンサーには外方向かれたくはないでしょうよ?
ドクターって基本的にガキっぽいしなあ
ガジェットにワザワザ自分の名前彫りこんでるし
後ナンバーズにコピーし込んだのはママから生まれたかったよー
って悲哀みたいなもんだと思う
スカは演出型犯罪者の気があるし。
>>711 スカはガキか馬鹿のどちらかだと思うが……
>>711 うーん…
でもスカさん物凄く自己顕示欲強いし今まで自分の技術に恐れ慄いていた奴らが
急に手のひら返すのは穏やかじゃないだろうなと思ったんですが。
あとはっきり言ってスカリエッティって本質的にはかなり子供では?
>>713 コピー仕込んだの教えてくれたり、生中継してくれたり妙に親切。
すみません。
十時に投下予約をしていたのですが、急な用事が入ったので取り消させていただきます。
可能であれば十二時過ぎ、最低でも明日には投下させていただきます。
楽しみにしている方がいらっしゃった場合、すみません。
そしてリリカルスクリーム氏
GJでした。
鋼の咆哮が聞こえてくるようですw 次回も楽しみにしています!
ええと、SS倉庫のリンクからやって来たんですが投下してもよろしいのでしょうか?
当方新兵なので投下のタイミングが掴めないのです
リアルタイムで支援
支援致します。
それでは九時頃に投下させて頂きます
724 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/22(土) 20:49:51 ID:ZUdVz8Mn
じゃあ俺も私怨
>LMS
これでDMCクロスが完結したのは二つ目か。アラストルのダッシュばりに早い執筆速度は見習わざる得ないw
最初から最後までハイテンションの内容でしたね。いい作品でした。
個人的にラストの切り方が良かったと思います。
余韻をぶった切ってちょっと物足りないような締め方だけど、それが洋画みたいでいい!
第一話とラストのなのはを比べたら、そりゃフェイトも戸惑うってもんですよ。今後の人生に影響与えまくりだね、今回の事件w
個人的には、折角なのはの性格を派手に出来たんだから、このままStSのストーリーへ続いても面白いと思いました。ちょうどダンテも4くらいの歳でキャラできてるし。
いずれにせよ、完結とは一つの偉業。お疲れ様でした。次回も楽しみにしてます。
みんな・・・次スレの季節ですね……
あと
>>720を全力で支援。
というか
>>720まずくないかな
あと20kbしかないんだが…
それでは、投下させて頂きます。
ACE COMBAT04 THE OPERATION LYRICAL
プロローグ
それは、誰もが手にするソラノカケラ―。
「目標破壊、目標破壊!」
背中に感じた大きな振動。振り返るまでもなかった。要塞メガリスが内部爆発を起こし、崩壊を始めたのだ。
やった、な―。
愛機F-22Aを急上昇から水平飛行に戻しつつ、彼は眼下のメガリスをコクピットから見下ろした。
「いたぞ、レーダーにメビウス1を確認!」
僚機たちから歓声が上がる。要塞メガリスの撃破はこの戦争の終結を意味していた。
「こちらブラボー1、飛び込んだ飛行機は無事か?」
メガリスに突入し、サブコントロール室を制圧した特殊部隊からの通信。分厚く堅牢な外壁で覆われたサブコントロール室からでは要塞撃破の報
告は伝わっても、実際に要塞に打撃を与えた彼の脱出は確認できなかった。
「彼は無事だ。今ここから視認している」
普段冷静沈着なAWACS―スカイアイも、興奮を抑えきれない口調で話す。
視線を右にやると、E-767が主翼を左右に振ってバンクしていた。
「俺たちは戦争に勝ったのか?」
「分からん。誰が勝ったかは、歴史が決めることだ」
歓声の渦の中、僚機の一人がぽつりと呟き、それに答えた別の僚機がいた。
―確かに、犠牲は大きかった。
ストーンヘンジに叩き落された航空機は数知れず、黄色中隊に屠られた味方は百近い数字に及び、敵の激しい攻撃に散った陸海の友軍は屍の山を
築いた。
先の小惑星ユリシーズ墜落も併せて、ユージア大陸は一年に及ぶ戦乱で疲れ果ててしまった。
「だが一つだけ、言えることがある―」
―それでも、戦争は終結した。これからは、もう軍人の仕事ではない。
「英雄は確かに存在する、俺たちの目の前にな」
戦後には英雄が必要なのだ、と誰かが言っていた。
―いいだろう、それで平和が戻るなら。
「喜んで、俺は英雄になってやるさ」
呟き、彼は愛機を帰路に着かせた。
"リボン付き"と恐れられたエースパイロットの記録は、ここで一度途切れる。
我々は彼に直接インタビューに成功し、単刀直入に尋ねた。「この間いったい何を?」と。
すると彼は笑って、こう答えた。
「ちょっと魔法の世界にね」
OBC放送局 OBCドキュメンタリーシリーズ「戦後十年 ユージア大陸は今」から抜粋。
>>720 差し出がましいようですが
ひとまず次スレを建ててから余裕をもって投下した方がよろしいのでは?
