リリカルなのはクロスSSその46

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1名無しさん@お腹いっぱい。
ここはリリカルなのはのクロスオーバーSSスレです。
ガンダム関係のクロスオーバーは新シャア板に専用スレあるので投下はそちらにお願いします。
オリネタ、エロパロはエロパロ板の専用スレの方でお願いします。
このスレはsage進行です。
【メル欄にsageと入れてください】
荒らし、煽り等はスルーしてください。
次スレは>>975を踏んだ方、もしくは475kbyteを超えたのを確認した方が立ててください。

前スレ
リリカルなのはクロスSSその45
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1202831720/


*雑談はこちらでお願いします
リリカルなのはウロスSS感想・雑談スレ20
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1202911085/

まとめサイト
ttp://www38.atwiki.jp/nanohass/

避難所
ttp://jbbs.livedoor.jp/anime/6053/
2名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 22:21:48 ID:/ZXwf6yO
乙です
そしてシャマル先生にいろんなところを診察されてきます
3名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 22:25:23 ID:wlVR2uye
乙です。
そしてチンク姉にゴスロリ服を着せてきます
4Strikers May Cry:2008/02/16(土) 22:28:09 ID:rd5095Nv
>>1
ならば俺はスバルに猫ミミ&猫シッポを装備のうえ、メイド服を着せて猫ミミモードとしゃれ込もう。
あとシグナム姐さんには着物着せる、きっと似合うから。
5名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 22:28:36 ID:8MnjX6oY
乙かれん
じゃぁおれはトーレにゴスロリを着せてくる
6名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 22:30:11 ID:MUAErNjP
>>1
ではヴィータと遊園地に行って来ますね。
7名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 22:30:57 ID:nMVf3Utj
>>1
姐さんに梅喧のコスプレさせて、畳の錬金術師に仕立て上げてくるわ
8名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 22:32:21 ID:VYNI2kGV
>>1
水着のセインさんと温水プールでいちゃいちゃしてきますね
9名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 22:33:28 ID:iGD2h5Bw
>5
トーレ姉さんには局所的にサイズが無理な部分が(プツン)

ザ――――――――――――…
10キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/16(土) 22:34:18 ID:3i0Xp2PI
1乙だぜ!
ならばキャロとルールーに白と黒のBJを着せて
『二人でサモンマスター!』という良く分からんネタをさせよう。
11名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 22:38:10 ID:Rjsnh5YW
>>1
とりあえずなの魂&銀魂原作ヒロインの争奪戦の準備してきます
12赤字:2008/02/16(土) 22:41:52 ID:3yp6RRkV
>>1乙ですー
なら俺は、ちょっとお茶目になってしまったフェイトさんと
微妙にワイルドにたくましくなってしまったキャロと一緒に
ストロベリーサンデー食べてきますぜ。
13名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 22:51:29 ID:oFfZnnZi
>>1
クアットロをもらいます
そしてやたらふわふわひらひらしたワンピースを着せる
14名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 22:52:54 ID:ykOkBjrT
>>1
では俺はリィンUと100万ドルの夜景を見に行って来る



おや?何だがバイド係数が……
15名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 22:55:21 ID:VYNI2kGV
スレの ほうそくが みだれる!
16キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/16(土) 22:56:18 ID:3i0Xp2PI
本当にこの「1乙!」と言う作業に見せかけて、
「自分のお気に入りのキャラを奪取して遊ぶ」イベントは面白いw

何か自分じゃ考えないネタが出てきて大好きだわ。
かくいう私もしっかり主張しているわけですがねw
17名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 23:02:42 ID:C/bTEzX5
>>16
キャロとバクラはアンタの嫁だッ!
18名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 23:03:23 ID:A+JjbryO
>>1
お疲れ様です。
誰も言って無いウェンディもってきます。
19名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 23:03:45 ID:ykOkBjrT
キャロがバクラの嫁、の間違いじゃね?w
20魔装機神:2008/02/16(土) 23:11:41 ID:mGGrs4ZT
11時半頃に投下してもよろしいでしょうか?
21名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 23:12:47 ID:wlVR2uye
>>20
スクリーム氏が予約してたはず
22名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 23:15:46 ID:68Sd1ji1
>>1乙〜。

つまりシスター・シャッハは私の嫁ですな。
23リリカル! 夢境学園:2008/02/16(土) 23:17:31 ID:6ms1lllX
>>1乙!
カリムから銀さんが誰とくっつくのか、予言を聞いてくるわ。
24魔装機神:2008/02/16(土) 23:20:22 ID:mGGrs4ZT
>>21
あ、そうでしたか、
それでは、スクリーム氏が投下した後の30分〜40分後に投下します。
詳しい時間は後程します
25リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/16(土) 23:22:25 ID:Apq3lHx9
自分は投下してしまっても構わないんでしょうか?
需要の面からすると魔装機神氏の作品の方が有りそうな気がしますけど。
26名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 23:24:04 ID:gNCrCINv
>>23
リボルバー片手にカリムの後ろに立つはやてを幻視した
27魔装機神:2008/02/16(土) 23:26:28 ID:mGGrs4ZT
先にスクリーム氏が予約していたようでしたので先にどうぞ。
調べずに投下するなんていって申し訳ありません
28名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 23:27:13 ID:Mr8ui3lS
スクリーム氏待ってます
29魔法戦記リリグナー3話 ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/16(土) 23:31:19 ID:Apq3lHx9
では失礼して投下させていただきます。
お見苦しい点は平にご容赦を。

「…なのはさんのお母さんって若いんですねえ。」

その頃、なのは達は翠屋で軽食をとって街中を散策…もといロストロギアを捜索していた。
と、

「ローズぅ…デパートに行ったのはいいけど帰り道が解らないなんてオチは困るよ〜。」
「これだよ。こうなるならライトと一緒にD3の整備手伝ってた方がマシだったぜ。リンダちゃんも残ったまんまだったし。」

角の向こう側から軍服姿の少年達…ケーン、タップ、ローズの3人だ…が歩いてくるのが見える。
大体年のころはスバル達と同年代かやや年上といったところか。

「何かお困りですか?」
「ああ…港の方へ行くにはどうすればいいのかって…。」
「その交差点折れて右の方ですよー。この辺入り組んでてわかりにくいですからね。えーっとですねぇ。」

見かねたはやてが何やら説明しているが、そのうち世間話を始めた。
この世界に戻ってこれる事はなかなかないからなるべく多くの人と
コミュニケーションをとっておきたいらしい。

「うあー。はやて部隊長が普通の人してるよ。」
「そう?いつもとそんなに変わらなく見えるけど…。」

そんな彼女の姿を眺めながらスバルとティアナは言ったものである。

「ところで、あなた方、軍属なのですか?」
「失礼ですが、まだそれほどお年を召していらっしゃらないように見えるのですが。」
「え?ああ…一応ね。その、なりゆきでして…。えーとぉ…俺、いえ、自分はもう空母に戻りませんといけませんので!それじゃー!」

弾む世間話を遮ってのシグナムの質問に突然しどろもどろになり、いずこかへ走り去るケーン。
どうやらなんとなく二人が彼の苦手なタイプである事を察したようだ。

「あっ…おい、どこ行くんだよケーン!すんません。どもー。」

タップたちもケーンを追って走り去る。

「下手したら私よりも年下かもしれない人達が軍属に居るなんて。
出来る事なら私だってこの世界の人たちのために何か…。」
「お察しします…。」

そんな彼の後姿を見送りながら俯いたなのはをねぎらうシャッハ。
30魔法戦記リリグナー3話 ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/16(土) 23:33:42 ID:Apq3lHx9
その頃空母アクアポリスの艦内。ドラグナー格納庫。
気難しそうな顔の軍人…ダグラス大尉が三機が勢ぞろいしたドラグナー…白兵戦用の「1型」長距離砲撃戦用の「2型」
そして電子戦用であり、もっかコックピットでパイロットのライト・ニューマンがインターネットを楽しんでいる
「3型」の前に陣取っていた。

「遅い!整備班は何をやっておるのだ!」

彼は不機嫌だった。何故ならば停泊中に行われるメンテナンス。そのスタッフが
とっくに時間を過ぎているにも関わらずいっこうに現われなかったのである。だがそれもそのはず…。
ところかわって船室内。各種監視装置から死角になっている区域…。整備班の制服を着た兵士が折り重なるように倒れている。
そう、既に招かれざる客…。ナンバーズが侵入していたのだ。そして彼にもその魔の手は襲い掛かろうとしていた。

「ねーねーそこのニイさん。ドラグナーってこれ?」
「観れば解るだろう。そうだ。」

不意にダグラスの背後で悪戯っぽい女の声がした。どう考えても不自然だが
イラ付いている彼は不自然には思わなかった。

「ふーん、そうなんだ…ところでニイさん……だ〜れだっ♪」
「なっ…!?」

そんな彼の反応を楽しんでいるかの如き行動に出た。床の中から本性を表し、後ろから彼の目を塞ぎ子泣き爺よろしく
そのままおぶさったのである。勿論これには彼も我に返った。

「だっ…誰だキサマは!この薄っぺらい感触からすると男だな、気色悪い!離れろ!」
「う…薄っ…男…。悪かったね!どーせアタシは胸無いよ!」

ボクッ!

「ぐぅ!」

ダグラスの背中に抱きついた何者=セインかが不機嫌そうに言ったその時、鈍い音とともに
ダグラスが床にくず折れた。

「セイン!バカな事やってんなよ!」
「バカな事なんかじゃない!」

彼を昏倒させたのはナンバーズの9番、ノーヴェである。
たかが1人を黙らせるのに時間をかけるセインに居てもたっても居られなくなったのだ。
31魔法戦記リリグナー3話 ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/16(土) 23:35:23 ID:Apq3lHx9
「これで邪魔者はいなくなった、か…。」

ドラグナー1型の巨躯を見上げながらトーレが呟いた。

「しかしでかいっスね〜。ドクターはああ言ったけどきっと中身は無駄な部分ばっかりっスよ。」
「私達の半分の出力なのに十倍の大きさの電子回路とか?でなけりゃ中身スカスカだったりしてねw」

ウェンディとセインが顔を見合わせるとクスクスと笑う。
彼女達もまたドクターと同じく自分達の力や身体に絶対の自信を持っていた。
これ自体は戦いにおいて士気をあげるのに重要な事だ。
しかしその自信も自惚れと呼ばれる領域まで達してしまうと実力や判断力を鈍らせる事となるのである。
彼女達とて無条件に自分の力に自惚れるほどバカではない。しかし相手が自分達と同じ人型の兵器である今回だけは…
似通った存在ゆえの対抗心が生まれ、自信と結びつき―うぬぼれになってしまったのである。

「こいつにはお前が乗れ、ノーヴェ。あの大砲が付いたタイプにはディエチ、お前だ。あの電子戦機にはクアットロが乗れ。」
「解った。」

ディエチとノーヴェが指示された通りコックピットへと向かっていく。

「あら、私の乗るD3には先客が居るみたいね。…お暇してもらおうかしらぁ。」
≪緊急事態発生。エマージェンシー≫
「マギーちゃん?どうした?」

D3に搭載された人格型AI「マギー」の声にネットを遮断して問い返すライト。
彼はこのAIに絶対の信頼を置いていた。

≪D1とD2に不審人物が乗り込もうとしています。さらに私に対し何者かがハッキングを…。≫

見ればウェットスーツのようなおかしな格好をした自分と同じくらいの女性がD1とD2に乗り込もうとしている。

「なんだって…乗り込んだってパイロットの登録を解除しなきゃ操縦出来ないんだぞ!」

ライトは解し難い表情で叫んだ。
ドラグナーシリーズ三機には初回起動時にパイロットを登録し、それ以外のパイロットの操縦を特殊な装置を用いて登録を解除しない限り
一切受け付けないという機能が付加されているのだ。

「まあ、とりあえず今はこっちの方が先か…。どうやらかなり凄いハッカーらしいぜ、こいつぁ…。」

マギーを大胆にもハッキングしようとしている謎の敵と激しい戦いを繰り広げるライト。
32名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 23:39:04 ID:I6F3y9/m
支援
33赤字:2008/02/16(土) 23:40:40 ID:3yp6RRkV
支援、支援
34魔法戦記リリグナー3話 ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/16(土) 23:41:13 ID:Apq3lHx9
しかしなにぶんD3側には備えが無かったし全くの不意打ちであり、形勢は不利だった。
それでも必死でコンソールを操作する。
その頃…

≪認証コードが違います。全処理をロックさせていただきます。≫
「な、なんだと!このヤロー、動けよ!」

D1に搭載されたAI「クララ」の冷たい声とノーヴェの怒鳴り声が響いた。
コックピットに潜り込んだのはいいもののD1は当然彼女の操作を受け付けない。
そしてD2に乗り込んだディエチも同じ状況に直面していた。

「パイロット認証システムなんて聞いて無いぞ…。ノーヴェ、そっちは?」
「ウンともスンてもいわねーよ。てかAIが出てけだのやめろだのガタガタうるせー。」

ノーヴェがモニター越しに頭を掻きながらいつもにましてイラ付いた口調でがなる。

「何、動かせないだと?」
「ハッキングはこの短時間じゃ無理だろうし、どうしても作戦を遂行するんならここで破壊するしか無いと思うけど?
言いたくはないけどこの作戦計画性が無さ過ぎないかな?この兵器の存在がドクターのこれからの行動を
いかに阻害してしまうかは解るけど…今の作戦行動を全て切り上げて全員で作戦を遂行って聞いた時から嫌な予感がしたんだよね。」
「くだらん愚痴など聞きたくはない。…もういい、さっさと外に出てへビィバレルで破壊しろ。この際だ。
奪取云々はひとまず後回しにして粉砕してしまうんだ。」

トーレが忌々しげに言った。
35魔法戦記リリグナー3話 ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/16(土) 23:42:49 ID:Apq3lHx9
その時である。

「不味い、敵だ!」
「フリーーズ!」

先ほど彼女達が昏倒させた兵士と同じ装備に身を包んだ兵士が続々と格納庫に現われた。
その中には…

「てめえら俺のD1に何してやがんだ!」

ケーンの姿も在る。

「ハッ…凍るのはそっちっスよ!」

ウェンディがライディングボードから発射される光弾で兵士を威嚇すると
セッテとディードがおどりかかって次々と兵士を昏倒させていく。

「ノーヴェは何やってんスか全く…。」

ディードとセッテが兵士の人波をひとまずおさえたのを見届けると
トーレに言われた通りディエチがコックピットから出るとへビィバレルの発射準備に取り掛かったのを確認したウェンディは呟いた。
ノーヴェの姿が見当たらないということはつまり彼女は未だD1のコックピットで格闘しているという事になる。
ライディングボードに搭乗すると浮遊して様子を見に行こうとするウェンディ。だがその時!
「こんのーーっ逃がすかぁ!」
「なっ…あ、あんた何考えてるんスか!?」

何者かがライディングボードにしがみ付いたのである。
そう、ケーンだ。

「このやろー!お前らの思い通りにはさせねーぞ!おらおらおらーーーっ!」
「わわわっ…。」

ライディングボードがジェットコースターの如き軌道を描いて無茶苦茶に飛び始めた。

「アイツ、何やってるんだ。これじゃ狙えないじゃないか!うっ!」

射線を遮られたディエチが顔をしかめ、次の瞬間、宙を舞った。

「悪いなお嬢ちゃん。どこの誰かは知らないしあんたにゃ恨みもねえがドラグナーを壊させる訳にゃいかないんだよ!」

巨躯に似合わぬ素早さでベンがタックルを食らわせたのだ。

「はなせってのにーーー!あたしはともかくおっこちたらあんた間違いなく死ぬっスよ!?」
36名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 23:44:24 ID:/ZXwf6yO
こちらドラグーン隊、援護…じゃなかった支援する!
37魔法戦記リリグナー3話 ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/16(土) 23:46:38 ID:Apq3lHx9
「うるせーよっ!よし、この距離なら飛び映れるぞっ!あけろ〜この泥棒め!叩き出してやっからよお!」

ライディングボードがD1に接近する頃合を見計らってドラグナーのコックピットに飛び移るとハッチをガンガンぶっ叩いて中へ乗り込んでいくケーン。

「この世界の奴らって頭おかしいんじゃねーっスか?魔力無しで生身の癖にあたしらに…ん?わーーーー!」

そんな彼を冷ややかな目で見つめると正面へ視線を移すウェンディ。だがそんな彼女の視界を埋めたのは
格納庫に何本か駆けられている鈍色の渡り通路だった。
げしっ。
思いっきり頭をぶつけると鈍い音とともにライディングボードからまッさかさまに落下するウェンディ。
そしてその直後にもう一度鈍い音。
どすっ!

「のわあああああ!痛ッ!てめえ!何しやがんだこのサル!降りて来い!」

ケーンにコックピットから叩き出されたノーヴェだ。
尻を抑えて怒鳴り声を挙げるが当然返事はない。

「ケーンだ。なんとかD1を奪い返したぜ!タップ!そっちはどうだ?」
「こっちも問題無し!なんとか乗り込めたよ!」

他の兵士の援護を受けてタップもD2のコックピットに滑り込む事に成功していた。

「ライト。お前の方は?」
「こっちはまだかかりそうだ。このハッカー何処のどなたか知らないが中々の腕だよ。」
切羽詰まった声がD3のコックピットから聞こえてきたがハッキングなど専門外のケーン達に
ライトとクアットロの熾烈なハッキング合戦に介入する余地は無かった。
その頃…

「頃合だな。フォルグアーマー隊全機発進。予定通り別働隊にも連絡せよ。」

既に海鳴港の懐深く忍び寄っていたシンファクシ級潜水母艦は急浮上すると艦載戦力を次々と発進させた。
元々宇宙戦用に開発されたメタルアーマーは重力下での運用に適さない。
そこでギガノス軍では飛行用ユニット「フォルグ」をメタルアーマーに装着するという解決策を導き出したが
場当たり感は否めなかった。そこで最初から飛行用として開発された大気圏内での運用に特化した
局地戦用メタルアーマーがこの「フォルグアーマー」なのである。
まず流線型のボディをライトブラウンに染めた細身の機体「シュワルグ」が50mハンドレールガンを構えて編隊を組み発進していく。
そしてそれが一通り終わるとシュワルグとほぼ同じ形状ながらやや肉厚でブルーグレーに彩られた重攻撃型フォルグアーマー「ダウツェン」が
ロケット砲を想起させる形状の80ミリレールキャノンを構えて出撃していく。
38魔法戦記リリグナー3話 ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/16(土) 23:50:35 ID:Apq3lHx9
所変わってアクアポリスのブリッジ。

「何?敵だと!何で今まで気が付かなかったんだ!」
「南の海上からシュワルグタイプ6、ダウツェンタイプ4。さらに北東からも別働隊です。ダインタイプ3、ゲバイタイプ4。」

CICに居るレーダーマンが青ざめた表情で艦隊指令に報告していた。

「なにぶんにも格納庫で暴れている敵に注意がいっていたものでして。アドミラル56が艦載戦力を発進させて迎撃にあたる、と…。」

アクアポリスのすぐ脇に寄り添うように係留されている
日本海軍の大型空母、アドミラル56の甲板から次々とカナート翼の付いた灰色の機体に
日本軍所属である事を示す赤い日の丸が染め抜かれた戦闘攻撃機「F/A27C」が発進していく。
その頃。

「メタルアーマーだ!ギガノスが来るぞーーー!」

市内は混乱に包まれ、
市内に設置したサーチャーの誘導に従ってロストロギアを捜索していた
なのは達は周りを歩いていた一般市民達がそうするままに市内の一角の倉庫に逃げ込んでいた。

「なんということだ!ロストロギアの行方がようやく掴めたというのに…。恐れていた事態になってしまった!」

シグナムが呟く。

「どうします?」
「奴らは港の新型兵器が搭載された艦船を狙ってくるはずだ。何の因果かしんねーがここは艦船のすぐ傍だぜ。
すぐに離れるって手もあるにはあるけど下手に逃げるよりかいっそのことここでやり過ごすべきだな。
私達ならギガノスの奴らから逃げ切れるだろうけど私達が出て行ったのを見て
つられてここから出ちまう奴がいないとは限らねえ。そういう連中は
逃げ切れずにやられちまうだろうし…こんなに人が居るんじゃ
結界展開したりすると大騒ぎになっちまうしな。」
「それしかないみたいだね。でも何が起きてもみんな死なせないよ…私達だけじゃなくて、ここに居る人たちもみんな死なせない。」

心配そうに言ったスバルに腕組みしながらヴィータと周りじゅう取り囲んだ不安そうな一般人を見回しながらなのはが言った。

「そうなんだ。お母さんとはぐれちゃったんだ。それじゃあ後でお姉さんと一緒に探しに行こうね。大丈夫だよ。きっと大丈夫だから。ね…?」

傍らではフェイトが母親とはぐれてべそをかく幼い子供を慰めている。
その時。

「ああっ…」

倉庫の窓から外の様子を伺っていたティアナが思わず声を漏らした。

「大きい…。」

ギンガも殆ど放心状態で呟く。
窓枠をガタガタと震わせていままさに彼女の視線の先で
天に遣わされた巨人の如き赤いボディを持つメタルアーマー、ダインが
ドクロを思わせる頭部に埋め込まれた緑色のセンサーを爛々と輝かせて
背中に装着した飛行ユニットからバーニアの炎を噴き出しつつ今まさに街中に降下しようとしていた。
39名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 23:50:56 ID:4YQkQ0XM
支援
40リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/16(土) 23:52:46 ID:Apq3lHx9
ここまでです。
ああ、改行が滅茶苦茶だぜ…orz
ケーン達はああ見えて実はティアナと同い年なんですよね。

41魔装機神:2008/02/17(日) 00:12:32 ID:Q1oT3YL8
乙です。
こちらは12時半から投下します
42名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 00:16:42 ID:9bp1RoJp
>>41
sageわすれてるお
43名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 00:19:16 ID:kUrwEJHl
>>40
乙〜
思うのだけどスクリーム氏の文章は一文一文が長すぎる

>心配そうに言ったスバルに腕組みしながらヴィータと周りじゅう取り囲んだ不安そうな一般人を見回しながらなのはが言った。

これとか初見じゃ読んでて混乱しそうになる
この文なら
心配そうに言ったスバルに腕組みしながらなのはが言った

ヴィータと周り中取り囲んだ一般人を見回したなのは
を分けたほうが読みやすくなると思う
44リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/17(日) 00:24:55 ID:gmpTQ68R
>>43
こんな自分にアドバイスなぞ真にもって恐縮です。

…場が思いっきりシラケてしまいましたね。
まあこんな体たらくじゃそれも仕方無いだろうし魔装機神氏がまた盛り上げてくれるでしょうけど。
45赤字:2008/02/17(日) 00:29:50 ID:8bjexiTp
>>40
乙でしたー。
そして、俺も>>43さんに同意。
全体的に、スクリーム氏の文章には句読点が少な過ぎるかと。
名詞が多く出てくる作品なので、短く区切った方がそれぞれで理解し易いと思いまする。
自分で読んでて、息が切れそうになるとこに句読点を入れるのが一応の目安と言われてます。
厚かましいかもしれませんが、参考にでもなれば。
次回も待ってますぜ!
46魔装機神:2008/02/17(日) 00:34:09 ID:Q1oT3YL8
それでは投下します
47魔装機神:2008/02/17(日) 00:36:58 ID:Q1oT3YL8
FLAME OF SHADOW STS 21 その日、機動六課 後編 六課 紅麗編

「はあ、はあ」
ここは機動六課の隊舎前の玄関前。
シャマルは深く息継ぎを見ながら前に浮いている二人の女性を見る。
二人ともよく似たスーツを身にまとっていて、以前報告があった戦闘機人と言うことが解った。
地上本部に襲撃があった、と通信が入ったとおもったその時、この機動六課にもその敵が来たのだ。
その狙いはおそらく……
(ヴィヴィオちゃんか……)
今、ザフィーラはヴィヴィオの護衛のためここにはいない。
烈火たちは知らないが、ヴィヴィオの方に向かっているのかもしれない。
(私一人ボッチなんて、悲しい……)
しかし、今はそんな事を言っていられる暇なんてない。
的はあの二人だけではない。大量のガジェットも要る。
さっきから5分間、ずっと攻撃を耐えているのだ。
ずっと防御魔法を展開して、シャマルの体力ももうほとんど残っていない。
「驚いた。正直ここまでもつなんて思ってなかった」
そういって、少年のような顔と服を纏っている少女、オットーはガジェットに指示を出し、自分も攻撃の準備をする。
その床にいる少女も剣を構える。
(はやてちゃん、もしかしたらこれが最後になるかもしれないわね)
正直、もうどこまで抗えるかわからない。
しかし、機動六課のものとして、なにより主である八神はやての騎士として、命を賭してでもヴィヴィオを守ろうと決意した。
そんなのを言ったらはやては怒るかもしれないが、これは自分にしか出来ない。
(ザフィーラ、後はお願いね)
そう思い的に立ち向かおうとしたときだった。
ぼぅ、とシャマルの横を何かが通り過ぎ、多数のガジェットを燃やした。
「ておあーーーー!」
それと同時に、ガジェットしたから光の楔が出現し、ガジェットを串刺しにする。
シャマルが驚き、オットーとディードの同じところを見る。
「一人でよく耐えた、といっておこうか」
そこには紅麗、そしてザフィーラが人型で立っていた。
紅麗はいつの間にかいつもの仮面をかぶっている。
「安心しろ。ヴィヴィオは烈火が見ている」
それを聞いてほっとしたシャマルはふっと力が抜ける。
「シャマル、大丈夫か?」
それを優しく抱きとめるザフィーラ。
どうやらシャマルは疲れているだけのようで、ケガなどの問題はなさそうであった。
それを確認すると、ザフィーラはほっとして立ち上がる。
「お前は下がっていろ。この程度、私一人で十分だ」
そう言って、ザフィーらの前に立つ紅麗。
彼の目の前には多数のガジェットと二人の戦闘機人。
普通の人間なら無理である。
「大丈夫なのか?」
ザフィーラは大丈夫なのか尋ねるが、紅麗が当然だ、とばかり頷く。
にわかに信じられないが、今時分はシャマルを抱えていて、ヴィヴィオの事を考えれば、確かに自分は引いたほうがいいかもしれない。
それに、彼の実力は以前にそれとなくみているのでかなりの時間も稼げるとザフィーラは判断した。
「気をつけろ」
それだけをいって、ザフィーラはヴィヴォを探すため六課の中へ入っていく。
それを見届けて紅麗は一歩前に出る。
相手はガラクタ共と小童が二人。
48魔装機神:2008/02/17(日) 00:38:39 ID:Q1oT3YL8
「誰だかわかりませんが、本気ですか?この人数にあなた一人で戦うなんて」
しかし、オットーとディードは疑問に思って紅麗を見る。
彼の前の前には自分達とのガジェット。
どう考えてもたった一人で、それも自分達をあの六課へと入れさせないようさせ、なおかつ打ち破るのは難しい。
「私からしてみれば、あれだけの時間と数がありながら、あいつを倒せなかった貴様たちの実力などたかが知れている」
こうまで言い放つ紅麗に、オットーはお望みどおりに、とガジェットに指示を出す。
それと同時に、ガジェットは紅麗に襲いかかった。
だが、紅麗は動こうとはしない。
「教えてやろう、私にガラクタなど通用しないことを」
そういうと、紅麗から炎があふれ出す。
さっきの炎は彼が放ったものだったのか、とオットーはそれを見る。
おそらくは炎の魔力変換能力だろうと判断する。
「出でよ……紅」
しかし、次の紅麗の行動で二人は驚愕の顔を浮かべる。
そこに現れたのは、青い女性だった。
紅は先ほどのような人の姿ではなく、今までどおり炎の化身となり紅麗の前に立つ。
オットーとディードはこのような力など見たことがない。
「羽炎」
そして紅が持つ羽から、数多の炎の羽が舞い、一斉にガジェットを襲う。
オットーはガジェットにAMF…魔法を無効化するアンチマギリングフィールドを展開させるように指示するが、その炎はそれすらも無視してガジェットを襲い、焼いていく。
いや、焼くなんて生易しいものではなかった。
「そ、そんな……」
オットーの目の前で、ガジェットがその炎を受け、爆発する前に溶けているのだ。
それに、AMFの干渉を受けているとも思えない。
溶けてから爆発するなんて、どれほどの温度が必要だろうか。
一体、彼は何者なのだ……
「一つ教えてやる、私の炎は魔術などの類ではない。正真正銘、本物の炎をだしている」
その紅麗の言葉に、え?と驚くオットー。
先天技能の一つなのか?
そんなオットーの気持ちを知らず、紅麗は周囲を見る。
「さっきの攻撃でガジェットといったか。まあ、ガラクタはすべて破壊した。引くのならば、今なら見逃してやろう」
そういって紅をを消し、後ろを向く紅麗。
オットーは冷静に考える。
今、聖王の器になる人物はルーテシアが向かっている。
今は下手に争わず、ルーテシアからの報告を待つという手段もある。
だが、今ここで引けば、その分ルーテシアたちが危なくなる。
だから、ここで時間を賭けがないといけない。
そこで、オットーがある事を提案する。
(ディード、私があいつの動きを止める。多分そうなればあの炎を出す事はできないと思うから)
そう、オットーは彼が手をかざしたり、構えたりして始めて炎が出せると呼んだのだ。
魔術師でも、魔術師はよく合図のようなものだものを出す。
あいつもそうかもしれないとオットーは思った。
そんなオットーにディードは頷き、ディードは構える。
そして、オットーは彼の周囲に結界を張って閉じ込め、バインドを張る。
「IS発動、ツインブレイス」
それを確認したとたん、ディードは猛スピードで紅麗に切り込む。
「これがお前の答えか」
紅麗は静かにつぶやくが、ディーには聞こえておらず、ディードが持つ双剣で切り込む。
しかし、ディードの攻撃が紅麗に当たる瞬間にふっ、と紅麗は消えた。
「え?」
一瞬、何が起こったのかわからなかったディード。
ただ、ディードの攻撃は空気を切っただけだという事はわかった。
「幻術だ、見るのは初めてか?」
いつの間にかディードの後ろに立った紅麗はおもむろにディードを殴りつける。
49魔装機神:2008/02/17(日) 00:39:46 ID:Q1oT3YL8
「うっ……」
ゴツ、と重い音と共に重い痛みがディードを襲う。
いつの間に自分の背後に……
ディードは痛みに耐え、一旦距離をとる。
さっきの一撃、見た目によらず単純な力はかなり高い。
「ディード、大丈夫?」
苦痛に浮かべるディードを見て、オットーは不安を覚え尋ねる。
しかし、ディードは大丈夫と頷くと、再度二人は紅麗を見る。
「貴様は私の警告を無視した」
よって、と紅麗は別魅によって多数の分身を出す。
さっきの幻術はあれか……とディードは構える。
攻撃、炎、幻術。どれをとってもかなり高い能力を持つ。
この男、かなり強い。
ただ、魔術はないといっていたので、高機動戦に持ち込めば、まだこちらに分はあるはず……
「援護はお願い、オットー」
ディードはチラッとオットーを見て、オットーもこくりと頷く。
そして、少しの間の静寂が訪れ……
「行け」
紅麗は別魅と共に二人へ向かう。
「IS、レイストーム」
オットーは自分のISを発動。
多方面からの射撃攻撃が紅麗を襲う。
しかし、紅麗の別魅はそれをことごとく回避させる。
勿論、すべてと言うわけではなく、いくつかはレイストームに直撃し幻術は消え去る。
「そこ!」
その間にディードが直進し、さっきから動いていない紅麗を狙う。
やはり幻術を使用している間、術者はコントロールで動く暇はないようであった。
その紅麗に、今一度ディードの攻撃が入ろうとする。
「私もなめられたものだな」
しかし、紅麗は超人的な動きで彼女の攻撃を受け流すようにかわす。
そして紅麗はディードの二の腕を持ち……
バキッ
一瞬、何かが折れた音がしたと思ったとたん、ディードに激痛が走る。
「ああぁぁーーーーーー!!」
あまりの痛さにその場でのた打ち回るディード。
腕の形からして、確実に折れている。
そんなディードを見下すように睨む紅麗はさらに追い槌をかけるように、彼女の腹部を何度も蹴り飛ばす。
まるで、邪魔な小石と蹴飛ばすように。
「あ…が……」
ディードは痙攣を起こしながらのた打ち回るしか出来ず、なおも続く紅麗の蹴りをただ受ける事しかできなかった。
「やめろーーーー!」
そんなディードを見て、オットーは紅麗に飛び込む。
少し前、紅麗に腕を折られたときにディードが落としたツインブレイスを拾い、オットーは切りかかる。
しかし、オットーはツインブレイスを今まで一度も握った事がない。
「感情が先走ったか」
そんな彼女の攻撃など、紅麗にとっては目を瞑ってもかわせた。
紅麗はオットーを腕を掴み、わき腹を思いっきり蹴りこむ。
「うあ!」
そのままうずくまり、がくりとひざを着くオットー。
そして紅麗そのままディードの首を持ち、紅麗はディードの首を力の限り絞めつける、
彼女の表情がだんだんと蒼白になっていくのがオットーにもわかる。
「あ……ぐ……」
「でぃ、ディード……」
紅麗はまだ苦しんでいるオットーを見る。
その目はディードを見つめていた
「貴様に選ばせてやる。レア、ミディアム、ウェルダン。どれが好みだ?」
紅麗の言っている意味がわからないオットーは、まだ苦しみながらも紅麗を睨む。
自分言う事は一つ。
「ディードを、離せ……」
なおも自分に視線を向けるオットーに、紅麗は仮面のうちから笑みを浮かべてぱっとディードを離す。
50魔装機神:2008/02/17(日) 00:42:09 ID:Q1oT3YL8
がは……はぁ、はあ、とディードはその場に倒れこむ。
「その気迫は褒めてやる」
だから、と今度はオットーの首を掴む紅麗。
だが、その首を絞めようとはしない。
その手からは炎が発せられた。
「ふがいない相棒に代わり、お前を燃やしてやる。レアでじっくりとな」
そう言い放ったとたん、青き灼熱の炎がオットーを包む。
「ああああああああーーーーーーーーー!!!」
さっきの言葉通り、手を抜いてじっくりといたぶっている紅麗。
オットーにとっては正に地獄のようなもので、絶叫を上げながら涙を浮かべるが、その涙もすぐに炎によって蒸発してしまう。
「あ、ああ……」
その光景を、ディードは力なく崩れてみるしかなかった。
声をあげる事もできない。
「……ま…だ……あ、悪…魔だ……」
なんとか搾り出したのがこの言葉だった。
ディードにとっては、この笑いは悪魔の笑い声そのものだった。
このとき、クアットロが通信をかけているが、実はディードはそれに気付いてすらもいない。
「フハハハハハハハハ!!」
そして響き渡る紅麗の笑い声。
そうしている間にも、だんだんとオットーが黒ずんでいく。
さらには体中からバチバチと火花が舞い散る。
早く助けないと、彼はおそらく本気でオットーを燃やし尽くすつもりだ。
しかし、ディードは動けなかった。
情けない事だが助けたいと思うよりも、恐怖心が勝ってしまい、体が全然動かなかった。
ディードはただ、この光景を見ることしか出来なかった。
「あ、ああ……あぁ……」
そして、オットーの声自体も小さくなり、このままでは本当に燃やされつくしてしまう。
そんなときだった。
「IS,ライドインパルス!」
しかし、この状況を打破する人物が現れた。
何者かがものすごいスピードで紅麗に接近し、オットーを助けた。
ん?と紅麗はそのほうを見る。
そこには、あの二人と同じスーツを着た、ディードたちよりも筋肉質の女性だった。
「ト、トーレお姉さま」
ディードはまだ唖然としながらオットーを助けたトーレをみる。
ふと、ディードは自分の後ろに何者かの気配を感じた。
「大丈夫?」
その人物は、折れていないディードの腕を肩にかける。
「セッテお姉さま……」
ディードは自分とオットーと同じく、最後発で起動した姉、セッテを見る。
話を聞くと、彼女は別便無についていたのだが、クアットロからの通信で様子を見てきてほしいといわれたのだ。
そこでふと見ると、本来なら中々で売るはずもない青い炎が見えて急いだ、と言うことだ。
「結局、確保できたのはタイプゼロの片割れだけだって。ルーテシアお嬢様も聖王の器の確保に失敗したって連絡が入った」
そうなんですか、とディードは静かに下を向く。
結局、自分達は何も出来なかったのだ。
そんなディードを見て、トーレは紅麗を睨む。
「戻るなら戻れ、二度目だが、今なら許してやろう」
そういう紅麗に、トーレはまだ睨みながら
「妹が受けた痛み、必ず晴らす」といって消えていった。
それを確認した後、紅麗は六課の隊舎を見る。
「どうやら、守りきれたようだな、烈火」
そして、その日、機動六課 後編 六課隊舎内 烈火編へと舞台は移る。
51魔装機神:2008/02/17(日) 00:44:54 ID:Q1oT3YL8
投下完了。
今回は、このスレ伝統、双子ナンバーズ地獄変になっちゃいました。
……もうちょっと戦いの演出上手になりたいと思う今日この頃。
52魔装機神:2008/02/17(日) 00:46:32 ID:Q1oT3YL8
最後に、下げ忘れてて申し訳ありませんでした。
53名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 01:01:39 ID:tFAdTuIK
>>52
GJ!
紅麗さん超外ど(ry
原作と違って、ギン姉の代わりにさらわれてしまったスバルはどうなることやら。

それと、演出がどうこう言う前に誤字をなんとかしてく(ry
54名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 01:19:04 ID:52YouanL
>本来なら中々で売るはずもない

>ディードは自分とオットーと同じく、最後発で起動した姉、セッテを見る。
話を聞くと、彼女は別便無についていたのだが、クアットロからの通信で様子を見てきてほしいといわれたのだ

軽く読むだけでこんなに見つかる誤字。
えーと、推敲というか一度口に出して読み直してみるとこれぐらいの誤字は分かると思いますよ?
人間ですから誤字の完全撲滅は無理でしょうが、ちょっと多すぎでは。

あと紅麗さんのSっぷりに、世界間違えてるぜ旦那と思った。
次回の甘い烈火サイドに期待。
GJ!
55名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 01:24:46 ID:bVjgHXao
GJ!!です。
パワーバランスが・・・。
いろんな世界の主人公が六課に集まってるから勝てる気がしないぜ。
56リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/17(日) 01:27:21 ID:U1myZph/
新話完成。
しかし私は人間ドラマ苦手なんですこしいつもより破綻が激しいかも…
投下おk?
57リリカル! 夢境学園:2008/02/17(日) 01:31:17 ID:52YouanL
>>56
30分は経ってますから平気では?

傾向によると8.5KB超えると規制掛かる可能性有り。
気をつけて。
そして、支援!
58リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/17(日) 01:32:59 ID:U1myZph/
【レッドドラゴンサイド】五話「AAMONからの招待状」Bパート

【ゴーダム市ノルツ区 怪しい豪邸前】

住所を辿って四人がたどり着いたのは、人が住んでいる気配の無い怪しい一階建ての豪邸だった。
広い庭には草木が茫々と茂り、大きな玄関には蜘蛛の巣が張っている。

「汚ねー家だなぁ…」
「まぁ、悪の組織に綺麗な場所を要求するのも変な話っスよ。」
「それもそうか。」
「姉さま方、無駄話はそこまでに…龍、アジトはここなんでしょうか?」
「入ってみなければ分からん。慎重に行くぞ。」

四人は大きな門を開けて庭内に入り、家のドアの前に向かう。

「…行くぞ。」

龍はドアを開け、三人と共に家に潜入した。

【怪しい豪邸内 廊下】
潜入した四人は細心の注意を払い、豪邸の中を探索していく。
家の中は薄暗く、ほこりがそこら中に溜まり、ゴキブリやネズミが徘徊している汚い場所だった。
さらに毒々しい赤のタイルと古びてヒビが入った壁が不気味な雰囲気を余計にかもし出している。
そんな気味の悪い空間に耐えられなくなり、ウェンディは拒否反応を示した。

「あ〜あもう!暗いのと汚いの嫌っス!もっと趣味良い所に招待しろっス!」
「テメーさっきあたしに綺麗な所を要求するのは変だって言ったくせに…」
「それとこれとは別っスよ!ああもう…ん?」

ウェンディはふと床のタイルを見ると、カサカサと音を立てて這う亀を見つけた。
その亀は通常の亀より遥かに早い速さで四人の足元に向かってくる。

「なんスか?あの亀?」
「…!?、チッ!」

龍は研ぎ澄まされた感覚から危険を察し、迫ってきたカメを蹴飛ばした。
すると蹴飛ばされて壁に激突した亀は、白い煙を上げて爆発した。

「ひゃあ!?」
「うわ!何だよあの亀!?」
「龍!」
「ああ…来た!」
「ギイィィィィィイ!!」
「ウワアァァァァァァア!!」

四人の前に、デストロンヨロイ軍団の一角、カマクビガメとサイタンクが出現した。
どちらの怪人も、かつてライダーV3を苦しめた怪人である。
しかし、四人の前に現れたのはこの二体だけではなかった。
59リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/17(日) 01:34:13 ID:U1myZph/
「ヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョ…」

奇怪な鳴き声と共に、二大怪人の間に世界一の大きさを持つ花、ラフレシアが出現する。
そしてそのラフレシアは不気味な光を放ち、女性型の怪人に変身した。

「ようこそレッドドラゴンの皆さん…AAMONの館にようこそ…」
「テメーなにモンだ!?」
「フフフフ…随分と口の悪いお嬢様だこと…私はラフレアン…AAMONの怪人です。」
「ラフレアン、貴様らの目的は何だ?」
「うふふ…低くて美しい声をお持ちね皇龍…私達の目的は、貴方達の抹殺よ。」
「ほぉ…」
「うふふ…貴方達は全次元世界を渡り歩き、我々の障害となっている存在。いくら新しい計画を立てても、貴方達のせいで全てがパーになってしまうわ。
なら、失敗の原因になる貴方達を取り除いてしまえばいい。
だからこの世界で私達はわざと目立ち、貴方達をおびき寄せたってわけよ。
AAMONの戦闘員が目撃されたとあらば、貴方達はすぐにやってくるわ。」
「…中々良い作戦だな。面倒事が一つもない。だが…俺たちに会った時点で貴様らは終わりだ!
変…身!!」

龍は腰に変身ベルトを出現させ変身ポーズを取る。
だが…

「やりなさい!サイタンク!」
「ウワァァァァァアア!喰らえ!」

変身ポーズを取り終わる直前、サイタンクが龍に向けて頭部の小型角ミサイルを四発発射した。
四発の弾丸は、無防備だった龍の胴体に直撃する。

「がっ…は…」

龍は口から血を吹き、真後ろに倒れた。

「「「龍!」」」

ノーヴェ、ウェンディ、ディードの三人は、タイルの上に倒れた龍の周りを取り囲み、肩を揺すって必死に呼びかける。

「龍!しっかりするっス!」
「テメー!こんなんで死んだらぶん殴るぞ!」
「龍!しっかりして下さい!」
「耳元で…騒ぐな…急所は…外れている…」

龍は掠れた声で必死に喋るが、深刻なダメージを受けたことは誰から見ても一目瞭然だった。
その証拠に龍の息が段々荒くなっていく。

「ヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョ…反射的に急所への直撃を避けるとは流石ね…でも、貴方達は終わりよ!」

ラフレアンはスイッチを取り出し、それを操作する。
すると四人が上に乗っていたタイルが開いて深い穴が出現し、四人はそこに落ちていった。

「チィ…」
「「「うわあああああああああ!!」」」
「アハハハハハ!その穴の中は空気が薄いわ!貴方達はそこで窒息して死になさい!」
60名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 01:34:48 ID:PImZ1+Gb
ライダーで亀と言われるとカメバズーカが真っ先に浮かぶ
支援
61リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/17(日) 01:35:48 ID:U1myZph/
【トラップ内部】

「クッ…空気濃度が薄いっス…」
「チクショー!おいテメーら!変身の途中に攻撃するのは反則だぞ!」
「騒ぐな…余計に空気を消耗するだけだ…グゥ…」

龍は上半身を起こし、ズボンのポケットからピンセットを取り出す。
そして服についた銃弾の穴にピンセットを挿し、体に打ち込まれた弾丸の除去を始めた。

「グッ…ア…ウゥ…!」
「龍!何をしているんです!?」
「見れば…分かるだろう…弾抜きだ…ウグゥ…!」
「そんな!駄目ですそんな体じゃ!」
「それに服の上からじゃ抜きにくいっスよ!あたし達がやるっス!」

ウェンディは龍のシャツのボタンに手を掛け、一つ一つボタンを外し始めた。

「よ…よせ!」
「強がりは駄目っス!いくら改造人間でも、下手なことしたら…!?」
「「!?」」

ウェンディが龍の上着を脱がした瞬間、ウェンディ、ノーヴェ、ディードの三人の表情が凍りつく。

「りゅ…龍…何スか…これ…」
「テメェ…」
「あ…ああ…」
「…」

龍の体には銃弾の傷だけではなく、無数の痣や切り傷、そして火傷の痕が、痛々しく体中に刻み込まれていたからである。

「…見ちまったか。」
「おいクソ隊長!なんなんだよこれ!?お前にこんなのがあるなんて聞いてねーぞ!」
「龍…これは一体…?」
「…いじめの痕だよ。」

龍は、三人に自分の体に刻み込まれた傷跡の話しを始めた。

龍は幼い頃に両親を失い、施設へ預けられた。
しかし、施設の子供達は龍に優しくは無かった。
彼らは無口で大人しかった龍に目をつけ、いじめを始めたのだ。

「弁当に土を入れられたり、意味もなく殴られたりはしょっちゅうだったな…おまけに、先公共は厄介事を恐れて俺を無視しやがった…」
「そんな…」

ディードはショックを受け、肩を落とす。

「これで驚くのは早いぜ…話はまだこれからだ…俺はそんないじめられつづける自分が悔しくて、四歳の時に天然理心流道場「赤龍館」の門人になった…」
「「赤龍」…じゃあお前、レッドドラゴンの名前は…」
「その道場から取った…その道場はボロ道場だったが、師範も師範代の流さんも、同門の皆も、俺には良くしてくれたよ…俺の才能を見抜いて、一流の剣士にしてくれた…」
「「「…」」」
「自信を持った俺は、空手や柔道も共に習い始めて、七歳の頃には十分な力を手に入れた。
そしてそろそろ施設の奴らに復讐しようと思っていた矢先、流さんから教わった…」
「貴方がブレードライオンに言っていた、「武の在り方」…ですね?」
「そうだ…「武術は、武術家同士が切磋琢磨するためにあるもの…だから人を傷つけるような剣や拳は振るうな…」彼はそう言った…
それから三ヵ月後、あの人は俺に「虎徹」を渡して心臓病で死んだ…おそらく、死期を悟った流さんは、金を必死に溜めて買った自分の刀を託せる人間を俺に選んでくれたんだと思う…
あの人の好意に応えるためにも、俺は彼の言った事を守ると決めた。
しかし…周りの奴らは冷たかったな…」
62リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/17(日) 01:37:19 ID:U1myZph/
龍は上半身を寝かせ、目を閉じた。

「いじめが激しくなったのは中学の頃だ。武道で有名な中学に入った俺は、剣道部に在籍しながらも、空手や柔道部の助っ人も兼任して、優秀な成績を収めた。
だが、これが地獄の始まりだったかな…」
「え?良い成績を取ったのに…何で?」

ウェンディは不思議そうな顔をして龍に問う。

「妬みさ…人間は綺麗な奴ばかりじゃない…どうやら、俺は人に恵まれなかったようだ…
同じ部の奴ら…そして、助っ人に行った部の奴ら皆、俺を妬んでいじめを始めた…」

龍は体についた傷一つ一つを指でなぞっていく。

「これは拳の痕…こっちは蹴り…これはネジ穴…これはタバコの痕…切り傷は剃刀やナイフ…その他色々だ…」
「…仕返し、しなかったんスか?」
「それは流さんとの約束を破ることになる…だから俺には出来なかった…同門の大人達にも話さなかった…話したらきっと、仕返ししただろうからな。
俺は彼らに、仕返しなんかして欲しくなかった…そんな奴らに天然理心流の剣で仕返しして欲しくは無かったし、流さんの言った「武の在り方」にも反することになる…
だが…!」

龍は右手を小刻みに震わせ、手の平で顔を隠した。

「俺は毎日、殺されるかと思ったよ…!」
「龍…貴方…」
「(こいつが…怯えてやがる…)」
「だが、ガブリエルにスカウトされてからは、俺はやっと地獄から開放されたと思えた…
望月博士に会え…初めての同年代の友達である拓哉に会え…そして、ミッドでお前達に会えた…」
「お前…」
「すまなかったな…さっきは拒絶したが、お前達にはこの傷のことを話しておくべきだった…」
「ううん…悪いのはあたし達っス…こんな傷…見られたくないと思うのが当然っスよ…」
「ふっ…」

龍はポケットから更に二本のピンセットを取り出し、三人に一本ずつ渡した。

「弾を抜いてくれ…。」
「…!了解っス!」
「…分かった。」
「はい!」

【二十分後】
「ギィィィィイ…そろそろ奴らは死んだか…」
「ラフレアン、開けろ!」
「分かっているわ…ヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュ…」

ラフレアンは再びスイッチを操作し、タイルを開く。
すると…

「トオォォォォォォォォォオ!!」

穴の中から仮面ライダーヴェイトと、ナンバーズスーツを装着し、それぞれの武器を持ったノーヴェ、ウェンディ、ディードの三人が飛び出した。

「き…貴様ら!?」
「天井を壊す手間が省けたな…」
「ヴェイト!貴様は分かるが、なぜナンバーズ達が無酸素に近い状態で生きていられる!?」
「そんなこと…!」
「あたしらが知るか!」
63リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/17(日) 01:38:45 ID:U1myZph/
ノーヴェとディードはカマクビガメとサイタンクを蹴り飛ばす。

「ギィィィィィィィィィイ!?」
「ウワアァァァァァァァア!?」

蹴り飛ばされた二大怪人は窓ガラスを突き破り、広い庭内へと放り出された。

「おのれ!」

ラフレアンは持っていたスイッチを投げ捨て、一目散に逃げ出した。
そしてラフレアンが逃げ去った後、数人の戦闘員が周囲に出現する。

「龍!あの二体はあたしとディードに任せろ!」
「戦闘員はあたしが倒すっス!龍はラフレアンを追うっス!」
「分かった!頼むぞ!」

ヴェイトは進行方向に居た戦闘員を蹴散らしてラフレアンの後を追い、ノーヴェとディードは自分達が破壊した窓から二大怪人の元に向かう。
残されたウェンディはエリアルキャノンを構え、戦闘員達に照準を合わせた。

「覚悟するっスよ、AAMON!」

【ノーヴェ対サイタンク】
「サイタンク!かかって来やがれ!!」
「小娘が…死ね!」

サイタンクは角ミサイルを発射し、ノーヴェを攻撃する。
だが…

「当たらねぇ!」

ノーヴェはジェットエッジの機動性を生かし、高速でミサイルを回避しながらサイタンクに接近した。

「何!?」
「肘撃ち!裏拳正拳!おりゃあああああああああああああ!!」

至近距離に入ったノーヴェは、サイタンクに拳の連打を見舞う。
その手数は圧倒的で、サイタンクに反撃の隙を与えない。

「馬鹿な…このサイタンクが…」
「覚えとけ!攻撃こそ最大の…防御だってな!」

ノーヴェはサイタンクの腹部にガンナックルを叩き込み、零距離で何発もの弾丸を撃ち込む。
そして弾丸を撃ちつくした後は空中にサイタンクを放り投げ、落ちてきた所にジェットエッジを使用した強烈なキックを叩き込んだ。

「ウワアァァァァァァァア…」

サイタンクは再び上空に吹き飛び、爆散した。
64リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/17(日) 01:40:02 ID:U1myZph/
【ディード対カマクビガメ】
「喰らえ小娘!デストロンガス!」

カマクビガメは遠距離から自分の武器である亀爆弾を次々に取り出し、ディードに向けて投げつける。
だが…

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」

投げつけた亀爆弾は全て、ディードのツインブレイズを使用した二刀流捌きによって切り捨てられてしまった。

「うお!?」
「貴方に私は倒せません…」
「おのれぇ…なら、この頭突きを喰らえ!」

カマクビガメは腰を折り曲げ、ディードに向けて勢い良く首を伸ばす。
そして自分の首を鞭のようにしならせ、虎が飛び掛るかのごとくディードに襲い掛かった。

「死ねえぇぇぇぇぇぇぇえ!!」
「…」

対するディードは左手に持ったツインブレイズを捨て、残った一本を下段に構えた。

「動とも我はうこかす寄るとなくあうんのうちに虎のひと口…天然理心流…虎口剣!はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」

ディードは自分に襲い掛かってきたカマクビガメの首を、ツインブレイズを突き上げて切り裂いた。

「ギエェェェェェェェェェェェェエ…」

カマクビガメの首は縦一戦に真っ二つになり爆発する。
残されたカマクビガメの体も、首を失うと同時に溶けて消滅した。

「貴方は私に勝てないと…言いました。」

【ヴェイト対ラフレアン】
二人が怪人に勝利した頃、ヴェイトはラフレアンを追い、ラフレアンを街外れの倉庫街に追い詰めていた。

「ラフレアン!ヨロイ元帥の名を使って俺達をおびき寄せ、罠を張ったは良かったが、爪が甘かったな!」
「名を使うとは失礼な!あの暑中見舞はヨロイ元帥の直筆よ!」
「そんなことはどうでも良い!行くぞ!」
「ええい…死ね!ヴェイト!」

ラフレアンは蔓の鞭を手に出現させ、それを振るってヴェイトを攻撃する。
ヴェイトは鞭攻撃を的確に素早く回避しながらラフレアンに接近し、

「ットオ!」

腹部に強烈な右の正拳突きを見舞う。
正拳突きを受けたラフレアンは一直線に吹っ飛び、背後にあった倉庫のシャッターに激突した。
65リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/17(日) 01:40:38 ID:U1myZph/
「どうだ…ラフレアン?」
「クッ…(正拳突き一発にこれほどの威力が…)なら…!ヒョヒョオオオオオオ!」

ラフレアンは花型の顔から黄色い花粉を発射し、ヴェイトの顔に浴びせた。

「ぐあ!こっ…これは…」
「目潰し用の花粉よ!これで貴方は何も見ることは出来ないわ!これで終わりよ!」

ラフレアンは立ち上がり再び鞭を振るってヴェイトを攻撃する。
視覚を潰されたヴェイトは回避が出来ず、縦横無尽に襲い掛かる鞭の雨に打たれていた。

「アハハハハハハ!!バラバラになってしまえ!!」
「クッ…(落ち着け…感覚を研ぎ澄ませ龍…そうすれば、攻撃はおのずと見えてくる…)」

ヴェイトは仮面の下にある瞳を閉じ、無心となって自らの感覚を研ぎ澄ませた。

「止めだあぁぁぁぁぁぁあ!!」
「!、真っ直ぐ…!そこか!?」

ヴェイトは瞬時に右手を動かし、自分の心臓を貫こうとして一直線に襲ってきた鞭を掴んだ。

「何!?」
「おおおおおおおおおおおお!!」

そのまま鞭を引っ張ってラフレアンを引き寄せ、上空に飛び上がる。
そして…

「ライダーーーーーー!二段返し!!」

必殺のライダー二段返しでラフレアンを地上に叩き落した。

「ヒャアァァァァァァァァァァァァア…」

地上に激突したラフレアンは、金色の粉となって消滅した。
そしてラフレアンの消滅と同時にヴェイトの視力が回復し、地上に降りたヴェイトは視力の回復を確かめてから空を見上げた。

「終わったか…」

そんなヴェイトを倉庫の裏から見ていた人影が一つ…ヨロイ元帥だ。

「おのれライダーめ!次こそは貴様を倒す必殺改造人間を作り上げてやる!覚えて置け!仮面ライダーヴェイト!!」

【砂浜】
戦いを終えたその夜、レッドドラゴンのメンバーは全員浴衣を着込み、砂浜で花火を使って遊んでいた。

「もう…あたし達だけ良いとこ無しだよ…」
「ディエチ〜、そう言うなっス。あたしだってやったのは戦闘員だけっスよ〜…あ、終わった。もう一本〜♪」

ウェンディは消えた花火をバケツに入れ、新しい花火を一本取り出し、近くに立っていた蝋燭で火をつける。
すると花火の先端から緑色の火花が噴出した。
66リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/17(日) 01:44:21 ID:U1myZph/
「うひょ〜!楽しいっス〜!」
「チンク姉!火傷しないよう気をつけてね!」
「ああ、ノーヴェ、分かっている。分かっているからそう過保護にならんでくれ…」
「ほらほらシスターも!」
「だ、駄目ですセイン!聖職者として、火遊びなんて…」
「良いから良いから♪…ん?」

セインは、自分達と離れた場所でディードと共に星空を眺めている龍の姿を見つける。(オットーは当然二人の遥か後ろで線香花火をしながら暗い目線で二人を見つめている)

「龍…星が綺麗です…」
「大気汚染が進んでいないからな。」
「それは…そうですが…」

「ありゃりゃ〜…ノーヴェ!早く行かなきゃ取られちゃうよ♪」
「な!?…だからそんなんじゃ…」
「良いから良いから!行け!ノーヴェ!」

セインはノーヴェに花火の袋を持たせ、背中を押した

「おわ!」

「龍…」
「何だ?」
「あの…言いづらい話ではありますが…」
「なら言うな。」
「で…でも、言わなければならない話なんです!」
「じゃあさっさと言え。」
「は…はい…私は…」
「りゅ…龍!」
「「ん?」」

二人は会話の途中、緊張した声を聞き、後ろを振り向く。
すると、花火を持ったノーヴェが体を小刻みに震わせ、頬を赤く染めながら立っていた。

「ノーヴェ姉様…」
「何だ?」
「え…えっと…その…は…花火!龍!花火やろう!ディードも…一緒に!」
「え?」
「…そうだな。」

龍はノーヴェの手から花火を受け取る。

「行くぞ、ディード。」
「は…はい!…………」

三人は肩を並べて歩きながらセイン達の元に向かった。
そして後には…

「ディード…もう駄目なんだね…あの頃にはもう戻れないんだね…」

泣きながら消えた線香花火を摘んでいるオットーだけが残された…


投下終了
…酷いな。いくらなんでもここまで酷い運動部なんてありえないですよね…ファイズに登場したバスケットボール部の女共という例があったからやったのですが…やっぱりありえないよな…
これから反省します。
こんな糞展開ばかり続きますがもう少し…本当にもう少し待ってください。
昭和ライダー復活までもうすぐですので…
67名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 02:01:20 ID:iA38jeW0
今のディードはオットー<龍ですね。
68名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 02:06:50 ID:iA38jeW0
「そんなこと…!」 「あたしらが知るか!」

この部分・・・SPIRITSのストロンガーの台詞から取りましたね?
69StS+ライダー:2008/02/17(日) 02:12:46 ID:U1myZph/
茂は原作でもその台詞を言いますよ。
奇械人ワニーダ戦でです。
ちなみにスピリッツではああですが番組後半から落ち着いた男に成長します。
スカイ客演時の彼なんて初期の頃とは別人です。
70スーパーロボット大戦X:2008/02/17(日) 08:50:11 ID:rzRPpG5+
ええーい!俺がいない間にあれだけの投下が…。全部はまだ見てないが皆様GJです!!
前のスレはまだゲッターしか見てないがゲッターは新は見てないからなんとも言えないがあれはどちらかと言うとネオゲッターのような気がする。
ドラグナーはケーンは無茶しすぎだけどそこがいいぜ!
そして仮面ライダーと烈火の方はオットーが悲惨すぎるぞ。まあ、俺もオーガンの方でオットーを悲惨な目にあわせたけど…。
71名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 08:56:01 ID:UrxgUILQ
このスレの住人はオットーに恨みでもあるのかwwwwwwww
分からんでもないけど。
72名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 08:56:27 ID:SbwHHpOY
>>66
GJ!大丈夫だぞ龍。そろそろ帳尻が合ってくるはずだ。
そして昭和ライダーと我らがリンディさんの登場を楽しみにしている。

>>51
GJ!!よかった。ヴィヴィオを守りきれたか。なんという良き事態か。
続きが予測できないぜ。

73スーパーロボット大戦X:2008/02/17(日) 09:03:53 ID:rzRPpG5+
>>71
展開上仕方ないだけだと思いますよ。
それと9時半ごろに新作を投下したいと思いますがよろしいでしょうか?
74ゲッターロボ昴:2008/02/17(日) 09:10:11 ID:9gXw74Qo
>>73
では自分はその後に投下してよろしいでしょうか。
75名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 09:21:48 ID:SbwHHpOY
>>73>>74
お二方に支援。
76スーパーロボット大戦X:2008/02/17(日) 09:30:03 ID:rzRPpG5+
さあああて、投下といきますか!

