あの作品のキャラがルイズに召喚されました part117
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。
(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part116
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1204023161/ まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/ 避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/ --------------------------------------------------------------------------------
_ ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
〃 ` ヽ . ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
l lf小从} l / ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,. ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
((/} )犬({つ' ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
/ '"/_jl〉` j, ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
ヽ_/ィヘ_)〜′ ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
--------------------------------------------------------------------------------
_ ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
〃 ^ヽ ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は
J{ ハ从{_, 本スレへの投下で問題ないわ。
ノルノー゚ノjし ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず、
/く{ {丈} }つ 本スレではなく避難所への投下をお願いね?
l く/_jlム! | ・クロス元が型月作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
レ-ヘじフ〜l ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。
--------------------------------------------------------------------------------
,ィ =个=、 ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
〈_/´ ̄ `ヽ ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
{ {_jイ」/j」j〉 ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
ヽl| ゚ヮ゚ノj| ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
⊂j{不}lつ ・次スレは
>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
く7 {_}ハ> ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
‘ーrtァー’ ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。
もうこのテンプレ展開にいい加減飽きた
新作やるなら工夫してくれよ
爆発
平民プゲラ
コルベール問答無用さっさと汁
キス契約
フライに唖然とする
説明はぁどこの田舎者?
何者であろうと今日からあんたは奴隷
二つの月にびっくり
洗濯シエスタと接触
キュロケフレイム顔見見せ
みすぼらしい食事厨房でマルトー
教室で爆発片付け
昼食シエスタの手伝い香水イベント
オスマンコルベール覗き見
ギーシュフルボッコ場合によって使い魔に弟子入り
休日街でデルフ入手 キュルケタバサがついてくる
ルイズが爆破訓練宝物庫破壊フーケ侵入お宝げっと
この段階でフーケは絶対つかまらない
翌朝捜索隊保身に走る教師一同
教育者オスマン犯罪捜索を未熟な子供にマル投げ
小屋で破壊の杖ゲットフーケフルボッコしかし絶対死なない
オスマンから褒章 舞踏会 終わり
1乙なのねー。
あれ、きゅいきゅいじゃなくて駄女神百目様になってもーた。
百目様召喚だとバランスブレーカーにならないよね。
スキルはすごいんだけど、ルイズも本人も全く使いこなせないし。
プロット作ってみようかな。
>>2 飽きたんなら来るな。はっきり言って目障りだしそういうことは毒吐きで言え。
後、オリジナリティー溢れるものが見たいなら自分で書け。
まったくSS書けない奴ほどぐだぐた文句をいうな。
まあ職人に文句つける奴って自分がSS書けないから僻んでるだけだろうけど。
● 「こっ、こっ、こっ、こっ、こっ、この…バカ犬っ!!!」
┠〜〜〜┐ちゃんとここにいてぇ、わたしのちかくでぇ
┃ ● ∫ ずっとわたしをい〜んつもい〜んつもみ〜んつめてなぁさぁ〜い
┠〜〜〜┘ よそみしてたでしょ、ほかのおんなのこぉ〜
┃ おしおきするのふぅ〜らりふぅ〜らりふぅ〜らちなやつうは
┃ (ん、ちゃちゃちゃちゃちゃちゃ)
┃ どんたーちきかないからねいーいーわ〜けは
┃ たちみーつ〜んかれたかぁ〜ら
┃ ね・え・かたをっかしてよっ
┃ す〜き〜よ〜ンなんてうそ〜よっ
┃ き〜ら〜い〜ンこれもうそだわん
┃ ないないないぃだめよかんちがいぃ〜〜〜〜〜っ
┃ だからすぅきぃよっなんていわない
┃ のんのんのんどっこかへいったら
┃ ぜえったいにっゆるさないからねぇ〜〜〜〜ん ・・・だぁって
┃ ほんと〜はだれ〜よ〜りそンばンにンいンたあ〜いの
┃ あ〜い〜の〜く〜さ〜り〜でっさんっぽっしましょ
敬礼 (`・ω・´)ゞ
>まったくSS書けない奴ほどぐだぐた文句をいうな。
まあ職人に文句つける奴って自分がSS書けないから僻んでるだけだろうけど。
どんな理屈だよ
毒吐きは埋め立て代わりに向こうで済ませておいてくれや。
>>1 ○________
なぎはらえー |:|\\:::::||.:.||::::://| /イ
|:l\\\||.:.|l///| .///
__ ィ ,. -――- 、 |:|:二二二二二二二 !// /
/ / \. |:l///||.:.|l\\\|/ /
/ ̄ ̄ ̄ ̄ 7 / / ./ / / l l l lハ |:|//:::::||.:.||:::::\\l /
ト、 ,.  ̄ ̄Τ 弋tァ― `ー / l从 |メ|_l l_.l斗l |ヽ V |:| ̄ ̄ ̄ ̄ フ  ̄ ̄ | イ
ヽ \__∠ -――く __ .Z¨¨\ N ヒj ∨ ヒソj .l ヽ\| / / | / !
ヽ ∠____vvV____ヽ < ≧__/ ゝ、t‐┐ ノ .|┐ . \ / / \ / l
. \\_____ivvvvvvvv| V. ( ( /Tえハフ{ V ‐一 '´ / __. -―=-` / / l l
\! | / 入_.V/| >-ヘ \:::∨::∧ ∨ ∠二 -‐ .二二 -‐ ' ´ / / / l. l
__ |\ l/V _{_____/x| (_|::::__ノ }ィ介ーヘ / ,.-‐ ' ´ / ____  ̄ ̄フ ∧ l
)-ヘ j ̄} /| /___/xx| _Σ___/| | |V::::ノ/ ∠___ { / `< / \|
{ V /`7. /___./xXハ ( |:::::::::::::::::ハ >' ____ 二二二二二二> / __ 〈
. \_ |/ /___l XX∧ __≧__::::::::/:∧/ `丶、 / { {____ハ }
| ヽ /____|]]∧ __|__L.∠ ム' <`丶 、 `丶、 / \_____/ /
| ', { |]]]>' __ ∧ l\ \ 丶、 ` 、 ∠ -――- ..____ノ /
ノ } l ̄ ̄ ̄.|] >' ,. '  ̄ / .// :/ V' \ ヽ `丶\/ /
/ ∧ { \ | .|>' / // :/ :/ : ', l \ ヽ ,.-――┬ \ /
入ノ. ヽ く ヽ______7 ー―∠__ 〃 l :/ :l l \V ヽ \ ,. '´
`ー′ \ `< | { / | /〃 :|/ __V/ ̄| ̄ ̄{_ \_ ` <
\ `' ┴ヘ { .レ__r‐|ィ‐┬、lレ' | / ノ`y‐一' >、_/ / ̄ 7丶、_ 丶
\ ヽ /`ー「と_し^´ | | } ム-‐' / / \_/ / / ヘ \
ヽ _>-ヶ--∧_} ノ j /` 7 ̄ ̄ ̄{ (  ̄ ̄`ー‐^ーく_〉 .ト、_>
', / 人__/ .ィ {__ノ`ー' ヽ 人 \__ { } |
V 人__/ / | /  ̄{ ̄ >‐ ァ-、 \ 〉ー} j
{ / ./ ∨ __  ̄ ̄ >-</ / ̄ ̄ 廴ノ '
<ヽ__ /し / < )__ \ _r‐く___/ / < ) \ {__ノ /
Y__>一' / ___r―、_\ >' `ー' ,. ´ >.、 \__ノ {
∠二)―、 `ー‐┐ ∠ ∠_r‐--― <__ ∠ )__ \_
∠)__ノ ̄`‐⌒ヽ__|> ∠)__r―――-― ..__{> ∠_廴,. ⌒ー'  ̄ \__{>
>>2 ではその「工夫された作品」とやら、示してもらおうか。自分のSSで
ちなみに私なら「使い魔を買いに」「きさくな王女」が良いと思う。完全テンプレ無視だ
徐々にテンプレを外れるヤツなら「薔薇乙女」だな
テンプレ通りなのに、絶対にテンプレじゃない!という変わりダネなら「ご立派様」を推奨
お前ら荒らしに律儀に答えるなよw
前スレの始まりと同じ展開で吹いたw
レス乞食を相手にすんなよ。
どうせ肥溜めスレで「本スレの奴等はスルー力が足りない。もう末期だな」とかフガフガ言う為のマッチポンプだろ。
>>196 いや、本当はルパン・ザ・サードって言ってるらしいってのは知ってる
知ってるんだが、何度聞いてもルパンルパーンにしか聞こえないんだよ
>>2 このぐらいまで単純化できそうな気がする。
爆発召喚
キス契約
「ゼロ」の由来判明(教室で爆発)
使い魔の能力が明らかに(ギーシュ戦)
デルフ購入
フーケ戦
舞踏会
つまりルパン召喚ってことだな
今日はガンダムの日だ
最近はその流れでいかに飽きない話を作るかに凝りがち
>>16
住人の構成成分はニトログリセリンだそうです
22 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/01(土) 15:08:50 ID:NWlgb8f7
毒吐きの反応おもしれー
一々大騒ぎしてくれてありがとうw
23 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/01(土) 15:12:44 ID:TQvgcpdN
やっぱり前スレのも荒らしだったのかw
毒吐きくやしいのうwwwww
荒しというより、テンプレの一部かと。
だってもう100レス超えたんだぞ
いい加減、定番の展開は飽きたろ。誰だって
悟飯の人乙
いちおつ
>>25 避難所に悟飯の話の新しいのが来たのかと期待したじゃないか…OTL
取りあえず前スレ埋めようぜ。
どうでもいい雑談もそっちでやろう。
糞尿スレ、なかなか愉快なことになってるな
だから肥溜めの話をこっちに持ってくるなと
ダブルゼロセブン
マーダーライセンスを女王陛下から貰ったジェームズボンドはさっそく
その足でコルベールの研究室をおとづれた
「見てくれ、ボンド。この時計には強力な麻酔針が仕込んであってカバーを立てると照準が表示される」
「必要ないね」
試しに皮靴を狙ってみるが奥まで刺さらない
「それにはかなりの予算がかけられていたんだがね・・・まあいい、こんどは自信作のボンドカーだ、ルイズ嬢の爆発にも五発までは耐えた」
「ぴゅー、なかなかいいね」
む、何だなんだ? 取りあえず支援
テンプレの順番あえて変えてみるのもいいね。
ナイト2000ものみたいにモッド伯がラスボスで「ルイズの戦いは今、始まったばかりだ!第一部完」
みたいなのもたまにはいい。
虚無使いのヴィットーリオってどんなやつだっけ?
二次作品に出て来た事あったら題名教えてくれると嬉しい。
前スレ埋まったようだな
豆粒もずいぶんとテンプレ無視だな
>>30 Q「この杖はどうかねミス・ヴァリエール。
杖の先にワイヤーアームを内蔵して相手に向けてスイッチを押せば先が飛んでいき、
別のスイッチを押せば高圧電流が流れる。
逆のほうからは専用の銃弾を発射可能だ」
ルイズ「素晴らしいわミスタ・Q!」
ボンド「メイジには必要ないんじゃないか?まあヴァリエール嬢なら必要か」
未確認制限事項
1時間ごとに8.5kB以上の投稿は「さるさん」規制に引っかかる
正時(00分)ごとにそのカウントおよび規制はリセットされる
この「さるさん」には支援は無駄
補足注意
投下予告に際しタイトル・ネタ元類の説明が無い場合
過去の事例から荒らし嫌疑がかかります
(「Z武」で過去ログ検索したらその前例の一つは確実に見る事ができるので知らないなら見ておく事必須)
元ネタについては隠す事がネタの一部ならその旨明示しましょう
最序盤の「召喚・契約→『ゼロ』の由来が判明」までは特別こだわりがなければ省略しても良さそう。
最初の見せ場は「使い魔の能力が明らかに」なるいわゆるギーシュ戦で、
この前後をどう料理するかが最初の見所かな。
その後はデルフ購入が終わればフーケ戦、アルビオン行と次第に作者の裁量が大きくなっていくので
ここいらで頑張ればとりあえずテンプレ展開には見えなくなるんじゃないかと愚行。
>>38 同意。
『(テンプレに従わない)全くのオリジナルストーリー』って言うのをデフォにしちゃうと、
それはそれでつまらなくなる、SS職人さんはホントに苦労してると思う。
MACの隊長時代のモロボシ・ダン呼ぼうぜ
みんなマンネリみたいなコト言うけどさ、思ったんだがなにも原作の頭から召喚しなくても
ルイズは二回サモンサーバントを唱えてるじゃん。二回目の方で呼び出してもいいんじゃないか?
デルフは凡人サイトが持ってて、ルイズはサイトに未練があるというめんどくさい状況だけど
>>39 原作に沿って書くとテンプレ展開と詰られ
オリを混ぜると原作レイプと叩かれる
ホント、SS投下は地獄だぜ! フゥハハハーハァー !!
ま、そこらへんのバランス感覚が必要なんだろねー
そういや蛮人もテンプレ全部無しだったな
>>38 おいおい(汗)。今夜当たり投下を考えている者ですが、
かなりテンプレクラッシュにならないかとドキがムネムネ……
召喚相手が力とか年とかお頭とかいろいろとサイト以下(伝説を呼ぶ使い魔の彼並みに)なんで……(苦笑)
>>42-43 あの組み合わせならああなるだろうと納得できる展開なら
テンプレ無視でもいいと思うんだよね。
逆にテンプレに忠実な結果「ルイズはあんなキャラじゃねー!」とかになる方が
かえってヘイトとかレイプじゃなかろうかと思う。
これについてはコルベール先生とかがよく被害を受けてると思うわけだが。
リロードしてなかったから無視する形になったが
>>45は
>>44に対してのレスでもある。
テンプレはあくまで無難な展開というだけのものであってクラッシュしても良いんだよ。
テンプレにこだわってキャラが壊れる方がよっぽど酷いと思う。
特撮ウザ…
隔離されてくれればいいのに
>>47 さあ、NGワードを登録する作業に戻るんだ
>>732 Jane doe styleを使えばどうだ?
あれならNGwordで見れなく出来るし
すまそ、誤爆した
>>50 一瞬どこが誤爆かと思った。タイミングよすぎるだろwwww
>>44 (汗)とか(苦笑)とか使ってるからわかる
これ以上駄文を投下するのはやめてくれ
ただでさえ腐ってるスレがさらに腐っていく
>>40 >MACの隊長時代のモロボシ・ダン呼ぼうぜ
使い魔に徹底的にしごかれるルイズの姿が目に浮かぶ・・・馬車で追い掛け回されたり、
無数のブーメランを投げつけられたり・・・
虚無の魔法ではなく、拳と足技で相手を倒す武闘派ルイズの出来上がり!
武闘派ルイズはみたい気がする。
過去スレにあった1レスのネタで
ベストキッドのミヤギを召喚したルイズが
馬車のワックスがけや学院の塀塗りをやらされて
最強の空手魔法「虚無」に目覚めるって話があったな
戦艦レキシントンも鶴の構えからの蹴り一発で撃沈
はいてない妖精さんを召喚したいのう
ツンギレな性格でトゥーハンドって呼ばれてるんですね、わかります
メカ沢新一を呼びませんか?
秋山醤 召喚ってのを思いついた
でも話が思いつかないし料理もさっぱりだしそれ以前に続きそうに無いので無理だ
61 :
前スレ970:2008/03/01(土) 21:44:31 ID:/LqYNrv1
たぶん前スレ971に詳しくと要求されたとうぬぼれましてピンクの髪について。
結論ですが、現実に存在しますようです。
哺乳類の髪には、基本的に色素が2種類しかありません。
黒と赤です。そして、色素が無ければ白髪になります。
この3色の組み合わせでいろいろな髪の色が出来ます。
黒+赤だと黒が勝っちゃうので黒。薄い黒+赤だと茶色。
茶色が薄くなると金茶色→金色に。ごくわずかの黒だと銀髪となりますそうです。
では、赤い色素だけが強いと? はい、赤毛になりますそうです。
では、薄い赤だけでは? はい、ピンクブロンドとなるそうです。
ただ、このピンクブロンドというのはかなり色素が薄い。
アルビノに近いので体の弱い人が結構います。誰が典型例かわかりますよね?
緑は自然にはありえないようですが、金髪が塩素漂白(プールとか)されると
緑っぽくなることもありえる、のだそうですが・・・
青は、さすがにありえません。しかし、青や緑の眼の色がありうる以上、
受精卵の目の色素遺伝子が髪色素遺伝子に移るという事故があれば、
以後その血統には青系統や緑系統の髪もありえることになります。
以上、お粗末さまでしたm(_ _)m
そーなのかー
男女ペアで召喚はあまりないな(ジュンと真紅くらいか?)
大魔王シャザーンを使い魔に持つ兄妹とか…
才人だけでなくウルトラリングも召喚してルイズとウルトラタッチとか
乙
つまり、ガリア王家は遺伝子異常によるたまものかw
まあ6000年も虚無の形質維持してるくらいだから近親結婚もそれなりに多いとか?
>>61 『魔法』という概念を加えた上で論述頼む。
ガリア王族特有の魔力の影響という可能性もある、
異世界の人間の髪の色素に関するデータがないままではどうしようもない。
と返してみる。
>>53 ウルトラマン80召喚の方がルイズにとっては良さそうだ
しかし矢的先生は理科の教師なので教えても生徒が理解してくれそうにないな
>>63よ、男女ペアならこいつらを忘れてないか?
つ アイスクライマー
今日は平穏だな・・
>>66 「異世界なんだから」と言ってしまえばそれまでなんだが、
地球の哺乳類は恐竜時代に夜行生活を強いられたので鮮やかな色彩を失ったらしい。
ハルケギニアの哺乳類が地球と違った進化を辿ったとすれば
地球人類よりも鮮やかな体毛を持っていてもおかしくない。
>>68 男女ペア召喚とはちょっと違うが二回目の召喚でウルトラマンA召喚というのはどうか
才人だけでなくルイズも死に掛けないといかんし
自力で地球に帰還できてしまいそうではあるが
72 :
前スレ970:2008/03/01(土) 22:08:07 ID:/LqYNrv1
>>66 魔法という要素コミですか?
それはもう、「似たものは同じもの」とか、「宿った力が体に影響を与える」
「体の特徴や性格的にマッチした能力を得る」といった魔術的法則、ですかね?
卵と鶏の命題と同じようなもので、どっちが先か、は不明ですが、
(髪なども含む)体色によって、得意な系統が決まりやすい、
という「可能性」は「ありうる」と思います。
「一般的な魔法法則」からの「推測」ですが。
「体の特徴や性格的にマッチした能力を得る」系統では、
例えば精霊の象徴色を目や髪、皮膚の色として持っていると習得しやすい。
もしくは、精霊が好意を抱いて宿りやすい/言うことを聞いてくれやすい/
なだめやすいため制御しやすい/増幅され威力が高まる
といった設定・理論は結構散見されます。
ゼロの使い魔世界で通用するかどうかは不明ですけど。
>>70 タバサの『肌』が青くなくてよかった。
進化の過程まで考察されるなんて、
ゼロ魔はつくづく読者に愛された作品だと思う。
アン様の腹が黒じゃなくてよかった。
……あれ?
髪とか肌の色が特殊なヒロインその他なんてバローズの「火星のプリンセス」
までさかのぼれるような。
76 :
前スレ970:2008/03/01(土) 22:19:01 ID:/LqYNrv1
時に質問です。
魔法学院の見取り図、特に寮塔や教室の詳しい設定などは
すでに公式資料にありますでしょうか?
寮棟がどこにあって何階建てで1階にどれくらいの部屋数があるのか?
といった疑問を避難所の考察過去スレで見て気になったのですが。
一応自分でも自分で計算してみたのですが、実際はどうなってるのでしょうか?
>>75 1930年代のSFだっけ?>火星のプリンセス
青い髪ということでアーヴを思い出し、ガリア王家はブリミルの奉仕種族として作られたのではと妄想してみる
>>73 ただ、進化の過程が違うということになると
ハルケギニア人類は地球人類と別種ということになって、
つまりルイズと才人の間には子供が出来ないという地味に嫌な推論が…。
>78
いや、それはない。
だって日本人の末裔のシエスタやジェシカがいるし。
>>71 >でウルトラマンA召喚というのはどうか 才人だけでなくルイズも死に掛けないといかんし
ついでにルイズがピラミッド上で十字架に磔にされる展開も不可欠かと。
>>79 そういやそうだったな。
となるとやっぱ魔法による遺伝子操作とかそういう話になるのか。
そもそも異生物同士で脳を移植できる世界でそんな考察しても(ry
>>80 そして堕落していくゼロ戦から脱出した才人が真っ逆さまに
落下していってウルトラタッチと。
>83
・・・・・・堕落?
墜落じゃないの?
まぁ、似たようなモンだけど(w
>>80 >>83 今思いついたんだが、13巻の最後の展開だとサイトを地球に返した後は、
ルイズが一人でウルトラリング装備ということになってしまうなあ、と
あ、変身して地球に会いにいけるからこれはこれでいいのか
だらくとついらくは間違えないだろ
リア中か
行ってみれば分かるんじゃね?
と言う事で家の鏡ん中入ってくるわ。
>>86 マジレスすると昔「究極超人あーる」という漫画があってだな、その中に堕落と墜落を間違えるギャグがある
流れ叩き斬って申し訳ありませんが、予約ないようなので55分くらいから投下してもよろしいでしょうか?
O.K支援
。ンエシらかうこむのみがか
sienn
支援
それでは投下開始させていただきます!
イザベラ管理人第6話:翼人と人間・後編
「イ、イザベラ…?」
周りの全ての存在を圧しながらイザベラは部屋に踏み込んできた。
ズンズンと重い足音とともに一直線に耕介へ向かい…
「あの手紙はなんなんだい!!」
耕介とイザベラでは身長が30p以上も違うのだが…何故だか耕介はイザベラに見下ろされている気分だった。
「え、何って、そのままだけど…どうしたんだ…?」
全くわかっていない風の耕介にイザベラの怒りは限界を突破し、更なる高みへと上昇していく。具体的に言うと今ならラインクラスになれそうなくらい。
「何が付き合うよ、だ!!あんたが元きょ………」
そこで唐突にイザベラは気づいた。
そう、耕介は何も知らないのだ。
イザベラが何故、耕介に対してあんな態度をとったのか、欠片ほども理解していない。
当然だ、何も話していない上に耕介は異世界からやってきたのだ、世界情勢も一般常識も知らない。
自分の怒りは理不尽極まるものだ。
だが、理屈ではわかっていても抑えることはできなかった。
「え、『げんきょ』…?」
不思議そうに聞き返してくる耕介の間抜け面を見て、いったんは踏みとどまった怒りの奔流が再び溢れ出した。
「子ども扱いするんじゃないよ!あたしはもう17だ!後…イザベラ『様』だって言ってんだろぉぉ!!」
イザベラの次の行動を見ていたヨシアは後に語った。
「あれは…俺たち男にしかわからない激痛です…見ていただけなのにこっちまで痛くなりましたよ…。」
そう、イザベラは激情のままに耕介の股間を蹴り上げたのだった。
「ぐふぅ!!」
如何な神咲流剣士といえど、この部分だけはどうしようもない。
股間に響く呻きだけを残し、耕介は撃沈した…。
耕介が正気を取り戻すのにしばしの時間がかかった。
それまで、耕介は白目をむきながら「筋肉ムキムキの髭のおっさんが『2代目マドモワゼルに!』って俺に黒いビスチェをもって迫ってくる…」とうなされ続けたのだった。
意識を取り戻した耕介が最初に感じたのは、果てしなく重い空気だった。
まず、イザベラが憤怒の表情で仁王立ちしているが、これはいつものことである。
次にタバサが我関せずと本を読んでいる。これもまたいつものことである。エアリード機能などとっくの昔に氷結して壊れているのだろう。
さらにヨシアがガタガタと震えながら後ろにアイーシャをかばっている。彼の勇気ある行動を賞賛したい。
最後に、アイーシャが悄然と俯いている。どうやら見つかってしまったようだ。
ついでにシルフィードが窓枠に頭を乗せて眠っている。主と似て、エアリード機能など壊れ…いや元から存在していないのかもしれない。
有体に言って一触即発の戦場状態である。
「…えっと…何が…起きてるんだ…?」
その耕介の言葉に答えたのは未だ怒り心頭のイザベラであった。
「そこの羽根女がベッドの向こうに隠れてたから引っ張り出してきたのさ。コースケ、説明してくれるんだろうねぇ?」
耕介はヨシアに視線を向け…ヨシアはそれだけで意図を読み取った。
「えっと…実は、アイーシャの体は隠れてたんですけど、翼が隠せていなくて…。」
体隠して翼隠さず。ここにことわざが一つ誕生した。
「い、イザベラ、落ち着いて聞いてくれ。これには色々と理由があってだな…。」
耕介はもう一度金的を食らう覚悟で説明を始めるのだった。
「…………なんだって?」
イザベラの機嫌は怒りを通り越して呆れに到達し、さらにそれを超越してもう一度怒りに戻ってきていた。
「翼人と村人に話し合いの席を作って、和解させる?」
「ああ、その方が丸く収まるだろ?」
耕介の案とは、これだった。
翼人側は巣を作った木を切り倒されたくはないし、季節ごとに住処を変えるのだからこれからも今回のようなことは起こりうる。
村人側は木材を高く売って儲けたいし、それを邪魔されたくはない。
異なる二つの集団が互いの利害を照らし合わせ、譲歩できるところは譲歩し、協力できるところは協力する。
今も昔も変わらぬ組織同士の仲裁手段だ。
何も不思議なことなどない。
そう、これが異種族同士で、かつハルケギニアという閉鎖的な社会でなければ。
「あんたのバカさ加減にはほんとに際限がないね!そんなことできるわけないだろ!」
イザベラがそう叫んだ瞬間、耕介はイザベラの背後に鬼を見た。いや、イザベラの頭から角が生えているのを目撃した。
「そ、そんなにおかしいか…?」
「あ・た・り・ま・え・だ・ろ!!それにあたしが命じたのは掃討だよ掃討!」
耕介とて既に両者の間で戦闘が起こっているのだし、難しいことなどは理解している。
だが、試す価値がないとは思わないし、既に翼人の少女と村の青年のカップルもできているのだ。
利害の調整さえうまくいけば、この問題は丸く収まると考えていた。
だが、イザベラを含めたハルケギニアの大多数の者は、翼人のような亜人を同じ位置に立つ者とは認識していない。
だからこそ、利害の調整など完全に考慮の埒外なのだ。
亜人…いや、他者への認識の違い。それがハルケギニアの大多数と耕介の間の温度差だった。
「なぁイザベラ、一度だけでいいから、試させてくれないか?俺には不可能だとは思えないんだ。」
その温度差を感じながら、それでも耕介は言い募った。
自らがさざなみ寮の管理人槙原耕介であるが故に。
「お、王女様に畏れ多くもお願い申し上げます!一度だけ機会を与えていただけないでしょうか!」
「私からもお願いします、誇り高き人の王族のお方…。」
ヨシアとアイーシャが土下座して頼み込む。
3人の必死な様子にイザベラはたじろぎ…
「く…なんだってんだい…わかった、わかったよ!ただし一度だけだ!それでダメなら…わかってるね?」
折れたのだった。
「ああ、ありがとうイザベラ!」
耕介が満面の笑顔で礼を述べ、ヨシアとアイーシャが手を取り合って喜び合う。
一方、イザベラは自分が信じられない思いだった。
(なんであたしは…!いつもみたいにつっぱねりゃいいのに…!)
以前のイザベラなら、にべもなく突っぱね、タバサに翼人掃討を命じていただろう。
だが、耕介を召喚してからというもの、自分の何かが変わってきている。
そのことに、イザベラは恐怖を感じるのだ。
自分を守るために張り巡らせた十重二十重の棘の鎧を着た自分が…いったいどう変わるというのだ?
そして、部屋の外でずっと待たされている、イザベラに足として使われた東花壇騎士団所属バッソ・カステルモールは呟いた。
「私、忘れられていないか?」
全くもってその言葉は正しい。
既に夜も遅くなっていたので、イザベラも村長の屋敷に泊まることとなった。
アイーシャは事前に他の翼人にも話をしておくと言い置き、去っていった。
村長は顔を青くし、イザベラも粗末なベッド(宮殿に比べればたいがいのベッドは粗末だろうが)に文句を言いつつも朝まで問題は起きなかった。
なんだかんだでイザベラも睡眠不足で疲れていたのだ。
そして翌朝…耕介はいつも通りの時間に目を覚ました。
まずは日課である御架月の点検。昨日は御架月の相手をあまりできなかったので、御架月の考えも聞いておく。
「僕は耕介様ならできると思います!だって、耕介様はさざなみ寮の管理人なんですから!」
御架月は、耕介を信頼しきった声で言う。そしてそれは、耕介の背中を押す最後の一押しになった。
「ありがとうな、御架月。頑張るよ。」
タバサを起こさぬように部屋を出て、気合を入れるために両頬を一発叩く。
「うし、気合入れていくぞ!」
まずは台所へ向かう。
騎士様にそんなことはさせられないと渋る村長の奥方を説き伏せ、料理を手伝いながらこの地方の家庭料理をリサーチする。
この男、骨の髄から料理人である。
朝食が完成した頃、匂いに惹かれたのかタバサとカステルモール、村長が起き出してきた。
タバサは料理を手伝っている耕介を見てわずか首を傾げたが…この男を自分たちの常識で計ることのバカバカしさに気づいたのか、何も言わず食卓に着いた。
カステルモールもいぶかしげに耕介を見つめるが、彼はイザベラの肝いりで宮殿に入ったとのことらしい。
イザベラに気に入られるような者だ、さぞや彼女の退屈を紛らわせる変わり者であるのだろう、と勝手に失礼極まる結論を下した。
面従腹背の男、カステルモールが耕介と関わるのはもうしばし後のことである。
次に、耕介はイザベラを起こしに向かった。朝食のためもあるが…相談したいことがあったのだ。
「イザベラ、起きろー朝飯だぞー。」
しかし、普段から昼まで寝ているイザベラである、揺すった程度で起きるわけもなし。
そこで、寝ぼすけどもを叩き起こす、耕介必殺の一撃を見舞うことにする。
すなわち…
「起きろイザベラー!あーさーだーぞー!」
おたまとフライパンを叩き合せる騒音攻撃。これで起きない奴はまずいない。
「うふぁ!?」
奇声を上げながらイザベラが飛び起き、周囲を見回す。
初支援!
「起きたか、イザベラ。朝食ができてるぞ。」
「へ…ちょう…しょく…?」
おきぬけで頭が起動していないイザベラは不思議そうに耕介を見つめる。
「ほーれ、いくぞー。」
眠たげに目をこするイザベラを小脇に抱えて耕介は食卓へと戻っていった。
耕介たちが戻った時の彼らの受けた衝撃は相当なものだった。
一国の王女を小脇に抱えて運搬した耕介は、あいていた椅子に適当に座らせ、おたまとフライパンを台所に戻してくる。
あまりにも目の前で起こった出来事が非現実的過ぎて誰も何も言い出せない。
そんな空気を全く読まず、耕介はシルフィード用に作っておいた餌をやりに外へと出て行った。
程なく耕介は食卓に戻り、全く空気を読まずに「食べましょうか!」と宣言した。
事ここに至って、やっと皆が再起動した。いや、タバサだけはすぐに食べ始めたあたり、既に諦めていたのかもしれない。
「き、きき貴様!一国の王女に向かってなんたる無礼!今ここで打ち首にしてくれる!!」
カステルモールの対応はハルケギニアでは全くもって正しい対応だ。
しかし、耕介にそんなものは通用しないのである。
「朝食は一日の活力ですから。イザベラは普段から食べてないらしいけど、今日はそういうわけにもいかないですしね。」
耕介はカステルモールの怒気などなんのその、未だ半分夢の中にいるイザベラに朝食を食べさせながら食事を続ける。
「な…なんなんだお前は…。」
イザベラはまだ意識がはっきりしていないらしく、素直に耕介が差し出すスプーンを口に入れている。
まるで親鳥と雛鳥だ。後でイザベラがこのことを知ったら、証拠隠滅のために村ごと滅ぼしかねない。
耕介のあまりの余裕ぶりに毒気を抜かれたカステルモールは、結局諦めることにしたようだ。
なにせ彼はイザベラの直属の配下、おそらく何らかの事情があるのだろう…かなり無理のある結論だが、そう信じ込むことにした。
カステルモールは表向きは現王家に忠誠を誓っているが、彼の真の忠誠は王弟家…すなわち、最後の生き残りであるシャルロットとその母に捧げられている。
故に、彼女をこき使う王ジョゼフと北花壇騎士団長イザベラの動向を探っている…その関係で彼は耕介の存在を事前に知っていた。
しかし、報告によればこの男は単にイザベラがどこからか連れてきた平民の剣士…ということしかわかっておらず、メイジでないので調査優先度も低かった。
だが、この男は徹底的に調べるべきかもしれない…カステルモールはそう考え始めていた。
ちなみに彼がイザベラの足に使われたのは、プチ・トロワに東花壇騎士団連絡役としてやってきた時に捕まったからである。
騎士として、乗竜術を修めていたのが仇となった形だ。
結局、イザベラが起動したのは食後…しかも、耕介によって顔を洗うために冷水を含んだ手ぬぐいを渡された時であった。
「…あれ…耕介…?………夢……?」
「おはよう、イザベラ。調子はどうだ?」
「……いや…わるかないけど…。」
イザベラは状況を理解できなかった。
何やら無理やり叩き起こされたような記憶があるが、あやふやでどうにも現実感がない。
その後、誰かに子どもの頃のように食事を食べさせてもらったような気もするが…やはり現実感がない。
「耕介…えっと、なんであたしここにいるんだい…?」
状況から考えるに、もしかしたらもしかするのかもしれない。しかし、それはイザベラにとって認めがたい、最悪の想像だ。
「なんでって、昨夜突然やってきたんじゃないか。」
「そ、そういうことじゃ…!いや、やっぱいい…。」
結局、本当だったとしたら耐えられそうにないので、イザベラは忘却することにした。
人間、精神衛生に悪いことは忘れるべきである。
とりあえず手ぬぐいで顔を洗い、目を覚ます。
「で、イザベラ。頼みたいことがあるんだよ。」
「……今度はなんだい。」
イザベラは若干の嫌な予感とともに聞き返してみた。
舞台は村の広場に移る。
そこには既に村の主だった者たちが集められていた。耕介が村長に頼んでセッティングしてもらったのだ。
「騎士様、話したいことってのは、なんですかい?あのバケモノ鳥どもの退治についてなにかありましたかい?」
サムが集まった村の者たちを代表して耕介に質問する。
「こうして集まってもらったのは、俺から提案があるからです。」
しえん
耕介とヨシアが先頭に立って村人たちに説明を始める。
後ろにはタバサがシルフィードにもたれかかって、耕介の演説など興味なさげに本を読んでいる。
シルフィードは耕介の試みがどうなるか興味津々で聞いていたが…そのうち飽きたのか、眠り始めた。
イザベラは憮然とした表情で耕介を見つめており、その傍らにはカステルモールが控えている。
「き、騎士様、正気ですか!?あんなバケモノどもと話し合いなんて無理に決まってる!」
村長の言葉を皮切りに、村人たちが口々に不満を口にする。
今まで散々いがみ合ってきた相手だ、この反応は妥当なものだろう。
「皆さん、落ち着いてください!彼らは決して理解できないバケモノなどではありません。彼らにも生活があり、愛する者もいる、同じ森に住む仲間になれるんです!」
耕介の言葉は真摯だが、翼人と村人の溝の深さを簡単に埋めることはできない。
「そ、そうだよ皆!俺は…俺は、翼人のアイーシャと恋人なんだ!アイーシャは俺たちの知らない森のことをたくさん知ってる!俺たちと彼らは助け合えるはずなんだ!」
ヨシアも必死に言い募る。
それでも…
「ですが、奴らが魔法を使ったら俺たちはどうすることもできねぇ!そんな相手と対等に話し合いなんてできるわけありませんぜ!」
サムの言葉が端的に村人側の主張を表している。
彼らは先日、最高の戦力でもって翼人と戦闘し、返り討ちにあったばかりなのだ。
剣を持った相手と、無手で話し合いなどできる者はいないのだ。
「そんなことはありません!アイーシャたちは本来、精霊の力を戦いに使うことは好まない!彼らの魔法は、森と共に生きているから、森から与えられた力なんです!」
それでも、ヨシアは翼人の少女と恋に落ちた。
「みなさん、一度だけでも話し合いの席をもってくれませんか!安全は俺たちが保証します!」
だから耕介もヨシアを信じるのだ。種族を超えて愛を育んだ二人がいるのだ、翼人は害意をもって剣を持つ者たちばかりではないはずだ。
だが、耕介とヨシアが言葉を重ねても、村人たちは未だ踏み出すことはできない。
端から否定するわけではなくなったが、それでもやはり不安なのだ。
村人たちがお互いを見合わせて話し合っている…その時。
「あぁもうまだるっこしいね!あんたたちの安全はこのあたし、ガリア第一王女イザベラが保証してやる!これでどうだい!」
「イザベラ!」
耕介の後ろでイラついていたイザベラが突然宣言したのだ。
「お、王女様が!?」
村人たちに動揺が広がる。当然だろう、こんな小村に一国の王女が訪れるなど、誰が想像できよう。
「奴らが手を出してきた時は、この花壇騎士たちがあんたたちを守るし、翼人どもを退治してくれる!花壇騎士が3人もいて、まだ不満だってのかい!?
それに、あたしが王宮御用達の家具屋の木材買い付け先の候補になれるように渡りをつけてやるよ、選ばれれば儲けの問題も解決だろ!」
耕介がイザベラにした頼み事とはこの家具屋への紹介であった。王宮御用達家具屋ともなれば大口のスポンサーとなる。
もちろん品質によっては選ばれないこともあるだろうが、候補となっただけでもそれなりのネームバリューになるはずだ。
まさしくそれは鶴の一声となった。
わずか、村人たちは顔を見合わせて相談していたが、やはり騎士一人の言葉と王女の言葉とでは重みが違う。
「わ、わかりました。翼人たちと話し合うことにします。」
村長が皆を代表して宣言する。
「やった!これでなんとかなりそうです!ありがとうございます、王女様、騎士様!」
ヨシアが涙を滲ませながら何度も礼を述べる。
「ヨシア、まだ正念場が残ってるんだから、それは全部終わった後にな。」
耕介の言葉にヨシアは気合を入れ直し、村人たちが相談している輪に戻っていく。
「イザベラ…ほんとにありがとうな。イザベラがああ言ってくれなかったら、実現しなかったかもしれない。」
「フン、あんたらがちんたらやってるのがイライラしただけさ!」
イザベラは顔を背け、一息に言い放つ。
一瞬だけ見えたイザベラの顔が赤らんでいたような気はするが…耕介は流すことにした。
優しさを見せてしまったことが恥ずかしいのだろうと結論したからだ。まぁ実際はもっと複雑な理由からだが。
何はともあれ、問題が一つ解決した。だが、まだやらねばならないことがある。
イザベラかわいい支援
耕介、イザベラ、タバサ、カステルモール、ヨシアはシルフィードに乗って、ヨシアがいつもアイーシャと会っているという森の一角へとやってきた。
なんでも、キノコ採りをしていたヨシアは狼に襲われ、なんとかここまで逃げてきた時にアイーシャに助けられたらしい。
「アイーシャ!来たよ!」
ヨシアが大声を上げて呼ばわって数分後、バサッバサッという羽音とともにアイーシャが木々の間から現れた。
「ヨシア、どうだったの?」
「大丈夫だよ、王女様たちが皆を説得してくれたんだ!」
アイーシャはやはり不安げな声だったが、ヨシアの喜色満面の言葉に安心したように表情を緩める。
「良かった…私も、皆に話してみたの。それで、あなた方に会ってから決めたいってことになったの。」
翼人たちの対応はもっともだろう。彼らにとっては耕介たちは自分たちの邪魔をした騎士でしかないのだから。
「ああ、わかった。どこへ行けばいいんだい?」
耕介は元よりそのつもりであったので快諾したその時、上空から声が響いた。
「いや、我々は既に来ている。貴殿らが話し合いを提案したという人間たちか。」
3人の翼人が空から降り立った。
先頭の一人がこの集団のリーダーなのだろう、白い口ひげを生やした年齢を感じさせない偉丈夫だ。
「お父様…はい、この方々が昨夜話した、王女様方です。」
どうやらリーダーの翼人はアイーシャの父らしい。アイーシャの父は厳しい表情で口を開く。
「私はこのあたりの集落の長を務めています。あなた方が人間との橋渡しをしていただけるとのことだが…正直な話、信用できるのかどうかがわからない。故に、あなた方がそんなことをしようとする理由を聞かせてもらいたいのだ。」
アイーシャの父をはじめ、御付の翼人二人も耕介たちを厳しい目で見つめている。
どんな些細な嘘でも見逃すまいとする、仲間を守る戦士たちの眼差しだ。
だから、耕介も正面から受け止めて答える。
「我々人間と、あなた方翼人は、わかりあえると信じるからです。」
御付の翼人たちが互いを見合わせヒソヒソと言葉を交わす。
「それは何故です?」
アイーシャの父が代表して疑問をぶつける。6000年もの間、翼人と分かり合おうなどと考えた人間がいなかったのだ、疑問に思うのも不思議はない。
「それは、アイーシャさんとここにいるヨシアが愛を育んでいるからです。」
だが、ハルケギニアの6000年など耕介には関係のない話だ。
常に彼は自分が信じるもののために行動する。
すなわち、『皆が幸せな未来』を目指すために。
ある少女が語った、人が生まれる理由…『どんな者も幸せになるために生まれてくるんだ』…それを信じたいのだ。
「我々とあなた方では考え方も生き方も違う。それでも、この二人はお互いを理解し合おうと考えています。理由はそれだけで充分ではないでしょうか。」
『幸せ』とは難しいものだ、人それぞれに形も色も違う。
だから、良かれと思ったことを積み重ねるのだ。だから、ヨシアとアイーシャの愛を信じるのだ。
「俺は、アイーシャを真剣に愛してます!翼人の方々のことももっと知って、理解したいと思ってます!どうかお願いします、話し合いの場に立ってください!」
「お父様、私からもお願い…私もヨシアを愛しているわ。そして、人間たちのことも知りたいと思っているの。」
ヨシアとアイーシャが翼人たちに深々と頭を下げて懇願する。
「だが、奴らが我々にしたことを忘れたわけではあるまい!」
御付の翼人の一人が言い放つ。どちらが先に手を出したのかはわからないが、両者が戦ったのは紛れもない事実。だから。
「そこを曲げて…お願いします。村人たちは、話し合いの場に立つと確約しています。どうか、一度だけでも、承諾してもらえないでしょうか。」
耕介も深々と頭を下げ、懇願する。
しばしの沈黙が降り…アイーシャの父は御付の翼人たちと二言三言交わしてから、耕介たちへと向き直った。
「わかりました。あなた方を信頼します。こちらからは族長である私が参加させていただきましょう。」
「あ、ありがとうございます!」
緊迫していた場にヨシアとアイーシャの喜びの声が上がる。
「よろしければ、貴方の名を教えていただけませんか。」
アイーシャの父が表情を緩め、耕介に尋ねてくる。
「えっと、コースケ・マキハラです。」
聞いたこともないタイプの名に一瞬怪訝な表情を浮かべたアイーシャの父だったが、すぐに微笑みながら言葉を繋ぐ。
「マキハラ殿、貴方のおかげで若い二人を引き裂かずに済んだようだ。父親として、礼を言いたい。ありがとう。」
今の彼は、族長ではなく、一人の父親だった。
「いえ、そんな。彼らの互いを思う気持ちがあったからこそです。」
それは耕介の心からの言葉だった。事実、彼だけの言葉では村人も翼人も説き伏せることなどできなかっただろう。
次にアイーシャの父はイザベラに視線を向けた。
「貴方は人族の国の王族であらせられるらしいですな。」
耕介に複雑な視線を向けていたイザベラは突然水を向けられわずか狼狽したが、すぐにいつもの調子を取り戻した。
「あ、ああ、そうさ。ガリアの第一王女さ。」
尊大な言い方だが、アイーシャの父は特に気分を害さなかったようだ。
「そうですか、人族の王族にも貴方のような視野の広い方がいらっしゃったのだな。我々は森で閉鎖的に暮らすうち、視野狭窄を起こしていたのかもしれない。貴方にも最大限の礼を。ありがとう。」
「え…ああ……。」
イザベラは何故自分が感謝されるのかわからず困惑していたが…簡単な話だ。彼女が今回の計画の発案者だと思われているのだ。
交渉の場に王女が現れたのだから当然の推測と言える。
困惑するイザベラに微笑ましさを感じながら、耕介はこの話し合いは絶対に成功させようと改めて心に誓うのだった。
おそらくハルケギニア史上でも稀な亜人と人間の話し合いは、やはりすんなりとはいかなかった。
だが、ヨシアとアイーシャが懸命に互いの種族を説得したこと、耕介やイザベラ(やはり王女の言葉は説得力が違った)が互いの利害の妥協点を提示したりしたことによって、一応の決着を見た。
村側としては、翼人たちが巣として選んだ一帯の木には手をつけない。翼人たちに外から来た人間が害を及ぼしそうならそれを阻止する。
翼人側としては、村人たちに協力を要請された場合に上空からどんな木があるかを教えたり、林業に協力する。森についての人間の知らない知識を教える。
共通することとして、互いを尊重し、常に協力し合うこと。
大きく言って、これらのことが決まった。
そして最後に、ヨシアとアイーシャの結婚式の日取りが決められたのだった。
そしてその夜。
「今日はめでたい日だ!おら、飲め飲め!!」
サムが酔っ払いながら翼人の青年に酒を勧めている。
「こ、これはなんという飲み物なのだ…?ちょ、ちょっと待、むぐぐ…ゴクゴク………もう一杯もらおうか。」
無理やり飲まされたその青年はたった一杯で目が据わり、次々と杯を空け始めた…彼は翌日、地獄を味わうだろう。
ヨシアとアイーシャは既に主賓ということで散々飲まされ、酔い潰れて仲良く重なって眠りこけていた。
そう、この饗宴…いや、狂宴は名目上、二人の婚約披露宴だったのである。
村中がお祭り状態で、そこかしこに酔い潰れた者たちが折り重なっている。
猟師がいれば、翼人もいる。皆、翼のあるなしなど関係なしにこの狂宴を心から楽しみ、若い二人を祝福していた。
そんな最中、耕介は一人でワインをちびちびと舐めていた。
こうして二つの種族が一つとなって騒いでいる混沌とした風景は、数日前まで彼がいた世界を彷彿とする。
視界の端に、宴が始まってからひたすら料理と格闘し続けるタバサがいる。シルフィードもその傍らで肉をたくさん食べられてご満悦だ。
御架月も今だけはそこらの人の輪に混じって他愛ない会話を楽しんでいる。この混沌とした情景に、幽霊が一人紛れ込んだとて、誰も気にはしない。
カステルモールは先ほど、数人の村人たちに飲まされ続けてダウンしたのを目撃した。あの様子で明日竜を操れるのかはなはだ疑問である。
そういえばイザベラを見かけないな…耕介がそう考えたちょうどその時、イザベラが向こうからやってきた。
手には酒瓶とグラスを持って、顔を赤らめ千鳥足…正直、王女としての品格ゼロである。
「あんた、こんなとこにいたのかい。みみっちい飲み方してるねぇ。」
イザベラは耕介の隣にどっかと胡坐をかくと、早速グラスにワインを注いだ。
「こういうのみ方がしたくなる時だってあるよ。」
その様子にさざなみ寮のとある住人を思い出して苦笑しながら耕介は空しい返答をする。
「ほら、酌してやるから一気にいきな!」
こうなるからだ。酔っ払いとは理不尽なものである。
仕方がないので耕介は一気にワインを飲み干した。
「その調子さ、ほらもう一杯!…しかし、あんた、ほんとにやっちまったね。全く、呆れを通り越して感心するよ。」
耕介のグラスに強引にワインを注いでから、ふいにイザベラはそう言った。
「別に俺が特別何かしたわけじゃない。ヨシアやアイーシャがいたからだし…それにイザベラが手を貸してくれたからだよ。」
それは耕介の本心だし、事実でもある。だが。
「そうだね。でも、あんたが始めたことだ。そうじゃなきゃ、誰もやらなかった。」
酔ったせいか、いつもは決して言わないことでもイザベラはすらすらと言えた。
「ほんとに、なんなんだいあんたは。亜人と話し合おうだなんて考え付くわ、それを実践するわ。単に掃討すれば楽だったろうに。
翼人は10人程度だった。先住魔法を使うとはいえ、エルフほどの使い手じゃないし、シャルロットとあんたなら勝てただろうに。」
掃討すれば、確かに楽だったろう。問答無用で殲滅してしまえば、村人たちは林業でさらに発展しただろうし、耕介たちもこんなにも手間をかける必要もなかった。
だが、そんなことをするのはさざなみ寮の管理人槙原耕介ではないのだ。
「そうかもしれない。でも、相手を傷つけたら、待ってるのは果てしない罪悪感だけだ。だから俺は話し合いでなんとかしたいって思ったんだ。」
耕介の酔いで熱くなった頭が思い出すのは、高校時代の苦い思い出。好きだった人を傷つけ、そのまま会えなくなってしまった、耕介の基礎を作った出来事。
「ふん…なんだ、聖人君子みたいに振舞ってるけど…あんたにもそんな過去があるんだね。」
「当たり前だろ。というか俺は聖人君子なんかじゃないよ。ただの人間だ。」
「…どうだかね…あたしには…あんたが…」
イザベラの言葉は最後まで続かなかった。
飲みすぎが祟り、ついに意識を手放してしまったのだ。
そのままイザベラは耕介の胡坐の上に頭を落とし、寝息を立て始めた。
「おいおい…そこでとめられたら気になるだろうが…。」
少しだけイザベラの頬を突いたりしていた耕介だったが、イザベラは全く起きる気配がないので諦めることにした。
なんといっても今は無礼講だ。ここで起こすのも野暮というものだろう。
未だに宴の余韻が燻る村の広場で、耕介はしばし昔の記憶たちに思いをはせるのだった。
そして、それ故に耕介はイザベラの寝言に気づかなかった。
「あたしには…あんたのほうが…バケモノに見えるよ…。」
エギンハイム村の激動の一日はこうして幕を下ろしたのだった。
以上で投下終了になります、支援ありがとうございました!
後半が駆け足になってしまったのが悔やまれます…。
しかし、自分には異種族同士の交渉を書ききる妄想力がありませんでしたorz
その分、イザベラ様の妄想には力を入れたいと思います!
乙+GJ!!
良かった。次回も期待してます。
乙であります
乙
イザベラかわいいよイザベラ
ガリアサイドで展開される話というのは
テンプレに飽き飽きしている俺のような奴には一服の清涼剤だなぁ
なにはともあれGJ
GJ!!
正攻法で話し合いとは、思った以上に良い展開ですね。
次回も楽しみにしています。
>>110 っ「薔薇乙女も使い魔」
ガリアサイドどころか、ガリア王宮襲撃してジョゼフ王とガチンコ勝負しとるぞ
となれば「気さくな王女」を外すわけには…
いいお話でした!
「気さくなご立派様」がどうしたって?
↑混ざってる混ざってるww
鬼畜王女イザベラ様があのマーラ様にチン子勝負を…
イザベラ様ならきっとやってくれる…俺はそう信じる!
負ける気も勝てる気もまったくしないw
オーラバトラーとヘビーメタルどっちがいいと思う?
>>105 乙でした!
イザベラ様可愛いよイザベラ様。
>>113 JUMの年に似合わぬアレに敗北感を感じる無能王なのか、
それとも年季の入った白色人種のアレに打ちのめされるジュンなのかどっちだw
>>122 タバサがアルジャーノンを発症し自らの機体にシナプス弾撃を打ち込み
キュルケと共に死亡する未来が見える
>121
スコタコで。
「わたしが村長です」
まとめ見てきた
風水回廊記の人楽しみにしてるから頑張ってくれ
カオスシードとクロスって楽しみなんだぜ
丁度今書けたので投下します。
30分からでいいですか?
sien
支援ジャー
眩い陽の光が目を突き刺す。
目蓋を開いた先にあるのは紛う事なき異世界。
クッシセンみたいな怪しげな生物が住まう場所。
煮え滾る溶岩が山から噴き上がり、
紫に変色した毒が川を流れていたり、
人間を捕食する奇形の植物が生えていても可笑しくはない。
勇気を振り絞って私は目を見開いた。
しかし、そこに広がるのは穏やかな世界。
澄んだ水が村中をくまなく巡り、草木は生命の息吹を感じ取る事さえ出来そうだ。
そんな自然の風景と整えられた町並みが違和感なく入り混じる。
まだ開かれて間もない村落とはどこかが違う。
支配するのではなく、大地と共に生きる者としての意思が窺える。
だけど、そんな事はどうでもいい。
この世界の空気が澄んでいようと汚れていようと関係ない。
私にとって最優先なのは使い魔を見つける、この一言に尽きる。
辺りを見回せばクッシセン同様、見た事もない生物が闊歩している。
どれに声を掛けたらいいのか全然分からない。
何しろ相手がどんな力を持っているかさえ知らないのだ。
取り合えず、誰でもいいから声を掛けようと行動に移す。
最初に目を付けたのは、木に背を預ける大きな虎。
無論、普通の虎とは違い二本の足で立っている。
見上げるような巨体に恐る恐る話し掛ける。
「あの」
「……………」
「ええと」
「……………」
相手は僅かにこちらに視線を向けるだけで何も言わない。
厳つい風貌はそれだけで相手を威嚇している。
眼つきには睨むのにも似た鋭さが感じ取れる。
それを前にして私は、しどろもどろになりながらも声を出すのが精一杯だった。
ルイズにとって家族以外の他者は、
貴族であり公爵家の三女である自分に傅く平民、
魔法を使えぬ自分を『ゼロ』と蔑み白い目で見る貴族、
この二つしか存在しなかった。
前者には貴族として当然の振る舞いを見せ、
後者には怒鳴り返すか無視すればいいだけだった。
だけど、ここにいるのは只のルイズ。
貴族と平民の境もない不思議な生物が暮らす集落の中では、
魔法も使えない私は普通の少女と何ら変わりはない。
その私がどのように振舞えばいいのかなんて考えた事もなかった。
「そんなに緊張しなくても大丈夫よ。取って食べたりしないから」
互いに無言を貫き通す二人を見かねて女性が間に入った。
凛々しく整った顔立ちに僅かに膨らんだ胸元、
その女性的な部分とは裏腹に下半身は馬で構成されていた。
赤い布に纏められた髪を揺らしながら彼女は私に歩み寄る。
「仙獣界は初めて?」
「え、ええ」
「人間界と比べると蒸し暑いでしょう?」
「確かに暑いわね。トリステインは春になったばかりなのに」
「ここは風があまり吹かないからね。
でも私は乾いた人間界の空気よりも好き」
力強さを感じさせる彼女の眼に逆らえず、反射的に口をついて言葉が出てくる。
虎よりは話しやすい相手に見えたのも理由の一つかもしれない。
仙獣界に馴染めない私の心を解きほぐそうと彼女は何気ない世間話を切り出す。
思わぬ助け舟を感謝すべきなのに私は素直に受け止められなかった。
誰の力を借りずとも一人で出来る、大丈夫だと突き放そうとした。
―――だけど、出来なかった。
小姉様以外の人と、こんな会話をするのはいつ以来だろう。
私は見知らぬ誰かと話すのをこんなにも楽しんでいる。
取り留めもなく無意味で簡素なお喋り。
それは私に初めて友達というものを意識させてくれた。
彼女が手を差し伸べたのは哀れみでも同情でもなく、
ただ困っている人を放っておけなかったから。
当たり前のような、その心遣いが私の胸の内を満たす。
この世界は人間界と比べて流れが穏やかなのだと彼女は言った。
しかも風だけではなく水や時の流れも同様らしい。
思い出さえも混在してしまうほど時間の感覚は曖昧になる。
何故そうなっているのか私が訊ねると、
それは仙獣界には深い悲しみがないからと彼女は微笑ながら返した。
時の流れは残酷だというけれど、
深い悲しみや憎しみを忘れさせてくれるのもまた時間なのだ。
もしも永遠に『今』だけが続くとしたら、
悲観にくれる人にとっては責め苦以外の何でもない。
それが人とは違う時間を生きているからなのか、
あるいは彼等の性質なのかは分からないけど、
私には色んな軋轢を生み出す人の世界よりも素晴らしく思えた。
肩の力が抜けたのを感じ取ったのか、彼女がその場を後に去っていく。
蹄を高らかに鳴らしながら彼女は思い出したかのように振り返った。
「ああ、そうそう。それと彼は無口なだけだから。
別に貴女を嫌ってるわけじゃないわ」
「あ! ちょっと待って! あの、私の使い魔に……」
呼び止める間もなく彼女の背は彼方に消えた。
伸ばした腕がやり場もなくぶらぶらと宙に揺れる。
取り残された形となった私が虎へと振り返り同意を求める。
「……そうなの?」
「そうだ」
実に簡潔なお言葉である。
どうにも人付き合いが下手というかコミュケーションに困る。
身を守るという役目なら優秀そうだけど、
使い魔にしてしまったら胃に穴が開くこと確定だ。
それなら他を当たった方が有益だし時間も無駄にはならない。
彼の邪魔をした事を謝りもせず、さっさと踵を返す。
やはり歩いている人には声を掛けづらいので立ち止まっている人が良い。
そう考えながら目線を配らせると兎の姿が目に飛び込んできた。
やはり並の兎よりも大きく、人間みたいに平らな岩に腰掛けている。
だけど一番目を引いたのは彼の持つ杖だ。
それは細かい装飾の施された代物で、どことなくメイジが持つ物に似ていた。
この世界には魔法がない代わりに仙術というものがあるらしい。
なら、きっと彼は仙術使いに違いないと様子を窺う。
よくよく耳を欹てて聞けば、何かを呟くような声。
更には手元には木片を連ねた巻物のような物が握られている。
もう疑う余地はない!
