リリカルなのはクロスSSその43

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1名無しさん@お腹いっぱい。
ここはリリカルなのはのクロスオーバーSSスレです。
ガンダム関係のクロスオーバーは新シャア板に専用スレあるので投下はそちらにお願いします。
オリネタ、エロパロはエロパロ板の専用スレの方でお願いします。
このスレはsage進行です。
【メル欄にsageと入れてください】
荒らし、煽り等はスルーしてください。
次スレは>>975を踏んだ方、もしくは475kbyteを超えたのを確認した方が立ててください。

前スレ
リリカルなのはクロスSSその42
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1201770052/


*雑談はこちらでお願いします
リリカルなのはウロスSS感想・雑談スレ16
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1201850471/

まとめサイト
ttp://www38.atwiki.jp/nanohass/

避難所
ttp://jbbs.livedoor.jp/anime/6053/
2名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 01:05:03 ID:dti0/Wwq
乙!
ドゥーエさんは俺の姉
3名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 01:08:53 ID:HKShXs8a
乙!
トーレは俺の妹
4名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 01:11:29 ID:KX/Ok5fS
クアットロには背負い投げッ!!
5名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 01:14:20 ID:NEnpF6hW
乙!
ならば俺はチンク姉に優しい言葉をふっかけてドキッとさせてやる
6名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 01:17:41 ID:lI4sINAF
おまいらwwwww

キャロは頂いていく!!
7名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 01:18:45 ID:EFAtKVYp
フェイトには花束を、トリガーにはテメェの手を。

どっちのって、どっちでもイケるぞオレは。
8StS+ライダー:2008/02/04(月) 01:19:39 ID:oGjTURHL
シャマルさんとノーヴェディードは俺の嫁
9仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/04(月) 01:20:36 ID:vl9IxC1/
乙!さて、オットーは頂きますね。
10名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 01:25:53 ID:crug6uc3
ウェンディはいただいて逝く!
11仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/04(月) 01:28:24 ID:vl9IxC1/
魔装機神氏が予約入ってるのかな?入ってなかったら30分後に、入ってたらその後に、デジモンの予告編投下しますが。
12名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 01:28:52 ID:vZCS+Lie
ディエチをお持ち帰りしておこう
13名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 01:29:02 ID:EVPq46wh
スカリエッティはおれが貰う!
14名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 01:30:07 ID:lVm2Q9iE
ヴィータに、ミルクドレスを着せてみたい私は、
間違いなく異端者w

……ゆりかご攻防戦のあの子を見た時、
私はそう思ったんだ……。

あと、>>1乙。
15Strikers May Cry:2008/02/04(月) 01:32:39 ID:KgLQJElo
問答無用でシグナム姐さんをいただきその胸を揉みしだく! そして次の瞬間には紫電一閃を喰らい死に果てる。
だがその時の俺の顔は満面の笑みだったとか…

そんじゃ皆様方の投下ラッシュがやんだらリリカル・グレイヴの第六話でも投下するかな。
16名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 01:39:00 ID:NEnpF6hW
>>15
音速丸乙

そして次の職人さんに支援
17仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/04(月) 01:39:29 ID:vl9IxC1/
短いのですが、投下していいですか。予告編です。
18Strikers May Cry:2008/02/04(月) 01:40:48 ID:KgLQJElo
よっしゃあ恋やっ! じゃなかった、来いやっ!!

そして>>1乙!
19名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 01:43:00 ID:uGGBHa2B
カマーン!
すぐにでも来るべし!!
20名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 01:47:31 ID:KX/Ok5fS
>15
森山中の村上の胸を揉みしだく浜田のようにお願いします。
21名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 01:49:02 ID:lI4sINAF
ヴィータにアナブラの衣装を着せたい今日この頃。

>>17
どんと来い
22仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/04(月) 01:55:45 ID:vl9IxC1/
じゃあいきます。
めちゃくちゃ短いです1レスほど。


予告編
そこは仮想世界『デジタルワールド』
迷いこみしは選べれし者達。


白き龍の使い手は自らを受け入れし者と共に行く。

「いくよ、フリード!アグモン!」
「キュウゥ〜!」
「分かったよ、姉御。」


悲しき召喚師は優しき者と共に戦う。

「行こう。ガリュー、ワームモン!」
「うん、行こう
ルーテシア。」


母とはぐれし少女は、異世界の友達と母を探す。

「ギルモン、お願い!」
「うん、分かったぁ。」


片目の少女は元の世界に戻る為、全てを認めてくれた者と困難を打ち破る。

「行くぞ、ブイモン。」
「あぁ、任せとけ!」

赤き鉄槌の騎士は主の元へ戻る為、忠義に生きる者と共にいく。

「やるぜ、ガオモン。」
「イエス、マスター。」


そして、全てを守る為に戦うことを誓った少年と導きし男は戦いへと走り出す。

「行こう、エリオ。」
「ハイッ、ユーノさん。」

「スピリットエボリューション!」

今、世界を左右する、激闘が始まる。

デジモン・ザ・リリカルS&F
物語は動きだす。
23仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/04(月) 01:58:37 ID:vl9IxC1/
以上です!クロス元はデジモンセイバーズとフロンティアです。今週中には一話が書けるかも。
24Strikers May Cry:2008/02/04(月) 02:19:05 ID:KgLQJElo
そんじゃそろそろ投下と行きますか。

リリカル・グレイヴの第六話のなんですが良いですかい? っていうかこんな時間じゃ誰もいないかな。
25名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 02:20:32 ID:hQ4avtv/
支援
26名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 02:20:59 ID:u1bU09rd
支援
27名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 02:21:12 ID:Aaop9/Ra
栄光は……お前に……あるぞ…………
28名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 02:21:55 ID:lI4sINAF
>>27
ブチャラティ!?
29Strikers May Cry:2008/02/04(月) 02:23:04 ID:KgLQJElo
それじゃあ投下します。
そして今回から「トライガン」からGUN−HO−GUNSのメンバーが登場します。

ガングレイヴで良い敵役が浮かばなかったんですよ、これが……まあ貧弱な発想ですが生暖かい眼で見守ってください。
30Strikers May Cry:2008/02/04(月) 02:23:48 ID:KgLQJElo
魔道戦屍リリカル・グレイヴ Brother Of Numbers 第六話「地上本部襲撃(中篇)」


ここは時空管理局地上本部。そこの一角において今まさに熾烈な戦いを繰り広げる二人の少女の姿があった。

投擲専用のダガーナイフが宙を飛び交い付加された特殊能力の効果により爆裂して炎を上げる。
その爆ぜる刃の雨の照準となっているのは左手に鋼の拳を纏い足にローラーブーツを装着した、青き長髪をなびかせる少女ギンガ・ナカジマ。
そしてダガーナイフと固有技能ランブルデトネイターで以ってギンガと交戦するのは戦闘機人ナンバーズ5番チンクである。

「くっ! このままじゃラチが明かないっ!!」

ギンガは苦味の浮かんだ顔でそう漏らしながらチンクの放つダガーナイフを回避する。
本来は自分の得意な接近戦に持ち込み、即座に倒したいところなのだがそれが相対したチンクはそれを容易にさせてくれる相手ではなかった。
寄らば引き、引かば寄る、絶妙に自身の得意とする間合いを保つその戦手筋は正に歴戦と呼ぶにふさわしいものである。
だからと言って簡単に負けるギンガではない、迫るダガーナイフの投擲を紙一重で回避しながら距離を詰めようとローラーブーツ型デバイス、ブリッツキャリバーを駆ける。



そして熱い勝負を繰り広げるチンクとギンガの下に高出力なAMFの波動と共に予期せぬ乱入者が割って入った。

「くうっ!!」
「きゃああっ!!」

突如としてチンクとギンガに目掛けて無数の金属製スパイクが飛来してき、そのあまりに唐突な不意打ちに回避も防御も間に合わず二人はその柔い身体を貫かれた。
チンクは右肩の関節にスパイクを受けるも着ていた高い防御能力を持ったコートのお陰で関節を完全に潰されるという自体は免れる。
だがギンガはそうはいかなかった、高濃度AMF下の影響と先の戦いの影響で脆弱となった彼女のバリアジャケットは受けたスパイクの攻撃を受けて呆気なく貫通を許していた。

「ぐうっ… げほっ! げほっ!」

左膝関節部と右胸部に1本ずつ、そして腹部に3本のスパイクが貫通してギンガは口から夥しい血を吐き、床を赤く染め上げた。
いくら戦闘機人であるギンガといえど生命維持に致命的なまでの損傷を与える過剰殺傷攻撃である。
そしてその攻撃を与えた主が通路の向こうからゆっくりと近づいてきた。


その男の姿がまず第一に与える印象は奇妙以外の何物でもないだろう。
両肩部分に巨大な半球上の装甲を括りつけ、その表面には無数の金属製スパイクが突き出しておりこれこそが先ほどの攻撃の元凶であると容易に想像させる。
あえて言うならばハリネズミとでも言うべき外観、そして逆立てた髪に顔には口部分を覆うマスクをつけていた。
男はまるで道に落ちているゴミでも見るような目で床を這う血まみれのギンガを見下ろし、マスクで覆われた口から言葉を漏らした。

「これが戦闘機人ねぇ〜、こんな雑魚じゃあ楽しむ暇もねえぜ」
「貴様……何物だっ!?」

不意打ちで先手を取られたチンクは心中で狼狽しながらも気丈に吼えた。
そして脳裏に様々な憶測を巡らせる。
非殺傷もクソもない攻撃で不意打ちを仕掛けてきたという事はどう考えても管理局の人間ではない。
この地上本部襲撃で局の人間を攻撃するという事、そして自分達を戦闘機人と呼ぶ事から事件の裏を知る勢力でありスカリエッティとは関係ない第三勢力であると推測される。
そして男は余裕を持った悠然とした口調でチンクの質問に答えた。

「めんど臭えが教えてやるぜ、俺の名はマイン・ザ・E・G・マイン。GUN−HO−GUNS最強の男だ!!」






一方その頃、地上本部上層階の一室。そこに管理局局員にして壮大な反逆を企む男、レジアス・ゲイズはいた。
そこは一面が流血の赤に彩られ、朱に染まっていない所を探すのが難しい程に汚れ尽くしている。
31リリカル・グレイヴ:2008/02/04(月) 02:24:43 ID:KgLQJElo
そんな場所に立つのは二人の男レジアス・ゲイズと彼に仕える忠実なる死人ティーダ・ランスターである。
レジアスはおもむろに宙にモニターを展開して通信回線を開き副官の顔を映し出した。

「オーリス、そちらの準備はどうだ?」
『既に完了しています、死人魔道師もオーグマンもいつでも出動できます』
「そうか、ではこれから作戦行動の移るぞ。ファンゴラムも一緒に前線へ投入しろ」
『了解しました。ところで……その…ゼストさんはどうなさいましたか?』
「倒したよ、ティーダとワシがな」
『そうですか…』
「まあ、そんな事はどうでも良い。では始めようか……今の歪んだ管理世界を崩壊させる為の戦いを」
『“彼”はどうしますか? 現在待機中ですが』
「チャペルか…あいつにはこの先やってもらう事があるからな、しばらく待機させておけ。それとE・G・マインには引き続き地上本部内の掃討を指示しろ」
『了解です』

そうした会話を終えたレジアスは通信モニターを切り、死人魔道師ティーダを引き連れて部屋を後にした。



そして部屋には屍の如く倒れ付した一人の男だけが残された。
その血に濡れ尽くした男の名はゼスト・グランガイツ、かつての友を止めるべく戦いそして敗れた彼は確実に死に近づきつつあった。

「旦那ぁっ!! 大丈夫か、旦那っ!!!」

レジアスとティーダの去った室内に残されたゼストの懐から、悲痛な叫びと共に融合機アギトが飛び出した。
自身が敗れる事を悟ったゼストによりアギトは敵に見つからぬように彼の懐にか隠されていたのだ。

「なんとか…まだ……息はある…」
「旦那のバカッ! どうして融合しなかったんだよっ!? 融合さえしてたらあんな奴らなんかに…」
「…今…の俺では…融合しても…お前に負担をかける…だけだ。それに…あいつら相手ではお前が危険だった…」
「あたしの事なんて気にしなくたって良いんだっ! 旦那が死んじまったらルールーになんて言えばいいんだよっ!!!」

アギトはその小さな瞳にいっぱいの涙を浮かべながら徐々に死に近づいていくゼストに必死になって治癒魔法をかける。
それが無力で無駄な足掻きと知りながら。





「一体外の状況はどうなっとるん?」

ここは地上本部の一角、警備の為に来ていた機動六課部隊長である八神はやては混乱する状況に苦言を漏らす。
この場に来ていた自分と六課主戦力の一人であるシグナムはデバイスを持たない状況で外との通信が遮断されている為に状況が把握できず戦う術もないまま指を咥えているしかできなかった。
そしてはやては聖王教会の騎士であるカリムとシスターシャッハと共に地上本部内で待機していたのだが、そこに一人の男が現われた。

魔道師らしきバリアジャケットを着た青年を引き連れた中年の管理局高官、レジアス・ゲイズその人である。
突如として武装した魔道師を連れて現われたレジアスにその場に集まった者達はざわめきたつ。
そしてそんな状況でレジアスは唐突に声を張り上げた。

「皆の者、静まれいっ!!」

レジアスの発した怒号に場は静まり返る、彼の発した迫力は有無を言わさぬ威圧感を持っているが故に誰もそれ以上の言葉を発する事はできない。
32リリカル・グレイヴ:2008/02/04(月) 02:25:36 ID:KgLQJElo
そしてレジアスの繋げた言葉に空気はさらに冷たく凍りつく事となる。

「これより地上本部はこのワシ、レジアス・ゲイズの管理下に置かれる。そしてこの場に集まった各管理世界の方々は人質となっていただく!」

地上本部の内部警備にデバイスの持込が禁止になっていた理由、はやてはそれを今悟り表情を怒りと後悔に曇らせた。

「では始めよう。今ある秩序を破壊し、このワシが地上に完全なる平和と秩序をもたらす為の崩壊の宴を」

レジアスの狂気に染まり濁った瞳が邪悪な気配をかもし出し、自体は混迷を深める事となる。






レジアスが反逆を叫んでいた頃、時空管理局地上本部の周辺の一角では最強の死人兵士と二人の管理局魔道師が激闘を繰り広げていた。


「アクセルシューター!!」

言葉と共に放たれた大量の誘導弾が桃色の魔力光により宙に残像を残しながら美しい軌跡を描いて飛び交う。
そしてその魔力弾の数々は眼前の死人兵士に向かって正確な誘導操作に従い殺到する。だがその魔力弾の全ては死人の手にした巨大な二丁銃により撃ち落された。
しかし攻撃はこれだけで終わらない。

「ラケーテンハンマー!!」

遠距離攻撃が無駄に終わったと思われた瞬間、少女の声と共にベルカ式槌型アームドデバイスが強烈な近接攻撃を放つ。
死人は即座に背の棺を凄まじい勢いで振り回し、絶大な威力を込めた一撃でアームドデバイスの攻撃に応えた。
轟音が響き、火花が宙に散る、両者の得物が耳障りな金属音を奏で軋みを上げる。
そしてベルカ式アームドデバイスがカートリッジをロードして破壊力を増大させようとした刹那、死人の持つ棺が変形し複数の砲門を少女に向けた。

「うわああっ!!」

瞬間、爆音が響き渡り悲鳴と共に少女の小さな身体が吹き飛ばされる。
それは死人の持つ棺デス・ホーラーの技の一つDooms Rainである。それは複数のマイクロミサイルを発射する遠距離用の攻撃なのだが、死人はその武装を極近接距離に応用したのだ。

「ヴィータちゃん!」

先の誘導弾を放った少女が吹き飛ばされた仲間に声を上げる、死人はその少女の隙を逃すまいと両手に持った巨銃ケルベロスの狙いを定めて無数に銃弾を叩き込んだ。

「くうっ!」

少女は乾いた銃声と共に襲い掛かる銃弾を防御障壁で防ぎ、顔に苦渋に満ちた表情を浮かべる。
彼女は最高クラスの優秀な魔道師であった。
だがリミッターという枷と、場に満ちた高濃度AMFの影響により著しく魔法行使能力を削がれていたが故にその戦闘能力を格段に落としていたのだ。



最強の死人兵士ビヨンド・ザ・グレイヴと機動六課スターズ分隊隊長である高町なのはそしてスターズ副長ヴィータの戦いは熾烈なる様を呈していた。
なのはの放つ誘導弾は悪魔染みた正確な二丁銃の射撃に撃ち落され、砲撃を撃つタイミングも先手を打たれて潰され。
ヴィータの近接戦闘もまた背負った棺桶デス・ホーラーでの格闘戦闘により防がれる。
そしてグレイヴもまた強固ななのは達の防護障壁を上手く貫通させられず、なのはとヴィータの慣れた連携にデス・ホーラーの大技を中々使えずにいたのだった。

戦いは拮抗し、持久戦を彼らに覚悟させたのだがグレイヴがヴィータのラケーテンハンマーに対して行ったカウンターの攻撃により戦況は大きく動いた。
33リリカル・グレイヴ:2008/02/04(月) 02:26:38 ID:KgLQJElo
至近距離でデス・ホーラーのDooms Rainによりマイクロミサイルの掃射を放たれたヴィータはその爆炎に防御障壁ごと吹き飛ばされ、気を失って倒れ付したのだ。


内部の炸薬をスカリエッティにより魔力ダメージ設定のエネルギーソースへと変えられていたデス・ホーラーのミサイル弾頭はヴィータを殺すには至ってはいなかった。
その事実だけを確認したなのはは即座にヴィータの救護を諦め、眼前のグレイヴに視線とデバイスを向ける。
一瞬でも隙を見せたら倒されるという認識がなのはに氷のような冷静さを持たせた。
そしてグレイヴもまた1対1という状況に持ち込んだにも関わらず一切の油断も容赦も見せない。

永く闘争と殺しに生きた彼には理解できるのだ、この少女は簡単に屈するほどに弱くないと。

そしてグレイヴとなのはが睨み合うその只中に突如として3体の青白き影が踊りかかった。



「きしゃあああっ!!!」

それは筋肉質な身体に一糸纏わぬ姿をして、鎌のように変形した腕を持つ人間だった。
否、正確には人間のようなモノだった。
その異形の怪物達は一斉にグレイヴとなのは目掛けて襲い掛かってくる。
なのははその異形の敵に迷わず誘導弾を撃ち込み、グレイヴは背のデス・ホーラーを振り回して強烈な打撃を見舞った。
瞬時に繰り出された猛攻に異形は一瞬で倒されて白い結晶へとなり塵と消えた。

「これは……一体…何者なの?」
「……」

結晶となって滅びた未知の敵になのはが思わず声を漏らし、グレイヴは無言のまま塵となった敵の残骸を見つめた。
敵の名は“オーグマン”かつてグレイヴがいた世界で人間を改造した悪魔のような異形の怪物である。


混迷を深める事態はさらなる混沌に彩られる。
そして死人は思う、もうじきこの狂った舞台には容赦ない血の雨と屍の山が加わるだろう事を。

続く。
34リリカル・グレイヴ:2008/02/04(月) 02:27:22 ID:KgLQJElo
解説。
「マイン・ザ・E・G・マイン」
ここでは説明する必要ないくらい有名かもだけど一応説明します。
トライガンに登場するGUN−HO−GUNSの一員でミスターハリネズミな外観の男。
全方向に発射可能なスパイクを飛ばします、そして三下臭プンプンですがな。

「オーグマン」
ぶっちゃけて言うとマッパのマッチョ、以上。
青白い身体で腕やらなんやらを鎌だのマシンガンだのロケットランチャーだのに変形させて攻撃してくる。
そして倒されるとガラスのように砕け散って塵と消える、後には何も残らない。
そしてマッパ、そしてマッチョ、なんと言おうとここ重要。
35名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 02:28:52 ID:KX/Ok5fS
>>28
馬鹿野郎ッ!!プロシュートの兄貴だッ!!
支援
36名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 02:29:39 ID:lI4sINAF
>>35
そうだった!!!!
スマねぇ、兄貴!!!

支援
37Strikers May Cry:2008/02/04(月) 02:31:30 ID:KgLQJElo
投下終了です。

しかしSTSって登場人物が多くて書くのに困るよな……もう何人か殺しちゃっていいよね?

まあ、それは置いといて。
今回からGUN−HO登場ですE・G・マインです、好きなんですよこいつ。
そしてもう一人か二人くらいGUN−HOを登場させたいっすね。
38名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 02:39:34 ID:lI4sINAF
>>37
せめて何らかの理由で戦線に立てない、位にとどめておいた方が吉かと
39名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 02:41:43 ID:KX/Ok5fS
>>37
GJ!!です。
やったーッ!!三つ巴戦だッ!!
レジアス率いる死人魔導師&オーグマン部隊、スカ博士とかわいい娘たちandGDwithいい漢グレイヴ、
夜王様、雷神様、冥王様が鎮座する機動六課、先が読めなくて楽しみですw
40名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 02:43:43 ID:vZCS+Lie
モネヴと雷泥を!!ああっ!ホーンフリークやガントレットも捨てがたい!!!
41名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 02:52:37 ID:KX/Ok5fS
あんまり町や聖王教会信者に被害が及ぶと最凶神父部隊が現れちまうぜw
42名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 02:55:11 ID:jtsciVT8
GJ。
なんというラスボスなレジアス……。
先の展開が読めない状況で面白くなってきました。

後、かませなのに強そうなE・G・マインがなんか笑えるwww
43名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 06:41:44 ID:HKShXs8a
>>37
GJ!
オーグマンはデスサイズか。でも
>異形は一瞬で倒されて白い結晶へとなり塵と消えた。
なのはさぁあん人型にも躊躇いなく殺傷設定ですかぁーっ!?

>>38
ファンゴラムの喰らって「何とか生きてます」は流石に滅茶苦茶じゃあ?
44名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 06:48:17 ID:dti0/Wwq
>>37
乙!
作中でマイン様が「GUN−HO最強の〜」って言ってるけど
GUN−HO自体も話の中では結成されてるの?

>>42
実際ヴァッシュとの相性が最悪だっただけで本当は強……い……といいな
45スーパーロボット大戦X:2008/02/04(月) 08:12:59 ID:aAPNBEqE
>>37
元ネタがわからないが、GJ!!
なかなか面白いじゃないか。グレイヴはこの後はどこの勢力になるかが楽しみだ。
46名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 09:57:22 ID:GQ+IQ8Jd
前スレの皆、そして>>37にGJ!

さすがに殺すのは不味くね?

それはさておき、前スレで【天元突破しそうな修羅の人がスカと手を組んだようです】を書いた人!
ウロスにタイトルのみ投下したネタを作品にしてくれて有難う!
>>46
こちらこそすばらしいネタをいただきました。

では『お守り代わりのグレンラガンドリル(ゲッター線漬け)』をお受け取りください。
48名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 10:13:19 ID:jtsciVT8
クロノが死んだのがあるぜ。
49名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 10:27:32 ID:IrAX1u0v
>>37
まぁガンホーが出てきた時点で死人無しとは行かないでしょうねぇ…
E・G・マインだけなら話は別だがw
50魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/04(月) 10:28:29 ID:W2B0UG1Z
>リリカルグレイヴ
古来より、敵対した二人を和解させるには更なる第三の敵を介入させるのがいい、という法則がある。
安心した! 共闘フラグ立って安心した!
何より安心したのがGUN-HO−GUNS出るっていうから不安だったけど、とりあえず最初に登場したのがあの噛ませ犬以下のバカで安心した!w
まあ、奴は奇襲とか弱ってる相手には強いですからね。援軍が来たらどうなるのかwktkさせて見させていただきますw
グレイヴとなのはたちはともかく、ナンバーズと含めたスカ勢との共闘はやっぱり難しい状況。
隠し玉ありまくりなレジアス・ザ・メタボリック相手にどういう戦いが展開されるのか、気になります。
盛り上がって参りました! 次回も期待大ですね。
51名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 10:44:46 ID:ocKGZ5Cp
控えのチャペル……どっちだ?ゴクリ
52名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 13:41:36 ID:9f4CAL1v
唯一ザがつかないE・G・マイン。
でもたまにはドミニクのことも思い出してください
53反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/04(月) 16:37:38 ID:K3tlzDjD
今更ながら>>1乙!
そしてアルフのおっぱいは俺のもの

えー、完成しました。ドリルギン姉。
とりあえずまずは制作秘話(?)をば。

まずはOSGS氏のSSにあった通り、各種ドリルだけをそのまま身体に生やしてみたのですが…
…ダサい。
はっはっはっ、殺すよ?(暴言)
とまぁ、いきなり壁にぶち当たってしまったので、ベオウルフスバル同様、こちらの感性に従って大胆アレンジ!

頭…ドリルインフェルノだけだと不細工だったので、スレードの3本角を増設。
腕…ちゃんとゲッター2の両腕にしようと思ったのですが、この面子の中では地味すぎて浮いてしまうので、
  勝手ながら真・ゲッター2のものに仕様変更。実際、マッハスペシャルが使えるのはライガー以降の2号機なんだぜ?
  …ちなみに、これが新ゲッター2になると、逆に自己主張が強すぎて浮いてしまいます。
脚…ドリルニーだけだと不s(ry なので、実際のガガガの脚もつけてみる。
  ガオガイガーではなく、ガオファイガーの伸びるドリルの仕様になっています。
  どうせならそれぞれ個性があった方がいいですよね?
爪先…あの修羅が爪先だけ元のまんまにするわけねぇだろうがボケがぁ!
   …というわけで、勝手に超銀河グレンラガンの爪先ドリルを追加。これがないと少々地味なのです。

そして生まれたのが、コイツだ!
54反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/04(月) 16:38:43 ID:K3tlzDjD
http://kjm.kir.jp/pc/?p=52188.jpg

………………
………


…何だこのおぞましい化物(クリーチャー)は…グルグル目が怖い…
55名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 16:45:35 ID:BoT2xiAl
>>54
肩や足よりもなによりも股間のドリルの有無を真っ先に確認して安堵した
56Strikers May Cry:2008/02/04(月) 17:03:07 ID:KgLQJElo
>>54
あんさん、なんちゅうモンを描いたんじゃ……

あえて名付けるならば“スーパードリルギン姉”とでも言おうか。
っていうかマジ強そうだなこのギン姉、ベッキー装備のスバルより迫力あるんじゃね?

俺もStrikers May Cryでのスバルの強化には自信あったんだけどな。
57リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/04(月) 17:29:19 ID:oGjTURHL
>反目さん
ウェ!?

ごめん…最初誰だか分からなかった…
俺のギンn(ry(いいかげんにしろ)
58なの魂の人:2008/02/04(月) 17:41:00 ID:wZkaTHnm
>>54
なんという怪作……つーか、どっかで見たことあるぞコレw

そして予想以上に時間に余裕が取れたので、勢いで十九話書いちまったぜHAHA
と言うわけで……投下おk?
59名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 17:42:13 ID:XvQPqj7n
オッケーです。支援
60名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 17:43:24 ID:aqmEl/P2
風来のシエン
61なの魂の人:2008/02/04(月) 17:44:10 ID:wZkaTHnm
んでわ、投下いきます
62なの魂:2008/02/04(月) 17:46:56 ID:wZkaTHnm
廊下の中央では一組の男女が剣舞を繰り広げていた。
全身切り傷だらけになった侍。
それとは対照的に、美しい騎士服を翻し、西洋剣を振るう騎士。
一見すれば前者のほうが圧倒的不利に見えるこの状況。
しかし、シグナムはそのような状況にもかかわらず「焦っていた」。
当たらないのだ。
こちらの急所狙いの攻撃が、すべて寸でのところでかわされるのだ。
よくよく見れば土方についた傷は全てかすり傷。致命傷にはなりえないものばかりだった。
それどころか土方は、シグナムが本命の攻撃を行うたびに、待っていたと言わんばかりの強烈なカウンターを繰り出してくるのだ。
無論、シグナムも素人ではない。
そのカウンターも全て捌ききっていたのだが、土方の常識外れな反応速度と勘の良さの前に、一歩を踏み出すことが出来なかった。
下手に仕掛ければ殺られる。
しかしそれは相手も同じらしく、自らが積極的に攻撃を行う素振りは見せてこない。
一か八か。
目の前に突き出された日本刀を打ち払い、シグナムは土方との距離を大幅に開けた。
レヴァンテインを鞘に収め、宣言する。

「レヴァンテイン! カートリッジロード!」

それと同時に、レヴァンテインに据え付けられたボルトアクション式のカートリッジシステムが稼動し、空薬莢を排出した。
床に落ちた空薬莢が、小気味のいい音を鳴らす。

「飛竜・一閃!」

鞘内で圧縮した魔力を刃に乗せ、鞭状連結刃に可変させたレヴァンテインを撃ち出す大技「飛竜一閃」。
斬撃というよりは、むしろ砲撃に近いそれは一直線に土方へ向かい、そして巨大な爆発を起こした。
飛び散る壁の破片と、辺りに立ち込める白煙。
シグナムは警戒を怠ることなく、目の前で膨れ上がる煙を見据えた。



なの魂 〜第十九幕 類は友を呼ぶ〜



「あーあー。こないだ配備されたばっかだってのに……」

階下へ叩きつけられ、仰向けの状態になったまま沖田は呟いた。
彼が手にしているバズーカはヘの字に折れ曲がっており、最早使い物になりそうにない。
その折、天井から四つの鉄球が沖田目掛けて飛んできた。
バズーカを放り投げ、まるでバネの入った人形のように上体を起こしてその場から飛び退る。
僅かな遅れの後、床に四つの鉄球が突き刺さった。
あと少し反応が遅れていれば、顔を穴だらけにされていたかもしれない。
腰の刀に手を掛け、近くに立っていた巨大な柱を背に周囲への警戒を行う。

「こンのォォォォォ!」

怒鳴り声が聞こえてきた。
正面……いや、上か。
左前方に飛び込むように回避行動を行う。
予想通り、先程まで沖田がいたところに巨大な鉄槌が振り下ろされ、床を砕いた。
攻撃を外し見事に隙をさらけ出したヴィータに対し、沖田は凄んだ。
63なの魂:2008/02/04(月) 17:49:01 ID:wZkaTHnm
「……ウチに帰ってゲートボールでもしてな、ガキが」

片膝をつきながら鞘に納まった刀の柄を握る。
いわゆる居合いと言う奴だ。

『Pferde.』

電子音声と共にヴィータの足元が魔力の渦に包まれた。
次いでヴィータに襲い掛かる、目にも留まらぬ斬撃。
しかし、その斬撃がヴィータに届くことはなかった。
咄嗟に使用した緊急回避魔法で、瞬時に沖田の背後に回りこんだのだ。
ヴィータの目の前には、刀を振り抜き後頭部をさらけだす沖田の姿。
完全に後ろを取った。逃がしはしない。
脳天に一撃を叩き込むべく、グラーフアイゼンを構える。
一方の沖田は……あろう事か、手にした刀を鞘に収めた。
一体どういう意図があってそのような行動をしたのか、ヴィータには知る由もない。
だが例え罠であったとしても、やられる前にやってしまえば何の問題もない。
ヴィータはそのままアイゼンを高く掲げ……。

ビキッ、という何かが砕ける音を聞き、思わず動きを止めた。

「え、えぇ!?」

驚きに目を見開くヴィータ。
老朽化した上、根元をぶった斬られて自重を支え切れなくなった柱が、ヴィータの方へ倒れこんできたのだ。
回避は不可能と判断し、正面にバリアを張るが如何せん質量差が大きすぎる。
柱は一瞬ヴィータの目の前で止まるが、結局はそのまま地面へ倒れこみ砕け、部屋中を膨大な粉塵で覆い尽くした。



「魔法も使わずに一閃するなんて……!」

咳き込みながらシャマルは呟く。
大人でも抱えれそうにない太さの円柱を、何の細工もされてないただの剣で真っ二つにする。
彼女が知りうる最強の剣士、シグナムでもそのような芸当は不可能である。
銀時といい、先程の目つきの悪い男といい、そして今の青年といい。
改めてこの世界の剣士の力に戦慄する。

「覚悟はいいかィ? 答えは聞いてやせんが」

背後から声が聞こえた。
いつの間にか、粉塵に紛れて沖田が背後に回りこんでいたのだ。
跳躍し刀を構える沖田の姿に、シャマルはうろたえる。

「っ!」

だが、沖田が今まさに刀を振り下ろそうとした瞬間、再び彼に向かって小型の鉄球が飛んできた。
刀を構えなおし、どうにかそれら全てを受け止めるが、その反動で沖田の身体は大きく弾き飛ばされる。

「野郎……っ?」
64名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 17:49:16 ID:wHsE5GIr
>54
……そら、ブリッツも沈黙するわ。
65なの魂:2008/02/04(月) 17:51:16 ID:wZkaTHnm
なんとかバランスを取って着地し、たった今自分に攻撃を加えた人物に向かって走りこもうとし……異変に気付いた。
右手が重い。いや、重いというより、動かないのだ。
目を向けてみると、彼が手にした刀に無数の光糸が絡み付いて、その動きを封じていた。

(バインド? いつの間に……!)

「ラケーテン……!」

「ヤベッ……」

煙の奥から聞こえてきた声に沖田は焦る。
何が来るのかは分からないが、とにかく大技が来るであろう事は彼にも容易に予想できた。
腰に差された予備の脇差を抜き、身構える。

「ハンマァァァァァ!!」

煙の中から現れたヴィータの手には、先端がスパイク状になったハンマーが握られていた。
こんなもん喰らったら顔面ドーナツにされるのは必至である。
驚異的な反射神経で、ハンマーの先端を脇差で受け止めるが、その衝撃までは受け止められない。
まるでゴムボールのように宙を舞った沖田の身体は、彼の後ろの壁に凄まじい勢いで叩きつけられた。



「あいてて……こりゃ始末書どころじゃ済みそうにねェな」

瓦礫の中からむくりと起き上がった沖田は、ど真ん中から圧し折れた脇差を見ながらぼやく。
まさか一度の戦闘で三つも武器をお釈迦にしてしまうとは。
屯所に帰ったら間違いなく勘定方にどやされるな。
そんなことを考えていると、目の前に金属製の何かが突きつけられた。

「武器を捨てて両手挙げろ。頭叩き割られたくなかったらな」

それは先程自分を吹き飛ばしたハンマーであった。
沖田を見下ろし、凄むヴィータの姿を見ていると、どっちが警察か分からなくなってくる。
沖田はため息をつきながら頭を振り、

「……やれやれ、俺もヤキが回ったみたいでさァ」

言われた通りに、ゆっくりと両手を挙げた。
と同時に、彼の服の袖から何かが転げ落ちた。
飲料を入れるスチール缶を二回りほど小さくしたそれは、カランと音を鳴らしてヴィータの足元まで転がっていく。

「っ!?」

身の危険を感じたヴィータがバリアを展開するのと、そのスチール缶が破裂したのはほぼ同時だった。
耳をつんざくような爆発音と、目を焼きかねないくらい凄まじい閃光。
思わずヴィータは腕で顔を覆う。
しかし、それだけだった。
閃光も爆発音もあった。しかし衝撃が無いのだ。
閃光が収まった頃合を見計らって、ゆっくりと目を開ける。
沖田の姿は、既にそこには無かった。
しまった、と思ったが時既に遅し。
辺りを見回すと、部屋の出口へ向かう沖田の後姿が見えた。
66なの魂:2008/02/04(月) 17:53:29 ID:wZkaTHnm
「テメーとはいずれ決着つけてやる。覚えてろゲボ子」

まるで人をおちょくっているかのような態度でヴィータを指差し、そのまま部屋を去っていく沖田。
ちなみにゲボ子とは「外道でボンクラなお子様」の略である。
決して「ゲートボールやってそうなお子様」の略ではない。

「ゲボ子って誰!? もしかしてアタシか!?」

そんな彼の態度の憤慨するヴィータ。
しかし、沖田からの返答は無く、自分の叫びが空しく室内に響くだけだった。

「あンの野郎、なめやがって……!」

眉をひくつかせながらグラーフアイゼンを握り締めるヴィータ。
シャマルは完全に殺る気マンマンな彼女の肩を掴んで引き止める。

「待って、ヴィータちゃん! 今はシグナムを助けるのが先よ!」

苦戦を強いられているであろう烈火の騎士の身を案じ、シャマルは天井を見上げた。



立ち込める白煙と、壁面から転がり落ちる瓦礫の音だけが廊下を支配していた。
渾身の一撃を叩き込んでから、既に一分は経過している。

(……さすがにあの一撃を受けては、無事では済まんか)

ほんの僅かに、シグナムは安堵の吐息を漏らす。
魔法も使わずに自分をここまで追い詰めたことは、驚嘆に値する。
今まで銀時だけが異常な実力を持っていたのだとばかり思っていたが、どうやらこの世界の剣士は、
総じてかなりの実力を持っているようだ。

(だが、ベルカの騎士にはまだ及ばないな)

その証拠が、目の前の状況だ。
男が生きているかどうかは分からない。
だが例え生きていたとしても、魔力を持たない人間が、正面からあの威力の魔法を受けてしまっては、
おそらく四肢のいずれかは使い物にならなくなるだろう。

(……しかし、惜しい兵(つわもの)を無くしたな……)

感傷に浸りながら、シグナムはレヴァンテインを鞘へ収めた。
辺りには瓦礫の転がる音だけが空しく響いていた。

瓦礫の転がる音が、響き続けていた。

「……オイ」

「…………」

何の前触れも無く聞こえてきた声。
それは確かに、真正面の白煙の中から聞こえてきた。
額から嫌な汗が流れているのが分かった。
胸の鼓動が高鳴っていくのが分かった。
67なの魂:2008/02/04(月) 17:55:13 ID:wZkaTHnm
「火ィ借りたぜ」

そう言って半分灰になった煙草を咥えながら煙の中から現れたのは、紛れも無く土方十四郎その人であった。

(初見で……あれを見切ったとでもいうのか……!?)

四肢を失うどころか、むしろ余裕を見せ付けてくる土方の姿に、シグナムは内心穏やかではなかった。
……いや。
これはただの虚勢だ。
急所こそ免れたものの、全身に刀傷を付けられ、肩からは煙が上がり、頭から血を滴らせるこの男に
余裕などあるはずが無いのだ。

「……死合の合間に一服とは、随分と余裕だな」

平静を努めながら、シグナムは再びレヴェンテインの柄に手をかける。
土方はシグナムを睨みつけ、煙を吹きながら、

「うっせーな。俺ァ煙草吸ってねェと本調子出ねーんだよ。それに……」

刀を構え、不敵な笑みを浮かべた。

「アンタほどの手練相手に本気出さねー方が、余程失礼ってもんだろうが」

右肩をこちらへ向けて刀を水平に持ち、刀身にそっと左手を添える。
今までに見たことも無いその奇妙な構えは、シグナムに得体の知れない威圧感を与えた。
しかし、それは不快な物ではなかった。
この世界へ来てから、しばし忘れていた戦いの記憶。
いつ死ぬとも知れない、極限の緊張感。
先程の胸の高鳴りは、恐怖でも焦りでもなかった。
純粋に、嬉しかったのだ。
自分と渡り合える剣士と、このようなところで巡り合えた事に。
この時既に、シグナムの頭からは「距離を取って戦う」といった考えは完全に欠落していた。
効率的な戦い方? そんな無粋な物、知ったことか。
正面から、全身全霊をかけて勝負だ。
レヴァンテインから空薬莢が一つ排出される。

「……紫電……」

二人は同時に駆け出す。

「一閃!」

炎を纏った刃が抜き放たれ、二つの影が交錯した。
少し遅れて漂ってくる、焼け焦げた匂いと、パラパラと何かが地面に落ちる音。
土方が手に持つ、虫に喰われたような歪な形になった刀から、熔解した刀身が地面に落ちる音だった。
シグナムは笑みを浮かべた。
勝利を確信していたわけではなかった。
68なの魂:2008/02/04(月) 17:57:35 ID:wZkaTHnm
(……まさかここまでやるとはな……!)

『カートリッジシステムに異常発生! カートリッジロード不能!』

レヴァンテインから警告が発せられる。
愛機の排莢口からは、断続的に火花が散っていた。
度重なる苛烈な斬撃を受け止め、そしてたった今、渾身の一撃と打ち合ったことで
ついにデバイスの内部機構が悲鳴を上げたのだ。
ここから先は純粋な剣の勝負。
シグナムは即座に後方へレヴァンテインを薙ぎ払う。
金属音と共に虫食いになった刀が弾き飛ばされ、その向こうからは、腰に差したもう一本の刀を手にした土方が
こちらへ走りこんできていた。

「もう後手には回らねェ!!」

振り下ろされた一撃は、今までのものよりずっと重かった。
土方の攻撃はそれだけでは終わらない。
刀を引き、脇腹に横薙ぎの一撃を叩き込でくる。
これも寸での所で受け止める。
再び刀を引かれる。
好機とばかりに、シグナムは横薙ぎを返す。
その斬撃は土方に届く前に、彼の繰り出した斬り上げで弾き飛ばされる。
どうにか武器を手放すことは免れたが、そのせいでシグナムは大きな隙を作り出してしまった。
攻撃ごと飲み込む強烈な斬撃。
攻撃は最大の防御。
まさにそれを体現するかのような猛攻。
これこそが、土方の本来の戦闘スタイルなのだ。
土方は不敵に笑みを見せ、返す刃でシグナムに唐竹割りを叩き込む。
切っ先を地面に向け、なんとかその一撃も凌いだシグナムの顔には、土方と同じく笑みが浮かべられていた。

「……へェ……」

少々驚いた様子で、そして嬉しそうな様子で土方は呟いた。

「良い目してんじゃねーかアンタ。テロリストにしておくにゃ、もったいねーぜ」

「それは光栄だな。……ですが、一つだけ言わせていただきたい」

シグナムも同じように笑い、そして叫ぶ。

「私はテロリストではない。……騎士だ!」

「ヘッ……! おもしれェ。だったらアンタの騎士道と俺の武士道、どっちが上か勝負といこうじゃねーか」

心底楽しそうに土方は言いながら、シグナムとの距離を取った。
先程と同じ独特の構えを取り、彼女と向き合う。
シグナムもまたレヴァンテインを構え、目の前の男を見据える。

「ヴォルケンリッター、烈火の騎士シグナム……参る!」

「真選組副長、土方十四郎……推して参る!」

再び二人が交錯しようとしたその瞬間。
彼女らの足元から巨大な爆発が起こった。
予想外の場所からの攻撃に、二人の身体はあえなく宙を舞う。
なんとかバランスを取り、着地に成功したシグナムは、咳き込みながらもくもくと上がる煙を見据えた。
69なの魂:2008/02/04(月) 17:59:01 ID:wZkaTHnm
「逃げるぞっ、シグナム!」

声が聞こえたかと思うと、煙の中からヴィータが現れ、次いでシャマルもやってくる。

「ヴィータ!? ち、ちょっと待て、今は……」

「いいから早く!」

困惑するシグナムの手を引き、ヴィータとシャマルはその場を脱兎の如く逃げ去っていった。



そんなこんなで、逃げる途中で桂とも合流を果たしたシグナム達なのだったが、ここからが問題だった。
階段を上ろうとすれば先回りされ、廊下を曲がろうとすれば先回りされ、
そして床をブチ抜いて逃げようとしても先回りされ。
まるで完全にこっちの行動を読んでいるかのように、真選組が待ち構えていたのだ。
今は真選組に追いやられ、ビルの中央にある小部屋に篭っている真っ最中だ。

「無駄な抵抗はやめて大人しく出て来い!」

「逃げ場なんてもうどこにもないんだよ!」

部屋の外から隊士達の怒号が聞こえてくる。
どうやら完全に包囲されたらしい。
シグナムは感嘆のため息を漏らした。

「予想以上の練度だな……武装警察の名は伊達ではないということか」

「どーすんだよ!? 完全に追い詰められたぞ!」

一方のヴィータは完全に取り乱し、桂の胸元を掴み上げてゆっさゆっさと揺さぶる。
桂はそんな彼女をどうどう、となだめて、

「落ち着け。焦りは死に直結する。まずは冷静に現状を見つめ直し、打開策を検討するのが……」

――ゴトッ。

そこまで言ったところで、桂の懐から何かが転げ落ちた。
野球のボールより一回りほど大きい鉄製のそれは、ころころとシャマルの足元まで転がっていき、動きを止めた。
なんとなくそれを拾い上げてみる。
そのボールにはデジタル時計のようなものが付いており、モニターに表示されている数字は
ピッピッと音を立てながらカウントダウンを開始していた。

「……なんですかコレ?」

恐る恐る尋ねるシャマル。
桂はこともなげにこう言い放った。

「時限爆弾だ。もしもの時のために携行していたのだが……」



「……出てきませんね」

隊士の一人が腕を組んでそう呟く。
まさか逃げられたのか? いや、転送は完全に妨害しているはずだ。
逃げるためには自分達を突破するか、それこそ壁でもブチ抜いて脱出するしかない。
不安に駆られつつも、隊士は隣にいる十番隊隊長、原田に目配せをする。
70なの魂:2008/02/04(月) 18:00:43 ID:wZkaTHnm
「やむをえんな……五秒後に一斉射撃。次いで強行突入だ」

合図と共に、部屋を包囲する隊士達が一斉にバズーカを構えた。

「五、四、三、二、一……」

刻一刻と迫る発射の時間。
そして引き金が引かれようとした、まさにその瞬間。

「「「とあァァァァ!!」」」

部屋の扉が勢いよく開いた。
いや、吹き飛んだ。
シグナムとヴィータとシャマルが、鬼のような形相で部屋から飛び出してきたのだ。

「な、何をやっている! 早く止めろ!」

慌てふためく隊士達。
しかし彼ら以上に慌てた様子で、シグナムは手にした鉄製のボールを掲げた。

「止めるならこの爆弾止めてくれ! 爆弾処理班とか……そういう人はいないのか!?」

同時に隊士達の顔色が変わった。

「おわァァァ! アイツ爆弾持ってんぞ!」

「総員退避ィィィ!」

叫びながら脱兎の如く逃げ出す真選組。
しかも明らかにシグナム達より速い。
火事場の底力という奴だろうか。

「ちょっと待てェェェェェ!!」

待てと言われて待つ奴などいない。
誰だって自分の命は惜しいのだから。

「シグナム! 窓、窓!」

息を切らしながら、シャマルが正面のガラス張りの壁を指差す。
しかし……。

「無理だ、間に合わん!」

爆弾に表示されている時間は、残り六秒。
いくらなんでもこの距離では間に合わない。
絶体絶命か?

「シグナム! ちょっと歯ァ食いしばってろ!」

そう思われたその時、シグナムの後ろからヴィータの声が聞こえた。
振り向くと彼女は、何故かこちらを見据えながらグラーフアイゼンを振りかぶっていた。

「待てヴィータ、お前一体何を……」

物凄い悪寒を感じたシグナムはヴィータを止めようとする。
が、しかし。このおてんば娘がそう簡単に止まるはずもなく……。
71なの魂:2008/02/04(月) 18:03:11 ID:wZkaTHnm
「わたァァァァァ!」

思いっきり。
シグナムの顔を。
アイゼンで。
殴り飛ばした。

「後で覚えていろ貴様ァァァ!!」

空しい叫びを残しながら、シグナムはガラスの壁を突き破った。
爆弾のタイマーを見る。
残り……二秒!
こうなったら破れかぶれだ。

「ふんぬっ!」

空中で身体を捻り、爆弾を力一杯大空へ投げつけた。
残り一……〇。

ビルの屋上のさらに上で、民家二、三軒くらいなら簡単に飲み込みそうな爆発が巻き起こった。



「土方さん。このシチュエーション、どっかで見た気がするんですが……気のせいですかね」

「奇遇だな。俺も同じ事思った」

ヴィータ達がいる階の一つ上。
そこの窓から大空を見渡し、沖田と土方は呟いた。
二人の着ている服は無残なまでにボロボロになっており、戦いの凄まじさを語っているようだった。

「副長! 申し訳ありません、桂を見失いました」

彼らの後ろから、一人の隊士が報告を行った。
どうやら本命を取り逃がしてしまったらしい。

「そうか……まだ遠くには行ってねェはずだ。四番隊と山崎を捜索に回せ。他の隊は……」

言いながら、窓から下を眺める。
先程死合った女性が、宙に浮きながら呆気に取られた顔でこちらを見ていた。

「……連中の確保だ。何か情報を引き出せるかもしれねェ」

どことなく釈然としない様子で言う土方。
やはりケリをつけられなかったのが残念でならないのだろうか。
そんな事は知らない沖田が、呆れた様子で土方に声をかける。
72なの魂:2008/02/04(月) 18:05:04 ID:wZkaTHnm
「逃げられるなんざ、いつものことじゃねーですか。残念がってる暇なんかありやせんぜ」

「……そんなんじゃねーよ」

呟き、煙草を咥えて火をつける。

「トシィィィィィ!」

不意に下から聞こえてくる声。
何事かと、土方は沖田から双眼鏡を受け取り、窓から道路を見下ろした。

「ありゃァ……近藤さんじゃねーか。どうしたんだ?」

慌てた様子でパトカーから出てきた近藤は、辺りに響き渡るほどの大声で土方に向かって叫んだ。

「違うからァァァ! その人達テロリストじゃないからァァァ!!」



「あの、その……ご迷惑おかけして、すんませんでした……」

と、屯所前で土方に向かってペコペコ頭を下げるはやて。
彼女の後ろには、頭に大きなたんこぶを作ったシグナム、ヴィータ、シャマルと、
彼女らをジト目で見つめるザフィーラの姿があった。
何故このようなことになっているかというと、偶然シグナム達が映っているニュースをはやてが見て、
大慌てで警察に電話し、近藤に取り次いでもらい、事情を説明して何とか無実を潔白したというわけである。
ちなみにシグナム達に爆弾を渡した配達員は、既に真選組の別働隊が逮捕しており、桂に関しても
偶然助けてもらったということで、何とか一応の納得はしてもらえた。
もちろん、その後に簡単な事情聴取は受けたのだが。

「ったく……はた迷惑な話だぜ……結局、骨折り損のくたびれ儲けかよ」

額に包帯を巻いた土方は、ため息をつきながら煙草をくゆらせた。
こういう場合、近寄りがたい不機嫌オーラを放つのが普段の彼なのだが、何故か今日に限っては
困ったように苦笑を漏らすだけに留まっていた。

「さっさと帰んな。いつまでもンなとこにいると、周りに勘違いされんぞ」

そう言ってはやて達に背を向け、屯所内へ入っていく土方。
その後ろから、彼に向かって声がかけられた。
73なの魂:2008/02/04(月) 18:06:07 ID:wZkaTHnm
「……土方殿っ!」

「……あァ?」

怪訝そうに振り向くと、シグナムが意を決したような表情でこちらを見ていた。
なんとなくだが、自分と彼女は同質の人間のような気がする。
だから、彼女が次に言おうとしたことも、なんとなく予想が出来た。

「ご迷惑でなければですが……その……是非ともまた、手合わせを願いたいのですが……」

あまりにも予想通り過ぎる言葉。
土方は鼻で笑いながらシグナムに背を向け、

「勝手にしろ」

そう言い残し、屯所の奥へと姿を消した。

「……ありがとうございますっ!」

思わず顔を綻ばせ、その場でペコリと頭を下げるシグナム。
そんな彼女を見て、はやてとヴィータ、そしてシャマルは顔をにやつかせながら口元に手を置いた。

「……逆ナン?」

「へェー……ああいうのがいいのか……」

「あらあら、うふふ」

「なんだその含み笑いは! というか、違いますからね主!
 私はただ本当に、純粋に剣士として彼に興味を持っただけで……!」

「はいはい、続きは家帰ってから聞こうな〜」

「だから違います!」

必死に否定するシグナムをよそに、はやては一人「今日はお赤飯やな〜」などと嬉しそうに呟くのであった。

この後、シグナムが毎日のように屯所に入り浸ったり、それと一緒にはやてやシャマルが差し入れを持ってきたり、
ヴィータと沖田が喧嘩して、屯所を半壊させかけたりするのだがそれはまた別のお話である。
74なの魂の人:2008/02/04(月) 18:07:40 ID:wZkaTHnm
以上で投下終了です。
実は一番欲求不満(バトルジャンキー的な意味で)だったのは姐さんでしたというお話
っていうかコレ、ホントに銀魂だよね?
75名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 18:16:04 ID:aqmEl/P2
GJ
あと何気に入った電王パロにくそワロタw
76名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 18:17:00 ID:E3rWzfNS
銀魂のシリアス回だなぁw
77名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 18:31:19 ID:R1/I2f9E
なの魂氏GJ!!
これはとりあえずゲボ子と神楽の対沖田同盟フラグということでFAですか?
そしてチンピラ侍強ぇw
78名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 18:34:35 ID:XvQPqj7n
GJっす
何気にシグナムが土方とフラグを立てた。というか、八神家と真撰組仲良くなるのか。
以前流れたはやてマスコット化企画また出るかも、というか沖田と土方
ランクSクラスの魔導師とやりあってるよ。マジつえーっす。
次回も楽しみにしてます。
79名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 18:37:45 ID:wX6aAHRH
GJ!
おいィ、なの魂さんよぉ、アンタどうしてくれるんだィ……
俺ァアンタの作品がないと生きていけない体になっちまったゼィ……
80名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 18:39:17 ID:WBIYIn7v
GJでした!
ヴォルケンズと真選組のハードな顔合わせに吹いたw
にしても、なの魂の侍は強えなぁww
超スピード投下にも感動w
とはいってもあまり無理なさらぬように。(おせっかい)
次回も楽しみにしてます!
81名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 18:45:37 ID:46EEYYBa
最後の最後で姐さんが失恋フラグ乱立させてて吹いた
駄目だ!アンタじゃあの人には多分勝てない!(大人の女的な意味で)
82名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 18:48:16 ID:Fdof+1QV
GJでしたなの魂さん!
つーか姐さん、マヨラーはストレス解消の相手として付き合った方がいいッスヨ!
病弱な幸薄美女的なあの意味で
83名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 18:59:05 ID:0/rZyvKR
GJ!
ってかチンピラ警察24時って本当はこんなに強いのな。
とりあえず姐さん、頑張ってくだせえ。多分勝てないだろうけど(大人の恋的な意味で)

それと、俺も >>79 みたいな体になってしまったんですが、どうすべきか。
84名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 18:59:08 ID:R1/I2f9E
>>81-82
・・・そういえば、話の時期からだとアニメ版三クール目あたりの時期っぽいしから、あの人はまだ生きてるんじゃないか?
85魔装機神:2008/02/04(月) 19:06:30 ID:8wFCvVnF
昨日は投下できなくてすみません。
今から投下してもいいですか?
86リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/04(月) 19:16:13 ID:xDBaMntY
>>37
GーJーーー!
文章に迫力がありますね。
元ネタをあまり知らないんで突っ込んだ感想かけないのがくやしい限りですよ。
そしてなの魂氏GJ!
ギャグとシリアスの混ぜ方が上手いっすね。
87リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/04(月) 19:17:11 ID:xDBaMntY
>>85
ダメな訳がありませんとも。
88OSGS:2008/02/04(月) 19:18:20 ID:qxvCeXgx
>>54
ふんもっふぅぅぅ!?
予想の斜め上を逝ってますGJ!
自分で描写してなんですがいったい幾つドリルがついてるんすかッ――!

う〜ん。わたしのネタSSにはもったいない。
だれだいま量産型タイプゼロファーストverDとかささやいた人は!?

ミザル「すばらしい。反目のスバル氏GJ! お礼にこの『破壊ロボの天頂ドリル』を進呈しようっ!」
スバル「それなんていう理不尽?」
89魔装機神:2008/02/04(月) 19:20:07 ID:8wFCvVnF
それでは投下します

FLAME OF SHADOW 17 天道地獄

少し時がさかのぼり、烈火たちがこの世界へ飛ばれた後のことだった。
ここはどこか知らない森の中。
そこに数人の人影がいた。
いや、だったというべきだろうか。
今、場に立っているのはたったの三人である。
h化にも数人人間がいたはずだが、残りはほとんどが腕や足、挙句の果てに内臓などが抉られて、もの言わむ屍になっていた。
「パパ、おいしい?」
その三人の一人の女性は、意外と大人っぽい外見に似合わず無邪気にパパと言う人物に問いかける。
「ああ、おいしいよ、蓮華」
男はその女性、蓮華に笑みを浮かべながら食事を楽しんでいた。
しかし、その男は人と呼ぶにはあまりに似つかわしくない。
その姿はとてつもない異形であった。
その笑みも、普通の人から見れば恐ろしいものであったが、蓮華にとっては嬉しかった。
理由は簡単だ、パパにほめてもらえたからだ。
「この体になって、食欲が旺盛になったな。まだ足りない。」
そう、この気妙な死体は、彼が食べたのだ。人を。
おいしそうに、ゆっくりと食事を楽しむ男。
「森様、私はこれよりSODOMへ行き、これからのことに備えますので、ごゆっくりとお食事をお楽しみください」
「ああ、そうしておいてくれ葵。帰りは蓮華でこと足りる」
そこに、最後の三人目の、どこか中性的で少年なのか少女なのか判別しにくい人が男、森光蘭の会釈をしたあと、さっとその場を後にする。
「ひぃ!」
その時、森の姿を見て驚いている人影がいた。
「今日は本当についている。こんなに人にめぐり合えるとは……」
おそらく登山家か山登りをしている者たちであろう。
かわいそうだが、彼もまた森の餌となるのだった。
「パパ」
そこへ、蓮華が前に立つ。
「今度はステーキなんてどお?」
蓮華は手をかざし、ぼぅっと蒼い炎を出す。
本来、炎術士のみに許された炎を。
「それはいいなあ。生もいいがこういうのもいい。それじゃ頼むよ、私のかわいいコックさん」
「はーい♪」
蓮華はるんと前に出て、その手を男にかざす。
あ……あ……
「燃えちゃえ♪」
そして放たれる炎。
加減して放たれたそれは絶叫を上げた男を包む。
数秒はなった後炎と止めると、そこにはおいしそうに、こんがりと焼きあがった男の姿があった。
「パパ、召し上がれ♪」
こうしてまた、森高蘭は食事を開始するのだった。
90魔装機神:2008/02/04(月) 19:23:04 ID:8wFCvVnF
「どういうことですか?」
紅麗のいきなりの言葉に、カリムは彼を見る。
その顔は穏やかだが、真剣な表情だった。
紅麗はそんなカリムを睨む。
「もう一度言おう。私と烈火ともども、お前達の少女趣味や胡散臭い占いに付き合う気などないといっている」
その言葉にはやてたちは驚いて紅麗を見る。
紅麗は、カリムが持つ能力をただの少女趣味の占い呼ばわりにしたのだ。
まだ彼らにはレアスキルと言うものが同なのかわかっていないのだろうか……
そんな紅麗の発言に、シャッハはすぐさま立ち上がり、紅麗のほうを睨む。
この男、なんと言う口の聞き方をしているのか……
「シャッハ、下がりなさい」
しかし、そんなシャッハをカリムは咎め、シャッハはしぶしぶ席にすわる。
確かに、自分自身もこの能力はちょっとした占いより当たる、ぐらいのものだと思っている。
「それで、協力できない理由と言うものか何かがあるのですか?」
カリムは紅麗に協力できない理由を尋ねる。
彼らが協力できないわけを。
ありえない話でもないが、ただ嫌だから、とかいう理由ならもう少し粘ってみようとカリムは思った。
「私にはするべき役目がある。火影の血を引くものとしての役目がな」
お前もそうだろう?と紅麗は烈火を見る。
紅麗に言われて、ああと烈火も頷く。
「わりぃな、俺は協力してやりてえんだけど、早くもとの世界に戻んなきゃいけねんだ。そうしねえと、こっちの世界も大変なことになる」
その言葉にえ?となのはは烈火を見る。
烈火の世界、と言う事は自分達の世界。
一体、地球で何が起こっているというのだろうか……
『そのことはわしが説明しよう』
そのとき、どこから声が聞こえる声。
その声に、なのはとフェイトがさっと構える。
あの声の持ち主には大変な目にあった。
「二人とも、何をしてるんだ?」
しかし、事情を全く知らないクロノとカリムはどうしたのか尋ねる。
「ま、まあいろいろあったということで、なあ?」
「あ、ああ」
ウルも聞いているが、彼はフェイトの義兄である。
昔から少々妹思いなところがあり、そんなクロノにあの事を話せばどうなることやら……
そんな一同を放っておいて、光が消えると、やはり虚空が現れた。
「じじい、どういうことだ?」
烈火は突然出てきた虚空を睨む。
またよからぬことを考えているのではないだろうか、と烈火は睨む(スケベ的な意味で)
「わしも、ただいたずらに出てくるだけではないわい」
虚空の言葉に、どうだかな、と今までの行動を思い浮かべる烈火。
だが、そのあまり見ない真剣な虚空の表情をみて、そうではないと烈火は察した。
「お嬢ちゃんたちには魔道具の事もわからんじゃろ。そのことも説明せねばならんしな」
そういって、虚空はカリムたちを見る。
「わしらの世界は、もしかすれば大変な事になるかもしれん。天道地獄によって……」
「天道地獄?」
なのはは聞き覚えのない言葉に?と首をかしげる。
「なんだらそれは?天丼は空からたくさん降ってくるだらか?」
「そりゃ天丼地獄だっての」
ヨアヒムが素でボケ、ウルが突っ込む。
もう見慣れたこの光景。
しかし、そんな二人は無視して話を進める虚空。
「天道地獄とは、魔道具の一つ。しかし、その前に魔道具に付いて説明せねばならんな」
虚空はなのは達に魔道具とは何かを説明した。
91魔装機神:2008/02/04(月) 19:24:37 ID:8wFCvVnF
魔道具、それは火影忍軍がまだ小さな忍者組織だったときの頃に作られたものであった。
使いこなす物に得手不得手や個人差はあるが、ほぼ誰でもその力の恩恵を使う事ができる。
その力はただ単に特殊な形状な武器から、風や炎などを出し、術者に特殊能力を与えるものまで、効果は様々である。
「まるでデバイスみたいだな……」
クロノははあ、とため息を付きながら虚空の話を聞く。
さらに、それが作られたのは何百年も昔の話で、おそらくデバイスよりも歴史が古そうであった。なおかつ現在のデバイスのような力を持つものを作り出すとは、かなりの技術力だと思う。
「じゃが、この魔道具には二人の人物によって作られたのじゃが、二人の作品にはそれぞれ別の価値観があった」
一人は生かすため、一つは殺めるために魔道具を作っていった。
そして、天道地獄は人を殺めるために作られたものが最後に作った最強最悪の魔道具。
「それは厳重に封印されたんじゃが、ある男によってその封印は解かれてしまった」
男の名前は森光蘭。
表では募金活動を行っている善人として世間で走られているが、本来の姿は己が欲望のためならどのようなことでもするような典型的な悪人であった。
さらに、彼はその欲望のために紅麗を養子として招き、紅麗は慕っている彼の義母である月野を人質としてとった。
さらには紅麗が思いを寄せていた女性を殺し、完全に逆らえないようにした。
「なるほど、たいした悪人だ」
クロノは紅麗が語る森光蘭を聞いてため息をはく。
こんな悪人、漫画やアニメでもそうはいない。
「じゃから、そんなやつが天道地獄を発動させてしもうた。じゃから一刻も早くなんとかせんと地球が殺戮の場となってしまう」
ただ、天道地獄が完全に動き出すにはいくつかの条件がいる。
まずはその分のえさを食べなければいけない。
ここに来る前、かなりのダメージを負わせたから時間は稼げているからしばらくはまだ大丈夫であった。
しかし……
「森光蘭は、治癒の少女、佐古下柳をとりこもうとしている」
治癒の少女とは、ケガを癒す効果を持つ人のこと。
そして、烈火が主と認めて中を尽くす人物でもある。
烈火が協力を拒んだ理由の大きくはこれだった。
早く戻り、また来るであろう天道地獄や森光蘭の間の手から姫を守らなくてはならない。
もし、天道地獄が柳をとり込んでしまうと、まさに化け物となってしまうのだ。
「その前に、やつが完全体になる前になんとしても倒さなければいかんのじゃ」
紅麗は今までの過去の清算、父への憎悪。
烈火は主のため。
これが、二人は協力できない理由。
このような理由があることもなのはたちは予想だにしなかった。
だが、確かに放って置けない状態である事は理解できた。
ふと、紅麗は虚空を疑問の目で見る。
「ご老人、魔道具に付いてよく知っているな。私の知りえない知識から、天道地獄の細かな能力までも知っている。何故だ?」
紅麗は虚空があまりにも魔道具に付いて詳しすぎたので疑問に思ったのだ。
それは烈火も感じていたことだった。
当の虚空は当然じゃ、といわんばかりに二人を見る。
「その間道具を作ったものの中の一人が、わしだからじゃ」
その瞬間、しばしの沈黙が流れる……
「嘘おぉーーーーーーー!!」
「まじまじ♪」
心のそこから驚く烈火に、ぶい、とVサインをする虚空。
まさか、虚空が間道具を作ったものの一人だとは夢にも思っていなかった。
他の火竜ともども、火影の炎術士だけだとばかり思っていたからだ。
さらに、烈火ほど驚きもしなかったが、紅麗もまた驚愕の顔を浮かべていた。
「風子ちゃんの風神、水鏡の氷紋剣、小金井の金魂暗器、土門の土星の輪。どれもわしの作品じゃ」
と、烈火たちにも伝えなければならない事を告げた虚空。
一通り言い終わると、また虚空は烈火の中に入っていった。
「ええと、お話しのほうはもういいですか?」
「え、ああ」
92魔装機神:2008/02/04(月) 19:26:53 ID:8wFCvVnF
虚空が真実を告げている間、置いてけぼりを受けたように感じられたカリム達は虚空が戻った事により、話を元に戻そうとする。
「こちらとしては残念ですが、あなた達にも深い事情があることは解りました」
取り合えず烈火たちは転移の準備ができ次第、二人の世界に戻る事になる。
「話が長くなってしまいましたが、炎の児は理解できました。しかし、悪魔と神殺しの男がどういうことなのか……」
もしかしたら、先ほどわかった炎の児が協力を拒んだと同じように、神殺しの男自体がないのかも知れない。
「あ、悪魔と神殺しの男のどっちかは俺のことだと思う」
と、意外にもウルは手を上げた。
またもや意外な真実にえ?と疑問を浮かべるはやてたち。
「ウルが、悪魔か神殺しの男?」
「ああ」
ウルは話す。
数年前、ある理由で神と呼ばれたものを復活させた男がいた。
ウルはその男と、さらには神を倒し、それを聞いたある機関からか神殺しの男と呼ばれていた。
さらにその後、ウルはその戦いで大切な人を失ってしまったと話す。
その後、その知り合いがすんでいるというドンレミと言う町にしばらく滞在していた。
しかし、そのさなか、後に「第1次世界大戦」と呼ばれる戦争が始まった。
そのなか、ウルはドンレミ村に襲ってきた兵士を片っ端から倒していき、その報告に恐れた者が「ドンレミには悪魔が潜む」と呼んだらしい。
それ以前に、ウルが悪魔という理由はある。
それは、ウルが以前話したフュージョン能力に関する話だ。
「俺のヒフュージョンモンスターに、かなり高位の悪魔がいる」
ウルが数あるフュージョンモンスターの中で、最も強力なモンスターの一つ。
3大悪魔と呼ばれるものの一つ「破壊紳アモン」をウルは持つ。
そう話したとき、ウルはそのアモンの力の魔力の片鱗を解放する。
その圧倒的な、それでいて邪悪な魔力になのはたちは自然と汗をかく。
この力は、確実に自分達を圧倒的に凌駕している。
「他にも二人、悪魔を従えてるやつがいるけどよ、全員倒したしなあ」
そういって、ウルは魔力の開放をやめた。
なんでも、ウルはアモンを魂の契約で魂を従えているから、自分が大丈夫な限りはまずアモンは裏切らない。
だから、もしかしたら他の悪魔がこの世界にいるのかもしれないというのだ。
ウルは以前から何かおかしい違和感を感じたのだ。
自分を睨む邪気のようなものを感じるらしい。
「ま、俺ははやてたちに協力するよ。元の世界に戻れねえしな」
「勿論、おらも協力するだら!!」
ウル、そしてヨアヒムはカリム達に協力すると約束した。

こうして予言の内容のほとんどが解決し、なのは達も六課へと戻っていく。
その中だった。
「烈火さん、紅麗さん、少しいいですか?」
「ん、なんだよ?」
そのヘリの中で、フェイトは以前から思っていた事を尋ねる。
虚空から聞いて疑問に思っていた事を。
「虚空さんから聞いたんですけど、あなた達二人は兄弟なんですよね?」
そのフェイトの言葉に烈火と紅麗歯お互いを見て、とてつもなく嫌な顔をしている。
「貴様には関係ない」
紅麗はそういってこの話を切り抜けようとする。
それに、話したところでどうなるわけでもない。
「それ以前に誰から聞いたんだよ?」
何故いきなりこんな事を聞いてきたのか烈火は気になった。
「虚空さんが言ってました」
「あのくそじじい……」
余計な事を言いやがって、とため息をつく。
「それ、ほんとなんか?」
それにはやてとなのはも混ざってきた。
はやてのしつこさは二人はとっくの昔に知っているので、紅麗は本当に深いため息をつく。
93魔装機神:2008/02/04(月) 19:27:42 ID:8wFCvVnF
「母親は違うが、このバカは間違いなく私の弟だ」
不愉快な事この上ないがな、と紅麗は付け加える。
「しかし、勘違いするなよ烈火。今は仕方なく協力しているという事をな。私は貴様を弟だとは思った事はない。今度合間見えるときは殺す」
「へ、やってみろよ」
またもや場か重苦しい雰囲気に包まれていく。
いーかげんにしてほしいんだけど、となのははため息を付く。
さて、二人にもお話をしなければいけないかなと思ったときだった。
「こら!」
その瞬間、二人の頭部にゴツっと鈍い音が響く。
おおおお〜〜〜っと烈火は頭を抱えながらうずくまる。
「痛っつ〜〜、おい!いきなりなにすんだよ!?」
烈火は二人に攻撃を与えた人物を見る。
「喧嘩両成敗や」
「いや、勝手にエミグレ文書奪うなよ」
そこには、夜天の書、そしてウルが持っていたエミグレ文書を持っていたはやてがいた。
はやては彼らが兄弟と知り、なおかつあんな空気を出していたものだから、
彼女は二つの書物の角(エミグレ文書はあご部分)で二人の頭をどついたのだ。
「全く、ええ年して兄弟喧嘩なんて恥ずかしくないん?しかも殺すって物騒なこといって」
そして、二人に説教を始めるはやて。
さすが、3人の中で一家の主暦最長をほこるはやてだなと二人は思った。
その中、フェイトは何故二人はこうまで仲がわるいのだろうと思ってしまった。

『我らの宿主様は、素直じゃないわねえ』
はやての話を聞いている塁は、くすくすと笑っている。
『あの紅麗というものもな。まあ、あのような事があればいくら二人が兄弟でも無理はないか』
烈火がまだ小さな赤子のときからいる火竜たち。
烈火と紅麗の関係は、烈火よりも良く知っている。
『……』
そして、それを黙って聞いているものが一人。
その人物を見た虚空は話しかける。
『やはり気になりますかな?烈神殿』
虚空の言葉に、烈神は静かに頷く。
『まあ、無理もなかろうな。なんせおぬしは……』
『口が過ぎるぞ、虚空』
余計な事を言おうとする虚空を、烈神は睨む。
『これは失礼した』
つい口が滑った事に気付いた虚空はそれ以上何も言わなかった。
虚空を黙らせた後、もう一度話を聞く烈神。
そしてつぶやく。
『そろそろ、二人には真実を告げねばならんか……』
八竜の長として、火影当主の先輩として。
そしてなにより……
『全く、あのバカ息子どもが……』
烈神は微笑みながらふっと見上げる。
その目は、父親の目そのものだった。
やがて数日が過ぎ、地上本部での会議当日となった……
94魔装機神:2008/02/04(月) 19:30:09 ID:8wFCvVnF
投下完了。
しばらく烈火フィーバーが続いていますが、もう少ししたらウルたちにも出番は回ってきます。
そろそろマサキのほうも進めないといけないけど……
それと、>>92

「はやてのしつこさは二人はとっくの昔に知っているので」

はまだであて数日なので投下してて不思議に思ったので

「はやてのしつこさは昨日の件でわかっているので」

になおしてくださったら嬉しいです。
95名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 20:13:43 ID:dti0/Wwq
乙!

