型月スレ立チ賛同スルコト一スレ目。
立テ乙シ投下シ読ミ称エル事サラニ三スレ。
楽シキカナ、ツンデレツイニ脳ヲ浸シ
>>1ヲ乙へ賛美賛美賛美セシメン……!
いちおつ!
ライダーを自分の後ろに下がらせ火を吐くような視線でギーシュを睨みつけるルイズ
鋼のごとき精神でルイズの視線を跳ね返すギーシュ
為す術もなく状況に流されっ放しのライダー
ライダーの両サイドに分かれ紫の髪と黒のワンピースの間に覗く白い肌を食い入るように
凝視する男子生徒達
ちなみにストラップを外したままのライダーのコスチュームは背中がお尻ギリギリの位置
まで開き艶めかしいボディラインが露わになっている
「私の使い魔の躾の邪魔をしないでくれる?」
「美しい花が辱められるのを黙って見てはいられないな」
「それを『余計なお世話』というのよ」
ルイズがギーシュに視線を向けたまま鞭を握った右手を後ろに振り抜くと腕を打たれたラ
イダーのガードが一瞬下がり
「見えた!」
「みえた!!」
「B地区ミエタ―――ッ!」
食堂を揺るがすどよめきがあがる
「君の行いはトリスティン貴族の名誉を貶めているぞ」
「私に、このルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ヴァリエールに向って今何と!?」
「何度でも言う。君がしていることは躾ではない、虐待だ」
ルイズはキレた
「決闘よ!」
ギーシュは呆れた
「貴族同士の決闘は禁止されているはずだがね?」
悪魔の笑みを浮かべるルイズ
「勿論知ってるわ、だから貴方と戦うのは私の使い魔」
「ちょっと待て!?」
顔色を変えたギーシュは慌ててライダーに向き直る
「いいのかそれで!?」
ライダーはギーシュに向って心底すまなさそうに頭を下げた
「申し訳ありません…」
勝ち誇るルイズ
「そうそう、すっぽかしたらアンタが三股かけてることモンモランシーとケティと
シエスタにバラすからね」
「な、何故ソレを!?」
「ヴァリエール家の腕は長いのよ」
ヴェストリの広場で待つと言い残しライダーを従えたルイズは食堂を後にする
ライダーの後に金魚のフンのように続く男子生徒の群れ
全員揃って前屈みになったその目線はライダーの魅惑的なヒップに釘付けになっている
一人取り残されたギーシュは力なく呟いた
「なんでさ…」
ギーシュ、お前は今、泣いていい……
いや、三又かけてるしやっぱ泣いていいや
GJ
ギーシュ…、毅然としてたらそれかい…。
ちと、不幸やね。
予想の斜め上に…w
ギーシュくん不幸!
どんどん外道になるルイズ。
だがそれがいい。
ギーシュが輝いている・・・なんでさ?
輝けば輝くほど影が大きくなる、それがギーシュクオリティ。
そういえば、ライダーが桜の召喚に応えたのは『やがて被害者のまま怪物になる運命』を持っていたから。
そうか、このルイズは怪物になる運命を順調に歩んでいるのだなぁ。
最初から加害者じゃないか
というか、シエスタに最初から手を出しているギーシュというのは新鮮だw
そんなにおっぱいがいいのか?いいのんか!?
オレはだいすきだぜ!
ケティってどんだけのおっぱいなのかえ?
と、「なんでさ」からギーシュが士郎ポジションで
モンモン、遠坂
ケティ、桜
シエスタ、セイバー
みたいな位置関係を想起したが、さすがにそれはねえよなあw
むしろギーシュはワカメっぽいイメージがある
というか士郎召喚されたときにギーシュ見て「し、慎二!?」と驚くイメージが
さすがにギーシュ>ワカメだわ
いや、中身はともかく見た目はかなり似てそうじゃね?
というかHAのきれいな慎二はわりとギーシュっぽいと思う
ワルドがワルクエイド召喚する話でええよ
つかワルドが使い魔召喚する話見ないな
業務連絡です。
3月の間、都合によりネット環境のない場所へ行くことになりました。
ですので、もし3月中にwiki関係のトラブルが発生しても対処・対応できません。
あと、なにか要望とかあるようだったら出来る範囲で実現するよ。
ワルドの使い魔はグリフォンじゃねーの?
やっべぇ、俺超空気読めない子……っ!OTL
つーかワルド過去話がいまいちはっきりしないから迂闊に書けないッツー話ですよ。
おかあさんがどうしたんだっちゅーの。
アルクェイドをアルクエイドと表記されているのを見ると非常な憤りを感じてしまう……
ワルドは聖地辺りでのフラグが盛りだくさんだから弄くるのって結構危険かな?
大目に見てやれという気はするがな
ェなんて滅多に使わないし
歩くバンドエイドを想像した
つーか生徒以外の使い魔ってオールドオスマンのネズミくらいじゃね?
コルベールとかフーケとかエレオノールとかの使い魔って居たっけ?
ワルドの使い魔は出てきた
ジョゼフとか教皇にも使い魔いるじゃん
ベネディクト十六世に使い魔とな?
きっとその使い魔はプーチンだろうな。
おや? お客さんが来たようだ…。
それは決闘とは名ばかりの一方的なリンチだった
「魔法を使いなさいよギーシュ、ご自慢のワルキューレはどうしたの?」
ルイズの挑発に対しもはや原型を留めぬほど破壊された顔に辛うじて微笑みらしきものを
浮かべたギーシュが答える
「愚問だな。このギーシュ・ド・グラモン、女性に向ける杖など無い」
「そう…」
ルイズの周囲で音を立てて気温が下がった
「もういいわ、アナタつまらない。殺っちゃいなさいライダー」
「こんな事を言っても何の慰めにもなりませんが…貴方とは別な形で出会いたかった」
懺悔するような口調で言いながら拳を固めるライダー
岩をも砕くライダーパンチが繰り出されようとしたその時
ガガキュンッ!
飛び退いたライダーの足元を銀色の螺旋が抉る
それが高圧・高速・高回転で打ち出された水のドリルだと観衆が理解すると同時にライダ
ーの前に金髪縦ロールの少女が立ちはだかった
「ここからはこの“洪水”のモンモランシーが相手になってよ!」
「いやキミは“香水”だろう…」
律儀にツッ込むギーシュ
「ち、ちょっと“うっかり”しただけですわ!てか貴方は寝てなさい!!」
止めとばかりに撃ち込まれた水圧弾から身を挺してギーシュを庇うライダー
濡れた髪が肌に張り付き更に不健全な色香を振り撒く
「殺す気ですか?」
「私の手に掛かれば本望というものですわ!」
キシャ――――――――――ツ!!
咆哮する“きんのけもの”
グダグダのまま今宵はこれまで
おkお前ら、まずは管理人
>>25氏になにか言葉をかけるのが先だろう
>>30 バンドェイドをバンドエイドと表記されているのを見ると非常な憤りを感じてしまう……。
>>37の言う通りだ。ということで管理人氏乙。
しかし、問題も要望も無いのが現状。突っ込みどころもない。
お気をつけて〜 /~
ぶっちゃけ、「公平に使い魔同士の戦い」 を言い出して
夕方までの時間制限でも提案すればよかったんじゃね?
そのまま手の届かないモグラ叩きをやらせて時間まd(ry
それにしてもこの外道ルイズノリノリである。
マガツカ乙。
>>25 ご苦労様です。お気をつけて。
Wikiなのですが、「暗殺者/復讐者」のタイトルページの「/」が半角になっているので、
表示がおかしい事になっています。
お手数ですが全角に変えていただける様お願い申し上げます。
そういやランサーの人来ねーな
ベンケラーベンケラー。ランサーの人よこーい。
ランサーの人、こーい、こーい!
槍よ、来い!
それなんて獣の槍?
来たれ!赤いコンドルよ!
来たれ兄貴の人!!
てな訳で兄貴の人を呼ぶために歌います
兄貴、兄貴、兄貴と私!
兄貴、兄貴、兄貴と私!
兄貴、兄貴、兄貴と私!
兄貴、兄貴、兄貴と私!
兄貴、兄貴、兄貴と私!
兄貴、兄貴、兄貴と私!
兄貴、兄貴、兄貴と私!
兄貴、兄貴、兄貴と私!
俺を見てくれ〜〜〜〜
兄貴と私。ボディビル〜
兄貴と私。ボディビル〜
兄貴と私。ボディビル〜
兄貴と私。ボディビル(ry
兄貴コールにも程があるぞお前らw
こらこらあんまりプレッシャー掛け過ぎると書き手に逃げられるぞw
それは嫌だ! 兄貴の人来るな!!(違
そういったらマジに来なくなるんじゃね
じゃあ顔半分だけで
じゃあ逆に誰かが4次ランサー召喚物を書こうぜ
コジロー「ハッハッハ、待たせたようだな皆の者。今回から遂に新展開『アサシン風来坊異界旅』が始まる運びと相成った。
ハルケギニアに召喚された拙者が、諸国を漫遊しながらその土地の悪党共をばったばったと叩っ斬る。
恋あり、笑いあり、涙ありの痛快時代劇巨編がついに――――」
ランサー「待てコラ。久々に投下しようってのに、何勝手な予告してくれてんだ、オイ?」
金ピカ「そうだ。今回より我の『我サマ英雄王隠れ旅』が始まるというのに、懈怠な真似を――――」
ランサー「それも違ェだろうが!てかどっから湧いて出たオマエら!!」
コジロー「ハッハッハ、そのような問いに意味は在るまい。元より言葉の通じる相手でも無かろう?」
ランサー「――――いいぜ、そんなに見てえってんなら、我が槍の新たな力、その目に焼き付けて逝け」
コジロー「ようやくソレらしくなったな......だがな槍使い、新たな力を得たのが己だけと思うな。
新たな契約により授かった力で完成した『真・燕返し』、初めて断ち落とすのが猛犬の首というのもまた一興」
金ピカ「フン、吠えるな雑種共。覚えておくがいい。我の乖離剣《エア》は、この世界に風穴を開ける。
倒れていったモノたちの想いも、後から続くモノの希望も、世界の断裂が飲み尽くし、新たな理を世に示す。
ソレが、乖離剣!ソレが、天地乖離す開闢の星《エヌマ・エリシュ》! 我の剣は、天を創る剣だ!!」
ランサー「よく言った。なら、貴様が先に逝け!」
コジロー「秘剣――――」
金ピカ「平伏せ雑種ッ!」
ルイズ「アンタたち......」
ランサー「おお、いいトコに来たな嬢ちゃん!失敗魔法で援護しろ!」
コジロー「ぬ、邪魔立てするか娘子!」
金ピカ「雑種が、分を痴れ!」
ルイズ「......タダでさえ型月とのクロスはゼロ魔キャラが空気になりやすいってのに、アンタたち好き勝手にやり過ぎなのよ!
見なさい、星々の、砕ける様をッッッ!」
ランサー「あ、あの両手を交差させた構え!」
コジロー「この強大な魔力《コスモ》の高まり!」
金ピカ「ま、まさか!」
ルイズ「―――銀河爆砕《ギャラクシアン・エクスプロージョン》!!!!」
――――誰が知ろう。
この技こそ銀河爆発《ギャラクシアン・エクスプロージョン》。
高々と掲げた両腕の間に虚無の魔力を凝縮し、その両腕をうち合わせることで膨大な魔力を一気に解放、
溢れ滾る魔力の奔流で森羅万象尽くを無に帰す虚無魔法最大最強の奥義である。
6000年前、始祖ブリミルはこの魔法を使い、第四の使い魔が落下させた三番目の月を気圏突入前に破壊した。
だが、その余波で豊かな森林地帯だったサハラは壊滅、人間・エルフは勿論、世界全体に甚大な被害を与えてしまった。
結果、世界を守ったブリミルはエルフたちから「悪魔」として語り継がれることとなった......とか、
砕かれた月のカケラがアルビオンになった、とか―――そういう厨設定が在ったりするんじゃね?
まあ、要するに――――
「「「ぐはぁーーーーーーッ!!!!!!」」」(エビ反りで吹っ飛んでいく)
ランサー「だから、何でもかんでも爆破するなって、あれ程......(バタリ)」
コジロー「また、見誤ったか。フ、どうやらまだ、修行が足らなんだ――――」(光の粒子になって消えていく)
金ピカ「それこそが貴様の真の魔法....伝説に言う虚無の力か。
だが許そう。手に入らぬからこそ美しいモノもある。ではなツンデレ、次のルートで待っているぞ」(光の(ry
ルイズ「ハァハァ......やったわ...ついに邪魔者を倒したわ...これで、やっと――――」
タバサ「本編の投下、始まる」
「「「「最後にタバサさんがシメたーーーー!!!!」」」」
ルイズが2回に渡って爆破した教室の片付けが終わる頃には、すでに放課後になっていた。
先生に報告を済ませたルイズは、ランサーを引き止めようとするシュヴルーズ先生を半ば強引に振り切って、中庭までやって来た。
放課後と言っても、まだ日は高く、生徒たちは庭でお茶やおしゃべりを楽しんだりしている。
そんな級友たちの様子を見ていると、自分は何をやっているのだろう?などと、ルイズは考えこんでしまう。
ようやく魔法を使える糸口が見つかった、と思った矢先にまた爆発。
こんなコトで本当に魔法が使えるようになるのかしら......と、つい思考が悪い方悪い方へと流れて行く。
そんな私の内面など、相も変わらず全く斟酌する気の無い使い魔が声をかけてくる。
「何シケた面してんだ嬢ちゃん。笑ってる方がカワイイっつったろうが」
勝手に言いおくと、ランサーは私を置いてスタスタと何処かへ歩いて行こうとする。
「ちょ、ちょっと!ドコ行くのよ!」
至極同然と思われる私の問いにも、ランサーは、
「お嬢ちゃんが食べるモノを貰って来る。腹が減ってるからつまんねぇコト考えんだよ」
と振り向きもしないで、片手をヒラヒラ振りながら行ってしまった。
ハァ、と嘆息を漏らしつつ近くの椅子に座り込む。
結局のところ、私がまたイロイロと考え込んでしまっていたこともお見通しだったらしい。
しかし、使い魔に心労を悟られて心配されるなど主失格もいいところだ。
それが、かえって私を落ち込ませる結果になるのだけど......
そうしてルイズが再びネガティブ思考のスパイラルに陥っているとは知らず、ランサーは食堂へ到着していた。
「いよぅシエスタ、ちょっといいか?」
そこで今朝のメイドを見つけて、声をかける。
「あ、ランサーさん!」
声をかけたのがオレと解ると、シエスタは笑顔を見せて近寄って来た。
「今朝はありがとうな、助かったぜ」
「いいえ、そんな。私の方こそ助かりました」
僅か頬を染めて答えるその容儀を見る限り、もはや彼女の聊頼を得たのは間違いなさそうである。
本来ならここでさらに二手三手あってしかるべきなのだが、今は先にやるべき事がある。
「今、大丈夫か?」
「はい。ちょうど昼食後の片付けも終わりましたから。
もう少ししたら貴族様方にデザートをお配りしないといけないんですけど」
「ああ、そんなに時間はとらせねえさ。ちょっと頼み事があるんだけどよ......」
「う〜〜〜ん」
魔法学院とは、魔法を教える教育機関である。
事実、メイジにとって重要な使い魔召喚および契約を行うのも学院在学中に行われる。
しかし、教育機関として機能しているかといえば、そうとは言い難い。
「う〜〜〜〜〜ん」
魔法についての教育など、実際には各々の家で行われているのが普通であり、
学院で行われる授業では、貴族としてとりあえず知っておくべき事項についての確認をしているに過ぎない。
そのため、魔法が使えないというルイズのようなイレギュラーなケースに全く対応できないのである。
「う〜〜〜〜〜〜〜ん」
では、魔法学院は何のために存在しているかと言えば、それは社交の場としてである。
同年代の大勢の貴族を集めて集団生活をさせることで、貴族同士の交流を通じ、社交界での振る舞いを予行演習するだけでなく、
長子であれば家督を継承した後の、次子以降であれば自立した後のための人脈を築くことにも役立つ。
「う〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん」
だからこそ、授業は早々に切り上げられ、午後の大半は貴族同士の交流を図るための時間となる。
よって、昼食後は学院の庭に設けられた場で他愛も無いおしゃべりに興じたりするのである。
こと使い魔召喚の儀式が終わった直後とあれば、皆自分や友達の使い魔の話で盛り上がっている。
「う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん」
ハズ、なのだが、先刻から淑女にあるまじきうなり声をウンウンとあげる少女がひとり。
誰あろう、我らがルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールである。
まあ、ルイズが悩んでいる原因も、彼女の使い魔だったりするのだが。
とりあえず、魔法については使い魔に教えて貰うということで納得した。
今までの様に、成功の糸口すらつかめない状態で努力するのではなくなっただけでも、大きな進歩と言える。
使い魔との関係についても、今は師弟関係でかまわない。
主としての威厳なんて、ちゃんと魔法が使えるようになってからでいい。
アイツだって、私の言う事聞かずに好き勝手やってるってワケじゃなくって、ちゃんと私のコトも考えてくれてるし......
ただ、問題はアイツの私に対する気の使い方だ。
アイツのアレは、従者が主を気遣うってカンジでもないし、師匠の弟子に対する態度ってわけでもない。
そう、アレは――――
「出来の悪い弟を心配するお兄さん、ってカンジなのよね......」
そう、どうにも子供扱いされている気がしてならない。
たとえ今はまだ未熟でも、対等な相手として観て貰いたい。
だけど、威厳を示すという方向性はダメだった訳で......
結局、またもどうしていいかわからない。
何をやっても空回りで、何をすればいいのかもわからなくって......
「――――これじゃあ前までと変わらないじゃない」
「何が変わらねえんだ?」
「だから、アンタを召喚する前と......って、何時戻ったのよアンタ!」
考え込んでいた所為で、使い魔が戻ったことにすら気付かなかったらしい。
「ま〜た、つまんねえコトで悩んでたんだろ?
さっきも言ったろ?腹が減ってるから、んな辛気くさいコトばっか考えんだよ。
ホラ、冷めないうちに食べな」
そう言って湯気の昇っているスープ皿を差し出して来るのだが、ソレ以前に――――
「何で、アンタが給仕の服を着てるのよ!」
そう、戻って来た使い魔は、蒼色の体にフィットした軽鎧でなく、黒を貴重とした男性用の給仕服に身を包んでいた。
「おお、案外似合ってるだろ?」
「似合ってるだろ?じゃないわよッ!私は、理由を、訊いてるのッッ!」
思わず、回りに他の生徒がいるのも忘れて声を荒げてしまう。
「ああ。それがな、朝に洗濯手伝ってくれた女の子居ただろ?」
そんな私の怒気など塵芥も意に介さず、使い魔はしれっとした態度で話し始めた。
「服、ですか?」
「ああ。何しろオレはココに召喚されたモンだから、着替えなんて持って無えんだ。
つっても、何時までもこんな格好でウロついてんのもな」
「はぁ......そう言われましても、貴族様が着るような服は、流石に......」
「だから、そーいうのは関係無ぇって。サイズさえ合えば何でもいいんだ」
「ええと、確か男性用の給仕服ならあったはずですけど.....」
「ああ、ソレでいいから、譲って貰えねえか?」
「......ってなワケで、この服を貰ったんだがな。
タダってのも悪ィと思ってよ、丁度デザートを配るとこだって言うから、手伝う事にしたんだが」
「ってなワケ、じゃなァーーーーいっ!」
使い魔の話に呆れて、またもレディとは思えない大声を出してしまう。
「なんだよ。タダで貰ってくりゃ良かったってのか?」
「そーいう問題じゃないでしょ!使い魔が給仕の真似事なんて、
『ヴァリエールは使い魔に働かせてる』なんて思われたらどうすんのよ!」
そんなウワサが立ったりしたら、ヴァリエールの家に迷惑がかかってしまう。
いや、それだけならまだいい。むしろそんな事態になったら、
(お、お母様にコロされる......!)
脳裏に、幼き日に母カリンより受けた『指導』の数々が甦り、ルイズは身震いする。
「と、とにかく!服が必要なら私が買ってあげるから、その格好はダメ!」
そう怒鳴り散らす私を見て、流石にコイツも私の言う事を聞く気になったらしい。
「わあったよ.....でもなぁ、ソレはソレでお嬢ちゃんにたかってるヒモみたいで格好がつかねえんだが」
「ソレこそアンタの勝手じゃない。ココはレディに譲りなさい」
そう言って、使い魔の反論を封殺する。
アイツはまだ何か言いたそうではあったが、
「ま、ソレもそうだな」
と一言言うと、スッパリ服の件については割り切ったらしく、もはや表情にも拘泥の名残は感じられない。
そういう切り替えの良さというか、一度決めてしまえばグダグダと尾を引かない精神性は、間違いなくコイツの美徳だ。
そんな所も、私には無いモノだから――――って、何でコイツの気性なんて解るのかしら。
今朝からそうやって身に覚えの無い情報が頭の中に浮かんで来るのだが――――
「ま、今日だけは勘弁してくれ。もう手伝うって約束しちまったからな。」
私が考え込んでいる間に、アイツは勝手にそう結論づけて手伝いに行こうとする。
何となく、それが気に食わなくって、咄嗟にアイツを呼び止めてしまう。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」
「何だ、コレ以上は譲歩しねぇぞ?約束を破るのだけはいくらマスター命令でも聞くわけにはいかないぜ。
どうしてもって言うんなら、令呪でも使うか?」
「そ、そそそその令呪の話よ。コレって、どうやって使うの?」
「何だ、本当に使う気か?」
「違うわよ。大事なモノだから大切に使えって言ったのはアンタでしょ。
そうは言っても、使い方がわからなかったら、いざって時に困るじゃない。」
コイツの話によれば、他のサーヴァントやマスターが襲って来ることも在り得る。
そうなってから「使い方を知りませんでした」ではお話にならない。
まあ、本当は他に引き止める理由も思いつかなかっただけなんだけど......
支援
「ああ、ソレもそうだな。
ま、そう難しいモンじゃ無え。命令を頭に浮かべながら、ヒモを解くカンジでいい筈だ。」
「ソレだけ?ホントに簡単ね」
「まあ、ソイツは聖杯が与える、後づけの力だからな。
面倒くさいこたァ全部聖杯任せなんだろ。」
「......そんなコト、言われなくたってわかってるわよ」
ランサーはつまり『そんな力は実力じゃない』って言いたいのだろう。
勿論、私は自分の実力以外のモノなんかに頼りたくない。
そんな言外の決意を知ってか知らずか、ランサーは私の返答に満足げに頷くと、
じゃあな、などと言って、さっさと他のテーブルに行ってしまった。
無論、というか何と言うか、女の子の居るテーブルに向って。
「何よ、ああなると思ったから呼び止めたのに〜〜〜〜」
う〜、とうなりながらスプーンをぎしぎしと音が出るまで握りしめる。
そんな私の様子を見て、回りの子たちは「また爆発するんじゃ......」なんて失礼な事をほざいてる。
てか、聞こえてんのよ。それは何?ワザと私に聞こえる様にして爆発させたいのかしら〜〜〜?
そうして、漫画だったら背景に「ゴゴゴゴゴ......」みたいな効果音とかスタンドとか出しかねない鬼気を纏うルイズ。
周囲の生徒たちがそんなルイズに戦慄を覚える中、無謀にもルイズに声をかけるメイドがひとり。
「あ、あの、ミス・ヴァリエール?どうかされましたか?」
「何よ!......って、アナタは確か――――」
見ると、恐れおののく黒髪のメイドが一人。
この娘って、朝にランサーが洗濯を手伝ってた娘だっけ?
そのメイドは、最初に私が語気を荒げていた所為で、すっかり怯えてしまっている。
回りの貴族の子たちがビクついてるのを見てすっかり頭に血がのぼってたけど、
こう身分が下の者に必要以上に恐縮されると、流石に冷静になってくる。
そう、私に身分の下の者を怯えさせて喜ぶ趣味は無い。
そうやって悦にいってる貴族も居るみたいだけど、そんなの、本当の貴族じゃない。
私がなりたいのは、そんなのじゃなくって――――
「も、申し訳ございませんでしたっ!」
突然、メイドが頭を下げながら大声で謝って来たせいで、思考が中断される。
......何か、昨日から私が考え事してると誰かに必ず邪魔されてる気がする。
いや、むしろ私が変に考え込んでしまうせいなのかも知れない。
それは、昨日から頭の中に身に覚えの無い情報が入ってくるせいなんだけど――――
要するに、アイツが悪いってことよね、うん。
まあ、ソレはソレとして、はて、このメイドはどうして私に頭をさげているのだろう?
もしかして、私が怒っているのを自分たちのせいだと思っているのだろうか?
「ああ、別にアナタたちに怒ってるわけじゃないわ。気にしないで」
「い、いえ!本当に申し訳ございません!
ミス・ヴァリエールの使い魔様に私どもの仕事を手伝わせる様な真似をしてしまって......」
「ああ、そんなコト?別にいいわよ。アイツが勝手に手伝ってたんだし」
「ですけど......」
「いいのよ。アイツは変に義理堅いんだから、一度言い出したら聞かないのよ。
――――もっとも、アイツの場合、 ア レ が目的の気がしないでもないけどッ......!」
「ア、アレ?」
再び怒気をにじませる私に怯えながら、私の視線を追ってメイドが振り向いたその先には、
給仕の仕事をするバカ使い魔がいた。
確かにアイツの仕事ぶりに問題は無い。むしろ完璧に給仕としての仕事をこなしている。
ホントに何でも出来るヤツなのだ。そのうち3クール目のラスト辺りになったら「一流の執事に同じ技など!」とか言い出しかねない。
実際アレもアイツもやたらと不幸だとかサバイバーだとか共通点が多いし――――
......また変な情報が頭をよぎったが、それはどーでもいい。
問題は、さっきからアイツが女の子のテーブルばかり回って声をかけているコトだ。
勿論、ほとんどの女の子から相手にはされてない。
それはそうだろう。いくらアイツがいい男でも、平民の給仕の格好をしていては貴族の女の子には相手にされない。
だ、だから、別にアイツが誰に声をかけようと、か、かかかか関係無いんだからっ!
そう自分に言い聞かせて平静を装っているつもりのルイズであるが、
ベクトル量に換算すれば天地を斬り分たんばかりの怒りのエネルギーを隠しきれるハズもなく、
周囲は再びルイズより放たれる鬼気に戦慄する。
「あ、あのっ、ミス・ヴァリエール!せっかくのスープが冷めてしまいますよ!」
そんな切迫した空気を何とかしようと、果敢にも再びシエスタがルイズに声をかける。
「ン。それもそうね」
言われてみれば、そもそも昼食を取り逸れたからココにいるのだった。
空腹だから変な方向に思考が流れたり、つまらない事でイライラするのだ。
さっきから握りしめっぱなしで掌にくっきりカタチのついてしまっているスプーンで、スープをすくって一口飲んでみる。
「!」
おいしい。
単にお腹がすいているから、そう思うだけなのかも知れない。が、いつもこんなにおいしかっただろうか?
いや、単においしいと言うよりは、何と言うか、食べたくなるというか、食べやすい。
さっきまでのイライラが嘘の様に、最低限の品は失わない様にしつつ、夢中になって食べた。
いつもなら残してしまう様な量を、あっという間に食べきってしまう。
「おう、キレイに食べたな。まだ少しだけおかわりがあるが、食べるか?」
いつのまにやら、デザートを配り終えて戻って来ていたランサーが、満面の笑みで尋ねてくる。
「......お願い」
その、やたらと得意そうな顔が無性に気に食わなくて、憮然としながら空いた皿を差し出す。
そんな私の態度も気にならないのか、「おう」とだけ応えると、ランサーは食堂へと引き返して行ってしまった。
「......ったく、何でアイツがあんなに得意そうなのよ」
「得意そうと言うより、うれしいんだと思いますわ」
隣に居たメイドが声をかけてくる。結局、私が食べている間もずっと隣に控えていたらしい。
それより、今の言葉はどういう意味だろう?
「うれしい、って?」
「はい。あのスープはランサーさんがご自分でお作りになったんです」
「へ?」
アイツが、このスープを?
あまりに予想外な返答に、思考が停止状態に陥る。
「な、何で?」
思考がまとまらないが、とにかく事情を訊いてみる。
「それが、昼食の残りを暖め直してお持ちいただこうと思ったんですが、
ランサーさんが『こんな味の濃いモノ、必要以上に空腹の時に食わすモンじゃ無え』とおっしゃって、
無理を言って厨房を貸してもらって、ご自分でミス・ヴァリエールのためにお作りになったんです」
やたらとうっとりとした様子でメイドはそう語った。
「ナルホドね......」
まあ、アイツの万能性を考えれば、料理くらい出来ても不思議じゃない。
「はい。やっぱり、ご自分でお作りになったものを残さず食べていただけたら、うれしいと思いますわ」
「そうだろうけど......厨房を勝手に使うなんて、いい顔されないでしょう?」
貴族には貴族の、平民には平民の職掌というものがある。
その分を侵せば、貴族だろうが平民だろうがいい気はしないだろう。
「ええ、料理長のマルトーさんも、貴族の方を厨房に立たせるのは抵抗があったみたいですが――――
私が朝に洗濯を手伝ってもらったことを話したら貸してくれました。
それにランサーさんの包丁さばきを見てからは、むしろ感心してましたわ。
『貴族にしておくのは惜しい』って――――あ、いえ、その」
つい喋りすぎてしまった、と思ったらしく何事か言い訳をしようとするメイドに「いいのよ」と返すと、
メイドは「それでは......」と言いおいて、そそくさと何処かに行ってしまった。
まだ、仕事があったのだろう。これ以上引き止めるのも悪いだろうから、そのまま行かせてあげる
一人になって、空腹も癒えた状態で考えると何だか納得できた。
なるほと、美味しいハズだ。あの料理は、いつも食べている料理とは違う。
普段の食堂の料理は、単に「貴族が口にするための料理」である。
様々に手を凝らしてあるが、それは不特定多数の者へ向けた料理。
だけどアイツの作ったスープは、私が食べることを前提に作ったものだ。
今の私の体調まで考慮して、私が食べるためだけに作ったものなら、それがマズい筈があるまい。
「はぁ〜〜〜〜〜〜」
深く、ため息をつく。
結局、私がグルグルとマイナス思考のループに陥っている間も、
アイツは自分のことだけじゃなくって、私のことも考えて行動してたわけで。
素直に認めざるを得ない。
「敵わないわね......」
もう、主としての威厳とか、そういうレべルの問題じゃない。
アイツの方が、私よりはるかに大人なのだ。
まずは、アイツに気を使わせないで済むようにならないと。
話はソレからだ。
「よし」
さっきまでのは空腹と疲労による一時の気の迷いだ。そう思う事にする。
とにかく、魔法を使えるようになる。ソレでやっと他の子たちと同じスタートライン。
アイツをどうこうするのは、その後だ。
先ずは、アイツが持ってくるスープのおかわりを食べ終えて、そうしたら早速ルーン魔術について手ほどきをしてもらおう。
そう、私が決意を新たにしていたというのに、ソレに水をさす様な騒ぎが聞こえてくる。
支援
「何よ、ヒトがせっかく......」
文句の一つも言ってやるつもりで騒ぎの中心へと向って行くと、
「申し訳ございません!」
「アレは――――」
さっきのメイド―――ええと、シエスタだっけ?―――が、必死に頭を下げている。
「申し訳ないで済むか!キミのせいで二人の女性が傷ついてしまったんだよ!どうしてくれるんだ!」
そんな恐縮しきりのメイドを怒鳴りつけているのは、ギーシュ・ド・グラモン。
トリステイン国内に限らず、他国までその名の聞こえた武勇の名門、グラモン家の三男である。
もっとも、トリステイン国内では、武門としてではなく、代々女癖が悪いことで知られていたりするのだが......
ギーシュが怒鳴っている内容や、周囲の話し声を総合すると、この騒ぎもどうやらギーシュの二股が原因らしい。
アイツがモンモランシーから貰った香水を落として、ソレをあのメイドが拾って渡そうとしたら、
二股かけてたケティとかいう下級生がやって来てしまって、まずケティにフラれ、
続いてやって来たモンモランシーにその現場を見られてしまい、モンモランシーにも振られた、という事のようだ。
要するに、ギーシュがフラれた原因を作ったのがあのメイドだから、ギーシュが叱りつけている、と。
「くだらない......」
要はギーシュが二股をかけてたのが悪いというだけの話。
それをたまたまバレるきっかけを作ったのがメイドだからって、叱りつける資格は無い。
騒ぎを聞きつけて集まって来た回りの子たちも、大半はギーシュの身勝手さに呆れている。
かといって、積極的に止める気も無いらしい。
「――――」
何か、腹が立って来た。
平民に当たり散らすという、貴族の恥の典型のようなギーシュにも、
それを見とがめながらも、何もせず放置する他の子たちにも。
そんなの、本当の貴族じゃない。
こんな考え、今ではカビの生えたモノなのかも知れないけど、それでも、正しいと思ったから。
そう、アイツだって、こんな真似、放っておく筈無い。
そう、考えた時だった。
ギーシュとメイドを遠巻きにしていた人垣から、スタスタと二人に近づいていく男性用給仕服の人物が一人。
「ちょ、ラン――――」
声をかけようとして、真実、息が止まる。
マズい。
マズいマズいマズい。
アレは、相当に怒っている。
ギーシュが貴族らしからぬ振る舞いをしてるから?――――違う。
女の子がいじめられてるから?――――そんなんじゃない。
あのメイドは、アイツが朝に声をかけてた子だ。
その子がいじめられてるから、守ってあげようとしている?――――ソレも、違う。
アレは、アイツは、
自分の獲物に、横槍つけられるのが、許せないのだ......!
何でそんな事が判るのかとか、アイツの理屈はおかしいとか、そんな事どうだっていい。
このままだと、下手をすれば、アイツはギーシュを殺しかねない。
脳裏に、たった6歳のアイツに挌殺されて、ハラワタやら脳漿やらをブチ撒けた猛犬の映像が過る。
下手をすれば、あの再現が、ギーシュで......
その自らの想像に私が戦慄した時には、アイツはギーシュの真横まで辿りついていた。
逆上していたギーシュも、流石に気がついたようで、胡乱げにアイツの方を見上げる。
「何だねキミは。ボクは単にこのメイドに礼儀を――――」
「――――」
ギーシュが髪を掻き揚げたりしつつ何事かほざいていたが、アイツはそんな戯言など全く意に介さない様子で、
私のために持って来ていたスープ皿を手にとると、ギーシュの頭の上で一気に傾けた。
「わひぃ!?」
私が食べきるまでの時間を計算されて、若干熱めに暖められていたアイツ特性のスープを浴びて、
ギーシュは情けない声を上げて面白い位に慌てふためく。
その様子に、周囲から小さく歓声が上がる。流石にギーシュの乱行は目に余っていたらしい。
一方、助けられた形になるメイドは状況についていけず、ただただ呆然としている。
「ふぅ......」
とりあえず、(無い)胸を撫で下ろす。
ギーシュには悪いが、あのくらいは当然の報いだろう。
むしろ、あの程度で済んだことは僥倖と言える、のだが、
「何をするんだ、平民風情が!」
ギーシュは、その事実に気付いていない。
二股かけていた両方にフラれ、そのうえ平民にナメられたとあっては貴族の名折れ、とでも考えているのかも知れない。
だが、それは不味い。
今、ギーシュが喧嘩を売ろうとしている相手は、平民などでは決して無い。
未来永劫、過去永劫、槍の担い手として最強の部類に入るアイルランドの大英雄なのだ。
戦うなど問題外、歯向かってはいけない存在なのである。
ソレがスープをかける程度で済ませてくれたというのに、さらに食って掛かるというのなら、今度こそ、アイツは――――
止めなければ。
今度こそ、取り返しがつかなくなる.......!
「ちょ、待――――」
ちなさい、と続ける前に、
「キミは貴族を何だと......へぶぅっ!」
アイツに詰め寄っていたギーシュは、最後まで文句を言い切る事すら出来ず、アイツの拳を喰らって吹っ飛ばされた。
そう、文字通りギーシュの体が吹っ飛ぶ。
幼年ですら猛獣を屠るアイツの膂力は、ギーシュの軟弱な体をやすやすと数メイルに渡って弾き飛ばす。
倒れたギーシュの胸は確かに上下している。どうやら最悪の事態は免れたらしい。
だが、その暴力を前にして、周囲は騒然となる。
ギーシュの短慮も貴族を貶める行為だったが、
ソレ以上に、平民が貴族に手をあげた、その事実を看過しては貴族の権威は地に落ちる。
実際には平民では無いのだが、ソレを証すのは難しい。
なんたって、異世界から召喚された英霊なのだ。
このハルケギニアで爵位を持っている訳でもないし、ソレを説明しても信じてもらえるかどうか......
結局、回りの貴族たちは、今ギーシュを殴り飛ばしたアイツに制裁を加えようとするだろう。
そうなったら、終わりだ。
勿論、周囲の貴族たちと、私が、である。
そんな事態になれば、本当に死人が出る。
当然、アイツの主人である私も責任を取らねばならないだろう。
何とか、この場を収めないと。
「ランサー!」
そう声を張り上げて、アイツに走り寄る。
大声も、人前でバタバタと走るのも淑女にあるまじき行為だが、それ所では無い。
さっきまで怒気を漲らせていたランサーだが、ようやく私に気付いたらしい。
「おお、嬢ちゃん。悪いな、スープのおかわりは無くなっちまった」
まるで天気の話でもするかのような気軽さで、そんな検討違いなコトを言ってくる
それで、キレた。
海より深い謙虚さを備えるこの私ですら我を忘れて自画自賛してしまう程の忍耐強さを誇る私でも、もはや限界である。
「無くなっちまった、じゃなぁーーーーーーい!」
それは、今朝の再現。
走り寄る運動エネルギーの全てを乗せたドロップキックを、アイツの顔面に叩き込む。
それをバカ使い魔は素直に顔面で受け止める。
アイツなら余裕で避けられるハズなのだが、そういう変な所で義理堅いのだ。
ズザザ、と華麗な着地を披露する私に、アイツは顔面を足蹴にされた事など全く意に介してない様子で話しかける。
「なあ、昨日から思ってたんだが、お嬢ちゃんは体術のほうが向いてるんじゃないのか?」
「うるさいうるさいうるさーーーーーーい!
そんなコトより、何勝手な真似してるのよ!無用の騒ぎを起こすなって、さっきも言ったわよね!」
「無用じゃねえさ。オレの獲物に手ェ出すあの坊主が悪い」
「だーかーら〜〜〜〜〜〜ッッッッ!あーもう!」
バカ使い魔に謝らせるのは無理そうである。もっとも、ソレでこの場が収まるとも思えないのだが。
「ちょっとギーシュ!」
ならば―――と、倒れたギーシュに向き直る。
バカ使い魔の、本気の数千分の一程度のパンチで意識を刈り取られていたギーシュであったが、
水メイジの治療で既に意識を取り戻していた。
単に脳を揺さぶられただけで、体のダメージは大した事はなさそうである。
よし。
「ル、ルイズ?ソイツはキミの使い「決闘よ!」かい?......って、え?」
意識を取り戻し、事態を把握したらしいギーシュが何事か言っていたが、それを無視して宣言する。
「ギーシュ、アナタには私の使い魔と決闘して貰うわ!」
ルイズ「ルイズと!」
ランサー「ランサーと〜」
カレン「カレンの」
「「「英霊《サーヴァント》通信!」〜」」
ルイズ「この世の理は即ち速さだ!三千院ルイズよ!」
ランサー「サーヴァントのランサーだ......」
ルイズ「―――何よ、言いたい事があるならはっきり言いなさい」
ランサー「いや、いいんじゃないか?
もうこのコーナーのお嬢ちゃんは本編とは全く別の『三千院ルイズ』っていう新キャラってことで」
カレン「中学二年生とは思えない枯れた境地ですね、この駄犬は。
そんなことより、さっさと私の紹介をして下さらないかしら?
本当、気が回らない使い魔を持つと気苦労が絶えませんわね、ルイズさん」
ルイズ「ホントよね。ホラ、さっさとシスターの紹介をなさい、このバカ犬」
ランサー「んなコト言われてもだな、オレは一応アニメ版準拠のセイバールート後から召喚されてる設定なんだから、
こんなエセシスターなんざ知るわきゃ無えだろ」
カレン「あらあら、それでは一から躾け直さないといけないようですね。
本当、こんなコト何度もしたくは無いんですけど――――」
ランサー「のわあぁッ!何だこの布ーーーー!」
カレン「ウフフフフフフ.......その布は『男性』を縛る聖遺物。アナタでは抜け出せないですよ」
ルイズ「ソレいいわねシスター、私もそういうのが欲しかったわ」
カレン「よろしければお譲りしましょうか?」
ルイズ「え?いいの?」
カレン「ええ。私にはこの新装備『万能聖骸布《マグダラボルグ》』がありますから」
ランサー「ムッ、ムムム、ムムムムムムムムム(ちょ、何だ、マグダラボルグって)!」
ギーシュ「あの〜、そろそろボクの紹介もして貰えたら、嬉しいのだが......」
カレン「ああ、ゴメンなさい。私とした事が、駄犬の躾に夢中になってしまって。
それでは改めまして、ゼロ魔世界三大かませ犬の筆頭、ヘタレ・オブ・ヘタレ、ギーシュ・ド・グラモンさんです」
ギーシュ「グハぁッ!」 カレンのこうげき!ギーシュに98のダメージ!
