【ジョジョ】ゼロの奇妙な使い魔【召喚78人目】

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1名無しさん@お腹いっぱい。
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【orz】http://orz.2ch.io/top.html
【iMona】http://imona.net/
     _      ここは「ゼロの使い魔」と「ジョジョの奇妙な冒険」のクロスSSスレよ。
    〃 ` ヽ     他にも避難所にしか掲載されてないSSとかもあるから一度見てみなさい 
    l lf小从} l /    投下中は空気読んで支援しなさいよ 荒らしはスルーだかんね
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/     職人さんは荒らし防止にトリップを付けてよね
  ((/} )犬({つ'      次スレは900か950を踏んだ人が立てること
   / '"/_jl〉` j      480KBを超えた場合も立てるのよ。 わかった?
   ヽ_/ィヘ_)〜′

【ジョジョ】ゼロの奇妙な使い魔【召喚77人目】
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1200743296/

●まとめサイト                               ,〜'´  ̄ヽ
http://www22.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1.html         ミハ^^ヽヽ(  | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
●避難所.                           ____. -' ヽル::::д)ζ <批判は避難所だ!君の意見を聞こうッ!
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9292/     =='、 ̄ニ|::... . . . . ...::::: :: ::〉:::.:ヽ     |_________________
●ジョジョの奇妙なAA集               ' ´   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`!:::::::::::.. :i
ttp://jojoaa.web.fc2.com/                         `y::::::. ::ト、
●ジョジョスレUPローダ                            〉::::::::. .::`ヽ
ttp://vblave.hp.infoseek.co.jp/                        ハ:::::::: ..:λ:i
●アニメAA保管庫 ゼロの使い魔ページ                /:::::::::: .:/::::i´
ttp://aa.tamanegi.org/anime/zero-tsukaima/
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*スレ運営について意見のある方は運営議論スレへどうぞ    . *
*http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9292/1184936505/ *
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2名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 06:03:26 ID:7BKplK1l
第一部+第二部
ジョナサン 卿 ブラフォード シュトロハイム シーザー スケコマシーザー
究極生命体カーズ様 ワムウ様 スト様 石仮面+ブルりん+吸血馬

第三部
承太郎 法皇花京院 一巡花京院+平賀才人 メロン花京院
ジョセフ アブドゥル ポルナレフ イギー 
DIO様 ンドゥール ペットショップ ヴァニラ・アイス ホル・ホース
ダービー兄 ミドラー デーボ エンヤ婆 アヌビス神 ボインゴ 

第四部
東方仗助 仗助+トニオさん 広瀬康一 アンリエッタの康一 虹村億泰 ミキタカ+etc 間田
シンデレラ カトレアのトニオさん 岸辺露伴 静(アクトン・ベイビー)+露伴
デッドマン吉良 猫草 キラー・クイーン 猫→猫草

第五部
ブチャラティ ポルナレフ+ココ・ジャンボ(亀ナレフ) アバ茶 ナラ・アバ・ブチャ組
ルイズトリッシュ マルコトリッシュ ナンテコッタ・フーゴ アバ+才人 ジョルノ  ミスタ
ディアボロとドッピオ プロシュートの兄貴 リゾット ローリングストーン 偉大兄貴
ギアッチョ メローネ 俺TUEEEディアボロ ペッシ ホルマジオ スクアーロ
暗殺チーム全員 紫煙+緑日 ブラック・サバス セッコ 亀ナレフ+ジョルノ イルーゾォ
サーレー

第六部
引力徐倫 星を見た徐倫 F・F アナスイ ウェザー エルメェス エンポリオ ヘビー・ウェザー
プッチ神父 帽子 ホワイトスネイク 白蛇ホワイトスネイク

SBR
ジャイロ+才人 ジョニィ マイク・O
リンゴォ マウンテン・ティム Dio

バオー+その他
橋沢育郎 バオー犬 味見コンビ(露伴+ブチャ) 決闘ギーシュ タバサの奇妙なダンジョン ジョナサン+才人 銃は杖よりも強し(ホル・ホース)
3名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 06:08:24 ID:7BKplK1l
・行数は最大で60行。 一行につき全角で128文字まで。
・一度に書き込めるのは4096Byts、全角だと2048文字分。
・専用ブラウザなら文字数、行数を管理してくれるので目安がつけやすいかも。
・先頭行が改行だけで22行を超えると、投下した文章がエラー無しにザ・ハンドされます。 空白だけでも入れて下さい。
4名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 08:27:42 ID:iL6nKbDt
\\   First kiss か ら 始 ま る ふ た り の 恋 の              //
  \\   H I S T R Y Y Y Y Y Y Y Y Y Y Y Y Y Y Y !    //
   \\       こ の 運 命 に 魔 法 か け た             //
     \\ 君 が 突 然 あ ら わ れ た ァ ァ ―――z___  ッ! //
             ,ィ =个=、      _        _         _       ,。='゚=。、
    〃  ̄ ヘ   〈_/´ ̄ `ヽ    〃 ` ヽ.    〃  ^ヽ   〃 `´`ヽ.    〃了⌒ヽ
   くリ 7"バlキ〉>∩ { {_jイ」/j」!〉∩  l lf小从} l∩.   J{  ハ从{_,∩ {lヽ从从ノl∩.  ノ {_八ノノリ、∩
    トlミ| ゚ー゚ノlミ| 彡. ヽl| ゚ ヮ゚ノj| 彡 ノハ{*゚ヮ゚ノハ彡  ノルノー゚ノjし彡 ヾヘ(゚)-゚イリ彡 (( リ ゚ヮ゚ノノ))彡 >>1 ディ・モールト 乙ゥ!
.    /ミ/ノ水i⊂彡  ⊂j{不}l⊂彡 ((/} )犬⊂彡.   /く{ {丈}⊂彡   /_ノ水⊂彡   /ノOV⊂彡
     / く/_jl ハ.   く7 {_}ハ>    ./"く/_jl〉`'l   l く/_jlム! |    }J/__jl〉」.   (7}ヽ/∧
   .ん'、じ'フ .ノ   ,,,,‘ーrtァー’  ,,,,,,んーし'ノ-,ノ   レ-ヘじフ〜l   ノんi_j_jハ_〉    /__ ノ_j

  ,,-''´  ̄ヽ   ミ 乂 彡    |!i!ii| ∩.   ,、 、   (⌒⌒⌒⌒)   /⌒⌒ミ      __
  ミハ^^ヽヽ(∩ =0o◎o0∩  (;゚Д゚)彡  ,ヘハ@ヘ∩. ( △ △∩ _|_Joミ|∩ (ミミ彡 ミ∩
  ル ゚∀゚)ζ彡 さ `Д´)彡 .  (  ⊂彡.   ゞ ゚∀゚)彡  (/ ・∀・彡   ( ´∀`)彡   ( `∀´)彡
  (  ⊂彡゛    (  ⊂彡    |   |    ( ノ::⊂彡  (  ⊂彡.    (  ⊂彡.   (  ⊂彡.
   |   |      |   | .   し ⌒J.   │  │ .  |   |      |   |     |   |
   し ⌒J.     し ⌒J             し ⌒J.    し ⌒J.     し ⌒J.    し ⌒J
5名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 09:59:11 ID:bJNdp6lh
            H  /y'
        /ヽ  H  /y'                  
         /`  }_ ヽTァr-,、       /7に仁二仁二仁ィ7
        /   |こ=y7 ̄`ヽ>、   /7        //
      /   } ,,{ペ.f!{    ,ノソ  ノ丿       xく/
     ./ヽ  ,j} jf}气`ハ、  ,H  />'      /> '′
    |{ハ}} ,,ィリ州|い{,mヾコエ>゙ /7      /7′
     |ルjム=.' iif !ケy ,==ミ、_,/>'     ノ7′         ;′
     k<.9ノリ jリ|ひ!((.・>.)!┴'゙      「 }          /|
    __|77ァ''´   |Y,ィ`ァ'-ヘ         ゝ`仁二仁二仁二シ
  _r'「{|,;if|'   j; ビ了父ィソ ,/y  
 /_,>ィ|,fリ     |,八八/^′/y'zZ   こ、これは>>1乙じゃなくて
 |__/ム|イ    ,イ}|ゾY^ンYメYイ ⌒ヽ   血管針なんだから
  ,.く::7ト,    州こ^ニ^/⌒ヾィ´    勘違いしないでよね!
/;゙ `>| W! _,,ィ化儿>'⌒ヾ/.:: /;l
f.::::,ィl{{リヾ比"  jf|}y' `ヾ//.:::: /;f}}
 / ,ノ| f|\V"l; |7 `ミ/^!/.::::: /,,,,,,
f{G/| {{V,ハ wリト~ミ八/.:::::: /,;;;;;;;;
6名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 10:31:05 ID:DVfumwU+
            , -―  ――-、
             /に    (ニ==\
         //')      に二) (ヽ   新スレを立てやがったなッ!
         〃____,r^)__,r、(ニユ|  よく立ててくれたよなぁぁぁぁぁぁ
         i!   ● / /●  ヾヽヽ,!      >>1乙!!
          ヽニ⊃,// ⊂⊃}:}ソi   
        /⌒ヽ__ ヘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~/⌒ヽ  
      \ /:::::  >,、 __, イァ/   /   そして「破面のルイズ」の後半は避難所に投下されてるぜ! ←ここ重要
.          \     |三/ []「/__ /
         `ヽ「ミヾr‐ 、[]「ヾ三/


            , -―  ――-、
             /に   u (ニ==\   …破面?…は違う…
         //')  u    に二) (ヽ  うぐぐ………
         〃____,r^)__,r、(ニユ|  仮性…じゃない……
         i!   ● / /● uヾヽヽ,!  覇道でもなくて……
          ヽニ⊃,// ⊂⊃}:}ソi
           ヘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~`=ーノ
           /⌒l,、 __, イー-<
.          /lilili/ |三/^ oOo,ヽ
          |三 lキヾr-、[] 「! (ニ }

7名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 11:12:04 ID:ItvIRFNk
仮面の人GJ!
このリッシュモンは一味違うな
8名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 12:41:02 ID:lzGxBmhe
            _. -=ニ::_Z ̄ニ=-  .._
        / (:_: ;r'": :/:: ̄:7''ヽ:,r': ̄`ヽ、
        /: : : : : :ヽ、:_(_: : : (:: : : :\,r=‐':"⌒ヽ._
      / : : : : : ; ': : : : : : ̄::ヽ、__/: : : : : l: : :/ミノ
     ' : : : : : / : : : : : : :__:ヽ_: /:: :l: :l: : : : l : ゙‐'ヽ
     l: : : : : :;' : : : : : : (((//゙ハ、 : l: :l : : : l: : : l : ',
.    l: : : : : :l: : : : : : : : : : : :`Vノ : l: :l: : : ,' : : ;': l:ll
    l: : : : : :l: : : : : : : : : : : l: :/:l :l: :l: :l:: :/ /::/: :;リ|   >>6
    l: : : : : :l : : : : : : : : : : l: :l::ノ: }: :} l / /::/レj:/::|   ……お面か?
.     l: : : : : l: : : : : : : : : : :l: :|/_;イ_;イ_;リ、// .ノ/:|
     '; : : : : l: : : : : : : : : ::l: :|ニニ ‐--ミ`' } ,ィチj゙ :|   ちなみに俺も仮性だったが
    /´ヽ: : : :l; : : : : : : : : :l: :|z't'ツ"_>`` '" {^~ |: :|   スタンドを使って立派な大人になれたがな
  / ¶′\: :ll : : : : : : : : l: :| `~¨´ (::"′   ',ノl: :j   
,r‐{   , \ll : : : : : : : :l: :| :.           ∨ノ:|
  ! ¶′',  r、\: : : : :::::l: :| :.      .._ /´): :l
 ¶′   \ ヾ>、\: : : ll: :|  :.       __-了:/::;'
エエエュ┬r 、\ `ヾ>、\:ll: :|   :   ‐.._'´¨´ノ:/::/
―‐ - 、 ̄`<〉、 ヽ、._`^‐-\ト 、 :      ̄「V/
 ¶′   \ `<〉、 \` ー==┬''^ヽ、 ...__ ノ
   ¶′  \ `〈>、 ヽ`:r'"||  ,タ ¶ }
¶′    ¶′ヽ  `〈>、ヽ i || ,タ  /
9名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 13:43:41 ID:ukrDhi9C
ちょwwブチャラティ自重wwww
ともかく >>1
10名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 13:51:32 ID:DVfumwU+
>>8            , -―  ――-、
             /に    (ニ==\  
         //')      に二) (ヽ 
         〃____,r^)__,r、(ニユ|  ………………。
         i!   ◯ / /◯  ヾヽヽ,!
          ヽニ⊃,// ⊂⊃}:}ソi
           ヘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~`=ーノ
           /⌒l,、 __, イー-<
.          /lilili/ |三/^ oOo,ヽ
          |三 lキヾr-、[] 「! (ニ }


            , -―  ――┛┗
             /に    (ニニ┓┏ 
         //')  u   に二) (ヽ  仮面だろうがよオオオォォォッ!! 
         〃____,r^)__,r、(ニユ|  その上なに下品なこと口走ってんだ
         i!  ●`' ./ /´●uヾヽヽ,!  オメーはよオオオォォォッ!
          ヽニ⊃,// ⊂⊃}:}ソi 
        /⌒ヽ__ ヘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~/⌒ヽ
      \ /:::::  >,、 __, イァ/   /
.          \     |三/ []「/__ /   
         `ヽ「ミヾr‐ 、[]「ヾ三/ 


11名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 14:41:34 ID:85CZONq3
『破面』だったら全然別作品になっちまうがよォォオオーーーッ!!
12名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 14:43:43 ID:h69uvohV
           ______
       ,, -‐''"´XXXXXXXXX\
     /XXXXXXXXXXXXXXXX::::ヽ
     '、ゝ--XXXXXX__,-ー´ゝ::::::::::ヽ
     `ーニ三三三_,,-ー"ヽ:::::::::::::::|
           i  ⌒   ⌒/::::::::::::|
           |  ●    ●ヽ_/´ヽ  >>1乙っスよォ〜
          ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ fソ
        /⌒ヽ__ ヘ   ゝ._)   j /⌒i
      \ /:::::;ヘ >,、 __  イァ/  /
.        /:::::/  @ヾ:::|三/::{ヘ、__∧
13名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 14:59:11 ID:lzGxBmhe
>>10
前々スレで部下に説教されて、新境地としてしぇっこさんをツッコミ役にしたくてやった
今は反省している

……『新境地を開拓する』、『下品さを抑える』、両方やらなきゃいけないのが俺の辛いところだな
14名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 19:26:29 ID:mY50BQHO


    ∩   ∩
     |-|  |-|
.    |ー|  |ー|        厂 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄⌒ヽ
   ,r|ー|ニニ|ー|、     /             |
  .,<X;|ー|'つ|ー|X>、   |  お れ の 名 は  |
  {ニ{ス!ーl;;;;;;!ーl、.,E}     |  ペ イ ジ         |
  {ニ}ハ'⌒M⌒'ハ_E}     |             /
_,{゙人゚,>;兀;<.゚人゙}   _,厶.________,/
ノ兀ヽ``゚i};' {f゚" ,ノ-r;ァァ7
f二フハ.n,|;'; |J/|⌒ヽ`ヾ(
⌒Ytf| |0{;'; ,};;| |⌒Y;{0ヽ、
..::シ ,人.ト(_)イノ}::`)爪`、:.`
⌒ヾ" :::V^^V ,ノ⌒Y丶ヽ::.
..:::ノ ̄`'ー'゙ ̄`ー '^::::..ヽ::
15名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 19:29:37 ID:DEMSeneq
    |┃三            r彳云ヽ、
    |┃三          , -イ。弋ソ__ 二ミヽ/\         人
    |┃         _//> ´ ̄      ̄  ̄ ̄¨ヽ、    `Y´
    |┃       /\//        \       ',
    |┃ ≡    /| fV/          ノ\.      |  _!_
    |┃     / |_∨  /  /  /   /  ヽ. ! |  | |   !
    |┃     | /    |  /,.⊥L  /  r十|ト!、|  ! |  :
    |┃三    |{     !ィ爪 ∨\  !  _」_// / 人リ   ;
    |┃     !ヘ ヽ  ヽ| V,ィ≠ト ヽ !  {f イ|∨/  \   +       ____
    |┃     | \| \__∨|{__,イ}.    弋rリ イ     ヽ   :    /
    |┃     /   !  \弋_rり      ̄::: {     } |   ;  < アンリエッタ
    |┃ ≡  / ,   {     \:::::     `   人.   //|.|  _!_  \ 
    |┃    |/| | ハ     ヽ   r _ア  , イ   // リ   i      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    |┃三    |! | ト、 ト、     > 、 _ ィi |   /!/
    |┃      \! メ::::\!\  }ー-rく{ } |   |-- 、__
    |┃         ̄ >ー-へ |_::| |:: :||:::!\从::::::::::::ヽ
    |┃ ≡      /::::::::::::::::::∨:::r----r‐rr‐<_::::ヽ::::::::\  ガラッ
16名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 19:54:53 ID:Y8RpflsC
         _..  - ―‐ - ._
        , '"          \
      /"レ'/  /\_. へ、 ∧lヽ
     / /´ {/ノノ ,ィ爪Yハ`′  ',
   /  / // ノ´    ヽ ', l
   |  /   //   :    ', l |    
   | l| l  /     .::     ,,l !l |  
   |l |l |  ド==、、::  ,r='"-| ! |    
  ノ|| |l l  |t‐t・ッテ,  ィrt・ッラ|l  |         厂 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄⌒ヽ
≦ノノll│ |  |. ´¨~〃 .,,_ ヾ~´ .|l lト、       /             |
_./ノ|l | |  l:.   ゙:. ′゙    ,'|l l|ヽヾニ=‐    |  アバッキオ      |
‐''"ノ| | |  ト、     `''"__  /:l  l\ー-`ニ=-   |             /
:::´ノ,l li l  | ヽ、 '‐ニ-'' ,イ:::l  lヾミヽ::l     ,厶.________,/
:::‐"/ / ハ l  | ヽ ヽ、._"_/ l:::! l`ヽ、`二>‐ 
:::::/ノ/ } i l― -、ヾ三/ __ll l::::::::::::::`>― ---- 、
::::"´:::::::;.' ノ、 ', ⊂) 〈フフ  _,l l::::::::::::r'´ /¨>'"  )
:::::::::::::://::| ヽ ⊂⊃ノ7 '"´l _l. ― 、`='-、/( _,∠ヽ
:::::::::/´:::(cl=  ⊂二ノ   ,r'‐、  ‐= }   `ヽ |   }
:::::::::::::::::::::::`l   ⊆¨l  ハ __ノ} <l ,' ⊂) 〈フフ\-‐'´}
::::::⊂) 〈フフ:::l    ⊂ 」  { `¨´ l_> / ⊂⊃ノ7  ヽ/}
::::⊂⊃ノ7:(cl"´┌i 00 V ム Δ /   ⊂二ノ    l/}
::::⊂二ノ:::::::::l`⊂ ⊃   {` ー''"     ⊆¨l   l/
:::::::::::⊆¨l::::::::l (フl」<)=、‐-∨⌒ヽ     ⊂ 」   /
 ̄ ̄⊂ 」 ̄ ̄ ̄r'rブノ   `  ',   ┌i 00 // ̄ ̄
  ┌i 00'" ̄ ̄} }} ̄ ¨''‐、____ノ_  ⊂ ⊃ //
  ⊂ ⊃ |`` ========''"r==、ヽ-(フl.」<)‐'´



   /             |
   |  お れ の 名 は  |
  
  
 

17名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 20:00:21 ID:242bOPgI
       /                  \
     /  /             \     ヽ      
    /イ  /     !           \    ',
 .   i!./! /     !    \.       \.   !        ______
    / .| !    ! ∧ !    ヽ   \   \ | /
    ! | |    |__| \|\.    !   _,! \ ヽ ! <  エレオノール
    | | /!∧  _|_`ト、  \ ,斗七´___!  ヽ\八 \
    | V i| ヽr个弋ふト ヽ ∨, ィ埒リ 个 、 |   \  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   /    |  | \  ´¨´ >=く  ´ ̄  !ィ´  !    \
 /    /|  ∨ハ ` ‐‐'´  i  `ー‐ 个 \ |\    \
/   /  |    ヘ、    _ __,    /    ∨  \    \
   /   /     | > 、_     r</     |    \    \
  /   /      |―へ__r=くr┴‐|     \    \.    \
 厶-―;/       |::_,/_:|::::!:::|::::::::::|       \_   ヽ    )
./   /       /´:::/::弋」_ノ!:::::::::|        \ \  |   /
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18名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 20:34:15 ID:v9IKWQ7v
お前らAAばっか貼ってスレ容量圧迫すんなよ
19名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 20:34:47 ID:bJNdp6lh
ごめん
20名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 21:01:36 ID:X+qKVL+p
じゃ、これで最後だ

       _.,_
    __r'⌒   =ミ`ー-、_
    _ゝ´'' ,=@  ミ  i =', 1乙ではあるが
    〉   ノ〃 彡m、ィリ>'彡
   _シリツ ノノリイシl }ニヾミ、;;)  100スレ到達はまだかね?
    〉::::rイ ッ'モテヽ}レtテ jイ´
    ゙):::lt|:l、. ‐ / ; |`¨ ,リ   ,,,,,,,,,,
    ソ:l゙(:}     ツ  /   |!i!ii!i|    ミ`ー'´ヽ
    ヾ! :l  〈,r~云゙) j   ( 。_。).  ( 。_。)ζ
    ||:::::::\  .彡 /    /<▽>  /<▽>
    ||::/ <ヽ`π'>\  |::::::;;;;::/  |::::::;;;;::/
    ||::|   <ヽ/>.- |. |:と),__」   |:と),__」
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  \  \__(久)__/_\::::::|    |:::::::|
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  .|| ゙ヽ i    ハ i ハ i ハ i ハ |   し'_つ
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21ねことダメなまほうつかい:2008/02/07(木) 21:28:54 ID:vPh6H0rK
いまから投下します。
22名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 21:29:11 ID:JKC0dIj5
ねこさん支援!!
23ねことダメなまほうつかい:2008/02/07(木) 21:30:16 ID:vPh6H0rK
 船の上でルイズとギーシュはふたり並んで夜空を眺めていました。
 きれいな星空に猫草もおおはしゃぎです。
 そうして眺めているとギーシュはクシュンとくしゃみをして寒そうにからだを震わせました。
 先ほどのワルド子爵との戦いでマントをなくしてしまったので彼はシャツ一枚だけなのです。
 寒そうなギーシュを見て、ルイズは頬を赤くしながらマントを開きました。

「し、し、し、仕方ないわね、わ、わたしのマントに、い、い、入れてあげてもいいわ!」
「ありがとう、ミス・ヴァリエー……あれ?急に寒くなくなったぞ」
 
 ギーシュが手を伸ばすと見えない何かに触れました。
 それは猫草が作った空気の球でした。
 寒そうにしているギーシュを見て、珍しく気を利かせた猫草が空気の球で包んだのです。
 猫草はマントを開いたまま固まっているルイズをふしぎそうな顔で見ていましたが、
 やがて見飽きたのか葉っぱの手で顔を洗いはじめました。
 そんなルイズをキュルケがおもしろそうに見ていると、となりで静かに本を読んでいた
 タバサが顔を上げてキュルケにはなしかけました。
24ねことダメなまほうつかい:2008/02/07(木) 21:31:28 ID:vPh6H0rK
「なぜ?」
「あ?ああ、ルイズについてきた理由か?」

 小さくうなずくタバサのあたまを撫でながらキュルケは星空を見上げました。

 召喚の儀式が終わったあと、キュルケは実家からの迎えの馬車に乗っていたのですが、
 その馬車が人を轢いてしまいました。
 轢かれた人は死んでしまい、たまたま通りかかった衛兵にキュルケは捕まって裁判も受けれずに
 監獄に入れられてしまいます。
 ですが、それはキュルケの父親のライバルが仕掛けた罠でした。
 馬車に轢かれた人は、はじめから死んでいたのです。
 キュルケの実家があるゲルマニアという国は、お金があれば誰でも貴族になれるのですが、
 とても競争が激しく、誰もがのし上がろうとライバルの弱みを探っています。
 キュルケの実家に弱みはありませんでしたが、そのライバルは弱みがなければ作ってしまおうと考え、
 娘である彼女を狙ったのです。
 キュルケもそれはわかっていたので、すぐに父親が助けてくれるだろうと心配していませんでしたが、
 彼女の入れられた監獄は貴族が入るところではなく平民のための監獄でした。

「ツェルプストー?んなこたぁシラネェーんだよ!」
「気にくわねぇんだよなぁ〜貴族のお嬢様よぉ〜」

 監獄の中に杖は持ち込めないので魔法は使えません。
 魔法の使えないキュルケはひよわな貴族ですので平民に勝てませんでした。
 そして、多くの平民は貴族が嫌いなのでキュルケはまわりからいじめられました。
 キュルケを狙ったライバルの本当の目的は彼女のこころをヘシ折ることだったのです。
25名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 21:31:36 ID:qv3KxwZE
ここって即死判定どれくらいなの?
26名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 21:31:59 ID:qv3KxwZE
おっとねこちゃんだー支援
27ねことダメなまほうつかい:2008/02/07(木) 21:32:52 ID:vPh6H0rK
 キュルケは監獄でみじめな生活を送りました。
 食事にゴキブリを入れられたりツバを吐かれたりするので食べれません。
 油断をすると殴られたり蹴られたりするので満足に眠ることもできませんでした。
 キュルケは誰もいないところでひざを抱えて泣きました。

「うぐっ…ひっく……かえりたい……ママにあいたい……」

 そうして泣いていると今までの疲れがでたのかウトウトして眠ってしまいました。
 彼女は夢を見ました。
 魔法学院で楽しく暮らしていたころの夢です。
 夢の中で多くの恋人にかこまれながら食事をしたり、部屋で静かにジグソーパズルを組み立てたり、 
 ハープで好きな曲を思うまま奏でたりしました。
 そして、キュルケはひとりの少女に出会いました。 

「やーいゼロのルイズ!魔法が使えないダメルイズ!」
「さっさと学院やめちまえー!!」

 まわりの生徒にいじめられているルイズの顔を見たところでキュルケは目が覚めました。

 キュルケが目覚めるとあたりは暗くなっていました。
 そして、彼女は静かに立ち上がり夢で見たルイズの姿を思い返して小さく呟きました。

「負けられない…ルイズにだけは……絶対にッ!!」

 ルイズはずっといまの自分のような気持ちで暮らしてきたのです。
 この監獄での生活に耐えられなければルイズに負けたことと同じとキュルケは思いました。
 そして、彼女は強くなってやると決意したのです。
28ねことダメなまほうつかい:2008/02/07(木) 21:34:22 ID:vPh6H0rK
 キュルケが最初にしたことは武器を手に入れることでした。
 彼女は捕まっているので杖や刃物を持つことは許されていませんでしたが、最も身近にあって、
 信頼できる、誰でも持っているものがあります。
 それは、自分の肉体でした。
 キュルケはいじめられながらも、必死にからだを鍛えました。
 今まで食べられなかった食事もからだとこころを鍛えるために平気で食べるようになりました。
 そうした努力の結果、もともと才能があったおかげでもありますが、わずか数日で彼女は誰にも負けない
 強いからだを手に入れました。
 そしてキュルケは監獄のボスである、回転する刃を持ち、体温以下になると固まる特別製の食べ物を
 武器にする大きな女と戦ったり、なんでも食べるアリを使う女の殺し屋などに襲われたりしましたが、
 傷つきながらもキュルケはその全員を人生からリタイアさせてしまいました。
 そして、彼女は監獄のボスとして君臨することになりました。
 それからしばらくしてライバルを倒した父親からの迎えが来て、キュルケは泣いて喜ぶ平民たちに
 見送られながら監獄を出て魔法学院に戻ったのです。
 
「ま、アタシなりに借りを返そうって思ったワケよ」
「…………………………そう」

 タバサはそういってからキュルケを見つめました。
 そして、もし自分だったらどうするのかと考えましたが、あまり考えたくない結末になってしまったので
 すべてを忘れることにしました。
 タバサも女性なので、ちびっ子マッスルにはなりたくないのです。 
29名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 21:35:17 ID:jwTyinba
キュルケがなんだが徐倫に見えてきた支援
30ねことダメなまほうつかい:2008/02/07(木) 21:35:20 ID:vPh6H0rK
「貴族様方、甲板はお寒いでしょうから船室に入られてはいかがですか?」
「そ、そうねそうしましょう」

 ルイズはひとり気まずい雰囲気になっていたのでその言葉にうなずきます。
 そして、船員のひとりに案内されてルイズたちは船の中に入っていきました。
  
「へぇ〜まあまあの部屋じゃない」
「おい!ワインがあるぜ!!」

 案内された部屋の中には温められたワインと人数分のグラスが用意されていました。
 ルイズたちのからだは冷えきっていたので、さっそくワインを飲もうとします。
 ですが、タバサがそれを止めてディティクト・マジックという魔法でワインを調べました。
 この魔法はキラキラ光る粉で魔法がかかっているかどうかを調べる魔法です。 

「このワインは大丈夫」
「ミス・タバサは心配性だなあ」

 ワインの安全を確認したのでギーシュが栓を開けようとしましたが、猫草がフ〜ッと唸って
 空気弾を撃ってビンを割ってしまいます。
 これにはみんなおどろいて怒りましたが、アニエスはなにかに気づいて残ったワインを
 少しだけなめてから吐き出しました。

「これは…眠り薬!!」 
「え?だってさっき魔法で調べたじゃない」
「魔法の薬じゃない…迂闊」
 
 ワインには魔法薬ではなく平民用の薬が入っていたのです。
 これは魔法を使っていないのでディティクト・マジックには引っかかりません。
 この船の船員たちの商売相手はレコン・キスタでした。
 船員たちはルイズたちがアンリエッタ姫からの任務でアルビオン王国に行くことを酒場の騒ぎで知りました。
 そして、レコン・キスタからのお礼目当てでルイズたちを捕まえようとしてワインに眠り薬を入れたのです。
 自分たちのピンチを救ってくれた猫草をルイズたちは褒めてあげました。
 ですから、一匹のハエが部屋の中にいることには誰も気づかなかったのです。 
31名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 21:36:01 ID:JKC0dIj5
凄い人生送ってたー!
そりゃマッチョにもなるわー!支援
32ねことダメなまほうつかい:2008/02/07(木) 21:36:47 ID:vPh6H0rK
「それで、これからどうするんだい?」
「決まってんだろーがッ!船から脱出だ!アルビオンにはシルフィードで行く!!」
 
 キュルケを先頭にルイズたちは部屋から出たところで奇妙な男たちに出会いました。
 たくさんのヘビをあたまに乗せたものや、ナイフを持ち口ひげを生やした紳士風の男、
 黒いよろいを着て剣を持った騎士のような格好の男など、あまりにも個性的すぎる集団です。
 その中の無精ヒゲを生やし、左の目に眼帯をまいた派手な格好の男が前に出てきました。
 ルイズを守ろうとキュルケが空賊の男に向かって杖を向けて叫びます。

「テメーッ!ジャマするならブッ殺す!!」
「ブッ殺すなんて言う必要はない」

 そう呟いてタバサが杖をかまえながらキュルケの前に出ました。
 眼帯の男はタバサを見てもなんとも感じないように進んできます。
 そして、タバサが杖をふると眼帯の男のまわりにたくさんのツララが現れました。
 タバサの得意な魔法のウインディ・アイシクルです。

「ブッ殺す…そうこころに思ったなら……」

 タバサが杖を眼帯の男に向けるとツララがいっせいに襲いかかりました。
 
「その行動はすでに終わっている」
33ねことダメなまほうつかい:2008/02/07(木) 21:37:49 ID:vPh6H0rK
 ルイズたち、その中でもタバサがいちばんおどろきました。
 避けることのできないたくさんのツララを眼帯の男が避けたからです。
 しかも、その避け方はふつうでは考えられないものでした。
 眼帯の男はツララが刺さるところの間接を自分ではずして全ての攻撃を避けたのです。

「フハハハハハ!君たちは勇敢だな!!」

 眼帯の男は笑いながら後ろに下がり間接を元通りに戻します。
 そして、まるで古い皮を脱ぎ捨てるように変装をといて現れたのはひとりの立派な貴族でした。
 
「ようこそ大使殿!わたしがアルビオン王国皇太子、ウェールズ・テューダーだ!!」

 なんとこの男はアンリエッタ姫の思い人であり、滅びようとするアルビオン王家を柱のように
 支えているので、平民たちから親しみをこめて柱の男と呼ばれているウェールズ皇太子だったのです。
 そして、その後ろにいる男たちはどんな命令でも顔色ひとつ変えずに任務に向かうことから、
 石仮面と呼ばれてレコン・キスタから恐れられている誇り高い貴族たちでした。
34ねことダメなまほうつかい:2008/02/07(木) 21:40:20 ID:vPh6H0rK
今回はここで終わりです。
お気づきの方もいるでしょうが、トリステイン以外の各国は
ジョジョ各部を当て嵌めています。
 
35名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 21:40:35 ID:GIjE0eSL
親しみを込めてwww
無茶過ぎるwww
支援
36名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 21:43:46 ID:JKC0dIj5
投下乙そしてGJでしたー
親しみこもってなくね?全然なくね?w
アルビオン:一部
ゲルマニア:六部
ガリア:五部
か……
37名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 21:57:40 ID:KE91NkYs
アルビオンは二部だろ…ウェールズが柱の男だしGJ
38仮面のルイズ・代理:2008/02/07(木) 21:58:01 ID:CCLZ7VqQ
代理投下すると思った時にはッ
39仮面のルイズ・代理:2008/02/07(木) 21:59:36 ID:CCLZ7VqQ
リッシュモンは、アニエスが苦し紛れに拳銃を撃つかと思ったが、アニエスは拳銃を捨ててマントを翻した。
バシュウ!と音がしてマントが燃える、アニエスは水袋を仕込んだマントで炎を受け止めたのだ。
だが火の勢いは弱くなるだけで、消えたわけではない、残った火球がアニエスの体にぶつかり、身に纏った鎖帷子を熱く焼いた。
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおああああああああああッ!」
しかしアニエスは倒れない。
体が焼け付く痛みと恐怖を乗り越え、剣を抜き放ちリッシュモンに向かって突進した。
自分が絶対優勢だと信じて疑わなかったリッシュモンは、思いがけない反撃に慌て、次の呪文を放った。
風の刃がアニエスを襲う、鎖帷子と板金で作られた鎧が致命傷を防いでいるが、体に無数の切り傷を負ってしまう。

更に次の魔法をリッシュモンが唱えようとした瞬間、アニエスはリッシュモンの懐に飛び込み、リッシュモンの体ごと地面に転んだ。
「うお……げぷっ」
リッシュモンの口からは、呪文ではなく、赤い血が溢れた。
アニエスの剣がリッシュモンの体を貫通し、柄まで深くめり込んでいたのだ。
「貴様は、剣や銃など、おもちゃだと抜かしたなっ……これは、これは武器だ、我等が貴様ら貴族に一矢報いんと、磨き続けた牙だ、このまま、死ね…!

アニエスは全身に火傷と切り傷を負い、気絶しそうな痛みの中で、剣をねじり込んだ。
ごぼごぼと、リッシュモンが大量の血を吐き、手に持った杖が地面へと落ちるた。

バシュゥ!と音が鳴って、リッシュモンの姿が、木目の浮かぶ人形に変わる。
「!?」
アニエスが驚くと、アニエスの体に空気の固まりが衝突した、アニエスは地下通路の壁に叩きつけられてしまったが、辛うじて頭を打ち付けずに済んだ。
だが、あまりの衝撃に呼吸が乱れ、声が出せない。

通路の奥に目をやると、そこには、無傷のリッシュモンが杖を翳していた。
「ふん、アルビオンを脱出した『騎士』が平民のフリをしていると聞いたが…どうやら貴様ではないようだな」
リッシュモンはそう言って、人形の胸に突き立ったアニエスの剣を引き抜く。
「詰めが甘い、主君に似て貴様も詰めが甘いな、これは『木のスキルニル』という魔法人形だ。血を垂らせばメイジでも平民でもまったく同じ姿を取り、身代わりになってくれるのだよ、言うなれば魔法で動く影武者だ」
そう言うと、リッシュモンはアニエスに近づき、眼球の寸前で剣をちらつかせた。
「目か?鼻か?耳か?お前の牙でお前を削いでやりたいところだが、時間もない。スキルニルを倒した手並みに敬意を表し、心臓を突いてやろう」
「……が………貴様ァ……!」
アニエスがリッシュモンを睨んだ、だがリッシュモンはそれに笑みを返すほど、余裕の態度を見せている。
「新教の神とやらに”なぜ助けてくれないのか”と恨み言でも言うがいい」
リッシュモンは、ゆっくりと剣を振り上げ……
40仮面のルイズ・代理:2008/02/07(木) 22:00:11 ID:CCLZ7VqQ
瞬間、土煙が舞った。
慌ててリッシュモンが剣を突き刺そうとするが、なぜか剣が動かない。
リッシュモンは、すぐさま剣から手を離し、後ろに飛び退きつつルーンを詠唱した。
先ほどより一回りも二回りも大きい火球が杖の先端に現れ、土煙に向かって放たれる。
だが、その火急は、土煙の中からゆらりと姿を現した、片刃の大剣に飲み込まれ消滅してしまった。
「な、なん……」
リッシュモンが狼狽え、更に後ずさる。
轟々と音がして土煙が消えていく、よく見ると、天井に穴が開き、そこから土煙が逃げていた。

土煙が貼れると、一組の男女がリッシュモンの前に立ちはだかっていた。
一人は茶色の髪の毛を靡かせた少女で、不釣り合いなほど大きな剣を持っている。
もう一人はリッシュモンのよく知る男、元魔法衛士隊グリフォン隊隊長の、ワルド子爵であった。
「アニエス、生きてる?」『よう、大丈夫かねーちゃん』
「………?」
やっと呼吸が落ち着いてきたアニエスは、激痛に絶えながらルイズの顔を見上げた。
よく見ると、ルイズの降りてきた穴の向こうで、マチルダが地下通路をのぞき込んでいる。

「ばかな!土のトライアングルでもこの通路は破れんはずだ!」
リッシュモンが狼狽えて声を荒げたが、ルイズはそれを聞いて笑みを浮かべ、上を見上げた。
「トライアングルじゃ無理みたいだけど、ホント?」
「こりゃ手抜き工事だね。トライアングルがライン程度の仕事しかしてなかったんじゃないかい?」
ルイズが問いかけると、穴の上からマチルダが答えた。
「ま、深さだけはそれなりだと認めてやるけどね」
41仮面のルイズ・代理:2008/02/07(木) 22:00:47 ID:CCLZ7VqQ
マチルダはそう言って腕を組んだ、地下通路は二十メイル以上深くにあり、土くれのフーケと呼ばれたマチルダでも探すのは困難だった。
だがひとたび探り当てれば、そこまで練金で穴を掘ることぐらい容易い。

「裏切り者のワルド子爵までご一緒とはな、驚かされる」
「裏切り者か、お互い様だな」
ワルドが氷のような笑みを浮かべて答えると、リッシュモンは恐ろしさのあまり体を震わせた。

ルイズが上を見上げて、マチルダに呟く。
「アニエスの怪我が酷いわ、水のメイジを呼んで」
「アタシが呼ぶのかい?」
「メイジじゃなくて銃士隊の隊員に言えばいいでしょ」
「わかったよ」
マチルダの姿が見えなくなると、ルイズは改めてリッシュモンを見た。

リッシュモンもまた、ルイズを見ている。
「…その剣…まさ貴様が『騎士』か」
「答える義理はないわね」
ルイズが両手を左右に広げ、わざとらしいジェスチャーをすると、リッシュモンが杖を向けてルーンを唱えた。
ルイズの持つ剣は、魔法を吸収するマジックアイテムだと考えたリッシュモンは、その長さを見て地下通路で振り回すには大きすぎると判断した。
もう一度スキルニルを使えば逃げ切れるかも知れない、そう考えて牽制のために魔法を放ったのだが、それよりも早くルイズが一瞬で間合いを詰めた。
次の瞬間、地下通路の壁ごとリッシュモンの腕を斬り飛ばした。

ぼてっ、と腕の落ちる音を聞いて、リッシュモンが悲鳴を上げる。
「……ああ あああああああああああああうわああああああああああああああ!!」

「次は僕の番だな」
ワルドがそう呟くと、レビテーションを唱えてリッシュモンの体を浮かせた。
ゆっくりとリッシュモンの側に近寄ると、ワルドは小声で囁く。
「リッシュモン、僕の母の味はどうだった?」
「ひぃ、ひいい……」
「リッシュモン、僕の母の味はどうだった?」
「ああ、あああうううう」
「リッシュモン、僕の母の味はどうだった?」
「ひっ……ああ、あの、何のことだ」
「リッシュモン、僕の母の味はどうだった?」

ワルドはリッシュモンから視線を外さず問いつめていく、リッシュモンは全てバレていると思い、観念したのか、震える声でこう答えた。
「か、彼女は、とても聡明で、わ、私は彼女を気に入っていた」
「リッシュモン、僕はそんなことを聞いているんじゃない、おまえは僕の母を抱いたんだろう?どうだった?」
「とても、そうだ、とても美しかった、はは、はははは…」
「なら未練はないな」

脂汗を浮かべ、渇いた笑いを出したリッシュモンだったが、不意に『レビテーション』が解かれて背中から地面に落ちた。
うぐ、とうめき声を上げ、無防備になったリッシュモンの股間を、ワルドは勢いよく踏みつぶした。
「       ひ 」
ぶつっ、と何かが潰れた音が、地下通路に響いた。
42仮面のルイズ・代理:2008/02/07(木) 22:01:30 ID:CCLZ7VqQ
「悪趣味な問いをするわね」
ルイズがそう呟くと、ワルドは苦笑して答える。
「自分でもそう思うよ」
ワルドは、アニエスの剣を拾い上げると、アニエスの腕を掴んで立ち上がらせた。
「うっ…」
アニエスは、体を走る痛みに耐えようとしているが、こらえきれずに声を上げてしまう。
「僕は両親を殺されたが…君は故郷ごと滅ぼされたそうだな。止めは君が刺すんだ…君にはその権利がある」
そう言って、ワルドがアニエスに剣を手渡すと、アニエスはワルドの手を振り払い、剣を杖代わりにしてゆっくりとリッシュモンに近づいていった。
口を開き、ヨダレを垂らして硬直しているリッシュモンに近寄ると、アニエスは剣を胸に突き立て、ゆっくりと力強く差し込んでいく。
リッシュモンは体をよじらせて、逃げようともがくが、既に剣は心臓を貫いている。
「ごぼっ、ごあ、あぶっ」
今度こそ本物のリッシュモンが、血を吐き出して悶え苦しみ、体を震わせた。
しばらくすると、白目を剥いて背を逸らし、リッシュモンは息絶えた。

「…ハァッ……ハァ…」
アニエスは息を荒げ、リッシュモンの亡骸を見つめた。

あっけない。

何の達成感も、なんの感動もない。

ただ、虚しいだけだった。

アニエスは、虚脱感に襲われると同時に、その意識を手放した。

To be continued→
43名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 22:01:56 ID:bJNdp6lh
続きか
44仮面のルイズ・代理:2008/02/07(木) 22:02:21 ID:CCLZ7VqQ
既に投下終了しているッ!
45名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 22:02:31 ID:lzGxBmhe
>>36>>37
アルビオンは一部と二部だな
ところでギーシュが着々とルイズフラグを立てているのがスルーされてるw

>>41
ワルドこえーよ……
46名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 22:09:13 ID:8nDE/Tfq
にゃんこも仮面もGJ!

アルビオン改め二部ビオン吹いたw
47名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 22:19:36 ID:GIjE0eSL
にゃんこ乙です!

そして仮面!
GJ!
GJなんだが……
切ないところがキュッてなった
48名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 00:04:32 ID:VzCH72/m
>>14-17
なにこのカルテット?
>にゃんこの
このキュルケは躊躇なくC−MOONに殴りかかるキュルケ
そして、ウェールズ。おまえは、おまえはなにをしてるんだ
ジージェイですた!
>かめん
ワルドすげえ。そしてこええ。

飯を食べ忘れてもあんたの作品だけは忘れられないんだぁ!。血痕してください。男だけど
ジージェイ!
49名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 00:13:09 ID:zF72gZh3
仮面&猫GJ!

このキュルケの回想シーンのBGMはサバイバーのEye of the taigerで決まりだなwww
50名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 10:49:37 ID:YgA7I32P
>ねこ
これまでキュルケの変貌に違和感を抱いていたが、今回の過去話で完全に納得した。
このキュルケは間違いなくヘソにピアス
あと、よく見たらアニエスがバーロォwww
ギーシュ×ルイズなんて新しくて……いいじゃないかw
51名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 12:02:39 ID:fywBCKk4
>ねこさま
ヤバいキュルケがグリーンドルフィンにIN!!
だけでも噴いたのに柱の男と石仮面のアイデアには本気でびびったッ!!
本文にポージングを取り入れるその斬新な発想といい毎度毎度驚かされすぎるッ!!
心の底からGJ!!
52名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 13:10:30 ID:KYcRdT6i
ねこさんGJ!
牢獄キュルケはふ〜んで流せたけど、柱の男は噴いたww
確かに風の人だけどw

仮面の人&代理投下の人乙
復讐は心に生まれたドロドロしたナニカに突き動かされてやるもの
達成した時、心にあった大きなソレがそれが急になくなるから、心にぽっかり穴が開いたような虚しさを感じる…
でもそれは逆に考えるんだ。ざまみろ&スカッとさわやかな気分になれたと考えるんだアニエス!
53名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 15:23:17 ID:opL4Lmnn
>>回転する刃を持ち、体温以下になると固まる特別製の食べ物を武器にする大きな女
>>なんでも食べるアリを使う女の殺し屋
凄く…ゴージャスです…
54名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 16:14:40 ID:3pzuJwkx
>>53
言われて気づいたが、JOJOキャラ以外からも特別出演かw
魔少年や来訪者関係からも出てくるのを期待してしまうぜ
個人的にはヴァージニアやポーカーがいいな
55名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 17:46:39 ID:R/5f0CNT
>>54
ウォーケンさんが出てきても正直バオー以外に倒せる奴がいない気がする
防御も攻撃も完璧な能力とかどんだけだよって話なわけで
56名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 17:56:58 ID:p9YSotYd
武装ポーカーとかヴァージニアによろしくとか話作りにくすぎだろw
というかヴァージニアなんてなにするんだよw
57名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 17:58:54 ID:1DBzON07
>>56
船長!?
ウハハハハハハハ(ry
船長が襲い掛かる寸前目の前に変なものが
…コレやっても本編と代わり映えしないな
58名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 18:27:40 ID:3pzuJwkx
>>57
実は船長召喚なら考えたことはある
夏季休暇中の魔法学院内でルイズを獲物にみたてて追いかける話とか
青年とロボットの方は……やっぱり思いつかないw
59名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 19:29:15 ID:opL4Lmnn
>>55
ルイズなら戦えるんじゃないか?
「爆発を起こして爆風を当てる魔法」なら当たる直前に塵にされて無効化されるだろうけど、
ルイズの「直接爆発させる魔法」だったら塵にする暇なさそうだろうから攻撃可能だろ。
しっかし本当に恐ろしい能力だな二人とも。
60名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 20:00:52 ID:3mFIcjJP
>>59
そう言われてみりゃそうだな
イライラ状態のエクスプロージョンなら先制一発でカタがつくかも
でもウォーケンさんはバオーブレイクダークサンダーに耐え切るようなタフガイだから難しいな
61名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 20:55:58 ID:kiQjaRyb
ウォーケンはカッコよさの桁が違う
62名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 21:34:34 ID:zNd7rkJB
ゼロ魔世界でウォーケンを倒しうるのはルイズか、
生命の限界として酸素を必要とすることからコッパゲ先生くらいだろうけど
実際戦ったらどう考えてもウォーケンが勝つな。
ヘッドギアがついてるうちに不意打ちぐらいしか勝機はないだろう。
63名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 21:37:21 ID:JDmLThaF
マチ姐さんに何度もボコボコにされても不屈の意志で蘇るオスマン校長もいるではないか
64名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 21:43:49 ID:tThP7QBg
魚拳さんは決闘までの流れが全く想像つかないがいざやるとなったらギーシュの命は無いな

決闘って普通にスルーできるイベントだよね?
デルフ購入は本編的にかなり大きなファクター占めてるだろうけどこれも服を買うとかでついでにこなせるイベントだし
フーケも宝物庫の中身次第だし場合によってはロングビルのままで勤め続けるかもしれない
ワルドは煮えて死ぬ
65名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 21:45:34 ID:p9YSotYd
オスマンはあと4回変身を残してるからな
66名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 22:11:27 ID:3mFIcjJP
バオービーススシューティングを完全に見切って分子振動で破壊してるあたりからして物理攻撃に対する防御は完璧なんだよな
攻撃も不可視の分子空動波、分子地動波があるから手に負えない(バオーは敵意を見るので避けれた)
空動波なら風メイジは「なんかよく分からんけど来るな」って程度に分かるんだろうが、
地動波が見えずにグツグツになるだろうな
風以外のメイジだったら空動波の時点で粉にされる以外の道が無い

ウォーケンさん召喚はよくある「強すぎて話が進まない」ってタイプになりそうだな
可能だとすれば短篇かな?
67名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 23:04:51 ID:kiQjaRyb
敵として出してこそ映えるキャラだからな
ウォーケンは
68名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 23:07:36 ID:cHfSzMUS
フーゴと同様で、味方でガンダー補正まで加わると能力が凶悪すぎて蹂躙にしかならんよね。
69名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 23:18:23 ID:FAFdfb48
今更だけど過去ログのhtmlを用意しました
まとめのトップページにリンク貼ったんで、そこからどうぞ
70名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 23:24:35 ID:gW6NHxA7
>>69
GJGJGJッ!
ラウンジ以降以前のログ持ってないから助かるー
71名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 23:29:34 ID:3mFIcjJP
>>69……おめー、なんかちょっぴり……カッコイイじゃあねーかよ
72名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 10:44:36 ID:Vum+9xuy
>>69に敬意を表する!
73名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 18:42:18 ID:mHfoKpMN
キングクリムゾン
74若ジョセフ×エレ姉様:2008/02/09(土) 20:45:50 ID:wpdXdYke
うおおお、久しぶりにSSが完成したぞぉー。また分量が多いので、投下にやたら時間が掛かりそうですが…
他に投下される方がいなければ50分頃から投下します
75名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 20:48:09 ID:87lUY7aU
wktk
前回の話を読み直してこないと
76名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 20:50:10 ID:KlwpHfV8
うおー
大好きな作品が帰ってきたべ
wktkしつつ支援
77忘れえぬ未来への遺産 1/25:2008/02/09(土) 20:50:40 ID:wpdXdYke
 最近、昔の夢を良く見る。
 自分の生涯において決して忘れることの出来ない、大切な家族や友人達との思い出の数々。
 激しい戦いの日々にあって、大勢の仲間達と出会い、共に戦い抜いたあの日々のこと。
 その経験は自分にとって掛け替えの無い思い出であり、そして何物にも勝る誇りだ。

『若返ったことは我にとって至上の幸福だったぞ……ジョジョ!』

『オレだってなんかしなくっちゃあな…カッコ悪くてあの世に行けねーぜ……』

『悔いはない……心からおまえの成長が見れてよかったと思うよ……』

 今日もこうして、懐かしい人達の夢を見ている。
 共に戦った戦友や、敵として相見えながらも尊敬に値する魂を持った、誇り高き戦士達との別れ。
 それは確かに悲しい思い出だが、彼らは皆、自らの生命の全てを賭けて戦い、散って行った。
 だが、彼らから受け継いだ精神は、今もこうして自分の中に息衝いている。
 去ってしまった者達が遺したものは、生きている者が更に未来へと進めねばならない。
 それこそが、彼らの記憶を持つ自分が果たさねばならぬ運命だと信じられるからだ。

 だが今の自分は、課せられた運命を果たすべき場所にはいない。
 そのことに対する戸惑いと焦燥が、自分の中で澱のように横たわっている。
 ここは自分のいるべき場所では無い。そして、本来あるべき場所にて為さねばならぬことがある。
 自分はそれを知っているのだ。果たさねばならない運命が、自分にはあるということを。
78忘れえぬ未来への遺産 2/25:2008/02/09(土) 20:51:22 ID:wpdXdYke
「波紋疾走(オーバードライブ)!」
 今日も我がヴァリエール公爵家にやって来たジョセフ・ジョースターが、『波紋』と呼ばれる不思議な光

を私の妹カトレアの体へと流し込む。
 波紋とは、独特の呼吸法によって体内に生命エネルギーを生み出す技術。
 今、ジョセフの体内で生み出された生命エネルギーが彼の手を通してカトレアの体へと伝わり、それによって一時的にではあるが、病弱な妹の体内に生命力が満ち溢れて行く。
 どことなくカトレアの顔がほんのりと上気しているように見えるのも、ジョセフの生み出した生命エネルギーが順調にこの子の全身を駆け巡っていることの証左なのだろう。
「……体の具合はどうかしら、カトレア」
 相も変わらず、何処からか拾って来た大小様々な動物達に囲まれた妹の自室で、壁際に寄り掛かる形で二人の様子を見守っていた私は、カトレアの体に波紋のエネルギーが染み渡った頃を見計らってそう尋ねる。
 ジョセフと向き合う形で椅子に座るカトレアは、普段よりも少し明るい感じのする笑顔を浮かべながら私

の方へと顔を上げて答えた。
「はい、大丈夫です、エレオノール姉様。とてもいい気分ですわ。
 うふふ…何だか自分の体では無いみたい。これもジョースター先生のおかげですね」
「ニヒヒヒ、お褒めに預かり光栄の至り。ま、この俺様に掛かればざっとこんなモンさ」
「本当にありがとうございます、先生。病院の方もお忙しいでしょうに、わざわざこちらにまでお越し頂いて」
「なーに。美人の妹さんの為ともなりゃあ、そりゃあ一肌脱がせて頂きましょう。
 それに、妹さんがマジで病気で困ってるっつーなら、それこそ俺みてーな医者の出番だしな。
 俺の波紋が役に立つんだったら遠慮なく使ってくれて構わねーぜ?」
 カトレアの言葉にジョセフが、相変わらずの調子の良い笑みを浮かべて鷹揚な口調でそう言った。

 ここ最近、王都トリスタニアにおいて評判を得ている医者であるジョセフ・ジョースターに、私の妹カトレアの定期往診を依頼してから既に一月以上。
 彼が患者の治療に用いている波紋の力と、我がヴァリエール家が古くからお世話になっている係り付けの先生と相談しながら調合した魔法薬を併用することで、生まれ付き病弱なカトレアの体調は、ほんの僅かではあるが回復の兆しを見せていた。
 例えば、それまでのカトレアには、ごく普通に歩いているだけでも何時よろけてしまうのかわからない危

うさが常に付き纏っており、実際にそのまま倒れ込んでしまったことも一度や二度では無い。
 しかし今では、少し長い時間を歩いた所で、以前のように倒れたりするようなことは殆ど無くなったし、一日に咳き込む回数も随分と減ったようだ。
 それに、出された食事をあまり残さなくなったことから、食欲の方も少しずつ増進しているらしい。
 日を追う度に、少しずつではあるがカトレアの体は少しずつ健康へと近付いている。
 この子の様子を傍で見ている私にも、その実感がはっきりと伝わって来ていた。
79名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 20:51:46 ID:qvkuQV6M
支援
80忘れえぬ未来への遺産 3/25:2008/02/09(土) 20:52:18 ID:wpdXdYke
「……では、今後も遠慮なくこき使わせて貰おうかしら?」
 私は少し意地の悪い口調でそう言って、カトレアと向き合う形で椅子に座っているジョセフの許に近付いて、そのまま彼に向けて小さな皮袋を放り投げる。
 ジョセフは片手で器用にそれを掴み取り、中身を確かめるように何度かそれを軽く宙に浮かせる。
 その度に、チャリチャリと金属同士が擦れ合う音が部屋の中に響いて来た。
「ヒュウ、結構入ってんな。っつーても、まーだイマイチこの国の金に関しちゃよーわからねーんだが…
 ま、食うに困らねー量があんなら問題ねーか。いや毎度どーも、エレオノールの姐さん」
 何度かその動作を繰り返してから、やがてジョセフは金貨の詰まったその袋を懐へと収めた。
「言ってくれるわね。こちらとしては、充分な金額を支払ってるつもりなのだけれど?」

 そう。この男は軽く言ってくれたが、袋の中には結構な量の金額が入っている。
 少なくとも、一ヶ月程度ならば平民であるこの男が楽に暮らせるぐらいの量はある筈だ。
 ジョセフに対する一月分の診察料として、私が決めて支払っているのがそれだけの金額だった。
 週に一、二度の往診と言う労働時間を鑑みれば、破格の報酬と言っても良いだろう。

「らしいな。っつーかコレ、どーやら俺が思ってる以上に大金みてーだな。
 この前も妖精亭の連中に見せたんだが、皆思いっきり腰を抜かして驚いてたっけか。
 いやあ、あん時は皆からプライドが傷付いたー!だの、何か奢れー!だのと喚かれて大変だったぜ」
「こちらにとっても決して安い金額では無いわ。平民の貴方達ならば尚更でしょうね」
「おやま。っつーことは何カナ?どーやら姐さんってば俺のコトを相当高く買ってくれちゃってるワケね。
 ひょっとして俺に惚れちまったのかい?ナハハハ、いやまったく、モテる男は辛いネ!」
「……貴方を正当に評価していればこそよ。医者としての、貴方をねぇッ!」
「あ、そーなの?」
 冗談として聞き逃すにはあまりにも悪趣味に過ぎるジョセフの言葉に、私は声を荒らげて反論する。
 しかし当のジョセフは私の怒りなど柳に風とばかりに、相変わらずの調子の良い笑顔を崩さずに続ける。
「そりゃー残念な話だね。妹さんの診察を始めてから結構経ったが、今でもこーしてあんたが同伴してるっつーコトは姐さんが愛しの俺様に会いたいからだと思ってたんだケド」
「誰が!貴方のような平民如きにッ!私はカトレアが心配だからここにいるのよッ!
 何処かの誰かさんのような女ったらしのお医者様がこの子の部屋に入り込んでいるからねぇッ!」
 目の前に置かれていたテーブルに手の平を叩き付けながら、威嚇するような形で私はジョセフに向けて吼える。
 その衝撃で、使用人達に運ばせておいたティーセットの類が派手な音を立ててテーブルから浮き上がり、部屋の中で飼われているカトレアのペット達の何匹かが今の音に驚いたように身を竦める。
81名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 20:53:51 ID:qvkuQV6M
支援
82忘れえぬ未来への遺産 4/25:2008/02/09(土) 20:54:19 ID:wpdXdYke
「オイオイ……最初に妹さんの容態を見てくれっつって来たのは、姐さん、あんただろ?
 だから俺も遠慮なく、美人でナイスバディな妹さんのお部屋にお邪魔させて頂いてるってワケなんだが」
「意味が違うわ!貴方のような男と二人きりにしていたら、妹が何をされるかわかったものじゃないと言いたいのよ!」
 私は眉根を寄せて、目一杯にジョセフの顔を睨み付けてやる。
 この男の魂胆はわかっている。どうせあれこれと心にも無い冗談を口にすることで、こちらの反応を見て楽しんでいるだけなのだろう。
 自分がこの男のペースに乗せられていることは自覚しているのだが、しかしそうした冗談の全てを黙って見過ごせる程、私は心の広い人間という訳でも無い。
 結果として、疲れるのはいつも神経を逆撫でされ、怒鳴ってばかりのこちらの方。
 しかし、だからと言ってここで退く訳にはいかない。
 下手に彼を放ったらかしにしておいたら、それこそカトレアが何をされるかわかったものでは無い。
 何しろこの男は平民の分際でありながら、初対面の私にさえ、あんな真似をするような男なのだから――

「………むぅぅ」
「ン?姐さん、何だかまた顔が赤いぜ?風邪には気をつけろっていつも言ってるじゃないか。
 もういい加減若くないんだし、下手に無理してあんたまで倒れちまったら本末転倒だろーが」
「ち…違うわよ!そっ、それに今何と言ったぁ!?だぁれがもう若くないですってぇぇぇ!?」
「ありゃ、思ったより元気だな?しかし姐さん、そーやってカッカしてばっかだと本気で早く老け込んじまうぞ。
 そうなりゃ折角の姐さんの美貌もダイナシだぜ。お肌の曲がり角を過ぎた今こそ、こーゆーコトはもっと気を使わにゃあならねーんじゃねーの?」
「一体誰のせいだとお思いなのよッ!!貴様という男はぁぁぁぁぁッ!!!」
 ええい、まったく以って腹立たしい。
 いちいち私の怒りを触発するような一言一言も不愉快だったが、何よりもこの男が私の目の前で、こうやって平然とした態度で軽口を叩いていられるという事実が何よりも許せなかった。

 人の唇を一方的に奪っておいて――よくもそんな真似が出来るものだ。

 私など、今でも初対面時に受けたあの仕打ちを思い返しては、やり場の無い感情に振り回されることも珍しくは無いというのに、この男にとって私とのキスは何と言うことの無い、些細な出来事に過ぎないというのだろうか。
83名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 20:54:47 ID:qvkuQV6M
支援
84忘れえぬ未来への遺産 5/25:2008/02/09(土) 20:55:05 ID:wpdXdYke
 多分、本当にどうでもいいのだろう。
 このジョセフ・ジョースターと言う稀代の助平男に掛かれば、貴族との接吻などと言う大それた真似も、初対面の客に対するちょっとしたコミュニケーション程度の認識にしかならないに違いあるまい。
 だがこれでは、未だにあの出来事を気に病んだままでいる私一人が馬鹿みたいではないか。
 こんな平民の男などに、この私がこうまで翻弄される羽目になるとは、まさに一生の不覚と言う他は無い。
 カトレアの治療の為にわざわざこうして出向いてくれることだけは感謝しているが、そうでなければこんな無礼極まりない平民風情などを我がヴァリエール公爵家の邸内に入れたりする筈も無かった。

「それにッ!!」
 再びテーブルに手の平を叩き付けて、私は少しわざとらしいくらいの口調で一喝する。
 これ以上ジョセフの顔を見ていたら、また余計なことばかり思い返してしまいそうだった。
 私は感情の矛先をこの男に対する怒りに転化することで、逆に落ち着きを取り戻すべく言葉を続ける。
「いちいち貴方なんぞに言われなくとも、美容にはしっかりと気を遣っておるわ!
 もしこれが無駄になるとしたら、無駄に私の神経を逆撫でする何処かの誰かさんのせいでしょうよ!
 えーもう、おかげ様でここ最近、私の血圧は下がることを知らなくなりましたからねぇ!!」
「む、そりゃあいけねーな。どうやら姐さんにも俺の波紋が必要みてーだな…。
 どれ、お手を拝借。この俺様に掛かりゃあ、今の姐さんが抱える問題も全部スッキリ、キッカリバッチリ、パーフェクトに解決してみせちゃうぜ?」
「ほほーう、それは夢のあるお話だわねえ?……いい加減、お調子に乗るのも大概になさいな。
 これ以上つまらないことを言うつもりなら、この場でそっ首刎ね落としてやるわ」
「オーケイ。わかった姐さん、だからその手に持った鞭だけはカンベンな。
 俺別にソッチ系の趣味はねーし、何よりソレで打たれたらこっちの方が病院送りになっちまわあ」
 そこでようやく、ジョセフは両手を挙げて降参のポーズを取る。
 これまた口先ばかりで、心の底から反省している素振りなど欠片も見られなかったが、それもいつも通りのことなので最早いちいち指摘する気にもなれなかった。
「うふふ……」
 得も言われぬ疲労感すら覚えて来た所で、不意にカトレアが口を挟んで来る。
 何だかやけに嬉しそうなこの子の表情が私の心に引っ掛かって仕方が無い。
 それが私の単なる気のせいで無かったことは、果たして次にカトレアが口にした言葉によって証明される。
「お二人とも、いつも仲がお宜しいんですのね。もしかして、私ってばお邪魔虫なのかしら?」
「……カトレア。一体何をどう見たら、そういう意見が出て来るのか聞かせて貰いたいものだわね……」
 実に不穏当極まりない発言を言ってのけるカトレアに、私は頭を抱えながらも言い返しておく。 
 カトレアはいつも通りの穏やかな物腰で、しかし今の言葉には一片の冗談も滲ませてはいなかった。
 要するにこの子は、先程までの私とジョセフの応酬を見た上で、なお私達の仲が良好であるという結論に達した訳である。
 何だか物凄い勢いで私の頭が激痛を訴えて来ている気がするのは、決して私の錯覚ではあるまい。
85名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 20:55:35 ID:qvkuQV6M
支援
86忘れえぬ未来への遺産 6/25:2008/02/09(土) 20:56:19 ID:wpdXdYke
「大体、お邪魔虫とは何よ。こうしてわざわざ、この不埒千万な女ったらしのお医者様を呼び付けているのも、元はと言えば貴女の為じゃないのよ」
「オーノー、なんつーヒデェ言われよう。俺、レディには優しい紳士のつもりなんだけどなー」
「なぁにが紳士よ、そんな締まりの無い顔をしてッ!どうせ普段から若い女の子に囲まれて鼻の下を伸ばしてるんでしょうが、このエロ医者!スケベ医者!」
 大袈裟な口調で肩を竦めるジョセフに向かって、私は即座に怒声を叩き付けて黙らせておく。
 彼の病院まで手伝いに来ているという近所の娘達だけでは飽き足らず、初対面の私にあんな真似をしておいて、その上患者であるカトレアにまでちょっかいを出そうとする男なんぞを、どうして紳士として認められようか。
 カトレアの姉として、ヴァリエール公爵家の一員として、そんな馬鹿な話を許すわけにはいかない。
「ふふ、そうでした。ジョースター先生に来て頂いているのは、本当は私のせいでしたわね。
 ありがとうございます、先生。私もエレオノール姉様も、先生には本当に感謝しておりますわ」
 ひたすら激昂する私とは正反対に、カトレアはあくまでも暢気に笑いながら、ジョセフに向き直って深々と頭を下げる。

 しかし、この子はこの子で一体何が言いたいのだろう。
 やけに持って回った言い回しのカトレアの言葉が気になって仕方が無かったが、その意味を深く考えて行くと、それはそれでまた何とも言えない不愉快な気分に陥りそうだった。
 毎回、おかしな誤解はするなと釘を刺しているつもりなのだが、悲しいことにこの問題についてカトレアが私の言葉を聞き届けてくれたことは一度たりとて無かった。
 まったくこの子ってば、お姉様のことを何だと思っているのかしら。
 昔から妙に勘が鋭く、他人の考えなど全てお見通しみたいな所もあるけれど、今回ばかりはそのお眼鏡も大外れのようね。
 先程のジョセフの冗談じゃあるまいし、貴女が思っているようなことなんて絶対にあり得ないんですからね。