だがしかし一言
天道地獄じゃないって
天堂地獄だって
ラスボスの名前くらい覚えておこうよ
96リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/04(月) 20:19:52 ID:xDBaMntY
GJです!
なんとなく書いていたドラグナークロスの一話が出来たんで
続けるかはべつにしてとりあえず投下したいんですがよろしいでしょうか。
それとリリカルスクリームもやっと投下できそうです。
これは明日か明後日に投下する予定ですが。
97スーパーロボット大戦X:2008/02/04(月) 20:22:18 ID:aAPNBEqE
>>96
いいですよ。
後、俺のDETONATORStirekSの投下ですが11時過ぎ(恐らく11時15分ごろ)になりそうですけど
よろしいでしょうか?
98リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2008/02/04(月) 20:28:25 ID:wX6aAHRH
どうぞ。
時間、ちょうど一回分くらい空いてますね。
それなら自分は九時〜十時の間に投下したいのですが、よろしいですか?
99魔法戦記リリグナー1話 ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/04(月) 20:35:22 ID:xDBaMntY
第97管理外世界…高町なのはや八神はやての出身地であり、ミッドチルダの文明に匹敵する文明を持ちながらも
管理局とは一切交流を持たない異色の次元世界である。この世界の歴史は、まさに波乱万丈であった。
二十世紀の終末に発生した戦争「ベルカン・ウォー」をキッカケとして世界中が戦乱に包まれ、2020年まで
その戦火は途絶える事が無かったのだ。当時の最新鋭だったF-22「ラプター」をはじめとする第5世代戦闘機に
はじまって、XFA-27やX02「ワイバーン」 といった
第6世代戦闘機、果てはコフィンシステムに代表される全く新しい機構を備えた
ADF-01「ファルケン」レサス共和国によって開発された特殊攻撃機「フェンリア」
人工知能を搭載した機体も製作されたFFR-31MR(この機体に限って言えば
厳密には戦闘機では無く偵察機なのだが)「スーパーシルフ」
といった第7世代戦闘機までもがこの戦いに投入され、いくつもの伝説とエースパイロットが生まれ、ついに2020年。
オーシア大陸におけるオーレリアとレサスの戦争を最後に戦乱の時代は終わった。
そしてそれから半世紀の間、人類はこれまでの戦乱が嘘のような平和を享受することとなったのだ。
同時に軍備の発展はほぼストップ…第6世代、第7世代の戦闘機はオーバースペックな代物とされて殆どが開発中止、退役になり代わって
F-22やSu-50、XFA-24A「アパリス」 といった第5世代戦闘機の再生産、F-28「メッサー」
FA-1「ファーン」といった新型ではあるが
第5.5世代戦闘機というべきおしなべて保守的な構造の戦闘機。
そして、FFR-31「シルフィード(各部が簡略化されたBlock20相当)」などの第6世代機の中でも
比較的控えめな性能の戦闘機が主流となり、空軍におけるこの組み合わせは以後60年という時も
経ても大して変化することは無かった(無論こまかな近代化改修程度は行われていたが)。そして西暦2077年。
次元世界規模での災害、P・T事件、そして闇の書事件…この二つの事件が発生し、時空管理局に
よって秘密裏に解決させられ、これら二つの事件から
十年ほどが経過し、この二つの事件の立役者…高町なのは、フェイト・テスタロッサ、八神はやて達が
時空管理局内で着実に出世し時空管理局内部に機動六課が結成され、レリックを巡ってドクタースカリエッティが作り出した戦闘機人が
暗躍を初め管理局が混乱し始めていた頃、60年間の沈黙を破って高町なのはら
3人が生まれた世界…第97管理外世界は、熱い炎に包まれた。時に西暦2087年、
かねてより進められていた宇宙移民計画によって月面に樹立された統一帝国ギガノスの独裁政権は、人類の
革新を標榜し地球の各国に宣戦を布告。
問答無用のマスドライバー攻撃によっていまだ纏まれずに居た地球各国の七割を制圧、支配下に置いたのである。
100名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 20:37:58 ID:OWf67wJL
なんぞこの世界はwww支援
101魔法戦記リリグナー1話 ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/04(月) 20:38:26 ID:xDBaMntY
開戦から僅か半年で、オーレリアやレサスといった国々が属するオーシア大陸、オーストラリア大陸を始めとするオセアニア地域、
さらに北米、南米、ユーラシア、ユージアといった各大陸の主要国家の大半がギガノス帝国によって制圧された。
地球連合軍に反撃の術は無かった。70年前には多数存在したメタルアーマーに対抗しうる力を持つ第6、第7世代戦闘機は殆どが
博物館に飾られるだけの存在と化し、それを乗りこなす事が可能だった伝説的なエースパイロットも
また伝説のみの存在と化しており、彼らに匹敵するパイロットは連合軍にはもはや存在していなかったのである。そんな中、奇跡が起こった。
ギガノス軍が秘密裏に開発していた試作メタルアーマー「ドラグナー」が数奇な運命を経て連合軍ととある少年達の手に渡り、
目下それを地球へ持ち帰る事に成功したのだ。
その頃

「スバル・ティアナ・エリオ・キャロ。そして出向のギンガ…。みんな揃ったみたいやね。今回の任務やけど、
聞いてのとおりとあるロストロギアの捜索のために皆には私とフェイト執務官、なのは空尉と一緒に第97管理外世界へ
飛んでもらう。この任務は実は一ヶ月近く前に出動要請が聖王教会からきていたんやけどちょっと事情があってその時は出れずじまいでなあ。
それで今回ギンガがうちへ出向になっていい機会やし行動に移す事にしたって訳や。それとこれも伝達しておいた通り…。」
「今回の任務には私も同行させて頂きます。非才の身ではありますがどうぞ宜しく…。」

シャッハ・ヌエラが進み出た。
機動六課の隊長、八神はやてが、フェイト・T・ハラオウンと高町なのはの二人を伴って
集まった部下達の前で静かに言った。

「質問よろしいでしょうか?」
「かまわんよ。」
「データは一通り見ましたが…ロストロギアと言っても危険性は全く無い代物なんですよね?
なぜ一ヶ月もそんなものを野放しに?それにこの程度の任務にギンガ陸士やシスター・シャッハまで
同行するなんてオーバーキルでは?」
「うん…それについては今説明しようと思って居たとこや。シャーリー、あの映像を。」

はやてが声のトーンを少し落として言うと、奥の席に座っているオペレーター、
シャリオ・グランセフィーノに何事か合図した。部屋に備え付けられた
大型プロジェクターのスイッチが入れられ、映像が流れ出す。

「これって…映画ですか?」

スバルが怪訝そうな顔で言った。モニターから映し出されたのは黄色く塗装された
不恰好な体型の巨大な人型ロボット…彼女達は知るよしも無いが、この兵器を開発した
ギガノス軍では「ゲバイ」という名称が付けられているメタルアーマーだ…がマシンガン
(正確には50_ハンドレールガンだが)を手にしてものものしい戦車や装甲車などで構成された
機甲部隊を蹂躙していく映像だったのだ。戦車や装甲車の形状は管理局が使用しているそれとは
全く異なった形状の武骨なものだしここに映っているほどの巨大な人型兵器は時空管理局内部では
何処の次元世界でも実現し得なかった伝説上の存在だと捉えられている。
102魔法戦記リリグナー1話 ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/04(月) 20:41:19 ID:xDBaMntY
そんな代物が映っている映像を創作物と捉えるのは自然な発想だろう。

「これは映画でもなんでもない。私の住む第97管理外世界で撮影された実際の映像や。」
「そ…そんな、だって人型の兵器は何処の次元世界でも実用レベルでは実現出来た例は殆どないって…。」

スバルが驚いた顔で言った。

「戦闘機人だって人型兵器がほぼ実現不可能だったから製作された物の筈では?」
「あ…あの…どうしたんですか?」

ギンガも続ける。いつもの二人らしからぬ調子の発言にエリオが戸惑いがちな声を出した。

「(スバルッ…。)」

キャロやエリオに悟られないようにティアナが小声でスバルを咎める。
スバルとギンガがミッドチルダが人型兵器という物のありかたを独自の解釈で
極限まで追求した結果生まれた存在、「戦闘機人」である事はこの時点ではエリオ達には明かされていない。

「…ギンガの言う通り、ミッドチルダでは人型兵器は実用レベルまでこぎつけてはいない。
でも第97管理外世界ではこの通りや。“メタルアーマー”っちゅう兵器でもともとは
宇宙空間での作業用に開発されたものなんやが…。」
「管理外世界で開発されたものだから、ミッドチルダにはその技術は当然伝わってこないってわけ。まあ…ミッドチルダの科学力でも
実現出来なかった物が管理外世界で実現されたって例は前例が全く無いらしいんだけど。」

なのはが自嘲気味に言った。

「この映像は我々がこれから向かう地点から僅か数キロという場所で一ヶ月あまり前に撮影されたものだ。ここまで言えば解ると
思うがこれが一ヶ月前、依頼があったその時にすぐに出動できなかった理由だ。」

「私達の任務中にまたこういう戦闘が起きるとも限らないし、そういった事態に備えて戦力は多い方がいいから。私としては
そんな場所にみんなを…特にキャロやエリオを連れて行きたくは無いんだけど。」

シグナムとフェイトが重苦しく言った。
場の雰囲気が極端に緊張したものへと変わって行く。戦闘機人やガジェットに襲われた際と
違ってこちらも応戦してしまうという訳にもいかない(それすなわち管理外世界への介入となるからだ。)しなによりも
メタルアーマーという機動兵器は映像を見る限り火力にしろ大きさにしろ今まで戦ってきた
ガジェットが子供に見えるほどのものだったのだ。その雰囲気は全くほぐれぬまま、兎にも角にも
転送の準備は完了。

「なのはママ…。」
「大丈夫だよ。すぐ帰ってくるから…。」

アイナにつきそわれて心配そうな顔で見守るヴィヴィオにやさしく微笑みかけるなのは。

「第97管理外世界…文明レベルA+…魔法文化なし…次元転送手段無し…。
ミッドチルダと大して変わらない文明レベルなのに魔法文化と次元転送手段が無いんですか?」
103名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 20:41:26 ID:OWf67wJL
あの前説はなんだったんですか?w支援
104魔法戦記リリグナー1話 ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/04(月) 20:43:42 ID:xDBaMntY
「魔法文化が無いから文明レベルが低く見られているだけで実際はAAレベルの文明世界に匹敵すると思っていいだろうね。
まあ、詳しい説明は向こうで…。」

驚くティアナにウェイトモードのレイジングハートを弄びながら緊張した面持ちでなのはが言った。
達は転送魔法で
目的地…第97艦利害世界へ転送されていった。
待ち受ける運命も知らないまま…。

その頃…第97管理外世界…浦賀水道周辺、空母「アクアポリス」
このアクアポリスこそギガノス軍より奪取されたドラグナーが収容されている大型空母である。
元米海軍の駆逐艦2隻を随伴艦として伴い、
その甲板には艦載機としてF35CBlock52型戦闘攻撃機やSu-55
(ロシア軍が開発した第五世代機・Su-50の艦載機仕様)型ステルス戦闘機、そして
対潜哨戒ヘリが多数係留されている。
その一角で、

「で、俺達は今何処へ向かってるんです軍曹?」

白人の少年…ライト・ニューマンが屈強そうなスキンヘッドの軍人…ベン・ルーニー軍曹に尋ねていた。

「日本の海鳴って港だそうです。重慶へ行くには地理的に日本を通らなければなりませんから。
もっとも海鳴で補給したら北へ迂回して日本海を経由して…つまりぐるっと一回りして重慶へ向かうとか。
太平洋上はギガノスの勢力下ですから。海鳴では空母が配備されて我々を待っているそうです。」
「日本か…どうせなら故郷へ寄りたかったんだけどなあ。」

脇で聞いていた東洋人の軽そうな顔の少年…ケーン・ワカバが大きく伸びをするとぼやく。

「日本海を通るんなら東北も通るはずだぜ?もっとも関東・中部・関西以外の区域は
ギガノスがみんな占領しているって話だから道中楽じゃないだろうけどな。」

さらにその脇でオーディオプレイヤーを聞いていた黒人の青年「タップ・オセアノ」が片耳にイヤホンをくっつけたまま言う。
105名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 20:44:50 ID:OWf67wJL
メタルアーマーがそのまま登場www支援
106魔法戦記リリグナー1話 ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/04(月) 20:45:03 ID:xDBaMntY
とその時。

「おい、何をやっている!艦内待機の命令が出ているだろう!」

神経質そうな顔の軍人「ジェームズ・C・ダグラス」が怒鳴り声を挙げた。

「解りましたよ。おっ…いよいよ着くみたいだぜ!」

海鳴港がすぐ近くへ迫っているのを認めるとケーンが嬉しそうに言った。

「あれが空母か…確か、日本海軍のアドミラル56って艦だったな。」

自分達が乗艦しているアクアポリスに比肩する規模の空母「アドミラル56」と甲板上に整然と並んでいる
F/A27C型戦闘攻撃機や哨戒ヘリを一瞥したライトは呟くとケーン達を追って艦内へ戻っていった。
彼らもまたこれから待ち受ける運命を知らない…。
107名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 20:46:15 ID:E3rWzfNS
目的地…第97艦利害世界へ転送されていった
           ↑
ちょwwww支援
108名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 20:46:55 ID:OWf67wJL
よく考えたら管理局は無断入国www支援
109リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/04(月) 20:53:29 ID:xDBaMntY
ここまでで。
クロス先のキャラクターが物語が始まる時点で管理局に入局しているって
SSなら何個かありますが「なら逆も有りじゃね?」という考えのもと書いてみました。
年表がややこしいんで
整理すると
西暦2000年代初頭〜2020年 ・ACE COMBAT各シリーズの出来事が ZERO→4→5→6→Xの順で発生。
  2070年 ・とらいあんぐるハート1及び2の出来事が発生
  2077年 ・なのは一期〜二期の出来事が発生。
  2087年 ・なのは三期及び機甲戦記ドラグナーの出来事が発生(本編)。

本編に登場したメカの出典は
Su-50、F35Cが実機
F/A27Cとアドミラル56が「戦闘妖精雪風」です。
なお雪風についてはメカのみの登場です。
つまりジャムや惑星フェアリイとの接触が無いまま歴史が進行した世界です(いい加減な設定でスミマセン…。)。
110名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 20:57:00 ID:OWf67wJL
GJ!
エスコンがどういう風に絡んでくるのか楽しみ。
111名無しさん@お腹いっぱい:2008/02/04(月) 21:04:57 ID:UMWC10Xb
個人的にはギガノスの蒼き鷹さんやドラグナーチームによる、6課あるいは管理局に対して
正当な反論を期待している自分がいる。 OGSを見たら管理局はあまりにも危険なことを無造作にやりすぎている
ようにしか思えない。
112名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 21:09:27 ID:wX6aAHRH
乙でした。

……けど、軍事知識がサッパリなのでドラグナーだけならともかく
専門用語がズラっと並ぶと思考が硬直してしまって……
笑えよ、笑ってくれよorz
113スーパーロボット大戦X:2008/02/04(月) 21:11:01 ID:aAPNBEqE
>>109
GJです!!なかなか面白いですね。続編を出して欲しいと思います。
メタルアーマーがそのままの大きさはスパロボXでもあったな…。
申し訳ないのですが、予定を変更して投下を早めたいと思いますが、
武者○伝さんの次でよろしいでしょうか?
114リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/04(月) 21:26:38 ID:xDBaMntY
>>112
戦闘機関連の前説は解りにくいかもしれませんね。
すみませんですハイ…。
第五世代戦闘機というのがおおまかに言うと「高度なステルス性を有していてかつ他の戦闘機よりも
空戦において優秀」な戦闘機で現代ではこれが一番新しい戦闘機です。
第5.5世代以降は…まあオレ設定についてとうとうと語るというののもアレですし。
「数字が増えていくごとに強く、新しくなっていき、第七世代には人口知能とか全周囲コックピットとか
なんかしら凄い技術が使われている」ぐらいの認識で構わないです。
115名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 21:32:23 ID:IXubOYeb
以前紺碧のなのはと言うものを書かせて貰った者ですが、新しいのを書いたので投下してよかですか?
116スーパーロボット大戦X:2008/02/04(月) 21:36:10 ID:aAPNBEqE
>>115
武者○伝さんが9時〜10時の時に投下したいと言ってまして
その後は俺が投下する予定ですが、俺の前でいいですよ。
俺は時間がなかったら明日にでも投下します。
117アリサもん “前説”:2008/02/04(月) 21:38:22 ID:IXubOYeb
この物語は、菌が見える冴えない青年沢木直保と、同じく菌が見えるおかしな体質のお嬢さんアリサ・バニングスと友人月村すずか
女の子ぽい顔の結城蛍
除菌マニアの及川葉月
そして、農学者の樹慶蔵とそのゼミ生長谷川遥、武藤葵
二回生のヒゲとデブが送る学園ラブコメディー・・・では無く、菌達とのキャンパスライフを綴るモネラ系SS、アリサもんかもします。
118アリサもん “前説”:2008/02/04(月) 21:41:00 ID:IXubOYeb

「ねぇ、すずか何で入学式に警察なんか来てるのよ」
彼女は、アリサ・バニングス この物語の主人公?で、何故か菌が見えてしまう特異体質の女性である。
「そんな事言われても分からないよ」
彼女は、月村すずか 応用生物学を学びにこの大学に入学したのである。
警察から配られたビラを受取り、大学の中に入っていき、入学式開場へ向かった。
「「まずは新入生の皆様、ご入学おめでとうごさいます・・・」」
学長がトラメガで長い挨拶と祝辞を述べる。そして、事務の男が諸連絡をする。
「「えー、事務から失礼します 校門前で配っていたビラをご存じかと思いますが、本校の長谷川遥が行方のため、本日付で公開捜査となりました、まぁ、広い本学ですからどっかに埋まってかもしれませんが」」
めでたい時に不吉なことを言う事務である。
そんな事を言う事務は置いといて、無事に入学式は幕を閉じた。
「何ちゅー事務よ、あれでシャレがきいてると思ってるのかしら」
「でも、何より行方不明って頭に残ったじゃない。そうだ、アリサちゃん行く所あったんじゃないの?」 「えぇ、樹さんって人なんだけど、研究室が何処に有るのか分からないのよね・・・」
この大学は、その敷地が広大である。無論、看板は有るが、慣れた人の案内が無ければ確実に迷子になる程である。
「君達も樹先生の所に行くの?」
119アリサもん “入学”:2008/02/04(月) 21:44:52 ID:IXubOYeb
不意に声を掛けられ、後ろを振り向くと二人の青年が立っていた。
「あなた達誰? 普通声掛ける時自分の名前を名乗らなくて?」
「あぁ、ごめん僕は結城蛍、それで彼が僕の友人の沢木直保」
「どうも」
「私はアリサ・バニングスよ、よろしく」
「私は、月村すずか、よろしくお願いします」
「ねぇ、君達も樹先生の所に行くなら僕達と一緒に行かない」
蛍が切り出す。
「あなた達、樹さんの研究室の場所知ってるの」
「えぇ、さっき先輩から近道を教えてもらってね」アリサは少し思案し、この提案を了承した。
暫くして、近道である林道へ着いた。
「け・・・蛍」
「ん?」
「そっち行くの?」
「うん、ここが抜け道だからね」
「なんかさ・・・菌共が、わんさかいるみたいなんだけど」
「えっ?」
アリサが突然驚いた声を出した。
「いや、何でもな・・・」
「あなたも、菌が見えるの!?」
「えっ?」
今度は沢木が驚いた。
まさか自分と同じ能力を持っている人物が目の前にいるのである。
「もしかしてお前も?」
まさかまさかのそのまさかである。
その事に付いて来れないすずかと蛍はもはや蚊帳の外である。
120アリサもん “入学”:2008/02/04(月) 21:46:45 ID:IXubOYeb
「先行ってみる?」
蛍が驚きあってる二人に質問した。
「えぇ、行きましょ 普通の所よりは多いけど、大した量じゃないし」
「沢木は?」
「あぁ、別にいいぜ」
そして、彼女達は林を抜け、ちょっとした広場に出た。
Σ(゚д゚)
沢木とアリサは上のようになった。
「どうしたの?沢木、アリサちゃん」
「いや・・・なんか菌がわんさかわいてるんだけど」
それにアリサが相槌をうつ。
「そうそう・・・何て言うか、菌柱?」
菌が見えないすずかや蛍にとって彼女達がどんな風に見えているか想像し難い。
「すずか・・・大体広場の中央辺りなんだけど、どうなってる?」
「どうなってるって言っても土だよ、何か埋まってる感じかな」
「1.5mから2m位って所か人間と同じ大きさ位?」
沢木の言ったふと言った一言が全員に共通の考えを持たせた。
「「「「人間?」」」」
121名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 21:49:01 ID:EBbWQeoJ
あれ?武者○伝氏は?
122アリサもん “入学”:2008/02/04(月) 21:50:40 ID:IXubOYeb
「ほら、部外者はどいて」
警察の人たちが、立ち入り禁止のテープを張り、辺りは騒然としていた。
この事を大学に報告したアリサ達は、入学初日で一躍失踪事件のど真ん中に踊り出たのである。
「えッ、菌がどうしたってェ?」
「いぇ・・・だから、その」
「彼女、鼻が良いんです だから、変な臭いがするから来てみたらあんなのが有って」
すずかが言葉に詰るアリサに助け舟を出した。
「サンキュー すずか」
一応警察に聞かれない様にすずかに礼を言った。
「そこは立ち入り禁止ですからやめて下さい」
振り向くと、スコップを持ち白衣を着た老人がいた。
「あ、チワっス 樹先生」学生の誰かが言ったあった。
樹は、徐に持っていたスコップを地面に突き刺した。
「あッ コラ、現場を荒らしちゃいかん」
捜査員が焦って止めようとする。しかし、樹は動じない。
掘り起こした所から、様々な菌が吹き出す。
「・・・くさっ!!」
「何? この臭い?!」
アリサは、強烈な臭いに鼻を覆った。
「君達この臭いが何か分かるかな?」
「何って、死臭じゃないんですか」
臭いと菌で答えることが出来ないアリサに変わって、すずかが答えた。
「残念だな 君達も乳酸発酵臭と腐敗臭の違いが分からんのか」
「これ、唯のアザラシの死体じゃないスか 発酵って事は、食い物?」
123名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 21:51:32 ID:BoT2xiAl
武者→スパロボ

スパロボ氏が
武者→アリサもん→スパロボ
でいいよと

…あれ?
124アリサもん “入学”:2008/02/04(月) 21:54:15 ID:IXubOYeb
「如何にも これはキビヤックって言ってね、カナディアンイヌイットの発酵食品なんだ
これは、アザラシの中に海鳥を7〜80羽を入れ土の中に2、3年発酵させるんだ まぁ、日本なら半年で出来るけどね」
ここから、樹のキビヤックの歴史を語るが、メモ帳関係上省略させていただく。
「沢木惣右衛門直保君、アリサ・バニングス君 樹慶蔵です」
「沢木君の御祖父さんとは知り合って20年位になるかな アリサ君のお父上から話を聞いてるよ」
「あー先生 何であたしを待たずにキビヤック掘ったんです?」
後ろから、声がした。
「あっ、長谷川君おかえり 出掛けたら連絡つかないからさ、勝手に掘たよ」
何と言うかボンデージの様な服を着た彼女こそ警察が探していた長谷川遥である。
「まァでもゴメンね 丁度君が戻ってくれて良かった 例の子がここに居るし研究室に戻ろうか」
「あっ、あのー」
すずかが勇気を出して遥に声を掛けた。
「なに?」
「警察の方があなたのこと探してるんですけどー」
「あァ・・・うちの親過保護だから ここ来るついでに、寄ってきたから大丈夫よ」
「は、はァ」
「ほら、早く来なさい 置いて行くわよ」

こうして、怒涛の入学式を終え
アリサ達の大学生活が始まったのである。
次回に続くのか?
125リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2008/02/04(月) 21:54:37 ID:wX6aAHRH
ごめんなさい、こういう時どんな顔をすればいいか分からないの

……いや、ホントどうしたらいいのコレ?
126名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 21:56:54 ID:OWf67wJL
>>125
泣いたらいいと思うよ
127名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 21:57:49 ID:y5VXNQky
>>125
笑えばいいと思うよ?
128名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 21:59:02 ID:lI4sINAF
>>125
コンビニにいって缶チューを買ってきて柿ピーと一緒にかっ込んでから
何事も無かったように投下したらおk
129名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 21:59:24 ID:IXubOYeb
スーパーロボット大戦さん先に投下しちゃってすみません
投下しちゃいました
130スーパーロボット大戦X:2008/02/04(月) 22:00:16 ID:aAPNBEqE
>>125
笑ってごまかし、そしてしばらくしたら(10時半ごろ)投下だ!
131名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 22:00:29 ID:lI4sINAF
>>129
君のスルースキルの高さはすさまじいなwwwwwwwww
132リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2008/02/04(月) 22:01:07 ID:wX6aAHRH
>>126は笑えと言い>>127は笑えと言う。
羽丸は俺に何も言ってはくれない。
だから教えてくれごひ。
俺は一体いつ投下すればいいんだ!?

>>128
あー、もう風呂入ったから風邪ひくので外出は遠慮します
133名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 22:01:08 ID:wHsE5GIr
>125
こう、BB戦士ガンダムの頭と左手を外して……

スパロボX氏が《譲り合い、宇宙》を覚えたと思ったら……
134名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 22:03:03 ID:lI4sINAF
人は悲しみ重ねて 大人になるいま 寂しさに震えてる愛しい人(>>132)のその悲しみを 胸に抱(いだ)いたままで
135スーパーロボット大戦X:2008/02/04(月) 22:07:40 ID:aAPNBEqE
>>132
さっきも書きましたが10半ごろに投下すればいいと思いますよ。
となると俺の投下は最初に言った11時過ぎですね。
136名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 22:10:41 ID:qxvCeXgx
Gackt自重
137名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 22:13:07 ID:HRbnUtC+
予約ガン無視の割り込みに対しては30分ルールへの配慮は不要

って事でイインジャネ?
138名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 22:15:51 ID:qVjtx/R/
     ,..-''" ̄ ̄ `'" ̄ ̄`ヽ、
      /             ヽ
   ./     ,,,... -――- ...._    ',
   |    /'´         `!  |
   |  ,ノ           |  :!   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    |   |   ,. -==、 ,.==-、 |.  |   / 「職人は悪いヤツだ」
   l:  l  ィてフ_> :i i ィてフ_> | ;'  | と思った読者のみなさん、
    iヘ:|         | |       |''|   | どうもすみませんでした。
    |,ハ|       r_!__ト,     /ノ   | 職人は悪人ではないのです。
    ヽ'_l、    ,___,   /'′  _ノ   まちがいをするだけなのです……。
     `l \     ―‐  ,/   ̄ ̄ヽ、_______________
   _,. -l    丶、___.. 1"i''''''―-
‐''"´ |\        /  |
    |:  \      /   |
     |     \    / _   |
    l   _,,. -へ   // \ |
139名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 22:17:30 ID:HRbnUtC+
補足

予約順と言うルールを破った以上待ちのルールに則って感想を得る権利は失効
罰則として(逆を言えば割り込まれた人の当然の権利として)待つ必要毛頭無し

論法としてはこれで誰にも文句は無いだろ

ちなみにこの意見に誰か文句ある?
140名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 22:17:52 ID:bVqMhPMz
ありったけの愛で君のスルーを包み込んであげよう
もう二度と悲しみ(スルー)が訪れないように
規約を守りたい
141名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 22:21:43 ID:lI4sINAF
>>138
荒木神!?
142スーパーロボット大戦X:2008/02/04(月) 22:23:06 ID:aAPNBEqE
>>139
そうですね。その方がいいかもしれませんね…。
俺の作品の場合はほとんどその状態…。
>>138
これはあの有名な○木先生ですか?確かあのキャラのことだよな。
143リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2008/02/04(月) 22:25:11 ID:wX6aAHRH
まぁ、自分の名前がNG指定されてたら予約してるの気付かれないのもあり得ますよ。
そもそも自分はここに投下するまでのゴタゴタでそうされても文句の言えない立場ですし。
それでも私めを応援して下さる読者様のため、全身全霊をもって頑張りたいと思います。

と、言う訳でいいかげんそろそろ投下ヨロシ?
144名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 22:25:31 ID:8n2iEt1T
>>138
波紋使いか
この人、全然見た目かわらないんだよな
145名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 22:25:54 ID:XvQPqj7n
支援
146名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 22:26:34 ID:neP4t3XF
おk
147名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 22:26:37 ID:lI4sINAF
>>144
幕末から生きてるしな


支援
148リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2008/02/04(月) 22:27:31 ID:wX6aAHRH
 
 羽丸が高町家にやって来たその数日後、とある憂鬱を誘う曇り空の休日に、
ススムと武ちゃ丸は海鳴市のとある場所に向かって、駆け足で移動していた。

「も〜、何やってんのさ武ちゃ丸!」
「シュ、シュシュム、待ってぇな〜! んな事言うたかてこっちは屋台引いてんねんで?」
「ジャンケンに負けたからだろ? ホラ、急いだ急いだ!」
「くぅ〜っ! そやけど、シュシュム嬉しそうやなぁ。
 はやての事ホンマの妹みたいに思とったさかい、心配しとったんやろな」
「武ちゃ丸、置いてくよ!?」
「あー、わかっとるわかっとる! すぐ行くて!」

 彼らの向う先はあの元旦の日、ススムとともに武者丸とのファーストコンタクトを果たした
車いすの少女……足の治療のため引っ越して行った八神はやての住まいであった。



巻之壱拾六「空中激突! 青い稲妻と金の閃光やでっ!」



「ウゥゥ……ガウッ! ガウッ! ガウッ!」

 ――皆さんこんにちは、ススムです。
    突然ですが僕達、おっきな犬に吠えられてます。正直おっかないです。

「がるる〜、ばう、ばう、ばうっ!」
「武ちゃ丸! いちいち対抗しない!」
「売られたケンカは買うんが男の花道や!
 ……そやけど、ここホンマにはやての家なんか?」

 八神家に辿り着いたススム達。
 しかし、彼らを待っていたのは青い毛並みを持った大柄な犬による
敵意丸出しの出迎えであった。

「んー……表札は『八神』で間違いないんだけどな。
 すいませーん! 誰かいませんかー!?」

 しかし返事はない。しいて言うなら犬が相変わらず吠え続けているくらいなものか。

「そやから最初に電話くらい入れろっちゅうたのに!
 何も言わんと家に行って驚かそっちゅう、やらしい根性にバチ当たったんや!!」
「いいじゃないか、はやてちゃんは寂しがり屋のくせに意地っ張りだし、
 たまにはびっくりした顔見てみたかったんだよ!」

 閑静な住宅街のど真ん中でいつものようにぎゃあぎゃあと口論を始めるススムと武者丸。
 さらに吠え続ける八神家の青い犬につられるようにしてご近所の飼い犬達まで吠え始め、
いつしかその一帯は騒音公害の発生源となっていた。

「……アンタら、人ん家の前で何やってんの?」

 と、その二人に声をかける小さな女の子が一人。
 赤毛の長髪をボリュームのある三つ編みにまとめ、パンキッシュな服を着て
なぜかゲートボールのスティックらしき鈍器を手にしたその子は不審者を見る目つき全開で
ススムと武ちゃ丸を睨みつけていた。
149リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2008/02/04(月) 22:28:13 ID:wX6aAHRH
「えっと……君は? この家の子?」
「そーだけど、アンタ誰?」
「あ、ボクはススム。んでこっちが……」
「日本一のタコ焼き職人、武者丸様や! あんじょうよろしゅうな!」
「日本一ぃ〜? ハッ、何にもわかっちゃいねぇな。
 この世で一番ギガウマな料理ははやての作ったほかほかごはんなんだよ!」

 武ちゃ丸の「日本一」という言葉に反応し、
その子は自慢げな武ちゃ丸を鼻で笑ってコケにする。
 一方、ススムはその子の言葉の中から一番気になっていた人物の名を聞きとった。

「はやて? じゃ、やっぱりここははやてちゃんの家でよかったんだ」
「そだけど、何ではやての事知ってんの?」
「うん、はやてちゃんがここに引っ越してくる前、ボクらの家の近所に住んでたんだ。
 近くに来る用事があったから顔を出してみたんだけど……」
「何だ、はやての友達か? だったら最初からそう言っときゃ良かったのに。
 けど証拠はあんのか、証拠?」
「疑り深い子だなぁ……これでいい?」

 携帯電話を開き、はやてや自分達の写っている写真を見せるススム。
 それを見てようやくその子は納得したのか、警戒を解いたようだ。

「悪かったな、疑って。あたしはヴィータ。そっちの犬はザフィーラってんだ。よろしくな!」
「うん、こっちこそよろしくね、ヴィータちゃん。
 ところではやてちゃんは今、いないの?」
「あぁ、今日は病院の検査の日だからな。シグナムとシャマルが連れてってんだ」
「なぁんだ、それじゃ仕方ない……って、ん?」

 ヴィータという子に続き、またも登場した聞き慣れない人物の名前。
 と言うか、いくら最近連絡を取っていなかったとはいえ
天涯孤独だったはやてに同居人がいるなど初耳だ。
 ススムはヴィータにその辺りの質問をぶつけてみる事にした。

「あのさ、確かはやてちゃんって一人暮らしだったと思うんだけど……
 君やその、シグ……えっと……」
「シグナムとシャマル。あたしらはな、その、えーっと……あ、そうだそうだ!
 遠い国で暮らしてたはやての遠い遠〜い親戚なんだよ!
 はやてが困ってるって言うから、外国から駆け付けてきたんだ」
「うーん……それならはやてちゃんはもっとずぅっと前から困ってたはずだし、
 どうして今になって?」
「それはだな、えっと、その……」

 突然しどろもどろになるヴィータと、それを深刻な目つきで見つめる犬、ザフィーラ。
 なんだろう、どこかおかしい。鈍いススムですらそう思い始めたその時、
今まで沈黙を続けていた活火山、蓄積されていた武ちゃ丸の怒りがついに大噴火を起こした。

「ムッキーッ!」
「武ちゃ丸!?」
「な、何だよ、コイツ?」
「よーもワイの作るタコ焼きを食べもせんとコケにしてくれたなぁ、B太とかなんとか!
 一週間や……一週間待っとき!
 ワイがお前にホンマもんのタコ焼き食べさせたる! 歯ぁ磨いて待っとれ!」
「武ちゃ丸、それを言うなら『首を洗って』だよ。て言うかなんで美味しんぼ?」
「なんだと無茶苦茶丸!
 おもしれぇ、それが万が一、いや億が一はやてのやつよかウマかったら
 逆立ちで公園一周して鼻からうどん食ってやんよ!」
「ヴィータちゃんもそんなどっかののび太くんみたいな!?」
「よっしゃ、覚えたで! 一週間後が楽しみや!」
「そっちこそ! 後で吠え面かくんじゃねーぞ!」
「ちょ、ちょっと武ちゃ丸!? まだ話は終わって……あーっ!?」
150リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2008/02/04(月) 22:28:50 ID:wX6aAHRH
 売り言葉に買い言葉。暴走特急と化した武ちゃ丸はもう止まらない。
 話を聞きだしている最中だというのに哀れススム君は
屋台ごと引きずられていってしまいましたとさ。どっとはらい。



「はーんばーぐー! はーんばーぐー! きょーぉのごはんははーんばーぐー!」
「えへへ、ご機嫌だね、羽丸君?」
「うん! お袋様のごはんは最高だい!」

 一方その頃、家の手伝いでなのはと羽丸は商店街に買い物の最中であった。
 しかし、そこにユーノの姿はない。なぜなら――

「ユーノ、お手!」
「キュッ!」
「ユーノ、お座り!」
「キュッ!」
「ユーノ、とってこーい!」
「キューッ!」

 ――暇を持て余した美由希にいろいろと芸を仕込まれていたからだ。
    もっとも、仕込むも何も彼は人語を解するので言われた通りの事をやっているだけだが。

「おにくににんじんあすぱらがーす! けどぴーまんはいりません〜」
「コラ、好き嫌いしちゃ駄目だよ羽丸君?」
「えー……だって苦いじゃないかー」
「けど、ピーマンって栄養あるんだよ?」
「でもやだやだやーだー!」
「はりゃりゃ……困ったなぁ、どうしよう……」
「おーい、なーのはー!」
「なのはちゃーん!」

 なのはの方はユーノが悠々自適にマイペースな午後を過ごしているのと対照的に、
食べ物の好き嫌いで駄々をこねだした羽丸に手を焼かされているようだ。
 しかし天はそんな彼女を見過ごしはしなかったようで、二人の救いの手を差し伸べた。

「アリサちゃん! すずかちゃん!」
「ニュースよニュース! 学校の方、もうじき休校が明けるって!」
「アリサちゃん、それホント?」
「モチのロンよ! パパの会社が街の復旧に関わってて、教えてくれたの!
 それで、いの一番になのはとすずかの二人に知らせようって思って……」
「あら? なのはちゃん、その子は? ひょっとして、武者頑駄無?」

 学校再開の報を知り、テンションの高くなっているアリサとなのはの会話を、
その二人の間できょとんとした表情で聞いていた羽丸にすずかは気付いた様子だ。

「なのはのお友達?」
「うん、そうだよ。アリサちゃんとすずかちゃん」
「しつれーしました! お初にお目にかかります! おれ、羽丸!
 なのはの兄上、高町恭也先生の門下生なんだ! まだ『仮』だけど……
 けど、いつか先生や他の武者に負けないくらいの立派な武者になってやる!」

 ぴょこんと頭を下げ、コロっと表情を変えた羽丸は元気よく二人に自己紹介する。
 いちいち動作が微笑ましいため、彼女達の印象も上々だったようだ。

「ふふっ、かわいい! こちらこそよろしくね、羽丸君?」
「けど、武者頑駄無ってこんなちっこい子供もいるんだ」
「ちっこいのは今だけだい!」
「でもね羽丸君、好き嫌いしてちゃ大きくなれないよ」
「それでもキライなんだもん……」
151リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2008/02/04(月) 22:29:41 ID:wX6aAHRH
 話を蒸し返すなのはに、内心逃げられたと安堵していた羽丸は
ぶぅっと膨れ面をして、またいじけてしまう。

「なるほど、それでなのはともめてたんだ。
 だらしないぞー、武者頑駄無なのに好き嫌いするなんて」
「恭也さんに怒られるよ?」

 アリサにほっぺをつつかれながら、さらなる援護口撃を受ける羽丸は、
ますますむくれ、「フグみたい」とさらにアリサにからかわれて一層不快感を顕わにする。
 ただでさえ不機嫌な時に、女の子にからかわれるというのは男の子にとって
何物にも勝る屈辱的な仕打ちである場合が多い。
 そして、羽丸にとってもそれは例外ではなかった。

「ほ、ほっといてよ! いいじゃないかその位ー!!」
「あっ、羽丸君! そっちに行っちゃ駄目!」
「危なーい!!」

 アリサを振り払い、羽丸が駆けて行ったその先は車道。
 しかも、街の復興で大きなトラックが何台も行き来する危険な状態の。
 クラクションが鳴り響き、やっと羽丸にも事態が読めた。
 目の前に迫るトラックと言う形で、自分に死の危険が迫っているという事に。
 やがて起こるであろう惨劇の予感に思わず目を覆うすずかと、羽丸に手を伸ばすなのはとアリサ。
 だが、ブレーキ音の次に聞こえてきたのは衝突音ではなく……

「気をつけろ! バカヤロー!!」

 運転手の怒号だった。と、すると、撥ねたという訳ではなさそうだ。
 ……それでは羽丸はどこか? どうなってしまったのか?
 なのは達が辺りを見回すと、白い長袖のシャツを着た黒髪の少年に抱かれて、
呆然とした表情で、羽丸は確かにそこに生きていた。

「……大丈夫? 怪我はないかい?」
「う、ふぇ、ふぇ〜ん!!」

 助かったと言う安堵感からか、泣き出してしまった羽丸を
その少年は軽く頭を撫でて安心させようと試みていた。

「羽丸君! よかった、羽丸君が無事で、本当に……!」
「うわぁ〜ん! ごめん、ごめんなさ〜い!!」

 少年から羽丸を受け取ったなのはは、泣きじゃくる羽丸をぎゅっと抱きしめて
優しくなだめながら、その少年に顔を向けて軽く言葉をかけようとする。
 整った顔立ちと黒髪に黒い瞳。それだけなら普通に出会う人達となんら変わらないのだが、
どこか異国的な雰囲気が漂っている。どこが、とは形容しがたいのだが……
 気が付くと羽丸の命の恩人を値踏みするような真似をしている事に気付き、
なのはは頭を勢いよく左右に振って改めて礼を伝えようと試みた。

「あの、助けていただいて、本当にありがとうございました!」
「気にしなくてもいいよ。僕は当然の事をしただけだから……
 じゃ、僕はこれで」

 そう言ってこの場を去ろうとする少年だが、
なのははそんな彼の動きに違和感がある事に気付き、もう一度声をかけた。
152リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2008/02/04(月) 22:30:14 ID:wX6aAHRH
「待って! 手に血が……擦りむいちゃったんですか?」
「あぁ、大丈夫だよこの位って、いてて!?」
「はぁあ! ご、ごめんなさい、ごめんなさい!!」

 腕に擦り傷を負っている事に気付いたなのはだったが、羽丸を抱えている上に
柄にもなく慌てていた事もあって間違えて怪我をしている方の腕を掴んでしまう。
 当然少年の腕には激痛が走り、見るからに痛々しい反応を見せた。

「すぐに手当てしますね!」
「いや、本当に大丈夫だから……」
「ダメです! 擦り傷程度でもしっかり手当てしないと……これでよし!」

 言いながらも手はテキパキと傷口の消毒をし、絆創膏を貼りつける。
 武ちゃ丸達とともに行動するようになってから持ち歩いている
応急手当の道具一式が役に立っているようだ。

「ありがとう……でいいのかな、こういう場合?」
「重ね重ねごめんなさい……ホラ、羽丸君も」
「ごめんなさい、兄ちゃん……それと、ありがとう!」
「今度から車には気をつけるんだよ?
 じゃあ、今度こそこれで。少し急ぐ用事があるから……」
「あ、あの!」
「?」

 急いでいるのに悪いとは思いつつも、どうしても何かが気になって、声をかける。

「その、よかったら、名前だけでも……私、高町なのはって言います。
 あなたは?」

 名前を訊ねるなのはに、少年はわずかに逡巡を見せるものの、
やがて意を決したように頷いて振り向きながらこう答えた。

「クロノ。クロノ=ハラオウン。
 高町、なのは……君? 縁があれば、また、どこかで」

 そう言い残すとその少年、クロノは街の人ごみのなかに紛れて行き……
いつしか後ろ姿も見えなくなってしまった。
 その一連のやり取りの後、後ろで所在なさげにしていた二人の友人が駆け寄ってくる。
 どうも「邪魔してはいけない」的な空気を読んでいたらしい。

「なのは! 羽丸、大丈夫だった?」
「怪我はしてない? よしよし、怖かったね……」
「体の方は大丈夫みたい。だよね、羽丸君?」
「うん。みんな、ごめんなさい……」
「よしよし、ちゃんと謝れたね? 偉いぞ、さすが男の子! ところで……」

 羽丸の無事を確認したアリサは悪戯っぽく微笑むとがっしとなのはの肩を掴んで囁きかけた。

「しっかり見てたわよ聞いてたわよ? ちょっとなのは!
 何わかりやすい運命の人にボーイミーツガール的な出会い方してんの!?
 あたし達の事は完全に置いてきぼりにしちゃってさ!」
「私達より少し年上くらいかなぁ? かっこいい人だったよね〜」
「ふぇえ!? ち、違うよ! そんなつもりないってば!」

 アリサどころかすずかまで一緒になってからかってくる。
 いつもは大人しいすずかが、今日に限ってなんで、どうして!?
……と、なのはの心の悲鳴が轟くが、そんな事は誰も知ったこっちゃない。
 そしてさらになのはの身に降りかかる災難は続く。続くったら続く。
153名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 22:30:37 ID:lI4sINAF
パープルヘイズ 紫煙
154リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2008/02/04(月) 22:32:40 ID:wX6aAHRH
「うーん、ベタっちゃあベタだけどなのはちゃんらしくはあったかな?」
「せやな。こう……初々しい感じがな」
「武ちゃ丸、それ親父臭いよ」
「ス、ススム君に武ちゃ丸君まで!? いつからそこに!?」
「んーとね、『よかったら名前だけでも』ってとこくらいから」
「人だかりができとったさかい、何事や思たらこれや。いや、ホンマ退屈せんですむわ!」
「あう、必要十分だよ……」

 さらなる乱入者にとことん追い詰められるなのは。
 しかし二人の登場は事態を意外な方向へと転換させた。

「えっと……どちら様ですか? なのはちゃんのお友達?」
「この辺じゃ見た事ないわよね。さっきの人と比べると地味って言うか、華が無いっていうか……
 それにそっちのも武者頑駄無? まるで武者頑駄無のバーゲンセールね」

 初対面の相手に普通の反応をとるすずかと失礼極まりない反応をとるアリサ。
 そうそう、そう言えばこの面子が顔を合わせるのは初めてだった……と、
なのはは今更ながらに現在の状況を認識する。何とかピンチは逃れられたようだ。
 それにしても今日は色々な事が次々起こる日だ。
 この勢いだと多分このまま穏便に日が暮れてはくれないだろうな……
と、危惧するなのはの直感は彼女の希望的観測を決して許しはしなかった。

「ん? シュシュム、ケータイ鳴っとるで?」
「この曲は……シンヤからだ。もしもし、ススムです」

 ススムが携帯をとって友の連絡に応えると、その通信の主は
いつものように少し乱暴だが簡潔で分かりやすい言葉を選んで語りかけてきた。

『おい、そこに武ちゃ丸となのはとユーノ、いるか!?』
「ユ、ユーノはいないけどなのはちゃんなら……何かあったの?」
『大ありだ! 今海鳴の隣町の遠見にいるんだけど、
 ジュエルシードっぽい反応があるって、トッキーが!』
「見つかったの!? わかった、すぐ行くよ!
 武ちゃ丸!」
「よっしゃ!」
(あぁ、やっぱりね……ユーノ君、聞こえる? ユーノ君?)

 こういう時は悪い予感に限って当たるものであると痛感させられたなのはは
自宅にいるはずのユーノに念話を送るが、当の本人はと言うと……

「ほーれ、ユーノ……こちょこちょこちょ〜!」
「キューッ! キュキュッキュキューッ!」

 ユーノ=スクライア少年は女子高生に体中をまさぐられていた。
 こう書くと何だか卑猥なようにも聞こえるが、何の事はない。
 美由希に白い毛がふさふさとした暖かいお腹をくすぐられていただけである。
 しかし、ささくれ立っていたなのはの心を刺激するにはそれだけで充分だった。

(ユーノ君……何やってるの?)
(いっ、な、なのは!? いや、その……美由希さんにちょっとしたスキンシップを)
(んもう、こっちはすっごく大変だったのに……って、それどころじゃないよユーノ君!
 実は……)
(ジュエルシードが!? わかった、すぐに抜け出して行くから!)

 そう返事を送るとユーノはぴょんと飛び起きて、
なのはの部屋へ戻る振りをしてそのまま外にこっそりと出て行く。
 自分の相棒の態度がいつもと違うなという、小さな違和感を抱いたままに。
155リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2008/02/04(月) 22:33:33 ID:wX6aAHRH
「じゃあ急ごう、なのはちゃん!」
「あ……えっと、ごめんなさい、羽丸君、アリサちゃん、すずかちゃん……
 急な用事が入っちゃって私、すぐに行かないといけなくなっちゃって、
 本当にごめんなさいなんだけど、羽丸君を私の家まで送って行ってあげてほしいの」
「ちょっと、なのは!? 何を勝手に……」
「それにまだその人達の紹介、してもらってないよ?」
「えとえと、本当にごめん! 終わったら話すから! じゃ!」

 二人の親友と羽丸には本当に悪いとは思う。
 けれども、彼女らのためにも自分は行かなくてはならない。
 友を想うが故に嫌われ役になる。
 そんな二律背反に苦しみながら、なのはは苦渋の決断を強いられて、
先に行ったススムや武ちゃ丸を追って駆け出していった。

「……行っちゃった」
「なのはの嘘つき。お手伝いは途中で投げ出しちゃダメって言ってたの……自分じゃん」

 彼女がもっと重要な件の手伝いをしているという事を、すねる羽丸はまだ知らない。
 ともあれ、少しばかりではすまされないほどに気分を害した三人が、
とった行動をなのは達の誰も想像する事はできなかった。

「……鮫島? 今すぐ車をよこして。いつものリムジンじゃなくて小回りの効いて
 目立たない普通車か軽自動車あたりで。急いでね。なのはを見失っちゃうから」

 アリサは携帯をとりお抱えのベテラン運転手にそう告げると壊れそうな勢いで
バタンと二つに折り畳む。その目は誰かを恫喝するわけでもないのに、
まるで年季の入った殺し屋のように座っていた。

「ア、アリサ……ちゃん?」
「追っかけるわよ、すずか。何よあの態度! こうなったらトコトンまで問い詰めてやるわ!
 羽丸! あんただって納得いかないでしょ!?」
「あったりまえだい! 嘘つきには針千本だ!」
「よく言ったわ! さぁ、私達より大事な用事ってのがどんなのか、確かめにいくわよ!」
「おーっ!!」

 すずかは思った。あぁ、この行動に私の意思が介在する余地は多分無いんだろうな、
そしていつの間にか自分も巻き込まれてしまっているんだろうな……と。
 そしてその予想は寸分違わず的中する事になるのだが、
この件については殊更に語る必要性は存在しないだろう。
 彼女にとっては「いつもの事」なのだから。



「来たか、皆」
「おせーぞ! 事故ったんじゃないかと思ったぜ!?」

 海鳴市の隣に位置する遠見市。
 バスや電車を乗り継ぎ、可及的速やかに待ち合わせの場所に到着したススムに武ちゃ丸、
そしてなのはとユーノを待っていたのは普段通り冷静沈着なトッキーと、
いつものようにぶっきらぼうだが言葉の端々から頼りない友人やおバカなマスコット、
生真面目な妹分と頭でっかちな弟分を心配する想いを滲ませるシンヤだった。

「ご、ごめん……けどさ、なのはちゃんにも事情が……」
「ススム、話は後だ。それより早くジュエルシードを探さないと」
「んん? 見つけたんと違たんか、斗機丸? ワイはてっきり……」
156名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 22:33:54 ID:JaXxLogd
支援
157リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2008/02/04(月) 22:34:01 ID:wX6aAHRH
 拍子ぬけしたと言わんばかりの顔つきで武ちゃ丸はトッキーを問いただす。

「ああ、言葉が足りなかったな。
 俺が手に入れた情報はシャチョーからのものでな」
「シャチョー……鎧丸からか!?」
「そうだ。奴がサンプルのジュエルシード……この間名古屋で預かった分だな。
 それを基に開発中のサーチシステムに反応があったんだ。それがここ、遠見ってわけさ」
「サーチシステム……そんなものをもう完成させていたんですか!?」
「けど、そんなのがあるんだったら何でわざわざ探さなくちゃならないの?」

 シャチョーの経営する鎧王グループの科学力に舌を巻くユーノと対照的に、
素朴な疑問でトッキーを困らせるススム。
 トッキーは申し訳なさそうにその問いへの答えを発した。

「どうやらまだ開発段階らしくてな。大まかな位置しか分からないんだ。
 それでもこの市内にあるのは間違いないんだが……」

 さりげなくとんでもない事実を知らされ、ススムは気が動転して思わず叫び声をあげる。

「この市内って……市内ぃぃぃぃぃぃっ!?」
「斗機丸! いくら何でもそんなん日ィ暮れてまうで!?」
「何も手がかりがないよりマシだ。それに早く回収しないと最悪の場合発動、暴走……
 そうでなくても堕悪闇軍団や例の黒衣の少女が嗅ぎつけてくる可能性もある。
 誰かがやらなければならない事なんだ。特になのは、ユーノ?」
「ふぇ?」

 どこか心ここにあらずといった風情のなのは。
 その心中をある程度察しつつトッキーはますます申し訳けなさそうに二人に呼びかけた。

「君達の探索魔法、アテにさせてもらう。せっかくの休日、悪いとは思うが……」
「ううん、気にしなくてもいいよ、トッキー君。
 この街まで、海鳴の時みたいにひどい事にさせちゃだめだもん。
 あんな辛い事は、もうたくさんだから」
「僕もなのはと同じ気持ちです。それに、手なら他にもありますよ」
「すまないな、二人とも……ところでユーノ、他の手とは一体何だ?」

 それを聞き、待ってましたとばかりに胸を張って誇らしげに
自らの一番得意とする魔法……「結界」についてユーノは語り出した。

「封時結界を使います。
 魔法を使って時間信号をずらした特殊な空間を通常空間から切り取り、生成して……」

 が、そこでユーノは気付く。はたと皆の顔を見渡せば作り笑いの表情の上に、
特大のクェスチョンマークが浮かんでいそうな雰囲気が漂っている事に。
 武ちゃ丸とススム&シンヤには難しすぎる性質の話のようだ。
 なのはでさえ全てを理解してはいないだろう。
 自分の使う結界魔法はどちらかと言えばかなり特殊な部類に分けられる魔法だから。

「……分かりやすくに言えば中で暴れようが何をしようが、
 街や地形にはそう簡単に被害の及ばない別の空間を作り出す魔法だよ。
 もちろん中に閉じ込める人や動物はこちらで選ぶことができるので人的被害も出ない」
「うーん……つまり、どういう事なんや?」

 まだ納得がいかない様子の武ちゃ丸にススムは助け舟を出す。

「魔空空間って言えばいい? ただし敵とかはパワーアップしない奴」
「おーおー、何とのぉわかってきたわ。ギャバンのアレやな!」
「ギャ、ギャバン……?」
「男の子ってよくわからない……」
158リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2008/02/04(月) 22:35:07 ID:wX6aAHRH
 その場のほとんどの人間を置き去りにして納得する武ちゃ丸。
 ユーノも訳が分かっていないが、まぁこのまま話が停滞するよりましかと思ったのか、
もうそういう事でいいやと諦めた様子だ。慣れとは恐ろしい物である。
 ただ、シンヤはそこでふとある事に気付いた。

「ん? 待てよ、そんな便利な魔法があるならなんで今まで使わなかったんだ?」
「シンヤ、思い返してみろ。高速で走行中の列車の中でそんなの張ったらどうなる?」
「……作った空間を置いて新幹線はさっさと行っちまう」
「その他、無人の商業施設であったり、俺の治療を優先してくれていた事もあった。
 つまり使っても意味が無かったり使う余裕がなかったと言う事さ。そうだろ、ユーノ?」
「仰る通りです」
「……オッケー、理解した。続けてくれ」

 シンヤの疑問もトッキーの解説のおかげで片付いたようだ。

「いや、僕の話はここまで。だから……」
「あとはジュエルシードを探すだけ、だね」
「よっしゃ! まかせとき! ほなユーノ、結界頼んだで!」
「わかったよ、じゃあすぐに……」

 ユーノが結界を展開しようとした瞬間、なのはの脳裏に強烈な違和感が走る。
 それは今までに何度か感じた事のある感覚……ジュエルシードの波動だった。

「! この感じ……もしかして!?」
「オイ、何だ、あの光!?」
「……しまった! 遅かったか!?」

 シンヤや道行く人々がざわざわと騒ぎ出し、指さすその先には蒼い光の柱が立ち昇っている。
 ――ジュエルシードの光だ!
 そう思った次の瞬間には、新生夢者遊撃隊の面々は走り出していた。

「なのは!」
「大丈夫だよ! 急ごう、ユーノ君、みんな!」
「おう!」



 それから時間は少し遡る。
 人気の少ない路地裏の植え込みに隠れるようにして鈍く輝くジュエルシード。
 耳を深めの帽子で隠した黒衣の魔法少女……フェイトの使い魔、アルフは
動物ならではの鋭いカンをフルに用い、微弱ながらも確かな波動を放ち始めたそれを見つけ、
自らの主にその旨を伝えていた。

「ビンゴ! 見つけたよ、フェイトぉ!」
「うん……確かに。ありがとう、アルフ」
「当たり前だよ! あたしはフェイトの手足みたいなもんなんだから!
 けど、いつ見てもすっごいね〜、こりゃ。これが『ロストロギア』のパワーってやつ?」
「随分不安定で、不完全な状態だけど」

 その目に感情を浮かべず、何の感慨も持たないかのようにジュエルシードを見つめる
フェイトを見やり、アルフはかねてより抱いていた疑問をぼそりとこぼす。

「……アンタのお母さん、何であんなモノを欲しがるんだろうね?」
「……さぁ。わからないけど、理由は関係無いよ。
 母さんが欲しがってるんだから、手に入れないと。
 バルディッシュ、起きて!」
<<Get set>>

 フェイトは待機状態の愛杖バルディッシュをかざし、バリアジャケットにその身を包むと
早くもバルディッシュの翅を展開させ、ジュエルシードの封印を試みる態勢へと移らせた。
159名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 22:37:01 ID:y5VXNQky
支援
160スーパーロボット大戦X:2008/02/04(月) 22:38:43 ID:aAPNBEqE
支援
161リリ武者@携帯:2008/02/04(月) 22:45:36 ID:DGPc8biN
すみません。さるさん食らいました。
どなたか代理お願いします。
162スーパーロボット大戦X:2008/02/04(月) 22:50:57 ID:aAPNBEqE
>>161
やはりそうでしたか…。
こうなれば俺の作品の投下は明日にして、代理投下させていただきます!
163リリカル武者○伝代理:2008/02/04(月) 22:52:22 ID:aAPNBEqE
では代理投下しましょう。

<<Sealing form set up>>

「封印するよ。アルフ、サポートして」
「へい、へい!」

 バルディッシュから光が放たれる。
 やがて、その光がやむ頃にはジュエルシードもその力を失い、
ただ空中に浮遊した本来の石としての姿を晒すのみだった。

「落ち着いたみたいだね。じゃあ、あとは封印して……」
「……そううまくはいかないみたい。彼女が来た」
「? ……ふーん、なるほどね」

 変わりゆく周囲の風景の色を見て、アルフはフェイトの言葉に納得した。
 これは封時結界。つまり、同業者……ジュエルシードを求める魔導師が近くにいる証。
 アルフは臨戦態勢を整え、来訪者を迎え撃つ用意に入った。



「あ〜ら、あらあらあら……あなたがウワサの白い魔導師ちゃんとその御一行ね?」
「あの少女は! それにあの女は!? 仲間か!?」

 光の柱が立ち昇っていた場所に一行が辿り着くと、
そこには予想していた通り、いつかの黒い魔導師の少女と、博多では会わなかった
頭からイヌ科の特徴をもった耳と、腰からは長い尻尾をたらした若い女性が待ち構えていた。
 しかし、武ちゃ丸は知っていた。確かにこの女の事を知っていた。

「そうや、確か元旦に大阪で見た事あるわ。博多の時はおらへんかったみたいやけど……」
「今はそんな事どうでもいいよ!
 それを、ジュエルシードをどうする気だ!? それは危険な物なんだ!」
「さぁねぇ? 答える理由が見当たらないよ?
 それと、親切心から教えてあげるけど……
 子供はいい子にしてないと『ガブッ!』っていっちゃうよ!」

 叫ぶユーノにそう言い終えるとその女性はキッと鋭い目つきをこちらに向け、
体の内からあふれ出る力の奔流に長い髪がぶわりと舞いあがったかと思うと、
半獣の女性のようであった容姿は大きな体躯を持つ狼に似た獰猛な姿へと変貌していた。
 ユーノは、そんな彼女を冷静に観察してその正体を導き出す。

「やっぱり……あいつ、あの子の使い魔だ!」
「使い魔?」
「そうさ。あたしはこの子に創ってもらった魔法生命。
 製作者の魔力を貰って生きる代わりに、命と力の全てをかけて守ってあげるのさ!」

 狼の姿をとっていても、言語能力はそのままのようで
変身前と変わらぬ言葉で流暢に自らの正体を明かした使い魔は、
優しく目を細めて自らの主である少女に語りかけた。

「……早く封印をすませて? すぐに追っ払うから」
「うん、無茶しないでね?」
「OK!」

 そう言ってびょうと風を切る音とともに飛びかかってくる狼の使い魔。
 その対象は……なのはだ!
164リリカル武者○伝代理:2008/02/04(月) 22:53:05 ID:aAPNBEqE
「やらせるかっ!」

 使い魔の目標を見定めたユーノは両者の間に割って入り、
 防御魔法による障壁で彼女をかばうようにして鋭い爪を受け止めた。

「なのは! ジュエルシードをお願い! あの子は……」
「あの少女は俺に任せてくれ! 博多での借りは返させて欲しいからな」
「トッキーさん……わかりました、お願いします!」
「チィッ……させるとでも、思ってるのぉッ!?」
「させてみせるさッ!!
 この結界内は僕のテリトリーと言う事を、思い知らせてやる!」

 トッキーの意を汲んだユーノは新たに別の魔法を使うべく、さらに魔方陣を出現させた。
 使い魔は先程張られた障壁に足を止められながらも、
今ユーノが行使しようとしている魔法に見当をつけ、焦りの色を見せる。

「移動魔法……? ッ、マズい!?」
「な、何や、これは!?」
「聞いて! 今から結界内部にバラバラに皆を転送するから!
 僕と武ちゃ丸はこの使い魔と、トッキーさんはあの子と!
 なのは達はそのジュエルシードをお願い!」
「ユーノ君!? けど!」
「僕なら大丈夫。トッキーさん……気を付けて!」

 彼らの話を聞いた使い魔はこれから起こり得る事態を想定し、
障壁に食い込んだ爪に力をこめ、吼えた。

「させないって言ったでしょ! そう何でもかんでも思い通りになると思わない事だね!」

 張られた障壁に嫌な音を立てながらひびが入る。
 その余波を受けて、ユーノの魔法術式に異常が走り、
通常よりかなり早い段階で転移プロセスが開始されてしまった。
 いわば「暴発」である。

「! しまった……! 転送が、まだ不完全なのに!?」

 ユーノがその事実に気付いた時にはもう遅い。
 その場にいる全員の視界が光に包まれ、そして――

 トッキーが目を開けた時、彼の目の前には黒衣の少女が一人立っていた。

「……結界内強制転移魔法。彼女、いい使い魔を持っている」
「ユーノの事か? その認識は誤りだな。
 彼は彼女と出会う以前から単身でジュエルシードを探し続けていた。
 使い魔の定義が魔導師の手に依る人造生命だと言うならユーノは当てはまらない。
 それに彼と彼女の関係は従属ではない……かけがえのないコンビで、友人同士だ」

 トッキーの答えに何か気に入らない点でもあったのだろうか、
彼女は一瞬わずかに表情を歪ませるも、すぐに本題に戻る。

「……そこを通してほしい。ジュエルシードを確保しなければならないから。
 前回、あなた達はそうしてくれたはず」
「そういうわけにはいかない。アレは我々が敵に先んじて確保しなければならないモノだ。
 前回はその敵に渡さないため、君に譲る選択肢しか無かったが……今日はそうはいかない」
「敵……堕悪、闇軍団」

 彼女、フェイトはちょっとおかしな、けれどもとびきり愉快な四人組と、
彼らが属していた組織について思いを巡らせているが、トッキーがその事を知る余地は無い。
165リリカル武者○伝代理:2008/02/04(月) 22:54:00 ID:aAPNBEqE
「知っているなら話が早い。君達の保有するジュエルシードを引き渡してほしい。
 堕悪闇軍団はその力を悪用して恐ろしい事態を引き起こそうとしているんだ。
 できれば君の力にも……」
「私はロストロギアの欠片、ジュエルシードを集めなければいけない。
 そしてあなた達も同じ目的なら……
 私達はジュエルシードをかけて戦う敵同士と言う事になる」
「話を聞いてくれ! 互いの目的すら知らずに戦うなんて不毛だとは思わないのか!?」
「話し合うだけじゃ……言葉だけじゃ、きっと何も変わらない」

 そう言いながら彼女はまるで掻き消えるようにその場から消え去った。
 いや、消えたのではない。目にも留らぬ高速で移動し、
トッキーの死角である背後へとまわりこんでいたのだ。そして……

「……伝わらない!」

 光の鎌を発生させた杖を手に、彼女はトッキーめがけてその手の武器を振り下ろした。



「あいたた……誰かおらへんかー?」

 一方、武ちゃ丸もまたどこか予定とは違う場所に飛ばされていた。
 周りを見渡すと、スーパーマーケット……いや、品揃えから判断すると
ディスカウントストアといった所だろうか。
 とりあえず動くものはないようだが、何かの気配を感じる。
 その気配を辿ってみると、見つかったのは彼のよく知る人物だった。

「武、武ちゃ丸? 一緒に飛ばされてたんだ……」
「シュシュム、シュシュムか!? 怪我とかしてへんか!?」
「うん、大丈夫、ボクは平気だよ」
「さよか。よかった……けど、参ったなぁ。完全にはぐれてもうたみたいや」
「うん……どうしよう?」

 先行きの不安に武ちゃ丸に問いかけをするススム。
 しかし、それに答えた声は全く別の方向から発せられた。

「どうするもこうするもないよ。あたしはフェイトの邪魔をする奴を叩き潰して、
 あの子の願いを叶えてあげるだけさ!」

 とっさにススムの前に立ち、構えをとる武ちゃ丸。
 その視線の先、結界の影響で奇妙な色に蠢く曇り空を映した窓を背に立っていたのは、
狼の姿をした黒衣の少女の使い魔であった。



 
「俺はこう思う。言葉は人間が手にした至高の叡智だと。
 時に言葉は刃物より深く人の心を抉り、
 またある時は何より他者を勇気付ける希望の光となる。
 だからこそ、君のような未来ある子供には
 『言葉』をそんな風に軽々しく思ってもらいたくないな」

 トッキーに振り下ろされた金色の刃。
 しかしそれはまるで背後の人影の存在を知っていたかのように、
元々の杖の部分が軽々と左手で受け止められていた。
166リリカル武者○伝代理:2008/02/04(月) 22:54:38 ID:aAPNBEqE
「ブリッツアクションに反応した……動きが見えていた!?」
「悪いな。俺もスピードには自信があるんだ。
 確かに君は速いが、それだけで勝負は決しない……まだ、やると言うのかい?」

 杖から手を離し、静かに、ゆっくりとトッキーは語る。
 口調とは裏腹にその言葉の端々からは強烈な威圧感が満ちている。
 だが、それでも、黒衣の少女は引き下がらなかった。

「……引けない。あなた達がそうであるように、
 私にもジュエルシードを集めなければいけない理由があるから」
「そうか……残念だ。
 どうしても引き下がらないなら、ここから先は俺も本気でいかせて貰う……武者武装!」

 次の瞬間、その場から二つの光が天空高く舞い上がった。
 時に並走し、時に交差するその光はさながら青い稲妻と金の閃光のようであった。



「どうだ二人とも、他の連中はいたか!?」
「ううん、さっぱり……ここにいるのは私と、シンヤ君と……」
「僕だけ、か。ごめん、なのは、シンヤ。僕がもっとしっかりしていれば……」

 さらに別の場所。
 そこでは目標を見失ったなのはとユーノ、シンヤが呆然と立ちつくしていた。
 が、どちらかと言えば気の長い方ではないシンヤが
こんな状況にただ黙っていられるハズがなかった。

「うっせぇ、湿っぽい反省なんか後にしとけ、後に!
 誰もいないんだったらこっちはこっちでやれる事をするぞ」
「やれる事?」

 きょとんとした顔でそう呟くなのはに無言でデコピンをかますと、
シンヤはぐわしと彼女の頭を掴んで左右に揺すり、耳元でこう怒鳴り付けた。

「寝ぼけてんのか、なのは?
 ジュエルシードだろ、ジュエルシード!
 アイツより先に封印しなくちゃなんないんだろ? いない奴アテにするより
 ここにいるオレ達だけでもアレを探しださねーと!」
「そ、そんな大声で言わなくてもわかるってば!
 けど、一体どこに行けば……?」
「あ、見当くらいだったらつくよ」
「ふぇ!?」

 くらくらする頭を押さえつつ、なのははユーノの言った言葉に反応する。

「何せこの結界の中は僕の領域だからね。
 中で魔力的な異常があればすぐに分かるよ。
 ジュエルシードの感じは……あっちの方からだ!」
「なぁユーノ、そんなんで分かるんだったら他の奴もそれで探せたんじゃね?」

 永遠にも思える一瞬が場を支配する。
 その沈黙を破り、重い口を開いたのはユーノだった。

「それはそれ、これはこれ」
「いや、けど」
「それはそれ! これはこれ!」
「……わかったわかった、そういう事にしとくから」
167リリカル武者○伝代理:2008/02/04(月) 22:55:26 ID:aAPNBEqE
 どうやらユーノは自分の踏んだドジを認めるつもりはないらしい。
 しかしそれでも現在の行動に変更がないと言う事は、
きっと自分達が一番ジュエルシードに近い位置にいるんだろうとシンヤは思いなおし、
ここは男らしく黙って生温かい目で見守ってやる事にした。

「あ、そうそうなのは。バリアジャケット、着ておいた方がいいんじゃないかな?
 最悪ジュエルシードが暴走するかもしれないし」
「うん、そうだね。レイジングハート?」
<<All right>>
「よーし! 風は天に、星は空に!
 リリカルマジカル、レイジングハート! セェーット……」
「……何やってんの、なのは?」

 ――あり得ない。

 その瞬間、呪文の詠唱を強制中断させられたなのはの心は
このたった一つの言葉で埋め尽くされた。
 ここは隣町で、そもそも結界の中だ。あの声が聞こえてくるはずがない。
 彼女は油の切れたブリキ人形のようなぎこちない動きで、声のした方向に首を向ける。

「そ、その声は……何で? どーして!?
 アリサちゃん、すずかちゃん、羽丸君!?」

 そこには海鳴で別れたはずの友人、アリサとすずか、そして羽丸が立っていた。

 突如結界の中に現れた無関係の筈の一般人二人。彼女達はなぜここに?
 そして光のような速さで激突を繰り返す斗機丸と黒衣の魔法少女フェイトの戦いの行方は?
 さらに、まさに猛獣のような使い魔アルフの前に放り出された
生き餌……もとい! 武ちゃ丸とススムの運命やいかに!?