 新魔法戦記リリカルなのはStrikerS Endless Waltz


 A.C.196年、地球圏で起こったマリーメイア軍の反乱はプリベンダーとモビルスーツガンダムの活躍により沈静される。
 その反乱の最後にリーダーのマリーメイア・クシュリュナーダに向かってウイングガンダムゼロのパイロットのヒイロ・ユイは銃を向け発砲するがそれは空砲であった。

「これでもう、誰も殺さずにすむ……」

 その言葉を言った後ヒイロは力尽き倒れ、ヒイロが目覚めた後は完全に地球圏に平和が訪れる。
 A.C.197年にはすべてのモビルスーツは姿を消し、ヒイロは自分の兵士としての役目を終えたと悟り旅に出る。
 その旅の中ヒイロの目の前にはある光が現れ、ヒイロはその光に包み込まれる。
 その光に包み込まれる時、ヒイロはこう思った。

「また俺が必要なのか……」

 その光が消えるとヒイロはA.C.の世界から姿を消したのである。



 ヒイロが次に目覚めた時はそこはどこかの建物の中であり、自分はベッドの上に寝ていることに気付く。

「ここはどこだ……?」

 ヒイロが目を覚まし、起き上がろうとするとドアが開き何人かの女性が部屋に入ってくる。

「あら、目覚めたようね」
「本当に美少年って感じやな……」

 ヒイロを見て関西弁を話す女性がヒイロの第一印象を言うがヒイロはそれを気にせず聞く。

「教えてくれ、ここはどこだ?」

 そのヒイロの声に一同は内心驚き念話をする。

(こ、この声は……)
(雰囲気とか違うけど……)
(お兄ちゃんに似ている……)

 その女性達は念話で話す。ヒイロの声は女性の一人高町なのはの兄のものとほとんど同じである事に驚き、一緒にいた長い金髪の女性フェイト・T・ハラオウンと関西弁の女性八神はやては驚く。
 他にも女性が二人と少女が一人がこちらも同じ事を念話で話している。

「教えてくれ、ここはどこだ?」
77スーパーロボット大戦X:2008/02/17(日) 09:30:43 ID:rzRPpG5+
 ヒイロはまた同じ事を聞き、はやてはそれに答える。

「ここはミッドチルダってところです」
「ミッドチルダ?」

 ヒイロは聞きなれない言葉に考えて違う質問をする。

「すまないが今は何年だ?」
「今は新暦の75年です」

 またしても聞きなれない言葉である。ミッドチルダ? 新暦? ヒイロにとっては訳のわからないことであるがフェイトがヒイロに言う。

「信じられないかもしれませんが、ここはあなたのいた世界ではないんです……」

 そしてはやてがこの世界の事情を説明しここがどこだが説明する。
 この世界では時空管理局と言うのが統治していて機械文明は禁止とされ代わりに魔法文明が発達されてロストロギアと言う古代遺産を管理したりするためにあり、
 ここはその部隊の一つ「機動六課」である事を告げる。
 その言葉を聞いてもヒイロは表情を変えない。というより理解した。ここが異世界なら聞きなれない言葉が多いわけだと……。

「そうか……」
(この男、随分冷静だな……)

 ピンク色の長い髪を結んでいるシグナムはヒイロの冷静さに感服する。
 その事を赤い髪の少女ヴィータが聞く。

「お前、随分冷静にいられるけどなんとも思わないのか?」
「ここが本当に異世界なら納得できる。それだけだ……」
(随分変わった奴だな……)

 それは全員心の中で思った。

「ところで名前は?」

 ヒイロは名前を聞かれて、また仲間のデュオの名前を騙ろうかと思ったがもう自分はエージェントでも兵士でもないのでここで偽名を使っても意味はないと判断し自分の名前を言う。

「ヒイロ、ヒイロ・ユイだ……」

 もっともヒイロと言う名前自身コードネームであるがもはやヒイロにとっては「ヒイロ・ユイ」が自分の名前である。

「ヒイロ・ユイさんか……。とりあえず、ヒイロさんでええかな?」
「好きに呼べばいい」

 年はヒイロよりもはやての方が年上だがはやては最初呼び捨てにしようかと思ったが声がなのはの兄恭也に似ているので呼び捨てに抵抗が出来てしまい、さん付けにする事にした。
 (この中でヒイロをさん付けではなく呼び捨てにするのはフェイトとシグナムとヴィータくらいである)

「とりあえず、ヒイロさん。あなたは次元漂流者って事になりますけど一体どういうところから来たんですか?」

 はやてがヒイロに聞くがヒイロは黙り込みこう答える。

「答えたくは無い……」

 ヒイロは自分の名前をきちんと話だが、自分のいた世界までを語る気は無かった。そこのところはまだエージェントとしての性分が残っているのだ。

「答えたくありませんか……。わかりました、ヒイロさんが答えたいときに答えてください」
「感謝する」
「それとヒイロさんはさっきも言ったとおり次元漂流者ですからここで保護と言う形になりますけどちゃんといてくださいね」
「……、了解した」
「じゃあ、ヒイロさんもう少しここで待っててくださいね」

 はやて達はヒイロを残して部屋を出る。
78スーパーロボット大戦X:2008/02/17(日) 09:31:19 ID:rzRPpG5+
 部屋から離れたところではやてが金髪の短い髪で白衣を着ている女性のシャマルに尋ねる。

「シャマル、ヒイロさん。ひょっとして魔導師適正ある?」

 その言葉にシャマルは首を横に振る。

「はやてちゃん、それは無かったわ。彼にはリンカーコアの反応がなかったの……」
「てことはヒイロさんは完全な民間人か……」
「ただ……」

 シャマルが何か付け足そうとする。

「ただ、何や?」
「ヒイロ君の体は常人以上の身体能力なんです」
「それどういうことや?」
「ヒイロ君れっきとした人間ですけど体の能力値が一般人以上何です。大体ですが2倍近くはあるんです……」
「2倍って、ヒイロさんは一体何もんや?」
「それは本人から話してもらわないと……」

 ヒイロの身体能力にはやては驚くばかりである。
 そのヒイロはと言うと病室で考え込んでいる。

(俺がこの世界に来た理由は必ずあるはずだ。俺はこの世界で必要とされているからここにいるはず……)

 ヒイロは自分がこの世界で何をすべきかを考えることにするのであった。
79スーパーロボット大戦X:2008/02/17(日) 09:33:43 ID:rzRPpG5+
投下完了。書き忘れましたがこれはプロローグです。
クロスは見ての通りWEndless Waltzですが原作終了後です。
ウイングゼロは当然出しますが少し変わった出方で出てきます。
ちなみに自分はウイングゼロはEW版のデザインが好きです。
80ゲッターロボ昴:2008/02/17(日) 09:43:01 ID:9gXw74Qo
>>79
GJです!
自分はあと十分ほど後に投下開始します。
81名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 09:53:55 ID:SbwHHpOY
>>79
本編終了後のヒイロか。続きが楽しみだ。
82ゲッターロボ昴:2008/02/17(日) 09:58:27 ID:9gXw74Qo
では投下開始します。

第二話「過去」

 漆黒の闇の中を、巨人が疾駆していた。
無数の星星が全方位にひろがる空間、宇宙でその巨人は光よりも速く移動している。
炎のように赤い装甲。
翻る緋色のマント。
二本の角。
鋼鉄の戦鬼は戦斧を両手に持ち、宇宙を駆け抜ける。

巨人には一人の男が乗っていた。
男の名は流竜馬。
ただ一人、未来永劫、巨人――ゲッターロボを駆り異世界で戦う道を選んだ戦士である。
コクピットの竜馬が叫んだ。

「ゲッタァァー、トマホークッ!!」
掛け声とともに両手の斧が投げられ真空を切り裂く。
否。
空間が裂け、擬態が力ずくで剥がされる。
裂けた空間には無数の異形が隠れていた。
自らを「神」と称する存在。
それらは竜馬を、ゲッターロボを否定せんと襲い掛かってきた者どもだった。
「神」は今怯えていた。
自らを凌駕し、叩き潰していく真紅の巨人に。
「神」の持つ力とは異なる、戦うたびに急激に進化していくゲッターの力――。
その力を前に、この空間の「神」は確実に数を減らしていた。


 二本足で直立する象のような容姿の神が、その鼻を鞭のように振るった。途方もなく伸びる触腕のような鼻。
生まれた衝撃波に、付近を公転していた小惑星が粉々に砕かれる。
だが、その鼻は振るい終えた次の瞬間にはズタズタに切り裂かれていた。
神の攻撃を避けたゲッターロボによる斬撃。
両手にはいつの間にか再び戦斧が握られている。
空気の無い宇宙で、神は痛みに絶叫する。
隙だらけのその一瞬を竜馬は見逃さず、緑色の燐光を纏った戦斧が象の姿をした神を一刀両断した。
爆発し、影も見せず消滅する神。

もう一柱の神――こちらは何対もの手を持った猿神だ――が巻物をめくり上げ呪文を唱えあげた。
その周りにいた神々も一様に呪文を唱える。
光の球が発生する。
光弾の雨がゲッターロボに降り注ぐが、緋色のマントはそれを容易に弾き、巨人の突進は止まらない。

「ゲッタァァービィーム!」
巨人の腹から放たれた桃色の閃光は神の攻撃をものともせず、膨れ上がり猿神とその周りの数柱を飲み込んだ。

『ウゴアアアアァァァ』
あたりに響き渡る断末魔の声。
無残な末路を迎えた仲間に、最後に残った神は怒り狂いゲッターロボに超高速の抜き手による刺突を加える。
しかし、当たらない。
ジグザグなUFOじみた軌道で宇宙を駆ける真紅の巨人にとって、その攻撃は遅すぎた。
83ゲッターロボ昴:2008/02/17(日) 09:59:48 ID:9gXw74Qo
「てめえで最後だ」
竜馬は雄叫びをあげながらゲッターを駆り神に肉薄する。
驚愕に見開かれる神の眼。
すれ違いざまの一撃が神の胴を切り裂き、人外の血液が宇宙空間に飛び散った。
だが、浅い手応えだ。
(仕留め損ねたかッ!)
竜馬は機体を反転させようと操縦桿を横に倒したが、間に合わない。
ゲッターが通り過ぎた一瞬に致命傷を負った神は、死力を尽くして光球を練り上げていたのだ。
惑星すら打ち砕くであろう大きさ。

『死ねぃ、流竜馬ぁぁぁ――!!』
神の殺意に満ちた思念が溢れた。
回避が間に合わないことを悟り、真正面から受け止めることを選びその場で旋回する。
「うるせえ!ゲッタァァァ――」
ゲッタービームで打ち返す。それが竜馬の出したシンプルな答えだった。
ぶつかり合わんとする二つのエネルギーの塊。
そのとき、緑色の光が突如として走った。
(ゲッター線だと!)
竜馬の顔が驚愕に染まる。
緑色の光は馬鹿馬鹿しいほど大きな戦斧を形作り、瀕死の神を唐竹割りに切り裂き光球を取り込んで暴発させた。
弾ける膨大なエネルギーが、一つの惑星と神の死骸を丸々消し去る。
それを背後にしながら、そいつはいた。
爆発の閃光の中でもわかる真っ赤な装甲。
腕から生えた鋭い鋸のような刃。
蝙蝠のような一対の黒い翼。
頭部の二本の角。
シルエットこそ異なるが、それは紛れも無くゲッターロボと呼ばれる巨人だった。

「何だてめえはっ!」
突然の乱入者に竜馬は掴み掛からんばかりに吼えた。
不明機から通信が入る。
サウンドオンリー。音声のみの通信。
向こうはあくまで姿をこっちに見せたくないらしい。
(人のことを舐めた野郎だ)
竜馬が眼前の巨人への不審をますます強めたとき、向こうは語りかけてきた。
84ゲッターロボ昴:2008/02/17(日) 10:01:15 ID:9gXw74Qo
『あなたが―――流竜馬さんですか』
若い、女の声。
意外である。これまで竜馬の見てきたゲッターの乗り手は皆男だったからだ。
しかし竜馬はそんなことをおくびにも出さず言った。

「そういうてめえは誰だ。そのゲッターはなんだ?」
女は答えない。
数秒の間。
響いたのは、ひどく乾いた、疲れきったような声だった。
『これは――私の世界の遺産です。ロストロギア――なのかもしれない』
ロストロギア―――聞き慣れぬ単語に竜馬の頭脳は疑問符をはきだした。
ただ目の前の巨人の乗り手の絶望と焦燥は伝わった。
もう取り返しのつかないことをしてしまった、という絶望。
気に入らない。
竜馬の思考は女の絶望を否定した。
絶望するくらいなら――戦え。
それが流竜馬という男の答えであり、信念だった。

『竜馬さん―――私の世界を――救ってください――」
燐光があたりを覆い尽くす。
ゲッター線の光が、空間に充満しているのだ。
(何言ってやがる――)
そこまで考えたところで、竜馬の意識は断絶した。



 ごうごう、ごうごう、と。

業火が大地を焼いていた。
あたり一面を埋め尽くす焔は、人間のつくりあげた建築物を飲み込み灰燼へと帰していく。
人の営みなど、最初から無かったといわんばかりに。
最初からそんなものは虚構だったのだと主張するように、炎は全てを飲み込もうとしていた。
後に残るのは灰と、炎と、

異形の影。

 ミッドチルダで起こった空港火災は、未曾有の被害を出そうとしていた。
突然爆発するように広がった炎の前に多くの人間が逃げ遅れ、生きたまま灼熱の中で踊り狂った。
当時幼かったスバル・ナカジマも、そんな逃げ遅れた人々の一人だった。
炎と崩れた建築物の瓦礫でいっぱいの通路の中をスバルは歩き、泣き喚いていた。
お姉ちゃん、お姉ちゃんと姉を声の限りに呼ぶ。
それに答える声は無い。
不安で胸がいっぱいになって、スバルはただ泣いた。
85ゲッターロボ昴:2008/02/17(日) 10:02:12 ID:9gXw74Qo
目の前を何かが横切った。

「お姉ちゃん……?」
姉かと思い影の走った方向へと少女はふらふらと歩いていく。
曲がり角を曲がる。
ぴちゃり、と足元がぬれた。
そして。
見てしまった。
通路に広がる血だまりと、無数の骸を。

「ひっ…」
息を呑みスバルは固まった。犠牲者はいずれも火事以外の原因で死に至っていたのだ。
ある者は喉笛を噛み千切られ。
ある者は腸を食い千切られ。
ある者は爪で引き裂かれて。

そしてそこに佇む――無数の人食い鬼をしっかりとスバル・ナカジマは見てしまった。
濁った色の肌に鋭い爪。
口から飛び出した犬歯。
虚ろな目と――頭頂部から生えた角。
背を猫背気味に丸めた姿は、ひどく猛獣じみていた。
そう、それはまぎれもなく御伽噺に出てくるような鬼。
鬼の身体にはべっとりと返り血がこびりついており、足元に転がる骸が誰によってそれがなされたのかを雄弁に物語っていた。

「い…や…」
思わず後ろに後ずさる。
後ずさった右足に瓦礫がこつんと当たり、音を立てた。
ぎょろり、と一斉に怪物たちの目がスバルに向き、にぃと鬼が獲物を見つけた喜びに嗤った。

「あ……」
小柄な鬼が飛び掛ってくる。
もう駄目だ。目を瞑りそう思ったとき、
その男は現れた。
覚悟していた痛みは無く、目を開けても獲物を喰らおうとする鬼の顔は無い。
代わりにスバルの眼前には、炎を背後にして男の人が立っていた。
年は姉よりも上で父よりは若い。
20代前半といったところかもしれない。
とても気の強そうな顔をした、筋骨隆々の大男だった。彼は緑色の身体に張り付くような服を着ていた。
ぼさぼさの黒い髪が熱風に揺れる。
86スーパーロボット大戦X:2008/02/17(日) 10:05:07 ID:rzRPpG5+
支援
87ゲッターロボ昴代理:2008/02/17(日) 10:29:54 ID:rzRPpG5+
規制にかかったようなので代理投下させていただきます。

 「大丈夫か、ガキ」
男がそう言う。
自分に言っているのだとわかり、スバルはうん、と頷いた。
それを聞き、眼前の少女が無事なのがわかったのか、男は口の端をつりあげて笑う。
自分の無事を喜んでいるんだ、とわかりスバルはほっとした。
唐突に男の左腕が動いた。
一撃。
裏拳が背後から忍び寄っていた小鬼の顔面をぐしゃり、と陥没させた。
吹き飛びゴミの様に壁にぶつかり動かなくなる異形。
その力ににただならぬものを感じたのか、異形の群れは一斉に吼えた。
獣じみた声はスバルをひどく怯えさせた。
しかし男は動じずそれどころか、首だけを少し回してへっ、とその光景を笑い飛ばした。

「来るならきやがれ!まとめてぶっ飛ばしてやる」
男の叫びが通路にこだました。
鬼どもに向き直る寸前、男はスバルに言った。

「おい、ガキ。早く逃げろ」
逃げたくても腰がぬけてとても逃げられない。そう言外に目で伝えた。
男はちっ、と舌打ちするとしゃがみこみ、スバルを肩に担いで、一目散にその場から走り去った。
背後で鬼どもが吼える。
その中でも一際小さく素早い個体が飛び跳ね、二人の前方に着地した。
鬼が残酷に嗤う。手が使えなくては戦えまい、と。
事実男はスバルを担ぐことで両腕が使えなくなっており、とても戦える状態ではなかった。
そう思われた。だが、男には自由になる足があった。

「おらぁっ!」
スバルを担ぎ上げたまま男は膝蹴りを放って鬼を吹っ飛ばし、そのまま倒れた鬼の顔面を踏み砕いた。
足元から噴出す鮮血。
その光景にスバルが小刻みに震えると、男は、

「このくらいでビクビクしてんじゃねえっ!」
と理不尽に怒鳴り、表情を険しくして通路を走り抜けた。後ろのほうから聞こえてくる激しい息遣いと足音が、化け物どもの追跡が終わっていないことを告げていた。
数秒、数分、数刻だろうか。
駆け抜けた先は行き止まりだった。シャッターで閉じられた通路。
もう逃げ場は無い――だというのに男は獰猛に笑った。
88ゲッターロボ昴代理:2008/02/17(日) 10:30:29 ID:rzRPpG5+
「これでようやく、やりあえるってもんだぜ!」
鬼の群れが追いついた。その数は六匹。
なかでも群を抜いて大きい鬼が一歩前に進み出てしゃー、と息を吐いた。
男はスバルを肩からおろし、
「下がってろ」
と言い鬼のほうを向いた。
スバルはシャッターにもたれかかる様にして男と鬼の睨みあいを見つめた。
とても勝ち目のある勝負には見えなかった。
なにせ敵は2メートルを超える身長を持っていたのだ。
当然膂力も今まで男が叩き潰してきた鬼とは桁違いだろう。それに対し、男は丸腰だ。
勝てる道理が無い、と思った。
じりじり、じりじりと距離が詰まっていく。
双方の緊張が最大に高まったとき――あの人は現れた。


 高町なのはは、ひどく焦っていた。
友人二人に誘われ休みに、ミッドチルダ観光に行くのをなのははとても楽しみにしていた。
自分に魔法を教えてくれたユーノとは会えなくなって久しく、ずっと会いたいと思っていたのもあったし、
単純に久しぶりに異世界の空気を吸うのも悪くないと感じたからだ。
なのはが大怪我を負い、かなりの重体に陥ってから数年が経っていた。
一時期は命の危機になり、家族やユーノ、親友二人やヴィータは夜も眠れなかったらしい。
その状況を脱し、意識を取り戻した後は苦しいリハビリの日々だった。
歩くことさえ困難だと言われても、なのはは諦めなかった。
苦しい、本当に苦しいリハビリを乗り越えた後に、なのは再び自分の意思で身体を動かすことができるようになった。
だが、抜け落ちたものもあった。
魔法の才がそれだ。
厳密には魔法を使うことも、防護服の展開も今までどおりできるのだが、使える時間が極端に短くなり、身体にかかる負荷も半端でなく大きくなったのだ。
だから魔導師としての高町なのはは死んだも同然と聞かされたときは、目の前が真っ暗になった。
自暴自棄になりもした。
それをフェイトに叱責され、そこから立ち直ったのが今のなのはだった。
学生として復帰し、親友のアリサとすずかに助けられながら、なのははごくごく普通の学生として生きてきた。
今日までは。
ミッドの臨海空港を見に行こう――そんな何気ない一言で向かった先は火災で今にも焼け落ちそうになっていた。
すぐさま防護服を展開し飛び立つフェイトとはやてを、なのはは眩しそうに眺めた。
今の自分にできることは――あまりに少ない。
いや――本当にそうだろうか――。
自分にできることは――やっぱり魔法だけだ。なら少しでもいい。数分でいい。
誰かを救うには、それで十分だ。

「レイジングハート、行くよ」
最高のパートナーに呼びかける。
『マスター、御体は良いのですか』
「大丈夫、少しだけでいいの。力を貸して――」
『仰せのままに』

防護服を展開する。純白の、穢れを知らないような色のそれを身に纏い飛び立つ。
『なのはちゃん?なにやっとるんやっ!』
念話が飛んでくる。はやてからのものだ。
『ごめん、はやてちゃん。でも今だけは許して――あの中に、助けを求めてる人がいる筈だから――』
『あかん、あかんでなのはちゃん―――』
89ゲッターロボ昴代理:2008/02/17(日) 10:31:07 ID:rzRPpG5+
叫ぶ友を尻目に加速する。放つは簡単な射撃魔法。壁が打破られ、突破口が開ける。
そんな魔法の行使でも胸がずきりと痛んだ。
やはり、辛い。
身体が魔法を拒否している。その痛みを押さえつけ開けた穴に飛び込む。
飛行。
空港の中は既に炎で満ち、動くものは何一つ無い。ところどころに転がる骸。
間に合わなかった――なのはは後悔にほぞを噛む。
その時――声が聞こえた。

男の人の吼えるような声。

『これでようやく、やりあえるってもんだぜ!』
声の聞こえた方向に向け飛翔する。
身体が痛いが、己を激励叱咤して進む。防火シャッターに遮られた通路。声はここから聞こえた筈。
射撃魔法を行使する。
誘導弾が形成されるが、その光は以前のなのはのものに比べると、格段に弱弱しい。
やっぱり駄目か。これでは実戦では、とても使うことはできないだろう。
だが、今は。
あのシャッターを打破るには十分すぎる威力がある。
「ディバイン・シューターッ!」
魔力弾が、正確にシャッターを大人一人だけが通れるほどの大きさに撃ちぬいた。
その穴に飛び込んだなのはは、まず最初に面食らった。
シャッターの向こうには男の人と女の子が居た――それはいい。
しかし。
男の人ごしに見えた風景には、ありえないものが映っていた。
鬼だ。
節分の日に炒った豆をぶつける、あの鬼。そんな生き物は魔法生物の中にもいない、架空の存在だった筈だ。
それが目の前に数匹いるという現実に一瞬足が止まるが、すぐに思考を復旧させる。
なにはともあれ、生きている人がいるのだ。
助けなければ。自分はその為にここまで来たのだから。


「そこの人、早く逃げてくださいっ!」
突然シャッターを破壊し舞い降りた少女を、スバルはとても綺麗だと思った。
年は姉ギンガよりも少し上といったところか。ツインテールの髪が揺れている。
少女の魔導師がもう一度叫ぼうとするのを、男は遮って言った。

「そこのガキを連れて逃げろ」
「あなたも逃げて――」
「二人は担げねえだろ?」
90ゲッターロボ昴代理:2008/02/17(日) 10:31:35 ID:rzRPpG5+
なのはが黙り込む。それは事実だったからだ。今の力の弱まったなのはでは、目の前の男性を抱えて飛行することなどできない。
決まりだ、と男が言い、前に出て隙を伺っていた鬼の顔面に拳を無造作に打ち込んだ。ぐらついた鬼の腹に肘打ちがきまった。
ぼきゃり。
骨の砕ける嫌な音。
「とっとと行きやがれ!!」
男の声に急かされるようにして、なのはは眼前の青い髪の女の子を抱きかかえた。

魔導師の少女に抱きかかえられ、スバルは身体が宙に浮くのを感じていた。
目の前の男は鬼と同じ位怖い。
でも自分を助けてくれた。
だから、どうしても聞いておかなければならないことがあった。

「あの、名前は――なんて――」
スバルの問いに、男は後ろ飛び回し蹴りで鬼の頭蓋骨を首の骨ごと粉砕しながら、

「流竜馬だ!二度はいわねえっ!」

答えた。
急速に男の後姿が遠ざかっていく。その後姿は、最後まで戦っていた。
魔導師の腕の中で、スバルは不思議なことにまったく不安にならなかった。
あの男――竜馬ならきっと大丈夫だと、何故だか信じられた。

進行方向に瓦礫の山があり、通路を塞いでいた。
魔導師は大丈夫だからね、と言うと立ち止まり、魔力を集束させていき、解き放った。
『マスター、御体が』
「レイジングハート。私は――まだいけるッ!」

「ディバイン・バスタァァァ――――ッッッ!!!」
砲撃。
桃色の光の奔流が、瓦礫を、壁面を吹き飛ばし、夜天を照らして脱出口を切り開く。
外に飛び出したところで、魔導師が力尽き墜落する。
その身体を――疾風の如き速さで、金色の髪の魔導師が支えた。

「大丈夫、なのは。もう――無茶ばっかりして――」
「にゃはは、ごめん」
二人は屈託無く笑いあう。
この日、魔導師の腕の中、スバル・ナカジマは確かな憧れを見つけたのだった。

空港の火災現場から、鬼の死骸が運び出されたのは、極秘裏のことである。
それらは皆頭部を何者かに粉砕されていたが、いったいそれが誰によるものなのかは、わかっていない。
ただ一人、神隼人という男を除いて。

「お前も来ていたのか、竜馬」
91スーパーロボット大戦X:2008/02/17(日) 10:35:05 ID:rzRPpG5+
投下完了(?)とりあえず避難所に会った分を投下しました。
まだ4つしか送ってないはずなのにゲッターロボ昴さんのは規制がかかりやすいようですね。
しかし真ゲッターも出てたとなると色々なゲッターが入ってる気がしますね。
前にも言いましたが新ゲッターロボは見たことないのですがこの作品の竜馬って何歳なんですか?
チェンジゲッターロボの方は27歳だったはずですけど新ゲッターロボは何歳なんですか?
92ゲッターロボ昴:2008/02/17(日) 10:42:16 ID:9gXw74Qo
代理ありがとうございました。
ゲッター線の影響で永遠の20歳です。
93スーパーロボット大戦X:2008/02/17(日) 10:48:15 ID:rzRPpG5+
>>92
なるほどわかりました。
ネオゲッターはともかく竜馬はゲッター線の影響をよく受ける人なんですね。
そういえばこの作品から見るに竜馬のパイロットスーツはTV版のような色って事なんですか?
チェンジゲッターの時は色が違ってましたから…。というかほとんどいつもの服で出てたよな…。
94名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 10:51:18 ID:0hrMvdrT
皆様、こんにちは。
ここには初カキコなのですが、色々な作者様たちの作品に魅せられたのか爆発した創作ならぬ妄想を
一筆書いてみたいと思いました。
なるべく原作汚しにならないようにがんばろうと思います。
初投稿になるのですが宜しいでしょうか?


95ゲッターロボ昴:2008/02/17(日) 10:53:27 ID:9gXw74Qo
TV版は見たことはないのでわかりませんが、
青緑といった感じの色のぴっちりしたスーツです。
新ゲラストでこの服だったので登場させました。
96ゲッターロボ昴:2008/02/17(日) 10:56:27 ID:9gXw74Qo
>>94
予約無いようですし、よいのではないかと思います。
97究極の合体ポ○ラ:2008/02/17(日) 11:02:01 ID:0hrMvdrT
ありがとうございます。
では、投下させていただきますね。
ここからはH.Nは作品の主人公から取り「究極の合体ポ○ラ」にさせていただきます。
では失礼します。




プレシア・テスタロッサ事件、通称P・T事件は暴走したプレシア・テスタロッサが失われた伝説の都アルハザードへ行く
ために危険なロストロギア――ジュエルシード――を用いた事件であり、その核心には第97管理外世界の地球に住む
魔法文明のない世界いた唯の少女こと高町なのはが偶然にも魔法に触れ、華々しく天才魔法少女として活躍した出来事
と管理局には認識されている。

この事件後、ジュエルシードの影響が地球及んだ可能性があるため、数ヶ月による地球担当に当てられた次元航行艦
アースラの厳重警戒が行われていた。
しかし、アースラの計器には何の反応もなく、空間は極めて安定状態であったため警戒レベルを通常の管理外世界の
監視レベルまでに落とされていた。

だが、P・T事件で起こったジュエルシード暴走は管理局の監視している地球ではなく、そこからズレた位相に存在する
"管理局の監視外の地球"との両間の異次元の距離を極端に縮めてしまっていた。
98究極の合体ポ○ラ:2008/02/17(日) 11:05:17 ID:0hrMvdrT
なぜか、書き込めない??
どうしたのでしょう・・・・・・。
99究極の合体ポ○ラ:2008/02/17(日) 11:06:42 ID:0hrMvdrT
                  プロローグ
        「究極の合体、その名はベジット」

管理局がまだ知らない地球では、星の寿命を削る激しい戦闘が繰り広げられていた。
一方は金色に光る眩い気に包まれ逆立った金髪の男、もう一方はピンクの肌に太い触覚のようなものを頭に生やした化け物。
ピンクの化け物は名を魔人ブウと呼ばれる凶悪な存在である。
その魔人ブウの発する気は地球上、いや宇宙のあらゆる存在をも恐怖させ絶望させる程の邪悪な強大なものであった。
しかし金髪の男である最強のサイヤ人――ベジット――は、そんな魔人ブウすら超絶するほどのパワーを持ち、まるで
大人が子供をあやすかのように戦っていた。

足場の無い空中に佇む二人。
その静寂を破り、魔人ブウが目視不可能なほどの速度でベジットに対して直突きを放った。
さらに、そのパンチから無駄のないコンビネーションにより繰り出される蹴り。
しかし、ベジットは胴体への直突きを避け、蹴りを防いだ反動を利用して頭部に蹴り返した。
もはや二人の戦いは両者のみを対象とせず、各々から繰り出されるパンチとキックはその場の空気すら切り裂き衝撃波とな
って荒れ果てた地球の大地を削り取り爆音を奏でていた。
この激しい動きによるためなのか、両者は時折休憩するかの様に距離をとり相手を警戒しあう。
激しい戦闘だが、衣服や肌に傷を彫っていくのは魔人ブウだけでありベジットは衣服すら乱さず姿を見せる。
これは戦闘というよりも唯サンドバックを殴るだけの一方的な展開。
100名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 11:07:03 ID:z5SZhSbZ
一行目は空欄ですか?
空欄だったら全角一個分のスペースが必要です。
101究極の合体ポ○ラ:2008/02/17(日) 11:07:14 ID:0hrMvdrT
「な・・・にぃ・・・・・・っ」


魔人ブウは呼吸すら乱して思わずそうこぼした。
それに対してベジットは


「重要なのは気の強さや動きを掴む事だ。
 貴様は目で追うから俺の動きについてこれないんだ」


と、嘲るように言う。


「ぇ・・・・・・偉そうにぃ!」


ベジットの言葉に魔人ブウはそう吐いて捨て、右腕を振りかぶりながら突撃しようとする。
が、ベジットはそれを許さずカウンターで顎に一撃を入れた。
この一撃に魔人ブウは大きく仰け反るが、そのままの体制で僅かばかりの抵抗であるのか蹴りをベジットの胴体に放つ。
しかし、この不用意すぎる蹴りは当然ベジットには効かず、そのまま足を抱えられてしまい魔人ブウは身動きが取れなくなった。
その直後、魔人ブウは体が引きちぎられるかのようなGを感じた。
ベジットが地上へ向けて降下し加速したである。


「ハハアァ!!」


ベジットの気合とともに爆発的に気が高まり一瞬の加速で空気の壁を突き破ってマッハを遥かに超えた速度で降下する。
魔人ブウの体は必死に元居た場所に居ようとするが、圧倒的なパワーと慣性の法則によりその身は引きずられるように持っていかれていく。
そしてベジットは大地に衝突する間際に魔人ブウの足を離し地表に叩き付けた。
魔人ブウの質量がそれ程なくても速度の自乗に比例する運動エネルギーは莫大であり、魔人ブウの体を地中に押し込むには十分過ぎるほどであった。
また、それでも使い切らなかった余分なエネルギーは地球の大地を割り、まるで地球が嘆くかのように轟音を立てながら地表を隆起させた。

今までの戦闘のオーケストラによる騒音は消えさり、大気は静寂を取り戻す。
そんな中、ベジットは地上を上空から見据えながら僅かな気配をも逃さぬように様子を窺っていた。
それから数秒の時が流れ、ベジットがすっとゆっくり腕を上げ魔人ブウが埋もれた大地に指をさす。
その指先には気が集中し初め一瞬で光りの槍が形成され地表へ向けて突き出される。
光の槍は隆起した岩を邪魔だと言わんばかりに吹き飛ばし、地中深くへと突き進んでいく。
手探りで見えない中にある物を探すようにベジットは指先にかかる力に集中していた。
すぐに何か目当ての物を見つけたのか、ベジットは唇を喜の感情によりニィと歪ませた。
そしてベジットは光の槍を維持したまま腕を持ち上げ自分の正面へと持ってきる。
この光の槍の先には、まるでトカゲが串に刺されたかのように見っとも無い姿をさらした魔人ブウがあった。
102究極の合体ポ○ラ:2008/02/17(日) 11:08:44 ID:0hrMvdrT
「ふん・・・・・・無様だな」


ベジットの言葉が表す通りに魔人ブウは頭を下に向けながら四肢を死にかけのゴキブリのように痙攣させている。
犬のように魔人ブウは口から唸り声を上げベジットを睨み付けるが、そんなものはベジットには嘲笑の対象にしかならない。
まるで言葉を忘れたかのように唸り声しか発することの出来ない魔人ブウ。


「どうした、ずいぶん無口になったな。
 それにしてもこれじゃちっとも面白くない・・・・・・もっと本気でやって欲しいなぁ。
 それとも本気でやってこのザマなのかな?
 だったら失礼なこと言って悪かったな、謝るぜ」


そんなベジットの発言に言葉を思い出したかのように魔人ブウは


「ォ、オノレェエ!!」


と、呪詛を吐き出すように搾り出し、光の槍から体を抜こうと足掻き出した。
肉体を変動させ無理やり体を槍から外した魔人ブウはズタズタになった服と体を再生させながらベジットを睨む。
そんな魔人ブウを鼻で笑うベジット。


「ワ・・・・・・笑ったなぁあ!
 高が人間の分際で、この俺をォオ!!」


魔人ブウはそう切れながら雄たけびを上げつつ体を細く細長く変化させて行く。
突如変化した魔人ブウがいったい何をするのか分からないはずにもかかわらず、ベジットは見上げるだけである。
そして、魔人ブウはそのままベジットに向かって飛び、軽く開いた口を押し開きながらベジットの体内に侵入していった。
そのまま、みるみると魔人ブウの体はベジットの中へと収まっていき、ベジットの体は極度の肥満体のように膨れ上がっていく。
そんな人体に寄生するようなこの世のものとは思えない見るに耐えない過程経てベジットの体は通常の3倍以上の大きさになった。
ベジットの膨張が終わると、体の中から反響するように魔人ブウの声が響いてくる。


「フフフッ、アッハハハ!
 どうだ、貴様の体の中に入り込んでやったぞ!!
 どんなにパワーアップしようが、これでは如何し様もあるまい!!!」


魔人ブウは高らかな笑い声を上げながら、ベジットの肉体の中を這いずり回る。
その魔人ブウの体内移動は、ベジットの体の表面が膨れ上げられるのを外から見られるほどに奇怪であった。
103究極の合体ポ○ラ:2008/02/17(日) 11:09:19 ID:0hrMvdrT
「覚悟するんだなぁ。
 貴様の体を内から破壊してやろう!」


そう魔人ブウは言い、さらにベジットの内側を動き回る。
常人ならその恐怖に慄き意識を失うであろう感覚にすらベジットは冷静であった。
ベジットは手を握り、指先までに意識を集中して自身の状況を正確に把握していく。
そしてベジットは自分の体が乗っ取られた訳ではないことを確信した。
それが分かるや直ぐにベジットはいつもの不敵な笑みを浮かる。


「覚悟するのは貴様の方だ・・・・・・」


と自信に満ち溢れながら言い放つ。
それに対して魔人ブウは疑問の声を上げるが、ベジットは気にもかけずに気を練り始めた。
刹那、とてつもない気の量がベジットの体を駆け巡りはじめる。


「ァァァァァァアアアアアアアア!!!」


ベジットの気合を上げる声と共に大気は振動し始めた。
膨大な気の奔流がベジットの周囲を吹き荒れ、スパークする。
それは傍から見て、あたかもベジット本人がプラズマ化するかのように激しく大気を刺激する。。
さらにベジットの巨大過ぎる気は大気のみならず次元までも揺るがすほどであった。
この時、乾いた枝を圧し折るような世界の軋む音が微かに響いていた。
その音を聞くことの出来る者は居ない。
この地球に存在する生命はベジットと魔人ブウを除いて地球の神であるデンデと格闘技世界チャンピョンのMr.サタンの二人だけである。
この二人はベジット達の近くにいるために気付かない。
世界が小さな悲鳴を上げた事には。


「ダダァァアアアア!!」


叫び声と共にベジットの気は安定化し、ベジット自身の体は通常の状態に戻った。
ベジットは静かに自分の体を探る。
そして異変が感じられた個所に視線を向けると、間を置かずにその部分が膨れ上がった。
瞬間、ベジットは殴りつけ、そこから魔人ブウの悲鳴が上がる。
魔人ブウはそこから逃れるように移動するが、ベジットはその場所が分かるかのようにそこに向けて手刀を振るう。
幾度となくベジットの攻撃から逃れようと魔人ブウは移動するが、その度にベジットは自分の体に容赦のない攻撃をした。
その攻撃から逃れるために魔人ブウは体の構造上絶対に攻撃できない背中へと移動するが、ベジットは意に介さず自身を大地に叩き付けた。
104究極の合体ポ○ラ:2008/02/17(日) 11:09:53 ID:0hrMvdrT
「ぁ・・・・・・っ・・・・・・はぁ・・・・・・。
 何故だ、何故思うように動けん!?」


魔人ブウは思わず口に出してしまうが、ベジットはそれに対して


「当然だ、俺の気で貴様の動きを封じているのだからな。
 俺の体の中に居る限り自由には動けん・・・・・・どうする、続ける気か?」


と平然に答える。
それに観念したのか、魔人ブウはベジットの口から外へ逃げ出すように這い出た。
ベジットの体内から、口からピンクの物体が中に逃げ出していく様は気味の悪いもので


「フンッ、悪趣味な野郎だぜ」


ベジットは口を腕で拭いながら言う。


「しかし、あれだけ色々合体してその程度とはな・・・・・・。
 期待はずれもいいとこだぜ」


魔人ブウの失態に対してベジットは馬鹿にするように発した。
この時、ベジットの言葉で、そして今までの戦闘のせいで魔人ブウの感情は苛立ちとムカツキで頂点に達しようとしていた。


「き、期待ハズレだとォ!
 この俺が!?
 宇宙最強のコノ俺が!!
 馬鹿にするのもいい加減にシロ!!!」


キレた魔人ブウは堰を切ったように言葉を吐きつづける。
そんな魔人ブウに、ベジットは鼻で笑うだけであった。
その嘲笑が全ての歯車が狂いだす原因となった。
嘲笑は魔人ブウの感情のダムにヒビを入れ、怒りの感情が溢れんばかりの巨大な、とてつもない気と成って決壊した。


「ゥゥゥゥゥゥヴ、ウウヴヴウウウウウ!!!」


魔人ブウの腹の底から搾り出すような雄たけびと共に邪悪な気が大気という太鼓を叩く。
その瞬間、激しい突風がベジットの体を吹き飛ばした。
体制を立て直したベジットが見たものは、理性の限界にきているキレた魔人ブウ。
105究極の合体ポ○ラ:2008/02/17(日) 11:10:24 ID:0hrMvdrT
「バかニしやガっテ!
 こノォレを、コノオレヲ!!
 ッグァアアァΙ Χ く・くδ;';,'' ソY | Γ↑Π Ψ | |Δ↑Λ B・彳ト・↑|┤Fδ;';,'' ソY | ,'' ソ:彳ト・┼Λ↑F!!!」


もはや言葉にすら成らない位理性を失った魔人ブウは、その邪悪なとてつもない気を開放するだけで、ベジットの事すら目に入っていなかった。
魔人ブウから放たれた気は雲を突き抜け、大地を削り、海を割り、地球に甚大な被害を与えていった。
それでも止まらない魔人ブウの気の嵐は終に次元の壁にまでも影響を与えだした。
怒りに我を忘れた魔人ブウのパワーは周りの次元壁を歪ませていく。
あまりの出来事にベジットは呆然としていたがハッと気付き


「マズイ、あいつ、完全に頭に血が上っちまってる!
 止めねえと異次元にこの宇宙が押しつぶされちまう!!」


再度自分に事の重大さを言い聞かせるように呟きながら、魔人ブウのもとへ飛んでいく。
全速力で飛んでいっているベジットだが、魔人ブウの圧倒的なパワーに押されてスピードが出ない。
それでも普通に速いのではあるが、ベジットにはこの僅かな差異に神経が削られるような焦りを感じていた。


「ダダァアアアア!!」


ベジットも気を上げながら魔人ブウへ突撃していくが、魔人ブウの張るバリアのようなもので遮られ辿り着くことが出来ない。
しかし、さらに気を奮い上げさせながらベジットは突撃し、徐々に、非常にゆっくりとだが魔人ブウとの距離は狭まっていく。
だがそれは余りにも長く、この地球が存在する宇宙を守るにはどうしようもないほどの険しい壁であった。
それでも諦めないベジットの力は魔人ブウとの距離は残り拳一個分も無いほどまで縮めていた。


「なッ!!?」


それは誰が上げた言葉だろうか。
ベジット、いやデンデ、または地球より遥か遠く離れた聖域に居る老界王神やキビト神なのかもしれない。
この言葉が意味するのは、後数センチの所でベジットの隣に次元の裂け目が出来てしまったためであった。
106究極の合体ポ○ラ:2008/02/17(日) 11:10:59 ID:0hrMvdrT
「クソッタレェエ!!!
 吸い込まれちまう!!!
 バリ」


ベジットは最後まで言葉を発することが出来ず、そしてこれが"コノ世界"での最後の言葉となってしまった。
ベジットが消えてしまった今、魔人ブウによる次元の揺らぎを止めることの出来る者は存在しない。
何秒、何分、いや何時間たったか分からない。
魔人ブウは我を忘れたまま終に次元の壁を壊してしまった。
そして、出現した異次元は原因の魔人ブウごと押しつぶし地球は消滅した。


「・・・・・・これでこの宇宙は終わってしもうたな」


この状況を聖域で見ていた老界王神はあることを悟ってそう呟いた。
これは老界王神がまだ若かった遥か遥か遠い過去に伝承で知った創生のビックバンと同じ現象であることを。


「宇宙はビックバンにより生まれ、ビックバンによって死す・・・・・・か。
 まったく、ゴクウのばかたれぇ!!」


そう文句を言った後、聖域は消滅した。
今、一つの次元世界が消えてなくなった。
107究極の合体ポ○ラ:2008/02/17(日) 11:15:54 ID:0hrMvdrT
>100さん
はい、その通りでした。
途中で気付き何とか投下完了しました。
ありがとうございます。

そしてこの物語はまぁ、見ての通りベジットがリリカルな世界へ行く話なのですが、
ぶっちゃけパワーバランスを壊さないようにするため殆どベジットの戦闘がありません。
ある気丈な少女が戦いに目覚めます(爆)。
どうしても魔法なしで空戦するためにはドラゴンボール系の設定が必要だったため、これ
をクロスさせました。

皆様、お目汚し大変失礼しました。
何か上達するためのアドバイスなどを戴けるととても嬉しいです。
108名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 11:29:15 ID:43MaQkdL
とりあえずゴクウーーーーと言っておこう

まだ最初なので何も言えないけど続きに期待
109名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 11:39:46 ID:YvrCgMc+
>>107
所々、句読点が気になる部分があったくらいかな。
もうちょっと増やしてもいいと思います。続き楽しみにしてます。
110名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 13:37:04 ID:Rno9b3Uo
>>107
DB厨って訳じゃないがベジットが改悪されてる気がする
コレじゃあゴテンクス並みのアホにしか見えんし
原作見るにSS2が残ってるベジットが対応できんとも思えない
ついでにDBの世界滅ぼしてまでクロスさせる意味があるのか?
111名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 14:05:30 ID:htXiZe/j
>>107

界王神界は別次元で最高次元にある聖域です。
宇宙が消えたとしても消えたりしません。
GTのは次元浸食だから及ぶわけですが、これには無理があります。
鳥山氏がまだセル編を書いていたときに、界王様は平行世界もリンクしているとコメントしてたらか、なのはの世界も知ってるかもね。
ボージャックは宇宙の片隅の次元の底に封印してたらしいし。


それはそれとして、ドラゴンボールってどこまでならパワーバランスが大丈夫なんだろ?
セルのかめはめ波はまだ溜めてる途中でも太陽系を一撃で消滅させる威力らしいし。
まだただのドラゴンボールのときがいいレベルかな?
112名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 14:42:44 ID:DnWf8zjv
なのはと聖闘士星矢のクロスとかないかな?
どっちかっていうと、黄金聖闘士が主な
アルデバランとか
113名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 15:17:13 ID:B5Gu0EVG
>>111
ラディッツ戦くらいまでじゃね?
王子はもちろんナッパにも太刀打ちできそうにない
こう、「クンッ」的なイメージで。
114名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 15:22:09 ID:yi8eV+f/
ピッコロ大魔王らへんで十分じゃないか?
ある程度空も飛べるし街地一つ木っ端微塵にできる。
115名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 15:25:53 ID:ZJ1t96A6
武天老師は空は飛べないけど、全力の一撃は月を破壊することができますよ。
116名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 15:31:34 ID:27G1s7Hr
あれ? でも亀仙人は月を吹っ飛ばせるとか
聞いた記憶があるけど
力関係ってピッコロ大魔王>亀仙人じゃなかったっけ
そもそもピッコロ大魔王の時点で神様の悪い部分を分離させた
とかいう(DB的に考えなければ)かなりぶっとんだ存在だ。
もうチャパ王とかでよくね?
117名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 15:43:32 ID:yi8eV+f/
チャパ王は亀仙人も一応少し驚くぐらいの実力者、
もうサタンでいいじゃん。
118名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 15:46:01 ID:NlR3oF9G
敢えて初期のヤムチャ
119名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 15:48:04 ID:htXiZe/j
サタン VS ザフィーラ
見物かもしれない。

亀仙人が六課に行ったら狂喜乱舞しそうだよね。
第一ターゲットはシグナムかな。
120スーパーロボット大戦X:2008/02/17(日) 16:01:09 ID:rzRPpG5+
さてととりあえずStrikerS Endless Waltzの第2話が出来たから5時ごろに投下しましょうかな。
121なの魂の人:2008/02/17(日) 16:05:06 ID:Qy+5Eqq9
パロロワでの銀さんの早死にっぷりに全俺が泣いた
いや、確かに人斬りはロクな死に方しないって銀さん本人も言ってたけどっ

そんなわけで、なの魂二十話を16:30くらいに投下予約しておきます
122スーパーロボット大戦X:2008/02/17(日) 16:07:28 ID:rzRPpG5+
>>121
ではお先にどうぞ。
123名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 16:08:05 ID:PjXz9+3T
>>120>>121
二人に支援!楽しみにしている。
124名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 16:29:00 ID:j/jjVUiK
もうすぐ銀さんが降臨か。
楽しみだ。
125なの魂の人:2008/02/17(日) 16:30:42 ID:Qy+5Eqq9
んでわ、今から投下開始します
126名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 16:31:17 ID:j/jjVUiK
バンザーイ!
支援しますよ。
127なの魂:2008/02/17(日) 16:32:27 ID:Qy+5Eqq9
なのは達がアースラに乗り込んでから早一週間。
彼女らの活躍には目覚しい物があった。
例えば五日前、ジュエルシードが熊に取り付いた時。

「無理無理無理無理ぃ! こんなの一分どころか十秒持ちませんって!」

乱立する木々の間を縫うように逃げながら、なのはが叫ぶ。
後ろから轟音と共に飛んでくるのは、巨大な岩石と魔力砲撃。
岩石は木々を薙ぎ倒しながらなのはの目の前に落着し、その後ろからなのは目掛けて魔力の塊が飛んでくる。

「しっかりしろォ! 成せば為る! お前だって主人公だろーが!」

しかしその砲撃は、なのはに当たる前に銀時によって斬り捨てられる。
同時に、砲撃の飛んできた方向から爆発音が聞こえてくる。
神楽が死角から撃ち込んだ砲撃が、熊に直撃したのだ。
熊の身体は粒子状に分解されていき、淡い光のカーテンの中から、一つの蒼い宝石が姿を現した。

ジュエルシード、シリアルVIII――捕獲成功。



例えば二日前、ジュエルシードが鷲に取り付いた時。

「ちょ、タンマ! 一旦タンマ! 下りるわ! 俺もう下ります! 認識が甘かった!」

広大な草原のど真ん中を疾走しながら、銀時が叫ぶ。
上空から飛んでくるのは、仮借ない魔力弾の嵐。
魔力弾は銀時の周囲に小さなクレーターを作りながら、徐々に彼に迫っていく。

「しっかりしてください銀さん! 成せば為ります! 一応主人公でしょう!?」

だがその魔力弾は、間に割って入ってきたなのはの防御魔法によって全て掻き消された。
同時に、大空を悠然と飛んでいた巨大な鷲の身体に、幾つもの光の鎖が絡みついた。
ユーノの放ったバインドが命中したのだ。
なのははここぞとばかりに、最大出力のディバインバスターを鷲に向かって撃ち込んだ。

ジュエルシード、シリアルIX――捕獲成功。



改めて見てみると、結構情けない言動が多いが、なんやかんやでチームワークは抜群に良いようだ。
現に彼女らが来たことで、捕獲任務が思いのほか順調に進んでいる。

「なかなか良いチームね。このままうちに欲しいくらいだわ」

艦長席に腰掛けたリンディの手元に浮かぶ空間モニター。
そこに映し出されるなのは達の活躍ぶりを見ながら、彼女はそんなことを呟くのであった。



なの魂 〜第二十幕 結局自分のために頑張ってる時が一番力を発揮できる〜


128スーパーロボット大戦X:2008/02/17(日) 16:33:43 ID:rzRPpG5+
支援
129なの魂:2008/02/17(日) 16:33:59 ID:Qy+5Eqq9
「この黒い服の子、フェイトって言ったっけ」

薄暗い通信室の中央。
モニターに映し出されたフェイトのデータを見てエイミィは呟き、それに答えるようにクロノが頷く。

「フェイト・テスタロッサ……かつての大魔導師と、同じファミリーネームだ」

「へぇー、そうなの?」

「大分前の話だよ。ミッドチルダの中央都市で、魔法実験の最中に次元干渉事故を起こし、追放されてしまった大魔導師」

「その人の関係者?」

「さぁね。本名とも限らない」

かぶりを振るクロノの下で、カタカタとキーボードを叩く音が聞こえてくる。
それと共に移り変わるモニターの情報。
しばらくの間の後、小さな警告音と共に、モニターに『Not Found.』の文字が表示された。

「あ〜、ダメだ。やっぱり見つからない。フェイトちゃんってば、よっぽど高性能なジャマー結界を使ってるみたい」

「使い魔の犬……多分、コイツがサポートしてるんだ」

モニターの隅に映された、赤い毛並みの大型犬を見てクロノは呟く。

「おかげで、こっちが発見したジュエルシードを、もう二個も奪われちゃってるよ」

ため息をつきながらこちらを見上げるエイミィを見て、クロノは同じようにため息をついた。

「しっかり探して捕捉してくれ。頼りにしてるんだから」

「はいは〜い」



同時刻。
崩壊した遺跡が浮かぶ湖の畔に、フェイト達は佇んでいた。
目の前に浮かぶ光景は、ここが日本だということを忘れさせてくれるくらい幻想的だった。
どちらかというと、彼女らの故郷であるミッドチルダを思い出させる雰囲気である。

「……フェイト、ダメだ。空振りみたいだ」

しかし、彼女らにはその風景に風情を感じる余裕は無かった。
アルフはため息をついて辺りを見回す。
ジュエルシードらしき反応を感知してここまで来たのだが、どうやらただの勘違いだったらしい。
隣では、フェイトが残念そうな顔をしながら、水面に映る自身の顔を見つめていた。

「やっぱ、向こうに見つからないように隠れて探すのは、なかなか難しいよ。
 おまけに、あの子達も助けなきゃいけないなんて……」

そこまで言ったところで、アルフはあることに気が付いた。

「そういえばフェイト。助けるって言っても、何か手はあるの?
 まさか馬鹿正直に、連中の本拠地に乗り込むわけにもいかないし……」

その言葉を聞いて、何故か肩をビクリとさせるフェイト。
不審に思ったアルフがフェイトの顔を覗き込もうとするが、フェイトは冷や汗を垂らしながらそっぽを向いてしまった。
130名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 16:35:03 ID:j/jjVUiK
支援します♪
131なの魂:2008/02/17(日) 16:35:08 ID:Qy+5Eqq9
「と、とにかく……今はジュエルシードのことを優先しよう。
 あれを集めて、母さんの願いが叶ったら、きっと何とかしてくれるから」

どもりながらそう言うフェイトの姿を見て、アルフは確信した。
――あ、何も考えてなかったな。

(ま……たまにはこういうのもいいか)

「べ、別に何も考えてなかったわけじゃないからね!」と必死に言い訳するフェイトを見て、
アルフは思わず笑みを零した。



そしてなのは達がアースラに乗り込んでから十日目のこと。
艦内食堂で昼食をとっていたなのはが、不意にポツリと呟いた。

「あと六つ……中々見つからないね……」

この十日間で見つけたジュエルシードは三つ。
今は探索範囲を広げて捜索を行っているのだが、それでも新たな収穫を得ることは出来なかった。

「うん……もしかしたら、結構長くかかるかもね」

向かいで座っていたユーノが、申し訳なさそうに言った。
そんな彼に対し、なのはは、

「大丈夫だよ。みんないるから、寂しくないし」

と言うのだが、その表情はどこか寂しげだった。
大人びているとはいえ、まだ九歳の少女。
見知った人物が近くにいるといっても、やはり家族に会えないのは精神的につらいものがあるのだろう。

「オイオイ、もうホームシックか? 寂しくて一人じゃ寝れない年頃か?」

「そ、そんなのじゃありませんっ!」

それを茶化すように銀時が笑いながら言うと、なのはは立ち上がって否定の言葉を述べた。
が、微妙に顔が赤くなっている辺り、あながち間違いでもなかったのだろう。

「よーしよし。それじゃなのは、今日は私の部屋でお泊りアルね」

などと、神楽がニヤニヤ笑いながらなのはの頭を撫でると、

「か、神楽ちゃんまで子供扱いしてー! ……えっと、鍵は開けておいてね?」

「行く気満々かい!」

新八の鋭いツッコミが冴える。
しかしなのは、スルースキルは一線級のようだ。
プロ級のツッコミを華麗に受け流し、はぁ、とため息をついてポツリと呟く。

「……まあ、確かにお父さん達のことは心配ですけど……」

ふと、何かに気が付いたようになのはが顔を上げた。

「そういえば私、ユーノ君の家族の事とかあまり知らないね」

「ああ、僕は元々一人だったから」
132名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 16:35:55 ID:htXiZe/j
支援っす!
133なの魂:2008/02/17(日) 16:36:50 ID:Qy+5Eqq9
極々普通にそう答えるユーノ。
あまりにもあっけらかんとした答え方だったので、なのははその言葉の意味を理解するのに、数秒を要した。
元々一人……つまり、両親共に不在ということだ。

「あ……そうなの?」

なのはは信じられない様子で、ほうけた表情でユーノを見つめる。
ユーノは微笑みながら、

「両親はいなかったんだけど、部族のみんなに育ててもらったから……。
 だから、スクライアの一族みんなが僕の家族」

「そっか……」

「…………」

そのまま押し黙る二人。
申し訳ないというか、気恥ずかしいというか。
なんとも表現しがたい感情が、二人の中で渦巻いていた。
そしてこういう時に限って、何故か周りの万事屋三人衆まで一緒になって黙ってしまう。
なんとも空気が重たい。

「……ユーノ君。色々片付けたらもっとたくさん、いろんなお話をしようね」

少しだけ考え込むようにして、そしてようやくなのはの口から出てきた言葉は、それだった。

「うん……色々片付いたらね」

ユーノはそう言って微笑んできた。
なのはも、それにつられて微笑み返す。
でも、それは表面上だけ。
内心では、とても笑える気持ちではなかった。

(色々片付いたら……ジュエルシードの問題が片付いたら……)

「おーい、ラブコメはその辺で終いにしてくれや。俺と新八はともかく、神楽が対応しきれねェよ」

「オイ、それどーいう意味アルか?」

不意にそんな言葉が聞こえてきた。
顔を上げると、左隣に座っていた神楽が、向かいに座る銀時の胸倉を掴もうと、テーブルの上に飛び乗っている真っ最中だった。

「ラ、ラブ……」

右隣では、ユーノが顔を赤くしながらうろたえていた。
その様子があまりにも可笑しかったので、つい口元を緩めてしまう。
そんななのはの様子に気付いたユーノは、ますます顔を赤らめて俯く。
……彼のこんな表情を見ることが出来るのも、きっと今だけ。
もし、この問題が全て片付いたら……。

(そうだね、きっと私達は……)



なのはが顔を俯けるのと、艦内に警告音が鳴り響くのは、ほぼ同時だった。
天井に据え付けられたモニターに『CAUTION.』の文字が表示され、部屋中の照明が赤く明滅する。

『エマージェンシー! 捜索域の海上にて、大型の魔力反応を感知!』
134なの魂:2008/02/17(日) 16:38:20 ID:Qy+5Eqq9
部屋中、いや、艦内中に響く切迫した声。
それと同時に、部屋のモニターに映像が映し出される。
暗雲に包まれた空。吹き荒ぶ雨。そして荒れ狂う高波。
一目見ただけで、予断を許されない切迫した状況だと分かった。
なのはとユーノは立ち上がり、すぐさま発令所へ向かおうとし……。
新たにモニターに映し出された映像を見て、絶句した。
狂ったようにうねりを上げる海の上に、突如として巨大な魔法陣が展開された。
同時に、その魔法陣を取り囲むように、金色の光球が次々と宙に浮かぶ。
円状に並んだ光球の中心。
そこに、フェイト・テスタロッサがいた。




轟音と共に、数多の雷が海へと落下した。
雷は海面を走り、そして海を覆いつくしていった。
そして僅かな間の後、突如として海中から六つの竜巻のような物が立ち昇った。
まるで巨大な龍のようにも見えるそれを、フェイトは見据える。
彼女の隣では、アルフが不安の色を隠しきれない様子でフェイトを見つめていた。

(ジュエルシードは、多分海の中……だから、海に電気の魔力流を叩き込んで、強制発動させて位置を特定する。
 そのプランは間違ってないけど……でも……フェイト!)

「……見つけた……残り六つ!」

バルディッシュを構えたフェイトは、息も絶え絶えだった。
天候操作魔法、サンダーフォール。
ただでさえ消耗が激しい儀式魔法を、この悪天候の中で放ったのだ。
普通なら気を失っていてもおかしくないくらい、フェイトの身体は疲弊しきっていた。

(こんだけの魔力を撃ち込んで、さらに全てを封印して……こんなの、フェイトの魔力でも絶対に限界を超えた……!)

それでも、フェイトは自分の身体に鞭打って、ジュエルシードに立ち向かおうとする。
はたしてそれは、自身が慕う母のためか。
それとも、自分達を助けてくれた、あの人物達のためか。

「アルフ。空間結界とサポートをお願い」

「ああ、任せといて!」

推し量る術は無い。
いや……推し量る必要もない。
自分は、もう決めたのだから。
何が起きようと、誰が来ようと、絶対にフェイトを守ると。
理由も理屈も無い。
ただ、自分の大事な人を守る。
そう決めたんだ。

「……行くよ、バルディッシュ。頑張ろう」

横に視線をやる。
自分と同じく、瞳に確かな信念を宿したフェイトが愛機と共に竜巻へと向かっていくのが見えた。


135名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 16:39:11 ID:j/jjVUiK
支援
136なの魂:2008/02/17(日) 16:39:46 ID:Qy+5Eqq9
「なんとも呆れた無茶をする子だわ」

中央モニターの先、豪雨の中で果敢に戦う少女の姿を見て、リンディは開いた口が塞がらなかった。
少女の体力がもう持たないだろうというのは、この発令所にいる全ての人から見ても明らかだった。
だというのに、彼女はそのままジュエルシードの封印を敢行しようとしているのだ。

「無謀ですね……間違いなく自滅します。あれは、個人が出せる魔力の限界を超えている」

クロノが呆れた様子でそう呟いた時、発令所の扉が開いた。
慌てた様子でなのはとユーノが発令所へ駆け込み、次いで銀時達も入ってくる。

「フェイトちゃん! ……あの! 私、急いで現場に……!」

息を切らして言うなのはだが、クロノはそれを手で制し、首を横に振った。

「その必要は無いよ。放っておけば、あの子は自滅する」

冷酷にも思える言葉。
なのはは反論しようとするが、それよりも先にクロノが口を開いた。

「仮に自滅しなかったとしても、力を使い果たしたところで叩けばいい」

「でも……!」

「今のうちに捕獲の準備を」

淡々と指示を出すクロノの正面のモニター。
そこで異変が起こった。



モニターの中では、フェイトが荒波と強風にあおられ、もはやその場に留まることすら困難な状況に陥っていた。
体力だけでなく、魔力も底を尽きたらしい。
彼女が手にするデバイスから発せられる光の刃が、小さく明滅しながら、ふっと消えていった。
そして彼女の相棒も、竜巻から発せられた雷のような光糸で、身体の自由を封じられている。
これでフェイトは、ジュエルシードに対抗する手段を完全に失ってしまったことになる。

(……こりゃ放っておけば死ぬな……)

銀時は漠然とそんなことを考える。
彼の考えを見透かしたかのように、リンディが重たげに口を開いた。

「私達は、常に最善の選択をしないといけないわ。残酷に見えるかもしれないけれど、これが現実」

「でも……」

なのはが一歩前へ踏み出そうとする。
それよりも先に銀時が動いた。
モニターの先で、苦しげに荒い呼吸をするフェイトを見ながら、ポツリと呟く。
137なの魂:2008/02/17(日) 16:41:06 ID:Qy+5Eqq9
「……ジュエルシード捕るために、あの嬢ちゃんエサにするってのか。
 どーやらテメーら、本気で腐っちまってるらしいな」

この一言が、クロノの心の琴線に触れてしまったらしい。
彼は忌々しげに銀時を睨みつけた後、一語一句を強調するように呟く。

「……口が過ぎるぞ。落ち武者風情が」

「あなたも人の事言えた義理じゃないでしょう、クロノ」

そんな彼を、リンディはたしなめる。

「ですが、艦長!」

不満げに異論を唱えるクロノをよそに、リンディは銀時に向き直った。
その顔には、悲痛な表情が浮かんでいた

「……一番現実を見てきたあなたの口から、そんな言葉が出るとは思ってもみませんでしたよ」

リンディがそう言う間にも、後ろのモニターの状況は刻々と変わっていく。
果敢な少女の顔色は嘘みたいに青白くなっており、もはや一刻の猶予も無いことを物語っていた。

「国のために、仲間を犠牲にしてまで戦い抜いたあなたになら分かるはずです。
 ……私達には、他の何を犠牲にしてでも、護らなければいけないものがあるのです」

自分と銀時は同種の人間なのだと思って発した、その言葉。
しかし銀時は、それを鼻で笑って言葉を返した。

「……その護らなきゃならねーもんってのは……アンタ自身が護りてェモンなのか?」

一瞬だけ、リンディの顔に逡巡の表情が浮かんだ。
全ての世界に住まう人々の平和。
それが自分達に課せられた使命。自分達が護らなければならない物。
そう、"護らなければならない物"は、いつだって理解していた。
だが……。
――護りたい物……。
ふと、リンディはモニターに目を向ける。
今にも海面へ落下してしまいそうなほど、不安定な飛行を続ける少女。
……護らなくてもいい、とは思っていない。
だが、今のこの状況では、彼女の命を天秤にかけるほかない。
それほど、自分達の背負ってる物は重い。

「お膳立てされた正義貫いてどーすんだよ。俺ァそんなくだらねーもんのために命かけるつもりは無ェ。
 自分のも、他人のもだ」

だが、銀時は……いや、銀時達は違った。
銀時と新八は木刀を手に、そして神楽は番傘を肩に担ぎ、なのはとリンディ達の前に立った。

「俺ァ俺の美しいと思った生き方をし、俺の護りてェもんを護る。
 俺達ゃ自分の肉体(からだ)が滅ぶまで、背筋伸ばして生きてくだけだ」

誰に言うでもない、まるで自分自身に言い聞かせるような物言い。
銀時達の目には、確かな信念の光が宿っていた。

「俺……"達"?」

言葉の意味に気付き、リンディは銀時達の後ろへ目をやる。
そこには、転送の準備を整えるユーノと、緑色の魔力光に包まれるなのはの姿があった。
138なの魂:2008/02/17(日) 16:42:07 ID:Qy+5Eqq9
「君達は……!」

彼らが何をしようとしているのか、いち早く察知したクロノが止めに行こうとする。
が、その前に銀時達が無言で立ち塞がった。
どうあっても、クロノ達に邪魔をさせないつもりだ。

「ごめんなさい! 高町なのは、指示を無視して勝手な行動をとります!!」

その声を合図に、なのはの身体を包む光が、一層明るく輝いた。
その光はやがて、粒子状になってその場から弾ける。
なのはの姿は、既に発令所のどこにも無かった。



「……国を憂い戦った戦士が、今度は世界を滅ぼそうというのですか……?」

半ば呆れた様子でリンディは銀時に問いかけた。
もし仮に、手違いでジュエルシードが暴発してしまったら、間違いなくこの世界は終わる。
その事が理解できないほど、銀時も馬鹿ではないはずだ。
むしろ、理解した上でこの行動を取ったと見える。

「何を勘違いしてやがる。俺ァ安い国なんぞのために刀抜いたことは一度たりとも無ェ。
 国が滅ぼうが世界が滅ぼうが、どうでもいいんだよ、俺ァ昔っから」

理解に苦しむリンディを見て、銀時は小さく笑いながら木刀を腰に差した。
そして、中央モニターに映し出された新たな映像を、じっと眺める。

「今も昔も、俺の護るもんは何一つ変わっちゃいねェ」

雲の合間を飛び交う白衣の魔導師の姿を見ながら、銀時は周りに聞こえるか聞こえないかぐらいの声で呟いた。

「……行ってこい、じゃじゃ馬娘」
139スーパーロボット大戦X:2008/02/17(日) 16:43:03 ID:rzRPpG5+
銀時! 支援!
140なの魂の人:2008/02/17(日) 16:45:08 ID:TBoqF40d
以上で投下終了です
クロノくんはアレですね。真面目すぎるのと若気の至りって奴ですね、ええ
そんなこんなで原作とは微妙に違う終盤戦
無印編最後までお付き合いいただけたら幸いです
141スーパーロボット大戦X:2008/02/17(日) 16:48:19 ID:rzRPpG5+
>>140
GJ!! 銀時、やっぱりお前は変わってないな。
しかし折角A’SとStrikerSのキャラもいるんだとどうせなら絡ませて欲しいと思うのだが
さすがにそれだと無理があるし、難しいか。
けど、俺はやってみたいな無印とA’Sのクロスオーバー的な話を!
でもそれだとまたスパロボ系になりそう…。
142名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 16:55:48 ID:tFAdTuIK
>>141
いや、確かナンバーズがちょこっと出てきた回があったぞ。
143スーパーロボット大戦X:2008/02/17(日) 17:00:50 ID:rzRPpG5+
>>142
それは知ってますよ。ただ、この後のPT事件に完全にキャラを絡ませて欲しいという意味ですよ。
それと時間みたいですので次は俺が投下します!
144スーパーロボット大戦X:2008/02/17(日) 17:04:44 ID:rzRPpG5+
 第2話 ゼロ、再び


 ヒイロが機動六課に保護されて1週間が経つ。ヒイロはこの1週間の間に色々なものを見てきて学んだ。
 ここの世界では自分がよく使っていた銃などが無く、魔法と言うものが主流でそれが戦いに使われていたりなどである。
 ちなみに機動六課にいるメンバーは全員ヒイロを変わり者のように見ている。
 そのわけはあまりに機械的だからであるそうだ。ヒイロが機械的にも無理は無いが事情を知らないため変わり者として見ている。
 それともう一つはヒイロが唯一シャマルの作った料理を文句を言わず顔色を変えずに食べた事である。
 機動六課のメンバーの一部はシャマルの料理を食べた事があるが皆なにかしら嫌な反応しかしなかったが、ヒイロはそれがなかった。
 ヒイロはこの世界の事をもう少し知りたいと思いはやてに街に出るよう許可をもらおうとするがなかなかもらえずにいたが、
 なのは達が新人のフォワードメンバー4人に休暇を与える事を機にはやてもヒイロを街に出してもいいと判断し、ヒイロも街に行こうとする。
 そしてヒイロは街に出てスバル、ティアナと合流する。

「あら、ヒイロさん」
「ヒイロさんもアイス食べます?」

 ちょうどスバルとティアナはアイスを買って食べようとしていたところにヒイロがやって来た。
 ちなみにヒイロの年齢はスバルとティアナとそんなに変わらないのだがなのは達がヒイロをさん付けにしていることから自分達もさん付けにしているのだ。

