あの作品のキャラがルイズに召喚されました part111
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。
(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part110
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1202396126/ まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/ 避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/ ---------------------
_ ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
〃 ` ヽ . ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
l lf小从} l / ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,. ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
((/} )犬({つ' ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
/ '"/_jl〉` j, ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
ヽ_/ィヘ_)〜′ ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
_ ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
〃 ^ヽ ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は
J{ ハ从{_, 本スレへの投下で問題ないわ。
ノルノー゚ノjし ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず、
/く{ {丈} }つ 本スレではなく避難所への投下をお願いね?
l く/_jlム! | ・クロス元が型月作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
レ-ヘじフ〜l ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。
,ィ =个=、 ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
〈_/´ ̄ `ヽ ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
{ {_jイ」/j」j〉 ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
ヽl| ゚ヮ゚ノj| ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
⊂j{不}lつ ・次スレは
>>950 か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
く7 {_}ハ> ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
‘ーrtァー’ ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
・あと出来れば投下予告時にタイトルの報告もお願いします。
新規の場合、ネタバレを控えたい場合は仮でも良いのでお願いします。
新スレを立てたヤツが相手なら
>>1 乙を言わざるを得ない
初めてプレイしたのは銀色でした
>>10 エロゲ板と間違えて誤爆してんじゃねぇwwww
スマソw
初めてプレイしたのはAIRでした
攻略サイト見ないでクリアするのは不可能だったw
>>1 乙
初めてプレイしたのはGALZOOアイランドでした
何度女の子モンスターを取られたことやら
忘れてた
>>1 乙
初めてプレイしたのは斬魔大聖デモンベインでした、
その熱さにやられ俺の中のエロゲーというものの価値観が
人より90度くらい違う感じで定着してしまって……
>>1 乙です
初めてプレイしたのはAIRでした。 やっているところを母に見つかり、母がはまってしまったのが良い思い出です。 >>1乙ー
おまえらいい加減にwwwww 1乙
初めてプレイしたのはいただきじゃんがりあんRでした
あまりのバグの多さに憤死しそうになりました
>>1 乙です
初めてのエロゲ告白会場はここですか
>>1 乙
俺はHello,Worldが初だったなぁ。
ここから召喚するならやっぱ和樹キュンか。
初期verを呼んでルイズ達との心の触れ合いハートフルストーリー。
電覚が使えないのは痛いが。
ハーレムEND後のレオ御一行様をテレポートゲートでハルケギニアに そんな電波を受信したこともありました
はじめては、ナイトウィザード〜魔法大戦〜でした。 クソゲーだけど設定がきっちりして、TRPG的に役に立つっていうのがなんだか悔しいです。 えー、何スレか前にゼロのサムライレンズマンとか投下してみて絶不評をいただいた邪鬼眼1号です。 トップをねらえ!2ネタで短編(になる予定)を書きかけてるのですが、捲土重来を期して投下してよろしい でしょうか。書けてるのは前後編の前編部分です。
初めてプレイしたのはクトゥルフの呼び声でした。
今では良い思いでです。
>>1 乙
>>1 乙、初プレイは真瑠璃でした
そーいや雪女ってーとどんなキャラがいたっけ?
27 :
ゼロの7号 :2008/02/10(日) 16:37:22 ID:Jmf8oPmM
お許しをいただいたということで、40分からやってみます。
初めてのゲームはFCのドラクエ3ゾーマ戦です 母親からやってみとコントローラ渡されてあっという間に全滅でした 以来ゾーマ=最強が染み付いた
29 :
ゼロの7号 :2008/02/10(日) 16:40:34 ID:Jmf8oPmM
物語はいつも、春の召喚の儀式から始まる。 「で、あんた誰よ?」 「ノノです!」 「ノノってなに!?」 「ノノです!」 「いや、だから、えーと、ノノって名前?あんたの」 「はい!」 「わかったわ。あー、あんたって、平民よね?」 「ノノです!」 「いや、それはわかったから、えー、あんた何?」 「ノノです!」 「そうじゃなくって!もう、あんたは、そう、あんたは何をする人なのよ?!」 「ノノは宇宙に行くのです! なぜならば! ノノはノノリリになるのですから!」 少女が指差すハルキゲニアの空を思わず見上げたルイズの視界の隅で、ピンクのアホ毛が揺れていた。
30 :
ゼロの7号 :2008/02/10(日) 16:41:18 ID:Jmf8oPmM
(ここから画面はモノクロームになります) ――『シャイターンの門』殴りこみ艦隊旗艦 発掘戦艦エクセリヲン艦橋 「あの少女……ノノ君ことバスターマシン7号がこの世界に来てから7年。 たった7年で我々はここまで来た。空恐ろしく思えることすらありますな」 元学院教師、現殴りこみ艦隊技術中将コルベールが眼前に展開した艦隊の威容に苦笑を浮かべた。 「シャイターンの門の真実を我らが知り、エルフ達が守り続けた封印があと7年で解ける ことを知ってからの7年だ。必死にもなる」 ガリア国王兼殴りこみ艦隊総司令官ジョゼフの顔には苛立ちがある。かつての無能王には決して見られなかった表情。自分の全てを振り絞ってなお絶望的に全てが不足している現実への苛立ち。 「ノノ君が聖地へ辿り着いた時……エルフ、すなわち偽装のため人型へと進化したバスタ ーマシン達は彼女に道を開き……我々は世界の真実に直面しました」 「何も知らぬまま滅んでいた方が幸せだった、とでも言いたいのか?」 「かつて我々の祖先がこの世界へと逃げてきた理由…それが再び迫っていると知ったハル キゲニア全土を絶望と混乱が包みました」 「だがそれを乗り越え、我々は立ち向かう道を選んだ」 「縮退炉を積んだ第3世代艦で再生できたのはこの船1隻。後は魔法を併用してようやく動く、 出来損ないの反応炉をつんだ第2世代艦もどき。頼みの綱のバスターマシンも所詮は我々が回収したデータから作り上げたレプリカ、やつらにどこまで対抗できるか」 「今更だな。悩んだところでもはやどうにもならん。あとは行動するだけだ。やつらを……宇宙怪獣を叩き潰す」
31 :
ゼロの7号 :2008/02/10(日) 16:41:43 ID:Jmf8oPmM
――殴りこみ艦隊所属 トリスティン王国軍旗艦・空母クレマンソー 「いよいよね、腕が鳴るわ」 「ツェルプストー、あんたゲルマニアの方にいなくて良かったわけ?」 「ここまでくれば国なんてどうでもいいじゃない。それに最後はみんなと一緒にいたいしね」 「最後って……縁起でもないこと言わないでよね」 「あら、誤解しないで。7年前に始まったこの馬鹿騒ぎもこれで最後ってことよ。 まったく、本当なら5年前にはあなたの顔を見なくて良くなってたはずなのに」 「無理に引き止めてないわよ?さっさと帰れば良かったじゃない」 「無理。……学院がバスターマシンパイロット、トップレスの養成所に指定されたから」 「わ、わかってるわよ、そんなこと」 「全く、あなたときたら、7年たってもあきれるぐらい成長しないんだから」 「な、なにがよ!?」 「言わなくてもわかるでしょ?ねぇ、ノノ」 この7年で少女の域を脱し妖艶さがいや増した赤毛の女性が、ピンクの髪の……こちらは7年前と見た目が変わらぬ少女を抱き寄せて、もう一人のピンクの髪の女性の胸のあたりへとわざとらしい視線を送った。 「ノ、ノノ!?あんたも私のことをそんな目で見てたの!?」 「はい、お姉様は凄いです!」 未だにノノにおいつけない自分のボディラインを意識して、顔を真っ赤にしたルイズへとノノが意味不明の回答を返す。 この7年間繰り返されてきた光景にタバサの口元が微かに緩んだ。
32 :
ゼロの7号 :2008/02/10(日) 16:42:34 ID:Jmf8oPmM
ヴーゥ ヴーゥ 警報が艦内に響き渡る。終わりの始まりを告げる警報が。 「いくわよ、タバサ。『トランシス』!」 「……『キャトフヴァンディス』」 「 ちょ、いきなり出さないでよ。待ちなさい、私達もすぐにグレートガンバスターで」 「露払いは任せておきなさいな。主役は後からゆっくりいらっしゃい」 両手両足に砲塔を備えたキュルケの36号と完全に人型のタバサの90号、呼び出された2体のバスターマシンに遅れじと愛機へと駆け出そうとしたルイズは、キュルケの声にいぶかしげな表情で振り返った。 「いきなりなに言ってんのよ、あんた。あたしたち抜きでやれるわけが」 「ダーリンに聞いたわよ。あんたのグレート、マイクロガンバスターが無いからエネルギーが足りないんですってね?ノノちゃんの縮退炉だけじゃフル稼働は一瞬しか出来ないそうじゃない」 「あ、あのコッパゲ、余計なことを」 「そうなのです!今のノノじゃ足りないのです!タルブにはマイクロガンバスターが埋まっていませんでしたので、困っているのです!」 「あんたもあっさり答えないの!」 「ま、通常起動でもトランシスより強いのも確かだけどね。あなたたちは最後の切り札なんだから、力を残しときなさいな、ルイズ」 飛び立っていくバスターマシン軍団を見送るルイズの瞳には友の身を案じる光がある。 この修羅の7年をともに乗り越えた友との絆は今の彼女にとって何よりも強かった。が 「お姉様、今は……」 「わかってるわよ、それぐらい。でも……。ううん、皆を信じなきゃね。 エネルギーチャージ始めるわよ、ノノ。いつでもいけるように」 「了解です、お姉様!」
33 :
ゼロの7号 :2008/02/10(日) 16:43:00 ID:Jmf8oPmM
――『シャイターンの門』殴りこみ艦隊旗艦 発掘戦艦エクセリヲン艦橋 「『シャイターンの門』封印破れます!タンホイザーゲート露出!重力場反転、来ます!」 悲鳴のようなオペレーターの叫びに、ジョセフの指揮が応える。 「全艦隊一斉射撃初め。出鼻を叩け」 「初弾、発射」 ハルキゲニア全土の人材・資源をかき集めて作られた大艦隊が一斉に光条を解き放つ。 7年前には想像すらできなかった超技術の結晶。 「弾着!最初に出現した宇宙怪獣は消し飛んだもよ……」 「どうした、報告ははっきりしろ」 「きょ、巨大な敵影出現!確認できるだけで全長数リーグ!」 「! これが兵隊どもの親……『門』が封印してきた巡洋艦級宇宙怪獣ギドドンガスか」 「シールド確認!こちらの攻撃が全てはじかれています!」 「ふん、任せろ。俺の<虚無>を乗せたホーミングレーザーで無効化する。 ミスターコルベール、アルビオン艦隊に『岩石落とし作戦』発動の指示を。 宇宙怪獣どもに見せてやれ、自棄になった人間がなにをするかをな」 「了解しました。『岩石落トシ』発動セヨ、『岩石落トシ』発動セヨ」
もうちょっと1レスに詰めこもうぜ支援
35 :
ゼロの7号 :2008/02/10(日) 16:43:26 ID:Jmf8oPmM
――アルビオン艦隊旗艦 ヴァンガード 「ウェールズ陛下、エクセリヲンから『岩石落とし』発動の司令が下りました」 「分かった。テファニア、頼む。」 『分かりました、陛下。いきましょう、ディスヌフ』 「……しかし、これでアルビオンも見納めか……」 「意外だね、君にとっては悲しい思い出だけがある土地だと思っていたが」 ”土くれ”のフーケことマチルダオブサウスダコーダは肩をそびやかして見せた。 「清々するって言ってるんだよ、国王陛下。過去にとらわれて生きるつもりはないからね。 あんたはどうなんだい?治めるべき祖国を失ってしまって本当に良いのかい?」 「わが祖国のほとんどは今回の疎開の前にたった数体の兵隊級によって滅ぼされている。 奴らとの戦いにはあらゆる手段を持ってしなくてならないと、誰よりも知っているの は我々アルビオンの民だ。そう。例え、わが祖国の大地、アルビオンを 『 本土決戦用特別攻撃最終質量兵器 ア ル ビ オ ン 』 と化そうとも」
36 :
ゼロの7号 :2008/02/10(日) 16:45:43 ID:Jmf8oPmM
眼下に広がる大地を見て、今日までの日々を思う。悲しいこと、つらいことも多かったけれど、 みんなと一緒に生きてきた思い出の場所が脳裏をよぎる。でも。 「みんなを守るために。みんなとこれからを生きるために。力を貸して、ディスヌフ。」 バスターマシン19号ディスヌフがテファの魔力を巨大な「手」に換え。 「いっけぇええ バスターぁぁぁアルビオぉぉぉン 落としぃぃぃぃい!」 「手」が『アルビオン』を『シャイターンの門』へと投げつける。 ――『シャイターンの門』殴りこみ艦隊旗艦 発掘戦艦エクセリオン艦橋 「やりました、ギドドンガス、崩壊します!……え?!なに、これ!」 エクセリヲンから放たれたホーミングレーザーが、ジョゼフの<虚無>の力によってシールドを無効化した瞬間、 ハルキゲニア大陸を秒速20kmで横断した『本土決戦用特別攻撃最終質量兵器 アルビオン』がギドドンガスへと叩きつけられた。 圧倒的な運動エネルギーの前に『ギドドンガス』が『アルビオン』とともに崩壊する様に快哉を上げようとしたジョゼフの顔が、 オペレーターの悲鳴と共に凍りつく。 「ギ、ギドドンガスの影からもう1体、巡洋艦級が」 「ミスターコルベール、これは?」 「いや、もう1体いるわけではないですね。どうやら、『アルビオン』で砕いたのは奴の殻に過ぎなかったようです。 あの砕けたものには中身が無い。本体の前に浮かんでいた殻が砕けることで破壊エネルギーを吸収し、 本体へダメージが及ぶことを阻止した、ということでしょうか」 「なんてこった。只の囮に切り札を切ってしまったというのか?……」 動揺を抑えきれないジョゼフへと、つとめて平静さを保ちながらコルベールが続ける。 「いえ、ジョゼフ陛下、一概にそうとも言い切れないでしょう。『アルビオン』の全エネルギーを相殺したほどの殻、他の手段で破壊することは不可能に近かったと思われます。奴 の本体にこれで手が届く。そう考えるべきだと考えます」 「物は言いようだな、全く。だが、まだあきらめるには早いということか。……そうだな 我々にできるのは全力でやることだけだ。全艦に攻撃の指示を送れ。本艦も光子魚雷を使」 「陛下、ギドドンガスより兵隊級多数の出撃を確認!な、なんて数?計数不能!レーダー画面上の七割を敵の表示が占めています!」 「敵が7分に空が3分、か。バスターマシン軍団に迎撃させろ。艦隊はあのデカブツに集中だ!」 ――『シャイターンの門』上空、バスターマシン軍団 「いいわね。いくわよ、みんな。先は長いんだから飛ばしすぎず、陣形を崩さずに戦うのよ」 「…バスタースマッシュ」 タバサの魔力を受け肩から飛び出した冷凍光線の球を巨大なテニスラケットで撃ち放つキャトフヴァンディス。前方に展開した兵隊型宇宙怪獣の群れが巨大な樹氷をおもわせる姿で凍り付いていく。 「って、何いきなり大技使ってるのよ、タバサ。あなた人の話をなんだと」 「見て」 「…っ!」 冷凍光弾で凍りついたはずの宇宙怪獣の群れのほとんどが氷の戒めを破り再び動き出す。 「マイナス1兆2000万度よ?余波だけでもこの宇宙の物理法則を超越しているはず。 それが直撃した奴以外には通用しないって言うの?」 「これまで私達が戦った兵隊よりも、強い」 「そっか。最大の攻撃をぶつけて、敵の戦力を測ったってこと。」 タバサが昔読んでいた英雄譚で大魔王と戦う竜騎士がそんなことをやっていたっけ。 埒もない思考が一瞬浮かぶが、すぐに振り払う。 「なぁるほど、これは手加減してられる状況じゃないわね。じゃあ、こちらも。 収束!バスタぁービぃーーム!」 トランシスの両手両足の連装砲から一斉に放たれた八条のバスタービームが絡み合い炎の竜の姿をとって―その姿は彼女の使い魔フレイムをどこか思わせる―、動き出そうとする宇宙怪獣へと襲いかかる。
37 :
ゼロの7号 :2008/02/10(日) 16:46:20 ID:Jmf8oPmM
――殴りこみ艦隊所属 トリスティン王国軍旗艦・空母クレマンソー 飛行甲板上、そびゆる勇姿は人類の希望、グレートガンバスター。 『ルイズ、状況はわかっていますね?』 幼馴染の女王陛下の表情は固い。 「はい、陛下。1枚目の切り札で勝負が決まらなかった以上、私たちがやるしかないということですね? ノノ、いけるわね?最大出力で一気に勝負をかけるわよ」 その幼馴染の緊張をほぐすように軽い口調で返してみせる。 「はい、お姉さま。どーんといっちゃいましょう」 相棒も合わせてくれ、いや、ノノはいつもどおりか。出撃を告げようとした瞬間、新たな通信が入る。 『いや、いかんぞ、それは』 珍しく慌てた顔の恩師であった。 「オールドオスマン?何故です?」 『ギドドンガスのパワーがエルフの情報から我々が予想していたそれをはるかに上回っておる。先ほどの映像じゃ、見るがよい』 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 『主砲操作不能姿勢維持困難、ワレコレヨリ特攻スル。援護求ム。王国ト女王陛下ニ栄光アレ』 手ひどくやられた大型砲艦サンダーチャイルドがギドドンガスへと突入していく。 突入を助けようと援護する艦はあっても、特攻をとめようとする声はない。 この戦いの意味を誰もが理解し、阿修羅となっていた。 画面中央、ギドドンガスへと突っ込んだ砲艦の自爆による対消滅反応の巨大な爆炎があがり、光量補正のため画面が一瞬暗くなる。 画面が戻ったとき、ギドドンガスの表面は大きく抉れていた。 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ が。 「再生した?」ルイズは驚愕の叫びをあげていた。 ――旧『シャイターンの門』上空 「冗談じゃないわよ。砲撃なんてほとんど効いてないのに、再生までするなんて」 絶望を突き抜けて怒気をはらんだ声でキュルケが叫ぶ。 「大丈夫。ルイズとノノがいる」 「結局、最後はあの2人頼みか。まったく情けないわね、っと」 いつもと変わらず冷静な友人の言葉に応じながら、バスタービームを解き放つ。
38 :
ゼロの7号 :2008/02/10(日) 16:46:53 ID:Jmf8oPmM
第23波の兵隊はこれであらかた片付いただろうか。しかし、きりがない。 無限の力でもあれば別だろうが、魔力には限りがある。この果てしない増援をいつまでも受けきれるものではない。なんとかして、戦線を維持しなければ。 あの二人に全てを委ねるなどと言うことはできない。いくら二人でもこの数の前では擂り潰されかねない。せめて道だけでも切り開いておかなくては。 自分を立て直すための一瞬の思考。だがこの状況では一瞬でも長すぎた。バスタービームの死角から兵隊級が突っ込んでくるのに気づくのが「一瞬」遅れた。 「タバサ!」 死を覚悟したその一瞬に――飛び込んで盾となったキャトフヴァンディスの姿に思わず悲鳴を上げる。1匹目の突撃を受け動きが止まった途端に次々と喰らい付いてくる。 「っこの!バスタービーム、拡散発射ぁ!」 8条のバスタービームを表面をかすめるように解き放つ。宇宙怪獣の動きがそれで止まるが。 轟 爆炎をあげ砕け散るキャトフヴァンディス。遅すぎたのか。 爆煙をついて、青い韻竜が現れる。タバサの使い魔、シルフィード。彼女がタバサの体を抱えている事に気付き、硬直しかけたキュルケは息を吐いた。 (早く戦闘空域から離脱させないと。でも) この魔女の大釜の中から脱出できるのか。 ――空母クレマンソー艦上 グレートガンバスターコクピット内 『そうじゃ。このような再生能力は情報になかった』 「六千年の間に進化した」ノノがつぶやく。 「あの殻も、膨大な数の兵隊も巡洋艦型の標準にあてはまらない」 「でも!グレートのフルパワーならあいつを跡形もなく吹き飛ばすことだってできるはずよ」 『そう、確かに可能じゃな。だが、それをやった場合』 「ギドドンガスをグレートが吹き飛ばしたときのエネルギーで地上は全滅です、お姉様。 この星が全部砕けちゃうかもしれないです」 「それなら、あいつを宇宙まで運んでから叩けば良いわ。あたしたちならやれる」 『残念ながらそれも無理じゃ。奴がまだ完全にゲートから出てきておらぬのに気がついておるか?』 「引っこ抜いてから持ち上げてやるわよ!」 『オスマン。あなたの認識でさえまだ甘い。事態ははるかに悪い。これを見ろ。 ゲートの隙間から向こうへ偵察に赴いた同胞が超空間通信で送ってきた映像だ』 突然割り込んだヴィターシャルから送られた映像を見たルイズは絶句した。
39 :
ゼロの7号 :2008/02/10(日) 16:47:32 ID:Jmf8oPmM
ダイバスターなみの大きさです!」 「いくらなんでも成長しすぎでしょ!何千リーグあるのよ」 『ゲートからこいつを引き込んだ日には、重力干渉だけでハルキゲニアが滅びるな』 『とはいえこやつはそのすさまじいエネルギーに物を言わせてゲートを拡大しつつある。このまま座していても、そのうちこの世界へと侵入してきて……世界は終わりじゃがの』 老人達のぼやきに不敵な笑みを浮かべて返す。 「なら、方法は一つね。奴を押し返してから、ゲートの向こうで消し飛ばす」 が、予想外のところから反論が来る。 「うー。お姉様。それだけだとやっぱりこっちに影響が出るので、ゲートも閉じないと駄目ですけど」 「けどなに?できるでしょ?」 「一つ一つならできても、全部一緒だとエネルギーが足りないです」 「あんたの得意の努力と根性でなんとかしなさい!」 うなだれていたノノがルイズの喝でキュピンと立ち直る。アホ毛もぴんと跳ね上がる。 「は。そうですね、お姉様。努力と根性です!」 黒目部分が螺旋を描いていそうな勢いのルイズとノノに(流石に)ツッコミが入る。 『こりゃ待てい』 『エネルギー保存の法則を無視するのは無理だと考えます、7号』 「うー、それなら。それなら。……あ、そうよ、忘れてた」 「なんです、なんです?」 「デルフリンガー!」 「……え?なんか呼んだ?気のせいだよな。どうせ俺なんか何の役にも」 まったく出番がなかったためにすっかりいじけているインテリジェンスソード。あまり可愛くない。 「あんたがハルケギニア世界の救世主になるのよ」 「え?な、なに?出番か?本当に出番なんだな?よっしゃー、任せときな」 「でもデルさんになにをしてもらうんです?」 「デルの吸収能力でエネルギーをかき集めてグレートにチャージするのよ」 『待て待て、そんなエネルギーがどこにあるんじゃ。この艦隊の全エネルギーをかき集めてもおぬしらのフルパワー1秒分にも届かぬのじゃぞ』 「一秒でもないよりはましです、その一秒であいつを吹っ飛ばしてやるわ!」 ――旧『シャイターンの門』上空 『キュルケ、早くタバサを回収して後退したまえ。後は引き受ける』 「ギーシュ?この状況でよく気づいたわね」 『今の僕にはたやすい事さ。それより早く!次の集団が来たら僕でもかばいきれない』
40 :
ゼロの7号 :2008/02/10(日) 16:48:31 ID:Jmf8oPmM
「全く、ノノちゃんに吹っ飛ばされて半べそだった子が立派になっちゃって」 自機の前に滑り込んできた27号機ヴァンセットへと軽口を叩きながら、コクピットハッチを開きタバサと(人型に変じた)シルフィードを迎え入れる。 「お姉さまが、お姉さまが大変なのね」 きゅいきゅいと泣く少女を抑えてタバサの状況を確かめる。気を失っているが大きな外傷は無い。とはいえ、強い衝撃を受けたのだろうから早い処置が必要だ。 「ギーシュ!悪いけど」 『任せておきたまえ。今ここにいるのはかつての『青銅の』ギーシュではないのだからね』 「ギーシュ、お姉さまの仇をとるのねー!」 騒がしい友人達を見送りながら苦笑をもらす。子どもの頃の旧悪はいい加減忘れて欲しいものだ。それにしてもあの時はいったいなんだってノノと決闘するなんてことになったのだろうか? 未だに何故ああなったのか、理解が出来ない。まるでブリミルの定めたもうた逃れえぬ運命だとでも。 思念の中に送り込まれてきた新たな情報へと注意を移す。手を止めていたわけではないが、もっと集中しろ、とのヴェルダンデからの警告であろう。 ギーシュ用に調整されたヴァンセットはその両翼アンプリファから波動を放ち周囲の状況を探る事ができるが、その情報量は人間の脳では処理しきれない。 それを触覚や嗅覚という人間には無い情報を処理できるジャイアントモールに肩代わりしてもらっているのである。これが混沌とした戦場でタバサの状況を瞬時に察知できた理由だ。 そして、その能力に彼のゴーレム、ワルキューレの操作を組み合わせる事で今の彼は戦場を(局地的にだが)支配することができるのである。 「ありがとう、ヴェルダンデ。さぁ、もう一頑張りしようじゃないか」 青い金属の造花を一撫でする。巨大なワルキューレ達とつながるその薔薇は彼女達と同じ材質で出来ており、今の彼の称名を表してもいた。 「さあ、いくぞ宇宙怪獣ども。この『ヱルトリウムの』ギーシュを砕けるものなら砕いてみろ」 理論的に破壊不能な素粒子を2つ名に持つ青年はその名のとおり不壊の壁と化して立ちはだかる。
41 :
ゼロの7号 :2008/02/10(日) 16:49:46 ID:Jmf8oPmM
とりあえず、ここまでで前編終了です。 制限がかかるのが怖くてこまめに投稿してましたが。けっこういけるんですね。 Wordで1ページ分大丈夫でした。 支援ありがとうございました。
未来日記から雪輝と由乃を召喚 契約でルイズが雪輝とキスした途端に由乃のスイッチが入ってルイズが殺されるな
乙でした。
ワ、Word…?
初めてはダ・カーポのさくら編… 畜生!乗り遅れた! 1及び7号の人乙!
初めては雫…ってのももう古いのかな
標準的なワードの書式は1ページで40×40だっけか
初めてのエロゲが『パーフェクト・ホール』な自分は、心と身体が汚れきった豚\(^o^)/ それはそうと、だれかバルサ姐さんを召喚して「虚無の守人」やってくれないかなあ………
初めては螺旋回廊・・・俺のトラウマベスト3
絶望した! 皆の初エロゲがまともなので絶望した!! オリの初エロゲはド変態ゲーだったよOTZ
もう初めてのエロゲカミングアウトはいい加減にしとこうぜ 明らかに板違いだし
53 :
やわらかるいず :2008/02/10(日) 17:16:03 ID:xb7sEVPx
予約が20分からこっそり投下したいのですがいいですか?
カモン。 お前らここが全年齢板って事忘れちゃだめよw
56 :
やわらかるいず :2008/02/10(日) 17:22:12 ID:xb7sEVPx
やわらかるいず最終話 ズッタカタン、ズッタカタン ズッタカタンタンタンタン、タン、タタタタン 「ルイズさん、姫様と王子様の結婚式のお祝いをしてくれって言われたんですね」 「そうよ、やわらか戦車、その儀式に使うからってこれを貰ってきたわ」 「ぼろぼろの本ですね これなんですか?」 「始祖の祈祷書と言う国宝よ」 「姫様も王子も太っ腹ですね」 「そうね、風のルビーまで気前良く『お礼』の一言でくれたんだもの ほら似合う?」 「とっても似合いますよ ところでその本にはなんて書いてあるのですか?」 「何も書いてないのよ」 「何も書いていない?」 「そう、何も書いてないの」 「それなのに祈祷書なんですか?」 「そうよ」 「不思議ですねー」 「もしかしたら何か仕掛けがあるのかもね」 「それはそれとしてお祝いの言葉を考えるの手伝ってよ」 「うーーん 『本日はお日柄も良く』なんてのはどうですか?」 「そんなありきたりのじゃ駄目よ そーね もっとカッコいいのがいいわ」 「それじゃあ・・・・『お前が好きだ!!お前が欲しいーーー!!』では?」 「なんで結婚式で告白しなきゃいけないのよ?」 「あ、そっか うーんとそれじゃあ『世の中には3つの大切な袋があります』と言うのは?」 「この歳でそんな親父臭い話はしたくないわよ」 「やっぱり自分で真面目に考えるしかないんじゃないんですか?」 「はぁーーーーそうねぇ」 「その祈祷書にお祝いの言葉が書いてたら良かったですよね」 「そうねーーー でも白紙だしねぇ」 「そうですよねー」 ペラッ 「『エクスプロージョン』ってしか書いてないわね」 ドカーーーーーーーン 「あーーーーーーーー」 「あら?」 ズンズカズンズンチャン 〜終われ?〜
やわらかるいずの、のたーっとした空気がいい。そして支援。
>>55 早いってw
58 :
やわらかるいず :2008/02/10(日) 17:23:41 ID:xb7sEVPx
「ルイズです!!」 「やわらか戦車です!!」 「ついに終わりましたね ルイズさん」 「そうね、やわらか戦車 じゃあ皆さんに挨拶を」 ちょっとまったーーーーーーーー 「誰かしら?」 「僕だよルイズ 僕は君を諦めていない」 「ワルド様!!」 「さぁ 僕と一緒に世界を・・・・・」 キュラキュラキュラキュラ ドカーーーン 「あーーーーーーーーー」 「酷いじゃないか やわらか戦車」 「あ、あなたは90(きゅーまる)式先輩」 「俺 タルブの村で『龍の乗り物』として待ってたんだぜ」 「そぉよぉーーん 私のお店にも来て欲しかったわぁーーん」 「きゃーーー何このオカマは?」 「親戚のスカロンさんです ミス・ルイズ」 「シルフィの出番が全然なかったのね!!」 「・・・・・・モグ (私は結局アルビオンに何しにいったの?)」 「・・・・・シャーー(お二人とも描写があっただけましですぞ このフレイムなど・・・ううっ)」 「はいはーいフレイム 泣かないの あとタバサ歩きながらちくわを食べるのは止めなさい」 「・・・・・ムグムグ」 「お前達!!このイザベラ様を差し置いて最終回なんてゆるさないよ」 「ちょっと!!あなた、私、モンモランシーとキャラ被ってません!?」 「ふっ・・・この美しい僕 ギーシュ・ド・グラモンが がっふぁああ!!」 「ああっ!!こんな卑しい僕が!!マリコルヌが!!親友のギーシュを殴ってまで最終回に出てごめんなさい」 「若いっていいね アンリエッタ」 「そうですわね 王子」 「お姉ちゃん 間に合ったね」 「そうね テファ」 「オールド・オスマン・・・ミス・ロングビルもよいですが・・」 「妹も、萌えじゃのぉ」 「シクシク・・・・結局最後まで使われなかった」 ワイワイガヤガヤワイワイガヤガヤ 「・・・・・・(びきっ)」 「ル、ルイズさん?」 「ええーーーい うるさいわよ!! エクスプロージョーーーン」 ドカーーーーーン 「「「「「「「「「「あーーーーーーーーーーーーーー!!」」」」」」」」」」」 「あーあ みんな真っ黒こげですよ?」 「い、いいのよ!!それよりも やわらか戦車」 「はい ルイズさん」 「それでは 皆さん」 「また 私たちに会う日まで・・・」 「「ばいばーーーい」」 「「「「「「「「ごまかすなーーーーーーーーーーー」」」」」」」」」 ズンズカズンズンチャン 〜今度こそ本当に 糸冬 〜
59 :
やわらかるいず :2008/02/10(日) 17:24:59 ID:xb7sEVPx
これにて『やわらかるいず』全話しゅうりょーーー ありがとーございましたーーー たいきゃーーーく
ちょww乙www
退却などさせるものか(つД`) 乙
終わったwwwww なんという引き際のよさwwwww 乙!
マwリwコwルwヌwwwwwGJww
終ってしまった……乙
先輩が出てきたと思ったらww 乙
見事なやわらか節 確かに見届けた
熟女スキーな話はリンディさん以外にももっと母性キャラの出番を… いっそなのはさんの”おばさん”美沙斗さんとかは…? この場合だとシエスタが死んだ亭…
熟女スキーと申したか、アンヘル姉で我慢しとけ ……DOD&M氏待ってますぜ
歪んだ母性キャラっている? ああ、DODの……
>>59 知らなかったのか?大魔王からは逃げられない……
このなんと言うか、ゆるゆるだけどさっぱりした空気が好きでした。お疲れ様でした!
>>69 DOD最恐の人か。
『敵』より怖い。 小ネタ向きではあるかもね。
スペオペとやわらかが連続してて、しかも両方とも楽しめるってある意味すげーな お二方とも乙でした〜 18:08小ネタ、サンダーチャイルドに妙に感動しつつ(w
73 :
ゼロの魔獣 :2008/02/10(日) 18:13:21 ID:DT/IOpAg
5分後に投下して大丈夫でしょうか?
地球。 ― 慎一と真理阿が出遭った世界。 ハルケギニアとは異なる宇宙に存在するその惑星は、 後に『神』の名で呼ばれる事となる、ある種の意志によって創造されたものだった・・・。 『神』は天地を切り開き、あまねく生命の大元を生み出した後、深い眠りについた。 『神』の眠りし大地で、生物たちは互いを喰らい合いながら進化を重ね、 やがて、地上の覇者となる人類が誕生した・・・。 『神』が何の目的で、その蒼い惑星を生み出したのか、其れを知る術は無い。 だが、再び『神』が目を覚ます時、大地は裂け、天は荒れ狂い、全ての生命は死に絶えるであろう・・・。 ―神託や予言の類では無く、高度に発達した科学技術に拠って『神』の存在を知覚するに至った十三人の学者は、そう結論付けた。 彼らは其れを、大いなる創造主が与え給うた試練と捉えた。 愚昧な旧人類を一掃し、生命が新たな進化のステージに立つための試練と・・・。 科学者たちは、自らを聖書の記述になぞらえ、『十三使徒』と名乗り、 人類の更なる進化の糸口を探し出すため、行動を開始した。 『新人類(ニューマン)』の誕生に向け、彼らは考え得るありとあらゆる手段をとった。 時に非道な研究に手を染め、時には自らの体を切り開きながら、進化の可能性を模索した。 人類の未来の為、彼らは自らの妻子を実験の生贄に奉げる事すら躊躇わなかった・・・。 ―だが― そこに一つの誤算が生じた・・・。 十三使徒の裏切り者・ユダ博士との戦いの最中、 『神』覚醒の鍵を握るひとりの少女・真理阿が死亡したのである。 真理阿の死を契機として、『神』は急速に目覚め始めた。 神の尖兵達が地上に光臨し、文明は瞬く間に崩壊、ソドムとゴモラの再現が繰り広げられ、 ライフラインは為す術も無く分断された。 人類の滅亡は、時間の問題と思われた―。
有史以来の危機から人類を救ったのは、十三使徒では無い。 皮肉にも、彼らがかつて『失敗作』と断じて打ち捨てた一匹の魔獣・来留間慎一であった・・・。 慎一は、死に行く真理阿の血肉を喰らい、その身に内在する『神』の能力の一部を体内に取り込み 虚空の彼方へと飛び去った・・・。 真理阿の肉体は『神』への供物、その真の覚醒のために欠かせぬ養分。 神の尖兵達は地上の破壊を中断し、慎一を追って虚空へと消えた。 幾つもの空間を飛び越えながら、慎一と軍神達は、激しい戦いを繰り返した。 真理阿の細胞から『神』の能力を吸収し、自らの世界を飛躍的に広げた慎一ではあったが 敵は余りにも強大で、彼は孤独であった。 長い戦いの果て、慎一は傷つき、その力を徐々に失い、遂には斃れた・・・。 慎一の命を救ったのは、彼が最後まで守り通した、真理阿の細胞である。 真理阿は戦いの最中、遥か彼方の宇宙から、自らを呼ぶ『声』を聞いた。 真理阿は『神』の能力を開放し、彼方からの『声』のみを頼りに、 次々に空間を乗り継いで行った。 途中、始祖ブリミルの導きを得、追手を振り切ることに成功した真理阿は 能力の殆どを使い果たしながらも、無事、ハルケギニアまで辿り着き・・・、 そしてその地で― ひとりの少女と出遭った・・・。
語られるべき話は全て出尽くし、慎一はそこで口を閉じた。 学院長室の空気が緩み、オールド・オスマンは、ふう、とため息を漏らした。 高度な魔法の習得を通じ、世界の理の多くに触れた老人ではあったが 目の前にいる若者の体験は、彼が知覚出来るレベルを遥かに超えていた。 よく言えば博識、悪く言えば変人で知られたコルベールは、 高度に発達した科学技術で成り立つ異世界の話に、初めは目を輝かせていたが 話が神々の戦いに踏み込むまでに至り、戸惑いを隠す事が出来ずにいた。 「・・・お話はわかりました ―それで ミスタ・クルマ」 「慎一でいい」 「ではシンイチ あなたはこれから どうなさるおつもりなのですか?」 「・・・元の世界に戻る それだけだ」 自らの体を切り刻み、母親をモルモットのように殺した、父・来留間源三と十三人の科学者・・・。 真理阿と出会い、その運命が劇的に変化してしまった今もなお、 彼の人生の目的は、十三使徒への復讐であった。 目の前に置かれた『破壊の杖』−ガトリングガンの残骸を眺めながら、 2人のやり取りを聞いていたオスマンが、重い口を開いた。 「・・・残念じゃが 今のわしらに協力できる事はないの この『破壊の杖』をハルケギニアにもたらした人間は、既にこの世のものではない」 慎一は、特に落胆した風でもない。 ただ 「そうか」 とだけ言って、部屋を後にしようとする。 「ま 待ってくれ シンイチ」 「・・・・・・・・」 「元の世界に 戻るアテはあるのかい?」 「・・・元々俺は 内在する真理阿の力を使いこの世界まで来た 失った力が回復すれば 別世界へと跳躍すること位は出来るハズだ」 ―実際、召喚された直後の慎一は、真理阿と入れ替わる事が出来ないまでに深く傷ついていた・・・ こちらの世界に来て、少しづつではあるが、着実に慎一の力は回復しつつあった。 「だが あんまり長居はしたくは無ぇな」 慎一が、十三使徒の首を狙っているように― 神々の尖兵達もまた、慎一の体内に潜む神の血―真理阿の細胞を欲している。 自分の戦いに巻き込むつもりはサラサラ無いが、 守ってやってる余裕も無い。 慎一の言葉は、その事実を婉曲に告げていた。 「・・・良く分かった 貴殿が元の世界に戻れるように わしらも最大限の努力をしよう」 オールド・オスマンの言葉に対し、慎一は振り向きもせず ただ右手をひらひらさせて扉を閉めた。
77 :
ゼロの魔獣 :2008/02/10(日) 18:24:27 ID:DT/IOpAg
今回は以上です。
To Heartより藤田浩之
GJ!
乙。この前コンビニで原作読んだと思ってたけど……アレとは違うんだな。 しかし慎一がハルケギニアから居なくならない限りは何時か時天空の脅威に晒されると考えると…… ハルケギニア大ピンチか。
>>80 コンビニでって真説のほうかな?
あれは前に出た無印魔獣戦線の続編のようなもの
>>81 なるほど、真説だったのか。確かに言われればそうだったような。thx。
83 :
ゼロの魔獣 :2008/02/10(日) 18:50:16 ID:DT/IOpAg
>>80 クロス元の魔獣戦線と、続編の真説〜の間で説明されていなかった部分を
2次創作の余地としてうまく料理できればと思います。
>>80 そこはゲッターエンペラーが降臨すれば(ry
>>81 ゲッターでさえも対時天空用兵器であることをほのめかしたケン・イシカワの最後期の作品
師匠核の永井キャラとかも見たいっすけどねえ。 サタン、不動明クラスが無理なら 手天童子とか、宇宙を放浪しているときに召喚とか
ビッグバンが足止めに使われる存在に一体何をしろと。
螺旋の神を呼ぶんだ。
よし、ここは超銀河ゲッターグレンエンペラーでいこう。
>>86 バイオレンスジャック辺りならいけるか?
あれ、恒例のギーシュフルボッコでジャックナイフで惨殺されるギーシュが幻視できるな
>>90 それにGストーンも加えて。
G(ゲッター)
G(ガオガイガー)
G(グレンラガン)
まさにGGG。
>>91 隼人だったら「目え! 耳い! 鼻あ!」でギーシュの顔が放送禁止フェイスになる。
いっそのことけっこう仮面呼ぼうぜ! マルコメ大喜びw
>>91 つーかあの人(人じゃないが)、文字通り子供を崖から奈落の底に突き落とすような奴だぞw
まあそれを這い上がれればレコン・キスタなど目じゃないが
水精霊騎士団がバケモノ集団になるって
手天童子なら ルイズ=全ての黒幕だった というオチで 虚無の使い手も使い魔も出現せず、ある程度平和になたハルケギニアで世話になった教皇にワルドとルイズが結婚の報告をしに行った際に巨大なオーク鬼二体出現 片方の鬼の手には赤ん坊が… 「15年タノム…15年タッタラ…ムカエニクル…」
>>91 デビルマンなあれの対処法なんて考え付かんな
>>95 それじゃみんな年増に(ry
ふと思った ゲッターチームをルイズ、キュルケ、タバサに召喚させるとして誰と誰がいいだろう? 弁慶はタバサの父として頑張りそうだけどw
隼人はキュルケだろ だって奴はボインちゃんが(ry
99 :
ゼロの魔獣 :2008/02/10(日) 19:46:18 ID:DT/IOpAg
>>91 直接慎一を召喚させなかった最大の理由がそれだったりしますw
>>98 しまった、そうだった!
そういやボイン好きの設定はTV版だけだったっけ?
真とか新の隼人がボインLOVEなのも困るがww
>>100 やたら有名なセリフではあるが、あれはミチルを助けに行く時の照れ隠しであって、
実際に奴が巨乳マニアというわけではないぞ。w>TV版
ボインちゃんが好きといえば、砂ぼうずとかいたな。 ……招喚されてもルイズ相手じゃ、速攻で逃げ出すなりおマチさんにつくなりしそうだが。
漫画史上最も「ゲス」「クズ」の二つ名が似合う男だもんなw
デスノートとリュークを召喚・・・とかは無理だな
すでにデスノートは召喚されてたはず
>>86 超物質Z召喚
ルイズは確実にデビル化する。
「ギーシュの校しゃ」ですか?
デスノートではないが閻魔あいを召喚・・・しても役立ちそうにはないな。 1回だけ、それも1人を地獄へ送るだけだからな・・・ もっとも、「使い魔契約」によって、ルイズが死なない限り何度でも地獄流し可 になるという設定変更すればある程度役立つかも・・・
このスレって、アルファ・ケンタウリ知ってる奴どれぐらい居るかな?