ルイズ「だめよシスター、そんな言い方」
ギーシュ「ああ、ありがとうルイズ!
さあ、彼女にボクの素晴らしさを教えてやってくれたまえ!」
ルイズ「アニメ版のモット伯も含めて四大でしょ!」
ギーシュ「ひでぶっ!」 ルイズのこうげき!ギーシュはしんでしまった!
カレン「あら、でもあのヒトは別段カマセ犬というわけでも無いのでは?」
ルイズ「まあ、アニメ版ではそうだったけどね。
本スレでは出る度ボコボコにされて、邸宅ごと壊滅するのもしょっちゅうだから、
カマセ犬の一人としてカウントされてるみたいよ?」
ランサー「ひでー話だなオイ」
ルイズ「あれ、いつの間に拘束を抜けたの?」
ランサー「ああ、ガンダールヴってのは本当にスゲぇな。
タイころじゃあ、バカ王子と二人がかりでやっと拘束を破れてたんだが」
カレン「やっぱり記憶があったようですね、この駄犬は。
まあいいでしょう。これ以上脱線していても仕方ありません。
それではヘタレさん、本題に入って下さい」
ギーシュ「も、もはや名前さえ――――
と、とにかく今回はボクのワルキューレの話なんだが......」
ルイズ「ああ、アニメ版のアレね。確かにアレは無いわよね」
カレン「?何の話ですか」
ギーシュ「それが、ボクのワルキューレなんだが、アニメ版ではいわゆる『青銅色』だったんだよ」
ランサー「青銅色ってアレだろ?青みがかった淡い緑色。
つっても、あの色って緑青、要は錆びの色じゃねえのか」
ギーシュ「ああ。そうなると、ボクはわざわざ酸化した状態の青銅を錬金してるコトになるんだよ。
それで、原作ではどうなってるか確認しようとして、作者は兎塚エイジの『Zero』を購入したんだけど、
1巻の唯一ワルキューレが描かれている挿絵、原画はカラーのはずなのに、白黒で収録されてて......
何故だ!『タバサの冒険』は白黒だった挿絵もほとんどカラーで掲載されてたのに!」
ランサー「それは......なぁ?」
カレン「純粋に人気の差でしょうね。彼女は下手をすればルイズさん以上に人気がありますから」
「「ぐはぁっ!!」」カレンの全体攻撃!ギーシュはしんでしまった!ルイズはしんでしまった!
ランサー「あー、もうちょっと言い方ってモンがあんだろ......」
カレン「まあ、この程度であんなにダメージを受けるなんて、可愛らしいですね。ウフフフフフフ......」
ランサー「――――まあいい。それより今回は他にも連絡事項があるんだから、話を進めるぞ。
まず、投下休止中に話題になってたサーヴァントのクラス別能力についての話だ。」
カレン「あら、あれだけ住人諸氏に不快な思いをさせておいて蒸し返すなんて。
本当、性格が悪いですね。フフフフフフフ」
ランサー「いや、アンタに言われたか無ぇだろ。
それがな、コンプ3月号の別冊付録『TYPE-MOON PHANTASM2008』に収録されてる
『奈須きのこ×虚淵玄OVER20,000WORD INTERVIEW』で、セイバーの騎乗スキルが上がってる件について
『切嗣のマスター補正』だと発言があった。つーワケで、召喚したマスターで左右されるってので間違いないみてえだな」
カレン「まあ、自説が正しかった事をわざわざ声高に喧伝するなんて、まさしく厚顔無恥な振る舞いね」
ランサー「正式な回答が出たから報告しただけだろ!何でそんなになじられなきゃいけねえんだ!
大体、それはオレじゃなくって作者だろうが!」
カレン「それもそうですね。
もっとも、本当に責任があるのは、Fate本編でステだけ変えてクラス別能力を変えるのを忘れていたどこぞの菌糸類――――」
ランサー「ソレ以上は言うな!」
カレン「あら、私何か言いました?言ったとしたら、それは私に取り付いた魔が喋っていたのでしょう。
気にしてはいけませんよ、ウフフフフフフ」
ランサー「......ったく、誰だよコイツ喚んだの。
あーもう兎に角、次だ。以前作者が投下した白レン小ネタのタイトルについてなんだが」
カレン「ああ、あの『ついカッとなって書いた。今は反省している』とか言うアレですね。
まあ、キチガイという比喩はあながち間違いでも無いですね。
作者がテンパっている時は、障害者手帳を給付されてる精神障害者をして、
『キミって精神障害者みたいだよね』と言わしめる程の挙動不審っぷりですから」
ランサー「それは単に作者がビビりなだけだろ。
大体、アレは単なる使い捨てのネタで、wikiに登録されるなんて思ってなかったらしいからな。
登録されてるのを見て、一応『MELTY BLOOD Familiar of Zero』とかいう、
まんまなんだかオサレなんだか、よく判らねえタイトルを考えてたらしいんだが」
カレン「だったら、キチガイと言われる前に、タイトルを変更してもらうようお願いすればよかっただけの話でしょう?」
ランサー「いや、その時はまだ白猫の人の投下が始まってなかったんで、
タイトル決定でかぶったりしたら迷惑だろうと思って放置してたらしい」
カレン「そして、忙しさにかまけて忘れていた、と?そんな事情、知った事ではありません。
その上、白猫の人のせいにするなんて、恥知らずにも程がありますよ、この早漏」
ランサー「だー!話が進まねぇだろ!
とにかく、作者としては、白猫の人の投下も本格的になってるんだから、
いっそwikiから削除してもいいんじゃないかと、そーいうコトらしい」
カレン「それもまた身勝手な話ですね、せっかく登録してくださった方がいらっしゃるというのに。
タイトルを変更すればいいだけの話でしょう?」
ランサー「......なぁ、アンタは結局どうしたいんだよ?」
カレン「勿論、貶められて苦悩する人間が見たいだけです」
ランサー「ホントにタチ悪ィな!
ああもう、起きろ嬢ちゃん。オレとコイツだけじゃ話が進ま無ぇ」
ルイズ「――――ハッ!ラ、ランサー?!
アンタ、何で技名が『レッド・ブランチ+ルーン名』なのよ!英語か古アイルランド語かドッチかにしなさい!」
ランサー「何の話だ!これ以上話をややこしくするなよ!」
カレン「と言うワケで、あの小ネタについては、住人の皆さんにお伺いを立てたいと思います。
1、このままキチガイを晒し続ける。
2、『MELTY BLOOD Familiar of Zero』とかいう、ワケ判らないタイトルに変える
3、いっそのことwikiから削除
皆さんの意見をお聞きした上で、次回の英霊通信で決定したいと思います」
ランサー「勝手に話まとめにかかってやがる......
オイ、坊主も起きろ。もう終わっちまうぞ」
ギーシュ「うぅ......そ、それでは、ボクの華麗な真・ワルキューレの活躍する次回をお楽しみに(ガクリ)」
ルイズ「真って言うからには、悪魔めいた翼を出して、UFOみたいに飛行するのかしら?」
カレン「甘いですよルイズさん。火星まで飛んで行って、生命を生み出すぐらいはやってくれないと」
ランサー「オマエら、さんざんカマセ犬呼ばわりしといてそれは無えだろ......」
ルイズ「ダメよランサー、あんまり私を怒らせちゃ......
私のエクスプロージョンは108式まであるわよ」
ランサー「じょ、嬢ちゃん?」
カレン「あらあら、どこか変な平行世界の電波でも受信しているようですね」
ルイズ「そんなに見たいんなら、見せてあげるっ!エクスプロージョン3式!
出ろォォォォォォお!スぅロォォォォォォネッ、ドライ!ガァンダァァァァァァぁム!」
ランサー「何だその赤い粒子を巻き散らしてる機械人形は!虚無魔法とか言うレベルじゃねえぞ!」
カレン「ソレ以前に、あの呼び出し方ではマイスターではなくファイターですね」
ルイズ「私というものがありながら、別な女の子とイチャイチャいちゃいちゃしてッ......
死んじゃえーーーーーー!」カチッ
ランサー「だから、それはエクスプロージョンじゃなくて粒子ビー――――」
ズオォォォ.........ン
カレン「むしろココは古谷徹Voで次回予告をすべきですが......
まあいいでしょう。それでは次回の英霊通信でお会いしましょう。ウフフフフフフ」
ランサー「まだ、出る気かよ......(バタリ)」
終われ
久々の投下乙であります
ただランサーが犬絞め殺したのは12〜3歳の時だってホロウで出てた気がする
乙
次回はいつごろになるか教えて欲しいぜ
乙です、GJ!です。
重箱の隅をつつくようで悪いですが、ルイズの母親の名前は正確には、
『カリン』ではなく『カリーヌ』ですよん。カリンは『疾風カリン』の二つ名です。
ついでに、咬ませ犬は四男です…、カワイソス
乙乙
ランサーは生きてた時代が時代だから、サクッっとヤっちゃいそうで怖いなぁ。
いや、両方の意味で。
職人さん乙!
>>73 ルイズの母親の魔法衛士隊時代の二つ名は「疾風」ではなく「烈風」ですよん。
>>74 ランサー「ゲイ掘る具!!」
ギーシュ「アッーーーーー」
どこで耳にしたんだっけか、
ケルトの武人は戦友にや ら な い か
と誘われたら断っちゃいかんって掟があったらしいが…………。
何はともあれ、ゼロステ氏の帰還に乾杯。
え〜と、つまり乱闘になって被害拡大の前にギーシュ一人でケリをつけとこうと言う訳ですか?
決闘ならまぁ、お咎めも軽いだろうと。
しかし、ベンケラーで本当に来るとはなぁ・・・。
>>78 はっ、我を満足させたければその三倍は持って来い。
前々スレの
>>700辺りだったっけか、
闇鍋じみた最低クロスのレシピ(戯言)ブチ撒けたら四人分くらいアッー!なレスついたっけなあ…………w
兄貴の人帰還乙
小ネタはタイトル変更でいいのでは
>>77 おおむねそんな感じ
男だろうとバッチコイ
ちなみに、戦争のときは本当にボディペイント裸で突撃とかもやってた
かつて神職者たちが色におぼれない軍隊を作ろうと、純粋培養の少年たちを集めた結果――同性愛による性病の巣窟を作り上げたという話が。
すかし兄貴だとフツーにデルフの出番ないなあ
某ご立派な使い魔のごとく宝物庫には破壊の戦車としてマハとセングレンのチャリオットが…
そろそろ教授にヴィンダールヴつけて召喚してみるかな。
…ガリアにでも。
教授は太陽克服してないから日中は活動できないぞ
かなりやりにくいと思うが
教授は飛行機乗って日本に着たんだぞ?
太陽は大丈夫だけど、弱体化するだけだよ
つーか、食い散らかされて終わりよね
つーか教授って裸にコートで飛行機に?
流石に前くらいは閉じただろう
教授「この黒いのは体にピッタリとフィットするスーツだ」
教授「タイツとも言う」
正直スニーキングスーツだと思ってた
まあドラマCDのきれいな教授なら大丈夫だろう。
セイバー召喚→契約後自分に霊呪が刻まれたと勘違い→「私が私のマスター・・・か?」
Zero/ stay nightの書き手の人へ。
Wikiへ2/20日投下分を登録しようとしたのですが、タイトルが前回投下された分と同じで、どのようなタイトルで登録すればよいか判断できませんでした。
今回は「Geis V」で宜しいのでしょうか?それとも「Geis U−2」のようにした方が宜しいでしょうか?
不躾な質問申し訳ありません。
>>65 またテンプレのギーシュヘイトかよ。
原作のシナリオに縛られるならシエスタやランサーがギーシュに
「薔薇でもってしゃぶってろ」とか言わせれば良いのに
ネロも魔術師なんだから
相手の目線をずらす魔術くらい使うだろ
ところで相手の目線を逸らさせるだと途端にアレになるな
変態という名の紳士だよ
>>98 ならばもっと素晴らしいSSを自分で書けば良いのだよボーイ
>>99 「あ、目線逸らした」
「やっぱり裸コートを真正面からは見れないのね」
「そこっ!!何勝手なことを言っているっ!!」
こうですかわかりま(ry
あらゆる武器を使いこなすガンダールヴ。
正にトマトちゃんこと戸馬的さんのことなのに、今日まで全く思い出さなかった。
あれ、来客かな?
トマトちゃんなら拳銃からチェーンソーまで機用に、しかし殺人限定で使いこなすだろうな
身体能力が人類のハイエンド付近まで到達してた石杖妹を、技術だけでボコれるような御仁だしなぁ。
拳銃がないと仮定して、接近を許さなければ負けはしないだろうけど・・・・・・
それ自体が不可能に近いだろうね。なんという理不尽の権化。
カリンとか疾風とか、型月に比べてゼロ魔についてはそこまで詳しくないのかね
>>73 他人のミスをしたり顔であげつらってるそのレスの中で、
自分がミスするとか生きてて恥ずかしくない? ねえ? ねえ?
>>101 賞賛以外の感想は書くなって人か?
公共のスペースなんだから、作品も読者も何を書こうと勝手なんだよ。
読むのも読み飛ばすのも、感想を書くのも書かないのも自由
訂正
作品→作者
>>108 まあ、あんたのいうてることはそれほどまちがっちゃあいないが。
>101のレスからからそういう風に101の人格を読み取れるセンスは正直、理解できんw
あと何書いてもいいのは確かだが、罵倒と文句をいくら重ねても建設的ではないなあ…。
そういうわけで12時間くらいしたらなんかSS投下します。
一発ネタで。
今のうちに支援だ
そろそろかな・・・
カモン…カモン…カモーン
CVは三木眞一郎で
そろそろだな
ごめん。もう半時間待って。
>>115 仕事じゃないんだからあまり時間は気にするな
気長に待つさ
ルイズの召喚が成功するのを待つよりは早いさ
「ねえ、あなた何考えてたの?」
主であるメイジに尋ねられて、間桐慎二は「別に」と答えた。
別に、なんだというのか。
差し向かいでテーブルを挟んでお茶会をしていたメイジと慎二であったが、問うた方は「そう」とだけ言ってティーカップを置いた。
慎二は苦笑したが、お茶を飲むでもなくカップを口元に寄せ、芳香を楽しむ。楽しみながら思った。
(まったく、わがご主人様は勘が鋭い)
というよりは、単に癇が強いだけかも知れない。自分の使い魔が何を考えているのかを気にしているというのではなくて、自分が悪く思われていないのかが気になっているのだろう。使い魔がどうというのではないのだ。
この世界には「メイジの実力を見たければ使い魔を見よ」という言葉があるらしいが――つくづく、サーヴァントは召喚者に似たような者が呼ばれるものらしい。
間桐慎二はお茶を口に含む。
何日かぶりに味わう緑茶は、あまり美味くはなかった。
間桐慎二は使い魔である。
本当は魔術師であると名乗りたいのだが、みなが当たり前のように魔法を使うこの世界で、ほとんどたいした芸のない彼ではとてもそんなことは口にできない。
まあ、使い魔であるという身分は屈辱的ではあるが、主人が王族であるということでそれなりの待遇で扱ってもらえているので、生活そのものにたいした不満はない。
不満があるとすれば――その主の存在の有り方に対してだ。
イザベラ、という青い髪の女メイジは、この国の王族の娘でありながらも魔法の才能が一切ないのだという。何処かで聞いた話だ。そして従姉妹であるシャルロット……というと怒るから、イサベラが云うガーゴイル、と呼ぼう。
その娘は優秀なメイジで、イザベラは王家の正統な後継者である(と目されている)ガーゴイルがとにかく嫌いで嫌いで仕方ないのだという。本当に、聞いたような話だ。
慎二は召喚されてから状況を把握するのにだいたい二ヶ月近くかかったが、そこらの事情を知るに至って、なんともいえない気分になった。
ガーゴイルとイザベラが呼んでいる女の子も見た。無感動に世界を観ている女の子だ。小さい。世界に対して何も期待していない目をしている、本当に小さな女の子だ。
慎二はその子とイザベラのやりとりを観ていて、耳を押さえて何処かに消え去りたくなった。
(お前は僕だ)
そう思う。
お前は、聖杯戦争が終る前の自分そのものだ。何度も何度も口にしそうになった。その態度、行動、何もかもが思い出したくもない昔を思い出させる。いい加減にしろと喚きたくなる。
彼もかつてそうだったのだ。
自分こそが正統なるマキリの魔術を継ぐものと信じていたのだ。
自分こそが幼い妹を守っていられる男なのだと信じていたのだ。
全て、現実の前では虚しい妄想でしかなかったのだと知った。
その結果としてやったことは、守ろうとしていた妹を陵辱し、与えられた力を自らのものとして錯覚した挙句、町に大混乱をもたらした。
それらを後悔してないといえば嘘になる。
嘘になるが、もはやそれらは償いきれないのだとも彼は知っていた。
支援
毎夜のように悪夢にうなされて、妹の胸にすがりつきながらもその暖かさに罪悪感を覚えた。
逃げ出したかった。
いや、逃げ出したのだ。
そしていつの間にか目の前に出現していた鏡のようなものに飛び込んで――
その果てが、このザマだ、と慎二は自嘲した。
冗談のような魔法の世界。
この世界には、彼を知る者など一人もいない。
しかしこの世界では、彼の昔のような女の子がいて、彼の心をさいなむのだった。
(こんなことをしていても、いいことこは何もない……っていったって無駄だろうな)
自分の経験から照らし合わせて、そんなことを指摘したって腹を立てさせるだけで何もいいことはないと思った。むやみに刺激を与えたくない。そこらはモテる男としての本能でもある。モテる男は女の子を刺激しない。
そんなわけで日々何もできずというかやらず、外面はいつも穏やかにはしているが、内面ではストレスが溜まりまくっていた。
だから思っていることはどんどん愚痴めいてくる。
(だいたい、そういうことをいきなり事情もよく知らずに部外者がやめろっていうのも傲慢なんだよな……衛宮の馬鹿ならば、アイツならまた無神経になんか説教しだすかも知れないけど……いや、どうなんだろうな)
自分の知らないところで実は魔術師だった(元)友人のことを思い返したりしながら、ふうと溜め息を吐いた。
「アンタ……そんな陰気な溜め息を吐かれても、こちらの気分が悪くなるだけだよ」
イザベラはそんな彼の様子を見ていて眉を寄せて言う。
「ちょっとは周りを見てから、どんな顔していいのかくらい考えな」
なんとも理不尽だ。
慎二はまた苦笑した。
本当に本気で、この女は自分によく似ている。
自分もこんな感じで衛宮にイヤミを言っていたっけ……などと考えて、ふと思い至った。
(もしかして)
ガーゴイル、とあの子を呼んでいるのは。
あんなに嫌っているのは。
(もしかして……)
イヤガラセをどんどんエスカレートされているのは。
あんなにあんなに嫌っているのは。
「救われないな」
「? なんの話さ?」
思わず口に出した言葉に、怪訝な顔をするご主人様。「別に」とまた答えた慎二は、まだ一口しか飲んでないお茶をテーブルの上に置いた。
(どうでもいいさ……この女がどうなろうと、僕のしったこっちゃあないね)
この世界の使い魔のシステムがどういうものであるのかというのはよく解らないが、確か「運命だとさ」とイザベラがそれこそ自嘲するように言っていた。それは彼女が自分で呼んだ使い魔が、大した能がないというのを知っての言葉だったが。
しかし、運命――その言葉が正しいのだとしたら、いずれこの女も自分のような目にあうということなのだろう。
きっとそうだ。
そして、運がよければ、昔大好きだった可愛い妹のような従姉妹に介抱されながら、自分のやったことの罪悪感に苛まれる日々を過ごすことになるのだ。
(ああ、きっと衛宮だったら、本当に無神経に説教言い出すんだろうな。本当にアイツは馬鹿だから。馬鹿なのにいい仕事するからみんな騙されているけど、アイツは本当に馬鹿なんだぜ)
どうしてか、一度テーブルに置いたカップをまた持ち直していた。
緑色のティーに映る自分の顔を覗き込む。
(馬鹿で無神経で本当に他人のことばかり考えているから、自分がどう思われるかとかどういう目に合うかとか考えなくて無鉄砲に行動できるんだよ。本当に。アイツみたいな馬鹿で恥ずかしいことなんか、僕にできるはずがない……)
桜。
桜桜。
桜桜桜。
桜。
償え切れないことをしてしまった。
それなのに優しくしてくれた。
なのに逃げ出してしまった。
もう会えない。
きっと、もう会わない。
「シンジ?」
いきなり真剣な表情になった慎二を見て、イザベラの声は何処か脅えるようだった。彼女は王族で、相手は彼女の使い魔のはずなのに。彼女は脅えている。
本当に信じるべき味方の一人もいない日々に、心は磨耗して自制心は欠けていく一方なのに違いない。
それを慎二は知っていた。
くいと一息に冷めてきていたお茶を飲み干す。
「あのさ、イザベラ」
「何さ!」
思わず身構えるイザベラを見て、慎二はまた、もう一度苦笑した。
そんな風に脅えるなよ。
肩の力抜けとかそんなことは言わないさ。
そういうお説教をするようなキャラでもないしな。
慎二はそう思った。思ってからそれらを口にするべきではないと改めて考えた。
自分は、自分らしく振舞うだけだ。
「前から言おうと思っていたんだけど、君はもうちょっとおしとやかに振舞うべきだぜ。お姫さまなんだからさ」
「アンタ、いきなりこのイザベラさまに喧嘩うってるわけかい?」
別にー、と言って、慎二は笑った。
イザベラをどうこうしようだなんて気は、慎二にはなかった。
ただ、一人も本当の味方のいないここで、このまま彼の二の舞を舞わせるのを眺めるのはどうにも我慢ができない。
それは自分の精神衛生上のためのもので、償いとかそういう偽善的な行為ではなくて、本当に自分のエゴなのだ。
だから僕が改心したとかそんなことは決してないんだからな! 勘違いするなよな!
そんなことを、ここにいもしない衛宮士郎に向かって彼は思うのだった。
「もっとさー、イヤガラセとかするんじゃなくて、……他にやるべきことがあるだろ?」
と、大分遅らせたけど、これにておしまい。
ネタがまとまったときはもちっと面白い話しになる気がしたんだけどなあ。
あとでまち修正しときます。
それではどうもー。
これはいい綺麗なワカメ
たしかに意外と共通点あるなあ
乙です
―――なんて、綺麗なワカメ
Fateならバーサーカーに、HFだと桜に……なのでUBWの慎二か。
ということは『泥』にどっぷりと浸かって人間の悪意に晒され続けたのだから……それなりに思うところがあるのだろう、きっと。
難易度の高いキャラだとは思うが、作者氏の頑張りを期待しつつ乙。
心から乙
水に浸けて3日くらいのワカメか
ワカメを泥に3日漬け込んだ後
流水で灰汁抜き一週間
ああ――――なんて――――綺麗なワカメ
GJです、続きを心から待ちます
慎二を癒したのがFate本編の桜なら構わない。
しかしもし、ホロウではっちゃけた『あの』桜だった場合……慎二はトラウマの塊になっている可能性が?!
イザベラに同情、もしくは警告する理由になるな。
感想ありがとうございます。
しかし続きはないのでした。本当に一発ネタなので。あと連載抱えすぎてて。
ではー
イザベラさまと使い魔くんの人乙です。
果たしてワカメくんはイザベラさまを救えるのでしょうか?
今回6レスと短いですが、50分から投下して宜しいでしょうか?
誰もいらっしゃらないようなので投下開始します
ところで、前回ルイズのピンチで切ったはずなのに、皆さんフーケさんの心配ばかりで笑ってしまいました
「い゛っーーー!?」
「動くんじゃないよ? 怪しい動きをしたら即座に殺す。全員杖を捨てな」
腕を極められた激痛に喘ぐルイズに酷薄な声をかける。未だ自分が置かれた状況を理解し切れていない、呆然とした瞳で見上げてくるルイズに、無慈悲な冷笑を返してやった。
そこまできてようやく全員状況を飲み込めたらしい。だが、もう遅い。
「あなたが、フーケだったのね……!」
「ご名答。ちょっとばかり答えを出すのが遅かったようだね」
もはや学院で見せていた作り笑いを見せ続ける必要も無い。歯噛みするメイジ三人だが、ルイズを人質に取られてしまっては迂闊な行動は不可能である。やむを得ず、言われたとおりに杖を捨てた。
「なんで、学院に戻ってきたのよ……!? とっとと逃げれば良かったじゃない!」
「なに、間抜けな話さ。せっかく手に入れた破壊の杖だってのに、使い方は分からない、ディテクトマジックにも反応しないと来たもんだ」
「だから、使い方を確かめるために……!?」
「そういうこと。偽物を掴まされたかもしれないとも思ってね。学院の誰かなら知っているんじゃないかと思ったけど、まさか使い魔が知っているとは思わなかったよ」
フーケは杖をルイズに突きつけたまま、油断なくレンへと視線を向ける。
「そこの白い奴。お前、この破壊の杖の使い方を知っているのかい?」
「いいえ」
「これが何かは知っているんだろう? 言いな」
と、フーケはルイズの首にぐりっと杖をめり込ませる。ルイズは痛みと怒りで般若のような顔になっていた。
先程、ルイズを助けた際に聞こえた会話では、この白い幼女は破壊の杖の正体を知っているようなことをほのめかしていた。どんなものかさえ判れば、使い方を推測することはできるはず。もし判らなくても効果さえ知れれば売る方法はある。それがフーケの考えだった。
「別に言う必要もないでしょ」
だが、レンはフーケの予想とは反対の方向に動いた。ルイズを無視するように一歩、踏み出してきたのだ。
「何してるのよ!?」
悲鳴のような金切り声を上げたのはキュルケである。フーケは顔をしかめた。
「本気かい? あんたのご主人様がどうなっても良いって言うの?」
「人質を取るって、あまり賢い手段と思えないのよね。だって危険にさらされるのは人質と加害者でしょ? 仕掛ける側には全くリスクが無い」
こちらの言葉を無視しながら、一歩、また一歩とレンはこちらへ近づいてくる。人質をまるで気にしていないような行いに、フーケの心に焦りが浮かぶ。
「それ以上近寄るんじゃないよ! もう呪文は唱え終わってるんだ! あんたのご主人様が死ぬよ!?」
このエルフもどきが先程ルイズ救出のために動いたのは間違いない。なのに何故、今回はまるで主人の無事に頓着せず、平然と自分へ向かって歩いてくるのか。
「あら、私はマスターの事を思ってやっているのよ?」
「どこを取ったらそうなるんだい!?」
「この任務の肝は『フーケの討伐』と『破壊の杖』の奪還。せっかくマスターが両方の目的達成のチャンスを作ってくれてるんだから、これを見逃すほうが使い魔失格よ。ねえルイズ?」
ウィンクをルイズにしながら飄々と答えるレン。ルイズは使い魔に見捨てられて呆然としているようだ。
もうレンとフーケの距離は数歩分まで近づいていた。フーケは背中に流れる汗を感じる。有利なのは自分のはずなのに、まるで自分が追い詰められているようだ。
自分の判断ミスに内心舌打ちする。今、ルイズに向かって魔法を放った場合、その隙をこの使い魔に襲われるだろう。もっと早く行動を起こすべきだったのだ。
「それと、一つ申し上げておきますが」
す、とレンが口元に人差し指を当て、笑みを深める。
「私、残酷でしてよ?」
その言葉を聴いた瞬間。
ずん、と頭をハンマーで殴られたような衝撃が走った。
白ぬこ支援
「―――がっ!?」
いや、殴られたわけではない。感じるのは痛みではなく、凄まじい眠気。
(しまった―――!?)
フーケは自分の考えの浅さを呪った。目の前の白い奴が先住魔法の使い手だということは、昨日学院で変身を見た時から知っていたのに。自分に気付かぬように魔法を使えること位、何故想定できなかったのか――!
膝が折れる。ルイズを掴んでいるのかもあやふやだ。ぐらぐらと揺れる視界が、勝手に閉じる瞼で狭まってゆく。
(こんな、所で……!)
何とか気力を振り絞り、杖を前方へと向け、魔法を発動させようとする。もう視界はほとんど闇。何処に誰が居るかも分からない。
それでも闇雲に魔法を使おうとした所で、足首に衝撃が走った。最早フーケには体勢を維持するだけの力も残っておらず、最後に土の感触を顔に感じて意識が途切れた。
「はい、おしまい」
くずおれたフーケは追い討ちに足払いを掛けられ、顔面から倒れこんだ。起き上がる気配はない。魔眼とやらを発動させたのだろう。便利な能力だ。
レンは爪先でフーケの頭をつついている。完全にオチているのを確認すると、レンはルイズへと向き直った。
「よく暴れなかったわね。そこだけはありがたかったわ」
「……目で合図してたのはあんたじゃない」
「ちゃんと気付いてたのね。上出来よ」
レンが主人の安否を気遣わずにこちらに向かって歩いてきた時は、ありったけの罵詈雑言を放ってやろうと思った。だが、こちらへウィンクしてきたときに思い出したのだ。こいつは確か、目を合わせることで相手を眠らせることができると。
手を差し伸べてくるレンの手を掴んで立ち上がる。その時睨んでやったが、レンは動じた様子も無く、いつもの微笑をルイズへ返してくるだけだった。
「任務完了ね。さっさと帰りましょうか」
そう言って元来た道へと向かおうとしたレンに、険しい顔のキュルケが立ちふさがる。
「あら、どうかしましたか?」
「あなた、ルイズを見捨てる気だったの?」
「さあ、どうでしょう?」
「誤魔化さないで! 苦し紛れにでもルイズが攻撃されてたらどうするつもりだったのよ!?」
ヒステリーのように叫ぶキュルケを冷めた顔になって見返すレン。
何の説明もされていないキュルケやタバサには、レンの行動が主人を見放して動いたように見えたらしい。
レンの能力をルイズは説明しようとするが、それより早くレンが口を開いた。
「あの場で人質が通用すると思われる方が問題よ。ルイズを盾にして『破壊の杖』の正体を話させて、用済みになったら皆殺し。フーケが考えてたのはそんなところでしょ。自分たちに危険が及ばなかったんだから良しとしなさいな」
確かに、フーケの正体を知った自分たちを五体満足で学院に返したとは思えない。
それでも、先程のやり取りはキュルケにとって見過ごせるものではなかったらしい。怒りを隠さずにレンへ反論しようとする。
「けど「そういう貴女はどうするつもりだったの? フーケに命令されて言われるがまま杖を捨てて降参して、全部終わった後で他人の批判? 判断も考え方もお子様ね」
キュルケの言葉は、レンの彼女をなじる言葉にかき消された。レンの言葉で、キュルケの顔が激怒と形容する他無い程に歪んむ。怒りの炎を放つべく杖をレンに向ける。
「よしなさいってばキュルケ! この子は最初から私を助けられる算段があったの!」
ルイズはレンの前へ跳びだして言った。
「この子の眼は特別なの。目を合わせたらそいつを眠らせる能力を持ってるのよ。さっきの言い回しは自分にフーケの眼を向けさせるためでしょ」
確かに最初は自分もレンへの怒りが合った。けれど、その怒りが向けられるべきはレンではなく、ルイズ自身だと理解していた。
主人が庇ったことで、納得いかないような顔だが、キュルケが杖を下ろす。レンを助けたルイズの行動に、しかしレンは渋面を返した。
「ルイズ、余計なこと言わないでよ」
「あんたがキュルケを挑発するからでしょ! 余計な事って何よ!」
「切り札の存在をバラしてほしくなかったってことよ。因縁があるんでしょ、キュルケとは」
そういえば、召喚した翌日にそんなことを言った気がする。けれど、彼女は今、自分の身を案じてくれていたのだ。そして怒ってくれたのだ。その相手に敵対するような発言などしたくなかったし、レンにもしてほしくなかった。
主の想いなど知らないとばかりに、レンはそっぽを向くと歩き出した。
「いい加減疲れたわ。早く帰りましょ」
一人ですたすたと元来た道へと戻っていくレン。ルイズたちも帰途へ向かう準備をするが、その場の全員の気持ちに何かもやもやしたものが残った。
ロングビルことフーケは、両手両足をロープできつく縛った上、万が一を考えて猿轡を噛ませていた。未だ眠ったままだが、これならば目を覚ましても抵抗できないだろう。
馬車の手綱を握るのはタバサである。御車役だったフーケを拘束して転がしているのだから仕方あるまい。
レンはさっさと猫になろうとしていたようだが、そうなる前にルイズは、
「まだ猫になっちゃ駄目。聞きたいことがあるんだから」
と釘をさした。その時のレンは大いに不満そうだった。そして馬車が学院へ向かう途中、レンへの質問会が始まっていたのである。
「レン、あなたどうやってゴーレムを消したの?」
「そうよ、あんなことまでできるなんて聞いてないわよ? 何が『戦いは得意じゃない』よ」
「嘘は言ってないわよ。本当に戦うことは専門じゃないもの。緊急の時だけよ。特にさっきのはね。すごく魔力を消費するんだから、もう眠らせてよ……」
くああ、と抑え切れないあくびをしながらレンは言う。あのゴーレムを消すのはやはり大技だったらしい。レンの目は半分閉じかかっている。今にも夢の世界へ旅たちそうだ。
「ねえ、この『破壊の杖』って一体何なの?」
「私も聞きたいわね。さっきルイズが振ってたけど何も起こらなかったし」
オスマンが秘蔵しながらも、使い方が分からないマジックアイテム。フーケは学院の教師たちに期待していたようだが、果たして教師たちも知っていたのかどうか。
レンは眠たそうに目をこすりながら、ぼんやりした瞳で呟くように言った。
「鉄砲って言って何か分かる?」
唐突に話が飛んだ。脈絡の無さにきょとんとする二人だが、記憶の中の『鉄砲』を思い出してレンに答える。
「平民が使う武器でしょ? 火薬で金属の玉を飛ばすらしいけど」
「え? まさかこれが鉄砲だって言うの?」
「その一種よ」
淀みなく言われたレンの答えに、しばらくルイズとキュルケは返事をすることを忘れていた。たっぷり数秒は経った後。
「「嘘でしょ!?」」
ルイズとキュルケの声が重なる。タバサまで興味を引かれたのか、振り返って『破壊の杖』を見ていた。
確かにこの鉄の筒は、魔法の杖には見えないが、銃にはもっと見えない。弾を込める穴も空いてないし、手に持つ為のグリップも見当たらない。
第一、本当に銃だというのなら、何故メイジであるオスマンが所有し、また秘法として保管していたのか分からない。
「信じられないなら学院長にでも聞いてみたら? 持ち主なら色々知ってるでしょ」
どうでも良さそうに応じていたレンだが、何かを思い出したのか、ルイズに向き直って言った。
「そうそうルイズ。 戻ったら学院長から『破壊の杖』の入手経路を聞いておいて」
「何でよ?」
「それは私が居た所にあった武器だもの。入手先が分かれば元の世界への手がかりになるかもしれないわ」
「何、元の世界って?」
「私の故郷よ。随分遠くから召喚されたから、帰る手段を探してもらってるの」
突っ込んでくるキュルケにさらっと答えるレン。嘘は言っていないが、大事な部分はぼかしている。この会話スタイルがレンのやり方なのだろう、とルイズは理解した。
「もう限界。寝るわ」
その言葉と共に、レンは一瞬で猫の姿になった。白い毛玉状態である。完全に熟睡していた。
「……ルイズ、あなた変わった使い魔を召喚したわねえ」
「うっさい」
正直、まだまだ聞きたい事はあったが、今は眠らせてやる事にした。レンも確かに疲れたのだろう、あんなゴーレムを相手にしたのだから。続きはまた夢の中で聞いてやろう。
ルイズは、今回頑張った慰労の想いを込めて、ゆっくりとレンの背中を撫でてやるのだった。
「それからあんたたち。この子が人間になれたり、先住魔法を使えたりすることは黙ってなさいよ」
「あら、何で? ゼロのルイズの使い魔がそんなすごい奴だと分かれば皆見直すんじゃないの?」
「この子、ちょっと珍しすぎるでしょ。下手したらアカデミーとかに連れて行かれるかもしれないもの。だから黙ってて」
「う〜〜ん、どうしようかしらね〜〜?」
わざとらしく迷うような声をあげるキュルケ。ルイズは、こいつ絶対何か吹っかけてくる気だと、次のキュルケの答えを警戒した。
「言わない」
だが、キュルケよりも早く、馬車の運転に専念していたはずのタバサが答えてきた。
「あ、ありがとう、タバサ」
「いい」
それで話は終わりだ、とばかりにタバサは再度前に向き直る。タバサの背中にもう一度感謝を返すと、ルイズはキュルケの方を向いた。
キュルケはタバサが珍しく会話に参加してきた事に、きょとんとした顔でタバサの背中を見ていたが、ルイズの真剣な顔をみて苦笑を一つ返した。
「タバサがああいってるんじゃ仕方ないわね。けど、貸し一つよ?」
「……仕方ないわね」
ツェルプストー家に貸しを作るなど癪だが、この場合は仕方あるまい。
あんたのせいなんだらね、と思いながらもルイズはレンの背中を撫でる手をずっと止めることはなかった。
「……ここは……?」
フーケの意識が覚醒する。目に入るのは見慣れた天井。辺りを見回してみると、そこは学院寮の自室だった。
「何で、またここに……?」
もう自分の正体は露見したのだ。なのにここにいる理由が皆目見当がつかない。盗賊である自分が放り込まれるとしたら牢獄しかないはずなのに。
「ご機嫌いかが? 怪盗さん?」
不敵な笑みを浮かべながら入ってきたそいつは、あの白いエルフもどき、レンだった。
自分の敵をみて、体を起き上がらせようとするフーケだが、そこでようやく体が動かない事に気がついた。首から上は動くし、声を出す事も問題ないのだが、首から下がまるで鉛のように重い。
「何を、した……!?」
「動けないようになってもらっただけよ」
どうやって、と聞こうとしたフーケだが、それについては聞くだけムダだと判断した。先住魔法の使い手に聞いても、恐らく理解などできまい。
「あたしをどうするつもりだい?」
「最初はオスマンやコルベール、あとギトー? とにかく学院の男性全員の相手をさせようかと思ってたんだけど」
さらりと言った内容は、とても看過できるものではなかった。フーケの背筋が寒くなる。主人を危険に晒した報復行為ということか。しかしこの幼女は『思っていた』といった。心変わりした、という事だろうか。相手の真意を確かめるため、慎重に聞く。
「……やめたのに理由はあるのかい」
「だって、ねえ」
レンはフーケの腕を持ち上げた。冷たい。何故身体の自由は全く利かないのに、いつもよりも感覚が冴え冴えとしているのか。
まるでフーケの言うことを聞かない腕を、レンはかぷりと噛み付いた。
「――ッ!!」
鋭い痛み。まず感じたのはそれだった。そして出血に伴う痛みがじりじりと腕に走る。血を、吸われている―――!?
「あんた、吸血鬼か!?」
「違うわよ。まあ、血からも吸えるけど、私はグールを作ったりはできないもの。これはちょっと確かめてるだけ」
じわじわと、熱が腕に広がってゆく。歯はすぐに引き抜かれた。その後、口の中でうごめく舌が滲んできた血を舐めとっていく。レンの舌はざらざらとしており、まるで肉の鑢だった。
血を全て舐め終えると、にやりと笑ったレンが一言。
「貴女、処女でしょ?」
フーケは自分の顔が主に染まるのをはっきりと自覚した。ぱくぱくと口を開くも、レンへ言いたい言葉がうまく出てこない。
「初めての思い出だもの。ちょっとした趣向を凝らしてあげようと、私自ら出てきたわけ」
そう言うと、レンはフーケの腰に跨り、行儀よく手を合わせた。
「なにを……」
「いただきます」
微笑んで宣言するレンの顔。彼女にはまるで、肉食の獣が獲物を喰らおうとしているように見えた。
「っ……ふっ……」
流れる風景をぼんやりと眺めていると、後ろから聞こえる吐息が気になった。
振り向いてみると、相変わらずフーケが眠りこけている。
だが、何だか先程より呼吸が荒くなっているような―――?
