リリカルなのはクロスSSその41

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1名無しさん@お腹いっぱい。
ここはリリカルなのはのクロスオーバーSSスレです。
ガンダム関係のクロスオーバーは新シャア板に専用スレあるので投下はそちらにお願いします。
オリネタ、エロパロはエロパロ板の専用スレの方でお願いします。
このスレはsage進行です。
【メル欄にsageと入れてください】
荒らし、煽り等はスルーしてください。
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リリカルなのはクロスSSその40
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*雑談はこちらでお願いします
リリカルなのはウロスSS感想・雑談スレ14
ttp://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1201424995/

まとめサイト
ttp://www38.atwiki.jp/nanohass/

避難所
ttp://jbbs.livedoor.jp/anime/6053/
2なのはStS+φ's正伝 ◆doxxn25Md. :2008/01/28(月) 10:30:20 ID:ziClUIiI
>>1
乙でございまーす

……どうも、恥ずかしながら帰ってまいりました
すごい今更感が漂うかもしれませんが
皆さまさえよければホテル・アグスタ後編を投下しますけど…駄目ですか?
返答がなければその時にまた考えますので
3名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 10:34:22 ID:ao7SxMIk
>>2
待ってました。
支援します。
4なのはStS+φ's正伝 ◆doxxn25Md. :2008/01/28(月) 10:40:01 ID:ziClUIiI
それじゃいかせてもらいます……1/3年ぶりだとすごい緊張する
まさに1/3の純情な、いえなんでもありません

では久しぶりのMagical Flower Faiz……In a Flash!
5名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 10:41:39 ID:Z5Klsfb/
>>2
オカエリナサλ
正直心配していたんだ。
某所では評価まともな方だし、もっと自信持って良いよ!!
支援
6ホテル・アグスタ(後編) ◆doxxn25Md. :2008/01/28(月) 10:43:09 ID:ziClUIiI
相棒を撒き込んだ重大なミスを悔やみ、泣き崩れていた時にいきなり現れた謎の女性。
その女性が何かをしたとわかったと同時に青い光が辺りを包み……
目を瞑りまた開くまでの一瞬で変化した相手が自分を襲う。

(いったい、何が…?)

変身の瞬間を目の当たりにした今のティアナ・ランスターにかろうじて理解できる事
それは目の前で起こったことが『有り得ないこと』だということ。
しかしそれは現実に起こったこと、目の前の人間が突如姿を別の何かに変えた。
女性が口にした「変身」という言葉が少し引っ掛かったが
そこから先を考える余裕など今のティアナにあるはずがなかった。

「うーん、まずは…よし、とりあえず基本のこれからにしてみようかな」

目前で泣く少女に涙を拭う暇すら与えずにサイガフォンを引き抜いてフォンブラスターに変形
“Single Mode”の音声が発されノズルから放たれた銃弾は簡単に避けられ背後の壁を貫通する
地面を転がりながらクロスミラージュを構え直したティアナはその痕跡を見て愕然とするがそれ以上に
適当なポーズを取りながら銃弾を放っているその姿と態度に怒りが起こる
銃使いとして日々誰よりも努力するティアナだからこそいかにも投げやりなその態度が癇に障った。

「ちょっと、的が動くなんて有り得ないよ…にしてもけっこう強いねこの銃って」
「的って…あたしが、的……」
「あなたが持っているそれとどっちが優秀なのかな」
“マスター、ここは一時後退を……この距離ではこちらが不利です”

言われなくてもわかってると口にする余裕も既になく今の自分の全速力でその場を離れるティアナ
狙いをつけようともせず不機嫌そうにフォンブラスターを放ち続けるサイガから逃げ続けた。
自分が普段放つ魔力弾で普通の岩壁を破壊するということは簡単にやれるが
今の弾はただ破壊するのではなく貫通している、岩に綺麗な形の穴を開けているのだ。

(あんなに強い弾、いちいち相殺してたらすぐに魔力が空になる)

ただでさえ魔力を消費しているティアナはクロスミラージュの言葉を聞いて逃げに回った。
放たれる攻撃の弾速がかなり速く撃ち落とすための銃撃も今は使用できない
……それだけならまだしもすべての攻撃がこちらを遥かに上回る速さで放たれている。

背を向けて逃げるティアナは限界以上の速さでサイガとの距離を開けていくが……

「ちょっと、逃げるなんてダメじゃない」
「…ッ!?」
「ふぅ……調子悪いみたいだね?」

ただの一跳びで距離にして20m以上の差が出ていたにも関わらずものともせず飛び越えるサイガ
振り返って攻撃するかと思えば握っていたサイガフォンをドライバーに納め溜め息をつく。
7ホテル・アグスタ(後編) ◆doxxn25Md. :2008/01/28(月) 10:50:22 ID:ziClUIiI
いちいちその言動と挙動に付き合ってられるはずもなく再び逃げようとするティアナだが

「逃げちゃダメだ、って……さっきも言ったのに」
「――!!」
「お仕置きっ!」

再びその前に立ち塞がったサイガが走ってくるティアナに力を込めた蹴りをカウンター気味に合わせた。
避けるどころか反応すら間に合わずまともに受けたティアナは突き刺さった右肩を抑える
今は魔力を消費してるとはいえバリアジャケットの上からダメージを与えるその力は脅威という他無い。

「ああ……やっぱり避けるの下手なんだ? かわいそうな魔導師さん」
(くっ・・・! あたしは、遊ばれてる・・・)

自分を吹き飛ばしたサイガになぜか薄く笑われたような気がしたがそれも仕方が無いだろう
先程放たれたあの銃弾の威力に対抗できるほどの力が今の自分にあるとはとても思えない
自分の魔力と予備のカートリッジは先程のクロスファイヤーシュートでほとんど使ってしまっている。
まともに当たれば間違いなく致命傷になる……そうなると自然に回避せざるを得なくなる。

(かわいそう、か……どうしようもないくらい惨めね、今のあたしは……)
「ところでさ、後ろのこれ気になるでしょ? 私もなんだ……だからちょっとだけ使ってあげる」

しかしお構い無しに続くサイガの猛攻とお喋りはティアナから只でさえ失せている戦気をさらに削る。
両腰の辺りにだらしなくぶら下がっていたレバーらしきものを握った瞬間
背中のバックパック――“フライングアタッカー”がブースターライフルモードへと変形。
操縦桿のようなものが背中の変形したバックパックと接合した瞬間

(え? まさか、あれって……!?)

そのキャノン砲らしき部分からから青い光弾が連射……というにはあまりにも多過ぎる。
光の弾の乱れ撃ちはすでに弾幕を形成できるほどのレベルの域へと達していた。
一発一発の威力は先程のフォンブラスターに劣るようだがその数は無数

「これすごいなぁ……ねえ、隠れても無意味なんじゃないかな? 聞こえてないのかな・・・?」
「な、何て数の弾…くぅっ」
(私とティアナのポジションはいちいち動いてたら仕事ができない……足は止めて視野を広く持つ!)
(ほらティアナ! いちいちそうやって避けてたら後が続かなくなるよ!)
「なのはさん……エースオブエースだったらこんな状況でもあっさり跳ね返すんだろうな」

今までやってきたこと、続けてきた練習を思い出すがこのような状況に対応するための訓練はしていない
過去の訓練で飛んでくる弾をただひたすらに撃ち落とすことは毎日のようにやってきたが
それでもあの数をすべて撃ち落とすなんて発想が出ないことを考えると
自分の精神がまだ正常を保っていることをなんとか認識できる。


(こういった緊急事態に陥った時の対処法はあたし、何も教えてもらってない……)

そもそもティアナのポジション――センターガードはあくまでも中〜遠距離を支配するためのもの
現時点ではまだ先程のようなスピードが求められる接近戦そして何よりも
このような不測の事態…規格外の事態に対応できるほどにはまだ実力がついていない。
8名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 10:53:22 ID:ao7SxMIk
支援
9ホテル・アグスタ(後編) ◆doxxn25Md. :2008/01/28(月) 10:54:22 ID:ziClUIiI
それでもいつもは相棒であり前衛型のフロントアタッカーであるスバルのフォローがあるのだが……
そのスバルは今はここにはいない、自分が追い払ったからだ。
スタンドアロンでも戦える射撃型を目指しているティアナだがこの状況は厳し過ぎる。

「ねえどうしたの? ひょっとして流れ弾に当たっちゃった? ……返事がないね」

無数の弾丸が木々を次々と薙ぎ倒す中サイガはティアナを見つけようとしないまま撃ち続ける
どうやら狙いをつけずにただ乱射しているだけ・・・威力と性能を試しているらしい。
こんな乱暴なやり方があるのかと一瞬考えたがそれは無駄なことだ、現に今やっているのだから。

“……マスター、何か言っているようですが”
「生真面目ね…どうせあの銃弾の音で聞こえないんだから無視しなさいよ」

息切れを起こしながらもどうにかして呼吸を整えたティアナは茂みの中に潜んで息を殺す。
右肩がかなり痛むがクロスミラージュの扱いにはあまり支障はなさそうだ。
サイガの攻撃がひっきりなしに続く中ティアナは自分のデバイスに問い掛ける。

「にしてもいったい何なのよ、あの連射速度……クロスミラージュ、わかる?」
“連射速度計算……どうやらあれは1秒間につき120の弾丸を発射しているようです”
「……一応聞いておくけど、それマジなの?」
“信用していただけませんか?”
「元から疑う気はないけど……ごめんね、今ちょっと余裕がなくて」

たった1秒で、120。あのバックパックにそれほどの能力があることにまず驚く。
……しかも魔力反応はない、おそらくあれになるだけで自由自在にその力の使用が可能となるのだろう。
その能力の全容はわかっていないが先ほどの動きからするに身体能力も相当なものだと予想できる。

(何の努力も無しで、ただ装備するだけであんな反則な能力……くっ!)
“マスター、少し痛いのですが”
「……ごめん、強く握り過ぎた」

歯噛みしてクロスミラージュを握る手に力を入れてしまっていたことを反射的に詫びるティアナだが
すぐさま弾丸を無作為な方角へと乱射し続けているサイガに目を向ける。
もう数えるどころか見るのも嫌になるがそんな理由で目を背ける訳にはいかない。

(威力はさっきの銃弾と比べれば低いほうだけど……でもあれじゃ無傷で潜り抜けるなんて)

魔力が落ちている今では少なくとも5秒もたずに身体が文字通り蜂の巣となる。
バリアジャケットのフィールド作用で魔力が削られるのを考えると耐えることはできない
1秒間に120も発射できる移動砲台など相手にするだけ無駄だ。

(どうする? どうすればいいの……どうしよう。どうにもできない……?)

どうにかしてこの場から去れればいいが既にフェイクシルエットを長時間維持する魔力はなくなっている。
逃げ道はすでに乱射された光弾によって防がれているし自分の足で逃げたところですぐに追いつかれる。
まともに戦うのは自殺行為、逃げる事もできず隠れることすら叶わない。

「手詰まりの上に万事休すって……最悪なこと、この上ないわ」
「聞こえてるかな? 無駄な抵抗はしないでおとなしくしてよ、お願いだから」
10名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 10:59:20 ID:VFEbNbMi
すげぇ圧倒的な事になってますな、支援。
11ホテル・アグスタ(後編) ◆doxxn25Md. :2008/01/28(月) 11:04:32 ID:ziClUIiI
「はぁ・・はぁ・・ちくしょう…!」
(……的、か。やっぱりあたしってこういうのがお似合いなのかな・・・)

絶望的な状況から逃れられない自分にさらに絶望する中でも弾幕はさらに増え続けていく
逃れられないのに逃れようとしていたつい笑みが浮かぶ、それは諦めからくる笑いだった。
英雄だらけの機動六課のメンバーとして相応しくない自分がこうなるのは当たり前かもしれない
これはガジェットの侵入を防ぐため、自分の攻撃が相棒を犠牲にしかけたことへの報い。

「もう……わかった、今からこの辺り一面吹き飛ばしちゃうよ?」
(吹き飛ばされる…これで終わっちゃうんだ、私…)

ライフルモードからシングルモードへとチェンジしたサイガがその砲身を向ける。
こちらが狙われているのがわかっていてももう足を動かす力も抵抗する気力も消えている。
もはや悔しいという気持ちすらも湧き上がらない。

(ごめんねお兄ちゃん・・・あたしやっぱり最後まで)
「――――やめろぉぉぉぉぉッ!!!」
(……え?)
「なに?」

自分とは違う場所へと逝ってしまった兄に謝罪しようとしたティアナを
今の彼女をほんの一瞬とはいえ活力を生み出させるような力を持った声が遠くから聞こえる。

「それ以上わたしの友達を……傷つけるなぁぁぁぁあっっ!!!」

諦めの思考は許さないとばかりに割り込んできたのはついさっき自分が遠ざけた相棒
全速力で走るその少女の右拳がありったけの魔力に満たされるのを見るティアナ。
遠くにいるティアナが気付くのだからサイガもその大声に気付かないはずもなく。

「いきなり何なの……真っ直ぐ近づいてくるなんておかしいよ」
「バカやめなさい! 無闇に近づくとそれが……!」
「うわああぁぁぁ!!」

いきなりの乱入者にサイガは呆れながらフライングアタッカーの砲身を飛び出してきた魔導師に向ける
そのことがわかっていたティアナはそれを知らせようとするが間に合わない……が様子がおかしい
砲身から光弾が出てこない、敵が近づいているのに撃とうとしない。接近戦を挑むつもりだろうか?
……いや違う、サイガ自身も少し動揺している。先ほどまでのだらけた態度はもう無い。

(まさか撃たないんじゃなくて……撃てないの? どうして……)
「あれっ? おかしいな、故障かな? この!」
「リボルバーキャノン・・・吹き飛べぇぇぇーーーーッ!!!」

魔力と怒りのすべてを込めた右拳のリボルバーナックルが呆然としたサイガの顔面を全力で殴り飛ばす。
背部の木々を薙ぎ倒しながら遠くへ消えていくそれを見送りながら
ようやくティアナはサイガが撃てなくなったのか、何が起こったのかを悟る。
12ホテル・アグスタ(後編) ◆doxxn25Md. :2008/01/28(月) 11:14:16 ID:ziClUIiI
「そうか……エネルギー切れを起こしたのね。」
“何も考えずに撃ち続けた結果でしょう”
「ティア、大丈夫?」

サイガを弾き飛ばしたスバルはマッハキャリバーを再び駆動させ肩を押さえていたティアナに近づく
膝を付いている仲間に手を差し伸べるがティアナが返してきたのは手ではなく目だった。
なぜ助けにきたのか。遠ざけたのに、怒りをぶつけてしまったのに

「とっとと行けって言ったじゃない。どうして……」
「できないよ…Bランク試験のときにだって言ったじゃん」
「何を?」
「一人で行くことなんてできないって、ぜったい嫌だって」

そう言ったスバルのいつもどおりの表情が今のティアナにはとても痛い。
あのような致命的なミスで危険な目に合わせたというのに目の前の少女は変わらない笑顔を向けている。
危険な目に合ったのは自分だというのに、彼女はいつもと変わらない行動を取っている。

それが今はとても痛くて重い、圧し掛かるのは日頃から背負っている重圧よりも遥かに重いもの。

「大馬鹿」
「…ごめんね」
「なんであんたが謝ってるのよ? 逆でしょうが…」
「そうかもしれないけど…でもやっぱりわたしが悪いかもしれないから。だからごめん、ティア。」
「……謝らないでよ、お願いだから」
「どうして?」

そこから口にしようとした言葉を必死に呑み込みつつも適当に取り繕うとするティアナを
スバルは尚も興味ありげにじーっとを見ていたがしばらくすると引き下がった。
言えない、これだけはとても言えるものじゃない。無理だった。

これ以上あたしを惨めにさせないでと、自分の口から残酷な言葉を

この子はこうやっていつまでもあたしを助け続ける……それが重荷と感じている自分がいる。
――本当にあたしは何をやっているんだろう、何を考えているんだろう
弱いのに、どうしようもないのに……いてもいなくてもいい存在のはずなのに足を引っ張ってばかりで

(今更言うのもなんだけど…あたし惨めすぎるじゃないのよ……)
「あー痛かったぁ……ちょっと不意打ちなんて卑怯だよ」

胸部のΨコアを押さえ苦しそうにうめきながらも茂みの中から出てくるサイガの声色は明るい。
どうやら胸を押さえているのは痛みからくるものだけではないようだ
それともまた別の感情かそれはティアナにもスバルにもわからない

「…あなた強いね、さっきの凄く痛かったし」
「………」
「よかったよ今の、ヒロインの危機を救うヒーローみたいで」
「……どうも」
「昔を思い出しちゃった」

(まさかあれが話に出てきた鎧の戦士……なわけ、ないわよね)
「でもあの子は守られるヒロインで本当にいいのかな?」
「…どういう意味なのかな、それ」

スバルとサイガが会話をしている一方でティアナは魔力と体力の回復に専念しつつも思考を巡らせる。
あの女はあたしで“試す”と口にした、つまりあの力を使うのは初めてということになる
……さらに言うならやはりあれに変われば誰でもあのような力を使うことが可能らしい。

「守られてばかりってね、結構恥ずかしいことなんだから」
「友達を守らない人間がどこにいるの!」
「にしてはなんだか微妙な雰囲気だと思ったんだけど…気付いてないの?」
13ホテル・アグスタ(後編) ◆doxxn25Md. :2008/01/28(月) 11:16:27 ID:ziClUIiI
煙に巻こうとするサイガに向かってスバルはさらに感情を剥き出しにする
全身から漏れ出ていると錯覚するようなスバルの怒りも目の前のサイガは受け流すのみ。
そして感情を押さえようとしないまま勝手気ままにに話し続ける

「本当の友達なら相手の気持ちくらい察してあげようよ?」
「……うるさい、それ以上喋るな」
「あの子は頑張って生きてるみたいなのに……」
「黙れって言ってる!!」

木々すらも震えさせそうな雄叫びを上げてスバルはマッハキャリバーを再び起動させサイガに急接近。
多大な魔力を加えてリボルバーナックルの歯車を高速回転させ殴りかかる。
鋭さを増した攻撃に少々驚くが回避するサイガの速さはティアナの想像通りだった。

(想像以上じゃなかっただけ……マシと思ったほうがいいのかしらね、こういう場合は)

「……ふふっ、怒った? やっぱり怒るよね。」
「うるさい……」
「でも友達関係を長く続けたいなら……私の言ったことの意味を考えたほうが」
「大きなお世話だ!」

小さくて余計な親切を当然聞くことなくさらに逆上して攻撃を続けるスバル。
早急に援護に回ろうとするティアナだが今ではまだ戦えない
また他人任せなのが少し心苦しかったがこの状況ではスバルに頼るしかない、それがとても悔しい。

「……しつこいなあ、そんなに戦いたいの?」
「先に仕掛けたくせに何をっ!!」
「うん、まあそうなんだけどね……でもあなたには関係ないじゃない?」
「…………」

相棒の雰囲気が変わったのをティアナは感じる。やばい、頭に血が昇っている。
スバルはとても活発そうな外見をしているが実際は良い意味でも悪い意味でも女の子らしい性格をしている
……しかし普段がおとなしい人間は一度感情を制御できなくなったらどうなるか

「あなたってさ…がんばって生きてるの?」
「ふざけた態度を……とるなぁぁぁぁぁぁっ!!!」

平然かつ抜け抜けと口にするサイガの言動に激情し突撃して拳を再び振り上げるスバル。
突き刺すように放った一撃は逆に突き出されたサイガの拳とぶつかり合う。
助走の勢いがプラスされているためか徐々に競り勝っていくスバルはサイガを弾き飛ばした。
先ほど胸部に叩き込んだ一撃はやはり効いているようで踏ん張れずに体制を大きく崩す。

「くうぅ……しつこいなあもう!」
「逃がすもんか! リボルバーキャノン…もう一発、当たれぇぇ!!」
「またそれなの!? ……本当に勘弁してよ!」

猪突猛進を身体全体で表すかのように再び突進してくるスバルに呆れ半分の驚きを見せるサイガ。
あの一撃は厄介だと学んだのでフライングアタッカーの操縦桿を再び握る。
エネルギーはある程度回復してはいるがもうまともに相手はしてられない。

「んーもう…もう取れるのもとったし、今日はこれで帰ろっと」
「うおおおおおおおお・・・・・えぇ!?」
「今日はここまで! お終い!」

ただひたすら真っ直ぐ走るスバルの視界から突然サイガが消える。
サイガは背部のフライングアタッカーを全力で可動しスバルの攻撃を間髪で避ける。
全力で拳を振り抜いたスバルは当然バランスを崩し地面を大きく転がっていった。
14ホテル・アグスタ(後編) ◆doxxn25Md. :2008/01/28(月) 11:28:03 ID:ziClUIiI
「わっ、やっ、ひゃあああああああああーーーーーーーー!!!!??」
(言わないことじゃない…あんの大馬鹿!!)