>>109 いろんな作品に登場するメジャーな天体だし、
天文学でもよく取り上げられるから、
知ってるやつは多いと思うぞ。
>>109 アルファケンタウリに行く前にはICBM大放出して「立つ鳥後を更地に」
いや、なんでも……
SF作品に詳しくないとあんまり触れないんじゃないかな?ファンタジー系のファンが多そうなここじゃ少数派じゃないかな。
アルファ・ケンタウリって『ケンタウルス座のアルファ星』って意味で、ちゃんとした名称は別に有るんだがな。
>>95 朱点童子かと思った。
トリステインを騒がす鬼を退治しに行ったルイズとワルド。
ワルドがあっけなく死亡。ルイズは実家に預けてきた筈の子供を人質に取られて……
実はカトレアとルイズは物心つかぬころにヴァリエール家に引き取られた子で本性は女神。
カトレアは平民男性と駆け落ちして産まれた娘と息子が………
そして交神できる神様・女神様が今まで召喚されたキャラにそっくり。
>>115 洋ゲーですか……
結構良さげだが、うちの古いマシンじゃ動かないな!
いい加減買い換えるか……
>>109 俺が知っているのはジュドー・アーシタの移住先だな
>>115 ああ、そっちか。
これは聞いてみないと予想しにくいなぁ。
俺も、友人がやっていたので少し知ってるぐらいだし。
キングストーン呼ぼうぜ
その時、不思議なことがおきた!
121 :
関連 :2008/02/10(日) 21:20:59 ID:gh7Dllrh
ケンタウルス星といえば、エメラルダスが出会ってすぐのトチローにご馳走したのが ケンタウルス産のウシドリの丸焼きだったのを思い出した。 <ヤマト・ハーロック世代のオールドアニメファン(松本作品全盛時) そういやアニメ版のゼロ魔は、一期二期共に「食事」や「食物」の描写や場面が少な かったり、あっても内容が貧弱なのが不満だった(貴族達の食卓であっても)。
>>116 買い換えたほうがいいな
↓で動かないとか古すぎだww
動作環境
対応OS: Windows(R)XP/Me/98/95 日本語版
CPU: Pentium(R)II 400MHz以上
※Windows XPの場合は、Pentium(R)II 300MHz以上必要
メモリ: 実装32MB以上
※Windows(R)XPの場合は、実装128MB以上必要
ハードディスク: 60MB以上の空き容量
CD-ROM: 4倍速以上のドライブ
グラフィック: Direct X 7.0以上対応、ビデオRAM 2MB以上
サウンド: Direct X 7.0以上対応、16ビット以上のサウンドカード
にしても面白そうだな
>>119 そんな輝きで奇跡を起こしたり、悲しんだり怒ったりすることで宿主にフォームチェンジ能力を与えたり、しまいには時間航行能力さえ持つ石なんて知りません。
>>117 実はターンX作ったのもジュドーの子孫達とかいう裏設定があるんだよな?
>>121 >そういやアニメ版のゼロ魔は、一期二期共に「食事」や「食物」の描写や場面が少な
>かったり、あっても内容が貧弱なのが不満だった(貴族達の食卓であっても)。
ジブリにリメイクしてもらおうぜ
では、撃龍剣を召喚 ……虚無に目覚めることなく活躍するルイズ?
>>127 飯のシーンで毎回腹が減ることになりそうだからやめてくれw
マルコメが毒餃子を召喚 食べて脂肪(死亡) ダメだ・・・中国に消される
んじゃ、洋ゲー繋がりでスタークラフトからインフェステッド・ケリガンを召喚だ
カプコムのパワーストーンとかも面白そうだな
>>127 飯の描写に無駄に力が入ってることに定評のあるハルフィルムで
じゃあ秋月信彦を呼ぼうぜ
この流れは長谷川平蔵召喚フラグってことでいいのか?
食事でふと思い出したよ 牧場物語ルーンファクトリーとか。カブが…でもキュウリとかの方が効率よかったり …そういえば主人公魔法使えたっけ
丸々と太ったマルコメを丸焼きにしておいしくいただこうという流れじゃね
キングストーンと聞いてジュエルスオーシャンが思い浮かんだのも私だ・・・
>>131 ハルケギニア終了のお知らせじゃないか。
惑星の一つ位半年もせずに埋め尽くすぞ。
食べ物が美味しそうな作品からの召喚か。 ……TVアニメ版パトレイバーの特赦二課、とか。食糧事情が凄かったし。
ゲーム、メタルマックス2より 『戦艦ザウルス』召喚!! ・・・本気出せば強いが問題は食費(汗)
内海課長のほうが…
>>139 池波正太郎の食の描写は圧巻ってレベルじゃないよね。
>>128 激龍剣にガンダのルーンが付いたら持った相手を操る魔剣になれかねぇ
タバサがおっさん召還して破壊の杖が轟龍銃とか考えた事が有ったな
食なら井之頭五郎を召喚するしかないだろ…常考
ふぃぎ@の絵とジュエルの差がわかんねよな ジュエルスオーシャンで召喚するならタリスベイブ喚ぼうぜ 魔法以外の謎の力を使えるようになったルイズ。 喜んでその力をバンバン使い、その代償にタリスベイブに… みたいなのをさ
>>148 ギーシュにアームロック
シエスタ「止めて。それ以上、良くない」
40分位から投下いいかな?
おk
>>149 同じ絵師だからそんなに差が出ても困るw
シグルトバルムあたりよべば喜ぶと思うけどここは梅ちゃんあたりをよんでほしい
投下します 1 心の在りしところ。 0 理解出来ない事実は罪悪とはなり得ない。 しかし無知という愚行は災厄となり得る。 しかし、その事実を知ってはならない。 何故なら凡庸であるという事は、幸せの概念その物なのだから。 ジグムント・ヴァーレンハイト著「弊害詞」皇歴四八九年 荘厳な作りの宮殿。絢爛な内装の中、人の波は騒がしく、そして慌ただしく動き回る。 その中で幼い少女とその父親であろう男はゆっくりと優雅に歩く。 二人に壮年の男が近づき、声を掛けた。 「これはこれは、サウスゴータ財務監督官殿、お久しぶりでございます」 サウスゴータ財務監督官殿と呼ばれた少女の父親は微笑み、片手を挙げ挨拶を返す。 「やあ、久しぶりだね」 男は父親の手を握る少女を見つめる。 「そちらはご息女様でいらっしゃいますか?」 父親は頷く、そして傍らにいる少女を見ると。 「ああ。マチルダ、挨拶は出来るかい?」 「はい、お父様」 少女は父親に返答を返すと、男にくるりと向き直り言った。
「マチルダ・オブ・サウスゴータと申します。以後お見知り置きを」 少女は礼式通りに頭を垂らしスカートの両端を掴み膝をたわめる。 「おやおや、可愛らしいお姫様ですな」 男は目を細め微笑む。その時男を呼ぶ声がした。すると男は頭を下げる。 「おや、ではまた後程」 「うむ。後程」 男がまた慌ただしく去って行くのを見送ると。父親は少女の頭を撫でる。 「良く挨拶出来たね」 「はい。もう子供じゃないんですよ」 「はは。そうだね」 父親は少女の前で片膝を着き手を差し出す。 「では、私の小さなお姫様。私めにお手を拝借願えませんか」 「うむ、よろしい」 少女はまるでおとぎ話の姫様のように澄ました表情を作る。 そして形々しく背筋を伸ばし、父親の大きく優しい手に自分の手を重ねた。 それが、少しだけ嬉しくて。 少しだけ照れ臭くて。 姫様役の、澄ました表情が笑みに崩れた。 そして、二人はゆっくりと歩む。 ゆっくりと。 1 「あんた誰?」 透き通るような青空の中。俺の胃に水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムが合成され、その制酸効果で胃痛が多少軽減される。 というか、ギギナが半径一メルトル以内に存在しないのに、胃から胃酸が絶えず排出される理由はなんでだろうね。結論、全部ギギナが悪い。 そして我知らず自己分析。転位の心理的影響からか若干の機能障害、及び記憶障害、戦闘には影響無し。
右手には断罪者ヨルガ、そして左手には糞重い咒弾の箱、腰の補助用魔杖剣<贖罪者マグナス>も確認。俺は嘆息をつく。 自分自身の肉体までも分子の部品のように分析してしまうのが俺のような化学錬成咒式士の悪癖である。俺は周囲を見渡した。 周囲には三十人程の子供と数人の大人。全員が似通った衣装に身を包んでいる。何より異様なのは、大昔の糞ったれたお伽噺の魔法使いのように木の杖を持っていることだ。 そして眼前に立ち、俺を見下ろしていたのは。例にもれず白いシャツと黒いスカートを、黒い外套で身を包んだ少女だった。 桃金といえる長い髪は、腰の辺りまで伸ばされ緩やかな風に流されている。小さな顔は白陶器の白色肌。 そして可愛らしい鼻筋と、物凄く不愉快そうな口元は人体構造上の限界迄引き結ばれ、愛らしい鳶色の瞳は遠くの空に見えるケムトレイルに映えていた。 補足しておくと、俺の顔はそれ以上壮絶に嫌な顔をしているだろう。さっき見た鏡で確認したから、まぁ、こんなものだろう。 俺は例外なく自分取り巻く絶望的な運の悪さに軽く涙目になるのを感じる。そして少女は先程無視した質問を、再び俺に投げ掛けた。 「だから、あんた誰よ!?」 「名乗るほどの者ではございません」 「……誰よ、名乗りなさい!」 「オレ、コトバ、ワカラナイ」 「分かってるじゃない! 人の事、馬鹿にしてるの!」 「これで馬鹿にされてない、という人間が居たら見たいような見てるような」 とりあえずおちょくっておくのが吉。と、今朝の占いを忠実に実行する。嘘だが。 いくら可愛らしい少女だとしても、この少女が俺を拉致した犯人だという可能性が、小脳と大脳が欠落したような馬鹿、かっこギギナかっことじでも気付く程、高い可能性である事を忘れてはならない。 その上で主導権を俺に持ってくる為の心理戦を展開したつもりだが。少女の咒力が爆発的に膨張、杖に咒印組成式の光を煌めかせる。 嘘だろ!? 油断していた。近代以降の咒式使いは、咒式の展開を補助、支援する魔杖剣を持たずに咒式を発動するのは、ほぼ不可能である。
魔杖剣に装着された<法珠>と俗称される事象誘導演算機関は、人間の意識と咒力を仮想力場へ誘導後に位相変異現象を励起し、更に咒式発動を正確に制御する莫大な演算機能を持っている。 その魔杖剣を持たずに意識を虚数空間に接続し咒式を発動するのは、到達者たる十三階梯の俺でも不可能。 故に魔杖剣も持たずに杖でいきなり殺される事は無いだろう、とタカをくくっていたのだが。少女はその不可能を可能にしやがった。 知覚眼鏡はまるで俺の死を告げるように反応。少女の発動しようとした咒印を解析すると眼鏡の裏に組成式を写す。俺は戦慄した。 その恐るべき咒力で紡ごうとした咒式は。化学錬成系最高位第七階位の禁咒<重霊子殻獄瞋焔覇、パー・イー・モーン>だった。 それは水素に中性子が一つ余計に付いた重水素と二個余計に付いた三重水素に、ミューオン粒子を添加。 超高圧放電による超高温高圧をかけ洞穴効果を励起、電子を切り離した原子核を衝突させる最悪の核融合爆発咒式である。 俺は防御咒式を検索。しかし俺の演算速度では、最大数億度まで達する死の焔を防ぐ咒式を展開する事は出来ない。 やる事は一つしかない。俺はすぐに行動を開始する。 「悪かった、謝る、すいません! だから杖を降ろせ!」 プライド? 知るか。東方式の<ドゲザ>をしないだけマシだと自分を慰める。余りの情けなさに目から汗が出そうになるが気にしない。気にしない。……気にしない。 そして少女は杖を降ろし、紡いでいた莫大な咒力は、俺のあずかりしらぬ場所に離散した。 「で……あんたは何者なの?」 「俺はガユス。ガユス・レヴィナ・ソレル。攻性咒式士をやっている」
俺の返答を聞いた少女は首を僅かに傾ける。 「こうせいじゅしきし? 何よそれ?」 何だよ、この質問は? 各種咒式技術の発展によりもたらされた恩恵により、古来から地上を闊歩していた<竜>や<禍つ式>に対抗するための人類の盾たる攻性咒式士を知らないなんて事は…… そこまで考えて、恐るべき可能性に気付く。 「あー、その、少々聞きたいことがあるんだけど」 「何?」 「ここは何処なのかな?」 「トリスティンよ! そしてここはかの有名なトリスティン魔法学院よ!」 魔法学院という十四歳位迄しか言ってはいけない素敵指数が高い言葉を聞いた気がするが、とりあえず無視。 そして俺はトリスティンという地名を知らない。 「あー、もうちょい大きめ視点で頼む。ここは何処かな?」 「大きめって、ハルケギニア大陸のトリスティン王国って事でいい?」 わぁお、思考停止したくなってきた。 鏡を通り此方へ、とは曖昧を三十ミリメルトルの等辺で統廃合したような冗談だ。 他にも可能性はあるが、ほぼ異世界。 俺は壮絶に崩れ落ちた。
159 :
されど :2008/02/10(日) 22:55:12 ID:x1wRSoHw
投下終了でした 支援あったらありがとうございます
しえん
161 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/10(日) 23:18:41 ID:DuTJ/k1N
乙 され罪大好きなんで猛烈に楽しみにしてる
さすが眼鏡置き場もとい前世靴紐だ 情けなくとも何ともないぜ そして眼鏡は高性能だな、魔法を解析するなんて。 乙
>>58 乙かれさまでしたw
実に卑しいマルコメ見て「職業・殺し屋」のメンバーが召喚されたらどうか
と思ったけど、
定期的に殺人と性行為をしないと発狂しかねない奴らばかりなのでどうかと。
とりあえず、
・志賀(小夜子に会う前)が召喚される
・背が大きいぐらいのでくの坊扱いされる。
・キュルケがせまるけどイ○ポという理由であきれられる。
・ギーシュと決闘で周りに気付かれない状態(ゴーレムが壁になってよく見えない等)で
銀髪の蜘蛛の姿になってギーシュをちょっと脅して丸く収める
までは浮かんだけどこれ以降がこれ以降が思い浮かばない。
破壊の杖になりそうなモノも思い浮かばないし。
>>116 安心汁、アルファ・ケンタウリの推奨スペックは
Windows XP/Me/98/95
Pentium(R)II 300MHz以上
実装128MB以上(XPでなければ64MB)
Direct X 7.0以上対応、ビデオRAM 2MB以上
これが動かなかったらロースペックというレベルじゃない。
リロード忘れてた... メモ帳に文字載せる作業に戻りますorz
さて諸君、バレンタインデーがすぐそこに迫っている。 しっとマスク閣下のご帰還はあるか?
罪零のひとGJ。 あと「トリステイン」な。小文字じゃなくて。
あいまい3cmされ罪乙ー
ジャッキーってまだ呼ばれてないよね
なぜか爆れつハンターのキャロット召喚とかいう電波を受信した
され零GJ 果てしなく立ってる欝フラグに期待 あと此方ってこなた?
梁山泊を丸ごと・・・
黒旋風の鉄牛召喚か ルイズ、タバサの二人はおれがいただいたぜ
>>166 クリスマスといい、しっとマスクの活動時期って冬がメインなんだな。心が燃えているからあの服装でも平気なんだろうけど。
>>174 ハリーの野郎が毎年夏に怪談回なんぞやるからしっとマスク様の活躍へるのですよ
まあ水着回で1回登場できるけど
>>174 確か、夏の海水浴場でも精力的に活動してたような
こんです(´・ω・`) 2話目書きあがったんですが、投下してもいいでしょうか?
支援準備オッケイ
いつでも来い支援
支援
りょかいです。 50分から投下開始しまふ(´・ω・`)
光を闇に変え、希望を絶望で覆い尽くせ! 支援!
それを見つけたのは、偶然ではなかった。 トリステイン魔法学院のお昼休憩。 皆が教室を飛び出し食堂に押しかける中、一人食事も取らず学院の外の草原を歩く少女がいた。 青い髪に少々センスの悪い眼鏡。タバサという生徒である。彼女は子供と間違われそうな小さな体を屈め、時折探索魔法も使いながら、草の根を掻き分けるようにして何かを探していた。 明確な探し物があるわけではない。彼女がこの場所にいるのは、身の周りに散る火の粉は事前に払っておこうという思いからだ。 「…………っ、ぅぷ」 タバサは顔をしかめると体を上げ、天を仰いで深呼吸をした。開始早々臭いで鼻がバカになりそうだった。 地面を見下ろすと、その一帯だけ黒く焼け焦げている。 騒動から一日経った今でも、妙な臭いが風に散ることなく地面に染み付いている。 そこは、昨日サモン・サーヴァントの儀式が行なわれた場所だった。 (……この臭いは、何?) タバサは厳しい表情で探索を続ける。 火炎魔法による焦土の臭いとは何かが違う。いや、臭いだけの問題ではない。タバサが胸を悪くしている原因は、おそらく臭いだけではない。 何か強烈な悪意の残滓みたいなものがこびりついている。 それを臭いのせいと誤認するのだ。 現に、事後処理を行っていた生徒と教師が「臭いによる」体調不良を訴えたのをタバサは見ている。 朝食前にこっそり「重病人収容につき入室禁止」としてあった医務室に忍び込んだ。召喚された青年からもこの感覚がした。 しかし、あれは彼のものではない。彼もまた、かすかな残滓をまとっているだけだった。 ここにはもう、何もないかもしれない。 かといって放置しておくには、あの悪意は吐き気がするほど恐ろしい。 昨日から彼女は、いても立ってもいられなかったのだった。 「きゅいきゅい! おねえさま!」 探索を始めてから5分。 使い魔のシルフィードの声に、彼女は立ち上がる。使い魔である大きな風竜が、子供みたいに跳ねて自分を呼んでいた。 「……喋っちゃ駄目」 「誰もいないからいいと思うのねってきゅい!? 痛い痛い! 杖で殴っちゃいたいのねっ!」 「……どうしたの」 「こんなの見つけたのね! キレイなのね!」 彼女の使い魔はとても珍しい種類のもので、人語を理解する程の知性を有している。それは他人には秘密にしてあるのだが、いかんせん若いためか言うことを聞いてくれない。困ったものだと思いながら、タバサはシルフィードの抱えている物を見た。
「きゅい!?」 見た瞬間。 あれ、と思った。 「おねえさま、今度はシルフィ何もしてないのね! ぶっちゃやなのね!」 なぜか目の前に杖があった。腕が勝手に杖を構えている。口が詠唱の準備に入ろうとしていることに気付く。 いつの間に自分はそうしたのだろうか。 「…………!!」 追って、ぶわりと全身から汗が噴き出した。 「……それ、置いて。早く、は、早く」 言葉が震えるのを止められない。不思議そうなシルフィードがそれを置いた途端、タバサはシルフィードの羽を強引に引っ張り、痛みを訴えるのもおかまいなしに「それら」から距離を置く。何が起こっても対応できるように。 数十秒が経過して、タバサは震える杖を下ろした。恐る恐る近づく。 黒ずんだ地面に、「それら」は無造作に転がっていた。 宝石の原石に見えた。すごくキレイな琥珀色と、滑らかなエメラルドグリーン。 二つともカットも済まされていないような荒々しい形のままだが、成人の拳大はある。 エメラルドグリーンの方は蛇を象った金属の装飾が枠縁のように施されており、良い値で売れそうではある。 しかし、そんなことは絶対にしてはいけないとタバサの直感が告げている。 これらはきっと、装飾品にしたなら持ち物を次々と不幸にする魔石になる。 しかも度合いは個人の不幸なんてものじゃない。一国を、世界を狂わす類だ。 こんなものが転がっているのに、何故誰も気付かなかったのか。 「……拾って」 「きゅい? 捨てさせたり拾わせたり、せわしないのね!」 使い魔の胸に抱かれた二つの石を見る。 この不安感の原因は、この宝石と見てほぼ間違いはないようだ。断定しながら、違和感も感じていた。 これらからは残滓と同じ質の力は感じるものの、悪意はそれほど感じないのだ。
恨み、あります、呪い、あります 貴方にあげます!支援
「すごくキレイなのね! おねえさま、これもらってもいい?」 「駄目」 「えー、二つあるんだから一つくらいは」 「駄目」 「きゅい……」 事の重大さに全く気付かない使い魔に、悩みなさそうでいいなという感想を抱いて、タバサは学院である城を振り返る。 風が吹きぬけた。季節にそぐわない、少し冷たい風だった。 本を読む代わりに受け取った宝石をしげしげと見つめながら、タバサはシルフィードを操って学院へ戻る。 半透明な宝石の中心には、不思議な文様が刻まれている。 カットがあまりに雑だというのに、一方でこの刻印の凝り方。違和感を拭えない。 ――を持つ者よ、我と契約を―― 空を駆けながら、風に乗って何かが聞こえた気がした。 「ブレイブストーリー/ゼロ」-02
◇ ――ムスタディオが目覚めたのは、その日の夕方だった。 彼は体の違和感に目が覚めた。自分のものではないような異物感を、全身から感じる。 起き上がろうとしたが、痺れた様な感覚が全身を貫き、再びベッドに倒れこんでしまった。 「だ、大丈夫かい!?」 声が聞こえる。視界が霞む。声の主が男性であることしか分からない。 男性に抱き起こされたようだった。何か言おうとしたが、声が上手く出ない。 「使い魔が目覚めたと、ミス・ヴァリエールに伝えてください。……大丈夫、ゆっくり息を整えるといい」 言われたとおり、目を閉じてひたすら深呼吸を繰り返す。体の痺れが幾分取れた気がした。 「す、少し落ち着いた。……ありがとう」 「それはよかった。ほら、これにもたれるといい」 男性がベッドに設置した背もたれに体を沈めると、部屋の前景が見えた。 清潔な様子からして、どうもどこかの医務室らしい。 何か考えようとした時、男性の声に意識を散らされてしまう。 「あなたは自分が誰かわかりますか?」 ムスタディオは、意図が読み取れずにきょとんとしてしまった。 名前を聞いているのだ、ということは分かるが、何でそんな尋ね方をするのだろうか。 「ムスタディオ――ブナンザだ」 「ブナンザ? 貴族なのかい!?」 「いや、平民だ。ゴーグで機工士をやってた……っつ、なんなんだ、体が痺れて……」 「コルベール先生!!」 医務室の扉が開け放たれる。 慌しく入ってきたのは、桃色のブロンドの少女だった。
滅びゆく肉体に暗黒神の名を刻め 始原の炎甦らん! 支援
「ミス・ヴァリエール。使い魔が目を覚ましましたよ」 使い魔。その単語を、ムスタディオは自分と結びつけることが出来ずにいた。彼が考えていたのは、彼女はいったい何なんだろうということだった。よほど急いでいたのか、息が切れ切れだ。しかしその割に表情は暗い。 何が起こっているのか分からず目を白黒させ、頭をかき、ふとその手を見る。目を見開いた――その手はまだらに変色していた。 大部分はかさぶたが取れたてのようなピンク色で、元の肌の色の比率が圧倒的に低い。 ――ああ。 そういえば、自分は大怪我をしたんじゃなかったか。 必要なことだけが頭に浮かぶ。 体を少し見回すと、露出している肌は大部分が新しい肌の色をしていた。 もの凄い熱を全身に受けたのだ。酷い火傷だったのだろう。 自分は、助けられたのか。 「……状況がいまいち分からないけど、助けてくれたんだな。本当にありがとう。 ええと、改めて、オレはムスタディオ・ブナンザだ」 「ああ、彼は姓がありますが、どうも平民のようです……いや、この辺りの地域では、姓を持つものは貴族だけなんだ」 前半は少女に、後半はムスタディオに向けられた男性の声。 「君はもしかしたら、すごく遠方から来たのかもしれないね」 「遠方……そうだ」 コルベールの発言の意味がよく分からなかったが、遠方という言葉にピンと来た。 ムスタディオは今一番にしなければならない質問をする。 「ここ、どこなんだ?」 それは、本人が思っているよりもずっと重要な質問だった。
死ぬも生きるも剣持つ定め… 地獄で悟れ!支援!
◇ 「私はルイズ。 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ」 そうぶっきらぼうに言い放ったっきり、ルイズという少女はムスタディオの前を黙々と歩いている。 ただ、歩きなれていない自分に速度をあわせてくれている辺り、気にしてくれているのは確かだ。 (ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラ……なんだっけ?) 長ったらしい名前だと思う。ムスタディオは何度か枢機卿や将軍と謁見する機会を得たことがあるし、旅の仲間の半数は貴族だった。しかし、今まで会った貴族たちの中でも群を抜いた長さだ。 すれ違う人間すれ違う人間若いが、着る物は高価で、身のこなしも少し品が良い気がする。皆彼女のような身分の人間なのかもしれないな、とムスタディオは観察する。 ここはトリステイン魔法学院、という場所らしい。 かつて仲間の幾人かが貴族の士官学校に通っていたらしいが、その魔道士専門科のようなものかもしれない。 そんな場所の内部を、ムスタディオは何故か案内されていた。 目覚めた後、コルベールと名乗った教師と医務室の保険医から一通りの体の動作確認、それに2人がかりでの念入りな柔軟を受けた。 随分と体が楽になったところで、リハビリと案内も兼ねてそこらへんを二人で散歩してくるように言われたのだ。 『これからずっと二人でやっていくことになりますからね』 それはどういうことだとコルベールに尋ねたが、ミス・ヴァリエールから聞きなさいとのことだった。 しかし、当のルイズは時折立ち止まって施設の名称を告げる以外、黙ったままである。 仕方がないから、しばらくは状況整理に努めることにしていたが、出てくるのは疑問ばかりだ。 自分の装備品はどこに行ったのか。 ここはイヴァリースのどの辺りなのか。 血塗られた聖天使は倒されたのか。 自分はあの爆発に巻き込まれた後、どういった経緯でここに居るのか。 ――他の仲間達は、どうなったのか。 考えているだけでは埒が明かない。 ムスタディオから話しかけることにした。
天球の運命をこの手に委ねよ 我は汝、汝は我なれば… 支援!
支援
「ええと、ヴァ……リエール様」 「なに」 ぶっきらぼうに返事をする彼女の表情は、何か暗い。 器量は悪くないと思う。しかし何か陰鬱そうな少女だというのがムスタディオの第一印象だった。 「この魔法学院、はイヴァリースのどこにあるんですか?」 「イヴァリース? どこよそれ」 「オーダリア大陸の最南西にある国ですが」 「オーダリア? ここはハルゲニア大陸よ。それにそんな大陸聞いたことないわ」 「……ハルゲニア?」 それからしばらく地理に関する問答を続けてみたが、一から十まで噛み合わなかった。 ――何か、頭の隅でよく分からない不安が膨らむ。 「……分かった。じゃあ、質問を変えたいんだが、オレはモンスターと交戦中に爆発に巻き込まれました。どうやって助けてくれたんですか? それと、他にも仲間がいたはずだけど、彼らのことは知りませんか?」 「他の仲間は知らないわ。私があなたをサモン・サーヴァントの儀式で召還したのよ。呼び出したのはあなた一人だけ」 「召喚……? そうだ、使い魔ってどういうことだよ?」 「そのままよ」 そこで初めて、ルイズがムスタディオの方を向いた。 ムスタディオのくすんだ金色の双眸を、感情の読み取れない色素の薄い瞳が見上げ――彼女はあらかじめ決めていた内容を読み上げるように言った。 「あんた、何もしらない田舎の平民みたいだから説明してあげるけど、サモン・サーヴァントっていうのはメイジが使い魔を呼び出す儀式のことよ。 使い魔の意味もそのまま。あんたは私の使い魔になってもらうわ。 私の小間使いとして働いてもらうって言ったほうが分かりやすいかしら?」 「な」 なんだそれは、と思った。 「い――いくら貴族だからって、いきなりそれは無茶苦茶じゃないか!? 元の場所に戻してくれ! 召喚術なら、召喚したものを元の世界に返す方法だって分かるんだろ?」 「? そんなのないわよ。あんたの言ってるのが何の魔法を指してるかは分からないけど、私達が用いるサモン・サーヴァントに送還術は存在しない。帰るなら自力で、ってことになるわ」 「何だって!? そんな横暴、許され――」 「あーもう! うるさい!!」 突如ルイズが爆発した。 いや、先ほどから導火線に火が灯りっぱなしだったのだが、ムスタディオにそれに気付くほどの余裕がなかったのだ。 「さっきから静かに聞いてたら、わ、わけの分からないことをずらずらずらずら! こっちだってああんたみたいな平民を呼び出して困り果ててんのよ! 召還のやり直しは認められないんだからあんたが私の使い魔になったってことは決定事項なの! こ、コントラクト・サーヴァントだってさっさと済ませないと進級が認められないんだからあんたの言い分なんて聞いてる暇はないのよっ!!」
風よ、人を伝いて吹き 気熱を冷まさん… 支援!
呂律が回っているとは言い難い上に連射弓のような剣幕、おまけにその内容の不可解さと理不尽さにムスタディオは若干ひるむ。 そしてひるんだ瞬間を狙われた。 ルイズに腕を思い切り引っ張られる。自分で思っていたより弱っていたムスタディオの体はいとも簡単に引き寄せられる。 ルイズの顔が、ムスタディオの目と鼻の先にあった。 唇が動く。ムスタディオは次の行動に迷う。相手が危害を加えようとするのなら突き飛ばして逃げればいい。しかし、彼女は自分に何をしようとしているのか―― 「面倒くさい。もうここで済ませるわ。 我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ!」 口付けをされた。 「……っ!?」 右手の甲に熱を感じて、歯を食いしばる。 大した痛みではなかったが、体調が万全ではないため眩暈を起こしてへたりこんでしまう。 「それ、今あんたの手に焼きついたの、使い魔のルーンよ。 早く立ちなさい」 冷たい声が命令を下してくる。 立ち上がろうと壁に手をつく。そこは廊下だった。窓の外には広大な草原に栄える夕焼けが見えた。 彼の故郷、空気の汚れた機械都市ゴーグにはこんな綺麗な黄昏は存在しない。 今までイヴァリース全土を回り、数え切れない夕焼けを見てきたムスタディオだが、この景色は一番の絶景じゃないだろうかと思った。 ――自分はこれからどうなるんだろうか。 オーボンヌ修道院に足を踏み入れた時から、死ぬ覚悟はしていた。いや、生きて帰るつもりではあったが、それだけの気概を持ってあの戦いに臨んだのだ。 そして今、自分は生き延びている。 しかし、なんと心もとないんだろうと思う。 昔、バート協会に追われていた時の事を思い出す。あの時は周囲の人間全員が敵のように見えた。ひたすらに逃げていた。 今は違う。誰かに助けられ、周りの人間は皆無害そうだ。 しかし、そのほとんどが自分の知識と噛み合わない未知である。 助けてくれた人間も、彼の仲間たちのように善意で、というわけではなさそうだった。 沈んでいく太陽を見ながら、ムスタディオはルイズにせかされるまで動けずにいる。 血塗られた聖天使と対峙した時とは種類の違う恐れを感じていた。
以上投下終わりです(´・ω・`)
れ無き天空の光よ、血にまみれし 不浄を照らし出せ!支援!
絶望感たっぷり支援
まれにみる絶望感 いいわぁ
魔空の時に生まれた黒き羊よ 現世の光を包め… GJ!! 今まで呼ばれたキャラの中では、一番なじみそうというか、 イヴァリース自体貴族の権限が強いですからねぇ。 ムスタディオが普通に魔法が使える(あまり向いていないけど、使えますよね?)ことを知ったら、 いったいルイズはどういう反応をするやら。
絶望系が好みであります(´・ω・`) 絶望しっぱなしは悲しいけど。
皆さん、支援と感想ありがとうございました!
王ドロボウジンのジンとキールが呼ばれたら キールが率先してキスしそうだ
ルイズ「キールロワイヤル!」 ってなるのか というか、人間よりは喋る鳥のほうがルイズにとっても幸せ…… ボス、ここまで書いておいてあれですが キールのタマゴを召喚したくなりました
何で支援で唱えられてる魔法が大抵黒魔法や暗黒剣ばっかりなんだろう と気になってしまった 蛇って事はディープダンジョンクリア後? ジョブチェンジはどうなるのか期待 平民なのに魔法使えるパターンはやらないのかな?
されど罪人は竜と踊る>>乙です
ガユスががいるのは分かりましたが、ギギナは?
冒頭の回想録の人?
時間軸ごとズレて召喚?
>>207 自分もそれ考えてました
召喚に至る経緯、能力と付与されるであろう四魔(使い魔)の能力、性格に於いても問題無いと思い
使い魔を引き受ける理由・過程に於いて若干の難有りですが
自身に文才と語彙が無いので、諦めてしまいました・・・・
タマゴで召喚して 「ルイズと本当に仲良くなるなら男と女どっちがいいんだ?」なのをやりたい…… くそおう逃避エネルギーってのは実在しているのか!(←絶賛投下サボリ中
タマゴと聞いてビーダマン思い出した俺がいる
>>212 俺も思い出したwww
コロコロとかボンボンの玩具系マンガって、物語終盤のヤツだったら魔法とも張り合える攻撃力がある気がするw
アニメでドームを突き破ったり自衛隊のヘリを吹っ飛ばしたりしたベイブレードの出番と申したか
>>210 ギギナは鏡に吸い込まれるガユスを助けようとしたけど
間に合わずにおいてかれてしまいました
一度目の投下を見てくるといいですぞ
何俺が居ないうちにエロゲ談義なんかしてんだ 乗り遅れて悔しいから遍歴暴露してやる 悪戯→放課後マニア倶楽部→悪夢→悪っ→警備員→遺作→絶望→悪っ外伝→臭作→悪戯3→大学受験のため引退 その後は葉鍵月飴アリスあたりの有名どころしかやってない。俺も大人しくなったもんだ あ、ブレイブの人乙。面白いなこれ
KANOSOをやってKANONをやった俺の出番か?
>>216 エウシュリーやろうぜ?
幻燐やろうぜ、戦女神やろうぜ。
既に濡れ場がおまけなゲームだぞ。
絵が癖が強い?気にするな。
>>218 ルガヴィ系統だから黒の系統かなと
あとホーリーって
汚れ無き〜 だっけか
>>216 と同じく暴露
ロシアンフロント→ファミンコンウォーズ→大戦略win95→戦闘国家→Age of Empire→
Cossacks→アルファ・ケンタウリ→Hearts of Iron→Civilization→ゼロの使い魔(今ここ)
>>220 ホーリーの詠唱は、修正かけた時に間違って消してしまった。 すまん。
で、ルカヴィ系統というが、
暗魔術はアルケオデーモンだからルカヴィ系だし、
暗黒は暗黒剣士、黒魔法は黒魔道士、暗黒剣はダークナイトで黒の系統だけど、
星天は占星術師、破壊魔剣はアークナイト、白魔法は白魔道士、時魔法は時魔道士で、
黒の系統とは言い難いと思う。
ちなみに、アークナイトは「神の教えに従う聖騎士」だぞ。
>ファミコンウォーズ 母ちゃんたちにはないしょだぞーだっけ
>>223 YES
あの歌はけっこういろんなパターンがある
ミスマルカからエーデルワイス召喚したいと思ったが 良く考えたらあの人戦ってないからどんな戦いするのかわかんねorz
流れを変えるようで済まないが ふと思いついたのですが、ゼロ魔の世界はヨーロッパに似た地形の世界なら、 アメリカみたいな西の彼方にも大陸があって そこにはハルゲニアとは違う生態系でなっていた ・・・と他作品 (例:うたわれるもの等) が入りやすいような妄想を文才が全くないながら思いつきましたがどうなんでしょう?
うたわれは極東っぽいなぁw
エロゲ談義に乗り遅れたが俺もやってやる。 俺の初エロゲはグリーングリーンでした。 ノボル神はみどりがお気に入りだそうですが俺もです。
>>229 あ、勘違い。
みどりスキーは原画の方だっけか?
まああれ以来ノボルさんのファンです。
雫から月島のお兄さん召喚。 うわあ学院がとってもアレなことになるよ!
ところで誰からもハルゲニアじゃねえハルケギニアだってツッコミがないな
>>233 何回指摘されても別の誰かが同じ間違いをして
そいつを指摘してもまた別の誰かがと無限ループするからでは?
あとハルキゲニアも大概多いしな
てかどう読んだら間違うのかがわからない ハルキゲニアの場合はキとケは発音も字の形も違うからすぐわかるはずだし ハルゲニアに至っては字数が少ないだろ
ハルキゲニアって名前の古代生物が存在するからさ たいてい生物とかの理科系の教科書には載ってる 忘れてても無意識のうちに頭に刷り込まれるのさ
ハルキゲニアはカンブリアの生き物の名前だから そっちを知ってる人は脳が勝手に修正かけちゃうのかもしれない。 ハルゲニアは知らね。
239 :
227 :2008/02/11(月) 04:58:30 ID:OSkdOEvv
確かに誤字ってますね・・・すいませんでした!(汗)
字を間違えやすい字体 「誤字ック体」 なんちて
>>240 100枚の座布団に潰されて窒息死してください。
メガテン・ペルソナ系はいくつかあるがルイズ自身がペルソナ使いやサマナーってのはないのかね? フィレモン召喚かGUMP召喚とか… GUMPと同時にネミッサがルイズに憑依。メギド使い放題(しかもサマナー)とか 業魔殿できゅいきゅい×フレイム×ヴェルダンデの三身合体を…
ペルソナじゃないけどカルドセプト召喚してセプターにしようとは思ったけどなぁ。 カードを集め終わるとどうしてもバルテアスと戦わないといけないからゼロ魔世界無視になるのが問題。 ある程度カードを集めた時点で「戦いは続くー」にする必要が…… それに、ペルソナやメガテン系だとハルケに人間が地球の神話を知らないのと異端者扱いが避けられんのが大問題。
ルイズ自身がペルソナ使いに〜〜ってのは人を選ぶだろうが、まぁ許容範囲じゃね? ただ、オリジナルペルソナとかになってきたりすると拒絶されると思われる。
ご立派様がいたじゃないか アレはペルソナじゃないの?
>244 オリジナルペルソナってゲームに出てきてないって意味? それともどんな神話にも出てこない神様とかのたぐいって意味? 前者でどっかの神話にある悪魔か神様だったらまず許容範囲だと思うが ルイズだったらどうなるだろう。ヘラあたりか?
ルイズのアルカナが何かが問題だな。 No.0に一票。
なぜか船室っぽい内装の学院内食堂 なぜか船長っぽいコスをしているマルトー なぜか妙に顔が青白いシエスタ 食堂の地下室へ行くとそこには…
>>247 いや、ジョジョを扱っている姉妹スレでいう「オリジナルスタンド」みたいな
ヤツの事を言ったんだ。
まぁ、ペルソナはスタンドと違って固有能力を兼ね備えてるってのは稀だから
伝わりにくかったかもしれないが、
「僕の考えたペルソナ〜〜が出来る、メギド? 当然使えますよ」
とかそういうのは駄目じゃないのかと言っただけ。
ペルソナ「平賀才人」
それはストレートに、厨二病・邪気眼キャラ禁止でいいかと
いっそ邪気眼コピペのあの人召喚しようぜ
花山薫を召喚して、7万人を相手に侠客立ちを見たい。
ギーシュにワルキューレを無視して胴回し回転蹴りを食らわさせるのか
花山は疵顔が連載中だから、現在進行形の作品同士のクロスになってつらくない? 片方だけなら何とかなっても両方で新事実が出てくるとフォローしきれないような気がする。
それどころか持ち前のスピード×体重×握力=破壊力! ってのをバックに 宝物庫の頑丈な扉も、ゴーレムも素手で粉砕しそうだぜ、あの人は。
1億9000万年前の地層から岩塩漬けにされた野人召喚。
あいつらがハルケにいるのを想像すると、他のキャラも板垣絵になるから困る。 お前らルイズとシエスタがにゃんにゃんしてるシーンを板垣絵で想像してハァハァできるか?
聖地にラプター出現
しつこいネタですが、初エロゲーはTo Heartでした。 今思い出しても胸が温かくなる、春のような物語でした だから、小ネタでも良いからTo Heartから藤田浩之を召喚してみたい、と思う でも、リーフファイトってなんだろう? まさか浩之も人外の強さなのだろうか・・・
>847 :名無し三等兵:2008/02/10(日) 19:27:34 ID:??? >ふと思ったがゲートが恒常的に開いちまう一番の理由って、 >虚無パワー同士のぶつかり合いなきがしてきた。 >ルイズと兄王が激突、そこに援護する法王、爆心地にて >空間そのものに穴が開くような衝撃が走る。 >その衝撃で開いた穴から世界の狭間に封印された始祖が復活。 >余波でハルケギニアと地球の秋葉原にゲートがつながる。 >その後経済支配でメイドさんウハウハ
エロゲ−、マジしつこい
ベイダー卿を読んで、『ルークがルイズに召喚されたようです。』てのを考えてみた。 ?ガンダとしてルーク・スカイウォーカー召喚、ルイズのツンにジェダイの忍耐で耐える。 ?ルイズのデレにも耐える。シエスタ・キュルケの誘惑にも日夜耐え抜く。 ?一方ミュズとしてシディアス召喚、ジョセフ王はアプレンティスに、ワルドやクロムウェルらはダークサイダーに。 ?ジョセフ「I am your father」タバサ「NOooow!」 最後はなんとなくやってみたかっただけ
>>264 どうでもいいが「Now」だと「今」になるぞ
ネカマネタのパロディは吹いたなぁ。>スターウォーズ
>>256 スカーフェイスはもうあのまま連載中止決定みたいなもんだからある意味完結作品とも言えるw
板垣といい三浦といい、もう漫画家として独立した弟子をアシとしてこき使い過ぎだ。
>>188 さてタバサはどうなるのか……
絶望の果てのルカヴィとの契約か、それともタバサママンが回復するのか
(ベルセルクのベヘリットと違って、元々はまともな神様が創った物だから聖なる力を発揮することもあるけど
どういう条件で聖なる力になるのか分からんし)
>>249 マルトー『アルヴィーズの食堂へヨーソロー・・・
>>269 エロゲ話してる連中と一緒にどこかに行ってください
ニコ厨死ねばいいのに。 スレ違いなエロゲ雑談と一緒に。
>>267 三浦がセスタスやホーリーランドの作者をこき使ってるってのは全くのガセなわけだがw
建国記念日なので日本神話の神様召喚 記紀まで遡らなくても、アニメやマンガやゲームに出ているやつでよいが
んー、サモンナイトネタで恐縮なんだが ネスティかエルジンを召喚した場合、機属性召喚術はガンダ補正入るのだろうか
>>275 サモンしらないからそっちの設定は解からないが
基本的には呼び出した後で兵器として使用するときに
ガンダ補正が入るんだろ
もし呼び出した奴が自律で動いているなら
ガンダ補正が入る余地が無い
>>273 そうだったのw
……んじゃ何でセスタスや花山薫はあんなに休載してんだ?