「キュルケ。フーケが起きるかもしれないわ」
「杖も奪ったし、しっかり縛ってあるし、問題ないでしょ」
「そうだけど」
キュルケは興味なさげに答えてくる。
「んぐ……ふーぅっ――ふーっ」
先程に比べ、明らかに寝息が激しくなった。しかし彼女の目は閉じたままである。
「ね、ねえキュルケ」
「なあに? またフーケの事?」
「そうなんだけど、何か様子が変なのよ」
轡から漏れ出る彼女の吐息は熱がこもっている。まるで熱病にうなされているように。
「まさか、何か病気とか?」
「ほっときなさいよ」
「でも」
「あれだけ元気にゴーレムを操ってたのよ? どう見ても病人には見えなかったわ。もう起きていて、寝たフリをしながらの演技かもしれないし」
ごろん、とフーケが寝返りを打つ。手を握ったり開いたりを繰り返し、 時折びくっと痙攣する。顔は上気し、何かを耐えるように猿轡を噛み締め、その口の端からは涎が流れ落ちていた。
「あんたの白猫がなんかしてるんじゃない?」
「レンが? 何でよ」
「ほら、一応ご主人様と自分に危害を加えようとしてたわけだし、その子夢魔なんでしょ?」
そういえば、以前ギーシュにも何かしたような事を言っていたか。つまりフーケも今レンに『踏まれて』いるのだろうか。
そんな事を考えていると、一層フーケの痙攣が激しくなってきた。まるで釣った海老のように、がくっがくっと反ったり戻ったりを繰り返す。
「―――っ!! ぐ――んうぅぅぅぅっ!!」
一際大きい呻き声を発して、フーケの身体がビンッ弓なりに反った。そのままびくびくと痙攣を繰り返すと、急にくたっと寝転がってしまった。
「ふーーーっ……ふーーーっ……ふーーーっ……」
全力疾走を終えた後のように、深く、しかし間隔は短い息継ぎになるフーケ。
荒い呼吸共に動く胸は、先ほど見た時より容積が増しているように見える上、先端が盛り上って激しく自己主張していた。
しばらくその状態が続き、落ち着いたのかと思ったら、またびくびくと震えだした。
「ぶふううぅっ! ふぐーっ! ひゅふーーーっ!!」
「……こ、こここここれって」
「言わなくてもいいのよルイズ。分かってるから」
フーケ並に真っ赤になって、ぶるぶる震える指でフーケを指差すルイズ。
キュルケはフーケを苦笑しながら眺めている。
タバサはさっきから馬を走らせることに集中している。それは後ろの状況に極力目を向けないで済むようにしているように見えないこともなかった。
「お、起こした方がいいかしら!?」
「……やめといたら? 寝てる事には違いないんだし」
「はうううっ!! んうーーーッ!!」
結局。学院に到着する寸前まで、時間にして3時間以上の間。フーケはずっと悶え続け、馬車の中はとても気まずい空気に相成ったのであった。
「はーーーっ……はーーーっ……はぁあっ……」
「御愉しみいただけましたか?」
レンが指で弄んでいる、二人の分泌物。
粘土のような、青臭く匂う白濁物。さらさらした、酸っぱい匂いの透明な液。
レンは二つの混合物を指で捏ね回した後、糸を引くそれをじゅるるっと音を立てて啜った。
「ホント、濃いわね。喉にへばり付いてくるわよ?」
動けない。肢体の自由は戻ってきている。しかし、フーケにはこの幼女に言葉を返すことすらできなかった。
先程までの行為で、自分の体力、精神力、精力、全てこの使い魔に吸い取られてしまった。正直、今生きているのかが不思議だ。声を出すことも、指一本動かすことすらできない。
レンは口の中のものを全て飲み込むと、露わになっている臍に舌を入れてきた。
「あ……く……」
ぐりゅぐりゅとほじるように動く舌は、まるで彼女の内蔵まで犯そうとしているようだ。
そこから胸元、谷間、喉の道順でレンの舌が、珠のような汗と白濁を肉のブラシでこそげ取るように舐めとっていく。その時間はゆっくりで、フーケにとっては殊更長く感じられた。
そのままフーケの顔にレンの顔が近づき、頬にべたりと舌を貼り付けた。
匂う。先程レンが飲み込んだ物の匂いだ。鼻腔を犯すような悪臭と、それを擦り付けようとする舌の動きに、整えようとしていた思考がグチャグチャになる。
舌が頬から更に上へとなぞられていき、目尻に辿りつくとちゅっと吸われた。どうやら涙を舐め取っていたらしい。それだけの行為が、消耗しきっているフーケの背筋を再度ゾクゾクと震えさせた。
「ご馳走様でした。少しは足しになったわ。それでは、束の間の良い眠りを」
耳元で囁かれた言葉を合図にしたように、フーケに残されていた意識はぷっつりと消失した。
以上、投下終了しました。
支援してくれた方、ありがとうございます。
あと、おマチさんがはぢめてというのはあくまで脳内の設定です。ごめんなさい。
それと、今回の事はおマチさんの処女性に関して全く問題ありません。
乙
おマチさんの痴態に、なんていうか……その…下品なんですが…(ry
待ってましたぜ乙
148 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 16:13:09 ID:Rt1FqFFF
おマチさんいと哀れwww 白猫サスガです!!
しかし、ヒゲとおマチって組むのかな?
なんかおマチさんは白猫にトラウマ植えつけられて反撃できないようなw
――――なんて、エロス(鼻血の海で溺死しつつ)。
GJ&乙そしてゴチでしたーっ!
GJ、とにかくGJです
い、いやっほお大おおおおいいいいいいっ!!!!!(性的な意味で
うんうん、やはり幼女に甚振られるのはいいものだ
白猫さんの所のワルドがこの事実を知ったら、
トリステインを裏切れなくなるんじゃね?
だってロリ二人に徹底的にご褒美を貰えるかも、
と考える材料があるのは大きいぜ。
白濁がどこから出来てた誰のかが問題だ
堪能しますたGJでした
155 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 20:54:01 ID:2DyrVa7x
>>155 しかも「濃いのね」とか言ってることからして、
生え(ryマチ(ry
お前らちょっとエロ描写来ただけで興奮し過ぎ
俺もだが
何しろレンは夢魔。
そして夢の世界なら何でもござれ。
……夢が膨らむなぁ。
別な所が膨らんでるぜ?
もうガマンできん!
シュッ
(;´Д`)
Σ⊂彡_,,..i'"':
|\`、: i'、
\\`_',..-i
\|_,..-┘
(;´ω`)ムシャムシャ
つi'"':
`、:_i'
( ゚ω゚ )
つi'"':
`、:_i'
原作の描写を借りるとすればまったくもってけしからんッ!脳髄をッ!直撃するじゃないかッ!
いいぞもっとやれ
吸い尽くされてもいいから踏んでくれ。挿れさせてくれ!
すまん、俺もおっきした
謝らなくていい、俺もだからさ
ティッシュって食えるのか? 学校のヤギに面白がって食わせまくったら死んだんだが……
>>167 ティシュは消化されないから食いすぎると死ぬんじゃね?
トイレットペーパーならなんとかいけるかもしれない
そもそもヤギに余り紙食わさせない方が良いらしいぞ?
原材料が植物だから食えるだけで
塗料とか色々混じり物があるからね
山羊という単語を見た後混沌と聞くと
まず千匹の仔を孕んでる方を連想しちまイア! シュブ=ニグラス!
つか、さらっと山羊殺っちゃた報告なんかすんなよ
よく小説とかアニメでは山羊の乳うめぇとか言ってるけど、
実際に飲んでみたら生臭くて不味かった。
とりあえず、でちゅでちゅ言うエトとか言う鹿にも食わそう。有害だし。主に脳に対して。
>>173 まぁ、俺のせいとも限らんし。悪いテスト用紙食わすと次回は良い点が取れるとかの噂もあったし。
……今思うと子供って残酷だな。
>>174 臭いらしいな。なんかググッてみたら周囲のにおい(山羊の体臭含めて)吸収するから
絞ったらすぐに畜舎の外に出さないとまずいらしい。
そこらへん気を使ってない山羊乳だったんじゃないか?
まあクセがなかったら、ヤギ飼いやすいし山羊乳は牛乳より栄養豊富だしで
日本でももっと普及してるわな。
そこで山羊座(カプリコーン)のシュラですよ
遅くなったが白猫の人超乙
牛の生絞り(本当に直)を飲んだことあるが、あれもだ〜いぶ生臭かったぞ。
加工・処理前の乳はクセが強すぎる。
>>179 サイト「そう、そのまま飲み込んで、俺のエクスカリバー…」
こうですかわかりません。
しかしサイトだと鞘候補が安定しねえ
ここでエクスカリパーをだな・・・
擬人化して使い魔にする訳か?
「パー」の方かw
サイトの鞘は基本ルイズだろ
こう書くと卑猥になるよね不思議
つまり釣りバカ的に合体、と。
【無限の鞘製】
こうですか?わかりません!
って言うか士郎の魔術って見方によったら剣製というよりも究極の鞘だよね?
全ての剣を収められる世界ってな感じ。
士郎のは鞘というより鍛冶屋さんの倉庫だろう
そしてギルのは……ころしあむ見る限りはただの物置と化してるなぁ
トイレ吸盤とかモップとか確かに便利そうだが、一緒に置いてあるお宝が泣くぞwww
サイトのはアレだ、無限に鞘を作る=いくらでも女にフラグを立てられる固有結界とか
>>189 サイトにそこまでの技量はねぇ。
型月の主人公と比べたら鈍感のスキルぐらいだろww
サイトは明らかに度量とか包容力とかが足らんしな。深みも皆無だ。
>>190 そんなサイトでアレだから小次郎召還したら凄い事になるわけか
個人的にはテファと小次郎のコンビとか見てみたいかもしれん
というか秋葉をぶらつくどちらかというとオタ寄りの高校生でもなんとかなるんだし、
英雄なんて召喚したら凄いことは間違いない。
まあ、設定が出て来ないだけで、なんか才人にも生まれつきの資質かなんかがあったんじゃね?
ルーンが刻まれれば誰でもガンダールヴになれるっつーより、
ガンダールヴの資質を持つもののところに鏡が現われたみたいな感じで。
とりあえず才人はガンダールブの能力で無理矢理ハカイノツエことカレイドルビーを起動
並行世界にいたかもしれないご主人様に素直になりきれない使い魔少女・平賀才子の能力と容姿をダウンロードしてまう話はどうか?
あれで女装が似合うしなあ…
それはミョズニトニルン寄りの能力では
七夜と白レンが、行っちゃう話し書いてる、需要は無いはず。
よし、GOだ。
ツンデレンを書いてくれ。
>>197 ある。すごく読みたい。
パンダ師匠とななやん大好きっス。
ろり系が絡むとさらにいい味出るとことか。
いや、それが召還される話じゃないんだ。
>>181 リンとシロウとシュラで対界宝具以上ですね!?
わかります!!
>>200 何だと!? それならばどうやってゼロ魔とクロスるんだ!?
ハッ、駄目だぞ! 才人はガンダーだからサイトなのであって、脇キャラとかに入れても意味ないんだぞ!?
召喚前才人と絡んでもハルケギニア絡まんかったら意味ないんだぞ!?
行っちゃうって言ってるからハルケギニアでの話だろ
お約束のゼルレッチ辺りじゃないのか
ヴェルサスの手によってかつてトリスティン随一と謳われた全盛期の烈風が蘇るとか
そんな燃える展開に期待
誤爆ワーオ/(^o^)\
>>202 勿論そんな訳ない。
>>203 ゼルレッチのゼの字も出てないし、アホな事に来るまでのややこしい説明を考えてない。
つまり、未熟だから投稿を控えたいです。
アヴェンジャー召喚して
ルイズにループやらせたいなと思ったが
よくよく考えると無理なんだよな
あのループはホロウだからありえるのであって
>>206 トンでも展開からの世界転移上等です。
設定踏み倒しても面白ければそれが正義だと思いますが?
>>195 必殺技は「ナイスクリーム!」なんですね?わかります。
むしろナナヤと白レンがイッちゃう話を読み(ry
ホロゥの繰り返す世界ごと召喚というネタにしたらええやん
世界を丸ごと召喚するなら、かつて個別板にあった
「キャスター・朝倉涼子・水銀燈が3姉妹だったら」スレみたいに
世界観ごちゃまぜのクロスオーバーにした方がきっと楽しい。
>>215 >キャスター・朝倉涼子・水銀燈
混ぜるな危険
勿論キャスターが青髭のほうですよね
別スレの夜市召喚パターンで”英霊の座”まるごと召喚つーかその世界に逝ってまうルイズとか
過労死寸前のエミヤとか水兵服姿のセイバーと出会って欲しい
219 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 20:32:29 ID:5XBypDdf
>>215 >>「キャスター・朝倉涼子・水銀燈が3姉妹だったら」スレみたいに
あれはあれで結構楽しかったんだけどな……
また、誰かたてないかな。
>>217 ちょっw セイバーに続いて史実STかww ヤンデレどころじゃねぇなwww
Zeroのキャスター呼んでくるとしたら、
あの海魔の親玉は朝倉じゃあ太刀打ちできないレベルなんだよなぁ
魔道書の機能を封印できれば
ルイズがプレラーティーズ・スペルブックを召喚すれば魔法が使えるようになる?+使い魔無限召喚
>>225 そして召喚されたイアイアたちは全てガンダールブとw
直死の魔眼そのものを召喚つうのは…
使い眼召喚したとたんにルイズ壊れに一直線
その時、宝物庫にあったのは「破壊の眼鏡」(持ち主は死亡)
使い眼だと永遠に契約できなくね?
留年決定だな
しかし直死と魔法使いって相性悪そうだ
つーか意味ねぇだろw あれはある程度の体術があって初めて成り立つ戦法だかんな。
>>190 とりあえずサイトは他の何はなくても適応能力だけは侮れんものがあるぞ
>>231 それはほら、若者特有の逃避願望とか色々混じってるから。
そういう点で新刊のお母さんからのメールは卑怯
タバサなら氷の矢で点を突くとか出来るかもしれんけど
ルイズじゃどうしようもないな
殺すというより破壊に特化してるからな。
つまり軋間さんとかお似合いだルイズ。
>>232 どうしてもあそこでカーチャンのAAが出てきて、笑いがこみ上げてくる
直死+その眼が付いてる自分自身にガンダールブの機能ならなんとかいけそうか?
ワルド辺りで引っかかるか。
ルイズ破壊に特化してるか?
エクスプロージョンばかり目にいくが
強力なイリュージョンやディスペルも覚えるし
どっちかと言うと戦闘に特化してる気がする
なんてーかあれだ。
戦闘系のルイズにガンダールブ
移動系の教皇にヴィンダールブ
が来てると、
ルイズにはガンダールブが来るのって必然な気がしないでもない。
ガリ王は頭脳タイプだしな。
ならテファは?
びっくりするほどでっかいおっぱいのテファに
記すことさえ憚られる胸にルーンが刻まれる使い魔
つまり胸を吸い取るわけか。
つまり心臓を抜き取るハサンってことか
そりゃ記すこと憚られるよな
だって名前がないんだもの
ネタ振りにお約束で返してくれるおまいらが大好きだwww
245 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/29(金) 10:14:40 ID:hn4f9uIn
纏めるとテファには秋葉が呼ばれると…
あの胸にはルーンが刻みやすそうだしな
秋葉とテファの契約…当然、二人はキスするわけだよな? な?
いい加減ウザい。
専用スレがあるんだから月厨自重しろ。
いや、ここがその専用スレじゃないのか
どう見ても型月専用スレだな
なんだ本スレから誤爆か?
>>251 そもそも本スレは型月の話題自体出てない。
同時間帯の話題は、「ミッキー」「ナパーム」「デビルメイクライ」等
釣りだろと思ったけど、これは本気か
最近見えない敵と戦ってる奴が多いからなぁ
お前ら月厨にここを占拠されてたまるか
とっとと出て行け
258 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/29(金) 19:25:00 ID:lfbb+pP7
某半島の人や某大陸の人を連想した。
シャドウボクシングがんばってね!!!
テファのエロさは異常だと思うんだがどうだ?
そっとしておくのも優しさだぜ
>>262 厳密なモノではないが、エロさは以下の式によって推測する事ができる。
即ち、 E(エロ) = πの二乗(=π*π) である。
π(パイ)か! そうだよな! xやyではE(エロ)はあらわせん!!
いや、xx(チョメチョメ)ならあらわせるかもしれんw
W
. X
. Y
>>265 >xやyではE(エロ)はあらわせん!!
試しにやってみた。
今は後悔してる。 反省はこれからやる。
teat
ところで型月キャラでテファおっぱいと互角以上に戦えるおっぱいはいたか?
俺の記憶からはあそこまでの戦闘力を持つキャラが出てこないんだが
つバーサーカー
テファのスリーサイズがでてないしな比較のしようがない
型月作品は笛糸だとリズ、月姫だと羽ピンがトップだったかな
>>264 ちょっと待ってほしい。白レンにはπはなくともエロスはあると思わないか。
>>268 テファの体型の数字は出ていないが、90あるキュルケやアン様を超すとなると、3桁はカタい。
でも、ルイズがCカップの世界だからなあ…
>>270 >白レン
だよな
「武士道の価値これ生き様に有り、幼女の価値これ股間にあり」
と昔の人は言ってたもんな
変な格言を捏造するなwww
まあ、『股ぐらがいきり立つ』って格言もあるし一概に無いとは言えないわな
>>270 ルイズってCカップもあったのか……
作中じゃ貧乳代表みたいに扱われてたのに
chottoカップ
276 :
264:2008/03/01(土) 00:21:22 ID:MCXn1Z79
>>270 E = (πの二乗)の幼乗
我が理論に隙は無い!
>>266 COOL! アンタ最高にCOOLだよ!!
>>270 確かテファってウエストはルイズと同じくらいなのに、胸だけ、でかいって言われてなかったっけ?
胸についてみればウエストが53cmのルイズはC60だから
テファの場合で考えてみるとウエストが多少前後するとして、55cm付近と仮定してみよう。
キュルケがウエスト63cmで胸はだいたいF70くらいだと仮定した計算で行くと、
キュルケより大きいって言われてるテファの胸は小さく見積もってI65になるかもね。
ちなみに仮定で出した数字でIカップのトップバストは95cmでございます。
>>274 それはトップがそれほどでなくても、アンダーが細ければカップが大きくなるバストマジックでございます。
トップの数字が同じでも、カップが違うと言うことがあるのもそれが原因だね。
上でも出したルイズのC60と言う数字は、A65の人とトップが同じでカップだけ違うと言うことにもなるよ。
ちなみにカップサイズと言うのはAカップでトップとアンダーの差が10cmを基準にして、
そこから2.5cm刻みで前後していくとの基準がある。
>>279 まさかこんな場末に二十七祖クラスがいるとは
>>279 27位おっぱい博士
埋葬機関も完全放置だなw
しかしなんかちょっとためになったサンクス
いや、そこは埋葬機関にお尻マンセーな人が居て
>>279を狙っているんですよ。
このままでは世の中がおっぱい星人であふれてしまうw
エロスはほどほどにしなさいとアルクェイドがいってたよ
だが幼女の魅力は股に凝縮されているという昔の人の格言は正しい
なぜならばそれは美しいからだ。美しいものは魅力的である
それは高潔ですらあると思うのだよ
バカスwww
なんか知らんが、ここは幼女についての格言を語り合う場所でいいんだな?
>>287 いいえ、エロスの格言について語る場所です。
とりあえずアルク最高!
いい加減ウザい。
専用スレがあるんだからロリコン自重しろ。
確かに型月から離れすぎだわな。
つまりレンや都子やイリヤについて語ればおkと
偶にはいいけどずっとこんな流れだと投下し難いんじゃないか
作者もきっと同志さ
例えそうでなくても俺はそう信じる
常識を拒絶した時 我らは人道を踏破するロリコンとなるのだ
ヘルシングでやれ
諸君、私はつるぺたが好きだ
そういう意味なのかwww
不覚にもワロタ
まぁ、でもたぶんそろそろペースから言って白猫の人が来る頃合だわな。
ベンケラーベンケラー。白猫の人よ来ーいww
何歳からロリコンになるんだ?
中学生キャラを愛したらロリコン?
精神医学的には初潮前がペド、初潮きた後から成人までロリ
んじゃ俺ロリコンだわw
>>300 どうやら俺はロリコンらしいな
それにしても何でこのスレには博識な人が多いんだ?
白猫様の微エロに期待
いやいや相対年齢の話が出ると思うんですが?
10歳の子供が9歳の女の子を好きになってもロリコンでも何でも無いと思うぞ。
個人的に10歳年下でイエローゾーンだと思ってる。
まぁ、20歳と30歳のカップルならギリギリ許せると思うし
80のジジイが60のババアと結婚したらロリコンか否か
流れをぶった切るけど、言峰の話を書いてるんだが初めて書くから自信がない。
だからまだ導入部分しかないけどそこだけ投下するから評価してくれんか?
>>304 俺の祖父は79歳の時に50歳代の愛人と、にゃんにゃんしてる最中に
腹上死したのだが、ロリコンだったのかもしれんなぁ…。
導入だけ書いて、ってのは他のスレでも普通にあるけどどんなところからスタートなの?
召喚されたシーンだけだったら、正直評価以前だと思う。
せめてその後の夜かルイズ関係の定番のギーシュ辺りまでは進めてある方がキャラの特性が出てくると思う。
>>303 ロリコンてのは基本的に成人男性の性的嗜好だから
>>309 がんばれ。言峰モノは貴重だし凄く読みたい。
テンプレ展開ばっかりじゃなくてキャラの個性が出てれば、
原作のギーシュ戦の時間軸より前まででも、とりあえず投下してみて大丈夫だと思う。
エロスは今回皆無ですが、5分後に投下して宜しいでしょうか?
誰もいないようなので投下します。8レスくらいの予定です。
「ご苦労じゃった。よく全員無事に『破壊の杖』を取り戻してきてくれた。しかし、ミス・ロングビルがフーケじゃったとはのう……」
ルイズ達は学院長室にて、今回の件の結果を報告していた。ルイズの足下にはレンも同伴している。
学院に着いた時には、フーケは魘される事はなくなっていた。しかし、それまでの間に全ての力を吸い取られたかのように、人形のようにぐったりとしていた。
フーケの連行は、男性教師共がこぞって申し出たが、結果は女性教師のみで行った。『レビテーション』を使うので、体格や力の有無は関係ない。
なのに何故男性の申し出が多かったのかは、ルイズは考えないことにした。決して、女性に猿轡をかませた上束縛している姿に欲情したからの筈はない。断じてない。
「いったいどのように採用されたのです?」
何故か学院長室にいるコルベールが訪ねる。彼は昨日から学院を離れており、先程戻ってきたところらしい。
院長室へ出向いてみると、彼がオスマンと話している最中だった、と言うわけである
一旦出直そうとしたのだが、何故かコルベールまで報告を聞くことになったのであった。単純にコルベールの事件への関心にオスマンが折れただけかも知れない。
「うむ、彼女と会ったのはとある酒場じゃった。彼女がわしの横を横切ったとき、この手が彼女の尻に悪さをしての」
ぺしっと自分の右手を叩きながら言うオスマン。部屋の中に居る人物の視線が冷たくなった。
「しかし全く怒らんもんじゃから、思わず鷲掴みにしてしまったのじゃ。それでもニコニコしとるんじゃもの。こいつ、わしに惚れとる! とティンと来たのじゃ」
オスマンはうんうんと頷いている。他の面子はじっと冷たい視線を向けるのみだった。
「おまけに魔法まで使えるというんじゃ。こりゃゲッチュせねば、と思うじゃろ?」
「同意を求められても困ります」
コルベールの答えはとてもすげなかった。
「クケーーーッ!!」
オスマンが吼えた。迫力はあったが威厳はなかった。
「思えばあれがフーケの手口じゃったのじゃろう。色仕掛けで相手に近づき、秘宝に近づく。じつにけしからん方法じゃが、まんまと乗せられたという訳じゃ」
もし、視線だけで人を殺せたなら、オスマンは三人と一匹の目力で串刺しにされていたことだろう。
そして、残りの一人はと言うと。
「ま、まあ、そうですな、美しさは罪とはよく言ったものです!」
「じゃろう!?」
あはははは、と乾いた笑いをオスマンへ返していた。その言葉で、こいつも同類か、と三人と一匹は断定したのだった。
ひとしきり笑った後、オスマンがオホンと咳払いをして、ルイズらへ向き直った。
「今回の働きを称えて、諸君らにはシュヴァリエの爵位申請をしておく。ミス・タバサは既にシュヴァリエを授与されておるから、精霊勲章の授与申請をしておこう」
ルイズたちの顔が輝いた。が、その後でルイズの顔が曇る。今回、自分はフーケの捕縛にほとんど役に立っていないのだ。一番働いたのは、彼女の使い魔のレンである。
使い魔の功績は主の功績。それが当然なのであるが、何だかルイズはすっきりしなかった。何かこの猫にあげられるものはないのか、と考えてレンをちらっと見てみると、レンも自分を見上げている。
その目を見て思い出した。あの破壊の杖のことをオスマンに聞かねばならないという事を。訪ねるならば今が絶好のチャンスだ。意を決してルイズはオスマンへ問いかけた。
「オールド・オスマン。お聴きしたい事がございます」
「なんじゃね?」
「その『破壊の杖』とは何なのですか? どう見ても杖には見えないのですが」
質問するルイズを、オスマンの鋭くなった瞳が見つめてくる。萎縮しそうになるルイズだが、彼女も此処で退くわけには行かないのだ。
ほんの数秒、オスマンとルイズは見つめ合っていたが、やがてオスマンの目尻が下がり、髭を撫でながら言った。
「そうじゃのう、これの為に骨を追ってくれた君たちになら話しても良いか。少々長い話になるが良いかね?」
異論などあろうはずもない。その場に居る全員が頷いた。それを確認してオスマンが語りだす。
「今から30年は前の話じゃ。わしは森の中を散策しておった。そこを運悪くワイバーンに襲われてのう」
ワイバーンとは、大きな翼を持ち、高い機動力で空を自在に飛び回り、鉤爪で相手を引き裂く、でかいトカゲのようなモンスターだ。ドラゴンのようにブレスは吐かないものの、凶暴で危険な相手である。
「最早ここまでか、と覚悟したところで、変わった御仁と出会ったんじゃ。その人が『破壊の杖』を向けると、ワイバーンが爆発したのじゃ。それでわしは九死に一生を得ることができた」
一同の顔に驚愕の念が浮かぶ。先程述べたように、ワイバーンはかなりの難敵だ。倒す、と言うだけならともかく、魔法の一撃だけで倒すとなると、相当上位のメイジでなければ不可能だ。
「ワイバーンを倒すと同時に、その人は倒れた。よく見るとその人はひどい怪我を負っておった。恩人を死なせてはならぬとわしも手を尽くしたのじゃが……」
「亡くなられたのですか」
ルイズの質問に、オスマンは目を伏せて頷いた。
「彼はずっと『元の世界に帰りたい』と言っておった。世界、と言う言葉の意味は分からなかったが、故郷へ戻りたがっていた事は理解できた。しかし情けないことに、彼の所属は全く持って掴めずじゃった。結局、亡骸はこのトリステインに葬ることにしたのじゃよ」
もしも、レンの話どおりに『月が一つしかない世界』が実在したとして、そんな異世界からやってきたのだとしたら、手がかりがつかめないというのは当然だろう。
「その人は2本の『破壊の杖』を持っておった。ワイバーンに使用した一本はその人と一緒の墓に入れ、もう一本は恩人の形見の品として宝物庫に保管したのじゃ。『破壊の杖』と名付けて、な」
学院に保管していたのは、『破壊の杖』の危険性を考えただけでなく、恩人の形見を自分の手元に置いておきたい、という意図もあったらしい。
「じゃが、あの杖はどんなにわしが振っても同じ魔法が出せなんだ。もしかすると、あの人だけが使える魔法だったのかもしれん。もう確かめようもないがの」
レンは『破壊の杖』の事を銃と言っていた。それが本当なら、あれはワイバーンをも一撃で倒す銃と言うことになる。その事実にルイズは戦慄した。
「さて、湿っぽい話は終わりじゃ。フーケは捕らえ、破壊の杖も戻ってきた。今宵の『フリッグの舞踏会』は予定通りとりおこなおう。今日の主役は諸君らじゃ。楽しんできてくれたまえ」
「そうでした! フーケの騒ぎですっかり忘れるところでした!」
キュルケが応える。年頃の貴族において、舞踏会というものに憧れない者はほとんど居まい。キュルケは微熱を燃え上がらせるチャンスだ、と張り切っている。
三人は一礼すると、今宵の舞踏会に向けて部屋から退室した。
「結局手がかりは無し、か。がっかりね、学院長まであの調子じゃ帰れるのは何時になるのやら」
ルイズの部屋で、人型になったレンがため息を付きながらが言う。
人の姿になったのはルイズがそう命じたためだ。ルイズが命じると、レンは嫌そうな顔――猫の時でも表情は有るものだ――また一瞬で猫から幼女になった。そして開口一番に出た言葉がこれである。
「それで、何の用? 私はご飯食べに行きたいんだけど」
「レン、あんた帰りの馬車で何してたの?」
「あら、何の話ですかマスター?」
不適に微笑んで返してくるレン。ルイズは声を荒げて追求する。
「眠ってるフーケに何かしたでしょ!? すっごく……う、魘されてたじゃない!」
喘いでいた、とはとてもいえない乙女なルイズ。もにょもにょと言葉を濁すルイズに、レンは妖しげな流し目を送る。
「……聞きたいですか?」
「だから言いなさいって言ってるじゃない!」
追求の手を緩めないルイズ。そんなルイズの姿にレンは一層笑みを深くする。だが、その笑いは、
「もう一度お聞きします、マスター。ホ ン ト ウ ニ オ シ リ ニ ナ リ タ イ デ ス カ ?」
にっこりと微笑んでいるレンの顔はとても綺麗なはずのに、ケタケタ笑うその口は、まるで悪魔のようにも感じられた。
「わ、分かったわよ、そんなに言いたくないなら聞かないで上げるわよ」
「お気遣い痛み入ります」
暖かい気温なのに、いつの間にか背筋を濡らす汗。それを極力意識しないようにして会話を切り上げる。
レンは相変わらず笑っているが、先ほどの禍々しい雰囲気は雲散霧消していた。
胸を撫で下ろすルイズだが、もちろんすっきりしない。これでは主人の威厳とか尊厳とかいうものが無いではないか。
そんなルイズを置いてけぼりに、レンが話を振ってくる。
「それじゃ、舞踏会楽しんでらっしゃい」
「あんたはどうするの?」
「ご飯食べて寝るわ。今日は疲れたし」
ぐーっと伸びをしながらレンは言った。
「疲れたのは私もよ……」
「舞踏会は御褒美に近いでしょ。せいぜい素敵なジェントルマンを射止めてきなさいな」
ひらひらとルイズへ手を振るレン。使い魔に見送られながら、ルイズは着替える為に会場へと向かった。
「ヴァリエール公爵が息女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール嬢の、おなーーーりーーー!!」
衛士がルイズの到着をホールに居る貴族たちへ告げる。
今回の主役であるルイズは、主役に相応しい格好に着替えていた。真っ白いパーティドレスに、ドレスとおそろいの色の長手袋。自慢のピンクブロンドの髪はバレッタでまとめてある。
肩と胸元が露出しており、そこが寂しくないように、赤いガーネットがあしらわれた首飾りを身に着けた。香水はフローラルのカーネーションを選んだ。
ガーネットは真実・忠実といった事を象徴する宝石。カーネーションの花言葉は『あらゆる試練に耐えた誠実』。どちらも、今回盗賊の事件を解決したルイジにはぴったりだろう。
何処に出ても恥ずかしくない万全の状態で、ルイズはホールへと入場した。
場内がどよめく。普段『ゼロ』と蔑んできたルイズが、見事なレディの姿になっていることに皆驚いたらしい。
男子生徒はこぞってルイズへとダンスの誘いをかけてきた。
キュルケとタバサはも既にホールにやってきていた。
キュルケの方は、黒い派手なパーティードレスに身を包んでいる。しかし、これまた際どい。胸元はおろか、浅黒い色の腹と臍まで見えているではないか。コルセットはどうした。
しかして、男どもの多くはそんなキュルケの野生的な色気に惹かれているらしい。ルイズと同じように多くの男性のダンスの誘いを受けている。
それはまあいい。良くないのは、どの男子もキュルケの顔ではなく剥き出しの谷間を見ている事だ。視線が下を向いていることに気付かない女など居ないぞ、自重しろ。
タバサも同じく黒のパーティードレス。しかしキュルケとは違って、殆ど素のままの簡易なドレスだ。飾りと言えば、胸にアクアマリンが少々付いている程度。
そして振る舞いもキュルケとは対照的で、ダンスの誘いなど全く受けず、テーブルにおかれた料理を食べることに専念している。
タバサが居るテーブルだけ、空の皿が積み上げられていた。恐ろしく苦いはしばみ草のサラダを食べ始めたとき、ルイズは自分の目を疑った。
いつまでも二人の様子を観察している暇はない。目の前の貴族達がこぞってダンスに誘ってきているのだ。
その中の一人の手を取り、ルイズは頭の中で練習していた言の葉を告いだ。
「私と踊っていただけますか、ジェントルマン」
手を取られた一人の男性は微笑み、ルイズをホールの中心へとエスコートする。そして、ルイズにとって初めての『フリッグの舞踏会』が始まったのだった。
数人の男子達と踊り終えた後、一休みするためにバルコニーへ出る。外の空気はホールの熱気に比べると冷えていて、胸に染み渡る。
何故だろう。
貴族の男連中からこぞってダンスの申し込みを受けているのに。オスマンは自分たちにシュヴァリエの爵位を与えると言ってくれたというのに。この場にいる者たち全員が自分を認めている、それなのに。たいして嬉しくない。
自分がゼロと蔑まれず、持て囃されているこの空間において、ルイズが一番大きく感じるのは、虚しさだった。
(……どうして)
男連中が自分の眼鏡にかなわないから? いや、確かに自分が知っている男性に比べれば、学院の生徒連中などお子様だが、それが原因ではない、気がする。
舞台が自分に物足りないから? それも違う。舞踏会のホールは申し分なく煌びやかで、楽士たちが流すメロディーはダンスの動きをより流麗に導いてくれる。
それでは、一体何が足りないというのか。
「……馬鹿みたい」
まるで無いものねだりをしている駄々っ子だ。自分の思考にルイズ自身が呆れる。
舞踏会のために照明がたくさん使われているためか、今日はいつもよりも星が見える量が少ない。それでも星は満天に輝き、天空から地上へと降り注いでいた。
空を眺めて星の光を追って地上へ目を向けると、星明りと学院の照明に照らされて、白い物が動いているのが見えた。
「レン……?」
ちらりとしか見えなかったが、間違いなく彼女の使い魔のレンだった。
時間からしてもう食事は終えたはずだ。なのに何故とことこと外を出歩いているのか。食事をしたらすぐ寝るといっていたのに?
「……」
気が付くと、自分でも何がしたいのか分からぬまま、ルイズはバルコニーから階下へと続く階段を下りていた。
外に出た時には、もうレンの姿は見当たらなかった。確か、中庭の方へ向かっていたはずだ。そちらへ向かって一人で歩いていく。
一体何をしているのだろう、とルイズは自問する。せっかくの舞踏会だというのに、途中で抜け出して自分の使い魔を追いかけるなんて。
中庭の入り口までたどり着いた時、ルイズは息を呑んだ。
「―――」
そこは、舞踏会場だった。
照らすのはきらきらと輝かしい照明ではなく、優しく穏やかな星明り。
音楽は風にそよぐ草の音、虫の声、そしてかすかに聞こえるホールからの旋律。
中庭の中心では、静かな調べにのって、レンが両腕を広げて、何かを祝福するようにくるくると回っていた。
お伽噺の中から抜け出た妖精のように優雅なステップを刻む。その様はまるで周りの自然が祝福しているようだった。
ようやく気が付いた。あのホールに足りなかったのは、たった一つ、しかし絶対に欠いてはならないもの。
主役だ。フーケ討伐において誰よりも活躍した立役者である、レンが居なかったのだ。
今この場には、彼女を照らす明かりがあり、彼女を導く音楽があり、彼女を見つめる観客がある。舞台は完全に整い、そこで主役が踊っている。ならばこの場が本当の舞踏会場ではないか―――。
ルイズが益体もない考えにふけっていると、曲が終わり、レンのステップも止まった。
「何してるのルイズ」
その声に、心臓が飛び出るほど驚いた。いつの間にかレンがルイズの方へ向き直っているのだ。まあ中庭入り口に隠れもせずに突っ立っているのだから見つかるのは当たり前だ。
「あ、あんたが食事の後はすぐ寝るとか言ってたのにうろうろしてるから見に来たんじゃない」
「舞踏会はどうしたのよ? 音楽が聞こえるし、まだ終わってないんでしょ?」
当然の疑問にルイズの受け答えが詰まる。素直に『あんたを見かけたから追いかけてきた』等とは言えない。
「禄な男性が居ないんだもの。抜けてきたわ」
「ふーん。中世と言えど本当の紳士というのは少ないのかしらね?」
あまり興味がなさそうに呟くレン。ルイズはそんなレンを見て、なんだか分からないけどちょっと腹が立ってきた。
「あんたこそこんなところで何してんのよ。誰かに見られたらどうする気?」
「ちょっと踊ってただけじゃない。誰かに見られるような失敗はしないわよ」
「私には見つかったじゃない」
「あら、使い魔の私がマスターの接近に気づかないとでも?」
減らず口の減らない使い魔である。だからこそ減らず口と言うのだろうが。
「……レン、あんた踊れるのね」
「淑女の嗜みというものですわ」
得意げに言うレン。ルイズは、顔が紅くならないように注意しながら、レンへ命令した。
「じゃあ、わ、私と踊りなさい」
ちょっとだけどもってしまったが、割と自然に言えたとルイズは思った。しかしレンは怪訝な顔。
「ルイズ、男性パートなんて踊れるの?」
「そんなわけないでしょ。男役はあんたよ」
「……自分より小さい同性の相手に男役を勤めろと?」
「ごちゃごちゃ言わないの! 私の使い魔ならそれくらいやって見せなさいよ!!」
理屈の合わない、我侭な命令だということはルイズ自身も理解している。だが、今ルイズはここを離れたくなかった。レンと離れたくなかった。ここで開かれている舞踏会に、どうしても参加してみたくなったのだ。
主の無茶苦茶な命令に、レンは髪を書き上げてため息をひとつ。
「全く、我侭っぷりはあいつといい勝負ね……」
そう言うと、レンはルイズの手をとって、お辞儀をしてきた。
「では、私と踊っていただけますか、マドモアゼル」
表情は相変わらず、格好に不相応な不適な笑顔。しかし礼節に則った、完璧なお誘いだった。
自分の使い魔のお誘いに、ルイズもにやりと微笑んだ。
「ええ、喜んで」
そして、二人だけの舞踏会が幕を開けた。
「あんた、男性役もうまいじゃない……」
ルイズは素直に驚いていた。レンのステップは軽やかで優雅だ。全くルイズの足を踏むようなこともなく、むしろこちらの動きを読んでいるように体全体をリードしてきて、すごく踊りやすい。社交会に慣れていない学生貴族とは雲泥の差だ。
微かに聞こえる旋律に乗って二人は踊る。次第に熱は高まっていき、ルイズの視界にはレンしか映らなくなる。
「人生経験の賜物というものですわ」
自分よりも見た目で5つ以上は離れていそうな幼女に人生を語られるのは、非常に複雑な気分だった。
「そういえば、あんた何歳なの? 見た目どおりの年齢じゃないんでしょ?」
「マスター、女性に年齢を聞くなど野暮ですわよ?」
そうレンが言うと、ルイズは行き成り落下した。
「ひゃ――!?」
瞬きの内に落下感は収まる。ぐるんと回った視界に写るのは、一面の星空と、レンの妖しい笑顔だった。
なんてことはない、要するに思いっきりレンがルイズの背中を仰け反らせたらしい。レンがしっかり支えていたので倒れることはなかったが。
「な、んてことすんのよこのバカ!?」
「ダンスの終焉ですのよ? 締めは派手な方が喜ばれますわ、ねえ?」
そういってレンは広場の入り口へ視線を転じた。どうじに、ぱちぱちぱちと拍手が帰ってくる。
ぎょっとしてルイズもレンの視線を追う。そこには、ドレス姿のままのキュルケとタバサがいた。
「まさか使い魔と二人だけの舞踏会をしてるなんて思わなかったわー」
拍手しながらキュルケが言ってきた。
「あんたたち!? どうしてこんな所にいるのよ!?」
「いや、いい加減男連中の相手も飽きてきてさー、気がついたらあなたがいないじゃない。気分転換に探しに来てあげたのよ」
「タバサは付き添い? 貴女も割りと付き合いが良いのね」
タバサはキュルケが引っ張ってきたのである。料理が乗せられたテーブルから彼女を引き剥がすのはなかなかの重労働だった。結局今は手に持った大皿いっぱいに盛られたはしばみ草のサラダをもくもくと食べている。
キュルケは体制を立て直している二人へ近寄ると、ルイズを強引に抱き寄せた。
「ちょ、ちょっと何よキュルケ!?」
「せっかくの舞踏会、今度は私と踊ってくださらない、ミス?」
「はぁ!? なんで私がツェルプストーの女と踊らなきゃ、ってあんた話し聞きなさいよー!?」
ルイズの言葉を聞き流してステップを踏む。先ほどのレンの踊りよりも激しく、より情熱的に。
キュルケは、レンに言われた『自分は何もできなかった』ということが、あれからずっと引っかかっていたのだ。
おかげでダンスの最中も上の空。あろうことかダンスパートナーの足を踏んづけてしまった。キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーにあるまじき失態である。
調子が狂っている、と自覚して休憩していると、いつの間にかルイズが消えていた。
その時、思い浮かんだのはあの白い幼女と、護送中にあられもない声をあげていたフーケ。
(まさか……ルイズまで!?)