「ニョホホホ、そうやって優しい言葉を掛けてくれんのは妹さんだけだぜ。
 エレオノールの姐さんってばいっつもこんなカンジだし、もォ少し妹さんを見習っておしとやかになってくれねーかなァ。
 まッ、とは言え姐さんの感謝の気持ちってヤツなら、コイツで充分伝わって来てるんだが」
 そう言って、先程私が放ってやった診察料を服越しに指差しながら、ジョセフは横目でこちらに視線を送って来る。
87名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 20:56:58 ID:qvkuQV6M
支援
88名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 20:57:11 ID:rqIGaTJK
支援
89忘れえぬ未来への遺産 7/25:2008/02/09(土) 20:57:21 ID:wpdXdYke
「なあ妹さん。この金って、確か平民の俺が貰える金額にしちゃあ、ものスゲェ大金なんだよな?」
「そうですね…生憎と私はこんな体ですから、直接お金を使う機会も殆どありませんでしたけれど……
 確かにそれだけの額になりますと、すぐに用意するのは少々難しいのではないでしょうか」
「やっぱりな。いや、姐さん程の偉い貴族サマともなれば、力尽くで俺を引っ張っても良さそうなモンだろう。
 あんた達の前でこんなコト言うのも何だが、この国の貴族なんて呼ばれる連中は、大概が魔法を使えねー平民を見下してる連中ばっかだしな。
 自分達が何か言やあ他人は皆従って当然、みてーに思ってる所があるもんな」
 ウチに来る貴族のお客にもそういう連中が多いんだ、とジョセフは肩を竦める。

 まあ、否定はしない。このハルケギニアにおいて、貴族と平民の身分格差は極めて厳格な物だ。
 両者を分け隔てる壁は『魔法』という能力の有無――この一点に尽きる。

 魔法とは平民には決して持ち得ない絶大な力。
 だからこそ、その力を持つ貴族は自らの能力と精神を研鑽し、大勢の民の前に立って力無き平民を守るべき義務がある。
 その代わりに平民は貴族を敬い、平時においてはその身を以って貴族に奉仕する義務がある。
 これも一種の共存関係と言っても良いだろう、我々ハルケギニアの住人は事実そのようにして今まで人間社会を構築・維持し続けて来たし、私とてこの社会構造が間違っているとは思っていない。

 とは言え、自らが持つ魔法の力を傘に着て平民を軽んじて見ようとする貴族が多いことも確かだった。
 相手が魔法という絶対的な力を持つが故に、平民は貴族に対して抵抗することが出来ない。
 貴族は生まれながらにして平民より圧倒的優位に立っているという事実が、貴族という人種を増長させていることは否定出来ない。

 今のジョセフの指摘も尤もなのだ。
 本来ならば、我々貴族は常にそれを自戒せねばならない立場にいる筈なのだが、それを実行に移すことの出来る貴族が、果たして今の世の中に何人いることやら。

 しかし、それでもやはり単なる平民に過ぎないジョセフが貴族に対してこんな口を利いている段階で、普通は打ち首にされても文句を言えない無礼極まりない行為に相当するのは否定出来ない所だ。
 ここが今、まさにその貴族の屋敷の一つであると言うのに、相変わらず口かさの無い男だ。
 自分が如何に恐れを知らぬ発言をしているのか気付いた風でも無く、ジョセフは更に言葉を続ける。
90名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 20:57:39 ID:qvkuQV6M
一人じゃなくなった 支援
91忘れえぬ未来への遺産 8/25:2008/02/09(土) 20:58:16 ID:wpdXdYke
「だが、そーゆー貴族の皆サマ方の中でも特にプライドの高そうな姐さんが、よりにもよって平民のこの俺に頭を下げた挙句、こんだけの大金をポーンと渡して来るなんざ、どう考えてもよくよくのコトに違いねーわな。
 コイツは要するに、エレオノールの姐さんが妹さんのことをメチャクチャ心配していて、且つ妹さんの体を治せそうなこの俺に相当期待してるってコトでもあるワケだ」
「…この際、貴方の貴族評については聞かなかったことにしてあげるとして、姉が妹の心配をするのは当然のことでしょう。
 妹の体調が良くなる可能性があると言うなら、それに期待して何が悪いと言うの?」
 こうしてジョセフが回りくどい物言いをする時は、大抵何かろくでもないことを企んでいる時だ。
 次に彼が何を言い出しても即座に対応出来るように、私は手に握り締めたままの鞭を握る腕に少しだけ力を込める。
 だが、次の瞬間にこの男が口にした一言は私の予想の範疇を遥かに超える物だった。

「いんや、何も悪くねえ。姐さんの言う通りさ。だから俺もよ〜くわかっちまうんだよネ。
 そーゆーことをサラリとやってのける姐さんが、本当は妹想いのスッゲエ優しい人だってことが、さ」
「………っ…!?」

 ジョセフのその言葉は本当に、あまりにも予想外で。
 私は一瞬、自分が何を言われているのかわからなくて、言葉に詰まったまま何も言い返すことが出来なかった。

「アレアレー?もしかして姐さんってば照れちゃってんのォ?」
「な!な、な、何を言っているのよ…!ひ…人をからかうのもいい加減になさいな!
 勿体付けて何を言い出すかと思えば、何よ、突然、いきなり……そんな…心にも無いようなことを……」
「からかうなんて、それこそ心外だぜ。俺は本気でそう思ってるんだがなー。
 あんたがどれだけ妹さんの身を案じているか、心の暖かい人なのか、そんなの見てりゃあすぐわかるさ。
 実際、今日もさっきから散々っぱら妹さんのことであーだこーだと釘を刺されまくってるワケだし。
 ま、普段の性格はキッツイけど、姐さんのそーゆートコロって俺は結構好きだぜ?」
 私の目をはっきりと見据えながらジョセフは迷いの無い口調で言って来る。
 彼の様子からは冗談を言っている様子など全く感じられない。
 だからこそ、たった今投げ掛けられた彼の言葉に、私はどうしても動揺を隠せずにはいられない。
92名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 20:59:06 ID:qvkuQV6M
支援
93忘れえぬ未来への遺産 9/25:2008/02/09(土) 20:59:25 ID:wpdXdYke
 優しい?私が?
 なんということだろう。他人からそんなことを言われたことなんて初めてだ。
 私達の末の妹であるルイズや、我が父ヴァリエール公爵ですら、私に向かってそんな言葉を口にしたりはしなかった。
 父様は今でも私の気性の激しさを御しかねているようだし、魔法学院に入学するまでの間に厳しく躾けてやったルイズは私という姉の存在を敬遠し、家族の中で唯一あの子に優しく接していたカトレアにばかり懐いていた。
 依然として気は進まないが、あのバーガンディ伯爵様から一方的に婚約破棄を突き付けられたのも、私のこうした性格がそもそもの要因なのだと、いい加減に認めなくてはならない頃なのだろう。
 身内の評価ですらこうなのだから、ヴァリエール家の外部の人間に至っては言わずもがなである。

 それなのに、このジョセフ・ジョースターという男は。
 普段は軽口ばかり叩いていて、可愛い女の子と見ればすぐ鼻の下を伸ばしているようなお調子者の癖に、どうしてこんなことを言って来られるのだろう。
 まったく、本当にこの男は気に入らない。理解出来ない。
 だからこそ――意識してしまって仕方が無い。

「フフフ、そーやってうろたえてるトコロとかを見てると、普段はおっかねェ姐さんも可愛く見えるな。
 そんなカンジでもーちっとばっかし気の抜けた顔も見せておけば、もっと男にモテると思うんだケドね」
「う…うるさいわね!な、何よ、あ、貴方の言うことなんか、誰が真に受けるものですか…!」
「ホントにホントの話なんだがなー。俺って女に隠し事はしてもウソは言わねーモンネ。
 よっしゃ。姐さんがそこまで言うんだったら、肝心の妹さんの意見も聞いてみようじゃないか」
 そう言ってジョセフは、戸惑ってばかりの私を余所に、視線をカトレアの方へと向けて言葉を続ける。
「なあ妹さんよォー、妹さんは長年共に暮らして来た自分の姉貴についてどう思ってるんだい。
 俺としては、あんたやもう一人いるっつー末の妹さんにとって、このエレオノールの姐さんはかなりイイ姉貴なんじゃねーかと思うんだが?」
「ふふっ…ジョースター先生の仰る通りですわね。ええ、私にも良くわかります。
 エレオノール姉様のお優しさを、姉さまが私やルイズのことを本当に心配してくださっていることを。
 私達がどれだけ姉さまから愛されているのか…それを考えると、胸が一杯になりそうですわ」
「カトレア…!あなたまで、一体何を……」
「私は幸せ者ですわね。エレオノール姉様やジョースター先生、父様、母様、私達の小さなルイズ。
 それに他にも沢山の方々が……私一人なんかの為に、こんなにまで良くして下さっているんですもの。
 皆様のお気持ちに何もお返し出来ないことが、本当に心苦しいぐらいに」
「………カトレア」
 滔々と、まるで独り言のように呟かれるカトレアの言葉が、室内に広がっては消えて行く。
 普段通りの穏やかな微笑の端に、ほんの少しだけ、悲しさと悔しさの入り混じった歪みを見せながら、カトレアは静かに、しかしはっきりと次に続く言葉を紡いで行く。
94名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 20:59:37 ID:qvkuQV6M
支援
95名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 20:59:43 ID:QTZSJI3S
支援
96忘れえぬ未来への遺産 10/25:2008/02/09(土) 21:00:10 ID:wpdXdYke
「エレオノール姉様、ジョースター先生。私、皆様にお会いすることが出来て、本当に良かったと思っています。
 こんなに大勢の人達に囲まれて、私一人では抱えきれないくらいに沢山の物を頂いたんですもの。
 ……ふふ、出来ることなら、私のことを支えて下さった皆様の為に、何か恩返しをしたいのですが…
 私がそれを望むのは、欲張りなことなのかもしれませんわね。
 それさえ叶えることが出来たら、私にはもう、何も思い残すことなんて無いのに」
 この子の細い肩がほんの少しだけ震えている。
 あくまでも穏やかな口調で綴られたその言葉は、しかしこの子の心の奥底から搾り出されたかのような、強い意思を感じさせる何かが込められていた。

 ――ああ、そうか。今、この子はきっと怯えているんだ。
 自分が今口にした言葉を噛み締めるように薄く目を閉じているカトレアの姿を見て、私は不意にそんなことを思った。

 この世界に生を受けてから、常に死と隣り合わせの日常を送らざるを得なかった可哀想な私の妹。
 今までカトレアがそんな自分の運命とどう向き合って来たのかは、姉である私にすら知る術は無い。
 だが、この子の優しさは、そんな過酷な運命を背負っているからこそ手に入れた物なのだろうと思う。
 誰よりも死に瀕した場所に立っているが故に、他の生命に対する愛情を惜しみなく注ぎ、自分の代わりに最期まで精一杯生きて欲しいと願う。
 カトレア自身が自覚しているかどうかはわからないが、そうやって自分には叶えることの出来ない願い、生きることに対する希望を他者に託すことによって、この子もまた自らが生きた証をこの世界に遺したがっているのかもしれない。

 思えば、この子が浮かべる笑顔は子供の頃から何も変わっていない気がする。
 他の生命を心より慈しみ、愛しく思う慈愛に満ちた表情を、カトレアはずっと長い間浮かべ続けている。
 きっとその頃から、この子は既に自らの運命を受け入れる覚悟を決めていたに違いあるまい。
 与えられた猶予期間の中で自分に出来る精一杯のことをやり続けながら、ただ静かに最期の時を待つ。
 それこそがこの子がこの子なりに出した、自分の背負った運命に対する答えなのだろう。
97名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:00:24 ID:qvkuQV6M
また増えた 支援
98忘れえぬ未来への遺産 11/25:2008/02/09(土) 21:01:19 ID:wpdXdYke
 だが、今この瞬間、カトレアは確かに自分の背負う『運命』に恐怖しているのだと私には感じられた。
 それは恐らく、自分自身の『死』その物よりも、寧ろ皆を置いて一人だけ先に逝ってしまうことが、どれだけ後に残される人達を悲しませることになるのか。
 自分が運命を受け入れることによって、今まで自分のことを想ってくれた人達を他ならぬ自分自身の手で傷付けてしまうという、まさにその部分から生じる苦痛が、この子にとっては病魔に身を食い破られるよりも遥かに耐え難い痛みとなってしまうのだろう。

 今までにも、私や両親はそれこそ八方手を尽くしてカトレアの体を治療する為の方法を探し続けて来たのだが、結局ジョセフ・ジョースターに出会うまで、私達はこの子を救う為の方法を見つけ出すことは出来なかった。
 あの日々の中で、私はどれだけ悔しさと腹立たしさを覚えたことだろう。
 愛する妹が目の前で苦しんでいるのに、それを救ってやることが出来ないでいる自分自身への無力感と絶望に、私は幾度と無く苛まれて来たものだ。
 カトレアは多分、そんな私の姿を見るのが嫌だったのだと思う。
 人一倍勘が鋭くて、誰よりも他人の心情を慮ることの出来るこの子のことだ。
 私や両親が思い悩んでいる様を見て取った時、持って生まれたこの身体のせいで、逆に自分自身が家族を深く傷付けてしまっているのではないかと言う罪悪感を抱いたとしても不思議ではない。

 今まで、この子が私や父母達に対して、自らの抱える苦悩の感情を吐き出したことなど一度も無い。
 どんな形であれ、死を恐れるのは生命ある者としては当然のことにも関わらず、その恐怖をカトレアは今までずっと一人で抱え込んで、誰の手にも届かないように自分の心の中へと閉ざし続けて来た。
 例え自分がどうなろうと、皆が悪いんじゃない。皆が自分の体のことで気に病む必要なんて何処にも無いのだ。
 これは自分で受け入れることを決めた運命なのだから大丈夫なのだと言う風に、何時だってこの子は私達の前で微笑んでいた。


「……何を言ってるのよ」
「え?」

 そんなカトレアの強さと優しさを、私は誇りに思う。
 自らは死に瀕しているにも関わらず、あくまでも私達家族のことを案じるなんて簡単に出来ることでは無い。
 きっとカトレアは、私が考えているよりも遥かに強くて、そして誰よりも優しい子なのだ。
 この子の優しさに、私も含めてどれだけの人間が救われて来たことだろう。
 ただひたすらに皆を愛し、そして皆から愛されるこの子の存在が、私は愛おしくてたまらない。

 ――だからこそ私は思う。妹の分際で、この私にそんな気を遣おうなどと百年早いのだ、って。
99名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:01:30 ID:qvkuQV6M
支援
100名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:02:33 ID:GNIcTtUt
おかえりなさい!支援
101名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:02:42 ID:qvkuQV6M
支援
102忘れえぬ未来への遺産 12/25:2008/02/09(土) 21:03:06 ID:wpdXdYke
 例えこの子自身が受け入れた物だとしても、愛する妹を勝手に奪い去ろうとしている『運命』の存在など、この私が断じて許さない。
 名誉あるヴァリエール公爵家に生まれながら、満足に魔法を使うことが出来ないという業を背負ったルイズのことだってそうだ。
 私がアカデミーの研究員という立場を手に入れたのも、そもそもは妹達をずっと苦しめ続けて来た『運命』と戦い、討ち滅ぼしてやる為なのだ。
 まだその戦いに決着は付いていない。絶対にカトレアとルイズを助けてやるんだ。
 例えこの子達が自らの運命にどのような結論を出したとしても、それでまたこの子達が辛い思いをすると言うのならば、黙って見ていることなんて出来はしない。

 私は最後まで足掻いてみせる。
 これはもう、私自身が背負うことを決めた『運命』なのだから。

「……もう思い残すことが無いなんて、そんな馬鹿なことを言うんじゃないの。
 貴女にだって、まだ沢山やりたいこと、やらなくちゃいけないことがある筈よ。
 それを見届けるまでは、姉さまは貴女の側を離れるつもりはありませんからね」
 私はカトレアの手を取って、自分の両手で優しく包み込んでやる。
 普段はひんやりと冷たい感触のする妹の手が、今はジョセフの流した波紋のせいか、ほんのりと暖かみを

帯びている。 其処から伝わるこの子の確かな生命の息遣いを感じて、私は少しだけ自分の手に力を込めた。
「エレオノール姉様……」
「ほら、しゃんとしなさい。誇り高きヴァリエール家の人間ともあろう者が、そんな情けない顔をする物ではないわ。
 貴女がそんなことじゃあ、あのおちびのルイズにだって笑われてしまうわよ。
 折角体の具合も良くなって来ているんですもの、今度ルイズが帰って来る頃までには、今よりもっと元気になってあの子をびっくりさせてあげなさいな。
 ふふ……あの子が目を丸くして驚く姿が今からでも目に浮かぶようだわ」

 泣き虫で意地っ張りで、いつもカトレアに甘えていたルイズの顔が今は無性に懐かしい。
 最後にあの子と会ったのは何時の頃だっただろうか。
 何だかもう随分と長い間、ルイズの顔を見ていないような気がする。
 満足に魔法が使えないという事実と、それによって周囲の人間から与えられ続けて来たプレッシャーが、どれだけルイズの負担になったのかは想像に余りある。
 私もその一翼を担った人間だ。
 きっとあの子から見れば、私はさぞ意地悪で憎たらしい姉として映ったことだろう。
103名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:03:48 ID:qvkuQV6M
支援
104名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:04:09 ID:QTZSJI3S
紫煙
105忘れえぬ未来への遺産 13/25:2008/02/09(土) 21:04:10 ID:wpdXdYke
 あの子の為を想ってのこととは言え、ずっと厳しく接し続けてしまった私の分まで、ルイズに姉としての優しさをたっぷりと注いでくれたのはこのカトレアだ。
 ルイズが本当に辛い思いをした時、あの子の全てを優しく抱き止めて来たカトレアの存在が、どれだけルイズの心の支えになっているのかは、あの子がカトレアに懐いている姿を見れば一目瞭然だった。

 カトレアだってそうすればいいのだ。
 人一倍体が弱い癖に、他人のおせっかいばかり焼いているこの子に対して、姉として一種の腹立たしさすら覚える時がある。
 本当に辛い時、苦しい時には、誰かに縋り付いてその胸の内を思いっきり曝け出せばいい。
 私達は家族なのだから、自分の体のことで変に申し訳無く思う必要なんて何処にも無い。
 この子からすれば、私や家族に心配を掛けまいとして気丈に振舞っているつもりだろうが、それこそ余計なお世話と言う物だ。
 妹なら妹らしく、何も考えずにお姉様に甘えればいい。
 血を分けた家族の前でまで、そんな無理などしてみせなくてもいいのだ。
 まったく、普段は大人しくて聞き訳が良い子だと言うのに、こうやって肝心な所では精一杯に強がって見せる辺りは、やはりこの子も私やルイズと同じくヴァリエール公爵家の血を引く頑固者らしい。

「カトレア。もし貴女が何かを望むと言うなら、遠慮無く私に言ってごらんなさい。
 姉様がきっとその願いを叶えてあげる。何時だって姉様は貴女の力になってあげるわ。
 だからその分、貴女も姉様の言うことをちゃんと聞いてその体を治して行きなさい。
 いいわね?また何かおかしなことを言って、姉様を困らせたりしたら許しませんからね」
 カトレアの目を真っ直ぐに見据えながら、私はゆっくりと言葉を続けて行く。
 よくよく考えれば、こうしてカトレアに説教めいたことを言うのは初めてかもしれない。
 だが、たまには良いだろう。意地っ張りのこの子には頼るべき姉の存在がいることを、この機会にたっぷりと思い知らせておこう。
「でもね、姉様は貴女に無理をしろなんて言わないわ。辛い時には辛いってはっきりと言えばいいのよ。
 全部…とまでは行かないかもしれないけれど、姉様にだって多少なりとも貴女の負担を軽くしてあげることは出来る筈よ。
 まったく貴女って子は、昔から本当につまらない遠慮ばっかりするんだから。
 少し位なら欲張りになっても怒ったりなんかしないから、貴女もたまには姉様に頼ることも覚えなさいな」
「……っ…エレオノール…姉様…」
 私の手を握り返して来るカトレアの細い指先に、ゆっくりと力が込められて行く。
 こちらを見上げるこの子の顔が、今は何時に無く不安に怯えた頼りない物のように見える。

 それでいい。怖いことがあったのなら何でも姉様に言いなさい。
 姉様はどんな時でも貴女のことを守ってあげるんだから。
 そうこの子に言い聞かせるように、私は自信に満ちた笑顔を作ってカトレアに見せてやる。
106名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:04:53 ID:qvkuQV6M
支援
107忘れえぬ未来への遺産 14/25:2008/02/09(土) 21:05:06 ID:wpdXdYke
「ほらほら、またそんな顔をして。折角の綺麗な顔が台無しじゃないの。
 笑える時はいつもみたいに笑っていなさい、姉さまは貴女の笑っている顔が一番好きなんですからね」
「……はい…はい、わかりました…エレオノール姉さま……」
 この子が握り返して来る方の手はそのままに、私はもう片方の腕を伸ばして、ほんの少しだけしゃくり上げながら私の言葉に応えるカトレアの頭をそっと撫でてやる。

 まったくルイズのことと言い、本当に私は妹を泣かせてばかりの意地悪な姉のようだ。
 カトレアにとって、自分の胸の内を曝け出すという行為が、どれだけ思い切りの必要なことなのかわかっていながら、それでもなお私はこの子にそれを求めているのだから。
 しかし、それでも私はカトレアが私の言葉にここまではっきりと感情を露わにしてくれたことを嬉しく思う。

 今はそれだけ聞ければ十分だ。
 きっとカトレアも、私の気持ちをわかってくれたのだと思うから。

「フフフ……」
 それまでずっと私とカトレアのやりとりを見つめていたジョセフが、不意に笑い声を漏らした。
「やっぱりエレオノールの姐さんは俺の言った通りのキャラだったな。
 いや、こーゆー時の俺の予想って絶対に外れたコトが無いんだよネ。
 相手が次に何を言うのか全部わかっちゃう俺ってば、ひょっとして超能力者なのか・も」
「……ふん。何を他人事みたいに言っているの。まだまだ貴方にもその力を貸して貰いますからね。
 これからもたっぷりとこき使ってやるんだから、覚悟しておきなさいな」
「わかってるさ。お美しいカトレアお嬢様の為ともなれば、このJOJO、幾らでもお手伝いさせて頂きますともさ」
「その言葉…努々忘れないで頂きたいものね」
 迷いの無い口調で頷くジョセフに向けて、それでも私はいつになく強い口調で念を押しておく。
108名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:05:27 ID:qvkuQV6M
支援
109忘れえぬ未来への遺産 15/25:2008/02/09(土) 21:07:51 ID:wpdXdYke
 今、カトレアを本当の意味で治療してやれるのは彼が操る波紋法の技術だけだ。
 彼自身の人間性や、それに対する私の個人的な心情等を別とすれば、私の医者としてのジョセフ・ジョースターに対する信頼は極めて深い。
 私達にはジョセフの存在が必要であり、妹のことで彼に頼りたいという気持ちは依然として変わらない。
 先程口にした通り、私が彼のことを評価しているという言葉も、決して嘘では無いのだ。

 彼の操る波紋の技術は本当に素晴らしい物だと思うし、実際そのおかげで僅かばかりではあるがカトレアの体調が回復に向かっていることも事実だ。
 最初の内は得体の知れない術を使う平民の医者ということで、ジョセフにカトレアの容態を診て貰うことには両親からも強く反対されたものだ。
 それでも、私の必死の説得によって何とか彼による初回の診察が許可されたのだ。
 そしてその結果、彼は波紋を用いた治療がカトレアの回復に繋がる可能性を見事に提示してくれた。
 そのおかげで、今ではすっかりこのヴァリエール公爵家で暮らす者全員がジョセフによるカトレアの診察を待ち詫びるようになっていた。

 今まではどんなに優秀な『水』系統のメイジを招聘した所で、病魔に冒されたカトレアの体を癒すことは出来なかった。
 しかし、波紋という不思議な術を操るこのジョセフ・ジョースターという男は、例えほんの僅かと言えども初めてカトレアの体調を好転させることに成功した人物だった。

 あまり素直に言葉に出せてはいないが、私はジョセフには本当に感謝している。
 そしてまだまだ、彼をこのヴァリエール公爵家に繋ぎ止めておきたいとも思う。
 せめてカトレアの体が完治するその日までは、彼には私達に付き合って欲しい。
 私達にとって、その願いを実現させ得る可能性を持ったジョセフの存在は、まさしく希望その物なのだから。
110名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:08:20 ID:qvkuQV6M
支援
111名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:08:56 ID:9WE223pa
支援だ!
112名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:09:03 ID:ooX5G7v5
オラオラいくぜ支援
113名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:09:16 ID:qvkuQV6M
支援
114忘れえぬ未来への遺産 16/25:2008/02/09(土) 21:09:19 ID:wpdXdYke
「……これで減らず口さえ叩かなければ、もっと素直に褒めてあげてもいいんだけれど」
「ンー?何か言ったかい、エレオノールの姐さん。
 幾ら俺様が頼り甲斐のあるイイ男だからって、俺へのラブコールに遠慮なんて要らないぜ?
 マ、ちぃとばっかしトウが立ってる気もするが、姐さん程の美人ならいつでも大歓迎なんだな、これが」
「そんな訳があるか!何をどう解釈したらそういう結論に辿り着くのよ!?それに誰のトウが立っているですってぇぇぇ!?
 もう一度その口で言ってみなさいな、この愚か者がぁーッ!!」
 少しでも褒めてやろうと思うとすぐこれだ。まったく、本当に何度言われても懲りない男だ。

 確かに、平民の分際で頭の回転も速く、カトレアにも引けを取らぬ程の見事な洞察力だとは思う。
 私よりも年下の癖に、妙に老成した空気すら感じる程だ。
 以前聞いた通り、遠い国から旅をして来て、その道中で様々な怪物と戦って来たという話も嘘では無いのかもしれない。
 ただそれでも許し難いのは、今はその能力を人をおちょくる為だけに使っていることなのだが。

「おーコワっ…妹さんにはあんなに優しかったっつーのに、何だか俺だけ差別されてるカンジ。
 なあカトレアお嬢様よ、今更こんなことを言うのも何なんだが、やっぱあんたの姉貴はおっかねー人だったわ」
「うふふ…そうですね、確かにエレオノール姉様は厳格な方ですが…
 だけど先生も御存知の通り、本当はとってもお優しくて頼りになる、私の自慢のお姉様なんですよ」
「まッ、俺もあんた達が実はかなり似た者同士の姉妹だっつーコトは色々な意味で良〜くわかったがね。
 でもなー、だったら俺にだってもーちっとばかし優しくしてくれてもイイんじゃねーかなァ。
 俺ってばこーんなにカワイイ年下の男の子なのに、エレオノールの姐さんも見る目が無いぜ」
「やかましい!いい加減に年齢の話から離れなさいな!人が気にしていることをいちいちいちいち……貴方にはデリカシーと言う物が無いと言うの!?」 
 先程まで泣きそうな顔をしていたカトレアが、再び呑気に微笑んでくれるようになってくれたのは素直に嬉しい。
 しかし、それ以上にジョセフの言葉がいちいち癇に障って仕方が無かった。

 認めたくは無かったが、確かに最近は鏡を前にしているとお肌の具合があれこれと気になってばかりだったし、体からも何だか全体的に柔軟さが無くなって来ている感じがする。
 先程もジョセフに言ってやった通り、これでも色々と美容には気を使っているつもりなのだが、いい加減に小手先の美容法だけでは間に合わない時期に差し掛かっているのかもしれない。
 この歳にもなって、未だに結婚すら満足出来ていないという現実が目の前に立ち塞がっている以上、私はカトレアの件とは全く別の意味で、胸に広がる激しい焦燥感と共にその向こう側にある絶望の影に怯えて過ごす日々が続いて久しかった。
115名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:09:20 ID:DMpz6VD2
支援
116名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:10:04 ID:qvkuQV6M
支援
117忘れえぬ未来への遺産 17/25:2008/02/09(土) 21:10:34 ID:wpdXdYke
「フム。それじゃあ、さっきの話に戻るが姐さんも俺の波紋を受けてみるかい?
 波紋っつーのは怪我や病気の治療だけじゃなくて美容にもイイんだぜ、いやホントの話」
「まあ、それは素敵なお話。でも、どうして…その、波紋が美容に宜しいんですの?」
「……ある程度の想像は付くわね」
 首を傾げるカトレアよりも、寧ろ私は得意気に話すジョセフに向かって言葉を続ける。
「波紋の呼吸によって発生した生命エネルギーを体内に蓄積しておけば、当然肉体は活性化され、代謝能力も向上する。
 老化を体内の老廃物を排出する機能の劣化と捉えれば、代謝機能を底上げすることによって肉体の老化を抑止、あるいは大幅に遅らせることも出来る……違うかしら?」
「ほぉー」
 感心したように呟くジョセフの足元に、カトレアが部屋の中で飼っている子犬が一匹近付いて来る。
 片手でそのおチビを摘み上げて膝の上に乗せながら、ジョセフはこちらの顔を窺いながら言葉を続ける。
「姐さんってば随分とインテリなんだな。つーか良く新陳代謝の話なんて知ってるな?」
「仕事柄、ね。そういう話には敏感なのよ」
 正確にはカトレアの治療の為に学んだことだったが、アカデミーでの研究に必要な知識であるという点はどちらでも同じだ。
 それにジョセフの操る波紋の技術、その仕組みについても、彼から聞き出せるだけの話は聞いておいて、それに対する私自身の独自の解釈も色々と試みている。

 元はと言えば、私が噂話で聞いたジョセフの治療法を詳しく研究・調査したいと思って接近したのが始まりだったのだ。
 私個人の好奇心を満たす為に、彼やカトレアや利用してしまっているのでは無いかという負い目は未だ完全に消え失せてはいない。
 カトレアの体力が少しずつ回復してくれていることは確かに嬉しい。
 だが、この私が素直にそれを喜んでも良いのか――まだ、迷いがあった。
118名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:11:28 ID:DMpz6VD2
紫煙
119忘れえぬ未来への遺産 18/25:2008/02/09(土) 21:11:40 ID:wpdXdYke
「マ、詳しい理屈は姐さんが今言った通りで間違ってねーだろう。
 重要なのは、俺の波紋を流し続ければただでさえ美人のあんた達が更に美しくなっちまうっつー、そっちの方の話だネ。
 俺が本格的に波紋を習った先生なんかも、見てくれは姐さんと大して変わらないのに本当は五十歳のばばあだったしな。
 案外、俺も見た目よりずっとジジイなのかもしんねーぞ?なーんちゃってネ」
「あら、それではジョースター先生の診察を受けさせて頂いている私も、もっと綺麗になれるのかしら?」
「難しいねー。何しろ妹さんは今の段階で絶世の美人!挙句の果てにナイスバディで性格もサイコーと来てるもんなァ。
 流石の俺も、これ以上どうイジったら妹さんをグレードアップ出来んのか想像も付かねー」
「ふふ、いやですわ。ジョースター先生ったらお上手なんですから」
「いやいやホントの話よ。まさかこんな所でカーズを上回る究極生命体の姿を拝めるなんて想像もしてなかったぜ。
 …あーだが、妹さんにゃ関係ねーんだが、エレオノールの姐さんに言っとかないとならねー話があるな。
 ウム、これは姐さんにとってはかなり重要かつシビアな話なんだが」
 やおら真剣な表情を作りながら、ジョセフは私の顔を真正面から見つめて来る。

 こうして見ると、彼がつくづく均整な顔立ちと適度に引き締まった肉体を持った美男子なのかが良くわかってしまう。
 一瞬、そんな男性に視線を送られているという事実に、私は気恥ずかしさを覚えそうになるが――

 そんな恥じらいの感情も、次のこの男の一言によって完膚無きまでに打ち砕かれる羽目になった。

「幾ら俺の波紋でも胸まではでっかく出来ねーからな。その辺は悪ぃけど諦めてくれよな、エレオノールの姐さん」

 ある意味、予想通りの言葉ではあった。
 私に対する哀れみと申し訳無さが心の底より滲み出ました、とでも言う風な表情を浮かべるジョセフに向けて、私は一旦にっこりと微笑んでやる。
 案外、哀れな罪人を裁く際の処刑人の気持ちとはこういう物なのかもしれない。
 一種独特の爽快感すら覚えながら、私は一度浮かべた笑顔を崩して、そして心の底から怒りと憎しみを絞り出すようにして咆哮する。

「こ・ん・の・ぉ――無礼者がぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」
120忘れえぬ未来への遺産 19/25:2008/02/09(土) 21:12:36 ID:wpdXdYke
 それと共に、自分でも惚れ惚れするくらいのスピードで再び愛用の鞭を取り出して、そのまま目の前で椅

子に座ったままのジョセフに向かって握り締めた鞭を全力で叩き込んでやる。
「HOLY SHIT(やっばァーい)!!」
 彼の体の正中線上を狙った私の一撃も、どうやらこちらの行動を予測していたらしいジョセフに避けられてしまう。
 再びこのカトレアの自室の中に張り詰めた緊張感が走る。
 目を丸くして私達の様子を窺うカトレアや、部屋の中にいる動物達の困惑の視線が集まって来るのを感じる中で、私はジョセフを威嚇するように中空に向かってもう一度鞭を振るっておく。
「ウホッ、相変わらずいい音……」
 ジョセフの言う通り、我が相棒が風を切る音はどこまでも鋭い。まったく以って頼もしい限りである。
「まったく、貴方という人は少しでも褒めるとすぐ調子に乗るようねぇ!?
 カトレアの治療を続けて貰っている手前、多少のことは大目に見ていたつもりだけれど……
 やっぱり貴方にはもう一度、貴族と平民の違いという物を思い知らせておくべきのようだわねぇッ!!」
 私の怒声に反応して、カトレアのペット達が再びビクリと体を震わせる。
 特に、先程からジョセフの膝の上に乗りながら、彼の大きな手で撫で回されている子犬などは完全に怯えきった視線をこちらに向けて来るが、ジョセフに対する怒りの感情に支配された今の私はそんなことなど気にも留めない。
「あ、あの……エレオノール姉様?」
「カトレア、貴女は下がっていなさい。そこにいると危ないわよ」
 幾らジョセフが許し難い妄言を吐いたとは言え、万が一にもこんな馬鹿馬鹿しいことでカトレアを傷付ける訳にはいかない。
 戸惑いの表情を浮かべて私の顔を見上げるカトレアに釘を刺しつつ、私はそのまま鞭を振り回してもこの子に当たらないような位置へと陣取って行く。

 とは言え、カトレアのことはそれで良いとするにしても、今もジョセフの膝の上で恐怖に震え上がっている子犬についてはあまり身の安全は保障出来ないかもしれない。
 ジョセフに対する哀れみなどは欠片も感じないが、何の罪もないおチビを傷付けてしまうのは幾ら何でも気が引ける。
 しかし確実にジョセフを仕留めるということを第一に考えている今の私には、ここで退転するという考えも思い付かなかった。

 万が一怪我でもしてしまったら、せめてこのおチビにだけはヒーリングの魔法を掛けてやろう。
 そう決意を新たにして、私は未だに椅子に座ったままのジョセフに向かって一歩を踏み出す。
121名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:12:52 ID:qvkuQV6M
支援
122忘れえぬ未来への遺産 20/25:2008/02/09(土) 21:13:46 ID:wpdXdYke
「さぁ〜て?覚悟は宜しいかしら、ジョセフ・ジョースター先生……
 言い残すことがあるなら今の内にどうぞ。誰の耳にも届けず、私が墓場まで持って行って差し上げますので」
「ちょっと待ってくれ姐さん。それってよーするに、俺の話を聞く気はぜェーんぜんねぇってコトだよな?」
「ウフフフフ。理解出来ているなら話は早いわぁ。もっともそれがわかった所で、貴方の死期が近付くだけの話だけれどねぇ?」
「オーノー!相変わらずこのネーチャンってば、こっちの聞く耳なんざ全然持っちゃいねーのな!
 ったく、そんな風にいっつもピリピリしてばっかだから、フィアンセの男にも逃げられちまったんじゃネーノ?」
「殺す。殺すわ。絶対殺す。今すぐ殺す。何が何でも殺してやる」
 私にとっての怒りの琴線、その全てに触れた遺言というのも、実にこの男らしいとは言える。
 まるで死者の魂を運ぶ死神のような心持ちで、私はそのままゆっくりと鞭を振り上げる。
「――だから!とっととこの場で死んでしまえぇぇぇ!!ジョセフ・ジョースタァァァァッ!!!」
 そして咆哮と共に、私は全力を込めた必殺の一撃を目の前の愚か者に向かって叩き込んでやる。
「おっとォ!」
「む!?」
「まあ」
 手応えは無かった。私は手加減した訳でもなければ、慈悲を掛けてやったつもりも無い。
 完璧な殺意で以って振るわれた私の鞭を、ジョセフ・ジョースターはあろうことか座ったままの姿勢で、膝だけの力を使って後方に跳躍することであっさりと避けて見せたのだ。
 常人に出来る芸当では無かったが、さりとてこの男がまともな人間でないこともまた事実。
 恐らくは波紋法の呼吸によって体内に蓄えられた生命エネルギーが、ジョセフの身体能力を大幅に強化しているが故に出来た技なのだろう。
「ヘッヘ〜ン!残念だったなエレオノールさんよォ!毎度毎度、バカ正直にあんたの鞭に打たれてやるほど、このジョセフ・ジョースター様は大人しくもなけりゃあソッチ方面の趣味もねーんだぜ!」
 腹が立つほど爽やかな笑顔を浮かべながら空中を舞うジョセフは、そのまま全身をくるりと半回転させて完璧な姿勢で床へと着地する。
123名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:14:06 ID:qvkuQV6M
支援
124忘れえぬ未来への遺産 21/25:2008/02/09(土) 21:14:33 ID:wpdXdYke
「よっと――これで勝負は仕切り直しってヤツかな、エレオノールの姐さん」
「フフフ…中々面白い真似をしてくれるわね。けど、まだ躾の悪い野良犬への仕置きは終わっていなくてよ?
 今日という今日は、貴方に引導を渡してあげるわ……覚悟しなさいな」
 今の跳躍は確かに予想外だったが、理屈さえわかっていれば必要以上に驚くことも無い。
 そもそもこの男の存在自体が、今までの私の常識で推し量れる相手では無いのだ。
 どんな非常識な真似をしでかした所で、現実をありのままに受け入れてやればいい。
 後はそれを許せるか否かであって、勿論私は先程のジョセフの発言を許すつもりなど毛頭無かった。
 両手で鞭の端を引っ張りつつ、ふてぶてしい笑みを向けて来るジョセフの顔を力一杯に睨み付けてやる。
 ギシギシと鞭の軋む音が未だ収まらぬ私の怒りを代弁してくれているようで実に心強い。
「オーノー、いつもながら本ッ当に物騒なネーチャンだぜ…だが、そーでなくちゃあ今の俺としても困っちまうんだよネ。
 ――姐さん!あんたはこれから『このエレオノール、容赦せん!』と言う!」
「このエレオノール・ド・ラ・ヴァリエール!容赦はしないわ……ハッ!?」
 自身満面に宣言するジョセフの言う通りに、私は彼の言葉をそのまま復唱してしまう。

 何か物凄く嫌な予感がする。
 この男がこういう物言いをする時は、まず間違いなくこちらの行動を先読みして、その対処を完璧に終えている場合だった。
 それも、決して相手に自分の打った布石を悟らせない方法によって、だ。
 私が気付いていないだけで、彼は既にこちらに対する反撃を完了している。
 それは間違いないと考えていいだろう。
 そう、例えるならばルイズが魔法を使ったら爆発が生じ、あるいはヴァリエール公爵こと私の父様が決して母様に頭が上がらず、そして悲しきかな、如何なる手段を講じても終ぞ私の胸が膨れることが無かったと言うくらい、確実に。

 だが、どうやって?一体どのような手段を用いて、ジョセフはそれを行ったのだ?
 先程椅子に座った状態から跳躍する間の何処に、そんな暇があったと言うのだろう。
 私は目を凝らしてジョセフの姿を見つめる。何か見落としていることは無いか、おかしな動きはしていないか、先程と変わっている所は無いか…
 ほんの僅かな違いすら見逃さないようにしっかりと彼の姿を観察する。

 しかしそれでもジョセフ自身に変わった所は見受けられない。
 強いて言うならば、以前とある事故がきっかけで失われたという片手が目立つ程度で――
125名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:14:47 ID:qvkuQV6M
支援
126忘れえぬ未来への遺産 22/25:2008/02/09(土) 21:16:08 ID:wpdXdYke
「う………ッ!?」
 その時、急に右腕に異様な重さを感じて、私は思わず手にしていた鞭を取り落としてしまう。

 片手。そうだ、そう言えば一つだけ変わっていると言える箇所があった。
 先程ジョセフが残された右手だけで撫で回していた子犬の姿が、今は何処にも見えないではないか。
 ジョセフ・ジョースターの操る波紋、彼の手元からいなくなった子犬、重さを感じる私の右腕。

 これらの符号から導き出される答えはただ一つ。私は視線を自分の右腕に送る。
 そこには果たして、私の予想通りにジョセフが撫で回していたあのおチビがしがみ付いていた。

「くっ」
 何とか引き離そうと思っても、四本の足でしっかりと自分の体を固定している子犬はびくともしない。
 こんな小さな体の何処にここまでの筋力があるのか信じられないくらいの、物凄い力だった。
「まあまあ、なんてこと。この子ったら一体どうしてしまったのかしら」
 そんなおチビの様子を見て取ったカトレアが、首を傾げつつ椅子から立ち上がる。
 この子ってば普段はとても大人しいのに、と呟いてカトレアは子犬の頭を優しく撫でた。
 そのままおチビに対して私から離れるよう促してくれているが、問題の子犬は主人であるカトレアの指示などまるで意に介さずに、私の右腕にぴったりとしがみ付いたまま離れようとしない。
「無駄よ、カトレア」
「ですがエレオノール姉さま」
「詳しい説明だったら後で其処の不埒千万なお医者様がして下さるでしょうよ。
 少なくとも私が言えるのは、今このおチビに何かを言った所で聞く耳なんて持たない、いいえ、持てないようにされているということだけよ」
「ありゃま、どーやら手品の種はバレバレみたいネ。もーちっとばっかし驚いてくれると思ったんだケド」
「わからいでか。私が貴方の側で波紋の観察を始めてから、一体どれだけの時間が経ったとお思い?
 波紋が生じる理屈と実際の効果さえ判明していれば、ある程度の推測は立てられるものよ。
 第一、この種の波紋は初めて会った時に貴方が私に流した物と同じ――って、ぅわぁぅっ!?」
 何時の間にか、ジョセフは足音一つ立てずに私とカトレアのすぐ側にまで近付いて来ていた。
 いきなり彼の顔が大写しとなって眼前に飛び込んで来たせいで、私は思わず驚愕の悲鳴を上げてしまう。
 驚きと、そこから生じる焦りのせいで、思考が上手く働かない。
 おかげで私はそのまま彼が無造作に伸ばして来る手を振り払うことも出来ぬまま、唯一自由に動かせた筈の左腕も掴まれてしまい、今や完全に身動きが取れなくなってしまっていた。
127名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:16:36 ID:qvkuQV6M
支援
128忘れえぬ未来への遺産 23/25:2008/02/09(土) 21:17:14 ID:wpdXdYke
「ウケケケ。これでチェックメイトってヤツだな、エレオノールの姐さん」
「あ……くぅっ…」
 相変わらずの人を喰ったような、意地の悪さが滲み出たジョセフのその表情が、私は苦手だ。
 お調子者で礼儀知らずで、誰もが畏れるヴァリエール公爵家の長女たるこの私に対しても、身分の差なんてお構いなしに堂々と自然体で接してのけるこの男の存在を――幾度となく心の中から追い出そうと思っても、逆にそれは私の中で大きく膨れ上がって行く一方だった。
 満足に彼の顔を見られなくて、私は必死に顔を逸らそうとする。

 だが、それも出来なかった。
 あろうことか、彼の方からその顔を近付けて来て、私の視界を自分の姿で塞いでしまったのだ。
 目の前に彼の顔が大写しになって、心臓の鼓動が張り裂けそうなまでに高まっている。

 もう限界だ、と思った矢先、やはりこの男は私の予想を遥かに上回る行動を起こして来た。
 手首から先の無い左腕を不器用に操って、私の前髪を跳ね上げて。
 そして、剥き出しになった私の額に、軽く口付けをしたのだ。

「……〜〜〜〜っ!?」

 全身に痺れるような衝撃が走る。その感覚は決して私の気のせいでは無い。
 ジョセフが私の左腕を掴む手を離して、一歩その体を引いたのを確認しても、私の体は指先一つ満足に動かせなかった。
「フッフッフ〜ン。幾ら本気で俺をブッ飛ばそうとしてるとは言え、姐さんには普段から世話になってるからなァ〜。
 あんま手荒な真似もしたく無かったし、とりあえず俺の熱〜い感謝の気持ちを波紋入りのキッスで送らせて貰ったぜ。
 まッ、体の自由が利かないのは、王子様のキスでお姫様の目を覚ますっつーアレの逆バージョンだわな。
 あんま強い波紋じゃねーし、どうせもう暫くしたらそっちのチビと一緒にすぐ解けるだろうし」
 悪戯が成功した子供のように無邪気に笑いながら、右腕に子犬をしがみ付けたまま立ち竦んでいる私から離れるべく、ジョセフは更に二歩、三歩と距離を取って行く。
「んじゃ!エレオノールの姐さんがもう一度プッツンする前に、俺はここらでオサラバするぜ!
 このままこーしていたら、またこのおっかねェネーチャンに何されるかわかったモンじゃねーしな!
 妹さんもお大事になァ〜!万が一何かあっても、呼んでくれりゃあこのJOJOはすぐ駆け付けるからノープロブレムだぜ!」
 やがて勢い良く手を上げて私とカトレアに会釈した後、ジョセフは全速力で部屋から駆け出して行った。
129名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:17:26 ID:qvkuQV6M
支援
130忘れえぬ未来への遺産 24/25:2008/02/09(土) 21:18:22 ID:wpdXdYke
「あ、ジョースター先生!その、今日は本当にありがとうございました!」
 呆気に取られた様子でジョセフの姿を見詰めていたカトレアが、そこでようやく思い出したかのように、あっと言う間に私達の視界から消え去ったジョセフに向かって別れの挨拶を投げ掛けた。
 そして、そのままカトレアは困惑した表情を浮かべたまま、微動だにしない私の方へと向き直る。
「……あの、その。エレオノール姉様……」
「許さない……」
「え」
 何か言い掛けたカトレアの言葉を遮るように、怒りと憎しみに彩られた私の声がこのカトレアの自室に響き渡って行く。
 それと共に私は、やがて自分を束縛する目に見えぬ力が少しずつ弱まって行き、再び自分の身体が自由を取り戻して行く感触を実感していた。
「おぉのれぇジョセフ・ジョースタァァァッ!いつもいつもいつもいつも私をコケにしおってぇぇぇ!!
 許さん!ぜぇーったいに許すものですか!地の果てまでも追い詰めてくびり殺してくれるわぁぁぁッ!!」
「あ、え、エレオノール姉様…?」

 どこまでも私の心を惑わせて、からかって、おちょくって、弄び続けるジョセフに対する怒りが、再び私の中で燃え上がる。
 やはり、あんな男は嫌いだ。今の出来事でそれが良くわかった。
 私とあの男は、決して交わることの無い不倶戴天の運命にあるのだ!

 私は無理矢理自分の身体を動かして、自分の右腕にしがみ付いたままの子犬の身体を掴んでやる。
 まだ身体を動かすのは少し億劫ではあったが、激情に駆られた今の私はそんなことなどいちいち気する暇も無かった。

 自分と同様に、既に波紋の効力が弱まりつつあった子犬の身体を強引に引き離し、一体何が起こったのかわからないとでも言う風に目を白黒させているおチビを半ば強制的にカトレアに押し付けるように渡してやる。
 そして改めて右手に鞭、左手に魔法の杖を構えて、私は今度こそ完璧な戦闘態勢を取った
「絶ぇッ対に逃すものですか!今日こそあの変態医者に引導を渡してくれるわ!
 待ってなさいなジョセフ・ジョースター、貴様が生きてこのヴァリエール公爵家から出られるなどと思わないことねぇぇぇぇッ!!」
 既にこの場から逃げ去ったジョセフに対する呪いの言葉を吐きながら、私も全速力で彼の後を追う。
 後に残されたのは、胸におチビを抱いたままのカトレアと、怯えを通り越して最早諦めの境地に達した視線をこちらに向けて来る大勢のペット達だけだった。


「……ふぅ。やっぱり、エレオノール姉様とジョースター先生ったら、仲がお宜しいんですから。
 でも――うふふっ。なんだか私は、そのことがとっても嬉しいわ。
 私の自慢のエレオノール姉様が、先生の前ではあんなに生き生きとしていらっしゃるんですもの。
 それに、本当にお二人のやりとりを見ていると、もうおかしくって……
 ふふふ…ははっ、あらいやだ、でも何だか止まらないわ…うふふふふ、あはははははっ」

 心の奥底から、カトレアは笑う。
 それは普段の彼女が浮かべることのない、どこまでも清々しくて爽やかな笑顔。
 彼女に命を救われた動物達だけが、カトレアが今日、本当の意味で笑ったことを知っていた。
131忘れえぬ未来への遺産 25/25:2008/02/09(土) 21:19:13 ID:wpdXdYke
 ――しかし、と自分はいつもそこで思うのだ。
 何故こうも己自身の未来を、自分が背負うべき運命の存在を断言することが出来る?
 今、こうして見知らぬ土地で暮らすという行為に、どうしてここまで違和感を覚えるのだ?

 自分がその疑惑を抱く時、必ず脳裏に浮かんで来る光景がある。
 ともすれば、これまで自分が重ねて来た記憶を全て押し潰してしまいそうな程の圧倒的な量だ。
 これもまた記憶なのかもしれない。
 ただし、自分が知る由も無い、自分では無い誰かの記憶だ。
 当然だろう。何故ならば、これまでの人生でそんな体験などした筈が無いのだから。
 体験したことの無い記憶など、思い出せる筈が無いではないか。

『フフフ、そうね。病気になるとみんなスゴク優しいんだもん。たまにはカゼもいいかもね』

『じじいは…決して逆上するなと言った……
 しかし…それは…無理ってもんだッ!こんなこと見せられて頭に来ねえヤツはいねえッ!』

『もらっとくぜーッ!父親ならよォー、息子にお小遣いくれてくもんよねェ〜ッ!
 それにお袋の写真家に持って帰ったら、またバアちゃんともめちゃうぜ〜!元気でなあ〜ッ!』

 それでも自分は、自分の中にある光景を否定出来ない。
 何処かでこれらの記憶を体験し、その人達に出会っている人間がいることを、自分は知っているからだ。
 この記憶の淵を辿って行く時、最後はいつも同じ光景が目の前に現れる。
 それが自らが知り得ない筈の記憶の終着点であり、またこの眠りから醒める時の合図でもあった。


『世界ノ終焉ガ訪レル前ニ、私ハ自ラノ能力ニヨッテ、私ノ主人ト私自身ヲ守ラ無ケレバナラナイ!
 時ノ加速ノ果テニ、イズレ我々ガ再ビ遭ウソノ時マデ、オ前自身ニ定メラレタ『本当の運命』ニ到達スルコトは決シテ無イダロウ。
 『終わりが無いのが終わり』……ソレコソガ、コノ私、『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』ノ能力ダ』
132名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:20:22 ID:qvkuQV6M
え、なぜにコイツ!?
お、乙でしっ
133名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:21:01 ID:QTZSJI3S
え? なんでGER?

乙&GJ!
134名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:23:00 ID:DMpz6VD2
投下乙&GJ
しかし…GERだと?何故だ…
135名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:29:59 ID:ooX5G7v5
536 名前:若ジョセフ×エレ姉様[sage] 投稿日:2008/02/09(土) 21:26:14 ID:/YC7c8Sg
> 投下完了しました。別段サボっていた訳では無いのに、完成までここまで時間が掛かるとか、もうね…
> しかもこの間に身内が亡くなったり緊急入院したりで、挙句の果ては自分まで風邪でダウン中だったりと
> せめて多少なりとも、露伴先生の言う「リアリティ」が作品に反映されてればイイナー、とか思ったりして

> それはさておき、支援して下さった皆様、本当にありがとうございます!

最後にこの投下終了宣言を書き込もうとした瞬間にさるさんとか…
136名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:56:20 ID:nfE1jhM+
投下乙&GJ
読みたかった作品の最新話を、それも多い量を読めた!最高にハイって奴だぁー!


若ジョセフの記憶の中のホリィ、承太郎、仗助・・・謎が謎を呼ぶGERの存在
もしやこれはプッチのメイドインヘブンで加速した世界の一巡後若ジョセフか?
137名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 22:25:35 ID:GNIcTtUt
投下乙そしてGJでした
まさか一巡後の若ジョセフ?
ここで登場したGERは一体?
うーむ続きが非常に気になりますなー
138名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 22:31:53 ID:ooX5G7v5
えーと、ジョルノはジョセフにとって身体的には叔父なのかな
孫より叔父のほうが若いってのも奇妙だな もっともジョセフは孫より息子のほうが(ry
139名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 22:50:30 ID:5Rj3bIf2
ブラボー…おお、ブラボー!GJ!
世界の一巡による記憶…ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムの言葉の意味……ああ、もうわからねぇ!!
入れる謎の内容が素晴らしすぎるぜ!"忘れえぬ未来への遺産"!!これ出版されたら絶対買う
140名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 01:59:56 ID:w6GXcRIv
GJ!待ってました!
エレ姉様は良いツンデレ
141名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 02:18:09 ID:U+sV1piX
乙です

ギーシュの奇妙な決闘の続きはまだかのぅ
142名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 03:17:18 ID:kJZF7wwe
>>141
さっき食べたじゃないですか、おじいさん
143名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 03:38:11 ID:hghLiY/Q
乙&GJ!
ラストのレクイエムにワロタwww
歴代ジョジョで唯一ジョースターは短命から逃れた男だけはある。
144名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 06:45:39 ID:VAbE+j6+
理解不能理解不能乙ゥゥゥゥ!
145名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 09:46:53 ID:XfMJZL3c
ハルケギニアは一巡した世界で
GER(ジョルノ)はブリミル?
146名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 10:08:25 ID:nMeIIrbG
エピタフは許可しないィィィーー!!
147うああぁぁっぷ:2008/02/10(日) 12:03:14 ID:X6iBvqUb
ラバーソールに出て欲しい。
148名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 16:22:59 ID:oLe3g2nP
ウェールズ「これが俺達の」
アイリン「ハンサム顔だ!」
149名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 18:47:30 ID:Xz0Nr5qY
世界一巡だなんて一大事に、僕達私達の大好きな黄金体験鎮魂歌くんが何もしなかったはずが無いのだッ!

って事なのかな? ここは素直にGJとだけ言っておくぜ!
150名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 19:19:30 ID:OCfN2b+O
>>143
つ「サザエさんみたいな髪型」
151名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 19:30:18 ID:n+NsTYuH
>>143
つ「三色コロネみたいな髪型」
152名無しさん@お腹いっぱい:2008/02/10(日) 19:45:01 ID:+yLr+9Bz
白蛇ルイズが召喚したのがホワイトスネイクでなくボーイ2マンだったとしたら
153名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 19:57:19 ID:n+NsTYuH
ルイズ・ギーシュ「「ジャンッケンッ!ポイッ!!」」
ルイズ「ま、負けた・・・く、くそー・・・!」
ギーシュ「まだやるのかい?」
ルイズ「当然よ!」



ギーシュ「僕に虚無の力が!」

と思ったけど負けても吸われなかったな
154名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 21:01:29 ID:WBAy3p8O
避難所に投下しました。
目がなんだかチカチカする……
155名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 03:17:32 ID:4vXkfIps
>>153
ものスゴイ勢いで空に向かってジャンプしながらジャンケンするわけだな

しかし…安西先生…僕もツンデレを表現したいです…orz
兄貴相手だと、おマチさんも姉さまも手玉に取られるような感じ前提だからな…
156名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 07:39:00 ID:sohriYA4
逆に考えるんだ。
兄貴にツンできないなら、他のキャラにツンすればいいですとも。
157名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 10:46:11 ID:0NiFWWPQ
>>155
そこは逆に考えるんだよ
無理に兄貴サイドでツンデレを表現しなくてもいいと考えるんだ
ツンデレの方はルイズと才人の二人に担当させて、兄貴はひたすら謀略とバトル担当で話を進めるんだ
まあ兄貴をツンデレにさせるのも手だがね、そのためにはカトレアを再登場させる事だよ
(兄貴相手に恐れも無く自然体で振舞えるのってこの人しかいないし)
158名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 11:45:38 ID:sohriYA4
さらに逆に考えるんだ。
ツンデレなんて無くてもいいよって考えるんだ。
159名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 12:41:56 ID:gTHb5Tch
エレオノール…『妖精さん』を見られた
マチルダ…グレイトフル・デッドの脅し(現在は違う様だが)
兄貴の影響力はやっぱりすげぇーやっ!

そして銃は杖より強しが避難所に投下されてるぞ
160名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 13:12:39 ID:bxSTMO/3
流石の兄貴もスカロンさんには敵わないからいっその事兄貴をツンデレ化すれb…
161名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 13:21:06 ID:gTHb5Tch
スカロンさんはカーズともカトレアとも違う意味で究極生物
162名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 14:10:46 ID:XMQv2kyV
>>155
兄貴、どうしてもツンデレを表現したいならば他にもう一人適役がいるじゃないですか
ギーシュを失って一人身のモンモランシーならば、サイトにもツン→デレを見せ得ると思います

もしくはメンヌヴィル→コルベール先生をもっと愛憎渦巻く感じn(この先は燃え落ちていて読めない…
163名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 14:19:23 ID:0NiFWWPQ
>>162
あぁ、そういえばモンモンがいたよね
以前に『才人とモンモランシーを絡ませれば面白くなるんじゃないか』と書き込んだことあるのに
すっかり忘れていた俺はド低脳
本編でのシエスタが兄貴しか見ていないし、他のキャラもあまり才人と絡んでいないし
(まあその辺は前任者のインパクトが強すぎたからだろうが)
ルイズ・才人・モンモンの三角関係は見てみたい

あとメンヌヴィル→コルベール先生の濃厚な絡みなんて見たくありませんw
164名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 15:54:26 ID:MfxnKPp2
>>159
今読んだぜ
まさかあんな展開に持っていくとは……と読んだ時は思ったが、
よくよく考えればあれがベストだったように思える

とりあえずタバサの「ペドフィリアは死んだほうがいい」には吹いた
165名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 16:41:48 ID:bxSTMO/3
>>163
メンヌヴィル→コッパゲ先生の濃厚な絡みは見たくない?
逆に考えるんだ、『「嘘つきの鏡」越しに見ればよだれズビッ!!なイベントになるんじゃね?』と考えるんだ。
166名無しさん@お腹いっぱい:2008/02/11(月) 16:44:37 ID:aKRLisAb
そしてエレオノールは破談が決定すると共にこう自分に誓いを立てた
「あの「伯爵」は必ず探し出して復讐してやる!」と
「そして私の前でちびルイズと汚らわしき様を見せつけた使い魔!
 奴らはただこの私を哀れんだ!
 それとカトレアから心と純潔を奪った平民!
 水の精霊の前で永遠の愛を誓った王女も決して許さないッ!」

  『どいつもこいつも有罪よ!』

「くそッ!色ボケどもッ!私は必ず頂点の男を捕まえてみせる!
 そして私を笑う奴らは食堂の床で飯を食わせることより
 もっと屈辱的に誇りを切り裂いて地の上にはいつくばらせてやるわ!」 
167名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 17:22:20 ID:4vXkfIps
>>159
おマチさんは、ちょっと変わったけど、兄貴との関係のベースは
PAPUWAのリキッドとハーレム隊長だから、まだまだ泣いてもらう事になr(ゴーレムに潰されて続きが読めない

>>162
モンモンか…そうかモンモンか…だが、急にそっちに進ませるわけにもいかんしジワジワ行く方向で考えてみよう

>>163
絡んでないっつーか、タバは特に変わらんし、キュルケはそろそろ先生フラグ立つし、乳エルフは出てきてないしなぁ…
てか兄貴視点で進行してるから、どうにもルイズ組の表現が薄くなる…

兄貴も一応、叱り付けてから凹んでるとこに褒めるって技持ってるからそれもアリか…
しかし、あの技の破壊力は反則だと常々思う。
いや、マテマテマテマテ…額合わせと言えば、ガリアに額が広くて態度がデカイデコッパチが居たな…
………ok無理。そこまで進める余裕が無いw
168名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 17:34:49 ID:0NiFWWPQ
>私の前でちびルイズと汚らわしき様を見せつけた使い魔!
>奴らはただこの私を哀れんだ!
>カトレアから心と純潔を奪った平民!

避難所の『ギーシュの奇妙な決闘』の二人と『お嬢様の恋人』のトニオさんのことかいな?
そういえば『お嬢様の恋人』にはエレオノールが出てきてなかったけど、
何時の間にやら妹に男ができたうえに厳しい両親からも婚約が認められた事を知った時の
彼女はどんな気持ちだったんだろう……
169名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/11(月) 21:16:24 ID:TX12n4af
銃は杖より強し読んだぜ

GJ!
面白い!
170名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 00:55:23 ID:zwdrHGP9
キング・クリムゾン!

と言いかけてふと
「帝王の座ゲットー!」
「貴方の組織はジョルノに乗っ盗られるために
あったんですものね」
「くやしい、でも、レクイエムッ」

みたいな状況を思い浮かべた自分は死んだほうがいいのでは?
171名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 01:04:50 ID:fB+dFrEq
バイツァ・ダスト
172名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 01:24:52 ID:ertUtEjz
ザ・ワルド
173名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 10:01:03 ID:MHnWab5T
きん☆くり
174名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 10:11:43 ID:7uxu/V6I
>>171までバイツァ・ダストッ!

171 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/12(火) 01:04:50 ID:fB+dFrEq
バイツァ・ダスト


172 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/12(火) 01:24:52 ID:ertUtEjz
ザ・ワルド


173 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/12(火) 10:01:03 ID:MHnWab5T
きん☆くり
175名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 11:34:51 ID:fB+dFrEq
ザ・ハンド!
次の投下を削り取る!
176名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 11:55:59 ID:mRTfhTg0
投下を削っちゃ駄目だろ
投下までの間を削るんだ!
177名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 15:25:51 ID:Y/XDryGl
投下・・・待ってます・・・

と見せかけてキング・クリムゾン!!
178名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 15:48:36 ID:fEbvZmma
>>177
投下を待ってるってのはわかる
スゲーよくわかる
俺も含めて住人全員がそう思っとるからな・・・

けどよぉ〜
キンクリってのは一体どーゆーこった〜〜〜〜〜!?

もし投下時間まで吹き飛ばしちまったら支援が出来ねえって
ことじゃねえかよ--------------ッ!

ナメやがってぇッボスの野郎!
超イラつくぜ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!

どーゆーこったッ!クソッ!!クソッ!!!
179名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 20:24:01 ID:UXiIPNGj
>>178
そんなときのためのバイツァダスト
>>177ごと時間を吹っ飛ばす!
180名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 20:26:02 ID:+Gnh+wUE
「『始祖」はこのブリミルだッ!! 依然変わりなくッ! 」








という電波を受信した
181名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 20:28:30 ID:jWpOD8YK
>>180
始祖が変わっちゃダメだろw
182名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 20:52:27 ID:wIwiNq9k
そしてエルフの先住魔法・レクイエムを食らわされるんですね
183名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 21:06:19 ID:MHnWab5T
金髪コロネが大量発生した聖地が見えた
……これはメイジ百人抜きされてもしかたない
184名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/12(火) 23:51:52 ID:mRTfhTg0
数ページに渡る無駄無駄で薙ぎ倒されるわけですね
185名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:07:41 ID:aPWSmFFb
エルフがみんなチョコ先生な聖地

だめだ、奪還できない
186名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:11:53 ID:pEQF6MhM
全部がチョコ先生じゃなあ
半分はセッコでないと…

無数のチョコ先生によるよしよし…耳の地獄だなw
187名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:29:15 ID:Uysqkda1
みんなチョコせんせなら
そのうち共食いしてそして誰も居なくなるよ
188名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:36:03 ID:RwwjXHW5
この流れで何故か
聖地にいるのが柱の男だったら……と想像した
神の左手は、長槍は本当はマフラーだったり
神の右手は、波紋で動物操ったり
神の頭脳は握手でその人の未来を見たり!
語ることさえはばかれるのは、使う技には
致命的な弱点があるのを知られるのを防ぐためだったんだよ!
189名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:55:50 ID:GhCkI8uv
>>188
ガンダールヴ以外ならそれはそうかもなwww
ガンダールヴの持つ長槍の正体は最新刊で明かされたからなぁ
190名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:58:46 ID:vtmiHao5
β:手番を終了する。
191名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 00:59:51 ID:vtmiHao5
すみません、誤爆です
192名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 01:02:10 ID:OPCDxeEW
>>185
奪還云々の前に近寄れない
聖地から一転呪われた地になる
193名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 01:06:21 ID:umrfBjSC
>>192
でもチョコ先生だからこっちが近寄らなかったらあっちが近づいてくるという恐怖
そしておっぱい革命がおっぱい以外がチョコ先生という恐怖仕様にあがががががががが(発狂
194名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 01:29:30 ID:OPCDxeEW
>>193
おい
それじゃあエルフとにゃんにゃんして胸革命を作った大公が勇者になるぞ
いろんな意味で
195名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 08:33:50 ID:Nrnxm52a
>>190!!選択肢形式で進めるスレ支部で遊んでいるな貴様!!!
196名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 14:29:00 ID:bxdhL4ey
>>190
同じスレ見てる人が最低2人いたのが分かってワラタ
197名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 14:38:04 ID:GFaEy4/1
あそこまだあったんだ。
198名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 18:37:51 ID:o1S4aur8
そして時は動き出す! 45分から投下してかまいませんねッ!?
199名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 18:39:34 ID:pEQF6MhM
キャモォ〜〜〜ン!!
ってこっち進んでねぇ…早く終わらせておマチさんをイジりたいのにw
200ゼロいぬっ!:2008/02/13(水) 18:45:55 ID:o1S4aur8
足を引き摺りながらアニエスは地面を踏み締める。
不安定な船上とは違い、痛みと共に返ってくる確かな感触。
まるで大地に受け入れられたような安心感がそこにはあった。
死が間際にまで迫っていたからこそ一層そう思えてくるのかもしれない。

振り返れば、そこには避難を終えたアルビオンの人達で溢れかえっていた。
生き残れた事を喜び合う家族、先の戦闘で親しい者を亡くした者達、
そして、これからの事を危惧する者など様々な人の感情が飛び交う。
その感情とはいずれ折り合いをつけるか、時と共に忘れていくしかない。
それが出来なくなった時、人は自分の手で決着をつける事を余儀なくされる。
復讐という血塗られた道を歩む事で…。

アニエスの目に一人離れて座る少女の姿が映る。
家族を亡くしたのか、側には誰も寄り添う者もない。
天涯孤独となった彼女の姿が昔の自分と重なる。
だが、少女はアニエスとは違う道を辿った。
近付いてきた老婆が彼女の手を両手で握り締めた。
戸惑う少女に、老婆は優しく微笑むと彼女を抱擁する。

「あ……」
その温もりが安堵を与えたのか、少女の口から息が漏れた。
瞬間。彼女は堰を切ったかのように大声で泣き始めた。
それは内に溜め込んだ感情を吐き出すのも似ている。
老婆は少女が泣き止むまで何も言わずに包み続けた。

知らずアニエスの頬を涙が伝う。
彼女は誰にも出会わなかった。
誰も愛さず、誰にも愛されずアニエスは一人で生きてきた。
もし、あの少女と同じ様に自分の感情を受け止めてくれる人がいたならば、
果たして私は全てを投げ打って復讐を誓っただろうか…?