>>281 悪いが続きはバキ関連スレでやってくれないですかい?
>>281 お前はバスタードやハンターハンターがなぜ休載するかを聞くのか?
>>274 つアマ公
ルイズが召喚しても大丈夫な神様か、 ツンデレ娘持ちでアホ毛の魔界神なら、あるいは……
『魔法使いの娘』から鈴の木無山を召喚。 最強陰陽師の力を遺憾なく発揮して難問を次々に解決していくも、 疲れる仕事を全て押しつけられた上に 日常の世話までしなくちゃならなくなったルイズ涙目。 「ちょっと! 主人が使い魔の世話をするなんてあべこべじゃない」 「そうでもないよ、ルイズ。僕は毎日ヴェルダンデのブラッシングを欠かしてない」 「あんたは黙ってて」 もっと涙目なのは いつの間にか学院が魑魅魍魎の巣になってしまったタバサ。
>>287 つまり、ハルケギニアを創造したのも
虚無の魔法をブリミルに与えたのも
ルイズがツンデレなのも
歩いてお帰りな神さまの仕業だと申したか
ハルケギニアは魔界だったのかw 求問史記に詳細が載ってれば書けるんだけどなぁ…。 資料無しだとオリキャラか三次キャラになりそうだ。
>>277 金精さまー!!
それはともかく、日本神話で思いついたネタ。
どマイナーで申し訳ないが、「南海奇皇」のランガを召喚。
時間的には本編終了後、何らかの理由でタオを倒しに宇宙へ行った時。
ランガの核(単なる同化ではなく、スーラやラヴレみたいな状態)になったのは、
可能性として一番なのは夕姫、次点で海潮、大穴というか意外とあり得るのが魅波。
少なくともラヴレは再起不能だし……案外普通にスーラかもしれんが。
タオ倒しにいくぜえー!! という時に召喚されてマジ切れな夕姫。
己の正義を貫こうとしている海潮は貴族と平民の関係を改善しようとする。
魅波は「給料無しなら使い魔やんねーよ、月30エキューは払え」
ルイズはランガだけが自分の使い魔だと言い張るが、ランガは三姉妹の言うことしか聞かないので
なあなあのところで妥協。たぶん夕姫がめちゃくちゃ文句いうだろうけど。
ギーシュ戦はたぶん海潮が受け持つだろう。ピンチになったらランガ来襲! ギーシュ\(^o^)/
アルビオンにはランガに乗っていきます。夕姫に(´Д`;)ハァハァなワルド。
タルブ村には死んだスーラが眠っている。(遠い昔に召喚されることで復活したレヤガミ様とか)
戦艦相手は破壊光線と七支刀で対応。時の鏡はやりすぎだろうし。
「メイジとは不完全なキュリオテスで、始祖はより強力になったキュリオテスだったんだよ!」
「な、何だっt(ry
メイジが始祖と唯一神をあがめている理由はそれ。(精霊も敬っているけど)
エルフはタオとスーラ、両方を崇めてご機嫌をとることにより、
すんでのところで滅亡をまぬがれたヒト型のスーラの末裔とか。
ランガは最終形態になるまでは現代兵器でそれなりにダメージは受けるし、
スクエア、トライアングルのメイジなら互角に戦えるだろう。
三姉妹と同化して真ランガになると、時空を自在に操るという超スペック持ちになるけど。
>>291 どマイナー過ぎて茶吹いたわwww
ここのスレで何人くらいが知っているのやら。
遅レスだが7号乙
294 :
47の人 :2008/02/11(月) 13:05:08 ID:jth62I+h
皆さんお久しぶりです。 Himan ZERO the assassinの続きを投下したいのですが、 実は次話に当たる第十話が短かったので、今回は第十一話も併せて投下したいと考えています。 そのおかげでこんなに間隔があいてしまったのですが…… 投下許可が出れば、第十話から投下します。
警告:名無しは不審な男を支援している
某エロ漫画から 「よーし、ギーシュバーチャ描イターで勝負だ!」 「望むところだ!」 「まず俺はツンデレナイチチの幼馴染ルイーズだ!」 「ふふん、まだまだ甘いね」 「何!ツンデレ縦巻ロールだと!」 おお ざわざわ ギャラリーが肖像権無視した絵に沸き立つ 「ちょっと!どうみてもあれ私じゃ無いの!」 「ギーシュ!破廉恥!」 「ようし、まずは俺のターン!」 ”夜な夜なパンツの上からオナイーする夜鳴き少女だ!” ”あん あん ら、らめぇ” 「くっ、やるじゃないか!平民レベルが!よし僕のターンだな!いくぞ!」 ”突然、失禁!” ”み、みちゃ らめぇえええええ” 「ぶはっ!俺のウィークポイントを突いてくるとはギーシュ、お前をライバルと認めよう!」 ”婚約者にレイプ” ”<ゃιぃ でも かんじちゃう!” 「ぐぬぬ、全然だね!じゃあこれが最後のターンだ!」 「双方筆を収めよ!」 学院長が中腰で広場にやってくる 「公然わいせつで両者とも補導する!」 「がーん」「がびーん」「すっかり忘れてた」 そしてこれが元で「エロのルイズ」「性棒のギーシュ」は国内外で有名になったのであった終わり
第十話 Purify, and by blood without dirt. 分からない。あの時、学院長室で彼らが話していた事が。 ――人を殺す為のクローンとはの。難儀なものじゃ。 殺す? 人を? あの人が? 扉に近づいて、耳を側立てればもう少しはっきり聞こえたかもしれない。 本当は、そうすべきだったのかもしれないけれど、でも、その時は出来なかった。これ以上、あの人を汚す様なまねは。 ――決闘の時も、直ぐに殺せたのか? 決闘、と言う言葉で、脳裏に彼がこの学院に来て、直ぐの出来事が浮かぶ。 ――先日、貴族が、不審な死に方をしました。 多分、この声はコルベール先生だろう。酷く声が震えている。 最近、一度だけ身近になった貴族が死んだ。事故死で片付けられたけれども、あれは、よくよく考えてみれば奇妙な死に方だった。 まさか、あれも……? 信じられない、信じたくない。そう言い聞かせる様に首を振る。 魔法を使えない、平民だと思っていた。そして、その通りで、でも貴族相手でも毅然とした態度を取れる。憧れだった。その彼が、人殺し? 自分が、今、此処にいられるのは、彼が、人殺しだから? 頭が痛くなってくる。脳の、ずっと奥の方から。 授業終了を知らせる鐘が遠くで鳴った。肩が震え、目眩を起こす。 扉の向こう側から、こちらに近づいてくる足音が聞こえた。話を終えた、彼が、向かっているのだ。寸での所で歩き出す。幸い、生徒や、教師にまぎれる事が出来た。 扉から出て来た彼が、少しこちらを見た様な気がしたが、決して振り向かず、歩く。 今、振り返ったら、きっと青ざめた表情を見られてしまうだろう。 ※ ※ ※ 厨房で、47は何時もの様に朝食をとる。 来るのが、何時もより遅い事にマルトーは少しだけ驚いたようだったが、直ぐに用意してくれた。バターをのせたパン。スクランブルエッグにチーズ。皆、貴族の朝食の残り物だ ワインも勧めてくれたが、朝から酒は、と丁重に断る。既に昼食の準備を始めているのか、キッチンでマルトーは何か調理をしていた。 47は自身の食事を終えて、彼の背中を見る。それから、空いた食器を重ねて流し台へと運び、洗い始めた。 「何だ、別にそのままにしておいたって構いやしないのに」 「忙しそうだからな。手伝える事は、手伝いたい」 マルトーの強張った顔が、和らいだ。 手際よく食器を洗う47の姿を目の当たりにして、満足げに頷く。それから、マルトーは食材の搬入を手伝ってほしいと頼み、47もまたこれを受け入れた。 食材は既に学院内に運び込まれて、厨房の直ぐ外にあるらしい。教えられた場所に行くと、結構な量の木箱が積み上げられていた。 持ち上げてみると、ずしりとくる。成る程これを運び込むのは結構な労力だ。マルトー程の大柄な人間でも大変な作業だろう。 幸いな事に、47は「重たいもの」を運ぶ事には慣れている。今までも、「重たいもの」を箱の中に隠したり、崖から落としたりしてきた。だから、今目の前にある重たいものを運ぶのも苦ではない。 小一時間程かけて木箱を運び入れると、マルトーはオムレツをご馳走した。助かった。何時もは俺一人でやっているんだが、お陰で貴族様の昼食造りが忙しくなってしまうんだ。そう大きく笑い声を上げながら。
君が何を言いたいのかさっぱりわからないよ
>>296 くん
やべっ支援支援
バーコードハゲ支援
「重たいもの」支援。
額に多少浮かんだ汗を拭い、47は何時も朝食を食べている席について、オムレツを口に運ぶ。 甘い、とろける様な卵の感触が舌の上で踊る。手短に作ったとは、到底思えない様な絶品だ。元いた世界では決して味わう事の出来ないオムレツを、ゆっくり、味覚に刻み込む様に食べる。 悪くないな。柄にも無く、47はそんな事を思う。彼とて、暗殺者として生まれた訳だが、その生き様は何時でもそれに倣うものではなかった。 たった一度だけ、これまで、彼は贖罪の意味を込めて教会で働いていた事があった。暗殺とは全く無縁の生活。 其処の神父は、自分を親友だと認め、それは47も同じだった。毎日決まった時間に起きて、雑事をこなす。そしてミサには出席して夜は眠る。その日々が続いた。 だが、それはある日唐突に壊されてしまった。47の本質、暗殺者としての力を求めた者が、神父を拉致したのだ。 47は、彼を助ける為、暗殺者として裏世界に身を投じる事を選ばざるを得なかった。 果たして、今はどうだろうか。この世界には、ICAも、フランチャイズもない。少なくとも、今は違う。暗殺者としてではなく、ルイズの使い魔として、生活する事が出来る。 思えば、彼が使い魔というのを認めたのは、そんな過去が脳裏を過ったからなのかもしれない。 不意に、厨房に皿の割れる音が木霊した。47は、手を止めて音のした方に目を向ける。 どうやら、シエスタが手を滑らし、皿を床に落としてしまったらしい。数日前、彼女の部屋を訪れた時に比べ、随分顔色は良くなっていたが、その表情は苦悶に歪んでいた。 「珍しいもんだな」 マルトーは頭をかきながら、それでも調理の手を休めない。暫くして、シエスタは箒を持ってくると、飛び散った破片を集め始めた。 「手伝おう」 最後の一口を胃の中におさめて、47はシエスタへと歩み寄る。 「い、いえ。……一人で、大丈夫ですから」 だが、シエスタは目もあわせないまま、やや語尾を強めてそれを拒んだ。その間にも、彼女は細かい破片を手で拾い集める。 「……っ」 言葉にならない悲鳴が、上がった。シエスタの、右手の指先から、微かに血が伝う。慌ててもう片方の手で押さえるシエスタだったが、47は真っ先に彼女の怪我に気づく。 そして、代わりに残った破片を拾おうと、手を伸ばした。 「だから、大丈夫です……! 」 今度は、明確に怒気の混じった声で、シェスタが叫んだ。これには遠くから見ていたマルトーも驚き、顔を出す。47が手を止め、彼女の表情を覗く。 シエスタは顔を伏せていたが、肩が大きく震えている。 直後、彼女は一瞬だけ顔を上げた。その瞳は、深く、黒く沈んでおり、何時もの彼女の面影は殆ど失われていた。47は何も言えず、ただ彼女の姿をじっと見据える。 ややあって、彼女は急いで破片をかき集める。途中、何度も破片で指を切った。それでも、その手を止めずに。 全てを集め終えた彼女は、最後に深々と47に頭を下げて厨房から出て行ってしまった。突然の行動に、マルトーも47も言葉をかけられない 「珍しいもんだな」 ついさっきと全く同じ事を口にしたマルトーだったが、その理由は皆目見当もつきそうになかった。 ※ ※ ※
馬鹿な事をしたと、シエスタは集めた破片を集積箱に投げ入れてため息をついた。 なんで、あんなに強く反発してしまったのか。彼が、暗殺者だからなのか。誰かを殺す為に造られた人間だからなのか。 傷ついた指先を、側にあった水汲み場で清める。微かに血が、水に混じる。彼は、これ以上に溢れ帰る血を、ずっと見て来たのだろうか。 「死んで良い人間はいない。……それは、運命だ」 あの時、彼はそういった。だから、彼女は立ち上がれた。今では、それが嘘の様に聞こえて仕方が無い。 「あら、どうしたの。酷い怪我じゃない」 急に、息が詰まる感覚を覚えた。声のした方には、諸手に粉々になった木屑を抱えたルイズがいた。数日前に見かけたときと同じ様に、やはりマントがぼろぼろになっている。 「あ、いえ。お皿を割ってしまって……」 また、魔法で失敗して、ものを壊したのだろう。理解はしているが、決してシエスタは口にしない。 ルイズも慣れた手つきで集積箱に破片を押し込むと、軽くマントをはたいて埃を落とす。 「そう? なら気をつけてね」 そして、少しだけ首をかしげてからルイズは踵を返した。 待ってください。シエスタの口から、無意識に言葉が漏れる。シエスタ自身が反応するよりも早く、驚いた様にルイズが振り返った。 「あ、その……ミスタ47の事、どう思っていますか」 ルイズと真っすぐ向かい合い、シエスタは声を絞り出す。戸惑いを隠しきれていないその言葉に、ルイズははにかむ。 「もしかして、彼の事が気になるの?」 「そういう訳ではありませんが……」 「でもね、あんまりお勧めしないわよ。彼、部屋にいる時殆ど喋らないんだから。まあ、ちゃんと使い魔としての役割を果たしてるから別に良いんだけどね」 シエスタ相手だから、こんなにもルイズは気さくな態度で返せた。 仮に、この質問の相手がキュルケだったら、また噛み付いていた事だろう。シエスタ自身、その事を良く理解している。 しかし、彼女の問うた事に関しては、強ち間違いでもなかった。彼女は、己が魔法を未だ使えない、平民に近い立場である事を知っている為か、厨房の人間ともまあ仲がいい。余り貴族を好まないマルトーも、ルイズの事を気にかけはする。 だが、真意を、今此処で彼女に伝えるべきか。シエスタは躊躇う。彼女は、恐らく47の事を驚くぐらいに何も知らない。彼も、何も語っていないのだろう。果たして、それを伝えて何になるというのか。 ルイズは、何も気づかない。目の前にいる少女が思案を巡らせ、狼狽している事など。そして、その原因が自身の使い魔である事など。 だがら、次の授業の開始が近づいている事に気づくと、足早に其処から立ち去ってしまった。
以上第十話です。ちなみにタイトルは和訳すると、 清めよ、汚れ無き血潮で となります。では以下、第十一話
聞いてたのシエスタだったのか。
第十一話 今一度、我が為に踊りて 気に入らない。47がその男を一目見て抱いた印象がこれであった。 学院の前でグリフォンという巨大な鳥の様な獣の側にいたその長髪の男は、ワルドと名乗り、ルイズの婚約者とも同時に言った。 ルイズもまた、その事を知っていたらしく、しかし、それでもここ数年顔を合わせていなかった事からか、やや気まずそうに顔を伏せる。 側にいたギーシュが言うのにはこのワルドという男、トリステイン王国の中でも名高いメイジであるとともに、魔法衛士隊、即ち軍隊の隊長をもつとめているという。 47の知らぬ内にトリステイン王国の王女、アンエリッタから極秘の任務をまかされたルイズに巻き込まれ、彼もまたアルビオン王国という浮遊大陸へ向かう事となっていた。 これにはルイズだけでなく、フーケ捕獲の時の功績を考慮し、キュルケ及びタバサが選抜され、さらに偶然この話を盗み聞きしてしまったギーシュも同行する事になった。 加えて、アルビオン王国までの護衛という名目で、このワルドという男も行動を共にするというのだ。 「初めまして。ミスタ47」 ワルドは恭しくも、貴族としての同道な立ち振る舞いを47に見せる。 「こちらこそ」 これに対し、47はあくまで短く、はっきりとした口調で応えた。 余りに端的に応えた47に、ルイズはやや不満げに眉をひそめてはいたが、やはり婚約者の手前、乱雑な所は見せたくないのだろう。 ところで、やはり一言言葉を交わしても、47の中で彼に対する評価は変わる事が無い。それどころか、益々どす黒いものが体の内側で広がって行く。 恐らく、周囲からは魔法衛士の隊長として、或は高名なメイジとして慕われているのだろう。 だが、心の内は、それで満足しているには到底思えなかった。野心に溢れている。決して、表に見せる事も無く。 47がそんな事を考えている事をワルドは知ってか知らずか、淡々とアルビオン王国までの経路を説明する。これから港まで移動し、其処から船で移動するのだと言う。 説明を手短に追えたワルドは、ルイズを手招きしながらグリフォンの背に乗る。それと、ほぼ同時に上空から一匹の青い竜が降り立った。 47は、その竜に見覚えがあった。広場で、良く他の使い魔と何やら会話の様なものをしていたそれだ。聞く所によると、タバサの使いで、シルフィードというらしい。かなりの大きさで、ちょっとしたプロペラ機程ある。 どうも、港までは空を飛んで移動するらしく、ワルドは婚約者であるルイズを手招きすると、直ぐにグリフォンを操って空に浮かんだ。 残された四名は、シルフィードの背に一列に並んで乗る。 これほどの人数が乗って大丈夫なものかと47はタバサを見やったが、一度小さく頷くとシルフィードの翼が羽ばたいた。 見る見るうちに学院が小さくなり、頬を冷たい風が叩く。既にグリフォンは先を飛行しており、シルフィードはそれに追従する形となった。 「全く、あんなにルイズとくっついて。一体何を話しているのやら」 道中、そんな嫌みをキュルケが発する。 これには、普段無表情のタバサも怪訝そうな表情を浮かべた。 確かに、彼女はよくルイズに対して冷やかしやら嫌みやらを吹っかけているのは違いない。 だが、隣で彼女たちの口喧嘩を良く耳にしているタバサは、そんな時でもキュルケの中に優しさに似た余裕があるのに気づいていた。 だからこそ、この時の彼女の中で、それが無い事にいち早く察したのだ。だが、シルフィードが揺れた事によって止む形無しに傾げた首を戻す。
「へぇ、珍しい事を言うものだね。どんな風の吹き回しだい」 その直後、ギーシュがまるで代弁するかの様に口を開いた。 「あら、貴方だってそう思うでしょ。突然ルイズの婚約者だなんて名乗る男が現れて、学院に土足で踏み入ってくるなんて」 ああ、とギーシュは口を開け手首を縦に振る。その意味する所を理解し得なかった47が、暫く移り変わる景色を目で追っているとタバサが独り言の様に話し始めた。 そもそも、この極秘任務のメンバーは、アンエリッタ王女から直々に命を承ったルイズと、その護衛にあたるワルドの二名だけであった。 それは、グリフォンに搭乗出来る人数制限からもあったのだが、ルイズが自身の使い魔、47も連れて行くべきだと提言した。 更に、それだけでなくタバサ、キュルケも連れて行った方が良い、と。 その会話を盗み聞きしてしまったギーシュはとばっちりを受ける形での参加である事は違いなく、結果、五名にまで膨れ上がったメンバーを見て、ワルドが表情を曇らせる。 幾ら、フーケを捕らえた功績があるとは言え、学院の、まだ生徒であるという事実は揺るがない。 要するに、ワルドからしてみれば未熟者なのだ。そんな連中まで、護衛しきる事は出来ない。彼女達を前にワルドははっきりと言った。 「あら、私達の身は私達でちゃんと守る事が出来ます。ご心配される程ではありませんよ」 まさに自分たちは足手まといの他ならない。そんな言われ様に、キュルケが真っ向から噛み付いた。 ワルドはただ、彼女たちに睨みを利かせるに留まる。 ルイズが、キュルケを推した事、自分の使い魔を連れて行く事は義務だ。そして、その為には別に空を飛ぶ移動手段が無くてはならない。 まさに、シルフィードは適任だ、という事でワルドはようやく彼女達の同行を認めるに至った。最後に一つ、自分の身は自分で守れ、と付け加えてから。 その直後にいつも通りの朝食を終えた47が来た、という訳だった。 「どうも、重要なタイミングに居合わせる事が出来ないな」 「ええ。でも、その重要な事にどうしてか巻き込まれちゃう」 「……ふん、違いない」 キュルケの的確な指摘を、47は頷きながらも含み笑いで返す。 視線を前に移すと、ワルドの背中にしっかりとしがみつくルイズの姿があった。 今、一体何を思っているのか。背中しか見る事の出来ない47には、到底理解し得ない。 ※ ※ ※ 彼らの示していた港、というのは47の想像するそれとは少しばかり違っていた。 船は船でも、海を浮かぶ船ではない。空を飛ぶ船であった。それも、まさしく帆船のような形状に、47は驚きを隠せない。 やはり、原動力は魔法なのだろうか。シルフィードから降りて、47は一人港で船を眺めていた。
支援。
支援
既に日は沈みかけている。暫くは船が出ないと、此処についてから知らされた。 恐らく、必要な積み荷が揃っていないだとか、原動力になるものが足りていないと言った理由だろうが、詳しく知ろうとは47は思わない。 「奇麗な夕日」 暫しぼんやりとしていると、タバサが、側に歩み寄ってきた。 「貴方も、こういうのは見て惹かれるのね……」 「ああ」 抑揚の無い口調での質問に、やはり抑揚の無い口調で応える。 タバサが、わざわざ47に会いに来たのは、夕日の美しさを語る事ではない、47は、直ぐにそれを悟っていた。 「この任務が終わったら、また、頼みたい事があるの」 程なくして、タバサは47の顔を見据えた。報酬は、金貨300枚。以前の、三倍だ。それがどういう意味か、分からない47ではない。 「へえ……お嬢ちゃん。随分奮発するじゃないか」 その場に似合わぬ、朗らかな声がした。 誰かと思い、47は辺りを見まわす。 ここ最近、一人で物思いに耽る事が多くなっていて忘れていた。背負っている剣が、インテリジェンスソードである事に。 「死んでいたかと思った」 「おいおい相棒。酷い事言うなよ。そっちがずっと恐い顔して何か考えてたから、一向にこっちから話す機会が無かっただけだぜ」 「ああ、すまないな。これからはお前にも色々相談しよう」 「へへっ、無駄に長生きしているからな。人生相談ぐらいならのるぞ」 久しぶりに聞くその声に違和感を覚えながら、47はデルフリンガーの皮肉をいなす。 「さて。ミスタバサ。俺は即金でしか動かない」 「分かった。この任務が終わってから、詳細を伝える。……そろそろ宿に戻らないと」 「ああ」 彼女とて、47の言わんとする所を理解した上でこのような頼み事を言っているのだろう。 それでも、眉一つ動かさずに言えるその度胸に、47はある種の恐ろしい感覚を覚える。 二人が踵を返し宿に戻ると、広間でやや険悪な雰囲気のキュルケとワルド、そしてその二人に挟まれ困惑するルイズが出迎えた。 何でも、部屋割りでもめているというのだ。ワルドは、婚約者であり、当初のメンバーでもあるルイズと相部屋になるのは至極当然だと主張する。 一方のキュルケはルイズとはまだ婚約者でしか無く、何より学院の生徒だ。ワルドは、同性で、比較的年齢の近い47と相部屋になる方が健全だと主張し、真っ向から意見が食い違っていた。 ルイズからしてみれば、憧れの存在であるワルドの顔も立てたいし、同じ学院の生徒で、今回の様な無茶な任務にも嫌な顔ひとつせずついて来てくれたキュルケも無下に出来ないのだろう。 三人は戻って来た47とタバサには気づいていないようだった。もっとも、タバサはそれを然程気にする様子も無く広間の隅の椅子に座り、本を読みふける。 だが、47にしてみればこれ以上喧噪を続けるのは好ましいとは思えない。宿屋の主人も相手が貴族とは言え、良い顔をしていなかった。では、果たしてどちらの肩を持つべきなのか。 横目でワルドの顔を見る。相手を卑下する歪んだ目をしていた。彼に取っては、この旅での47達はオマケですら無く、只のお荷物なのだろう。 そんな人間が、自分の主の婚約者を名乗る。あまり、いい気持ちはしなかった。 「ミスタワルド。幾ら俺の主と結婚の約束をしているとは言え、まだ婚約者でしかない。 この旅は、そういった意味でしているのではないのだが……。此処は男同士、健全に相部屋になった方が良いだろう」 幾ら人気が無いとは言え、この宿を利用する人間は幾人かはいる。そんな中で極秘任務の事を少しでも漏らすべきではない。
上手い具合に隠しつつ、47はキュルケの後押しをした。 ワルドの顔に、微妙な変化が生じる。47の冷たく、淡々とした声が、逆にその場にある一定の結論をもたらしていた。 ルイズは、驚いた様に47を上目遣いで見て、キュルケは彼に対してウィンクをする。 「君は、ルイズの使い魔だろう……。主人より先走って、貴族に進言するのはどうかとおもうよ」 「ああ、そうだな。ならば、今までの内容を含めて、彼女に決めてもらおうか」 47の視線が、ルイズに向けられる。 「……すみません。今は、まだ……」 ほんの少しだけ、その視線に彼女は怖じ気づいて頭を垂れるが、ワルドの方を向いて、答えを発する。 はっきりとした口調ではなかったとは言え、其処からは間違いなくワルドを拒否する事が含まれていた。 「そう、か。本人がそういうのなら仕方が無いのだろう……」 顔をしかめて、ワルドは椅子に深く座り直す。だが、その直後、鋭い視線が47を貫いた。 47は、表情こそ変えなかったが、そこから、彼自身に対して向けられる憎悪や嫉妬の念がある事に気づく。 やはり、貴族というのはどれも変わらないのか。虚しい気持ちが己の中に広がるのを感じながら、ワルドが次に放つ言葉を待つ。 「何度も言うが、私は彼女の婚約者だ。彼女を守る義務がある」 「それは、俺とて一緒だ」 「君の言っているのは使い魔としての義務だよ。召喚の儀式で呼びされたのが、君の様な平民風情でなければもっと話がはやかったんだけれどね」 「何が言いたい」 「……一介の、平民の使い魔ではこれから彼女を守って行く事は、先導する事は出来ないんだよ」 少々話が飛躍している様に47には思えて仕方が無かったが、相手はすっかり激情しているようだった。 要するに、プライドとやらを踏みにじられてご立腹なのだろう。何時ぞやの少年貴族を思い出して、ギーシュの様子をうかがう。 「僕の時と同じ様に、やってしまえ」 その目は、そんな事を言いたげであった。 ※ ※ ※ 夕暮れ時、ルイズの部屋をノックする者がいた。シーツを抱えた、シエスタであった。表情を少しばかり曇らせ、ドアを開ける。 誰もいなかった。この時間なら何時も47がいる筈である。少しだけ戸惑って、足を踏み入れた。 何時もより、部屋が整頓されている様にも思える。そういえば、早朝学院の門の前でルイズと47が、タバサにキュルケにギーシュ、そして、グリフォンを引き連れた一人の貴族と共にいた。 多分に何処かに出かけてしまったのだろう。人気の無いその部屋で、シエスタはベッドにシーツをかける。 手慣れた筈の動作だが、やはりぎこちない。どうしても、47の事が頭から離れずにいた。 「やっぱり、今度あったらちゃんと聞こう」 ふと、窓が揺れる音が響いて、顔を上げる。しかし、誰もいない。その向こう側で、自分たちの使い魔と戯れる貴族の姿が見えるだけだ。 「あら、相変わらず仕事に精が出るわね」 直後、背後に人の気配を感じ、驚いて振り返る。 何時の間にか、其処にフードを被った女性がいた。しかも、その声には聞き覚えがある。 間もなく、それが誰なのかを思い出し、シエスタは目を丸くした。 「まさか……ミスロングビル、いえ、つちくれのフーケ……」 「そう、その通りよ。あ、でも安心して。別に貴方を襲いに来た訳でもないから。ちょっと、47に用があってね」 学院でオスマンの秘書をしていた時に比べて何処かくだけた様な物言いに、シエスタは脇を軽く小突かれた様な気がした。 本来なら、侵入者を見つけたと、大声で叫ぶべきなのだろう。ところが、余りのも突拍子も無い出来事に、そんな気持ちすら何処かにいってしまった。
何より、彼女が此処にいる理由が、気になって仕方が無い。 「あの、ミスタ47に用、とは……」 此処で、シエスタははっとなる。フーケは、堅固な牢獄から脱獄していた。 その余りの鮮やかさに、誰か手引きをした者がいる筈だと、噂される程に。 「随分鋭いわね。ま、貴方の想像している事でだいたい正解よ。私は逃がしてくれる代わりに、ある事を調べてほしいって頼まれたの」 「……ある事?」 「そう。さっきの一言を聞く辺り、貴方も気づいているでしょう。彼が、平民なんかじゃないって」 ずい、とフーケが詰め寄る。 「じゃあ……」 「分かっているわよ。こっちも、一応秘書やっていたからね。でも、今はそれが問題じゃなくて」 「あの……!」 フーケの言葉を遮る様に、シエスタは強い口調で言葉を紡ぐ。一体、どんな事を調べてきたのか、と。 「どうして気になるのかしら」 「ミスタ47だけの事ではないんです。だから……!」 先程までの明るい表情とは打って変わり、鋭い視線でフーケは尋ねる。だが、シエスタも一向に退く気配を見せない。 涙目になりながらも、必死に訴える。最早、最後の方は言葉が消えかけていた。それでも、シエスタは食らいつく。 此処で機会を逃したら、二度と彼の本当の事を知る事は出来なくなるだろう。内心、そんな事を思いながら。 「へえ。案外色物好きなのね。ふふ……私から話しかけた事だし。良いわ。教えてあげる。 その代わり、この話を聞いたらちょっと手伝ってほしい事があるから、ね」 そう言いつつ、シエスタがたった今シーツをかけたベッドに腰掛けた。首元で結ばれていたフードの紐を外し、ややラフな格好をとる。 一方のシエスタは、彼女の一言一句、髪の先程の動きも見逃さないが如く、全く身動きを取らない。 緊張のあまり、動けなくなってしまったかの様にも見え、フーケは軽く笑顔を見せてから話し始めた。 「まずね、レコンキスタっていう組織を調べていたのよ。そうしたら、面白い事にこの組織、アルビオン王国のクーデターを計画しているらしくてね。まあ、要するに革命集団て言う所かしら」 「……」 「47が調べてほしいって言っていたのはもう一つ。多分、貴方も知っているでしょうけど、クローンて言う言葉。 実は、そのレコンキスタに最近加わった人間がいて、その人の名前がクローン・エフエスっていうのよ。……見事な一致でしょう。どんな人間かまでは分からなかったけども」 ここまで言い、一旦フーケは懐から水の入った袋を取り出し、口に含む。 「それで、わざわざ此処に今日出向いたのは、レコンキスタの動きが最近妙に活発になっていて、アルビオン王国で革命が起きるのも時間の問題みたいで。 どうしてか調べてみて驚いたわ。どうもあのワルド子爵がレコンキスタに関わっているの」 「……え」 ワルド、直接顔を見た事が無いが、その名前はシエスタも聞いた事がある。 トリステイン王国に属するグリフォン隊の隊長だ。魔法使いとしての腕前も非常に高く、様々な人に慕われている。 そして、ルイズの許嫁だとまことしやかに噂されている人物。 ここで、シエスタは小さな悲鳴を上げた。 そうだ、今朝、ルイズの側にいた男は誰だったか。47ではない。身なりからして高位のメイジだろう。 そして、側にいたのは一匹のグリフォンだ。丁寧に整えられた羽、気品すら感じられるその佇まい。普通のグリフォンでは無かった。 その事を、慌ててフーケに伝える。確信は無かった。だが、途端にあの場にいた一行の事が心配で溜まらなくなる。 「成る程ね……彼も結構良い度胸しているじゃない」 「ど、どうしましょう……」 「十中八九、ルイズ達はアルビオン王国に向かったでしょうね。きっと王国からの極秘の任務だったんでしょうけど、流石にグリフォンに乗って登場しちゃあ目立つ。 どこかで、彼女達が王国に向かうって情報が漏れていたのかしら。それで、ワルドが先回りをした、と。嫌な予感がするわ……。 ねえ、さっきも言ったんだけど、ちょっとした悪戯に手伝ってもらえないかしら」 口角を上げて、フーケが笑顔を作る。だが、その瞳の奥には表情とは裏腹に、焦りの色が見え隠れしていた。 突然、告げられた事実に困惑を隠せないシエスタであったが、彼女が首を縦に振るのには、そう時間もかからなかった。
314 :
47の人 :2008/02/11(月) 13:30:13 ID:jth62I+h
以上です。支援ありがとうございました。 一名聞き慣れない人が出てきましたが、勘の鋭い人ならもうばれてしまいそうだとちょっと緊張しながら。 次回も楽しみにしていただければ幸いです。
乙&GJ! 読みふけって支援おくれてスマヌ。次回も楽しみにしてるよ。
GJ! 元ネタを知らないから展開のバレるような伏線張られてもわからないままに楽しめるぜ!
乙。 あなたにサイレンサー付ハードボーラーを。
昼寝してたら、変な夢を見た。 始祖がペパーミントの魔術師を召喚して、アイスクリームが大流行。 ヴァリエールの『ヴァ』は、バニラアイスの『ヴァ』。 つまり、ヴァリエール家はアイスの改良を主命とした家系だったんだよ! (な、なんだってー!?) というところで目が覚めた。 あの世界のルイズは、ちゃんとアイスを作れたのだろうか。
>>318 ヴァニラアイスときいて某吸血鬼を連想した俺は姉妹スレに行った方がいい
というか、不気味な泡がいないと痛みを消すアイスを作り続けちゃうから世界が滅びないか? というか、冥王のダンスから考えると不気味な泡の世界はゼロと1の世界……はっ、もしや
>>320 時系列的には一応
ブギー → 虚空シリーズ、冥王なんだけど、いまいち信用できないのがカドちんクオリティ
47の人乙です。 最近見たが箱○をプラットフォームに 2作目と思しきものが出てたのね。これは何かの縁かしら。
ルイズがあのパズルボックスを召喚。 何かのマジックアイテムかしら! とルイズが興奮気味にパズルを解いた瞬間、彼女の身体は粉々に砕け散った。 使い魔としての契約と、元々がメイジなせいでセノバイト化するルイズ。 名前は“ピンクヘッド” まんまだが。 そしてマゾコルヌに究極の快楽=究極の痛みをあたえる。
伊藤と三橋の名コンビを・・・
オーフェンが何度も呼ばれているなら フリウやミズーが呼ばれてもいいな
>>323 ルマルシャンの箱か
一時期調べたらそれっぽい箱が沢山並んだサイト発見して吹いたな
エロゲー談話を読んでて閃いた! リトルウィッチロマネスクの大魔法使いドミノを召喚 問題児二人を育て上げた彼ならルイズにぴったりかも 幼児体型も守備範囲だし
>>320 アイス作るのを止めたことに泡が直接関わってたわけじゃないから、まあ大丈夫じゃね?
どっちかというとヒロインがピンチな気がするな
そこまでかんがえたところで、ふと昔の記憶を忘れて人形を抱きながらアイスを食べてるタバサママが浮かんだ
エルフの毒より効き目がありそうだな、ただ上手いだけのアイスクリーム
MOWバニラ激ウマ。
マジレンジャー、カーレンジャー、ボウケンジャー、ダイレンジャー の中からどれか一つ書く。
冥府十神が好きなのでマジレン書いてくれ。
↑「言い出しっぺの法則」と申してな。
>>331 ダイレンジャーで書いてくれ。
キバも面白そうだが、ダイムゲンも楽しそうだw
レイディアントシルバーガンより石のような物体 「何なの…これは」 爆発と共に現れた「それ」は、巨大な石のような塊だった。 八面体の巨大な石を前に唖然としているルイズを見て、ギャラリーたちは野次を飛ばして笑っている。 「ミスタ・コルベール! もう一度サモン・サーヴァントをやらせてください!」 野次を受けてハッと我に返ったルイズは、コルベールに必死で嘆願する。しかし、 「神聖な儀式に例外は認められない」と却下され、仕方なく契約を続行することにする。 石のような物体に近づき、契約であるキスをする。 途端、それまで赤茶色だった石から全てを白く染める閃光が放たれた。 咄嗟の出来事に戸惑いながらも、その場の誰もが目を瞑り視界を遮る。 そんな真っ白な視界の中で、ルイズは誰かが語りかけてくるのを感じた。 『I gave you lives. So that you make good progress. But you couldn't understand.』 (あなた達に命を与えたのはこの私。正しく進化できるようにと…だが、あなた達は理解することができなかった) 『You must do it over again. Why can't you see?』 (やり直さなければならないのです。なぜそれがわからないのです?) 『Feel visible matter. Feel invisible matter. There is life everywhere.』 (目に見えるものを感じなさい…目に見えないものを感じなさい。いたるところに命はあります) 『But I believe the day when you understand yourself and live together would come.』 (しかし、私は信じています。あなた達が自ら理解し…お互いが共存できる日が来ることを) ルイズは、それは『石』から聞こえてくる声だと悟った。 『石』は語り終えると、ルイズに人類の業とも言うべきイメージを彼女に発した。 「この世に生まれし第11の息子よ、銀の銃をもって人々の魂を撃ちぬくのだ」 「お願い、あきらめないで」 「愚かじゃよ人間は…」 「人よ立ち上がれ!この大地は神が我々に与えしものなのだ」 「あんた、正気なのか?自分のやっていることがわかってるのか?」 「なっ、何をする!」 「希望を持ちましょう、そしていつの日か必ず」 「この荒れ果てた大地を見るがよい、これが我々に与えられた天罰なのじゃ」 「殺せ!そして奴等を根絶やしにするのだ!」 「戦争を止めることは出来ないのだよ。戦争はお互いが正義じゃからな…」 「お願い、あきらめないで」 「ここには夢や希望なんてない…」 「緑に覆われたあの頃の風景はなくなってしまった」 「あきらめないで」 「わたしにだって夢はあったわ、でもどうしてかしらね」 「これからは人を中心とした政治が必要なのだよ…」 「このことにより世界大戦は避けられないものとなりました」 「我々はもう一度考え直すべきです。皆さんにもわかっているはずだ」 「サイは投げられた。もう誰にも止めることはできん」 「世の中は移り変わってゆく…しかし、変わらないものが一つだけあるのだ」 「あきらめないで」 「俺の夢はね…この宇宙の中にあるんだ」 「わたしのこと、愛してる?」 最後に『石』から更なる閃光が放たれ、逃げ惑う人々を飲み込んでいく。 この日、世界中の人類は全滅した…。
オーフェンから ライアン・スプーン召喚。 盾としては一級品だ。
ジョーカー剣崎を召喚したら地球人類滅亡する?
>336 盾にするならマスマチュリアの闘犬兄弟のほうがry 原子崩壊やら物質消滅魔法にも耐えたぞw
>>337 実際のところはわからんけど、
封印されたわけじゃないから問題なし、ってことでOKな気がする。
ハルケギニアにいれば始と会うこともないし、望んで居座りそうだな。
>>334 亀夫どうやって出そうかな……
そしてデルフと白虎真剣が出会ったらうるさいことこの上無いな。
テファ姉ちゃんのスカートめくるコウとかシエスタをリンポジションにして叔父様が…とかネタは豊富だし………
よし、書くか!受験が終わる明後日から!!
>>335 元ネタが解らんが英語が余りにも下手すぎて絶望した。
>>335 プレミアがつく前に売っちまった俺は負け組
>>341 気持ちは解るがそういうツッコミはキモい。
>>340 よし、頑張れ!
スレ見てないで勉強しろ!
保管庫にいってきたんだけど、やわらかルイズの話数増えてない?気のせいかな。
>>340 とてつもない逃避エネルギーだ……このままでは暴走するぞ!!
>>339 ならば執筆あるのみ!
オレは書けんが・・・
351 :
ゼロの魔獣 :2008/02/11(月) 18:13:45 ID:X5haD4X8
5分後に投下させてもらってよかですか?