 ――次回を待て!!




次回予告(ねくすとぷれびゅう)

「オイオイなのは! どーすんだコレ!?」
「ど、どうするんだって……どうしよう!?」
「レディをつかまえてコレ呼ばわり!? アンタ一体何様のつもりよ!
 って言うかアンタ誰!?」
「レディを名乗るなら先に自分から名乗るのが筋だろうが!
 オレはだな……だー、収拾つかん! 羽丸、ちょっとこの紙読んでろ!」
「おう、おれにまかせとけ! えーっと……
 混乱を極める遠見市、結界内部。
 果たしてジュエルシードを巡る争奪戦を制するのは誰か?
 自分を上回る高速戦闘の使い手、斗機丸にとったフェイトの秘策とは!
 そして、二人の魔法少女の想いは果たして通じ合う事ができるのか!?
 次回、SD頑駄無対魔法少女 リリカル武者○伝、巻之壱拾七!
 『きっとあなたに届く声なの』!」
「えらいえらい、よく読めたね、羽丸君」
「えへへ、すずかに褒められたー!」
「リリカルマジカル、何とかしてー!!」


======
以上です。
かなり原作から逸脱してきた感が強いですが、是非ともお付き合い下さいませ。
それではまた次回!
168スーパーロボット大戦X:2008/02/04(月) 22:56:58 ID:aAPNBEqE
代理投下完了です。
さてとどうやらこっちの話も荒れそうですね。楽しみです。
俺の作品はさっきも言ったとおり明日に投下します。
それではおやすみ…。
169名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 22:59:05 ID:E3rWzfNS
もっと!もっと逸脱するんだ!
170リリ武者@携帯:2008/02/04(月) 23:10:05 ID:DGPc8biN
代理ありがとうございました。
予告と矛盾がないように……と思って書いたらとんでもない長さに。迂闊な予告は死に繋がる。
171名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 23:14:50 ID:c2jhd8uO
ふと思った。名前は忘れたが大魔法峠の主人公がミッドチルダにきたらどうなるのだろうか?
172名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 23:17:30 ID:lI4sINAF
>>171
ぷにえちゃんか……
173名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 23:34:13 ID:+hRZ48wv
>>171
サブミッションか
174名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 23:36:38 ID:QkuYMSZC
ぷにえさまとアンリエッタを入れ替える
175名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 23:37:25 ID:ovLbaHeU
覇王Vs魔王になるだけさ
176名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 23:41:44 ID:M/xtZzKW
SLBを撃つ一瞬の隙をついてデバイスを奪い取り、
目の前でへし折りそうな気がする。
177魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS:2008/02/04(月) 23:55:34 ID:Q3y0zRmt
お久しぶりです。
『なのは』+マイケル・ベイ版『トランスフォーマー』SSの作者です。
時間の都合がついたので、フレンジーのクラッキング話の続きをUPしようと思う
のですが、如何でしょうか?
178名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 23:56:03 ID:neP4t3XF
おk支援
179名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 23:56:34 ID:KX/Ok5fS
支援
180魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS:2008/02/04(月) 23:57:50 ID:Q3y0zRmt
食事を終え、フェイトの安否についての不安などを語り合いながら、マリエルと
シャーリーは中央センターへと戻ってきた。
マリエルと雑談しながら、シャーリーは自分の席の空間モニターを点ける。
何気なく画面下に出ている表示を見たとき、シャーリーの頭の中からマリエルとの
話もフェイトの身の心配も一気に吹き飛んだ。
シャーリーは、猛烈な勢いでキーボードに指を走らせる。
「ど、どうしたの?」
シャーリーの豹変に面食らったマリエルが上ずった声で尋ねると、シャーリーは
黙って画面下に指を示す。
「異質な信号を検知」
その表示を見た途端、マリエルも隣席で作業をしていた職員を突き飛ばして座り、
シャーリーに負けず劣らずの勢いでキーボードに打ち込みを始める。
「な、何すんだよ!」
仕事中にいきなり椅子から叩き落された、三つ目に二つの角が頭に生えた職員が、
長い鈎爪を持つ四つの腕を振り回して抗議するのも構わず、マリエルは検知された
信号と前回の信号の波形図を呼び出して、双方の信号パターンを重ね合わせる。
「信号パターン合致」
マリエルは、次元航行部隊及び地上部隊の配備状況を映している中央の超大型空間
スクリーンに信号の波形図を強制表示させ、自身の空間モニターをセンター内の
スピーカーに直結させて怒鳴った。
「例の敵が、ネットワークに再びクラッキングしてきたわ!!」
181名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 23:59:16 ID:neP4t3XF
支援
182名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 23:59:29 ID:GiYpAOJg
GJ!GJ!GJ!
おもろいおもろいな〜。
183魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS:2008/02/05(火) 00:01:23 ID:/8Elg8eS
石が投げ込まれた水面に広がる波紋のように、センター全体が騒然となった。
技官たちは、マリエルが出した波形パターンを自分の席の空間モニターに表示
させて解析を始め、それ以外の、たまたま用事があってセンターに来ていた
武官・文官は、シャーリーたちの席へ駆けつけて、二人がクラッキングと戦って
いる様子を、息を詰めて見つめる。
野次馬たちを押しのけ、掻き分けながら、ゴリラの体格に潜水帽の形をした
ヘルメットを被ったセンターの当直指揮官が、マリエルとシャーリーの席へと
やって来た。
「トレースルートで調べろ!」
指揮官の命令に、シャーリーはモニターを睨んだまま首を横に振って答えた。
「既に試しました。でも、何度やっても遮断される、こちらの侵入に対して対抗
進化するファイアウォールを持っているみたい」
マリエルが厳しい表情のまま、後を続けて言う。
「何これ!? 適応速度が速すぎる」

中央センターの一階下では端末に張り付いたフレンジーが、マリエルとシャーリー
の奮戦を嘲笑うかのように甲高い電子音を発しながら、クラッキングしたネット
ワークから次々と情報を引き出していた。
新しい空間モニターが開くたびに、管理局、最高法院、元老院の機密ファイルが
次々と表示されていく。
十・百とモニターは際限なく増えて行き、いつしかフレンジーの周囲を球体状に
取り囲んでいた。
その中心で体を揺すり、天を仰ぎながらクラッキングを続けるフレンジーの姿は、
まるで麻薬で酩酊状態になった中毒患者の見る悪夢を思わせる。
184名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 00:03:45 ID:ll+6E2I1
二回目は遠距離からフルボッコかw
185魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS:2008/02/05(火) 00:05:41 ID:/8Elg8eS
銀の魔神 警告:最高国家機密 <セクター7>及び聖王教会法王のみ閲覧可

このファイルのタイトル画像を見た途端、フレンジーの動きがピタッと止まった。
何の知識もない人間からすれば特異なオブジェを絵にしたとしか見えないが、
フレンジーにとっては見慣れたものだ。
ファイルを開き、ページを手繰っていくと、“魔神”の写真が出てくる。
それを見た瞬間、フレンジーは今まで以上に耳障りな、歓喜の叫びとも取れる
機械音を発し、接続ポートに差し込んだニードルを動かす。
すると、「魔神」のファイルが表示されている空間モニターに、ダウンロード
開始を告げるウィンドウが現れた。
それを見たフレンジーは、満足そうに頷くと、再びニードルを操作して新しい
空間モニターを表示させる。
そこには、以下の内容が表示された。

ローカルシステムのエラーを、管理局軍事ネットワークに送信開始。
送信先
○時空管理局本局
・次元部局
管理世界次元航行部隊(第一艦隊〜第三艦隊)
管理外世界次元航行部隊(第四艦隊〜第七艦隊)
艦隊ステーション「タイコンデロガ」

・陸上部局
機動一課(首都・ミッドチルダ・ベルカ自治領担当)
機動二課(管理世界担当)
機動三課(管理外世界担当)
機動四課(特殊作戦担当)
機動五課(管理内外世界緊急展開担当)
186名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 00:08:12 ID:XjlWhHLS
支援
187魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS:2008/02/05(火) 00:13:33 ID:/8Elg8eS
センターの超大型空間スクリーンに映る無数のウィンドウの中で、淡々とデータを
表示していたウィンドウが、突然意味不明な文字の羅列を流し始めた。
「マリエル技官!!」
シャーリーは、怒涛の勢いで流れる記号の列を、マリエルの空間モニターに転送する。
二人はしばらくの間無言でキーボードを叩いていたが、突然、マリエルがコンソール
に両手を叩きつけ、当直指揮官に振り向いて怒鳴った。
「ダメだわ! システムの接続を切って!!」
マリエルの言葉に、当直指揮官は仰天して言い返す。
「接続を切るだと!? そんな簡単にできる事じゃないぞ!!」
マリエルは、まるでモニターに手を突っ込んでデータの奔流を引き千切ろうと
するかのように、画面を指差して叫ぶ。
「だったら、出来る人間を急いで呼んできなさいよ! 分かってるの? 管理局の
機密データバンクから情報が盗まれてるのよ!」
「デ・データバンクから!?」
あまりの事に、呆然となった指揮官がオウム返しに答えるのと同時に、シャーリー
がマリエルと指揮官の方を振り向いて大声で言った。
「待って下さい! これ、盗んでるだけじゃなくて何かをネットワークに送信して
いる!
盗みと仕込みを同時にやってるみたいです!」
シャーリーの言葉に我に返った当直指揮官は、空間モニターを開いて絶叫に近い
声で命令を言った。
「大規模セキュリティ事故発生! 中央コンピュータの接続を総て手動で切れ!!
ケーブルを引き抜くんだ!!」
188名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 00:16:47 ID:sWW6E+Ch
支援
189魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS:2008/02/05(火) 00:16:48 ID:/8Elg8eS
本日はここまでです。
次は…二月中旬ぐらいにUPできるといいなぁ。
会社勤めですと、なかなか書く時間が取れなくて…。

今回のオリキャラ元ネタ。
マリエルに突き飛ばされたオペレーター:『原子怪獣と裸女』
当直指揮官:『ロボットモンスター』
190仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/05(火) 00:49:37 ID:a/xZeeM8
GJだ。スゲェこんだけ書けるなんてさ。
さて52分ごろにデジモン第一話投下しますかな。いいですか。
191仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/05(火) 00:53:01 ID:a/xZeeM8
さて、そろそろ投下したいんですが。いいですか。
192仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/05(火) 00:57:18 ID:a/xZeeM8
反応ないんで、投下します。支援ヨロシク。

デジモン・ザ・リリカルS&F
第一話
「龍使いと希望の龍」
「ハァッ、手がかりはないか。」
「諦めないで。もっと良く探しましょう。」
「そうね。」

キャロはその日、エリオ、アルフと共に無限書庫で調査をしていた。
本来は室長であるユーノの仕事を何故、彼女らがしているかというとそれはここ最近の失踪事件が原因である。
1ヶ月程前から続く、この事件は只の失踪と思われたが時空管理局機動6課部隊長、八神はやての命令により、調べる事となったのだ。
一件目の失踪者は無限書庫室長、ユーノ・スクライア
二件目の失踪者は時空管理局次元航行部隊クラウディア艦長にして二人の保護者、フェイト・T・ハラオウンの兄、クロノ・ハラオウンとその妻エイミィ
三件目の失踪者はJ・S事件において、保護された、ナンバーズX、チンクと二人と親しい召喚師、ルーテシア・アルビーノ
四件目の失踪者は、八神はやての守護騎士、ヴィータと守護獣ザフィーラ、そして、その近くにいた、高町ヴィヴィオである。
全ての失踪に共通する点は、パソコンなどの電子機器を使用していたというだけで証拠は何も残っていなかった。
その為、無限書庫で調査をしているのである。

「フェイトさん、泣いてたな。」
「お兄さんがいなくなってさらに、ヴィヴィオちゃんまで…。」
「だから、早く探して見つけてあげよう。」「そうだね、エリオ君。」

そんな事を話ながら、探していた、その時!
「あった、これだよ!」

アルフがそう言って二人を呼んだ。

「これだ、これだよ。前に話した本。」

アルフが探し出したその本は、十年程前に書かれた本であった。

「えっと、『デジタルワールドについて』著者DrJ・S、『デジタルワールドとは、電脳世界の発展と共に誕生した、次元世界である。』電脳世界?」
「インターネットのことじゃないかな。」
「そんな所よりここが重要なのさ『デジタルワールドとこのミッドチルダはつながっており、電子機器を通して迷い込む可能性がある』」
「じゃあ、ヴィヴィオちゃんやルーちゃんはそのデジタルワールドにいるってことですか?」
193名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 00:57:19 ID:l4KFcK2Q
GJ!!です。
やっぱり、超生命体はスゴイw
さぁ魔人とは誰なんでしょうw
194仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/05(火) 01:01:48 ID:a/xZeeM8
「ま、そうなるかな。」
「じゃあ、その入り口さえ見つければ。」
「皆、見つかるんですね。」

そう言って二人が喜んでいると突然、目の前のパソコンの画面が光輝いたかと思うと、キャロ達はその世界から消えた。

「う〜ん。ハッ、ここは!イタッ!」

キャロはそう言って飛び起き、洞窟の天井に頭をぶつけ、うずくまった。そこへ声が響いた

「やっと、起きた。大丈夫!」
「ハイッ、だい、じょうぶ、です。」

キャロは驚いた。そこには両手にグローブをはめた、恐竜のような生物がいたからだ。自らも龍を使役するが喋る龍など聞いたことがないからだ。(使い魔は別だが)

「もしかして、オイラにビックリしてるのか。大丈夫、オイラはあんたを食ったりしないよ!オイラの名前はアグモン。あんたの事はこのちっちゃい龍が教えてくれたんだ。」
「フリード!無事だったんだ。そうだ、エリオ君!あのこの近くで10歳ぐらいの男の子を見ませんでしたか。」
「う〜ん、オイラは知んないなぁ。そう言えば、あんたの名前は?」
「あ、私はキャロ・ル・ルシエて言います。」
「フ〜ン、じゃあ、キャロで良いよね。」
「ハイ!良いですよ。」
「じゃあキャロ、オイラはちょっと、外に出てくるね。ここら辺は危険だから。」

そう言うとアグモンは外へと歩いていった。ふと、キャロは自分のデバイスがないことに気づく。焦って探して見るとそこにデバイスはなく、代わりに変な機械《デジヴァイスic》があっただけであった。

「どこ、いったんだろう?」

そう言って、デバイスを探す為、デジヴァイスicをポケットに入れ、外へと探しに行くキャロ。すると、その時アグモンの叫び声が聞こえたのである。
195名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 01:01:52 ID:XjlWhHLS
支援
196仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/05(火) 01:05:19 ID:a/xZeeM8
「この、放せよ!」
「黙れ、俺の縄張りに入った奴は皆殺しだ。」
「アグモン!大丈夫!」
「きゃ、キャロ来ちゃダメだぁ!」

そこには、シードラモンに襲われているアグモンの姿があった。

「お前、こいつの仲間か、お前、旨そうだ。こいつの後に、食ってやる。」
「やらせない。」

そう言うとアグモンを抱きしめ、自らの体を盾にした。シードラモンは容赦なく自らの尾を連続で叩きつけた。

「クッ、ガハッ、ァ、カッ、ハァハァ。」
「止めろよキャロ。オイラなんてほっといて逃げてよ。死んじゃうよ。」
「嫌だ。私が逃げたらアグモンが傷つく。誰かが傷つくのを見るのは嫌なの!」
「キャロ…。」
「いい加減にくたばれ。ウォーターブレス!」
「キャアァッ!」

そう言うと、一回転し水流を放ちキャロを吹き飛ばした。
「これで邪魔はねぇ、くたばれ!」

そう言ってアグモンに向けて攻撃しようとした。

(助けたい、アグモンを助けたい。)

すると、その意志に応えるかのようにデジヴァイスicが光始めた。そして、キャロの体を大量の赤いデジソウルが包んでいったのだ。そして、頭にはその使い方が浮かんでいった。

「デジソウル、チャージ!」

そう言うと大量の赤いデジソウルはアグモンへと向かっていった。
『アグモン進化ぁ!ジオグレイモン!』

その場には荒々しき巨大な龍、ジオグレイモンの姿があった。

「キャロ、いや、姉御。必ず、守るぜ!」
「ゴタゴタ抜かすんじゃねぇ!くらうアイスアロー!」
「メガバァースト!」
シードラモンはジオグレイモンに向けて氷の矢を放ったのをみるとジオグレイモンは超高熱の炎を極限まで溜めると、シードラモンに向けて放った。
そして、氷の矢ごとシードラモンを消し去った。

「やった、倒した!やったぜ姉御!」
「う、うん。でも、死んじゃったのかな。」
「大丈夫、デジタマに戻るだけさ。」
「あ、元に戻ってる。」
「それより、これから、どうするのかな。オイラは姉御について行くけど。」
「皆を探そうと思うの。後、姉御は。」
「じゃあ、出発しようよ!」
「まっ、いっか!いこうフリード、アグモン。」
「キュウゥ!」
「おう!」

こうして、一人と二匹の冒険は始まった。

次回第ニ話
「幼き少女と赤き龍」
お楽しみに。
197仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/05(火) 01:10:05 ID:a/xZeeM8
以上で投下終了です。キャロの相棒はアグモンです。
次回は、幼女とデジモンの触れ合いです。
198名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 01:12:18 ID:3ab2Bkzd
>>196
それ、なんてデジモン?
199仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/05(火) 01:16:59 ID:a/xZeeM8
>>198クロス元はデジモンセイバーズとデジモンフロンティアです。
後、敵のデジモンは海龍型デジモン、シードラモンで、味方のはアグモンです。進化して、ジオグレイモンです。
200名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 02:11:34 ID:hh2yCp+m
>>199
地の文が少な過ぎるかな。
あと基本的には「」の最後には。を入れない
更に地の文が少ないせいで展開がすっ飛び過ぎてる感じがします。
201名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 02:15:30 ID:tjLwu/Wb
大魔法峠では、虐げられた国民が、魔法無効化の盾をもってたような
ぷにえちゃんは肉体言語で撃退してたけどね
202名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 02:18:17 ID:sWW6E+Ch
>>201
素直に魔法喰らってたほうが血が流れなくて済んだってやつか
あれはもう魔法を使わせる前提でないと同じ土俵に立てるかも怪しい
203名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 06:22:47 ID:UVpviTL/
ぷにえはヴォルケンリッター相手なら普通に苦戦すると思う。
でも最後は勝っちゃうんだぜ。

自分より強い相手に勝ってこそ、王の器よ!
204名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 06:33:15 ID:Y12kMP9p
>リリカルTF殿
GJです。あの映画をクロスさせてくのは大変でしょうがガンバ。
生き残った『ヤツ』が軍団率いて戻って来る続編、出るかな?
205スーパーロボット大戦X:2008/02/05(火) 06:35:04 ID:jvpU3nga
ジオグレイモンか…。てっきり普通のグレイモンかと思った。
後、すごく速いですが7時半ごろに昨日遅れなかったDETONATORStrikerSの「復活編3」を投下しようと思います。
206スーパーロボット大戦X:2008/02/05(火) 07:34:28 ID:jvpU3nga
いきなり誤字だぜ。遅れるなんて…違うだろ…orz。でもそんなのにめげずにお目覚めに一発投下します!DETONATORStrikerS「復活編3」です。

 ヘリの防御に行こうとしていたなのはとフェイトは驚きを隠せないでいた。

「なのは、あれって……」
「トモル君?」

 そうそれはデバイス「オーガン」でバリアジャケットを来たトモルであるが、それはソリッドアーマーのリンクとほとんど変わりないものである。

「とりあえず、逃げた方がいいわね……」
「ああ……」

 クアットロとディエチが逃げようとしたその時、オーガンは目にも止まらないスピードで二人に近づき、
 二人が気付いた時には既に目の前に立っている。

「そんな……」
「いつの間に……」

 二人があっけに取られている隙にオーガンは素手でディエチの持っているイノーメスカノンの砲身部分を粉々にする。

「イノーメスカノンが……」
「まずいわ……。完全にまずいわ……」

 このままでは二人とも確実にこのロボットみたいなものに殺される。クアットロはそう考えていた。
 すると、ナンバーズのナンバーVのトーレから連絡が入る。

「クアットロ、ディエチ、聞こえるか?」
「トーレ姉さま」
「そいつは私が引き受けるその隙にお前達は逃げろ」
「でもそんな事をしたらトーレ姉が……」
「私は負けん。とにかくそこから早く離れるようにしろ」

 トーレの指示通りクアットロとディエチは逃げようとするが、オーガンはそれを邪魔するように二人の前に阻む。

「逃がさんぞ!」
「どうかな」
「何!?」

 オーガンはトーレの突然の不意打ちに吹き飛ばされてしまう。
207スーパーロボット大戦X:2008/02/05(火) 07:35:29 ID:jvpU3nga
「今のうちだ、早く逃げろ!」
「「はい!」」

 クアットロとディエチは撤退していく。オーガンは起き上がり二人を追おうとするが、その前にトーレが立ちふさがる。

「貴様退け!」
「退けと言われて退くと思うか?」
「ならばお前を倒して追うまでだ!」

 そしてオーガン対トーレの戦いが空中で繰り広げられようとする。
 オーガンはトーレに向かって拳を当てようとするが、トーレはISライドインパルスでそれをかわす。

「思ったより速いようだな……」

 正直ISを使わなければ当たっている。そうトーレは直感する。
 オーガンは次に右手に搭載されているビームガンでトーレに当てようとするがそれもライドインパルスで避けられる。
 しかし、オーガンはトーレがビームガンに気を取られてる隙にトーレが逃げそうな場所を考え、そこに移動しランサーを取り出し攻撃するが、
 トーレはとっさにインパルスブレードでそれを防ぎ鍔競り合いとなる。

(こいつ、できる!)

 戦闘経験はトモルよりもトーレの方が上だが、トモルは戦闘種族のイバリューダーとの戦いで戦いのセンスを磨かれている。
 そしてオーガンの意志も残っているので総合的にはオーガンの方が上である。
 トーレがオーガンをランサーごと後ろに押し出そうとした時、オーガンの腰から突然二つのカッターが展開され、トーレの腹を貫く。

「ぐわあああああああああ!!」

 オーガンの設定は非殺傷設定のままだが、さすがに先端部分がとがったものが展開され伸びると幾ら非殺傷とはいえ体を貫いてしまう。
 オーガンはそれを好機と見て、ランサーを一瞬だけ手放して両手でトーレを殴り、左手でランサーを掴み、
 右手をトーレの腹に攻撃をしたまま、ビームガンを使いトーレに大ダメージを与える。
 トーレは口から血を吐き、空から落ちようとするがオーガンはランサーでトーレの体を思いっきり下に叩きつけるかのように斬りつける。
 トーレの体には大きな切り傷ができそこから血が大量に出ている。オーガンはトドメとばかりにトーレを追撃するが突然トーレの周りに召喚魔法陣が現れ、トーレは消えていった。

「くそ! 逃げられた!」

 オーガンは地面に着地し、デバイスを解除しトモルの姿に戻る。
 そこにクアットロとディエチを追っていたが、逃げられて戻ってきたなのはとフェイトがトモルに近づく。

「トモル、今のって……」
「はい、あれがオーガンです」
「トモル君、とりあえず六課の方に戻るけどいいね」
「……、わかりました」
208スーパーロボット大戦X:2008/02/05(火) 07:36:02 ID:jvpU3nga
 機動六課と同じくロストロギアレリックを狙う次元犯罪者スカリエッティのアジトではレリックの奪取失敗もあるが、
 現在の一番の問題はトーレの負傷である。
 トーレはオーガンの攻撃により両手はオーガンのランサーと鍔競り合いの中金属の骨格にもヒビを入れられており、カッターで腰辺りの筋肉も切断され、
 ビームガンにより内臓及び付近の骨格も破壊され、ランサーでつけられた切り傷が思ったよりも深く全てを直すのに時間がかかるとのことである。

「まさか、非殺傷でトーレをここまでにするとはね……」

 スカリエッティがトーレの破損状況を見てつぶやく。
 もしこれらが殺傷設定だったらビームガンの攻撃でトーレの腹に風穴は開けられ、ランサーでトーレの体は二つに割れていただろう。

「お前達は奴を甘く見すぎだ。奴は仮にもイバリューダーの勇者と呼ばれたほどよ。お前の作った人形では奴には勝てん」

 人造魔導師の生態ポッドとは別のポッドからの声がスカリエッティに呼びかける。
 そのポッドには顔と上半身のみしかあらず顔は仮面をかけているようではっきりとは見えない。

「確かに甘く見ていたようだね。さすがは戦闘種族のイバリューダーだよ」
「ですが、あなたも我々を甘く見ない方がいいですよ」

 戦闘機人ナンバーズのナンバーTウーノがその生態ポッドの声に反論する。

「ほう?」
「我々姉妹は力を合わせればイバリューダーに勝つこともできます」
「それはそれで楽しみだな……。ではわしはまた眠りにつこう」

 その生態ポッドには名前が書かれている。その名前は「ゾア」。
209スーパーロボット大戦X:2008/02/05(火) 07:37:48 ID:jvpU3nga
投下完了です。短かったけど、お目覚めにはちょうどいいかも。
「復活編」はここまでで次は「衝撃編」になります。
ちなみに「衝撃編」の最初に書くのですが、トモルはAランクですが、オーガン時はSランクになります。
210名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 08:25:44 ID:lk0b/2I7
>>209
そういったことはSS内で書くべきじゃね?
参考はあくまでもメタ視点でいくべき
211名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 08:42:20 ID:RXvwpIhl
後書きってSSの設定解説するとこじゃないよな?
212名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 10:11:33 ID:JeCeSOZg
乙。

まぁ、ssで説明するのを待ってられなかった『白き異界の魔王』ケースもあったじゃないですか。
213スーパーロボット大戦X:2008/02/05(火) 10:17:41 ID:jvpU3nga
すいません。この事を説明したのは恐らく誰かが「何でトモルがトーレに勝てるの?」と誰かが聞いてきそうな気がしたので、
それなら先に書いておこうと思ったからです。不快に思った方々、申し訳ありません。
214名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 12:44:15 ID:M43uP7xm
ビームガンじゃなくて光針(ライトニードル)じゃないですか?
あと腰から展開してるのはカッターじゃなくてランサーですよね?
215反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/05(火) 13:41:45 ID:ojdyn3j/
ようやくできたぞォー!
片翼本編では全く出てこなかった旦那の出てくる番外編、完成しました。
そんなわけで、投下してもおk?
216名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 13:45:03 ID:zwSVui31
>>215
「投下した」なら(ry
217反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/05(火) 13:46:07 ID:ojdyn3j/
魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使

外伝集「アンソロジー(1)」


――誇りと共に

スカリエッティのラボ。
薄暗い廊下に、かつ、かつ、かつ、と靴音が響く。
聖王のゆりかごの起動を目前に控えたこの日、彼はそこにいた。
元ソルジャー・クラス1st、アンジール・ヒューレー。
巨大なバスターソードを背負い、簡素なソルジャー制服に身を包み、魔晄の妖しい光を瞳に宿して。
と、彼の視界に人影が入り込んでくる。
1人の中年の男が、壁にもたれかかって目を伏せていた。
ほとんど黒にも近い濃い茶色の装束を身につけ、左腕と両脚を鉄の防具で覆った、無骨な出で立ち。
同じく暗い色を宿した髪を持った顔は、刻み込まれた年期を象徴するかのような厳つい風貌。
「――騎士ゼスト・グランガイツですね?」
アンジールはその男――ゼストの名を呼ぶ。
彼は男の容貌に思い当たるところがあった。
ルーテシアと行動を共にしている、スカリエッティの協力者の1人。そう聞いていた。
こと細かく説明されたわけではないが、服の上からも分かる鍛え上げられた肉体――そして、彼が放つ独特の雰囲気から、そう判断した。
熟練の戦士が放つ静かな闘気と、幾多の戦闘の中で磨かれた堂々たる精神。
「………」
ゼストは瞳を開くと、視線だけをアンジールに向ける。
「そういうお前は、アンジール・ヒューレーか」
「ご存知でしたか」
「ルーテシアやスカリエッティから、話は聞いている」
やたら大きな剣を振り回す奴だとな、と言って、ゼストはアンジールの方へと向き直った。
正面から見て、実際に声を聞くことで、アンジールは目の前の男により一層の確信を抱く。
野太い声には揺るがぬ尊厳が宿り、鋭い瞳には真っすぐな意志が宿る。
自分達と同種の人間――修羅場をくぐった歴戦の勇士のそれだ。
「ソルジャー入隊の折に、田舎の母から贈られたもので」
アンジールは背後のバスターソードに視線を飛ばして言った。
「随分と物騒な物を買い与えるものだ」
厳つい顔に微かな苦笑を浮かべ、ゼストが感想を漏らす。
身の丈にも及ぶ大剣は、確かに当時一介の新兵に過ぎなかったアンジールにわざわざ買ってやる代物ではない。
「我が家の家宝なんです」
それを悟ったアンジールもまた、苦笑混じりに訂正した。
「ほぅ」
「ここにあるのはレプリカですが…そこに宿る誇りに、変わりはありません」
誇り――
その言葉を聞いたゼストの太い眉が、ぴくりと動き、表情がゆっくりと正されていく。
「…誇り、か…」
低い声が、感慨深げに独りごちた。
218反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/05(火) 13:47:20 ID:ojdyn3j/
「生前は管理局のストライカー級と聞きました」
アンジールもまた真顔に戻り、言葉を紡ぐ。
元時空管理局首都防衛隊所属。ランクS+の古代ベルカの騎士。
スバルの母クイント・ナカジマ、ルーテシアの母メガーヌ・アルピーノらを率いて戦った猛将。
そして、地上本部中将レジアス・ゲイズの親友。
それらの経歴を、ゼストは再び目を閉じて、黙って聞いていた。
「…レジアスもまた、昔はああではなかったのだがな」
ややあって、不意にぽつりとゼストが呟く。
ミッドチルダの平和を切に願うが故に、戦力不足にさらされていた地上本部の現状を嘆いていた。
魔力資質も人材育成の才もないことを知っていながらも、懸命に地上本部の改善に向かって突き進んでいた。
ゼストはその姿勢に、彼の理想のためならその命さえも捧げていいとすら思っていた。
「機動六課の部隊長と同じ…というわけですか」
アンジールが言う。
奇しくもレジアスのその姿は、一般武装隊の対応速度の遅さに嘆き、機動力に長けた六課設立を目指したはやてと同じだった。
「あれはいい志を持った奴だ」
ゼストは正直に言った。
ミッドの安全と平和を目指し、未熟ながらも奔走するその姿勢。後世を担うに相応しいと思える情熱。
しかし。
故に。
「…どこかで道を違えてしまわぬか…」
それだけが気がかりだった。
自身の正義のための力を集めるために、軍備だけをひたすらに求め、挙句禁忌の戦闘機人にまで手を出したレジアスのように。
登り詰めた地位が高慢を招き、思想を歪め、いつしか目的と手段をはき違えるのではないか、と。
「…ルーテシアのためですか?」
彼の少ない言葉を聞き届けたアンジールは、同じく少ない言葉で聞き返す。
そのような考えを持った男は、研究のためだけにミッドの平穏をかき回すスカリエッティに加担するに相応しくはない。
ならば、考えられるのは彼の連れた召喚士の幼子。
未だ眠りから目覚めぬ部下の1人娘のみ。
「11番の刻印がされたレリックが、アルピーノに適合すると聞いている」
それを見つけ、母を再び呼び覚ますのが、ルーテシアの願い。
「…一度は死に、再び土に還るまでの僅かな時間を生きているだけの俺がすべきことは、それぐらいだ」
命を失った身体を生体兵器として強引に叩き起こされ、その上大した体力も持たない欠陥品。
自嘲の念を込めて、ゼストは言った。
だがそれ故に、その中に1つ芽生えた使命は、何よりも尊いものだった。
濃い色を宿した瞳は、そう語っていた。
「…いい父親を持ちましたな、ルーテシアも」
「よせよ。それでは俺はアルピーノの夫になってしまう」
アンジールの言葉に、ゼストは微かに噴出しながら答える。
「俺は真剣ですよ」
そしてアンジールもまた、角張った顔をほころばせながら言った。
「だから尚のことたちが悪いんだ」
相変わらずゼストの顔からは苦笑が消えない。
こんなに笑っている彼は、随分と久しぶりだった。
219反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/05(火) 13:48:26 ID:ojdyn3j/
「ところで――」
半ば冗談にも聞こえる会話を打ち切ると、ゼストは表情を正して口を開く。
「お前も向こうでは、民のために戦っていたようだな」
「…ええ」
アンジールもまた真剣な面持ちに戻り、そう答えた。
ソルジャーとしての彼は、自らの夢と誇りを守り続けることを第一とし、剣を振るってきた。
すなわち、ミッドガルとそこに生きる人々の平穏。
個人主義のセフィロスや奔放なジェネシスなど、個性が強すぎるクラス1st達の中で、
アンジールは誰よりも厳しく、実直に、民の守護者としての任を果たしてきた。
自らが人ならざる者…それも人に仇なすモンスターであることを知り、人のために自己の消滅を願うほどに。
「今のお前の誇りは、どこに向いている?」
ゼストのことを言うのなら、アンジールもまたらしくはない。
同じく安全を願う彼からすれば、スカリエッティはただの悪党のはずだ。
「…ナンバーズ、でしょうか」
アンジールはそう答えた。
「戦闘機人達のことか」
「あの子らは、俺と同じなんです」
普通の人間として生まれてくるはずだったにもかかわらず、目覚める前から人外の身体を与えられた少女達。
憎んでいるわけではないにせよ、決して進んで求めたわけではない、人殺しのための身体。
侵略者ジェノバの遺伝子を持って生まれたアンジールとは、共通する部分があった。
「そして、あの子らは俺を受け入れてくれた…」
アンジールは孤独だった。
セフィロスや愛弟子ザックスら人間とは相容れられず、唯一の同胞ジェネシスは狂気に身を落とした。
アンジールを生んだ母ジリアンは、自らの罪を恥じてその命を絶った。
彼が頼ることのできる人間など、彼の世界のどこにもいなかったのだ。
そんな彼の前に、いきなり11人もの同じ境遇の者達が現れた。
アンジールは戦技指南役をスカリエッティに頼まれ、ナンバーズ達と生活を共にした。
今では、彼女らにおおむね受け入れられている。トーレやセッテなど、熱烈に忠誠の念を抱いている者もいる。
「今の俺の誇りは、あの子らを守るための誇りです」
はっきりと、アンジールは宣言した。
「アイツらなど、所詮産みの親と同じような連中だと思っていたが…どうやら違ったようだな」
それを聞き届けたゼストが呟く。
いかに人を人とも思わぬスカリエッティの娘といえども、ナンバーズ達1人1人には、それぞれ人間らしさがある。
人として付き合っていくに値する心がある。
「…何にせよ、お前もいい兄貴役のようだ」
「産みの親が同じスカリエッティであるのは、確かですがね」
お返しとばかりのゼストの言葉に、アンジールはまたも苦笑いを浮かべた。
220反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/05(火) 13:49:46 ID:ojdyn3j/
ややあって、2人が落ち着いた頃に、再びゼストが口を開く。
「お互い、守るものがあるのは同じようだな」
ゼストには「娘」のルーテシア。
アンジールには「妹」のナンバーズ。
「そして、俺には他に、果たさねばならないこともあります」
かつての親友・セフィロス。
妹達の末娘を傷つけ、苦しめ、狂わせたあの男を断罪すること。
「俺もそれは同じだ」
かつての親友・レジアス。
どこかで道を踏み外し、歪んでしまったあの男の真意を問いただすこと。
「…お互い、生き残らねばなりませんな」
「ああ…まだまだ死ねんな」
寡黙で不器用、しかし人一倍真っすぐな志を持った者。
似たもの同士のソルジャーと騎士は、少ない言葉の中で、しかし確実に分かり合った。
話すべきことを話し終えたアンジールは、ゼストへ軽く一礼すると、再び廊下を歩いていく。
僅かに金色の光を放つ薄暗い中で、かつ、かつ、かつ、と靴音が響いた。
「――1つ聞きたい」
不意に問いかけが耳に入った。
ゼストの言葉が、アンジールのバスターソードを背負った背中にかけられた。
アンジールは振り返り、その先を促す。
「…何か?」
「スカリエッティが、11番のレリックを手に入れたとして…」
そこで一瞬、ゼストは言葉を区切る。そして一拍の間を置いて、先を続けた。
「大人しく俺達に渡すと思うか?」
それだけが気にかかっていた。
あの男との協力の条件は、11番のレリックを探すこと。
ルーテシアの強力な召喚術や、ゼストとアギトの達人の技術を得るためには、そのレリックを探すことに労力を割かねばならないが、
逆に言ってしまえば、レリックを探しているフリをしている間は、ずっと彼女らの協力を得られることになる。
ならば、仮にレリックを手に入れたとしても、それをルーテシア達に渡してやる必要はない。
すなわち、ルーテシアは――そしてゼストは、レリックを盾に取られ、一生スカリエッティのために戦わされることになる、ということ。
アンジールはその短い問いかけには答えず、しばらく黙っていたが、やがてその口を開く。
「…奪い取ってでも手に入れればいいだけでしょう」
単純明快だった。
ゼストが救うのはルーテシアであり、メガーヌであり、スカリエッティではない。
彼が卑劣な手段に出るというのならば、遠慮なく叩き潰してしまえばいい。
アンジールとゼストは、スカリエッティを嫌っている点でも、同じタイプの人間だった。
「…フッ…」
それを聞いたゼストの口元が微かに緩む。
「お前みたいな奴が、ここにいてよかった」
去っていくアンジールの背中を見つめ、最後に、それだけを口にするのだった。
221反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/05(火) 13:50:55 ID:ojdyn3j/
ラボの一角。
手術室のような部屋を、ガラス越しにスカリエッティが見つめていた。
真っ白な壁に囲まれ、幾多の機材が鎮座する実験室には、ナンバーズの長姉・ウーノの姿がある。
「よろしいのですか、ドクター?」
ウーノがガラスの向こうのスカリエッティに確認した。
実験室のベッドに横たわるのは、クイントの娘。
最初期型戦闘機人・タイプゼロの1号機、ギンガ・ナカジマの裸体。
チンクら3人によってずたずたに傷付けられた身体は修理され、絹のような真っ白い肌を取り戻していた。
シューティングアーツによって鍛え上げられた肢体はしなやかだ。形のよい胸から爪先に至るまで、美しいラインを象っている。
「もちろんさウーノ」
ウーノの手の中には、赤々と輝くレリックがあった。
ベッドの上で眠るギンガの身体に、今からこれが埋め込められる。
戦闘機人とレリックウェポン…そのハイブリッドとも呼べる、13番目のナンバーズが誕生する。
「この状況で即戦力とするならば、どちらが安定しているかというのは、分かりきったことじゃないか」
レリックからは人造魔導師を作ることもできる。そのためのメガーヌの身体は確保してある。
しかし、まだまだその技術は未完成だ。
ゼストは持久力に致命的な欠陥を抱えているし、ルーテシアの力も想定ラインには達していない。
ならば、その技術が確立している戦闘機人を仕立て上げた方が役に立つ。
誰にも邪魔されない理想の研究所・ゆりかごを宇宙へ打ち上げるための、最後のセレモニーには。
「分かりました」
感情のない瞳で、ウーノがスカリエッティに従う。
どちらの道を取ろうと知ったことではない。どちらもドクターの決断だ。選ばれた方が正しい道なのだ。
それをウーノはよく分かっている。
だから、どんな決断にも心は痛まない。
たとえ今から使うレリックが、誰かの心を踏みにじる結果になろうとも。
「では、初めてくれたまえ」
スカリエッティの指示に従い、ウーノはケースからレリックを外す。
そのケースに刻印されていたナンバーは――「XI」。

決戦の日、アンジールとゼストは共に命を落とす。
アンジールは仇敵を倒すことができなかった無念の中で。
ゼストは好敵手と最期に全力で渡り合えた充実感の中で。
しかし、2人は最期まで知ることはなかった。
古代ベルカの騎士の想いが、最悪の形で踏みにじられていたことに。

それでも。

ゼスト・グランガイツがその一連を知ることがあれば、結果的には満足するだろう。

眠る部下の1人娘は、散った部下の忘れ形見によって救われた。

ギンガを救出した妹――スバル・ナカジマと、彼女の手に入れた11番のレリックによって。
222反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/05(火) 13:52:28 ID:ojdyn3j/
投下終了。ちょっとだけスカさんが外道になりました。
11番のレリックは、多分ドゥーエ辺りが他の数の子も知らない間にゲットしていたんでしょう。
…長い。外伝集にしてはあまりにも長い。
そんなわけで、この話は他の外伝とはこうやって独立させることになりました。

そういえばPSP版スターオーシャン2の発売日が4月に決まったってね。
あれを手に入れれば、なかなか先の展開が決まらないSO2クロスも書き進められるかな…
223名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 13:56:36 ID:l4KFcK2Q
GJ!!です。
渋いですゼストとアンジールw
そしてスカ博士が外道w
224スーパーロボット大戦X:2008/02/05(火) 14:49:18 ID:jvpU3nga
>>214
>ビームガンじゃなくて光針(ライトニードル)じゃないですか?
ビームガンはスパロボWでの名称でライトニードルとどっちにしようかと考えた結果スパロボの名称を採用しました。
>あと腰から展開してるのはカッターじゃなくてランサーですよね?
しまった!あの後、オーガンをよく見直したらゾア戦の時カッターが両腰から出てるとばかり思ってたらちゃんと手から出してる!
申し訳ありませんでした。orz
まとめの方に出てきたら修正させていただきます。ご指摘ありがとうございます。
>>222
GJです!!スカリエッティめ!原作でも本当にそうしてそうで怖いな。
後、DETONATORSTrikerSの第2章「衝撃編1」があと少しで完成なので4時ごろに投下予約したいのですが、
よろしいでしょうか?
225名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 15:09:05 ID:FSimmqdy
>>222
GJ!!
おのれスカリエッティ許すまじ!
正義についての語りも言う事なし。

>>224
OKなんですが、少し急ぎすぎでは……。
おせっかいですみません。
226スーパーロボット大戦X:2008/02/05(火) 15:22:37 ID:jvpU3nga
>>225
>おせっかいですみません。
別にいいですよ。実際急ぎすぎてるところは否定できませんし、自分でも少しそう思ってますから…。
でも書くことが思いついて、速いうちに投下しないと投下する時期を見失うかもしれない思っての事です。
227スーパーロボット大戦X:2008/02/05(火) 16:01:01 ID:jvpU3nga
時間ですので投下します。DETONATORStrikerS第2章「衝撃編」の「衝撃編1」です。

 衝撃編


 トモルはなのは達と共に機動六課隊舎に戻り、はやてとある話をしている。

「それほんまかいな!?」
「はい、ちゃんと考えましたよ。俺にも手伝わせて下さい」

 はやては驚く。トモルが3日程前は自分達に協力しないと言ったのにそれを覆して機動六課に協力すると言ってきたのだから……。

「でもどんな風の吹き回しや?」
「俺はこの世界では守るものがないと思ってました。でもヘリが狙われているのを見て思ったんです。
俺はこの世界の人達も守ってやりたいって……」
「そうかあ、だったらトモル君は嘱託魔導師扱いになるけどいいかな?」
「嘱託魔導師?」
「簡単に言うと民間協力者ってところかな。試験は何とかごまかしとくし……。それならトモル君の負担もなくてすむから……」
「だったらそれでいいですよ」

 こうしてトモルは機動六課の協力することになるが、はやてには一つある疑問が浮かんだ。
 それは魔導師ランクがAランクのトモルが何故Sランククラスの砲撃を受け止めれた事である。
 その事をシャーリーに聞いてみたらあることがわかる。

「その事なんですが、トモルさんは普段はAランクですが、オーガンを使った時はSランクにまで上がってたんです」
「Sランクにまで!? どういうことや?」
「多分、前にトモルさんの言ってたオーガンとのリンクが関わってるのかもしれません。それにあのデバイスはソリッドアーマーを元にしてますし……」
「未来の地球は恐ろしい技術があるんやね……」

 はやては改めて未来の技術のすごさを実感する。
228スーパーロボット大戦X:2008/02/05(火) 16:01:48 ID:jvpU3nga
 翌日、なのはは昨日レリックと共に保護した少女ヴィヴィオを聖王病院から機動六課隊舎に連れて帰り、
 隊舎ではフェイトがはやてに機動六課設立の訳を教えて欲しいと言い、はやてはその話をする為になのはも連れて聖王教会に行こうとする。

「ああ、それとトモル君も連れていかなあかんな」
「トモルも? 何で?」
「実はこの間カリムにある事を聞かされてな……。それがトモル君と関係あるかもしれへんからや……」
「そうなんだ。じゃあトモルも呼ばないとね……」

 まずフェイトとはやてはなのはを連れて行こうとするが、ヴィヴィオがなのはから離れたくないと言うのを、
 何とかフェイトの子供の扱いのうまさにより説得させ、トモルを連れて聖王教会に行き、聖王教会で待っていたカリムとクロノと会う。

「君がはやて達に保護されたという……?」
「はい、真道トモルと言います」
「まあ、随分礼儀正しいこと……」

 クロノとカリムはトモルの礼儀正しさに感服する。

「いえ、そうでもないですよ」
「しかし、君の着ているその上着は古さを感じるね」

 クロノがトモルの着ているジャケットを見て少し苦笑いしトモルは少し機嫌を損ねるが、カリムが興味を持つような事を言う。

「ええ、今私が着ている服も少し年代物ですけど、そちらの上着にもなかなかいい古さを感じますわ」
「それ本当ですか!?」
「……ええ、まあ……」
「俺と同じように古いのがわかる人がいる何て思わなかった。もしよかったらこの教会にある古いもの俺に見せてくれません?」

 トモルはカリムの手を取り子供のような無邪気な顔をする。自分と同じような懐古趣味的な人と会った事がないのでなおさらだ。
 はやてはそんなトモルを止める。

「トモル君、悪いけどそういうのは後にして話をしたいけどええかな?」
「……ああ、すみません」

 トモルはあわてて手に握っていたカリムの手を離す。

「それで何の用ですか? 俺にも話があるって……」
「その話は少し後にします。まずは腰をかけて下さい」

 カリムがトモルに椅子に座るように言い、トモルも言われたまま椅子に座る。

「トモルさん、あなたが関わってるかもしれない話の前にまずは高町一尉とテスタロッサ・ハロオウン執務官が聞きたがってる話をします」
「俺はその間は退屈になるんですか?」
「とりあえず、トモルさんも聞いて下さい」
229スーパーロボット大戦X:2008/02/05(火) 16:02:25 ID:jvpU3nga
 そしてクロノとカリムとはやてによる機動六課設立の真の訳を話した。機動六課はカリムの予言により暗示されたミッドチルダ破滅を防ぐために作られたものだということを……。

「そんなことがあるんですか?」

 まずはトモルが口を開く。

「あくまでこれはよく当たる占い程度のものですが……。そしてその予言とはまた別の予言があるのです。しかも……」
「?」
「これはその二つの月の魔力に関係なく出されたものなんです……」
「「「!?」」」

 この言葉になのはとフェイトとトモルは驚く。

「それが俺に関わってるのですか!?」
「それは今から読み上げます。それであなたがどう考えるかであなたが関わるものかどうかがわかります」

 そしてカリムはもう一つの予言を読み上げる。

「この地に鉄の勇者が現れ、勇者は甦るすべてに破滅をもたらす存在と戦いそして散るだろう……」

 その言葉にトモルは考える。

「鉄の勇者は多分オーガンの事だろうな……」
「でも「甦るすべてに破滅をもたらす存在」って……」

 なのは達も考えるが、スカリエッティがそこまでの存在になるのだろうかと考える。トモルはある事を思いつくがそれをすぐに否定する。

(まさか、ゾア……? いやゾアは俺が倒したんだ……。いるはずがない……)
「でもその存在と戦って散るって事はトモルが死ぬって事に……?」

 フェイトのその言葉に皆が暗くなるが、トモルはその言葉から生まれた暗さを跳ね除けようとする。

「大丈夫ですよ。俺は地球にイバリューダーの本隊が攻めてきた時も死ぬかもしれなかったのに俺はこうして生きてるんですから……」
「それどういうことや!?」

 はやてがトモルの言った「死ぬかもしれなかった」と言う言葉に疑問を抱きトモルに尋ねる。
 トモルは自分とオーガンのリンクの危険性を言おかどうか迷ったが、嘘をついてごまかす事に決める。

「それは俺がイバリューダーの総司令であるゾアと戦って死ぬかもしれなかったんですけど、俺は勝ってここにいるんです」
「そうか、それならええけど……」

 はやては少し納得できないような顔をしているが、何とかその話は収まった。
 もしソリッドアーマーのオーガンとのリンクの危険性を話したらソリッドアーマーを直してくれなくなるかもしれないとトモルは考えたのだ。

「とにかくこれらの事については聖王教会の方でもできる限りの援助はします。皆さんのご迷惑にならないように……」
「非才の身ですが、協力します」「私も」「俺も手伝います」

 なのは、フェイト、トモルの言葉にカリムは感謝する。

「本当にありがとうございます」
「あの話が変わりますけど、この教会の古いものを見せてくれませんか?」

 トモルは教会の古いものを見せて欲しいと頼み込んだ結果、カリムから了解を得て教会を見てから帰ることになり
 なのは、フェイト、はやては先に帰る事になり、3人は隊舎に帰りはやては二人と別れた後自室でふと考える。
 自分の命は初代リンフォースや守護騎士、なのはやフェイトによって救われた命、
 ミッドチルダに迫る危機とトモルにも迫り来るかもしれない死をはやては考える。

「皆私が守ってみせる。私の命はそのために使うんや」
230スーパーロボット大戦X:2008/02/05(火) 16:05:19 ID:jvpU3nga
投下完了です。今日の投下はここまでにします。
龍騎さん最近調子が悪いようですし…。
龍騎さん、がんばって下さい。
231仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/05(火) 19:26:33 ID:a/xZeeM8
GJかな。オーガンは知らないけど。守備範囲一番小さいだろうな。
さて、予約ないようでデジモンのエリオサイド投下していいですか。今回は、スーパーユーノタイムです。ユーノがカッコイイのでご注意ください。
232仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/05(火) 19:31:08 ID:a/xZeeM8
10分後に投下していいですか。
233名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 19:37:47 ID:MX85lCUH
>>231>>232
規制があるわけでもなし何も問題はない。むしろココらでのユーノ分は貴重
遣り給え存分に
234仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/05(火) 19:42:01 ID:a/xZeeM8
それでは投下します。超人ユーノにご注意。


デジモン・ザ・リリカルS&Fsideofspirit 第一話
「光、導く者。」
そこはキャロが降り立った場所より海を挟んだもう一つの大陸。そこには多数のデジモンが暮らしていた。そして、その中にデジモンまた違う生命、そう人間の男が一人紛れ込んでいた。
その男の風貌はボロボロの茶色のマントにボサボサの髪という感じで顔は一見女のようにも見える。しかし、周りとは違うものがあった。それはその身の周りに纏う凄まじき覇気、そしてその手にある白と紺の《ディースキャナ》であった。

「時は満ちたか…」

その男ユーノ・スクライアはそう呟き、その場を後にした。

「ハァッ、ハァッ」

同時刻、エリオ・モンディアルは、深き谷の底にいた。
何故ここに彼がいるのか、理由は簡単だ。キャロと一緒に飛ばされた時、彼だけがこの場所に降り立ったのだ。何かから導かれるように。
そして、仲間を探す為に散策をしていた。しかし10歳の少年にはこの道はさすがに厳しく、既に息は上がっていた。

「さすがにキツイなぁでも、朝練に比べたら!」

そう言って先に進もうとする。ふと、ストラーダを見る。するとどうだろう、ストラーダは赤き光を放ち、赤と黒のディースキャナとなったのだ。
「な、ストラーダが…どうなってるんだろう」

エリオは疑問に思いながらも、先を急いだ。しかし、エリオは気付かなかった、自らを狙う影に。

「キシャアァ!お前かぁ、人間!俺様の縄張りを荒らす奴はぁ!」
「な、誰ですか!」

そこには、赤き色の体をもつクワガタデジモン、クワガーモンの姿があった。

「お前なんだなぁ!死ねぇ!」
「な、クッ、セット!」

そう言ってセットアップしようとするエリオ。そこで気付く、今、ストラーダは使えないことを。となれば取る選択は一つ、全力疾走での逃亡である。
235仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/05(火) 19:46:02 ID:a/xZeeM8
犬死にと勇敢さは違うことをエリオはこの一年で学んだのだから。

「待てぇ、逃がすかぁ!」

そう言って物凄いスピードで追いかけてくるクワガーモン。
エリオは、必死に逃げるが一向に差が開く気配がない。それどころか、差は段々縮まっていくばかりである。
必死に逃げるエリオをクワガーモンはまるで楽しむように追いかけていた。
しかし、その先に出口はなく、行き止まりであった。そして、エリオはとうとう追い詰められてしまった。

「もう、逃げられないぞぉ〜、大人しく死ねぇ!」
そう言い迫るクワガーモン。

(キャロ、フェイトさん、ごめんなさい。)

しかしその鋏がエリオに届くことはなかった。

「ハアァァッ!」
「グハァッ!」

叫びと共に煙が舞いそれが晴れると、そこにはマントを纏った一人の男がいた。そして、その前には地面に頭を突っ込んだクワガーモンの姿が、それにそこには靴の跡。どうやら、このマントの男がクワガーモンに飛び蹴りをくらわせ、地面に突っ込ませたのだろう。
「逃げるぞ!エリオ」

そう言うと男はエリオを抱き抱え、数十メートルはある崖を駆け上がっていった。

「こいつはオマケだ!」
そう言って青いボールをクワガーモンへと投げた。そして、突然、破裂したかと思うと目映い光を放った。閃光弾である。

「効果は薄いけど、逃げるには充分だ」
「あの、あなたは?」
「後で話すよ」

そう言うとエリオを抱えたまま信じられない速度で走り続けた。そして十数キロはある荒野を抜けた先にある、洞窟に足を止めた。(この間僅か三十分)

「ここで休もう。ここなら安全だ」
「あの助けてもらってありがとうございます!」
「いいよ気にしないで同じ世界の人間だしね」
「えっどういうことですか?」

エリオがそう聞くと、男はフードを脱いだ。
236仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/05(火) 19:50:28 ID:a/xZeeM8
「どうして、僕の名前を」
「いつもフェイトやなのはから聴いてるよ」「じゃあフェイトさんとお知り会い何ですか」
「十年程かな」
「あ、あと名前。名前を教えてください」
「僕は、ユーノ・スクライア。時空管理局無限書庫司書長さ」
「ユーノさん?最初に失踪した!?」
「その通り、どうやら僕が最初らしいね僕が此処に来たのは半年前さ」

それを聞いてエリオは驚いた。なんたって失踪事件が始まったのは1ヶ月前なのだ。

「待ってください、失踪してまだ1ヶ月しか経っていませんよ。」「やはり、そうか」
「やはり、て、知ってたんですか」
「ああ。僕が初めてここに来て、疲労で倒れたんだ。その時、救ってくれた、デジモンが言ったんだ。『この世界とリアルワールドには歪みが生じているそのせいで時間の流れが向こうの六分の一の割合になり、擦れてしまった』とね」
「だから、ここでの半年はミッドチルダでの1ヶ月という訳なんですね!」
「そう言う訳だけど、どうやら、これ以上悠長に話している時間はないらしい、来たぞ!走れ!」

ユーノはそう言うと洞窟をエリオと共に急いで脱出した。
二人が出た瞬間、洞窟は崩れ去った。そして、その場には二人を追ってきた、クワガーモンの姿があった。

「もう逃がさねぇぞ!死ね!」
「仕方ない、エリオは下がってて。戦いは避けたかったけど今は戦うしかないから。」
「人間ごときがぁ!」「人間ごときの底力見せてあげるよ。」

そう言ったユーノの右手にはディースキャナが握られ、左手には、《デジコード》が集まっていた。そして、デジコードをディースキャナに滑らすようにスキャンさせた。
「スピリット・エボリューション!」
途端にユーノは光に包まれた。
古代十闘士において、光を司るエンシェントガルルモンの力を受け継ぎし光のヒューマンスピリット、それがユーノの持つ力!

『ヴォルフモン!』

それはまさしく狼のような姿であった。

「さあ、来るなら来い!」
「ハッタリに決まってる!シザーアームズ!」

そう言うと強靭な鋏でヴォルフモンを鋏みきろうとした。すると、ヴォルフモンは二本ある光の剣『リヒト・シュベーアト』を二本共抜くと軽々と受け止めたのだ。

「この程度か…」

そう言い、左手を構えた。そして、光のエネルギーが集まると放った。

「リヒト・クーゲル」
放たれた光の弾はクワガーモンに直撃し、吹き飛ばした。

237仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/05(火) 19:53:22 ID:a/xZeeM8
「グゥッ、まだ」
「これで終わらせる。リヒト・ズィーガー」
その声と共に光の剣を振るい、クワガーモンを真っ二つにした。
するとどうだろう、クワガーモンは光に包まれ、大量のデジコードとデジタマと変わった。そして、ディースキャナを向け、言葉を紡ぎながらスキャンした。

「闇にうごめく魂を、聖なる光で浄化する!」

するとデジコードは光と共に広がっていった。

「浄化完了!これでよし。じゃあ行こうかエリオ」
「行くってどこへ?」
「君専用のスピリット《火のスピリット》の所にね」
君は選ばれし者の一人。このデジタルワールドとリアルワールドを救う力がある、どうするかは君しだいだ」
「僕の力で何かが救えるんだったら、行きます!」
「分かった。行こう!火のスピリットの待つ『炎の街』へ!」


次回
デジモン・ザ・リリカルS&Fsideofspirit 第二話
「炎の闘士」
お楽しみに。
238名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 19:57:07 ID:9HBa1P6/
GJ!

次にでてくるのはアレか? アレなんだな!? 種ストライクの武装バリエーションの一つなんだなっ!?
239仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/05(火) 19:59:28 ID:a/xZeeM8
以上で投下終了です。地の文前より増えましたか?意識はしましたが。さて、このように、しばらくはキャロサイドとエリオサイドで分けて書きます。
後、このユーノ君どうですか。覇気と強靭な運動能力が付加されましたが。
感想などを待ってます。
240スーパーロボット大戦X:2008/02/05(火) 20:09:59 ID:jvpU3nga
>>239
GJです。あれがユーノだなんて信じられないぜ。
えーと、整理するとキャロがセイバーズ仕様でエリオがフロンティア仕様でいいのかな?
後、オーガンのソリッドアーマーは普通に3メートル前後で人よりはでかくてもロボットとしては小さいものです。
241仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/05(火) 20:29:02 ID:a/xZeeM8
>>240 その通り、キャロサイドがセイバーズ仕様で、エリオサイドがフロンティア仕様です。後、オーガンについて勉強になったっす。ありがとうございます。
242名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 22:51:14 ID:J5VbZD1K
どの作者も凄いですね。
243名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 22:52:42 ID:+rI6aSFb
なんかいきなり過疎ったなぁ・・・・・
244名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 22:58:36 ID:IrpxB/DG
投下後に過疎るのはいつもの事さ、同志>>243
245名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 23:00:41 ID:lD2eOveR
EDF氏こねーかな?
246名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 23:06:58 ID:kINsms8z
しかし本当に少なくなった。
雑談では凄いスピードで伸びていた時があったから
余計そう感じる。
247名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 23:10:38 ID:9HBa1P6/
スバル「いまこのスレにはドリルが足りない……」
248名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 23:13:39 ID:zwSVui31
>>247
やぁ おっぱいドリル
249名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 23:16:38 ID:/mf8wYtS
前スレが落ちないか心配な俺ガイル
愚妹のせいでまとめに載せられてないSS残ってますし・・・
250名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 23:16:50 ID:l4KFcK2Q
ミザル様の降臨を待つしかないw
251反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/05(火) 23:17:12 ID:hkG18ICW
>>247
正体がバレバレだwww

いや、しかし…やっぱこのスレでのアンジールは認知度低いですな…
今回あんまり彼の渋い魅力書けなかったし…かと思えばジェネシスの方が圧倒的にウケてた不思議…
…やっぱりみんなクレイジーな方が好みなんスかね?
252名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 23:19:32 ID:30lZoSh0
今日は投下過疎ってるな。朝からバッサリ消えてるわw
253戦国の鉄の城:2008/02/05(火) 23:28:18 ID:ZMJzoiMU
職人の皆様GJっす。
なんだろうフォルカと六課メンバーの絡みが頭の中に…。
モンハンクロスで手一杯だってのに…!
そういえばトモルの声優さん山寺宏一さんだったような。
アンジールはゲームのポスターで姿を見ただけで(ry

で…いきなりですがモンハンクロス30分ぐらいに投下いいすかね?
254名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 23:31:13 ID:9HBa1P6/
ではスパロボ×なのはで小ネタ
ウェブラジオ、スーパーロボット大戦うますぎWAVE第46回で、
杉田が歌った「未来ロボ ダルタニアスOP」の替え歌「オレの家族だめだこりゃ」。
※歌詞には一切手をくわえていません。本家は落ちてます。自分は録音してました。


ブリット「やっちまった〜

 親の撮った大河〜上から〜アニメ録っちまったよ!
 みろ〜、オヤジが"なのは"にぶちぎれる〜、
 それでもすこしはまり気味〜、
 ガクトじゃない!? ガクトじゃない!?