「いや、遠慮しておく」
「もう、ヒイロさんは遠慮しすぎですよ」
「ヒイロさんの分も買いますから……」

 強引にスバルはヒイロの分までアイスを買い、ヒイロは強制的にアイスを食べる羽目になる。
 スバルはアイスを食べるヒイロに聞く。

「どう、ヒイロさん。アイスの味は……?」
「悪くはない」
「そうじゃなくて……、おいしいかですよ……」
「……」
「スバル、ヒイロさん考え込んじゃったじゃない……」
「ご、ごめんなさい」

 スバルはヒイロに謝る。

「気にするな」
「よかったあ」

 スバルはヒイロの言葉に明るさを取り戻す。ヒイロはそのスバルの明るさを見てこう言う。

「お前を見ているとデュオを思い出す」
「え?」
「デュオ?」

 突然ヒイロが人の名前を口にしたのでスバルとティアナは何の事だがと思い、ヒイロに聞く。

「ねえ、ヒイロさん……」
「そのデュオって人とあたしはどう似ているんですか?」
「その明るいところだ」

 ヒイロは薄ら笑いをしながら答える。

「つまり、そのデュオって人とスバルは馬鹿っぽい明るさって事……」
「もうティアったらひどいよ!」
145スーパーロボット大戦X:2008/02/17(日) 17:05:36 ID:rzRPpG5+
 ティアナのさりげない言葉にスバルは怒る。もしデュオが聞いていたらデュオも怒っているだろう。
 ちなみにヒイロはそこのところを否定しなかったとか……。

「ところでヒイロさん、この後一緒にゲーセン行きませんか?」
「ゲーセン?」

 ヒイロは何のことだがよくわかっていない。

「スバル、ヒイロさんはやっと街に出てきたんだから一人にさせたほうがいいんじゃない?」
「いやいや、ここは皆と一緒に街を探索しながら行った方がいいって……」
「いいだろう、一緒に行動しよう」
「じゃあ、決まりだね!」

 ヒイロはスバルとティアナと共に行動をするが、その途中エリオとキャロから通信が入り三人は急遽二人の場所に駆けつける。
 二人が連絡を入れた訳は機動六課が追っているロストロギアレリックのケースを5歳くらいの女の子が運んできた事とケースがもう一つあり、それが地下水道にあるということである。
 二人の連絡を受けて、なのはとフェイトシャマルとリインフォースUがヘリに乗って急遽その場所にやってきてそのレリックを運んで来た少女はヘリに乗せシャマルが見ることになる。

「ああ、それとヒイロさんもヘリに乗っていて下さい」

 なのはがヒイロにヘリに乗るように勧める。ヒイロにはリンカーコアがなく魔法が使えないのでいてもどうにもならないと判断したのだ。
 ヒイロはその事をよく知っていたのでなのはの言うとおりにする事にした。

「了解した」

 そして機動六課の敵ジェイル・スカリエッティが作り出したガジェット・ドローンが現れ、
 なのはとフェイトは近くに空域、リインフォースUはこっちに向かってくるヴィータの方、新人4人は地下水道に向かう事、ヒイロはシャマルと共にヘリに乗ることになった。

「それじゃあ、皆気をつけてね!」
「「「「はい!」」」」

 そして皆デバイスを起動させバリアジャケットを着て作戦行動に入る。
 その様子をヒイロはこう思う。

(俺達と変わらないな……)

 ただ単にモビルスーツに乗るか乗らないかの違いだとヒイロは思った。


 ヒイロは乗り込んだヘリからなのは達の戦いを見ようとしているが位置の関係上見えない。
 ヒイロは外を見ていると何やらあるものが高速でヘリに近づくのが見える。

「あれは……」

 空中で幻影交じりのガジェットと戦っているなのはとフェイトも遠くでだがそれは目視できている。
 そのヘリに近づくものは機動六課隊舎の司令室でも観測されていた。

「な、何これ!? 大きい!」
「ガジェットの反応……、ありません!」
「じゃあ、まったく別の物だって言うのか!?」
「こうなったら私が……」

 司令室に緊張が走り、なのはとフェイトを他の場所に援護に行かせるために外に出て騎士甲冑を着ていたはやては急いでリミッター解除をクロノに頼もうとすると全体通信が入る。

「待て!」
146名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 17:07:34 ID:htXiZe/j
>>なの魂氏

銀ちゃんサイコーだ
クロノの心酔してる管理局の正義を真っ向否定、あんたサイコーだー!
所詮てめえ勝手な偽善を振り撒いてるような連中に、銀ちゃんの深さはわかるまいて。


次回も期待してます。
特に銀ちゃん!
飛べない銀ちゃんだけど、決着までにちょっとでもいいから絡ませてー。

定春とアルフのカップリング…
これはないか。


147スーパーロボット大戦X:2008/02/17(日) 17:07:52 ID:rzRPpG5+
 それはヘリに乗っているヒイロがヘリを操縦しているヴァイスに無理矢理全体通信を入れたものである。

「ヒイロさん!?」
「あれはゼロだ!」
「ゼロ!?」

 ゼロと言う聞きなれない言葉に全員が戸惑うがヒイロはヘリに近づいてくるものがわかったのだ。
 そしてその高速で近づく大きな機体はヘリの下にと近づき、ヒイロはそれを確認する。

「間違いない、ゼロだ」

 その機体の正体はかつて自分の乗っていたモビルスーツ「ウイングガンダムゼロ」が翼をあまり広げずにこちらまで来ていたのだ。
 ヒイロは自分の世界で大破した機体が何故この世界にあるのか不思議に思ったが今はそんなことを言っている暇はない。
 今はなのはとフェイトが幻影交じりのガジェットと戦って苦戦しているのだ。ヒイロはヴァイスにこう言う。

「ハッチを開けろ!」
「な!? で、でもよ……」
「開けろ!」
「わ、わかった」

 ヴァイスはヘリのハッチを開ける。

「ヒイロ君、どうするの?」

 ヘリに乗っていたシャマルが尋ねる。

「こうする」
「え?」

 ヒイロは突然飛び降りる。ヒイロは魔力がないので空を飛ぶ事が出来ないのだ。
 ゆえにシャマルは驚くが、ヒイロはウイングガンダムゼロに見事に乗ることが出来、コックピットに入る。
 どうやらウイングガンダムゼロはどうやってか知らないが、射出したのか自動操縦で来たのかコックピットには誰もいなかった。
 ヒイロはウイングガンダムゼロを完全に起動させる。
 ウイングガンダムゼロは起動したのと同時に翼を大きく広げ、なのは達の元に向かいウイングガンダムゼロはすぐになのは達の上空に現れる。

「あ、あれは!?」

 自分達の上空に何やら16メートル近くの大きさで背中に白い鳥のような翼を4枚持っているのが見える。

「なのは、フェイト、無事か?」

 突然ヒイロから通信が入る。

「ヒイロ!? じゃあそれは……」
「ああ、俺の機体だ」
「ヒイロさんの機体……」

 なのはとフェイトは考える。これがヒイロの機体ならヒイロはロボット乗りだということがわかる。

「ここは俺に任せろ。お前達はヘリの援護に行ってくれ」
「ちょっと待てヒイロさん。ここは私がリミッター解除でくい止めるから……」

 ヒイロははやてからの通信を受けるがヒイロは意見する。
148スーパーロボット大戦X:2008/02/17(日) 17:08:31 ID:rzRPpG5+
「悪いが拒否する」
「な、何でや!?」
「その力は2回までしか使えないならここで使う力じゃない!」
「で、でも今は深刻な事態のはずや……」
「いや、ゼロが俺に道を教えている。ここで使うなとも教えている。だからそれは使うな!」

 ヒイロの言っている事は訳のわからない事だがヒイロはとにかくはやてに限定解除しないように強く言う。

「……、わかりました。でも本当に危機だと判断したら使います」
「感謝する」

 そしてヒイロはなのはとフェイトにウイングゼロから離れるように警告する。

「なのは、フェイト、急いでここから離れろ!」
「「え!?」」
「巻き添えをくらうぞ」
「「わ、わかりました!」」

 ヒイロの警告どおりなのはとフェイトは急いでウイングゼロから遠ざかる。
 なのはとフェイトが離れたのを確認すると、ウイングゼロはガジェットの密集地帯に近づく。
 ウイングゼロはガジェットの攻撃を受けるがそのダメージが一切見当たらない。
 ウイングゼロは攻撃をもろともせずに翼から何やらでかいライフルを二丁取り出し。
 それを両手に持つ。そしてライフルの砲身からエネルギーが集まって放射され、ウイングゼロは回り始める。
 これが「ローリングバスターライフル」で広範囲で敵を倒せる技である。
 そのライフルから出されたバスターは敵の攻撃をかき消し、幻影以外のものをすべて消滅させる。

「あ、あら〜〜、何かしらあのロボット……、私のシルバーカーテンの幻影をもろともせずに全部壊すなんて……」

 その様子を別の空域にいたメガネをかけた女性があきれるように言う。この女性はスカリエッティが作り出した戦闘機人ナンバーズWクアットロである。

「とりあえず、あのロボットがいるんじゃこのままやっても無駄ね……」

 クアットロはこのままやっても無駄だと判断し、ISシルバーカーテンを解除して別の場所にと向かう。
 数十分後クアットロはその向かった場所にと着いた。そこにはナンバーズ]のディエチがいてディエチはビルの上でヘリを打ち落とすために自分のバズーカ「イノーメスカノン」にチャージをし始める。
 しかし、その砲撃は繰り出される事はなかった。何故ならそれは邪魔が入ったからだ……。
149スーパーロボット大戦X:2008/02/17(日) 17:10:25 ID:rzRPpG5+
投下完了です。ウイングゼロが来た理由は現在不明です。
ヒイロは魔導師適正がないのでウイングゼロはそのままの大きさです。
150名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 17:15:10 ID:j/jjVUiK
>>140

なの魂氏GJ

クロノみたいな小物には銀時の大きさはわからないってことだね。
所詮はエリート意識の強いだけのカス。
自分の信念を貫く銀時と、管理局の正義に心酔してるクロノじゃね〜。

次回はなのはVSフェイトですけど、銀時達がどう絡んでくるか楽しみです。
どうせなら、決着前に絡んで欲しいですね。

定春が最近あまり噛んでないですよね?
鬱陶しいクロノを噛んでくれないかな〜〜〜〜〜。
もうガジガジっとさ♪

無印を見てたら、フェイトって銀時に惚れそうだ。
だってあんなに漢なところあるんだもん。

次回にも期待してます。
頑張ってください。
151名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 17:19:46 ID:Qy+5Eqq9
>>146,150
だからただの若気の至りだってヴァ
もうアレかな。こういう極端すぎる意見が出るんなら、しばらく書くのやめたほうがいいのかな
152名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 17:22:36 ID:UVEEt6dY
>>151
クロノの側なんだよな、俺……
人情を仕事に挟むのはよろしくない。


期待しているのはリンディ提督がどこまでノリノリになるかだったりするし
153名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 17:28:36 ID:blXjFgTI
まあクロノは別に間違ってない。
正しいかどうかは別にしても、大局的な目から見れば世界>一人の命だし。
154名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 17:35:06 ID:Q4OI6LtD
良くも悪くも考え方が子供な銀さんと、
幼い頃からそういう現場にいたために考え方が固くなりすぎたクロノの対比だろ、この展開は。
常識的に考えて。
155名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 17:37:29 ID:htXiZe/j
ソフトクリームとアイスクリームだな。
156名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 17:39:29 ID:ewdJghi1
なんか拡大解釈してなのはキャラは貶めたがる輩がいるな
157名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 17:42:29 ID:Rno9b3Uo
物がその人物らしく動いているならば話の中で一方が一方を批判する流れは理解できる。
そうでなくても意見が異なるならばぶつかるのが当たり前。世界が違うならなおさらだな。

そもそも嫌い=扱いを酷くして欲しい と言う考えが理解できん。
158名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 17:43:33 ID:gbm5u87z
一言で言えば価値観の違い。
ただ、この場はフェイトと協力して事態を収拾するのも一つの手だとは思う。
いくら犯罪者だからって見殺し前提の策はどうかと。
159名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 17:43:43 ID:z5SZhSbZ
ちょっと待って欲しい。
>>155が凄い上手いこと言ったような気がするのは俺だけだろうか?
160名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 17:44:47 ID:PUvEJre8
>>159
誰も気の利いた突っ込みがないのはおそらくみんなのギャグセンスが不足してるからかと
161スーパーロボット大戦X:2008/02/17(日) 17:46:36 ID:rzRPpG5+
>>149
しまった!StrikerS Endless Waltzの第1話のタイトルをつけ忘れた。
第1話は「少年が来た世界」でまとめの方お願いします。
162名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 17:49:25 ID:sxC5zdwD
俺も嫁と義妹に囲まれた勝ち組が妬ましい気持ちは解らなくもない
でもそれを人様の作品にまで押し付けるのはマナー違反だと思うぜ
163名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 17:50:52 ID:j/jjVUiK
食べ物に例えるなら
銀時=チョコレートパフェ
クロノ=レアチーズ
ってとこかな?
164名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 17:51:06 ID:iPXa1THq
まあ拉致被害者を救うために、日本の主権を北朝鮮に明け渡しますとか言われても困るからな
国>人情なのは間違ってない
間違ってるのは、どっちも救うことの出来るだけの十分な力を持っているのに、どっちかしか救えないと勝手に思い込んでることだな
165名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 17:51:43 ID:UVEEt6dY
ウロス移動
166名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 17:56:00 ID:D2XKc9rj
>嫌い=扱いを酷くして欲しい
困ったことにどこのジャンルでもそういう人って居るよね

エヴァだとミサトやアスカが嫌いだから不幸にさせてくださいとか
ナデシコだとユリカ、ネルガルが(ry
GS美神だと美神親子が(ry
Fateだと士郎が(ry
種だとキラとラクスが(ry
ゼロ魔だとルイズが(ry

キャラの好き嫌いは個人の勝手だから誰を嫌っていても構わないけど
作者がそういうつもりは無いのに過度なアンチ・ヘイト的展開を要望して
くるのはちょっとついていけない感覚だなぁ
167名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 18:00:40 ID:htXiZe/j
ガンダム系は特に酷いですよね。
168名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 18:01:00 ID:weACvR72
嫌いであることと扱いが悪いことは直結しないからなあ。SS書き的には。
存在と出番が消滅したり、良くも悪くも目立ったりする。
むしろ人間味が付くんじゃないか? StSの場合。

クロノはレジアスを持ち上げる発言が嫌味と増長にしか聞こえな(ry
169名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 18:01:34 ID:gbm5u87z
考えてみれば、なの魂だとアースラ一行は関係の冷え切った管理外世界に
秘密裏に侵入してジュエルシードという危険物を回収してるんだな。
正論を言える立場じゃないな。すげぇ後ろ暗い。
170名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 18:01:50 ID:UVEEt6dY
だーかーらー、ウロスいけ、と
171名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 18:04:29 ID:P2gk6F3S
ああ俺も嫌い=扱いを酷くするはいけないだろと思う。
中にはそれを書きたいがためにその感情を原動力として
わざと扱いを酷くしてヘイト書く作家なんてかなり見てきたけど。
172名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 18:06:41 ID:j/jjVUiK
嫌い=扱いを酷く
実に社会的だな。
職場にはよくあることだし。
173名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 18:18:03 ID:NlR3oF9G
ここは職場じゃねえ
174名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 18:22:46 ID:htXiZe/j
ジャンプ系で管理局と相性がいい作品ってどれくらいだろ。
H×Hとか?
ハンター協会と。
175名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 18:26:32 ID:B5Gu0EVG
とりあえずお前ら今すぐ某究極生命体(職業漫画家)のインタビュー観てくるんだ
そして悉く人間賛歌に染まってきやがれ
176名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 18:34:11 ID:7zNCLTuS
ウロスでやれ
177名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 18:46:33 ID:GUE7/zdN
なの魂GJ
世界のピンチでも自分の生き方を貫く銀さんもGJ
クロノと銀さんこれからきっと、銭湯で鉢合わせしたりして維持張り合って
花見の時酒の飲んで喧嘩して桜の木ぶっ飛ばしたりするという電波が湧きました。
次回もたのしみです。
178名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 19:02:16 ID:0rB7Z9Td
なの魂氏GJ!!
決して一方的な視点に立たず公平にそれぞれの信じる武士道のために戦う銀さんとクロノはかっこよかったです
・・・ああ、最初のラブコメが悪化して別の竹刀アニメばりに「ふざけんなぁー!!」と叫ぶ銀さんと新八の姿が見えるよ、ママン

・・・つーかこれがヘイトに見えるってどーよ?
「銀魂は糞腐女子に媚びた作品です」レベルの侮辱だと思うぞ?
179名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 19:05:02 ID:YvrCgMc+
誰かヘイトなんて言ってた?
180名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 19:07:02 ID:HbHhC6s+
チクショウ! サザエさん見てたらなの魂に乗り遅れた!
とりあえずなの魂さんGJ!
そして何か色々騒いでるみたいですが、もうそーゆうのは是非無視をして、
ってかぶっちゃけそんな書くの止めるとかそんな寂しい事を言われると俺の日々の活力がぁぁ……
181Strikers May Cry:2008/02/17(日) 19:09:01 ID:VrgyqS9P
>>なの魂氏
GJです、やっぱかなりクロスのシンクロ率が高いっすね。
投下されたばかりなのに早く続きが読みたくて堪らない、次回も期待してお待ちしております。

そして投下するけど良いかい? ギャグの短編でクロス先がたくさんある話なんだが。
例・グラップラー刃牙 男塾 とか。
182名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 19:11:49 ID:mTsxhO8r
>>181
男塾は新しいほう?
古いほうならかなりうれしいんだが
183Strikers May Cry:2008/02/17(日) 19:13:21 ID:VrgyqS9P
どっちかっていうなら古い方かな、っていうか新しいのはよく知らん。
俺の中では剣達は永遠に一号生だから。

それじゃあ投下しますね。
184名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 19:14:31 ID:kUrwEJHl
男塾筆頭生支援
185名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 19:14:36 ID:0rB7Z9Td
支援しますぜ
機動六課にとんでもない野郎共が来たようです


「え〜、突然ですが機動六課に新しい部隊員が入ります」

ざわざわざわざわざわざざわざわざわざわざわざわざわ
早朝に開かれた緊急招集ではやての言った突然の言葉に六課一同はざわめき立つ。

「静粛に」

はやては凛とした口調に毅然とした態度でこれを諌める、正に部隊長の威厳を持った姿だったが次に口を開いて出てきたのは拍子抜けするような言葉だった。

「私は常々思ってきました、機動六課には男が足りへんと、男キャラがおらんと絵が締まらんと……」

その言葉にいっせいに六課の面子はずっこける、それはもう盛大に。
だがはやてのボケはそんな事はお構いなしに全力全開天元突破螺旋力120パーセントで突っ走る。

「しかしこれだけ美女・美少女が揃った六課には普通の男キャラでは釣り合いが合わんのです、よって私は最高の男達を集めました…」
 
はやての言葉と共に突如として壁がぶち抜かれてもうもうたる煙を上げながら一人の男が入ってきた。
その男が進入した瞬間にあまりの迫力にその場の全員が息を忘れて硬直する。

男は筋骨隆々たる五体に黒い装束、そして獰猛な笑みに逆立つ髪がさしずめ獅子のたてがみのようだった。
気迫と闘気に空気がグニャリと曲がってすら見える、正に“鬼”と呼べる風格とオーラ。

「地上最強の生物、範馬勇次郎さんや〜」
「邪あああっ!! 阿呆が、喰うぜ」

男の名は範馬勇次郎。
地上最強の生物と呼ばれ、曰く鬼(オーガ)、曰くベアナックルアーミー、曰く北極熊を容易く屠る、曰く一国の軍事力と同等の戦闘能力を持つという最強の男である。


「ちょっ! はやてちゃん!」
「なんや、なのはちゃん?」
「ヤバイって、範馬さんは本気で危ないよ!」
「まあまあ、落ち着きやなのはちゃん。確かに勇次郎さんは“ちょっとだけ”やんちゃやけどキャラ濃くて良いやん」
「いや! そういう問題じゃないから!! 下手したら“俺の子を産め”って展開になるよ!? それにあの人は絶対に命令とか聞かないから!!」
「大丈夫やって、勇次郎さんは子供は範疇外やし、気まぐれで手貸してくれるかもしれんし。それじゃあ続けて二人目の登場や〜」

はやてはなのはの突っ込みを無理矢理封じて二人目の男の登場を促す。
すると、またもや壁が吹き飛ばされて巨大な影が進入して来た。

それは明らかに人間の影ではない、まるで象かと見まごうばかりの黒く巨大なそして美しい馬の影。
それに跨るのはこれもまた長身で逞しい涼やかな美丈夫である。
男はなんとも傾(かぶ)いた虎柄の鎧装束を着込んでいる、普通なら下品ともとれるがこれが下品どころかひどく似合って美しく見える。
そしてトドメと言わんばかりに男は羽織ったマントに“大ふへん者”と書いてあるのだ。
騎乗した男が部屋に入ってくると男の前で猿のような小男が“幸若”を舞い始める。

「この鹿毛と、申すは 赤いちょっかい皮袴 、茨がくれの鉄冑 鶏のとっさか立烏帽子、 前田慶次の馬にて候!!!」

「これが二番手、天下一の傾者(かぶきもの)、前田慶次郎利益こと慶次さんや〜」
「ここが“みっどちるだ”か。随分とハイカラだ、粋だねぇ」

男の名は前田慶次郎利益、戦国最強のいくさ人にして無頼の傾者である。
あまりの事に六課の皆は開いた口が塞がらない、もう時間軸とかそんなレベルの話ではないのだ。

「いや、はやてちゃんこれはいくらなんでも無理ありすぎだから」
「何を言っとるんやなのはちゃん、無理を通して道理を蹴っ飛ばすのが私ら機動六課や!」
187名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 19:15:57 ID:0rB7Z9Td
支援ってオイw
「違うから! それなんか違うから!!」
「さあ、なのはちゃんの突っ込みは置いといて三人目の登場や〜」

またもや壁破壊で派手に登場かと思われたがそんな事はなかった、三人目は極普通にドアを潜って現われる。
その男の風貌は正に会社員とでもいうような変哲のない姿、スーツを着込み帽子を頭に被っている。
男の纏う空気は静か、だが身体から滲み出る気迫は先の二人に負けぬ猛者のものだった。

「最強のサラリーマン、現代の忍者こと高槻巌さんや〜」
「みなさんこんにちは、高槻巌です。でも言い過ぎだよはやてちゃん、私はただの単身赴任のサラリーマンなんだから」

男の名は高槻巌、古来より脈々と受け継がれてきた忍者の血筋にして、アメリカ合衆国の諜報機関が総がかりになっても勝てず“静かなる狼(サイレントウルフ)”の異名ををすらとった最強の傭兵であり工作員である。

「っていうか何でこの人がここに!?」
「私が頼み込んだらOKしてくれたんよ〜」
「ふふっ、はやてちゃんの頼みじゃ断れないからね」
「なんか顔見知りだし! はやてちゃんどういうコネなの!?」
「まあそれは置いといて、四人目や〜」


男は既に部屋の中にいた、まるで最初からそこにいたように静かに佇んでいた。
その場にいた人間は誰もがその存在に気付くことさえできなかったのだ。
男は静かに葉巻を吹かしながらカミソリのような鋭い視線を投げかけ、一切の油断の気配をかもし出している。

「世界最強のスナイパー、ゴルゴ13ことデューク東郷さんや〜」
「………」

無言にて鋭い眼光を放つ男の名はデューク東郷、ゴルゴ13やGと呼ばれる世界最強のフリーのスナイパー。
最高の肉体・最高の技術・最高の精神を持ち、あらゆる戦闘技能と知識に精通した戦闘のスペシャリストである。

「用件を聞こう」
「今回の依頼は六課に敵対するものへのスナイプ(狙撃)、でも殺したらあかんよ〜、いちおう専用の弾丸は用意してあります。それと報酬はもうスイス銀行に振り込みましたから」
「いいだろう」
「っていうか何でこの人が来てるの!? いくらなんでもムチャクチャだよ!? っていうか東郷さんっていちおうテロリストだよ!!」
「なのはちゃん、細かい事は言いっこなしやで〜、そしてとりを飾るのはもちろんこの人!」

はやての声と共にトラックが猛スピードで壁をぶち抜いて現われる、もうあまりの事の連続に皆は声が出ない。

「いかんブレーキとアクセルを間違うてしもうた」

そして半壊したトラックから一人の大柄な男が出てくる、男は禿げ上がった頭に着物を着ており全身から見るものを圧倒する凄まじい風格をかもし出していた。

「もはや説明不要の大人物! 江田島平八さんや〜」
「ワシが男塾塾長! 江田島平八である!!!!!」

男の名は江田島平八、かつて太平洋戦争で合衆国大統領に“EDAJIMAがあと10人いたらアメリカは敗北していた”とさえ言わせ、古今東西の武術に精通した生粋の武人。
世界最強に男にして、男の中の男を育てる男塾の長である。

「江田島さんキタアアア!! なんて人を呼んでるのはやてちゃん! こんなチートキャラ呼んだらもうストーリーとか成立しないよ!!」
「もう〜、今日のなのはちゃんは某ジャンプ漫画のキレ突っ込みメガネ並に突っ込むんやね〜。まあ細かい事は無しやって、これで六課の男日照りが解消するんやからええやろ?」
「だからって濃すぎだよ……」

はやてとなのはのそんな会話をよそに終結した男達はさっそく騒動を起こしていた。
それはもう収拾不可能なくらいのカオスレベルで。

「てめえが江田島か……美味そうだ、喰うぜ!!!」
「がははは!! 鬼の小僧が、いっちょ揉んでやるかの〜」
「面白そうな喧嘩だねぇ。なら俺も混ざるか」
「止めたまえ諸君、なんなら私が力ずくで止めるよ?」
「俺の後ろに立つな」



この日機動六課の隊舎は半径数キロメートルを巻き込んで完全に崩壊した、原因は集まった数人の男達の喧嘩だとかなんだとか。

続かない。
190名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 19:17:22 ID:ONqpVfta
>>140
遅くなりましたがGJ!やっぱ銀さんたちいいなぁw
そういえばこのフェイト、なのは達は捕まったと思ってるんですよね。対峙したときにどういう反応になるやら。

シリアスシーン&はやて不在で、ホントになの魂なのかとか思ったのは内緒♪
191名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 19:17:49 ID:0rB7Z9Td
人外オールスターズ支援
192名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 19:19:14 ID:ONqpVfta
リロ忘れて割り込んだ?

SMC氏スイマセン
193Strikers May Cry:2008/02/17(日) 19:20:51 ID:VrgyqS9P
構想時間3分、執筆時間2時間弱。

家の本棚漁ってたらなんか思いついた、基本コンセプトは最強の男(魔力とか特殊能力なしで)。
もし続きを思いついたらまた書きたいかもしれないっす。
以下クロスキャラ出張先。

範馬勇次郎byグラップラー刃牙
前田慶次by花の慶次
高槻巌byアームズ
デューク東郷byゴルゴ13
江田島平八by男塾

個人的には岩本虎眼も出したかったけど虎眼先生はちょっと曖昧すぎる方なので自重しました。

194名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 19:21:11 ID:HbHhC6s+
>>189
GJ!
つーか続いたらむしろ困るだろwwww

しかしこのメンツに金剛番長が居ても違和感無いと思うのは俺だけか?
俺だけですか……
195名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 19:21:40 ID:Mvnorprl
>>158
それも手ではあるんだけど、欲しいものを目の前にした犯罪者が欲をおさえるかどうかは賭けになるから、
ここはクロノの判断が組織的にはまちがってないとおもう。
196名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 19:22:04 ID:9bp1RoJp
GJ!!
世紀末覇者がくるかな、と予想してだが、それ以上に濃いメンバーだったwww
197Strikers May Cry:2008/02/17(日) 19:23:12 ID:VrgyqS9P
>>188
やべえ、とんでもない間違い発見!
男は静かに葉巻を吹かしながらカミソリのような鋭い視線を投げかけ、一切の油断の気配をかもし出している。
     ↓
男は静かに葉巻を吹かしながらカミソリのような鋭い視線を投げかけ、一切の油断のない気配をかもし出している。
198名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 19:23:38 ID:0rB7Z9Td
>>189
GJ!!
この五人なら次元世界一つ潰せるんじゃないか?w
199名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 19:29:37 ID:hSlp5Bg3
>>198
過去のネタでスティーブン・セガールとかジョン・マクレーンとかが海鳴市に来て
魔術師の生き残りをかけた戦いが今始まるって感じで終わる小ネタ思い出したぜ
200名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 19:31:15 ID:w+RTFtWa
>>167
そうすると、今は避難所生活となっている『種死&リリカルなのはクロスオーバー』
はこことしての評価はどうなんでしょうか?
201名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 19:40:42 ID:P2gk6F3S
あそこは踏み台とかへイトやマンセーなんてやってないよ。
誰それが嫌いとか決め付けとかないし。
202名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 19:47:11 ID:Mvnorprl
>>200
お前話の流れみてないだろ。
キャラの好き嫌いで作品内の扱いが変化するのがひどいって言ってるんだ。
ガンダムは良くも悪くもキャラに特別な思い入れ持ってる人が多いって話
203名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 19:52:40 ID:AsN2xe5N
>>193
最強サラリーマンがでるならコウ・カルナギにも出て欲しがったGJ!
204名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 19:55:46 ID:z+RjHqgs
>>203
カルナギはいいキャラだったな。量産型ARMS完全体とやって息があるなんてマジ信じられんwwww
205名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 19:56:21 ID:LEVREFjj
>>193
GJですよー!

>大丈夫やって、勇次郎さんは子供は範疇外やし
おい19歳
いや、オーガの範囲外、なのか?
206一尉:2008/02/17(日) 20:14:11 ID:lA9gp1qE
ゴルゴ13いいけと勇者シリースをクロスしてくたさい。
207名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 20:15:13 ID:w+RTFtWa
>>202
・・・・・ごめん。そういう意味ではなかったのだが・・・・もういいや。
208名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 20:18:57 ID:Mvnorprl
>>207
いや、だったらすまない。謝罪させていただきたい。
209名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 20:27:15 ID:JuvXVlxd
前田慶事か・・・世紀末覇者が登場すると思ったんだがなあ
210魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/17(日) 20:38:52 ID:ZnbY5kf/
>なの魂
なん……だと……?
また支援出来なかった…orz
しかし、相変わらずのクオリティに感動です。今回は、ちょっとシリアス風味でしたね。
銀魂でもギャグが続いて、急にシリアスが差し込まれるから驚きます。
それでいて、笑いだけじゃない適度な締めがあって面白い。なの魂もそれですねえ。
っつか、個人的に今回は久しぶりに眼が死んでない銀さんよりもクロノとなのはに眼が行きましたよ。
クロノ、若い! 若いなぁ、少年ww
これで自分の正義と現実に苦悩するシーンとかあったら、原作でも人気出たと思うなぁw
まあ、なのははもちろんお泊りの話のシーンで改めて彼女が萌えキャラであることを再認識しましたがねw
そして、いよいよ原作でも山場の決闘シーン。傍観に回った銀さん達がこれからどうストーリーに影響してくか、見ものです。
あと、銀さんたちはホームシックとかないけど、残されたはやてが心配ですなw
211赤字:2008/02/17(日) 20:39:49 ID:8bjexiTp
ここは投稿する場所である。
つーわけで、投稿予約OK?
212名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 20:46:02 ID:Mvnorprl
>>211
おk。
支援の準備しとこか
213赤字:2008/02/17(日) 20:52:59 ID:8bjexiTp
よし、見直し完了。
というわけで、突貫ー。




「フェイト!」

 彼は私の元へ駆け寄った。暖かな光を背にした彼は、とても眩しく見えた。
 彼の逞しい腕にそっと抱き起こされる。

「えへへ……やっぱり、来てくれたんだね……」

 思わず笑みが零れる。信じていた。だけど、本当に来てくれるか、不安だった。彼にとって私は、どんな存在なのか。知りたいけど知り

たくない。そんな、不思議なジレンマ。
 でも、彼は来てくれた。それが本当に、本当に嬉しかった。

「バカヤロウ……ヒロインのピンチには必ず駆けつけるのがヒーローだぜ?」
「ふふ……うん、そうだよね。私、ヒロインだもんね」
「今更なに言ってんだよ。タイトル見ろよ。お前の名前だぜ? お前以外誰がいるってんだよ?」

 彼の言葉に、私は笑いかけるだけで精一杯だった。
 力が抜けていく。もう終わりが近いのだと、私は理解していた。
 迫り来る死に、不安はなかった。深い闇は、そこにはなかった。ただ、陽だまりの中に寝転んだような安らぎだけがあった。暖かな腕の

中、愛した人の温もりに包まれて、私はそっと、眠るだけなのかもしれない。
 ――ああ。そうだったのなら、どれほど良かっただろう。
 けれど、止まる事のない血は、着実に私の体から命の温もりを奪い去っていく。
 霞む視界の中で、彼は子供のように不安げな顔をしていた。

「泣かないで」
「誰が泣くかよ」

 泣きそうな、でも決して泣くまいとした意地を張った笑み。
 いつもよりずっとずっと重い腕を上げて、私は彼の頬に手を伸ばす。
 私の手に重ねられた彼の手は、大きくて、暖かい。

「あのね……私、ね……」
「喋るな。すぐに助けてやる。続きは病院のベッドの上で聞いてやる」

 彼の言葉に、私は首を振った。
 もう時間がないことは、私が一番分かっていた。きっと彼も、そのことに気付いているだろう。
 だからこそ、私は言わなければいけない。まだ、言ったことのない、本当の気持ちを。
214名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 20:53:05 ID:tFAdTuIK
>>211
何時からですか??
今からかな??それなら支援体制に入る!
215赤字:2008/02/17(日) 20:54:22 ID:8bjexiTp
「私、ね……幸せ、だったから……あなたのおかげで、とっても、幸せだった……だから、ありが、とう……」
「おいおいおい、なんだよその遺言みてェのは。ドラマじゃねェんだぜ?」
「すっごく、楽しかった……あなたの隣は、暖かくて、心地よくて……ずっと、ずっと、隣に居たいくらいだった……」
「はは……そりゃいい。ああ、そうしようぜ? 俺も丁度、隣が寂しいと思ってたところだ。俺のとなりで、ずっと笑っててくれよ、なあ?」

 彼の声が、少しだけ震える。
 ああ、悲しんでくれてるのかな。泣かしちゃうのかな。ごめんね。ごめん……。
 彼の顔も、もう霞んで見えない。彼の声も、もう遠く聞こえない。彼の手の温もりも、もう分からない。
 ねえ、あなたはそこにいる?
 私のことを、見てくれてる?
 私の声を、聞いてくれてる?
 私の想いは――届いてる?

「あのね……内緒に、してたんだけど……」

 もう、何も分からない。自分の体も、自分の存在も。生きているのかさえ。
 でも、この胸にはまだ、残ってる。最後に伝えるために、大事に守っていた、大切な言葉。

「あなたのこと、ずっと、ずっと……」

 この想いが、彼に届きますように。


「――――好きだったよ」


 それが、私の最期。
 ごめんね、ひとりにして。
 ごめんね、勝手にいって。
 ごめんね、一緒にいられなくて。
 ごめんね、最期まで我がままで。
 でも、もうひとつだけ、我がまま言ってもいいかな?
 ねえ、どうか、私の分まで、


 ――幸せになって。

216名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 20:55:52 ID:kUrwEJHl
タイトル書いていないのは仕様? 支援
217赤字:2008/02/17(日) 20:56:07 ID:8bjexiTp



 女の亡骸を胸に抱き、男は静かに涙をこぼした。
 その涙を拭ってくれる愛しい人は、もうこの世にはいない。
 抱きしめた体は、ただ温もりを失っていくだけ。
 安らかな、眠っているだけのような女の顔。
 けれど、彼女はもう起きてはくれない。
 暖かな笑みを、自分に向けてはくれない。
 耳心地の良い声も、もう、響くことはない。
 フェイトはもう――いない。
 最期の別れを告げるように、男はそっと唇を重ねた。
 最初で最後のキスは、とても柔らかくて、そして冷たかった。
 命の灯火が消えたフェイトの体を、男は優しく横たえた。清流のような金色の長髪が、無機質な地面を彩る。
 彼女が眠るには、ここは相応しくない。もっと、そう、一面の花畑でも探してやろう。ひとりだと寂しいだろうから、自分が毎日行けるような、そんな場所を。
 だが、その前に。

「――てめェら、覚悟はいいか?」

 こう騒がしくては、フェイトがゆっくり眠れない。
 男はフェイトの頬を愛しげにひと撫でし、おもむろに立ち上がった。その眼に、深い感情を宿して。

「レクイエムには騒がし過ぎるが……まあ、辛気臭いのよりはいいだろうよ」

 男を葬らんと殺到する者達を前に、男は不敵に笑ってみせた。敵と、そしてなにより、愛した女を守れなかった自分自身への堪えようの

ない怒りを携えて。

「ああ、そうだ。フェイト、俺も言い忘れてたんだけどな」

 フェイトを守るように。ここから先へは一歩たりとも踏み込ませないとでも言うように。
 男はそこに立ちふさがった。

「俺も――」

 そして、駆け出す。女のために。自分のために。


「愛してたぜ!!」


 男の叫びは、天に響くだろうか。フェイトの元に、届いたのだろうか――――

218名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 20:57:05 ID:kUrwEJHl
支援
219赤字:2008/02/17(日) 20:57:11 ID:8bjexiTp



「……あの、はやて? なに、これ」

 読み終わった紙面を前に呆然としながら、フェイトは頭に響く鈍痛に襲われていた。

「なにて、フェイトちゃんと噂の彼氏を題材にした恋愛小説。良い出来やろ?」
「まあ、良く出来てるとは思うけど……。あのね、私、彼氏とかいないんだけど」
「またまたー。フェイトちゃんが親しくしてる男がおるってことは調べがついてんねんで? ほら、キリキリ白状しーや。今なら許したる



 ……どこで調べがついたんだろうか。というか、親しいという表現を否定するつもりはないが、それがなぜ男女の仲に発展するのか。
 しかも、微妙に彼に重なるのはなんの偶然だろうか。いや、自分が死ぬ話の時点でちょっと待てと言いたいのだけど。
 フェイトの心中に渦巻く感情は、しかしはやてを相手にしては無駄だということは分かっていた。
 知らず、ため息が漏れた。

「……はあ」
「ほれほれ、言えっ、ひと思いに言うてしまえ!」

 なんだろう。こんなことの為に数少ない休日を費やしたのだろうか。
 親友に会えたのだから後悔はしていないが、どこか間違っている気がしないでもないフェイトだった。

「フェイトちゃん……」
「? どうしたの、なのは?」

 何故か紙を握り締めてぷるぷると震えるなのはに、フェイトは首を傾げた。
 しかし、上げられたなのはの顔に、唖然とさせられる。

「だめ……死んじゃだめーっ!」
「ええーっ!?」

 瞳一杯に浮かんだ涙を飛ばしながら、なのははフェイトへ抱き付いた。胸に顔をうずめて「だめだめーっ! フェイトちゃんはわたしが

守るから! 絶対、絶対、守るからー!!」と何故か錯乱するなのは。
 それを前にし、「おお!? なんちゅー百合展開や!! カメラカメラ! 誰かカメラ持ってこーい!!」とか叫んでるはやて。
 出来上がったのは、理解に苦しむ混沌空間だった。

「……友達、間違えたのかな」

 フェイトの呟きは、誰の耳にも届くことはなかった。
 そんな光景も、一応は平和な日常のワンシーンである。

「フェイトちゃーん!!」
「はいはい、私はここにいるよ、なのは」
「おお! 甘い、これはめちゃくちゃ甘いでぇ!!」

 ……平和な日常、である。多分。


 おわり
220赤字:2008/02/17(日) 20:59:33 ID:8bjexiTp
うん、ごめん。皆ももう気付いてくれたと思う。
これ、実はただのネタ短編なんだ。
むしゃくしゃして30分くらいで書いた。反省はしていない。
本編? さあ。私にはなんのことだかさっぱり。
お付き合いありがとう。あと、なのはが幼児化しててごめん。
別に俺の趣味じゃない。多分。
221名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 21:03:49 ID:Mvnorprl
GJ
俺の涙を返せwww
しかしアレだな。なんかホントフェイトが可愛いなぁ。
222キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/17(日) 21:08:02 ID:hD/aSElV
イヤ、なのはの方が可愛いと思ったのはオレだけか?
GJだぜ!!
223名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 21:09:01 ID:kUrwEJHl
GJ

いいな、死にそうな雰囲気が良かった
いつもより重たい腕を持ちあげるとか
あぁ、死にそうなんだなぁ、と感じたわ
その後の落差も和めたw
224名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 21:14:12 ID:ONqpVfta
>>220
なのはさんが壊れてるのは久しぶりに見たかもw
暴れ回ってたりフェイトが暴走してたりするのが多いから・・・・w

ともあれGJでしたwこのノリでいろいろ読んでみたいかもww
225名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 21:14:19 ID:a00Q0mUO
なんというか・・・GJ!!
微妙に重なるってか、まんまじゃねぇかwDMC1のムンドゥス戦前を思い出したぜ。


それにしてもダンテってさ、なんというか「存在の核」のような部分が自分の格好以上に紅くて熱くて派手だよな。
226名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 21:19:44 ID:dktDNqDd
>>220
なんじゃこりゃーーーGJ!!
はやてよ何ということをしてくれるw
227名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 21:42:36 ID:XMSWleIe
いつのまにか投下きてる!GJでしたー!
なのはがかわいすぎるwww
228名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 21:49:41 ID:BwjMo1bz
>>220
これはいい暴走トリオですねw
つーか、はやて、結構多芸なのなwww

>>210
そうか…俺達はとんでもない勘違いをしていたんだ…
はやては元からエロかったワケじゃない!
銀さん達に会えない寂しさを紛らわす為に、姐さん達の胸を揉みしだくようになったんだよ!
229赤字:2008/02/17(日) 21:57:50 ID:8bjexiTp
風呂から上がったら感想一杯でテンション高騰www

>>221
つ食塩水
これで勘弁してくれ。
そして、拙作のヒロインはどうやらフェイトらしいのです。ノリで決まったのだけどー。

>>222
多分あなただけじゃない! はず!

>>223
楽しんでくれたなら書いた甲斐があるぜ!
ありがとう。

>>224
なんだかんだで、あんまりヒロインにはならないなのはさん。
誰か愛の手を。
俺? 無理です(ぉ

>>225
金髪だし、トリッシュと重なりそうで困った。
イメージはまんまそのシーンなんだぜ。
ダンテは見た目じゃないカッコ良さが魅力的ー!

>>226
こういうとき、はやてって便利なのよね。
すまんはやて。俺の中じゃギャグキャラだ。

>>227
なのは愛好同盟、ひとり追加、っと。

>>228
はやては絵も描けるんだぜ。
え? 何の絵かって?
もちろん男と男の(ry
230名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 21:59:31 ID:qzAWRZv9
GJだ・・・・・・だが一言だけ言っておく。
俺の涙を返せコノヤローーwwwww


>>228
(;゚Д゚)(゚Д゚;(゚Д゚;)ナ、ナンダッテー!!
はやてがエロくなったのは銀さんせいだって言うのか!

銀さんよくやった。
231名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 22:20:02 ID:Mvnorprl
>>229
というかこの短編は普通に本編のシリアスシーンに繋げれそうだ。凄まじいクオリティだった…
232Strikers May Cry:2008/02/17(日) 22:27:39 ID:VrgyqS9P
>>220
うん、もうGJだよそれ以外に言えないよ!!
しかしこういうノリもありっすね、俺も是非とも見習いたいものです。
233なのは×終わクロ ◆WslPJpzlnU :2008/02/17(日) 22:30:56 ID:w+kaYAJB
ふぅむ。こっち側に来るのは割と久しぶーりー。
バトロワの方でちまちまと短いのを出したりする今日この頃、今日と言う日の幾らかを使って小話メドレー4thを作ってみたのす。
GJが続く中でやんのも気が退けるが、よろしければ投下きぼー。
234赤字:2008/02/17(日) 22:33:37 ID:8bjexiTp
>>229
へへ、でも本編でこんなことしたらボコボコにされそうだ。
いや、確かに題意は満たすだろうけど。

>>230
ありがとうだよ!
思いつきは怖いもんです。8割がノリで出来ているのだから。

>>233
支援!
235名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 22:34:41 ID:XMSWleIe
>>233
待っていたんだぜ!支援
236赤字:2008/02/17(日) 22:35:33 ID:8bjexiTp
あ!、アンカー間違えた……orz

>>230>>232
237なのは×終わクロ ◆WslPJpzlnU :2008/02/17(日) 22:39:10 ID:w+kaYAJB
んだば投下させて頂きますぜ。
今回は4つの予定だったんだすが、どうにもむっちゃ長くなったから一つ減らして3つで行くます。
238小話メドレー4th ◆WslPJpzlnU :2008/02/17(日) 22:40:54 ID:w+kaYAJB
小話メドレーその18『StrikerS20話をフルメタル・パニックふもっふ風にしてみた、の図』

 機動六課部隊長、八神はやてによって駆り出された次元航行艦、アースラ。その作戦室で、四人の新人は整列していた。
 スバル、ティアナ、エリオ、キャロ、そしてそれに向き合って立つのは、教導官であるなのはとヴィータだ。
「……これから私達は、“聖王のゆりかご”に突入する。みんなには市街に降りて、地上本部の防衛に加わってもらう」
 それは、今までかつて無かった激戦である。その事に自然と六人の表情は引き締まった。
「みんなには、これまで生き残る為の技術は充分に教えてきた」
 四人の脳裏に過るのは、なのはやヴィータから受けた特訓の日々。
 泥だらけになり、泥を貪り、胃液が出なくなるまで嘔吐し、しかし貪欲に自らを鍛えた日々。
「最後に、私からみんなに言えるのは……これだけ」
 そこまで言ってなのはは瞼を閉じる。そして大きく息を吸い、そして、

「――野郎共! 私達の特技は何だ!?」

「「「「殺せ! 殺せ!! 殺せ!!!」」」」

 なのはの叫びに、四人の新人達が吠える――!

「――この作戦の目的は何だ!?」

「「「「殺せ! 殺せ!! 殺せ!!!」」」」

「――管理局を愛しているか!? 機動六課を愛しているか!!?」

「「「「ガンホー! ガンホー!! ガンホー!!!」」」」

「よし行くぞおぉぉぉぉぉぉッ!!」

「「「「オオオオオオオオォォォォォォォォォォォォッッ!!!」」」」
239小話メドレー4th ◆WslPJpzlnU :2008/02/17(日) 22:41:59 ID:w+kaYAJB
小話メドレーその19『A's11話をスクライド風にしてみた、の図』

「……てぇ〜っ!」
 遠くから誰かの声が聞こえ、私の意識が浮かび上がってくる。
「――ん」
 どうも私は眠ってたみたいや。妙に重たく感じる身を起こせば、柔らかく暖かなベットの感触がある。んで目に入るんは自室、そんで声は屋外から響いてる。
「はーやてぇーっ!!」
 大声やなぁ、と思いつつ私は足を動かす。ベットから降りて、廊下を抜けて、玄関でサンダルを履いて、ドアを開ければ屋外や。そこには一台の車が止まっている。そんでもって助手席からは、
「はやて、おはよ!」
 私の大事な妹、ヴィータが窓から上半身を伸ばしとった。
「……おはよ、ヴィータ。何や今日はえらい早起きさんやなぁ……」
 まだ眠気の抜けない頭で私は返事をしみると、ヴィータはほっぺ膨らませて不満顔。
「はやて忘れちゃったの!? 今日はあたし達と出かける約束だったじゃん!!」
「はれ、そうやったけか……?」
「折角シグナムが車借りてきたのにさ!」
 そこまで言ってヴィータが運転席を振り返る。ちょいと視点を変えてみりゃ、運転席には私の一つ上の姉ちゃん、シグナムがハンドルを握っとった。
「……おはよう、はやて」
「ん、おはようさん」
「さて、はやては私に何か言う事は無いか?」
「……………えっと」
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
「………………忘れててごめんなさい」
「さっさと着替えてこい。ここまで待ったのだから、置いていったりはしない」
「はぁい」
 私は生返事、んで自分の部屋に戻ろう思って振り返った。と、
「はやてちゃん、どこかへ行っちゃうの?」
 玄関にシャマルがおった。一番上の姉ちゃんは、全然それに合わない子供っぽい泣き顔を浮かべてる。
「今日、はやてちゃんお料理を教えて貰おうと思ってたのに……前に教えてくれるって言ったのに……」
「え、あー、それはその、何と言うか」
「はやてちゃんの嘘つき」
……あ、結構グサリとくるわそれ!
 ちゅうか一番歳上なのに、そんな可愛げのある顔できるなんて反則とちゃう!?
「もーはやてー、そんなんじゃダメダメのろくでなしだぞ!」
 末っ子にも言われてしもうた。結構ブルーや……。
「まあ、そのぐらいにしてあげようじゃないか」
 前門のシャマル、後門のヴィータとシグナムに挟まれて右往左往しとる私に横から声がかけられた。中庭からやってくるのは青い大型犬を引き連れた、銀色の髪をした私の伯父さん。
「グレアム伯父さん、ザフィーラ」
 性格が合うのか、一緒にいるのが割と多い二人(一人と一匹かな?)や。
「料理については私が教えてあげよう、シャマル。君としては不満だろうが……男やもめの私の腕も、まだまだはやてには負けていないぞ」
 えー、とか不平ぶうぶうな長女の頭に手を置いて伯父さんはにっこり笑いかける。威厳と和やかさが一緒くたなその笑顔はキラースマイル、我が家最強の武器や。
「やー伯父さん、助かったわぁ」
「暢気にしてはいけないよ、はやて。君は早く着替えてきなさい」
「はーい」
 釘もしっかり打つ辺り、やっぱ年の功っちゅうもんを感じるなぁ……。
「ああ、それから」
「ん?」
 シャマルの横を抜けて部屋に戻ろうとした私を、グレアム伯父さんが引き止めた。あれー、何か珍しい感じやね。
「彼等にも、ちゃんと朝の挨拶をしておきなさい」
 へ、と伯父さんの後ろを覗いてみる。草が短く刈り揃えられた中庭、ダイニングと繋がるその場所に、その二人は立っていた。
……あちゃー、せやった。すっかり忘れとったわ……
 どうも自分はすごいうっかり者みたいや。この二人に挨拶を忘れちゃ、あかんやろ。
「おはよ。――父さん、母さん」
240小話メドレー4th ◆WslPJpzlnU :2008/02/17(日) 22:42:44 ID:w+kaYAJB
     ●

「でっきた〜!」
 アリシアの元気な声が私の部屋に響く。それと一緒に掲げられたのは、私とリニスで考えたアリシア用のテスト用紙。そこにはつたない字が空欄に書き込まれいる。
「できたよ、フェイト〜! リニス〜!」
「出来たかどうかは答え合わせをしてからです」
 そういって私の横に座るリニスはテスト用紙を受け取る。それからリニスは細かく視線を動かし、テストの結果を裁量していく。
「どうかな、リニス」
 私の質問にリニスは、うーん、とはっきりしない返事。
「及第点といった所ですかね。でも今回のは割と簡単にしたのに、この点数は……」
「やーい、アリシアのばかー」
 囃し立てるのはアリシアの隣で丸くなっていたアルフ。こいぬフォームだから声がちょっと子供っぽい。
「むぅっ! アリシア、ばかじゃないもん!」
 アルフの言葉にアリシアが頬を膨らませる。その様子が可笑しくて私は思わず噴き出してしまう。そうすれば、アリシアはより一層頬を膨らませて、
「もうっ、アルフもフェイトもひどいっ! 私、お姉さんだぞっ!」
「だったら、もっといい点を取って下さい。フェイトなんか、執務官を目指して勉強しているんですよ?」
「むう〜〜っ!!」
 アリシアの顔が真っ赤になる。さすがにやりすぎちゃったかな? 何とか宥めて……
「フェイトちゃん!」
「…なのは? どうかしたの?」
 突然なのはが私の部屋に入ってきた。ちょっと息が乱れてて、それに慌ててる。
「リンディさんが集合だって! 何か事件が起きたみたい…」
「! 解った、今すぐ行く!!」
 頷くなのはは先に部屋を出る。私も急がなくちゃ。
「ごめん、アリシア、リニス、アルフ。行かなくちゃ」
「気をつけて下さいね」
「すぐに片付けて、勉強教えてね?」
「犯人なんて、コテンパンにやっつけちゃえ〜!」
 三者三様のらしすぎる答えに、思わず笑みが生まれる。それからみんなに頷き返して、私は部屋を出て、
「フェイト」
 廊下に一歩出た所で、呼び止められた。振り向けば、キッチンからその人が出てくる。
「プレシア母さん……」
「気をつけてね」
「――はい」
 母さんの言葉に強く頷き、廊下に出た。長い道を駆け抜け、やがて開けた場所に行き着く。そこにはアースラクルーのみんなが集まってて、なのはやクロノの姿もある。
「フェイトちゃん」
「遅いぞ、フェイト」
 クロノに、ごめんね、と返して私は整列に混じる。と、幾許もしない内に向こう側の出入り口からリンディ提督が出てきた。一歩後ろにはエイミィも並んでる。
「第49管理外世界で、次元犯罪が発生しました。そして先ほど、私達アースラクルーが捜査担当に任命されました」
 リンディ提督の声に、自然と皆の顔が引き締まる。
「総員、ただちにアースラに乗船!」
『――了解!!』
 私が、なのはが、クロノが、みんなが敬礼と声を一つにした。
241小話メドレー4th ◆WslPJpzlnU :2008/02/17(日) 22:43:31 ID:w+kaYAJB
     ●

 気付くと、八神はやては暗闇の中にいた。意識は微睡んだ様にぼやけ、視界も同様だ。
 だがそれでも、目の前に立つ銀髪の女性だけは見える。
「――わたしは、なにをのぞんでたんやっけ」
 朧げな意思ではやては喋る。それに応じる様に銀髪の女性は、
『夢を見る事です。……貴方が欲した、幸せな生活の夢を』
「わたしが…ほしかったしあわせ?」
 女性は頷く。
『健康な体、愛する者達との平和な暮らし。……眠って下さい。そうすれば、貴方はそんな世界にずっといられます』
 それはとても幸いな事だと、はやては思う。
 苦しみが無くて、幸せしか無くて、自分の欲しい全てが手に入る世界。
「何かな、ええ夢見させてもらった」
 女性が笑み、はやても笑んだ。――しかし、はやては首を横に振る。
「――せやけどそれは夢や。ただの夢なんよ」

     ●

 フェイト・テスタロッサは祭壇の中央にいた。見覚えのある風景、そこは母が住んでいた巨大庭園の深部だった。
 俯くフェイトの顔、震える小さな肩、しかし涙は無い。ただ何かを堪える様に、小さく震えている。
「こんなささやかな……ああ、すぐにでも手に入りそうなものを、私はこんなにも欲していたの……?」
 自分が見ていたのは、自分が本当に望んだ世界。
 母がいて、姉がいて、先生がいて、使い魔がいて、友がいた。
 そんな世界に、――そんな幻想に、フェイトは今も囚われている。
「――不器用だね。私は、本当に不器用だ」

     ●

「――せやから!!」
 覚醒したはやての手が銀髪の女性を引き倒し、自身の懐へと倒れ込ませた。

     ●

「――だから!!」
 望みが全て叶う世界、だからフェイトが望んだ時、その掌にはバルデッシュがあった。
242小話メドレー4th ◆WslPJpzlnU :2008/02/17(日) 22:44:23 ID:w+kaYAJB
     ●

「突き進む!!!」
 はやての胸に銀髪の女性がとけ込み、白銀の光が放たれる――!!

     ●

「切り開く!!!」
 フェイトの意思に呼応し、バルデッシュはその身を覚醒させる――!!

     ●

 バルデッシュの覚醒は黒の長斧から始まった。
 時を同じくしてフェイトの身を黒いマントと拘束着に似たバリアジャケットが覆う。
 だがバルデッシュの覚醒は終わらない。
 先端の斧が左右に開き、柄が短くなる。そうして完成するのは刃の無い巨大な柄。
 最後に巨大な光刃が生じ、バルデッシュの覚醒は完了、フェイトは静かに宣言する――!!

「――唯一無二の力を見せてあげる」

     ●

 それは融合だった。
 まずは袖と裾の短い黒の衣服に包まれ、続いて白のローブがそれを覆う。
 更に大きなベレー帽が出現し、加えて頭髪は白く、両の瞳が蒼を成す。
 最後に胸元に十字の飾りを表紙に頂く書が出現し、右手にも金色の長杖が握られる。
 悠久の時を“闇”と蔑まれた最後の家族、それを救う為、己が身にそれを宿してはやては叫ぶ――!!

「――これが!! 天下無敵の力やあぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!」

小話メドレーその20『懲りずにStrikerS17話をONEPIECE風にしてみた、の図』

 廊下を抜けきった時、スバル・ナカジマが見たものは、三人の戦闘機人によってトランクに押し込まれる重傷の姉、ギンガだった。
「――あ」
 我知らずと、呻きが漏れた。
 何故ギンガがあんな姿になっているのか。
 血に塗れ、泥にまみれ、完全に脱力した、あんな――

「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっ!!!」

 瞬間、スバルの中で何かが弾けた。
243小話メドレー4th ◆WslPJpzlnU :2008/02/17(日) 22:45:39 ID:w+kaYAJB
 両眼が金色に変色し、足下には環状の幾何学模様、戦闘機人特有のテンプレートが発現する。
「アイツ……戦闘機人か!!」
「もう一人のタイプゼロっスか!?」
 動じる二人の戦闘機人、そしてスバルは疾走する。
「……ギン姉を返せえええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッッ!!」
 リボルバーナックルがカートリッジを過重発動、そしてマッハキャリバーの爆走が床を割り、戦闘機人達に迫る。
「――ッ!!」
 振り抜かれたスバルの鉄拳を、一際小柄な戦闘機人が避ける。慣性に引かれてスバルは転びかけるが、マッハキャリバーの車輪を立てて無理矢理それを押さえ込む。
「返せ!!! それは私の……私達家族の……大事なギン姉なんだ!! お前らなんかに渡してたまるかァ!!!」
 スバルの慟哭、しかし小柄な戦闘機人はそれを鼻で笑う。
「何をムキに……。お前の家族がどうなった所で、このタイプゼロは私達の物だ」
 開かれたトランクの中にギンガの体躯を納めつつその戦闘機人は語る。
「残念ながら私達は……社会がどんなに詰め寄ろうと気にしない。ただの遺伝子上の姉だろう? 不運なのはこの“タイプゼロ・ファースト”だな。姉の身も守れない様な……」
 トランクの蓋が締められ、スバルが再び疾走する。だが、
「出来の悪い妹を持ってしまってなァ!!!」
 小柄な戦闘機人が腕を振り抜いた直後、スバルの周囲に十数本のナイフが出現、そして爆発した。
「!!!」
 強力な炎と爆風がスバルの身を嬲り、強引に平伏させる。
「ここは姉に任せて、お前達はこのタイプゼロを連れて帰れ」
「でもあっちのタイプゼロ、接触兵器系のISを……」
「姉なら触れずに戦える。心配するな」
 それからトランクは一人の戦闘機人が持っていた大きな盾に連結される。ISの効力なのか盾は浮遊し、またもう一人の戦闘機人も両脚のローラーブーツを起動させている。
「待て!! 振動破さ……」
「ランブルデトネイター!!!」
 投げつけられた鋼のナイフが再度爆発、ISを発動させようとしたスバルを吹き飛ばす。
「行け」
 小柄な戦闘機人の言葉に、残る二人が離脱した。ギンガの入ったトランクを引き連れて。
「待て!!! 返せ――――ッ!!!」
 スバルは追おうとする。しかし、小柄な戦闘機人の放つナイフの群がそれを阻む。
「返せよおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!」
 スバルの叫びは、しかし爆音に掻き消された。

     ●

「あーもうっ! スバルってばどこまで言っちゃったのよ!?」
「屋内みたいな狭い場所じゃ、スバルが一番早いからね」
 地上本部の長い廊下を高町なのはは飛行していた。その胸にはティアナが抱えられているが、しかしそれを感じさせない様な速度で突き進む。
「あの馬鹿、先走って……! 一人で行って何が出来るってのよ……!!」
 焦燥のティアナ、顔には出さないがなのはの同様の思いだ。しかし走行するスバルと違い、飛行のなのはではどうしても速度で劣ってしまう。スバルとはもうずいぶんな距離が空いてしまった。
「スバル……」
 自分を尊敬し、そして同じ場まで駆け登ってきた少女。その安否を不安に思うなのはがその名を呟く。と、
「……あれは」
 廊下の行き先、そこに二つの影が見えた。近づくにつれてそれは人である事が解った。
244小話メドレー4th ◆WslPJpzlnU :2008/02/17(日) 22:46:13 ID:w+kaYAJB
「シグナム副隊長! シスター・シャッハ!」
 それはなのはの同僚、そして聖王教会からの協力者だった。シャッハとは一度合流し、別れた筈だったが。
「どうしたんですか、二人とも」
「シグナム副隊長は屋外に出られるので……これから私がそこまで送り届ける所だったんです」
「シスター・シャッハは透過系の魔法が使えるからな」
 とシグナムがシャッハの言葉を補足し、続いて怪訝そうな表情をこちらに向けてきた。
「それより……二人はどうしてそこまで焦っている?」
「――そうだった!!」
 驚きから忘れていた目標、それを思い出してなのはは叫ぶ。
「ギンガと連絡がつかないんです。そんでスバルが先走って……一人でこの先に」
「何……?」
 シグナムの両眼が細められ、スバルが駆け抜けた方を睨む。
「ひょっとしたらアイツ、一人で敵の戦闘機人と戦ってるかも知れない!!」
 ティアナの類推が四人の危機感を掻き立てた。

     ●

 そして数分後。
 ティアナは、なのはは、シグナムは、シャッハは、その部屋で佇んでいた。否、なのはだけはしゃがみ込んでおり、他の三人はそれを囲む様に立っている。
「……高町隊長、息はあるか」
 シグナムの確認になのはは頷く。
「うん、未だ息はある。完全に意識を失っているけど」
 そう言ってなのは立ち上がる。そこにはとある物が転がっていた。泥と血に薄汚れ、輪郭も歪んだ物。

――それは、意識を手放す程に傷付けられた、スバルの体だった。

「ちょっと待ってて、スバル」

――なのはが、エクシードモードを纏う。

――ティアナが、一対のクロスミラージュを構える。

――シグナムが、レヴァンティンを振るって業火を生んだ。

――シャッハが、両碗のウィンデルシャフトを鋭く交差させた。

――四人の表情は、憤怒。

――睨むのは、地上本部の周囲を追おうガジェットの群。そして、どこかにいる戦闘機人達。

「――あのふざけた連中を、吹き飛ばしてくるから………!!!」

 四人の戦鬼が、紅蓮に彩られる地上本部を闊歩する。
245名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 22:47:38 ID:XMSWleIe
支援
246小話メドレー4th ◆WslPJpzlnU :2008/02/17(日) 22:48:17 ID:w+kaYAJB
なんて感じで投下終了。
どんな具合ですかね? ここまでの良作の流れをこれが途絶えさせなきゃいいんですけど。
それから終わクロやゴジラの方も、時間を見つけて続けなくちゃなー。特にゴジラはまだ1話しか出来てないしなー。
247名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 22:51:46 ID:Mvnorprl
GJ過ぎるだろ、常識的に考えて…
フルメタで爆笑し、スクライドでマジ泣きし、ワンピースで熱くなりましたよ!
つうか今日だけでこのスレに二回泣かされてるんだよな、俺
248名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 22:55:51 ID:qzAWRZv9
GJ!
やっぱスクライド風が一番燃えたわ。
「天下無敵の力」関西弁がヤケにしっくり来たのはきっと気のせいではないハズ。
249赤字:2008/02/17(日) 22:56:32 ID:8bjexiTp
GJ!
スクライドの感涙さは異常
他作の方も期待してますぜ
250仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/17(日) 22:58:30 ID:g6YHS5zm
GJです。良作続きに自信喪失…。
それでも23:30より仮面ライダーリリカル電王stsを投下していいですか?
今回はライナーフォーム大活躍とキレた人が見れます。
251名無しんぼ@お腹いっぱい:2008/02/17(日) 22:59:16 ID:iuu8tVZs
>なの魂氏

楽しませて貰いました。
価値観は人それぞれですが、銀時には銀時の志を貫いて欲しいと思います。
次回も頑張ってください。
252赤字:2008/02/17(日) 23:13:28 ID:8bjexiTp
>>250
支援、支援!