アルヴィーズ食堂2階 一夜にして舞踏会場となったそのホールでは、思い思いに着飾った貴族の子弟たちが会話に花を咲かせている。 その中を、ひときわ注目を集める華が、縫うようにして進んで行く。 キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。 『微熱』の二つ名を持つ彼女は、近寄る男たちに愛想を振りまきながら、ある人物を探していた。 「ねぇ タバサ 彼のこと知らない?」 「・・・・・・・・」 美しく着飾った青い髪の少女は、目の前の料理の山と格闘中だった。 キュルケが言葉を繋ぐ。 「シンイチよ あのヴァリエールの使い魔はどこに入ったの?」 キュルケはあの日以来、慎一にぞっこんであった。 数多くの貴族の子弟と浮名を流したキュルケだったが、あれ程までに野性味溢れる『面白い』男を彼女は知らない。 (この場合、あの慎一を『面白い』の一言で割り切れるキュルケの胆力こそ驚嘆すべきであろう) 慎一の他人を寄せ付けない雰囲気、特に女に一切興味を見せない感じも、彼女にはかえって可愛らしいと感じられ、 キュルケの中の女の矜持、その征服欲を強く掻き立てた。 (この場合、あの慎一を『可愛らしい』の一言で以下略。) 「ふぁるふぉにィ」 原始人の食卓に並んでいそうな骨付き肉を口いっぱいに頬張りながら、タバサが言った。 「・・・せめて 飲み込んでから言いなさい」 キュルケの目の前にいるのは、まさに小さな魔獣であった。 ―もうひとりの魔獣はバルコニーに居た。 頭上に輝く二つの月が、そこが慎一の故郷では無い事を強く意識させる。 ガラにもなく、彼は寂寥感というものを味わっていた。 (・・・この感覚 あの頃と同じじゃねえか) ―母親が死んだあの日。 その日以来、蒸発したかのように地上から消え去った十三人の科学者。 その痕跡を追って、慎一はあてどなく街を彷徨い、真夜中の高速道路を駆け抜け、いつも一人で月を見ていた。 時に欺かれ、時に傷つき、時には傷つけ、その身の孤独を復讐の炎で打ち消しながら、 少年は青年へと成長していった。 もし今、慎一の身を縛り付けている枷が無かったならば、 彼は元の世界に戻る術を求めて、あの頃のように荒野を駆け出していただろう。
「おう コイツはおでれーた! 馬子にも衣装とは言ったもんだ!」 デルフリンガーの素っ頓狂な声で、慎一は現実へと引き戻される。 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール バルコニーに現れたのは、そのいかにも貴族めいた長い名前で呼びたくなるような、可憐な少女だった。 慎一は振り向かない。 ルイズはゆっくりと歩を進め、わざわざ慎一の正面に回りこんで、その鼻先にずい、と顔を付き合わせた。 「・・・パーティーの方はいいのか?」 「ええ」 「・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・」 ―沈黙が続く。 固く結んだルイズの口元が、彼女の意思の強固さを示している。 遂に魔獣の方が折れる。彼女が何を望んでいるかは分かっていた。 「 『なかなか似合ってるんじゃないか? お嬢様』 」 「・・・なんか引っかかる言い方するわね まあいいわ ありがと」 ようやくルイズは納得し、慎一の横に並んだ 「ねえ シンイチ ・・・やっぱり 元の世界に帰りたい?」 「・・・俺の体を刻み オフクロを殺したアイツらを 俺はこの手でブッ殺さなきゃならねえ」 「そのために ・・・マリアを巻き込むの?」 「・・・・・・・」 「だって そういう事なんでしょ? あなたが死ぬと あなたの中のマリアも死ぬんでしょ?」 「・・・・・・・」 「マリアは・・・そう 彼女は言ってたわ この世界だったら 無理にぶつかり合わなくても生きて行ける、って だから だからあなたも・・・」 「真理阿は一度死んだんだ」
支援、そして40分から一発投下を予約したい
慎一が、決定的な一言を放った。 「真理阿もヤツらに殺されたのさ 彼女は 俺の目の前でくたばった・・・」 「でも・・・でも 生きているんでしょう? あなたの中で」 「そうだ おふくろや ゴールドや 他の動物たちと同じだ アイツは俺の細胞の一部となった」 ― 慎一が目覚めて以来、真理阿はルイズの前に現れていない。 宿主が復活を遂げた事により、真理阿の自我は、急速に失われつつあった・・・。 ルイズは、最後に彼女の顔を見た時のことを思い出す。 (もしあの日 あのまま真理阿が踏み殺されていたなら 自分は一生 フーケの事を赦さなかっただろう・・・ でも だとしたら 私には慎一を止める事はできないの・・・?) 慎一は、深刻そうにうつむくルイズを横目で見て、次いで自らの右手に目をやった。 手の甲に刻まれた契約の証が、淡い光を発している。 その光こそ、今の慎一を縛る『枷』であった。 契約の証、その輝きに強制力を持たせているのは、傍らに居る彼の主人ではない。 他ならぬ、彼自身の中に宿る同居人だった。 (真理阿・・・) 慎一が強い意志を示せば、簡単に断ち切れるであろう細い鎖― 同時にそれは、真理阿がそこに存在する事を照明する、唯一の絆でもあった。 ―チッ、 慎一は大きく舌打ちをし、ルイズの頭に右手を置くと、折角セットした髪をクシャクシャに撫でた。 「なっ!? 何すんのよ!!」 「先の事をウダウダと悩んでんじゃねえよ! 偉そうな事を言ったがな こう見えても俺は迷子なんだ 帰り道が分かるまでは付き合ってやるよ」 慎一の結論に合わせるかのように、ホールの喧騒が徐々に収まっていく 程なく、背後から優雅な音楽が響いてきた。
しえん
「さて― 久しぶりに頭を使ったら ハラが減ってきたな あのちっこい魔獣に全部平らげられる前に 俺もご相伴に預かるとするか・・・」 そう言いながらホールに戻ろうとする慎一の服を、ルイズが掴んだ。 「どうした?」 「あ え あっと・・・」 「・・・?」 「あ あ、・・・か! か、かかか感謝し しなさいよね! 本来ならき、貴族のあたしがとか使い魔のあなたにとか こ こんなこと言うなんて ぜぜぜ絶対に あ ありえないんだから・・・」 「・・・踊らねぇぞ」 「んなっ!? バ、バ、バッカじゃないの!! なんでアタシがそんな事言わなきゃいけないのよ!! 自惚れてんじゃないわよッ!! ―ただ た、ただ! ただ! ただよ!! もしもアンタが貴族の踊ってるトコ見てるだけじゃ肩身がせまいっていうんなら・・・ ど〜してもッ!って頼むんだったらねぇ・・・」 「だから踊らねぇって」 「アンタちょっと空気読みなさいよッ!! アンタはあたしの使い魔でしょーがッ!? 情けを掛けてやってるご主人様のメンツを潰す気!?」 「だが断る」 「ムキーッ!!」 ルイズが地団駄を踏む。 そんなやり取りをしながらホールに消えて行く二人を見ながら、デルフリンガーが言った。 「こいつはおでれーた! やっこさんは本物の魔獣だぜ それを娘っこが2人して なかなかうまく飼い慣らしやがるじゃねーか!」 ・ ・ ・ ―慎一の戦いは続く。 彼の存在が運命の方を巻き込んでしまうのか? あるいは避けられぬ戦いがあるからこそ、始祖ブリミルは真理阿を匿い、導いたのか? いずれにせよ、平和なトリステインにも、戦争の足音が忍び寄っていた・・・。 それは、戦士にとって休息の一夜。 戦いの暴風雨にさらされた一匹の獣が、ぽっかりと開いた台風の目に飛び込んでしまったかのような 妙に心穏やかで、それでいて、どこか滑稽な夜だった。
358 :
ゼロの魔獣 :2008/02/11(月) 18:26:45 ID:X5haD4X8
今回は以上です。支援ありがとうございました。 最終回ではありません。もうちょっとだけ続きます。
GJ!
>354だけど タイトルを入れ忘れていた 元ネタは『たのしい甲子園』 投下してもいいかな?
よかですよ
〜たのしいトリステイン〜 題字:大和田秀樹(嘘) 第一話〜わたしがルイズです〜 トリステイン魔法学院、この学校では2年生に昇級する際、あるひとつの儀式を行う それはここで学ぶ魔法使い達にとっては一生の問題でもある『春の召喚の儀式』 一生涯のパートナーでもある使い魔を呼び出す儀式である ここにその儀式に挑む、一人の少女がいる ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール この物語の主人公である 彼女は名家の生まれでありながら全ての魔法が失敗する、しかも爆発すると言う、学院創立以来の劣等生として通っている 事実、彼女はすでに何十回も召喚に失敗しては爆発していた。 級友の殆どは彼女に対し、口汚く罵り、嘲り、笑った。 だが、彼女は一つも諦めてはいなかった そしてその思いは遠く、遥か彼方の地で同じく 気高く、己を貫き通す男に使役されていたモノに届く 「こぉーーーーーーーい!!」 もう呪文も何も無い、魂からの叫びと同時に今まで以上の爆音が土煙がおこる そしてその中から影が浮かび上がった ルイズは薄れ行く土煙から影を見て 心から願った もう平民でもいいから何かきてくれと しかしその希望は嘆息に変わっていった 土煙の中から現れたモノ それは・・・・・・・ それは触覚の様なモノに鏡を生やしていた、不思議な一つ目をしていた、椅子がついていた、竹やりの様なモノが生えていた 二つの車輪で大地に立っていた 後ろにゆくにしたがって凶悪な姿をしていた 「コルベール先生・・・・・召喚のやり直しを」 さすがのルイズも使い魔を呼び出したつもりが見た目からまったくの無機物だとわかるモノを使い魔とするのはどうかと考えやり直しを要求するが 「・・・・それは出来ません、春の召喚の儀式は神聖な儀式なのです」 監督していたコルベールの一言によって彼女も意を決した 「五つの力を司るペンタゴン、この者に祝福を与え我の使い魔となせ」 目?と思わしき部分にルイズは口付けをする、と同時に使い魔の情報が、使い方が、そして何か巨大な意志の強さみたいなものが彼女に流れ込む 使い魔の正面にルーンが刻まれた 「全員、無事に召喚 出来ましたね それでは戻りましょう」 コルベールの言葉とともに皆が魔法で空に飛び学院に帰って行く 一人ルイズだけを残して 「ゼロのルイズ、お前は歩いて帰ってこいよ!!」 「けっ、ゼロのルイズが」 彼女に様々な罵声が浴びせられる しかし彼女は動じなかった この程度なら慣れている それに今は・・・・・・この使い魔がいる 彼女は自分の使い魔にまたがる、使い方なら契約した時に頭に流れ込んできた、乗馬は得意だから乗りこなせるだろう ギャアアアアアアアアアアアオオオオオオオオオオオオオオ!! 大爆音が地面を揺るがす、後ろをゆっくりと飛んでいたマリコルヌは見た 地面を土煙を上げ猛スピードで走ってくるルイズとその使い魔を その光景を見た彼は後にこう友人達にこう言ったという 『まるで・・・・・悪魔を見ていた様だった』と ルイズは使い魔に乗り、風を切って走り抜けていた、顔が綻ぶ これはいいものだと直感的にわかった そして、ルイズは喜びのあまり使い魔の名前を無意識に叫んでいた 「パッソーーーール!!」 大和田秀樹 たのしい甲子園 より 悪魔のパッソル を召喚
投下は今回はこれで終了です
GJ 頑張りすぎで心配になるくらい早いね。 ちょっと前の話に変わるけど ルイズがサモン・サーヴァント以外で召喚するものは他でやった方が言いと思うぞ。 作品としても他と比べて大分毛色の違う物になるし、何より『ボクの考えた○○!!』が、作品内の設定にあるとかなり萎えると思う。 そんでもってオリジナルの能力を持ち出す作品な時点で面倒な突っ込みや荒らし(原作厨)が現れるだろうし、スレ的にも有害なんだ。 元ネタキャラが召喚されれば扱いも変わるかもしれないが"あの作品のキャラがルイズに召喚されました"とは違うってのが何よりオカシイよね。 やろうっていうのなら、自分で開設するのが一番だよ。誰にも迷惑かからないし。
レスが遅くて他作品がきてた…
>>364 の感想は魔獣さんにです。
避難所でやればいいじゃない!
新参者です。まとめを一通り読んでみた。 読んでみて、異常に胸がスカッとしたのはなぜだろう? 特に「るいずととら」、ルイズの面目丸つぶれ。 他にも、ルイズがビビって命令できない使い魔、言うことを聞かない使い魔の話がいっぱい…… よっぽどルイズ、嫌われてるんですね。 ルイズが嫌いなのは俺だけじゃなかったんだ、と安心した。
釣れますか?
礼儀だし、
そんなえさで俺がクマー(AAry
>>362 まさかのパッソル単体召喚。
太田さんが殴りこむぞww
GJ!
輝くトラペゾヘドロン、ベヘリット、アエンの仮面、ストームブリンガー、ルマルシャンの箱、 トムの日記、どくさいスイッチ等々、呪われたアイテムをしこたま召喚して苦悩するルイズ。 多重クロスになるから一発ネタや避難所向けだろうけど。
>>367 そんなボロの釣りざおじゃあコイキングも釣れないZE☆
今、小ネタ投下大丈夫ですか? キャラはダ・カーポより、芳乃さくらです。
こんばんは。 休みだし筆がのったので順調に書き続けてます(´・ω・`) 3話ができたんですが投下してもいいですか??
375 :
372 :2008/02/11(月) 19:11:27 ID:euKj+736
あ、お先にどうぞ。ちょっとテレビ見てきます。
wwwww じゃあ5分くらいしたら投下始めますー。
「呆れて物が言えない」が心情的に一番近いけど とりあえず軽くあしらっとこうか、みたいな感じだな ネタ一巡したら触る価値も無い
ジュウレンジャーの戦士達 カーレンジャーのボーゾックの皆さん ギンガマンの面々 アバレンジャーの竜人 マジレンジャーの小津家 ボウケンジャーの菜月 この人達みんなハルケギニア基準だと亜人扱いなのかな………王子・王女もいっぱいいるけど。
>>367 まあ、最序盤のルイズは確かに酷いキャラだ。
俺もアニメ版の第1話を見たときはあまりにむかついて本気で吐き気を催した。
2話のギーシュ戦が終わったところで溜飲が下がって、あとは普通に見られたけど。
>>370 > ストームブリンガー
真っ先に殺されるのはキュルケかアンリエッタか。
書き込み重なって妙に指した相手がボケる体裁になっちまったが
>>367 の事な、念のため
381 :
367 :2008/02/11(月) 19:17:07 ID:JT9raVRw
俺ゃ真面目に言ってるんですよ。 原作ではサイトを虫けら扱いしてるのが、こっちじゃ逆に虫けら扱いされてる。 ルイズが好きなら、そんな仕打ちできます?
――とはいえ、未知への恐怖というのは長続きしないこともままある。 未知を既知へと変える作業がたやすい状況なら、なおさらである。 しかし、既知になったそれが恐怖の対象でないかと言われれば、それは別の話。 建物内部の案内が一通り終わった後、医務室に戻ったムスタディオはコルベールと保険医による診察を受けた。 翌日からの定期的なリハビリは必要だが、取り合えず安静な日常生活は送れると診断され、今日からは使い魔としてルイズの部屋で寝泊りするように言われた。 混乱したままのムスタディオは、使い魔についての詳しい説明をルイズよりはとっつきやすそうな印象のコルベールに尋ねようとしたが、 『つべこべ言わない。話なら後で私が少しなら聞いてやるから、さっさと行くわよ』 ルイズに一蹴されてしまった。 貴族とは、こんなに冷たいものだったろうか――自分への対応に怒りを覚えるよりまずそんなことを思い、よく考えてみると自分の認識がズレていることに気付く。 数年に渡る旅の道中で、彼の中で貴族とはつまり旅の仲間達の印象が強くなっていた。 自分のような一平民とも対等に接し、仲間と認めて酒を酌み交わした仲。互いに背中を預け、誇りを忘れず、不正を絶対に許さない彼ら。一番の戦友であり、一団の統率者であるラムザ・ベオルブは、「困った人を見捨てておけないな」と少しのてらいもなく口にしていた。 今になって思うが、きっとそんな貴族は少数なのだ。 忘れてはいない。助けを縋った枢機卿にすら、利用されたことがあるじゃないか。 そんな暗澹たる思いを抱えつつ、ムスタディオはルイズに連れられて学生寮に向かった。 「ブレイブストーリー/ゼロ」-03
支援
>>381 お客さん、初めて?
スレ違いだから毒吐きにいけ
支援
招き入れられた部屋は簡素な方なのだろうが、それでもムスタディオがかつて暮らしていたゴーグの家より遥かに質が良かった。 年頃の女子が好みそうな趣味品等もたくさんある。貴族でなければ持つことも許されそうにない、装飾の凝らされた、あるいは簡素だが洗練された高価そうな品ばかり。 その中で、あまり気乗りしない様子のルイズと様々な情報交換をする。 「オレは、イヴァリースのゴーグという都市で機工士をやってました」 「……貴公子? 実はやっぱり貴族でした、とか言い出すわけ?」 「…………ええと、きっと字を間違えてると思うんだ」 そんな気の抜けた問答から始まった会話は、しかし多岐に及ぶ。 使い魔の詳しい役割と、それに関連したすったもんだ。 話が平行線になってしまったのでその話題は置いておき、派生してトリステインを代表としたこの地域の社会の仕組み。 貴族の全員がメイジと呼ばれる魔道士で、魔法が使えることが貴族としての大きな条件の一つであることには驚かされた。 そして周辺の国々の概略と、地図を見せてもらう。地形や国名に、全く見覚えがない。話せば話すほどイヴァリースとの文化の違いを感じる。 その時点でムスタディオは、自分の文化圏とは交流を持ちえないほど遠方の、例えば未だオーダリア大陸側の人間からは発見されていない未開の地で、まったく違う魔法体系、文化体系の構築された場所に呼び出されてしまったのではないかと考えていた。 イヴァリースで普及している魔法が全てではない。仲間の中には、今では途絶えてしまった異質な魔法体系を操る兄妹もいた。 頭をかきむしりながら混乱していたものの、ムスタディオは機械都市ゴーグで、失われた古代文明の発掘、及びその機工技術の復興作業に勤しむ機工士達の一人である。そういった異文化に対する順応度、理解度は比較的高かった。 しかし、そんな彼の推測には前提に勘違いがあり、理解の外にある出来事にすぐに遭遇することになる。 話がひと段落ついて来て、ふと気分転換に見上げた窓の外。 いつの間にか夜の帳に覆われていた空には――二つの月が、並んで浮かんでいた。
天の願いを胸に刻んで心頭滅却!支援!
支援
「な、なんだよあれ! 月が二つあるぞ!?」 「はぁ? 何言ってるの、当たり前のことじゃない。今度は生まれて一度も夜空を見上げたことがありません、なんて言うわけじゃないでしょうね」 「そ、そんなわけあるか! な、なんなんだ、どんな天変地異が起こったんだよ、あれ!?」 驚愕のあまり、手を握り締めながら何なんだと繰り返すことしか出来ない。 ムスタディオはルイズに詰め寄ろうとし――そこで、初めて気付いた。 「どんな天変地異も起こってないわよ」 ルイズの表情に。 まるで狂人を見下すような声色と目つきに。 話を始めた時点では、不機嫌そうではあったが、まだ取り付く島はあった。 自分のことで頭が一杯になっている内に何が起こったのか。自分はそんなに妙なことを言ったのか。 新しく得た知識と様々な齟齬、疲労で破裂しそうな頭は整理が付かず、うまく働いてくれない。 「もういいわ。夜も更けてきたし、寝るわよ」 一切を切り捨てる口調で言い放ち、ルイズは服を脱ぎ始める。さらに狼狽して出て行こうとするムスタディオを「気にしなくていいわ。あとあなたの寝床はそれだから」と引き止める。 ムスタディオは唖然とするあまりにルイズの体を見ること以外何もできずにいたが、その様子も全く意に介さずに彼女は下着姿になり、さっさとベッドに入ってしまった。 部屋の明かりが落ち、暗闇に包まれる。 ルイズの寝息が聞こえてくるまで、ムスタディオは立ち尽くしていた。
紅石に眠りし瞳、精霊の声に目覚めん 我が聖戦に光を!支援!
istd! 支援
「――寝床って、なんだよこれ」 部屋の隅に積み上げられていた藁をつまみながら、思わず呟いてしまう。 (本当に動物みたいな扱いだな……) 普通なら動物や魔物が呼び出されると、話の中で言っていた気がする。彼女は自分が召還されるなんて思いもせず、動物を迎え入れる準備をしていたのだろう。 そう思うと少し気の毒な気もしたが、どちらが悪い状況に立たされているのかと考えぶんぶんと首を振った。 藁は少し刺々しく、新しい肌には刺激が強かった。 野宿に慣れているとはいえ、ベッドがあるのに藁に寝かされるのは少し気分が良くない。床に寝る方がまだましだったかもしれないが、それはもういいやと思う。 普通の平民ならそれも仕方ないと諦めたかもしれないが、ムスタディオにはどうしても割り切れないものがあった。 かといって、実力行使に出るのも筋が違う気がしてならない。 しばらく悶々としていたが、考えるのも疲れた。 自分は所詮平民なのだ、と思った。 大切な人達を守るため、仲間に教えられた「自分の信じた正義を貫く心」――矜持を貫くために戦った。彼らと共に銃を振るえることを誇りに思っていた。 しかし、それは個人としての心のあり方の問題だったのかもしれない。 社会の仕組みの中では、ムスタディオはただの一人の平民だった。 それは革命でも起こさない限り変わらないし、そんなことはほぼ不可能だ。 ラムザは身分の違いによる貧富、権利の格差の理不尽に憤り、何とかしようとしていたようだが、ムスタディオはそれよりもまず精一杯生きること、次に自分の思うように生きることが大事だと考えていた。 (――思うようにか。 オレ、戦いが終わったらどうしようと思っていたっけ……) オーボンヌ修道院に赴く前に、散々考えたことを思い返す。 それは仲間の様々な目的の顛末を見届けること。 ゴーグに帰り、機工学の復興に尽力すること。 そして―― (――あいつ、無事にしてるかな) アグリアス・オークスの姿が浮かぶ。 見目麗しく、実直な女騎士。 騎士としての立場、信念を重んじるあまり、女としての自分自身にあまりに無頓着だったので、誕生日に装飾品を贈ってやった。 あの時の珍しく恥らう様子を、ムスタディオはいまだに忘れられない。 彼女との関係は、どうということはない。 ムスタディオと同じ時期にラムザの仲間として行動を共にするようになり、お互いに信頼関係は築いていた。 しかしそれだけの、ただの仲間だ。 でも。 戦いが終わった後、再び二人で会えたらとわずかな希望を抱いてもいた。 仰向けに寝ていたムスタディオは窓の外の双月から目を逸らし、藁に顔を埋めさせた。頬に刺さってむずむずするが、構わなかった。 まだあの戦いから一日しか経っていない。事の顛末がどうなったかも分からない。 だというのに、何もかもが遠い気がしてならない。 作りたての真新しい藁の香りが、眠気を誘っていく。 ◇
八雲立つ、出雲の神の知るところ 逝くも還るも、支援!
(……もう寝たみたいね) ルイズは、寝息を立てるふりをして使い魔の様子を窺っていた。 しかし最初から様子を見るつもりで起きていたわけではなく、不安が多すぎて眠ろうにも眠れなかった。使い魔から矢継ぎ早に質問を受け、疲れているはずなのに。 (何なのよ、あの使い魔) 当たり前のようなことを延々と尋ねてきたと思えば、理解しがたいと金髪頭をがりがりむしる。いつの間にか敬語を使わなくなっていたし。 人間が召還されたことはもの凄く不満だったものの、最初は遠い国からいきなり呼び出されて可哀相だと思う気持ちも少なからずあった。彼女は素直でないため、その気持ちを彼に表すことは出来なかったが。 しかし、話し込んでいく内に印象が変わってきた。 彼の話すことは整合性が取れていなくはないものの、信憑性が全くない。 古代文明の復興に尽力していると言ったが、自分達の文化以前にそんな高度文明が存在したというのはまるでおとぎ話だし、るがうぃだとかるがいーだとかよく分からない化け物と戦っていたそうだし、極めつけは月を見た時のあの反応。 ルイズは正直、あの男は気が狂っているのではないかと思い始めていた。 姉達から聞いたことがあった。 本当に頭のおかしい人ほど正常に見えて、自分の妄想を体系付けて一見整合性があるかのように組み立ててしまっている。ぱっと見は普通に見えるのだ。だから注意が必要だと。 そしてそれは同情に値するけど、変なことを皆に口走って自分に迷惑をかけられるのはごめんだった。 それでも、契約してしまった以上、彼とは一生やっていかなければならない。うんざりするが、仕方がない。気をつけて様子を窺わなければならない、と翌日からどう彼を自分に縛り付けておくかを疲れ果てた頭で考え始め――私、こんなに厭な子だったっけと思った。 はねっかえりで可愛げのない女だ、と陰で言われているのは知っていた。 目の前ではやし立てられるのもいつものこと。 でも、何かこれまでとは違う、決定的にやっちゃいけないことをしてしまおうとしている気がする。 ◇
神の手より滴る灼熱の混沌へ 天地創造の火よ…支援!
396 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/11(月) 19:23:25 ID:S8DCM3/8
僕は未来を諦めない!支援
サモン・サーヴァントの儀式から四日が経ったお昼休み。 キュルケは学院の中庭を、ある目的のために歩いていた。その顔は少し浮かないものである。 ここのところ、どこか生活に張り合いがなかった。 原因はルイズだった。最近ルイズの様子がおかしくなったのだ。 授業中に果敢に発言をしなくなったし、同級生にからかわれても反論することなく、口の中でもぞもぞと何かを呟いている場面ばかり目に付く。 それどころか、厄介ごとを避けて、目立たなくしようとしている節すらあるし、常に神経を張り巡らし、磨り減っているような重い表情をしている。 何度か発破かけのつもりでからかってみたが、あなたと話してる気分じゃないの、と逃げられた。 その去っていく小さな背中の先には、いつもあの金髪の使い魔がいた。 ムスタディオと名乗った彼も何か疲れた様子だが、クラスメイトから聞いた話だと二人はずっと一緒にいるらしい。 あの使い魔が原因なのか、何があったかは知らない。 でも、以前のルイズにはあった、芯の強さみたいなものがなくなっているのは確かだった。 だから――むん、と下っ腹に力をこめ、気持ちを入れ替える。 今日彼女は、その原因を探るべく行動に出ようとしていた。あんな「ルイズの腐ったようなの」を見ているのは、気分が悪くてしょうがなかった。 キュルケは自分では気付いていなかったが、サモン・サーヴァントの夜にルイズが見せた弱音と涙、そんな彼女を張り倒してしまったことを少し申し訳なく思っていた。 物陰にこそこそ隠れながら探す。 中庭には姿がなかったので裏庭にも回りこむ。彼が毎日この時間にこの付近にいることは調査済みなのだ。 ほどなく、発見した。 そこは普段生徒達が足を運ばない一角だった。 階段から手すりだけを外して持ってきたような器具、ダンベル等が並んでおり、それを用いてルイズの使い魔――ムスタディオ・ブナンザがトレーニングを行なっている。横にはコルベールとルイズの姿もあった。
大地の怒りがこの腕を伝う! 防御あたわず! 疾風 、 支援!
てこずっている様だな… 尻を貸そう。 支援
あげちまった・・・スマソ
リハビリなのだそうだ。 彼は体の大部分を魔法による治療で補修したために、筋力が落ち、使い魔としての労働をするのが少々難しいほどに体力が低下していたらしい。 そのため、日に一度、こうしてコルベールの指導の元にトレーニングを行なっている。 ルイズも掃除洗濯その他をさせて一役買っている、らしい。どう考えても雑用として扱っているだけに思えるが。 ちなみにこれはそこにいるコルベールからの情報である。 サモン・サーヴァントの儀式の夜に今までにない威厳を持って叱られたのはびっくりしたし少し見直したが、やはりコルベールはまだまだコルベールだったというのが色仕掛けで話を聞きだしたキュルケの印象だった。 (それにしても……ルイズもいっしょなのね) ここ数日、食事もあまり手をつけずに食堂から出て行って何をしているのかと思えば。 何だかんだ言って使い魔の心配をしているのかしらと思ったが、ルイズの表情を見てすぐにその考えを取り下げた。 顔色がものすごく悪い。 ちゃんと寝て食べているのだろうか。隈が出来かけている上に目が据わりかけており、コルベールに指示を受けながらトレーニングを続けるムスタディオを凝視し続けている。 その様子からは、とてもじゃないが心配している雰囲気は読み取れない。 ムスタディオの方はというと、治療当初よりは肌の色も焼けてまだらではなくなりつつあり、動きも鈍くない。体力は回復して来ているようだ。 しかし居心地は非常に悪そうで、精彩に欠ける表情でダンベルを振り続けている。 コルベールも何か、ムスタディオと会話するたびにルイズの顔色を窺っているような気がする。 (……なんなのかしら、このぎくしゃくした雰囲気は) その時、ムスタディオがダンベルを下ろした。少し外周を走って来ます、と彼の声が聞こえ、こちらに向かって走り始める。 まずい、と思えど逃げる暇もない。 ムスタディオはキュルケが隠れている物陰の横を走りすぎようとして、彼女に気付いてしまった。 仕方ない、と覚悟を決める。 見つかってしまったのだから、と少しやけになった彼女は大胆な行動に出た。
大気に満ち、木々を揺らす波動 生命の躍動を刻め!支援!
だが今は支援こそがすべてだ!
「ねえちょっと!」 ムスタディオを呼び止めたのだ。 しかしその瞬間の彼の反応が、また妙だった。 ムスタディオは校舎と校舎の隙間、しかし少し近づけば見つかってしまうような場所に収まっていたキュルケを見て意外そうにした後、何かはっとしたように走り去ろうとする。 「逃げなくてもいいじゃないの〜!」 しかしキュルケはすかさず腕を掴み、胸に抱き寄せてかなり強引に物陰に引っ張り込んだ。 男の子を誘う時にする表情と声を作って話しかける。 「こんにちは、ルイズの使い魔さん」 「え、ええ、うわ、何だあ!?」 「ふふ、そんなうろたえなくてもいいじゃな〜い?」 甘えた声を出しながら冷静に分析。女性に手馴れた様子はナシ。手を離す。 「う……こ、こんにちは。えーと、確か……ツェルプストー様、だっけ?」 「そうよ。教室とかで何度か顔を合わせたけど、自己紹介はまだだったわね。あたしはキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー、『微熱のキュルケ』よ。よろしくね、『ゼロのルイズ』の使い魔さん」 その途端、慌てたムスタディオに口をふさがれそうになって驚いた。 「しーっ! あんた、ヴァリエール様の前で間違えてもそんなこと言わないでくださいよ! 八つ当たりがオレにくるんだから!」 何かを思い出したように、ムスタディオは首筋を押さえる。 手で塞がれる前に、肌に蚯蚓腫れみたいなものが走っているのをキュルケは見逃さない。 (ははぁ……ストレスのはけ口を変えたのかしら?) 今までは悪口を言ってくる生徒に突っかかり返していたが、使い魔が出来たからそれをやめて彼に八つ当たりすることにしたのか。 キュルケは少し呆れそうになるが、それは何かおかしいなと思った。八つ当たりはやりそうだが、罵詈雑言や冷やかしに無抵抗になるのは以前のルイズでは考えられない。 「そうなの……ねぇ、そんなに辛く当たられているの? 大丈夫?」 演技を続けながら、キュルケは遠まわしに情報を引き出そうとするが、ムスタディオが何か思いつめたように自分を見つめているのに気付いた。それにかなり引け腰だ。 「なあ、あんた、あんまりオレに近寄らない方がいいですよ」 「……どうして?」 「いや、それは、ええとですね……」 (……あら? これはもしかして) 自分の思うとおりにことは進んでいないが、どうやら核心を聞きだせるかもしれない。 内心でキュルケがしめたと思った瞬間だった。
大気に潜む無尽の水、光を天に還し 形なす静寂を現せ! 支援!
「ちょっとムスタディオ! 何してるのよ!!」 大声に振り返ると、ルイズと困った風のコルベールがこちらに歩いてくるところだった。 ムスタディオは露骨に顔をしかめ、それを隠そうともしない。 「……ほらな、『ご主人様』に気付かれちまった」 ご主人様、に何か皮肉げなアクセントを置いたのをキュルケは聞き逃さなかった。そしてその瞬間の表情も。 何か大事なことを諦めかけているような、虚ろな顔だった。 「何故か知らないけどさ、ヴァリエール様やコルベールさん以外の人と話すと、怒られるんですよ。オレと喋った人のことも、その後に無茶苦茶言うしな。だから……よかったらあんまり近づかないでください」 ごめんな、それじゃあ。 小声で申し訳なさそうに言い、そそくさとムスタディオは二人の下に戻っていった。 「あ、あああんた走りに行ったんじゃなかったの! 何で、ツェルプストーなんかといい一緒にいたのよ! 何を話してたの!? あんな狭いところでなな何してたのよ!? 答えなさい!!」 とかなりきつい口調の詰問が聞こえ、遠ざかってく。ルイズと一瞬目が合った――彼女は、使い魔と似たような表情をしていた。 使い魔は主に似たものが召還される。 そんな言葉を思い出しながら、キュルケはかける言葉もなく、3人を見送っている。 何だろうあれは、と思う。 ルイズがよくわめくのも、誰にでも噛み付くのもよくあることだ。 でも、やっぱり違う。 すごく追い詰められている。 そしてそれに抗う力も失いつつあるように、キュルケには見えた。 自分で思っていたよりも楽観していたみたいだ、と思う。 これまでは少し興味本位で探っていた感も、自分としてはあった。 しかしルイズの状況は、興味本位で覗いてしまうには遥かに深刻になっているようだった。 (どうしたらいいのかしら、あれ……) 考えてみるが、ぱっと良い案が浮かぶはずもなかった。
只の支援
天空の意志に従い、真実の時を刻み 天命とならん!支援!
初期印象最悪から如何に仲良くなるかがポイントだと思うなあ。
ルイズは美少女ではあるけどトラブルを抱えてたりコンプレックスがあったりと、結構少女漫画っぽいキャラだと思う。
で、少女漫画のお約束が第一印象最悪。
>>378 の補足。
ジュウレンジャーはゲキがヤマト族プリンスでメイがリシヤ族プリンセス。あとの三人も各部族のナイト。
ボーゾックのセクシーな女幹部ゾンネットが実はとある星の第一王女。
ボウケンイエローの菜月は約十万年前に滅亡したレムリアのリリーナ姫。
一つの星の王女と部族の王家では格が違うけどな………
ぎゃぼー!割り込んじゃった支援orz
以上、投下おわりです(´・ω・`) 支援いつもいつもありがとうです。 文章がだらだらしてる上にクオリティが低くてスマソ(´・ω・`)
412 :
367 :2008/02/11(月) 19:33:51 ID:JT9raVRw
いやー、嫌われてること、嫌われてること。 「ルイズをいじめるな!」という声が上がるどころか、スレッドが100を超えて 続いてるくらいだから。 態度が悪い上に、何だかんだで被害者から加害者(コケにされる側からする側)になっただけ、 あれだけの仕打ちをサイトにしていれば、かばい切れないのも仕方ありませんね。
心無となり、うつろう風の真相 不変なる律を聞け…GJ! ムスタディオ環境適応能力高い、というか、泣く子と地頭には勝てないということが分かっているのか… とりあえず、あぐりあストのイベントは経験済みということはPSP版のようですね。 ギーシュとの戦いはどうなるか―――というか、武器は持ってきたのか?
>>412 楽しみ方は人それぞれだと思う(´・ω・`)
好きだからこそいじめようとか、苦労させて成長させたろうと思う人もいるだろうし。
それを分かってるから、皆何も言わないんだと思うけど。
415 :
372 :2008/02/11(月) 19:41:01 ID:euKj+736
ゼロの方、投下乙でありました! なんか混乱するような真似をして申し訳ない。 長編書くだけの根気がない自分としては 長編作家さんの邪魔がしたくなかったんだが、マナー違反だったっす。orz 余計な気を遣わせてたり、不快に思う方がいたらごめんなさい。 では今ちょっとあれな様子なのでまた後で投下しに参ります。
>>411 GJでした
FFT世界にもクラウドという異世界人がいるよな・・・。
ムスタディオにも異世界があるというくらいの認識はあるのかね?
DADDYFACEから
異世界が珍しくない作品のキャラの対応が気になる。 自分が知ってんのはドラえもん、ディスコミニュケーション、 破壊魔定光、なのはシリーズぐらいだけど、他に何があるかな。
>>418 マイナーだが、ドラゴンマークを挙げてみる。
>>418 地球と魔法界の二種類しか無いっぽいがネギま!とか
宵闇眩燈草紙では異次元があるな
あとサモンナイト
ドラクエもモンスターズは普通に異世界旅してる
パプワくんとか
>>418 TRPGのTORG(地球は今、狙われている!from複数の異世界)
つかワルキューレをわざわざ二足歩行させる意味って視覚効果以外で何か理由があるのかな 二足歩行させるくらいなら車輪でも回して機動力上げる方がいいと思うんだが
>>418 ガンパレードマーチにも並行世界関係の設定があったはず。
悪路でも大丈夫だからじゃね 無限軌道だと流石に遅すぎるだろうし
>>423 中世レベルの思考しか出来ないギーシュにはそこまで頭が回らないんですよ、きっと。
それを召喚された人が指摘してローラーダッシュができるようになるとか。
>412 ここの連中が嫌ってるのはルイズよりサイトだろ。 ほとんどの作品で存在自体抹消されてんだからw
428 :
ナイトメイジ :2008/02/11(月) 20:01:54 ID:UC9BrvO+
投下してよろしいでしょうか
>>427 嫌ってるんじゃなくて単にif展開をしてるだけではないの?
>423 あの世界の人間に「自身で駆動する車輪」という発想がないんじゃないか? >426 そういや召喚された人に影響されてワルキューレがパワーアップと言うのは SSで結構見かけるな。
>428 おけおけ、支援
>>411 何か地道に追い詰められてるルイズと巻き添え喰ってるムスタディオが気の毒だな
つーか持ってた銃見せればいいのに
>>413 ほう、PSP版にはそういうイベントがあるのか
星座での相性はどうなってるんだろう?(PS版だと星座での相性はかなり悪かったけど)
>>423 コントロールする際に、自分と同じような形をしていた方が、
感覚的にやりやすいからじゃないかな。
>429 そういうif展開が望まれること自体嫌われてる証拠 と言ってみるw
タバサが幻想水滸伝Vからルックを召喚 ルイズは才人を召喚するが他の担い手は天魁星を召喚 (例えばティファ二アはグレミオもパーンも死なせてしまった坊ちゃんを召喚) 王族は稀に真の召喚持ちを召喚 (タバサがルックを召喚したように、例えばマリアンヌ大后が若い頃に使い魔としてVのゲド召喚 以降色々あって今は表向き騎士として王宮に仕えてたり軍人だった頃のコルベールと面識があったり) シエスタの父親がハルケギニアに迷い込んだビクトールだったり タルブに安置されてる曽祖父の遺産が黄金の鎧と竜王剣と門の紋章だったり タルブの危機に才人がガンダールブの力で門の紋章を無理矢理発動させてゼロ戦召喚したり・・・ あぁ・・・妄想はいくらでも膨らむのに、俺には文才が無い・・・文才が無い・・・ そういやガンダールブの力で真の紋章使えるのかな?