 母よ、みるのはそこしかないの〜

 ほんとのこと言ったなら きっとみんな消されるよ
 オヤジはフェイトに〜、どうやら夢中だ〜
 ねえガクトじゃない!? しつこい母〜

 一人で暮らすと〜きがきた〜


※スパロボになのはが参戦する日はちかいようです。
255名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 23:33:08 ID:1si/+e0Q
>>253

止められるのかね?
今、私が止めたところで君はやめるのかね?!
ありないだろう、ならばこうするしかないじゃないか!
全力で投下しろ!(サムズアップ)
256名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 23:34:31 ID:l4KFcK2Q
支援、スカ祭り、支援!!
257戦国の鉄の城:2008/02/05(火) 23:34:42 ID:ZMJzoiMU
>>254
なんだろう、これで手を加えてないとなると聞いてみたいような…!

これは投下はもう少し後…かな?
258戦国の鉄の城:2008/02/05(火) 23:39:01 ID:ZMJzoiMU
小ネタの書き込みの時間から五分くらい空けてみたが……。
うん、やっぱり自分も投下しますお館様。
259戦国の鉄の城:2008/02/05(火) 23:39:50 ID:ZMJzoiMU
魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER

第十一話「新生」

「ドク……ドクター!?」

「スカリエッティ!?」

「お察しの通りだ。しかしまぁ、初めてだな第三ラウンドは。」

黒グラビモスとの激闘でドクの正体が発覚した。
その正体はここ最近何故かミッドチルダから姿を消していた犯罪者ジェイル・スカリエッティ。
ギンガ達の表情にはもちろん驚愕。スカリエッティはそんな彼女達を見向きもせず、守るように立ちグラビモスを睨む。
右手を思い切り握ると発光。魔法陣が出現。

「不完全だから魔力全開は5分12秒5.69…。やってやるさ。」

そう呟いた瞬間スカリエッティの体に衝撃波が走る。体の周りに漂う赤いオーラ。
純粋な身体能力を飛躍的に上昇させる魔法。しかしその魔力は並の量じゃなかった。
短時間の間だが魔法狩人ジェイル・スカリエッティ誕生。赤い軌道を描き、走る。
260名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 23:39:58 ID:9HBa1P6/
いけ勘助、的支援。おじゃましました
261戦国の鉄の城:2008/02/05(火) 23:40:31 ID:ZMJzoiMU
グラビモスが体勢を立て直し顔を前に向けた瞬間目の前にはスカリエッティの姿。
魔法陣が展開された右手の拳で殴る。その衝撃、ハンマーの一撃の如く。大きく後ろに飛ぶグラビモスの黒い巨体。
スカリエッティの右手から伸びた赤い魔力の線がグラビモスを捕らえ、地面に着くのを許さない。
次に浴びせるは拳の嵐。やっと巨体が地面にたたきつけられたのもつかの間、スカリエッティの踵落としが腹に直撃。腹の甲殻を破壊して再び巨体を、浮かせた。
浮いたグラビモスの顔面に魔力を込めた回し蹴り。蹴られた反対側の頬から赤い閃光が噴出、威力を物語っていた。
スカリエッティの眼光が何か捕らえた。甲殻の隙間から零れる赤い煙、すばやくその巨体を踏み台にして跳躍。距離をとる。

「ふぅ…『以前の』私なら不注意で今のをまともに受けていただろうな…。」

地面に降り立つスカリエッティに向けてグラビモスの怒りの咆哮があがる。
スカリエッティは無言で冷たい眼差しを向けて「来い。」と言っているかのように人差し指をクイ、と曲げる。
怒りのグラビモスの口から放たれるは以前のより大きさと威力を増したブレス。
スカリエッティは一旦魔力を抑え、右腕を前へ突き出す。発動したのはプロテクション。完全に受ける気だ。
続いて発動したのはプロテクション自体を強化させる魔法。赤く展開された大きな魔法陣が光を強める。
ついにブレスとプロテクションが激突。両方とも動じずにそのままの体勢を維持できている。
が、先に動いたのはスカリエッティ。相当な衝撃にも関わらず前に踏み出して加速。ブレスを防御しながら走り出した。

「さぁ、飛べ。」

プロテクションがブレスが小さくなるに連れて次第に形を変え、最後には魔力で生成された大きな塊となっていた。
その大きな塊、大きな球体でグラビモスを殴る。また巨体が吹き飛んだ。

「私は時間にルーズなのでな。早く終わらせてもらう。」

地面に落ちていたディープフィッシャーを拾い、投げた。
まっすぐに飛ぶディープフィッシャーの刃はグラビモスの腹に綺麗に刺さる。
さらにスカリエッティが殴りより深く、腹へと突き刺さった。
グラビモスが悲痛な声を出す前に握りなおし、弾丸を撃ち込む。最後にディープフィッシャーにも魔力をつぎ込むと内部で機械音が響く。

「私の魔力を込めた全力全開、竜撃砲のプレゼントだ。しっかり受け取るといい。」

空気が抜ける音の直後、大爆音。爆風が響き、グラビモスの体を魔力が貫いた。
ズシン、と倒れ地面がわずかに揺れる。それでもグラビモスは立ち上がるが向いた方向はスカリエッティとは正反対。
かなりのスピードで逃げようとするが数秒後、止まる。
スカリエッティの右腕から出現した赤い魔力の線がグラビモスの尻尾をがっちりと捕らえていた。
グイ、と引っ張ると宙に浮きながらスカリエッティの元へと引き戻される。

「眠れ。」

グラビモスの目の前に飛んできたのはスカリエッティが投げたディープフィッシャー。赤い魔力を帯びて鋭さを増している。
ディープフィッシャーは速度を増していくにつれて回転、魔力が螺旋を描く。
大きな咆哮が出る前に深く、深くグラビモスの額の甲殻と筋肉を貫いた。
262名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 23:41:14 ID:l4KFcK2Q
戦う科学者支援!!
263名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 23:42:19 ID:1si/+e0Q
魔法狩人w 支援! ドク最高だよドク!!
264戦国の鉄の城:2008/02/05(火) 23:42:32 ID:ZMJzoiMU
やれやれ、残り時間1分か…。危なかったな。」

右手を軽く振り、デバイスに異常はないかをチェック。異常なし、と確認して後ろへ振り向くと誰が投げたか、石が綺麗に当たった。
しゃがみこんで呻き声をあげながら額を押さえる。顔を上げた目の前には自分を睨む少女達。
額に冷や汗が流れた。何しろ睨み方がまるで親の仇を睨むような、そんな感じである。いやまぁ、実際にギンガの親の仇ではあるのだが。

「今までどこいってたんですか?」

ギンガの言葉は非常に冷たい。
私は思う。あぁこれが気まずいってことなのか。と。

「監獄に入ってたら連れ出されて雪山に飛ばされて村の人に救われてハンター始めてしばらく経ってここに戻って…。」
「…かっこ悪い」
「………ストレートすぎないかね?これでも必死だったんだよ。」

彼女達の自分を見る目は変わらない。
いくらスカリエッティといえど気まずい雰囲気を打破する方法なんて持ち合わせてはいない。
というよりも、自分は逆に”してしまう方”なのだ。頭が重く感じる。どう考えても皆を見ても状況は変わらず。

「さて…と。」
「!?」

チンクとギンガに首根っこをつかまれる。表情は笑顔に変わっていた。…確かに笑顔なのだがとてつもなく怖い。妖しい。
周りを見るとほかの皆もそうだ。最後の良心かと思われるディードとオットーはすでに見て見ぬフリ。
スカリエッティは悟る。「もうダメだ。止められない」と。

「お話、たっぷり聞かせてもらいますからね〜。」

余談だが、チンクとギンガに引きずられていくスカリエッティの表情は口から何か魂が出るんじゃないかというほどだったが、
どこか懐かしさを感じているような、そんな顔だったという。
空は青い。まだ昼ぐらいだろう。スカリエッティはジェイ達がどうなってるかを思いながら地獄へと引きずられていく。
265名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 23:43:05 ID:uNyqPB56
グラビモスエリア移動時の小走りの可愛さは異常支援
266戦国の鉄の城:2008/02/05(火) 23:44:48 ID:ZMJzoiMU
「やはりスナッチは最高だなぁジェイ!」
「…じゃああれか、俺の機械鋸をバイクのハンドルみたいのにしたのお前か」

投下終了ですごめんなさいorz
さて、次回からゼクウ編ですが、彼地味すぎてどう立ち回りしていいのか…。
267名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 23:50:08 ID:l4KFcK2Q
GJ!!です。
スカ博士が強いw
管理局魔導師と比べてもいい線いけるのでは。
スカ博士って監獄からハンター世界に送られたってことは事実上死刑的な意味で
送られたのだろうか?だとしたらスカ博士は死刑を生き延びたのだから一応は釈放?
それとも、勝手に誰かが送ったのならまた管理局の不祥事にw
268名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 00:02:31 ID:TClbPcn+
>266
乙。

少なくとも、デバイスをスカが持ったままの時点で、何かおかしな事に成りそうだと今気が付きました。

ひょっとして……ハンターになってから作った?モンスターから剥いだ素材で。
269名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 00:05:22 ID:e4yp+CQ6
GJ!
最近モンハンはじめたばかりなので、興味津々で見させてもらいました。
っていうかオチが秀逸すぎるw
270名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 00:05:28 ID:ubyIJT06
彼なら十分にありうるな。

この後のドクの運命や如何にw
271戦国の鉄の城:2008/02/06(水) 00:20:31 ID:e/fORDcR
>>267
自分としては上の操作で死刑として放置だから事実上の死刑と不祥事、
両方混ぜた感じ…で考えております。

>>268
ラージャンが怒ると体が金色になって全体的にパワーアップ…と材料は結構たくさんありますかr(ry

>>269
オチで笑っていただければ光栄でございます。
モンハン…それは忍耐力を必要とするゲーム…。物欲センサーとか。

>>270
「無限の欲望」ですし(何
次回からゼクウ編ですので、「お話聞かせて」の内容は何か機会があれば、と思っています。
272名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 00:28:47 ID:Q/71tOpW
首吊りの最中に縄が切れたようなもんだと思う
いちおうノータッチになるんだっけw
273名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 00:34:02 ID:BIjSsaH/
完璧な釈放は無理だが、監視付で進入禁止区域とかを作ればOKなのかな?
274名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 00:36:08 ID:oP72F0Gh
監視につける人手がもったいない
275反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/06(水) 00:39:19 ID:k8BhOPMe
ああっ、久々に戦国氏が来てる! GJ!
しかしスタイリッシュなスカだ…ウチのスカは本編以上のゲス野郎がコンセプトだからなぁ…

こちらも久々にシャイニングクロスを書いてみたのですが、投下おk?
…いや、皆様が忘れかけたあらすじを語るだけの小ネタですが
276名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 00:39:21 ID:BIjSsaH/
>>274
ミッドならインテリのAIを使って何とかなりそうでは?
なのはみたいに首から提げていて、自宅以外では外すの禁止とか。
アメリカの性犯罪者のような感じで。
277反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/06(水) 00:48:23 ID:k8BhOPMe
それでは投下。
連載止めてた最中に買った2枚のドラマCDに影響されて、そんな感じの雰囲気に。
本編よりも面白かったよ〜w

「SHINING WIND CROSS LYRICAL」おさらい

「えー、ども。『シャイニング・ウィンド』主人公のキリヤ・カイトです」
「こんばんは〜♪ シーナ・カノンでーす!」
「皆さんこんばんは。クレハ・トウカです」
「ところでキリヤ、あたし達は今日何する予定でここに呼ばれたのよ?」
「えーっと…とりあえず、今のうちにこれまでのあらすじを纏めておこうというわけなんだってさ」
「私達のSSも随分長く連載止まってたものね…」
「ちなみにまとめサイトの履歴見てみたら、最終更新日が去年の12月7日でした。こんなんですが約3ヶ月ぶりのシャイニングです」
「そもそも作者が、ただでさえ執筆に半日近い時間のかかるカラオケ編でドジ踏むのが悪いのよ!」
「あー、計5時間の作業がちょっとしたミスで水の泡〜って言ってたなぁ、当時…」
「あれのおかげでシャイニングSSを書くモチベーションが落ちて、結果片翼の連載が始まったのよね…」
「うむむ…改めて聞くと恐ろしい話よねぇ…」
「おまけに作者、この際今のカラオケ編を後回しにしようかなんて画策してるらしいよ」
「ってそんなのまかり通るわけないでしょ! アレがないと、今後のなのはさんの言動に支障出るのよ!?」
「いやいやいや俺に言うなよ俺に! …ともかく、早いとこあらすじ始めちゃわないと!」
「むぅ…分かったわよ。やればいいんでしょやれば」
「では、コホン…
 そもそもこの話は原作ゲーム終了後、地球へ帰る予定だった俺達が、突然ミッドチルダへ飛ばされるとこから始まります」
「時期的には、ティアナさんへのお説教から休暇までの間の2週間が1番都合がいいんですって」
「つまりナンバーズは最後まで出番なしか」
「その辺から何かむちゃくちゃなのよねぇ。何で作者は完全オリジナル話なんかでまかり通ると思ったのかしら?」
「作者も猛省中だってさ。
 …で、そこで今ミッドがカオスゲートの危機に晒されていると聞いた俺達が、機動六課をお手伝いすることになった」
「そこから、この転送事故がゼロの仕業だって分かったり、キリヤがティアナから心剣抜いたりしたわけ」
「それから、高町さん達3人の休暇を利用して、みんなでボウリングを経てカラオケをしに来た…というところで止まっているわ」
278反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/06(水) 00:49:32 ID:k8BhOPMe
「…うーん…」
「どうしたんだシーナ?」
「ここまでも結構gdgdな面もあったけど…問題はこの先なのよ」
「って言うと?」
「あたしとクレハさんが空気ってことよ!」
「ええっ!? シーナさん、それ…本当!?」
「この後キリヤがまた心剣抜く話があるんだけど、それが終わったらラストバトル直行なのよ! これじゃキリヤしか出番ないじゃない!」
「い、いや、まだシーナ達の出番ゼロって決まったわけじゃ…」
「いーえっ! 少なくとも話のメインは取れないわ! こんなのキリヤのキリヤによるキリヤのためのSSよ!」
「私…今までの時点で既に空気だったのに…(いじいじ)」
「少しはあたし達に役目振りなさいよこのギャルゲ主人公!」
「なぁっ!? ギャ、ギャルゲ主人公なんて言うなよ! 結構原作のギャルゲ臭気にしてるんだぞ!?」
「どーせあたし達はギャルゲの攻略キャラよ! 掘り下げたストーリーなんて書けやしないわよ!」
「ゲームでも空気…アニメでも空気…今度配信される携帯版では出演すら危うい…(いじいじ)」
「ま、待ってよクレハ! モバゲの方は俺達も同じだから!」
「なぁーんでクレハさんばっかりフォローするのよーっ!」
「ってあ痛ぁーっ! 殴ることないだろぉ!」
「やれやれ、案の定gdgdのようじゃのう」
「ってホウメイ? 何でここに…」
「暇じゃったから寄ってみたのじゃ。…さてと、ではここからはわらわが仕切るとするかのぅ」
「何よ、たった2話しか出てないくせに」
「何か言ったかの?」
「いえ、なーんにも」
「ふむ…ひとまず今後のことじゃが…安心せい、お主ら一応出番はあるぞ」
「本当!? 本当に目立てるんですか!?」
「もはやクレハは何もかも捨ててるな…」
「そのラストバトルで、一部お主らがクローズアップされるシーンがあるのじゃ」
「って一部だけじゃない」
「文句を言うでないわ。元々OVA後日談風というスタイルで作り始めた作品じゃから、こうなるのも当然じゃろう」
「ところで、それが本当となると、ヴィヴィオが初登場する頃には俺達は帰ってるんだよな?」
「ま、そうじゃな」
「何でその先まで行かないんだ?」
「…お主、ゆりかご戦で自分達が役立てるとでも思っておるのか?」
「…それもそうか…」
279反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/06(水) 00:51:09 ID:k8BhOPMe
「結局のところ、案外無謀な賭けだったってわけね」
「うーん…キャラ的には違和感ないと思ったんだけどな」
「キャラだけは立っておるからの、シャイニング・ウィンドは」
「…ねぇ、何だか原作自虐大会になってない?」
「そりゃシーナが元凶だろ?」
「何か言った!?」
「い、いえ、何でも…」
「とにかく、世界観や作風も結構整合性が高かったのだけど…やっぱり、パワーバランスよね」
「なのは世界で戦うには、お主らは攻撃パターンが地味じゃからの」
「だからってみんなホウメイみたいにバンバン広域攻撃使ったら、ゲームバランスが壊れるじゃないか」
「まあ仕方のないことじゃ。オリジナル話と決めたなら、オリジナル話で頑張るとしようではないか」
「ん…まあ、そうだな」
「頑張りましょう、みんな」
「ホウメイはもう出番ないけどね〜♪」
「う、うるさいわっ!」
「それでキリヤ君、もう連載は再開なの?」
「いや、片翼本編完結時にも触れたけど、しばらくはそっちの外伝を書くってさ」
「では、お主らの出番はその後か」
「ところでキリヤ…アンタ、大丈夫なの?」
「何が?」
「今までの反目作品完結作の主役、言ってみなさい」
「えーっと…ルルーシュと、セフィロスさん?」
「ホウメイ、ルルーシュのキャラを一言で表すと?」
「『俺様主義』じゃな」
「セフィロスは?」
「『電波外道』…かの?」
「じゃあキリヤは?」
「『苦労人』(きっぱり)」
「く…苦労人!? 何だよそれ!?」
「ああ、確かに…」
「クレハも納得しないでくれよ!」
「アンタ…ホントにこの中で個性発揮できる?」
「地味扱いされる覚悟はできとるじゃろうな?」
「だーかーらっ! そんな哀れむような視線を向けないでくれよぉ!」
「あ、もう時間の方が押してるみたいね」
「おいちょっと待てよ! まだ話は…!」
「それじゃ、本日のお相手は、キリヤ・カイトとシーナ・カノンと!」
「クレハ・トウカと」
「ホウメイでお送りしたのじゃ」
「じゃあみんな、本編再開をお楽しみに〜♪」
「勝手に終わるなーっ!」
「そういえば、今回リリなのキャラの出番皆無だったわね」
「そうじゃったな」
「…おーい…」
280反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/06(水) 00:52:30 ID:k8BhOPMe
トウカ終了。じゃない、投下終了。
反応皆無…やはり元ネタがマイナーすぎるのか!?
それはともかく、あの頃はまだミッドの地理もオリジナル話作る難しさも分かっちゃいなかった…

とりあえず、連載再開はもう少し先です。
もし取りかかるのが早かったら、今頃終了してるんだけどなぁ…予想以上に片翼が長丁場になりまして…
281名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 01:20:29 ID:fVWyWm0A
GJ!
反応薄いというより時間帯の問題じゃない?
年度が終わりに近いし、仕事やら学業が忙しい人は早めにねるだろうし
282名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 01:23:04 ID:sBHEh4Uy
>>280
GJです!

連載再開はもう暫く待ちですか……
ノンビリとお待ちしております
283名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 01:31:45 ID:Q/71tOpW
単に受験シーズンだべ
284名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 02:33:37 ID:9T6Iz6sz
>反目のスバル殿
GJ、密かに応援。ダブル奈々や新心剣(解説付き)はいい意味で反則ですた。再開に期待。

一週目でゼロ以外をクリアしてしまったため、二週目をする気が失せた…。
強引なストーリー展開には目を瞑るにしても、呼び名関係はやはりキツかった。
キリヤとシーナ、幼なじみのクセに互いに苗字呼びって…。
285名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 02:46:26 ID:ZNq+8Ki8
>>280
GJ!待ってた待ってましたよっ!

あー反応無かったのは某所の祭りに参加してたせいです。
いくつもの板が巻き込まれてるみたいなんで、どっかでお会いしてたりしてw
286名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 08:26:06 ID:jZGVizZq
パトレイバーとのクロスってどうかな?
パトレイバーの登場人物はそのままで時代設定だけ1999年から20XX年にずらせば、
スカと内海あたりは相性良さそうだし、ゲームでしか見られなかったブロッケン
重火器装備バージョンも見てみたい。
287反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/06(水) 09:39:17 ID:k8BhOPMe
おはらっきー☆
皆様感想どもです。

>>284
>苗字呼び
小説版を読んでみましょう。けっこう萌える描写がなされてます。
288名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 11:03:39 ID:TClbPcn+
>286
「長城」でミッドに逃亡する企画7課と申されたか。
289反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/06(水) 11:14:31 ID:KhsrK5Zc
片翼外伝の冒頭部分が上手くきまらずイライラしてきたので、久々に替え歌を投下してみる。


超魔戦隊リリカルブレイバー
歌:石原慎一
台詞:高町なのは(田村ゆかり)・フェイト=T=ハラオウン(水樹奈々)・八神はやて(植田佳奈)

「超魔戦隊! リリカルブレイバー!」

待てよ! 邪悪な欲望抱いて 嗤(わら)う 悪のスカリエッティ
私が! 私たちが許さない 危険上等 リリカルチェンジ!!
不屈の心 抱く者に 仕えしデバイス 今空に 重ねて

「ジュッ!!」

振り抜け 熱く リミットブレイク・ライオットザンバー
おお 撃ち抜け 限りなく スターライトブレイカー
美しいミッド守る 愛と勇気の魔導師
超魔戦隊リリカルブレイバー
超魔戦隊リリカルブレイバー

叩け! 平和な次元に潜む 酷(むご)い 闇のナンバーズ
誰も! 誰ひとり泣かさない 全力全壊 オーバードライブ!!
敵か味方か ルーテシア ふたつの定め いま深く 交差する

「ジャッ!!」

凍てつけ 強く アーテム・ゼス・アイゼス
おお 合わせよ 魂のトリプル・ブレイカー
永遠なんて ないよ 愛と勇気の魔導師
超魔戦隊リリカルブレイバー
超魔戦隊リリカルブレイバー

不屈の心 この胸に 不可能なんて あるものか いざゆけ

「ダーッ!!」

振り抜け 熱く リミットブレイク・ライオットザンバー
おお 撃ち抜け 限りなく スターライトブレイカー
美しいミッド守る 愛と勇気の魔導師
超魔戦隊リリカルブレイバー
超魔戦隊リリカルブレイバー


元ネタはバンブーブレード劇中挿入歌
290名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 11:37:58 ID:NRw+WkUQ
>>286
日本と言う国家の組織だからなぁ…絡ませ辛い気がする
内海の逃亡先がスカのアジトで、互いの目的が一致したから一時的に協力、見たいな流れになるのかな?
まあ、俺は泉や太田が魔法を使う所はあまり見たくないけどw
291名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 11:39:11 ID:UAuU1i/F
なのは達が日本に行くという展開の方が何とかならんか
292名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 12:31:04 ID:5XUBEo2E
まとめを頼むわ
293名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 13:26:17 ID:xd4rnKa6
最近、龍騎氏みてないけど大丈夫かな…
294名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 15:38:54 ID:p32C6SkW
>>290
そこは、シャフト・ミッドチルダ支部の設立だろう。
295名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 15:44:59 ID:/gqkwh4+
>>289
そんなにブレイバーブレイバー連呼してたらクラウドがライフストリームから流されてきそうだ……

ほら、(無印FFZの)クラウドのリミット技LV2ブレイバーだし……。



関係ないけどチョコボの召喚マテリアをなのは世界で使ったら戦闘シーンがシュールな光景になりそうだ……Boom!!!
296名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 15:52:04 ID:6GJCrxZ4
ブレイバーと言われてもグラドス軍の量産型SPTしか思い浮かばない俺マジ夢を忘れた古い地球人
297名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 16:15:02 ID:eO6n6T5b
>>295
ブレイバーはLV1だろ、LV2はクライムハザード(多分)とはこうげき(字ワカンネ)だった気が・・・
298名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 16:55:46 ID:W8qsgB3L
>>294
いっそ、巨大多次元籍企業シャフトエンタープライズとか
299名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 17:07:50 ID:/gqkwh4+
>>297
グハッ(クリティカル)

そうだった…凶斬りとブレイバーでLV1だった……


ちょっとナイツオブラウンドの方々にフルボッコにされてくる……。
300名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 18:00:00 ID:VQl1WGM4
>>290
つまり太田が人こそ死なないが二次被害甚大な魔法砲撃をかましまくると
二課らが魔法を使う部署と考えればそれはそれで面白そうだ
汎用デバイス・イングラムとか13号ネタとか
301名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 18:10:43 ID:qxNXXjbo
パトレイバーもいいけど、究極超人あーるはどうだ?

自作カメラのデバイスを持つあーる。ハリセンのデバイスを持つ鳥坂
成原博士とスカの野望はどこへ!
302名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 18:22:22 ID:0vaLryXv
13号でまんまだとトレーディチ?
微妙に語呂悪いな
六課第二小隊という荒業もry

自重
303名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 18:24:49 ID:cy2x4gJV
管理局地上部隊特車二課が何故か存在するコース
304名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 18:26:49 ID:5QthLHPH
>>301
ふむ、あ〜るは風呂敷使えば自力で飛べるからな。
ティアナ涙目w
305リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/06(水) 18:28:14 ID:SFirSbIU
>>296
自分もですよ。
付け加えて
>>297氏の言う「クライムハザード」を一瞬「グライムカイザル」と読み間違えましたw
誰も予定が無いのでしたらおとついリリグナーを投下する時に予告した
リリカルスクリームの続き(なんだかんだいって四ヶ月近く開いちまったぜぃ…)を投下したいのですが
よろしいでしょうか?
306名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 18:32:09 ID:5QthLHPH
味方としてクロスするのも良いけど、
レリックやジュエルシード始めロストロギアを巡って
機動6課とスカリエッティ・ラボとルパン三世一味が
三つ巴で盗り合い守り合うと云うのは如何かな?
この場合、ルパンと絡むヒロインは誰になる?w
307名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 18:40:47 ID:xd4rnKa6
いまはちょっと待ったほうが、主に龍騎氏がパソコンを奪還し更新するまで・・・
308リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/06(水) 18:48:03 ID:SFirSbIU
>>307
うーん…
今は止めといた方がいいですかね?
309名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 18:56:02 ID:36qfQy9o
>>308
今のうちに書きだめするんだ!
310一尉:2008/02/06(水) 19:04:54 ID:IkqNe2dc
じゃあマイトガインクロスたつたらとうですか。
311リリカル龍騎@携帯 ◆YHOZlJfLqE :2008/02/06(水) 19:34:12 ID:+MhctWUB
>>リリカルスクリーム氏
ウロスでリリカルスクライド氏にも言いましたが・・・自重など無用です
とっくの昔に精神バグってるので、今更仕事が増えても何のダメージにもなりはしません

ということで、投下ドゾー
312名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 19:39:51 ID:kretvc4/
>>302
ナンバーズと似たような読み方してるブリーチのアランカルは13番がトレッセだった
313名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 19:46:21 ID:CbsONlsh
>>312
ブリーチはスペイン語がベースで、
ナンバーズたちの名前はイタリア語だから違うんだぜ。
読み方が似てるのもあるが、違うものは違う。
314名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 20:08:17 ID:RpiosO56
まぁ、どっちもラテン系の言語だから似てるのはしょうがないんだけどね
315名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 20:08:53 ID:qxNXXjbo
>>306
個人的にはティアナかな。なんとなく歴代ルパンにヒロインの要素を
結構持ってそうだから。前のスレでも書いていたけど
五右衛門対シグナム戦が見たい。
316スーパーロボット大戦X:2008/02/06(水) 20:13:03 ID:j/G9Y/qn
>>311
だったら俺もスクリームさんの後にでも投下しようかな。
317名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 20:16:44 ID:kretvc4/
>>313
そーなのかー
参考になった
言葉って楽しいな
318名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 20:22:35 ID:xd4rnKa6
>>315
俺的には、銭形VSスカリエッティが見たいぜ。
319名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 20:32:51 ID:eGK2d125
>313
そう聞くとナンバーズ立ちがいきなりエレガンテに見える
320名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 20:40:38 ID:vTDGTwEH
身体にぴったりと張り付き、かつ戦闘活動を阻害しない。しかも丈夫である。
実はあのタイツは各人の体型に合わせた、『究めし職人(サルト・フィニート)の手によるフルオーダーなんだよ。
321名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 20:48:59 ID:D2DvLS5z
マブラヴのパイロットスーツに似ていると思ったのは俺だけか?
顔や頭につけているものも似ているし。
322名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 20:52:24 ID:rWABPaJy
エヴァ→マヴラヴ→ナンバーズ。
きっとこんな感じ。
323スーパーロボット大戦X:2008/02/06(水) 21:07:45 ID:j/G9Y/qn
うーん、スクリームさんは投下しないのかな?
もうしばらく待ってみますけど、投下しないのでしたら10時半ごろに投下しますけど
皆さんよろしいでしょうか?前にあった予約無視にはならないと思いますが…。
324名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 21:15:56 ID:GpLWZJ+v
325名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 21:34:15 ID:DZ9Mk9Gg
>>320
残念、ユウ・オリベは紳士服専門だ
むしろビアッジオ親方の方が向いているだろw
326名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 21:47:37 ID:Ew5KTcJp
>>324
俺の濃い茶を返せw
327名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 21:52:39 ID:eGK2d125
>325
絶対領域をも理解している情報源謎のあのじじいか。
ルパンの話題が出てるようですけど……

五ェ門(正式な表記ってこれだったっけ)って一人だけ、強さが異様だった気が。
至近距離で撃たれた拳銃の弾を見きって、切り払ったり。
(次元のマグナムやマシンガンでさえ通用しなかった)
高層ビルを一瞬で細切りにしたり、飛行中のステルス戦闘機に飛び乗ったり。
猛スピードで突っ込んできた大型トラックを両断したり。

挙句の果てには、巨大な竜巻をぶった斬ったり、落雷すらも斬り裂いたり。
核ミサイルを三枚卸にしたり……


……SLBでもぶったぎれるんじゃなかろうか、この人
329名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 22:09:10 ID:ad2Yc6RE
作品によって大分違うぞ、確か。
拳銃相手に退く時もあれば、機関銃だろうとものともしない時もある。
330名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 22:11:38 ID:nX6PMs3H
厳密な力のボーダーラインは決まってなくて、話の展開と山場に応じて能力が上下する、程度の認識でいいんじゃね?
331名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 22:13:58 ID:e4yp+CQ6
燃えよ斬鉄剣
燃えよ斬艦刀
燃えよバルディッシュ
332名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 22:14:30 ID:bOCC/hKx
>>328
原作順守なら銭形のとっつぁんがやばい
次元以上の拳銃の腕前とか一人でルパン一味と戦えるスペックだからな
333名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 22:15:27 ID:VQl1WGM4
銭型警部はタイマンならルパン一味の誰にでも勝てるという設定がですね
334名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 22:20:48 ID:BIjSsaH/
五ェ門は女性のために宝を手に入れようとするんだけど、その女性がドゥーエとか。
335名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 22:24:12 ID:rWABPaJy
足撃ち抜かれたまんま走り回って後で「ああん?かすってたか」だもんなぁとっつぁん
336名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 22:24:42 ID:tTzK8qAE
とっつぁんは縄付き手錠で拳銃を無効化できるからな。
しかも囲まれててもw
337名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 22:26:24 ID:li0eNC7r
銭型警部はアーカード並のチートキャラだと思う。
なのはキャラで対抗できるのってリインぐらいなもんじゃね?
338名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 22:29:05 ID:5XUBEo2E
とっつぁんの強さは異常五右衛門でも普通に縛り上げられる

その五右衛門も魔法を切ったことがあるこんにゃくは無理だが
339名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 22:29:22 ID:eGK2d125
>337
男泣きの銭形がリィンを助けようとしかねんのだが
340スーパーロボット大戦X:2008/02/06(水) 22:31:14 ID:j/G9Y/qn
さてとスクリームさんが投下なさらないようなので投下しますか。
これが終わったら龍騎さんの更新が出来るまで本当に待ちますか。それではDETONATORStrikerS「衝撃編2」です。

 トモル達がカリムの予言を聞いてから1ヶ月半後、ミッドチルダにある時空管理局地上本部では陳述会が開かれ機動六課はその警備に当たる事になりトモルもその警備に参加する事になり、
 陳述会の前の日のよるからなのはと新人4人、リインフォースU、ヴィータが先に警備に向かい、朝にフェイト、はやて、シグナム、そしてトモルが地上本部へと警備に向かう。

「でも、何で俺達までここの警備をしなきゃいけないんですか?」

 トモルが警備中に愚痴をこぼす。それにはやてが念話で答える。

(これはカリムの予言にあるとおりやったらまずいから私達がいるんや。それはわかってくれへんか……)
(……、わかりました)「あの……」
「? 何や? トモル君」
「俺、外の方にいますけど、いいですか?」
「わかった、だが注意はしろ」
「わかってますよ」

 シグナムの注意を受けてトモルは外の方にと警備に向かう。


 数十分後、地上本部は突然転送されたガジェットの襲撃を受け局員は慌てて対処をするが歯が立たず逃げてしまうものもいる。

「おい、お前達本当に局員かよ!?」

 トモルの言葉は虚しくもパニックになる局員達には聞こえない。

「仕方ない。オーーーーーーガーーーーーーーーーン!!」

 その叫びとともにトモルはオーガンを起動させ、オーガンの姿をしたバリアジャケットを着てガジェット達に突っ込む。
 オーガンがガジェットに気を取られている隙にクアットロは別の場所からガジェットを出現させ、地上本部のバリアに突っ込ませ、魔力結合をできないようにさせる。

「しまった!」

 オーガンは敵の作戦にはまった事に気付く。

(こうなったら一刻も早く他の皆と合流しないと……)

 オーガンは予言の他にも嫌な予感を感じ、なのは達との合流を早めようとし現れたガジェットを急いで全機破壊し、地上本部ビルに向かおうとする。
 しかし、それを阻むものがガジェット他に現れる。戦闘機人ではない。それはイバリューダーのエイドの集団である。

「何!? 何でこいつらがここに!?」

 オーガンはエイドに出現に驚きを隠せない。この世界に来たのは自分だけのはずなのに……。
 元々すべてのイバリューダーは人間であり、ソリッドアーマーはどんな環境下でも生きられるようにしたものである。
 時が経つに連れて人間としての肉体がソリッドアーマーの神経となり、ソリッドアーマーが肉体になっていったのがイバリューダーである。
 したがってどんなイバリューダーにも生物的意志は存在するが、ここに現れたエイド達にはその生物的意志が感じられないのだ。
 それもそのはずこのエイド達の神経はガジェットと同じ機械で出来ているので正真正銘のソリッドアーマーのロボットである。

「だが、それでもソリッドアーマーの事を詳しく知らないとこんなものはできないはず……」

 そこで事にオーガンはある事を考え始める。

(まさか、本当にゾアが……)

 考えている間にエイドは自分に向かって攻撃をする。

「くっ! とにかく今はこいつらを倒す事だ!」

 相手はソリッドアーマーのままで自分はデバイスで戦っている。ソリッドアーマーとデバイスとでは力の差がある。
 そのためにオーガンは苦戦を強いられる事になる。
341名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 22:31:59 ID:Q/71tOpW
一番怖いのは銭型パトカーだろ・・・
他のパトカーが銃弾で爆発する中、明らかに形が旧型なのに強度が三倍近くあるんだもんwww
342スーパーロボット大戦X:2008/02/06(水) 22:32:50 ID:j/G9Y/qn
 地上本部のビルでは新人4人が何とかなのは、フェイトと合流し、スターズはスバルの姉ギンガの救出、ライトニングは六課隊舎に戻る事になり、
 ライトニングは急いで戻るが3人の前に戦闘機人ナンバーズナンバーZのセッテとオーガンの重傷を負わされたナンバーVのトーレが立ち塞がり、フェイトが二人の相手をする事になる。

「トーレ姉さま、本当に体は大丈夫ですか?」

 フェイトと戦う前にセッテがトーレを気遣う。

「大丈夫だ、それにこれくらいならもう直っている。それに相手はフェイトお嬢様だ。お前一人では少々苦戦するはずだ」
「なら構いません……ですけど」
「? 何だ?」
「無理はなさらないで下さい」

 いつもは無口で無感情なセッテがいつになく自分を心配してくれる事にトーレは少し笑みをこぼす。

「ふ、わかってるさ。いくぞ!」
「はい!」

 そしてトーレとセッテは空中でフェイトとの戦いを繰り広げる。
 結果を言うと、トーレは本調子ではないのでセッテと協力するがフェイトを撃墜する事ができなかった。
 そもそもフェイトを撃墜する事が目的ではないのできりのいいところでトーレとセッテは撤退する。


 機動六課の隊舎ではガジェットと戦闘機人ナンバーズのナンバー[のオットーとナンバー]Uのディードとルーテシア&(ルーテシアの召喚蟲)ガリューの突然の襲撃に、
 残っていたシャマルとザフィーラが応戦したが倒されてしまい、ヴィヴィオが連れ去られ、隊舎は焼かれてしまう。
 その時ようやくエリオとキャロが到着してヴィヴィオを取り返そうとするが、二人とも撃墜されてしまう。

「早く戻ろう」
「待て!」

 ルーテシアが早く戻ろうと促した時、突然声が聞こえる。
 その声の主は目の前におり、その主はボロボロの姿になったオーガンであった。
 オーガンはフェイト達が隊舎に戻ろうとするのを見て何とかエイドの部隊を退けた後、フェイト達とは別のルートで急いで戻ってきたのだ。

(あの子は……!?)

 オーガンはルーテシアを知っている。それは一ヶ月半ほど前にトモルに道を見つけろと言った少女だから……。
 しかし、オーガンはその事に多少の動揺はするがそれを表には出さず、強気を振舞う。

「ヴィヴィオを返してもらうぞ!」

 オーガンはルーテシアに向かって突撃し、拳を繰り出そうとするが、ディードがISツインブレイズでそれを阻む。

「退け!」
「どかない」
「ルーテシアお嬢様、ここは僕達に任せて先に戻ってください」
「……、頑張ってね……」

 そしてルーテシアはヴィヴィオを連れて撤退する。

(ディード、気をつけて。ボロボロとは言えトーレ姉さまに勝った実力。油断はできない)
(わかってる)

 オットーとディードが念話でオーガンを注意しあうが、そのオーガンはルーテシアを追おうとする。

「逃がさん!」
「そうはさせない」
343スーパーロボット大戦X:2008/02/06(水) 22:33:39 ID:j/G9Y/qn
 オットーはバインドでオーガンを縛る。

「くそ!」
「これで終わり」

 ディードがオーガンに向かってツインブレイズを降りおろすがオーガンはバインドを破り、
 手からカッターを出し、片手はツインブレイズを受け止め、もう片方はディードの腹を突き刺す。

「う!」
「ディード!」

 オーガンはエイドとの戦いで非殺傷設定から殺傷設定に切り替えていたのだ。
 つまり今ディードがくらっているカッターは殺傷性のあるもの。
 殺傷設定の時とそうでないのでは威力が違う上に与える痛みも違う。
 ディードはトーレが受けた痛み以上の痛みを感じる。

「ううううううう!」
「うおおおおりゃあああああああ!!」

 オーガンはカッターを引っ込め、ディードに蹴りをいれディードは海にたたきつけられる。

「ディード!」
「次はお前だ!」

 オットーがディードに気を取られている隙にオーガンは一気にオットーに近づき、
 オットーはISレイストームで攻撃しようとするが、オーガンはオットーに攻撃の暇を与えようとしない。
 オーガンはオットーを拳で何発も殴り、そしてトーレの時と同じように右手を腹にめり込ませ、カッターでオットーの腹を突き刺し、
 カッターを引っ込めた後はビームガンで腹を攻撃する。
 殺傷設定のため、オットーの腹には風穴が開けられる。その穴からは機械の骨が見える。
 そしてオーガンはランサーを取り出し、倒れようとするオットーを斬ろうとするが、海から突然赤い剣が投げられ、オーガンはそれを払う。
 それはディードのツインブレイズである。オーガンがツインブレイズに気を取られている隙をつきディードは何とかオットーを連れて逃げようとする。

「オットー……」
「ごふ、ディード……。ごめん」
「いいよ……」

 しかしディードもオーガンに腹を刺されていたため、あまりスピードが出ない。このままではオーガンに追いつかれてしまう。
 だがそう考えていた二人の前に機動六課の隊舎を完全に焼き払うためのガジェットとエイドの部隊が現れる。

「オットー、ディード。大丈夫?」

 ウーノが通信で二人に聞く。

「ウーノ姉さま、オットーが……、オットーが……」
344名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 22:33:57 ID:x7MqiGel
>>341
確かにあのパトカー爆発しないよなwwwwww

そしてとっつぁんの投げ縄の腕は異常どころの話ではない
345スーパーロボット大戦X:2008/02/06(水) 22:34:24 ID:j/G9Y/qn
 感情の乏しいはずのディードの目には涙がたまっており、ディードはオットーの状態をウーノに報告し、ウーノはすぐにそれをを察する。

「わかったわ。本拠地の破壊の前にガジェットとエイドをオーガンにぶつける。その間に転送でこちらに戻すわ」

 ウーノの指示がガジェットとエイドに伝わり、オーガンの前に現れる。
 オーガンは追うが阻まれる事を察知し、額にあるP.C.Eキャノンを使う事にする。

「ここはお前達の来るところじゃない! 出て行けーーーーーーーーーー!!」

 P.C.Eキャノンが発射され、オットーとディードは転送魔法のおかげで何とかP.C.Eキャノンの直撃を免れたが、ガジェットとエイド部隊は全滅する。

「はあはあはあ」

 オーガンは海に落ちたエリオとキャロとフリードリヒを急いで海から連れ出し、地上に上げる。

「トモルさん、ありがとうございます」

 目覚めたキャロがオーガンにお礼を言うが、オーガンは反応をしない。

「トモルさん?」

 オーガンが解除され、トモルに戻るとトモルは突然倒れてしまう。

「トモルさん!? トモルさん!?」

 キャロは必死に呼びかけるがトモルは反応しない。
 しかしトモルの意識ははっきりしており、トモルはキャロが呼びかける中考える。

(多分、いやもうこれは間違いない。ゾアはこの世界に居る!)

 トモルはエイドの出現を見てそう確信しながら眠るのであった。
346名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 22:35:03 ID:ad2Yc6RE
>>341
ルパン一味を追うために資財を投げ打って耐爆仕様にしたんだよ!
公給品を改造するのはどうかと思うが。

銭型をシリアスにすると、マルドゥック・ヴェロシティのフライト刑事になるかなあ。
347スーパーロボット大戦X:2008/02/06(水) 22:36:17 ID:j/G9Y/qn
投下完了。「衝撃編」はこれでおしまいで次は最終章の「決着編」になります。
ところでルパンの話をしている人達には悪いけど、ルパンの話はとりあえず、ウロスの方でしてください。
348名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 22:36:30 ID:GpLWZJ+v
>資財を投げ打って
それを言うなら「私財」
349名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 22:37:15 ID:tTzK8qAE
>>346
炎の記憶でのとっつぁんの家って狭くてぼろいアパートだったしな。
金目の物といえばご先祖様から受け継がれてきた十手くらいなものだ。
350名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 22:37:25 ID:ad2Yc6RE
変換ミスorz。いや本当に、勘違いではなく。
351名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 22:38:23 ID:vTDGTwEH
>>347
GJ!規則はないとはいえ、投下中にガン無視で雑談って正直どうかと思う。
352名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 22:38:56 ID:Q/71tOpW
そうそう、本当に貧乏だし
多分銭型のとっつぁんだけで十分なクロスになりそうwww
ルパンからめるとなんか足しすぎとかなりそうで・・・
でもとっつぁんルパン以外あんま追わないしなぁ・・・
353名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 22:39:07 ID:6GJCrxZ4
正直氏の名前がNG扱いされてて気付いてない可能性大
354名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 22:39:37 ID:x7MqiGel
>>353
IDがGJな件について
355名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 22:41:45 ID:vTDGTwEH
>>353
だとしても、傍目から見てとても失礼。とりあえずこれ以上はウロスへ行った方がいい。
356名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 22:42:34 ID:ad2Yc6RE
>>349
きっと古き良き日本の屋敷だったのを売り払ったんだよ!
特殊な車って高いし。チューンしてそうするなら尚更。
下手したら9桁飛ぶんじゃないか?

>>351
投下あったのか。透明だから気付かなかった。
357名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 22:42:40 ID:bOCC/hKx
>>352
とっつぁんは正義の人
悪人がいれば動かずにはいられないさ
358名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 22:45:03 ID:tTzK8qAE
>>357
ルパンと協力したことも何回もあるしな。
アルカトラズとか
359名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 22:50:18 ID:sC/Z25HC
>>325 あの親方ならピッチピチのボディスーツなんて無粋なものは作らんだろう。
きっと12人全員に似合うようなコスプレ衣装を仕立てるんじゃなかろうか。
360名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 22:55:43 ID:D2DvLS5z
夕方に番組やってた時はとっつあんに大いに楽しませてもらったよ。
361名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 22:57:02 ID:xd4rnKa6
つーか今日、投下すくねぇな。
362名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 23:01:05 ID:U6niOjKb
今までが多すぎただけだろ。
普通のスレならこんなもんじゃね?
363名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 23:11:57 ID:TqusXPxg
いつものようにルパン一味を追っていた銭形警部がひょんなことからミッドチルダに来てしまった!
とっつぁん「ルーーパーーーン!!逮捕だ〜!!・・・ん?」
そこになのは達から職務質問される我らが銭形警部!
とっつぁん「わしはインタ〜ポールの銭形警部だ!ルパン一味を追っている!ルパンはどこだ〜!!」
なのは  「ルパンって誰ですか?」
とっつぁん「こんな奴だ〜!」
とルパンがカメラ目線であっかんベーをしている手配写真を見せる銭形

とうのルパンは仲間達とはぐれて何の因果かジェイル・スカリエッティと接触するはめに!
ここに大物次元犯罪者と大泥棒とのファーストコンタクトが始まる!!
ルパン「うっひょ〜!!か〜わいこちゃんがよ・り・み・ど・りだぜ〜!」

ミッドチルダに波乱と陰謀と笑いの嵐が巻き起こる!!

ルパン3世  くたばれジェイル・スカリエッティ!

乞うご期待! 嘘

とっつぁん「ルパンはとんでもない物を盗んでいきました!」
     「それはあなたの心です。」
364名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 23:12:55 ID:Q/71tOpW
これが普通だよwww
感覚麻痺しすぎwww
365名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 23:13:51 ID:GpLWZJ+v
どっちかっつーとマモー編こと複製人間的な環境でカリオストロオチはないだろ
366名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 23:15:36 ID:xhHHbbKc
どこぞの掲示板では一日一スレ消費が標準の日々が一ヶ月以上つづいたという
367名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 23:16:22 ID:tTzK8qAE
>>366
黄金の精神の持ち主たちと比べたら可愛そうだろww
368名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 23:35:24 ID:D2DvLS5z
あのスレは夏頃はすごかったな。
369名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 23:37:42 ID:K+ULFCcj
>>366
チル裏?
370名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 23:41:25 ID:vJPbroZ9
>>366
OCN規制の時の『OCNは酷い事したよな』スレはやばかったぜ。
1日に4スレくらい消費してた。
参加してたけど非常に楽しかったぜ
371名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 23:48:34 ID:fVWyWm0A
>>368
神父降臨しまくり
372名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 23:50:39 ID:5XUBEo2E
jo魔スレも今では未完ばかりになってしまったここも
そうならないように祈るばかり
373名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 23:50:47 ID:tTzK8qAE
>>371
ボスもキンクリを発動しまくってたしな
374戦国の鉄の城:2008/02/06(水) 23:52:36 ID:e/fORDcR
「頭に浮かんだネタは早めに書いておけ。」誰かがそう言った気がする。
そういえばルパンのゲームでとっつぁんがジャイアントスイングとかプロレス技を
かましてるのがあったような。

予約がなければモンハンクロスを0時ぐらいに投下しようかと。
375名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 23:53:35 ID:tTzK8qAE
>>374
道は開いている
goしちゃってください
376名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 23:54:38 ID:k8BhOPMe
ブライトさんの中の人・鈴置氏の訃報スレが1時間で満スレを迎えていたと知った時にはたまげたもんだ

そして戦国氏支援
377名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 23:54:44 ID:fVWyWm0A
>>372
行方不明な書き手は結構いるけどな


そして、支援
378名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 00:01:44 ID:GpLWZJ+v
本人登場に際し再投下しつつ支援
ttp://www.upken.jp/up3/download.php?id=0001faa1jdM2Or7nZ27mwesy
379戦国の鉄の城:2008/02/07(木) 00:02:11 ID:e/fORDcR
時間になったので投下いたします。
今回は人気(なはず)の白いアイツの登場です。
380名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 00:02:31 ID:cAuW61nq
支援さw
381戦国の鉄の城:2008/02/07(木) 00:03:12 ID:e/fORDcR
魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER

第十二話「白影竜」

いきなりだがここは地上本部、地下。
水道管から水滴が滴り落ちる音、駆動する機械の音。そして見える先は闇。
周りは見えないことはないのだが薄暗くてあまり良いとは言えない。
その中を進むフェイト、シグナム、エリオ、キャロとフリードリヒ、アギト。その中に闇に溶けてしまいそうな漆黒の鎧を着た男が一人。
竜によく似た漆黒の体に腕、足にまっすぐ伸びる赤い線が時折発光する。鎧の名は「ドラゴンS」。装着者はゼクウ・ローレン。
あだ名の『親分』に相応しい貫禄を持ち、整った銀髪をオールバックにしている。

「あの…ゼクウさん。」
「何だ。エリオ。」
「今日は兜…つけないんですか?」
「悪いがこの鎧はいわくつきのものでな。」

ちなみに兜は背中の部分にちゃんと装着してある。もしものために。

「じゃあなんでつけてきたんですか?」
「電気が通らない防具がこれしかなかったんだ。」
「え?」

すこし呆然とした表情のエリオ。
そんな彼を見てゼクウはふむ、と唸り考える仕草をする。何故彼が唖然とした表情をしているのか。まずそこから考えよう。
382戦国の鉄の城:2008/02/07(木) 00:03:53 ID:e/fORDcR
「あぁ、ヤツは電気を操るからなぁ…。そして雷は効かん。」
「「ナンダッテ!?」」

その話を少しだけ聞いていたフェイトも振り返る。今度はゼクウが唖然とする。
そんな表情も少しの間で数秒後ゼクウは申し訳なさそうな顔をし、何度も頷きながらフェイトとエリオから視線を逸らす。
これから狩りにいく相手はフルフルといい、他の飛竜とは明らかに生態が違いすぎるモンスターだ。
退化した目に不気味な口。そして鋭い嗅覚、ブヨブヨしてヌルヌルした皮。今更ながら結構不気味。
…話を戻そう。

「もしかして二人とも、雷主体の魔法を使うのか?」
「「…………」」

二人そろって汗をダラダラ流しながら明後日の方向へと向く。どうやら図星のようだ。
雷が使えないとなると頼りになるのは純粋な攻撃力。この二人なら魔法も使えるし攻撃力ならば補えるだろうとゼクウはあまり抉らないようにしておいた。
時には何も聞かず流すのも優しさになるのである。アギトが頭の上にポスン、と乗りゼクウに質問する。

「じゃあさじゃあさ、そのフルフルってやつは何が弱点なんだ?」
「炎だ。」
「マジで!?」

今度はシグナムとアギトがゼクウを見る。
先ほどの二人とは違いどこか嬉々とした表情で。おそらく彼女達は炎属性主体の魔法を使うのだろう。
あるとないとではそこそこ違ってくる。それなりにあれば、それなりに楽になってくるのである。
弱点を見極めるためには攻撃力と属性のバランスも見極めなければいけない。非常に難しい。
キャロに目を向けると苦笑して少しだけ頷く。ゼクウも同じような表情で返した。そして違和感を感じる。

「僕たちはどうすればむぐっ!?」
383戦国の鉄の城:2008/02/07(木) 00:04:41 ID:e/fORDcR
エリオの口を手で塞ぎ、先ほどとはまったく違う、真剣な表情であたりを見回す。口に人差し指を添えて「静かにしろ」の仕草。
突然変わった雰囲気に少しだけ驚きながら皆止まり、静かにする。
―――――違和感はすぐにその場にいた全員に襲い掛かってきた。
静かだ。あまりにも静かすぎる。聞こえるのは先ほど言ったような水が落ちる音と機械音。
今はただそれだけだ。
空気がぐにゃぐにゃと気持ち悪いぐらいにぬるい。
そして違和感は音になってやってきた。

―ぴちょん
それは変わらない、水が滴り落ちる音。

―じゅわぁぁ…
それは何かがはじけ、溶ける。まるで酸をかけられたかのように。

―ぐちゅ
それは気持ち悪い、不快な音。
どう言っていいかわからないほどの不快。

―ずりゅ、ずりゅ、ずりゅ
それはさっきの音がこっちに進んでくる音。
皆は体が硬直する。それは緊張故か。はたまた『見えない相手』への恐怖か。

皆は確信する。フルフルという『ヤツ』は”来た”のではなく確かにそこで”待っていた”。
狩りの基本の待ち伏せという、なんら変わりない方法。しかし『ヤツ』の待ち伏せはあまりにも怖くて、不気味で。
アギトの背筋に何かがうごめく。這い回る。
ゆっくりと後ろを振り向けば………赤い壁に白い牙。そう。口だ。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
「ぬんっ!!」

フルフルの口が閉じる前にゼクウが大剣「キングテスカブレイド」を突き出して閉じるのを防ぐ。間一髪でアギトは抜け出しシグナムの肩へと。
天井から降り立つ白い影、フルフル。
耳もない、目もない。その顔にあるのは口だけ。不快な液体音を響かせながら歩く。
数回辺りの臭いを嗅ぐとゼクウがいることを認識。威嚇の咆哮をあげる。

「……来るぞ!」

それぞれの武器を構える。フルフルとの狩りは、始まった。
384戦国の鉄の城:2008/02/07(木) 00:05:24 ID:1m8J4Yvd
番外その7「フルフル」
やぁ、皆ちゃんと己の無限の欲望に従っているかね?スカリエッティだ。今日はフルフルについて解説するとしよう。
フルフルは竜盤目 獣脚亜目 稀白竜上科 フルフル科に属する飛竜。
白く目も耳もない不気味なヒルのような頭部を持つ飛竜でな、戦うのは私でも気が引けるくらいだ!
視覚が無いから当然閃光玉が効かんぞ。尻尾をアース代わりにして体中から電気を発するというなんとも驚きな器官を持っている。すごいものだな。
幼体は手も足もなく、他の生物に寄生して過ごす。成長が進むと手足が発達して成体となる。フルフルベビーと呼ばれているぞ。ギルドの言いつけで持って帰ってはいけないのだ。
噂じゃ生物の皮膚を噛み千切って体内に侵入。侵食し一定期間立つと胸から飛び出て……どうもウソくさいな。映画の見すぎだ。映画の見すぎ。とりあえず肉食なのは確かだな。
アイスにすると美味いらしい。食いたくはないがね!
首は柔軟で少しの間なら長く伸ばすことは出来るが、老化が進んで筋力が衰えると形を維持できなくなり、垂れ下がって捕食が出来なくなり死に至る。…する馬鹿は見ないが。
体が赤色の亜種の存在が確認されており、亜種は原種よりも首が長く伸びる。皮膚の性質上、血管の一部が透けて見え、特に亜種の血管は青紫色に見えるが、流血時の色は双方とも赤い。

どうやらこの飛竜のことをエイリアンだかどうだかと表現する輩がいるらしいが…理解し難いな。
385戦国の鉄の城:2008/02/07(木) 00:07:22 ID:e/fORDcR
投下終了です。
地味なゼクウにはとりあえずドラゴンS。
理由は次回。たぶん(オイ
386名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 00:10:12 ID:IwxfuiFq
どっからどうみてもエイリ○ンです。
マジでホラーです。本当に、本当にありがとうございました。
そして、GJ!
387名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 00:10:52 ID:g2Hfxfye
GJ!
いやしかし、急にテンション上がったなスカ博士www
388名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 00:11:19 ID:Q6ihczdZ
>385
乙。正気度ロールはどのくらいで?
389名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 00:14:52 ID:teTlLmLC
スカ開き直りやがったw
雷組と炎組の対比もいいな。
GJ!
390戦国の鉄の城:2008/02/07(木) 00:16:47 ID:1m8J4Yvd
>>378
気づけば手がお茶だらけでした(何
本当にありがとうございましt(ry

>>386
そういうのもいけるんじゃないかなーと。
フルフルでホラー風味はかなり頭を抱えましたよ。

>>387
彼もいろいろと吹っ切れたんです(何が

>>388
正と負のスレスレ…。
ちゃんと任意で正気になれるようにしないといろいろと大変ですからねー(汗
391戦国の鉄の城:2008/02/07(木) 00:18:24 ID:1m8J4Yvd
>>389
きっとこれを書いてるスカ博士は包帯だらけです。きっと。
それでも開き直る。それがドク。
雷組と炎組、逆のリアクションでもなんかいいなぁ…とか。
392名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 00:29:50 ID:NETM858m
>気づけば手がお茶だらけでした(何
「私のコルダも消えてるんだけど」がトドメだったような
393戦国の鉄の城@携帯:2008/02/07(木) 00:42:46 ID:Bth8N8oi
>>392
自分で発言しておいてなんだが、元ネタがわから(斬
394名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 00:46:36 ID:YXOaFxqI
フルフルかぁ…とりあえず火属性の槍かガンランスがあればカモwww
395名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 00:47:58 ID:+z6BR23a
火太刀でワロスワロスもなw
396名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 00:49:29 ID:bnStaxRp
ついに自宅警備員2号の出番ですなw
397名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 01:29:58 ID:3h9wYIam
俺は間違えて赤フルに正式採用機械槍いっちまったよorz
398名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 01:36:36 ID:NETM858m
>自分で発言しておいてなんだが、元ネタがわから(斬
「金色のコルダ」でぐぐれ、それで済む
399名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 01:51:56 ID:YXOaFxqI
まぁ最強はデッドリィタバルジンだろ、毒が効く奴全てに有効な反則武器。

大タルGと同じぐらい減らすから戦闘機人も即死しそうだな。
400名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 02:18:26 ID:jGE4LuAE
>>399
ドドブラやクシャル相手にはお世話になりました
ぶっちゃけ死束一本あればクリア可能
401名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 07:54:18 ID:713+G7dd
まあ俺は死束無かったから女王刺突剣だったけどな
402リリカル! 夢境学園:2008/02/07(木) 07:57:22 ID:IwxfuiFq
おや? こんな時間に人がいるw
仕事前にリリカルナイトをさっさか投下してみようと思うんだけど、構わないかな?
8時5分までに返事なかったらやめときます。
403名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 08:02:10 ID:yxQU68xW
一応支援
404名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 08:02:32 ID:i/lEE5P7
支援するよ
405召喚戦記 リリカルナイト:2008/02/07(木) 08:04:15 ID:IwxfuiFq
支援感謝!
投下します!

 夢があった。
 願いがあった。
 それを叶えるための友も、それを実現するための信念もあった。
 忙しく、慌しく、体が悲鳴を上げるほどの戦いがあった。
 苦しく、悲しく、時には嘆く出来事があった。
 膝を屈し、顔を押さえ、歯を噛み締める理不尽があった。
 けれども、傍らには同じ道を歩む友が居た、慕ってくれる部下が居た。
 通り過ぎた過去はどこまでも輝いていて、それに間違いなど存在するわけが無い。
 間違ってなどいなかったと信じている。
 ただあるとしたら……後悔のみ。
 己の力不足。
 己の弱さ。
 それで失った全てに懺悔をしよう。
 そしてこれから犯す咎に贖罪する。
 泣き言は言わない。
 ただ壊れ果てるまで、俺は進むのだろう。

 この信念という偽りで覆った我欲の道を。


 召喚戦記 リリカルナイト……始まるぞ。


【第二夜
 ――滅び去った夜空】

406召喚戦記 リリカルナイト:2008/02/07(木) 08:05:00 ID:IwxfuiFq
 
 目が覚める。
 痛みがあった。
 感覚があった。
 開いた視界は真っ暗だった。

「生きて……るな」

 うっすらと見えるう廃墟の天井に、少なくともサプレスじゃないことだけは理解出来た。
 走馬灯の夢だったのではないか、或いは狂気に犯された幻覚ではないのかと疑っていた。
 けれども。

「ぅー、だんなー、にく〜……むにゃむにゃ」

「すー……すー」

 マグナが眠っていたベットの直ぐ傍の床の上。
 毛布を敷いて猫のように丸くなって眠るアギトとルーテシアと呼ばれていた二人の少女の姿があった。

「夢、じゃないよな」

 自分が眠るまで押さえつけていた二人の少女。
 その子供らしい寝顔にマグナは僅かに微笑むと、ゆっくりと手を上げた。

「っ」

 ぎこちなく、火箸を差し込まれたような激痛を感じながらマグナは体を起こす。
 包帯に覆われた上半身。縛り上げられ、息をするのも苦しい感覚。

「あ、っ」

 苦しい。
 痛い、
 熱い、暑い、あつい。
 喉が渇き、唇がかさついて、燃え上がるような体の感覚に脳髄がゆっくりと犯されていく。
 思考が乱れる。考えていた出来事が、まばらに千切れていく。
 ジクジクと全身のどこかが痛んでいる。
 あるいはジュクジュクと腐っているような感覚。錯覚。幻聴。或いは現実。
 呪詛。
 幾度も体を貫き、全身を侵す不快なる感触。
407召喚戦記 リリカルナイト:2008/02/07(木) 08:05:40 ID:IwxfuiFq
 
「はぁぁあ」

 ゆっくりと魔力を廻らせる。
 思い描くのは布から染み渡る泥水のイメージ。
 何十もの繊維の違う布から染み渡る泥水は濾過され、その透明を取り戻す。
 ゆっくりと魔力を巡らせ、肉体を浸食する呪詛を相殺しながら、マグナは言葉を紡ぐ。

「澄み渡れ」

 心よ。
 イメージするのは静けさの渡る水面。
 穏やかに、落ち着いた心。

「冷たい感触、冷たい、体が冷たい、心が冷たい、体が冷たい」

 冷たい。
 暗唱する言葉。
 数十秒も唱えていただろうか、ゆっくりと熱が引いたような気がした。
 そう、“気がした”。

「ふぅう」

 息を吐き、暗唱を繰り返しながら体を起こす。
 熱はない。
 痛みは薄れた。
 本来あるべき苦痛を、“心が誤魔化している”。
 実際、マグナがやったことは何ら特別ではない自己暗示。
 心を誤魔化し、感覚を偽り、肉体を騙す精神制御。
 魔力を行使、司る者としての当然の技術。
 操る力の巨大さ故に暴走しやすい召喚術士としての当たり前の心得。
 十数年近く繰り返し、己の意思で騙しやすくなった肉体と心をマグナは自覚する。

「もう少し、騙されていてくれ」

 心の中で暗唱しながら、マグナは床で眠る二人を起こさぬように床に立った。
 上着を脱がされ、装備も外されていた彼には当たり前だが、靴もなかった。
 冷たくひんやりとした廃墟の床を文字通り裸足で踏み締めながら、彼はゆっくりと廃墟の外へ歩いていく。
 目的などなかった。
 自分の居場所も分からず、討つべき宿敵がどうなったのかも分からない状態で、目的を考えられるほど実際マグナの頭は冷静ではなかった。
 ならば何故起き上がったのか?
 それは――いうなれば、月に呼ばれたからとしか言いようが無い。
 うっすらと廃墟に穿たれた風穴から垣間見える夜空。
 そこから見えるのは二重の輝き。
 今までの己が知る月光よりも眩しい月の輝きに、マグナは誘われるように歩み出て。


「目が覚めたか」


 月光の夜の元、ただ立ち尽くす一人の騎士に出会った。
408召喚戦記 リリカルナイト:2008/02/07(木) 08:07:22 ID:IwxfuiFq
 
 茶色のコートに、左腕に付けた鈍い銀色のガントレット。
 彫りの深い顔立ちに、分厚い衣服の上からでも分かるほどに鍛え上げられた戦士の肉体。
 マグナには一目で分かった。
 彼は――戦う者なのだと。

「えっと……」

 だがしかし、マグナは吐き出す言葉を戸惑わせた。
 理由は単純。彼の名前が分からなかったからだ。
 夢の如き記憶を探ってみるが、咄嗟に思い出せない。
 まさか、アギトが言っていた旦那という呼び方で呼びかけるわけにもいくまい。
 どうするべきか、そう考えて。

「……もう動けるようになるとは、な。体は支障ないのか?」

 目の前のコートの男が、そう告げた。
 変わらぬ表情。されども、その言葉には紛れも無い感情が篭められていた。

「あ、ああ。なんとか、歩くぐらいならなんとか誤魔化せる」

「……誤魔化す?」

「本当なら泣き叫びたいぐらい痛いけど……気が付かない振りをしている、かな?」

「そう、か」

 男は僅かに上げた眉を戻し、痩せ我慢かそれとも違う技術か? と考えて、組みかけた腕を開いた。

「それなら話すぐらいは出来るか。見たところ、ここがどこなのかもお前は分かっていないだろう?」

「あ、ああ」

 男の言葉に一瞬考えて、マグナは素直に頷いた。
 正直言ってここがどこなのか、まったく分からない。
 大気中に感じる気配からサプレスではないことは理解していたが、もしリィンバウムだとしてもマグナは
中央エルバレスタ地方ぐらいしか分からない。
 彼が所属していた機関に拾われるまでの年少期はストリートチルドレンで通したし、それから数ヶ月前まで
軟禁状態で過ごしてきたのだ。
 地理なんて知りうるはずもない。
 けれど、たった一つだけ分かること。

 それは――
409召喚戦記 リリカルナイト:2008/02/07(木) 08:10:19 ID:IwxfuiFq
 
「ここはどこなんだ? 月が二つあるなんて……ありえない」

 空に浮かぶ歪な光景。
 ありえないはずの光景。
 空高く輝く月の数は二つ。見たこともない夜空の光景だった。

「ここは第347管理外世界……既に滅び去った世界だ」

「管理、外?」

 番号で名づけられていることに疑問を憶えた。
 そして、管理外という簡素な呼び方に疑問を感じた。

「教えてやろう、今お前を取り巻く世界がどんな仕組みかということを」

 ゆっくりと騎士は口を開く。
 どこか悲しみで、悲嘆で歪んだ表情で彼は言葉を紡ぎ始めた。

410名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 08:11:37 ID:0b37ux+H
sien
411召喚戦記 リリカルナイト:2008/02/07(木) 08:11:54 ID:IwxfuiFq
 
 騎士の語る言葉。
 彼の知る世界の常識は、あらゆる面でマグナの知る世界とは違うものだった。

「時空管理局? ミッドガルド? ここはサプレスでも、リインバウムでもないのか?」

「管理外世界の人間には理解し兼ねるだろうが、事実だ。この地はお前の居た世界ではない」

「そんな……まさか名も無き世界に飛ばされたっていうのか?」

 異世界の存在がないわけじゃない。
 それどころか己は数々の異世界に干渉し、戦う術を持つ存在だった。
 けれども、自分自身が異世界に……それもはっきりと存在が認識されていない“名も無き世界”
と呼ばれる異世界にはじき出されるなど誰が想像出来るだろうか。
 楽園とかつて呼ばれた世界の外に、魂の牢獄と蔑まれた魂の終着点から、彼は飛び出したのだ。

「そういえば名を名乗ってなかったな、俺の名はゼスト。お前は?」

「……マグナだ」

 そう名乗るマグナの表情は自虐が混ざっていた。
 名前はある。そして、家名もある。
 けれども、その呪われた一族の名を告げることは出来なかった。
 恥知らずと無意識に自分を罵る。

「そうか。まあいい、お前の詳しい事情はまた明日にでも聞こう。これ以上はお前の心も、体も持つまい」

 無意識に脂汗を発し、息が荒くなっているマグナの様子を見てゼストはそう断言した。
 本来ならば瀕死の重傷なのだ。
 耐え難い苦痛があるはずなのだ。
 それを誤魔化していても、いずれ肉体は己の限界に気付く、そしてそれに引きずられ心もまた気付かされる。
 騙しは所詮騙し。
 最後には真実が突きつけられる。

「助かる……」

 ふらりとマグナは足を元居た廃墟に向けた。
 自己暗示を行っていた体が再び悲鳴を上げ始めていた。
 胃液しかない胃の中身を吐き戻しそうだった。

「肩を貸してやる」

 ぎこちなく悲鳴を上げるマグナの様子を見かねて、ゼストが肩を貸す。
 長身の青年に、巨躯の偉丈夫の肩はちょうどぴったりだった。

「あ、ありがとう」

「気にするな」

 ゆっくりと歩き出す二人。
412召喚戦記 リリカルナイト:2008/02/07(木) 08:13:45 ID:IwxfuiFq
 
 二つの月光が照らし出す滅び去った世界の片隅で、一人の召喚術士と一人の騎士が言葉を交えた。

 己の信じる仲間のために、己を犠牲にした者。
 己が失った仲間への贖罪に、己を犠牲にする者。

 信じ合う友を置き去りに、地獄へと踏み入った者。
 信じ合った友と会うために、修羅を歩む者。

 歪なれど、過去と未来の差はあれど、同じ信念を持った二人。

 その二人が始めて言葉を交わしたのは、滅び去った世界でのことだった。

 まるで彼らの過去を嘲笑うかのように。
 月は全てを照らし出していた。


 ――第二夜 終幕
413リリカル! 夢境学園:2008/02/07(木) 08:15:46 ID:IwxfuiFq
投下完了!
前のウロスで話題に上がっていた投下時のみ、作品のコテに切り替えることにしました。
そして、サモンナイトシリーズならではの夜会話編です。
相手は男ですが orz

今回はちょっと短いですが、次回からSts本編に入っていきます。
支援ありがとうございました。
414名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 08:17:41 ID:i/lEE5P7
乙です
マグナがゼストと出会うことによってどう変わっていくか楽しみです

そういえばサモン2にもルーというキャラが出てましたね
似ても似つかないけど
415名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 10:04:03 ID:19tuVPNk
アニメ化を記念して「まじしゃんず・あかでみぃ」とのクロスを考えていたんだが・・・
無理だ・・・orz
文才がないため、全く形にならない。
誰か代わりに作ってくれ・・・
416名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 10:08:49 ID:YXOaFxqI
GJ!
……ミッドガルド?
417名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 10:56:11 ID:3WNLQL9I
真祖の人です、短編出来たので夜に投下オケ?
418名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 12:05:03 ID:VMm+TJ85
良い時に来たみたいだ
419名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 12:08:42 ID:rXjzaqiq
>417
オケだがこんな時間に聞いても誰もいないから答えるのは少ないって
420名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 12:16:23 ID:bo8xCWL3
>>417
う〜〜ん……よし来い!
421名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 12:28:56 ID:VMm+TJ85
早とちりした!夜の話だったのか!
リアルタイムで遭遇したのかと、勘違いした・・・
422名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 13:54:13 ID:SI4gcyLm
小ネタで映画ジュマンジのクロスを書こうと思いキーボードに手を置くが、、、、orz
423名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 13:56:25 ID:iGOCnvtA
あのゲーム板はどう考えても超級ロストロギア・・・・
424リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/07(木) 17:36:44 ID:CMyjK7WD
昨日確認しないでよそへ行っちまったからスパロボX氏に迷惑かけちまったみたいで
すみません。
自分もリリカルスクリームを投下してもよろしいでしょうか?
425名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 17:40:53 ID:UPDDGiYB
>>424
待ってましたぜ!
426リリカルスクリーム42話 ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/07(木) 17:56:50 ID:CMyjK7WD
四ヶ月越しなんで一応前回のあらすじを。海鳴を町ごと要塞化し先遣隊をクラナガンに
送り込んだデストロン軍は完成したナンバーズのISと人格を持つ
トランスフォーマー部隊「ナンバーフォース」を出撃させたのだ。
ナンバーフォースがいままさに本部を制圧しようとしていくなか街中に散ったデストロン軍も各個に攻撃を開始しようとしていた。


「全くこれじゃ奴らのお膳立てじゃねえか。俺たちは一流のデストロンだった筈だろ。違うかブレークダウン?」
「ぼやくなってデッドエンド。少なくとも窮屈な基地に居るよりかマシだろ。」

とあるハイウェー。いかにも渋々仕事をさせられていると言いたげな声を挙げているのは
カウンタックLP500に変形する「ブレークダウン」とポルシェ928に変形する「デッドエンド」である!
ハイウェイをビークルモードで巡回していたブレークダウンとデッドエンドは猛然と破壊活動を開始。
タイヤからせり出した電磁鋸で並走していた不運な乗用車がタイヤを切り裂かれてスピン。
キリキリ舞いしつつぶつかって大クラッシュを起こした。

「うわああああ!車の化けモンだぁぁぁ!」

そんな叫び声が木霊し、ハイウェイは大パニックに陥る!