ようやく体力と魔力がある程度回復したティアナはその甲高い悲鳴に反応して
すぐさまスバルに念話を繋ごうとするがいくら問いかけても応答がない
まさかやられたのかと一瞬疑うがあの悲鳴は攻撃を受けた人間が出す悲鳴ではない。
おそらく勢いづきすぎてまたヘマをやらかしたのだろう。

(また頭に血が昇って……ったく、すぐこうなるんだから!)

またいつものスバルに戻った事を複雑に思いながらティアナはスバルを探しに走り出す。
地面に目を向けると土にマッハキャリバーの跡がついているので簡単に後を追える。
付近を見回しガジェットドローンを警戒しながら次第に足を速めていくティアナ

「っ? わっ、とっ、と……あれ? 何かしらこれ」

ふとこつんと軽い感触が足に当たりよろめく。
普段なら普通にバランスを立て直せただろうが今のティアナは近くにあった
木に掴まらないと止まれないほどに疲弊していた。
ティアナは少し土をかぶりながらも地面に落ちていたそれを拾い上げる

(……時計? それにこれ、あいつのデバイスの形に少し似てるような)

見た目はどう見ても腕時計だが何か変な形状をしている
時間を数字として映すために必要な液晶は2つしかないし
その横部にはなにやら後付けとしか思えないものが付属している。

(何この数字……えっと、555W…?)


「……どうして? あの時ちゃんと倉庫から持ってきたはずなのに……」

ティアナが見つけた時計らしきものを調べていた一方で
空へと逃げた沙耶はその時計がなくなっていたことに動揺していた
あの時サイガのベルトと一緒に手にいれたはずだが…すぐにその理由に思い当たる。

「そっか、あの女の子に吹き飛ばされた時に…………ふぅ、しょうがないな」

殴られた場所を重点的に探せばすぐに見つかるとは思うが生憎その場所はもう忘れている。
この広いところをくまなく探すのはさすがに骨が折れるし
何より間違いなくここに来ている三原修二やあの機械に見つかる可能性がある。

「諦めるしかないかな…あの子たちがあれを拾っても使い方はわからな……っ!!」

再びフライングアタッカーを機動させこの場から引き上げようとするサイガ
しかしその行動よりもわずかに早く足に激痛が走った。
左足に深々と突き刺さったのは金色の閃光。それがサイガの動きを止めた。

「ぐっ…! 空から!?」
「ええ、あなたと同じ…空から撃ちました」

その一瞬の間でサイガの眼前に立ち塞がったのは金色の閃光――逃げだそうとする直前に
プラズマスマッシャーを放ち動きを止め取り得の瞬発力で周り込んだのは
鎌の形状に変形させたバルディッシュ・アサルトを持つフェイト・T・ハラオウン。

「今度は金色の魔導師さん? くっ……ほんっとうに邪魔が多いなぁ」

プラズマスマッシャーの直撃で焼け焦げた足が熱く苦悶混じりの声を出す。
全身を被う特殊金属のルナメタルのおかげでダメージはそれほどないが
しかしその装甲を焦げさせるほどの威力は脅威だった。
15ホテル・アグスタ(後編) ◆doxxn25Md. :2008/01/28(月) 11:32:51 ID:ziClUIiI
(……もう少し威力が大きかったら、まずいことになってたかな)
「危険魔法の使用、及び殺人未遂の現行犯であなたを逮捕します」
「そんな、殺す気だなんて……それに私のこれはあなたの言う魔法じゃないし」
「話はしかるべき場所で行ないます」
「……あなたに私を逮捕する権利があるの?」

先程スバルにしたように淡々とサイガが口にした言葉にフェイトは少しの苛立ちを隠しつつ平静に答える。

「本局遺失物管理部機動六課所属、フェイト・T・ハラオウン執務官です」
「執務官……って、え? フェイト・テスタロッサ?」
「何か?」
「ってことはあなたもしかして、『F』?」

フェイトの名前を聞いたサイガが驚きながらも興味本位で口にした言葉
その言葉は眼前にいたフェイトに届かないはずがなく、サイガ以上の驚愕で顔が強張る。
F…自分を産み出したプロジェクトFのことをなぜ?
しかしサイガが口にした次の一言でその顔がさらに険しいものになる

「そっか、フェイトか……まああっちの“F”が来なかっただけでもいいかな」
「…え? もう一つ、って」
「あ、そういえばファイズはもう壊れたんだっけ」
「ファイズ!? ファイズって……」
「じゃあね、あの魔導師さんたちにもよろしく」
「!? 待て、ファイズというのは……」

思考が逸れた隙をついてサイガはフライングアタッカーを全力で駆動させフェイトから距離を離していく
最高時速820kmに達し瞬時に距離を離していく相手をフェイトは追おうとしたがすぐに思い直す。
自分たちの任務を忘れるわけにはいかない、ましてや近くにはスバルとティアナもいる。
歯噛みしながらもフェイトはスバルとティアナがいる場所へと降り立つ


「……フェイト隊長、なぜこんな場所に?」
「シグナムとの通信が突然途絶えたから……それより2人こそなんでこんな場所に?」
「わたし達はその…引っ込んでろって」
「あたしがミスをしたせいで、スバルも巻き添えにしちゃって……」
「……エリオとキャロは?」
「あ、あの2人はヴィータ副隊長がついています!」

スバルとティアナの話を聞きながらフェイトは周囲を見渡し続ける。
上空からも見下ろしたがやはりひどい有り様となっていた。
ここに来る途中ヘリの上から眺めたこの木々は綺麗ではなかったがとても素晴らしいものだったのに。

「2人とも、ホテル・アグスタに戻って守りを固めて。もうこの周辺にガジェットはいないから」
「え……ですが私達はヴィータ副隊長に」
「いいから!」

一喝するフェイトに気圧されてスバルとティアナは元いた場所へと走り出した。
ガジェットとの連戦で魔力と体力を消耗している今の2人をこれ以上無理させるわけにはいかない
そしてフェイト自身も拠点防衛に参加するべく2人と共に向かい出す。

(プロジェクト、F……それにファイズって、彼のこと……?)
(あの姿はあの時のカイザっていうのに少し似てる…でも女の人の声…)
(……こんなんじゃダメだ。このままじゃ…ダメだ)

それぞれが違うことを考えていても、今の3人の心と足取りは平等に重かった。
16なのはStS+φ's正伝 ◆doxxn25Md. :2008/01/28(月) 11:44:56 ID:ziClUIiI
投下終了、そして支援感謝! ……ああやっぱり緊張する!
この緊張感は初めて投下した時のことを思い出します
ってそういえば当初は嘘予告みたいな感じで始めてたんだっけな私
久しぶりに書いたから文章力かなり落ちてるかもですし
ともあれこれでホテル・アグスタは終了! 長かったなあ……巧の出番は皆無でしたが

しかしたった一週間ほど見ない間にもう2〜3も新スレが建っているとは
皆さんのGJ以上のペースの速さには改めて驚かされます……職人さん方GJです!

さてまた次回お会いできたらその時はお願いします
そして遅過ぎますが新年明けましておめでとうございます
どうか皆さん今年もよろしくお願いいたします!
それでは一発気合を入れて……出ろぉぉ! ブロディアァァァーーー!!
17リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/28(月) 12:10:50 ID:OXSLlaN0
GJ!
相変わらず戦闘描写と心理描写がスゲー…
次回を楽しみにしています。

話は変わるけど昨日声優と言う夢をあきらめた自分…orz
大学卒業して就職したら趣味で劇団にはいってがんばっていくっす…
小説の方も頑張るのでこれからも応援よろしくお願いします。

次回の主役は皆が大嫌い?な桐矢京介こと仮面ライダーキョウキと、皆が大好きな桜井侑斗こと仮面ライダーゼロノスだ!
18名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 12:24:17 ID:ubJ0bb4i
GJ!
ファイズアクセルついに来た〜!
マッハ50の世界に突入だ!
19名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 12:27:31 ID:uDbGfv2N
GJ!!
待ってましたッ!!
ついに楽しみにしていた続きがw
クロスSSでは珍しくホテル警備の時点で六課のキャラが敗北しているんですよね。
シグナムの汚名返上に期待w
20名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 12:34:03 ID:ao7SxMIk
GJ!!
アクセルも楽しみだが、個人的にはバジンの行方のほうが気になる。
21名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 13:09:59 ID:tLZBf7vR
おかえりなさいませ正伝氏。
沙耶の悪役っぷりにシビれました。
ティアナフェノク化は免れましたが、心理ダメージが本編より大きそうですね。
22キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/01/28(月) 14:25:42 ID:sK197J6o
お帰りなさいませ、貴方様の留守の間に侵入した盗賊です(なに
しかし長いブランクを感じさせない見事な描写! 
ライダーぜんぜん知らない私でも何故だか読めてしまうからその力は偉大。
GJです!!
23Strikers May Cry:2008/01/28(月) 14:33:14 ID:kBjuxflZ
っていうか、昨日ウロスで話題に出したバレットウィッチとのクロス作品を書いたら一話ができちゃったんで投下しますが、良いですかい?

なんとか元ネタのゲームを知らない方にも読めるように心がけたんですが。
24名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 14:37:32 ID:VFEbNbMi
>16
乙。
さあ、どう転がる?
>23
どぞ。
25Strikers May Cry:2008/01/28(月) 14:43:16 ID:kBjuxflZ
それじゃあ投下します。

Xボックス360のゲーム「バレットウィッチ」とのクロスです、公式ページの動画とか見ていただければ空気は伝わるかと。
26Strikers May Cry:2008/01/28(月) 14:43:47 ID:kBjuxflZ
Bullet Witch Sister Of Fate 第一話「銃弾の魔女と金の閃光」

悪魔が世界を蹂躙するのと引き換えに、少女はこの世に再び生を受ける。
その身に魔を宿し、人の理を外れた彼女は人々を救うため、悪魔を滅ぼす為にその魔の力を振るう。
人は彼女をこう呼ぶだろう。

“魔女”と。






「ここが例の世界…なの?」

美しい金髪に白いマントと漆黒のバリアジャケットを纏った時空管理局の執務官はその世界に下り立った。
女性の名はフェイト・T・ハラオウン、管理局に務める執務官であり最高クラスの魔道師である。

そしてフェイトは今、とある管理外世界に訪れていた。
そこはある程度文明の進んだ地球によく似た世界なのだが、悪魔と呼ばれる謎の存在が突如として溢れ出して文明が崩壊に向かっている世界であった。

フェイトはこの世界の単独での調査の為にやってきたのだ。


「…酷い……これが全部悪魔のせいなの?」

フェイトの訪れた町は荒廃しきり、あちこちに死体が山と築かれまるで地獄のような有様を呈していた。
町の燃える炎と屍の腐敗臭、そして人々の絶望の念が混ざり合い空気がまるで鉛のように重くなっている。
その様に目を奪われていたフェイトの耳に人々の悲鳴が響き渡る。




「きゃああああっ!!!」
「た、助けてくれえええぇっ!」
「ぐわああああっ!!」

悲鳴と助けを求める声、そして凄まじい断末魔の叫びにけたたましい銃声が混じり合って阿鼻叫喚の地獄絵図を飾り立てる。

逃げ惑う人々を銃火で以って追い回すのは“ガイスト”と呼ばれる存在である。
ガイストとは悪魔が邪悪な人間の魂で作り上げた尖兵であり醜悪な魔物、見た目は人間に似ているが爛れた全身に剥ぎ取った人間の皮を被った姿は正に悪夢としか言い様が無い。

そしてガイストの軍勢は手に数多の銃火器を持ち、人々を狩り立てていく。

「逃げろ逃げろ〜」
「お前ら残らず狩り尽くしてやる」
「良い声で鳴けよ〜」

純粋な殺戮に悦楽の声を上げたガイストは次々と人々を撃ち殺していく。響く銃声と悲鳴、地獄がさらに深く彩られて血の海が作られていく。


その様を黙って見ている程にフェイトは非道ではなかった、そして次の瞬間には自身のデバイスであるバルディッシュを起動して魔法を行使していた。

「フォトンランサー!!」

無数の雷撃の矢が発射されてガイスト兵を穿ち倒していく、だがガイスト兵の群れは即座に周囲に展開して応戦を開始する。
彼らはただの蛮族ではなく理知でもって武器を繰り戦闘する悪魔なのだ。

「良い女だ〜、俺が殺してやるぜぇ」
27Strikers May Cry:2008/01/28(月) 14:44:35 ID:kBjuxflZ
「ご馳走しやる、痛えぇヤツをなぁ〜」

ガイスト兵は遮蔽物に隠れながら手にしたアサルト・ライフルの掃射を開始する。
そこにグレネードランチャーの砲火も加わって、瞬く間に場は戦場の様を呈していく。


「くっ! プラズマランサーッ!!」

フェイトは防御障壁を展開して銃火を凌ぎ、射撃魔法で反撃する。
フェイトの放つ雷撃にガイストは次々と駆逐されていく、だがそんなフェイトに突然近くの車が宙を舞って襲い掛かってきた。

「きゃっ!」

なんとか飛行魔法を使って回避したが、宙を舞う車や瓦礫の攻撃は1度では終わらず、次々と飛来する。

「これは……あいつが!?」

回避動作を続けながらフェイトはバルディッシュの索敵で攻撃の主を捜し当てる。
そこには宙に浮く強大な脳髄があった。

それはウォルナッツヘッドという名のガイスト、貧弱な人間の身体に数メートルはある強大な脳髄を持つグロテスク極まりない醜悪な悪魔である。
ウォルナッツヘッドは物理的攻撃力を一切持たない、だがその代わりに念動力で周囲の物体を操って飛ばしたり結界を展開したりと厄介な能力を持っているのだ。


「はあああっ!!」

フェイトは襲い掛かる車や瓦礫をサイズフォームのバルディッシュの刃で斬り裂きながらウォルナッツヘッドに斬り掛かって行った。
接近戦で一気に決めて終わりにする、それが彼女の最高の戦術である。
だがガイスト兵の残党はこのフェイトの猛攻に無防備な背後から攻撃を撃ち込んだ。

グレネードランチャーが火を吹き、その榴弾頭が炸裂してフェイトの薄い防御障壁を破壊した。

「きゃああっ!!」

可愛らしい程の悲鳴を上げて心優しき金の閃光は地に堕ちた。
そして大地に倒れ付したフェイトの周囲を瞬く間にガイスト兵の残党が囲み込んで銃口を突きつけた。

「やってくれたなぁ姉ちゃんよ〜」
「可愛がってから殺すか? それとも殺してから可愛がるか?」
「両方に決まってんだろボケッ! たっぷり輪姦(まわ)してから殺しぇ〜、てもっかい死体を輪姦してやるぜぇ〜♪」

ガイスト兵は口々に汚い言葉を吐きながら、膝を突いたフェイトに近づいていく。
人面の皮で飾られた顔に血に飢えた不気味な目が光ってフェイトの胸中に言い知れぬ恐怖を刻んでいく。

「くっ…こんな所で…」

フェイトがふらつく弱弱しい身体で反撃を行おうとした瞬間、周囲のガイスト兵の頭が次々と弾け飛び鮮血に濡れた脳漿が宙を舞った。

「ぎゃぱぁっ!」
「へぎゃぁぁ」

そして乾いた銃声が木霊して弾丸の雨が降り注ぎ、醜悪な悪魔の群れを血と肉の塊へと変えていく。
28Strikers May Cry:2008/01/28(月) 14:45:39 ID:kBjuxflZ
ガイスト兵の屍が地に倒れ付し、薬莢が甲高い金属音を立てて転がる、そして優雅にそれでいて妖しい程の瘴気を纏った黒衣の女が現われた。