なら俺は、完成してしまった本編【3】を0時過ぎ頃に投下予約でもしてみます。
あー……でも1日に2本投下とかはルール的にOKなのだろうか。
今日は自重しといた方が良いかしら。
他にも投下したい職人さまがいらっしゃったらそちらを優先させていただくのだけど。
253反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/17(日) 23:25:32 ID:/rxbe/KE
久しぶりに帰還〜
そして赤字氏、終わクロ氏GJ!
どちらも盛大に泣かせていただきました。ええ話や…

自分も書かなきゃなぁ、片翼外伝…セフィロスの最後の大仕事…
254名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 23:25:43 ID:eyQiPz8n
>>250支援
>>252投下が多い分にはなんの問題もないはず、よって支援!
255仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/17(日) 23:32:42 ID:g6YHS5zm
さて、そろそろ投下しますか。支援お願いします。
256仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/17(日) 23:35:08 ID:g6YHS5zm
さて、投下いたします。


仮面ライダーリリカル電王sts第七話
「時と過去」
その職員はその日、ミッドチルダ北部臨海第八空港火災の現場に居た。

「酷いな…」

大規模な空港火災。
原因はロストロギアの暴走。
内部には要救助者、それも幼い少女が二名。
しかし救助しようにも炎の勢いが強すぎる。その為現状の我々では不可能。
最悪の状況だが、希望はある。二人の魔導師。片や、管理局最強のエースオブエースの称号を持つ、高町なのは二等空尉。
そして、もう一人のエース、フェイト・T・ハラオウン執務官。
二つの希望に全てを賭けていた。

「隊長!要救助者二名、救助完了したそうです。」
「そうか…、良かった」

管制を担当している、部下が報告をしてきた時は、ほっとした。
これから起きる、不運を誰も知らぬまま…。

「グゥッ、アァ」
「隊長!どうされ…、あ、アアァッ…、ば、化物!?」
「ここかぁ」

隊長は突然、苦しみだした、部下が近寄るとそこには、サイのようなイマジン、ライノイマジン改の姿があった。ライノイマジンは辺りを見回すと、呟いた。

「損傷が酷いが、まぁいい。全て、壊してやるよぉ!」

ライノイマジン改は、暴れまわり、次々と周囲の物を破壊した。

「クソォ、くらえ!」
「何だこりゃ?痒くもねぇ」

駆けつけた武装局員が攻撃するが全く効いていない。

「て、撤退!撤退ぃ!」
「逃がすかよ!」

そう言うとライノイマジン改は左手のハンマーを構えた。すると、ハンマーが変形し、ミサイルランチャーへとなったのだ。

「し、質量兵器…」
「死ねぇぇ!」

ライノイマジン改は叫びと共に、ミサイルランチャーのトリガーを引き、10発ほどのミサイルを放ったのだった。
257赤字:2008/02/17(日) 23:37:10 ID:8bjexiTp
紫煙
258仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/17(日) 23:38:56 ID:g6YHS5zm
「ギャアァァァ!」

そう叫び、炎に包まれていく武装局員。
しばらく、眺めていて気付く、自分が殺すターゲットの一人、高町なのはの姿があることを。

「丁度いい、死ねぇ!」

そう言い、腰に装着されたホルスターから、『S&W M19コンバットマグナム』を抜き、放った。
しかし、放たれたマグナム弾はなのはに届くことはなかった。何故なら、突然現れた、赤き時の列車、デンライナーに弾かれたからである。
「畜生ぉ!またかよ」
「これ以上は許さない」

デンライナーから降り立った良太郎はベルトを腰に装着し、ライダーパスを構え、言い放った。

「変身!」

そう言うと、ライダーパスをベルトにセタッチさせた。すると、良太郎の身体を黒いアーマーが包んだ。『電王プラットフォーム』つまり、基本形態だ。電王は、ケータロスを取り出し、ベルトに装着した。
すると、上空から金色のレールが現れ、その上を通り、各フォームのデンカメンが装着された剣『デンカメンソード』が電王の元へと送られた。電王はそれを掴むと、ライダーパスを挿入、金色のレールの上に立った。
すると後ろから、デンライナーゴウカを模した、オーラライナーが電王へと接近、接触すると、電王の身体に『ライナーブレスト』と言う装甲とデンカメンが装着され、デンカメンの上にデンギャザーと言うパンタグラフが展開された。
『電王ライナーフォーム』良太郎のオーラを身に纏った姿である。
「死ねやぁ!」

そう言って、マグナムとミサイルを乱射するライノイマジン改。電王は防ぎきれず、物陰に飛び込んだ。

「どうしよう…、このままじゃ」
「何、やってやがんだ。あんなもん、ぶっ壊しゃいいんだよ!」
「え、す、スバルちゃん」
本来は、モモタロスの声が聞こえるはずなのだが何故かスバルの声がした。

「何、驚いてやがる。俺達が憑いたまんまなだけだろうが。」
「え、じゃあ他の皆も?」
「あぁ。オマケに竜の奴は、ティアナって奴に憑いたんだとよ」
「えぇぇ!?」

「何、よそ見してんだぁ!」
「わっ!」

イライラしていたライノイマジン改はハンマーを叩きつけ、電王はデンカメンソードで防いだ。そして、切り返すと、右手のマグナムを弾いた。

「こ、コレなら!」
電王はデンカメンソードを両手で構え直した。
259名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 23:41:22 ID:vNgBOZUP
支援
260仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/17(日) 23:42:14 ID:g6YHS5zm
「ふざけんなぁ!」

そう言って、連射されるミサイル。電王はデンカメンソードを盾代わりに接近して切りつけた。

「グォワァ」
「え、えと。」

今回ばかりは運が味方したらしく、発射直前のミサイルにソードが直撃、ミサイルが爆発ライノイマジン改は吹き飛ばされ、電王は、一瞬キョトンとした。

「良太郎ぉ!今だ、決めろぉ!」
「う、うん」

そう言うと、電王はデンカメンソードのレバーを目一杯引いた。
すると、「ウラロッド」「キンアックス」「リュウガン」「モモソード」の順に電子音声が鳴り響いたのだった。
そして、現れた金色のレールの上に乗ると、後ろから、デンライナーゴウカ、イスルギ、レッコウ、イカヅチを模した、オーラライナーが現れ、それと共にライノイマジン改へと突撃する技『フルスロットルブレイク』を放ったのである。

「で、電車斬りぃ!」
「ヌワァァァ!」

そして、ライノイマジン改を貫き、倒したのだった。


「へぇ、そんなことがあったんだ」

ここは、機動6課隊舎にある食堂。良太郎は過去に跳んだ時に起こったことをなのは、フェイト、はやて、シグナムに話していた。

「それは、今まで戦って来たイマジンと違うところがあるらしいが、どんな所だ」
「えっと、何か無理矢理、強くなったという感じかな」

シグナムが質問すると、良太郎はそう答えた。

「つまり、改造とかをされとるんやな」
「そうなるかな?僕もよくわからないんだ」
「これからはもっと気をつけないとね」

はやてとフェイトはそう言うと少し考え込んでいた。そこにシャーリーがやってきた。

「良太郎さん、ちょっとお願いしても良いですか?」
「えと、何ですか」
「ちょっと、電王の戦闘データがとりたいんですけど良いですか?」
「えっと良いですけど、どうして?」
「今後のイマジンとの戦闘に役立てたいんです。」
「わ、分かりました。けど、どうやって?」
「なのはさんと模擬戦をしてもらいます。なるべく良いデータがとりたいし、今まで接近戦しか見てませんから」
「でも、もし」
「あ、怪我とかの心配はありません。オーナーさんの許可を取って非殺傷設定にしてありますから」
「そう、ですか…。じゃあ」
「その勝負、僕にやらせて!」
「てぃ、ティアナ!」
「リュウタロス!」

そこには真っ直ぐになのはを睨むRティアナの姿があった。
261名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 23:44:15 ID:lG+QJL8m
支援
262仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/17(日) 23:45:46 ID:g6YHS5zm
「リュウタロス?」
「どうやらティアナもスバル達と同じらしいの」

フェイトが驚き呟くとハナが答えた。その間にも、Rティアナは近づいて来た。そして、良太郎へと憑くと、なのはを指差し、言い放った。

「お前、気に入らない!お前は、ティアナお姉ちゃんに酷いことをした、だから許さない!」
「え、えぇ!」

なのはは狼狽えた。よく意味が解らないからだ。

「お姉ちゃんを動けなくして、酷いことをした、お姉ちゃんを泣かせた。だから、僕は、お前が気に入らない!」
誰もが驚いた。ティアナ自身、心当たりはあるがリュウタロスが知っているはずはない。
しかし、ウラタロスは何か分かったらしくエリオに憑くと仮説を述べた。

「もしかして、リュウタロスだけ、過去に跳んだんじゃ」
「え、どういうこと?」
「僕とキンタロスは先輩が飛び出したあとすぐに追いかけたんだ。なのに、ここに着くまで、時間がずれているんだ」
「つまり、擦れ?」
「そう、跳んだ時間に擦れが生じて、リュウタロスは過去に跳んだんだ」
「そうだよ、僕が跳んだ時、ティアナお姉ちゃんは一生懸命練習してたんだ」
「じゃあ、あの時の光が…」

ティアナが思い出したのは、自らが行なった、練習の時、ターゲットに混ざり、自らにぶつかった紫の光であった。

「うん、その後、皆が来るまでティアナお姉ちゃんの奥にいたけど起こったことは全部知ってるよ」
「でも、あれは…」
「それでも許せないもん」
「えっとじゃあ、訓練用のフィールドに」
「分かった!」
「う、うん…」

二人は、訓練用のフィールドへと向かった。R良太郎はベルトを握りしめ、なのはは、少し、困惑気味に。
263仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/17(日) 23:48:22 ID:g6YHS5zm
訓練用のフィールドに着くと、なのははレイジングハートを、R良太郎は、ベルトを巻くとスイッチを押し、ライダーパスを構えた。

「変身!」
「レイジングハートセェェットアップ!」

バリアジャケットを装着し、レイジングハートを構えるなのはと電王となり、デンガッシャーガンモードを構える、R良太郎。
なのはは電王に言った。

「確かにティアナにあんなことはしたけど私は!」
「僕はお前が気に入らない。お前、倒すけどいい?」
「少し、話しを聞いて!あれは!」
「答えは聞いてない」

そう言い放ちエネルギー弾を放つ電王。
それを受けた時、なのはの眼は変わった。

「何で、話を聞いてくれないのかな…。なのに、自分はワガママしほうだいなんておかしいよね…。私の言ってることそんなに間違ってる?」
「知らないよ、そんなの」
「少し、頭冷やそうか…」
そのなのはの様子を見てMスバルは呟いた。

「こ、怖えぇ」
「何か、言った?」

なのはは聞こえたのか笑顔(眼は笑ってない)で言った。

「い、いえ、何にも言ってせん!!」

何故か怯えながら答えるMスバルであった。


次回予告
シャーリー「ただいま、模擬戦が行われております。現場のスバルさん」
スバル「はい、こちら現場のスバルです。見て下さい、現場は一触即発の状態です。まさに危険地帯です!」
シャーリー「様子を詳しく教えて下さい!」
スバル「両者は全く退かず、見ているこちらにも恐怖が感じられていま」
なのは「スバル?何やっているのかなぁ?誰が怖いって?(満面の笑み)」
スバル「いや、何でも…」
なのは「少し、頭冷やそうか…」
スバル「イヤァァ!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさ、キャアァァ!」
シャーリー「どうしたんですかスバルさん!スバルさん!何かあったんですか?」
スバル「イヤァァ!」
シャーリー「何かあった模様です。えぇ、次回仮面ライダーリリカル電王sts第八話「白き魔王と紫の狂人」お、お楽しみに!」
なのは「シャァーリィー!」
シャーリー「ひ、ヒィ助けてぇ!」
264仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/17(日) 23:54:08 ID:g6YHS5zm
以上で投下終了です。なのはさんは、8話の時の眼です。たぶん、マジギレです。
後、作中に出してなんですがうちの悪役、質量兵器バリバリ使ってます。これからもバリバリ使います。実際にとある人物の愛用の銃も出してるし。
265名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 23:57:42 ID:3qpg5Zs+
投下乙

とりあえず実際に自分で声に出して読んでみなされ
例>そして、現れた金色のレールの上に乗ると、後ろから、デンライナーゴウカ、イスルギ、レッコウ、イカヅチを模した、オーラライナーが現れ、それと共にライノイマジン改へと突撃する技『フルスロットルブレイク』を放ったのである。
句切り過ぎ。テンポ悪い
266名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 23:59:19 ID:vNgBOZUP
GJ!
頭冷やすといわれても、ダメージ入るのは大半が良太郎な罠
ああ、不幸かな不幸かな
267仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/17(日) 23:59:44 ID:g6YHS5zm
>>265すみません。次から気をつけます。
268名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 00:00:04 ID:Mvnorprl
技を使った>セリフ>勝利
ここは地の文で盛り上げるべきところかと。
迫力も何もない。
戦闘の地の文の少なさが災いして何が起きてるのか正直わかりません。
映像があるわけじゃないから「グォワァ」とか言われても全くわからん。
269名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 00:01:40 ID:l6MbH405
正直、つまらないといわざるをエナイ・・
270名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 00:17:02 ID:98VYIdig
「答えは聞いてない」なんて言ったのがマズかったですねぇ、リュウタロス。
まぁ、我侭小僧なリュウタロスにはイイ薬になるでしょう。
271名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 00:18:17 ID:S4FXUJbe
もう少し頑張りましょうかな、かな?
272名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 00:27:19 ID:UUaV5Q3E
とりあえず・・・、赤字さんカモーン(・∀・)ノ
273赤字:2008/02/18(月) 00:27:44 ID:mQe7lVxS
 さあ時間だ。
 待ってくれてる人がいるのかは知らないが、とりあえず投稿だぜ!
 眠くてテンションおかしいけど、やるだけやります。
 ちなみに、今回は何故か20KBの大台になってしまいました。いつもの倍だぜ。でも中身はいつもより薄いぜ。
 8、9回に分けての投稿予定です。
274キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/18(月) 00:28:11 ID:SR0avg2j
なんとか決着まで行った〜投下して良いかしら?
275赤字:2008/02/18(月) 00:28:47 ID:mQe7lVxS
【3】



 恐怖に追われ、暗闇に怯え、安息を求めることも許されず、ただ逃げ続けていた。
 もうどれ程の間、そんな生活を繰り返して来たのだろう。
 なぜこうなってしまったのか、少女には分からない。
 たしかに、あの日の夜まで少女はどうしようもなく幸せだったのだ。
 少女の誕生日を祝うために、食卓には母の手料理が並んでいた。家族は笑みを浮かべ、そして感謝をしていた。安寧な日々を与えたくれた、慈悲深き神に。
 暖かな家、湯気の立つスープ、優しい両親。安らかな日々は、このままずっと続くのだと思っていた。――そう、信じていた。

 終わりは唐突だった。

 ガラスの砕け散る音。訪れた<何か>に怯えたように、家族を包む光は消えた。少女には何が起こったのか理解できなかった。母の胸に抱きしめられたまま、暗闇の中に響く父の声を聞いた。
 ただ、恐かった。
 何がということではない。なぜ恐怖を感じるのか、少女自身にも分からなかった。
 理解することは出来ず、もっとも原初的な、人間の根底に刻み込まれた血の恐怖。
 混乱さえ押さえ込んだそれに、少女はただ身を震わせた。抑えようのない、止め処なく溢れる身を削るような恐怖に、少女は耐えられなかった。気付く間もなく、意識は沈んでいた。
 ――目覚めた時、全ては終わっていた。
 変わらぬ暗闇に、静寂だけがあった。
 抱きしめていた母に呼び掛けた。倒れ伏していた母の腕から抜け出し、その傍らに座り込んだ。
 床に着いた手に、びちゃりと、生暖かい液体が触れた。
 微かに響く、母の声を聞いた。
 いつも通りの、優しくて、暖かい――大好きな母の声だった。

 どこに行っても、どこまで逃げても、<アレ>は執拗に追ってくる。ひとつの町に留まることも出来ず、駆けずり回るように逃げて来た。
 ただ、母の願いを叶えるために。
 それを必要とする人に届けるために。
 誰に届ければいいのか、少女には分からない。分かるのはひとりの名前。
 それが何の意味を持つのか、少女は知らない。ただ、<アレ>と戦うための武器であることだけ。
 それは、死の間際に両親から託されたものだから。届けてと、お願いされたものだから。逃げなさいと、言われたから。
 苦しみの中で浮かべられた優しい笑みと、だんだんと暖かさを失っていく柔らかな掌を、忘れる事はできない。
 安息はない。友達を作ることさえ出来ない。きっと、ひとりぼっちのままだろう。
 あの頃のような、安らぎと暖かさに満たされた家には、もう帰れない。
 それでも、これは渡せない。
 両親が必死で守っていたものだから。
 それを自分は託されたのだから。
 これは誰かを救う力になるから。
 だから。

 <悪魔>には、渡せない。






276キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/18(月) 00:29:08 ID:SR0avg2j
オォ!? ミスた。
赤字さん、お先どうぞ〜支援
277赤字:2008/02/18(月) 00:29:51 ID:mQe7lVxS
 ――今日もまた、静かに夜が明ける。
 闇は退き、再び人の住まう世界にふさわしい明るさが訪れる。
 浅い眠りから覚醒した少女は、寝起きとは思えない動きで立ち上がった。いつしか、深い眠りに身を委ねることはなくなっていた。
 だからなのか、よく夢を見る。
 両親と過ごした安らかな日々。母との他愛のない会話。友だちと駆け回った故郷の山。眠る前に傍らで父が話してくれた、人を救った魔剣士のお話。
 もうどこにも在りはしない、色褪せた思い出。決して消えることのない、大切な記憶。
 あれから変わったことと言えば、傍らに居てくれる存在を得たこと。草原の中で、地面で、眠りにつくのに慣れたこと。ひとりで生きることに、疑問を持たなくなったこと。神を、信じなくなったこと。
 暗闇の中で生きるには、少女は強くならなければならなかった。理想に頼るには、不確定な存在を信じるには、闇はあまりにも残酷だった。
 吹けば消えてしまうような小さな灯火は、襲いかかる闇に必死で抗っていた。もう戻らない、暖かな過去を拠り所にして。

「フリード、そろそろ行こっか?」

 少女が追われるように里から逃げ出して、すでに3年の月日が経とうとしていた。






278赤字:2008/02/18(月) 00:30:29 ID:mQe7lVxS
 赤を基調とした皮製のコートを風になびかせながら、ダンテは人混みの中をゆったりと歩いていた。
 真紅のコートが風に揺れる度に、ぶら下がっている大量の純銀製のアクセサリーがジャラジャラと音を掻き鳴らす。活気溢れる市場の喧騒の中に紛れたその音に、ダンテは心地良さを感じていた。
 無意味に思えるほど大量のアクセサリーは、フェイトにはあまり好まれていない。
 ダンテに言わせれば、それらは全て魔除けのお守りということらしい。事実、古来より銀には魔を払う力があると信じられて来た。
 魔力を効率的に蓄えることが出来る銀は、人の生み出した魔具にも使用されている。
 もっとも、悪魔を狩ろうとする者が魔除けのアクセサリーを身に付けるというのは、矛盾を抱えたおかしな話である。
 単にダンテの趣味によるものなのだが、心配性な金色の美女が手を加えたそれは、ただの装飾品という枠では括れなくなっていた。
 それがダンテにとってどんな要因となったかは定かではないが、以前よりも愛着が湧いたことは確かだ。
 ジャラジャラと鳴る銀の音色を聞きながら、ダンテは視線を巡らした。

「やれやれ。まさか、いきなり放り出されるとは思わなかったぜ」

 絶え間なく行き交う人の流れに乗りながら、全く見覚えのない街並みを眺める。当然だ。初めて来たのだから。
 この世界に来て早々、フェイトはダンテを置いてさっさと行ってしまった。

「どうせ、私がいたら邪魔なんだもんね。いいよ、私は勝手にやるから」

 別れ際、フェイトの放った言葉である。
 ダンテが調子に乗ってからかい過ぎた結果、案の定フェイトは拗ねてしまった。予測に難しくないことだったが、楽しいことには歯止めが効かないのがダンテである。これもまた、よくある光景だった。
 どうせすぐに機嫌を直すだろうと、ダンテは特に心配はしていなかった。連絡が入るまで観光でもしようかと思ってさえいる始末である。
 ひとりで仕事を片付けてもいいのだが、悪魔が姿を表すのは闇が世界を覆う頃と相場が決まっている。
 日の高いうちに出来る事と言えば、せいぜいが情報集めだ。そして、伝手も何も持たないダンテにとって、悪魔の情報集めなど出来るわけもない。
 となると、刺激のない退屈な時間だけが残りそうだった。
 
「良い女、はいねェしな。さて、どうしたもんか」

 肩に掛けたギターケースを担ぎ直し、ダンテは右と左との分かれ道で立ち止まった。
 先に何があるのかは知らないが、どうせなら楽しい方がいい。
 その期待に応えるように、ダンテの耳に届く微かな声があった。

「右か。いいね、俺もそう思ってたところだ」

 不敵な笑みを残し、ダンテは歩き出した。
279赤字:2008/02/18(月) 00:31:09 ID:mQe7lVxS
 数分も経たずに、道の先に出来た人だかりを見つける。
 男が多いところを見るに、どうやらむさ苦しい騒動が中心で起きているようだった。その推測に答えるように、目の前には酒場がある。
 まっ昼間っから酒に溺れていた馬鹿が、つい気が大きくなって馬鹿をやり、外で衆人の目を集めるような大馬鹿になった、と。
 有り触れた話は、予想に難しくない。
 同時に、興味を惹かれるほど面白い話でもなさそうだった。普段なら目もやらずに通り過ぎている。しかし、無駄に暇を持て余すよりは幾分かマシかもしれない。
 比較的人の薄い所を狙って、ダンテは野次馬に混ざることにした。
 その先にあったのは、良くも悪くもダンテの予想を越えたものだった。

「チンピラに婆さんにガキ……おいおい、どこの劇団だ?」

 座り込んだ老婆を庇うように、鮮やかな桃色髪の少女が男を睨みつけている。
 子供が放つにはふさわしくないその迫力に、男はたじろいでいた。しかし、集まった周囲の目に押されてか、一目に無理と分かる虚勢を張り、声を上げる。

「な、なんだよお前は!」

 大の男に怒鳴られれば、萎縮するのが普通である、大人ですらそれが当たり前なのだから、子供となれば尚更だ。
 しかし、男の前に立つ少女は、良くも悪くも「普通」という枠組みには入らない子供だった。
 男の怒声に怯むどころか、負けじと声を張り上げた。

「ぶつかったのはあなたじゃないですか! おばあさんは悪くありません!」

 なるほど、そういうタイプか。
 どうやら、酒場の前だから酒に関わりがあるだろうと考えたダンテの予想は裏切られたようだった。

「見ろよ、この服。そのババァのせいで汚れちまったんだぜ?」
「で、でも、あなたがわざとぶつかるのを見ました!」

 途端、少女の不思議な迫力はどこへやら。見た目相応の、どこか気弱な雰囲気が少女を包む。それに安堵した男が、我が意を得たとばかりに言葉を続けた。

「見た? そんなの知らねえよ。現に、俺はこうやって被害を受けてんだ。それ相応の責任を取るのが当たり前だろ? それとも何か? お前が弁償してくれんのか? 高かったんだぜ、この服よお」
「そ、それは……」

 返す言葉が見つからない。
 仕方のないことではあるだろう。そもそも、大人と子供がやり合って勝てる方が珍しいのだ。口も、拳も。
 なにより、こういう輩は性質が悪い。どんな正論を持ち出しても意味が無いのだから。ダンテにさえ「言葉が通じねェ」と言わせるほどである。
 それでも、今こうして野次馬となって遠目に見守るだけや、ちらりと目をやって、巻き込まれまいと足早に立ち去る人間よりはマシだろう。
 個人的な価値観を押し付けるわけではない。ダンテ自身、そういう輩には近寄らないようにしている。
 しかし、それに立ち向かえる人間を、ダンテは好きな方だった。
 威勢を取り戻しつつある男と、それに反論できない少女を前に、ダンテは思案した。
 例えば、ここにあの金髪がいたとしよう。アイツならどうするだろうか、と。
 ――足し算よりも簡単な問題だった。
 間違いなく、首を突っ込む。ピンチになりつつある少女の前に立ち、男を並々ならぬ迫力で睨め付け、理路整然と正論を並べ立てて論破し、追い返す。
 そして少女に向き合い、子供好きしそうな笑みで優しく頭を撫で、「よく頑張ったね、えらいえらい」とでも言うだろう。
 座り込んだままの老婆には手を貸し、「大丈夫ですか?」と。そして、周りからの拍手と賛美の声に、照れつつも足早に立ち去る――。
 あまりにも有り得そうな情景に、ダンテは苦笑した。
 その姿に重なることは遠慮したいが、偶にはヒーローを気取るのもいいかもしれない。
 暇というのは恐ろしいものだと思いつつ、ダンテは人の輪から一歩前へ踏み出した。
 突然の乱入者に、その場にいた全員の目が集まる。
 観衆の好奇の目を背中に受けつつ、ダンテはもったいぶるようにゆったりと中央へ歩み寄った。
280赤字:2008/02/18(月) 00:32:17 ID:mQe7lVxS
「よお、良い天気だな?」

 予想だにしない言葉に、身構えていた男は呆けることになった。
 何なんだ、このド派手なヤツは。それが男の第一印象だった。
 無理もない。大量の純銀製アクセサリーのぶら下がった真紅のコートに、背中には大きなギターケース。ただでさえ人目を引く格好だというのに、それを纏う男は見事な銀髪を持ったモデル並の色男だ。
 これを派手と言わなければ、派手という言葉を使う機会はそうそう訪れないことになる。
 良い意味でも悪い意味でも、自ずと人の目を集めてしまうダンテを前に、男は一歩たじろいだ。
 明確は理由はない。ただ、そう、格の違いというものを、知らず理解しただけだった。役者が違う。それを、ひどく自然に男は理解していた。
 ここに、既に勝敗は決まったようなものだった。

「なあ、お前もそう思うだろ?」
「あ、ああ、そうだな」

 長い付き合いの友人に問い掛けるように、ダンテは男へ笑いかけた。
 あまりに親しみ深いその笑みに、しかし男は安心できなかった。その笑みに、こちらに友好を求めるようなものが一切ないことは、向けられた男自身が一番分かっていた。

「こんなに良い天気なんだ。つまらねェことでカリカリすんのはやめようぜ? 男なら服の染みのひとつやふたつ、笑って許せるだろ?」

 それは男に対する問い掛けだったが、男の返答を求めるものではなかった。
 ダンテの目を見た時、男は反論するための言葉を失った。その目に宿るものは、常人の持つそれではなかった。
 裏の世界に関わりを持つからこそ、半端者の男にはダンテの恐ろしさが理解できた。凄みはない。敵対心すら持っていない。しかし、だからこそ男は恐怖を感じた。
 本気のダンテを前にして、無事に済むわけがない、と。
 そしてそれは、至極正しい判断だった。

「それに」

 逃げよう。
 男がそう決意したとき、すでに手遅れだった。
 ダンテは男へ歩み寄り、その腕をシャツへと伸ばした。
 元々は純白であっただろうそれは、汗と埃に薄汚れ、おまけとばかりに赤い染みがいくつも出来ていた。男が言うところの、ババアのせいで汚れた証拠、である。
 それを指でなぞり、ダンテは不敵に笑いかけた。

「俺は良い色だと思うぜ?」

 知らず息を止めていた男が、ダンテの声に呼吸を取り戻す。
 背中に流れるとめどない冷や汗を感じながら、男はまず、自分が生きていることをしっかりと確かめた。

「あ、あはは、そうですよね! 俺もそう思ってたんですよ! はは、は……じゃ、じゃあ俺急いでますんで!」

 形振り構っていられる状況ではなかった。
 なんの事はない、ただ、ダンテが歩み寄っただけ。しかし、男はそこに明確な死を感じた。なぜかは分からない。ただ、自分の奥底で叫ぶものがあったのだ。逃げろと。近寄ってはいけないと。
 訳のわからない恐怖に突き動かされて、情けなさも、恥ずかしさも捨て去り、男は逃げるように走り去った。

「なんだよ、俺とは世間話も出来ないって? つれねェな」

 それを見送ったダンテが、からかうように言い放つ。決め台詞には嫌味が多いが、それでも観衆は喜んだようだった。
 囃し立てる声と鳴らされる口笛を聞きながら、ダンテはこちらを見つめて呆けていた少女に向き直った。

「ん? どうしたお嬢ちゃん。俺があんまり良い男だからってそう見つめるなよ」
「……え? あ、ご、ごめんなさいっ」
「いや、謝ることでもないさ。気にすんなよ」

 大きく頭を下げて謝罪する少女に、ダンテは不敵に微笑んで見せた。どこか人を安心させる、不思議な力を持った笑みだった。
 そのお陰か、少女は謝罪を重ねることもなく、今度はお礼を言うために礼儀正しく頭を下げる。

281名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 00:32:38 ID:dQ2SjoGc
支援
282赤字:2008/02/18(月) 00:32:50 ID:mQe7lVxS
「あの、ありがとうございました。助けていただいて」
「さて、一体なんのことだ? 俺はあの男と、天気とシャツの話をしただけだぜ? まあ、俺の目つきは少しばかり悪かったかもしれねェけどな」

 悪戯をたくらむ子供のように無邪気な笑みで、ダンテはひとつウインクをして見せた。
 それを見て、少女もくすくすと控えめな笑みをみせる。

「そうですね。少しだけ悪かったです、目つき」
「おっ、言ってくれるね」

 少女から返って来た軽口に、ダンテは楽しそうに口の端を吊り上げた。
 しかし、その笑みも長くは続かなかった。

「でも、お話の中の騎士さまみたいで、かっこよかったです」

 少女から放たれた言葉に、ダンテは目を丸くした。
 騎士さま? 誰が? この俺が?
 意味を理解したところで、ダンテはたまらず声を上げて笑った。久々の大爆笑だった。ひどく面白い冗談を前にしたときのように、遠慮のない、心の底からの笑い。おかしくて仕方がなかった。

「え、え? わたし、なにかおかしなことでも言いましたか?」
「いや、ただ、俺には騎士サマなんて似合いやしねェと思っただけさ」

 未だ収まらない笑いを気合で抑えつつ、ダンテは少女に言った。

「それより、婆さんはいいのか? 寂しそうに待ってるぜ?」
「え? ……あ!?」

 ダンテの登場も相まってすっかり忘れていたのか、少女は慌てたように、座り込んだままの老婆へ駆け寄り声を掛けている。
 それを眺めながら、ダンテの笑いの渦はようやく治まっていた。
 そして、少女の指に輝くものに、ダンテの目は留まる。
283赤字:2008/02/18(月) 00:33:21 ID:mQe7lVxS
(アレは……おいおい、ガキが持つには危ないオモチャだぜ?)

 上手く抑えられているが、意識を向けてみれば、その指輪から感じられるのは並みの魔力ではない。完全に解放すれば、それこそ、ダンテが持つ魔具にも劣らないだろう。
 だが、同時にそれは大きな危険を持っている。
 一定のレベルを超えた高位の魔具は、大抵が悪魔などの霊的な存在がその姿を変えたものだ。姿形は変わろうとも、そこに宿る魂が消えるわけではない。
 破壊。殺戮。死合。生贄。強者。血。
 それぞれが、不気味で危険なモノを欲して止まない。武器自身が、自らを持つべき資格のある者を選ぶのだ。
 そして、その力を、悪魔もまた求めている。
 魔具であると同時に、大きな魔力を秘めたそれは、力を欲する悪魔にはどうしようもない魅力となる。魔具自身がそう易々と悪魔の血肉にされるわけではないが、その持ち主まで無事とは限らない。
 となると、少女もまた狙われることになるだろう。いつまでも隠し通せる力ではない。
 そしてその時は、少女もまた、悪魔の影に散ることになる。
 けれど、不可解なことがひとつ。
 魔具は持ち手を選ぶ。ならばなぜ、指輪は少女の手に収まっているのか。
 覚醒していないのか。それとも、信じられないことだが――人間を、この少女を、持ち手として認めているのか。
 そうだとすれば、信じられた話ではない。高位の存在が、人間を、身を委ねるに値すると認めるなど。
 しかし、そんな考えをダンテは苦笑に伏した。
 自らもまた、半身は人間だ。そんな自分が言えたものか、と。
 それに、人間を救うために同胞を裏切った悪魔がいるのだ。そんな存在がいても、おかしくはない。
 兎にも角にも、面白そうなお嬢ちゃんだ。
 ダンテの感想はそんな所で落ち着いていた。

「あの」

 ダンテの前に、老婆を連れ添った少女が立つ。

「本当にありがとうございました」
「いやぁ、本当にお世話を掛けまして、感謝の言葉もありませんで……」

 ふたり揃って頭を下げられ、ダンテは顔を顰めた。

「だから俺は何もしてねェって言ったろ?」
「でも、わたしは嬉しかったです。だから、ありがとうございます」

 笑顔でそう言われてしまえば、ダンテには返す言葉がない。
 柄じゃねェのに、と、肩を竦めて見せるのが精一杯だった。
 そんなダンテの様子を、少女はくすくすと笑って見ていた。
284赤字:2008/02/18(月) 00:33:49 ID:mQe7lVxS
「えっと、それじゃ、わたしはこれで」

 笑いを収めた少女は、傍らに置いてあったバッグを背負い上げ、ダンテと老婆に向けて口を開いた。
 親しく会話を交わす間柄ではない。別れは当然のことだった。

「ああ。ガッツあったぜ、お嬢ちゃん。将来は良い女になる。俺が保障してやるよ」
「え、えっと、ありがとうございます」

 照れたように笑う少女に、ダンテはふと思いついた。
 歩き出そうとしていた少女を呼び止める。

「あっと、ちょいと待ちな」
「はい?」

 不思議そうにこちらを見上げる少女を前に、ダンテは真紅のコートにぶら下がるアクセサリーを物色する。
 歪んだ髑髏の顔に十字架に。鎖に怪鳥。ダンテの感性でも、さすがにコレはマズイだろうと思うようなものばかりの中で、ダンテはようやくそれらしいものを見つけた。
 コートから取り外し、指で銀の輝きを拭う。

「ほら、クリスマスには早いがプレゼントだ。良い子にしてたからな」
「え? あの、くりすます、ってなんですか?」

 差し出された銀色のアクセサリーとダンテの顔を交互に見つめ、少女は不思議そうに尋ねた。
 少女の言葉に、ダンテは今更ながらに思い出した。

(そういや、こっちには、んなモン無かったんだったな)

 なんだかんだで、こっちに来てからのクリスマスは中々波乱に満ちていた。
 主に金髪美女やらが深く関わっていたりするのだが、その金髪もクリスマス文化は知っていたおかげで、ついついあっちとの違いを忘れてしまっていた。

「あー、そうだな。赤い服の妖精が、良いことをした子供にご褒美をやる文化のことさ。ほら、ピッタシだろ?」

 僅かな思案の後にダンテが出した結論は、当たらずとも遠からずなものだった。
 しかし、ダンテ自身は中々気に入った答えらしく、自慢げにその真紅のコートを揺らした。

「はあ。そんな文化があるんですか?」
「ああ、俺の住んでた所じゃ誕生日は皆で仲良くお祝いしましょうってのと同じくらい辺り前のことだぜ?」
「そうなんですか」

 感心したように相槌を打つ少女に、ダンテは満足げに頷いた。
 だからな。そう置いて、ダンテはアクセサリーを差し出した。

「良いことをしたお嬢ちゃんに、やるよ」
「わ、わたしにですか!?」
285赤字:2008/02/18(月) 00:34:32 ID:mQe7lVxS
 ようやく意味を理解したらしい少女は、ダンテの手にあるものを見つめて、ダンテの顔を見つめて、と。焦ったようにそれを繰り返しながら、小さな両手を体の前で揺らして、断ろうとする。

「いえ、あの、そんな、申し訳ないですっ!」
「おいおい、子供は遠慮しないもんだぜ? それにせっかく用意したんだ。貰ってくれないと俺のカッコが付かない。な? 俺のためにも貰ってやってくれよ」

 その言葉に、うーとか、あーとか、えぅーとか、特色ある声を上げながら悩んでいた少女は、ゆっくりと両手を差し出した。

「いただき、ます」

 ダンテは笑みを浮かべて、その手にアクセサリーを置いた。
 自らの手に収まったそれを、少女はじっと見つめた。
 銀色に輝くのは、三日月と翼を広げた鳥の姿だった。精巧に彫りこまれた銀細工に、少女は魅入られていた。
 単純な構図だが、なぜだろうか。神話のワンシーンを切り取ったかのような不思議な魅力が宿っていた。
 気に入った。気に入ってしまった。すごく。
 そんな少女の姿を、ダンテは満足げに見ていた。

「あの、いいんですか? こんなに素敵なものをもらってしまって……」
「なに、代わりはいくらでもあるからな」

 少女に見せ付けるように、ダンテはコートを揺らした。
 その動きに合わせて、ジャラジャラとアクセサリーが歌う。
 それを見て、安心したのか納得したのか、少女はもう一度深く頭を下げてお礼を言うと、ダンテに背を向けて歩いて行った。
 人混みのなかに消える小さな背中を見送り、ダンテは感嘆した。

「最近の子供も馬鹿にできねェな」

 本当なら、ここでダンテと少女の縁は切れただろう。もう2度と会うこともなく、いつしか少女のことも記憶の底に埋もれていくことになったはずだ。
 けれど、もう少しだけ、2人の縁は繋がることになる。

「じゃあな、婆さん。チンピラと良い男には気を付けろよ?」

 えらく口数の少ない老婆に声を掛け、ダンテはその場を後にした。
 少女の姿はもう見えないが、自分の魔力が宿ったアクセサリーは、しっかりとその存在を感じられた。






286名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 00:37:04 ID:Y12qgi6J
なんていい男なんだ支援
287名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 00:37:50 ID:tC89PE++
支援!
ダンテはやはりイイ男ですなww
288Strikers May Cry:2008/02/18(月) 00:38:17 ID:xMy1oD9A
やべえ、惚れちまいそうだぜ支援。
289名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 00:39:27 ID:tC89PE++
あ、そういえば8.5KB超えるとおさるさんになる傾向がある模様。
大丈夫かな? と思いつつ、支援!
290名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 00:42:55 ID:Jhu/z/12
ダンテがかっこいいなもう
支援
291名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 00:45:49 ID:Jhu/z/12
赤字さんさるったみたいです
292名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 00:46:25 ID:crGriqko
赤字氏の代理で最後のやつ投下しますね。
293赤字氏代理:2008/02/18(月) 00:47:03 ID:crGriqko
 ダンテが立ち去ったその場所に、老婆は変わらず佇んでいた。
 途絶えることのない人の流れを、老婆は変わらず眺めていた。 
 誰もがそこに立つ老婆を見ることもなく、そしてその存在に気付きはしない。
 老婆を包む暗闇に、誰も目を向けることはない。
 切り取られた異端の領域の中で、老婆はしわがれた声で呟いた。

「へえ、へえ……あんた方も、せいぜいお気をつけ下さいな……」

 老婆は、その皺だらけの顔に歪な笑みを浮かべた。

「無駄とは、思いますけどねえ……ヒッ、ヒッ……」

 風が吹く。
 ――そこにはもう誰も存在していなかった。
 もっとも、そこに老婆がいたことさえ、誰も気づいてはいない。迫り来る深き闇の住人にも、また。
 忘れてはならない。
 光の届かぬ深き闇の中に、身を隠して爪を研ぎ、機会をうかがっている<何か>がいることを。



 to【4】
294名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 00:49:24 ID:Y12qgi6J
赤字の人GJ!
ダンテがクール過ぎて鼻血噴いた
代理も乙
295名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 00:51:41 ID:crGriqko
>>276
次はキャロとバクラの人だが、
支援体制は維持したままでいいのか??
296名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 00:53:54 ID:dQ2SjoGc
GJ!
そういえば小説だと悪趣味なぐらいの銀飾りコートだったな

そして、ウィジャ盤オカルトコンボ支援
297Strikers May Cry:2008/02/18(月) 00:54:10 ID:xMy1oD9A
赤字氏、超GJ!!!
これはアニメ版のキャラのシドか? 俺はあいつ好きだから、もしそうなら嬉しいぜ。
なんか独自の展開に発展しそうな感じで良いっすね、もう興奮して眠れそうにないっす。

しかしこのダンテはアニメ版時空っぽいですな。
298反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/18(月) 00:54:22 ID:g3m1dgHP
GJ!
何なんスか今日は! 今日からDMCアニメを見始めた俺へのご褒美ですか!?
ウェルカム・トゥ・DMCってやつですか!?
それはさておき、前々からSMC氏やStylish氏の影響で気になってたそれの、レンタルへの最後の後押しが赤字氏だったりします。
本当にありがとう!

アニメでは意外と無愛想なんだなぁ、ダンテって…
299キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/18(月) 01:01:03 ID:SR0avg2j
赤字さん、GJだぜ! DMCは知らないのだが、やりたくなってきたな〜
そして今度こそ投下OKかしら? 支援を頼む〜
300名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:01:51 ID:82h4JxrB
DMCはゲームは兄がやってるのを見てるだけでやってないんだよなあ
アニメはさわりだけ見たことがあるがR指定が大好き
301赤字:2008/02/18(月) 01:02:17 ID:mQe7lVxS
復活!
うーむ、とうとうさるさまのお怒りに触れてしまった。
ご迷惑お掛けして申し訳ない。
なんかもう、今回は中身の方も中々の難産。ノリで書いたせいですか。そうですか。
段々と力不足を痛感してきてるぜ……!
これが作品連載の恐いところ。思い通りに掛けないジレンマって恐怖以外の何物でもない。
今更だけど、いつもより長々とお付き合いありがとうございましたー。
代理の方も、本当にありがとうございました。心から感謝です。

あ。あと、キャロが変わっててごめん。
うん、そうなんだ。また、なんだ。
フェイトに続いてね、キャロも「Fate May Cry」仕様なんだ。
違い? なに、幼女好きの君達ならもうきっと分かってくれてると思う。
拙作のキャロは、うん。中々、強い。
なにしろダンテを相手にするわけだしね。気弱じゃやっていけないんだ。
でもほら、牛乳だってチーズになるだろう?
そんな感じで、うちのキャロも受け入れてくれると嬉しい。
なに、大丈夫さ。
性格が多少変わろうと、キャロが幼女だという事実に代わりはない。
安心してくれ(´・ω・`)
302名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:02:38 ID:Y12qgi6J
>>299
邪心の欠片さま支援
303名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:02:54 ID:Jhu/z/12
キャロカワイソス。
そしてダンテカッコヨス
GJすぎるぜ旦那
304赤字:2008/02/18(月) 01:03:49 ID:mQe7lVxS
>>299
そしてやっと支援が出来る!
305名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:04:58 ID:dQ2SjoGc
闇のゲーム支援
306Strikers May Cry:2008/02/18(月) 01:05:12 ID:xMy1oD9A
さあ、支援砲火の準備は出来た、遠慮なく投下してくれ!!!
307名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:06:30 ID:N5g7TG0P
風俗行ったことないけどキャバクラ支援
308反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/18(月) 01:06:40 ID:g3m1dgHP
また会ったなキャバクラ氏! 支援!
俺も、これを読み終わったら投下するんだ…





またロワスレにだけど
309キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/18(月) 01:07:37 ID:SR0avg2j
「勝った……」

キャロ・ル・ルシエは現在の状況からそのように判断した。
召喚魔ダーク・ネクロフィアの憑依により動きを束縛・攻撃を封じ、ダーク・ネクロフィアが倒された事により発動する儀式魔法ウィジャ盤で死を宣告する。
離れた場所で蹲っているフェイト・T・ハラオウンさんにはどうする術もないはず。
つまりこちらの勝ちだ。問題はこのままだと彼女を殺してしまうことだろう。
ソレを何とか回避する方法は無いものか? そんな事にキャロの思考が移りかけた時……

『おいおい、相棒。まさか「勝った……」なんて安心してんじゃねえだろうな?』

「え?」

千年リングに宿る邪悪な意思にして相棒 バクラに釘を刺された。それはもう盛大に。
キャロだけが見えるバクラの姿も言葉通りに警戒を緩めた様子はない。むしろ今まで以上の緊迫感が満ちている。

「どうして……ですか?」

『簡単だ……まずはアイツの目』

バクラにそう指摘され、キャロはフェイトの目へと視線を向ける。毛に隠れているがその目は確かにこちらを見ていることに気が付いた。
下を向いていないというだけで、それは絶望していないことを意味する。

『ヤロウ、勝ちを諦めてねえ』

「あるんですか? 勝つ方法が……」

『わからねえ……だがオレ様はあんな目をした奴に、何度も痛い目に合わされてるんでな』

バクラは思う。名もなきファラオ、三千年を超える怨敵は、どんなに追い込んでも今のフェイトのような眼をしていた……と
決して絶望せず、恐怖せず、諦めない。常に貪欲に勝利を欲する本能と冷静に現状を分析し、回避する方法を探す知性。
そう言った目をしている奴らは総じて最後の最後、GAME OVER!と告げるまで決して油断できない。
ふと視線を横に逸らせばウィジャ盤の上でプランシェットがダーク・ネクロフィアの亡骸によって動き出す。
次に指し示された文字は「E」、ポン!と空中にDに続いてEの文字が浮かぶ。

「これで二文字目! テメェの命はあと三文字だぜ、執務官様〜」

口では余りにも彼らしい脅しの言葉を口にしながらも、バクラは違うところに気をやる。
「コイツ……文字一つが示される時間を計ってやがったな」とか「息と魔力を整えて……何を狙ってやがる?」みたいな事を。

『バクラさん……あのっ!』

「焦るな、相棒。確かに気は抜けねえが、オレ様たちが優位に立っているのは確かだ。
 向こうが動かない今は此方にとって、策を練るには丁度良い時間だ。それからアレを仕掛けておくか……」

『はい……』

「優位に立っているのに泣き出しそうな相棒の頭を撫でてやりたい」などと言う下らない欲求をバクラは捻じ伏せる。
少なくともいま必要なこの対峙を終わらせ、この場所から逃げ出すのが最優先。
つまり……

『キャロとバクラが勝ち逃げを考えているようです』


310名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:08:35 ID:tC89PE++
支援!
311名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:08:52 ID:82h4JxrB
勝ち逃げかあ
人生で一度はやってみたいなあ
312名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:09:03 ID:P9oj25lF
支援っ・・・!
313キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/18(月) 01:09:08 ID:SR0avg2j
息を整え、思考を整理していたフェイトは突然動き出したウィジャ盤と示された文字に思わず心拍数を早めた。
示された文字は予告どおり「E」このまま時間が経てば予告された「DEATH」が完成するだろうとフェイトは予想。
その結果として自分の死が実現されるかどうかは、正直その時になってみないと解らない。

「一文字を示すのに必要な時間は3分……」

つまり完成するまで残り9分。もちろん最後まで待っているつもりはフェイトにはない。
まずは自分の動きを大幅に制限するこの存在を何とかしなければ成らない。
体を這い回る氷のように冷たく、内へと染み込んで来るような生暖かい不気味な感覚を感じながら考える。
実体を持っていたときは此方の攻撃で撃破できた。だが今は効果があるのか?
その前に自分は攻撃を封じられている状態。ならば攻撃以外の方法で……

「こんなに必死に考えて戦ったのはいつ以来だろう?」

フェイトは考える。なのはとジュエルシードを取り合っていた時? それともシグナムと砂漠の世界で切りあったとき?
だがこれほど特異な方法で眼前に分かり易く死を突きつけてくる相手は初めてだった。
焦りとは違う心臓の早鐘が逆に心地よくなってくる。心のうちで謝ろう、こんなに追い詰められるまで私は貴女達を甘く見ていた。
故にこれからは全力を尽くす。

「フッ……私が「バトルマニア」って言うのもあながち嘘じゃなさそうだよ」



「ハァアア!!」

その声は唐突だった。声の主はフェイトであり、それによって起こるのは金色の魔力光の生成。
膨れ上がる魔力は攻撃に利用されない。むしろソレは防御にして、浄化の促進。

「コイツ! 魔力のカラ回しで怨霊を弾くつもりか!?」

ダーク・ネクロフィアの怨霊は魔力に対する制御を狂わせ、己の攻撃に利用する事で相手の行動を制限する。
だが攻撃宣言を代わりに実行する事でのみ、奪った魔力を消費することができる。
つまり攻撃の意思がないまま、大量の魔力を与えられ続けると発散が出来ず、憑依状態どころか自己すら維持できない。
だが誰でも、どんな状況でも出来る対処法でない。怨霊が処理しきれない魔力を瞬時に与える難度や、他に憑依対象があれば逃げられる。
つまり敵がフェイトだけと言う状態は抑え付けるには易いが、混乱を起こすには向かない状況だったということ。
常に状況を把握されれば対策が講じられ易くなるというわけだ。

314名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:09:24 ID:N5g7TG0P
支援
315キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/18(月) 01:09:57 ID:SR0avg2j
「■■■■■■■」

悲鳴を上げて白い霊体がフェイトから湧き上がり、悲鳴を上げながら破裂する。
それを見るが早いかバクラは相棒に指示を出す。こちらが敵に死のタイムリミットを与えているのは事実。
防御に徹して時間を稼げば良い。

「相棒、召喚を「遅い」…ッ!?」

バクラの反応は遅くなかった。ただフェイトの動きが早すぎた。
余分なものを一切排除した高速戦闘仕様バリアジャケット ソニックフォームで距離を詰め、大剣型のザンバーフォームを一閃する。
何とか間に合った障壁はまさに紙の様に両断され、その衝撃でキャロの体は盛大に吹き飛ぶ。
廃ビルに叩きつけられながらも衰えない勢いは、朽ちた壁を打ち抜きビルの内部へと飛び込む事になる。


「クソが!……やりやがったな、ヤロウ!」

『バクラ……さん? 大丈夫……ですか?』

「キュクルゥ〜」

バリアジャケットにより大きな損傷は無い。打ち付けられた衝撃は完全に殺しきれず、二人分の意識を揺さぶる。
慌てて飛んできたフリードも心配そうだ。彼の出番が明らかに少ないのは、特殊戦闘に向いていないからだと言う事にしてくれ。
このまま死んだふりか?と言う考えもバクラの脳裏を過ぎるが、バッチリ存在を維持しているウィジャ盤がある以上バレバレだ。
確実に此方の命なり、意識なりを刈り取りに金色の露出狂はやってくるだろう。ならば一刻も早く立ち上がり、体勢を整えなければならない。

『アレ?……何だか頭が……』

「おいっ! 相棒、しっかりしろ!!」

今キャロが意識を失おうとも体を動かすだけならばバクラだけでも出来る。
だがウィジャ盤の維持や先程設置した隠し玉の消滅、フリードの使役効率低下に召喚の威力ダウン。
ブースト魔法の使用不能まで余りにも多くのマイナス要素が生まれる。

「また負けるのか?」

バクラの脳裏をそんならしくない言葉が過ぎった。

316名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:11:00 ID:tC89PE++
露出狂呼ばわりwww
支援!!
317名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:11:01 ID:Y5rWq7aE
まけるなああああああ!
支援
318名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:11:04 ID:Y12qgi6J
バクラは負け戦ばっかりでカワイソス支援。
319キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/18(月) 01:11:27 ID:SR0avg2j
「ケッ……甘っちょろい事を言っていたわりに、随分と派手にやってくれたじゃねえか?」

「そうだね……でもすぐに終わるよ」

キャロが吹き飛ばされ激突した際に生じた土煙がようやく醒めれば廃ビルの中、かなり近い位置で睨み合う敵対者二人。
バクラがキャロの端正な顔を歪めて、口内の傷で生じた血を吐き出し、叫んだ。

「ふざけんじゃねえ! ウィジャ盤は死へのカウントダウンを続けてるんだよ!」

ウィジャ盤上方に浮いているのは三文字目「A」の文字。だがバクラは内心で舌打ち。
キャロの助成が無くなったウィジャ盤の術式が分解寸前なのだ。
そんな主の劣勢を悟ったのか? フリードはその小さな口を開きブレスを放とうと炎を貯める。
だがやはり遅い。今のフェイトが相手ではその動きは止まっている以外の何物でもない。簡易な衝撃波で白い幼竜は軽く吹き飛び、ビルの外へ。

「キャロには分かって貰えなかったのは悲しい。けど彼女の選んだ道が正しいとはどうしても思えない」

「オレ様もそう思うぜ。穏やかな暮らしを蹴ってこんな奴の手を取るのは、バカのやることだ」

状況は逆転し、フェイトが圧倒的に有利。先程のスピードを使えば一瞬で勝負が付く距離。
だからこそこの話し合い発生した。フェイトのうちでは最後になるだろう、悪の根源であるユニゾン・デバイスとの対話。

「貴方はどうしてキャロに拘るの?」

「……オレはかれこれ三千年の間、一つの目的の為に存在してきた」

「目的?」

「冥府の扉を開き、大邪神を復活させ、世界を混沌と破壊の楽園に塗り潰すこと。」

フェイトの常識からすれば夢物語。だがこの闘いで常識知らずな魔法をイヤと言うほど見せられている身としては納得せざる得ない。

「だがその目的は途絶えちまった。
後は何すれば良いかとガラにも無く迷っていたわけだが……そこで会ったのが相棒だ。
バカ、お人よしで、世間知らず。小さな竜を連れているだけの唯のガキだ」

それがバクラから見たキャロだった。今はソレに多少の手心を加えてやっても良いが、大きな変化は無い。しかし……

「だけどよ? そのバカでお人よしな世間知らずのメスガキは〜
オレ様の為に人生を棒に振るなんて言いやがった
そこまで入れ込まれたら、今まで以上に好き勝手させてやりてぇんだよぉ!」

それはバクラに自覚があろうが無かろうが確かに……
全く世間様から外れた恐ろしいスケールだろうが確かに……
女の子の姿で男らしく叫んだソレは確かに……愛だったのかもしれない。

「金だろうが、家族だろうが、仕事だろうが! 可能な限りをくれてやる!
 相棒が欲するならオレ様は国だろうが、世界だろうが何でも盗んでみせるぜ!
 それが今、バクラが存在する意味だからなぁ!!」

「それは正しいことじゃない」

「理屈じゃねえんだょ! 男の、盗賊王のプライドの問題だ!!」


320Strikers May Cry:2008/02/18(月) 01:11:40 ID:xMy1oD9A
ケルベロス・センターヘッド、エネルギー最大チャージの極大砲火で支援!!!
321名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:12:32 ID:tC89PE++
フリードさりげなく出番ないままぶっ飛んだw
支援!
322キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/18(月) 01:12:51 ID:SR0avg2j
最後の抵抗などとは決して考えない。必要な反撃の手段として、バクラは一人で召喚の呪文を唱えかけ、不意に力が増すのを感じる。
バクラだけが見ることが出来るキャロの心がしっかりと意識を取り戻し、硬く握り締めたディアディアンクに手を添える。

「相棒……」

『何だか……とっても嬉しい事を言われたような気がして眼が覚めたんですけど……』

「うるせえよ! それより……これで決めるぞ。オレ様たちは……」

『勝って進む……ですね?』

「アァ……行くぜ、相棒」


フェイトは魔力の高まりを感じた。それが心理的な高揚によるものなのか、それとも魔法を使用する予備動作なのかはわからない。
だが唱えさせる前に切り伏せれば良いだけだ。相手が叫んでいたことなど全く心に響かないと念じながら……

「遅い」

血を吐きそうな顔で私情を噛み潰した執務官は、敵が展開した魔法陣を見ながら断じた。
確実に此方の斬撃が先行し、敵を無力化することが可能。最大加速からザンバーを振り上げ、驚愕する。
キャロたちが展開している魔法陣の前、いきなり何の詠唱もなくもう一つ魔法陣が展開されたのだ。

「召喚の遅延魔法!?」

それはバクラが認識するところの『トラップカード』。
先に詠唱して待機状態にしておいた魔法を手近な小形魔法陣にタッチ一つで起動させる。
先程生じた土埃はそれを隠す効果も少なからずあった。これがキャロに指示しておいた隠し玉の一つ。
もしキャロがあのまま意識を失えば消えてしまっていただろう切り札。

「いでよ!」

『死霊ゾーマ!』

本来このような遅延魔法は召喚には適さない。だがこのトラップはモンスターを作り出す効果がある罠。
現れたのは死んだような目をした紫色のドラゴンのような怪物。大きさはフリードほど小さくは無いが、人間には劣る。
勿論フェイトは警戒して一旦引くことも考えたが、自分が見せた余裕の代償 死のカウントダウンは確かに進んでいた。
下がるに下がれない心理状態は躊躇いを捻じ伏せ、ゾーマに一撃を加える。

「軽い!?」

特殊な現れ方をしたからからか? 強力なモンスターと思っていたが、ゾーマは容易く両断された。
だがソレで終わりではない。真っ二つになった異形は粘土細工のように形を失い、人魂のように変化する。


323名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:13:01 ID:82h4JxrB
確かに勝ったことがないのがバクラくん
でもマハードには勝ってたな
そして支援・・・!
324キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/18(月) 01:13:48 ID:SR0avg2j
「これは……」

「ゾーマは執念深いんだよ、執務官様〜死んでも恨みは晴らしたがるほどにな〜
自分を倒した攻撃力の倍の力を持つエクトプラズマーに変化し、相手を襲うぜ!!」

「くっ! だけど避けられる!」

「そうだな、アンタは速い! 簡単に避けられちまうだろうさ!? だが……」

ここでキャロの穏やかな声に変わり、続けた。バクラに似た意地の悪い笑みを貼り付けて。
突き出した指が指し示すのは天井……違う、ビルそのものだった。

「狙うのは……このビルです! エクトプラズマー、発射!!」

フェイトのザンバーフォームは唯の斬撃でもかなりの威力がある。
本来の魔力量を容易く凌駕したゾーマの霊魂はビルの中心を抉りながら上昇、廃ビルは容易く悲鳴を上げ始める。

「何をバカな事を……」

フェイトは完全に相手の戦略が読めなくなっていた。このビルは何時か崩壊するだろう。
外から見たところかなりの高さがあったから、もし崩壊に巻き込まれたら危ないのも確か。
だがそれだけだ。退避するのは容易い。むしろ今すぐ崩れるような状態には見えない。
ウィジャ盤のための時間稼ぎなら随分とスケールのデカイ事になる。すぐさま踵を返したキャロを追おうとしたフェイトの足が不意に止まる。

「っ!?」

自分の意思ではない。確実に第三者のせいだ。ならばその実行者は? 自分で崩しておいてさっさと逃げ出した二人組しか居ない。

「おっと! 言い忘れてたぜ、コイツを発動させておいたんだ!」

『地縛霊の誘いの効果です! フェイトさん、貴方は私が指定したモンスターに攻撃しなければならない!』

伏せていた切り札の二枚目。地面から沸き出す半透明の腕がフェイトの肩を掴んでいる。
それが誘惑するようにフェイトを導く。その先にはゾーマを盾にして召喚した絵画に潜むもの。
薄いその体を生かして地下へと続く隙間へと潜り込んだソレを攻撃するのは並大抵の事ではない。
もしそんな手があるとしたら……床に大威力魔法を叩き込むしかない。

「ちょっ! マズイって私!!」

フェイトは己が床に向かって大威力魔法を振り下ろそうとしている事に愕然とした。
だが地縛霊の誘いはそんな事お構いなし。『YOU、やっちゃいなよ〜』とばかりに攻撃を強要する。

「こんなのズルイ!」

フェイトが床に打ち込んだプラズマ・スマッシャーが引き金となり、天井を打ち抜かれていたビルは急速に崩壊を開始。
オマケとばかりに外から撃ち込まれたフリードのブレスで決定的になった破壊の濁流は、何やら叫んでいるフェイトを容易く飲み込んだ。


325名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:14:10 ID:Y12qgi6J
このスレにフェイトの味方がいねぇw
支援
326名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:14:23 ID:tC89PE++
もう読んでいる側からはどうみてもフェイトさんが悪です!
かって、勝ってバクラ!
支援!!
327名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:16:15 ID:r4MaDEMr
殺せぇぇぇぇ!!!!
328キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/18(月) 01:16:23 ID:SR0avg2j
「はぁはぁ……勝ちましたか?」

『これで勝ってなきゃ困るぜ』

キャロとバクラの眼前には確かに強敵を飲み込んだ瓦礫の山。
肩には盛大にブレスを吐いたので咳き込んでいるフリードがいる。

「フェイトさんは……」

『たぶんこの程度じゃ死なないだろう? 殺したけりゃウィジャ盤を維持するが?』

「良いです! 消しちゃってください、そんな物騒なもの!!」

自分で作ったことなんてこれっぽっちも考えず、キャロは怒鳴り散らす。例え戦う決意をしてやはりアマちゃんなのは変わらないとバクラはタメ息。
指を鳴らせば消えるウィジャ盤を眺めながら、バクラは呟いた。

『どこに行く相棒?』


キャロは踵を返し、肩に愛竜を乗せて答えた。

「どこにでも……貴方となら……」
329名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:16:29 ID:sqQIZUz4
支援! 支援!
330名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:17:09 ID:3r3l172C
まさにピカレスクヒーロー支援
331名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:17:28 ID:tC89PE++
生きてるだろうなー
とりあえず二人のロードを妨害する悪役だよ、フェイトさんw

支援!
そして、もはやプロポーズに聞こえるぜ!!w
332名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:17:29 ID:EsNvsI+d
旗がたったな……バクラ×キャロの。
もう確定だ……支援
333名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:17:34 ID:P9oj25lF
支援
334赤字:2008/02/18(月) 01:17:41 ID:mQe7lVxS
あ、愛が芽生えてる!?
そしてフェイトの扱いがww支援
335キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/18(月) 01:18:09 ID:SR0avg2j
以上でした〜内容としては「盗賊王が廃ビルの中で愛を叫ぶw」

カードの能力解釈は何時も通り私の好き勝手です。
真面目な遊戯王ファンは怒らないでくれw
336名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:19:04 ID:vaCNRuoI
>理屈じゃねえんだょ
「よ」が小さくて決め台詞なのにワロスwww
でも支援
337名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:19:27 ID:uOBlWbI4
今更だけど何でタイトル書かないんだよ…
身内向けにしていってしまうのはどうかと思うぞ
338名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:20:15 ID:TS5ZMTMK
もはや二人の栄光のロードw
339反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/18(月) 01:20:42 ID:g3m1dgHP
GJ!
いい最終回でしたw
バクラの告白に、むしろスクライドスピリッツを感じたのは俺だけでいい。どちらにしろ良し!
340リリカル! 夢境学園:2008/02/18(月) 01:20:44 ID:tC89PE++
パタ、パター(涙を流しながら旗を振って)

GJ!
なんというか、感動的なまでの衝動で目の前が見えない。
これから二人のロードが始まるんですね。
そして、もはや完全に本編との見切りを付けた二人がどう進んでいくのか。
すっごい楽しみです!

一回じゃ足りないから、二回目のGJ!
341名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:21:10 ID:Y12qgi6J
>>335
乙&GJ!!
バクラが漢らしくて鼻血が止まらない
342名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:21:59 ID:sqQIZUz4
>相棒が欲するならオレ様は国だろうが、世界だろうが何でも盗んでみせるぜ!
>「どこにでも……貴方となら……」
くっ… なんというプロポーズ合戦…っ!!
GJですよー
343名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:22:13 ID:N5g7TG0P
さりげに貴方と添い遂げます発言するキャロに悶死
344赤字:2008/02/18(月) 01:22:21 ID:mQe7lVxS
GJ!
バクラが輝いて見える……そうか、愛に生きるのか(ほろり
345名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:22:47 ID:w0pekgUZ
>>335
乙!

面白かったのだけど
バトルシーンの最中にメタな視点の文章が入るのはちょっとアレだと思った。
読んでいて集中が途切れるというかなんというか
346Strikers May Cry:2008/02/18(月) 01:23:44 ID:xMy1oD9A
最高ううう!!! もう最高にGJだぜ相棒!!!!!

今日はいったい何回GJと言えば良いんだ……俺のノドが枯れちまうぜ。
バクラの願い、せめて自分を必要としてくれるキャロの傍で彼女を守るというものがやたと胸に染みる。

そして俺は既にカードの効果なんて全部忘れたから、カードの効果関係は好き勝手やってしまってください。
むしろ両原作などお気になさらずに。

今回はバクラの男気に感動でした、最後まで見守ってやれよ盗賊王。
あれ? そういえばさっきから眼から出てるこの水はなんだろう? 皆は知ってる?
347名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:24:17 ID:Y5rWq7aE
>>335
GJ、お疲れ様。
やっぱりフェイトが悪者にしか見えないのが不思議だ
348名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:25:02 ID:dQ2SjoGc
GJ!
なんという罠戦術wフェイト涙目w
遊戯王って相手が強いければ強いほど罠の怖さも上がってくからな
それとウィジャ盤は止めるぐらいなら非常食で食いましょう
349名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:26:27 ID:W8vq9E5R
フェイトそん撃破。
だが所詮3人娘の中では1番の小物w
ラスボスである白い悪魔を撃破することは可能か?
ルールーの虫デッキとの対決はいつになるのか?
期待して待ってます。
350名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:26:45 ID:82h4JxrB
>>「どこにでも……貴方となら……」
こ、こいつ・・・告白してるッ・・・・・・!!!
351リリカル! 夢境学園:2008/02/18(月) 01:28:17 ID:tC89PE++
>>346
それは人の心の中のプールが一杯になった時に溢れてしまう水なんですよ。
悲しい時、嬉しい時。

そして……感動した時にしか男が流さないものなのさw
あれ? 自分も目の前が見えない。
おかしいな、水で顔を洗った覚えはないのに……
352名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:29:04 ID:82h4JxrB
>>だが所詮3人娘の中では1番の小物w
どこのBF団だwww
353キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/18(月) 01:29:29 ID:SR0avg2j
先に弁解しておきたい事だけ書いとこうかなw

>「よ」が小さい件
大々的に私のミスですw

>タイトルつけないの?
タイトルと言うのは……『キャロとバクラが勝ち逃げを考えているようです』
これじゃないのかな? 違うのかな? ゴメンなさい(汗

>メタな視点
常識力が無い私の為にもう少し簡単に言ってくれると助かる。
つまり……どの辺りですか?(おぃ

他の感想は明日まとめて〜と言う事で。
よ〜し、今度こそ風呂に入るぞ〜w
354名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:31:50 ID:P9oj25lF
GJ!!でした。とりあえず罠最高。こんなに噛み合わせがいいとは。
なんていうか2人の愛のロード。愛は無敵ってやつですね。
やはり生き物の持つ一番強い力は愛だな。
フェイトは悪役というより、主人公の成長を促す役みたいなかんじでしょうか。

キャロは人間的にかなり成長しましたが、エリオはどうなるんだろう。
ルールーとか。

これからさき次世代組みが主役張りそうな予感。
355名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:34:22 ID:P9oj25lF
今回フェイトは本当に死線潜ったな。今までにないタイプの敵ってかんじで。
356反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/18(月) 01:34:34 ID:g3m1dgHP
>>346>>351
貴様らぁぁぁ! 何か妙に詩人みたいなこと言いやがって!
これじゃ当たり前な感想書いた俺が馬鹿みたいじゃないか!