「マックス、デストローイ!」

ワンボックスカーがマックスビーのビーストモードの尻尾に装着されている鉄球が変形した
モーニングスターで潰され炎を上げた。
また、巨大なトレーラーがヘルスクリームの格闘用武器「ゲイルダガー」で
真横に両断されドライバーの男性が逃げ出すと同時にこれも
炎上する。
また、それとは別の区画では。

「な、なんだあ!」

無人レールウェイの先頭車両で何とはなしに窓から目に入る車窓を
見つめていた乗客の男性が叫び声をあげた。

「この町の線路という線路はこのアストロトレイン様の物だ!人間どものひ弱な乗り物は退け!」

それもそのはず。とっくの昔に過去の遺物となっていたはずのSL…実はアストロトレインが変形した姿だが…が
凄まじいスピードでレールウェイを追い抜いて行ったのだ。
各地に現れたトランスフォーマー達に本局の武装陸士隊は各地に散っていく。
そしてそれと同時に

「ミッションスタートっ!」
「な、なんだ!クラッキングされてるぞ!」
「電子が織り成す嘘と幻…銀幕芝居をお楽しみあれ。」
「IS発動…ランブルデトネイター!」
「IS…へビィバレル。バレットイメージ、エアゾルシェル。」

ナンバーフォースは計算しつくされた攻撃で段階的に管理局本局を制圧していく。
局員達は突如現われた巨大な機械生命体に逃げ惑うばかりだ。

「エアゾルシェルだあ?人間にくだらねえ気なんか遣うことはないんだ!。一気にぶっ飛ばしてしまえよ!」

そんな中、99式自走榴弾砲に変形するロングバレル10に不服そうに言ったのはブリッツウィングだ。

「殺せって命令は受けてない。人の仕事に口出す暇があるのなら自分の仕事をしなよ。」
「何ッ…?新入りの癖に生意気言うな!」

いきりたつブリッツウィングだが
だがロングバレル10は一向に相手にしない。
427名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/07(木) 18:02:16 ID:lXZTmERB
sien
428リリカルスクリーム42話 ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/07(木) 18:02:26 ID:CMyjK7WD
生き残った局員がシャッターを閉めて立て篭もろうとするがインセクトロンは難なくシャッターを食い破っていく。

「出てきたでえ…。管理局とかいう奴らや。いてこましたれ!」
「化け物め…喰らえ!」

暴れまわるヘルスクリーム達サイボーグビースト四人衆に武装局員の放った直射砲撃が指向された。だが…。

「痒いわねえ…。」

へルスクリームは不気味に目を細めた。
トランスフォーマーに並みの武装局員の攻撃では到底歯が立たないようだ。

「これならサイバトロンの方がよっぽど手ごたえあったってもんやわ。攻撃ってのをどうするか教えてやるわい!」
「マックス・ジェノサ〜イド!」

スラストールの携行武器「ダイノミサイル」マックスビーの携行武器「マックスランチャー」が悉く武装局員達を吹き飛ばしていく。
他の場所でも同じ光景が繰り広げられていた。…否。一箇所だけデストロンが劣勢な区域が有った。

「大丈夫かブレークダウン!」
「クソっ…こいつら調子に乗りやがって!」

ゼスト達が応戦に当たっていたスタントロン達である。だがそこに!

「全く情けないな…。」
「モーターマスター…。」

コンボイを思わせる灰色のトラックに変形する「モーターマスター」を筆頭に
フェラーリ308GTBに変形する「ワイルドライダー」タイレルP34型F1マシンに変形する
「ドラッグストライプ」デストロンの暴走部隊、スタントロンの残りのメンバーである。

「新手か…。皆油断するな!」

騎士甲冑を装着したゼストが隊員に注意を促す。

「なかなかやるようだが俺たちのスタントに付いてこれるかな?」

放たれた攻撃魔法を派手なドリフトで中央分離帯を蹴散らしつつかわすと
あっという間に局員の一人を跳ね飛ばした。見かけはただの車でも中身はスーパーマシン。
これこそが暴走部隊スタントロンなのだ。
429リリカルスクリーム42話 ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/07(木) 18:10:17 ID:CMyjK7WD
「くそお!」

ひとりの陸士がウイングロードで後退しつつ空中から攻撃をかけようとした。だが

「反重力装置作動、逃げられると思ってるのかよ!」

ワイルドライダーが反重力装置を作動させて追いすがる。武装局員もまさか車が空を飛んで
追いすがってくるとは思わなかったろう。
哀れな局員は嫌な音ともに弾き飛ばされた。
クイントがブレークダウンのボンネットにしがみ付いてフロントガラス越しにリボルバーナックルを喰らわそうとするが
ブレークダウンは時速百五十キロはあろうかというスピードを出していたにも関わらず
難なく急ブレーキをかけて停止、クイントは10メートル近く吹き飛ばされ、
高速道路の脇のビルの壁にもろに叩きつけられた。
見かねたメガーヌが召喚魔法を発動させ遠距離からの攻撃を試みようとするが
スタントロンは発動の暇を与えない。
パワー、スピード、破壊力。
三拍子揃ったこの力こそが全員揃った暴走軍団スタントロンなのである!

「ぬう…」

ゼストはスタントロン部隊の隙を見極めようと試みた。
しばしの沈黙、そして…。

「そこだ!」

弾丸の如く突撃し、スタントロンが組んだフォーメーションのほんの僅かな隙を突いて
関節や装甲の継ぎ目など、弱い部分を的確に破壊していく。

「な、なんだと!」

膝を壊されたワイルドライダーが呻いた。

「何やってんだ。しっかりしやがれ!」

仲間に檄を飛ばそうとしたブレークダウン…だが、

「こんのぉ……ぶち抜けーーーーーッ!」≪Revolver Cannon≫

既にふっとばされた衝撃から立ち直っていたクイントがきつい一撃を見舞った。
430リリカルスクリーム42話 ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/07(木) 18:14:52 ID:CMyjK7WD
メガーヌ以下のメンバーも次々と反撃し、あっというまに円形の包囲陣にスタントロンを追い込む事に成功した。

「こいつら、調子付きやがって。こうなりゃあ奥の手だ!」
「スタントロン部隊!ユナーーーーーイト!メナゾールだ!」
「おう!」

行動参謀であるモーターマスターの命令一下スタントロンのメンバーは跳躍。それぞれビークルモードの状態で
モーターマスターの手足に合体していく。

「めなぞぉぉぉぉる…!」

スタントロン合体兵士、メナゾールだ!

「合体した…!」

メナゾールは低い唸り声をあげ巨大な剣を構えながらクイント達の居る方へとのしのしと歩み寄ってくる。
高速道路の橋桁が嫌な音を立てて軋んだ。

「ナカジマ!アルピーノ退くぞ!一度態勢を立て直した方がよさそうだ!…ぐぅ!」

メナゾールが巨躯に似合わぬ凄まじい勢いで彼に張り手を食らわせた。
ゼストの視界が赤く染まる。

「メナゾール…敵を破壊する…。」

隊長であるぜストを失って混乱する陸士隊にゆっくりと襲い掛かるメナゾール。
建物が震え、窓が割れる。
隊長を失失ったとあっては戦闘の継続は無理だ。
陸士達は散開してメナゾールを
かく乱するとゼストを助け起こし、彼が手を出せないビルの陰へと撤退していった。
デストロンへの反撃を誓って…。
431リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2008/02/07(木) 18:18:04 ID:CMyjK7WD
ここまでで。
いやー。
再開まで長くかかってしまいましたね。
スタントロンは初代に登場したTFでその辺の車をかっぱらって来て
スパーク植え付けて誕生という大雑把設計な奴らだったりします。
しかしその割には何度もサイバトロンを窮地に陥れた油断ならん奴らなんですね。
432名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 19:10:10 ID:bnStaxRp
GJ!!
デストロン脅威の戦力ですね。
やっぱり、ただの局員たちじゃキツイか。
433魔装機神:2008/02/07(木) 20:37:09 ID:jEVnkqlP
いきなりですが、フレイムオブシャドウを投下したいのですがよろしいでしょうか?
434名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 20:41:39 ID:VK34YR86
道は此方にございます。
435魔装機神:2008/02/07(木) 20:44:12 ID:jEVnkqlP
それでは投下します。

FLAME OF SHADOW STS 18 紅

「みんな、そろったね」
なのははストームレイダーの前で全員がいる事を確認し、今日の任務内容を話す。
それは、以前から言っていた地上で行われる公開意見陳述会が行われる間、地上本部の見回りだ。
カリムが言った予言が本当なら、この会議に何かが起こるという。
それが杞憂で終わればいいのだが、やはり念は念を入れておきたい。
「今回の任務は初めて夜間での任務になるから、みんな気をつけてね」
「「「「はい!」」」」
そういったあと、なのははスバルにあるものを渡す。
「え?」
それはなのはのデバイス、レイジングハートだった。
そして、バルディッシュはエリオに渡す。
「私とフェイト隊長は中のほうの見回りなんだけど、会議の間はデバイスが持ち込めないんだ」
「だから、その間、この子達をお願いね」
にっこりと笑いながらフェイトは言う。
これは大変な仕事を任されてしまった。
「それと、ウル達もスバル達と一緒にその時計bをお願い」
「了〜解」
「任せておくだら!」
パシッ、と腕をあわせ、やるき満々のウルとヨアヒム。
そして、紅麗と烈火は六課で待機と言うことになっている。
「それじゃ、私たちも行こうか」
そういってなのはたちはストームレイダーに乗り込もうとしたときだった。
「なのはママ」
突然自分を呼ぶ声に、なのははそのほうを向く。
「ヴィヴィオ?」
そこには既に自分の部屋にいるはずのヴィヴィオがいたのだ。
「ごめんなさいなのはさん。最後にどうしてもあいたいって言うものだから」
その隣には、自分がいないときに世話をしてもらっているアイナがすまなさそうに謝る。
しょうがないなあ、となのははヴィヴィオを見る。
しかし、自分が小さいときの事を考えると、その気持ちは確かにわかる。
「これから、なのはママとフェイトママは今晩お家にはいないけど、その間はしっかりとお留守番をするんだよ」
「うん……」
ヴィヴィオは頷くが、それでも心配そうな顔をする。
やっぱり寂しいんだな、となのははすぐに察知する。
「それじゃ、帰ってきたらヴィヴィオが大好きなキャラメルミルクを作ってあげる」
キャラメルミルク。一度なのはがヴィヴォオが大好物の飲み物だ。
キャラメルミルクと聞いて、ほんと?となのはを見る。
約束だよ、となのは微笑む。
「もし、私が嘘ついたり、約束した時間に帰ってこなかったら、私はヴィヴィオの言う事を何でも聞いてあげる」
けど、となのははちょっと厳しい目でヴィヴィオを見る。
「ヴィヴィオがわがまま言ったりして迷惑かけたら、キャラメルミルクは無しだよ」
と、なのはは最後に「それじゃ、行ってくるね」と微笑んでストームレイダーに乗り込む。
なのはが乗り込むと、ストームレイダーは高度を上げ上昇していく。
ヴィヴィオは見えなくなるまでそれを見つめた。
「それじゃ、私達も中に入ろうか。じゃないと風邪ひいちゃうわよ」
「うん……」
ヴィヴィオはアイナの言葉に頷き、ゆっくりと中に入っていく。
436魔装機神:2008/02/07(木) 20:46:03 ID:jEVnkqlP
「親子愛ってのはいいねえ」
「うむ」
ストームレイダー内では、ウルとヨアヒムが先ほどの光景を見てうんうんと頷いていた。
それを聞いて、なのははちょっと恥ずかしそうに顔を赤くする。
まさか、全員が見ているとは思わなかったのだ。
「それで、なのはさん。まだヴィヴィオを引き取ってくれているところを探してるんですか?」
スバルの質問にまあね、となのはは答える。
一応なのははヴィヴィオの保護児童となっているが、いつがヴィヴィオを引き取ってくれるところを見つけたら引き渡すつもりだ。
「ちゃんとヴィヴィオの事を思ってくれる人がいるなら、その人に預けたほうがいいと思うんだ。もちろん、ヴィヴィオにも了承してもらうしね」
これがなのはの願いだった。
ヴィヴィオには普通の生活をさせてあげたい。
ですけど、とエリオは自分が思っている事を告げる。
「ヴィヴィオは離れたくないって言うような気が……」
「「「「「うんうん」」」」」
ウルたちの頷きに、なのははえ〜〜、と困り、地上本部に到着するまでその話で持ちきりになるのだった。

「やった〜、また勝った〜〜〜!」
「あー!くっそーーー」
その頃、烈火はヴィヴィオとアイナ、そしてシャマルの4人で少し遊んでいた。
内容はトランプのババ抜きで、現在の戦跡はでヴィヴィオが3勝で優勢。
ちなみに烈火は絶好調全敗中。
「あ、ヴィヴィオ。そろそろお風呂がわくから、今日は私と入りますよ」
「は〜〜い」
ヴィヴォはお風呂と聞いて、カードを置いてとことことアイナのほうへ駆け出していく。
さて、一人になり、他にする事がない烈火はふと自分の腕を見る。
そこには両腕にある火竜の印が、両腕とも一文字ずつ消えている。
(大丈夫だろうな……ま、塁もいるし大丈夫だとは思うけどよ……)
うーむ、と考える烈火。
話を聞いて、戦力は多いだろうといってばれないようにこそっととった手段だが、大丈夫だろうか……
塁はあいつを止める事ができる少ないものの一人とはいえ、やはりあいつを出したのは間違いではなかろうか……
「烈火、話がある。外へ出ろ」
烈火が考えていると、珍しく紅麗のほうから話しかけてきて、烈火は意外に思いながらなんだよ?と尋ねる。
「虚空はいるか?少し尋ねたい事がある」
「あのじじいに?」
また珍しい事だとおもいつつ、なんでまた?と尋ねる。
そういえば、1時間くらい前からどこかに行っていたが、それと関係しているのだろうか。
しかし、尋ねても何も言わない紅麗。
どうやら自分に聞く気はないらしい。
このままあいつの要求を無視する事もできたが、その前に烈火の腕がぴかっと光る。
「珍しいではないか、おぬしがから呼ぶとはの」
そこから現れたのは虚空だった。
またかってに出てきやがって、と思ったが、流石にもう慣れてきたし、なによりそういう空気ではないことは解ったので、
今回だけはまあいいか、と不問にする事にした。
「確か、あなた達火竜はこの世界に来たときに奇妙な能力を持ったといったな?」
「うむ」
「それで、烈火を解してだが実体として外に出られる」
「まあ、ほとんど間違ってはおらん。わしはそれよりも前からスぺシャルな能力で出来たがの」
そうか、と紅麗は力をため、体中から炎を生み出す。
いきなりの事でおそろいたが、すぐに烈火も戦闘体制には言った。
まさか、ここでやるつもりなのか……なのはたちうがいない間に。
437魔装機神:2008/02/07(木) 20:48:44 ID:jEVnkqlP
「なるほど、やはりこれもそれと関係しているのか」
そういったとき、紅麗の体から何かが出てきた。
それはだんだんと人の体を形作っていく。
そして出来たのは二人の男女だった。
紅、磁生。
二人とも紅麗にとっては大切な人だった。
しかし、二人は命を落とし、紅麗によって彼の炎となった。
既に何度もその姿を見ている烈火だが、それゆえに驚いた。
その二人の姿が、以前よりも限りなく人の姿をしているのだ。
ちゃんと服も着ているし、眼光もある。
磁生の姿は何度か見たが、紅の姿は始めてみる。
おそらくこれが本来の紅の姿だろう。
「始めまして、と言うのは変ですか?烈火さん」
おまけにしゃべった。
烈火はそれを驚きながら見る。
だが、それで納得もいった。紅麗が虚空を尋ねた理由を。
「これに気付いたのは1時間ほど前だ」

なのはたちがストームレイダーに乗り込み、地上本部へ向かっている最中、紅麗は訓練場にいた。
別に何をするわけでもない、ただそこに居ただけ。
特にすることもなかった紅麗は意識を集中させる。
その瞬間自身の体から炎を出し、紅を呼ぶ。
これは時々している事だった。
いつもどおりに紅を呼ぶ紅麗
『紅麗……』
その時、紅麗は突然の声に驚きながら辺りを見る。
その声は二度と聞けない声のはずだ。
いまになって幻聴でも聞こえているというのか……
「紅麗」
しかし、今度こそはっきりと聞こえた。
紅麗はそのほうを向く。
そこには、自分が出したくれないがいたはずだ。
「!!?」
しかし、その姿を見て、紅麗は驚愕の表情を浮かべる。
「く……紅?」
そこには、自分が紅をと取り込む前の、人の姿をした紅がいたのだ。
それのあのときの姿、あのときの服、あのときの声で。
「こうして話すのは、本当に久しぶりね。あ、私は死んでるから当然か」
くすっと笑みを浮かべる紅だが、まだ紅麗からは驚愕の顔が消せないでいた。
そんな紅麗を紅は優しくふれる。
以前も同じような事があり、その時に紅麗の頬のやけどが出来た。
魂を取り込んだとはいえ、紅は炎だ。触れれば燃えるし熱い。
しかし、今はまるで本物の手のような、人肌の暖かさで紅麗の頬に触れている。
ふと、紅麗は烈火の炎、火竜が奇妙な力を得、人の姿になれたと聞いた。
これも何か関係する事なのだろうか……

その後、驚きつつも紅、そして紅麗と話をした紅麗。
「なるほど、それでわしに尋ねたのというわけか」
大体の事情を聞き、虚空は納得して紅麗、そして紅をみた。
つまり、紅と磁生までもが自分たちと同じように奇妙な力を得たという事だろう。
そして紅は、烈火を見て微笑む。
「今後とも、紅麗様をよろしくね、烈火さん。この人、照れ屋だからあんな態度を取ってるんだけど、本当は」
「紅、お喋りが過ぎるぞ」
余計な事をしゃべろうとする紅をつまらせる紅麗。
その顔は、どこか困ったような表情をして、いつもの紅麗とは違う紅麗を見た気がした烈火と虚空。
そして紅を自分の体の中へ戻す紅麗。
「こりゃ、シャマルに聞いたほうがよさそうだな」
もしかしたら、この世界の医師であるシャマルなら何か知っているだろうと思い、後で尋ねてみるか、と烈火と紅麗は隊舎の中へ入る事にした。
「おにいちゃん、続きしよ〜」
438名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 20:50:45 ID:V3fM9/Gi
支援
439魔装機神:2008/02/07(木) 20:52:17 ID:jEVnkqlP
部屋に入ると、そこにはパジャマ姿に着替えたヴィヴィオの姿がいた。
その手にはトランプが握られていて、どうやらさっきの続きをしようとしているらしい。
「ヴィヴィオ、いい子はそろそろ眠る時間ですよ」
時計を見ると、既に9時を回っている。
よい子はそろそろ眠る時間だ。
しかし、ヴィヴィオはむ〜〜っと膨らませる。
「もっと遊びたい」
まあ、ヴィヴィオの言う言葉のわからなくはない。
なのはは仕事で忙しく、なかなかこういった誰かと遊ぶ機会というものが少ない。
勿論、スバル達にも同じことが言え、その仲でも遊び相手であるウルたちも今日はいない。
その中、ほぼといっていい遊び相手である烈火。
烈火自身、なかなか面倒見もよく、すぐにヴィヴィオも懐いたのだ。
「ヴィヴィオ、そんな我侭を言うと、なのはママがキャラメルミルクを作ってくれませんよ」
なのはママ、そしてキャラメルミルクと言う言葉にぴくっと反応するヴィヴィオ。
そして思い出すママとの約束。
「はぁい」
ヴィヴィオはしぶしぶと自分の部屋に戻っていく。
「ごめんなさいね、迷惑かけて」
ヴィヴィオが部屋へも土手行く事を確認すると、烈火にさっきの事を謝る。
しかし、烈火はいいって、と気にしない様子だった。
「ちいせぇ時は親を困らせるもんだって」
子供は元気が一番!と頷く。
俺もそうだったしな、と小さいときにかなり無茶をして、自分を育ててくれた義父、茂男といろいろやらかしていた事を思い出す。
「それは男の子でしょ?女の子と男の子を一緒にしないで」
「わかってるって」
そう言って、烈火と紅麗は部屋へと戻る。

「ここが地上本部かあ」
スバルはまじまじと首都クラナガンに悠然と聳え立つ時空管理局地上本部を見上げる。
地上本部自体は本や映像などで何度も見たが、ここまで近くで見るのは初めてだった。
スバルはもう一度本部を見る。
「確かに、こんな近くで見ると、ホント壮観よね」
今回ばかりはティアナもスバルの意見に同意し、上を見る。
「あの、そんなにずっと上ばかり見てると……」
エリオが何か言おうとしたとき、スバルは誰かとぶつかってしまった。
「痛」
そのままスバルはしりもちをつき、いたた、と立ち上がる。
「すみません、よそ見をしててつい……」
スバルはぶつかった相手をみて、ふとその体を引かせる。
そのぶつかった相手はスバルを睨んでいた、と思う。
何故思うのかというと、その目は奇妙な布で覆われていて隠れているのだ。
それに、彼の自身に異様な雰囲気を出している。
「キヲツケロ、女」
男はそう言って、すたすたとその場所を離れていく。
「なによあの人、感じ悪いわね」
ティアナはそんな男を一瞥した後、大丈夫?とスバルを見る。
「うん、大丈夫だけど」
「けど、余所見をしてたあんたもあんただけど、あいつもあいつよね」
そう言って、周囲を見渡すティアナ。
今は周囲に何も反応はなし、至って順調で怪しいやつの影もない。
いや、あいつも怪しいといえば怪しいか……
「とりあえず任務は続行。あんた達も周囲の警戒を怠んないでね」
「「はい!」」
「わかってるって」
そう言って、4人はそれぞれ各地へ回るのだった。
440魔装機神:2008/02/07(木) 20:53:27 ID:jEVnkqlP
「思ったよりひろいわねえ」
一人の女性局員は、はぁっとこの地上本部の広さにはあ、とため息を付く。
正直な話、想像以上の大きさだったのだ。
「これを二人で見て回るのは、ちょっと限界があるわねえ」
そういって、そばにいる男性局員を見る。
その局員は、先ほどスバルにぶつかった男性局員だった。
「刹那、どう?あなたの感覚で怪しそうなのはいる?」
女性局員、もとい竜之炎六式、塁は男性局員もとい、竜之炎四式、刹那を見る。
この二人は何かあったときの事を考えて烈火からこそっと送った戦力。
しかし、いくらなんでも刹那はやりすぎでしょ……と塁は思った。
彼なら誰かを殺しかねない。
まあ、だからこそ彼をとめることができる自分もいるのだろうが……
それに、さっき烈神からもちゃんといいつけてあるから多分問題ないだろう……多分。
「デバン……」
「ん?」
ふと、刹那が何かを言おうとしている。
「俺トオ前ハ、烈神ヲノゾケバ原作デ最モ出番ガ少ナイ火竜ダ」
「それは言わないの」
と、少しため息を付きながら塁は前を見る。
さてと、これからは真面目にお仕事といきましょうか。

「ウーノ、状況のほうはどうなっている」
アジトで、スカリエッティはふふふ、と楽しそうな顔でモニターを見る。
これから、彼はとてつもない事をしようとしている。
だが、それに不安はない。
それよりも、嬉しさや興奮のほうが勝っている。
「私を含め、2番を除くナンバーズの配置は完了。ルーテシアお嬢様やニコル達も準備を完了しているそうです」
そんな彼の心情を知ってしらずか、ウーノはモニターを操作し、準備は万端である事を告げる。
「そうか、それでは……」
そう言って、スカリエッティは立ち上がる。
そしててをかがけ、大げさなポーズを取る。
「盛大な花火を打ち上げようじゃないか!!ああそれはもう盛大に!華やかにね!!」
その彼の言葉の瞬間、地上本部から轟音が響き、多数のガジェットが出現した。
441魔装機神:2008/02/07(木) 20:54:42 ID:jEVnkqlP
投下完了。
今回は嵐の前の静けさと言う感じで、いまいち盛り上がりに欠ける……
次回は一応は出来上がってますから、この土日には投下できると思います。
442名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 21:01:20 ID:NETM858m
>「それで、烈火を解してだが実体として外に出られる」
解して×→介して○
>すぐに烈火も戦闘体制には言った。
は言った×→入った○
>なのはたちうがいない間に。
たちう×→たち(達)○

とりあえず目立った誤字タイプミスはこんなところだろうか
443名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 21:05:26 ID:VK34YR86
GJ!
烈火達が本部に残ったというのは、とても楽しみだ。
444名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 21:52:58 ID:3h9wYIam
いや、ていうか刹那さん(汗
445名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 22:15:01 ID:rwLKMSq+
GJです
刹那さん来ちゃったか…
ナンバーズ涙目過ぎるw
目玉の飾り怖いですよねー
しかし刹那は原作では普通にひらがなで喋りますよ
むしろかなりおしゃべりらしいです。
446名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 22:27:47 ID:SKelOHuz
唐突に流れを断って申し訳ない

このスレ見てたら唐突にレンタルマギカとのクロスが書きたくなった。
投下してもよろしいか?
447名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 22:29:21 ID:3WNLQL9I
真祖の人です、午前に言ったとおり短編投下桶?
内容は「僕らはみんな生きていた〜」

ちなみに2レスぐらいしか消費しないんですが
448名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 22:29:47 ID:Et2t0v9a
いっちゃって
449名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 22:30:19 ID:NETM858m
不用意にageるバカに出す許可は無い
板・スレ単位のローカルルールやマナーから勉強しなおして来い
450名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 22:53:54 ID:Q6ihczdZ
>446
sage推奨ですよ。
後、文脈からして、まだ書けてない?
>447
と言う事で、どぞ。
451名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 22:59:56 ID:3WNLQL9I
ええと、とりあえず投下させてもらいます

題:最強のおかん

管理局存亡を賭けたと言われるJ・S事件、古の兵器「聖王のゆりかご」を使い己が夢を果さんとした
ジェイル・スカリエッティ、そして彼の手足となった12人の戦闘機人通称「ナンバーズ」と
ガジェット・ドローン、しかしその野望は果たされる事はなかった。何故なら―――

「全く!折角の平和をかき乱そうとするなんて!皆御説教よ!」
「ユーノ君、こんな所で何しているの!」
「ユーノが部隊を率いている…ユーノ隊と言う訳か」
「我らはユーノ隊ではない!ねね隊だ!総員おねね様を援護しろ!」

「こら!ゼスト、こんな所で何やっているの!」
「お、おねねさん!こ、之には深い訳があって!」
「言い訳しない!御説教よ!」
「アッーーーー」

「流石、ねねさんは凄い、強いし、乱暴だし、人の話は聞かないし」
「ユーノ君、それ褒めているの?」

「ねねさん、まだ悪い事をしている奴がいます」
「御説教よ!」
「御説教って言うレベルじゃないっす!」
「勘弁して!」

「ナンバーズもヴィヴィオちゃんもみ〜んな御説教よ!」
「そんな無茶苦茶な」

「駄目でしょ、皆に迷惑かけちゃ!」
1人の女性が正座させられている12人の女性と2名の男性に向かって説教を行う、その傍らには
うず高く積み上げられたかつてガジェットと呼ばれた残骸があった、それはその女性1人がやった事だ。
その女性はクノイチを彷彿する胸元や太ももが惜しげもなく露になっているバリアジャケットを着込んで
(ウェンディ曰く「エッチッす!不潔っす!」、チンク曰く「う、羨ましい」)
二振りの飛刀型デバイスを所持している。女性の名前は「ねね」

…一言言っておくが某長寿アニメのウサギ人形を殴ったり、リアルお飯事が趣味の幼稚園児ではない…

管理局地上課にその人ありとされて、空、海でも知る人ぞ知る有名な人である。(噂では三提督すら頭上がらないらしい)
「ドクターの夢を適えるのが私達の…」
ナンバーズの筆頭格であるウーノが抗議するように言う。
「夢?でも他人に迷惑をかけるような事は駄目よ」
「でも、ドクターに逆らう事は…」
2番目のナンバーズであるドゥーエも歯切れが悪いように言う。
「例え父だとしても、間違った事はちゃんと否定しなきゃ」
そしてねねは一人顔を背けてブスーとしている眼鏡をかけた女性に注意する。
「こら、クアットロちゃん、人が話しているときはしっかりと顔を見なさい。全くいくつなの」
そう言うねねに対しまだブスーとしているクアットロ、それを見てウェンディとセインは呟く。
「くくく・・・怒られてやんの」
452名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 23:03:03 ID:3WNLQL9I
そういった小声もねねは聞き逃さない。
「こら、ウェンディちゃんもセインちゃんも駄目でしょ、人に迷惑かけちゃ」
そしてねねは正座させられているレジアスに対しても説教する。
「レジアス、貴方がミッドチルダを平和にしたのは認める、だけどあんな物騒な物(アインヘリアル)で平和な世界
 を作ろうなんて、力で抑える平和じゃ皆幸せになれないじゃない。平和は皆で守っていく事分かった?」
そしてレジアスは膝をポンと叩くと笑う。
「やはり、おねねさんには適いませんな、このレジアスしかとねねさんのご意見受け止めました」
「以下同文」
ゼストも言う。
「うん、じゃこれからはあの子達(機動6課)と共に平和を守ってね」
そしてねねは微笑む。
「さて、貴女達の事なんだけど…貴女達は私が面倒を見るわ、いいわねレジアス」
「はい、おねねさんの御好きに」
12人の女性ナンバーズはそれぞれ異なる反応を見せた、ドクターに何かしら未練のあるウーノ、ドゥーエ、クアットロは
「ゲッ!」とした顔をして、彼女の強さに(ちなみに12人のナンバーズはねねの御説教と言う名の下ボコボコにされました)
惚れたトーレ、セッテは目をキラキラしており、セイン、ディード、ウェンディの3馬鹿トリオは
「そ〜なのか〜」「まぁそれもいいかもね」と能天気な表情をしており、チンクは「まぁ仕方ない事か」と半ば諦めモードに移っており、
残りのオットー、ディエチ、ディードは相変わらず無表情のままだった(案外歓迎しているかも)。

こうして時空管理局を揺るがす大事件は一人の肝っ玉かあちゃんによって解決された。

一方―――
「ねぇ、なのはちゃん」
「どうしたのはやてちゃん」
「うちら、6課創設した意味あったんかな」
「・・・・・」

ちなみに機動6課にエリオとキャロの姿はいなかった、何故なら…
「小さい子を戦わせようなんて何考えているの!」
「ねねさん、これには訳があって」
「はやてちゃん、フェイトちゃん御説教よ!」
「「アッ――――」」

元ネタは戦国無双「ねね」の外伝ステージのED・・・このステージいろんな意味で笑える


あとモウ一つ短編あるのですが、内容が「おら達皆しんじまっただ〜」なので投下しようか
ちょっと悩んでいるのですが
453名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 23:06:54 ID:SKelOHuz
>446です
>449
すいません
>450
いえ、できてはいますが
454名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 23:07:09 ID:Q6ihczdZ
>452
乙。無双系はやった事無いけど、大体わかった。
FEAR系における「たけしー、ご飯よー」みたいなものですね。

【おかんの方向性が若干ずれた】
455リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/07(木) 23:16:33 ID:PR91VorG

僕も五日もかかってやっと新話ができたけど…マナーによって今日は投下無理かな?
こういう場合今から避難所に投下してきて良いのかな?
456リリカルデジモン ◆etxgK549B2 :2008/02/07(木) 23:17:15 ID:IV1YZmTL
リリカル龍騎氏が御気に成されずにと言われたのでデジモンマジシャンガール第二話投下します〜
いいでしょうか?予約無いかな?
457リリカルデジモン ◆etxgK549B2 :2008/02/07(木) 23:18:32 ID:IV1YZmTL
ありゃ、先に越されちゃったので明日投下します〜(・Д・)ノシ
458リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/07(木) 23:35:42 ID:PR91VorG
何も反応がないので、投下は明日にします。
おやすみなさい。
459名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 23:52:34 ID:imZ2xMpF
>>455-457
重なりすぎワロタwwww
460リリカル! 夢境学園:2008/02/07(木) 23:55:01 ID:IwxfuiFq
投下してもいいかな?
今の予約状態が知りたい。そして、投下が重なりすぎだw
461名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 23:56:05 ID:mqdZDHSv
こっちも見てるよ雑談はウロスでやってるから反応はないけど
462リリカル! 夢境学園:2008/02/08(金) 00:03:08 ID:IwxfuiFq
>>453さんが、今のところ予約状態かな?
投下するなら支援します。

他の人はスイマーに襲われて、倒れたようですねw
463リリカル! 夢境学園:2008/02/08(金) 00:15:05 ID:ZsN8wfGj
>>453
からの反応が無い。
投下するなら投下してくれ、しないならしないと言ってくれ。
状況が分からないんだけど?
464名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 00:27:23 ID:TWOKKY9a
>>463
もう投下しちゃっていいんじゃない?
465名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 00:37:11 ID:ascdVJ6O
全員睡魔にやられたらしいな
徹夜2日目突入中の俺には関係ない話だけどw
466名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 00:50:40 ID:GEnYAHB5
>>465
ふん、センター試験前にもここを見ていて徹夜をした私に比べればまだまだよ!
威張れることじゃないよねぇ…
467リリカル! 夢境学園:2008/02/08(金) 00:54:10 ID:ZsN8wfGj
実はどっこい起きている。
投下してもよろしいでしょうか? 小ネタで、前編なのですが
468名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 00:57:56 ID:0gUSrYdI
支援w
469名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 00:59:19 ID:JerBxPYi
しえ〜ん小ネタwktk
470正義の味方の成り損ない/前編:2008/02/08(金) 00:59:30 ID:ZsN8wfGj
支援感謝!
投下開始します!


 
 誰かを救うヒーローになりたかった。
 泣き叫ぶ子供を救うヒーローになりたかった。
 誰かに手を差し伸べられる強い人間になりかった。
 夢だった。
 願望だった。
 子供じみた夢想だった。
 年を取れば、いずれ夢は儚く散り果てる。
 シャボン玉のように浮かんでいるうちは綺麗だけれども、いずれは割れてしまう。
 夢なんて続かない。
 願いなんて叶わない。
 願望なんて意味が無い。
 失望して、挫折して、絶望して――

 それでも諦め切れなかった。

 引き裂かれるような痛みに泣き叫びながらも、拭いきれない染みのようにしがみ付いていた。
 ヒーローなんてかけ離れた存在に成り果てても、俺は諦め切れなかった。
 憧れに夢想して、願望にしがみ付いて、忘れられない夢と希望を浅ましく握り締めていた。
 叶うはずもない現実に跪きながら、もがいていた。

 そう、それは夢。

 いつかきっと誰かが叶えてくれると信じている願望。

 そうそれは――


“いつか俺を倒してくれるヒーローが現われることだった”


 ――正義の味方の成り損ない/前編

471正義の味方の成り損ない/前編:2008/02/08(金) 01:00:14 ID:ZsN8wfGj
 
 ――俺には夢がある。
 そんなフレーズで始まる漫画はなんだったのか、もう覚えていない。

「ねみぃ」

 コンビニの袋を片手に持ち、俺はダラダラと道を歩いていた。
 数えるのもうっとおしい人の数。
 信号の前で立ち並ぶ人ごみとわらわらと道路を渡る信号無視の少数派の馬鹿が目
に入る。
 自分さえよければそれでいい。
 交通道徳などどうでもいい。
 そんなアホはどこにでもいる。
 そう、どんな世界にでも。

「かわらねえな」

 欠伸をしながら、馬鹿を眺める。
 ああいう馬鹿は早死にするだろう。
 危険なこと、無謀なことをしている限り、そいつは少なからず寿命を削っている。
 延命の確率を自分ですり減らしている。
 だから馬鹿だと思う。阿呆だと笑う。

 とはいえ、そんなアホを見ていても時間の無駄だ。
 さっさと家に帰って、飯でも食おう。
 そう考えて、1コイン以内に納めたコンビニ袋の中身をぶら下げながら歩き出そうとして、

 ――“気付いた”。

「なっ」

 視線を変えようとした視界の端、反対車線のガードレールの向こう。
 僅かに見える小さな影。
 子供が、子供が道路を渡ろうとしている。
 赤信号なのに。
 車が走っているのに。

 ――誰か止めろ。
 ――誰か注意しろ。
 ――誰か押さえつけろ。
 一秒にも満たない間にそんな罵声が頭の中に浮かんで、そしてそれが脳裏の中で
再生し終えても、その場にいる全員が動かなかった。
 気付いていない?
 そんなわけがない。
 小さな子供が、幼い少女が、道路を渡ろうとしているのだ。
 信号待ちをしている大勢の人ごみが誰一人気付かないわけがない。
 ならば何故騒がない?
 ――誰かが言うと信じきっているのか?

472正義の味方の成り損ない/前編:2008/02/08(金) 01:01:02 ID:ZsN8wfGj
 
「 !」

 思考が走るうちに、目に映る情景は変わっていく。
 子供がテコテコと歩く、幼い子供なりの全力疾走。
 されども、それは無謀、危険、無理無茶無謀。
 次々と走ってくる車の間をすり抜けるほど子供の足が早いわけがない。
 だから――遠くから走ってくるトラックに最悪の未来を感じた。

「っ」

 昼食だった袋が空を舞う。構わない。

 ブーという音が聞こえた。

 クラクションの音。馬鹿が、子供がそんな音で避けられると思うのか?
 クラクションの音に振り返る子供。見開かれる恐怖の瞳。

「  !!」

 誰かが悲鳴を上げた。
 悲鳴を上げている暇があったら止めろよ、と罵りたくなる。

 その代わりに。

「ぉおっ!」

 声が洩れた。全力疾走の咆哮。
 足を跳ね上げる。足の軌道上にあったガードレールが吹き飛ぶが、どうでもいい。
 走れ。駆け抜けろ。

 地面がひび割れる。どうでもいい。
 風が硬い。ぶち破れ。

 どうでもいいから――間に合え!
473正義の味方の成り損ない/前編:2008/02/08(金) 01:02:52 ID:ZsN8wfGj
 

 ……轟音がした。
 ブレーキ音が背後から聞こえた。

「う、うぇえええええん!!」

 腕の中から泣き声がした。
 女とはいえ、まだ子供。みっともなく涙と鼻水を垂らしてしゃくりあげて、胸元にしがみついてくる。
 ……気に入っていた上着だったんだが、しょうがないか。

「大丈夫、か?」

「こわ、こ、こわかったよぉお……」

 涙声と強く握り締められるシャツの裾。
 ああ、シャツも伸びるなぁとどこか現実逃避のように考える。

 とりあえず、俺は子供を落ち着かせるために頭を撫でようとして。

「すげええ!」

「よくやった!」

 ――不快な声が聞こえた。
 歓声、拍手、口笛。
 褒め称えるような言葉、子供の安心を喜ぶ祝福の声。
 それが次々と響き渡って……


「黙れ」


 俺が発した言葉に、その場の歓声が消えた。

474正義の味方の成り損ない/前編:2008/02/08(金) 01:04:34 ID:ZsN8wfGj
 
 俺は目に映る、おそらく一番子供が道路に飛び出た時に居たであろう男を見た。

「喜んでんじゃねえよ。テメエらが最初からこいつを止めてやれば、こんなことは起きな
かったんだ」

「え、あ、いや……」

「何も難しくないだろう? たった一言注意すればよかったんだ。そうすれば、こいつは
こんなこともしなかったし、俺が助ける必要もなかったんだ」

 俺が発する言葉に、周囲が黙り込んでいくのが分かる。
 そして、同時に俺を見る目が不快なものを交えた視線になっていくのが分かった。

 ――偉そうに何言ってんだ。
 ――赤の他人に言われる筋合いはねえんだよ

 大体考えていることはこんなとこだろう。
 褒められれば大概が喜ぶが、注意されて反省する奴なんてそんなに多くない。
 それも赤の他人から言われればなおさらだ。

「おい、お嬢ちゃん」

「う、うん」

 周りの空気にビクビクしていた少女に、俺は出来るだけ優しくいってやった。

「なんであんな真似をした? 赤信号で渡っちゃいけないって習っただろ」

「で、でもみんなわたって……たから」

 右にならえー。
 一人じゃ怖いが、皆でなら怖くない。
 大人がやる行為は、皆正しい。だから見習いましょう。
 子供はそんな風に考える。
 道徳なんて後から身につくもんだ。
 子供は真似する、大人のいいところも、大人の馬鹿なところも。

「それじゃ一つ教訓だ。馬鹿な大人は見習うな、本当に正しいものだけを信じていけ」

 そう告げて少女の頭にぽんっと手を置くと、俺は周囲の視線を気にせずに歩き出した。
 注目されるのはあまり好きじゃない、
 だけれども、慣れている。
 不快な目で見られるのも、もう……慣れていた。

475名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 01:08:14 ID:ascdVJ6O
支援
476名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 01:08:29 ID:r/icXUTU
支援
477名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 01:08:33 ID:JerBxPYi
支援、元ネタなんだろ
478リリカル! 夢境学園:2008/02/08(金) 01:08:56 ID:ZsN8wfGj
 
『――臨時ニュースです』

 歩き出した先。

『本日未明、廃棄都市の一角に立てこもった凶悪な犯罪魔道師を、管理局の治安部隊
が鎮圧しました』

 高層ビルの一角に備え付けられた広報用の大型ディスプレイから流れるニュース。

『その鎮圧にはかの管理局のエース・オブ・エースである高町 なのは氏が協力したと
いう情報もあり、さらに情報によれば取り押さえられた魔道師たちは“戦闘機人”に自ら
を改造しており――』

「改造、ね」

 嫌な言葉だ。
 過去がうずく。

 魔法、魔道師、時空管理局。
 かつていた惑星――地球では聞きなれない言葉だった。
 けれども、ここでは当たり前のように存在する。
 魔法が支配する世界――ミッドチルダ。

 夢話みたいな存在である魔法。
 楽園のような世界。
 けれども、そこは――地球とはなんら変わらないくだらない世界だった。




 ジェイル・スカリエッティ事件。縮めてJS事件。
 一時期マスコミでよく報道されていた時空管理局本部が襲撃された事件は、コンビニ
バイト生活で貧困極まる俺でもよく知っていた。
 そして、それによる弊害も知っていた。
 かの天才犯罪者(犯罪者に天才もなにもないと思うが)が逮捕された時、ネット上に
ある情報が流れた。
 奴が作り出した戦闘機人という改造或いは人造人間の技術。
 それを流したのがスカリエッティという馬鹿自身なのか、それとも他の人間がやった
のかどうかは誰も知らない。
 すぐさま情報漏洩に気付いた管理局がネット上からデータの回収を行ったが、
時は既に遅し。
 アンダーグラウンドに浸透したその技術は、くすぶっていた犯罪者たちがこぞって
集め、利用し始めた。
 才能で決まる魔法の力。
 それを覆せる改造技術。
 痛みなど知らない、道徳など知ったことじゃない。
 馬鹿は己を改造し、力を手に入れる。
 そして、それを試すために人間が行方不明になり、犯罪者の仲間になる。
 改造人間があふれ出し、そしてそれに飽き足らなくなった輪をかけた馬鹿が
その技術を外道へと進化させていく。
 怪人と呼ばれる人間の姿を失った化け物。
 力の代償に人であることを止め、欲望のままに蠢くかつて人であった怪物。
 それらが暴れるようになった。
 そして、それらはなんとか平穏に暮らしているミッドチルダの生活の影で暴れている。
 そんな三流ドラマみたいな世界に、俺は暮らしている。

479名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 01:10:06 ID:0gUSrYdI
俺参上ッ!!支援
480正義の味方の成り損ない/前編 :2008/02/08(金) 01:10:22 ID:ZsN8wfGj
 
「めんどくせえ」

 世界に魔法があっても、人の生活の質は向上しない。
 
 そして、魔法なんて使えやしない俺にとってはなおさらだった。
 生きるためには金がいる。
 だから働く。
 朝から深夜までぶっ続けのローテーション。
 寝るのは大体三時間ぐらい。
 深夜に借りているアパートに帰って布団を被り、朝日が登る頃にバイトに出る。
 家に帰ってもやることはなく、体だけは異常なまでに頑強な俺だから出来るバイト生活。
 文句はない。
 けれども、そんなのを毎日続けていれば……いずれ飽きるのが人間というものだ。

「暇、だ」

 ぽっかりと客の来ないエアポケット。
 既に運ばれた商品は並べ終えたし、掃除も済ませた。
 けれども、客が来ないことには意味が無い。

 暇だ。暇だ。暇だ、暇だ、暇だ――

「おーい、■■くん」

「あ、店長?」

 レジの前で座っていた自分に、バイト先の雇われ店長が声をかけてきた。

「今日はもう上がっていいよ」

「え? ですけど、まだ時間が」

「今日は客も少ないし、私ともう一人のバイトで事足りるから。あとあんまり稼働時間を増やしても問題になるし」

「そう、ですか」

 バイトの身ではそういわれれば逆らうことなんて叶わない。
 俺は店長の言葉に大人しく、バイトから上がることにした。

「あー、暇だー」

 やることがない。
 空の青さを見ながら、退屈に絶望しかけている。
 地球に居た時ならばやることがあった。命令してくれる奴が居た。
 それに従っていれば退屈なんて憶えなかった。

 あるとすれば、霞のような“失望感”だけだ。
481正義の味方の成り損ない/前編 :2008/02/08(金) 01:11:27 ID:ZsN8wfGj
 絶望がある。
 希望がない。
 けれども、俺は生きている。
 生き続けている。

 だから。

 ――過去を思い出すな。
 ――願いを引きずり出すな。
 残酷に絶望するしかない。
 失望にうちひがれるしか無い。


「忘れろ、やめろ……」

 ――“君は無敵なだけだ、誰かを守れるわけではない”

 突きつけられた言葉があった。
 戯言のような、けれども真実のような言葉があった。
 痛みがある。
 傷口がある。
 目を逸らしたい出来事があった。


「ちっ……」

 胃がむかむかする。
 どこか居酒屋にでも寄って、酒でも飲むかと考えて――
 手に握った財布が軽いことに気が付いた。

「……銀行にでも行くか」

 それほど遠い場所にあるわけでもない銀行。
 そこに少々イラつきながらも、普段通りに入って。

 カードと暗唱番号で必要な金を下ろして。


「全員頭を伏せて、蹲れ!」


 俺は見た。
 俺は出会った。
 くだらない出来事に。

 見たくも無い慣れ親しんだ化け物の姿をした銀行強盗事件に、巻き込まれた。

 それは憶える価値もないつまらない事件。
 
 けれども、世間が僅かなひと時を記憶した事件。

 “ヒーロー事件”

 そう呼ばれるくだらない出来事の始まりだった。


 ――後編に続く
482名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 01:11:54 ID:Rn0rOGb+
支援
483リリカル! 夢境学園:2008/02/08(金) 01:13:24 ID:ZsN8wfGj
投下完了。
支援ありがとうございます(土下座)

クロスネタは「世界の中心、針山さん」です。
アニメ化もしたバッカーノの作者の作品ですが、知名度はかなり低いですw
主人公が誰なのか、次回分かります。
再度繰り返しますが、支援ありがとうございました。
484名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 01:14:52 ID:Nv27N7Sv
そのまんまやんけ。もうちょっと捻れよw
485名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 01:15:46 ID:JerBxPYi
>>483
GJです

針山さんか……名前は知ってるけどなぁ
486名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 01:15:49 ID:GtEtNsCZ
下級戦闘員かw
487名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 01:16:10 ID:cpoZhOZL
厨二病の香りがするのは気の所為か・・・いや元ネタ知らないからか・・・
488名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 01:16:48 ID:0gUSrYdI
GJ!!です。
一瞬、仮面ライダーかなと思ってしまいましたw
次回が楽しみです。
489名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 01:18:05 ID:OWxREqE3
ちょ!?針山さんktkr!
まさか37564か!
最弱無敵の戦闘員がとうとうきやがった!
GJ!
490名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 01:18:31 ID:p8Dhu3Ah
>針山さん
勇者の話なら雑誌で読んだ
491名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 01:21:46 ID:GtEtNsCZ
成田作品中最強のキャラを出してしまうとは予想GUYでした

期待してます
492名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 01:22:21 ID:wwWDDOdf
気のせいでも何でもなく、厨二病の塊ですよ。作者もそう言っている。

まあ、ラノベなんてそもそも厨二病で出来てるようなもんなんだが。厨二病万歳。
493リリカル! 夢境学園:2008/02/08(金) 01:23:26 ID:ZsN8wfGj
>>484
一人だけの戦隊リーダーと誤解するかなーと少し捻りました。
ヒーローに憧れて、とか、ヒーローになりたかった男とかだと某ネット作品のタイトルと被るのでw

>>485
二巻はマジで名作です。お勧めですよー。

>>486
原作でもこんな感じです。
いや、厨二病の香りがするのは自分の作風のせいなんでしょうね orz

>>486
イーッ!(違う戦闘員だ)

>>488
仮面ライダーとは真逆に位置する存在です。
具体的にはばったばったと薙ぎ倒されるというか……

>>489
常敗無敵。
それがNO.37564。
494名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 01:23:44 ID:ascdVJ6O
設定が言ったもん勝ちみたいなキャラだしな
アメコミで最強のブラザーズをイメージしたんだっけ?
495名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 01:25:09 ID:0YH3XD2n
厨二病を否定してはいけない。
あれは結晶化されたネタ倉庫なんだぜ
496名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 01:27:23 ID:GtEtNsCZ
>>494
作者が分かってそう設定したのが37564だしな
二巻は面白かったよ
497リリカル! 夢境学園:2008/02/08(金) 07:46:11 ID:ZsN8wfGj
短い間に沢山の感想ありがとうございました。
過去最高の感想数だよ、おひw
次回も頑張らせていただきます。
なのはかフェイトかどっちを主に出すかどうか悩み中ですが うー(悩)

>>484 >>486 >>489 >>491 >>492 >>494 >>496
針山さんを知っている人がこんなに一杯w
あれか? 針山さんをマイナーだと認識していたのは自分だけだったのですね。
まさかローキック一発で巨大合体ロボットを瞬殺する奴を知っている方がこんなにとはw
一応ネタバレなので断言はしませんが、原作のイメージを崩さないように頑張ります。
498453:2008/02/08(金) 08:59:21 ID:Sp8EGsA5
すいません
キーボードに突っ伏して寝てました

これから学校なんで今晩投下してもいいですか?
499名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 09:14:49 ID:cpoZhOZL
                 , -ー――-- _
       __ _/            `` 、
   -=二 _                ----、  ヽ
      -―  ̄/ ̄`              l   ヽ
     /  /   |              `、   l    ヽ
    / イ     レ′、  ,ヘ   、 \ 、`i、 l    |
   l  |  /./l    | .l/  ヽ   }  i、 、ヽ l     |
   | /!  l ./,ト   | | l    |  .l、 .ハl, ヽ丶     l  よくあることよくあること
   |.l |  | ./|   | ||十|'    l .l !―| リ   ヽ| ヽ.   |    私なんか昼に予告して夜忘れたことあったし
   || |  l | | | .||.|ハ| l|、   l/ リ i| |/ ヾ  |'  l   |     いんじゃない?
   `丶 li、.| | l  |l ●     '  ●   l ./ |_  l  |
     ヽ|、` 'ilヽゝ              // | ヽ l  |
        ヽ i、l,゙l、             レ  | ノ l  |
        ヽ| l \  , --、- ,      |  |   |  l 
           |  ン'    ヽ   _ , r,|  l    |  l
           | /       、トニ ‐ ' |  |ヽ  l  l
           l i          ノ\  │  !: :|、、l  |
             /"l       ,,く /,ヽ /  /: /: :`. .、 ヽ、
         /: : :` 、    ノ\o,r' `/ /:/: : : : : : :`.  ゝ
500名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 09:34:50 ID:aaOuLprr
かわいいぞw
501リリカルデジモン ◆etxgK549B2 :2008/02/08(金) 10:56:56 ID:c3ejguFD
えっと、午後9時にデジモンマジシャンガール第二話投下します〜
かぶりませんように(;・Д・)
502名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 11:01:03 ID:aHoUvU/H
ぶっちゃけ割と流れの速いこのスレでそんな遠い予約しても忘れられる可能性の方が高いと思うが。
503名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 12:24:27 ID:Bk/uyCoO
>>497
遅まきながらGJ!

あれですか?
過去も名も無き戦隊の唯一の隊員にしてリーダーにしてレッドも出るんですか?
504リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/08(金) 16:09:26 ID:uNAlSTWZ
僕は11時ごろに予約します。
505反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/08(金) 16:40:48 ID:nnBn4gj8
皆様GJ!

さてと、まだ少々時間が早いような気もしますが、片翼外伝集その2を投下してもよろしいでしょうか?
読者の皆様に強烈なインパクトを与えた彼女が、今回ようやく普通の(?)女の子に戻ります。
506名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 16:43:05 ID:K1WJdVR7
いいのでは?
507反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/08(金) 16:46:02 ID:nnBn4gj8
魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使

外伝集「アンソロジー(2)」


――本当のストライカー

JS事件終結。
永きに渡る戦いに決着を着けた機動六課の面々は、アースラへの帰投を果たしていた。
そして今、艦内の廊下では、なのはとフェイトの2大隊長が並んで歩いている。
ブラスターモード使用によって身体へ負担を受けていたなのはだったが、
今ちょうど検査が終わり、ひとまず休養のため自室待機を命じられたのだ。
隣を歩くフェイトは、要するに付き添いである。
「セフィロスさんも、思ったほどの大事には至らなくてよかったね」
「そうだね」
フェイトの言葉に応え、なのはが笑いかける。
戦闘終了直後にド派手に倒れ、意識を失ったセフィロスだが、診断結果は魔力の使いすぎによる過労。
当然命には別状はないので、今はそのまま医務室のベッドにいる。
「でも…ちょっとだけ嬉しいかな」
元々セフィロスは、自分達との必要以上の接触を面倒くさがり、避けていた。
それでも、この戦いでは、倒れるまでに必死になって、共に戦ってくれた。
不謹慎かもしれないが、なのはにはそれが嬉しくもあった。
「うん…そうだね」
それはフェイトも同じだ。故に、微笑みを以って答える。
「なのはさん!」
と、背後からなのはを呼ぶ、若い少女の声があった。
振り向くと、そこにはまだバリアジャケットの解除もしていないスバルの姿。
どこか申し訳なさそうな様子で視線を泳がせる、この戦いの影の立役者。
「えっと、その…戦闘中は、色々と…し、失礼をして…」
半ば焦りながら紡がれる言葉に、なのはは先の玉座での戦闘を思い出す。
機動六課最終作戦。その口火を切った。スバルの叱責。

――…いい加減にしてください、なのはさん…!

容赦なく浴びせられた、スバルの鉄拳。

――誰かに肩を貸すっていう…そんな当たり前のこともできないと思ってるんですかっ!