まあなんとかおさまると思うし時間がおしているのならばいっちゃっても構わないと思いますが。
>>706 GJです。
しかし、いよいよメイヴ出しますかあ……。
ううむ、やはり『雪風』のクロス、考え直すか、なぁ……。
プロローグなら大丈夫じゃないっすかね?
新人の初陣だ。出来れば心地良く支援してやりたい……
「…む」
目が覚めた。どうやら、一時的に気を失っていたらしい。
そこで彼は気がつく。いつの間にか、空が暗くなっている。
―おかしい、さっきまで昼間だったはずだ。そんなに長い間気を失っていたのか?
だがISAF空軍官給品の腕時計は正確に時刻を表示している。これが正しいなら、ほんの五分間気絶している間に昼夜がひっくり返ったことになる。
「いったい…?」
ひとまず彼はF-22のグラス化されたコクピットで機体の異常の有無、残燃料、弾薬、方位、現在地を確認する。
「各部に異常はない…燃料、あと一時間は飛べる。弾薬、AAMが一発、機関砲弾、二三〇発…方位一二〇、現在地…何?」
現在地確認のため対地攻撃用のGPSのスイッチを入れてみたが、反応がない。GPSそのものの故障かと思ったが、メガリス攻撃の時はピンピンして
いた。
―では、衛星が存在しないと?馬鹿な。
念のため慣性航法装置でも調べてみるが、やはり現在地は不明だった。
眼下には街の明かりと思しき光の運河が―なんだと?街だと?
メガリスは外洋の孤島にあったはず。どうして眼下に街の明かりがあるのだろうか。
「くそ、混乱してきた」
ダメ元で通信機のスイッチを入れてみるが、入ってくるのは無常にも雑音ばかりだった。
孤立無援。
彼の胸のうちで知らない不安が広がっていく。ミサイルや敵機に追いかけられた時とはまったく異質の不安。
「落ち着け、落ち着け…」
酸素マスクを固定し直して、彼は冷静になるよう努める。
あの時―帰路に着いた時、突然目の前に発生した光に飲み込まれた。その瞬間、意識が途絶えた。
そして目が覚めれば、眼下に広がるのはまったく知らない土地。ここはどこなのか、そもそもユージア大陸の上空なのか。
夢かと思ったが、視線を上げて見えた二つもある月は紛れもなく現実だ。
「ユージア大陸どころじゃない、ここは地球なのか―?」
当惑する彼を差し置き、F-22のAPG-77レーダーが一つの機影を捉えた。
自然と彼は気を引き締める。数々の戦いを潜り抜けてきたエースとしての勘が、身体に「当惑している場合ではない」と警報を鳴らす。
機影の速度はゆっくりとしたものだ。せいぜいヘリ、もしくは民間の軽飛行機と言ったところか。
「……コンタクトを、取れるか?」
通信機の周波数を国際緊急チャンネルに切り替えた。ここが地球ではないならそんなことをしても無意味ではあるが―。
それでも彼は諦めずに、捉えた飛行物体に向かって通信を試みる。
「こちらISAF空軍第118戦術戦闘飛行隊メビウス1、応答してくれ。こちらメビウス1―」
割り込み失礼。
支援します。
支援!