女性は手に一見するとまるで箒のようなシルエットを持つ巨大な銃を持っている。
黒衣にて箒を持つ者……まるで寓話の魔女の如く。


「あなた大丈夫? 早く逃げなさい」

輝く金髪をなびかせたその黒衣の女性はフェイトと瓜二つの顔をしていた。
まるで死んだ彼女の“オリジナル”の少女のように。

「あ、あなたは…一体」

その女性の姿に一瞬思考をフリーズさせていたフェイトだったが、即座に冷静さを取り戻して口を開いた。
だがその女性はフェイトに目もくれず遠方のウォルナッツヘッドを見据えていた。

「ちょっと離れてなさい、危ないわよ」

女性はそう言うと手にした巨大な銃を振り回して一瞬でその姿を変えた、それは正に魔法である。
そして巨銃はまるで砲兵器のような大型の弾倉に太い砲身へと変わり、銃身に魔力を宿していく。
次の瞬間には遥か彼方にいたウォルナッツヘッドの醜く巨大な脳髄を吹き飛ばしていた。


「ふぅ、これでこの辺りのガイストは一掃できたわね」

女性は小さくそう呟くと、ゆっくりとだが確かな歩調で歩きだす。
そんな彼女にフェイトは思わず声をかけた。

「あ、あの!」
「何?」

女性は気だるげな声で聞き返しながら振り向く、そしてフェイトと同じ紅い瞳で彼女を見つめてくる。

「そ、その…あなたの名前は?…」


フェイトの質問に女性は流れる美しい金髪を掻き揚げながら応えた。


「アリシア」

こうして、かつて出会う事の無かった二人の少女は悪魔に蹂躙される世界にて邂逅を果した。

続く。
29Strikers May Cry:2008/01/28(月) 14:46:19 ID:kBjuxflZ
解説。

ドマイナー(そして糞ゲ風味)なゲームが原作なので解説をば。

「アリシア」
本SSでは中身をリリカルなのはのアリシアに変えてゲームの設定で使ってます。
とある人物(説明するまでもないですが…)が自身の命と悪魔を地上に放つのを引き変えにその身に悪魔を宿して復活した自称魔女の女性。

箒のような銃、ガンロッドは汎用性の高いマシンガン・近接戦に有効なショットガン・長距離狙撃が可能なキャノン・圧倒的に弾丸を雨の如く撒き散らすガトリングガン、の4形態に変形します。
さらに大威力魔法で落雷やら竜巻を操るのでこの先の展開で出したいっす。


「ガイスト兵」
アサルトライフルやらグレネードランチャーやら軽機関銃やらスナイパーライフルで武装して装甲車やら軍用ヘリ使ったり、凄まじい集団戦で銃弾を嵐の如く撒き散らして容赦なく人間を絶滅しようとしてくるナイスガイな奴ら。
おまけに人面を剥いで被ってる外観がステキにグロ過ぎというお子様には危険な容姿をしてる。

そしてなんと言ってもセリフがロマン溢れ過ぎ。
“はぁい、痛いお注射しますからね〜♪”
“ご馳走してやる、痛えヤツをなぁ”
なんてセリフをゲーム中も言いまくってくるブラボーな雑魚です。


「ウォルナッツヘッド」
書いた通りにひ弱そうな人間の身体にでっかい脳みそが付いてる不気味な敵。
物理的な攻撃は無いけど超能力で周りの物をぶつけてきたり、結界を張る生意気なヤツ。
見かけたら即効で銃弾しこたまぶち込んで弾け飛ばすのが吉。
30Strikers May Cry:2008/01/28(月) 14:51:46 ID:kBjuxflZ
投下終了です。

昨日ウロスでの雑談後に改めてゲームをプレイしたら何か電波来て、徹夜で執筆。
特にアリシアが悪魔が地上に現われた始まりの地で親と会うところなんかそのままキャラ置き換えて見えたっす。

さて、ゲーム知らない方にも分かるように書けたでしょうか? 出来れば読み易く書けていれば良いんですが。


しかし、こんな感じに「リリカル・グレイヴ〜」の執筆も進んだらな…
31フルメタなのは:2008/01/28(月) 16:01:31 ID:MMkI1b0C
GJです!
なかなか期待出来そうな作品ですね。これにしろグレイヴにしろ、執筆頑張って下さい。

さて、自分も昨日から保留しといたフルメタクロスの第五話、投下しようと思います。
今回は、まぁ一言で言えばガウルン祭りです。彼と宗介が大半ですが、最後までお付き合い下さい。
32フルメタなのは:2008/01/28(月) 16:06:35 ID:MMkI1b0C
第五話「邂逅、そして激突」

「何故生きているんだ―ガウルン!!!」
困惑と憎悪の入り交じった声で、宗介は眼前の死んだ筈の男に怒鳴る。
「ん〜?いやな、一度地獄には落ちたんだが、閻魔に追い返されちまってな。」
軽い口調で喋るガウルン。
「ふざけるな!貴様はあの時、香港で…!」
宗介の脳裏に、ミッドチルダに来る直前の記憶が蘇る。
搭乗していたASの自爆で吹き飛び、体の大半を失っても生きていたガウルン。
宗介を呼び寄せる為にテロまで起こした男。
(俺はあの時に、確実に射殺した筈だ……)

しかし実際に、この男は今目の前で生きている。体も義手や義足を使用しているようには見えない。
「どういう事なんだ…」「分かんない?分かんないのか?しょうがねえなぁカシム君は。特別に教えてやるよ。」
ガウルンは語り始めた。

「俺はな、今までお前と会ってた俺じゃねえんだよ。」
「…何?」
「クローンなのさ、今のこの俺はな。スカリエッティ、あのイカレ科学者の手で作られた、新しい俺って事よ。」
「バカな、クローンだと?あんな物で人間が…」
驚愕を覚える宗介だったが、ガウルンはそれを遮って続けた。
「あっちの世界のチャチな技術一緒にすんなっての。元々の体とのズレは殆ど無いし、寿命も別に短くない。むこうよっか遥かに進んでんだよ。
そうそう、お前に付けられた銃創も残したんだぜ。俺が間抜けにも撃たれたっつー証と戒めを兼ねてな。クックックックッ。」
額の傷を指でトントンと叩き、さもおかしそうに笑うガウルン。

「何故スカリエッティに協力している?恩を感じる貴様ではあるまい。」
「魔法の技術に興味が湧いたってのが一つだな。ASと人間でタイマンはる事も可能になる代物だ。見逃す手はねえだろう?
それに、むこうの世界以上に平和ボケしたここの奴等が、恐怖や絶望に包まれんのを見るのも楽しそうだったしな。」
邪悪な笑み浮かべて言うガウルン。
宗介はそんな表情を見て、あからさまに顔をしかめた。

「他に質問はあるか?再会記念だ、サービスでもう一つ位答えてやるぞ?」
「…元の世界の、あの貴様は何だ?」
33フルメタなのは:2008/01/28(月) 16:08:33 ID:MMkI1b0C
「今の俺の元、つまりはオリジナルの俺さ。実際の所、あの体は色んな意味でボロボロでな。修復より新しい体作った方が早かったんだよ。
元の肉体が死んだらこっちの体が目覚めるようにして、抜け殻同然の向こうはお前を苦しませた後に爆弾で道連れにするようにしといたんだが…どうやら失敗したか。
まぁいい、ここで殺れば同じだ。」

「ガウルン!」
二人がそこまで話していた時、突然声がかかった。
「あん?トーレか。」
高速移動が可能なIS“ライドインパルス”を持つ戦闘機人、トーレがそこに立っていた。
「何をベラベラと話している!相手は管理局の…」
「うるせーな。こっちは折角懐かしい顔に会えたんだ、引っ込んでろ。」
「お前は…!」
「いいからテメーはそこのノロマ二人を抱えてアジトに戻れ。俺はコイツと遊んでから行く。」
クアットロとディエチを顎で指し、鬱陶しそうに言うガウルン。
「ちっ、捕まるような真似をするなよ。」
二人を抱えた後、ISを起動して飛び立つトーレ。

「クルツ、狙撃して止めろ!」
クルツに念話を送る宗介だったが、
『ソースケか!?こっちはマズイ、ガジェットが複数…うわぁっ!!』
「クルツ?応答しろ、クルツ!!」
銃声と爆音と悲鳴が聞こえた後、クルツとの念話が途切れる。

「ああ、言い忘れてた。オトモダチが寂しくねぇように、ガジェットの増援を送っといたぜ。俺って親切だろう?」
「ガウルンッ!!」
憤怒の表情でガウルンを睨む宗介。
「さあ、サービスタイムは終わりだ、カシム。後は存分に……」
血の色をしたバリアジャケットを身に纏って、右腕のガトリングガンを構えるガウルン。
「殺し合おうぜ!!!」

ズガガガガガガガガガ!
「ハッハァーー!!」
猛烈な勢いでガトリングガンから魔力弾が吐き出される。
宗介はラムダ・ドライバの防壁でそれを防いだ。
ビルの屋上に遮蔽物など無いし、通常のバリアで防げる威力ではないからだ。
「お?ラムダ・ドライバを少しは使えるようになったのか。目覚ましい進歩だな、カシム!」
それに答えず、宗介は攻撃を防ぎつつ〈ボクサー〉で反撃する。

「だが……」
自分に向かって来た魔力弾を、ガウルンはやはりラムダ・ドライバで弾き返す。
「甘いんだよ!」
34フルメタなのは:2008/01/28(月) 16:12:10 ID:MMkI1b0C
ガウルンは一気に距離を詰め、左手で獣の牙のような単分子カッター〈シャドウ・エッジ〉を抜いて切りかかり、ボクサーを両断した。
「くっ!」
宗介は銃を投げ捨て、GRAW-2を引き抜き応戦する。
二つの魔力刃がぶつかり、激しく火花を散らした。
そして同時に飛び退き、ナイフコンバットの体勢を取る。

「…おいカシム、いつからこんなつまらない冗談をするようになった?」
不意にガウルンが話を切り出した。
「何だと?」
「さっきの銃弾、今のナイフ、両方共非殺傷だろうが。てめえは俺をなめてんのか?」
「……」
「やれやれ、元の世界じゃ〈ミスリル〉で正義の味方やって、ここじゃ管理局で法の番人てか?“殺人聖者”も墜ちたもんだ。」
「黙れ…」
ガウルンは遠慮無く言い続ける。
「いや、人を殺してた分〈ミスリル〉にいた時のがマシだな。今のお前はフヌケもいいトコだぜ。」
「黙れ…!」
宗介の声に怒気が篭って来ても話すのを辞めないガウルン。
「いいか?どこまで行ってもてめえは人殺しなんだよ、カシム。大概本気で来いよ。
それとも何か、お前はまた自分のミスで仲間とやらを死なせる気か?」
「黙れえっ!!」

宗介は手の平にATDを顕現させ、ガウルンに投げ付ける。
だがガウルンは首を僅かに傾けただけでそれを回避した。

「…お?」
ガウルンの頬から血が一筋流れた。ほんの少しATDがかすったのだが、問題はそこではない。
流血――つまりは殺傷設定でさっきのATDを投げた、という事だ。
ガウルンは血を舌で舐めとると、その顔に狂気を湛えた笑みを浮かべた。「そうだ……これだよ……これなんだよカシムッ!!」
シャドウ・エッジを逆手に持ち、間合いを詰めてくるガウルン。
「人を殺してこそのお前だ!本当のお前とやり合えてうれしいぜ俺はよ!!」
「貴様は口を閉じていろ!」

ラムダ・ドライバの効果を付加したナイフで、幾度も刃を交える二人。
しかし、ガウルンの不規則で生物的―さながら蛇のようなナイフの軌道に、徐々に押される宗介。
「忘れたか?俺の十八番は――ナイフだって事をよ!」
激しい剣戟の末、とうとう宗介の手からGRAW-2が弾き飛ばされた。
「ゲームオーバーだ、カシム。」
そしてガウルンは、無防備になった宗介の体を逆袈裟斬りにした。

ザシュッ!
ラムダ・ドライバにより切れ味の増した鋭利な刃はバリアジャケットすら断ち切り、宗介の肉体を容易く切り裂いた。
「ガハッ…!」
宗介は二、三歩よろめいた後、片膝を付いて倒れるのを防いだ。
傷口から流れ出た血が、白いバリアジャケットを赤く染めていく。
「ふむ、バックステップで咄嗟に回避行動を取ったか。いいぜカシム、極限状況下のお前はやはり最高だよ。」
そんなガウルンの台詞を聞く余裕は、今の宗介にはなかった。

(まずい…体力も魔力も限界だ……こんなざまではラムダ・ドライバも…)
35フルメタなのは:2008/01/28(月) 16:17:01 ID:MMkI1b0C
ラムダ・ドライバは極めて強力な力だが、発動の際には強い意思と集中力を以て臨まなければならない。
しかし現在、宗介の体は傷の為に思考が定まらず、出血でふらつきが止まらないという最悪の事態を迎えていた。

「そんなカシム君にプレゼントだ。頭をトマトみてえに吹き飛ばして、苦しまずに逝かせてやるよ。」
ラムダ・ドライバの力を凝縮させた光球を手の上に作り出し、近付いてくるガウルン。
(クソッ…!)
心中で悪態を付き、何とか立ち上がろうとする宗介だったが、身体が全く言うことを聞かない。
「さあ、フィナーレだ。」
そう言い、光球を叩き付けようとするガウルン。

その時、
「紫電一閃!」
「烈風一陣!」
女性の声が響き、同時に空から降りて来る二つの影があった。
影はそのままガウルンへと手に持った武器を構え、一気に振り下ろす。
ガウルンはほぼ直感的に飛び退き、それを回避する。
「……なんだよ、てめえらは?」
殺しを邪魔された事に苛立ち、不機嫌そうにガウルンは言った。

「管理局機動六課、ライトニング分隊副隊長、シグナム。」
「聖王教会の騎士、シャッハ・ヌエラ。」
高らかに名乗る二人の女剣士。
「遅れてすまん相良。
さて、事件の重要参考人として、同行願おうか。」
「イヤだと言ったら?」
肩を竦めながら言うガウルン。
「多少痛い目に会わせてから、連行させてもらいます。」
「お断りするぜ。邪魔が入って気が萎えたしな、今日はもうお暇させてもらう。」
「させると思っているのか?」
レヴァンテインを中段に構え、低い声でシグナムは言う。
「思ってねえさ。だから勝手に逃げるんだよ。」

言い終えた時、ガウルンはいつの間にか腰から取り外した手榴弾を投擲した。
障壁で防ごうとするシグナム達。
だが、ガウルンが投げたのは閃光手榴弾。爆風の代わりに辺り一面を光が覆い、二人の視界を奪う。
「くっ目が!」

「じゃあなカシム、次は必ず殺してやるよ。ハッハッハッハッ・・・」
光が収まった時、既にガウルンの姿は無かった。
「不覚でした…あんな手に引っ掛かるなんて…」
悔しそうに言うシャッハ。
「相良、おい相良!!」
シグナムの叫ぶ声に振り向くと、血塗れで倒れている宗介にシグナムが呼び掛けていた。
「しっかりしろ、おい!シスターシャッハ、至急医療班を!」
「は、はい!」
慌てて通信画面を開き、医療班を呼ぶシャッハ。
シグナムはそのまま宗介に呼び掛け続ける。
「私の声が聞こえるか、相良?返事をしろ!」
宗介は微かに目を開け、蚊の鳴くような声で洩らした。
「ガウ・・・ル・・」
その呟きを最後に、宗介の意識は闇に落ちていった。