男性経験が豊富なキュルケ嬢。脳裏に生々しいイメージが浮かんだ。
両手は拘束具で固定され、衣服は無惨に引き裂かれている。体中に鬱血の痕があり、乳房の辺りは特に多く、なだらかだった胸は先端に引っ張られるように全体が膨れ上がっていた。
だらしなく開いた口から涎を垂らし、鳶色の瞳は人形のように光がない。両足が投げ出されている所為で隠すところは丸見えで、くぱぁと開いた桜色の火所からごぽりと溢れ、水溜まりになり、鼻を覆いたくなるほど強い臭気を発する白濁――。
激烈に嫌な予感に襲われたキュルケが学院を探した結果、すぐにルイズは見つかった。なんと使い魔と仲良く踊っていたというオチである。予感は大外れだった。
しかし、その光景を見て、キュルケの中で何かが燃え上がった。恋の微熱とは違う、しかし負けぬほどに熱い何か。それは単純に言うと、この使い魔への対抗心。複雑に言えば、嫉妬のようなものも混じっていたかも知れない。
そんなわけで、使い魔からルイズのダンスパートナーを奪っていたわけである。ルイズも渋々ながら、キュルケと共に踊っていた。
「なかなかダンスがお上手ね、ルイズ?」
「ヴァリエール家の娘としてこれ位当たり前よ。あんたはさっき、パートナーを踏んでたけどね。私の足は踏まないでよ」
気付かれていたのか。キュルケの笑みが少し引き攣る。
だが、言葉くらいで今のキュルケは止まらない。より一層ダンスの動きを激しく、熱くさせていく。飛び散る珠のような汗は、明かりを反射して宝石のように輝いていた。
(どうよ)
ちらりとレンの様子を横目で伺ってみる。
その時、キュルケは自分が信じがたい物を眼にしたのだった。
「キュルケは何やってるのかしらね」
隣に来たルイズの使い魔が呟いているが、タバサにとってはどうでも良いことだ。舞踏会の事も、中庭に連れてこられたことにも興味はない。
今考えていることと言えば、会場に戻って料理を追加したいことくらいだ。そろそろ持ってきたはしばみ草が尽きそうなのである。
もしゃもしゃとはしばみ草を租借していると、レンがタバサへ話しかけてきた。
「せっかくだし、私と踊っていただけませんか、ミス・タバサ」
レンの誘いを無視するタバサ。どうでも良い。この使い魔の事にはもう興味はないし、踊ってやる義理も義務も無いのだから。
だが、続いたレンの言葉にはしばみ草を噛む口の動きが止まった。
「それとも、貴女も自分の使い魔と踊るの?」
思わずレンの顔を見てしまう。それがこの使い魔の思うつぼだったと気付くが、もう遅い。レンはニマニマと嫌らしい笑いを浮かべている。
「こう言うときは踊るものよ、さあ」
手を差し伸べてくるレンの意図は全く掴めない。一体自分を踊らせて何をしたいというのか。
しかし、もし自分の使い魔の秘密に気付いているのなら、放置しておくのはまずいかも知れない。仕方なく、タバサはレンの手を取るのだった。
「貴女は女性役で良いわ」
そう言うと、先程ルイズと踊ったときのように、優雅に踊り出すレン。
タバサはちょっと不思議な気分だった。自分は同年代の女性と比べると小柄だ。そんな自分よりも背が低く小柄な幼女がしっかりと自分を導き、リードしてくる。今まで味わったことがない感覚である。
「……何が望み」
ともあれ、この白い幼女が自分の使い魔の正体に気付いているなら、何らかの形で口を封じねばならない。
慎重に相手の動向を探ろうとするタバサに対して、レンは一言。
「別に何も。貴女一人だけ突っ立ってられても目障りだっただけよ」
そう言いながら、くるりとタバサをターンさせる。
「……シルフィードのことは」
「何のことか分からないわね。けど、私は相手の秘密を徒に広めるようなことはしないし、また広められるような立場でもないわよ」
そう言うと今度はレンがターン。男性役がターンするのは珍しいがこの場では咎める物は居ない。;y=ーでターンしようとしていたら止めるかも知れないが。
ふと、タバサは自分に向けられている視線を感じた。しかも複数。
一つはキュルケだ。レンと踊っている自分を見て、なにやら激しい視線を送ってきている。
もう一つは、この場からかなり離れた木の上から。どうしてそんなことが分かるのかと言えば、視線の主が彼女の使い魔だからだ。タバサと、タバサと踊っているレンをじーっとうらやましそうに見ているのが分かる。
これは後で二人ともあやさなねばならないだろう。タバサはため息を吐いた。
そして、曲が止まる。ダンスが終わると、すぐにキュルケはルイズから離れ、レンと踊っていたタバサを抱き寄せた。
「全く、ダンスパートナーにため息を吐かせるなんて駄目ねえ。タバサ、今度は私が踊ったげるわ」
キュルケはそういって、タバサの返事も待たずに踊りだす。その踊りの激しさは、何度も踊ってきたにもかかわらず、今日一番のものだった。
呆然としているルイズにレンが傍にやってくる。
「ご満足いただけましたか、マスター?」
そういって微笑むレン。頷きそうになるルイズだが、キュルケとタバサの踊りをみて気が変わった。何より、まだ音楽は続いている。舞踏会は終わっていない。
「なに言ってるのよ。私と踊りなさいって最初に言ったでしょ。あんた主人を壁の花にする気?」
「そうですか。私でよければ勤めさせていただきますわ」
慇懃無礼に一礼すると、レンは再度ルイズの手をとった。レンは3度目のダンスも男性役。優雅に踊る幼女がルイズのステップをより華麗にする。
「レン。私、しっかりあんたの世話もしてあげる。それから、もっともっと立派なメイジになるから
じっとレンの紅い瞳を見て、告げる。
「だから、あんたもちゃんと私の使い魔の仕事を果たしなさいよ」
そう言われたレンは、にっこりと微笑んでルイズへ返した。
「向こうへの行き方の捜索も忘れないでね?」
くすくすと笑うレンにつられて、ルイズにも微笑みが漏れた。
笑いながら踊りは続く。この一晩はルイズのみならず、4人にとって大切な思い出となったのだった。
以上、投下しました!
一巻分、ようやく終了です。2ヶ月かかりました。ここまで付き合っていただき、誠にありがとうございます。
感想くれた皆様、支援してくれた皆様、とても励みになりました。
ここで一区切りついたので、いったんROMに戻ります。それでは、重ねてありがとうございました。
GJ
ブラボー! おー、ブラボーっ!!
COOL、COOLだよ白猫の旦那
前に書こうと頑張ったけど断念した身としちゃ
リスペクトせざるをえないね
白ぬこさん! 白ぬこさんじゃないか!
ところどころに小ネタが仕込んであってワロタ
乙、ひたすら乙
良い作品だった。
いやっほーう! 乙
綺麗な終わり方だったぜ!乙
331 :
>>305:2008/03/03(月) 12:54:40 ID:KJRsR55S
男は闇の中を漂っていた。
そこには何も無く、自分という存在すらあいまいとしており、まるで目覚めかけの夢を見ているような状態が延々と続いている。
……しかし男は突如として自分がまばゆい光に飲み込まれるのを感じた。
左手の甲の焼けるような痛みで男は目を覚ます。
それは彼が十年以上前に経験した痛みに、令呪を宿した時のあの痛みに似ていた。
「あなたの名前は?」
すぐ目の前に立つ青髪の少女に問われ、彼はまだ微睡む意識の中答える。
「……言峰…言峰綺礼だ」
言峰綺礼、それが『生まれながらの欠陥品』である男の名前だった。
332 :
>>305:2008/03/03(月) 12:56:39 ID:KJRsR55S
……私はどうして生きている?確かに衛宮切嗣の息子にアゾット剣で貫かれたはず。
それに冬木市にはこのような中世ヨーロッパを思わせる建造物は、私の知るかぎり、アインツベルンの城を除いて存在しない。
あるいはここは死後の世界と呼ばれる場所なのだろうか?
「ここはどこだ?」
先程自分に名を尋ねた少女に問う。
「ここはトリスティン魔法学院。あなたは私のサモン・サーヴァントによって使い魔として召喚された」
学院…なるほど辺りを見回すと目の前の少女と同じ制服のような物を着た子供達が騒いでいる。
「あいつ平民を召喚したぞ」
「ゼロのルイズならともかくあの雪風のタバサが失敗したのか?」
私は何らかの魔術によってここに召喚されたという事か。
しかし、そのような名の教育機関が魔術協会にあっただろうか?それに"魔法"学院というのも気になる。
「国の名前を教えてくれないか?」
「トリスティン」
かつて代行者として世界中を飛び回った綺礼にもまったく聞いた事が無い国名。
疑問が募り混乱する綺礼だったが、ふと空を見上げることによってそれ等の疑問はすべて氷解した。
まだ昼のため見にくいがそこにあるのは大きな二つの月だった。
平行世界とも違うまったく次元の異なる世界なのだろうか。
「フフッ……私の運命というのはとことん奇妙だとみえる」
誰にともなくつぶやく綺礼。
333 :
>>305:2008/03/03(月) 12:58:38 ID:KJRsR55S
「私を使い魔にすると言ったな?君がマスターという事でいいのかな?」
コクリとうなずく少女。
「私はタバサ。契約は済んでいる」
と、持っている杖で綺礼の左手の甲を指すタバサ。
「この刻印が契約の証というわけか。…なるほど先程の激痛はこれのせいか」
「よろしく」
差し出された小さな手に答える綺礼。
この時、綺礼は二つの事を考えていた。それは目的と"娯楽"について。
当面の目的はこの世界について把握することだな。それに私がこの世界に呼ばれた何かしらの意味も探さねばならないだろう。
それに我が主となったこの少女は何か大きな苦悩を抱えているのが直感でわかった。
せっかく目の前に美酒があるのだ、急ぐ事はあるまい……。
綺礼の浮かべる笑みを理解できた者など、この場に一人たりともいなかった。
334 :
>>305:2008/03/03(月) 13:01:39 ID:KJRsR55S
続くかは未定。一応大まかなプロットは思い浮かんでる
乙です。
タバサの心の闇を抉りに抉る腹黒神父の今後に期待。
出来れば、タイトルが有ると嬉しいんだぜ。
ちなみにトリステインなんだぜ。
タイトルは
「双月の美酒」
あたりにしておきましょうか。神父とルイズが喚ぶ人物の二人でゼロ魔キャラの心理を引っ掻き回す予定です。
コトミーがガンダールヴと申したか!
それにしても、そうなるとルイズは何を召喚したのやら。
>>340 いじり役で浮かぶので、最悪のパターンだと虫爺
楽しいパターンだとうっかり王
>最悪のパターンだと虫爺
おいおいwww
俺はワカメあるいは後藤君と予想
>>342 奴にはどんな痕がww? それとも“影響”されて魔法が使えるようになったり?
カレンじゃね
腹黒割烹着かもしれない…
ルイズと相性バッチリなカレイドステッキだろ
好きな男の子に素直になれないスーパー乙女力的な意味で
心理を引っ掻き回すってことはカレンかHAアンリ?
アンリだったりすると、神父はどんな反応するんだろうか。
>>346 でも、それだとギャグにしかならなくね?
>>346 ルイズにしてみたら待望の「魔法を使える少女」になれるアイテムなわけだから手放せない→魔法を使えば使うほど周囲から引かれていく
そのジレンマ・苦悩を描いていく一大巨編に…
ただどういう格好をさせれば恥ずかしがってくれるか?という点でルビーが悩みそうだな
原作の凛の格好をさせても「魔法少女が活躍するアニメ」という概念が無いハルケギニアではちょっと変わった格好くらいにしか思われない。
ではどういう格好なら?
>>350 全裸とかw
それは冗談だけど、やっぱり露出度の高いものじゃないか?
あと、ステッキって平行世界の自分をダウンロードできるんだよね。
ルイズはそれで巨乳になれるのか?
>>351 ふざけるな
そんなの秋葉が巨乳になるくらい
あ・り・え・な・い!
>>352 いやいやいや、やる前から可能性を否定するんじゃない。
平行世界にはありとあらゆる可能性が存在する・・・・・・・・・けど無理っぽいな、うん。
ごめん、俺が悪かった。
>>350 「この閃光を敗るとはな。
まだ幼い少女かと思っていたが……」
本来、ルイズが閃光のワルドを打ち破る技量もなければ、経験もない。
両親の優しさに守られていたルイズは戦う術を知らない。
さらにルイズは魔法を使えない。
本人は否定するが紛れも無い事実だ。
しかしながら、魔法を使えるルイズもいるかもしれない。
そんなIF(もしも)のルイズを能力を借り受け、行使する。
――多元変身〈プリズムトランス〉
それが春の使い魔の召喚で呼び出された、奇妙な杖が持つ奇跡の力だ。
その力を使い、ワルドを倒したルイズはかつての婚約者に一瞥もやらず立ち去った。
裏切り者の敗者に話す事などないと言うように。
「だがなルイズ。あの服はどうかと思うぞ」
敗者であるワルドは、そうひとりごちてニューカッスルが陥落するまでの間眠りに就くことにした。
可能性には限界というか密度が存在する。
さらにステッキの制約である、借り受ける能力に相応しい衣装にならなければならない。
「つまり、わたしがこの恰好なのは」
今のルイズが着ている服は、相応しい者が身につければ胸元を強調した煽情的なものである。
だがお世辞にも豊満とは言えないルイズが着れば、あちこちが余る訳で
正直、背伸びして姉のドレスを着たおしゃまな女の子にしか見えないのだ
「はい。系統魔法が使えるルイズさんであの人に勝てるのは
風のスクエアクラスのルイズさん(巨乳)しかいなかったんです」
「それじゃ仕方ないわね。変身しないと姫さまの任務が果たせなかったわよね」
一時の羞恥など、国への忠誠に比べれば安いものだとルイズは自分に言い聞かせた。
そうでもしないと今すぐ風竜から飛び下りて自殺したくなってしまう。
「ゼロのルイズが胸が大きくて、風のスクエアなんてルイズじゃないんじゃない?」
「誰がナイチチよッ! キュルケ」
「…うるさい」
風竜の背に乗ってルイズ達はトリスティンへ向かうのであった。
「あの人に勝てる系統魔法を使うルイズさんは、アレしかいませんでしたけど
本当は他の方法でならいくらでもいたんですよね〜
まあ、ルビーちゃん嘘ついてないし
面白そうだからこのままにしときましょう」
―――――完こうですか? わかりません><
逆にフリッフリのヒラッヒラなの着せたらどうだろう
ミミック遠坂3におけるカレイドステッキとの会話内容から、契約したのは凛とルヴィアだけ……らしい。
しかしルイズが契約したのなら、彼女と対になる誰かが契約するという可能性が生まれるわけだ……ポップでキュートでリリカルな衣装に身を包んだキュルケとか。
凛ところな(昨年のエイプリルフール企画でルビーと契約した魔女っ子)じゃねーの?
ルヴィアはきっとライバルの青いマジカルルビーと契約したんだよ
いやこの場合、同じ虚無の使い手ならティファニアだよ。
>>354の理屈で言えば、うんと胸がきつきつの体操服とかスク水着せられるんだろうなあ。
>358
カレイドステッキはオトメ力でパワーを発揮する悪魔の杖です。
……助かった、ガリアの虚無の使い手と契約せずに済んで。もし契約できていたならブルマやスク水を着たジョゼフという悪夢が。
>>359 それに近いイラストを見て吐きかけた俺がいる……
アンリエッタに召喚させ自力でウェールズを救いに…しかしぶっとんだ格好の従兄妹に引かれてまう
>>362 変身後、意識が戻って悶えているルイズの傷を切開してニヤニヤするんだろ
>>363 ……それをシリアスに持っていけたら神だな。
流れぶった切りで申し訳ないんだけども
ルイズに士郎とギルガメッシュとあと誰か一人が呼び出されて…
って内容のSSを誰か知らないだろうか?
知ってるけど、いいたくない…
>>366 そ、そこをなんとか…
一度は読んだものの途中でやめてしまって…
気になって仕方ないんだ…
後生だ、頼む…
理想郷で検索したら一発で解るよ
昔理想郷をエクスカリバーの鞘の読み方の方でググったのは良い思い出
見つかんなかったなぁ…w
>>368 いやぁ、ホント、すぐ見つかった。
この恩のことは忘れないんだから!
372 :
366:2008/03/05(水) 11:07:56 ID:13ukQmh9
>>370 それはよかった……。
それで――面白かったかい?
373 :
370:2008/03/05(水) 11:09:11 ID:+Np4InbA
思い出ってさ、思い出のまま埋めてしまうのが一番、だよな…。
374 :
366:2008/03/05(水) 11:15:39 ID:13ukQmh9
>>373 ――だから、いいたくなかったんだよ……。
見つからない…。
「士郎君 in トリステイン」ではないんだよね?
>>375 それよりもベイダー卿の活躍やレンの活躍に没頭しようぜ^^
『万魔殿〜パンデモニウム〜』にも確かあるぜwwww
楽しすぎて紹介する事自体がまさに外道だけどなwwwww
管理人いくつ何だろうって本気で思うよwwwwww
>>376 世の中には、知らなくてもいいことというのが確かにあるのです。
このことはその一つなのです。
>>375の間違いだったorz
お詫びに80時間以内に小ネタでなんか書きます。
士郎が召喚されるなら…
全盛期のキリツグも召喚されていて、何度か交戦。
誰なのかも知らずに、やり方に嫌悪ばかり募らせていくとか
士郎、弓、アンリ士郎、切嗣が別々に召喚されてエミヤ祭りと申したか
他サイトの情報なら前スレ280
すかし理想郷、エミヤ、イスカンダル、ギル様とキてるんだからバサカ召喚もの核のがいたって…
>>383 喋れない&理性が無いから会話を成立させるのが難しいからじゃね?
タバサにでも召喚させる?
バサカ「■■■■ッ?」
タバサ「駄目」
バサカ「■■■■ッ!」
タバサ「判った」
後は乗り物担当としてパーティメンバーを担いで走る
空を飛ぶ必要があるときはマスターたちを投擲しつつ霊体化して追う
もしくは適当な竜や船をハイジャック
霊体化したら空を飛べたっけ?
地下水かデルフを通訳代わりに持たせるという手もあるが…
取りあえずどうやってギーシュイベを発生させるかが問題だ。
バサカ、モンモンの香水に気づかず踏んで壊す→怒ったギーシュが決闘宣言
つう流れが考えられるがフツー、あれに喧嘩すっかけるかとうと…
>>385 その場でギーシュが腰を抜かしてへたり込めば大体おk
ギーシュイベは必須じゃない。
要するに「この使い魔はただの平民じゃない」
ってことが分かればそれでいいわけで、いくらでも代替が効くよ。
>>385 召喚後は吼えたりせずにルイズを肩に乗せて歩いたり
ルイズの八つ当たりを無言で受け止めて品行方正に
大人しい牛のように過ごす。
その様子を見て
ギーシュ「檻の中の熊を怖がる子供がいるか?
いなーい! アイツは唯の少し大きいだけで愚鈍な亜人に過ぎないと このギーシュドグラモンは思うよ!」
と死亡フラグが香る言動を…
と言うかヘラクレスバーサーカーだとルイズが食堂に入れるかな?
それ以前に入れるのか?出入り口が壊れそう
ルイズが学院飛び出す→オーク鬼の群れに襲われる
→バサカ参上。「全滅? オーク鬼12匹が人間ごときに全滅?
3分もかからずにかッ!」
ってイベントでもルイズはバサカを認めるよな
>>390 バサカ相手に逃げずに全滅するまで戦ったオークに拍手を送りたい。
逃げることすら出来なかったのかもしれないが……
というかバーサーカー自身がどう見ても人間じゃありません、オーガとかその類です、ありがとうございました
イリヤ召喚でバサカが付いてくる、とか……無理か。
バサカってfateだと父性の象徴ぽかったからゼロ魔でもロリ系と相性いいよな
>>388 ルイズの部屋で窮屈そうに体育座りするバサカを幻視した
イザベラさまと使い魔くんってやっぱりもう続きないのな…
一発ネタだとは書いていたが、やはり続きがきになるぜ…
バサカだとタルブ戦で詰む
零戦乗れないし
代わりにイスカンダルの戦車でも置いておくとか。
シエスタのお爺ちゃんが征服王。
>>357 え? 姉妹人工精霊搭載のマトモ思考な青いマジカルルビーじゃ(ry
後、並行世界の果てには案外イリヤスフィールとかがカレイドステッキと契約してプリズマイリヤになっているかも(ry
青い…ルビーだと……!
青いルビーって要するにサファイアだよな
>>396 バーサーカーの腕力で投擲攻撃すれば下手な対空砲を超えそう。
>>397 村にやってきて数ヶ月で村のリーダーになって侵略準備完了して子供を作ったところで
急病で死んだとか?
凛とルヴィアがコランダムステッキでふたりはルビキュアですね、わかります
そしてテコ入れで蟲爺やマーボ、ワカメが参入しYes!! ルビキュア5が始まるんですね、わかりかねます
>>397 本家の大豪院シエスタになるからヤメレww
絵室のアレは命作だと思うのですよ。
キャス子とライダー二人でプリキュアやってるネタあったな
あまりの痛々しさに口に出すのも憚られる類の
キュアブライドとキュアサーペントですかw
何その羞恥プレイ
>>390 >バサカ参上。「全滅? オーク鬼12匹が人間ごときに全滅?
3分もかからずにかッ!」
テラコンスコンwww
なぁ……もしやたいがーころしあむって黒歴史扱いか?
折角バサカしゃべってるのに
>>408 では「あの性格のハサン」が正史でも良いと言うのかね?
>>409 そこだけ!? 他にも突っ込むべき所たくさんあるだろうがっ!?
>>410 うまり制服を着たままのキャスターが召喚されて痛々しい目で見られる作品を書けってことだな?
>>410 他に何を突っ込めと?
他にいるのは口に出すのも憚られる奴等ばっかじゃねーかw
>>411 初めに言った奴が書かなくてはならない罠。
がんばれ、掲載されたらGJはしてあげるから。
>>409 しかし、本編の性格が地味すぎて、強いほうが印象に残ってしまう
>>413 おいおい、本編にハサンなんかでてねーよwww …アレ?
キャスターに制服?
俺にとってはむしろご褒美。
魔法学院の制服を着たキャスターとかちょっとマニアックかも。
あとはセイバーとかライダーとか。駄目だ、コスプレとしか思えない。
これがイリヤだと違和感無いのはやっぱりルイズに似てむn(ry
>>416 大丈夫さ。キュルケのだってイメクr…
おや? 背中のほうが熱クナッテキタヨ
>>417 おや君もかい。
こっちはさっきから背中が妙に冷たくて…。
ああタバサ、謝るからウィンディアイシクルはよしてk(ry
(悲鳴、そして静寂)
祭りじゃ! 祭りなのじゃ!!
Night Talkerの小ネタ掲示板のドラゴンに首ったけでルイズ祭りじゃ!!
本編でも踏み切らんかった所を踏み越えたでごじゃる!!!
ここは型月とルイズのスレです。
すいません。本家と誤爆しました。
というか皆冬木の聖杯戦争から引っ張ってくるって考えなのか
サーヴァント奪われたマスターカワイソス
>>423 いや、そもそもNTとか理想郷でやってるSSを本スレや避難所で紹介とか宣伝すると荒れるだろ。
でも、毒吐きは何を言っても良いらしいからな。少なくともあそこの連中の脳内では。
聖杯戦争はアインツベルンが作り出した、器としては完全な聖杯に『中身』を注ぐためのもの。
英霊をサーヴァントとして用いる聖杯戦争は、その過程を対外的な儀式としたものだが……もし、英霊の力をもって開けられる孔の先がハルケギニアだったとしたら?
……脱落したサーヴァントが出現、大混乱になるな。
聖杯に入るのは魂だけ。クラスの殻がないと存在できないよ
428 :
双月の美酒:2008/03/06(木) 22:22:37 ID:a/mOC8Ym
異世界に召喚され、心に傷と闇を内包した少女の使い魔となった"二度の死と蘇生"を経験した男、言峰綺礼。
彼が少女にもたらすのは果して希望か絶望か?
いずれにせよ、この日が彼女にとって一つの転回点となる。
握手をする二人―――タバサと綺礼の前に、今まで事態を静観していた中年男性が歩み出る。
「まさかサモン・サーヴァントで人間が召喚されるとは…驚きました。しかし契約成立という事でいいですねミス・タバサ?えっと、あなたのお名前は…」
名前を問いつつもコルベールはまだ綺礼に若干の警戒心を抱いていた。この男は只者ではない、と。
「言峰だ」
「私はこの学院で教師をやっているコルベールです。ミスタ・コトミネ。」
コルベールは両者異論の無い事を確認すると、儀式を続行する事にした。
「それでは次はミス・ヴァリエールの番です。」
コルベールが声を上げると桃色の髪をした女生徒が返事をし、歩いてくる。
それと入れ代わりにタバサと綺礼は生徒達の中に戻って行く。
429 :
双月の美酒:2008/03/06(木) 22:24:33 ID:a/mOC8Ym
大抵の生徒が二人に奇異の目を向ける中、声を掛けてくる生徒がいた。
「すごいじゃないタバサ。まさかあなたがこんな素敵な男性を喚ぶなんて思わなかったわ」
炎のように赤い髪を待った妖艶な雰囲気を漂わせる女生徒である。
「初めましてミスタ・コトミネ。私はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。タバサの親友よ」
長身の言峰が発する独特の威圧感も彼女には魅力的に見えるらしい。
「よろしく。お嬢さん」
綺礼はそれだけ答えると、興味深そうに他の生徒が召喚した使い魔を見ている。
一方、タバサは自分の使い魔について考えを巡らせていた。
彼女もまたコルベールと同じく綺礼をただの平民だとは思っていなかったのだ。
この人物は幾度もなく、自分よりはるかに多くの死線を潜り抜けた戦闘者の雰囲気を持っている。
しかしそれと同時に、何もかも見透かすような目に得体の知れない不安感も感じる。
私の喚んだ使い魔は母の治療と、父を殺し母を狂わせたジョゼフへの復讐の糸口となりえるのだろうか?
「見てタバサ。ルイズがサモン・サーヴァントを始める見たいよ。」
キュルケの声で思考を中断させらたタバサはルイズの方に視線を向ける。
430 :
双月の美酒:2008/03/06(木) 22:26:30 ID:a/mOC8Ym
今まさに召喚が始まろうとしていた。
「―――私は心より求め、訴えるわ。我が導きに答えなさい!!」
直後に上がる爆音と土煙。それを見た誰しもが、本人すらもまた何時も通りの失敗だと思った。
しかしそれは違った。
辺りが強烈な存在感に包まれ、空気が変わったのが感じられた。
何かがいる。
土煙が晴れるにつれその姿が明らかになる。
それは黄金の鎧を纏い、芸術作品のような美貌と華麗な金髪、血のように赤い目を待つ男。
その場にいた者は皆その姿に見惚れると同時に、声一つ上げられぬ程の畏怖を感じた。ただ一人を除いて。
「因果な物だな。奴とはよほど縁があるという事か」綺礼の知る男の名は英雄王ギルガメッシュ。
世界最古にして最強の英霊である。
431 :
双月の美酒:2008/03/06(木) 22:28:36 ID:a/mOC8Ym
ルイズによって喚ばれたギルガメッシュに近づく綺礼。
それを見つけると、黄金の王は口を開いた。
「これはどう言う事だ?説明しろ綺礼」
「なに、簡単な事だ。お前はその少女に再び召喚されたのだ」
ギルガメッシュはルイズを一瞥し、つまらなさそうに綺礼に向き直る。
「この小娘が我を?冗談も大概にしろ」
それを聞いて、今まで唖然としていたルイズが我に返って震える声で反論する。
「こっ、ここ小娘ですって!?あんたこそ…あんたこそいったいだ「口がすぎるぞ雑種」
ルイズが言い終える前にギルガメッシュが口を挟むと、彼の後ろの空間に一つの波紋が生じていた。
が、綺礼はこれを制止させる。
「待てギルガメッシュ。驚く事に彼女は聖杯等の力を借りず、何の触媒も無しにお前を喚びだしたのだ」
それを聞きゲート・オブ・バビロンを収めるギルガメッシュ。
「…………ほう」
「それにあれを見てみろ。どうやらここはお前の領地の外らしい」
綺礼は双月を指し、興味は湧いたか?と問い掛ける。
432 :
双月の美酒:2008/03/06(木) 22:30:35 ID:a/mOC8Ym
「……おもしろい。世界の外なぞに興味は無かったが、ここで我が宝物庫に加えるに相応しい物を探すのも一興かもしれん」
「勝手に話しを進めてるんじゃないわよ!!いい?私が喚んだからには、あなたは私の使い魔で決定なの」
ギルガメッシュに対してこれほどの口が利けるルイズは、案外大物なのかも知れない。
「いいだろう。小娘、お前にも少々興味が湧いた。せいぜい我を楽しませろよ」
「私は小娘じゃなくてルイズって名前があるのよ!!」
その後のコントラクト・サーヴァントにおいても、届かないからしゃがめ→王を跪かせようとは痴れ者めが、等のやりとりが行われたが、綺礼の仲介によってなんとか無事に解約を済ませられたのだった。
以上です。
個人的に言峰&ギルはベストコンビ賞なので正解はギルでした。
慢心王のほうが来たか!
てっきり腹黒似非シスターが来て、ねちねちいじるのかと思ってた。
GJ!
以下どうでもいいおまけ
嘘次回予告
言峰「拘束制御術式第3号、2号、1号解放。状況A『クロムウェル』発動にやる承認認識。目前敵の完全沈黙までの間、能力使用限定解除開始」
ギーシュ「ヒィッ」
言峰「では教育してやろう。本当の魔術師の闘争と言うものを」
ギーシュ「うっうわわわわわわわわわわわわわわわわ!!」
中の人ネタでした
乙です
できれば理想狂の方とかぶらんようにたのんます。
あっちはゼロの方のギル様召喚。こっちのはセイバーエンド後の方すかね?
とりあえず死ななかったかルイズ。
だがこれからが本当の地獄だぜ、お二人さん
美酒の人乙
>>436 セイバールートでセイバーに叩き斬られた後のギルです。
若干ギルがおとなしすぎる気がしますが、好きかってされると話が進まなくなるので勘弁してくださいw
乙!
ルイズがギル召喚しちゃったら、どう考えても数分以内に学院全滅エンドが自然だと思ってたが、
先に言峰がいれば別だな。
10年間の実績があるから、英雄王の意識を逸らしたり誘導したり機嫌を取ったりは得意だろう。
ひとはそれをお守りとも呼ぶ。
出来れば理想郷と被らないように。
まぁ、この話のメインは言峰とタバサのようですが
レン召喚ネタってありましたっけ?
黒い子はまだ
>綺礼の仲介によって
ルイズの身体を抱き上げて金ぴかの高さに合わせる言峰を想像してしまったんだが……。
お前は俺か
黒い子は喋ら(れ)ないから必然的にタバサに当てられる気ガス
>>447 会話文の一切無いSSの出来上がりだな。
「………」
「……虚無の曜日」
「………」
「……そう」
「………」
「……だめ」
「ねえ、あれってどうなの?」
「わ、私に聞かないでよ!」
こうですか?わかりません!
レンとタバサの主従SSを三点リーダ無しで書いたら尊敬する
と言うか別スレの大尉とタバサのコンビと同じだw
忠勝とも大体同じだよ
発想を変えて、というか大逆転させてキュルキュルにレンを召喚させてみたらどうだろうか?
炎と氷で明らかに相性最悪だけど。
確かにキュルケにはあわないな、白も黒も。
逆にキュルケにぴったりな型月キャラって誰だ?
藤村の姐さんとか
ランサーなら性格的にはいけるんじゃないか
あとアンリとか
鮮花とか。
炎使いだし、禁忌の愛まっしぐらで似たもの同士。キュルケが自分の恋に禁忌感じてるかはさておいて。
おっぱいの大きさからいって火鉈
火と言ったら灼熱の秋星さん
炎なら軋間のおっさんに決まってんだろ?
四季でもいいのかもしれないけど
>>447 フレイムは元々影が薄くて消えても余り困らない
マスターが変わりによく喋ってくれる
無口なタバサで慣れている
と三拍子揃ったキュルケという手もある。
タバサの使い魔は乗り物担当でもあるから
乗り物属性がないと話の展開が難しくなるかも?
ぬ〜べ〜の某エピソードみたいに
こう…地面に氷のレールを敷いてスケートで行くとか
乗り物属性のあるキャラ
ギルやランスロットぐらいかな
ライダーズは二人以上乗るのはきつそうだし
まあ、乗り物属性とかなくてもどうとでもなるとは思うけどな。
移動には普通に馬車とか使って、バトルも状況とか戦い方変えれば。
馬坂車なら100人乗っても大丈夫
真面目に考察して近いものどうしを召喚させるとしたらこんな感じか?
ルイズ=キャスター又は慎二
キュルケ=5次ランサー又はギルか綾子かタイガー
タバサ=セイバー又は翡翠かアーチャー
テファ=5次ライダー又は士郎
コルベール=ヘラクレス又は士郎
ジョゼフ=葛木又は言峰
微妙
>>465 綾子とタイガーを、キュルケと同列に扱う貴様は、今より敵だ。
キュルケはまきなんとかでいいんじゃね
ルイズに近いのは凛じゃね? ナイムネといい
絶対に2人は仲良くなれないだろうけど。
470 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 14:25:29 ID:FyZFHskt
凛が平均以下なのは確かだが、推定Bカップだし、言われるほど貧乳ではない!
それに彼女の美しさはあの美脚にあるのだ!! 胸はある方がいいが、美脚に勝るフェチはねぇ!
胸に左右されすぎなんだよ胸に。
おっぱい揉みたい。
やはり、大切なのはラインの美しさとバランスだろう。
すまん。SAGE忘れた。
説明口調の中に本音がw
ギルガメッシュが関心もちそうなのはタバサかコルベールだと思える
>>470 そんな事言ったらルイズは推定Cカップだ!
つまり真のナイチチはタバサなんだよ
おや?窓の外が騒がしいな
ギルガメッシュなら事美祢の時みたいにジョゼフやルイズみたいに鬱屈した連中をそそのかしてくれるだろう。
どんな方向性になるかは知らんがw
ここは主人公の志貴がみてみたいな
あいつの順応力も大したものだ・・・
ガンダールヴ起動中は凄まじい七夜的ハッスルをみせて
効果が切れたらそのままぶっ倒れそうだな
志貴クロスは大抵殺人貴でスッパスパやるわニコっと笑ってポッとしたりするわで
ワンパターンが多いんだよな
ルイズがCカップとな・・・多重屈折現象イヤ固有結界カ?
アンダー65のAと同じぐらいだよな?
毎回、胸談義になるとみんな食いつくよね。
あたりまえだ
483 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 00:57:27 ID:URAkUgZr
この際、冬木市を召喚してみてはどうでしょうか?
聖杯戦争システムを召喚し、第六次聖杯戦争勃発
シオンも呼んであげてください
いっそ奈須さんを召喚すれば(ry
よし。腑海林アインナッシュで手を打とうじゃないか。
待て、ここは意表をついてメレム召喚だろう。
まあ待て、やはりここはセオリー通りにORTだろ。
>>489 人間ごときが契約なんか出来るのか? 少なくとも直死の魔眼で死が見れないほど死とは程遠い存在だぞ?
死っていう概念を持たないから直死の魔眼でも殺せず、倒すには物理的に粉々にしないとダメ。
しかもORTの外皮は地球上のどんな物質よりも硬く、柔らかで、気温差に耐え、かつ鋭いっていうトンデモな代物。
加えて能力を使わない、ガチンコでの戦闘能力は朱い月と同等かそれ以上。さすが水星の最強種ってとこか。
存在するだけで物理法則とか変化してくんだろ?
召喚した時点でハルケギニア終焉フラグじゃん
そう言えば、泥の召喚はあったけど黒桜召喚は無かったように思う。
見た目は普通の平民でありながら、形容できない不安定さと不気味さと色香を漂わせ、そして一人また一人と男の貴族が消えていく……
駄目だ、エロティックホラーにしかならない。
一番使い魔っぽい奴が話題に上っていないことに気が付いた。
間桐の蟲が居るじゃないか。
アレは集団なら人間を綺麗に食べつくすほどの戦闘力を有しているぞ。
あれとキスするとか、羞恥プレイってレベルじゃねーぞ
似たような形状ならご立派な使い魔で既に……
>>493 男も女も食っちゃうのが黒桜で泥だぜ?
むしろ、男は先輩以外いらないって女ばっかり食いそうなイメージあるんだが。
もし仮に、ゼロ魔世界の魔法体系が既存の先住・系統魔法ではなく、型月のものと同じであった場合はどうなるでしょうか?
……神秘が薄れ行くことを恐れて、科学を発展させようとするゲルマニアを世界中が弾圧するとかなりそうだから、没かな?
>>498 神秘本位制に基づく身分制度が金本位制のゲルマニア以外崩壊
科学と神秘の分離が微妙だからゲルマニアは変わらない気がする…
蟲爺よりハサンの方が忠実な使い魔ぽいイメージがある。
本編でも忠実なサーヴァントやってたしな
なんか普通に納得して普通に使い魔やりそう。
心臓取らないとアレなままだけど。
>>500 主の命令には絶対服従
自己主張は控えめ
サーヴァントの中ではもっとも忠実な部類ではなかろうか?
たいころの性格でやるんだよな?
4thハサン呼んで100人全員と契約。
>>504 彼らは100人で一騎でなく100人が一騎なのだよ?
契約するのは結局1人だ。
4次ハサンだとかなりシナリオ変わってくるよな。
まずギーシュ戦は絶対ないな。瓶拾うような性格でもなければシエスタかばう性格でもない。
フーケ戦もスルーの可能性が高い。さすがのフーケもゴーレム一機で100人に喧嘩は売らないと思うし。
一番気になるのはワルドの反応だ。自分の10倍以上の遍在を生み出す本職の暗殺者相手にして任務を達成することができるか?
というか、そもそも己の存在を気取らせそうに無いよな。
視界の端に髑髏が浮いてる、けど視線を向けると何も無い・・・とか普通にやれそうだから怖い。
伊達にアサシンじゃないぜ。
つまりあれだ、学園の七不思議が八不思議になる、と。そういう事ですね?
「ゼロのルイズと話していると、視界の端にドクロが浮かんで見えるんだ
なんだろう。そう思って良く見ようとすると、消えていて、気のせいか。
と思って、また視線を戻すと、また視界の端にドクロが浮かんでるんだ」
それが後日失踪することとなる生徒Mの証言だった
「…ハサン、どこに居るの。ハサン…?」
「お呼びか、魔術師殿。」
「ああそこに居たの。…あんた、風邪でも引いたの?なんかダミ声だけど…」
「さて…?」
シオン好きだけどゼロ魔の世界で活躍は難しそうだ
>>512 錬金術師で他人の脳をハッキング可能
色々大活躍じゃね?
薬学にも通じてそうだし
シオンさんは本来戦闘むきじゃないよな。
いっそエレオノールさんに召喚させて、一緒にアカデミーで働くとかどうだ。
吸血鬼モドキだってばれたら即時抹殺対象か、研究素材として捕獲されそうな気がする・・・・・・
いや、シオンがどうにかされるとはとても思えんけどね?
ギーシュ戦時に見学のメイジ数人にエーテライトぶっ挿して
分割思考のうち4つまでを挿したメイジのコントロール、
残りを統合制御に使ってスクエア以上の大魔法を行使する
シオンが見えたんだが…ヘキサゴン級は連携以外に血の繋がりもいるのかね?
いらないんじゃね
13巻で神官たちが似たようなの使ってたし
ヘキサゴンスペルは王族と血のつながりによる合体魔法で
賛美歌詠唱は血を吐くような訓練と統率による合体魔法なんじゃなかったっけ?