それは心の弱さが生んだ迷いだったのかもしれない。
以前の彼女ならば、そんな事を考えたりはしなかった。
ただ燻り続ける憎悪の火に身を委ねていれば、それで良かった。
そんな彼女を多くの出会いが変えつつあった。
否。かつての少女だったアニエスを取り戻しつつあるのだ。

老婆に手を引かれ、群集に戻っていく少女を見送る。
そして、かつての自分の幻影を振り切るようにアニエスは背を向けた。
少女は少女、私は私だ。それに、もはや戻るべき道さえない。
もしも私が他の道を選ぶ時が来るとするなら、
それは復讐を遂げて自分の過去と決別した後だ。
そうしなければ私は前に進む事さえ出来ないのだから…。
201ゼロいぬっ!:2008/02/13(水) 18:46:55 ID:o1S4aur8
思い耽るアニエスの肩を誰かが叩く。
見れば、そこには沈痛な面持ちの『マリー・ガラント』号の船長がいた。
その手に握られているのはアルビオン王国の国宝『風のルビー』。
礼を言うアニエスを無視し、彼は手の内にあった指輪を受け渡す。
困惑する彼女に、船長はただ一言こう答えた。

「……それは、私には重たすぎます」

ウェールズ陛下から代価として受け取った指輪。
だが、それを受け取る資格が自分にはないと考えたのか。
例え私が言おうとも聞き入れず彼は受け取るのを拒んだ。
『火の秘薬』で多くの人間を死なせた罪。
それは、この航海を以ってしても償い切れはしない。
許される事も罰せられる事もなく生涯彼は罪を背負って生きる。
その彼に、この指輪は重荷でしかないのだ。

「……分かった。では後日、改めてトリステイン王国から謝礼を届けさせよう。
せめて船の修繕費でも受け取って欲しい。貴方はそれだけの仕事を成したのだ」

私の言葉に俯きながらも頷くと船長は立ち去る。
そして避難民から逃れるように街の中へと姿を消していった。
今は感謝の言葉にも非難の声にも耳を傾けたくはない。
そう彼の背中が静かに語っていた。


「アンタも行くのか?」
「ああ。一応は追われてる身だしな」

デルフの声に振り返った武器屋の親父が答える。
懐は例の剣を売った金で温まっているし、肩には何挺もの銃が掛けられている。
これなら当分は逃亡資金に困る事もないだろう。
そもそも偶然再会しただけに過ぎない。
縁があればまた会えるだろうとデルフは割り切った。

「それに今回はちっとばかし運が良すぎだ。
幸運に見放されない内に、とっとと手を引かせてもらわぁ」
「そうだな。アンタの運の無さは俺の保証済みだからな。
俺的には明日辺り馬車に轢かれて死んでてもおかしくないぜ」
「何だとコラァ!?」

平然と悪態をつくデルフを親父が怒鳴る。
別れであろうとも二人はいつもと変わらない。
人前で着飾る自分にとって自然体で話せる相手などそうはいない。
カチャカチャと鍔元を鳴らしながら話すデルフの声を耳にしながら、
彼を背負ったギーシュがそんな関係を羨ましくも思う。

「それじゃあ嬢ちゃん達によろしくなデル公」
「おう。ちゃんとアニエスに伝えておいてやるよ。
『容疑者が国外からの逃亡を図ってる』って」
「……それは三日後ぐらいにしておいてくれや」

冗談めかして言ったにも係らず、親父の顔色が蒼白に変わる。
たった数日で随分と深いトラウマが刻まれたようだ。
だが、それでも口元には微かな笑みが浮かんでいる。
色々あったけれど、この旅は楽しかった。
デルフ達は互いの心境を共感し合っていた。
202ゼロいぬっ!:2008/02/13(水) 18:48:14 ID:o1S4aur8
「………お疲れ」
(シルフィ、もうクタクタなのね)

疲労困憊の使い魔の頭をタバサが優しく撫ぜる。
アルビオンの往復に加えて慣れぬ空戦もこなしたのだ。
当分は筋肉痛で羽ばたくのさえ困難だろう。
精神力の限界まで使い果たした彼女と同様、
シルフィードも死力を尽くして戦ってくれた。
その彼女の忠誠に心の底からタバサは感謝を示す。

ルイズが舞い降りた場所を見回す。
そこは旅立った時と同じラ・ロシェールの港町。
何が待ち受けているかも知らずに過ごした時間を思い返す。
それは過去となった記憶。決して戻りはしない。
失われた物を求める私の眼はどこかワルドに似ていた。
もし、この街で彼の気持ちを理解出来ていたなら結末は変わっていたのだろうか…?

何も言わずに静かに彼を抱き留める。
……止めよう。それは考えちゃいけない。
過ぎ去った過去に目も向けても何も変わらない。
今はしなくちゃいけない事が残されている。
まずは姫殿下に任務の事を…ウェールズ陛下の事を伝えないと。
ズキリと癒えた筈の傷口から痛みが走る。
足が縫い付けられたように一歩も動かせない。

私は怖がっているんだ。
アンリエッタ姫殿下に会うのを恐れている。
任務に失敗し、ウェールズ陛下も死なせてしまった。
怒られるのがじゃない、彼女の悲しむ顔を見るのが怖くて堪らない。

幼き日に力になると約束した。
旅立つ日に任務を果たすと誓った。
……だけど、私達は余りにも無力すぎた。
そして何一つ守れず、色々な物を失いながら逃げ延びた。
そんな私が一体どんな顔をして姫殿下に会えばいいと言うの…?

彼女の手には未だに確かな感触が残っている。
振り下ろそうとしたウェールズの腕を掴んだ、あの感触。
薬の支配下にあっても尚、鮮明に思い出せる記憶。
そう。ウェールズ陛下を死なせたのは私の所為。

それを打ち明ける勇気を持てないまま、彼女達の耳に早馬の駆ける音が届く。
ルイズの予想通り、彼女の前にトリステイン王国の伝令が姿を見せた。
説明をする間もなく伝令から姫殿下よりの命令が告げられた。
それはルイズとアニエス、そしてその使い魔に王宮への即時出頭を促すものだった。
203ゼロいぬっ!:2008/02/13(水) 18:49:41 ID:o1S4aur8
全速力で駆ける馬車に揺られてルイズが辿り着いた王宮。
そこはアルビオン侵攻の噂に浮き足立ち、本来の機能を失っていた。
戦争が終結しても軍備の拡張を続ける貴族派。
否、今やアルビオンの正当な支配者である神聖アルビオン共和国。
頼みの綱であったゲルマニア帝国との同盟も破綻した彼等に縋る物はない。
モット伯が提唱した脅威を笑い飛ばした者達が各々蒼白となった面持ちで顔を突き合わせる。
何故耳を貸さなかったのかと悔いても時既に遅し。
中には全面降伏も止むなしとの声さえも聞こえてくる。

騒然となった王宮の中をルイズ達は謁見の間へと通された。
そこにはアンリエッタ姫殿下の他にマザリーニ枢機卿も同席していた。
それは、この一件がただの失敗で終わらない事を示すのに十分だった。

厳かに顔を上げたルイズの目が仰天に見開く。
アンリエッタの手元にあるのは『風のルビー』だった。
そして自分を見下ろす彼女の寂しげな瞳が告げていた。
ルイズが伝えるまでもなくウェールズがどうなったかを知っている、と。

「あ……」
「良いのですルイズ。ワルド子爵の裏切りを予期出来なかった、こちらの失態です。
その渦中にあって貴女が無事に戻ってくれただけでも喜ぶべき事なのですから」

声を失い喉を振るわせるルイズに、アンリエッタは静かな声で許しを告げた。
それは感情を押し殺したような機械じみた声色。
その言葉を耳にして再び胸元の傷がじくりと痛む。
彼女の、こんな声を聞かされるぐらいなら罵倒された方がマシだ。
激しい感情を打ちつける事さえ出来ずに苛まれる彼女の胸中に思い馳せる。

声も出せなくなったルイズに代わり、アニエスが詳細を口頭で伝える。
空賊に変装したウェールズとの出会い、晩餐会での作戦会議に続いての王位継承、
そして礼拝堂での戦いで散ったウェールズの最期。
それを何の感情も込めず客観的に事実だけを淡々と述べていく。
無論、ルイズがウェールズの妨害をした事は伏せられていた。
彼女への配慮と同時に、アンリエッタを刺激するのを避けたのだ。
それ故にアニエスは自分の感情を言葉には込めない。
短い間とは側にいたアニエスから見れば、姫殿下が無理をしているのは明白だった。


「……そうですか。任務ご苦労様です」

全てを聞き終えたアンリエッタが応える。
ウェールズの遺体を確認しても彼女は心のどこかで信じられずにいた。
瞳から涙が溢れ出ようとも現実と認めたくなかった。
だがアニエスから彼の最期を聞かされた瞬間、
彼女の中に居たウェールズは本当に死を迎えたのだ。
直後、蓋をした筈の感情が再び込み上げてくる。
行き場を失った想いが彼女の内で渦巻く。

アンリエッタとて子供ではない。
ウェールズの性格を鑑みれば亡命を断り、
王国と運命を共にするかもしれないと想像ぐらいはしていた。
もし自分の出した手紙を受け取り、その上で決めた事ならば彼女は従った。
自分では死に逝く彼を止める事は出来なかったと諦めもついただろう。
204名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 18:49:46 ID:o5RB2adf
 
205ゼロいぬっ!:2008/02/13(水) 18:50:36 ID:o1S4aur8
……だけど彼は殺された。
生き延びようと、私と共に生きようとしたのに無惨に殺された。
憎むべきはワルド子爵と、その背後にある『レコンキスタ』。
しかし、それだけでは彼女の気持ちは収まらない。
罪の所在を誰かに求めて彼女は顔を上げた。
その視線の先にいるのはルイズに寄り添う彼の姿。

「……何故ですか」

ポツリと呟くようにアンリエッタの唇から言葉が漏れる。
幾百もの兵を打ち倒した彼の力は正しくオールド・オスマンが伝えた通りだった。
そして薬に操られたルイズさえも助けて見せた。
なのに、それなのに。

「何故ウェールズ様を救えなかったのですか…?」

一国の軍事力に匹敵すると云わしめた力を持ちながら、
何でたった一人の人間を守る事も出来なかったのか。
彼ならば死中においても血路を切り開けた筈だ。
城を取り巻く貴族派を悉く殺してウェールズ様を連れ帰れた。
それをしなかったのは彼が相手を殺すのを躊躇したからに他ならない。
……ウェールズ様を死なせたのはルイズの使い魔だ。


激しい憎しみと悲しみが入り混じったアンリエッタの眼。
それを受け止めながら彼は何も答えられずにいた。
何一つ否定など出来る訳が無い、彼女の言葉は正しい。
ワルドが怪しいのは最初から判っていた事だ。
その彼の誘いに乗って守るべきルイズとウェールズの傍を離れた。
自分の力を過信して策に嵌まり水底へと沈められた。

きっとウェールズは助けられたと思う。
ワルドが城内へと入る前に倒していれば、こうはならなかった。
だけど自分には出来なかった。
……ルイズに嫌われるのが怖かったから。

だけど、それは自分勝手な理屈だ。
自分にとってルイズがそうであるように、
彼女にとってウェールズこそが掛け替えの無い存在だった。
どんなに謝ろうとも決して許されたりはしない。
失われたものは決して戻らない。
…そして自分が手に掛けた人達の中にもいたのだろう。
彼等を掛け替えの無い存在として想う人々が。
206名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 18:51:38 ID:p8m+nqnq
支援
207ゼロいぬっ!:2008/02/13(水) 18:53:45 ID:o1S4aur8
「姫殿下! 使い魔の責任は主である私の責任です!
彼を罰するというなら、その罰は私が甘んじて受けます!」

咄嗟に立ち上がったルイズが叫ぶ。
しかし、その口から本当に伝えるべき言葉は出なかった。
ウェールズを死なせた責任は自分にあるのだと彼女は言えなかった。
時が経ようとも、立場が変わろうともアンリエッタはルイズにとって無二の友だった。
それを失うのが怖くて彼女はその一言を発せられなかった。


「戦争になるというなら私も戦います!
姫様を、トリステインを一命に代えても守ってみせます!」
「……ルイズ」

懸命に使い魔を庇うルイズの姿に胸が痛む。
そこまで大切にしていようとも彼女達には悲しい別れが待っている。
そう。私がウェールズ様と死別したように。
しかし、それを理解しながらアンリエッタの胸中に蠢く暗い感情が囁く。
ウェールズ様の復讐を果たせ、と。

「貴女の言葉、何よりも頼もしく思います。
ミス・ヴァリエール。私を必ず守ってくださいね」
「杖にかけて!」

高々と手に持った杖を掲げる。
ルイズが顔を上げたそこにはアンリエッタの微笑みがあった。
それがどれだけ彼女の心を救ってくれただろうか。
命を捨ててでも、その笑顔に応えたいとルイズは思った。
何よりも、それがウェールズを死なせた自分の償いだと信じている。


松葉杖を付きながらアニエスが王宮を出て行くルイズ達を見送る。
貴重な水の秘薬を使ってもズタズタに断裂した神経や筋肉は治りにくいらしい。
それでも彼女はきっと前線に立つのだろう。
短い間だったけど共に戦った仲間として彼女の事を理解できる。
無言で差し伸べられたアニエスの右手。
それを固く握り締めて私は彼女に応じた。
掌から伝わってくる互いの熱。
208ゼロいぬっ!:2008/02/13(水) 18:55:08 ID:o1S4aur8
「アニエス! 色々あったけど、私…!」
「皆まで言う必要はない、私も楽しかった」

王宮から少し離れた場所で振り返ってルイズは声を上げた。
それにアニエスは笑いながら全てを承知した上で応える。
辛くて、悲しくて、悔しくて、胸が張り裂けそうだった。
けれども、この旅には楽しい事も沢山あった。
それを全て嫌な記憶だけで埋め尽くしたくはなかった。
世界は残酷なのかもしれない。
でも、それが世界の全てじゃない。
そう信じられるからこそ私達は前へと進めるんだ。


「本当にあれでよろしかったのですか?」

アンリエッタの傍らに立つマザリーニが口を開いた。
姫殿下の意向を人前で否定する訳にはいかず、彼は沈黙を保ち続けていた。
既に謁見の間には誰の姿もなく気兼ねする事なく彼は問い掛ける。

「彼女を戦場に連れていけばヴァリエール家の反発を招くでしょうな」
「ですが本人の意思であれば仕方ありません」
「……そうまでして彼女の使い魔を戦場に駆り出したいのですか」
「それ以外にアルビオンに勝つ術が有るというならお聞きしますわ」

視線を向けられた枢機卿が溜息を漏らしながら首を振る。
艦隊戦となればアルビオン軍を相手にして勝てる筈も無い。
頭上の制空権を抑えられれば地上戦も絶望的。
この戦局を覆す圧倒的な力がトリステインには必要なのだ。

しかしマザリーニの気は進まない。
オールド・オスマンが伝えた脅威が実現すれば世界が滅ぶ。
それは自分達の保身の為、世界を危険に晒すのに等しい。
人は扱いきれない力を振るうべきではない。
そして彼にはもう一つ気掛かりな事があった。

「ですが次の日食を過ぎれば彼は元の世界へと帰ります」
「その心配は要りません。彼は帰しませんから」
「な……!?」

平然と言い放つアンリエッタに、マザリーニの背筋が凍った。
その表情には些かの変化もなく真っ向から枢機卿を見据える。
帰さないとなれば残された手段は実力で彼を排除するのみ。
だがアルビオンとの戦争を控えている中、それだけの戦力を投入する余力はない。
動転している彼を可笑しそうにアンリエッタが笑う。
209名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 18:58:19 ID:pEQF6MhM
こいつは臭ェーーー!ビッチの臭いがプンプンするぜェーーー!!!支援ッ!
210ゼロいぬっ!:2008/02/13(水) 18:59:57 ID:o1S4aur8
「彼とアルビオン軍を戦わせます。
どちらが勝とうとも疲弊した相手ならば討てるでしょう」
「しかし侵攻軍の規模は数千との予想です。
とてもオールド・オスマンが言われた戦力には程遠いかと」
「ならばアルビオン本土まで侵攻して本隊を出させればいいのです」
「……何故そこまでなさるのですか」

困惑から立ち返ったマザリーニが姫殿下に訊ねる。
最初は勝利を得る為の方策だと思っていた。
だが違う。彼女の言葉には明らかに別の意思が感じ取れた。

「決まっています。これしか道がないからです」

マザリーニの問いに迷う事なくアンリエッタは返答した。
渦巻いていた悲しみは憎悪と狂気に変わり、彼女の胸の内を満たす。
この感情を受け止めてくれる者はもう誰もいない。
全てを吐き出さねば、いずれ毒に冒された心は腐り落ちる。

『レコンキスタ』だけでは憎み足りない。
彼等に踊らされた貴族達も、それに当然のように従う民衆も許せない。
全てを奪われた人間に出来る事は奪う側に回る事だけだ。
そして、その矛先はアルビオンへと向けられていた。

トリステインに残された道が一つしかないのではない。
アンリエッタという少女に残された道が一つしかないのだ。
“ウェールズの復讐”それだけが今の彼女に残されたものだった…。
211ゼロいぬっ!:2008/02/13(水) 19:01:55 ID:o1S4aur8
以上投下した! 次回は決戦前です!
212名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 19:06:10 ID:umrfBjSC
         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|          あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
          |i i|    }! }} //|
         |l、{   j} /,,ィ//|       『アンアンとルイズの中がこじれなくてホッとしたと思ったら
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ         ボスとDioを足した位ドス黒いアンアンによってルイズとわんこが戦場に駆り出されていた』
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人        な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ        おれも 何をされたのか わからなかった…
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ        頭がどうにかなりそうだった…
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \   催眠術だとか超スピードだとか
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ    そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ  もっと恐ろしいものの 片鱗を味わったぜ…GJ!
213名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 19:13:01 ID:pEQF6MhM
兄貴だ…!兄貴を呼んで老化させちまえェーーーーーGJ祭りだッ!
214名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 19:23:25 ID:WP4fQTwz
ここまでドス黒いアン様も久方ぶりに見るな

GJだねえ、まったくGJだぜおたく
215名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 19:28:22 ID:2fEDlRAn
>>214
何つーか、
「マザリーニさん、早いとこその女を玉座から引き摺り下ろしてアンタが王になっちまいなァー!!」
と言いたくなるw
216名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 19:34:12 ID:UYENdgRn
なんというドス黒ビッチ…
間違いなく俺はドン引き…(^o^)
217名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 20:15:32 ID:wqXyAsOB
アン様、黒い方向へ成長しすぎです
まったく、いぬの人のSSは地獄だぜ
218名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 20:16:35 ID:UWJ5e+ct
GJ!!
怖い…アン様怖いよ…そして黒いよ…
何かここまで行くと逆に格好よく見え…………ないわ…
219名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 21:49:01 ID:1xzu3/TM
なんでだろうな…
ヘルシングとかの人たちは気持ちのいい狂いっぷりなのに…
220名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 21:59:54 ID:a9hwZhQm
カリスマの有無
221名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 22:07:51 ID:wqXyAsOB
所詮アンリエッタはマンモーニだからじゃね?
222名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/13(水) 22:21:56 ID:oQ7tuHvw
ヘルシングの方々は「相手を殺そうとするのだから
相手に殺されても当然」という覚悟がある。
何より、あの漫画にでる「人間」は命をかけて戦おうとするとき
その覚悟から漢を見せます。
例えば、人から与えられた務めのために命を懸けたペンウッド卿のように。
あるいは、セラスのために命をおとしたベルナドット隊長のように。
この二人にかかわらず、さまざまな場面でさまざまな人たちが
漢を見せました。しかし、このアンリエッタは彼らの様な覚悟がなく、
だだ自分の恨みを世界にぶつけたいという怨念しかありません。
「復讐したきゃ自分でやれ、他人(他犬)巻き込んでんじゃねーよ」
とつっこみたい
223名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 22:46:11 ID:GhCkI8uv
>>222
ヒートしてるけれどな、これは二次創作だって
そんなに興奮しなさんなや


これくらい厨房時代にエヴァばっか読んでた俺には何とも無いぜ!
……嘘です、かなり怖かったです
224名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 23:06:46 ID:umrfBjSC
このアンアンならチョコ先生を召喚できるに違いない!
そして鬼気迫る表情で嬉々としながら絶望するレコン・キスタの皆さんを撮影するだろう

読み直せば読み直すほどアンアンが恐ろしくなってくる、本当に犬の人はスゲーGJだぜ
でも武器屋の大将は「国外からの脱出じゃなくて」「国内からの脱出」じゃないのけ?
225名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 23:09:00 ID:F5GSHkV2
犬さんGJ!
主君が間違った事をしようとしたら近くの者が諫めなきゃならないのに…
トリステインは根本的にダメなのかもしれん。
226名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 23:13:37 ID:bxdhL4ey
まあ、諌めるっていっても、現状でバオーを戦線に投入するのは
トリステンにとって有益であるのは確かではあるんよな、人類にとってどうなるかは賭けだが
実際、バオーなり伝説の虚無でもなければ勝ち目が薄いってのは
諌めれるほど現実みえてたら分かってるだろうしネ
227名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 23:15:30 ID:g6SsPpZE
犬さんGJ!
このアンアンならビッチと言っても罪悪感がかけらも沸いてこないぜ
228名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 23:35:45 ID:umrfBjSC
そういえば明日はバレンタインデイ!
チョコ先生の日ですね!
女性が恋人にグリーンデイを渡す日!刺激的だ!


あれ?なんかおかしいぞ?
229名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 23:53:18 ID:G2nnzvVz
このアンアンの心こそ正にアン黒空間!!
230名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 23:55:37 ID:GhCkI8uv
>>229
上手いこと言った気になってんじゃねぇぞwww
231名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 23:58:35 ID:G2nnzvVz
御免なさい、
調子くれてました、
 ガオン とされてきます。
232名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/14(木) 00:12:24 ID:7LeFR5fP
もうこのアン様は白蛇さんに説教してもらうしかないな
233名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/14(木) 00:37:36 ID:jdy5+9w0
まあ原作でもルイズを戦場に送り込んでたけどな…選択としてはそんなに変わらない…が。
なんかこー、なあ。
234名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/14(木) 00:39:42 ID:tAf2tRP6
にょろ〜ん、なしろへびさんはいないものだろうか
235名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/14(木) 11:58:12 ID:2ye2wddV
きんぐ・くりむぞん!!

そして今日はバレンタインですね。
いつも投下してくれる職人さんたちにドゾー つ【チョコラータ】
236名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/14(木) 12:00:16 ID:Lm88Saxa
バレンタイン…?
今日はにぼしの日だよ
237名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/14(木) 12:35:20 ID:9Jz4UiN2
ああ…にぼしうめえ…
238名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/14(木) 12:36:06 ID:HGb2/sE4
>>236
貴様! (トロステを)見ているな!!

>>ttp://koke.from.tv/up/src/koke1608.jpg
>>ttp://koke.from.tv/up/src/koke1609.jpg
ゲハ板から転載した、分からない人には全然分からないだろう
今は反省している
239名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/14(木) 13:04:49 ID:IlGM5YLp
どうでもいいが214の1を「ぼ」と読んで煮干というのは無理すぎだろ。
240名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/14(木) 13:05:54 ID:Lm88Saxa
1は棒らしい
241名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/14(木) 13:17:13 ID:K+SrRk8z
バレンタイン?
ああ、父親と兄弟に100円分のチョコをやって
自分はお徳用アルファベットチョコ2袋を
むさぼり食う日のことかい?
242名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/14(木) 16:46:05 ID:oJEYX9S6
大統領の日が出てこないのは何故だ
243名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/14(木) 18:37:41 ID:GNryPJDs
入試の日だったりするけど
244名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/14(木) 18:46:21 ID:GNryPJDs
『銃は杖より強し』
ンッン〜これは名作だな

避難所にて投下完了されてるぞ!今すぐGOだ、GO!!
245名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/14(木) 19:18:29 ID:oDDJje5v
>>244
誘導感謝するっ!
そして保管庫でもトップレベルの読み応えは今回も健在だっ!

正直土色と聞いた時にフーケを連想した俺は
少しだけショックだったぜ
246名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/14(木) 20:51:24 ID:tAf2tRP6
今日は酒の神バッカスの命日だ、
よって貴様等強い酒飲んで喪に服せ。
247名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/14(木) 22:53:07 ID:GqzDcA1O
真 スターダストは砕けない?の詳細な話しはないんかい?
ルイズが来ちゃう話しが好きなんだ。
248名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/14(木) 23:41:31 ID:sl4APhgN
やぁ、今日はグリーンデイだね
皆はセッコさんからチョコラータ先生を貰えたかい?

俺は朝の7時から夜の11時まで仕事漬けだったんでツカレチマッタヨorz
249名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/15(金) 00:08:25 ID:XuyFAKKq
>>246
時代的に蒸留もなんもされてないやつだからものすごい薄いワイン飲まないと・・・
250名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/15(金) 00:43:59 ID:M18eR4mw
>蒸留もなんもされてないやつだからものすごい薄いワイン
蒸留できようができまいがワインの濃さ(アルコール度数)は変わらない
ワインは元々蒸留とは無縁の酒だ
251名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/15(金) 00:45:42 ID:XuyFAKKq
そいやそうだね
252名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/15(金) 01:24:51 ID:Qll8oytL
>>248
妹からチョコラータ先生を貰ったよ。
ミント味の手作りチョコだった。
チョコとミントって実になじむよなぁ。
253名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/15(金) 01:28:37 ID:fMdcdRbO
そういやアルビオン軍(レコン・キスタ)ってチョコ先生一人居れば何も出来ないで全滅するね
254名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/15(金) 01:30:52 ID:5c3OfFh9
C-MOONなんて発動すると重力異常でアルビオンが墜ちかねないぞwww
255名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/15(金) 02:17:53 ID:JUYmr0ga
C-MOONって本体を基点に重力が逆方向にかかるだけで、
実際の地球の重力が反転するわけじゃないよな
256名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/15(金) 02:34:37 ID:iR/bj063
いやそこはガンダールブ補正で浮遊大陸ごと…
257名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/15(金) 03:11:31 ID:fMdcdRbO
アルビオンの水源にアバ茶混入
ハルケギニアはアバ茶に汚染される
神の左手ガンダールヴ。勇猛果敢な神の盾。左に握った大剣と、右に掴んだ長槍で、導きし我を守りきる。
神の右手がヴィンダールヴ。心優しき神の笛。あらゆる獣を操りて、導きし我を運ぶは地海空。
神の頭脳はミョズニトニルン。知恵のかたまり神の本。あらゆる知識を溜め込みて、導きし我に助言を呈す。
そして最後にもう一人……。

…………神の左手ガンダールヴ。勇猛果敢な神の盾。左に握った(ry
神の右手がヴィンダールヴ。心優しき神の笛。あらゆる獣を操り(ry
神の頭脳はミョズニトニルン。知恵のかたまり神の本。あらゆる知識を溜め込み(ry
そして最後にもう一人……。


…………神の左手ガンダールヴ。勇猛果敢な(ry
神の右手がヴィンダールヴ。心優しき(ry
神の頭脳はミョズニトニルン。知恵のかたまり(ry
そして最後にもう一人……。


…………神の左手ガンダールヴ(記憶1)
神の右手がヴィンダールヴ(記憶2)
神の頭脳はミョズニトニルン(記憶3)
そして最後にもう一人……(記憶4:記憶1消える)
…………神の左手ガンd(ry

数百年後、ブリミル崇拝者によって数百行に及ぶ異常な繰り返し部分が削除され、
『記すことさえはばかれる 』の一文が付け加えられたという。


「これが神の監獄『ミュッチャーミューラー』の能力だ…
誰であろうと、この『ミューミュー』にせまって来る者など存在しないし
書き記すことなどブリミルにも出来ない」
259名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/15(金) 12:09:34 ID:66BEH1Hh
>>252
妹さんからの手作りチョコ……
いいねぇ、おたく実にうらやましいねぇ
260名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/15(金) 13:44:47 ID:34JYYIqq
>>258
うまいなw
261名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/15(金) 13:57:34 ID:pyV/OqBS
主人に攻撃してどうすんだよww
262名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/15(金) 21:54:27 ID:S3Z7rZdK
むしろ4人目は吉良じゃないかと思う今日この頃。
第3の爆弾で正体知ってるやつ全員吹っ飛ばしたとかw
263名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/15(金) 22:29:07 ID:q0Tx1HaA
冥土淫ヘブンと第三の爆弾をクレイジーDでドラァ!としたら
どんな素敵なDISKが出来るんだろうか?

「世界は一巡した!」
「時は巻き戻る!」
「世界はry」
264名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/15(金) 22:30:51 ID:OKCx7wGK
ここはあえて誰も適合する人間がいなくて永久の謎に。
265名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/15(金) 22:44:59 ID:HmsDcYnP
まあ普通に考えたらスタプラと同じ結果か?
一時間じゃ加速スピードについて行けない気がする
266名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 04:58:48 ID:jcOxfYmb
生物以外の時間を凄まじいスピードで逆行させるって解釈も面白そうだな。
宇宙が一巡するのではなく、今までの全ての歴史を逆行し消滅させる能力って感じ。
267名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 08:47:00 ID:pf7D1zKi
>>266
やりようは違うけど月光蝶みたいだな。
268うああぁぁっぷ:2008/02/16(土) 12:51:44 ID:9NapP0LB
ラバソまだー?
269ねことダメなまほうつかい:2008/02/16(土) 14:46:40 ID:742Pg8UF
番外編といっしょに投下しようと思ったけど、最近投下が全然ないから落としてみる。
270狭間に生きるもの:2008/02/16(土) 14:47:42 ID:742Pg8UF
 暖かな陽射しが射し込む中庭で色とりどりの花が咲き誇り、花弁から沸き立つ芳香に頬を緩ませて
 目的地へと歩いていると、程なくして薄桃色に包まれた小さな宮殿に辿り着いた。
 門を守護する衛兵に小宮殿の主への取次ぎを願い、許可を得る間もう一度中庭を眺める。
 美しい花園に蝶が舞い、小鳥たちが楽しげに囀る中で静かに本を読めたらどれだけ幸せだろうか。
 そうして暫しの間空想に耽っていると、近寄ってきた衛兵から許可が出た事を告げられる。
 少々名残惜しいが、衛兵に案内されて私は宮殿内へと足を踏み入れた。

「まったくつまんないねぇ、ガーゴイルだってもう少し愛嬌があるよ」

 相変わらずのつまらない嫌がらせした張本人が、捻じ曲がった古木のような眼つきを向け嘆息する。
 髪の色よりやや深い、青を基調とした品のあるドレスに身を包んだ端正な顔立ちの目つきの悪い宮殿の主が
 軽く手を振ると、周りに控えた従者たちが申し訳けなさそうな顔で、卵や泥に汚された服やマントを脱がし、
 彼女たちの為すがままに真新しい服へと着替えさせられる。
 着替え終わったのを見計らい、目の前の宮殿の主が足元に今回の任務について書かれた書簡を投げつける。
 そして何かを言おうとしたのを無視して足元にある書簡を拾うと、そのまま踵を返して部屋を後にする。
 廊下に出て暫くすると、閉じた扉から何か重たいものが叩きつけられ部屋の中から口汚く罵る声がした。

「どうしてイジワルな従姉妹姫をやっつけないのね!きゅいきゅい!」

 幼い竜の使い魔が怒りながら喚くのを聞き流し、広げられた書簡に目を通し内容を確認する。
 今回の任務はとある寒村に現れた吸血鬼を退治するようだ。
 吸血鬼とは人の血を啜りオマケに魔法まで使う厄介で恐ろしい怪物だ。
 面倒な事だと思いながら、竜の背に横になると雲ひとつない青空を見上げる。
 昔、鳥になって空を飛びたいと思った事があるがこんな形で現実になるとは思ってはいなかった。
 かなりの速度で飛んでいるが、魔法で風を遮っているので風圧は殆ど感じない。
 そうやって空を眺めていると不意に睡魔が襲ってきた。
 飛行は安定しているので落とされることもないだろう、私は目を瞑るとそのまま深い眠りへと落ちていった。
 心地よく眠っていると、やや大きめの振動を感じて眼を覚まし、私は竜の背から飛び降りて周りを見渡す。
 そこは森の中だった。
 まだ寝ぼけている頭を軽く振り、伸びをして空を見上げると日が傾きかけていた。
271狭間に生きるもの:2008/02/16(土) 14:48:46 ID:742Pg8UF
「人になるのきらい!うまくあるけない!きゅいきゅい!!」

 嫌がりながらも人に化けた使い魔の後に着いて、できれば今日中に終わるといいな、などと希望的観測を
 抱きながら私は目的地の村へと向かった。
 村の中を観察しながら歩いていると一人の村人に出会い、吸血鬼退治に来たことを告げる。
 すると、その村人は疑いの眼差しをこちらへと向ける。
 やはり、こんな子どもでは頼りにならないと思っているのだろう。
 私もこの村人と同じ立場なら間違いなくそう思うが、やはり魔法を使えない者よりも使える者の方が
 強いに決まっている。
 村長の家へと案内をするように命じると、村人は何事かを呟きながら前を歩き始めた。
 やがて、他よりも多少はマシな二階建ての家に辿り着き村人が扉を叩くと、扉を少し空けて外を覗き込むように
 来訪者を確認してから扉を開け、家の中から一人の老人が姿を現した。
 
「四人襲われて、その内のふたりが吸血鬼に攫われた。間違いない?」
「ええ、そうなのです。マゼンダと言う占い師とその息子のアレキサンドルのふたりが……」

 回りくどい言い方をする村長と根気よく会話をするも、大した情報は得られなかった。
 日が暮れるまえにその親子の家を捜索しようと部屋を出ると、扉の外で可愛らしい少女に出会った。
 その少女は近づいて耳元で何かを呟き、花のように笑うと二階へと登っていった。
 彼女はエルザという名前で、一年前に野党に襲われて家族をを無くし、命からがらこの村に逃げ込んだのを
 村長が保護してそのまま引き取って育てているそうだ。
 身体が弱くあまり外にも出られないというの事を、村長が涙ながらに語るのを聞きながら二階を見上げる。
 一瞬の事ではあったが彼女の犬歯が人よりも遥かに長かったのを私は見逃さなかった。
 私はこの任務が希望的観測の通りに早く終わる事を確信した。 
272狭間に生きるもの:2008/02/16(土) 14:49:52 ID:742Pg8UF
 夜の帳が下り、薄暗い森の中を少女の姿をした怪物と並んで歩く。
 本当ならさっさと始末して休みたいところだが、なぜ彼女が自分から危険を冒してまで正体を明かし、
 そして、どこに連れて行こうとしているのか気になったので、こうして案内されるままに森の中を歩いている。
 使い魔が震えながらも相変わらずお喋りをしているので、その口を塞いでやりたくなる衝動に駆られるが、
 それを何とか堪えていると茨が壁のように生い茂る森の行き止まりでエルザの足が止まる。 
 この先は樵や猟師すらも立ち入らない危険な場所と聞いている。
 
「この先よ」
  
 そう言ってエルザは茨に手をかざして何かを呟くと意思を持ったように茨が割れて道ができる。
 茨のトンネルを暫く進み、そこを抜けると小さな広場の中心に大木が聳え立っていた。
 何より驚くのは、その木の中ほどから家が生えていた事だ。
 まるで御伽噺に出てくる魔法使いの家のようだと思い、呆然とそれを眺めているとエルザが家の中に入り、
 こちらに向かって手招きをする。
 私も注意しながらその奇妙な家の中へと足を踏み入れた。
 家の中は思っていたよりもちゃんとしていて、食器棚の中には趣味の良い皿やグラスが並べられ、
 壁には誰が描いたものかわからないが、見た者に暖かさを感じさせる絵画が掛けられている。
 部屋の中には心を落ち着かせるような香りが漂っていた。
 エルザは部屋を通り抜けて奥へと向かい、私もその後を追う。
 そして、ひとつの扉の前で立ち止まり、決して驚かない事、危害を加えるつもりはない事を告げると
 その扉を開けて中へと招き入れた。

「ふたりはそれでも生きているのよ。ふしぎな事だけど」

 ベッドの上に横たえられたふたつのミイラ、マゼンダとアレキサンドルをエルザは生きていると言った。
 そのふたつのミイラを見た使い魔が悲鳴を上げて喚きたてるのを無視し、間近でミイラを見てみると、
 とても信じられないが、その干からびた身体からまるで泉のように滾々と血液が流れ出していた。
 そして、エルザは事の始まりをポツポツと話し始めた。
 
273狭間に生きるもの:2008/02/16(土) 14:50:59 ID:742Pg8UF
 翌日、村長に吸血鬼は昨晩退治し、その際にエルザが吸血鬼の犠牲になってしまった事を告げる。
 そして、悲しそうに泣く村長を宥めながら森の奥は吸血鬼を倒した際に呪われてしまったので
 決して立ち入らないように約束させると、使い魔の背に乗って村を後にした。
 エルザの話を聞いて、マゼンダとアレキサンドルは人ではなく今まで知られていなかった生物と
 いう事を知り、そして、彼女がもう人を襲わないという言葉を信じ彼女に協力する事となった。
 吸血鬼の食料である人の血液に不自由しなくなった彼女が、危険を冒してまで人を襲うことはないと
 彼女は考え、それに彼女のマゼンダとアレキサンドルの世話をしているのを見ると、どうやらエルザは
 あのふたつのミイラを家族のように思っているようだ。
 もしそうなら、あのミイラどもに危険が及ぶような事をすることはないだろう。
 もっとも、エルザが人を襲おうと私にとっては別にどうでもいい事だ。
 使い魔の背に揺られながら流れていく風景を楽しみ、少しだが私は幸福を感じた。
 
「ほら、報酬だよ」

 つまらなそうな顔でイザベラが金貨が詰まった袋を足元に投げ、シャルロットは杖の先にそれを
 引っ掛けて手元に寄せて、袋を懐に仕舞うと何も言わずに小さな背中を私に向けて部屋を出て行った。
 そして、イザベラは従者を全て部屋から追い出すと窓辺に腰掛けている私に語りかけた。

「ヨシカゲ、あの子は吸血鬼に何もされなかったんでしょうね」
「ああ…別に何かされた様子はないな」

 私がそういうと、イザベラはホッと息を吐き椅子に深く沈みこんだ。
 この陰険な雇い主とはそれなりに付き合いが長いが、未だに何を考えているのか理解できない。
 いや、この雇い主が何を考えているのかは薄々わかってはいるのだが、どうにも信じられない。
 この女の父親はこの国の王で、次期国王と目されていた弟を殺し王位を簒奪したのだという。
 そして、その殺された男がシャルロットの父親であり、彼女の母親はヤバイ薬を飲まされて頭がイカレてしまい、
 それでも飽き足らずに娘であるシャルロットを謀殺しようと、汚れ仕事専門の騎士団に入れて
 危険な任務を与えていると従者たちが話しているのを聞いたことがある。
274狭間に生きるもの:2008/02/16(土) 14:52:04 ID:742Pg8UF
「ねぇヨシカゲ、幸福ってなんだと思う?」

 表情は見えないが、指先で髪のいじっているのを見ると真面目に答えた方が良さそうだ。
 この女は天邪鬼で、どうでも良さそうに聞いてくるときこそ本心から答えてほしいと思っている。
 それが仕草となって現れることに本人は気づいてないだろうが。
 
「私にとっての幸福は…何者にも脅かされず、心の平穏を保つ事だと思っている」
「そう…そうなの、じゃあわたしは……」

 この女の理解できないところ、それは、暗殺者に脅え私がいなければ夜も眠れないほど臆病なのに、
 そのくせシャルロットに殺される事を望んでいることだ。
 そして、シャルロットに危険な任務を与え、私に監視と護衛を命じている。
 理解できない矛盾した行動だ。
 私がこの女の立場なら脅威と成る者は持ちうる全ての力を使ってこの世から消し去ってしまうんだがな。
 もっとも、私のように幽霊に成ってしまうかも知れないが。
 
「ヨシカゲ…勝手に成仏しないでよ……」

 私の名は吉良吉影。
 なぜ…この世界に呼び寄せられたのかはわからない。
 だが、ひとつだけ言えることは、ここでの生活が悪くないという事だ。
 結界に包まれた私だけの部屋。
 本を読み、絵を描き、宮廷楽士の奏でる曲に耳を傾ける。
 そして、理解できないが私に仕事をくれる女。
 もう少し、この場所に留まろうと思う。
275狭間に生きるもの:2008/02/16(土) 14:53:37 ID:742Pg8UF
投下終了。この短編は何回か続けるかもしれない。
276名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 14:58:43 ID:FHw4Zfc9

本編とは違ってシリアス一直線ですな
277名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 15:28:12 ID:n5BEvNHA
平隠を手に入れた吉良はこの上なく幸せそうだな………
278名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 15:28:41 ID:m+4pzprD
妖怪六壁坂ついにきたか
それにしても最後のイザベラとヨシカゲがいい雰囲気だな
279名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 15:29:26 ID:nm47wH8A
>>275
投下乙です
できればこの吉良と『使い魔は静かに暮らしたい』の方の吉良の座談会とか見てみたい
『静かに』の方が愚痴吐きまくりで、『狭間』の方はそんなの知るかって感じで無視してそうだがw
280名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 15:32:04 ID:JhnTbS6B
乙。本編とギャップ激しいな。
そして外伝なだけにJOJOから引っ張ってくるのも外伝の要素なのね。
281名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 15:52:21 ID:nm47wH8A
>>278
妖怪六壁坂は人間にとっては傍迷惑な存在だけど、吸血鬼にとっては理想のえさ、もといパートナーだな
問題は子供が出来た場合、その子は吸血鬼の血を引くのにちょっとした事で死体状態になり血を流して寝続ける
……駄目じゃんw
282名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 16:07:57 ID:6pWvnqg5
投下乙!
「静かに」と違ってこの吉良は実に平穏そうだなw
283名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 16:31:22 ID:C+K/2o88
いい感じでシリアスじゃないか。
すごくいいぜ。こんな感じの短編なら続けても違和感ないよ。
つまりGJ!
284名無しさん@お腹いっぱい:2008/02/16(土) 19:00:42 ID:ETJXm9uw
ルイズ「サイト・・・いよいよシャイターンの門を通るわけだけど・・・
    その・・・ちょっと心配なのよ・・・
    ・・いや・・・敵の追及のことはもちろんなんだけど
    地球には妙な服装の平民ばかりいてヨシェナベばかり食べていて
    いつも変な機械を乗り回しているというイメージがあるの」
キュルケ「私カルチャーギャップで肌が荒れないか心配」
サイト「ハハハ・・・それはゆがんだ偏見です
    大丈夫 みんな素朴な人たちのよい世界です・・・俺が保障するよ・・・
    さあ!秋葉原です出発しましょう」





ギーシュ「サ サイト・・・これがアキハバラか?」
サイト「ね いいところでしょう これだからいいんですよ『これ』が!」
285名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 19:03:37 ID:BxewoKu6
サイト自重wwwwwwwwwwww
286名無しさん@お腹いっぱい:2008/02/16(土) 19:13:32 ID:ETJXm9uw
サイト「要は慣れですよ慣れればこの町のふところの深さがわかります」
マリコルヌ「気に入ったよ!なかなかイイ所だな」
ギーシュ「マジか?マジで言ってるのマリコルヌ」
287名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 20:11:21 ID:ln2kKEQh
皆「バクシーシ(お恵みを)」じゃなくて「萌えルイーズ(カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!)」
とか言ってるわけだな。
288名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 20:23:16 ID:nQcfcVWy
ねこ外伝の人乙!
皇帝の人に続きエルザ生存!と思ったら六壁坂までッ!!これにはびびったッ!!

そして>>284>>286に噴いた。うまいな(w`
289名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 20:34:46 ID:HGzGfQjT
さて、>>286のギーシュの台詞が
「マゾか?マゾでイッてるのかマジコルヌ」
に見えたオレはそろそろ末期かもな。
290名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 20:35:53 ID:5t7cHnzf
あまり私を吹かせないほうがいい。
291名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 20:43:53 ID:D1PvA6Wu
うっかり連載したくなるから。
292名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 20:50:28 ID:PMek0Wnb
>>287
カリモフはルイズじゃねえよw
293名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 21:07:43 ID:nuNaR2Xs
ねこの人GJ!
私って出てきた時点で「ん?」と思ったけどそういうことだったのか。
そして幸せを掴んだ吉良に乾杯w

>>284
どこが素朴な人たちだよwwwww
と思ったけどバクシーシよりは素朴か。
294名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 21:22:56 ID:ln2kKEQh
>>292
ルイズコピペに無かったっけ?
『ルイズたんの髪の毛をクンカクンカしたいお!!』とか書いてあるやたら長い奴に。
295名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 21:30:32 ID:s5IyPEZC
>>294
書いてあったけど、あれコピペじゃないぞ。
通称「くんかくんか男」というゼロ魔本スレの愛すべき名物バカだw
296名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 21:34:18 ID:BxewoKu6
>>294
とりあえずカリモフはシャナだw
釘宮ネタの一環として含まれてたのかもしんないね
297名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 21:35:19 ID:nm47wH8A
>>284
最初は違和感バリバリだが、戻るときにはみんな馴染んでそうだw

キュルケ 「これで…アキハバラともお別れね。」
ルイズ  「ええ。 来たばかりの時は、何このキモい連中ばかりの町は!と思ってたけど
       早くもあの汗のにおいが懐かしいわねー。」
ギーシュ 「僕はもう一度ここに戻るよ。 マルコリヌのお墓を立てにね……。
べ、別にメイド喫茶に行きたいってわけじゃないよ。」
298名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 21:38:22 ID:HGzGfQjT
ちょww
そしてカメオに襲われたギーシュを
銃弾で眉間を削られた顔で助けに来るのか!
299名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 21:39:04 ID:FHw4Zfc9
コルベール先生は近年の秋葉原を嘆く役回りで
300名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 21:44:41 ID:nQcfcVWy
タバサは!?タバサはどうなったッ!!
301名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 22:13:08 ID:ln2kKEQh
>>295>>296
豚糞
『カリモフは灼眼のシャナナ』『あれはコピペじゃない』覚えたぞ!!
302名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 22:15:59 ID:++Bq6Aoe
カリモフ=カリカリのモフモフ=作中メロンパンの食感をシャナが気に入り表現した言葉
303名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 23:39:17 ID:5I1gQ/99
ビーチボーイで釣って、糸にグレイトフルデットやホワイトアルバムを叩き込めば暗殺完璧じゃね?
304名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 23:43:13 ID:BxewoKu6
>>303
ビーチボーイに釣られた時点でそいつ終了じゃね?
305名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 00:15:13 ID:ec5M8vOa
寧ろ暗殺チームなら誰でも暗殺完璧じゃね?
306名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 00:41:02 ID:XHFSY2t8
そもそもスタンドは常人には見えないんだから射程距離に入った時点で暗殺完了じゃね
307名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 01:02:32 ID:oR/rtk2t
「スタンド使いの射程範囲に入った時点で暗殺は完了しているッ!」
そろそろ一般人VSスタンド使いってのがあってもいいかもしれん
308名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 01:51:08 ID:D3oVzgfv
某小学生&某夫人「呼んだ?」
309名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 02:10:51 ID:lDPBbCMV
ホルマジオ=小さくなって敵地へ潜入し暗殺対象の殺害と死体の隠蔽。
イルーゾォ=鏡の世界を通り敵地へ潜入し暗殺対象の殺害と死体の隠蔽。
ペッシ=本体は身を潜め物質を透過するスタンドを投擲、暗殺対象の殺害。
メローネ=追跡対象のデータを入手し、自動追尾スタンドを作成しソイツに殺害を命じる。
リゾット=透明になり暗殺対象に近づき、煮るなり焼くなり体から刃物を出すなりで殺害。

暗殺チームが実際に暗殺をするとして、どういう感じで殺すか考えてみたが…
駄目だ、残り二人は大量殺人と真っ向勝負には向いてても暗殺には向いてねぇ
310名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 02:45:54 ID:SWvouOko
>>309
忘れるな、彼らは暗殺『チーム』だ
チームなら役割に応じて仕事をする、それだけだ
逆に単独行動の方が不自然と考えるんだ

でも兄貴なら既に作品中で明示されてるじゃあないか
老化して変装→潜入とか
311名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 04:34:23 ID:A8/2Apcm
>>307
6部や7部じゃ結構あるな。

スタンドが見えないし触れない以上、本体狙いしかないわけだが、
逆に言うと敵がだれかさえ分かっていれば、数の暴力・奇襲・罠・射程距離外からの狙撃とかでなんとかなるかも。
スタンド自体は無敵でも、本体は生身の人間だからな。
実際スタンド使いといえど脱獄は難しかったし、
7部にいたっては婦人の拳銃で倒されてる。
312名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 10:32:18 ID:4qku1TM4
>>309
グレフルに老化させられた人間は精神的にも衰えてしまってその事を良く覚えてなかったはず。
公衆の面前で誰か殺しても周りの人間がボケーっとしてて気づかれないって事も十分にありえる。

だが、ギアッチョが暗殺する場面が想像出来ない…
313名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 10:39:14 ID:4hsce2MF
>>309
ギアッチョ=車の運転中に事故に偽装して殺害。
プロシュート=自身を老化させて潜入。殺害対象を謎の老人に偽装。

ギアッチョは水中をスキューバで潜入も出来そうだな。
314名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 11:02:18 ID:X0+cMq3J
車をスリップさせるのはありそうだな
ぬくぬくスーツでスキューバか
楽しそうだなギアッチョ
315名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 11:14:09 ID:BlGNLhJL
チームだからてっきりギアッチョは移動担当だと思ってたぜ。
氷のソリ作ってボブスレーとか、スーツ着てトナカイするとか、リゾット背負ってカメレオン(鉄分で透明化)してもらいながら潜入とかw
316名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 12:48:30 ID:XGasl5bL
いや、待て
皆ギアッチョ先生の能力だけを見て判断してないか?
よく思い出せ、彼はペコリーナさんの燃やした写真の燃えカスからヴェネチアまでたどり着いたんだ!

つまり、先生は調査担当さ!
317名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 12:49:01 ID:FAmTid9s
というか本当にギアッチョ優秀すぎるなw
318名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 14:16:58 ID:5v7bBKFf
まてwww
ペリーコロさんがペコリーナになっとるぞww
319名無しさん@お腹いっぱい:2008/02/17(日) 14:54:31 ID:93DCwJzx
「たとえば裏でサイトとギーシュは出来ているんじゃないかとか
 考えるんですか?」
「それは当然思いますね」
「えーっ!?そうなんだ
 じゃあコルベールとも出来てる?」
「もちろん だって同じ目的の下にずっといたら
 二人の間に愛くらい芽生えて当然だと思いますよね」
「そうかあ」
「決闘でも『君の剣技はなかなかだ』『お前こそ』なんて言っているうちに
 いつのまにか求婚相手が彼に・・・」
「じゃあガリア王家なんてやばすぎるじゃないですか」
「それはもう!いまさら何をおっしゃるみたいな」
320名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 15:09:15 ID:U9UtSPba
>>319
ユリイカ自重www
321名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 16:03:27 ID:VWss63V0
そういえば、ここ最近の小ネタからサイト、ギーシュ他はジョジョ風になる
と更に自重しなくなることが検証されたなwww
322名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 16:21:29 ID:pSyPmDgz
>>321
マルコメは?
323名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 16:43:18 ID:X9uW3M/y
>>321
ジョジョキャラは自重しないからな
324名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 17:34:18 ID:9ygO1M/b
ルイズは駄目な方向で自重しなさそうだな
みんながここは息を潜めて逃げるんだみたいなとこで飛び出てノミのような行動とか
一時撤退だ!な時に貴族は背を見せない!逃げたりはしないわ!と言って仲間を危険にさらしそうだ
325名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 17:44:37 ID:1FPqLKxU
>>324
それ何て第3部ポルナレフ?
ルイズ「敵に背を見せない者を貴族と呼ぶのよ!」
キュルケ「待ちなさい、ルイズ!」
タバサ「無駄。」
ギーシュ「タバサ、君の意見を聞こう!!」
とか
ギーシュ「僕の浮気を誰にも気づかせなくしてやる!そう浮気の形跡を完璧に消してやろう。」
とか思いつく俺も少し自重すべきかもしれん
326名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 18:33:22 ID:qSLozoit
ケティ「ミス・モンモランシー…貴女はもうギーシュ様とキスをしたんですか?まだですよね?
    貴女のファーストキスの相手はギーシュ様では無いッ!このケティだァーッ!」

つまりこういう……って、アレ?
327名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 18:51:51 ID:nqEIQcng
鬼帝様自重wwwwww


>>324
あれ?ルイズって最初からそんな感じじゃね?
328名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 18:53:01 ID:CirbtsWU
>>326
それってケティもファーストキスの相手がギーシュじゃなくなるような。
329名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 19:13:16 ID:QVC6JQKS
>>326
鬼帝様マジ外道ww
モンモランシーは波紋使いなんですね水系統なだけに・・・w
でもギーシュは看病しないと思うんだ。


おせっかい焼きは・・・ベアトリス?
330名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 19:32:03 ID:ra97Hr9x
あたしはおせっかいやきのツェルプストー!
331名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 19:46:45 ID:QVC6JQKS
誰だって聞きたそうな表情してるから自己紹介させてもらうけれど
私はおせっかい焼きのツェルプストー!
ゲルマニアのツェルプストー家からモンモランシーが心配だからくっついてきたのよ!
今、彼女はまったくの孤独!心の支えがない!こんな私じゃあ役不足だけどねェ!
ほんのチョッピリでも与えてあげたい!生きる希望をねェ!


こうですか?わかりません><
332名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 19:56:10 ID:KIB0SWpU
役不足…
力不足の間違いじゃ…
333名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 20:05:47 ID:SVL9MtOH
ばっかお前ツェルプストーさんなら心の支えどころかもっと凄いことになっちゃうから役不足であってるんだよ、多分
334名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 20:10:13 ID:iGNoAFZX
心の支えは支えでもモンモンがキュルケに寄生するくらいの支えになるんだよ
335名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 20:24:26 ID:QVC6JQKS
>>332
トライアングルメイジの上にあのあの性格、さらに胸! どこに力の不足があるというんだ!
ウィキペディア見たらB94らしいぞ・・・
336名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 20:56:52 ID:kim/rlVS
自分で役不足とか言うなw
337名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 21:02:05 ID:v+I1MRYA
>>335
つまり胸革命は1m超えということか
338名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 21:21:29 ID:E2UoUDaV
一応マジレスしとくと
役不足:役がその人にとって軽すぎること、つまりキュルケやテファやちい姉様やマチルダさんの胸枕だ
役者不足:造語っぽいが、その役に対してやる人に何かが足りないということだ。つまりルイズやタバサの胸枕だな
339名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 21:32:00 ID:pv19rwNO
トライアングルペイジに見えた
恐ろしいほど血管針攻撃
340名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 22:02:43 ID:8j1P1Wwa
胸なんてただの飾りです!!エロイ人にはそれが(ry
女性はやっぱりお腹にお肉が付いてる(ピザデブに非ず)のがセクシーだと思うんだ。
341名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 22:35:33 ID:E2UoUDaV
確かに……確かに適度に脂肪の乗った女性のふわふわのお腹はいいもんだ……!
だがなぁ! 腹筋だっていいもんだろ!?
342名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 22:36:58 ID:bxOH1QOw
腹筋が6つに割れて実は同性愛者とかなんか生えてるとかでなければ許可するっっっ!
343名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 22:37:14 ID:X0+cMq3J
>>341
うっすらと割れてたりするともう大好物です
適度な脂がのってちょっとふにふにしてるともうたまらん
344名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 22:50:10 ID:Uhr8wiii
オイオイ時代は腹か?
へそがでてるコスチュームのブームって奴か?
345名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 22:56:20 ID:v+I1MRYA
>>344
おいおい、冷え性な人が多い女性に腹を晒せと言うのかい?
特に生理中なんて体を冷やしちゃいけないんだぜ
でもルイズって常に臍出しルックだよな、淑女のはずなの
346名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 22:56:58 ID:QVC6JQKS
腰は少しくびれがあって、しかし細すぎず適度にぷにぷにしているのがベネ(良し)
胸は大きすぎず小さすぎずの大きさ(BまたはC〜Dあたり)がストライク。



おまいらの意見を聞こう!
347名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 23:00:05 ID:ra97Hr9x
顔がそこそこよくて性格がストライクで二次元ならなんでもいいよ
348名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 23:02:47 ID:8j1P1Wwa
筋肉のガッチリ締まった体に形の良いおっぱいを持つお姉さんはまさに反則。
シー○様みたいに妖艶さと儚さを兼ねそろえた御姉様も素晴らしい。
だがお胸は小さいのに(大きくても可)全体的にはふわふわかつぽよぽよなボディの少女は 最 強 なんだ。
349名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 23:09:36 ID:xyg3QEPa
バランス重視
くびれすぎていたり、巨乳すぎたりするのは苦手だな
350名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 23:09:49 ID:kim/rlVS
ああ!>>344!もっとやさしく そこはダメ!ダメッ!ダメッ!ダメッ!
351名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 23:13:12 ID:G9L8m7uz
>348
つまりこの二人で
http://file.brincrossroad.blog.shinobi.jp/pair.jpg
 (リンク先非18禁注意)
352名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 23:21:12 ID:8j1P1Wwa
>>351
族長!!族長!!族長!!
でも小さい娘の方はちょっと腕と足が細すぎて胸が大き過ぎるかな…
だが族長!!族長!!族長!!
353名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 23:29:16 ID:Zvu8xZqx
>>351
グロ貼るな
354342:2008/02/17(日) 23:36:07 ID:bxOH1QOw
>>351
勘弁してくれっ!
355名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 23:36:11 ID:cTm9DT73
なんというマッシブ、これはまちがいなくおタカさんクラス(^o^)
しかしマッシヴと魔乳はバランス悪いのぅ
まぁ微エロになるんかな?
356名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 23:41:42 ID:QVC6JQKS
>>351
この人、ムキムキの女の人よく書くんだよな・・・
取り合えずきわどいんで15禁で
357名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 23:42:49 ID:F1frJgDt
>>351
美顔でなマッシヴなお姉さんはすばらすぃ。
358名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 00:08:56 ID:40XsplJC
ねこだめキュルケの時代がきたと言うことか……
359名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 00:23:20 ID:7SsjEYKc
>>346はストライク
でも大人しそうに見えて実は微妙に毒舌・体型小さめの方がいいね
(タバサ+現代の女性÷2)÷2くらいがいいんだ
>>351
う…嘘だろ承太郎!俺涙目
360名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:00:12 ID:b6Kvz2fi
なぁ、ここ何のスレだっけ?www
361名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 01:07:02 ID:3vO0BatN
>>360
え〜とたしか「喪男!君の(好みの女の子についての)意見を聞こう!」ってスレだな。
362名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 03:33:33 ID:aNqSVlP4
まぁ拳法で密室殺人を成立させるあの作家の作品の挿絵だしなぁ(苦笑)
363名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 05:13:50 ID:/kSJBeYj
つーかこの絵師さんの作品でマッシヴでないキャラなんて見たことないwww
本当は普通のキャラも書けるんだろうが
364偉大なる使い魔:2008/02/18(月) 08:49:42 ID:vx7S8wuf
一日の授業が終わり、わたしは図書館に向かう。
詔を作るために詩の本を参考にする。
試しに一つ作ってみますか、思いつくまま紙に書いてみる。

疾(はや)きこと風の如く。
徐(しず)かなること水の如く。
侵掠(しんりゃく)すること火の如く。
動かざること土の如し。

・・・駄目だ、結婚式に詠みあげるものじゃ無いわね。

風は、わたし達に季節の訪れを教えてくれる。
水は、わたし達が生きていく事に欠かせないもの。
火は、わたし達から暗闇を遠ざけてくれる。
土は、わたし達に大地の恵みを齎してくれる。

・・・うーん、どうかしら。紙を凝視するが何も変わらない。
「これは結婚式に相応しくないんじゃない」
「こっちの詔は上手く出来ているんじゃないかな」
いきなり後ろから話し声が聞えてきたので、慌てて振り返ってみると
モンモランシーとギーシュが紙を覗き込みながら意見を出し合っていた。
「ちょっと、勝手に見ないでよ」
わたしは紙を裏返しに伏せる。
「なに恥ずかしがってんのよ、アンタこれを王室のお偉方の前で詠みあげるのよ」
うっ、姫さまだけじゃなく皆の前でコレを詠みあげるの・・・
名誉な事にばかり気を取られ失念してたわ。
「うううううううう」
「さあ行こうモンモランシー、ルイズは詔を考える事で忙しそうだ」
「そうね、じゃあねルイズ、精々恥を掻かないものを作らないとね」
モンモランシーが出口に向かう。
「モンモランシーは、ああ言ってたけど自分の事の様に喜んでいたんだよ」
ギーシュは、そう言い残してモンモランシーの後を追う。
モンモランシーがねえ・・・
出て行った後を眺めていると、今度はキュルケとタバサが入ってきた
わたしの席を目指して真直ぐと。

キュルケが散々人を馬鹿にしていった後、気分転換に歴史の本を
読み漁っていた。歴史に名を残す偉人とはどんな人なのか・・・
トリステイン王国は弱い。理由はメイジの実力云々ではなく
戦争では敵がどんな作戦を使ってきても常に真正面からしか戦わないからだ。
しかし、そんな中でたった一部隊の参加の有無で勝敗が分れる事があった。
戦争において非常識かつトリステイン貴族の理想を具現化した存在。
マンティコア隊の『烈風』のカリンによって・・・
わたしは歴史に名を残すと誓った・・・
だがスデに母さまは歴史に名を残していた!
365偉大なる使い魔:2008/02/18(月) 08:57:25 ID:vx7S8wuf
久々の投下
キーボードの打ち込みが面倒になってきた

頭で考えた文を、そのまま画面に貼り付ける事が出来れば楽なのになあ
366名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 17:11:12 ID:40XsplJC
投下乙でしたー
歴史に残ってた母様ワロスw
367名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 20:52:26 ID:x0sle3SH
キンクリ
368名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:13:36 ID:aNqSVlP4
キンケシ
369ポルジョルの中の人:2008/02/18(月) 21:15:57 ID:/Hs7d2xV
21:30〜投下を行いたいのですが構いませんか?
今回もあんまり自重できてないから避難所行くかかなり迷っているんだ…(´・ω・) 名無しさん、貴方の意見を聞こうッ!
370名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:17:31 ID:vuCozMQ4
>>369

             ,:;'";:";";"。/ 。         。ヽ 。゙'::゙::゙:'゙::゙:'゙::゙:;゙';,
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            ゙:,゙,>''"        _ -‐二二,,,乂ノ \";";:";",'
            /   _  ,,_二__= ̄  ー'´,_二二、_,,\ ヽ,ゝ、{´    投下し、GJされる
           <__,.;;:zヒ/爪ゝ.`ー゚ ,` :    '´_`ー゚´,,ィ   l\ \ \
              | V | iヘ ´¨` ´::;   `  ´¨`  .:  | ヽ ヽ }   それが法
             /ミ{ ! i ∧    .ノ:        .:  /,|   )_/ヽ.
       _    /´ミ.| 八`ヽ \  :i.   _;        r'´|  l    ハ この場において
     _/ニニ  ̄7´ニ.__ l l i`ー、─`  ` ´       , ´  }  i  }  i l
   ∠-─- 、 、ヽ、ヽ、 | |    ヽ  -‐=-= ー-、   ,イ、 \/ / /  l | 裁判も不要
 /___ _ \ヽ、ヽ、ヽ| l \\\ ` ─ --  //{.:.:.: / /  ' _/ /
//、ニニヾヽ \ヽ\ヽ ヽ∧\ \ ゝ\     / /|.: ー.─く ̄\一'
/ ,ニニニヽヾヽ \ ヽ ヽ、 `ー'‐--'一`__ ̄ ̄´  /  |.:.:.:.:.:.  /冫 /
 /二ニニニヽヾヽヽ∨ l `丶`丶`丶、ヽ、、  ̄` ー─- - ,,__/ / '/ヽ
371名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:19:31 ID:zHuKhZs5
んっん〜〜そうだな、キンクリ対策にここは一つ、投下してほしい作品を「2つ」挙げるんだ!
……なんだって? 「3つ」がいいのか? 3つ……このいやしんぼめ!






ちなみに俺は鉄、隠者、スネイク
3つともこれから、ってとこで止まってるからね
372名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:22:04 ID:krYQwpjI
支援
373名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:31:48 ID:/Hs7d2xV
シルフィードが青い空を飛んでいく。
溶け込むような色合いの鱗にしっかりとしがみつきながら、マジシャンズ・レッドの炎が揺らめくのをキュルケとポルナレフは見ている。
首の根っこに跨ったタバサの隣で、ルイズが身を乗り出して眼下に広がる森を見ていた。
後ろから迫る巨大なゴーレムがゆっくりだが、確実に離れていく。
だが、ポルナレフ達は逃げているのではない。
眼下に広がる森の中からフーケを探さなければならないのだ。
だからすぐに見つからなければ、フーケを探してゴーレムをこの森の上でかわし続けなければならない。
その事を理解している皆の表情には焦りが見え、特に追い掛け回されるシルフィードは必死だった。
そんな様子を、追跡されている『土くれのフーケ』は冷静に見つめていた。まるで養豚場の豚でも見るような目で見上げる。

「逃げるんじゃあ無いようだね。ミス・ヴァリエールのお陰かねぇ?」

小馬鹿にしたような口調だったが、顔に笑みは浮かばなかった。
それどころかシルフィードを睨みつけ、歯軋りをせんばかり…
あのまま、ゴーレムと戦い消耗してくれていればよかったのだが、マチルダの予定は狂っていた。

「あの亀…やっぱり、どう見たってジョルノ・ジョバァーナの亀だね」

木陰に潜み、近づいてくるシルフィードの姿を見ながらマチルダは確認と、自分にいい聞かせるように呟き始めた。

本当は別の目的があった。
アルビオンに隠れ住むテファの為、円盤の使用方法をメイジ達に使わせて理解するという目的…!

マチルダのテファへの感情は複雑だった。
テファは、サウスゴータ家が主君と仰いだ王弟で財務監督官だった大公の一人娘だ。
アルビオン王家やそれに追従した貴族への恨みを持つとはいえ…いや、だからこそ王家に杖を捧げてきた貴族としては、
テファこそ正統な、アルビオン王位を継ぐに、真に相応しい方の娘だ、なんて想いもないわけじゃない。
貴族に戻るなどの利益を求めての考えではない。
そうでなければ…!
彼らが正しいとするのなら…!
亡父達が間違っていたというのか?
そんなわけはないのだ…マチルダは突然湧き上がった衝動のままに隠れていた木を殴った。
どういう事情がったのか、マチルダも完全に知っているわけではない。
だが、エルフだからって理由だけで幼い子供を殺すような真似は貴族のすることではない。
愛人とて、義務の為に望まない結婚をした貴族が恋人とその後も関係を続ける話は、大っぴらに良しとはされないが、平凡な話である。

だから、テファをどうしても主君の娘として見ることはある。
彼らへのあてつけでテファを生かしておこうなんて想いさえ、マチルダにはあるのだから…

しかし同時に、何年も面倒を見続けてきたテファに愛情が沸かぬほど情が薄くもない。
もう既に、マチルダにとってテファは妹であり、娘でもあるような大切な存在だった。

そういう複雑な想いを注ぐ大事なテファが、あろうことか男を召喚したという話を聞いたことが…昨日聞いたことのように思い出される!
あの糞ガキッ!!
マチルダでさえうっかり騙されちまう、あの爽やかな笑顔が思い出されるッ!
アルビオンの冷たい冬の終わり、春の訪れを伝える花の蕾が開きだしたのを見つけた時のような気持ちッ、
鬱陶しい雨を降らせる雲の隙間から差す暖かな陽光を浴びた時のような気持ちを植えつけるくせに、時折チラつかせるあの色気ッ…!
放っておけば間違いなくテファを誑かして悪い道に引き込むに違いないッ!!