続く
36フルメタなのは:2008/01/28(月) 16:27:53 ID:MMkI1b0C
投下終了です。
ガウルン暴れさせ過ぎたかな……

次回はヴィヴィオ登場で、宗介達と出会う場面を書きます。無垢な少女が戦争を知る傭兵達とどう絡むのか期待して貰えれば幸いです。

投下した作品の率直な感想をお待ちしています。
それではまた。
37名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 16:56:47 ID:/uu7krua
待ってたぜ。
宗介は要に会えないから精神的に不安定で、ガウルンの言葉にも揺さぶられるという感じかな
ガウルンにいじめられる他の連中も見たいかも。
38リリカルlain:2008/01/28(月) 17:37:25 ID:nsKvw9UP
忘れた頃にひょっこり現れました 続きを投下させてもらいます
39リリカルlain 3a:2008/01/28(月) 17:37:58 ID:nsKvw9UP
 フェイトは大通りの軒先にあるサイベリア出入り口で、戦闘から戻って来たシグナムに支えられる中、遅々と
して足が進まない事に消沈していた。
 多数の人が押し合い圧し合いする窮屈な場で、フェイトは手持ち無沙汰に携帯電話を取り出す。開かれた画面には、
メールの着信を報せる表示は無かった。
 彼女が自身の送信メール履歴を確認すると、なのはへの送信メールが多数も画面の上で連なっていた。
 今回の教導隊の仕事は過密日程で、想像を絶するまでに多忙であるのはフェイトも重々承知している。しかし、
そんな思考では割り切れない寂しさがフェイトの中で蟠る。
 シグナムの腕で姿勢を支えられながら、フェイトは先程の惨劇を思い返した
「ワイヤード……」
 最近よく耳にするインターネットサービスだ。従来の電脳機器やインターネットの様に、唯ディスプレイにのみ
情報の出力入力を依存しなければならないものではない。
 相当の性能さえあれば、画期的な情報世界への自我の投射が可能となる……と、大概の知識はフェイトも持っている。
 混乱もあり、うまく働かない思考で、フェイトは現在のなのはとの距離感にだけ拘泥した我欲が鎌首をもたげる。
「ワイヤード……。それさえあれば、時間と空間を越えて、なのはに逢えるのかな……」
「何か言ったかテスタロッサ?」
 フェイトはシグナムへ小さく首を降り、パトカーの赤い照明や目まぐるしい電飾の外界へと視界を開けた。
 サイベリアに訪れていた彼女達は、フェイト、アリサ、すずかと、玲音、ありす、樹莉、麗華の組に分かれていた。
 フェイト達に対する警察署での取調べは、シグナム、シャマル、簡易変身魔法で獣の耳と尻尾を消したザフィーラが
保護者代理として受け持った。
 リンディが警察署までフェイトを迎えに来、バニングスと月村からも立て続けに迎えの者が到着する。玲音達
の方も一応事が済んだみたいで、女学生衆はそれぞれに挨拶を交し合って解散した。
 幼い頃からクロノを職場に連れ込んでいたリンディは、何分こうした場面での親としての振る舞いに不慣れな様子をしていた。
 警察から中学生の娘の監督不届きな注意叱責を受ける間、リンディはひたすら平身低頭に反省していた。
フェイトの眼にはそんな義母の姿が痛ましく映った。
 全く過失の無い筈のリンディが、自分に代わって謝罪を繰り返すのを眺め、フェイトは泣きたくなるのを必死で
堪えるしか出来なかった。
「提督、この後お話が」
 シグナムからそれだけを耳打ちされ、項垂れるフェイトの背中を押してパトカーに乗る寸前、リンディは
守護騎士面々に念話で応答した。
 ハラオウン宅を指して一台のパトカーが走り出す。フェイトとリンディは後部座席に並んで座り、互いに
重々しい沈黙の中から会話の糸口を手繰り寄せていた。
「お母さんごめんなさい」
 暗澹とした声音でそう切り出して来たフェイトへ、リンディは眉尻を下げて娘の方へ振り向く。
「怪我が無くてよかったわ。ああいう場所に絶対行くなとまでは言わないけど……ちゃんと時間を考えて、
充分気を付けなさいね」
 フェイトは小さく頷き、義母に余計な迷惑をかけてしまった事で深く落ち込んでいた。そんなフェイトの
暗い心中を察し、リンディが彼女の頭を優しく撫でて慰める。
 暫く車中には、小刻みに肩を震わせるフェイトの微かな嗚咽が漂っていた。
 誘われただけだと主張する事も出来たが、フェイトにはそうしてアリサやすずかに責任転嫁を企む程、自分が
可愛くも神経が図太くもなかった。自分を引き取ってくれたリンディを、自分の勝手な経緯で困らせてしまった
事実が一途に愚かしく腹立たしかった。
 帰宅して遅めの夕飯と入浴を済ませ、フェイトは留守居を約束していたアルフと共に自室のベッドに沈んだ。
 サイベリアでの時間はほんの短い間だったが、あの銃撃騒動で爆発した心労がすぐにフェイトの五感を奪い去っていった。
 フェイトが眠りに落ちてから少し経ち、彼女の就寝を見計らった様にヴォルケンリッターが一様に難しい面持ちで
ハラオウン宅に訊ねて来た。
40リリカルlain 3b:2008/01/28(月) 17:42:22 ID:nsKvw9UP
「提督も、ここ最近多発しているワイヤード関連の事件を聞き及んでいると思いますが……」
 応接間に通される途中から、シグナムは強張った口調で言った。リンディは日本人らしい私服の容姿を机の方に
移動させ、彼女達に振り返ると微妙に返事の空白を挟んだ。
「でも、次元犯罪者が関与している筋は本局の方で否認されたでしょう?」
 客観的な意見を述べて来たリンディへ、シグナム達も情報という強力な壁を思い知らされる。
「デウスと名乗る男がワイヤードに潜伏し、この現実世界を掌握しようとしている……そこまでは私達も
突き止めています。だけど、この事件を深く掘り下げれば掘り下げる程に、地球の科学技術だけでは辻褄が合わない
事柄が散見されます」
 シャマルがシグナムの隣の席に着き、柔和な顔付きを引き締めて会話を続けた。暗に別世界の何者かが、この
高度情報世界の変遷を巧みに悪用している──そうシャマルは示した。
 ヴォルケンリッターにワイヤード関連の査察任務を渡して来たのは管理局本局、そして当事件に関する次元世界的な
関連性を却下したのも管理局本局……。
 リンディは客人の飲み物を机の上に揃え、矛盾した本局の言行が照らす真相を憶測する。
「また本局の方で下らない権力争いでもやっているのかしらね……」
 重役幹部の足の引っ張り合いであるだけならば、リンディもこの場の嘆息だけでシグナム達の来訪を収束させられる。
 しかし今、そうして軽妙に呆れる彼女の脳裏にも、長年の局員としての研ぎ澄まされた直感から事態の不穏を過ぎらせていた。
「シャマルが収集した新情報に、我々がより効率的にこの査察を進展させられる方法がありました」
 シグナムはリンディ・ハラオウンの名を城孤社鼠に扱う事への忸怩たる思いを押し殺し、騎士の眼で毅然と熟達の
女性局員を直視した。
「プシューケー・プロセッサーって言うんだけど……それをどうかしてデバイスに組み込められたら、あたし達も
ワイヤードの中で思う存分活動が出来るんだ」
 ヴィータは縋るようにして席を立ち、机の上から前に身を乗り出した。
「それにリンディ提督、実はサイベリアって所でアクセラの」「ヴィータ」
 シグナムから制止され、ヴィータは横へと視線を移すが、シグナムの透徹とした横顔に気圧されて言葉を切った。
「……アクセラ? どういう事なの? どうしてアクセラの名が」
 リンディが眉を顰め、違法魔法薬物の名を反芻する。しかしシグナムから平然とした顔で「何でもありません」と返された。
 追究の手を抑えたリンディは気を取り直し、彼女達の言わんとしている事を察知し、ゆっくりと四つの容貌を巡視する。
「管理外世界の技術の導入は、可也受諾が難しいわよ? 下手をすれば、折角貴方達を保護観察処分だけに留めた
努力が無駄になってしまうわ。申請理由に不審を持たれたら、はやてさんにも余計な面倒が降りかかるかもしれない」
 リンディの返答に、ヴォルケンリッターは揃って気まずくリンディから視線を逸らす。新たな主との生活の中で、
殊に義理人情というものに感化されたヴィータとシャマルは、急激に弱々しく閉口する。
 遠くの地で出張任務に出ている主へ、間接的に再び過ちを犯そうとしている自分自身に四人が躊躇を催される。
「恩を仇で返す様な戯言であるのは重々承知の上」
 ザフィーラの強固な意志に、シグナムが続けて首肯した。
「現にこの次元世界が、一人の男の妄執で脅かされている……主や、主の掛け替えの無い人々が生きるこの世界を、
そんな詰まらない野心の生贄にさせたくはありません」
「貴方達にとっても、でしょう?」
 不意に声色を和らげたリンディは、椅子の背凭れに背中を預け、明晰な目色で改めて四人の騎士を眺め通した。
「わかったわ。一応私の方から技術部に提言しておきます。それで、そのプシューケーという物はもう貴方達の手にあるの?」
「いえ。しかし既に業者との交渉は完了しています。現在我々は本局の方から、橘研への出向扱いとなって
おりますので、その方面では中々融通は利かせられますので」
 リンディは頷き、守護騎士達の意を汲むと依願を請け負った。
 ヴォルケンリッターを玄関まで見送ったリンディは、一人きりになった後で柔和な美貌を胡乱な感じに曇らせた。
「彼女も涼しい顔して……」
41リリカルlain 3c:2008/01/28(月) 17:45:40 ID:nsKvw9UP
 シグナムのポーカーフェイス振りに、リンディは何故か天晴れな気持ちもあった。あそこでアクセラに関する
詳細を自ら暴かず、疑念を抱いたリンディ独自に調査を行わせるよう誘導して来た烈火の将に、彼女はその配慮に
報いる義理も目覚めさせる。
「さて、と……あの子も暇だ暇だと言ってられなくなったわね」
 居間に戻ったリンディは、夜更けの電灯に照らされた室内で、平穏の影に潜む危険な兆候をそっと見透かした。

 うん、組み立てもお父さんがやってくれたんだ
 そうなんだ……いいな、最新のフル装備のNAVIなんだよね
 でもまだまだわからない事ばかりだし、ワイヤードのコネクトも全然
 ワイヤード、楽しいの?
 う〜ん……よくわかんない
 逢いたい友達がいるんだよね?
 うん、一応それでワイヤードを始めたんだ
 逢えるといいね、お友達
 うん あ……ハラオウンさん、まだ千砂ちゃんからメール来てる?
 ………………もう来てないよ

 フェイトは帰宅してから、その返信メールと、後一回の挨拶のメールで玲音とのやり取りを終わらせた。
 アリサやすずか、ありすや樹莉に麗華にさえ知られていない、二人だけの秘密の交流だった。アルフも今だけは
この部屋への入室を断っている。
 互いにどうにも対人関係で強く自己主張が出来ない内向的な性格を共感したのか、どちらが歩み寄る風でもなく、
何時しか放課後の定例行事の様に継続しているメール交換だった。
 フェイトは自室にある椅子に腰掛け、鳴らなくなった携帯電話を凝然と見詰めた。この機種でもワイヤードサービスは
受けられるが、スペックの問題で単なるゲーム程度にしか利用できない。ワイヤードならではの仮想空間を満喫するには、
電脳演算の性能が著しく不足していた。
 フェイトは受信メールの履歴画面を表示し、今度は違う相手へとメールを送る。釦を押すフェイトの指は、
玲音へ送った先程のメールへの罪悪感を思わせた。

 こんにちわ、千砂

 返信は数秒も経たずに返って来た。

 こんにちわハラオウンさん 玲音に嘘吐いてよかったの?
 よくないよ でも……嘘だってわからないなら……
 若しあたしとメールしてる事、誰かに知られたら?
 止めようよ、こんな話
 そうだね ごめんねハラオウンさん
 ワイヤードって楽しい?
 毎回その質問をするんだね とっても楽しいよ それに、ここがあたしの本当の居場所だから
 本当の居場所?
 そう あたしはリアルワールドにとっていてもいなくてもいい存在だったから
 そんな事無いよ……この世にそんな人なんていないよ

 フェイトの指は得体の知れない恐怖心から、カタカタと動揺していた。
「この世に存在する意味の無い人間」という言葉で、フェイトの脳裏で実母との確執が残酷に思い起こされる。

 ハラオウンさんからそう言われるなんて心外だよ 貴方だってどうでもいい造り物の癖に
42リリカルlain 3d:2008/01/28(月) 17:48:33 ID:nsKvw9UP
 フェイトは反射的に身体を戦慄させ、引き攣った喉で空唾を飲み込んだ。
「ち、違うよ」
 何故その事を、と疑惑を膨らませたが、フェイトは正しい思考がそこまで回らなかった。フェイトの瞳が充血と
乾燥を通過し、大量の涙を溢れさせて来る。

 造り物の癖に 紛い物の癖に 誰にも望まれずに生まれた癖に 人形の癖に 嘘偽りの癖に

「違うよ……違うよ……」
 脆く儚い否定の言葉は、内部に秘められた真実の刃でフェイトの心を抉る。
 フェイトは何時しか携帯電話を取り落とし、机の上に突っ伏して泣き崩れていた。
「なのは、逢いたい……」
 床に転がった携帯電話がメール着信の電子音を奏でる。自動的にメールが開封され、無機質な文字の羅列が
画面に並んだ。

 ねぇ、早くこっちにおいでよ──────

「岩倉玲音んところにプシューケーを送り込んだ輩のお仲間だぞ……少々迂闊じゃねぇのか?」
 繁華街の裏路地で、ヴィータとシグナムが取引相手の到着を待っていた。シグナムは腕を組んで瞑目し、
ヴィータの不安に応えない。ヴィータは支払う一万円札の束を入れた袋を片手に提げ、遣り切れない心持ちを
持て余していた。
 シャマルとザフィーラは遠方で待機しており、有事の際は即座に現場に駆けつけられる態勢を整えている。
夕暮れ時、下校途中の学生などでごった返す街中で、現時点ではナイツからの襲撃は見られない。
(シャマル、相手は?)
 シグナムは心成しか戦意を覗かせる目付きで夕空を仰ぐ。
(外貌からは特に警戒するべき点は無いけど、絶対に油断は禁物よ。あと数分でそちらの空き地に来るわ)
 シグナムがレヴァンティンの装身具を掌の中に隠し持ち、威厳のある美貌で建物の間に挟まれた細い通路を
見据える。ヴィータもナイツの気配に細心の注意を払い、シグナム同様に俄かに身構えた。
 シャマルの返答通り、覆面をした如何にもならず者風の人物が雑居ビルに囲まれた空き地に現れ、シグナムと
ヴィータの正面で悠然と立ち止まる。
 信用される余地が皆無な立場を理解しているのか、覆面の違法商売人は真っ先に三基のプシューケー・プロセッサを
提示し、そしてぞんざいに二名の女性に放り投げた。
「代金はこちらに」
 小型の精密機械を受け取ったシグナムがヴィータを掌で指すと、ヴィータが片手に持っていた質素な袋を前に
突き出した。覆面は相手が同じ動作で取引をして来ない反応に一瞬だけ狼狽したみたいだが、諦めて近寄って行く。
 覆面がヴィータの手にある金の入った袋を受け取ろうと片腕を伸ばし、その掌が突如として奇妙に変化した。
「動くな」
 瞬時に騎士甲冑を装着したシグナムが、レヴァンティンの刀身で覆面の腕を差し押さえていた。
 しかし実際にはレヴァンティンの幅広の刃が、覆面の腕の先から伸びている三本の鋭利な鉤爪に絡められている。
ヴィータを防衛したものの、先手を取られた失態にシグナムが舌打ちを打つ。
(そっちはそっちで対処を御願いっ……こっちは二人で乗り切れるわ)
 シャマルからの念話で、シグナムとヴィータはナイツの出現を察した。ヴィータも金袋を投げ捨てると即座に
赤い姿に変身し、一歩飛び退いてグラーフアイゼンの先端を覆面に突き付ける。
「大人しく素顔を見せろ」
 シグナムがレヴァンティンを押し付ける膂力だけで相手の身動きを封じ、空いた片手で頭部を包んでいる布地を
取り払おうとする。
「シグナム!」
43名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 17:50:50 ID:aIO47SDm
支援
書き込む前に、ウロスで一言言っていただけるとありがたいです。
44リリカルlain 3e:2008/01/28(月) 17:51:20 ID:nsKvw9UP
 上空からの奇襲を感知し、ヴィータがシグナムの脳天へと急降下しているナイツ構成員を迎え撃つ。ヴィータの
強烈な横殴りの鉄槌が命中し、某オンラインゲームの戦闘人物を模倣した一名のナイツが消滅した。
 束の間の隙を突かれたシグナムは、辛うじて鉤爪の至近攻撃を回避する。
 シグナムと覆面の頭上で戦闘が発生し、地を蹴ったシグナムも夕陽に濡れるレヴァンティンを覆面の袈裟へと
振り落とす。頭部の布地を一切乱さず、覆面人物は華麗な足捌きで太刀から身を避ける。
「ふふっ、失敗。いえ、半分は成功かしら。どちらにしろ、私達は蚊帳の外……フフフ」
 覆面が発した地声は、決して本心を窺わせない、まさしく己の素顔を徹底して隠匿する魔性の響きを有していた。
 再度繰り出された炎の魔剣の一撃を、覆面の右腕の先から伸びる鉤爪が的確に食い止める。
「貴様、ナイツではないのか!」
 シグナムが獅子奮迅の勢いで突進を仕掛けるが、覆面女性が掌から放った鮮やかな発光の衝撃波で吹き飛ばされる。
意表を突かれた迎撃で、シグナムの身体が奥の壁に激突した。
 シグナムの怒声を裏付ける様に、覆面女性はヴィータと交戦しているナイツ各員に加勢をする素振りも無く、
黄昏に染まる空の中へと飛び上がる。
 衝撃によろめくシグナムが歯を食い縛って見上げる先に、布地の下から黄土色の長髪だけが垣間見える。
 ヴィータが戦線離脱を図る覆面女性を阻止しようと動くが、ナイツの妨害によって断念を強いられた。
「また機会があれば何処かで逢いましょう、ヴォルケンリッター。そして英利政美……お役目、ご苦労様です。
でも貴方はもう、ドクターの今後にとって──」
「待てっ!」 
 シグナムは至急立ち上がり、覆面女性の追撃に出ようとするが、輪型のバインドに四肢を拘束された。ナイツの
徒党を撃退したヴィータが地上に戻り、グラーフアイゼンの打撃でシグナムを縛るバインドを破壊する。
 戦闘の余韻を漂わせるシャマルとザフィーラが、二人の空き地に合流して来る。その古代ベルカの騎士達を
嘲弄するかの様に、覆面女性の妖艶な高笑いが人気の無い裏路地に木霊した。
「彼女は一体何者……」シャマルの問いに、シグナムは痛恨の表情で沈黙するだけだった。
 シグナム、ヴィータ、シャマルは多大な憾みに唇を噛み、それぞれ入手したプシューケー・プロセッサを堅く握り締めた。

To Be continued
45リリカルlain 3e:2008/01/28(月) 17:56:10 ID:nsKvw9UP
今回はここまでです
>>43氏のレスにあるウロスの方に一言〜は投下の際の規定でしょうか?
もしそうであれば、不注意な投下をしてすみませんでした
46名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 17:58:07 ID:aIO47SDm
>>45
いえ、そんなことはないですが、雑談を向こうでやってるので、
支援しようにも気付かないことがあります。
向こうで一言言ってもらえれば、支援にこれますので。
47名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 18:00:51 ID:aIO47SDm
>>リリカルlain 3d氏
投下乙です。
なかなかに胃にくる展開・・・・・・。
次回も、楽しみにしてます。
48名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 21:32:54 ID:gUb3EJEg
GJ!