ナイト支援
ふむ、ぽんこつ支援
438 :
ナイトメイジ :2008/02/11(月) 20:07:54 ID:UC9BrvO+
「ふぅううううむ」 破壊の杖を前にうなるオールドオスマンに、この事件の顛末を報告をしたルイズは始終びくびくしていた。 フーケを取り逃がした上に破壊の杖を原型がかろうじてでしか分からないようににしてしまったのだ。 どんなお叱りが来るのだろうか。 謹慎?それとも……退学!? 「あ、あの……オールドオスマン……」 ついにルイズは耐えきれなくなる。 この張り詰めた空気がどうにかなるのなら、もうどうにでもなれ!そんな気までしていた。 「あ?ああ、わかっておる。2人ともよくやってくれた」 「え?」 未だ眉間にしわを寄せているが、オールドオスマンはぎこちなく笑ってルイズの予想外の言葉を返す。 「そんなに緊張せずともよい。学院の誰もが尻込みしていたというのに、2人はあの土くれのフーケから破壊の杖を取り返したのだぞ?これ以上望みようもあるまい」 「そうなん……ですか」 「うむ。破壊の杖はな、とてつもない……それこそ、ワイバーンをも一撃で倒せるような力を秘めておった。それが土くれのフーケなどに盗まれ、行方不明になったらどうなる?こんなところで座ってなどおられんよ」 オールドオスマンは、黒く焦げた破壊の杖を指先で擦る。 黒い煤の着いた指先と親指を擦りあわせ、さらに眉間のしわを深くした。 「おかげで、フリックの舞踏会も無事開ける。いや、本当に2人ともよくやってくれた」 オールドオスマンの皺も気になるが、そう言われるとそうなのかという気になってくる。 言われてみれば、一介の学生では普通にはできないようなことを成し遂げたのかも知れない。 「わしの方からあとで褒美を出そう。2人とも下がってよろしい」 ルイズは体から力が抜けていくような気がした。。 座り込みそうになる膝に力をいれて、どうにかこうにか立ったままでいられたのが不思議なくらいだ。 もう何もかもが終わった。そんな気持ちでいっぱいだった。 ルイズとその使い魔が部屋を辞したあと、オールドオスマンは羊皮紙を机の上に置き、髭をしごきながら考え始める。 フーケを退けたとはいえ破壊の杖は黒こげ、宝物庫の壁は破壊されている。 下手なことを書けば王宮からの無用な介入を招きかねない。 「ふーーーむ」 書くべき文章を思い描き、唸るオールドオスマンの前でドアがノックもなく開かれ、少女が1人断りもなく部屋の中に入ってきた。 先程までいたルイズの使い魔のベール・ゼファーという少女だ。 「どうしたのじゃ?何か忘れ物でもしたのかね?」 「いいえ。少し、質問したいことがあって。私にはご褒美なんて無いんでしょ?なら、すこし教えて欲しい事があるの」 「ふむ」 オールドオスマンもそこまでは考えていなかった。 使い魔の手柄は主の手柄となる。 故に手柄の褒美は主に与えればいいのだが、この場合は使い魔が人間という珍しい状況である。 使い魔も何かが欲しくなるのも、わからない話ではない。 「よかろう。何が知りたいのかね?」 「虚の属性……いえ、系統と言うものについて」 この数十年、虚無の系統などというものについて聞いてきた者は誰もいない。 オールドオスマンは目の前の少女の真意を探ろうと、その目をのぞき込んだが何もわからない。 未だ少女としか言えないような年齢であるにもかかわらず、その少女の目は真意を隠すことに慣れている目だった。 「何故そのことについて知りたいのかね?」 「興味があるからでは不足かしら」 「ふむ」 これ以上の追求は難しい。それに、追求するほどのことでもない。 そう考えたオールドオスマンは髭をしごく手を止め、椅子に座り直した。 「じゃが、教えたくとも教えられることは極めて少ない。始祖ブリミルの使った伝説の系統。それくらいが関の山じゃ」 「学院長であり、ハルケギニアでも指折りの知恵者であるあなたがそれくらいしか知らないの?」 「言うてくれるな。じゃが、そのとおりじゃ。お前さん風に言えば、知識人を気取っておっても虚無の系統についてはこの程度しかわからぬ。それほどまでに伝説、そして謎の系統なのじゃよ。虚無は」 「ふぅん」 両手を組むベール・ゼファーはわずかの間だけ物思いにふけると、つま先を立てて、くるりとオールドオスマンに背中を向けた。 「いいわ、それで。参考になったから」 「まあ、待ちなさい」 「なにかしら」 「これでだけでは申し分けないからのう。もう一つお前さんに教えられることがある」 オールドオスマンは杖を持ち上げ、ベール・ゼファーの左手の前でぴたりと止めた。 「その左手のルーンのことじゃよ。それはな、ガンダールヴの印。伝説の使い魔の印じゃよ」 「伝説……ね」
ノットフリック、バットフリッグ支援
440 :
ナイトメイジ :2008/02/11(月) 20:09:53 ID:UC9BrvO+
「その伝説の使い魔はありとあらゆる武器を使いこなしたそうじゃ。お前さん、武器を使ったことはあるかね?」 「いいえ。ルイズの使い魔になってからは一度も。それに、私は武器なんてあまり使わないし。で、それと虚無とどういう関係があるの?」 「伝説ではガンダールヴを使い魔としたのは始祖ブリミルということになっておる」 そのときになって、初めてベール・ゼファーは左手のルーンを見つめ、右手でその上をなぞった。 「どうじゃったかな。こちらの話は」 「ええ、予想外に参考になったわ。学院長の地位は飾りじゃないようね」 「ほっほっほ。おだててももう何もでんぞ」 それだけ聞けばもう十分だったのだろう。 ベール・ゼファーは毛足の長い絨毯の上を静かに歩き、扉の前に立つと、ノブを回しながら肩越しに振り返った。 「そうそう、ガンダールヴのお礼に私の知っている虚無の話を1つ教えてあげるわ」 「ほう?」 「虚無とは時間と空間をゆがめる力、と言う話」 「初めて聞いたのう。どこの文献からかね?」 扉を開けるベール・ゼファーは、その陰に隠れて答えた。 「虚無とは伝説にして謎。そう言う事よ」 扉の閉まる音と共に少女の姿はその向こうに消える。 「伝説にして謎か。あの少女も謎じゃな」 オールドオスマンはため息を1つつく。 やがて、杖を羊皮紙の上にかざすと魔法を使って王宮への報告書をしたため始めた。 フリッグの舞踏会。 それは、学院の生徒なら誰もが楽しみにし、またそのための準備に余念の無かったイベントである。 この日のために、新しいドレスを新調したものもいれば、この日こそはあの人に告白しようと贈り物を用意した生徒もいる。 そして、この舞踏会で誰が最も多くの殿方を惹きつけるかと言うことは、多くの女生徒達の興味とするところであった。 大方の予想通りそのトップはキュルケであったが、彼女に並ぶ2人は女生徒たちにまさか、と思わせるような2人だった。 その1人であるルイズはすでに10人以上の相手と踊ったあとで、今は壁際に置かれた椅子に体を預けていた。 「どうぞ」 ルイズの前に立ったのは、ルイズと共に同数二位のベール・ゼファー。 両手に持ったワイングラスの片方をルイズに渡す。 ちょうど喉も渇いていたルイズは受け取ったグラスの中の赤い液体を一息で飲み干してしまう。 「あら、じゃあもう一杯飲む?」 「いただくわ?で、あなたはこんな所にいていいの?ダンスのお誘いがあるんでしょ」 「いいのよ、そんなの。私もダンスには飽きてきたところだし、ご主人様の相手をしなければならないと言えば、男達を追い払えるわ」 「ふーん」 そういえば、少し周りを見てみると男達が声をかける機会をうかがっている。 もう少し休むのに、ベルと話しているのもいいかもしれない。 「まあ、そうしているとベルも大公殿下に見えるものね」 今のベルはどこから持ち出したのか、黒を基調にした実に豪華なドレスに身を包んでいる。 ベルのどこか人間離れして妖しい魅力をさらに引き立てる光を吸い込むような真黒のドレスは、 ルイズも見たことがないほどに高級な生地で作られている。 しかもベルのドレスは全く彼女の動き妨げず、それなのに体に吸い付くように離れない。 つまり、このドレスは腕のいい職人が彼女のためだけに仕立てたと言うことになる。 それほどのものをに入れるには、余程に身分と財力が必要になる。 「誰が見ても大公で通せるわよ」 「通せるじゃないの。本当に大公だって言ってるでしょ」 「はいはい」 それでも、そんなことは絶対にないとルイズは確信している。 大公殿下がこんなところに来たとあっては大騒ぎになってしまうこと間違いなしだが、そんな話は全く聞かない。 「それでルイズ。気分はどう?」 「ん……悪くないわね」 ルイズが土くれのフーケの犯行を阻止したという話はいつの間にか学院中に知れ渡っていた。 捕縛に至らなかったとはいえ、誰も止めることすらできなかったフーケの犯行を止めたのだ。 ルイズの評価はこの1日でぐんと上がったと言っていい。 さらに誰も予想もしていなかったドレス姿とも相まって、何人もの男がルイズの前で跪き、ダンスを求める。 気分が悪いわけはない。 「今日はベルもがんばってくれたものね。お礼は言っておかないとね」
ヘルメストリスメギストス支援
442 :
ナイトメイジ :2008/02/11(月) 20:10:57 ID:UC9BrvO+
「あら、こう言うときに使い魔としてはどう言えばいいのかしら。お褒めにあずかり恐悦至極、と言うところかしら」 ぴくりとルイズの感覚が閃く。 ベルがやけに殊勝なことを言っている。これはベルがルイズをからかいに来る前兆だ。 今日ばかりは何故か鋭く感じる。お酒のせいかもしれない。 だからルイズはここで先手を打つことにした。 「それに、ベルのこともだいぶんわかってきたし」 「へえ、どんな風にわかったの?是非教えて欲しいわ」 鼻先が触れ合うほどに近づいてきたベルの顔はいつもと同じように笑っている。 ルイズは、もう一杯のグラスのワインを開けるとベルの真似をして笑ってみた。 「あなたって、ゲームだのハンデだのって言ってるうちに負けたり失敗したりって事がよくあるでしょ」 ぴしり。 そんな、冬の水たまりにできた氷が割れたときのような音がした。 ただし今、凍っているのは水たまりではなくベルの顔である。 「昨日の夜はゲームだって言っているうちに、ゴーレム逃がしちゃうでしょ。今朝は犯人探そうとして結局何もできそうになかったし。あのとき、ロングビル……じゃなくてフーケが飛び込んできてなかったら結局ダメだったでしょ」 「あ、あれは……」 ベルの声には余裕がない。 朝と同じだ。 ルイズの背中にはまた、ぞくぞくと何とも言えない感触が走る。 その感触のままにルイズは言葉をさらに並べ立てた 「最後もゴーレム倒すとこまで追い詰めてたのに逃がしちゃったし」 「それは……」 「おまけに破壊の杖まで黒こげにしちゃうし」 「い、言わないでよっ」 「ねえ、ベル……あなた、ツメが甘いってよく言われない」 「言わないでっていってるでしょ!」 突然ベルはルイズに猛然と掴みかかる。 どこに掴みかかったかというと、具体的に言えばルイズのほっぺただ。 むにむにぽにぽにぎゅーぎゅーぎゅー 「ふぼひはほね(図星なのね)!」 「言わないでって事を言う悪い口はこれ?」 ルイズも負けてはない。 グラスを投げ捨てると、ベルに敢然と立ち向かった。 どこに立ち向かったというと、具体的に言えばベルのほっぺただ。 ぱにぱにもちもちぎゅーぎゅーぎゅー 「ほんほのほほひゃひゃい(ほんとの事じゃない)」 むにむにぽにぽにぎゅーぎゅーぎゅー 「ひうはー(言うなー)」 ぱにぱにもちもちぎゅーぎゅーぎゅー 会場の目はルイズとベルに集まるが、2人が何をしているかはわからない。わかるはずもない。 なかには2人が珍しいダンスを始めたとすっとこどっこいな勘違いをする輩まで出たほどだが、概ねみんなの意見は一致していた。 キュルケの口を借りて言うとこうなる。 「なにやってんのよ。あの2人」 そして、2つの月も遙か高い夜空の上からただ静かに2人を見つめていた。
なーかーよーくけんかしなー♪支援
444 :
ナイトメイジ :2008/02/11(月) 20:13:13 ID:UC9BrvO+
投下終了です 改めて考えると、ベルがフーケ戦で出した成果は フーケ:他から見たら逃げらてれる 破壊の杖:ぶっ壊して持って帰る で、サイト以上に成果出してないんですよね。 よく考えたら、ここまででキュルケとタバサとまだ親交がない。 このまま進んだら、タバサがガチでベル殺害に来るのかも。
すっとこどっこいはギーシュだろうか支援
>>434 ゼロのルイズがサイトを召喚して
“無能姫”シャルロットが他作品から召喚ってのはちょっと考えた。
クロスオーバーで召喚されたキャラはヴィンダールヴだったってことにすれば
シルフィードも出せるし。
ベル乙。 ……まぁ魔王だし。ガチに殺しに来られても魔王っぽい、多分。 黒いミューズが金色になってたりしない事を祈っておこう。
ベルが可愛らしく感じたのは、俺だけの錯覚じゃないはずだ。
こみぱより 「マイブラザー千堂、我輩と一緒に世界を目指すんだ!」 「うるせーワルド氏ね」
ベルさま乙ですー。 よく考えたらハルケギニアには世界結界が無いから全力が出せるんじゃないかベルさま。 フレイスの炎砦の時みたく何処からともなく数十万の軍勢を呼び出したり、アルビオン大陸を一撃で消し飛ばしたり出来ちゃうんだよなぁ。 まあ、面白くないとかそういう理由でやらないだろうケド。
伝勇伝からライナ(一巻牢獄時点)でも召喚しようと思ったが、 能力からしてまず間違いなくミョズニトな事に気付いた俺。 少なくともガンダーよりはそっちの方が合っているがどうしたものか
>>424 ガンパレというか式神の城とかマーズブレイクとか含めて、無名世界ですね。
ニーギ・ゴージャスブルーとかはガンパレ世界発でいろんなところを渡り歩いてますな。
後、ナイトメイジさんのクロス元のナイトウィザードは主八界世界の一つが舞台で他の7つの
世界とクロスしてます。
さらに主八界以外の世界ともたまにクロスしてるので分けが分からず。
>>455 ニーギは先輩追う為に世界渡り歩いていたけど
その先輩、来栖銀河も色々渡り歩いてるよな
457 :
367 :2008/02/11(月) 20:40:37 ID:JT9raVRw
最後に、作者諸氏に感謝します。 おかげで胸がスカッとしました。ほんと、ありがとう。 これからもルイズを徹底的にいじめて下さい。 そして、弱い物には強い腐った根性、甘ったれ根性を叩き直して下さい。 以上、一読者からのメッセージでした。
世界ではなく別の惑星と認識する可能性もなくはない
372ですが、今は小ネタ投下大丈夫でしょうか。 キャラはダ・カーポの芳乃さくらです。 大丈夫そうであれば五分後位に投下します。
>>444 乙ー
失敗すること気にするくらいなら本気出せばいいのになw
そーいやこれも異世界の概念が普通にある作品って言うかベル自体が異世界からの侵略者だな
しえん
>>456 来須はもともと第一世界の人間だっけ?
しかしああいう脳筋の人間が来てもガンダールヴ以外にはなれそうにもないなw
そして支援
中世の城のような建物。 その城壁にもたれかかるように、一人の少女がひざを抱えて腰を降ろしている。 少しづつ風が冷たくなってきた。 少女はすでに薄暗くなってきている空を見上げ、何度目かのため息をつく。 …正直言って、途方に暮れていた。どこにも行く当てがない。 でも、戻る気にはなれない。絶対に。 いきなり遠い所にとばされた。見たことのない、でも映画か何かで観た、ファンタジーの世界のような場所。 ふと、もしかしたらおばあちゃんは、昔こんな場所にいたのかもしれないと思う、そんな場所だった。 そして自分を召喚した、魔法使いだという少女に連れられて行き、彼女の部屋で告げられた。 使い魔になれ、と ……許せないと思った。 事情も知らない他人をいきなり呼びつけ、あまつさえ従僕になれ、などと。 そんな魔法は聞いた事も無かったが、絶対に許容してはならないと思った。 …だから拒絶した。 強く。 強く。 強く。 あの日のように。 あの時のように。 あの子の時のように。 それでも目の前の彼女はゆずらなかった。 もう契約は済んでいる、だの、使い魔が貴族に逆らうのか、だのとわめきたてた。 だから言ってやった。 「魔法使いがそんなに偉いのか」と。 「魔法が使えない人達の気持ちが解るのか」と 「人を不幸にするような魔法を使って、なにが魔法使いだ」と 思いつく限りのことを言ってやった。 彼女は絶句し、俯き、静かになった。 ……もしかしたら泣いていたのかもしれない。 少し心が痛んだが、その隙に自分の持ち物をもって飛び出してきた。
……わけだが。 まずは現在位置を知ることだ。星の仰角などから大体の緯度、経度は測ることができる。 それができる程度の知識は充分すぎるほど持っている。 そう思って外に出て見上げた先には…… 月が二つ、昇り始めていた。 ……地球ですらないようだ。ここは。 ちょっと頭を冷やして考えてみれば、変なことはたくさんあったのだが。 ともかく全くのお手上げ。いいかげん寒くなってきたし、お腹もすいてきた。 それでも今更戻る気にはなれなかった。 ……許せなかったから。 持物と言えば、一緒に召喚されたノートパソコンのみ。現状では限りなく、無意味。 打開策は見つからない。 何回見上げても、二つの月がコンニチハしている。 もう一度ため息をついたとき、不意に声をかけられた。 「やあ、こんな所にいたのかい。 …サクラ君、だったかな?」 あわててそっちを見ると男の人が立っていた。 涼しげな頭に見覚えがあった。 最初に召喚された時にいた人物だ。 身構えるが、自分の脚じゃ逃げ切れないだろうし、抵抗も無理だろう。 男はちょっと失礼するよ、と言うと、少し距離を置いて隣に腰をおろした。 「そうそう、私はジャン・コルベール。 この学院で教師をしている。」 「うにゃ… ボクは芳乃さくら。 えっと、ルイズちゃんから聞いたの?」 「ああ。ミス・ヴァリエールに君を見なかったかと聞かれてね。 散歩に行ったきり帰ってこない、迷子になっているんじゃないか、と。」 なるほど。そういうことになっているのか。 少し警戒をとく。 …しばらく沈黙の後コルベールは様々なことを話し出した。 突然の召喚で驚いているだろうが、すまなかったと思っている事 ミス・ヴァリエールは優しい子だから自分の事を悪くは扱わないであろう事。 だから悪いけど彼女の事をよろしく頼むという事。
…どうやらこの男性、コルベール氏はそこまで悪い人物では無さそうだ。教師ということは知識もあるだろう。 イチかバチか思い切って自分の境遇を話してみる。 月が一つしかない、魔法なんて言うものが無い世界から来たということを。 しかし案の定、信じてはいないようだ。 少し考え、持っていたパソコンを起動してDVDを再生する。 「これは… 絵が動いている?」 ディスプレイの中では白い服をきた女の子が、空を飛びながら大きな杖を振り回し、 桜色の光線を放つ映像が流れている。 「……すごいな」 「animationって言うんだ。原理自体は簡単だけど… 魔法は使ってない。こんな装置や絵、この世界にある?」 「いや、長く教師をしているがこんなものは初めて見る。」 コルベールは食い入るように画面を見つめている。 どうやら一応は信じてもらえたらしい。あらためて元の世界に帰りたいという旨を話す。 しかし、コルベールは心底すまなそうな顔で言った。方法がない、わからない、と。 どうやら本当に帰れそうにない。 思わずつぶやく。 「魔法なんて無ければいいのに……」 おそらく本心ではなかっただろう。魔法すべてを否定する気はないのだ。 何しろ自身も魔法使いであり、その魔法は、大事な人から受け継いだものだ。 ただ、色々嫌になってつい愚痴が出た。
そのつぶやきを聞いたコルベールはますます気の毒そうな表情になった。 「いきなりこんなことになってしまったのだし、そう思うのも無理はないかな。 …でも魔法もそうそう悪いものではないのだよ。」 コルベールはそう言うと一人で様々なことを語りだした。 この世界の魔法がケガなどの治療に使われている事。 家屋の建築や橋の建造などにも関わっている事。この学院の建物の補強にも魔法が使われている事。 どうやらこの世界の魔法は随分と生活に密着しているようだ。科学の代わりとでも考えればいいだろうか? 当たり前の様にあるなら、その是非について疑問を持たないのも無理はないかもしれない。 しかし、それでもまだ素直にハイ、そうですかと戻る気にはなれない。 ついでではあるが、口は初めてだった、その遺恨もある。まあ女同士ならNo countかもしれないが。 いつの間にかコルベールの話が止んでいる。しばしの沈黙の後、こちらを見ずに呟いた。 「散歩ではないのでしょう…?」 思わず身がこわばる。 「彼女随分と取り乱してソワソワしていましたから。まぶたも少し腫らしていましたし。 何があったのかは分かりませんが、君の話で何となく察しはついたように思います。」 「うにゃ……」 「これは私のわがままですが…」 コルベールはそこで一息つくと言った。 「実は彼女、魔法が使えないのですよ。人一倍、努力はしている。ひいき目でなく。 …しかしどういうわけか魔法が成功しないのです。」 その言葉で一人の少女の事を思い出す。コルベールは話を続けた。 「一人だけ皆ができる事ができないというのは辛いことでしょうが、それでも彼女はくじけずに頑張っている。 今度のサモンサーバントも、以前から熱心に練習していた。絶対に成功させると。 そして君が呼ばれた。 …だから、こんな事を頼めた義理ではないが、どうかヴァリエール君の事を支えてあげてほしいのです。」 魔法が使えない、その事を聞いてちくりと心が痛んだ。 そのことを考えれば、先に自分が彼女に吐いた言葉はずいぶんな暴言だ。 あの時の情景を思い返して見るに、彼女は強か動揺していたのだ。ボクを止める事もできなくなるくらい。 そして重なってしまう。彼女とあの少女の事が。
あの少女も強く願っていた。魔法が使えるようになりたいと。 そして魔法がどんなものか考えもしなかった。 いや、むしろ盲信していた。魔法があれば皆が幸せになると。 魔法が持つ危険性を考えもせずに。 だから突き放したのだ。拒絶したのだ。 ……そしてあの少女、 アイシアは桜を咲かせた。 魔法の桜を。 真摯な願いのみをかなえる魔法の桜を。 ボクがこの手で枯らした桜を。 圧倒的な影響力を持つボクが願って枯らした桜を再び咲かせるのに、 どれほど強い、そしてどれほど真摯な願いが必要だったのだろうか? アイシアは願っていた。皆を幸せにしたいと。方法の是非はともかくとして。 そんな彼女を、ボクはただ、 突き放した。その思いを知ろうともせずに。 あの日、あの時。 アイシアの話をもっと真剣に聞いていれば。もっと彼女の心を汲んでいれば。 あの事件を引き起こした原因は、ボクにあった。 そして今。再び魔法を使えるようになりたいと願う子が目の前にいる。 なにかボクにもできる事があるのではないか? なにかボクにしかしてあげられない事があるのではないか? なにか、今のボクにだからこそできる事があるのではないか? 今なら、今のボクなら、アイシアにはしてあげられなかった事が彼女にできるのではないか? もちろん自分の持っている魔法とこの世界の魔法は、効果も原理もおそらく全くの別物。 彼女の望む魔法を教えるなんてことは無理だ。 しかし、不可能を可能に変える不思議な力という本質はかわらないはず。 ならばその力が持つ危うさも。そしてあたたかさも。 そう考えるとコルベールの言うように、 多分彼が思っている以上に、 彼女に自分が召喚されたことに因果を感じざるを得ない。 引き受けよう。彼女の使い魔を。義理と人情は江戸の華、だ。 お兄ちゃんに会えないのはとても辛いが、いつか元の世界に帰る方法が分かるまで、 少しだけ頑張ってみよう。
>>451 約十万年だよ。
レムリアの太陽で5000年に一歳しか成長しないようにされてたので。
でも発見当時は17歳と言われているんだよな………。菜月はズバーンも来れば身元証明にはなるか……
そして魔法暴走族レコンキスタを思い付いた。
「わかった。引き受けてみるよ。ルイズちゃんの使い魔。 ボクに何ができるかはわからないけど。」 その言葉を聞いてコルベールは満足そうにうなずいた。 「おそらくミス・ヴァリエールも君の事を悪くは扱わないでしょう。 改めてこの私が保証しますぞ!」 …その笑顔を見ていると全て彼にうまく乗せられたような気がした。後悔は微塵もないが。 「ずっるいなあ、コルベールさんは。」 「…はは、そうかね?」 …狸め。 時刻は、魔法使いどうしが逢うのにふさわしい頃合いだ。星はきれいだが、少し本気で寒い。 「じゃあ、ボク行くね。」 まずは謝らなくては。たくさんたくさん。 彼女は許してくれるだろうか? そう考えながら立ち去ろうとすると、 「ああ、ちょっと待って下さい!さくら君!頼みがあるんだが…」 ……呼び止められた。 「うにゃ? なに?」 先ほどまでと違ってやたら真剣な顔だ。 っていうか目がマジだ。ぶっちゃけ恐い。 自分の容姿についての自覚はあるが、もしかしてそっちの人か? 逃げた方がいいだろうか? 「さっき見せてもらったあれなんだが……」 「暇ねえ、ルイズ。 何か面白い事でも起きないかしら。 …どっかのアホが平民に決闘を挑む、とか。」 「馬鹿な事言ってんじゃないわよ、ツェルプストー。そんなアホな奴いるわけないじゃない。」 「……つまんないわ。ってあそこでコルベール先生と話してるの、あんたんとこの使い魔じゃないの? ……二人ともずいぶんと楽しそうだけど。 はっ もしかして先生、そういう趣味!?」 「違うわよ! 趣味は趣味でもあっちの方じゃない? なんか機械のこととか、カガク、とかブツリ、とかってのを教えてるらしいわ。 あの子、何でも元の場所では教師の資格を持ってたとか……」 「……いや、それは嘘でしょ。どう見ても子供じゃない。」 「…まあ、私もしんじられないんだけど。」 「………」(やっぱりそっちの趣味ね!ルイズとタバサは私が守る!!)
支援
>>462 来須ことクリサリスは頭も参謀クラスだぜ?
以上です。読みにくい文章で申し訳ない。 支援感謝いたします。 あとコルベール先生のキャラがつかめてるかとても不安。 おかしかったらごめんなさい。それでは。
乙
これは教師の資格を持ってるってことはS.S.が終わってから結構経ってるのかな?
いや、D.C.よく知らないんだけど
まあキャラの性格の受け取り方は良くも悪くも個人によって違うし、原作を読んだ上でこういうキャラだと思ったんならそれでいいじゃない
>>470 それは知らないわけじゃないんだけど、ゲームでアイツが頭鍛えてるの見たことないから……
>>471 いんや、メッチャ面白かったし、暖かい感じがしていい話だった。
続きが読みたくなるくらいっスよ、GJ!
しっかし、喚ばれた娘って何歳くらいなんだろう?
DCの人乙。元ネタは知らないがよかった。
>>468 クロムウェルが「ジャンジャジャ〜ン」とボスになってしまうw
後シェフィールドの妹(イザベラ?)が虚無戦隊の押しかけ隊員になるのかw
俺もわかるなぁコッパゲの性格の書きにくさw 特に儀式のとこは冷たい先生にしか見えないw
ワロタwwwお前誰だよwww
イモ羊羹で巨大化するワルド
アルビオンと同じサイズに巨大化するも、腐った芋羊羹を口の中に放り込まれてフーケのゴーレムと同じサイズになるジョゼフと申したか。
またも割り込んですいませんでしたorz
>>474 アンリエッタがゾンネットでラジエッタが従妹姫のテファ……と思ったが、そっちの方が良さげだなw
ルイズとの結婚資金を犯罪コンサルタントのクロムウェル教授に勝手に使われてワルド涙目。
えっと、わかりにくかったので補足して置くと アイシアが出てるのでS.S.後です。 なので実年齢は高校生以上になのは確かです。でも小3から50年以上容姿が変わってないからな… 小3で140ってのはでかい気もしますが。 教員免許に関してはアニメ版では出なかったけど 原作では15歳時、アニメ無印時にすでにアメリカで飛び級して取得してます。 法律とかは、まあ気にしないのが吉かと。
>>475 私は掟第一、お役所仕事な小役人を想定しているのですが。
ただそうすると発明マニアなところや過去の汚点などと結びつかないんですなぁ、これが。
負け続きのレコン・キスタにジョゼフから「はるけぎにあらんど」の実物大特別付録が送られてきて、糊付けして組み立てるとヨルムンガントになるんだなw
>>480 解説サンクス
ってことは、正確には無印やUじゃなくてS.S.からの召喚ってことなのかな
まあ、そこまで詳しく聞いてどうする、って感じだし応えなくてもいいけどw
「ヤン=ウェンリーを暗殺後に召喚、蘇生」を考えてみたんだが・・・ どう考えてもギーシュと決闘なんかしない だからキュルケに言い寄られもしない。デルフリンガーとも会わないしフーケの盗みも起きない ・・・っつーか、いくら考えても コルベール・オスマンと一緒にお茶を飲んでる姿しか思い浮かばん そしてシエスタと結婚して、タルブでワイン職人になって佐々木さんの隣に墓を あかん、人格者すぎて話しが成り立たん
>>482 最終戦ではイコノクラストのパロディゴーレムを出す予定だったのが、榊先生からの抗議でヨルムンガントの
リペに差し替えになるんだなw
>>484 ヤンはあれでなかなかの巻き込まれ属性持ちだから
なにがしかのイベントを起こして無理矢理物語に引きずり込むのがいいんじゃまいかと。
初心に帰って馬鹿で健康な暴走族にしようとヘルスレコンキスタに改名 ↓ 馬鹿なだけでは駄目なので強そうなデビルレコンキスタにしてみる ↓ 結局、元のレコンキスタに戻る。
作者より頭の良いキャラは作れない。
ヤンじゃなくてキルヒアイスとかオーベルシュタインとかのほうがいいだろ
>>485 そしてモンモランシーの水魔法をかぶって糊が剥がれ、空中分解。
ハルケギニアには瞬間接着剤なんてありません。w
>>484 盗みは起きるだろ、ただ成功しないだけで
で一度失敗したらそのまま学院からトンズラするかもしれんし、それとも居残って別の方法を探すかもしれん
学院長があんなんだからバレはしないだろと思ってたら、見事にヤンに看破されるとか
>>489 キルヒアイス召喚というと、
ルイズの中にラインハルトと相通ずる気性を見つけて
一人で和んでみたりするのか。
>>489 お前さんは、ファンタジー世界に、あの義眼を光らす毒壷を、呼びたいのか?
>>489 キルヒアイス→細かい所は変わるだろうけど、大筋で原作と大差ない気が
オーベルシュタイン→速攻でルイズを見限るのは確実
まあキルヒアイスはともかく、オーベルシュタインはそもそも話が成り立たないと思うぞ
>>484 まとめWiki内の小ネタの方に2つほどありましたが、どちらもそのあたりはスルーされてましたからねぇ。
でもやる気がないヤンがやる気満々のルイズに引きずり回されるという構図はどちらも同じでした。
>>481 軍隊って結構お役所なところがあるから、教師というのも相まって公人としては公務員体質なのかと。
で、過去の汚点で鬱入った処で、定年退職したサラリーマンが畑耕しているように発明に打ち込んでるんじゃない?
>>490 ゾンビウェールズ君が腕の割りピンを付け忘れて的になるのかw
オーベルシュタインはジョゼフが召喚した方が面白そうだが
一応小ネタでヤン・ウェンリーは召喚されているんだよなあ。 でも、ギーシュと対決シーンはやっぱり執筆されてない。 やっぱり本編と絡ませるには難しいキャラだよなあ。
>>498 ジョゼフ+オーベルシュタイン+ミョズ
それ、最悪の組み合わせじゃねーかw
>>494 義眼はしばらく貴族の情勢を見てから
鳥の骨にコンタクトを取ろうとするだろ
あの国で唯一まともな政治家だからな
ルイズ?
使い物にならん上官や主人を見限らない義眼なんて義眼じゃねぇw
俺はオーベルシュタイン賛成
小ネタでも、デルフはおろかガンダーと言う事すら華麗にスルー 喚ぶ事は出来る。書く事も出来る。 でも、それはすでにゼロ魔じゃねぇ
第4話投下準備が出来ました。 5分後くらいに投下予約しても良いでしょうか。
支援
通路は開いてるよー
おー、ある意味でヤンを超える頭脳派、横島! 支援しえーん
煩悩を満たす以外やる気がない不精者だからな。 支援
支援ありがとうございます。それでは投下。 第4珠 〜さぼり魔、決闘をする〜 「そこの美人のお姉さん、お仕事終わったら愛の語らいでもしませんか?」 「すみません、仕事の邪魔ですので」 「あ、そこの黒髪の女の子! 今朝会ったよね、名前、何て言うの? さっきは聞きそびれちゃって」 「シ、シエスタです…」 1日ぶりにまともな食事をとった横島は、上機嫌で食後のひと時を楽しんでいた。 そう思っているのは、横島ただ一人で、ちょっかいを出されたメイド達は迷惑そうな雰囲気を隠しもせずにいたのだが。 その雰囲気を読み取ったのは、横島ではなくこの厨房で一番偉い人だった。 「おい。ヨコシマだったか? 飯済んだなら、さっさと出て行ってくんないか? いきなり見知らぬ土地に召喚されて、挙句の果てにろくに飯も食わせてもらえずに使い魔生活、っていうのには同情するが、こっちにも仕事があるんだ。 悪いんだがあんたの面倒見るってわけにもいかないんでね」 「あ、マルトーさんでしたっけ? 昼飯うまかったっす。ありがとうございました。 後はこっちで勝手にやりますんで、気にせずじゃんじゃん仕事しちゃってて下さい」 「メイド達が困ってんだ、ぐだぐだ言ってると、今後の食事の件、考え直さなきゃならなくなるぞ?」 「げっ。すんません、それだけは勘弁してください。声かけるのはまた今度にしときます、それじゃ失礼しましたー」 横島とて、折角のただ飯が食える環境を無くすつもりはないわけで、この場は素直に退散する。 そうして歩いていくと、男子生徒達が歓談している声が聞こえた。 「なぁギーシュ。いいだろ、教えろよ。減るもんじゃなし」 「そうだそうだ。モンモランシーって噂も聞くけどさ。この間、1年の女子と一緒にいたって話も聞いたぞ?」 「君たちは何も分かってないんだな。僕は女の子達を楽しませる薔薇なんだ。『誰と』なんかは気にしちゃいけない。『どうやって』楽しませるかが問題なんだ」 男子の話など、いつもなら気にもとめない横島だが、これは別だ。 「な〜にが『僕は女の子達を楽しませる薔薇なんだ』だよ。面白くねーな。西条の野郎に会っちまった気分だ」 近いうちに丑の刻参りセット作らにゃならんかなぁ、と考えながら、ギーシュ達を観察する横島。 その視線は、呪具に頼らずとも呪いをかけられそうな不気味さだ。 それが効果を奏したか、ギーシュのポケットから光る何かが落ちた事を、横島は見逃さなかった。 が、当事者達は話に夢中で気づかなかったようで、そのままどこかへ行ってしまう。 これは好機、とそれを拾ってみると、それは何かの液体が入った小瓶だった。 「ふっふっふ。見てろよ、キザ男め。明日には文珠が使えるからな、そしたらこれにとびっきりの呪いをこめて… ぐふふふふ」 そんな事を考えている彼の前に見知らぬ女の子がやってきた。それなりに可愛い子なのだが、その表情は少し暗い。 「えーと… どちら様? 俺に何か用?」 「確かミス・ヴァリエールの使い魔? ですよね。その小瓶、こっちに渡して下さい」 「え? これ? 何で? 君のってわけじゃないよね」 「それを言うなら、あなたのでもないですよね。さっきそこでギーシュ様が落とされたのを見てましたよ」 「そうそう。落としたのに気づいてないようだったから、後で返しておこうと思ったんだけど」 「私が返しますから、こっちに下さい」 ギーシュに呪いをかける事よりも、目の前の、見知らぬとは言え可愛い女の子の機嫌を損ねない事の方が大事だ。 そう思う横島は、小瓶をその子に渡すが… その子は一向に小瓶を届けに行こうとはしない。 小瓶をじっと見つめ、何か考えているようだ。 「えっと… どしたの?」
しえん
不審に思って声をかけるも、何かぶつぶつ言うだけで反応がない。 仕方ない、立ち去ろう。と思った横島だったが、声をかけられてそちらを向く。 「そこの平民、ちょっと聞きたい事があるんだが構わないかな… って、ケティ、なんで君が平民なんかと話していたんだい!?」 薔薇の造花があしらってある杖を持つ少年、ギーシュだった。 焦っていたらしく、横島に声をかけられるほど近づくまで、一緒にいるのが誰なのかに気づいていなかったようだ。 「ギーシュ様。これはミス・モンモランシーの香水ですよね? これがギーシュ様のポケットから落ちたのを見ました。 やっぱりギーシュ様はミス・モンモランシーと…」 「な、何を言っているのだね? この香水は、確かにモンモランシーの物だが、僕とモンモランシーは決してそのような仲ではないよ。 これは、そ、そうたまたま彼女の課題を手伝ったときのお礼だよ」 「へー ギーシュ様、ミス・モンモランシーの手伝いなんてするんですか」 「あ、いや、そうじゃなくてだね…」 (ふはははは。何、俺ってもしかして凄い? まさか呪う前から不幸になりやがるとは思わなかった) ギーシュが何やら下手な言い訳を展開している側で、横島がそんな事を思っていると… 「ギーシュ様なんて知りません!!」 パチン、という音と共に破局の宣言がなされた。紅葉の跡をつけて、呆然とするギーシュ。 それにとうとう耐え切れず笑い出してしまう横島。 「だーっはっはっはっは。振られてやんの。ざまーみろ」 その言葉に、呆然としていたギーシュが我を取り戻した。 「き、君は平民の癖に貴族を笑うのか!? この僕が、グラモン家の者と知っての行いかっ!」 「グラモンだかグラタンだか知んねーけど、二股ヤローだって事は今知ったぞ。 あ、今は振られちまったからそうでもねーか」 「ゆ、許さん!! 謝るどころかさらに侮辱を重ねるとは、君は礼儀がなってない!! この僕、ギーシュ・ド・グラモンが直々に躾をしてやる!」 「けっ。俺もお前を見て嫌な奴思い出しちまったからな、そっちがその気ならやってやろうじゃねぇか」 「その言葉、後悔させてやる! 使い魔の不始末はメイジの不始末。君の主人、ルイズも連れてこい! 彼女に躾の仕方って言うのを見せてやる」 ギーシュは、最後にヴェストリの広場で待つ、と言い残して去っていった。 「ルイズを連れてか… あー!? しまった、洗濯物頼まれてたんだよ。 さ、探してるほどの時間はねーよな… さすがに洗濯物の代わりに決闘の報告を持っていったらまずいよなぁ…」 横島は、ルイズに会うのは洗濯物を見つけてからだ、と思い、結局一人でヴェストリの広場へ向かう事にする。 幸い、場所については途中で出会ったロングビルに聞く事が出来た。 そのロングビルは、 「まぁあんたの事だから大丈夫だろうけど、気をつけな。グラモン家って言えば軍人の家系で有名だから。 けど、そのギーシュって生徒の事はあんまり聞かないから、そんなに魔法の腕は良くないのかもしれないけどね」 などと言っていた。「ついでに見学に来ないか」とも誘ってみたのだが、立場上は決闘を止めないといけない事になっているらしく、「堂々と見学するわけにはいかない」と断られてしまった。 そして多少道を間違えて時間をくいつつも、ヴェストリの広場にたどり着く横島。ギーシュが薔薇の杖を持ち、ただ一人待ち構えていた。
「待っていたよ、ルイズの使い魔… って、おい、君一人か? ルイズはどうしたんだ?」 「あー その。なんだ。やっぱりルイズは関係ないって事で一つ」 「いいや、関係あるね。まだ分からないらしいが、君はすでにただの平民ではないのだよ。 使い魔として召喚された時から、君の不始末は主人であるルイズの不始末になる。これはさっきも言った事だが。 君の無礼な態度、これは言ってみれば、ルイズが君をしっかり躾けていないからだ。つまり、ルイズに責任がある。 そう言うわけで、本来なら君が僕に対して行った無礼な態度について、ルイズが謝罪するべきところだ。 今回はそれについては免除してやるつもりだが、だからと言ってルイズが来なくていいわけではないだろう。 分かったら、早くルイズを連れてきたまえ」 「だー、もう分からんのはお前の方だ! ルイズは関係無いって言ってるだろ。 あんた達からみたら確かに俺は使い魔かもしれんが、そんなの知った事か。俺は俺だっちゅうの。 他の使い魔はどうか知らんが、俺は自分で考えるしそれを口に出す事も出来る。自分のやる事くらい、自分で責任とるっちゅうねん」 横島にしてみれば、洗濯物もないのにルイズと鉢合わせ、という事態だけは避けたい。来るまでに考えておいた必死の抗弁を行う。 そして、10分も続いただろうか。 「はぁ、はぁ、はぁ。仕方がない。認めよう。 君は平民でありながら、貴族に対する不始末のケリを君自身がつけられる、と固く信じているんだね。 それに決して自分の主人を巻き込む事もしない、と。君はよっぽど主人思いか、それとも大馬鹿者か。 だが、君自身がケリをつけるとして、一体何が出来る? 平民に払う事が出来る物など、ろくにないだろう。名誉も金も、平民が持てる程度の物は僕はいらないよ。 強いてあげれば、君の『命』そのものくらいだろう。それでも少し安いくらいだろうが… 大サービスだ、君が命をかけて僕と決闘をして、もしこの薔薇の杖を僕から奪う事が出来れば、この件は不問としよう。 これが最後だ、もし今からルイズを連れてくる、というのであれば命を奪う事まではしない。だが、君一人で責を負うというのであれば、その保障まではしない。 決めるのは君だ」 「さっきから言ってるとおり、ルイズに関係ないって事は変わんねーよ。それはどんな条件がついてもだ」 「よく言った。では、この僕の杖から薔薇の花びらを一枚落とそう。それが地面についたら始めとする。さあ、準備したまえ」 横島がサイキック・ソーサーを準備したのを見て、ギーシュが杖を一振りする。薔薇の花びらが宙に舞い、そして地面に落ちる。 それと同時に、横島に注意を払いながら呪文詠唱を始めるギーシュ、そしてサイキック・ソーサーをギーシュめがけて投げつける横島。 ギーシュの顔に一瞬驚愕の表情が浮かぶが、呪文詠唱は止まらなかった。軍人の家系、というのは伊達ではないようだ。慌てず回避するギーシュ。 「も、戻れ、ソーサー!!」 横島、回避されたのを見てサイキック・ソーサーのコントロールに集中する。 サイキック・ソーサーは、大きく弧を描いて再びギーシュに向かって突進していき… いつの間にかギーシュの側に立っていた、女剣士とぶつかり大爆発を起こした。 「な、何!?」 「ワ、ワルキューレが一撃!?」 ソーサーのコントロールに気をとられていた横島、ギーシュが『錬金』で呼び出したゴーレム「ワルキューレ」の事を誰か無関係な人だと勘違いした。 「お、おい!! そ、そいつ大丈夫か!?」 心配して駆け出すが、爆風が収まるとそこには金属のがらくたがあるだけ。 女剣士の姿などどこにも無い。 「ははは。ワルキューレが1撃だとは驚いたが、君も驚いているようだね。 君がその不思議な武具を使うように、僕はメイジであり魔法を使う。その二つ名は『青銅』。青銅のギーシュと皆は呼ぶよ。 そして、さっきのは僕が『錬金』の魔法で作り上げるゴーレム、麗しい美剣士、ワルキューレ、さ。 まぁ君の攻撃で木っ端微塵になってしまったわけだが」 横島は、相手の隙をつくような変則的な戦いが得意なのだ。というよりも、正面きった戦いはあまり得意ではない。 だからこそ、投擲武器にもなるサイキック・ソーサーを準備して、遠距離からケリをつけようとしたのだ。 が、もくろみは失敗。これで相手は、遠距離攻撃も注意してくるだろう。 距離をとりながら、念のため確認をしてみる横島。
支援
乗りてえ支援に遅れた奴は間抜けってんだ…
「な、なぁ。ワルキューレ? も無くなっちまったんだし、ここは引き分けって事にしない?」 「何を馬鹿な事を言っているんだね、君は。まだまだ、これからだよ」 そう言って再度、呪文詠唱とともに杖を振るギーシュ。薔薇の花びらがまたしても宙に舞い、地面につくと同時にワルキューレが錬金される。 「あちゃー やっぱりというか何というか、魔力が続く限り呼び出せちゃったりするのかな…」 「まぁそういう事だね。と言うわけで、引き分けなんてとんでも無い。 君がこの決闘を無事終わらせられるのは、僕からこの杖を奪うか、それとも僕の魔力が尽きるまでワルキューレを壊しつづけるか… もしくは、僕が君を殴るのに飽きたら、の3択しかない。好きなのを選びたまえ」 一瞬の驚きの後、対処を考える。Bは論外だ。 Aでも、ソーサーを使うという案は無し。霊力の残り具合からすると、後せいぜい3、4発程度しか使えなさそうに無い。相手の魔力の底など分からんし。 横島、結局次の手はハンズ・オブ・グローリーを選択。 「あの盾は使わないのかい? あれはどうやらすごい威力らしいけど、それだけ使いにくいのかな?」 驚異的な破壊力を持つと判断した盾を出さなかった横島を見て、余裕の態度を深めるギーシュ。 「では… 行け! ワルキューレ!!」 ワルキューレが突進してくる。受けるのは論外、あの重量を受けたら間違いなくどこかを痛める。受け損なった時は目も当てられない。 当然避けるべき。うまく前に出ながら避けられれば相手を攻める絶好のチャンスだ。が、単純に横へ避けるのと比べれば当然リスクが大きい。まずは様子見、素直に回避する横島。 ワルキューレの動きは金属で出来ているわりには素早やかったが、これなら前に出れば良かったかな、と思える程度だった。 再び突っ込んでくるワルキューレを、今度は上手くすれ違うように避けながら前進する横島。その目に映ったギーシュは、呪文を唱えながら再び杖を振っていた。 「って、げっ! ま、まさか!?」 その行動に、霊感が働き急ブレーキをかける横島、そして笑うギーシュ。花びらが地面に落ちると、またもワルキューレが作成される。 「そう。その通り。ワルキューレが1体しか操れない、そんな事はないよ。そして… 後ろ、十分気をつけたまえ」 横島が後ろも見ずに右へと転がった途端、ワルキューレが体当たりの格好で通りすぎていった。 「結構やるね。この程度で倒れられてはつまらないと手加減したんだが、いらぬ配慮だったか?」 「手加減ついでに質問いいか?」 「言ってみたまえ」 「そのワルキューレ、全部で何体準備出来るのかなーとか」 「はっはっは。君は本当に馬鹿だね。ここで僕が何と言ったって、それが本当の事かどうかなんて君には分からないだろ」 この会話の間に呼吸を整え立ち上がる横島。 「さて、サービスはここまでだ。2体のワルキューレを相手にしながら、不意に新手が現れるかもしれないこの恐怖、十分味わうといい」 そう言ってワルキューレに指示を出すギーシュ、対する横島はその武神の剣でさえ避けるという自前の身のこなしでうまくかわし続けるが… いつギーシュが花びらを設置するか、またギーシュ自身から攻撃魔法が飛んでこないかと注意をするおかげで、集中力をどんどんと削っている。 (くっそー これって反則だろ。魔法なんてどうせ1発ずつしか飛んでこないだろ、とか思ってたのにー 文珠も使えないのに、こんなのどないせいっちゅうんじゃ) そんな事を思いながら2体のワルキューレの攻撃を捌いていると、ギーシュが杖を一振りした。 その瞬間、何故かワルキューレの動きがとまり… 呪文詠唱終了とともに、ギーシュの側に新たにワルキューレが生み出される。 「どうやら本当に手加減はいらないか。追加だ、ワルキューレ!」 横島、動きが止まった隙にワルキューレ達から距離をとるも、ギーシュ、さらに2枚の花びらを宙に舞わせる。そして再び杖を振ると、ワルキューレがまた動き始める。 (くっ。あの2枚はハッタリか!? そ、それともまだ増えるのか? ど、どうする!?) 横島は、3体のワルキューレの相手で精一杯で、宙に舞っている2枚の花びらを、どうにもする事が出来なかった。
支援
今回の投下はここまでとなります。 支援、ありがとうございました。
思ってたよりも横島が真面目なんでちょっとびっくり。 にしても良いところで終わらせますな。
うおおお… 乙!