そのジョルノ・ジョバァーナが、マチルダがある貴族から盗んだ円盤を渡した直後から、マチルダが少しだけ見せてやった裏社会で何か行っているらしい…
テファがそんな道に引きずりこまれるのは最早時間の問題だろう…次に戻った時に排除するしかないッ! マチルダはそう決めていた。
ジョルノ・ジョバァーナは抜け目ないガキだ。排除しなければならないが…円盤を使っているのならそれを知らなければ、追い詰めた所で足元を掬われちまうかもしれない。
その為に、ジョルノ・ジョバァーナを確実に葬りさる為にできれば『破壊の円盤』の使い方と力を知っておかなければならなかった。
374名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:34:01 ID:/Hs7d2xV
だがそれは、復讐とかは止せと言っていたテファに姉のように慕っているマチルダが盗賊をしていると知られてしまう事に比べれば、カスのようなものに過ぎなかった。
何より、テファの存在が亀の口からうっかりばれて、妹か娘のように可愛がっているテファの身に危険が迫ることに比べれば…!

「円盤も使ってないようだし…こうなると、今重要なのは円盤じゃないね…あの亀だ。喋れるようになった亀の口から、私の事がテファにばれたり、テファのことが誰かにばれちまう方が、ずっとヤバい」

言いながらマチルダはローブの中に手を入れていた。今のこの状況を、マチルダは切り抜けなければならなかった。
円盤にどんな力があるのか知る事ができないのは残念だが…どんな手段を使ってでも、亀の口を封じて逃走しなければならなかった…!
懐を探り、微かに震える手で取り出したのは小さな紙の包みだった。
一時の甘い夢、心地よい幻覚に誘われ、あるいはどんなことでもできるような全能感を味わうという手の中の禁制品の一種が、その包みの中に入っている。
それを、マチルダは硬い表情で見つめた。依存性などがあるという話をマチルダは知っていた。

だがこの薬には、精神を高揚させ魔法の力を一時的に高める力がある…!
ドーピングとしての力、体を蝕むがゆえに禁止されている上、値も張るが、その効果から念のために一つだけ用意異しておいた欲望の白い粉。
当然使いたくなんて無いが、相手にはマチルダと同じトライアングルが二人いる。
その上あのように飛ばれていては、あの亀を殺すのはかなり困難だ。積んでいる、と言ってもおかしくはないかもしれない…だが逃がすわけにはいかないのだ!
近づいてくるシルフィードの姿を一瞥し、フーケは包みを開いた。

時を同じくして、シルフィードを追いかけていた30メートルのゴーレムが突然崩れ始める。
決して精密なつくりではなかったが、それでも土が零れることは殆どなかった土の人形が、手を伸ばした形で動きを止めていた。
溶けるようにして、ゴーレムは人型ではなくなり、土の山へと変わっていくことに後ろを見ていたキュルケが一番早く気付いた。
シルフィードやタバサは前を見ていなければならなかったし、ルイズは身を乗り出すようにして眼下に広がる森を見ていた。
ポルナレフは勿論、生物探知機でもある炎が燃え盛るかどうかを見るのに集中していたのだが、「見て! ゴーレムが…!」

キュルケの声に、皆自分の行動を止めて、シルフィードまでが首だけ振り向いてゴーレムが崩れ落ちて、下に生えていた木々を押しつぶしながら大きな土煙が上る光景を見る。
だが、それが彼らの行動を一手遅らせた…!
そうする彼らの行く手で、木々を突き破り新たに生み出されたゴーレムの腕が、生き物のようにうねりながらシルフィードの前へ急速に伸びていく。
森の木を巻き添えにしたまま天へと突き出されようとしているのは、崩れ落ちた30メートルゴーレムの腕と同じサイズの腕だった。
生物探知機を有効にする為に低空で飛行していたシルフィードとその背に乗るポルナレフ達の上に影を落として、腕は成長をやめた。

構成する土くれの一部が崩れていくのにも構わず、今までに無い、本物の人間めいた動きで手が蠢く…メイジが使う魔法は、基本的には共通のものが使われる。

レビテーション、ウインドカッター。それらはどの国でも共通だが、そこにメイジ個人の能力と隠しようのない癖が現れる。
その点から言えば、つい先ほど背後から追いかけてきたゴーレムを作ったメイジとは、別のメイジが作ったような巨大な土の手は手を形作る土くれを撒き散らしながらも、恐ろしく素早かった。
だが日頃表情を動かさぬタバサが、目を見開くまでに広げられた手はシルフィードを叩き落し、何故かすぐには追撃を行わずに小刻みに震えた。

木々をなぎ倒して墜落するシルフィードが地響きを立てている間に、ゴーレムは再び土を集め、否応なしに圧迫感を与える巨体を作り上げて彼らの前に立ちあがろうとする。
マチルダはそれを少し離れた場所で眺めていた。

「そいつらを埋めちまいな…!」

亀を逃がしてしまうと、妹、あるいは娘のようにさえ思うテファの事が脳裏にひっかかっていたというのに…
鼻歌の一つでも歌いだしてしまいそうな清清しい気分が、心の内から湧き上がってきてしまう…!
自然と笑みが広がっていた事に気付いたが、マチルダは杖を振るう。
375名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:36:18 ID:/Hs7d2xV
砕け散った巨大な手がルイズ達の上に土の塊となって降り注ぐ。
髪や服に降り注ぐ土から、体についた土を嫌そうに払いつつキュルケが逃げる。
シルフィードの無事を確かめたタバサが視線を微かに険しくし、「ここにいて、シルフィードを」と言い残して『土くれのフーケ』を追う亀を追いかけ森へと消える横で、ルイズは降り注ぐ土に目もくれず周囲へ忙しなく目を向けていた。
頭にこぶし大の土がぶち当たり、ぶん殴られたような衝撃に目が眩んでいても、血が滲んでもルイズは目と手を動かしていた。
タバサと共に、炎により生命を探す能力を持つ亀を追いかけようとしていたキュルケは、それを見て先にルイズへ叫んだ。

「ルイズ! 貴方何やってんのよ!「円盤がないのよ! 今叩き落された時に、何処かに落としちゃったのよ!」

震える声で叫んだルイズの目は潤んでいた。
今回の目的でもある戦利品を失くしたと聞かされたキュルケは、ルイズの頬を叩いた。
一瞬動きを止めるルイズにキュルケは言い聞かせる。

「馬鹿ね…ッ。貴方の体を守るのが先でしょ!」
「ば、馬鹿って何よ! アンタには「ほら、次の攻撃が来る前に動くわよ!」
「きゅいー!」

喚くルイズの手を引いて、キュルケはフライを唱えた。
フライの使用中は強力な魔法を使えなくなるが、代わりに高速で空を飛ぶことが出来る。
ゴーレムがまた崩れ、腕だけを素早く天へ突き出すのを見ながら、キュルケはルイズと『土くれのフーケ』がいるらしい、亀とタバサが消えた方へと飛んでいく。
離れていく二人へ残されたシルフィードが必死に鳴き声を上げたが、ルイズ達にはそれを気にする余裕はなかったし、目に見える傷が、硬いウロコのお陰で無かったせいで、然程気にしていなかった。

「きゅいきゅいー!(ゴーレムに潰されたらどうするのね!)」

離れた場所にまた腕が出現するのを見て、二人の後方で必死に手足をバタつかせるシルフィード。彼女?が自分で倒した枝葉が絡まって素早く空へ逃げることもできないことに、二人は気付かなかった。

その代わりに素早く生み出され木々をなぎ倒しながら、振り回される腕が狙うのは亀である事には気付いていた。
キュルケの位置からは良く見えないが、炎が上がり、土くれでできた巨大な腕が破裂するので追われているのは亀だと判断する。
ディスクを探すのを邪魔され、騒がしくするルイズと共にキュルケは木々の間を縫うように飛ぶ。
亀が狙われているようだとは思っても、慎重な部分が警告し木の上まで上がるのは躊躇いがあった。
そう遠くない場所で、木の幹が折れる音と共に地響きがする…断続的にその音は響き、発信源が少しずつ遠ざかっていく。
抱きかかえられ、胸が当たるせいもあって幾分余計に暴れるルイズにキュルケは目を落とす。これ以上暴れられると、落としてしまいそうだったのだ。

「円盤を探すのは後でいいじゃない…フーケを捕まえてからゆっくり探せばいいわ」
「…わかってるわよ。だ、だから離しなさいよ!」
「はいはい…」

音が離れていくのを聞いて、渋々納得し悪態をつくルイズをキュルケは笑った。
ルイズとて、状況がわからないわけではない。使い魔のカメナレフは先程から頑張っている。
タバサもだ。キュルケの今の態度とて、ヴァリエール家の宿敵ツェルプストーとは思えないものだ。
トリスティンを騒がせる盗賊フーケを相手に、シルフィードが叩き落された所なのに、ルイズを気にかけている。
だが、そんなキュルケに素直な態度を取れずに、ルイズはふくれっ面をして森の中を走っていく。
先程当たっていた大くて柔らかい脂肪の塊。何より、自分の目の前で使われる魔法の数々が、ルイズのコンプレックスを刺激して止まない。
キュルケが、ルイズにあわせてフライを解き森の中を走っているのが、草をかき分けて進む音でわかって、爪が食い込むほど強く手を握り締めた。
遠くでまた何かが燃え上がる大きな音がした。土くれの腕が弾けるのが見え、亀が空へと舞い上がった。
それを追ってどろを飛ばしながら、何本もの手が亀を追いかけていく…だがそれらは突然砕かれた。

魔法学院に入学してから、自分の系統を探そうと必死に勉強を続けていたルイズには、それがエア・ハンマーの魔法だとわかる。

「向こうね! 急ぎましょう!」
376名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:38:24 ID:u/TwWjp2
マチルダじゃなくてマルチダじゃなかったかな?
歩兵戦車で支援射撃
377名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:38:58 ID:/Hs7d2xV
彼女が扱う炎のような色の髪をかきあげて、キュルケは軽快に森の中を抜けていく。
生い茂る長い草や突き出した根が、小さなルイズの行く手を遮って、キュルケより一歩遅らせる。

魔法が使えないからいつも走っているルイズの足は他の貴族達と比べれば速かった。
だが20cm近い身長と、魔法で道を切り開くキュルケは、ルイズより更に一歩分前に進む。
その後を進めば楽に走れたが、横目で見たルイズは、短いスカートから覗く足が切れるのも構わず、進んだ。

軽く流し目を送り、キュルケが笑うのが見え、唇をかみ締める。
フライを唱えて杖を振るっても、何も起きなかった。

「爆発だけでも起きればいいのに…!」

きつく唇をかみ締めるルイズを、普段どおりからかうようにキュルケが声をかける。

「どうかしたのルイズ? 遅れてるわよ!」
「うっさいわね! 黙って走りなさいよ!!」

二人が騒音の聞こえる方へと走っていくのを、静かに観察する男がいた。
そよ風に揺れる3つのコロネと口元の爽やかな笑み。そしてキュルケよりも大きく開いた胸元は、勿論ジョルノだった。
手でちょっぴり土で汚れた円盤、先程ルイズが必死に探していたモノを弄んでいたが、呟く。足元のモグラ達が、ただの石ころへと戻っていく傍らで。

「ツェルプストーとヴァリエール。奇妙な組み合わせだが、ポルナレフさんを召喚したのはヴァリエール家なのか」

髪の色と先日出会ったヴァリエール家の女性達の面影、そして魔法が使えなかった点から推測を立てながら、ジョルノは二人が消えた方向に背を向けた。

手の中のディスクに映るスタンド、『ワールド』の姿が奇妙に印象に残っていた。
例えて言うなら、首の背中の付け根が疼くような感覚…空いている手でジョルノは首筋を撫でる。
そうすることで何かわかりそうな気がしたのだが、無駄なことだった。
ジョルノは頭にディスクを差す―ずぶずぶずぶずぶ「ジョルノ、治療が終ったぞ」

木々の間を縫って向かう先では、ラルカスが手を振って合図している。ジョルノは頷き返した。
シルフィードの治療を終えて報告に来るラルカスに気付いたジョルノは、二匹?に駆け寄る。
その手には櫛が握られ、手早くコロネが梳かれていく。徐々に二人との距離も縮まる内に、手馴れた様子で櫛がコロネに突き刺さる。
コロネが一つ、二つと解け、最後のコロネが解けると同時にジョルノは二匹の元にたどり着いた。

「ジョ「ジョナサン」ジョ、ジョナサン、助かったのね! 全く、お姉さま達ったらシルフィーを置いて「話は後だ。今やる事はわかるな?」ひーんっ…お、斧を突きつけるのは止めて欲しいのね!」

ラルカスが涎を垂らしながら、杖代わりの斧でグリグリとシルフィードの頬っぺたを押し込む。
それが杖だということは治療をしてもらったシルフィードがよくわかっていたし、人間ではとても片手では扱えないサイズの黒光りする斧を軽々と扱う牛男に洞窟で戦った記憶が蘇ったのか、シルフィードの涙腺は決壊寸前だ。
ジョルノは苦笑してそれを眺めながら、髪に染色剤を塗りこんで、上着を脱ぐ。
亀の中へテントウムシのブローチがついた上着を仕舞い、代わりに出した汚れ一つ無い白いシャツを羽織ってボタンを留めていく。
ギーシュのようにフリルが付いてるわけではないが、使われている生地の光沢と洗練されたシルエットが黒髪になったジョルノを引き立てていた。
ラルカスが今着ているモノと同じく、ジョルノが作った偽ブランドで作られたシャツなのだが、筋肉質過ぎて聊か不恰好になってしまうラルカスには、本当に同じ商品なのか疑いたくなる優雅さをシャツは与えていた。

「怖がらせても仕方ないでしょう。シルフィード、飛べますね?」

言いながら斧を下ろさせるジョルノに、シルフィードは一も二もなく頷いて二人が乗りやすいように体を捻る。

ジョルノは生み出したモグラがほんの少し前に掘った穴を足で埋めながらその背に飛び乗る。
ラルカスも同じく、治療しながら埋めたジョルノのモグラが開けた穴を足でいじり、完璧に隠滅してから背中に乗り、シルフィードは再び空へと舞い上がる。
亀と魔法が飛び交う方へと急速に向かうシルフィードの背中で、ジョルノは亀の中からマントを取り出した。
そして最後に取り出した細い杖を軽く手の中で回して、ジョルノはゲルマニア貴族ジョナサンになった。

「ジョナサン、アンタ相変わらずメイジっぽい格好をするのが得意だな」

これから向かうトリスティン魔法学院の生徒のように、マントと杖を携えたジョルノを見てラルカスがぼやく。
378名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:41:36 ID:/Hs7d2xV
「そうですか? 何故かはわかりませんが…凄く馴染むんですよ」
「なんだそりゃ「きゅいきゅい――!」

その時、空中へと伸ばされた一際大きな腕が、タバサの物と思われる魔法に粉々に砕かれた。
砕かれたゴーレムの腕が大きな土くれとなって周囲へ散らばり、一部がジョルノシルフィードへと飛来する。
散弾のように降り注ぐ拳大から、牛男の銅より大きな塊へ、ジョルノはゆっくりと杖を向けた。

「エア・ハンマー」

無駄ァッ!!

ジョルノが魔法を唱えた瞬間、その一瞬だけ二人には見えない古代ギリシアの彫刻の如く優美な像が一瞬だけ出現し、時計のような装飾が施された左腕が土の塊を全て砕いて消えた。
何か言いたげな視線が、二人からジョルノへと向けられる。

「何です?」
「助かったんだが、なんか…違わないか?」
「私も何か違うような気がするのね。きゅいきゅいっ!」
「いいえエア・ハンマーです」

ジョルノの爽やかな笑顔は、この時は凄く胡散臭かった。
それを感じたラルカスとシルフィードは同時に叫んでいた。

「嘘だっ!!」

二人の疑惑の声をジョルノは一笑に付して土煙が立ちあがる辺りへと杖を向けた。

「どうでもいいじゃないですか。さぁいきますよ…!」

爽やかだが、どこかイっちゃったような目をしたジョルノの呟きは風に紛れて消えていく。
今までに無く心地よく聞こえた声に、噴出す汗を抑えきれずラルカスはただ頷いた。
ジョルノが話しかけてくる言葉に危険な甘さがあった…だからこそ、ラルカスはその時恐怖を感じていた。

「ジョナサン…アンタ、どこかおかしい所は無いか?」
「…(奇妙なことなんですが)今の僕は最高にハイって感じなんですよ。薬を打った時なんでもできるような、良い気分になると言う人がいるそうですが…」

汗をかきながら尋ねたラルカスにジョルノは答えた。
その言葉には微かに戸惑いがあったが、ラルカス達は気付く余裕がなく…ディスクを差し込んだ辺りを触れるジョルノを、ただ見ていた。

「他人のスタンドをつけたせいで妙な影響を受けちまってるのか、僕は?」

シルフィードの背中で、とても小さな声でそう呟いていた時、フーケとポルナレフ達の戦闘は終了しようとしていた。
さほど距離が離れていない上、ポルナレフの移動速度はフーケを上回っている。

炎による生物探知機まで装備した亀を相手にするマチルダは、自分が追い詰められていくのを実感していた。
空を飛ぶ亀を相手にするには、詠唱をする時間が惜しかった。
加えてマチルダが身を隠す森が亀を相手にするには不向きだった。
マチルダが身を隠すように、亀が木々の間を抜けてマチルダを追いかける事を選んだ瞬間から…レーダーを持たないマチルダは適当に広範囲を巻き込むしかなかった。
だがその範囲に巻き込んだとしても…!
亀が操る炎。少し離れて行動する風のメイジが予想以上の腕を見せ、全て防ぎきる。
キュルケが炎を操るのは有名だったし、ルイズが魔法を使えないことはもっと有名だったからそれがタバサのせいだとはマチルダにもわかる。
だが、複数生み出した亀を貫く為の針をさえ、防ぐ程とは思っていないことだった。
焦り、唇を噛むマチルダが体を隠していた樹木が、一瞬で燃えあがった。

「チッ…」

舌打ち、慌ててその場から逃れようとするマチルダの体に、容赦ないエア・ハンマーの一撃が入る。
肺の中の空気が全て追い出され、意識を失いそうに鳴るのを辛うじてマチルダは防ぐ。
偶然切れた口内の痛みか、それとも吹き飛ばされて木に叩きつけられて生じた痛みかはともかく、マチルダは重たい体に鞭打って、自分に迫ってくる亀と、距離をとって杖を構えるタバサを見つめた。
379名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:42:59 ID:/Hs7d2xV
「マ…いやいや『土くれのフーケ』。追い詰めたぜ!」
「カメナレフ…!」

マチルダはタバサに視線を向ける。
ここに来る途中、襲われた時のように切り抜けるか?
そんな考えが一瞬浮かんだが、今食らった手加減されたエア・ハンマーとタバサの無感情な目が、別の手を選ばせた。
こうなっては、このドーピングされ普段より段違いに素早く作り出せるゴーレムに、マチルダは賭けることにした。

「カメナレフの生物探知機、フーケの攻撃も止んだ…フーケは貴方」
小さな体に不釣合いな杖を向けられたマチルダは、笑みを浮かべた。
「…あぁそうさ。私が『土くれのフーケ』だったのさ。アンタらが勘違いしてくれて助かったと思ったんだけどねぇ」
「ったくあの時私の話を信じてくれりゃあこんな手間がかからねぇで済んでたのによ」
「…あの時の話はセクハラだった」
沈黙が訪れようとする。
だがそれを、マチルダが杖を投げ捨てて未然に防いだ。
何故なら、こちらへと接近する者達がたてる騒音が、彼女の耳にはしっかりと届いていたのだ。
「降参だよ。おとなしく捕まるからここで丸焼きってのは勘弁して欲しいねぇ」「そうしてくれると助かるぜ。女を殴るのは気分が悪いからな」

ポルナレフは無造作に亀を持ってマチルダに近づいていく。
タバサは、まだ離れたままいつでもマチルダを攻撃できるように杖を向けていた。
その目はどんな些細な行動も見逃さぬと言わんばかりに、注意深くマチルダの動きを観察していた。
マチルダが少し肩を竦めたり、降参の証として、杖を彼女の方へと蹴っても、タバサは杖を向け続ける。

「そんなに怖がらなくったっていいじゃないか、ねぇ? カメナレフ」

少しだけ、媚を売るような仕草で言うマチルダに、ポルナレフは戦いに挑む緊張感を少しだけ解す。
同時に杖を持っていないメイジに何ができるわけでもねぇ、という考えが浮かんだポルナレフは、マチルダの手を縛る為の縄を探しながらタバサに声をかけた。
亀の中には、亀の中から出られないポルナレフの為にジョルノ達が結構なんでも揃えてくれているのだが、ロープの類があったかどうか、ポルナレフは覚えていなかった。
だって使わねーからなぁ、とポルナレフはぼやきながら棚をあさる。

「ん? そうだな…おい、タバサ。杖もお前が持ってるんだし、もういいじゃねーか」

亀の言葉に、タバサは杖を下ろさずに少しだけ亀へと視線を向ける。
ポルナレフは聊か軽薄な調子で、(マジシャンズレッドもそれに呼応して手を広げたりしたが、タバサには見えなかった)拝み倒す事にした。

「もう心配ねーって、後で手を縛ったりすりゃ何もできねーだろ」
「駄目。今しておく」
「いや、できればそうしたいんだが…ちょっと見当たらなくってよ」

ポルナレフの言葉をタバサとマチルダは不審に思った。

「? どこを探しているの?」
「あー…秘密だ。あえて言うなら、私の四次元ポケットだな」

余計に胡散臭くなったカメナレフに、タバサは先程は悪い事をしたので譲歩しようかという気持ちが砕ける音を聞いた気がした。
むしろやる気満々になって杖を向けるタバサに、ポルナレフはちょっぴり泣いた。
だがポルナレフがちょっぴり泣いた分だけ緊迫感が薄れたその時、タバサはシルフィードが接近する音に空を見上げた。
タバサが見上げると同時に、シルフィードが姿を現す。
翼を大きく広げ、降りてくる巨体が巻き起こした衝撃波が3人を襲う。
一番小さいポルナレフは、マジシャンズレッドに亀を抱え、タバサを風から守る為に動く。
それを尻目に、マチルダは襲い掛かる風から身を守る振りをして、小さな杖を取り出す。
広範囲を適当に潰すだけでは効果が無いなら、不意に訪れる一瞬にかけた。
既に詠唱は終えていたゴーレムの腕を瞬間的に複数生み出し、時間差で全てカメナレフへ向け襲い掛からせる。

「チィッ…『マジシャンズ・レッド!!』」

カメナレフが叫ぶと同時に、炎が出現し腕を溶かしていく。
だがマチルダが用意したカメナレフへ向かう幾多のゴーレムの方が、勝るとマチルダは直感した。
視界の端に見えたタバサが、今度は加減抜きのエア・ハンマーを唱え、マチルダを殺すかもしれないが…それよりもカメナレフをゴーレムの腕が握り潰す方が先だッ!
だがそこで、突然マチルダは意識を失った。
380名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:44:49 ID:/Hs7d2xV
マチルダがゆっくりと倒れ、ゴーレムが砕け散り、エア・ハンマーが消滅する。
唖然として声も出ない。タバサも、ポルナレフも。
だが、ポルナレフとタバサの間には大きな違いがあった。
ポルナレフにはこの現象が理解できていた。
全て。同時に、一秒の差もなく砕け散った。

「こ、これは…まさか!」

空を見上げたポルナレフの視界に、牛男と共に降りてくる黒髪の貴族の姿が見えた。
だが! マントと杖を見れば、自然と貴族を連想したが…その顔には見覚えがあった。そこへ植物を掻き分け、ルイズとキュルケが来る。

「タバサッ!「ミス・ロングビル…! カメナレフッ、フーケは!?」

草で切ったのか、手足から血を流しているルイズが気になったが、二人はラルカスとジョルノから目を離せなかった。
シルフィードの背中から降りてきた二人は優雅な仕草で礼をする。

「お久しぶりです。タバサ、それと初めまして。ミス・ヴァリエール、ミス・ツェルプストーとお見受けします、私はネアポリス伯爵です」
「…どうしてここにいるの?」

状況がわからないまま、挨拶を返すルイズ達にかわって、タバサが尋ねる。
ジョルノはマチルダを一瞥する振りをしながらルイズ達に言う。その目は、油断なく警戒するポルナレフを観察していた。

「魔法学院へ向かう途中、巨大なゴーレムを見かけましてね、ミス・ヴァリエールとここでお会いできたのは運がいい」
「アンタ、どうして私の事知ってんのよ…!?」

亀からルイズへと視線を移すジョルノに、ルイズは食って掛かる。
その声は常にも増して刺々しい。
円盤を落とし、フーケ退治にも貢献できていない…情けない自分を責める気持が、自分の中だけでは抑えられず、外へもあふれ出していた。
ネアポリス伯爵がどういう人か噂で聞いていたキュルケは、詰まらなさそうに髪を手櫛で梳く。
皆が大怪我もなく、円盤がなくともフーケも捕らえたので怒られるいわれは無い、そう考えるキュルケにはルイズの刺々しさは、うざったい。
そんなことより本当に当人か確かめたかった。
ポルナレフも、頭が違いすぎるがまさかジョルノ?という疑問を解決したかったが、グッと我慢していてルイズが自分を責めていることには気付かなかった。

「貴方のご家族からよく聞いていましたから」
「ごご、ご家族ですって?」

はい、と言って懐から取り出された手紙に、ルイズは緊張し体を硬直させる。
手紙は複数あり、その一通が母からの物だという事をその封筒から察したルイズは、恐怖で震え始めていた。
今回の自分の事を母が知ればどんな顔をするかなど、考えたくもない。
そんなルイズに、ジョルノは無造作に近づき、手紙を渡す。

「私との事はその手紙に書いてあると思います…貴方にジャン・ピエール・ポルナレフという人を探すのに協力していただきたかったのですが」

言って、ジョルノは亀を見る。それにつられ、皆がマチルダの周囲をうろちょろする亀に目を向ける。亀は動きを止め、ジョルノたちの顔を順に眺めた。案外知能が高いのかもしれない。

「手間が省けましたね」

そう言った自称伯爵の表情を見て、ポルナレフは確信した。
コイツ、ジョルノじゃねぇか、と。
ジョルノは無造作にポルナレフに近寄る振りをして、今度は先程気絶させた女性がマチルダかどうかを確かめる。

「ポルナレフさん、アンタ何やってんです?」
「やっぱりお前かよ…てめぇこそ何やってたんだ? 遅いじゃねぇか」
「そこは後で話すとして、私の馬車に行きませんか。学院に戻りながらでも会話はできますからね」

ジョルノはそう言ったが、ジョルノは予想していなかった。
ルイズとポルナレフが、(ルイズはスタンドが見えない為契約が完了したと勘違いしているが)使い魔の契約も誤魔化した、微妙な関係である事を。
馬車にいる客人、イザベラがガリアではタバサを虐めていて、ここでもその調子を引きずりタバサを『ガーゴイル』呼ばわりすること。
それにキュルケがキレてしまうこと…そして、連行される『土くれのフーケ』のローブで隠れた姿形を見ただけで、テファがマチルダだと気付く事を。
381名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:49:15 ID:/Hs7d2xV
「そ、そうよ!! こうしちゃいられないわ! 円盤を探さないと…!」

ルイズが背を向けて、もと来た道を戻っていく。
『土くれのフーケ』は捕らえたが、肝心の円盤を落としてなくしたなどとは口が裂けても言えない…!
顔を青ざめさせたルイズの肩をキュルケが掴んだ。彼女がシルフィードで向かう事を提案する横で、異邦人二人はコソコソと相談する。

「お前、さっきのアレはどういうことだよ…!?」
「後で、といいましたよ。ポルナレフさん」

ゴールド・エクスペリエンスで二人の会話に聞き耳を立てているタバサを指差す。
『世界』を手に入れておきたいって気持があったポルナレフは、渋々唸って黙り込んだ。

「ムゥうッ!」

呻く亀を手に持って、ジョルノはルイズ達と共にテファが待つ馬車へと向かい歩き出した。


ポルナレフ…ジョルノとは再会できたが、じゃあルイズとはこれからどうしようかって悩みが浮上。
ルイズ…フーケは捕らえたものの、奪還予定だった『破壊の円盤』を無くしいいところもなく落ち込む。そこへ届けられた実家からの手紙にビクビクしている。
タバサ…ジョナサンが不治の病と診断されていたルイズの姉を治療したと聞いて希望がムンムン沸いてきた。イザベラの事はちょっぴり気になったが後回し。
キュルケ…親友を『ガーゴイル』呼ばわりするタバサの従姉妹にキレそう。

マチルダ…気絶したまま連行される。
ラルカス…運んでいく最中に偶然触った『土くれのフーケ』のお尻の感触が忘れられない。
イザベラ…ジョナサンが色々連れて戻ってきた事に驚き、今にもキュルケと喧嘩する羽目になりそう。
テファ…連行されるマチルダを見て青ざめている。
ジョルノ…妙な円盤の力に溺れているような気分で、とても気に入らない。

To Be Continued...


以上です。
今後、本編が進むのを私の書く気力的な問題で待てそうに無いので本編からもっと離れていこうかなと思います。
最低一人ジョジョキャラ増やすと思いますので、多分避難所に行きます。フーケ連行シーンどうしよう…
382名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 21:54:23 ID:Mv+tIguN
GJ!

そしてラルカス自重wwww
383名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:11:40 ID:tWirsTz9
ラルカスww
384名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:27:39 ID:vw3/gxmH
エロスはほどほどにしろ牛男ww
385名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:49:23 ID:N57JsFmx
GJ。
笑いすぎてむせて死にかけたw
386名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 22:51:51 ID:QzWlZ9ho
ちょっと遅いがGJ!
ラルカスとは良い酒が飲めそうだw
387名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/18(月) 23:11:38 ID:4t5o0rLx
ついにブランドーの血統が出会ってしまった訳か
この先どうなるやら・・・・
388名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 00:00:55 ID:JwCnw0A2
ポルジョルの中の人、GJ!
さて、では続けて投下です。
5分に投下しますが構いませんねッ!?
389名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 00:05:02 ID:bhOejBqE

390ゼロいぬっ!:2008/02/19(火) 00:06:09 ID:JwCnw0A2
「……よって本日を以ってトリステイン魔法学院は無期限休校とする」

厳かな口調でオスマンは学院の決定を明らかにした。
『アルヴィーズの食堂』に集められた生徒達がざわめく。
彼等もきな臭い噂の一つや二つは耳にしていた。
親元から実家に帰って来いという手紙が届いた者もいる。
しかし、このような決断が下されるほどに危機的状況に陥っているのか。
これからどうするかを話し合う生徒達の中で、キュルケは一人溜息をついた。

「はぁ……」

彼女にもゲルマニアの両親から手紙が来ていた。
それも早急に戻って来いという内容だ。
見合いの件については一言も触れられていない。
それが娘の反発を招きたくないが故とキュルケはすぐに理解した。
軍人の家系であるツェルプストー家にゲルマニアの動向が判らぬ筈がない。
トリステインが危険地帯だと告げるかのような手紙の内容は、
ゲルマニアにトリステインを守る気がない事を証明したも同然だ。

そうなればトリステインは単独で軍事強国アルビオンと対抗しなければならない。
“トリステインに勝ち目はない”実際に彼等を目の当たりにしたキュルケには判る。
それでも戦場に向かおうとするのは自殺行為にも等しい。
だけど、それがどうしたというのか…?

ワルドはルイズの気持ちを踏み躙った。
彼女の身体にも心にも深い傷を負わせた。
しかも今度は自分の母国へと戦争を仕掛けようとしている。
友を傷付けた者を、貴族の誇りを嘲笑う者を、彼女は決して許さない。
わざわざ向こうから戦場に出向いてくれるなら手間は省ける。
たとえ倒れる事になろうともワルドは討ち取る。
喧嘩を売った相手が悪かった事を連中に思い知らせよう。
ぐしゃりと手の中の手紙を押し潰しながら、隣に顔を向ける。
そこには彼女と同様に、手紙に視線を落すタバサの姿。

「……………」

タバサはその内容が意図する所を理解できなかった。
本国から告げられたのは“待機命令”だった。
戦争について何も書かれていないどころか戻って来いとも書かれていない。
つまり私の意志に任せるという意味なのか。

その結果、戦場で死んだとしても国が責任を取る必要はない。
公然と私を処分できる良い機会とでも捉えたのか、
あるいは私を試そうとでもしているのか、いくら考えようとも答えは出ない。
だけど取るべき行動は既に決まっていた。

こちらに顔を向けるキュルケと目を合わせる。
“心配だから”と付いていったあの時から気持ちは変わらない。
彼女は間違いなくこの戦争に首を突っ込む。
なら最後まで守り通そう、彼女は私にとって掛け替えのない友なのだから。
ううん、キュルケだけじゃない。ルイズも彼も……ついでにギーシュも。
守るべき者が増えた分だけ、負ける訳にはいかなくなくなった。
それがきっと強さを支える力なのだと彼女は思う。

そして、この戦争の裏に“あの男”が存在するというのなら逃げる訳にはいかない……!
391ゼロいぬっ!:2008/02/19(火) 00:06:56 ID:JwCnw0A2
「答えは……訊くまでもないみたいね」

真っ直ぐに自分を見据えるタバサの視線に迷いはない。
言葉を交わす必要もなく、キュルケは彼女の覚悟を悟った。
しかし逆に、タバサはこちらへ心配そうな目を向ける。
彼女の目線の先を追えば、握りつぶした手紙の端に突き当たった。

「……ああ、コレね」

手紙の文末には、サインと共にこう付け加えられていたのだ。
“もしも、これに背くような事があれば勘当し、二度とツェルプストー家の名を名乗らせない”
そうなれば名門貴族どころかただのメイジにまで落ちぶれるだろう。
没落した貴族がどうなるかは子供でも知っている、彼女はそれを案じているのだ。
だが、こんな脅しで今のキュルケは止められない。

キュルケは握り潰した手紙を上へと放り投げる。
直後、フレイムの吐いた炎が手紙を瞬時にして焼き尽くした。
唖然とするタバサを前に、笑顔を湛えながらキュルケは言った。

「手紙なんて届かなかったわ。きっと風に飛ばされたのね」

たとえ家柄を失ったとしても私は何も変わらない。
取り巻きの男子連中に擦り寄っていれば生活に困る事もない。
彼女とて何の後ろ盾もなく、ただのタバサとして生きているもの。
でも、ここで逃げれば私は私でなくなる。
名前や家柄以上に大切な何かを確実に失ってしまう。
それは死ぬのよりもよっぽど怖い。

タバサの手からするりと手紙が離れる。
しかし慌てる事もなく、彼女は杖を掲げてルーンを紡ぐ。
瞬間、それは天井まで舞い上がり千々に千切れて散った。
粉雪のように舞い落ちる手紙を見上げながら彼女は平然と言う。

「……風に飛ばされた」
「ぷっ。あははははは、やるじゃないタバサ!」

腹を抱えながらキュルケが吹き出す。
時折口にする、彼女の冗談は本当に楽しい。
おかげで無意味に緊張していた身体が解れた気がする。
その笑い声を聞きつけた級友が彼女に話しかける。

「随分と楽しそうじゃないかキュルケ。
君はこれからどうするのか決めたのかい?」
「ええ。もう決めたわ」
「それは良かった。実は僕は悩んでいてね。
出来れば参考までにどうするのか聞かせてくれないか?」

溜息をつきながら憂鬱そうな表情を浮かべる男子生徒。
そんな彼の問い掛けにキュルケは笑いながら、こう返した。
“きっと参考にはならないけれどね”と前置きをつけてただ一言。

「私達、戦争に行くの」

男子生徒はその言葉に我が耳を疑う。
それも当然の事かもしれない。
だって、そんな台詞を口にする彼女の表情は、
今までにないぐらい御機嫌に見えたのだから……。
392名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 00:07:58 ID:+6izRAKL
しえん
393ゼロいぬっ!:2008/02/19(火) 00:08:53 ID:JwCnw0A2
物陰に隠れながらシエスタは厨房の様子を窺った。
既に学園長の命によりシェフやメイドには暇が出されている。
それなのに彼女が所用を思い出して向かった先、
誰も居ない筈の厨房では確かに何者かが蠢いていた。

(まさか……泥棒!?)

厨房といえども貴族の子弟を預かる学院内の施設だ。
皿一枚、ナイフ一本でもそれなりの値は張るだろう。
戦争を目前に控えての混乱を狙い澄ました犯行だとすれば納得もいく。
先にあったフーケの盗難騒動もその推理に拍車を掛ける。
誰かを呼びに行っている間に逃げられるかもしれない。

こっそりと彼女は厨房に忍び込み、置いてあったパイ生地棒を手繰り寄せる。
棍棒じみた得物を肩越しに構え、彼女は泥棒の挙動に気を配った。
野生の熊を思わせる屈強な肉体に太く逞しい二の腕。
恐らく格闘戦になればメイド如きでは相手にさえならないだろう。
しかし背後から近付くシエスタに気付いた様子はない。

「ていっ!」

ありったけの勇気を振り絞り彼女は手にした武器を振り下ろす。
ごすんという鈍い打撃音と同時に響き渡る男の断末魔。
前のめりに倒れ込んだ男が動かなくなったのを確認し、
シエスタが恐る恐る泥棒の顔を覗き込む。
その瞬間、彼女は思わず息を呑んだ。
そこにいたのは泥棒ではなく、白目を剥いたマルトーの姿だった。

「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」
「まあ、厨房も暗かったし仕方ねえよ」

必死に頭を下げて謝罪するシエスタ。
それにマルトーが痛む頭を擦りながら応じる。
頑丈なパイ生地棒にヒビが入っているというのに、
その程度で済んだのが不思議なぐらいだ。

「それにしてもどうして厨房に?」
「ああ。学院長に頼み込んだのさ。
もう少しだけここで待たせて貰えるようにな」

本当に盗みに入ってたんじゃないかと、
シエスタは若干疑惑の篭った目線をマルトーに向ける。
しかしマルトーから返って来たのは意外な答えだった。

彼は確かに自分の仕事に誇りを持っている。
だけど、それと一緒に貴族の子弟達を嫌っている節があった。
好き好んで学院に居残りを選ぶような人物ではない。
そんな彼女の困惑を感じ取ったのか、マルトーは頭を掻きながら続ける。

「別に貴族連中の為じゃねえよ。ワン公は今日帰ってくるんだろ?
ならよ、誰かが出迎えてやらなきゃ可哀そうだからな」

以前、デルフに聞いた話ではアイツの故郷は遥か遠くにあるらしい。
それは戻れるかどうかさえ定かではない場所。
なら今はここだけがアイツにとって唯一帰るべき家なのだ。
だから温かい食事と笑顔で迎え入れてやらなければいけない。
394ゼロいぬっ!:2008/02/19(火) 00:10:28 ID:JwCnw0A2
それだけ口にするとマルトーは再び料理の支度に取り掛かった。
呆然と見上げるシエスタの目に彼の背中が大きく映る。
何も言えず立ち尽くす彼女をマルトーが注意する。

「シエスタ。そこに突っ立ってると邪魔になるぜ」

言われて気付いた彼女が厨房から出て行こうとする。
しかし、振り返る事なくマルトーが彼女に声を掛けた。
その一言がシエスタの足を止める。

「だけどよ、もし手が空いているなら手伝ってくれねえか?
とてもじゃねえけど一人じゃ手が足りねえ。
それに、その方がきっとアイツも喜ぶだろうからな」
「あ、はい。喜んで!」

それは彼女が待ち望んでいた言葉かもしれない。
彼女もマルトーと同じ気持ちだった。
“きっと汚れて帰ってくるだろうから、いつもみたいにブラシを掛けてあげよう”
そんな事を考えながらシエスタは食器を取り出す。
喜ぶ彼の姿を心に描きながら……。
395ゼロいぬっ!:2008/02/19(火) 00:11:49 ID:JwCnw0A2
投下したッ! 前回がアレ過ぎたので今回は若干癒し系に!
396名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 00:21:53 ID:10Ui6X2n
GJ!
キュルケ、タバサ、お前ら凄いよ…
マルトーさん、シエスタ、お前ら優しいな…
君達の覚悟と友情、優しさに全住民が涙した
397名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 00:26:27 ID:lqNXNOei
なんというWGJ…
398名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 00:26:37 ID:XH7bFRaD
これが、人のつよさか……
GJ
399名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 00:34:08 ID:yXO/HjUr
マルトーを始めとした厨房スタッフとキュルケ&タバサの優しさに全オレが泣いた!
GJ!
前回と正反対の優しい空気がとても心地良い……
でも裏ではどす黒い陰謀と憎悪と妄執が渦巻いてるだよなぁ
ホント、わんこの世界は地獄だぜフゥハハハー

オレ、幸せなわんこの夢を見てくるよ
400名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 01:24:11 ID:KRM1yckN
ジョルポルさんいぬさん投下乙そしてGJでした

ジョルポルのエロタウロス自重w
しかし……よりにもよってあのスタンドが、
ジョルノの手に渡ってしまったことに恐怖を感じる
スタンドの力に溺れないことを信じたい

いぬさんの学院の面々いい人ばっかで和む
でも、王女は真っ黒なんだよなあ
401名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 01:35:07 ID:gU+UyiqI
ジョルナレフ、犬GJ!!

ジョルノに世界持たせたらもう神じゃないか………


レクイエムで巻き戻しで世界でストップ
…何このビデオのリモコン
402名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 01:50:03 ID:a96Gv6MR
レクイエムは別に時間巻き戻すスタンドってわけじゃないぞwwww

しかしリモコン吹いたwww
403名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 02:07:50 ID:HjR0Z77G
GJGJ!

5部最強+3部最強能力


倒す方法が思い浮かばぬ・・・

404名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 04:34:31 ID:6lnLrXEG
戻すのはマンダムだろう。巻き戻して、停止! 先手必勝よ!!
405名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 06:38:39 ID:HjR0Z77G
しかしマンダムを視た時は時間系スタンドのバーゲンセールだと思ってしまった

ラスボス特権だと思ってたのに・・・
406名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 11:59:01 ID:AX8O1rCB
>>405
逆に考えるんだ
リンゴォはSBR第一部のラスボスだったと
407名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 12:12:01 ID:aFChMpRs
第一部完!
408名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 12:53:14 ID:HfdZlkM+
そして第二部は動き出す・・・・
409名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 14:07:47 ID:SoMYabLa
俺が連載をとめた。第三部の時点でな
410名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 16:02:20 ID:10Ui6X2n
なるほど完璧に四部っスね―――っ
読み切りだという点に目をつぶればよぉ〜〜〜
411名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 16:06:40 ID:9DWT4fXS
そして、五部は書き下ろされる……
412偉大なる使い魔:2008/02/19(火) 18:23:20 ID:BCC3KydR
わたしは自分の部屋で今日一日の読んだ本を思い出す。
詩の本、歴史の本、先住魔法の本、魔法の本・・・などなど。
あと、『虚無』について片っ端から本を読み漁った。
だが虚無の手掛りは全く見付らなかった。
伊達に失われた系統と呼ばれてないわね。
王宮の蔵書なら、もしかして・・・
いや、その可能性は低い。
もし虚無に関する事があれば間違いなくワルドが言ってた筈だから。
あの男、裏切り者だが聖地を・・・虚無を求める姿勢には『嘘』が無かった。
だとすると、虚無を知るための一番の手掛りは・・・デルフリンガー!
「ねえデルフリンガー」
「なんだ貴族の娘っ子」
「あなたはガンダールヴの左手だったのよね」
「あん、そうだっけ?」
・・・落ち着け・・・あせるな・・・ゆっくりと確実に。
「あんた、アルビオンでそう言ってたのよ」
「ああ、んで・・・それがどうかしたか?」
「じゃあ虚無について何か知らない?」
「んー、忘れた。俺は忘れっぽいんだぜ」
「でも思い出したとか言ってたじゃない!」
「あれな。あれは相棒に振られると、なんか懐かしくなって色々と思い出すんだよ」
色々ね・・・
「そうだ!貴族の娘っ子。新しく使い魔を召喚しねー?新しい相棒に振るわれると
また何か思い出すかもしんねーし」
「何言ってんのよ!そんな事できるわけ無いじゃない」
「なんでだ?」
不思議そうに聞かないでよ。
「プロシュートは命懸けで、わたしを守ってくれた。わたしは自分の名前を、そして
彼の名前をハルケギニア全土に轟かせてやると貴族のプライドに懸けて
誓ったのよ。他でもない、このわたしが!」
わたしの使い魔はプロシュートだけよ、だから新しく使い魔は召喚しない。
「わかったよ、もう言わねーよ」
だけど、デルフリンガーの記憶も手に入れたい・・・
「・・・剣なら、わたしが振ってあげるわよ」
「貴族の娘っ子が?」

夜、誰も居ないことを確認して中庭でデルフリンガーを抜いた。
「本気でやるのかよ」
「もちろん・・・くうっ」
わたしはデルフリンガーを上段に構えた・・・重い・・・。
「うりゃっ」
掛け声と共にデルフリンガーを一気に振り下ろす。
勢いをつけ過ぎた為に止められずデルフリンガーを地面に叩きつけてしまった。
「どう、デルフリンガー。なにか思い出した?」
「・・・懐かしいどころか新鮮な気持ちで一杯だよ」
「うう、だめか・・・」
知識だけじゃなく、体も鍛えなきゃならないようね。
413偉大なる使い魔:2008/02/19(火) 18:27:24 ID:BCC3KydR
投下終了
再召喚したらどうなるか?

と言う話題が出ていたので
ルイズの意見を書いてみました
414名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 19:11:22 ID:AX8O1rCB
>>413
投下乙です
再召喚でペッシが出てきたらそれはそれで面白いかも
アンドバリの指輪に操られるプロシュート相手に悩みながらも杖と竿を向ける半人前な二人(ルイズとペッシ)とか
415偉大なる使い魔:2008/02/19(火) 20:47:28 ID:PxVnF/e+
>>414
それはそれで面白いのかもしれない・・・

自分はウェカヒポ召喚で見えない位置から攻撃する
ルイズを想像した・・・全然貴族らしくないな。
416名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 20:52:27 ID:lgerG6zp
投下乙っしたー
再召喚はしないと決めているルイズがかっこいいです
417名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 22:14:57 ID:MEiIIDBz
>>401遅レスだけど、ムーディー・ブルースがレクイエム化したらそんな能力になりそう
巻き戻し、一時停止、早送りとか
418名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 22:59:19 ID:yXO/HjUr
マン・イン・ザ・ミラー・レクイエム!とかアヌビス神レクイエム!とか見てみてぇw
419名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 23:06:22 ID:10Ui6X2n
>>418
マン・イン・ザ・ミラー・レクイエム…鏡の世界で一生を過ごさせる?
アヌビス神・レクイエム…六刀流・阿修羅じゃね?
420名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 23:16:06 ID:FzXICV5a
マン・イン・ザ・ミラー・レクイエムって語呂もいいな
略してもMIMRでおさまりいいし

それに比べアヌビス神ときたら
421名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 23:20:39 ID:dc3ISaR/
ヨーヨーマッ・レクイエム
422仮面のルイズ:2008/02/19(火) 23:20:50 ID:ons5Hl+x
投下します。
423名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 23:21:26 ID:dc3ISaR/
支援
424名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 23:22:31 ID:vhYN09HH
仮面支援
425仮面のルイズ:2008/02/19(火) 23:22:33 ID:ons5Hl+x
「 う 」

痛みに目を覚ます。
突き刺すような痛みが手と足と、右半身を襲う。
アニエスの目に入ってきたのは、何の変哲もない宿舎の天井だった。

まるで永い眠りから覚めたようだな、と思って目を閉じた。
眠っている間、何か不思議な夢を見ていた気がする、たしかそう、地下通路でリッシュモンの胸に深々と剣を突き刺したところで………

アニエスが目を見開き、勢いよく体を起こした。
ばさっ、と音を立てて布団が床に落ちると、ほぼ同時にアニエスは体の痛みに耐えかねて声にならない悲鳴を口から漏らした。
「…………っ」

「気がつかれましたか? 外傷は治癒されましたが、まだ痛みは残りますので、安静に…」
そう言いながらアニエスの体を支えようとしたのは、アニエスの世話を仰せつかったのであろう、アンリエッタの侍女だった。
たかがシュヴァリエに過ぎないアニエスに、わざわざ侍女を使わせるという事自体、かなり破格の待遇なのだが、アニエスにはそんなことを気にしている余裕は無かった。
「今は、今日は何日だ、時間は!?」
アニエスは差し出された侍女の手をきつく握りしめ、声を荒げた。

今はいつだろうか、私はどれぐらい眠っていた?
隊員達は報告をすませたのだろうか、ルイズ達はあの後どうなったのか、リッシュモンの屋敷から虐殺にかんする資料は出てこなかっただろうか…
と、アニエスの脳裏にさまざまな思いが浮かび上がる。

こうなるとアニエスは寝ていられない、ベッドから飛び起きたアニエスを見て、侍女は『まだ怪我が完治していない』と渋ったが、アニエスは頑固に『もう治った』と言って聞かなかった。
アニエスは詰め所に残った隊員達に、自分が気絶してからのことを事細かに聞いてから、アンリエッタに謁見すべく衣服を整えて王宮の中枢部へと向かった。
王宮の裏手に、ひっそりと建てられている宿舎から外に出ると、空にはさんさんと太陽が輝いていた。

薄暗い宿舎で寝かされていたアニエスにとって、丸二日ぶりの太陽だった。
426仮面のルイズ:2008/02/19(火) 23:23:06 ID:ons5Hl+x
一方、魅惑の妖精亭では、ルイズとワルドの二人が、最後の仕事をしていた。
「寂しくなるわねー、またいつでも遊びに来て良いのよ」
手を左の頬に当てつつ、からだをくねらせるスカロンに、ワルドは笑いながら答えていた。
「機会があれば客として来させて貰うさ」
そう答えながらも、ワルドは慣れた手つきでモップを扱い、床を掃除していく。
薄茶色のシャツに黒いズボン姿のワルドは、誰が見ても魔法衛士隊の元隊長だと思わないだろう。
ワルドが床に向けていた顔を上げると、ルイズとジェシカが楽しそうに話をしながら、今晩の仕込みをしているのが見えた。


「それにしても驚いたわ、まさかロイズ(ルイズ)とロイド(ワルド)さんが、女王陛下の密命でこの店に潜入してたなんて」
大きな鍋の中身を、これまた大きなおたまでかき回しつつジェシカが喋る。
ルイズは野菜を刻みつつ、苦笑した。
「もう、その話絶対に他の人に言っちゃだめよ」
「解ってるわよ、貴方たちは駆け落ちして家を出奔した元貴族で、追っ手が来たから逃げ出した…これでOKよね」
「うん。あと、女王陛下の評判とかも、時々アニエスが聞きに来るから、変な遠慮はしないでちゃんと伝えてね」

ジェシカはおたまを鍋のふちに引っかけると、腕をまくり力こぶを作るような仕草をした。
「任せて! チュレンヌみたいな悪徳貴族が減るなら、幾らでも手伝っちゃうわよ」
「ふふ…でも、無理はしないでね、貴方ってすぐ人の事情を知りたがるんだもの」
「えへへ。 ……ロイズこそ無理はしないでね。貴方のこと、けっこう好きだもの」
「やめてよ、はずかしいわ」
「またお化粧教えてあげる、だからまた遊びに来てね」
「……機会があったら、遊びに来るわ。いつになるか解らないけど」

ほんの少しだけ寂しそうに見えたが、ルイズはそのとき、ハッキリとジェシカに笑みを返していた。

仕込みと掃除を終えた二人は、謝礼とばかりに金貨を置いていこうとした。
袋に詰められた金貨は少なく見積もっても100枚はある、これだけあれば大通りの一等地にお店を出せるかもしれない。
だがスカロンは袋の中から金貨を一枚取り出すと、残りをルイズに返した。

それでは困る、と食い下がるルイズに、ジェシカがこう説明した。
「急に金回りが良くなったら、うちの店で何かがあったって怪しまれるでしょ? お金は欲しいけど、私達はそんなつもりで二人を匿った訳じゃないもの。これは二人分の食事代として貰っておくわ」

ワルドが苦笑して、半分呆れたように呟いた。
「ずいぶんとお人好しだな」
「まったくね。欲がないのはいいけど…」
ルイズもため息をつきつつ呟いたが、ルイズはジェシカとスカロンの瞳に、商売人としてのプライドを見た。
伊達や酔狂で、金を受け取らない訳ではないのだ、スカロンもジェシカも、そこらの貴族に負けないぐらい商売に誇りを持っているのだろう。
「じゃ、さよなら」
「うん、またね」
ルイズの”さよなら”に、ジェシカが”またね”と返す。

そんな小さな心遣いが嬉しくて、ルイズはフードの中で顔を綻ばせた。

427名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 23:24:46 ID:zYTsCIdU
支援
428名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 23:25:28 ID:lqNXNOei
しえんすた
429仮面のルイズ:2008/02/19(火) 23:25:59 ID:ons5Hl+x
二人は、ジェシカとスカロンに見送りを断ると、『魅惑の妖精亭』裏口から外へ出た。
辺りに気を配りながら裏通りを歩いていく、その途中、ワルドが小声でルイズに問いかけた。
「記憶を消さないで良かったのかい」
ワルドの言葉に、ルイズの表情が曇った。
「わたしって、詰めが甘いと思う?」
ルイズが聞き返すと、ワルドは申し訳なさそうに呟いた。
「いや、そういう訳じゃないんだ。理由を聞きたかった」

ルイズは名残惜しそうに自分の顔を撫でた。
数日の間、ロイズとして過ごしていた時間。
それはとても名残惜しく、そして寂しかった。

「…わたし、あの店で働いて、すごく楽しかった。。ジェシカや、みんなが私に世話を焼いてくれた、働けば働いただけ給金がもらえて、みんなに認められるのが嬉しかった。
でも、そのせいで…魔法学院の級友と、もっと仲良くしておけばよかった、もっと友達がいたらよかった……そんな思いが私の奥底から吹き出してきたのよ…」

「ルイズ…」
ワルドは、そっとルイズの肩に手を回した。
「覚えて居て欲しかったの…わたしを」

そこにいるのは、レコン・キスタを恐怖させた『騎士』でもなければ、ワルドを脅かした『石仮面』でもなかった。

そこにいたのは、虚勢の仮面が剥がれ、涙で顔をくしゃくしゃにした、ただのルイズだった。


To Be Continued→


以上です。
430名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 23:27:46 ID:zYTsCIdU
乙……相変わらずルイズは切ないな。
431名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 23:32:23 ID:yXO/HjUr
乙にしてGJ!

あまりにも切なく悲しいルイズの思いに俺が泣いた
432名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 23:38:26 ID:vhYN09HH
吸血鬼であるまえにか弱い乙女なんだよなあ
GJ
433名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/19(火) 23:54:15 ID:TMkN/D5x
GJ!

たとえ異形の存在となっても人間の心を捨てない限りいつまでも人間だよ
434名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 00:23:01 ID:sq1J7+xP
仮面の人GJ!
自分の事を覚えていて欲しかった事…逆にそれがルイズ首を絞めなければいいのだが・・・


>>433
>たとえ異形の存在となっても人間の心を捨てない限りいつまでも人間だよ

↑を読んで最初にジョルポルのミノタエロスが浮かんでしまったwwwwww
435名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 00:30:19 ID:tDTEHiJP
ビーチボーイ・レクイエムとエコーズ・レクイエム、余り役に立ちそうも無いのが良い感じw

そういや覚醒ペッシのビーチボーイはスタンド性能が跳ね上がってね?
人間を軽々とぶん回すとかCじゃ無理だろw
436名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 00:31:12 ID:VyIlmhHx
覚醒ペッシの強さは異常
437名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 00:37:40 ID:zxqgx+Pa
今日の仮面の投下でマウンテン・ティムのあの台詞を思い出したのは俺だけだろうか

「ベッドの上で死ねるなんて期待していないさ。ただ、帰る場所が欲しかっただけだ。旅に出たら、帰ってくるる場所が」

そんで思い出して、少し瞼が熱くなった
438名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 00:40:57 ID:dzs22Tg4
>>435
能力値など目安にすぎん
策と精神力で補えるのがスタンド能力
439名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 00:41:49 ID:FxKIjhF6
ティム…。
もう戻ることはマジでなさそうだから…。
440名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 01:21:06 ID:pCDAv423
仮面さん投下乙そしてGJでした
吸血鬼である前に、傭兵である前に、
虚無の担い手である前に、ルイズは一人の少女だものな……

話は変わるが
ザ・ワールド・レクイエム…ずっと俺のターン!
トト神・レクイエム…運命を書き換えられる
FF・レクイエム…キャッチボールの腕が古田並に!
メタリカ・レクイエム…鋏がセラミック加工で錆に強く!
ホワイトスネイク・レクイエム…ソプラノボイスで優しく歌いあげます

とか考えてしまった
441名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 01:35:45 ID:zztgpF9e
FFから下がふざけすぎだろwww





そういえば、キング・クリムゾン・レクイエムの能力は
『ツナをマヨネーズであえる能力』
と、何処かのスレに書いてあったな
442名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 05:43:30 ID:Pz4U1pVi
ならホワイトアルバム・レクイエムは
「一瞬で相手の周囲の大気ごと氷結させる 相手は死ぬ」
じゃね?
443名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 08:09:29 ID:goPtzxYq
エターナルフォースブリザードかw
444名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 08:44:10 ID:ba1Xc1b/
エターナルフォースブリザードは一見防御無視の必殺に見えるが、
相手の周囲の大気を凍らせる→相手が死ぬ
の流れだから、相手の周囲に大気に水分が無いと術が殺すに移行できなくて不発に終わる技だよな。
ウェザー相手には手も足も出ないというわけだ。
445名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 09:20:45 ID:4tSjnoPZ
逆に考えるんだ
手も足も出る相手がウェザーしかいないと考えるんだ
446名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 09:41:08 ID:Pz4U1pVi
つまりだ、スタンドを霧状態にして移動させる事が出来るアンジェロと組めば、
勝てないヤツはいなくなると

あ……アンジェロが冷気にやられて死ぬわ
447名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 09:44:58 ID:buziOn5A
ハーミット・パープル・レクイエム:服の下まで透視させて頂きましたァン!
ザ・フール・レクイエム:スタンドが砂から噛んでも噛んでも無くならないコーヒー味チューインガムに変化!
ザ・ハンド・レクイエム:何故か削り取らない事が起こる様になったぜ
パール・ジャム・レクイエム:料理が毎分倍の分量に!