「…すいませんでしたっ!」
回想にふけるなのはの思考を、スバルの大声が現実に引き戻した。
見ると、目の前でスバルは深々と頭を下げている。
「あ、あたしごときが生意気なこと言ったり…その…おまけに…なな、殴ったりしたりしちゃったりして…ええとあの…」
言葉を懸命に続けようとするが、感情だけが先走って上手く言葉にならない。
あれだけカッコよく啖呵を切ってこれでは、正直台無しだ。
そう思って、なのはは苦笑いを浮かべる。
だが次の瞬間には、その笑顔は、若者を導く教官の優しい笑顔に変わっていた。
「…うん、あれは痛かったなぁ」
「ごめんなさい! ホンッッットごめんなさい!」
ろくに顔色を伺う余裕もないスバルは、ただひたすら謝り続けるばかり。
「多分、今までで1番痛かったかもね」
「うぅぅ…」
遂にスバルは言葉も出ず、うつむいて半ばふさぎこんでしまった。
返答に困ってしまった時にはストレートに落ち込む。あの時と同じ、真っ直ぐな感情。
それに微笑ましさを覚えながら、なのはの手が、優しくスバルの頭に、ぽんと置かれた。
「え…?」
思いもよらぬ反応に、スバルの頭が上がる。
「でも、今までで1番嬉しかった」
優しく微笑むなのはの顔が、そこにあった。
508反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/08(金) 16:47:31 ID:nnBn4gj8
「何でも自分で溜め込んじゃうって癖はね…小学生の頃から、注意されてたことだったんだ」
なのははそう言いながら、かつての戦いを追想する。
10年前、まだ自分が魔導師になったばかりで、隣に立つ親友フェイトとも敵同士だった頃。
魔法には一日の長があった当時のフェイトに、なのはは完膚なきまでに叩きのめされたことがあった。
回収しようとしたジュエルシードも奪われ、なのはは完全に憂鬱だった。
それでも、周りに心配をかけまいと、なのはは気丈に振る舞おうとした。
しかし、そこは9歳の女の子である。そう簡単に誤魔化せるはずもなく、かえって周囲を心配させてしまったのだった。
「そして、今でも同じこと繰り返してる。…にゃはは…ダメダメだよね、私」
そう言いながら、なのはは自嘲気味に笑った。
「あっ、と…その…すいません…」
ひょっとして自分の言葉は、「小学生レベルの間違いをやらかすな」と受け取られてしまったのではないか。
あまりに生意気なニュアンスに恐ろしくなったスバルは、再び謝罪の言葉を述べる。
「――でも、スバルのおかげで気付くことができた」
スバルの拳に込められた真っ直ぐな想いがあってこそ、自分はヴィヴィオを救い出せたのだ、と。
あんなにストレートに想いをぶつけられたことは、恐らく初めてかもしれなかった。
「ありがとう、スバル」
故に、なのはは素直な感謝の言葉を述べる。
しかし、憧れの人からそんな大層な言葉をかけられては、スバルの方はたまったものではない。
「いや、そ、そんなことないですよ! あたしなんてまだまだだし…なのはさんが思ってるようなストライカーにもなれてないし…」
喜んでいいやら謙遜すべきなのやら分からなくなって、結局混乱してしまう。
スバルはまたもしどろもどろな反応を取ることしかできなかった。
「あのね、スバル」
そんな彼女に、なのはは優しく言葉をかける。
「ストライカーっていうのは、その人の力だけを指す言葉じゃないんだよ」
「えっ?」
唐突にかけられた言葉に、スバルは一瞬ついていけず、間抜けな声を上げた。
「その人がいればどんな困難な状況も突破できると思える…つまり、みんなに『勇気』を分けてあげるのが、本当のストライカー」
「勇気…」
なのはの言葉を、スバルが反芻する。
「スバルがきっかけになってくれたから、私はヴィヴィオを助けることができた」
事実、あのまま1人で戦っていれば、どうにもならない状況に心を折られ、倒れていたことだろう。
「スバルのくれた勇気が、私の背中を押してくれたんだよ」
なのはがスバルに微笑みかけた。
「スバルも…いつの間にか、立派なストライカーになってたんだね」
最大級の賞賛と、最大級の感謝。
何より、この馬鹿正直なまでに素直な教え子の成長への喜び。
今ここにいるのは、あの日、炎の空港の中で震えていた無力な少女ではない。
人々を支えることのできる、強く優しい心を持った、本当の勇者だった。
「…ふぇ…」
そして当の若きストライカーはというと、
「…うわあああああああああああ〜ん!」
感極まってか、いきなりなのはに抱きつくと、そのまま思いっきり泣き出してし
まった。
勇猛果敢な戦いぶりや、それを評したなのはの言葉が嘘のように、スバルは子供のようにひたすら号泣し続ける。
「にゃはは…」
どうやらこの子が真にストライカーの名を背負うに相応しい人間になるには、まだまだ精進が必要だったらしい。
困ったように、しかしどこか嬉しそうに笑ったなのはは、スバルを抱き止め、子供をあやすようにぽんぽんと背を叩いた。
509反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/08(金) 16:48:39 ID:nnBn4gj8
――ナンバーズ

ゆりかご攻防戦の折、クラナガン市内でのこと。
『まさか…ノーヴェ、ウェンディ、13番…全員がやられるなんて…』
空中に浮遊し、野戦指揮を担当していたオットーが、驚愕も露わな声を上げていた。
自身のIS・レイストームで分断したスターズ分隊の2人によって、ナンバーズの面々が撃破されてしまったのだ。
レリックを内蔵し、戦闘機人の中では最大のエネルギーを有したはずのギンガは一対一でスバルに敗れ、
3人がかりで潰しにかかった姉妹達は、手先が器用だけのティアナに一網打尽にされた。
『…ディード…』
そしてその中には、同じ遺伝子を分けた双子の姿もあった。
六課襲撃の際に敵の凶刃に倒れ、両の腕を失った姉妹。
あの魔人のような男によって与えられた地獄の責め苦は、彼女の心をズタズタに引き裂いた。
苦痛から逃れんとするために、彼女は記憶の中で自分を苛む魔人の命を求め、自らもまた修羅と化した。
そして自分は、まだ痛みと怒りに囚われたディードを救えずにいる。
そんな中、彼女は自分の目の前で捕まえられた。
何もできないまま、2人は引き裂かれてしまった。
『っ!?』
突如、バインドがオットーを襲ったのはこの時だった。
あり得ないはずの事態に、オットーはなす術もなく拘束される。彼女の服はステルス性能を有しているのだ。探査されるはずがない。
『――上手く隠れてたけど…』
それを嘲笑うかのように、しかし背後から聞こえてくるのは女の声。
振り向いた先には、シャマルとザフィーラの姿があった。
どちらも襲撃時に六課防衛に回っていた顔触れだ。シャマルに至っては、手傷を負わせている。
『クラールヴィントのセンサーからは、逃れられない』
『くっ…!』
苦々しげに眉をひそめると、オットーは右手をかざし、レイストームでの反撃を試みる。
『でぇぇぇぇぇぇぇぇやっ!』
青き守護獣の咆哮が轟いたのは、この瞬間だった。
鋼の軛が展開され、拘束されたオットーを包囲し、その射線を遮る。
『大規模騒乱罪、および先日の機動六課襲撃の容疑で…』
『…逮捕します!』
2人の声は、さながら勝利宣言のようにさえ響いた。少なくとも、オットーにとっては。
(…僕は…)
ここで終わるのか。
このまま何も出来ずに捕らえられていいのか。
オットーは自問する。
(大切な人を、救うこともできず…!)
そして、答えは当に決まっていた。
きっとオットーの目が細められる。
『…うおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーっ!!!』
雄叫びと共に、レイストームが乱射された。
悠然と輝く鋼の軛を――自分とディードを引き裂かんとする檻をぶち破るべく、光の矢が次々と叩き込まれる。
ナンバーズの姉妹達が見ようものなら、目を疑うであろう光景だ。あのオットーが、ここまで感情を剥き出しにするなどとは。
『無駄だ』
ザフィーラの冷静な声を裏付けるかのように、光の壁はびくともしない。
『無駄じゃないッ!』
しかし、オットーは吼える。
『僕は、彼女を…ディードを守るって決めたんだ!』
そして、決然と言い放つ。
『何も知らないお前達なんかに…邪魔されてたまるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーッ!!!』
いつもぼんやりとしていた瞳が、今は決意の炎に燃えている。
オットーは叫んだ。そして撃った。
戦闘機人の身体に宿したエネルギーの全てが尽きるまで、狂ったように光線の風雨を降り注がせた。
510反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/08(金) 16:49:45 ID:nnBn4gj8
『はあ…はあ…はあ…ッ』
どれほど撃ち続けたのかも分からない。
気付いた時には全ての攻撃エネルギーを出し切っていて、鋼の軛が解除されていた。
もはやそれすらも不要と判断されたのか。自分は何と矮小な存在だ。
『…ぅ…く…うぅ…っ』
涙が落ちる。
敵の目の前で、という屈辱すら気にならない。それは当に味わうだけ味わった。自分には、もう何もできない。
この手はディードにはもう届かない。誰よりも大切な人は、痛みを胸に抱いたまま遠くへ行ってしまう。
それを追いかけることは、きっとかなわない。
『…お願いだ…』
故に、オットーは願った。
『ディードを…12番目のナンバーズを、助けてほしい…』
敵にそれを委ねることが、どれほどに無責任か、どれほどに屈辱的か。オットーは分かっている。
『本当は、優しい子なんだ…でも、少し痛い思いをして…たったそれだけで、彼女の心は壊れてしまった…』
それでも、ディードが助かれば。
『…だから…ッ!』
自分が痛みを背負っても構わない。
『…分かったわ』
オットーの必死の嘆願に対し、シャマルはそう答えた。
彼女の目には、覚えがあったから。
大切な誰かを守りたい。苦しんでいる人の力になりたい。そのためなら、この身を捧げたっていい。
『その娘の心…救えるかどうかは分からないけど、精一杯努力する。それだけは約束する』
なのはやフェイト、はやて、そして自分達ヴォルケンリッターと同じ目だ。
こんな目をする者が敵にいるなどとは、思いもよらなかった。
『だから…』
故に。
その背中を押してやりたかった。
『貴方も一緒に…ね?』

そして今、オットーは地上本部にいる。
戦闘が終了してから1日。彼女の隣にはチンクがいて、目の前にはノーヴェがいた。
1人だけ受けた傷があまりに深く、手術の末にようやく今日、意識を取り戻したノーヴェ。
いつも勝ち気に振る舞っていた彼女が、今目の前で泣いていた。
「あたし…まだ、名前で呼んでねぇってのに…!」
理由は単純だ。チンクによって、アンジールの訃報が告げられたから。
「勝手にくたばってんじゃねぇよ…アンジールッ…!」
患者用ベッドのシーツを固く握り、呻くようにノーヴェが言った。
彼女が初めて呼んだ、アンジールの名前。呼ばれた男は、しかし既にこの世にいない。
「…セフィロスを恨むなよ、ノーヴェ」
躊躇いがちにチンクが口を開く。
右の光を失った隻眼を、悲しみの光に染めて。
「あそこは戦場だった…やりきれない話だが、人死にが出るのは、当然のことだ」
チンクの胸からも悲しみは消えない。
アンジールには、彼女も多くのことを教えてもらった。それは何物にも変えがたい、大切な思い出だ。
しかし、彼が倒れたのは戦場だ。責任を問うことなどできはしない。だから、彼を殺したセフィロスを憎むことは許されない。
アンジールは、きっとそれを嫌うだろうから。
「…うん…」
チンクの言葉に、弱々しいノーヴェの声が答える。
「だから…今は、もう少し待ってて」
必ず、立ち直ってみせるから。
うつむきながらも、ノーヴェはそう心に決めた。
でなければアンジールにカッコがつかない。アイツのために悲しんでやるのは癪な話だ。
「…分かった。待っている」
そう言ってチンクは医務室を後にする。オットーもまた、それに続いた。
ノーヴェは強い。いつかきっと立ち直るだろう。問題はむしろ「もう1人」の方だった。
廊下には、あのシャマルがいた。
511反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/08(金) 16:51:24 ID:nnBn4gj8
「オットー」
チンクがオットーへと声をかける。
「ここからはお前の役目だ」
だからしっかりやれ、と。
「…うん」
短く答えると、オットーはシャマルと共に廊下を歩いていった。
これから彼女が訪ねる相手――ディードがいる場所は、自分達が保護を受けている階層とは違う。
包み隠さず言うならば、監獄だ。
ディードはアインヘリアルでの戦闘の折、何人もの局員を虐殺している。弁護の余地などない、明らかな戦犯だ。
もちろん、数百年に渡って殺戮を続けてきたヴォルケンリッターの例もある。
管理局の監視下で生活を送れる可能性もあるにはあるだろう。
だが、主の命令を最優先とするプログラムの彼女らと違い、ディードはある程度の自己決定能力を持った人間だ。
シャマルらと同じというわけにはいかない。つまり、彼女が普通に近い生活ができる可能性は、限りなく低い。
やがて廊下を進み、エレベーターに乗り、監獄のフロアへとたどり着き、目的地に到達する。
「ディード…」
ベッドの上で、彼女は座り込んでいた。腕はない。彼女本体の修理は済んだが、まだ取り付ける戦闘機人用の腕ができていないのだ。
意識を取り戻したディードが、狂える獣のような気性から一変し、すっかり大人しくなったというのは聞いている。
だが、新たな問題が生じた。
大人しすぎた。
元々無口なディードだったが、今の様子は平時のそれとは明らかに違う。
ティアナに倒されて以来、彼女はすっかりふさぎこんでしまったのだ。
だだをこねていた幼子が不意に叱られて、そのまま拗ねてしまったように。
「…元気がない、って聞いてる」
オットーの声に、ようやくディードは落とした視線を上げ、声の方をゆっくりと向いた。
ひどい有り様だ。ほとんど死んでしまったかのような、無気力な目をしている。
ひたすらに荒れ狂った以前の姿も見ていて苦しいものがあったが、今の状態も相当痛々しい。
胸が締め付けられるような思いがして、オットーの瞳の色がその内心を反映した。
「…あの女にやられた時…」
消え入るような声で、ディードが言う。
「…分かったんだ。もう、自分はどうにもならないって」
強くなったつもりだった。
この痛みから逃れるため、全てを投げうって、あのセフィロスを八つ裂きにすることを決めた。
なりふり構わぬ戦い方は、相手に対する容赦を消し、自分の力を引き出したはずだった。
それでも、自分はセフィロスの元にすら行き着けなかった。
彼の足元にすら及ばぬような1人の少女に、己を否定され、倒された。
「何をやっても、無駄だったんだ…」
ディードの視線が再び落ちる。
「…私は、もう一生この苦しみを背負っていくしかない」
四六時中己を苛む痛ましい記憶に苦しめられ、セフィロスの影に怯えながら、この鉄の檻の中で朽ちていくしかない。
「たった独りで…痛みと恐怖に、びくびくと震えることしかできないんだ…」
投げやりな響きをもって、蚊の啼くような呟きが、監獄の空気に溶けていった。
もうどうにでもなればいい。弱い自分は、強すぎるあの男から逃れることはできない。
これ以上――なすべきことなどない。
そんな響きのこもった声だった。
512反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/08(金) 16:52:31 ID:nnBn4gj8
「…独りじゃないよ…」
口を開いたのは、オットーだった。
「何もできなかったけど…僕は、ずっとディードの力になりたいって思ってた」
訴えかけるような声が、彼女の口から発せられる。
「かなうことなら、その痛みも分かち合っていきたい…」
誰よりも大切な、たった1人の双子の姉妹だから。
他人家族のナンバーズの中でも一際強い、遺伝子で結ばれた絆だから。
「…だから! 独りで背負っていくなんて…そんな悲しすぎることは言わないで!」
目に映るディードの姿が歪む。
いつの間にか、オットーは涙声になっていた。
「僕が、傍にいるから…必ずディードを守っていくから…ッ!」
鉄格子を掴んだ手がずるずると下がっていく。
その場にへたりこんだオットーの口からは、嗚咽のみが響いていた。
「オットー…」
視線を戻したディードが、若干の困惑のこもった声でその名を呟く。
「その娘ね…私達に捕まった時、必死で貴方を助けに行こうとしたのよ」
不意に、穏やかな声が聞こえてきた。
そこにいたのはシャマルだ。置いてきぼりを食らっていた彼女が、笑顔と共に口を開いた。
「いい仲間を持ってるのね…貴方も」
「…!」
微かに、ディードの目が見開かれたような気がした。
自分は今まで、ずっと独りで戦ってきた。
自分が平穏を取り戻したくて、自分でそれを奪った奴を倒そうとした。
自分自身だけの問題だ。そう思っていたから。
でも違った。
目の前のオットーは、自身の痛みに同じように苦しんで、自分が救われることを
願ってくれていたということか。
「………」
今まで微動だにしなかったディードの身体が、ベッドから立ち上がる。
そしてオットーの傍まで歩いていくと、同じ目線の高さまでしゃがみこむ。
「…泣かないで」
はっきりと、そう言った。
それを聞いたオットーの顔が持ち上げられる。
「ありがとう。…今まで気付けなくて、ごめん」
静かな笑顔があった。
それが彼女の顔から消えたのはほんの数日前。しかし、オットーにとっては、何年もの間待ち望んだかのような笑顔。
「独りじゃ…なかったんだね」
口下手なディードであるが故に、その言葉はどうしても月並みなものになってしまう。
しかし、それで十分だ。そこにこもった想いは、本物なのだから。
「2人なら、きっと生きていける。負けずに歩いていけると思う」
「うん…うん…!」
涙ながらに、オットーはひたすらに頷き続けた。
(へぇ…あんな笑顔もできるんだ)
そしてそれを見守るシャマルは、最後にディードの笑顔を見届けると、踵を返してその場を後にした。
ここから先は2人の時間だ。お邪魔虫はとっとと退散するとしよう。
微笑みを浮かべながら、シャマルは廊下を歩いていった。
この後、病み上がりのセフィロスが、
ただならぬ恐ろしさを醸し出す笑顔の彼女にしこたま殴られることになるのだが、今はそれ以上は触れずにおこう。

戦いの中で心を磨り減らし続けた悲しい戦闘機人が、今、ようやく救われたのだから。
513反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/08(金) 16:53:40 ID:nnBn4gj8
チクショウ! 乾燥機! 誰か乾燥機持ってこい!
何でこんなに出てくるキャラクターみんなメソメソしてばっかりなんだよ! バランス間違ったぁー!orz

個人的にリリカルなのはシリーズは、誰かが誰かを支えていく、誰かが誰かの力になる、という話だと思うのです。
(なので片翼本編17話では、原作で1人で自己解決してしまったなのはさんをあのようにいじったわけなのですが)
ただ、ナンバーズにはその要素薄かったな…と思い、オットーとディードをこのように描いた次第です。
…また新たなレズカップル作っちゃっただけなのかもしれないけどorz

さて、次回は今回の湿っぽさをぶっ飛ばすような、コメディ一色なユーノ君のプロポーズ大作戦ですw
514仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/08(金) 17:10:52 ID:ALvD7+WR
GJさ。ディード良かったな
515名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 17:49:39 ID:uCKc7yGR
乙でした。
うむぅ、誉めるばかりじゃ駄目だと思うんで。

感想は…ここまで全体を通して、改めて、やっぱり微妙だった…かな。
何だかな。喉に何か骨か鱗か引っかかって、スッキリしない感じだorz
完結、乙でした。
516リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/08(金) 17:54:43 ID:uNAlSTWZ
GJ
ディードがレズカップル…させん!(何
でも今龍の相手をノーヴェにするかディードにするか(この二人のどちらかにすることは決めてます)まだ決まってない…

11時にする予定だったけど今投下しておk?
517名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 18:05:06 ID:HHeLbO3b
はい
518名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 18:05:40 ID:Jzc6nCCU
>>513
GJ!なのはさんとスバルのやり取りが結構よかった。

>>516
いいですぜ!
519リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/08(金) 18:07:50 ID:uNAlSTWZ
【機動六課サイド】六話「爆走!クリムゾンウインガー!!」Bパート
【市街地】
「ここか…」

アウレフはガルベストンを駆り、謎のマシンが暴れた市街地に来ていた。
辺りの建造物は破壊され、街中の何人もの人々が怪我をしている。

「酷いな…どんなマシンかは知らないが、バイクを使って人を傷つけるなんて…」
「待っていたぞ仮面ライダー!」
「!?」

マシンのエンジン音が轟き、黒いジャッカルの形をしたマシーンが近くのビルの屋上から壁走りで下りてくる。
下りてきたマシーンはアウレフの前に停まり、マシンに乗っていたジャッカル男がアウレフに視線を合わせた。

「貴様は…」
「俺はジャッカル男…そしてこのマシンはダークセーバーだ。」
「何!?」
「アウレフ!俺を倒したければ、このダークセーバーに見事追いついてみよ!」

ジャッカル男はダークセーバーをUターンさせ、最大スピードでマシンを一直線に爆走させた。

「何てスピードだ!ガルベストンでも追いつけるかどうか…とにかく今は、やるしかない!!」
「どうかな!?」
「む!?」
「ヴァーーーー!」
「ウオーーーー!」

道路が砕け、真下からアルマジロング、モグラングの二大怪人が姿を現し、アウレフの進行方向を遮る。

「アルマジロング!モグラング!邪魔をするな!!」
「そういうわけにはいかん!」
「俺達は、お前達の邪魔をするように言われて…」
「待て!」
「「何!?」」
「上城さん!」

グリンクローバーのエンジン音が響き、レンゲルがアウレフの元に駆けつけた。

「拓哉!お前はあのバイクを追え!こいつらは…俺が倒す!」
「任せます!」

アウレフはアルマジロングとモグラングをレンゲルに任せ、ガルベストンの最大スピードでジャッカル男を追った。

「ぬお!」
「おのれアウレフ!」
「お前達の相手は俺だ!うおぉぉぉぉぉぉお!!」

レンゲルはレンゲルラウザーをザッパーモードに展開し、グリンクローバーからジャンプし、二大怪人に飛び掛った。
520リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/08(金) 18:09:07 ID:uNAlSTWZ
【鉄橋上】
「…ん?」

鉄橋の上を走っていたジャッカル男は、背後を振り向き、こちらに迫るアウレフに気が付いた。

「追いついたぞジャッカル男!」
「やりおるな…だが!」

ジャッカル男はダークセーバーのハンドルに装備されたスイッチを押し、車体から全方位衝撃波を発射する。
衝撃波の威力は凄まじく、追いつこうとするアウレフとガルベストンの進行を妨害した。

「クソ…!」
「これでは追いつけまいアウレフ!ハーハッハッハッハ!!」

【機動六課隊舎医務室】
レンゲル対二大怪人、そして、アウレフとジャッカル男のバイク戦が繰り広げられていた頃、医務室に居たティアナは二人の救援に向かうため、享一の目を盗んで医務室の脱出を試みていた。

「…」
「んん〜、この女優も老けてきたな…」
「…よし!」

ティアナは享一がアダルト雑誌に夢中なことを確認すると、ベッドから抜け出し、ドアに向かう。
しかしドアの手前まで来た瞬間、バインドに捕まった。

「な!?」
「甘いよ。」

享一はアダルト雑誌をデスクに置き、椅子から立ち上がって棒立ちになっているティアナに近づいていく。

「いけないな。抜け出したりしちゃ…ね!ティアナちゃん♪」
「う…」
「抜け出そうとする悪い子は、剥いて食べちゃうぞ♪」
「な!?」
「勿論嘘だよ。そんなことしたら僕は医師免許を剥奪されて首だ。アッハッハ!」

享一は笑いながらティアナを縛っていたバインドを解く。

「でも、医者として君をこのまま行かせる訳にはいかないな。今の君があのマシンに乗って最大スピード出したら、内臓潰れるかもよ?」
「…!」

ティアナは土下座で享一に頭を下げる。

「お?」
「お願い…行かせて!」
「…」
「拓哉には…世話になりっぱなしなのよ…会った時も、このアンモナイトソルジャーの時も…
だから!今度はあたしが拓哉を助けたいの!だから…行かせて!」
「…ふう。」

享一は溜息をつき、デスクに座って再びアダルト雑誌を読み始める。
521リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/08(金) 18:10:58 ID:uNAlSTWZ
「今度…カラオケにでも付き合ってよね。」
「!、ありがとう!」

ティアナは立ち上がり、大急ぎで医務室から出て行った。

「メンバー一人ゲット…さて、シャーリーさんやアルトちゃんも、誘ってくるか♪」

【格納庫】
格納庫に着いたティアナはバリアジャケットを装着し、クリムゾンウインガーの元に急いだ。

「(クリムゾンウインガー…)あった!」

クリムゾンウインガーの元に着いたティアナは座席に座り、エンジンに火を入れる。
だがアクセルを踏む直前、彼女の前に橘が現れた。

「ティアナ…」
「!?、橘さん…」
「何処に行く?お前はまだそのマシンを乗りこなせていないだろう?師匠として、危険な真似は許さん。」
「乗りこなせないなら、実戦で乗りこなしてみせます!今は、このマシンが必要なんです!」

ティアナは橘を真っ直ぐに見つめる。
その目には一点の曇りも無い。

「…どうしても行くのか?」
「はい!」
「…」

橘はマシンの前から離れ、クリムゾンウインガーの隣に停めてあったレッドランバスに乗った。

「橘さん…」
「最初は200キロで走れ。途中までは俺がついていく。」
「はい!お願いします!」
「よし…」

橘はギャレンバックルを腰に装着し、ティアナはクロスミラージュを天に掲げる。

「変身!」
「セットアップ!」

橘はギャレンに変身し、ティアナはバリアジャケットを纏う。
そしてそれぞれのマシンのアクセルを踏み、格納庫から発進した。

【市街地】
「はっはっは!どうしたレンゲル!?」
「俺たち二人が相手では貴様でも苦しいか?」
「クッ…」

ショッカーの中でも指折りの力を持つモグラングとアルマジロングの前には、レンゲルと言えども一度に相手をするのは難しい。
ましてや二体とも最新技術で更に強化された怪人だ。
レンゲルは自分のスペックを超えたモグラング、アルマジロングの二大怪人の前に苦戦を強いられていた。

「ここで負けるわけには…」
「ほざけ!弾丸スクリューボール!」

アルマジロングは球体に体を丸め、レンゲルに突撃した。

「うわ!」

弾丸スクリューボールを受けたレンゲルは吹っ飛ばされ、近くの車に激突する(当然車は潰れた)
522リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/08(金) 18:11:36 ID:uNAlSTWZ
アルマジロングとモグラングは、車にめり込んでいるレンゲルにゆっくりと迫る。
レンゲル絶体絶命のピンチのその時、無数の銃弾が飛来し、二大怪人を撃ち抜いた。

「ぐお!?」
「誰だ!?」
「あれは…」

レンゲル、モグラング、アルマジロングの三人は銃弾が飛んできた方向を振り向く。
そこにはギャレンランバスに跨り、ギャレンラウザーを構えたギャレンの姿があった。

「大丈夫か睦月!?」
「橘さん!」

【サーキットコース場】
一方、アウレフとジャッカル男のバイク戦は、鉄橋上から大型サーキットコース場に場所を移していた。
勝負は以前ジャッカル男の優勢である。

「どうしたアウレフ!?俺を超えられんのか!?」
「チィ!(奴のマシンのほうがガルベストンより速い!その上に、近づいたら衝撃波で弾かれてしまうから、スピードを上げて追うのも危険だ…どうする?)…ん?通信?」

ガルベストンに装備された通信機のアラームがなり、通信機のアウレフはスイッチを入れる。
通信の相手はなのはだ。

『拓哉君!どう!?』
「奴のマシンは速すぎる!なのはさん!先回りできますか!?」
『こっちも皆ヘリから降りて急いでるけど、とても敵のマシンには追いつけないの!先回りのしようがないわ!』
「万事休すか…」
「拓哉!」
「!?、ティアナか!?」

ティアナの声を聞いたアウレフは背後を振り向き、クリムゾンウインガーを駆るティアナの姿を目にする。
ティアナはマシンのスピードをグングン上げ、アウレフのガルベストンに追いついた。

「大丈夫ライダー!?」
「君…!?」

ガルベストンのスピードメーターを見たアウレフは驚いた。
現在ガルベストンは700キロのスピードで走っている。
つまり、ガルベストンと併走しているクリムゾンウインガーも同じぐらいの速さで走っていることになる。
先程のティアナは500キロで限界だったのだ。当然700キロもだして平気な筈がない。
しかし今のティアナは、先程より活き活きした感じでマシンを走らせていた。

「平気なのか!?」
「あたし…意外に本番には強いみたい!」
『ティアナ、倒れたって聞いたけど、大丈夫なの?』
「はい!なのはさん!あのマシンは私が倒します!だから任せてください!」
『…分かった!信じるわ!』

なのははティアナにそれだけ言い、通信を切った。

「よし…ライダー!行くわよ!」
「ああ!」
523リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/08(金) 18:12:20 ID:uNAlSTWZ
【市街地】
(BGM・rebirth)
「ハッ!」
「うおおおおおおおおお!!」

ギャレン&レンゲル、アルマジロング&モグラングの戦いは既に佳境に入っていた。

〔新しい強さで、よみがえる想い はじき出されてく もっと出来ること〕

ギャレンが撃ち、レンゲルが飛び掛って叩き、その隙に接近したギャレンが連続パンチや回し蹴りを繰り出す。
ギャレンとレンゲルはこの他にも息の合ったコンビネーション攻撃を繰り出し、二大怪人を攻撃する。
二大怪人は二人の攻撃に手も足も出ず、圧倒された。

「ぐう…おのれぇ…」
「ムシケラの分際で…」
「睦月!止めだ」
「はい!」

二人はそれぞれのカテゴリー5と6のカードを取り出し、ラウザーにラウズする。

〔探した答えは 変わり続けてく〕

『BURNING SMASH』
「はあぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
『BLIZZARD CRASH』
「うおぉぉぉぉぉぉぉお!!」

〔生まれ変わるほど 強くなれる〕

ダブルライダーは必殺のダブルキックを繰り出し、ギャレンのバーニングスマッシュはアルマジロングへ、レンゲルのブリザードクラッシュはモグラングに直撃した。

「ヴァァァァァァァァア!?」
「ウオォォォォォォォオ!?」

〔got to be strong got to be strong〕

二大怪人は断末魔の叫びをあげ、爆発した。

「やった!」
「ああ…(ティアナ…大丈夫か?)」

【モトクロスレース場】
一方、アウレフとティアナ、ジャッカル男の戦いはサーキットを抜け、モトクロスレース場に場所を移していた。

「でもティアナ、ウインガーにガルベストン以上のスピードがあるとしても、奴の衝撃波をどうやって回避するんだ?」
524リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/08(金) 18:13:54 ID:uNAlSTWZ
(BGM・rebirth ティアナ・ランスターバージョン)

「スリップストリームよ!」
「何!?スリップストリームだって!?」

スリップストリームとは、高速走行する車両(自動車など)の直後に発生する現象のことである。
走行中のマシンは、空気による抵抗力を常に受けている。
低速域ではこの影響はほぼ見られないが、時速100kmを超えるような高速走行時には抵抗力が強くなるので、車の持つエンジン出力を空気抵抗に打ち勝つことに費やしてしまい、速度が空気抵抗に制限された状態(頭打ち)になる。
その状態の時、車の真後ろ近辺では前方で空気を押しのけた分気圧が下がっており、空気の渦が発生し周りの空気や物体などを吸引する効果を生むほか、空気抵抗も通常より低下した状態となっている。この現象をスリップストリームと言う。

「そうか…スリップストリームなら、あの衝撃波を吸収できるかもしれない…やれるのか?」
「やってみせるわ!」
「頼むぞ!ティアナ!」
「うん!おおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

ティアナはウインガーのスピードを上げ、ジャッカル男のダークセーバーを追う。
そしてクリムゾンウインガーは、俊足でダークセーバーの真後ろに着いた。

「小娘が…喰らえ!」

ジャッカル男はダークセーバーから衝撃波を放ち、ティアナを攻撃する。
しかし発射された衝撃波は、クリムゾンウインガーの前方に発生した「スリップストリーム」現象により、空気の渦に吸収されて無力化された。

「何だと!?馬鹿な!?」
「今だ…「マッハウインガー」起動!うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

ティアナはこの隙をつき、クリムゾンウインガーに装備された特殊能力の一つ、「マッハウインガー」を起動させる。
「マッハウインガー」はスペード9「マッハ」の能力を使い、スピードをアップさせる能力だ。
スピードアップしたティアナはダークセーバーを一気に追いつき、遥か遠くまで追い抜く。
そして大分引き離した後、ティアナはマシンをターンさせ、その場に止まってジャッカル男を待った。

「よし…来た!ホバーモード起動!!」

地平線の彼方にジャッカル男とダークセーバーを見つけたティアナは、クリムゾンウインガーをもう一つの形態、ホバーモードに変形させた。
ホバーモードは橘がアギトのマシントルネイダー・スライダーモードを参考に作り上げた、飛行を可能にする形態だ。
ホバーモードにはタイヤを横にスライドすることにより、変形が完了する。

〔新しい強さで、よみがえる想い はじき出されてく もっと出来ること〕

「いっけえぇぇぇぇぇぇぇぇえ!!」

〔探した答えは 変わり続けてく〕

ティアナはウインガーの座席の上に立ち上がり、クロスミラージュ・ザッパーモードを起動させる。
そしてウインガーをダークセーバーに向けて一直線に加速させ、ザッパーのエッジに猛毒の冷気を纏わせた。
525リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/08(金) 18:14:34 ID:uNAlSTWZ
〔生まれ変わるほど 強くなれる〕

「スライディング!ブリザーーーーーーーード!ベノォーーーーーーーム!!」

時速1000キロのスピードから繰り出されたティアナのブリザードベノムは、一直線にこちらに向かってきたジャッカル男とダークセーバーを貫いた。

〔got to be strong got to be strong〕

「うおおおおおおおおおおおおおおおお!?」

体を貫かれたジャッカル男は、ダークセーバーと共に爆発した。
(曲終了)

「やった…」

ティアナはウインガーをバイクモードに戻し、座席に座る。
その後、ガルベストンに乗ったアウレフが合流した。

「ナイス!ティアナ!」
「あ…うん!」

二人はお互いにサムズアップを送りあった。

【翌日 機動六課隊舎ロビー】
「まさか…本番で1000キロのスピードを扱いこなすとは…」
「偶然ですよ橘さん!偶然!」
「でも、普通じゃ出来ないよ。やっぱり、ティアナは天才だ。」
「睦月兄まで…ほんと止めてよ…」
「橘さん、上城さん、弟子を褒めるのもいいけど、そろそろ時間ですよ。」
「そうか…行くぞ、睦月!」
「はい!じゃあなティアナ!悪い男に捕まるんじゃないぞ!」
「分かってるって。じゃあね!」

橘と睦月は荷物を持ち、隊舎を後にした。

「さてと…ティアナ、バイテクの訓練、やろっか?」
「…うん!」

二人を見送った拓哉とティアナは、自分達のヘルメットを持ち、愛車の元へ向かった。

【次回予告】
政宗一成「AAMON首領は、いつまでもミッド征服が完遂できない地獄大使達に業を煮やしていた。
首領はこの状況を打開するため、かつてクライシス帝国の中でも指折りの実力を持った怪人・デスガロンを向かわせた。
アウレフ、ヴェイト、機動六課、ナンバーズは、デスガロンに立ち向かうも、全く歯が立たない。
大ピンチのその時、アウレフとヴェイトのドラスストーンの内部に居た何者かが、拓哉と龍の精神を支配して表に現れた!
暴走し、敵も仲間も傷つけるアウレフとヴェイトを止めるため、ZO・麻生勝とJ・瀬川耕司が、地球からやって来た!
次回、「破壊神(ドラス)覚醒!やってきたぞZO&J!!」
突き抜けるぜぇっ!」
526リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/08(金) 18:21:54 ID:uNAlSTWZ
投下終了
始めに言っておきます…決してティアナにスリップストリームを言わせたかったわけではありません!
ただバイクに乗れるのに他の皆に比べて色々と装備が貧相な感じがするティアナに専用マシンを与えたかっただけなんです!
ちなみにウインガーのモデルはギャレンランバスと同じヤツで…
そういえば俺のとこのティアナ既に格闘戦がメインになってるなぁ…そろそろ銃を撃たせなければ…

次回から急展開なのですが実はもうちょっと次回の話は後回しにするはずでした…
でも同じような話がこれ以上続けば皆さんも飽きてしまうと思いましたので、まずは完結を第一に考えて展開を早くしました。
勝手で本当にごめんなさいです…

この次は平成ライダーサイドで矢車ザビー復活行きます。
この話で地獄兄弟+シャマルのストーリーは一旦休みにし、ほかの平成ライダーの活躍を描いていきます。

こんな適当な作者ですが今後ともよろしくお願いします。

ps
ティアナ版辛味噌はいづれ全歌詞投下した方が良いでしょうか?
527名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 18:24:58 ID:I1J8dxdv
>>526
GJ!
>ディードがレズカップル
手遅れだ! 奴らは原作から既n(ry
528名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 18:26:06 ID:H6S4V6MM
GJ!
相変わらず面白いです!

おお、いよいよZOとJが来るのか! っていうかデスガロン懐かしい・・・・・・。
・・・・・・RX以外でデスガロンに太刀打ちできる奴いるのか?
529名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 18:39:45 ID:532m3tjl
>+仮面ライダー殿
投下、乙です。
バイクで走りながら銃で後ろを撃つというのはどうでしょう?
よくある両脇の下から銃を通して…ていうアレ。(阿呆)

>反目のスバル殿
相変わらずGJ。
片翼本編でぶん殴っちゃうシーンは正に度肝。
そういえば4月から、ギアス新シリーズ『R2』が始まるとの事。
530仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/08(金) 19:09:02 ID:ALvD7+WR
GJ!ティアナの格闘スキルが上がりっぱなしですね。後射撃ならホバーモードの上から撃つのが普通かな。
さて、10分後、デジモンリリカルS&F第二話投下したいのですがいいですか。
531名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 19:19:22 ID:lxXu/vDk
>>526
前々から思ってたんだが、歌詞とか書いていいの?
そういうのは面倒ごとに繋がるとか以前どっかで聞いた事あるんだが
532仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/08(金) 19:20:49 ID:ALvD7+WR
さてと、そろそろ投下よろしいか。支援頼みます。
533リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/02/08(金) 19:22:45 ID:uNAlSTWZ
>>531
削ってるから大丈夫だとは思うのですが…

支援
534仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/08(金) 19:24:31 ID:ALvD7+WR
それでは投下いたします。


デジモン・ザ・リリカルS&F
第二話
「少女と龍」

キャロとアグモン、フリードは、ジャングルの中を歩いていた。一番近い街でも十数キロ先という場所に何故いるかというとそこしか、街に行く道はなかっただけであった。

「ハァハァ疲れたね」
「オイラもキツイよ、姉御ぉ」
「もう少し、頑張ろう。日が暮れるまでにジャングルを抜けなきゃ」

とは言ったものの、たかだか、10歳の少女の体力である。既に限界は越えている。それに食料などもなく、三日間飲まず食わずだったのだ。数百メートルいくと倒れてしまった。
「姉御!」

アグモンはそう言うとキャロに駆けよった。フリードも心配そうにキャロを見つめる。アグモンが額に触れると呟いた。

「凄い熱だ、どうしよう…、近くに街はないし…」
「キュウゥ〜!」
「え、なになに、『近くに洞窟がある』だって!でかした、フリード!」

そう言うとアグモンはキャロをおぶって、その洞窟へと歩いていった。数十メートル行くと、そこには、フリードの言った通り、洞窟があった。アグモンは恐る恐る中に入っていった。
そこは、誰か住んでいるようで、洞窟の壁には服と見れるものがあり、また大量の果物やキノコなどが置いてあり床にはベッドのような物があった。
その脇には、良くは見えないが写真があった。とにかく、キャロを寝かせようと思った時、後ろから声が響いた。

「あなた達は、だ〜れ?」
「誰だろうね?」

振り向くとそこには赤い龍型デジモンと幼い少女がいた。
少女はライトブラウンの髪にリボンを二つ結び、その右目は翡翠のごとく輝く緑、左目は夕暮れのごとく透き通った真紅の瞳を持っており、体には質素なワンピース風の服を纏っていた。
535仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/08(金) 19:28:22 ID:ALvD7+WR
「え〜っと、オイラはアグモン。」
「フ〜ン、アグモンかぁ!私は高町ヴィヴィオ!で、この子がお友達のギルちゃん!」
「僕、ギルモン!よろしくぅ」
「ねぇねぇ、どうして、こんな所にいるの?」
「街まで行こうと旅をしていたら姉御が熱を出して、倒れたから運び込んだだけなんだ。」
「姉御ってだぁれ?」
「オイラを庇ってくれたりする心の強い人でオイラの自慢の姉御、キャロ・ル・ルシエってんだ」
「キャロお姉ちゃん!?本当なの。」
「当たり前だよ!此処に居るじゃないか」


それから一時間してキャロは目を覚ました。
「姉御!しっかりして姉御!!」
「う、う〜ん…。アグモン?それにフリード?そっか私、倒れちゃったんだ」
「良かったぁ!あ、そうだ姉御、これ着替え!姉御の服は今、洗ってるんだ」

言われて見ると確かに今まで着ていた服はなく、半裸だった。

「え、あ、ありがとう!」

そう言うとキャロは渡された服を着た。どうやらそれは男物を仕立て直した物らしく少し大きめだったが何とか着ることが出来た。

「姉御、似合ってるよ!」
「そ、そうかな?」

その格好はTシャツの様な上着と短いスカートを履きマントを纏うというものだった。

「お兄ちゃんの服似合ってるね!」
「嘘!?ヴィヴィオちゃん!?」
「うん、そうだよ!」
「良かったぁ、無事だったんだ〜。ところでさっきから言ってるお兄ちゃんって?」
「えっとねぇ、ヴィヴィオとずっと暮らしてたの。で、今は南の方にお出かけしてるの」
「お兄ちゃんの名前は?」
「イクトって言うんだよ。野口イクト!」
「ヴィヴィオ〜洗濯終わったよ〜。今持ってくねぇ」
「分かったぁ。ありがとうギルちゃん!」
「ギルちゃん?」
「ギルモンって言うデジモンらしいですよ、姉御!」
536仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/08(金) 19:33:52 ID:ALvD7+WR
「持って来たよぉ。とっ、とっ、とっ、うわっ」

洗濯物をばら蒔いてしまったギルモン。その中にはキャロの下着もあった為、さすがにキャロも慌てて片付けた。
アグモンはヴィヴィオと話をしていた。

「へぇ〜、その写真の人はヴィヴィオのお母さんなんだ」
「うん、とっても大好きなんだ」
母親のことを思い出し少し落ち込んでしまいアグモンは狼狽えた。
「ゴメンね。気に触ること言ったかなぁ」
「ううん、大丈夫!今は、ギルちゃんも居るし寂しくないよ!」

そう言って笑うヴィヴィオ。アグモンにはそれが悲しげに見えたという。

「そう言えば、ギルモンのことあんまり聞いてないなぁ」

「じゃあ、教えてあげる」

ヴィヴィオは語り始めた、初めてギルモンとあった時のことを。
それは、嵐の晩のことだった。ヴィヴィオは、いつものように夕食をとり、眠りに就こうとした時だった。
外で、ドサッ、という物音がした。そして、ヴィヴィオが外に出てみるとそこには赤い騎士の様な影が見え、近づいて見るとそこには赤き龍が倒れていた。

「それが、ギルちゃんだったって訳なの」
「フ〜ン。そんなふうに出会ったんだぁ!」「あ、そういえばギルちゃんとあった時、こんな声が聞こえたんだよ!『我が友のことを頼むぞ、幼き少女よ。我は影から見守って行こう。』て言う声がした後、白い鎧っていうのかな、左手が剣の人影が見えたんだ。」

そんなふうに喋っていたその時、茂みから唸り声が響いた。

「ウオォォ!」

そして茂みから出て来たのは、トータモンであった。

「力を試すには丁度いい。お前ら、死ねぇ!」
「ヴィヴィオちゃん下がって、ベビーバースト」

アグモンはベビーバーストを放つが全く効かなかった。

「堅い…、どうしよう。」

537仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/08(金) 19:38:20 ID:ALvD7+WR
「待ってて、今、進化させ…」
「無茶だ!今の姉御じゃあチャージは出来ないよ」
「死ぬ覚悟は出来たなぁ。し、グオッ!」
「ヴィヴィオに手を出すなぁ!ファイアボール!」

トータモンがヴィヴィオを襲おうとした時、ギルモンが乱入し火球を放ち牽制した。

「えぇい邪魔だぁ!シェルファランクス!」
そう言うと甲羅のトゲが一斉に飛び、ギルモンを吹き飛ばした。

「ギルちゃん!」
「大丈夫だよぉ」
「私、私ギルちゃんの力になる!」

そう言ったヴィヴィオの周りを眩いほどの白銀のデジソウルが覆いい、その右手には、瞳の色と同じ、透き通った赤と緑のデジヴァイスicが握られていたのだ。

「ギルちゃんに力を!デジソウル、チャージ!」

その眩き銀のデジソウルはギルモンへと降り注いだ。

『ギルモン進化ぁ!グラウモン!』

そこには真紅の魔龍、グラウモンの姿があった。

「ヴィヴィオに指一本触れさせない!」
「ふざけるな!シェルファランクス!」

しかし、今度はシェルファランクスは届くことはなかった。

「プラズマブレイドォ!」
「な、なにぃ!?」

全てのトゲを真っ二つに斬られてしまったのだ。

538仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/08(金) 19:40:47 ID:ALvD7+WR
「これで終わりだぁ!エキゾーストフレイムゥ!」

そう言って爆音と共にトータモンへと強力な火炎を放った。

「力を手に入れたばっかりなのにぃ…」

そう言い残しトータモンはデジタマへと戻ったのであった。

「ギルちゃん、凄い!」
「えへへ、褒められたぁ」

そう言いながらじゃれあう一人と一匹。
キャロは何かを決心したようにアグモンの方を向いた。

「決めた。ヴィヴィオちゃんを連れて行こう!」
「えぇ〜!本当!」
「本当!」
「やったぁ!」

「大丈夫、姉御ぉ?」
「な、何とかなるよ」

前途多難な旅路に不安がる二人を見つめる影が二つ。

「やっぱり、ダメダメだな。私がしっかりしないと。な、ガオモン」
「イエス、マスター」

次回
デジモン・ザ・リリカルS&F
第三話
「疾風と鉄槌」

お楽しみに!
539仮面ライダーリリカル電王sts:2008/02/08(金) 19:44:59 ID:ALvD7+WR
以上で投下終了です。今回、簡単な謎かけが入ってますよ。次回は鉄槌の騎士の頑張りですね。
まだまだ未熟だなぁ、俺。
感想待ってます。
540名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 19:48:39 ID:GtEtNsCZ
投下乙乙
541名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 20:30:32 ID:hMi4hgAi
投下、どうぞ!
542リリカルデジモン ◆etxgK549B2 :2008/02/08(金) 20:38:09 ID:c3ejguFD
>>541
オロロ('・ω・)\
どなたか投下するのかな?午後9時投下開始予定です
543名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 20:40:54 ID:HLNa1ZaO
大丈夫っスよ。支援するっス。
544名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 20:45:33 ID:Hyu+4Q/W
>>224
修正…「腰からランサー」と「手からカッター」、どっちにすればいいんでしょうか…?
545リリカルデジモン ◆etxgK549B2 :2008/02/08(金) 20:56:35 ID:c3ejguFD
それでは、投下始めます。
相変わらずのエロ無しSSなので風呂場シーンは、己の脳で保管してください。
546リリカルデジモン ◆etxgK549B2 :2008/02/08(金) 20:57:57 ID:c3ejguFD
デジモンマジシャンガール

第二話『恐怖の学院!進化ドルモン』


PHASE 00

 管理局への捜査協力を前提に過去の罪を清算するため隔離施設で更生プログラムを受けている7人のナンバーズ。
 夕食も済み消灯時間のため各自ベッドで眠る中、部屋から抜け出しある場所へと向かう者が居た。
 銀髪で右目の眼帯が目立つ少女の姿をした戦闘機人であるチンクだ。
 彼女の手にはパンと牛乳が握られている。
 この隔離施設は、外から結界などでシールドを張っているため抜け出す事は不可能であり、トイレに向かうなどの自由は許されている。
 そしてチンクが入った部屋は、今は使われていない倉庫だ。

「おーい、食事を持ってきたぞぉ」

 小さな声で誰かを呼ぶチンク。
 薄暗い倉庫の奥から「ガシャガシャ」と金属がぶつかる音が鳴らせながら、チンクよりも背が若干低い何かが出てきた。
 その姿は、二足歩行の恐竜のぬいぐるみに軍人が着るようなヘルメットと防弾ベスト、携帯用のアサルトライフルなど軍人職が濃いモノだった。

「姉(あね)さん、今晩も食事を届けてくださりありがとうございます。このご恩……決して忘れません!」
「そう畏まるな。姉として当然の事をしたまでだ。お前は私の弟分なのだからな」
「サーイエッサー!」

 悪い気はしないなと内心思うチンクは、むしゃむしゃとパンを食う弟分である"コマンドラモン"を見つめる。
 彼は自分のことをデジモンだと言った。
 デジタルモンスター略してデジモン……どっかで聞いたフレーズだったが、それは置いておこう。
 彼は、ある任務で私達の住む人間界へやって来たらしいが、どういう訳か隔離施設の中に転移してしまい途方に暮れたらしい。
547リリカルデジモン ◆etxgK549B2 :2008/02/08(金) 20:59:43 ID:c3ejguFD
 そんな彼を私チンクが見つけ、話し相手になって行くうちに仲良しになったのだ。
 コマンドラモンを見ているとナンバーズには男が存在しないなと昔考えていた事を思い出した。
 ドクターの趣味なのかと最初は思っていたが、ドクターが死亡した場合の保険のためだった事を後で知って納得していた。
 そんな事を考えているとコマンドラモンが急に食べるのを止めアサルトライフルを向けてきたのだ。

「お、おい、そんな物を向けるな。危ないぞ」
「そこに居るのは誰だ!?」
「え?」
「あはは、ばれちまったっスか」
「ウェンディ」
「チンク姉が抜け出していくからつい追いかけて来たっちゃっス」

 チンクの妹である濃いピンク系の髪を後ろでまとめている少女ウェンディが覗き見をしていたのだ。
 平和ボケしていて気づけなかった自分の愚かさに反省しながらも、コマンドラモンに銃を下ろさせ妹にこの事は他言無用だと伝える。

「なんでっスか?こんな生き物飼っているぐらい私たちには話して欲しかったっス」
「すまん、あまり人に気づかれたくないとコマちゃんが……」
「コマちゃん?」

 チンクの言った名前に対しての説明をするコマンドラモン。

「コマちゃんとは、私の名前がコマンドラモンなので愛称としてコマちゃんと姉さんから言われているんです」
「なるほど〜そんじゃ、コマちゃん、今後ともよろしくっス」
「あ、はい。よろしくお願いします。ウェンディさん」
「ウェンディで良いよ」
「了解しました!」
「声が大きい」
「すいません……」

 小さな笑い声が隔離施設の倉庫の中で漏れる。
548リリカルデジモン ◆etxgK549B2 :2008/02/08(金) 21:03:29 ID:c3ejguFD
PHASE 01

 ドドモンとの出会いを果たしたヴィヴィオ達は、アイナさんが作っていた夕飯の料理を食べていた。

「ドドモン、あーん……はい♪美味しい?」
「キュキュー♪」

 スプーンに注いだスープをドドモンに飲ませてあげるヴィヴィオの姿は、まさに普通の女の子だ。
 誰が、この姿を見てスカリエッティが起こした事件で聖王として高町なのは一等空尉に手傷を負わせた少女とは思わないであろう。
 ヴィヴィオとドドモンの可愛い食事風景に見惚れるママとホームヘルパー。
 午後8時を回ったので帰宅するアイナさんを見送った2人と1匹。

「さて、ヴィヴィオ。ドドモンを飼うにあたって絶対にやらなくちゃ行けない事があるけど……分かる?」
「えーと、確か……」
(『でもね、生き物を育てる事はとても大変な事なんだよ。食事もするし、トイレもするんだよ。ちゃんとお世話が出来るかな?』)

 フェイトママから言われた事を思い出すヴィヴィオ。

「食事は終わったから、トイレ!」
「うん。トイレのさせ方を教えなくちゃね」

 そして、トイレへと連れて行き便座の上にドドモンを置くヴィヴィオ。

「ドドモン。ここが、トイレだよ。ここで、トイレするんだよ」
「キュ〜?」
「えーと、お○っこと、う○ちをする場所……分かる?」
「キュキュ〜」
「何となく分かったみたいね。さぁ、やってみて」

 なのはに言われ踏ん張り始めるドドモンを応援する親子2人。
 そして――「ブリッ……ポチャン」と音がしたことで、ちゃんとトイレが出来たのを確認し良く出来ましたとドドモンの頭を撫でてあげるヴィヴィオ。
 ヴィヴィオに撫でてもらい嬉しい表情になるドドモンであった。
549リリカルデジモン ◆etxgK549B2 :2008/02/08(金) 21:04:53 ID:c3ejguFD
 そして、なのはママとドドモンと一緒にお風呂に入るヴィヴィオ。
 ドドモンの全身の毛をシャンプーinリンスで泡だらけにして洗ってあげるヴィヴィオ。
 嫌がるドドモンは泡がついたままお風呂場で逃げ続ける。
 それを捕まえようと同じく動き回るヴィヴィオ。
 1人と1匹が暴れるため風呂場に置いてある物がグシャグシャになって行くお風呂の中で見ているなのはママは、左手を上げて人差し指を立てる。
 その指に集中していく魔力光に気づき動きを止めるヴィヴィオとドドモン。

「2人とも……お風呂では暴れない。分かったかな?」
「ごめんなさい……」「キュゥ……」
「分かったなら、お片づけして身体を洗ったらお風呂に入りなさい」
「はーい」「キュキュー」

 そうして初めてのお風呂に浸かり喜ぶドドモンを見て笑顔になるヴィヴィオとなのはママ。
 お風呂から上がった2人と1匹は、歯磨きをして明日の用意を済ませベッドへと入る。

「ドドモン、おいで」
「キュ〜」

 ヴィヴィオに言われベッドの下で眠ろうとしたドドモンは飛び跳ねてテイマーの胸へと飛び込む。
 ドドモンの柔らかい毛並みとシャンプーの匂いにうっとりとするヴィヴィオ。
 本当はベッドで寝かせるのは良くないんだけどと思うなのはママだったが、今日だけねと許してあげた。
 今日一日忙しかったのか、ヴィヴィオはウトウトし始めドドモンも赤ちゃんなので直ぐに眠りについている。

「それじゃあ、おやすみ。ヴィヴィオ」
「おやすみなさい……すぅすぅすぅ」
「うふふ、直ぐに寝ちゃった」

 こうして、ヴィヴィオ達を寝かせたなのはは、残っていた教導中の生徒達の練習メニューの見直しを始め、午後11時を過ぎた頃には仕事を終え
ヴィヴィオ達が眠るベッドに潜り込み、子供の良い匂いを嗅ぎながら眠りに着いた。
 忙しい1日がやっと、終わりを迎えたのであった。
550リリカルデジモン ◆etxgK549B2 :2008/02/08(金) 21:06:31 ID:c3ejguFD
PHASE 02

 なのはママとドドモンと一緒にベッドで眠っていたヴィヴィオは、朝の日差しで目覚めると横で眠っていたドドモンの姿が変わっており驚く。
 昨日までは、サッカーボールより小さいぐらいだったのが今では、サッカーボール並みの大きさで4足歩行できる小さな足と小さな尻尾がある。

「おはよう。ヴィヴィオ、なのはママ」

 姿が少し変わった以上に喋り出したことに驚くなのはだったが、ザフィーラで慣れていたヴィヴィオは苦も無く受け入れ、お話が出来る事を喜んだ。
 スキャンすると、データが更新されている事に気づく。

≪ドリモン:幼年期(2)・レッサー型・飼い慣らされるのを嫌がる野生のデジモンで無鉄砲に敵に突進する。
必殺技:突進しながら口から鉄粒を放つ「メタルドロップ」≫

「喋られるんだね」
「うん。ヴィヴィオといっぱいお話できるよ」

 それを聞き、ヴィヴィオはドリモンをペットしてではなく友達として接する事にした。

「それじゃあ、ドリモンとは"ともだち"だね」
「"ともだち"……うん」

 そう言うとぴょんと飛び跳ねて顔の部分を突き出して小さな4本の足でヴィヴィオの顔にしがみ付く。
 ドリモンの柔らかい毛並みと感触が堪らなく気持ちが良いと思うヴィヴィオ。

「ともだちのしるしだよ」
 
 さらに、ヴィヴィオの顔から離れるとなのはママの顔にもしがみ付くドリモン。
 なのはママも、その感触に気持ちが良いなと思う。

「ちょっとビックリしちゃったけど、歯磨きしたら朝食を食べましょう」
「「はーい」」

 歯磨きをして制服に着替えるヴィヴィオとなのはママ。
 そして朝食を終えてママ特性弁当を受け取ったヴィヴィオは、ドリモンを抱いて学校へ行こうとする。

「あ、ヴィヴィオ。ドリモンは置いていく」
「えーなんで?」
「生き物を学院に持って行っちゃ駄目なのよ」
「う〜」
「う〜も、駄目」

 なのはに諭されてドリモンを家に置いて行く事にするヴィヴィオ。
 アイナさんに連絡を入れようとするなのはママ。
 その時、置いて行かれるのを恐れたドドモンは、徐々に涙目になり、そして……大きな声で鳴き始めた。
 その大きな泣き声に、慌てて抱き上げてあやすヴィヴィオ。

「泣かないでよ、ドリモン……ヴィヴィオも、泣いちゃうよ……うぅ、ぐす」
「あぁ、2人とも泣かない……分かった。先生に聞いてみるね。それで、駄目だったら諦める事……良いわね?」

 涙を拭いながらヴィヴィオとドドモンは小さな声で「うん」と答えた。
 なのはが先生に連絡したところ、管理局からもデジタル生命体の監視と調査も兼ねてヴィヴィオとドリモンには一緒に居させて欲しいと連絡があったらしい。
 一応、暴れないのであれば教室の後ろにある横長のロッカーの上で飼う事を許してくれた。
 その事を伝えると喜び合う2人に、仕方が無いなと少し困り顔のなのはママであった。
551リリカルデジモン ◆etxgK549B2 :2008/02/08(金) 21:08:51 ID:c3ejguFD
「それじゃあ、行ってきます〜」
「2人とも気をつけてね」
「はーい」「は〜い」

 ヴィヴィオは学院での飼育許可が出た事で、ドリモンを連れて学院へと向かう。
 学院行きのバスの中ではドリモンを抱っこして行くことにした。
 ぬいぐるみだと思われていて、まったく生き物だとは誰にも気づかれずに学院へと到着する事が出来た。
 バスから降りたヴィヴィオとドリモンは、ニコッと笑いあう。

「バレなかったね、ドリモン」
「うん。凄くハラハラしたけど面白かったよ」

 そしてドドモンを抱いたまま教室へ入ると、一斉に教室のみんながヴィヴィオを囲いドリモンについて聞いてくる。

「それって、昨日のタマゴから孵ったんだろう?すっげぇぇぇ」
「タマゴから鳥や虫ではない動物が出て来るとは……興味深い」
「きゃーかわいい」
「触らせてぇ〜」
「うわ〜毛並みが柔らか〜い」
「それ食えるのかな?」
「最初に言っておく、俺はかな〜り小動物が好きだ!!」
「ヴィヴィオちゃん好きだぁぁぁ!!」
「ふっ、おとめ座の私にもセンチメンタルな運命を感じるよ」
「なぁ、前の2人のセリフ……可笑しくないか?」
「俺は最初からクライマックスだぜ!」
 
 話が脱線しだした時、チャイムが鳴り先生が教室へ入ってきた。
 ドリモンの周りを囲んでいた生徒達は一目散に自分の席へと戻って行く。
 やっと開放されたヴィヴィオとドリモンの前に先生がやってくる。

「それが、昨日のタマゴから生まれた子ね?」
「はい、先生」
「初めまして。ドリモンです」
「あら、喋られるのね。なら話は早いわ。ドリモンちゃんは、後ろの箱で大人しく待っていてくれるかな?」
「大人しく?」
「そう、授業中には声を上げないように」
「うん。分かった」

 軽くドリモンの頭を撫で前へと戻って行く先生を見送りヴィヴィオは、教室の後ろにある横長のロッカーの上に置いてあった箱にドリモンを置く。

「良い子で待っててね。休み時間になったら話しかけるから」
「うん」
552名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 21:10:30 ID:fpkBONQy
ばあちゃんが言っていた……支援!
553リリカルデジモン ◆etxgK549B2 :2008/02/08(金) 21:10:34 ID:c3ejguFD
 そして、ドリモンが後ろから見つめる中、朝のホームルームが開始された。
 ヴィヴィオたちの授業風景をニコニコ見守るドリモン。
 子供達1人1人の行動を見つめていて、まったく飽きないようだ。
 昼食の時間になると、子供達は各自仲良しグループで昼食を取る。
 ヴィヴィオはママの子供時代と同じく、屋上で昼食を仲良しの女の子達とドリモンと一緒に食べている。
 男の子達は男の子達でグループを作ってしまうこの状況を打破したい先生もいるとかいないとか。
 その時、女友達から学院で流れている噂話を聞かされる。

「近頃ね、夕方ぐらいに1人で廊下を歩いてるとパタパタって音が聞こえるんだって」
「あ、それ知ってる。その音が聞こえた後に黒い羽を生やしたサッカーボールぐらいの何かが襲ってくるんだよね」
「そうそう。その後、襲われた子は気を失っちゃうんだよね」
「ちょっと、怖いね」

 ぎゅっとドリモンを抱く力を強めてしまうヴィヴィオ。

「う〜ちょっと苦しいよ、ヴィヴィオ〜」
「あ、ごめんね」
 
 まぁ噂だからねと言う事で、この話題はここで終わる事となった。
 午後の授業は体育で、みんな体操着に着替えてグラウンドへと出る。
 今回はドリモンも参加が許されて、今はヴィヴィオの足元で大きなあくびをしていた。
 お昼ご飯の後の体育で気持ちの良い日差しに、まだまだ赤ちゃんであるドリモンにとって極上の睡眠時だ。

「ドリモン、眠いの?」
「大丈夫だよ、ヴィヴィオ」
「きつくなったら言うんだよ〜」

 そして、準備運動をしたヴィヴィオ達はタイヤなどで出来た障害物で身体を思いっきり動かす。
 眠かったドリモンも、子供達の声に感化され遊びまわる。
 小さな身体で障害物をよじ登ろうとする姿に女の子達は「かわいい〜♪」を連呼するのであった。
554名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/08(金) 21:12:37 ID:w4dFl2wE
支援
555名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/08(金) 21:13:46 ID:w4dFl2wE
しえn「
556リリカルデジモン ◆etxgK549B2 :2008/02/08(金) 21:13:48 ID:c3ejguFD
PHASE 03

 午後の授業が終わり各自帰宅し始める中、ヴィヴィオに抱きかかえられていたドリモンは何かに反応する。

「どうしたの、ドリモン?」
「……デジモンだ!」
「えっ?あ、ドリモンまってぇ」

 ヴィヴィオの停止を振り切りドリモンは、その小さな足を力強く蹴り教室を出て行ってしまう。
 それを追ったヴィヴィオは、現在使われていない校舎へと迷い込んでしまう。
 そこは、今年の春休み中に卒業生の子供達が儀式魔法を行い大事故を起こしてしまった場所だ。
 もともと新校舎に移動するつもりであったため旧校舎を立ち入り禁止にする事で解決されている。
 旧校舎の取り壊しは、夏休みに入ってからと成っている。
 生徒達の間では、お化け屋敷になるんじゃないかと噂されている現状だ。
 ドリモンを探して奥へ進むと、毛を逆立てているドリモンが居た。
 パートナーデジモンの下へ向かうと、その前には天井でぶら下がっているコウモリのような羽を生やした黒い生き物が居た。
 ドリモンの反応から、もしかしてと思いスキャニングを行うとデータが表示された。

 ≪ピコデビモン:成長期・小悪魔型・ウイルス種・コウモリの羽を付けた小型デジモン。必殺技:『ピコダーツ』大きな注射器を連続で投げつける技。
注射器には血(データ)を抜き取る効果もある≫

「へへへ、とうとう見つけたぞぉ。事前に人間界に潜り込んでいた甲斐があったぞぉ。幼年期なら俺でも倒せるぞぉ!」
「グウゥゥ……」
 
 威嚇するドリモンだったが、天井から降りてきたピコデビモンの2本ある足の爪を受けて吹き飛ばされる。
 床に叩きつけられたドリモンを抱きかかえるヴィヴィオ。 

「酷い!同じデジモンなんでしょう?何で仲良くしないの?」
「へへ〜ん。デジモンってのはな、相手を倒して捕食して力に変える種族なんだぞぉ!それに、こいつは……おっと、これ以上は言えないぞぉ」
「ヴィヴィオ、離れて……」
「ドリモン!?」
「へっ、かっこつけるじゃないんだぞぉ――ピコダーツ!」
「きゃっ!?」
 
 足元に撃ち込まれた大きな注射器にヴィヴィオは腰を抜かして座り込んでします。
 流石にまだ6歳の小さな女の子では、こんな大きな注射器が投げて来られれば腰を抜かしてしまう。
 ヴィヴィオに抱きかかえていたドリモンは力ずくで抜け出すと、少女の前に出る。

「ヴィヴィオは傷つけさせない!ヴィヴィオは……僕のともだちで、テイマーなんだ!」
「うるさいぞぉ。息の根を止めてやるぅ!」
「ドリモーン!!」

 ドリモンを思うヴィヴィオの叫びがドリモンへ力を与える。
 その時、デジヴァイスが輝きだしドリモンも同時に輝きだす。
 ヴィヴィオの思いの力がドリモンを成長期へ"進化"させるのだ。
 ドリモンのデジコアは次なる姿へのデータを選び出し、ドリモンは新たなデジタルモンスターへと進化する。

『ドリモン進化ぁぁぁ――ドルモン!』

 光輝いていたドリモンは、ヴィヴィオより二回り程大きな肉食竜のような二足歩行をする獣へと姿を変えていた。
 紫色の毛並みに額で輝く逆三角形のインターフェースが印象的なデジモンへと成っていた。
557リリカルデジモン ◆etxgK549B2 :2008/02/08(金) 21:15:34 ID:c3ejguFD
 ヴィヴィオは、小さな声でデヴァイスに指令を出しスキャニングを行う。

≪ドルモン:成長期・獣型・データ種・額に旧式なインターフェースをもつ為、デジモンが発見される以前の実験用の"プロトタイプデジモン"ではないかと
推測されている獣型デジモン。必殺技:『メタルキャノン』鉄球を口から放つ技だ≫ 

 目標が成長期へと進化した事に焦り始めるピコデビモン。

「く、くそぉ!それでも、進化したばかり……俺のほうが優位のはずだぞぉ!!」
「それは、どうかな!」

 ピコデビモンは上空から鋭い爪でドルモンへ突撃する。
 しかし、攻撃が当たる寸前に強靭な脚力で飛び回避。
 攻撃を避けられ爪が床に突き刺さり動けないところを着地したドルモンの尻尾がピコデビモンを打つ。

「ギョエェェェ!」

 その一撃で床にぶつかりながら跳ねていくピコデビモン。
 ドルモンは攻撃態勢のまま、ピコデビモンに負けを認めるように呼びかける。

「もう諦めるんだ。君にはもう勝ち目は無い」
「うるせぇぞぉ!ここで逃げても、消されちまうだけなんだぞぉ!!」

 それを聞きヴィヴィオは、誰かに言われてやってる事なのかと聞いてみる。

「ピコデビモン。お願いされた人に、ヴィヴィオからやめて下さいって言ってあげるから、ケンカはやめようよ」
「そんな甘っちょろい世界じゃねぇんだぞぉ!……そうだ、人間のデータを取り込めば……こいつに勝てる!」
「えっ!?」
「そんな事はさせない!」

 ヴィヴィオの前に立つドルモンに向けて大きな注射器を向けるピコデビモン。

「喰らえェェェ!ピコダーツ!!」
「ヴィヴィオは僕が守る!メタルキャノン!」

 大きな注射器をドルモンの口から発射された大人の握り拳以上の大きさの鉄球が衝突。
 メタルキャノンの方がピコダーツの威力を上回り粉砕。
 そのままピコデビモンへと鉄球が直撃する。
 あまりの威力にピコデビモンは粒子となって消滅した。 
 ドルモンはピコデビモンの残骸である粒子を取り込む行為"ロード"を行う。
 半透明だった粒子は赤い粒子となりドルモンの身体に取り込まれた。
 ロードを終えたドルモンは、ヴィヴィオに顔を向ける。

「大丈夫?ヴィヴィオ」
「うん。ありがとう……えっと、ドルモン♪」

 よく出来ましたと頭を撫でてあげるヴィヴィオ。
 その行為に目をつぶって嬉しがるドルモンの姿を窓から夕日の光が注がれていた。
558リリカルデジモン ◆etxgK549B2 :2008/02/08(金) 21:17:24 ID:c3ejguFD
PHASE 04

 戦いに生き残ったヴィヴィオとドルモンを遠くから追尾していた光の玉の形をした観察用サーチャー。
 サーチャーからの映像を見る2人の女性。

「……ふぅ、ハラハラしちゃった。かなり危ない事件に、ヴィヴィオちゃんは巻き込まれてしまったみたいですね」
「ですね。あのデジヴァイスを通してヴィヴィオちゃんの感情と魔力がデジモンに流れるシステム……研究の遣り甲斐があるわ」
「あまりヴィヴィオちゃん達に負担が掛からない程度にお願いします」
「分かってるわよ、ギンガ。このマリーさんに任せなさい」
「はい。お願いします――あ、それとヴィヴィオちゃんの護衛は私が担当する事に成りました。なのはさんとフェイトさんからも推薦されたので」
「知り合いに護衛してもらった方が安心だもんね。あ、でも"あの子たち"の更生プログラムは、どうするの?」
「お父さんがラッドさんと2人でがんばってやってくれるそうです」
「それなら安心ね」
「はい」

 マリーと別れ陸士108部隊へと戻る途中、空に霞が掛かった風に見える事に気づく。
 目を凝らしてみてみると、

「え?」

 目を疑いたくなるようなモノを見てしまい、声を漏らしてしまう。
 ギンガが見たモノは、赤いローブを着て素顔を隠した何かが地上を見下ろしている。

『A strong magic reaction is perceived high up in the sky.(上空で強い魔力反応を感知)』
「まさか、あれは実在するの……」

 ブリッツキャリバーからの報告を受け、上空に見えるモノが実在している事に恐怖する。
 上空で映る立体映像は、現在の魔法科学では作れないほどの大きさだ。
 人が扱える者ではない。
 唖然となっていたギンガだったが、急に上空の映像が消え元の夕日が落ちる寸前の赤い空に戻っていた。

「あれは、いったい……あ、はい――分かりました。直ぐに戻ります」

 ギンガに陸士108部隊から収集がかかる。
 突如現れた未確認の立体映像と危険レベルの魔力反応、そしてセンサーへのジャミングなど人の手だとは到底思えない行為。
 急いで職場へ戻るため駆けるギンガは、この事件は今までに無く大きな事件へと発展するかもと思うのであった。

To Be continued
559名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 21:18:56 ID:Rn0rOGb+
>ギンガに陸士108部隊から収集がかかる。
召集だってば
560リリカルデジモン ◆etxgK549B2 :2008/02/08(金) 21:19:41 ID:c3ejguFD
アルト「アルトと!」
ルキーノ「ルキーノの!」
アルト&ルキーノ「「デジモン通信」」
アルト「やっと出番がもらえたね、ルキーノ」
ルキーノ「うん。出番が本編だと全部合わせても10分以下な私達にも、筆者さんは手を差し伸べてくださったのね」
アルト「いや、たぶん話題に出ていた空気キャラを活用してみようってのに乗ってみただけじゃ……」
ルキーノ「あり得るから言わないで……」
アルト「そ、そうだね!それじゃあ、今回出たデジモンを紹介するよ!」
ルキーノ「最初は、コマンドラモン。次にドリモン、ピコデビモン、ドルモン、そしてギンガさんが驚いていた上空に映ったデジモンの正体は……」
アルト「そこまで!たぶん分かった人達もいるかも知れないけど、ここは秘密主義で行こう」
ルキーノ「うん。それにしても、ナンバーズの所に迷い込んできたデジモン……凄い装備よね」
アルト「うん。どこの陸士部隊のコマンドって感じだよね?」
ルキーノ「それに引き換えドルモンちゃんは、リスみたいな尾に犬みたいな顔立ち……欲しいかも」
アルト「やめときなさい。絶対に育てられないから」
ルキーノ「どうしてよ?」
アルト「それは、この前私が持ってきた花を1日も持たせず枯らせたよね」
ルキーノ「う……それは忙しかったからであって」
アルト「忙しい人が飼える程簡単なものじゃないのよ……動物はね」
ルキーノ「なんだか悟りきってる様子が気に食わないけど……あ、もうこんな時間」
アルト「それじゃあ、次回もよろしくね〜」
ルキーノ「バイバーイ!」


次回予告
ドルモンとの生活を続けていくうちに、数々のデジモン達と遭遇し倒していくヴィヴィオとドルモン。
正当防衛だとしても相手を倒してしまう事に疑念を抱くヴィヴィオは、更に進化したドルモンとの距離を開けていくようになる。
そんな時、上空から多数の堕天使型デジモンがミッドチルダを強襲する。

デジモンマジシャンガール
第三話『ダークエリアからの強襲!狂乱する破壊の化身ドルゴラモン!』
リリカルマジカル……がんばります
561リリカルデジモン ◆etxgK549B2 :2008/02/08(金) 21:22:12 ID:c3ejguFD
>>559
あ、間違ってました。ご指摘ありがとう
>>558のギンガに陸士108部隊から収集がかかる。の収集を召集へ修正お願いします

支援ありがとうございました
562名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 21:22:25 ID:Rn0rOGb+
>ルキーノ
「ルキノ」伸びない
フルネームだとアルト・クラエッタとルキノ・リリエ
ttp://nanoha.com/character/alto_lucino.html
563名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 21:27:40 ID:pgzOTQhz
GJ!
ヴィヴィオが本局までなのはを迎えに行く話とか面白そう。
564名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 21:29:38 ID:fpkBONQy
>563
それに、『両さんと一緒に』を付けたくなった。何故?
565リリカルデジモン携帯:2008/02/08(金) 21:30:21 ID:Ntrcxrgm
>>562
やべ、見間違えてた(汗)
>>560のルキーノって名前をルキノに修正お願いします。
度重なるミス指摘ありがとうございます。
これをパソコンで投下したらバイバイさるさんに成りました
566名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 21:37:27 ID:TVrRoauF
デーモンか?
七大魔王も出てくるのか?
567名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 21:41:05 ID:bSGHs4uq
次回、さそっく、ヴィヴィオとドルモンの絆の危機ですか。
そしてドルゴラモン登場か。楽しみです。
568名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 21:46:00 ID:HLNa1ZaO
>>561
デジモンが可愛ええ……。赤ん坊ドルモンとヴィヴィオ、なのはママの絡みもいいわあ。

我侭なんだけど、本編終了後にエクストラステージとしてアルカディモン撃破というのはだめかな?
ラスボスより強いラスボスといった感じで。
いや、あまりの強さに惚れ惚れしてしまったものでな……。
都合が合わなかったら別にいい…。

>>564
奴が来るのも見てみたいな。
569名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 21:48:18 ID:TVrRoauF
>>568
あれはタイチとゼロのコンビじゃないと無理だろ…

アルファモンが出るって事はロイヤルナイツ全員ゼヴォリューションも期待できるな
570リリカルデジモン ◆etxgK549B2 :2008/02/08(金) 22:13:21 ID:c3ejguFD
やっと書き込めるよ〜
感想ありがとうございます
>>566
次回をお楽しみに
>>567
ドルゴラモンの暴走ついでに、ある人物が暴走します。
>>568
アルカディモンかぁ〜書く暇があるか分からないので・・・
デーモンは7大魔王としての立ち位置です。
>>569
X抗体デジモンは、アルファモンとオウリュウモンだけ登場予定です。
571名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 22:17:09 ID:daAdw8Ts
四聖獣とかは出てくるんですか?
個人的にはオメガモンとデュークモンが好きなんですが、まだ子供いますし、幼年期からパートナーになったりしないかな〜。
一度デリートされて、ネットの海からデジタマとなってとか。
オグドモンかルーチェモン・サタンモードがラスボス候補ではないかと。
572名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 22:23:46 ID:Ae8PkAwF
>>570
ゼヴォリューションしないとなると、オメガモンがオメガインフォース使えないな…
フォース持ち三体揃い踏みを期待してたのだが……
573名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 22:23:52 ID:ep6ILWtO
>>570
ア、アルファモン王○剣・・・!そらまた大胆な

アルカディモンは究極体攻略ですら最低エアロゼロ後期並のスペック(特にスピード)が必要だしなぁ
ドットマトリクスと言う見えない、特定不能、当たれば即死の必殺技は酷いぜ
574名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 22:31:48 ID:86+XMqT8
>>570
GJ!
毎回楽しみにしてます

>>569>>573
アルカディモン究極体程度ならアルファモンで余裕だろ
ドットマトリックス以外はデクスドルゴラモンと大差ないし瞬殺ミンチ確定かと
575名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 22:33:52 ID:Ae8PkAwF
>>574
超究極体に決まってるじゃないか!
576名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 22:56:27 ID:JOvvQoYK
デジモンって強い奴はほんと強いよなwwwww
完全体で核弾頭レベルとか
最近……つか少し前だけど惑星破壊する奴もでてくるし
577名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 22:56:58 ID:ep6ILWtO
>>574
いや、それは流石にアルファを過大評価しすぎ
アルカディは究極体の時点で攻撃力、防御力、機動力全てがオメガを上回る
アルファも確かに全て上回ってるはずだがアルカディ瞬殺出来る程でも無い(そもそもアルファ、素で飛べるのか?)
と言うか、そもそもドットマトリクス攻略しなきゃアルカディは撃破出来んだろ

喧嘩腰になってしまったかもしれんが、瞬殺は無理だろと言いたい訳です、ハイ
578名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 22:59:22 ID:HDM4g8MD
とりあえずいやっほーぅ!インペリアルドラモン最高!
579名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 22:59:40 ID:I6W/IZC2
>>576
初期のマメモンとかモンザエモンが弱く見えてくるから悲しいぜ。
一番好きなのはメタルエテモンだけどさ
580名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 23:15:43 ID:qK8Dx1n4
そういや今日のMステで水樹奈々がCDシングルランキングに出てたな。
581名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 23:23:54 ID:mBZlLb2H
映画での太一とコロモンとの名シーンを再現有難うございます。
Vテイマーと02の太一とテイマーズのタカトを出来れば出してもらいたい。
聖騎士型をパートナーに持つテイマー同士力を合わせてほしい。
582R-TYPE Λ(ラムダ):2008/02/08(金) 23:25:51 ID:qJmGG4m5
予約ってあります?
無いようなら投下します
583名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 23:26:34 ID:86+XMqT8
>>577
・デクスドルゴラモン瞬殺ミンチ(デクス〜はガルルキャノンの直撃でちょっと羽がこげる程度の防御力)
・アルカディ究極体は拡散ガルルキャノンでちょっと表面がこげる程度
・アルファインフォース(ずっと俺のターン。詳細は公式HPで)
以上のことから個人的見解では瞬殺ミンチでした
まあ個人的な意見を確定とかいっちゃったこっちが悪いッス
スンマセン
584名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 23:28:22 ID:ascdVJ6O
何故かすごく眠いけど支援
585R-TYPE Λ:2008/02/08(金) 23:29:16 ID:qJmGG4m5
んじゃ投下。




第97管理外世界。

科学技術の発展著しいものの、魔法技術体系が存在せず、時空間交流から取り残された辺境の世界。
「エースオブエース」、「夜天の王」など、強大な魔力を秘めた人材を輩出しつつも、次元世界の存在を観測しきれてはいないとの事から、他世界との交流を持たない奇妙な世界。
強大な力を秘めた質量兵器が氾濫、絶えず内戦が勃発・継続し、時には時空管理局が介入を考慮するまでに壮絶な戦火が立ち上る世界。

彼等が次元世界に進出する事は、まず無いだろう。
それが、次元世界の存在を知る者達の総意であった。
正確には、此方から接触しない限り、彼等が次元世界の存在に気付く事は無いだろう、との意だ。

時空間移動には魔力が必須。
魔力を有する者、次元世界に関わる者達の間では一般常識である事柄。
その程度の事ですら、彼等、第97管理外世界の住人達は把握していないのだ。
よしんばそれに気付いたとして、彼等の世界に魔力を扱う術は無い。
彼等が自力にて時空の海へと乗り出す事は在り得ないのだ。

少なくとも、次元世界の平定者を自負する管理局に属する者達は、それを信じて疑わなかった。
その世界を故郷とする、管理局屈指の魔力を有する2人、「高町 なのは」、「八神 はやて」ですら。

彼等は失念していた。
自らが次元世界の全てを理解している訳ではないという事実を。
そして、科学とは時に恐るべき進化を遂げる事を。



そして悪夢は、虚数空間の果てより現れた。

*  *  *

「JS事件」の収束から2年。
突如として発生した大規模な次元断層。
数多の世界が位相をずらし、次元世界は未曽有の混乱状態に陥った。
そして、簡易ながらも各管理世界の無事が確認され、管理局がその機能を回復した頃。

「艦長・・・前方に艦影1、本艦に向け接近中です」
「艦種は?」
「それが・・・」

本局次元航行部隊所属、XV級次元航行艦「クラウディア」の前へと、それは現れた。

「L級・・・L級次元航行艦です」
「なに?」
「艦名は・・・《エスティア》!? L級2番艦、《エスティア》です!」
「馬鹿な!」

それは、20年以上も前に空間歪曲の中へと消えた、管理局所属L級次元航行艦。
そして辿り着いたポイントでは、信じ難い光景が繰り広げられていた。
586名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 23:29:27 ID:0gUSrYdI
うわさに聞く究極生物か・・・支援
587名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 23:30:31 ID:pgzOTQhz
卑猥な奴等支援
588R-TYPE Λ:2008/02/08(金) 23:33:35 ID:qJmGG4m5
書き込めない…避難所行って来ますorz
589名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 23:34:36 ID:pgzOTQhz
ギャー!準備なしでバイド戦に突入!
590名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 23:36:25 ID:ascdVJ6O
>>588
一行目改行の規制に引っかかったとか?
意外に引っかかる人多いんだよな、これ
591名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 23:40:16 ID:r/icXUTU
支援。悪夢が始まる
592名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 23:44:11 ID:fJwwz79S
>>590 1行目だけじゃなくても改行多い書き込み増えると規制かかる場合あるみたいよ。コピペ・AA荒らしと認識されるんだろうな。
593名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 23:44:52 ID:pgzOTQhz
R−TYPEの地球は対バイド戦の準備に42年かけました、来てくれR−100カーテンコール!支援
594名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 23:46:28 ID:ascdVJ6O
>>593
管理局の技術がどんだけ躍進するんだよw
595R-TYPE Λ:2008/02/08(金) 23:53:27 ID:qJmGG4m5
避難所に投下してきました
さっき投下した分は異層次元に消えたのか?
596名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 23:53:56 ID:0gUSrYdI
スカ博士の復活はもうすぐだw
597名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 23:58:03 ID:ascdVJ6O
フォースと遊ぶってw
コントロールロッドだけは取り外すなよ
598名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 00:00:00 ID:JGhBFTLe
読んできました。面白かったです。原作についてはまったく知りません。
雑談スレを一日で埋め尽くしたくらいしか。
これからの展開がまったく分りませんが、楽しみです。
とりあえず原作について調べてきます。
599名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 00:02:36 ID:7dBjV63y
>>598
ドブケラドブス
で検索するんだ
600名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 00:03:00 ID:pgzOTQhz
>>597
なんせ直径6mのバイドの切れ端だけで半径3万mを完全消失させちゃったからなww
外したら暴走してエライことになるぞ!w
601名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 00:10:14 ID:u3rlPHjw
>>599
検索してみました。こいつは強いんですか?