前者は二人で詠唱して発動して
後者は複数の多数が重合して詠唱して発動してたはず
後、後者は三発放っても精神力切れてなかったなぁ
『トライアングル同士といえど、このように息が合うことは珍しい。ほとんどない、と言っても過言ではない。しかし選ばれし王家の血がそれを可能にさせる。
王家のみ許された、ヘクサゴン・スペル。
詠唱は干渉しあい、巨大に膨れ上がる。
二つのトライアングルが絡み合い、巨大な六芒星を竜巻に描かせる。
津波のような竜巻だ。この一撃を受ければ、城でさえ一撃で吹き飛ぶだろう。』
『「神と始祖ブリミルの敬虔なしもべたる聖堂騎士諸君。可及的速やかに異端どもを叩き潰せ」
ぶわっ! と聖堂騎士たちから魔力のオーラが立ち上る。
カルロは、才人たちに背を向けると、まるでオーケストラの指揮者のように、杖を掲げた。
「“第一楽章”始祖の目覚め」
彼らは一斉に呪文を唱え始めた。まるで唱和する聖歌隊のような、呪文の調べだった。
(中略)
それぞれ握った聖杖の先から、炎の竜巻が伸び、幾重にも絡み合い、巨大な竜のかたちを取り始めた。
「なんだありゃ」
「賛美歌詠唱。聖堂騎士が得意とする呪文。厄介」
タバサが応えた。
それは、いつかのアンリエッタとウェールズの亡霊が作った、ヘクサゴン・スペルにも似た合体魔法だった。血を吐くような訓練と統率……、それに耐えることのできる聖堂騎士隊ならではの奇跡の業だった。』
>>514 フランケンシュタイナーを食らって幸せそうな顔でKOされるギーシュとか
フレイムとかシルフィードを操って戦うシオン
ガンダールブ向きではないがヴィンダールブならいける
>>518 操れば使えそうだね
バキの三つ子のコンビネーション理論で
圧倒的な強さを誇るかも?
むしろエーテライトにガンダールヴが反応
エーテライトで斬鉄が可能に
とかだったらもっとシャレにならん
しかし、どの時点のシオンが召喚されるのだろう
志貴と合う前のシオンだったら7万の兵相手に特攻なんて絶対にしないだろうし
いや、そもそもシオンだったらそういう状況にならないように攻めるのか?
敵の知識奪い放題で高速&分割思考持ちだから、いくらでも対策出来そうだ
基本的に錬金術師の戦いって、戦う前から勝ちが決まってるんだよな
アルクェイドレベルが相手だとそもそも戦わないor戦わなくても良い状況に持って行くし
タタリが関係してない限りはシオンも博打には走らないだろうし
………これ書けるのか?
エーテライトの能力が反則だからなぁ。
他人の記憶を読んだりコピーしたりいじくったりすることが可能だという時点で性質が悪い。
おまけにあの分割思考がある。
ワルドは初対面から裏切ることがばれそうだし、おマチさんは絶対に学院に戻った時点で捕まりそう。
頭のいい知略系キャラって書くのむずそうだなぁ。
というか、いきなり召喚されて「あんた今日から使い魔」とか言われたら真っ先
にルイズにエーテライトだろうなぁ。自身の家柄と実績には誇り持ってるし。
下手すればエーテライトより先に鉛弾が飛ぶ。ところで、エーテライトで対象の
精神まで操れたっけ?
いじれなかったっけ?
最初に志貴にやろうとして、感づかれたからできなかったみたいなこと言ってた気がする。
精神は知らんが、身体操作は出来るらしいから。脳の神経レベルでいじくるのは出来そうだな。
神経系焼き切るとぁ出来るって言ってたし
念話ぐらいならできんじゃね?
問題は、コントラクト・サーヴァントの影響範囲じゃないかな?
エーテライトは、メルブラで志貴に接続された事はあったものの基本的には無害でしたが……今のところ正体不明である使い魔と主のライン、そこからルイズに『吸血鬼汚染』が流れ込む可能性だってあるわけですし。
ゼロ魔だとヤバげなナマモノ(それこそ吸血鬼とか)と契約する可能性もあるんだし、
そこまで色々流れ込まない術式になってそう。
まー二次で書くなら、
それテーマにしたいわけじゃないなら、そこらへんは考える必要ないけど
話の展開上流し込みたかったら、流し込んでもさして不自然じゃないかもね
ってレベルの話だと思うな。
型月のは魂の汚染で吸血鬼になるけど、
ゼロ魔の吸血鬼だと、そもそもそう言う種族みたいだから対策とかされてないんじゃない?
まあ、確かにどうでも良いっちゃ良い話。
個人的には、契約したけどシオンに逃げられて、
気がついたら日光がつらくなり、人の血を啜りたくなって行くルイズも見てみたいが。
>530
正体不明の体調不良、いくら食べても満たされない、いくら飲んでも乾きはやまない、自分自身が壊れていく。それらの変化していく恐怖に苦しむルイズ。
そしてついに学園内に行方不明者が、そして見つかった遺体の首元には二つの丸い傷跡が……
>>531 ちょっと想像してみた。
・・・・・・俺、シオンかタバサにならかまれてもいいや。
>>529 ネコカオスと契約して
ネコカオス「お前も猫耳になれ!」
の言葉どおり猫耳が生えてくるルイズ
赤い外套のゼロ
「私はね魔術師なんだ……」
その言葉はとても悲しげで切なげでまるで届きそうで届かない星に向かって手を伸ばそうとしているみたい。
私は思う、この人はこんなにも凄い魔法使いなのになんで私のことをそんな風な目で見るのだろうかと。
私は魔法の一つも使えない魔法使いだと言うのに……
ほんの僅かな時間を経てまどろみから醒める、目の前には染みの浮いた見知らぬ天井があった。
「此処は……」
「お目覚めですか? ミスヴァリエール」
隣から掛けられた声に振り向くと、そこには学園で何度か見かけたメイドが居た。確かシエスタと言う名前だったっけ? なんでこんなところに。
「あのミスヴァリエール、ミスタコルネリウスは一体何処に……」
そう言われて唐突に思い出す、ウェールズ様、レコンキスタ、去り際のアイツの笑顔。
私にとって無敵としか思えないアイツが見せた儚げな微笑。
「あの馬鹿っ!?」
その意味に思い当たった時、私は全力でアイツのことを罵倒していた。
去り際にアイツに撫でられた頭が疼く。
召喚した時は平民だと思って随分失礼なことを言ってしまった。
私なんか、いや私が知るどんなメイジも及びもつかない魔法使いだと知った時は恥ずかしくて死にそうだった。
私の使い魔をやってくれるって聞いた時は耳を疑い、その後すごく嬉しい気持ちになったっけ。
教えてくれた異世界の魔法は私に貴族の誇りをくれた。
覚えている、なんで私なんかの使い魔をしてくれるのか?と聞いた時の寂しげなアイツの顔を。
――何、恐いお姉さんの下から助け出してくれた命の恩人に報いるだけのことさ
覚えている、なんで私なんかの面倒をこんなに見てくれるのか?と聞いた時の怒ったようなアイツの顔を。
――しょうがないじゃないか、私は君の使い魔なのだから。魔術師として一度結ばれた契約を軽視はできんよ。
覚えている、なんでこうまでして私を助けてくれるのか?と聞いた時の嬉しそうなアイツの顔を。
――知らなかったのかい? 魔術師と言う人種はね馬鹿みたいに身内にだけは甘いのさ!
そう言って赤いコートを翻しておどけたように笑うアイツの背中は、W眠り”のルーンによって齎らされる強制的な意識の断絶を前にして私の心に焼きついて離れない。
「あの馬鹿……そう簡単に死なせるもんですかっ!」
血が出る程に唇を噛み締めながら、私は呟いた。
○ ○ ○
それはまさに悪夢だった。
レコンキスタの先鞭を務める竜騎士達が見たのは、ただ草原に一人立ち塞がる赤い外套のメイジであった。所詮一人――と侮りがあったことは否定しない。だが彼らをして悪魔と言わしめるだけの恐ろしさがその赤い外套の青年にはあったのだ。
「Repeat!」
青年が一言唱えるたびに紅蓮の焔が舞い上がる、詠唱の間を突こうとした同僚が火達磨になるのを見て新米の竜騎士である“彼”は全速で逃げ出したくなった。
在り得ない、スクウェアかそれ以上の火力を出していることもそうだが、それだけの威力のある魔法を使いながらもただ一言しか詠唱しないことも、自身を守る弾幕の如く魔法を展開していると言うのに精神力に一切の翳りを見せないことも。
「なんだ、なんだお前はぁぁぁぁ」
自身に迫る炎の波を見つめながら、“彼”は絶叫した。
「私かい? 私はねただのしがない魔術師さ」
帰ってきた声には自嘲と“彼”に対する羨望が入り混じっていたことに、果たして“彼”は気づいたか。
いや気づくまい。
これだけのことを為しながら赤い外套の魔術師がこの上なく“彼”のことを羨ましがっていたなど、絶対に“彼”は気づくはずがない。
「さて幕だ」
寂しげにぽつりと呟いたその言葉と共に、“彼”の体を焼き払う灼熱の炎。
唯一の幸運は熱いと思う間も無く“彼”の体が骨まで消し炭になったことだろう。
「――なんて、無様」
“彼”の遺体を眺めながら、齢五十を越えた魔術師は嘆息する。
まるで当り散らすような魔術師行使、これはアオザキに笑われても仕方が無い。
一面の焼け野原となった草原に足を踏み出し、直前に“彼”が行った奇跡に思いを馳せる。
「こうも容易く成し遂げられては本当に形無しだな……」
風吹くところ何処にでも現れる風のユビキタス。
紛うことなき第二魔法を行った魔法使いの遺体を足蹴に、真紅の魔術師は歩いていく。
「知っているかいミスヴァリエール、私たち魔術師と言う人種は魔法使いの成れの果てなんだ」
かつて桃色の髪の魔法使いに語った言葉を、まるで詩のように呟きながら。
「追い抜かれ、骨董品に成り下がった神秘の担い手。届かないと分かってもかつての奇跡<魔法>に向かって挑み続ける愚か者達」
まるで聖人が海を割るように人の波を真っ二つに切り裂いていく。
「私はねこの世界に来て驚愕したよ、奇跡が神秘によらず成立した魔法使いで溢れたこの世界にね」
けれど……
「これほど素晴らしい世界なのに、何故これほど私の心は空虚なのだろうね」
今ならば分かる、かつての自分がどれほど奢り、くだらない虚栄に満ち、そして溢れんばかりに充実していたのかと言う事を。
魔術師は思う、きっとあの日あの時あの場所でただがむしゃらに魔術の徒として高みを目指す自分は死んだのだろうと。
「さてと、これで粗方……」
パンとシャンパンの栓でも抜いたような音が鼓膜を叩き、魔術師はゆっくりと自分の胸へと視線を落とした。
そこには冗談のような小さな穴が空いており僅かに血が流れている。
あまりにもちゃちな傷すぎて、最初魔術師はそれが何によって抉られた傷なのか分からなかった。
「あっ、あああ、化け物っ、化け物っ……!」
体の下半分を失った兵士が握り締めた鉄の塊が、真っ黒な煙と硝煙の匂いを吐き出しているのを見るだけは。
そして理解してしまえばあとはもう笑うしかなかった、誰よりも魔術師たろうとしていた自分が魔法が現役の世界で、魔力によらない攻撃によって死ぬなど笑い話でしかない。
「危ないな」
笑いながらそう告げると、自分を撃った兵士の横を悠然と通り過ぎる。
直せない傷ではないし、脈々と受け継いできた魔術刻印が死ぬことを許さないだろうが、しかしもはやなにもかも馬鹿らしくなってしまった。
「嗚呼、アオザキ。こんなことなら君に殺されておけばよかった……」
○ ○ ○
無人の野となった戦場を私は走る。
土の焦げる匂い、空気の燃える匂い、人の焼ける匂い。
むせ返るような血の匂いと、死体が腐る匂いで吐き気が止まらない。
走って、走って、そして辿りついた先で――私は魔法のように恋に落ちた。
見渡す限り焼け焦げた闇に溶け込む真っ黒な草原で、彼はもとから赤いコートを血で染めながらぼんやりと月を見上げていた。
右手に以前一度だけ見せてくれた写真を掴み、焦点の合わない目で透明で視線で空に浮かぶ二つの月を眺めていた。
でも私には分かってしまったのだ、この人が見ているのは月などではなくもっともっと遠くにいる誰かの影だと言う事に。
どうしようもなくコイツが死に惹かれていると言う事に。
「アルバ……」
私は、どうしようもなくコイツを振り向かせたかった。
「コルネリウス・アルバ!」
叫んでも、喚いても、コイツは私に視線を向けようとはしない、それが本当にどうしようもなく悔しかった。
「こっちを見て! 私をちゃんと見なさいよ! なんで、なんで私のことを見てくれないよ!」
――私はもう『ゼロ』じゃなくなった筈なのに、師匠であり目標でありもっとも身近な相手である筈の相手一人振り向かせることさえ出来ない。
「いいわ、それなら力づくでも振り向かせて見せるから」
コイツにだけは絶対に私のことを認めさせたい。
心の奥底から沸きあがってくる殺意にも似たこの気持ちは、『恋』以外名付けようがないと思われた。
小ネタ投下完了、自爆する……!
先生。
小ネタで終わらせず、全編かいてください
お疲れ様ー
赤い外套で絶対アーチャーだと思ったら意外それはアルバ
面白かったぜ
ギャグじゃない赤ザコはいい赤ザコだgj
あー……らっきょ読んだ事ねーけどこの赤ザコ先生が格好良いのはよく分かるなあ、GJ&乙でした
意外な人が来た。
GJ! 気分がのって、時間があるときで良いから続き希望。
ホントに赤ザコ?
GJです。
これがあのらっきょ一の噛ませだと!?
意外!それはアルバ!!
GJ。しかし綺麗すぎる赤ザコ先生だなw
アーチャーかと思ったらお前かよ
みんなひでえwww
まぁかませポジだったのは否定できんが。
これはいい赤ザコw
な……カッコヨスギル……GJを送る、無限に
暇な時に続きをプリィィィィィイズ
ああ、アルバが輝いている
荒耶よりアルバのほうが年寄りに思えるから不思議
おまえらアルバ大好きだな
アルバを好きじゃないってのは居そうだが、嫌いな人って居ないような気がする。
情けない雑魚キャラって、なんか愛着わかないか?
――――ああ、なんて綺麗な 赤 ザ コ wwww
だってほら、もう一人の赤外套と違ってすっごい親近感湧かないか?
あれでいて凄い実力あるんだよな。
そこらを蒸発させるほどの魔術って、鯖にも多少ダメージ行きそうだし。当たれば。
超早口2秒弱発動できてその後リピートで連発できるし。
アオザキなんかに挑んだばっかりに……
赤ザコは本気で「相手が悪かった」からな
一流なのに、周りに居るのは超一流。
と言うかませ犬属性だったからなぁ
ケイネスも同じような感じだな
最近妙に喉が渇く。食事はちゃんととっている。健康管理を怠っているわけじゃない。
それでも…此処最近、異常に喉の渇きを感じるようになった。おまけに体もだるく感じる…
「おや、どうかしたかねミスヴァリエール。なにやら調子が良くないように見えるが?」
後ろから聞こえるやや芝居じみた調子の声。振り返ればしばらく前に召還し、自分の使い魔となった男が佇んでいた。
肩口で切り揃えられたサラリとした金髪、黒で統一されたマントと貴族服、
端正な顔の瞳は、閉じられたまま自分を見つめていた。
「具合が悪いのならば私がすぐに薬を買って来てあげよう、
主に何かあっては使い魔の恥。ヒロインが消えてしまう舞台などなんとつまらない物か」
「…別にいい…寝てれば治るわよ。あと、その喋り方いい加減直してちょうだい」
私はこの男があんまり好きじゃない。召還が成功した時は正直嬉しかった。
この男が話す知識は私や他の生徒だけでなく先生まで目を丸くするものだった。
貴族としての誇りを持ち、女性に対してはギーシュの様なナルシストではなく極めて礼儀を重んじ紳士として対応する。
…だが、私はこの男がどこか好かない。常に舞台劇のような例えを用いる言葉や役者じみた喋り方もそうだが、
なにか、一緒にいると言い様の無い不安が胸に渦巻く。
そして最近のこの喉の渇きなどのよくわからない異常がそれに更なる拍車をかけている…
「何かあればすぐに私に言いなさい、ミスヴァリエール。私の出来ることならいくらでも力を貸そう…キキキ!」
「………あとその笑い方もやめなさい」
「私には『娘』がいてね、中々に優秀だったのだが、素直ではなくてね…随分と嫌われてしまった」
数日たったある夜、雑用を終えてくつろいでる『彼』が唐突にその話を口にしだした。
「…貴方、娘なんていたんだ」
「おや失敬な。私にだって身内はいるさ。いや実に彼女は優秀だった…
純粋に才ならばいずれは私をも越える逸材になれただろう。
………私の望む“理想”も…受け継いでくれると思ったが……」
かぶりを振って見るからに落ち込んでいるという素振りをする。
こんな時まで妙に動作が芝居がかっている…ただ、最後のほうの言葉…
『私の望む“理想”』…この言葉だけ他とは違う…なにか黒々とした感情が見えた気がした
…気のせい…なのか…?
「いやはや、『親』と言うのは難しいものだ。コレばかりは知識があっても計算が出来ても上手くいかない…
しかし…ミスヴェリアール…君のような才ある者が娘だったらきっと今度は上手く行く気がするよ」
「お世辞のつもり?それとも皮肉?」
「とんでもない。君の中の才はしっかりと私には見えている。この私が君の才能を称えよう」
「…もういい、寝るわよ。明日の朝もちゃんと起こしてよね」
「もちろんだとも。それではおやすみ…ミスヴェリアール…」
明かりを消しベッドに身を預ける。
………相変わらず…喉は渇いていたけれど…
それからまた数日経ち……喉の渇きに、若干変化が起こった。
昼間や一人でいる時はまだ治まっている。だが、夜…それも他の人間が近づいた時に一気にその『乾き』が襲って来た。
流石にコレはあまりに異常だ。あまり頼りたくは無かったが…私は『彼』を探す。
だが、何処を探しても『彼』の姿が見えない。彼がいそうな場所は全て探した。
それでもその姿は何処にもない。探すたびに、その場にいる人を見るたびに、ドクンと心臓が大きく脈打つ…
吐き気がする…頭が痛い…体が重い……
……喉が、熱い……
「何処……行ったのよ…」
遂に中庭で地面に蹲ってしまう。熱い、熱い…もう喉だけじゃない、全身が熱い。
「ズェピ…ア…」
初めて私は『彼』の名前を呼んだ。それでも、彼は私の前に現れない。その時……
「あら、ルイズじゃない。こんなトコで何してるのよ?」
後ろから声が聞こえた。少しだけ顔を向けると赤い髪が見えた。
「いつも傍にいるあの男性がいないわね。あ!もしかして逃げられちゃったとか」
声だけで分かる。キュルケだった。
ドクンッ――――
その瞬間、ひときわ心臓が大きく脈打つと同時に、吐き気が…喉の渇きが襲った…
「……ルイズ…?」
流石に私の様子がおかしいと感じたキュルケがゆっくりと私に歩み寄る。
……来ないで……それ以上近づいてきたら……
我慢が出来ない
学園の屋根の上、二つの月が照らす中、一つの影が静かに佇む。
影の視線の先には二人の少女…苦しそうにその場に蹲るルイズに、様子の異変を感じたキュルケが歩み寄る。
その瞬間……蹲っていたルイズが突然歩み寄るキュルケに飛び掛った。
地面に押し倒され動揺するキュルケが見たのは…自分異常に瞳を赤く染めたルイズの、理性を感じさせない鬼気迫った顔…
「キ、キキ、キ……!」
少女たちを眺める影から僅かに笑い声が上げる。
それと同時に、ルイズの顔が、押し倒されたキュルケの肩に一気に近づく。
かぐわしい肌に、柔らかな肉に、ルイズの歯が…牙が、突き立てられた…
『喰らいつく』……それが最もその様に当てはまった。その瞬間…いままでずっと閉じていた彼の『眼』が開いた。
真紅―――
キュルケの目より、今のルイズの目より、遥かに紅く、遥かに禍々しい…完全なる赤。
当然だった。その眼には眼球が無い。ただ赤い、赤い…血の色だけがそこに広がっていた。
「キ、キキキキ、キキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキッ!!!」
彼は笑う。笑う、笑う、笑う。狂ったように、否、完全に狂いながら笑う。
限界まで見開かれた真紅の両目から、頬の端まで裂けた口から、その赤が零れ落ちる。
だらだら、だらだらと、黒い貴族服を流れ落ちる赤が、紅く染める。
それでも彼は構わずに笑う……彼は計算をしていた。この世界に来てすぐに。
彼が狂うほどに行っていた計算を。計算の各所をこの世界に当てはめて何度も計算を繰り返す。
そして、出された答えは――――同じだった。形こそ異なれど、やはり出た答えは同じだった。
それでも彼は、前の世界ほど絶望することは無かった。この世界には自分のいた世界とはまるで違う。
彼が追い求めていた『魔法』がこの世界には溢れている。自分の望む理想が、此処でなら叶えられるかもしれない…
…それでも、『駒』は必要だった。
彼は笑う。必要なものがこの瞬間に手に入ったことに。
彼が前にいた世界、そこでの『娘』では見れなかった光景を、いま見ることが出来たことに。
赤と青の月の下、一人の紅い男が笑う。
吹きぬけた風が彼のマントをはためかせ、悪魔の黒翼の如くそれは舞う。
彼は…ズェピア・エルトナム・オベローンは頭上の双月に向け両手を広げ、そして、言った…
「さあ…虚言の夜を始めよう…」
初投下でワラキア小ネタ…いろいろガタガタな目汚しスイマセン…;
タタリが始まるーーッ?!
続きがあることを祈ってGJと叫んでおきますッ!
次作に期待GJ!
GJ!
タタリに吸血鬼ルイズだぁ!
うぉう、上で多分みんな冗談でいってた奴がマジで来るとは!
キミにはGJという言葉しか贈れない。
妄想ハ実現シ衆生コレニ賛同スルコト一千年。
褒メ称エ垂流シ読ミ賛美スル事サラニ一千。
楽シキカナ、妄想ツイニ現実ト成リ我ラヲ歓喜サセ GJ GJ GJ サセン……!
ハルケギニア崩壊フラグが建ってしまったか…
ワラキアGJ
投下直後よりGJ乱舞、
烏合迎合の果て
職人の奮戦は乙に伏す!
回せ回せ回せ回せ回せ
回せ……!
571 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 22:08:39 ID:CYjsGa9Z
>>573 そいつもいらん。お兄ちゃんと呼んでくるイリヤを寄越せ。
じゃあ、白レンをマチルダさんの嫁にしときますね
では、桜か琥珀さんをいただこうか
シオンと生涯を共にするわ
>>582 残念ながら、君は9レスほど遅かったのだ
誰も手をつけてないので、バゼット姉さんもらっていきますね
じゃあ翡翠はいただいていく
今のうちにアルクェイドはもらっていきますね。
…って、そろそろ自重しようぜ。
自重ほど我々に似合わぬ言葉は無い
587 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 11:05:42 ID:HXyWIv0l
じゃあセイバーは俺が
…もうこれで終わりに
ここまで秋葉、凛なし
な なにをする きさまらー!
まとめWikiに
「赤い外套のゼロ」
「幻影の夏 虚言の零」
を登録しておきました。
まとめwikiの長編にnaviつけたり
長編・小ネタ目次ページとかあったほうが便利かな?
必要なら言いだしっぺの法則で編集するけど
その場合ファイル名変更の依頼ってこのスレでいいの?
593 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 17:40:56 ID:r928tq8L
ぱんつ脱がせてもニーソ脱がすべからず
あれ? 俺g(ry
縞々は邪道だよな?
この世に黒以外のニーソは存在しない
>>592 長編と小ネタを分けるのは個人的にいいと思う。
そのほうが見やすいと思いますし。
>>592 変更依頼はここでいいとおもうけど、
管理人さんが3月一杯は更新できない状態らしい。
>>25参照。
個人的には長編にはnaviはほしいと思う。
段々数が多くなってくると左メニュー見づらくなるしな
書式は本家と揃え並び順はタイトル五十音にしてみました
長編(五十音順)
小ネタ
追加
小ネタ
長編の各目次ページの本文と広告の間に
----追加
the saber of zero servant 01
虚無の続き 03
虚無の続き 02
虚無の続き 01
navi追加
ゼロの白猫
とかもnaviに出来るけど既についてたので保留
他は追加としても管理人様のお力がいるので同じく保留
既にリンクがある物をどうしたらいいものか
個人的にはnaviは楽でいいんだけど今までリンク付けてくれている
有志の方の気分を害さないか心配で変更には二の足を踏む。
多忙にかまけて無沙汰を重ねてしまい失礼いたしました。
私のゼロ魔に対する浅学のせいでご不快にしてしまった方には申し訳ありませんでした。
とりあえず、脳内カレンに小一週間ほど罵ってもらっておきましたのでご容赦を。
過分のご褒詞も、ご教戒・ご箴言も、どちらも有り難く頂戴しております。
生理的に合わない等については当方ではどうしようもないので、『スルー』の魔法をお使いください。
それから、私の駄文をwikiに登録してくださってる方々には、毎度ご迷惑をかけております。
以前、
>>97の方がご質問くださっていたようですが、ご返事をさし上げないでしまって失礼しました。
今回からは、タイトルを「Geis(その章の数)−(何回目かの数)」とすることに致します。
さらに、原作Fateを確認した所、ローマ数字ではなく算用数字だったので、勝手ながら今回からは算用数字を使用します。
前回分までについては特に訂正くださらなくても結構です。
どうしても気になるという方がいらっしゃったら直していただいても構いません。
さらに、前回投下分でお伺いを立てていた白レン小ネタの扱いについてですが、
もう一度、住人の皆様にお伺いしたく存じます。
1、このまま『ついカッとなって〜』を晒し続ける。
2、『MELTY BLOOD Familiar of Zero』とかいう、ワケ判らないタイトルに変える
3、いっそのことwikiから削除
まあ、
>>81の方以外は華麗にスルーされていたのに今更またお伺いするのもアレなんですが。
ちょうどwikiのお話が出ていたので蒸し返すのもアリかな、と。
今回のGeis2−4はテンプレと原作レイプの融合というアレな内容の上、本編だけで23とムダに長くなってしまったので、
とりあえず今日は最初のInterlude(1〜3)のみ投下し、
明日4〜15を投下するまでご意見を頂き、
あさって残りの16〜23+英霊通信を投下する際に処遇を決定いたしたく思います。
どうか皆様の忌憚の無いご意見を――――
カレン「あら、随分な物言いですね、この早漏」
へ?
カレン「『中庸』によれば、『無忌憚』とは立派な人物である『君子』の在り方『時中』に対する、
取るに足りない、つまらない人物である『小人』の在り方だと言われています。
アナタは住人のみなさまを小人よばわりするワケですか、早漏の分際で」
べ、別にそんなつもりは――――
カレン「意図しなければ許される、と?
『そんなつもりじゃなかった』で済まされるなら種キャラだってみんな聖人ですよ?」
ううっ
カレン「アナタだって、ソレでは許されないと思っているからこそ、
前回投下分での、意図せずとも迷惑をかけてしまったコトについても謝罪しているのでしょう?
そんなコトも指摘されるまで気付かないなんて、コレは一から教育し直す必要が――――」
(しまった、コレではいつまでも投下できない。こうなったら――――)
秘技、身代わり兄貴召喚!
ランサー「おわっ!何だ、此処は......」
カレン「では早速、この安楽な座り心地のイスで――――
あら、ランサー。作者はどうしたのかしら?」
ランサー「知るかよ。オレだって今来たばっかだしな」
カレン「フ、フフフフフフ......そういうコトですか。では仕方ありません。ランサー、このイスに座って下さい」
ランサー「ハァ?何でオレが――――」
カレン「私のこの昂りがおさまるまで付き合って貰いますよ。ウフフフフフ」
ランサー「理不尽だーーーーーー!」
......それでは、本日はInterludeのみですが、ご照覧下さい。
Interlude
彼は今、困難な任務に挑んでいた。
このような死線は幾度と無く、彼と『相棒』はくぐり抜けて来た。
しかし、その経験が彼にささやく。
――――ココハ、死地ダ。
このまま進めば、間違いなく破滅が待っている。
そう感じながら、理性で直感を押し殺し、『相棒』を前へ進ませる。
大丈夫、何の問題も無い。いつも通りやればいい。
よし、あと少しだ。あと少しで、目的の――――
刹那、ぞわり、と全身が戦慄く。
もはや理性では留まれない。
直感に任せて身を翻らせる。
しかし、未来予知とさえ言える危険察知ですら、その『敵』の前にはあまりに遅い。
必死に死地を脱しようとする彼の『相棒』の体は、『敵』に絡めとられて、ギリギリと締めあげられ、
たまらず、彼は叫ぶ。
「モ、モートソグニル〜〜〜〜!」
ココは、魔法学院、本塔の最上階にある学院長室。
座ったまま、じっと瞑目していた学院長オールド・オスマンは突如、己の使い魔の名前を絶叫する。
「キィ〜〜〜〜!」
すると、学院長室の床から、苦しげにうめくネズミの声が聞こえてくる。
本来、ネズミは殆ど鳴く事は無い。
鳴くとすれば、テリトリーに侵入してきた敵を威嚇する時か、もしくは命が危険に晒されている時のいづれかだ。
この鳴き声は、後者。
学院長の『相棒』の体は、その矮躯に数倍する蛇に巻き付かれ、ギリギリと締め上げられていた。
「おおお!しっかりせい、モートソグニル〜〜〜!」
使い魔の危機に、再び学院長が絶叫する。
「あらあら、どうかされましたか?学院長」
そんな学院長の切迫した様子とはうって変わって、ひどく冷静に、笑みすら浮かべて声をかける妙齢の女性がひとり。
腰まで流れる淡いエメラルドグリーンの髪と、微笑を浮かべた顔に乗る眼鏡が、知的で落ち着いた雰囲気を醸し出している。
「ミ、ミス・ロングビル!早くキミの使い魔にモートソグニルを放させてくれんかのう」
「あらあら、仕方ありませんね」
ロングビルと呼ばれた女性がそう口にすると、ネズミに巻き付いていた蛇は、速やかに拘束を解いて彼女の足元へ戻る。
自由になったモートソグニルも、すぐさまオスマンの元へと馳せ戻る。
「おお、よしよしモートソグニル。無事だったかのう?
全く、キミの使い魔は何てコトをするんじゃ」
そう、学院の最高権力者から非難がましいセリフと視線を向けられて、しかし彼女の微笑は崩れない。
「申し訳ありません。ですがおかしいですね
私の使い魔には、『私のスカートに入ってくる者を排除しろ』と命令してあったのですけれど」
言い返す女性は、よく見れば目だけが全く笑っていない。
その眼光は、まさしく冷血なる蛇のソレ。
そんな冷眼を受けても、しかし学院長はすっとぼけた声で応える。
「はて、それがどうしてワシの使い魔に危害をくわえたのかのう?」
「学院長が使い魔を使って私のスカートの中を覗こうとなさるからですわ」
若干、こめかみを震わせながら、ロングビルが答える。
すると突然、オスマンは巨大な学院長用の執務机を震わせる勢いで立ち上がり、三たび絶叫する。
「カァーッ!そんな小さなコトにこだわっておるから婚期を逃すんじゃ!」
天裂き地呑まんばかりの、すさまじい気迫である。
だが、それもミス・ロングビルの前には意味を成さない。
「オールド・オスマン」
「なんじゃね?」
「今度、年の話をしたら、また蝶必殺ロングビル・ポセイドンを喰らわせます」
「なあっ!ア、アレだけは勘弁してくれんかのう?」
――――何があったジジイ。
可哀想なほど狼狽するオスマンに、ロングビルは変わらず微笑と冷眼で遇する。
「ダメです」
「ぐうぅっ......鬼!悪魔!デビルサタン!老人の数少ない楽しみを奪うなんて......」
まるで自分こそが被害者であるかのような言い草のオスマン氏。
「もう少し真っ当な楽しみをお持ちになってください」
「美しい女性を愛でようというのは、男として当然のことじゃ」
ロングビル女史の至極当然な意見に、なおも自分のセクハラを正当化するセリフを吐くオスマン。
しかし――――
「オールド・オスマン?」
そう、ただ名前を呼ぶミス・ロングビルの背後が、陽炎の如く揺らめく。
無論、彼女が高熱を発している訳ではない。
しかし、事実、世界が歪んで写る。いやもうこれ絶対スタンドとかペルソナとかアバターとか出すだろ常k――――
そんな、彼女のうら若い(!?)女性とは思えない殺気に、オスマンの思考が混乱の極地に達した時、
「大変です!オールド・オスマン!」
バァン!と勢いよくドアを開けて、頭頂部の貧しい男性が乱入してくる。
乱入者に気付いて、ロングビルは瞬時に剣呑な気配を消し去る。
ソレによって、ようやくオスマンは正気を取り戻す。
「お、おおゴールド・エクスペリエンス君!キミはいつもいいタイミングで登場するのう!」
いや、まだ大分オカシイ。
「は?いや、私の名前はコルベールですが......て言うか誰の名前ですか」
「そ、そそそそんなコトより何が大変なのかのう?
ホ、ホレ、大事な用件のようじゃから、ミス・ロングビルは席を外してくれたまえ」
「はい」
オスマンの言葉を受けて、さっきまでの殺気は何処へやら、余裕の笑みでミス・ロングビルは学院長室を出て行った。
コルベールは、ソレを名残惜しそうに見送っていたが、
「オホン」というオスマンの咳払いで、ハッと我に返り、自らの発見について説明を始めた。
「......つまり、ミス・ヴァリエールが召喚した騎士殿が『ガンダールヴ』だと?」
「はい!ルーンが一致している上、彼自身が契約完了後に、『ガンダールヴ』について私に質問してきました。
おそらく、契約によって何らかの知識を得ているのではないかと」
「ふむ」
「早速本人から詳しい話を――――」
興奮した様子でまくしたてるコルベールに対し、
オスマンは先程までの狼狽ぶりが嘘のような沈鬱な様子で、今にも飛び出して行きそうなコルベールを諌める。
「まぁ、待つんじゃミスタ」
「どうかされましたかな?」
「この件に関しては、もう少し慎重にあたるべきじゃろうて」
「それは......彼が危険である、と?」
浮き足立っていたコルベールも、流石にオスマンの尋常でない様子に気付く
「実際、キミから見てどうじゃった?」
「――――相当な手練れなのは間違いないでしょう。
今の私では、十全の準備をしても太刀打ちできるかどうか......」
「それも契約前での話じゃろ?それ程の騎士が、なぜ使い魔になどなる?」
「それは――――」
確かに、理に適わない話ではある。
本来なら、疑ってかかってしかるべきである。
なのに何故、今まで自分はそんな可能性すら意識に上らせることすらしなかったのか――――
「――――わかりません。
ですが、学院長の懸念は杞憂ではないかと」
召喚された時の事を思い返しても、何ら不審な点は無い。
脳裏に浮かぶのは、かの騎士の晴朗な笑顔。
「それは、何か根拠があって言ってるのかね?」
「いいえ。私の直感です」
あれ程の空気を纏うには、相当の死線をくぐり抜けなければ無理だ。
おそらくは、自分と同じ位、もしかしたらそれ以上の人を殺して来たのだろう。
それでも、あのような笑顔ができるのは、その戦いに彼自身、なんら恥じる所が無いからに他ならない。
そんな騎士が詐術を労するとは思えない。
「ふむ......」
しばし考え込んでいた学院長は、気色を緩めて口を開く。
「まあいいじゃろ。直に会っていないワシの意見より、キミの直感の方が信じられる。
この件についての調査はキミに一任する。ただし、内密にな。
伝説の使い魔が召喚されたなどと風聞が立っては、王家やらアカデミーやらが五月蝿いからのう」
「はい!それでは早速――――」
喜び勇んでコルベールが答えた所で、コンコンと学院長室のドアがノックされる。
「開いとるよ」
学院長が声をかけると、「失礼します」という玲瓏な声とともに、ミス・ロングビルが入ってくる。
「おお、どうしたね?ミス」
「それが、ヴェストリの広場で決闘騒ぎを起こしているとかで......」
その報告に、うんざりした様子でオスマンはため息をつく。
「またか......ヒマを持て余した貴族ほど始末に終えんモノはないのう。
それで、今度は何処のバカじゃ?」
「はい。ひとりは2年生のギーシュ・ド・グラモン。
その相手なのですが、なんでもミス・ヴァリエールが使い魔として召喚した騎士殿だとか......」
その言葉を聞いて顔を見合わせる学院長とコルベール。
「どうなさいますか、学院長」
「あ〜、放っておいても構わんじゃろう。この国の貴族同士での決闘でないなら問題あるまい」
「わかりました」
それでは、とロングビルが退室すると、残された二人は慌ただしく遠見の鏡を使って広場の様子に注目する。
だから、二人は気付かなかった。
退出していくロングビルの口元が歪んでいたことに。
そのロングビルは、校舎内から広場を見下ろせる位置まで移動していた。
肩口までのぼってきた『使い魔』の蛇と共に、青色の騎士を眺めながら呟く。
「さて―――それじゃあ、あの『英霊《サーヴァント》』の力を見せてもらおうかねぇ......」
Interlude out
607 :
投下終了:2008/03/17(月) 16:35:52 ID:j0zrVOvq
本日の投下は以上です。
カレンの言う事は気にせず、皆様の忌憚の無いご意見を頂ければ幸いです。
それではまた明日、駄文を呈じさせていただきます。
お疲れ様、毎回楽しみにしてるぜ!
>>603 管理人様の帰還を待って2希望
別名同ファイルを作って今あるのはリンクをはずすっててもある
あとこれも管理人様が戻ってきてからの話ですがnavi使用のため
ファイル名変えてもいいですか?
サブタイトルや目次部分はsetpagenameや[[ > ]]等使い同じ表示に出来ますし
今回のようなサブタイトル変更のときなども管理人様なしで修正できるようになりますので
個人的には今後追記してくれる方が分かりやすいように
ファイル名 サブタイトルにしたいところ
目次例::
Zero/stay night
Fate/stay nightのランサー召喚
Zero/stay night-01 prologue
Zero/stay night-02 Geis T GIRL MEETS SERVANT(T)前編
Zero/stay night-03 Geis T GIRL MEETS SERVANT(T)中編
Zero/stay night-04 Geis T GIRL MEETS SERVANT(T)後編
Zero/stay night-04a ルイズとランサーの英霊通信1
Zero/stay night-05 Geis U Gabriel-Hound 前編
〜〜〜〜〜〜〜略〜〜〜〜〜〜〜〜
漫談部分はどうかなと思うことはありますが
毎回、本編楽しみにしてます
ランサーがカマセにならないのはうれしい
610 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/17(月) 17:58:44 ID:uL9UHEqW
四季 召喚 希望
中にロアがいる状態だったらまた惨劇フラグが…
そういえばジュリオのヴィンダールヴは教授の混沌に通用するのかな?
兄貴の人乙。
ロングビルさん、ひょっとして5次のライダーと何か関係が?
小ネタは2の方向で。
久しぶりにRe Act起動して何気に思ったのだが・・・・・・・・都古色変えたら・・・・・・・来世からやり直して来ます
ポルカルカルカ ミゼーリ〜ア♪ ポルカルカルカ ミゼーリ〜ア♪
何でも出来ちゃう骸布『万能聖骸布《マグダラボルグ》』!
ポルカルカルカ ミゼーリ〜ア♪ ポルカルカルカ ミゼーリ〜ア♪
魔法の責め句で人生 投げ出させてあげる
イ〜ヤね 駄犬 早漏〜 童貞〜♪
迷える衆愚にお慈悲を 父なる神よ(えい)
嗜ぃ虐天使 嫌味をネチネチ カレンちゃ〜ん♪
嗜ぃ虐天使 責め句でドスドス カレンちゃ〜ん♪
踏んで 縛って いたぶって〜♪ 埋めて 焦らして 辱めて〜♪
でもそれって 神の愛なの〜♪
キリエリエリエ エレイソ〜ン♪ キリエリエリエ エレイソ〜ン♪
万能血まみれ骸布『万能聖骸布《マグダラボルグ》』!
キリエリエリエ エレイソ〜ン♪ キリエリエリエ エレイソ〜ン♪
洗礼詠唱で人生 終わりにしてあげる
いやぁ あはぁ はあァん あっ、はァ
そんなにギラギラさせて 所詮は童貞(えい)
嗜ぃ虐天使 臓物ドチャドチャ カレンちゃ〜ん♪
嗜ぃ虐天使 血みどろドロドロ カレンちゃ〜ん♪
脱いで 跨って 嬲って〜♪ 裂けて 壊れて 殺して〜♪
でもそれって 神の愛なの〜♪
ポルカルカルカミゼーリア♪
カレン「それでは嗜虐天使カレンちゃん第2話『異界からの刺客だよ!カレンちゃん!』の投下をお楽しみくださ――――」
ランサー「待て!チッがぁーーーうだろうが!」
カレン「? ぼぉ〜〜〜〜んン〜〜〜〜じゅゥ〜〜〜〜〜〜〜〜る」
ランサー「それも違ーう!!」
おう、またアンタか!
何故、こんな事になったのだろう?