乙 真面目さが結婚後の横島っぽいな
義眼召喚とかマジか ルイズが殺されてしまうわ!(精神的な意味で)
じゃあヤン四天王(ユリアン、シェーンコップ、アッテンボロー、ポプラン)とラインハルト四天王(キルヒアイス、ロイエンタール、ミッターマイヤー、オーベルシュタイン) ならどっちがルイズに適応すると思う?
あの光コンピューター内臓の義眼、壊れたりしないんだろうか? 固定化で対応できそうだから大丈夫なのか?
乙でしたー SFは専門用語の説明が難しい 銀英伝みたいなのはともかく、銀河パトロールはどうすりゃいいんだ
いきなりですが、22:30頃から、一話の投下よろしいでしょうか。
>>524 物が物だけに固定化で対応出来るかどうか
只の物品ではなく実質体に埋め込んでる代物だからな
>>526 とりあえずタイトルの公表からした方が良いと思います。
先に召喚元の作品とキャラ名を言ってからのほうが良いようですよ。 頑張ってください。
>>526 初めての投下とかでネタばらししたくないならまあ書かなくてもいいかと思わなくもけど
取りあえず支援
クロス元はMOTHER3、タイトルは「使い魔はPSI能力者」です。 リュカを召喚させます。
>>535 了解、これから支援体制に移行する!
総員配置につけ!
リュカか 境遇の悲惨さは異常
使い魔召喚の儀式。それは、快晴の青空の下、トリステイン魔法学園の、ある広場でとり行われていた。 特に問題も無く、生徒達は使い魔を召喚し、口付けをして契約を成功させていく。 サラマンダーを召喚する生徒がいたり、風竜を呼んでしまう者もいたりして、例年よりも優秀な生徒が集まっているな、と監督役のコルベールは思った。 流れるように儀式は進み、そのまま締めくくられるかと思われた。 ―――順調に終わるわけも無かった。最後の生徒はあの、ルイズだったのだ。 使い魔はPSI能力者 第1話 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 五つの力を司るペンタゴン!我の運命に従いし、使い魔を召喚せよ!」 何度唱えても、何度唱えても、ルイズの勢いよく振り下ろした杖の先には何も起こらない。 (なんでよ!? どうして!? 成功しなきゃ進級できないわ! ヴァリエール家の3女が留年したなんてことになったら、こんどこそお母様に魔法学院を退学させられちゃう! なんでもいいから、来て! お願い……) ルイズは深く祈った。そうして唱えたスペルも、青空に霧散した。 いつもの失敗とも違い「爆発」すらも起こらない。 だから、少し離れた後ろで、困った顔をしていたコルベールも、周りで野次を飛ばしていた他の生徒達も、その日は全く油断していたのだ。
マザー2までしかプレイしてなくてスミマセン支援
>>523 フィッシャーが入ってない事に絶望した!
総員支援態勢、支援態勢
支援〜
管制室、ちゃんと支援しろよう!
支援
呪文を唱えるルイズの声がかすれてきた頃。 いきなり特大の爆発が起きた。 ルイズを囲むようにしていた彼らとその使い魔達は、悲鳴を上げる間もなく炸裂した白い光に吹き飛ばされた。 爆風にえぐられて土が剥き出しになった、半径4メイル程のクレーターの上に立っていたのは、咄嗟の勘で防御の魔法 を張ったコルベール、キュルケとタバサとその使い魔2匹、そして爆発を起こした張本人であるルイズだけである。 皆、服がボロボロであることに変わりは無かったが。 コルベールは冷静に生徒達を見回した。地面が芝生であったことが幸いして、みんな怪我はないようだった。 ルイズが起こす爆発はいつも生身の生き物に関しては、吹き飛ばすだけで傷つけはしない。 その原則は今回も守られたようで、至近距離で爆風を受けた生徒達も大事はないようである。 だが、ルイズの様子がおかしい。コルベールに向けた背中がカタカタとふるえているのだ。 ―――プライドの高い彼女のことだ、何度も魔法を失敗してしまった上に、また爆発を起こしてみんなを巻き込んでしま ったことが悔しいのだろう。 コルベールのそんな推測は、彼女の右足と左足の隙間から覗く、「小さな手」を見た瞬間に吹き飛んだ。 召喚されたものの全容は、ルイズが壁になっていてコルベールの立ち位置からは見えない。 だが、その小さな手は、それが繋がっている身体を見たくないほどに、傷だらけだったのだ。 「先生! 私、医務室のメイジを呼んできますわ!」 「そ、そうだな! 頼む!」 その場で最初に口を開いたのは、コルベールよりも先にそれを見たキュルケであった。 医務室に向かうため、フライの呪文を唱えようとしたキュルケを、隣にいたタバサが制した。 「こっちの方が速い」 タバサはさきほど召喚したばかりの使い魔に飛び乗っていた。自分の後ろに乗って、というようにキュルケの肩を掴む。 頷くだけの返事をしたキュルケが飛び乗った瞬間、韻流は「きゅいきゅいっ」と一鳴きし、空へ舞い上がった。 「今ここにいる生徒の中で治療ができる者! 彼女らが医務室から帰ってくるまでの間、応急処置をするんだ! ただし無闇に動かすんじゃないぞ!」 コルベールが上げた声に、呆然としていた生徒達も我に返り、水属性のメイジ達は駆け寄ってきて呪文を唱え始めた。
同業者か? だがこれも支援だ。悪く思うなよ。
そういえば彼女の失敗魔法って彼女自身にはダメージ与えないのかな? 支援
>>547 爆発させすぎで耐性が出来ているらしい
支援
辺りが騒然とする中、ルイズはへなへなと地面にへたりこんだ。 目の前で、うつ伏せに倒れている子供の背中には、無数の切り傷、刺し傷、火傷。 もうほとんど用を成していない服は血にぬれて、元の色も分からない。かろうじて髪の色が分かる程度。 その金色の髪も、ところどころが焦げていた。 ―――この子供を召喚したのは、わたし。 サモン・サーヴァントで人間が喚ばれた、というのは聞いた事がない。 でも、わたしが召喚しようとして、呪文を唱えて、杖をふった。 やっぱり、わたしが召喚したんだ。 そして、中途半端な召喚魔法が変なふうにこじれて、彼を爆発させてしまったのだ。 この酷い有様はわたしの所為。 自分の進級の為に何度も召喚を試みた、わたし。 すぐに諦めていれば、この子が傷つくことはなかった。 この子は、どこに住んでいた子供なんだろう。 どんなお母さんにお父さんに愛されてどんな家族に囲まれていてどんな友達がいて―――――! 「……イズ、ルイズ! しっかりしなさい!」 地面に倒れ込もうとした身体をコルベールに抱きとめられて、ルイズの目に、ようやく周りの様子が入ってきた。 涙で視界が歪んで見づらかったが、自分の召喚した子供が、フライで浮かされて医務室に運ばれるところのようだった。 「あの、子……わ、わたしのせいで! わたしが殺し」 「違う。彼の傷は、爆発によってついたものではなかった。君のせいであんなふうになったんじゃない。」 コルベールは彼女が言おうとしたことを強引に遮った。 「ぇ……?」 「すでに何らかの要因で傷ついた状態で召喚されたのだろう。 もし君がここに召喚しなかったら、彼はあのまま死んでしまったかもしれないんだ。 それに、彼はまだ生きているし、死なない。絶対にだ。この学院には腕の良い水メイジがいるんだ。安心しなさい。 むしろ君は、彼を助けたんだ」 コルベールのまくしたてた言葉には推測と希望が混じってはいたが、錯乱したルイズを落ち着かせるのに効果的だった。 彼女の大きく見開いた目は少しづつ細められ、さらにたくさんのの涙が溢れだした。 コルベールは気づいた。他の生徒達が召喚した使い魔達は、爆発に巻き込まれたにも関わらず、暴れる出す事もなく 今の今までじっとしていたということに。使い魔達のその目は、医務室に運ばれていく 傷だらけの子供を、心配そうに見ているかのようだった。
いきなり(人生的に)クライマックスか支援
投下終了です。 支援ありでした。
貴方もなかなかいいところで終わらせちゃったり してくれやがったりしていただけますね。 乙
乙でした。 PKスターストーム出るかっ!?
乙です。 これを機に3にも触れてみます。 しかし、これからって所で切れたなw
>>554 今のところ、原作のリュカでやっていくつもりなので、スマブラみたく
PKファイアとかフリーズとかサンダーとかスターストームとかを
使わせないつもりなのです。
PK「かっこいいもの」をどうしようかwww
>>556 乙です〜
どうせなら避難所あたりで募集してみては?
>>362 亀だけどGJ!
あのパッソルは最後は居住空間付いて大気圏突入してきたから
大気圏内の飛行はわけないかもなぁ
10分後に投下してもいい?
>561 おk ばっちこい
但し魔改造や邪気眼はなしな
>>552 GJ、前もMOTHERネタがあったけど、あれの続きだったりする?
続いて支援。
まさかスパシン?1話とタイトルを変えたのか
いつもの邪気眼?
まあ良いんじゃね?
そもそもスパシンなら隔離スレに逝けと
あまりに痛いのはNTか理想郷に逝ってほしい
>>569 何でもかんでも押し付けるのイクナイ
そろそろ両方の管理人氏も限界だろ。
まぁ、流石に限度ってもんがあるわな<押し付け
NTの方はもう字面から怒りが見えてきたしな 理想郷は管理人を道具扱いする奴ばっかだし
被害担当になっている感ありだからな、あの二つは。 たまにデキの良いのもあって、目が離せないんだけどなぁ。
もう既に下克上、こっちが隔離場所になりつつあるがなw 書き手の質から見ても、読み手の質から見ても。
管理人はいい人なのだがなぁ…… 中二病患者や邪気眼にだけはSSを書かないでほしい まともな物が書けるわけがないから
NTと理想郷は良作を発掘する苦労がいいんだよ ここも同じ
お前らいい加減余所の話やめないかね。
>>576 しかしむやみやたら掘り進むと崩落の危険ありw
それこそスコッパーだな で、レンズマンを召喚するなら誰がいいと思う? とマイナーなネタをふってみる
>>580 即サムライ
古橋先生ブラックロッドシリーズの続き書いてくれないかな
>>580 当然、サムライ。
古橋作品だとブラックロッド・スカーフェイスとかきれいなスレイマンことエドガー辺りも捨て難いが。
触手をぬるぬるさせたトレゴンシーも捨てがたいよ
パトロールつながりでリーム・ストリーム
585 :
ゼロの7号 :2008/02/11(月) 23:36:36 ID:38b6FkL6
>>580 クザクを呼びかけてほぼ挫折した自分がいるわけですが。
見た目が楽しいのはウォーゼル、原作準拠で潜入調査とかやるんならキム
じゃないでしょうか。
トレゴンシーやナドレックは思考が違いすぎて書きにくいと思います。
新しい分サムライ多いなあw そして誰も第三段階に言及しないところがいい ルイズにとって一番の大当たりはウォーゼルなんだろうな 目がちょっと多いけど外見ドラゴンだし知的だし武器も使う ところでシルフィードの目にドラゴン・レンズマンはどう見えるんだろ
ナドレックは思考どころか生存環境が違いすぎる
618 名前:名無しさん 投稿日:2008/02/08(金) 19:45:34 [ fmCzHma6 ] 2chでは、必要もないコテハンの雑談は普通嫌われる。 (コテハン同士の馴れ合いと取り巻きスレになるから) だから、作者(だろうが誰だろうが)は、自作品絡みや作者としての 発言とかでもなく発言するときにコテをつけること自体が疎まれる。 別に投下以外何もするなって話ではなくて、基本名無しの2chで 雑談のときにコテつけるな、って話だな。 # 「取り巻き集めての馴れ合いだと言われようともコテハンで雑談したいんだ!」 # って人には、それ向きの板がいくつかあったりする。 # 実際そういう用途で使ってる人も(わりと異端だけど)いたなあ。 # 雑談がモチベーションになるとかなら、こっちの板にコテ推奨スレでも # 立てることを運営スレあたりで需要確認してみるといいかもね。 別件だけど、(アンチや信者とかでなく)頭の悪い荒らしが常駐してるのは 分かってるんだから、トリップは(作品投下時に)つけとけと思う。
>>590 そうカリカリするな、消し忘れただけだろうに
久しぶりにロックマンやったらDr.ワイリーやシグマを呼んだら面白そうだと思った
設備が無いと、いくらワイリーと言えど、だな。 ICチップとかパーツも売ってないだろうし。
漫画、「ロックマンメガミックス」のコピーロックマン召喚したら面白そう。
あー、いや、前にゼロのサムライレンズマン投下したのは自分だと、今回の投下前に断っていましたので あえてつけました。 チャレンジして失敗した人間として、続きを書く気は無いよー、と一言断ろうかと思いまして。 ということで、他のクザク召喚を考えておられる方、自分のことは無視してがんがんどうぞ。
クザク……前にも言ったがギーシュにいちゃもんつけられてノータイム切腹に周囲ドン引きそして評価ガンガン下がるギーシュが見える
呼ぶとしたり キュルケ…ファイヤーマンorヒートマン タバサ…エアーマンorジャイロマン ギーシュ…カットマンorメタルマン モンモン…バブルマンorトードマン マルコ…ウッドマンorハードマン ハゲ…ボンバーマンorクラッシュマン かな
スコップと聞いてアイマスの雪歩が浮かんだ
キャラがルイズに召喚された後の元の世界の騒動の外伝などで面白いのが見たいな パーマン1号召喚で残されたコピーロボットと周囲の人の軋轢 さくらたん召喚で残されたミラーたんと周囲の人の軋轢 とか ミラーたん悩みつつもさくらの振りして学校へ通い何食わぬ顔で学友に接する。 「あなたなんかさくらさんじゃありません!」 ただ一人事情を知る知世はミラーがさくらがいない寂しさから次第にミラーにきつくあたるように… ミラーはミラーでさくらが帰ってこなければこのまま桃矢と…黒い思考に… と思ったがさくらが不在でもミラー等のカードは活動できるんだろうか?
一瞬、レンジマン召喚するのかと思った。 モリタイシの。
>>600 ミラーは兄貴がいれば大丈夫
初恋も成就するかもしれん
>>601 ルイズに惚れ、キュルケに惚れ、タバサに惚れ、以下エンドレスで惚れては忘れを繰り返していくのか
そういや殴られても平気なマゾ体質だし、ルイズにはぴったりか
なんと、リュカが召喚されているじゃないか。
彼、めちゃくちゃ不幸な境遇だよな。ストーリー冒頭で(以下自粛)
期待してますぜ!
>>594 ワイリーさん、初期のころは部品とかも1から組み立ててるらしいんだぜ。
5のあたりになると予算不足でジェットのはずがジャイロになったり
7のターボマンなんか車改造して作ってるけどな。
コルベール先生の設備っていうかジャンクとか?
使えばカットマンレベルのシンプルなロボットぐらいさくっと作れそう。
>>599 ギーシュのワルキューレを平安京エイリアンの如く
埋葬していく雪歩を幻視した
未来日記から天野雪輝召喚 あかん、役に立つ能力だけど間違いなくルイズが由乃にアボンだ
>>606 携帯の電池がどこまで持つかが鍵かな。
特技らしい特技はダーツ以外あったっけ?
日記の能力的にユッキーは引っかからないと思うが ……不可抗力にしてもヤンデレさんが回避するだろうし 目玉のヒーローは日記的に完璧なテンプレ展開をしてくれそうな気がする
楽園の魔女たちからごくちゃんを… ガンの赤毛、ヴィンの人妻、ミョズの鉄面皮、はばかれる殿下。 ブリミルはお師匠様だったんだ。
610 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/12(火) 01:04:40 ID:Rowpu2jN
730 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/11(月) 22:27:33 ID:wfl2.rJ6 投下始まったら雑談打ち切ろうぜ。 今日は変なのが迷い込んで来たのか一段と酷い人がいるし。 イライラするわ、ホント。 731 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/11(月) 22:28:54 ID:vcCXrPKw 話が通じる連中じゃないから仕方ねえよ。 投下中に雑談やめろって言ったら前は素直に収まったもんだが。 732 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/11(月) 22:30:50 ID:FnNotX2E 投下中は雑談を止めろって何回言えばわかるんだこのド低脳がァーッ! しかし困ったもんだね彼には 736 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/11(月) 23:04:27 ID:wfl2.rJ6 まーた怪しいのが来たなー。 738 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/11(月) 23:24:45 ID:9BLNoX32 おガキ様が大量発生するはずの夏のほうがSSの質も住人のマナーもよかったのはどういうわけだか 742 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/11(月) 23:35:08 ID:MM67vipM 文章力は変わって無いけど読みたいクロス先が減った 743 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/11(月) 23:41:58 ID:zMsdzrq6 マイナー作品知ってる俺SUGEEEEEE!って主張はイタすぎるな 書きもしないくせに「思いついたの俺」みたいなこと言ってて虚しくないのかと
毒吐きのカスどもの口から出たクソを一々転載すんなや。 空気が悪くなる。
諸君、こう言う時は 「汗を吸ってお尻のラインがくっきり浮かんだスパッツ最高!」と三回唱えるんだ! パンツは履いてるか?だって? いや、履かないだろうJK
>>612 夜中なので自重してささやくように三回唱えた
そのスパッツは当然膝丈だな?
>>613 Exactry(その通りでございます)
>>613 俺も囁くように唱えたわw
惜しむらくはここで話せない事しか頭に浮かばなかった事か。
>>610 それこそ理想郷やNTの住人にも劣る糞どもの垂れ流しだ。
無視しとけ。
「仮面ライダー響鬼」よりザンキ召喚などと思いついた。 響鬼ファンは大丈夫?
スパッツなんてそんな、 空想の産物だ…
スパッツよりブルマだろ常考……
俺、今のプロジェクトが終わったら投下するんだ…… 現在土日祝日なし連続稼動15日目のSEより
>>616 わざわざID変えてまでご苦労様
二度と来なくていいよ
>>611 わざわざID変えてまでご苦労様
もう来なくていいよ
某スレよりニホンちゃんカンコくんフランソワーズちゃんエリザベスちゃんアメリーくんチューゴくんを召喚… トリスティンちゃんとかガリアくんとかアルビオンくんとかどういう扱いになるんだろう?
ランニングシャツの脇から無防備に覗く部分とスパッツの組み合わせは一撃でタイガー戦車を屠る。
>>619 !ブルマでは保たぬ時が来ているのだよ!
>>ID:feqPaOUL 落ち着け
とりあえず白スク無双と言っておく
>>617 書きたいネタを書けばいい。
そうすればファンは後からついてくる。
雪の降った日に、ふと開館前の図書館の前に 見知らぬ少女(どう見てもタバサ)が居た。 という夢を見た、良い夢だった。 あと、タバサはスパッツな。
>>624 正直、それはこのスレ的にアウトなのかセーフなのか判断し辛いな
あくまで個人的にはだが「あの作品のキャラ」と言いきれる訳ではないから微妙にアウトな気がする
>>632 sageれるようになったのですね
また一つ賢くなれてよかったですね
>>632-633 とりあえずお前ら落ち着け。ついでにこれ以上罵り合うなら毒吐きでもどこでも行っちまえ
>>633 /ニYニヽ
(ヽ /( ゚ )( ゚ )ヽ /)
(((i ) /::::⌒`´⌒::::\ ( i))) でっていうwwwwwwwwwwwwwww
/∠_| ,-)___(-,|_ゝ \
( ___、 |-┬-| ,__ )
| `ー'´ /´
| /
そういや露出度はどれだけが適当だと思う? 正直あまり高すぎると萎えるんだが
637 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/12(火) 01:50:02 ID:QuYy4NbC
毒吐きスレはこのスレの癌。 初っ端だけ書いて投げ出した職人が、昔は良作ばっかだと自画自賛しつつ、今の職人を叩く吹き溜まり。
ageてたら説得力ありませんよ
639 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/12(火) 01:54:10 ID:ICyqHX3Z
sageてたら説得力あるのかよwwwwwwwwwwwww
数ヶ月前より糞スレなのは目に見えているだろ・・・ まぁ某厨サイトから人が流れてきてるから仕方ないがw
これは酷いですね まさかここまで低レベルだとは思っていませんでしたよ
ヒント:コモンマジック・スルー
>>641 相手をしてるお前も同レベルのアラシだって気付けよ
>>640 青は藍より出でて(ry
主人公挿げ替え型クロスSSという、オリ主人公、俺憑依モノと並んで厨が最も好むジャンルであるが故に、
あちこちの厨サイトから最底辺の住人ばかりが集まって、結果として何処よりも厨臭いスレとなった。
みんな高望みしすぎなんだよ それなりの心構えがあればどれもそこそこ面白いぞ?
過去ログ見たら一目瞭然なのだが明らかに住人のレベルが低下したよな まあ少しググるだけであちこちから流入してきてるのがわかるくらいだから当然といえば当然なんだがな
>>645 残念だが、そういう意見は2chではスルーされる運命なんだ…
そうだな、
スルー能力の欠片もないような
>>646 みたいなのが流入して来てるからな
>>648 そうだな、お前みたいなスルーできない人間がいる限り無理だろう。
>>650 今してるだろ、行き成り
>>648 みたいな事を言われて、言い返したい気持ちも分かるがそれぐらいスルーしろ
今日も人工無能搭載型自動保守プログラムは問題なく稼働しております。
今日も人工無能搭載型自動保守プログラムに話し掛けるアホでスレは沸き返っております。
話題変えようぜ
死ぬほどスレチだが、しばらくカレーの話でもする? カレーにピーマンを入れたら意外なくらい美味かった。
そういうのが低レベルだっていうんだよ
トマト入れすぎて、むしろミートソースじゃないこれ? ってなったのは俺だけじゃないはず
何故カレー? タバサ>長門>カレーと連想したのか?
・・・ちょいと微妙なのになりますが ゼロ魔のキャラが実在してた恐竜を呼んでしまったらどんなのがよいでしょう?
適当に野菜とか入れてたらバランス悪い味になった カレーだからってなんでもかんでも入れるもんじゃないね
なんでそこでカレーパンマン召喚といかないかなぁ。 まあ、彼が生き延びられるかはマルトーの腕にかかってるわけだが。
>>659 あまり凶暴じゃない奴がいいんじゃないでしょうか。
>>660 そんな時は更にカレー粉を足してカレー味でごまかすんだよ。
量が増えるのは気にしない。
俺はそもそもカレーが嫌い
>>659 アンキロサウルスあたりがいいんじゃね
冬になったら死にそうだが
666 :
関連? :2008/02/12(火) 06:03:27 ID:N5NR+Rt+
「ゼロのgrandma」のブログが更新された。モット伯が恐ろしい目に遭ってる。
見る者は見ている 一々ここに言いふらしに来るのは逆にgrandmaの人に迷惑だ
>>600 「…もうすぐこの姿を維持できなくなります」
「それってあれか?桜のやつが変な鏡に潜っていっちまったってせいなのか?」
「はい…さくらさんからの魔力の流れが絶たれていますから」
「…それってお前が死んだりするとか?」
「あ、いえ、そんなこと無いです。元のカードの姿に戻るだけです」
「そうか、心配したぜ。しかし桜の姿がまったく消えちまうとした父さん心配するな」
「…ごめんなさい」
「お前のせいじゃねえよ。また変なことに首つっこんだあの怪獣が悪いんだ……」
「……あの。実はさくらさんの身体を維持する方法、ひとつだけ…あ、あります。と、桃矢さんにきょ、協力しても、もらえれば」
「おう、どんな方法だ?何でもやるぜ!」
「……ちょ、ちょ、直接、桃矢さんのま、魔力をわ、私に、ちゅ、注入…」
>>668 雪兎は実は女でさらし巻いてごまかしてた。
さくらじゃなくて桃矢を選んだのもそれが理由、まで読んだ。
秋月さんの例もあるしそんなに無理無いんじゃね?
男だと偽る理由は男装が趣味ってことでw
>>666 毎回毎回我慢してたけど今回は言わせてもらう。
宣伝ウザい、二度とくるな
>>671 なのは系は厨がうざいからな
そのうちアンチがつぶしてくれんだろ
うんこくさい作品がいっぱいですね 某サイトの連中の臭いがしますね そいつらはここ叩いて大喜びしてますね 同じレベルなのになに言ってるんでしょうかね ついでに職人気取りちゃんも毒叩いて大喜びですね
>>665 アバレンジャーのアンキロは友達の少ないヤツとか言われてたのを思い出した。
バキちゃんの卵召喚であっという間にでっかくなりました。とか読んでみたいかも。
連レスになっちゃうかもしれないけど
春休みになったから安価
>>675 でなんか書くよ。
ハハハッ 何でもいいから書いてきたまえ
このスレの住人が召還されるのか
俺召喚、とかw 使い魔になったものの、日がな一日ルイズの部屋の隅でバッテリーの切れたノートPCの前でひたすらキーボードを叩くとか。
>バッテリーの切れたノートPCの前でひたすらキーボードを叩くとか。 やめてえええええ
モグタン召喚 「じゃあルイズお姉さん、今日は活版印刷のはじめてを見にいってみよう」 クルクルバビンチョパペッピポ、ヒヤヒヤドッキンチョ モ〜グタン! 「ねぇ、モグタン、ここは?」 「6千年前のハルケギニアだよ、ここで貴族が始祖ブリミルに活版印刷を教えてもらったんだ」 「・・・火薬も羅針盤も、上下水もパンツのゴムもそればっかりじゃないの!」 「じゃあルイズお姉さん、次はOO区にあるヤマグチノボルの仕事場に行ってみよう」
もぐたんと聞いて、黒い商人を思い出した自分
>>680 ブリミルと三人で「誰に教えたか」を探る旅になるんだよ。
モグタン将軍が最初に思いついた俺・・・
投下します まとめwikiのSSに、多少の修正を加えました。 これから投下されるものは、前回投下したものと重複する内容が含まれます。 前もってお詫びします。
Mission8 〜破壊の杖〜 宝物庫を荒らした盗賊を捜せ 朝霧に包まれる学院。シエスタを抱えるダンテの前に、見覚えのある幸薄い頭髪の教師が、早朝の広場に佇んでいた。 それからダンテに気がついた教師が、向こう側から話しかけてきた。 「やあ、君はヴァリエールに召喚された使い魔・・・であったな? 確か名前は・・」 「ダンテだ。先生に聞くんだがね、このメイドがゆっくり休めるようなベッドが、どこかに無いかい」 「ああ、ダンテ。私はコルベールだ。ここの教師を務めておる。医務室でよければ案内するぞ」 「助かるぜ。ところで、先生はこんな朝からここで一体何を?」 コルベールが指差した方角にある大きな塔には、何かが爆発したような大きな穴が開いており、 周辺の壁も含めた瓦礫が散乱した地面は穴だらけになっていた。 「昨日の晩に賊が入ったらしくてね。君の主人がそれを目撃した・・・というか、それと戦っていた者の一人だった。 という事なんだが、使い魔の君は一緒ではなかったのかね?」 「ああ、ちょっとしたパーティーでね。今帰ったところさ」 怪訝な顔でダンテを見ながら、コルベールは人づてに聞いた昨日の状況を説明した。 はじめは、ギーシュとモンモランシーが、フーケが作り出した巨大なゴーレムと対峙していたのを、 シルフィードに乗ってモット伯の屋敷から帰ってきた、ルイズ、キュルケ、タバサの3人がそれに加わったという話だ。 「やれやれ・・・次から次へと面倒事が続くな」 「ん?何の事かね?」 「コッチの事さ。それで、俺の御主人様は無事なのかい?」 「彼女等も医務室で安静にしている所なんだ。起きていればついでに、詳しい事情を彼女達から聞いてみるとしよう」 一方、医務室にあるベッドのうちの3つに、ルイズ、キュルケ、ギーシュの3人がそれぞれ床に伏せており、 割かし軽傷であるタバサとモンモランシーがその傍らに付き添っていた。 「ねえ、生きてる?」 「うん」 「ダーリン。帰ってこないわね」 「・・・うん」 医務室のベッドで一晩を共にしたルイズとキュルケの2人は、お互いが無事であるか声を掛け合っていた。 ギーシュにいたっては、全身を包帯でグルグル巻きにされて、喋ることもままならなかった。 その横にはモンモランシーが、コックリコックリと首を傾けながら座っている。ルイズ達は会話を続けた。 「それにしても、・・・とんでもない相手だったわよね」 「あんなゴーレム、今まで見たことも聞いたことも無いわよ!」 魔法学院本塔の宝物庫を荒らしていたであろう盗賊、"土くれのフーケ"が作り出したゴーレムは、ルイズ達の想像を絶するモノであった。 噂に違わぬ巨体を誇るゴーレムの頭上には、おびただしい数の蝙蝠が飛び回り、その腕から繰り出される拳は雷を帯びていた。 「やっぱりアレって・・・」 キュルケの隣で本を読んでいたタバサが口を開く。 「破壊の杖の力」
フーケの二つ名は"土くれ" 土系統の錬金を得意とするフーケが風系統の、それもスクウェアクラスをも上回る程の雷を操っていたのである。 それは盗み出した破壊の杖を使用していたからに違いない。意見の一致した3人はそう結論付けた。 それから程なくして医務室のドアが開き、シエスタを抱きかかえたダンテとコルベールが入ってきた。 「ようチビ姫。ちゃんと生きてるか?」 「ダーリン!」 「チビって誰の事よ!!」 ダンテの声に反応する二人 「ハハッ、どっちも元気そうだな」 ルイズ達の様子に安堵したダンテは、ギーシュの眠るベッドに近づくや否や、ベッドごとギーシュを蹴り飛ばした。 床に蹴り落とされ、フゴー!フゴー!と叫び声を上げるギーシュ。突然の出来事で飛び起きたモンモランシーは、ダンテに抗議した。 「ちょっと!何すんのよいきなり!?」 「急患だ」 ダンテはモンモランシーにそう短く告げると、ギーシュが眠っていたベッドにシエスタを寝かせた。 「ベ、ベッドなら・・・まだ、反対側にいくらでもあるじゃないの!」 「あん?だったら最初からそう言えってんだ。どいつもこいつも」 すかさずルイズのツッコミが入る。 「それ以前にアンタは、人の話を聞こうともしないじゃない」 最初はダンテに対して激昂していたモンモランシーだが、 目の前の男がギーシュを打ち負かした、胸を貫かれても死なないルイズの使い魔だと記憶が鮮明になるにつれて、声を小さくしていった。 それを見かねたコルベールが、穏やかな口調でダンテを論する。 「これこれ、怪我人を無下に扱ってはいかんぞ」 「チッ、しょうがねえな」 ダンテはギーシュの首根っこを掴んでズルズルと引き摺り、向かいのベッドに向けてぶっきらぼうに投げた。 ベッドに叩き落とされたギーシュは、フギー!フギー!とまたもや絶叫を上げる。 「何すんのよもう!乱暴にしないでよ!この悪魔!!」 ギーシュに駆け寄ったモンモランシーが、涙声でダンテに訴えた。 その光景を目の当たりにしていたルイズが面倒臭そうに文句を言う。 「もう、怪我人がいるんだから静かにしなさいよ」 「ハッ、そりゃ悪かったな」
コルベールがおもむろに咳払いをする。 「さて、落ち着いたところで君たちに聞かねばならないのだが」 「ミスタ・コルベール?」 「うむ、昨日の出来事だ。できうる限り憶えている事を話してほしい」 事情聴取を始めるコルベールを他所に、ダンテは医務室の扉を開けた。それをルイズが呼び止める。 「ちょっと、主人を置いて今度はどこに行くつもりよ?」 「長話は嫌いなんだよ。それに腹減って、眠くって、疲れてんだ。ちったあ休憩くらいさせろって」 ルイズはダンテの赤いコートがボロボロになっているのに気がついた。 「・・・わかったわよ、今日だけよ。特別に許してあげるわ」 「心配すんなって。眠れなくなったら子守唄でも聞かせてやるよ」 「まあ、素敵ですこと。楽しみですわ」 ウットリするキュルケの眼差しを遮るように、ルイズは使い魔に向かって枕を投げつけた。 ダンテはそれを軽くキャッチし、「ネンネしてな」と一言添えてルイズに投げ返した。 医務室を出ていったダンテは厨房に立ち寄り、 涙を絶やさぬマルトーの抱擁を避けながら朝食を貪った後、事の発端となった現場の宝物庫へと向かった。 宝物庫に保管されている品々が目に付くや、ダンテは驚愕した。 「・・・どういうこった?」 宝物庫に散りばめられていたのは、自分の事務所にあったジュークボックス、ドラムセット、 リベリオンによって左右に寸断されたビリヤード台、他にも自分が使っていたのと同じような型の2連装式ショットガンや、 事務所の外に誰かが駐車していた大型のバイクが、所狭しと保管されていた。 ダンテは壁に掛けられたショットガンを手に取り、砲身の根元を開閉しながら給弾機構を確認する。 「使えそうだな。ババアの店に置いてあったヤツが懐かしいぜ」 もう、何年も保管されていた様な埃を被っている反面、錆一つ無い新品同様の銃身に、 塗られたばかりの様なガンオイルの匂いが印象的だった。 それから宝物庫の入り口付近に落ちている、ある物が目がついた。 ショットガンを肩に担ぎながら入り口の扉前にしゃがみ込み、それを拾い上げる。 一つは女性がかけるような上品な眼鏡、もう一つは何かメッセージが書き込まれた紙切れ、それから手紙が入った封筒の様な物。 それらをポケットに仕舞い込む所で、コルベールがやって来た。
「おお、君もここへ来ていたのだな。ここは本来、立ち入りは禁じられているのだが、まあ非常の事態という事でだ・・・」 コルベールの話を遮る様にダンテが話しかけた。 「丁度良かったぜ。先生に聞きたい事があるんだけどな」 「何かね?答えられる事は何でも聞こう」 「ここにある物の大概は俺の世界の、・・・っていうか俺の事務所にあった物なんだが、こいつらは何処で拾ったんだ?」 「ここらに保管されているものは、大体が学院付近に落ちていた物なのだが。俺の世界?・・・ふむ、一体どういう事かね?」 「俺はここの人間じゃない。アンタらみたいな魔法使いなんか居ない世界から呼び出されたんだ」 「何と、そのような・・・」 それからダンテはコルベールに、自分が生まれた世界の在り方や、物心ついた頃から相手にしてきた悪魔の存在等を簡潔に説明した。 「ふーむ、悪魔か・・・。吸血鬼や、そういう類を模したガーゴイルなぞは何度か見たが、実物というのはまだ見た事が無いな。 数多の幻獣や精霊達とは全く異なる、実在する負の象徴たる者か・・・うむ、興味深いぞ!」 「ここを荒らした泥棒に会うことができたら、拝めるかもしれないぜ」 「本当かね?」 それからコルベールが目を輝かせてダンテに尋ねた。 「ところで、私は悪魔のソレよりも君のいた世界というのに興味があるのだが・・・。 メイジのいない世界で空を飛んだり火を起こしたりというのは本当なのかね?」 「ああ、コイツなんか動けば、そこらの馬より速く移動できるぜ?」 ダンテはそう言いながら、誇りまみれのバイクを足で軽くノックした。 「何と!やはりそれは乗り物だったのか!それに馬より速くとな!?いや!素晴らしい!!」 最初は面白かったが、ダンテは説明すればするほど興奮気味になるコルベールが、段々と面倒になってきた。 そこへ丁度良く、宝物庫の外から話しかける老人の声が、コルベールの名を呼んだ。 「精がでるのう、ミスタ・コルベール」 「オールド・オスマン!?いや、これは・・・」 「ほっほ、よいよい。賊の件で調査に来たのであろう。経過は順調かの?」 「ええ。ミス・タバサの飛竜が追跡してくれていたお陰で、大体の位置は把握できております」 「そうかそうか。・・・ところで、ミス・ロングビルの姿が今朝から見ないのじゃが、お主は知らぬかの?」 「ミス・ロングビルですか。・・・いや、私も今日は一度も彼女と会っておりませんな」 「そのミス・貴婦人は、こんな眼鏡でも掛けてんのか?」 ダンテはポケットから、先程拾い上げた眼鏡と一枚の紙切れを、コルベール達に差し出した。 「これは・・・お主、一体これを何処で?」 「そこの入り口に落ちてたぜ。それには何て書いてあるんだい?」
その紙切れには、 「破壊の杖、確かに徴収いたしました。土くれのフーケ」 と、フーケが残す特有のメッセージ書かれていた。 「何と、やはり"土くれ"の仕業であったか!それもミス・ロングビルを拉致して・・・」 「或いは、・・・その、ミス・ロングビルが・・・」 言葉を詰らせるコルベールに代わって、ダンテが続ける。 「壁にこんなデッカイ穴を開けて、派手に逃げ出すような大泥棒ってワケかい?」 「いや、それは有りえぬよ。・・・有りえぬのだ」 つい先日に見たロングビルの笑顔が、コルベールの目の前に浮かび、自分に言い聞かせる様にそれを否定した。 そんな様子のコルベールに、ダンテは肩をすくめた。 「ま、行って確かめない事には判らない。そうだろ?」 「うむ、それもそうじゃの・・・」 そして、オスマンは意を決意して話を切り出した。 「そこでじゃ、この場をもって、お主らにフーケとミス・ロングビルの捜索を頼みたいのだが。・・・どうかのう?」 「捜索ですか・・・。それは構わないのですが、何故我々のような者に?それに、彼はミス・ヴァリエールの使い魔ですぞ?」 困惑するコルベールの前に、オスマンは 「うむ。・・・こう言うのも何じゃが、ここの学院の連中はメイジの威厳やら、貴族の誇りなどと声を荒げておるが、 実際にはフーケの討伐にも杖を掲げんような腰抜けばかりじゃならのう・・・」 コルベールは今朝の集会で、昨日の当直だったシュヴルーズを糾弾する教師達の光景を思い出した。 「そこでじゃ、まがりなりにも"炎蛇"と呼ばれる君や、伝説の使い魔殿に、この一件を頼みたいのじゃが」 「オールド・オスマン。それはまだ、仮定の話であって・・・」 「伝説?おいおい、人に黙っておいて一体何の話だ?」 その場の雰囲気を誤魔化す様にオスマンが笑う。 「ほっほっほ。それもまあ、帰ってきてから詳しく話そうじゃないか。それがお主に対する報酬、という事でどうじゃろう?」 「チッ、食えないジイサンだ・・・。さて、そうと決まれば、宝探しは後回しだ先生。とっとと泥棒退治に行こうぜ」 「よいのか?生徒達に聞いた話だと、今のフーケは決して無傷で済むような相手ではないぞ」 「構わねえよ。それに、その"破壊の杖"ってのにも興味があるしな」 ダンテはコルベール達にニヤリとして見せながら、右手に持つショットガンを、穴の開いた壁に向かって構えてみせた。
投下以上です
DMC>>御久し振りです&乙です 宝物庫の中身が事務所の中身って・・・・; 想像だにしませんでした しかしこの分だと盗賊さん、乗っ取られてる可能性が高いのでは? ちなみに、ショットガンとバイク以外の宝物庫で使えそうな中身って何でしょう? アルテミスとか?(名前合ってたかな?)
お疲れ様ー デビルメイクライ、やってみよっかな
さて、殿様、千石、たこの三匹でも召喚しようか。
雷で”蝙蝠”といえば・・・ 校長先生がセクハラの違和感に気づくかどうかが彼の寿命の分かれ道になりそうですね
>うんこくさい作品 トイレット博士か懐しいな 七年殺しとかやったよね
>659 実在じゃ無いけど、FFYブラキオレイドスとか…… 恐竜Tueeeeeeにしかならないか
>>697 恐竜TUEEEEEEEEEEEEEEEEE
どころの騒ぎじゃすまないだろw
打撃攻撃も鬼なのにそれに加えて
メテオにアルテマにディスアスター、なんでもありだぞアイツ
実在の恐竜なら鎧竜とかがいいとおもうけどね。あとはユタあたりから行くとジサマやドリュとか。 ある程度大型の恐竜でも受け入れられるだろうけど、大型肉食恐竜や首長竜は環境が違いすぎて食事に難儀するから。
恐竜じゃないけどマリコルヌの始祖鳥飼育日記とか。
ゴジラザウルス召還。 ルイズの爆発の影響で……
>ゴジラザウルス召喚 そしてルイズの爆発で成長したゴジラザウルスがデストロイアと戦うもいいところで負けてしまうんだな?
ベビーゴジラを召喚して、最終的には身長100m。
ゴジラサウルス・クェイイ(実在した恐竜)召喚とな? 難しそうだ。 シネミス・ガメラ(これまた実在した古代亀)もしかり。
つまり聖地には放射性廃棄物が大量に積み重なっているわけだ。 聖地へと一直線に進撃する怪獣王、守護神だと妄信してそれを追う連合軍、そして発動するメルトダウン……まさに『シャイターンの悪魔』に相応しい?
SDガンダムフルカラー劇場のキャラ召喚 これはシャア板のネタか・・・
まったく恐竜キャラなら”ゴン”しかいねえだろう?
ムカムカパラダイスのムカムカを忘れるなー。
>>680 タバサがとんでもない巨乳になるのかと思ったぜ。
モグ波やめいww
タバサがとんでもない巨乳に……? ちょっと待ってほしい、それはタバサではなくどっかの精霊だと!
それは「モグダン」だ 濁点が違う
>>711 あんた今日の夜中から目を覚まして早々それかいww
>>699 グラビモスなんか呼んでどうしようってんだ?
って一瞬思った俺ハンター。
悪魔も泣き出す人乙です。
続き待ってますぜ〜
あれ、俺いつの間にカキコしたっけ?