>>46
( ゜Д)……
49スーパーロボット大戦X:2008/01/28(月) 21:40:45 ID:2jNbC/3i
チェンジリリカルなのはA’Sの第8話が出来ましたので10時15分ごろに投下したいと思います。
50仮面ライダーリリカル電王sts:2008/01/28(月) 21:49:57 ID:Msgzetn3
GJ!胃が痛くなりそうです。さて自分はスーパーロボット大戦X氏の後にリリカル電王の外伝を投下しますか。
51名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 21:50:45 ID:MebPHldI
待ってました!
クライマックスも近いので楽しみにしてます。
52名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 21:58:52 ID:lJq3Pg3m
支援は応援以外の意味合いは無いから、無理にする必要はないよ。
>正伝氏
GJ!戦闘中にこんな感じに喋らせればいいのか。前回までのを見返してきます。

> Strikers May Cry 氏
ゲームは知りませんが、面白そうだと思いました。次にも期待してます。

>フルメタなのは氏
ガウルンがクローンですか。次回、精神面で負けた宗介がどう復活するのか。

> リリカルlain 氏
GJでした。こちらも元ネタは知りませんが、重い話だ……。同じく前回分を見返してくる。

最近見ない職人さんが戻ってきたのは嬉しいね。他に久しく見ない職人さんも
名無しで潜伏してるなら、たまに状況報告とかあると嬉しいかも。
53リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2008/01/28(月) 22:02:49 ID:2mYA/s9t
どうもお久しぶりです。
本日23時30分頃に投下したいと思ってます。
よろしいでしょうか?
54名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 22:07:59 ID:03KoJGSM
アセリアの人が予告してくれた。こんなに嬉しいことはない。
55スーパーロボット大戦X:2008/01/28(月) 22:15:13 ID:2jNbC/3i
投下いくぜ!

 第8話 決着!! 旅の終焉!

 現在海鳴市の海の上では闇の書による完全暴走体を包むものが存在し、その上空にはなのは、フェイト、ユーノ、アルフ、真ゲッターの姿がある。
 エイミィはそこにいる皆に警告をする。

「その下の黒い歪みは暴走する場所になる。クロノ君が着くまで無闇に近づいちゃ駄目だよ」
「「……、はい!」」
「嫌な事った」
「「「え?」」」

 竜馬はエイミィの意見に反対して攻撃をする。

「トマホーーーークランサーーーーーー!」

 大量のトマホークが黒い物体を攻撃するが、それらは全て弾かれてしまう。

「ならば、ゲッターーーーーーーービーーーーーーム!」

 今度は腹部からゲッタービームを出して攻撃するが、守られているフィールドに阻まれてしまう。

「ち、思ったより硬いな」
「だからクロノ君が来るまで待ってください」

 今攻撃しても仕方ないので竜馬は待つ事にする。


 暖かな光の中ではやては、夜天の書と向き合う。

「管理者権限発動」
「防衛プログラムの進行に割り込みを掛けました。数分程度ですが暴走開始の時間を遅延出来ます」
「うん。それだけあったら十分や」

 はやての周りには4つのリンカーコアが待機している。

「リンカーコア送還。破損修復」

 病院の屋上に4つのベルカ式魔法陣が浮かび上がり、魔法陣より、消えてしまったヴォルケンリッターたちが次々に復活していく。

「おいで、私の騎士達」

 はやての呼びかけに反応し、彼女の足元に白色のベルカ式魔法陣が現れその周囲に騎士達の転送ポイントを出現させる。
 突如現れた白色の魔法陣に目を奪われていたなのは達は、突如その魔法陣から発せられる衝撃波と輝きに目を腕で覆い隠す。
 その光から現れたのは、光の柱を中心に囲んで立つ守護騎士達。彼女達が囲む光の柱はスフィアとなる。

「ヴィータちゃん!」
「シグナム!」
「後は他二名のシャマルとザフィーラか」

 シグナム達の帰還に驚くなのはとフェイト。そしてさりげなく竜馬はひどいことを言う。

「我ら、夜天の主の下に集いし騎士」
「主ある限り、我らの魂尽きる事なし」
「この身に命ある限り、我らは御身の下にあり」
「我らが主、夜天の王、八神はやての名の下に」
「リインフォース。私の杖と甲冑を」
「はい」
56スーパーロボット大戦X:2008/01/28(月) 22:16:35 ID:2jNbC/3i
 騎士甲冑と杖を得たはやて。
 その身を守る光の球体は砕け、外へと現れる。

「はやてちゃん!」
「はやて!」

 はやては自分に呼びかける友人達に微笑む。

「夜天の光よ、我が手に集え。祝福の風リインフォース、セーットアップ!」

 融合型デバイスリインフォースとのユニゾンをして、夜天の書の主である八神はやての騎士甲冑は更に強化され、
 背中にはスレイプニールの羽が出現し髪と目はユニゾンによって変色している。
 主はやての復活に喜ぶと思った守護騎士達だったが、今まではやてに黙って行っていた蒐集行為に対してどう弁解するべきか悩んでいた。

「ええよ。みんな分かてる。リインフォースが教えてくれた。せやけど、細かい事は後や。今は……おかえり、みんな」

 その言葉に今まで我慢していたヴィータは涙を流しながら、はやてに抱きつく。その泣きつくヴィータを優しく抱くはやて。

「なのはちゃんも、フェイトちゃんも、それに竜馬さんでしたっけ? ごめんな。家の子たちが色々迷惑かけてもうて」
「ううんん」
「平気」
「ああ、大迷惑だったぜ」
「「り、竜馬さん……」」

 なのはとフェイトの言葉とは逆に竜馬は迷惑だったと言うのでなのはとフェイトはおどおどする。

「お前らがむやみやたらな事するから俺達はお前達を追う羽目になるは、殺すなって言われるはで窮屈だったぜ」
(殺すなは普通だと思いますが……)

 なのはとフェイトだけでなくはやてとヴォルケンリッターもそう思ったが黙る事にした。
 そこにようやくクロノが到着する。

「すまないな。水を差してしまうんだが、時空管理局管理官、クロノ・ハラオウンだ。時間が無いので完結に説明する」

 クロノの説明は、簡潔に説明するとこんな感じである。あの黒い物体から闇の書の防衛プログラムが数分で暴走を開始する。
 自分達は、何らかの方法でその暴走を食い止めなければならない。そして、停止のプランは現在2つある。

「1つ、極めて強力な凍結魔法で動きを停止させる。2つ、軌道上に待機している艦船アースラの魔道砲アルカンシェルで消滅させる。
他に良い手は無いか闇の書の主とその守護騎士達に問いたい」

 クロノの問いに真っ先に答えたのはシャマルであった。

「えーと、最初のは多分難しいと思います。主の無い防衛プログラムは魔力の塊みたいなものですから」
「当然、コアがある限り再生し機能が止まらん」

 シャマルとシグナムの回答の後にヴィータは両手をクロスしてバツの字を作り拒否を表す。

「アルカンシェルも絶対駄目。こんな所でアルカンシェル撃たら、はやての家までぶっ飛んじゃうじゃんか!」

 ヴィータの回答に、なのははビックリする。

「アルカンシェルってそんなに凄いの?」
「発動地点を中心に百数十キロ範囲の空間を歪曲させながら反応消滅を起こさせる方法……って言えば大体分かる?」
57スーパーロボット大戦X:2008/01/28(月) 22:17:53 ID:2jNbC/3i
 ユーノの回答にクロノへアルカンシェルの使用は絶対駄目だと進言するなのは。フェイトもそれに続く。

「僕も艦長も使いたくは無いよ。でも、あれの暴走が本格的に始まったら被害がそれよりもっと大きくなる」
「暴走が開始すると、触れるものを全て侵食し、無限に広がっていくから」

 クロノとユーノの説明に顔が暗く成るなのはとフェイト。

(これじゃ俺のいた宇宙と変わんねえな)

 竜馬は心の中で思った。竜馬のいた宇宙では真ドラゴンを恐れて政府は重陽子ミサイルを早乙女研究所に向けて発射したのだ。
 すべては被害を抑えるためにと……。竜馬はミサイルが落ちた事までは知っているがその後地球はどうなったのかは知らない。

「はーい、みんな! 暴走臨界点まで15分切ったよ。決断はお早めに!」

 エイミィの報告を聞きクロノは、再び守護騎士達に問う。方法は無いかと。
 シグナム達も暴走に立ち会ったことが無いため良い方法が見つからない。
 互いに意見をぶつけ合う中、アルフが言い出す。

「ああ、ごちゃごちゃ鬱陶しいなぁ! みんなでズバッぶっ飛ばす訳には行かないの?」
「ア、アルフ。これは、そんなに単純な話じゃ」

 その言葉を聞き、なのはとフェイトとはやては考える。

「ずばっと、ぶっ飛ばす……」
「ここで撃ったら被害が大きいから撃てへん……」
「でも、ここじゃなければ……」
「「「あああ!」」」

 三人はある事を閃く。

「クロノ君! アルカンシェルってどこでも撃てるの?」
「どこでもって……例えば?」
「今、アースラのいる場所」
「軌道上で、宇宙空間」
「いいな、それ」

 三人の言葉に竜馬は即座にOKする。

「よく考えたら、俺も隼人も號もミサイル止めるのに宇宙にまで行ったな……」

 竜馬はその時の心情を思い出すが皆はそれを無視して話を進める。

「管理局のテクノロジーを舐めて貰っちゃあ困りますなぁ。宇宙だろうが、どこだろうが!」
「そいつは頼もしい言葉だな。なんだったら俺も宇宙に行ってやるぜ」
「いえ、竜馬さんはここで破壊活動を手伝ってください」

 エイミィの言葉に竜馬も宇宙に行こうとするが、クロノは止める。
58スーパーロボット大戦X:2008/01/28(月) 22:18:48 ID:2jNbC/3i
「なんとも、まぁ、相変わらずものすごいと言うか」
「計算上では実現可能ってのがまた怖いですね。クロノ君、こっちのスタンバイはOK。暴走臨界点まであと10分」

 飽きれながらも感心するリンディと、その子達の力に驚かされるエイミィ。
 アースラからの連絡を受けクロノは、みんなに今回の作戦の概要を説明する。

「実に個人の能力頼りで、ギャンブル性の高いプランだが……まぁ、やってみる価値はある」
「防衛プログラムのバリアは、魔力と物理の複合四層式。まずは、それを破る」
「てことはそのままゲッターの攻撃もくらうって事か……」
「そういうことになりますね」
「バリアを抜けたら本体に向けて私達の一斉砲撃でコアを露出」
「そしたらユーノ君たちの強制転送魔法で、アースラの前に転送!」

 はやて、フェイト、なのはの順に説明が行われ、それを聞いていたリンディとエイミィとアースラクルーたち。

「あとは、アルカンシェルで蒸発っと」
「上手く行けば、これがベストですね」
(何か嫌な予感がするがな……)

 竜馬はこの作戦には大いに賛成だが、何か気にかかる事が起こる気がするがとりあえずは破壊する事を考える事にした。
 監禁されている一室で、グレアムは夜天の書の主として覚醒した八神はやてをモニター越しに見守る。

「提督、見えますか?」
「ああ、よく見えるよ。クロノ」
「闇の書は呪われた魔道書でした。その呪いは幾つもの人生を喰らい、それに関与した人々の人生を狂わせて来ました。
あれのお陰で僕も母さんも、他の多くの被害者遺族も、こんな筈じゃない人生を進まなくちゃ成らなかった。それはきっと貴方もリーゼ達も……」
『Set up』

 デュランダルを起動させ、その氷結の杖をその手に掴むクロノ。

「だから、今を戦って未来を変えます。死んで行った者達の思いを乗せて、悔いの無い未来を掴みます」

 アースラでは、アルカンシェルのチャージに入る。
 防衛プログラムの暴走まであと2分を切っていた。
 時間も迫っていた所で、なのはとフェイトの傷を見たはやては、シャマルに頼み彼女達の魔力と擦り傷を回復させる。

「湖の騎士シャマルと、風のリング・クラールヴィント。癒しと補助が本領です」
「すごいです。シャマルさん」

 アルフとユーノ、そして守護獣ザフィーラはサポート班として防衛プログラムの周囲を覆うバリケードと化したモンスターの触手を排除する役に就く。
 そして、防衛プログラムの暴走がついに始まる。

 黒い歪みの周囲より凄まじい量の魔力が噴出す。

「夜天の魔道書を呪われた闇の書と呼ばせた防衛プログラム、闇の書の……闇」

 しかし、竜馬以外は思ってもみなかった事が起こる。何とその防衛プログラムにはゲッターの姿をしたものがあるのだ。
59スーパーロボット大戦X:2008/01/28(月) 22:20:09 ID:2jNbC/3i
「どういうことや!?」
「やっぱりか!」
「竜馬さん、どういうこと事?」

 なのはが竜馬に尋ねる。

「あいつは俺のゲッター線を取り込んだだけじゃなくてブラックゲッターも取り込んでいる。だからゲッターの姿をしてるんだ」

 ゲッター線は哺乳類の進化を促すものであり機械の進化を促すものではない。
 しかし闇の書が取り込んだゲッター線は元々は竜馬のリンカーコアの魔力を変換させたものであり、闇の書は魔法で作られたもの。
 そのゲッター線を闇の書が取り込んだ事により闇の書が進化していたのだ。

「だが、ゲッターを取り込んだだけで俺達に勝てると思うなよ!」

 竜馬の言葉に全員が改めて気合を入れる。

「そうだ、あたし達は勝つんだ!」
「こんな化け物では私達の敵にならない事を教えよう」

 ヴィータとシグナムの言葉でさらに皆の気力が上がる。
 そしてアルフ達サポート班は防衛プログラムを守る触手を薙ぎ払いに移る。

「チェーンバインド!」
「ストラグルバインド!」
「縛れ、鋼の軛! でぇぇぇやっ!!」

 アルフ、ユーノ、ザフィーラによるバリケード化した触手を拘束魔法の応用で切り裂いていく。
 我が身が生み出したモノが破壊され防衛行動に移る防御プログラム。

「ちゃんと合わせろよ、高町なのは!」
「ヴィータちゃんもね!」

 ヴィータとなのははお互いに構えを取る。なのははヴィータが名前を間違えず呼んでくれたことに笑みがこぼれる。

「鉄槌の騎士、ヴィータと!鉄(くろがね)の伯爵グラーフアイゼン!」
『Gigantform.』

 赤い光を放ち、グラーフアイゼンのハンマーヘッドが巨大化する。

「轟天爆砕!」

 一振りするとそれはもっと巨大になり、防御プログラムと同じくらいの大きさとなる。

「ギガント!シュラーーーク!!」

 その質量と込められた魔力による、単純ゆえに強力無比な一撃を防御プログラムに叩きつけるがそれでもバリアが破れない。

「な!? どういうことだよ!?」

 ヴィータは驚く。グラーフアイゼンのギガントシュラークで破れるはずのバリアが破れなかったのだから……。

「ち、ゲッター線のせいでバリアが完全に進化してやがるぜ」
「だったらどうするんだよ!?」
「俺が行く! トマホーーーーークランサーーーーーーー!」
60スーパーロボット大戦X:2008/01/28(月) 22:21:14 ID:2jNbC/3i
 真ゲッターはトマホークを大量に出してバリアに向けて放ち、バリアをとにかく破壊しようとあらゆる箇所を攻撃し、
 もろいと思った部分に一気に加速をつけて真ゲッターの手に持つトマホークでバリアにヒビを入れる。

「ヴィータ! もう一回やれ!」

 竜馬の言葉にヴィータは再びグラーフアイゼンを振り上げ、真ゲッターがトマホークでヒビを入れた箇所に攻撃をし、ようやくバリアが破れる。

「恐らくバリアが完全に破れるまで俺が同じ事をする必要があるな……」

 竜馬はそう言うとまた同じ事をして、バリアにヒビを入れる。

「なのは! さっさとやれ!」
「高町なのはとレイジングハート・エクセリオン、いきます!」

 なのはの足元の大きな魔方陣が展開される。
 レイジングハートを天に掲げ、なのはは目を瞑り集中する。

『Load cartridge.』

 カートリッジを四発消費、レイジングハートから三対の翼が現れる。
 目を開き、なのはは大きく砲撃の構えを取る。

「エクセリオン、バスターーー!!」」

 砲撃が開始される前に再生した触手がなのはに向かう。

『Barrel shot.』

 レイジングハートから放たれた衝撃波と不可視のバインドにより触手の動きが止まる。
 バレルショットにより砲撃の道がなのはから一直線に作られる。
 レイジングハートの先端に魔力が集中し大きな塊となり、四つの大きいバスターとなる。

「ブレイク!シューーーット!!」

 四つに分かれていた光の矢を飲み込むほどの大きさのバスターを放ち、合体し巨大なバスターとなり直撃、何とかバリアを破る。

「次、シグナムとテスタロッサちゃん!」

 シャマルが二人に攻撃の合図を送る。

「剣の騎士、シグナムが魂……炎の魔剣、レヴァンティン」

 紫の魔力を体から放ち、レヴァンティンを抜き放ち天に掲げるシグナム。
 レヴァンティンの刀身の輝きが強くなる。

「刃と連結刃に続く、もう一つの姿」

 柄の下の部分と鞘を合わせると、カートリッジを一発消費する。
 そして、紫の魔力の輝きを放ちながらレヴァンティンの形状が変化していく。

『Bogenform.』

 それは大弓の姿と化し、シグナムは狙いを定め魔力の弦を引くと、レヴァンティンの刀身から生成される矢が現れる。
 魔方陣が展開し、カートリッジを二発消費し矢に魔力が集束していく。
 そして真ゲッターの攻撃で何とかバリアにヒビを入れる。
61スーパーロボット大戦X:2008/01/28(月) 22:25:12 ID:2jNbC/3i
「やれーーーーー!」
「翔けよ! 隼!」
『Sturmfalken.』

 竜馬の掛け声と共に矢を放つと烈風の隼が空を翔け防御プログラムのバリアへと直撃、破壊に成功する。

「フェイト・テスタロッサ、バルディッシュザンバー、いきます!!」

 魔方陣が展開され、フェイトは大きく大剣を振りかぶる。
 大剣を振りぬき、魔力による物理的破壊の衝撃波を飛ばし、触手を斬り飛ばす。
 そして、バルディッシュを天高く掲げ、そこに魔力の雷が落ちる。

「撃ち抜け、雷神!」
『Jet Zamber.』

 魔力刃を大きく振りかぶると魔力刃が伸び、真ゲッターがヒビを入れたバリアを破り防御プログラムのバリアを斬りつけ破壊する。
 防御プログラムはブラックゲッターの部分からトマホークを出し、手に持ちそれを投げようとする。

「させるかああああ!」

 竜馬はフェイトの勢いに乗り、ブラックゲッターの部分をトマホークで斬りつけ、ブラックゲッターの部分を破壊する。
 闇の書の闇は再生した触手で攻撃をしようとする。その攻撃の色はゲッタービームと同じ色である。