魔法…じゃなくて仙術の練習をしているんだ!
彼はきっと高名なメイジだ、そうと決めた!
覚悟を決めてツカツカと彼へと歩み寄る。
その直後、巻物へと目を落した彼が声を上げた。
「お嬢さん、あっしに何か御用ですかい?」
「………!?」
「別に驚くことじゃありやせんよ。
ほら、あっしの耳は人様より突き出てますからね」
そう言いながらぴょこぴょこと自分の耳を動かす。
口調はともかく、その仕草は何というか……凄く可愛い。
さっきの虎よりは人当たりも良さそうに見えるし、使い魔としては申し分がない。
どうやって切り出そうかと思案する私に、向こうから声が掛かった。
「せっかくですから、あっしの拙い芸でよければご披露いたしましょうか?」
「え? 見せてくれるの!?」
仙術については無知にも等しい。
もしかしたら中には不治の病だって治せる物もあるかもしれない。
ましてや、これから使い魔にする相手の力量が分かるというなら願ってもない。
でも、そんなに気安く飛びついたら底が浅いと思われてしまう。
あくまでも主従関係なのだから舐められないようにしなくては。
だから、あえて平静を装いながら彼を促す。
「……そんなに自信があるなら見てあげても良いわ」
「いやはや、こいつは手厳しい。
なら、ここは一つ気合を入れるとしましょうか」
えいやという掛け声と共に彼は息を整えた。
澄んだ空気が辺りを静かに漂う。
まるで呑まれる様に私は彼へと釘付けとなった。
一拍の間を置いて、彼はおもむろに口を開いた。
仙獣界の村の東西にある二つの神殿。
山の神殿にゃ食えねえ爺様が、水の神殿にゃ無垢なお姫様が住んでるんだが、
それがこの二人、水と油、顔を見合わせりゃケンカばかり。
ある時、この村を訪れた男が二人を見かねて一言。
『あんなので政が務まるってなら俺なんか皇帝になれるぜ』
その言葉を聞きつけた蛇が大喜び。
是非ともなってくださいと男を担ぎ出したもんだから、もう大変。
その日の内に、二人の所に乗り込んで政権を奪って来いなんて言い出す始末。
話を聞かされた二人は男にあっさりと席を譲っちまったもんだから仙獣界の皇帝様の誕生と相成りました。
だけども、成ったはいいが仕事は山積み。
新しい法律に、橋や道路の整備と気の休まる暇なんてありゃあしねえ。
『こんなんだったら土いじりしてる方が良い』と、
さっさと皇帝辞めて人間界に帰っちまったとさ。
そんなもんだから今も変わらず、二人は仲良くケンカしてるとさ。
「お後がよろしいようで」
「……へ?」
語り終わった兎が恭しく頭を下げる。
呆然と並べ立てられた言葉に私はただ困惑するのみ。
一体、何がしたかったのかさえ分からない。
興味深々とばかりに兎が私へと顔を近づける。
「如何なもんでしょう、あっしの語りは」
「どうって……てっきり仙術を見せてくれるものだと」
「ああ。あっしは噺家なもんで切った張ったはどうにも肌には合わなくて」
がっくりと肩に張っていた力が抜けて項垂れる。
私が目を付けた相手はメイジじゃなくて旅芸人の類だった。
自分の見る目の無さが本当に疎ましい。
『それじゃあ、もう一席』と張り切る兎に丁重に断り文句を伝え、その場を後にした。
とぼとぼと村の中を歩き回る。
あっさりと使い魔が見つかると思っていたのに悉く上手くいかない。
選り好みしているのも原因かもしれない。
だけど、それ以上に私が不甲斐ないからだと思えてくる。
ぐしっと涙ぐむ目元を手の甲で拭う。
ダメだ、こんな弱気じゃ見つかるものも見つからない。
飛び掛ってでも捕まえるぐらいの気概がなくちゃ。
そんな事を考えていた所為か、前方の注意は疎かになっていた。
次の瞬間、僅かな衝撃と共に鼻先に電流が走るのにも似た痛みが走る。
「痛いわね! どこ見て歩いているのよ!」
相手も見ずに思わず口走った言葉。
ぶつかった者を見上げた時、私はその言葉を後悔した。
鋭い目に剥き出しの牙、長く尖った爪は刃を思わせる。
目の前にいたのは直立歩行の狼だった。
虎のように威圧するのではなく、生来の狩人が持つ独特の気配を漂わせている。
狩猟犬に睨まれた小鳥みたいに私の身体が凍りつく。
狼は睨むかの如く、私から視線を外そうとはしない。
「へぇ、本当に人間だ」
私を一頻観察した後で嬉しげに狼は声を上げた。
何故、人間が来たことを喜ぶのか?
考えるまでもない、捕食する為に決まっている。
ああ、私は馬鹿だ。
クッシセンや馬の女性みたいな良い人ばかりが、仙獣界にはいるとは限らない。
それに自然では弱肉強食なんて当たり前すぎる事なのだ。
なのに、何の警戒心も持たずに徘徊するなんて食べてくれと言っているようなもの。
脅え竦む私に、ひたりひたりと狼が近付く。
もはや、これまでかと諦めた直後、
「なあ、アンタ。俺を人間界に召喚してくれよ」
自分を使い魔にしてくれと、その狼は言った。
以上、投下終了です。
短かいので後数回で終わりです。
風水の人乙です
二十分位から投下します
投下します
そして余りの馬鹿らしい展開に衝撃を受けた俺は、視界が一瞬暗転、地面という絶望に膝をつく。
どうやら脳のジョウシキウム(俺が考案した常識物質的な物)が不足した事により起こる急性貧血らしい。
そして少女はそんな俺を見下ろし、まるで不遜な貴婦人の様に笑む。
「膝をついてまで私を讃えなくてもいいわよ」
「んなことあるかっ! どうやったらそう見える!? 今迄の会話の流れで俺が君を尊敬するような流れがあったか!? 壮絶に間違ってるだろ、主に人としてっ!」
俺は絶叫して少女を見上げた。少女は相変わらず不機嫌に、まあいいわ、と言い捨てる。うわぁ、こいつ俺の魂の叫びを、まあいいわで流しやがった。
俺はついつい毒ガス咒式を検索してしまう。
毒ガスを吸引しても、まぁいいわ、ですませられるか! ちなみに毒ガスを選ぶのは正面から戦ったら負けそうなので、清く正しい暗殺。わお、なんて素敵に後ろ向き。
催涙ガス、いやマスタードガス。しかし色付きなので却下。でもどうせあの阿呆みたいな咒力で無効化されるだろうな。等々思考していると。
「ルイズが平民を喚びやがった」
と、誰かを卑下するような声が周囲の子供達の方から笑い声があがる。
俺の目は嘲りと嘲笑の視線が収束した地点を辿る。悪意の視線の先には少女と俺が佇んでいる。推察するにルイズとやらはこの少女か。そして俺への表が平民。
その笑声を聴いたルイズは、顔を一瞬しかめ奥歯を噛み締めるような音が聞こえた。
「ちょっと間違っただけよ」
ルイズはそう呟くも、嘲りと悪意は加速していく。例えどんな世界でも、人は変わらない。他人の何かを嘲笑う人間は、自らの脆弱さを他人に押し付けて自意識を保つものだと。
「間違いって、ルイズはいつもそうじゃないか」
「さすがはゼロのルイズだ」
ルイズは、氷の眼で人垣を見る。そして嘆息をつくと、その深い鳶色の双眸が氷点下の視線で俺を射抜き。
『嫌だ、やっぱり、死ぬの怖いよぅ。誰にも、本当、に愛されないま、ま死ぬの怖い、よう』
支援
目眩がした。何故かその瞳を見た俺は、俺を愛して、俺が愛せなかった、そして俺が……何だ、この記憶は?
記憶の混濁か。転位の影響による欠落か、もしくは存在すらしないのか、俺は思い出せない。
俺の迷いやすい思考を断ち切るかのようにルイズは俺に近づく。
「ねぇあんた。……いや、なんでもないわ」
刹那の従順、ルイズの眼に写った光。俺はその瞳に最愛の妹、そして最悪の枷である、アレシエルを思い出す。
『 いで、 わ』
断罪と弾劾の言葉は、時が流れた今も容赦なく俺の心を抉る。
ああ、そうか。こんな状態になっても、俺が目の前のこの子を無視して逃げようとも思わないのは、妹に、アレシエルに似ていたからだ、と。
「動かないで」
その言葉の縛鎖に、俺は動かない。いや、動けない。
俺の眼前に突きだした杖の先に燐光が集まる。そして竜並みの超咒力が収束。ルイズの意識が仮想力場を通り収斂。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」
まるで地から沸き立つような詠唱。光に包まれ浮かぶ可憐な美貌は、まるで非人間な迄の美しさを表した。
それは、世界を構成する電磁力、重力、大きい力、小さい力。そして四つの力に分かれる前の、一つの<力>による奇跡の体現。
「五つの力を司るペンタゴン」
振られた杖の起動に残る光の残姿が踊る。
その虚無の光が量子世界の基本単位である、六・六二六○七五五四○に一○の負の三四乗(J・s)と定義されていた。
そして、その作用量子(プランク)定数hを操作し、局所的に変異させる事が可能なら、h=△・△tにより、熱量の不確定性は時間の不確定性に反比例するという理論。
「この者に祝福を与え」
流麗の腕と杖が俺の額の前で停止。白光の軌跡は複雑な組成式を描き、大規模な量子変換を起こす。そして仮想観測空間から現界。
その理論から中間子の熱量が陽子や中性子より大きくなる原理と同様に、存在する時間が短いなら熱量の不確定性、つまり物質の大きさは増大するという原理が導き出された。
「我の使い魔となせ」
正式名称[限定系における、状態力方向の物理神経の観測支持作用による線形分解と作用量子定数変化、及び位相変異における強制作用力試験]により確立された咒式に、淘汰、併合された異能。
咒式では有り得ない物理干渉。俺の前で今行われる超弩級の咒式。それは、まさに科学では到達しえない技術<魔法>という超常現象だった。
紡がれた咒力と組成式の圧力で、動けずにいた俺に魔法使いの顔が俺の鼻先迄近づく。
そして、ルイズの唇が俺の唇に重ねられた。
は? なにそれ? なんで? どして?
余りの前衛的な芸術展開に、思わず口が開いているのを確認。俺はさぞや壮絶に間抜け顔を晒しているのだろう。
そして展開していた咒力の霧散を感じる。
ルイズは俯いたまま制止している。いや、ちょっと振動している。
俯いた顔を俺に向ける。幼さを残す頬梁は僅かに赤みを帯びていた。
「興奮したり欲情したりしないでよねっ!」
「なにその倫理的におかしい照れ隠し!?」
「ほら。あんたいやらしそうな顔してるし」
「おい、そんな軽い接触で大人は喜ばないよ。むしろ脱いで、ついでに犯らし……」
軽口を叩こうとするが、瞬間左手の甲に灼熱が走る。焼けるような痛みに俺は苦鳴を漏らした。
俺は痛みに耐えながら、右手に持った魔杖剣<断罪者ヨルガ>を構える。
「何を、した?」
「何って――」
そして霧散したと思っていた咒力は高密度に集束。それらは円内に変形六角還を無理矢理挿入したような組成式を描く。
蒼久の空に届く程の超巨大組成式が隠蔽されていた。そして改変された物理反応が形骸化。強大で複雑な多重咒式の光が零れ俺に流れこむ。
俺の世界が砕け、意識が、混ざる、捻れ。様々な光景が乱舞する。
アレシエルが数式を書き留めて桃金の髪小さなの少女が小舟の上で泣きクエロだけを助けるためにクエロを殺そうとして羽帽子をかぶった男が微笑み。
棚の魔神となったギギナが死の突っ込みを零と呼ばれジヴの背中が離れ爆発するのを見て二人は悲しみ俺は少女を殺し。
「契約よ」
俺に? 音の波が俺の鼓膜を振動させる、それが意味だと認識出来た。
多少の正気を取り戻し、鎮痛咒式を即座に発動。
魔杖剣の引き金を弾くと、辺りに咒力の光が発生する。痛み止め程度にしかならないが充分だと思いたい。
「あ、あんた貴族!?」
ルイズが驚きながら俺に問う。
咒式の効果で死にたくなる痛みが、狂いたくなる痛みに変わり。俺は苦鳴を漏らしながら問いをぶつけた。
「俺に……何をしたんだ?」
「だから、契約よ。それより私の質問に答えて。あんた貴族?」
契約? 分からないのでとりあえず質問に答えておく。
「一応貴族だけど」
先程の平民発言から察すると、ここは貴族と平民という二極の立場があると推察。
ちなみに俺の爵位は既に結婚詐欺師に売却している、が貴族であるという事実は無根では無いような気がする。というか貴族と言っておく。
そこで右手に長大な杖を持った、眼鏡を掛けた禿頭の男が足音を絶てに現れルイズに話しかける。
「『サモン・サーヴァント』は何回も失敗したが、『コントラクト・サーヴァント』はきちんと出来たね」
男は太陽の恵みを燦々と浴びた頭部を輝かせ笑む。
「ルーンをスケッチさせてもらって……」
男は何かに驚いたように停止した。その驚愕の視線は只の一点、俺の魔杖剣に注がれていた。
「これを知ってるのか?」
俺は魔杖剣<断罪者ヨルガ>を掲げた。
男は俺の問いに目線を左上に流しながら言う。
「いや、なに。変わった杖だ、と思ってね」
俺は男のその動作と言葉に違和感を感じながら、魔杖剣<断罪者ヨルガ>を鞘に収めた。
支援
145 :
されど:2008/03/02(日) 02:32:22 ID:+6MW/4Q1
投下終了です
支援ありがとうございました
乙
欝ー(乙的な意味で)
続き期待してるんだぜ
148 :
ゼロの魔獣:2008/03/02(日) 08:08:14 ID:7xpkEtiu
乙です。
5分後に投下してよろしいでしょうか?
149 :
ゼロの魔獣:2008/03/02(日) 08:13:11 ID:7xpkEtiu
トリステイン出発から二時間−。
大地に爆音を轟かせ、青空に一直線の雲を描きながら、不滅のマシーンが突き進む。
慎一には次第にコツが掴めてきていた。 見た目とは裏腹に機体の操作自体は簡単な物であった。
この機体を動かすのに必要なのは、技量でもなければ知識でもない。
高速の世界に対応できる動体視力と、衝撃と疲労に耐えうる体力だけである・・・。
傍らにいるルイズの顔色を確認し、慎一は速度を落とそうとする。
その右腕を、少女の小さな手が押し包む。
「・・・まったくコイツは バケモノみたいなマシーンね」
流れる脂汗を拭いながら、ルイズが軽口を叩く。
「あたしの事は気にしないで 速度を上げて」
「いや・・・ その必要はねえ」
二人の視界に、赤く輝くタルブの地が広がってきた・・・。
・
・
・
−そこに、かつての美しい草原は無かった。
立ち上る炎と黒煙が空を包む。
大地にはむき出しの茶、墨の黒、そして・・・おびただしい赤。
そのはるか前方には、翼を持たぬ巨大戦艦と、巣に群がる蜂のごとき竜騎士の大軍。
「さて おっぱじめるとするか お姫様?」
「ええ・・・派手にやってちょうだい!」
震える右手を押さえながら、ルイズが不敵に笑う。 マシーンが手近の竜に突撃する。
制空権を掌握したアルビオン軍にとって、そこは絶好の狩場であった。
逃げまどう敵相手にどれだけスコアを稼ぐか・・・竜騎士達は、戦場でゲームに興じていた。
故に彼方から飛んでくる物体の異常さに気付くことも無く、彼らは緩やかに杖を構えた。
「魔法が来るわ!」
慎一は答える代わりに、無表情でレバーを思い切り倒した。
「な!」
敵味方から同時に悲鳴が上がり、急加速した真紅のボディが火竜を直撃、その身をグシャリと分断する。
大きく前方に投げされた騎士は、そのままの勢いでフロントガラスを直撃し、二人の視界を真っ赤に染める。
哀れな騎士は瞬く間に後方、豆粒となって消えていった・・・。
「 バ! バババ バカじゃないの! 何で加速するのよ!?」
「弾が惜しい」
「ケチ臭いこと言ってんじゃあないわよ!」
「漫才やってる場合じゃあねえぞ!! おふたりさん!」
デルフが叫ぶ。
流星のごとく現れた乱入者を討ち取らんと、竜騎士達が包囲の輪を作ろうとする
尤もそれは、一匹の狼を羊の群れが包囲するに等しい行為だった。
「貴様らとはパワーが違うッ!!」
前方の一体を体当たりで跳ね飛ばしながら包囲を抜け、あっという間に魔法の射程外に飛び去る。
そのまま大きく旋回し、包囲を外側から攻撃し、一撃離脱で突き抜ける。
威嚇射撃と体当たりを繰り返しながら、牧羊犬の如く羊の群れを切り分け、二門のバルカンで一掃する。
無秩序な狩りの場は、直ちに効率的な屠殺場へと一変した。
・
・
「皆 今こそ突撃を!」
突如乱入してきたモンスター・マシーンが戦場の色を塗り替えるのを
トリステイン軍は塹壕から見ていた。
上空から一方的に焼き払われ、地べたを這い蹲り、泥にまみれながら尚も踏みとどまっていた彼らにとって
それは、初めて訪れた反撃の好機であった。
「あれこそは トリステインの危機に現れる伝説の不死鳥!!
始祖ブリミルの加護は我等にこそあります」
若き王女の檄に全軍が奮い立ち、戦場の流れを押し戻さんと逆襲に転じる。
正直なところ、圧倒的な戦闘力を有する真紅の怪物に、薄ら寒いものを感じるアンリエッタだったが、口には出さない。
今 この戦いを生き残らねば、不吉もクソもないのだ。
死に体だったトリステイン軍の鴇の声にレコン・キスタ全軍が色めき立った瞬間を、慎一は見逃さなかった。
ただちに加速をかけて竜騎士の層を抜け、巨大艦の前方へと躍り出る。
「どうするの!? シンイチ!」
「知れた事よ! このままあのデカブツを・・・」
言いかけたところで慎一が気付く、艦前方に備えられた大型のハッチ、その悉くが開き始めている。
sien
「ヤベーッ!?」
咄嗟に機体に急ブレーキを掛けつつ、操縦桿を後ろへと倒す。
機体先端が浮き、そのまま垂直に立ち上がる。
前方から大型のミサイルが次々と打ち出される。 同時に再加速したイーグル号が上空に駆け上る。
ミサイルが中空で散弾の如く拡散し、竜騎士、トリステイン軍を問わず、悉くを焼き払っていく。
閃光と爆音が慎一達を後方から襲う。
「チクショウ!! これが本来の姿ってわけか!」
慎一が叫ぶ。
かつて、この巨体と対峙し、その恐るべき機動性を知っていた慎一だったが
実際の戦闘能力を目の当たりにするのは初めてだった。
「正面からは無理だ! 上空から突っ込んでやるッ!!」
巨大艦の前方を飛び上がり、イーグル号の視界が一気に広がる。剥き出しの甲板が眼下に見える。
「シンイチ! 後ろっ!?」
機銃の対空射撃を避けつつ反撃の機会を狙っていた慎一に、ルイズが叫ぶ。
咄嗟に操縦桿を倒し右に免れた機体の脇で、何者かが爆裂する。
至近距離での爆発で、イーグル号の外装がひっぺがされ、剥き出しの金属色が現れる。
「行け バド・・・」
「ギャオオオオォォオオオォォオオオ」
男の指示に合わせ、バドと呼ばれた翼竜が、金属音の混じり合った咆哮を上げる。
青と銀の翼がイーグル号の脇を抜け、慎一達の眼前へと回りこむ。
「ワルド!?」
ルイズが驚きの声を上げる。 彼女の眼前にいたのは、確かにかつての許婚者・・・。
そして、彼が操っていたのは、半身半鉄の大型風竜だった・・・。
・
・
「よおッ!! ルイズ! ハルケギニアにはあんなドラゴンも住んでるのか!?」
「いるワケ無いでしょッ!? あんなの!!」
「だよなあああ!!!」
軽口を叩きながら、イーグル号が加速する。 近距離の小回りで対抗できる相手ではなかった。
確かにあんな生物は自然界に存在しないだろう。
金属の外装はともかく、翼にミサイルを背負ったドラゴンなど・・・。
後方から、件のミサイルが再び迫る。
きりもみ状態となって回避を試みたイーグル号のコックピット付近で爆発が生じ、
先ほどとは逆側の外装が持っていかれる。
スピードでは対主を遥かに上回るイーグル号だが、離れたところでそこは敵の間合いだった。
支援
「クソッ! いいカンしてやがるじゃねえかッ! 突っ込むぞ!!」
機体を旋回させ、真正面から鋼のドラゴン目掛けて突撃を掛ける。
その行動を予測していたかのように、ワルドが杖を振るう。
前方から突風が生じ、機体の突進力が大きく削がれる。 ドラゴンが口を開く。
直後、放射線状に放たれた振動波が機体を包む。
金属音が周囲をつんざき、衝撃が機体を付きぬけ、直接慎一の脳味噌を揺さぶり全身を痙攣させる。
「グッオオオオオオ」
大きく歪む視界の中、慎一が操縦桿を倒し、突風の範囲外へと逃れる。
魔獣の細胞を持ってしても抗えないダメージである。 普通の人間では・・・。
「・・・やって・・・くれるじゃないの アイツ・・・」
どうにか体を起こし、鼻血を拭いながらルイズが虚勢を張る。
近間においても遠間においても、イーグル号に勝ち目は無かった・・・。
後方、バドは既に三発目の射撃体勢に入っていた。
「ルイズ! 運転代われ!! バケモノに目に物見せてやるッ!!」
「わかったわッ!! ・・・って ええ!?」
ルイズの驚愕も聞かず、慎一が後方に消える。
程なく、六角形のハッチを力でこじ開け、コックピット前方から現れた。
「シンイチッ!! 無理よ!? 操縦なんて・・・!?」
「うるせえ!! 気合入れて操縦桿握ってろッ!!」
防弾ガラス越しに喚くルイズを尻目に、慎一が機体上部へとよじ登る。
ミサイルは既に目と鼻の先まで迫っていた。
タイミングを計り、慎一が機体を踏みつける。
衝撃で機体は大きく沈み、慎一は上空へと飛び上がる。 開いたスペースにミサイルが飛び込む。
直後、爆発が巻き起こり、慎一は前方へと大きく投げ出される。
「もらったぜえええッ!! ワルドオオ!!」
爆風をデルフを盾にして受け止め、慎一が反動で加速する。ワルドに魔法を唱える余裕は無い。
だが、ワルドは杖を構える素振りさえ見せない。
代わりに左手の義手を口に咥えて、根元から一気に引き抜く。
ズルリ、と左の篭手が抜け落ちて、中から鈍く輝く銃口が現れる。
「何ィ!?」
慎一の叫び声と、中空に鳴り響く銃声は、ほぼ同時であった・・・。
支援
156 :
ゼロの魔獣:2008/03/02(日) 08:24:42 ID:7xpkEtiu
以上、投下終了です。
支援ありがとうございました。
石川作品における重症を負った敵キャラの魔改造率は100%といった感じで続きます。
乙です
前スレに出てたのでつい英雄伝説6のレンで書いてしまったのだが、
いま投下していいのだろうか。
あー。そして、負ける→改造して再登場 のルートに入ったキャラは
機械の塊になって最終的に巨大ロボになるのもお約束ですな。
魔道兵器ワルド誕生の予感。
支援支援支援
161 :
ゼロの軌跡:2008/03/02(日) 10:23:38 ID:tzanO0BW
じゃあ投下する。
タイトル ゼロの軌跡
元ネタ 英雄伝説6 空の軌跡シリーズ (Falcom)
召喚されるキャラ レンとパテル=マテル
投下するの初めてなんでなんか不具合あったら生暖かく指摘してくれ。
162 :
ゼロの軌跡:2008/03/02(日) 10:26:13 ID:tzanO0BW
ゼロの軌跡
第一話 天使の彷徨
カルバード共和国 東方人街
「どうもありがとう、ジャックおじさん、ハルさん。」
「ああ、また顔みせな。軽くひねってやるからよ」
「次までにはもっとカード強くなって、ジャックおじさんを負かしてやるんだから。
ハルさんの火竜トムヤムクンもまたご馳走してね」
「あらら、私も料理の腕磨いておかなくっちゃね。今度はレンちゃんのパパとママも一緒においで」
「うふふ、約束よ。レン、楽しみに待ってるから。」
二人に見守られてレンは酒場を出た。
彼女は気の向くままに大陸を見て回っている。別にこれといった目的はない。今の彼女になすべき事もなければ、なしたい事もまたなかった。
「いらっしゃい、お嬢ちゃん。カルバード見物かい?」
「そうよ、パパとママに連れてきてもらったの。少し見せてもらっていいかしら」
「もちろんさ、かわいいお嬢ちゃんにはこんな帽子なんかどうだい」
あてどもない旅をしたいわけでもなかったが、かといって旅をやめてどうすればいいかなど見当もつかない。その結果がこの気ままな生活であるのならばこのままでもいいと思っていた。
なのに、レンはいつも思う。
ならば何故、こんなにも私は沈んだ気持ちでいるのだろうか。
鬱々とした気分で数時間、露店を冷やかすことにも倦んで、レンはパパとママの許へと走った。
街から十数分、鬱蒼と茂る林道のその外れ。魔獣はいても人はいない岩陰に、それは佇んでいた。
「ただいま、<パテル=マテル>」
キュルキュル、と電子音をたてながら<パテル=マテル>がレンに差し伸べた手。彼女の帰るべき場所。誰にも邪魔されない安息の掌。彼女を包む暖かな鋼の揺り籠。
それの上で今日街で会った人、おいしい食べ物や買った素敵なアクセサリーの話をするのがレンの日課なのだった。そうすると<パテル=マテル>は喜んでくれるのだ。その巨体を震わせて、煙を吐いて。
「…」
それがこの数日、つまり<方石>事件後、毎日のようにレンはずっと黙りこくったままだった。<パテル=マテル>が心配気にたてる音にも彼女のいらえはなく、膝を抱えて思考の海に沈むばかり。
彼女の楽園、鋼鉄の両親の胸の中にいながらレンは自分を見失いかけていた。
163 :
ゼロの軌跡:2008/03/02(日) 10:28:05 ID:tzanO0BW
<輝く環>事件。結社<身喰らう蛇>によるリベールの古代文明<リベル=アーク>の復活。
<方石>事件。<リベル=アーク>崩壊にともなった余震ともいうべき出来事。
レンは思う。その二つの事件の中で、いや正確に言うならばその時に一緒に過ごした人々のせいで、自分はこんなにも変わったしまったのだと。
結社にいたときは本当に幸せだった。
本当のパパとママがいなくても<パテル=マテル>がそばにいてくれた。初めて<パテル=マテル>と精神がリンクしたときはその駆動音が母親の子守唄のように聞こえた。
日曜学校に行かなくても他の執行者たちがたくさんの面白いことを教えてくれた。気配の消し方や人の殺し方、オーブメント理論に機械工学。
自分で何も考えなくても教授が素敵なパーティを考えてくれた。お茶会を開いたらいい、と言われたときは楽しみでどきどきして全然寝付けなかったものだ。
だけれども今の私はこんなにも孤独だ。それはきっと一人だからではなくて、今の自分の在り様を是としてないからなのだろう。
そう頭ではわかっていても心はその答えを拒絶して思考は渦を巻く。そうやって出来た渦は少しずつ形を変え、いつも彼女達の顔を浮かび上がらせるのだ。
「エステル…ティータ…ヨシュア…」
彼女の誘いを受ければよかったのに、と脳裏で声がささやく。
エステルは犯罪組織の一員である私を受け入れようとしてくれた。エステルの恋人であるヨシュアも、その二人の父親、カシウス=ブライトも。
何回も彼女達を裏切って、騙して、戦って。それでもエステルは優しく私を迎え入れてくれようとした。
なのに私を抱きしめるその手を振り切って逃げ出した、その挙句がこの懊悩。
あのときの私には勇気も覚悟もなかったのだ。差し出された彼女の手の中には私が今まで築き上げた価値観も世界観もなく、私はその新しい世界に恐れをなしたのだろう。
だから耳を塞いで眼を閉じて、パパとママの中に潜り込んだ。私は私を捨てることが出来ずに、今まで私を守ってくれたものにしがみついた。そこに私が必要としているものがないことを知りながら。
私の世界は歪にゆがんで閉じていて、けれどどうしようもなく空虚だった。
だからわたしは ぱぱとままのてのひらのうえで ひとりさびしくないているのだ
164 :
ゼロの軌跡:2008/03/02(日) 10:30:31 ID:tzanO0BW
底の見えない思考の海から這い上がり、レンが冷えきった膝小僧から手を離して顔を上げると、そこには見覚えのある光の扉が浮かんでいた。
<方石>事件、その星層の中で幾度も見た扉。ただ一つ違うのはそこに描かれた図。星でも月でも太陽でもない、見慣れない奇妙な文様。
幾ばくかの逡巡ののち、彼女は立ち上がった。
きっとこれも<リベル=アーク>のアーティファクトが何らかの事象を引き起こしたのだろう。行けば必ず巻き込まれる。
それでもレンは進む。
そうだ、私は一人ではない。<パテル=マテル>がそばにいる。
それに。
「行きましょう、<パテル=マテル>」
エステルは言ってくれた。必ず、追いかけて見つけてあげるから、と。
165 :
ゼロの軌跡:2008/03/02(日) 10:32:17 ID:tzanO0BW
空の軌跡を知らない人のために簡単な解説
・レン
犯罪結社<身喰らう蛇>に所属する。執行者NO.]X。異名は<殲滅天使>
両親に捨てられ、ある犯罪組織で育てられていたが<身喰らう蛇>に拾われて英才教育を受ける。
若干12歳ながら戦闘力は並みの兵士を遥かに凌駕している。武器は大鎌。
巨大兵器<パテル=マテル>を操る。名前からも判るように<パテル=マテル>を本当のパパとママのように思っている。
<輝く環>事件の際、<身喰らう蛇>の執行者として活動するも、エステル達に敗北した後は結社にも帰らずに姿を消す。
その半年後の<方石>事件にも巻き込まれ、事態の打開のためにエステル達と一時共闘を図る。
この時にエステルから一緒に暮らそうと誘われ、アンビバレンツな幼心を見せてくれるがやはり姿を消す。
このお話はその数日後からのものです。
・<パテル=マテル>
<身喰らう蛇>内の<十三工房>で開発されたゴルディアス級戦略級巨大人型兵器。
ダブルバスターキャノンが得意技。レンを乗せて空だって飛べる。
空の軌跡3rdでほんの少しそのスペックが明らかにされた。なんでも数年だか無補給で活動できるらしい。
そんなことできるの∀ガンダムとかそんくらいだと思う。
・エステル
空の軌跡FC SCの主人公。本名エステル=ブライト。
遊撃士(街の観光案内から料理のレシピ探し、魔獣退治や犯罪結社撲滅まで請け負う住民密着型の何でも屋)
笑顔爛漫の太陽娘。お人よしで直情径行派。
新米遊撃士として仕事をこなすうちに<身喰らう蛇>の陰謀に巻き込まれる中でレンと知り合い、彼女を救おうと尽力する。
まだレンはエステル達といようとはしないが、エステルの生き方、在り様はレンに大きな影響を与えている。
166 :
ゼロの軌跡:2008/03/02(日) 10:36:56 ID:tzanO0BW
以上で第一話投下終了です。支援感謝。
重ッ苦しい文体と展開でその上乱文。スレ汚し申し訳ない。
それでも読んで下さる方はお付き合いください。
すごく…GJです
>>159 それなんて由比卍党(おきらく忍伝ハンゾー)?
乙です。
これは何という戦闘スペック。
ギーシュの伝説がまた1ページ増える予感w
よくわからんがまだ召還されてない風味?プロローグ?
もしもワルドがヴァッシュだったら
ラブ&ピースと公言しまくって、レコンキスタは誘おうともするまい
ロボ物召喚のネックとしてメンテナンスの問題があるけど…
発想を変えてみよう。メンテナンスが出来る環境ごと召喚してみるんだ!
つまりはロボの母艦や研究所ごと!
というわけで大空魔竜と天空魔竜と大地魔竜をですね。
【馬鹿は他の問題に目がいってない】
ダイクウマリュウキングガイ召喚と申したか
補給もメンテナンスも無理な状況で戦い、デッドエンドで見せ場をさらう。
そういうSSもあります。ノリス、かっこよかった。
>>175 贈呈品イーター自重wwwww
しかし食い物ネタ…。
考えてみたが、ガンパレ世界の食べ物をルイズが食べて喀血するぐらいしか思いつかんかった。
妄想を書き綴ろうにも
どうにもテンプレ通りになっちゃって面白くないんだよなあ…
もっかいやり直すか…
>>176 嘘だといってよ、バーニィ
奴が召喚された話もかっこよくて切なかった
ガンダム系は大抵そうだよな。
海皇紀から放浪の大軍師アル・レオニス・ウル・グルラ召喚
>>183 その手のキャラの何が難しいって作者より頭のいいキャラは…
>>177 某ガキ大将手作りシチュー召喚と申したか
山田風太郎作品から天膳様とかも面白いかなあ
ことあるごとに死にまくるのか
甲賀弦之助召喚・・・・・・・・強すぎるな
>189
契約のキスは攻撃と判定されるのか
ギーシュはワルキューレにフルボッコにあうのか
>>190 あの術は判定というか敵意に反応するので恐らく契約のキスはもーまんたいでしょう
ギーシュは、多分ゴーレム達にフクロにされるのでしょうね
弦之助なら一人で七万の兵を殲滅できそう
そういえばあかほり系からは全く来てないな
ダ・サイダー様なんか面白くなりそうなんだが
>>168 ハンゾーなつかしすぎるw
あれお気楽だけど、背景にある設定は実はかなりハードなのよね。
召喚されたらルイズはからかい倒されるんだろうなあ。思えば、アヤメもツンデレでした。
ところで、あの絵でゼロ魔の面々思い描いてみたんだが、やたら違和感無いのはなんでだろう。
>>191 ラムネスやダサイダーは生身でもそこそこ強いし、美人には弱いからやっていけそうだなw
ココアが何だかんだでハルゲギニアに来ることもできそうだしなーw
実はダサイダーはマジになるとラムネスより強い
小説だと見栄っ張りと負けず嫌いがあいまってかなりの修練を積んでいる、とあるな。
得意技はダジャレを飛ばしてあまりの面白さに敵が硬直したところ(ダ・サイダー主観)
を斬りつけるダジャレ剣法。
おてんば氷精を召還
◯イダー
◯に入る言葉は『べ』しか認めん。
H
デストローイ ナインボー
デデデデ デストローイ ナインボール
アニメ版のデデデとかはどう
カラカ=ゾーイか
>>201 アニメ版のデデデデは単体では弱いぞぉい。
204 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 16:14:15 ID:I+j83U8p
ttp://tomonobu.blog43.fc2.com/blog-entry-133.html ルイズをいじめて気分爽快!
『あの作品のキャラがルイズに召喚されました』
こんなタイトルのスレが、2ちゃんねる上にあった。
そのスレは、延々と続いていて、今ではPART100を超えている。
もしも、ルイズに召喚された使い魔が才人ではなく、古今東西の漫画、アニメ、映画のキャラだったら……という二次創作ストーリーを書くスレだ。
召喚された使い魔は、『うしおととら』のとら、『クレヨンしんちゃん』のしんちゃん、ターミネーター、プレデター、『ナイトライダー』のナイト2000etc。
今までの作品をまとめたサイトをのぞいてみた。
原作同様、ルイズが使い魔を虫けら扱いしている作品が多いが、原作とは逆に、使い魔が怖くて命令できない、あるいは使い魔が言うことを聞かない作品が少なくなかった。
読んでみたら、胸がスカッとした。あそこまでルイズの面目を丸潰れにしてくれるとは。
そして、安心した。ルイズを嫌いなのは私だけじゃなかったんだ。
嫌いじゃなかったら、あんなにルイズをひどい目にあわせられるものか。
不思議なのは、このまとめサイトの掲示板が荒らされていないこと、そしてアンチサイト、アンチスレが見当たらないことだ。
誰もかばってくれないとは、自業自得とはいえ惨めなものだ。まるで、どこかのクズのようだ。
最後に、作者諸氏へ。
おかげで、気分爽快になりました。ありがとう!!
これからも、もっとルイズを徹底的にいじめて、甘ったれ根性を叩き直して下さい。
今回の要点・ゼロの奴らになりたいなら、『ゼロの使い魔』を読もう。
デデデって
懐かしいな
アニメはメタ様がカービィにデレてる印象しかない…
カービイ復活せんかなぁ
ダディーフェイスからデイモン
「ちんぽちんぽちんぽっぽー」
ワルキューレ相手に卑猥な言葉を連呼するイケメン
台無しである
ジョゼフがBIGBOSSを召喚して
ハルケギニアにアウター・ヘヴンを築くために暗躍する
ノリス召喚物は
まとめに有ります
ただし、分家(トレーズ様板)ができる前らしく預かり作品ではなく通常の作品と一緒に並んでいます。
>>208 あ〜いたなデイモン。
ダディフェイス続き出なすぎてもう内容忘れかけてるから困るw
>>166 遅ればせながら乙&GJ
レンと言うと、「それ、どう見ても娼館です。本当に(ry」疑惑が一番の印象な俺……orz
>>212 やぁ、俺。
今度リメイクされるそうだよ。
ロボもので思い出したけど九十九式蛮型僕撃機やドレッドはペークシスプラグマの恩恵で破壊されないかぎり動けるんだよな
蛮型は十特ツールとか面白い得物持ってるし
問題はタラークとメジェール(男と女)で星が別れてたってってとこか
2nd直前か直後の面々なら平気だろうけど
折角ゼロ魔世界には月が二つあるのだから、それを生かした何かを……一つは本来の月で、もう一つは超銀河ダイグレンの偽装であるとか。
>>215 実はもう一つの月は降臨者がワープさせてきた地球破壊用小惑星
これを防ごうとしたアルカンフェルが、うまく衛星軌道上に乗せる事に成功した
そしてアルカンフェルは地上に降り立ち始祖ブリミルとして・・・
>>216 幾らなんでもそれはやりすぎって言うか貴族がメイジじゃなくてゾアノイドになってしまう
月の設定をつかうなら、懐かしきパンツァーポリス1935より自己進化戦闘艦カイザーブルク
っても流体(エーテル)の設定と系統魔法のつじつまがあわんよなぁ
月の話題と聞いてルイズがサイレントヒルのUFOを呼んでお友達になり
宇宙人達がレコンキスタを倒してくれるという妄想が脳内で(ry
>>215 ・イゼルローン
・ユニクロン
・黒い月
・デススター
くらいしか思い浮かばんな
FF4もだな
>>220 黒い月?もしかして黒き月か?だったら2つの月なんだし白き月も
月と言えばムジュラの仮面
>>223 三日目のイベントはガチで焦ったことを思い出した。
マルドゥーク(@WILD ARMS)
&
ロクス・ソルス(@WILD ARMS the 5th Vanguard)
も忘れないであげて下さい
二つの月と言えばヴィオラの月とチェロの月
小さいチェロの月は月奏・・・魔法を使う者の魂が死後集うという・・・。
あとはそういやダブルムーン伝説なんてRPGも昔有ったな。
マップスにも月みたいなのがいたよな…。
イウェカの月…なんてネタ出ししても分かる人いないだろうな
>>218 それ以前に、川上稔の作品は癖が強すぎて真っ当なクロスはできんと思う。
正直、キャラすげ替えものぐらいしか
つカテドラル・テラ
幻の月(ロトの紋章)とか
>>223 「なにボーッとしてんのよ」
「いや、こっちの月には顔があるんだなって思って」
なにか閃いたZE。暇を見つけてちょっと書いてみるMEAN。
>>229 確かに、某所のエヴァとのクロスは只のパッチワークだったからな。
あそことシルバー(笑)は主人公最強(笑)界においての双璧だと思う。
234 :
ゼロの魔獣:2008/03/02(日) 19:22:57 ID:xiZ7QK0Z
5分後に投下してよろしいですか?
投下よろし!
唸りを上げる弾丸が、慎一の左肩の肉を半ば以上削ぎ飛ばす。
その一撃を受け、慎一は直ちに冷静さを取り戻す。
体を丸め、デルフリンガーを盾に機関砲の直撃を避ける。
「ダダダダダダダ!! 無理だッ! シンイチィ!! 折れちまう!?」
「なんだと!! テメエ! それでも伝説かッ!!」
だが無理もない。彼の役割はあくまで対魔法戦を想定した武具である。
近代兵器の弾除けではない。しかも慎一は、デルフの力を活かせる『使い手』ではなかった。
弾丸の隙間を縫って、距離を取ろうと翼を広げる。
その眼前に、サイボーグ風竜の巨大な顔が現れる。
(クッ!!)
思ったときにはもう遅かった。
鋼鉄の壁越しですら深刻なダメージをもたらした振動波が、至近距離で炸裂する。
不快な金属音と空気が破裂する音が全身に鳴り響き、慎一の体を細胞単位で震わせる。
衝撃は数瞬であったが、慎一は全身の自由を奪われ、緩やかに落下していく。
無防備になった標的に、ワルドが左手の照準を合わせる。
「・・・イチ シンイ・・・」
朦朧とした意識の中、慎一は痺れる両翼をバタつかせ、声のする方へと必死で体を伸ばす。
「シンイチイイイーッ!! どいてええええ!?」
因果応報であろうか。
真横から滅茶苦茶なスピードで飛んできたイーグル号のボンネットに跳ねられ、コクピットの防弾ガラスに磔になる。
慎一は歯を食いしばって機体にしがみつき、そのまま横一直線に流されていく。
直後、ワルド銃弾が空を切る。
「殺す気かァッ!? 俺じゃなきゃ死んでたぞ!!」
「文句は後ろを見てからいいなさいよおおお!!」
確かに痴話ゲンカをしている場合ではなかった。
後方から追いすがるバドが、ミサイルの発射体制に入っていた。
支援
「・・・二人がかりでかわすぞ! タイミングを合わせろ ルイズ!」
言いながら、慎一が機体の天井に張り付く。
「そんな事・・・」
できるわけがない、と言おうとして、ルイズが頭を振るう。
どの道ルイズにミサイルを避ける操縦時術は無い。 慎一を信じるしかない。
メイジは使い魔と五感をリンクさせる事ができる。 できる。 できる。 できるハズだ。
ルイズは大きく深呼吸すると、頭上にいるであろう慎一に意識を集中させる。
エンジン音、空気を切る音、バドの咆哮、ミサイルの飛来音・・・
雑音が徐々に消えていき、聞こえるのは、魔獣の心音と息使いのみとなる・・・。
ミサイルが後部スレスレまで接近してくる。
「今だあアアアッ!!」
魔獣の意識が精から動へと変わる一瞬を捉え、ルイズが思い切り操縦桿を引く。
同時に慎一が全力で羽ばたき、機体を上空へと持ち上げる。
イーグル号が鮮やかなトンボ返りを決め、目標を失ったミサイルが前方へと消えていく・・・。
「なっ!?」
ワルドに驚いている暇は無かった。
眼前から忽然と消えたイーグル号が、頭上から太陽をバックに迫ってくる。
「ワアアァルドオオオォォォ!!!」
叫びながら、ルイズがしっちゃかめっちゃかにバルカンを浴びせる。
弾丸の一発がバドの左翼を貫通し、ドラゴンが恐慌をきたす。
ワルドは暴れるバドを抑えながら、かろうじてイーグル号の体当たりをかわす。
咄嗟に反撃しようと銃口を構え、気付く。 魔獣が乗っていない。
「ここだぜええ!!」
頭上から急降下してきた魔獣が、ワルドの体に取り付いた。
・
・
・
獅子の俊敏さと、熊のパワーを併せ持ち、あらゆる部位から相手を『喰う』事ができる魔獣。
慎一が普通の状態であらば、接近戦に持ち込まれた時点で決着であろう。
だが、被弾によるダメージと、二度に渡る振動波の直撃で、慎一はまともに体を動かせる状態ではない。
ワルドが機械化した左手でギリリと押し返し、銃口を額に擦り付ける。
「決着だな 魔獣 言い残す事はあるか?」
「バカヤロウ! テメエとの決着はとっくの昔についてるんだよおお!!」
瞬間、二人の足元がガクンと沈み、弾丸が慎一のこめかみを掠め、彼方へと飛び去る。
咄嗟にワルドが足元を見る。 バドの様子がおかしい。 何者かが首に巻きついている・・・。
それは、大猿のような尻尾であった。
臀部から伸ばした慎一の尾、その先端に巻き付いたデルフリンガーが
鋼で覆われた翼竜の首の隙間に、深々と突き刺さっている。
「ムンッ!!」
慎一が尻に力を入れ、大猿の尾を一回転させる。
空中でデルフが踊り、次いで鮮血の大輪が咲く、
首を半ば以上切断された半鉄の竜が、機械音を挙げながら落下していく。
「くうっ!」
自由落下に入ったワルドが詠唱を唱える。 たちまち落下が緩やかになり、その身が宙に浮く。
― 慎一は、既に眼前にいない・・・。
「おらあああ!!」
背後から慎一に体を押さえつけられる。
空中戦で、人間が鷹に抗えるはずも無い。
長い尾がワルドの全身を絡め取り、猛禽の鉤爪が左肩を締め上げていく。
「グオオオオオオオオオ!!!!」
「往生際が悪いんだよオオオッ!!」
拘束から逃れようと、ワルドが左の機関砲を乱射する。
慎一が暴れる左腕をがっちりと極め、喰いこませた右足を思い切り蹴り上げる。
銃口のついた肘先ごと、ワルドの左手が肩から千切り取られる。
激痛で精神が乱れ、ワルドが再び落下する。
不屈の精神で、尚、体勢を立て直そうとするワルド、その右手を慎一が捕らえる。
「答えろッ!! ワルド!
テメエの左手にこいつを付けやがったのは どこのどいつだッ!!」
「・・・・・・・・・」
ワルドは答えず、小声で詠唱を完成させる。
至近距離で発生した真空の刃が、掴まれた自身の手首を切断する。
「・・・ッ!! ワルドオオオ!!!」
ワルドは答えない、ただ、慎一の大嫌いな笑顔を浮かべて落下していった・・・。
― 慎一は追わなかった。 今の彼には、やらねばならぬ事が残っていた。
それに―。
慎一が『箱舟』を見下ろす。 全ての答えは、そこにあるはずだった。
・
・
「なっ!? なんだァ!!」
再び戦場へと戻った慎一が、驚愕の声を上げる。
イーグル号が、戦えている・・・。
相変わらず猛スピード且つ変則的な飛行と、滅茶苦茶なバルカン掃射であるが
恐慌をきたした竜騎士隊の中央へと突撃し、着実に撃破していく。
「うおっとォ!!」
流れ弾を避けつつ、慎一はかろうじて機体に張り付き内部へと戻る。
「随分とやんちゃしてるじゃねえか お嬢様?」
「な な なんとか上下左右の打ち分けは覚えたわ・・・
けど・・・ もう弾がない・・・」
「お前はよくやったさ! 後は姫様のところへ行ってな」
言いながら、慎一がデルフを降ろす。
「お前は留守番だ ルイズを守ってやれ」
「無茶言うな シンイチ 俺は使い手がいねえと・・・」
「ウダウダ言ってんじゃあねえ」
「シンイチ」
再び外に出ようとする慎一を、ルイズが引き止める。
「シンイチ 無茶だけはしないでよ」
「・・・行ってくる」
・
・
・
支援
支援
絶望した!
大人リンクになってやっとこさ16歳になるリンクに絶望した!
絶望の中より、魔獣の人の体調についてほのかな心配をしつつSHIEN!!
再び上空へと飛び上がった慎一が、箱舟の甲板目掛け、一直線に降下する。
迎撃しようと機銃を向ける敵兵に、慎一が、千切れかけていた自らの左腕を投げつける。
「久々に暴れてやれや!! ゴールド!!」
投げ込まれた左腕が空中で獅子へと変化し、敵兵の顔面を引き裂く。
そのまま甲板を飛び回りながら、敵兵の混乱を煽る。
慎一が甲板へと緩やかに着地し、ワルドの左腕を、自らの左肩へとあてがう。
直ちに傷口から現れた熊の大顎が左手を縫いつけ、徐々に神経が繋がりだす・・・。
「新たな魔獣を紹介するぜえ!! 『コブラ』だ!!」
くだらない台詞を吐きながら、慎一がジャキリと銃口を構える。
使いようによってはメイジの一個師団にも匹敵するであろう兵器が、最高の舞台で牙を剥く。
直ちに鉛玉の嵐が船上を襲い、眼前の兵士たちがハードなダンスを踊る。
近づく敵を切り裂き、遠くの群れを撃ち殺しながら、凶暴な魔獣が駆け抜ける。
目指すは箱舟の内部・・・。
―と、
突如慎一の眼前で火球が生じ、混乱をきたした兵士たちが消し飛ばされる。
一箇所だけではない、船上のあちこちで、ドワオズワオと核熱が巻き起こり、恐慌を起こす兵士を吹き飛ばしていく。
―いかに混乱し、用をなさなくなったとは言え、たった一人の敵のために、味方を焼き払う者がいるだろうか・・・?
ましてや、船上にはアルビオンの貴族も多数いたハズである。
慎一は確信する。 これをやったのは、こちらの世界の人間ではない・・・。
「フフ 躾のなっていない部下たちで失礼したね
ここまでのもてなしは楽しんで貰えたかな? 慎一君・・・?」
慎一の眼前に、聞き覚えのある声を響かせ、一人の男が現れる・・・。
ガッチリとした体躯の恰幅の良いスーツ姿。その上からさらに白衣。
褐色の肌に白髪、分厚い唇に特徴的なサングラス・・・。
「こんなところで再開できるとはな・・・
嬉しすぎて涙が出そうだぜ
テメエが黒幕だったかァッ! シャフトオオォ!!」
― かつての十三使徒のひとり。 来留間源三の右腕にして気象兵器のスペシャリスト。
そして、慎一の母親に直接手を下した男・・・シャフト。
遙かな異世界にあって、慎一は憎むべき仇との再会を果たした・・・。
245 :
ゼロの魔獣:2008/03/02(日) 19:36:21 ID:xiZ7QK0Z
以上で投下終了です。
支援ありがとうございました
分かる人にしか分からない黒幕が現れ、ゴールが見え始めたところで続きます。
>>魔獣の人
乙です。
毎度毎度もの凄い投下速度ですなぁ。
体調を崩されぬようにお祈り致します。
otu
248 :
ゼロの黒騎士:2008/03/02(日) 20:25:51 ID:lq/YEOSN
進路クリアーでしょうか?