いまさらですが淫獣が死にましたね。
EDF氏のSSでクロノが死んだ時のようにあっけなかったです。
602名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 00:12:09 ID:GvLFSErO
現行の通常兵器は効かないらしい。
603OSGS:2008/02/09(土) 00:12:49 ID:crd+ghQU
いまやっとバイドの意味するモノに気がついたんですが……
604名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 00:13:58 ID:szRZxQMF
>>603
もう、遅い。
さあ、われわれといっしょに人類皆変態という名の紳士をかかげまs
//どういう意味?
605名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 00:20:17 ID:SZtUhoGq
Rというとあれか
試験管の中に脳みそが詰まってる戦闘機
606R-TYPE Λ:2008/02/09(土) 00:20:22 ID:NPOnizlL
うあ、ドジった

>「バイド」と交戦状態にあった友軍機を撃墜した艦。
>それと同型の艦艇が、多数停泊する超大型異層次元

正確には

>それと同型の艦艇が多数停泊する、超大型異層次元航行艦艇。

でした
すみません

>>601
とにかくタダじゃ済みません、淫獣
ドブケラは雑魚の時もあれば、どう足掻いても絶望って時もあります
SUPERじゃ幾分カッチョよくなって登場
607名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 00:29:30 ID:aHAYTdLx
>R−TYPE Λ殿
いきなり死人が出てしまったみたいですが乙です。
ゲーセンで初代、U、LEO。家庭用でスーパー、V、FINALと、
結構な数をやり込んだ自分はもう興味津々。
608名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 00:58:22 ID:riOC8fbx
後世まで時空管理局が残っている事に驚いたのは俺だけですか?
609メタルサーガsts:2008/02/09(土) 01:00:43 ID:sAMG1MEA
>R−TYPE Λ殿
おつかれさまです。
しかも索敵機たるアンチェインもってくるなんて夢にも思わなかった。
物凄くわくわくしてます。いっそRミュージアム全機登場を期待。
次に来るのはどの機体なのか楽しみにしてます。
610名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 01:08:17 ID:xffzFfqv
元ネタを知らない人のためのRシリーズ

ttp://www1.odn.ne.jp/deeptown/rtype/rlist.html
611魔装機神:2008/02/09(土) 01:37:28 ID:baPwbqfw
何か知らないけど執筆作業が予想以上に進んだので45分ごろに投下します。
612魔装機神:2008/02/09(土) 01:44:58 ID:baPwbqfw
FLAME OF SHADOW 19 その日、機動六課 前編

ここ、時空管理局本部は混乱していた。
今日は公開意見陳述会の日で、重大は警備が敷かれていたはずだった。
しかし、それをあざ笑うかのように爆発が起こる。
「何が起きた!?」
「ば……爆発です!先ほどの爆発で、通信官制システムに異常!」
「なにぃ!?」
この本部の官制担当は驚きの声をあける。
この地上本部にいったい誰が?何の目的で?
「それと同時に、周囲にガジェットドローンが出現しています」
ガジェットと言う言葉に驚くが、そこは司令官。すぐに冷静さを取り戻す。
「早急に迎撃に当たらせろ!!」
「は、は!」
と命令をさせその場に座りつく。
とにかく、この状況を何とかするのが現状での最優先事項だ。
「中将たちの護衛も忘れるなよ!」
「は、はい!」
その瞬間だった。
目の前のモニターに、奇怪なものが移った。
「な、何だこれは!?」
司令官はさけび、その真赤な鎧に包まれた式のようなものを見た。

(全く……)
ウルはため息をつきながら周囲を見る。
そこには焼かれた、もしくは切り裂かれたがジェットの残骸がある。
ウルはファイデスにフュージョンし、のこっているジェットに切りかかる。
他の局員はガジェットがいきなり現れたとたん、一旦後退とか言って逃げ出した。
なさけねえ、と思いながらも、ほとんど誰もいないから戦いやすいからいっか、と残りのガジェットを見る。
「おおりゃあぁぁーーー!!」
そこへ、ヨアヒムが投げ飛ばしたガジェットV型が他のガジェットを巻き添えにし爆発する。
相変わらずの馬鹿力、と思いながらウルはフュージョンを解く。
「うっし。ここら辺の駆除は完了っと」
そういって、ウルはふと後ろを見る。
そこには、ウルに向かって構えている局員の姿がいた。
「お前、さっきの能力、一体何者なんだ?」
局員は黙ってウルに杖を構える。
まあ、いきなりあんな力を持ち、管理局の制服も着ていないから狙われてもおかしくはないのだが……
「今は戦う相手を間違ってない?俺は時空漂流者で、今は管理局に協力してんの。確認は八神部隊長によろしく」
そう言って、ウルはその場を後にする。
まて、とウルを止めようとする局員だが、それと同時にまたもやガジェットが出現した。
「全くうじゃうじゃと……ゴキブリかっつの」
そう言って、ウルは手短のガジェットを殴りつける。
ハーモニクサーとしての能力は人のままでも現れており、素手でガジェットを行動不能にさせる。
「おーい、とっととスバル達と合流するぞ」
「おう!」
そういうと、ヨアヒムは最後にガジェットを放り投げる。
魔力を使わず、さらには素手でガジェットを破壊する二人に唖然とする局員。
なんなのだ彼らは……
「あ、そんじゃあとヨロシク」
そう言って、ウルはさっさとのこの場を後にする。
あれだけ減らせば彼らだけでも問題ないだろう。
そう思った時だった。
ウルは何かを感じてふと横を見る。
「ヨアヒム、わりぃが急用が出来たってスバル達に言ってくれ」
613魔装機神:2008/02/09(土) 01:47:52 ID:baPwbqfw
そんなウルを不思議に思いヨアヒムが、ウルの方をその意図を自分なりに理解し、わかっただら、その場を過ぎ去る。
そして、ウルはそのほうを向く。
ウルの前には驚くべき相手が目の前にいた。
白いスーツを眼鏡が特徴的な人物。
「久しぶりだな、ウルムナフ・ボルテ・ヒューガ。神殺しの男」
そしてこの声、間違いない。
「ニコル……」
ウルは自然に力を入れて男、ニコラスを見る。
ニコラス・コンラド。確か自分が倒したはずだが……
「生きてたのかよ、相変わらずしぶといねえ」
ウルは相変わらずちゃらけた態度でニコルを見る。
「それはこちらのセリフだ」
それに対し、ニコルは心底意外そう、それでいて怒りを含んだ目でウルを見る。
「ヤドリギの呪いはとっくにお前を蝕んでいると思ったが、一体どんな奇跡が起こった?」
まあ、とニコルはウルを見る。
「貴様を倒すチャンスが出来た事は喜ぶべき事なのだろうがな!!」
そのとたん、ニコルからあふれんばかりの魔力があふれ出した。
そして、ニコルの姿はだんだんと化け物に変わっていく。
「アスタロト……」
ウルは3代悪魔といわれるものの一人、堕天使アスタロトを見る。
それを見て、ウルも意識を集中させる。
そしてウルが光だし、現れたのは漆黒の体と翼を持つ悪魔だった。
破壊神アモン。
アスタロトと同じく、3代悪魔と恐れられるアモンへとフュージョンするウル。
その瞬間、二つの悪魔は天高く飛翔した。

「え?ウルが急用でこれない?」
スバル達は何かあったときのための集合場所に集まり、ヨアヒムからウルは因縁のライバルのこの世界にいたことがわかった。
それで、そいつを倒さないといけないからこっちにはこれないという。
ヨアヒムの言葉を聞いて、解ったとティアナはスバル達を見る。
「それじゃ、早くなのはさんたちと合流しないとね」
そう言って走り出そうとしたときだった。
「させるかよ!」
突然の声に一同は驚く。
しかし、その瞬間が命取りだった。
一瞬の事でわからなかったが、何かがスバルを蹴り飛ばしたのだ
「あぐ!」
その衝撃でスバルは吹き飛ばされ、壁に激突する。
「スバル!!」
4人は吹き飛ばされたスバルの下へ向かおうとする。
「はいはーい、動かないでもらうっすよー」
その時、4人の間に魔力弾が直撃する。
ティアナはその方を見ると、そこには腕になんか盾のようなものを装着した少女がいた。
その少女はさっきスバルを吹き飛ばした少女を見る。
「ノーヴェ。あんまりやりすぎると危ないっすよ〜。作戦はあくまでタイプゼロの捕獲っすから」
「ふん、旧式とはいえあいつも戦闘機人だ。あれぐれえでぶっ壊れるかよ」
少女、ノーヴェはさっきスバルを吹き飛ばしたほうを見る。
「いった……あいつ……戦闘機人」
スバルは吹き飛ばされた痛みに耐えながら前を見る。
間違いない、以前レリックを回収していたときあったことのある少女だった。
そして、自分と同じ戦闘機人。
「ほら、もっと抗って見せろよタイプゼロ」
ノーヴェはスバルを睨みつける。
いくら旧式といってもタイプゼロの力はそんなものじゃないはずだ。
だからそいつを倒してみたいとノーヴェは思っているのだ。
自分の武器も、あいつのデバイスを参考にして作られた。
だから余計に戦ってみたいのだ、あいつと。
しかし……
614魔装機神:2008/02/09(土) 01:50:58 ID:baPwbqfw
「お前らは先に行くだら、ここらおらに任せろっち!」
そう言って、ノーヴェとスバルの間にヨアヒムが割って入った。
そしてそこらへんにある大きな破片を持ち上げる。
「だ、大丈夫なんですか?」
しかし、ここをヨアヒムに任せても2対1、どう見ても不利な状況である。
「だけど、私達がここにもたついてたら、なのはさんたちが戦えない」
いま、隊長達のデバイスは自分達が持っている。
一刻もも早くこれを届けなければならない。
ティアナはそう考えると、撤退!という号令の元、フォワードメンバーは逃げ出していく。
「させるかよ!」
ノーヴェは逃がすまいと覆うとするが、その間にヨアヒムが割り込む。
ああ?とノーヴェはヨアヒムを見る。
「手前、邪魔すんじゃねえよ!」
ノーヴェはヨアヒムを睨んで襲い掛かる。
振りかぶった右腕がヨアヒムを捉えるのだが……
「ぬるいだら!そんなもの、師匠のパンチに比べたらぬるすぎるだっち」
ヨアヒムはノーヴェお攻撃を見切り、腕を掴む。
そして、そのままノーヴェを放り投げる。
「なに……ち!」
何とか空中で態勢を整えたノーヴェは着地してヨアヒムを見る。
こいつ、けっこうできる……そう思ったときにウェンディも来た。
「ウェンディ、気をつけるっす。見た目はバカかもしれねえっすけど、中々できるっすよ」
と、以前戦った事があるウェンディはノーヴェに忠告してライディングボードを構える。
あいつの馬鹿力は中々侮れない。
すでにタイプゼロ達はこの場所にはいない。
せっかくのチャンスを不意にされ、ちぃ、と更にイラつきながらヨアヒムを睨む。
そんなときだった。
「何だあいつ?」
目の前のヨアヒムは奇妙な蝶々のマスクをかぶっていた。
「正義の味方グラン・パピヨン!今宵も華麗に参上だっち!」
シャキン!といつものポーズを構えるヨアヒム。
そしてそれを唖然と引きながら見るノーヴェ。
そして思った事を一言。
「ウェンディ並みのバカだ」
「な!?」
ノーヴェの発言にウェンディは驚いたが、やがてムキになって反論する。
「あ、あんなのといっしょにしないでほしいっすよ!」
自分はそこまではひどくない!
というよりは、バカのジャンルが違うようなきもする(作者心の声)
ウェンディはむっとしつつもヨアヒムにライディングボードを向けて、魔力をチャージする。
「似たようなもんだろ!」
ノーヴェをそれを見てヨアヒムに突撃する。
ノーヴェの突撃をウェンディがヨアヒムに向けて射撃攻撃を放って援護する。つまりは前衛の突撃を後衛がフォローする戦い方。
確かに効率的に考えて基本的な戦い方である。
「くらえ!」
ノーヴェは一定の距離まで近づくと高く飛び上がり、ヨアヒムの飛びげるを浴びせようとする。
ウェンディの援護の元、ノーヴェの蹴りは真っ直ぐヨアヒムに届くはずであった。
しかし、あたると思った次の瞬間ヨアヒムの姿が急に消えてしまったのだ。
「なに!?」
ノーヴェの攻撃はただ空を切っただけで、むなしく着地するだけだった。
「ち、どこに行った!?」
おそらくそういう能力を持つものだと理解した。
そう思ったノーヴェ、ウェンディはすぐさまカメラモードを目視から赤外線、温度により視覚に変更。
しかし、それでもヨアヒムの姿は見つからない。
「ち、戦闘機人用に編み出した魔法かよ!」
615魔装機神:2008/02/09(土) 01:52:05 ID:baPwbqfw
流石タイプゼロがいる部隊なだけの事はある。
自分達に対する対抗手段もいくつか持っていた、と言うわけか……
なめた真似を……とノーヴェは構える。
そのときだった。ノーヴェはセンサーになにかが引っかかるものがあるのが解った。
それも自分のそばに……
その時、何か金色の光がある事をノーヴェは感じた。
「ノーヴェ、後ろっすよ!」
しかし、ウェンディの警告は遅かった。
「いただきっち」
かぷ………
「あふぅ……」
突然何かが抜けた感覚がノーヴェを襲い、急に力が抜けてノーヴェは突然へたれ込む。
なんだ、この脱力感は……
「うーーん、やっぱり若い女子の血は格別だっち」
ふと見ると、ノーヴェの周囲を金色のコウモリが飛んでいた。
「だ、大丈夫っすか?ノーヴェ!」
突然ノーヴェがへたりこみ、慌ててウェンディか駆けつける。
あ、ああとノーヴェは何とかすぐに立ち上がるが、まだ何か調子が編であった。
「くそ、なんなんだよこれは……」
ノーヴェはちっと金色のコウモリを見る。
おそらくこいつがやったんだろう。
「ようし!元気回復、もう一本いくっちよ!!」
その時、コウモリが急に光だし、数秒たつとそこにはヨアヒムがたっていた。
そういえば、とノーヴェは思い出す。
以前ドクターから聞いたことがある。
コウモリとは人の血を吸うらしい。
と言う事は、この脱力感はまさか……
「あたしの血を吸ったのかよ……」
それだけではない、何かこう全身の力もだるくなっていく。
だが、それよりもまずあの男に対する怒りが込みあがってきた。
あいつは自分の、乙女の純情を汚した。許すわけにはいかない。
「あたしの純潔を返せーーーーー!!」
乙女の怒りを拳に乗せて、憎きアンチクショウを殴る。
ノーヴェは力の限りエアライナーを走らせ、ヨアヒムに迫る。
その走りは今までに見たことも無いほど速さだったっす。乙女のパワーを思いしったっす、とウェンディは語った。
ノーヴェは今まで見ない速さでヨアヒムに迫る。
そんな予想外の動きに、のヨアヒムは思いっきりノーヴェの怒りを受ける。
「おわ!」
ヨアヒムは思いっきり吹き飛ばされ、壁に激突する。
スピードだけではなく、パワーも恐ろしいものがあった。
いくら戦闘機人といっても、ヨアヒムの巨体を一撃で吹き飛ばす。
乙女の力、恐るべし。
はあ、はあと思いっきり方で息をするノーヴェ。
そのときだった。
『二人とも、そこにいるのか?』
別行動を取っていたチンクから通信が入り、どうしたっすか?とウェンディが尋ねる。
その表情を見ると、よほど重要な事だという事がわかる。
『すぐに合流してほしい、もう一つのタイプゼロを見つけた』
その言葉に、ノーヴェは先ほどのタイプゼロの二番目、スバルの姿を思い出す。
「了解っす。ちょっと込み合ってるっすから、これを片付けたらすぐに合流するっす」
そういってウェンディは通信を切り、さっきノーヴェ派吹き飛ばしたヨアヒムの方を見る。
「あたたた」
そこには、少し傷は出来ているが、先ほどの攻撃にもそこまで動じていないヨアヒムがいた。
あの攻撃を受けてもけろっとしているヨアヒムに驚く二人。
「ち、今は急がなきゃ行けねえってのに」
ノーヴェはガンナックルを構え、ヨアヒムと対峙する。
だが、このまま戦っても長引きそうではある。
やはりここは……
616リリカル! 夢境学園:2008/02/09(土) 01:53:40 ID:RdWJUyyi
純潔はちゃうだろw 支援!!
617魔装機神:2008/02/09(土) 01:54:46 ID:baPwbqfw
「一旦撤退っす!」
先ほどのことから、ノーヴェのエアライナーと自分のエリアルレイヴならあの巨体を振り切れると判断した二人は一目散に撤退。
すぐさまチンクとの合流を図る。
「合流なんてさせいっちよ!」
ヨアヒムも先ほどの話はある程度聞こえたのでそれを追おうとするが、すぐさま別のガジェットが君をふさぐ。
そして、その光景を見ている二人の人影があった。
「さあて、私達も行きましょう、刹那。さっきからうずうずしてるんでしょう?」
二人のうちの女性はチンクと合流しようとしている二人を見て、くすっと笑う。
「それじゃ手はず道理にね、くれぐれも殺さないよう、ゆっくりと痛めつけてね」
さらっと恐ろしい事を言う女性だが、男性のほうはニタリと笑う。
「ワカッテイル。殺サズ生カサズ、奴等二死ノ恐怖ヲ味アワセテヤル」
女性よりもとてつもない事を言っている男性に、やれやれと女性はため息を付く。
「それじゃ、火影人軍、出撃」
ゆっくりと言うと、女性、塁の姿は消え、男性、刹那が二人の追跡を開始した。


ここまでで投下完了。
ノーヴェたちに不安なフラグの残したまま前編の終了。
次回は後編なのですが、後編は本部編とか六課隊舎編のように何編かに分けて投下します。
まあ、後編、もといナンバーズ後期組地獄変をお楽しみください(ぇ?)
618名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 01:55:05 ID:NuWPhkhm
支援
619名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 02:03:34 ID:YPvS44pD
支援
620名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 10:50:40 ID:wL8iRTj9
ゲキレンジャーとのクロスで淫獣フェレット拳のユーノとか言う妄言が浮かんできたがどうするべきか?
621名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 10:51:17 ID:BXhE0wOl
>>620
リオ様にボコられるといいと思うよ
622キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/02/09(土) 11:45:25 ID:V13fi7mc
>620
物凄くエロい拳法だと言う事は理解できたw
「淫技!」とか言うんですね? それなんてエロゲ?
623名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 14:28:58 ID:44Vy1z/v
裸身活殺拳じゃあるまいに。
624名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 14:34:58 ID:3Mk8CorF
>>620
A'sの時にヴィータとシグナムがそれ喰らって18禁な展開が浮かんじまったwww
俺のカルピス返せwwwww
625名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 14:38:02 ID:GvLFSErO
ダイゼンラーとかが知り合いにいそうだw
626名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 14:39:47 ID:BXhE0wOl
>>625
マリグナ知ってるのか!同士よ!

ムクライドの為にサントラ買ったぜ
627名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 14:45:22 ID:5XyAF5YN
>>624
どっちのカルピス?
飲み物? それとも下半身からほとばs(えっちなのはいけないと思います!
628名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 14:50:37 ID:3Mk8CorF
>>627
そりゃ・・・・
ご想像にお任せするぜw
629名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 14:50:44 ID:GvLFSErO
>>626
如何なる時もZENRA流w
キテレツ、ノビタ、マスオがスタンド使いなのにはビックリした。
630名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 14:58:42 ID:lWzelKZF
>R−TYPE Λ氏

そのうち退役間際の戦艦一隻で管理局を襲撃してこいという無茶を言われる艦長が
でてきたり。
ギガ波動砲を上回る威力の噴射機が武器のバイドが出てくる予感
631名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 15:28:55 ID:8rGliriY
>>620
メレ様には手出しさせん!
632名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 15:29:08 ID:RdWJUyyi
皆落ち着くんだ!
クロススレまでバイド汚染させてはいけない!!

さて、さっさと流れを切り替えるために続きを書くか(カキカキ)
633メタルサーガsts:2008/02/09(土) 15:29:13 ID:sAMG1MEA
>>626
ドラエモンとドラミの元ネタが分からないマリグナ。
友人はサイコVSサイコUじゃね?って言ってるけど。
コロスケの強さとバイキソの在り方には惚れるw
634名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 15:33:33 ID:BXhE0wOl
>>633
BIG−Oだよ。スパロボDに出てるぜ。
サドンインパクト→エモンインパクトみたいな。
バイキンはBGMとあいまって完成度が半端無いwww

味見てとジャム新生と悪性変異しか持ってないけどさ
635名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 15:45:18 ID:5XyAF5YN
パンソロジーという題名を見る限り、最終的に作者はガガガに惚れたのかもしれない。
ショクパーン・ヘル!
636名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 17:08:46 ID:Y7SDP2+5
>>630
THIRD LIGHTNINGの頃は1機特攻だったし、Last Danceでも惑星に汚染された惑星を攻略
してたな
次元戦闘機1機で惑星級の敵落として来いという無茶は対バイド戦ではよくあること

ギガ波動砲を上回る波動砲?伝説の超必殺技「トゥルーファイナル波動砲」か?
637名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 17:13:32 ID:lWzelKZF
>636
PSP版R-TYPEタクティクスでの状況だったりする。
ちなみにそのあとの艦長の運命はあまりにも悲惨。

ちなみに某所ではメイド化R−TYPEというネタがあったりする。
638名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 17:17:25 ID:s8i3vRT6
バイドに汚染された惑星どころか惑星サイズのバイドもいるぐらいだけどな
エイプリルフールだと銀河級の戦艦まであるし
アイレムゲーって絶望感と鬱には事欠かないな
だいたいが九条のせいだけど
639名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 17:24:43 ID:Y7SDP2+5
>>637
R-TYPEタクティクスはパラレルかつSLGだからRは性能押さえ気味だけど
バイド編だと強化されたゲインズ無双だったな
ただ帰りたかっただけの艦長の運命には全俺が号泣
意識的に反撃しないという辺りも最高に鬱

>ちなみに某所ではメイド化R−TYPEというネタがあったりする。
詳しく
640名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 17:26:57 ID:BQ8/PkIz
これ以上はウロスに行ったらどうだ?
641名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 18:04:33 ID:lWzelKZF
>639
ウロススレに元ネタとなったページへのURLを投下。
642リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/02/09(土) 19:55:40 ID:eyHo//k3
九時くらいに投下させていただきます。
643スーパーロボット大戦X:2008/02/09(土) 20:44:20 ID:dIXezDxh
>>642
9時くらいに投下ですか…。でしたら俺は9時45分ぐらいに投下しようかな…。
都合が合わなかったら明日の朝に投下します。
644OSGS:2008/02/09(土) 20:58:03 ID:crd+ghQU
では十一時くらいにおとしていきます。宅内バイド中でして。

いまのところ

9時〜リリカルTRIGUNさま
9時45分〜スーパーロボット大戦Xさま
11時〜拙作

となっています
645リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/02/09(土) 21:00:58 ID:eyHo//k3
それでは投下します。
646名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:02:34 ID:GvLFSErO
支援
647名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:04:33 ID:crd+ghQU
支援
648リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/02/09(土) 21:06:12 ID:eyHo//k3
ヴァッシュさんはあれから少しするとすぐにまた眠ってしまった。今もベッドの中で気持ちよさそうな寝息をたてながら寝ている。

――でも、すごいなぁ。
なのはは感嘆の眼差しでヴァッシュを見る。

ヴァッシュさんを手当てをしている時、お父さんは目が覚めるまで三日はかかると言っていたのに、ヴァッシュさんは三日どころか五時間くらいで目を覚ましていた。
びっくりする程丈夫な人だ。

なのははそんなことを考えながらヴァッシュに布団をかけ直す。

今日、なのはは学校を休みヴァッシュさんの看病をしている。
両親は翠屋の仕事で忙しいし、兄たちも学校がある。
自分が勝手に拾ってきた人のせいで家族に迷惑をかける訳にはいかない。
そう思い、アリサちゃんとすずかちゃんには悪いけど学校を休ませてもらった。
その甲斐もあってか、ヴァッシュさんの様子も落ち着いて来た気がする。最初の頃は苦しそうだった寝顔も、今では穏やかな顔になっている。

――それにしてもこの人はどんな人なんだろう?

ふと、なのはの頭に疑問が浮かぶ。

痛々しい古傷が山のようにある体。
さらには、左腕も無い。
それぞれ治療はしてあっても一生消えることの無い痕をヴァッシュさんに刻んでいる。
その穏やかで優しそうな顔に反するように存在する傷跡。

――そんな傷だらけになってまで何がしたかったのだろう?
――この人はどんな人生を送って来たのだろう?
分かるわけの無い疑問が頭に浮かぶ。

649リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/02/09(土) 21:08:44 ID:eyHo//k3
なのはは知らず知らずのうちにヴァッシュ・ザ・スタンピードという男に興味を持っていた。

■□■□

ボーっとしながらヴァッシュについて考えていると、ドアの開く音がした。

なのはが驚きながら音のした方を振り返るとなのはの父――高町士郎が立っていた。

「どうだい、なのは。彼の様子は」
士郎は微笑みながらなのはに話しかける。
どうやら暇を作って、ヴァッシュさんの様子を見に来たみたいだ。

「うん。大分良くなってきたみたい」

なのはも笑顔で答える。

「それは良かった」
「それに、さっき目を覚ましたんだよ。名前はヴァッシュ・ザ・スタンピードさんだって」
「ふ〜ん、ヴァッシュ君か……。外国の人なのかい?」

士郎はヴァッシュを見ながら、顎に手を当て何かを考えるような仕草をする。

「う〜ん……。多分そうだけど、日本語しゃべるの凄く上手かったよ」

へぇ、と士郎は呟く。
すると、いきなり、驚愕の表情を顔に張り付かせなのはの方に振り向いた。

「ちょっと待て。……この男は目を覚ましたのか?」
「うん。一時間くらい前かな。私が昼ご飯を食べ終わった後、部屋に戻ったら目を覚ましてたよ」

そんな士郎の様子に少し驚きながらなのはが答える。
650名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:09:30 ID:gp4dzBEG
しえん
651リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/02/09(土) 21:15:09 ID:eyHo//k3
「……そうか」

士郎は再びヴァッシュの方を向くとポツリとそう呟き、また何かを考えだす。
その表情はいつものような優しそうな表情と違い、真剣そのもの。

なのははそんな士郎の様子に困惑する。
――とこか様子が変だ。

「……あ、あの、それがどうかしたの?」
そんな士郎の様子に疑問を持ったなのはがおずおずと士郎に話しかける。

「……いや、なんでも無いよ。彼のこと、頼んだよ」

ようやくヴァッシュから目を離した士郎はそう言い、部屋を出ていってしまう。

――どうしたんだろう、お父さん……。
ヴァッシュさんがお父さんの予想よりずっと早く目を覚ましたことに驚いたのかな?
それにしては怖い顔をしていたけど……。
やっぱり迷惑だったのかな……ヴァッシュさんを助けたこと……。

――でも、自分は間違ってないと思う。あのまま放って置いたらヴァッシュさんは死んでたかもしれない。
それだけは絶対にダメだと思った。

そして何をしてでも絶対助けなくちゃいけないと思った。だから人目もはばからず魔法を使った。それ以外の方法が思い浮かばなかったから。
結果――ヴァッシュさんは助かった。

――本当に助かって良かった。

お父さんに助かると言われた時は体中に張り詰めていた緊張が解け、みんなの前だというのに少し泣いてしまった。
今、思いだすとちょっと恥ずかしい。

――改めて考えると今日は朝から大変なことばかりだったな……。

なのははそんなことを考えながら窓の外を見る。
綺麗な夕焼け空がなのはの目に映る。

それを見ていると疲労が出てきたのか、急に眠気がおそってくる。

――なんだか疲れちゃった……

そして数分後、部屋にはヴァッシュとなのは、二人の寝息が響いていた。

652名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:16:36 ID:ohNiBLAi
支援
653名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:16:59 ID:GvLFSErO
支援
654リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/02/09(土) 21:17:00 ID:eyHo//k3
■□■□
なのはが眠りに落ちてから数十分後、ヴァッシュ・ザ・スタンピードは目を覚ました。

見えたのは先ほどと同じ四角い天井。
ゆっくりと上半身を起こす。横を見ると椅子に座って寝ている女の子がいた。さっき居た子だ。たしかなのはという名前だったきがする。
ヴァッシュは立ち上がりなのはに毛布をかける。

ふと、窓を覗くと真っ赤に染まった空が見える。
そしてそれと一緒に街路樹やコンクリートの大地も目に映る。

――やっぱり夢じゃなかった……か。

試しに頬をつねってみる。
うん、痛い。やっぱり夢ではないみたいだ。

――やっぱり違う世界なのか?

目に映る光景はそうとしか思えない。

この窓から見える範囲でさえ、自分がいた惑星では存在しない、または存在したとしても限られた場所にしかないものばかりだ。
どうやら本当にあの砂の惑星とは違う星に来てしまったみたいだ。

ヴァッシュは深くため息をつきベッドに腰を下ろす。

今まで色々なことを経験して来たがさすがにこれには声が出ない。まさか、別世界に飛んでしまうなんて。

――ここはどんな世界だ?
――どうすれば元の世界に戻れるんだろう?
――なんでこの世界に来てしまったんだ?
――やはりあの時の白い光と蒼い光のせいか?

疑問が止めどなく溢れてくる。
だが、その全てに答えが。

――どーすりゃいいんだ……。
ヴァッシュは頭を抱え悩む。
すると、あることを思い出す。自分が窓から映る光景と、とても良く似たものを見たことがあったことを。

655名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:18:14 ID:ohNiBLAi
支援
656名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:18:25 ID:O5ywFxHF
こりゃ支援するしか。
657リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/02/09(土) 21:19:20 ID:eyHo//k3
――地球(ホーム)

この世界はずっと昔に船の中で見たホームについての映像資料ととても似ている。

緑溢れる豊かな自然。
窓からの景色からでも分かるほど、発達した文明社会。
その全てが映像資料にあったホームと酷似している。

――まさか……な。
そんな訳は無いか、とヴァッシュは窓の外を眺める。

騒ぎながら歩く子供達。
笑いあいながら歩く親子。

それらを見ただけでここが争いとはほど遠い平和な世界だということは分かる。

「目を覚ましたのかい」

そんな穏やかな光景に見とれていると、後ろから声をかけられた。振り向くと一人の男が立っている。

「俺は高町士郎。そこで寝ているなのはの父親だよ」

男――士郎はなのはを指差しながらそう言った。
ヴァッシュも笑いながら返事を返す。

「いやぁ、ご迷惑かけてスミマセン。僕はヴァッシュ・ザ・スタンピードって言います」

ここでヴァッシュはここが本当に違う世界なのか確証を得るため一つ実験をした。

『ヴァッシュ・ザ・スタンピード』とは、自分の世界の人間だったら知らない者のいない名前。
本物かどうか信じるにせよ信じないにせよ何らかのアクションを起こす。
アクションを起こせば、ここはヴァッシュのいた世界。アクションがなければここはヴァッシュの知らない未知の世界。
どちらにせよ、これで分かる。

そして士郎は――
「いやいやそんなこと無いよ。ヴァッシュくん」
――何もアクションを起こさなかった。

決まりだ。ここは自分の知っている世界では無い。
ため息をつきそうになるのを我慢する。

「それにしてもヴァッシュ君はあんな所で何をしてたんだい?」
「いや〜ちょっと山登りしてたら道に迷っちゃいまして……」

本当のことを言える訳もなく、顔を引きつらせながら適当な嘘をつくヴァッシュ。

658旅ゆく人:2008/02/09(土) 21:19:57 ID:Bcco8o19
バーボンの水割り飲みつつ、支援。
659名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:20:56 ID:ohNiBLAi
支援
660名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:21:06 ID:gp4dzBEG
支援攻撃
661リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/02/09(土) 21:21:26 ID:eyHo//k3
「山登り……。あんな恰好でかい?」
「ハハハ……まぁそういう事にしといて下さい」

ヴァッシュの額には冷や汗が浮かんでいる。
――苦しいなぁ……。

士郎から見た自分はさぞ怪しく見えることだろう。

「まぁ、いいさ。話したくなかったら無理して話さなくてもいいよ」

やっぱり、嘘だってバレてる……。
ヴァッシュは苦笑いを浮かべ士郎を見る。
そんなヴァッシュの様子が面白かったのか士郎も笑う。

「あぁそうだ。ヴァッシュ君はご飯を食べれそうかい?そろそろ夕食にするんだが」

その瞬間、タイミングよくヴァッシュの腹の虫が鳴く。

そういえば丸一日くらい飯を食べていない気がする。
ジェネオラ・ロックに着いてからは連戦で飯を食べてないし、その後も山の中で倒れてしまい何も食べてない。
こうしていると、どんどん空腹感が強くなる。

「お願いしちゃっていいですか?」
「分かったよ。沢山作ってもらうから遠慮しないで食べてくれ」
「いや〜ありがとうございます!」
「それと……なのは、起きなさい。そろそろ夕飯だよ」
「ふぇ!?あれ私いつの間に寝ちゃったんだろう?」

士郎に肩を揺さぶられなのはは慌てた様子で目を覚ました。
それを見た士郎はご飯の用意をするから、と言い部屋を出ていった。

「おはよう」

二人きりになった部屋でヴァッシュはなのはに話しかける。

「あ、ヴァッシュさん起きたんですか?」

「おかげさまでね、ありがとう。本当に助かったよ」

なのはの様子を見ると着きっきりで看病してくれていたことが分かる。
ヴァッシュは頭を下げ礼を言う。

「いえいえ、そんなことありませんよ」

そんなヴァッシュになのはは、何でもないと言うように微笑む。

「体の方はもう大丈夫なんですか?」
「ああ、だいぶ元気になったよ」
「にゃはは……良かった。本当にびっくりしたんですからね!山の中で倒れてるなんて」

なのはが頬を膨らませながら言う。
そして更に続ける。

「助かったから良かったけど……危なかったんですからね」

真剣な顔でヴァッシュを見つめ、そう呟くなのは。
どうやら少し怒っているらしい。

662リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/02/09(土) 21:22:55 ID:eyHo//k3
ヴァッシュは苦笑しながら口を開く。

「大丈夫さ。僕はこう見えても結構頑丈にできてるんだよ」
「なに言ってるんですか!私が見つけなかったら本当に死んでたかもしれないんですよ」
「いや、ゴメンよ。今度から気をつけるよ」
「約束ですよ」
「ああ、約束する」

ヴァッシュがそう言うと、ようやく機嫌が直ったのかなのはの顔に笑みが戻る。
互いに顔を見合わせ笑いあう。

――良い子だな……。
ヴァッシュは心の底からそう思った。
見ず知らずの自分を助けてくれ、看病までしてくれた、それどころか赤の他人の体を気遣って怒ることも出来る――まだ子供なのにとても大人びていて優しい子だ。

「なら、そろそろ下に行きましょうか。みんな待ってるだろうし」

なのははそう言うと立ち上がりヴァッシュを見上げる。

「それにしても楽しみだなぁ。なのはのお母さんの料理」
「ふふ、期待していて下さい」

そして、二人は一緒に階段を降りていった。

■□■□

「うんまぁ〜い!」

それから数分後、高町家のリビングにヴァッシュの喜びの声が響き渡った。
よほどお腹が減っていたのか、ヴァッシュは手を休めることなくご飯を口の中へと運んでいる。

なのはの母――桃子はさながら子供を見守る母親のような暖かい目でそれを見て、微笑んでいる。

「ふふっ。そんな慌てて食べなくてもいいですよ。ヴァッシュさんのために沢山作ったんですから」

「いや〜なんか悪いですね〜。ホント、何から何までしてもらっちゃって」

ヴァッシュは口に食べ物を含みながらに器用に喋る。

「外国人のヴァッシュ君でさえ分かる美味しさ!さすがは桃子の料理だ!」
「いや〜、本当に美味しいですよ!」

ヴァッシュと士郎が次々に桃子を褒めちぎる。
それに調子をよくした桃子は、どこに置いてあったのか、さらに料理を出してくる。

663リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/02/09(土) 21:24:02 ID:eyHo//k3
そのあまりの量になのは、恭也、美由希の三人は軽く絶望したが、流石と言うべきかヴァッシュと士郎がもの凄い勢いで食べ尽くしていく。

――なんで張り合ってるのお父さん……。
お母さんのことになるとすぐにこれなんだから、まったく……。

なのはが呆れた様な表情で二人を見ていると、隣に居たなのはの姉――高町美由希が感嘆の声をあげた。

「……スゴ。……ねぇ、ヴァッシュさんってホントにケガ人なの?」
「ハハ……そのはずなんだけどな……」

美由希と恭也は、重症のケガ人と聞いていた男の元気っぷりに驚きを通り越して呆れを感じていた。
実際に見つけたなのはでさえ、朝の状態は演技だったんじゃないかと疑ってしまう。

「う〜ん!美味い、美味い!」

そんな三人の視線を気にもせずヴァッシュはご飯を食べまくる。

――それから二十分間、ヴァッシュの「美味い」コールは止むことがなかった。

664名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:24:53 ID:RdWJUyyi
支援
665リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/02/09(土) 21:26:24 ID:eyHo//k3
■□■□
「うう……。調子に乗って食べ過ぎた……」

深夜――誰もいない高町家のリビングにてヴァッシュが苦しそうな声を上げた。

桃子さんの料理はとても美味しかった。
さすがは喫茶店のパティシエというだけはある。
自分の世界で食堂を開いても大盛況だろう。

心の底からそう思えるほど美味しかった。

――いや〜こんな料理を毎日食べられるなのは達が羨ましい……。……できればもう一回食べたかったけど……。

ヴァッシュは明かり一つついていないリビングにて、ボンヤリと天井を眺める。

「……さてと」

どれほどそうしていただろうか、ヴァッシュは一つ呟くと近くにあったメモ帳から一枚紙を拝借する。
そして、そのメモに何かを書いていく。

数分後、何かを書き終えたヴァッシュはメモを机の上に置き、立ち上がろうとして――リビングの電気がついた。

驚きながらヴァッシュが振り向くと、士郎が電灯のスイッチを押した状態で立っていた。
右手には中身の入ったビール瓶が数本、握られている。

「士郎さん……起きてたんですか?」

ヴァッシュは少し驚いた顔をしている。
まさか、起きているとは思っていなかったのだろう。

「どうだい、まだ寝ないんだったら一杯やらないかい?」

そんなヴァッシュに笑いながらビール瓶を掲げる士郎。

「……いいですね〜」

ヴァッシュは士郎に見えないようメモをポケットにいれ握りつぶすと、そう言った。


666名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:26:45 ID:ohNiBLAi
支援
667名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:27:52 ID:Bcco8o19
支援しえんw
668魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/09(土) 21:27:59 ID:v9KiTnb/
トライガンに酒と語らいは欠かせない支援
669リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/02/09(土) 21:28:11 ID:eyHo//k3
□■□■
それからさらに一時間ほどたった深夜一時――ヴァッシュと士郎はリビングにて向かい合って座り、酒を飲んでいた。

すでに、士郎が始めに持ってきたビール瓶は空になり床に転がっている。今は、士郎がどこからか持って来た日本酒を飲んでいる。

「いやぁ〜士郎さん、お酒つよいですね〜」

すっかりできあがっているヴァッシュが士郎に向けて笑いながらそう言う。

「いやいや、そうでもないさ」

対する士郎もヴァッシュ程ではないが酔っているのか、少し顔が紅い。
二人は互いのグラスに酒をつぎあいながら笑いあう。

「い〜んですかぁ、明日もお仕事あるんでしょう?」
酒臭い息を吐きながら士郎に聞くヴァッシュ。
「大丈夫、大丈夫。桃子が何とかしてくれるって」
こちらもアルコールが回ってきたのか、だいぶ投げやりだなことを言っている。

「駄目じゃないですか〜士郎さ〜ん」

「何とかなる、何とかなる……っと、あれ?酒がなくなっちゃったな……」

「えぇ!?もうですかぁ!?僕はまだまだ飲めますよぉ!」

威勢の良く叫ぶとヴァッシュは机に突っ伏し、ピクリとも動かなくなる。
どうやら、限界みたいだ。

「……士郎さんはお酒をよく飲むんですかぁ?」
「いや、普段はそうでも無いんだけどな……。今日みたいに飲める人が居ると、飲みたくなるんだ……」

その言葉を最後に静寂が訪れる。
眠ってしまったのか、ヴァッシュは机に突っ伏した状態から動かない。
対する士郎はというと、どこか遠くを見てボーっとしている。

「……なぁ、ヴァッシュ君、起きてるかい?」

ポツリと士郎が呟く。

「……起きてますよ」

相変わらず、机に突っ伏した状態でヴァッシュが返答する。

「一つ、質問をしていいかな?」
「いいですよ〜」
「君はどこから来たんだい?」
「……僕ですか〜。いや〜、根無し草っていうんですか?ぷらぷら世界中を旅してるんですよ」

さっきまでと変わらない調子でヴァッシュが答える。

「……それは楽しいかい?」
「えぇ、辛いこともあるけど基本的には楽しい……ですね」

ヴァッシュの頭の中に砂の惑星での旅が思い描かれる。

670名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:31:14 ID:GvLFSErO
支援
671リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/02/09(土) 21:32:02 ID:eyHo//k3
――楽しいことも辛いこともあった騒々しい旅。

だが、その旅はある男との出会いにより終わりを告げた。
その男の名はレガート。
レガートは俺の旅の目的――ナイブズへの手掛かりを知っていた。
レガートは告げた。
「必ずあの方の前に君を連れて行こう、死体にしてな」と。
そしてその日を境にレガートの手駒であり、異常な能力を持った殺人集団・GUNG-HO-GUNSとの死闘が始まった。
圧倒的な火力を用いて全てをなぎ払うという、単純だが凄まじい戦略で戦う第一の刺客。これには左腕の義手を破壊されつつも、何とか勝利する。
次に現れた第二の刺客も退け、旅を続ける。
途中で立ち寄ったジェネオラ・ロックで遭遇した第三の刺客との戦い。
催眠術を使うトリッキーな相手だったがこれにも何とか勝利した。
そしてその晩、遂に果たされた長旅の目的。
大事な人の命を奪った兄弟との再開。自分はそいつに向け銃を突きつけた。
そして、記憶が曖昧になる。

――迫る手。
――白い極光。
――蒼い光。

そして――この世界に来た。

つい昨日の出来事の筈なのに遠い過去のように感じる。

「……そんなに……」

思い出の海を泳いでいたヴァッシュに対し、士郎が何かを呟いた。

「……はい?」
「……そんなに傷だらけになっても……楽しいと言えるのか?」

672リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/02/09(土) 21:33:20 ID:eyHo//k3
その言葉にヴァッシュは顔を上げる。
ヴァッシュの目にどこか悲しげな顔をしている士郎が映った。

「君を治療した時、君の体の傷跡を見させてもらった……自分も昔、危険な仕事をしていたから分かる……。君の持つ傷跡がどれほど酷いものなのか……」

ポツリポツリと言葉を紡ぐ士郎。
その口調は重い。
そして、士郎はヴァッシュに問う。

「……ヴァッシュ君、君はどこで何をしていたんだい?」

■□■□

――初め、ヴァッシュの傷跡を見た時、士郎は我が目を疑った。

一つ、二つならまだしも、体中に存在する、異常な量の傷跡。
何をすれば、ここまでの傷になるのか見当もつかなかった。
さらには、治療中に見つけたヴァッシュが持っていた、ある『モノ』。
それを見て士郎はヴァッシュに対し警戒心を持った。

そして、なのはから告げられたヴァッシュの目覚め。

なのはがヴァッシュを連れてきた時、ヴァッシュはとても衰弱していた。
もし、家に着くのが後一歩遅かったら、命にも関わっていた程の衰弱。だが、ヴァッシュはそれ程の衰弱状態からたった半日で意識を取り戻した。
異常――そうとしか言えない回復力。
士郎はヴァッシュに対する警戒心をさらに高めた。

――だが、目を覚ましたヴァッシュと対面した時、その警戒心は解かれた。

この男は悪い男ではない。
笑いながら目の前で礼を言うヴァッシュに士郎はそう思った。

根拠は無い。しいて言うなら勘だ。
だけど、どうしてもヴァッシュが悪人には見えなかった。
夕食の時の様子を見て、その気持ちは更に高まっていった。
いや、それどころか士郎はヴァッシュのことを気に入っていた。
飄々としていて常に笑みを絶やさない。一日と一緒に過ごしていないのに、家族と馴染んでしまっている。
今まで士郎が会ったことの無いタイプの人間だった。

だが、士郎がヴァッシュを気に入っていくと同時に、違う気持ちが強くなっていった。
その気持ちは疑惑。
――この男は何をしていたのか?
――あんな『モノ』を持ち、体中を傷だらけにして、どこで何をしていたのか?
その答えを知りたかった。

そして遂に士郎はヴァッシュに対し、その疑問をぶつけた。

673名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:33:33 ID:Bcco8o19
ヤバイ、……バーボンの肴に最高の作品故、支援。
674魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/09(土) 21:35:10 ID:v9KiTnb/
第二話でもう何かすでに『来る』ものがあるな…。JAZZ聞きながら支援
675名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:35:50 ID:ohNiBLAi
支援
676リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/02/09(土) 21:35:51 ID:eyHo//k3
だが、士郎の思いに反するように、ヴァッシュは何も言わない。
その顔はいつものような笑みでは無く、真剣な顔だ。
一秒、二秒――時間だけが過ぎていく。
ヴァッシュも士郎もどちらも何も言わない。
静寂が場を包んだ。

どれだけそうしていただろうか、ヴァッシュが笑いながら唐突に口を開いた。

「……いや〜大したことはしてないですよ。旅先でちょっとしたドジをよくしましてね〜。それで良くケガしちゃうんですよね」

ヴァッシュは嘘をついた。
こんな嘘を信じる訳が無いだろうがそれでも嘘をついた。

――知らない方がいい。

その気持ちがヴァッシュに本当のことを言わせない。

そんなヴァッシュに対し士郎は重々しくため息をつく。
と、懐から布に包まれた何かを取り出す。

「……なら、これは何なんだ?」

布に包まれているそれが何なのか、ヴァッシュはすぐに気付いた。
――何故ここにそれがある?
驚きながら『何か』をみつめるヴァッシュ。
士郎はそんなヴァッシュを尻目に巻かれている布を取る。
すると、銀色の光沢を放つリボルバー銃――何千何万と共に戦ってきたヴァッシュの相棒とも呼ぶべき銃が出てきた

「……これは君のズボンにささっていたものだ。二発だけだが、弾も入っている……」

これが、士郎がヴァッシュの治療中に発見した『モノ』だった。

初めに見た時は驚いた。
昔の仕事で拳銃なんて腐るほど見てきたが、このタイプの拳銃は見たことが無かった。
少なくとも普通に生活している分には絶対に必要の無い物だ。

「……普通の旅をするならこんな物、必要ないだろう?」
士郎は真っ直ぐにヴァッシュを見つめる。

ヴァッシュは再度押し黙る。
再び、静寂が二人を包み、また時間だけが過ぎていく。

「……かなわないなぁ、士郎さんには」

ここで静寂を破ったのはまたしてもヴァッシュだった。
両手を上げ、観念したという様なポーズをするとヴァッシュは口を開く。
――本当のことを話すために。

677リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/02/09(土) 21:37:30 ID:eyHo//k3
「……今から本当の事を話します。多分、士郎さんは嘘だと思うかもしれない。けど、これから話すのが真実です」

そしてヴァッシュは話した。
自分がいた砂と渇きに満ちた世界のことを。
そして、自分がその世界で『人間台風』の異名を持つ賞金首だということを。

それを士郎は一言も口を挟まずに黙って聞いていた。

「――ということです。分かりましたか?」

士郎は驚愕した。
ヴァッシュの話は自分の想像を遥かに越えていた。だがヴァッシュが嘘をついている様には見えない。
それに、ヴァッシュに抱いた疑惑のそのほとんどに説明がついてしまう。

「……少し質問させてくれ……」
士郎はそう呟くと椅子の背もたれに寄りかかり、質問をする。

「……何故君はそんなにも辛い旅を続けるんだ?」

信じる信じないは別としてヴァッシュの世界がどれだけ酷いのかは分かった。
銃が世界に浸透していて荒くれ者がのさばる世界。治安は悪く殺人など日常茶飯事。
そんな世界で世界最高額の賞金首として旅を続ける。それは自殺行為といっても過言ではない筈だ。

――なのに何故?

「……それは言えません」
だが、ヴァッシュは答えない。

「……そうか」
士郎もそれ以上問い詰めない。
ヴァッシュの様子から理解した。この質問の答えがどれだけ重いものかを。だから士郎はそれ以上聞かなかった。

「……もう一つ、これが最後の質問だ。……君は何故、賞金首になんてなってしまったんだ?」

士郎の世界でも賞金を賭けられている者はいる。
そのどれもが連続殺人犯や過激なテロ組織の首領だったり凶悪な犯罪者だ。
だが、どう見ても目の前にいるヴァッシュがそれらに属するとは思えない。

何故そんな男が賞金首になる?

その問いにヴァッシュは力無く微笑みながら答えた。
「……一つの大都市を消してしまったから、だそうです……」
これまた予想の斜め上をいく答えが返ってきた。頭が痛くなってくる。

「……どうやって?」
「……覚えてません。何故かそこでの記憶がごっそりと無くなってしまっているんです。……気付いたら、瓦礫の山の中に立ってた。そこで何が起きたかは全く思い出せないんです……」

ヴァッシュは呟くように語る。
士郎は言葉を失う。

想像を遥かに越えている。まるで漫画の世界だ。だが、それでもヴァッシュが嘘をついている様には見えない。

士郎は頭を抱える。

ヴァッシュはそんな士郎を見ながら、立ち上る。
そして、机に置いてある銃を掴むと、玄関に向け歩き始めた。

678リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/02/09(土) 21:38:23 ID:eyHo//k3
「ちょ、ちょっと待て、ヴァッシュ君!どこに行くんだ!?」

その行動に驚いた士郎はヴァッシュを呼び止める。
ヴァッシュは士郎の方を見ずに言葉を飛ばす。

「……出ていきます。俺は元の世界に戻らなくちゃいけない」
そこで言葉を切り、振り返る。
その顔にはどこか寂しげな笑顔が張り付いていた。

「それに僕みたいな厄介者いない方がいいですって!このままここに居たら士郎さんやなのはに迷惑かかっちゃいますし……」
ヴァッシュは明るくそう言う。

瞬間、士郎は理解する。
この男の旅を続ける理由がどれほどヴァッシュを縛っているのかを。
そして、腹が立った。この心優しい男を傷つける世界に対して。
この男を縛る『旅を続ける理由』に対して。
だが、それでも引き止めることが出来なかった。
それほどまでの覚悟を感じる。

「……本当にありがとうございました。桃子さんのご飯の味、士郎さんと飲んだ酒の味、そしてみなさんのことは一生忘れない……」
ヴァッシュはそう言うと士郎に背を向ける。
そして、最後に呟く。

「……本当にありがとうございまし「ダメー!!」

そして、それを遮るように一人の女の子――高町なのはが飛び出した。

679旅ゆく人:2008/02/09(土) 21:39:57 ID:Bcco8o19
>>674
良いですなー、ジャズ。金があればCDもちっと買いたいところ……。

そして、アヴァンティー風に、支援(カララ〜ン……
680スーパーロボット大戦X:2008/02/09(土) 21:40:53 ID:dIXezDxh
支援だ。
しかし思ったより長いようなので俺の投下は明日の朝にします。
681魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/09(土) 21:41:18 ID:v9KiTnb/
かつてない安息を手にしても、元の荒野へ戻ろうとするヴァッシュを支援(涙
682名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:43:01 ID:GvLFSErO
支援
683反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/09(土) 21:43:33 ID:5XyAF5YN
旅ゆく人氏は毎回酒飲んでるなー…と思いつつ支援
684名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:43:40 ID:RdWJUyyi
支援
685リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/02/09(土) 21:44:05 ID:eyHo//k3
■□■□

なのはがヴァッシュの話を聞いていたのは偶然だった。
トイレに行こうと目を覚ましたら、なぜか一階から声が聞こえる。気になったなのはは階段を降り、一階へ向かった、そしてそこに居たのは真剣な表情で何かを話しているヴァッシュの姿。
何故か入ってはいけないと思ったなのははドアの影に隠れヴァッシュの話を盗み聞いた。

そして聞いた。
ヴァッシュの世界のことを。
その世界でヴァッシュがどんな生活を送ってきたのかを。

士郎と違い、なのはは異世界があることを知っている。
だから、ヴァッシュの話しが嘘じゃないと分かった。
だから、悲しかった――こんなにも優しいヴァッシュさんがそんな辛い世界を生きていたことが。

そしてヴァッシュが出ていこうとした時、体が勝手に動いた。
何故かは分からない。――でも、絶対に行かせちゃダメだと思った。

だからヴァッシュの腰に腕を巻きを精一杯引き止める。絶対にヴァッシュを行かせないように。

ヴァッシュもまた動けなかった。
引き剥がそうとすれば簡単に引き剥がせるのに体が動かない。

――どうしよう?
泣きながら必死に自分を止めようとする、なのはを見ていると決意が揺らぐ。
望んでしまう。ずっと昔に心の中に封じた筈の願いを。

――ここで過ごすのも良いんじゃないか。
そう考えてしまう。

「私……ヴァッシュさんが居て迷惑なんて全然思わない!ヴァッシュさんが傷つくなんて絶対にやだよ!」
「……でも、俺は……」
「さっき約束しましたよね!?もう、危ないことはしないって!」

なのはが叫ぶ。
その言葉がヴァッシュの心に突き刺さる。
それでも、迷うヴァッシュに士郎が近づき告げる。

「……君は元の世界に戻りたいのかい?」

ヴァッシュはこの問いに答えられない。

――帰りたいのか自分は?また、あの争いの絶えない世界に?
いや、自分は望んでいない。ここにいたいと本心が叫んでいる。
――どうすればいい……どうすれば……。
自分の『目的』と『願い』。この二つが心の中で揺れ動く。

トイレに行きたいけど、続きが気になるから我慢しながら支援
687リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/02/09(土) 21:45:03 ID:eyHo//k3
「俺には分からない……。……何もかも忘れてこの世界で暮らして良いのか……。元の世界に戻らなくちゃいけないのか……」

ヴァッシュの中で起こる葛藤。
自分の『目的』と『願い』、どちらをとればいいのか?
ヴァッシュは悩む。

「……ならこういうのはどうだい?」
そんなヴァッシュに士郎が口を開いた。

「……元の世界に戻る方法が分かるまで、住み込みのバイトとしてここで生活をする。それなら良いんじゃないか?」

士郎から告げられた内容は、これ以上ないほど最適に聞こえる。
それでも、ヴァッシュは悩む。

「……いいんですか?そんな勝手なマネをしちゃって」
ヴァッシュの心配そうな言葉に、士郎は笑いながら答える。
「全然かまわないさ。それどころか、これからのクリスマスシーズンは人手が足りなくてね。こちらとしても、その方が助かるんだ。……どうだい?」

三度目の静寂が三人を包む。

「……本当にいいんですか?俺なんかを……」
「何回、同じことを言わせるつもりだい?」

ヴァッシュの言葉を士郎はイラついたように遮る。
そしてヴァッシュは、ちらりと、必死に自分を引っ張るなのはを見て――
「……お願いします」
――言った。
なのは達が待ち望んだ答えを。

パッとなのはの表情が明るくなる。
ここで暮らす――それがヴァッシュの答えだった。

「やったぁ!」
歓声を上げ振り向いたなのは。

そんななのはを見つめながらヴァッシュは思う。

――この選択が正解か、不正解かは分からない。どうなるかも分からない。
でも絶対に後悔はしない。
これが自分の選んだ道だから。

――こうしてヴァッシュの高町家での生活は始まった。

688魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/09(土) 21:45:35 ID:v9KiTnb/
きっと原作でリィナに拾われた時もこんな葛藤があったに違いない支援
689旅ゆく人:2008/02/09(土) 21:47:28 ID:Bcco8o19
>>683
だってー、好きなんだもの。
……缶ビール一本でひっくり返るくらい、弱いですがなwww

でもって支援。
我慢できずにトイレに直行してしまった支援
691リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/02/09(土) 21:51:22 ID:eyHo//k3
とりあえず投下終了です。ご支援感謝!
キャラがおかしい等おかしい所があったらツッコミお願いします。
それと、スーパーロボット大戦Xさん、投下が長くなってしまってスイマセン……。
作品投下、楽しみに待っています!
692反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/09(土) 21:54:18 ID:5XyAF5YN
>>691
GJ!
何故だ…原作を欠片も知らないのに楽しめてるぞw

とりあえず旅ゆく人氏は肝臓を大切にしましょうねw
693スーパーロボット大戦X:2008/02/09(土) 21:54:53 ID:dIXezDxh
>>691
元ネタのトライガンは知らないがGJです!元ネタを知らなくても面白いですね。
>作品投下、楽しみに待っています!
一応言っておきます、明日投下する時間は午前7時ごろにしたいと思います。(もしかしたらずれるかも…)
694名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:55:24 ID:O5ywFxHF
TRIGUN氏<
投下乙です。
二話にして涙目。なんだこりゃああ……。
そりゃあもう面白かったです!


ところで話を切って申し訳ありません。
自分もクロスssを投下したいのですが、予約はおkでしょうか?