タバサって、CDドラマで性格変わってたよな
モノは知らんが、ドラマCDで無口キャラを原作に忠実に動かすのは無茶だろうww ナレーションを追加すればいいのだろうが。 「そんなことは気にせずハシバミ草をほおばるタバサであった」(キートン山田) とか。
>ゴジラザウルス召喚 一瞬、ゴジュラスとウルラザウルス召喚して ガリアに侵攻するのかと思ったよ
コマンドウルフを召喚しちゃったら……
だったら、俺はドラゴノサウルスを召喚するよ
ドラゴノによく似たエチゼンクラゲを召喚すればいいよ 召喚と同時に死んでしまう……これは面倒な事になった
だったらこっちはコーラサワーを召喚 しかしガンダールヴの力を使ってもギーシュに勝てる気がしない
>>726 ガンダム劇中で使い魔の契約をした主人公を
>>726 「学院不敗!」とか言ってワルドに一蹴される図が浮かんだ。
だったらスナイパーウルフを・・・・ 駄目だ、ゼロ魔世界の銃じゃ活躍出来ずに終わる
>>729 史実では17〜18世紀には空気銃を使う狙撃手が存在したからゼロ魔世界にもそれがあれば…
弓やボウガンによるスナイパーとかいないのかな
ウィリアムテルのほうがボーガンっぽいな。 呼べないけど。
>>731 GBAタクティクスオウガでは投射攻撃で敵を倒してるとスナイパーの勲章がもらえた
史実では知らん
幽遊キャラも出ないっすね 樹が最後の力を振り絞って「門番(ゲートキーパー)」の能力でとっさにルイズの元へ死に掛けの仙水を送還とか 女性人格の「ナル」や炊事洗濯掃除担当の「マコト」人格になっとばルイズのお世話もOK シエスタは戸川純の子孫で
>>731 弓でスナイプと聞くと三国志\しか浮かばんw
皆、アレだな。結構、現実的なんだな。 拙者がクロスさせたら、ゼロ魔世界の銃に限らず武器を文字通り、 魔改造してまいそうだ(連射出来たり、弾丸が特殊的な意味で)
そういえば、魔弾とかないよね、ゼロ魔
魔弾てえと、リップヴァーンかキース・ブルーしか思いつかない自分はゆとり。
リップヴァーン中尉を召喚と申したか
魔弾の射手は元々オペラの題名じゃなかったっけ? 直訳すると『自由射手』だとか何とか。
>>731 弓を使う奴で真っ先に思いついた奴、それは……
ジョン・ランボー
そして始まる「ランボー0 怒りのトリステイン」
魔法学院のメイジ達を相手にランボーが自らの尊厳を守る為孤独な戦いを繰り広げます
破壊の杖相当なのは勿論例の弓矢です
鏃には爆薬がついてます
皆派手に吹っ飛びます
>>734 問題はさ、原作の方でその辺の人格がキャラとして出てきてないって事だな
ぶっちゃけ半オリキャラ化しちまう恐れが高い
後、原作見る限り樹がそう言う真似をするとは到底思えない
>>740 恋人のために青年が悪魔に願掛けして、絶対に当たる弾丸を手に入れるんだけど、
最後の弾だけは悪魔のもので青年の思い通りにはならず、結果恋人を射殺しちゃう……
ってな話だっけか?
>>735 水滸伝の花栄とか。
>>736 > 連射出来たり、弾丸が特殊的な意味で
矢車剣之助だな。
>矢車剣之助 ぐぐったけど、これは一体何でしょうか?せんせー…
>>742 過程はライバルが仕組んだことで、結果はある意味それより酷い。
>>736 HELLSINGのヒラコーが
劇中の銃は百万発入りのコスモガンです。ウソ銃ですって言ってたし
そんなもんでいいんじゃね?
>>744 黄昏の魔弾 西川
ただ単に魔法やら魔術が関わる弾丸なら、アバンの使徒となのはシリーズのランスター あと、ハイネって・・・先に言われた!!
>>746 そうだっけ?
割とめでたしめでたしな話じゃなかったっけ?
円環少女の神音大系の汎用射撃魔術『概念魔弾(ハウリングボルト)』
ウィザーズブレインのサクラの電磁気学制御の応用『魔弾の射手』
機甲都市伯林の『射撃人形』ベルマルク・フィーアの強臓式拳銃『魔弾の射手(フライシュッツェ)』
……ジャンルが極端に偏ってるのは気にするな。
>>749 二人とも同じ穴の狢なのに、主人公は幸せになってライバルは死んだってのがなあ。
ちょっと受け付けなかった。好みと言われればそれまでだが。
>コスモガンです。ウソ銃 有難う、大変参考になりました。 では、思いっきり魔改造(マテ
主人公とヒロインはめでたしめでたしだよ。 そういやブリーチの雨竜がメインの回のサブタイトルがキング・オブ・フライシュッツだった。 あと他に弓といえばビューティー・セレイン・アロー………
アウトロースターの古式銃も!
ブリーチといえば オサレ先生の読み切りの刻魔師麗で 指に封印した使い魔を飛ばす技が魔弾だったような
いかに宗高。あの扇の真中射て、平家に見物せさせよかし。
>>737 お前に相応しいソイルは決まった!
魔銃(マガン)の射手
>>752 主人公だけ不当に幸せに……
そのタイトル、読本での和訳が『最強の飛び道具使い』だったのが気に食わなかったなあ。
>>755 『やっぴいてひょうと放つ』か。あの語感は神だと思う。
那須の与一?
女神転生3の主人公の技に『至高の魔弾』ってのが……。 いや、だから何といわれても困っちゃうんですけどね
さて、10分後に最終回を投下しても宜しいでしょうか
>>741 小説版のランボーは凄ぇぞ
ナヴァホ族出身でベトナム帰還兵で、異世界召喚並の疎外感を何度も味わっている
キリスト教とナヴァホ土着宗教の厳しい教育を受けながらベトナムで知った仏教に帰依したから
Vでアラーの教えを受け入れたように始祖ブリミルへの崇拝にも理解を示すだろうし
グリンベレーで身に着けた技術は戦闘や操縦のみならず医療や現地人との関係構築まで様々
他にも競馬をやってた叔父の影響で馬術に優れ、鍛冶の技術も習得している
平賀才人は7万のアルビオン兵に立ち向かったが、ランボーが対したのは15万ソ連軍
全力で支援する。
火縄銃の狙撃手といえば信長を狙撃した杉谷善住坊。 失敗してるから技量に疑問符がつくうえに処刑のされ方がアレなのでどうやって鏡に入るやら。 正直卓越した隠密技術か護衛役が必須な狙撃手はガンダールヴに不向きかも。
>>763 そこでMGS3のジ・エンドを召喚。
やつは補助員なしで狙撃を行える上に、光合成すればBIGBOSS以上の身体能力の持ち主となる。
オマケにきゅいきゅいより歳上なお爺ちゃん。
シルフィ「あのひと、森の精霊とお話してるのね!」
それはそうと支援だ!!
最終回〜伝説そしてさらばルイズさん〜 ヴァリエール家の紋章を背中にあしらった純白の改造学生服を来てルイズは腕を組んで眼下を見下ろしていた 「ふん・・・・レコン・キスタ7万・・・か」 パッソルに跨りルイズは迫り来る軍勢を見つめる 「嬢ちゃんよぉ・・・・びびったのか?ケツまくって逃げるかい?」 背中に背負ったデルフリンガーがカタカタ震えた、笑っているのだろう 「逃げる?・・・・・・・・ふふ」 パッソルのスロットルをふかす、その凶悪なエグゾーストノイズで相手がこちらに気がついた 「生憎、私にも使い魔(こいつ)にも後退と言うものがついていないのよ!!」 瞬間、パッソルが崖から飛んだ、 兵士が吹き飛ぶ、弓矢はデルフリンガーで弾き飛ばす、砲弾は風よりも早く避ける 「ルーーーーゥイズーーーーーー」 空から怨念めいた声がした 「ワルド様」 アルビオンの自慢、空中艦隊が迫って来ている、 「アルビオンでは世話になったね、だがその使い魔では空中にはまったく手出し出来まい」 勝ったといわんばかりにワルドの笑い声が響く 「フフフ・・・・・ハハハ・・ハーーーハハハハハ!!笑止!!」 パッソルの上に仁王立ちになりルイズはデルフリンガーを天に掲げた この戦場に赴く前、立ち寄ったタルブの村の祭殿にて祭られていた守護神、 それがルイズに語りかけてきた、我が体と頭脳を一つとせよと・・・・・ 「こぉーーーい」 そしてソレはルイズの呼びかけに答えた 空を切り裂き、大地を震わせ、木々をなぎ倒しルイズの呼びかけに答え、やってきた 「な、なんだアレは!?」 その巨大な容姿を見てアルビオンの兵士達は怯え、 「守護神だ!!我々の守護神が現れた!!」 トリステインの兵士達は歓喜した 突如現れた守護神に向かってパッソルは疾走する 「パイル○ー オン!!」 守護神の顔の部分が割れ、飛び込んできたパッソルとルイズを収納した 「な、なんだあれはぁーーー!!」 ワルドが叫ぶ、ルイズは笑って大声で叫んだ 「喧嘩上等ロボ!!」 大和田秀樹 たのしい甲子園 より タルブの村に喧嘩上等ロボが埋まってました
いきなり ほぼすっ飛ばして投下終了 やりたい事はやった くいは無い
支援×3
ワロタw 乙。 こーゆーネタは勢いのまま突っ走って終わった方がいいよね。
甲子園ってあるのに野球どこ行ったwww 乙。 腹筋痛い
乙。 デルフリンガーは素で振り回してるのなw
乙www
沈黙を表す『・・・』は『…』といったように三点リーダの方がよいと思われます。
何かいきなりあぼーんになってたから何事かと思ったら「・・・」がNGになっててびっくりした
>>764 MGS3本編からだと死んだように眠ってないと1週間で老衰あぼんだな。
いやまぁ、元気な爺さん状態で召喚すればいいんだろうけど。
ジジイ、無茶苦茶カムフラージュうまいから
フーケとかどこからともなく麻酔弾が飛んで来て終了になりそうw
乙。 ルイズの顔がぷにえに変換されるwww
講談社だと何故か三点じゃなく二点だよな‥‥
最近原作を読み始めたばかりのペーペーです。 なんとなく思いついたのでプロローグみたいのだけ書いてみました。 文才は皆無なのでその辺りは目を瞑っていただけると幸いです。
777 :
音速の使い魔 :2008/02/12(火) 18:12:26 ID:93MEngzU
剣突き立つ大地・・・・・・そこは魔法と冒険の世界、アースティア 双月の浮かぶ世界・・・・・・そこは魔法が支配する大地、ハルケギニア この物語は、アースティアを邪竜族の危機から救った一人の勇者と、ハルゲニアの一人の少女、二人の物語である。 「「ええと」・・・・・・あんた誰?「ここはどこだ?」」 ほぼ同時にお互いに向けて異なる質問をした二人。 誰かと問い掛けたのは少女。 桃色の髪に黒いマントを羽織った幼い(外見)の少女であった。 ここはどこかと問い掛けたのは少年。 オレンジ色の肩当てと腹当てに篭手、同じ色をした耳の様な物が付いている変な兜、深紅に染められたマントを羽織った、一見すると騎士にも見えなくも無い少年であった。 「質問してるのはこっちなの! あんた名前は!?」 「え!?あ・・・ええと・・・あ・・アデュー・・・」 「アデュー?変な名前ね。まあいいわ、あんた騎士みたいな格好してるけど、どこの家の人間?」 こっちの質問にも答えろよ! と叫ぼうとしたが、すんでの所で自制した。 ・・・・・・落ち着け、クールになれアデュー。 自分は騎士なんだ、冷静になって事を荒立てない様にゆっくりと状況を確認するんだ。 「バイフロスト出身だ。騎士としての修行の為に旅をしている」 「バイフロスト?どこの田舎よそれは? あんたもしかして平民?」 「平民? なんだそりゃ? 俺は旅の騎士だ」 その瞬間、周りからどっと笑い声が沸いた。 「見ろ、ルイズが平民を召喚したぞwwさすがゼロのルイズだww」 「しかも騎士もどきの平民ときたもんだwww」 「なんだあの変な格好はwww騎士のつもりならもうちょっとマシな格好しろよwww」 なんだ、なぜ自分はこんなにも笑われているんだ? 全く持って状況が把握できない。 元々短気で音速のバカと呼ばれていた彼にとっては、これが冷静さを保つ限界であった。 「もう何なんだよ! 全部終わってまた旅に出たと思ったら変な鏡に吸い込まれて訳のわからない所に飛ばされるし! 何だかわからないけど笑われてるし! これは夢か!? 夢なのか!? 夢だったら早く覚めてくれよ!」 「ああもう、うるさいわね! とにかく黙りなさい!」 少女はアデューと名乗った少年に向けて杖を向け『サイレント』の呪文を唱えた。 本来はただ周辺の音を消すだけの魔法のはずなのだが、なぜかアデューのいた位置を中心に大爆発が起きた。 もろに爆発に巻き込まれたアデューは・・・哀れ、生きてこそいたが、黒コゲになってそのまま気絶してしまった。 再び目が覚めた時、アデューは見知らぬ部屋に寝転がっていた。 「ここは・・・!」 目の前には先ほどの少女がベッドの上に座っていた。 「目が覚めたのね」 その表情は怒り半分、諦め半分といった感じだ。 そしてベッドから立ち上がり、徐に言い放った。 「私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、あなたのご主人様よ」 これがかつて世界を救ったリュー使い、アデュー・ウォルサムのもう一つの物語の始まりであった。
騎士みたいな格好してたっけ?支援
はい、リューナイト物です(最初に書き忘れてしまってすみません) すみません、とりあえずまだそんなに読み進めていないのでここまでです。 最後の方まで読んだら続きを書こうかと思います。 一応1巻の辺りの構想は出来上がっているので、少なくともそこまでは書くつもりです。 無論、あのセリフも沢山言わせるつもりでいます。
>>778 ホエールズバレーのバレーナ伯爵に「騎士のつもりか?」とか言われてたからいいかなと。
「〜www」などは使わないほうがいい
wwwwとか使わないほうがいいよ。 テンプレとかもしっかり読んでね。
>>779 本当に書く気があるのならきちんと書き溜めてから投下しなよ。
プロローグだけ書き捨てとかは歓迎されない。
そもそもするつもりなのと実際するのとでは大きな隔たりがある。
だから本当に書き進められるのか確かめる意味でもある程度の書き溜めはすべきだよ。
今空いてますかー?
スレがすいてるではないか 行け
カモン。 実際3レスぐらいなら支援いらないしね。
バーダックMADを見て血圧があがり、鼻血を垂らした状態で支援。
支援
では投下。 地平線から登ってきた太陽が、夜のうちに冷やされた大気へと地面が放出した霧状の水分をきらきらと照らしている。 朝もやに包まれたトリステイン魔法学院の馬小屋には人気が無く、鼻腔から白い息を吐き出す馬やグリフォンらの他には、人間が2人いるだけだ。 そのうちの1人、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールが口を開いた。 「ゴクウ、きつくない?」 「大丈夫だ。けどちょっと左に偏ってんな」 「わかった。調整するわ」 ルイズは、馬小屋から失敬した馬具を分解して、革紐の部分を悟空の身体に縛り付けていた。 アンリエッタから仰せつかった任務の目的地、アルビオンは浮遊大陸である。 通常の手段で行くとなると、まず港町ラ・ロシェールに行き、そこからアルビオン行きの定期便に乗り換える必要がある。 しかし、ラ・ロシェールまでは馬に乗って行っても優に2日はかかる上に、定期便もアルビオンがトリステインに最も近く時期でないと出港しない。 一刻も早くアンリエッタの悩みを解決したいルイズは、そんな悠長な手段でアルビオンに行く気は更々無かった。 何といっても、自分には悟空がいる。 タバサの風竜をも上回る速度で大空を自由自在に翔ける彼に乗っていった方が余程早い。 そのため、悟空の背中に自分を括り付けて飛べるよう、あれこれ試行錯誤しているのだった。 「今度はどう?」 「良さそうだ」 悟空が分解してできた金具の余りをひとつ摘み上げ、両腕の付け根をぐるりと回すようにして通された革紐を胸の前まで手繰り寄せ、金具を指先で押し潰すようにして2本の紐を繋ぐジョイントに加工した。 それを確認すると、ルイズはサドルホルダーを悟空の背中側に取り付けた。適当な金具で仮止めし、悟空にずり落ちないよう金具を締め上げて固定させる。 ルイズは頭絡を取ると、輪になっている部分に両腕を滑り込ませ、手綱の余った部分を悟空と自分に何度か巻きつけ、飛行中に体勢がずれないよう数箇所で縛った。 グローブをはめ、頭絡とサドルホルダーを余った金具で固定し、最後にデルフリンガーを悟空の身体に袈裟懸けにすると、出発準備が整った。 デルフリンガーを胸の前に抱え、不恰好な負ぶい紐でルイズを背負ったような格好である。 「浮いてみて」 悟空が舞空術で地面と平行に浮くと、ルイズはちょうど悟空の背中に腹ばいに寝そべる体勢になった。 がっちり身体が固定されていることを確認すると、ルイズは悟空の脇の下から手を通し、悟空の胸の下にある革紐を掴んだ。 ついでに悟空の背に顔を埋め、使い魔の匂いを胸いっぱいに吸い込む。 「んふ〜」 無意識のうちにルイズの頬がほころんだ。本能的に頬を悟空の背にすりすりする。 「おい、くすぐってえよ」 「あ…、ご、ごめん」我に返ったルイズの顔が真っ赤に染まった。「…じゅ、準備できたわ」 「よーし、じゃ、行くぞ!」 浮遊大陸アルビオンを目指して、悟空とルイズは飛び立った。 馬小屋に係留していたグリフォンにワルドが跨ったのは、それから20分後の事だった。 魔法学院を一望できる高さまで飛び上がると、ルイズを捜し求めて周囲をぐるぐると旋回する。 しかし、何処を探してもルイズの姿が見当たらない。 まだ部屋に居るのだろうかと、サイレントでグリフォンの飛翔音を消し、無礼を承知で彼女の部屋を覗き込むが、部屋はもぬけの殻だった。
再び馬小屋に戻り、馬の数が減っていないか確認する。馬は減っていないようだったが、代わりに分解されたと思われる馬具の残骸が落ちているのに彼は気付いた。 グリフォンから降りて金具の一つを拾い上げ、これがルイズと何か関係するのだろうかと考えていると、生徒が1人凄い勢いで走ってきた。 ワルドは昨日、品評会でその生徒を見たのを思い出した。確かギーシュ・ド・グラモンとかいう名だ。 グラモン家は戦場で何度か見たことがある。いつも実力不相応な戦力を率いては、見栄えを優先した戦陣を敷き、それなりの戦果を挙げてはいた。 ただ、どう考えても金の使い方を間違ってるとしかワルドには思えなかった。自分なら、もっと安上がりに同等の結果を出せる。 とはいえ、金の払いはいいので、傭兵たちからの評判はそう悪くなかった。実際、ワルドもグリフォン隊を率いる前に一度グラモン元帥の元で働いた事がある。 その時の報酬は、今の地位についた彼の給料――役職手当を含む――を若干上回っていた。 あんなに羽振りが良くて、よくもまあれだけの領地でやっていけるものだとその額を数え終わったワルドはその時舌を巻いた。 「はあっ、はあっ……、…くそ、遅かった…」 「おはよう。どうかしたのかね?」 「こ、これは…、子爵、どの……」相手がワルドだと気付いたギーシュは、息が上がっているのも構わず、敬礼の動作を取った。 「休んでくれ給え」形式的に敬礼を返したものの、ワルドはすぐに相好を崩した。「もしや、ルイズの事かね?」 「そうです。ぼくの使い魔が彼女らを見たので、急いで馳せ参じたのですが……」 「彼女ら、だって?」 「使い魔も一緒です。彼女は、使い魔に乗って飛んで行きました」 「確か、彼女の使い魔は…」 「ソンゴクウ、という……」ギーシュは言いよどんだ。「…平民です。生徒の中には『天使』という者もいますが」 ワルドは昔読んだ『イーヴァルディの勇者』を思い出した。 その本に出てくる主人公の頭にも、光る輪が浮いていた気がする。そしてその本で主人公は『天使』と呼ばれる存在だった。 それが何を指すのかワルドには判らなかったが、後にその本が焚書の憂き目に遭った版だという事を知ると、恐らくブリミル教の信奉者にとって目の上の瘤となる描写があったのだろうと彼は結論付けた。 「随分と古い表現だな。昔読んだ本に、そんな事が書いてあった気がする」 「『イーヴァルディの勇者』ですか?」ギーシュは微笑んだ。「貴方のような方が、あんな御伽噺をご存知とは思いませんでした」 「誰にだって子供時代はあるさ。それより、ルイズの事だが、何で君がそれを知っている?」 「ぼくのヴェルダンデが目撃したんです」 「君の…誰だって?」 ギーシュは足で地面を数回叩いた。すると、叩いた場所の地面が盛り上がり、やがて小さい熊ほどもある大きさのジャイアントモールが姿を現した。 ふにゃっと表情をだらしなく緩めたギーシュがモグラの傍らに膝をつき、ほおずりしながらモグラの喉元を撫でさすった。 まるで○ツゴロウさんだ。 「よーしよしよしよしよしいい子だヴェルダンデ! ああ、ぼくの可愛いヴェルダンデ! やはり君は最高の使い魔だあーッ!」 「…………」
おいてけぼりなワルドかわいそす支援
お、久々のサイヤの人だ待っていたぜ支援!
支援
「ごほーびをやろう! よくできたごほーびだ! どばどばミミズ2匹でいいかい?」 モグモグモグ、とヴェルダンデと呼ばれたモグラが鼻を鳴らす。 「3匹か? どばどばミミズ3匹欲しいのか! 3匹! このいやしんぼめッ!」 「…あの………」 「いいだろう3匹やるぞ! レッツゴー3匹!」 「おーい……」 懐から太さが2サントはありそうな巨大なミミズを取り出すと、ギーシュはそれを宙に放った。 ヴェルダンデが図体に似合わぬ俊敏さで飛び上がり、空中で全てのミミズを一息で咥える。 着地と同時にねちょねちょと咀嚼するヴェルダンデに、再びギーシュが擦り寄った。 「よーしよしよしよしよしよし! 立派に取れたぞヴェルダンデ!!」 再びモグラの喉元をナデナデし始めたギーシュに、ワルドは無言で杖を抜くと、軽いエア・ハンマーをかました。 「ぶぎぉッ!?」 「そろそろ本題に入りたいのだが」 「はっ、申し訳ありません」 「…なるほど。では私は相当出遅れてしまったようだな」 ギーシュを介してヴェルダンデから一部始終を聞いたワルドは、再びグリフォンに跨った。 拍車をかけ、グリフォンが一声鳴いて学院の門の方向へ向き直る 「子爵! ぼくも連れて行って下さい!」 「君を?」 「アンリエッタ姫から仰せつかった任務の事でしょう?」
ワルドいたの?www 支援
「隠し立てする必要はありません。ぼくも昨夜、ルイズやアンリエッタ姫と一緒にいました」 ワルドは考えた。アンリエッタ姫からは、この貴族の少年が同行するとは聞かされていない。 かといって、今から姫の所に行って問い質すわけにも行かない。そんな事をしている間にも、ルイズとその使い魔はアルビオンに刻一刻と近づきつつある。 とりあえず連れて行っても邪魔にはならないだろう。いざとなったら捨てればいいだけの話だ。 「……なるほど。そういう事なら一緒に行こう。だが残念ながら僕のグリフォンは一人乗りでね。君には馬に乗って行ってもらわなくてはならない」 「ご安心を! 乗馬には自信があります!」 「いやそういう問題じゃない。僕のグリフォンとそこいらの馬とじゃ、航続力に差があり過ぎると言いたいんだ」 「…ぬ、ぬう……」 「僕は一刻も早く2人に追いつきたい」 「そういう事なら、考えがありますわ」 不意に、頭上から声がした。 ワルドとギーシュがその方向を仰ぎ見ると、青い風竜に乗った燃えるような赤毛と透き通る水のような青毛の生徒がこちらを見下ろしていた。 キュルケとタバサである。 「キュルケじゃないか! 何でここに!?」 「あんたと同じよ。ルイズとゴクウが何かやっていたのを見たから、急いでタバサを叩き起こしてやって来たのよ」 結局間に合わなかったけどね、とキュルケは手のひらを上にして肩をすくめた。 いつもなら、キュルケの頼みとあれば自分の着衣など二の次で協力してくれるタバサが、悟空絡みだと知るや、自分の身支度が済むまでは頑としてシルフィードを呼ぼうとしなかったためだ。 更なる闖入者の出現に、ワルドは自分のペースが崩されていくのを感じた。何か、こいつらを都合よく置き去りにする手段はないものか、と熟考する。 やがて一つのアイデアが浮かんだ。 ラ・ロシェールで待機させている『偏在』に、足止めのための傭兵を雇って送らせる。 幸い、ラ・ロシェールで傭兵に事欠くことはない。とりわけ、ここ最近はアルビオンの王統派に就いていた連中が、雇い主の敗北によって職にあぶれ始めている。 それでも駄目なら、当初の滞在予定地であったラ・ロシェールに一旦全員を集めておき、そこをマチルダに襲わせて時間稼ぎをさせよう。 ワルドは『偏在』に「思令」を送った。 少々回り道になるかもしれないが、ルイズ達だってアルビオンに辿りつくまでには数日かかる。 それに、ラ・ロシェールはアルビオンに行く上で――空から行くのではない限り――地理的にどうしても避けては通れない町だ。上手く行けば、合流できるかもしれない。 くいくい、とマントを引っ張られる感覚に、ワルドは我に返った。 ヴェルダンデが、ワルドのマントを引っ張って注意を引いていた。ギーシュ達がこちらを見ている。 「子爵?」 「あ、ああ、すまない、考え事をしていた。何だい?」 「ぼくはタバサの使い魔に乗って、『彼女らと一緒に』行く事になりました。同行を許可願います」 「それは構わない。確かに、風竜なら僕のグリフォンに遅れを取ることもないだろうね」 ギーシュがヴェルダンデに擦り寄り、涙と鼻水を垂らしながら別れを惜しむ。シルフィードに乗っていく以上、ヴェルダンデは一緒に連れて行けない。 ルイズに遅れること30分、ワルド達一行がトリステイン魔法学院を後にした。 アンリエッタは出発する一行を学院長室の窓から見つめていた。 出発早々、早くも足並みが揃っていない。しかも余計な荷物付きときた。 あの3人の身柄と実力はオスマン氏が保証してくれた。なるほど、ルイズと一緒にあのフーケを捕らえた生徒たちとあれば、戦力として多少は心強い。 だが、任務の目的は戦う事ではない。隠密裏に手紙を回収する事だ。 派手に立ちまわってしまい、王族達に目をつけられてしまってはたまったものではない。
JOJOネタはよせw 支援
そして、そんなアンリエッタの頭を更に悩ませる報告が、コルベールによってもたらされた。 捕らえた筈のフーケが、脱獄したというのだ。 取り乱し、禿頭を汗で光らせるコルベールとは対照的に泰然自若としたオスマン氏が、アンリエッタには羨ましく感じられた。 「大丈夫かしら、本当に……」 「既に杖は振られたのですぞ。我々にできる事は、待つ事だけ。違いますか?」 「そうですが……」彼女の心中を察したかのようなオスマンの問いかけに、アンリエッタの顔に浮かぶ憂いの色が濃くなった。 「なあに、彼ならば、道中どんな困難があろうとも、やってくれますでな」 「彼とは…?」 「ミス・ヴァリエールの使い魔。…姫は、始祖ブリミルの伝説をご存知かな?」 「通り一辺のことなら知っていますが……」 「では、『ガンダールヴ』のくだりはご存知か?」オスマン氏がにっこりと笑った。 「始祖ブリミルが用いた、最強の使い魔の事? 確かにルイズの使い魔は力がありそうですが、だからといって彼が…?」 「いやなに」 おほん、とオスマン氏は咳払いをした。 『ガンダールヴ』の事は自分の他には数えるほどしか知るものはいない。アンリエッタが信用できない訳ではないが、まだ王室のものに話すのは早い。 少々喋り過ぎたとオスマン氏は思った。 「とにかく彼は『ガンダールヴ』並みには扱えると、そういうことですな」 「はあ」 「それにここだけの話、彼はどうも異世界から来たようなのです」 「異世界?」 「そうですじゃ。ハルケギニアではない、どこか。『ここ』ではない、どこか。 そこからやってきた彼ならばやってくれると、この老いぼれは信じておりますでな。 余裕の態度も、その所為なのですじゃ」 「そのような世界があるのですか……」 アンリエッタは、遠くを見るような目になった。 異世界。何とも不思議な魅力に満ちた響きがある。 (そこでは魅力的な殿方同士がくんずほぐれつイヤンバカンそこはアッー!な世界だったり……。うふ、うふふふふふ…………) アンリエッタの妄想力が10上がった。 アンリエッタの腐女子度が17上がった。 アンリエッタの威厳度が3下がった。 「見えてきたわ。あれがアルビオンよ」 「へーっ、でっけえなぁー!」 見渡す限りの白い雲海。右を向いても左を向いても真っ白けっけじゃござんせんか。 時おり見える切れ目の向こうに、浮遊大陸アルビオンが姿を現した。 巨大な島だ。それが、文字通り空中に浮かんでいる。 「驚いた?」 「ああ、オラのいた所にも似たようなのはあったけど、こんなにでっけえのは初めて見たぞ」 「浮遊大陸アルビオン。ああやって、空中を浮遊して、主に大洋の上をさ迷っているわ。 でも、月に何度か、ハルケギニアの上にやってくる。大きさはトリステインの国土ほどもあるわ。通称『白の国』」
サイヤの人きたぁぁぁぁぁぁぁ支援
支援なのですよ。にぱー
「よく知ってんなあ」 「前に、姉様たちと旅行で来た事があるのよ。だからここの地理には明るいわ」 悟空はアルビオンの上方へと移動した。陸地の広さから、神様の神殿とは比べ物にならないサイズである事が見て取れる。 ただし、神殿はカリン塔から如意棒を用いてこの世と接続しない限り、普通に飛んでいっても跳ね返されてしまい、辿りつくことはできない。 そもそもあの神殿は単に浮力で浮いている訳ではないので、このアルビオンとは比較のしようがなかった。 「それで、どうすんだ?」 「とりあえず王党派に接触しないとね。でも問題はそれをどうやるかなんだけど……」 その時、何かに気付いた悟空が再び移動を始めた。 大陸の外周を海岸線に沿って回っていく。 「どうしたの?」 「あっちの方から変な音が聞こえんだ」 「変な音……? …あ、本当だ」 確かに悟空の言う通り、時おり地鳴りのような音が聞こえてくる。 この先には何があったっけ、と考えたルイズは、程無くしてそれがニューカッスル城である事に気付いた。 アンリエッタによれば、ウェールズ皇太子はあの城の付近に陣を構えているらしい。 嫌な予感がする。 やがてニューカッスル城が目視できる範囲に近づいて来たとき、その音の原因を知ったルイズは息を呑んだ。 巨大な船が、大陸から突き出た岬の突端にあるニューカッスル城目掛けて砲撃を加えている。 帆を何枚もはためかせ、無数の大砲が舷側から覗いており、艦上には竜騎兵が徒党を組んで舞っていた。 再び一斉射。夥しい量の火薬を瞬時に消費するため、大気がビリビリと震え、顔面に見えない壁がぶつかってくるような錯覚を覚える。 「妙だな…大して効いてねえみてえだ」 「え?」 放出された熱に当てられて火照った顔を手のひらで拭ったルイズは、悟空の言葉でニューカッスル城を見た。 確かに悟空の言う通り、一斉射の割には被害が軽いように見える。 城壁や尖塔の頂点など、戦略的にあまり意味のない所ばかりを狙っているように思える。何処にも着弾せず、空しく空を切って行く弾もあった。 「そうね…。もしかしたら威嚇のつもりなのかもしれないわ」 「あの船に行ってみるか?」 「……いえ、やめましょう。もしかしたら貴族派の連中かもしれないし」 ルイズの予感は当たっていた。 この船の名は<ロイヤル・ソヴェリン>という。艦隊登録番号NCC-73811。ソヴェリン級巡洋艦の1号艦で、かつてのアルビオン王国艦隊旗艦だった。 それが今は、<レキシントン>と名を変え、艦隊登録番号もNCC-61832に書き変えられ、貴族派の力の象徴としてその身を大空に誇示している。 と、悟空の腹が鳴った。 「ルイズ〜、オラ、腹減った」 そういえば、起きてから何も食べていない。
言われて初めて、ルイズは自身も空腹を覚えている事に気付いた。 「もう少し我慢しなさい。手紙を皇太子に渡して、姫さまの手紙を貰えば後でいくらでも…」 ぐう。 今のはルイズの腹の虫だ。 「…………」 「…わ、わかったわよ! わたしもお腹空いてるのは認めるからそんな道端に捨てられた哀れな子犬のような目で見ないで!! しょうがないわね、は、腹が減っては戦ができぬとも言うし…。ひとまず降りて。近くにラ・ロシェールの町があるから、そこで何か食べましょう」 魔法学院を出て以来、ワルドはグリフォンを疾駆させっ放しであった。 随伴するギーシュ達が乗っているのが風竜だったのは僥倖だった。馬なら、とっくの昔に置き去りにされている。 先程『偏在』から、マチルダが無事に傭兵を雇ったと報告を受けた。二個小隊分の人数を、しかも言い値でだったので流石に値が張ったが、致し方あるまい。 ひとまず、片方をラ・ロシェールの入り口付近の峡谷に待機させておく。 あの辺りの崖は高い。風竜に乗っていても、谷底を縫うように移動させていれば上からの攻撃には対処できないだろう。 今のペースで行けば、夕刻にはラ・ロシェールに到達できそうだ。 「ん?」 その時、再び『偏在』から報告が入った。 内容を聞いたワルドは、驚きのあまりグリフォンから転げ落ちそうになった。 ルイズと使い魔が、ラ・ロシェールに現れたというのだ。 馬鹿な。いくら何でも速過ぎる。 ワルドは地面を見た。伸びた影の長さから推測するに、まだ昼飯時にもなっていない。 自分の風竜でさえ、こんなにも短時間でトリステインからラ・ロシェールまで飛んで行くことはできない。 昨日、あれほど心構えをしていたにも関わらず、未だにルイズの使い魔の能力を過少評価していた事を思い知ったワルドは身震いした。 何という男だ。常にこちらの予想の数手先を行っている。あの使い魔については、どんなに過大評価してもし過ぎる事はないようだ。 頭の中で練っていたプランに変更を加える。今ある手駒を最大限に活用し、最も有効と思える手を見出さなくてはならない。 こういった事はワルドの専門外だったが、今更悔やんでも仕方ない。 ワルドは、『偏在』に再び「思令」を出した。 ラ・ロシェールの一角にある居酒屋『金の酒樽亭』。 その名の通り、酒樽を模した看板と、いつも喧嘩によって壊れた椅子の残骸が、入り口の扉の隣にうず高く積み上げられているのが目印だ。 中はいつも、傭兵や、一見してならず者と思われる風体の連中でごった返している。 特に最近は、内戦状態のアルビオンから帰ってきた傭兵達で満員御礼であった。
割り込んでしまったスマン。支援。
しぇん
そして、その酒場の隅にある席に、この場に似つかわしくない二人組がいた。 一人は長身の男で、白い仮面を着け、全身を黒いマントで覆っている。 もう一人は女で、目深に被ったフードにより表情はわからないが、そこから覗く顔の下半分だけでもかなりの美女である事が見て取れる。 女はフーケであった。そして相対する男は、彼女を脱獄させた張本人である。 男が仮面を外した。その下から覗く素顔を初めて見たフーケは、ほう、と感嘆の息を漏らした。 「あんた、意外と美丈夫じゃないか」 「計画が変わった」 男はワルドだった。正確には、ワルドの『偏在』だった。 「何があったんだい?」 「ルイズとその使い魔が、この町に来ている」 「ごぶ!」 フーケは口に含んだエールを吹いた。炭酸が鼻腔を刺激する。痛い。 向かい合って座っていたために、飛沫を顔面に浴びたワルド(偏在)は、無言で懐からハンカチを取り出し、顔を拭った。 「汚いな」 「しゃがますね!」ついアルビオン訛りが口をついて出る。「…予定より随分と早いじゃないか」 「手違いがあった。あの2人は一足先にトリステインを出発していたらしい」 「それにしたって、この早さは尋常じゃないよ」 そこまで口にしたところで、フーケはあの使い魔の能力を思い出した。 いくら逃げても、フーケの向かう先に必ず回り込んでくる超スピード。 例えフライを唱えていたとしても、詠唱混みであの速度で動き回る事は不可能に近い。 「…で、どうするんだい?」 「先手を取って迎えに行く。土くれ、貴様も一緒に来い」 「わたしも?」 「足止めのためだ。世間話でもして気を引け。貴様は今からこの私の保護観察下に置かれている事にする」 「傭兵はどうするのさ?」 「そっちの計画は変わらん。いざとなったら頃合を見計らって始末してしまえばいい」 「……しょうがないねえ」 席を立ったワルド(偏在)のあとをついて歩きながら、フーケは考える。 (こいつ、平静を装っていながら意外と行き当たりばったりで動いてんじゃないだろね?) 悲しい事に、その考えは正しかった。
以上、投下終了。 支援ありがとうございました。 NGシーン ルイズの予感は当たっていた。 この船の名は<ロイヤル・ソヴェリン>という。艦隊登録番号NCC-73811。ソヴェリン級巡洋艦の1号艦で、かつてのアルビオン王国艦隊旗艦だった。 それが今は、<エンタープライズ>と名を変え、艦隊登録番号もNCC-1701-Eに書き変えられ、未知の世界を探索して、新しい生命と文明を求め、 人類未踏のサハラへ勇敢に航海している。 ルイズ「って作品変わってるし!?」 ※本当の<ロイヤル・ソヴェリン>はリヴェンジ級ですが、本編で「ソヴリン」の名を見た途端ちょっと魔が差しました。 デルタ宇宙域を航行中のU.S.S.ヴォイジャーをルイズが召喚したら…なんてスタトレ絡みのSSが読んでみたい今日この頃です。
乙!
>>デルタ宇宙域を航行中のU.S.S.ヴォイジャーをルイズが召喚したら…なんてスタトレ絡みのSSが読んでみたい今日この頃です。 艦隊の誓い?何それ美味しいの?な悪魔艦長が干渉して滅茶苦茶にした挙句バックれそうですねw
男はワルドだった。偏在を決めた。 「ガッシ! ボカッ!」 フーケは死んだ。スイーツ(笑)
サイヤ氏にGJを。 随所の小ネタが面白いww しっかし"しゃがますね"ってどーゆー意味だろ?あとどの地方の言葉かな?
>>811 「しゃがますね」は「やかましい」という意味だそうです(「ももえサイズ」より)。
おそらく作者の出身地からして東北の方ではないかと。
>>812 情報多謝。
えーと……おマチさんのサトはアルビオン≒中世イギリス……日本にたとえりゃ東北みたいなモンだっけや?
待てよ、アルビオンが東北ならガリアは京都とかになるのかな?
…………トリスティンっ子からすればタバサやイザベラ様の台詞は京訛り…………って事になったりって事っスか?w
サイヤ氏投下乙そしてGJです チョコラータなギーシュと腐ってる姫様自重しろw
あ、一箇所グリフォンが風竜になってる
お前らはもう続きが来ることはないだろうけどそれでも期待せずにはいられない作品っていくつある? 俺は未だにゼロの蝶々と爆熱の使い魔の続きを待ってるよ・・・
サイヤの人乙っす! それにしても、悟空がいる世界のルイズのデレ具合といったら!!!ムハッ!!!
俺も未だにゼロの蝶々まってる
>>815 タルブ戦役で乗ってた風竜のことで、グリフォンとは別物と判断しました。
そろそろウザがられそうなので落ちます。
最近投下間隔が伸びてしまってすいませんでした。
そんなあせらなくてもいいさ。ゆっくりでも俺は見るよ。 とりあえず乙!
俺はディムロスの人とステルスの人を待っている
>>816 爆熱氏の生存は避難所で確認済み。
俺はアバン先生と竜騎士の人とロム兄さんかな……
話題に出たんで読み返したから、それなりに面白かったんだなと思い出したよ >蝶々 印象に残るほど話数は無いけどな。 爆熱は、 ぶっちゃけ俺強い俺賢い俺モテモテ+説教で、今になって読んだら… これ以上は言わぬが華か。
>>816 爆熱の人は避難所のお絵描き掲示板スレに来て、2月中旬には投下できるかもと言っておられたぞ
無論予定より遅れることもあるかもしれんが期待して待て
>>823 好みに合わん人がいるのは分かるが、それは毒吐きで言ってほしい
レ研より桜賀ススム トリステイン魔法学院 ヴェストリ広場 爆発と共に現れた大学生風の男 「あ、汚れを知らぬ清純な乙女だ 平たく言うと 年をわきまえぬ少女趣味」 「即レイプ」 ぬ こ ぬ こ 「いやああぁぁ!!」 ぬこぬこ 「どうでしょう私の超絶テクは?」 ぬこぬこ 「ふざけないで!訴えてやるから!」 ぬこぬこ 「どうせレイプしてるうちにあたしが感じてきて「あぁンもっとぉハート」とか言うと思ってるんでしょ!!」 「あんたエロ漫画のみすぎ!!」 ふにん 数分後 「あぁンもっとぉハート」 アヘ顔で口からよだれ、全身汗だくになりながら喜ぶルイズであった つづ・・・く?
>>824 ΩΩ Ωな、なんだってぇ!!
これでゼロの蝶々の人も復帰しちゃったら俺も調子に乗って
黄金勇者でキャプテンイードなSS書いちゃうぜw
>>826 とりあえずエロパロへ帰れ
なんというスイーツ(笑)ススム即日死亡だw
正直言って初期の作品って殆ど全てテンプレそのもの、サイトの立場に強キャラを押し込んだだけのもの。 今さら再開したってなあ。 それよか、昨年末頃の作品の方が、テンプレからの脱却を模索してて新鮮味が感じられる。 そっちの方が再開して欲しい。 ブランクが短い分、まだ再開も期待できるし。
>>827 >これでゼロの蝶々の人も復帰しちゃったら
復帰の確立を高めるのにいい方法がある
それは、君が支援絵を描いてお絵かきスレにうpすればいい
事実爆熱の人も支援絵を見て喜んでいた
きっと作者さんのテンションもあがるだろう
問題は作者さんがお絵かきスレに来てくれなきゃ(もう完全にこのスレと縁切ってたら)何やってもしょうがないんだが
ギュスターヴ+フリン召喚とかか 南の砦で酒を酌み交わして、火が回ってきてそろそろかという辺りで同時召喚 ただし、魔法が効きにくい影響でルーンが刻まれるのはフリンというオチ
もちろん
>>816 やそれ以外の奴の好みも聞いてないから言わんでいいよ。
>>832 ギュス様の書いてるんだが、凄い筆が進みません。
爆熱なー2話がよすぎてそれ以降がつまんね 未だ繰り返して読んでもぶっちでおもろしこれ以上のものには出会えないと思うけど
遅レスだが、スナイパーなら『修羅の刻』の雑賀孫一とかどうだ。 狛彦に倒されて死んでるからどうやって呼ぶかが問題だけど。
ギュスターヴと聞くと実在の人食いワニのほうを連想する
シェーンコップ呼ぼうぜ
銀英伝から召還するならヘイン・フォン・ブ(ry
>>836 あの人か
火縄銃とマスケット銃って一緒なのかな?