…あれ? 何だろう、さっきから声が出しづらい…
そして俺のPCモニターはいつの間に壊れたんだ? ぼやけて見えないぜ…
357名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:34:37 ID:zNr6D8Vk
>>353
メタ視点ってのはおそらく負リードの扱いへの言葉についてだと思う
彼が活躍できないのは・・・ってやつ
358名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:34:45 ID:Y12qgi6J
>>353
>>337は作者名と違うコテでタイトルも書かずに
一見さんお断りな別の人のことじゃね?
359名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:35:18 ID:w0pekgUZ
>>353
>彼の出番が明らかに少ないのは、特殊戦闘に向いていないからだと言う事にしてくれ。
これ
登場人物の視点でもなくて神様視点でもなくて
作者の視点、作品に対する現実からの視点という意味で「メタな」と言ってみた
360名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:37:57 ID:dQ2SjoGc
>>355
ビートダウンを狙う連中がほとんどだからな
特殊勝利と罠戦術メインなやつは少ないのだろう
それにしても地縛霊の誘いなんて珍しいものを
上位互換のカードが存在するけど、原作イメージ的なものだろう


メタは遊戯王だと対策という意味合いだな
相性によってはどうしようもなく封殺されるのが遊戯王クオリティ
361キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/18(月) 01:39:52 ID:SR0avg2j
>358
つまりオレは悪くないと言う事で良いのかな? 
その方が精神的に楽なのだが(汗

>359
アァ〜そこですか……たぶんそのときのオレは疲れていたんだ(汗
スイマセンした、以後気をつけるです。

そして風呂沸かしてなかったという罠で復帰した私w
362名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:41:35 ID:Y5rWq7aE
>>361
まぁあれだ、深く考えないでやりたいようにやるといい。
キャバクラの人の作品なんだからなっ。

…あれ、なんだか声が震えてるなぁ。
しかも視界も…なんていうか、水が入ったみたいにぼやけたぞ
363反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/18(月) 01:44:32 ID:g3m1dgHP
>>362
>風呂
…どどんまい。



うん、いい加減ロワスレ行ってくる
364名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:46:21 ID:UK4E7KCm
フェイトがキャロを付けねらいそうなんだが・・・ストーカーみたいに
ヴォルテールの変わりにカオスエンペラードラゴンでも召還してほすぃ

禁止?なにそれ美味しいの?
365名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:51:40 ID:P9oj25lF
>>364
>フェイトがストーカー
それは毎回負けるお約束のパーターンなんだけどw
366名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:52:48 ID:P9oj25lF
しまった。パーターン →パターン
367名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 02:01:56 ID:m7AubriW
>>365
バクラ「バインド!? ……何だこれは!」
フェイト「なんだかんだと聞かれたら!」
なのは「答えてあげるが世の情け!」





ごめんなさい。
368名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 02:02:37 ID:hdCae6+A
なのはさんの弾幕パヤーンよりマシかな
369名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 02:17:36 ID:IHQxO6JZ
>>367
なのは「次元の破壊を防ぐため」
フェイト「次元の平和を守るため」
なのは「愛と真実をむりやり貫く」


すいません
370名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 02:21:42 ID:HhGfj6Ko
GJ!!です。
罠カード怖いwそして盗賊王はキャロと相思相愛w
万能地雷クレイモアが無くてよかったw
371名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 02:34:33 ID:eHr1Jep2
二人の恋路を邪魔するフェイトは瓦礫に埋もれてしまえww
それはともかくGJ。
一話読んだ時は「キャロを顔芸verでしか思い浮かばなくなったじゃねえか、覚悟しろよこのキャバクラ野朗ww」とか思ってたけどマジゴメン今では反省してる。
372名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 02:34:36 ID:hHS+dQ2o
ゾーマを出してくれたってことは
もしやアンデッドロックコンボも出してくれるのか!?

興奮しすぎて寝れなくなりますたw
373名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 02:35:11 ID:OGZZO8EP
>>335
GJ!TCGはコンボが最高ですなw

・・・・どーでもいいが、ぴゅーんと吹っ飛ばされたフリードに萌えたのは俺だけか?w
374名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 02:38:56 ID:m7AubriW
>>369
無理矢理ワロタw


フェイト「全力全開な壊し役!」
375Strikers May Cry:2008/02/18(月) 02:46:35 ID:xMy1oD9A
眠い、けどまだ負けない!! という訳で投下するぜ。

リリカル・グレイヴの第七話。
376名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 02:48:08 ID:dQ2SjoGc
睡魔支援
377Strikers May Cry:2008/02/18(月) 02:48:42 ID:xMy1oD9A
今回もまだ地上本部襲撃の話が終わらなかった、地上本部の話はもう少しだけ続くっす。

そして今回からイカシタ二人組み登場っす。
378リリカル・グレイヴ:2008/02/18(月) 02:49:38 ID:xMy1oD9A
魔道戦屍 リリカル・グレイヴ Brother Of Numbers 第七話「地上本部襲撃(後編の1)」


時空管理局地上本部内部を少女は一人駆ける、愛する姉を救う為に。
少女スバル・ナカジマは脚部のローラーブーツ型デバイス、マッハキャリバーを全速力で走らせて姉ギンガ・ナカジマの下へと向かう。
ギンガは一人で戦闘機人と戦っているのだ、早く自分が助けにいかねば、という強い思いがスバルの足を速めた。
そしてスバルはギンガの下にたどり着いた。

「え……ギン…姉?…」

その凄惨なる血の海へと。

そこには左手を引き千切られ、全身を鋼鉄製のスパイクに貫通されたギンガが壁に串刺され、磔となっていた。





「これは一体…」

なのははそう言いながら塵となって消えた謎の敵の襲撃に思わず小さな声を漏らす。
いくらグレイヴ用に物理破壊設定にされていた誘導弾の攻撃とはいえど、死なないように撃ち込む箇所も威力も選んだのだ。
だというのに敵は結晶となって砕けて消えた。
先の敵は確実に人ではないという事実がなのはの背に冷たい汗を流させる。

そして今までなのはと敵対し戦っていたグレイヴは唐突に手の二丁銃ケルベロスのマガジンを外して懐から出した新しいマガジンを装填する。
これから相手にする異形の怪物共に非殺傷設定の魔力ダメージ弾頭では効果は無い、故に通常の金属製弾頭へと換装したのだ。
本来ならデス・ホーラーの武装も通常の火器に交換するべきなのだが、今はそんな暇も設備も無い。
そして予想外の事態が起きた以上は作戦よりもファミリーの安全こそが優先事項である、もう局の人間と戦う必要は無かった。
故にグレイヴは踵を返してその場を立ち去ろうとする。

そんな彼の様子に気付いたなのはは思わず声をかけた。

「あ、あのっ! グレイヴさん…」

次の瞬間にはなのはは口を閉ざす、反射的に声をかけてしまったが今まで敵対していた相手に何を言えば良いのかなんて考えていなかったのだから無理もない。
むしろ戦闘を再開してこの男を無力化しなければならない状況なのだ。

なのはの言葉にグレイヴは少しだけ顔を振り向かせる、そして口を開き静かな言葉を漏らした。

「こいつらはオーグマン……非殺傷設定は通用しない…注意しろ」
「えっ? オーグマン? この敵を知ってるんですかグレイヴさん?」

グレイヴはなのはの質問に答える事なく、次の瞬間には手の二丁銃ケルベロスの銃口から無数の鉛弾を吐き出した。



「ぐるうああああっ!!!」

グレイヴがケルベロスを乱射した後にはオーグマンの放ったおぞましい断末魔の声が響き渡る。
なのはが振り返りグレイヴに向けていた視線を周囲に回せば、そこにはいつの間にか現われた無数のオーグマンが二人を囲んでいた。

オーグマンの群れはその腕を鎌やランチャーに変形させて攻撃の準備をし、グレイヴとなのはに攻撃の照準を合わせる。
だがその攻撃がグレイヴとなのはを襲う事はなかった。

「アクセルシューター!!」

敵を視認した次の瞬間に、なのはの誘導弾アクセルシューターが唸りを上げて飛び交いオーグマンを次々と破壊していく。
379リリカル・グレイヴ:2008/02/18(月) 02:50:36 ID:xMy1oD9A
それはオーグマンに反撃の隙を与えない程に素早い正確無比な誘導弾の雨。
グレイヴのケルベロスも火を吹き、二人の火力を合わせた猛攻は瞬く間にオーグマンの群れを掃討し尽くす。
破壊されたオーグマンの身体が甲高い音を立ててガラスのように砕け散って、後には塵だけが残された。



「グレイヴさん、オーグマンって一体…」

敵を倒し尽くしたなのはは振り返ってグレイヴに視線を戻す、だがそこにはもう死人兵士の姿は影も形もなかった。

死人兵士は地上本部内部へと向かう、そこが魔窟となっているとも知らず。
ただ妹たちを、ファミリー(家族)を救うために。





地上本部内の通信管制室、そこに佇むのはレジアス・ゲイズと彼の秘書であるオーリス。
クーデターの司令室と化したその場所でレジアスは各々の戦況を確認する。

「オーリス、地上本部内部施設以外に出現した機人の現在位置は特定できたか?」
「はい、狙撃タイプと幻術及びクラッキングを行っている機人が都市部区画に2体。空中で局員と戦闘しているのが2体。そして機動六課隊舎に襲撃を行っている2体、これには例の召還師も加わっています」

オーリスは説明をしながら幾つものモニターを展開して現状戦力を示す。
レジアスはこの状況を確認し、既に捕獲済みの“戦闘機人”から引き出した情報から最良の戦術を導き出す。

「なるほど、召還師の存在を考えれば“聖王の器”とやらは機動六課にあるようだな……ではチャペルを機動六課に向かわせろ。最優先事項は“聖王の器”の確保、出来れば戦闘機人と召還師も捕獲するように伝えておけ」
「了解しました。ところで一つ質問してもよろしいですか?」
「なんだ?」
「チャペルやE・Gマイン、あのGUNG−HO−GUNSと名乗る者達は一体何者なんですか?」
「ああ、あいつらか……奴らはワシが最高評議会の命で管理外世界へ極秘の任務に行った際に出会った殺人集団の残党よ、雇い主はもういないらしいのでワシの私兵に雇いたてたのだ」
「そうだったのですか」
「E・G・マインはともかく、チャペルは有能だ。確実に任務を遂行するだろう」

レジアスは不気味な笑みを浮かべてチャペルの名を持つ超異常殺人集団の精鋭を思い出す。
あの無慈悲で冷酷な怪物の事を。





「ギン姉えええ!!」

スバルが叫びながら磔となったギンガに駆け寄る、だがそんなスバルの眼前に闇から飛来したスパイク攻撃が突き刺さり彼女の道が遮られた。
攻撃の主は下卑た嘲笑を上げながらゆっくりと闇から現われる。

「げひゃひゃひゃ! 早速獲物が掛かったぜ〜」

闇から現われたのは無数のスパイクを付けた球状の外殻に身を包んだ異形の男、GUNG−HO−GUNSが一人マイン・ザ・E・G・マイン。
その武器の形状とギンガの惨状に、スバルの思考はこの男がギンガを傷つけたと悟る。
一瞬で怒りの沸点が最高潮に達し、スバルの身体から魔力が溢れて瞳が金色に輝く。

「あんたが…ギン姉を……許さない!!!」

スバルはウイングロードを展開して自身の固有技能“振動破砕”により超振動を宿した拳を振りかぶってE・G・マインへと最高速度で直進する。
スバルの拳の孕んだ破壊力は凄まじく、喰らえばタダでは済まないだろう。
380リリカル・グレイヴ:2008/02/18(月) 02:51:18 ID:xMy1oD9A
だが彼女の攻撃がE・G・マインに届くことはない。

「バカめ、死にな!!」

スバルがマッハキャリバーを駆け出してほんの数瞬、E・G・マインの放ったスパイクがスバルに襲い掛かる。
感情の昂ぶりによって愚直なまでに単純な軌道で走ったスバルには回避する術は無く。
高濃度のAMF下ではスバルの強固な防御障壁も紙屑の如く脆く成り下がり、貫通を許して鮮血を散らす。

「きゃあああっ!!」

決定的な致命傷こそ無かったものの、スバルの身体は射出された無数のスパイクに裂かれ抉られて一瞬で満身創痍の様を呈する。
スバルは血の吹き出す傷口を押さえて転がり、溢れる生命の朱で床を染めた。

「くうっ…うあああぁ……」
「げひゃひゃひゃ!! 真正面から突っ込む奴がいるかよ! このバ〜カ」

E・G・マインは床に転がるスバルの痛々しい姿を見て心の底から楽しそうな侮蔑の笑い声を上げる。
弱った相手を蔑み見下す、正に外道である。

だが次の瞬間、E・G・マインの頬をオレンジ色の魔力弾が掠めた。

「動かないで!」

声を上げて現われたのはスバルの相棒ティアナ・ランスター。ティアナは愛銃に最高出力の射撃魔法をチャージし、無数の誘導弾を自身の周囲に展開してE・G・マインに狙いをつけている。
だがE・G・マインは余裕の態度を崩さず不遜にマスク越しに口を開いた。

「けっ、また糞ったれが来やがったかよ」
「今すぐ武装を解除しなさい!」
「吼えるなよガキが。ちなみにお前…すでにもう俺の“間合い”の中だぜ、チラッと指先をヒネりゃキレイなミンチができあがる」

E・G・マインの戦法、それは360度に渡って死角の無いスパイクの射出と球状外殻の防御力である。
間合いに入れば即座に串刺されてあの世逝きとなるのだ、故に余裕でティアナを見下す。
だが彼は気付いていない、ティアナはこの余裕にこそ食いついていると。

「それはさすがに分が悪いわね、それじゃあ頼んだら見逃してくれる?」
「けけけっ! 物分りの良い嬢ちゃんだね〜、それじゃあストリップでもすりゃお前の命だけは助けてやるぜ?」
「あら、面白い趣味してるのね」
「げひゃひゃひゃ!!」

この無意味に思える会話の最中にもティアナは策を完遂している。
E・G・マインは自分の優位を疑わず下卑た笑みを見せ、自身に訪れる運命をまったく理解できていない。
そして次の瞬間、E・G・マインの後頭部に硬い感触が触れた。

「なら一人で脱いでなさい」

その言葉と共にE・G・マインの頭部を魔力弾が貫く、E・G・マインの身体は衝撃に吹き飛ばされて無様に転がっていった。
ティアナは先の会話の最中に幻術でダミーを作り出し、自身も幻術魔法オプティックハイドで姿を消して敵の目の届かぬ背後を取っていたのだ。
いかにAMF下での厳しい状況といえど簡単に崩れるほどにティアナの幻術の精度は低くない。
なによりも勝因は敵の油断、E・G・マインは少しばかりティアナを舐めすぎた。


「スバル! 大丈夫!?」
「うん……私は平気だよ…それよりギン姉を…」
「そうね」

スバルとティアナは壁に串刺しとなっているギンガの下へと駆け寄る。
慎重にギンガの身体に刺さったスパイクを抜き去り、止血処置をするが既にかなりの量の血を流しているギンガはかなり危険な状態だった。
381リリカル・グレイヴ:2008/02/18(月) 02:52:13 ID:xMy1oD9A
なにより千切られた左腕があまりにも痛々しく、スバルを半狂乱にさせる。

「ギン姉! 大丈夫!? ギン姉ええ!!」
「スバル、落ち着きなさい! 安静にしないと危ないわ……ともかく早く救護班を呼ばないと」

ティアナは通信回線を繋ごうとするが敵によるジャミングのせいか上手くいかない、もはやギンガを早急に救うには自分達の手で直接運ぶしかない。

そんな思考がよぎる刹那、彼女達の周囲に壁をぶち抜いて無数の青白きモノ共が現われた。
それはオーグマン、人の理を超えた悪夢の超人である。

「キシャアアアア!!!」

オーグマンは人外の声質の雄叫びを上げながらその手を変形させる。指先が変形するとそれはまるで大砲のように太い砲門へと変わった。

「なにこいつら!?」

ティアナは即座に魔力弾を撃ち出して応戦するがそれはまったく無意味だった。
彼女の放つ非殺傷設定弾は一切の効果がなく、ダメージを与えられない。

「くっ! こいつら非殺傷設定が効かない、クロスミラージュ! 設定を…」

デバイスに設定変更を伝えようとするティアナだがそれは叶わなかった。
彼女が言葉を言い切る前にオーグマンが指先の砲門から放ったランチャーがティアナ達へと迫る。
ティアナとスバルは反射的に防御障壁を展開するが、敵の攻撃はその最低限の防御を容易く貫いてティアナ達を吹き飛ばした。

「きゃあああ!!」

爆音と共に悲鳴を上げて転がる3人の少女の身体。
なんとか命を落とす事態は避けれたが、少女達は無力に地に落ちる。
そして一切の容赦も憐憫も無く、オーグマンの群れはティアナ達にトドメを誘うと迫ってくる。

「くっ……こんな所で終わるなんて…」

ティアナが悔しそうに自身のデバイスを手に取ろうと足掻くが、身体に走る痛みと衝撃の反動に上手く動かない。

「ギン…姉ぇ…」

スバルは倒れながらも傷つき、意識を闇に落とした姉に手を伸ばすが彼女の手は虚しく空を切りそれすらも叶わない。

もはやスバルとティアナの二人に抵抗する術は無く、このまま敵の手にかかり冥府へと堕ちるまで時間はそう必要ないだろう。
だが運命の神はひどくこの二人が気に入っているようだ。

なにせ最強の助っ人を呼び寄せたのだから。


「ったく……やたらシード臭えと思ったら、やっぱりここにもいやがったぜ糞オーグマン共がよぉ。これなら養豚場の方が万倍マシだぜRB」
「相変わらず口が悪いぜジュージ? レディの前なんだ、謹みな」

まるで緊張感の欠片も無い会話、現われたのは二人の男。
一人はツギハギだらけの古びたコートを着て右の肩から炎が上がり、これもまたツギハギの入った顔は不満そうに歪み、白髪となった毛髪を揺らしている。
そして盲目なのか眼帯をして両の眼を塞いでいる。だがその足取りには微塵の淀みも無く力強い。

そしてもう一人は真っ赤なレザー製の服を上下に着込み、不敵で愉快そうな笑みを口元に宿した金髪の男。
何故か傍にはエレキギターが浮かび、彼の足は少しばかり透けて見えていた。


「キシャアアア!!!」

オーグマンはその二人に殺到すると、ある者は手のランチャーを発射し、またある者は鎌へと変形させた腕で首を掻っ切らんと迫る。
382リリカル・グレイヴ:2008/02/18(月) 02:53:21 ID:xMy1oD9A
だが二人の男はまるで気にした風も無く無造作に各々の得物を振りかざし、流れるような反撃へと移った。


「逝きさらせ!!!」

ツギハギのコートを着た男は服の下から取り出した赤き刃を閃かせる。
それは拳銃と刀を組み合わせた奇妙な得物“ガンブレード”と呼ばれるものだった。
男は両手に持ったガンブレードに炎を宿し、これを凄まじい速さで振り抜いて周囲のオーグマンの身体を微塵に刻んで輪切りに変えていく。

「ノッテルなあ、ジュージ。それじゃあ俺もイクゼ!!!」

もう一人の赤い服の男は嬉しそうに叫ぶと、手にしたエレキギターをかき鳴らしてギターの音色と共に電撃を周囲に放つ。
その雷撃の嵐を受けて、ガンブレードの届かぬ距離にいたオーグマンの群れが焼かれ滅びていった。

それは一瞬の出来事。
後には奇妙ないでたちの二人の男とオーグマンの身体が砕けて出来た青白い結晶の塵だけが残る。
あまりの早業に見る者は誰しも息を飲むしかないだろう、それ程に二人の攻撃の手は速くそして美しかった。

唖然とするティアナ達の前に二人の男がゆっくりと歩み寄ってくる。
普通なら怯えるところなのだがティアナとスバルは怯えるどころかひどく安心した。
何故なら彼らの纏う空気が戦っている時とはまるで別人のように穏やかになっていたのだから。

「可愛いレディ達、大丈夫かい?」
「えっと……私達は大丈夫です…それよりギンガさん…あの人を…」

ティアナは傷ついた身体をなんとか起こして倒れたギンガを指差す。
そこにはギンガの身体から流れた血潮が床を染めて鮮血を彩り、確実な死を予感させていた。

ツギハギのコートを着た男は無造作にギンガに近づくと即座に止血処置をし直す。
その手際は随分と手馴れており、医者というより喧嘩の傷を手当する不良を思わせて男が荒事の中に生きていた事を感じさせた。
その処置をスバルが眺め、ギンガの身を案じて今にも泣きそうな表情を見せている。

「大丈夫だ、出血は多いが臓器には大していってねえ」
「本当ですか!? ギン姉大丈夫なんですか!?」
「ああ。ところで、こいつお前の姉ちゃんか?」
「えっと……はい」
「そうか。おいRB! こいつら運ぶぞ、てめえも手伝え」
383リリカル・グレイヴ:2008/02/18(月) 02:53:47 ID:xMy1oD9A
「おいおいジュージ、俺は身体が無いから持てないんだぜ?」
「そのオンボロギターにでも乗せやがれ」
「はいはい、まったく人使いが荒いんだから…」
「人じゃなくて“幽霊”だろうが」

二人の男の奇妙な会話をしばし唖然と見ていたティアナだが、やっと意識を正常に覚醒させてなんとか質問を考えついた。

「あの……あなた達はいったい誰なんですか?」

ティアナの質問に赤い服の男はひどくおどけた感じで答えた。

「ん? 俺達? 俺はロケットビリー・レッドキャデラック、ビリーって呼んでくれ。ちなみにこれでも幽霊なんだぜ?」
「はい!?」
「そしてこいつは屍十二、訳あって死人やってる」
「いいからさっさと行くぞRB、早くしねえとこいつの身内が死んじまう」

屍十二と呼ばれたツギハギコートの盲目の男はギンガを抱き抱えるとビリーと呼ばれた男に声をかける。
ビリーは“はいはい”と答え、自身のギターを宙に浮かせてスバルにその上に乗るように促して乗せると、ティアナにもひどく陽気な口調で声をかける。

「君も乗りな、乗り心地はあまり保障しないが安全な所までお送りするぜ?」


こうしてかつてビヨンド・ザ・グレイヴと共に戦った最強の死者は若きストライカー達と出合った。

続く。
384Strikers May Cry:2008/02/18(月) 02:57:03 ID:xMy1oD9A
キャラ紹介。

「屍十二(かばね じゅうじ)」
この名前を有り得ない読み方とか思うのは俺だけじゃないだろう。
かつてビヨンド・ザ・グレイヴと共に戦った盲目の死人兵士、ツギハギだらけのボロコートを着ており右肩からは鬼のように見える炎が燃えている。
そして顔とか身体もツギハギだらけ、どことなくフランケン臭がする。
口が悪い、よく“クソ”とか使う。
そして忍者、朽葉(くたば)流忍術の使い手で身体に宿った炎とかを使った大技や素早い動きが売り。

得物は拳銃と刀の合体したガンブレード、これの外観については説明しづらいんだけどグリップの延長線上に刃がついてる感じです。
右手のガンブレードの名前は旋風(つむじ)、スライド上部に刃が付いている。
左手のガンブレードの名前は疾風(はやて)、グリップエンドから刃が付いている。


「ロケットビリー・レッドキャデラック」
これまた有り得ない名前だろ、なんだレッドキャデラックって? まあビリーかRBでお願いします。
エレキギターを持って真っ赤な服を着たいかした金髪男、十二が硬派なチンピラならこいつはナンパなアメリカン。
幽霊というガングレイヴ史上一番とんでもない設定の男、身体は足が少し透けてる攻撃も透き通る、本体はエレキギターでこいつへの攻撃でないとダメージは無い。

得物は本体のエレキギター、これからスゲエ電撃だして敵倒す。
名前はBL20000V(ブルーライトニングトゥエンティサウザンドボルト)名前長っ!!
っていうかどいう構造になっているのか不明、何故か電撃が出たり超変形するオシャレウェポン。
ビリーはこれを演奏しながら電撃撒き散らして“ヘイバディー!!”とか“オーイエー!!”とか叫んで大はしゃぎ大暴れです。

385Strikers May Cry:2008/02/18(月) 02:57:29 ID:xMy1oD9A

投下終了です。

眠くて死にそうな状態で書いたから、マジで凄い展開になってる……今回から屍とビリー登場。
これからGUNG−HOも出てくるしリリなのキャラの出番が心配になってきた。
少なくとも今までのSSよりはなのはに出番を上げたい。

ケルベロスのマガジン交換はアニメ版参照。
386名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 04:21:24 ID:s6orUIHy
あ、ありのままのことを話すぜ、
「受けた電波をそのまま文章化したら、中二病全開な下手な文ができちまった」
文才がないとか期末テスト中とかそんなちゃちなもんじゃねぇ
もっと恥ずかしくなるようなものの片鱗を味わったぜ…

というわけで、スパロボWクロス投下していいですか?
387SRW外伝魔法少女リリカルミヒロ:2008/02/18(月) 04:41:18 ID:s6orUIHy
反応がないようなので、注意書き後投下

・スパロボW2週目55話からの分岐です。
・なのでスパロボWのネタバレ注意
・時間軸はJS事件後。で、六課運営期間延長済
・種組はもとの世界に放置(種入るとスレチ扱いされそうですし)
・一応メインはミヒロだけど、プロローグでは出てきません。
・中二病臭がぷんぷんします。
・ロボゲ板の某スレを知ったのが落ちた後なので見てませんので、似てたとしても関知しません。
というわけで、NGキーワードは「SRW外伝魔法少女リリカルミヒロ」でお願いします。
388SRW外伝魔法少女リリカルミヒロ:2008/02/18(月) 04:42:02 ID:s6orUIHy
ザ・データベース……
 宇宙の死と新生を彷徨い知識と言う名の思ひ出を記憶する存在。
それは、時を経て変質し記憶した対象を破壊する存在になった。
そしてその変質の果てにひとつの終止符が打たれる。

感情が生まれ評論者の手ごまにされた推論者になった記録者は、
己が傀儡で動かされたことに気づき密かに妥当する力を作る。
それすら見通されているのにも気づかずに……

そして、知の記録の過程で起こった争いは冥王星で終結する。

「これが俺の、魂の一撃だぁぁぁぁ!」
ヴァルザカードのエクサノバシュート・オーバーが炸裂し
評論者の駆るサピエンティアは倒れた。

だが、悪は簡単には滅びない。サピエンティアを自爆させ次元の渦にすべてを飲み込もうとしたのだ。
ヴァルザカードは"知の記録者"のマスターシステムであるスキエンティアの心臓を抜き取り脱出しようとするが、次元渦の強大な引力よって大質量をもつヴァルザカードは引きずられていこうとする。

と言っても仲間を見捨てるはずがない。灯台守達は己が機体・肉体で繋ぎ止めようとする。
灯台守『ノイ・ヴェルター』の絆は強固であり、例え強度的に弱い部分があってもラムダドライバの意思の力で補強され、"最強の鎖"となってヴァルザカードを繋ぎとめた。

しかし……次元渦はその絆ごと飲み込もうとしたのだ。

ヴァルザカードと灯台守達は次元渦に飲み込まれる
そして次元渦が消えたあとの宇宙には所謂"アークエンジェル組"(つまりラクシズ)だけであった…
389名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 04:42:34 ID:s6orUIHy
55話外伝「魔法世界との接触」

〜次元の海〜

そこには、ナデシコとヴォルストークがディストーションフィールドで身を守りながら漂っていた。
外に出てたパイロット達は既に収容されたが、この次元嵐によって航行システムおよび推進器が壊れ、ナデシコのホゾンジャンプもサピエンティアの爆発による次元嵐によってホゾンジャンプ関連のシステムが破壊されたため使用することができないでいた。

そのとき、ナデシコ・ヴァルザカードのカメラに白い船影が現れた。
「おや、どうやらあの戦艦から通信のようですね。」
と、影の薄そうな男ホリスが艦長に話し掛けた。
「つないでくださいな。」
ヴォルストーク(ヴァルザカードは既に合体を解除している。)の艦長シホミ・アーディガンはそう指示する

ちなみに、ヴァルアルム・アルムストラは始原文明エスの超技術で質量保存則を無視して小さくなってヴォルストークに着艦してます。(つまり、ス○ー○ラ○トで小さくなったと思ってください)

「こちら、時空管理局本局古代遺失物管理部機動六課所属L級改装艦船アースラ改艦長の八神はやてです。事件捜査中に次元振を観測し、急行したところ貴艦らを発見しました。こちらの指示にそって行動してくれれば貴方方を助けることができます。」

〜ヴォルストークブリッジ〜
「彼らの保護を受けるべきでしょうか」
と一緒にいるナデシコCの艦長のホシノ・ルリに相談する。
「とりあえず、この状況を打開すべきかと。ホゾンジャンプが使用できない現状ではもとの世界にもどる方法がありませんし。」
通信画面からはそのような現実的な答えが返ってくる。
そしてこんどはアースラへ通信を繋いだ。
「こちらは新・国際連合事務局直属部隊ノイ・ヴェルター所属ヴァルストーク艦長 シホミ・アーディガンです。貴艦の申し出に応じようと思います。」
その一言によりナデシコとヴォルストークはアースラの発するトラクタービームに引かれて、次元嵐のある一帯から抜け出していった。
「ねーちゃんたら親父と同じようなこと言っていやがる。俺にはグッサリやってきたってのによぉ」
「しかたないよ、こういうのは相手にあわせたほうがいいってお父さんも言ってたじゃない」
とぼやくのは着艦済みのヴォルホークに待機中のミヒロ・アーディガンとカズマ・アーディガン兄妹である。
390SRW外伝魔法少女リリカルミヒロ:2008/02/18(月) 04:43:49 ID:s6orUIHy
「では、一時的に私達の保護下に入ってもらいます。それと、貴艦の様子を見る限り戦闘があったようですがこの時点を持って一切の戦闘行為をしないでください。あと……」
とはやては一度くぎってから
「私達の世界では質量兵器規制というものがあり、わたしたちの保護下に入るにあたって艦載機の封印処理を後ほど行いたいのですが、よろしいでしょうか?」

「わかりました。」
と短く声を発し通信は終了した。

それが、アーディガンファミリーの……いやミヒロ・アーディガンと魔法との出会いだった。

スーパーロボット大戦W外伝〜魔法少女リリカルミヒロ〜
たぶん、始まります。
391SRW外伝魔法少女リリカルミヒロ:2008/02/18(月) 04:45:47 ID:s6orUIHy
とりあえず以上です…って名前入れ忘れとかorz
中二病全開な文でしょうが、見てもらえたら幸いです。
392魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/18(月) 06:55:47 ID:IFHgxRB0
早起きは三文の得というが、まさにその通りだ。良作ラッシュに失禁せざる得ない…
でも早寝して支援できなかったので切腹。
せめて「毎回妙に感想が長くてウザイ」と言われるかもしれないが、感想を書くぜ!w

>Fate may cry
ここでもキャロ不幸体質かよ!? フェイトと敵対したり、両親と死に別れたり、本当にこのスレのキャロは地獄だぜー。
…いや、ご褒美ですけどね、私はw
悲劇的な過去と悪魔という影を背負いながらも、このキャロは強い子に育ちつつあるようですね。健気さが可愛いよw
っていうか、またしても先を越された感じ。フェイトに続いてキャロとダンテの絡みまで…
だから「斜めに構えた男と無垢な少女」の組み合わせは好物だって!w
訪れた世界で、この二人がどう騒動に巻き込まれて再開するのか?
キャロの持つ魔具の能力は?
何、あの婆ちゃん感じ悪っ!
純粋にフェイトとの会話を楽しんでいた前回に変わり、物語が発展し始めましたね。次回が気になります。

>キャロとバクラ
ついに来ましたね!
え、いやフェイトとの勝負は別にいいけど、バクラのデレがね(ぉ
真っ当なやり方ではなく、あくまで盗賊らしいキャロへの愛情の表し方がバクラらしく、また悪党っぽくてカッコいいなぁと思いました。
もちろん、フェイトの言うとおり正しいやり方じゃないんでしょうけどね。
正義に目覚めて、正しい方向へキャロを支えていくのが一番いいんだろうけど…好きだなぁ、こういう悪くていい奴w
地力の違うフェイトに嵌めで勝つ戦法もリリなのでは珍しくて感動しましたよ。遊戯王見直すか…。
山場を越え、安息の場所を失いながらも変わらず二人のままのキャロとバクラがこれからどこへ向かうのか、素晴らしく気になります。
っていうか、最後のキャロの台詞……言われて感動しない男いねえだろjk…

>リリカルグレイヴ
ついに助っ人が来たぁ!
敵ばっかり増えるから不安になってたけど、そうだよガングレには助っ人もいたよw
ビリーは実はゲームで一番使いやすかった奴ですね。特にバカみたいな必殺技が大好きでした。
シリアスになる本編の中、奴の軽いノリは貴重ですね。美人には優しいしな、なのはサイドには無条件に味方だろw
んで文治。こいつ超ヤクタネ。分かりやすいチンピラ体質だから、真面目な人間の多い管理局で一暴れしそうw
ティアナに瞬殺されるマイン(べジータ声)とか、まだまだ自信満々なレジアス・ザ・メタボリックなど、盛り上がりには欠けませんね。
ナンバーズ救出に向かったグレイヴが次に何を遭遇するのか、気になります。

っていうか、全体的に昨日は続きが早く見たい良作の嵐。寝なきゃよかった…orz
393名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 06:58:29 ID:4RoPNEix
>>391
とりあえず、乙

ただ、ホゾンじゃなくてボゾンなw
394魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/18(月) 07:14:54 ID:IFHgxRB0
>>392
ごめん、一つとんでもない勘違いをしてた。
文治じゃなくて十二だよ、狗畜生じゃねえよ…orz
395魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/18(月) 07:17:30 ID:IFHgxRB0
>>393
いや、ボソンじゃね?w
396名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 07:18:55 ID:w0pekgUZ
>>393
ボゾンでもねぇよボソンだよww
397名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 07:21:04 ID:JaHOZNEj
>>393
ボソンじゃなかった?
398名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 07:51:17 ID:xzPadJEl
>>395-397
集団リンチは駄目
399旅ゆく人@携帯:2008/02/18(月) 07:56:58 ID:8bvXqADq
>>392
早寝早起きしたからこそ、その作品の良さが解ったのでは、
と言ってみる。
頭がスッキリしてないと、
その作品の良さが見えて来ませんからな。


斯く言う私は、仮眠程度で夕べは寝てませんが。


……夜勤だしw
400スーパーロボット大戦X:2008/02/18(月) 07:59:00 ID:G1R9DXK1
さてと職人の皆様GJ!!
仕事行く前の8時15分ごろにこちらも投下したいと思います。
401名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 08:08:36 ID:9dAjgZ8W
>>385
GJ!先の展開が色々気になる!
ところでGUNG-HO-GUNSは何人でてくるのですか?
402スーパーロボット大戦X:2008/02/18(月) 08:15:55 ID:G1R9DXK1
よし、時間だしStrikerS Endless Waltzの第3話投下します。

 第3話 ゼロ対機人


 ディエチはイノーメスカノンを使い自身のISヘビィバレルでチャージをし、ヘリを撃ち落とすのが任務であったがそれは叶わなかった。
 ヘリを撃ち損じたのだが砲撃を防がれたわけではない。砲撃をする前に何者かがこちらに砲撃をしたのだ。
 クアットロとディエチは突然の砲撃に対処が出来ず、直撃でそれをくらう。
 その砲撃によりビルは崩れて二人は下に落ちる。クアットロは気絶をしていていディエチも意識を失いかける。
 ディエチが気を失う前に空を見上げて砲撃したものを探す。探してみるとそこには二丁のバスターライフルを重ねて砲撃体勢を取っているウイングガンダムゼロの姿がある。
 そうさっきの砲撃はウイングガンダムゼロがツインバスターライフルを使い砲撃したものだったのだ。
 ウイングガンダムゼロはローリングバスターライフルで数分も経たないうちにガジェットの大群を全滅させてすでにこちらに来ていたのだ。

「あの、ロボットか……」

 ディエチは確認すると気を失う。

「間にあったようだな……」
「ヒイロさん!」

 なのはとフェイトはヒイロに通信を入れ、ヒイロが何故ビルの方を撃ったのかを聞く。

「ヒイロ、どうしてビルなんか……?」
「ヘリがそこのビルにいた人間に狙われていたからだ」
「え?」

 なのはとフェイトは急いで崩れたビルの方に向かうと女性が二人倒れているのを発見する。
 二人とも意識ははっきりしていて気を失っているだけだと確認し、その女性の一人がバズーカみたいなものを持っているのですぐに調べた結果、先ほどまで殺傷設定の砲撃がチャージされていたことがわかる。

「でもどうしてそれがわかったの?」

 フェイトがヒイロに聞く。

「ゼロが俺に未来を見せたからだ」
「ゼロ?」

 ヒイロが言うゼロはウイングガンダムゼロの事だが、なのは達はヒイロの乗っているロボットの名前を知らないために何の事だがわかっていない。

「まあ、それは後で聞きますね」

 とりあえずなのはとフェイトは殺人未遂と公務執行妨害もあり倒れているクアットロとディエチを逮捕しようとバインドをかける。
 ヒイロはその様子を見てあることを考える。それは先ほどのツインバスターライフルをまともに受けても生きている事である。
 ツインバスターライフルは出力調整が出来、最大出力でコロニーさえも破壊できるほどの威力を持っている。
 さっきのバスターは出力をだいぶ下げて撃ったものだが、それでも生きている事にヒイロは内心驚く。

(この二人、何かあるな……)
403スーパーロボット大戦X:2008/02/18(月) 08:16:45 ID:G1R9DXK1
 というか生身の人間にツインバスターライフルを直撃させる事事態おかしいのだがヒイロは直感的に大丈夫と判断して撃ったのだが……。
 ヒイロがそう考えているとウイングゼロが何かまたあるものを見せ始め、ヒイロはウイングゼロをある方向に向けて砲撃をする。

「ヒイロさん!?」
「敵だ」
「え?」

 ヒイロの言うとおりである。その敵とはナンバーズVのトーレでクアットロとディエチの姉である。
 トーレは本当は監視のためだけの予定だったがクアットロとディエチが捕まったのを見て早急に助けようと来たのだがそれをヒイロに見抜かれたのだ。

「何故私の位置と行動がわかったんだ?」

 トーレはウイングゼロが突然自分の方を向き砲撃した事に驚きを隠せなかったが、今は二人を助ける事を先決だと考え急いで駆けつけようとするがウイングゼロがそれを阻む。

「なのは、フェイト。お前達は早くその二人を連れて離脱しろ」
「ヒイロさんは?」
「俺はこの女をくい止める」
「だったら私も……」

 フェイトが一緒に残ると言うがヒイロはそれを拒否する。

「ゼロだけで十分だ。それにお前がいなくなったらそこの女達は運べなくなる。だから行け」
「……、わかりました。行こう、フェイトちゃん」
「うん。ヒイロ頼んだよ」
「任務了解」

 急いでなのはとフェイトはクアットロとディエチを連れてヘリの方に行き離脱しようとする。

「させるか!」

 当然トーレはそれを妨害しようとするが、ウイングゼロがトーレの前に立ち塞がる。

「お前の相手は俺だ」

 ヒイロはそういい終わらない内にウイングゼロのマシンキャノンを展開させてトーレに向かって撃つ。
 トーレはこれを簡単に避ける。

(これくらいの速さならライドインパルスを使わなくても避けれる。だがもたもたしている暇はない!)

 もたもたしていたらクアットロとディエチは敵の手に落ちる。それは阻止しなければと思い全力でウイングゼロを倒す事にする。

「IS、ライドインパルス!」
404スーパーロボット大戦X:2008/02/18(月) 08:17:18 ID:G1R9DXK1
 トーレはライドインパルスを使いウイングゼロの後ろに回り込もうとするが、ウイングゼロはそれを読んでいたかのようにビームサーベルを取り出しトーレに向けて振る。
 トーレは急いでインパルスブレードでそれを防ぐがウイングゼロのパワーの方が上なため後ろに押し出される。

(さっきと同じで私の行動を読んでいる!?)

 トーレはヒイロに自分の行動を読まれていることを感じ、急いでヘリの方に向かおうとするがまたしてもウイングゼロはそれを阻むかのように前に出てサーベルを上から振り下ろす。
 さっきと同じようにトーレはインパルスブレードでそれを防ぐがさっきサーベルを防いだ時の反動で両手の骨に異常が出ており、
 この一撃によりトーレの両手の骨が砕かれ、インパルスブレードを持っていた手は斬られ、トーレの体は縦に斬られ地上に落ちる。
 トーレは何とかとっさに体を後ろに逸らしたために体を完全に斬られることはなかったがウイングゼロに付けられた傷は重傷なものである。
 トーレが倒れているうちになのはとフェイトはクアットロとディエチを連れてヘリにまでたどり着いてしまう。
 その様子をモニターで見ていたナンバーズTのウーノは仲間のルーテシアとナンバーズYのセインに通信を入れルーテシアの転送魔法でトーレは転送される。

「くそおおおおおおおお!!」

 トーレは嘆く。妹二人を助ける事が出来なかった自分に……。
 ヒイロはトーレが転送魔法で姿を消すのを見てこう考える。

「あの女達はかつての俺達のような兵士なのか……?」

 ヒイロはウイングガンダムゼロに乗ったまま機動六課隊舎へと戻るのであった。
405スーパーロボット大戦X:2008/02/18(月) 08:18:57 ID:G1R9DXK1
投下完了。
ウイングゼロならこれくらい出来ると思ってます。
さてとそれでは仕事に行きますぜ。
406キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/18(月) 09:58:20 ID:SR0avg2j
おはようございま〜す、今度こそ感想にお返事を書く。
昨夜も盛大に眠気に敗北したのでw

>旗や愛
オカシイな……ここまで派手にやる気は無かったのだが?
まあ、SS書きの理性がSS書きの本能に敗北した結果だと思われ。
しかしキャロに「貴方と添い遂げる」なんて言われたい、羨ましい(おぃ
喜んでいただいたようでよかったぜ。

>バクラに鼻血
なのはにはあんまり居ないそういうキャラも目指してみた。
本当は「輝くものは星さえも、尊き物は命すら」とか言わせようとしたが自重w

>トラップとか特殊勝利など
ディアバウンドを望む声はよく聞かれたけど
「バクラといえばまずこっち!」と言う事でオカルトコンボを選択。
そして最後は行き生めというトンでもない勝ち方。これぞバクラクオリティ〜

>フェイトそん
違うんだ〜フェイトそんは悪い人じゃないんだ〜良い人過ぎただけなんだ〜
そしてロケット団とか違うから、確かに三人の中では一番小物かもしれんがw

>詩的な表現
ちょっ! おまいら、書いた人を差し置いてなに文学に浸ってやがるw

>今後の展開〜
とりあえず短編を挟みながら、何れは本編へ〜その方法を考え中w
だって本編行かないとエリオとかルールーと絡められないんだもの。
バクラとエリオのソリの会わなさは今考えても神の領域だろうw

>GJと感動した!の嵐
本当にありがとう〜これからも頑張っていくんでよろしく頼むぜ!
407名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 10:47:03 ID:e7xETPS2
「『切り抜ける』…? 『切り抜ける』ってのはちょいとちがいますね… 『ブチ壊し抜ける』…!」
408名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 11:13:54 ID:x310byeL
ああ、宇宙を救うために戦った俺のロボたちが封印処理…
おのれ管理局!
409名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 11:39:31 ID:TrVaROkw
>>408
それは仕方が無いだろう。
管理局および管理世界からしてみれば、禁忌に等しい質量兵器が山ほどあるわけだし。
410名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 11:46:57 ID:gV7uftuq
質量兵器使うなんて野蛮な連中だ!とか思われてんだろうなあ…
411名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 12:03:55 ID:UlnfykqC
魔法(非質量)を使うロボット・・・
つまりデモンベインなら管理局的にはおkってことか
412名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 12:06:20 ID:zNr6D8Vk
非質量じゃなくて物理干渉のないことが重要なんじゃないかな
環境にクリーン+使える人限定で
勇者ロボやテッカマン、レギュレイトがどうなるか楽しみだ
413名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 12:07:57 ID:EsNvsI+d
使うことに対して否定的でも、研究のために所持というか保管くらいはしてそうだよな。
とくに地上。
最近までテロが頻発してたらしいし、そういった武器を使うヤツラがいなかったとは思えない。

これ以上はウロスかね
414名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 12:40:06 ID:E1CVwdgw
>>406
キャロとバクラの人氏GJ!
フェイトさんが良い人で、キャロを本気で心配しているのはちゃんとわかってます。
それとキャロに影響されて良い人になっているバクラが、とても良い感じです。
二人が本編に合流するのを楽しみにしています。
415sage:2008/02/18(月) 12:41:50 ID:qmJ9m0a8
流れを切っちゃうようで申し訳無いんですが、
一つ聞きたい事があります。
例として、種デス、なのは、他作品のクロスSSの投下先って
ここが適切何でしょうかね?
416名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 12:44:11 ID:EsNvsI+d
>>415
とりあえず、名前欄にsageではなく、メ欄にsageって入れないとsageにならないよ
417名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 12:48:15 ID:dlSQ/4Vs
>>406
うん、フェイトさんは悪くない。
ただ、行く道が真っ正面からぶつかっただけだ。
当分、ルパンと銭形のとっつぁんみたいな関係になりそうな悪寒。

合流は…どうなるんだ?
傭兵みたいに(あえて嘱託とは言わない)管理局に雇われるのか?

418名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 12:50:20 ID:EsNvsI+d
>>415
ここは種は駄目だぜ。
種は専用スレがあるからな。
419名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 12:51:58 ID:XNnXaxRC
>>415
ここの避難所かな
420名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 13:13:55 ID:dI8Zp2tX
>>406
幻想水滸伝でビクトールが言ってた、
「ああ、奴は間違っていた。だが正しくたって価値のないものがあるように、
 間違っていても価値のあるものは・・あるんじゃないか?」
っていうことさ。
421名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 13:28:37 ID:HhGfj6Ko
このキャロはアーマードコアのレイヴンスタイルでいくしかないw
好きなときに好きな依頼を受ける、レジアスから三脳からスカ博士からとかw
時々、機動六課から依頼が来るが大抵が罠w三人(新人)を相手に戦闘突入w
422リリカラー劇場:2008/02/18(月) 13:38:23 ID:PIvpD3ed
職人の皆さんGJです。

第2回Fullcolor'S舞台挨拶をやって良いですか?
423名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 14:29:01 ID:0SokkAkq
>>406
キャロとバクラは良い人と悪い人で相性がいいんじゃないかと思います。

>「輝くものは星さえも、尊き物は命すら」
読んでる最中に似てるなってかんじがしました。

>>421
それ新人の敗北フラグ。
424名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 14:36:02 ID:Jm6ooGFz
>>406
こういう風に言ってくれるのは良いなあ。安心した。

>>422
お願いする。
425リリカラー劇場:2008/02/18(月) 15:27:30 ID:PIvpD3ed
すいません、ちょっと仕事が入ったので夜にまたきますorz
426名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 15:30:26 ID:/9pg97Dv
427名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 15:51:18 ID:M8R7gFvf
>>426
>>415(恐らくそうだと思う)は、ここより先にそこで投下していいか聞いてたぞ。
結果種(種死)となのは以外の作品が入っているからと、断られてここに誘導されてた。
428名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 16:06:12 ID:/9pg97Dv
>>427
ああ、なるほど
ん〜だったら避難所ってことになんのかな
429名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 16:16:34 ID:G1ycfr1V
まぁそれが一番無難でしょうな
430名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 16:21:56 ID:sW2uamoh
>>428
それでいいのだろうか。本スレで禁止というか、住み分けがなされている所で
避難所とはいえ、投下をして良いのだろうか。
431名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 16:57:01 ID:u7pMWojL
ようやく前スレから全部読み終わって流れに追いつきました。

それで、今更なのですがリリカルスクリーム氏、
>>37の「そこでギガノス軍では飛行用ユニット「フォルグ」を〜」
という部分ですが、ギガノス軍のMA用フライトユニットの名称は
フォルグではなく「マッフ(MAFF)」ですよ。
432名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 17:44:32 ID:3AvqXZrb
>>431
もしかしてドラグナー系で「〜マッフ」っていうのが多いのはそれ?
433名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 17:45:04 ID:j42CatTR
次題が「キャロとバクラがお尋ね者になったようです」になりそうな気が・・・
434名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 18:52:48 ID:Or/9MAsG
>>431
いや、フォルグユニットでも合ってる。
それとマッフのスペルは「MAFFU」だ。
435フルメタなのは:2008/02/18(月) 19:23:45 ID:hcmHKhhp
どうもです。
突然ですが、九時頃に新作のクロス作品を投下します。クロス元はうしおととらで、一話だから割と短いです。

一応九時頃に投下します。リリカラー氏と被らなきゃいいけど……
436名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 19:36:06 ID:DI8d1RTp
うしとら!
期待してます
437魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/18(月) 20:02:29 ID:IFHgxRB0
うしおととら……同志、同志じゃないか!
個人的に同じ事考えてましたが、二つも続き物書けないから見送ってたんですよね。
それを、まさか他の人が書いてくれるとは…これは、期待せざる得ないw

しかし、9時に投下ですか。
なら、もしよければその後にでも予約したいんですけど。
でもリリカラー氏って何時ごろに予約してるんですかね? 私も被ったら気まずいし…
438名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 20:04:51 ID:w0pekgUZ
>>437
予約していないみたいだし好きな時間でいいんじゃないか?
439魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/18(月) 20:09:42 ID:IFHgxRB0
ならば、フルメタ氏の30分後にでも。
よろしくお願いします。
440名無しんぼ@お腹いっぱい:2008/02/18(月) 20:44:12 ID:b7m0HaUI
おお、リアルタイムでStylishさんの更新が見れるか。ワクテカして待ってます。
441名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 20:53:53 ID:bXgsMr3r
Wクロスツッコミ所多いな
受け止めたビームサーベルを押し切られて腕を切られたって、
真ん中あたりで受け止めてたら普通に体も切れてんだから受け止めたのは先っちょの方だよな、とか、
だったらむしろもうちょい下がってよけるを選択しろよとか、
意識ははっきりしていて気を失ってるだけってどういう状態やねん! とか、
マシンキャノンを簡単によけてるけど、
あれって戦艦の対空火器並の火力はあるだろうから毎秒百発くらいは撃ってると思われるが完全によけるのって不可能じゃね? とか、
そも10m超の兵器と人間との体格差による不自然さが作者にはわかってないんじゃないかと所々の描写で思う
442フルメタなのは:2008/02/18(月) 20:59:55 ID:hcmHKhhp
そろそろ時間かな。それでは投下開始します。
443フルメタなのは:2008/02/18(月) 21:01:32 ID:hcmHKhhp
エリオと金色の獣
其の一「エリオととら、出会う」

その獣は、何も無い空間を漂っていた。
周り一面奇妙な色で、どれだけ奥行きがあるのか、その向こうに何があるのかも分からなかった。

獣は最初からそこにいたわけではない。
数千年の昔から続く己の影との戦いを終えて一度死に、自身が元いた場所から次元を越えてそこにやって来たのだ。

獣には意思があったが、思考する事はせず、ただぼんやりとそこにいるだけだった。

(わしは……そうか、死んだんだっけな……
てーことは、ここはあの世への道か…)
ぼんやりとした意識の中、獣はそれだけを思い、また考える事を辞めた。

だが、少しすると変な事が起こった。
獣の周りの空間が揺れ始めたのだ。
それはさながら地震のような、波が動く海面のような、奇妙な揺れだった。
(……?)
獣は初め無関心だったが、揺れが大きくなるにつれ、違和感を覚えた。

そして次に獣は、どこが果てとも知れない空間の彼方から、“何か”が来るのを感じ取った。
その“何か”は信じられない速さで近付いて来て、獣を飲み込んだ。

(こりゃあ一体…?)
そこまで考えた後、獣の意識は一旦途絶え、体もその空間から完全に消え去った。


444名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:02:04 ID:HhGfj6Ko
獣の槍支援・・・関係ないがパンタローネ支援w
445フルメタなのは:2008/02/18(月) 21:04:20 ID:hcmHKhhp
新暦0080年 第61管理世界「スプールス」
自然保護区画

「南地区は異常なし、と。」
「これで今日のパトロールは終了だね、エリオ君。」
「そうだね。早く戻ろうか、キャロ。」

JS事件終了から数年後、自然保護隊に入ったエリオとキャロはそれぞれ十五と十四になり、エリオは凛々しく、キャロは見た目麗しく成長していた。
そんな二人は今、保護区の森林の見回りをして回っていた。

「それじゃあフリード呼ぶね。」
「うん、お願い。……ん?」

エリオはふと見た先の草原に、何か光る物が落ちているのを見つけた。

「なんだろう?」
拾い上げてみると、それは五cm弱の大きさの、菱形を上下に伸ばした感じの形をした金属片だった。

ゴミかとも思ったが、そのまま放置する訳にもいかないので、エリオはとりあえずそれを自分のポケットに入れて戻る事にした。

「エリオ君、どうかしたの?」
「いや、何でもないよ。早くベースキャンプに戻ろう。」
「うん。」
そのままフリードに跨がって、ベースキャンプまで戻って行こうとした二人に、キャロのデバイス―ケリュケイオンが警告を発した。

『マスター、現在位置から南西700mの地点に次元震反応を確認しました。』
「「えっ!?」」
同時に驚く二人。しかしエリオはすぐに冷静になりキャロに指示を出す。

「キャロ、君はタントさんとミラさんの所へ戻って連絡して。僕は現場に向かうから。」
同じ保護隊員のタントとミラは魔導師ではない為、直接伝えに行かねばならない。

446名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:06:03 ID:r4yo+5Uy
支援
447フルメタなのは:2008/02/18(月) 21:07:43 ID:hcmHKhhp
「うん。気をつけてねエリオ君。」
少し心配そうに言うキャロ。
「大丈夫だよ。それじゃあ行くよ、ストラーダ。」
『OK。Set Up』
腕時計の形をしていたストラーダが起動し、バリアジャケットと槍が現われた。
『フォルムツヴァイ デューゼンフォルム』
飛行が可能となる第二形態のストラーダを掴み、エリオは高速飛行で目的地へと向かった。

スプールス南西部の森林地帯

「ストラーダ、場所はこの辺りかい?」
デバイスの情報を元に現場に降り立ったエリオは、自分の足で森林を走っていた。
『もう間もなくです、マスター。』
「そう。ところで、生体反応の類いはあるかい?」
『大きな反応が現場と思われる所に一つ確認出来ます。』
「次元遭難者かも知れないな。急ごう。」
『はい、マスター。』

ストラーダとそんな会話をしていると、エリオは少し開けた場所に出た。
そしてエリオはそこにいた物を見て、思わず息を飲んだ。
そこには金色の体毛をした、二mはあろうかという大きな獣が横たわっていたからだ。

体付きは人に近いが、腕一本、否、指先一つにも力が漲っており、その先の爪は鋭くて刃物のようだ。
顔には隈取りのような模様が入っており、それが一層獣の迫力を引き立てている。
獣の体全体から溢れ出す圧倒的な存在感に、エリオは畏れすら感じた。

「う…ぐ……」
不意に獣が声を上げて身を起こし、エリオは反射的にストラーダを構えた。

「ん?……人間か?人間がいるってこたぁ、わしはまだあの世に来てねぇのか。
おい小僧、ここは一体どこだ?」
獣は体を起こすなり、突然エリオに質問をしてきた。
普通こんな生き物が喋りだしたら腰を抜かす所だが、エリオはアルフやザフィーラのような存在を知っていた為、それほど驚く事はなかった。

「ここは第61管理世界、スプールスです。」
「かんりせかい?すぷうるす?おめー何を言ってんだ小僧?」
獣は首を傾げながらそう言った。

「小僧じゃなくて、僕は時空管理局自然保護隊の、エリオ・モンディアルです。
あなたは、誰なんですか?」
エリオは獣に聞き返した。

「わしか?そうだな……今までいろんな名で呼ばれてきたが……やっぱりあれが一番だな。
おい、えりおとか言ったな。」
「は、はい。」
「わしの名前は とら だ。覚えときな。」

こうして、金色の毛を持つ最強の妖怪と、確かな実力を持った若き槍騎士は邂逅を果たした。

続く
448名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:08:00 ID:01jm6ImI
sir yes sir支援
449名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:08:43 ID:ePoL/JlW
うしとら支援
450名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:09:36 ID:dO7PuovR
潮は?支援
451フルメタなのは:2008/02/18(月) 21:11:25 ID:hcmHKhhp
とーかしゅーりょー。
とらと絡ませるんだったらやっぱり槍使いだろうって事で、エリオを連れてきました。

ちなみにタイトルの「金色」は“きんいろ”ではなく“こんじき”です。

さーて、原作を読み直してとらの性格とかを再確認しますか。
452名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:15:14 ID:e7xETPS2
もう・・・喰ったさ。ハラァ・・・いっぱいだ。
453名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:18:03 ID:WXTM2xTJ
シャガクシャには戻れなかったのか…
454名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:18:34 ID:DI8d1RTp
これはもう少し読んでから感想を書きたい感じ
続き期待

>>452
俺を泣かす気か!?
455なのはVSボウケン:2008/02/18(月) 21:20:51 ID:iWybov53
GJ!これは期待せざるを得ない。色々と予想をぶちまけたくなってしまいます。
潮が出るのか気になりますが、原作終了後だとヒョウも流も凶羅もいない……。
456スーパーロボット大戦X:2008/02/18(月) 21:24:20 ID:G1R9DXK1
>>441
すいません、描写不足のようでごめんなさい。
ヒイロは殺す事に躊躇しているので、サーベルは基本的に先端部分しか当ててません。
次はStylishさんだな。支援だぜ。
457魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/18(月) 21:25:13 ID:IFHgxRB0
>うしとら
StS後ってことは、やっぱりオリジナルストーリーですかね。
なのはと関わると思ってただけに、エリオが主役なのは意外でした。
まだ第一話ということで、ヘタな感想は展開予想になっちゃいそうなので自重しますが、うしおととらのクロスという冒険には期待せざるえませんな。
原作は外伝も読破した、俺が見届けるぜ!

>>452
お前……最終話見た奴はその台詞だけで泣けるって知ってるだろ……
458名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:25:54 ID:tC89PE++
ここから先はR指定だ。
支援しない奴はおねんねの時間だ!

Stylishだらけで、期待!
459名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:27:00 ID:01jm6ImI
アグナスも舞台で競演してくれるぜ
460名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:27:14 ID:T0hFJBK5
>>452
俺を泣かして楽しいのか? ええ?
ああ泣いたさ、泣いたともさ!
461名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:30:55 ID:01jm6ImI
しかし更新が早くて嬉しい限り。
462名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:33:00 ID:S9tpTKaX
な、な、何でこ、こんなに更新が早いんだ!?け、け、け、研究の為に知りたいんだ!教えてくれ!!

by アゴ
463名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:33:15 ID:Jhu/z/12
>>441
そもそも生身でガンダムのビームサーベル受け止めたらそのまま焼け死んじまう罠
あれ熱量半端ないから
464名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:35:51 ID:01jm6ImI
vガンダムでも直接人質掴んでいるmsの腕ビームサーベルで
切り落とそうとしたら触れなくても危険だって言われてたっけ。
465名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:36:28 ID:dO7PuovR
>>463
Vガンダムのネネカ隊/(^o^)\
466名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:38:01 ID:O8v+EK/r
最初期のビームサーベルですら、最小設定で一気に風呂を作るだけのお湯を沸かせるからな。
刀身の数m内だと、人間程度なら蒸発して当たり前だな。
467名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:38:02 ID:S9tpTKaX
>>463
まぁ、バスターライフルも一発でビーム照射範囲から半径150メートル位の圏内は空気のイオン化とかで衝撃波と熱が襲うって事になってるしな。リーオーなんざ当たってないのにボンボン吹っ飛んだからな
468魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/18(月) 21:38:31 ID:IFHgxRB0
>>462
ラスボスは強いか?
確かに、設定上は強いかもな。
でも二度目のダンテ戦の方がむずい。

っていうか、自分でもビックリだったりするwwwのんびりDMC4やってたのにwww
やっぱりダンテを上手く扱えない自分が不甲斐ないからか、妄想の中だけでも活躍させようと意気込んだからかも?
あと、アナタのその台詞。予知だ、と言っておこう。詳細は本話にて。
Slow down babe? 第七話は45分に投下すると予告するぜ!
469名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:41:02 ID:T0hFJBK5
さて、支援の構えだ。
470名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:41:17 ID:Fn7NBKp7
小説版の何かのガンダムだと
ビームライフルの着弾点付近にいた人間が「消滅」した描写があるからなぁ
対人戦で使っていいようなものじゃない
471名無しんぼ@お腹いっぱい:2008/02/18(月) 21:41:44 ID:b7m0HaUI
ok 何時でも突っ込んでくれ。
472名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:42:07 ID:tC89PE++
あ、あと五分だって?
お、落ち着くんだ。そうだ素数を数えよう。
素数は孤独な数字。
私を癒してくれるって……ってあと3分!? 支援!w
473名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:42:11 ID:O8v+EK/r
いかれたパーティーの始まりだ!
474赤字:2008/02/18(月) 21:43:06 ID:A5HypjRe
なんてこった、Stylish氏の投稿前に出会えるとはっ。ジャックポットだぜ。
というわけでわくわく支援。
475名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:43:11 ID:KK+n151s
キタゼ、キタゼ、キタゼ!!
ダンテもしくはティアナ支援
476名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:43:16 ID:hdCae6+A
>>463
V先に言われたから
ニコルーーーーーー!!
477名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:43:47 ID:S9tpTKaX
>>470
確か戦記かジオニックのノベル版だな


さて
>>stylish氏
この右手はてめえを支援するためにあるって事だ!!
というわけでcome on!!
478スーパーロボット大戦X:2008/02/18(月) 21:44:01 ID:G1R9DXK1
まあ皆さん俺の知識不足だったようで申し訳ありません。
しかし相手は戦闘機人生身の人間でもレベルが高い方だと思いますよ。
それとその皆さんの指摘は後々で絶対生かします。
さてと俺も支援体勢に入る。
479名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:45:18 ID:tC89PE++
時間だぜ?
支援!!
480名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:45:33 ID:01jm6ImI
ショウタイムだぜ。
481フルメタなのは:2008/02/18(月) 21:46:14 ID:hcmHKhhp
おお、こんなに感想が。
作者としては嬉しい限りです。

少しだけ先の事を話すと、ストーリーは原作ベースのオリジナルにしようと思っています。
でも考案に時間がかかるだろうから、更新は遅くなりそうです。
期待して待っててもらえれば幸いです。

さて、Stylish氏の支援をしますか。
482魔法少女リリカルなのはStylish(1/27:2008/02/18(月) 21:46:26 ID:IFHgxRB0
「全員揃ったわね」

 訓練用のトレーニングウェアに着替えたティアナは、他のメンバーと合流し、その顔を一様に見渡した。
 ティアナと組んで前衛を続けてきたスバルは言うまでもなく、まだ経験の浅い子供であるエリオとキャロの統率力も低い。
 必然的にティアナが四人を纏めるリーダーシップを発揮する形になっていた。

「お互いの能力や性格、癖―――連携に影響する重要な要素だけど、まだ私達はそれを十分に理解し合ってない。
 噛み合わないのは当然だと思うわ。最初の共同訓練なんだから、尚更ね。そして、その為の訓練だと思う。
 一応私が全体の指示を引き受けるけど、自己判断に任せる場面も多くなるから、基本的に自分の思うようにやってみて。失敗はチームで補うわ」

 簡潔に方針を話し、ティアナはこれから長い付き合いとなる仲間の顔を一人一人見据えた。
 慣れ親しんだスバルの信頼の視線を受け、緊張の抜けないエリオとキャロに目上ではなく同じ目線で向かい合う。
『仲間と平等に接する』という意図せぬリーダーとしての気概の発揮に、その場の全員が彼女の指揮に無意識の信頼を寄せていた。

「りょーかいっ!」
「はい! 分かりました!」
「よ、よろしくお願いします!」

 快活なスバルとエリオの返事を聞き、若干震えの見えるキャロにティアナは注目した。
 この中でも最も小柄なキャロは、その緊張に強張った表情も相まって酷く頼りなさげに見える。
 何より、<竜召喚師>という希少な能力者はそれゆえに戦術のセオリーに当てはめにくい。経験の浅い新人チームにあって、持て余す存在だった。
 そんな内心の分析を表に出さず、ティアナは視線を向けられて不安げなキャロに近づいた。

「緊張してるみたいね」
「す、すみません……」
『キュル〜』

 ますます恐縮するキャロを案じるように、傍らの幼竜が鳴く。

「謝ることなんてないわ。初の訓練で気の抜けた顔してる奴より全然マシ」
「それってわたしのこと?」

 抗議するスバルを軽く無視し、ティアナは優しくキャロに笑いかけた。彼女には珍しい表情だ。
 その小さな両手を自分の手でそっと包み込む。
 装着されたグローブ型デバイス越しに体温が伝わり合った。

「あ……っ」

 キャロが驚きに一瞬震え、思わず手を引きそうになった。それを握って押し留める。
 少女の瞳に浮かんだ何かに怯える色と、小さく震え始めた手を見て取り、ティアナはキャロの顔を覗きこんだ。

「知らない人に手を握られるのは怖い?」
「いえ……そのっ」
「緊張した時は手を温めてもらうと落ち着く、って何かの本で書いてあったんだけどね。ま、赤の他人がやっても意味ないか」
「すみません……」
「いいのよ。馴れ合いはあたしも苦手だわ」

 そう苦笑して、ティアナは手を離す。
 一瞬だけキャロが名残惜しそうな顔をしたのは、都合のいい錯覚だと思うことにした。
483名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:46:53 ID:w0pekgUZ
とぅーさむたいむ支援
484名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:47:12 ID:01jm6ImI
キメラシードオーバーヘッドキック支援
485名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:47:27 ID:tC89PE++
2、1/27だと!?
スレ住人を鼻血の海に沈めるつもりか!?