多分レクイエムってろくな能力じゃないよ
448名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 09:56:01 ID:9TD4nWEw
じゃあマジシャンズレッドレクイエム、
相手の周りの酸素を完全に燃焼させる能力。
449名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 10:01:28 ID:4tSjnoPZ
ジャッジメント・レクイエム
願いを4つ叶えてくれる
450名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 11:03:34 ID:YFrb43CG
ビーチボーイ・レクイエム

釣竿じゃなくて漁船のスタンドになる
451名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 11:20:09 ID:LHmCUFRM
ティナー・サックス・レクイエム
発現の瞬間を一度でも見た相手の五感、霊感等を支配し、対象を誤認させることが出来る「完全催眠」という能力を持つ。
452名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 11:23:48 ID:c3+tUB+V
>>451
なん…だと…
453名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 13:38:38 ID:wdL/orIf
どっかでレクイエムって人間の精神に影響を与えるスタンドだって見たな

例が二つしかないからわけわかんねーけど
454名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 14:14:23 ID:eY4KmyVk
一応キラークイーンもレクイエムだぜ…
455名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 14:23:57 ID:ivj9O5+5
そういやもう一回矢が刺さって、バイツァダストが発現したんだっけ
言われてみればきっかけといい、能力といいレクイエムっぽい
456名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 14:35:59 ID:yF5k/1Dp
でも刺さったのはスタンドじゃなく生身のほうなんだけどね
457名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 14:48:13 ID:JRit7vY6
>>456
だからレクイエムっぽいけどレクイエムではないのか…。
458名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 16:27:21 ID:FNP258WJ
      /               ヽ
     /  : な ・   い ・ し ゆ |
     |   : い ・  い ・  て っ |
     {   : か ・  ん ・ い  く .|
      ゙i    :   じ ・ っ  り  }
      `ヽ   :   ゃ ・ た   /
   ,-='"´ヾ\ :   あ ・ ら  /
   ⌒T^ヽヾミリr‐-、,_  ,-='⌒\
  ヾ、 ! iミ、ヽ、゙" /ノノ_/|// _ノ´ノヽ
  ヘ,=、,,_ヽ、   ^ト、,_二=、,, /‐|
  "^___,,,ノ`     `ヾ-=、ノ 彡  ,ィ
   (彡‐'´      ,、==、、  } -彡'
     ,、r==、     !"r‐、ヽ  `i",ィ'
  ゝ  ソ r' 。i      ヽ゚,シ   }_シ
  {   、`ーノ /⌒ヽ  ̄    レ⌒ヽ
  ノ    ̄      _,,ィァ   //^} }
 ヽ、    ト─=ニニ‐ノ    iヽ / ノ
  、{、i,    ``'ー─‐‐'´,    i-‐'/
 、`ー-i,    `ー‐      /ー'´
  `'ー‐'ヘ          /
    r'~`!`'、,ー、,,___,/-/-v'⌒ヽ,r-、
 -‐'^, -'ヽ  `'=---┬''~´/‐-リ r==、|
  '´    \ □] i| □ノ  /ヽ,ー‐' |
459名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 16:29:53 ID:T0ahiqWw
ジョルノのレクイエムだけデザイン違うからな。
460名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 18:08:07 ID:wt8amo8f
>>458
   _,,....,,_  _人人人人人人人人人人人人人人人_
-''":::::::::::::`''>   ゆっくりしていってね!!!   <
ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
 |::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ     __   _____   ______
 |::::ノ   ヽ、ヽr-r'"´  (.__    ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
_,.!イ_  _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7   'r ´          ヽ、ン、
::::::rー''7コ-‐'"´    ;  ', `ヽ/`7 ,'==─-      -─==', i
r-'ァ'"´/  /! ハ  ハ  !  iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ  ,' ,ゝ レリイi (ヒ_]     ヒ_ン ).| .|、i .||
`!  !/レi' (ヒ_]     ヒ_ン レ'i ノ   !Y!""  ,___,   "" 「 !ノ i |
,'  ノ   !'"    ,___,  "' i .レ'    L.',.   ヽ _ン    L」 ノ| .|
 (  ,ハ    ヽ _ン   人!      | ||ヽ、       ,イ| ||イ| /
,.ヘ,)、  )>,、 _____, ,.イ  ハ    レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
461名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 18:30:13 ID:zxqgx+Pa
>>458 >>460
ついにこのスレにまで現れたかwwwwwwww
462名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 18:33:16 ID:FA+VRucb
ところで>>460の元ネタってナニ?
463名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 18:39:55 ID:jvpU/nnI
追い詰められるたびに何度でも時間を巻き戻す。
それがキラークイーン・レクイエム。
464名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 18:42:05 ID:u0wfw2nZ
>>462
たぶん東方シリーズっていうシューティングゲーム。
465名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 18:42:14 ID:tDTEHiJP
東方シリーズのび〜とまrじゃなくて魔理沙と霊夢じゃね?
466名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 18:44:17 ID:FA+VRucb
>>464-465
じゃあそのゲームの中であんな感じの一枚絵とかあるのか。
467名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 18:57:29 ID:ZeM9YUcy
>>466
ピアキャスで配信してる人のスレに、どっかの誰かがこのAAを作って貼った
スレ主はAAのあまりのシュールさに大爆笑して、このAAを自分のスレのテンプレとした
やがてこのAAはピアキャス界に広まり、2ch、ニコニコ、Mugenとその侵食範囲を拡げていったのだった…
468名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 18:59:08 ID:zxqgx+Pa
>>466
某AAイラスト化サイトによるとどのような経緯で生まれたのかは不明とのこと
だから東方にあの絵が入ってるんじゃなくて誰かが作ったと考えるのが妥当かと
469名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 19:02:26 ID:wdL/orIf
>>466
元ネタは東方なんだろうけど、このAAはいつの間にか出来て広まってる物だぜwww
取りあえずガ板行ったら案の定あった
ゆっくりしていってね!!!のガイドライン ★5
http://society6.2ch.net/test/read.cgi/gline/1203249842/
470名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 19:04:56 ID:FA+VRucb
>>467-469
なるほろ。
教えてくれて感謝。
471名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 19:17:30 ID:+HWfmEsG
普通のスレにポルナレフが出張してるのはよく見るが
ジョジョスレに他作品由来のAAが貼られるのは稀なんだよな
472名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 19:44:46 ID:Po9Uzd0D
全然関係無いんだが今PCを置いてるコタツに『除菌用 アルコール ティシュ』という製品が置かれている。
爬虫類飼ってるんでこれが結構重宝するんだ。
例えばペットの糞を始末したり餌をやったりした後、とっさに手を除菌したり、蛇触ったあとそのまま触って汚染してしまった所を拭いたり、
大変重宝しているんだが、
今何気なく商品の詳細を読んだんだ。
そこにはこう書いてあった。
●品名:ウエットティシュ
●成分:水、エタノール、グリセリン、ベンゼントニウムク『ロリド』、ゼンザルコニウムク『ロリド』

ロリドが二つ!!
そ、そんな!!信じられん!!手やドアノブ以外にも自身の傷口を拭いたことさえあるんだぞ!!?
クソ!道理で二次元ロリヲタに成ったわけだ…。
ちくしょうおおおおおおおおおおおおおおお
オレの青春を帰せえええええええええええええええええええええ
473名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 19:46:32 ID:FA+VRucb
>>472
そのアルコールティッシュは関係無しに君は二次元ロリオタだから気にしなくてもおk。
474名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 20:08:59 ID:kh6XB7e/
むしろロリはロリに惹かれ合う。
スタンド使いみたいでEジャマイカwww
475名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 20:25:18 ID:+IaAtcgM
モノスゲー久々に投下しちゃうんだぜ?
476杖をとりかえしにいこう:2008/02/20(水) 20:28:04 ID:+IaAtcgM
『杖をとりかえしにいこう そのC』
あらすじ
どういうわけかルイズの使い魔になっちったァ〜ジョルノ・ジョバーナ
仲間たちとともに盗賊退治にでかけたのだ
色々あって杖をゲットしたものの、ゴーレムが強襲!!
出来もしないくせに飛び出したルイズにゴーレムの魔の手ッ
ジョルノとルイズはダメージを追いながらも「破壊の杖」でゴーレム撃破!!
と、思いきやゴーレムは無傷でした! どうする、ジョルノ!?
(詳しい内容を知りたい人はまとめwikiにあるのでよかったら見てくださいすいません)

***

「なんで……当たったはずなのに!」

確かに弾はゴーレムに命中した。
その証拠にゴーレムの腹の辺りにはそれらしいヒビが入っている。
だが、それだけだった。
ゴーレムは特に動きに師匠をきたしたわけでもなく、先ほどと同様緩慢かつ力強い動きで僕らのほうへ近づいてきた。

「どうしようジョルノ!! あたしたちもうダメっ」
「落ち着いてくださいルイズ。……これでいいんです」
「嫌よジョルノォ、こんなところで死ぬのがいいわけないじゃない……」
「ですからルイズ……これでいいんです……『目的』は達成されました……
破壊の杖……ロケットランチャーを命中させた時点で、僕たちの勝利は決定しました」
「……? 言ってる意味がわからない……ジョル……」

その時、地響きが一つ、ドシンと鳴った。
僕と僕に抱きついて泣いていたルイズは、肩膝をついて苦しそうにしている(ように見える)ゴーレムを見た。
477杖をとりかえしにいこう:2008/02/20(水) 20:30:55 ID:+IaAtcgM
「何、これ……? 攻撃は効かなかったはずなのに……」
「確かに、『破壊の杖』そのものの爆発は大したダメージを与えなかったようです。
正直、予想以上でした……結構びっくりです。まあ、そんなことは今更どうでもいいんです、ルイズ。
肝心なのは『破片をヤツの体に埋め込んだ』かどうか、です。思い出して下さい、僕の能力。
先ほど発射するときすでに……弾にゴールドエクスペリエンスの生命を与えました。
外から破壊できなければ、内部から壊してもらえばいい……弾は……『木の根』となって今! 発動するッ!!」

ゴーレムは、なんとか体勢を直そうと立ち上がろうと試みたが、さらに苦しみ悶えだした。
表面に僅かしかなかったヒビが、いまは巨大な亀裂と化していた。
そして亀裂からは十分に成長した木の根と蔓が飛び出す。

「ゴーレムが壊されていく……!? 外からの一時的な衝撃じゃなくて、
中からのゆっくりで、でも確実な力が……頑丈な鎧を砕いてるっていうの……」
「さて、足のほうもうだうだしてるうちに治りましたし、ルイズも怪我は無さそうですし、
いいかげんトドメをさしましょうか……」

亀裂から飛び出した蔓と根は、いよいよゴーレムをがんじがらめにした。
身動きとれず崩壊寸前なゴーレムの真ん中あたりの根を、さらに伸ばす。
それを僕らのいる場所まで伸ばして地面に張れば、ゴーレムへの橋が出来上がる。
僕は立ち上がり、その橋を使ってゴーレムのところまで一気に駆け上がる。
478名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 20:32:19 ID:EX5k/rvi
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2336941
みならじ第2回 ■パーソナリティ:後藤邑子、伊藤静。
「心が綺麗な天使」「フッ(失笑)」
「ウザイ」「キャハハ」「ほんとさぁ…大丈夫?」「おいおい、自称天使」
「自分が天使だと思ってること自体が間違ってるんじゃないの」
「軽く(精神病院に)通院してみた方がいいよ」「それかもう日本出てったほうがいいんじゃないの

479杖をとりかえしにいこう:2008/02/20(水) 20:33:13 ID:+IaAtcgM
「僕の足の分、それに僕の仲間たちを危険に晒した分、それとルイズの涙の分。
まあ一番は足の痛みとして……まとめて受け取るんだな。
無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ッ無駄ァ――――ッ!!!!」

僕のスタンドのラッシュはそこまで強いものではなかったが、
瀕死のゴーレムのトドメには効いたようだ。
ゴーレムの上半身は完全に崩壊し、送れて下半身も魔力を失い土くれと化した。

砂塵舞う中を着地すると、ルイズが駆け寄ってきた。
その頭越しに、タバサらの竜(そういえば居たっけ)が近づくのが見えた。

「ジョルノ、足はもう大丈夫なの?」

ルイズにしては珍しく素直な態度だった。

「はい、もう平気です。まだ埋め込んだばかりなので少し違和感があるくらいですが」
「そう、よかった……もしあの時ジョルノが死んじゃったら……私……」

まだ泣きそうな顔をしていたルイズはそこまで言ってから、
突然我に返ったように突然顔を赤らめ、
いつもの突っ張った表情をして僕を突き飛ばした。

「べ、別にそーゆー意味じゃないからねっ! あたしの使い魔が死んだら示しがつかないでしょ!?
と、とにかく使い魔としてはよくやったわ! 後でご褒美あげるから、今のことは忘れてよねっ!」
「はいはい、僕のご主人様。しかし……こうするとやはり……」
480杖をとりかえしにいこう:2008/02/20(水) 20:34:51 ID:+IaAtcgM
「ジョルノ〜ルイズ〜。大丈夫―――?」

キュルケの声がした。タバサの竜から二人が降りてくる。

「あのゴーレムを倒しちゃうなんてぇ〜さっすがあたしのダーリンねぇ〜」」
「ちょっと、やめてもらえません、一応さっきまで足折ってたので。
それに、今のはほとんどルイズのおかげです。彼女がいなかったらやられてたかもしれません」
「ジョ、ジョルノ……? あたし、なにも……」

予想外の僕の言動にルイズは動揺した様子だった。否定しようとしたルイズの言葉をさえぎる。

「ルイズ。あなたの勇気と示した『覚悟』の姿は素晴らしく美しいものでした。
僕が言う立場ではないのかもしれませんが、ルイズ、あなたは立派な貴族です。
もっと胸を張って堂々としていてください」
「ジョルノ……」
「……フーケは何処に……」

タバサが言った直後、ミスロングビルが木陰から姿を現した。
みんなは気づいていないようだったが、その表情はいつもの柔和な印象のそれとは少し違っていた。
481杖をとりかえしにいこう:2008/02/20(水) 20:37:50 ID:+IaAtcgM
「ご苦労様」
「ミスロングビル!? いままで何処に?」
「さすが破壊の杖ね、私のゴーレムが粉々じゃない」
「私のゴーレムって、まさか!?」

メガネをとったその姿は、僕らの知るミスロングビルじゃあなかった。
氷のように冷たい眼光。それはあの学園の秘書の目ではない、
むしろ僕のよく知る世界、ドス黒い闇の世界にいる人のそれだった。

「やはり……あなたでしたか。ミスロングビル、いえ、土くれのフーケ」
「そんな、ミスロングビルが……くっ」
「動かないでっ!! ……この破壊の杖、手に入れたはいいけど、使い方がわからなくて困ってたのよね。
魔法学院の誰かなら、上手く使ってくれると思ったのよね。教師じゃなかったのは見当違いだけど、
そこの使い魔なら出来ると思ったわ、さすが『ガンダールグ』ね」
「あんた、僕のいた世界のこと知ってるのか……?」
「さあね、私が知ってるのはあなたの手の紋章がすごいものってことだけ。
いずれにしろあんたたちには必要ないわ。ここで死んでもらうから」
「ひっ……!!」
「紋章……。ロケットランチャーも気になりますが、
とりあえず今はあなたの知ってることを教えてくれません? なんでもいいのですが」
「ジョルノ!?」
「はぁ? あんた今の状況わかってるの? それとも死ぬのが怖くないとか?」
「いいから教えてくださいよ……あなたの知ってること、別に減るもんじゃあないんですから……」
「(イカれてんの、こいつ。人間とはいえ、所詮は使い魔か)
だから知ってるのはさっき言ったことまでよ。さよなら、使い魔クン」
「ダメぇっ!! ジョルノ――――−――!!!!」
482杖をとりかえしにいこう:2008/02/20(水) 20:40:05 ID:+IaAtcgM
フーケは、先ほど僕がルイズに教えたようにランチャーのボタンを押した。
それでさっきと同じように、僕らを粉々に出来ると思ったのだろう。
しかし『破壊の杖』は起動しない、何も教えてくれない。
僕の体が昔より大きくなったからじゃあない。

「何ッ!? どうして……?」
「それは僕の世界の武器でね……単発式で、ここじゃあ一回こっきりの武器なんですよ。
さっき使った時点でそれはもうただの鉄屑、というわけですね」
「くっ、そんな……」

フーケは悔しそうに顔をしかめると、ランチャーを捨てようとした。が、それはできなかった。
彼女の腕から体にかけて、異形の姿になったランチャーが巻きついていたからだ。

「こ、これは、一体!?」
「既にあなたの敗北は決定していたということですよ、フーケ。
先ほど、ゴーレムを倒した際、ついでにそれを『大蛇』に変えておきました。僕の能力でね」
「馬鹿な……ぐうぅ!!?」
「フーケさん、まさかさんざ僕らの命を狙っておいて、それで助かろうなんて甘いこと考えてませんよね?」
「がはっ……嫌っ、た、助け……」
「何も知らないのならもう聞く必要もありませんし。それではさ よ う な ら、フーケさん」

言い終わった直後、フーケは膝をつき、そして白目を向いてパタリと倒れた。同時に大蛇を元に戻す。
483杖をとりかえしにいこう:2008/02/20(水) 20:42:25 ID:+IaAtcgM
「ジョ、ジョルノ……ほ、ほんとうに……?」
「いえ、ただ落としただけです。まさか、本当に殺すわけないじゃあないですかルイズ」

本気で取られたら嫌なのであえて軽い調子で言ってみたがなんだか雰囲気が微妙だった。
ルイズの僕に対する目がなんか化け物かなんかを見ているように見えたが気のせいと思うようにしておく。

「これで任務完了、といったところでしょうか。さ、帰りましょう。シエスタさんのピッツァが恋しいです」
「あ〜んちょっと怖いジョルノも最高〜ん」
(……じゃまくせえ)

***

その後、フーケの身柄は兵隊に引き渡され、そして盗賊を討伐したということで、ルイズ、キュルケ、タバサの三人は
王室から褒章をもらえることになったらしい。

「ジョルノ君、残念だが、君は貴族ではないのでな……」
「いえ、そんなのは別にどうでもいいです。それより、少し時間をいただけませんか? 聞きたいことがあるんです」
「ジョルノ……」

ルイズたちを先に退室させ、部屋にはオスマンと、コルベールとかいう禿げた教師と僕が残った。
484名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 20:42:41 ID:De1aLjd5
支援
485杖をとりかえしにいこう:2008/02/20(水) 20:44:30 ID:+IaAtcgM
「前にも言いましたが、僕はこっちの世界の人間じゃあないんです。どういうわけか、ルイズに召還されてこっちにきたんです。
あの武器、破壊の杖は僕の世界の武器でした……どういう経緯であれを?」
「なんだって!? 君が……まさか」
「ふむ、そうか、やはりのう」

僕の存在については前々から感づいていたのか、オスマンは慌てず落ち着いた物腰で経緯を話し始めた。
なんでもあの武器は、その昔、オールド・オスマンが危機に面していたところを助けてくれた男の遺留品だということだ。
その男は見たこともない格好をしていて(恐らく兵士だったのだろう)二本のロケットランチャーのうち一本を使って彼を助けたらしい。
その後その男は死んで、残りのロケットランチャーは破壊の杖と名して宮廷に献上したと言う。

「そうですか、帰られる手がかりが見つかったと思ったのですが……残念です」
「まさか君が彼と同じ世界から来ていたとはのう。まあそう気を落とすでない。手がかりについては私も協力しよう。
それにここも住めば都だぞ? なんならいい嫁さんを見つけてあげてもいいぞ? いや、君なら女のほうから寄ってくるかの?
なんてな、ハッハッハッハ」
「………………ありがとう、ございます」
486名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 20:45:48 ID:De1aLjd5
支援
支援
487杖をとりかえしにいこう:2008/02/20(水) 20:47:19 ID:+IaAtcgM
***

その晩、予定通りパーティーが開催された。
大広間には豪華な服を着飾った男女に溢れ、テーブルには高級そうな料理が並んでいた。
食べてみたらどれも美味しかった。やはりあの料理人たちは最高だ。
シエスタさんが僕に特製のピッツァを振舞ってくれた。
キュルケは相変わらず男たちに囲まれてさしずめ女王様、といったところだった。
タバサはその小さな身体に似合わずえらく大きな肉を淡々と食べていた。
ルイズはまだ姿を見せていなかった。
おなかも膨れたし、どうもパーティーな気分にはなれないので、ひとりテラスから外を眺めている次第だ。
夜空を照らす二つの月は相変わらず綺麗だった。

「ヴァリエール公爵が息女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール女の、
おなあああああWRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY」
(今、妙に懐かしい父親のような響きが……気のせいか?)

階段からあがってきたルイズの姿は、いつものルイズとは違う、その、言いたくはないが、今宵の月のように綺麗だった。
ドレスに身を包み、髪をまとめた姿は確かに貴族らしい、美しくも いでたちだった。
いつもはからかってる男子生徒たちが、意外なほど綺麗なことが判明したルイズに
(新学期に見たとき意外と可愛くなってる委員長に気がついたときの心境か)我先にとダンスを申し込んでいた。青春だねえ。
ふとルイズと目が合った。ルイズは男子生徒の申し込みを巧みにかわして、まっすぐ僕のほうへ歩いてきた。

「やあルイズ、いつもと違って綺麗じゃないですか。馬子にも衣装ってやつですかね?」
「うっうるさい。なにぼけっとしてんのよ!」
「別にいいじゃあないですか。言いつけがない以上、僕がどこでなにしてようと僕の勝手です」
488名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 20:50:12 ID:De1aLjd5
支援支援
489名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 21:00:21 ID:fcpxfoZr
もしかして初代ジョルノですかぁーーーっ!?
支援
490杖をとりかえしにいこう:2008/02/20(水) 21:02:58 ID:+IaAtcgM
どうやら中身は変わってなかったらしい。口を開けばいつものルイズへと戻っていた。
どういうわけかその当たり前の事実に少し安心した。彼女は僕の知ってるルイズだ、と。
ふと部屋の照明が少し暗くなり、管弦楽団による緩やかなワルツが流れ始めた。
僕は音楽はプリンスとジェフベックしか聴かない主義だけどね。
ルイズは少しの間ためらうようにうつむいていたが、僕に向き直ると、口を開いた。

「……その、踊ってあげてもよろくてよ?」
「はい?」
「だーかーらっ。あたしと踊ってあげるっていってるのっ!」
「普通、『私と踊ってくれませんか?』じゃあないんですか。よく知りませんけど」
「も〜っなんでいつもいつもあんたは〜〜っ。……今日だけだからね」

ルイズはドレスのスカートの両側を軽くつまんで、僕にお辞儀をした。よく映画でみるようなアレだ。
その瞬間、また階段から上がってきたときのような、僕の知らない淑女なルイズになっていた。

「わたくしと一曲踊ってくれませんこと? ジェントルマン」

その姿が、それこそ映画でみるような、僕の知らない世界の、いわゆる貴族にしかもちえない気品にあふれる、
いわゆる貴族そのものだったので僕はあやうく返事をするのを忘れるところだった。

「ええ、喜んで」

とりあえず映画で見たように、それっぽい仕草で手を差し伸べる。
ルイズはその手をとり、音楽のリズムに身を合わせ始めた。
491杖をとりかえしにいこう:2008/02/20(水) 21:04:28 ID:+IaAtcgM
「僕ダンスなんて知らないのですが、どうすれば?」
「適当にあたしに合わせればいいのよ。……そう、そんな感じ」

ただ伴奏に合わせてフラフラ動くだけの、どこが楽しいのかと最初は思ったが、やってみると意外と楽しかった。
これを気にちょっとならってみようかな。

「……信じてあげる」
「? 何をですか?」
「だから、あんたが別の世界から来たってこと」
「今頃ですか? というかまだ信じてなかったんですか? あれだけスタンドも出したのに」
「今まで半信半疑だったけど、あれをみたらね……破壊の杖、貴方の世界の武器なんでしょ?」
「ええ、まあ」

しばらくの間、僕らは踊り続けていた。こういう会話の間を埋めるのにも、踊りは便利だった。

「ねえ、帰りたい?」
「そりゃあ、帰りたいですよ」
「そうよね……」

さすがに『向こうの世界ではマフィアのボス、いわばギャングスターやってたんですよ』
とまでは言わなかったが。言ったところで信じないだろうけど。
492名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 21:04:38 ID:sjOnflyG
しえんすた
493杖をとりかえしにいこう:2008/02/20(水) 21:07:01 ID:+IaAtcgM
「あの、ありがとう」
「どうしたんですかルイズさっきから。熱でもあるんじゃあないですか?」
「ゴーレムに潰されそうになったとき、助けてくれたじゃない。足が酷いことになったのに。
そのお礼よ……もう足大丈夫よね?」
「いえ、当然のことをしたまでです。もうどこも問題ないですよ」
「どうして……どうしてそこまでしてくれるの?」
「決まってるじゃあないですか……あなたの使い魔だからですよ」

うん、たまにはこうしてみるのも、悪くはないかもしれない。
向こうの世界に戻りたいという気持ちはまだ強いままだけど、
ここの世界もそこまで悪くはなさそうだ。

***

音楽に合わせ、キュルケもまたファンの男子学生と踊っていた。
しかしその数があまりに多いため、3分交代制となっており、
それでも男子学生の列が人気アトラクションに並んでいるように長蛇の列だった。

「あら、ルイズ、ジョルノと踊ってるの。さっすがゼロのルイズ、使い魔と踊る貴族なんて前代未聞じゃない」
「あ、あのキュルケ、さん……」

器用にも踊りながらルイズらのほうへ首だけ向けているキュルケ。
ルイズの姿を見て意外に思うも挙動や使い魔と踊るあたり、
まだまだ私には及ばないわね、と高慢半分、安心半分といったところだった。
当然踊っている相手は無視、というか今誰と踊っているかについても把握していなかった。

「クス……まあでも、お似合いの二人じゃない?」

着飾って本来持っていた貴族の気品をみせたルイズだが,
相手のジョルノもルックスとスタイルの良さ、そして全体から放たれる不思議で魅力的なオーラは
誰よりも今夜のルイズの相手にふさわしく見えたのだった。

To Be Continued……
494名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 21:10:10 ID:+IaAtcgM
どーも、一応初代ジョルノ?のひとです。
続き書いたはいいけどいつの間にか漫画サロンからなくなってて最近こっちへきて
懐かしく思ったので投下してみました。
今回はフーケ編だったので次書くとしたら最初の出会いからギーシュフルボッコ編
まで書いてみたいなーと思います。あるいはルイズのバイト編とか。
時間おいて少しは上手くなったかと思ったら全然上達してなくて軽くヘコんだ…
495名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 21:27:42 ID:ZeM9YUcy
あ…あんたは…! あんたは初代スレ111! おかえり!
ジョルノ、フーケ殺すのかと思ったwジョルノだとやりかねんからなw
それと一応言っとくとギャングスターはギャングの一員、くらいの意味で
496名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 21:51:01 ID:TQKns8dM
初代ジョルノ氏お帰りなさい&GJ!
俺達は気長に待ちますぜ。焦らずご自分のペースで投下して下せえ。
497名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 21:57:27 ID:XvCcQBhN
初代ジョルノ復活!初代ジョルノ復活!初代ジョルノ復活!初代ジョルノ復活!
つまりコロネが美味しい季節になるわけですね
498名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 22:28:13 ID:4vCRLj8J
コロネうめえ
499名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 22:28:42 ID:QOVX2/+7
なんというナツカシス
ガンガレ、続き期待してるぜ
500名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 22:45:14 ID:Iy5Z3b74
初代ジョルノの方がくるとは・・・

暗殺チームは無理があるだろ
と言われていたあのころが懐かしく思える
501名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 23:05:58 ID:YSlFdF+/
初代ジョルノが来るとは…GJしかねーな
ちなみにジョルノが出ているのは4つ(杖を取り返しに、三色コロネ、黄金、ジョルポル)

>>500
そんな彼らも今では光り輝く道を歩んでいる訳だが
鉄、兄貴、偉大、サブ、変態、ペッシ、姉ェ栄光、本気、引き篭もり、暗殺者達…
502名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/20(水) 23:27:50 ID:pCDAv423
杖とりさん乙そしてGJでした

WRYYYYで父親を感じるジョルノに盛大に噴いたw
このジョルノは15歳の少年らしくてベネ!
503名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/21(木) 00:37:36 ID:kg0M5gu7
私は『投下』だけを求めてはいない。
『投下』だけを求めていると、人は催促をしたがるものだ…
催促した時、完結を見失うかもしれない。やる気も次第に失せていく。
大切なのは『完結に向かおうとする意志』だと思っている。
向かおうとする“意志さえあれば”いつかはたどり着くだろう?
向かっているわけだからな…違うかい?
504名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/21(木) 03:33:50 ID:7v7QHTZ3
だが3ヶ月更新ないのはもうアウト
卵を落とせば割れるくらい確実じゃ
505名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/21(木) 04:41:47 ID:gFWZg2m1
>>504
アルファゲル使えばいいと思うよ!
506名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/21(木) 06:35:02 ID:XfbZgUup
>>504
半年どころか一年更新が無くても待ってるヤツもいるわけで。
507名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/21(木) 07:14:17 ID:H6o7dd2j
信じて待ってます、ポルポよりBIGに成長して帰ってくry
508名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/21(木) 15:07:10 ID:Mv3nqwoF
初期は確かディアボロと吉良が大活躍してたっけ。
大冒険の影響かみんなディアボロに対して愛があったな。
509名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/21(木) 15:15:45 ID:CK4dUmk8
>>508
つーかボス関係のSSって、無限に繰り返す死から解き放たれボスが改心している作品が多いなと思う
流石に終わることの無い死の苦痛というのはいくらなんでも可愛そうではあるが
一巡後の世界では娘や部下達と仲良くやってたらいいなと思う俺
510名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/21(木) 15:24:12 ID:P+xo1qiM
一巡後の世界と言わずにテファにでも
トリッシュが召喚されてたらいいんじゃないだろうかと妄想してる
テファが学院で異端審問されそうになる話辺りで和解してさ
ディアボロの過去を知ってるらしいトリッシュにちょっと嫉妬するルイズとか
娘だって聞かされて本気でビビる面々とか見たいんですよ

一番見たいのは、テファの胸を見て
「本物なの?本当に?寄せて上げてるわけじゃなくて?」
とかまくし立てるトリッシュと
「じゃあ、さ、触って、確かめてみて?」
ってテファが言って確かめ……あれ、何だ床が柔らかくな(ry
511名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/21(木) 15:35:17 ID:Vlxq4hNL
>>510
セッコが迫ってますよ
512名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/21(木) 15:49:00 ID:X7/h3PAZ
もうこのスレは終わりに向かっている
ビックバンのように
513名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/21(木) 15:53:01 ID:9u/pdaPY
1巡フラグか
514名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/21(木) 16:11:24 ID:X7/h3PAZ
次の世界では止まった作品も1話だけ進むわけか
515名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/21(木) 16:20:17 ID:Vl9BKYto
一巡したら、もしかすると全SSがレース物になるかもしれんな




物語が進むごとに変わって行きそうだがw
516名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/21(木) 16:45:51 ID:d1/rDZ4D
   _人人人人人人人人人人人人人人人_
>   ゆっくりしていってね!!!   <
 ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^
           , '´ ̄ ̄ ` 、    /⌒ ̄ ̄ ̄\
         i r-ー-┬-‐、i     /川‖‖| ‖ | 
         | | ,,_   _,{|        〈巛《〈〈 \巛.|
        N| "゚'` {"゚`lリ       │个 个 ヘ | 
     . ト.i ,__''_ !  .    │┌−   )/
          \ ー . イ    ヽヽ 丿//  
517名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/21(木) 16:46:22 ID:d1/rDZ4D
誤爆
518名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/21(木) 16:54:08 ID:FVLgjv7C
輪切りのソルベとジェラートか
519名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/21(木) 19:30:24 ID:zlOUFG98
避難所に新たなニュー神父の投下が来たぞ!
急いで見に行くんだ!
520名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/21(木) 20:37:20 ID:/PXfC0H8
久しぶりに来たが…、本スレで雑談して雑談スレで投下がおこっている……
時が一巡したのか……何かあったのか…
521名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/21(木) 20:39:17 ID:/PXfC0H8
雑談スレではなかったね…
522名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/22(金) 02:10:00 ID:GvlnwHDC
禁求九里無存
冥土隠辺聞
場忌津唖塵
523名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/22(金) 02:22:42 ID:BJbiIXT6
曼陀武
524小ネタ  『神』の息子達:2008/02/22(金) 03:27:22 ID:s3npTbzT
神の長男アンダーワールド。勇猛果敢な神の円匙。左手で掘った過去と、右に掴んだ幸福で、我の親友を罵倒する。

神の次男がゴールドエクスペリエンス。心優しきギャングスター。生み出す生命を操りて、腕を失うは1、2、3、回。

神の三男はスカイハイ。知恵のかたまりのアポロ11号に憧れる。あらゆる熱を取り込みて、敵の体を病にす。

そして最後にもう一人……。記すことさえ恥ずかしい(ブサイクな)四男……。

四人の息子を世に残し、我は承太郎に倒された……。











注:『神』のみイタリア語で読んでください
525名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/22(金) 08:35:08 ID:5KRyCiSU
ソルベの二つ名が輪切りな気がしてきた

「雪風」のタバサみたいに「輪切」のソルベ

得意魔法は輪切りに変身すること
526名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/22(金) 08:35:48 ID:MogSxnoC
敵を輪切りにするとかじゃないのか(w`
527名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/22(金) 09:54:17 ID:nysbesrA
今思ったんだがソルベとハイウェイスターって似てない?
528名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/22(金) 16:06:53 ID:NB9ch0O7
・・・ソルベに謝(ry

金クリ
529名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/22(金) 17:06:48 ID:7lxHmX4X
「輪切りのソルベ」さん……何でもボスの正体を探って輪切りにされても調査をやめなかったとか……
その後遺症のせいで、仲間に復元して貰った今でも時々バラけるだとか……
530名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/22(金) 17:47:37 ID:5KRyCiSU
そういやソルベって召喚されてるんだよな・・・
死んでるのに
531名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/22(金) 17:51:23 ID:W3PPZCz1
>>529
すっげぇ!すっげぇ!ソルベさんすっげぇ!
532名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/22(金) 19:22:55 ID:+kqUiFT8
「輪切りのソルベ」
かつて所属していた傭兵組織のボスの正体を探ろうとして
友人と共に殺されかけたメイジ……の幽霊
彼は今も、輪切りにされた傷跡の残る姿で
自分と友人を殺したボスの正体を探ろうとしている
そんな彼が出会ったのは、幽霊が恐い「雪風」と呼ばれる天才メイジ
共に胸に復讐心を秘めた二人の出会いは何をもたらすのか
「デッドマン・輪切りのソルベ」
近日公開しない

何考えてんだろう自分
533名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/22(金) 19:54:51 ID:pDhs8ySD
>529
なんか一昔前のカートゥーンみたいだなw
534名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/22(金) 20:02:39 ID:MogSxnoC
>>532
タバサが即気絶して終了、という図しか思い浮かばない。
535名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 00:09:42 ID:8hJJdAGf
ザ・ワールド
536名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 00:24:53 ID:ruUTSMP7
メアリー呼んだ綺麗なワルドとかDIO様呼んだどす黒い邪悪ワルドとか
行き倒れてたアヴさんを救うコルベールとか
セッコ使いなフーケとか
そんな話も読んでみたい今日この頃
537名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 00:31:27 ID:ENw8NDkl
タバサにシルフィード通称きゅいきゅいとDIO様召喚させた短編を書いてみたいが
自分には不可能な事と諦めて脳内で妄想しているんだが
おまえらはどうしたほうが良いと思う?

  書く
=ア書かない
538名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 00:44:36 ID:5kdJRJSB
ニア書け
539名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 02:49:52 ID:1KB1qcZJ
モノを見ないと判断できません
よってかいておくんなまし
540名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 09:40:12 ID:s00OPHen
ストレンジじじい召喚してくれよ
俺?無理に決まってますよwwww
541名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 11:12:57 ID:KX8ZS7wH
ケンゾーじじい「教祖復活じゃあああ!これでワシは始祖ブリミルに並ぶ聖人として歴史に残るぞぉぉぉ!」
542名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 21:46:47 ID:U6dF3/Ku
貴族の嗜みとして毎朝一杯の飲尿が流行るわけだな
543名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:23:31 ID:gWe+rk46
ルイズの尿と取り替えたいのですがかまいませんねッ!
544名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:33:08 ID:gX7i/cPO
         _..  - ―‐ - ._
        , '"          \
      /"レ'/  /\_. へ、 ∧lヽ
     / /´ {/ノノ ,ィ爪Yハ`′  ',
   /  / // ノ´    ヽ ', l
   |  /   //   :    ', l |       >>543
   | l| l  /     .::     ,,l !l |       へい、お待ち!
   |l |l |  ド==、、::  ,r='"-| ! |      
  ノ|| |l l  |t‐t・ッテ,  ィrt・ッラ|l  |      
≦ノノll│ |  |. ´¨~〃 .,,_ ヾ~´ .|l lト、     
_./ノ|l | |  l:.   ゙:. ′゙    ,'|l l|ヽヾニ=‐  
‐''"ノ| | |  ト、     `''"__  /:l  l\ー-`ニ=-   
:::´ノ,l li l  | ヽ、 '‐ニ-'' ,イ:::l  lヾミヽ::l
:::‐"/ / ハ l  | ヽ ヽ、._"_/ l:::! l`ヽ、`二>‐      
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545名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:42:02 ID:gWe+rk46
いただきます……うっ。
546名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:13:20 ID:CA5WXBbb
ザ・ワールド!
翌朝まで時は止まる!
547名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 01:23:04 ID:bir8D61E
ンまぁーいッ!!
548名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 07:11:30 ID:6b/+o5rt
きんぐくりむぞーん
549名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 11:58:20 ID:3g3ZZveR
ジョジョキャラ出ないジョジョ風ゼロ魔読んで見たいな。
根堀葉堀で切れてるタバサとか、
「うむ」と言って妙に博識なキュルケとか、
癖っ毛が強いく成りすぎて前髪がコロネに成りつつあるギーシュとか。
でもって、ギーシュはゴーレム出す時手の平から花びらを飛ばして妙に色っぽかったり、例えばワルド戦で手足とか切断されて再起不能かと思われたところで、
「あなたの偏在の…自分の体を複製するという所からヒントを得た」とか言いつつ、切断された手足の変わりにゴーレムの手足をつけて再戦したり。
キュルケならあたり一面火の海にして「炎でもよ〜…偏在は出来るんだぜえええええ!!!」といいながら火の中から分身を作り出す。
タバサは重傷を負ったときに氷で傷口を塞いだり、実家に侵入した奴は人だろうと犬だろうと容赦しなかったり、ガボガボいいながら目玉喰ったりw
ルイズの戦闘方法は狙いがハッキリしないが不可視で防御無視の『失敗ファイヤーボール』と
正確に狙えるがエアハンマーなどで簡単になぎ払える『失敗錬金を掛けた小石』。
小石なんかは複数投げて相手の同様を誘ってみたり「ん〜、本当にどれに錬金を掛けたのかわからないんだ…もしかしたら掛けてないかも」とか言ってみたり。

つまり総括すると、荒木飛呂彦にゼロの使い魔を書いて欲しい。
550名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 12:13:52 ID:pFcg6jQ8
素直に荒木先生の作品が読みたいだけといいなさい
551名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 13:02:51 ID:t9qSx8hB
今月SBR休みだったから欲求不満なんだろう。
552名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 13:41:31 ID:CA5WXBbb
これはもう書くしかないな。言い出しっぺが
553名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 14:00:52 ID:0yCZicFl
このビチグソがァ〜とキレるティファニアなら見たい
554名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 14:37:29 ID:CA5WXBbb
荒木先生が書いた場合は、やはりタイトルは“ゼロの奇妙な使い魔”なのか?
555名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 15:36:45 ID:j73DL9z9
>「うむ」と言って妙に博識なキュルケ

ここだけ男塾じゃね?w
556名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 15:45:55 ID:hcRaztmU
つまり、妙に暑苦しいキュルケか………


なんか、そんな調子だと手首に妙な執着心を持つルイズとか、
WREYYYYとか言うエルザとか、
腸チフスなマルコメが出てきそうだ
557名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 15:46:06 ID:DIBBGZi7
レッドホットチリペッパーってドラゴンボールのセルに似てない?
どっちがさき?
558名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 16:37:39 ID:6WOPPIJ8
そんなこと言ったら
ヤッダーバァァアアァァとか言って落ちていくワルドとか
とおるるるるるるるとか言うアンリエッタとか
最高にハイってやつだ!とか言うメンヌヴィルとか
「何?ポッポ ポッポ ハト ポッポ?」とか言ってセクハラしているオスマンとかが出てくるじゃあないか…

あれ?いつもどおりだな
559名無しさん@お腹いっぱい:2008/02/24(日) 16:37:41 ID:mIIASkMH
>>319
「ジョゼフはもともとはシャルルのことが好きだったということなんですよね」
「ああーそうなるんだ」
「自分の持っていないすべてを持っている弟シャルルに俺もモノにされたい
 ぐらいの気持ちで 後のタバサのお母さんが弟と最初にキスをするのが
 許せなくて 自分が彼女にしてしまったと」

「でもジョゼフは真剣にシャルルのことを想っていて
 でもハルケギニアだと同性愛は犯罪だから その本来の欲望は彼の中ですら
 隠されていたんですよ・・・そこで溜めに溜められた気持ちが最終的に
 弟を殺すということに行き着くわけです」
560名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 16:41:47 ID:kp6VQHCp
>>559
頼むから自重してくれwww
なんつーか腐
561名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 16:48:07 ID:kp6VQHCp
途中で書き込みボタン押しちまった
「なんつーか『腐っている女子』と書いて『腐女子』、フフ・・・よくぞ言ったものだ
もしくは
「さすが腐女子!俺達が思いつかないインタビューを平然とやってのけるッ!
そこに呆れる!虫唾が走るゥ!」
というべきか
562名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 16:52:55 ID:SN9EsggK
563名無しさん@お腹いっぱい:2008/02/24(日) 19:25:31 ID:mIIASkMH
承太郎「やかましい!うっとおしいぞ このアマ!」
「はあーい・・・
 学院長 ほんとはやさしい子なんですよ・・・
 そんな大それたことができる子じゃないんですよ・・・
 ・・・そ それでわたしの使い魔は何人くらい殺しちゃったんです?
 きゃーききたくないききたくない」
オスマン「誰が殺したなどと言ったんじゃ?」
コルベール「決闘ですよ」
オスマン「もっとも相手をしたミスタ・グラモンは錬金した七体のゴーレムに
     剣と槍を持たせ・・・それらを一瞬で破壊し本人も十五の骨折の上に
     タマタマもつぶされて・・おっと失礼 医務室送りになりましたがね」
ギトー「使い魔をよく教育してくださいよ教育を!」
「はァーい」


ちいねえさまが承太郎を召還したらホリイさんのような存在になりそう

「あ・・・
 今 ジョータローったらわたしのこと考えてる(はぁと)
 いま・・・私の使い魔と心が通じ合った感覚があったわ」
承太郎「考えてねーよ」
564名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 19:35:27 ID:MpqhFUFs
>>563
ちょっと萌えちゃったじゃあないか。
565名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 20:18:32 ID:owFSwM2/
>>564
どっちに?
566名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 21:00:44 ID:pcKRQHyL
まとめサイトの荒木の小ネタがあまりに秀逸だったのでマネして書いてみた。
クオリティ低いけど許して。


「召還されたころの話」
僕が召還されたころ、おバカな主人がいて、そいつらと盗賊を倒しに言ったとき、
使い魔の、ものすごく大きい種類のゴーレムをそいつが倒そうとした。魔法が使えなかったし、
無論クソの役にも立たなかった。そしたら、なんと彼女は「敵に背を向けないのが貴族なのよ」と言い出したのだ。
当然ゴーレムは彼女を潰そうとする。助けたら彼女は泣き始めた。「逃げたらまた馬鹿にされるじゃない」と言ってるのに彼女は、
さらに破壊の杖を振り回しはじめたのだ。なんかさあ、急に使い魔でいるのやめようと思った。
567名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 22:20:03 ID:VRuWp0ar
6巻のコメントワロタww
ルイズの覚悟とのギャップがまたいいな
568名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 23:33:27 ID:hcRaztmU
荒木wwwwww
さすが究極生命体、明らかに見下してるなwww
569小ネタ 『トリステイン魔法刑務所』:2008/02/25(月) 00:12:14 ID:28QB6/5m
オスマン「あ〜〜〜〜ん〜〜〜今日もいい天気ですねェ
        でもロングビルちゃん いったい……
        これは何の騒ぎだい?何の話があってみなさんに学院長室に
        集まってもらったのかな?」

ロングビル「今日の午前中…土くれのフーケが宝物庫に入って破壊の杖を盗んだんデス!
       ゆくえ不明ですッ!!」

オスマン「本当かいィィィー
        うわぁーそれは大変だぁぁぁ」

ロングビル「王宮への報告は考えられません
       賊は遠くに逃げたのか?あるいは破壊の杖をすでに売ったのか?…
       捜索隊を組んでさがさなくてはならないとあたし思うんです!」

ルイズ  「どうして学院の中に賊がいるかもって言わないのかなぁ?」

キュルケ 「学院長の秘書かも」

タバサ  「……」

オスマン「誰です?今 なんと言いました?
      ロングビルちゃんが説明してるのにしゃべったのは誰です?」

ロングビル「あたしは盗んでないッ!あたしは無実だー」

      




570名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 00:36:18 ID:qSk1GUCj
>>562
バオーってアニメ化してたんだな
しかも妙に豪華キャストやし
つーかドルドがシャアて
571名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 00:38:30 ID:R3+2kIpw
>>569
ロングビル自重しろwwwwwww
572名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 01:08:30 ID:bynb1nTh
>>566
夜中に盛大に吹いたwwwwww

>>569
何かと思ったら刑務署長とワニかwwwwwww
573名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 11:21:42 ID:iahBU4PT
キング・クリムゾン
574名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 13:28:34 ID:IDooa7wT
そろそろリキエルが召喚されてもいい頃だな
575名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 14:02:39 ID:V5XSKGku
ハルケギニアにロッズは居るのだろうか
576名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 15:38:16 ID:C7WsMPgT
リキエルの体内にロッズを飼うとかすれば問題ない!
ミセス・ロビンスンみたいに
577名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 15:50:26 ID:SFqh1ung
ここはDIO様の息子4兄弟を召喚して………

ジョルノ→(ロッズ生産)→リキエルが使用
でよくね?
578名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 17:02:29 ID:IDooa7wT
ロッズは不思議生物だからハルケギニアにいてもおかしくないと思う
579名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 18:12:09 ID:KfJytdel
第六部時点でのジョルノって何歳だったっけ?
第五部で15だったから25,6ぐらい?
DIOの息子たちの中だと何番目のポジションだろ。
580名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 18:39:34 ID:Jzql2OLc
しかし、ジョルノもあのギャングに出会ってなかったら、他の三兄弟みたいになってた可能性があるのか…
やっぱスッゲェーな!ギャング・スターは
581名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 19:18:06 ID:0M5WuuYD
細かいことだがギャングスターはギャングスターで一語だ
582名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 20:03:20 ID:q3iYNStv
仗助は幼い頃リーゼントの人に助けられてリーゼントに

ジョルノは幼い頃、唯一自分を対等な人間として尊重してくれたギャングに憧れギャングスターに

なんというか…
一部の頃の紳士の血統が嘘みたいだなw
583名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 21:27:24 ID:Z7DW8Qnt
>>581
さらに細かいことになるが、一語のギャングスター(gangster)だと唯のギャングを意味することになる。
ギャングの中のスターって意味だとgang starかと。そんな言葉があるのかどうかは知らんが。
・・・あれ?もしかしてジョルノって前者の意味でのギャングスターにあこがれてたのか?
手元にコミック無いから確認できない。
584名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 21:34:46 ID:d3+svTgH
パッショーネの構成員になってからはギャングスターという言葉はでていない
ってことは前者の意味なのでは
585名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 21:54:06 ID:0GMOkEqj
最初にブチャラティに「組織を乗っ取るつもりでいる」って言ってたし、後者じゃね?
打倒ボスって言う明確な目的が出来たから「ギャング・スター」って言うちょっと不明瞭な表現が消えただけだと思う


>>582
 それは2部の時点で既に(ry
586L・I・A:2008/02/25(月) 23:02:29 ID:L3SRoGQC
はぁ〜〜。今夜も中々に盛況ですなここは。
こんなクソみたいなゆとりの自分も受験が終わり、下書きのままだった次話の清書できそうだが、中々纏まった時間が取れなくて鬱だわ・・・クソッタレ
すまない。久し振りに来ておきながら・・・愚痴りたかったんだ。


取り敢えず


こ こ の 全 職 人 に G J ! !
587名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:51:41 ID:pMOjOivi
LIAさんが自分より年下と知って軽くショック
受験お疲れ様でした
お茶どうぞ
つ 旦~

ふと、エクスプロージョンで
誰かの脳内のラバーズだけを爆破する!
みたいな状況が浮かんできた
あと、遍在だと思ったらその内一人はイエテンだった、とか
ラグドリアン湖に行ったら水の精霊がFFだったとか
588名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 01:57:15 ID:CDzc6afF
>>586
なに、問題無い
俺も大学受験のおかげでここ一ヶ月ほど投下が滞っている
589名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 06:21:42 ID:RmxjtLPQ
既出つだろうけどヴェルサスとルイズは境遇が似てる気がしないでもない
わけのわからない才能の片鱗に悩まされたりプッチやアンリエッタを守るために命がけで戦わせられたり
590名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 13:30:47 ID:HSSmPUvt
でもルイズにとってはビッチ姫は友達なわけだから動機はちゃんとしてるぜ
591名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 14:06:55 ID:emRYldKL
そういえば、ヴェルサスが召喚されたら
かなりのバランスブレイカーになりかねないな………



アンダーワールドの能力で過去を見れるし
過去から物も取り出せるし、
過去に起こった事も再現できるし………

あれ?下手すれば最強じゃね?
592名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 14:29:23 ID:oum50Smt
逃走には最高の能力ですよね。
大会戦とかを再現させて、自分は逃げる、とか。
593名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 14:29:43 ID:InNWtZq8
射程距離がフロリダ州オーランド付近に限定されてるのが気になるぜ
594名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 14:30:27 ID:oum50Smt
しまった下げるの忘れてた
595sage:2008/02/26(火) 14:31:20 ID:oum50Smt
失敗した、申し訳ございません
596名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 14:33:46 ID:oum50Smt
ほんとになにやってんだろ。
自分が嫌になる
597名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 14:40:03 ID:Jz7r42zi
おそらくアンダーワールドに掘り返されたんでしょう
598名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 14:42:04 ID:FGyDNfEO
オーランド付近は距離的な意味合いだと思うけどどうなんだろう
599名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 14:43:58 ID:CDzc6afF
いいか、絶対周りを見回すなよ
多分今お前の近くにはピストル持ったドクロ髭のいい男がいて、そいつと目を合わせたら決闘申し込まれるからな
600名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 14:49:52 ID:cb7kJthx
振り向いたらお前は死ぬ

  (   ) 
_ (__,/ ̄ ̄ ̄/_  
   \/     /
      ̄ ̄ ̄

      チラッ
  ( ゚д) 
_ (__,/ ̄ ̄ ̄/_  
   \/     /
      ̄ ̄ ̄

    ∬∫
  
_,,、        i ̄/_
  ',        ノ ./
  ヽ、___,ィ' ̄
601名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 15:27:22 ID:PUx9gP3s
キング・クリムゾン
602名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 18:05:24 ID:Lnfw1eMq
懲りずに荒木ネタ

子供のころマンガ家に対する次のような噂があった。

@マンガ家は本物の拳銃をひそかに持っていて地下室で撃っている

ギーシュ「さあ決闘だヒロヒコ。いでよワルキューレやつをギタギタに――」
ヒロヒコ「空裂眼刺驚!!(スペースリバー・スティンギーアイズ)」

ギュォアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン

ギーシュ:再起不能(リタイア)
ヒロヒコ:ああ、そんなのあったね(笑)

Aデッサン用の男女モデルがいて時にはヌードになってもらったりする。

ヒロヒコ「汝、我のためにヌードモデルになるか?」
キュルケ「は、喜んで」
ギーシュ「い、いや僕は」

ズキュウウウウウウウウウウウン

ギーシュ「は、喜んで」
603名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 18:15:06 ID:dt6BYLPI
>>589
つまり、四巻のあそこで
ルイズッ!貴方如き薄っぺらな藁の家がわたくしとウェールズ様の愛の逃避行に踏み込んでくるんじゃあないッ!!

ああ、スゲー違和感無いわこれ
604名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 18:24:40 ID:6bA+b281
>>602
このままだとモンモンはギーシュのボーイフレンドにも悶々とさせられることに成るなw
605名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 18:25:07 ID:Lnfw1eMq
Bブレインというアイデアを出す人がいて、世界中のあらゆる情報はその人に聞けばわかる

ヒロヒコ「――というわけでタバサ、今回はレース物にしてみたいと思うんだ」
タバサ「それなら……ある大陸に大陸横断レースがある……それをネタにしてみたら?」
ヒロヒコ「いいねえ!どういうのかわかる?」
タバサ「まって……確か走行距離6,000kmでプロモーターはロリコンで……」
別の日
ヒロヒコ「ねえシェフィールド、これなんて読むの?」

C徹夜仕事なんてウソで週に4日はゴルフやヨットで遊んでいる

シュバババババババッ

ルイズ「な、なにィ〜虚無の魔法でベタのミスを直したってぇ〜」
キュルケ「それにしてもヒロヒコ昨日からずっとマンガ描いてて疲れないのかしら?」
タバサ「まって……あれは」
キュルケ「こ、これは!内部から肉体を変えることでアラーキーに似せたギーシュだァー」

ヒロヒコ「あんまり書き溜めると安っぽく見られるのよン♪
それにしてもこのきゅるきゅる(吸血鬼のエキスでパワーアップ)に乗るのメチャ楽しい〜〜!!」

ごめん自重する
606名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 20:18:43 ID:HUKsoaoG
>>593
間違ってたらすまん。あれって州一つをまるっと覆うくらい射程範囲が広いってことじゃないのか?
607名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 20:34:55 ID:CDzc6afF
>>606
だよな
子供の頃から場所とか関係無くスタンドが発動してたし
608名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 20:47:15 ID:Lnfw1eMq
しかし何よりすごいのはスタンド発動したばかりなのにすでにやたら細かい事故の記録とか
覚えていることだよな。暗記が得意だったのだろうか。

関係ないがまだダイアーさんが召還されてないという事実に気がついたッ!
609名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 20:51:58 ID:6bA+b281
記録を読み取るのも能力の一つだったんじゃないか?

>関係ないがまだダイアーさんが召還されてないという事実に気がついたッ!
ポルポもだ。
スタンドだけ二回も召喚されてるのに。

しかしポルポみたいなデブ巨漢とルイズみたいな小柄な少女のキスシーンを想像すると……
普通のキスよりエロティックッ!!な気がするのはなんでだろう?
610名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 21:01:20 ID:dt6BYLPI
ポルポは動かないからなぁ
同じデブキャラのハート様はスッゴイ動くから姉妹スレで召喚されてマルコメにハート様呼ばわりされてたしw
611名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 21:12:35 ID:HUKsoaoG
記録を読み取るのも能力だとしたらマジチートだな。
ギーシュ戦なんて
『昔学園で決闘が行われてた頃の記憶』を掘り返せば強制的に負けるし
砂漠なんて行った日にはエルフ大量召喚でメイジ涙目
612名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 21:29:41 ID:FfIEjU+9
>関係ないがまだダイアーさんが召還されてないという事実に気がついたッ!
どうしても、ワルド戦でクロスサンダースプリットアタックをしかけるもそれは遍在!
本体からライトニング喰らって再起不能という場面しか想像できない
613名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 21:33:32 ID:IW6icYoq
スタンド説明に『再現できる時間はヴェルサスが覚えていて、ファイルのように引っ張り出すことができる』と書かれているので、記録を読み取る能力はないだろう。
しかし男の子が撃たれた記録や、エルメェスのスポーツ・マックスの記録など、人間の持つ記録も無意識に掘り返せるようだ。
614名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 22:51:45 ID:ifqNhe3N
>>613
いや、記録を読み取る力がないとしたら、
ヘビーウェザー事件のこととかわからないんじゃないか?
615名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 23:00:42 ID:emRYldKL
海水の大量蒸発なんて大昔どころの話じゃないんじゃないか
それこそ何億、何十億と………



どう考えても人が知れる領域じゃないな
616名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 00:01:53 ID:RwQN6EdD
結構アバウトなんじゃなかろうか
どれくらいの年代に何があったかを、何かの媒体で知っていて、
そのあたりの年代を適当に掘り起こしているとか
617名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 00:17:39 ID:wdP6Pc5K
質問です。
「スターダストファミリアー」と「スターダストは砕けない」は
物語的に繋がっているのですか?
618名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 00:22:01 ID:Vz8xA5oJ
物語的が物理的に見えた…
どうやら疲れてるようだ…
619名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 00:23:02 ID:zy51xefT
繋がっているというか、スターダストファミリアーの平行世界的な話
スターダストファミリアーの最後で承がもしも帰れなかったら、というところから砕けないが始まる
620名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 00:31:36 ID:szyivavB
>>614
掘り起こしたプッチ神父の持ってたウェザーDISCから読み取ったんじゃない?
621名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 00:41:25 ID:gdu8SWzm
話を仏陀斬るが

遍在ワルドの格好って明記されてたっけ?

あとGEで作った虫は遍在にも反応するのかね?
622名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 01:18:45 ID:BFo3XLT+
>>621
反応するってそんなシーン原作にあったっけ?
アバの殉職シーンのデスマスクを探すところは元の所に戻るだけ、
ベイビィフェイスは本体の所に戻るだけだし
GEで作った生物で追跡なんてしたことがないような

実際遍在は魔力で構成してあるからGEの生物でも
反応できないと思う

この事を聞いてくるとは、もしやあなた作家さんかな?
そうなら続き、待ってます
623名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 01:21:12 ID:rIG2+QoU
そういえばなんであれは元の場所に戻るなんて習性があるんだろうな。
いまいちよくわからん
624名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 01:27:39 ID:gwbqLdyl
>GEで作った生物で追跡
コミックスは手元にないからわからないけど
五部ゲーでは、抜けたブチャラティの歯を
蠅に変えて隠れたブチャラティを見つける、みたいなことやってたな

謎のメイジが身に付けていたものが貴方の元に帰りました
貴方が遍在の本体ですね………(ドドド)
ってのは、凄く見てみたいが
遍在から出来た生物が、遍在を追跡することはあっても
本体まで辿り着くことは無い気がする
遍在はあくまで遍在であって本体じゃないし
625名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 01:30:26 ID:PsDgav1D
帰巣本能みたいなもんじゃないかね。
626名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 01:32:59 ID:PsDgav1D
あとディアボロに壊された銃の部品をモグラに変え、臭いで銃の別の破片を見つけさせたというのもあった。
627名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 01:33:44 ID:tgNVO5tU
どこまで本体の情報を再現するかによるのかな
体臭まで再現するのならあるいは?
628名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 02:43:15 ID:BFo3XLT+
しかし魔法で作られた偏在は
倒した時に跡形も無く消え去りそうな気がする
そうなったら残った仮面の破片(一例)から追跡とかは無理だよな
629名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 03:34:14 ID:dGTU6RLL
そういう時は逆に考えるんだ
「ワルドの衣服を生物にして偏在に反応させればいいや」と考えるんだ
630名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 09:52:45 ID:0YEhOJyI
いや、さらに逆に考えるんだ。
偏在は生き物じゃないから、殴っただけでワルド´がそのまま動物になっちゃうのだと考えるんだ。
631名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 10:42:49 ID:nf9W3Vtc
ジョルノなら遍在と本体見分けられそうだ
632名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 10:54:37 ID:CIPxxBj3
>>630
つまり中途半端に動物化でネコミミワルドということですね。
633名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 10:56:57 ID:NwEZBOQi
>>632
俺の側に寄るにゃああああああああああああああ
634名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 11:54:48 ID:LYCSrm1d
>>621
偏在は本体じゃないから、偏在には反応せずに本体を探しにいくんじゃないの?
635名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 12:16:29 ID:Kt+ss1L8
>>632
ルイズをネコミミ化させてネコジャラシやマタタビでてなづけたり
首輪つけたりして遊ぶドSジョルノの姿が浮かんできた俺はもう末期
636名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 13:32:58 ID:XC0+rCbr
>>635
チョコ先生みたいな顔したジョルノがルイズをよしよししてる場面が浮かんできた俺に比べればマシ
637名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 15:49:51 ID:nZQ1XyeW
だめだこいつら、早く何とかしないと
638名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 16:09:09 ID:LYCSrm1d
>>635を見て

ルイズ「動きがゆっくりだッ!くすぐったい!ネコジャラシのくすぐったさがゆっくりやってくるッ!」

という想像をした私はまだまともな方だな・・・。











ええ、もちろんマタタビの快感がゆっくりやってくる方も想像しましたよorz
639名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 16:32:13 ID:NwEZBOQi
   _,,....,,_  _人人人人人人人人人人人人人人人_
-''":::::::::::::`''>  ぐえっ! 動きがゆっくりだッ!  <
ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
 |::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ       __   _____   ______
 |::::ノ   ヽ、ヽr-r'"´  (.__      ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
_,.!イ_  _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7     'r ´          ヽ、ン、
::::::rー''7コ-‐'"´    ;  ', `ヽ/`7  ,'==─-      -─==', i
r-'ァ'"´/  /! ハ  ハ  !  iヾ_ノ  i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ  ,' ,.、  レリイ i (ヒ_]     ヒ_ン ).| .|、i .||
`!  !/レi' (ヒ_]     ヒ_ン / ̄/⌒ァー!Y!""   ,___,  "" 「 !ノ i |
,'  ノ   !'"    ,___,  "'{  ノ __L.',.   ヽ _ン    L」 ノ| .|
 (  ,ハ    ヽ _ン   ,`ー‐´   | ||ヽ、       ,イ| ||イ| /
,.ヘ,)、  )>,、 _____, ,.イ  ハ    .レ ル` ー--─ ´ルレ レ´

       _人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人_
   _,,....,,_  > い…痛ぇ! 鋭い痛みがゆっくりやってくるッ! .<
-''":::::::::::::`''>        うおあああああああああ         <
ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
 |::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ. __   _____   ______
 |::::ノ   ヽ、ヽr-r'"´  (._,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
_,.!イ_  _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,'r ´          ヽ、ン、
::::::rー''7コ-‐'"´    ;  ',  ,'==─-      -─==', i
r-'ァ'"´/  /! ハ  ハ  ! .i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
!イ´ ,' | /__,.!/ V ,.、  レリイ i (ヒ_]     ヒ_ン ).| .|、i .||
`!  !/レi'`,_;:;:;ノ/ ̄/⌒ァー!Y!""   ,___,  "" 「 !ノ i |
,'  ノ   !'"   ;{  ノ __L.',.   ヽ _ン    L」 ノ| .|
 (  ,ハ   : `ー‐´    | ||ヽ、       ,イ| ||イ| /
,.ヘ,)、  )>,、 _____, ,.イ  レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
640名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 18:23:32 ID:k5uB1v9h
ちょwwwww
641名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 18:35:59 ID:gwbqLdyl
三巻読み直しててふと思いついた

「あのねルイズ。あなたって嘘つくとき、
耳たぶが震えるの。知ってた?」
「えっ?」
ルイズは、はっとして耳たぶをつまんだ。
「嘘でしょ、ツェルプストー!」
「ええ、でもマヌケは見付かったようね……」
「あっ!」

うん、浮かんだだけなんだ、すまない
642小ネタ 『トリステイン魔法刑務所』:2008/02/27(水) 18:41:22 ID:hbae7FAY
上で偏在の話が出てたが
ジョルノなら服とか生き物にする必要もなく触るだけで見分けつきそうだな
生体エネルギーうんぬんで
643名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 18:41:56 ID:hbae7FAY
なんだこのトリップ…
644名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 18:48:03 ID:glR445k8
>>642
それを見て、唐突にナカにスライムのようなものをイれて共生させる刑が浮かんだ。
いや、全くもってスレとは関係ないんですがね。フフ。
645名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 18:55:23 ID:3fBnp3v8
>>644
あぁ、棲みつく者ですね
646名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 19:31:25 ID:0YEhOJyI
つまりフーファイターズですね。

そういえばジョルノはココジャンボをスタンドごとコピーしてたけど、そうなると四部の鼠やら猫草(とそれになる前)のやらイギーやらをコピーしたら大戦力になるよな
647名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 19:36:48 ID:LYCSrm1d
精神構造が似ている生物ならコピーできるんだと予想。
虫食いをコピーできても猫草やイギーは無理だと思う。

というかジョルノが作ったもっとも高等な生物ってモグラか魚じゃない?
648名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 23:29:34 ID:hX8+iVgM
40分に投下します。
649名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 23:29:59 ID:k5uB1v9h
全裸で待つ!
650名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 23:33:47 ID:QZjqKaZb
素数を数えながら待つ!
651名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 23:37:39 ID:QGjTEqjf
wktk
652使い魔は静かに暮らしたい:2008/02/27(水) 23:39:11 ID:hX8+iVgM
メイジの、魔法使いの弱点はなんだ?
そんなもの決まっているじゃないか。杖だ。杖が無ければ魔法使いは魔法を使うことは出来ない。
今まで見てきた魔法使いは残らず杖を持って魔法を使っていたし、ルイズに魔法使いのことを聞いたときに杖が無ければ魔法は使えないと明言していた。
あと、喋らせないという手もある。魔法は基本的に呪文が必要らしいからこれも結構有効な手段だ。
ただ、トライアングルやスクウェアになると、呪文を唱えなくても魔法が使える輩がいるだろうと考える。
もちろん確証はない。しかしドットやラインとは違って経験豊富なのは間違いないのだ。唱えなくても使えるということを前提に考えておいてもいいだろう。
他に弱点は?
戦いの最中でないのなら、真っ先に思いつくのが毒殺という手段だ。寝込みを襲うって手段もある。
とにかく、魔法使いを真正面から襲うというのはバカがやることだ。やるにしても相手が思いもしない行動をとるか弱点を突かなければ魔法使いは倒せないだろう。
魔法なんてまともな人間が使うもんじゃないんだからこの考えでも甘いかもしれない。
これから先魔法使いと戦うことがあれば、デルフとスタンドが無かったら銃がいくらあったって勝てる気がしないね。
今まで戦った魔法使いたちは全員が全員油断していた、もしくは弱かっただけだ。
ギーシュは拍子抜けするほどの雑魚で油断していたし、フーケはロケットランチャーを手に入れたと油断していた。
ラ・ロシェールで襲ってきたメイジも油断していた。
ワルドは正直言って倒せる要因が無かった。死に掛けていたのだからむしろ負ける要因しかなかったと言っていい。だが、奇跡の生還を果した。
つまり、これまでの戦いは全て運がよかったという事に他ならない。
デルフやスタンドがあっても絶対に勝てるとは言い切れない。普通の人間に比べたら圧倒的にすごい力を持っているのにだ。
前はそこまで危険視していなかったのだが、やはり虚無なんていう異常な魔法を見てしまうと考えが変わってしまう。
特に虚無を使う化物がそばにいてビクビクして暮らしているのならばなおさらだ。
ファンタジーの世界は本の中のように素敵な世界などではなく、実に危険な世界だ。
そんな危険な世界は本の中だけで十分だって言うのに、そんな世界に連れて来られてしまうんだから私も運が無い。
だが、戻れる手段が無いのだ。この世界で暮らしていくしかない。幸福になれさえすればそこがどんな場所でも構わないのだから。
653名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 23:39:12 ID:nf9W3Vtc
素数数え終わった
654使い魔は静かに暮らしたい:2008/02/27(水) 23:40:15 ID:hX8+iVgM
体の疲れをとるのには眠るのが一番だと私は考えている。
しかし、ただ寝ればいいというものではない。それは自分にとって心地よい睡眠でなければダメだ。
心地よい睡眠を得るためには最低限として敷布団は欲しい。前に床や椅子に座って寝ていたときはつくづくそう思ったものだ。
だが、今はあの頃とは違う。何の気兼ねも無く、堂々と貴族が寝るのと同じベッドで眠っている。
ふかふかで暖かい毛布に包まれながら気だるい眠気に身を任せている。これがなんとも言えないほど心地よい気分にさせてくれる。
問題があるとすれば、このベッドは私だけが寝ているというわけではないのだ。
「くー……」
誰かの寝息が吐息と共に耳に入り込んでくる。吐息まで感じられるということは、よほど近い位置に顔があるのだろう。
それを証明するかのように、右半身に毛布とは違った人肌の暖かみを感じることが出来る。
この人物が誰なのか、という答えは考えるのも馬鹿らしい。
眠気に身を任せたいという衝動に鞭を打ち、こじ開けるように目を開ける。そして現実を見るために首を右に捻る。
「くー……くー……」
そこにあったのは桃色がかった髪を持ち肌理細やかな白い肌をした少女の寝顔だった。
あと数cmも接近すればお互いの顔が接触するであろうという程の近距離である。普通なら慌てるだろうが、私には何一つ慌てる要素は無い。
何故なら普段から見慣れている光景だからだ。
この少女こそ私の今一番の悩みの種であり、私と一緒にこのベッドで寝ているものであり、このベッドの所有者であり、この部屋の主であり……
私の『ご主人様』であるルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールだ。
長ったらしい名前だし、『ご主人様』と言っても敬意など小指の爪の間に溜まる垢ほども持ち合わせていないので、私はルイズと呼んでいる。
そもそも『ご主人様』と言っても、私が強制的に使い魔にされたので敬意など持てるわけがない。
しかも最近じゃあどうやって殺すか、なんてことを考えているくらいだからな。まあ、近いうち本当に殺してしまうかもしれないが。
そんな『ご主人様』を起こさないように注意を払いながら、ベッドから下り靴を履く。
ルイズは寝たらなかなか起きないので、そこまで注意を払わなくてもいいのだが念には念を入れたほうがいい。
名残惜しくベッドから離れ、窓を見る。
外はまだ薄暗く、日もまだ昇っていない。しかしあと十数分もすれば日も昇り始めるだろうという、そんな時間。
この時間帯、貴族連中はルイズのように殆んどが眠りこけているし、メイドなどもそれほどの数は起きていない。
何らかの行動を開始するのには丁度いい時間帯だ。と言っても大抵この時間に起きる習慣がついているだけなのだが。
とりあえず机の上に置いてあるデルフを手に持ち、いつものように外へ出て行く。恒例の筋トレだ。
デルフを振りましたり、デルフと喋ったりするだけのことなのだが、さすがに人に見られるのは恥ずかしい。こんな早い時間に筋トレをするのも人に見られたくないためだ。
いつもの場所に着き辺りを確認する。
この前一回だけ他のメイドに見られたからな。貴族じゃなかったからあまり気にはしていないが、それでもいい気はしない。
よし。辺りには誰もいないようだ。
それを確認してデルフを鞘から抜き出す。体はルーンが反応し、羽の様に軽く感じる。
「おはよ相棒」
「ああ」
「相棒。俺はおはようって言ったんだぜ」
「だから?」
「普通あいさつを返すもんじゃねえか?」
デルフが言っていることは正論だ。そして私もデルフにおはようと挨拶を返したい。しかし、しかしだ。それはなんとなく気恥ずかしい。
そしてその気持ちをデルフに悟られたくはない。言葉に出そうとするとどうしても気恥ずかしさも一緒に出てしまう。
655使い魔は静かに暮らしたい:2008/02/27(水) 23:41:19 ID:hX8+iVgM
「剣に挨拶をすることが普通なのか?」
「なんてひでえ相棒だ。日頃よくしゃべってんのに」
「まったく、五月蠅い奴だ。わかったよ。おはよう」
「それでこそ相棒だぜ」
だが、しぶしぶ言いましたという態度をとればこちらの気持ちに気づかれることもあるまい。
……やれやれ。この調子だと、普通に会話を出来るときが来るのはいつになるだろうか。
「それじゃあ始めるか」
そしていつものようにデルフを振り始めた。

デルフを振りはじめていくら経っただろうか。日が昇っているところから見ると30分位かもしれない。
このようにデルフを振っている時間は楽しくはない。が、ルーンのおかげでデルフと一体になっているかのようなこの感覚は心満たされるものがある。
そんな時間ももう終わりだ。日が昇ったということはこれからどんどん人が起きだす頃だろう。つまり今日の朝はこれで終わりだ。
というわけで、デルフを振るのをやめる。
「お、終わりか相棒」
「ああ、一応な」
そういえば、このデルフと一体になっているかのような感覚はガンダールヴのルーンの効果なんだよな。
そしてデルフが私を相棒と認めてくれているのはこのガンダールヴのルーンがあるからだ。少なくとも出会った当初はそうだった。
このルーンはルイズが私を使い魔にした事によって出来たんだよな?ということは、もしルイズを殺してしまったらこのルーンはどうなるんだ?
そのまま残るのか?それとも消えるのか?
…………どう考えても消える可能性の方が高い。
もしルーンが消えてしまったら、私とデルフを繋ぐたった一つの目に見える証が消える事になる。さらにガンダールヴとしての力も発揮できなくなってしまう。
なんてことだ。ルイズを殺せば、デルフという相棒とガンダールヴの力を失いかねないとは。
ルイズめ。どこまでも厄介な奴だ。まさかここまで私の足を引っ張るとは。絶対にただじゃ死なないつもりか。
「相棒」
「……ん?」
デルフの声により自分の世界から帰ってくる。随分と考えに没頭していたようだ。さっさと部屋に戻らないとな。
デルフを鞘に収めようとする。
「ちょっと待った。相棒に聞きたいことがあんだけど」
「聞きたいこと?」
デルフが私に?最近何かあったか?デルフにはタルブにいたときに色々と話したと思うんだが……
「昨日のことなんだけどよ。なんだって相棒はあの貴族の娘っ子のことをバケモノ扱いしてたんだ?たしか虚無を使うからとか言ってたよな」
ああ。なんだそんなことか。
「ルイズが一人であの艦隊を墜としたからだ。あんな真似人間じゃできないね。そして、そんな化け物じみたことが出来るのが虚無だ。
ルイズが虚無を使えなかったら人間扱いはしてやるよ」
「おいおい相棒。心配しなくてもよ、この前みてえにでっかいのは一年に一度撃てるか撃てねえかだって、そういったじゃねえか」
「確かにそうかもしれないが、小さいのは使えるんだろ?それだけでも脅威だ」
「あの貴族の娘っ子が相棒に向かって虚無を使うって、そう思ってんのかね?」
「可能性がないわけじゃない」
「ふーん」
これでデルフの聞きたいことはなくなっただろう。そう判断しデルフを鞘に収める。デルフは何も言わなかった。
656使い魔は静かに暮らしたい:2008/02/27(水) 23:42:24 ID:hX8+iVgM
そしてルイズの部屋に戻りながら、考える。殺した後にルーンは残るか否か。とりあえずそれがわかるまでルイズを殺すのは後回しだな。
ほんと、最近は物騒なことを考えるようになったものだ。穏やかだった昔の自分が懐かしい。
そんなことを考えているうちにルイズの部屋に着き、デルフを机の上に置く。
「さて」
ルイズは当分殺せない。これは大きな痛手だ。ルイズを殺すことは私の幸福には必要なことだからな。大きな脅威があっては幸福にはなれない。
ルイズを殺す以外で脅威を取り除く方法は?
祈祷書を消すか?そしたらルイズはこれ以上虚無について知ることは出来ない。少なくとも今以上の脅威にはなるまい。
問題は、祈祷書が消えた場合のルイズの行動だ。祈祷書が消えたらルイズがどうするのか、なんとなくだが想像はつく。
きっと脅されるな。無くなったのはお前のせいだとか言って。そして地べたを這いずり回りながら探させられるのだ。その光景が目に浮かぶようだ。
最低限の想像でこれなのだから実際はさらに激しいに違いない。最悪虚無を使われるかもしれない。そんなのは真っ平ごめんだ。
というわけで祈祷書はだめだ。
だったら杖は?杖が無ければ魔法は使えない、つまり虚無は使えない。我ながらいい考えじゃないか!
そうだ。いくら虚無が使えようが虚無が使えなきゃただの小娘だ。
ベッドで寝ているルイズへと近づき、その近くに置いてある杖を手に取る。そしてルイズに向かって放り投げる。
杖はルイズの上に落ちることはなく、落ちる前に小さな音と共に消滅した。
これでよし。とりあえずの脅威は無くなった。
あとは起きたときの反応が楽しみだ。
657初代スレ506:2008/02/27(水) 23:43:33 ID:hX8+iVgM
以上。

投下するのも随分と久しぶりだ。
658名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 23:44:43 ID:nf9W3Vtc
投下乙
相変わらずデルフ萌えな人ですね
659名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 23:47:20 ID:5fMWJJ5C
GJ!
久しぶり
相変わらずの無機物デレですねw
660名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 23:49:28 ID:QGjTEqjf
GJ
透過乙です!
661名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 23:49:53 ID:NwEZBOQi
支援…しようとしてたら終わってた!