大分戸惑いそうだが
そりゃ銀凡伝だw
>>842 やっぱり知っている奴がいたかw
姉妹スレで鬼帝に反応する奴がたっぷりいたから多分いるとは思っていたがww
>>836 スワガー一族は・・・・・・。
無理だねw
銀英伝なら、『ヤン艦隊唯一の紳士』と誉れ高いメルカッツ提督を この人wikiによると若い頃は選民思想の持ち主だったけど、若い下級兵士との交流でその間違いに気づいたとあるから ルイズ達学院生の導き手としては一番適任かもしれん
スナイパーなら那須与一だろ、日本人的に考えて
>>841 ウィキでざっと調べてみたらマスケット銃というカテゴリの中に火縄銃も含まれるみたい。
ただ、後期マスケット銃の特徴であるフリントロック式は命中率が下がることから日本人には嫌われた、ともある。
ゼロ魔の銃はフリントロック式だよなぁ…。
>>844 スワガー一族もだいぶ無茶らしいなw<ぐぐった
>>849 後期型のフリントロックが開発されているなら、当然前期型のマッチロック式も開発されてるだろ
つまりハルケギニアに火縄銃はある。
なるほどちゃんと火縄銃あるのか アニエスと組んだ雑賀孫一が見えるな
853 :
ゼロの五つ星 :2008/02/12(火) 21:15:35 ID:F1EHNFT5
第一話ができたので投下いいですか〜?
魔法が使えないルイズと術不能者のギュスターヴ レスリーには悪いがいいコンビかも
支援
しかし五つ星と聞いて思い出すのがダイレンジャー
トリステインにアルビオン艦隊が来た時の模式図 civilization編 ト=トリスタニア 首都 宮殿・市場・寺院・穀物倉庫 規模6 艦=戦艦 艦艦艦 艦□□□艦 艦□ト□艦 艦□□□艦 艦艦艦
うわぁぁぁぁぁ!データが泥になってしまったぁぁぁぁ!! また後日投下しますorz 五星戦隊ダイレンジャーから道士・嘉栩召喚です………
バックアップをとっておけとあれほど(ry ガンガレ、超ガンガレ
データが吹っ飛ぶって携帯で書いてるのかな?
>>860 俺も前に書いてる時PC止まって全部消えたことある
>>860 PCだけど、バッテリー部分がおかしくなってるみたいで………
妹者にコンセント抜かれちゃってねorz
日本のいわゆる「種子島」は世界でも類を見ないほど完成度が高いマッチロック銃だとどこかで見たことがある。 銃身の作成に日本刀の技術が応用されていることも一因だとか…… 聞きかじりだけど。
>>863 日本製の火縄銃は世界中の火縄銃競技者の御用達
種子島か…… 『RED』より伊東伊衛郎ことイエロー召喚。 って彼、銃に加えて柔術まで使えるのにガンダールヴまで加わったらほんとに洒落にならん
イエローは視力低下がなかったらブルー小隊も敵じゃなさそうだから困る
貴族をターゲットとしたテロの嵐が吹き荒れるハルキゲニア 新教徒が革命の名の下に各国要人をぬっころしまくり 貴族は全員ギロチン台おくり ゼロのベルサイユ あれ?
日本は銃弾を確実にヒットさせて命を奪って数を減らすことを主目的に命中率を重視したが 西洋では轟音によって指揮を奪い兵を壊走させることを主目的に数を重視した 日本の火縄銃の精度がやたら高いのはその結果
>>867 それじゃ原作と変わらんぞ
むしろゼロキャラの演じるベル薔薇だ
銃キャラか…メガトロン様しか思いつかんな インテリジェンス・ガンの話、他にあるかな バリバリ伝説?
銃使いなら宇宙英雄物語の護堂十字はどうだ?
銃キャラ・・・トライガン・・・
原作6巻120Pにて火縄銃の表記を確認 装備としては旧式だけどトリステイン軍の一部では使われているみたいだね
つ次元大介
インテリジェント・ハンマーならあるぞ ゴルディマーグというんだが
銃キャラといったらリベリオンのジョン・プレストン
銃ならゴルゴ13かコブラ
>>865 問題は彼が喋る肥後弁が難しいことだな…。
あと呼ぶ時期とか。
>>865 肥後製狭間筒だったかな、狙撃用の馬鹿長いヤツ。
伊衛郎の過去はマジでトラウマだよ・・・、村崎orz
>>865 イエローの視力が無くなった(低くなった)のって、そのままじゃあんまり強すぎて話になんないからって聞いたがマジ?
>>875 マイトガンナーとガンマックスとライアンとガンキッドもだな
銃キャラねぇ… ビヨンド・ザ・グレイヴか屍十二ぐらいしか タバサは泣くかもしれんがロケットビリーを呼ぶという手も
>>882 まあ、ガングレイブから呼ぶなら補給の心配もないしRBかな?
問題は破壊の杖らしき物も竜の羽衣も、そんなの関係ねえって事だな。
エクスプロージョンは爆轟なのか爆発なのかそれが問題だ
マスケット銃も火縄銃も韓国起源です 本当にカムサハムニダ
サイクロップスの息子の…名前なんだっけ
「おんみょー弾を喰らえー!!」 「きゃっ! 虚無の魔法発動!」 「うおっまぶしっ」
>>888 ふ、復活だ!ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール嬢が、虚無の系統を復活なされるぞ!
すげえあの姉ちゃん、落ちながら爆発してる…
>>858 やっぱり第1話は「召喚だァァァッ!!」なんでしょうか。
五星戦隊ダイレンジャーのタイトルはホットに狂っていて素敵。
>>882 破壊の杖は
RBのギター用強化パーツという手はどうだろうか?
>>887 ネイサン=サマーズ、コードネームはケーブル或いはストライフ。
>>744 亀レスだが、プレイステーションのRPG”ワイルドアームズ”に出てくる、長距離砲撃を主としたゴーレム”バルバトス”の二つ名が「魔弾の射手」だったな
たしか敵に奪われたんだが、解析中にぶっ壊れたもんで、砂漠に廃棄されてたという、話の本筋に全然関係しないヤツだったが(w
>>893 低空ハイパーバイパーの即死コンボでワルドに未来は無いw
どーでもいいけどSS書いてるとルイズのフルネーム、資料見ずにスラスラ書けるようになるよね
>>816 遅レスだが、豆の人
早くつづきー続きをー
銃使いならブラッドジャケットのアーヴィング・ナイトウォーカー それかケーシー・ライバック兵曹か
虚無の魔法って 記憶消去 幻想 爆破以外で何かあったっけ? 四大系統が原子レベルの物質操作だとなると 記憶消去とかしょぼいんだが・・・ 記憶も幻想も電磁パルスで説明がつく、爆破も超電磁パルスの集中によるものだとすると 世界扉というのはなんなのだろうか
感想乙ありがとうございます。 差し支えなければこれから投下します。
Mission9 〜破壊の杖〜 盗賊の操る巨像を破壊せよ 遡ること先日の夜 「チッ、やっぱ正面からは無理か」 "破壊の杖"奪取を目的とする土くれのフーケは、魔法学院本塔の宝物庫前で立ち往生していた。 扉に掛けられた固定化の魔法、この部屋の壁を打ち破るには、物理衝撃による破壊の他無いと、調べはついている。 しかし、その対策として塗り込められた分厚い壁は、フーケのゴーレムを持ってしても、簡単に打ち破れるものではなかった。 「イチかバチか、・・・やってみるしかないようね」 多少、騒ぎになるだろうが、オスマンは先日から外泊中、噂で聞いた得体の知れない使い魔も居ない。今このときがチャンスであった。 フーケが塔の外へ回り込もうとした瞬間、宝物庫の扉が突然開きはじめた。 「バカな・・!一体誰が!?」 暗闇の広がる宝物庫の奥から人影が見える。 全身が死人の様な土気色の裸婦が、赤毛の長髪をなびかせながらこちらに近づいてきた。 妖しい雰囲気を漂わせながら、獣の様な鋭い眼差しでこちらを見つめる女に対して、フーケは指1本動かす事ができなくなっていた。 心臓を鷲掴みにされている様な、今まで感じたことの無い恐怖と緊張感に包まれる。 そんなフーケに女の唇が耳元に近づき、この世の者では無い様な声を響かせた。 それを最後にフーケの意識は深い闇へと沈んでいったのだった。 それから今に至って、場所は学院から離れた人気の無い森の中。ダンテとコルベールは、森に囲まれる寂れた廃屋に辿り着いた。 「どうやら、あの小屋の中のようだな」 「わかるのか?」 「うむ、探知の魔法で微量な魔力を感じ取った。恐らく、フーケとミス・ロングビルはあそこに居る」 「便利なモンだな。それじゃ、ちょっと見てくるぜ」
コルベールが呼び止めるも、ダンテはそれを無視して目の前の小屋へ乗り出す。 「まっ、待て待て!不用意に近付いてはいかん!罠かも知れぬぞ!!」 「行って確かめない事には、って最初に言ったろうが。ビビんなよ先生」 「しかし、平静を疎かにして大事に至っては元も子もないぞ」 「そん時はそん時さ。それにしてもよ・・・」 ダンテは両手を腰に当てて、コルベールの後ろに向かって声を張り上げた。 「大人しくしてろって言ったろうが。何でついて来た?」 その声に反応して、コルベールの後ろからガサガサとルイズ達が、身体の所々に包帯を巻いた痛々しい姿で現れた。 「・・・ハぁい、ダーリン」 「ミス・ツェルプストー・・・それに君達まで!?」 ルイズは反抗する子供の様にムスっとした顔で、ダンテやコルベールに臆する事なく進言する。 「ミスタ・コルベール。それは私の使い魔です。使い魔を外出させるなら主人も同行するべきです!」 「やれやれ、貴女ときたら。それは判りましたが、他の2人は一体どうして?」 それからキュルケはタバサの顔をチラチラ見ながら、しどろもどろに弁明を始めた。 「わ、私は止めたのですけどもね。この子、フーケに対して何か策があるみたいでして。それで私にもついて来るようにと・・・」 タバサがポツリと呟く。 「復讐」 フーケに対して宛がわれた一言なのだろうが、 その中には、昨夜モット伯の屋敷へ無理矢理連れて行かされた、キュルケへの怨みがひしひしと込められていた。 「困ったお姫様達だ・・・。先生、泥棒と御婦人は俺が見に行くからよ、アンタはここで子守を頼むぜ」 「うむ・・・致し方無いな。気をつけるのだぞ」 コルベールは、ダンテに掴みかからんとするルイズを抑えながらそう言った。 ダンテが小屋に入ると、そこにはオスマンの秘書と思わしき女性が、左手に破壊の杖を握り締めて、床に伏せていた。 「ハンッ、破壊の杖とは言ったもんだ」 破壊の杖と呼ばれていたそれは、テメンニグルの塔に幽閉されていた魔女の身体から成る魔具、ネヴァンの事であった。 ダンテがネヴァンを手に取ろうとした瞬間、黒いモヤの様なものがロングビルとネヴァンを包み、霧の様に姿を消してしまった。 「クソ・・・相変わらず陰気臭え野郎だ」
支援
ダンテが黒いモヤに何かを感じ取った最中、小屋の外から轟音とルイズ達の悲鳴が響いた。慌てて小屋を出るダンテ。 そこにはおびただしい数の蝙蝠と雷を纏った、巨大なゴーレムが佇んでおり、 その肩にはネヴァンを持つフーケらしき人影が蝙蝠の束から見え隠れしていた。 「ハハッ、らしくなってきたじゃねえか!」 小屋から飛び出してきたダンテに向かってコルベールが叫ぶ。 「ミス・ロングビルはそこにいたのかね!?」 「コッチは罠だ!離れてないと痛い目見るぜ!」 「君も早く逃げろ!」 心配するコルベールを他所に、ダンテは宝物庫から持ち出したショットガンの銃口を、ゴーレムの胴体に向けて狙いを定める。 「派手な出迎えしてくれたんだ!盛り上げないと損ってヤツだぜ!」 ダンテがショットガンのトリガーを絞る カチッ! 「・・・」 もう一度トリガーを絞る カチッ!カチッ! 「「「「(・・・)」」」」 固定化の魔法がかけられたままのショットガンでは、中に込められた散弾の火薬が爆発を起こさない。 何を始めるのかサッパリわからないルイズ達は首を傾げる。 ダンテはフッと笑いながら、弾の出ないショットガンを放り投げ、エボニー&アイボリーに持ち替えた。 それを合図に電撃と銃弾の応酬が始まった。 ダンテはエボニー&アイボリーをマシンガンの様に乱射させ、大量に降ってくる電撃を帯びたコウモリの群を撃ち抜いていく。 時折、フーケから繰り出される電気の束が迫ってくるが、ダンテはデルフリンガーを引き抜いて、それを吸収していった。 吸収された電気は魔力に還元され、ダンテが使っていた技の一つ、ドライヴの要領で一撃、二撃、三撃と刃から弾き出された。 「あれ?俺っちこんな事できたっけ?」 「喋ってると舌噛むぜ」 さばき切れない蝙蝠は、トリックスターのステップで次々と避けていく。 何とか蝙蝠の数を減らしてフーケに近付こうとするもの、時折繰り出されるゴーレムの鉄拳によって阻まれる。 重量と物量の連携がダンテを苦しめた。 「ちょっと!これじゃあいくらダーリンでも持たないわよ!」 観戦する者の中からキュルケの悲鳴が響く。それからタバサが「間に合った」と、呟いた。 遠方から駆けつけたシルフィードがきゅいきゅいと鳴きながら、その口からあるものをタバサの下へと投げ落とした。 投げ落とされたそれを見て、キュルケ達が叫んだ。
「タバサ!これってちょっと!」 「買ってきた」 それは、この前行った武器屋の看板に掛けられていた、アグニ&ルドラであった。 「風と炎が有効なのは、前回の戦闘で確証済み」 前からちょくちょく武器屋に行っては、アグニ&ルドラと話をしていたタバサは、彼等の持つ属性を聞いていた。 タバサがルドラの柄を右手に掴み、左手に持ったアグニをキュルケに渡そうとする。・・・しかしそれは叶わぬ希望であった。 「タバサ、・・・もう分かってると思うけど、私達じゃそんなゴッツイ剣なんて、振るうどころか持てっこ無いわよ?」 「これは想定外」 うなだれる4人。そこへダンテが撃ち漏らした蝙蝠が、電撃を放ちながら襲い掛かった。 既に避け切れない距離まで近付いている蝙蝠に為す術が無いキュルケ。 タバサの頭を抱えてその場で屈み込み、覚悟を決めて目をつむった。 いつまで経っても電撃が襲ってこない。キュルケは恐る恐る目を開けると、そこには唖然とした顔のルイズが。 そしてルイズの視線の先には、杖を持ったコルベールが、その身の丈を越す炎を蛇を従えていた。 いつも学院では変わり者、臆病者と、教師や生徒達からも馬鹿にされているようなコルベールはそこにはいない。 炎の蛇を操り、襲い掛かる蝙蝠を次々と焼き払うその勇姿は、炎蛇の二つ名に相応しい者であった。 「私はこれから彼の助けに入る。君達はもう帰りなさい」 自分達の身を案じ、目の前の脅威に悠然と立ちはだかる。ルイズが憧れる貴族の姿がそこにあった。 その思いは、ルイズとは少しズレているかもしれないが、キュルケも同じだった。 「・・・ジャン!凄いじゃない!どうして今まで隠してたのよ!」 学院で見せている微熱の女王とは思えない、無邪気な少女の顔でコルベールを食い入る様に見つめるキュルケ。 「あんたって本当に見境無いわね!今はそんな事してる場合じゃないでしょうに!」 ルイズはキュルケを押し退け、アグニ&ルドラを引きずりながらゴーレムに向かう。 魔法は使えずとも、貴族の一人として自分も何かせずにはいられなかった。 「ミス・ヴァリエール!近付いてはいかん!」 ルイズは構わずアグニ&ルドラを引きずり、ダンテに向かって叫ぶ。 「これ!使って!」 「取り込み中だ!危ねえから引っ込んでろ!!」 状況を見れば成る程、ダンテは蝙蝠の追撃に手一杯であった。慌ててコルベールがルイズに駆け寄った。
錬金が原子変性であるならば、足りない質量はどこから補填しているのだろうか まさか精神力=物質化?そうなると教室の爆破だけでは到底発散しきれないと思うんだが 十グラムの完全エネルギー変換でも水爆何十個分だろうし 謎だ
「ミス、気持ちはわかる。しかしここは私達に任せて・・・」 その時、ルイズの左右の手元から2つの声が聞こえてきた。 「ルドラよ、主が我等を手に取らぬぞ」 「兄者よ、主は取り込み中だと言っておったぞ」 「"取り込み中"?"取り込み中"とは何だ?」 「"取り込み中"というのは・・・」 ルイズは話の内容に呆れて声の主に怒鳴った。 「もう沢山よ!!アンタ達ね、主人が困ってるならいつまでもお喋り続けてるんじゃないわよ!その前にする事があるでしょう!?」 「これは・・・インテリジェンスソードか?」 激昂するルイズに代わって、興味有り気にアグニ&ルドラを手に取るコルベール。 持ち手が代わってもアグニ&ルドラは構わず会話を続けた。 「何じゃこの娘は?」 「兄者、この前聞いた娘の話だと、この娘は我等の主の主と言う事だぞ」 「主の主の命とあらば、この身をもって果たさねばなるまい」 「我等、魔剣士の剣。この身体をもって主の助太刀に入ろうぞ」 コルベールの意識が右手のアグニ、左手のルドラへと引き込まれていく。 「こっ・・?これは!?」 それからコルベールの左右の目からそれぞれ赤と青、月目の光を放ちだした。 「ヌオオオオオオ!!」 先程までの知的な印象とはうって変わって、鬼神の如くゴーレムに斬りかかるコルベール。 迫り来るコウモリの群を叩き伏せ、アグニ、ルドラと交互に振り回し、ゴーレムの足を削っていった。 ゴーレムは堪らずコルベールに向かって拳を振り下ろすが、常人では有り得ない跳脚力でそれをかわされ、 なりふり構わず突進してくるコルベールに再び掘削されるのであった。 「キマってんじゃねえか先生!」 歓喜するダンテとは対称的に、コルベールの勇姿に気圧されるルイズとキュルケ。タバサはいつもと変わらぬ表情で現場を見ていた。 「凄いわね・・・」 「うん・・・」 「でも、アレはちょっと嫌・・・」 「う、うん・・・」
そういえば疾風のギトー先生はアニメ版に出てたっけ? し・え〜ん
「ソイヤ!」、「ソイヤ!」とアグニ&ルドラに景気良く振り回されるコルベール。 しかし、実戦経験があるとはいえ彼はメイジ。それに年齢も加えて、肉体の疲労が限界に近づこうとしていた。 「兄者、そろそろもたぬぞ」 「うむ、精神に反して何と脆い体よ」 コルベールを操るアグニ&ルドラに、ダンテが激を飛ばす。 「おいお前ら!ソッチはいいんだよ!あいつ等を何とかしろ!あいつ等を!!」 ダンテの指差すそこは、ゴーレムの頭上を囲む蝙蝠の群であった。 「兄者よ」 「よかろう」 コルベールは、アグニ&ルドラの柄頭を合体させた。 アグニは火、ルドラは風の属性。それらにコルベールの魔力が合わさる事によって、かのヘクサゴン・スペルに相当する現象が起った。 コルベールが合体したアグニ&ルドラを頭上で風車の様に回転させると、炎を纏った竜巻がゴーレムの足元から広がり、 それがゴーレムの全身をみるみる包み込んでいった。 「ったく!、やればできるんじゃねえか」 「すっごいわ・・・」 目の前に広がる炎の竜巻に唖然とするキュルケ達。 火を得意とする者はその炎に魅入り、風を得意とする者は吹き荒れる嵐に息を呑んだ。 ルイズは、これ程の規模の竜巻を出せる者は、唯一人を除いて誰も居ないと思っていた。 「これって・・・こんなのって・・母様のより凄いじゃないの!」 「「ハッァアア!!」」 コルベールの魔力に呼応し、アグニ&ルドラが雄叫びを上げると、竜巻は更に勢いを増し、 ゴーレムの周りにいたコウモリは残らず焼き尽くされてしまった。 アグニ&ルドラを握り締め、その場に立ち尽くすコルベール。 風車が双剣に戻ると、コルベールの両手からスルリと抜け落ち、一帯は再び静けさを取り戻した。
投下以上です。 フーケ編ですが、もうちょっと続きます。
コルベール操られてるw支援
乙でした。 コルベールエンジン扱いwww
>>887 Xメンのか?名前はケーブル
あいつにはテレキネシス・テレパシーの超能力持ちだし
さらに銃がなくても目からビームも出せるから
厨性能すぎてSS書きには難物だぞ
乙 なんかもうコルベール先生の扱いが だんだん酷くなってないか?
乙! コッパゲ大先生のサイドヘアーまでなくなっちゃう><
Otu!
>>915 そうか?すごくかっこいいと思ったけど…ややワイルドだが(w
そのうち、操られないバージョンのもっとすごい技をみせてくれる事を期待
銃と言ったら、いつもはただのヘタレ扱いされている眼鏡の小学5年生だろう、常考。 漫画界屈指を誇る神速かつ超精密の早撃ちだけじゃなくて、100sを超える重量の青狸を普通に背負って歩ける体力の持ち主なんだぞアイツ。 数々の大長編をガチで経験済みとするなら、踏んだ修羅場の数も半端じゃなくなるから銃抜きでもサイトより遥かに強い。 まして銃持たせたら、こないだの小ネタの如く少数相手の正面対決ではほぼ無敵だぞ。
>>919 問題は奴に殺しの十字架を背負えるか・・・か
そのうちアーカムみたいに魔人になれるかもねコッパゲ先生
>>919 そういえば夢の中の冒険で剣を扱ってた(扱われてた?)な。
顔面が陥没するほど殴られても死なないしな。
>>921 原作漫画版だと平気でやれそうな感じの時が多々あるな。それでもまだ未経験だけど。
>>924 野原しんのすけも、前が見えなくなるぐらい殴られてた件。
そして銃キャラといえばジーザス。
927 :
声:銀河万丈 :2008/02/12(火) 23:45:56 ID:DFtwKl2X
遺伝確率250億分の1の不死なる生命体は存在するのか? 謎の研究文書・コルベールファイルズの甘美なる誘惑。 膨大な、あまりにも膨大な鉄と命の意味なき損耗。 そう、これが戦争だ、これが使い魔だ!! ゼロの使い魔外伝・コルベールファイルズ。 今、異能の部隊が完成する。
>>926 それが俺の名だ――地獄に堕ちても忘れるな
銃と言ったらおっぱいリロードだろう
>>919 石器時代ではサーベルタイガー(200キロ近い猫科猛獣)の圧し掛かりを
片手で押し返してたしな…
精度最悪の銀玉鉄砲で鉛筆に当てたりもする
銃の精度すら無視する正確な射撃
ルーンが奴の潜在能力を引き出せば無敵
>>926 むしろそこは虎と言われると怒る人だr(ズキューン
ジーザスが召喚されたらハルケギニアはハードボイルドな世界になるなw 俺はトラブルの女神さまに惚れられてると自称してる奴だしな。
>>931 シエスタを取り返しにモット伯の屋敷を襲撃する処が容易に想像できるな
>933 モット伯死ぬって
ライドロンとかバトルホッパー呼ぼうぜ
いやここは光の巨人をだな
火縄銃か。 「死ぬことと見つけたり」の斎藤杢之助なんかもいいかもなあ。 主家の恥を雪ぐためならなんだってする人間ダイナマイト野郎だぞ。 「なんだってする」の程が過ぎすぎて、主の子とか孫とかでも 平気でぶっ殺そうとするところがアレだが(勿論、そのあと切腹) 未筆のラストで、水平線の彼方に泳いで消えていった、とあるので、 そこから召喚されるとか。 あー、でも、隆慶主人公なので、据え膳はガンガン食うから避難所かな…。
Blameの人復活せんかなあ
>>935 バトルホッパーを「ほーら、気持ちいいでしょー」と言いながらニコニコ笑顔で洗車するルイズを気持ち悪そうに見ているキュルケ。
>>936 ヒビノ・ミライならいいけど、モロボシ・ダンやおおとりゲン呼んだらリンチまがいの特訓を課せられそう。
「その目は何だ!その顔は、その涙は何だ!お前の涙で奴が倒せるのか!魔法が使えるのか!」
銃ねえ・・・アウトロースターのジーンなんてどうだ?
砂ぼうずだろ
龍騎の吾郎ちゃん最終決戦仕様(デッキ所持)をよn(フリーズベント
銃キャラか…… 英雄伝説空の軌跡からオリビエ召喚とか。
>>936 映画製作記念(上映は秋)にティガのダイゴを・・・
銃の話でマドラックスが出なくて絶望した まあ無敵BGMとかいろいろアレな感じはするけどね
早くも次スレの時期か
某サイトの夕映&アルベール・カモミール召喚ものの続きが見たい
>>777 の続きです。
>>783 さんのお叱りを受けて大急ぎで書きました。
一応構想は出来ていたので。
少々自信が無いのですが、投下します。
>>943 空の軌跡の銃キャラならジョゼットの方が好みだなー。
ボクッ娘ハァハァ
950 :
音速の使い魔 :2008/02/13(水) 00:31:41 ID:S8TDr3no
邪竜族との戦いに勝利したアデュー達リュー使いは再び各々の生活に戻っていった。 そして、アデューは旅を続ける事を選んだ。 途中でギャロップを休ませる為に寄った水場での休憩で、今までの旅の事を思い出していた。 いつも、つい張り合ってしまうライバルがいた。 熱くなって冷静さを失った時に宥めてくれる仲間がいた。 そして・・・心から守りたいと思う人がいた・・・・・・ 「みんな・・・・・」 そんな物思いに耽っていた為か、アデューの後ろに謎の鏡が現れた事にも気が付かなかった。 もう十分に休んだ、そろそろ出発しようと振り返った時に、初めてその鏡の存在に気付いた。 「へっ?」 そしてそのまま勢いで鏡の中に体ごと入り込んでしまった。 「な・・・・・なんだこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 「で、気が付いたらあの場所にいたと言うのね」 「ああ、話す事はこれで全部だよ」 「そんな・・・・別の世界から来たなんて・・・・・そんなの信じられ、ん?」 事のいきさつを全て話したアデューは「じゃあな」と一言残して部屋から立ち去ろうとしたが。 「ふべっ!」 まぬけな声を上げて仰向けに派手に転んだ。 ルイズにマントを捕まれたのだ。 「何するんだお前は! 危うく首が絞まりかけたぞ!」 「こっちのセリフよ! どこ行くつもりだったのよ!」 「帰る為の方法を探しに行くんだよ!」 「あんた私の話聞いてなかったの!? そんな魔法存在しないって言ったでしょ!」 そう、アデューが目覚めてからしばらくの間、互いに話し合い、それぞれの状況を整理したのだ。 それによってわかった事は
まぁ待て落ち着け 急がなくてもいいからじっくり反芻してから投下しろ
支援
953 :
音速の使い魔 :2008/02/13(水) 00:33:08 ID:S8TDr3no
・アデューはアースティアと呼ばれる月が一つで天まで届く巨大な剣の突き立つ世界にいた ・ここはハルケギニアと言う大陸にあるトリステインという名の王国の魔法学院である ・この世界では魔法を使えるのが貴族であり、魔法を使えないのが平民である ・アデューはサモンサーヴァントという魔法によってルイズの使い魔としてこの世界に呼ばれた ・逆に召喚した使い魔を元の場所に帰す魔法は存在しない ・召喚の儀式は神聖な儀式であり、やり直しは出来ない ・よってアデューは使い魔としてルイズに使えなければならない ・というかもう儀式は済ませてしまったので(不本意ではあるが)何がなんだろうと使い魔として働いてもらう 「ちょっと待て、まだ俺は使い魔になるという話を受けたつもりはないぞ!」 「とにかくやってもらわなきゃ私が困るの」 「へん、何で俺が気絶してる間に勝手に済まされた儀式に俺が賛同しなくちゃいけないんだよ。俺は自分で帰る方法を探しさせてもらうぜ」 と、その言葉を聞いたルイズが呆れたようなため息を吐いた。 「あ〜ら、なら勝手にどうぞ。で、どうやって見つけるの?」 「え・・・・そっそれは・・・・」 「行く当てはあるの?泊まる宿は決めてるの?そもそもここでの通貨は持ってるの?」 「うぐ・・・・」 「私の使い魔としてここに残るというのなら、食事と寝床ぐらいは用意してあげるわ」 ・・・・どうするアデュー? こんな子供にこき使われるなんて騎士としての誇りが許さない。 自分は人々を守るために騎士となったのだ。 だが、こいつの言う事にも一理ある。 自分は魔法によって呼び出されたと言っていた。 ならばアースティアに帰る方法もおそらく同じ魔法だろう。 少なくともここは魔法学院と言うくらいなのだからその手の専門家が多くいるだろうから、その人達に聞いていけばなんとかなるかもしれない。 外にはここ以上に魔法に関して調べられる様な場所があるという保証も無い。 となると、選べる選択肢は一つしかないではないか。 「わかったよ。アースティアへの帰り方がわかるまでの間、君の使い魔を引き受けるよ」 「だからそんな方法ないって言ってるのに、どうしわからないのかしら?」 「騎士道大原則ひとおおおおおおおおおおおおおつ!!!」 と、アデューはいきなりに人差し指を立てて叫びだした。 「騎士は、いかなる時も諦めてはならない!」 (・・・・・・・間違いない、こいつ真性のバカだ) ルイズのその評価はあながち間違いでもなかった。
954 :
音速の使い魔 :2008/02/13(水) 00:34:27 ID:S8TDr3no
「とにかく、今後は私に黙って勝手な行動を取らない事。そして私の言いつけはちゃんと守る事、いいわね」 「まあ、そんな心配するな。とにかくルイズを守ればいいんだろ?」 「それだけじゃないわよ。あと掃除洗濯雑用全部ね。あと呼ぶ時はご主人様と呼びなさい」 本来使い魔の役目は、主人の目となり耳となること、使い魔の望む秘薬の材料などを見つけてくること、主人を守ることの3つなのだが、前者の2つは不可能であるため、アデューにできるのは最後の主人を守るという事ぐらいだ。 が、それだけでは釣り合わないと、食事と寝床を供給する変わりに身の回りの世話をするという条件になったのだ。 元々1人旅をしていた自分にとってはいつもの事だと割り切ってその条件を飲んだのだ。 「でもこんなそんな剣で私を守るなんて出来るの? 黒い剣なんて見たことないけど、いかにもナマクラじゃない」 ルイズはアデューの背負っている剣を指差した。 アデューが気絶している時に抜いてみたらしい。 たしかにアデューの剣は刀身から柄までほとんどが黒一色となっているが、錆びているわけでもない。 一体どんな物質なのか、それすらもまったく予想がつかない。 少なくとも鉄ではないのは確かだ。 お世辞にも立派な剣とはいい難い。 唯一、柄に埋め込まれた緑色の宝石は、吸い込まれるような美しさをかもし出している。 「安心しろ。そこいらの剣よりよっぽどすごい剣だぜ」 アデューその剣を抜いて見せた。 数々の邪竜族を打ち倒した聖霊石の武具『聖騎士の剣』。 母から譲り受けて以来、ずっとアデューを守ってくれた最高の武器だ。 「それに俺の剣の腕だってかなりのもんだぜ、俺は昔こう呼ばれたんだ」 そう言って剣を鞘に収めて一呼吸置き、再び人差し指を立てて、 「音速のアデュー!」 と胸を張って誇らしげに言い放った。 「オンソクの?・・・」 「ああ、昔俺の剣を見た奴が言ったんだ。俺の剣は音速みたいに速いってな」 「へえ・・・それはすごいわね」 その声には全く信じていないという気持ちに満ち溢れていた。 が、当のアデューはそんな事は意に介さず、 「それに、俺はリュー使いだしな」 と、事のついでのように続けた。 「竜!? あんたドラゴンを操れるの」 今度のルイズは目を輝かせた。 竜を操る使い魔、これは以外と当りだったかもしれない。 「ドラゴン? そんなの操れるわけないだろ」 「はあ、でしょうね」 その言葉を聞いたルイズはがっくりと肩を落とした。 「でも、自分は竜使いだって言ったじゃない」 「リューはリューだ。ドラゴンとは違うだろ」 ・・・・・なんだろう、コイツと私との間に何か溝のような物が感じられる。 そのリューについて詳しく聞こうとした時。
955 :
音速の使い魔 :2008/02/13(水) 00:36:15 ID:S8TDr3no
「あ〜ら、お邪魔だったかしら?」 と、アデューの背後から別人の声がした。 ルイズは驚いた後に苦虫を噛み潰したような表情になった。 後ろを振り返ったとき、そこには一人の女が立っていた。 いや、美女と言うべきであろう。 胸元を大きくはだけた褐色赤髪の美女がそこにいた。 「何しに来たのよツェルプストー」 彼女はツェルプストーというようだ。 彼女の来訪はルイズにとってかなり不愉快な事であるらしい。 「うふふ、ちょっとその珍しい使い魔を見にね」 そう言ってアデューに顔を近づけた。 「ふ〜ん、よく見ると結構いい男じゃない」 さらに顔を近づける。 「ああ・・・・ええと・・・・」 美女が自分に迫ってくる。 アデューはこういった事態になれていない。 案の定顔を赤らめて目を泳がせて頬をポリポリと掻いている。 と、泳がせた目線の先にいた1匹の生物が目に止まった。 ・・・・・岩トカゲ? 「あら、あなたもこの子の価値がわかるの? ねえ見てこの鮮やかで大きい炎の尻尾。間違いなく火竜山脈のサラマンダーよ」 そう言ってさらに体を近づけて指まで絡ませてきた。 もはや狼狽して声も出せない。 さらに今度は耳元で囁きかけてきた 「ねえ、あなた騎士なんでしょ。私専属の護衛になってみない?」 「え!? えええ!!!???」 「ふふふ、少なくともヴァリエールの小娘よりは良い待遇で迎えるわよ」 「ちょっと! なに人の使い魔に色目使ってるのよ」 「あら 嫉妬してるの」 一方は怒りに満ちているが、もう一方はやたらと楽しげだ 「うるさいうるさいうるさい!!! とにかく私の使い魔に手を出さないで!!」 ツェルプストーと呼ばれた女性はそのルイズの様子を見て満足したみたいで、 「冗談よ。でも、そちらに気があるのならいつでも歓迎するわ。おいで、フレイム」 そういってアデューから離れ、フレイムと呼ばれた先ほどの生物も彼女に付き従った。 アデューは心の中で(それはもう冗談とは言わない)とひっそりと呟いた。 そうして彼女が部屋を出て行く間際、 「そうそう、自己紹介がまだだったわね。私はキュルケ。『微熱』のキュルケよ。よろしくね」 と、アデューにウィンクをして部屋を出て行った。 「ああムカツク! よりにもよってあの女使い魔にまで・・・いい!今後あの女に誘惑されても付いて行っちゃだめよ」 今までに無いほどの凄い剣幕だ。 元々ちゃんと使い魔となると約束した以上、そんなつもりは無かったが、ここまで言われて引き下がるのも癪であった。 「ちょっと待てよ!お前にそこまで言われる筋合いは・・・」 「い!!い!!わ!!ね!!」 「はい!!!!」 何故だろう。 何故自分は女の子に凄まれると断れないのだろう。 「はあ、疲れた。私はもう寝るわ」 そう言ってルイズは服を脱ぎ始めた。 「ちょっバカ! なに考えてるんだ!!俺がいる時に脱ぐなよ!」 アデューは思わず手で顔を覆った。 「いいじゃない、あんたは使い魔なんだから。あ、あんたは床で寝てね。はい、毛布。それで十分でしょ。あと明日になったらこれを・・・ん?」 アデューは毛布を持ったらすぐに部屋から飛び出してしまった。 「ちょっとこれ!・・・まあいっか。明日言えばいいんだし」 そのままルイズは毛布を被り、深い眠りに付いた。
956 :
音速の使い魔 :2008/02/13(水) 00:36:47 ID:S8TDr3no
「はあ、はあ、ホントにアイツは何考えてるんだ・・・・」 ドアを閉めアデューはそのまま座り込んでしまった。 幸い、この廊下は野宿よりはずっとマシだ。 ここで眠っても死ぬ事はないだろう。 だが、こんな日がずっと続くのかと思うと心穏やかではいられない。 このまま逃げてしまおうかとも考えたが、その考えはすぐに排除された。 アイツは確かに言った。 使い魔をやってもらわなきゃ困ると。 「騎士道大原則一つ、騎士は困っているを見捨ててはならない」 それが自分の信念なのだから。 「さて明日に備えて、俺も寝るか」 そうして自分の防具を外して寝る準備を始めた。 そして篭手を外した時、アデューは自分の異変に気が付いた。 「何だこれ?」 自分の左手の甲に見たことのない文字で描かれた紋様が浮かんでいた
957 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/13(水) 00:39:20 ID:UnrF5DMn
支援
959 :
音速の使い魔 :2008/02/13(水) 00:39:50 ID:S8TDr3no
以上です。 SS自体始めてなのでかなり御見苦しい文章ですが何とか試行錯誤の末にここまで書き上げました。 少なくともVSフーケまでは完成させようかなと考えております。
書き手に雑用を押し付けるのもなんだしな、俺が立ててくるわ。
乙かれー ・・・っと言いたいんだが 950踏んだ以上、次スレ立ててくれないと その、なんだ、困る
>>962 あ、すみません。
踏んだ事に今気付きました。
本当にありがとうございます。<(__)>
今後はちゃんと気をつけます。
DMC>>アグニとルドラって、仮初めだけど体在りませんでしたっけ? アレで暴れる選択肢は? 魔力も大気中に大量に浮かんでるんですし
う〜む、
>>1000 なら小ネタでアニメ版「うる星やつら」のメガネを召喚したくなったが、
あいつのキャラクターの驚くべき濃さと流れるような千葉節・押井節を文章によって再現できるほどの文才は俺にはない。
大体ラムがおらんと発狂しかねんからなあ、あいつ……。
>>965 俺も詳しく知ってるわけじゃないから、話半分で聞いて欲しいんだけど
仮の体はダンテに倒されてしまったわけだし、再生できないんじゃないのか?
再生出来るとしてもアグルドの基本的な行動指針として、『強い者、自らを上手く振るう者に仕える』
ってのがあるから、ダンテが存命してる内は基本として仮の肉体は使わないんじゃね?
今回みたいにダンテに危機が迫れば何らかの形で協力するだろうしね。
悪魔も泣き出す使い魔の人乙です。
>>965 俺も詳しく知ってるわけじゃないから、話半分で聞いて欲しいんだけど
仮の体はダンテに倒されてしまったわけだし、再生できないんじゃないのか?
再生出来るとしてもアグルドの基本的な行動指針として、『強い者、自らを上手く振るう者に仕える』
ってのがあるから、ダンテが存命してる内は基本として仮の肉体は使わないんじゃね?
今回みたいにダンテに危機が迫れば何らかの形で協力するだろうしね。
悪魔も泣き出す使い魔の人乙です。
うわ、エラーとかで 間違えて2重に書き込んでしまった。 すまん。
空の軌跡の銃弾ってクオーツ由来(の光弾)? それともクオーツの力で鉛玉を打ち出してるのかな?
空の軌跡なら3rdの話の前のケビンを召喚をみたいなぁ
どっちかわかんねーけど、光弾のがいいかなぁ そしてガトリングロリを召喚してください
技術者つながりでコッパゲと意気投合してなにやらカオスな展開に行きそうな予感がするw
空の軌跡の銃弾は動力源が違うだけで鉛弾。火薬式より連射が可能で扱いやすい。威力は同じぐらい。
>>966 そこは力技改変でルイズ命にして・・・
トリステインでビューティフルドリーマーやるのか
ちなみに、レーザー系もあるが拳銃は大抵鉛。 ロリのガトリングは火薬式で現代あるのと同じようなの
銃使い…シュヴァルツ・カッツェとか北極燕を思い出したのは俺だけで良い。
まぁ、ロリなら弾丸作り出してもおどろかねー、と思うのは俺だけダロウケド
獅子王麗雄博士を木星での死の間際召喚 ついでに背後霊状態の奥さんの意識体ofザ・パワー付き とかやったら色々やってくれそうだ
>>979 ガオガイガーからなら遊星主戦後のGGG全員召喚とか機界31原種召喚とかのほうが
>>980 らめぇぇぇ!機界31原種なんて、召喚しちゃらめぇぇぇ!!
ハルケギニア滅んじゃうのぉぉぉ!!!
大丈夫、滅ばない。 ちょっと機界昇華されるだけ。
基礎テクノロジーが有った上でのギャレオンの先触れがあったからこそのGGGであり 原種大戦なのに原種だけいきなり呼んじまったら 下手すりゃ数時間単位で機械昇華即滅亡じゃねえか
いっそのことギャレオン召喚して…… ハルケギニア=レプリ地球 双月の片方=ピサ・ソール ブリミル=カイン 竜の羽衣=ジェネシックマシン
>>977 なんという一撃必殺即死武士道ゲーム
懐かし過ぎる
987 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/13(水) 06:46:30 ID:TNHsxaPq
umeage
銃使いと言えば闘神伝のヴァーミリオン
サイヤの使い魔、スレが埋め立てられる前に少しだけ、 アルビオンのニューカッスルまで一直線、リンディさん以来の快挙だ! と思ったら、腹が減ったのでラ・ロシェールまでとんぼ返りw あっちが政治的判断とか色々していたのに、悟空たちはそういうのない、 ある意味さすが悟空といった所かwww、こういう違いも面白い。
亀だが
>>834 超がんばれ。
俺も書こうとしたんだが、頭の中で構想を練ってもギュスさまのセリフが思い描けず挫折したoTL
熱気バサラ召喚で構想を練っているが対フーケ戦をどう解決しようかと悩む日々 ギーシュ戦やアルビオン編辺りならまだ思いつくんだけどなぁ…
何故原作と同じ展開にしようとするのか分からん。 悩むならそのイベントが起きないように書くもんだと思うけど。
埋め立て開始。
1000ならPSOからダーク・ファルスが呼び出される。 ルイズは媒体に。
1000ならSO1からドーン召喚。 特技無しでも活躍の場あります。
1000なら止まっているSSの続き書く
1000ならロスト・ユニバースからケイン一行を召喚
1000ならケインはケインでもロボコップ2のケインを召喚
1000ならタバサの冒険から地下水召喚
1000なら食い物を召喚
1001 :
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