「まさか、ゲッタービーム!?」
「任せろ! トマホーーーークランサーーーーーーー!!」

 竜馬は真ゲッターを回転させながら大量のトマホークを出して触手を全て斬りおとす。

「はやてちゃん!」

 シャマルははやてに合図を送る。はやては書を開き、詠唱を開始する。

「彼方より来たれ、宿り木の枝。銀月の槍となりて、撃ち貫け」

 杖を横に振るとはやての足元に白の魔方陣が展開する。闇の中から白い魔力が集まり、七つの月の輝きが現れる。

「石化の槍、ミストルティン!」

 杖を縦に振りぬき、銀月の槍が防御プログラムに突き刺さり、その部分から石化が広がる。
 石化された部分が崩れていくが、すぐに防御プログラムは再生していき、姿がおぞましくなっていく。

「うわ、うわぁ〜」
「何だか、凄いことに……」

 アルフとシャマルがあまりの気持ち悪さに声を上げる。竜馬はその姿にあるものに似ていると考える。

(ち、俺が見た真ドラゴンみてえな姿になりやがって……)

 竜馬はこの時、インベーダーと早乙女博士の恨みを思い出す。

「やっぱり並の攻撃じゃ通じない。ダメージを入れたそばから再生されちゃう!」
「だが、攻撃は通ってる。プラン変更はなしだ!」

 エイミィが状況を報告し、クロノはプランの続行を伝える。

「いくぞ、デュランダル!」
『OK, Boss.』
62名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 22:28:19 ID:GlQv99FA
支援
63スーパーロボット大戦X:2008/01/28(月) 22:28:56 ID:2jNbC/3i
 クロノはデバイスの返事を聞くと詠唱に入った。

「悠久なる凍土 凍てつく棺のうちにて 永遠の眠りを与えよ」

 クロノの足元に蒼の魔方陣が展開する。
 白く雪のような魔力が広域に広がり、防御プログラムの周りの海を凍らせ防御プログラムをも飲み込み、凍らせる。
 クロノはデュランダルを振りかぶり、防御プログラムへ向ける。

「凍てつけ!!」
『Eternal Coffin.』

 デュランダルが輝き、防御プログラムは完全に凍りついたかに見えたがすぐに動きだす。

「いくよ! フェイトちゃん、はやてちゃん!」
「「うん!」」「俺もいくぜ! さすがにあれならゲッタービームもくらうはずだ」

 なのは、フェイト、はやて、真ゲッターが4方向に展開する。

「全力全開! スターーーライト……」
「雷光一閃! プラズマザンバーーー……」
「こいつでトドメだ! ゲッターーーーーーーーーーーーーーーーー……」

 ピンクの星のような魔力、黄色の雷のような魔力が集束していき、真ゲッターの腹部も赤いゲッター線がたまる。
 そして、白い月のような魔力がはやての杖へと集まっていく。
 はやては防御プログラムを見ながら悲しそうに口を開いた。

「ごめんな、おやすみな」

 はやては自分の力ではどうにもならなかった力に別れを告げる。
 いくらまがまがしくともこれもリインフォースの一部分であることには変わりないのだ。
 はやては一度目を瞑り、決意する。目を開いた時のはやての顔にはもう悲しみも迷いもなかった。

「響け終焉の笛、ラグナロク!」

 四人は声を合わせた。

「「「ブレイカーーーーーーーーーーー!!」」」「ビーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーム!!」

 四つの巨大な光の流れが唸りを上げ、防御プログラムに直撃する。
 ピンク・黄・白・赤の光は防御プログラムを飲み込み、爆散させた。

「本体コア、露出」

 シャマルはクラールヴィントの旅の鏡によりその鏡の中の内側の空間を目標の場所に直接繋げる。
 そこにはまがまがしく邪悪な漆黒の光があった。

「捕まえ……た!」

 それに向かいユーノとアルフが叫ぶ。

「長距離転送!」
「目標、軌道上!」

 緑とオレンジの魔方陣が上下でコアを挟み展開する。

「「「転送!!」」」

 シャマル、ユーノ、アルフが声を上げ、手を振り上げると同時にコアは軌道上に転送される。
 軌道上のアースラではすでに準備が整っていた。
64名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 22:29:36 ID:BZJNb/xf
支援
65スーパーロボット大戦X:2008/01/28(月) 22:30:10 ID:2jNbC/3i
「コアの転送、来ます。転送されながら生体部品を修復中、凄い早さです」
「これって……、大変です艦長!」
「どうしたの?」

 突然の報告にリンディは驚く。

「防御プログラムの再生率がさらに上がってます。それにこのままアルカンシェルを撃っても消滅できない恐れが……」
「そんな……」

 エイミィの言葉にリンディだけでなく、地球で聞いているメンバーも驚く。

「ねえ、それってまさか……」
「そのゲッター線ってやつのせいか!?」
「多分そうだろうな……」

 折角自分達が大ダメージを与えたのにゲッター線で進化した防御プログラムの再生は予想以上であった。

「こうなったら俺が宇宙に行く! いいな!」
「え、……あ、はい!」

 エイミィは突然の事で頭が少し飛んだが、了解する。

「じゃあ行くぜ! 真ゲッターロボ! 発進!!」

 真ゲッターはものすごいスピードで宇宙へと向かい大気圏を突破する。

「さて着いたのはいいがどうしたものか……」

 今の真ゲッターは早乙女博士オリジナルのものよりパワーが無いのでゲッタービームを撃っても消滅はできない。
 それにダメージを与えたところですぐに再生されてしまう。つまり倒すには今のゲッタービーム以上の攻撃力を持った技が必要なのだ。
 竜馬が考えていると突然声が聞こえてくる。

「ストナーサンシャインだ」
「何?」

 竜馬は自分の声とよく似た声に困惑する。

「誰だ!?」
「そんなことはどうでもいい。ストナーサンシャインを使え」
「ストナーサンシャインだと!?」

 竜馬は聞いたことが無い技に質問する。

「ストナーサンシャインならあれに確実にダメージを与えて、再生が追いつかなくなり、倒せる」
「だったらそれはどう使うんだ!?」
「三人の心を一つにするんだ」
「三人……、俺は一人だぜ。どうするんだ!?」

 今真ゲッターにいるのは竜馬一人であり、三人なんていないがその声は続ける。

「安心しろ。この真ゲッターならお前一人でもストナーサンシャインは撃てるが、
確実なものにするには他の人間の思いが必要だ」
「……、まさか……」

 竜馬の読みは当たる。
66スーパーロボット大戦X:2008/01/28(月) 22:30:55 ID:2jNbC/3i
 地球ではなのは達が真ゲッターを見送った後、突如なのはとフェイトとはやてを包むように光が広がる。

「え? これって何!?」
「お前達の力を借りたい」
「この声……」
「竜馬さん?」
「でも竜馬さんは宇宙にいるんじゃ……」

 なのは、フェイト、はやての三人は困惑するが、謎の声は続ける。

「お前達の心を一つにしろ。そして真ゲッターにその心を届けるんだ」
「でもどうやって真ゲッターに?」
「念じればいい、ゲッターの力を信じて三人の心を一つにすればいい。そうすれば届く」
「「「……、わかりました。はああああああああああああああああ」」」」

 そして三人は念じ、心を一つにしようとする。その思いが真ゲッターに届く。
 三人の心が真ゲッターに伝わったのが竜馬にはなんとなくわかった。

「あいつら……、たいしたもんだぜ」
「次はお前だ」
「ああ、わかってる」

 竜馬はその声の言われるがままに真ゲッターの手を広げる。

「くううううううううううううううううううううううう」

 真ゲッターの手から小さな太陽なものが現れ、竜馬のゲッター線を吸収してさらに大きくなる。
 その小さな太陽が大きくなった時、防御プログラムは宇宙に姿を現した。

「今だ!」
「ストナーーーーーーーーーーーーーーサーーーーーーーーーンシャイイイイイイイイイイイイイイーーーーーーーーーーーン!!!」

 ストナーサンシャインは真ゲッターの手から放たれ、防御プログラムに直撃する。
 ストナーサンシャインを受けた防御プログラムは先ほどまでとは比べようにも無いほどの大ダメージを受け、再生が追いつかなくなっていた。
 真ゲッターはその姿を見て、アルカンシェルの巻き添えをくらわないように急いで地球へと大気圏突入をする。

「艦長、今がチャンスです!」
「アルカンシェル、発射!」

 アースラで破壊状況を見ていたリンディはアルカンシェルを起動させる。
 魔力でレンズ状の物体が生成され、それを通して青白い魔力が撃ち出され、防御プログラムに着弾し、発生した空間歪曲と反応消滅で防御プログラムが消えて、巨大な爆発が起こった。
 爆発が集束していき、赤い光が消え映像から防御プログラムが消滅したのが分かる。

「効果空間内の物体、完全消滅! 再生反応、ありません!」
「ふう」

 リンディはその報告を聞いて安心する。
 地球でも真ゲッターの帰還と同時にその報告を聞いて皆が喜び合っていたが、突然はやてが倒れたのだった。
67名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 22:31:49 ID:EG/wDBv4
すまない!支援!
68スーパーロボット大戦X:2008/01/28(月) 22:37:21 ID:7ZZbYdpv
すいません書き込みのしすぎでパソコンからの書き込みができなくなりました。
投下は完了です。
支援を書いた方々ありがとうございます。
次回で最終回です。
69リリカルスクライド//G.U. ◆etxgK549B2 :2008/01/28(月) 22:37:36 ID:+id3z5Bg
久しぶりに本スレ見たら既に1スレ消費されてて吹いた支援
70名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 22:48:13 ID:VFEbNbMi
>68
乙。
最初の頃から比べたら、だいぶ文章がマシになってきたね。
71仮面ライダーリリカル電王sts:2008/01/28(月) 22:51:51 ID:Msgzetn3
GJ。ストナーそうゆう手があったのね。
すいません、アセリア氏と被りそうなんで、自分は、アセリア氏の後に投下します。
72リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2008/01/28(月) 23:25:13 ID:2mYA/s9t
少し早いですが投下開始です。



「ありがとう助かったわ、ディエチ」

「気にしなくていい」

「それでもありがとう」

「……」

 機動六課との戦闘を終え、スカエリッティのアジトへと戻ってきたティアナ達である。

 課せられた3つの内、完全に任務を成功出来たのは2つだけであったが、ウーノからの連絡で最後の1つを達成せずに帰還したのだ。

 そこで、最後の離脱時にディエチの援護攻撃で助けてもらったティアナが礼を言っている訳だ。

「しかしティアナ。 よくあの2人相手にあれだけ保ったな」

「確かに強かったわよトーレ。 ディエチの援護がなかったらまずかったわ。 そっちは?」

「フェイト・テスタロッサ・ハラオウン。 こちらも予想以上の強さだ」

 こちらの最初の予想以上にあの『高町なのは』と『八神はやて』は強かった。 最初は簡単に倒せると思っていたが、世の中そう簡単にはいかないようだ。

 またトーレが戦った『フェイト・テスタロッサ・ハラオウン』もまた強かったようだ。 その証拠にトーレの左腕が少しやられている。 高速の中の戦いは相当激しかったようだ。

 だがまだ彼女達には余裕があった。 こちらにはナンバーズに新たに与えられた『切り札』がある。 ティアナも神剣を扱って日は浅く、まだまだ試していない事も沢山ある。

 そう考えれば、少し余裕が生まれてくるし、次、戦う時は完全に倒すという意欲も沸いてくる。

「まっ、全員無事だったから良かったじゃん」

 セインの気楽な言葉に全員が肩の力を抜く。 時空管理局との本格的な戦いに入ってきて、やはり硬くなっていたようだ。

 ここの防衛システムはロウ・エターナルの力もありより強固なものになっている。 完全に油断は出来ないが、現状では大丈夫だろう。

「でも良かったの? 『器』を回収しなくて」

「ウーノ姉様からは問題ないって聞いてますから、大丈夫なんでしょ」
73名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:29:03 ID:aIO47SDm
支援
74リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2008/01/28(月) 23:29:08 ID:2mYA/s9t
 結局、出撃したミニオン隊は誰も合流地点に来る事がなかった。 クアットロの情報網からの検索によれば、壊滅させられたようだ。

 そのせいで最後の任務を達成させる事が出来なかったのだ。

 ディエチが疑問をあげると、それをクアットロが答える。 あのウーノがそう言うのだからそうなのだろう。

 作戦を切り上げた以上、あちらにも何か考えがある筈である。

「まぁ、一番の問題はあのエース達ですわね」

 クアットロの言葉に空中に幾つもの画面が現れる。

 そこには『高町なのは』、『フェイト・テスタロッサ・ハラオウン』、『八神はやて』との戦闘シーンが表示される。

 どれもこれも、一角の魔道師とは思えない程の戦闘能力の高さだ。

 更に『烈火の騎士シグナム』、『鉄槌の騎士ヴィータ』、『盾の騎士ザフィーラ』、更には教会の一員である『シスター・シャッハ』の戦闘シーンも表示されていく。

 その脇のほうに『スバル・ナカジマ』、『ギンガ・ナカジマ』、『エリオ・モンディアル』、『キャロ・ル・ルシエ』などのデータも表示されている。 それ以外の魔道士のデータも表示されていく。

 すべてが今回の戦闘で得られたデータだ。 不思議な事にティアナは、大きく表示されているエース達よりも脇に写っている彼女達に目が移っていた。

(なぜかしら?)

 理由は分からない。 だが何故だが知らないが、彼女達から懐かしい感じがしたのだ。 それだけではない。 『高町なのは』達からも懐かしい感じがするのだ。

 しかしその感覚をティアナはすぐに切り捨てた。 今、自分がやるべき事は恩人であるテムリオン様の為に戦う事である。

 一般の魔道師達のデータよりも、今はエース達のデータを研究すべきである。

 何せ永遠神剣を持った自分と互角で渡り合った相手だ。 今回はうまくディエチが援護してくれたがこのままでは負けてしまう可能性だってある。

 テムリオン様達なら簡単に倒してくれるとは思えるが、あの人達に簡単に力を借りるのは申し訳ない。 出来るならば、自分達の手で仕留めたかった。

「ティアナ、もう少しお前との連帯を深める為に一緒に訓練をしないか?」

「えっ?」
75名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:30:09 ID:aIO47SDm
支援
76名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:31:53 ID:BZJNb/xf
支援
77名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:32:16 ID:5C+cMFAG
(訓練)や ら な い か 支援
78リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2008/01/28(月) 23:32:27 ID:2mYA/s9t
 トーレからの突然の申し出にびっくりするティアナ。 自分達は基本的に命令系統が違うのだ。 まさかそんな申し出が出るとは思わなかった。

 しかし彼女の申し出はありがたいものである。 ロウ・エターナルで自分と同じぐらいの強さをもった者はいない。 他のメンバー全員が自分よりも遥かに上の戦闘能力者ばかりなのだ。

 残りはミニオン達しかいない上に戦闘能力も自分と連帯が取れる程強いわけではない。 だからこそ、実力が同じぐらいのトーレからの申し出は非常にありがたいものだ。

 すぐにでも申し出を受けたい所ではあるが、テムリオン様からの指示がなければ動けないのも確かである。

 そう言おうとした時、

「それはありがたい申し出ね」

「!? テムリオン様!!」

 テムリオンが突然、ティアナ達の後ろに現れたのだ。 気を抜いていたとは言え、周囲の気配を辿る程度の事は行っていた筈であるが、それに引っかかる事なく突然現れるとは思ってもいなかった。

 トーレ達も驚いた表情を見せている。 が、納得した部分も表情に見られる。

 この規格外達の頭であるテムリオンならばこの程度出来て当然だろう、と。

「ティアナ。 貴方は覚醒して間もないわ。 彼女達との訓練で技量を上げなさい」

「はい」

「それにあわせて暫くは、彼女達と行動を共にしなさい」

「了解しました」

「それでは失礼しますわ」

 先程と同じようにテムリオンの姿が一瞬で消え去る。

 そんな様子を見て、トーレは息を吐いた。 たった少しのやり取りなのではあるが、何せテムリオンがそこにいるだけで圧倒的な威圧感を感じるのだ。

 決してこちらに敵意を持っている訳ではないのだが、その高い能力がこちらを圧迫しているのだ。

 しかし得られたものもあった。 テムリオンの許可が下りた事でティアナとの連帯行動などが鍛えられるからだ。
79名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:32:38 ID:aIO47SDm
支援
80名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:34:28 ID:9rGbm/8G
支援

81リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2008/01/28(月) 23:36:25 ID:2mYA/s9t
「それではよろしく頼むぞティアナ」

「ええ。 こちらこそねトーレ」

 まだ会ったばかりだが、どうも2人の気があうらしい。

 元々戦闘タイプであるトーレと、神剣を持った事により戦闘意欲が増したティアナ。 お互い何か感じるものがあったようだ。

「妹達と一緒に戦闘訓練をするのはどうだ?」

「いいわね。 暫く一緒に行動するんだから連帯とかも組んでみたいし」

「ティアナはオールラウンダーですから、バランスはいいですわね」

「ああ。 オールラウンダーは私達にいないタイプだったからな」

 もっとも戦闘経験が豊富なトーレやチンクはどうしても近接寄りなタイプであるし、ディエチなどは後方支援型。 クアットロはそもそも非戦闘要員である。

 どのポジションでも戦える遊撃手的なティアナの参入は実にありがたいものがある。

「じゃあ、まずは他の姉妹の紹介から入ろ!」

「そうね。 よろしく頼むわ」

 セインとティアナが楽しそうな顔をしながら、歩いていくのを見て、トーレ達も笑顔を見せながらそれに続いていく。

 ただ1人。

「……」

 無表情なままのクアットロを残して。



 ○―――○


82名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:37:00 ID:9rGbm/8G
支援
83名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:37:19 ID:aIO47SDm
支援
84リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2008/01/28(月) 23:40:34 ID:2mYA/s9t
 機動六課の部隊長室に重い沈黙が漂っていた。 原因はただ1つ、2日前に行われた戦闘がすべての原因である。

 部屋にいる六課の指揮官達であるはやて達は画面に浮かぶこちらと敵対する二刀使いの剣士――ティアナの姿を見て、それぞれ思い思いの表情を見せている。

 ホテル・アグスタで死亡認定がなされていたティアナが生きていた事自体は嬉しいものではあるが、その彼女がまさかこちらの敵対組織の一員になっているとは思わなかったからだ。

 そして何より彼女はこちらの事を何1つ覚えていないのだ。

「やっぱり洗脳って事かよ」

 重苦しい雰囲気を払うようにヴィータが口を開く。

 洗脳。 実に分かりやすい、シンプルな答えだ。 だが今のティアナの状態を表すのにぴったりな言葉である。

 だけど、ともヴィータは思う。 何故ティアナだったのか。 それが分からない。

 ヴィータから見れば、ティアナはまだひよっこの魔道師でしかない。 後々大成するとしても、だ。 そんな彼女を捕獲する必要があったのだろうか?