支援!!
486魔法少女リリカルなのはStylish(2/27):2008/02/18(月) 21:47:36 ID:IFHgxRB0
「お互いにいろいろ理由があって、ここにいる。それぞれの事情を、これから先打ち明けることがあるかもしれないし、ないかもしれない―――」

 離した手を、代わりに小さな肩へ置き、真剣な表情で顔を付き合わせる。
 自分を子供だと侮らない真摯な視線を受け、いつの間にかキャロは震えも忘れてティアナの眼を見入っていた。

「でも一つ、確かな事がある。
 アナタはここに理由を持って、自分の意思で立っている。ここから伸びているのは進む道だけ、退く道はないわ」

 だから、進むだけだ―――ティアナは言葉に出さずに、そう眼で語った。
 各々が違う理由、事情で、しかしただ一つ『進む為』に此処に集っているのだと。
 ティアナがスバルとエリオに視線を移すのに倣って、キャロも二人を見た。
 これから苦楽を共にする仲間達。二つの視線が自分を見つめ、そして力強く微笑むのを感じる。
 それが、キャロの孤独な心に不思議な安心感を与えた。初めて感じると言っても過言ではない、全く未知の誰かと共有するような感情だった。
 彼女は、まだその感情の名前を知らない。

「月並みな言葉だけどね……一人で進む道じゃない。仲間がいる、それを忘れないで」

 その言葉は、ティアナ自身が得た一つの確信だった。
 目の前の少女と同じくらいの歳で、孤独に打ち立てた誓いを聞いてくれたダンテ―――。
 その誓いを一人で頑なに見上げていた時に出会い、今も尚支えてくれる相棒のスバル―――。
 本人達の前で決して言葉になどしないが、今の自分になれたのは一人の力だけじゃないと思っている。

「……はい!」

 キャロの二度目の返答は、今度こそ迷いの無い力強さを感じるものだった。
 二人の様子を見守っていたスバルとエリオの間にも笑顔が広がる。
 訓練前だが、この瞬間初めて仲間意識というものが芽生えた気がした。

「すごいですね、ランスターさん……」
「当然だよ、なんてったってわたしの相棒だし!」

 ティアナを見る眼に尊敬の色まで混じりだしたエリオに、スバルは『相棒』の部分を強調して答えた。
 何故か胸を張るスバルの頭をティアナが照れ隠しに小突く。

「あたしのことは<ティアナ>でいいわよ。エリオ、キャロも」
「わかりました!」
「ありがとうございます、ティアナさん」

 ティアナは二人の返答に満足げに頷き―――そして、傍らで一変して不満そうに頬を膨らませる相棒を見てため息を吐いた。
487スーパーロボット大戦X:2008/02/18(月) 21:48:18 ID:G1R9DXK1
27とは長いな。
全員で全力でクールな支援だ!
488魔法少女リリカルなのはStylish(3/27):2008/02/18(月) 21:48:33 ID:IFHgxRB0
「……何? 言いたいことあるなら言いなさいよ」

 ハムスターになったスバルを呆れたように眺め、仕方なしに尋ねる。
 どうせくだらないことだろうと思いながら。

「ズルイ……ティアに一言物もぉーす!」
「は?」
「わたしはティアの名前を呼ぶ許可もらうまで三ヶ月かかったんだよ? なんでそんなにあっさり!
 それに、初対面のキャロになんか甘くない? わたしの時はもっとツンツンしてたのにさっ! いきなりデレですか!?」
「何、その怒り方? あの時とは状況が違うでしょ。これから一緒に死線を潜る仲間になるんだし……」
「ずーるーい! ティア、二人だけ絶対ヒイキしてるっ! わたしにも、もっと暖かい扱いをよーきゅーする!」
「私は誰に対しても平等だっつーの」

 どうでもよさげに答えて、ティアナは迫ってきたスバルの顔面をチョップで迎撃した。
 顔を抑えてのた打ち回りながら「これも愛!?」とワケの分からないことを叫ぶスバルと、過激なやりとりに冷や汗を流すキャロとエリオも無視して時刻を確認する。

「そろそろ集合時間よ。初の訓練で遅刻なんて論外。無駄口はここまでよ」

 真剣なティアナの言葉に、それまで和やかだった三人の表情が引き締まった。
 心地良い馴れ合いの時間は終わったのだ。
 ここからは、戦闘の時間だ。

「何もかも初めて尽くしの訓練……。遠慮なんて必要ないわ、緊張しようが気負ってようが構わない。
 スバル、あんたの大好きな<全力全開>よ。教導官にも仲間にも、自分の力を周りに見せ付けてやるくらいのつもりでやりなさい!」

 その場にいる仲間達と、そして自分自身にも言い聞かせるようなティアナの言葉に三人は頷いた。
 スバルが拳と手のひらを打ち合わせて気合いを入れ、エリオも小さな拳を握り締める。キャロが傍らの小さな友と頷き合った。

「行くわよ」

 緊張と不安と、それ以上の強い気概を心に同居させ、高ぶる四人のルーキーは走り出す。
 それぞれの決意と共に、初めての訓練が待ち受ける先へ。

「―――Let's Rock!」







魔法少女リリカルなのはStylish
 第七話『Destination』





489名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:49:01 ID:S9tpTKaX
ダッシュ中にセレクト=レインボー支援
490名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:49:05 ID:01jm6ImI
頭蓋骨握りつぶし支援
491魔法少女リリカルなのはStylish(4/27):2008/02/18(月) 21:49:32 ID:IFHgxRB0
「―――ヴィータ、ここにいたか」

 海上に設けられた人工の平地に、空間シミュミレーターによって市街戦のステージが投影されていた。
 これから始まる訓練の光景を眺めていたヴィータに見知った顔が歩み寄る。

「シグナム」
「新人達は早速始めているようだな」
「ああ……」

 妙に気の抜けた返事に、シグナムは僅かに眉を潜ませながら眼下の沿岸で渡されたデバイスのチェックをする新人達を見つめた。

「お前は参加しないのか?」
「たるい」

 歯に衣着せぬ端的な返答を聞いて、シグナムは思わずコケそうになった。

「……お前な、もうちょっと考えて話せ」
「初日の訓練で隊長クラスが相手する意味なんてねえって分かってんだろ? あたしの教導はもうちょっと先だ。……それに、なんかやる気起きねー」
「昨夜任務があったからといって、少々気を抜きすぎだぞ」

 ともすれば欠伸までかましそうな腑抜け具合のヴィータをシグナムが諌める。
 昨夜の出撃で、ヴィータ達がガジェットの他に管理局で噂になっている謎の襲撃事件に遭遇したことは聞いていたが、無傷の三人を見るとそれほどの消耗は感じられなかった。
 事実、ヴィータの疲労の原因は外傷などではなかった。
 ただ精神的なもの。あの夜対峙した異形の存在と異界のように錯覚した空気の中で戦い続けた緊張が、知らず神経を張り詰めさせていたのだ。
 <悪魔>は闇の具現。人を恐怖させる存在―――それに抗うことは並ならぬ心の力を必要とする。
 それに加えて。

「予想外の乱入もあったしな」
「保護した民間の子供か? 居住権のない遊民とはいえ、考慮しなかった陸戦部隊の不手際だ。人道的ではないしな」
「……まーな」

 曖昧な返事を返しながら、もちろんヴィータの脳裏に浮かんだのは赤い人影だった。
 約束通り、ダンテの事は報告していない。
 上司や仲間に黙っている後ろめたさは残るが、ヘタに話しても混乱するだけだろうと思った。こちらも半端な情報しか持ってないのだ。
 謎の襲撃者を<悪魔>と呼び、そいつらを狩る者と称した男―――。
 個人的に、その強さよりも人柄に興味を持った。生真面目な男の多い管理局内において会ったことのないタイプだ。
 小気味のよいテンポで進める会話。妙に心地良い騒がしさを持っている。朝から気が抜けるのも、案外あの喧騒の後だからかもしれない。
 そこまで考えてヴィータは我に返り、そしてシグナムに気付かれないよう苦笑した。
 管理局の魔導師として義務感のようなものを抱くくらい勤めてきたつもりだが、随分と私情が混ざってるな、と自分を可笑しく思う。
 だが、勝手気ままは自分らしい。やはりスーツ姿はあたしには似合わない。

「……ところでシグナム、訓練の様子ってここで見れんのか?」

 そこまで考えて、ヴィータは眺めていた眼下の様子で気になるものを見つけた。

「シャーリーに頼めばモニターを回してくれると思うが……。どうした、気になる新人でもいたか?」
「んー、まあな」

 視線を一人の少女に向けたまま、曖昧に呟く。
 ダンテと共に戦ったのは昨夜の事だ。あの鮮烈なイメージが薄れるような時間ではない。
 だからか。思い描いていたあの男の鮮明な姿と、視線の先でデバイスをチェックする新人の姿が重なって見えた。
492魔法少女リリカルなのはStylish(5/27):2008/02/18(月) 21:50:32 ID:IFHgxRB0
「彼女は、確か<ティアナ=ランスター>だったか」

 ヴィータの視線を辿ったシグナムが呟いた。
 ティアナの持つデバイスは珍しい銃型。それも両手持ちの二挺銃(トゥーハンド)―――あの男と同じだ。

「ティアナ、か……」

 二人の人間を繋ぐには、ささやかすぎる共通点だとは思う。
 しかし、ヴィータは自分でも気付かずに彼女と彼女の持つデバイスに意識を集中させていた。
 そして訓練が始まる。





『よし、と。皆聞こえる?』
「「はい!」」

 訓練用ステージに入った四人が、別の場所で様子を見ている教導官の声に答えた。
 周囲は老朽化した建物に囲まれているが、当然のように人気はない。

『じゃあ、早速ターゲットを出していこうか。まずは軽く8体から―――』

 なのはが指示を出すと同時に、ティアナ達四人の眼前に言葉どおり八つの魔方陣が出現した。

『わたし達の仕事は、捜索指定ロストロギアの保守管理』

 実戦を想定した訓練ゆえに、その魔方陣が意味するものは転送魔法の発動。
 <敵>が出現する前兆だ。

『その目的の為に、わたし達が戦うことになる相手が―――コレ』

 魔方陣から浮き出るように、ティアナ達の目の前にターゲットが全容を現した。
 四肢を持たず、カプセルのような形状をした非人間型の機体。滑らかな装甲の中心にはセンサーだけが眼のように輝いている。

『自立行動型の魔導機械。これは、近づくと攻撃してくるタイプね。攻撃は結構鋭いよ』

 シャリオが補足を加える。
 管理局では、もはやポピュラーな敵となりつつあるそれは<ガジェットドローン>と呼ばれていた。
 ルーキーの訓練相手としては無難なものだろう。だが、もちろんティアナ達にとっては初見の相手。強敵だった。

『では、第一回模擬戦訓練。
 ミッション目的―――逃走するターゲット8体の破壊、または捕獲。十五分以内!』
『それでは』
『ミッション、スタート!』

 合図が下され、それと同時に浮遊しているだけだったガジェットが唐突に動き出した。一斉にその場から散開する。
 訓練開始だ。
493スーパーロボット大戦X:2008/02/18(月) 21:50:36 ID:G1R9DXK1
ティアナがクールだぜ!支援!
494名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:50:44 ID:O8v+EK/r
支援!
495魔法少女リリカルなのはStylish(6/27):2008/02/18(月) 21:51:39 ID:IFHgxRB0
「スバル、あんたが一番足が速い。このまま追跡して。まずは単純に追い込む作戦でいく。
 エリオ、あんたはスバルが追い込む先に先回りして挟み討つ。深く考えなくていい、あいつらがこちらの考えを読むほど複雑な機械なら追って作戦を修正するわ」

 ガジェットが行動を開始すると同時に、ティアナの頭脳もまた高速で動き始める。
 あっという間に見えなくなるガジェットの群れを闇雲に追うような真似をせず、落ち着き払った態度でスバル達に次々と指示を飛ばした。

「キャロは私に付いて、援護しやすい場所を確保。以後、あたしからの指示は念話で行うわ。行動開始!」
「「了解!」」

 そして、全員が戸惑うことなく返答を返した。




 一方、同じ訓練用スペースの離れた場所で状況を見守るなのはとシャリオ。

「……いいね、初めてにしては行動開始が早いし、戸惑いもない」

 ガジェットの逃走から一拍置いて動き出した新人達の行動を見ながら、なのはがとりあえず満足げな笑みを浮かべた。
 現場では、冷静に物事を処理する事が必要になる。
 慌てて追うような真似をしていたら、それこそ減点だった。

「指示を出しているのは、ティアナ=ランスターのようですね」
「一番落ち着いてる娘だね。何か場数を踏んでるのかも……さて」

 モニターには、逃走する8体のうち2体のガジェットに、今スバルが追いつこうとしていた。

「どう捌く?」





 追撃するスバルの目の前で、敵は二手に別れていた。それぞれ4体ずつに分散して逃走を続ける。
 その内の片方にスバルは狙いを定めた。もう一方はエリオが先回りして待ち伏せている予定だ。
 リボルバーシュートの射程に捉え、スバルは攻撃を開始した。
 しかし―――。

「何これ、動き速っ!?」
「駄目だ! フワフワと避けられて、当たらない……!」

 一撃の威力を高めて放ったスバルと手数を重視したエリオ、いずれの種類の攻撃もあっさりと回避された。
 技量がガジェットの回避性能に及ばなかった、というのが単純な結論だ。
 建物の屋上から様子を伺っていたティアナは冷静にそう判断した。
496名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:51:44 ID:01jm6ImI
姿を隠しても臭いでわかってしまうカエル支援
497魔法少女リリカルなのはStylish(7/27):2008/02/18(月) 21:52:58 ID:IFHgxRB0
『前衛二人、少し分散しすぎよ。フォローできる範囲を確認して』
『あ、はいっ!』
『ゴメン!』

 念話を通した静かな叱責に、二人の慌てた返事が返ってくる。
 しかし、概ねティアナの思考のうちで事態は動いていた。
 眼下の道を再び合流した8体のガジェットが飛んでいく。
 撃ち下ろしの絶好のポジションだった。

「キャロ、威力強化をお願い」
「は、はい!」
「落ち着いて。半分くらいはアレの防御性能を確認するのが目的だから、撃破しようなんて気負わなくていい」
「分かりました……っ」

 キャロの緊張を緩和しながら、ティアナは両手のアンカーガンに魔力を集中していく。

「ケリュケイオン!」
《Boost Up.Barret Power》

 グローブ型デバイスが増幅魔法を発動し、ティアナの射撃魔法を強化した。
 アンカーガンの銃身に込めた高密度の魔力が膨れ上がるのを感覚で感じ取り、それをティアナは狙い定めた照準の先へと解き放つ。

「Fire!」

 普段より数倍は増した魔力の炸裂音が本物の銃声のように響き渡り、二挺のデバイスがオレンジ色の弾丸を吐き出した。
 8体の標的にそれぞれ二発ずつ、狙い違わず魔力弾が全弾命中する。
 誘導性は付加していない。スバルとエリオが攻撃に失敗した回避性能を考えれば、驚異的な補足率と弾速だ。
 しかし、それすらも撃破には至らなかった。
 全てのガジェットが例外なく、飛来した魔力弾を寸前で対消滅させる。

「魔力が消された!?」

 その光景を見ていたスバルが驚愕の声を上げる。
 一方、狙撃したティアナ本人は平静を保ったまま、予感していた結果を受け入れていた。

「バリア……いや」
「フィールド系ですね。周囲の魔力結合を分解しているみたいです」

 傍らから聞こえた言葉に、ティアナは意外そうな表情を向け、そしてすぐに満足そうに笑った。

「よく見てるじゃない」
「え……っ? あ、いや、恐縮です……」
498名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:53:33 ID:tC89PE++
支援?
しないわけがないだろう?
ショータイム支援!!
499魔法少女リリカルなのはStylish(8/27):2008/02/18(月) 21:53:57 ID:IFHgxRB0
 我に返り、顔を赤くして俯くキャロの肩に手を置く。訓練中に見せられる精一杯の愛想だった。
 ティアナとキャロの分析を補足するように、なのはの説明が流れる。
 攻撃魔法を無効化するAMF(アンチ・マギリンク・フィールド) ガジェットが標準装備する機能であり、魔導師にとって最も厄介なシステムだ。
 突撃したスバルが範囲を広げたAMFにウィングロードを解除され、ビルに激突する光景を眺めながら、ティアナは内心舌打ちした。
 射撃魔法のみで、物理攻撃方法を持たない自分は接近するだけで不利になる。
 なるほど、確かに厄介な相手だ。
 ―――だが、それだけだ。
 厄介な代物ではあるが、それは『破壊するのに少々工夫が要る』程度のものでしかない。アレはただの的だ。それは脅威ですら在り得ない。
 本当に恐ろしい<敵>とは『倒すか、倒されるか』 自分の身を天秤にかけて戦う相手のことだ。
 そして、ティアナはそれを既に経験していた。

「……キャロ、何か意見はある?」
「え、わたしですか!?」

 唐突に話を振られ、それまでティアナの背後に付き従うだけだったキャロは驚きに体を震わせた。
 すぐさま弱気の虫が湧いて来る。
 しかし、力なく首を振ろうとした仕草は、ティアナの自分を見据える真っ直ぐな視線の前に消えて失せた。

「…………試してみたいことが、幾つかあります!」
「あたしもある。決まりね」

 スバルとエリオに念話を送り、二人は移動を開始した。




「……シャーリー、ガジェットの映像拡大してみて」
「え、はい」

 それまで黙ってモニターを眺めていたなのはの指示に、シャリオは戸惑いながらも従った。
 8体のガジェットを映すモニターが映像を拡大する。

「……ああっ!」
「うん、驚いたね。届いてるよ、攻撃」

 なのはの言葉通り、これまで直撃を受けていないはずのガジェットのうち数体の装甲には、ほんの僅かだがヘコみが出来ていた。
 飛行ミスでどこかにぶつけたような傷ではない。原因は一つしかなかった。
500名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/18(月) 21:54:13 ID:d4va8ZcV
支援
501名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:54:23 ID:S9tpTKaX
バッチィな支援
502名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/18(月) 21:54:35 ID:d4va8ZcV
支援
503名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:54:36 ID:01jm6ImI
あまりの内容量に嬉しいため息が出るが
タメイキとは何だ?支援
504魔法少女リリカルなのはStylish(9/27):2008/02/18(月) 21:55:19 ID:IFHgxRB0
「やるね、ティアナ」
「増幅されてたとはいえ、通常の射撃魔法でAMFを抜くなんて……」
「自然体でこれだけの魔力の集束率、なかなか出来ることじゃないよ。報告通り、あの娘は射撃魔法だけならAランクはいくね」

 自分の中の評価を修正しながら、なのはは自然と笑みを浮かべていた。久しく感じなかった興奮を伴って。
 AMFを越えたとはいえ、増幅魔法との併用でこの程度の結果だ。戦況を動かせるような要素ではない。
 ならば、彼女はどうするか?

「ティアナの中でも修正は終わったみたいだよ。そろそろ動く―――さて?」




 スバルとエリオが待ち構える地点へ、ガジェットが気付かずに接近する。
 逃走が基本の行動パターンとなっているガジェットの進路を、高所で観測するティアナの報告と合わせて予測するのは難しいものではなかった。
 ガジェットの進む先。道路を横断するように伸びるビルの渡り通路の上に、エリオは待機している。

『AMFが無効化できるのは魔法効果だけよ。<発生した効果>までは無効化できない。分かるわね?』
「はい!」

 事前にティアナから与えられた情報から、エリオは取るべき方法を察していた。
 ガジェットが通路の真下を通過する直前まで気配を殺し、タイミングを計って行動を開始する。

「いくよ、ストラーダ! カートリッジ、ロード!!」
《Speerschneiden》

 スピーアシュナイデン。高威力の直接斬撃が足元の通路を一瞬で幾つにも切り崩した。
 崩落する通路の石片がガジェットの群れに降り注ぐ。
 大味の攻撃ではあったが、その重量と落下範囲の広さによって、二体のガジェットが瓦礫に押し潰されて圧壊した。
 立ち上る粉塵の中から飛び出す二体のガジェット。それを今度はスバルが捉える。

「潰れてろぉーっ!!」

 飛行する一体のガジェットに飛び掛り、魔力を込めたリボルバーナックルを叩き込んだ。
 しかし、当然のように皮一枚でAMFがそれを阻む。
 魔力とフィールドが衝突する反動により、空中で不安定なスバルは弾き飛ばされた。
505名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:55:50 ID:O8v+EK/r
ジャックポット!
506魔法少女リリカルなのはStylish(10/27):2008/02/18(月) 21:56:13 ID:IFHgxRB0
「……っ、やっぱ魔力が消されちゃうと、イマイチ威力が出ない!」
『フィールド系は攻撃を遮断するタイプの防御じゃないわ。威力が持続すれば突破できる。足場を確保して、負荷を与え続けて!』

 再びティアナの的確な指示が飛ぶ。
 それを受けたスバルはエリオと同じように返事を返そうとして、思い留まった。

「ゴメン、ティア! もうちょっと分かりやすく言って!」

 バカだった。
 ティアナはその場で脱力しそうになるのを踏ん張った。

『……とっ捕まえてぶん殴れ!』
「さすがティア! わっかりやすい!」
『後ろから来てるわよ、このアホの子!』
「ア、アホの子じゃないよぉ〜!」

 気の抜けるようなやりとりを交わしながらも、スバルは背後に回り込んだガジェットに一瞬で対応した。
 涙目の台詞とは裏腹の俊敏な動きで逆にガジェットのセンサーの死角へ回り込み、両足で機体を挟み込んで馬乗りになる。

「うりゃああああっ!!」

 地面に固定される形になった標的に、渾身の力を込めた一撃を打ち下ろした。
 再び阻まれる拳。しかし今度は逃げ場などない。地面とリボルバーナックルに挟まれたガジェットは徐々にAMFを侵食され、ついには突破される。
 歯車状のナックルスピナーが回転の唸り声を上げ、銃弾のような螺旋の力を得た拳がガジェットの機体内部に潜り込んだ。
 火花を散らす<傷口>から拳を引き抜き、すぐさまガジェットから離れる。
 遅れて、大破した機体が爆発した。

「やった!」

 ガッツポーズが決まる。
 スバルの1体撃破により、残り5体。
 ティアナの元を離れ一人、高所から3体を捉えたキャロが攻撃を開始した。
507名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:56:34 ID:01jm6ImI
あの蜘蛛には筋肉以外も詰まっているのか?支援
508魔法少女リリカルなのはStylish(11/27):2008/02/18(月) 21:57:09 ID:IFHgxRB0
「連続で行きます。フリード、<ブラストフレア>!」
『キュアアッ!!』

 幼さを残す雄叫びが響く。小さな体に、しかし確かな竜の力を備えたフリードリヒは魔力の炎を行使した。
 伝説にも語られる竜の吐息(ドラゴン・ブレス)―――それと比べるにはあまりに弱弱しい火球が形成され、放たれる。
 浮遊するガジェットの真下に炸裂したそれは、見た目に反して広範囲に拡散し、周囲一体を高熱の炎で包み込んだ。
 直接的な攻撃力は低いが、瞬時に熱された空気がAMFを無視してガジェットのセンサーと動作を狂わせる。

「―――我が求めるは、戒める物、捕らえる物」

 その隙に、キャロは詠唱を開始した。

「言の葉に答えよ、鋼鉄の縛鎖」

 眼を閉じて集中する。
 無防備な姿を晒すそれは、実戦ではあまりに危険な行為。だが、キャロには必要だった。
 力を使う時は、いつだって恐怖が付き纏う。
 扱いをしくじれば、自分はもちろん他人も巻き込んで爆発する爆弾のような力。
 ずっと忌避し続けてきたそれを、しかし今は使いこなさなければならない。

「錬鉄召喚!」

 迷いは吹っ切った。怯えは忘れた。
 ここに立つ理由が、わたしにはある―――!

「<アルケミック・チェーン>!」

 召喚魔法が発動した。
 出現した魔方陣から何本もの鎖が伸びて3体のガジェットを一瞬で絡め取る。
 鋼鉄の鎖を召喚し、あらかじめ付与しておいた『無機物自動操作』の魔法によって対象を捕縛。効果としてはバインド系に近い。
 しかし、無機物である故にAMFの影響を受けない利点があった。
 攻撃力のない魔法の為ガジェットを捕獲することしか出来なかったが、それでも目的は達成している。
 これで3体が無力化された。
 ―――しかし。


509赤字:2008/02/18(月) 21:57:33 ID:A5HypjRe
さるさまが不安だよ支援っ
510名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:57:33 ID:DI8d1RTp
ストロベリーサンデー支援
511名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/18(月) 21:57:42 ID:d4va8ZcV
sien
512名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:57:55 ID:O8v+EK/r
此処から先はR支援だぜ!
513スーパーロボット大戦X:2008/02/18(月) 21:58:05 ID:G1R9DXK1
さあ、更なる支援だ!
514魔法少女リリカルなのはStylish(12/27):2008/02/18(月) 21:58:09 ID:IFHgxRB0
「……なのはさん、これは……」
「うん」

 キャロの生み出した成果を見る二人の表情は、あまり明るいものではなかった。特にシャリオは眉を顰めている。
 ガジェットを捕縛する、キャロが召喚した鎖―――それは、ただの鎖ではなかった。
 何本もの頑丈な針金を束ね、幾つにも枝分かれしたそれの先端は鋭く尖って結果的に茨のような棘を持つ鎖となっている。
 それは有刺鉄線と呼ばれる物だ。
 更にそれが何本と束になって触手のように蠢き、ガジェットの機体を締め付けていた。
 ガリガリと装甲の削れる音が耳障りに響く。
 ガジェットは無機物だからいい。しかし、もしこれが生物を対象に使われたら?

「なんというか、エグイですね……」
「対人戦で有効ではあるけどね。倫理的にどうかな」
「何言ってるんですか、あんなの人間相手に使えないですよ!」

 その光景を想像して、顔を青褪めさせながら抗議するシャリオの言葉は非戦闘員らしい甘い意見だったが、確かになのは自身も不快に感じた。
 あれはもはや捕縛魔法ではない。人を傷つける悪意に満ちた魔法だ。
 そして、それを行使するキャロのひたむきな横顔に、酷く不釣合いな代物だった。

「あの鎖、無意識に召喚した物ですよね?」

 シャリオの問いはどこか縋るような色が混じっていた。
 あの幼い少女が、明確な意思を持ってあの凶悪な鎖を使ったとは思いたくない。
 しかし、なのははそれに答えなかった。

「キャロはいろいろと事情を抱える子だから……。
 それより、残り2体。モニターしてくれる? ティアナの様子も一緒に」

 少々強引に意識を切り替えると、なのはは終わりに近づきつつある訓練の観察に集中した。




「スバル! 上から仕留めるから、そのまま追ってて!」
『おう!』

 ティアナの指示に、疑いもなく快活な返答が返ってくる。
 AMFとの相性が悪い射撃魔法しか使えないティアナが攻撃に出るのは得策ではない。他のメンバーに任せた方が確実だ。
 チームとして考えるのならば、これは最良の判断ではなかった。
 その事実を、スバルはやはり分かっていないのか、それとも分かっていて従っているのか。
 どちらともあり得るから困る。
 ティアナはガジェットの動きを追いながら苦笑した。
515名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:58:32 ID:01jm6ImI
さるさん食らったらあまりの衝撃に
鼻の穴が一つになっちまうよ支援
516名無しんぼ@お腹いっぱい:2008/02/18(月) 21:58:34 ID:b7m0HaUI
撃ちまくれ支援〜
517名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:58:48 ID:uDjeztak
初のリアルタイム支援
518魔法少女リリカルなのはStylish(12/27):2008/02/18(月) 21:59:08 ID:IFHgxRB0
「でも、どちらにしろ―――この最初の一歩、竦んでたんじゃこれから先、話にならないのよ!」

 覚悟を決め、足を止めてアンカーガンを構える。
 射撃魔法でAMFを突破する方法はあるのだ。
 外殻の膜状バリアでくるんだ多重弾殻射撃。外部の膜状バリアが相手フィールドに反応してフィールド効果を中和、その間に中身をフィールド内に突入させる。
 本来はAAランク魔導師のスキルだが、ティアナはそれを―――もちろん出来ない。100%絶対に。
 魔力弾の攻撃力と射撃自体のスキルを鍛えることに集中しすぎた今のティアナに、複雑な魔法の構築技術は持ち得なかった。
 所詮、自分は凡人だ。何かを選べば、何かを選べなくなる。
 この両手に握る分だけが精一杯。

「だけど……っ!!」

 目標を睨み据えるティアナの瞳に、諦めや自嘲など欠片も存在していなかった。
 二挺のアンカーガンに装填された二発ずつのカートリッジを全てロードし、持ち得る限りの魔力を両腕に集め、集束し、圧縮する。
 慣れ親しんだ動作。それしか出来ないから。そして、それだけを続けてきたのだから。

「私には、私だけの力がある!」

 極限まで集中するティアナの脳裏に、フラッシュバックのように過去の記憶が鮮明に蘇った。





 ―――兄の死からずっと、力を求め続けてきた。

 魔法を覚え、独力でデバイスの知識も身につけて、マイスターには程遠いがデバイスを自作出来るまでにもなった。
 自分に才能がないことは分かってる。努力しかないことも分かってる。
 だからそれをずっと積み重ねて、それなりに自信も出来て―――そしてあの日、全てが崩れ去った。

 仇を憎む気持ちだけで強引について行ったダンテの<悪魔狩り>で、ティアナは自分の弱さを思い知った。
 初めての実戦で萎縮する体。滲み出る<悪魔>の姿を恐れる心。未熟な肉体に幼い力―――何もかもが足りない。
 作ったばかりのデバイスで何十発もの魔力弾を撃ちまくり、倒せた敵はせいぜい数体。
 込める魔力量も、集束もまだ未熟だった。だが、少なくともその時のティアナの全力だった。
 数発の魔力弾の直撃を受けて、それでも襲い掛かってくる<悪魔>の前でついに力尽きる。
 もうダメか、と思った瞬間に横合いから飛来した魔力弾が一撃でそいつの頭を吹き飛ばした。
519名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:59:21 ID:r4yo+5Uy
支援
520魔法少女リリカルなのはStylish(14/27):2008/02/18(月) 21:59:52 ID:IFHgxRB0
「―――なんだ、もうヘバったのか?」

 既に他の敵を全滅させたダンテだった。
 両膝を着くティアナとは対照的に、こちらには疲労の色すら見えない。
 それが二人の差を如実に現していた。

「だから言ったろ? お前にはまだ早いってな」
「……うる、さいっ!」
「焦るなって、人生には余裕が必要だ。教えるのは柄じゃないが、そのうち銃を使うコツくらい教えてやるよ」

 そう言って、陽気に笑いかける彼の態度がこの時ばかりは苛立ちしか感じなかった。

「……あんたに、何が分かるのよっ」

 魔法に関しては自分に利があるはずだった。
 デバイスにも差はない。いや、彼の持つデバイスは自分のアンカーガンのパーツを流用した簡易型だ。むしろダンテの物の方が劣る。
 しかし、それらの要素全てを帳消しにしていた―――持って生まれたモノが。

「所詮あたしは……普通の人間なのよ! 魔力もセンスも大して無い! 無い物は少しずつ積み重ねるしかない!」
「オイ、落ち着けよ……」
「焦るなって何? そりゃ、焦らないわよあんたは! だって、最初から持ってるんだから……!!」

 才能。素質。天性の力―――ダンテはそれを持っている。
 妬むべき存在が、ティアナにとってあまりに身近に居すぎた。
 そしてそれは、自分への失望と無力感が混ざり合った醜い激情をぶつける先となる。

「あたしはあんたとは違う!」

 そんな卑小な自分が大嫌いで、タガの外れた心は負の感情を彼に向かって吐き出した。



「普通の人間と、あんたは違う!!」


521スーパーロボット大戦X:2008/02/18(月) 22:00:47 ID:G1R9DXK1
さるさんをくらわないように俺達がクールな支援をしまくるんだ!
522名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:00:53 ID:w0pekgUZ
おもれぇぇぇ支援
523名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/18(月) 22:01:00 ID:d4va8ZcV
sien
524名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:01:07 ID:r4yo+5Uy
支援
525名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:01:14 ID:9hR+11jX
支援
526魔法少女リリカルなのはStylish(15/27):2008/02/18(月) 22:01:22 ID:IFHgxRB0
 ありったけの声で叫んだ言葉は、<悪魔>のいなくなった空間に痛いほど響き渡った。
 沈黙したダンテの顔を見上げられず、俯いたままティアナはその静寂に耐え続ける。
 心の奥に溜まった鬱憤を吐き出した後で彼女が感じたものは爽快感などではなく、凄まじいまでの後悔と自分への嫌悪感だった。
 私は、最低だ……。
 他人を妬む卑小な人間というだけじゃない。
 言ってはいけないことを言ってしまった、屑だ。
 ダンテが自分自身についてどう思っているのか、彼から初めてその出生を聞いた時に分かっていたハズなのに―――。

「……確かに、俺はお前とは違うな」

 長い沈黙の後に聞こえた彼の声は、普段どおりのようで……。
 しかし何処か違和感を感じて顔を上げると、普段の陽気さを装いながらも何処かぎこちなく笑うダンテがいた。
 その顔を見て、自分は彼を傷つけたのだと悟った。
 どんなに表情に出さなくても分かる。
 後にも先にも、ダンテが弱みを見せたのはこの時の一瞬だけだった。

「ご、ごめん……そんな、つもりじゃ……」

 ならば、一体どういうつもりだったというんだ?
 冗談や一時の激情で言っていいことじゃなかった。
 それを言ったんだ。自分は、確かな憎しみを持って彼を傷つけたんだ!

「いいさ、気にしてない。本当の事だしな」
「……ごめん」
「よせよ、深刻になるな。お前の素直じゃない態度は慣れっこだ、そうだろ?」
「ごめんなさい……っ」

 頭の中はグチャグチャだった。全ての負の感情が内側に向けて湧き上がっていた。消えてしまいたい気分だった。
 そうして蹲り、震えるティアナの様子を困ったように見つめ、ダンテは彼女の肩にそっと触れる。
 この小さな肩に、背負うものはあまりに重い。
 だが、それもティアナ自身が選んだ生き方だ。
 ならば自分は、その生き方を嘘にさせない為にティアナを支え、導く―――柄じゃないのは分かってるが、それが死んだティーダへの誓いだった。
527名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:01:42 ID:DI8d1RTp
ケツの穴溶接して額に新しいケツ穴こさえてやる支援
528名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:01:50 ID:S9tpTKaX
誠意って言葉知ってる?支援
529名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:02:00 ID:01jm6ImI
キメラシード産み付けられて平穏な余生を送るぞ支援
530名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:02:08 ID:r4yo+5Uy
支援!
531魔法少女リリカルなのはStylish(16/27):2008/02/18(月) 22:02:17 ID:IFHgxRB0
「―――ティア、人間は弱いか?」

 唐突に切り出された話に、ティアナは弱弱しく顔を上げることしか出来なかった。

「確かに肉体は弱いかもな」

 困惑した表情のティアナへ、意味深げに笑いかけてダンテは続ける。

「だが、<悪魔>にはない力がある」

 そう言い切るダンテの表情に、嘘や誤魔化しはなかった。ただ確信がある。
 恐怖を抱くほどに圧倒的な<悪魔>の力―――『ダンテの中にも流れる』力。
 あれほどに分かりやすく強大な力とはまた違う力を、人間が持っていると彼は言う。
 ティアナはそれが何なのか知りたくなった。

「人間の、力……?」
「そうだ。そいつは人間なら誰でも持ってる。半端だが俺にも……もちろんティア、お前にも宿ってる力だ」

 言葉でだけなら、それは力のないティアナへの慰めに聞こえる。
 だが『そうではない』とティアナには分かった。自分を真っ直ぐに見据えるダンテの眼が、そう信じさせるのだ。
 知らず、ティアナは自分の小さな手のひらを目の前まで持ち上げた。
 この頼りない手の中に、本当に力など隠されているのだろうか?

「その人間だけが持つ力を」

 ダンテはティアナの取り落としたデバイスを拾い上げ、手に握らせた。

「―――銃(コイツ)に込める」
「力を、込める」
「そうだ。魔法じゃない、意志の問題だ。それが銃弾に生命を宿す」

 ダンテは自分のデバイスを持ち直すと、ティアナに見せ付けるように指先で回転させた。
 銃身が華麗に舞う。
 普段は意味のないパフォーマンスだとバカにするその光景に、ティアナは魅せられた。

「生命を吹き込まれた弾丸は、持ち主に応える」

 回転が止まり、虚空に狙いが定められる。

「後は簡単だ。狙って……撃つ!」

 引き金を空引く音が響き渡り、何も出ない銃口の代わりに『BLAME!』とダンテが口ずさんだ。
532名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/18(月) 22:02:36 ID:d4va8ZcV
sien
533名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:03:05 ID:9hR+11jX
支援
534魔法少女リリカルなのはStylish(17/27):2008/02/18(月) 22:03:11 ID:IFHgxRB0
「すると『大当たり』! ――――な、簡単だろ?」

 そう言ってニヤリと不敵に笑うダンテの顔を見ているうちに、その話の内容を何もかも信じてしまいそうな気持ちになる。
 我に返った時、心の中に燻っていた黒い感情は綺麗に消えていた。
 代わりに堪えきれない可笑しさが込み上げ、ティアナは泣き出すのと笑い出すのを同時に堪えるような変な表情を浮かべた。

「何よ、それ……。そんなに簡単にいくなら、誰も苦労しないわよ」
「案外上手くいくもんさ。そして、一仕事終えたら相棒に祝福のキスだ。忘れるな? 大切なのは愛さ」

 冗談めかしてそう言いながら自分のデバイスに口付けの真似をするダンテと、それを見て苦笑するティアナの間に、もうわだかまりはなかった。

 この日、それまで積み重ねてきた全ては崩れ去った。
 そして代わりに手にしたものは、これまで信じてきたものとは全く違う価値観と、力だった―――。




 あの時に教えられた<力>は、今もこの胸に宿っている。




「でやぁああああああっ!!」

 ティアナの両腕に集束される魔力がピークに達し、それは電光と化して荒れ狂った。
 カートリッジと自身の魔力を掛け合わせ、更にそれを限界まで圧縮した反動によって放電現象を起こす程の力を銃身と両腕に纏う。
 魔力を一点に溜める―――魔法の技術としては、ごく単純なもの。唯一つ、それが桁違いのレベルまで極められたものだという事以外は。
 強く固められた雪は氷塊となって高温でも簡単に溶けはしない。
 エネルギー体である魔力を限界まで集束し、物質化せんばかり圧縮した魔力弾がそれだ。
 かつてない現象に、スバル達はもちろん、観察しているなのはとシャリオさえ驚愕に目を見開いていた。

「狙って……!」

 過剰な魔力で震えそうになる銃身を押さえ込み、二つのターゲットに狙いを付ける。
 ガジェットの動きは速い。もうかなり距離は開いた。
 この距離は―――問題ない、必中範囲内だ。
535名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:03:13 ID:Y12qgi6J
ジャックポット支援!
536名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:03:25 ID:JSnxAsc2
支援
537名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:03:27 ID:01jm6ImI
キメラシードとインフェスタントに寄生されちまったぜ支援
538名無しんぼ@お腹いっぱい:2008/02/18(月) 22:03:32 ID:b7m0HaUI
どうした、立てぇティアナ支援!
539魔法少女リリカルなのはStylish(18/27):2008/02/18(月) 22:04:12 ID:IFHgxRB0
「撃つ! <チャージショット>―――Fire!!」

 ティアナの雄叫びに続いて、銃口が咆哮を上げた。
 押さえ込まれていた魔力はまるで獣のように凶暴性を増し、雷鳴にも似た銃声を轟かせて『連続で』解き放たれる。
 チャージショットは一発の魔力弾に力を集中するのではなく、デバイスそのものに魔力を集束させる事でその威力での連射を可能にしていた。
 放たれた六連射。
 それら全てに恐るべき威力と弾速を秘めた魔力弾は、一瞬にしてガジェットを捉え、AMFごと機体をぶち抜く。
 無効化し切れない程の勢いと圧縮率がAMFを突破した理由だ。単純だからこそ明確で確実な手段だった。
 魔力弾は全弾例外なく2体のガジェットを貫通し、その身に砲弾を受けたような大穴を空けた後、なおも道路を抉って霧散した。

「……やったぁ」

 動く物がなくなり、誰もが息を呑むように静寂が満ちる中、スバルの感嘆の声が漏れた。
 そして、それはすぐに歓声へと変わる。

「ナイス! ナイスだよティア〜、やったねっ!!」

 実際の声に加えて念話でも聞こえるスバルのはしゃぎ声が、疲労した体に何故か妙に心地良かった。
 魔力を振り絞り、神経もすり減らした射撃のせいで息は乱れて脱力感も襲っている。

「このくらい……当然よ」

 だが、同時に爽快感もあった。
 信じて貫いた果てに、道が見えたのだ。
 これまで自分の積み重ねてきた経験が生んだ結果だからこそ、余計に誇らしい。

「―――JACK POT(大当たり)」

 自然と浮かんでいた笑みのまま、ティアナは最後を締めるようにそう呟いた。
 それからその続きを思い出して、自分のデバイスを見つめたまましばし躊躇い、やがてほんの少し触れる程度にキスをした。





「強引に抜きやがったな、あいつ……」

 最後の一撃を見届けたヴィータは、どこか面白そうな表情で呟いた。
 傍らのシグナムも同じ顔をしている。
540名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:04:24 ID:w0pekgUZ
もwwえwwてwwきwwたww支援
541魔法少女リリカルなのはStylish(19/27):2008/02/18(月) 22:05:07 ID:IFHgxRB0
「愚直なまでの一点突破―――魔導師としては未熟だが、騎士としては見所があるな」
「あーあ、また始まったよ。シグナム好きそうだもんな、ああいうの」
「お前も似たような戦闘スタイルだろうが」

 魔法以外のスキルで戦闘力を高めるタイプのティアナは、古い騎士の彼女達にとって妙な親近感を与えるものだった。
 それに、ティアナ以外の新人メンバーに対しても、予想以上だったというのが二人の見解だ。

「ひよっ子どもには違いねえ。けど……なかなか面白くなりそうじゃねえか」
「同感だ」

 可能性に満ちたルーキー達―――そう評したはやての言葉もあながち嘘ではない。
 この機動六課があの四人によってどう変わってくのか。
 いつの間にか、ヴィータとシグナムの胸のうちにも燻るものがあった。

「はやての言うとおりだ……」

 昔と比べると随分変わった自分達の主。
 その彼女がよく口にするようになった言葉が自然と出てくる。

「刺激があるから人生は楽しい」





「全員、最初の場所へ集合。10分の小休止の後、訓練を再開するよ」

 初の模擬戦訓練をとりあえずの勝利で終え、気を抜く新人達になのはは指示を出す。
 モニターに映る四人には少し疲労の色が見えるが、それを上回る興奮が足取りを軽くさせていた。
 最初は初のガジェット戦で、半分くらい彼らの敗北を想定していたが、予想を超える結果に満足げに頷く。

「四人とも、思ったよりやりますね。所々驚く場面がありましたよ」
「そうだね。前衛はもちろん、後衛のメンバーの活躍もびっくりしたかな」

 シャリオの言葉になのはは同意した。
 おそらくこの四人の中では最強の単体戦闘能力を持つスバル。
 年齢を考えれば驚異的なセンスとスピードを持つエリオ。
 対AMFにおいて有効な手段を見出したキャロ。
 そして―――。

「やっぱり、同じ射撃系魔導師のなのはさんとしては、一番気になるのはティアナ=ランスターですか?」
542名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:05:13 ID:9hR+11jX
支援
543スーパーロボット大戦X:2008/02/18(月) 22:05:26 ID:G1R9DXK1
クールで熱血なティアナを支援
544名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/18(月) 22:05:42 ID:d4va8ZcV
sien
545名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:05:54 ID:d4va8ZcV
sien
546名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/18(月) 22:05:57 ID:d4va8ZcV
sien
547名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:06:03 ID:7lb54dBv
熱すぎる展開支援
548魔法少女リリカルなのはStylish(20/27):2008/02/18(月) 22:06:13 ID:IFHgxRB0
 シャリオに意地悪げな笑みで図星を突かれ、なのはは苦笑を浮かべた。
 ティアナの放った最後の射撃―――あれが眼に焼き付いている。

「射撃魔法のスキルレベルでは初歩の技。
 もちろん錬度は半端じゃなかったけど、誘導性を付加できない過剰圧縮の魔力弾は命中率を完全に本人の腕に依存しているからね……魔導師としてはまだまだ未熟かな」

 どちらかと言えば、魔導師というより戦闘者としての能力が高いのだ。
 あれがデバイスでなく本物の銃であっても変わりはしないだろう。

「……でも、あの射撃はすごかった。魔力以外のものが込められてるのを感じたよ」
「魔力以外、ですか?」

 絶えず四人のデータを取り続けていたシャリオが理解出来ない表情で呟く。
 数字やデータでは表示されない何か。
 なのはの心を震わせた強い衝動。

「魂、かな……?」

 冗談めかして答えながら、なのははそれがあながち間違った表現ではないだろうと思っていた。
 かつて自分が幼かった頃は幾つも抱いていて、成長した今はもう思い出す事しかしない、ゆずれない想いや意志。それを感じた。
 大人になり、現実を知って、人の輪の中で生きる為の節度も身に付いてきた。
 がむしゃらに走るだけなんて、もう出来ない。
 ―――でも、少なくともあのティアナにはそんな形振り構わない熱い衝動が宿っている。
 久しく感じたことのなかった高揚がなのはの胸の内から沸々と湧き上がってきていた。
 何度となく行ってきた新人への教導。今回のそれは何処か一味違うような、不安とそれ以上の期待を感じるのだ。

「……次の模擬戦訓練、少し難易度上げてみようか」
「おっ、本領発揮し出しましたね、なのはさんのスパルタ地獄」
「スパルタで結構。訓練で地獄を味わうほど、現場では楽になるからね」

 茶化すつもりだったシャリオは、そう答えて爽やかに笑うなのはの顔が一瞬鬼に見えて、知らず身震いした。
 管理局内において<白い悪魔>と評される理由の一端がここにある。
 それは圧倒的な力を指すものではない。必要な厳しさならば、例え鬼と呼ばれても痛苦を与え続ける教導官として姿勢から来るものだった。

「八神部隊長も言ってたでしょ?
 部隊の誰にでも<不幸>は襲い掛かる。そして、あの子達はその確率が一番高い。
 その時に、何かが足りなかったなんて後悔はさせたくない。
 だから、わたしは育てるよ。例え鬼と思われてもいい、あの子達が自分の道を戦っていけるように……」

 そしてこの四人なら、これまでにない成果を生み出す事が出来る。
 そう確信を持って、なのははモニターに映る若きストライカー達を見つめていた。
 彼らの訓練は、まだ始まったばかり―――。




549名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:06:18 ID:01jm6ImI
俺は頭悪いから内容忘れないように脳みそにでも書いておくぞ支援
550名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:06:25 ID:ePoL/JlW
誠意ってなんだろう?宗教用語?支援
551名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/18(月) 22:07:08 ID:d4va8ZcV
sien
552名無しんぼ@お腹いっぱい:2008/02/18(月) 22:07:13 ID:b7m0HaUI
ティアナとダンテの絆に乾杯支援
553魔法少女リリカルなのはStylish(21/27):2008/02/18(月) 22:07:27 ID:IFHgxRB0
 出会いと戦いの夜が明け、仕事の報酬を受け取ったダンテは自分のネグラへと向かっていた。
 管理局の治安から外れた廃棄都市街の一角にダンテの事務所はある。
 少し前まで、そこはスラム同然の都市でもとびきり物騒な、ゴミとゴミ同然の人間が転がる厄介事の溜まり場だった。
 しかし今やこの付近一帯に人気は無く、ただゴミだけが転がっている。
 もちろん全てはダンテがここに居を構えてからだ。
 強盗に押し入った人間が窓から吹き飛び、夜な夜な銃声と不気味な人外の悲鳴が木霊する場所にはさすがの荒くれ者達も近づくのを恐れたのだった。
 悪魔も泣き出す危険地帯―――正しくダンテの店はその名を体言していた。
 この辺りを訪れる者は、追い詰められて後の無い依頼人か奇特な知人、もしくはゴミ収集車くらいのものだった。
 その閑散とした道を、ダンテは呑気に欠伸をしながら歩く。
 ここしばらく<合言葉>の依頼が絶えない。仕事があるのはいい事だが、<悪魔>絡みの事件が増えるのは厄介事の前兆だ。
 この世にいないハズの者が徘徊する事は、悪夢の序章を感じさせる。
 しかし、そんな深刻な予感もとりあえず置いておいて、今はシャワーを浴びて一眠りしたいというのがダンテの本音だった。
 区を跨いで仕事に飛び回るのはとにかく疲れる。勤勉な自分なんてスタイルじゃない。
 人生には刺激と余裕が必要だ。
 それがダンテの信じる世の真理だった。

「それとピザ、それからストロベリーサンデー……」

 そんな風にいろいろと個人的な真理を付け加えながら、ダンテは辿りついた事務所のドアノブに手を掛けた。
 鍵はいつも掛けないが、この事務所に盗みに入るバカはもういない。
 ダンテは何気なくドアを開け、


 内側から巻き起こった凄まじい爆発に吹き飛ばされた。


「うぉおおおおおおっ!!?」

 ドア越しに奇襲された事はあったが、さすがに事務所を爆破されるのは初めてだった。
 完全に不意を突かれた事態に驚く事しか出来ず、ダンテはドアと一緒に為す術も無く宙を飛ぶ。
 爆風と炎に揉まれ、ゴミのコンテナに盛大に突っ込んだ。
 爆発で事務所の窓という窓は割れ、単なる穴になった玄関からは黒煙が立ち昇る。
 その中から、人の形をしていない三つの影が浮かび上がった。
 これが<悪魔>のそれであるなら、ダンテにとって日常茶飯事の流れだった。
 しかし、今回は違った。
554名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:08:13 ID:r4MaDEMr
支援
555名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:08:20 ID:w0pekgUZ
ぬぉ気になる展開支援
556魔法少女リリカルなのはStylish(22/27):2008/02/18(月) 22:08:23 ID:IFHgxRB0
 黒煙の中から現れたモノは無機質な表皮とセンサーの眼を持つマシーン。
 ガジェットだった。3体のうち2体は、ダンテは知らないがティアナ達も相手をした既存のタイプだ。
 しかし、2体を付き従えるように一歩退いた位置に浮遊する一回り大きな影は少々様子が違う。
 二つのタンクのようなものが増設され、アームケーブルとは別のベルト状の<腕>を持っていた。明らかに通常のガジェットとは違う強化が見て取れる。
 そんな襲撃者達の詳しい情報を、もちろん魔導師ではないダンテは知り得ない。
 コンテナに突っ込んだダンテはドアの破片とゴミに埋まり、淵から突き出た二本の足は力なく垂れ下がっているだけだ。
 常人ならば、爆発に巻き込まれて気絶したか、あるいは死んだと思える。
 一向に動かないダンテの様子を見て、沈黙していたガジェットの1体が素早く動き出した。
 アームケーブルを伸ばしてコンテナに近づき―――次の瞬間、装甲を突き破って背中から肉厚の刀身が顔を出した。

「―――おい、鉄屑。風呂場とベッドは吹き飛ばしてないだろうな?」

 コンテナの中から不機嫌そうな声が響き、そこから伸びたリベリオンに貫かれたガジェットがかろうじて答えるように火花を飛ばした。
 フンッ、という鋭い呼気と共に今度は鋼が宙を舞う。
 突然ロケットのように加速した剣に貫かれたまま、ガジェットの機体は事務所の二階に文字通り釘付けになった。

「見ない顔だな? 最近よく見る辛気臭い奴らとは違うが、無表情な奴は好きじゃない」

 ゴミを払い落としながらダンテが姿を現した。
 残った2体のセンサーを覗き込み、冗談めかして笑うダンテに、しかしもちろん愉快な色など欠片も浮かんでいない。
 機械らしく戦いの雄叫びも上げずに、通常タイプのガジェットが突然攻撃を開始した。
 中央の黄色いパーツから細く集束された熱線を放つ。
 センサーに偽装し、攻撃に予備動作も伴わないその一撃を、ダンテは軽く体を傾けるだけで難なく避けた。

「おいおい、いきなり青色の変なもん撃ってくるな」

 肩を竦めながら無造作に敵に歩いて近づく。
 間断なくガジェットからの射撃は続くが、それらは全て人ごみを避けるような何気ない動作で回避されていた。
 すでに目の前にまで接近したダンテを恐れるように、今度はアームケーブルが伸びる。
 もちろんその細いアームの打撃力は低い。眼を狙って迫る攻撃を、やはりダンテは難なく掴み取った。

「腰を入れろよ、タイソンのパンチの方が十倍速い」

 リベリオンは事務所の二階に突き刺さったままだ。
 ダンテはそれを呼び戻すこともせず、空いた右手を硬く握りこんだ。

「形が似てるからお前はサンドバックに決定だ」

 そして次の瞬間、拳がガジェットの鋼鉄のボディを掬い上げるように打ち抜いた。
 腰の捻りと体重移動を十二分に効かせたプロボクサー顔負けのブローが、センサーの防護ガラスを砕いて機体内部に潜り込む。
 中にある部品らしきものを適当に掴んで抉り出し、続いて体重を乗せた撃ち下ろしの右が炸裂する。
 装甲を陥没させたガジェットは地面にめり込んで完全に沈黙した。
557名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/18(月) 22:09:12 ID:d4va8ZcV
siinn
558名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:09:12 ID:DI8d1RTp
支援
559魔法少女リリカルなのはStylish(23/27):2008/02/18(月) 22:09:14 ID:IFHgxRB0
「ハッハァ、硬いサンドバックだったぜ! ……痛ぇ」

 テンション高く両手を広げるポーズを見せつけたダンテだったが、やはり堪えきれずに少し赤く腫れた右手を押さえて蹲った。
 しかし、残った最後の1体はそんな彼の無防備な姿を見ても微動だにしない。
 どうやら奴が敵の真打ちで間違いないらしい。笑みを消し、拳を擦りながらダンテは鋭い視線をそいつに向けた。

『―――素晴らしい。素手でガジェットを破壊するなど、人間離れした力だ』

 唐突に、口も持たないそいつが喋りだした。
 スピーカーを通したような電子音声には確かな感情を含んだ人間味がある。
 ダンテはそれが事務所を爆破した傍迷惑な黒幕の声なのだと察した。
 この機械を通して何処かで見ているのか?

『いや、そもそも君は半分ほど人間ではなかったね。これは失礼した』

 そして続くその言葉に、ダンテの雰囲気は豹変した。
 敵も味方も変わらず相手をからかうような余裕のある態度が消え失せ、黒い瘴気を纏う殺気が噴き出す。

「……どうやら、随分と根暗な野郎みたいだな。コソコソ人の事を嗅ぎ回るんじゃねえよ」

 目に見えるほどの魔力を体から立ち昇らせて、ダンテは明確な敵意を無機質なセンサーに叩き付けた。
 それは例え電波を経由しても消せない、絶対的な死を予感させる言霊だ。
 ほんの僅かだが、スピーカー越しに息を呑む音が聞こえた。

『…………恐ろしいね。今の君は<悪魔>寄りらしい』
「そう思うならとっとと出てきて謝罪しな。事務所の修理費払うなら、許してやってもいいぜ」

 そう言って口の端を吊り上げたダンテの顔は、笑みの形を作りながらも牙を剥く獣のそれだった。
 ガンホルダーからデバイスを抜き、いつ攻撃が始まってもおかしくない緊迫した状況で、二人の会話は続く。

『それはすまなかったね、悪気があったわけじゃないんだ。実は君とは友好的な関係を築きたいと思っている』
「だったら、まず人と話す時には顔くらい見せるようにしろよ。
 ママに言われなかったか? 『顔を向けて話しなさい』『名前を名乗りなさい』『他人の家を爆破しちゃいけません』」

 丁寧な物言いが逆に勘に触る。
 今すぐにも撃ちそうになる苛立ちを抑えるように、ダンテはデバイスを玩んだ。

『これはまた失礼した。ワケあってまだ本名は明かせないが、私のことは<ドクター>と呼んで欲しい。この機械を作った博士だ』
「OK、ドクター。さっさと本題に入ってくれ。この鉄屑を弁償しろってんならお断りだ」

 ダンテは足元に転がったガジェットを踏みつけた。

『それでは本題に入ろう―――<魔剣士の息子>である君の力を貸りたいのだ』
560名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/18(月) 22:09:36 ID:d4va8ZcV
sien
561名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/18(月) 22:10:21 ID:d4va8ZcV
支援
562名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:10:32 ID:01jm6ImI
ダンテは無視されるのが嫌い支援
563名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/18(月) 22:10:41 ID:d4va8ZcV
支援
564名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/18(月) 22:11:04 ID:d4va8ZcV
支援
565スーパーロボット大戦X:2008/02/18(月) 22:11:05 ID:G1R9DXK1
何をしようというのだ…。支援
566魔法少女リリカルなのはStylish(24/27):2008/02/18(月) 22:11:04 ID:IFHgxRB0
 <ドクター>の口にする情報に、もうダンテは驚く素振りを見せなかった。
 何処で手に入れたかは知らないが、コイツは自分を知り尽くしているらしい。動揺して見せるだけ癪だ。
 だが、話の内容は少しだけ意外だった。

「……依頼か?」
『契約だよ。私の目的の為に力を貸して欲しい。もちろん、十二分な報酬は用意するつもりだ。
 金は言い値で払おう。君が失った魔具を含め、戦闘力の面でも君の力を引き出す最高のバックアップを用意している』

 提示される仕事の内容を聞き流しながら、もはやダンテは何も言わず静かにデバイスをガジェットへ向けた。
 コイツは<悪魔>を知っている。
 それでもなお、恐れを見せない人間は二通りだ。悪魔を恐れぬ心の持ち主と―――悪魔の力に魅せられた者。
 しかし、完全な敵対者となったダンテの敵意を意に介さず、ガジェットから聞こえる声は話を続けた。

『―――もちろん、この世界の技術であるデバイスも最高の物を用意しよう。そんな出来の悪い玩具などではなく』

 ダンテの握る簡易デバイスを指して、何処か嘲るように言った。
 その一言で、ダンテの大して迷いもしなかった意思は完全に固まった。

「そいつぁご親切に。―――『NO』だ」

 <ドクター>の誘いを歯牙にも掛けず、引き金を引いた。
 しかし、魔力弾は発射されない。カチッカチッと虚しく引き金を空引く音が響く。
 ダンテのデバイスに備えられたトリガーは機能のない完全な<遊び>だ。銃を使う時の癖と、魔力弾を放つ時のイメージをしやすくする為の物に過ぎない。
 だから引き金を引いてもそれが作用して弾が出ることは無いが、それ以前に魔力が集束出来なかった。

『言い忘れていたが、既にAMFの範囲内だ』

 眉を顰めるダンテを嘲笑するように<ドクター>が告げた。

『君の魔力結合は、この無効化フィールド内では即時分解される。分かりやすく言うと―――無駄だ』
「なるほど、クソッタレな機械だ」

 いつの間にか装置を発動させたガジェットを睨み据え、ダンテは舌打ちする。
 やはりダンテの知らない情報だったが、このガジェットは新型の試作品として造られた物だった。
 AMFの範囲と出力共にこれまでの物を凌駕し、例えダンテのデバイスが高性能であってもこの中で魔法を行使することは酷く難しい。
 そもそも遠隔操作によって全く身の危険のない<ドクター>は余裕を持って会話を続けた。

『ところで、理由を聞かせてもらっていいかな? 何故、私の依頼を断るのか』
「簡単さ、あんたが気に入らない」
『事務所に関しては弁償しよう』
「それにな」

 無力化されたデバイスを目の前に掲げ、ダンテは小さく笑った。
 陥った自らの状況に怒りと苛立ちを感じる中、そのデバイスを一瞥した瞬間だけ瞳から険が薄れる。

「―――こいつは俺のお気に入りでね。それを馬鹿にされて、尻尾は振れないな」
567名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:11:24 ID:01jm6ImI
帰天で人間やめるぞ支援
568名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:11:33 ID:7lb54dBv
支援多すぎwだが支援
569名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/18(月) 22:11:48 ID:d4va8ZcV

支援
570魔法少女リリカルなのはStylish(25/27):2008/02/18(月) 22:11:59 ID:IFHgxRB0
 視線をガジェットに戻した時、ダンテが向けたものはそれまでの黒い感情ではなく、汚れない人間としての怒りだった。
 もはや単なる鈍器と化したデバイスを、再びガジェットに突き付ける。

『……どうやら、脅威となるのは君の<力>だけのようだ。精神はあまりに不完全すぎる』
「それが人間さ。交渉が決裂したところで、こいつを喰らいな」
『だから無駄だと……っ!』

 嘲りは驚愕を以って遮られた。
 突きつけられたデバイスと、それを握るダンテの腕におびただしいまでの魔力が集結しつつある。
 血のように凄惨で、炎のように燃え滾る真紅の魔力。
 極限まで集束されたそれが、AMFの影響下にあってなおプラズマのように荒れ狂ってスパークを繰り返していた。

「玩具かどうか試してみな? 悪魔を葬る銀の弾丸だ、ドクター・フランケンシュタイン」

 ニヤリと笑うダンテの形相は恐ろしい気迫に満ちていた。
 暴走寸前にまで込められた魔力が放たれた際の威力は想像に難くない。
 もはやガジェットは完全に沈黙を貫いている。機械の姿に怯えは見えず、しかしセンサーの奥で潜んで見える恐怖を隠して。
 そして唐突に、ガジェットは逃走に移った。
 弾けるように上空へ飛び上がり、そのまま高速で飛行して、空を飛べないダンテから逃れようとする。
 しかし―――。



「―――JACK POT」

 引き金を引く前から必中確定。真紅の魔力弾が、無防備な標的の背を撃ち抜いた。



 轟雷のような銃声が響き渡り、次の瞬間銃口の先では大穴を開けられたガジェットが空中分解しながら落下していく。
 先ほど自分が突っ込んだゴミのコンテナへ、盛大な音を立てて墜落した鉄屑を見届けると、ダンテはデバイスをクルリと回してガンホルダーに滑り込ませた。

「な、簡単だろ?」

 誰にとも無く呟いて、ダンテは黒煙を上げる残骸の元へと歩み寄った。
 弱弱しい煙を見る限り、火事の心配はないらしい。ゴミと一緒に綺麗に収まったガジェットの破片を見て、片付けの手間が省けたと満足げに頷く。
 しかし、残骸に混じって見える鈍い輝きに気付いて眉を顰めた。
 大破した機体の中に手を突っ込み、どうやら格納されていたらしいソレを引きずり出す。
571名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/18(月) 22:12:12 ID:d4va8ZcV
しえん
572名無しんぼ@お腹いっぱい:2008/02/18(月) 22:12:28 ID:b7m0HaUI
悪魔だろうが機械だろうがボコボコにするダンテに支援
573名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/18(月) 22:12:48 ID:d4va8ZcV
支援
574魔法少女リリカルなのはStylish(26/27):2008/02/18(月) 22:12:52 ID:IFHgxRB0
「……まいったね、コソ泥の真似までしてたのかよ」

 それは剣だった。
 ダンテが常備するリベリオンとは違う形状の、一回り小さな両刃の剣だ。
 シンプルな装飾と特色のない造形美を持つその剣の名は<フォースエッジ> 事務所に置いてあった物だった。

「コイツが目的だったのか……?」

 どうやらおかしな細工はされていないらしい剣を眺め、訝しげに呟く。
 襲撃者の真の目的がこの剣を手に入れることだったとしても疑問は絶えない。
 名剣であることは確かだが、一見するとこれはただの剣でしかない。『これ一本では』ただの原始的な武器でしかないのだ。
 そんな物を欲しがるなど、骨董品収集が趣味の物好きか、あるいは―――それ以外に剣の用途を見つけた者か。

「……まさかな」

 脳裏に浮かんだ疑念を否定しながらも、ダンテは服の下に隠れた物を押さえた。
 あの<ドクター>の目的がこの剣と、加えてもう一つ、常に持ち歩いているコレを入手することだとしたら―――?
 <この世界>に現れ始めた悪魔を見た時、自分の宿命とは逃れられないと悟った。
 そして今、そのクソッタレな運命の導きとやらが、再び自分の目の前に強大な闇を招こうとしている。

「親の因果が子に付き纏うってか……もうちょっと楽させて欲しいんだけどな」

 自分だけが知る深刻な事態の進行を茶化すようにぼやいて踵を返す。
 とりあえず、今見つめるべきは、待ち受ける過酷な運命とやらでも謎に満ちた強大な敵ってヤツでもない。
 二階に愛剣が突き刺さり、未だに窓から弱弱しく煙を上げる事務所の前に立つ。
 ドアがなくなって随分と出入りのしやすくなった玄関から泣きそうになりながら中を覗き込んで、それから頭を抱えたくなった。
 リフォームを終えた事務所の内部は見るも無残な有り様と化していた。
 革張りのソファーは綿が飛び出し、苦労して手に入れたレア物のジュークボックスは横倒しになっている。床は穴だらけだ。
 天井で弱弱しく回っていたシーリングファンが、ついに力尽きて落下する乾いた音が空しく響いた。
 正直、敵が残したダメージはこちらの方が深刻だった。

「……OK、ドクター。あんたの気持ちはよく分かった」

 再び対峙することがあればもはや無条件に敵となる決意を固め、ダンテは恨みを込めて呟いた。

「次に会ったら修理費を請求させてもらうぜ、利子付きでな」







 to be continued…>



575魔法少女リリカルなのはStylish(27/27):2008/02/18(月) 22:13:33 ID:IFHgxRB0
<ダンテの悪魔解説コーナー>

・ファントム(DMC1に登場)

 俺は蜘蛛が嫌いだ。脚が多すぎるからな。
 待ち伏せして、糸でもがく獲物を絡め取る陰湿な性格もいただけない。
 だが、そんなイメージを<幻影>なんて名前と一緒に吹き飛ばすのが、この巨大な蜘蛛の化け物の実態だ。
 マグマの肉体を硬い外骨格で覆い、強力な炎の魔力で周囲を焼き尽くして、馬鹿でかい口で人間なんて丸呑みにしちまう。
 特に長い年月を生きて力を蓄えた奴は魔剣の刃さえ弾き返す。まるっきり重戦車並だ。
 何より恐ろしいのが、実際の蜘蛛の生態と同じでコイツが種族を持つ一匹単体の存在じゃないって点だ。
 何千という子蜘蛛は、もちろん悪魔の弱肉強食の中で淘汰されてほとんど生き残らない。
 しかし、その内の何匹かは見事生き延びて、上位悪魔に君臨する化け物へと成長するわけだ。
 決して多いわけじゃないが、こんな化け物が複数存在するなんて、考えるだけでもゾッとするぜ。
 さすがの俺も、退治には骨が折れるだろうな。
576名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/18(月) 22:13:37 ID:d4va8ZcV
しえん
577名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:13:58 ID:DI8d1RTp
支援
578名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:15:35 ID:01jm6ImI
火災かき消し支援
579名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:16:35 ID:w0pekgUZ
GJ!!
質、量共にベネ!!
弾丸に魂を込めるところは燃えたさ
580名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:16:51 ID:tC89PE++
なんだこの最高の展開はw 支援!
581名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:17:02 ID:JSnxAsc2
>>575
>さすがの俺も、退治には骨が折れるだろうな。
嘘だぁ。なんて思った俺がいる4のやりすぎか・・・
582名無しんぼ@お腹いっぱい:2008/02/18(月) 22:17:18 ID:b7m0HaUI
素晴らしいダンテ、素晴らしいティアナ!
感激した。お腹一杯だちくしょー!
583名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:17:52 ID:Y12qgi6J
GJ!!
ここ数日、神作ばかりで鼻血が止まらないw
584魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/18(月) 22:18:29 ID:IFHgxRB0
ただ投下するだけのことが……こんなにも難しいなんて……っ!
皆さん、ごめんなさい。そして、オラに元気をありがとう! 投下は以上です。
ホントにね、数字にしてみて分かったけど、もう規制が怖いw
無理矢理アニメ三話を詰め込んだせいです。次回からはもうちょっと短くしていきます。
とりあえず、大量の支援を本当にありがとうございます。
あと、機会がなくて触れないけど、毎度感想をくれる皆さんもまとめサイトのWEB拍手の感想もマジサンクス。
なんか、あとがきいっぱい考えて話題のメモまでしてたけど、お腹いっぱいだからもういいやw

次回は早速機動六課の初出撃に突入。
必然的にスーパーティアナタイムが続くと思うので、皆凡人を応援してねっ。
ダンテとの合流も近いですな。
585名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:18:33 ID:01jm6ImI
全くだぜ。
586名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:18:54 ID:KeO4BQZ3
乙!
スカから自滅フラグと小物化フラグの匂いがプンプンするwwwww
587キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/18(月) 22:19:06 ID:SR0avg2j
キサマと言う奴は〜!!
人がフェイトそんを生き埋めにする話を書いているスキになんて凄まじい話を〜
GJだと難度でも宣言してやるぜ!