プロローグだけなら容量オーバーもしないだろうし
時間は少し、遡る。
ようやく全て"撃破"した大量の書類を前に、機動六課部隊長こと八神はやては椅子の上で大きく伸びをする。
「ん〜…っと」
時刻はすでに深夜を回っている。外から見れば、六課の隊舎で当直室を除けば彼女の執務室のみ明かりがついていることが分かるだろう。
自身の相棒たるユニゾンデバイスであり補佐官でもあるリインフォースUは机の上ですやすやと寝息を立てていた。
はやてはそんな彼女を見て微笑み、小さな頭を優しく撫でてやる。
「お疲れさん、手伝ってくれてホントありがとうな」
それにしても、部隊長と言うのは結構疲れるものだった。
膨大な量の書類と格闘し、予算会議で出会う古狸と静かに火花を散らし、部下の指導に訓練計画の組み立て、スケジュールチェック。
本来ならこんなことは時空管理局でも勤めて何十年ものベテランの仕事なのだが、機動六課は自身の提案で生み出したのだ。ここで引く訳にはい
かない。
「でも…さすがに疲れたわ。ちょっとシャワーでも浴びてさっぱり…お?」
彼女のささやかな願いは、突然鳴り響いた電話のコール音によって阻止された。
さすがにため息を吐いて、はやては受話器を手に取る。コール音は外線からだったので、疲れていても口調はしっかり丁寧にする。
「はい、機動六課部隊長八神2佐です…」
エエ男からの電話じゃなかったら即座に切るで―胸のうちではそんなことを呟く。
ところが、受話器の向こうから聞こえてくる報告の内容は切るに切れないものだった。
「…それ、本当ですか?ああ、はい。分かりました…」
通話を終えて、はやては表情を引き締める。
「リイン、悪いけどちょっと起きて」
「…は、はい…なんですか、はやてちゃん?」
突然起こされたリインは眠たそうに目をこすりながらも、主のただならぬ雰囲気に即座に反応して見せた。
「機動六課、緊急招集や。所属不明の航空機がクラナガン上空に現れたらしい。ヘリを出すわ、なのはちゃんとフェイトちゃんに確認してもらお」
まあ心配は投下の後にすればいいべさ!
支援!
愛機の周囲を取り囲む得体の知れない人間たちに、彼―メビウス1は神経を尖らせていた。
無理もない、彼のF-22は音速に近い速度で飛行していたにも関わらずこの人間たち―時空管理局所属機動六課を名乗った彼女らは接近し、指示し
た場所に下りるよう言ってきた。
もしかしたらこの状況そのものがエルジア残党軍の罠かもしれない、とメビウス1は考えた。
どんな手を使ったかは知らないが、幻覚を見せて混乱させ、捕虜にしてしまう。たった一人のパイロットに大げさだが、メビウス1はそうされて
もおかしくないほど、エルジア軍に損害を与えている。
サヴァイバル・ジャケットには護身用の九ミリ拳銃を入れてあるが、愛機のF-22ほど上手に扱える自信はない。
―なんて、考えすぎたか?