クリアーでしたら、20:30から第十五回を投稿したいと思います。
支援
ある少女の話をしよう。
その少女は有数の歴史を誇る公爵家の娘として生まれ、ただ一つの例外を除いて不自由なく育った。
彼女は、屈指の大貴族の娘として生まれながら、魔法を使うことが出来なかった。
苦手とか、不得意とかではなく、全く魔法を発動することが出来なかったのだ。
まあ、落ち着こう。
メイジとしての格が、貴族としての格に直結するとは、巷間でよく聞くところではあるし、
貴族自身、そう信じている節がある。
だが、実際のところはどうなのかと言えば、決してそうではない。それはない。
勿論、影響はする。だが、それは家格を超越するものではないし、
もっと微妙で複雑な、悪く言えば陰険、よく言えば慎ましやかな物だ。
例えば、実績も、家柄も同じくらいの貴族が、一つのポストを争っていた場合、
最終的にはメイジのクラスを比べる事になる、とか。
魔法衛士隊や軍隊など、例外も多々あるものの、公的にはその程度の影響力しか持たない。
公的には。
この公的にはという奴がミソで、つまりは、私的にはもう少し強い影響力を持つという事に他ならない。
とはいえ、やはりあまりあからさまにするのは、慎みに欠けるとされていて、
例えば、件の少女を、いくら魔法が使えないからと公衆の面前で罵倒したりすると、
モラリストを気取るお歴々に散々後ろ指を指された挙句、公爵家から怒りの鉄槌が下ったりする。
なので、普通はもっと隠微な形を取る。
それは、上品に口許を隠す扇子の陰で、聞こえよがしに囁かれるゴシップであったり、
明らかな嘲笑を含んだ眼差しであったり、社交の場での礼儀正しい無視であったりする。
精神衛生上、明らかによろしくないという点においては、面罵されるのと大差ないのだが、
こういった場合においては、目くじらを立てる方が大人げがないとされ、
下手をすると、図星を指されたから怒り出すのだとか、ゴシップの正しさを補強する材料にされてしまったりする。
対抗手段がないという点においては、あからさまな悪意の数倍性質が悪かった。
まあ、そんな訳で、屈辱に身を震わせながら怒りに耐える十歳にも満たない少女という、
第三者から見ると、最高に後味の悪い代物が生まれたりする。やれやれ。
結局のところ、少女が不運だったのは、貴族と平民を別つ証しとでも言うべき魔法行使能力を欠きながらも、
大貴族の娘として生まれてきたという一点につきる。
どちらか一方だけであれば、こうまで注目を浴びてしまうこともなかっただろう。
とはいえ、勿論、場所も違えばルールも違う。
この辺りの機微は、優雅かつ微妙極まりないバランスの上に成り立つ社交界ならではのもので、
むしろ、こういうルールが通用しない場所の方が多い。
それは例えば軍隊であったり、例えば裏社会であったり、例えば全寮寄宿制の学校であったりする。
そして、往々にしてそういう野蛮な場所――学校は野蛮な場所ではないと仰られるかたは、
子供たちの力への憧れと無邪気な残酷さを過小評価されていると言わざるを得ない――の方が、
メイジとしての格が、集団内でのパワーバランスにおけるより重要な位置を占めていたりする。
当然の帰結として、件の少女の家族はこう考える。
つまり、魔法学院に入学するまでに、魔法が使えるようにならないと、可愛い末娘が酷い目にあうのは間違いない。
生まれを否定することはできない。
社会を改革するほどの事ではない。そもそもしようと思っても間に合わない。
どう考えたって、この状況を解決するのに一番の早道は、彼女が魔法を使えるようになる事だった。
なので、彼女の両親は迷わずその道を選んだ。
努力と根性の世界に生きる母親の指導は、それはそれは厳しいものになった。
少女の名前を、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールという。
でも、とルイズは思う。
今にして思えば、家を離れた今にして思えば、母にしごかれていたあの頃は幸せな時期でもあった。
優しく接してくれたカトレアはもとより、
なんだかんだ言っても必ず最後まで魔法の練習に付き合ってくれたエレオノール。
領地経営に飛び回り、中々帰ってこられない父も、家にいる時は何かと構ってくれた。
母はいつも厳しかったが、あれは娘を思えばこそだったのだろうと今なら納得できる。
家を離れ、魔法学院に寄宿するようになってから、骨身に染みた事の一つが、
魔法を使えない貴族が如何に惨めかという事実だった。
母が厳しく魔法を仕込もうとするのも当然だ。
ある程度覚悟はしていたが、想像の中の学校生活は、現実の半分も酷くはなかった。
何をしても嘲笑の対象になる。
何時までも空を飛べないことが、踏み台を使わなければ高い所にある本を取れないことが、
鍵をかけるために機械式の錠前を必要とすることが、
魔法を使えば簡単に出来る事がルイズだけはできないと言う事実が、全てルイズを嘲る理由になった。
何しろ、魔法を習得するための努力さえ、面罵の対象になるのだ。
ゼロと呼ばれるのが嫌で、ゼロのままでいたくなくて、何時かゼロのルイズでなくなるための努力が、
無駄だからの一言で切って捨てられる。
自分にどうしろというのか。ずっとゼロのまま蔑まされていろというのだろうか。
そんな八方塞の状況の中で、それでも卑屈にならずにいられたのは、
ラ・ヴァリエール公爵家の一員だという矜持があればこそだった。
思い返してみれば、あれだけ厳しく、また、姉二人とルイズを比べる事を躊躇しなかった母は、
だが、決して魔法が使えないという理由で、
ルイズの事をラ・ヴァリエール公爵家に相応くない人間だとは言わなかった。
それは、家族の誰もがそうだ。父も、二人の姉も。
だからこそ、『ヴァリエールの名を冠する者』が苦難を前に膝を屈するなどあってはならない、
と自分を叱咤できたのだ。
揺るがぬ柱があるからこそ、吹きすさぶる悪意を前に、俯かずにすんだのだ。
魔法が使えるようになれば、家族が認めてくれると、自分を見てくれるとばかり思っていた。
違った。その想いは間違いだった。
馬鹿だな、わたし。
認めてくれるも何も、ずっと愛していてくれたのだ。
未熟な自分が、それに気がつかなかっただけ。
魔法を使えるようになりたい。
立派なメイジになりたいと言う想いは、今も変わらない。
変わったのは理由。
わたしは大丈夫だよって、安心させたい。
みんなのお陰で魔法が使えるようになったから大丈夫だよ、と。
あの愛に、何時か必ず報いたい。
報いたかった。
ごめんなさい、父様、母様。
ごめんなさい、エレオノール姉さま、ちいねえさま。
支援
隠し港へと続く長い階段。
その途中の小さな踊り場で、ノワールとルイズの身体が少しずつ冷えていく。
ごめんね、ノワール。
わたしの我侭で、こんなところまで連れてきちゃって。
疲れたよね。
わたしも疲れちゃった。
少しだけ休もう。
目をつぶって、少しだけ。
目を閉じて、現実を遮断する。
とじめやみの中で、少しずつ現実と思考が溶解していく。
少しだけ休んだら、もうちょっとだけ頑張ってみよう。
もうちょっとだけ頑張って、トリステインに帰ろう。
大丈夫、ノワールと一緒なら、きっと何とかなる。
そこには、カトレアがいる。父が、母がいる。エレオノールがいる。
アンリエッタがいる。シエスタがいる。タバサがいる。大負けに負けてキュルケもいる。
ギーシュがいて、ミスタ・コルベールがいて、モンモランシーがいて、オスマン老がいて……。
そこにはみんながいる。
そしてきっと、ノワールが何時までも傍に居てくれる場所だ。
ルイズは、瞼の裏に決してたどり着けない楽園を描く。
光溢れるそこでなら、いつか、ルイズも魔法が使えるようになるかもしれない。
閉じた瞳から、涙が一滴流れ落ちると、ノワールの頬に当たって砕けた。
左前肢に刻まれたガンダールヴのルーンが、鈍く光を放つ。
脈動するように明滅を繰り返しながら、その光は少しずつ強く激しくなっていく。
ルイズが瞼越しに異変に気がついた時には、ルーンは灼きつくような眩さで輝いていた。
そして、ルイズは“視た”。
支援
はるか頭上から、金属と金属が激しく打ち合わされる独特の甲高い音が響く。
身体を震わせるような地響きは、踏み鳴らされる幾百幾千もの跫だろうか。
どうやら、ドサクサのうちに地上でも戦闘が始まってしまったようだった。
それでなくとも、隠し港への砲撃による衝撃で、
一歩間違えると階段を踏み外してしまうそうなほどニューカッスル全体が鳴動しているのだ。
足元から全てが崩壊してしまうのではないかという恐怖が頭をちらつく。
事実、細かな破片が、走り続ける一行の頭上から、ぱらぱらと降り注いでくる。
先頭をきって長い階段を駆け上がりながら、キュルケの焦燥感は頂点に達しようとしていた。
今や事態は悪化の一途を辿り、ルイズの救出どころか、自分たちの脱出すら覚束ない可能性が高い。
基本的には楽観的なキュルケではあるが、それでも限界というものがある。
ここで退くべきか、進むべきか。
戦端が開かれてしまった以上、地上からの脱出はもはや不可能事だが、
隠し港からならばまだ目があるとキュルケは踏んでいた。
高速で空中を飛ぶ物体に対して、大砲が命中する確率は極めて低い。
とはいえ、あれだけドッカンドッカンぶっ放されていると、まぐれ当たりの可能性も決して低くはないが、
それでも、朝、散歩していて鳥の落し物が直撃する程度の可能性でしかない。
現状でもっとも恐ろしいのは、貴族派の目的が脱出船団の撃墜から、隠し港の制圧にシフトしてしまうことだ。
制圧の為に竜騎兵が投入された場合、脱出の可能性は限りなく低くなる。
つまり、逃げ出すならば今のうち。
どこで何やってるのよ、馬鹿ルイズ。
だが、思いとは裏腹に、脚は階段を駆け上がり続ける。
絶対に、絶対にこの貸しは生きて返してもらうわ。
このあたしに借りを作って逃げ切れると思わないことよ!
行く手に広がる踊り場で、二つの影がわだかまっていることに、最初に気が付いたのはキュルケだった。
だから、小さな方の影が、桃色がかった特徴的なブロンドの女の子である事に最初に気づいたのも、キュルケだった。
「ルイズ!」
だが、その時、一際大きな揺れが、ニューカッスル城を襲った。
たまらずたたらを踏んだキュルケの目の前で、ゆっくりと踊り場の天井が崩れ落ちる。
その真下にいるルイズは、気絶しているのか気づいていないのか、逃げだそうともしない。
意味の通らない言葉を叫びながら、ルイズに向かって走り出そうとするキュルケを、
タバサとギーシュが必死に押し留める。
ゆっくりと、やけにゆっくりと、一際大きな岩塊がルイズに向かって落ちていく。
キュルケは、虚空に向かって夢中で手を伸ばす。
だが、その手は何も掴まない。その手は決して奇跡を起こせない。
しかし、そんな現実をバンパイア・ナイトは許容しない。
「……シュバリエ・ノワール?」
奇妙な静寂が支配する時間。
聞こえるはずのないルイズの呟き。
次の瞬間、激しい光の奔流が、その場にあった全ての物を漂白する。
最後の偏在が、ワルドのライトニング・クラウドによって消滅する。
同時にウェールズは、ワルドの偏在が放ったウィンド・ブレイクによって吹き飛ばされた。
壁に叩きつけられたウェールズの手から、杖が弾き飛ばされる。
勝負がついたと見たのか、ワルドは大きく息をついた。
「敵ながら、見事だったぞ、ウェールズ。
お前が指揮を執っていれば、あと三日は攻勢をしのいだかもしれん」
半ば以上本心から、ワルドは敗者に向かって賛辞を捧げた。
偏在の数においても、質においても優っており、一瞬のうちに勝敗が決していてもおかしくはなかった。
にもかかわらず、ワルドが呼び出した四体の偏在のうち、すでに二体が消滅。
決して長い時間とは言えないが、足止めを食い、ルイズを探し出して止めを刺すための時間は残されていない。
結局、ワルドは三つあった目的のうちの一つしか遂げられなかったことになる。
「一つ、答えろ」
壁にもたれかかったまま、ウェールズが顔を上げる。
その目には、恐怖も怒りも絶望も希望もない。
ただありのままに結末を迎え入れる覚悟だけがあった。
僅かに考え込むと、ワルドは首を縦に振る。
「最期の望みというわけか。
良いだろう、聞き届けてやろうじゃないか」
だが、妙なことを考えるなよ、と杖を向ける。
鼻先にエア・ニードルを纏った杖を突きつけられても、ウェールズは眉一つ動かさない。
「なぜ脱出する非戦闘員まで殺そうとする」
ああ、その事か、とワルドは僅かに瞳を暗くした。
どうやら、ワルドにとっても、それは決して愉快な話題ではないようだった。
「クロムウェル閣下は、万が一にも王族を逃がすなと仰せになった。
本来ならば、港を離れた瞬間を『マリー・ガラント』ごと撃ち落す手筈だったのだがな。
手違いがあったらしく、まあ、見ての通りの醜態を晒している。
よほど我が主に憎まれているようだな、お前たちは」
「馬鹿な……。
父にせよ、ぼくにせよ、このような状況で逃げ出す卑怯者だとでも思っているか」
ワルドは首を横に振った。
「そうではない。
確かにお前たちは逃げ出さないだろう。
だが、逃げ出す女官の胎に、次代のアルビオン王がいないと誰に断言できる?
閣下が憂慮されたのは、そういう可能性だ」
「……下種がっ!」
吐き捨てるようにウェールズは言い放つ。
ワルドが肩を竦めた。
「言葉は選んで欲しいものだな。
目の前で主が罵倒されるのは、あまり良い気分ではない」
その言葉に反して、ワルドは気分を害したようには見えなかった。
むしろ、自らを偽らず会話する機会を、楽しんでいるようですらある。
「まあ、そう悲観したものでもないさ。
如何に数の上で優位に立とうとも、我々と貴様ご自慢の『イーグル』号のクルーとでは練度が違う。
その気になれば、運と状況次第で、突破できないという事もあるまい」
楽しげなままに続ける。
それは、まるで非戦闘員の脱出が喜ばしいものであるかのようだった。
「そうあって欲しいとでも言いたげだな、ワルド」
「ああ、そうであって欲しいとも。
無駄な殺戮は俺も望むところではない」
「例えそれがラ・ヴァリエール嬢を救う結果になったとしても、か?」
その問いかけに、ワルドは答えない。
ウェールズは、ワルドの中の決定的な何かを踏んだことを悟った。
しばしの沈黙の後、ワルドが代わりに返した言葉は、ウェールズへの死の宣告だった。
「質問は一つだったはずだ。
惜しい気もするが、さらばだ、ウェールズ・テューダー。
我が大望のために死ね」
杖がウェールズの胸に向けられる。
そのまま突きこまれれば、全てが終わるはずだった。
「待ちなさい!」
だが、その時、礼拝堂に凛とした声が響いた。
開け放たれた礼拝堂の扉。
差し込む光を背に、ワルドに向かって堂々と杖を向ける一人の少女の姿がある。
純白だったマントは、赤黒くまだらに染まり、頭を飾っていたはずの花冠は影も形もない。
ウェールズの眼が驚愕に見開かれる。
振り向いたワルドは、眩しそうに目を細めた。
「ルイズ、戻ってきたのか。
あのまま逃げていれば、命を拾ったかもしれぬものを。
愚かな娘だ」
どこか嘆くように、ワルドは呟く。
支援
「お願い、ワルド。
もうやめて。今ならまだ間に合うわ。
今からでも降伏して」
「恐怖で気が触れたか、我が婚約者よ」
「お願い、ワルド。
わたしは貴方を殺したくはない」
「正直に言えば、俺もお前を殺したくはなかった。
だが、再び目の前に現れた以上、お前を見過ごすわけにはいかん……恨むぞ」
「やめて!」
先ほどまでとは打って変わって、どこか疲れたような表情を浮かべたまま、ワルドは、杖を振った。振ろうとした。
銀色のきらめきが、視界の隅を踊る。
訝しく思うよりも先に、杖を振ろうとした腕が、二の腕からそのままポロリと落ちた。
「……なんだと?」
呆けたような声。
次の瞬間、腕の切断面から鮮血が噴き出した。
ルイズは、まるで痛みを堪えるかのように唇をかみ締めながら、その様を見つめている。
悲鳴こそ上げなかったものの、ワルドは膝をつき、傷口を押さえた。
ノワールの妨害を予想して着込んでいた鎖帷子が、キラキラと滑らかな断面を晒している。
少し離れた場所に、杖を握ったままの右腕が転がっている。
「く、くそ。なんだ、何が起こった!?」
一体何をされたかすら理解できない。
ただ一つ分かるのは、自分が何かとんでもない理不尽に身を晒されたという事実だけ。
混乱するワルドの元に、コツコツと近づく足音。
顔を上げたワルドを、ルイズが何の感情もこもっていない瞳で見下ろしている。
少なくとも、ワルドにはそう見えた。
「ワルド、貴方の負けよ。
降伏して。命までは取らないわ」
「……殺せ、ルイズ」
支援
ルイズの表情が強張る。
そこでワルドは、ルイズの表情を読み違えていたことに気づいた。
無表情などではない。
ルイズは、涙を堪えていた。
そういえば、エレオノールや母に叱られる時、ルイズは何時もそうやって我慢していた。
そして、耐え切れなくなると誰も見ていない小船の上で泣くのだ。
少なくとも、ワルドの知っているルイズという少女は、そういう意地っ張りなところのある少女だった。
彼女の根っこはあの頃から、何も変わっていない。
意地っ張りで、わがままで、無力で、
その癖、誰よりも貴族らしくあろうと、誰よりも先に我が身を犠牲にしようとする少女。
その在り方は、ある意味で酷く傲慢だ。だが、それが今は何よりもまぶしい。
省みて、自分が如何に変わってしまったかを思う。
だが、後悔はない。変わらねばならなかったのだから。
大願成就の為に。母の為に。全てを切り捨てなければならなかったのだから。
「ワルド!」
勝敗は決したというのに、敗者よりも、勝者の方が追い詰められているようだった。
背後では、ウェールズが立ち上がる気配を感じる。
もう時間がない。
「殺せ」
ならば、せめて目の前の少女に殺されたかった。
「何故、隠し港の場所がレコン・キスタに知られたのだと思う?」
俺が知らせたからだ。小さな石を、港に落としてきた。
何でも、かすかに霧を放ち続ける魔法の石という話だった」
憑かれた様に早口でまくし立てた。
ルイズが静かに息を呑むのが分かる。
ワルドの行いが何を意味するのか理解したのだろう。
その事を確認し、ダメを押すようににやりと笑う。
「相当遠い場所からでも、ディテクト・マジックで何処にあるのか分かるらしい。
発する魔力に特徴があるとかいう話だったが、俺にはよく分からん。
下で砲撃している連中は、その石を目印にして盲撃ちしてるだけさ。
まあ、俺がなければ、隠し港の位置も分からなかっただろうな」
「ワルド……あなたと言う人は……!」
「今この場を生き延びたところで、許されるはずのない命だ」
思い出すのは、ラグドリアン湖畔で行われた園遊会。
夜の闇を払うために、文字通り林の如く立ち並ぶ燭台の数々。
魔法で事足りることを、人の手で執り行わせることこそ、富貴の証。
紅玉、翠玉、青玉、金剛石。
佳人たちを飾り立てる貴石の数々が、蝋燭の灯りで煌びやかに輝く。
ワインが注がれる雪花石膏の杯も、山海の珍味が並べられる皿の一つ一つも、
名のある職人達が工夫を凝らし、この日のためだけに用意し、今日、この日ためにだけ使われる。
だが、会場の隅で警備をする若い魔法衛士にとって、贅を尽くした饗宴も、
我こそはと美しく咲き誇る社交界の花々も、色褪せた灰色の後景に過ぎない。
彼が熱心に見つめているのは、一人の少女。
桃色がかったブロンドという特徴的な髪の色をしたやせっぽちの少女は、
精一杯の澄まし顔で、若き王女の付き添いをこなしている。
この場にいる百人に聞いても、百人が先を歩く王女の方が魅力的だと答えるだろう。
しかし、一目見たときから、彼は少女に恋をした。
例え相手が婚約者であろうとも、レコン・キスタに組する彼では、叶うはずのない恋だった。
ほんの一時、甘く心地よい夢を見ていた気がする。
「殺せ」
ルイズが、諦めたようにうなだれる。
ワルドは、最期の願いだけは叶うことを知った。
「……ナイト、お願い。
あれが恋かどうか分からないけど、十年前のあなたが好きだったわ、ワルド」
君にしてみれば、身勝手な物でしかなかったと思うが、俺は俺なりに、君を愛していたよ、ルイズ。
針の穴を通すような正確さで、ワルドの心臓に、親指ほどの太さがあるフレシェットが突き立った。
想いは言葉にならないまま、それが宿った胸を貫かれて消えた。
よろよろと立ち上がったウェールズが、呆然とした表情のまま、ルイズに問いかける。
「ラ・ヴァリエール嬢、これは一体……?」
ルイズは、何処か寂しげに微笑むと、膝をついて一礼する。
「殿下に、折り入ってお願いしたい議がございます」
なんというかっちょいいワルド
これは支援するしかない!
支
援
以上で投下終了です。
6/9が抜けていたり、8/9が二つあったりしますが、仕様です……。
すみません、嘘です、当方のミスでした。
読む分には支障が無いはずなので、レス番どおりにお読み下さい。
それでは、また、近いうちにお会いできれば幸いです。
乙です
お疲れ様です。
途中でちょっとだけ、ルイズが「疲れたよパトラッシュ」と口走るのではないかとヒヤヒヤしました。
黒騎士さんにGJと乙を。
>>269 お前は俺かw
投下乙です
>>218 えーと、いま伯林ネタで小ネタ書いてるところなんだが…。
系統魔法は言実化兵器(強臓式とか神器)の亜種扱いにしたが、
それじゃマズいこと、なんかあったっけ?
>>269 ネロとパトラッシュが召喚されたら……いかん戦闘シーンやルイズとの絡みが全く想像できん
シエスタあたりと語らいながら絵を描いてる場面とか、ルイズに叱責されて落ち込むところを
キュルケに慰めてもらう場面ならすぐ思い浮かぶのに
GJ
ウェールズ生還ルートか?
RXに敗れたもののレコンキスタに呼ばれてハルケギニアを第二の怪魔界にしようとするジャーク将軍、ボスガン、マリバロン、ガデゾーン、ゲドリアン。
そんなことをしたらてつをがライドロンに乗ってハルケギニアに現れますよw
バンパイア・ナイト復活ktkr
あの状態になったらチートだなぁ。乙でした。
筒井作品ないなあ
ケン・ソゴル召喚で「時をかけるルイズ」とか
ルイズが召喚した文房具の兵士達に侵略されるハルケギニアとか
テレパスの家政婦さん召喚する「七瀬みたび」とか見たい。
黒騎士GJ! そして本当にワルドは死んだのか?
ところで、「聖おにいさん」から長期休暇中のイエスとブッダを召喚したいが、
話がちっとも浮かばないのであった。あのノリを再現するのは難しいぜ…
>>279 グワハハハハ、そうだ書けい!!
読みたいものがなければ自分で書く!それが鉄則だ!!
黒騎士でどうしても一等自営業氏のエルンスト・フォン・バウアーが浮かぶ
>>273 ネロだけなら悪魔も泣き出す使い魔で出て来てるぜ。
犬も召還するなら、イザベラ様に召還させてほんわかストーリーにするしかないな。
>>283 ちょっとまてw、それはネロでもドロップキックなネロだw
>>280 ルイズに食事を抜かれる二人。皿に乗るヴェルダンデ。
そして決闘!
ドロップキックと聞いて赤座伴番召喚してドロップキックとラリアットの応酬を夢想。
……ガーン!ルイズが死んじゃう!
アンスバッハ准将呼ぼうぜ
>>286 伴番「ハルケギニア星人ジャン・ジャック・フランシス・ワルド!ウェールズ王子殺害及び外患誘致の罪で、
ジャッジメント!!」
SPDライセンス「ジャッジメンターィム」
ナレーション『アリエナイザーに対しては、スペシャルポリスの要請により、遥か銀河の彼方にある
宇宙最高裁判所から判決が下されるのだ!』
○×○×○×○×○×○×○×……………×
伴番「デリート許可!」
こうですか?><
唐突でなんだがこのサイトを開いた瞬間
コーヒーマン召喚という電波が届いた
垢すりタイソー第一ー!
>>273 獣の王の母親にして獣の王そのものな方のネロかと思ったぜw
俺は 魔粧ネロ 思い出した
お前ら早くネロ!
>>281 その鉄則に従って書き始めたらゴミしか出来ずに黒歴史ノートに封印した俺はどうすれば?
>>293 命がけで書け
限界を超えて書け
夢を見て書け
自信をもって書け
思い切って書け
喰うのを忘れて書け
よく寝てから書け
明日も書け
最後まで書け
失敗したら新しいのを書け
>>293 とりあえずオチを付けといて何度も推敲する。
その過程で足りない分を肉付けしていけば、ド素人でもそれなりのもんが出来る。
あくまでそれなりでしかないが。
と、経験談からアドバイス。短編か中編に限るけどな。
こんばんは。
次が出来たので投下してもいいでしょうか?
かもん
◇
家から遺品を持ち出したシエスタは、かなり不満が溜まっていた。
家族にも不審げな視線を向けられた。自分も何一つ事情を説明されないので訳が分からない。
しかし、それが逆に興味をそそらせていた。祖母には謎がたくさんあって、皆不思議に思っていたのだ。シエスタは祖母のことが大好きだったから、彼女の本当の姿を知りたいという欲求は強かった。
最初は、ムスタディオの剣幕に押されて連れてきた。
しかしタルブの村に着いて家族と顔を合わせ、少し落ち着くと、逆にこれは祖母のことを知るチャンスだと気づいたのだ。
ムスタディオは、どうやら祖母について何かを知っているらしい。もしかしたら、何かを探りに来たのかもしれない。素性を偽った新たな調査隊なのかもしれないし(何で使い魔なんかやってるのかは知らない)、祖母の関係者で、消息を辿っていたのかもしれない。
改めて祖母は何者なのだろうかと思う。
どこかの国の重役? 確かに物腰は平民離れしていたし。
未知の魔法を開発した第一人者? 見たことも聞いたこともない魔法を使っていたし。
こうなってくると、想像力豊かなシエスタはどうにもむずむずが止まらない。
だから何が何でも何かを聞き出してやる、とちょっと強気になっていた。
正直不安だったが、家族に黙って祖母の遺品をもち出して来たのはそういう理由もあってのことだった。
むん、と普段は貞淑な心に気合を入れて墓地へと向かっていたシエスタだったが、その内大声が聞こえてきた。
泣き声だ。
あまりの激しさに最初は子供が泣いているのかと思ったが、それにしては声が太い。
大の大人、しかも男だ。
こんな激しさで大人の男の人が泣いてるなんて、尋常な事態じゃない。
慌ててその泣き声が聞こえる方――墓地へと走ったシエスタが見たものは、祖母の墓にすがりついて泣きじゃくるムスタディオの姿だった。
何が起こったのだろう、と今までの強気を忘れて一瞬ぽかんとした。
それからすぐ気がつき、危ないので剣から引き剥がしに掛かった。
「ブレイブストーリー/ゼロ」-10
しえん
――それは、魂を全部吐き出そうとしているかのような慟哭だった。
シエスタがやって来た事に気付きもしないし、墓から離そうとしても動かない。剣を抱きしめているから手が出せない。
ムスタディオが落ち着き始め、シエスタのことに気付いたのはそれから随分経ってのことだ。
「ど、どうしたんですか?」
「……あ、シエスタ、ええと、その……ごめん」
そう言ったっきり、墓場に沈黙が下りる。
ムスタディオが落ち着くのを待つ間に自分自身すっかり平常心を取り戻してしまっていたシエスタは、何に対する謝罪なんだろうと考える。色々なごめんなさいが混じっている。我を忘れたこととか、無理を言ったこととか、でもそれだけじゃない気がする。
シエスタは持ち前の想像力を駆使して考える。
どんな切り口からだと、彼の口から真意を聞きだせるだろう。
地面に座り込んだムスタディオの隣に腰を下ろす。
「ムスタディオさんって、祖母を探していたんですか?」
考えた末の一言は、目に見えるほどムスタディオを狼狽させていた。その体が少しだけ震えている。
「……少し違うけど、そうだよ。その、なんて言ったらいいかな……探していたうちの一人なんだ」
「そうなんですか……本当に会いたかったんですね」
いきなり核心を突いたのはいいが、次が続かない。
「……えと、祖母とは、どんな関係だったんです?」
少し焦って下手な質問をしてしまうシエスタであった。沈黙が揺り返してくる。自分で話をぶった切ってしまったと頭を抱えそうになるが、かなり間をおいてムスタディオがぽつりと口を開いた。
「好きだった」
その内容に、思わずムスタディオの横顔を凝視してしまう。
何か、吹っ切れかけたような顔をしていた。ただし、その顔は投げやりな方向へ向いている気がした。
「……オレに、シエスタの祖母の消息を探してくれって依頼してきた人が、彼女のことを慕っていたのさ」
「そ、そうなんですか……」
少しほっとしかけるが、何か違うと思う。何か、友人の話と前置いて自分の相談をしてるような様相なのは気のせいだろうか。
この会話をどうするか悩んだが、シエスタは結局続けることにする。おかしな雰囲気だが、良い機会には変わりないのだった。
「その人って、どんな人だったんですか?」
「シエスタの祖母の戦友さ。君の祖母は、剣に秀でていただろ?」
「あ、はい」
シエスタは色々な人の話を思い出す。
タルブは何度か危機に見舞われたことがある。
オークや山賊の襲撃を受けたこともあるし、家畜を狼に荒らされたこともある。
しかし、そのいずれも撃退されている。祖母の手によって。
老いてもその力は衰えを見せず、シエスタが小さい頃にあったオークの襲撃の際なんかは、五体のオークが剣一本を携えた祖母になす術もなく斬り刻まれた。
「王宮の騎士様でも……あそこまでは強くないだろうって村にいる元傭兵の方が誉めていました。こんな人が何故こんなところにいるんだろうって不思議がってもいました。
子供達の間では、タルブの守り神なんて呼ばれて、男の子達のあこがれだったんですよ。あんな風に強くなりたいって」
神。そうだ、とシエスタはぼんやり考える。彼女は神様の使いか何かだったのかもしれない。空から降って来た船と共に現れ、何よりあの剣から繰り出される――
「光り輝く、魔法みたいな技を使ってなかったかい?」
考えていたことを先読みされた気がして、シエスタはぎくりとした。
「そ、そんなことまで知ってるんですか」
「何度も見たことがあるんだ……その、オレに依頼した人が」
(この人……何なんだろう)
シエスタの中で、純粋な疑問が膨らむ。
「祖母の戦友」とは誰なんだろう。年齢的に考えてムスタディオではないだろうが、でも不思議と彼のような気もしてしまう。
ムスタディオと祖母は、どんな関係だったんだろう。
祖母とは面識があるんだろうか。常識的に考えれば、そんなことはないだろうけれど。
さらに踏み込めば。彼は祖母のことを慕っていたのだろうか。そんなことってあるんだろうか。
考えるほどに袋小路に入り込んでいく。
でも――と、ちらりとムスタディオの横顔を見やる。
ムスタディオは墓に突き立つ錆びた剣をずっと見つめていた。
その剣がかつて放った閃光を、そしてその剣を構える祖母の姿を見ているかのように。
「オレに依頼した人は、シエスタの祖母と同じように、生まれた場所から遠いこの地まで来てしまったんだ。だからもう一度会いたいって言ってたよ」
とつとつと語る彼が、どんな気持ちでいるのかは分からない。
それでも、祖母の死を悼み、あんな風に泣いてくれた。
ムスタディオにとって、祖母はとても大切な人、それか何かの強い思い入れがあった人だったんだと分かる。
「そうなんですか……あの、ムスタディオさん」
――だから。
彼女が思い残した言葉を、伝えたほうがいいかもしれないと思った。
「祖母の遺品なんですけど……見ますか?」
「え……ああ、」
ムスタディオの体が、一瞬涙を堪えるように小さく震えた。「……見せてくれ」と鎮痛な言葉が続く。
シエスタは、手ぬぐいを地面に広げ、持ってきた手提げの中身――祖母の遺品たちを並べていった。
シンプルな髪留め、手甲、何か鎧のようなものの破片、指くらいの小さな金属の筒――祖母の遺品はそんなに多くない上に、何故こんな物を後生大事にしていたのかと首をかしげるような物が多い。
それでもその中にあったある品に、ムスタディオが目を見開いた。
「こ、れ」
それは、シエスタがムスタディオに見せようとしていた品でもあった。
「それ、祖母が一番大事にしていたものです」
それは口紅だった。
他の品々と同じく熱で外装がかなり焦げているが、中の紅は無事だった。とはいえ、ほとんど中身は残っていない。祖母は冠婚葬祭の折にそれをつけ、時にはシエスタにもおめかしさせてくれたりもして、使い尽くしてしまっていた。
祖母はシエスタ以外の人間には、それを使わせようとはしなかった。
ムスタディオが紅の入った小さな箱を拾い上げる。
その指が震えている。
その表情が、信じられない、と今の気持ちを代弁している。
先ほどまでの諦観の色は消えうせ、そこには一縷の喜びさえ垣間見える気がする。
――シエスタは、その紅を初めてつけてもらった時のことを覚えている。
これは誰にも、夫にすら話したことがないんだけれど、と祖母が若かった頃の淡い思い出を語ってくれた。
祖母の昔の話を聞いたことは、数えるほどしかない。
だから、鮮明に覚えていた。
「祖母が若かった時に、男の人から贈られたものなんですって。
その人は、きっと祖母のことを慕っていて、祖母もその人への淡い気持ちがあったって言ってました」
結婚して、孫まで出来た今でも、いや今だからこそ忘れられない。そう言った祖母の声は、心なしか震えていた。何かを悲しむように。
そうして若かりし頃の美しさが垣間見える顔をほころばせ、子供には早い話でしたね、と言った。
シエスタは小さかったが、そういう人間の情緒が分からないほど幼くはなかった。
「こんなことになるなら、思いを伝えておけばよかった、とも言っていました」
思い出に浸りながら言ったので、シエスタはムスタディオの異変を悟るのが遅れた。
支援
「……ははは」
最初に気付いたのは笑い声だった。
どう考えても笑い声が出る雰囲気ではなかったので驚いたシエスタはムスタディオをもう一度見る。しかしムスタディオはシエスタに背を向ける位置に立っており、その手が突き立った剣の柄を撫でているのだけが見えた。
次に気付いたのは、足元へ涙が落ちるぱたぱたという音。
泣いている。
ムスタディオは泣きながら笑っていた。
「あの……?」
なんて反応したら良いのか分からない。そもそも警戒心を完全に解いたわけではなかったシエスタは、やっぱり同僚達の噂は本当でこの使い魔は狂っているんだろうかなどと少しおびえ、おろおろしてしまうが――
「シエスタ……ありがとう」
――最後に気付く。
彼の声が、とても澄んだ感情に彩られていることに。
ムスタディオの体が、再び崩れ落ちる。その腕が墓と剣を抱く。涙が次から次へと溢れている。
その涙は、先ほどまでの悲しみだけによる物ではなくなっている気がした。
「あり、がとう。――本当に、教えて、くれて」
その顔が上を向く。空は晴れ渡り、いつもより天が高いように思えてしまう。
その空みたいに、ムスタディオの涙に濡れた笑顔は、力ない声は、澄んでいた。
今までの陰鬱な様子からは想像だに出来なかった。
「す、すくわれた、気がする。救われた……気がするんだ。本当に、ありがとう……」
――どんな事情があるのかは、やっぱり分からない。
彼はもしかしたら、皆が言うように気が狂っているのかもしれない。
だとしても。
その涙と笑顔は、何かとても尊い物のように思えた。
「……どういたしまして」
気がつけば、シエスタはぎこちなく微笑みながらそう返していた。
――力ない笑い声が、嗚咽を堪えるような音に変わる。
それからまたしばらくの間、ムスタディオは泣いていた。
支援するでござる
以上、投下終了です。
支援ありがとうございました。
307 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 00:34:21 ID:hvS5MShB
ああ・・・・・切ないなあ・・・;; 乙ですぅ。
ムスタディ乙
草加雅人とかどうか?
切ない想いだなぁ・・・
短くとも、深く重い話でした。GJ
投下してよい?
物は海外ミステリのMr.クィンなんだが。
想像してみてほしい。いきつけの店のカウンターで、でかい仕事の成功に一人酔っていたはずのところを、気がつけば草っぱらで餓鬼どもやディズニーアニメに出てきそうな化け物どもに囲まれているところを。
最初に考えたのはこうだ――あの野郎、俺の酒に何か混ぜやがったのか。
次に考えたのはこうだ――何だこの餓鬼は、なんで思いつめたような、怒ったような顔で俺に向かってくる。
などと思っているところで、その餓鬼は俺の耳をつかんで引きおろし、痛みにかがんだ俺が文句を言う前に有無を言わさずキスをした。俺は手を振り払うととりあえず餓鬼を殴った。全力で。
転がった餓鬼の頭を勢いよく蹴り飛ばしたところで、俺は左手に焼け付くような痛みとともに奇妙なマークが刻まれていることに気がついた。
慌てて駆け寄ってきた禿に銃弾を数発撃ち込んだところで、俺はでかいトカゲを連れた女と空飛ぶトカゲを連れた餓鬼に押さえつけられた。
というわけで、この俺、ジェラード・クィンは不本意ながらルイズ・なんとかかんとかの使い魔となったわけだ。
知り合いはジェラードをつづめてジャードと呼ぶ。
***
貴族は好きか、と聞かれれば嫌いと答えるのが近いだろう。より正確に言うならば興味がない、だが。
俺が貴族と聞いて連想するのはもちろんかの英国のことで、英国と俺の関係は必ずしも友好的なものではなかった。
俺が餓鬼のころ、北アイルランドでは逮捕状なしの連行が横行しており、俺の親父もその恩恵にあずかった。
電気工事の仕事をしていた親父は、仕事の帰りに英軍につかまった。かばんの中にはコードだの何だの。お前はIRAか、と連中は聞いた。親父は違うと答えた。
親父は何時間も殴られたり、砕いたガラスの上を裸足で歩かされたりした。質問はいつも同じ。お前はIRAか。IRA関係者に知り合いはいるか。親父は両方知らないといった。別の歓迎が始まった。
楽しい時間を過ごすうちに、ついに親父の心臓は耐え切れずにその機能を停止した。
というわけで、俺はIRAに入ってしばらく英国人を殺して回った。
やがてそれにも飽きて、俺は引退するとアイルランドで仕事を始めた。
若き冒険の日々は終わり、落ち着いた大人の生活を始めたわけだ。
そんな俺がハリー・ポッターじみたファンタジー世界で貴族の使い魔。
事情を知った俺は思わず唸った。
***
もちろん、召喚のありさまがありさまだったので、周囲は友好的には程遠かった。我がご主人様は俺の鮮やかな蹴りで首の骨が折れており、治療で一命を取り留めたという話だったし、俺が撃ったミスタ・コルベールも同様だった。
持ち込んでいた銃は没収。寝床は床にわら束。飯も床。『メイジと使い魔』という関係を重視するために俺の扱いは基本的にルイズの自由裁量に任されていたが、要所要所には学院側の監視があった。
つまるところ、今の俺はヒステリックな餓鬼の奴隷であり、しかもその餓鬼は俺に殺されかけたことで恐怖心と屈辱を覚えている。学院側は平民の俺に職員を殺されかけたことで俺を徹底的に警戒しており、何かをやらかせば今度こそ俺が殺される可能性があった。
そして、使い魔の契約解除について周囲に聞いて回ると、主人と使い魔のどちらかが死なない限り契約は解除できないものらしい。
仕方がないので俺はご主人様を殺すことにした。
といってもただ殺せば俺も殺されてめでたしめでたしだ。何か手を考える必要がある。
ヒントは学院の最初の授業で見つかった。
奴隷生活を余儀なくされている俺は、情報収集に精を出していた。目を開いて、耳を澄ましているだけでわかることは案外多い。
件の授業でのルイズの失敗――錬金失敗爆発炎上、いや、炎上はしていないか――により、ゼロというあだなの由来はわかった。ルイズがそのことで抱いているコンプレックスも理解した。
つまりこうだ。わがご主人様が能無しのヒステリー持ちだというのは誰でも知っている。俺はその点を巧くつついて、彼女の精神状態を悪いほうへと誘導する。できるだけ深い穴に放り込んで普通じゃ這い上がれないようにする。
周りに当り散らす。突然黙り込む。その手の破滅的行動が目立つようになれば、周囲もそういう目で見るようになる。
そしてある日、馬小屋かどこかで軒からぶら下がったルイズが見つかるというわけだ。
かわいそうに、そんなに思いつめていたなんて。みなが同情するだろうし、俺ももちろん同情する。もちろん、俺が同情するのは他の連中とは理由が違う。皆がルイズが自殺したと思っていることに同情している。
言ってる意味、わかるよな?
***
とはいってもそれを実行に移すのにはきちんとした準備がいる。ルイズの周辺の人間について知る必要があったし、ルイズを殺したあとの俺の身柄がどうなるかも知っておく必要がある。またどこかの餓鬼の奴隷にされたんじゃたまらないからだ。
というわけで俺は学院側の監視役に声をかけることにした。院長の秘書だとかいう眼鏡の女だ。
さて、アイルランドにパディ・トナーという男がいた。ちょっと大きな商売をしている男で、いろいろな儲け話を持っていた。
奴さんは儲け話をひとつ選ぶと、俺のところに会いにきた。俺と会うときは護衛はなし。俺のことを知っているのはトナーだけというわけだ。
俺はやつから話を聞く。細部を確認して、話を巧く転がすためのプランを立てる。
やつは俺のプランを持ち帰るとそれを実行部隊に教えてやる。実行部隊はへぇ、とかいって感心する。自分たちのボスの頭の良さを褒め称える。
最近やった大きな仕事は、財産家の老夫婦とその娘を殺し、唯一残ったもう一人の娘を心神喪失に追い込んで遺産をトナーに売り渡すことだった。
実行役は俺を知らない。警察も俺を知らない。あるジャーナリストは俺の事を第三の男、と呼んでいた。
「あの、ちょっとよろしいですか、ミス・ロングビル?」
話しかけながら俺は思った。この女は、さっきの話なら誰になるだろう。トナーか、実行役か、警察かジャーナリストか。
それとも財産家の老夫婦とか。
「ちょっとお尋ねしたいことがあるのですが」
俺はにっこり微笑むと、ロングビルに歩み寄っていった。
言ってる意味、わかるよな?
以上。返事がなかったので投下した。今は反省している。
反省しなくてもいいよ別に
っていうかこれで終わり?
あー、時間見繕って続きは書きたいです。
>>313 良いデキだったが短い。
言ってる意味、わかるよな?
非の打ち所の無い悪党が召喚されるのは珍しい。
これは期待大です。
これは避難所向きなのでは?
>>318 その方が安全だろうな
これって一歩間違うと、例え書き手がそう意図した訳じゃないとしても
ヘイト展開とか言われる可能性あるし
アニメは全部みました。
原作はまだ4巻までです。
全部読んでから書くべきでしょうか?
出来れば読んだ方がいい
けど、ここはアニメ系板だ
小説必須でもない
レスに感謝します。
召喚時のルイズの呪文が混在しているので、
アニメと原作どちらが優先されるのかな……などと考えたものでして。
ブレイブストーリーの人乙
まるでアラズラムが綴るブレイブストーリーの一幕を読んでいるようでした
この後、少し吹っ切れたムスタに待ち受ける事態がいかに流転するか楽しみでなりません
是非、最後まで書き切って下さい
324 :
ゼロの軌跡:2008/03/03(月) 04:21:38 ID:rYfeJWuY
もう少ししたら投下していいですかね?
カモン!
327 :
ゼロの軌跡:2008/03/03(月) 05:49:56 ID:rYfeJWuY
じゃあ投下します。こんな時間に感謝。
328 :
ゼロの軌跡:2008/03/03(月) 05:54:29 ID:rYfeJWuY
ゼロの軌跡
第二話 虚無の扉
その日、ルイズはメイジとしての自らの尊厳と存在をかけて召喚の儀に挑んでいた。
地面に穿たれた無数のクレーターはその努力の証座だ。既に何度目か、数えるのも億劫になるような試行錯誤のその果て。ありったけの精神力と祈りと願いを込めて振り下ろした杖の先。
浴びせられる嘲笑と罵声は濛々たる白煙の中から聞こえる駆動音と蒸気にかき消された。
煙が晴れてそこに鎮座していたのは巨大なゴーレム。しかし土で出来ているようには見えない。総鉄製の人形はその手に何かを守るように胸の前に掲げられていた。
湧き上がった歓喜もつかの間、ルイズは戸惑いの渦中にあった。
自分の起こした爆発の中から現れたのだから、間違いなくこのゴーレムは自分が召喚したのだろう。しかし生物でないものを召喚するなどということがあるのだろうか。
同級生はもとより、いかな文献や授業でもそのような話は聞いたことがなかった。そもそも鋼鉄で出来たゴーレムなんてものが知識の範疇外のものだ。
「コルベール先生、その…この場合ゴーレムと契約することになるんでしょうか」
「ああ、そうだね。この儀式はしんせ…いや、無理に契約しろとは言わないよ。君が気に入らないなら私が引き取ろう。うん、それがいい。是非とも新しく召喚しなおしてくれ」
この機械バカに聞いた私が間違いだった、とルイズは内心で毒づく。
「いえ、やはり契約します」
思い切り残念そうな顔をしたハゲを尻目にルイズはゴーレムに近づいた。心はまた喜びで満ちた。
329 :
ゼロの軌跡:2008/03/03(月) 05:55:31 ID:rYfeJWuY
そうだ、これは私の使い魔なのだ。ゼロだった私が立派なメイジになった、その証なのだ。誰にも、誰にもくれてやるものか。今まで蔑みの対象でしかなかった私を守ってくれる鋼の揺り籠。
ゆっくりと近づいて、私はその腕にキスをする。暖かい。きっとこのゴーレムも私を祝福してくれているのだ。
胸に刻まれた複雑なルーン。私とこのゴーレムをつなぐ絆。そう思うと意味もわからないその文様すらいとおしく感じられる。
ルイズは高らかに叫ぶ。それは凱歌だ。今まで自分を見下し続けた世界に対する勝利宣言だった。
「見なさい、これが私の使い魔よ。竜の炎も獣の爪もものともしない、くろがねの王。
私の、私の使い魔よ!」
しかしルイズの歌は背後から聞こえる音に突然遮られた。
振り向けば、ゆっくりと開かれるゴーレムの手のひら、そこに立っていたのは一人の少女。年の頃は12,3歳くらいだろうか。紫の髪に黒のリボン。白と黒を基調とした上品でかわいらしいドレスに赤いネクタイ。
そしてなにより、その手に握られた彼女の身の丈ほどもありそうな異形の大鎌。金色に縁取られた漆黒の刃の先端は新雪のように白い。その、人を殺すにはあまりにも優美な曲線。尖った柄は春の光を浴びて鏡のように少女の顔を幾つも浮かび上がらせる。
「あなた、今なんて言ったの・・・」
その言葉に込められた、竜をも殺さんばかりの殺気。
しかし、もうルイズは後には引けなかった。
それは世界と彼女とを繋ぎ止める桎梏。失えば再び侮蔑が彼女を襲うだろう。
魔法に見捨てられるゼロに戻ることなど、選べるはずもなかった。
ルイズは無謀にも叫ぶ。手負いの獣のいななきのようなその言葉。
「そのゴーレムは私の使い魔!私の物!そこから降りなさい!」
その言葉を聞いて少女がその稚い顔をゆがませた次の瞬間、ルイズは宙に浮いた。足を掬われたのだ、と気づく間もなく地面に思い切り叩きつけられる。
肺から逃げた空気は音にもならず、首筋に当てられた刃を見て悲鳴を必死に飲み込んだ。
330 :
ゼロの軌跡:2008/03/03(月) 05:56:31 ID:rYfeJWuY
組み伏せられたルイズを見て、コルベールはすぐに彼女を下がらせなかった自分の判断の甘さを悔やんだ。しかし、あの速さでは自分が彼女をかばっていたとしても守りきれたかどうか。
それどころではない、とかぶりを振り今は不必要な思考を追い出す。ともかくも、あの少女を落ち着かせることだ。あのままでは、ルイズが危ない。
「お嬢さん、ひとまず落ち着い『<パテル=マテル>、ダブルバスターキャノン!!』」
コルベールの言葉は途中で遮られ、少女の怒号が響いた。
彼にも上手く咀嚼できない少女の声を理解できる者がその場にいるはずもなく、けれども不吉なものを感じ取った生徒たちが後ずさりを始めた時、ゴーレムから二つの閃光が走った。
その暴力的なまでの輝きを放つ光は塀を紙細工のように粉砕し、木立を飲み込み、轍を形作った。
数瞬の後、轟音と閃光が静まる。そして沸き起こる混乱、生徒達とその使い魔の悲鳴と呪詛が辺りを埋め尽くした。
生徒達は皆逃げて失せた。コルベールは慌ててルイズに近寄ろうとしたが、ルイズとコルベールの間に彫られた轍、それを越えようとしたときゴーレムが再び動き出すのを見て歩みをとめざるを得なかった。
手を出すな、ということか。コルベールは臍をかむ。ゴーレムの動きをとめつつ少女からルイズを救出する。そんな離れ業が出来るとも思えず、彼に残された道はただただルイズの無事を祈ることだけだった。
今なおルイズの頚動脈に置かれている少女の鎌、地面に突き刺さった柄はルイズの桃色の頬に触れんばかり。次第に遠くなるクラスメイトの悲鳴を聞くたびに、死の淵にいながらルイズの頭は逆に冷えていくようだった。
331 :
ゼロの軌跡:2008/03/03(月) 05:57:36 ID:rYfeJWuY
私は思う。きっと私はここで死ぬのだろう。ゼロの私は己の魔法で喚び出したものに殺されるのだ。
「さっきの言葉を撤回しなさい!」
それは私には出来ないことだ。それには私が魔法に捧げてきたもの全てが懸かっている。
この少女に思い知らせてやりたい。私がどれほどの時間を費やし、寝食を削り、体を酷使し、心を擦り減らし、願いを込めてあの言葉を吐き出したのか。
立派な貴族足らん、メイジであらんとして求めたもの。その結晶があのゴーレム。
「<パテル=マテル>はレンの何より大事なものなの!」
ああ、レン、あなたはレンっていうのね。折角の可愛い顔が台無し。
そんなに怒りに身を震わせて私に刃を向けないで。
そんなに怯えに身を竦ませて私を見ないで。
あなたにはきっと、天使のような微笑が似合うはずなのだから。
「レンのパパとママよ!絶対に渡さない!」
その言葉を理解する前に私の体は再び宙に浮いた。首に手をかけられて持ち上げられる。こんな状態ではさっきの言葉を撤回しようにも話すことすら叶わない。彼女の我慢が限度を越えたのだろう。もう私には死しか残されていないということか。
耐え切れずに動いたコルベール先生がゴーレムの腕で横薙ぎに吹き飛ばされるのが見える。死に際してこんなにも冷静な自分自身の思考が奇妙にも可笑しく感じられた。意外なほどに恐怖を感じないのは何故なのだろう。
332 :
ゼロの軌跡:2008/03/03(月) 05:58:19 ID:rYfeJWuY
ああ、そうか。
私は得心する。
レンと私はとてもよく似ているんだ。
きっとレンも世界に見捨てられたことがあるに違いない。
でなければ、こんな眼をするはずがない。
「しんじゃえ…」
でもかわいそうに、レン。
私はそのゴーレムで救われるけど。
あなたはそのゴーレムでは救われなかった。
段々視界が黒く塗りつぶされていく。
意識が薄くなりながらも、私はレンの笑顔が見れないことが悲しくて仕方がなかった。
私の命が閉じるその寸前、雲耀の差で首に掛かる力が弱まった。どうにか眼をこじ開けるとレンの唇が動くのがかすかに見えた。
「だめよ、『レン』
あなたも私も本当は優しいお姫様なのだから」
ああ、そうか。
私は嘆息する。
レン、あなたはゴーレムだけでは救われない。
あのゴーレムで救われるのは『レン』だけ。
あなたのパパとママは『レン』しか守ることは出来ないの。
レンは今もずっと、一人きりで泣いているのね。
誰か、レンを助けてあげて。
心の奥底で、孤独に怯えているレンを暖めてあげて。
太陽のような光で、優しい想いで。
ルイズの意識は、そこで暗転した。
333 :
ゼロの軌跡:2008/03/03(月) 06:02:46 ID:rYfeJWuY
第二話 投下終了です。
あまりにわかりにくい構成と暗い話。
自分でもどうかと思いますが、空の軌跡を知ってる人も知らない人も、
レンとルイズが救われることを願って読んでもらえれば幸いです。
>>321 この板に移住したのは単に荒らし対策にID表示が必須だったのと
クロス先が漫画以外の作品の傾向に合わせる必要があったからでしょ。
少なくとも書き手は原作小説必須じゃないの?
というかあのアニメだけで書ける人がいたら見てみたいが。
>ゼロの軌跡
元ネタをちょこっと調べてみたら、両親に犯罪組織に売り飛ばされて、
代わりに父や母として依存していたゴーレムを、勝手に使い魔にされたらキレるわなぁ。
どうせクロスなんだしいいじゃん
アニメと原作で設定違いもあるだろうし、若い子にはネットは平気だけど本は苦手ってのもいるだろ
アニメだって一応ゼロ魔なんだし、原作必須って縛りは必要ないよ
原作一気買いは学生にはきついだろうし
>>333 GJです。
空の奇跡は大好きなので、これからも頑張ってください。
>>334 そんな理由でこの板にスレ立ててるなら
文芸サロンに移った方がいいと思うが。
ようこそ、フォートレスフリーダムへ。
避難所の雑談だか運営だかの過去ログでこの板を使う経緯が載ってたはず
つーか二次創作やるなら現在集めれる資料を出来るだけ集め
取りこぼしを保管するために
ソース付きの情報をネットで調べてするものだろ
苦労して書いた作品を出来るだけ
叩かれないようにする努力の一つだと思う
最近入ってきたやつはなんで原作読んでないんだ?
せめて一巻くらい買って読めよ
それとも一巻さえ買えない貧乏人ばかりなのか?
1巻が読んでてツライからじゃね?
正直文章ヘタだし、主役2人はイタイし
2巻はもっとひどいけど
いや、嫌いじゃないんだよ?好きだからこのスレいるんだよ?
でも1〜2巻の鞭とか犬とか才人の言動とかかなりきっつい
>>341 ラノベ買うのがエロゲ買うのと同じくらい恥ずかしい俺みたいなのもいるんだぜ?
>>342 そういうのは読んでないとわからないはずだろ
読む前からなんでわかるんだ?
>>343 正直なにが恥ずかしいのかがわからない
普通に買えばいいだろ
板的に考えてもアニメから入った人が多いからじゃないか?
ついでに原作読むのが面倒ってのも多そうだけど
まあ、読者側の立場にいるならそのスタンスでもいいと思うが
書くなよ! 絶対SS書くなよ!
とまでは言わんが、せめてSS書くなら原作ぐらいは網羅しておい欲しいな
アニメ系板に間借りしている身だぜ
小説至上主義の主張なら外でやるべきだと思わんか?
どこの板だろうがなんだろうが、
パロディやるうえに人様に見せるもの書くなら、
最低限やっておくべきことじゃないの?(原作を読むこと)
それが原作者への礼儀ってものでしょう。
>>345 板的に考えてはまだわかるが
原作読むのが面倒はおかしいだろ
雑談だけがしたいやつらは別だが文章読むのが苦手ならSSを読まないだろうし
書くのが苦手ならSSを書こうとしないだろうし
読む時間がないならなんでこのスレのSS読む時間はあるんだ?と聞き返したくなる
まあ人次第でいいじゃない。書く文には
>>349の言う通りだろうけど。細かい設定もわかるしね。
俺も正直ラノベ買うのはきつい口だな…
文章読むのは好きなんだが…
俺は原作をまとめて買ったが、かなり後悔してる。
>>352 いい歳してラノベかよ、とはたまに思うかなぁ。
『マリみて』ぐらいまでいくと逆に開き直れて平気だったりするが。
SS読むぶんには原作読む必要はないな
フグを食うのに免許がいらないのと同じだ
SS書くなら読んどけよと思う
フグ捌くのに免許が必要なのと同じだ
>>351 必要最低限の事が出来てない作品は駄作になるってだけだからな。
マナーのなってない作者だと思ったら各々がスルーすればいい話だ。
俺も今書いたり消したりしてるとこだが、原作は読むようにしてるよ
ナデシコのSSで、オリジナルメカに
花に由来しない名前が付いてると萎えるが、
それと同じようなもんかね。
しかし、SSを書くために原作を読むってのも本末転倒のような。
小説なりアニメなりを見てファンになって、妄想が膨らんだからSSを書くんだろう?
アニメから入って妄想が膨らんだならその通りに書けばいいし、
原作から入って妄想が膨らんだならその通りに書けばいいんだと思う。
>>359 ナデシコは知らんが、確かにそういうの外すと萎えるよな。
原作読むに越したことはないんだろうがもはやアニメはアニメで正史な気がする。
>>359 ブラックサレナに小型相転移エンジンなる謎メカが当たり前のように積んであると萎えるなw
でも、二次創作が原作設定を侵食してスパロボでは公式になってるとか何とか……。
>>359 むしろSSの前書きに
「作者は原作を読んでません。二次創作で知りました」
「よって原作とは相違点が多々あるとは思いますが、そこは寛大な配慮をどうかよろしくお願いします」
とあると萎えるようなものじゃね?
>>360 アニメと原作が全くの別物ならそれでいいと思うけどね。
まあそれ以上は控えようぜ。
段々ずれてきちまってる。
>>363 三国志は二次創作でしか知らない俺は
三国志と言えば「げえっ、孔明」になってしまって困る。
ごめん、脱線はこの辺にしておく。
ジャーン ジャーン ジャーン
>>366「げぇ、関羽」
>>366 この場合の原作というのが史書三国志(魏書、蜀書、呉書)の事なのか
三国志演義なのか横山光輝三国志なのか
三国志演義ですらオリ展開満載だしな。
チョウセンとかあんなに有名なのにオリキャラなんだよな。
中華の人は偉大だ。
三国志というとはわわ軍師しか出てこない無学な俺。
原作の小説は、アニメでは表現出来ないような細やかな心理描写と綿密な世界設定が描かれている。
だから原作を読まずにSSを書くなんてとても有り得ない、、、、
なんてなあwwwwwwww
ぶっちゃけ、ノボルの小説なんてアニメをそのまま平易な文章に起こしただけ、そんなレベル。
読まんでもOKだろ。
呂布と言われると、
忠誠度100で裏切りやがる事しか思い浮かばない。
>>369 一応、演義が原作で横山三国志が二次という視点で
>>366を書きましたよ。
実際は正史が一次で演義が二次で吉川が三次で横山は四次なのかも知れないけど。
今までで召喚された人間のちびっ子ってしんちゃんくらいですかね?
ちと気になっちゃって。
ちびっこってのは身長的な意味だと
いっぱいいるだろうけど年齢的な意味ではマツシタとか?
>>375 脳みそのレベルでは大阪が近いと言っておこう
>>371 よう、兄弟。
無論、貂蝉はアレだよな?
うるさい方のチョウセンはいやだなぁ。
380 :
ゼロの夢幻竜:2008/03/03(月) 14:13:36 ID:CmRWCHIX
20分位から新作投下します。
>>378 貂蝉と言われてなぜかキュベレイ娘が出てきたがキニシナイ!