まず熱いのはティアナ、そして勿論ダンテ。何気にヴィータが熱いかも?
もちろん忘れてならないキャロのバインド。倫理? それなに美味しいの?
死霊で囲んでフルボッコに比べれば大した問題ではない、もっとやれ!
つうか可愛いよ、キャロ←これが一番重要w

そしてもう一度言うぞ? GJである!!
588名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:19:11 ID:nqmuQWEb
す、すげえ……スタイリッシュっす!!!GJっす!!
589名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:19:21 ID:Qnll/oy+
>>581
まだ4はやっていないが、同意。
スパーダに匹敵してるんだよね?

なにはともあれ、GJ!!
590名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:19:48 ID:7lb54dBv
かっこいいの一言に尽きますな。いや、マジにかっこ良すぎるよ…GJ!
591赤字:2008/02/18(月) 22:19:52 ID:A5HypjRe
GJ以外に言葉がねェ!!
ティアナが熱すぎて漏らしそうになったぜ……!
やっぱ面白い。非常に面白い。ばりばりで面白過ぎる。
次回も期待!
お疲れ様でしたー。
592名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:20:11 ID:KK+n151s
ダンテ、ご愁傷様
そしてGJ。
593名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:21:08 ID:DI8d1RTp
GJと言わざるをえない
そして支援したみんなもお疲れ様
IDがたいてい赤いなw
594名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:21:13 ID:T0hFJBK5
支援だ!
595スーパーロボット大戦X:2008/02/18(月) 22:21:14 ID:G1R9DXK1
>>584
GJ!!としか言いようがないな。
この作品だとティアナが凡人とは思えないな。これだとあの第8話は回避できそうだと思うが…。
ダンテにケンカを売ったスカリエッティは間違いなく死ぬぜ…。ケンカを売る相手を間違えたな。www
596名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:22:18 ID:nt4MvCEF
>>584
なのはとシャーリーの会話部分がすごく印象に残った。
このまま突っ走って欲しいです。最大級のGJを貴兄に。
597名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:22:37 ID:S9tpTKaX
乙mokkin!!!

スカの死亡確定だな。親しい人間ゆかりのものに手出したら・・・・・

ルシフェル無限コンボキボン
598名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:23:06 ID:SpvootFm
GJ!!
既にティアナは劣等感を克服していましたか。

なのはさんのゆずれない意思や思いは、10年たっても変わらないところだと
思っていましたが……
都築氏も「10年たっても微塵も変化なし」と言っていましたし……。

文量もとても読み応えがありました。続きを楽しみにしています。
599魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/18(月) 22:23:35 ID:IFHgxRB0
>>589
シリーズの最初で、かつ初めてのボスってことで、ファントムは初心者キラーなんですよね。
だから強力な悪魔ってイメージがあります。
私も未だに負けますw

キャロのバインドは映画版サイレントヒルがイメージ。
DMCの悪魔で触手系って少ないんですよね。ツタや茨はなんか脆そうだしw
600リリカル! 夢境学園:2008/02/18(月) 22:24:50 ID:tC89PE++
や、やれやれ……ようやく投下完了か(ガクガク震えながら)
まったくもって完敗というか、足元にも及ばない構成で血反吐を吐くしかないですよw

凡人……否、【人間】であるからこその力と魂を見せ付けた二人のガンスリンガーのかっこよさに
もはやメロメロです。
なにげにスバルも本編より天然&可愛い態度をするし、キャロもその因果の深さを思わせる。

そして、ダンテと接触したドクター。
あんた、死ぬぜ?
額に風穴開けてな! もうGJだらけです!!
601名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:25:48 ID:9hR+11jX
ダンテカワイソス……

ティアナがこれからどう成長するかが楽しみだな。
602名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:25:50 ID:S9tpTKaX
>>599
そんな貴方にエキドナとジョカドゥルム。お、どっちも女型
603名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:26:28 ID:01jm6ImI
gj本当に組織としてやっていますね。
みんな前を向いて 上に上がろうとしている。
604名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:29:08 ID:/sWKhoPM
GJ!!しかし最近のキャロは凄いな。
605名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:31:29 ID:01jm6ImI
ダンテどうするんだ住まいw
606Strikers May Cry:2008/02/18(月) 22:33:30 ID:xMy1oD9A
Stylish氏、超GJ!!!!!
なんだ胸にこみ上げるこの熱い感覚は、まるで魂が底から脈動するような滾り!

そして遂にドクターが登場ですがな、やっぱ悪魔を知っていたよドクターこれから悪魔とどんな関係性を見せるか気になりますね。
やっぱポジションはアーカム的なものなのか?
空港火災を見る限りボス級の高位悪魔も従えることが出来そうですが、ルーテシアがキャロと同等の存在ならば高位悪魔同士の戦いも夢でないか。

そして何より! フォースエッジが完全な状態ではないという事はまだバージル(もしくはネロ・アンジェロ)とは戦っていない!!
でてくるぜアイツがよ〜、兄貴との血戦じゃい!!
という訳で次回も心躍らせてお待ちしております。
607名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:34:15 ID:EsNvsI+d
これはティアナのところに転がり込むのか、もしくはヴィータがダンテを確保するのか……

>>592
sage忘れてるお
608名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:34:19 ID:T0hFJBK5
まったくなんてGJなんだ。
もう、言葉も出ない。アンタ最高だ! 今一度GJを送るぜ!
609名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:35:08 ID:cksdI2Qq
>>605
多少なりとも縁のある八神家のお世話になることになったりしてw
610名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:36:18 ID:HhGfj6Ko
GJ!!です。
ここのティアナはコンプレックスを乗り越えていてカッコいいw
そして、事務所爆破されるとは・・・スカ博士もやってくれるw
爆破しといて敵対する気は無いはないだろうw
やっぱり、スカ博士でもダンテ(悪魔より)の怒りには気圧されるか。
611フルメタなのは:2008/02/18(月) 22:37:51 ID:hcmHKhhp
もうGJを何回言ったらいいやらw

こんな超大作の前では、自分の作品は霞むどころか消し飛んでしまいそうだorz
612魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/18(月) 22:41:00 ID:IFHgxRB0
支援もそうだけど感想の多さにコーヒー吹いたww
お前wwwひと段落ついたのに、また俺をやる気にさせるのかwwww
今回はまあ、いろいろ伏線引いたんですけど、どれも回収には時間がかかりそうです。疑問に思っても、気長に待ってみてください。
ダンテの時間軸に関しても、これで大体予想できるかと。っつーか、一応原作知らない人も想定して書いてるんで。
とりあえず、スカの台詞で明らかにしましたけど、ダンテは魔具を持ってないので、皆の期待してる悪魔武器大活躍はしばらくないです。サーセンw
魔具合戦は他の人に任せますw
613名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:41:13 ID:S9tpTKaX
>>606
フォースエッジの描写の仕方とさっきのアゴ発言からするに多分ないかと・・・・・・いかん、これ以上先の展開に口出すのはマナー違反だな
614名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:42:35 ID:qv1blwcp
GJすぎる!

スカリエッティ、ケンカを売る相手を間違えたな・・・・・・お前確実に死ぬぞ。
そしてスーパーティアナタイムに熱くなったぜ!

ところでさ、キャロのバインドってそんなに問題あるかなぁ・・・?
あんまり無いように思えるのだが。
615名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:42:37 ID:01jm6ImI
ファントムってどういう形でキャロに取り付いてるんだろう。
前面に出てくるとbjも変化するのかな。
同じ縁でベリアルにまでとりつかれたらそれこそ灼熱の業火だが。
616名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:46:57 ID:/gyl8ZIF
スカに対してドクター・フランケンシュタインとは言い得て妙だなぁ。
そしてティアナかっけー。でもいずれ生まれるクロスミラージュは原作なんて
メじゃないくらい酷使されそうw
617赤字:2008/02/18(月) 22:48:36 ID:A5HypjRe
>>612
へへ、ダンテと言えば個性溢れる魔具だろww
やっぱネヴァンは欲しいよな。エレキだしww美女だしwww
あ、イフリートとかも出したい。篭手だしwwやっぱ篭手だしwww
ええい、このさいキャロにも持たせてやるぜベイベー!

というノリでやってしまっている俺のことですかな?かな?(違
618名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:49:44 ID:S9tpTKaX
>>614
無機物直接召喚だから非殺傷もクソもない→ガジェットもガリガリ出来るほど→生身相手に使ったら肉を裂き、まるで拷問
ってことだから血を見ることを知らないのが多い局の方はイヤーン
じゃね?
619名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:50:53 ID:HhGfj6Ko
あれだ・・・ファントムの眉間?の部分に上半身のみのキャロが融合していて
さながらNARUTOの砂使いみたいな感じになってるんだよw
620名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:51:12 ID:dO7PuovR
GJ!
このままキャロは悪魔路線を突き進んでエグイ魔法を習得していってほしいぜ!
621名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:51:43 ID:SpvootFm
>>614
スカ一味以外の犯人を逮捕する場合、重症あるいは死亡させかねない。
622名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:51:44 ID:w0pekgUZ
>>619
そこまでファントムでかくねぇから
アトラック=ナチャみてぇになんぞw
623621:2008/02/18(月) 22:53:18 ID:SpvootFm
追記、必要以上に犯人を傷つけてしまうため。
624反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/18(月) 22:53:20 ID:g3m1dgHP
>>619
闇キャロ「俺が神と一体化するのさ!」
…いかん、これだと「闇」の意味が違う。

ともあれStylish氏GJ!
相変わらずティアがカッコいいw
625名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:55:23 ID:dO7PuovR
>>621
あの程度じゃナンバーズは死なんだろ。
それにあの棘棘鎖はじわじわ痛めつけるほうが向いてる。
626名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:56:05 ID:HhGfj6Ko
>>622
キャロが私はファントムの中に入っているのでいい感じに汗をかいたりするのでダイエットと
お肌にいいですなんて言い出した日には六課女性人がファントムを捕まえようと眼をギラつかせますw

一瞬、棘つき鎖で捕まえた後に発火して鎖が真っ赤になって最後に爆発するのかな
と読んでいて思ってしまった。
627名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:56:09 ID:nt4MvCEF
>>625
よく読め
628614:2008/02/18(月) 22:56:51 ID:qv1blwcp
あ、そっか。管理局は血が嫌いなんだっけ。
すまんすまん、DMCを基準に考えてたわ。
629名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:58:02 ID:01jm6ImI
俺のイメージは
背中から灼熱の業火で出来た脚と尻尾が出てくる アギトの翼みたいに
グローブと靴の宝石がファントムの複眼になっていたり。
630名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:59:31 ID:S9tpTKaX
>>628
なのはのような記録映像ダンテバージョン作ったらヤバいだろうな。
毎回串刺しにされるし、血がどれだけ流れるか・・・・・・
631名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:59:49 ID:dO7PuovR
>>627
ヤダもん☆
632名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:59:56 ID:SpvootFm
管理局に限らず警察系の組織は犯人を必要以上に傷つけるのは避けるを思う。
633名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 23:02:27 ID:dO7PuovR
>>628
なんかの管理局の御前試合っぽいのでなのはとシグナムが血まみれで戦っていたが。
634名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 23:03:04 ID:HhGfj6Ko
>>629
ちょっとデフォルメして、かわいくなりそうな気がした私は犯罪者ですか?
635名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 23:04:34 ID:nt4MvCEF
>>631
坊や、早く寝な
636×DOD:2008/02/18(月) 23:05:47 ID:m7AubriW
この直後で超無謀にも23:30に予約をしたいんですが構いませんねッ!
637名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 23:06:55 ID:EsNvsI+d
>>636
何の問題があろうか、いやあるはずが無い!!!
638リリカル! 夢境学園:2008/02/18(月) 23:07:07 ID:tC89PE++
>>636
あなたを止めるものがいますか?
道は空いている。さあ、突き進め。
このスタイリッシュタイムの覇道を!!

つまり、全力でOKです。
639名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 23:08:02 ID:01jm6ImI
大丈夫ですよ卵から生まれたたくさんの妹さんと
羽と歯が生えそろった4メートルの大勢の赤ちゃんが待っていますよ。
640名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 23:08:04 ID:7lb54dBv
リリカラー氏はどうしたんだろう?
641キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/18(月) 23:09:01 ID:SR0avg2j
DOD氏まで来るのか……これは履歴書を書いているオレに対する挑戦だな。
勿論支援するがね?
642魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/18(月) 23:10:55 ID:IFHgxRB0
キャロ×ファントム自重w

>>636
翼無き友よ、長く待たせたな!(俺を)
643名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 23:13:43 ID:EsNvsI+d
>>641
志望動機と自己PRは別紙参照にして、別の紙にそれぞれプリントして挟み込んだ方がいいお。
10.5の文字サイズでA4紙の四分の三を埋めるくらいがベストだお
644キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/18(月) 23:24:38 ID:SR0avg2j
>624
ちょっ! それは違う顔芸だw
ラーとか鬼強いので出さんよ? インセクトクイーンは出したいが。

>643
マジで? 参考にさせてもらうぜ、サンクス。
645名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 23:31:21 ID:/j6V2lbZ
そういや、バクラはラーや社長嫁出していたな・・・一応攻撃面は何とかなりそうだな
そういや死霊公爵となのは戦わせたら面白そうだ・・・何せ死なないし
646魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/18(月) 23:32:21 ID:IFHgxRB0
そろそろ、殺戮王子サイコカイムの時間じゃまいか?
647名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 23:34:27 ID:jZota3yx
いっその事ポケモンデッキとか
648名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 23:35:01 ID:YVa1bT+j
狂乱貴公子リリカルカイムのSATUGAIはまだか!?
649×DOD:2008/02/18(月) 23:35:16 ID:m7AubriW
>>646
Oh, yeah!
投下前に、規制情報参考までにご報告。分割7回の総計9000文字(18KB?)です。
650名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 23:35:22 ID:Y12qgi6J
世話女房リリカルアンヘル支援
651名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 23:35:45 ID:01jm6ImI
早く行って イってくださいようbyハンチ4
652×DOD 五章六節 1/7:2008/02/18(月) 23:36:07 ID:m7AubriW
『正しく『楯』の任か。私に相応しいな』
『違いない』

 防衛ラインを抜けてきた敵と万が一の事態に対処するため、ホテル外最後の壁として残ることに
なったザフィーラ。通信で響いてきたその言葉は幼い部下を率いるシグナムに配慮してか、このよ
うにやや軽い口調であった。仲間のそんな言葉にシグナムもちいさく笑みを浮かべて返し、ホテル
内を地下へと駆け集合地点へと走り抜ける。言われずとも、気負っている暇などない。
 時を同じくして左右両方の柱の陰から、既にバリアジャケットを纏ったふたりの部下の姿が現れ
る。シグナムが既に招集をかけていたのだ。新種の敵とあらば攻撃防御方法の幅を広げるため、で
きるだけ多くの種の魔導師が集まった方がいい。それは四人の騎士のリーダー的役割を果たしてき
た彼女の経験則であり、事実でもあった。

「聞いたと思うが、ガジェット以外に新種が出た。上空から集結中だ」
「姿は?」
「シャマルによれば方形――ブロックのようだが、詳細は不明だ。気を引き締めていくぞ!」
「はい!」

 言いつつ走る守護騎士シグナム、走りながら規則正しく息をするエリオ、そしてフリードリヒを
伴ったキャロは、ホテル地下を駆け地上へと抜け出た。「敵」の第一発見者カイムに通信を入れた
シグナムが顔色を変え、シャマルがフォワード総員に未確認の敵の襲来を告げてから、まだ一分も
過ぎてはいない。
 正面玄関が壁面に隠れてしまうそこは、ちょうどホテル側面に位置していた。開けた空の青が網
膜をつき抜け、暗がりになれた眼に圧迫感に似た重さをもたらす。
 目をひとつしばたいて、キャロが次に感じたのは魔力の揺らぎだった。今までに何度か、時には
目の前で見せられた契約者の魔力の高まりが、ホテル正面、そしてその真逆の森の向こうにひとつ
ずつ。
 だが竜の『声』はない。
 エリオが声を上げ、キャロはシグナムとともに空を見上げる。確かに遠方、澄んだ空にばらりと
広がる敵影が視認できた。ただホテルに向かって直進しているのではないようで、おそらくはドラ
ゴンの方へ集まっているのだろうと推測する。シャマルによれば新出の敵はガジェットの群れの出
現と同時に、竜と竜騎士の方向へ、それぞれ空と陸から集結しつつあるとのことだった。
 しかし竜の音なき声は、まだキャロの精神に何ら響きをもたらしてはいなかった。ガジェットが
彼らに向かい、未知の敵が迫りつつあるのは、ドラゴンとて既に気づいているはずだというのに。

「……フリード!」

 ホテルではなくどういうわけか竜と竜騎士へと向かった襲撃。それに対し応答をみせぬドラゴン。
首を這うような、小さな予感であった。
 己と意を同じくしたフリードの、高い鳴き声に肯定の意志を感じ取り、呼んだキャロは勢いよく
両手を広げた。宙に敵の姿を確認していた仲間たちが振り返る。精神を研ぎ澄ませた幼い少女の両
手に何か、彼女の髪の色と同じにかがやく、粒のようなものが集まりつつあるのを彼らは見た。剣
を扱うシグナムが、まるで擦れる鉄の出す火花のようだと一瞬思う。それは魔力の煌きであった。
 その仲間たちが視界に入らないという様子の、完全に精神を集中したキャロが両腕を交差させる
と、集束していた光がはじけ散る。
 同時に宙に飛びあがった仔竜フリードリヒの純白の身体を、魔法陣の形成するスフィアが一瞬で
包みこんだ。竜召喚だ。以前の任務でもっとも間近に見たことのあるエリオが、思わず内心でそん
な声を上げる。しかし今回のそれは、あの時のようなゆったりとした巨大なスフィアの安定も、包
み込まれるような暖かな魔力を感じている暇もなかった。
653名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 23:37:26 ID:01jm6ImI
こんなにいじめてどうするつもりですう?支援
654名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 23:37:48 ID:WXTM2xTJ
通りすがりシェーン
655魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/18(月) 23:38:13 ID:IFHgxRB0
>>649
ありがたい! これで恐れずにすむ。
そして、更なる賢者は支援することを望む支援。
656×DOD 五章六節 2/7:2008/02/18(月) 23:38:29 ID:m7AubriW
 封印の解放は一瞬で終了した。
 宙に浮かぶフリードリヒを中心として展開した、おおきな球形の魔力の塊はあっという間に凝縮
し渦を巻き弾け飛び、その次に仲間たちが目にしたのはかのドラゴンにも迫る巨躯の白竜であった。
刹那の間の後、目の前の光景をシグナムとエリオが理解する。以前唱えていた呪文を、今回は完全
に破棄したのだ。所要時間の短縮、経過はわずか3秒にも満たない。

「お前たち、いつの間に」
「乗って下さい!」

 術者は当然のこと。それだけでなく被召喚体、すなわちフリードリヒ側からの適切な魔力操作が
伴わなければ、絶対にかなうことはない高速の竜召喚。呆気にとられて呟いたシグナムだが、切迫
した少女の声を聞いて目の前の光景から我を取り戻した。ドラゴンに出会ってからの竜の扱い方の
上達は既に知っているはずだ、驚いている暇はない。
 エリオが二度目となるフリードリヒの背に、キャロの隣へと飛び乗る。自力で飛行することはで
きるシグナムもそれに続いた。自分は空に生きるものではない。「空」は本来、剣士の戦場ではあ
らぬ。
 全員の姿を視界に確認しようとキャロが振り向く。その顔は何か、差し迫ったものが感じられる
表情だった。
 召喚士として同時に培った少女の感覚に、何かひっかかるものがあったのだろうか。白竜の両翼
が大きく振りあげられるのを横目に見ながら、そう考えてシグナムが問う。

「キャロ、どうした。何か感じるのか?」
「わかりません。でも何か、何かが……フリードっ」

 答えと同時に、キャロが相棒に呼びかける。白竜の眼がかっと見開かれる。
 純白の翼が空気を裂き、唸りを上げて振り下ろされた。
 跳躍したフリードリヒの巨体が、ミッドチルダの空へと飛翔する。吹き付ける大気を切りながら
ぐんぐんと高度を上げ、竜はあっという間に森の上へと舞い上がった。上昇に伴う強烈な負荷を受
けて竜の背に身体を伏せるエリオに気づき、キャロは慌てて謝ってみせる。対して同じように慌て
ながら、手を振りつつ気にしないでと言うエリオ。出会ってから訓練などでかなりの時間を一緒に
過ごしてきている二人だが、こういうところを見るとまだ少々ぎこちないなと思うシグナム。
 フリードリヒの上昇が止まり、ひとつ大きな爆音が背後から響いた。見やると、ホテル正面に砂
埃が吹き出て煙幕のように視界を遮っている。カイムの居た場所だ。戦闘はもう始まっていた。
 「話している時間はないようだぞ、二人とも」シグナムが言い、ちいさなふたりは前を向き直っ
た。ただ幾分緊張が和らいだようで、再び前を向いたキャロは視界の中に真っ直ぐ「敵」をとらえ
る。
 エリオがその近くの地に視線を向けると、そこから時を同じくして赤き竜の姿が舞い上がった。
 豆粒のように小さい黒い影が、遥か彼方で火竜との距離を縮めていく。ドラゴンの咆哮がとどろ
く。遠方から大気を震わせ、耳を抜け鼓膜をつらぬいた。
 長大な竜の首が、おおきく反った。空気をも焦がす灼熱のブレスが、口元に集束する。
 解放する!

「エリオはフリードの護衛、キャロは制御に集中しろ……追いつけるか!」
「はい、掴まってください!」

 ドラゴンの牙の間から業火が放たれる轟音と共に、キャロが叫び白竜が動いた。巨大な翼をやや
高くに掲げて首を低くした、力を溜めるかのような姿勢であった。遠方で焦熱のブレスが次々と、
寸分違わず黒い影を射抜いていくのを見ながら、その背に全員が両手を乗せ、身体を伏せる。
657名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 23:39:31 ID:01jm6ImI
ここがいいんですかあ?支援
658魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/18(月) 23:40:28 ID:IFHgxRB0
カーーイム!(CV.唐沢)支援。
659×DOD 五章六節 3/7:2008/02/18(月) 23:40:34 ID:m7AubriW
 フリードリヒが嘶いた。
 煙を上げて墜落し、あるいは空中でかたちを失い灰となって舞い落ちる「敵」。限界までたばね
られたブレスを矢のように連射するドラゴン。そこに首を向け視線の先を合わせ、白竜が後方へと
その羽翼を切り、加速した。
 形容するならば爆発的というのが最適であろう、急激かつ強力な加速であった。自身の高速に慣
れているシグナムもエリオも、己以上の高速の乗りものに乗ったことはなかったため、風をさえぎ
る障壁の展開が一瞬遅れた。伏せた者たちの布の鎧に突風が吹き付け、髪を撫ぜ払う。
 その猛接近に気づいたのか、八機が集団から離れてこちらに向かってきた。空戦に最適化された
ガジェットU型だ。ドラゴンの脇を迂回し、追尾する灼炎にニ三機を失いながらも、フリードリヒ
目がけて向かって来る。合流はさせないということか。

「ブラストフレアッ!」

 敵の姿を確認したキャロの選択は、敵を丸ごと飲む火炎ではなく、圧縮された火球であった。解
放された魔力を存分にこめた炎の球体が、空を疾走するフリードリヒの口元の、キャロが生成した
魔法陣に集束し放たれる。数は四。
 正面から向かってきていたガジェットに、カウンターの要領で叩きこまれた火炎を避ける時間は
なかった。以前V型のAMFにはじかれたそれとは異なる、集中し貫通力を高めた炎の塊が直撃し、
ガジェットそのもののにも匹敵する大きさのそれは装甲を熔かし焼け焦した。完璧な被弾に動きを
止めた四機。その落ちゆく残骸には目もくれず、残る一機の射出する魔力弾に対しては、身体全体
をスライドすることでこれを回避する。すれ違いざまにフリードリヒが尾で薙ぎ払い、金属の潰れ
る音が竜の背の三人の耳に届き、直ぐに後ろへと流れて行った。

「気を抜くな!」

 その様を見て一瞬気が緩んだキャロに言うや否や、シグナムが竜の背から頭上へ跳躍した。
 幼い魔導師たちが遅れて見上げると、赤い魔力弾がレヴァンティンの直刃に弾き飛ばされるとこ
ろだった。ガジェットに気を取られている間に、無音のまま「敵」の接近を許していたのだ。
 再び緊迫感を取り戻したキャロがフリードリヒを旋回させ反転し、エリオがストラーダの槍に接
近迎撃用の光刃を展開するのを確認し、シグナムは高度を上げる。今しがた防御した魔導弾に、小
さくない違和感を覚えながら。
 天空で上昇を続けながら、シグナムは自問する。今まで彼女たちが相手にしてきたガジェットの
攻撃手段は、完全に直線方向に射線を限定された、追尾機能のない単純な「弾丸」であった。しか
し今受けた赤色のそれは、弧を描いて接近しては来なかったか。
 僅かな違いだが、確かな差異であった。今のは、もしや新たな「敵」のものなのか――?
 答は直ぐに出た。高度を上げていくシグナムが接近に反応して振り向きざまに斬り捨てた、その
時感じた炎の魔剣の、石を斬ったような鈍い感触によって。

『降りよ。巻きこまれるぞ』

 脳に直接響く、低いその声には聞き覚えがあった。
 手のひらに感じた剣撃の反動に強烈な違和感を感じながらも、シグナムはすぐさま後方へ身体を
反らして浮力を切り、重力に身を委ねて空域を離脱する。
 その脇を何かが通り過ぎた。
 落下に任せながら目で追う。それは確かに、シャマルの情報通りの方形の、箱型のかたちをして
いた。独楽のように回転しながら逃げるそれがみっつ、よっつ。
 フリードリヒのそれよりも強力な、おおきなドラゴンの炎の砲撃がそれを追う。猛追にあったそ
れらはしかし振り切ることは叶わず、ブレスの直撃を受けて潰れ落ちた。燃え尽きたのではなく、
着弾の衝撃で圧壊したのだ。それを呑み込み、炎が熔かす。
660名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 23:40:45 ID:tC89PE++
支援ー。
661キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/18(月) 23:40:59 ID:SR0avg2j
トラップカード、戦慄の支援霊……アレ?
662名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 23:41:27 ID:01jm6ImI
あはは あはは あは はあんん支援
663×DOD 五章六節 4/7:2008/02/18(月) 23:42:43 ID:m7AubriW
「名をガーゴイルという」

 落下中に接近してきたガジェットを二つ十字に切り砕き、再びフリードリヒの背に降りたシグナ
ムの鼓膜に紅きドラゴンの声が届く。精神に語りかけるそれではない、あの低い肉声だ。だがその
声の中には、理知的な声色の他に激烈な何かを孕んでいるようにシグナムには感じられた。
 エリオ、キャロ、大丈夫か。一寸とはいえ目を離していた二人に問うと、同時に肯定の返事が返
ってくる。フリードリヒも一つ鳴いた。それに安心して正面を見ると、そこには赤い竜の岩肌の様
な背があった。
 二騎の竜の火炎を受けてか、竜たちの背後上下にもう敵の姿はなく、残すは正面に撒き広げたよ
うに散った一団のみとなっていた。かなりの数が隊列を組んでいるのを見ると、これが空の敵の本
隊か。
 その規則正しい、三機一対のガジェット・ドローンの配置の中に、シグナムが見たあの異形が紛
れている。
 ガジェットU型の鉄の翼とは違う、金属とも非金属とも見れる鈍い色の肌。一瞬垣間見たとおり
やはり立方体のブロックの形をした奇妙な物体が、七、八を一単位に方陣を組んでいる。ガーゴイ
ル。石像の魔物の名。確かに見たところ、その造りは鈍く光る石のようにも捉えることができた。
 と、そこまで内心で分析したシグナムが、思い返したかのように目を剥いた。そして訊ねる。

「何故、名を」

 答えず、ドラゴンは振り返ることもない。

「外殻は脆いが、群れで動く。煩い小蝿どもだ」
「ドラゴンさん――」
「先ずはこれらを全て灰にする。話をしている暇なぞ、今はない」

 キャロの言葉も、竜は取り合わなかった。
 言っている間にも六体のガジェットが接近し、ガーゴイルのうちいくつかの周囲には折れ曲がる、
奇妙な軌跡の赤い光弾が出現する。フリードリヒの火炎が三機を落とし、ドラゴンの灼熱の尾が二
機を薙いで、その脇を抜けた一機をシグナムが斬り捨てた。そのまま振り向いたシグナムが疑念を
こめた視線で竜を見るも、止めた。確かに話している余裕はないし、そこまで奢ってもいない。
 と、何かに気づいたようにドラゴンが首を向けた。何かと疑問を抱く面々に向かって、そのまま
言う。

「援軍が来たか」

 刹那、金色の魔力のリングが二騎の竜の脇を奔り、光球を旋回させていたガーゴイルが不意打ち
を受けて真っ二つに切り裂かれた。
 キャロが振り向き、エリオもまた振り返る。後方から猛烈な勢いで迫る何かがいた。しだいに接
近とともにその姿がおおきくなり、正体が知れる。
 フェイトだ。

「あれが新種――みんな、怪我はっ」

 加速を止めフリードリヒとドラゴンの間に割っていったフェイトは、ガジェットの中に奇妙なア
ンノウンを確認するや否や、問うた。大丈夫です、と子供が二人。全員怪我は無いと一人。いなな
くのが白竜。
 が、火竜は答えない。
 革紐にカイムの物らしき赤い刃を結わえた、おおきなその背を見ながら、キャロがちいさく口を
開いた。フェイトが来たことへの安堵がありながらも、不安を隠せない表情だった。
 常に理知的で冷静なドラゴンの言葉や気配に、これほど激しい何かを感じたのは、はじめてのこ
とだったから。
664名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 23:44:27 ID:01jm6ImI
小さい 小さいですねえ支援
665魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/18(月) 23:45:04 ID:IFHgxRB0
新たなるドラグーン、キャロ! アンヘルと並んだ光景を想像するだけでご飯三杯余裕です支援w
666×DOD 五章六節 5/7:2008/02/18(月) 23:45:37 ID:m7AubriW
「……でも」
 
 そのキャロを遮り、「見よ」とドラゴンが呼びかけた。
 少女が目を向けると、赤い竜の口もとに更なる火炎が凝縮されつつあった。火球のひとつひとつ
に、膨大な魔力を惜しみなく練りこんでいるのだ。あまりの高熱のためだろうか、牙の間から放射
される光は紅とともに白い輝きさえ帯びていた。
 解放される前から強烈と分かるその火炎は、なおも渦を巻き集束する。あたかもドラゴンの心を、
激情を表すかのように。
 地上でカイムが見たシャドウ、そして目の前のこのガーゴイル。かつて自分たちが戦った「敵」
が、何故この世界に、時空を超えて現れたのか。カイムが戦闘に精神を塗りつぶす直前に届けた、
『召喚』という言葉は何を意味するのか。何が起こっているのか。どうなっているのか。疑問は尽
きない。竜の叡智を以てしても。
 だがそれを越えて、竜の逆鱗に触れるものがあった。何故あの男は戦わねばならぬ?
 今。ドラゴンがこの空に、カイムが地上に居るのは、確かに魔導師キャロに口を出した責任とい
うこともあるが、切っ掛けは愚かにも手出しをしてきたガジェットの黒幕に罰を下すため、あるい
は誅戮するために他ならない。彼らの帝国軍との戦いは、それに続く神への抗いは、もうすでに終
幕を迎えたはずだった。あの男が命を危険にさらし、帝国や神への憎しみで戦うことは、異形と戦
うことは、もう二度とないはずだった。
 あの男に許される平穏は、どうしてこんなにも短い。
 修羅と墜ちた身でも人間を取り戻せるのだと、かつて竜は男に言った。それは慰めではなかった
はずなのに。それは真実であるはずだったのに。それが、運命だというのか。
 これがあの男の未来か。

――認めぬ。

 純粋かつ強烈な怒りが、ドラゴンの高潔な精神を満たす。
 火炎がさらに輝きを増した。赤を残していた業火は色を失い、純白のそれへと変貌する。

「光栄に思え、フリードリヒよ。世界最後の竜の炎、その一端をしかと見るのだ」

 危機を察してか接近をはじめた敵に向けた、凄絶な声色。
 火竜の背を見る白竜と、息を飲む魔導師たちの前で、竜はやがて、静かに告げた。

「滅びよ」
667名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 23:46:27 ID:01jm6ImI
オガーザーン支援
668キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/18(月) 23:47:26 ID:SR0avg2j
滅びのバースト…(ry
支援だ〜!!
669名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 23:47:53 ID:7lb54dBv
天使を呼んではならない支援
670魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/18(月) 23:48:30 ID:IFHgxRB0
アンヘル、カイムのこと大事にしすぎだろ…っていうか愛だろjkwww支援
671×DOD 五章六節 6/7:2008/02/18(月) 23:49:14 ID:m7AubriW
 

 ガジェットT型の光球が矢のように飛び交い、漆黒の鎧武者シャドウの剣が合間を縫って閃く。
 魔剣が受け流し、鉄鎚が弾く。焼く。撃つ。裂く。潰す。敵陣中央、目まぐるしい攻防。
 カイムとヴィータは機械兵、ガジェットドローンに周囲をかこまれながら、いまだに肉無き甲冑
を相手に斬り合いを続けていた。カイムは二体を、ヴィータは一体を相手に、さらにガジェットか
ら射撃を受けつつもなお。
 彼らのまわりに無惨にも鉄屑と化したガジェットの残骸が、いくつもひしゃげて転がっている。
対してその身体には、まだ傷の一つすらついてはいなかった。互角を超える戦いであった。包囲網
から外れたガジェットを撃破していたティアナもスバルも、目を向けずにいられぬ程ハイレベルな。
 二人とも知ってはいたが、挙動のひとつひとつすべてについて練度のケタが違う。最小の動作で
回避を済ませ、斬り、砕き、壊す動作には一片の無駄も見当たらなかった。以前模擬戦をした二人
の、人間を相手とした時とは違う、潰すためだけの動き。幾多の死線を潜った者の、凄まじい気迫
と闘志を伴った殺陣であった。 
 そしてカイムの見せる凄惨な表情に、ふたりの魔導師の目は釘付けとなっていた。
 この世のすべての激情を、一つに集約したらあのような顔が造形されるのだろうか。歯牙を剥き
邪に眉間を歪めた、壮絶な形相がそこに在る。スバルとティアナの目には、その様が等しく悪魔の
ようにも見えた。
 声無き咆哮を上げ呪怨と殺意と、そして邪悪を撒き散らし、カイムは暴虐に剣を振っていた。隣
や背後でヴィータの鉄鎚が唸っているが、それを気にしている素振りは皆無。二体のシャドウと戦
っているという事もあるが、心を全てドス黒く染めてしまっているというのが大きかろう。つまり
眼中にないということだ。
 対してヴィータの相手は一体のみ。時折飛び出してくるガジェットに射撃魔法を連射するだけの
余裕もあり、シャドウを鉄鎚で殴り飛ばしては時折カイムの援護をも行っていた。一度彼と戦った
ことがあるからだろうか、即興にしては剣士の動きがよく見えているようであった。
 ただいずれも、ガジェットの包囲を抜けることが出来ない。
 シャドウを一体でも始末できれば状況は変わってくるのだが、この黒き甲冑との戦闘経験者のカ
イムに二体、未経験のヴィータに一体という分配はどうやら最適のようで、一騎当千のふたりを抑
え込むのに十分な役目を果たしていた。退けば剣の追撃を受け、跳躍すればガジェットの光弾の集
中砲火を受けるのは明らか。脱出の手が彼らには無かった。
 バリアジャケットで耐えることのできるヴィータには唯一離脱できる可能性があったが、そ
の場合カイムが包囲網に取り残され、一瞬ではあれど三体を相手にしなければならない。彼女には
分かっていた。それ故に動けなかった。

「マズいわね……」

 舌をひとつ打ちながらティアナが呟くのを、スバルが聞いた。何が、と尋ね返す。目を向けずに
答える。
 「決め手がない」。
 状況は拮抗している。それを劇的に変えるための、最後の一手が欠けているようにティアナには
思えた。彼らとてまだ切り札の一つや二つは隠しているのかもしれないが、如何せんひっきりなし
にガジェットの弾丸と甲冑の剣閃が飛び交うこの状況だ、どう考えても出す暇は無い。それに彼ら
の体力も、魔力も無限ではないのだ。このまま行ってもあと何時間だって戦えそうな二人ではある
が、持久戦で体力が落ちれば判断が遅れる。そうなれば命取りだ。
672名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 23:50:48 ID:kM1xDId/
今北支援、これから読む。
673名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 23:51:27 ID:tC89PE++
天使を描いてならない。
支援!
674名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 23:51:29 ID:01jm6ImI
二人が燃えていくシーンはマジ泣きしたぜ支援
675×DOD 五章六節 7/7:2008/02/18(月) 23:52:30 ID:m7AubriW
 そうしているうちにもカイムの剣がまた一つガジェットを斬り潰し、返す刀でシャドウの長剣を
受け止める。ヴィータが裂帛の気合と共に放った一撃は、甲冑の前に展開した障壁に直撃して威力
を弱め、粉砕には到底至らなかった。
 本来このふたりの近接戦闘は、その全てが一撃必殺の技であるということはティアナもスバルも
知っている。それを弱めているのがこの障壁であった。魔法攻撃と物理衝撃を強力に妨害する二種
類の障壁がランダムに入れ替わり、カイムとヴィータの攻めを受け流していくのだ。
 対魔法のシールドを張っている時は剣や鉄鎚が届くのだが、それでも一体どういう構造をしてい
るのか、いやそれが甲冑の本分であるが故なのか、鎧を形作る鉄はひしゃげはしても砕けはしなか
った。そして追撃を叩き込もうとするとバリアが切り替わり、今度は物理攻撃を弾くものへと変化
する。そうなればもう、次のシールドの変化までは、剣も鉄鎚も届かない。

「ティア」

 隣から声が聞こえる。
 静かな声。強い響き。もちろんパートナーのスバルだ。しかし、とティアナは思い返す。
 これは……。

(――ヤな予感)

 ティアナは感じた。
 ふと隣を見ると、スバルが何かを決めたような、確固とした表情でカイムとヴィータを見つめて
いた。ティアナは慌てる。この語気で喋った後スバルが、今まで何をしてきたか思い出したのだ。
 思い起こすのは、訓練場で振り回された日々。確かに大量の魔力を保有しているスバルは、しか
しその実不安定でいろいろと無茶苦茶で、フォローに帆走したことは一度や二度ではなかった。暴
走するスバルに振り回されるのはいつだって彼女だった。しかもスバルがティアナの想定を外れて
動く時は、決まっていつも今のような顔をして、そして――。

「ちょっと、スバルっ」
「行ってくる!」

 間に合わなかった。スバルはもうすでに前しか見ていない。ティアナの制止を聞かず、スバルは
マッハキャリバーのホイールを全開に回し急激に加速した。
 向かう先は当然、カイムとヴィータの戦いの場、ガジェットが取り囲む円陣の中心へ。

「ああもう、何でアンタはいつもいつも……っ!」

 文句を言いながらもティアナは銃を向け、援護の体勢に入る。この友が何を考えているのかは分
からないが、彼女の目にそれは愚かしい特攻に見えた。それ故の反射的な構えであった。
 が、ティアナの両腕はそこで硬直する。
 加速していくスバルが持っている物体に気がついたのだ。
 どうしてそれが。いや、確かにあれは男が闘いの前に、身軽になるためだろうか地面に突き立て
て行った。
 しかしティアナは心の中で問う。スバル。アンタ、何のためにそれを――。

 疾走するスバルの手には、カイムの巨剣『鉄塊』が、両手持ちにしっかり握りしめられていた。
676×DOD:2008/02/18(月) 23:55:01 ID:m7AubriW
 少女と超重武器っていいよね!
 それはともかくですが、あと二節くらい行くかもしれません。二節や三節で済んだ最初の方とはえらい差\(^o^)/
 ではまた、次回をご期待下さい。ご意見ご批判等ありましたら是非。





 それと言っておくが、鉄塊は俺の嫁。
677名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 23:56:49 ID:Y12qgi6J
いいところで切るな〜GJ!
本当に、本当にありがとうございました
678名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 23:57:38 ID:fxDDeyKe
>>676
GJです!
ところで鉄塊はLVアップするんですか?
679キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/18(月) 23:58:53 ID:SR0avg2j
鉄塊は貴殿のものだ、だがお宅のスバルは頂く(なに
ヴィータとカイムの息つく暇も無い闘いが良いね〜
キャロのフリード乗りこなしは参考になるかも。
GJである。
680名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 00:01:54 ID:TCWQORfV
GJ!!です。
誤射事件の代わりに何が起こるのか気になりますw
681魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/19(火) 00:02:46 ID:U2J7FQ9J
>×DOD
ダンテコッタイ\(^o^)/
StS主役のスバルが助けに入ったということは勝利フラグか!? と一瞬安心したけど、手にした鉄塊には『理解不能』『理解不能』!
このまま鉄塊を振り回して参戦しそうだから怖いww
それに、カイムだけかと思いましたがアンヘルの方にもダークサイドが目覚め始めましたね。
もちろん、カイムを案じてのことなんだけど、2での暴走を見るとその思いの強さにキャロとかが萎縮しないかなぁと不安になります。
っつーか、ゲームでピンチの時にお世話になった大魔法使うっぽい!? あの威力見せたら、また管理局が騒ぎそうでさらに不安だ。
更なる盛り上がりを見せると同時に、不安も盛り上がってくるのがダーク展開に定評のあるDODクロスw
この戦闘がどのような結末を見せるのか、次回に期待であります。



それじゃ、草原の竜騎槍は貰っていきますね。
682名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 00:03:49 ID:FDtOBGMS
>>676
スバルゥーGJ!
683名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 00:05:38 ID:caDpvGrj
GJです!戦闘シーンがかっこいいですなあ…カイムとヴィータの組み合わせは素敵すぎるw
684×DOD:2008/02/19(火) 00:07:21 ID:E3lmKQ8P
>>678
現状はLv4固定です。2で更に進化してたら良かったんだが折れちゃったからな……


>>681
許さん。お前にはこれをくれてやる。


  シ ョ タ ソ ー ド
つ「少年の欲望」
685名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 00:09:41 ID:KH20bfLp
>>684
その剣の能力はやはりショタに目覚めてしまうのか?www
686魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/19(火) 00:13:07 ID:U2J7FQ9J
>>少年の欲望
君はいい匂いがする……ハッ!? 今一瞬声が山寺に!
687ストライカーは諦めない:2008/02/19(火) 00:23:21 ID:caDpvGrj
人の気配が少なくなってきた頃に予告するのが俺のジャスティス
0:30からジョジョ四部クロス投下おk?
688名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 00:23:57 ID:pT7z/icr
存分にやるよろし
689名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 00:26:14 ID:nqiKLx6D
GJッス!
しかし相変わらず文章が緻密ですね
つーかスバルがもうどんな暴走するか楽しみッスwwww
690名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 00:26:36 ID:TCWQORfV
レオナールww
そして負けず劣らずの変態紳士吉良吉影に支援w
691ストライカーは諦めない:2008/02/19(火) 00:30:41 ID:caDpvGrj
「……なるほどな。話は分かった」

私達は今、杜王町の郊外で承太郎さんと向かい合っている。周囲に人影は無い。
バス停で出会い自己紹介を済ませた後、ここじゃあマズイという承太郎さんに連れられてやって来たのだ。
そこでこちらの調査内容を告げ、返ってきた答えがこれだった。
この数分間で分かったことなのだが、承太郎さんは必要最低限のことしか話さない。
これが意外と厄介だった。普通の人ならただの無口で済むのだが、承太郎さんに無言で見つめられると何だか叱られている気分になってくる。

「それで……その、何か、心当たりはありませんか?」

恐る恐る、といった感じでスバルが聞く。承太郎さんの無言のプレッシャーに耐えきれなかったのだろう。ちなみに私もそろそろ限界だった。

「……おそらく、君達が捜している『違法魔導師』と、俺達が追っている『殺人鬼』は同一人物だろう」

『殺人鬼』。この穏やかな町にはふさわしくない言葉だと思った。

「殺人鬼……」
「そうだ。この杜王町には殺人鬼が潜んでいる。そいつは十五年間誰にも知られる事なく人殺しを続けてきた。
杜王町での失踪者の大半はそいつの犠牲者だ」

データで見た限りでも杜王町の失踪者は五十人以上居たはずだ。その大半は既に、殺されている。嫌な事実だった。

「……そして、君達はそいつを『違法魔導師』だと思っている様だが……おそらくそうじゃあない」
「『魔導師』じゃあ……ない……?」

私達にとっては信じがたい事だが、承太郎さんは何か『確信』を持っているようだった。
692×DOD:2008/02/19(火) 00:30:57 ID:E3lmKQ8P
>>686
ようこそ……『男の世界』へ……(性的な意味で
鉄塊は先週展開考えてそのまま持ってきた。ので正直自分でもどうしようか\(^o^)/ワカンナイ
それでもうまくまとめられると信じて……!


そして言い忘れていたハーヴェスト乙をしながらジョジョ支援
693ストライカーは諦めない:2008/02/19(火) 00:31:44 ID:caDpvGrj
「……数日前に、その殺人鬼に殺された少年がいる。名前は矢安宮重清。友人には重ちーと呼ばれていた。まだ中学生だった……」
「……ッ!」

思わず息を飲んだ。私達がやって来るほんの少し前にも人が殺されたのだ。
胸の中に黒いもやもやとした何かが浮かんでくるのが分かる。
承太郎さんは話を続ける。

「……ここからが本題なんだが、『重ちー』はある『特殊な能力』を持っていた」
「『能力』……ですか?」
「そうだ。俺達はその能力の事を『スタンド』と呼んでいる。どんなものかってーのは後で説明する。
この『重ちー』の『スタンド』はかなり強力でな……同じ『スタンド使い』でも勝てるヤツはそうそういないだろう」

この世界では魔法は確認されていないはず。
『スタンド』。魔法ではない謎の能力……
更に、承太郎さんは“同じ”スタンド使いでも、と言った。それはつまり……

「『スタンド使い』は何人もいる……ということですか……?」
「そうだ。『スタンド』はある条件を満たせば発現する一種の『才能』だ。才能さえあれば人に限らず犬やネズミすら『スタンド使い』になる」
「承太郎さんは犯人は『スタンド使い』だと考えているんですか?」

承太郎さんはああ、と短く、だが確かな自信を目に宿らせて肯定した。

「で、でも……殺された子が『スタンド使い』だからって、犯人も『スタンド使い』とは限らないんじゃ……」

おずおずとスバルが意見を述べた。まだ承太郎さんに萎縮しているのだろう。もちろん私もビビっている。このプレッシャーには慣れそうもない。

「ああ、その通りだ。それだけでは『スタンド使い』が犯人だと言い切ることはできない。君達の言うように『魔導師』の可能性もある」
「え!?」

あれほど強い口調で断言した割に、承太郎さんはあっさりと認めた。
予想もしていなかった返答にスバルは戸惑いを露にしている。

「……君達にはこれが『見える』か?」

立てた親指で自分の背後を指しているが、何も『見えない』。注意深く見てみてもやはりそこには何も無いように思える。
スバルにも何も見えていないらしく、うんうん唸りながら目を凝らしている。

「その様子じゃ『見えていない』らしいな。……『魔導師』ならもしや、と思ったんだがな。
だが、これで分かったぜ。やはり犯人は『スタンド使い』だ」

もしこれがマンガなら私達の頭の上にはクエスチョンマークが三つほど並んでいることだろう。
承太郎さんは何か納得したらしいが私達にはサッパリ分からない。

「話していなかったが、俺も『スタンド使い』だ。そして今俺は『スタンド』を……『スタープラチナ』という名前だが、発現させている」
「え!? でも何も……!」

スバルは言いかけて気付いたようだった。承太郎さんは『見えるか』と尋ねた。それはつまり、『見えない者』がいるということ。

「『スタンド』は『スタンド使い』にしか見ることは出来ず……そして『スタンド』は『スタンド』でしか倒せない。
……後者についてはまだ分からないがな。魔法でなら倒せるかもしれん。
だが、『スタンド』が見えないヤツに重ちーが負けるとは思えない。殺人鬼は『スタンド使い』! これは間違いないだろう……」
694名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 00:32:09 ID:nqiKLx6D
承太郎しえーん
695ストライカーは諦めない:2008/02/19(火) 00:33:01 ID:caDpvGrj
「犯人について分かっていることは『三つ』!
・性別は男・スゴ腕のスタンド使いである・今も杜王町に潜んでいる!
これだけだ。犯人は十五年間この町で殺しを続けている……他の町へ逃げたりはしないはずだ……
だからこそ、犯人を追い詰めることができる!」

そう言った承太郎さんは、コートのポケットから何かを取り出した。

「この『ボタン』は遺言だ……『重ちー』が最後の力で届けた、唯一の『証拠品』。
今はこいつの聞き込み調査を行っている。
……だが、どうにも人手が足りなくてな。時間が掛かっている。君達にも協力してもらいたいんだが……頼めるか?」
「は、はいっ!」

先に答えたのはスバルだった。少しばかり声が上擦ってしまっていたが、『絶対に殺人鬼を捕まえる!』という決意が伝わってきた。
こういう時に恐れず、迷いなく自分の正義を貫こうとするスバルを羨ましく思う。
正直に言えば、私は少し恐かった。JS事件を経て、成長したという自覚はある。
それでも、得体の知れない能力を持った殺人鬼を私は恐れているのだ。……いつまでも変われない自分が嫌になる。
だが、怯えていたのでは仕事にならない。恐怖を押し殺して返事をする。

「……大丈夫です。任せてください」

スバルには気付かれたかもしれない。あの娘は妙に敏感なところがあるから。

「ン……そう言ってもらえると助かる。
ホテルに部屋を取ってある。杜王町にいる間はそこを自由に使ってくれて構わない。
それと……これは捜査協力者のリストだ。何か分かったらそいつらにも教えてやってくれ。
聞き込みは明日から始めてくれればいい。
俺はちとヤボ用があるんでな……今日はこれで失礼させてもらうぜ」

承太郎さんが去ってからも、私はそこから動けなかった。

「……今日はもうホテルで休もっか? 承太郎さんも明日からでいいって言ってたし。ね、ティア」
「ゴメン、先に行ってて……ちょっと一人で考えたいの……」

気を使ってくれたようだったが、今はそれが辛かった。

「ティア……」
「大丈夫……大丈夫だから……お願い」

スバルはそれ以上何も言わずに立ち去った。時折心配そうにこちらを振り返っていたが、気付かないフリをした。

「何やってんだろ、私……」

心の中に立ちこめた暗雲は、しばらく晴れそうになかった。

TO BE CONTINUED
696名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 00:33:09 ID:E3lmKQ8P
支援……シタ……ゾッ……!
697ストライカーは諦めない:2008/02/19(火) 00:36:41 ID:caDpvGrj
前回と同じく短いですが投下終了
時系列的には山岸由花子はシンデレラに憧れるの直後くらいです。
次回はあの変態殺人鬼を出せたらいいなと思ってます。支援ありがとうごさいましたー
698名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 00:39:44 ID:nqiKLx6D
GJ!
しかし時系列的に重ちーが死んだ直後あたり……
康一君のフラグ立てに間に合うかなぁ……
イヤ康一君好きなんで誰かと絡んでくれたらグブッボッ…―!!
699名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 00:41:58 ID:E3lmKQ8P
>>698
由花子に絞められちゃうかららめぇぇぇ(ry
700名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 01:04:39 ID:TCWQORfV
GJ!です。
早くも魔導師対スタンド使いに期待してしまいます。
スバルにシアー・ハート・アタックって相性悪いw
701名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 01:42:10 ID:9dmHwVZI
しかし魔導師が犯人じゃないってわかったのに管理外世界の事件に介入していいのか?
近接戦闘型のスバルは相性最悪だけど大丈夫かな。
702名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 02:01:54 ID:S/sfTH1w
GJ!
シンデレラの後ってことはラットや形兆兄貴は出てきそうにないな…残念
承太郎らしさが結構出てたので期待大です
703名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 02:42:17 ID:zHcNncKX
このスレのせいでDMC1、3とDODに再度はまってしまったではないか!
どうしてくれるんだ!

hellsingの若ウォルター出演でSS妄想してみたが、どうも違和感だらけだ。
やっぱ『書ける』人たちはちがうな・・・スゴ味があるッ・・・!!
SS職人の命がけの執筆ッ!僕は敬意を表するッ!
704名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 03:26:51 ID:5h0RdjZa
本編終了後の、子初音を孕んで眠りについた状態の深山奏子をミッドチルダに!

という電波を何処からか受信したww
705名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 04:01:04 ID:6oUb45nF
>>704
アトラク=ナクア自重wwww
706名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 08:48:50 ID:ETJdTuQN
>>704
そういう設定もありだったな。
こちらは子初音13歳の6課入りを考えていたけど。
707ストライカーは諦めない:2008/02/19(火) 08:57:43 ID:caDpvGrj
>>701
調査隊が犠牲になってるから理由になるかなあと思ったんですが、ちょっと無理があったかもしれません。
708名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 09:04:59 ID:5nG8kIzH
>>612
遅ればせながら、GJ!!
魔具は使わないのか…。いろんな武器を使いこなすダンテがいつか出るのを
楽しみにしてます。
709スーパーロボット大戦X:2008/02/19(火) 09:13:18 ID:x/81ziM9
>>707
別にいいと思いますよ。
魔導師がいないと報告をする前に吉良に殺されたと考えればいいのですから…。
それに吉良なら秘密を知られたら誰であろうが殺す人のはずですし…。
710名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 10:31:04 ID:kmt10w5G
今現在予約はいってないですよね?
小ネタなので、職人の方々の邪魔にならない時間に投下したいのですが……
問題なければ十時五十分くらいから投下をはじめさせていただきます。

クロス先はまだ内緒です。ですが、投下もひさびさなのであんまりクオリティは高くありません。
見ていただけるだけでも幸いなので、よろしくお願いいたします。
711名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 10:33:47 ID:PI+Q2Bqp
>>710
進路クリアー。
いつでもいけるぜ? GOGO!
712名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 10:34:10 ID:+jYelEwG
 そうだ・・・
 今までみたいに・・・
 そうだ・・・
 投下しようぜ、>>710
713名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 10:35:24 ID:PI+Q2Bqp
毎度思うが、幾多の神作ラッシュで支援とかのバリエーションも豊富になったもんだ。
ある意味それも読むときの楽しみになっているぜ。

支援!
714名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 10:47:45 ID:kmt10w5G
では投下させていただきます。
・多重クロス作品
・バイド感染率高し
・ご気分が悪くなった方は、最寄の目医者へ……。
715存在がゲシュペンストの男@:2008/02/19(火) 10:48:50 ID:kmt10w5G
 大きな事件が発生したあとには、大きな後始末がつきものだ。
 たとえば、事件を起こした犯罪者がてに入れた危険な機材、それはどこからやってきたのか。
 首謀者に協力者はいたのか、いなかったのか。
 首謀者がつくった組織がどこかで悪用されてはいないか。
 これらをつぶさに調べ上げることで、関連した事件のおこる可能性をすこしでもつむことができる。

 JS事件も膨大な後始末をうんだ事件だった。
 ジェイル・スカリエッティは広域次元犯罪の罪名に恥じず、おおくの世界にその痕跡をのこしていた。
 ラッド・カルタスとその仲間達は、世界を股にかけて存在するスカリエッティの残滓を払うべく、日々捜査にとびまわっていた。

 今回もそんな、簡単な任務のはずだった。しかし、これが『新たなる野望!!』の火種になるとはその場にいるだれもが予想できないでいた。


――第187管理外世界、宙間『ソーディアン』

『ラッド! 裏口は固めた、俺とエヴァンはこのまま行くぞ!』
「了解だ――ハーベイ! 特にエヴァン、油断するなよ。帰ったらキャシディーと結婚式だろ」
『へへ、そりゃまあ、死ぬわけにはいきませんがね。まさか班長、うらやましいとか? ラッドもはやくギンガお嬢と仲良くなれるといいっすね』
「よけいな世話だ」

 よけいな気負いは迷いをうみやすい。
 同僚と軽口を叩きあうことで適度に精神をリラックスさせつつ、ラッドは通路を突き進む。
 犯罪者ジェイル・スカリエッティの息がかかった研究施設の廊下は、さながらゲームの迷宮のように入り組んでいる。
 さらに侵入前のスキャニングでは、いくつかの動体反応が確認されていた。スカリエッティの手から離れたガジェットドローンの数は多い。
 まだエンカウントこそしていないものの、この施設をうろついているのは、野生化したガジェットドローンだろう。
 自分の足音だけが廊下に響きわたる。他にはなにも音がなかった。

 ざわ・・・ざわ・・・ざわ・・・

 ラッドは足をとめた。

 ざわ・・・ざわ・・・ざわ・・・

 仲間たちとの距離は近いが隔壁をいくつかはさんでいるせいで、ちょっとやそっとの話し声や物音は、ラッドに届かない。この状況で異音が聞こえるならば――。

 ざわ・・・ざわ・・・ざわ・・・

 自分の精神の動揺が擬音化しているのか、周囲の空気がゆれているのかの、どちらかしかない。
 だが、前者はない。ならばッ!