下りるよう指示された場所は明らかに民間空港だったが、そこでさえ見たこともない航空機が並んでいた。
「あの―」
愛機の傍でメビウス1が緊張した表情でいると、金髪の女性が不意に声をかけてきた。黒を基調にした服に白いマントを羽織っており、手には
武器と思しき黒い杖。下りるよう指示してきた女の一人だ。
―それに、彼女たちはなんだか権謀術に長けている気がまったくしない。どちらかと言えば、明らかにお人好しな感じだ。
「そんなに固くならなくて大丈夫ですよ?たぶん、次元漂流者ってことで保護されますので」
「次元漂流者?」
彼女が言った聞き慣れない言葉に、思わずメビウス1は聞き返す。
「あ、すみません。分からないですよね…ええと、なのは、どう説明しようか」
なのはと呼ばれたもう一人、栗毛色の髪の女性は振り返る。白を貴重にした服に胸元の赤いリボンが印象的だった。
「うーん、まだ説明はいいんじゃないかな?後でゆっくりすればいいし、今言っても混乱するだけだと思う」
「おいおい、教えてくれないのか?」
なのはに向かって、メビウス1は不満げな表情で言う。彼女は困ったような笑みを浮かべた。
「すみません、後でちゃんとお話しますので…そうだ、まだお名前教えてなかったですね」
急に話題を切り替えて、なのははメビウス1を見据えて言った。
「私、高町なのはって言います。こっちは私の同僚の…」
「フェイト・T・ハラウオンです」
金髪の女性はなのはと同じようにメビウス1をまっすぐ見据えて言う。
とりあえず、名乗られたら名乗るのが万国共通の礼儀ではなかろうか。
そう考えたメビウス1は本名を名乗ろうとして、思い留まる。
まだ彼女たちをはっきりと信用していいものか。
わずかな逡巡の後、メビウス1は口を開く。
「俺は―俺はメビウス。メビウス1だ」
この時メビウス1は知る由もなかった。
彼はこの魔法と、質量兵器が忌み嫌われる世界で、再び戦場の空を駆け巡ることになる。
"リボン付き"の、新たな戦いは誰にも知られず幕を開けたのだ。
<<こちらオメガ11、貴機を支援す……(インカミングミッソー!ミッソー!)>>
投下終了です
あわわわわ、魔法少女リリカルなのはStylish氏とリリカルスクリーム氏なんて
ベテランの方々が居られる(滝汗)
どうか今後ともお願いします
<<オメガ11!狙われてるぞ!>>
支援
>>739 GJ
ですがクロス元を教えていただけませんか
面白くなりそうなのに原作知識のない自分が憎いorz
>>743 ナムコの「ACE COMBAT04」ってフライトシューティングゲームです。
メビウス1はプレイヤーのコールサインです。
エスコンは全シリーズとまではいかなくてもいくつかプレイ済みなので分かりやすいクロスネタかも。
序章なので、まだなんともいえませんが、文章力も十分だと思いました。
しかし、戦闘機でミッドチルダへトリップなんてまた波乱呼びそうですな。
とりあえず、今後の展開に大きく関わりそうな要素がありますね。
え、質量兵器? いや、問題はそこじゃない。メビウス1ってことはAC生粋のエースということだ。つまり…
エース『パイロット』いるから、もうヴァイスいらねwww\(^o^)/
>>739 GJ!
エースコンバットクロスですか。
しっかしメビウス1ともなると相手がガジェット2型くらいじゃ歯ごたえ無さそうですなあw
>>745 まてまて、まだヴァイスには『狙撃技能』という存在意義が…
落ち着け。
ヘリパイロットと戦闘機乗りは別物だ。
ヴァイスにはちゃんと存在意義があるぞ!
あったっけ…?
<<オメガ11ベイルアーーーーウトッ!!!>>
意訳:投下GJ!