GJ!
662名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 23:51:23 ID:LYCSrm1d
GJ!!
デルフと居たいがためにルイズを殺さないとはwwwww
一応ルーンの効果で主人が守られてるって訳だwwwwwww
663名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 23:57:09 ID:nSeOnNTC
静かに暮らしたいの人乙
ヨシカゲはもっとケセラセラに生きれば幸せな気がするのに……
664名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/27(水) 23:59:00 ID:g5ZCQPXs
GJ! そういえば杖を失くした話ってこれが最初じゃないかな、と思いつつ、
続けて12時から投下しても構いませんねッ!?
665名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/28(木) 00:00:13 ID:d6rK/z6m
投下乙です
自分の幸せのためなら何でもするけど
デルフのためなら自への脅威も受け入れるのかw
666ゼロいぬっ!:2008/02/28(木) 00:01:01 ID:enQ3Oa7x
賑やかで活気に溢れていたトリステインの城下町。
だが、それも今では打って変わって静かに佇むのみ。
戦争を前にして、街の誰もが脅えているのだろう。
初めて見る街の一面にルイズは驚愕を隠し切れなかった。
その隣では、自分の記憶と合わぬ風景に首を傾げる一匹の犬。

ここに来ようと言い出したのはルイズだった。
学院に戻って来てからの彼女は塞ぎ込んだ様子で、少しでも気が紛れるならと彼も賛同した。
どうして彼女がそんな事を言い出したのか、その理由も何となく察していた。
だけど決して口に出したりはしない。
言葉にすれば終わってしまう、それが判っているから言えない。

「やっぱり潰れてるわね」

『閉店』と書かれた看板が掲げられ、武器屋の入り口には侵入を阻むよう十字に板が張られている。
窓から覗いた店内は以前訪れた時よりも閑散とした空気に拍車が掛かっていた。
出会うのが少し遅れていればデルフも端に詰まれた安物と同様に、
ここで何時帰るとも知れない主人を待ち続ける事になっていただろう。

デルフと出会ったあの頃、何も知らずに過ごしていた平穏な時間。
それを取り戻したくて、思い出したくて、彼女はそれを望んだ。
……でも時の流れは始祖ブリミルとて逆らえない。
起きてしまった悲劇も、これから起こる戦争も無かった事には出来ない。

だから、これは『ごっこ遊び』。
何もかも忘れて、あの頃に戻ったつもりになってはしゃぐ。
……ただそれだけの子供じみた遊び。

「何だかお腹空いちゃったわね、何か食べよっか?」

トンと人気のない大通りを踊るみたいに、ルイズはステップを踏んで振り返る。
振り向いたその顔は笑顔だったのに、どこか切なくて悲しかった。
悩んでいたってお腹は減る、小さく吠えて彼女に賛同を示した。
それに頷きながら彼女は駆け出した。

「さあ行くわよ。早く付いて来ないと置いていくからね」

彼女の言葉に慌てて短い足を動かす。
傷だらけになったソリが石畳に擦れて音を立てる。
道の真ん中を駆ける彼女達を注意する者は誰もいない。
まるで街の皆が眠りについた様に寂しい世界。
それでもルイズがいればそれで良かった。
ルイズと一緒なら何処でも良かった。
たとえ、この一時が永遠に続かないとしても…。
667名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/28(木) 00:01:40 ID:ZMxXUD7a
しえーん
668ゼロいぬっ!:2008/02/28(木) 00:01:56 ID:enQ3Oa7x
「悪いけど、もう店じまいだよ」
「え? だって、まだこんな時間なのに」
「見ての通りさ」

街に来た時にいつも立ち寄った店で聞かされた意外な言葉。
クックベリーパイの美味しい甘味処では片付け作業が行われていた。
まだ陽も傾いていないというのに店員は椅子を奥へと運んでいた。
それはただの閉店作業などではない、この店を畳む為の準備。
戦乱の予兆を敏感に感じ取り、この国から離れようとする者は少なくない。

「そこを何とかなりませんか…?」
「そう言われてもねぇ」

そこを曲げて店員に頼み込んだ。
困惑に頭を掻きながら店員は返答に詰まった。
いつ戦争が始まるか分からない状況下、
たった一人の客の為に店を開いている余裕はない。
そんなのはルイズにだって考えれば判る。
だけど二度と味わえないなら、尚更彼にもあげたいのだ。
こんな些細な事でも何かを共有したい。
二人で幸せな気分を分かち合いたい。

「いいから焼いてやんな」

のそりと店内の奥から野太い声と共に年配の男性が現れた。
そして顎で店員に促すと自分は私達の前に来て紅茶を差し出した。
礼を言う間もなくそれを受け渡すと彼は続ける。

「人間なんざ何時くたばったって可笑しかねえ弱い生き物だ。
戦争どころか馬車に轢かれて死ぬ事だってあらあ。
そんな時によお、この店の味を覚えてる客がたった一人でもいたなら、
まんざら悪かねえ生き様だったって笑って死ねらあ」

がははと豪快に笑い飛ばす店長に呆れ顔を浮かべながら店員がオーブンに再度火を点す。
淹れたばかりの紅茶が冷えた身体を温める。
パイが焼き上がるまでの間、穏やかな時間が流れる。

そういえば、この街に来てから初めて人と話した気がする。
街は静かだけど、人々は今もここで息衝いている。
きっと街の人達も恐怖と戦っているのだろう。
いつも通りに振舞うのか、逃げるのか、彼等も自分達なりの答えを出そうとしている。
私だけが答えを出さずにいるなんて出来ないんだ。

「じゃあな。戦争が終わったらまた来てくれよな」
「ええ。約束するわ」

渡された焼き立てのクックベリーパイを手に店を後にする。
私の振る手と、その足元で小さく下げられた頭。
それにくすぐったそうな笑みを浮かべて店長は応えた。

歩きながら食べるクックベリーパイは格別の味だった。
エレオノールお姉さまがいたら厳しく躾けられるだろうけど、
今はこの食べ方が一番美味しいと思える。

千切ったパイの一部に齧り付くように彼は口にする。
よほど美味しかったのか、催促するみたいに振れる尻尾。
そんな彼の仕草に微笑みつつ、残りのパイを全て差し出す。
669ゼロいぬっ!:2008/02/28(木) 00:03:29 ID:enQ3Oa7x
「どう? 美味しい?」

口の中にパイを押し込みつつ彼女の問いに頷いて応える
ルイズから貰った甘いお菓子はとても優しい味がした。
考えてみればルイズと一緒に何かを食べるなんて初めてだった。

向こうでは何を食べても味はしなかった。
まるで燃料を流し込むみたいな、そんな作業だった。
誰かが傍にいてくれる、それだけで美味しいなんて知らなかった。

この世界に来なければ何も判らなかった。
マルトーさんの作ってくれる美味しい食事も、
シエスタが掛けてくれるブラシの気持ちよさも、
タバサ達が持つ強さやフレイム達との友情、
命が奪われる悲しさ、大切な物を奪われる憎しみ、
ルイズの温かさも優しさも、全て。

全てを受け入れて彼は答えを出した。
それは最初の誓いを貫き通す事。
自分を助けてくれた彼女を守ろうと、
この力を彼女の為に使おうと立てた誓い。
あの時の温もりは今もこの身を包んでくれている。

きっと後悔するだろう。
また力を振るって人を殺めれば苦しむ。
後悔しない選択肢なんて無かった。
何かを選べば必ず自分は悔いる。
それでも心の底から思った、ルイズを助けたいと。

そんな決心を知ってか、知らずにか、
ルイズの手がゆっくりと自分の身体を撫ぜる。
お腹が一杯になった所為だろう、
暖かな陽だまりがウトウトとまどろみへと誘う。
見上げれば、そこには自分を見つめるルイズの眼差し。

彼女の微笑みに安堵して彼は目蓋を閉じた。
きっと日が暮れる前にルイズが起こしてくれると、
彼女が見守っていてくれると信じ、穏やかな眠りについた。


それから彼は眠り続けた、
静かに寝息を立てて、彼女が起こしてくれるのをずっと待ち続けている。
縁まで水を湛えた水槽の中で、ずっと。
670名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/28(木) 00:03:45 ID:ZMxXUD7a
S・H・I・E・N!

671ゼロいぬっ!:2008/02/28(木) 00:05:48 ID:enQ3Oa7x
「嬢ちゃん、本当にこれで良かったのか?」
「………………」

デルフの問いに言葉を返さずルイズは筆を走らせる。
いつものように日記を書いているのではなく誰かへの手紙を認める。
返事が来ないと諦めて吐いたデルフの溜息と重なるようにノックが響く。
それに筆を止めて、彼女は扉の前へと飛び出した。
そこにいたのは同様に沈痛な面持を浮かべたコルベールだった。

「……では彼を預かります」

ルイズの決意を揺るがせぬ様にコルベールは淡々と告げた。
同意を得ぬままに部屋へと踏み込み、彼の入った水槽を浮かべる。
直後、去り行く彼の背が後ろに引っ張られた。
振り向けば、そこには自分の服を掴むルイズの姿。
俯いたままのその表情は窺い知る事は出来ない。

「これで、良かったんですよね……?」

ポタリポタリと彼女の手の甲に零れ落ちる涙。
喉を震わせながら搾り出した声に彼は答えられなかった。
彼女が同意を求めているのは分かっていた。
そうだと言えば彼女も僅かに救われるだろう。
しかし、それを口にする勇気が彼には無かった。

コルベールは彼女に嘘を吐いた。
彼がこちらの世界では治せぬ死の病にかかっている、
治す為には元の世界へと送り返すしかないと告げたのだ。
寄生虫の存在を明かさずに、ルイズに協力を求めるにはそれしかなかった。

思惑通り、彼は完全にルイズに気を許していた。
自分がやったのでは決して捕まえる事は出来なかっただろう。

同意なく彼を連れて帰るのに酷い罪悪感を覚える。
だけど、私が何と言おうとも彼はここに残ろうとしただろう。
それはミス・ヴァリエールの為、アンリエッタ姫殿下への贖罪の為、
そして私を含めた学院の人間を守る為に……。
672ゼロいぬっ!:2008/02/28(木) 00:06:32 ID:enQ3Oa7x
「何が正しいのかは分かりません。
ですが、貴女は最善の選択をしたと私は思います」

口から出てくるのは本音であって本心ではない。
私はただ自分の手で彼を殺したくないだけに過ぎない。
罪なき者達を焼いたあの炎は今も私の内で燻り続けている。
私達を守ろうとした彼を焼き尽くす、そう考えるだけで火勢は増していく。
誰がが代わってくれるというのなら私は恥知らずに飛びつくだろう。

だからこそ、私は彼の気持ちを黙殺した。
誰も傷付かない道だと己を偽り、その場をやり過ごそうとしている。

彼女から逃げ出すかの如くコルベールは扉を閉ざした。
泣き崩れたルイズの声が木製の扉越しに響き渡る。
彼女の声に耳を傾けながら、コルベールも力なくその場に腰を落した。
気が付けば自分の瞳からも涙が零れ落ちていた。
涙を覆い隠すように両手を顔へと押し当てる。
口から零れるのは自分を呪う言葉だけ。

「……コルベール、この薄汚い卑怯者め。
貴様などあの日、村と共に焼け死ねば良かったのだ」

少女を助ける為だと、自分の魔法を人々の役に立てる為だと、
ずっと言い訳をしながら私は逃げ続けてきた。
これからも逃げ続けるのだろう……逃げ切れないと判っていながら。

互いに扉を挟んで二人は涙を流し続けた。
悲しみだけが込み上げてくる世界の中、
『彼』だけが穏やかな時間を夢見たまま眠りについていた。
673ゼロいぬっ!:2008/02/28(木) 00:07:29 ID:enQ3Oa7x
投下したッ! 次回は決戦に突入予定!
674名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/28(木) 00:08:31 ID:ZMxXUD7a
やったっ!
GJ投下乙!
675名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/28(木) 00:11:50 ID:Fid1wtb5
乙&GJ!

    __   _____   ______
   ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
   'r ´          ヽ、ン、
  ,'==─-      -─==', i
  i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
  レリイi (ヒ_]     ヒ_ン ).| .|、i .||
    !Y!""  ,___,   "" 「 !ノ i |   
   L.',.   ヽ _ン    L」 ノ| .|
   | ||ヽ、       ,イ| ||イ| /
   レ ル` ー--─ ´ルレ レ´

こいつのこの面構え…こんな目をしている女ではなかった…
まるで「10年」も修羅場を潜り抜けてきたようなスゴ味と…冷静さを感じる目だ…たったの数分でこんなに変わるものなのか…


   _,,....,,_  _人人人人人人人人人人人人人人人_
-''":::::::::::::`''>  こいつに小細工は通用しねえ! <
ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
 |::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ    
 |::::ノ   ヽ、ヽr-r'"´  (.__    
_,.!イ_  _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7   
::::::rー''7コ-‐'"´    ;  ', `ヽ/`7
r-'ァ'"´/  /! ハ  ハ  !  iヾ_ノ 
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ  ,' ,ゝ 
`!  !/レi' (ヒ_]     ヒ_ン レ'i ノ  
,'  ノ   !'"    ,___,  "' i .レ'   
 (  ,ハ    ヽ _ン   人!    
,.ヘ,)、  )>,、 _____, ,.イ  ハ

676名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/28(木) 00:17:00 ID:odQkkgRL
わんこGJ!

  涙  腺  が  崩  壊  し  た

マジで涙が止まらないんだがどうしてくれる
677名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/28(木) 00:35:51 ID:E7pokYfy
ヨシカゲのルイズへの恐怖とデルフへのツンとデレの混じった愛情のギャップに吹いた後、
ルイズのわんこへの気持ちを考えて隣で一緒に読んでる弟がドン引きする位泣く、
こんなに俺の気持ちを揺さぶる小説を書く職人さんお二人に敬意を表します!!
678名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/28(木) 09:15:20 ID:vVZyZyVJ
>>675
自重せい!
679名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/28(木) 10:55:51 ID:E6HxNdin
>>675
欝な気分を一気に吹き飛ばしてくれたのには感謝するが、やっぱり自重したほうがいいぞw
680名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/28(木) 22:04:22 ID:Kzjg5Rvg
杖なくなったらこの先の展開はどうなるんだ?
681名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/28(木) 22:06:22 ID:AJKc7EgM
お前ら!今すぐに避難所に行け!!
銃は剣よりも強しの人が更新してるぞ!!
682名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/28(木) 23:28:16 ID:FXrodBND
杖がないなら銃を使えばいいじゃない
683名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/29(金) 00:47:04 ID:5QZBuFRV
杖が無いなら剣でも使おうかしら→デルフは渡さないぞ!
みたいな展開だったらキラのツンデレっぷりに噴くw
684名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/29(金) 01:02:48 ID:IZQ5DR8G
ホルホル素晴らしい
ただホルホルがかっこよすぎる
685名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/29(金) 01:37:46 ID:ygitJeIu
>>684
いつかのように足元に転がった杖を手にしたホル・ホースは、帽子を深く被ると右手を
倒れるシャルロットの頭に向けた。
シンプルな形のスタンド像が浮かび上がる。
銃の姿をしたそれを握り、引き金に力を篭めた。
「本当に私を撃とうとしているの?」
ド――z__ン
「!?え!?」
「気に入った…。殺そうとする一瞬………汗もかいていないし呼吸もみだれていない…。冷静だ…。さすがホル・ホース」
ガクッ
「や…やっとわかったシャルロット様……あんたにとことんついていかなきゃあならねーことが。か、完敗だ………」





こうですか?わかりません><
ビダーシャル?鼻と前歯折られてバンザイしてるよ。
686名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/29(金) 01:43:39 ID:fG7Rwvwi
ホルに暗殺依頼する必要ねぇじゃんw
687名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/29(金) 01:47:59 ID:o2rch8DB
ちょw
白蛇タバサじゃないかwww
688名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/29(金) 10:28:22 ID:7isJm6u7
うほーん
689名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/29(金) 11:15:22 ID:154aA4mv
……ジョゼフじゃなくて、相手はジョセフな気がしてならないw
690名無しさん@お腹いっぱい:2008/02/29(金) 19:19:51 ID:N3DjPq5/
村と愛する人々を全て焼き払われた粉挽き娘は焼け跡の中から薄い光る円盤を見つける
それが肉を泡にして飛ばす力を持つと知ったとき彼女の長い戦いの日々が始まった・・・



(小ネタです)
691名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/01(土) 04:05:27 ID:vzm8ibLn
キン★クリ
692名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/01(土) 05:01:33 ID:NmqIzyzh
>>690
パンツさんか
693名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/01(土) 08:48:36 ID:aDRGq9vZ
このスレもあと半月で一周年か。
是非とも記念に職人さんたちに作品投下を願いたいところだが・・・
694名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/01(土) 11:58:31 ID:TQvgcpdN
結構早いもんだな
695名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/01(土) 16:44:58 ID:MKAomu4B
>>693
結構間開いたしどうにかできるようにしてみる
できないかもしれないけど
696名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/01(土) 21:39:43 ID:E4Nu9b4X
神父さんが明日来る事を祈って今日はもう『寝る』か…
697名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/01(土) 21:39:51 ID:sbZDyxkf
姉妹スレみたいに企画物とかやらないかな?
まとめサイト100万HIT達成した時も特に何もやらなかったし。
698名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/01(土) 21:44:38 ID:MKAomu4B
足並み揃えるの難しいし共同作業は時間が色々更に厳しくなるしなぁ
精々個人的に何か出来るか考えてみるぐらいかな
699名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/01(土) 22:14:41 ID:5tezvxtR
それぞれの作品に力を込めてもらえれば、それで充分すぎる
700名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/01(土) 23:22:34 ID:TQvgcpdN
特別スレ記念作品とかなくてもいいさ。
作品が投下されるだけで大満足です。
701名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/01(土) 23:31:22 ID:VXkyBM/A
特別企画
「作者さんがリレーのように次々投下する10日間!!!」
とかなら素晴らしいがw

まぁでもそこまで作者さん達に負担かけるようなことはしたくないけどね
702名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 12:44:21 ID:Gb+vO2/H
できないこともでもないけどね
703名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 14:07:34 ID:d1qGC5wZ
DIOが使い魔!?

の復活を…
704名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 14:27:49 ID:kQPEDgUU
>>703
黙って待とうぜ?
俺も待っているんだ番鳥をずっと…
705名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 16:13:29 ID:obkAyVS5
この流れなら言える

鉄分が圧倒的に足りない……。
706名無しさん@お腹いっぱい:2008/03/02(日) 16:26:46 ID:Ejr/EuND
避難所のほうが投下が活発だよね
707名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 16:42:55 ID:qXtIwFbx
向こうはオリジナル要素大きいからな、
自分で展開を考えていかないといけないけど
その分自分の好きなように話を膨らませていけるからモチベーションは保ちやすいよな

本編沿って書いてると度々詰まる時があるみたいだしな

と、今覗いたら銃は剣よりも強し投下されてたぜ!
コレはGJと言わざるを得ないッ
708名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 19:23:41 ID:YaHfgFRm
>>707
細かいが銃は『杖』よりも強しだッ!決して剣でも槍でも無い!


そして言わせて貰おう、投下待ってます……ボス
709名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 19:47:52 ID:kfvndGeu
俺もどさくさまぎれに言わせてもらう。
初代スレ23の人、あなたが投下がなかったら今の俺はこのスレを見てなかっただろう。

投下するかもしれないという可能性が1%でもあるなら、俺はいつまでも待ってます。
710名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 20:03:56 ID:SSk7GNIW
お前らちょっと催促しすぎじゃないか?
ゆっくりカキ氷でも食って投下待ってようぜ…
711名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 20:52:06 ID:/by31sLb
頭痛がする、吐き気もだ!
712名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 21:09:59 ID:PeSt2NQK
寒気もする、風邪か!
713名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 21:40:14 ID:Ybs+Rmsn
な、なんだと?!
お、俺の肌が、皺が取れていく!! 老化が止まったぁ!
714名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 22:47:18 ID:IZnvFcyn
あの頭痛ってよォ〜〜…アイスクリーム頭痛って言うらしいな…
でもカキ氷食っても痛くなるってどういうことだああ〜〜っ!?
ナメやがってこの言葉ァ超イラつくぜぇ〜〜ッ!!チクショーッ!
どういう事だ!どういう事だよッ!クソッ!ナメやがって、クソッ!クソッ!
715名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 22:55:48 ID:W+Kd9HsO
というわけでサブゼロの人、キャモォォ〜〜〜ン
716ゼロの兄貴ィー:2008/03/02(日) 23:13:13 ID:cujkHKbJ
>>713
何だと…?老化の解除は許可しないッ!

ロリっ娘吸血鬼ときゅいきゅいに萌え死んでるであろう住人に
時の加速を期待して一周年記念先陣行くぞォーーー!

まぁリーダーでもサブの旦那でもないけどさ
投下してもいいなら許可があるなら投下するよ、うん
717名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 23:17:48 ID:wJX2lkHD
最高に許可ってやつだぁっ!!
718名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 23:17:53 ID:9s3/bJZb
だが許可する
この俺の最も好きなことは
不安がっている職人に無理矢理にでもGOサインをだすことだッ!
719名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 23:19:42 ID:M5rLqAaO
sien
720ゼロの兄貴:2008/03/02(日) 23:20:33 ID:cujkHKbJ
「ふん…何人か足りないね」
人質が集められている食堂に来たフーケだが、集められている生徒と教師を見て数が合わない事に気づいた。
「1、2、3…あの火の小娘とタバサ、コッパゲに…モンモランシーか
   最後のはともかく、トライアングルが三人…何企んでるんだかね」
もっとも、フーケ自身はコルベールを自分より下と見ているため、あまり勘定には入れていないが。

「戻ったよ」
「土くれか。どうだ?」
「収穫無しさ。特に何もありゃしない。街で手に入る情報なんてたかが知れてるって事さね」
確かに嘘ではない…が内心では心臓が跳ね上がりそうだ。
焦ったりすれば、メンヌヴィル曰く『感情が乱れれば、温度も乱れる』らしいから、何かしら疑われかねない。
下手打ってバレれば焼かれかねないし、生き延びたとしても異変を察知したあのドSが自分諸共巻き込んであの力を使いかねない。
前門の虎、後門の狼とはこの事だろう。泣きたくなってきたが耐える。

2、3、5、7、11、13、17、19…そんな幻聴が聞こえてきたが、そんなもので平静を保てる人間はそうは居ない。
「温度が乱れている。何かあったな?」
しかし、現実はフーケにとって非常に非情である。
どうもあの義眼を見ると全てを見透かされているようで平静を保てない。
故に、自分でも気付かないぐらい微妙に体温が上がっていたのだが、あっさりメンヌヴィルに気付かれた。
ヤバイ。このままだと本格的にボロが出て焼かれかねない。
思わず辺りを見回したが後ろ手に縛れらているオスマンを見付け咄嗟に言葉が出た。

「ああ、少し借りがあるヤツが居てね…あのジジイさ」
これまた嘘ではない。ロングビル時代に散々に尻を撫でられ、モートソグニルを介して下着を見られ、挙句婚期を逃すとまで言われた。
一度や二度蹴り倒したぐらいでは到底鬱憤を晴らせるものではない。
「少し借りるよ。いいね」
予想外な事ははあったが、ここまでは順調だ。
「ミス・ロングビル、いや今は土くれだったか」
「あら、学院長先生。その節ははお世話になりましたわ。是非ともお礼がしたいんですがよろしいでしょうか?」
口調はロングビル時代のそれになったが、地の底から湧き上るようなドス黒い声だ。
この辺りは演技ではなく本気だ。だからメンヌヴィルにもそれは見抜けなかった。
「それはいいが大事な人質だ。やりすぎるなよ。土くれ」
「そんなに心配なら何人かよこしな。わたしは構わないよ」
オスマンを連れて行くフーケに一人の傭兵をメンヌヴィルが付けたが、その時のオスマンの目は売られていく子牛のようだったという。
721ゼロの兄貴:2008/03/02(日) 23:22:30 ID:cujkHKbJ
場所は変わって通称『悪魔の手のひら』ことヴェストリの広場。
原因が原因だけに、普段から余程の事が無い限りは人が居ない場所ではあるが、一つの人影がそこにあった。
木の陰から顔を出したり引っ込めたりする事数度。完全に不審者だが、状況が状況なだけに仕方ないのだろう。

「な、なに…戦争なんてアルビオンでやるんじゃなかったの?」
金髪縦ロールという典型的なおぜうさまな髪型のご存知モンモランシーだ。
偶然にも目が覚めて、眠れなかったので寮の外をブラついていたら、傭兵が押し入ったので逃げてきたというわけである。
杖は持ってきたものの、相手はプロの上に人数も多い。ついでに言えば、自分は水のライン。
腰抜かして捕まらなかっただけマシだろう。

とてもじゃないが、プロシュートに喧嘩売った時と同じと思えない。
が、あの時はギーシュが逝ったばかりで色々スイッチが入っていた。
捨て身になった人間は非常に強いが、そうでなくなれば案外脆いものだ。
早い話、要はまだ死にたくないという事になる。
実際あの後、緊張からの開放で過呼吸に陥り本気で死に掛けた。それだけ一杯一杯だったのである。
「調子乗って、勝手に死んじゃって…結構寂しいんだから」
かつてギーシュが首をヘシ折られた場所に来るとそう呟いたが、近くで少し物音がした。

他の生徒が食堂に閉じ込められているのは見ているから、少なくとも生徒ではない。
つまり、傭兵か教師か火の塔に駐屯している銃士かになるのだが、傭兵は全員メイジの上この奇襲だ。
残っている教師ではどうなるか分からないし、銃士では相手にならないと思っている。
故に、傭兵が来たと思ったのだが、生憎広場のド真ん中で身を隠すような場所も無い。

確実に近付いてくる足音を聞いてモンモランシーがその場にへたり込んだが、この上なくテンパっている。
「どうしよう…どうしよう〜わ…わたし…どうすれば…?」
逃げるのも忘れていい感じに混乱しているが、今の状態は『頭隠して尻隠さず』という諺未満の状態である。
なにせ、隠す場所が存在しないのに、その場で隠れようとしているのだがら、ある意味パントマイマーだ。
空き缶があって人が居れば小銭が稼げるかもしれない。
そんな事をしてても当然状況は変わらないので、遂にジャリ、という音が自分の後ろから鳴った。
722名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 23:22:48 ID:9s3/bJZb
ハイエロファントシエン
723名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 23:23:10 ID:qtc389vX
寝る前支援
724ゼロの兄貴:2008/03/02(日) 23:24:31 ID:cujkHKbJ
その瞬間、モンモランシーの息が止まり、何となくだが感覚がスローモーションになる。
頭に浮かぶのは学院に入学してからの全記憶だ。
その中でも一際鮮明なのが、ギーシュ関係だろう。
ケティから本当に馬で遠乗りに行っただけと聞いた時はしばらく身動きが取れなかった。
ギーシュも悪いっちゃあ悪いが、ある意味決闘の原因になった香水を作ったのは自分だ。
プロシュートに攻撃を仕掛けたのも、そうした思いがあったのかもしれない。
覚悟決めたのか大人しくなったが、次に浮かんだのが何故か現ルイズの使い魔の才人である。
水の精霊との接触に協力してから、語呂がいいのかモンモンと呼んでくる。
極めて馴れ馴れしいのだが、今までそういう扱い方をされていなかったのである意味新鮮味はあった。
そうなってくると、元来気が強い方のトリステイン貴族だ。途端にネガティヴなイメージが消え去る。

「ゴメン、ギーシュ…」
やっぱり、わたしまだ『そっち』には行きたくない。

そう思うと杖を握り後ろを振り向いた。…いや、向いたのだが
「んな体勢で泣いたり謝ったり、麻薬でもキメてんのかオメーは」
と、届いてきたのはそんな想いと覚悟をキレイサッパリ全てブチ切れたギアッチョの如くブチ壊す非常に醒め切った声。
「あ…あ…あんたは…『メイジ殺し』!『悪魔憑き』!『ルイズの使い魔』!…プロひゅ」
「馬鹿かてめーは。お前一人だけなら喚こうが勝手だが、オレを巻き込むんじゃあねぇ」
大声出して人の名前を叫ぼうとしてくれやがったので咄嗟に口を押さえたが、モンモランシーがもがいている。
「…ぅ……ぁ…ム………!!」
一々口で言って大人しくさせるのも面倒なので鼻と口押さえたが、素直に大人しくなってくれたようでなによりだ。

「……ぶはぁ!はぁー…はぁー……何すんのよ!や、やっぱりわたしも殺す気ね!?この人殺し!」
正確に言うと、大人しくなったというより、ぐったりしたという方が正しいだろうが、過程はどうでもいいのである。
「死んで無いだろ、人聞きの悪い。つーか、んなアホな事やってる暇ありゃあ、前、オレに使った毒でも撒いてこい」
「あんな物騒な物とっくの昔に捨てたわよ!見つかったらチェルノボーグ行きよ!」
「てめー、んなもん人に使ってくれやがったのか…」
こいつ今、始末した方が良いんじゃあねーか?とも思ったが止めておく。
少なくともあれから攻撃は受けてはいないし、余計な面倒事は御免被る。
725ゼロの兄貴:2008/03/02(日) 23:25:28 ID:cujkHKbJ
まぁ、そろそろフーケがどうにかしてオスマンを連れてくるはずだ。こいつに構っている場合ではない。
とりあえず放っておいて合流地点に向かおうとしたのだが、さすがにモンモランシーが放置されそうな事に反応した。
「ま、まま、待ちなさい!こんな時に一人にする気なの!?」
それを聞いて、少し後ろ見たが、淡々とした物だ。
「知るか。その杖は何だ?飾りじゃあねーだろ。生きたけりゃあ動け。死にたくなけりゃあそれを使え。それができねぇってんならのたれ死ね」
これがマルトーやシエスタとかの平民連中なら借りも色々あるし考えないでもないが
普段から、メイジだの貴族だの言ってるこいつらには、そこまでする義理も無いし、義務も無い。
この男、普段大口叩いてこういう時に何もしないヤツが一番嫌いなのである。

「なによ…なによ、なによ、こいつーー!」
あまり大声出すと拙いのか微妙な音量のシャウトを聞きながら5歩程進んだが、そこで立ち止まる。
「ま…付いてくるってだけなら、それはオメーの勝手だ。どうするか好きにしな」
直接護衛する気は更々無いが、過程に敵が居れば排除せねばならんので、同じような物だろう。
つまり、かなり遠まわしに、必死こいて食らい付いてくるなら来い。と言っているわけである。
最初のほうで突き放し、後である程度引き寄せる。ペッシ相手に使われていた十八番が見事に炸裂していた。
「…礼なんか言わないわよ」
「いらん。ヘマしたら自分でどうにかしろ」
まぁ向こうが攻撃されれば、自分で何とかしろ。という事ではあるが。

それでも、どうも甘くなったかと思わないでもない。
ペッシあたりならば、あの時点で鉄拳制裁であるというのに。
どうもこちら側だと調子が狂う。久々に勘を取り戻せそうな状況下なのだが、それでもまだ本調子では無いというところだろうか。
前ならば、有無を言わさずこの辺り一帯がスデに老化に巻き込まれていてもいいのだが
後の事を考えたりするようになったあたり、やはり少しばかり甘くなったかと思い、『やれやれ』という言葉が無意識に出て頭に手がいく。
とりあえず、この次遭った敵は溜まったストレスと憂さ晴らしに徹底的にブチのめそうと誓い再び歩き出した。
726名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 23:26:42 ID:wJX2lkHD
大したこたぁねえだろー! 毎日何百何千と支援はされている……それよりは軽くすむッ!!
727ゼロの兄貴:2008/03/02(日) 23:26:52 ID:cujkHKbJ
再び場所が移って、半ば奴隷のような扱いのオスマンを引き連れたフーケだが、風の塔に着いた。
「さて…どうしてやろうかね。とりあえず、そこの糸と釣り針取ってきて。ああ、見たくないなら外で待ってな」
「良い趣味だな土くれ。あの有名な盗賊が拷問好きとは」
「人の事言えないだろ」
「…そりゃあそうだ。違いない。特に隊長はだ。で、何処にあるんだ」
「そこの奥にある。奥にね…」
いいや、限界だ!と言わんばかりのフーケに従い、道具を取りに行くため背を向けたが
傭兵が足元にあるロープを跨いだ瞬間、それが絡み付いて上半身を縛り、手を後ろ手に縛った。
「な…!土くれ、裏切ったのか!」
「悪いね。こちとらやたら性質の悪いのと組まされてる上に後が無いんだ。文句はそいつに言ってくれ」
「人が悪いの。それならそうと早く言って欲しいもんじゃ」
心底安堵したかのようなオスマンを見たが、続く言葉にフーケがキレた。

「やっぱわしに惚れてる?今度は本当の名前も教えて欲しいのぉ。それともロングビルちゃんってよベボォ!」
「調子に乗るんじゃないよ。このヒゲ!」
綺麗な蹴りが入って踏まれたオスマンが咽ているが心なしか嬉しそうなのは気のせいだろう。
「いや〜この感触懐かしいわい」
…多分気のせいだ。

そんなやり取りをしていると、手を縛られただけで足は動く傭兵が逃げる。隙だらけなのだから当然だ。
「やば…」
このまま食堂に行かれでもしたら洒落にもならない。
焼死か老化かの二択になり、それは非常に拙い。
後を追おうとしたが、打撃音と共に傭兵が部屋に飛び込んできた。
正確に言うと吹っ飛ばされたのだが、似たようなものだろう。
食堂からは離れているが、異変を察知されると拙いので咄嗟にサイレントをかけたが、それがある意味仇になった。

そろそろフーケとの合流場所の塔の近くに来たプロシュートと必死になって付いてきているモンモランシーだったが
不意に部屋から飛び出してきた男とぶつかった。互いに倒れはしないが、後ろ手に縛られているだけあって体勢は向こうが悪い。
男の姿形を見たが、少なくとも教師でも無いし生徒でもないし、平民でもない。
なら残った選択肢は傭兵だ。つまり敵だ。排除しても問題無い敵だ。手加減なぞ一切合財する必要の無い敵だ。丁度いい。
腕を少し前に突き出し、指をゴキリと鳴らす。
それの動作と向けられている冷たい眼を見て杖を出すこともできない傭兵が後ずさったが、間髪入れずに距離を詰め肘撃ちが顎に入った。
傭兵が勢いで派手に吹っ飛んだが、その後の悲鳴は無い。フーケがサイレントをかけたらしい。
なら『何をやっても』『悲鳴』が聞こえる事は無いという事だ。丁度いい。
728ゼロの兄貴:2008/03/02(日) 23:28:07 ID:cujkHKbJ
普段はやらない、というか直触り直行だが、それでは気がおさまらんというのがこの傭兵の不幸だろう。
グレイトフル・デッドで頭を掴み無理矢理立たされる形となったが、スタンド使い以外にそれを見る事はできない。
空いた方の手で傭兵の肩を掴み、プロシュートの口が開かれたが当然音は出ない。
読唇術ができるなら『別にお前でなくても良かったんだが…運が悪かったと思って諦めろ』と解読できたはずだ。
それから十数秒の間、近距離型スタンドの如く傭兵を殴り続ける悪魔が居たというのは、後のフーケの証言である。

トドメに直を叩き込んで終わりにしたプロシュートがフーケに近付いてきたが
顔に少し赤い物が付いているのを見て、顔を引きつらせながらフーケが目を反らした。
多分、別の赤い物か何かで血じゃない。例え万が一血であっても、返り血とかじゃあ絶対無い。

「まぁ、あそこまでやる必要無かったな」
目を反らしながらサイレントを解いたが、そこで出た言葉がこれだ。
「なら最初からやるな!」
思わずフーケが突っ込んだが、心の中で思ったならその時スデに行動は終わっているので仕方ないのである。

「気にすんな。で、連れてきたか?」
「まったく、こいつは…ああ、そこに居るよ」
赤い物を指で拭きながら視線を下に向けると仰向けに踏まれているオスマンがそこに居た。
もとい、踏まれているというより自ら下に潜り込んでいるような気がしないでもない。
「やはり白より黒に限ると思うんじゃが、どう…ごめん。止めて。痛い、痛いから」

「…こいつ殺してもいいかい?」
「我慢しろ。そんなでも一応ここのボスだ。それと殺してもなんて使うんじゃあねぇ。殺したなら使ってもいい」
フーケが更に蹴りを入れたが、その上で交わされている会話は非常に物騒である。
「あだだ…ひょっとして、わし命の危機?」
「そんなだから、こいつに付け込まれんだよ…つーか、案外反応が薄いな」
「年を取ると大抵の事では驚かなくなるものじゃ」
言ってる事は中々だが、依然として踏まれているため説得力は一切無い。
729ゼロの兄貴:2008/03/02(日) 23:29:54 ID:cujkHKbJ
「オールド・オスマン…それにミス・ロングビル!」
ロングビルと呼ぶのは現状一人しか居ない。当然必死に付いてきたモンモランシーである。
「おお、ミス・モンモランシ無事じゃったか」
「はい。でも…その一体何を…?」
そりゃあ学院長が辞めたと言われた元秘書に踏まれているのだから気にはなる。
なお、あの一件は当事者(コルベール含む)を除いてロングビルがフーケだと知らされていない。
盗賊を学院長自らが雇ったなど知れたら洒落にもならないという事だ。

無論、そんな事情なぞ知った事ではないヤツには関係無いのだが。
「何だ知らねーのか。そいつが土くれだ」
「は?何?土くれってあの土くれ?それがミス・ロングビル………嘘ぉ!?」
「一々叫ばないと反応できねぇのかオメーは」

もはやリアクション大王と化しているモンモランシーを無視するが、フーケが意外そうな顔をしてオスマンから足を離した。
「わざわざ連れてくるなんてどういう風の吹き回しだかね。明日は槍でも振るんじゃあないか」
「勝手に付いてきただけだ。それよりどうなってる」
「人質は全員食堂に集められてるよ。メンヌヴィル達もそこに集まってる」
他に銃士が居ると聞いたが、人質を取られている以上あまり戦力にはならんと判断した。やはり老化で一気にカタを付けるしか無い。
「つーわけだ。全員老化させちまうが構わねーな」
老化と言っても、そう簡単に死にはしない。むしろ女子生徒や女で編成された銃士なだけあって老化は傭兵達より遅い。
というより、夜だけあって動かないヤツならそうそう進行はしない。
今まで動いていた傭兵連中も時間が経てば体温が下がり利き辛くなる。
仕掛けるなら今が最適なのだが…

「駄目」
「それじゃあ…何ィ!?構わねぇだろうが。死にゃしねぇよ」
「駄目」
「……ガキが小遣いせびってるのを断ってるんじゃああるまいし駄目はないだろーが。何かあんのか」
「…使い魔とメイジは一心同体と言うしな。それが死んでしまえば同じ事じゃて」
確かにまぁ、鼠やフレイムみたいなのは確実に死ぬ。
だからと言って、最も確実な方法をやらないというわけにもいかないが。
「本人が死ぬよりマシだろ。第一贅沢言える状況かよ。切り捨ててでも預かり物を守る。それがお前の任務だろーが」
「生徒も守る。その使い魔も守る。両方しないといけないのが学院長の辛いところじゃよ」

「……ちッ!あのヤローと同じ事言いやがって。……仕方ねぇな。条件付きの仕事は高く付くから覚悟しとけ」
どうして、こいつらはたまにマジになりやがるか。
そう思ったが、その覚悟を持ったブチャラティに敗れたのだから仕方無いと思う事にした。
「まぁ、お主とコルベール君が居ればなんとかなるじゃろうて」
「あいつか…?まぁいい。言うまでも無いだろうが、一応説明しといてやる
  スタンド名は『ザ・グレイトフル・デッド』。オレの半径200メートル以内の生物は全て朽ち果てると知れよ」
こいつらは知っているため、対処法以外は教えても特に問題は無い。
無論、言葉尻にあまり人に言うなという事は匂わせているが。
730名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 23:30:30 ID:wJX2lkHD
栄光は…お前に…ある…ぞ…やるんだ…オレは…お前を…支援して…いるぜ…
731名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 23:31:32 ID:U3t07B24
支援
732ゼロの兄貴:2008/03/02(日) 23:32:31 ID:cujkHKbJ
「さて、そろそろ戻らないと勘付かれるね」
「気付かれてもオレの事言うんじゃあねぇぞ。つーか言ったらてめーも巻き込むからな」
「さっき仕方ないって言ったばかりだろ…ホント頼むよ」
肩を落としながらフーケがオスマンを連れて食堂に戻ろうとしたが、それを見て呼び止めた。
「待て。オメーなんつってそいつを連れてきた」
「え?ああ。咄嗟だったから借りがあるって言って………ああ、拙いか」
「どうしたんじゃね」
二人の視線の先には極めて元気そうなオスマンが写っている。
フーケは借りがあると言って連れてきたのに、このままというのは非常に拙い。

「まぁ、これも報酬の内だ。諦めろ」
「むむ。そりゃあ一体どういう」
感情の篭ってない声でオスマンにそう言ったが、今一状況が掴めていないようだ。
「いつも鼠を使って下着を除いたり、散々色んな所を撫でてくれた借りを返して貰うって事さ」
「えー、その、つまり…わし大ピンチ?」
杖を取り出し、無言で金属製の鞭を作り出したフーケを見てオスマンが後ずさったが見えない何かに捕まれた。
もちろん、グレイトフル・デッドである。

「と、年寄りをそんな乱暴に扱ったらいかん!平和的に、話し合いで解決をじゃな!」
「話し合いですか。確かにわたくしもこんな事はしたくありません」
「そ、そうじゃろう。だからここは一つ穏便に」
「だが断る。この土くれの最も好きな事の一つは、ボケジジイに裁きの鉄槌を下してやる事だ!」
「OH MY GOD!プロシュート君!ミス・モンモランシ!彼女を止めてくれんか!」
必死になって助けを求めたが、プロシュートは元より、モンモランシーも醒めた眼をしている。
「言ったろ。覚悟しとけって。纏めて老化させてりゃあ、んな目に遭わずに済んだんだよ」
モンモランシーは何も言わないが、土くれとは言え、それだけのセクハラかましていたのだからオスマン株最安値更新大暴落というやつだろう。

「さぁ、お仕置きの時間だ。殺しはしないから安心しな!」
何時に無く生き生きとしたフーケがそう宣言すると、夜も明けない学院に憐れなボケ老人の叫びが木霊した。

←To be continued
733名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 23:34:03 ID:oL6HN2PN
兄貴乙。
相変わらずのドSぶり
734名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 23:34:21 ID:9s3/bJZb
ケチャップ付き生ハムGJ!

兄貴ひでぇw
モンモンは傭兵が来てたら大変なことになったろうな、ポルの妹的な意味で
735ゼロの兄貴:2008/03/02(日) 23:34:50 ID:cujkHKbJ
投下したッ!
モンモンの扱いに非常に困る今日この頃。天国or地獄のギーシュさんはいかがお過ごしでしょうか。

ホントはメンヌヴィルともケリ付ける予定だったけど、間に合いそうにないから先行投下って事でさ…こらえてくれ。
736名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 23:36:11 ID:M5rLqAaO
オスマン、成仏しろよ?
兄貴の人GJ
737名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 23:37:49 ID:wJX2lkHD
GJ!
お仕置きフーケが楽しくてベネ。銀英伝も好きです。
738名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 23:38:18 ID:0fHWV145
GJ!
オスマンww
こういう姿をみるとすごくオスマンらしいと思える不思議。
739名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 23:38:33 ID:4IZWKx5B
おおおおおおお!!!!!
久々の兄貴GJぅうううううう!!!!
740名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 23:47:42 ID:bWUsJAHh
ギーシュならウェールズのとなりで高笑いしてたよ
741ゼロの兄貴:2008/03/02(日) 23:53:36 ID:cujkHKbJ
>>737
貴様見ているなッ!(箱舟作戦的な意味で)
次はおマチさんはお仕置きされる側になるかんねー(予定では
742名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 00:09:18 ID:sVoxqNVm
兄貴マジGJッスよォォ〜
驚くモンモンもいいが、やっぱりオスマンが美味しいところをすべて持っていった気がする。
そして私も二十分ごろから投下を予告したいッ!
743名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 00:10:13 ID:Qy1ta4Ye
いいや、限界だ!支援するねっ!
744名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 00:12:51 ID:A3tyTskq
支援、こういうときは支援を数えるんだ
支援は作品の間にある読み飛ばされる孤独な存在
私に勇気を与えてくれる
745名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 00:15:12 ID:2goi9rrR
『投下したい』は許可しないィィィィィ

一秒でも早く『投下した』と発言したまえ!
746仮面のルイズ:2008/03/03(月) 00:20:10 ID:sVoxqNVm
夜。

トリスタニアの宮殿、アンリエッタの居室に、窓から淡い月光が差し込んでいる。

すぅすぅと聞こえてくる寝息は、この部屋の主アンリエッタのもの。
窓際でワイングラスを片手に、もう一人のアンリエッタが椅子に座って月を見上げていた。

アニエスの手でリッシュモンが死んでから、今日で丁度三日目の夜になる。
リッシュモンの屋敷から押収された手紙や調度品から、リッシュモンとロマリアの繋がりが白日の下に晒された……かに見えた。
しかし、リッシュモンを取り巻く賄賂の動きや、漏洩した情報の動きを調べていく内に、この事件がとても公表できぬものになってしまった。
表ではアンリエッタを褒め称え、裏ではロマリアやレコン・キスタに接触しつつ、財産を溜め込み、保身を計っていたリッシュモン。
報告書を受け取ったマザリーニも呆れたように「みごとなものだな」と呟いていた。
この事件のすべてを公表すると、トリステインという国家の運営に著しい停滞を招きかねない。
アンリエッタは、汚職を働いた貴族達に厳しい罰を与えるとしながらも、事件の全容は公開せず、内々で処理することを決めた。

それを聞いたルイズは、納得いかないと言った顔でアンリエッタを見つめたが、アンリエッタがルイズの視線に気づき申し訳なさそうに目を伏せたので、ルイズもまた仕方ないといった顔でため息をついた。

「何が政治よ、何が貴族よ……。 貴族らしさにこだわって、名誉に餓えていた私がバカみたいじゃない」
ルイズが小声で呟く。
ちらりとベッドに視線をやると、アンリエッタは相変わらずすぅすぅと寝息を立てて熟睡していた。
まるでトリステインの貴族を否定するような言葉だったが、ルイズはその言葉を、アンリエッタにも聞いていて欲しかった。




アンリエッタは女王となってからほぼ休みなしで働いている、女王として貴族達に見せる姿は凛々しいが、居室に戻ると着替えるのも忘れてベッドに倒れ込むことも多い。
今日は特に疲れがひどく、居室に戻ったアンリエッタはルイズの姿を見た途端倒れてしまったのだ。
水系統のメイジが呼ばれ、アンリエッタを診察したところ『過労』という診察結果が出た。
アンリエッタを明日の昼まで休ませて欲しいと、ルイズが進言したところ、マザリーニは二つ返事でそれに賛同した。
スケジュールの調整を侍従に命じると、マザリーニはルイズにこう言った。
「陛下は、生まれる前から王家に仕えていたリッシュモンが裏切ったと知って、心を痛めております。自分がもっと女王として相応しければ、こんな事も起こらなかった……そう思って公務に打ち込んでいるのです」
「そんなの、後の祭りよ。それにどんな女王だって一人で何でもできる訳じゃないわ、アンは自分を責めすぎるのよ」
「その通りですな…。ですがその責任の一端は貴方にもあります、ご存じでしょう」
「……」
ルイズは、何も言い返せなかった。
747仮面のルイズ:2008/03/03(月) 00:21:09 ID:sVoxqNVm
月明かりに照らされたルイズの手から、ワイングラスが離れる。
指先だけの力で無造作に投げられたワイングラスは、ルイズの背丈よりもずっと高い天井すれすれまで跳ね上がった。
グラスの中に残っていた一口分に満たないワインが、空中で逆さになったグラスから零れて、ルイズの顔にぽたぽたと付着した。
天井と、顔に付着したワインを血に見立てて、ルイズは自虐的な笑みを浮かべた。
吸血鬼でありながら人間に味方し、トリステインとアルビオンの戦争を優位に導き、そして今回リッシュモンを狩った。

あまりにも都合の良すぎる存在、それがわたしだ。
どんな女王だって一人で何も出来る訳じゃない。
でも、ルイズは一人で戦い、一人でウェールズを助け、一人でフーケとワルドを味方に付けてしまった。

アンリエッタは、ルイズのもたらしたものに憧れを抱いている。
子供の頃から孤独感にさいなまれ、吸血鬼になってすべてのしがらみを捨てようとしたルイズの気持ちを知らず、アンリエッタはただただ憧れている。
アンリエッタは人間としてる居ずに近づきたいと思っている。
子供の頃に聞かされたトリステインの誉れ『烈風』や、祖父のような偉大な貴族になり、理想的な女王になって、ルイズと肩を並べたいとアンリエッタは考えている。


ルイズが窓辺の席を立つ、ゆっくりとした動きで、静かに、足音を立てずにアンリエッタに近づく。
布団をめくりあげると、アンリエッタの手は腹を包むように置かれていた、まるで腹に我が子がいるかのようで、それがとても愛おしい。

「……アン。私はただの化け物よ…。 私に憧れちゃ、だめ」

ルイズはそう呟いて、眠っているアンリエッタの頬に軽い口づけをした。
顔に浴びたはずのワインは、いつの間にか跡形もなく消え去っていた。
748仮面のルイズ:2008/03/03(月) 00:22:02 ID:sVoxqNVm
同じ頃、王宮の地下室で、一人の男が寝息を立てていた。
木の板に粗末な布を敷いただけの簡素なベッド、石造りの壁、鉄格子ののぞき窓がはめられた扉。
この部屋は、王宮で不正を働いた者を一時的に拘置する牢獄であった。

ルイズと共に魅惑の妖精亭から戻ったワルドは、杖を取り上げられこの部屋に案内されたが、ワルドは怒りもせず悪びれもせず、居眠りの準備をしだした。
左腕の義手を外して、頭の下に敷いて枕代わりにする。
もう何度見つめたか解らない左腕の切断面を、確かめるように見つめてから、右手で切断面をゆっくりとさする。
ふぅ、とため息をついて目を閉じると、疲れが溜まっていたせいか、ワルドはあっさりと眠ってしまった。
それ以来やく三日間、光もろくに差し込まない牢屋で、ワルドは自分への罰を待っていた。


カツン、という金属の音とともに扉が開かれる。
ワルドが薄目を開けて音のした方を見ると、開かれた扉の前に、銃士隊の隊長であるアニエスの姿があった。
「僕の処遇は決まったか」
寝そべったままの姿でワルドが呟くと、アニエスは腰に下げた筒の中から一枚の羊皮紙を取りだし、ワルドに見せつけた。
「ジャン・ジャンク・フランシス・ド・ワルド。貴公は『レコン・キスタ』への諜報任務のため、タルブ戦役に於いてトリステインに公然と反旗を翻した。
その被害は甚大であり、国家反逆の罪が当然ではあるが、貴殿の『諜報活動』によってトリステインが有益なる情報を得たのもまた事実である。
この度、リッシュモンをはじめとする反逆者の捕縛、処刑に成功し、貴殿の反逆行為は作戦上やむを得ないものとして認めるに至った。
よってジャン・ジャンク・フランシス・ド・ワルド子爵に、新たにアルビオン潜入任務を下す……」

そこまで言うと、アニエスは手に持った羊皮紙をワルドに渡した。
ワルドは寝たままの姿で、無造作にそれを掴むと、字も読めない牢屋の中で羊皮紙をまじまじと見つめた。

「よく読めるな、こんな暗い部屋で」
「読めるわけがあるか。暗記しただけだ」
ワルドが感心したように呟くと、アニエスがそれを否定した。
「それにしても、諜報任務か…僕はトリステインからの命令で『反逆』した、ということか。これは枢機卿の発案かな?」
「ああ、殿下(ウェールズ)も驚くほどすんなりと、その案を受け入れていた。どうやらワルド子爵には、まだ死なれては困るようだな」

アニエスが、どこかあざ笑うような雰囲気を漂わせて語る。
それに触発されたのか、ワルドは「ふん」と不機嫌そうに鼻を鳴らした。
「……僕は処刑されると思っていたんだがな。拍子抜けだ。リッシュモンの言葉ではないが……この国は詰めが甘い」
「ルイズから伝言だ。処刑より酷くこき使ってやるから覚悟しておけ、だとさ」
がばっと音を建ててワルドが上体を起こす。
「ほう、ルイズがそんなことを言っていたのか? 嬉しいな、彼女に使われるなら本望だ」
749名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 00:22:11 ID:2goi9rrR
 
750仮面のルイズ:2008/03/03(月) 00:22:29 ID:sVoxqNVm
そう言ってワルドは右手で顔を覆い、クククと笑い出す。
その様子を見ていたアニエスが、音もなく腰に下げた剣を引き抜くと、落ち着いた動作でワルドに切っ先を向けた。
「気に入らないな…本当に気に入らないな。なぜそんな笑っていられる?」
質問というより、尋問のような態度でアニエスがワルドに問いかける。
ワルドは杖を取り上げられているというのに、なぜか楽しげにしていた。

「なぜリッシュモンを殺さなかった、なぜ私にリッシュモンを殺させた! 哀れみのつもりか」
「哀れみではないよ、ただ、君にはその権利があると思ったまでのことだ」
「権利だと?復讐に権利があるのなら、貴様にもその権利はあったろう、なぜそれを放棄したのかを聞いているんだッ!」
ワルドは顎に手をやり、ふむ、と呟いた。
「ふむ…なるほど、君にとって『復讐』は何にも優先するのか。 ははは!」

がつん! という音が石造りの部屋に響いた。
アニエスが剣を握った手で、ワルドを殴ったのだ。
「ふざけるな!カタキを討とうともせず、なぜそんなに飄々としているんだ貴様は!答えろ、答えろ!」

ほお骨に響く痛みに、ワルドは顔をしかめたが、それすらどこか楽しそうだった。
余裕があると言うべきか、ワルドにはアニエスにはない『安心』があるように見えた。
「……からかったと思われたのなら、謝罪しよう。だが今のは本心でもある。ミス・アニエス、君は昔の僕そっくりだ」
「なんだと…?」
アニエスが忌々しげにワルドを睨んだ。
「丁度、魔法衛士隊の隊長になった頃だ、僕はこの国に見切りを付けていた。僕の思うままに動かない貴族どもは生きる価値がない…とまで考えていた」

ベッドに手をついて身体の向きを整え、座り直しつつ、ワルドが言葉を続けた。
「あのころ僕は、父と母に教え込まれた『貴族としてのふるまい』が崩れていくのを感じていたよ。半ば公然の秘密になっていた賄賂といい、汚職といい、僕を絶望させるには十分だった」

ごそごそとポケットを探ると、中に絵の仕込まれたロケットが出てきた。
ワルドはロケットの感触を確かめると、中に入っている母の絵を思い出し、微笑んだ。
「解るかい?絶望していた僕に、彼女が、ルイズが現れたんだ、気高いままに、誇り高いままに、信念を持ち、そして僕を導いてくれた! ……そのとき気付いたのさ、僕は仕えるべき主を欲していたとね。その喜びに比べれば敵討ちなど霞んでしまう」

アニエスが剣を突き立てる。
ほとんど光の差し込まない空間だというのに、アニエスの剣は正確に、ワルドの喉元に狙いを付けていた。
「ワルド…貴様、敵討ちなど、どうでもいいとでも言いたいのか?」
殺気を込めた言葉が、アニエスの口から紡がれたが、ワルドはそれを意に介す様子はなかった。
「そんなはずはない。僕も敵討ちをしたいと思ったさ、だが僕の場合は、僕自身の不甲斐なさが原因でリッシュモンに付け入れられたんだ。僕がもっとしっかりしていれば母が自殺することも無かったろう」

アニエスは黙ってワルドの言葉を聞いていた。
ワルドは、アニエスの剣を右手でやさしく掴むと、切っ先を喉元から逸らした。

「僕は仮にも『貴族』だ。リッシュモンの横暴に対処すべき立場でありながら、横暴に屈した『堕落した貴族』だ。君は違う、君はダングルテールの虐殺の時なんの力もない子供だったそうじゃないか、僕は君を前にしてカタキを横取りするほど無粋ではない」

「ッ…」
アニエスは小さく舌打ちをすると、剣を鞘に収めた。
「後ほどルイズがここに来る。指示は彼女から下されるはずだ」
そう言って、踵を返し地下牢を出て行くアニエスを、ワルドは『やれやれ』と言いたげな瞳で見送った。
751仮面のルイズ:2008/03/03(月) 00:23:47 ID:sVoxqNVm
ワルドがしばらく待っていると、誰かの足音が聞こえてきた。
ギィ…と音をたてて扉が開かれ、アンリエッタそっくりに変装しているルイズが牢屋に入ってきた。
「アニエスに何か言われた?」
ルイズが扉を閉めつつ呟くと、ワルドはベッドの上に座ったまま、苦笑して答えた。
「彼女は、僕がリッシュモンを殺さなかったことに不満らしい」
「まあ、でもアニエスらしいといえば、アニエスらしい考えかもしれないわね」

懐から金属製の短い棒を取り出す、それは長さ30サントに満たない短剣のような作りであったが、刃はなくニードルのような形をしている。
ワルドがそれを手渡されると、重さや、握りの加減を確かめはじめた。
手の中でクルクルと回転させていると、不意にワルドが「見事だ」と呟いて、ほほえみを見せた。
「盗賊の使うような、無骨なナイフに見えるわね」
ルイズがそう呟きつつ、ワルドの隣に腰を下ろす。
「余計な飾りはいらないさ、ある程度の剣なら受け止められる強度が必要なんだ。これは一応戦いの中で使われる『杖』だから」

ワルドが手に持った短剣は、魔法衛士隊の使う剣状の杖を切りつめて、装飾を廃したもの……平たく言えば、ナイフ状の杖だ。

「ねえ…ワルド、アルビオン行きのめどが立ったわ、明日の深夜、火竜を一頭借りて出発する予定よ」
「そうか。……もしかして僕と、マチルダと、君の三人で乗るのか?」
「そう言うことになるわね」
「明日、明後日か…となるとアルビオンはガリア寄りになるな。火竜で三人を運ぶのは辛いんじゃないか」
「貴方の『フライ』に期待してるのよ。風のスクウェアならアルビオンまでひとっ飛びでしょう?」
「買いかぶり過ぎさ、僕は火竜を補助しかできないよ。風向きが味方してくれればそれほど苦にはならないと思うがね」
「期待しているわ」

すこしの間、沈黙が流れた、ワルドもルイズもじっと黙って、暗い部屋の中でお互いの呼吸音だけを聞いている。

不意に、ルイズが口を開いた。
「…ねえ、ワルド」
「なんだい」
「納得、してる?」
「任務にか?」
ルイズが首を横に振り、否定を表した。
「それもそうだけど、もっと大事なことよ、貴方は死ぬつもりだったのに……死を覚悟していたのに……処刑されるつもりだったのに」

ワルドはルイズの言葉を聞いて、苦笑した。
この少女はあれだけ人を殺しておきながら、自分の身を案じてくれているのだと理解したからだ。
確かにワルドは死ぬつもりで王宮に戻った、だが死ぬために戻ったのかと聞かれれば、それは違うと言える。

「ルイズ、僕は感謝している。復讐も、処刑も、僕にとっては選択肢の一つに過ぎない。大事なのは…君が僕に命令してくれることだ。君が死ねと命令してくれるのなら僕は喜んで死ねる」

ルイズは肩を縮こまらせて、夜目の利く瞳でワルドの顔をのぞき込んだ。
「ねえ、ワルド……私のこと、今でも婚約者だと思ってる?」
夜目の利くルイズの瞳は、とても真面目な表情をしているワルドの顔を捕らえている。
「以前は、婚約者でもあり、妹のようなものだと思っていた。だが今は違う、君は僕の主君だ」
「………そう、貴方の気持ちは分かったわ。アルビオン出発前の準備は、ウェールズ皇太子の指示を仰いでね。それじゃ私は仕事に戻るわ」

ルイズはそう言って立ち上がると、無言で牢屋を出て行った。
ワルドはルイズが部屋を出て行った後、短剣のような杖をかざすと、先端に魔法の光を灯した。
先ほどのルイズの態度に、気になるところはあったが、具体的に何が気になったのか自分でもよく解らい。
ワルドは義手と、アニエスから渡された羊皮紙を手に持つと、着替えを済ませるべく、古巣である魔法衛士隊の宿舎に向かって歩き出した。

「僕は『二重スパイ』か、やれやれ……部下達にどんな蔑みの目で見られることやら」
苦笑混じりに呟いて、ワルドは自分の置かれている状況を鑑みた。
意外にも、自分はこの状況を楽しんでいるのだと、自覚した。
752名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 00:24:25 ID:A3tyTskq
支援
753名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 00:24:32 ID:2goi9rrR
支援だ
754仮面のルイズ:2008/03/03(月) 00:25:22 ID:sVoxqNVm
アンリエッタの居室に戻ろうとしたルイズは、窓の外がうっすらと明るくなっているのに気づいた。
このまま居室に戻っては、眠っているアンリエッタを起こしてしまうかもしれない、そう考えたルイズはアンリエッタの居室ではなく、別の方向へと足を進めた。

ルイズの目の前には大きな扉がある、人間が並んで四人は通れそうな幅があり、高さも3メイル以上はあるだろう。
扉の上半分は半円を描いており、壁との隙間は髪の毛一本ほどもない。
その扉の前には一人の衛兵が待機しており、ルイズの姿を確認すると必要最低限の動作で目礼をした。

ここは王宮で扱われた資料を保管する資料室であり、トリステイン魔法学院や、アカデミーから届けられる書類も最終的にはこの部屋に保管されることになっていた。

ルイズがアンリエッタから渡された羊皮紙を取り出し、衛兵にそれを見せると、衛兵は無言で資料室の扉を開けた。

資料室の中に入ったルイズは、ぺらり、ぺらりと紙をめくる音に気付き、先客の姿を探した。
魔法学院の図書室に負けぬ大量の本棚、その間をくぐり抜け、人間には聞こえないほど小さな本をめくる音を探していく。
いくつかの本棚の脇を通り過ぎたところで、アニエスの姿を確認した、よく見るとアニエスは紐で綴られた報告書の束を手に持ち、何かを探している。
ルイズはわざと本棚を軽く小突き、コツンと音を出してからアニエスに近づいた。

「……? 影武者か」
ルイズの姿に気付いたアニエスは、一言呟いてから手元の資料に視線を戻し、また資料を一枚一枚めくり始めた。
「捜し物?」
「まあ、そんな所だ」
ルイズの質問に素っ気なく答えるアニエス、資料を見つめるその視線は、真剣なものではあったが、時々困惑の色が見えた。
ルイズが本棚を見る、いくつかの資料の背表紙には、魔法アカデミーの紋章が描かれている、おそらくこの本棚はアカデミーに関する資料が収められているのだろう。
「困惑しているのね」
「…!」
ルイズは当てずっぽうで言ったつもりだが、アニエスは意外にもびくりと身体を硬直させて目を見開いた。
何に困惑しているのか解らないが、困惑していること自体図星だったようだ。
ほんの一分にも満たない静寂の後、アニエスがふぅー…と長いため息をついてからルイズ顔をにらみつけた。
「…当てずっぽうで言ったな」
「あら、解っちゃった?」
「だが驚かされたのは事実だ、心を見透かされたかと思ったよ」
「でも私の当てずっぽうって、よく当たるのよ、まあ何に困惑していたのかは知らないけれど」

ルイズがそう言うと、アニエスは手元の資料をルイズに手渡した。
開かれたページにはある火急貴族のプロフィールが書かれており、治癒に熟達したメイジとして高い評価を得ているのが解った。
「これは?」
「ダングルテールを焼き討ちした、アカデミー実験小隊の一人だ。……そいつの事なら風の噂で聞いている、平民にも治癒を施すメイジだそうだ」
「へえ…なら、アニエスはこの人も殺すの?」
755名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 00:26:39 ID:2goi9rrR
 
756仮面のルイズ:2008/03/03(月) 00:27:42 ID:sVoxqNVm
アニエスは黙って本棚を見つめていたが、まるで自分に言い聞かせるように、小声で呟きはじめた。。
「わからない。殺す…かもしれない」
「かもしれない?」
「正直、私はあの事件に関わったすべての人間を殺してやりたい、だが、その中には他にも、領地を守って死んだ者や、平民の見方をする者もいる。殺してやりたい…殺してやりたいが…」
「決心が揺らいだの?」
ルイズの呟きに、アニエスは辛そうな目をして、視線を床に向けた。
「あのワルドのせいだ、なぜアイツは敵を私に譲ったのか、それが解らないんだ。答えてくれ『石仮面』。貴族は誰かに仕えたがるものなのか?人に仕えるというのは、復讐心を忘れ去れるほど甘美なのか?」
「…ごめんなさい、貴方の質問に答えられるだけのものを私は持っていないわ」
「そうか…」
アニエスはあからさまに落胆し、目を伏せたが、すぐに視線をルイズに向け直した。
ルイズの持っている資料を再度自分の手に持ち直すと、ぺらぺらと音をたててページをめくり、無造作に破られた痕のあるページを見つけ出した。
「このページだ、順番からいくとこのページが小隊の隊長だろう。なぜかこのページだけが破かれている。おかしいと思わないか」
ルイズはアニエスが持つ資料をのぞき込み、破られた痕をまじまじと見た。
「復讐を恐れたんじゃないの?」
「いや、いくつかの資料で、この小隊がアカデミーによって組織された下級貴族の部隊だと解った、この資料庫に入れるような立場の者は一人もいない」
「なら、このページを破いたのは…」
「ダングルテールの虐殺に間接的に関わった誰か…おそらくアカデミーの者か、リッシュモンのように賄賂を受け取っていた者だろう。この男の身柄が拘束されれば、そこから関係者の名前を聞き出すことが出来るからな」
ルイズがアニエスに視線を移す、するとアニエスの瞳は、何の感情も読み取れない空虚な雰囲気を漂わせていた。
怒りでも悲しみでもない、機械的に復讐を遂げようとする、束縛にも似た決心がアニエスの瞳から伺えた。
「コイツだけは…絶対に殺す、他の奴はともかく、こいつだけは絶対に殺してやりたい!なぜ私を生かしたのか、その理由がどんな理由であれ、絶対に後悔させてやる……!」