 ざわ・・・ざわ・・・ざわッ

 うつろな気配が、肌を刺し貫く殺意にかわる。
 極太のベルトに突き刺していた日本刀を鞘ぐるみに抜いた。否、日本刀の形をしたデバイスか。
 ジャパニーズサムライソード・カタナ型デバイス<<羽々斬>>は、ラッドの左腰に当てられたと同時に能力を発揮しはじめた。
 鞘についていた赤い下緒がくるくると、ラッドの左手首へまきつく。
 ラッドは百八十度、体の向きを変えた。
716体格がグルンガストの男A:2008/02/19(火) 10:49:46 ID:kmt10w5G
>>715の都築



 見かけ上、何も無い空間をにらみつけたあと、叫ぶ。告げる。

「羽々斬起動。フォルムアインス!」
<<jaholl! >>

 デバイスの諸概念から逸脱した待機モードをもつラッド所有のアームドデバイスは、主の言葉にこたえ戦闘状態に移行する。
 ラッドは起動した羽々斬を鞘からひきぬく。手になじんだ、刃が鞘の内側を走る感覚。
 ラッドの殺意を顕現するように、カタナ型アームドデバイス<<羽々斬>>が鯉口を切った。
 青い閃光が空間を通り抜ける。
 鞘から刃を抜く――その動作で透明になっていたガジェットを、ラッドは横一文字に叩き斬った。

 たゆまぬ鍛錬によって完成する、鞘鳴りすらさせない高度な抜刀術。そしてそれを実現する羽々斬は、いつの間にか鞘へと回帰する――。
 高度なステルス機能を生かし、奇襲をしかけようとしていたガジェットドローンW型は内燃機関に損傷を負い、内側から爆発した。
 W型を支える刃のような手足が本体からはなれ、地面に転がった。
 ラッドはその光景をみながら、思う。

 機動六課が襲撃されたときに、もしもこの相棒があれば、すこしは被害を減らせたのではないか――。

 単なるうぬぼれではない。羽々斬の性能がそれほど凶悪――否、優秀なのだ。
 手にしたデバイスに目をおとす。
 常人をはるかに凌駕した身体能力をもつラッドは、愛機<<羽々斬>>を手にいれたことで類稀なる近距離戦闘能力を発揮できる。
 羽々斬から繰られる剣撃はSランクの騎士に匹敵するといわれるほどのものだったが、任務達成能力を測る魔導師ランクは陸戦AAどまりだろう、とラッドは考えていた。

 なぜなら、羽々斬は形状の変化を一切しない。
 間合いは羽々斬の二尺三寸(約七十センチ)と腕を足したものしかない。噴射による加速や鉄球などの付属武装もない。
 ミッド式の魔導師からみれば驚愕の一言、ベルカ式の騎士からみても潔すぎるの一言を浴びるに間違いない、まさに近距離戦専用のデバイス。

 刀身に魔力を載せるという必要最低限の機能しか持たないデバイスだが、能力は――このとおり。
 ガジェットドローンW型を一刀に斬り伏せる力をもっている。AMFの魔力結合阻害よりも羽々斬の魔力結合能力の方がつよいため、装甲を簡単に斬ることができるのだ。
 任務の都合上、屋内での戦闘が多くなる捜査員にとっては、長大な間合いより、眼前の障害を瞬時にとりのぞける力を必要とする。
 状況しだいでは、羽々斬は無双の能力をもつアームドデバイスだった。

「ガンダムキラー……いや、ガジェットキラーか」

 最近友人につけられたデバイスの異名を思い出た。
 だが、ラッドは何事もなかったかのように、だが愛機を左手ににぎりながら、ゆっくりと進路に戻る。

 ふたたび周囲を静寂が満たし、静かになった通路を侍――ラッド・カルタスは進んでいった。


 いくつかの十字路をとおりぬけ、別のルートで進入してきた仲間と合流した。なんどか戦闘があったらしいが、幸いにもあまり被害は出ていないようだ。

 アロハシャツ型バリアジャケットを装備した、エヴァン・コルテス。ジェリー・ガルシア追悼のためにバリアジャケットに細工をしている、ハーベイ・リンクス。

 頼りになる仲間達にひとつうなずき、ラッドは自分の身長の五倍はありそうなトビラにむかいあった。
 調査でわかったことだが、このトビラの電子ロックは管理局の数倍さきの技術で作られているらしい。
 正式な手順以外の手段ではトビラをあけることはできない。
717塊魂B:2008/02/19(火) 10:51:19 ID:kmt10w5G
>>716の都築





 ただし、トビラの強度自体はそれほど高いものではない。とりあえず、羽々斬の一閃で破壊できるほどの強度――だという。
 ラッドの右腕がかすんだ。

「ふっ」

 短い呼気と一緒にともに吐き出される、裂帛の気合とともに、羽々斬がトビラを分断する。
 抜く、収める、の神速はやまわしを三連続。ラッドの魔力光である蒼をまとった羽々斬がトビラを破壊した。

「さすが」

 エヴァンとハーベイが出入り口を壊された室内へ踏み入れる。
 ラッドはその後ろに続いた。

「ここの設計図だと、結構ひろいはずなんだが……。暗いな。ハーベイ!」
「待って。いま照明を……っと」

 手探りで端末までたどりついたのか、ハーヴェイが室内の明かりを灯した。
 それでもまだうすぐらかったが、ラッドは目をこらして風景を見る。
 スカリエッティ関連の施設で幾度かみたことのある円筒状のカプセルが、部屋中に埋め込まれていた。
 どれも中に人影がある。ラッドはその一つに近づいた。中が良く見えない。
 カプセルの表面に手を添えてのぞきこむ。

 顔はよくわからないが、体のラインは女性のようだ。
 カプセルは液体で満たされているらしい。半透明な液体のなかで、長い髪が踊っていた。
 髪は――紫?

 カプセルのなかをまじまじと見てみる。
 ハーベイあたりからライトを借りてこようかとおもったが、またこの前のように変態あつかいされるのも癪にさわる。やめておいた。

 そもそもチンクやノーヴェ、ウェンディにおこなったのは大人のスキンシップを教えようとしただけであり、けっして「アニキ分」の役得を得ようとしたわけではない。断じて下心はない。
 個人的にはクアットロあたりも好みなのだが、なかなか面会が可能にならなかった。

 ちなみにオとす自信はある。

 それはともかく――。
 カプセルへ目をこらす。そういえばいい身体をしているじゃないか。


 さきほどは薄暗くてよくみえなかったが、彼女は全裸に近かった。機動六課が保護した戦闘機人と
おなじような、ぴたりと体にフィットするバトルスーツで、カプセルに入っている。全身から力がぬ
けて、リラックスしている姿はどこか扇情的な色気をかもし出している。ラッドはまず、下腹部に目
をむけた。ウエストはひきしまり、臍のあたりにはなんの脂肪もない。腰まわりのラインは適度に肉
がつき、繊細なラインを描いていた。それこそ、触れれば指がすべりそうなほど。ただやせ細ってい
るだけではこうはいかない。ラッドはそこから目をおとしていく。残念ながらスーツのせいで、髪と
おなじ色をしているだろう密林はおがめない。心の奥底で舌打ちをかましながら、ラッドは視線をす
べらせる。ふとももと足が見えてきた。優秀な筋肉のついた、触れたら弾けそうな瑞々しい脚線――
と膝のあたりについた角。角? 角ってなんだ。立ち止まらないことか?明らかに人のものではない
ギミックにラッドはすくなからず動揺したが、それでも脚の造詣は奇跡的ともいえるバランスで整っ
ていた。今度は視線を上に。乳房の大きさや形があらわになってしまう、極薄の布が彼女の胸部を覆
っている。乳房はまるで桃のようにいい形だった。これならおそらくベッドで横になっても形を崩し
たりはしないだろう。しかし、半端な全裸よりもスーツがテラえろい。『常識』を知ったナンバーズ
の面々は全員が全員、もう二度とあのバトルスーツは着たくないといっていた。
718性格がヒュッケバインの男C:2008/02/19(火) 10:52:22 ID:kmt10w5G
>>717の都築



あのチンクでさえも。ラッド個人的にはまだまだ着てほしかったが。ウェンディやノーヴェあたりが
着ているときは、防御用のバトルスーツが凶悪な武器になる。いっそ管理局制服にしてくれ。そうす
れば対抗勢力は激減するはずだ。もちろん、あのエース・オブ・エース、戦斧もあの格好だ。さぞエ
ロかろう。そこでナンバーズのことを思い出した。「う……ラッド……おまえ……なんであたしにこ
んなこと……ぅつ……はずかしいから……馬鹿……そんなとこ……」と、ノーヴェの顔を真っ赤にさ
せたのは、どうも姉妹でかたまりがちな彼女に、男性と云うものを認識させようとした結果であり断
じて下心はない。「あ……そこいいッス……、あ、もうっ、ちょい、うえ……んっ、んっ……ラッド
あにぃの指……大好きッス……」と、ウェンディにあえぎ声をあげさせたのも、事情聴取のあとで緊
張がとけないでいる彼女をリラックスさせようとした結果であり断じて下心はない。「やめろラッド
……わたしのは……その小さいし……え? それがいい? うれしいが……あぅ、やぁっ……」と、
チンクにいたずらしたのは、彼女が体にコンプレックスをもっていることを知っているからであり、
決して下衆な下心はない。だいたいセクハラではなく、いたずらだ。まあ、頑なにスキンシップを拒
否してくるディードやオットー、セインに関してはこれからが本番だ。意外にセインの身持ちが硬い。
まあ、シスターズのことはいいだろう。いまは目の前の彼女のことだ。肩はアーマーに隠れているも
のの、華奢なのは理解できた。首筋からなだらかで華奢な稜線がおり、腕につづいている――? な
んだ、これは。ラッドは腕のさきに人外のギミックを見つけ、驚愕した。下腹部に夢中になっていて
さきほどは気がつかなかったが、腕は『腕』ではなかった。左腕には脚についているものとはまった
く別のもっと細いドリルがついていた。左腕には鋏に似たアームがくっついていた。金属の鈍い輝き。
どこかで見たことがあるような……? ああ、JS事件の最中、ギンガがさらわれたときに見たのだ。
この装備は、ギンガが改造されたときについていたもので――。ギンガ、ギンガか。そういえば最近
まともに話していない気がする。お互い捜査やナンバーズの件でいそがしいのだ。管理局制服のタイ
トスカートをおしあげる尻も、ずいぶん目にしていない。



 ――と、ラッドは前レスから続く固まりのような性欲をもてあました。




 カプセルに羽々斬をかまして女性に触れたい衝動に駆られた。が、自重する。まだ任務中だ。
 仕事とプライヴェートの分離くらい、ラッドにもできている。ナンバーズとのつきあいは除いて、だが。
 特に獲物とする居合いは精神のブレを大きく反映する。二重人格といわれてもしかたないほど、戦闘時と常時の精神は違っている。

 ハーベイの操作によるものか、カプセルの中が照らしだされる。
 よく知った顔が、カプセルの中にあった。

「おい、ハーヴェイ。もしかしてこの中の子たちは……」
「全部、お嬢のクローンだ。事件からずいぶん経過してこんなものがみつかるなんてな。
 ここの施設が稼働した時期を考えれば、たしかに辻褄はあう。
 スカリエッティ博士の研究はどれもコストと時間が掛かるものが多い。
 お嬢をさらってからクローンを作り出すのに、それなりの時間はかかったはずだ。それもこんな――四十五体も」
「そんなにいるのか?」

 ハーベイと一緒に端末の操作にあたっていたエヴァンは、壁という壁にはりつけられたカプセルを見る。壁一面にカプセルがある。
 一基につき、一体のクローン体がはいっているとすれば、たしかに四十五基はありそうだ。
>>718の都築


「これが、全部お嬢の――」

 夢のようだ。ラッドはつぶやいた。

「――ヤバイッ! トラップだ、ふたりとも!」

 ハーベイのあせった声色を聞くより前に、ラッドは羽々斬の刀身を引き抜いた。

 澄んだ――甲高い音。カプセルがなにか鋭いもので打ち割られ、そこから人影が踊った。
 四十五基のポット、すべてから。

 目の前ではぜたカプセルから、なにか鋭いものが伸びる。正体こそわからなかった。
 殺意が塗りたくられたその鋭いものを、ラッドは勘で迎撃する。回転しているものに刃を叩きつける感覚。
 刃が巻き取られるような手ごたえだが、軌道をそらすことはできた。
 ラッドの顔面、わずか数ミリ外につきこまれたのは――回転衝角。
 ラッドはのけぞったことで発生した体重移動を利用し、そのままバックステップ。彼女から離れる。
 ラッドがふたたび視線を上げたとき、そこには異様な光景がひろがっていた。

 ヴィィィィィン
 ギャィィィィン
 グワィィィィィン

 何かがまわり続ける音が、そこかしこから響き渡る。
 照明に照らされているのは、鋭く回転する衝角――ドリル。膝にドリル、頭にドリル、左手にドリル……ホイールをつけたものもいる。ちなみにホイールをつけた機体の右腕には、巨大な棒がくっついていた。

 彼女の額の真っ赤なドリルが回転し――。

「「「「「「「「「「ふんぐるいいいいいいいい……むぐるななふふふふふふふ……」」」」」」」」」」」

 ドリルで不明瞭になった言葉の一斉唱和――。まるでクトゥルーにささげるような声音。対CCDでも召還したい、不気味な声量。
 いくら好みの女性といっても、これはさすがに愛せない。ラッドは頬をひきつらせた。

「「「「「「「「「「くとうるううううう……るるいえええ……」」」」」」」」」」

「あたまにドリルだと――。装備品をうりはらったのかッ!」

「「「「「「「「「「うがふなぐるるるるる……ふたぐんんん……ッ」」」」」」」」」」

 エヴァンが意味不明なことを叫び、それが合図になってしまったのか。

「くるぞッ! ホレイショやナッシュやジョーの世話になるなよ、みんなッ!」
「了解。ボギーや宝条や友蔵には世話にならねえぜ!」
「了解。ガルドやマクレーンやピッコロ大魔王には世話にならねえぜ!」

 量産型タイプゼロ・ファースト・ドリルスペシャルとノットパニッシャースペシャルが一斉に襲い掛かった――。

――
 ギンガ・ナカジマは第一次地上本部襲撃時に、スバル・ナカジマは第二次地上本部襲撃時に、それぞれスカリエッティの手に落ちた。拘束はスカリエッティが逮捕されるまで続き――。
 過度な改造は彼女達に精神的な負担をかけたが、尊敬する人間フェイト・テスタロッサ・ハラオウン執務官と高町なのは一尉の『○○的な介護』で持ちなおした――
 事態はギンガとスバルの生活が落ち着いたころ、鎌首をもたげるようにゆっくりと、回りはじめていた。
――
720『かつて』と『これから』E:2008/02/19(火) 10:54:08 ID:kmt10w5G
>>719の都築


 一方そのころ、機動六課では最後の模擬戦がはじまろうとしていた。
 そこに集った人間すべてが、万感の思いで舞い散る桜をみつめ、フォワード陣は決別を開始する。


???「友よ、今が駆け抜けるとき――!」


 機動六課の陸戦用シミュレータには、桜の吹雪が舞っていた。
 そこに集う機動六課のフォワード陣は、それぞれの思いを胸に――デバイスを起動させた。


???????「承知ッ!」


 涙が出そうなほどの――郷愁と、感謝を胸に抱き、スバルは隊長陣にリボルバーナックルをむける。
 憧れの人と、一緒にいられる夢のような時間は今日をもっておわりになる。
 明日からは、ここにいる誰とも、おなじ道は歩まない。
 だからこそ、涙をながすなんて無様な姿を見せたくなかった。
 成長を見てもらうために。涙でゆがんだ思い出など、スバルも必要としてない――。
 仲間とともに――全力を尽くすのみ。


???「これより艦前方へ一斉砲撃! その後艦首超大型回転衝角を使用する」


 どれだけ世話になっただろうか。
 ティアナはそんなことを考えながら、手になじんだデバイスを構える。
 いろいろな想いがあった。感情が、トリガーにかかる指先をふるわせ、相棒を持つ腕をいつまでも固定させない――。
 いろいろなことを教わった。あせりをとめて貰った、かけがいのない自信を貰った、未来のために銃をむけることを教わった――。
 ティアナはいちどだけ鼻をすすりあげ、照準を隊長たちに向けた。それでも銃は感情で、ゆれていた。


???????「了解、前部各砲塔発射準備! 目標との相対距離確認、仰角、誤差修正!」


 まだまだ遠いな。率直な感情だった。
 十一歳でランクAAとなったエリオは、そんなことを思いながら、涙腺の痛みに耐えていた。
 別れの際でも凛と立つ隊長たちに、自分の成長がおいつくのは一体いつのことになるのか。
 まだまだ道は険しく遠いが、これが一つの指標になる。
 全力の隊長たちと、いまどれだけ力の開きがあるのか。それを見極めるために、涙を流している暇なんてなかった。
 だが、涙腺の痛みは去ってくれない。その痛みを握りつぶすように、ストラーダを握り締めた。


???「大型回転衝撃角、始動!」


 何一つとしてわすれたくなかった。空気のつめたさ、風のにおい、大地のやわらかさ。
 どれ一つとっても、キャロは忘れたくない。
 この一年でたくましさを増したフリードリヒがキャロの頬をぺろりとなめた。
 きっと――塩味がしたはずだ。あの人の役にたちたくて、ただそれだけではじめた管理局入り――。
 しかし、隣に立つ少年やさまざまな出会いを、キャロは『機動六課』から貰っていた。
 はじめて得る『家族』のような安心感。
 それも今日で終ってしまうと思うと――。
 だからわすれない。いつかくじけそうになったとき思い出せるように。
 わすれるものか、この一分一秒を。
721回転衝角という男F:2008/02/19(火) 10:55:46 ID:kmt10w5G
>>720の都築


「了解! 回転衝角始動! 機関最大戦速!

「各砲塔、砲撃始め!」

「総員衝撃に備えよ!」

「全速前進! 大空魔竜アースラ改! 突撃ィィィ!






ミザル・スカリエッティ「「これだァ! 我らはドリル(え? 幼女だろ)に漢をみたァ!」」





 漢たちの唱和がかさなる。それぞれまったく違う主張でありながら、まるで計ったかのようにそろった自己主張。
 人生アルバムの壱ページを占めるべき名場面を犯された少女たちは、ぽかん、と惚けてしまった。

「いいッ!?」

 最初に正気にもどったのはティアナだ。上空から迫る次元航行艦に目をむいて驚く。

「あれは――そんなッ! 回転衝角装備の次元航行艦は、プランに存在するだけで実際には建造されなかったはずなのに!」
「って、あったんですか! プラン上は!?」

 はやてが次元航行艦の艦首を見てさけび、スバルが光速でつっこむ。あるはずがない艦首モジュールを装備した次元航行艦から、ふたたび大音声が――。

「フフフ・・・ひさしぶりだな。六課の諸君」
「!!!」

 フェイトは二度と外で聞くはずのない声を聞き、驚愕の表情で次元航行艦を見上げた。
 フォワード陣の目の前に巨大なパネルが開いた。そこに映し出されていたのは、何ヶ月かの拘束でやせほそったジェイル・スカリエッティの姿であった!

「スカリエッティ!」
「ああそうだよ。わたしは帰ってきたのだよ、この娑婆というすがすがしい空気に!」
「そんな……。昨日はたしかに管理局の施設で拘束されていたはずなのに」
「そうおもうのなら、映像なりなんなりをチェックしてみたらどうだね?」

 言葉をうけて、なのはがすばやく情報を検索しはじめた。やがて、手がとまる。映し出されたスカリエッティ収監の図には、スカリエッティの姿はなく――

 かわりに骸骨に皮をはりつけたような顔の男が、まるで路地裏で夢をみる宇宙少年のような表情で独房にはいっていた。なにかつぶやいている。
「ふふふ……修羅神に乗れなくたって将軍になれるんだ……どこかのサラリーマンみたいに……」

「!? みがわりッ! って、フェイトちゃん! はやてちゃん! 逃げないと!」

 なのははヴィヴィオをだきあげ、フォワード陣に撤退の指示を飛ばす。次元航行艦は迫って来ていた。
 だが、彼女達の判断はすでにおそかった。

「うっ!?」
722その日、機動六課G:2008/02/19(火) 10:56:41 ID:kmt10w5G
>>721の続き


 一瞬、地面がもりあがり、そこからアームがせり出してきた。それがシミュレータの上にいた人間、すべての足を拘束する。

「ち、地中からの――!?」
「機雷でもしかけておけばよかったわッ!」

 セオリーにない地中からの攻撃に、エリオはあわてふためき、はやては要点をはずしたコメントを叫んだ。
 地面にはりつけにされた面々をよそに、次元航行艦が砲撃を開始する。
 オーバー・エクスプロージョン(OE)兵器に匹敵する熱量が、彼女達のバリアジャケットフィールドを削っていく。

「フフフ……デットエンド・ドリルッ! きさまらをかき回してやる! 回れ! 回れ! 回れェッ!」

 叫んだのは、なのはたちがあったこともない、妙にとんがった髪型をした偉丈夫。
 なのはたちは悲鳴をあげるよりもまえに――ドリルの巨大質量にのみこまれてしまった。




「う……うぅん……お父さん……ここは……?」
「お……目がさめたか、ギンガ」

 ギンガは掛かっていた布団をおしあげながら上半身をおこした。
 見覚えのない場所だった。窓は一つ。四方を白いかべで囲まれた――。

「病室?」
「ああ。ここ一週間眠りっぱなしだったんだぞ」
「一週間も……。わたしがスカリエッティにさらわれたときでも、一日寝るだけですんだのに……」
「それだけ、ダメージがあったんだ。この程度で済んでよかった……」
「この程度……って。他のみなさんはッ!? スバルはッ!?」

 ギンガはゲンヤの顔を覗き込んだ。ゲンヤは気まずげに目を伏せる。

「全員、さらわれちまった。あの場にいて無事だったのはおまえだけだ」
「そん……な……」
「そのうえおまえさんにはつらい出来事かもしれんが。おまえのクローン体が発見された」
「え?」
「四十五機――。おまえがスカリエッティに改造されたときのデータを応用しているらしい。こいつがいま、街中で暴れまわってる。精神改造された六課メンバーと一緒にな」
「……精神改造? じゃあ、本当にスカリエッティは外にいるの……」
「独房にはいっていたのは『変震のアルコ』という、変身術の達人だったそうだ。身代わりにしてはあれだが……」
「アルコが……そう。お父さん。今回の事件……黒幕はスカリエッティじゃないかもしれない」
「そんなことを言うってことは、おまえは奴らを追うんだな?」
「うん。たぶん因縁のある相手だから。激震のミザル……まだ生きていたなんて……」

 ゲンヤは顎に手をやり、うなった。

「しかし、管理局の人間として、ではむずかしいぞ?」
「わかってます……。でも、スバルやフェイトさん、なのはさんやはやてさんを放っておくわけには行きませんから」

 ギンガの瞳にうつる強い決意に、結局ゲンヤは折れてしまった。単独捜査――という形でギンガを現場におくりだすことになったのだ。
 ギンガは出立する前日、マリエルの元を訪れていた。手術でインプラントされていた装備をとりもどすためだった。
 要望を予測していたマリエルは、装備に手を加えていた。増殖チップとブリッツキャリバーによる携帯性を実現した新たな装備。マリエルはパワーアップしたブリッツキャリバーをギンガに手渡した。
723ドリル銀河大戦【接触編】H:2008/02/19(火) 11:00:35 ID:kmt10w5G
「いい? ギンガ。これはあなたがスカリエッティにさらわれたときに埋め込まれた、特殊装備よ。
 バリアジャケットに手を加えたから、これでギンガの身体に手をくわえなくて済むわ。まあ、バリアジャケットの改造といっても、アタッチメントを増やしたくらいだから使い心地には問題ないはずよ。
 武装の説明を始めるわ。
 まず、これが左腕部の『ドリルアーム』と右腕部の『ゲッターアーム』。『ドリルアーム』はリボルバーナックルとの同調によって、魔力による威力強化と貫通性の上昇ができる。加速装置『ゲッタービジョン』との併用で、かなりの高速戦闘が可能なはずよ。
 次に、肩から伸びるのは『超銀河グレンラガンドリル』。これは左右のドリルを一本にすることで絶大な貫通力をもつことができるわ。武装名は『ギガドリルブレイク』。魔法として登録してあるから有効につかってね。
 膝部には『ドリルニー』、額には『ドリルインフェルノ』が装備。関節の稼働範囲や視界を考えれば、近接戦闘の武装としてはかなり有効。不意をうつのに最適ね。これはセットで使うことができるから魔力消費は少ない。
 で、どん尻にひかえしは、肩から背中に伸びてる『ドリルブーストナックル』。ギンガの武装では一番とおくまで届く武装だよ。ドリルを飛ばすための噴射はギンガの魔力よ。多用には気をつけて。
 ……これから先が大事なことよ。これらの武装は全部、高出力の魔力結晶体『レリック』と対になってる。展開できる武装は、『ドリルインフェルノ』と『ドリルニー』を抜けばいちどにひとつだけ。あまり練習をしている時間がないけれど……使い方には十分に気をつけて……」
「はい。あの、そういえばサングラスは……?」
「オシャレに改造中よ。任務の間に届けるわ。アナライザーとしての機能を強化して、ね。あの赤いサングラス、気に入っているの?」
「なぜか勇気が沸く気がしまして……。わかりました……。ありがとうございます、マリーさん」
「あと、これは未確認情報だけど、ギンガのクローン体がいろいろな武装を持っていることが、ラッドたちの調査でわかっているわ。パイルバンカーや回転のこぎり……サンビームなんて武装もあったみたい。
 ブリッツに追加した機能で、アタッチメントの規格が同じものなら装備できる。有効につかって。
 ギンガ、スバルも元気になったばかりでこんなことになってしまって……」


「大丈夫です。わたしはなのはさんやフェイトさんに……大きな恩がありますから」


 ギンガはそう言い、マリエルに笑いかけた。覚悟と決意を瞳に宿して――。







                        新暦XX年

               ロボット工学のけんい、Dr.マリエルによって
                せいびされた せんとう用ロボット ギンガと
                  スバルは、平和な日々を 送っていた。
                 ところがある日、さらわれた管理局員が
                  とつぜん あばれだし 世界中が
                      パニックと化した。
  
             Dr.マリエルは、ナゾの天才科学者Dr.ミザルの
                   しわざであると きづいたが
                     なすすべが なかった。
               せいぎかんあふれるギンガは 自らのいしで改造
               を望み、Dr.マリエルによって スーパーロボット
                 ギンガとして 生まれかわったのである。

               Dr.ミザルの野望を一度阻止し、世界の平和を
                  護ったギンガ。   ・・・が しかし
                  平和は 長くは つづかなかった。
                ナゾの科学者 Dr.スカリエッティが、8体の
                  改造管理局員を作り出し ギンガに
                     挑戦してきたのだった。

                   ギンガは あらたにかいはつした
                   ニューギンガドリルをそうびして
                  再び 戦いへと たび 立つのであった。
>>723の続き


「「「「「「「「「「ふんぐるいいいいいいいい……むぐるななふふふふふふふ……」」」」」」」」」」」
「お、お願いだミザル。キャロとヴィヴィオ、エリオはわたしの手元におかせてくれ……」
「「「「「「「「「「くとうるううううう……るるいえええ……」」」」」」」」」」
「スカリエッティ。彼女と彼は君にとっての人質だ。人質は世界征服がおわったら渡そう」
「「「「「「「「「「うがふなぐるるるるる……ふたぐんんん……」」」」」」」」」
「そんな……それでは娑婆に出てきた意味がないだろう! わたしの究極の目標である『年をとらない幼女』の研究はどうすればいいのだ!?」
「「「「「「「「「「ふんぐるいいいいいいいい……むぐるななふふふふふふふ……」」」」」」」」」」」
「しらん。ともかく、こちらはもう時報は嫌だ。やれることはやらせてもらう……ドリルのためにな」
「「「「「「「「「「くとうるううううう……るるいえええ……」」」」」」」」」」
「く……仕方がない。だが約束はまもってもらうぞ……しかし五月蝿いな。苦情がくるぞ」
「「「「「「「「「「うがふなぐるるるるる……ふたぐんんん……」」」」」」」」」
「ふ……ドリルによるドリルのための世界を実現するための……歌さ」

 ミザルはアースラの艦長席でにやり、とわらった。



――続く。





【天元突破しそうな修羅の人がスカと手を組んだようですZwai】終
>>715から>>724まで。

・え? 続くの? これ。作者がいちばんびっくりですが、続きます。なのはたちのBJ改造シーンやら、エリオの改造シーンは次回にまわします。

・なるべくウロススレであがったネタで構成していきました。ラッド=カタナとか、ウロスレ21>>115のあたまにドリルとか。ショッカーとかでる?

・ただ、商店街でヴィヴィオを――は再現できなかったもうしわけない。ただもったいないので次回に絡ませる。絶対。

・ラッド・カルタスがほとんどオリキャラになってますがご容赦ください。全国のラッドファンのみなさまには謝罪いたします。
 ちなみに彼のモデルはナッシュ・ブリッジスでも、ジョー・ドミンゲスでもなく、リチャード・ベティーナ。異様にスケベなのはそのせい。エバン・コルテスとハーベイ・リークに関しては微妙に名前をかえてあります。

・量産型タイプゼロ・ファーストは量産化のため肩のドリルと背部スタビライザーとサングラスがオミットされています。
 ドリルマンのドリル換装システムでウロスレ21>>685のノットパニッシャーやドリルアーム、グレート・ノットパニッシャー、ノットバスターを装備した機体(もう一つあったような気が)があります。
 ほかにもユニコーン・ドリルやキバ・ストライカーやら。当然倒したら武装に追加されます。

・まあ、がんばりますんで適度に支援をおねがいします。以下、思い出せる限りのクロス作品

天元突破グレンラガン、地球防衛企業ダイ・ガード、勇者王ガオガイガー、勇者王ガオガイガーFINAL、ロ
ックマン4『新たなる野望!!』、スーパーロボット大戦α外伝、スーパーロボット大戦OGS、スーパーロボ
ット大戦OG外伝、大空魔竜ガイキング、ザ・サード、ひぐらしのなく頃に、ゲッターロボ、ゲッターロボアー
ク(漫画未完版)、刑事ナッシュブリッジス、マイアミ・バイス、CSIマイアミ、ファイナルファンタジーY、

まだあったのは間違いない。でも思い出せネイZE。あとは頼んだ。俺は寝る。
725名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 11:09:09 ID:yGFcsst/
カルタスなんという淫獣ぶり…
死んでしまえw
726名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 11:16:06 ID:yA5JDfWS
タルカスは外道だ。
727名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 11:20:52 ID:vF5IXEvU
>>724
カ オ ス 自 重 し ろ ww
ともあれ、GJでしたw
ドリルの為のドリルSS、こっそりとクロスとしてはマイナーどころのネタをこっそりいれるあなたにCakeを(ry
728名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 11:51:31 ID:PI+Q2Bqp
混沌世界だなw
GJ!
729名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 11:54:34 ID:8eiGaRd4
そして現れる、敵か味方かドリル番長(『番長学園!!大吟醸』に収録されている人。あの世界は山ほどドリル番長を名乗る人がいるから)。

「きさまぁ!俺以外のドリル番長など認めはせん!認めはせんぞぉ!」
730名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 11:58:16 ID:nqiKLx6D
あれ?西博士は?西博士はいないの?
731リリカルサンダルフォン:2008/02/19(火) 13:10:02 ID:pPqApikx
邪神様もこれほどのカオスは予想だにしなかっただろうさ、GJ!!
ドリル。それは男の浪漫……。


>>730
きっと嘆いておられるだろうさ。いつもどおりとち狂ったキ○ガイ言語丸出しでww
落ちはいつもどおりエルザの拳とかディグミーノーグレイブとか。

「な、な、な……ぬわぁぁぁぁんたることだァァァ!!?
この世紀の超天才、ドォォォクタァァァウエストがァァァ!!
あのようなあっちゃもこっちゃもドリルでドリル尽くしでドリル特盛りセット×地球上人類の皆さんくらいの数ほどの量で愛を語り合っているというのにっ!
こぉぉぉの我輩が呼ばれてないって如何な因果!?
ドリルと言わば我輩、我輩といえばドリル、ドリルと言えば我輩と絶対の法則がなr(ry」

「博士、五月蝿いロボ」

「グぶふぉォォォォ!? ドリルが如く捻りこんだ拳が、我輩の脳天を突く!? 脳天突破!?
そうして我輩は天の星となり、貴方達を見守っていきます的な千の風っぽく昇天されてしまうのだった。

完(死)」


唐突に思いついた。
ウエストの口上はほんま難しいorz
732名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 13:33:48 ID:lwwK760P
スタイリッシュなティアナと反目のスバルと盗賊なキャロが、
お茶しながら自分の「兄貴分・旦那・相棒」について語り合う夢を見た。
オレはもう駄目かもしれない。
そういえば、俺今日誕生日だった……。

えっと、とりあえず今回クロスされているもの以外のクロスオーバーは予定しておりません(しれッ
寺田Pはすごいとおもいますね。実際。
734名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 14:22:20 ID:TCWQORfV
GJ!!です。
カルタスめ・・・頼りになる兄貴分じゃねえぞwセクハラで捕まっちまえw
そして、アルコが可哀想w
改造六課陣が気になります。次回もドリルづくしかw
楽しみにしてます。
735名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 15:47:19 ID:y6OYitkm
これはひどいバイド汚染w
736スーパーロボット大戦X:2008/02/19(火) 15:52:06 ID:x/81ziM9
さてとでは次に4時半ごろにStrikerS Endless Waltzを投下したいと思います。よろしいでしょうか?
737名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 16:14:20 ID:iDkQNU9x
どうぞどうぞ
738スーパーロボット大戦X:2008/02/19(火) 16:31:13 ID:x/81ziM9
それじゃあ投下します!

 第4話 カリムの予言、ゼロの未来



 ヒイロはウイングガンダムゼロに乗ったまま機動六課隊舎に戻る中ウイングガンダムゼロのモニターに突然表示された文字を見る。

『久しぶりの戦闘はどうだったか?』

 ウイングゼロがこうしてヒイロに話すのは初めてと言うよりウイングゼロにはそう言った人と話す機能はない。
 しかしヒイロはその事を気にもせずにモニターに現れた文字を見て少し考え答える。

「……、腕は鈍っていない……。だが……俺はまた殺さなきゃいけないのか?」

 ヒイロはその事をウイングゼロに聞く。
 先の戦闘ではヒイロは殺す事に躊躇していた。クアットロとディエチに向けて撃ったツインバスターライフルの照準もわざと2,3メートルずらした。
 トーレとの戦いの際もビームサーベルを出したがヒイロは殺さないように極力先端部分のみを当てて戦っていたし、
 マシンキャノンも当てようと思えば当てれたがこれもヒイロは殺さないようにしていたために当てなかったのだ。

「ゼロ、教えてくれ。俺はまた人を殺さなければいけないの?」
『……』

 ウイングゼロはヒイロの答えに何も反応しない。

「そうか……」
『ただ……』
「?」
『また何かあったら再び来よう』
「ああ」

 ヒイロはウイングゼロが何が言いたいのかすぐにわかった。
739名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 16:32:39 ID:R8oELLAB
>>732
シグナム「どれ、私も混ぜてもらおうか」
キャロ「えっ? シグナム副隊長がですか?」
ティアナ「ちょっと意外…」
スバル「うん、お茶してる暇があったら訓練してるタイプだと思ってた」
シグナム「Σ!?」

シグナム「ぐすん…私だってお茶ぐらい飲むやい…」
バージル「まぁ、なんだ…元気を出せ…」
740スーパーロボット大戦X:2008/02/19(火) 16:33:02 ID:x/81ziM9
 機動六課隊舎に戻るとはやてが外で待っている。
 ヒイロは気にもせずにウイングゼロを着陸させて、コックピットを開けてウイングゼロから降りる。
 するとウイングゼロはヒイロが降りた事を確認したかのようにコックピットのハッチを閉めすぐに飛び立ち、空の彼方へと飛んでいく。

(やはりそういうことか……)
「ヒイロさん……、ちょっと話があるんですけど……」

 はやてがヒイロに話しかける。

「何だ?」
「あれは何ですか?」
「ゼロだ」
「ゼロ?」
「悪いが今はそれしか言えない」
「そうですか……、じゃあ話が変わりますけど何であんな事を……」
「俺は戻る」

 ヒイロはそのまま隊舎の中に戻ろうとしたらはやてが突然ヒイロに平手打ちをくらわす。

「ヒイロさん、あんたは何で何でもかんでも自分の中にしまいこもうとしてるんですか? そんなに私達が信用できないのですか……?」

 はやてが涙目をしながらヒイロに聞く。
 ヒイロはただ単に言いたくないだけであり、悪気はない。

「それに何であんな殺すような戦いをしたんですか?」
「……」
「私達は戦争をしてるんじゃないんですよ!」

 はやては強く言う。ヒイロはそのはやてを見て感じる。
 はやても人が死ぬのを強く嫌っているのだと……。

「すまない、殺さないようには俺もしていた……」
「え?」
「だが誤解を招いたようだな。謝ろう」

 ヒイロは不器用ながらもはやてに謝る。

「ヒイロさん……」
「俺は戻る……」

 そしてヒイロはその場を去る。はやてはただそれを見ているだけであった。
 その日の夜、はやてはシャーリーにあることを聞いていた。それはウイングガンダムゼロの事である。

「シャーリー、データは取れたか?」
「完全とは言えませんけど、少しくらいなら……」
「どれどれ」

 はやてはウイングガンダムゼロの調べれた限りのデータを見る。
 ウイングガンダムゼロの装甲はミッドチルダに存在しないものが使われており武装も同じである。
 ウイングガンダムゼロの使った武装のものは全て並みの兵器を超えているものばかりである。

「これはやっぱり……」
「多分ヒイロさんのいた世界の技術でしょうね……」

 確かにその通りである。それにヒイロの世界のものでなかったらいくらヒイロでも扱うのに多少の時間はかかるだろう。
741名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 16:33:10 ID:R8oELLAB
しょーもないネタで被ったorz

支援
742スーパーロボット大戦X:2008/02/19(火) 16:34:13 ID:x/81ziM9
「八神部隊長、ヒイロさんをどうします……?」
「とりあえず、明日にでもまた話を聞こうと思うわ……」
「それとですね……」
「何や?」
「はっきりとはしてませんけど、あのロボットにはインテリジェントデバイスのような反応が少しですが確認されたんです」
「それってどういうことや?」
「わかりません、ヒイロさんに聞かないと……」


 翌日、はやては先にフェイトと話をした後、ヒイロを部屋に呼びつける。

「ヒイロさん、呼び出した理由はわかりますか……」
「ああ、ゼロの事か……」
「そうです。ただここでするのも何ですからさっきフェイト隊長と話しましたけどその話はなのは隊長と騎士カリムとクロノ提督も交えて聖王教会でしたいと思います。
騎士カリムもあなたに話したい事があるそうやから……、構いまへんか?」
「……、了解した。ところでいいか?」
「何ですか?」

 今度はヒイロがはやてに質問をする。

「この前の二人はどうした?」

 ヒイロが言うこの前の二人とはクアットロとディエチである。二人は出力を極力押さえていたとは言えツインバスターライフルを直撃で(正確にはヒイロの躊躇いで2,3メートルずれていたが)くらったのだ。
 普通なら死んでいるが、それでも原型を留めているのがおかしいと思うがヒイロは安否を確認する。

「あの二人は今は時空管理局の本局の特別拘置所で別々の部屋にいます」
「そうか、生きているんだな……」

 ヒイロはその言葉を聞き、表には出さないが中ではほっとする。

「とりあえず、なのはちゃんを呼ぶか……」

 はやてがなのはに通信を入れようとすると突然大声が聞こえる。

「うわあああああああああああああん!」

 その声の主は昨日レリックと共に保護した5歳くらいの少女で名前をヴィヴィオと言う。
 ヴィヴィオは聖王病院にいたのだがなのはが引き取りに行き、ヴィヴィオはそれからなのはと離れたがらない。
 なのはは新人4人を呼んでどうにかしようと考えたが、どうにもならず通信を聞いてフェイト、はやて、ヒイロがなのはの部屋にやってくる。

「エース・オブ・エースにも勝てへん相手がいるもんやねえ」

 なのはがヴィヴィオに苦戦する様子を見てフェイトとはやては苦笑いをするがなのはは念話で助けを求める。

「フェイトちゃん、はやてちゃん、あの……たすけて」

 ちなみにヒイロは魔力を持ってないので念話しても聞こえない。
 フェイトがなのはの頼みを聞いて助けようとするとその前にヒイロがヴィヴィオの前にやってくる。
743スーパーロボット大戦X:2008/02/19(火) 16:35:10 ID:x/81ziM9
「お前はなのはと一緒にいたいのか?」

 ヴィヴィオは突然よくわからないお兄さんが来たと思い少し戸惑うが答える。

「……、うん」
「そうか……、だが今は離してやれ」
「やだ、やだ!」
「ここで別れてもそれはずっとじゃない。また会える……」
「うん……」

 ヒイロの静かな言葉に何かすごい意味があるのかはわからないがヴィヴィオはおとなしくなる。
 その様子を見た新人4人は念話で離す。

「うわ、ヒイロさんすごい……」
「でも僕達じゃ言う事聞かなかったのに何で何でしょう?」
「ヒイロさんは何かあるんですかね?」
「最低でもあたし達とは違う雰囲気を持ってることは確かよね……」

 きっとヴィヴィオはヒイロのその雰囲気を読み取ったに違いないと4人は思う。
 そしてヴィヴィオから開放されたなのははフェイト、はやて、ヒイロと共にヘリで聖王教会に向かう。



 聖王教会に着いた一行はすぐに騎士のカリム・グラシアと提督のクロノ・ハラオウンと会う。

「あなたがはやて達に拾われた時空漂流者のヒイロ・ユイさん……」
「ああ、そうだ」
(うーん)

 クロノは心の中で思った。それはなのは達が始めてヒイロと話した時と同じ感想である。

「俺のことより今はそちらの話を済ませたらどうだ?」

 ヒイロの促しにより急いで話に入る。大事な話のためカリムはカーテンを閉め切る。
 最初の話は機動六課設立の真の訳からである。機動六課ははやてが管理局の対応の遅さを嘆いて、どんな事態でも早急に動ける部隊が欲しいと思って作られたものだが、
 それは表の訳であり、真の訳はカリムのレアスキルにより出された予言で管理局崩壊の事が書かれていたのでそれに備えるための部隊だったのだ。

「そうか……、この世界も戦争が始まるのか……」

 ヒイロがカリムの予言を聞いてそうつぶやき、カリムが答える。

「戦争かどうかはわかりませんが何かが起こるはずです……」

 ヒイロにとってはその何かは自分のいたA.C.の世界で起こったマリーメイアの反乱のようなものだと予測する。

「それとですね……」

 カリムが何か付け足すような事を言う。

「何故かはわかりませんが、昨日の夜こんな予言が出てきたのです」

 カリムはその昨日出てきた予言が書かれた紙を読み上げる。

「告死天使現れ、世界を救うであろう……」
「告死天使……」
744スーパーロボット大戦X:2008/02/19(火) 16:35:52 ID:x/81ziM9
 その言葉に一同は考えるが、それはどう考えてもウイングガンダムゼロの事しか思いつかない。
 皆がヒイロに聞こうとしたとき、突然教会の外に何かが飛んで着陸する。それは話題に出てたウイングガンダムゼロである。
 カリムは閉めていたカーテンを開け、ウイングガンダムゼロを見て、ヒイロに聞く。

「ヒイロさん、あの告死天使……、いえ、あのロボットは何ですか? それにあなたのいた世界は……」
「なら、話そう……。あれの名はウイングゼロ。ガンダムと言われるモビルスーツの一つだ……」
「ガンダム? モビルスーツ?」

 皆が知りたがっている事をヒイロはようやく話す気になる。
 ヒイロのいた世界A.C.(アフターコロニー)では宇宙にあるコロニーが地球から独立するためにA.C.195年にオペレーション・メテオを発動させ、
 その作戦はモビルスーツガンダム5機を地球に降下させるものでヒイロもそれに参加していた。ヒイロは幼い頃にドクターJに拾われ、
 破壊工作員としての戦闘訓練や感情を殺すような訓練をし、肉体改造も行いそしてその作戦に参加した。
 そして戦っているうちに世界は世界国家軍とホワイトファングの争いになり、自分達ガンダムチームはその二つの勢力の間に入り何とか戦争をやめさせる事に成功する。
 その1年後にマリーメイア・クシュリュナーダをリーダーとした反乱が起こったが、ヒイロはそれを止めることに成功するもその時にウイングゼロは大破している。
 その後ヒイロは自分の役目を終え、旅に出ていたらこの世界に来たと話してくれた。

「そうだったの……」
「しかしわからないなそのウイングゼロは大破したはずなのに何故この世界に現れたのかが……」

 クロノが疑問に思う事を口にする。確かにそうである。何故大破したはずの機体が昔のように元に戻っているのだから……。

「それは俺にもわからない。それに……、ゼロは今まで俺に話しかけることはなかったのにそれをしている」
「ヒイロさん、それは多分ウイングゼロがデバイス化してるんじゃないんですか?」

 はやてが口を開く。はやては昨日の夜シャーリーに調べてもらった事をヒイロや他の皆に話す。
 ヒイロはその事により昨日のツインバスターライフルの直撃もそれで説明がつく事がわかる。
 ヒイロは出力を極力押さえてツインバスターライフルを撃ったがその時デバイスに近い状態になっていたウイングゼロのツインバスターライフルは非殺傷設定になっているのと変わらない威力になっていたのだ。
 それによりツインバスターライフルを直撃(2,3メートルはずれていたが)を受けたクアットロとディエチは生きていられたのだ。
 もっとも二人の体は普通ではないのだが……。 

「なるほど、それなら納得が出来る……」

 ヒイロが理解しているとフェイトが質問をする。

「あのヒイロ、私も質問だけど……」
「何だ?」
「告死天使がそのウイングゼロなら『天使』と言う部分はわかるけど、『告死』って言う部分は……」
「それはゼロシステムのことだろうな……」
「ゼロシステム?」

 ヒイロは次にウイングガンダムゼロに備え付けられているゼロシステムについて説明をする。
 ゼロシステムとはシステムが分析、予測した状況の推移に応じた対処法の選択や結末を搭乗者の脳に直接伝達する。
 単純に言えば、勝利する為に取るべき行動を予めパイロットに見せる機構である。他にも真後ろの光景が見えたり、時に「未来」が見えたりとする事がある。
 しかしシステム自身が、得た状況によって状況分析をし、予測や指示をパイロットに与えるがその予測は、基本的に戦術的な勝利を目的としたもので、勝利する為なら搭乗者の死傷をも含めた、搭乗者の事情を一切考慮しない。
 状況によってはパイロットの死亡や機体の自爆、友軍を巻き添えにする攻撃の実行等、パイロットに非人間的な選択が強要される事もあり、パイロットの精神に多大な負担をかける一番の要因となり、
 そのためにただゼロシステムを使うだけでは、システムに命令されるがまま暴走するか、もしくは負荷に耐え切れず精神崩壊・廃人化を招くだけである。

「そんな、じゃああのウイングゼロは……」
「ああ、常人が乗ったら間違いなく死ぬ」
「ヒイロさんは大丈夫なんですか!?」
745スーパーロボット大戦X:2008/02/19(火) 16:36:27 ID:x/81ziM9
 なのはや皆がゼロシステムの事を聞いてヒイロを心配するが、ヒイロはいつもの調子で言う。

「大丈夫だ、俺は死なない」

 ヒイロはゼロシステムを使いこなすのであれば、自身の感情をコントロールし、かつシステムの命令を押さえ込むだけの強靭な精神力が求められる事を説明する。

「俺はそれが出来る」
「なら、いいですけど……」
「でもそのゼロシステムがデバイスのAIみたいになっているのか?」
「そう考えるのが妥当だろう……。それとカリムだったか、教えてくれ」
「何ですか?」
「俺はまた人を殺さなきゃいけないのか?」

 ヒイロは昨日もウイングゼロに聞いたが教えてくれない事を言う。

「それは……、私にもわかりません」
「そうか……」
「でもウイングゼロが見せる未来は……」
「ゼロシステムは完全なシステムではない。何故なら未来は変えることが出来るからだ……」

 その言葉にはやては感服する。はやて自身もそう思っているからだ。

「そうやね……」

 ヒイロは外に出て、ウイングガンダムゼロに乗りゼロに聞く。

「ゼロ、何故お前はここにいる」
『自分のいた世界で大破した後何故かここにこの姿で現れた』
「そうか、お前もわからないんだな……。もう一度教えてくれ、俺はまた人を殺さなければいけないのか?」
『……』
「そうか……」
『また会おう』
「ああ」

 ヒイロがウイングゼロから降りるとウイングゼロは飛び立ち姿を消す。
 ヒイロは飛び立つウイングゼロを見てこう思う。

(ゼロ、どうやら俺とお前もまだ役目を終えてないようだな……)

 ヒイロはこの世界に来た事はわからないがまだ役目があることを悟り、役目を果たす覚悟を決めようとするのであった。
746スーパーロボット大戦X:2008/02/19(火) 16:38:07 ID:x/81ziM9
投下完了。
昨日いろんな人にこれはまずいという指摘をもらいましたのでそれを解消するような文章にしてみました。
ちなみに「告死天使」と言う言葉はスパロボWでウイングゼロが最初に出てくるステージで出てくる言葉です。
747名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 17:10:31 ID:32H1Jf+x
>スパロボX殿
乙&GJ。クロス作品のお約束になりつつあるけど、
やはりヴィヴィオがヒイロに懐いちゃったりするのかな?

スクコン2をプレイした時、ヒイロの声が思ったより低い事に驚いた。
K・T先生のコミックはほとんど読んでたけど、アニメは全く見てなかったからな。
748名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 17:13:49 ID:C7ekmnHl
GJ!
ヒイロの優しさも六課の皆と通じるものがあり読んでいて心地良い。
倒した相手の事を気遣うのが良いな。
続きも期待だ。
749名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 17:39:41 ID:TCWQORfV
GJ!!です。
拘留中のクアットロが報復として何かやってくれそうな予感がします。
ゼロをみたらレジアスはスカ博士と手を切りそうだw
750名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 18:16:43 ID:ByyKJeC8
>>739
はやて「あ、それやったら私も〜……」
銀時「十年早ェんだよ。文字通り」
751名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 18:52:28 ID:SbF0oF9P
>>750
誰がうまい事言えとw
しかしシグナムさん可愛いなぁ
752名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 18:55:41 ID:TCWQORfV
お茶会に集まったメンバーはそれぞれ心が本編より強靭になってる。
兄貴パワー、旦那パワー、相棒パワーはある種のゲッター線かw
753名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 19:04:33 ID:HvBLPQ4v
強靭というか、安定していると言った感じだ。
754名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 19:21:23 ID:QTn7wx44
>>750
・ちっちゃな八神隊長に、三人組はメロメロのようです
・おっきなリイン曹長に、三人組は怯えているようです

こういう展開になるわけだな
755キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/19(火) 19:30:09 ID:lwwK760P
お絵かき掲示板でけしからん絵を目撃し、テンションが高い今日この頃。
誰か書いてくれんものか?「スタイリッシュで反目な盗賊のお茶会」(なにこの名前w

追伸 どうでも良い短編を書いたのだが、流石に次のスレまで待ったほうが良いよね?
756名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 19:31:14 ID:+jYelEwG
「他のヤツらがスレを埋めてもいいのかよ!?」
757名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 19:32:11 ID:SbF0oF9P
>>755
容量によっては来ていいんじゃないかな?
次スレに誘導できれば言い訳だし
758名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 19:37:04 ID:TCWQORfV
お絵かき掲示板のバクラがキャロのスタンドみたいだwジョジョ立ちまでは行かないが
中々奇抜な立ちかただしw
そして絵が上手い。
759名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 19:50:52 ID:6oUb45nF
>>755
あと30kくらい在るし大丈夫では?
760名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 19:51:36 ID:R8oELLAB
>>750
ザフィーラ・セフィロス「「呼ばれた気がした」」
3人組「「「お引き取りください」
はやて「ごめんな、そっちの需要はあらへんのよ」
ザフィーラ・セフィロス「「………」」
761名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 19:51:48 ID:+jYelEwG
お絵かき掲示板なんてあったのか
762名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 19:53:19 ID:6oUb45nF
763名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 19:56:11 ID:S0oqq6HD
GX三期最終話の「俺とお前で超融合!!」を見て以来、
キャロとバクラがいつ超融合してキャバクラに名前を改名してくれるのか期待してしまっている俺がいる
764ストライカーは諦めない:2008/02/19(火) 20:12:17 ID:caDpvGrj
亀レスですが…
>>724
ギンガの装備がカオスすぎるwそしてネタが多すぎてどこを突っ込めばいいのか分からないw
ドリルにはいろんなものが詰まってますね。夢とか浪漫とか魂とかw
GJでしたー
>>746
ガンダムはZZから入った私にはWの機体はいろいろと衝撃でしたw
ヒイロはなんだかんだで優しいんですよね。殺すといいつつ殺さなかったり…
意外と六課の面々とは馬が合うかもしれませんね。GJでしたー

そしてキャロとバクラの人氏の短編に期待
765名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 20:15:07 ID:nqiKLx6D
>>750
銀ちゃん、それは10年後ならOKという意味か? ちなみに答えは聞いていな(ry

>>755
容量が平気ならば今すぐ見てみたいッス!
766名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 20:18:44 ID:MDXj/CLu
>>763
バイド汚染されすぎだ
主天使に焼かれてこいw

次スレ立てと誘導を行う余裕はあると思うから投下しても平気だと思う
767キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/19(火) 20:22:49 ID:lwwK760P
うぃ〜じゃあ投下します。
まあ、文字通り「カッとなって書いた。余り反省していない」って出来ですがw
768フェイトそんのその後 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/19(火) 20:24:27 ID:lwwK760P
フェイト・T・ハラオウン執務官が、任務中に生き埋めになった事実は管理局本局から地上本部までを駆け巡った。
何せハラオウンと言えば闇の書により殉死したクライド、その妻にしてジュエルシード事件・そして闇の書事件を解決したリンディ。
二人の息子であり最年少執務官だったクロノまで、どこをとっても有名人だらけ。良くも悪くも。

『ハラオウンの新星が落ちた』

『金色の閃光に土』

『まぁ、あの一家には良い薬でしょう』

どこからとも無くそんな声が聴こえてくるのは仕方がないことだろう。
だがそんな事は少なくとも病院の廊下を全力全開で駆け抜ける教導官殿には関係が無い。


「廊下は静かに〜」

「ゴメンなさい〜!!」

看護婦の穏やかな静止に謝りはすれど、高町なのはは足を止めない。
わざわざデバイス レイジングハートに算出させた最短方法で向かう病室。

「フェイトちゃん! 大丈夫!?」

部屋に飛び込むなり、なのはは叫んだ。中に無数のベッドが並んでいたが、使われているのは一つだけ。
そこに横たわっている人物こそ、彼女がここを尋ねた理由にして現在管理局で旬な話題の中心人物。

「なのは、ワザワザ来てくれなくても良かったのに……忙しいんでしょ?」

「隊長さんが『嫁の不幸なら急いで帰れ』って言ってくれたの。フェイトちゃん……なんて変わり果てた姿に……」

フェイトの姿は全身包帯グルグルで手と足にはギブス、無数の点滴が吊るされて……ない。
頭には僅かな包帯が巻かれているが他は至って普通。だが血が頭に上がっているエースオブエースはガバ〜とシーツの上からフェイトに抱きついて泣き出した。

「嫁?……それに見れば分かると思うけど大した怪我じゃないから……ね?」

「そんな事ないよ? 頭だよ!? 女の子だよ!? 
ウゥッ……私のフェイトちゃんが傷物になっちゃった……」

「何時ぞやは盛大に怪我して私たちを心配させてくれたのは、何処の何方でしたか?」

自らに降り注ぐフェイトの乾いた視線を華麗にスルー。なのはが顔を上げて一息吐くとやはり不安を貼り付けたまま問う。

「でも心配したんだよ? 全然情報が来ないんだもん。クロノ君やリンディさんは?」

「二人とも急がしいからね? 通信で報告しただけで…『どうして報告書上げなかったの?』…それは……」
769フェイトそんのその後 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/19(火) 20:26:23 ID:lwwK760P
台詞を切るように放たれたなのはの言葉にフェイトは思わず困った笑みを作った。
根も葉もない噂が蔓延する理由はそこに有った。フェイトは生き埋めに関する報告を一切していないのだ。
もちろん他の部分、違法カートリッジシステムの密輸ルート摘発の件はしっかり報告した。
だが生き埋めに関する事柄だけは『執務官の自由裁量権限』を盾にして一切を語らない。

「色々あってね……まだちょっと自分でも整理が出来てないの」

「なら私に話して、気持ちに整理をつけるってのはどうかな?」

「なるほど……」

『ニャハハ〜』と笑う親友を前にしてフェイトは思う。自分は一生この友には勝てないと。
戦闘能力的なことではなく、心の持ちようとかで。


「……難しい問題だね」

「でしょ?」

語り終えたフェイトだけではなく、聞き終えたなのはも言い様が無い脱力感に襲われていた。
今まで自分達が信じていた正義が通じない部分がそこにはあった。
私たちが取り締る対象に救われた少女の幸せは、正義が壊すことを許されるのだろうか?
悪だろうと辛かろうと通すと宣言された道を拒むのはやはり悪ではないのだろうか?

「それでも私は……執務官の仕事をすることしか出来なかった」

ポタリとフェイトの眼から涙が零れた。過ちを犯したつもりは無い。
悪辣な管制人格に対する恩義よりも普通の生活を取って欲しいのは当然だ。
それでも『彼女たち』の道を拒む事しか出来ないことが、善悪を超越して悔しい。

「平穏な日常を与えるって言う私を振り払ったのは彼女が初めてだった」

「普通は……そんな事しないよね?」

「普通って何のなのかな? もしかしたら私が今までして来たことも……」

「フェイトちゃん!」

ネガティブへネガティブへと傾くフェイトを、思わずなのはが抱き締めた。
フェイトはその温もりに体を預け、すすり泣く事数分。どちらからとも無く体を離す。

「ゴメンね、なのは。ちょっとネガティブ入っちゃった」

そう言ってかすかに微笑んだフェイトは何時もの雰囲気を取り戻していて、なのはは安心したように頷く。
770名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 20:26:53 ID:airxp9MR
支援
771フェイトそんのその後 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/19(火) 20:28:08 ID:lwwK760P
更になのはが告げるのはやはり彼女らしい言葉。

「で! そんなフェイトちゃんにアドバイスがあるの」

「え?」

「今度はその子達と話をしようよ。話を聞いてもらって、話を聞かせてもらって……
局員とか執務官とか関係なく、フェイトちゃんとして……」

『初めて会った私達と同じ様に』となのはが微笑む。
あの時は二人ともどんな肩書きも無かった。ただ運命の巡り会わせで出合った二人の女の子。
あの時はもっと自由だった。クロノの命令を無視してフェイトを助けに飛び出したり、意味も無い一対一を演じたり。
今の地位に上り詰めた事で多くの事を成し、たくさんの人を救えるようになったのは事実だ。
けど……失ったものも確かにある。

「また……会いたいな」

今度はマフィアの本拠に突入なんて場面でも、人気の無い廃棄区画ででもなく。
公園の日溜りや暖かいカフェが良い。しかし数多の世界が登録される管理世界。
そこから一人の人間を探すのは例えそのすべてにある程度の影響力を持つ管理局でも難しい。
二人には仕事があるし、他の者にやらせるには理由が必要で、ソレを告げるのは憚られる。

いわば八方塞である。ところが……





「相棒、コレを見てどう思う?」

「凄く……大きいです」

「キュクルゥ〜」

話に上がっていた人たちはといえば……三段重ねのアイスを片手に管理局地上本部を見上げていた。
フェイトたちとの最大接近距離……800メートルほど。
772名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 20:28:45 ID:iDkQNU9x
支援
773名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 20:28:56 ID:MDXj/CLu
距離近すぎw支援
774キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/19(火) 20:29:00 ID:lwwK760P
本当に短編です、どうもありがとうございましたw
775名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 20:30:07 ID:UDndOiqT
支援
776名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 20:35:06 ID:S0oqq6HD
>「相棒、コレを見てどう思う?」
>
>「凄く……大きいです」

ヤマジュン吹いた
777キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/19(火) 20:36:43 ID:lwwK760P
アレ? もしかしてオレが次スレを立てるのかしら?
しかし相性が悪いのか、まとも立てられた記憶なし(汗
778名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 20:36:55 ID:MDXj/CLu
GJ!
実はヤマジュンネタをやりたくて
そのための前置きがフェイト入院部分だった
なんてことはありませんよね?
779ストライカーは諦めない:2008/02/19(火) 20:37:28 ID:caDpvGrj
支援できなかったあああああああああごめんなさいorz
フェイトさん優しいよフェイトさんそしてなのはかわいいよなのは
キャロとバクラは管理局にそんなに近づいて大丈夫なのかw
続きが気になります。とにかくGJでしたー
780名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 20:39:20 ID:X82Kutwg
>779
そりゃ知ってるのがフェイトそんだけだしw
報告書上げてないんだから。
とにかくGJ!
781名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 20:39:38 ID:+jYelEwG
キャロッッ可愛いよおかわいいよォキャロォォアアァァア アァッ!!
782スーパーロボット大戦X:2008/02/19(火) 20:41:47 ID:x/81ziM9
さてとバクラとキャロは何しに来たんだろうね?
普通に気になりますね。
783キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/19(火) 20:48:18 ID:lwwK760P
サラッとスレ立て出来なかったオレ、涙目

>ヤマジュン
なっ!? 何を言っているのか、さっぱりワカリマセン。
もちろん書きたかったのは……ね?(おい

>フェイトそんとなの破産
なのはが微妙にぶっ壊れてるのは偶然です。キャラが分からなかったからではありません。
フェイトそんは優しいのだよ、ちっちゃい子には(ry

>なぜクラナガンへ?
観光です。もう二人なら何処でも行きますw
784名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 20:51:35 ID:nqiKLx6D
GJ!

つーかキャロとバクラ、のんびりとデートしすぎじゃね!?
785名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 20:51:47 ID:CQkgnXfo
さり気に隊長さんも壊れてるような気が………
786名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 20:55:02 ID:Kr2Wkv2e
そろそろ480KBになるしROM専の名無しな俺が次スレを建ててみよう
787名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 20:55:35 ID:yA5JDfWS
俺はユーノにでも仕事斡旋してもらおうと来ていたのかと思ったぜ。
ギャンブルならイカサマとパラサイトマインドで当たり出し放題だから
金は問題ないだろうけど。
788キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/19(火) 20:56:46 ID:lwwK760P
>786
頼む〜お前に未来が掛かってるぞ〜(なに

あと隊長が壊れている件に気が付いた人はエライ。
後でフリードに頭をカジカジしてもらいなさい(ぇ
789名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 20:58:12 ID:Kr2Wkv2e
スレ立て失敗。以下ヨロシク
790名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 20:59:10 ID:6oUb45nF
ならやってみるお
791名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 21:00:49 ID:6oUb45nF
むりだったお・・・
792名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 21:02:06 ID:ai+PdktH
行くぜ!
いまおきたぜ。GJくれた人しんくす。
794名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 21:08:09 ID:ai+PdktH
駄目だ!後は頼む!EDFに栄光あれ!
795名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 21:12:41 ID:E3lmKQ8P
よっしゃやってみる。
幸運を祈ってくれ!
796名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 21:13:09 ID:wqJCklc8
それじゃ私が。
797名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 21:17:44 ID:E3lmKQ8P
えと……。
798名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 21:18:45 ID:6oUb45nF
>>797
どうした!?
799名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 21:19:29 ID:E3lmKQ8P
ええいもういいや、やっちゃえ!

と思ったが立てられませんでした。申し訳ない。
800名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 21:19:57 ID:E3lmKQ8P
>>798
796を見てちょっと躊躇してた。
801名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 21:20:34 ID:PtHQgJon
>>795-796と被ったからかな?
この場合、さきに書いた>>795さんが立てればいいんじゃないかな?
802名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 21:21:05 ID:wqJCklc8
803名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 21:26:14 ID:yA5JDfWS
おっしゃー 神は我々を見捨てなかったぞ。
804キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/19(火) 21:28:45 ID:lwwK760P
新スレでも書いたが、ファラオの呪いにでもかかったかと思ったぞ(汗
ハッ!? キサマのトラップか、ATM!!
805名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 22:51:48 ID:8eiGaRd4
>804
つ [ATM緋牡丹]
806名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 22:58:06 ID:airxp9MR
でもMMRじゃあエクスカリバーのほうが強いんだよなぁ……
807名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 22:59:35 ID:6oUb45nF
>>806
マガジンミステリー調査班にアーサー王の話なんてあったっけ?
808名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 23:07:41 ID:qN3ozrrP
>>807
ヒント
メタルマックスリターンズ
そういえば、「デモンベイン」やニトロ作品を見ているひとはおおいけど、
ラヴクラフトやダーレス見たことのある人はどれくらいなんだろ。

自分はニトロ→ラヴクラフトじゃなくて、デジモン02→ラヴクラフト→ダーレス→ニトロだったのでちょっと気になる。
810名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 23:46:25 ID:vF5IXEvU
むしろ初代アローンインザダークからクトゥルフを知った人はどのくらいいるんだろう?
ロックバンドでもカルト系だとクトゥルフの影響を受けていたり、RPGでも意味も分からずなんとなくクトゥルフ入れてるのも見たことあるけどさ・・・
811名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 23:49:41 ID:xQdLqB/4
御大の全集では銀の秘鍵を求めてが一番好きだな。クトゥルフの呼び声も昔持ってた。
初クトゥルフはアリシア-Yだが。
おおぅ、同志よ!
デモベの「大十字九郎」を初見でわらったクチかッ!?
813名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 00:00:54 ID:onhgv0Ws
>>812
わかったから魔法少女のスレに帰りなさい。
了解。ふかいところに帰ることにする……
815名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 00:09:14 ID:rJ2h7HMI
>809
創元なんかは読んだし、佐野史郎のドラマも見たけど、デモベやティガは未見。

あ、アーカムホラー(クトゥルフ神話を題材にしたボードゲーム。デカイ)はプレイしました。
初手で旧き印が二つ三つあったり、イベントを上手く使ったりして、何とかアブホースを封じました。
816名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 00:16:56 ID:WfqFw8Ma
>812
そんなもんネクロノミコンがロリになって落ちてきたインパクトで吹き飛んだわw
817名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 06:50:01 ID:MOnMKOaH
俺は矢野健太郎の邪神伝説シリーズかな
入門書としてはマジお勧め
818名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 10:32:36 ID:jnyrUYRf
ラストのヒロインの笑顔で全部持って行くやつだな
819名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 20:42:54 ID:EX5k/rvi
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2336941
みならじ第2回 ■パーソナリティ:後藤邑子、伊藤静。
「心が綺麗な天使」「フッ(失笑)」
「ウザイ」「キャハハ」「ほんとさぁ…大丈夫?」「おいおい、自称天使」
「自分が天使だと思ってること自体が間違ってるんじゃないの」
「軽く(精神病院に)通院してみた方がいいよ」「それかもう日本出てったほうがいいんじゃないの

820名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/20(水) 22:25:32 ID:OrSLpV9e
さあこのスレを埋めよう
821名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/20(水) 22:27:21 ID:OrSLpV9e
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822名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/20(水) 22:29:04 ID:OrSLpV9e
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823名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/20(水) 22:35:55 ID:OrSLpV9e
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824名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/20(水) 22:38:09 ID:OrSLpV9e
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825名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/20(水) 22:41:07 ID:OrSLpV9e
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826名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/20(水) 22:43:54 ID:OrSLpV9e
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827名無しさん@お腹いっぱい。
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