初プレイ時のAC4の衝撃はガチ。次世代機って言葉が本当に有難く感じたよ。
そして出てきそうで出てこなかったAC4にワクワクですよ。今まではACOネタだけでしたから。
それにしてもガチガチの質量兵器でミッドチルダ殴りこみとは……中将フラグが立たなかったらスカ側に行きそうな悪寒。
>>748 ゴルゴ13かロックオン兄貴かクルツにーちゃん来たら
それすら危うくなるな……
>>魔法少女リリカルなのはStylish氏
ありがとうございます。なかなかStylish氏みたいにクールでカッコいい文章
には出来ませんが、練習はしておりました。
え?メビウスいるからヴァイス君クビ?いやいや、メビウス1にヘリの操縦は…(と、ヴァイスの顔を立てておく)
>>リリカルスクリーム氏
恐縮です。
一応相手はガジェット如きじゃ物足りないのは明らかなんで、それ相応の相手を
出す予定です。
>>747 どういたしまして。
ってかオメガ11の支援吹いたwww
>>752 最初の人は狙撃はおろか近接戦闘や潜入任務までできる某蛇以上のバケモノじゃねーかwww
>>754 戦闘機に載せればF15で無人機に改造されたF25(米軍の次期主力機って設定の架空機なんで
恐らくラプタークラスの性能がある)に勝っちまう方ですからね。
はっきしいってメビウス1クラスじゃないまでも戦闘機乗りとしての腕も相当なもんですよ東郷は。
ロックオンは、ぜひミッドにご案内してあげたいw
でも、本編の負傷具合からだとスカ博士側のほうに持ってって機人化も
捨てがたい。でも、ロックオンはスカ博士見たいなタイプ大嫌いだろうなぁ。
えー
このスレへ、初の長編ものを投下します・・・
初めて故手際が悪そうな場合もあるので、お願いします。
新スレにした方がいいのでは?
あ、今ちょっと妄想湧いた。
後部座席にクアットロ乗せれば最強なんじゃね?
ジャミングにホログラフィに何でも有り。
ちょっくらスカのアジトまで行ってクアットロとフラグ立ててくる。
<<オメガ11、離陸する>>
了解しました。
次スレか・・・よし!
>>755 メビウス1
リボンをくくっている魔法少女を妄想してしまった
人間の限界をぶっちぎった空戦機動が特徴
>>759 クアットロがツンデレしてる光景が実に自然に流れた俺の脳はもうバイドだな。
764 :
フェイク:2008/03/22(土) 21:41:34 ID:c356db6o
リボン付きと聞き
ユーノが思い浮かんだのは俺だけか
>>763 言い出しっぺのくせして、メビウス1の超機動に耐え切れずコクピットでゲロする光景しか思いつかなかった。
あんたのバイド細胞を移植させてくれ。
ある場所でクアットロさんは結婚して、ご懐妊までしているのを読んだ。
その程度のバイドは普通さwww
個人的にクアットロは
「あたしなんかがいいの?物好きねぇ」
とかキョトンとして言いそうなイメージあるんだが、
だからこそくっついたらデレるんじゃないかと思うんだ。
>>766 あれは実にすばらしかったね
ただなのはさんが………
>>768 アル中の人でしたねwヴィヴィオになのはさんって呼ばれて気がw
>>767 クロスキャラとクアットロのイチャイチャが見たいw
リリカルあぷろだの検索でクアットロの名前入れれば出ると思うよw
あと、ちっちゃいなのはさんも面白いです。
戦闘機に乗せられた程度でゲロってたら
エクセリオンバスターとトライデントスマッシャーの挟み撃ちに遭いかけた
あの時のトーレのライドインパルスで死んでるぞ
>>773 加速Gよりも旋回Gの方が強烈という話があってな……
とりあえず逃げるだけの高速移動ならともかく、
ミサイルや機銃を回避しつつ打撃を与えるための戦闘機動なんかしたら、結構な確率で酔うと思うぞ
>>772 オリ主みたいなものです。ただ、他の人間になびいたりしないので安心です。
もしかしたら、オリ主が好きではない人は、あまり好みではないかもしれません。
自分で運転すると酔わないけど助手席に乗ってると酔うって言うやつですね
一応、戦闘機人なんで普通の人間よりは耐えられそうですよね。
強いて言うなら、ドラム式洗濯機の中でグルングルンされながらジェットコースターに乗る感じ?
>>779 頭にティアナの弾くらって気絶してたからあんまり期待はできない。
>>779 お前の文で猟奇的なエロを垣間見てしまった…
もう本格的に駄目かも知れん…