支援
383 :
ゼロの夢幻竜:2008/03/03(月) 14:20:49 ID:CmRWCHIX
今回の投下は以前1000ネタでやっていた内の一つです。では本腰入れていきます。
夜、部屋の明かりに照らされるルイズ・ド・ラ・ヴァリエールの表情はこの上無く不機嫌な物だった。
今までにも魔法が出来ない事を同級生からからかわれて不機嫌になる事はあったし、それ以外の事で不機嫌になる事もあった。
だが、今日一日で経験した物のレベルはそんな物ではなかった。
トリステインにある魔法学院。
今日はそこから少し離れた草原の一角で、使い魔を召喚するサモン・サーヴァントの儀式があった。
進級試験の一つでもあるこの儀式は失敗する事は出来ない。
が、最後になったルイズは何回やっても爆発を繰り返し、何も喚び出せないていた。
他の者達はあっさりと成功し契約を済ませていくのに、彼女だけは違っていたのだ。
周りからもう止めろといわれても、その儀式を担当していたコルベール先生が日を改めてはといっても聞かなかった。
そして10回目にさしかかろうかという時になって漸く、何かが爆発の中心地にいる事に気付いた。
だが、やっと成功した事に喜んだのも束の間、濃い煙が晴れると、そこにいたのは小さな女の子だった。
身長から察するに年は明らかに自分より下だ。
ただ小綺麗に着飾ってはいたが、全体として漂う雰囲気はどこと無く平民臭さが出ていたものだった。
少女は気絶でもしているのか目を覚ます気配は無い。
儀式を進めようとしても爆発しか起きなかったので、『何でも良いから何か来い!』と強く思ってはいたが、
動物、それもマンティコアやヒッポグリフを想像していた彼女にとって、目の前の結果は自身を絶句させるに十分な物だった。
周りにいる生徒達がどっと大爆笑し一斉に囃し立てる。
貴族のように着飾った平民なんか出してそれは手品なのか、だとか、そんな小さくて非力そうな女の子はルイズにお似合いだ、と。
冗談じゃない。使い魔はメイジと一生を共にするのだ。
と言うより、そもそも人間を使い魔にした例なんて聞いた事が無い。
勿論、ルイズはコルベール先生に儀式のやり直しを申請する。
だが彼は、あれやこれやと理由をつけ、挙句神聖且つ伝統的な儀式ゆえにやり直しなど認められないと言い切った。
その時のルイズの落胆っぷりといったらない。
だが、契約をしなければ留年、悪くすれば退学も免れないかもしれない。
また、これ以上周りの者達を待たせるわけにもいかないので、彼女は目の前の少女へ呪文を唱えて契約の口付けをする。
少女と少女の口付けという一幕に色めきたつ者もいたが、そんな雰囲気は直ぐに薄れてしまった。
相手の少女が年端も行かない事もあるが、ルイズが殆どやっつけとばかりに直ぐキスを済ませたからだ。
彼女自身、女の子同士なんだからこれはノーカウントよ、と頭の中に響かせていなければ平民と口付けしたという事実で気が変になりそうだった。
その段になって少女は目を覚ます。
始め、何がなんだか分からないと言った風にきょとんとしていた彼女は、周りを見回して一言だけ発した。
「ここ、どこなの?」
Louise and Little Familiar’s Order 「Sitter of Cry baby」
その数十分後、ルイズは学院にある保健室にいた。
側にあるベッドでは先程召喚した少女が首元まで毛布をすっぽりと被っている。
契約の口付けが終わって程無く目を覚ました少女ではあったが、直ぐにまた気絶したのだ。
その理由は彼女の手の甲にあるルーンである。
それが記される際に、強力な熱と痛みが一過性にせよ使い魔の体を襲うのだ。
少女はまだ幼かったためかそれに耐え切れず、痛い、熱いと喚きに喚いて挙句気を失ったのだ。
その際、コルベール先生はルーンを興味深げに見つめていたが、それ以前に少女をまともに寝かせられる場所に運ぶ必要があったので構っている間は無かった。
おまけに簡単な呪文である『フライ』や『レビテーション』も使えないルイズは、少女を負ぶって学院に戻らなければならなかった。
儀式の最中こそ顔を真っ赤にしながらも嘲笑に耐えていたルイズだったが、学院の門が見えてくるにつれてぼろぼろと泣き出す。
学科試験は良いものの、肝心の実技でいつも失敗の証である爆発を起こす為、付いた渾名が『魔法の成功確率‘ゼロのルイズ’』。
その事で毎日友達から馬鹿にされてはいたが、遂に今日決定的となってしまった。
384 :
ゼロの夢幻竜:2008/03/03(月) 14:21:59 ID:CmRWCHIX
召喚した使い魔は人間で、平民で、子供で、女の子で、しかも召喚早々気絶した。
噂が広まるのは早いもので、午後の授業が終わる頃にはルイズが通る所どこでもひそひそ話が囁かれるようになった
夕食も終わった頃、保健室から使いの者がそろそろ使い魔を部屋の方で引き取ってくれないかと伝えに来た。
ベッドでぐっすりと眠る少女はいかにも安らかそうに見えたが、目の淵にはうっすらとではあったが涙が流れた跡があった。
悪いとは思ったものの、少女を自分の部屋に運ぶまでの間、ルイズは生きた心地がしなかったせいでそんな意識は吹き飛んだ。
召喚された平民がどんな奴なのか見てやろうと、近くに寄る生徒達の視線に耐える必要があったからだ。
それでも彼女は今自分の背中で眠っている少女に一縷の望みをかける。
見かけは悪くてもその中身がまだ分からないからだ。
開けてびっくりの力を持っているという可能性だって十分ある。
そして部屋に戻った時になって、少女は目を覚ます。
「お姉ちゃん、誰なの?」
ブルーの大きな瞳が爛々と輝き、いかにも少女然とした感じを出していた。
「私はルイズ、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ。」
「ル、ル……」
「長くて言えないならルイズでいいわよ。でもあなたは私の使い魔なんだから『ルイズ様』とか『御主人様』って呼ぶのよ。それで、あなたの名前は?」
「あたしは……ミー。」
「……なんかペットに付ける名前みたいねえ。それよりも、起きたのならいい加減背中から降りなさいよ。」
小柄なゆえにそれ程重い訳ではなかったが、それでも平民が自分の背中に乗っているという状況はルイズにとって不愉快なものだった。
言われて少女はルイズの背中から降りる。
しかし少女の質問は続く。
「ここ、どこなの?」
「ハルケギニアにあるトリステイン王国の魔法学校よ。まあ、その年の平民じゃ知らないのも無理はないかもね。」
やっぱり何の変哲も無い平民の子供か。あたしが同じくらいの年の時にはもうここの名前ぐらい知ってたもの……
ルイズが一つ溜め息を吐くと、少女が震える声で言った。
「ねえ。あたし、お家に帰りたい。パパとママが心配するもん……」
「無理よ。あなたは私に喚ばれてここに来たんですもの。それにこことあなたの元いた所ともう一度繋げる方法なんて無いのよ。」
「やだ。お家に帰して。」
「だから方法が無いって言ってるでしょ。あんたは私の使い魔として……」
「お家に帰りたい!お家に帰してぇっ!!」
「こらぁっ!離れなさい!ひっつかないでよ!」
少女はルイズの足元に縋り、泣いて駄々をこね出した。
正直、パパとママという単語が出た時、この子を本当にいきなり親元から無理矢理引き離したという感覚が襲ってきたので、ルイズの心はちくりと痛んだ。
だが、喚ばれてしかも契約まで行ったのならきちんと躾けなければならない。
取り敢えず話をしようとしたルイズだが、少女は泣くばかりで一向に話の通じる気配が無い。
次第にルイズの方が泣けてくる。
私は一体何をやっているんだろう?話の通じない平民の子供相手に言う事をきかせようなんて。
使い魔になったとはいえ碌に言う事も聞かないのではとんだお笑い物ではないか。
メイジの実力を量るにはその使い魔を見ればいいとまで言われているというのに、こんなのが使い魔なら木偶の坊の方がまだマシな気さえしてきた。
そうなるともう少女に構う気さえ起きなくなってくる。
しかし、一応使い魔が何をするのか等を言っておかなくては、出来る物も出来はしないだろう。
それが出来るようにするにはどうすれば良いか?
まるで、世話のかかる子供に面した母親のような気持ちになったルイズは、尚も泣き続ける少女に向かって厳しく言った。
「いい?!泣きたいなら気の済むまで泣いてなさい。その代わり泣いてる間はご飯もあげないし、この部屋で寝かしもさせないわ。いいこと?本気で言ってるのよ!」
それはかつて自分が母親から受けた躾とかなり似ているものだった。
変に宥めたり賺したりするのではなくて、泣き疲れて自発的に泣くのを止めるようになるまで待つと言う方法。
ルイズの物はそれに、もっと泣く原因をあげましょうか?と手を加えた物になった。
これなら自分の言う事を嫌が応にもきくようにはなるだろう。
ルイズは少女から目を逸らし、部屋の明かりの方を見て呟く。
「ホント、何時になったら泣き止むのかしら……?」
385 :
ゼロの夢幻竜:2008/03/03(月) 14:22:44 ID:CmRWCHIX
そして話は冒頭の位置へと戻るのである。
さて、そんな空気がかれこれ10分近く続いてはいるが、少女はしゃくりあげながらもなかなか泣き止む気配を見せない。
ルイズはしぶとく待つために椅子に座って待っていたいい加減眠くなってきた。
と、我慢が要の一つともいえるその雰囲気に、隣の部屋から闖入者がやって来た。
ドアの鍵はしていたがあっさりとアン・ロックをされたのでそれも不愉快だったが。
「ちょっとルイズ!そろそろ消灯なのよ。静かにしてよ!」
「私が泣いてるんじゃないわ!使い魔の方よ!」
募っていた苛々をつい隣室からの闖入者ことキュルケにぶつけてしまう。
キュルケの視線は直ぐ、戸口に近い所で泣いている少女の方に移った。
「一体どうしたのよ?何かしたの?」
「どうしたもこうしたもないわ!!最低よ!あんたもみたでしょ?!召喚の儀式で『それ』を喚んで……」
その時キュルケの頬が少しさっと紅潮する。
幾ら相手が平民の、それも子供であっても、少女はルイズが召喚した使い魔なのだ。
『それ』呼ばわりはないだろうと感じたからだ。
だがルイズの不満は更に吐露される。
「平民の子供のくせに言う事は聞かない、話は聞かない、お家に帰してえ、帰してえって喚いて泣きだして……おまけにあんたまで出て来る事になったじゃない!もう沢山よ!泣きたいのはこっちよ!」
後半は最早喚きにも近い雰囲気だった。
キュルケがそんな彼女を見ていると、何か締まりの無い音が聞こえてきた。
その発信源はどうも少女のお腹らしい。
今が何時なのかを考えたキュルケは、ルイズに冷ややかな声で質問する。
「ねえ、この子に何かご飯あげた?」
「は?その子、さっき目を覚ましたのよ!それにまともにこっちの言う事に従おうとしないのにあげられるワケないでしょ?図に乗ったらどうするのよ!いいから出てってよ!あんたには関係無いでしょ!」
答えるのも鬱陶しいという口調だった。
386 :
ゼロの夢幻竜:2008/03/03(月) 14:24:36 ID:CmRWCHIX
「そう?じゃ、失礼するわ。」
キュルケはそう言って部屋を出ようとする。
ただ一つ部屋に入ってきた時と違うのは、彼女が少女の手を引いていた事だった。
その光景にルイズははっとして反射的にキュルケに対して怒鳴った。
「ちょっと!あんた人の使い魔をどうする気なのよ?!」
「どうするって?少し考えたら分からない?私の部屋でこの子にご飯をあげるのよ。今からじゃ厨房に行ったってありあわせの物しか用意できなさそうだけど。」
「ふざけないで!まだ躾は終わってないのよ!使い魔が何たる存在かも話してないのよ!それに私の使い魔なのに、あんたに『餌付け』なんかされて懐かれたら洒落にならないわ!今すぐその手を離しなさい!」
キュルケはそれに構わず少女を連れ立って部屋のドアを開ける。
止めようとルイズが近付くが、次の瞬間キュルケに一睨みされた。
「離してもいいけど、それじゃ私がもっと眠れなくなりそうだからやめるわ。この分じゃ一晩かかったってこの子は泣き止みそうにないもの。確かにこの子は平民よ。あなたや周りのクラスメイトが言うようにね。
でもこのくらいの子はまだ親に甘えたい盛りのはずよ。使い魔として喚ばれた以上、主人は主人らしくしていないといけないと思うけど、それも含めてあなたが元の親の代わりもやらないといけないと思うわ。
なのにそれを全部ほっ放り出すどころか、使い魔の躾がどうのなんてのを口実にこの子を大切に出来ない内は、あなたがこの子の面倒を見るなんて事は出来ないわね。それ以前にメイジとして失格よ。」
ルイズは何か言おうとしたが、正論のオンパレードだったので切り返す事も出来ない。
「この子は私が何とかするわ。幸い母親役なら私の方がいろいろと似合いそうだしね。話がしたいのならそれなりに舞台を整えなきゃ出来る話も出来ないわよ。ま、とにかくあなたがそんなに冷たい人だとは思ってもいなかったわ。それじゃね。」
キュルケは少女を連れて自分の部屋へと戻っていった。
引き止めようと思えば引き止められたのに体が言う事を聞かなかった。
メイジとして失格……キュルケに言われた事が何時までも頭の中に響く。
部屋の戸を閉めた後、彼女はベッドに倒れこんで泣き出した。
ただただ悔しくて悲しかった。
キュルケに面と向かってそう言われたのが原因ではない。
自分の使い魔なのに、どこかから無茶して引っ張ってきたかもしれないあの少女の心の拠り所になれていない事が一番辛い事だった。
しぇん
投下終了しますがこの場を借りて二、三お詫び致します。
先ずコテハンを変更していなくて済みません。
あと召喚先と召喚キャラを明記していなくて済みません。
召喚先はポケットモンスターの映画3作目より。キャラはそれに登場した5歳の女の子です。
本当に申しわけ有りませんでした。
映画三作目…エンティの話のあの子かな?
乙でした〜!
……その子エンテイもといアンノーンプレートがなかったら何もできない気がするが
>>215 亀でスマンが、二つの月と来て誰もメタルブラックを挙げないのに絶望した。
「ゼロのルイズが月を召喚したぞ!?」
「つ、月にしては小さすぎないか? いや、充分大きいけど」
「というか、空には月がちゃんと二つあるぞ」
「な、なんだってー」
そして、召喚した月がひび割れていき…。
乙でした!
ルイズがかなり嫌な子になっちゃってるけど。母親があのスパルタ教育で、自分の下に子供がいない末っ子だし、小さい子の世話とか苦手なんでしょうね。
召喚失敗したと思い込んで余裕のないところだし、まあ仕方ないのかもしれない。
とは言え、素直に過ちを認められないツンデレのルイズさん。おまけに助け船を出したのはツェルプストー。これから機動修正をしていけるのか心配なところですね。
おつ!
しかし、俺はアニメ、映画を知らないんだ……くっ
ゼロ魔世界の月でも狼男やサイヤ人は変身できるのかね
もともとサイヤ星(だっけ?)じゃない星で変身してるから
問題なし
396 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 15:50:37 ID:ZbY4E25C
>>391 それはメタブラの1面ボスでは。
今まで月だと思っていたものが偽物で、それを食い破って出てくるシーンは強烈でした。
>>392 まとめサイトに載っている俺屍の赤ちゃんぐらいならまだ良かったんだろうけど。
まぁウルトラマンメビウスも初回は地球人に罵倒されていたし、最後に心からのありがとうを言い合える関係を築ければ良いのですが。
書くためだけにわざわざ買うとかもったいねー
酒買った方がマシだわw
サイヤ人の変身に必要なのは一定量以上のブルーツ波でそれが満月というだけでブルーツ波があれば変身出来る後母星は惑星ベジータ
>>394 サイヤ人が変身するのは月から発生するブルーツ波が一定値を越えたらなので
恐らく問題なし
ベジータが「惑星ベジータも地球もどの星でも月が満月にならないとブルーツ波が一定値を越えない」
って言ってるので月が二つあっても満月にならないと無理だろうけど
亀レスですが。
ナデシコはアニメとコミック版は全くの別物。同一視はしない方が良いかと。
惑星ベジータを知らない世代がいるんだなあ……。
二つあるせいで常時「一定値」超えっぱなし
逆に干渉起こして満月だろうが「一定値」のクリアができない
とか設定する事も可能だからな
クロスオーバー作品世界の法則摩り合わせるってのはそこの匙加減が重要
SFの世界観設定に通じるものがある
サイヤ人か……
変身後の自分を制御できない悟空または悟飯を召喚、周囲は『ゼロのルイズが平民を召喚したぞ』と囃し立てる。
仕方なし二ルイズが契約のキスをすると――痛みでうずくまり、にらむように下からルイズを見上げると、ふと空を見て月が二つあることに気づく。そして大猿化して大暴れ。
使い魔たちが『契約によって特殊能力を得る』という事実から、平民を怪物に変える女として歴史に残る、と。
うまく立ち回らないと、ヘイトにしかならない展開だな……
405 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 16:25:51 ID:hvS5MShB
む。
片方が本物の‘月’で無いならどうでしょう?^^
月が重なるとブルーツ波が消えるとかw
つーかべジータって自力で変身できたよな
>>406 自分でエネルギーボールつくって変身ってやってたな
>>396 ちなみに2面ボスのフェドロです。あの演出、そして"Dual Moon"、"Yueez"といった神BGMに
支えられ絶大なインパクトがあったなあ。
>>406 はじけてまざれ!なアレな
トップクラスのサイヤ人だけが作れるブルーツ波発生装置
エナジーボンボンと聞いて
ワゴンにお帰りください
しかし大猿になると気のコントロールができないので使われなくなった………
戦闘民族サイヤ人のレアスキル<地球人の武術
まあ、どんなに良いスキルがあろうと地の能力値に大きな差があるんだけどさ
413 :
ゼロの騎士:2008/03/03(月) 17:25:13 ID:wxAiKuGa
5分後に投下したいのですが大丈夫ですか?
414 :
LFO作者:2008/03/03(月) 17:28:53 ID:dq5QsmyL
筆者の一人として支援します。
415 :
ゼロの騎士:2008/03/03(月) 17:29:03 ID:wxAiKuGa
誰もいないみたいですが他の人の投下ないみちいなので投下していきます…
416 :
ゼロの騎士:2008/03/03(月) 17:29:28 ID:wxAiKuGa
投下前に
二話についての謝罪
ラムザがオスマンに聞かれた時死んだ事にされた理由いわなかったのにその後普通に教会に追われていたっていっちゃってますねorz
他にもおかしいところ何カ所かあります。すいません。ラムザがオスマン達に話す時教会に追われていたという事実は伝えたけど、聖石に関することはいわなかったってことで脳内補完よろですm( _ _;)m
417 :
ゼロの騎士:2008/03/03(月) 17:30:26 ID:wxAiKuGa
ゼロの騎士第三話
ラムザが召喚された次の朝
彼はルイズの部屋の前に立っていた
ルイズを起こした後、彼女が朝の支度を整えるまで外で待つことになったのだ
すると向かいの部屋の扉が開き見覚えのある赤髪が姿を現した
「あら、ルイズのとこの」
ラムザはキュルケの姿をみて警戒した
「おはよう…ミスツェルプストー」
「やあね、そんなに怖い目しないでよ、あとキュルケでいいわ」
「わかった、でもキュルケさすがに第一印象が悪すぎる。そんないきなり火球を飛ばしてくるような相手は警戒して当然だよ」
「あれは悪かったわごめんなさいね、さすがに私も先住魔法を使われたら危険だと思って」
「あぁ、そうかこっちではテレポは使われないんだってね。改めて、僕はラムザ、ラムザ・ベオルブ。ラムザでかまわないよ」
キュルケの言葉で普段からところかまわず魔法を使う危険な人間ではないと判断してラムザは警戒を解いた
「えぇラムザ、じゃああなたの故郷では人間が先住魔法を使えるの?」
「いや、あれは先住魔法というか…」
「支度終わったわ…ってツェルプストー!なにやってんのよ!」
418 :
ゼロの騎士:2008/03/03(月) 17:32:49 ID:wxAiKuGa
扉を開け出てきた頭からラムザの言葉をかき消すルイズ
「あら、朝からご挨拶ね。戸を開けたらラムザがいたから話してただけよ」
「ラムザ!ツェルプストーの女となんて話したらぁああわわわわっ!」
ふいに現れた巨体に顔を舐められ慌てるルイズ
「あら、失礼なやつね、フレイムやめなさい。」
「な、なに!?このサラマンダーあんたのなの!?」
「そうよ、火竜山脈のサラマンダー。好事家に見せたら値がつけられないようなレア物よ!」
仲がよいと思っていた二人の突然の諍いにラムザはあっけにとられていた
「もうっ!ラムザ朝食に行きましょ!」
「え?あ、あぁ」
そのまま歩いていってしまったルイズを追いかけるラムザ
ふりむくとキュルケが軽く手を振っていたので返答しておいた
……………………
「………食堂?」
今連れられてきた場所と自分の考える食堂とのギャップに驚くラムザ
「この学院のメイジは全員が貴族。だからトリステイン魔法学院では貴族たるべき教育を存分に受けるのよ。だから食堂も貴族の食卓にふさわしいものでなければならないのよ」
419 :
ゼロの騎士:2008/03/03(月) 17:33:37 ID:wxAiKuGa
「うん、僕もアカデミーにいた時があったけど、こんなんじゃなかったなぁ」
「アカデミー?ラムザはアカデミーにいたの?」
「あぁアカデミーっていうのは、研究所とかのことじゃなくて士官生の養成アカデミーの事だよ。僕も若い頃に騎士団に入るためにそこで学んでたんだ」
「へぇ、でも若い頃って今も十分若いじゃない。いつの話よ」
「まだ18、9の時だから6年程前になるかな?」
「…え?ラ、ラムザって25なの!?」
そうである。ラムザは顔が幼いため若く見られるが立派な成人男性だ
「同い年くらいかと思ってた…」
「さすがにそこまでは若くないよ…」
そんなやりとりをするうちに料理が出される
オスマンのはからいでラムザにも貴族と同じ料理が出されているのだが、それに対しラムザは少し遠慮の念があったが好意を無碍にするわけにもいかないし、他に食事を得る方法もなくこの食堂で食べることとなった
少しして二人は食事を終えた
周りも食事を終えたらしく食後の歓談でざわついていた
そんな中ひときわ目立つ集団がいた
金髪をロールにしている男を中心になにか騒いでいるようだ
「なあ、ギーシュ!お前今誰と付き合ってるんだ」
「誰が恋人なんだ?ギーシュ」
「つきあう? 僕にそのような特定の女性はいないのだ。薔薇は多くの人を楽しませるために咲くのだからね」
ギーシュと呼ばれた少年の答えにさらに周りは騒ぎ立てる
その時ギーシュのポケットからなにか落ちたようだ、それをメイドが拾った
「ミスタグラモン、落とされましたよ」
しかしそれを見た金髪はこう言った
「いや、それは僕のではないよ」
しかし周りはそれを見てさらに騒ぎ立てる
420 :
ゼロの騎士:2008/03/03(月) 17:35:38 ID:wxAiKuGa
「おい! それはモンモランシーの香水じゃないか!?」
「確かにこの紫の小瓶はモンモランシーが特別に調合している香水だ!」
「待ってくれみんな、これはなにかの…」
ギーシュが言い終わる前に1人の少女がかけよってきた
「ギーシュ様!ミスモンモランシとつきあっていたのですね!」
「違うんだケティ!」
「その香水がなによりの証拠です………さよなら」
ギーシュの言い訳も虚しく、ケティと呼ばれた少女はギーシュの頬に平手打ちを綺麗に決め、走り去っていった
「あうあう…」
「ギーシュ…」
そこに近寄ってきたのは先ほどの少女よりも幾分派手な金髪の娘
「やっぱり一年の娘にちょっかいかけてたのね」
「いや、違うんだモンモランシー、彼女とは一度遠乗りしただけの仲で…」
「嘘吐きっ!」
モンモランシーと呼ばれた金髪は、ギーシュの言葉の終わらないうちに近くにあったワインをギーシュにかけて同じくどこかにいってしまった
それをおそるおそる先程のメイドは見ていた
顔に紅葉を残しワインに濡れたギーシュは思い出したようにそのメイドを睨みつけると罵声をあびせ始めた
421 :
ゼロの騎士:2008/03/03(月) 17:36:12 ID:wxAiKuGa
「君のおかげで2人のレディの名誉が傷ついた、どうしてくれるんだね?」
それに対し震えるメイドは必死に謝意の言葉を吐き出す
「あ、あの、も、申し訳ありません!」
それでも罵声をあびせ続けるギーシュ
「いや、君のような無能な平民は一度罰を与えないといけないな」
「ひ…、ど、どうかお許しください!」
「いいや、君のせいで傷つけられた二人の名誉に値するとは思えないが君には罰を…」
「やめないか!」
ギーシュの言葉を遮り現れたのはラムザだった
「君はルイズのとこの…君には関係ない話だ、下がっていたまえ」
「いや、僕はこんな理不尽な事を目の前にして見てみぬフリができる程堕ちてはいないよ。見ていた限り君の不義によって起きた事だ。それを彼女のせいにしていたぶるなんて貴族として、いや人間としておかしいだろう」
「そうだギーシュ!お前が悪い!」
「そのメイドに謝れ!」
周りからもラムザに同意する言葉が上がる
中には面白半分に騒ぎ立てる輩も見られるが
その中でギーシュは焦っていた。ギーシュ自身言われた事に正当性を認めていたからだ
支援
オヤシロさま自重的支援。
424 :
ゼロの騎士:2008/03/03(月) 17:38:21 ID:wxAiKuGa
しかし、彼にも貴族としての意地とプライドがある。
ここで非を認めてしまうことは出来なかった。
「ゼロのルイズごときの使い魔がいってくれるね、いいだろう。それは僕への侮辱とうけとった、君! 決闘だ!」
勢いに任せて出た言葉だった、言ってからギーシュは後悔した。
だが決闘に勝てば自分が正当化される、それに相手はルイズの…そう、ゼロのルイズの召喚した人間だ。そうだきっとなにもできない平民だ
もしかしたら決闘と聞いて震えながら謝ってくるかもしれない
ギーシュはそんな都合のいい妄想を考えていたが、ギーシュに対するラムザの返答はそう甘くなかった
「…いいだろう、暴力に訴えるのは不本意だけど、傲る若者への教えは年長者の役目だ。それで君の気がすむなら受けて立とう」
正義感の強いラムザにとって平民が貴族の都合で虐げられるのは看過できなかったのだ
ラムザの言葉に一瞬間をおいて顔を真っ赤にしたギーシュが叫ぶ
「諸君、決闘だ! ここを荒らす訳にはいんだろう、場所はヴェストリの広場だ! 君! 逃げるなよ!」
ギーシュはそういうと外へ歩いていく
その後に続こうとするラムザに先程のメイドがすがりつく
支援
支援
427 :
LFO作者:2008/03/03(月) 17:48:23 ID:dq5QsmyL
支援
この静寂、規制だと言うのか…?
>>427 旦那、…コテ外し忘れてるぜ。
「も、申し訳ありません! 私のせいで! 決闘なんてやめてください! 私がミスタグラモンから罰をうけます!」
それに対しラムザは優しく話しかける
「君、名前は?」
「シ、シエスタです」
「シエスタ、君はなにも悪くない。だから罰を受けることなんてないんだよ、それにこれは僕が勝手にしたことだ、気にしなくていい」
「でも!」
「気にしなくていい…ところでヴェストリの広場っていうのはどこだい?」
「言えません、私はあなたにその場にいってほしくない!」
泣きながら言うシエスタにラムザは少したじろいでいた
そこにルイズもきた
「そのメイドの言う通りよ、ラムザ。決闘なんかやめて! 仮にもギーシュはメイジなのよ!」
引き止めるルイズとシエスタ、しかしラムザもひかない
「人には譲れないものや、護らなきゃならないことがある。僕も今ひくわけにはいかないんだよ。心配してくれてありがとう、でも僕だって負けるつもりはないよ」
「べ、別にラムザの心配してるわけじゃないんだから! 召喚した者としてあなたの行動は私にも関係してくるから言うだけで…」
しえん
「ふふ、わかったよ。大丈夫、君の名誉に泥のつくような事がないよう頑張るよ」
そう言うとラムザは近くにいたギーシュの取り巻きに場所を聞きヴェストリの広場へと向かった
へたりこんだままのシエスタを置いて、食堂にいた大半の生徒がその後に続いていった。
第三話end
以上です
第四話第五話も投下できるんですが…
規制解除されてからの方がいいですね(;・∀・)第三話代理投下よろしくお願いします
ご迷惑かけてすみませんorz
投下乙です。
続きも出来ているということで、次回の更新楽しみにしています。
そう言えば、ラムザはとっちゃん坊やのイメージ抜けないよな。
いくら立派になっても酒場でミルク頼んでた頃のイメージが付きまとうんだぜw
434 :
代理人:2008/03/03(月) 18:04:08 ID:ETRWOxnm
>>432タイトル付け忘れたが、代理投下分です。
では、いつもの名無しに戻るよ
。が付いてたり付いてなかったりしてるが統一しないのか?
>>388 原作とキャラ名を微妙に隠すのは演出?まとめの人が困るんじゃね?
ルイズの性格がアレだから、それをフォローしたり補う役回りのキュルケやタバサは必然的に
年齢にふさわしからぬ洞察力や勘働き、心の機微にさといキャラになったりするな
皆様こんばんは
第7話の推敲が終わりましたので、5分後くらいから投下してもよろしいでしょうか?
夕飯前に支援。
では投下開始させていただきます
イザベラ管理人7話:何故信じるのか・前編
エギンハイム村での一件が片付き、耕介たちは村人や翼人たちに惜しまれながらもプチ・トロワへ戻るべく空へと飛び立った。
ほぼ最高の形で事件を解決…だが、シルフィードは憤懣やるかたないといった様子であった。
だが、それも仕方がないところだ。何故なら彼女は全員を乗せて飛んでいる。
イザベラとカステルモールが飲みすぎによる二日酔いで完全にダウンしてしまっているのだ。
そして、タバサは乗竜術など修めてはいないし、耕介が竜など扱えるはずもない。
結果、シルフィードが全員を乗せ、イザベラたちが乗ってきた竜を先導することになった、というわけだ。
加えて、ダウンしている二人は完全に意識を失っているわけではないので、シルフィードは喋ることもできない。
「ごめん、シルフィード、もう少しゆっくり揺れないように飛んでやってくれないか?」
きゅい…とシルフィードが憮然とした声を出す。あまり揺れるとイザベラとカステルモールの胃が危険なのである。
「気持ち…悪い…こんなことなら…出発遅らせるんだった…」
蒼白な顔でぐったりとしたイザベラが途切れ途切れの声を出す。
しかし、これも自業自得というものである。
「早くプチ・トロワに戻りたいって言ったのはイザベラだろ?少しくらい我慢してくれ、俺も我慢してるんだ…」
そう、耕介も無事というわけではないのだ。だが、酒量を抑えていたので我慢できる範囲であるだけだ。
「く…頭いたぁ…これだから安酒は…。コースケ、あんただってだいぶ飲んでたはずなのに…なんでその程度で済んでるんだい…」
タバサに作ってもらった氷を包んだ手ぬぐいを頭に乗せ、イザベラが恨めしそうに耕介を睨む。
「安酒は悪酔いするってのは根拠なかったような…。まぁ、俺は元々酒好きだからな。
故郷でもよく飲んでたから、イザベラよりも耐性があるんじゃないか。俺が普段飲んでたのはワインよりもアルコール度数高い日本酒って酒だったし。」
「あたしだってワインは水と同じさ。くっそー色んなワイン混ぜて飲んだのがダメだったのかねぇ…」
まさしく自業自得である。
「ちゃんぽんはやばいって…。カステルモールさんも大丈夫ですか?」
耕介は機嫌を損ねているシルフィードに何か作ってやろうと考えつつカステルモールに問いかけるが…反応がない。完全にグロッキーで意識がないようだ。
村人や翼人たちに絡まれて言葉通り浴びるほどに飲ませられていたらしく仕方ないことではあるが、騎士としての威厳ゼロである。
「うーん、ダメか。ほんとに出発遅らせた方が無難だったかな…」
そんな彼らの苦悶などどこ吹く風で、相変わらず本を読んでいたタバサが一言だけ呟いた。
「お酒臭い…」
シルフィードは飛ぶ、酒の匂いと共に。
結局、行きの2倍近い時間をかけて一行はプチ・トロワへと帰り着いた。
イザベラはすぐさま自室へと引っ込み、カステルモールはメイドに用意してもらった寝室にゾンビのような足取りで去っていった。
「ふぅ、やっと帰ってこれたか…とりあえず厨房にいくついでに水もらおう…」
ゆっくり飛んでもらってもシルフィードに乗っていたのだ、耕介もそろそろ限界であった。
「耕介様、大丈夫ですか?なんなら治癒かけましょうか?二日酔いに効果があるかはわかりませんが…」
ここ最近出番のない御架月が耕介を心配する。
「いや、治癒はそれなりに御架月の力を食うから、この程度なら必要ないよ。気遣ってくれてありがとうな」
耕介は御架月の気遣いに礼を述べ、まずは厨房に向かうことにする。
タバサたちにもその旨を伝えようと振り向くと…タバサはシルフィードに再び乗っているところだった。
「お姉さま、シルフィは疲れちゃったのね!お酒の匂いで気分も悪いし、もう少し休みたいのね…」
シルフィードの情けない声など歯牙にもかけず、タバサは本を開いて読み始める…どうやら無言で離陸を催促しているようだ。
「なぁタバサ、腹減ってないか?これから簡単に飯作ろうと思うんだけど食べていかないか?シルフィードの分も作るよ」
シルフィードが酒気で気分を悪くしていることに罪悪感を覚えたのもあり、耕介はそう提案した。
タバサは耕介へと視線を動かし、わずかの逡巡の後頷く。
「なら、決まりだな。そうだな、天気もいいしこの辺で食べようか。作ったら持ってくるよ」
耕介の言葉にタバサは再び頷きだけで返し、本に目を落とすのだった。
寝室に御架月を起き、耕介は厨房へと向かった。
丸二日ぶりの厨房はやはり戦場であったが…イザベラが食事はいらないと言ったらしく、いつもよりは気楽なようだ。
厨房に入った耕介はとりあえず水をもらい、一気に飲み干して酔いを醒ます。
前掛けをつけて気合を入れ、食材を分けてもらい、早速食事の準備に取り掛かる。
ハルケギニアでは調味料や料理器具の問題で耕介が頭に叩き込んだレシピのほとんどは再現できないが、それでもここ数日で得た料理情報を基にサッパリと食べられるものを作る。
途中、マルコーに耕介の世界の料理についての説明やハルケギニアの料理に流用可能かについての話に花を咲かせるが、手は一時も休めない。
シルフィードの好きな肉をチーズを絡めてレア程度に焼いておくのも忘れない。
最後にタバサ用のはしばみの葉を使ったサラダを多めに作って準備完了だ。
マルコーと午後は厨房を手伝う約束をし、借り受けた配膳車を押して、途中で御架月と合流してからタバサたちの元へと引き返した。
昼食は…戦場であった。
「タ、タバサ、食いすぎ!俺の分も食べつくすつもりか!?」
まだ完全に酒気が抜けておらず、耕介はゆっくり食べていたが…今はそうも言っていられない。
タバサが無言で凄まじい勢いでそれなりに多く作った料理を片っ端から胃袋に収めているのだ。
そのうち、シルフィード用に作った焼肉にさえも手をつけそうな勢いである。
結局、タバサは一切手加減などせず、耕介が3人分程度を想定して作った料理を2.7人分ほど食べきったのであった。
「す、凄いですね、タバサ様…みなみ様くらい食べてます」
御架月は、その姿にさざなみ寮の誰もが認める大食いチャンプを思い出した。
「タバサ、そんなにお腹すいてたのか?」
タバサのあまりの健啖家っぷりに多少胸焼けを覚えつつ、耕介は紅茶を啜る。
「……美味しかった」
タバサの反応は首肯だろうと経験則から考えていた耕介だったが、タバサは短く感想を口にした。
数秒ぽかんとしたが、あれだけの食いっぷりを見せてもらった上に賛辞を受けるというのは料理人冥利に尽きるというもの、素直に言葉を返すことにした。
「そうか、良かったよ。まだこっちの味の傾向を把握し切れてないから、気に入ってもらえるか少し不安だったんだ」
耕介の言葉に頷きだけを返し、タバサも紅茶を啜る。
手入れの行き届いた庭園を眺めながら少し遅めの昼食…全くもって平和な情景だ。
沈黙も特に苦痛にはならず、平和さを彩るものになっている。
だが、約一名にはそんな情緒など意味を成さないのだった。
「そういえばコースケ、聞きたいことがあるのね!」
肉を食べ終わったシルフィードが暇をもてあまして、遠慮なく喋れる時に喋っておこうと口を開いたのだ。
「ん、なんだ、シルフィード?」
「コースケ、イザベラに何かしたのね?」
数瞬、シルフィードの言った意味が理解できず考え込む耕介であったが…やはり意味がわからない。
「何か…って、なんだ?特に何もした覚えはないけど」
耕介にとってはいつもする通りに接しているだけだし、ここ数日のイザベラしか知らない耕介が彼女の変化などわかるはずもないのである。
「あの従姉姫、前はすっごく意地悪な上に陰険だったのね!でも今は、丸くなったように思うの。エギンハイム村でもコースケたちを助けてたし」
シルフィードはこれで2度目だが、タバサはもっと以前からあの従姉姫から危険な任務を課せられていたことは明白だ。
シルフィードが知る1度目の任務も、任務の詳細を聞きに行ったタバサに因縁をつけていたし、彼女はイザベラが嫌いなのである。
だが、ここ数日のイザベラを見て、その評価を改めてもいいのかもとシルフィードは思っていた。
相変わらず理不尽だし、暴力的で凶暴と言えるが…それでも、イザベラの中の何かが変わっているように感じるのだ。
「酷い言われようですね、イザベラ様…」
「んー俺には、イザベラは単に虚勢を張って無理してるだけの女の子に見えるけどなぁ」
「僕もそう思います。イザベラ様は、昔の僕と同じ感じがします」
耕介と御架月はシルフィードの歯に衣着せぬ物言いに苦笑しつつ、自分のイザベラに対する感想を正直に言う。
耕介には最初から彼女が無理をしているように見えたのだ。
何者も信用できず、頼れるものもなく、そんな中で自分を守るために必死に虚勢を張って周囲を威嚇する…でも、本当はとても弱くて寂しがりやの女の子。
それは召喚されて殺されかけた時、彼女の震える手を見た時からずっと変わらぬ、耕介にとってのイザベラだ。
イザベラはどんな理由からかはわからないが、親にも心を開けないのだ。
マイスター耕介支援。
だから、イザベラにとって自分が心を開ける相手であれれば、と耕介は思う。
出会い方は耕介の人生の中でも堂々のワースト1であるが、それでも縁があって出会ったのだ。ならば、彼女を癒せる存在でありたいと思う。
何より、子どもがあんな風に周りごと自分を傷つけるような無理をしている姿など見たくはない。
「…コースケって大人の男なのね…。魔法学院の貴族のお坊ちゃまたちが皆カボチャに思えるのね!」
シルフィードのつぶらな瞳がキラキラと尊敬光線を耕介に照射する。
耕介が苦笑していると…今までずっと黙って紅茶を飲んでいたタバサがボソッと呟いた。
「昔は…イザベラはあんな風じゃなかった」
その言葉にはタバサの様々な想いが隠されている…耕介には何故だかそう感じられた。
「そういえば、シルフィードがさっき従姉姫…って言ってたけど、二人は従姉妹同士なのか。道理で、二人とも鮮やかな青い髪をしてるわけだ」
だが、今は聞くべきではないと耕介は思う。
「…聞かないの?」
何故ならそれは…
「それは、イザベラが話してくれるのを待つさ。知りたいとは思うけど、本人以外から聞くのは反則だと思うから」
いつか、イザベラが本当に耕介のことを信頼してくれた時に、話してくれるだろう。
それまで待とうと思う。焦ることはないのだから。
「そう…」
タバサは感情の感じられない声でそう呟き、再び紅茶を啜った。
「そういえば、シルフィードさんも凄く綺麗な青い鱗ですよね」
「きゅい!この空色の鱗はシルフィの自慢なのね!」
元気なシルフィードのお喋りは、タバサが学院へと帰るまで続いたのだった。
そしてそんな平和なひと時を見つめていた者がいた。
頭痛で眠れず、涼むために自室のテラスへと出ていたイザベラだ。
テラスと彼らの位置は遠すぎて何を話しているのかはわからない。だが、彼らの和気藹々とした雰囲気は伝わってくる。
その姿に…イザベラは強烈な郷愁と空虚さと…そして嫉妬を感じた。
「コースケ…あんたもやっぱり、シャルロットを選ぶのかい…」
自分よりシャルロットを信奉している者など、ガリアにはごまんといる。
その理由など、イザベラは瞬時に10通りは思いつけるほどに理解しているし、諦めていたはずだった。
そして耕介が自分よりもシャルロットを好ましく思う理由も様々に思いつける。ならばこれは当然の帰結。
だのに何故こんなにも切ないのか…イザベラは理解できない自分の心をもてあます。
昨夜は耕介も聖人君子ではないと知ってわずかに近づけたような気がした。
けれど、今になって考えてみれば、そんなものは当然のことなのだろう。
彼は何か悔やむような事をした。だから次はそうならないように努力し続けている。それが耕介を耕介足らしめているのだ。
だが、自分は悔やむばかりで…ないものを嘆くばかりで、なんら彼に近づけてなどいない。
過去を糧にして進む耕介と、過去に押し潰されて立ち止まっている自分。
返す返すも何故だ、と思う。何故自分が彼を召喚してしまったのだと。
イザベラは耕介たちをずっとテラスから見つめ続けていた。
そして数日後。
耕介はなんとなく違和感を感じていた。
ここ数日は特に何事もなく過ぎている。
耕介は相変わらず厨房に出入りし、御架月とともに鍛錬をし、イザベラに許可をもらってリュティスを探索したり、異世界にいるということを除けば平穏な日々だ。
このままこの世界に慣れすぎるのは良くないとは思うが、やはり自分の立ち位置が定まるというのはうれしいもの。
だが、イザベラの様子がおかしい。どこがどう…とは言えないのだが、イザベラが自分を避けている気がするのだ。
自分が何かしたのかと召喚されてからの日々を思い出してはみるが…イザベラが怒りそうなことには色々と心当たりがあるが、彼女が自分を避けるような心当たりがない。
面と向かって聞いたこともあるが、怒られて…結局誤魔化されて終わってしまっている。
どうにも釈然としないまま数日が過ぎてしまったが…やっと耕介は秘策を思いついたのだ。
リュティスを探索していた時に思い出したのだが、文字がわからないのだ。
言葉こそ通じるが、文字が読めないのでは色々と都合が悪い。
そこで、イザベラに教えてもらえるように頼んでみたのだ。
色々と会話をしていけば、自ずとイザベラが耕介を避けようとする理由も推測できるだろう、と考えた結果である。
だが…ここで耕介は自分の迂闊さを知ることになるのだった。
支援させていただきますっ。
「文字…?あんた、言葉は話せるのに文字は読めないのかい?」
耕介は召喚された時からガリア公用語を話していたので、イザベラは文字も読めるものと信じ込んでいたのだ。
冷静に考えれば、異世界から来た彼がガリア公用語など知るわけもないのだが。
「ああ、サモン・サーヴァントに関係があるんだと思う。俺は今も日本語…俺の母国語を話してるつもりなんだけどイザベラにも通じるだろ?」
正直なところ、イザベラはまだ耕介の顔を見たくはなかった。
会うと勝手に劣等感や怒りといった負の感情が溢れ出してしまうからだ。
かといって、それは耕介に非があることではない…自分勝手な感情ばかり。
以前の自分なら早々にその元を断とうとしただろうが…どうにも、耕介を排除しようとは思えない。
会うのはいやだ、色々なことを考えて鬱々としてしまう。
でも、消し去ることもできない。何故だか自分でもわからないが、耕介を手の届かないところへ追いやることを拒絶してしまう。
相反する二つの感情はどちらも自分の心底からのものだと理解できる。二律背反の板ばさみ…。
けれど、耕介はイザベラの複雑な感情などどこ吹く風で、変わらず関わろうとしてくる。
耕介に自分の胸中を理解しろというのは無理な話―というか理解してほしくない―だとはわかるが、それでも耕介に怒りを覚えてしまう。
そしてそんな自分にさらに嫌気が差す。酷い悪循環だ。
しかし、文字を教えてほしいと耕介が自分を頼ってきたのだ。
耕介が自分を頼ってきたのは2度目であるが…これはなかなかに気分が良い。
そのこともあって、イザベラは引き受けることにした。
(学のない使い魔なんて、王女の使い魔に相応しくないしね)
内心でニヤつきながら、イザベラは最初の授業を始めることにした。
幼き日のイザベラが家庭教師たちに教わったことを、そのまま耕介にも教える。
「そこ、綴り間違えてるよ。しっかし汚い字だねぇ…」
「し、仕方ないだろ、俺の母国語と全然体系が違うんだから!」
やいのやいのと互いに言い合いながらも、イザベラは久々に心休まるのを感じていた。
思えば、耕介とこんな風に穏やかに(傍から見れば口喧嘩にしか見えないが)話したことは数回しかなかった。
だのにどうしてこんなにも心休まるのか…。
イザベラがそれを思い出したのは、小休止を入れて紅茶を飲んでいる時だった。
「そういえばあんた、エギンハイム村の一件の時に手紙残していったじゃないか。ありゃどうやって書いたんだい?」
「あぁ、あれはタバサに代筆を頼んだんだよ」
紅茶を啜りながら、耕介はその爆弾を炸裂させた。
イザベラはしばらく、このバカが何を言っているのか理解できなかった。
(タバサニ代筆ヲ頼ンダ…?)
ということは、シャルロットはかの手紙の中身を全て知っていることになる。
さて、あの手紙の中身はどんなだったか…?
「なななな…あ、あんた、何してんだ!!!」
それを理解した瞬間、イザベラは自分の頭が爆発したのではないかとさえ思った。
(知られた…!シャルロットに、自分が泣いたことを…いや泣いてはない、泣いては…いやそんなことは今問題じゃない!)
イザベラはまさしく恐慌状態だった。
羞恥と怒りと後悔とシャルロットへの申し訳なさが交じり合ってもはや何がなんだかわからない。
ただ、一つだけわかることはあった。それは、目の前のバカが許せないということだ。
「え…まずかったか?誰だって泣くことはあるんだし、恥ずかしがることでもないじゃないか。涙は心のリミッターなんだからさ」
耕介の的外れで現状では何の意味も持たない慰めは、イザベラのちぢに乱れた心に火をつけた。
具体的にたとえるなら、粉塵爆発を想像してもらえるとわかりやすい。
「こ…この…ブッチギリ大バカヤロォォォォォォォ!!」
イザベラは王女としての矜持など捨て去り、聞くに堪えない怒声を上げて手当たり次第に周囲のものを悪罵とともに耕介に投げつけた。
「うわ、いて!ご、ごめんイザベラ、そんなに怒るとは…づぁ!あちぃぃぃ!!」
中身がなみなみと入ったままのティーポットをぶつけられては耕介も堪らない。
「出て行け!出ていけぇぇぇぇぇぇ!!」
一刻も早くこのバカを追い出したい一心でイザベラは耕介を部屋の外に押し出した。
そして扉を壊れそうな勢いで閉め、扉を守るガーゴイルに命じて耕介が入れないようにする。
「い、イザベラ、ごめん!そんなに気にしてるとは思わなくて…ほんとに悪かった!」
耕介の謝罪の言葉が聞こえてくるが、そんなものはなんの意味もない。
衝動的な怒りが耕介を締め出したことによって去り、今のイザベラの心を占めるのはシャルロットへの申し訳なさだった。
自分は彼女を踏みつけて自己を守っているのだ。
だのにシャルロットは泣き言も漏らさず、ただひたすらに心を凍らせて復讐の機会をうかがっている。
シャルロットの目的が復讐だということなど、イザベラは3年前から理解している。
それだけのことを、父ジョゼフがしたことも理解している。
優秀な弟と比べられ続けてきた父ジョゼフの気持ちは理解できる、それでも実弟シャルルを殺したのはやりすぎだとイザベラは思っていた。
思ってはいたが…イザベラは自分を守るために王女という地位が必要だった。
魔法の才も守ってくれる大人もいなかったイザベラには、どうしても王女という上位者としての地位が必要だった。
だから、王女という地位を奪いうるシャルロットを疎んじて、様々な危険な任務を与えてきたのだ。
けれど、そこにイザベラの迷いと罪悪感の証がある。
本当に奪われたくないのなら、手っ取り早く殺せばいいのだ。
理由などいくらでも捏造できるし、シャルロットの母が毒をあおった晩餐での「この子は勘当しました。私とあの人だけで満足してくださいまし」という言葉にジョゼフはなんの賛意も示していない。
そう、殺そうと思えばいつでも殺せる。だのにイザベラは彼女をこき使いはするが、手を下すことはしない。
それは何よりも雄弁に、イザベラの葛藤を示していた。
そして、シャルロットが泣き言も漏らしていないのに、自分は泣いてしまった。
涙こそ流れなかったが、それは体を自制できたというだけで、心は泣いていた。
そのことが許せない。あの子が泣いていないのに、自分は劣等感ごときで泣いてしまうなど。
イザベラは扉に背を預けて座り込み、まるで寒くてたまらないとでもいうように自分の肩を抱いて震え続けた。
噛み締めすぎた唇からは血が流れ…まるで、泣いてはいけないと戒め続けてきた体が限界だと訴えているようでもあった。
耕介はずいぶんと長い間声をかけ続けたが…イザベラはついに応えることはなかった。
「少しは昔より成長したつもりだったけど…あいつを傷つけた時と同じことしちまってるじゃないか、俺…」
二人を隔てる一枚の扉が、まるで世界自体の断絶のように耕介には感じられた。
翌日、タバサがプチ・トロワへとやってきた。
「よう、タバサ。どうしたんだ?」
庭にいた耕介は、シルフィードとともに舞い降りてきたタバサに気づいて声をかける。
「…任務」
タバサは短く答えてイザベラの部屋へ行こうとしたが…突然立ち止まって耕介に振り返った。
「……何か…あった?」
タバサの言葉に、耕介は驚きを隠せなかった。
彼女に気づかれるほど顔に出ていたことにも驚いたし、彼女が自分を心配して声をかけてくれたことにも驚いた。
「あ、ああ…イザベラと…ちょっとな。ありがとうな、心配してくれて」
けれど、彼女に相談するわけにはいかなかった。
イザベラは、タバサに知られたことで怒っていた。ならば、泣いたという事実自体をタバサに知られたくなかったのだろう。
おそらくイザベラのことを最もよく知るであろうタバサに相談したいとは思うが…やはりそれはできない。昨日の二の舞になる恐れがある。
「……そう」
タバサはそれだけを言うと、今度こそプチ・トロワへ消えていった。
今はタバサのその気遣いがありがたかった。
こんな気持ちで厨房にいくわけにもいかず、耕介は自室で御架月の手入れをしていた。
「うーん、やっぱりなんとか補修する方法を考えないとな…」
御架月の刀身が以前のタバサとの戦闘の際に氷槍を斬ったことが仇となり、若干痛んでいるのだ。
しかし、この世界には刀を修理できるほどの鍛造術がない。
事実、リュティス一番の武器屋にも行ってみたが、全く手が出せないとのことだった。
貴族に<<錬金>>してもらえばいいと武器屋の親父が言っていたので、イザベラに頼んで土のスクウェアメイジであるらしい貴族に頼んだこともあるが…
「作りが精緻過ぎる上に未知の金属、加えて別の力が通っているのもあって<<錬金>>を受け付けない、なんてなぁ…」
御架月は頑丈に作られてはいるが、壊れないわけではない。
無理をさせれば折れてしまうこともありうる。
この先、メイジとやりあう可能性がないとも言えない現状、修理方法がないというのはかなり深刻な問題であった。
なのだが…耕介は今の自分がその問題を真剣に考えられていないことに気づいていた。
(どうしたら、イザベラと仲直りできるかな…)
イザベラとの問題が深刻すぎるのだ。だが、問題の根本の部分がわからないために、なんの打開策も打てない。
「耕介様…僕が、イザベラ様にお話しを聞いてきましょうか…?」
見かねた御架月が耕介にそう提案する。
大バカヤロォを支援しますぜ。
だが…それも良案とは言えない気がする。耕介の相棒である御架月に、イザベラが果たして素直に話してくれるかどうか…。
耕介が思考のループに陥りかけた時、何の前触れもなく扉が開いた。
「ん…あれ、タバサ?」
そこには相変わらず無表情のタバサが立っていた。
そしてやはり前触れなくこう言った。
「任務。来て」
「え、任務…?俺もいくのか?」
耕介のもっともな疑問に、タバサは頷いた。
(とりあえず離れたいってことか…まぁ、お互いに頭を冷やすべきかもしれないなぁ…)
任務ということは、試練の一つでもあるのだろう。そうなれば耕介に拒否権などない。
わだかまりを残していくのはどうにも気分が悪いが…今はどうすることもできない。
耕介は御架月を携えて、タバサとともにシルフィードの元へと向かった。
イザベラは、シルフィードに乗って飛び去っていく耕介たちをテラスから見送っていた。
その表情は、泣きそうで…でも涙は出ていない。3年間続いた戒めは今も変わらず彼女を縛っている。
イザベラは手元の任務の詳細を記した書簡の写しに目を落とし…切なげに唇をかむ。
そこにはこう書かれていた。
『吸血鬼討伐依頼』と。
吸血鬼とは、ハルケギニアに未だ少数存在する妖魔の中でも最悪と謳われる者だ。
吸血鬼自体が強いわけではない。もちろん、個体として人間と比べれば圧倒的な差があるが…。
単純な腕力で言えばトロル鬼やオーク鬼の方がよほど強力であるし、先住魔法の使い手としてならエルフや翼人の方が上をいく。
ならば何故彼らが最悪といわれるのか?それは、人間と区別がつかないということだ。
外見をはじめとして、血を吸うための牙も直前までしまっておけるし、<<ディテクトマジック>>にも反応しない。
彼らは人間の最大の武器である『数が多い』ということを逆手に取れる、それ故に最悪なのだ。
妖魔たちはおしなべて個体として人間より圧倒的に強力だ。
先住魔法を使えない力だけが取り得のオーク鬼一匹倒すのに、メイジでなければ10人ほども必要なことからもそれがわかる。
それでも人間がこのハルケギニアで覇を唱えていられるのは、魔法の存在も大きいが…一番の理由は数が多いからだ。
強力だが群れることをあまりしない妖魔たちを数で押し潰すことによって、人間たちはハルケギニアで平和を謳歌している。
だが、吸血鬼は人にまぎれることができる。結果、彼らは人知れず人間を殺し、闇にまぎれて消えうせることで最悪と謳われている。
そんな彼らを確実に討伐するというのは至難の技だ。周囲の人間全てを疑ってかからなくてはならない。
加えて、彼らは血を吸って殺した人間を一人だけ、屍食鬼として使役できることもあり、さらに討伐を困難にしている。
そんな強力な存在である吸血鬼に、シャルロットと耕介をぶつける…。
こうして依頼された以上、誰かがやらねばならないことだが…イザベラは途方もない罪悪感を感じてしまう。
シャルロットと耕介を選んだ理由が、単純な強さの問題だけでなく…これで彼らがいなくなってしまえば、自分は悩まなくて済む…そんなどうしようもなく醜悪な思いもあったからだ。
けれど、もう賽は振られてしまった。後戻りはできない。
任務の成功と失敗を等分に祈りながら…改めて自分の弱さに絶望する。
イザベラは昨日よりも強く強く、自分を責め続けるのだった。
以上で投下終了です、支援ありがとうございました!
お次は新ヒロインエルザの登場でs…うわバックベアーd(ピー…メッセージが途切れています
乙、次回はロリコンジャイアント覚醒と申すか
期待して待つこととする
乙。
まさか原作では端役の人外ロリを食う気か?
この淫獣めっ!
>>333 乙拉致られて早々に馴れ合うのに厭きてたんでこれはGJ
キュルケは酒場のママさんみたいな役が似合うっつーのはあるな。
>>448 さざなみ寮生氏、乙です。
まものかるものたる耕介にロリっ子がどう反応するのか?
……は置いとくとして、
タバサがちょっぴりずつ心を開きだしてる気がしてならない。
乙!
さてさてどんな展開が待ってるのかワクテカですよ〜
たしかに関係が拗れに拗れまくってるよな、初期の皆さんは。
デビルマン呼ぼうぜ
耕介はさくら方面のつながりで夜の一族(一種の吸血鬼)を知ってるだろうからな
>>456 シエスタが串刺しにされて
ラストは明とルイズだけが残るのか?
まさかこのスレでメタブラの話題が出るとは…
保管所にもダライアスの小ネタがあったが…
ここにはシューターもレイヴンもいるんだな
リンクスもいるんだぜ?