周囲を取り囲む生徒たちの歓声にキザったらしくポーズを決めて応えながらも、ギーシュはその実困惑していた。
確かに、女の子にフラれた腹いせで、きっかけを作ったメイドを叱りつけたのは自分が悪い。
それは自覚している。
しかし、だからってアレはマズいだろう。
そう思いつつ見やる先には、虚空より現れる騎影が一騎。
スラリと高い長身、鍛え上げられた体躯。
その総身を覆う青色の軽鎧には、所々にアクセントのように銀色の装身具がちりばめられている。
戦支度にも関わらずの軽装は、まず間違いなくメイジのソレ。
その出現に、ギャラリーとして詰めかけていた観客がどよめく。
「アレと決闘するなんて見直したぜギーシュ!」等と無責任な声援を送ってくる同級生(♂)がいるが、冗談ではない。
(なんでボクがあんなのと決闘しなきゃならないんだ〜〜〜〜〜!)
そう思いながらも、「命を惜しむな、名を惜しめ」が家訓のグラモン家の男子としては、
手をあげられた上、向うから挑まれた決闘を辞することなど論外だ。
論外、なのだが、
(アレは、不味いよなぁ)
その決闘相手はと言うと、観客も、これから戦う自分すらも無視して、切なげな溜め息など漏らしている。
(ナメられてる、のかな......)
そうして、ギーシュが途方に暮れている時、その決闘をけしかけた張本人であるルイズは、
「はぁ〜〜〜〜〜......」
これから決闘する二人を取り巻く生徒たちから少し離れた所で、盛大なため息をついていた。
「随分面白そうなコトしてるみたいじゃない、ヴァリエールのくせに」
そんな人混みから離れたルイズに、キュルケが声をかけてくる。
考えてみれば、派手好きなアイツがこんな騒ぎを逃すハズが無い。
「何よ、文句あるの?」
「全然、むしろ逆よ。さっきも言ったでしょ、面白そうだって。
でもこんな面白そうなイベント、アンタが始めるなんて意外ね」
実に楽しそうに話しかけてくるキュルケ。
それとは対照的にルイズの機嫌は悪くなっていく。
「......別にアナタを面白がらせるためにやってるんじゃないわよ」
そう、キュルケの言うとおり、決闘をふっかけるなんて私がするコトではない。
それでも、あの場を収めるには、当事者どうしで決着をつけさせるのが最善策だっただろう。
あのままでは、周囲の貴族たちとまで揉め事を起こしかねなかった。
アイツは売られた喧嘩は間違いなく買う。
そうなれば数十人単位でケガ人が、下手をすれば死人だって出ていただろう。
だからこその決闘だ。
相手を当事者であるギーシュひとりに限定できる上、場所を変えて仕切り直させることでアイツに言い含める時間も得られた。
それに、アイツのデタラメぶりを見れば、他の子たちも今後アイツと揉め事を起こそうだどとは思うまい。
我ながら咄嗟に考え出したとは思えない妙手。
さすが私、こうしてダメな使い魔を御せてこそのマスターよね。
「ウフフフフ......」
知らず、喜悦が声になって漏れる。
「いやね、何笑ってるのかしらこの子」
「――――」
「フフフフフフ」
ソレをキュルケ(とくっついて来たタバサ)が呆れているのにも気付かず、ルイズは得意絶頂で笑い声を漏らし続ける。
「はぁ〜〜〜〜〜......」
そうして、主が己の機転に酔っている頃、その使い魔は退屈の極みにあった。
この『決闘』に臨むにあたって、主からはイロイロと説明された。
ココでの『決闘』とは、どちらかが負けを認めた時点で終わりという、実際には命のやり取りをすることは無いモノらしい。
だから、オレも相手を殺さず、適当な所で終わらせろ、と。まぁ、そういうコトらしい。
「くだらねえ......」
そんなモノ、決闘でも何でもない。ただのお遊戯だ。
そのような児戯に付き合わされるために召喚された訳ではない。
だが、それも主命とあらば辞することなど論外だ。
論外、なのだが、
(正直、気が乗らねえわな......)
その決闘相手は、薔薇の造花を手に、魔術回路を励起させている。
あの細工物が魔術礼装ということらしい。
その花弁が一枚、地面へ舞い落ちる。
『決闘』と言いつつ不意打ちか?と、僅か体を緊張させる。
この魔術回路の状態は、先程の授業での女性教師のソレとほぼ同一。
とすれば――――
「『錬金』か」
予想に過たず、花弁の落ちた地面が隆起したかと思うと、その土はヒトガタを取る。
やがて、ランサーよりやや小さいくらいの大きさになる。と、次の瞬間、全体が銀色の輝鋼に包まれる。
瞬く間に、土塊だったモノは、甲冑も、ソレを纏うヒトガタも、全てが白銀に輝く金属で作られたゴーレムとなった。
白銀の表面には、木目が波打つような独特の紋様が浮かんでいて、一種芸術品のような美しささえ感じられる。
その変化に、周囲のギャラリーが小さく歓声をあげる。
「ほぉ......」
その魔術行使に、ランサーも感嘆の声を漏らす。
「ボクの二つ名は『青銅』。『青銅』のギーシュだ。
従って、青銅のゴーレム『ワルキューレ』がお相手するが、構わないね?」
『決闘』相手の坊主が声をかけてくる。
構わないか、だと?
「いいや、むしろ有り難ェ」
「は?」
元より、魔術師相手にマトモな太刀打ちなど期待してはいなかった。
加えて、『決闘』とは名ばかりの、単なるお遊戯とあっては尚更だった。
だが、これほどの人形使いというならば話は別だ。
「思ったより、楽しめそうじゃねえか――――!」
応えて、己も愛槍を手に執る。
その喜悦と戦意に応えるように、左手のルーンが輝きを放つ。
「不味い......」
さっきまでの得意満面は何処へやら、渋面をつくるルイズ。
ソレを見て、キュルケがちょっかいをかけてくる。
「マズいって、何が?ギーシュのワルキューレを見て、今さら決闘なんか吹っかけたのを後悔してるの?」
「まさか。あんな青銅細工相手にアイツが遅れをとるワケないじゃない」
「あら。今朝といい、随分と使い魔のカレの強さに自信があるみたいね。
それはそうと、アレって青銅?『青』銅って言うぐらいだから、あの微妙なカンジの青っぽい色じゃないの?」
「アナタ、本当にモノを知らないわね。もう少し土系統の勉強もしたら?」
そんなキュルケの頓狂な問いに、ルイズは渋面をさらに険しくする。
「あら、まともに魔法を使えなくって頭でっかちの人よりはマシよ」
「......何ですって」
「何よ」
何時の間にやら口喧嘩を始めてしまう二人。
しえん
すると、黙々と手にした本を読んでいたタバサが、突如として顔を上げて喋り始める。
「一般に『青銅色』と呼ばれるのは、緑青と呼ばれる青銅に発生した錆の色を指す。
青銅とは銅とスズの混合物で、錆びる前の色は一般に黄金色。含有するスズの量が一定以上になると、白銀色になる。
現在のような鏡ができる以前は、そのような白銀色の青銅を研磨して鏡として使用していたといわれている」
突然の長広舌に、ケンカしていた二人も、唖然としてその矛を収める。
「アナタって本当に物知りねタバサ。じゃあ、あの青銅はスズをたくさん含んでいるってワケ?」
そんなキュルケの問いに、思案顔でルイズが答える。
「多分、ソレは無いわね」
「何よルイズ、この子の言う事にケチつけるの?」
「違うわよ。スズの含有量が多い青銅は強度が下がるの。そんなモノ、わざわざ戦闘用のゴーレムに使わないでしょ」
「ふ〜ん。ならやっぱりアレって青銅じゃないんじゃない?」
キュルケの言葉に、今度はタバサが答える。
「――――恐らく、銅とスズ以外の金属も含んでいる。亜鉛やニッケルを含んだ銅はあのような色になる」
だが、とタバサは思う。単に含有する金属の種類を増やしただけとは思われない。
あの紋様、単なる装飾とも考えられるが、わざわざ戦闘で使いつぶすゴーレムにあんな複雑な装飾を施すとは考えにくい。
(何か、まだ秘密がある)
タバサが考え込む間に、その解説を聞いたルイズがまたも口を開く
「そう言えば、聞いたことがあるわ。
グラモンの直系のメイジは、鋼鉄よりも丈夫で、より少ない魔力で『錬金』できる金属を使うって。
何代か前の当主がソレの製法を発明して、それからグラモン家は武門として有名になったとか......」
「へぇ〜。だったらアナタの使い魔やっぱりマズいんじゃないの?
いくらギーシュがドットとはいえ、少ない魔力でも『錬金』できるってコトは、あのゴーレム相当強いんじゃないの?」
キュルケの再びの指摘も、しかしルイズは否定する。
「だから、それが不味いんだってば。
キリのいい所で終わらせろって言っていたけど、あのバカ、ちょっと本気になっちゃってるじゃないの」
むしろ相手のギーシュを案じるような態度をみせるルイズ。
その様子からは、真実あの使い魔の勝利を、カケラも疑っていないのが解る。
そこで始めて、キュルケはルイズの使い魔に興味を向ける。
よくよく見れば、随分とイイ男ではないか。
「へえ......それで?あのカレってどのくらい強いの?」
「そうね、大体――――アレと同じ位ね。素手で」
「アレ?」
ルイズの視線の先を追うと、青色の鱗もまぶしい若いドラゴンが一頭、こちらを窺っている。
「あら、アレってアナタの使い魔じゃない?」
そう言ってタバサを振り返る。
何時の間にやら読書を再開していた友人は、それでも私の声を聞いて顔を上げると、自分の使い魔へと視線を送る。
すると、使い魔である風竜は、きゅいきゅいと鳴き声をあげつつ、
その成竜とそう変わらない大きな体を揺らしながら、ドスドスと足音を響かせながら近寄って来た。
「あれ?やっぱりこのドラゴン、アナタの使い魔だったの?」
急に、ルイズがタバサに声をかける。
突然、大して親しくもないルイズに声をかけられて、それでもタバサは首肯を返す。
「さっきはゴメンなさい、アナタの使い魔に......」
「いい」
(珍しいわね、この子が......)
普段のタバサなら、他人に話しかけられても黙殺することがしばしばである。
それが、ルイズとの間にコミュニケーションが成立している。
「アナタたちって知り合いだったの?」
疑問をそのまま口にする。すると、
「え〜と、それは、その――――」
明らかに狼狽した様子を見せるルイズ。
相変わらず、面白い位に態度に出る子だ。
「さっき、私の使い魔が『お世話』になった」
まともに意味の通る答えを返さないルイズに代わってタバサが答える。
他のコなら聞き逃す様な微妙なイントネーションの違いだが、
親友を自負する私や、当事者であるルイズには『お世話』が字義通りの意味でない事が判った。
「へ〜え、『お世話』ねぇ......」
「な、何よ!ちゃんと彼女にはあやまったじゃない!
そうだ、アナタもゴメンなさいね、イルククゥ」
私のイジワルに強がりを返して、ルイズはタバサの風竜に声をかける。
どうやら『お世話』について謝っているらしい。でも――――
「いるくくぅ?そのコの名前はシルフィードよ」
「え?でも、だって――――んむむっ!」
続けて何事か喋ろうとしていたルイズだったが、急に口を塞がれる。
ルイズの傍らに立って口を塞いでいるのは、
短く切りそろえられた青い髪、
身長を大きく上回る杖、
他のコには何を考えているか解らない瞳。
間違いなく、タバサである。
何時の間に立ち上がって移動したのか、まったく気付かなかった。
「こっち」
「む〜!」
その友人は、広場から校舎の方へ向ってルイズを引きずっていく。
無論、口はふさいだまま。
あの体勢はつらそうである。
「ま、大丈夫でしょ」
別に、タバサは怒っていた訳でもさなそうだし。連れてったからってどうというコトもあるまい。
一方、引きずられていったルイズは、広場から会話が聞かれないくらい遠く離れて、ようやく解放される。
「ーーーーっ、ぷはぁ!
な、何なのよアナタ、イキナリ―――」
「あのコの名前はシルフィード」
ワタシの扱いに対して文句を言おうとしたのを遮って、キュルケの友達はそう口にする。
「え?でも、だって」
「あのコの名前はシルフィード」
「いや、だから」
「あのコの名前はシルフィード」
「その」
「あのコの名前はシルフィード」
「―――」
「―――」
全く私の話は聞いて貰えない。
ただただ、全く同じ抑揚で同じセリフを繰り返す相手に、私が口を噤むと、彼女も口を閉じる。
「ええっと、あのコの名前は―――」
「シルフィード」
「わ、解ったわ。シルフィードね」
そう私が口にすると、先程と同様にただ一度、コクンとうなずく。
何だかよく解らないが、深く追求すべきではないだろう。
誰しも人に訊かれたくないコトの一つや二つあるものだ。
トリステイン貴族はそんなコトをいちいち根掘り葉掘り訊かないものである。
そう考えて、うんうんと私が納得していると、タバサの方から私に声をかけてくる。
「どうして」
「え?」
「名前」
「ああ、何で名前を間違えたのかって?」
また、首肯をひとつ返してくる。
どうやら、もともとこういう会話の仕方をする娘であるらしい。
「ああ、それは――――」
と、私が答えようとした時だった。
頭上で、ズガァン!と、何か硬いモノ同士がもの凄い勢いでぶつかったような爆音が響く。
「な、何なの?!」
咄嗟に音のした上方を振り仰ごうとした私の体が、横に引っ張られる。
位置から考えて、すぐ側に居たあのタバサという娘だろう。
何を、と文句を言おうとしたワタシの、すでに上へ向けてかけていた視界が、人間大の何かが落っこちて来るのを捉える。
「っひゃあ!」
引っ張られるがままに体を動かして回避すると、さっきまで私たちがいた場所にソレは落下した。
ズゥン、と重々しい音と振動とともに落着したソレは、原型が何であったのか判らないくらいに、酷くひしゃげていた
それでも、その銀色の表面に浮かんだ波打つ様な独特な紋様は、見間違えようもない――――
「ギーシュの『ワルキューレ』?」
しかし、アレは私のバカ使い魔と戦っていたハズだ。
それが、何で私たちの頭上から降ってくるのだろう?
視線を広場へ転ずると、私たちの方へ注目しながら呆然とする観客たちと、
腰を抜かして地面にお尻からへたりこんでいるギーシュと、
「やっちまった」という顔でコッチを見ている、バカ使い魔の姿があった。
話はほんの少し前へ遡る。
ルイズたちがタバサの使い魔の話をしている頃、ギーシュは目前の『敵』を注視したまま、視線を動かせなくなっていた。
ゴクリ、と口に溜まった唾を嚥下する。
先程、かの騎士が槍とおぼしきモノを中空より取り出してから、ギーシュは極度の緊張を強いられていた。
この緊張感には覚えがある。
まだ自分が今よりもっともっと未熟だった頃、
父や歳の離れた兄に魔法を使った戦い方を教えられていた時だ。
グラモンの家は、その、アレな風聞のせいでユルく見られているようだが、
武門の名に恥じず、魔法の訓練、とりわけ戦闘におけるソレは他家より格段に厳しい。
ギーシュも物心ついた頃には、父や年長の兄たちからビシビシとしごかれていた。
その時の、自分が何をしても通用しない者に挑んでいる時と同じ感覚を、今ギーシュは味わっていた。
コレは、本物だ。
ウワサだけではない。彼の口先だけでもない。
この相手は、強い。
今の自分では、手も足も出ないくらいに。
その直感を裏付けるように、先程から瞬きもせず注視しているというのに、
(打ち込む隙が、見当たらない......!)
相手の騎士はというと、ギーシュと同じく、瞬きもせず、その視線は目前に立つ自分のワルキューレに注がれている。
槍の穂先を僅か下げた構えのまま、微動だにしない。
このまま、ただ闇雲に打ち込んでも、通じるとは到底思えない。
(だけど)
意を決して、ギーシュは手にした杖を握りしめる。
このまま睨み合っても、先に集中が切れるのは自分だろう。
ならば、玉砕覚悟。
自分が作れるワルキューレは、7体が限度。
1体やられただけで、戦力は大きく削がれる
それでも、たとえ1体ムダにしたとしても、相手の対応を見る。
その上で、残り6体でどうにかする作戦を練る。
一斉に攻撃させるか、それとも一体ずつ繰り出しての持久戦か――――
その判断のためにも、まずは相手の対応傾向が知りたい。
その為なら、1体を使いつぶすのも止む無しだ。
しえn
しえんすた
(よし!)
ワルキューレを、じりじりと槍の間合いギリギリまで近づける。
「――――行くぞ!」
一声、気合いとともにワルキューレを突進させる。
突きが来るなら、ワザと喰らって、槍の動きを止める。
薙ぎ払われたら、体で受け止めて武器を掴み取る。
狙いは、あの槍。
ワザと武器の直撃を喰らって、相手の武器を奪い取る。
痛みを感じないワルキューレだから可能となる戦法である。
平民の兵隊を相手にすることを前提とした運用だが、決闘においては有効な戦法だ。
このような決闘の場合、相手の杖を落とさせれば勝利である。
あの槍が杖を兼ねたモノであるのは間違いあるまい。
ならば、ソレを奪った時点で自分の勝ちだ。
もっとも、そんなに上手くいくとはギーシュも思っていない。
相手も自分の獲物を奪われる事は、当然警戒しているハズである。
だからこそ、その防御法を見させてもらう。そのための一撃目。
(さあ、どう出る!)
しかし、騎士は間合いに入られても、依然微動だにしない。
予想外の事態に一瞬、躊躇を覚えるギーシュ。
もしや、何らかの罠?既に何か魔法を唱えていたのか?
(ままよ―――!)
だが、それならそれで、対応を見せて貰う。
そのままワルキューレを突進させて、硬い金属の拳で殴りかかる。
それを、騎士は成す術無く受け入れた――――様に、見えた。
ズシン、と重い音がする。
周囲の女生徒から、小さい悲鳴が上がる。
ワルキューレの拳が直撃したものと思ったらしい。
――――だが、
「中々やるじゃねえか、坊主」
余裕たっぷりの、飄々とした男の声が聞こえてくる。
「速さもそこそこ、力もなかなかにあるじゃねえか」
言って、ニヤリと微笑む男は、ワルキューレの拳を、掌で受け止めていた。
人間に倍する重量を持つゴーレムの、金属の拳を。
片手で、完全に。
そんな常識の埒外にある真似をやっておきながら、騎士はあくまで涼しげに答える。
「方法としても間違っちゃいねえ。
放出系の魔術じゃあ、オレにはトライアングル以下は無効化されちまう。
かといって、オレは霊体だからな。何の魔力も籠ってない武器は通じねえ。
だから、魔力の通ったゴーレムでの直接戦闘って選択は剴切だ。だがな......」
喋りながらも、騎士はワルキューレの拳を掴んで、その金属の腕をひねり上げる。
普通の人間では到底敵わない程にパワーのあるハズのワルキューレが、なす術無く騎士の力に屈してその体勢を崩される。
そこへ――――
「オレの相手をするにゃあ、役不足だぜ――――!」
セリフとともに、騎士はワルキューレの横腹めがけて、あろうことか『蹴り』を叩き込んだ。
一説によれば。
かの英雄を象徴する宝具『ゲイ・ボルク』とは、槍の名前ではなく、その投擲法の名であるという。
それは、槍を足によって投擲するという、特殊な投擲法であった、と。
無論、ランサーは宝具『突き穿つ死翔の槍《ゲイ・ボルク》』の運用にあたっては、手による投擲を行う。
しかし、人々の祈り、尊崇の念によってその存在を編まれる英霊である以上、ランサーにもそのような『要素』は含まれる。
自然、その足が尋常のモノである筈が無い。
さらに、今は契約のルーンによってその力は倍加されている。
その蹴りは、一撃で青銅の木偶人形を叩き折る、ハズ、だった。
――――先程、ルイズはグラモン家の『錬金』についての風聞を口にした。
『グラモンの直系のメイジは、鋼鉄よりも丈夫で、より少ない魔力で『錬金』できる金属を使うって。
何代か前の当主がソレの製法を発明して、それからグラモン家は武門として有名になったとか......』
この内容は、大筋で間違っていない。
実際、グラモンの貴族は、その特殊な金属により作り出されたゴレームを使って威名を轟かせた。
その金属の製法について訊けば、ルイズの説明と同じ内容の返事が返ってくることだろう。
しかし、ソレは外部の貴族に向けた説明であり、事実は多少異なっている。
何代か前、その『錬金』法を発明したとされる当主は、その実自分で件の金属を発明したのではない。
彼は、召喚術に失敗した結果、偶然に一振りの刀剣を召喚したのだ。
その刀は、縞模様の波打つ様な不思議な紋様で、錆びず、折れず、どんなモノでも切り裂くことができた。
それでいて刃こぼれ一つせず、柳の枝の様にしなる柔軟性をも備えていた。
その特性に着目した当時のグラモンの当主は、その金属を『錬金』により再現しようと試みた。
その刀剣に使われた素材は、こちら側ではダマスカス鋼と呼ばれている。
現代科学においても完全再現が不可能な、まさしく『場違いな工芸品《オーパーツ》』。
もっとも、現在ではかなり本物に近い合金の再現がなされている。
つい最近まで、その製法はもはやロスト・テクノロジーでは無いとされていた。
しかし、近年、本物のダマスカス鋼には、ある特殊な素材が使用されている事が判明する。
その素材の名は、カーボンナノチューブ。
鋼の20倍の強度を持ちながら、それでいて弾力性を持ち、非常な軽量であるという、未だ実用段階にない最先端素材。
ソレを鍛造過程で生成するなど、現代の技術ではおよそ不可能である。
だが、『錬金』という魔法はソレを可能にした。
元となる物質が現存しさえすれば、詳細な構成や含有される元素の種類など知らずとも再現できてしまう。
まさしく、『魔法』と呼ぶに足るデタラメである。
そうして、グラモンのメイジは、ソレが実際に何であるのか解らないままに、その製法を得た。
『錬金』の容易な卑金属を複数組み合わせることで機械的強度を倍加させる組成変化の方法。
そして、その中にカーボンナノチューブを内包する方法をも。
結果、彼らの『錬金』する合金は、ハルケギニアの技術水準を遥かに上回る硬度・靭性を得るに至った。
ランサーの蹴りを受けたのは、そんな金属で作られたワルキューレであった。
衝突によるダメージとは、衝突する物体の質量と速度が大きければ大きいほど、衝突した時間が小さければ小さいほど大きくなる。
そして、金属は変形することによって、衝撃を受けても構造材自体の破壊を免れる。
その高い靭性ゆえに、ワルキューレはランサーの蹴りを受けながらも、全体の破壊だけは免れた。
しかし、そのロスト・テクノロジーをもってしても、その衝撃は強大に過ぎた。
弾性限界を超えた衝撃に、ワルキューレの体が大きくひしゃげる。
それが、この場合災いする。
変形によって衝突時間が長くなれば、確かに破壊へと作用するエネルギーは小さくなる。
しかし、衝突時間が長くなるということは、衝突された物体自体に大きなエネルギーが伝わることを意味している。
つまり、ランサーの蹴りを辛うじて原型を保ったまま受けきったワルキューレは、
通常の物質ならば四分五裂してしかるべき膨大な衝撃力を、運動エネルギーとして受け取った。
結果、
「あ」
蹴りの感触から、0、1秒後の未来を予測したランサーだったが、今更振り抜いた足を止められるハズもなく。
金属の体が持つ重量をも遥かに凌駕する運動エネルギーを加えられたワルキューレは、
轟音をその場に置き去りにして、遥か遠くの、学院の塔の一つに激突した。
ブ厚い石壁、しかも『固定化』の魔法がかけられたソレに衝突した衝撃で、今度こそワルキューレは原型を留めず折れ曲がる。
そして、その下にはタバサに口止めされているルイズがいた、と。
その場にいた誰もが、目の前で起こった事態に呆然としていた。
見物に押し掛けていた貴族たちは、その有り得ない状況を正しく認識できず、ただただあっけにとられていた。
タバサですら、その事態を認識して瞠目していた。
ルイズは、何事か文句を言いたかったが、急な事態に言葉が出てこなかった。
当時者のひとりであるランサーは、どうしたものかと困り顔で思案していた。
そして、この場でもっとも動顛していたのは、もうひとりの当事者、ギーシュである。
彼は、自分のワルキューレが、ただの一蹴りで遥か遠くまで吹っ飛ばされるのを見て、腰を抜かしていた。
(じょ、冗談じゃないぞ!)
ギーシュは、グラモン家秘伝の『錬金』法で作られた自分のゴーレムに、絶対の自信を持っていた。
問題は、自分がそのゴーレムをうまく扱えるか否か。
だから、この決闘は自分のゴーレムを繰る技術と、相手の戦闘技術のどちらが勝るかの勝負になると思っていた。
しかし、相手はあろうことか、ただの『蹴り』で自分のワルキューレを戦闘不能に追い込んだ。
有り得ない。
どんな魔法を使ったら、こんな――――
(待てよ)
こんな芸当、魔法無しに出来るハズがない。
と言う事は、相手は何らかの魔法を使ったに違いない。
火系統や土系統ではないだろう。それなら魔法で直接攻撃した方が手っ取り早い。
水系統も考えにくい。水の変形であれほどのパワーを出すのは不可能だろう。
であるならば、風系統。
おそらくは、あの蹴りが当たる瞬間に合わせて、魔法による突風を付加して吹っ飛ばしたのだ。
それなら、まだ打つ手は、ある!
気持ちを切り替えて、立ち上がる。
「これで終わりってワケじゃ、なさそうだな?」
自分のゴーレムを吹っ飛ばした騎士が、不敵な笑みとともに訊いてくる。
ソレに、余裕たっぷりに見えるよう、精一杯ポーズと表情をつくって応える。
「当然だ。グラモンのゴーレム繰りがこの程度と思って貰っては困る」
フッ、と微笑を漏らしつつ、宣言する。
「ここからが、本番だ」
決まった。
事実、周囲の観客からは、やんややんやの大歓声が送られてくる。
「おお、まだヤル気かよ!」
「見直したぜ、ギーシュ!」
「頑張れ〜!当たって砕けろ、ワルキューレ的に」
「骨は拾ってやるぞ〜!」
......この際、応援の殆どが男子なのは、目を瞑ろう。
まあ、二股がバレてメイドを叱りつけていたという、この決闘に至る経緯を考えれば当然かもしれない。
「キャー、騎士様ステキ〜!」
「お強くていらっしゃるのね!」
「コッチ向いて〜!」
だから、別に、女生徒の声援の殆どが、相手の騎士へのモノであっても、
べべべべべ別に、きききききき気になんかしないさ。
そう、コレはもはやボクの、否、グラモン家の誇りの問題。
あの金属を使って武名を誇るグラモン家のメイジが、その金属で作ったゴーレムをああまでされて引き下がるワケにはいかない。
だから、別に、ここでカッコいい所を魅せて、モンモンに戻って来て欲しいなんて――――
(――――これっぽっちも!思ってなんか!無い!)
決意を胸に秘め、杖を振るう。
六枚の花弁が宙を舞い、騎士を取り囲む形で六体のワルキューレを出現させる。
その手には、めいめい剣や槍、ハンドアックスといった武器が握られている。
その武器もまた、独特の波打つような紋様から、ワルキューレと同じ金属で出来ていると見て取れる。
アレ程の威力の魔法、一度に全方位を薙ぎ払う威力では使えまい。
ならば、全方位からの同時攻撃。
たとえ二体や三体、いや、五体まで吹き飛ばされても、一体だけでも攻撃が届けばそれでいい。
秘伝の『錬金』法で作られた武器は、ただの一撃でも入れば、ソレで勝負を決めてくれる。
「う......」
軽い目眩いを覚える。
今の『錬金』で、魔力の殆どを使い切ってしまった。
もう、次は無い。
だが、ソレを心配しても仕方がない。
コレが通じなかったら、自分にはもう手が無いのだから。
だから、これが最後にして、最大の攻撃。
「さあ、勝負だ!」
そう宣言すると、周囲からは一斉に歓声が上がる。
だが、当の決闘相手は、周囲のワルキューレを見渡したかと思うと、
「ふう」
と一つ息をつくと、あろうことか手にした槍を再び虚空に返す。
すなわち、無手。
「......なんのつもりだい?」
当然の疑問を口にする。
まさか、ここで降参するとは思われない。
すると、青色の騎士は朗らかな笑みを見せながら、胸の前で手など組みつつ答える。
「いやな、直接ヤりあったら周りの被害が大き過ぎそうだからな。少し、スタイルを変えようと思ってよ」
「な――――」
ギーシュは、内心大きく動揺する。
今の陣形は、相手の特性を鑑みた結果の、自分なりに必殺を期した構え。
だが、相手にはまだ他の手があるという。
ハッタリか?それとも本当に別な攻撃手段があるのか?
そんなギーシュを、周りを取り囲むワルキューレをも無視して、騎士はあさっての方角へ向けて声をかける。
「ルイズ!」
唐突に、使い魔に名前を呼ばれて我に返る。
何で、私の名前を呼んでいるのだろう?
ていうか、アイツが私の名前を呼んだことって、あったかしら?
昨日から今までずっと、「お嬢ちゃん」呼ばわりされてばっかりだった。
そうでなくても、「マスター」としか呼ばれてない気がする。
もしかして、初めて名前を呼ばれたの?
何で、今、よりによって――――
錯雑とした思考が脳裏を走るが、何と言うか、こう、
割と、うれしい、ような......
べ、べべべべべ別に!そんな、名前呼ばれたくらいで、そんな、だから、あの.......
と、またも混乱しそうなルイズだったが、
ランサーの視線に気付いて、雑多な想念、全てを棄却する。
その目は、確かにこう言っている。
―――――『よく見とけ』、と。
ヾ(´・ω・)ノ゛クルクル
629 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/18(火) 16:50:27 ID:eHVuJDI9
しえん
じ、じらすなよ
(*´Д`)'`ァ'`ァ'`ァ'`ァハァハァ八ァ八ァノヽァノヽァノヽァノ \ァ/ \ァ/ \ァ
支援
しえーん
規制か!?
有りですか?;
現存する科学的オー・パーツを構成式も無しに編み上げるなんて・・・・
しかも、それを兵器として実用可能レベルにまで練り上げるなんて
成程、コレは確かに“魔法”に近い“魔術”だ
>>634 いやそうでもないしないと、バランスが崩壊するでしょう。
まともにぶつかればランサーガンダ効果ありだからゼロ魔キャラは瞬殺ですよ。
もっともガンダ効果なしでもランサークラスならあっという間にゼロ魔キャラは瞬殺だと思いますし。
規制か、まあ続きは明日って感じかな。
続きまってるぜ。
話がうまいからすごい引き込まれる
そしてこの寸止めが苦しい
>>603 あるところで偶然知って読ませてもらいましたが
まさかこれほど良作な兄貴SSに出会えるとは思ってなかったです
また続きが楽しみです
ところで兄貴の『使い手』の効果が掛かる前の
素のステータスで思ったんですけどマスターが優秀な人物に変わったのなら
対魔力・魔力・幸運以外に筋力・耐久・敏捷のいずれかも上がるのでは?Fate/Zeroのギルみたいに
このギーシュなら運用法によってはワルド相手もいけるんじゃね?
ワルドも強くなってるんじゃね?
風王結界みたいに風で自分の姿を隠すって感じで。
>>641 最後には目を潰し角を使って相手を探すんですねわかります
神砂嵐!!
さすが幸運E、シルフィード受難の時か…
つか、人語をまともに解して話せることもばれてなかった?
645 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/19(水) 00:00:40 ID:JOAdQreL
作者乙
でもいちおー言っとく、「役不足」って言葉は与えられた役割がその人の力量に比べて軽いという意味
だからこの場合「力不足」が正しい
ageてまでこだわるようなことじゃない
あと田中芳樹の本にはもっともらしくデタラメ書いてあることがあるので注意するように
コルベールもガソリン精製してたし有りだろう
原油は自然物、諸説あるが自然にできたものだと思ってる
ダマスカスはどうなんだろ?
それはそうと続きがたのしみだなあ
放置プレイですか
兄貴の人乙
続きが気になって眠れねー
気になる伏線もあるし、
今後の展開も楽しみだ。
>>646 創竜伝ファンだったのが黒歴史って奴、
かなり多いよな…
世界扉とかで使い魔でない無い状態で出したりとかどうだろ。
どの国に属するわけでもなくぶらぶらと殺しを続ける死徒とサイト達が一戦交えたり…
>>649 創竜伝、中学の時学校の図書室で手にとって最初は面白いと思ったんだけど
読み進めるうちにだんだんウヘァってなったな。
ちなみに竜の方が龍より古いってのは、かなり反論もあって、どっちが先かは確定していないっぽいよ。
さる、くらいましたorz
あのHNMがイマイチよくわからないです......
このスレのは本スレの避難所にも代理投下頼めそうにないですし。
とりあえず、今から13〜18を投下して、残りは昨日と同じ位の時間に投下しようと思います。
18投下後の投下終了の宣言も省略しますのでご了承を。
さっきまでの興奮はどこへやら、全身が耳目になったように、広場の真ん中に立つランサーを注視する。
と、そのランサーの魔力が急激に高まって行く。
否、そうではない。
アイツの魔力が高まっているんじゃない。
この広場周辺全てから、アイツに魔力が収束している。
昨日まで、その場に魔力が充溢していることすら解らなかったのに、今ではその遷移が手に取るように感じられる。
コレも、アイツとの契約によって授かった力?
いや、コレは私が本来持っていた力だ。
ルーンを通して、世界に働きかける方法を身を以て体験したからこそ、理解できるようになっただけのこと。
その感覚で捉えると、さっきの自分が行った魔術行使の、何と稚拙だったことか。
ランサーが世界に満ちる大源《マナ》を集める様は、私のソレとは比べるコトすらおこがましい程、
スムーズで、流麗で、圧倒的だった。
辺りの魔力が、ものスゴい勢いでアイツの元へ集まっていく。
まるで、魔力がアイツを中心に渦を巻いているかのよう。
周囲に存在した大源《マナ》の全てが、残らずアイツに呑み込まれる。
「これが、ルーン魔術......」
観客も、決闘相手のギーシュも、何が起こっているのか理解できていないらしい。
それでも、ただならぬ雰囲気だけは感じ取れるらしく、緊張した空気が流れる。
そんな衆目の緊張と好奇の入り交じった視線を受けながら、
アイツは泰然としたまま、組んでいた腕の片方を持ち上げて、ただ一度、パチン、と指を鳴らす。
瞬間、アイツに収束した魔力の全てが解き放たれる。
膨大な魔力により、神代の魔術がこのハルケギニアに再現される。
周囲を取り囲んでいたワルキューレ、その全てが、内側から赤く光る。
何事?と思った瞬間、まるで暖められたアメ細工のように、金属製の体がドロリと融け落ちる。
これこそが、F《アンサズ》。
神を象るソレが世に示すのは、森羅万象を燃やし尽くす神威の炎。
アイツが本気を出した魔術行使は、全身を金属で作られたゴーレムを容易く溶かし、一体残さず赤熱した体をブチ撒けさせた。
溶けて流れた金属によって広場の雑草が焦がされて、コゲ臭い匂いがたちこめる。
ゴーレムであったモノは、戦乙女の面影を微塵も残さず、今や単なる金属塊と成り果てていた。
離れた場所の、しかも金属製のゴーレムを、六体同時に溶かす。
四系統をあまりに逸脱した魔術行使に、その光景を目の当たりにした貴族たちは誰もが押し黙る。
「アレが、先住魔法......」
傍らで、タバサの呟く声がする。
あれ、そんな話までしたっけ?
「何で知ってるの?」
「私の使い魔」
「ああ、ナルホド」
さっきの教室での魔術行使を、使い魔を通して見ていたということか。
「......興味深い」
それだけ言うと、タバサは再び黙り込む。
まあ、確かにスゴい。
スゴいけど、アレはアイツなりの配慮なのだろう。
アイツなら、直接戦ったって楽勝だった。
第一、そっちの方がアイツ好みのハズ。
だけど、あのまま戦ったら、一体目のように周り迷惑をかけかねない。
だからルーン魔術を使った。
それはそうなのだろう。
支援だ
だが、ソレだけの理由では無い。
今なら解る。アイツなら小源《オド》だけでも十分にゴーレムを破壊するだけの魔術行使が可能だっただろう。
にも関わらず、わざわざ大源《マナ》を使ったのは、明らかに私のため。
私は自分自身の小源《オド》を使っては、ルーン魔術でも爆発しか起こせない。
畢竟、私がルーン魔術を使うためには大源《マナ》を使うしかない。
だから、アイツは私のために大源《マナ》を使う手本を見せてくれたのだ。
加えて、アイツが小源《オド》を消費すれば、どうやら私の魔力で充填しなければならないらしい。
つまり、手本を示すだけでなく、私への負担をかけないようにする配慮だったワケだ。
「......全く、アイツは」
私の期待しない所でばっかり気を回すんだから。
ルイズの心中の声はあきれているかの様だったが、その顔はどうしようもなくニヤけていた。
(なんで)
だが、当事者のギーシュにしてみれば、
そのような決闘相手の配慮など、文字通り慮外の事でしかない。
(ありえない)
学院に入学する前、グラモンの貴族として恥ずかしくないようにと、それこそ血のにじむような特訓を受けた。
辛かったが、苦しくはなかった。
この秘伝の『錬金』法で武門としてその名を知られて以来、グラモン家のメイジは誰もが通った道だ。
(まあ、その反動でグラモン家の男は代々女性関係がアレだったりするんだけど......)
そんなコトはこの際どうでもいい。
自分も武門のメイジとして、立派な貴族になりたい。そんな想いがあったからこそ、厳しい指導にも耐えて来た。
だから、魔法を使った戦闘は、我ながら相当のモノであるとの自負があった。
(なのに)
全く通じない。手も足も出なかった。
自分の全身全霊、持てる魔力と技量の全てを費やした魔術行使が、易々と退けられた無力感。
魔力を使い果たした疲労感が、ソレを助長する。
虚脱感に打ちひしがれていた彼に、己の努力の全てを踏みにじった相手が声をかけてくる。
「確か、降参するか杖を落とすかで勝負が決まるんだよな」
哀れむでも無く、誇るのでも無い。
何事も無かったかのような、平然とした様子で。
自分が技巧の限りを尽くした魔法を破った事すら、
ただ、『当たり前』であったとでもいうような態度で。
「降参しろ。勝負はついた」
そんな放言を、投げて寄越した。
「......けるな」
「あ?」
さっきまで、己の短慮を悔いていた事も、今や脳裏から叩き出されていた。
厳しい指導を受けたと言っても、所詮は貴族。
ヒトから頭を下げられるのが当然と思っている人種である。
もっとも、貴族と言えど思い通りにならないことなどいくらでもあり、歳を経ればそのコトも身をもって思い知る事になる。
だが、そこまで人生を達観し、その癇性を御することは、ギーシュにはまだ出来なかった。
憤懣やるかたない思いを、そのまま言葉にしてしまう。
「ッッッッっざけるな!!この、このボクが!
誇り高いグラモンのメイジであるこのボクが!
オマエみたいな何処の野良犬とも知れないようなヤツに、
ろくに魔法も使えない、落ちこぼれの『ゼロ』のルイズの使い魔なんかに――――」
負けるハズが、無い。
そう、言葉を続けようとした。
しえん
が、声が出ない。
息ができない。
指一本、動かせない。
何故、一体どうして――――そう、困惑が過った刹那、
「黙れ小僧」
世界が、凍った。
そう錯覚する程に、一瞬にして体中から血の気が失せる。
「さっきの授業でも言ったがな、主への侮辱を許してやる程、オレは甘か無え。
その上、このオレを『狗』呼ばわりたぁ、小僧......」
言葉を切って、右手を真横へ差し出す。
改めて現れた深紅の槍は、禍々しいまでの魔力を隠しもせずに巻き散らしている。
その魔槍を手に執り、ブン、と一振りすると、先程自分が『狗』呼ばわりしたソレは、再び口を開く。
「命捨てる覚悟が、できてるってぇコトだよなあ!」
そう宣言するモノの顔は、どうしようもなく歪んでいた。
その顔を目の当たりにして、ようやくギーシュは得心する。
ああ、アレは『狗』だ。
だが、野良犬などという生易しいモノでは、断じて、無い。
言うならば、死を呼び走る猟犬。
伝説にのみ語られる、死すべき運命にある者の前にのみ、その姿を現すという天犬。
掠れた声で、ようやくその名だけを口にする。
「――――ガブリエル、ハウンド......!」
逃げなければ。
そう思うのだが、気がつけば膝から地面に崩れ落ちていた。
立ち上がろうとしても、可笑しなくらい膝がガクガクと震えて言う事をきかない。
息がしたくて口を動かしているのに、全く空気を吸い込めない。
体が、意思を受け付けない。
(コレが、ホンモノの、『死』の恐怖......!)
人の身で、アレの前に敵として立つこと自体が間違っていたのだ。
だが、今更理解したところで遅過ぎる。
もはや、目の前に迫る『死』を受け入れる意外に、ギーシュに選択できる方途は残されていなかった。
ランサーが放つ殺気すら通り越した絶対の『死』の気配に、周囲の誰も、何も出来ない。
幾多の死地を越えて来たタバサですら、指一本動かせずにいる。
いや、死線をくぐって来たからこそ、彼女はこの場の誰より理解していた。
アレは、今の自分にどうこうできる代物では、無い。
そんな、凍り付いた空気の中で、
(ど、どどどどどっどうしよう!?)