空いてる時間があるならそこで投下しようと思うのですが……。
すみません、なにぶんはじめての事でして(汗
695名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:57:10 ID:crd+ghQU
GJ!
畜生、俺の投下の前がこんなに良作なのかッ! プレッシャーで肝臓が痛いぜ!
原作知らないのにひきつけられちまったぜ……もういちどGJ!
696旅ゆく人:2008/02/09(土) 21:57:24 ID:Bcco8o19
>>691
GJGJ! 惜しみない拍手を贈らせてください。
いや〜、・・・・・見事にトライガンらしさが出てて、
……ただ、お見事。
「こいつぁ、バーボン飲みながら読むぞ」
と、心に決めて、……正解でした。

今後も、期待してます、頑張ってくだされ。
では、乾杯ッ!
697名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:58:43 ID:pKZ5LZT4
さすが物理的に三日月を作り出した男だな
698名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 21:59:08 ID:GvLFSErO
GJ!!です。
原作を知りませんが楽しめました。

10時20分ぐらいから投下するとして、感想書き込み時間が30分設けることを考えると
投下時間が10分ぐらいか。
699旅ゆく人:2008/02/09(土) 22:00:16 ID:Bcco8o19
>>692
だからぁ、酒に弱い故に、肝臓に負担、
かけられないってヴァw
今飲んでるバーボンだって、一年前に買ったのを、
よーやく瓶を空にしたトコだしw
700名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 22:01:53 ID:LFn6sceq
これからの投下ラッシュを支援出来ないのが受験生の辛さかっ…
みんなオラの分まで支援は任せただぁ!
俺…明日の試験が終わったら…ss読むんだ…。
701名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 22:02:24 ID:epFeoqKs
バーボンあってこそのトライガンだぜwwww

読んでないヤツはいますぐ読め!
まだGEOは開いている!
702名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 22:03:19 ID:44Vy1z/v
乙です。

……ふと、ライブアアライブの西部編を思い出した。
703名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 22:04:15 ID:O5ywFxHF
>>698
では10時20分くらいからの投下でよろしいんでしょうか?
ほんと、先ほどからお手数をかけて申し訳ない。
704反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/09(土) 22:05:57 ID:5XyAF5YN
>>699
貴様ァァァァ!(CV:ATM)
もはやネットの書き込みですらろれつが回らなくなってきてるじゃないか! 飲酒PC事故のもと!

…毎晩それでよくあんな詩的な文章を書けるものだ…感服
705魔法少女リリカルなのはStylish:2008/02/09(土) 22:07:02 ID:v9KiTnb/
>リリカルTRIGUN
言葉に出来ない…(小田和正)
第一話から次話が来るのを待ち望んでしましたよー。そして、素晴らしい質と量だ。痒い所に手が届きまくりw
原作のトライガンは無印も含めて全編通して主人公のヴァッシュが「もういいから休ませてやれよ!」って言いたくなるくらい苦労する話ですから、このクロス作品でなのはに助けられ、高町家で一時の休息をするシーンがすごい和やかで好きです。
いやね、やっぱり最終的には「本当に気に入ってたんだぜ……今の生活が」ってなるんだろうけど、そのどうしても連想しちゃう切なさがまたいいですわw
まだ始まったばかりだし、リリなのサイドに事件にやはり巻き込まれてしまうんでしょうが、「あー、もういいよ。ヴァッシュとなのはが笑い合いながら日常過ごすシーンだけで。もう幸せでいいよ」とか考えちゃうね(ぉ
キャラにも全然違和感はありませんでした。
飯食った時点ですでに出てくことを考えてしまっているヴァッシュの孤独さと決意が彼らしいし、だからといってこの平穏な時間に未練がないというわけでもない辺りに人間らしさを感じます。
原作でもきっとこんな風に悩みながらも、穏やかな暮らしを望んでたんだろうなぁ。
早くも次の話が楽しみですよ。いや、バトルで引いたわけでもないし、急展開があったわけじゃないけど……アレだよ、もうなのはや高町家の家族愛に癒されるヴァッシュが見たいんだよwww次回も頑張ってください。

個人的に好きなシーン。
>「……本当にありがとうございました。桃子さんのご飯の味、士郎さんと飲んだ酒の味、そしてみなさんのことは一生忘れない……」
コイツ、本当に一生忘れないからなぁ……(涙
706OSGS:2008/02/09(土) 22:13:47 ID:crd+ghQU
>>700
がんばるんだ! 俺にもそんな日があったんだぜッ!

>>703
よろしいのではないでしょうか。
707旅ゆく人:2008/02/09(土) 22:15:49 ID:Bcco8o19
>>704
いあいあ、作品書くときは、全然しらふでふよー?

ま〜、そう言った話題わぁ、すれちなのでぇ、ここまでぇ。

でもね、ょさげな作品読んでるときのお酒って、
佐イッコーに、追い、ひい、の…… zzz
708名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 22:17:26 ID:k3oG8/UP
>>707
メイメイさんばりにへべれけじゃねーかwwww
709名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 22:17:49 ID:jcfi3t46
リリカルTRIGUN、ほのぼのとしたジョークがニヤリとするなw
個人的に「うんまぁ〜い!」 がMVP

GJですw
710反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/09(土) 22:18:46 ID:5XyAF5YN
>>707
ホラ事故ったぁー! 言わんこっちゃない!
…もう、あれだ。一緒に漫才やりましょうや(ぇ

そして>>703カモン!
711リリカルサンダルフォン:2008/02/09(土) 22:21:03 ID:O5ywFxHF
ではでは、投下開始しますー。
712Strikers May Cry:2008/02/09(土) 22:21:36 ID:ygqPxx0r
>>691
とにかく今後に期待大としか言いようが無い! マジでこの先どうなるんだ?
やっぱアリサに関節極められたりすんのか? 個人的にはほんわか路線な展開がもっと見てえ。

ヴァッシュにはこの先ノーマンズランドでの死ぬほど……いや死ぬよりつらい戦いの日々が待ってんだ。
せめて一時で良い、あの底抜けに明るくてお人好しな最強のガンマンに安らぎを与えてやって欲しい。
713名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 22:22:05 ID:BdTmlWMV
支援
714リリカルサンダルフォン:2008/02/09(土) 22:22:10 ID:O5ywFxHF
第零話『永劫の開演』


其処は様々な色彩が混濁した、異形の闇だった。
昏く淀み、白く醜く、ありとあらゆる色彩表現から逸脱された怪異に侵されし闇だ。
その邪悪に彩られた世界の中心、ヒトのと呼ばれる生命を模された影が、舞台の中心で踊るように両手を掲げる。
―――哂(わら)いながら。

『ハハっ……予想だにしなかったよ、今回の結末は。やっぱり九朗君は何処までも僕の予想を裏切ってくれるねぇ。
それもまた一つの物語、陳腐で愛すべき、最も忌むべき刹那の永劫!』

それは、余りに邪悪過ぎた汚濁の微笑みだ。
あらゆる感情が唸りをあげて混ざり合い、感情という想念を越えた怨嗟の叫びだ。
度重極まったその憎悪は―――然り、愛と似ている。
純粋で真っ直ぐ過ぎたその邪悪は、相反する愛情となんら変わりばえが無いと言えた。
影は―――『女』は、哂い続ける。
目の前の混濁の海に漂流する、一つの『黒い人影』を見据えながら、嘲笑を零した。

『だが、そんな刹那の永劫もこう何回と続けば飽きちゃうモノだよね。―――ほんの少しくらい、“お遊び”をしたって誰も文句は言わないさ』

そうだ。
あの無限の檻に囚われた『二人の王』の御伽噺。
よもやあのような結末になろうとは、如何なこの『女』としても計り知れぬコトじゃなかった。
だからこそ。あれくらいの枝の数では、足りないのだ。ならば増やそう。
枝の数を増やし、彼等をそれに絡めさせ、さながら人形劇のように操り続けようと。
用意をするのは簡単だ。
だが物語(セカイ)の骨子(プロット)を推敲するには少しばかり時間が必要だ。
だが、無限輪廻においてかの二人の王を育て続けた『女』だ。これくらいの時間、刹那すらほど遠い。
が――、それでは少々無粋だ。いくらあの“女”とて、遊びを欠いては飽きてしまう。
せめて、そうだ。
『もっと別の御伽噺』を作って観るのも悪くは無い。せめてもの『暇潰し』だ。
道化は道化らしく、お遊戯は丹念に清々を篭めて、子供のような邪悪を孕ませたつまらない御伽噺を作っていく。
―――それが彼女、『無■■神』である『■■■■ラ■■■ッ■』が思いついた戯れ事。


―――『女』は溺死体のように闇の海をたゆたう『男』をまた見つめ、愉快げに手を差し伸べた。
黒い装甲は所々剥がれ落ち、元々あった筈の顔を覆う仮面は先の戦いで破壊され、少年のようなあどけない寝顔をさらしている青年。
かつて実の姉に殺され、恨み、妬み、辛み、憎悪の限りを以って殺し愛った黒き天使。五つ目の黒き堕胎。

『だけど“それが良い”。ずっと昔から壊れている人形が、どんな風に踊ってくれるのか。
それを見届けるのもまた一興。泡沫に消える楽しい一幕さ』

邪笑。
『女』は本当に楽しそうに、身を捩(よじ)りながら、悶えるように、喘ぐように謳う。
……狂騒劇の始まりを! 狂った御伽噺を! 嗚呼、愚痴たる人間を贄として、儚くも強壮な物語を!

そうして、『女』は告げた。
狂った笑顔で。無の貌(かお)で。灼ける三つの眸に孕ませた、苛烈に熾(おこ)る憎悪と愛を以って。
715名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 22:24:16 ID:jcfi3t46

716名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 22:24:36 ID:bRPGxvV8
黒天使ついに来たー!?
幸せ
717リリカルサンダルフォン:2008/02/09(土) 22:26:11 ID:O5ywFxHF
『―――では、始めよう! 君は僕に愛される資格を手に入れられるのか! それともただの陳腐で唾棄すべき存在のままでいるのか! 
嗚呼、君が踊る演目は一体どんなモノなのだろう。ワルプルギスの再来か、グランギニョールの狂喜か!』 

歓喜に似た声は感極まって、この混沌たる闇の世界すら歪ませる程の邪悪が詰まった笑い声を発する。
一頻り喋り終わり、呼吸を整える。
そして、期待に心を膨らませながら、憧れるように、恋焦がれるような静かな声でこたえた。


『それとも―――そう。この邪悪に冒された狂騒劇を、荒唐無稽に無理やり終わらせてくれる
―――“デウス・エクス・マキナ”へと成り果てるのかな?』


その言葉を最後に、『女』は己が欲にのまれながら狂喜して、暗き混濁の海にたゆたう黒い影……『男』の周囲を円形状に歪めていく。
カチリと、鍵の音が響いた。
この世界から、異なる世界へと通じさせ/転移させ/開闢させて。

『女』は尚も哂う。
言わせてみれば、総ては決まったコトなのだ。この遊戯も。この物語も。


『そう――――総ては、ナ■アル■ト■■■■の意のままに!!』


***


主役は憎悪に焦がれた黒い影。
深く淀んだ恩讐と殺意は、時として愛によく似ていた、最後まで愚かであり悲哀であった男。
黒き天使の名を冠する復讐者。
ヒロインは未だ壇上に昇らず。影は独り、絶望に酔いながら踊り狂う。

……されども。

『――否(いや)! まだだ、まだ間に合う!!』

一つの、脆弱な光が必死に叫ぶ。まだ絶望するには速いと。
否、絶望などさせるものかと。
だがその光も、この壇上という囲いの外に在る。舞台に上がるには未だ至らず。

未完成の箱庭。
不実の輪。
蛇の輪舞曲(ウロボロス・ロンド)。

それでは、始めるとしよう。
白き王の紡いだ荒唐無稽の御伽噺とはまったく別で、それでも、その愚かな生に縋って足掻き続ける、弱く、醜く、そして愛すべき物語を。



『機人咆哮リリカルサンダルフォン』、開幕。
718名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 22:26:55 ID:bRPGxvV8
すげえ…■■■さんに違和感がねえ…
むずかしいんだぞこの人書くの…
支援
719リリカルサンダルフォン:2008/02/09(土) 22:27:33 ID:O5ywFxHF
第一話『黒天使、降臨』


堕ちる。
黒い影が堕ちる。瞬く間に。まどろみの中で。
眼に映っているのは一頻り暗く、黒く、昏い闇だけ。それ以外一切の色彩は放っていない。
純粋な闇。澄み切った闇。異形の闇。

(――己(オレ)は、敗れたのか?)

瞬間、爆砕(ホワイトアウト)。
異形の闇は何処かへ消え失せ、代わりに白一色に染め上がる。
白。そう、白だ。
右も左も、上も下も、全部『白』だ。あの忌まわしい、オレを捕らえ続ける白の牢獄。純白の鎖。

(――そうか。己は、“ヤツ”に敗れたのだな)

憎いと思う。純粋に。苛烈に。
嗚呼、なんと醜い。此処まで成り果て、求め続けた始末がこのザマとは、醜く過ぎて笑えてしまう。
いつまで経っても、この身を縛り続ける白を。
この己を、あの広い広い、澄み渡った青色の空へ行かせまいとする呪縛が、どうしようもなく憎い。
憎い。
憎い憎い憎い憎い憎い憎い―――――憎いッ!!

(――嗚呼! “また”なのか! 己を殺して尚、まだオマエは己を縛る呪いとして立ち塞がるのか!!)

拳を握る。深い深い、憎悪を滾らせた拳を握る。
どうしようもなく白に染まった視界を破壊するように、黒い影はその拳を振るった。
再度、爆砕(ブラックアウト)。
激しい憎しみと怒りが込められた拳が、視界を埋め尽くす白を捉え粉砕したのだ。

(良いだろう! 貴様がまた立ち塞がるならば、己はそれを粉砕するまでだ! そして――)

それでも、彼は堕ちる。
あの青く澄み切った空から遠く、黒に呑まれた夜空から堕ちて行く。
そう。人が空を飛ぶことは世界の法則から反している。
かのイカロスの翼が如く、遠い空へ向かおうにも、太陽の熱にその翼は溶けて消え、墜落するのだ。
黒い影も―――その点で言えば、イカロスのそれとなんら変わったところが無かった。

それでも、彼は堕ちながら、空を掴もうと右腕を伸ばした。
けっして届く筈の無い場所へ。至高の領域へ。

(―――あの空へ! あの青空へ………!!)

そうしてまどろみの中、墜落する黒い影、
『リューガ・クルセイド』の意識は魂の奥深くに沈んでいった。


***
720名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 22:28:59 ID:crd+ghQU
支援! さあ支援!
721リリカルサンダルフォン:2008/02/09(土) 22:29:01 ID:O5ywFxHF
フェイト・T・ハラオウンは急いでこの夜空を駆け抜けていた。
暗く淀んだ雲が空を覆い、今にも雨が降ろうとする中、外套をひるがえしながらも、金色の軌跡を残しながら高速で飛行する。

(現場まであともう少し……!)

相棒のバルディッシュの柄を強く握り、眼前に見える廃工場へ向けて一気に加速。
およそ人間が耐え得るか否か判別が付かない速度。
故にその廃工場に到達するに数分たりとも掛かる事は無かった。
流石は管理局においても上位に匹敵するであろうスピードを保有している事あって、面目躍如と言う物だ。
不気味な灰色に廃れ、焦げ臭い香りと言い様も無い静寂さに満ちた大地に着陸し、フェイトはバルディッシュをアサルトフォームに移行。常に臨戦態勢を保った。

『こちらライトニング01、現場に到着しました。敵影は今のところ存在していません』

『了解。ライトニング01はそのまま現場にて待機、ガジェットドローンを発見すれば速やかに破壊、レリックの発見及び確保をお願いします』

『ライトニング01、了解。任務続行します』

手短に本部と念話で連絡を取り、遮断。
ここは間違いなく敵地の真っ只中、通信途中に襲われでもすれば只事じゃ済まない事を彼女は承知していた。
喩え反応が無くとも、彼女とて歴戦の魔導師。
この場に流れる異様な雰囲気を理解している。鋭い眼光と感覚で全周囲を警戒する。
自然と、バルディッシュを握る強さが引き締まるのも当然という所だ。――が、それでも昂ぶる心を冷静な理性で緩和した。

――瞬間、空気がざわつく。それに気付いたフェイトはバルディッシュを前に翳し、警戒態勢から戦闘態勢に。

「……やっぱり。予想通りだ」

そして数秒後。
フェイトが立っている場所から前方にある闇の中から、一つ、二つ、三つときて一気にそこ等じゅうから光点を点滅させながら幾つものカプセル状の機械が現れる。
『ガジェットドローン』。ロストロギア『レリック』を狙う謎の機械兵器。これが在るという事は、つまり『レリック』もこの場に存在しているということ。
多分、この場に居るのはただの一小隊だけに過ぎない。ならば早急にこれ等を破壊して、『レリック』の確保を行わねばならないと思考し、フェイトはその場を蹴った。

その場から彼女が消失したかに見えるほどの速度。当然ながらガジェットはそれに反応できず、

「はァッ!!」
722リリカルサンダルフォン:2008/02/09(土) 22:30:21 ID:O5ywFxHF
金色の刃が横、一閃にはしる。
斬、という余韻の音を鳴らしながら、一体のガジェットは両断され崩れ落ちた。
それを合図と言わんばかりか、周囲に浮遊する何体ものガジェットが斬りかかったフェイトに対し光を放つ。
前後左右の至る場所からの包囲攻撃の前に、再度フェイトは大地を蹴る。二つの閃光が、闇の中で映えた。
瞬く間に断絶される数体のガジェット。小規模の爆発を起こし、周囲に先ほどよりも濃い焦げ臭い香りが充満する。

要は、その繰り返しだった。
迎撃してくるガジェット達の攻撃を高速で避け続け、斬撃(カウンター)。
AMFで防御を展開したガジェットも、その斬撃から逃れ得る事は出来なかった。
圧倒的という言葉がよく似合うさまだった。避け、斬り、回避し、裂き、紙一重で避けきり、断絶する。その都度繰り返し、斬り結んでいく。

機械の残骸がその場で次々と積もっていく。かくいう時間も掛からず、この場に存在したガジェットドローンがすべて殲滅された。
先ほどの静寂が戻り、フェイトは一息を付けた。次は『レリック』の確保、奴等に先んじられるワケにはどうしてもいけない。

「よし、ここは片付いた。早く次の場所へ―――ッ!?」

その瞬間が、油断を呼んだ。
フェイトが立つ大地の下が何の脈絡もなく爆砕し、二つの巨大な“腕”が現れる。
如何な彼女であろうとも、何の気配も魔力反応もなく、視界情報すら侭ならない現状では反応が鈍る。
それ故か。その巨大な腕が、難なく彼女の両腕を掴み上げ、さながら聖者の十字架じみた格好で拘束するに至ったのだ。

「く……ッ! まさか、こんな所にV型(伏兵)が……!?」

迂闊だったとしか言い様が無かった。
拘束された瞬間、魔法を発動しようとするも先ほどのカプセル型のガジェット……通称『T型』とは段違いのレヴェルでAMFが発動されており、
魔法を使えたとしてもこの腕を離し得る事は出来ないだろう。
それにこの強靭な腕と装甲……以前エリオ・モンディアルとキャル・ロ・ルシエが撃退したガジェットと同種であるが、幾分か強化を施されている。
協力なAMFの状況下でこの機械の腕を破る事はとてつもなく難儀な事だと言えた。

そして身動きが取れないこの状況で、さらに追い討ちをかける出来事が起こった。
建物の影から幾数もの光を点滅させながら、ガジェット『T型』が集う。集結していく。
能力が限定され、この数。たとえ彼女が一騎当千の力を持っていたとしても、この状況を切り抜ける術は持ち合わせていなかった。

(これは……少し、ピンチかも……)
723名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 22:31:38 ID:7L4m1FjR
いあいあ! ナイアルラトホテップ!
724リリカルサンダルフォン:2008/02/09(土) 22:31:49 ID:O5ywFxHF
ガジェットらの光眼が拘束されたフェイトへと向けられる。
このままではあっという間に蜂の巣だ。
唯一、増援さえ来てくれればこの状況下を潜り抜ける事は可能だろうが……その望みも薄い。
覚悟を決めたような目で、フェイトはガジェット達の視線を一身に受けた。

そうして幾数もの閃光が放たれる―――筈だった。

「え……っ?」

疑問の声を上げる。
フェイトに狙いを定めていたガジェット達が一斉に別方向へ向いたのだ。
どれ一つの例外なく、ガジェット等は“ソレ”に目を向けた。

フェイトもガジェットらが凝視する方向へ目を向けた。
よく見えない夜闇の中、何故だか“ソレ”ははっきりと見えた。

肩まで無造作に掛かった髪。所々傷んだジャケット。
見るからに何らかの武道を習ったのだろう、一切ぶれないその姿勢。
そして――右目にある、痛々しい裂傷。フェイトと同じ年頃であろう“青年”が、亡霊の様に其処に立っていたのだ。

(な、民間人!? なんでこんな所に……!)

フェイトは狼狽した。よもやこんな廃工場に民間人が居ようとは、誰も思わないだろう。
拘束されながらも、自らも未だ危険な状況下に居ながらも、彼女は叫んだ。

「そこの人、早く逃げてください! ここは危険です!!」

だが、青年は動かない。フェイトの声は確かに届いている筈だ。
なのにそれを意に介さず、その場で立ち尽くしていた。
何を考えているのか、フェイトにはさっぱりわからなかった。
大量のガジェット……見た数では二十数体以上。
本来ならばそれよりも多いだろう。それを目の前にして何もしない青年の事が、さっぱり、全くなにも理解出来なかった。
それでもフェイトはもう一度叫ぼうとした―――その時だった。
725リリカルサンダルフォン:2008/02/09(土) 22:33:04 ID:O5ywFxHF
「早く逃げ――――え?」

異変が、起こったのだ。
青年が徐(おもむろ)に右腕を地に、左腕を天に構えたのだ。天地上下の構え。
とてつもなく異様だった。
彼に纏わり付く雰囲気が目に見えない質量となって、この場を圧迫している様な感覚に陥る。
フェイトはこの感覚を知っている。彼女にとって、馴染み深いモノだ。これは―――魔力の流れだ。
周囲にある魔力が彼に向かって一斉に流れ込んで行く。
膨大な量だ。民間人が、こんな芸当を見せることなど出来はしない。
ならば……彼は、一体何なのだろう?
そんなフェイトの疑問など無視し、彼は沸々(ふつふつ)と大気を侵す様に、言霊を吐いた。



「――――『変、神(へん、しん)』――――ッッ!!!」



***
726リリカルサンダルフォン:2008/02/09(土) 22:34:27 ID:O5ywFxHF
青年が目を覚ました場所は、見たことも無い廃工場だった。

「ぐ、ぅ……ッ! ここは、一体何処だ……?」

彼は太平洋上において『彼女』との戦いで敗北し、そのままあの大海原へ堕ちた筈だ。
それが海とはなんら縁の欠片も無い、こんな廃れた工場で気絶しているとは、如何な魔術の類なのだろうか。
それは彼にとって、知るよしも無い事だ。要はまだ“動いている”という事だ。ならば、また『彼女』と戦う事が出来る。何ら支障も無い。

……が、それを考慮に入れても、この様な場所ははじめてだ。アーカムシティにこの様な廃工場があっただろうか?
閉鎖地区あたりを探せば、この様な場所もあるかもしれないが……。
それでも、何処とは無しに『違和感』を感じずにはいられなかった。
まるで、そう。何処か別の世界に居るような―――。


―――瞬間、彼の脳裏に闇黒の、混濁の海が四方を統べる異形の世界が焼き付いた。
その世界の中心で踊る影。あれは――女、だろうか? 
灼ける様な■■の眼を■■■の■■■■■(以下、検閲)
■■■■エラー、エラー、白血球プログラムを展開、
突破不可能不可能不可不可■■■■■……


「が、グゥ、アアアァァア………ッッ!!」

まるで鈍器で殴られたような、激しい痛みが脳を刺激する。
言い様も無い、果てしなく暗い『邪悪』を垣間見た……気がした。
しばらくすればその頭痛も治まり、嘆息をまじえながら青年はその場で胡坐(あぐら)をかく。
きっと先ほどまで気絶していた所為だろう、何らかの不備が発生しただけに過ぎんと断じて、この廃工場から空を見上げた。

暗く昏い、今にも雨が降りそうなくらい曇った空だった。

「………チッ」

軽い吐き気。
こんな空は好きじゃない。まるであの場所を連想させてしまう。
一面白の空間。真っ白な世界。白の牢獄。嫌になるくらいの白一色。
あの部屋は好きじゃないが……あそこから除かせる、一切の穢れが無い、どこまでも青い空がどうしようもなく好きだった。

そのような事を思い出して、またしても舌をうった。
全くもってどうかしている。もしかしたら『ヤツ』との戦いで何らかの異常でも発生したのか。
その程度ならば自己修復機能でどうにかなるだろうと一瞥し、青年は立ち上がる。

さて。休憩もこれくらいにしておこう。
どういう事かは解らないが、動けるのであれば『ヤツ』と戦う事ができるのだから。


――すると、青年はとある方向に眼を向けた。
鋼が焼き切れる、焦げ臭い匂いがした。戦いの空気を肌で感じる。
その瞬間、青年の口が歪む。


「ふん――面白い。機能調整がてら、少し遊んでやろう」


それは……どうしようもなく歪んだ『笑み』だった。
727リリカルサンダルフォン:2008/02/09(土) 22:35:59 ID:O5ywFxHF
眼にしたのは、見たことも無い機械兵器どもと金髪の女が戦っている所だった。
其処で戦う女は人の身でありながら余りにも圧倒的だった。
数ある機械兵器達をまるで木偶の棒を斬っていくような手早さで殲滅していく。
成る程――あの女は少なくとも、『逆十字』クラスの魔術師というコトだ。
魔力を人為的に押さえ込んでいる様なモノも感じるが……一体なんなのだろうか。

そうして時間も掛からないうちに、女は周囲にあった機械兵器達総てを破壊せしめた。
年の瀬は自分とそう変わらないみたいだが、随分と戦う事に手馴れている印象を持った。

そこで女は安堵の息をついてその場から離れようとした瞬間に―――地中から、二本の腕が突如現れ、あっという間に彼女の両腕を掴み拘束した。

(―――ハ、油断大敵だな)

青年はそう思う。あの程度で遅れを取るとは、少々買いかぶりすぎただろうか。
女を拘束したことでいい気になったのか、ぞろぞろとあのカプセル状の機械兵器達が出てくる。ざっと二十体以上は居るだろうか。
先ほどの数と比べれば、二倍以上の量。絶対絶命の危機。だが―――

(クク―――その数くらいならば、丁度いいだろう)

青年は笑う。戦いという病に侵されたように、顔を歪ませ哂う。
そうして青年は、なんら危険を顧みず、その場で佇んだ。


機械兵器達が彼の存在に気付く。
ついでに拘束されている彼女も彼の存在に気付き、何かを叫んでいるようだが、青年は気にせず己が行動に没頭する。

両腕をそれぞれ天と地に構える。天地上下の構え。
脈動する魔力。内臓されたダイナモで大気中に存在する魔力(アザトース)を吸収/循環/疾走させていく。
大量の魔力を食い潰しながら、彼は笑みを浮かべる。

大気がおののく。彼の纏う殺意と暴虐の意思に軋みをあげているのだ。
前方にいる彼女が驚愕に彩られた表情を浮かべているが………関係ない。

彼は馴染み深い言霊を、沸々(ふつふつ)と大気を侵す様に、吐いた。



「――――『変、神(へん、しん)』――――ッッ!!!」



次の瞬間、彼の身体が紫電を帯びながら形状を変化させていく。
闇の中で尚も映える黒色の装甲が瞬く間に現れて、彼の身体に合わせるように装着。
最後に、他の装甲と同じように黒色で染められた仮面が彼の……『リューガ・クルセイド』の顔面に顕現する。

―――それは、まさに黒い天使と言うに相応しい姿。

今宵、ミッドチルダに黒天使『サンダルフォン』が降臨する。


続く。
728反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/02/09(土) 22:36:01 ID:5XyAF5YN
これが噂の暗黒勇者王か支援!
729名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 22:36:07 ID:bRPGxvV8
>>723
その名前を言ってはイケない。危険だ!
支援
730名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 22:37:26 ID:Bcco8o19
フムン、……支援。
731リリカルサンダルフォン:2008/02/09(土) 22:38:10 ID:O5ywFxHF
これにてプロローグあんど第一話投下完了。
まぢで遅筆すぎるわ自分orz あれから一ヶ月あまりの執筆期間。皆さん待っていてくださりありがとうございます。

ほんともう、鋼屋御大の台詞回しは難しいわー。
個人的にはヒラコー並です。
732名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 22:41:46 ID:EpWVSCjr
乙〜
ニトロ節の再現がうまいぜあんた。
733名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 22:42:36 ID:Bcco8o19
>>731
元ネタ知らないのだけど、GJ!
これからも頑張ってくだされ。
遅筆など、大して気にする必要なし。

腰を上げるのが遅いのにくらぶれば……(トホヒメ
734名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 22:42:51 ID:5XyAF5YN
GJ!
ラストの下りで脳内に「人、神、機-Man God Mashine-」がッ!

…しかし、これがデモベ世界の台詞回しですか…なんか色々すごい…
735名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 22:43:10 ID:crd+ghQU
GJ!

>>鋼屋御大の台詞回しは難しいわー
いやいや、よく再現なされているとおもいますよw なにしろ文章に愛があるw
736リリカル! 夢境学園:2008/02/09(土) 22:50:47 ID:RdWJUyyi
ふっ、GJ……
そんな陳腐な台詞しかいえない俺は文章書き失格だ orz
どいつもこいつも最高すぎるぜGJ!

あとすみませんが、投下予約状態を教えてください。
針山さんクロスがようやく書き終わりましので、投下したいのですが。
ログ見ても、分からない……
737名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 22:56:19 ID:pKZ5LZT4
>>644:一件時間の関係でキャンセル、よって全件終了
>>694:時間調整に関する問い合わせ
>>736:貴公
現在有効分はこれだけ
738名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 22:57:06 ID:GvLFSErO
GJ!!です。
カッコいい・・・次回を楽しみにしてます。

十一時からOSGS氏が投下です。
739名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 22:57:31 ID:GvLFSErO
GJ!!です。
カッコいい・・・次回を楽しみにしてます。

十一時からOSGS氏が投下です。
740名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 22:57:40 ID:pKZ5LZT4
間違えた、>>694も済んでる
741OSGS:2008/02/09(土) 22:59:04 ID:crd+ghQU
では、うしろに投下する方がいらっしゃるようなので落としていきます。

前のSSたちが微妙にプレッシャーですが……
742リリカル! 夢境学園:2008/02/09(土) 23:00:03 ID:RdWJUyyi
支援です!
743OSGS1/14:2008/02/09(土) 23:00:14 ID:crd+ghQU
第二話「集結! 夜天の空に!(後編)//古い鉄の伯爵」
※スペシャルゲストが最後に登場します。


――キョウスケ

 操縦者にかかるGすら完全に再現するPT用訓練シミュレーターのなかで、キョウスケ・ナンブは
模擬戦の開始を待っていた。
そして眼前のモニターに映っているのは都市戦を想定して作られた仮想空間。
 陸専用シミュレーターは高度な物理再現機能を持っているため、目の前のビルは本物と同じ耐久力
を再現されていた。

 物理再現機能によって本物と寸分たがわぬように作られたアルトアイゼンをシミュレーターのコク
ピットで動かすことで、実機と変わらない重量や耐久度を持つ機体を作ることができる。実機の消耗
を抑えることが目的だった。
 さまざまな分野で主要地上世界の技術は第187管理外世界よりも数段進んでいる。
 キョウスケたちにとっては夢のような話でも、ミッドチルダでは当たり前な技術となっている場合
が多かった。
 シミュレーターの機能もその一つだった。

(魔法の理論も突き詰めれば、最先端の科学である……にわかには信じられん)

 キョウスケも技術力の高さに純粋に驚いてはいるのだが――驚くよりも先に扱いにくさを感じてし
まう性格だった。
 未知ゆえの扱いにくさ――アルトアイゼンの目の前に浮かんだ少女もそうだった。
 赤い髪を三つ編みにまとめ、宙を浮遊する魔導師――。

(いや、アームドデバイスとやらを使う魔導師は――騎士だったか?)

 キョウスケはコクピットで首をかしげた。どこがどう違うのか、まだよく理解できていない。ただ
し――鉄槌の騎士ヴィータと鋼鉄の伯爵グラーフアイゼンが放つプレッシャーは、敏感に感じ取って
いた。
 頭の芯が冷える感覚。グラーフアイゼンの鈍色の光がやけに冷たい。
 パーソナルトルーパーのくるぶしにも満たない身長の少女が生み出す冷たい圧力は、コクピットの
温度を数度低下させていた。
 さらにヴィータの異装がキョウスケの不可解を助長する。

(あの服もミッドチルダや管理世界では別の意味があるのかもしれん……油断はできんな)

 キョウスケは微妙に勘違いをしたまま装備の確認をはじめた。
 右腕のリボルビングステークに炸薬を確認し、左腕の三連マシンキャノンの弾数を確かめる。
 背部のハードポイントにはステーク用のリローダー、接近戦用のコールドメタルナイフ。
 大腿部には二挺のGリボルヴァーが嵌まる。
 追加した武装はすべて、旧世紀から使われつづけた武装をパーソナルトルーパー用に巨大化させた
もので統一されている。

(ヒートホーン、クレイモア作動確認。こい、ヴィータ副隊長……)

744OSGS2/14:2008/02/09(土) 23:00:40 ID:crd+ghQU
――ヴィータ

 グラーフアイゼンの待機を解除したヴィータはアルトアイゼンをにらみつける。ベルカの言葉で<<
古い鉄>>の名を持つパーソナルトルーパーが、いまにも襲い掛かって来るような気がしたからだ。

 もちろん、シミュレーターでつくられた現実には存在しない機体だったとしても、視覚から与えら
れるプレッシャーは絶大だった。飛行魔法で宙に浮かんでも、二十メートルあるパーソナルトルーパ
ーとの質量差が変わるわけでもない。

 視界のすべてがアルトアイゼンの赤い装甲で埋め尽くされる。
 一本角の甲殻蟲をおもわせる頭部。特機級の装甲すら貫通する杭撃ち機。
 現存するパーソナルトルーパーには見られないほど巨大な肩部。
 どれ一つとっても従来機からぬきんでているが、パーソナルトルーパーという分野において最先端
でもある。

(なのはがこの模擬戦を認めたのは、新人達にパーソナルトルーパーとの戦い方を見せるためだ)

 陸士学校でもまだ本格的にはおしえられていないパーソナルトルーパーやアーマードモジュールへ
の対応法を、なのはは新人達に教えるつもりなのだ。見通しのよいヘリポートから、なのははヴィー
タの動き方やキョウスケの機体のとりまわしを分析し新人たちにレクチャーするのだ。

(あたしも自身もパーソナルトルーパーとの戦闘経験はあんまりねえ。まあ、できる限りのことをす
るっきゃないんだけど・)

 グラーフアイゼンを握り締める。相棒のグリップはいつでも冷たく冴えわたる。てぶくろ越しに伝
わる冷たさは、いつでもヴィータの心をニュートラルに戻してくれた。

(レリック関連で、キョウスケなみの物騒なヤツがいるかはわかんねえけど――いろいろやらせても
らうぞ……キョウスケ)

『キョウスケ隊長、ヴィータ副隊長。シミュレーターの準備がすべて終了しました。お二人のタイミ
ングではじめてください』

 どこか緊張した声色のシャーリーの声に了解、と答え、ヴィータはキョウスケに通信を送った。

「さっきも言ったようにこっちは全力でやらせてもらう――。カウント15でいくぞ、キョウスケ。
シャーリーはカウントをたのむ」
『了解――』

 キョウスケが無愛想に答えた。

 戦いの火蓋が落とされるまで、あと十五秒――。



 遠く、ヘリポートで二人の対決を見つめる面々は、さまざまな表情を浮かべていた。
 パーソナルトルーパーの大きさに驚いている者や、その巨体を前にしても一歩も退かないヴィータ
の姿に感心する者。戦闘中の動き方を考察する者。

 冷や汗を浮かべているのはなのはとエクセレンの二人だった。
 キョウスケとヴィータの、加減をまるでするつもりのない言動が不安で仕方ない。
 なのはとエクセレンはしばし目線をあわせてから、キョウスケとヴィータに通信を開く。

 なにか一言いっておかないと、決課式当日からとんでも無いことが起こる気がしてならなかった。


745OSGS3/14:2008/02/09(土) 23:01:00 ID:crd+ghQU
零――のカウントと同時に両者はめまぐるしい思考の攻防をはじめ、可能性の淘汰を開始する。

――キョウスケ

 さきに『攻撃』をしかけたのはキョウスケ・ナンブと古い鉄<<アルトアイゼン>>。
左肘のモーターが甲高く鳴き左腕を持ち上げた。装備された三連マシンキャノンの銃口が、鉄槌の騎
士に向けられる。

「射撃は苦手なんだがな。四の五のいっていられんか!」

 アルトアイゼンは機動力で圧倒的に負ける。ましてや接近戦を得意とする騎士が相手だ。張りつか
れればそのまま一方的に攻め立てられる可能性もある。ならば、苦手とする射撃をつかってでも、あ
る程度の間合いをとらなければならない。



――ヴィータ

 『回避』を選択した鉄槌の騎士<<ヴィータ>>と鉄の伯爵<<グラーフアイゼン>>。
 騎士としてのプライドがほんのわずかだけ回避を躊躇させたものの、五十メートルは離れた間合い
を保つ両者の優劣を一瞬で判断する。。
 三連装マシンキャノンが火を噴く前に誘導魔法弾シュワルベフリーゲンを展開できるか?
 迎撃したあと懐に飛び込めるか?
 ラケーテンシュラークを展開して懐に飛び込みコクピットを打てるか?

(ちっ、無理だな)

ヴィータは回避を選択した。設置、発射にタイムラグがあるシュワルベフリーゲンとマシンキャノン
では、わずかにマシンキャノンの一斉射のほうが早い。銃弾をシールドで防ぎきれる自信はあったが、
その選択は――猛烈に嫌な予感がする。頭の芯が選択に警鐘を鳴らしていた。ラケーテンフォルムも
同じ理由で却下。もう、コンマ何秒か思考が早ければ、展開することも可能だったかもしれないが、
もはやその選択はない。
 一手さきを考えれば回避も悪くはない。ヴィータは林のように並び立つビル郡を視界の端にとどめ
ていた。

 この時点で僅かに零秒半――。

 マシンキャノンが火を噴いた。
 シミュレーターにより細部まで再現されている弾が空気を引きさいて飛ぶ。
 ヴィータは射線を見切り、直角方向へと身体を泳がせる。目の前を銃弾が通り過ぎ、射線は初弾の
軌道から移動しない。想像よりもしつこくない射撃だった。

(射撃の腕は――あんまりよくねえか)

 フェイントもブラフもない、ただ撃っただけの直射。弾幕をかいくぐって反撃に転じることもでき
たが――やはり勘が働いた。ヴィータはそのまま飛び去った。


――キョウスケ

 三連マシンキャノンの射線をヴィータに向けた、が。ヴィータは赤い騎士甲冑の残影をのこして、
アルトアイゼンの視界から飛び去っていた。銃弾がむなしく射線上にあったビルに殺到する。壁面に
は弾痕だけがのこっていた。

「やはり射撃はうまくない……だが突っ込んではこなかったか」

 キョウスケが次の動作パターンに用意していたのは、『切り札』というモーションプログラム。ア
ルトアイゼンがもつ全弾を対象に打ち込む、避けられたら後が無い、アルトアイゼン最強のジョーカ
ー。ヴィータが足を止めるなり、反撃に転じてくるなら即座に使うつもりだった。アルトアイゼンの
瞬発力を持ってすれば、一瞬でも足を止めたヴィータをしとめるのは簡単だった。
746OSGS4/14:2008/02/09(土) 23:01:28 ID:crd+ghQU
――ヴィータ

 飛翔するヴィータは自分の判断の正しさを知った。PTは人体を模している。視界がビルに阻まれ
る一瞬前、僅かに前傾したアルトアイゼンからヴィータは予感の理由を理解した。

「あぶねえ奴」

 なのは以上のむちゃくちゃをやろうとしていた男をそう評価しつつ、ヴィータはアルトアイゼンか
ら完全に死角となるビルに侵入した。薄暗いが、精密に描画されたビルはそれだけで魔導師や騎士の
姿を隠す障害物になってくれる。
 息を整える。それぐらいの余裕はすでに稼いでいた。

「あんまり得意な戦法じゃねえけど……」

 ヴィータは指先にビー玉ほどの大きさの鉄球を生み出した。自らの魔力を削って生み出す、魔力の
物理結晶体。

「はぁぁぁぁ……」

 唇からもれる吐息に呼応して、四基の鉄球がヴィータの手から離れる。銀色の表面をなぞるように、
真紅の魔力光が鉄球を覆う。ヴィータの足元に魔力光と同じ色の魔方陣が刻まれた。ベルカの魔法陣
が陽炎のように顕われ吹き上がる魔力が騎士服をひるがえす。
 ヴィータは目を閉じ、耳に集中した。



――キョウスケ

 キョウスケはセンサーに目を走らせる。ヴィータの姿はビルにかくされてどこにもなかった。レー
ダーにも何も写っていない。魔力を感知するレーダーはまだアルトアイゼンに搭載されていない。

(なんにせよ……これではな)

 キョウスケはアルトアイゼンの歩を注意深く進めはじめた。注意深く。獣が獲物を探るがごとく。
ビルのガラスが振動でリビリとゆれていた。
轟音に似た足音はアルトアイゼンが重装甲、超重量の機体であるためやむおえまい。
 キョウスケも危険は分かっていたが、抜き足差し足しのび足などという芸当は、アルトアイゼンに
は求めない。
「いつ仕掛けてくる……ヴィータ」



――ヴィータ

 ヴィータはわずかに揺れるガラス戸と足音からアルトアイゼンの位置を割り出した。グラーフアイ
ゼンを手首で一回転させる。手に染み付いた相棒の重みを頼もしく思いつつ、語る。

「あんなデカブツ。はずすわけにはいかねーよな」
<<ja>>

 グラーフアイゼンは承知と応えた。

「時間差でやるぞ。狙うのはあいつの右腕だ。さきに間合いをぶっ潰す」

 ヴィータはグラーフアイゼンを振りかぶった。地面と平行に位置を変えた四つの鉄球は、より強く
魔力光を輝かせながら主の号令を待つ。

(ここだ――!)
747OSGS5/14:2008/02/09(土) 23:01:50 ID:crd+ghQU
 ヴィータの目が見開かれた。真正面にある窓の百メートル先にアルトアイゼンの姿が見える。まだ
キョウスケはヴィータに気がついていないらしい。ヴィータは思わず片頬を吊り上げた。でかい的だ
った。

「いくぜ、アイゼンっ!」
<<Schwalbefliegen!>>
「ぶっとべぇ!」

 ヴィータはグラーフアイゼンの先端、鎚の部位で宙に浮かんだ鉄球を叩く。
 甲! 甲! 甲! 甲!
 子気味のいい音がビルに響き渡った。正面のガラスを撃ちわる。飛燕の別名をもつ魔法弾がアルト
アイゼンに向かって発射された。


――キョウスケ

「むっ!?」

 キョウスケはモニターに異常を感じた。
 アルトアイゼンから向かって右側――赤い光点が迫った。

「魔力弾か! やってみせろ、アルトッ!」

 左右をビルに挟まれていなければ、まだ回避の余地はあったかも知れない。
 だが、アルトアイゼンの機体特性は分厚い装甲にある。両腕をコクピットの位置で構え飛来する魔
力弾頭に備えた。
 飛来した魔力弾が、アルトアイゼンの装甲を打ち砕く。

「く……けっこうゆれるな」

 魔力弾は取り回しのしやすい三連装マシンキャノンに直撃し、機能を完全に沈黙させた。
 機能停止を確認するより前に、再び魔力弾がビルの隙間から飛び出してきた。
 もう使い物にならなくなった左腕をふりまわし、魔力弾をわざと破損部に当てた。左腕で消し飛ば
せたのは二発のみ。もう二発は右肩口とスクエアクレイモアのカバーに直撃する。

「これで左腕はアウト――いや、まだ使えるか? 動力供給を最低にすれば、手持ちの物くらいなら
使える」

 砲身はひしゃげ、マシンキャノンは見るも無残な醜態をさらしていたが、左腕の機能はまだなくな
っていない。大腿部のハードポイントに収まっていたジャイアントリボルヴァーのグリップに指を掛
け引き抜いた。

 ここでヴィータは一つの失敗を犯している。
 アルトアイゼンの固定武装の中で、三連マシンキャノンは比較的は長大な射程を誇る。相手の間合
いをつぶすという意味では、マシンキャノンの破壊は有効であり、ヴィータの考えは正しかった。
 しかし、大火力と重装甲で正面突破というコンセプトを与えられたアルトアイゼンの真の武装は―
―。

 アルトアイゼンの二時方向から、シュワルベフリーゲンが迫っていた。
 第三射目。一射目、二射目とはまた方向が違う。
 キョウスケは二時方向へアルトアイゼンをむける。

 キョウスケがコクピットのペダルを踏みこむ、アルトアイゼンの背で青白い炎が爆発した。体中の
血が進行方向の逆に叩きつけられ、内臓が身体に重くのしかかる。

(ここまで再現してくれるとはな――!)

 いつもどおりといえばいつもどおり過ぎる加速Gにキョウスケは口元をゆがませた。その間にアル
トアイゼンはビルの群れを飛び越える。
748OSGS6/14:2008/02/09(土) 23:02:24 ID:crd+ghQU
「加速がうまく稼げなかったが――短距離ならいけるはずだ。伊達や酔狂でこんな頭をしているわけ
ではないぞ!」

 ヒートホーンは両腕が損傷したときのため、または意表をつくための武装だった。一本角が紅く灼
熱する。センサーに使われるべきエネルギーをヒートホーンに供給。パーソナルトルーパーの装甲す
らきりさける熱量を発生させたヒートホーンを掲げ、アルトアイゼンは最頂点から自由落下し眼下の
ビルに向かって落ちる。



――ヴィータ

 超重量のアルトアイゼンが上空からつっこんで来た。窓から見上げるヴィータは頬を引きつらせる
よりも前に、逃れなければならなかった。シュワルベフリーゲンで叩き割った窓に身を躍らせ、最大
戦速でビルから飛び出した。
 地面が震えた――いや、上下したといったほうがいいかもしれない。続いてバリアジャケットが標
準装備する防護フィールドすら突き抜ける轟音がヴィータの耳朶を叩く。思わず耳をふさぎたくなる
――墜落音。

 背後を振り向く余裕はなく、ある程度の距離を置いてからアルトアイゼンを知覚したヴィータは、
アルトアイゼンの重量で地面が陥没している光景に冷や汗をながす。アルトアイゼンはよくも膝関節
が脱落しないと思えるほど地面に足をうずめ、ヴィータがいままで隠れていたビルをその重量と熱量
で一刀両断にたたき斬っていた。


(フリーゲンも一射目、二射目って発射位置を変えてたのに三射目であたしの動きを読みきった――
? 分かっちゃいたがとんでもねー良い勘してやがる……)

 ヴィータはフリーゲンの照準をつけるため、アルトアイゼンを目視できる位置にいなければならな
い。その条件を前提にしても、数ある建物のうちからヴィータの位置をわり出すには、経験に裏づけ
された勘と、その勘に賭けられる度胸が必要なはず。それをアルトアイゼンとキョウスケ・ナンブは
やってのけた。

 心臓が痛いほどの鼓動を刻む。氷のようにあるべき戦闘時の精神に、力強い炎が灯るのに、ヴィー
タは気がついていた。好敵手は紅い甲殻虫のごとき巨人を駆り、鉛と鋼の銃弾で襲い掛かってくる。
 アルトアイゼンのセンサーがギラリ、と強く輝いた。半身で振り向いたアルトアイゼンは間違いな
く頭部カメラでヴィータをねめつけ、左指先に握られた銃を向けた。

(わるいけど、今度はこっちの順番だ――キョウスケ・ナンブ!)

 機関部から伸びるストック。弾を内包するためのシリンダー。リィンUをそのまま詰めてもまだあ
まりある大口径の銃口。ジャイアントの名に恥じないリボルヴァー。見た目のインパクトもさながら、
決してこけおどしではない威力を誇るのをヴィータは知っている。
 アルトアイゼンの指先が震える――コック・オフ。もっとも原始的なつくりの銃器は、引き金が引
かれるとほぼ同時に、内蔵されたハンマーを雷管に叩きつけ、炸薬を爆発させる。

 ふたたびの轟音。

 だが、ロックオンから発射までのタイムラグが大きすぎた。

「アイゼン!」
<<Raketenform!>>

 ヴィータのアームドデバイス<<鉄の伯爵>>のハンマーヘッドが、グリップから跳ね上がり、フォル
ムを変化させる。
 相似形のシルエットをくずし、鎚頭の片側を山形のブレードスパイク、もう片方をジェットノズル
へとかえる。
さらにジェットノズルから魔力を噴出。推力で加速したグラーフアイゼンをヴィータはおもいきり振
りぬいた。
749OSGS7/14:2008/02/09(土) 23:02:52 ID:crd+ghQU
 魔法で強化していなければ、腕が吹き飛んでいてもおかしくない――そんな手ごたえ。グラーフ
アイゼンは眼前にせまっていたGリボルヴァーの弾丸の正面を穿ち、直撃の軌道から弾体を反らした。
グラーフアイゼンの変形から固定までの時間差を感覚的に知っているウィータは、弾丸の着弾よりも
はやくラケーテンフォルムを展開できると確信し、その確信に乗った。
 弾速は懸案材料だったが、ヴィータが軌道を見切るには十分な速度だった。Gリボルヴァーの弾丸
は狙いを大きくそらしてヴィータの背後へ抜ける。

 わずかの間をおいて、Gリボルヴァーのシリンダーが回転した。
 これくらいで怯む相手ではないのはヴィータも認識していた。
 
アルトアイゼンがふたたびマニュピレータのモーターを駆動させ、トリガーに掛かった指先を屈折さ
せる。
 大きく振りかぶったラケーテンシュラークで、大気を擦過させる弾丸を叩き落しつつ、ヴィータは
単発式火器が再び火を拭くまでのわずかな間に距離を詰めていく。
 どん。
 撃ち出されるたびに腹に響く重低音と、はきだされる銃弾をグラーフアイゼンで叩き潰す。
 しかし――あまりに単発で、デコレーションのない戦い方。
 ヴィータの頭の隅にアルトアイゼンの両肩にしこまれている物騒な武装が浮かんだ。が、突進はや
めない。ラケーテンフォルムの加速に乗り、再び飛来する弾丸を叩き落した。

 シリンダーの正面から見え隠れする銃弾の数は六。そのうちすでに五発放たれている。
 故意に――だろう。ヴィータは思った。あまりに看破しやすいのは、看破させることにキョウスケ
の意図があるのか、それとも本当に不器用なだけなのか、そのどちらかだろう。
 Gリボルヴァーが最後の弾をはじき出した。ラケーテンの加速時間もそろそろ終ってしまう。そう
なる前に、ヴィータはアルトアイゼンのリボルビングステークとヒートホーンを砕きたい。
 止めとばかりにラケーテンの先端を、アルトアイゼンのGリボルヴァーに叩きつけ機能停止におい
こむ。勢いを殺さずにそのままつっこむ。

 不意に、ヴィータの眼前に、突如として真っ黒な空洞が現れた。

 いままで半身のむこうに隠れていた、もう一丁のGリボルヴァーがヴィータの眼前に突きつけられ
ていた。

「しまった――!? なんてなっ!」

 突きつけられた銃口を蹴る。ヴィータの紅い靴に蹴られた銃身はそのガン・サイトの方向を完全に
あさってに向けた。ただむなしく、轟音だけが響く。

 天、瞬。

 紅い少女のゴシックドレスが翻ったのは刹那。すでに手を出せる武装をうしなった<<古い鉄>>は身
動き一つさせず――機体に鎚の先端をうがたせた。

 鋼に鉄が食い込んだ。ラケーテンハンマーはコクピットハッチを叩き抜き、ラケーテンフォルムの
先端は中のパイロットを絶命の境地に追い込む――。


 否――。


 アルトアイゼンはわずかに上体を引き、グラーフアイゼンの致命打を避けた。
 グラーフアイゼンが砕いたのは、装甲のみでコクピットまで届くものではない。
 そのうえ後部ジェットノズルから噴出される魔力も止まり、ラケーテンシュラークの加速は収まっ
た。

 勝負が決まると思っていたヴィータは引くか、押し込むか、迷う。

(どうする――!?)
750OSGS8/14:2008/02/09(土) 23:03:27 ID:crd+ghQU
 アルトアイゼンの手がヴィータを包み込むように迫った。
 攻め手をうしなったヴィータは眼前を埋める装甲と迫るマニュピレータのあいだからすり抜けて間
合いをとる。
 間合いを離してから――背骨と腰の辺りに氷を叩きつけられるような悪寒を感じる。
 肩のカバーが開き、内側の小型コンテナが見えた。

 やばい。

 それはやばい。

 避けられそうにない。

 わずかな、戦闘をしている人間にしかわからないわずかな両者の呼吸の隙間を経て。

 ヴィータはグラーフアイゼンに指示を飛ばした。



――キョウスケ

 うっすらと額に浮かぶ汗がキョウスケの驚愕をあらわしている。
 無愛想と呼ばれる男に生まれた、そのわずかな驚きの色を見分けられる人間ははたしてどれだけい
るだろうか。

(このシミュレーターはリアルすぎる)

 現実に匹敵するリアリティのある映像。ヴィータの纏うバリアジャケットの赤が走りコクピットを
貫かんとする鎚の迫力に、キョウスケはアルトアイゼンの上体を後部にそらした。

 結果としてはヴィータの技は不発に終わり、コクピットをつぶされることはなくなったが、グラー
フアイゼンの先端が迫る光景はキョウスケの脳裏に刻まれた。

「魔法か――」

 キョウスケはつぶやき、アルトアイゼンの両腕を稼働させた。
 コクピット付近の装甲版にグラーフアイゼンをうずめているヴィータに手を伸ばしつつ、火器管制
の表示されたパネルに目をはしらせスクエアクレイモアが正常に使えることを確認する。
 マニュピレータと自らが打ち抜こうとした装甲の隙間をするりと抜け出したヴィータは、アルトア
イゼンの真正面で止まっていた。完全に体勢を崩している。

「この間合い……もらった!」

 スクエアクレイモアの火器管制シークエンスが発動。
 両肩のカバーが上下に開き、ベアリング弾を格納したコンテナが露出する。後は安全装置を兼ねそ
なえたコントロールスティックのトリガーを指先でおさえつければ――。

「クレイモア……! 抜けられると思うなよ……!」

 トリガーが引かれる。名のとおり、円形に固められた特殊チタンがコンテナ後部の炸薬ではじき飛
ばされる。切りつめたショットガンの散布界に近い、ばら撒かれた弾丸を避ける術はどこにもない。
ましてやこの近距離ならば、いくら騎士の機動力をもってしても回避は難しい、ベアリング弾の嵐が
吹き荒れる。
 ベアリング弾の嵐はヴィータの姿がかき消し、コンクリートやビルの壁面にチタンの弾痕を穿つ。
チタンに粉砕された材料と両肩からあがるガン・スモークが粉塵となって周囲を覆い隠していく。

「ぬ……?」
751OSGS9/14:2008/02/09(土) 23:03:51 ID:crd+ghQU
 煙ではっきりとしない視界に明るい光が灯る。彼女の衣装とおなじ紅朱の鉄球――しかしさきほど
の魔力弾とは大きさが違いすぎる。鉄球と形容してもうしぶんないほどの大きさを持つ魔力弾が、ア
ルトアイゼンに迫った。

「!」

 キョウスケは驚くよりもさきにアルトアイゼンの腕部で頭部カメラと操縦席をかばった。
 リボルビングステークのシリンダーに激突し、跳ねた鉄球は頭部天頂部のヒートホーンに当たって
くだけた。待機状態となっていたヒートホーンはいとも簡単に鉄球にはねとばされ、くるくると空に
舞った。火器管制を表示したディスプレイのいくつかにレッドサインが灯る。
 ヒートホーンは刃の中腹から断ちわられ、リボルビングステークはシリンダー部を損傷していた。
 鉄球の衝撃でステークのシリンダーが回転しない。魔力の残滓が損傷した部分に残り、蛍光塗料を
ぶちまけたかのように赤く発光していた。

「ステーク自体は無事――だがリロードは無理か。動作不良を考えれば使いたくはないが――」

 残っている武装は、片方が弾切れを起こしているGリボルヴァーが二挺。リロードできなくなった
リボルビングステーク用のスピードローダー。武装とは言いがたいアルトアイゼン自身をぶつけとい
う特攻と肉弾。

(ここまでやられるとは――)

 キョウスケは口元をひき締めた。
使い手にもよるが、魔法という概念が想像よりも危険だとキョウスケは気がつく。副隊長のヴィータ
がこれだけの実力を持っているならば、その隊長となる高町なのはやフェイト・テスタロッサ・ハラ
オウンはどれだけの実力をもっているのか。

 元来、キョウスケたちから見れば超技術をもっている魔導師でも、PTとの質量差は無視できない。
そのうえ自身の体が『損傷』の対象となる魔導師と、手足が千切れてもまだ戦いが続けられるPTで
はタフの面でも差ができているはずなのだ。
 キョウスケはその戦力差を互角にまで持ってこられる魔導師――騎士をみたことがなかった。

(コンビネーションの件も含めて、隊長たちとも模擬戦をやっておくのも手か――。だが、今は)

 海から掛けてくる風が立ち込めていた煙を払っていった。
 朱で染め抜いたような紅色のスカートが踊る。

「そうか。あれで耐えしのいだのか……」

 ヴィータはキョウスケの眼前で不敵な笑みを浮かべていた。彼女の腕には、まるでPTの武装にあ
るような角柱型の鎚があった。さきほどのヴォーピックとは違い、重さと質量で対象を叩き潰すたぐ
いのもの。おそらく巨大化した鎚頭を盾がわりにクレイモアの嵐をしのぎきったのだろう。

 鎚にはクレイモアが当たった跡があった。角のある部分がひしゃげてへこんでいる。
 だが、それが精一杯だったのか。ヴィータの笑みが突如苦しげなものに変わった。

(魔力を吸収、生成するリンカーコアのがリンカーコア。リンカーコアに蓄えられた魔力を消費する
ことで魔法は発動する。だがリンカーコアは精神や肉体と綿密にかかわり、消費しすぎた場合は人体
に悪影響をおよぼす……。俺のにわか知識ではこんなものだが……)

 ヴィータの様子を見る限りそれほど外れているとはおもえない。さきほどとはうってかわって、肩
で息をし、両腕をだらりと下げてしまった。顔色はうしなわれ、鎚をもっているのもつらそうな表情
を浮かべている。

(分けるべき……だな)

 キョウスケは教導をうけもっているなのはに通信をひらこうとし、機器に指をのばした。

『おい……もしかして中止しようとしてんじゃねえか……?』
752OSGS10/14:2008/02/09(土) 23:04:15 ID:crd+ghQU
 その前にヴィータから通信が入った。

「そのつもりだ。俺やアルトはともかく、そちらの体力が持つまい」
『余計な……心配してんじゃねえ……」
「……この後すぐに出撃があったらどうする。まだ足手まといの域をでない新人たちをつれて、おま
えは出撃できるか?」
『……』
「プロだろう。模擬戦はここで終了だ。聞いていたか? なのは隊長」

 オープンにされていた通信に、なのはが答えた。

『……模擬戦はもともと決着をつけることは重視していません。ここで模擬戦を終了とします。お二
人ともおつかれさまでした』
『なのは……わかったよ』

 不承不承といった形でヴィータはうなずきグラーフアイゼンの武装を解いた。

 模擬戦はこうして終了した。

 キョウスケは真っ黒になったモニターの前で腕をしばらく腕を組む。しばらくしてシャリオに通信
を開いた。

「シャリオ。状況終了直前のリボルビングステークのデータを回してれ。それと技術的な見地からス
テークが正常に動作する確立はどれほどだ? 俺は五分五分だと思っているが……」
「たぶん……九割の確率で正常作動はしないと思います」

 キョウスケの予想は大きく外れていた。が、予想がはずれていたことをおくびにも出さず、キョウ
スケは続ける。

「……ジャミングが発生した場合のダメージは」
「右腕部の欠損、最悪の場合肩部が脱落するかもしれません。このあたりは整備士の方が詳しいとお
もいますが……一体型のGフレーム系は、ダメージが伝播していく可能性がありますので」
「……そうか。では戦闘データとともに、そのあたりのデータもまとめて送っておいてくれ。ヴィー
タ副隊長にな」
「え?」
「以上だ。頼んだぞ」

 キョウスケは通信を切り、シミュレーターを出た。


753OSGS11/14:2008/02/09(土) 23:04:41 ID:crd+ghQU
――八神はやて

 稼働初日にしてはなんの問題も無くすすめられ、その日を終った。一息つく
 本局から帰還した八神はやては、自らの守護騎士たちと遅めの食事を採っていた。
 だが、守護騎士とはやてが囲む席にヴィータの姿はない。

「それで……いったいどうしてあんなことになってるん?」
「ふふふ……えっと、思い出すだけでわらっちゃうんですけど……」

 シャマルとシグナムの微笑に、はやては小首をかしげ、その一種異様な光景を見た。

 高町なのはとヴィータ。この組み合わせならば、不自然でも不思議でもない。十年前から付き合い
のある友人で、仲の良い従妹同士のような関係でもある。だから二人が夜の安息を経るまえにテーブ
ルを囲んで『トランプ』に興じる光景も、彼女達をよく知る人間が見れば自然なことだと思えるだろ
う。
 問題はなのはとヴィータと共にテーブルについている、キョウスケ・ナンブの姿だったりする。

「みんな今日合流したんやから当然やけど……いままでみたことのない光景や」

 ちびだぬきもいささか予想外。狐につままれたような表情ではやては三人を見た。
 涙を目の端に貯めもうゲームから降りたそうななのはと。嬉々としてなのはの手からトランプを一
枚ひったくるヴィータと。ヴィータの手札から無言で一枚ひったくるキョウスケ。
 えらく迫力のあるババ抜きだった。

「んと、もしかしてババ抜きじゃなくてジジ抜きか?
「そうです、主はやて。最初はポーカーという提案があったそうなのですが、ヴィータが不慣れだと
いうこともあり、ジジ抜きに変更されました。こういう事態になった経緯ですが――」

 生真面目なはずのシグナムが、破顔一笑。思い出し笑いをはじめ、つられるようにシャマルが笑っ
た。はやてはすこしムクれる。ひとりだけ情報からおいていかれた気がした。
 シャマルが指先でパネルを操作し、はやてのほうへ向けた。

「午前中の模擬戦データ? なんや、ヴィータのTKO負けか」

 なのはかヴィータから報告を受けようと思っていた内容だ。魔導師や騎士、パーソナルトルーパー
の運用面でも参考になるはずのデータ。アルトアイゼンのスクエアクレイモアをヴィータがギガン
トフォルムで粉砕。そこでヴィータの体力と魔力が減少し、模擬戦は終了となった。

「でもヴィータもおしいとこまではいったんやな。キョウスケ隊長あいてにここまで迫れれば、なか
なかやない? ヴィータにはリミッターもついてるんやし」

 はやての疑問にシグナムが言う。

「……ヴィータの体力や魔力残量をみれば、ヤツのTKOという結果になるのですが、どうやらこと
はそんなに簡単ではないようでして。こうなったきっかけはリボルビングステークの破損状況をまと
めたデータを、キョウスケ隊長がヴィータに送ったのが原因のようで……」
「リボルビングステーク? コメートフリーゲンでシリンダー部を破損って書いてあるけど……」
「ええ、そうです。シャーリーやホクトによれば、その破損状態でリボルビングステークを使用して
も、本来の威力発揮や正常動作をできる確率は九割をきり、場合によってはアルトアイゼン自体に深
刻な被害をもたらすようです。そのことを考えると……一概にヴィータの敗北とは言いがたいところ
がありまして」
「……なるほどなぁ。模擬戦をもういちどやり直すわけにはいかないから、ああやってトランプで勝
負をつけようとしてるわけかぁ。道理はとおっているけど、どうしてなのはちゃんまで?」
「なのはは、お目付け役を――ブロウニングから頼まれたそうです」
「――本人は?」
「新人達とシャワーを」
「エクセレンさんの部屋は――ラミアさんといっしょやろ? たしか自室にシャワーがあったはずや
けど……新人達とシャワーをいっしょにする意味は?」
「新人達の発育状況を確認しコンビネーションの考察に加えたいらしいです」
754名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 23:06:31 ID:NCGNaHMW
ひょっとしてさるさん?
支援
755OSGS:2008/02/09(土) 23:07:31 ID:UsERuqvs
すみません。猿もらいました・・・・・・代理おねがいします
756リリカル! 夢境学園:2008/02/09(土) 23:08:06 ID:RdWJUyyi
支援です!
757OSGS:2008/02/09(土) 23:25:00 ID:UsERuqvs
大変ご迷惑をおかけしております。ただいま避難所に投下してきました。代理投下をよろしくおねがいします。
もし23時30分をすぎてしまったばあい、後続のかたに迷惑がかかりますので、このままながしていただいて結構です。
758名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 23:26:16 ID:dsffN/4f
では代理投下を開始します。
759OSGS12/14 (代理)
 意味ありげな視線をシグナムははやてにむける。なにか言いたげな表情だった。
 視線の正体に心当たりがあったが、はやては無視することにした。

「なのはちゃん、人良すぎや……」
『あの――はやてちゃん、みんな、助けて……』

 ひさしく見たことのない顔で、なのはがはやてに精神通話をおくってきた。いまにも泣き出しそう
な、とまどった表情で。

『ま、まあもうすぐエクセレン副隊長もかえってくるんやし、もうちょっと相手してあげて』
『で、でもエクセレンさんを待ってたらキョウスケさんが……大変なことになっちゃう……』
『はい? キョウスケ隊長がどうしたんや?』
『……もう今月のお昼のデザートぜんぶ、スターズ、ライトニング全員におごってくれることになっ
てるんだけど……』

「ぶっ!?」

 口にふくんでいた水をはやては噴出しそうになった。

『待ってや! ちょっと前にはじめたんやろ、ジジ抜き』
『三十分くらいまえから……でもキョウスケさんがいちども上がれなくて、そのうえレートがどんど
ん高くなっていっちゃって。最初は一日、次に三日、一週間、一ヶ月……それで最後の三回がそれぞ
れフォワード陣へのおごりで……いまの勝負がロングアーチスタッフ全員におごるっていう……』

 なのはのたどたどしい精神通話がなまなましい。いったい金額のうえではいくら負けているのだろ
うか。
 そのとき、ヴィータがばん、と椅子をはじきとばして立ち上がった。

「よし! あたしの上がりだ。ロングアーチにも一ヶ月間デザートおごりだかんな」
「――」

 ヴィータが手にしていた手札を場に捨て上がりを宣言する。
 キョウスケは口元を強く引き締めていた。見かけのうえではあまり賭け事に反応しているようには
みえなかったが――。

『キョウスケ隊長……もしかして次は絶対に勝てると言って、そっせんして負けていくタイプ……?

『うん……とにかく引きがわるくて……』

 指揮官研修時代、ストレスからギャンブルにのめりこんでいった同僚がそんな負け方をしていた。
最終的には消費者金融に追われることになり、研修半ばで管理局を去っていったが。

「よし、次はバックヤードスタッフ全員だ……オケラにして元の世界にかえしてやるから、覚悟しろ、
キョウスケ!」
「了解。だが、まだ勝負はついていないぞ――ヴィータ」
(いや、だれがどうみてもキョウスケさんの完敗やろ……)

 シグナムとシャマルもおなじことを思ったのか、キョウスケのコメントに噴出した。

「あのキョウスケさん、ヴィータちゃん。もうやめておいたほうがいいんじゃ……」

 さすがになのはが止めにはいった。キョウスケに気をつかったものだ。いくらなんでも負けが立て
込みすぎている。だがその張本人は――。

「勝ち逃げか。なのは隊長」
「う……」

 なんだかんだで、一位になっている――なってしまうなのはに、キョウスケはそんなことを言った。
こういわれるとなのははもう何も言い返せない。