>>457 夜の一族は厳密に言うとHGS患者(遺伝子疾患)だからなぁ。
ハルキゲニアの吸血鬼とは完全別物。
_人人人人人人人人人人人人人人人_
> ゆっくりしていってね!!! <
^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
__ ヽ _
/ ´ `ヽ
〃 \
/ { \ ヽ
/イ l 从 }l l レ | l
|ハ l| :l`トム l仏匕l | r┴-、`、
∧ lV}(ヒ_] ヽ リ ヒ_ン ) / {こノ_j_ ヽ
/ `l "" ,___, ""〈`ー'´| \
, -=彳 j{ ゝ、 ヽ _ン / ∧. | \
{ /⌒)_ヽ 丁丈千/ /_ ,ィ┘ ヽ
ゝ-、_ヽ _(ノ )_ノ ノヒ乂ツ/ `ヽ ::::::l ノ
f:::::::::∨ />'⌒ヽ‐介‐-ゝ=ァ /::::::::l /
ヽ::::::::::ヽ'´:::::::::::::::∨/ /  ̄≧::ヽ {
_ -‐::==ヘ::::::::::} /ハ::::::::人えI>、 `T¬ー'´:::::::::\ ヽ _
\::::::::::::::::::::: ゝ=∠:::_}ィヘ ̄/⌒ヾi>┘〈_:::::::::::::::::::::::\ _≦_
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ヽ:::::::::ヽ:::::::/
}:::::: ::/
ゝ _/
次にレスがあるまでルイズに敷かれる権は俺のもの。
>>463-465 まてまて、コピペで貼り直せばもう一回チャンスがくるぜ。
_人人人人人人人人人人人人人人人_
> ゆっくりしていってね!!! <
^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
__ ヽ _
/ ´ `ヽ
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/イ l 从 }l l レ | l
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∧ lV}(ヒ_] ヽ リ ヒ_ン ) / {こノ_j_ ヽ
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{ /⌒)_ヽ 丁丈千/ /_ ,ィ┘ ヽ
ゝ-、_ヽ _(ノ )_ノ ノヒ乂ツ/ `ヽ ::::::l ノ
f:::::::::∨ />'⌒ヽ‐介‐-ゝ=ァ /::::::::l /
ヽ::::::::::ヽ'´:::::::::::::::∨/ /  ̄≧::ヽ {
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ヽ:::::::::ヽ:::::::/
}:::::: ::/
ゝ _/
俺
>>461 HGSはまだ定着種ではないから厳密に言うと違うんじゃないかな?
夜の一族: 異常な跳躍力や、鋭い聴覚視覚などの高性能な肉体を持っているが、体内で生成される栄養価、
とくに鉄分のバランスが悪いため、完全栄養食である血を欲する遺伝子障害の定着種
HGS:生まれついて、遺伝子に特殊な情報が刻まれており、それによって、さまざまな障害を引き起こす難病
その中でも極めて稀に脳内器官の異常発達、細胞内に珪素を持ち、俗に超能力と呼ばれる特殊能力を使える者がいる。
薬の投与、手術などを行わないと生きていけない。
甘いと言ったはずだ! そして二度ネタはやめようぜw
そう言えば先程なぜかガオガイガーの敵 ピッツァ?を夢に見た。
これはまさか彼をクロスさせなさいという天恵か? しかしなぜそんな微妙なw
今帰った。取りあえず、
>>429 ジナイーダ乙。
同業者のネタは拾わずにはいられん…
未熟なこの身を許してくれるか? テスタロッサ…
エースのジョーだろそれよりも
吸血鬼ネタなら彼岸島とかもあるな
まぁ雅がはなたれたら世界が終わるけど…
ブラックブラッドブラザーズ……二人コンビで呼ばないと駄目だし。
475 :
ゼロの騎士:2008/03/03(月) 22:12:08 ID:wxAiKuGa
規制解除されたみたいなんで第四話投下します
じゃあ、支援しよう
477 :
ゼロの騎士:2008/03/03(月) 22:14:23 ID:wxAiKuGa
第四話
なにが起こった?
トリステイン魔法学校二年ギーシュ・ド・グラモンは焦っていた
ギーシュは二股がばれ メイドに罵声をあびせ そのメイドを庇った男と決闘をすることになった
娯楽に飢えていた貴族の子弟達にとって恰好のイベントとなり、集まった人だかりの前で高らかに決闘を宣言
ところが相手は杖を使わないという
男がメイジではなかったことにギーシュは安堵した
決闘開始と共に一体の青銅でできたゴーレムを作り出す
それに対し男が困惑の反応をみせる
自分の魔法に男が怯んだと思い余裕を見せていたギーシュだったが、次の瞬間ゴーレムが目の前で弾け飛んだ
男が地面に向かい拳を打ち付けていた
………………………
久しぶりの戦闘だ
イヴァリースではチョコボの森にいたのだが、チョコボは懐いていたし、森には他の魔物がいなかったためなかなか戦う機会がなかった
だが一度体に叩き込んだ技はそうそう忘れるものではない
…まぁ多少さびついているかもしれないが
478 :
ゼロの騎士:2008/03/03(月) 22:15:16 ID:wxAiKuGa
それにこちらの魔法を見てみたいという気もあった
なにしろ未体験な事が多すぎる
情報はいくらあっても困ることはないのだ
広場につくと既に人だかりができていた
決闘を挑んできた彼は<青銅>のギーシュ・ド・グラモンというらしい
ながながと口上をたれた後決闘は開始された
こちらが出方を伺っていると、ギーシュはなにかつぶやきながら手に持つ薔薇の造花をふり、落ちた花弁が地についた瞬間、おそらく青銅で出来ているであろう女騎士の象が現れた
見たことのない技だ
未知の技法に警戒しつつ、小手調べにこちらから手を出してみた
「大地の怒りがこの腕を伝う!
防御あたわず! 疾風、地裂斬!」
青銅の象<ワルキューレ>はたった一撃で動かなくなってしまった
あっけにとられているギーシュ
神界の戦乙女の名を冠する割に、たいしたことはなかった
それがラムザの感想だった
だが敵を侮り油断するほどラムザは愚かではない
そうでなければ先の獅子戦争を生き残ることなんてできなかった
しかしあの耐久性じゃ…牛鬼一体倒せないな…
479 :
ゼロの騎士:2008/03/03(月) 22:16:00 ID:wxAiKuGa
ギーシュが再び薔薇をふると、今度は7体のワルキューレが現れた
「すこしばかり…君を見くびっていたよ。だが、これで終わりだ!」
ギーシュはそう叫ぶと、ワルキューレに陣形をとらせた
二体を自分の守りとし、あとの五体が近寄ってくる
守りの内一体が剣、一体が槍
残りの五体は内二体が剣、一体が槍、残り二体がハルバードだ
ラムザは数を見て即座に呪文を唱える
「たゆたう光よ、見えざる鎧となりて、小さき命を守れ... プロテス!」
ラムザの体がほのかな光に包まれる
それを見たギーシュは即座にワルキューレを走らせた
槍とハルバードをもつワルキューレが少し間を開けて取り囲み、剣をもつ二体が接近してくる
ラムザはワルキューレの射程圏に入る前に剣の一体に拳を放つ
「渦巻く怒りが熱くする! これが咆哮の臨界! 波動撃!」
拳の波動を受けたワルキューレは身をひしゃげさせたままつっこんでくる
それを軽くいなし瞬時に十数発の拳を打ち込んだ、ワルキューレは轟音をたて吹き飛ぶ
「な、なんなんだよぉ!」
焦るギーシュは続く四体を突撃させる
「ひるがえりて来たれ、幾重にも その身を刻め... ヘイスト!」
480 :
ゼロの騎士:2008/03/03(月) 22:16:37 ID:wxAiKuGa
ラムザの周りに先程とは違う光が現れた
それが消えると、その場にいたはずのものが……いない
…………………
「消えた? またあの移動術?」
先程まで見ていたはずのラムザがいない
食堂で騒ぎを起こし、そのまま広場で決闘をするというラムザとギーシュをみていたキュルケだったが、突然の事にあっけにとられていた
「違う、今度のは…」
「…! 速い!」
さき程まで本に向かい興味を示さなかったタバサも、未知の事象に目を奪われていた
得体の知れない…魔法?
しかしギーシュのワルキューレをほふっているのは魔法ではない、しかも武器を使っているわけではない、ただの拳だ
その拳でもう一体の剣をもつワルキューレを地に伏せさせた
三体のワルキューレによる刺突をよけたラムザは、的確に、比較的弱い関節部を狙いまた一体行動不能にした
残りのワルキューレはあと四体
…………………
「なんと…」
ラムザとギーシュの戦いを見ていたのは、広場にいた生徒達だけではなかった
>>469 空は良い……
最近あの声を聞くとパッピーの姿がよぎって困る
482 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 22:19:58 ID:wxAiKuGa
教師からの報告を受けたオスマンと、そこに居合わせたコルベールも、遠隔地を覗く魔法 遠見の鏡でそれを見ていたのだ
「ガンダールヴとは…あらゆる武器を使いこなすのではなかったかね?」
「私が聞いたのはその通りです、オールドオスマン」
「しかし、彼は武器を使っていないようだのう」
「そうですね…いや、オールドオスマン、ラムザ君が剣に手をかけましたよ!」
……………………
なんだ?
ラムザは自分が倒したワルキューレの持っていた剣に手をかけた
その瞬間左手のルーンがほのかに光ったかと思うと、体が軽くなるのを感じた
突然の事に驚くラムザに、ワルキューレがハルバードを振り下ろす
ラムザは一旦考えるのをやめ、最小限の動きでその一閃を避けワルキューレにきりかかる
同じ青銅同士がぶつかりあったのだ
普通ならどちらも使い物にならなくなるだろう
しかし、ラムザの予想を裏切られた
ワルキューレは真っ二つに引き裂かれたにもかかわらず、ラムザの持つ剣はその状態を変える事はなかった
483 :
ゼロの騎士:2008/03/03(月) 22:21:10 ID:wxAiKuGa
その事にも驚かされたが今は後回しにし、ラムザは返すひとふりでもう一体のワルキューレも地に沈めた
ワルキューレ、残り二体
…………………
ルイズは開いた口を閉じることができなかった
確かに自分の召喚した人間は強い
なんとなくだがそう感じていた
しかし、これほどまでとは…
確かにギーシュはドットクラスのメイジだ
メイジのランクで言えば最下級になる
とはいえ、メイジに対して素手で太刀打ちできるかと聞かれれば、答えはNOだ
しかし目の前で起きていることは現実だ
メイジを素手で圧倒している
最初は途中で止めに入る気だったルイズだが、もうそんな気はおきなかった
ただ見ていることしかできなかったのだ
ラムザは残りの二体のワルキューレも斬り伏せる
…もうギーシュを守るものは何もなかった
「これで終わりかな…?」
ラムザによる降伏勧告がなされる
「うあぁぁああああああ!」
追いつめられたギーシュが薔薇をふり再びワルキューレを呼び出す
その瞬間その薔薇をラムザが切り落とす
「この薔薇から魔力を放出していたのか、それがないと魔法は使えないみたいだね」
杖が切り落とされた瞬間、錬成されかけていたワルキューレは中途半端な状態で止まってしまった
「こ、降参だ……」
膝をつくギーシュ
「僕の負けだよ…」
「じゃあ勝者として僕から要求させてもらってもいいかな?」
「あぁ…敗者である僕に断れる理由はないよ」
≫481
空大好きだからさ。
シエスタのお爺ちゃん関係でゼロ戦と融合!とか楽しそうだな〜と。
「空で生まれ、空で育ち、空で死ぬ」とかスキだな〜と
そして支援!!
支援
モンク+白魔法と思いきや時魔法とな
支援
487 :
ゼロの騎士:2008/03/03(月) 22:24:59 ID:wxAiKuGa
「まず最初に…シエスタに対して謝ってもらおう、そして平民に対してあまり差別的な行動をしないよう気をつけてほしい
二つ目に君の二人の彼女に対する謝罪と誠意ある行動
二股だなんて紳士のすることじゃない
三つ目に、君はルイズをバカにしてるようだね?それをやめてもらおう、あと僕は使い魔じゃない、ルイズを守る騎士だ」
「わ、わかった。あのメイド君にも二人にもルイズにも謝ろう」
「最後に…」
「ま、まだあるのかい!?」
「いや、これは僕からのお願いだ」
「お願い?」
ラムザの言葉にギーシュは顔を曇らせた
「僕と友達にならないか? これは僕からのお願いだから僕のことが気にくわないなら断ってくれてもいい」
「友達?」
「あぁ、どうだろう?」
ギーシュは戸惑っていた
まさかそんなことを言われるとはおもっていなかったからだ
だが、ギーシュはラムザに対して一種の憧れのような感情を抱いていた
それは決闘に負けた悔しさや惨めさに隠されギーシュ自身気付いていなかったものだが、ラムザの誇りだかさ、騎士としての強さ、男としての器量に確かに惹かれていたのだ
数秒の間をおいてギーシュが話し出す
「まさか決闘の相手にそんやことを言われるとはね…。いいだろう、今日から僕達は友達さ、むしろこっちこら頼みたいくらいだ!」
そう言ったギーシュに対してラムザが手を伸ばし、立つ手助けをした
そして二人は握手をして言葉を交わす
「ありがとう、改めて紹介させてもらおう、僕はグラモン家の三男、ギーシュ・ド・グラモンだ」
「僕はラムザ、ラムザ・ベオルブだ。僕も三男なんだよ、奇遇だね」
それまで電撃的な速さで進む戦いに静まり返っていた観衆がざわめきだした
そう言えば序盤はモンクのチャクラにお世話になった。
支援
489 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 22:26:29 ID:wxAiKuGa
そこに予鈴のチャイムの音が聞こえた為一部の生徒達が授業に向かい、残った観衆も熱をもちながらもしぶしぶといった感じでそれぞれの場所に散っていった
そんな中でラムザはたくさんの声をかけられた
中には平民がドットを倒したくらいで粋がるなだとか非難めいたものもあったが、大半はラムザの戦いぶりを讃えるものだった
いくら貴族といっても、若い彼らの心をうつだけの力がラムザにはあった
そこにシエスタが走ってきた
「ラ、ラムザさん。だ、大丈夫ですか!? お怪我とかありませんか? あぁミスタグラモン私のせいで申し訳ありません!」
顔に涙を浮かべながら救急箱をもってきていた
どうやらラムザが決闘に負けて怪我をしたと思っていたようだが、怪我のないラムザとギーシュの様子に混乱しているようだ
そこにルイズが歩いてきた
「薬箱は必要ないのよ、えーっと…」
「あぁ、シエスタですミスヴァリエール」
「あぁメイド君、先ほどはすまなかったね、紳士としてあるまじき態度だった、グラモン家のものとして女性にあのような態度をとった事は恥ずべき事だ、許してほしいミスシエスタ」
「いえ、あの、え、えええ!? 顔を上げてくださいミスタグラモン!」
頭を下げるギーシュを慌てて止めるシエスタ
「許すだなんてとんでもない! わ、私がですか!?」
「あぁそうさシエスタ君、それにルイズ、君にも謝ろう、すまない」
「な、なによ、あんた私になにかしたっていうの? 」
これは漢ギーシュフラグか!?支援。
支援
さるさんくらったかな?
>>37 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/01(土) 17:29:19 ID:vCP3CLJL
未確認制限事項
1時間ごとに8.5kB以上の投稿は「さるさん」規制に引っかかる
正時(00分)ごとにそのカウントおよび規制はリセットされる
この「さるさん」には支援は無駄
とりあえず
一々ageるな
>>489 またもや規制orz
どなたか代理お願いします
↓以下本文↓
「君の使い…いや、君の騎士に迷惑をかけたからね」
「別に問題ないわ、むしろ私の言うことを聞かないラムザの方が問題だわ!」
「すまない、今後気をつけよう」
ルイズの言葉に苦笑するラムザ
「そろそろ行かないと授業に遅刻するわ! もう行くわね。ラムザ、行きましょう」
そう言ってルイズは歩いていく
ギーシュも授業に向かうようだ
シエスタから後で伺うという旨を聞き、ルイズの後を追うラムザ
「授業は僕も出ないといけないのかい?僕は調べ物がしたいんだけど…図書室でもあればそこにいきたい」
「図書室は貴族専用だからあなたが入れるよう先生にお願いしておくわ、今はとりあえず授業に一緒にでてちょうだい」
「そうか…わかったよ」
ルイズの言葉を聞いたラムザはそう返事すると、ルイズについて教室にむかった
…………………
「むぅ…」
学長室でオスマンがうなる
「あれは剣と本人を強化したんでしょうか?」
「いやぁ…あれは剣自体にはなにもなかったのじゃろう、剣の扱いに長けた物は一刀の下に全てを両断すると聞く。あれは彼の技術…もしくはガンダールヴに付加される技術なのかのう」
かなりの年を重ね見た目は老人であるが、やはり学長になるだけの人物だ
見ているところは見ている
「しかし決闘相手に対して友達になろうとは…のう、面白い奴だのう、コルベール君」
「いや、本当に。あれにはルーンによる干渉が影響しているのでしょうか?」
「いや、きっと彼の本来の気質じゃろう。そうじゃコルベール君、君授業はいいのかね?」
「おお! 忘れていました! でわオールドオスマン、また後で来ます!」
そう言うとコルベールは早足で部屋を出て行った
「ガンダールヴか…」
学長室の中、一人になったオスマンの声が静寂の中に消えていった
第四話end
以上です
たびたびすいません(;・∀・)
あと途中sage&タイトル忘れがありました
今後気をつけます…
497 :
ゼロの騎士:2008/03/03(月) 23:20:13 ID:wxAiKuGa
三話四話と代理ありがとうございましたm(_ _)m
わしの波動球は108式まであるzo
499 :
ゼロの魔獣:2008/03/03(月) 23:32:23 ID:Fpts0wPC
騎士さん乙です。
40分位から投下してよろしいですか?
支援
支援
ラムザの人乙
そして魔獣支援
「『何ゆえコイツがこんな所にいるのか・・・?』
そんな顔かな? それは」
慎一は無言でシャフトを睨み付ける。
『神』の力すら及ばぬ別の宇宙で出会った因縁の男・・・。
偶然の一言で片付けられる事態では無かった。
「それを説明するには まず私という人間を知って貰わねばならないな
ユダ博士のことは覚えているかね? 十三使徒の裏切り者の・・・
実は 私も彼と同類 裏切り者なのだよ!
ただし 私は彼よりもずっと強欲で 自分勝手な人間だがね」
― 人が他人を裏切るとき、その行動には二つの要因が存在する。
一つは他者との理想の違いや、組織内での孤立などから自らの心身を守るための − 『自衛』のための裏切り。
もう一つは、より積極的に他者を踏み台にしてのし上がろうという − 『悪意』に満ちた裏切り。
ユダ博士は前者に則った裏切り者であり・・・ そしてシャフトは後者であった・・・。
「正直なところ 私は新人類の誕生や 地球の未来などどうでもよかった
私の狙いは 『神』 の力・・・ それを解析し 己の物とする事だった
その為に先ず 地上に光臨した軍神達と接触した・・・
結果は・・・ フフ 散々なものだったよ
私の肉体は軍神の一部に取り込まれ 否応無しに君との戦いに巻き込まれた」
― 虚空の彼方で繰り広げられた、真理阿の血肉を巡る戦い・・・。
いくつもの時空を飛び越え、ハルケギニアまで落ち延びた慎一。
その肉体に最後まで喰らい付いてきた、軍神の細胞の一部・・・
それこそがシャフトの正体だった。
「最後の跳躍の時 私は君から引き剥がされ
たどり着いた場所は 今から5年前のアルビオンだった・・・
まったくの幸運だったとしか言いようがないな
軍神の影響の及ばぬ世界で 私は肉体と自我を再生し
そして 新たな力を手に入れるに至った!」
ハッ!、慎一が吐き捨てる。
「虎の子の十三使徒が裏切り者ぞろいとは 親父の器も知れるってもんだ・・・
だが! テメエの心情なんざ俺には関係ねえッ!!
あの時の約束どおり 八つ裂きにしてやるぜ!! シャフトッ!!」
言うが早いか、慎一が左手を突き出し、機関砲の斉射を浴びせる。
同時に、シャフトの背中からバサリと翼竜の翼が生え、高速で頭上に跳ね上がる。
「何だとおッ!?」
慎一の容赦ない銃撃を、縦横無尽にシャフトが避ける。
やがて、弾切れを起こした左手が、情けない音を上げる。
「こなクソオオッ!!」
用無しになった鋼鉄義手を引きちぎり、シャフトに向けて投げつける。
眼前に飛んできた鉄隗に対し、シャフトが右手に持った『杖』をかざす。
刹那、鋼鉄がチョコレートのように溶け、飛沫が空中へと飛び散る。
シャフトが演奏でもするかのように、軽快に杖を振るう。
飛び散った金属の粒がたちまち硬質化し、螺旋を描きながらシャフトの頭上に集まる。
杖を止めた瞬間、『錬金』が発動し、空中に一本の槍が出来上がる。
シャフトが杖を慎一に向ける。
一筋の光弾と化した鋼鉄の槍が、慎一の右腕を跳ね飛ばした・・・。
「ッ! ガアアアァァァアアア!!!」
猛禽の目をもってしても、反応すらできない一撃。
鮮血が舞い、慎一の体が大きく揺らぐ。
「コイツは何の手品だァッ!? シャフト!」
叫びながら、慎一が思考する。
慎一の知りうる限り、この世界の『魔法』は、先天的・遺伝的な才能だったハズである。
メイジの血を引かない平民は勿論、異邦人である慎一やシャフトに扱える能力ではない。
ましてや、四系統全てを次々に繰り出して見せるなど・・・。
「驚くことはないのだよ 慎一君
元々これは 全て君の与えてくれた能力なんだ!」
言いながら、シャフトがゆらりと着地する。
「覚えているね? あの虚空での戦い
神の尖兵達との戦いに敗れ 君は自らの力・・・『無限の吸収能力』を奪われた
軍神の細胞を通じて 私はそれを解析し 己のものとしたのだよ」
おそらくは、この世界のドラゴンから取り込んだのであろうその翼を、シャフトが愛おしそうに撫でる。
「ときに慎一君 勉強は好きかね?
この世界の魔法の法則を もう一度おさらいしてみようか?」
シャフトの腹部がボコボコと蠢き出し、そのシャツがビリリと裂ける。
シャフトの腹から現れたのは、人間の顔・・・。
― かつてシャフトは、その体内に両指でも余る程の息子を宿し、常に周囲を警戒させていた・・・。
だが、浮き出てきた顔は、明らかにシャフトの息子ではない。
シャフトの褐色の肌に対し、抜けるように白い肌。 無骨さのない端正な顔に、緑色の髪。
苦悶の表情を浮かべたそれは、間違いなくハルケギニアの住人であった・・・。
「・・・魔法の効果と威力は 組み合わせた系統の数と種類で決まる
同時に 一度に組み合わせられる魔法の数で メイジの格も決まる
単独なら ドット
ふたつの組み合わせなら ライン
みっつなら トライアングル
よっつなら スクウェア・・・ ここまでくれば 一流の使い手と言われる・・・」
シャフトが講義を続ける。
その話の内容に合わせるかのように、シャフトの体に、ポコン、ポコン、と人の顔が浮かんでくる。
「五つ以上の組み合わせは・・・ フフ 何て言うんだろうね?」
最後に胸元に現れた六つ目の顔、それを見た瞬間、慎一の顔から一気に血の気が引いた。
「・・・ウェールズ!!」
刹那、見えざる空気の拳に握り締められ、慎一が膝を付く。
「分かるかい慎一君? 全ては君のおかげなのだよ!
君の細胞を得たおかげで 私は神に匹敵する力を得た!
おめでとう慎一君!
私と出遭った事により 君の人生は価値を得たのだ!
さあ 後は安心して 大いなる主の胸へと還るがいい!!」
「シャフトオオオォォォオオオォォッ!!!!」
シャフトが杖を振るう。
六つの口が同時に詠唱を完成させ、天まで立ち上る程の炎の竜巻が慎一を包み込んだ・・・。
箱舟の甲板から 天まで届かんとする炎が吹き上がる。
ただならぬ不吉な予感に、ルイズは機体を旋回させ、箱舟に向けて加速する。
「どうしようってんだ!? 娘っ子?」
「決まってるじゃない!! シンイチを助けるのよ!」
「無理に決まってるだろうが!! この船にはもう 弾が残っちゃいねえ!!」
「五月蠅いわね!! アンタも武器を探しなさいよ!」
言いながら、ルイズがコックピット廻りのスイッチを手当たり次第に押していく。
「・・・! その中央の赤いスイッチはどうだ!?」
「赤いスイッチ・・・? これね!!」
ルイズは躊躇いなく、赤いスイッチの隣・・・『ピンクのスイッチ』を押した。
― 瞬間、前方の亀甲模様のガラスが激しく光り、操縦席ごと二人が後部に運ばれていく。
イーグル号が大きく膨らみ、強靭な金属にあるまじき変形を遂げていく・・・。
「ええっ!? こ これって・・・!?」
・
・
・
荒れ狂う炎蛇の中、地に伏せる人影を確認し、シャフトが指を鳴らす。
たちどころに炎が掻き消え、肉の焼ける匂いが辺りを包む。
炎の跡から現れた慎一・・・ 全身の皮膚がただれ、両目は爆ぜ、手足は無残にも崩れ落ちている・・・。
シャフトが耳をピクリと動かす。
これ程のダメージを負いながら、魔獣の心音は、未だ途絶えてはいなかった。
「フフ このまま君を消し炭にするのは容易いが
それでは折角の 真理阿様の細胞が失われてしまうからね」
シャフトが左腕を動かす。
その肘先がボコボコと膨らみ、やがて、巨大な芋虫へと変態する。
芋虫が、虚穴のように開いた口から、イソギンチャクのような無数の触手を伸ばす。
巻き付いた触手が魔獣の体を持ち上げ、一気に口中へと放り込んだ。
「!? おお・・・! これが・・・!!」
左手で慎一を咀嚼しながら、シャフトが感嘆の声を上げる。
宇宙の真理が、万物の理が、シャフト脳内に溢れ、麻薬のような快楽が全身を走る。
新たな世界の扉が開かれたかのような感覚、肉体に無限の力が湧き上がる。
「そうか・・・ そうだったのか・・・
フフ フハハ わかる わかるぞお
こんなにも素晴らしい なんという・・・ なんという力・・・!
最早 私に逆らえる者などいない
全宇宙が 私の前にひれ伏すのだ
フハハ ハハハハハハ ハハハハハハハ!!」
しえん
暫く高笑いを続けていたシャフトだったが、ピクリと異変に気づく。
右手の指先が痙攣し、滝のような汗が噴出し、細胞の動きが止まる。
― いや、細胞が逆流していく!
吸収したハズの真理阿の細胞が、己のものとしたハズの魔獣の細胞が
主の意思に逆らい、体内から左手へと流れ込んでいく。
「これは 慎一の・・・ 魔獣の仕業かああああッ!?」
暴走する左手を止めようと、シャフトが杖を構える。
その右腕を、新たに体内から現れた別の腕が取り押さえる。
「な・・・?」
シャフトの動きを抑えたのは、傀儡となったハズのウェールズの上半身・・・
手首を掴む皇太子の白い指先が、徐々に無骨な魔獣の牙へと変貌していく・・・。
「ガ オ オ オ オ オ オ オ ! !」
「げえッ!? ゴールドッ!!」
獅子の大顎が、シャフトの右腕を喰いちぎる。
興奮収まらぬ黄金の獅子は、シャフトの体内を泳ぐが如く食い荒らす。
腹部からウェールズの全身が切り離され、哀れな王子は物言わぬ死体へと還った。
「なぜだ!! ナゼッ 私の体からゴールドが現れる!?」
「テメエに魔獣の力が使いこなせると思っていたのか!? シャフトッ!!」
シャフトの左手が叫ぶ。
ゴールドの体が直ちに左手へと吸い込まれていく。
ゴールドだけでは無い。
細胞が大きなうねりとなって、ソバでもすするかのように左手へと集結する。
「グオアアアァアアアァァ!!」
痙攣する巨大芋虫を引き裂きながら、燃え尽きたハズの慎一が復活した。
・
・
「感謝するぜえ シャフト・・・」
力の大半を奪われ、凡人へと堕ちたシャフトに、慎一が近づく。
「軍神どもに奪われた細胞を どうやって取り替えそうかと思っていたが・・・
まさか 仇のテメエが持ってきてくれるとはなァッ!!」
「そんな・・・ そんな・・・ バ・・・!」
よろよろと後方に後ずさっるシャフト。
その動きがピタリと止まり、全身が痙攣し始める。
直後、シャフトの腹部を突き破りながら、竜の頭部が出現する。
それだけではない。
細胞が爆ぜ、シャフトの全身がパンケーキのように膨らむ。
山羊の頭が、蝙蝠の羽が、蠍の尾が、無数の目玉が、
膨らみ続けるシャフトの全身から、無秩序に獣の部位が出現していく。
司令塔である慎一の細胞を失った結果、シャフトが吸収した魔獣たちが暴走を始めていた。
「テメエ! 食い過ぎなんだよ!!」
暴走は収まるところ知らず、巨大な肉団子が箱舟の甲板を覆いつくさんと膨れ上がる・・・。
「おのれェエエエェェ ぼのレエエエェェ! ジンイヂッ
ごのウえバ ぎザマもみヂづれにじでぐレるワアアアアアァァ!!!」
「往生際が悪いんだよお!! シャフト!!」
決着を付けるべく、慎一が体内の魔獣に総動員をかける。
―と、
『どきなさい! シンイチィ!!』
外からではなく、体内から響いてきた声に、慎一が思わず振り返る。
彼方から突っ込んでくるのは、真紅の彗星。
慎一は、男の残した手記を思い出す。
竜の羽衣は戦闘機ではない。 巨大ロボットの一部である・・・と
眼前に迫ってくるのは、まさにロボット。
二本の角に、亀甲模様のマスクを纏った、スーパーロボットの上半身―。
「一発勝負だ!! 気合を入れろ! 娘っ子ォ!!」
「わかってるわ!!」
眼前に出現したモニターを確認しながら、ルイズが右手のレバーを握る。
「ゲッタートマホークでたたきのめしてやるッ!!」
ルイズの咆哮に、ロボの両眼が激しく瞬いた・・・!
これはw 支援
支援
514 :
ゼロの魔獣 :2008/03/03(月) 23:54:49 ID:Fpts0wPC
以上で投下終了です。
支援ありがとうございました。
また一歩虚無エンドに近づいたところで続きます。
私怨
GJです。 良いですな、良いですな。
腕はジャガー号のパーツだ
ゲッター3でもベアー号のパーツだ
イーグルに腕になる部材は無い
>>514 乙です
>抜けるように白い肌。 無骨さのない端正な顔に、緑色の髪。
まさか、おマチさん!?
>「ゲッタートマホークでたたきのめしてやるッ!!」
>ルイズの咆哮に、ロボの両眼が激しく瞬いた・・・!
「トマホークのつもりがゲッタービーム」フラグキター?
>>517 落ち着け。
トマホークがゲッター1のどの部位から飛び出してくるのか、よく思い出すんだ。
我夢呼ぼうぜ
>>519 肩から。
でも肩の部分はかなり薄かったような。
>>473 果林召還しようぜ。
ルイズにタバサにアンリエッタにワルドにコッパゲと、何かしら心に傷がある不幸なヤツらを
噛みまくって全員ポジティブなキャラにさせようか。
>どの部位から飛び出してくるのか
射出しねえから
柄が出て引き抜くプロセス必須だから、Gや真でも
新だけは球放出してそれが変形するが打ち込めるような勢いねえから
ドスプレッシャー方式というのがある
肩から出したまま相手に向かって(ry
>「ゲッタートマホークでたたきのめしてやるッ!!」
素手で野良犬の首はねるルイズが頭に浮かんで吹いたw
ある意味見たいw
>肩から出したまま相手に向かって(ry
いや、出るの柄だから
魔獣の人、乙!
とうとう「ゲッター」って単語が出てしまったな。
今まで、「イーグル号」止めだったのに。
遂にゲッペラ時空と連結しちゃうのか?
この世界で封印されているのは真ゲッタードラゴン……絶望的だな
流竜馬が出てきたら…
今原作漫画版確認したが、柄の部分を下にして、飛び出してるな<ゲッタートマホーク
確かに、腕も無いのにどうやって使うのかは今後に期待だ
ワルドが極道兵器みたいになるかと思ったのに、あっさり喰われてちと残念
試作の荒鷲号だってことを考えると、実は試作時点では上半身パーツは一號機担当だったとか。
その辺りの振り分けがこなれてなかったから試作止まりで完成しなかったとか。
プロトゲッターは(外観上)白いだけで正式機と全く同じ
そもそもルイズはトマホークがどう出てくるかなんて分かってるのか?
イーグル号さえあれば手足は生えてくる可能性あるし。
ニョキニョキ生えたんじゃない? 上半身。
號タイプだったのかも知れぬ。あれなら1号機に腕がある。
早乙女研究所に眠る試作品ゲッターは旧・G・號・真のパーツがごちゃ混ぜだし、
試作段階で號に近い形のものがあったとしても問題ない。
股間からゲッタービーム!
踏み込みが「ry
もう聖地にハチュウ人類がいようがゲッター聖ドラゴンがいようが馬頭竜がいようが驚かんぜ
>>531 まあ岩鬼は石川世界を体現した人だからそうそうなることは無理だなw
はちゅう人類か…確か彼らは巨大隕石衝突時にとある青いロボットとその仲間達に地下空間に脱出させられた子孫だったな…
>ルイズと竜の騎士
542 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/04(火) 12:20:48 ID:5AYSlKNl
>>541 「のび太と竜の騎士」のバンホー……ルイズたちから見れば、亜人ということになるな。
しかし、尊敬に値する人物であることはすぐわかるから、どんな波紋を巻き起こすか……。
東方ダイナミックツアー編がはじまるのか
ノリダー呼ぼうぜ
ドラえもん映画パターンでルイズ達が異界で大冒険つうのは無いな
バウワンコ人のペコとかインテリジェンス水中バギーとか
>>546 ドラえもん出さなくても道具だけでいいかもな。
サイト君にはニュルズになってもらって、秘密道具で戦ってもらおう。
またデルフの出番が……。
>>547 ルイズが召喚したのは半円形の薄い布切れでした。
ギャルのパンティと聞いて
>>547 ニュルズってなんぞ?
記すのもはばかる使い魔かなんか?
確か石川作品って根本で繋がってるとか繋がってないとか。
そんな話をちらと聞いたような気が。
時天空を倒すためにあれこれやった結果が魔獣だったり、ゲッターだったり
あの、短いですけど投下してもいいでしょうか?
ゲッター知らない俺には時天空って言われると相撲取りの名前に見える…
元ネタとかを書いてくれるかい?
いや、すまないね。最近荒らしとかが多くてさ、ちょっと警戒してるんだ。
いや、以前投下したものなんですが……
石川版ウルトラマンタロウが最高にいい
とりあえず投下いきます
「つまり……ここは『ハルケギニア』という世界なんだね?」
結局どこか行く当てもなく、瀬川は目の前のピンク色の髪の少女――ルイズというらしい――の部屋に上がりこんでいた。
「これから働いてもらうんだから」と彼女から言われ、事態を問いただした。
話もすっかり長くなり、途中持ってきたパンをかじるなど、軽い食事も必要になるほどだった。
そして、そこで聞かされた話は衝撃の連続。
この世界……『ハルケギニア』は地球とはまるで違うらしい。月を見上げてみれば、1つしかないはずの月が2つある。
生き物も、『瀬川の世界』からすればファンタジーや物語にしか出てこないような生物が実存していると言うではないか。
夢のような話である。
さらにそれに拍車をかけるのは、彼女たちは魔法使い『メイジ』で、貴族なら大体誰でも魔法が使えるらしい。
貴族や平民、城や学校、国といったもののニュアンスは『瀬川の世界』に近い。
しかし根本的に文化も違い、むこうがさも当然と思っていることがこちらにも通じない。
話の間に、メモを取りながら言葉を覚えるので精一杯だ。
どうも、というよりやはりというべきだろうか、その衣服や振る舞い通り、この世界の価値観や文化はヨーロッパに近い気がする。
もっとも、これも『瀬川の世界』の常識に準拠したものだし、ルイズから聞いた知識だけである以上間違えは多いだろう。
「そうよ、ここはトリステイン。ここはかの高名なトリステイン魔法学院!」
小柄な少女には椅子が少し大きすぎるのか、椅子に体を沈めてルイズはそう説明を締めくくる。
一通りは、説明してくれたあと、ルイズはしばらく口を閉じていてくれた。
瀬川はその間に混乱しきった頭を整理しようとしたが、どうにもまとまらない。
確かに常識では考えられない事態に晒されたことはあった。
だがそれは自分の内面の変化――Jの戦士としての再生――であって、自分を取り巻く世界の変化ではない。
前提として成り立っている地点が丸ごと変化したのだ。
どこかに飛ばされた程度に考えていたのが、そんなものとは比べ物にならない事態だということだけようやく飲み込むことができた。
私怨 試演 紫煙 支援
支援
「……それにしてもどこから来たの? 何も知らないにしてもひどいと思うけど」
ため息をつき、肩を落としたのを落とした瀬川を見て、一段落ついたと思ったのか。
今度は説明ではなく個人的な感情を瀬川に問いかけてきた。
「俺はまったく違う、『地球』という世界から来たんだ。それは許してくれよ」
ため息に混じって吐き出される瀬川の言葉。ルイズは目を丸くしたあと、形のいい眉にしわを刻み、すっと目を細めった。
どうみても信じていない。疑っているか、狂っていると思うか、そんなのだろう。
瀬川も突然そんなことを言い出す人がいたとして、いきなり信じることはできない。当然の反応だ。
頭のてっぺんから足の先まで凝視されているのを感じ、苦笑交じりに頭をかく瀬川。
どうにか自分の言葉を証明できないかと考えをめぐらせる。すぐにそれは思いついた。
今にも嘘だと言いだしそうなルイズの前で、デイバックを下ろす。中から取り出したのは、仕事で使うカメラだった。
「これがその証拠だよ」
ルイズにカメラをそっと手渡す。
おそらくこのくらいの文化レベルならカメラなどはないはずとふんだわけだが、正解だったようだ。
小首をかしげ、カメラをしげしげと眺めている。手の中で回してきたり、高く掲げて光に透かすようにして見たり。
先ほどまであった疑う視線は消え、何か不思議なおもちゃを見つけた子供のような眼に変わっている。
なんとなく微笑ましい光景で、瀬川は取り上げることもせずその姿を見守っていた。
「きゃっ!?」
ルイズの小さい悲鳴。おそらく指が触れ、突然起こったカメラのフラッシュに驚いたのだろう。
両手を離してしまった。当然、カメラは落下していく。
「あっと、危ない」
しかし、言葉と裏腹に口調は柔らかい。これは大体の子供がカメラを始めて触れた時にやることだ。
瀬川は最初からそうなるのも分かっている。光った瞬間には素早く身を落とし、地面につく前にカメラをキャッチしていた。
カメラを手に立ち上がると、まだ少し呆然としているルイズの頭をポンポンと軽く撫でる。
「おいおい、これは大事な道具なんだから気をつけてもらわなきゃ困るぜ?」
瀬川の顔は、相変わらず笑顔。そこでルイズも我に返る。
「な……なによ、これが何の証拠になるの!? 光るだけなら別にどこにでも……」
頭を撫でられて恥ずかしいのか照れてるのか、大声でまくし立てるルイズ。だが瀬川は、
「それは違うんだよ、これが」
ルイズの言葉を遮り、膝立ちして、ルイズの顔を正面から覗き込んだ。
もちろん、カメラ越しに。
次の瞬間、部屋に2度目のフラッシュ。今度はルイズも声をあげなかった。カメラを顔から外し、これが何か説明してあげる。
「これは、カメラって言ってね。撮ったものを写真にする道具なんだ」
「『シャシン』?」
ルイズのキョトンとした声。
ああ、そうか、カメラがない世界じゃ写真も分からないかと納得し、さっきと立場が逆になったことに可笑しさを瀬川は感じた。
「写真は、目の前にある風景を、一枚の絵にしたものだよ。これで、さっきみたいに光らせるだけでこの中で絵ができるんだ」
頭の上に?マークを浮かべたままのルイズ。
彼女からしたら、それこそ『瀬川の世界』で言うところの魔法のようなものに思うのは仕方ない。
「なにそれ……小さな絵をその中にいる虫とかが書いてくれるの?」
「いや、違う。俺の世界の、科学の力で絵が出来上がるんだ」
ちょうど、このフィルムの残りもゼロだ。世界中をまわる以上、簡単な現像のための道具はデイバックに入っている。
瀬川は、ルイズがパンを持ってくるときに乗せていた金属製のトレイを手に取った。
「そうだな……君のような子供が夜更かしするのもよくないよ。明日の朝には見せてあげるから」
窓の外は、すっかり夜だ。このくらいの女の子が起きている時間としては遅すぎるくらいだろう。
ルイズはしばらく顔をまたしかめていたが、一応話を聞いてくれたのかそれ以上は疑うということを言わなかった。
「まあ、明日になって、その『シャシン』ができてたら信じてあげる。でも、これもやっといてね?」
そういうと、衣服をポイと脱ぎ捨てると、瀬川へ向かって投げる。瀬川はあたふたとしつつもそれを受け取った。
そんな瀬川にはもう目を向けず、ルイズはベッドにもぐりこむ。
瀬川も当然驚いたが、このくらい――小学生高学年――の女の子ならまだこういうことに頓着しないのかな、ということで納得しておいた。
……実際は瀬川の想像より上なのだが、そんなことは瀬川には分かりようがない。
「そう言えば、帰る方法を訊いてなかったな」
洗濯物をとりあえず、はしにまとめた後、そのことを思い出した。
窓を閉めるため、窓辺に立つ。外から流れてくる、冷たくも気持ちのよい澄んだ風。
窓の外に広がる空間を眺め、ただただその自然に嘆息する。
地球とは比べ物にならないほど命の息吹を感じるここは……ある意味瀬川が求める理想郷だ。
いつか地球もこうなることを祈り、瀬川は今の地球の環境を写し、人々に警鐘を鳴らす環境カメラマンになったのだから。
耳をすませば聞こえてくる虫の音を惜しみながらも、ゆっくりと窓を閉じる。
ランプはすでに消えており、現在と違い人工照明もないこの世界。
ただそれだけで、現像に必要な暗さを十分に確保することができた。
ふと、すうすうと寝息を立てるルイズが視界に入る。
「多分、気難しいけど悪い子じゃないよな」
父親のような笑顔でルイズを見ると、肩を回して気合を入れる。なにしろ、写真の現像は4時間以上軽くかかる大仕事なのだ。
しかも、この世界ではもう道具はそう補充できない。現像できるのももうあと2,3回だろう。
それでも、瀬川は悩むことなく、よどみなく手を動かす。
いつしか、自分が別世界だと証明するためという意識は消えていた。
ただ単純に、ルイズに笑顔になってほしい。カメラを見たときのように。
子供たちには、気難しい顔をするより笑っていてほしいから。笑って幸せでいてほしいから。
みんなが笑顔でいてくれる世界がいつか訪れるように。
夜が更けきり、続いて朝日が昇る。
――結局、できあがるまで一度も手が止まることはなかった。
次の日、瀬川は椅子でよれよれになって寝ているところをルイズに起こされた。
ルイズいわく朝食が終わって部屋に戻るまで寝せてくれたらしいが、結局数時間しか眠れなかった。
だが彼は終始笑顔だった。
自分の写った写真を見たときのルイズの目の輝かせようは言い表す言葉もないほどだった。
それだけで、もう十分。
もっとも、それをお隣さんのサラマンダーが写真の端を焦がしてケンカになりそうだったり、そんなこともあったのだが……
少し、ルイズが自分を分かってくれたかな、という実感だけはあった。
結局、帰る方法と、自分が異世界出身なのを分かってくれたか聞いてなかったと思い出したのはそのあとだった。
ルイズの写ってない、残った写真をジーパンのポケットにねじ込み、よれよれの中今度は授業と、ルイズと一緒に歩き出す。
またそこで一悶着あったのだが……それはまた次のお話し。
終わりです。vsギーシュと、フーケ討伐へ行くと、町へ行くの3つがないので、
授業のところを膨らませようとした結果、こんな短く区切ってすいません。
次は、一気に話が進む分長くなると思います
投下乙です
何つーかほのぼのしてて落ち着く
本当にいい人だなせがたもとい瀬川さん
巨大化ライダー?
彼の場合一度死んで改造されて生き返っているから、多少の琴似は動じないかも。
乙ー
まったり感が良いけど、この後に待つ地球人にはつらい異郷異文化暮らしに適応できるのか………
あと写真技術が流出してマルコメがライフルのごとき超望遠スコープ装備のカメラでパンチラハンターになると妄想
投下乙
>>570 マルコメの盗撮機製作フラグですね?わかります
召喚対象が所持していたアイテムが何か事件を起こすのは良く見るが……それが広まった後の世界、と言うはあまりないな。
……モット伯とかマルコメとか、一部貴族は魔法を悪用して盗撮三昧とか?!
BLACKが呼ばれたら未来からRX、ロボライダー、バイオライダーが連れ戻しに来るかな!
ところで黒目の人はまだか?
破壊の杖が何なるか気になって夜も寝られないんだ
本職がカメラマンの特撮ヒーローというとミラーマンがいるが…
某人形娘+引きこもり少年みたいに鏡使って両世界を行き来出来そうだな
ちなみ当時クラスで俺だけ裏番組のシルバー仮面見てたので話題についていけなかった。
仮面ライダー二号の隼人もカメラマンだったような。
あっちはアマチュアだっけ?
無粋だけどフイルムの感光とか大丈夫なのかなぁ。
などと考えていたらダークレスがあったのを忘れていた。
なんと恥ずかしい・・・。
仮面ライダーの職業ねえ
五代 冒険家
翔一 後に洋食屋開く
真司 記者
巧 クリーニング屋でバイト
剣崎 仮面ライダー(薄給)
響鬼さん 鬼
天道 ニート
良太郎 店の手伝い
昭和は光太郎が大学生→ヘリパイロットだったな
眼つきの悪いゼロの使い魔おもすれー。オーフェン番外編ってかんじ。
探偵Lを召喚……いや、いっそのことデスノートを召喚した方がおもしろいか
最新のライダーならばバイオリン職人だな。
一回の仕事の入りはいいのか?
47がなかなか次のミッションに行かないのはまだ自分が2ヶ月近くもMrハヤモトの城に潜入できないからですか、そうですか
ラムザ、はやくきてくれー
ムスタ待ってる
588 :
松下:2008/03/04(火) 20:16:45 ID:t8fpZNyk
ラムザでもムスタでもないが、マツシタが参りました。
第十八章を投下しますが、誰かおられるかな?
サイトは居ません。
誰が上手いこと言えと支援ー
幸は無いんだよ、支援。
そうか、サイトはいないか。では投下開始。
始祖降臨祭の期間中の、ある真夜中。
シェフィールドは地元出身のフーケ(マチルダ)と、ついでにベアード(ワルド)を連れて、
雪深いサウスゴータの山中に入っていった。シティからは30リーグほど離れている。
土メイジのフーケにとって、自分の故郷の土地は庭にも等しい。暗闇の中でも大地の様子は手に取るように分かる。
ベアードも『魔眼』を用いて足元を照らし、地下の水脈を見つけ出し、遡っていく。
やがて、滾々と清水が湧き出ている、開けた岩場に出た。
「……ここが、サウスゴータで一番の水源地さ。市内の三分の一ほどの井戸は、ここから水を引いているはず。
にしても、毒を流すといっても水量が膨大だから、相当薄まってしまうんじゃないかい?」
「毒じゃないわ。むしろクスリよ、クスリ。くっくくくく」
シェフィールドは、ポケットから指輪を一つ取り出した。
「それは、クロムウェルのしていた指輪じゃないの」
「いいえ、これは私のもの。盗んできたのはべリアルのじじいだけどね。
もともとはトリステインのラグドリアン湖にあった、『水の精霊』の秘宝。
その名も『アンドバリの指輪』よ。聞いたことはない?」
「宝石から放つ魔力で生物の心身を乗っ取り、意のままに操るという恐るべき指輪だな。
透明な液状の体をもつ先住の存在、『水の精霊』の力を凝縮したものだとか」
「そう。心身の変性が『水』の系統の本質であるならば、これはいわば、水の秘薬の結晶。
その力を解放すれば、何万という人間を一人で操ることも可能なのさ。
あれが神聖皇帝なんて名乗っていられるのは、この指輪あってのことよ。
もちろん、我がガリア王国が強力にサポートしたからでもあるけどね」
シェフィールドは二人に羊皮紙を手渡すと、水源に指輪をかざした。
額のルーンが輝きを放つ。『虚無の使い魔』のひとつ、魔法具を自在に操る『ミョズニトニルン』の印だ。
「これから、この水源地に『アンドバリの指輪』の力を解放するわ。
さあ二人とも、その紙に書いてある呪文を唱えて。
《きれいはきたない、きたないはきれい。闇と汚れの中を飛ぼう》……」
あまり聞いたことのない呪文である。指輪の魔力を解放するための、先住の魔法のようだ。
「ねぇ、セリフのパート分けや振り付けまで指示してあるんだけど。何これ、劇の脚本?」
「ふん、『マクベス』か。まぁあの劇にも、いろいろ秘術が記されているらしいがな」
「ほら、早く呪文を唱えなよ! 魔女の先住魔法には、こういうのも必要なんだから!」
《「三度鳴いたぞ、ブチ猫が」「三度と一度は、ハリネズミ」「『いまだ、いまだ』と化けもの鳥」
「釜の周りを回ろうよ、腐った臓物放り込め!
まずは冷たい石の下、三十一夜を眠りつつ、毒の汗かくヒキガエル。ぐらぐら煮えろ、釜の中」
「「「苦労も苦悩も火にくべろ、燃えろよ燃えろ、煮えたぎれ!!」」」
「お次は蛇のブツ切りだ、ぐらぐら煮えろ、釜の中。
カエルの指先、イモリの目、コウモリの羽根、犬のべろ、マムシの舌先、蛇の牙、フクロウの羽根、トカゲの手。
苦労と苦悩のまじないに、地獄の雑炊煮えたぎれ!」
「「「苦労も苦悩も火にくべろ、燃えろよ燃えろ、煮えたぎれ!!」」」
「狼の歯に龍の皮、鮫の胃袋煮えたぎれ。闇夜に抜いた毒ニンジン、ユダヤ人から腐れ肝、
山羊の胆汁、月食の、夜に手折ったイチイの木。トルコ人から鷲っ鼻、タタール人から厚唇、
売女がドブに生み落とし、すぐ首絞めた赤子の指。トロリトロリと煮えたぎれ!
おまけに虎のはらわたを、入れて薬味をきかせよう」
「「「苦労も苦悩も火にくべろ、燃えろよ燃えろ、煮えたぎれ!!」」」
「ヒヒの血注ぎ冷ましたら、これでまじないおしまいだ」》
(シェークスピア『マクベス』第四幕・第一場、三人の魔女)
呪文の詠唱が終わるや、指輪の宝石はとろりと溶けて、水源に滴り落ちた。
「ははははは、さあこれで世の中、もっと面白くなるよ!」
始祖降臨祭の最終日の朝。シティ・オブ・サウスゴータは一面の銀世界だ。
駐屯している連合軍の司令部は、市内最高級の宿屋の二階大ホールにあった。
トリステインの軍首脳部は、明日以降の侵攻作戦について話し合いをしている。
集まっているのはド・ポワチエ将軍、ウィンプフェン参謀総長、ラ・ラメー空軍司令官など。
「明日で休戦期間も終了、また戦争が始まりますな。補給物資の搬入は今夜までに全て終わります」
「間に合ったな、やれやれ。アルビオンの騙し討ちもなかったし、奴らも余裕はなかろう。
一気にロンディニウムを包囲するか、外堀を埋めて孤立させ、内応を図るかというところだ」
ははは、と笑いが出る。休戦期間が長かったため、やや気分が弛緩しているのだ。
「ところで、ハルデンベルグ侯爵やゲルマニアの将軍たちは?」
「ロサイスや周辺都市に、抑えのため分散させた軍の一部に、不穏な動きがあるとかでな。
調査中につき、軍議には遅れてくるそうだ。ふん、まあトリステイン軍だけでも進軍してしまうか」
「そういうわけにも行きませんなあ。彼らの新兵器は、この戦争になくてはならないものですし」
と、ドアがノックされる。
「誰だ、何用だ? 軍議中だぞ」
「王室よりお届け物です。今朝の便で届きました」
届いた荷物は、王室の紋章が彫られた豪華な木箱だ。デムリ財務卿からの手紙も付いている。
読めば『先日、ド・ポワチエ将軍の元帥昇進が決定。この杖で残りの連勝街道を指揮されよ』とある。
いそいそと箱を開けると、黒檀に金で王家の紋章が彫り込まれた見事な杖が入っていた。
「おお、これは元帥杖ではないか! 財務卿も粋な計らいをなさる!」
「おめでとうございます、元帥閣下!」
「いやっははは、これで気を引き締めろということだろう。ゲルマニア軍が戻り次第、首都に向けて……」
新元帥がいい気になっているところを、ドーーーーンという爆発音が遮る。
「むっ、何事だ?」
急いで窓の外を見ると、どうやら近くの宿舎で火薬の暴発があったらしい。
通りを沢山の兵士が駆け回っているが、消火しているのではなさそうだ。
「あの旗印は、西側に駐屯しているラ・シェーヌ連隊のものだぞ。どうしたのだ、武装して?」
「あっちには、ロッシャ連隊もうろついていますな。この長い休みで指揮系統を忘れておるのでは?」
「いや、なにやら市民たちも、勝手に銃や剣を持っていますが……」
一同が首を傾げるうちに、外の兵士たちは無表情のまま、銃口を上に向けた。
窓の傍にいた新元帥閣下は、元帥杖とともに一斉射撃を受け、蜂の巣になって倒れた。
「「「……は、反乱だーーっ!!」」」
将軍たちは一斉に叫ぶ。その直後、司令部の部屋に士官が飛び込んでくる。
「反乱です! 街の西区に駐屯していた連隊が、一斉に反乱を起こしました!
現在、街の各地で我が軍と交戦中! ここも危険です、退避してください!!」
「なんじゃとぉ!? アルビオンからカネでも貰ったのか?」
「げ、ゲルマニア軍はどうした!? まさか奴らがトリステインを裏切りおったのか!?」
「詳細は分かりません! 次から次へと反乱兵は増えていきます!」
「……ということは、どういうことかね」
「西区以外の兵士や市民も、次々と暴動を起こしているのです!
反撃しようにも、武器弾薬はあらかた向こうに奪われておりまして」
「では奴らの暴れるままにしておくのか」
「今のところ、それ以外どうすることもできません」
「じゃあ、この街を取られてしまうじゃないか! どうして何のために反乱したのかね?」
「それが全く分かりません! は、早くお逃げください!」
士官の報告は全く要領を得ない。反乱の理由が分からないなら、敵の魔法か何かかもしれない。
トリステインの将軍や士官たちは、元帥が殉職したため、ぐるっと一人の男の方を振り向いた。
「「「ご、ご命令を! ウィンプフェン総司令官閣下!」」」
「え、わ、私が? ……た、退避だ! 総員退却せよ!!」
連合軍の崩壊は早かった。
原因の全く分からない兵士たちの反乱、総司令官の殉職、総司令部のいち早い脱出による指揮系統の混乱。
無表情に戦友へ銃口を向ける反乱兵の様子から、何らかの魔法によるものとは考えられるが、どうしようもない。
なにしろシティ・オブ・サウスゴータの市民さえ、武器を持って一糸乱れぬ動きで襲い掛かってくるのだ。
しかもゲルマニア軍は、いつの間にか綺麗に姿を消している。残っているのはトリステイン軍だけだった。
「畜生! ゲルマニア軍め、俺たちをアルビオンに売り渡したのか!? 司令官まで逃げやがって!」
「う、撃てねえ! あいつらはこないだまで、一緒に飲み明かしていた連中じゃねえか!」
「それどころか、市民のガキどもまで銃を持っているんだぞ! 撃ち殺すか、退却するか? 降伏しちまうか?」
「おい、俺の兄弟が西側にいたんだ、撃たないでくれ!」
「兵隊さん、わしの家族を知りませんか!? まさかあの反乱軍の中に?」
「ええーい、どけ! こっちの命も危ないだろうが、まとわりつくな!」
「おいっ、大砲の中に身を隠すやつがあるかっ」「ぎゃっ、火薬がしけっているぞ!」「うわぁあ、ものすごいことしはる」
混乱に次ぐ混乱。昼前には、市内の防衛線は崩壊し、いたるところで王軍は潰走を始めた。
生き残ったウィンプフェンらは、街の南東部の外れに臨時司令部を置き、事態の収拾に努めようとする。
市民を含めた反乱兵は、トリステイン軍全体のおよそ三分の一から半分。残る正常な軍は三万にも満たない。
偵察の竜騎士から『アルビオン軍主力の四万がこちらに進撃中』との急報が入り、さらなる混乱が広がる。
「こ、ここはもうダメだ! ひとまずロサイスまで退却しろ!!
そこから伝令を出して、トリステイン政府に直接指示を仰ぐ!」
だが、ロサイスには敵艦隊が多数停泊しており、近付けば砲撃してくる。伝令さえも撃ち落される。
今やアルビオンとゲルマニアが手を結んだ事は、明らかだった。敵軍は総勢七万を超える勢いだ。
トリステイン軍三万足らずは、いつの間にかアルビオン大陸の只中に、完全に孤立していた。
臨時司令部には絶望感が漂い、正常な兵士たちも続々と投降を始める始末だった。
やがて総司令部は、敵軍の手薄なスカボロー港へ向かって逃げ出した。商用のフネを奪って国へ帰る気だ。
それを追って、残った軍勢もぞろぞろと敗走する。
辻支援
一方、松下たちは一部市民や『妖怪亭』の一同と共に、ホウキに乗って市外へ脱出していた。
周りでは騎士も歩兵も武器を打ち捨て、右往左往している。
「ふーっ、マツシタ! これはいったい、どういうこと!?」
「アルビオンの魔法兵器による強制反乱だな。まさか、ここまでやるとは!