ただルイズだけが、違っていた。
前もって、このような事態を予測していたことが、彼女の理性をこの空気の中で保たせていた。
だが、判断力が残っていた所で、今のルイズにアレを、
今や『死』そのものとしか言いようの無い使い魔を制止する術が、果たしてあるのか。
そうして悩んでいる間にも、ランサーはゆっくりとギーシュに近づいて、手にした魔槍を振り上げる。
その先にあるのは、絶対の『死』。
決して見過ごしていいハズが無い。
必死に思考を巡らせる。
どうすればいい?
どうすれば―――――
1、令呪で止める
2、何も、出来ない......
>3、直接、私が止める!
気がつけば、迷いを置き去りにして、体は走り出していた。
そうだ。今は迷っている時じゃない。
アイツを止められるのは、マスターの私だけなんだから......!
だけど、この位置から広場の中央までの距離は、今この瞬間に限って言えば、絶望的なまでに遠い。
私の足では、とてもじゃないけど間に合わない。
自分の無力さに歯噛みする。
されど、その想いこそ世界を書き換える力。
ルイズの焦燥に応えるように、胸元の『最後』のルーンが輝く。
今のルイズの願いを叶える、不可能を可能にするための術式を与える。
「!」
思考の速度より速く、右手で杖を抜き放ち、左手にルーンを刻みつける。
M《エワズ》のルーン。
馬の形意たるソレは、烈風の如き疾駆を可能とする。
ルーンの加護により、その身を風と化してルイズは走る。
それでも、ランサーの挙動を制止するには遅過ぎる。
このままでは、振り下ろされる穂先に先んじる事は出来ても、ランサーを制止することは出来そうも無い。
視線の先では今にもギーシュの命が奪われようとしている。
悠長にランサーを説得している暇は無い。
(お願い、間に合って!)
「くっ!」咄嗟の判断でギーシュを突き飛ばすルイズ
「へ?」間の抜けた声を出して、されるがままに突き飛ばされるギーシュ
――――そして、
「!」
予想外の自体に一瞬判断の遅れたランサーは、その振り下ろした槍を止める事は出来なかった。
支援
この長さ…まさか規制かっ!?
こういう時は避難所とか無いのが悔やまれるな。
しかしまあウチのような普通の更新速度のスレだと本家や姉妹スレのように用意すべき
とまでは言えないしね。
まあ焦らされてどうにかなりそうだが、槍の人はゆっくり投下するといいよ。
それぐらいなら読み手の俺たちが我慢するから。
もう少し間を置いて投下すべきだな
ここで野良犬といっちゃうギーシュが哀れだな
しかもまた開いた口で犬って言ってるしw
ホットドッグだ!!
だれぞホットドッグを持て!!
あれならきっと止められる
待て
それは私のソーセージさんだ
おおまえらwktkを押さえて落ち着くんだ
素数を数えておっぱいだ
2,4,6,8,……
1-4-7,2-5-8,3-6-9
1,3,5,7,おっぱい,おっぱい....
あ、か、さ、た、な
は、・・ははは・・・
ど・み・ね・く・ぉ・う゛・ぁ・で・ぃ・す
士郎が投影したカリバーンや干将・莫耶を才人が振るうってのを見てみたいな…
規制……これが世に言う『生殺し』なのか!!
士郎って投影したときに武器に蓄積された経験もトレースするからガンダールヴいらないよね
さる避けに書き込んだほうがよかったのかな?
>>675 まあ一レスだけ挟めばいいことだし、次からそうしたほうがいいか。
個人的には名前欄に支援とか特定の語句を入れればNGしやすくていいと思うけどね。
逆に考えるんだ
別に投影にこだわる必要は無いと、才能が無くっても強化の魔術を突き詰めていって強化を極めれば良いと、そう考えるんだ
ガンダールヴの武装特性把握技能との競合的な意味で
聖杯戦争前にゼロ魔世界に召喚されるとか?
普通だったらなんだかんだでちょっとご都合的に、投影武器使用にもって行きそうだけど
あえてどこまでも間違った方向に突き進むのもいいかも。
そういえば投影した武器とかってゼロ魔の錬金を使うとどうなるんだろうか・・・。
イメージとしては錬金した瞬間に消えてしまう気がするが・・・・。
>>679 セカイの在り方事態別だから
神秘の法則に乗っ取って、対象以上のレベルの練金で初めて崩壊や瓦解って感じだと思う
宝具事態かなりの神秘内包してるから世界の違いによる術式の違いや贋作補正の有無なんか考えても相当……
投影品が消えるのは士郎のイメージの齟齬によるものらしいから士郎が錬金の魔法のこと知らないと意味ないんじゃなかろうか
一度他人の魔力を通した物は魔力が通りにくいって凛先生が言ってた
そういえば二次創作とかだとワラキアが聖杯(アンリ・マユ)取り込むってのを
多くは無いけどチラホラと見かけるな
左手にまいた聖骸布でルーンの効果が無効になり言葉さえ通じず
見知らぬ土地で記憶が削れていくだけの士郎を妄想した
ええい槍はまだか!
ならば俺は、虚無の続きの人を待とう。
じゃあ俺魔眼ね
それなら俺は白ヌコの人を
僕はかみやまんげつちゃん!
.......昨日は一日忙しくて時間がとれませんでした。
でも今日は一日お休みだ〜!ヤッター!
(その喜ぶ様はさながらヒロ・ナカムラのようであったと言われる)
と言うワケで、今日はご忠告いただいたとおり、投下時間をおもいっきりあけてみようと思います。10分くらい。
20分以上間が空いたら、大英雄兄貴のご加護が無かったと思ってあきらめてください。
おお……! 支援支援。
何かPCの調子が変です。
復旧に時間かかるかも
マジで兄貴にたたられてる?
さる避けに間に書き込みいれてみる
名前にsaruって入れるからNGどうぞ
ktkr
支援w
マダかな、マダかな〜♪
って俺は仕事中に何やってんだ。
wktktktktktktktktktktktktktk
投下まだですかぁぁぁぁぁ
放置プレイはつらいですぅw
支援
お前ら落ち着けw
分かっていても期待せずにはいられない…
まさかの一発さるさ?
さるに成ったらモデムの電源を一度切ると良いって誰かに聞いた覚えがある。
俺はいったい何時間待てばいいんだ……!
このまま放置されては4次ランサーのような怨嗟の声を上げつつ寝る羽目にッ……!?
>>693 これだろ?PC環境復旧できずに今日はもうこないと思われ。
まったく書き込みできないわけじゃないんだから、駄目なら延期しますとか言って欲しいもんだ。
うぐぅ
一日なんとかしようとしてみましたが駄目でした
とりあえずテキストデータはバックアップ用にUSBにも保存してあったので無事だったっぽいのが唯一の救い
修理にどれくらいかかるかわかりません。来週の投下は無理かも......
テンパってしまい、ご報告が遅れて本当に申し訳ありませんでした。
私ごときの駄文にご期待くださっている方々に、無用の労苦をおかけしました事、伏してお詫び申し上げます
桜ノーマルエンド時の桜のノリで待つぜ
>709
それ帰ってこねー
春が来た
春が来た
春が来た
春が来た
・・・・・このスレの最後には、あの日見た槍の人のSSが
>>713 ダメーーーー!!! それは死亡フラグなんだからーーーー!!!
期待通りのツッコミありがとう
てな訳で
今からはPS2版セイバーのノリで待つぜ!!
_,,....,,_ _人人人人人人人人人人人人人人人_
-''":::::::::::::`''> ゆっくりし投下してね!!! <
ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ __ _____ ______
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 'r ´ ヽ、ン、
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,'==─- -─==', i
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |
,' ノ !'" ,___, "' i .レ' L.',. ヽ _ン L」 ノ| .|
( ,ハ ヽ _ン 人! | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
718 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/23(日) 13:02:34 ID:j6GdQChc
ペルセウス 召喚 希望
そういや、ふと気付いたら泣いてたんだよなぁ……桜ノーマルエンド
さてと、いっそルイズに二人一組で誰かを召喚させてはどうかとネタを振ってみる
>>719 カレンとランサーと子ギルとか楽しそうだな
本来有り得ない組み合わせたでも可ならネコとネロとか
アーチャーかランサーとシオンorさっちんとか(幸運ランク的に)
以前ガタガタのワラキア小ネタ書いた者です。
続きっぽいものを書いては見たんですが…また結局小ネタ止まりです;
需要あったらもう一回見直して5時半辺りに投下しようと思ってます…
赤と青の双月の下…一人の桃色の髪の少女が、荒い息と激しく揺れる瞳孔で、押し倒した赤髪の少女を見る…
その瞳は、本来の色ではなく…深い『紅』……そして、赤髪の少女の首に、その小さな口を近づける。
その口元には、通常の人間に比べて長さも鋭さも違う、尖った八重歯が覗いていた…
『キキ…キキキキキキ……キキキキキキキキキキキッ……!!』
その光景を、学園の屋根の上に佇んだ『闇』が眺め…奇怪な笑い声を上げていた。
見開いた両目から、裂けた口から、だらだらと真紅の液体が流れ落ちる。
紅い水を垂れ流しながら、人の形をした『闇』が…真っ黒な『仮面』が泣き笑っていた。
そして少女の歯が……否、牙が…寒露な香りを放つ首元に…突き立てられた…
『闇』が笑う。聞くだけで悪寒が走るほどおぞましく。『仮面』笑う。聞くだけで恐怖が湧き出すほど禍々しく。
双月の下、月夜の闇の中…ただひたすらに狂った笑い声だけが響き渡り……
そして……夜が、明けた―――
「じゃ、部屋の掃除が終わったら洗濯。あ、昨日洗ったシルクの下着少し痛んでたからもうちょっと丁寧に洗いなさいよね!」
いつもの調子でそう言って、少女は…ルイズは足早に部屋を出て行った。
そう…いつもと同じ。普段となんら変わりない少女が朝を迎え、いつもの調子で授業へと向かった。
それに対してルイズの命令を受けた者…彼女の使い魔である男は、彼にとってはかなり珍しく…その顔に僅かな疑問と困惑の色を浮かべていた。
閉じた瞳のまま閉められた扉を見つめ、しばらくの間ただ無言で佇んでいた…
……どういうことだ?彼女は昨夜確かに自分が植えつけた吸血衝動に駆られ、そしてその衝動のまま知人を襲い…
確かに、その柔らかな首筋に牙を突き刺し…………その身に流れる鮮血を吸った。
吸血の瞬間を確かにこの血の色の眼で見た。彼女の赤に染まった瞳も見た。
だからこそあの時『舞台』の盛り上がり場所と感じ歓喜の笑みを浮かべられたと言うのに…
あの時の彼女は確かに自分と同じ『気』を放っていた。
しかし先ほどの彼女からは何も感じない。彼女と初めて出会った時と同じ…周りにいる普通の人間と同じ…何も感じない。
汚染が中途半端だったのだろうか?気付かれないようにと毎夜彼女が眠りに着いてからほんの少しずつ血を吸っていたが……
それとも自分自身に問題があったのだろうか?此方の世界に来てから自分の体にも色々と変化があった。
召喚された瞬間から何の苦にも感じなくなった太陽の光。一度は『姫君』によって失われた力…数多くの人間の記憶を一度に探り、
その記憶の奥に刻まれた恐怖を悪夢としてその身に具現とする力を、いま再び我が身の中に感じることが出来る。
だと言うのに、夜が明けるとともにこの身が一夜の幻影として消滅することは無く“ズェピア”という存在を確立し続けることが出来る。
何故そうなったのか……大変興味深い事ではあったが、正直に言えばいまだにわかっていない。
もしかしたらこれもそういった事が関係しているのだろうか?…だが、何にしても………
「……蛮脳。『蛇』の様に始めから見事な娘を得ることは出来ずか……」
ため息交じりに、彼は…人の姿をした人ならざる者…ズェピア・エルトナム・オベローンはそう呟いた。
***************************
掃除と洗濯を終え、思考を続けながら中庭を歩く。と、そこで数名の生徒達が自らの使い魔と共になにやら
訓練やリボンなどの飾り付けだどを施しているのに気が着いた。
その生徒の中に…自分が昨夜見た、ルイズに襲われ、その首を噛まれた赤髪の少女の姿があった…
「ふむ………」
赤髪の少女、キュルケを開いていない眼で眺める。
彼女はルイズに襲われた後も生きていた。正確にはルイズが致死量の血を吸う前に突然バッタリと意識を失った為助かったのだが…
屋根から下り、いっそトドメを刺そうかと少しばかり考えたが、狭い『学院』と言う中では一人でも行方不明者が出て、
万が一死体が見つかりでもしたら一気にパニックとなる。今の段階ではまだ目立ちたくは無かったので噛み跡を消し、
記憶を少しばかりいじって、ルイズに襲われた夜は外に出ずにそのまま寝たと書き換えておいたが……
見たところあの様子ならば、どうやら上手くいったようである。
ちなみにルイズのほうもキュルケを噛んだ記憶は一切残っていなかった。別にルイズにも同じ事をしたわけじゃない。
たとえ覚えていた所で、口封じのための脅迫ならいくらでも浮かぶ為あえてしなかったのだが…
……結局はその記憶も綺麗に無くなっていた。
再び深く落胆のため息をすると、また別の、黒髪の少女が歩み寄ってきた。
「こんにちわズェピアさん。貴方も、品評会の準備ですか?」
そう言ってズェピアに微笑む使用人の少女、シエスタ。
品評会……シエスタが口にした言葉の意味はもう知っていた。既にこの学院のほとんどの人間の、此処最近の記憶を見ている。
その記憶にあったのは二年生全員参加の、自らが召喚した使い魔を紹介するという、いわゆる御披露目会。
特に今年はこの国の姫君が来るとの事。そのためか再び生徒達に目を向けると、各々の使い魔をいかに素晴らしく、華やかに
披露するために、皆気合を入れてアピールの試行錯誤をしていた。
「王宮からの贈り物はあたしの物ね〜♪」
――――目的が別の者もいるが。
「…で、貴方はどうするつもりよ。礼儀作法とかはまあ任せても大丈夫でしょうけど……」
品評会前夜、アンリエッタ姫が学園を訪れたその夜…ルイズはいまだ何かの練習を始める素振りをせずに
藁の上でくつろいでいるズェピアを不安げな目で見る。
「なに、心配は要らないさミスヴァリエール。こういった事は変に気合を入れて空回りをするよりも余裕を持って
行うほうがいいものだ。それに私も以前に講師としても勤めていた事もある身…
少しばかり私の知識を姫君に披露し、それを見事と思わせることが出来れば、それで充分なのだよ」
「…………………」
なおも訝しげにルイズが視線を向ける…と、その時、不意に部屋のドアがノックされる。
「誰?こんな時間に……」
「私が出よう、さて、美しき月夜に訪れたのは一体どなたかな?」
ドアを開ける…と、同時に、一人の人物が勢いよく部屋に入ってきた。
「なっ…あ、貴方、誰よ…!?」
驚いてとっさに杖をその人物に向けるルイズ。
その次の瞬間、
「……久しぶりね……ルイズ・フランソワーズ…!」
かぶっていたフードを取り、その人物が…少女が、ルイズに抱きついた。
「ひ…姫殿下……!?」
自分を抱きしめるものが誰か気付くと同時に、ルイズは驚きの声を上げる。
しかし、一方のズェピアは特に驚くことも無く、唐突な訪問者を眺めていた…
アンリエッタ姫が今夜此処に来ることは計算できていた。
ルイズの幼少時の記憶を覗き、そして昼間彼女が学院に訪れた際に記憶を見た時点で、
彼女がルイズに会いに来るであろう事は容易に予測できた。
だからこそアンリエッタ姫の突然の来訪に驚きは全く感じない。
だが、それとは別の部分で、ズェピアは気付き…その眉が僅かに動いた。
「姫…様……」
アンリエッタに抱きつかれたルイズの両の瞳が…………徐々に赤色を帯びていった。
少しずつ、少しずつ…抱きしめるアンリエッタの首元に口が近づき……
「…………ッ!!い、いけません姫殿下…!こんな下賎な場所へ、お一人で……」
直前でハッと瞳が元に戻り、その体を引き離した。
それをジッと…静かに見ていたズェピアはそっと俯く。
……その口元は……裂けんばかりに笑みの形に歪んでいた…
「なるほど……今はまだ夜だけ…というわけか……」
小さなその呟きは、ルイズとアンリエッタの耳には届かずに、部屋の薄闇に溶けて消えていった…
「キ、キキキ…キキキキキッ………」
***************************
「本当に大丈夫なんでしょうね…」
「君も心配性だねミスヴァリエール。割と簡単で分かりやすい計算式を説明する。
君はただ私の名を紹介し、後は後ろに立っていればいい…」
「続いては、ミスルイズ・ド・ラ・ヴァリエール」
コルベールの声で呼び出され、二人はステージの中央へと立つ。
「紹介します。私が召喚した使い魔……ズェピア・エルトナム・オベローンです…」
名を紹介されると同時に、黒いマントをはためかせ深々と一礼をする。
こういったことは多少オーバーに振舞ったくらいで丁度いい。
「御紹介に与りました、ミスヴァリエールの使い魔、ズェピア・エルトナム・オベローンで御座います…
本日は麗しきかのアンリエッタ姫殿下をこの目にご拝顔できたこと、身に余るご光栄に存じます。
さて、私は主に未来を『計算』する錬金術を研究してきた身に御座います。よって本日はとある計算式を
この場で簡単に説明したいと思いますが……
姫殿下のような高貴なる方には私の様な者の説く計算など少々退屈に感じるかもしれません、
この場の時間を借りて行う事をお許し頂けますでしょうか…?」
生徒達の横、専用の席に座ったアンリエッタに一礼をしたまま尋ねる。
「かまいませんよ。貴方のその豊富な知識、どうか私にもお聞かせください」
変わらぬ微笑みで、アンリエッタはその質問を了承した。
「流石は偉大なるこのトリステインの姫君。寛大なるお心、深く感謝いたします…」
ステージの上で立ち振る舞いながら、ズェピアは後ろのルイズにチラリと目を向ける。
昨夜のあの様子で、自分の行った汚染が無駄になっていないことは確認できた…
後は、急がなくてもいい…ゆっくりと、確実に…その身を自分と同じ色に染めていこう…
君はもう既に人間を襲い…その生き血を喉へと流し込み、しっかりと飲み込んでいる。
まだまだ染まり始めでも……もう、後戻りはできない状態になっているのだから……
舞台はもう………既に幕を上げている……
焦らずに…私は今しばらく…この使い魔という配役を演じよう。
―――そう、これはまだプロローグなのだから―――
「さて、それでは…皆様は『フェルマーの最終定理』をご存知ですかな?」
結局またガタガタなのを投下…しかも途中投下しても表示されず余計な時間掛かってしまいました;
槍の兄貴が来るまでの前座にでもなればいいですけど…
ワラキア乙!
自分に近しい者を襲いたくなる衝動にルイズは耐えられるのか?
でぼその定理の凄さを理解できる奴がハルケギニアに一人も居そうにありませんよ先生!?
フェルマーの最終定理・・・
簡単そうだけど難しい
それが数学
それはそうとgood Job!!
いやっほぅ、ワラキアの人乙!
短編だったから続きとか期待してなかったけど予想外で嬉しい限り
やべぇ続きが気になるぜGJ!!
ワラキアよ、その定理を出すのは間違っているぞwww
いやぁハルケギニアも中世ぐらいの文明だしどういう問題かわかるやつはいるだろう・・・解けるかは別だけど
それにしてもフェルマーをどういう風に説明するんだろう・・・
ちょっとググったけどこれ証明されてたのか、まだされてないかと思ってた
暫定的なものじゃなかったっけ、その証明
あれ、完全証明されなかった?
95年に完全証明されたみたいね>フェルマー最終定理
ファルコンの定理とかは?
三平方の定理ぐらいがちょうどいいんじゃない?
フェルマーの最終定理だと、その途中の計算式もまだ理解されていない可能性もあるんじゃない?
むしろここは座標の概念を導入するとよかったんじゃなかろうか。
座標は意外と最近の発明だし。
>>709 つまり桜ノーマルのシロウはルイズに召還されたってことか
ノーマル後の桜が若い頃の姿で召喚。若い頃から色んな虐待にあっていたので今さらルイズに奴隷扱いされても屁でもねえ(でも内心黒化)
宝物庫には「破壊の剣」として全身剣化したノーマル後士郎の遺骸が…
ガンダールブ効果で無理矢理剣と化した士郎を活動させる黒桜
手に入れた経緯が
『救って貰った人にお礼に家に泊まって貰って朝起きたら見事な剣がなんたらかんたら』
ってことか
>>743 あれ……なんか目の前が霞んで
(ノД`)
>若い頃から色んな虐待にあっていたので今さらルイズに奴隷扱いされても屁でもねえ(でも内心黒化)
個人的にHF後の桜には嫌なことには抗えるようになっていて欲しいのだが。溜め込んでないで。
やっぱりノーマル後だとHA内の桜のようには精神的成長できなくて時間が止まった様になってしまうのかな……
ノーマルエンド後の桜を7万直後のルイズに召喚させれば良い感じに
カオスになりそうだ。
ハルケギニアに桜(樹木の方)があるかは知らんが、
剣という形でも自分のもとに戻ってきた士郎と一緒に
あらためて花見に出かける桜ってのもいいな
士郎なインテリジェンスソードか
デルフがフーケ戦後から空気にw
てかノーマル後の桜はあの影使えるのかな?
威力が本編の黒桜にくらべて落ちるが使える。
>>748 >インテリジェンス・ソード・エミヤ
ガンダールブサクラが剣化シロウを振るうつうのは見たいな
やっぱソード・エミヤは記憶喪失な感じで口調は士郎のままだとすぐ桜に正体気づかれて面白くないからアチャっぽい感じで?
その世界のシエスタは髪が紫なんだろうか
タルブの村には固定化をかけてもらって未来に異世界から召喚されてくるであろう主を待つシエスタの曾祖母と愛馬の石像が…
それだとデルフリンガーが、記憶を取り戻した途端に「正義の味方」とか「桜の味方」とか、言い出さないだろうな?
>>752 小さいころのシエスタはゴスロリツインテールだな
>>753 なるほどデルフ=ノーマル後の士郎の線か、6000年前に召喚
「正義の味方」とか「対となるワカメ剣」とか言い出すと正体ばればれなので
「おでれーた」の代わりに「なんでさ」が口癖に
>デルフ=士郎
刃の方が胴体、柄の方が士郎の元〇〇コ…正体に気づいたガンダールブ桜は夜な夜な愛剣を握り柄の部分ヲ・・・
すんません
>>752 つーか、それだとシエスタは女神レベルの美少女になっちまうぞwww
>>752 ついでにアレも受け継いでメガネっ娘に…
モッド伯石化フラグか
剣化士郎ではなく杖化士郎(キャスターに改造された)が破壊の杖だった場合
魔力をもって剣を生み出すスクウェア級錬金杖に…
…まぁレパートリー少ないが自我残ってるらしいし
これもまた桜に持たせると大変だな
いいな、お前ら
俺は士郎が剣や杖になるかと思うと悲しくて落ち込んでしまうよ
キャス子に杖にされるBADあったよね
こんなイカサマな世界ならきっと先輩を元に戻す方法もあるはず
ってがんばる桜の物語なんだよ
きっと(´・ω・`)
虚無の魔法には、魔法解除がある。
魔術で杖にされた士郎
ルイズ=虚無の使い手
あの作品のキャラが〜のほうのまとめwikiにあるお絵かき掲示板を見てて
こっちにも欲しいなぁ…と我侭なことを考え出してる今日この頃…
いっそ剣化or杖化した士郎を召喚すたルイズ、魔法が使えるようなって大喜び。解除?とんでもないわ!
ジョゼフにミョズとして召喚された黒桜、士郎をルイズから取り返すべく対立という線は?
錬金ぐらいしか使えへんやないか。
ただそれも面白そうだなァ…………みんな幸せエンドは無理だろうけど。
>>766 避難所も欲しくないか?
規制かかっても代理投下できるようになるし。
才人が手に入れたのがデルフじゃなくて剣化した士郎で良いような気が。
喧嘩するかもしれないが。
剣化と喧嘩をかけてるんですねわかります
>>770 駄洒落たつもりかw
けど剣化士郎と才人のコンビは燃えそうだ。
…………ただまー、遠坂姉妹とセイバーが血涙流しながら襲いかかってきそうだな。
それはそれで見たいけど。
で、エルフが出てきてこう言う訳か
「ボウヤは杖より剣の方が良さそうだからそうしたんだけど…
黙って人の物使うなんて良い度胸ね」
デルフみたいに喋るのもいいけど、個人的には剣化士郎は
「何処からどう見ても手遅れ、剣というよりは剣がたくさん生えた
ハリネズミのような彫像な感じ、一部手なり顔なり人であった面影は
あるものの磨耗した鋼化している(無論しゃべらない)」
みたいなのの方が悲劇性がアップすると思うなぁ
おまいらドSかよwwwww
いや、わからんでもないが
>>774 理想郷の某SS(こっちは喋るが)のライダーシロウみたいな感じか
目も耳も聞こえず解析能力だけで敵を察知するってか?
記憶も失っているが、本能的に桜の言うことだけは聞く
桜はなに、このキモイ剣のお化けっと引くが健気に桜を守る剣化シロウ
それはなんか嫌だな。
喋れなくても、せめて思考できてなんらかの方法で外に干渉できるぐらいは……
勝手な判断でいきなり投影使い出すとか、迷惑な剣になりそうな気もするが。
>>770 七万の軍に相対する才人In無限の剣製なんて幻想が……
やべぇ、なんかかっこよく感じるぜ……ってか圧勝の悪寒
士郎が剣化すると投影に使用する魔力はどこからくるの?
使い手が魔力無い場合はルイズから経由してくるのか?
士郎自体は無限の剣製に必要な魔力って凛から分けてもらってやっと使えたくらいだから
剣化によって何らかのアドバンテージみたいな特典がつかない限り他の力を借りないと
無限の剣製あたりは使用できないと思うんですが。
セイバールート以外だと『鞘』は未だ士郎の身体にとりのこされてる状態だから、
それから巧い具合に魔力が供給される…ってのはないか
或るいは、剣化士郎は朽ち果てぬ鋼の魔術回路を残してるから、魔力さえあれば
誰でも使えるみたいな設定にして、いざという時に皆の力で発動する必殺技みたいな
扱いにするとか?
そこでデルフとコンビを組ませるですよ
剣化シロウがデルフと契約
人型剣化シロウの脳天部分に避雷針のようにデルフが突き刺さってるんだな
敵が攻撃魔法を使えば使うほど剣化シロウはエネルギーを貯め…
そういえば、魔力は鍛えても増えないみたいな設定だったか
型月は。魔術回路の総数で決まるんだっけ
ルイズ→才人→剣士郎で魔力が流れるとか。
才人がガンダールヴ発動してる時って、ルイズの精神力消費されるんだっけか?
>>778 「――兵士の貯蔵は十分か、無能王」
多分ルイズ経由でもそう乱用しない限りはいけると思うぞ。
ガンダールヴとデルフだけで7万の兵士相手に時間稼ぎ出来るぐらい身体力が上がるから
相当魔力がかかってるはず。
ただ無限の剣製になるか、といわれれば怪しいな。才人はどちらかといえば守るほうだと思う。
>>781 どこのRPGのモンスターキャラだよ。
ガンダ発動時に燃料として必要なのは才人の心の震えだった…………かな?
たぶんルイズに負担はかからんと思うよ。
無限の剣製展開したいとかならどーにかしてルイズ……もしくは誰か適当なメイジないし魔術師やら何やらと士郎の間に繋がりを持たせねばならんだろうけど。
老人は語りだす。
「あれはワシがまだ若く、紅顔の美少年と呼ばれていた頃――」
みしっ。
ヴァリエール家の娘の使い魔となった初老の女性は、脱線しようとする老人に容赦なく一撃を加えた。
その口からは『お爺様と同じにしてあげましょうか』という言葉が漏れている。
「い、一瞬新しい趣味に目覚めるかと思った……」
老人のたわごとは、殺意の篭った目で封殺される。
流石に今度は拙いと思ったのか老人は表情を元に戻し――「正直、思い出したくないんじゃよ」と、震える声で語りだした。
「これは機密になるでな、詳しくは教えられんが数十年前のことじゃ。ワシは陛下の命を受け『黒き泥水』の調査を行っておった、その最後の日じゃ」
水のように形を変える、生き物を飲み込む泥。飲み込まれたなら如何なる生き物も死に、逃げ延びても数日で狂死する。
それが人を求めるように移動するなら、滅ぼすためにもっとも優秀なメイジを派遣したのは当然のことだった。
「あれが何であったのかは未だに分からん。あれを浴びたワシの仲間は……いや、これは関係が無いな。
如何なる魔法も効かず、ただあるだけで何もかもを地獄に変えるそれにワシらが皆殺しにされる寸前じゃった」
彼が現れたのは――そう語る老人の目には、明らかな恐怖と微かな憧憬が同居している。
「彼はメイジであったのかもしれん。だが杖ではなく剣をもっておった。
だがあの剣の光……まるで星の光の如き輝きは、何十年と経っておるのに忘れることはできぬ」
星の光、その言葉に、全ての最後を見届けたという冬の娘の言葉を思い出す。
聖剣を持って聖杯を破壊したという『あの人』の最後を彼女は思い出した。
だが老人は光のことを思い出しているのだろう。涙を流している彼の目は、同じく涙を流す女性のことに気づけなかった。
「彼はその光が消えた時、姿を消していた。そして彼がいた場所に突き立っていたのがその『剣』じゃ。
もっとも杖ではなく剣なのはこちらにとって都合が悪いのでな、剣の形をした杖、という事で恩人の形見を学園の宝物庫に封じたのじゃ」
女性は剣を抱きしめ、僅かにのぞく刃に触れ血を流し、それでも離すことなく抱きしめる。
「先輩……やっと帰ってきてくれましたね」
赤い布を鞘代わりに巻きつけた一本の剣を胸に抱いた初老の女性は、変わり果てたその姿に涙を流した。
――こんな感じですかね? 乱文失礼。
いいよーいいよー
魔剣エミヤってところか
>>782 鍛えても増えないというか
魔術回路の総数×その回路の効率×本人の術式の効率運用=総魔術容量
見たいな感じなので、二番目と三番目が鍛えられる所だと思う
で、士郎は元々の魔術回路特性が固有結界専用で、しかも神経と癒着して物質化してる特殊なタイプ
で、士郎は投影を極限まで鍛えると真名開放と固有結界展開と射殺す百頭が使えるようになるとか
射殺す百頭が真名開放や固有結界並みに別格なのは、こいつが全領域対応型の無形の技の万能宝具だから
その辺の剣とか弓でも発動できて、相手と武器ごとに異なる応用効果が出るとかなんとか
つまり、士郎剣はそれ自体が最適化されすぎた神経合一型魔術回路=物質化した固有結界専用魔術回路の塊みたいなもんなんだから
魔力は士郎剣の魔術回路を酷使して周囲からオドを吸い上げて士郎剣の中でマナに変換する形になるな
この場合魔力生成に苦労するのは士郎剣だが、士郎剣は元が行き過ぎてしまった士郎なので
これ以上どうこうなる事もないかもしれない
で、その士郎剣の実力をどこまで引き出せて、どこまで士郎剣と共感出来て、同時にその士郎剣をどこまで上手く振るえるか
って領分が、ガンダールヴのルーンの心の震えによる能力引き出し効果と身体能力向上効果なんではないかな?
心の震えを固有結界にしたらなんかプルプルしてそう
>>790 なんかプリン型の結界がプルプル震えてるのが頭に浮かんだwww
>>789 某マジックガンナーは先天的に2番目が良かったんだっけ?
もう、剣化士郎をガンダールブにして自立型魔導兵器みたいにしちまえばよくね?
本当は動けないけど自分=武器=使用可能みたいな
どうでもいいが士郎剣はやっぱりところどころ錆びてるんだよな?
ついでに所々大小様々な形状の切っ先が飛び出てそうだ。
>剣化マンシロウ
とりあえず包丁怪獣ギロンのようなものであると推定すて良いか?
いや、そこはメタルマリオで行こう
士郎剣……インテリジェンスウェポンにありがちな『俺を使え』はあるのだろうか?
なんか剣化士郎とかアーチャーより悲壮な運命を順調に辿りそうだね……
まあ何の役にも立たないよりはマシだろうけど。
いっそアルビオンそのものが浮遊剣化シロウというのはどうだろう?
何しろ固有結界『無限の剣製』の暴走による剣の出現なのだから、あふれ出す剣も無限なのかもしれない。
……聖地には、アースティア(リューナイトの世界)のように巨大な剣が突き立っている可能性はあるだろうか。
士郎の固有結界の無限ってのはあくまで比喩
ってのは言わないほうがいいか
桜ルートでも「有限でも使い切ることが出来なければ人にとっては無限」とか
言ってたろ、無限の剣製も多分そんな感じなんだろ。
剣化士郎は刃渡りは150cmくらいのイメージ(身長 - 柄の長さくらい)
幅もかなりありそうだからな
ドラゴンころしのちょっと小さいくらいかな?
本編の無限の剣製暴走って何が暴走してるのかって言うと
「自分の肉体内」って世界によるペナルティが無い領域内に無限の剣製が絶賛侵食する事を指して「固有結界の暴走」っていうわけだからなぁ
最低でも、剣の暴走は自分の肉体分だけで収まるだろうとは思うよ
この場合ネックになるのは、士郎の魔術回路およびそれが融合した脳を含む神経系統と
それに直接接続されたらしいアーティフィシャル・ファンタズムな物質化した霊体のアチャ腕がどういう認識されるかだ罠
とりあえず本編では、どんどん魔術回路=脳含む神経系統が人間以上の霊体であるアチャ腕の魔術回路に上書きされてって
士郎の方の神経系の処理がおっ付かなくなってどんどん真っ白になっていってたわけだが、さて
インテリジェンスウェポン化の場合→暴走を何とか制御するも神経以外物理的に剣化(というか肉体が剣に置き換わり)して記憶磨耗しまくり?
剣が針千本な人型オブジェの場合→暴走を制御できずに肉体内に展開した固有結界が無作為に大展開?
後者の場合、死ぬ前に固定化かけられて死ぬ直前で停止してるってオチもありかもね、まあ固定化が生物に効くのかという突込みが出るけど
>>801 アースブレードって刃の直径だけで数千キロ異常なかったか?
まあ固有結界は描写的に結界で区切った部分を自己の世界と置き換えるようなもんだから
内面世界に上限は無い!
な感じでいける……か?
>>806 内面世界に上限は無いけど、それを外側に展開するための世界の修正を何とか出来ないから
そのペナが無い自分の肉体内にしか、無限の剣製を展開できないし暴走しても外側に展開しないんだと思うんだ
士郎は教授みたいに人間やめてないし、体内展開のための術式出やってるわけじゃなくて純粋に暴走で体内に展開されてるだけだから
純粋に自分の肉体の体積以上の剣は体内で作れないだろうし
しかも、その暴走の基点となる魔術回路は士郎の場合神経と直結してるわけだから
欠けたら即太源から小源組めなくなって剣製展開と士郎の人生が終了する悪寒
でも内部暴走でもトゲトゲ外に出てるよね。
剣を内包した世界自体が外に展開されなくても、
剣は刀身部分程度ならはみ出して、しかも修正受けないんじゃないか?
一旦外に出たら消えないのが士郎の投影?の特徴だし。
普通に投影したときにその体積分士郎の体積が減るわけじゃないだろうから
今まで見たことがある刃物にデカイのがたくさんあれば
ハリネズミ通り越して針が長い剣山程度にはなりそうな気もする。
問題は、士郎の回路が自身での制御できなくなればなるほど、体内で剣が展開されてってるって点
そして、あくまでも士郎の固有結界は士郎自身の魔術回路特性(魔術回路の属性が固有結界)によるものだって点
士郎は吸血鬼とかじゃないから生体の機能とか種族特性として固有結界展開をしてるわけじゃない、あくまで特殊な魔術回路に依存してる
アーチャーの腕は英霊のものだけど、士郎自身の魔術回路で形成されてるものだしね
で、固有結界が魔術回路依存で回路によるものである以上、マナをくみ上げてオドに出来なくなれば当然体内でも体外でも展開は不可能になるし
自分の体内から突き出した剣によって神経系を致命的に傷付けるような事があれば
神経に直結した士郎の魔術回路はその時点で固有結界展開が不可能になる=死ぬ
いや、あくまで剣が体を突き破る=体積を超える、という点から――直接的な死亡原因が『アースブレード出現により体が破壊された』という馬鹿説を展開しただけなんですよ。
いや、それならそれで別にいいけど……
それだと士郎過去にひっそりと誰にも知られぬまま死んで、残された剣はゼロ魔と型月に関係なくなって、話膨らませれなくならネ?
かといってアースブレードじゃなくて斬撃皇帝とか読んで死ぬとかだとそれはそれで投影されるかどうかもわからない
そもそもどっちでも使いこなせる奴がいねぇorz
>>803 無限の剣製はいや比喩や無限に剣が有るんじゃなくて
名前が表すように
魔力さえ有れば無限に剣を作り続ける事ができるからなのでは?
とりあえず、久々というか去年のうちにはじめるはずだったゼロの使い魔(サーヴァント)の一話の続き投下します…。
やっとモチベーションが戻って、消えてたところまで書けた…。
15分から。
「貴方が私のマスターか?」
質問に質問で返されたが、ルイズはそれに腹を立てる訳でもなく、改めて目の前の女騎士を見る。
今更だが、そう聞かれて、彼女はやっと目の前の女騎士が自分の使い魔召喚の儀式でやってきたのだと気づいた。
すぐに気付かなかったのは、使い魔として人間がやってくるだなんてことはありえない――そういう先入観があったからだ。
通常、召喚のゲートを通過してやってくるのはだいたいにおいて魔獣だの幻獣だのであり、そうでなければ梟とか蛙とか鼠とかだ。
そりゃ下半身が蛸のスキュラだの、亜人というべきモノもいないでもないが。
この人はどう見ても人間だ。そしてさらにいうのなら騎士だ。騎士ということはメイジであるということであり、貴族であるということである。
ハルケギニアでは、戦いは貴族の役目であった。勿論、平民出の兵士もいるし、メイジを相手にしてなお打倒できるメイジ殺し≠ニいわれる凄腕の戦士だって、いる。
そして彼女は、どう見てもそういう類のメイジ殺し≠ニも違う。
なんというか、品格というか王気(オーラ)と言うか――そのようなものがあるのだ。
いずれ高貴な血筋に連なる人であるに違いない。
なのに。
(マスターか、と聞いた――それはつまり、私の使い魔になることを了承してゲートをくぐってきてくれたって訳?)