アニエスはふと顔を上げて、資料を閉じて本棚に戻すと、隣に立つルイズに顔を近づけて小声で囁いた。

「アルビオンで、首に火傷の痕を持った火のメイジを見つけたら、私に教えてくれないか」
「首に火傷の痕?どれぐらいの?」
「かなり大きい範囲だったと思う、私が唯一覚えている敵の姿だ……生け捕りにできなくてもいい、ただ、どんな奴だったのかだけでも教えて欲しい」
「約束するわ…もっとも私に可能な範囲でだけど。万が一、あなたの敵が首の火傷痕を治癒していたら、私にも解らないわよ」
「それはそれで仕方ないさ、私も私で調査を進めさせて貰うしな。 …さて、そろそろ私は宿舎に戻りたいが…そっちは、なぜここに来たんだ?」
「私は、ちょっと気になることがあって。貴方に比べたら大したことじゃないわよ」
「そうか」
アニエスは興味なさげに答えると、ルイズの脇をすり抜けて本棚の間を通り、資料庫を出て行った。

人の気配が無くなった資料庫で、ルイズは一人天井を見上げる。
ルイズの二倍はありそうな本棚の上には、本棚に収まらないサイズの箱がいくつも並べられていた。
膨大な資料を見渡して、ため息をつくと、ルイズは誰もいない部屋で呟いた。

「アニエス、私は誰に復讐すればいいのかしら。私をこんな身体にした仮面、それとも、それを呼び出した自分にかしら」

先ほど、ワルドに言われた言葉を思い出す。
『以前は、婚約者でもあり、妹のようなものだと思っていた。だが今は違う、君は僕の主君だ』

「みんな吸血鬼の私を慕ってくれる。虚無の使い手である私を慕ってくれる。でも、裏を返せば『ゼロのルイズ』には誰も慕ってくれない……」


「お母様、なんで私を産んだの?」




ルイズの呼び声に答えるかのように、この日の昼頃、ある人物が王宮を訪れる。
その人物は、シエスタとモンモランシーの手によって得られた、大量の『水の秘薬』と、水の精霊とトリステインの『関係改善』を手みやげに、ラ・ヴァリエール家の紋章が描かれた豪華な馬車に乗って来訪した。

その人物の名を、カリーヌ・デジレという。

To be continued→
757仮面のルイズ:2008/03/03(月) 00:29:06 ID:sVoxqNVm
投下したッ!
次回、巨乳エルフとルイズが……あ、いや、何でもないです。はい。
758名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 00:29:51 ID:Qy1ta4Ye
……重い!マジ重いよルイズの苦悩!
どんなに愛されてても伝わってないのは辛い……
GJ
759名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 00:35:13 ID:A3tyTskq
重い
すごくヘビーだ…
ブルりんや馬の代わりになるかと思ったワルドもダメか…
ルイズに必要なのは慕うものでも憧れるものでも仕えるものでもなくて心を預けれる相棒だってのに

だがGJ!
760名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 00:59:29 ID:+LXSX1zT
GJ!
次回?次回が何だって言うんだああああああ!!!
そしてワルド…まさに盲目だな。
ルイズは…たまにはDIOを見習って能力を楽しもうYO!
761名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 01:06:40 ID:sAejB0Lq
人との深い関わりには三つあると思う
1.ありのままの自分を見てくれる人
2.その中でも醜い、汚いと思われるようなものですら受け止めてくれる友人、部下、上司
3.そしてその上で対等の目線で話してくれたり、言葉が無くとも心から従ってくれる親友…
恐らくこのルイズには3が無い、そう、ブルりんや馬のような奴が…

エコーズACT3・3FREEZEよりも、ヘビー・ウェザーよりも辛いものがある。
GJでした
762名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 01:21:08 ID:sM3F+c5V
投下乙そしてGJでした
このワルドはプッチやヴァニラの位置についてしまったのか……
『ルイズ』に必要なのは『友』だろうにな……
763名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 01:25:19 ID:YViE9Myr
吸血鬼のカリスマは人を惹きつけるけど、ルイズは人間であろうとしているからなぁ
乙&GJ!
764名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 01:40:38 ID:morT3zef
GJ!
>>761
1.嬉し悲しい
2.受け止める
3.魚の目に水見えず
深い関りの三つの『U』というわけですか(何か違う)。
765名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 09:20:03 ID:140LIgS0
この重たいふいんき(←なぜかry)こそ仮面の魅力。相も変わらずGJでした。

ママンと再会するのか次回がマジに楽しみです
766名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 18:55:56 ID:0h/AtKeF
最近雰囲気のことをふいんきって書くやつが大勢いるよな。
ふいんきじゃなくて雰囲気(ふんいき)だからな。
767名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 19:00:36 ID:2tZ39YAH
さあどうする
768名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 19:04:47 ID:A3tyTskq
>>766
ネタをネタと(ry
769名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 19:04:55 ID:+pp0c3N8
逆に考えるんだ
セットでネタだと考えるのさ
770名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 19:21:10 ID:morT3zef
>>766
おいおいこれはうわなにをするヤッダァァバアアア!
771名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 21:09:58 ID:AI091qd0
                         /              
                        / /          _/
                        //",,゙ """ /    ヽ
                       ヽ、    /ノ     / 『味』 ゆ・  こ
                        /\   /彡 ""  |/   だ  っ・  の
         … …   …      | iマ゙ー''"彡     /|   ぜ   く・  味
         __   _____   ______,,/ ヽリサ、,,_\   ,イ / |    :  り・  は
       : ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、,.-'"    ー、==-ヽ'"/ / ヽ   :  し・
       : 'r ´         く  ゙`   ヽ゚ノ`ー=、_ /// ∠   :  て・
      : ,'==iゝ、イ人レ/_ル=\ヽ      ̄ ̄ //   ノ     る・
      : i イ  (ヒ_]     ヒ_ン ).ヽ(ヽ          //     ̄ノ
      : レリイi!"U  ,___,  U".| .|、>、       //  /    ̄ヽ、
        : !Y!   ヽ _ン    /'"´ 'i     //  /       ∨ヽ/
       : L.',.         ,i|  ,"__}    //  /  /
       : | ||ヽ、       ,イヽ_人`'′ //  /  /
       : レ ル` ー--─ ´ルレ  i'゙' /-─‐‐''/_/_
                      ヽ、___,,,, -‐‐  ̄
772名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 21:19:05 ID:ZIVQgYRj
念入りに舐めたわけか
773名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 21:21:07 ID:hIVPNU1W
ゆっくりならブチャvsジョルノのセリフ使うべきだろとか思った
774名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 21:26:27 ID:MBoyiisx
>>773
>>639のことかい?
775名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 22:00:25 ID:MZBC0baQ
最近座談会やジョースター卿のAAがなくてさみしいよ〜
776名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 22:21:31 ID:cF+w+GeH
                      ______                  /^l  r i /ニヽ
         /^l  r i /ニヽ     /∧∧∧∧∧∧.\               / /   ! i .| |.| |
          / /   ! i | |.| |   /∨∨∨∨∨∨∨∨ヽ              / /   | .| | U |
        / /   | .| | U |   .|∧∧∧∧∧∧∧∧∧|            / ./   | .| `ー'
       / ./   | .| `ー'    |∨∨∨∨∨V《`´》V∨.|            / ./    .| |
        / /    .| |        |∧∧∧√  ̄ ̄| | ̄ ̄ヽ          / /     | |
     //       J        |∨∨∨|     ∀   |          //      J
      "               |∧∧∧|-=。=,  r-。=‖           "
       r-- ―-、           |/∨∨|  ̄   |  ̄ !.|            r-- ―-、
       ~.= フ /        |,∧∧|  | ー-'   ,' .|             ~.= フ /
       ,' /ー"           ´|/∨|\   ̄ ̄ ̄ ,' .|               ,' /ー"
       レ              __r' └‐┘ \   " , 'ヘ┘、           レ
               ,, - ''" _|   |    \_/   ! ` 、 
   (二ニ      , -'' _ -‐  .|    i       |   |`   \
    __,,、 -‐ ニ ./`<.      |    '、__/「||_ _.|_     ヽ   (二ニ
 (二~ -― ''" /    \    |  ,-r"r= ( (●)三 _ ニ  =  `',    __,,、 -‐ ニ
        /       '、   |_/ `|-{ {  r-r'  ̄ \|    |    (二~ -― ''"
  ○    i        ',     f"ー-= | l   __   | /   ',
       .|         i     !-‐~ ̄l ノノメ.| ̄    ̄|. レ     ',
 O       |           |    /´ ―= '‐'―く.|       |. |   ○ /
        |         |   /   ―---‐r" |       ! |    /
0       .|  _,, -――- ,,_|  /    ―---r'  ヽ    .ノ !   O.|
       <_|       | /     ,,-ー''    \_ /  ,'-‐'  |
         |     ,, -'"     /            /   0  .|
777名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 22:49:50 ID:80QES1/5
       、--‐冖'⌒ ̄ ̄`ー-、
     /⌒`         三ミヽー-ヘ,_
   __,{ ;;,,             ミミ   i ´Z,
   ゝ   ''〃//,,,      ,,..`ミミ、_ノリ}j; f彡
  _)        〃///, ,;彡'rffッ、ィ彡'ノ从iノ彡   
  >';;,,       ノ丿川j !川|;  :.`7ラ公 '>了     仕方の無い平民だ
 _く彡川f゙ノ'ノノ ノ_ノノノイシノ| }.: '〈八ミ、、;.)   
  ヽ.:.:.:.:.:.;=、彡/‐-ニ''_ー<、{_,ノ -一ヾ`~;.;.;) 特別に我が尊顔を
  く .:.:.:.:.:!ハ.Yイ  ぇ'无テ,`ヽ}}}ィt于 `|ィ"~   
   ):.:.:.:.:|.Y }: :!    `二´/' ; |丶ニ  ノノ    晒して進ぜよう
    ) :.: ト、リ: :!ヾ:、   丶 ; | ゙  イ:}       
   { .:.: l {: : }  `    ,.__(__,}   /ノ    ただし逆には考えんがね
    ヽ !  `'゙!       ,.,,.`三'゙、,_  /´      
    ,/´{  ミ l    /゙,:-…-〜、 ) |
  ,r{   \ ミ  \   `' '≡≡' " ノ          
__ノ  ヽ   \  ヽ\    彡  ,イ_
      \   \ ヽ 丶.     ノ!|ヽ`ヽ、
         \   \ヽ `¨¨¨¨´/ |l ト、 `'ー-、__
            \  `'ー-、  // /:.:.}       `'ー、_
          `、\   /⌒ヽ  /!:.:.|
          `、 \ /ヽLf___ハ/  {
              ′ / ! ヽ
778名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 22:59:11 ID:MZBC0baQ
               . -―- . やったッ!! さすがジョースター卿!
             /       ヽ
          //         ', おれたち平民に『尊顔を晒す』
            | { _____  |    そんな事をコーラを飲めば
        (⌒ヽ7´        ``ヒニ¨ヽゲップが出るように平然とやってのけるッ!
        ヽ、..二二二二二二二. -r‐''′     そこにシビれる!
        /´ 〉'">、、,,.ィ二¨' {.  ヽ     _ _      あこがれるゥ!
         `r、| ゙._(9,)Y´_(9_l′ )  (  , -'′ `¨¨´ ̄`ヽ、
         {(,| `'''7、,. 、 ⌒  |/ニY {              \
           ヾ|   ^'^ ′-、 ,ノr')リ  ,ゝ、ー`――-'- ∠,_  ノ
           |   「匸匸匚| '"|ィ'( (,ノ,r'゙へ. ̄ ̄,二ニ、゙}了
    , ヘー‐- 、 l  | /^''⌒|  | | ,ゝ )、,>(_9,`!i!}i!ィ_9,) |人
  -‐ノ .ヘー‐-ィ ヽ  !‐}__,..ノ  || /-‐ヽ|   -イ,__,.>‐  ハ }
 ''"//ヽー、  ノヽ∧ `ー一'´ / |′ 丿!  , -===- 、  }くー- ..._
  //^\  ヾ-、 :| ハ   ̄ / ノ |.  { {ハ.  V'二'二ソ  ノ| |   `ヽ
,ノ   ヽ,_ ヽノヽ_)ノ:l 'ーー<.  /  |.  ヽヽヽ._ `二¨´ /ノ ノ
/    <^_,.イ `r‐'゙ :::ヽ  \ `丶、  |、   \\'ー--‐''"//
\___,/|  !  ::::::l、  \  \| \   \ヽ   / ノ

779名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 22:59:46 ID:DNVCQH98
AAじじゅうしようぜ
780名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 23:00:52 ID:MZBC0baQ
オーノーだズラ!ageちまったズラ
781名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 23:16:18 ID:OsDwCR5P
この前次は避難所って言ったばかりなんだけど、すまんありゃ嘘だった。
と言って兄貴さん達の一周年記念してるのに続きたいって気分なんですが…構いませんか?
構わないなら10分後『投下』します
782名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 23:19:39 ID:xRSjz+EG
問題ない。行け
783名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 23:26:13 ID:OsDwCR5P
グラッツェ。

ジョルノはついに、(と言っても随分先延ばししていただけだけど)ポルナレフと合流する事に成功した。

予定では、まず表の顔である事業展開などで注目を集める『ネアポリス伯爵』が得た友人たちの紹介状を、お友達のお友達に見せ協力を得る手はずを整える。
ポルナレフの入っている亀を召喚したのは、トリスティン貴族である可能性は高い。
使い魔とは、ジョルノが聞いている話によれば基本的にはメイジの生涯のパートナーとなるらしい。

それを返してくれと頼むのは、ゲルマニアの成り上がり貴族より自国の同胞の方が良いかもしれない…
逆の可能性もあるが、切れるカードは多いに越した事は無い、そう考えての事だった。

だが実際見つけてみると…ジョルノは普段通りの仕事の手を止めて、目の前に座る一心不乱に手紙を読む小柄な美少女を見る。
ポルナレフの主人はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールで、有体に言うと思っていたよりも厄介な相手だった。

カトレアから贈られてくる手紙に何度か書かれていたルイズの性格は、(彼女にとっては可愛らしい妹なんだろうが)アバッキオより厄介な性質のようだし、
パッショーネの大敵になりそうな『烈風』カリンの娘から殺してでも奪い取るという手を使うのはもっと厄介になるだけだ。

それに教えてもらった話によれば、ルイズは魔法が使えないらしい…
ポルナレフが召還された時から、ジョルノはポルナレフが召喚されたのか亀が召喚されたのか気になっていたが、前者の可能性が高い。
ルイズはテファと同じ系統のメイジなのかどうかも、確かめておきたいという好奇心がジョルノの中にはあった。

ジョルノは一先ずこっそり亀の中にゴールドエクスペリエンスを入れて、ポルナレフと相談しようかと考え、スタンドをゆっくりと出す。
ゴールドエクスペリエンスの姿はやはり誰にも見えないらしく、隣で険悪な空気を作っているキュルケ達はなんの反応も示さなかった。
それに安心して亀の中に入らせようとした所で、ジョルノは少し強く袖を引かれた。

引いたのは隣に座っていたテファだった。
落ち着きの無い養生で、同じ馬車の中にいる面々を窺うように視線を漂わせている。
幸い、他の者達は冷静でなかったり本に夢中だったりして気付かれてはいないようだが、ジョルノは時折馬車の外へ視線が向けられるのを見て不安の理由を理解した。
ジョルノは自分の方からテファへ顔を寄せて、冷たく言う。

「貴方のお姉さんのことは、また後で話しましょう」

簡単に言うジョルノに、テファはうろたえ身を退いた。
ルイズ達と合流する前に、ジョルノから学院までは数時間と聞いていたテファは窓の外へ目をやる。
そして通り過ぎていく風景にテファの心には焦燥が募っていく…テファからは見えないが、馬車の後部には杖を奪われた『土くれのフーケ』が眠らされているのだ。

テファには何をやったかまではわからないが、テファが慕うマチルダが悪い事をして今捕まった事はわかる。
捕まったマチルダがどうなるのかも、なんとなくわかっていた。
それなのにジョルノが、後にしてくれと言ったことが、テファにはとてもショックだった。
これまで励ましてくれたり、助けてくれたジョルノが今回に限って何故そんな事を言うのか…ジョルノの隣に殺気立ったキュルケを視界に入れながらも、今のテファには理解できなかった。

冷静に告げたジョルノは隣に座るキュルケを見る。
キュルケはイザベラと睨み合っていた。
理由は至ってシンプル。イザベラが、再会したタバサに向かって王宮にいた時と同じ調子で『ガーゴイル』と呼んだのだ。
親友を侮辱されたキュルケはブチ切れたが、それをタバサ本人の助けも得てどうにか馬車に乗せたのだ。
だが機嫌が直ったわけではなく、睨みあいを続けている。
お互いに普通よりは豊かな(テファと過ごす時間がちょっぴり長くなったせいでジョルノの認識としては『普通だな』位にしか思わないサイズではあったが)胸を張り、相手を見下ろすような目で睨みあう。友好的なものは全く無い、相手の欠点を探る悪意に満ちた目だった。

この雰囲気のままで学院にたどり着くと流血沙汰になりそうな気がしたジョルノは、二人に声をかけようとして「伯爵様」と、真剣な目をしたルイズに呼び掛けられた。
半信半疑。だが、期待を持ってルイズはジョルノに尋ねる…この良いニュースを手紙ではなく、治療したという当人からルイズは聞きたかった。

「伯爵様。貴方がち、ちい姉様を治療したというのは本当ですか?」
「…はい。私一人の力ではありませんが、確かに病は治療しました」
「本当に!本当にですか!?」
嘘は許さない…凄みさえ感じさせる剣幕で、ルイズは尋ねる。
隣で殺気立っていたキュルケ達さえ怯ませながら、返事を迫って少しずつ近づいてくるルイズにジョルノは頷いた。
二度同じ事を言うのが嫌いなジョルノだったが、ルイズのその態度を見て言う。

「はい。適度な運動をすれば、健康を取り戻すはずです」

カトレアを思う気持から来る真剣さは、ジョルノには無碍にできないものがあった。

「あぁ…! ちい姉さまが…」

感極まったように狭い車内でルイズは手紙を抱きしめ、膝を付く。
頬に涙が流れ、キュルケは腰を上げた。

「ちょ、ちょっと…ルイズ? どうしたのよ」

キュルケの言葉を無視して、ルイズはジョルノの手を掴む。
少し迷惑そうにジョルノは手を掴み返し、ルイズを席に戻らせる。

「伯爵様。ちい姉様を助けてくださってありがとうございます…! このルイズ・ド・ラ・ヴァリエール、精一杯協力させていただきますわ!」

ルイズは情熱を感じさせる潤んだ瞳でジョルノに言い、その内容が書かれていたのを思い出して抱きしめていた母からの手紙を見る。

「亀をお探し……亀?」
「はい。貴方の使い魔になっているポルナレフさんを探して私はここに来ました」

表面上申し訳なさそうに言うジョルノに、ルイズはジョルノとポルナレフを交互に見て、涙を拭くのも忘れる。

「で、でも伯爵様。この亀は…伯爵様が探している亀とはきっと違いますわ! ほ、ほら…な、名前だってカメナレフって言うんです」

ジョルノはそれを聞いて、普段なら見せない不可解さを表情に出した。

「ポルナレフさん。まさか…ルイズ嬢に言ってないんですか?」
「え…カメナレフ?」

ルイズ達の視線に、ポルナレフは亀の中で嫌な汗を流しながら、誤魔化すように咳払いをした。
その行動がポルナレフへの疑惑を強めたことに気付き、ポルナレフは慌てて皆に言う。

「い、いや騙してなんていないぜ!? お、俺はお前が来るまで誠実に使い魔をする気だったからな!」
「カメナレフ…アンタ、使い魔のくせして、ごごご主人様に何か隠し事をしてたって言うの!?」

感涙が残る目で見下ろされ、ポルナレフは自分の良心がチクチクと痛むのを感じた。
気に入らない所は多々あるし、酷い扱いもされたが、ポルナレフがルイズを騙しているのは確かだ。
使い魔の契約さえ、ポルナレフはスタンドによって回避したのだから…それはいい思い付きだとまだ思っているが、ハイスクールに入るか入らないか位の少女を騙していることに変わりは無いのだ。
ルイズが手で涙を乱暴に拭き、ポルナレフを見下ろす…その時、聞き耳を立てていたタバサが本を閉じた。
785名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 23:33:59 ID:OsDwCR5P
眼鏡の奥に光る目を見て、馬車にタバサが乗り込んできて以来キュルケとにらみ合いをしている間さえタバサを意識していたイザベラは悟った。
タバサの目的は母を治療してもらう事だと、直感的に理解してゾッとした。
脳裏には、その後に訪れるであろう既に死した王弟シャルルに忠誠を捧げる者達の反抗の様子が描かれている。
父を排除する前に、自分が今までタバサに行った事を返され、最後には謀殺される姿までが浮かび、イザベラを震えさせる。
湧き上がって行く恐怖にイザベラの背中には汗が流れた。

「そんなことより…ジョナサン。貴方に頼みがある」
「そんなことって何よ!」
「私のお母様を治療して欲しい」

言葉を遮られ癇癪を起こしかけたルイズはそれを聞いて、不機嫌そうな顔で黙った。
ポルナレフを見る厳しい目はそのままだが、大好きな姉のように、タバサの家族も不治の病だというなら仕方が無い、と思ったのだ。
やはりと、救いを求めるようにジョルノの顔を見るイザベラを見もせず、ジョルノはルイズに「後でポルナレフさんと話し合うことにしましょう」と言った後に、返事を迫るタバサに首を振った。

「何故? 彼女の家族は治療したはず」

言って、然程広くない車内でズイッと、タバサは身を寄せる。
どうして断るのか白状させようと、冷静な表情に必死さを加えてジョルノの膝を強く掴んだ。

「失敗を恐れている? 無理かもしれないと考えているの?一度診るだけでも…」
「お断りします。他の事なら全力で貴方を助けるが、これだけは駄目です」

少しずつ身を乗り出し、息がかかりそうな距離でジョルノはタバサを見上げ、はっきりと断った。イザベラはその断りように小気味良いものを感じて、自然と笑みを浮かべていた。
人形娘の味方をせず、イザベラの利になる態度…とても気分が良かった。
逆にタバサは落胆しその表情からジョルノの意思が固いことを悟ると、ゆっくりとジョルノから離れる。服の下の肉に食い込む指を放し、席に戻るタバサの姿は憐憫を誘い、ルイズ達がジョルノを責めるように見る。

「あっはっは! 残念だったね! 伯爵様は人形娘のお願いなんて聞きたくないってさ!」
「ッ…この娘は人形娘なんかじゃないって言ってるでしょうが!」
「へぇ…どこが違うって言うんだ…」

喉に何か挟まったようにイザベラは声を失った。
席に戻るかに見えたタバサが背中越しにイザベラを見下ろしていた。
ガリア王家の青い瞳が鮮烈な輝きを見せているのに、イザベラは気がついてしまった。
静かな瞳は自分の目とは違う…深い海のような冷たい瞳が、イザベラを養豚場の豚でも見るような目で見下ろしていた。
だがそれも一瞬のこと、イザベラにはとても長く感じられた一瞬の後、その青い目はジョルノを睨みつけている。
視線を向けられていないテファがジョルノの分まで怯えるように、過剰に反応してジョルノへと身を寄せた。
キュルケやルイズまで息を呑む中、どうでもよさそうにジョルノは手紙の返事を書き続けながらタバサを一度見返し、また作業に戻る。
タバサは馬車から飛び降りた。

「ふん。ちょっと魔法ができるからっていい気になってたから罰が当たっ…ヒッ」

最初に我に帰り、また毒づこうとしたイザベラの目の前に一瞬炎が燃え上がり、悲鳴を上げさせる。
クッションに埋もれるように身を退いたイザベラを嘲笑うのは、豊かな胸元から杖を引き抜いたキュルケ。

「それ以上言ったら火傷じゃすまなくってよ」「この私に杖を…!」

それまで黙っていたラルカスが斧を抜き、二人の間へ差し込んだ。
決闘に発展しかねない二人へ、ラルカスはミノタウロスの鋼のような肉体に力を込めて威圧する。

「伯爵の馬車内で無用な争いは止めていただこう。これ以上続けるようなら叩き出すことになる」

二人はミノタウロスの本気を悟って押し黙る。
キュルケは火のトライアングル。キュルケの年齢としてはそういない強力なメイジだったし、文字通り鋼の強度の肉体を持つラルカスにも効果的な能力だ。
だが、距離が近く、馬車の中では不利は否めない。キュルケに簡単に致命傷を与える斧を出す一連の動きは、巨大な体躯に似合わず俊敏だった。

「二人共落ち着きなさいよ。まったく…お国が知れるわね」「なんですって!」

先に怒る者がいたせいかいつもよりは少し冷静にルイズはジョルノへ目を向けた。
ジョルノは動じた様子もなく、彼女らをもてなしもせずに手紙に夢中な様子で、なり上がりらしく貴族の子女を迎えるにはなっていない態度だ。
ルイズはそんな男が姉を治療し、それなりに気にいられたことがちょっと不思議だった。
786名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 23:35:25 ID:OsDwCR5P
息荒く指摘するキュルケにジョルノは冷めた目を向け、何も言い返さなかった。
一仕事終えたラルカスが先程胸を張って張り合っていた二人の様子を思い出す横で、イザベラは外の景色を見ながら今後の事を考えていた。



トリスティン魔法学院にたどり着いたジョルノ達は、客室の一つに通された。
『土くれのフーケ』討伐の結果は、生徒三名が無事に戻り、フーケも捕らえたことで上々だとわかっていたが、不祥事には変わりない。
その報告などを聞く所に、他国の貴族がいるわけにはいかないというわけだ。
部屋にいるのにはジョルノとテファ。それにラルカスだった。ラルカスはミノタウロスの姿では目立ちすぎるが、ジョルノの指示だった。
ポルナレフはルイズと共にいるし、イザベラの素性をオールドオスマンは知っているのか、一人別の部屋へと通された。

二人きりになってすぐ、テファはジョルノに詰め寄っていた。
連行されていく姉の姿を見せられ、テファの我慢は限界に達していた。
普段なら物珍しげに調度品や部屋からみえる景色を一つ一つ確認していく所だが、扉を閉めると、真っ先にジョルノのところへ来たのだ。

「ジョルノ、貴方にお願いしたいことがあるの」
「マチルダさんのことでしたら、手は打ちます」
「本当?」
「ええ。彼女は怒るでしょうが、捨てておくわけにもいきませんからね」

当然といった風に答えるジョルノに、テファは喜ぶと同時に疑問に思った。
貴族の客の為に用意された部屋は調度品の趣味も悪くない。
ジョルノはテーブルに向かい、仕事の続きをし始めた。テファはジョルノの隣に回りこみ、テーブルに手を着く。
丸いテーブルにかけられた真っ白なテーブルクロスが、テファに寄りかかられて少し皺を作った。

「ありがとう…どうして姉さんが怒ると思うの?」
「彼女は僕と貴方がいることを面白く思っていませんからね」

テファは笑った。
笑われて、手紙を書く手を止めて見上げてくるジョルノに優しげに言う。

「そんなことないわ。マチルダお姉さんはジョルノのこと余り知らないもの、もしそうだったとしても…今度は姉さんも一緒に旅をすれば、きっと仲良くなれるわ!」
「それはいい考えですね。マチルダさんには、テファと一緒にゲルマニアに行ってもらいましょう」
「うん。今度の旅は楽しくなりそうね! あ、ジョルノとの旅が楽しくないってわけじゃないの。姉さんも一緒ならもっとって…」

喜んで、テーブルによりかかるテファに素っ気無い態度でジョルノは頷き返す。
ジョルノは懐から用意しておいたものを取り出して、テーブルの上に並べていく。
一般には出回らないそこまでの地図や目的地にある家の設計図。その家の鍵、権利書。
身分証に、そこまでの路銀が入っている袋。当座のことが書かれたメモなどが、どこにそれだけ入っていたのかとびっくりして目を白黒させるテファの前に並べられていく。
全て並べ終えてから、ジョルノはテファを見つめた。

「この屋敷を探すのは結構手間でしたよ。庭も、庭師の方が管理していてとても美しいそうです。すぐ近くに湖があって、そこでは釣りが楽しめるそうですし、秋は食べられる木の実もたくさん取れるそうです」

家などの図面を見せながら言うジョルノにテファは違和感を覚えた。
指で部屋を指し、気温の変化が激しく、この部屋からだと寒い日には遠くの山に雪で白く染まる様が見えるとか、領民がどうとか簡単に説明するジョルノの小さな表情の変化を感じ取っていた。
787名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 23:39:38 ID:OsDwCR5P
「道中はマチルダお姉さんと相談してうまくやってくださいね。それと貴方が希望するなら、フェイスチェンジとかいう魔法を使う口の堅いメイジを一人手配しますが?」
「ジョルノ」
「なんです?」
「ジョルノも行くのよね?」
「いいえ。行きません、貴方とマチルダさんの二人だけです」

少し引きつった笑顔で尋ねたテファをジョルノは一息に切って捨てた。

「ど、どうして? 一緒に行きましょう! マチルダ姉さんの事だって私が間に入るし、あ…お仕事の事? それなら、私はとやかく言うつもりは…」

色々と言ってくるテファの顔にジョルノは座ったまま手を伸ばした。
頬にジョルノの赤子のように柔らかい指先が触れる。ジョルノの表情を交互に見る内にテファの言葉の勢いが下がり、ついには止まった。
撫でる手がよく手入れされたテファの透き通るような金色の髪を梳いていく。

「良い機会ですからここで別「私はジョルノと行くわ」駄目です。貴方も知る通り、僕には夢がある…………貴方は、僕の夢じゃない」

切って捨てるような口調、そしてそのまま誰かを思い起こしているような目をして、テファを見なくなるジョルノに、テファは微かに眉を動かした。
微かに微笑んでジョルノは瞬きをする。もう回想は済んだようだったが、テファは切なげに少し顔を寄せた。

「貴方とはいられません。僕は貴方を危険に晒す為にいるのではありませんから」
「それなら…! 私もギャングになるわ」

ジョルノは呆気に取られた表情を見せ、次に鋭い目をした。
笑みも消えて、髪を梳く指が硬くなったようにテファは感じた。

「馬鹿なことを言わないでください。怒りますよ」
「でも……あの子だって、ギャングになるのは許したんでしょ?」
「あの子? …もし「ジョナサン!」

二人に割り込むように扉が破られ、イザベラが部屋に入ってくる。
部屋に入るなりテファが離れたのを見て、大股で歩いてくるイザベラにジョルノはテファを離して目をやっていた。
見下ろすイザベラの視線を見返して、ジョルノは言葉を待った。

「アンタに話があるわ。ちょっと来て」
「わかりました」
「ジョル…ジョナサン! 話は終ってないわ!」

「また後で話しましょう。クリスの用の方が急ぎのようだ」

イザベラと二人で隣室に移動したジョルノはイザベラの表情に真剣なものを見て取り、視界の中に入っているテーブルの上に乗った手紙を確認した。
ガリア王家の紋章入りの封印がされていたことが見て取れ、家族絡みなのだろうなと見当をつけるジョルノ。
自分と目を合わせるジョルノを見ていたイザベラが、決心をして口を開く。

「単刀直入に言うよ。ジョナサン。アンタ、私と組まないかい?」
「どういうことです?」
「そのままの意味だよ。アンタがガリアに取り入る手伝いをするのに私以上の人間はいないはずだよ」

少し考える素振りを見せるジョルノにイザベラは言い募る。

「アンタのギャングとしての力が、私には必要になる…!」

イザベラの口調と必死な表情を見て、ジョルノは言う。

「ジョゼフ王から何か貴方が不利になるような事を言ってきたんですか?」

何故イザベラがギャングの事を知っているのか気になったが、それは追々確かめていけばいい。
テファに続き、イザベラにまで知られていたなんて、ショックだったが…ジョルノが借りを返すには、王女の権力は中々有用なのだから。

「…よくわかったね。突然手紙を送りつけてきて戻れってさ…ッ! こんな手紙、あの父上が書いてくるはずが無いッ、絶対に何かあるわ!」
788名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 23:42:57 ID:OsDwCR5P
このまま戻っても、待っているのは今までよりも更に、ずっと、認められることの無い、下々の者にさえ陰口を叩かれる日々だ。
いや、父王ジョゼフなら…自分をも殺しかねないのではと。
次々に浮かぶ嫌な予想が、イザベラをささくれ立たせていた。
恐怖に虚勢を張り、苛立った口調で吐き捨て、テーブルの上の手紙を払うイザベラの気性には少し眉を顰めたが、冷静な口調で言う。
実際に何かを掴んでいるのではなく、父王への不信感がイザベラにそう言わせているようだった。
イザベラの荒くなった呼吸が整うのを待って、ジョルノは返事をする。

「僕の手を借りるという事は、貴方が考えるより大きな代償を払うことになる…それを理解しているんですね?」

息を呑み、だがイザベラは真剣な表情で距離を詰めると、泣き笑いのような皮肉気に見える笑みを浮かべた。

「わかっているわ。だがアンタも私を簡単に切れるとは思わないことだね…他人から見たら、私の愛人みたいに見えるかもねぇ?」
「さあ? 一先ずは隠しておいてください」

ジョルノの返事に不機嫌そうな表情に変わるイザベラへ、ジョルノは言い聞かせるように言う。

「貴方の周りを固める準備に少し時間が必要です。貴方が安心して暮らせるように、手を尽くしましょう」
「…ふんっ、そういうことなら任せてみようじゃない」
「それと、少しずつ極力ばれないようにオルレアン家との関係を修復していってください」
「なんだって?」

機嫌が良くなりかけたが、また不機嫌な顔を見せるイザベラ。それは当然の事だった。
ジョルノがイザベラに言ったことは、イザベラにタバサと仲良くなれということ。

イザベラとタバサの関係は言うまでもなく最悪だ。

前王が生きていた頃は仲の良かったという二人の親、ジョゼフとシャルル。

事実はともかく、ジョルノの耳に入っている情報では、その二人が前王の死後、魔法が使えないジョゼフが天才シャルルを暗殺し、王位を簒奪したことから始まった両家の対立。
それぞれに味方する貴族の派閥対立は、時と共に深まっている。二人はその争いの、ジョゼフの死後の旗頭だった。

だが、信じられないことにタバサも父シャルルと比べれば若干劣るらしいが…魔法の才がないかわりに頭が切れるジョセフに比べ、イザベラは見た目は美しいが平凡な女だった。

父からも大事にされず影で蔑まれ、自分より全てにおいて未来の王に…!
自分が今いる立場に相応しいタバサが物言わずッ、淡々と強力になっていく姿を、立場を理解する前からずっと見てきたッ。

……イザベラの中に蓄積した鬱屈した感情は、タバサに関係する全てに、即座に反発させていた。

そうして爆発しようとするイザベラを、ジョルノは視線だけで威圧し、萎縮させ、口から飛び出そうとする罵詈雑言を黙らせる。
目をかけられる事が無いかわりに、咎められる事もなく与えられた権力の杖を振るい我侭を通してきたイザベラには、直接向けられる凄みを前に暴発する事もできなかった…
悔しさを感じることも出来ずにいる間に、ジョルノは囁くように言う。

「イザベラ、これは貴方が優秀である事を示す為です。周囲は貴方の美点を理解していませんからね」
「私の…?」
「そうです。15歳でシュヴァリエの称号まで持っているタバサの魔法の才能は凄いと思います。ですが…」

イザベラはジョルノの言葉に耳を傾けた。
危険な甘さを持って、その声は、とても心地よく聞こえていた。

「『烈風カリン』が仕えた王は、そのメイジより上のメイジではありませんよね? 王族に必要なのはその才能を国の為に活かす能力だと思いませんか?」
「……そりゃ、そうだろうね」

頷くが、思い悩むイザベラにジョルノは畳み掛けるように言う。

「タバサが貴方に敬意を表し、自分から働くような友好な関係になれば、シャルル派の一部も貴方の為に働き始める。元からあるジョゼフ派を引き継ぎ、一つに纏めていくことも無理じゃあない…」
「うん、そうだね。それは、悪くないわ。でも、私とあの子の関係は、アンタも知ってるだろ?」
「ええ。ですから、まずは貴方から働きかけないと。重要なのはタバサが何を求めているかです」
「あの子の求めるもの…王位、じゃあないんだね?」

すぐに同意する返事が来なかったので、違うと判断したイザベラは、必死で頭を巡らせる。
789名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 23:44:33 ID:OsDwCR5P
それを見ながら、ジョルノは視界の端に…部屋を覗く牛男の姿を見てげんなりした。
顔にまで出たのか牛男はすぐに頭を引っ込めるが、角が出ている…ジョルノは手で顔を覆った。
幸い、その様子はイザベラが考え込んでいたので見られはしなかった。

「あの子の家の名誉の回復。いいや、それは私の立場だとまだ、無理…なら。家族…そう、母親だわ。あの子の母親を材料に脅迫…いえ、治す手伝いをしてやれば…!」

思考から立ち戻り、イザベラはジョルノを見上げる。
だがすぐに…イザベラは微かに怯んだ様子を見せたことに、ジョルノは気付いた。
勢い込んでみたが、間違いの可能性に怯えているようだった。
イザベラを安心させようと、ジョルノは爽やかな笑みを浮かべて、彼女との距離を詰めた。

「ベネ! イザベラ。やっぱりできるじゃあないですか!」と、ジョルノはフーゴと初めて会った時の事を思い出しながら、フーゴを真似してイザベラの後頭部から首の後ろにかけて…ゆっくりと撫でていく。

突然の行為に恥ずかしがって、イザベラがジョルノから離れようとするより早く、優しげな目を向け言葉を続ける。

「貴方はまずはその方向から、タバサに接触していきましょう。サポートする人手を後でご紹介し」

ジョルノはいい終わりかけた時、部屋の扉がノックされた。
慌ててイザベラが離れ、扉を開けに行く。

「失礼します。オールド・オスマンが「わかったわ。少し準備するからそこで待ちなさい」

黒髪のメイドにそう言って、イザベラは扉を閉めた。
ジョルノは扉を閉め、振り向いたイザベラの手を取り口づけする。

「時間のようですね。後で私の方から連絡いたします」
「ああ。多分すぐに国に戻るから、準備をしておくんだよ!」

手を押さえて出て行くイザベラを見送ってから、ジョルノは逆に窓から見える角の方へと歩いていく。

「角隠せよ」
「わざとだ。この軽薄男め…テファを傷つけて即次の女とは良い度胸だ。神が許しても俺が、いや「「俺達が許さんッ!」」

言うなり窓から侵入した牛男の隣には、ジョルノの目にははっきりとマジシャンズレッドの姿が映っていた。
マッチョ、だが頭はそれぞれ牛と鳥。そんな二人組みがなんだかジョルノの目には兄弟みたいに見えた。
というかテファとのことも見てたのかという気分だった。

「落ち着いてください。テファへの事はわかるでしょう?」

返事は炎と風の刃だった。

「テファの事はテファに免じて譲ってやろう。二人で解決すりゃあいい話だ…だが今のはなんだ!? ちゃんと説明してもらうぞ!」

杖代わりの斧を向ける牛と、仁王立ちする鳥に交互に目をやり、ジョルノは淡々と言い始めた。

「テファとタバサへの恩返しに必要な事です。ガリアはエルフの土地に面している。そして、タバサの母親を治せる状況にするには彼女の力が必要だ」

ラルカスはなんとなく納得したような表情を見せたる。
ポルナレフの操るマジシャンズレッドは、亀をラルカスのポケットから取り出しながら何も言おうとはしなかった。

「状況というのは?」
「今彼女の母親を治療したら、もっと悲劇的なことが起きる可能性が高い…ジョゼフ王はタバサを…?」

ジョルノは言いながら、考え込むような仕草をしたが、考えを打ち切り亀に向かって話しかけた。
弟を殺すまではむしろわかりやすいが、その後家族を苦しめなければならないのは何故か?
答を出すにはまだジョゼフ王に関する情報が足りない気がした。
ジョゼフ王に関する話は、政を省みず遊び呆けているということと、シャルルの生前の話をちょっぴりだけしか聞いていない。
それもどちらかの派閥の貴族によるフィルターがかかり、脚色されたものだけだ。

「…ジョゼフ王の耳にタバサの母親が回復したという情報が入る…彼は嬉々として今と同じかそれ以上の状況を作るでしょうね」
790名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 23:51:37 ID:sM3F+c5V
支援
791名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 23:53:01 ID:OsDwCR5P
理由がわかれば、国内で隠せばどうにかなるのか他国に逃がせば追ってこないのか、
それとも草の根を分けても探し出し苦しめるつもりなのかも…自ずとわかってくるし、それによってはタバサの母親を治療する事もできる。
そんなことを考えること自体、既に無意味になっているとは誰も考えず、ジョルノの言葉にポルナレフとラルカスは納得した。

「だがボス。テファはアンタについていく気満々だぞ」
「…後で僕がもう一度説得します」

ニヤニヤするラルカスに返事を返し、ジョルノは手で顔を覆った。
テファと長く居過ぎたのか、それとも無意識にこんな気持になるのを今まで避けていたのかジョルノにもわからなかったが…
記憶を消すという強力な魔法を使えるメイジで、ジョルノが信頼もおける相手でもある。
そんなテファが共犯者になるのをボスとしてのジョルノは望んでいた。

だが、個人的にも、間違いなく喜んでいる自分がいることに、ジョルノは怒りが沸いていた。


以上です。
うまく纏められて無い気がする…OTL
792名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 23:59:26 ID:sM3F+c5V
投下乙そしてGJでした
自分の感情に戸惑うジョルノは、
そしてポルナレフの使い魔生活は、いったいどうなるのか
続きが気になってしょうがないです
793名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/04(火) 00:04:19 ID:QI+EUKQV
GJ!
このジョルノ…もしやギャングの次にハーレムを作るつもりなのでは……?
794名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/04(火) 00:19:30 ID:9ovrOZEK
GJ!
795名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/04(火) 00:49:45 ID:YTA5gUjX
GJ!
テファへの苦悩が灰色のジョルノらしくていいな
796名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/04(火) 00:53:36 ID:8aeh+4ns
テファを巻き込むってことは、彼の尊敬するギャングの行いと真逆の行動ではなかろうか。
次が分水嶺か。期待してるぜ
797名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/04(火) 03:12:06 ID:OydW3PZT
>>796ッ! 貴様ブラックラグーンを読んでいるなッ!
798名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/04(火) 03:21:55 ID:Boq5t/+7
仲間は牛と亀と鳥か……一応陸海空そろってるなw
799名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/04(火) 03:23:40 ID:nuKiv8ua
三つのしもべに命令だ
800名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/04(火) 03:40:31 ID:N7ThvNRJ
ペットショップは空を飛べ
ダークブルームーンは海を行け
イエテン変身 地を駆けろ
801名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/04(火) 04:58:32 ID:LJYU0/6W
なんというバビル二世www
802名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/04(火) 06:39:39 ID:ykt1LHFR
【検証画像200枚】ジョジョのパクリ糾弾スレ25
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1204288639/l50

ジョジョは最低のパクリ漫画です。
803名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/04(火) 07:36:11 ID:WR3YSTD8
バビル…承太郎
ヨミ…DIO
となるのかw



住居はもちろん二部の例の油の塔で
804名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/04(火) 13:05:44 ID:cDLWhA3h
バビル二世は荒木も大好きな漫画だったな。
承太郎がいっつも学ランきてたのもバビル二世が元ネタらしいし。
805名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/04(火) 13:44:12 ID:7JQSn2J7
ああ、ゼロのしもべの話題か、懐かしいな
806名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/04(火) 19:19:20 ID:ApkrqfpG
GJ!
ワールドのディスクは黙ったままか、
それとも丸め込んで貰うのか?w
807名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/04(火) 22:09:23 ID:Av9FPGUy
808名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/04(火) 22:25:20 ID:PbigViWy
そして>802が再度規制されるんだな。

そういやdionの方は固定だったから焼かれてたな。
やっぱり残ったplalaか?

前回の規制
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/sec2ch/1178467738/68
809名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 14:29:57 ID:qmfcVsTb
キングクリムゾン
810ヘビー・ゼロ ◆a97Bny7H1c :2008/03/05(水) 15:11:06 ID:bHM4Nool
投下します
811名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 15:13:03 ID:YPNK/C3d
紫煙(パープルヘイズッ!)
812ヘビー・ゼロ ◆a97Bny7H1c :2008/03/05(水) 15:16:39 ID:bHM4Nool
 その部屋はまるで光を嫌うかのように薄暗い。早朝の陽を拒み闇に包まれている部屋。何かが動く気配さえない。
 そんな暗闇に軋むような音とともに光が差した。
「失礼しま〜す…グス」
『扉を閉めろ涙目のルカ……』
 名前を呼ばれたルカはビクリと体を震わせて部屋を見渡した。扉から射し込む光でわずかに見える室内は、別段不思議なところはないように思える。ソファーに机、鏡に獅子の置物など、装飾品は高級な風ではあるが。
 だが、誰もいない。なのに声がする。くぐもったような声がまるで天から降ってくるようだ。
『聞こえなかったのか?私は扉を閉めろと言ったんだ……』
「あ、ああハイ、ただいま…」
 我に返ったルカは慌てて扉を閉めた。それだけで室内は再び闇に戻る。
 這い寄るような不安がルカの背筋を撫で上げる。
『そこに立っていろ』
 『組織』のボスは訳の分からない力を使うと噂で聞いていたルカはその声に逆らう気など端からなかった。
 そして今、起きている現象もその力の一端だとすればボスの不気味さ強大さが窺えようと言うものだ。
『随分といい顔になったなあ、ルカ…。その鼻……まさか余所者の女に整形してもらったんじゃあないだろうなぁ?』
 じろり、とありもしない視線が突き刺さる気がして思わず背筋を正してしまう。
「あ、いや、これは…」
『フン……まあいい。その女、いくつかのアジトに侵入し、あまつさえこの私から逃げおおせた程だ…。随分とまあタフなネズミだ』
 その言葉にルカは目を見開いた。ボスでも仕損じることがあるのかと。
 本人もその様子に気づいたのかバツが悪そうに舌打ちをして言葉を続ける。
『とにかく、場所の特定は出来てるんだろうな?』
「はあ。あの後も手下に店を張らせてましたから…」
『上出来だ。よしルカ、今晩その店にかちこみをかけろ。兵隊も出してやる』
「ま、マジですか!店ごとやっちゃっても?」
『かまわん。それに今晩は店一件が潰れようと気に懸ける奴はいなくなるだろう。日付が変わる頃にはここいらは焼け野原だからな……』
「そ、それはいったい……」
 ルカの反応に満足そうに笑いながら、わざとらしく言葉を続けた。
『おっと、口が滑ってしまったな…。話はこれで終わりだ。出ろ。くれぐれも他の奴には見つかるなよ』

 部屋を後にしたルカは一人ほくそ笑む。
「『組織』が動き出した…。しかもでかい祭まで起こすつもりらしいし…。へへへ、店ごとあの女共をぶっ潰してやる」
 滲む涙を拭いながら、空を見やる。
 先までいた暗闇が嘘のように白い日差しが地面に刺さる。一歩踏み出しただけでも汗が滲むようだ。
「今日もあちぃな…」
 ぼやきながらも足を動かし、朝陽の中にルカは消えていった。
813名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 15:17:39 ID:H3EbA8zn
さてあの熱い夜から一夜明けてどうなった支援
814名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 15:35:03 ID:H3EbA8zn
まさか規制に引っ掛かったのか?
815名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 16:10:37 ID:qmfcVsTb
どうなった?
816名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 16:29:44 ID:dd8z9PWN
おちつけ…素数を数えて落ち着くんだ……1…(ry
817名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 18:33:22 ID:6uy+tqYW
素数に1は含まないッ!
818名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 19:51:37 ID:KwuEo8m7
もしかして・・・仕事中に投下しようとして会社のネットワーク管理者にゴルアされてるんじゃ?
819名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 20:05:45 ID:POX26opQ
ヘビーさんを待っている間、投下しても大丈夫でしょうか?
820名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 20:13:30 ID:KwuEo8m7
私は一向に構わんッッ!
821ゼロいぬっ!:2008/03/05(水) 20:14:55 ID:POX26opQ
じゃあ18分から投下します! 
822ゼロいぬっ!:2008/03/05(水) 20:17:44 ID:POX26opQ
その日、ラ・ロシェール上空にはアルビオンの艦隊を出迎えるべく、
旗艦『メルカトール』を含むトリステイン艦隊が終結していた。
訪問の目的は、国外から逃亡した反逆者達とウェールズの遺体の引渡し交渉。
それが半ば脅迫じみた要求だという事は、相手の陣容からも一目瞭然であった。

予定の時刻よりも遅れて現れたアルビオン艦隊の威容。
それは数と質、どちらにおいてもトリステイン空軍を圧倒していた。
特に旗艦『レキシントン』の巨体は距離感が狂ってしまったかと錯覚するほどだ。

「戦場では会いたくない相手だな」
「本国の交渉手腕に期待するとしましょう」

ラ・ラメー艦隊司令の言葉に艦長が同意するように呟く。
しかもアニエスという兵士が持ち帰った情報では、
連中の砲の射程は我が軍より数段勝っているという。
見た所、あれだけの巨砲にそれだけの射程距離があるとは到底思えない。
だが、警戒するに越した事はないだろう。

(たかが交渉に赴くのに、こんなにも威勢を張らねばならぬとはな)

彼等の姿を嘲りながらラ・ラメーは礼砲の準備をさせた。
たとえ招かれざる客だとしても相手は国賓なのだ。
船体を揺るがしながら幾度か轟音が響き渡る。
しかし向こうから返ってきたのは返砲ではなかった。
アルビオン艦隊から一斉に砲火が上がり、次々とトリステイン艦艇を沈めていく。

「な……!?」

艦隊司令が困惑の声を上げた直後だった。
飛来してきた砲弾が側面の砲門に命中し誘爆を引き起こす。
上がった火の手は瞬く間に広がり、彼のいる艦橋を炎に包んだ。


「ははははは! 何とも呆気ない! 演習にもならぬわ!」

黒煙を上げながら地上へと消えていく敵艦艇を眺めながら、
アルビオン艦隊総司令官のジョンストンは高らかに笑い声を上げた。
突然の奇襲に抵抗も出来ずに次々と砲火の餌食となっていく。
旗艦も被弾し、統制を失った艦隊はもはや烏合の衆も同然。
もはや敵に成す術はなく勝敗は決していた。
ならば、これは戦いではなく虐殺と呼ぶべきだろう。

「敵は戦意を失っているぞ! 今こそ戦果を上げよ!」

それを嬉々として命令するこの男は正気を失っているのではないか?
『レキシントン』艦長として同席するボーウッドはそう思わずにはいられなかった。
だが、このような恥知らずな作戦を決行するには、こういう人物も必要なのだろう。

目の前の惨状から背を向けるように彼は艦橋を離れた。
そして竜騎士隊に撤退する竜騎士やグリフォンの追撃を命じた。
それはトリステイン王国に連絡が入るのを僅かにでも遅らせる為の処置。
逃げる敵を討つのは騎士道にあるまじき恥ずべき行為だ。
しかし彼はこう思う、最悪の戦争だからこそあらゆる手を尽くして早急に終わらせるべきだと。
敵でも味方でもいい、一人でも多く助かるのなら喜んで鬼となろう。
……そして、二度とこの悲劇が繰り返されない事を切に願う。
823ゼロいぬっ!:2008/03/05(水) 20:19:29 ID:POX26opQ
『アルビオン軍、急襲。旗艦艦隊は壊滅』
この報を知らせるべく、伝令に向かったトリステイン竜騎士が背後を見やった。
その目に映るのは、黒煙を上げて沈んでいく自分の母艦の姿。
躊躇いを捨て去るように彼は前へと向き直る。
最後の与えられた任務を果たす事だけを考えなくてはならない。
そう覚悟した直後、彼の両脇から黒い影が走る。
それはアルビオンの旗印を付けた二騎の竜騎士。
連絡線を断つ為に放たれた猟犬。

短い舌打ちと共に彼は振り切ろうと竜を駆る。
だが、それも無駄な抵抗に過ぎない。
練度においてもアルビオン空軍はトリステインを凌駕している。
瞬く間に追いつかれ、息吹の射程内へと捉えられた。
更には前方からも新たな竜騎士達が現れ、こちらに向かって来ている。

もはやこれまでか、と諦めかけた瞬間。
前方から突撃してきた竜騎士達が、擦れ違い様に背後の竜騎士を仕留めた。
旋回して戻ってきた竜騎士に、彼は歓喜を帯びた声で語りかける。

「友軍か!? どこの所属の竜騎士だ? 君達の母艦はまだ健在なのか?」

矢継ぎ早に繰り出される質問に、彼等は何も答えない。
ただ前を指差して急ぎ伝令に向かえとだけ伝える。
困惑する彼の隣で、もう一人の竜騎士がここは任せておけとばかりに胸を叩いた。
二匹の竜が連なるようにその巨体を翻し戦場へと舞い戻っていく。

彼らが一体何者だったのか、彼には知る由もなかった。
だが、これが始祖ブリミルの助けだというのなら応えなければ。
トリステインの為、戦場で散っていった者達の為、
そして自分自身の誇りの為にも……。


「メンヌヴィル殿! ここは危険です、お下がり下さい!」

大気を震わせる轟音に身動ぎもせず、彼は甲板で仁王立ちしていた。
未だ向こうからの反撃はないが、いつ砲火を交える事になるかは分からない。
そうなれば、ここにも砲弾が飛んでくるかもしれないのだ。
注進する船員を無視し、メンヌヴィルは恍惚にも似た表情を浮かべる。

「ああ、とてもいい。人が焼ける臭いだ」

その言葉に、ぞくりと船員の背中が震えた。
船員には砲口から漂う硝煙の臭いしか分からない。
だが、この盲目のメイジは噛み締めるように深呼吸する。
彼等の目の前でまた一つ敵艦が轟沈していく。
その間際、彼等の視線は炎上する甲板へと向けられた。
陽炎かと思われた影は焼け出された人の姿。
舞い踊るみたいに抗い、力尽きて炎の中へと消えていく。
惨状に嘔吐する船員の横で、メンヌヴィルは感動に打ち震える。
824名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 20:19:30 ID:KwuEo8m7
支援
825ゼロいぬっ!:2008/03/05(水) 20:21:30 ID:POX26opQ
「コルベール、お前もどこかでこの光景を眺めているのか。
俺はここにいる。この戦場の篝火の下で、お前を待ち続けている。
ハルケギニア全土が炎に包まれれば、いずれはお前も出てきてくれるだろう。
……その日が、その日だけが俺の生き甲斐だ」

彼が思い浮かべるのはかつての上官であり、彼が唯一尊敬する人物の姿。
『炎蛇』と呼ばれた彼の魔法は強大で、何よりも美しかった。
一切の躊躇もなく住民ごと村を瞬く間に焼き尽くす炎。
名画を前にした見習いの絵描きがそうなるように、俺はただ立ち尽くすしかなかった。
だが、そんな俺の目の前でコルベールは『観察』していた。
常人であれば地獄絵図と表現するであろう世界。
それをまるでフラスコの中身を覗くかの如く眺めていたのだ。
自分の魔法が及ぼす効果を実際に確かめるだけに。
そこには歓喜も嫌悪もなく、その心は微動だにさえしない。

瞬間、メンヌヴィルの誇りは無残に打ち砕かれた。
自分は生涯この男に勝てないと悟った。
それは炎に全てを捧げた彼にとって死に等しい。
故に挑んだ。敵わぬと知りながらもその背に襲い掛かった。
唯一認めた『炎蛇』の炎に焼かれて朽ちるならば、それも本望だった。

だが生き残った。
戦いに敗れ、両の目は光を失い、死の淵を彷徨いながらも生き延びたのだ。
俺は始祖ブリミルに感謝した、これでもう一度あの男と戦う事が出来ると…。

いつの間にかメンヌヴィルの顔には笑みが浮かんでいた。
まるで見えない誰かに語りかけるように呟く男を前に、
船員はこの船に乗り合わせた不運を呪った。


一方、トリステインの王宮は議論に沸いていた。
アルビオンの要求に応じればトリステインの面目は丸つぶれとなる。
もはや国家としての体面は保てないだろう。
だが今のトリステインに要求を突っ撥ねるだけの力がないのも事実なのだ。

「やはり難民の受け入れを拒否すべきでは?」
「拒否した所で引き渡さねば連中は納得はしまい」
「かといって到底受け入れられる事ではない。
ここは再度ゲルマニアに同盟を申し込むべきだ」
「馬鹿を言うな! 同盟解消を申し出てきたのは向こうだぞ!
こちらの弱みを見せれば、いたずらに増長を招くだけだ!」

紛糾しようとも結論は一向に見出されない。
誰もが責任を逃れしか考えていないのに答えが出る筈もない。
いたずらに時間だけが過ぎていく会議を前にアンリエッタが眉を顰める。
その最中、ポツリとリッシュモンが呟いた。

「この状況……まるで二十年前のダングルテールを思い起こしますな」

ただ一言、高等法院長の発言に会議場は静まり返った。
彼の意図を理解出来なかったが故にではない。
逆に、その言葉が何を意味するのかを知っているからだ。
あの時と同様に、無辜の民にあらぬ罪を着せて消し去るしかないのか。
それも已む無しかと思われた瞬間、沈黙を保ち続けていたアンリエッタが口を開いた。
826ゼロいぬっ!:2008/03/05(水) 20:22:48 ID:POX26opQ
「……恥知らず。それでよくも貴族と名乗れるものです」

静かな口調でありながら、その声には確かな怒りが込められていた。
ざわめく高級貴族達を余所に、公然と侮辱されたリッシュモンが拳を震わせる。
王宮においてマザリーニに並ぶ権威を持った自分が恥知らず呼ばわりされたのだ。
相手が姫殿下でなければ即刻この場で首を刎ねていただろう。
彼にとってはアンリエッタは宮廷を華やかに彩るお飾りに過ぎない。
その程度の人間に貶められた事が何よりも腹立たしかった。

「恐れながら姫殿下。それでは僅かばかりのアルビオンの民の為に、
国民に多大な犠牲を強いる事になっても構わない、とそう仰っておいでか?」
「国は違えど民を容易く切り捨てる主に、誰が付いて来るというのです。
貴方が着ているその服も、口にしている物さえ民がいなければ手に入らないというのに」
「その民が生き残る為の手段なのです! アンリエッタ姫殿下!」
「民ではなく貴方がたが生き残る為にでしょう、違いますか!?」

ダンと力強く両手を叩きつけられた机が弾む。
彼女の言葉を否定できる者はなく、皆一様に視線を背けるばかり。
本当に国の事を考えている者など一人もいない。

「ならば姫殿下御自身はどうなのですか? 
命を捨てる事さえ厭わない、その覚悟がおありか?」

失望を浮かべるアンリエッタにリッシュモンが食い下がる。
彼の口元には嘲笑の笑みが浮かんでいた。
所詮は理想を語るだけの小娘だと信じて疑わなかった。
だが、彼女は平然とリッシュモンの問いに答えた。

「当然です」

私の復讐が果たされるのならば。
この身を焦がす憎悪が満たされるのならば。
ウェールズ様を死に追いやった者達が残らず報いを受けるのであれば。

「喜んで私は命を捧げましょう」

胸元で手を組みながらアンリエッタは告げた。
彼女の発言に、会議場に居合わせた誰もが息を呑む。
響いてくる声に入り混じった覚悟は、それが妄言でも虚言でもない事を知らせる。
挑発したリッシュモンでさえ硬直し言葉を失った。
シンと静まり返った会議場に、慌しく伝令が駆け込む。

「伝令! アルビオン軍の奇襲によりトリステイン艦隊は全滅!
アルビオン艦隊は領内へと尚も進軍を続けております!」

齎された凶報に貴族達は騒然となった。
誤報ではないかという淡い期待は、
遅れて届いた正式の宣戦布告の前に消し飛んだ。
それでも藁にも縋る思いで何とか講和を見出そうと彼等は議論を交わす。

「そもそもの発端は向こうの誤解でしょう。事を荒立ててはなりません」
「しかし礼砲に対して正当防衛などと言い掛かりも甚だしいのでは」
「だからこそ譲歩を引き出す余地があるかと」
827ゼロいぬっ!:2008/03/05(水) 20:23:47 ID:POX26opQ
「……………」
「姫殿下、どちらへ行かれるのですか?」

一向に実を結ばぬ議論を無視してアンリエッタは無言で席を立つ。
去り行くその背にリッシュモンが声を投げ掛けた。
内心では、事が運びやすくなるとほくそ笑みながら。
しかし彼女は毅然とした態度で彼等に言い放った。

「決まっているでしょう、私自ら兵を率いて敵を迎え撃ちます。
領地とそこに住まう臣民が侵されているというのに、貴方がたは何も感じないのですか?
いいかげん愛想も尽き果てました。議論がお好きならそこで延々と続けていなさい」

「何を馬鹿な事を…!? これはただの事故です! 
アルビオンとは不可侵条約を結んでいるのですよ!」
「衛兵! 何をしている、姫様をお止めせよ!」

制止の声も振り切って彼女は会議場を飛び出した。
慌てて追い駆けた高級貴族や衛兵達もそれに続く。
そして目の当たりにした光景に思わず息を呑む。
そこにはトリステイン最強と謳われる魔法衛士隊が彼女に傅き、その命を待っていた。
居並ぶ幻獣の迫力に、衛兵達は完全に呑まれて動けなかった。
不気味な沈黙の中、アンリエッタに一人の女性が恭しく報告する。

「既に魔法衛士隊を始めとする各連隊は準備を整えております。
また伝令を送り、各地の義勇兵も終結させております」
「ありがとうアニエス。貴女に任せた甲斐がありました」
「こちらこそ。一介の兵士に過分な御期待を寄せて頂き、感謝の言葉もありません」

アニエスの手から姫殿下直筆の書状が本人に返される。
そこには、火急の時にはアニエスの指示に従うよう書かれていた。
本来ならば、決して平民の兵士如きには許されない。
だがアンリエッタは、自身は手傷を負いながらも避難民を率いてアルビオンから脱出した彼女を深く信頼していた。
一刻も惜しむこの状況で、彼女の用意した保険は有効に働いた。

「では直ちに出陣します!」
「応ッ!!」

姫殿下の檄に、その場に集った兵達が大気を震わせて吼える。
唖然とする貴族達の横を通り抜けてマザリーニも外へと出て行く。
姫様に続き枢機卿まで会議を抜けるなど前代未聞。
声を荒げて大臣の一人が彼を呼び止める。

「待……お待ち下さい枢機卿! まだ会議は続いております!」
「では姫殿下お一人で行かせると?
末代まで笑われたければ、どうぞ我々に構わずお続け下さい」

彼の一言に貴族達が互いの顔を見合わせる。
直後、我先にと彼等は会議場を飛び出し彼女に続く。
自己保身と名誉。どちらに後押しを受けたのかは判らないが、
先程までの意見を覆して彼等もあたふたと準備を整える。
その光景に、マザリーニはやれやれと深い溜息をついた。
828ゼロいぬっ!:2008/03/05(水) 20:24:53 ID:POX26opQ
「艦隊は……他の艦はどうなった?」

燃え盛る『メルカトール』艦橋の中でうわ言のようにラ・ラメーは呟いた。
彼の腰から下は焼け落ちてきた天井に潰され原形を留めていない。
もはや助かるまいと考えた士官は艦隊は健在だと嘘をつこうとした。
だが真摯な彼の眼を前にして、それは躊躇われた。

「……艦隊はほぼ全滅。この艦を含めて残存艦艇数は十を切りました。
転進した艦も、敵の砲撃からは逃れられず真っ先に……」
「そうか。アニエスと言ったか、彼女の言は正しかったのだな」

騙し討ちの憤りも口惜しさもなく彼は言葉を連ねる。
万全の状態であれば敵わずとも敵に損害を与えられた筈だ。
なのに戦う機会さえも与えらずに一方的に蹂躙される。
積み上げてきた訓練の成果も何も発揮できぬままに散っていく。
それが悔しくて士官は思わず進言した。

「司令! 交戦の許可を!
残った艦だけでも突撃を敢行し奴等に一矢報いるのです!」

だが、彼は静かに首を振った。
虚ろな視線を漂わせながらも彼は明確に拒否を示した。
大量の血液が失われて震える彼の手を強く握り締めながら、
士官は彼に問い返す。

「何故ですか!? このままでは、ただ黙ってやられるのを待つだけです!」
「……敵に交戦の理由を与えてはならない。
我々が反撃すれば敵はそれを口実に領内に踏み込むだろう。
でっち上げの砲撃ではなく正当な防衛としてな」
「ですが!」
「行きたまえ。君が残った者達を指揮して脱出するのだ。
残った艦を全て放棄し、地上へと退避しろ。
ラ・ロシェールは天然の要害だ、そう易々と連中も手は出せまい。
そこで援軍の到着を待つのだ」

命令だ、と付け加えてラ・ラメーは手を振り払った。
看取る者もなく一人寂しく朽ちていく。
そんな彼の最期を想像し士官は居た堪れなくなっていた。
だが、勇気ある決断をした彼を、
何も出来なかった無能として後世の笑い者には出来ない。
零れ落ちそうになる涙を堪えて士官は艦橋を飛び出した。

(……それに私には最後の仕事が残されている)

士官には伝えなかった言葉を心の奥で反芻する。
誰かが王宮の腰抜け達に見せなければ……、
惨めな姿を晒して教えてやらねば分からないだろう。
―――戦って勝ち得てこそ我々は生き残れるのだと。

彼の目蓋が閉じられていく。
それはラ・ラメー艦隊司令が最後の任務を全うした事を意味していた…。
829ゼロいぬっ!:2008/03/05(水) 20:26:07 ID:POX26opQ
以上、投下したッ!
830名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 20:39:13 ID:KwuEo8m7
今回も熱い展開だぜGJ!

だが今ここには俺とゼロいぬさんしかいないのか?
831名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 20:45:16 ID:JosE2mt0
乙!
熱いぜ
832名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 20:54:59 ID:u7L9I5SP
GJ!
833名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 21:09:06 ID:9+yaqya4
GJ! なんというワクワク感
834名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 21:54:05 ID:A0+LxFqq
GJ!
835名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 22:35:45 ID:q9dcU+Im
投下乙そしてGJ
ラ・ラメーかっこいいよラ・ラメー
みさくら語みたいな名前なのに!


しかし、ヘビーさんはどうなさったのか……
何か規制にでも巻き込まれたか、PCでも壊れたか……
836名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 22:46:46 ID:uKOx7ftR
原作だとラ・ラメーは連邦軍高官並みの扱いだからな…
銀英のウランフ提督みたいに漢見せてくれてるとイジり甲斐もあるんだが

ともかくGJ祭りだッ!
ウェザー大丈夫かねぇ…データdだとかなら一大事だ
837名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 22:59:58 ID:A0+LxFqq
待ってるうちにヘビーゼロ読み直したやっぱりおもしろかった。
ウェザー・リポートの能力確認してみたら………
威力Aと成長性A・・・・・・納得だ、銃弾を空気抵抗で燃え尽きさせるなんてすげーしな
スピードB・・・Bつったら結構速いしな、持続力もいいだろう
射程距離C・・・短くないか?とも思うが・・・まぁOKだ

だがよ!精密動作性がEってのはなんだぁ〜!?
スタンド初登場時に雨粒でペン立て倒して落ちたペンでピアノを自在に鳴らしたはなんなんだ!
雲のスーツだっていとも簡単に作ってたじゃねーか!
俺を舐めてんのか!クソッ!クソッ!