恐らく例の『アンドバリの指輪』を水源地で発動させ、市内の水を飲んだ人間を片っ端から操っているのだろう。
こうなればもう、ぼくの手にも負えない。血路を開いてアルビオンから逃げるとしよう」
「そ、そんなあっさり! あんたなら何とかなると思ったのに」
ルイズは興奮するが、松下は至極冷静だ。
「ゲルマニアまで敵側に回ったんだぞ、そのうちガリア艦隊だって来るかもしれん。
不吉な事を言うようだが、恐らくトリステイン本国も、今頃は両国から総攻撃を受けているだろう……」
「じょ、冗談じゃないわ! 何でゲルマニアまで!?
クロムウェルを打倒して、共和制を封じ込め、アルビオンの王政復古を成し遂げるんじゃなかったの?」
「とにかく、生き残ることが先決だ。きみがよければアルビオン共和国に降伏しようか?
そしてクロムウェル政府の内側から、真の『千年王国』の教えを説いて回ってもいいが」
「いやよ、降伏なんて絶対にいや! 命より富より『名誉』が大事よ、本当の、精神的な貴族は!」
貴族とは『敵に背を向けずに戦う者』だと、ルイズは家族から教育されたし、常々そう思ってきた。
その貴族である上級将校たちが兵士や市民を置いていち早く脱出し、味方も次々と逃げ惑い、敵に降伏する。
誇り高い貴族を必要以上に自認するルイズにとって、耐え難い屈辱的な事態であった。
人間を超えた知能と視野を持ち、ある意味で柔軟な思考をする松下には、これも人間のひとつの姿でしかなかったが。
「融通の利かない奴だなぁ、相変わらず。我ら『千年王国』の教えは、そんなことにとらわれず、
人間全ての平等と幸福の、あるべき道を説いているのだが……」
「そんなこととは何よ、この精神的奇形児! 天災児!
あんたが降伏したけりゃ、勝手にしなさい! 私は死ぬまで戦うわ!」
金切り声を上げるルイズ。ふぅ、と松下は溜息をつく。
「こんなところで『ご主人様』に死なれても、こっちが困る。
きみは『虚無の担い手』だぞ? メシアに匹敵する強い『命運』を持って生まれた、選ばれし人間なのだ。
まだきみの顔に死相は出ていない、今は死ぬべき時ではないのだよ。
降伏がいやならスカボローへ向かおう。トリステインもタルブも心配だ」
ルイズは少し落ち着いた。まぁ、むやみやたらと死にたくはない。
「……そうね、女王陛下だって本国で苦戦しておられるかも。国家存亡の危機を救わなきゃ!
あ、そうよ、私の『虚無』の力でこの場を何とかできないかしら?
ほら、タルブの時みたいに、あんたと協力して……!」
「そうそう都合よくいくもんかなあ。まあ、『祈祷書』を読んで、いい呪文を探しておいてくれ」
さて、深夜を過ぎて鶏鳴の頃、全力で逃走していた総司令部は、どうにかスカボローへたどり着いた。
そこへホウキに乗って、金髪の若者もやってくる。松下たちとは別行動をしているギーシュだった。
顔は蒼褪め目は血走り、胸には先日貰った勲章を沢山くっつけている。
「おお、きみはギーシュ・ド・グラモンくん! 無事だったかね!」
「ええ、お蔭さまで! ご無事で何よりですウィンプフェン参謀総長、いや総司令官閣下!」
ギーシュはほっとした。スカボロー港のフネは残り少ないようだ、さっさと逃げて来てよかった。生存への切符は先着順だ。
これでアルビオンから逃げられる、命が助かる。名誉も富も大事だが、それは命があってこそだ。
『命を惜しむな、名を惜しめ』というグラモン家の家訓は、美酒に酔っ払ってどこかへ置き忘れてしまった。
しかし、将校たちからは、ギーシュへの疑いの眼差しもあった。
「そうだ、きみは確かマツシタ伯爵と一緒にいたのでは? そのホウキは彼が作ったのだろう?」
「し、知りませんよ、ぼかぁ知りません、知りませんったら!」
「いや、反乱の首謀者として彼らが怪しいと言っているわけではないが、その可能性もあるな……」
「ふうむ、でギーシュくん、何かよい策はないかね? 少しでも敵の襲来を足止めせねば、我々の脱出も困難となる」
……いかん、怪しまれている。この場を何とか言い逃れなくては。
ゲルマニア軍が裏切るとは予想外だったが、恐らく反乱兵と同じような、何かの魔法のせいだろう。
ブラウナウ伯爵やジュリオくんは、きっと僕を見捨てたりしないはず。きっと。
そうだ、今こそ千載一遇のチャンスじゃないか。あの『悪魔くん』を死地へ向かわせ、暗殺させるのだ。
さすれば僕には3万エキューというカネと名誉が転がり込み、栄光ある自由とゲルマニアの武器工場の経営権が舞い込んできて、
モンモランシーを娶り美女を侍らせて、左ウチワで遊んで暮らせるんじゃないか。おお、チャンスは今しかない。
「そ、そうです! マツシタたち『千年王国』教団を、反乱兵やアルビオン軍とぶつけては!?」
ジュリオに飲まされた『魔酒』でアタマが少し変になっているギーシュは、苦し紛れに松下を裏切る言葉を口にした。
これも、黒幕の一人ダニエル・ヒトラーの策略のうちだったのだが。
「おお、それだ! それがよろしい!」
「あやつらは王軍でもないのに目立ちすぎますし、何だか熱狂的で気持ち悪い集団ですし」
「毒を以って毒を制す、だ!」
「悪魔には悪魔を、ということですな! 分かります!」
恐慌と混乱の極みにあった総司令部は、ギーシュの策に飛びついた。
ギーシュは再び、心からほっとする。しかし……。
「で、勿論きみも戦ってくれるんだよね? 我らの英雄ギーシュくん。彼らに連絡もせねばならんし」
「………………………………え?」
《今夜、鶏が鳴く前に、あなたは三度、私を知らないと言うだろう》
(新約聖書『マタイによる福音書』第二十六章より)
(つづく)
599 :
松下:2008/03/04(火) 20:33:28 ID:t8fpZNyk
投下終了。さて、イスカリオテのギーシュの命運やいかに?
史実のロサイスはスコットランドの首都エディンバラ近くの港で、
スカボロー(スカーバラ)はイングランド北部・北ヨークシャー州の港らしいですな。
アルビオンのスカボローも、多分南の方にあるんじゃないかなあ。ちなみにマクベスは昔のスコットランド王。
では、また。
松下くん、投下乙です。
ギーシュwwwwwww
文字通り墓穴を掘るとはw
狂科学ハンターREIから玲じゃなくてオーギュスト
ワルドをガンダールブのルーン無しで倒せる気がする
しかし宝物庫の破壊の杖がとんでもないオーパーツになりそうだな
タバサがヴィクトル・フランケンシュタインの遺産だったりしてな
フランケンシュタインなら和田慎二のサイラスに来て欲しいなあ
記憶が確かなら、スカボローはロイヤルネイビーの根拠地だったはず。
…どのへんだったっけ?
>>601 フーケのゴーレムを素手で投げ飛ばすタバサとか想像した。
たしかアリシアにもそこまでのスペックはなかったはずだが。
そういえばそのタバサ母親を自分の血で治せるんだよな。
響鬼さん呼ぼうぜ
>>606 響鬼の服代に小遣いが飛んでいってルイズが涙目に…
>>577 プロ。というか一文字隼人は戦場カメラマンだぞ
ポリシーでグラビア写真は撮らんくらい硬派だ
響鬼の変身はハルケギニア的には魔法の内にはいるのかな?
音叉を杖とみなせば先住魔法とは見なされない……か?
ルイズが鍛えに鍛えて鬼化?
ルイズははじめから鬼だ
ヤツは本物の鬼だ
(サイト談)
式神とか使うし魔法の一種と見なせそうだな。
音撃が魔化魍以外にどう効くかとかも謎だし、そもそも武器のメンテがキツそうな所が課題か。
本人でディスクアニマルのメンテしてたし、ある程度自前で整備できそう。
ただし、音撃鼓は一回こっきりの使い捨てだから、その辺りがネックだね。
むしろ、音撃斧の方が武器としては使いやすいだろう。
ヒビキさんならギーシュクラスまでなら素手で撃破できそうだ。
鍛えに鍛えた体はガンルヴが武器認定しそうだし。
はいはい、特撮、特撮(笑)
響鬼にガンダールヴでは最早オーバーキル。
直接的ではない能力を向上させるとか……むしろ虚無の使い魔ではなく一般的な使い魔的な能力であるとか。
……それでも響鬼さんならやってくれそう。
むしろ斬鬼さんという手もあるかもしれない。
223 名前:名無しさん 投稿日:2008/03/04(火) 21:56:55 [ Vdqzv4y6 ]
ま た 特 撮 か
特撮を嫌う特定の奴は毒吐きだけで吐いてろ。あそこから出てくるなよ。
>>616 だが、あの鬼さん達の得物は「楽器」ということも言える訳で。
620 :
マーリン:2008/03/04(火) 22:33:44 ID:enor7Fwq
批判だけする能なしは14へ進め。二度と戻るなよ。
>>616 きほん、銀色の鏡をくぐって呼ばれるわけだよね?
斬鬼さん空気になったみたいに消えちゃったし、音枷と烈斬はその時地面に落ちてたし……
死人は呼べないんじゃない? 呼んでも全裸から始まり変身道具は無いと言うw
と言いつつ風林火山楽しんで読んでるけどさw
獣王記〜Project Altered Beast〜のルーク・カスター召喚。狼男からドラゴンにさえも変身自在。
問題は変身シーンがかなりグロテスクなことと、作品自体がマイナーな事。
>>619 まさかの、響鬼=ウィンダー?
レコンキスタとかガリアとか、普通に相手に出来る軍団が出来そうだな。
ゼロヨンのチャンプを目指す為に異世界で使い魔になる本格派RPGのミニゲームはどうか?
帰宅する才人「お帰りなさい随分と遅かったね…どこに行ってたの?」
「ふぅん…友達と銭湯にねぇ…確かに石鹸の匂いはするけど微かにあのメイドの匂いとチョコの匂いもするね」ニコニコ
「ふふっw…てっきりチョコを食べながらHな事をしてベタベタになった体をあのメイドに洗ってもらったのかと思ったよw違う?」
「小賢しいマネをしたってサイトのことならスグに判るんだからね…あのメイドも悪いけどスグに誘惑されるサイトも躾が必要みたいね」ゴゴゴ…
とりあえず胸元に飛び込む才人
「ちょ、ちょっと…そうやって甘えて誤魔化そうったってそうは…ん…いかないんだから」
「こ、こらぁスリスリすると服が乱れるからやめて…そんなに甘えなくても後でいくらでもゆっくり甘えさせてあげるから…ね?」
「ん…も、もう!今はダメだって!…本当に甘えんぼさんねサイトは…今日だけだよ?今日だけ許してあげるんだからね…」(数十回目)
「今日は危ない日だから手でしてあげる…擦るだけ?擦るだけなら…」
数分後「満足した?え?まだ…ってこ、こら!入れようとしない!いつからサイトはそんな聞き分けの無い子になったの!?」落ち込むフリの才人
「…そんな落ち込むフリをしても無駄よ…だ、騙されないんだから…」数分後
「ね、ねぇそんなに落ち込まないでよ…最初からダメって言ってるし私も辛いけどサイトの為を思って…」落ち込むフリの才人
「…い、入れるだけだよ?」輝く笑顔の才人
「ふふっ可愛いなぁナデナデ…でも本当に入れるだけで絶対に外で出してね?約束よ?」
数分後「出ちゃう?外にお願いね…え?中はダメだって言ったでしょ?」泣きマネをしながらねだる才人
「あぁ!そ、そんな泣かないでよ……わ、判ったからもう泣き止んで?一回だけ、本当に一回だけだからね?いい?」
結局数回ヤってしまう才人
ココは何処ですか?真っ白な部屋でベッド以外なにも無くてまるで病室みたいで…
あ、点いたり消えたりしている…大きい…彗星かな?いや…違う…彗星はもっとバァーっと動くもんな…
無機質な部屋だなぁ…出られないのかな?ねぇ誰かいるんでしょ?開けてくださいよぉ…
誤爆スマソ
最後カミーユかよw
>>622 よぉ、我が同士。
さわり程度は書いたんだが……、
あいつ一人でほとんどの状況打破しちゃうもんで面白みに欠ける話にしかならんかった。
勝手に制限かける訳にもいかんし……。
>>626 あいつはどちらかと言うと、敵を倒す時一番グロイ。
631 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/04(火) 23:01:15 ID:oBOi+Ud+
>>622 知っている人がいて嬉しい。
彼は状況に応じて変身を切り替えられますからね。それにガンダ補正がついたら鬼に金棒。ドラゴンの誘導電気玉なんて百発ぐらいまとめて飛んでいきそう。
短編で書いてみたら面白そうですが。
>>632 先生!! マーマンが役に立ちません!!
635 :
622:2008/03/04(火) 23:27:57 ID:Mg27DiOP
>>633 そこは、
マーマンが役に立たないよ、ママン!
と言うべきだ。
ルイズ「あ、あんた達何者よ!!」
過去のてつを「仮面ライダーBLACK!!」
現在のてつを「俺は太陽の子!! 仮面ライダーBLACK RX!!」
未来のてつを「俺は炎の王子!! RX! ロボライダー!!」
平行世界のてつを「俺は怒りの王子!! RX! バイオライダー!!」
RXってバランスブレイカーってレベルじゃねーぞw
小ネタですが5分後に投下させていただきます。
元ネタ、タイトルはネタばれのため、伏せさせていただきますが、ご容赦ください。
>>637-638 ガンダールヴ化した日にはもう絶対無敵ライジンオー(違)。
敵対勢力のトップが全員頭を抱えているのが目に浮かぶようです。
春の使い魔召喚の儀式。メイジであるならば当然のごとく使い魔の召喚に成功する……はずだったのだが、ルイズと呼ばれる少女はそれが出来ないでいた。
ルイズは魔法が使えないと揶揄される。彼女が魔法を唱えれば生じるのは爆発のみ。しかし、ルイズは努力を積み重ねていた。
ただ、いくらその努力を積み重ねていようとも彼女は使い魔を呼び出すことが出来ず、本来ならば彼女はメイジ失格の烙印を押され、退学乃至留年という結果になったであろう。
だが彼女には幸運なことにもう一度チャンスが与えられた。それは教師であるコルベールが他の教師や学院長に嘆願した結果でもあった。
月が頭上に昇った今宵、ルイズは中庭に出ていた。コルベールの温情に答えるべく、魔法の練習をするために……。
繰り返される爆発音、眠りを妨げるこの騒音も、いつもは冷やかす生徒達は今夜だけはと、目を瞑るのであった。
沢山の書物を読んだ。
沢山の人に助言を仰いだ。
それでも結果がでない。明日こそは、明日こそは魔法を成功させて見せると誓い、練習に励むのであった。
そして日付が変わったであろうその時に、それは起こった。
ルイズが練習を切り上げようと思い、最後の一回と杖を振るう途中にそれは起きた。
いつもならば杖が振り切ってから生じる爆煙が杖を振る途中に起きたのだ。
そして月明かりによって明らかになる何かの影……この時ルイズは理解した。使い魔の召喚に成功したのだと……。
思わず小躍りして煙が晴れるのを待つルイズであったが、煙が晴れるにつれ、彼女の顔から喜びが消えていく。
そうどう見てもそこにいるのは妙齢の女性であったのだ。
ルイズは誰であるか問おうと一歩踏み出した。その時、女性が唐突に動き出した。
「ラジカール、レヴィちゃん、参上!」
なにやらピロリロリーンやらキュピーンとかいう擬音がついてきそうな挨拶をしでかしたのだ。
呆気にとられたルイズはレヴィちゃんなるこの人物をつぶさに観察する。スタイルは羨むぐらいに良い。黒髪を後ろでまとめている彼女の容姿は綺麗と言っても過言ではないだろう。
けどその格好はどうかと思う。彼女が美少女、少女と言われるような年齢ならば有りかも知れない。けど現実には彼女は美女であって美少女ではない。魔法少女チックな服装は痛々しい。
「誰……?」
辛うじてそう声を出すことが出来たルイズ。彼女はこの状況でよくまともな質問をしたと自画自賛していることであろう。
「魔法少女としての素質がいまいちな貴女を、スナック感覚で助けるために、ヘストンワールドからやってきた正義と平和の使者なのよ!」
くるくる踊りながらそんなことを言ってのける彼女をルイズは冷たい目で見ながら、スナックとかヘストンワールドって何?と心の中で思っていた。
決して突っ込んだら負けと彼女が思っていないということを弁明しておく。
ルイズの様子などお構いなく、ノリノリなレヴィちゃんは目をキラキラさせてルイズの両肩をがっしり掴んだ。
「悩み事とかあるでしょう! 言ってみて!」
鼻息が荒いレヴィちゃんはルイズをがくがく揺さぶる。
ルイズは絶対こいつは使い魔じゃない、そう思ったか定かではないが言い放つ。
「帰ってくれない?」
そんなルイズを素直じゃないツンデレかと思っているレヴィちゃんは尚をルイズに詰め寄る。
「ほらー、やっつけて欲しい人とか嫌いな奴とかいるでしょ! ほら!」
「いないことはないけど…」
折れた。ルイズは折れた。彼女のテンションについて行けなくなったルイズは用事が終わったら帰るのかしら、なんて思ったのか話に乗ってしまったのだ。
そして夜が明け、物語は魔法学院の教室へと移る。
w 支援
姉さん!支援
「なんだよ”ゼロのルイズ”、使い魔は召喚できなかったんじゃないのか?」
教室に入るなり行き成りいちゃもんをつけ始めたこの少年、マリコリヌとその取り巻きはこの後降りかかる災いを知らない。
「え? こいつ? うざったいやつって…」
「こんな感じでうざいのよ…」
妙にうきうきしたレヴィちゃんとは対照的に覇気がないルイズ。
「なんだちょこざいな。あんなもんひとひねりですよー♪」
それはルイズに語ったのか、それとも彼らを挑発するために言ったのか、理由はともかく結果としてマリコルヌとその他数名の生徒は激昂した。
「なにー!ルイズの癖に生意気な!」
どこぞのガキ大将のごとく顔を真っ赤にさせて襲いいかかる彼らを尻目にレヴィちゃんは踊り始めた。
「トカレフ、マカロフ、ケレンコフ、ヘッケラーコックで―――」
キラリラリンという効果音つきで踊るそれは彼女の魔法を使うための舞、そして……
マルコ逃げてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!
「見敵必殺ゥ!」
何とも頼もしい掛け声と共に現れたのは二丁の銃、それは彼女の相棒ソードカトラスに他ならない!
驚くルイズを尻目に銃口はマリコルヌの額に合わさった!
教室に響く銃声、悲鳴、怒号…そして……
「魔法じゃないの!」
「誰が?」
虚しく叫ばれるルイズの突っ込み。
「イェーイ! 物事なんでも速攻解決! 銃で!!」
一仕事終えて楽しそうに叫ぶ彼女にルイズはもはや突っ込みを入れる気もなくしてしまった。
「魔法なんて非現実的なものよりよっぽど確実な方法よ!」
高らかに笑い、そう宣言するレヴィちゃん。彼女はここが魔法学院とは知らない。
「ああ、風上のマリコリヌが風穴のマリコルヌになってしまった…」
誰ともなくそう叫ぶ声が教室に響く。
「頭痛いから教室に帰るわ……」
これは悪い夢、目を覚ませばいつもの日常が……。逃避を試みるルイズ、だがそうは問屋が許さない。
レヴィちゃんに首根っこを掴まれ引き止められる。
「何言ってんの?ここは教室だから帰るなんてできないぞぉ」
彼女の言うとおり。そもそも教室にいるのに教室に帰ることなど出来ないのだ。それよりもレヴィちゃんに突っ込まれるなんて……。
「そんなことより、今日はレヴィちゃんから素敵なプレゼントがありまーす」
「いらないいらない」
「何とこの銃をあげちゃいまーす!」
心の底から全力で拒否しようがレヴィちゃんには無駄無駄。無理やりルイズの手に二丁の銃を握らす。それはまだ発砲の余韻で銃口が暖かい。
「あ、それじゃあ時間だから帰るね! バイバ〜イ!」
こうして自己満足を思うさま堪能したラジカルレヴィは、ヘストン・ワールドに帰っていきました。
テンション爆超のまま。
あああああ!!!あの方フラグww
物語はここで終わらない。当然その後教室に踏み込んだ教師達によって、ルイズは事件の首謀者として拘束されてしまうのでした。
「ミス・ヴァリエール。君は、君はそんなことをする生徒ではないと信じていたのに……」
コルベールが目元を拭う。オスマンはそんな彼を気遣いながらルイズに優しく問いかける。
「何故こんなことをしでかしたのじゃ。君にはチャンスが与えられた…自棄になる必要はないじゃろう」
「ごめんなさいごめんなさい……」
ルイズは謝罪の言葉を口にしながら心の中で助けを求めていた……そしてそれに呼応するものが現れたのだ!
「マジカールメイド、ロベルタちゃん、参上!」(猫耳)
「お、同じくマジカルメイド、シエスタちゃん参上!」(猫耳)
続きません
投下終了です。
後悔はしてないけど反省はしてる。きっとあとで読み返して後悔するんだろうな・・・。
以上、ブラックラグーンよりレヴィ、ロベルタでした。コミック二巻のおまけ漫画のね…。
>>651 乙!
ブララグネタは誰かがやると思っていたが、まさかこっちが来るとはwww
十二分に楽しませてもらいました。
今までのどのルイズよりも不幸な気がするが……笑いが止まらんw
そして最後なんかキタ〜!! ちょっとまて、シエスタ。何故お前がそこに居る!?
マジカ〜ルツインズ☆ヘンゼルとグレーテルはまだですかw
GJだぜ!!
そして誰も覚えてないはずだが『ピッツアとか良くネ?』とほざいてた奴だが、何か書いてしまったw
まあ短編だしとりあえず投下してみる。『なぜJじゃねえの!?』と言う質問には『趣味です』と答えるぞ。
>>653 投下後10分くらい空けてから投下した方が良いかも。
ラジカルイズ乙。
ラブレス家の気持ち悪い女中その3
シエスタさん。 ホーッホアーッ!
空はいい・・・
死ぬなら空の上だ支援
Jならキングジェイダーも使えるなぁ
そろそろ良いかしら? 投下してみるとする。
支援とかしてくれたら、ゾンダーメタルをあげよう(なに
「空はいい」
それはルイズが召喚した使い魔の口癖。名前をピッツァと言った。
「ピッツァ! 朝ごはん食べに行くわよ!」
桃色の髪をした魔法学院の生徒が寮の窓から空へと怒鳴った。
数秒の沈黙の後、風を斬るような音と共に人影が窓から室内へと飛び込んでくる。
「マスター、食事は不要だと言ったはずだが?」
飛び込んで来たのは、鳥の頭部のような真っ赤な仮面を被り、奇妙な服な服を来た亜人。
裾がギザギザになった緑のマントが翻り、静かに地面へと足をつけた。
「食べられるんなら、飾りでも良いから食べなさい。人の形をした使い魔を虐待してるみたいじゃない」
「ふっ、プライドの問題か。そういう事ならば仕方が有るまい」
無愛想なのはマイナスポイントだが、ルイズはこの使い魔がそれなりに気に入っている。
『ゾンダリアン』なる聞いたことも無い亜人であり、戦闘力 特に飛行能力がとても高い。
自由奔放に見えて、イザと言う時はいつの間にか現れる忠義心もポイント高めだ。
「おっ! 『我らの翼』が来たぞ!!」
「おはようございます、ピッツァさん」
ルイズの指示通りにピッツァが向かうのは厨房。他の生徒達は亜人と食事を共にするのは抵抗が有るらしく、諍いを起こさない為の対処だ。
もっとも召喚されて早々、某土のドットメイジに難癖をつけられていたメイドを助け(本人にそんなつもりは無い)、厨房ではその地位を確立されている。
『我らの翼』
それはシエスタを庇い、メイジを目にも留まらぬ速度で翻弄し、撃破した彼に対する厨房のメンバー、学園の平民なりの敬称だった
「こちらへどうぞ!」
「あぁ、世話になる」
特に彼に助けられたメイド シエスタは熱を上げていた。マルトーから渡されたシチューとパンをピッツァの前へと並べる。
「あのっ! 今日はちょっとだけ私が作ってみたんですけど、どうですか!?」
「わからん」
「……」
ただ残念な事に寡黙な亜人は『空』と『闘い』以外には興味が薄いらしい。
私の本当の名は・・・・支援
ある昼下がり、学園では午後の授業が始まる頃、その上空を縦横無尽に飛び回る者が居た。
それは鳥ではなく、マントを翼のように広げた亜人だ。
口から漏れた感想は料理を食べたときは出てこない純粋な感性と思考の結果だった。
「やはり空は良い……しかしこの世界の空のなんと美しいことか」
ここには自分達ゾンダリアンが侵略を狙う、中途半端に機械化された文明の空に特有の澱みがない。
太陽系第三惑星地球で言う「中世」程度の科学力しかないハルケギニアには、化石燃料を燃焼させて動く動力機関は存在しない。
当然それによって排出される物質は存在しないか、存在したとしても極僅かだ。
「故にゾンダリアンとしての能力は使えないが、この美しい空とならば釣り合いも取れるというものだ」
最高の敵手との一騎撃ちの後、使えるべき主へと反逆し、空へと果てたはずの自分が何故このような場所に?
数秒思考を試みて、ピッツァの有機混合型電子頭脳はすぐさまその演算を放棄した。別に構うまい。
『ゾンダリアン』であることよりも、『■■■■』であることよりも、『戦士』である事を優先したこの俺がどうして考える必要があろう?
「どんな場所でも空を駆け、敵を倒す存在。それで良いはずなのだ……むっ!?」
不意にピッツァは己を追い越すように飛翔する物体に目を奪われた。
いかに戦闘時のような全力を出していないとは言え、彼の速度に追いつくのはメイジのフライでも無理だ。
速度や持続性においてフライの魔法はピッツァの翼には遠く及ばない。ならばいま彼を追い抜いた物体は?
「アレは……ドラゴン?」
青い鱗に覆われ、しっかりとした翼を広げるその姿。人間とは異なる飛行を己の生業とする存在。
完全に風を読み、味方につけるその器量。そして……ちらっと振り向いてウィンドドラゴンは『笑った』のだ。
ソレは挑発、ソレは挑戦。
「面白い!」
ソレを受けピッツァも笑みを浮かべる。何時もの様子からは想像もできない楽しそうな笑みを。
『空での戦い』ほど彼を熱くさせるものはない。己の出力のギアを二つ上げ、青い機影に肉薄する。
『信じられないの! 亜人が私に空で追いつくなんて!』
「ふっ! この程度か!? 青き翼の竜よ!!
『まだまだなのね〜キュイキュ〜イ!!』
一瞬の会話の後、一人と一匹はすぐさま無言へ。そしてその速度が更に上がった。
直線での速度で決着がつかなければ急上昇や急降下を繰り返し、急減速と急加速を組み合わせ、空を天へ地へと縦横無尽に飛び回る。
雲を突き抜けるほど上昇したかと思えば、地面に落下するような急激な降下。
疎らに生えた木の間をジグザグに飛び、尖搭の周りを僅かな振れ幅で旋回する。
一瞬で追う者と追われる者が何度も入れ替わり、攻撃こそ飛び出さないがそこには熱い戦いがあった。
「ふっ……やるではないか」
結局二人して学園に帰ってきたのはいつの間にか青い空が茜色に変わってから。
目的など無い無限の闘いを終えた二対の翼は色濃い疲労とともに健闘を称え合う。
『お前も大したものなの、キュイキュイ。私はシルフィード、貴方は?』
「ピッツァだ。私に空で喰らい付いて来たのはお前が二人目だぞ。
……ところで恨めしそうな視線を向けている青い髪の小娘はお前の主人か?」
いつの間にか青い髪の少女 タバサは興味深そうに、または怒りを滲ませながら二人を睨みつけていた。
搾り出される感情を廃した声は逆に恐怖を煽る。ピッツァは別に良いとして、シルフィードは堪らない。
「喋っちゃダメって言ったのに……」
『おっお姉さま!? でもピッツァは使い魔だし…「問答無用」…なにするのやめ(ry』
結果から言えば……シルフィードの敗北と言えなくも無い終焉だった。
その夜も習慣のようにピッツァは腕を組んで空を見上げていた。身に纏ったマントの裾が僅かに夜風に揺れる。
昼間でも実感できる透明な空気は夜ならば尚のこと容易く実感できる。そう、邪魔するものが一切無い満天の星空。
「ピッツァさん!」
「ん?」
不意にかかる声にピクリと僅かながら彼の肩が震えた。それは恐怖によるものではなく、純粋な驚きによるもの。
何せここは学園内でもっとも高い搭の上。広く人が数人乗ることが可能だが、何せ階段など無い。
メイジならばフライやレビテーションで上がって来ることも可能だ。
だが生徒達は自分の事をさんづけで呼ばないことくらい、ピッツァも認識している。そしてこの声は……
「シエスタ?」
「はい……よいしょっ!」
搭の縁にかかった大きいとは言えない手が引っ張り上げるのはシエスタだ。
転がり込むように搭の頂上に収まったメイド少女はピッツァの足に寄り添うように腰を下ろす。
「中々無茶をする。下りる時は如何するつもりだったんだ?」
「えっと……ピッツァさんに連れてってもらおう!って思ったんですけど……ダメですか?」
「私はしばらく降りんぞ?」
突き放すような冷たい言葉。だがソレにもシエスタは笑顔で答えた。
「じゃあ降りるまでお付き合いします」
「好きにしろ」
数分、いや数時間だったろうか? 二人は同様に空を見上げ続ける。
そこにはどんな『他』も存在せず、時間は決して変革を齎さないような不思議な空気に包まれていた。
「空……お好きなんですね?」
最初に沈黙を破ったのはシエスタだった。夜空を見上げていた視線をピッツァに向けて問う。
これだけ空を眺めていられれば誰もが『空が好きなんだろう』という予測を容易くできる。
その問いにもシエスタへと視線を向ける事無く、彼は空を見上げたままで答えた。
「空はいい」
答えになってない気がするぞ。だがシエスタは何故か納得したように頷いた。
その様子を確認したわけでもないのだが、ピッツァは更に言葉を続ける。視線を合わせない会話だが、何故かリズムが一致していた。
「私は戦士だ。空で生まれ、空で育ち、そして……」
『死ぬなら空の上だ』
そんな言葉を年端も行かないメイドの少女に聞かせるべきだろうか?
彼なりの僅かな優しさを含めた葛藤なのだが、シエスタが口にした言葉がピッツアに更に大きな疑問を生む事になる。
「ピッツァさんって私のお祖父ちゃんに似ているんです」
「?」
「お祖父ちゃんは遠い東の国から飛んできたそうで……」
そこから始まるのはシエスタの祖父、半生の物語。
マジックアイテムで空から飛来した異邦人がタルブの村で生活を始め、伴侶を作り、子供を儲け、孫に恵まれて、老死するまでの話。
空飛ぶマジックアイテムに多少興味を引かれつつ、ピッツアはシエスタの語るに任せた。
そのシエスタだが口に出すうちに祖父の事を思い出したのか、徐々に涙声になる。
フワリと目の前を掠めた緑のマントで涙を拭い、『その祖父とピッツァが似ている』と言う意味の本懐へと言葉を紡ぐ。
「お祖父ちゃんもこんな風に、よく空を見上げていました。昼も夜も……長い間……」
確かにソレならば自分の行動とは重なるとピッツァは判断。だがシエスタの言葉はそれだけでは終わらない。
やっぱりピッツァ格好良いわ……支援
「見上げながらピッツァさんみたいな顔を…えっと…そう! 雰囲気が似てるんです!」
「ふむ? では私やその祖父はどんな雰囲気をしているのだ?」
他人からの評価と言うものを余り耳にしないし、気にもしなかった生涯を思い返して彼は問う。
こんな時でもピッツァはシエスタの方へと視線を向けない。だが祖父での経験か? シエスタは馴れた様子で語る。
「夢見る子供のような純粋さ、戦う騎士様のような凛々しさ。
そして……許せる条件ならば嬉々として死んでしまう……うぅん、違う……
理想の死を目指し、死にたがっているような……危険で儚い雰囲気です」
「っ!?」
『戦士として死にたい』
その目的の為にゾンダリアンに身を落としてまで、戦いに生き続けた男の胸にそのシエスタの言葉が突き刺さった。
初めて語り合う相手へと視線を向けたピッツァが見たのは、慈愛の微笑に悲しみを乗せた少女の顔だった。
「お祖父ちゃんはこうやって空を見上げながら、よく言ってました。『死ぬなら空の上が良かった』って。
ピッツァさんもそんな事考えていませんか?」
戦士としての死を求め、幾つもの星を機械昇華させて来た生機融合体がこんな小娘に心理を見破られ、衝撃を受けるとは思っても見なかっただろう。
数秒の沈黙の後、ピッツァが返す。
「そうかもしれん……だがその前にやるべき事がある」
「? なんですか?」
「戦士として死ぬには、戦士として生きねばならない。
空で死ぬには、空で生きなければならぬ。
成すべき事は死のみではないのだ。まずは……お前を下まで送らねばな」
マントの下で組んでいた手をバッと広げることで、体に巻きついていたマントが羽根のように広がる。
「えっ? えぇっ!?」
驚くシエスタを片手で抱き寄せ、ピッツアはその身を宙へと躍らせていた。
「スゴイ! 私……飛んでる!?」
シエスタの知識からすれば飛べるのはドラゴンとメイジと鳥だけ。
亜人の特殊能力だろうか?と首を傾げつつ、頬を打つ風の感覚と大きく移り変わる景色に、感激のタメ息が出た。
そんな彼女の様子に『類を得たり』とピッツアは問う。同じ思考の人物を知る者に心理を言い当てられたのだ。
逆にピッツァがシエスタの祖父の言葉を予測することは実に容易い。
「お前の祖父はこうも言っていなかったか?『空はいい』と!」
「クスッ……言っていました、もう一度飛びたいって!!」
「では祖父に代わってお前が空を存分に味わえ!」
「はいっ!」
空で生き、空で死ぬ事を望んだ兵士の異世界での一コマ。
以上です。
本当はタルブの村とか竜の羽衣とか色々やりたかったのだが、次回に持ち越し〜
とりあえず前後編みたいな形になるのかしら?
イヤ〜久し振りにこのスレで書いたな、しかしw
>>667 Jじゃないのがまたいい味を出してるじゃないか。
これはGJでは足りないな。
という事で、
さすがだ勇者!
乙です。
続きと祖父に期待。
この様子だと羽衣はジェイアークか、ジェイバトラーか……
いずれにしても楽しみだ
>>667 眩い誓いGとJ
まあ、その話のピッツァには今の所どっちも関係ないけどな!
投下乙です。
元ネタ知らないのに、思わず(・∀・)ニヤニヤしてしまった。
こういう未知の作品への興味を喚起してくれるって意味では、『クロスSSはいい』なw
タルブでJに覚醒するとかかなぁ
続きが気になる
>>651 乙です。まさかオマケネタで来るとは……でも上手い事合ってて良いなぁw
内容的に一発ネタにならざるを得ないのが残念な位です。
>>667 乙です。ピッツァが上手く活かされてて良かった!
Jだと既に守るべきものとか、最終的に相方とか出来ちゃうから案外ピッツァのが合うのかも。
次回も期待してます。然しルイズはシエスタに大きく水をあけられた感が……w
シエスタは、一歩間違えるとヤンデレだと思っちょる。
レコンキスタを影から操っているジャーク将軍と四幹部
678 :
ゼロの魔獣:2008/03/05(水) 00:46:15 ID:FlKQfUA+
5分後に投下してよろしいですか?
支援
支援するっす!
「ゲッタアアァァァ トマホオオォォォクゥッ!!」
ルイズの絶叫が轟き渡る。
右手に灼熱の闘志を込め、握り締めたレバーを力いっぱい押し倒す。
主の激情を受け止めるが如く、ロボの両眼が力強く輝く。
直後、ドシュウゥッ、という重低音を響かせ
巨大ロボの右肩のハッチから、何者かが高速で射出される。
飛び出したのは特殊合金のカタマリ。
放射線の影響を受け、音速の世界を突き抜けながら、鉄隗が分裂、増殖、変形を繰り返す。
ボコボコと膨らむ棍棒の側面から、ジャキリと肉厚の刃が生え、巨大な斧へと変化を遂げる。
重心の変化が高速回転を呼び、直線的だった軌道が大きく捻じ曲がる。
破壊の権化と化した大車輪が、箱舟の甲板を砕き散らしながら二人に迫る。
「うおおッ!?」
かろうじて我に返り、横っ飛びで難を逃れた慎一の脇を、ギロチンの烈風が通過する。
膨らみ続ける巨大な的に、避ける余裕はない。
「「「ウボえあアアアアぁアアァァああああ!!!!」」」
巨体の半ば以上を切断する鉄隗の一撃に、肉ダンゴの中の獣たちが多重奏を奏でる。
トマホークの勢いは止まらず、箱舟の内部まで突き刺さって、シャフトを甲板へと縫い付ける。
「まだまだああああああ!!!」
「や ヤヴェろオオおおおおおォォオオオ!!!!」
ルイズが特攻する。
磔となった獲物目掛け、赤い機体が稲妻の如く加速する。
ド ワ オ
―と
二本の角が身動きの取れないデカッ腹をブチ破り、
巨大ミートボールを摩り下ろしながら、箱舟の下層へと巻き込んでいく・・・。
慎一の耳には、ボゴンボゴンと箱舟の床を突き抜ける音だけが聞こえていた。
・
・
・
>>651 レヴィをなぜかラビィと勘違いして?にw
ロベルタでやっとブラクラだと気づいて、でもブラクラってこんな話なのか?とww
おまけですか、GJ!!
>>667 原作知らないのでどんなキャラかは知らないがかっこいい!
GJっす!!
― 箱舟 中心部
頭上の大穴から降り立った慎一が見たのは、巨大なメイン・コンピュータに、対手を磔にしているイーグル号だった。
直ちに頭部のハッチをこじ開け、中からルイズを引きずり出す。
バイザーが大きく割れて気を失ってはいるが、特に外傷は見当たらない。
コルベールの暴走に感謝しつつ、デルフを担ぎ、ルイズを脇に抱える。
―シャフトはまだ息があった。
串刺しとなった肉隗の頂点、痙攣する血みどろの頭がちょこんと乗っている。
「無様なもんだな シャフト・・・」
船内のあちこちで、ドウオズワオと爆発音がこだまする。
ズズズ・・・と地響きがして、一科学者の野望を乗せた要塞が、緩やかな落下を始める・・・。
「俺にしてみりゃあ テメエなんざ所詮十三分の一だ
こうなっちまったら もう手を下すまでもねえ・・・
ゆっくりじっくり時間をかけて ミジメにくたばるがいいぜ」
シャフトは答えない。
震える唇で不気味な笑顔を作り、ふるふると頭を振るう。
ひしゃげたサングラスがずり落ち、カツン、と金属音をたてる。
―シャフトは眼球が無かった・・・。
窪んだ眼窩の奥にあるのは、ぬらぬらと蠢く液体のような虚穴。
キィキィとい耳障りな泣き声が聞こえ、甲虫のようなグロテスクな生物がカサリと動く。
肉隗のあちこちから紙魚のように虚穴が広がり、両目の穴からシュルリと触手が伸びる。
「ッ!? シャフト!! テメエ・・・!」
慎一が叫ぶと同時に、シャフトの穴という穴から虚空が噴出した。
・
・
割り込んじまった… 申し訳ない… orz
支援
「・・・ン・・・」
激しい揺さぶりを感じ、ルイズが目を開ける。
目の前に現れたのは、慎一の横顔・・・。
「シンイチ! 見た! 見た!?
あたし 敵の親玉をやっつけたわ!!」
「よくやった! しゃべるな!! 舌噛むぞ!!」
慎一の間抜けな叫びに辺りを見回す
崩れ落ちる箱舟の中、慎一に抱えられて飛んでいる。
―そして・・・。
「・・・シンイチ!? 何!? 何なのアレは!?」
「しゃべんなッて言ってんだろうがッ!!」
だが、この場合うろたえない方が無理というものである。
足元に広がる暗黒のプール。遠くから近くから聞こえる断末魔の嵐・・・。
そして・・・ その中を悠然と泳ぐ異界の生物達。
甲板に飛び出した慎一が、落下速度を増す箱舟を駆け抜ける。
「・・・! アレって ウェールズさま!?」
傾く甲板を滑り落ちる亡骸を拾い上げ、慎一が飛ぶ。
その目の前に、見覚えのある風竜が現れる。
乗っているのは、赤髪と青髪の少女。
「乗って! ダーリン!!」
「泣かせる登場するじゃあねえか!? どこで出待ちしてやがった!」
軽口を吐きながら慎一が飛び乗る。 タバサがシルフィードを急旋回させる。
直後、箱舟の甲板を突き破り、暗黒が間欠泉の如く吹き上がった・・・。
・
・
ズズン・・・と音を立て、猛烈な砂煙を上げながら箱舟が不時着する。
大破した船の残骸、その表面をぬらぬらとした異形が塗りつぶしていくのが遠目にも分かる。
「ダーリン・・・ アレは 何なの?」
「ドグラだ!」
キュルケの問いかけに、シンイチが憎憎しげに答える。
― かつて、虚空での戦いの中、神の尖兵の持ち出した『兵器』のひとつ・・・
生物の体に取り付き、虚穴を広げ、自らの宇宙を作り出す化け物。
空間を奪い合うため創られた、虚空のような生物兵器。
自分なら制御できるという驕りから、シャフトが体内で飼っていたものなのか?
あるいは、全てが『神』の掌の上だったのか・・・?
いずれにしろハルケギニアは、空間侵略という、有史以来の危機に曝されていた・・・。
箱舟が見下ろせる小高い丘へと降り立ち、慎一は対策を考える。
ドグラに対抗しうる手段は、大きく分けて三つ・・・
ドグラが成長する前に、焼き払うなどして破壊する。
空間跳躍を使い、敵を彼方へと『追放』する。
相手よりも巨大な空間を支配して、その力を完全に掌握する。
現時点で、ドグラの破壊は不可能となっていた。
シャフトの巨体全てがドグラ化し、既に箱舟は彼奴等の巣窟となっている。
未だ真理阿の力が目覚めぬ今、『追放』も『掌握』も慎一には不可能だった。
箱舟サイズまで成長してしまったドグラが、タルブの大地を飲み込むのは時間の問題である。
そして・・・ ドグラ宇宙を通じ、『神』の尖兵がハルケギニアの地に光臨するであろう・・・。
「・・・キュルケ、タバサ お前らは姫さんの所へ行って 全軍を引き上げさせろ
ああなっちまったら もう 焼こうが凍らせようが手遅れだ」
言いながら、慎一がキュルケへとデルフリンガーを手渡す。
タバサは頷きながら、ウェールズの遺体に自らのマントを被せる。
「待って シンイチ・・・ あなたはどうするの?」
「・・・・・・」
「何か 打つ手があるの?」
「・・・ある!」
慎一の断言に、キュルケもまた覚悟を決める。
「分かったわ ・・・無理だけはしないでよ ダーリン」
「シンイチ 死んでは駄目」
二人は慎一を激励すると、トリステイン本陣へと飛び去っていった。
・
・
丘の上には、慎一とルイズの二人だけとなった・・・。
「でも・・・ どうするの シンイチ?
どうやってアイツを止めるの・・・?」
慎一は、無言で箱舟を指差す。
異形がひしめくドグラの海を、イーグル号が浮島のように漂っている。
「イーグル号はまだ死んじゃいねえ・・・
今から俺がもう一度飛び込んで アイツの炉心に火を付ける」
「そんな!」
「黙って聞け! ここからが大事だ。
エンジンがフル回転して 炉心が臨界状態に達したその時に・・・
お前の『魔法』で、イーグル号を誘爆させるんだ」
「・・・ッ!!
バ バカな事言ってんじゃないわよッ!?
そんな事したら アンタは・・・
それに この大地だって無事ではすまない・・・」
「問題ない」
慎一が言い放つ
「お前が魔法を発動した瞬間に 俺が真里阿の力を解放する
真里阿は生じた爆発をエネルギーに変えて 虚空へとつながる『門』を開く
うまく行けば あの粗大ゴミを宇宙に投げ捨て 俺は地球にオサラバって寸法さ」
「そんな事・・・」
慎一はコンビニにでも行くかのような気楽さで語るが、それは、あまりにも儚い可能性。
もし、イーグル号が故障していたら
もし、ルイズの魔法が失敗したら
もし、真里阿の力が目覚めなかったら
全ての条件をクリアした上で、慎一が元の世界に戻れる確立は・・・
「無理 無理 無理よ・・・ シンイチ
あなたは私を買いかぶってる 私には あなたが思っているような・・・」
「出来るさ
さっき お前が助けに来てくれた時な
正直 俺ァ 震えたぜ・・・
前にお前のこと 『恐るべきメイジ』と言ったが 訂正するぜ
お前は 『恐るべき女』だ!」
「・・・なによ それ・・・」
「それによ・・・
今の俺は 始祖ブリミルの加護とやらを信じてみたい気分なんだ
この絶体絶命の状態で 1パーセントの可能性を残しやがるなんざ
お前らの神様も ずいぶんと粋な計らいをするじゃねえか?」
「・・・・・・・・・」
「ちょっとばかし『伝説』ってやつを作ってやろうか? 『ご主人様』よお」
「・・・分かったわ
やる・・・ やってみせる・・・!
せいぜい足引っ張るんじゃないわよ 『使い魔』!!」
ヘッ、 慎一が笑う。
ルイズも不敵に笑う。奥歯がカチカチと鳴る。
慎一が、バサリと翼を広げる。
「あばよ! ダチ公!!
楽しいバカンスだったぜ!」
拍子抜けするほどの陽気さで、慎一がドグラの海へと飛び立った。
689 :
ゼロの魔獣:2008/03/05(水) 01:01:12 ID:FlKQfUA+
以上で投下終了です。
支援ありがとうございました。
打ち切り漫画っぽい展開を交えつつ続きます。
乙です。
これは燃える。
元ネタ知らないのに夢中にさせるSS!
GJ!!
お〜意外とピッツァ好きが多くて一安心。名言認定かしら「死ぬなら空」はw
そして逆に知らない人も多くて驚きだぜ。
あとピッツァ書いて勇者と呼ばれるとはコレいかにw
確かに眩い光、GとJには全く関係ないね、後編ではZが活躍?
色々と次回予想がされてますが、私は皆さんの期待を良い方にも悪い方にも裏切ります。
≫実例『アン様の使い魔はでかいヤドカリ』とかねw
ふとカオスレギオンからジーク召喚とか思い付いた
ガンダもヴィンダもミョズもいまいち当てはまらないから記すのも〜だろうけど
問題は竜の羽衣に相当するものがないことだ
空中戦が全くできん
>>693 なんだっけ、あれ。究極のレギオンいなかったっけ。
うお、途中で送信してしまった。
ゲーム開始時に砕かれたアレのかけらってことにすれば。
>>694 小説ではかろうじてファーガスが飛んでるだけだし、
ゲーム準拠ではタナトスちっちゃくてどうにもならないんだぜ
そういや小説あんだっけな〜
PS2版ゲームしかやってないわ。
狙った敵の死角へテレポートしてサイコクラッシャーするだけじゃだめか。
698 :
ゼロの軌跡:2008/03/05(水) 01:50:22 ID:i7h/68vQ
魔獣の人乙です!!
もすこししたら空気読まずに投下していいだろうか?
>>692 あんただったのか
GやFで追加された連中に期待してもいいかい?
皆口支援
>>695 タナトスは幼生から始まるから復活直後は正直弱いという無残なことに…
てか小説版の「戦うことでしか晴らせない、強い恨みを晴らさせるために死んだ人間の魂を使役」っていうの見て、
アルビオンの軍人とかウェールズの魂を魔兵にしたら、対アルビオンで燃えじゃね?って思ったんだ。
王女様の脇の自分の屍体を見て魔兵と化したウェールズが〜とか妄想
支援
>>692 ちょwwwモンハンの人だったのかよwwwww
262 名前:名無しさん 投稿日:2008/03/05(水) 01:54:25 [ Eb3rv572 ]
特撮雑談に毒吐き
お前らのせいで特撮作品全般が白い目で見られるから続きが投下しづらいんだよ
そんなに雑談したいなら特撮板に行ってくれ
軌跡支援
706 :
ゼロの軌跡:2008/03/05(水) 01:59:38 ID:i7h/68vQ
ゼロの軌跡
第三話 杖とオーブメント
まだ日は傾き始めていないにもかかわらず学院長室はひどく薄暗かった。
カーテンでも閉じているのかと思えばそうではない。部屋に入れない<パテル=マテル>が、まるで籠の中の小鳥を狙う大鷲のように窓の外に張り付いていたからだ。
わずかに差し込む細い光はコルベールの禿げ上がった頭、そこに浮く冷や汗を見せ付けるかのように照らし出していた。
白刃の上を素足で歩いているような緊張感を覚えるコルベールだったが、部屋の隅にいる彼はまだ立場的にも位置的にも気楽である。
レンと差し向かいで必死の交渉を行っているオスマンは既に胃が痛みを訴え始めていたし、秘書として同席しているロングビルはその視線を彼女の真正面の窓から外せずに固まっている。
「ふうん…ではこうしましょう。レンからの要求は三つ。
私と<パテル=マテル>の行動の自由と衣食住の提供。そして元の世界に送り返す方法を探すこと。
これを呑んでもらえれば、私から手を出すことはないと約束するわ」
「うむ…わかった。その条件を呑もう」
「うふふ、親切なお返事ありがとう。オールド・オスマン。
これからよろしくお願いするわね」
話は少し遡る。
ルイズが倒れた直後に飛んできたオスマンはその事態の容易ならぬことを見て取り、
おそらくは元凶であろうルイズに対して密かに悪態をつかずにはいられなかったが、ともかくも学院の責任者として事を収拾すべく行動を開始した。
<パテル=マテル>に吹き飛ばされながらもさしたる怪我もなく済んだコルベールがルイズの息があることを確認すると、オスマンはロングビルにルイズの介抱を指示。そして<パテル=マテル>を擁して彼らに得物の切っ先を向けるレンの説得に取り掛かる。
レンと<パテル=マテル>に何もしないと誓うのは容易いことだったが、武器を捨てろとの宣告には正直辟易した。
天下の魔法学院長を春先の草原で下着姿に剥ぐとはどういうつもりじゃ、と声を大にしたくはあったが、<パテル=マテル>が急かす様に蒸気を噴出すのを見ては口を噤まざるを得ない。
第一杖があった所で何かするわけでもない。正体不明の超兵器に対して一天地六、目の分からない賭けをする気にもなれず。ましてや掛けるチップが自分の命とこの学院とあっては是非もなかった。
まったく、なんという厄日か。
半裸で寒さに震える彼がレンをどうにか説得し学院長室に戻った頃には、心中で始祖ブリミルを罵る為の語彙もとうに尽き果てていた。
707 :
ゼロの軌跡:2008/03/05(水) 02:00:38 ID:i7h/68vQ
オスマンとの会談、いや一方的な要求を終えたレンは学院長室を辞した後に客室へと案内された。
レンならゆうに五人は寝られそうなの大きさのベッド。備え付けられている家具は例外なく高級品であったし、壁の鏡は曇り一つない。 窓や扉は言うに及ばず、ドアノブから櫛に至るまで精緻な装飾が施されていた。
おそらくは王族級の賓客の為に用意されている部屋なのだろう、とレンはあたりをつける。
この部屋だけでもこの学院の人間がレンをどう見ているか分かろうというものだ。
腫れ物。融通も利かなければ感情の制御も出来ない、まさに子供。
「<パテル=マテル>、いいお部屋ねー。あなたも入れれば良かったのに」
窓を開けて、庭に立つ<パテル=マテル>に話しかける。嬉しそうにたてられた駆動音を聞いてレンは幾らか溜飲を下げた。
しかし、レンにとってもこの状況は些か満足のいくものではなかった。いま少し正確に表現するなら、この世界の奇妙さというか、不可解さがどうにも気になるのだった。
オスマンとの会話の中で生まれた齟齬、不審に思って問いただせばそこに大口を開いて待っていた未知の絡繰。
「四つの系統魔法に伝説の虚無?」
オスマンからその言葉が出たとき、レンは思わず鸚鵡返しにそう問いかけていた。
もしや、ここの連中は邪教徒で夜な夜な危ない宗教儀式でも催しているのではなかろうか。
別に七耀教会に肩入れしてるわけでもないし、どこぞの不良神父のように外法の徒を狩る趣味もレンにはない。本来なら放っておいてもいいのだが、巻き込まれるのなら話は別だ。
なし崩しに外法認定されて、教会の守護騎士達に束になって追ってこられては堪らない。
レンの剣呑な雰囲気が伝わったのか、オスマンは慌てて実演する。フライといったコモンマジックから、偏在や錬金などの系統魔法。
それを見てレンは考え込まざるを得なかった。
レン達が日頃使っているオーバルアーツとは似ても似つかないものだったからだ。攻撃用の魔法ならともかくも、錬金などは今のオーブメントでは実装できそうにもない。
そもそもオーブメント理論云々どころの問題ではなく世界の根幹、物理法則を根底から揺るがすものだ。
それは既に神の御業。余程高位の古代竜などならやってのけるのかもしれないが、人間程度が行使できるものとは到底思えない。
その上、彼らはオーブメントを一切所持していなかった。
レン達がオーバルアーツと呼ぶ導力魔法は戦術オーブメントにクォーツ、七耀石の結晶回路をはめ込み、そこから現象として力を取り出すものだ。
オーブメントの精密さ、クォーツが内包している七系統の力とその組み合わせによって多種多様のアーツが使用可能になる。それなりの訓練を受ければ老若男女、身分も人種も問わず行使できる導力魔法。
708 :
ゼロの軌跡:2008/03/05(水) 02:02:13 ID:i7h/68vQ
それが彼らに言わせればどうだ。
やれ使える魔法は四系統だの、行使できるのは貴族だけだの、杖を使うだのと。
既に共通点を見つけるほうが難しい有様だった。
それに加えて胡散臭い始祖ブリミルの伝説、機械という概念すら発生していないことなどを考え合わせると、次第にレンの中で疑惑の雲が湧き上がってくるのだった。
この世界は<リベル=アーク>のアーティファクトが作り上げた虚構世界だとばかりレンは思っていた。
演算装置にバグでも起きてそこに取り込まれたのか、とその程度の認識だったのだ。
だからレンはこの世界に来たのだ。もしかしたらまたみんなに会えるかもしれない、エステル達と冒険できるかもしれないというそんな淡い期待を、頭では拒絶しながら心の奥底で抱いて。
それは、ただの自分に都合のいい願望に過ぎなかったのではないか。
この一見牧歌的な世界は、
空の女神エイドスの加護も、七耀の輝きも、
あのエステルやティータの手すらも届かない全く別の次元世界なのではないか。
自分のあまりの愚かさに思わずレンは歯噛みする。
己の見たい夢だけを見て、盲目的なマーチを歌ってしまった。
「これじゃあもう、エステルをおばかさんって笑えないわね」
苛立ちを冗談に変えて、レンは立ち上がった。
この世界がなんなのか、まだ明らかになってはいないのだ。
ならば、今の彼女がなすべきことはただ一つ。
「偵察に行きましょ、<パテル=マテル>。
この学院をお散歩するの!きっととっても気持ちがいいわ」
709 :
ゼロの軌跡:2008/03/05(水) 02:07:05 ID:i7h/68vQ
支援感謝です。心に沁みます。
第3話 投下終了です。
乙であります!
GJです。
どうやらルイズはレンを使い魔にし損ねたみたいですね。
まあレンの性格を考えりゃ当然か。
続きを待ってます。
712 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 06:58:37 ID:sD6xSXzU
エルンスト・フォン・バウアー大尉&アーカード召喚!
バウアー「おのれ露助!情無用、フォイア!!」
アーカード「お嬢ちゃん、処女かい?」
>>712 実在の人物召喚しちゃらめぇぇぇ
あと、アーカードは姉妹スレにな?
やれやれ…
それがどうした!
バウアー大尉はいいんじゃないの?
よろしい、ならばクリークだ!
ゼロの軌跡乙です
セクハラ関連以外でオスマンがひどい目にあうというのは珍しい?