まさか父か母の差し金ではないか、と一瞬疑ったが、それはないかと思い直す。
使い魔召喚のゲートがどういう基準で使い魔の前に現れるのかというメカニズムは、いまだ解明されていないのである。
解っているのは術者の属性に関係するということであり、メイジは使い魔を召喚することによって己の属性を確定する。
当然のことではあるが、使い魔を呼ぶまでもなく属性を知ることは可能ではある。しかし、いまだにまともに魔法を成功させたことのないルイズのそれは誰にも解らない。つまり、どういう使い魔がくるのかも解らないということだ。
いかに彼女の両親が凄腕のメイジで名門貴族であったとしても、それらの難関をくぐりぬけた上に、仮にもメイジ一人を娘の使い魔としてしまおうなどということができるはずがない。
そういうわけでその可能性を除外したルイズではあるが。
(どんな事情があってゲートをくぐったのかしら)
考えはしたが、結局、結論はでなかった。
でなかったのだが、「そうよ」と彼女は答えていた。
「私が、貴方のマスターである、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ」
轟然と、そう名乗る。
ルイズは家名を出して相手を平伏させようと考える性根の持ち主ではない。だが、この時は目の前の女騎士に気圧されている反動で家名を出した。それとこの女騎士がどの程度の貴族であるのかを確かめようともしている。
少なくともハルケギニアに生きる貴族ならばヴァリエールの名を出せば平然とはしていられまい。その度合いでどの程度の家格の者かも解るというものである――とルイズは自分に言い訳するように考えた。自分の中の脅えには彼女だって気付いているのだ。
しかし、女騎士の反応は彼女のどんな予想とも違っていた。
「るいずふらんそわーず……」
と呟いたのが聞こえたが。
軽く溜め息のようなものを吐き出し、肩を落としたのである。
そして。
「ああ、やはり貴方がマスターでしたか、メイガス」
どこかぼやくようなものがその声には混じっていた。
ルイズは敏感にもそれを察した。
「何よ! 私があなたの主人であることになんの不満があるっていうのよ!」
叫ぶ。
叫びながらもルイズには解っていた。
この人は、自分のような生まれた家の他にはなんの取り柄もないような駄目なメイジの使い魔であるのは相応しくないのだと。どういう事情なのかは知らないけど、きっときっとゲートの先には立派で素晴らしい魔法使いが待っていると思っていたに違いないのだと。
そう思ったのだ。
怒りと劣等感が彼女の視野を狭めている。
そもそもこれほどの威容を持った女騎士を使い魔にしようなどということが普通のメイジの考えではありえないのである。学院の長であるオールド・オスマンにだって無理だ。もっといえば、ゲートを好き好んでくぐるメイジというのがあり得ない。
いきなりの癇癪に女騎士は微かに戸惑ったようであったが、「落ち着きなさい、メイガス」と静かに言う。
それで落ち着いたら世話はないのだが、凛としたその声にルイズはきょとんとして顔を上げた。
気付けば、自分よりほんの少しだけ背丈のある女騎士の目線がすぐ前にあった。
僅かに膝を曲げたのである。
「別に、貴方に不満があるとかそういうのではないのですよ」
「……じゃあ、何なの?」
「それは――」
言いかけて、女騎士は振り向く。
「お話の途中、失礼します」
つるっぱけの頭に眼鏡の中年――コルベールが跪きつつもそう言った。
左の膝を落として右手を前に、そして左手を腰の後に廻した前屈姿勢である。右手の前には杖が置かれている。
それは貴人に対する礼に見えたが、むしろ自分が敵意のないことを示すための所作であった。
なのに女騎士が目を細めたのは、その眼鏡の奥の眼差しに隠しようのない鋭さを見て取ったからであろう。
「……御身は?」
「私は当トリステイン魔法学院で教師を務めております『炎蛇』のコルベールと申します」
恭しくはあるがその声はいつもどおりのはずである。はずなのに、何処か重くのしかかるような気がルイズにはした。
女騎士は「はい」と答え、どうしてか右手を見てから少し戸惑ったような顔をしてみせ、コルベールと同様の姿勢をとってみせた。
「ご丁寧に名乗っていただき、ありがとうございます。私は――」
「いえ、お名乗りは結構です」
コルベールは右手をあげて女騎士の言葉を遮った。
言いながら、このメイジの教師の頭の中では、状況からあらゆる推論が積み重ねられ、かなり蓋然性の高いと思われるストーリーがくみ上げられつつあった。
(いずれ名のある名家に連なるお方とお見受けするが……使い魔の召喚ゲートをくぐられるというのは、相当なご事情があってのことだ)
女騎士の言葉と装束から、コルベールはついさっきまで彼女が何か危地に陥っていたのだと考えた。
戦闘に携わっていた者としての勘としかいいようがないが、この人はゲートをくぐる直線まで戦っていたのだと判断している。雰囲気というか、空気がそういうようなものなのだ。
そして現れてから「マスターか」と聞いた。
それはつまり、彼女はそれと承知でここにきた……ということであろうか。
(いや、それはありえない。こんな立派な身なりの騎士が、戦いの最中で召喚ゲートをくぐるなどという判断を下すというのはありえない)
いやいや。
逆に考えるのだ。
(あるいは……そういう判断を下す他はない状況であったということか)
戦いのに敗北寸前であったとか。
逃げ延びようとしている途中であったとか。
それで追い詰められる中で現れたゲートに、一縷の望みをかけて飛び込んだ――ということなら、あるかもしれない。
いやいやいや。
それも何か違う。
違うと思った。
この女騎士は、この人は……。
(敗北が似合わない)
そう感じたのだ。
どういう種類の根拠もなく、それは直観としか言いようがなかったが。
この女騎士は、敗残者とか逃亡者などという言葉はどうあっても当てはまらない存在だ。
勝利を約束された戦場の王。
勇気をもって突き進む英雄。
それはあるいは、ハルケギニアに平和を齎せた新しきイーヴァルディの勇者の如き……。
微かに首を振り、それも打ち消す。
(あるいは、ゲートと知らずにくぐったのかもしれない)
召喚ゲートを知らないメイジというのはありえないが、使い魔の前にどういう風に現れるのかということは知られてない。というか観測された事実がない。
もしかしたら、こちらとは違う形態で現れて、それでちょっと試しに手を突っ込むとかしてみたらここにいて。
そして状況から判断して自分が使い魔として呼ばれたのだと知った――ということはどうか。
(……いや、それこそありえないか)
しかしまあ、だいたいそういう感じなのだろうと推測した。予断ではあるが。
どちらにしろ、彼女がもしも名のある騎士なり王族であるのなら、ここで皆の前で名乗られるのは拙い、とコルベールは判断したのである。
「ご事情については、詳しいことはいずれミス・ヴァリエールを同伴の上で、学院長様のところで」
――自分では責任を取りきれませんから、という言葉は口にしなかった。
そして残る事案は、彼女がルイズと契約をするか否かということだけになった。
「構いません」
と女騎士はわりとあっさりと承諾した。
これには。
「いいの!?」
とルイズも驚いたし、コルベールも目を丸くした。
それは確かに、彼女に使い魔になって貰わなくてはルイズのメイジとしての将来が困ったことになるが――彼女に使い魔になってもらうということは、ルイズの人生に深刻な影響があるように思えてならなかった。
「確かに私も主を持つ者ですが」
そのつながりも途切れてしまった、というと、ルイズの顔が泣きそうに歪んだ。責任を感じているのだ。
女騎士は安心させるように微笑んで見せる。
「いつか主のもとに還ることがあるかも知れませんが、そのためにも存在し続けねばいけません」
「そうなの……」
その言葉をどう受け止めたのか、ルイズの表情は晴れないままだ。
女騎士は改めて跪き、ルイズに顔を寄せた。
「小さなメイガスよ。この召喚は確かに私にとっては不本意なものでしたが、ここに私がいることには意味があるはずです」
不本意、という言葉にびくりと身体を振るわせたルイズだが、女騎士は少し思案してから。
「もう一度いいます。私がここにいることには意味があるはずです」
「だけど……使い魔よ? 貴方みたいな立派な騎士さまがすることではないわよ! ご主人様がいるのなら、召喚なんかなかったことにして帰ればいいじゃないの!」
「そのつながりは絶たれてしまいましたので――」
「ミス・ヴァリエール」
見かねたのか、コルベールが横合いから口を挟んだ。
ちなみ生徒たちは先に帰らせている。
「使い魔召喚の儀式は神聖なものだ」
「え、ええ」
「本来ならば、人間が召喚されるという事態はまるで想定外のことだが」
「はい……」
「やはり、ルールは守らねばならない」
「――――」
このはげ、とんでもないこといいやがる、とでもいいたげな顔で教師を見上げたルイズは、「解りました」と投げやりにはき捨て。
跪いたままの女騎士の顔を両手で挟み込んだ。
「言っておくけど」
「はい」
「使い魔なんてやっぱりいやなんて言っても、契約した後では遅いんだから!」
「――もとより私はサーヴァントである身です」
「ふん! たいした覚悟じゃないの!」
なんだか微妙にかみ合ってない会話だなあとコルベールは傍目に思ったが、コントラクト・サーヴァントは大切な儀式だ。静かに見守ることにする。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ……」
そして唇を寄せる。
女騎士が目を見開いたのに、コルベールは僅かに眉を寄せた。
それも、その二つの唇が合わされた時までだ。
少女も騎士も美形といって申し分のない容姿である。その二人の口付けというのは独身者の身にはいささか以上の刺激であったらしい。
女騎士はルイズの顔が離れてもしばし戸惑っていたが、やがて訝しげな顔をして左手を見た。
「これは――令呪、ではないのか」
その呟きをどう受け取ったらいいものか解らず、コルベールは「ふむ」とその手に顔寄せる。
「コントラクト・サーヴァントは成功したようですな。篭手の下、左手にルーンも刻まれたようですし。あとで確認させていただきますので、よろしくお願いします」
それから一通りの指示をルイズにした教師は、それでは、と一礼して宙に舞う。
しばしそれを見送った女騎士は、改めてルイズに向き直り。
「サーヴァント、セイバー。召喚に応じ馳せ参上した。
これより我が剣は貴方と共にあり、運命は貴方と共にある。
―――ここに契約は完了した。」
それは宣言であり、誓約の言葉だ。
たがえることのない絶対の契約だと、主従であると。
この女騎士、いや、セイバーはそう言ったのだ。
ルイズは呆然とセイバーを見上げていたが、やがて「ふん」と顔を逸らし歩き出す。
「ついてきなさい」
セイバーは頷き、その後ろを従った。
やがてすぐに足を止めたのに気付き、ルイズは振り向く。
「どうしたの?」
「いえ」
セイバーを空を見上げていたのだ。
ルイズもつられてそこをみたが、あるのは何の変哲もない月が二つあるだけだ。そういえば、もうそんな時間になっていたのかと彼女はようやく気付いた。
そして。
「どうやら、本当に遠い場所にきたようです」
そんなことを彼女の使い魔が言った。
果たしてセイバーの言葉にどういう意味があるのかも解らず、彼女は首を傾げるのだった。
ゼロの使い魔(サーヴァント) 第一話 了
まあそういうわけでぼちぼちと続きは来月に投下されればいーなーというくらいで。
パソコンが壊れていた間に世界観とか詰めていたのですが、最初のスレでの英雄王とのガチはないかもなーとか思ったり。
どうなることやら。
無限の剣製に関する最大の疑問――目視した剣を解析・複製・貯蔵するのは分かる。
しかしHFでイリヤの助力により宝石剣を投影した事実から、直接目視したものでなくとも可能という事になる。
貯蔵した剣から情報を引き出して、新たな剣を解析・複製・貯蔵することが可能とするなら――事実上、限りなく無限に近いのではないだろうか。
乙です
ルイズはセイバーの騎乗スキルに付いて行けるのだろうか…
とにもかくにもまずは投下乙!
投下お疲れ様ー
型月ではセイバーが一番好きなキャラだからとても楽しみにしてる
スレの流れに逆らって、
セイバー無双は程々に……とか、セイバー石頭だからギーシュ逃げてーにならねばいいが…………と心配になってる自分。
作者氏には自分の貧相な心配をエクスカリバーでブッ飛ばすような展開を期待したい。
>>827 セイバーじゃギーシュイベントに入らなそうだけどねw
投下乙!支援です!!
脇役召喚も良いですが、やはり主人公召喚がある意味王道ですねwここのスレにはその手のがありませんでしたし。
続きに期待です!
レスサンクスです。
まあなんとかかんとか、次は速めにしたいです。
>>827 セイバー無双も個人的にはキライではないですが、今回はバランスとりました。
そのためにちと独自解釈なことをしてますが、クロスなのでそこらご容赦のほどを。
魔力供給と言う枷があるから大丈夫!
セイバー「魔術とは等価交換です」
ルイズ「豪華な食事を寄越せと?」
セイバー「Exactly(その通りでございます)!」
>>830 余計な事言ってしまってゴメンなさい、頑張れ蝶頑張れ!
833 :
最後の道:2008/03/28(金) 07:08:20 ID:yCzUXZG/
「じゃぁぁぁぁまだぁぁぁぁ!」
心の振るえのままに才人は叫ぶ。
才人は満身創痍になりながら、それでもけして握った剣は手放すことはなかった。
学院の宝物庫のなかで眠り続けたこの剣こそが勝利の鍵だと知っていたが故に、もう一度生きてルイズの元へ帰る道筋を切り開くモノだと実感して居たが故に。
「よっしゃ、十分だ。いけぇぇぇ相棒!」
デルフリンガーはこれまで吸い込み続けた魔法の力を右手に持った剣に注ぎ込む、七万の大群から雨霰と放たれ続けた火が、風が、水が、土が、膨大な量の純粋なる魔力となって右手の剣へと注ぎ込まれていく。
――あとはただ命じるだけ、想いの力をあらゆる武器を扱う技量へと変えてくれるガンダールヴのルーンが望む未来へと導いてくれる。
「無限の剣よ」
剣のなかの魔力回路が唸りを上げ、膨大な魔力を喰らいながら焼け付くほどに駆動し続ける。
ガンダールヴのルーンが命じるまま、その身が砕けよとばかりにいくつも奇跡を投影する。
「道を」
ルイズの元へ向かう道を、穏やかな、平和な日常への帰り着く道を。
「さぁ、帰ろうぜ相棒」
「開けぇぇぇぇぇぇええええええええええええ!」
――待ってろ、ルイズ。今帰るから。
才人の叫びに剣は答え、そして世界が燃え上がった。
押し寄せる七万の軍勢の中心を貫いた輝きは数え切れないほどの数の剣が放つ双月の反射光。
焔の災厄を退けた異界の英雄の剣が
名も無い平民の鍛冶師が丹精込めて鍛えた鋼の剣が
如何な時もけして離れることのない白と黒の夫婦剣が
臆病なメイジが親友の為に渾身の力を込めて錬金した青銅の剣が
ガンダールヴの相棒たる口の悪い錆び刀が
そして黄金に輝く騎士王の剣が
まるで英雄の凱旋を讃える騎士団の如く、敵を打ち倒し地平の果てまるで続く剣の壁を才人の前に作り出していた。
剣の壁の下に作り出されているのはこの地で朽ちた名も無い雑兵たちが携えていた数数え切れない無銘の剣。
無限の剣で作り出された剣の道を阻める者は、もはや誰もいない。
作り出された剣の道はけして才人以外の存在が自らを踏みしめることを許さない。
「待ってろ、ルイズ……」
青いパーカーを血で染めて、才人は剣の道を駆け出した。
愛しいルイズに会うために。
もう一度大切な友人たちと笑って日常を過ごすために。
――その道の続く先、二つの月の下で才人は一人の少女に再会した。
834 :
最後の道:2008/03/28(金) 07:09:34 ID:yCzUXZG/
「あんたは……」
少女は黒い靄のような魔力を纏い、その額に才人と同じ虚無の使い魔のルーンを輝かせながら、まるで幽鬼のように立っていた。
「かー、ミョズニトニルンか! こんな時だってのに……相棒、あの魔法は虚無と一緒で吸い込みにくい、一気に決めちまったほうがいいぜ!」
デルフの言葉に才人は音もなく頷いた、底を尽きた魔力の代わりとばかりに自らの命さえ注ぎ込んでガンダールヴの力を燃やし、それによって無理やりに右手の剣を稼動させる。
勿論、そんな無茶に剣が耐えられる筈もなく……
「――――!?」
才人が握り締めた剣に罅が入るのを見た少女は言葉にならない悲鳴を漏らし、殺意に満ち満ちた黒い槍のような魔法を才人に向けて解き放った。
「俺は、ルイズのところへ帰るんだ!」
だが才人が振りかぶった右手の剣からまるで岩の塊のような斧剣を打ち出す方がずっと早かったのだ。
斧剣は少女の影の槍を粉砕すると、そのまま砕け散りいくつかの塊となって霧散する。
だが才人にとって幸運だったのはその破片の一つが消え去る間際に少女のわき腹に突き刺さったこと。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
それを好機と見た才人は少女に向かって残った力を振り絞っての突撃を敢行した。
その刃を閃かせたデルフリンガーが少女の華奢な左肩へと食い込み……
「――先、輩」
才人は血だるまになって地面へと倒れ伏した。
何が起こったかわからないまま視線を彷徨わせると、自分の右手が鎖で雁字搦めにされていることに気がつく。
一体どこからこんなものが……そう思って鎖を追っていくと、今にも砕けてしまいそうな右手の剣の剣身に杭のようなものが突き刺さっていた。
こんなものが何故? 一体どうやって? いつの間に?
剣の真実を知らない才人が真実にたどり着くことはけしてない。
もげかけた左手を右手で押さえながら少女が自分へ向かって足音を聞きながら、才人は今度こそ本当に“死”を想った。
「ルイズゥウウウウウウウウーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
高く、高く、アルビオンの夜空に少年の叫びが木霊する。
その叫び声にかき消された少女の言葉に、ただデルフリンガーだけは気づいていた。
――先輩を、返して。
どこまでも真摯で切ない、血を吐くような祈りの言葉。
だがその言葉を自分以外にもう一人聞き届けていたなどとは、さすがの彼でも気づかなかった。
835 :
最後の道:2008/03/28(金) 07:17:53 ID:yCzUXZG/
以上、シチュエーションはアニメ版のラスト。
設定は>762 >763 >772 >776 あたり。
タイトルの元ネタは「イリヤの空 UFOの夏」最終巻より
>>835 GJ。ああ、桜切ないよ桜。
桜を守るために打ち出されたのがライダーの釘剣ってのが因縁感じていいねー
そろそろまとめwikiを更新したほうがいいと思うのだが・・・
お前がやれ?
ムリムリ
>>828 普通に謝って終わりでそw
まあ空気読まずにその場で口説きそうだがw>ギーシュ
>835
GJです
虚無の使い魔双方共に救いがないのに
何かそれが似合うように思えた
メニュー
ゼロの使い魔(サーヴァント) 第一話
最後の道
小ネタ
更新しました。
ゼロの使い魔(サーヴァント)は第一話に追記という形で入れました。
リンクやnaviは管理人様が帰って来てからということで
付けてませんでした。
>>840 GJ!
御疲れ様です&感謝です(_ _)
バサカ召喚で宝物庫に「破壊のメイド」つうタイトルでリズ&セラコンビが眠っているのはどうだろう?
バサカの通訳代わりで
小ネタ話としては面白いが職人が連載作として書こうと思ったら大変だと思う。
登場人数も増えるしね。
が、チャレンジャーな職人が現れたら応援しそうだ。
どうやら士郎は剣になってしまうまでの遍歴で、ファルガイアに行ってたみたいだな。
剣型士郎を人間に直せるとしたらあれか
死闘の果てに瀕死のサイトと桜、デルフと魔剣エミヤを拾ったのはやはり魔乳ハーフエルフの少女だった
彼女の元には「記すこともはばかれる」オレンジのメイジが
いいかもなそれ
…………オレンジと聞いて、真っ先に浮かんだのは
タタリ補正付きな宝石な双子の姉の方でしたorz
だってオレンジ色っぽいじゃん、アレも。
ティファが初めて第四の詳細を記す訳か。
失言しなければだが、大丈夫だと信じよう。
ガンダーがブルーだとえらい事になるが…
トーコさんならカトレアさんを新しい人形に移し変えたりできれば治療できそうだ。
ニコチンが無いと荒れそうだが。
琥珀さんのマジカルドラッグならタバサママンを治療できそうだ。
副作用が心配だが。
あああ、桜に殺されENDか。
この後才人はタイガー道場に行くか、この世の物とは思えない
魔法まで突入したおっぱいエルフに助けられるかのどちらかだろうな。
>>849 治ったけれど何故か巨大化。それを見て無言のまま卒倒するタバサ
オレンジで普通に有彦が浮かんだ俺
そういえば道場の概念を召喚してまうルイズはどうだろう?
バッドエンド時に何故か胴着姿のエレ姉とブル魔姿のちい姉様にどつかれるルイズ
854 :
次回嘘予告集:2008/03/28(金) 22:18:44 ID:yCzUXZG/
第13話
さぁーてファーストキスから始まった二人の物語も新たな局面を迎えます。
サイトの死の知らせに自殺を図ったルイズの元へ飛び込んで来た一通の知らせ。
――ガリア王都リュティスでサイトらしき人物を見た
雪風が齎したその情報にゼロと呼ばれた少女は新たなる旅立ちを決意します
かつてサイトが土くれのフーケとの戦いで生み出した黄金の剣を片手にガリアへと向かったルイズへと襲いかかった刺客。
それはルイズのよく知る人物でした。
次回、ゼロの使い魔型月の騎士 「黒の剣士」 へレディ・ゴー!
第14話
かつて共にあった主従の絆は分かたれた。
あまりにも圧倒的なガリア王ジョゼフの力に、ルイズはサイトを救う為の力を求めた。
再びのサモン・サーヴァント、それに応えたのは……
次回「絶望の夜に」
「俺が、ガンダールヴだ!」
第15話
ロマリアの地に集う虚無の担い手、ルイズはサイトを奪い返すために偽り聖女を演じることを決意する。
交差する思惑、重ならない思い。
同じ頃、遠くガリアの王宮でも少女が自らの行いの結果に苦しんでいた……
次回「剣の聖女」
「とっ、特別に録画したってい、い、いいにゃん!」
第16話
ガリアの地に4つの4が集う時、悪魔の門の扉が開く。
新しき月へと至る塔が……
次回「TYPE−MOON」
「サイトォォォォォォォ、そいつをよこせえええええええええええええ」
855 :
次回嘘予告集:2008/03/28(金) 22:25:17 ID:yCzUXZG/
中略
第23話
吹き抜ける希望の西風、胸に宿るは絶対たる力
次回「おかえり、サイト」
第二十四話
次回、最終話「ただいま、桜」
以上
とりあえずPS2版のラストエピの場面はハルケギニアという線でどうか?
<<853
ブル魔姿の・・・ちい姉だと・・・!!
ロリブルマならぬムチムチブルマだと……っ!
お姉さま系はお姉さま系でも清楚タイプだと破壊力が違うぜよ!
>>856 それは良いアイデアだ。
アレの扱いに困ってる人も多そうだから、凄く素晴らしい事を言ったかもしれん。
問題はどうやってアレまで持って行くか…書き手さんガンバッテー
マキキューXを飲ましたサイトでジャイアントアタックしたい
あ、もちろんルイズのマキキューXも良いけど
誰かエウリュアレとステンノ召喚したSS書いてくれないかなぁ……
>>845 >オレンジの(ry
何その無限の剣製を「でも、俺はこんな世界いらない!!」って否定しそうな士郎になりそうな展開
これは間違いなくラブラブ投影拳へのフラグwww
7万vsGサイト(ガンダールヴ)
間違いなく虐殺
>>863 「俺のこの手が真っ赤に燃える!!勝利を掴めと轟き叫ぶっ!!」
あれ、違和感ねーなとか感じた自分は敗けですか、そうですか
一成を召還してしまえという電波を受信しました。
どうなることやらw
HFルート終盤よりパーフェクトイリヤ召喚。
しかしイリヤの着ていた天のドレスに触れ、ルイズ黄金になり、土のスクウェアなのかと周囲が騒然となる。
……最悪のパターンなのでこれも没。
>>866 礼儀正しく多少体力が増したサイトになります。
869 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 13:20:54 ID:JtOA/OD3
誰か青髭の旦那を召喚する冒険野郎はいないものか?え、俺?無理ですゴメンナサイ。
870 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 13:24:41 ID:aHVye0YQ
>>869 聖女様が居ないので自力で召喚しようと阿鼻叫喚を作り出すんですね。想像したくも無い
, ._., ,._. ,
‘^^’ ‘^^’
>>869 仏門の徒に心の震えがありえるのか?と言うど〜でも良い疑問があるんだ。
青髭はジョゼフに召喚されるのがぴったりだ
108式まである仏様
意外とタイガー召喚って意見が出てこないな
あの破天荒の暴走を止めるのが難しいのかもしれん
大河は日常の象徴だから、こっちはこっちで扱いが難しいし…。
もう1個クイズ鬼は(ry
正直きのこ氏以外のタイガー道場って痛々しい
なんというか、センスがないのに頑張ってる感が……
キュルケに女狐とかいったり
ギーシュに説教したり
…あれれ
ふと思いついて書いたものすごくどーでも良い小ネタ…
――――それは夏の暑い夜。
あたしは自分の部屋に入ったその瞬間、“その匂い”に気付いた。
それと同時に、部屋の中央、明かりの消えた真っ暗闇の中で…何かが蠢いた。
ソレは、大きな丸いものを……例えるなら『人の頭ほどの大きさの何か』を鷲掴みにし…
ソイツは……黒い貌の“何か”は…鋭い牙を突き刺し、食い千切り、その中身を貪り喰っていた…
ごくごくと―――
ごくごくとその液体を飲んでいた。
飲み込む以上の赤い水を、ソレは両目からこぼしていた。
だから足りない。
幾ら飲んでも満たされない。
「キ、キキ、キキキキキ……………!」
赤い涙を流しながらソレは笑った。
黒翼がはためく。
黒い眼がにじり寄る。
ぼたぼたと赤い液体が零れていく。
「………………………」
あたしは無言でソレに歩み寄ると…………
その後頭部に向けて、テーブルの上の手帳を思いっきりぶん投げた。
「スイカくらい普通に食べなさいよっ!!」
ある夏の、暑い夜の事だった……
881 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 21:23:08 ID:JtOA/OD3
思わずずっこけたwww
スイカを丸かじりするズェピア・・・うわあ、すさまじく似合わないや。ところでハルキゲニアにスイカはあるのか?
無いのなら魔法で創ろうホトトギス。
小ネタワロタwww
目から西瓜汁www
ユーゴスラビアのジプシーの伝承によると、クリスマスの後あまりに長く放置されたスイカは吸血鬼となるそうです。唸るような声をあげ、血のような模様を浮き上がらせて、人間を困らせるためにゴロゴロと転がるといわれています。
某ラノベにスイカの吸血鬼でてたなあ
>人間を困らせるためにゴロゴロと転がるといわれています。
それは…………凄く困るなwww
何故そんな伝説が……
>>885 >>884がモデルじゃなかったっけ?
まぁ最終的に彼は西瓜程度じゃ納まらない器になるんだが
いっそ半人半鬼の小物な市長召喚とか
いま気づいたがここ本スレじゃねえ
型月スレだったw
吸血鬼化したスイカとスイカ割りを楽しむわけだな
幻影の夏 虚言の零
>>724-728を2話として、
>>880を一発ネタとして
それぞれwikiへページ作成。
既存のページを目次ページとして、新規に1話用のページ作成。
けど、目次へのリンクが小ネタのままにしておいていいのか判断がつかないので保留中。
長編のリンクを追加した方がいいでしょうか。
>>892 乙です。
続きは…あと1話書いて一旦終わろうと思ってますが、
もしかしたらその後も番外とか思いつきで続くかもしれません…
長編へのリンクは、追加してもいいと思います
スイカの人頑張れ蝶頑張れ!
もし橙子さんの人形があったとして、それがウェールズ用であり、人形(もしかしたら本物)の体で復活した場合、アンドバリの指輪はウェールズの遺体に意味があるのだろうか。
アンリエッタをかどわかしたウェールズと、実は生きていたウェールズ。
互いに互いを認められずに殺しあう……まさに型月的。
幻影の夏 虚言の零
小ネタからのリンク削除。
長編からのリンク追加。
>>895 ゼロのしもべですな
士郎召喚ものはまともなものが少なくオリ要素満載なものばかりならいっそTS女士郎子ものが見たい。
衛宮志保モノにTS愛好者でもないのにわざわざ突っ込みたいとは……正気か?
正気にては大業ならず SS道はシグルイなり…………書く方はもちろん読む方もね。
ただまあ、地雷率が跳ね上がりそうなのがなあ…………衛宮志保モノはわりと大好きなんだが(苦笑)
変えるのは性別だけにしてくれ
ルイズの性別が男だったら。
うん、自分なら絶対近づきたくないな。
既に連載中、完結済みのTS士郎庫ものの外伝なら…
取りあえずお茶子さんで
惨事逝くない。
ただ性具お茶子さんなら…………魔眼さんとこのライダーよかフリーダムな事になってゼロ魔キャラ涙目、無論性的な意味で…………うん、全年齢板じゃ無理だな。
まったく衛宮だけで地雷とは。
可愛そうだよな主人公。ただ衛宮が主人公なだけで地雷率上昇とか。
いや、良作はあると思うのだが。
タイガー=冬木の虎は?
>>906 普通に強いヒトだから戦闘では役に立つと思う。
けど、大河さん、割と『待つ人』だべ?
冬木から拉致されたらとんでもなく暴れると思う。その後道徳、法律に基づいてルイズに説教するシーンしか思い浮かばん
>>907 だが、コッパゲとオスマンのジジイに丸め込まれるような気がせんでもないw
909 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 13:15:08 ID:aqaILtM9
花札の虎のサーヴァントなら良いのではないかw
910 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 16:59:59 ID:77+62+te
>>909 あんなルビーやネコアルクと並んでキノコ3大不思議キャラの一人が来たら大変じゃないか。
みかんがあれば、戦いが全て花札になってしまう……
アンバーが三大に入ってないだと?
>>910「アンバーなんて『居ない』、琥珀さんがそんな事するはずがない」
某所の「しきりょーじょく」よりりょーじょく眼鏡少女志姫ちゃんなど…
ネコアルクを長編で描き切れたら神だな…
書き手の精神がもつかどうか謎だがw
>>915 スカロンにも猫耳を付けろと申すのか。
「ん〜〜、トレビアン!」
シエル召喚されたらギーシュあっさり殺したりするのかな
さすがにそこらへんの分別はあるだろう
なんか、ジョゼフと一緒にカレー食ってる姿しか想像できん。
絵的にはタバサと合いそうなんだけどね。
一成とか美綴とか三人娘とか後藤君とかその組み合わせで考えてるうちに
いっそ穂群原学園まるごととかどうよ? と思ってしまった。
>>920 名作「蟲の檻」でつね、わかります。
ライダーさんが残したブラッド・フォード・アンドロメダを慎二が無理矢理起動させた状態の穂群原学園まるごとが魔法学院敷地内に召喚されるんでつね
タイプムーンのホームページ吹いたwwwww
闘魂www
>前回の黒SAKURA暴走事件に引き続き、相変わらず期待を裏切らない間桐レフェリー。
>「こうなる予感はしてたんだ」というコメントを残して病院へと搬送された
糞ワロタwwwww
ここはやっぱりタイガーを召喚するしかないだろ
>914
職人を舐めてはいけない。
志貴×ネコアルクの18禁作品なんて狂った代物もあるくらいだからな……
927 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 10:56:58 ID:ISBtwKLN
>>924 つーか、これ、どこからツッコミを入れるべきだろうか・・・
キノコまぢ仕事しろwwwなにやってんだwwww
ふじのん服役中かよwww
そして成田は休めwwww
もうルイズにはきのこを召還してもらうしか無いな。
>>931 おま……そんな事したら型月の新作が出なくなるだろ!
じゃあドラ…タイガーボール召還させればいいじゃん
>>毛玉か何かかそれ?喰えるのか?
宣言道理戻ってきました。
留守にしていた間のwiki工事してくれた方どうもありがとうございます。
留守にしてた頃に出た要望は、タイトルがバラバラな長編のタイトル統一・変更とnaviの追加でよろしかったですかね?
それと、『ついカッとなって書いた。今は反省している』は、どう変更したらいいんでしょうか?
議論の末を教えてもらえると幸いです。
938 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 21:24:25 ID:ISBtwKLN
>>926 猫耳を付けたアルクェイドでなく?というかあんなナマモノ相手に欲情しろと?
>>937 まずはお帰りなさい。それと件の作品は一発ネタにまとめるだけで良いかと
>>937 おかえりなさいませ。
>>ついカッとなって書いた。今は反省している
>>70 作者さまが案を出された状態でタイトル変更希望の書き込みが数件ある状態です
タイトル統一とnavi導入は読者兼wikiいじってる身としてはぜひ欲しいです
作者様の許可と管理人様に御時間あればよろしくお願いします
>>937 管理人様、お疲れ様です。
『つい〜』はタイトルを変更して小ネタに登録でいいのでは?
タイトルは 白レン召喚 ぐらいでいいと思うよ。
>>937 おかえりなさい
ご苦労様です
>>938 ほら、人の嗜好はそれぞれだから……な?
気にしたら負けなんだ、うん
>>926 ネコアルクの逆レイプだと言ってくれ……っ!
>>919 カレーの材料の香辛料を求めて戦争を始めるシエル。
シエル「そういえば私の昔居た世界でも香辛料の為に戦争が起きていたんですよ。」
ジョゼフ「それは興味深い」
>>945 日本は香辛料がなかったから、鎖国保っていられたんだよな。食い物は国と歴史を左右する。
>943
ずいぶん昔に読んだから何処だったか探すの時間掛かった。
「――って、俺はペトフィリアなんかじゃない」でググれ。
948 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/02(水) 23:23:53 ID:s15fFwa4
>>947 情報センクス。読む気になれなかったが。
遅レスだが、志保がだめなら言峰士郎はどうだ?
ルイズがセイバー召喚してもいいが、彼女の属性、どうみても”風”だからなあ
黒セイバーの方が虚無っぽくていいんじゃね?
床に置いたスープと固いパンを見せた瞬間に斬首されて終わりかあ…
志保だの言峰だの、ファンワークス版の士郎とな?
固定作品の三次モノでない限りは大歓迎だべ
ところで、まとめwikiの分類方法についてなんだけれども
月姫とかFateとか空の境界とかの原作分類で充分なような気がする。
五十音コンプリートさせたら型月スタッフが過労で凄い事になると思う
それなりに変更したのでご報告を。
1.『Zero/stay nigth』の各話のタイトル変更とnaviの追加
2.『ついカッとなって書いた。今は反省している』のタイトルを『MELTY BLOOD Familiar of Zero』に変更と、小ネタ項目内の移動
引き続き、型月のキャラがルイズに召喚されましたスレをお楽しみください。
そういえばアンリマユって属性が虚無なんだから、このスレの中では一番呼ばれやすいはずだな。
954 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/03(木) 00:34:30 ID:bs+5RghM
>>953 逆に難しいと思うよ?
まず、『人間に対する絶対殺害権利』が異世界で有効か否か?
次にタルウィとザリチェがあるのにデルフを持つのか?
最後にルイズを犯さない、殺さないを彼の性格が許すか?
>>952 乙。
>>950 分類か。確かに作品ごとにまとめた方が分かりやすいかもしれんのう。
あと次スレ頼む。
>>954 人類に対する絶対殺害権は、世界から与えられているものじゃなく、アンリマユ自身がそういうモノに成ったんだから持ってるんじゃね?
デルフ持つ持たないの話だと、型月キャラで持つ方が少ない気がする。
ルイズは……殺されるか犯されるか。
契約すると、好意を与えるし、いざとなれば令呪もセットにしちゃえば! まぁ、やっぱり難しいか。属性はどんぴしゃなのになー。
別にルイズ以外にもいるじゃん、そいつらに召喚させればいいだけジャン。
スレ立て乙。
さて、埋めようか
>>958 ハ―-ヵ、 ,.へ、
∠∨ メ`ー――――――' ヽ
ィ‐-、 r'つ)└-------------ァ /
,. -  ̄ ̄ ̄〆- 、 < / /
〆⌒ r 、 \> / /
丿 ,イ ヽ,\rv-, / / |\
丿 /{ { ヽ、ト、 Y <ノノ\ | { j ヽ
{ .ト{\ヽ', メ \ } ⌒ヽ }へ ', `ー――‐" ノ
ゝ |"ひ) \ イびゞ \ ヽ- 、ノ // >` ----------‐´
ノ ト、"´,. ー ノ ///\/ / \
/. {/// ゝ //// レ// } Y´ \
{ ヽ ヽ⌒> / レ´TTア⌒>、_ \ こ、これは乙じゃなくて
V{ \ └ ´ / ,.イ/ /ll | /≦__ } ポニーテールなんだから
V{ >ー┬|/ ! ,.イノ || | /  ̄ ̄ ̄ / 変な勘違いしてないで
リヽイ| /:| l _|' '´ || | | _/ 餃子を食べなさい!
/{{ | |===| || | __/
>>954 『左腕』のアンリマユを召喚してルイズに宿らせればいいんだよ。
武器を手に取ると途端にルイズの言う事を聞かなくなり、敵を惨殺する、みたいな。
丁度左手はガンダだし問題ない。
タイトルは『ゼロの悪魔憑き』みたいな感じで。
後日談じゃない方のラストで無くなっていた左腕の行方か。
普通だとアンリ士郎の人格無さそうだし喋らんだろうけど、
どっかのサイトにあった漫画みたいに
左手が影法師状態のアンリの形になって好き勝手に喋るってのも楽しそうだな
アンリをキュルケが召還。
アンリ×キュルケの止まらない18禁生活SSなんて電波を受信した。
仕事前からこんな電波を受信するとは、俺はもう年だと思っていたが意外と若いな…
>>951 いや、「量」でモメて斬首されちゃうのかも、大食である事は黒も変わり無かったし
名前つながりでアンアンの皮を被ったアンリを召喚するんですね。わかります
……姫様の姿ってだけでトリステイン内ではかなり強力だなw
あ、ウェールズの貞操がやばい
虚無といえば、式も虚無だぞ
ルイズの皮かぶったアンリなら想像したことあるな
昼間は言動も容姿もルイズそっくり
夜になると浅黒い肌にアンリの模様が出てくるとか
でもルイズ本人には昼間も夜と同じようにしか見えない
>965
あれ、俺がいる。
いや俺が考えたのはアンアンがアンリ呼んじゃって繰り返す四日間でウェールズを生かすためにって話だったが。
ところで>943は>947を読んだのだろうか……
黒いほうのレンをタバサが召喚
「………………」
「……………何…?」
「……………………」
「……………そう……」
ここでアンリエッタが士郎に召喚される前のセイバーを召喚といってみる
いや、声つながりってだけじゃなくて、王として選ばれた後の気の持ちようがほぼ正反対だしさ
>>970 人気だけはある愚君と人気の無い名君という面でも正反対ですね
アンリエッタ様は悲劇のヒロインが抜けきれてなかったからなぁ
アーサー王が人気ないだと
ちょっと問題発言だな。
スレ的には間違いとまでは言えないが。
>>971 人気と言うかカリスマと言うか魅力値?
でも人気のある暴君だと後継者が地獄を見る。
(獅子心王リチャードの死後のジョン王とか始皇帝死後)
>>954 今更だがアンリが絶対殺害権持ってるかどうかは不明なんじゃなかったか?
人間相手なら世界最強宣言はあるし、
その文脈的に、単なる概念的なものや完全体アンリマユの話じゃなく
アンリ士郎自身がどんな人間と戦っても「問題ない」状態になることができる
性質を持ってるんだろうけど。
いや、新情報とかで確定してたらごめん。
「トリスティン魔法学院ではメイジもMS乗りもスタンド使いも皆平等に価値が無い!」
「イキナリ何の話だぁーっ!」
ルイズがメドゥーサを召還した因縁の丘で
タイガーストライプの野戦服に身を包み
ずらりと整列したアニエス以下親衛銃士隊の前で訓示を垂れるメドゥーサに
シルフィードの背中から捨て身のトペを敢行するルイズ
「いえ運命の大人な脱ぐと速い人にインスパイアされまして」
ヒラリと身をかわしざま顔から地面に突っ込むルイズの体を回転させ
そっと地面に降ろしながらしれっとした顔でメドゥーサは答える
なんて直球
「うわミもフタもねえ」
ジャランッ
マリコルヌの首に鎖を巻きつけたメドゥーサは
釘剣を咥えさせたペガサスに騎英の手綱を一打ち入れる
「うま〜のま〜くのさ〜んこうしょ〜♪」
懐かしすぎるCMソングを唄いながら軽やかに駆け出すペガサス
「ば!びぶっ!べ……ぽぉッ!」
鎖に引き摺られるマリコルヌの悲鳴が時速三百マイルで遠ざかる
「何か質問は?」
メドゥーサの問いに居並ぶ銃士達はイヤな汗を流しながらブンブンと首を横に振る
「よろしい、まず諸君らの体力と根性の限界に挑戦してもらう。先任下士官!」
「イエス・マム!」
メドゥーサの号令に応じて進み出たのは白炎のメンヌヴィル
「全隊右向け右!駆け足始め!」
それから銃士隊の面々はひたすら魔法学院の外壁に沿って周回させられた
少しでもペースを緩めると嬉々として炎の魔法を放ってくるメンヌヴィルに
追いまくられながら
「どうやってアイツを手懐けたのよ?」
「それは秘密です」
ルイズの問いにすました顔で惚けるメドゥーサ
その唇の端にはメンヌヴィルの頭髪と同じ色の縮れた毛が張り付いていた
979 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/03(木) 23:05:01 ID:bs+5RghM
>>971 二人共の自分の臣下の心中を察することが出来ない王。哀れ
アンリエッタがグィネヴィアを召喚
真のビッチ道を極める
Fateにおけるグィネヴィアは、女性のところに嫁入りした挙句、到底心が通じていたとは言えない。夫婦関係(?)がアレでは、流石に哀れを感じてしまう。
とはいえ当時の倫理を考えれば、問題があることは間違いないが。
……だから、グィネヴィアとアンリエッタを同一視するのは止めましょうよ。
>>977 不明もなにも、そんなこと言ったら、アヴァロンは実は完璧の守りといってるが実は対界宝具のみ守れる宝具なんじゃね? って言っているようなもん。
自己申告とはいえキチンと言っているし、矛盾する行動をとっていない。
バゼットも納得し、世界三位とかある程度の具体性をもった話もしている。
人々の思うとおりの悪魔なんだし、とりあえず信じてやれよw
>>979 方向性は真逆だけどな
アンアンは生まれながらの王族として育ったら、臣下と友達の区別がつかなくなって、行動が公私混同になっているけど
セイバーは選ばれた王足らんとするあまり、私を捨てちまったもんだから臣下の心すらわからなくなってしまった
足して二で割れば丁度いい名君になるんじゃね?
とんでもないダメ王になる可能性も同じくらいあるが