ヘビーさんがたのしみのあまり暴走した・・・今は反省してる・・・
838ねことダメなまほうつかい:2008/03/05(水) 23:04:38 ID:clJYuuNc
犬さんGJ!何でこの人の書くキャラはみんなかっこいいんだろう?
ヘビーさんも心配だ…自分もこの間吹っ飛んだからな…

ところで話は変わりますが、避難所の画像投下スレ見てたんですよ。
そりゃもうマチさんやらアニエスさんで大興奮だったんですがね…そのなかで
一枚だけ変なものがあったんですよ。
最初はだれだこりゃ?って思ったんですがね、よく見るとキュルケみたいじゃないですか。
トンでもないなーとか思ってたんですよ。そしたらね、それって自分の応援画像じゃないですか。
なんていうか、とても嬉しいんですが同時に、ミスこいたー!って少し落ち込んじゃいましてね。
いやホントに嬉しいんですよ?

それでは投下します。今回はヴィットーリオが登場します。
  
 
839ねことダメなまほうつかい:2008/03/05(水) 23:09:49 ID:clJYuuNc
 ルイズたちがワルド子爵と戦っているころ、ギトーたちは傭兵たちと大乱闘を繰り広げていました。
 傭兵たちはたくさんの貴族が相手だと雇い主から聞いていなかったので、ギトーたちを見て最初は
 おどろきましたが、彼らがまだまだ子どもだとわかるとヤル気がわいてきました。
 自分たちは実戦経験が豊富で、相手は魔法が使えるといっても子どもなのです。
 そして、ギトーたちが魔法をうまくつかえない接近戦を挑んできたので傭兵たちはこころの中で
 勝利宣言をしてしまいました。
 ですが、それは大きな間違いだったのです。

「オッパアァーッ!」
「ホンゲェエーッ!」

 悲鳴をあげて倒れていく仲間たちを見ながら、傭兵たちは自分たちがいる国のことをようやく思いだしました。
 この国もむかしは魔法ばかりを練習してからだを鍛えようとしない、ひよわな貴族たちであふれていましたが、
 アンリエッタ姫のお父上であられる、今は亡き先王陛下は貧弱な貴族などに生きる価値なしと考えていました。
 この先王陛下の考えは、魔法を最高とするルイズたちの国ではとても受け入れられるものではありません。
 まわりの家臣や貴族から、魔法をもって貴族とするもので、からだを鍛える必要はないと反対を受けました。
 先王陛下は、からだから管をだして煮えたぎる血液で岩を蒸発させるのを見せて、家臣たちにからだを
 鍛えることの素晴らしさを説きましたが、逆に気味悪がられます。
 先王陛下は怒りのあまりトチ狂いそうになりましたが、泣きわめいて気持ちを落ちつかせました。
 そして、先王陛下はあたまの固い貴族たちを言葉で説得することをあきらめて、別の方法を考えつきました。
 それは、彼らの目の前でからだを鍛えた者がどれだけ強いかを見せればいいのです。
 はじめは自分でそれを示そうと先王陛下は考えましたが、王さまである自分に本気で向かって者は
 この国にはだれもいません。
 そこで自分の代理でだれかを戦わせようと考え、ちょうどロマリア連合皇国という始祖をあがめる宗教国から
 派遣されていたマザリーニ枢機卿に目をつけました。
 彼はこのときはとても痩せていて、まわりの貴族たちから鳥の骨とからかわれていました。
 そして、マザリーニ枢機卿もそれをとても悔しく思っていたので先王陛下のおはなしに喜んで賛成したのです。
 その夜、先王陛下のお部屋から雄叫びがあがりました。
840名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 23:10:20 ID:fKzW4Yzu
支援とはッ!!
スレ住民がよそ見をしてる間にも投下されるssを見逃さずに
常に作品の補助として書込みボタンを押し続けることだッ!!
841名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 23:11:10 ID:A0+LxFqq
支援する!
842名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 23:11:51 ID:agi+XEps
しえん
843ねことダメなまほうつかい:2008/03/05(水) 23:12:28 ID:clJYuuNc
 次の日、家臣たちと王宮を訪れていた貴族たち、そして魔法衛士隊が先王陛下に呼ばれて中庭に来てみると、
 そこにはロマリア彫刻のように美しく鍛えあげた肉体を誇らしげに見せている、奇妙な仮面をつけた男性と
 先王陛下のお姿がありました。
 家臣たちは先王陛下になにごとかと聞きましたが、先王陛下はなにも言わずに家臣たちを閲覧席に
 座らせると、魔法衛士隊に仮面をつけた男性と戦うように命じました。
 衛士たちはあまり乗り気ではありませんでしたが、王さまの命令には逆らえませんので軽くひねってやろうと
 男性に杖を向けました。

「WRRYYYYーッ!」
「う、ウオオッ?!」

 雄叫びをあげながら向かってきた男性に、魔法衛士隊はあまりにもあっけなくやられてしまいました。
 魔法衛士隊が手も足も出ずにやられてしまったのを見た家臣たちはとてもおどろきます。
 そして先王陛下に男性はだれなのだと問いかけ、先王陛下は仮面をとるように男性に命じました。
 男性の仮面の下からあらわれた顔に、家臣たちはまたもやおどろきました。
 目の前のロマリア彫刻のように美しく鍛えあげた肉体を持つ男性は、彼らが鳥の骨とからかっていた
 マザリーニ枢機卿だったからです。
 多くの貴族がおどろくのを見て先王陛下は今度こそわかってくれると思いましたが、家臣たちはこわがりました。
 マザリーニ枢機卿が先王陛下になにかをされて、一晩で変わり果ててしまったのを見ておそろしくなったのです。
 そして、やはり魔法が貴族の誇りだと思っていましたので、先王陛下を捕まえてどこかに閉じ込めてしまおうと
 みんなで話し合いました。
 家臣たちは自分たちが貴族の誇りを守るんだと考えたのです。
 そして家臣たちは謀反を起こしました。
 この家臣たちが起こした謀反は、メイジ威信と呼ばれて語り継がれることになります。

 家臣たちの反乱は先王陛下とマザリーニ枢機卿のふたりによって鎮められました。
 謀反に失敗した家臣たちは処刑されると覚悟していましたが、先王陛下は家臣たちのあたまを優しく撫でました。
 この先王陛下のお優しさにふれた家臣たちはあらためて忠誠を誓いました。
 そうして先王陛下の考えどおりに貴族たちは魔法だけでなく、からだも鍛えるようになったのです。
 それから、肉体をただ鍛えるだけでなく、どうすれば美しく見せられるかを貴族たちは競い合い、
 試行錯誤の末にポージングの文化が生まれました。
 そして今では、このポージングができるかできないかで貴族の格が決まるとも言われています。
 
「と、言うわけなんだ…オレたちが勝てるわけがねぇ…ズラかれーッ!!」
「逃がすかコラァーーッ!!」

 慌てて逃げていく傭兵をギトーたちは追いかけて、あっという間にやっつけてしまいました。
 そして、ギトーがだれに雇われたかを聞きだそうとまとめ役の傭兵を尋問ているとイキナリだれかがキレました。
844名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 23:12:42 ID:A0+LxFqq
君が!投下し終わるまで!支援するのをやめないッ!
845名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 23:13:04 ID:agi+XEps
明治維新wwwwwwwwww
846名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 23:13:58 ID:fKzW4Yzu
支援!
847ねことダメなまほうつかい:2008/03/05(水) 23:14:19 ID:clJYuuNc
「付き合ってる女を紹介するとき…『ぼくの彼女さ』の…『彼女』……ってよぉ〜〜〜〜
 『女』ってのはわかる…スゲーよくわかる。男と男が付き合ってたらキモチワリーからな……
 だが『彼』って部分はどういうことだあぁ〜〜〜〜っ?!彼の女って他人の女ってことじゃねぇかーーーーーッ!
 ナメやがってこの言葉ァー!超!イラつくぜぇ〜〜〜〜ッ!!
 女が二股かけてるってことじゃねぇかー!人のこころを裏切りやがってチクショーッ!!
 どういうことだ!どういうことだよッ!クソッ!彼の女ってどういうことだッ!クソッ!クソッ!」

 どうやら傭兵が恋人のことを彼女と言ってしまったので、その生徒はキレてしまったようです。
 やれやれと思いながら、ギトーはその生徒を止めに入りました。

「やめたまえミスタ・レイナール、貴族らしくないぞ。それから、やはり彼女ではなく、オレの女と言うべきだと
 私は思うのだが、きみはどう思うかね?」
「そう!それですっ!交際しているのならそう言うべきですよね!」

 ギトーの言葉にレイナールは喜びながらうなずきました。
 彼はとてもまじめで優秀なのですが、ちょっとした言葉ちがいにとてもうるさくすぐに怒ってしまうのです。
 それから、傭兵たちを尋問してキレイな女性に雇われたことを聞きだしたギトーたちはルイズたちと
 合流するために桟橋まで走りました。
 そして桟橋の前で、からだをピッタリと合わせながらひざを少し曲げて整列しました。
 これは、この国の伝統的な旅立ちの儀式なのです。

「行くぜッ!」

 そうして、ギトーたちは桟橋に向かいましたが船はすべて出港していたのでスゴスゴと宿に帰っていきました。
 それから宿の修理をみんなで手伝ってから、ギトーはフカフカのベッドで少しだけ眠り、目を覚ましてから
 しばらくして、船に乗り遅れたことを思いだし、少しだけ泣きました。
848名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 23:15:52 ID:fKzW4Yzu
No,5!!!
彼を支援しろッ!!
849ねことダメなまほうつかい:2008/03/05(水) 23:16:03 ID:clJYuuNc
 アンリエッタ姫は王宮のご自分のお部屋で月を眺めていました。
 その後ろにはマザリーニ枢機卿が心配そうな顔でアンリエッタ姫を見ています。
 アンリエッタ姫がルイズたちと、ウェールズ皇太子の無事を始祖に祈っているとお部屋の扉がノックされました。
 マザリーニ枢機卿が扉を開けると、お付きの従者がなにやら手紙を差しだします。
 その手紙を読んだマザリーニ枢機卿は雄叫びをあげながら新レベル7のポージングで喜びをあらわしました。
 そして、アンリエッタ姫に手紙をお渡しします。
 その手紙には、ロマリア連合皇国の聖エイジス三十二世、ヴィットーリオ・セレヴァレ教皇聖下がだれかに
 暗殺されたと書かれていました。

「なんて…こと…」
「姫様、どうか落ち着いてください」
 
 マザリーニ枢機卿はアンリエッタ姫を慰めながら、ザマミロ&スカッとサワヤカな笑いが込みあげてきました。
 ヴィットーリオ・セレヴァレ教皇聖下は、男性ですら見とれてしまうほど美しいお方でとてもお優しくもあります。
 ですが、マザリーニ枢機卿は彼をとてもおそれていました。
 教皇ヴィットーリオは人のこころの隙間に入り込むのがとてもうまく、アンリエッタ姫が、もし拝謁していたなら
 たちまち彼のとりこになってしまうのは間違いありません。 
 そうなってはこの国は教皇ヴィットーリオの思うままになってしまいます。
 マザリーニ枢機卿は暗殺を行なっただれかに、こころで感謝を述べました。
 後になって知られることになりますが、教皇ヴィットーリオを暗殺した人物は貴族の使う魔法より強い、
 先住魔法を使うエルフの中でも最強と言われている、星のプラチナとその仲間たちでした。
 彼らは後に星屑十字軍と呼ばれ、種族を超えてみんなから尊敬を集めます。

「枢機卿、わたくしはどうすれば良いのでしょう?」
「まずは勅使を送りましょう。あとは各国の動きを見て判断された方が賢明かと」

 アンリエッタ姫はうなずいて、マザリーニ枢機卿に後のことを任せるとお部屋の窓から月を見上げました。
 そして、ルイズたちとウェールズ皇太子の無事を祈ってから眠りにつきました。
850名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 23:16:04 ID:Ug+/jBY6
これは、簡・単・だァーッ! 支援
851名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 23:16:58 ID:A0+LxFqq
なんつーかヤッベェーぜ!すっげー支援だぜッ!
852ねことダメなまほうつかい:2008/03/05(水) 23:17:51 ID:clJYuuNc
投下終了です、支援ありがとうございました。
相変わらず投下の分量を間違えてたり…
ヴィットーリオは登場した、うん、問題ない。
853名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 23:18:43 ID:A0+LxFqq
投下乙!星のプラチナwwwww
854名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 23:19:27 ID:a1p3Ny3J
ロマリアは3部でトリステインは5部か支援
855名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 23:20:34 ID:Ug+/jBY6
流石アルビオン出身の先王www
星屑十字軍てwww
ガリアは第四部か第三部なのかどっちなんだwww
GJっしたー!w
856名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 23:20:49 ID:a1p3Ny3J
猫の人乙

教皇様DIOwwww
先代王はエシディシwwwww
腹が痛いですGJ!
857名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 23:21:21 ID:jKUz+VMf
投下乙
相変わらずでフイタw
858名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 23:22:20 ID:fKzW4Yzu
乙、
相変わらず小ネタだけで話を繋いでいっているかのような
ネタのボリュームに笑わせていただきましたw GJ
859名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 23:25:24 ID:JosE2mt0
今回はヴィットーリオが登場しますってでてねーじゃねーかw
860名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/05(水) 23:34:01 ID:LeA1+Z63
投下が終わるまで噴くのを我慢……我慢できないッ!!wwwww
861名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/06(木) 01:46:03 ID:1paOS4Ay
このハルケギニアは間違い無く荒木ワールド
彼方此方で波紋疾走とか気化冷凍法とか風の流法とかバオー・アームド・フェノメノンとか闘いのメイクとか叫んでいやがる
バルバルWRYYYYYコォォォォォAHHHYYYドドドドドドド……

なんというカオス
862名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/06(木) 02:20:27 ID:kk6F9SzO
こんな危険なハルケギニアは他にないぞw
だがGJw
しかし、なんでちょっぴり泣くんだギトー先生
863名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/06(木) 06:16:00 ID:6AtzwS+I
遅ればせながらようやく理解した。

タイトルのダメなまほうつかいって、ルイズの事じゃなくて、ハルケギニアの魔法使い全員のことだったんだ、と。
864名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/06(木) 08:14:19 ID:9IcyqRrh
メイジ威信吹いたwwwww
これはひどい。
865ヘビー・ゼロ:2008/03/06(木) 09:34:45 ID:vjlmp/89
なぜかいきなり投下できなくなって・・・でも送信失敗じゃないみたいだし・・・
いったんコードとかばらしてみたらなんとかなった
ご迷惑おかけしました。
そんな自分ですが投下よろしい?
866名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/06(木) 09:54:11 ID:9vTRWdRV
律儀に返事待ってるヘビーさん萌え
どぞー
867名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/06(木) 09:56:23 ID:ottvnRk8
先代王カーズ様並の天才かよww
そして支援準備
868ヘビー・ゼロ ◆a97Bny7H1c :2008/03/06(木) 09:58:41 ID:vjlmp/89
ありがとうございます。ではお言葉に甘えまして続きから





『Do or Die ―3R―』

 桶に張った水を掬い顔を濡らす。張り付くような夜の熱は起きてなお残っていたが、それも水が汗と共に流していく。
「ふう…」
 借りた鏡を覗き込み、顔の角度を変えてみる。寝不足気味か目が赤いが大したことはないだろう。ヒゲでも剃るかと道具も用意したのだが、さして伸びているようでもないので止めにした。
 顔を洗ったりヒゲを剃ったりするのはある意味で新しい自分に向けての発進である。"嫌なこと"は忘れてしまって気持ちのいい朝を過ごしたいのは誰だって同じだ。
 じっと鏡に目をやっていて、ふいに鏡の向こうの世界に意識が向いた。こっちとは正反対の鏡の世界。だが、実際に鏡の世界など存在しない。映っているのは光による映像にすぎず、鏡の向こうはない。
 フッ、と鼻の先で笑い飛ばそうとしたとき、ウェザーは目を見開いてしまった。
 自分の背後に誰かがいる!
 だが、気配はまったく感じられず現れた瞬間もわからない。まるで自分とはいる世界が違う存在。"そいつ"は鏡の向こうにいるような――
 ヒタヒタと近づいてくるような光景が鏡越しにわかる。振り向いてしまえば全て済むことなのに――動くことが出来ない。目を瞑ることさえ出来ずただ眺めているしかないのだ。
 だが、"そいつは"いきなり沈むようにしてウェザーの視界から消えた。幻覚だったかと、冷や汗を拭いながら安堵のため息を付く――瞬間、目の前に髪を垂らした女の血走った目が現れた――
「……なんてな。ジャパニーズホラーはやっぱり怖いな」
 エンポリオに聞いた呪いのビデオ云々の粗筋を思い出しながら苦笑する。
 ほら、今はこんなことを考える余裕さえある。昨夜のことは疲れか何かの見間違いだったのだ。
「お化けはプラズマ。UFOは飛行機。ネッシーは作り物。ロッズは蠅。チュパカブラはCGだ」
 どうやらウェザーは昨夜の出来事を未確認生物と同じ扱いにするつもりであるらしかった。
 締めに気合いを入れて部屋を出る。目指す先は禁断の花園。
 昨日よりも何倍も大きく見える扉の前で深く呼吸を整える。意を決してノックをしてみると中で動く気配があった。どうやら起きているらしい。
 ノブを捻って中へ入った瞬間、ウェザーの体は条件反射のように固まった。
 扉の向こうに広がる光景は、フーケとアニエスがベッドで抱き合う禁断の花園――などではなく、二人がベッドの上でクロスカウンターを決めているという凄惨な現場だった。
869名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/06(木) 09:59:16 ID:ottvnRk8
支援
870名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/06(木) 10:19:50 ID:EPc/wwtn
支援したっ
871名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/06(木) 10:39:00 ID:qq3im09G
ま…またダメだったのか?
なんという不遇…ッ

何度やっても無理なら避難所で投下してみては?
というか、ココの避難所は代理スレなかったのか…
872名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/06(木) 12:32:58 ID:tIwC4UYi
>>871
代理スレじゃなくて普通の投下スレに投下されてるけど、やはりあれも本スレの方に代理投下すべきだろうか?
873名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/06(木) 12:58:08 ID:g9XFY7I7
そっちのスレで本人に聞いてみては?

何はともあれ、ヘビーさん乙です
まとめ読んでたらもうこんな時間か…
874名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/06(木) 19:37:28 ID:Yk3vFaCt
あれじゃねーか?
一行目空白で、一定行数を超過すると
投下内容が暗黒空間に飲み込まれて無かった事になるっつーアレ
875名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/06(木) 20:00:57 ID:4DpoWDs+
>>868
また寄生ですか!?
続きがスゲェ気になるよ!!

で、どっちがウルフ金串なの?
876名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/06(木) 20:27:31 ID:7WC3cLp7
今更ながらに思ったが、猫の人のアンリエッタ
柱の男の子孫になるのか?しかもあのエシディシ?
877名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/06(木) 21:33:04 ID:1paOS4Ay
アルビオンの皇太子=サンタナ
トリステインの先王=エシディシ
とくるとガリアの無能王は……
878名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/06(木) 21:38:02 ID:467ba1eA
カーズ様以外にいるとでも?
879名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/06(木) 21:44:27 ID:0rba9Oid
トリステインの先王はアルビオンから婿養子だぜ
ガリアは4部(?)だから…
平穏を求める王様?
880名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/06(木) 21:58:10 ID:/cYAfeQE
番外編でイザベラ様に幽霊吉良が召喚されてたから、四部だろうが……
意表をついて由花子さんやトニオさん風味とか?
本命は露伴先生なジョゼフな
881名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/06(木) 22:19:31 ID:b7OlCed3
しかしまさかの虹村父風
882名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/06(木) 23:24:37 ID:fUkpE7gd
オーノーだヅラ
いつの間にか銃は杖より強しが投下されてるヅラ
今話に関するネタバレは一切しねーから見てくるといいヅラ
883名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/06(木) 23:35:27 ID:HjXD0nb+
>>882
ワイアードのベック、ワイアードのベックじゃないか!
884名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/06(木) 23:58:15 ID:1paOS4Ay
>>883
落ち着くズラ
本物はヅラじゃあなくズラという筈ズラ
つまりこいつはジョセフ・ジョースターズラ
885名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 00:06:04 ID:kwyiaQvF
残念ながら自分には>>882で銀魂しか浮かんでこなかったズラ
886名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 00:32:44 ID:ddm2E/yD
>>885
男たちよ、あきらめるな!
887名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 02:04:16 ID:l1vlhodg
へへへへ だあ〜〜〜れだ?
よお!みんなやっとSSの続き書き上げたってのに誰も迎えにきてくれねだろォ!
…で…きいたらみんなスレ一周年記念って言うだろう…探したぜ。

で、今から投下? 誰の投下?
888ゼロと奇妙な隠者:2008/03/07(金) 02:05:38 ID:l1vlhodg
 ニューカッスル城の至る箇所から巻き上がる爆発。自らの重量を支える箇所を破壊された城が崩落し、岬に多大な負荷を与えていく地響き。大量の瓦礫に吹き上げられる砂嵐。
 これから地面に叩きつけられる数千のレコン・キスタの傭兵達は城が崩れ落ちるという驚天動地の出来事に思考を麻痺させ、能動的な行動を取ることはできなかった。例え動けたとしても、破壊された城の向こうへ行こうとする者などいるはずもなかったが。
 今、礼拝堂の周囲に存在する人間はジョセフ。タバサ。ウェールズ。そして、ワルド。
 生身の右手と手袋の中で紋章が輝く左手でデルフリンガーを構えながらも、ジョセフは自らの肉体が悲鳴を上げているのに今しばらくの我慢を強いるしかなかった。ハーミットパープルをおんぶ紐代わりにウェールズを背負わなければならないのがまた辛い。
 24時間近くの不眠、ガンダールヴで強化された肉体の酷使が引き起こす筋肉痛、波紋を練り切れない荒い呼気、スタンドパワーの枯渇。コンディションは最悪の一言で表せた。
 タバサはジョセフより随分と疲労は少ないとは言え、睡眠不足であることは否めない。
 しかし、ワルドは。
「久しいな、ガンダールヴ! 昨夜はよくもやってくれたな……たかが使い魔風情が!」
 その言葉は憎悪が僅かに含まれていたが、あくまでも嘲笑じみた感情ばかりが強く前に出ている。これから狐を狩りに行くような愉悦に満ちた酷薄な笑みを浮かべたまま、悠然と二人の獲物を見下ろし。呪文を悠々と完成させ、四体の遍在を地面に現した。
「クソッタレがッ! 二回負けただけじゃ懲りはせんのか? どんな魔法を使ったか知らんが、わざわざこのジョセフ・ジョースターにまた負けに来るとはなッ!」
 あくまでワルドを挑発するような言葉を使うが、現状は痛いほど把握していた。
 ジョセフが見上げたワルドは、右手で愛用の杖に似た杖を持ち、ロケットパンチで切り落とされたはずの左手で手綱を掴んでいた。
 ち、と舌打ちしたジョセフは横に立つタバサに素早く視線をやる。
889名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 02:05:50 ID:2vIOYPjO
>>887
お、お前はまさか…
890ゼロと奇妙な隠者:2008/03/07(金) 02:06:48 ID:l1vlhodg
 ジョセフの視線を受けたタバサは、一度だけ首を横に振った。
『魔法でこれだけ早くあのダメージを回復させることは可能か?』というジョセフの問いにタバサは『私の知っている限りでは存在しない』と答えた。
 戦うにしてもジョセフの背には意識を失ったウェールズがおぶられ、逃げるにしてもグリフォンに乗った風のスクウェアメイジから逃げ切らなければならない。
 しかも数分もすればニューカッスルの岬は崩落し、遥か下の地面に叩き付けられる。
 シルフィードが駆け付ければ戦闘はともかく逃走に関して光は見える。しかしそれまで持ち堪えられるかは、非常に厳しい見解を示す他ない。
「――タバサ。シルフィードは、後どのくらいで着くか判るか」
 端正な仮面めいた顔に珍しく焦りの表情を浮かべ、答えを返す。
「……急がせて二分」
「上出来じゃな。――もたせるぞ、タバサ、デルフリンガー」
 無言でコクリと頷くタバサ。続けてデルフがこの絶望的な状況に似つかわしくない陽気な声で答えるのを聞きながら、ハーミットパープルでウェールズを背に負う。
「あいよ相棒ォ! なんか抜かれてみたら随分不利な状況じゃねぇか! 昨夜あれだけブッ飛ばしたあんちゃんがピンピンしてるたぁな! こいつぁ、おでれーた!」
 相変わらずの軽口を飛ばしながらも、剣はううむと唸った。
「系統魔法じゃああれだけの回復はしねーよなぁ。なんだ、確かああいう事が出来たような何かがあったような気が……」
「魔法はわしとデルフが何とかする。タバサ、サポート頼む」
「了解」
 短く答えてタバサはジョセフの後ろに立ち、鷲頭の幻獣に跨るワルドを見上げた。
 勝利を確信した笑みを隠そうともしないワルドに、ジョセフはなおも不敵な笑みを浮かべると、声高に言い放った。
891ゼロと奇妙な隠者:2008/03/07(金) 02:07:57 ID:l1vlhodg
「こォのクソッタレがッ! 一昨日、昨日と二日続けてブッ飛ばされた大マヌケが今日わしに勝てるはずがないと思い知らせてやるッ!」
 

 *


 ジョセフとタバサがワルドと相対したその時。
 トリステインに向かうイーグル号の船尾に立つルイズは、遠のいていくアルビオンをじっと見つめていた。
 フネに乗る直前、ウェールズの拉致計画をルイズ達に明かしたジョセフは、タバサとシルフィードをこの大詰めに連れて行った。使い魔との感覚の共有が出来ないルイズは、ただジョセフが計画を成功させて帰ってくるのを待つしか出来ない。
「……大丈夫よね、ジョセフ」
 何度目かになるかも判らない呟きに、キュルケは多少の苦笑を混ぜてルイズを見やる。
「大丈夫よ、ダーリンだけじゃなくてタバサもいるんだから。間違いなく成功するわよ」
 周囲に気取られないよう、耳打ちするように囁く。
「その通りだよミス・ヴァリエール。あの抜け目のないジョジョが最後の詰めで失敗するだなんて考えられるかい? もう少し自分の使い魔を信頼すべきだよ。僕がヴェルダンデに感じているくらいとまでは言わないけれど!」
 そう言って膝の上に抱いているヴェルダンデにぎゅむと抱きつくギーシュ。
「……?」
 しかし当のルイズは友人達の言葉を半ば聞き流し、左目を手の甲で擦った。
892名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 02:08:12 ID:WSUe/wNX
ウワアー!隠者さんが来てるウーッ!!
893ゼロと奇妙な隠者:2008/03/07(金) 02:09:06 ID:l1vlhodg
「……あれ、おかしいわ。何か目がヘンな感じ……」
「疲れてるのよ。昨夜だってみんな眠れてないし」
 だが言葉を交わす間にも、ルイズの左目は空の青と雲の白ではない何かを映し出した。
「見える……私にも何か見えるわ!」
「何が見えるのよ。あら、もしかして感覚の共有が出来るようになったの?」
 一般的な使い魔は主人の目となり耳となる能力を与えられる。ジョセフを召喚してからと言うもの、ちっともそんな感覚はなかった。
「そうね……これは、多分ジョセフの視界よ!」
 残念ながらジョセフの聞いているものは聞こえないが、少なくとも今自分が見ているものではない何かが見える。
 いきなり感覚の共有が出来るようになった理由は判らないものの、出来ると出来ないでは大きく話が変わってくる。
 これで自分もまたメイジに一歩近付いた、と内心の喜びを出来るだけ顔に出さないようにしながらも、今ジョセフは何を見ているのかに意識を集中させていった。
 しかし、ルイズの左目が映し出す光景は、信じ難いものだった。
 何故ならそこに映っているのは、あの救い難い裏切り者であるワルドがグリフォンに跨っている姿だったのだから。
「な……何よ、これ……」
 呆然と呟くルイズの声に、様子がおかしいと感じたキュルケが声を掛ける。
「どうしたのルイズ。何が見えるの?」
 ワルドが駆るグリフォンが猛スピードで空から駆け下り、強靭な前脚から伸びる鉤爪が襲い来るのを間一髪かわすが、グリフォンは空で姿勢を整えて再び襲い掛かろうとしているのが見える。
 気が付けばルイズは、キュルケとギーシュが必死に自分にしがみ付いているのを感じた。
894ゼロと奇妙な隠者:2008/03/07(金) 02:10:20 ID:l1vlhodg
「離して! 行かなくちゃ、ジョセフが、ジョセフがっ!」
「落ち着きたまえミス・ヴァリエール!」
「そうよ、アンタ自殺する気!?」
 必死になって叫ぶ声に、ルイズは舷縁を乗り出そうとしていた自分にやっと気付いた。
 ルイズは二人に向き直ると、何が起こっているのかまだ判らない顔の友人達に叫んだ。
「ワ……ワルドが! グリフォンに乗って、襲ってくるの! ああっ……!」
 そう言う間も、グリフォンは休む間も与えず襲い掛かってくる。巨大な翼と胴体の間から垣間見えたワルドの表情は、信じられないほど歪んだ笑みを浮かべているのさえ見えた。
「……あの裏切り者が、ダーリンと戦ってるのね?」
 恐慌に陥りかけているルイズの言葉から全てを察したキュルケは、瞬く間に表情を引き締めた。
 崩壊した城の瓦礫が立ち昇らせる噴煙を一瞥したキュルケは、自らの中に残る精神力と状況を合わせて判断し、強く頷く。
「戻るわよミスタ・グラモン」
 その言葉に、ギーシュは顔を青ざめさせた。
「ム……ムチャだ! 今からフライで行ったって間に合うかどうかすら……!」
「間に合うか間に合わないかはどうでもいいわ。間に合わせるのよ。無駄な問答は嫌いよ」
 微熱の二つ名を持つ炎のメイジは、自らに纏う微熱の温度を上げていく。
「それともグラモン家は、親愛なる友人を仕方ないで見捨てて恥としないのかしら」
 キュルケの言葉に、ギーシュはああ、と天を仰いだ。
「くそ! 死んだらツェルプストー家に化けて出てやる!」
「火のツェルプストーにアンデッドなんて怖いものではなくてよ、ギーシュ」
 軽口を叩き合いながら、キュルケとギーシュはルイズを両脇から抱えるとフライの魔法を完成させ、フネから飛び出した。
895ゼロと奇妙な隠者:2008/03/07(金) 02:11:26 ID:l1vlhodg
 *


 安全な状況で仇敵を嬲り殺す。その状況を娯楽めいた愉悦で享受する。
 魔法学院を出立してからただ三度の夜を越す間に、ワルドの精神はここまで歪んでいた。
 否。確かに三度の夜は彼の精神に大きな湾曲を与えていたが、決定的な歪みが与えられたのは、今からたった数時間前のことだった。
 ジョセフとの戦いで再起不能となったワルドは、ウェールズの指示により地下牢に入れられる事となった。だがゴーレムさえ一撃で粉砕する拳の連打を全身に浴びたその身体は『ただ息があるだけ』でしかなく、一切の処置を受けることもなかった。
 結果、さしたる時間も置かずに彼は二十六年の短い生涯を閉じた。
 そのままならば彼の死体は地下牢ごと崩落した城に巻き込まれてしまうはずだった。だが、そこに一人の蛇がやって来ることで彼は再び表舞台への復帰を余儀なくされた。
 蛇は黒いローブに身を包み、一つの指輪を飾る手には一本の杖を持っていた。
 爆破解体に勤しむメイジ達は彼女の姿を目にしていたにも拘わらず、その姿を不審と思うことすらない。彼女は『存在を不審に思われない』という効果を受けていたからだ。
 その蛇はメイジ達や使い魔達やゴーレムが忙しなく作業を続ける城内をしばらく見て回ってから、おもむろに地下牢へ下りる階段を下りていく。
 死体一つが転がる地下牢へ難なく侵入を果たした蛇は、死体の転がる牢の扉の前で指輪を翳すと短い呪文を吐き出した。
 すると命の抜け落ちた無残な死体は、転寝から覚めるように身を起こす。
 拳で打ち砕かれた全身は萎んだ風船に空気を入れるように治癒していき、切り落とされた左腕も切断面から噴き出るように生えてしまった。
896ゼロと奇妙な隠者:2008/03/07(金) 02:12:36 ID:l1vlhodg
「お目覚めかしら、ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド」
 女が呟いた言葉に、蘇ったばかりのワルドは恭しく膝を突いた。
「申し訳ありません。与えられた任務を失敗してしまいました」
「構わないわ。今となってはそんな些事」
 その蛇の名はシェフィールドと言った。
 レコン・キスタ総司令官オリヴァー・クロムウェルの秘書である彼女は、何の感慨もない声でワルドに言葉を続ける。
「貴方はガンダールヴを愉しませなさい。それ以上は何もしなくてもいい。何も」
 ワルドはその言葉に、何の不満も抱かない。
「了解しました」
「それともう一つ貴方に授けるものがあるの。こちらへ来なさい」
「喜んで」
 ワルドが鉄格子の嵌められた小窓の前にやってくると、シェフィールドはその長くしなやかな指に一つの宝石を摘んでいた。
 宝石を持つ指は一切の躊躇すら見せず、ワルドの左目を深く抉り込んだ。
 しかし彼女の指が感じ取ったのは、眼球本来の硬質なゼラチンじみた不愉快な感触ではなく、夥しい藻や水草が絡む澱んだ沼地のような感触だった。
 ワルドの左目に入り込んだ宝石は水に沈むように、左目と同化した。
「これであの方に貴方の見ている物を全てご覧頂ける。今行われている策が遂げられた後、貴方はあのガンダールヴを襲撃なさい。勝敗は問わないわ」
「畏まりました」
 そして最後に、手に持った杖をゴミでも捨てるような手付きで牢の中に投げ捨てた。
「ではさようなら。ワルド子爵殿」
897ゼロと奇妙な隠者:2008/03/07(金) 02:13:48 ID:l1vlhodg
 シェフィールドは一切後ろを振り返ろうともしない。今の興味は、ガンダールヴの実力を測ることとニューカッスル城に施されている爆破解体の結末に向けられている。
 ガンダールヴにけしかける噛ませ犬にどのような興味を持てと言うのか。
 地下牢を出たシェフィールドは、やはり来た時と同じく何人ものメイジ達と擦れ違いながらその存在を怪しまれる事もなく、ニューカッスル城を後にした。
 最後に一つ、仕掛けた罠だけを残して。


 *


 彼女が仕掛けた罠はガンダールヴを翻弄する。
 二回の敗戦を踏まえての三回目の交戦ともなれば、敗因を排除する事は容易い。
 純粋な白兵戦では五分五分、メイジが持つ最大のアドバンテージである魔法は通用しない。ならば別の手を使えばいい。
 ワルドにはグリフォンという非常に強力なアドバンテージがあった。
 ただの馬に乗った騎兵でさえ、歩兵はほぼ太刀打ちできない。馬の持つ機動力はそのまま破壊力に変換されるからだ。
 それが空を翔る幻獣ともなれば、歩兵に一切の抵抗は出来ないと言ってもいい。
 普通に考えても、敵の武器の届かない所から適当に魔法なり飛び道具を使うなりすればいい。そうでなくとも高所から落下する攻撃の破壊力、三次元を自由自在に駆け巡る機動力。ただの馬とは比較にすらならない。
 それに加えて四体の遍在が引っ切り無しに三人を攻め立てる。
898ゼロと奇妙な隠者:2008/03/07(金) 02:14:57 ID:l1vlhodg
 そんな圧倒的不利の状況を、ジョセフとタバサはよく凌いでいた。
 一撃でも掠れば致命傷になりかねないグリフォンの突撃を、ガンダールヴで強化されたジョセフの脚力とタバサの風魔法による加速が辛うじて回避を可能とさせていた。
 だが回避するのが精一杯で、反撃するまでには至らない。
「どうしたガンダールヴ、貴様は神の盾だろう!? 逃げるのが上手だとは伝説に謳われてはいなかったはずだがな!」
「勝手に抜かしとれッ!」
 ワルド本体に手を出す余裕はない。下手に地面を離れればグリフォンの餌食になることは判り切っている。
 だが遍在達を倒す事は容易い。遍在の種は既に知れている。
 ジョセフには最早「このジョセフ・ジョースターに同じ手を使うことは既に凡策だ」という決まり文句を言うつもりさえない。
 一言の打ち合わせをすることもなく、ジョセフとタバサは最善手を取っていた。
 魔法吸収能力を持つデルフを構えたジョセフが前に立ち、その後ろにピタリと付いたタバサが攻め手に回る陣形。
 戦術としては実に単純。遍在が放つ魔法をデルフで吸収しながら接近し、魔法での防御も無効化される遍在にタバサが攻撃を仕掛ける。
 言葉にすればたったこれだけの事だが、全くの打ち合わせもなくそれをやってのけるのはジョセフとタバサの戦闘経験の賜物だった。
 ワルドは確かにスクウェアメイジではあったが、修羅場を潜り抜けた経験で言えばジョセフとタバサには足元に及ばないと言ってもいい。
 戦いが始まって一分もしないうちに、二体の遍在がタバサの放つ風の刃で消滅した。
 息を付かせる暇もなく襲い来るグリフォンも、ジョセフ、タバサ、デルフリンガーの三つの視点がある以上は決定的に不意をつける代物でもない。不注意で直撃を貰わないようにすれば何の問題もない。
899名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 02:19:56 ID:tAoqz9EE
支援します。
900名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 02:24:40 ID:NqZ7RU2s
支援
901名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 06:10:34 ID:Q9+wLCZQ
サルさん規制?
902奇妙な隠者、代理:2008/03/07(金) 06:15:26 ID:V4Q20ArG
「当たらなけりゃどうという事はない! というヤツじゃな!」
「そうそう当たるものでもない」
 ジョセフとタバサは軽口を叩ける余裕を取り返していたが、シルフィードが到着しなければ決定的な不利は覆らない。
(くそったれがァ〜〜〜〜、シルフィードに王子様乗せたらギッタギタにしてやるッ!)
 間もなく到着するシルフィードにウェールズを載せて身軽になれば、心置きなくグリフォン上のワルドに立ち向かえる。
 風竜であるシルフィードの速度はグリフォンを凌駕する。だが今のワルドを置いて逃げれば後顧の憂いを丸ごと残すこととなる。
 昨夜完全敗北させたはずなのに、傷の一つも負った様子もなく再び舞い戻ってくる事態。
 波紋戦士であるジョセフには嫌と言うほど心当たりがある。吸血鬼や柱の男という存在は彼の頭脳からどうやっても消せはしない。
(波紋で倒せるかは判らんが……しかし今のヤツは危険ッ! ここで決着をつけねばなるまいッ!)
 基本的にいい加減で怠け者でお調子者とは言え、他人に危害を加える存在を見逃して良しと出来る性格ではない。
 しかし久方ぶりの肉体の濫用により呼吸が乱れてしまっている。身体に残っている波紋はあと一撃を叩き込む余裕はあるとは言え、無駄撃ちは許されない。
 三人目の遍在を風の刃で斬り倒し、四人目の遍在の首をデルフリンガーが刎ねたその時。
「――来る」
 タバサの小さな呟きの後、シルフィードが二人と相対するワルドの背後から全速力で近付いてくるのが見えた。
「よし! お遊びはここまで、ここからが大逆転タイムじゃなッ!」
903奇妙な隠者、代理:2008/03/07(金) 06:17:28 ID:V4Q20ArG
 背後から急接近する風竜は、幾らグリフォンと言えども阻めるものではない。
 全くスピードを緩めず突っ込んでくるシルフィードにタイミングを合わせ、二人は完璧なタイミングで跳躍して飛び乗った。
 水色の背の上にウェールズを寝かせ、左手にハーミットパープルを這わせると両手でデルフリンガーを握り直す。
 たったこれだけの行動を終えるまでの僅かな時間で、全く飛行速度を殺すことのなかったシルフィードは岬の上から離脱していた。
「タバサ、ここでヤツと決着を付ける! アイツを見逃すのは……イヤァな予感がするんでなッ!」
 ちらりとジョセフを見たタバサは、微かに走った逡巡の色を拭うように手綱を引いた。
 短い付き合いではあるが、切羽詰った状況でジョセフが何の考えもなく行動する間抜けな事はしないとタバサは理解していた。
 手綱に合わせて急旋回したシルフィードは、グリフォンへ向けて突き進んでいく。
「タバサ」
 急速に互いの距離を縮めていく中、ジョセフは静かに言った。
「もしわしが失敗したら、王子様を連れて逃げてくれ」
「判った」
 その返事を聞き届け、ジョセフは真正面にワルドを見据えた。
 シルフィードに飛び乗られた時点で追撃を諦めていたワルドは、再び岬へと戻ってくる風竜を一瞥し、口端を歪ませた。
 手に持った杖は既にエアニードルを絡ませている。ワルドも手綱を操り、向かってくる風竜へ向けてグリフォンを奔らせていく。
 相対速度にして時速数百リーグにもなる超スピードの中、ジョセフは注意深くタイミングを計る。タバサも小さく呪文を唱える。
904奇妙な隠者、代理:2008/03/07(金) 06:19:20 ID:V4Q20ArG
 ジョセフがシルフィードの背を蹴り、空中に身を躍らせた瞬間、ニューカッスル城崩落の衝撃に耐え切れなくなった岬が、ゆっくりとアルビオンから切り離され、遥か下のハルケギニアへの落下を始めた。
 自らの身一つでワルドへ飛び掛るジョセフの背に、タバサがエアハンマーの魔法を放つ。
 当然攻撃の為ではなく、三千メイルの空を生身で飛ぶジョセフの背を後押しする為。
 デルフリンガーの切っ先をワルドに向けたまま、互いの表情の変化が見える距離の中、先に仕掛けたのはジョセフだった。
「ハーミットパープルッッッ!!!」
 左腕から、何本もの紫の茨が奔流となってワルドへ伸びる。
「笑わせるなガンダールヴ! 空は私の領域だ!」
 風のスクウェアメイジであるワルドにとって、上下左右全てが風に満ちた空と言う空間で不利になる要素はないと言っていい。
 この空中戦でワルドが空を飛ぶ鷲だとすれば、ジョセフは地を這う蛙程度でしかない。
 迸る茨を巧みにグリフォンを操って回避し、魔力を帯びた風の渦で飛び狂う茨を切り払う。
「こぉのクソッタレがァーーーーーーーッッッ!!!」
 この状況に置いて得意の罠を仕掛けることも出来ない。ジョセフにとって力押し一辺倒という戦法は下の下、ある意味彼にとって最も不得意な戦法と言うより他ない。
 しかしスタンドもガンダールヴの肉体強化も、心の震えが強ければそれに比例して出力が強化される能力。
 酷使に悲鳴を上げる身体の隅々から振り絞るように力を集め、更に茨を生み出していく。
 そして一本の茨がワルドの左腕に絡み付いた瞬間、体内に残る波紋を一気に吐き出した。
「ブッ壊すほどシュートッ!! オーヴァドライブッッッ!!!」
 茨を伝う波紋が疾走し、ワルドへと放たれる。
905奇妙な隠者、代理:2008/03/07(金) 06:21:33 ID:V4Q20ArG
 ワルドに届いた波紋は左腕を瞬時に爆裂させ、破壊する。劇的な破壊が波紋により起こった事実、それこそが、ジョセフの感じた予感が正しいと証明するものでしかなかった。
 普通の人間に波紋を放ってもせいぜい電流が走る程度の影響しか与えられない。狙えば心臓を停止させられるだけのショックを与えられるが、肉体を破壊させるまでには至らない。
 波紋でこれほど効果的な破壊が起こせるのは、吸血鬼か、柱の男か。
 少なくとも、今のワルドは太陽のエネルギーに酷似した正の力が毒となる存在だという事である。後は走る波紋がワルドの全身を駆け巡り、彼の肉体を破壊しつくすのみ――
「そうはさせるかァァァァッ!!」
 左腕を破壊した波紋が全身に伝わろうとする刹那、ワルドは僅かな躊躇さえ見せず左肩を自らの杖で貫き、打ち砕いた。
「何ッ!?」
 自分の左腕ごと波紋を切り離したワルドの行動に、さしものジョセフも虚を突かれた。
 構えたデルフリンガーで突きを繰り出す動作に移るのに、僅かな……本当に僅かな隙が生まれてしまった。
 勝利を確信したワルドの邪悪な笑みを、ジョセフは確かに目撃した。
「私の魔法は貴様には届かない……だが、自然の風ならばどうなのかなガンダールヴ!」
 その言葉がジョセフの耳に届いた瞬間、ジョセフの身体はグリフォンが一際大きくはためかせた翼に起こされた突風で弾き飛ばされた。
「うおおッッ!!?」
 この場に吹き荒れる風の流れを知り尽くすワルドにとって、自然の風にどう影響を及ぼせば自分の望み得る結果を生み出せるかは、正に手足を動かすのと同じレベルの話。
 空中で完全に体勢を崩されたガンダールヴは、正に鷲の前の蛙同然だった。
 グリフォンは主の思い通りに空を走り、獲物目掛けて前脚を振りかざし――狙い違わず、ジョセフの胴体に獣の力強い一撃を叩き込んだ。
906奇妙な隠者、代理:2008/03/07(金) 06:24:23 ID:V4Q20ArG
「ぐうッ――」
 ハーミットパープルに残りの波紋を注ぎ込んでしまったジョセフには、最早防御に回せる波紋すら残っていなかった。
 胸から脇腹にかけて大きく刻まれた爪痕と口から大きな血飛沫を撒き散らしながら、ジョセフは重力に引かれて先に落ちて行ったニューカッスル岬の後を追うこととなった。
 落ちていく中、ジョセフはまたも有り得ないものを見た。
 自ら打ち砕いた左腕が、あっという間に再生させるワルドの姿を。
「……ジョセフ……」
 見る見るうちに白い雲の合間へ落ちていくジョセフ。しかしタバサはジョセフを追い掛ける事もせず、シルフィードを全速力でこの場から離れさせる。
 魔法を吸収できるデルフリンガーを操るジョセフがいない今、シルフィードとグリフォンという乗騎の性能差があるとは言え、肝心のメイジの能力には著しい差がある。
 休息もろくに取れていないトライアングルメイジと、正体不明の能力を携えて戻ってきたスクウェアメイジ。
 勝ち目も無いのに感情に任せて突き進む愚を、タバサは短い人生の中で理解していた。
 だが彼女の中では忸怩たる思いがある。それは手が白くなるほど引き絞られた手綱が証明していた。
 タバサが持つ数ある目的に近付く為の不可思議な力だけでなく、様々な卓越した能力を持つジョセフ。ここで彼を失うのは痛恨ではあるが、ここで自分が死んでしまっては元も子もない。
 今の手持ちのカードでは決して勝ち目は無いが、せめて何か勝ち目の見えるカードがあれば再びワルドに立ち向かい、ジョセフを救出に向かう事に恐れは無い。
「せめて……せめて何か手立てが……」
 ぎり、と歯噛みするタバサ。不意にシルフィードが大きな声で叫んだ。
「お姉様! 前を見るのね!」
 竜の口から聞こえた言葉に前を見れば、そこにはキュルケとギーシュに抱えられてこちらへ飛んでくるルイズの姿があった。
 彼女の姿を認めた瞬間、タバサはシルフィードに命じた。
「三人を乗せたら急いで反転。反撃に向かう」


 To Be Contined →
907奇妙な隠者、代理:2008/03/07(金) 06:33:05 ID:V4Q20ArG
以上投下しました。
ゼロと奇妙な隠者の中ではジョセフが危機に陥るとルイズにも見えるようになりました。
理由:そっちの方が中の人の好みだから。こっちの方が萌えるんだ!ヽ(`Д´)ノ

久し振りに投下しようと今夜中に完成を間に合わせようとしたらこんな時間になってしまったぬー。
とりあえず私用も一段落したのでこれからはコンスタントに投下していく方向で。
プロットばかりが溜まっていく切なさも強いんだぜーちくしょうー。
どなたか代理投下してくれれば嬉しいのです。


朝きたら、隠者さんの投稿がきていた。すごく嬉しかった。
夢中になって読んでいたら、中途半端に止まっていた。さるさん食らったらしかった。
そんな訳で代理投稿してみました。
代理投稿なんて初めてなので、うまくできるか心配だったけど、
無事に終われてホッとしています。
最後に、隠者さんGJ!!、続きも楽しみにしています。
908名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 08:41:37 ID:NBj1GC0s
隠者さん投下乙
続き楽しみにしてます

代理さんの命がけの行動ッ!僕は敬意を表するッ!
909名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 09:05:34 ID:v55Dmpxw
隠者復活!隠者復活!GJ!!
そして代理投稿の方もGJ!!
910名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 18:51:03 ID:PTm3eZH2
金具栗無損!!
911名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 19:05:14 ID:IjIkNNxN
パクり左遷荒木!
912名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 19:08:26 ID:tvSYSJTu
>>911
きめぇよ、カス
913名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 19:18:01 ID:WUldVKJH
>>912
そんなかわいそうな子を相手にするなよ
914名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 19:40:54 ID:BU8fx2rc
そうそう、脳味噌がクソになったド低脳なんかスルーしようぜ
915名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 20:15:33 ID:x9du6oLG
真・スルー 何もレスせず本当にスルーする。簡単なようで一番難しい。
偽・スルー みんなにスルーを呼びかける。実はスルーできてない。
予告スルー レスしないと予告してからスルーする。
完全スルー スレに参加すること自体を放棄する。
無理スルー 元の話題がないのに必死でスルーを推奨する。滑稽。
失敗スルー 我慢できずにレスしてしまう。後から「暇だから遊んでやった」などと負け惜しみ。
真・自演スルー 議論に負けそうな時、ファビョった後に自演でスルーを呼びかける。
偽・自演スルー 誰も釣られないので、願いスルーのふりをする。狙うは4匹目。
3匹目のスルー 直接的にはスルーしてるが、反応した人に反応してしまう。
4匹目のスルー 3匹目に反応する。以降5匹6匹と続き、激突スルーへ。
916名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 21:14:25 ID:SdPF9FD6
そんなことより『低脳』と『低能』の違いについて話そうぜ。
917名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 21:29:42 ID:mW9N7/wj
>>916
『低能』ってのはよく分かる………
「能」力が「低」いって事だからな………
だが『低脳』ってのは………



『「脳」が「低」い』
『「脳」が「低」い位置にある』



つまりグリーンデイを喰らったらオシマイって事かッ!
918名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 21:34:15 ID:4dKa845d
>>917
納得してどうするw
919名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 21:44:11 ID:eAVBjmR1
脳の程度が低い=低脳

指す部分は違えど低能と凡その意味は変わらん
920名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 21:52:32 ID:9DdlqVp1
>919
だが、「低脳」と「低能」には大きな違いがあるッ!

虹村億泰!

この男は、「低脳」ではあるが、「低能」ではないッ!

・・・・・・・・・・・・と思うんですが、いかがなものでしょうか?
921名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 21:57:57 ID:rkwXXJc3
>>917>>918
ギアッチョがそんなキャラだったら……それはそれで人気が出たなw

>>920
確かによ、奴が「低能」じゃないってのはよォ〜くわかる…スゲーよくわかる。
ザ・ハンドは汎用性が高いスタンドだからな…だが本体が「低脳」じゃ使いこなせねーじゃねーかっ!?
ナメやがって、クソッ!クソッ!
922名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 22:11:39 ID:9DdlqVp1
>921

最初は使いこなせてなかったじゃん、ザ・ハンド。
対仗助戦は単なる自滅だったし。

アレはどー見ても、「低脳」と呼ばれてもしょーがないマヌケさだった。
923名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 22:12:32 ID:9DdlqVp1
あ、俺の書き込みでちょうど480kbになった。

ので、新スレ立てますね。
924名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 22:13:05 ID:3RTQrA7U
そんな事よりスタンドでヨルムンガントに勝つ方法考えようぜ!


【ヨルムンガント】
全身が謎金属で出来た巨大ゴーレム
確か全高50メートルなのでフーケ製ゴーレムよりさらにデカイ
装甲にはエルフの反射魔法を仕込んでいるので系統魔法は全くの無意味、
さらにサイトがデルフリンガーで斬りつけても傷一つつかなかった
巨大な刀剣と、人の背丈ほどもある投げナイフで武装している
投げナイフを扱えることから判断がつくだろうが、極めて器用である


俺が12巻を読んだ限りではこんなとこだ
装甲に反射魔法仕込んでる以上、反射魔法を無視して攻撃できることが必須なんだろうが……
925名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 22:14:58 ID:LYiBLPGU
低脳=億泰
低能=ヌケサク
926名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 22:15:34 ID:x9du6oLG
>>924
つガオン
927名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 22:16:40 ID:9DdlqVp1
【ジョジョ】ゼロの奇妙な使い魔【召喚79人目】
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1204895725/l50
928名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 22:17:03 ID:x9du6oLG
>>927
929名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 22:17:35 ID:LLSfClGg
デルフリンガーで斬れないならアヌビス神で斬ればいいじゃない
930名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 22:29:32 ID:rsfRETBE
>>924
アンダーワールドで落とし穴掘って落とす
スパイスガールで柔らかくして壊す
オアシスで沈める
水の精霊+FFで無限巨大化して潰す
クリームでガオンッ
アヌビス神で切る
ウェザーで土壌ごと押し流す
キッスで地道に破壊

この位か?
後、クラフトワークで固定して木偶の坊化なんてのも思いついたw
931名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 22:31:15 ID:LYiBLPGU
>>930
オアシスなら沈めなくても溶かせるんじゃね?
932名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 22:33:19 ID:1I/DZJbz
つ本体狙い
933名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 22:34:59 ID:WUldVKJH
プしゅん☆プしゅん☆プしゅん☆
934名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 22:36:54 ID:aAPQr/nn
キラークイーンで爆破
935名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 22:37:09 ID:BU8fx2rc
>>924
ザ・ハンドで削り取る
スーパー・フライに引きこもる
オアシスでドロドロに溶かす
ホワイトアルバムで身動き取れなくする
キラークィーンで爆弾にする
GRE、終わりが無いのが終わり
エボニー・デビルで奪い取ってメーン!
アヌビス神で お ぼ え た ぞ !
イエローテンパランスに物理攻撃など効かん!そしてコレが本体のハンサム顔だ!
スパイスガールで柔らかくする
スティッキーフィンガーでバラバラにする
ノトーリアスB・I・Gで吸収
クラフトワークで固定する
リトルフィートで小さくする
 ガ オ ン ッ !
ソフトマシーンでペラペラにする
マン・イン・ザ・ミラーで放置プレイ
エコーズact3の超重力で埋める
メタリカとバステト神は磁力でどうにかする
ハイプリエステスのダイヤモンド並の歯で噛み潰す
キッスで増やした後、元に戻して破壊する
メイドインヘブンで世界を一巡させる

さあ、好きなのを選ぶんだ
936名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 22:39:14 ID:LYiBLPGU
ゴールドエクスペリエンスで植物にするのもアリか?
937名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 22:43:57 ID:Po8gfHh5
スタプラとかキンクリとかじゃ勝てそうに無いなぁw
負けないことなら可能かもしれないけど
938名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 22:46:15 ID:BU8fx2rc
あ、あと鼠のスタンドなら溶かせるんじゃね?
時間がかかる上、鼠どもは喰えない鉄には興味を示さないだろうけどなw
939名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 22:46:58 ID:rkwXXJc3
ふと思ったがフーケのゴーレム辺りをストレングスやホイールオブフォーチュンで強化して
真っ向勝負というのは駄目だろうか?
940名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 22:47:55 ID:GoGC9GjC
スタープラチナはダイヤモンドも叩き壊すんだぜ?
941名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 22:49:21 ID:HO0oH/Si
単純な破壊力だけだがプラネット・ウェイブスでも壊せそうだな
942名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 23:20:13 ID:ij9LHYJ2
943名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 23:33:48 ID:B64czXGS
エニグマで紙に閉じ込める
てかどのスタンドでも大体どうとでもなる
944名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 23:37:22 ID:in2g3smC
エコーズACT2の『ドッグォン』でフッ飛ばす
シアーハートアタックで地道に
マジシャンズレッドでも地道に
クレイジーダイヤモンドで原材料まで『直す』ッ!
C-MOONで裏返す
アトムハートファーザーで写真に閉じ込めるもしくはそのままぶっ壊す
エニグマで紙にする
黄金長方形タスクの移動する穴で頑張る
鉄球の回転with遺体の右目でスキャンし、弱いところをなんとか
ビーチ・ボーイッ!

これくらいしか思いつかんし無理やりだな
945名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/07(金) 23:37:38 ID:uzID+/Ho
ウェザー・リポートの純粋酸素で錆びるかな?
946名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 00:00:23 ID:MGo/IYJ9
ところでこの流れで行くと久々に
>>1000取り合戦が起こりそうなY・O・K・A・N
947名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 00:04:05 ID:MGo/IYJ9
sage忘れたからヨルムンガントに上記以外の
方法で正面から戦ってくる
948名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 00:21:36 ID:jrQkCGzU
ねことダメなまほうつかいGJ!
>マザリーニ枢機卿はアンリエッタ姫を慰めながら、ザマミロ&スカッとサワヤカな笑いが込みあげてきました。
だめだもう笑いすぎて腹筋が崩壊した。

ヘビー・ゼロGJ!
アニエスとフーケと…この三人いいね、実にいい!ディモールトベネ!
何がイイってバカやってるときと真面目なときのギャップがいいね。

ゼロと奇妙な隠者GJ!
波紋つえー、でもシェフィールドさんの怖さがあって不安が残るところがすげー。
そしてジョセフどうなるんだー!?
949名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 00:48:37 ID:HmRh1u8y
949なら、

今年中にフーゴの続きが読める。

待ってます。
950名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 00:55:03 ID:p4uAsJ1m
>>949
なら俺だって…

950なら全職人に祝福がある。
止まっていた時間=連載が動き出す。
そして、漫画やアニメ、ラノベを含めた全世界に平和が訪れる
951名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 00:59:07 ID:OSEMqUnb
ジョジョって一撃必殺狙える能力多いな
952名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 01:03:06 ID:HmRh1u8y
【ジョジョ】ゼロの奇妙な使い魔【召喚79人目】
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1204895725/l50
953名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 01:12:21 ID:pvYI/NVr
ヨルムンガントか…


自分でそれより強いキャラクターを考えて描く

自由人の狂想曲

実体化

粉砕、玉砕、大喝采

で、よくね?
954名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 01:15:24 ID:OSEMqUnb
倒せる能力多いなw
埋め
955名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 01:18:41 ID:/k+kwiFy
考えてみると全身無機物なんだから
ゴールドエクスペリエンスに触れられた瞬間巨木にでもされてやられるわなw
956名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 02:01:24 ID:t3NEPspT
新スレに誤爆したけど
素直に司令塔狙いでいいじゃない

弱点無しなハイウェイスターの時だってそうだっただろ
957名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 02:01:55 ID:S84GfPlh
緊迫感を与えるなら
「ダメだ…っ…ゴーレムには既に魔力でかりそめの生命が与えられている…
 僕のGEで生命を与える事が出来ないっ!!」

ってな感じになるな
958名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 02:49:54 ID:pvYI/NVr
ふと、思いついたんだが…
プラネット・ウェイプスで例の直径400kmの巨大隕石あたりを落とせば
大抵の相手にはかてるんじゃね?

寸前で燃え尽きるから地球には無害だし
959名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 02:56:08 ID:YqCxVi9L
960なら、
つかいまがとおるっ!・紫霧・技工士・スケアリー・花京院単体・その他色々復活。

プレッシャーになるかもしれないんで、タイトル出すのは控えたほうが良いかなと
思ってるんだけど『忘れてないよ・期待してるよ』ってことは伝えといたほうがいいのか…
作者さんとしてはどう思われますか?
960名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 08:14:39 ID:/k+kwiFy
態々ゴーレムを作っておく理由がわからないな。
ゼロ魔のゴーレムの長所はその場にある物質で直ぐに作り出せる事だろうに。
警備として配置しとくならともかく、戦場に送ったところで待ち伏せ受けるだけな気がする。
ヨルムンガント一体に付きトライアングルクラスが三人ぐらいで、落とし穴+油を練成して行動不能に出来そうだ。
961名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 09:10:41 ID:1k3GU0Wu
つ「ガリア王はメイジなんて信用してない」
962名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 09:27:02 ID:/k+kwiFy
もっと小型にすりゃ戦争での運用方法も色々あると思うんだわ。
いっそ等身大で体形も生身の人間型にして。
さらに水の秘薬を使って生きた皮膚を回りに貼り付けて…
963名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 09:36:48 ID:leCDhf83
しかし、50メートルというとザクの2.5倍か
歩くだけで地面に穴が開くから扱いにくそうだ

ジョジョキャラがそんなもんとエンカウントしたら、まず司令塔狙いになるだろうなぁ
964名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 11:17:11 ID:pvYI/NVr
>>962
そのゴーレムが未来の反乱軍のリーダーであるサイトを護衛しに
未来から送られて来るのか………



ガリアのイカレ王なら
全長500mで乗るたびに操縦者が一人死ぬ黒いゴーレムを普通に楽しんで作りそうだな
965名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 11:32:16 ID:r+R2zH9T
それなんてジアース?
966名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 12:28:46 ID:d73c9f+H
でかくて安定してて早くてしかもエクスプロージョンクラスの魔法じゃなきゃ全て反射
どうみても厨性能です 本当にありがとうございました
967名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 12:54:56 ID:nKCdOP4L
正直、大量生産されたら(実際はビダさんの家内制手工業)スタンド使いも数揃えないと勝てないだろう。
物理攻撃耐性もあるし、罠も二度はかからない。
……ジョゼフってやっぱ有能だよ
968名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 12:56:00 ID:frnRztky
しかしジョセフを上に乗せてみたら事故って壊れました
969名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 13:00:04 ID:nKCdOP4L
>>968
だれ……うま……
970名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 14:12:17 ID:jADT0Sq+
ゴーレムにしておくのはジョゼフの使い魔の能力で運用してるからじゃないか?
つか量産とかビダ忠犬過ぎだな。目的達成のためにヨルムンガンド量産とか吐き気を催す邪悪と呼ばれても仕方ないw
971名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 18:28:45 ID:ehmhDrWw
大事な事を忘れちゃいけない。
あの手の無敵防御持ちの敵は踏み台になるために存在しているんだぜ?

それこそスタープラチナにボコボコにされて「無敵と言う割には少々カルシウム不足気味だったようだがな」と。
972名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 18:55:26 ID:qPx6eWc3
今こそティーガーを使う時じゃないか!
973名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 19:00:08 ID:HFtXE4nd
ジョゼフ・・・ジョゼフィーヌ・・・ジョゼフ犬・・・
974名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 19:20:53 ID:tyVb+tkC
>>972
ズィー・ズィー(運命の車輪の本体)をティーガーに乗っけたら、レオパルド2以上に強くなるかな?
975名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 20:15:08 ID:/ZIbE+Yh
13巻まで進まないと活躍できないなんて、ズィーズィー、可哀想な子
976名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 20:24:57 ID:d73c9f+H
ゼロ戦にも乗れたら3巻から
977名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 20:33:18 ID:HmRh1u8y
このスレはいつ埋まるんだ…
978名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 22:27:17 ID:8TQgNgk9
しょうがねーなあ――っ
何で『埋め』に姿現さねーんだよ
オメーらッ!
979名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 22:28:47 ID:QaxBUvJs
埋め
980名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 23:01:21 ID:eaemIDGC
>>977
『埋まらない』のが『終わり』(Dat的な意味で)
それが旧スレ・エクスペリエンス・レクイエム
981名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 23:05:36 ID:p4uAsJ1m
『埋める』なんていう言葉は俺たちの世界には無いんだ…。
『埋める』と心の中で思ったならッ!既に埋めは終了しているんだ!
『ウメタァ』なら使ってもいい!
982名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 23:21:27 ID:kYfsF+Tb
ウメタァ
983名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 23:22:15 ID:Bkvy3ssH
メメタァ
984名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 23:23:30 ID:1k3GU0Wu
ナメタァ
985名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 23:25:48 ID:QqgZe/Qq
うめるって今さッ!
986名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 23:37:05 ID:HmRh1u8y
1000なら(ry
987名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 23:48:31 ID:d/hSu79L
ハラヘッタァ
988名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 00:15:50 ID:V1Xh/Wr2
コッチヲミタァ
989名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 00:43:18 ID:dI8hqu+D
天国へと至る道のため。
このスレの埋め作業を「加速」させる!
990名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 00:46:06 ID:zIYLd8T9
むしろ990なら六部DIO様召還
991名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 01:20:59 ID:V1Xh/Wr2
久々の1000はどんなのになるんだろうか
991なら1部ディオ召喚
992名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 01:43:15 ID:YFthYATl
1000なら俺が上院議員召喚を書いて召喚59人目の
1000を達成させて差し上げたい





ムリだ・・・
どう考えても俺TUEEEで房設定しか思い浮かばない・・・
993名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 03:05:46 ID:NMeVnpvp
埋め
994名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 03:08:01 ID:oxhSSTCo
埋め
995名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 04:10:55 ID:WbOwvoQu
うめぇ
996名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 04:47:37 ID:JnAKs8i/
            , -―  ――-、
             /に   u (ニ==\   …卯面?…は違う…
         //')  u    に二) (ヽ  うぐぐ………
         〃____,r^)__,r、(ニユ|  梅…じゃない……
         i!   ● / /● uヾヽヽ,!  U-menでもなくて……
          ヽニ⊃,// ⊂⊃}:}ソi
           ヘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~`=ーノ
           /⌒l,、 __, イー-<
.          /lilili/ |三/^ oOo,ヽ
          |三 lキヾr-、[] 「! (ニ }

997名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 06:06:08 ID:NMeVnpvp
埋めか?
998名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 07:18:24 ID:JnAKs8i/
>>997            , -―  ――-、
             /に    (ニ==\  
         //')      に二) (ヽ 
         〃____,r^)__,r、(ニユ|  ………………。
         i!   ◯ / /◯  ヾヽヽ,!
          ヽニ⊃,// ⊂⊃}:}ソi
           ヘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~`=ーノ
           /⌒l,、 __, イー-<
.          /lilili/ |三/^ oOo,ヽ
          |三 lキヾr-、[] 「! (ニ }


            , -―  ――┛┗
             /に    (ニニ┓┏ 
         //')  u   に二) (ヽ  知ってるよオオオォォォッ!! 
         〃____,r^)__,r、(ニユ|     字面以外は合ってんじゃねーか
         i!  ●`' ./ /´●uヾヽヽ,!  国語の教師かオメーはよオオオォォォッ!
          ヽニ⊃,// ⊂⊃}:}ソi 
        /⌒ヽ__ ヘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~/⌒ヽ
      \ /:::::  >,、 __, イァ/   /
.          \     |三/ []「/__ /   
         `ヽ「ミヾr‐ 、[]「ヾ三/ 
999名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 07:21:40 ID:V6jL8yAZ
ウメタァ
1000名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 07:28:07 ID:OpsZXWOQ
1000なら番鳥復活
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