>>712 バウアーはバウアーでもジャック・バウアーの方だったり
召喚から24時間でどこまで話が片付いちゃうのやら
719 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 09:44:52 ID:sD6xSXzU
>>713 バウアー大尉は実在じゃない筈よ。モデルになった人とかいそうだけど。
それにしてもいいねえ!情無用、フォイア!
シモ・ヘイヘ(2002年没)召喚。
ただの無口な小男と失望するも、驚異的な弓矢の能力に絶句。
ただの平民と思って舐めて森に入った部隊が全員帰ってこなかったり
相手をしないといけなくなったメイジが遺書を書いて向かったり
相手をした奴の死亡率が100%越えだったりするのか
素でガンダの奴を使い魔にしてもアレじゃん
あの人はスコープにも頼らずに狙撃したのがいいんだから、ガンダ付きなんて邪道の極み
佐々木さんと入れ替え召喚にしてガンダ付きサイトやワルドと戦わせたほうが良いと思うけどね
ていうか亡くなってたのか、彼。
黙祷。
橘さん召喚
旋風の橘ですね、わかりかねます
流れを大きくぶった切るけど、ロボ物からピッツァが出たから
ロボアニメのライバルキャラって事で『電童』のアルテア兄さんを考えた。
でも単体で行けるものの逆に皇牙はエネルギーの面でキツいな。
コッパゲでも巨大電池はキツそうだし、自転車発電で戦う皇牙もビジュアル的に嫌だ……。
>>724 竹刀投げたり、流血したり、竹刀が増えたり、流血したり、竹刀がグニャグニャ伸びたり、
流血したり、柳田が吹っ飛んだり、流血したり、突きできりもみしながら吹っ飛んだり、
流血したり、みかん食ったり、流血したり、玉竜旗コケにしたり、流血したり、
愛媛県民がかわいそうだったり、流血したりするあの変態剣道漫画か!
みとめん、断じて認めんぞ!
スパイラルで吹っ飛ぶギーシュの姿は奇麗に想像できたがな。
アルテアさんはGEAR無しでも戦えるから、本人のみ召喚でも十分だな
言葉が足りずルイズに誤解される様が思い浮かぶわ
ルイズのいい兄になってくれそうだけど問題は言葉遣いか
亀レスだが
>>621 服付き変身アイテムなしで呼ばれ
フーケ戦の時に装備一式とディスクアニマル入手でなんとかいけそうじゃないか?
>>723 どの作品の橘さんですか?
>>725 だが少し待って欲しい。あの世界には ブ ラ ジ ャ ー が な い んだぜ?
魔法学院の生徒総出で自転車発電をすると考えるとだな、当然ルイズにキュルケやモンモンやタバサが汗を流して
自転車を漕ぐわけだ、もちろんノーブラで。場合によってはおマチさんやシエスタもありなんだぞ?
それが体操服にブルマやスパッツだった日には……後はもうわかるな?
>>727 ヨルムンガンド相手とか位じゃないと釣り合わないか皇牙は。
騎士としてルイズに仕え出したらルイズの方が音を上げそうだなw
>>729 先ず皆激しい運動で摩擦g(ry
というか凰牙のスペルずっと間違えてるじゃん俺orz
>>731 GEARは凰牙。皇牙は相撲とりで去年まで弓取りやってた人な。
ちなみに同じころ幕下にいた力士に「雷」童って人がいたりする(現在の大雷童)。
こんにちは。
第8話の投下準備が出来ました。
予約が無ければ5分後くらいから投下したいと思います。
>>728 橘さんっていったら剣の橘さんしかいないじゃないかww
おっと、支援。
>>735 よし支援の準備は出来てるぞ
>>719 ルイズに向かって、「馬鹿モン! 俺のケツを舐めろ!!」とか言うバウアー大尉を見たい俺は多分変態
第8珠 〜文珠使いの1週間〜
「ヨコシマ。ちょっとあんたに聞きたい事があるんだけど」
夕食を済ませた後、特にやる事もなく藁布団の上でごろごろしていた横島だったが、その声でルイズの方に注意を向けた。
何でも、文珠で病気の治療は出来るかどうか知りたいらしい。
ダメな事もないんじゃねーのか、と思っていた横島だったが、いざ具体例を思い出そうとして、その考えが全然根拠の無いものだったと気付く。
過去に数度は厄介な病気の現場に立ち会ったが、文珠で解決した覚えがさっぱりなかったのだ。
仕方がないので、当たり障りのない返答をする横島。
「病気? 試した事ないからなー 分からん。
でも何でだ? 病気なんか魔法でちょちょいのちょいじゃねーのか?」
「魔法はあんたが思ってるほど万能ってわけじゃないのよ。残念だけど。
そういう意味じゃ、その文珠の方がずっとすごいアイテムよ。
まぁ三日に一回、ほんの少しの間しか魔法が使えないって考えると、あんたはドット以下って事になるけどね」
「そりゃ確かに俺は文珠が無きゃほとんど何にも出来ないけどさ、わざわざそんな事言わなくてもいいじゃねーか」
「ち、ちょっと不思議な力持ってるからって調子に乗らないように、気をつけてあげてるのよ! 文句ある!?」
高飛車なルイズのオーラに、意思に関係なく土下座の姿勢になって「すんません」を連呼する横島の体。
それに満足したのか、ルイズは話を再開する。
「…それで話は戻すけど、病人に使ったら逆に危ないとかそういう事はないわよね?」
「効果が無い事はあっても、危ないなんて事はさすがにねーと思うぞ」
「それなら安心ね。今度の文珠、病気の治療に試してみるから」
一瞬、横島は何を言われたのかを理解できなかった。文珠は、かなり貴重な物である上に、彼自身の命を護る切り札だ。
そんな文珠を、まるでデパートの試食品をつまむかのような気軽さで取りあげるなんて、そんなまさか…
思わずもう一度聞き返したのだが、残念ながら返ってくる返事は同じだった。
見ず知らずの奴の為になんだって貴重な(特に今は手持ちが0だ)文珠を使わにゃならんのだ、と言い返す横島だったが…
「あんたは使い魔なんだから、つべこべ言わずに私の言う事を聞いてればいいの!」と、ある意味で懐かしい感じがする台詞が返ってくる。
だが、彼の上司である、色気たっぷりな美神さんに言われるのとは訳が違う。
「そ、そんな事言うと使い魔なんてやめちまうぞ! こんな事やらんでも、文珠1個売れば一生暮らしていけるくらいの金には困んねーんだからな!」
「何バカな事言ってるのよ。あんたの力は無闇やたらに公表したらまずいって言われたばっかりじゃない」
横島の作り出す文珠は、使い方によっては億単位の価値があるアイテムと同様の働きをする。そんな事をいくら言ってみてもダメだった。
悲しいので、「どうせなら、キュルケさんやロングビルさんの使い魔になれれば良かった」とぼやく横島だったが…
それは、延々とルイズの実家・ヴァリエール家と、キュルケの実家・ツェルプストー家の因縁を聞かされる羽目になっただけだった。
(ふーん。美神さんとエミさんの関係、みたいに思っておけば間違い無さそうだな。
だけどなー エミさんみたいにええチチしてるキュルケさんがライバルなら、美神
さんポジションのルイズちゃんだってもってこう、ボンキュッボンってなっててもいいと思うんだけどなー)
「というわけで、キュルケはだめ。禁止」
(で、フレイムはさしずめタイガーの役どころっと。
虎じゃなくてトカゲだけど。
そういや、あいつここ最近は「出番無くて悲しいんじゃー」 とか言ってたが…
元気にやってっかなー)
まぁ、こんな感じで全然真面目に聞いちゃいなかったわけだが。
「分かった? そう言うわけで、あんたが文珠作ったら…
それを病気の治療に使えるようにして頂戴。
私の使い魔が生み出す、珍しい水の秘薬って事にして送るから」
話はいつの間にか再び元に戻っていて、横島もいい加減面倒になったので了承した。
不憫だな横島支援
そして翌日。
いつものように横島が目を覚まし、ルイズを起こそうとするが…
「今日は虚無の曜日だからお休みなの〜 あんたもまだ寝てていいわよ〜」
それならそうと昨日のうちに言っておけ、と思った横島だったが、これはこれで好都合。
ちょっと朝の散歩に、なんて似合わない事を言っても、寝ぼけているルイズは特に気にせず許可を出す。
「ふっふっふ。好機、今こそ来たりっ! 待ってて下さい、ロングビルさーん!!」
心の底から叫びながら横島はルイズの部屋を飛び出した。
そんな叫びを聞くは、休日でも規則正しい生活を心がけている数名の女生徒達。
ルイズが呼び出したのは、平民は平民でも変態の平民である事が、こうやって徐々に広まっていくのであった。
横島は、どこから準備したのかほっかむりをして顔を隠しつつ、一心不乱にロングビルの部屋を目指していた。
そのカサカサという擬音が聞こえそうな姿は、どこからどう見ても立派な変態だ。
ところが… そんな変態へ声をかける猛者がいた。
「むむ! そこにいるは、ヨコシマ君じゃな!?」
何を隠そう、学院一のエロじじい、オールド・オスマンだ。
彼はロングビルのいる部屋へ向って飛んでいる最中に、頭に頭巾のようなものを被っている横島を見つけたのだった。
「お主、こんな所で何をやっておるんじゃ?」
オスマンが疑問に思ったのも仕方が無い。彼がいるのは、ロングビルの部屋を窓から覗ける位置。つまり建物の外側というわけだ。
そんな彼に見つかった横島も、当然建物の外側にいる。しかもロングビルの部屋は1階にあるわけではない。
どういう事かというと…
彼は、垂直な壁をまるでごきぶりのように4本の手足を使ってよじのぼっていたのだ!!
万が一手をすべらしたら良くて大怪我、運悪く頭でも打てばそれどころでは済まない…のだが。
「またまたー オスマンの爺さんだって俺と同じっしょ? 今日は休日なんすよね?
もしかしたら、まだベッドの中でお休み中のロングビルさんに会えるかも知れないじゃないっすか」
なんとこの男、ロングビルの寝姿(+α)を見たいが為だけに、命を懸けている!
オスマンだって、毎度毎度ロングビルから折檻される事を覚悟して尻をなでまわしているわけだが…
それとこれとは全く意味合いが違う。
オスマンの場合、カーテンが閉まってたり、ロングビルがすでに起床していたとしても、ただそのまま残念に思うだけだ。
しかし横島の場合、そのようになーんの成果も得る事が出来なかったとしても、落っこちる危険性が無くなるわけではない。
いや、そもそも目的地へたどり着くより前に落ちる事だってありうる。
そんな状況なのに、「ちょっと散歩に来ました」のような軽いノリで自らの目的を述べる横島に… オスマンは、正直感服した。
長いこと生きてきたが、ここまで自分の欲望に忠実な奴はいただろうか、いやいない。
「ヨコシマ君よ。ワシは今、猛烈に感動しておる!
長年君のような人材を探しておったのじゃ。
どうじゃね、ワシと一緒にミス・ロングビル同好会を…」
夢にまでみた同好の士に、思わず熱が入るオスマン。
コルベールも同好と言えなくはないのだが、いかんせん彼はくそ真面目すぎる。
それに比べて、横島は放って置くと目的と手段が入れ替わってしまうような、そんなバカらしさにあふれている。実にいい。
だが、オスマンは重要な事を忘れていた。
考えるまでもないことだが、ここはすでにロングビルの部屋を窓から見れる位置。
そんなところで、特に注意もせずにしゃべっていたりでもすれば…
「学院長、また覗きに来たんですか? あれほどやめて下さいと…
それにヨコシマさん、そんな所にいたら危ないですわよ?」
とっくに着替えていたロングビルが、窓を開け放して二人にあきれたように声をかける。
「ああ、ロングビルさん、いつ見ても綺麗っすね!! ところで、今日はお休みなんすよね!? 二人でどこかに行きませんか!?」
「ほっほっほ。ミス・ロングビルや。ワシはたった今、このヨコシマ君と二人でミス・ロングビル同好会を立ち上げたのじゃ。
その名誉会長のワシにキスをしてくれても構わんぞ。
ほれほれ、どうした、やらんのか?」
「…はいはい、いつまでもバカな事を言ってないで、朝食を食べに行きますわよ」
やれやれ、といった顔のロングビル。
その後、三人は朝食を取り(横島は学院長の計らいで、特別に一緒に食べられる事となった)、その席で大いに親交を深めたのだった。
(実際は、横島とオスマンがセクハラ魔人となる中、ロングビルが適当にあしらいつつ文珠の情報を引き出したり、横島を軽く誑かそうとしていたのだったが)
それぞれにとって楽しい、または意味のある長時間の朝食会が終わった後、虚無の曜日とは言え仕事が残っているという二人と別れた横島は、ルイズの部屋へと戻っていた。
「あんたねー 一体どこまで散歩に行ってたのよ!? もうこんな時間じゃない」
「もうこんな時間っつったって、まだ昼前じゃねーか。無断でいなくなったわけじゃねーのに、なんで怒ってんだよ」
「本当は今日、あんたを街まで連れて行ってあげようと思ってたのよ。
この時間だと、帰りが夜遅くになっちゃいそうだからダメだけど」
「街? なんだ、街には何か面白いもんでもあんのか? 言っとくけど、俺金なんか持ってねーかんな? 金のかかる遊びなんか出来ねーぞ」
「あんた、たまにはちょっと考えて物言いなさいよ。
いい、あんたが力を使うと、使った分だけ文珠を作るペースが落ちるんでしょ?」
「まあな。どっちも俺の霊力を元にしてるのは一緒だし」
「それで、私は出来るだけ早く文珠が欲しいのよ。
だからあんたが余計な力を使わなくてもいいように、剣を買ってあげようと思ったの。分かった?」
「言いたい事は分かった。非常に良く分かった。
でもなー 俺、剣なんか買ってもらっても多分うまく使えないんじゃねーかなー?
俺のハンズ・オブ・グローリーは、ある程度俺の自由な形になるっていうのがミソなんだから」
「何言ってるのよ?
正直、文珠がレアすぎて忘れがちになるけど、あんたにはもう一つ、使い魔の能力があるじゃない。
普段は普通の剣を使って、どうしてもダメだって時以外は力を使うのは止める事。
それに剣を持っていれば、あんたみたいな平民が私のような名門貴族の側にいても、護衛だって言えば面倒な説明をしなくてもすむしね」
ここまで説明されて、ようやく事の次第を理解した横島。
いざ街に行くと決まれば、次はそこがどんな街なのかが気になるのも道理で…
そのまま、ルイズ先生によるトリステイン講座が始まったのだが…
「あんたは私がわざわざ説明してあげてるのに、どうして寝てるのよー!!」
「しゃーないやんか、何か聞いてると眠くなるんやー」
「あんた、やっぱり不思議な力があるからって調子に乗ってるんじゃないの?
普通貴族相手にそんな態度とったら、下手すれば打ち首だってこの間言ったばっかりじゃない!!」
「そんな事ねーよ。霊能力つける前から俺はこんなだしなー」
「何それ、本当? あんたの国って一体どうなってるのよ。良くそれでやっていけるわね」
「俺の国? こことはもうまるっきり正反対って言ってもいいぞ。
魔法使いやら貴族やらはかなり少ない、というかむしろ魔法使いなんて国中探しても数名いるかいないかじゃねーか?
代わりに、と言えるほど多いわけじゃねーけど、俺みたいな霊能力者は数いるけどなー」
とまぁ、その内容はほとんど雑談のような物であったのだが、別に魔法を使わないとならないような場面もなく、ストライクゾーンからはハズレまくってるとは言え、美少女が相手だという事もあり、それなりに楽しい一日を過ごした両者であった。
それからの1週間は、瞬く間に過ぎて行く。
まず最初に記すべきは…
ルイズの努力の甲斐むなしく、とうとうある授業の最中に、ゼロの渾名の由来が横島に知れてしまった事。
魔法の成功率ほぼゼロという不名誉な理由に、使い魔がバカにしてくるのではないかと不安になるルイズ。
そんな彼女に横島は…
「あー、この間、冥子ちゃんの事話した時に泣いてたのって、自分も上手く力が使えないからって事か」
初めてみたご主人様の失態だというのに、手馴れているように周囲の掃除をしながら、何でもないように声をかけていた。
実際のところ、ちょっと感情を高ぶらせるだけで、家一軒ダメにしてしまう暴走娘が知り合いにいるのだ。
その被害を受けたことも一度や二度ではない横島にとってみれば、部屋が半壊する程度の事はそれほど驚く事でも無かった。
「まぁ俺の知り合いには、ふとしたきっかけで今まで上手く使いこなせていなかった力をコントロールするようになった奴もいるし、そのうち何とかなるんじゃねーかな。
俺も何か出来る事があれば手伝ってやるし。
…でも冥子ちゃんは今でも結構暴走させてるんだよなー」
「なんであんたは最後に不安になるような事言うのよ、ばかー」
なんて事があり…
次に記すべき事は、ロングビルの横島へ向けたアプローチだろう。
毎日というわけではないが、ロングビルと食事をとっている横島の姿が、数度ほど目撃されている。
ルイズにしてみれば、キュルケに誑かされるよりははるかにマシ、一応自分の言う事も聞いているし、ロングビルが今は平民であるという話も横島から聞きだしたため、黙認をしているそうだ。
また、クラスを偽っている理由について聞いてみたい横島ではあったが、その度に上手くはぐらかされてしまい、未だに聞き出すには至っていない。
そして最後になったが、やはり文珠による病気の治療について述べなければなるまい。
横島には言ってないが、ルイズが治したいと思っている人物は、ヴァリエール家の次女、つまり彼女の姉であった。その名を、カトレアと言うのだが…
【治】の文珠を早馬にて送った際、カトレア宛てにだけは、本当の事を書いて手紙をしたためていた。
自分の使い魔が人間である、という事は、到底信じてもらえそうにない事であったが…
魔法が使えなくて、いつも家族から叱られていた自分の、ただ一人の味方だったカトレアにだけは、嘘をつきたくなかったのだ。
その結果は、翌日の夜に伝書フクロウにて戻ってきた。
うさんくさいと言う両親の反対を押し切って、カトレアは文珠を使い…
結果、数時間ほどの間だけであったが身体の調子が今までに無いほど回復したそうだ。
その後、残念ながら体調は元に戻ってしまい、治療という意味ではさほど前進しなかったのだが…
急な発作が起きた場合の一時しのぎに使える為、数個ほどさらに送って欲しいと言う事。
そして、その使い魔と同種の生物を探す為に…
エレオノールを魔法学院に向わせる、という事が記されていた。
「ま、まずい事になったわ…」
エレオノール、つまりヴァリエール家長女であり、アカデミーに勤めているルイズの姉であるが…
アカデミーというのは、先日注意されたばかりの、「何をしでかすか分からない組織」の一つである。
どう考えたってまずい。
来訪の予定は未定との事だが、近日中にやってくる事は間違いないだろう。
ある意味で自業自得なのだが、ルイズはこの件でここ2・3日の間、ずっと頭を悩ませ続けていたのだった。
今回の投下はここまでとなります。
支援ありがとうございました。
今度こそ「模」の文殊でエレオノールコピーしてトイレに篭るんですね!
よくわかりました!!
投下乙
ロングビルさん、横島たぶらかして利用する気満々だなw
体質は数時間で元に戻る
つまりルイズの胸やコッパゲ先生の頭を何とかしても数時間で…
持ち上げてから落とす事で破壊力アップ!
乙。
同じ利用されるにしてもルイズよりロングビルの方が良いと思うのはいけないことでしょうか。
>>746 それは正しいものの見方だ
ところで原作のGS美神はあまり読んだことないんだが、妖刀とか魔剣が出てきたことあるんだろうか?
例の武器屋にGS世界の武器が置いてあったら面白そーだが
>>747 覚えてるだけでも二つはあるな。
名前は忘れてたけど前にも挙がってた持ち主を操る妖刀とか、
人狼が持ってた一振りで八回切りつける刀とか。
包丁にされたシメサバ丸
>人狼が持ってた一振りで八回切りつける刀とか。
>包丁にされたシメサバ丸
いろんな意味で無茶苦茶だw
持ち主を操る妖刀ってのは某アヌ○ス神とか他の作品でも結構あるけど
持ち主に通り魔殺人をさせた剃刀の妖刀もあったな
752 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 14:26:21 ID:N8h8lvMB
炎のキツネ(魔法の箒)とか有ると面白いかも。
・・・っとすると、タブル村には逆天号が?!
氷雅の霊刀ヒトキリマルと、西条の霊剣ジャスティス
あと、小竜姫様の神剣位か
ドリル戦艦轟天号を召k……うわなにをするやめ…アッー
sageんか馬鹿者
一応、オカルト世界なんでそこら辺の刀は結構ごろごろしてます。
ちなみに
>>748,
>>749,
>>751 は、整理すると3本の妖刀に。
【シメサバ丸】
意思あり。
ターゲット操作能力あり。
除霊事故で、美しかった刀身がポッキリいっちゃいました。
上でも言われているように、包丁に仕立て直されて平和利用されてます。
【八房】
一振りで8回切りつける特殊能力あり。
また、切った相手から霊力を吸収したが、その霊力は持ち主の物となった。
そういう能力を持っているという言い伝えも無いので、もしかしたら持ち主だった犬飼の能力かも。
【名称不明】
意思あり。
ターゲット操作能力あり。
霊力吸収能力あり。
切り裂きジャックが使っていたというカミソリ。
このカミソリの自白によると、切り裂きジャックという人物は存在しなく、自分が次々とターゲットを乗り換えていった結果だ、という事らしい。
能力としては、某ア○ビス神に一番近いと思う。
後、霊刀・霊剣って説明されてたけど…
【ヒトキリマル】
GS試験での氷雅の台詞
「一度人を斬ってみたかったんです」
【ジャスティス】
西条が持ってる霊剣。横島と対峙したときの台詞
「人も斬れる」
持ち主がこんなんじゃ、将来妖刀になるんじゃないかと凄い心配。
>>752 そういえば、確かに意思ある箒だったなぁ…
きゅいきゅい辺りと絡ませるにはいいキャラかもしれん。
でも逆天号はどう考えても敵側兵鬼。
だめ、絶対。
マリアかテレサでも面白いかも
>>758 待て、マリアは確か電気がないと動けなくなっちゃう
ならカオスの爺さんも同時召喚で。
つ(電)
>存在しなく
「○○しなく」と言う言い回しは日本語としておかしいので注意
この場合「○○せず」もしくは「○○しなくて××」と言う形が正解
このさいタルブの村にルシオラの墓が…
いきなり話を重くすんなw
>>760 見える、カオス爺さんがボケ老人扱いされているのが
……あ、元々ボケてたっけ?
766 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 15:21:05 ID:N8h8lvMB
ではタルブの村にはカオス爺さんがいると言う事で!!
>>766 sage進行のローカルルールすら守れんなら元から書き込むな
提案でも推測でもどっちでも良いが度が過ぎると迷惑にしかならんぞ。
普通どこに何があってとかは作者は考えてるもんだし。
なるほど、アルビオン襲来あたりで電池が切れてピンチ。
なんだかんだでタルブへ行ったらシエスタのおじいちゃんであるカオスがボケてて、
でも電池切れなマリアとの再開ですべてを思い出して覚醒、
マリアを直していざ、アルビオン戦へ!
こうですか? わかりません!
展開予測は作者の迷惑にしかならん
いい加減ネタつぶしはやめろ。
そういや同じ作者の他の作品はほとんどネタにされないな
真・豊臣秀吉とか小学生超能力少女公務員とか…
三橋と伊藤呼ぼうぜ
最初にネタ振った自分が言うのもなんだがそろそろ自重したほうがいいだろうね
特撮やDQに軍オタの次はGSファンが叩かれかねんし
とりあえず古本屋でGS美神探してみようと思った今日この頃
>小学生超能力少女公務員とか…
小ネタで既出
GSオタもなのはオタも軍オタも特撮雑誌も全部まとめて消えればいいのに
そして誰もいなくなった
そして誰もいなくなった
真にいなくなるべきはオタじゃなくて厨だと思うよ
どうやったら雑談と雑誌を間違えるんだよ俺
だから毒行けと(ry
お前ら正直言ったらゼロの使い魔なんてどうでもいいんだろ?
>新刊も出なくなったのでゼロ魔ファンは考えるのをやめた
某マグマよりの大使を呼び出す笛を召喚する話はどうだろう?
この場合笛一つで呼び出せるのは召喚者をモデルにした小型ロケット人間だからルイズそっくりということに
烈風カリンをどう人間モドキとすり替えるのが難だが
私は良く女に「どうでもいい」といわれる
首吊ってくる
言い合いは止めよう
マッタリしようよ
中出しクンニ君 ◆QU0HKDB7ak
【学名】バルカンクンニ
【生息地】静岡
【血液型】ケチャップ
【年齢】おっさん
【年収】80万
【記憶力】鳥
【性癖】ペド 小4〜中2とセックスしたい
【資格など】英検初段 TOEIC 95点 TOEFL 950点
【備考】プロトコルレベルでネットワークに詳しい 早朝に女子社員からチョコを20個もらった夢を見たが、実際は27個もらった
中学時代にPSG-1のモデルガンを所持していた 大麻を吸ったことがある
中学高校時代はバスケ部で7番のポイントガード 自らドリブル突破してのダンクが得意技
ジャンプ力は小学校の頃、垂直とび93cmで今なら推定120cmのトップアスリート級 世界記録の129cmにも迫る勢いである
でもスタミナは絶望的だった
大学時代は武闘派で影の番長 相手の頭を陥没させることが可能な拳の持ち主だが、酒の席で自称番長を思いっきり殴ったのに
次の日には、殴られた自称番長は平然としていたらしい
体重60Kg以下の連中はクリーンヒットで10発以内に倒せる
高校生と合コンした二次会のカラオケで 女の子をレイプしようとしていたらしい
俺が日本経済を止めようと思えば簡単に止めるどころか崩壊させる事が出来る
18歳の小僧に腹パン食らう DVD-ROMで出血
高校のときはバンドでヴォーカル 大学時代、新車で300万(諸経費別)のGL1800を中古で購入。購入額300万
最高裁判長の知り合いがいて無実でも無期懲役でぶち込む事はたやすい。死刑までは無理
独自理論の包帯巻きのサラシ巻きができる。再現は不可能 しゃべるときにはビブラート(笑)をかける
負ければ官軍 コーヒー豆は炊くものらしい
さらにはロンドンへ出張の際、UKでプロパイダ業務免許を持っていないはずのNTTグループ傘下の
OCNの回線にて書き込むという荒業も披露 ちなみにロンドンからフシアナすると太文字になるらしい
現地時間の朝っぱらから酒盛りは当たり前
また、PCを持っていかなかったため、現地の人間にPCを借りた際、即日本時間に修正するという大和魂の持ち主
その割にはちゃっかり箱○は持参してGRAW2などで遊んでいた模様
さらにはプレゼンの研修を終えたのか、借り物のPCに張り付いて徹夜で2ちゃんに書き込むなど、
充実した出張期間を送っている様である何故か同じ北半球に位置するはずのイギリスが、今現在真夏らしい
と、思ったら真冬だけどイギリスに限らずヨーロッパ全土が今エルニーニョのおかげで
昼間は初夏の日差しなので、真夏と勘違いしただけだった
ロンドン滞在中、佐川からバイオショックが届くのが待ちきれず、わざわざ家族に連絡し郵便受けを見に行かせた
秋葉に行くことが親の死に目にあう事と同じくらい大切
著作権のある画像はうpろだに貼ればどんな著作権もフリーになるという裏技を知っている
彼の睡眠はわずか1分という短さで覚め、その引き換えにレスをすると1レスにつき10秒寿命を縮めてしまう
相手が敗走していても自分も敗走してしまうという彼の辞書には敗北という文字も勝利という文字も記されてはいない
アイマスキャラを服の上から透視可能
2008年2月28日、悟りを開く
本人曰く、これらは出所不明の情報だが真実らしい
竜王「味方になれば世界の半分をやろう」
788「はい」
竜王「ではお前には男の世界をやろう」
791 :
789:2008/03/05(水) 16:21:11 ID:qJwSRRQy
すまん、誤爆した… orz
こんな荒んだ時にこそイデオンをだな・・・
イデ発動ですか
宇宙規模のバッドエンドをハルケギニアで今さらやてもなあ…精々惑星レベルのでどうか?
ザ・ムーン召喚でハルケギニアがカビで覆われ聖地まであと一歩というところで才人がルイズに結婚を申し込んで全員死亡というエンディングでどうか?
ザンボット召喚でエレオノール、カトレアは特攻、ルイズのみが生き残るのでも可
ソロシップの面々にとっては召喚された方が幸せかもしれんが、コスモやカーシャあたりは思いっきり反発しそうだ
イデオンのパワーってイデの思惑というか機嫌しだいだから、異世界に呼び込まれたことで調子が悪くなって
バリアーすらありません状態ならさして脅威ではないかも
ダンガイオーとそのパイロット4人組を召喚
ターサン博士が見つけるのが早いか、バンカーが見つけるのが速いかの勝負になりそうだ
前者ならダンガイオーを整備できる上に、ターサン博士の宇宙船で主要キャラだけでも逃がす事が出来る
後者ならダンガイオーの整備を気にしつつも、戦う駆け引きが出来る
ロボットものなら破壊の人形=ジアースしかないじゃないか
最初の犠牲者は当然、才人。一週間ごとにルイズはサモン・サーヴァントを繰り返…
ロボならQコちゃんがいいな
Gダンガイオーでミアだけ昏睡状態で地球に居るんだから
残りの誰か呼び込んだって話にならなんとでも出来る
ちなみ破邪大星の方のダンガイオーなら自己再生能力持ってるから
時間さえありゃコックピットの残骸からでも復活はするぞ
作品投稿と感想と「ボクの考えたネタ」でこのスレは出来ているのか。
元々そういうスレですよ
>>800 > 「ボクの考えたネタ」
雑談ネタになるネタって結構貴重なんだぜ。
適当に思いつきを書いてもスルーされるだけだしな。
あるネタが連載の邪魔をするほど盛り上がったなら、
最初にネタ振りした奴やそれを膨らませた連中が素敵だったんだよ。
雑談の中で好きだったゲームのタイトル出されて
熱が再燃して作品書き出した自分もいるわけで
雑談が悪いとは言えないよな
投下の邪魔は自重すべきだがな
現在はその程度の自重すら出来んのが多いから困る
それにな、作者が雑談連中の膨らませたネタ食って
消化できれば思いついた面子は喜びこそすれ
怒る事は無いと言う事も認識しとかなきゃいかん
別に「それイタダキ」だってかまわん話だ
二次創作って他人の発想におんぶ状態から始まってるものに
人のネタ使うなとか言ってたらそれこそただのバカ
丸写しじゃなくアレンジ出来てれば逆にどんどん使うべき
作者本人が書きにくく思うこともあるだろうJK
301 名前:名無しさん 投稿日:2008/03/05(水) 17:32:14 [ iWgWSoCw ]
雑談うぜーじゃなくて、俺の知らないネタうぜーだろ
どうせ自分の好みのネタの時には嬉々として雑談してんだろうさ。
302 名前:名無しさん 投稿日:2008/03/05(水) 17:35:27 [ LfZKR6SE ]
>>301 ぶっちゃけそのとおり。
ただ特定の話題が長すぎて
ずっと俺のターン!! ……が来ないのがなんとも。
中出しクンニ君 ◆QU0HKDB7ak
【学名】バルカンクンニ
【生息地】静岡
【血液型】ケチャップ
【年齢】おっさん
【年収】80万
【記憶力】鳥
【性癖】ペド 小4〜中2とセックスしたい
【資格など】英検初段 TOEIC 95点 TOEFL 950点
【備考】プロトコルレベルでネットワークに詳しい 早朝に女子社員からチョコを20個もらった夢を見たが、実際は27個もらった
中学時代にPSG-1のモデルガンを所持していた 大麻を吸ったことがある
中学高校時代はバスケ部で7番のポイントガード 自らドリブル突破してのダンクが得意技
ジャンプ力は小学校の頃、垂直とび93cmで今なら推定120cmのトップアスリート級 世界記録の129cmにも迫る勢いである
でもスタミナは絶望的だった
大学時代は武闘派で影の番長 相手の頭を陥没させることが可能な拳の持ち主だが、酒の席で自称番長を思いっきり殴ったのに
次の日には、殴られた自称番長は平然としていたらしい
体重60Kg以下の連中はクリーンヒットで10発以内に倒せる
高校生と合コンした二次会のカラオケで 女の子をレイプしようとしていたらしい
俺が日本経済を止めようと思えば簡単に止めるどころか崩壊させる事が出来る
18歳の小僧に腹パン食らう DVD-ROMで出血
高校のときはバンドでヴォーカル 大学時代、新車で300万(諸経費別)のGL1800を中古で購入。購入額300万
最高裁判長の知り合いがいて無実でも無期懲役でぶち込む事はたやすい。死刑までは無理
独自理論の包帯巻きのサラシ巻きができる。再現は不可能 しゃべるときにはビブラート(笑)をかける
負ければ官軍 コーヒー豆は炊くものらしい
さらにはロンドンへ出張の際、UKでプロパイダ業務免許を持っていないはずのNTTグループ傘下の
OCNの回線にて書き込むという荒業も披露 ちなみにロンドンからフシアナすると太文字になるらしい
現地時間の朝っぱらから酒盛りは当たり前
また、PCを持っていかなかったため、現地の人間にPCを借りた際、即日本時間に修正するという大和魂の持ち主
その割にはちゃっかり箱○は持参してGRAW2などで遊んでいた模様
さらにはプレゼンの研修を終えたのか、借り物のPCに張り付いて徹夜で2ちゃんに書き込むなど、
充実した出張期間を送っている様である何故か同じ北半球に位置するはずのイギリスが、今現在真夏らしい
と、思ったら真冬だけどイギリスに限らずヨーロッパ全土が今エルニーニョのおかげで
昼間は初夏の日差しなので、真夏と勘違いしただけだった
ロンドン滞在中、佐川からバイオショックが届くのが待ちきれず、わざわざ家族に連絡し郵便受けを見に行かせた
秋葉に行くことが親の死に目にあう事と同じくらい大切
著作権のある画像はうpろだに貼ればどんな著作権もフリーになるという裏技を知っている
彼の睡眠はわずか1分という短さで覚め、その引き換えにレスをすると1レスにつき10秒寿命を縮めてしまう
相手が敗走していても自分も敗走してしまうという彼の辞書には敗北という文字も勝利という文字も記されてはいない
アイマスキャラを服の上から透視可能
2008年2月28日、悟りを開く
本人曰く、これらは出所不明の情報だが真実らしい
すまん、またやっちまった… orz
気にせずに続けてくれ…
今日は啓蟄、冬ごもりをしていた虫が湧いて出る頃というが本当のようだ
それにしてもこれはいったいどこの誤爆なのだろうか
>>811 本当に誤爆だったんなら、悪いことは言わんから今日はROMるだけにしといた方がいい
何をやっても上手くいかない時ってのはあるもんだ
>>812 アイマスキャラなどから考えるとゲハ板あたりじゃないか?
262 名前:名無しさん 投稿日:2008/03/05(水) 01:54:25 [ Eb3rv572 ]
特撮雑談に毒吐き
お前らのせいで特撮作品全般が白い目で見られるから続きが投下しづらいんだよ
そんなに雑談したいなら特撮板に行ってくれ
280 名前:名無しさん 投稿日:2008/03/05(水) 16:08:29 [ Eb3rv572 ]
しかし本スレは見事に釣り堀になってるよな
針が丸見えどころか餌が付いてない針でも全員で群がるから困る
313 名前:名無しさん 投稿日:2008/03/05(水) 19:26:31 [ Eb3rv572 ]
しかし「雑談最高!ゼロ魔?知らねーよwwwww」なやつが間違いなくいるよな
どんなマイナーな話題振られてもなぜかわかるやつがいるのも本スレが腐った原因な気がする
スレが腐ったと思うならお前が出て行けよ。
それとも何か、特撮の書き手を騙って、さらに特撮を追い出そうって陰謀か?
>>813 すまない、そうさせてもらう。
いや、アーマード・コア関連のスレのものなんだが……
>>797 破壊の人形が破裂の人形に見えた。
ブオンブオンブオンブオン モボボボボボボボボ ブボボブボブボ
ボイボボボイボイ ブボボボ ボイボイ モンモンモンモン
>>815 ACスレ住人としては聞き捨てならんな。
こんだけ何人ともキスしてルイズは淫乱な変態女だな!
よく毒吐きは便所に例えられてるがその便所から汚物を持ってくるここは下水処理場なのか
819 :
ゼロの軌跡:2008/03/05(水) 20:24:30 ID:i7h/68vQ
空気読めないトーナメント王者の俺が通りますよ。
ってことで投下していいかい?
支援準備!!
私は一向に構わんッッ!
支援!
まだSCの箱開けてないのに!と思いつつ支援
824 :
ゼロの軌跡:2008/03/05(水) 20:31:59 ID:i7h/68vQ
ゼロの軌跡
第四話 乙女の決意
ルイズが自室で目を覚ましたのは夕刻、太陽がその身を地平線の下に隠そうとする頃だった。
真っ先にルイズの脳裏をよぎったのはあの少女、レンの顔。
急いで起き上がろうとしたが首筋の痛みに耐えかねて呻きながらそのまま体を横たえた。
「あら、お気づきになりましたか」
その声に視線をやれば一人のメイド。給仕や洗濯の折にしばしば見かける顔だ。
名前はなんと言ったのだか。
「シエスタと申します。お体の具合はいかがでございますか」
嘆きとも呻きをもとれる曖昧な答えを返しつつ、今度はゆっくりと体を起こす。深呼吸。幸い、体は無事であるようだった。
差し出された熱いタオルを受け取って顔を拭く。時折痛みの走る頭にそれはひどく心地良かった。
「それでは先生方をお呼びして参ります。少々お待ちくださいませ」
しばし放心していたが、誰かに会うのだということに思い当たりルイズは慌ててベッドから飛び降りた。
いくら臥せっていたとはいえ、女性ならまだしも、今の姿は男性には見せられない。
あれだけの騒ぎになったのだ。やってくるのはおそらく学院長、オールド・オスマンその人だろう。
いつの間にか着せられていたネグリジェを脱いで、丁寧にたたまれた制服に袖を通す。
髪を整えようと鏡に向かえば、視界に飛び込んだ首筋に付けられた赤黒い手の痕。
ルイズは思わずその手形に自分の手を添えた。小柄なルイズよりも更に幾分か小さいそれ。
だがレンの膂力は彼女の体躯とは違い、ひどく年不相応なものだった。
力だけではない。
大鎌も。身のこなしも。ゴーレムも。
レンのことが気になって、いてもたってもいられなかった。
既にこの学院を離れたのだろうか。それとも捕まって地下牢にでも放り込まれているのではないか。
いや、<パテル=マテル>がついているのだろうから、レンに何かあればこの学院が無事であるはずがない。ならばこの静寂は彼女の息災の証なのだろう。
しかし、何故こんなにもレンのことが気に掛かるのだろう。
武器を突きつけられ、首を絞められて殺されかけたというのに、恐怖も嫌悪もルイズは感じなかった。
その理由を探しても、まとまらない言葉が脳裏をよぎるばかり。
825 :
ゼロの軌跡:2008/03/05(水) 20:32:48 ID:i7h/68vQ
「ヴァリエール様、学院長がおいでになりました」
シエスタの呼びかけに沈んでいた思考が引き戻される。
髪に櫛も通していないが仕方がない。急いで身支度を確かめて、声をかけた。
恭しく開かれた扉から現れたのは、眉間にしわを寄せたオスマンと悲痛な顔をしたコルベールだった。
女性の部屋に上がりこむのは失礼とは思うが病床の君を呼び立てるのも、と椅子に腰掛けたオスマンは型通りに述べ、ルイズもお気になさらずこちらこそ学院長にご足労頂いて、とそれに応じた。
中身のないやりとりの後に訪れたのは質量さえ感じられそうな重苦しい沈黙。
話さなければならない事があるというのにオスマンは口を開きかねていた。
実際、彼は押し潰されかけているのかもしれなかった。降って沸いた災厄の、その重さに。
なら私が問わなければ、とルイズは声を上げた。
「レンは…レンは一体どうなったのですか?オールド・オスマン」
うむ、と仕方なくオスマンは口を開いた。
「客分としてしばらくこの学院に逗留することになった。
元いた場所に帰る方法が見つかるまではここに滞在することになるじゃろう」
「元いた場所…とは?」
「ゼムリア大陸のリベールという国らしい。心当たりがあるかね?」
そんな地名は耳の端にも聞いたことがない。ルイズはかぶりを振った。
「わしにも覚えのない地名じゃ。手すきの教師総出で書庫を探させておるが果たして見つかるものかどうか」
「見つからなければどうなるのでしょうか」
益体もない質問だ。
そう思いながらもルイズは聞かずにはいられなかった。
「さてな、全てはあの少女の気分次第じゃ。考えたくもないのう」
返ってきたのは予想と寸分違わぬ返答。
「あのゴーレムは一体何なのですか?」
「名前は<パテル=マテル>。父と母という意味らしいの。
我々の知るゴーレムとは根本から別物のようじゃ。
レン君が言うには、この学院など四半時もあれば瓦礫の山に出来る、と」
恐らく嘘ではあるまい。多少の誇張があるにせよ、な。
深いため息とともにオスマンはそう吐き出した。
ルイズには、眼前の偉大なる魔法使いが一息つく度に年老いていくようにも見えた。
学院長に同情しつつ支援
827 :
ゼロの軌跡:2008/03/05(水) 20:33:59 ID:i7h/68vQ
「レン君自身についてもわかったことは殆どない」
オスマンは続ける。
「年齢は十二歳。孤児。
おそらくは特殊な訓練をつんでおる。相当戦闘技術に長けているようじゃな。
確証はないが、我々とは違う体系の魔法を操る。
その他の様々な文化もワシらより進んだものをもっておるようじゃ」
「レンと直接話してたったそれだけ…」
「あれは対話と呼べる代物ではなかったな。
彼女が問いワシらが答える。ワシらの問いははぐらかされ、確たる答えは得られなんだ。
挙句にレン君の要求を全て呑まざるを得なかった」
いや、あれでは既に脅迫か、とのオスマンの呟きに今度はルイズが貝のように黙りこくる番だった。
恐れていた予想だけが悉く現実のものとなり、知りたい情報は何一つとしてその手にすることが出来なかった。答えは亡羊として手の届かぬ霧の中にあった。
その沈黙をルイズの自責と取ったのか、初めてコルベールが口を開いた。
「奇跡的に死傷者は出ませんでした。ルイズ君さえ無事なら気にやむことはありません」
ルイズは首肯する。
だがそれもルイズの心に立ちこめた暗雲を払うことは出来なかった。
ルイズははそんなことは先刻承知だった。
レンはルイズの宣言を撤回させるためだけにあの光を放ったのだ。
ただ殺すだけでは足りなかった。<パテル=マテル>を取り戻してからでないと殺せなかったのだ。
最も、首を絞め始めた時には怒りと恐れでそんな理屈も頭から消し飛んでいたのだろうけれども。
828 :
ゼロの軌跡:2008/03/05(水) 20:35:28 ID:i7h/68vQ
それでも、とルイズは思う。
私はレンを傷つけたままではいられない。
レンに<パテル=マテル>を返さなくてはならない。
「明日、レンと私を会わせて頂けませんか」
「何を言っておる!出会い頭に殺されるのかもしれんのだぞ!」
「<パテル=マテル>を使い魔にはしないと、レンに謝ります。レンはきっとわかってくれます。
もし殺されるようなことになっても文句はいいません。
だから、だから」
魔法に対する執心が消えたわけでは決してない。
ゼロと呼ばれることは辛く苦しい。
今だって使い魔が、<パテル=マテル>が欲しくてたまらない。
この瞬間にも私の心はちりちりと焼け焦げているかのよう。
皆が手足のように操る魔法を私はただ一人使えない。
ゼロの私がレンに何をしてやれるというのか。
私一人で立つことさえ叶わないのに、人を救おうなどと烏滸がましい。
けれど、
レンから奪った父と母で、
私が救われることは絶対にない。
「お願いします。レンに会わせてください」
「何故じゃ、ミス・ヴァリエール。
何故自分の身を危険に晒してまでレン君に関わろうとする?
そんな無駄なことのために命を粗末にしてはいかん」
彼に問われる前からずっとそれを考えていた。
「オールド・オスマンともあろうお方がそのような愚かなことを仰るのですか」
分を超えた物言いにコルベールが制止の声をあげるが、意に介することなく続ける。
「レンと私は奇しくも出会いました。この眼を塞がんばかりに広い世界で、細い一本の糸のような縁で。
その縁は二人を繋ぐ絆になり、生まれた絆は決して切れることがありません。
メイジであるから、使い魔であるから共にあるのではないでしょう。
互いにそうあろうとする意思があるから、一緒に歩んで行けるのです。
私はレンと共にありたい、彼女の力になりたい。それ以上の理由が必要でしょうか」
「このように老いて尚、若人に諭されることになるとはのう」
齢すら定かではないその老人は最後にそう言った。
「思うようにするがいい、ミス・ヴァリエール」
しえん
読みふけっている場合じゃなかった、支援!
831 :
ゼロの軌跡:2008/03/05(水) 20:38:58 ID:i7h/68vQ
第4話投下終了です。
支援感謝、烈海王乙。
次でやっと決闘に入れそうです。殆どイベントこなしてないのになんだこの遅さ。
乙でした〜
じっくり丁寧に書いてるって事で、長くても構わないと思うけど
投下乙です。
最近はなんかルイズが欝気味な作品が多いけど、そこからなんとか這い上がってくる展開に期待。
乙っした!
乙。
それにしても、サイトをルーン補正無しで戦わせるきかっけを作るのって結構ムズイなあ。
お代官様、乙でごぜぇます。
>>835 そもそもガンダールウの示す『武器』ってのが曖昧だよな。
石ころでも武器として使えるとかいう屁理屈でも通りそうだけど、
そこら辺考えないと、背景含めきっかけ作るのも苦労する。
石ころが武器・・・タクティクスオウガとか?
ちょっと高低差があったりすると戦場の端から端まで届いたりするからなかなか凶悪だな。
石つぶてか
ミギーがいれば……
アニメの双月だと木刀も武器に認められなかったよな。
元剣道部に言わせてもらえば木刀って結構ヤバい武器なんだが。
だから石は認められないんじゃ…
>>837 投石は近世初期まで立派な兵器でしたよ。
武田信玄の合戦でも、石合戦で始まる事がしばしばでした。
仮説ですが、サイトが武器として認識するかってのもあるんじゃないでしょうか?
>>840 ああ、そういえば「センゴク」に確かそんな描写が。
かの宮元武蔵が島原の乱で活躍できなかった原因は普通の農民兵の投石で足に怪我したからだとか。
>>840 本人の認識によって基準が変わる、か…
それだとキートンに出てきた赤い風なんかだと
小枝一本、ネクタイ一本でガンダ発動するな。それはそれで見てみたいぜ!
個人的には上記の理由でそれを製造した時に武器として作られたかどうかが関係してると思う。
世の中にはスリングなんて武器があるくらいだし、石は十分武器になり得るな
言うまでもなく木刀も
でもまあ
>>840の言うように「使い手が武器と認識する物を手にする事」がガンダ発動の
条件なんじゃないかなとは思う
>>840-843 『武器として認識する』か……。
場合によっては危険人物発見装置になる訳だ。
存在する物全て武器って認識の人とか出て来たらミューズの立場がなくなる。
冒険野郎マクガイバー召喚とか?
石が武器と言えば戦国BASARA2の宮本武蔵とか?
そういやミューズ&エルフのゴーレムは立派に兵器なんだから
ガンダなら触っただけで乗っ取れないのかね
中出しクンニ君 ◆QU0HKDB7ak
【学名】バルカンクンニ
【生息地】静岡
【血液型】ケチャップ
【年齢】おっさん
【年収】80万
【記憶力】鳥
【性癖】ペド 小4〜中2とセックスしたい
【資格など】英検初段 TOEIC 95点 TOEFL 950点
【備考】プロトコルレベルでネットワークに詳しい 早朝に女子社員からチョコを20個もらった夢を見たが、実際は27個もらった
中学時代にPSG-1のモデルガンを所持していた 大麻を吸ったことがある
中学高校時代はバスケ部で7番のポイントガード 自らドリブル突破してのダンクが得意技
ジャンプ力は小学校の頃、垂直とび93cmで今なら推定120cmのトップアスリート級 世界記録の129cmにも迫る勢いである
でもスタミナは絶望的だった
大学時代は武闘派で影の番長 相手の頭を陥没させることが可能な拳の持ち主だが、酒の席で自称番長を思いっきり殴ったのに
次の日には、殴られた自称番長は平然としていたらしい
体重60Kg以下の連中はクリーンヒットで10発以内に倒せる
高校生と合コンした二次会のカラオケで 女の子をレイプしようとしていたらしい
俺が日本経済を止めようと思えば簡単に止めるどころか崩壊させる事が出来る
18歳の小僧に腹パン食らう DVD-ROMで出血
高校のときはバンドでヴォーカル 大学時代、新車で300万(諸経費別)のGL1800を中古で購入。購入額300万
最高裁判長の知り合いがいて無実でも無期懲役でぶち込む事はたやすい。死刑までは無理
独自理論の包帯巻きのサラシ巻きができる。再現は不可能 しゃべるときにはビブラート(笑)をかける
負ければ官軍 コーヒー豆は炊くものらしい
さらにはロンドンへ出張の際、UKでプロパイダ業務免許を持っていないはずのNTTグループ傘下の
OCNの回線にて書き込むという荒業も披露 ちなみにロンドンからフシアナすると太文字になるらしい
現地時間の朝っぱらから酒盛りは当たり前
また、PCを持っていかなかったため、現地の人間にPCを借りた際、即日本時間に修正するという大和魂の持ち主
その割にはちゃっかり箱○は持参してGRAW2などで遊んでいた模様
さらにはプレゼンの研修を終えたのか、借り物のPCに張り付いて徹夜で2ちゃんに書き込むなど、
充実した出張期間を送っている様である何故か同じ北半球に位置するはずのイギリスが、今現在真夏らしい
と、思ったら真冬だけどイギリスに限らずヨーロッパ全土が今エルニーニョのおかげで
昼間は初夏の日差しなので、真夏と勘違いしただけだった
ロンドン滞在中、佐川からバイオショックが届くのが待ちきれず、わざわざ家族に連絡し郵便受けを見に行かせた
秋葉に行くことが親の死に目にあう事と同じくらい大切
著作権のある画像はうpろだに貼ればどんな著作権もフリーになるという裏技を知っている
彼の睡眠はわずか1分という短さで覚め、その引き換えにレスをすると1レスにつき10秒寿命を縮めてしまう
相手が敗走していても自分も敗走してしまうという彼の辞書には敗北という文字も勝利という文字も記されてはいない
アイマスキャラを服の上から透視可能
2008年2月28日、悟りを開く
本人曰く、これらは出所不明の情報だが真実らしい
こんばんは。
次ができたのですが、投下してもいいでしょうか?
支援
◇
草笛の音が、たどたどしく、しかしだからこそ素朴に墓場に響く。
鳴らしているのはシエスタだった。
泣き止んで落ち着いたムスタディオが、ばつの悪さをごまかすために聞いてみたのだ。草笛を吹けるか。吹ける様だったら、自分にも教えてくれないか。
墓の外は、見渡す限りの草原が広がっていた。黄昏はじめた陽光が、それを金色に染め上げ始めている。
そんな様を見ていたら、無性に自分でも草笛をやってみたくなったのだった。
――思い出す。
こんな草原に野営する際は、いつもラムザが草笛を鳴らしていた。
一番の親友だった男と共に、父に習ったと言っていた。少しさびしげに。
彼らと過ごした日々。この世界にやってきてからたった数日で、距離も心も遠い、と感じたそれらが、再び身体に少しずつ染み渡ってくる気がする。
沈みゆく太陽を見つめる。
それは旅先で何度も見た夕暮れのように美しく、無常で。
それだけで、何かやっていけそうな気がした。
「ブレイブストーリー/ゼロ」-11
◇
教えてくれ、と言ってきたムスタディオは、しかしいざシエスタが草笛を鳴らし始めるとその真似すらしようとしなかった。
草の上に座り込み、ただ聴いている。
旋律も何もなくただ鳴らしているだけなのに、すごく安らいだ表情をしていた。
シエスタは草笛に何か思い入れがあるのかなと考える一方で、この人こんな顔もするんだ、と変な感心をしてしまっていた。
ずっと鳴らしていると、段々疲れて空気が吸えなくなって来る。何だかムスタディオの安らぎを壊したくないと思ってしまったシエスタは、無茶をして吹き続けてみたが、
その内どんどん顔が赤くなっていくのを気付かれ、止められてしまった。
「…………」
なんとなく、気まずい沈黙が降りる。
何か話しかけなきゃいけない気がしてあれこれ考えるシエスタだったが、思いつく話題、彼への質問はどれもこの状況では地雷な気がしてことごとく二の足を踏んでしまう
。
頭をぐるぐるさせている内に、ムスタディオから質問が来てしまった。
「さっきの遺品の話なんだけど」
「はっ、はい! なんでしょうか!?」
思わず大声を出してしまったシエスタに、ムスタディオが怪訝な表情をする。
「? ……ええと、遺品の中に、何か宝石みたいなのはなかったかい?」
「ああ」
それなら覚えている。
「大きな原石みたいなのですよね。ありました」
そういった瞬間、学院の朝のように掴みかかられそうになった。
「本当か! どこにあ……っと、わ、悪かった」
いきなりのことに悲鳴も飲み込んでしまったシエスタに、しかし途中で我に帰ったムスタディオが頭を下げる。
「だ、大丈夫です。びっくりしましたけど……あれも探しているんですか?」
「ああ。どこにあるんだい?」
まっすぐにムスタディオが見つめてくる。シエスタは少し気まずさを感じ、目を逸らしてしまう。
――それは祖母が、口紅と同じくらい大事にしていた品だ。調査隊の人間に持ち去られようとしたところを拒否し、隠し持っていたと聞いた。これもまた、シエスタにだけ見せてくれたのだ。
これは自分が墓の下に持っていかなければならない、と言っていた。
その言をシエスタは遺言とみなし、祖母の墓にたくさんの花束と共に埋めた。
……しかし。
「ごめんなさい」
シエスタはムスタディオに、頭を下げ返した。
「この村にはもう、ないんです。盗まれてしまいました」
シエスタはムスタディオに説明する。
葬式が済んで間もなく、墓荒らしが出た事を。
祖母の墓を含めたいくつかが荒らされ、宝石はその際に持ち去られてしまっていた。
「……その石には、何かの文字が刻印されていたはずだ……いや、その宝石の色は、何色だった?」
「深い青色です」
「――ヴァルゴか、なんてこった……」
ムスタディオが両手で顔を覆う。
その声には、悲しみや苛立ちなんかを通り越した「疲れ」が滲み出ていた。
「ご……ごめんなさい」
「いや、仕方ないよ。シエスタは何も悪くない」
しばらくして手を外したムスタディオの顔は、今までになく精悍な面持ちをしていた。
そしてその口から出た言葉に、シエスタは驚かされることになる。
「シエスタはいつ学院に戻るつもりだい?」
早く学院に戻らせてくれ、と。
ムスタディオの表情と、口調が言外の意思を物語っている。
「学院に戻るつもりなんですか?」
思わず聞いてしまった。
彼女はお前のものなんかにはならない!支援
――だって、とシエスタは思う。村へ来る道中のムスタディオは、夜逃げしてきた人のような表情をしていた。
何を考えていたかは分からなかったが、鎖を千切った家畜のように、どこか遠くへと離れていく風にしか見えなかったのだ。
「……ミス・ヴァリエールともうまく行ってないんですよね」
「ゼロのルイズ」はしばしば使用人達の間でも話題になっている。というより、貴族を快く思わない人々の間で密かにこき下ろしの対象になっている。シエスタはそういった話に加わった事はないが。
決闘後は特にその話題でもちきりで、その中でムスタディオとルイズの仲のことも聞いていた。かなり険悪で、使い魔が主に虐待すらされている、と。
シエスタがムスタディオが逃げようとしていると思ったのも、その噂を知っていたからだった。
「そんなことまで知ってたのか」
「はい、かなり酷い扱いを受けているって。その現場を、使用人仲間が見たことがあるって」
言いながら、ルイズへのほのかな敵意が胸の中に灯る。
シエスタは、祖母のことを理解してくれ得る存在としてムスタディオに好感を抱きつつあった。それだけに納得し難いものがある。
「……うん、そうだな。あれは酷かった」
ムスタディオは色々な事を思い出したのか、弱った顔でため息をついた。墓標の一つと化した剣の柄を右手で握る。
すると、左手に刻まれていたルーンが光り始めた。鼓動を刻むように、光が強まっていく。何が起こっているのか自分でもわからないのか、ムスタディオ自身もその様子を眺めているが――その顔が、光に呼応するように引き締まっていくのをシエスタは見ていた。
「なあ、シエスタ、この剣を貰ってもいいかな? ……依頼主に、形見分けをさせてほしいんだ」
「あ、はい。家族にも聞いてみないと分からないですけど……事情を話せば、たぶん大丈夫だと思います」
ず、という音に少し驚く。シエスタがそう言った瞬間、ムスタディオが墓から剣を引き抜いたのだ。
錆びた剣を、ムスタディオが構える。正眼だ。祖母が教えてくれた。そしてその構えは、剣を持った祖母の立ち振る舞いと驚くほど似ていた。
まるで、祖母の戦う様子を見ていたかのように。
ルーンの輝きが増す。
「彼女なら、きっと逃げないと思うんだ」
その姿に半ば見とれていたシエスタは、え? と聞き返してしまう。
少しの間の後、何かの覚悟を決めたようにムスタディオが口を開いた。
「たぶんさ、オレはあそこから逃げてきたんだ」
支援
懺悔をするように。一言一言ゆっくりと吐き出す。
「仲間の手がかりを探しに来ただなんて、もちろん本当だけど……言い訳さ。ここに来る途中で、何度もこのまま姿をくらますのもいいかななんて考えてた」
そこで、ふとムスタディオの表情が和らいだ。
「尊敬していたんだ、シエスタの祖母のこと。……彼女は、本当に高潔な人物だった。その、話に聞いた分ではさ。
うまく言えないけど、オレや依頼主は、彼女に恥じない生き方をしなきゃいけない。ここに来て、シエスタの話を聞いて、今、そう思ってる」
自分に言い聞かせるような様子だった。ムスタディオは、ええと、だから、学院に戻ろうと思う、と言葉を続ける。
「……オレはヴァリエール様の使い魔だ。それは押し付けられたものだけど、そうなっている以上、お互いが納得が行く方法で決着をつけなけりゃいけない。
こんな、逃げ出すなんて卑怯だ。君の祖母ならきっとそうするだろうし……うん、君の祖母ならそうする。ならオレは逃げるわけにはいかないよ。
他にも、とても重大な義務をほっぽり投げて来てしまった。……悪いね、変な話しちゃって。何のことかわからないだろう?」
「はい、よく分かりません」
シエスタは素直にそう言った。ムスタディオが苦笑する。
彼がこの場所に来て、何を思ったのか。それは自分には推し量れない。シエスタは先ほどの涙を見た際にそう悟っていた。
彼と祖母の間には、自分には見る事のできない絆があるように思える。
しかしその絆がいつ生まれたものなのか。彼と彼女の間にいかなる接点があったのか。よく分からない話だ。
ただ、一つ思うことがあった。
「ムスタディオさん、すごくまっすぐなんですね」
「へ?」
シエスタとしては素直な気持ちを口にしただけなのだが、ムスタディオは先ほどシエスタがしてしまったような気の抜けた声を出した。しかしその瞳は、今までストレスに苛まれていた様子からは想像がつかないくらい澄んでいる、ようにシエスタには見えた。
何の確信もないけど、きっとこれがこの人本来の姿であるように思えた。
「わたしも言えずにいたことがあるんですけど」
そのまっすぐさに応じようと思った。
それは決闘が終わってからというもの、ずっとシエスタの片隅で燻っていた後ろめたさだ。
「あの時、助けていただいてありがとうございました」
頭を深々と下げる。やっと言えた、と思った。
あの時。困り果てていた自分を助けてくれて、本当にありがとう。
草原に風が吹き、草が赤い海のように波打つ。
ムスタディオはぽかんとしていたが、自分が礼を言われる理由にようやく思い至ったのか、ぽつりと言った。
「シエスタの方こそ、素直だな。
……オレもヴァリエール様も、そのくらいまっすぐにならなくちゃ」
◇
支援します
――タルブについてから数日経った。
その間、シエスタは馴染んだ自分の故郷だというのにたくさんの驚きに遭遇した。
それは主にムスタディオについてである。
シエスタ達が乗ってきた馬車は、数日に一度しか村へやってこない。だからムスタディオはシエスタの家に滞在することになった。
その間の彼は、魔法学院で使い魔をやっていた頃が嘘のように快活な青年だった。
よくおしゃべりをし、色々なことに旺盛に首を突っ込み、その意外なまでのひょうきんさですぐに馴染んでしまう。
また手先が器用で身が軽く、痛んだ家屋、農具等の修理を進んで手伝った。その手際は村に一つだけの大工の一家が「お前、俺らの代わりにこの村の大工おやってくれ」と言い出すほどだ。しかし彼の本業は大工ではなく、修理工のようなものだったらしい。
年頃の少女がいきなり連れてきた妙な青年を、シエスタの家族は最初怪訝がっていたが、やがてその様子に対応を柔らかいものに改めていき、ついにはシエスタに「お前、良い男を連れて帰ってきたな」と冗談交じりで言うようになっていった。
村人たちからの反応も同じであり、シエスタはその度に恥ずかしがって否定したが、……実は心のどこかではまんざらでもない気分だった。時たま妙なことを言うのは祖母も同じだったので、好感の色眼鏡で見るシエスタにはそう気にもならない。
その時間はあっという間に過ぎていく。
しかし、ムスタディオのまっすぐな双眸は、もう曇りを見せない。
その様子を、シエスタは見ていた。
以上、投下終了です。
ラムアグとかラムムス派とかの方々には申し訳ないことをしました。
特にラムムス派の方々はすみません。すみません。
ラム×ムスだと・・・
お疲れ様です
いつも楽しく読んでます
機工士本領発揮。支援
ほほう、なかなか真っ直ぐな良い話ですな
うん、お疲れでした
864 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 22:22:13 ID:C1MddhlJ
乙
気にすることネーベよ
乙。
アグオヴェでFA。
あと、ラムムスはあり得ないw
スマナイsage忘れてた
ごめん
投下お疲れ様。
ラムムス・・・・、うほっな関係って事ですか。もしくは薔薇的な。
きっと今頃ルイズは色々・・・・っとエピタフは禁止だったな。
確かヴァルゴって堕天使アルテマの聖石だったような……確かにヤバイ
タバサの手元にあるはずの二つの聖石は大丈夫だろうか?
みなみけからフユキ召還とか誰か書かないかな
ラムムスはムスアグの書き間違えだと信じたいw
ブイブストーリー氏、投下乙。
描写(特に感情面の)が細かくていいわあ。
>ラムムス派
ムスタディオをやっつけろ☆(性的な意味で
こんな感じか……いや、過ぎるが。
関係ないけど、FFTの絶叫SEて「アッー!」って聞こえるよねw
乙。
ラムザ×ムスカに見えた人間は中毒と言われるのだろうか……。
>>868 魔人の中身がロリッ子とは恐ろしいな。
ブレイブ氏乙。
でもラムムスとか下手なこと言うと腐がきそうだから気をつけて。
.hack//G.U.からモルガナ八相を召喚…
ごめん、言ってみただけなんだ…
ぴろし3召喚もありならOKかなって…
>>845 めちゃくちゃみたいけど、相当な科学知識がないと書くの無理だよなww
これは偏見かもしれないけど
ブレイブストーリーって腐女子が書いた腐女子向け小説?
>>877 どこをどう見たらそういった結論に達するのか全く理解できない
見てないなら迂闊な事は書かない方が良いぞ?
>>877 何を指してのことかは判らんが、上記のSSの元ゲーは基本的には恋愛要素はあんまりないぞ
>>876 まず、どの八相を誰に召喚させるか悩んだり…
中の人繋がりでギーシュがスケィスか順当にルイズにスケィスか…
ネクサスから姫矢をだな…
ワシ男ですがな(´・ω・`)
腐はそれなりに読まさせられたけど、書こうとは思わないなあ。
>>840 その仮説でいくとダイナマイト刑事やフランクさんが召喚されたらえらいことになるな
>>884 確かにフランクさんは特に危険だ
「洗っといて」と渡された下着とか平気な顔して身につけそうだしな
後、エロチカな写真を取りまくりとか
これから投下させてもらいます。マイナーなキャラ出してスマソ
MMORPGであるトリックスター0 ―ラブ―から
召喚されるキャラ 魔法型ドラゴン
固定の名前は無いので、作中での名前→ドラコ
ダンガイオーネタが出てるが
やはり大先輩のイクサー召還だな。
>>883 映画でやったヤツか、見に行ったけどダイジェスト過ぎて訳分からなかった…
>>883 いや、それならそれではっきりしっかりスレ違いな気がするんだが……
chapter1 回廊
「会えなくても、ただひたすら待ち続けるということがどれほど大変なのかは分かっています。それでも私は待つことにします」
俯いて、沈んでいたネペトリの表情が、ふと凛としたものになる。
彼女の傍らには、呪われた運命を背負っていた愛しい存在が地に伏している。
三頭の猛々しい巨龍へと変えられたエンキクラドュス。プレメイア王国の女王ネペトリのかつての姿であるポルティナから、その命の火が消えるまで彼女を愛し続けていた。
「……その出会いが、たとえ来世の出来事だとしても、私の運命の相手にお会いできるその日まで待ち続けるつもりです」
――ただ、彼女は待っていただけであった。
自分の運命の相手を、永久に愛する存在を。ウェーブの掛かったブロンドの髪が、彼女から相応以上に落ち着いた雰囲気を滲み出しているが、その心は幼い少女そのもののようであった。
そうして待っていた先には、運命の相手の死と、海神ポセイドンの求婚を受け入れる自分自身。
――これからは、どのみち誰でも構わないのです。
ネペトリが告げた言葉に、ドラコは悔しさを隠しきれずに、頭を垂れてしまった。彼女を見ることすらできない。
ただ運命の流れを見ている存在でしかない。どれ程の力があろうとも、これほど自分が無力に感じたことはなかった。
「お元気、で」
すでに何を言えばいいのか、彼女に謝罪も、励ます言葉も浮かばなかった。
それでもネペトリの瞳は、潤むことなく真っ直ぐにこちらを直視している。慈愛に満ちた、濃い緑の瞳は本当に自分を見てくれているのだろうか?
いくら考えたところで、ドラコの中で答えが出ることはなかった。
蜃気楼の中にいるような感覚を覚える。すべてが幻だったら。幻覚だったらと。
それでも、目の前に悠然と佇む彼女は幻ではない、そこに存在しているのだ。事実がドラコの胸を締め付けて、後悔の苦悶に苛まれていた。
>>886 了解。知らない人にも分かってもらえるよう努力してくれ。
892 :
小ネタ:2008/03/05(水) 23:18:02 ID:6NXoOTBf
さらば愛しき大久保町から芳裕
ワルキューレ戦では毛利新蔵から教え込まれた戦闘テクニックで
ワルキューレが出現したとどうじに姿勢を低くし
殴りかかってきたのを素早い身のこなしで交わすと
驚くギーシュに向かって地面を蹴り
その砂が目に入り、動きが止まったのを転ばして
肘などで殴打し鼻の骨を折った所でルイズに止められる
そして、
「ははは、君がルイズの使い魔くんかね」
くねくねしながらワルドは自己生涯をする
「あのちょっといいですか」
「なにかな、んー?」
「ワルドさんって」
「うん」
「ホモなんですか?」
「そうそう、ってちがーうー」
ワルドが裏切り者だと判った所で
「三万だかの軍勢が外に居る」
「うんうん」
「それでルイズを浚おうとした奴らは一体何者なんだい」
「それはレコンキスタ」
「レモンキスタ?」
「ちがうレコンキスタ」
フーケが足を組みかえるがそのせいでスカートの奥が見えてしまい
気が気で無い芳弘
「あーあのYAMAHAの」
「レコンポーザ 最初の三文字しか合ってないじゃない」
「でもさ、婚約者のホモじゃなくてワルドは刑務所行きだよね」
「高度2000メイルから何も付けずに落ちて生きて居たらね」
「だからさ、結婚出来るじゃないか」
「それは無理」
「トリステイン貴族は20歳になるまで結婚できないの、それに貴族と結婚出来るのはハルケギニアの貴族だけなの」
「じゃあ貴族になる」
「一番下っ端のシュヴァリェになるのは大変だが」
「今回のお手柄でシュバリエに」
「それは無理ね、とてもじゃないけど公に出来ない事件だもの・・・」
「そ、そんな・・・」
>>892 投下中は小ネタでも控えたほうがいいと思うぜ支援
それからドラコは、ネペトリに別れを告げてから暗闇へと向かった。
運命の女神たちに再び会うために。永遠の呪いが断ち切られたエンキクラドュスと、その運命の渦にいるネペトリの未来を問うために。
島の崖にある巨大な渦に、海の精霊から貰った鱗と共に飛び込むと、女神たちのいる海底の洞窟へと向かうことができる。
そして、知りたいことは他にもある。
(ハルコンとネペトリを守る……そして、十六人の守護者たちの審判)
恐らくだが、ドラコには後者の予想は付いていた。もしかしたら、すでにその審判を受けているはずなのだから。
首から掛けてあるダイヤモンド、アレキサンドライトの守護リングがその考えに答えるように淡い光を発する。
(もし、本当にネペトリを守ることが出来るなら……)
自分もその運命の渦に飲み込まれよう。そうして、これ以上彼女を苦しませないように、解き放ってあげたい。
エンキクラドュスの最後の言葉が脳裏に蘇ってくる。
『運命の女神に会って、伝えてほしい。もうネペトリと俺の運命が交わることが無いようにしてくれと。彼女を俺の呪われた運命から解放して自由にしてやってくれと……』
彼に対する供養になるのかもしれない。それが自己満足であることは分かっている。
それでも、エンキクラドュスの言葉を伝えて、ネペトリの未来を問わなければいけない。二人のために。
意を決して、ドラコは断崖から見下ろす巨大な渦へと身を投げ出した。
水面に落ちて、激しく揺さぶられる自身の身体と、徐々に深みに飲み込まれていく感覚。
ふと浮かぶ仲間たちの姿を思い出して、それからドラコの意識は深淵へと落ちていった――。
〜トリックスターラブをプレイしていない人たちにキャラ説明〜
ドラコ
ボヘミアンの血を受け継いだ呪術師で、神秘的な瞳と服装、クールでニヒルなイメージはまさにドラゴンそのもの
らしいのですが、これじゃルイズとまともに会話させれる自身がないのでキャラの性格を変えさせてもらいます。作中でご確認ください。
ネペトリ
プレメイア王国の王女。大陸にある国との政略結婚に思い悩む苦労人。
前世はポルティナという女性であり、かつて人間であったエンキクラドュスの恋人である。ネペトリとしての彼女はそのことを覚えてはいない。
エンキクラドュス
三頭の龍を持つ巨大な化け物。ある呪いにより運命の女神たちから、人間であるエンキクラドュスは龍の姿に変えられてしまう。この呪いを解く本当の方法は……?
ゲーム中では呪われた運命の中、唯一プレイヤーに出会えたことが幸運だと告げて息を引き取ってしまう(;ω:)
一話はゲーム内のシナリオ、エピソード2においての蜃気楼の島での物語の最後です。二話でドラコはそのままルイズに召喚されてしまいます。
他詳しいことはトリックスター0資料サイトでご確認してください。
これで一話終了です。正直ゼロ魔本編と接点がないので短くしました。
初投下で至らない点が多々ありますが、ご支援ありがとうございました。
投下乙です。
乙です
トリックスターきたか、おしいな
そろそろラテールきてくれ!!
はい。今日も筋肉です。
05話目ですが、誰も投下する人がいなかったら
5分後くらいに投下しますね。
「……なんだよこれ。感じわりぃな」
自分の使い魔が、教室に入って最初に呟いたのがそれだった。
周りのようすを見れば、鈍感なこいつでも気づくだろう。
教室に入ったとたん、先にやってきていた生徒たちが一斉に振り向いた。
そしてすぐに笑い声がクスクスという雑音を成して自分の耳に届く。
いつもながら本当に腹が立つ!
以前は失敗するたびに笑われるだけだったのが、今度は存在そのものを笑われるのか。
『サモン・サーヴァントで平民を召喚した無能なメイジ』と。
いったいなんで自分がこんな理不尽な目に遭わなくてはいけないのか。
まったくもってわからない!
「……ふん!」
私はいつも通りそれらの嘲笑を無視して席に座る。
キュルケが何か言おうとしているようだったが、どうせろくでもないことに決まっている。
聞くだけ無駄だ。
私に倣うように自分の使い魔も隣の席に座った。
本来、ここに座れるのはメイジだけだと注意したかったが、あいにくそんな気分にもなれなかった。
ほどなくして、教室の扉が開く。
入ってきたのは紫の装束を身に纏った女性。
少しふっくらとした感じの優しそうな先生だった。
たしかミセス・シュヴルーズという名前だった気がする。
彼女は教室を見回すと、満足そうに微笑んで言った。
「皆さん。春の使い魔召喚は、大成功のようですわね。このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に、様々な使い魔を見るのがとても楽しみなのですよ」
そんなセリフを悪気も無く言ってくる。
なんだか少し居た堪れない気分になってきた。
「おやおや。変わった使い魔を召喚したものですね。ミス・ヴァリエール」
ミス・シュヴルーズが、自分の使い魔のほうを見てとぼけた声で言うと、周りが湧くように笑い出した。
そんな調子で授業は始まった。
「何して遊ぶ?」
「いや、今授業中なんだけど……」
ミス・シュヴルーズが教壇の上で何かを喋り始めたと思ったら、隣に座っていた使い魔が話しかけてきた。
仮に遊びに誘うのにしても、授業が始まるこのタイミングで誘うのはどう考えてもおかしいと思う。
「そっかよ……」
私がそっけなく答えると、大きな背中を丸めて向こうを向いてしまった。
「ミス・ヴァリエール。授業中に余所見をする余裕があるなら、あなたにやってもらいましょう」
さっそく注意されたあげく、教壇の上で錬金をやってみろと言われてしまった。
私は自分の使い魔のほうを思いっきり睨んでやったが、なぜか安心したようにふぅと息をついていた。
「……一応言っておくけど、万が一にもあんたが授業で指されるようなことはないからね」
「なっ!? マジかよっ!?」
使い魔は心底驚いたように目を見開いたかと思うと、今度は悔しそうにギュッと目を瞑った。
「くそっ……まったくわからないのに授業で指されたらどうしよう、って不安と戦っていた自分が馬鹿みてえじゃねかっ」
「……」
なんだか少し頭痛がする。
>>899 某スレのおかげでハムの人っていうとグラハム・エーカー氏が真っ先に…
支援
支援
「あ、あの〜先生」
「何か?」
「やめておいたほうが……」
マリコルヌの発言にほとんどの生徒が、うんうんと力強く頷く。
「危険です! ルイズがやるくらいなら私が!」
「危険? 錬金の何が危険だというのです?」
とうとうキュルケにまで言われた!
ここまでぼろくそに言われたら、もう黙ってなんかいられない!
「やります! やらせてください!!」
そう言って教壇のところまで行き、杖をかまえて教卓の上の小さな石ころを凝視する。
「ルイズ。やめ―――」
「頑張れよっ。ルイズ!」
キュルケの言葉を自分の使い魔が遮った。
―――そこでふと気づいた。
物心ついたときから、やめろやめろ、どうせまた失敗だと言われ続けていた。
改めて思う。
魔法を使うときに応援されるのは久しぶりだった。
自分の使い魔は、信じているのだ。
主人の成功を。
(これは……成功させないとね)
私はいつもより杖を持つ手に力を入れる。
「錬金したい金属を、強く心に思い浮かべるのです」
ミセス・シュヴルーズがニコリと微笑みながら言う。
その言葉を聞いて、私は肩の力を抜いた。
(そうよ! それに、サモン・サーヴァントだって成功したんだもの! 私はきっとできるわ!)
心を落ち着かせるために大きく息を吸い、そして吐く。
杖を振り下ろし、呪文を唱えた。
半テンポほど遅れて、光り輝きだす石。
(やった! 成功―――)
そう思った瞬間、自分の間近で聞き慣れた音を聞いた。
いや、普段聞き慣れた音よりも何倍も大きな、
―――爆発音を。
>>859 ムス×ラムだろjk
_,r'´::::::::::::::::::::::::::`'、. / 入 遠 ほ
{::::::::rr-‐-‐'^i::::::::::::::i. ! れ 慮 ら
゙l'´゙《 __,,,ゝ:::r、:::::l | て し
ト=r;、 ゙"rィァ‐リメ }:::::} ヽ み .な
゙i`"l  ̄ ソ::::ヽ l′ ろ い
゙i. ゝ^ , /ヾヾヾ、 ヽ, よ で
ヽ ゙こ´ / ヽ、 ∠_
ヽ、 /__,∠、 `'-、 ^ー――
`゙ク'゙´ ` ゙'、 ヽ
/ 〉 ヽヽ
ィ ヽヽ
_,,-'´::: ゙i
/ ` }
/ ,-ィ‐r'´´ / l
__r'〈 ,ノ / ```l / l
-‐ ´ ‐ '' ´ /l::: l ー'´ l
しばらくすると、爆発とともに立ち込めていた煙が晴れる。
目の前に映るのは、砕け散った教卓。
粉々の窓ガラス。
ひびが入り、ずり落ちた黒板。
そして頭から煤を被ったかのように全身黒焦げのミセス・シュヴルーズが痙攣しながら倒れていた。
生徒のほうも、前の席にいた何人かは気絶していた。
これは酷い。
我ながらそう思った。
「ドンマイ、ルイズ」
使い魔が箒を片手に、励ますように言った。
結局、教室をめちゃくちゃにした罰として掃除を命じられた。
でも、命じられたのは私だけのはずだった。
もちろん自分を応援してくれた使い魔に手伝わせようなんて思っていなかった。
けれども、先に行ってていいと言ったのに、二人のほうが早く終わんだろと無理やり手伝ってくれたのだ。
嬉しかったが、なんとなく後ろめたい気分になった。
「……私、魔法が苦手なのよ。ううん、まるっきり成功したためしがない」
教壇のあったはずの場所を箒で掃きながら、気を紛らわすために話しかけた。
「魔法の成功確立ゼロ。ついたあだ名が『ゼロのルイズ』よ」
使い魔は何も言わず、無言で箒を掃く。
自分に背中を向けて掃いているので、どんな顔をしているかもわからない。
「おかしいでしょ? あんなにあんたをこき使っておいて、その主がこのざまよ」
自分でも笑えてくる。
あぁ、今の自分はなんて無様なのだろうかと。
sien
× 確立
○ 確率
支援
「なぁルイズ」
「なによ?」
慰めの言葉でも言うのだろうか。
なんだか言われるたびに自分がどんどん惨めになっていく気がしそうだった。
「俺を殴ってみろ」
「……は?」
こいつは今、なんて言った?
「おまえが持っている筋肉のパワーすべてを出し切って、俺を思いっきりぶん殴ってみろ」
なぜか自分の目の前に立つる使い魔。
手を伸ばせば触れられる距離だ。
「さあっ! こいっ!」
有無を言わせないような凄みで叫ぶ使い魔。
こっちの意見はお構いなしらしい。
……もうどうにでもなれ!
「……ふんっ!」
振り上げた腕を使い魔の腹部に、全力で叩き込んだ。
ボコンと鈍い音が二人だけの教室へ響く。
打ち込まれた使い魔は、少しはよろめいたり声を上げたりするかと思ったが、まったく微動だにしなかった。
確かに当たったはずなのに、まるで太くて大きな木を腕で押しているような感触だった。
>>906 投稿中になんつーAA貼ってんだw
支援!
「……やっぱりだ」
「何かわかったの?」
私は殴ったほうの手を少しさすりながら、意味ありげな顔をする使い魔に聞いた。
「ああ……どう見ても、筋肉が足りないぜ」
「……え? いや、それだけ?」
しばらく呆然としていた私は、当然の疑問をぶつけた。
「は? 殴っただけで他に何がわかるんだよ」
こいつ頭大丈夫かよ? と言いたそうな目をして言われた。
よりによってこの使い魔にだ!
「こ、ここここ、この犬! ご主人様になんて口の利き方をするのかしらっ!?」
こいつの言葉に真剣に耳を傾けた自分がアホらしく思えてきた。
「まぁ聞けルイズ。それがおまえを救う鍵になるんだ」
またわけのわからないことを言ってきた。
「じゃあ何? 私が魔法を失敗するのは筋肉がないからって言いたいの?」
「よくわかったな。その通りだ」
やはりこいつの言葉に耳を傾けたのは失敗だった。
頭痛がする。
「まあ、正確には違うな。魔法のミスを筋肉でカバーするんだ」
「……もう正直、ついていけないわ」
駄目だこいつ。早くなんとかしないと……
「騙されたと思ってちょっと鍛えてみろよ。世界が変わって見えてくるぜ?」
「そんな世界見たくないわよ。ぜっっっったいに筋肉なんて鍛えないからね」
はっきり言って無駄な時間を過ごしてしまった気がする。
今度からこいつの言葉の半分は聞き流すことにしよう。
そう思いながら、私は箒を持つ手を動かし始めた。
背中越しに見える使い魔の表情は、どことなく落ち込んでいるようにみえた。
勝手に落ち込んでいてほしい。
そんなこんなで、結局二人して昼食を食べ逃したのだった。
支援
今回の投下はこれで終了です。
題名の()の大きさは全角に統一することにしました。
さらに虚無(ゼロ)からはじめる筋肉革命05@を名前欄に書くのを忘れていました。
ご理解いただけると幸いです。
それでは次の筋肉で会いましょう。
次も期待してます。
あ〜心に〜愛が無ければ〜♪
ス〜パ〜ヒ〜ロ〜じゃないのさ〜♪
鈴「おい、こいつさっきの投下で、確率を確立って書いてたぞ」
理樹「そっとしといてあげようよ。作者には作者なりの意味があったんだよ」
作者「意味なんてねえよっ! ごめんなさいでしたぁぁっ!!」
>>909さん
ご注意ありがとうございます。
ほんとにすいません。
これからも自分の文章で何かおかしなところがあったら、
どんどん突っ込んじゃってください。
gj!
次もいい筋肉を期待してる。
>>917 作者とキャラの掛け合いはヤバいのでやめた方が無難ですわw
乙でした。
326 名前:名無しさん 投稿日:2008/03/06(木) 00:48:50 [ pdkxf5wM ]
とうとうキャラと作者が会話しだしたか
腐るにも程があるだろ
>>921 だから毒吐きのレスをもってくるなってあれほど
>>921 毒貼るナっていうかさ
毒がこんなコト言ってるぜって報告するのはさ、
>>921がそう言ってるのと一緒だから
責任転嫁とかのつもりかもしれんけど意味ないよ
最近はゲーム系が増えたのー
俺もシヴィライゼーションでちらっと書いたんだが、途中からTUEEEになるので廃棄
>>921 書いてることには共感できるがわざわざコピペしてくるなよ
あーあ、やっちゃったって感じだなw
928 :
ゼロの魔獣:2008/03/06(木) 01:24:12 ID:i4aLHpDN
五分後に投下してもよろしいですか?
試演
思い思いに増殖を繰り返していた異形の群れが、共通の敵の侵入に対し、一斉に牙を剥く。
甲虫の牙をかわし、飛び散る虚空の粒を避けながら、慎一が飛ぶ。
サーカスを繰り広げながら真紅の機体に取りすがり、その内部へと体を滑り込ませる。
威勢よく啖呵をきって飛び出してきた慎一だったが、実は機体の動かし方が分からない。
ロボットの頭部となったイーグル号に乗り込むのは、これが初めてだった。
迷っている暇はない。 開きっぱなしのハッチからドス黒い液体が流れ込み、
パキパキという音を立てて、髑髏の怪物が侵入してくる。
ヤケクソになった慎一は、目ぼしいスイッチを片っ端から弄っていく。
機体はウンともスンとも言わない。
ドジュウゥッ、と、天井を伝うドグラの雫が、慎一の肩を濡らす。
瞬く間に触手が生え出す右肩に、慎一は迷いもせずに齧り付く、
ドグラに侵された部位を噛み千切り、ペッ、と吐き捨てる。 鮮血が噴出す。
「こなクソオオオ!!」
慎一ががむしゃらにレバーを動かす。
顔面についたソバカスのような無数の虚穴が、徐々にホクロのように拡大していく。
ドグラの水溜りに浸かった足から、タコのような触手がズルリと生え始める。
「動きやがれええええ!! テメエッ それでも国産車かァ!?」
無茶な理屈を叫びながら、慎一が勢い良くコンソールをぶっ叩く。
直後、ブウゥゥン、という起動音とともにモニターが起動する。
―勿論、叩いたから直ったわけでは無い。
イーグル号の内部に、慎一とは別の意志が宿っていた・・・。
室内にゆっくりと緑の光が満ちる。
その光を忌避するかのように、コックピットに溢れていたドグラの群れが引いていく。
緑一色の世界の中、慎一は見た。
計器類を確認しながら、手馴れた手つきでスイッチを動かす白衣の男・・・。
かつて、タルブの夕焼けの中に見た、『彼』であった。
ご機嫌なエンジン音を確認しながら、男が中央のレバーへと手を伸ばす。
その上から、慎一が左手を重ねる。
「助かったよ・・・ アンタの思い 俺が預るぜ」
慎一の言葉に、男が笑う。
フル回転する炉心に合わせ、機体が徐々に熱を持ち、白色の光を放ち始める。
「後は頼んだぜッ!! ルイズゥ!!」
オーブン状態のコックピットでその身を灼かれながら、慎一が勢いよくレバーを倒した。
・
・
支援じゃーい
イーグル号の異様な発光を確認し、ルイズがヘルメットを脱ぎ捨てる。
両手で自らの頬を叩き、気合を入れて杖を構える。
「やって見せるわ! シンイチ・・・」
大きく一つ深呼吸して、詠唱を始める。
体内に湧き上がる力のうねりを感じながら、高々と杖を振り上げる。
(― もし この一撃が シンイチに当たったら・・・)
ドクン!
と、負の思考がよぎり、指先が震える。
指先の震えは、心の震え。
発光するイーグル号の真横で爆発が起こり、ドグラが大きく抉り取られる。
自身でも考えていなかった威力の爆発が、かえって少女の心を萎えさせる。
知りうる限りの詠唱を試し、何度も何度も杖を振るう。
しかし、爆発は小規模な閃光へと変わり、目標を大きく外し続ける。
機体が輝きを放ちだしてから、既に十分近くが経過している。
いかに魔獣の細胞を持つとはいえ、このままでは慎一が・・・。
気が急くあまり、ルイズは気づかない。 魔法が成功しない理由が、自らの内にある事に・・・。
もはや、詠唱もへったくれもない。 喚き声を上げ、玉のような汗を飛ばしながら、ガムシャラに杖を振るう。
精神は大きく乱れて、爆発すらも起こらない。
状況を静観していたドグラの群れが、ここに来て大きく動き出す。
煩わしい輝きを放つ機体を屠らんと、一体となってその身をうねらせる。
ただならぬ気配を察知し、大きく肩で息をしていたルイズが再び杖を構える。
足元が揺らぎ、杖先が大きく震える。
「シン・・・ シンイ チ・・・」
杖を振りかぶろうとする少女の眼前に、堤防のようにそそり立った異形の姿が現れる。
「シンイチィィィィィッ!!」
ルイズの叫びと同時に、ドグラの大津波がイーグル号を飲み込んだ・・・。
・
・
ドグラの海へと消えたイーグル号に、トリステインの兵達が絶望の声を上げる。
「シンイチ・・・」
「・・・・・・・・・・」
キュルケもタバサも、二の句を告げることができない。
慎一の死は、トリステインの最後を意味していた。
もはやこの世界に、ドグラを止められる者はいない。
自らの勝利をひけらかすかのように、異形の群れが小高い山をなしていく。
このまま雪崩のごとくタルブの地を、そしてトリステインを飲み込むことは明白であった。
「・・・! 待って!? 皆 あれを!」
恐慌をきたす兵達を押し留め、アンリエッタが叫ぶ。
山の内部から響く異形の喚き。
ドグラの巨体が、先程とは異質な変化を遂げ始めていた・・・。
(全ては・・・ すべては私の責任・・・)
その場に崩れ落ちたルイズが、はらはらと涙を流す。
ヴェストリの広場での決闘の日、ルイズは自らの能力・・・『爆発』の使い方に気づいていた。
気付いた上で、慎一の指摘を受けるまで、その選択を保留し続けた。
自らの力、その異形さを肯定するのが恐ろしかった。
そして、その代償がこの事態である。
自らの力を受け入れ、研鑽を積み重ねていたなら、今日の様な事にはならなかったはずだ。
自分を守ろうとした使い魔は死に、その罪は、自分の愛した世界で償わねばならなかった。
思考の泥沼に陥ったルイズを引き上げたのは、兵士達の驚嘆の声。
フッ― と、顔を上げた先にあったのは、頂部が異常に膨れ上がったドグラの山。
球体のような塊が、枝分かれして指を成し、徐々に巨大な握り拳へと変化していく。
「グ オ オ オ オ ォ ォ ォ オ オ オ ォ オ ォ ォ オ オ オ ォ ! ! ! !」
大気を震わせ、大地を揺さぶりながら、聞き覚えのある雄叫びが響き渡る。
やがて、ざわめく異形の群れを蹴散らしながら、巨大な魔獣の顔面が姿を見せた。
・
・
「「「「キシェイイイアアアアアオオオオオアアア!!」」」」
「ガッ アアアァァァ アアアアアアア!!!!」
突如として体内から現れた巨獣を取り込まんと、異形の群れが咆哮を挙げる。
秩序だった動きでドグラが竜巻となり、魔獣の全身に張り付いて虚穴を作る。
魔獣の咆哮に合わせ、その肩口から巨大な獅子が現れ、ドス黒く変色した胸元を喰い破る。
「あれは・・・ シンイチ・・・なの?」
「ドグラを・・・喰ってる・・・
ドグラに侵された体を喰らい、新たな肉体を再生している」
放心したようなキュルケの問いに、冷や汗を流しながらタバサが答える。
二匹の巨大な蛇が、互いを喰らわんと取りすがる地獄絵図。
魔獣が拳を振るうたびに旋風が吹き、大地が砕ける。
唯一つ分っている事 ― どちらが勝っても、ハルケギニアに未来はない。
魔獣が暴れる毎にドグラが周囲に飛び散り、分裂したドグラを喰らい魔獣が巨大化する。
爆音が轟き、地割れが起こり、ドグラの旋風が吹き荒れる。
世界が終末へと近づいていた。
・
・
無力さに立ち尽くす人々の中、ルイズだけは別の感情を抱いていた。
人の姿を捨て、人としての自我を捨て、自らの体を喰らいながら、未だ慎一は戦い続けている。
誰のためか? 他ならぬ、自分とハルケギニアの為ではないか。
全力も尽くさず、くだらない後悔で歩みを止めた先刻の自分をブン殴りたい気分だった。
力強く杖を握り締め、大地を踏みしめ立ち上がる。
慎一を救うため、命ある限り、足掻いて足掻いて足掻きぬく。
そうせねばならぬだけの義務が彼女にはあった。
(一発勝負・・・)
そう心に決めた途端、フッと体が軽くなった。
精神状態の変化に合わせ、体内に新たな力がみなぎるのを感じる。
唯一の問題は、イーグル号の位置である。
あの機体のエネルギーを使わなければ、慎一を虚空へ帰すことは出来ない。
ふと、何かを思い出したルイズは、静かに瞳を閉じる。
この場でイーグル号の在りかを知りうる者が一人だけいる。
― ドグラと同化したある慎一である。
完全に自我を失った慎一とコンタクトを取れるのは、五感を共有できるルイズだけであろう。
ルイズが意識を集中させ、慎一の意識へ、そして、そこにいるはずの『彼女』へと語りかける。
―やがて、魔獣の右拳に、巨大なルーン文字が出現した。
柔らかな光を受け、ドグラの動きが緩慢になる。
魔獣の瞳から暴力の色が消え失せ、硬く閉ざされていた右拳が、ゆっくりと開き始める。
魔獣の掌の中にあったのは、未だ輝きを放つイーグル号・・・。
― そして
(マリア!?)
ドグラの猛攻から守るように、堅く握り締められていた右手の中
真理阿はその中にいた。
腰まで伸びた豊かな黒髪、無限の宇宙を携えた瞳
離れているのに、まつげの先までハッキリと見える。
真理阿が何事か口を動かす。
その形に合わせて、ルイズもまた口を動かす。
はじめはたどたどしく、丸暗記した単語をそらんじるかのように、
しかし徐々に流暢に、歌でもさえずるように、ルイズの詠唱が流れに乗る。
「エオルー・スーヌ・フィル・ヤルンサクサ・・・」
頭の中に湧き上がる詠唱。ルイズは思い出す。
始祖ブリミルの加護を得て、この世界にやってきた真理阿。
これは恐らく、ブリミルからの言づて・・・。
(想いを込めて パワーを高めるのよ・・・)
真理阿の声を聞き、ルイズがただひたすらに祈る。
ハルケギニアの事でも、自分の未来でもない。
慎一を、真理阿を、元の世界へ帰す・・・ と、
「ジェラ・イサ・ウンジュー・ハガル・ベオークン・・・ イル!!」
大粒の涙を流しながら、ルイズが最後の詠唱を完成させる。
大気が一瞬静寂で満ち、イーグル号が閃光を放つ。
真理阿が微笑む―。
直後、轟音が炸裂し、大破したイーグル号から緑の光柱が立ち上る。
光柱が分厚い雲を突き破り、真理阿を、ドグラを、慎一を飲み込んで消し去っていく。
(マリアアアアア!!)
凄まじい衝撃波に肺を押さえられ、ルイズの叫びは声にならない。
拡大する閃光、ルイズの体も又、光の中へと消えた・・・。
937 :
ゼロの魔獣:2008/03/06(木) 01:39:36 ID:i4aLHpDN
以上で投下終了です。
支援ありがとうございました。
多分、残り二話分くらいかと思います。
最後までお付き合いいただければ幸いです。
938 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/06(木) 01:43:30 ID:aHgy8wro
心が震えるほど支援!→乙!!
乙です
燃えた
乙!
>>924 ジョゼフがモンテスマ(問答無用の狂犬)を
教皇がシャカ(問答無用の狂犬)を
テファがエカテリーナ(親友の頼みなら別の親友を裏から斬る女)を
ルイズがアレクサンダー(ファランクスの強さが光る戦争屋)を
召喚しました
世界大戦確定
マンサムサとかガンジーの内政屋な平和主義者なら…
V3の続きが読みたいです><
某所にて、ルイズに召喚されたフェ○トさん@リリ○ルな○はSts後が、恐ろしい策士
となって、ハルケギニア大陸の裏経済(特に蒸留酒流通ルート)を支配しかけている・・・
アブサンでガリア首都を騒がし、その「対策」を取引材料にガリア王室にまで楔を打ち
込むほど「黒い」キャラやで。
さて、調子に乗って書き上げた作品の第一話ができたので投下してみたいと思うが。
おk?
――鈍い音を立てて、青年の体が地面に叩きつけられた。
自分は何をやっているのだろう。 そんな思考が脳裏を掠めた。
周囲に群がる観衆の中に、桃色と黒色の髪を見つけていなければ、
きっと回答を見出すことすらできなかったに違いない。
鋼の巨人に何度も殴られた身体が軋み、悲鳴を上げた。
その悉くを完全に無視し、青年は身を起こす。
負けられない戦いがあるのだ。
ゆっくりと拳を握り締める。
彼は使い魔だった。
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールが召還した使い魔。
名前は無い。元より、そういった物を与えられた記憶がない。
ただボンヤリと「0号」と呼ばれていたような気がする。
なのでそう名乗ると、何故か周囲の人々は一斉に囃し立てた。
『ゼロのルイズがゼロを召還した』と。
「……まだ立ち向かう気かい? 諦めが悪いなあ、君は」
唐突に声をかけられ、記憶を振り返っていた彼は一瞬戸惑った。
ワルキューレなる巨人に守られた少年、ギーシュが話しかけてきたのだと気付く。
「しかし幾ら決闘とはいえ、こうも一方的になると些か興ざめだね……」
そう、決闘だ。
その事実を再認識する。
事の始まりは――殺しあうような問題でもなかった筈だが。
ああ、いや、目前の貴族にとってはそうなのだろうか?
彼には良くわからなかった。
そもそも、彼にわかる事など、この世界にどれ程あるだろう。
魔法。
貴族。
学園。
二つの月。
どれもこれも、かつての彼とは全く無縁の存在だ。
ただ……それでも、理解できた事だって、ある。
発端となったのは、今も観衆に紛れて此方を見ている黒髪の娘だ。
ギーシュが彼女を叱り付けている場面に出くわし、彼が割って入った。
あまり難しいことはわからないが、少なくとも真っ当な叱責には見えなかったのだ。
そう、あれは力を持つものによる蹂躙――暴虐だ。
彼もかつて経験したことのある、忌むべき行為。
許せなかった。
それが彼の理解できた、数少ない事象の一つ。
決闘を受ける気になった、理由である。
「……ほら、受け取りたまえ」
そんな事をボンヤリと考えていると、彼の目前に何かが突き立てられていた。
――武器だ。
細身の剣。斬るよりは突き刺すことを目的とした形状。
情けのつもりだろうか。だとすれば笑ってしまう。
鉄の塊に対して『突き刺せ』とは。
「魔法の使えない平民が、貴族と戦うために鍛え上げた道具さ。
さあ、剣を握ると良い、使い魔君」
彼はギーシュの言葉に従い、その剣を掴む。
そして、刀身の半ばから真っ二つにへし折って見せた。
「…………ッ!」
いくら社会経験の少ない貴族の子息とはいえ、その意図は紛れも無く理解できたろう。
ギリィッと歯軋りをしたギーシュは、口の端から搾り出すようにして罵り声をあげる。
「この……ッ! 出来損ないの、規格外め…ッ!」
――規格外?
「ああ、そうだとも! 魔法の使えない“ゼロ”に呼び出された使い魔!
それも動物ですらない平民だ。 君は紛れも無い規格外の失敗だともッ!!」
桃色の髪の娘が、びくりと肩を震わせるのが遠目にも見えた。
今のは彼への罵倒でありながら、しかしルイズの心にも深く突き刺さったのだ。
或いは自分がもっと優秀なメイジであったなら、彼もこのような目には合わずに済んだかもしれない。
だが。
彼にとっては、そんな罵倒は全く意味を成さなかった。
――規格外。
その言葉が頭の中で響く。
そう。
そうだ。
何故忘れていたのだろう。否、忘れさせられたのだ。
彼の名前。 0号ではない。 違う呼び名があった。
――ギーシュは気付かない。
彼の口元が歪に歪んだ事に。
――0号が、高らかに己の名を叫ぶ。
「ガイバァアァアァァァアァァ……ッ!!」
948 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/06(木) 02:54:25 ID:L/y1k3Cb
しえん
sageてなかったわ
空間が歪み、そして『ソレ』が現れた。
「……なによ、アレ……ッ!」
ルイズが声を上げた。
それは鎧だった。
大きく後方へと張り出した角。
目の部分は鏡のような細工が施されている。
鎧の隙間には黒い皮膚が覗き、
また胸部はひときわ分厚い装甲で覆われていた。
ただの装飾と言いきってしまうことのできない、腕の突起。
そして何よりも異彩を放つのは、全身に埋め込まれた金属球。
奇妙な意匠の全身鎧。
否。そうではない。
0号を内部に取り込む仕草、かすかな脈動。
そう、あれは紛れもなく――生きている。
「先住魔法だ……! こいつ先住魔法を使ったぞッ!」
理解できない事態に、野次馬気分で見物していた生徒達が悲鳴をあげる。
無理も無い。彼らにとってエルフ――先住魔法の使い手とは、恐怖と同意だ。
そして杖も無しに虚空から鎧を呼び出したこの使い魔は、紛れも無く先住魔術の使い手……ッ!
怯え、竦み、或いは既に逃げ出し、混乱に陥った生徒達の中にあって尚、
辛うじて平静を――感情を表に出さずに――済んだのは、たったの数名。
己の使い魔の力を見極めんとするルイズ。
そして同様に彼女の使い魔を見に来たキュルケ。
それに付き合ったタバサ。
そして誰であろう、ギーシュ・ド・グラモン。その人だった。
「……ッ! よ、よろしい……成程、これならば――僕の剣は必要なかっただろうね。
さあきたまえ、わ、ワルキューレの力を見せてやろう……!」
虚勢。
紛れも無い虚勢。
だが、彼もまた貴族なのだ。
軽薄であり、女たらしであり、情けなく、経験不足であっても。
逃げることだけは、しなかった。
0号が奔る。
ワルキューレが迎え撃つ。
鉄の女神達は拳で攻撃していた先ほどまでとは違い、錬金で生み出された武具を手にしていた。
それに呼応するかのように0号の腕の突起が伸び、周囲にブゥンという羽音のような音が響き出す。
――剣だ。
「受け止めろ、ワルキューレ!」
ギーシュの判断は的確であった。
惜しむらくは、彼が高周波という概念を知らなかったこと。
超高速で振動する0号の刃は此の世に断ち切れぬものが存在しない。
ワルキューレの剣に食い込み、その分子接合を切断。
そのまま武具ごと女神の胴体を斬って捨てる。
「……ッ! ならば――弓だッ!」
接近戦に持ち込まれては不味い。
咄嗟に距離をとった二体目のワルキューレが、その手に持った弓に、巨大な矢をつがえる。
無論、人に対して使うような代物ではない。“決闘ごっこ”で使う気も、勿論無かった。
だが、ダメだ。 あの0号――あの規格外品に手加減をしては、ダメだ!
鋼の糸が弾ける音がして、凄まじい速度で矢が放たれる。
だが0号は動じない。
まるで睨むことで矢を止められるとでも言うように、その攻撃へと視線を向け――
閃光が奔った。
次の瞬間、鉄矢は空中で溶解する。
さらに、その延長線上にいたワルキューレが頭部に大穴をあけられ、溶けおちた。
「……なッ!」
有り得ない。
まだ辛うじて、この戦いを見物できていた者達の誰もが言葉を失った。
いくら先住魔法と言えど、あんな代物は見たことも聞いたことがない!
頭部の金属球から熱線―そう表現するよりあるまい!―を放った0号。
しかし、その前には未だ数体のワルキューレが立ちはだかる。
1対1で勝てないのならば、数で攻める。当然の帰結であった。
だが――……やはり0号に躊躇う様子は無い。
「……………………ッ」
キィィィィィィィィィxン、という酷く甲高い、耳に障る音が響きだす。
「な、なによこの音……ッ!」
「う、うるさい……!」
「………」
ルイズ、キュルケ、タバサのみならず、ギーシュすら耳を押さえて蹲る。
そして――異変が起きたのは、この時だった。
0号の前に立ちはだかっていたワルキューレの身体が震えだしたかと思うと……。
――ピシリ。
一気に全身にひび割れが生まれ、そして――崩れ落ちたのだ。
誰の目、或いは耳にも明らかだった。
信じることはできなかったが、事実は事実である。
この0号と名乗った使い魔の、今の音が、ワルキューレを崩壊に導いた。
否、それだけではない。
0号はたった一人で、鋼鉄の女神を全滅せしめたのだ。
「ま…………まい、ったよ」
感情の無い鏡のような目で睨みつけられ、息も絶え絶え、ギーシュは敗北を認めた。
――そう、確かにギーシュ・ド・グラモンの言葉は正しかったのだ。
ゼロのルイズは、紛れも無く。
『規格外品』を召還したのだから。
953 :
規格外品0号:2008/03/06(木) 03:14:45 ID:TH+whbUG
以上、第一話。
よりにもよってガイバー、それも0号を召還してみたり。
ガイバーI? ガイバーIII?
そんな事よりガイバーIIと0号って格好良いよね(何か言った)
あ、あと脳内BGMはOVA版のOPで。
「ガイバァアァアァァァァッ!」とシャウトしつつ。
乙
テンション上がって書いちゃったのがわかるわww
しかし今後が大変だね、もうなんかさ、やりたいことやりきってね?
乙。
>>944を読み飛ばしてしまって、雰囲気的にてっきり小ネタだと思ってた(汗
……ところで0号って誰だっけ?
956 :
規格外品0号:2008/03/06(木) 03:24:08 ID:TH+whbUG
>>954 いやガイバーネタだと後何個かやりたいことがあるので、あるので!
>>955 “降臨者”が「人間って新製品作ってみたけどユニット着せてみね?」と
着せてみたら暴走した挙句、他のゾアノイドを叩き潰して反逆したので、
こりゃ規格外品だわとユニットと強制分離、燃やされた名も無きガイバー。
>>956 あぁ、リムーバー喰らったヤツか……thx。
逆巻く炎の向こうで君を待ってる人がいるのなら乙!
ガイバー・ゼロとはこりゃまた渋い。
最初タイトル見たとき、記憶を失ったン=ダグバ=ゼバ様(未確認生命体0号inクウガ)かと思った。
※実はOVAガイバーとクウガって脚本同じだったり。
乙ついでに次スレよろしく〜。
乙
やりたいネタをやりつつ適当な落とし所を考えといた方がいいかもね。
あとそのネタに関係するとこ以外ズバッと削っちゃうとか…
いや、余計な御世話だけどさ。
乙
ただワルキューレは青銅
新スレ立てますよ。
>>962 乙。
ではいつもの1000取り。
「闇の運命を背負う者」の「国間仁」を召喚。
ちょっとネタがマイナー過ぎたかな?
>>964 アイツは強すぎないか?
空間曲げられるは、凍結空間作ったら能力者以外全て停止だぞ?
破壊力が大したことのないことだけが救いだな。
荒木飛呂彦召喚
あのお方は吸血鬼だ
気化冷凍法や空裂眼刺驚以外に先住魔法も使えるに違いない
>>946 アレはなあ
ワザワザあのキャラであんな黒い話やらんでもイイだろとオモタ
文章や話の出来はそれほど悪くないので余計に
まあジョゼブとスカという愉快犯的基地外を絡めたのは良かったけど
両方とも好きなんだこれが
だから余計につらい
>>943>>968 うん、お前等も追放派なんだな、よくわかった
俺も特撮追放派だから気持ちはよくわかるぞ、わざと話題出して追放しようぜ!
HAHAHAHAHAHAHA!
なんというか、最近荒れているよなぁ
そうか? 創作系にしては静かなものだぞ。
むしろもっと心を震わせないと。
『悪貨は良貨を駆逐する』
荒んだ心に触れているとどうしても心穏やかでいられない俺は、まだまだ未熟だな。
もっと懐を深くしようぜ兄弟。
保管庫のエロでも読んで別の場所を震わせてくる。
現在482kb なぎはらえー
>>974 ・・・そんな貴方は、意図的に荒れまくりな場所を彷徨ってみよう。
名前が残るほどの最悪の類の荒らしのログなどオススメだ。
底辺に慣れたら、もう反応するのも面倒くさくなってくるからな。
家の窓全開にして全身震わせてくるわ
>>975 そのキモチはよくわかる
確かに底辺を見慣れれば、どうでもいい感が強くなるからな
ああ、懐かしいなぁ
最盛期を過ぎたジャンルのスレ故に何時の間にか投下するのが一人になって
その一人が細々とかつ長々と長編書いてたら口コミからか人が集まってきて
そしたら『○○が独占してるスレはここですか?』とか言って荒らしが始まって
普段から『○○氏ね』とグロAAだけでスレ容量を占め
作品が投下されるとすぐさま自分の勝手気まま反吐がでる位に改変改悪した物を投下途中に割り込んできたり
挙句にそれが1・2ヶ月も続けばもうぺんぺん草も生えない程荒廃してたなぁ
1、2ヵ月も投下続けられたことを尊敬するわ……
>>976 あん時の職人さんか、たいへんでしたなあ。
part100辺りで気まぐれに覗いてみたら復活してて歓喜した事を覚えてる。
本当にお疲れ様です。
けど今度から『海馬社長召還スレ』みたいに、独立スレでひとまず越冬する事をお進めする。
本スレが潰れたりするのは悲しいけど、気分を害するような所で書くのは体に悪い。
まぁ、『今度』なんて来て欲しくないが……。
>>977 ええと、まあ少し違っててな
その投下主が続けられたのは実質2・3週間ぐらいでな
後は、荒らし→荒らし氏ね。○○さんマダー?→荒らし の無限ループだった
また、1ヶ月で荒らし完全撤退なところもあれば、1年以上も紛争中だったところもある
んで、『この空気を変える為に俺が新しい職人に!』というのも当然な流れだったのだが
実際に投下されてみると、『やっぱ○○さんじゃなきゃ駄目だな』『××氏ね!○○さんマダー?』…と
そんなコメが連続して続くのよ(まあ、これは十中八九荒らしの自作自演だが)
これじゃあ続くものも続かんよ
>>978 そんな訳で、別にここの古参職人では無くてダラダラと2chの創作系の板を巡回していた奴です
ただ、過去にあった事を思い出しながら書き綴っただけだし
それはともかく埋めようか
981なら職人さん多数復帰。
>>981 じゃあ、その願いをかなえられるように頑張ろうかな。
ちなみに、某メカ少女ですたい。
就活してたら、書く暇が無かったとです。
983 :
981:2008/03/06(木) 18:23:12 ID:rnwAojVR
うをっ、反応が返ってきた!支援準備。
>>981,983
いきなり支援準備とか慌てすぎだろうw
>>982 おかえりなさい、楽しみに待たせていただきますね。
埋め埋め
埋めついでに
まとめに、昔話から召喚ってあったから、かぐや姫(ニートてるよにあらず)召喚とか考えてみた。
錬金のシーンで冗談でやらせてみたら金を練成→杖もないのにスクエアクラスの土メイジ!?ルイズ不愉快
すくすくと成長。人柄も器量も良く、学園の人気者に→ルイズ、ますます不機嫌に
「月に帰ります。」不死の薬を渡されるルイズ。当然飲んで不老不死に→死ねなくなった。どうしてくれるのよ!!
駄目だ…。俺の頭ん中じゃ、どう転んでもルイズヘイトにしかならんorz
>984
確かに、イヤお恥ずかしい。
埋め
ヘイト・・・か?
ヘイトはもっと致命的かつ絶望的でもう救えねえよってぐらいじゃないかな
982に続いて自分も復帰予告。
自分のは知る限り最年少の英雄。
忙しかっただけなんだ…。
>>988 む、スコップの人か……?
おかえりなさい、時には仕事に打ち込んでみるのもいいものだ。……たぶんナ。
埋め埋めー
981が不思議な力を発揮しているようです
埋め
>>1000なら二次創作しか読んでないのに書こうとしてるやつが全滅する
気合の入ったルイズヘイトってありそうで見たこと無いな
蛮人は気合が入ってたが
ルイズヘイトかどうかが微妙だ
ルイズヘイトかは知らんが
どう考えてもゼロ魔世界を借りただけのクロス元ネタの二次創作だというのはまずいな
少し考えたことはあるが、結構アレだったし
埋め
1000ならカオスレギオンで書く
>>870 >シャカ召喚
こんな感じだな
小ネタ
「わが導きに応えなさい!」
使い魔召喚の儀式、ルイズという少女が放ったその言葉とともに広場に爆発が起こる。
多くの生徒が舞い上がった粉塵に咳き込むが、開けてきた視界に、ルイズは光り輝くなにか
が現れたのを感じた。
(な……なに……!? こ威圧感は……! ま…まさか……始祖……!?)
そこには、今までに見たどんな生物や強力なメイジとも違った、なんとも表現しがたい
大きな威圧感があるようだった。まるで、精神力がそのまま輝いているような存在感である。
他の生徒たちもその異常な感覚に気づいて、視線をルイズの杖の先に集めた。
「あ……あんた誰?」
「わたしの名はシャカ! 暗黒聖闘士たちの悪さがあまりにもひどいということなので、はるばる
ガンジス川より天誅をあたえにきたのだ」
「なに!?」
〜〜〜〜〜
「うう…こんなバカな… ワルキューレがぼく自身に攻撃してくるなんて…」
「さて…またわたしがひと声するだけで今度はきみの首がおちるが……
いくかね? ポトリと」
〜〜〜〜〜
「バカな、この『閃光』の風がまるで通用しない!」
「フッ これが『風』のスクウェアか……まるで涼風だ」
997 :
981:2008/03/06(木) 19:05:48 ID:rnwAojVR
>990
『不思議な力』か、あったらいいのになぁ…。
1000なら『不思議な力』ぱぁぅあーあっぷぅゥゥゥッ 埋め
>>1000なら次スレも平穏無事に使い切る
…これでいいじゃないか
埋め
とりあえずルイズの召喚の意味も把握した上で応じてそうだし
用が済んだら自力で帰るだろ、聖闘士星矢本編開始時点(作中時間軸)
既にエイトセンシズ覚醒済みのシャカなら
1001 :
1001:
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。