 リミッター付きとは言えフェイトを一撃で倒した程の相手だ。 スバルとティアナが居たとはいえ傷ついたフェイトを捕獲するのは容易だっただろう。

 なのにあちらが捕獲、洗脳したのはティアナであった。

 モニターに写るなのはとはやてと対等に渡り合っているティアナの姿を見ると、もし洗脳されたのがフェイトだと更に強力になったのではないかとも思えるのだが。

(ティアナじゃなきゃいけない理由でもあったっていうのかよ……)

 しかしそう考えると辻褄があう部分も出てくる。

 ティアナが囮となった時に、撤退するスバルとフェイトを見逃したのはティアナを捕まえる為であり2人には用がなかった為とも考えられるからだ。

 それと同時に新しい疑問も思い浮かぶ。 何故、他の局員のように2人を殺さなかったのか? などであるが。

 だが事実は変わらない。 フェイトとスバルは生きており、それでティアナが敵になった。 それだけである。

「でもはやて。 ティアナの奴を設置系のバインドで捕縛出来なかったのかよ?」

 ティアナ達が撤退し戦闘映像が終わった所でヴィータが疑問の声を上げる。

 設置系のバインドによる捕縛は空中戦においてはかなり役に立つのだが。 それをしなかったのは何故だろうか?

 その疑問に答えたのははやてではなく、ヴィータの隣で映像を見ていたシグナムであった。
85名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:41:07 ID:aIO47SDm
支援
86名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:41:52 ID:9rGbm/8G
支援

87リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2008/01/28(月) 23:44:56 ID:2mYA/s9t
「いや、設置系のバインドは展開されている」

「そや」

 映像が再び現れる。 先程とは違い、静止画である。 その静止画が更に拡大されて、一点に絞られるとそこにはティアナの近くに設置系のバインドの光が見てとれた。

 確かに展開されている。 だが何故ティアナを捕縛出来なかったのだろうか?

「簡単な話や。 ティアナは全部、それを突破したんや」

「は?」

 はやての話によると、バインド自体は作動してティアナを捕縛しようとしたのだが、彼女の周りにあったフィールドがそれを全部弾き飛ばしたらしい。

「このフィールドで私達の攻撃も殆ど減衰しちゃってね」

「まぁ、今回はそれのおかげで助かったんやけどな」

「どういう事?」

 あの時居た3人の中で、ティアナと交戦しなかったフェイトが疑問の声を上げる。

 フィールドのおかげで魔力ダメージによるノックダウンも出来なかったのではないのか?

「そうなんだけどね……。 ティアナ、非殺傷設定の攻撃でも傷を与えちゃうの……」

「えっ?」

「それは……」

 なのはの言葉でフェイト達の脳裏に浮かんだのは、彼等が使う人形――ミニオンである。

 ミニオンにも非殺傷設定の攻撃で傷を与えてしまう。 まさかティアナも同じだとは思わなかった。

 そうなると、更に幾つかの仮説が思い浮かび上がってくる。 それになのはとはやてが気づかない筈がないだろう。

「あれはティアナではなくあちらが作った人形か」

「あのティアナは本物で、何かしらの調整を施されあのような肉体になってしまったかって事かな」
88名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:45:14 ID:aIO47SDm
支援
89名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:48:04 ID:9rGbm/8G
支援

90リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2008/01/28(月) 23:49:39 ID:2mYA/s9t
 シグナムとフェイトの言葉はまさに2人が考えていた事と同じであった。

 あれだけの人形を作り上げる組織だ。 その気になればティアナそっくりの人形を作り上げてしまうような気がする。

 ここまで言うのはいいが、はっきり言えばどちらにしても自分達にとっては不味い状況でしかない。

 前者だった場合は確かに辛いが自分達が討てばいい。 しかしあれがもし本物のティアナだとしたら? もしそうだとしたら、最悪の事態だ。 誰もが大切な仲間を殺したいとは思わない。

 だからこそ自分達が取れる道など1つしかないのだ。

 それはティアナを助ける事である。

「だけど今のティアナは強い」

 自分達が知っているティアナ・ランスターとは桁違いの戦闘能力の高さである。 侮れば負けるのはこちらである。

 そしてもう1つ。

「スバル達になんて言おう……」

 仲がよかったスバルは勿論。 エリオとキャロだってティアナの事を慕っていた。 そんな彼女が敵になったと聞いて、3人はなんて言うだろうか。

 それがなのは達には不安で仕方が無かった。



 ○―――○



「むっ、早すぎたか?」

 ミットチルダの片隅にある第93管理外世界の日本料亭を前にゲンヤ・ナカジマは時計を見ながら、困った顔をしていた。

 旧友からの連絡を受けて私服でやってきたのはいいが、どうやら約束の時間より随分早く到着してしまったようだ。

 が、その気遣いは無用であった。

「よう、お前さんも随分早いな」

「ローグか」
91名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:49:49 ID:aIO47SDm
支援
92名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:50:23 ID:9rGbm/8G
支援

93名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:50:38 ID:kx+gBeI7
ローグキターーーー!支援
94リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2008/01/28(月) 23:53:42 ID:2mYA/s9t
 気がつけば、何時の間にかゲンヤの後ろにはラフな私服姿のローグの姿があった。

 ローグの接近にゲンヤはまったく気づかなかったが、相手はベテランの武装局員だ。 指揮官でしかないゲンヤに気づかれないように近づくのも朝飯前だろう。

「さっさと入ろうぜ」

「しかし時間はいいのか?」

「ああ。 どうせもう先に1人来てるだろうしよ」

 そう言われて2人で料亭に入ると、即座に部屋へと案内された。 ローグが言う通り、もう先に来ている人物がいるようだ。

 案内された一室に入ると、畳の上に敷かれた座布団に座った人物が目に映る。

 その人物を見て、目を丸くしたゲンヤは思わずその人物の名前を口にしていた。

「レジアス?」

「久しぶりだなゲンヤ」

 現地上本部の総司令がそこにいた。 確かにローグから話があると聞いていたし、知り合いが集まるとは聞いていたがまさかレジアスまでいるとは思わなかった。

 現在、海と陸。 両方が忙しいのでまさかいるとは思ってもいなかったのだ。

「忙しいがオーリスに息抜きしてこいと言われてな。 それに、な」

 レジアスの言葉でゲンヤは何が言いたいのかすぐに分かった。 息抜きは建前であり、ここに来て自分達と会合しなければならない理由があるのだろう。

 それを分かったから、ゲンヤはこれ以上何も言わず用意されてあった座布団の上へと座った。

 ローグは特に気にした様子もなく、ゲンヤより先に座っている様子と先程の会話を総合すると、ローグはレジアスが来る事を知っていたのだろう。

「それで、今日はこの3人で?」

「いや、もう1人いる」

 もう1人と言われて、ゲンヤはその該当者を中々見つけ出せないでいた。

 ただの息抜きでの集まりならば、多数の人物がいるだろうが、今宵は違う目的だ。 そんな目的に適正な人物が思いつかない。

 数年前ならばすぐに思いつくのだが、彼はとある事件で殉職してしまったのだ。 そうなると一体?

 その答えはすぐに出た。 件の人物がやってきたからである。
95名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:54:30 ID:kx+gBeI7
中将キター!支援
96名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:54:40 ID:aIO47SDm
支援
97名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:55:13 ID:9rGbm/8G
支援

98リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2008/01/28(月) 23:57:29 ID:2mYA/s9t
「それは私よ」

「なっ!? コラード三佐!?」

 そこにはやはり私服を着た第4陸士訓練校の学長であるファーン・コラードの姿があった。

「よしてよ。 今は貴方のほうが階級は上よ、ナカジマ二佐」

「いえ、しかし……」

 かつて自分の上官であった人物だ。 階級が上になったとは言え、そう簡単に態度が改まる訳ではない。

 そんな生真面目な元部下の様子に軽くため息を吐くと、彼女もまた座布団に座った。

「まったく、ローグの馬鹿とはなんで違うのかしら?」

「そうは言われてもねえ」

 くくく、とローグは笑っている。 そんな様子にゲンヤがため息をつく。

 そんな様子にレジアスは笑っているだけである。

「あら、レジアス。 貴方は笑っているだけ?」

「そうは言われても。 こちらが言ったぐらいでは2人が態度を変えない事はそちらも知っているだろう」

「まぁ、そうなんだけどねぇ……」

 2人が態度を変えない事はレジアスもコラードも承知済みである。

 こんな会話をするのも随分久しぶりである。 そもそもこのメンバーで集まる事事態が久しぶりと言うべきだろう。 あの事件以来、中々集まる事がなかった為だ。

 そんな他愛のない会話をしていると、料理が運ばれてきた。 どれもが生粋の日本料理である。

 因みにこの料理に使われている材料はすべて正真正銘の日本産であり、その材料は某エースオブエースの友人である某金髪お嬢様が父親から任せられた会社から仕入れている事はあまり関係のない話である。

 閑話休題。

 運ばれてきた料理を食しながら、再び世間話を始める4人。 特に他愛のない会話である。

 そんな食事も終わり、酒も抜けてきた頃。 彼等4人の顔つきが変わった。
99名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:58:19 ID:aIO47SDm
支援
100名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:58:23 ID:03KoJGSM
支援だす
101名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 23:58:27 ID:9rGbm/8G
支援

102リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2008/01/29(火) 00:01:00 ID:2mYA/s9t
「さて本題に入ろうか」

「そうしてちょうだい。 私は何にも聞かされてないし」

「俺もだ」

 レジアスの言葉にコラードとゲンヤが答える。 2人は集まりがある事以外、なんら聞かされていないのだ。

 そんな2人にローグが答えた。

「悪いな。 管理局の目がある場所だとあまり話せない事なんでな」

「それは……」

 つまり今の管理局に聞かれる訳にはいかない内容だと言う事か。 だとすると、ここも監視されている可能性があるのだが。

「その辺は安心しろ。 ティエレンの奴に頼んだから」

「……大丈夫か?」

 ゲンヤはローグの部隊の副隊長である男の事を思い出して不憫そうな顔をする。 どうせかなり無理を言ったのであろう。 更につけ加えるなら、それに巻き込まれた部下達の事に対してもか。

 が、ローグは無茶な事を言う男ではあるが、やる事は筋が通ってる。 彼等に無理を言ったと言う事はかなり必要な事なのだろう。

「話とは、今起きてる『ロストロギア強奪事件』についてだ」

「うちの娘も巻き込まれてるあれか」

 現在、海と陸。 両方から無差別にロストロギアを強奪している事件。 被害が更に増大し、2割近いロストロギアが強奪されていると話で聞いている。

「先日、その事件で進展があった」

「本当か?」

「ああ。 これを見てくれ」

 レジアスがポケットから取り出した小型端末に画像が浮かび上がる。

 それは先日、六課が遭遇したティアナ・ランスターの姿であった。
103名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 00:02:25 ID:03KoJGSM
しえん
104名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 00:02:32 ID:aIO47SDm
支援
105名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 00:02:40 ID:9rGbm/8G
支援

106名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 00:02:58 ID:I14nUoTM
支援
107リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2008/01/29(火) 00:04:43 ID:TFedarm/
「この子は……!」

「ティアナの嬢ちゃんか!」

 コラードもゲンヤもティアナの事は知っていた。

 コラードは1年程前に卒業した、首席の子であった為。

 ゲンヤはスバルの友人として紹介され、何度か家族旅行に連れて行った為。

 そしてローグとレジアスはかつての知り合った男の妹であった為。

 それぞれが何かしらティアナと関わりを持っていたのである。

「これは先日、六課が遭遇した相手だ」

「何? 何故ティアナの嬢ちゃんが? いやそれ以前に死んだと聞かされていたが……」

 前にスバルから泣きながらティアナが死んだと聞かされていた為である。

 ローグ達も彼女が死んだ事は知っていたが、まさかこんな事態になっているとは思ってもいなかった。

「このティアナ・ランスターは置いておいてだ。 注目する点はこの持ってる剣だ」

 剣。 これ自体はさほど珍しいものではない。 だが、レジアスの発言にゲンヤとコラードは即座に反応した。

 2人の脳裏に浮かぶのは、とある事件。 それもまたティアナに関わりがある事件である。

「あのティーダ・ランスターが所属していた部隊が遭遇した剣型のロストロギアを巡る事件か」

「ああ」

 数年前、正体不明の剣型のロストロギアらしきものが管理局に輸送。 調査中に何者かに強奪されるという事件が起こった。

 その時、犯人を追跡したのがローグの部隊であったのだが、その時の上官とローグが対立。 ローグは謹慎をくらい、代わりにティーダが所属していた部隊が出動。

 その結果、ティーダを始めとする武装局員の殆どが死亡。 ロストロギアも破壊されたと言う事件だ。
108名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 00:05:36 ID:Y+JAhqgJ
支援
109名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 00:06:01 ID:g/NaMZTr
支援

110リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2008/01/29(火) 00:07:05 ID:TFedarm/
「だけど彼女が持っている『剣』と、強奪された『剣』が同じとは限らないんじゃないかしら」

「そうなんだがここ数年の事件を調査した結果、可能性が高くなった」

 小型端末の画像が切り替わり、調査した事件の一覧が表示される。

 2人も情報を見ていく。 そこには何かしらの『不思議な剣や武器』が関わった事件ばかりである。

 不思議な剣が発見された事があった。 不思議な剣を使う者がいた。 そんなものがどの事件にも起きているのである。

「……もしかしてこの『不思議な剣』がティアナのお嬢ちゃんが持ってる奴って事か」

「そう睨んでる」

 ゲンヤの言葉をレジアスが肯定する。

 なるほど。 ここまで『不思議な剣』が関わった事件があるのだ。 今回もそれが関わっていると考えるのは妥当であるだろう。

「そうなると、この『不思議な剣』が気になるわね。 何か情報はないのかしら?」

「数年前にあった奴もデータが取り終わる前に破壊されたから詳細は不明。 その後も、『不思議な剣』は確保出来なかったからさっぱりだそうだ」

「の方で現在、クロノ・ハラオウン提督経由で無限書庫の司書長、ユーノ・スクライアに調査を依頼している」

 直接ではなくわざわざ経由する理由を誰も問い詰める事はない。 その理由は既に3人とも察知しているからだ。

「まずはそちらの連絡待ちか」

「うむ。 だがまだ話したい事があるのでな」

「了解だ」



 ○―――○


111名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 00:07:34 ID:Y+JAhqgJ
支援
112名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 00:08:48 ID:5jBYvHK9
支援
113名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 00:09:50 ID:g/NaMZTr
支援

114リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2008/01/29(火) 00:11:59 ID:TFedarm/
 レジアス達が秘密裏に行っている会合が終わりそうな頃の時間。 クロノ・ハラオウンが無限書庫にやってきていた。

 とある人物に会う為だったのだが、既に時間は深夜。 この時間ならば普通、深夜勤の人間を除いて局員は殆どいない筈である。

 しかし無限書庫は他の部署とはまるで違う。 例え深夜だろうが朝方だろうが人の姿が絶える事はない場所だ。

 そんな場所の一角の専用スペースにクロノの目的の人物がいた。

「ユーノ」

「……ん。 ああ、クロノか」

 無限書庫の司書長――ユーノ・スクライアである。

 ユーノがクロノの姿を見ると、行っていた探査魔法を中断。 調査していた本を中央に集めなおす。

「すまない、邪魔したか?」

「いや。 そろそろ休憩しようと思ってたし」

「そうか」

「で、今日は?」

「先日の依頼についてだ。 何か分かったか?」

 先日の依頼――クロノ経由で地上本部のレジアス・ゲイズ中将からの依頼である。

 現在起きている『ロストロギア強奪事件』に関係しているかもしれないと言う話だが。

「うん。 まだ完全じゃないけど、聞く?」

「聞かせてくれ。 レジアス中将からは『不思議な剣』についてを依頼されたんだな」

「ああ。 その『不思議な剣』が何なのか漠然としていて最初は分からなかったけど、少しずつ分かってきたよ」

 2人の前に画面が浮かび上がる。 かなり古い資料から、ほんの2、30年程前の資料が表示される。

 どうやら存在している時代が一致している訳でもないようだ。
115名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 00:12:32 ID:Y+JAhqgJ
支援
116名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 00:13:36 ID:g/NaMZTr
支援

117リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2008/01/29(火) 00:15:47 ID:TFedarm/
「確実とは言えないけど、レジアス中将が言う『不思議な剣』はこの『永遠神剣』だと思う」

「『永遠神剣』?」

 クロノにはまるで聞いた事がない名前である。

 ある程度のロストロギアに関する名前を知っているクロノが知らないとすると、やはり無限書庫に調査を依頼したのは正解だったようだ。

「『永遠神剣』。 記述を見る限り、数百年前――いやもしかしたら数千年前から各次元世界に存在していると言われている『武器』だよ」

「数千年前だって!? いやそれに『武器』? 『剣』じゃなくて?」

「うん。 特別な『武器』全般を『永遠神剣』って言うらしいんだ」

 画面の資料が切り替わり、剣、槍、刀、杖、斧、双剣など無数の武器達が表示されていく。

 このどれもが『永遠神剣』だと言う。

「そうなると、『不思議な剣』だけではなく『不思議な武器』で改めて調査したほうがいいかもしれないな」

 先程までは『剣』で認識していが、これでは『武器』全般だ。 レジアスから提供してもらった報告書には『不思議な剣』関連のものしかない。

 そうなると、管理局が関与した『不思議な武器』に関する事件はまだあるかもしれない。

 戻ったら調査のやり直しを依頼する事に決め、更にユーノの報告を聞いていく。

「まだ全部分かった訳じゃないけど、この『永遠神剣』は持ち主に特別な力を与えるみたいなんだ。 しかもリンカーコアの大きさに関係なくね」

「それはつまり?」

「例え魔法が使えない人でも、使い手になれば『神剣魔法』っていう僕達のとは別系統の魔法が使えるみたいなんだ」

「なるほど。 とんでもないものだな」

「だから昔からロストロギア扱いだったみたい」

 ユーノの資料によれば、まだデバイスなどもなく。 今のようにミッド式、ベルカ式などがなかった頃から存在している代物だと言う。

 なるほど。 そしてユーノ言う通りの力を持っているならばロストロギア扱いされてもなんら可笑しくはない。
118名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 00:16:12 ID:Y+JAhqgJ
支援
119名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 00:16:53 ID:g/NaMZTr
支援

120リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2008/01/29(火) 00:18:51 ID:TFedarm/
「更に言えば、デバイスの雛形にして原型みたいだよ」

「……本当か?」

 なんともとんでもない話まで飛んできた。

 話によれば、今の魔法が確立されてきた頃、制御する為の代物として『永遠神剣』を元に作られたのがベルカのデバイスだと言う。

 更にそれから派生してミッド式のデバイスも完成されたらしい。 あくまで可能性の話ではあるが。

「まぁ、話はそれたけどこの『永遠神剣』を手に入れれば、かなり強化されるのは間違いないね」

「この『永遠神剣』の使い手達が犯人と言う事か……」

「多分ね。 目的関連に関してはまだ分からない」

「そうか。 なら引き続き調査を頼む。 こちらでも、もう一度調査を行ってくる」

「頼むよ」

 何か新しいものは見えた。 だが、まだ彼等の先は何よりも暗かった。



 リリカル×アセリア SCENE07 嵐の前 END
                          →
                           NEXT SCENE08 それぞれ
121名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 00:20:00 ID:Y+JAhqgJ
支援
122リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2008/01/29(火) 00:20:59 ID:TFedarm/
投下完了です。 多大な支援に感謝を。

今回はインターバルその1でした。
コラードさん参戦フラグとか、ユーノ参戦フラグとか、クロノ参戦フラグとかが立ちました。
後、スーパーレジアスタイムとかも。
次回もインターバルです。 ……早く悠人達も書きたいなぁ。
123名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 00:21:51 ID:rTmsbfMi
GJ!
スーパー大人タイム来た〜!
124名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 00:22:52 ID:j5TwP37F
おもろかった。

んでも、地の文と地の文の間に1行あけなくてもよくね…?と言っておく
125名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 00:23:41 ID:Y+JAhqgJ
投下お疲れ様でした!
相変わらず、おもしろいです。
しばらくは、戦闘はなさそうですが、
これからどう物語が進んでいくか楽しみにしています。
126名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 00:24:51 ID:Y+JAhqgJ
あと、他の人も言ってましたが、
1行ごとに空行を入れるのは微妙な感じがします。
127仮面ライダーリリカル電王sts:2008/01/29(火) 00:25:54 ID:V7tFD5oZ
GJ!大人が渋い。原作知らんがな。さて、自分のリリカル電王sts外伝を1:15から投下します。いいっすか。
128名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 00:30:38 ID:dS8uTvtK
GJ
剣に体を支配されたティアナがトーレ達にHなことをする場面を妄想してしまった
129リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/29(火) 00:46:11 ID:2b154fPt
電王さんの投下までまだ時間あるな…投下おk?
130仮面ライダーリリカル電王sts:2008/01/29(火) 00:50:22 ID:V7tFD5oZ
どうぞ、まだ時間ありますし。
131リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/29(火) 00:51:50 ID:2b154fPt
【山】
「美味そうな人間だ…」
「子供の餌に相応しい…」
「た…助けてくれ!」

人々を襲うのは、何もAAMONだけではない。
古来から人を喰らい続けてきた邪の化身・魔化魍も、世界に厄災をもたらす存在なのだ。

「「フッ!」」
「うわあああああああ!」

ツチグモの怪童子と妖姫は口から白い糸を吐き、登山者を拘束する。
そして登山者を連れ去ろうとした瞬間、一発の火球が飛来し、童子と姫を牽制した。

「「ん?」」
「おりゃああああああああ!!」

(BGM・輝)
突如仮面ライダー強鬼が現れ、童子と姫を音撃棒・烈蒼で突飛ばす。
その後、登山者を捕まえていた糸を引きちぎった。

「早く逃げろ!」
「ありがとう!」

一目散に逃げていく登山者。

「鬼か…」
「鬼か…」
「…!」

童子と姫に向けて音撃棒を突きつける強鬼。

「最初に言っておく、俺はかーなーり強い!」
(曲終了)
【平成ライダーサイド】三話「俺達はかーなーり強い!」Aパート

「「お〜にさ〜んこ〜ちら〜、て〜のな〜るほ〜うへ〜」」

ツチグモの童子と姫は木と木の間を飛び移り、強鬼を翻弄する。
しかし…

「へ、こんなのに引っかかる俺じゃない!」

腰のディスクアニマル、アカネタカとアサギワシを起動させ、童子達に立ち向かわせる。
アカネタカとアサギワシは素早い攻撃で童子と姫を木から落とす。

「「ぐあ!」」
「よし…はあぁぁぁぁぁぁあ…ハァ!」

強鬼は鬼闘術・烈火弾を落ちてきた童子と姫に向けて放つ。
烈火弾を受けた童子と姫は断末魔の叫びを上げ、土くれとなって消滅した。
132リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/29(火) 00:52:57 ID:2b154fPt
「よし…次は…」
「グオォォォォォォォン!!」
「おぉ!」

大きな雄叫びが森中に木霊し、青いツチグモが木々を倒しながら強鬼の前に現れた。

「結構育ってるな…けど、俺は負けない!」

強鬼は一気にツチグモの背中に飛び乗り、音撃鼓を張りつけ、音撃棒を構えた。

「豪火連舞の型!」

強鬼は渾身の力を混めて音撃鼓を叩き、強力な音撃をツチグモに叩き込む。
音撃を受けたツチグモは弱々しい叫びを上げた後、土くれになった。

「よっと…っしゃあ!一撃!」

着地した強鬼は顔だけ変身を解除し、ガッツポーズを取る。

【川辺】
戦いを終えたキョウキは、昨日川辺に張ったキャンプに戻る。
キャンプでは既に朝食の準備が出来ており、すずかがコーヒーを用意して待っていた。

「おかえりなさい!先輩!」
「おお、起きたか。」
「酷いですよ〜!」

すずかは現在、大学に通いながらたちばなでアルバイトをしている。
今日はその一巻で独立したキョウキのサポーターとなり、キョウキのサポートをしていた。

「先輩が起こしてくれないせいで、行ってらっしゃいのチューができなかったしせゃないですか〜」
「お、お前!昨日の夜してやったばっかりじゃないか!」
「あれはおやすみのチューですぅ〜、朝は別なのに〜うぅ…」

涙目になり、両手で顔を覆うすずか。

「わ…分かったよ!ほら…してやるから…泣くな…」
「う…う…はい…(っしゃ♪)」

キョウキに気付かれないようスマイルするすずか。

「じゃあ…行くぞ…」
「はい…」

キョウキとすずかは目を閉じ、お互いの唇を少しずつ近づけていく。
そして二人の唇が重なり合う寸前、キョウキの携帯が鳴り響いた。

「ふぇ!?」
「おっと…もしもし…ああ、おやっさん!」
『おはようキョウキ君。』
133リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/29(火) 00:53:58 ID:2b154fPt
電話の主はたちばなの店長・立花勢地朗だ。

「おやっさん!」
『悪いねぇ…もしかして、チューの途中だったかな?』
「え!?あ…いや…ああ、ツチクモは倒しました!一撃必殺ですよ!」
『頼もしいねぇ…ああ、キョウキ君に、一つ頼みがあったんだ。』
「なんですか?土産ならもう…」
『いや、違う…実は…サバキがヤマアラシにやられてね…』
「ええ!?またですか!?でも…サバキさんがヤマアラシ程度にやられるなんてこと…」
『それがねぇ…』

勢地朗は、サバキが戦ったヤマアラシが機械改造を受けており、強力な力を得ていたことを話した。

「魔化魍が…機械改造を…」
『石割君が言っていたから間違いない。童子と姫も同様に、改造されていたらしい…
蟹経験もある君に任せたいんだが、やってくれるかい?』
「…場所は?」
『箱根だよ。良い温泉宿を取っておいたから、早速、向かって欲しい。箱根なら、そこから近い筈だ。頑張ってくれよ。』
「分かりました。」

キョウキは電話を切り、すずかの方を向く。

「月村、早速だけど、次の仕事だ。」
「…………はい。」
「な…泣くなよ!次に行くのは箱根の温泉宿だから、チューなら…そこで…してやるから…」
「…ホントですか?」
「お…おお。」
「(温泉宿…ってことは!もしかしてお泊まり!?初体験なるかも!?きゃ〜!)」

両頬に両手で触れ、赤面しながら何度も頭を振るすずか。

「ど、どうしたお前?」
「あ…いえ!なんでも!じゃ♪まずはごはんにしましょう♪」
「あ…ああ!じゃあ、着がえてくる!」

キョウキはテントの中に入る。
そして五分後、私服を着てテントの中から姿を現した。

「よし…じゃあ飯だ!」

キョウキは布巾で手を拭きながらテーブルに着く。

「先輩、はい♪」

すずかは椎茸ご飯、椎茸の味噌汁、漬物、お茶が乗った膳をキョウキの前に置いた。

「うわ!椎茸!」
「駄目ですよ先輩!好き嫌いしたら!全く、椎茸嫌いな所は侑斗君そっくりなんですから…」
「…(桜井侑斗…か…)」
134リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/29(火) 00:55:14 ID:2b154fPt
【箱根山森林】
その頃箱根山の森に、一つの流星が落下した。
いや、正確には流星ではなく、時の列車・ゼロライナーであった。

【ゼロライナー車内】
「侑斗!侑斗!」
「デ…デネブ…俺達は…生きてるのか?」
「ああ!ちゃんと生きてるよ!」
「…ここは?」
「分からない…森か山のようだけど…」
「そうか…」

傷だらけの侑斗は意識を失う。

「侑斗!侑斗!誰か助けを呼びに行かないと…!」

【箱根山ふもと】
「うーん…これもハズレか…」

音叉からルリオオカミのディスクを外し、落胆するキョウキ。

「…」
「月村…なんでお前そんなに不満そうなんだよ?」
「だって…混浴だから先輩と二人で温泉に入りたかったのに…」
「我慢しろ。仕事が先だ。さっさと終わらせて、さっさと温泉に入って、さっさと帰るぜ。」
「ふぇ〜ん…お泊りぃ〜」
「お!」

キョウキ泣き崩れるすずかを無視し、帰ってきたリョクオオザルのディスクを音叉にセットし、回転させる。

「ったく、これもハズレかよ…」
「…そういえば先輩。」
「何だよ?」
「ここに来る前、旅館の女将さんがついさっきこの辺の森に隕石が落ちたって言ってましたよね?二人で見にいきませんか?」
「おいおい、そんなことしてる場合じゃ…」
「アニマル達もまだ半分以上帰ってきてませんし、行きましょうよ!」
「…しょうがねぇな。」
135リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/29(火) 01:00:02 ID:2b154fPt
【箱根山森林】
二人は共に隕石が落ちたという森に着き、周囲を散策していた。

「この辺…ですよね?」
「ああ…」
「もしかしたら隕石って、ワームの新種が来たのかも…先輩…何かあったらまも…イタッ!」

突然止まったキョウキの背中にぶつかるすずか。

「イッタ…先輩…急に止まらないでくださいよ…」
「月村…見ろ…」
「え?」

すずかはキョウキの後から背後に出、前を見る。
そこには…

「!?、先輩…あれって…」
「ゼロライナー…」

かつて、キョウキの戦友、桜井侑斗・仮面ライダーゼロノスが操っていた時の列車・ゼロライナーがボロボロになり、横たわるように横転していた。

「…あ!京介――――――――!」
「!?、デネブ!」

車両のドアからデネブが現れ、京介とすずかの傍に走ってくる。

「良かった…良かったぁ…助けが居た…」
「助けって…デネブ、何があった?」
「侑斗が…侑斗が…!」
「な…に…!?」

投下終了。
次回のメカ童子&姫対ゼロノス&強鬼の戦いをお楽しみに。

なんでもいいけど今辛いっす…夢は割り切ったはずなんだけどなぁ…
海堂の気持ちが今なら良く分かるなぁ…彼のテーマソングである夢のかけらが目に浸みるです…
涙でてきそうなんで今日はこの辺で…おやすみなさい。
136仮面ライダーリリカル電王sts:2008/01/29(火) 01:05:23 ID:V7tFD5oZ
GJ!侑斗と強鬼二人とも嫌いじゃないですよ。
137Strikers May Cry:2008/01/29(火) 01:06:05 ID:1K/Lkwbx
響鬼、見てなかったんだよな…

ともかく、あと30分くらいしたら久々のStrikers May Cry の番外編を投下したいです。
準備は良いっすか?
138名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 01:06:42 ID:i9hSYlGA
>>137
電王氏の予約はいってるwwww
139仮面ライダーリリカル電王sts:2008/01/29(火) 01:08:13 ID:V7tFD5oZ
>>137そうですか投下ですか。自分はその後に譲ります。
140Strikers May Cry:2008/01/29(火) 01:10:37 ID:1K/Lkwbx
>>138
俺の場合はずっと溜めてたネタなんで良いっすよ。

っていうかただの番外編の短編ですから、どうか先に投下してください。
141仮面ライダーリリカル電王sts:2008/01/29(火) 01:13:31 ID:V7tFD5oZ
>>140いえいえ、お先にどうぞ。自分も外伝ですから。本編じゃないですから。
142名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 01:15:45 ID:xizjOCbt
譲り合いの精神は美徳だねぇ
でも話が進んでないw
143Strikers May Cry:2008/01/29(火) 01:15:49 ID:1K/Lkwbx
そこまで言っていただけるのなら喜んで投下させて頂きます!
では投下します。

久しぶりのStrikers May Cry の番外編です、っていうかギャグです。
144Strikers May Cry:2008/01/29(火) 01:16:15 ID:1K/Lkwbx
魔法少女リリカルなのは Strikers May Cry 番外編 ギャグ短編 「緊急警報」

これはJ・S事件が解決したばかりで機動六課が解散する前のちょっとした騒動の話。

暖かい陽射しが照り草木は青々と生い茂り小鳥はさえずり、今日も平和に機動六課の面々とバージルは過ごしていた。

訓練を終えたフォワードメンバーや六課隊長陣は食堂で昼食をとっている。
今日もまたヴィヴィオは好き嫌いで駄々を捏ねるかと思われたがなんとか嫌いなニンジンを完食することに成功した。

「おにいちゃ〜ん、ヴィヴィオちゃんとぜんぶたべたよ♪」
「そうか」

ヴィヴィオは兄と慕うバージルに目をキラキラと輝かせて空になった皿を見せに寄って来た。

「ねえヴィヴィオえらい?」

バージルは食事中にそのような行為を行うのは行儀が悪いと言おうとしたがヴィヴィオの嬉しそうな様子に溜息を漏らしながらも褒めてやることにした。

「そうだな、偉いぞヴィヴィオ」

バージルはそう言うとヴィヴィオの頭を軽く撫でてやった、だがその行為は六課メンバーに大きな衝撃を与える。
何故ならばバージルが六課に戻ってきて性格がある程度丸くなったのは知られていたが、ヴィヴィオを家族認定したことはなのはとシグナムくらいしか知らなかったのだ。
未だにバージル=ツンツンというイメージが固定されていた以上、彼らの衝撃は計り知れないものであった。

その光景にフルフルと震えながら、目を丸くしたはやてが口を開く。

「デレや…」

「どうした八神?」

バージルがはやての異様な様子に不思議そうな顔で質問を投げかけたが、はやてはくるりとシャーリーに向き直りながら叫んだ。

「シャーリー!! デレや、バージルさんがデレ期に入ったでえええええ!!! 緊急警報発動やああああああああ!!!!!」
「りょ、了解!」

シャーリーの返事と共に聞いた事のない警報が六課内に鳴り響く。

『緊急警報。緊急警報。バージルさんがデレ期に入りました。繰り返します…』

その警報と共にさらに絶賛ハイテンション中のはやてが大声を張り上げて叫ぶ。

「みんなああああ!!! バージルさんがデレ期に入ったでええええ!!!! 今なら無理そうなお願いでも聞いてくれる(たぶん)。 なんか今の内に言っとくんや!!」

そのはやてが発した魂の叫びにフォワードメンバーが馳せ参じ、バージルの前に並ぶ。

「それじゃあバージルさん、是非私のお兄ちゃんになってください!」
「えっと…それじゃあ私もスバルみたいに今度、個人練習をお願いします」
「僕も個人的に稽古をお願いします。バージルさんの太刀筋をもっと知りたいんです」
145名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 01:16:49 ID:tViOH4Vn
支援
146Strikers May Cry:2008/01/29(火) 01:17:26 ID:1K/Lkwbx
「私はできればエリ…げふんげふん。ある男の子の好みをそれとなく聞いて欲しいです!」

さっそくスバル・ティアナ・エリオ・キャロがそれぞれにお願いを口にする。バージルが呆れる暇もなくドカドカと音を立てて他の六課メンバーも食堂に現われた。

「バージルの旦那、実は今度の日曜に合コンがあるんですが一緒に来てください! イケメン連れてくって女の子に言っちゃったんっすよ」

ヴァイスが浅ましい頼みを言いながら頭を下げる。

「とにかく私の彼氏になってください! もういい加減に“行き遅れ”とか“彼氏いない暦300年”とか言われたくないんです! それがダメなら出したり入れたりな淫らな行為だけでも可!!」

シャマル……あまり直球で本音をぶちまけるな。

さらに集まった六課の人間は次々とメチャクチャな事を口走っていく。
バージルは次々と襲い掛かる六課メンバーの猛攻に唖然して言葉を失うが、そこに最大の爆弾が落ちる。

「それじゃあヴィヴィオ、おにいちゃんのおよめさんになる〜」




なんと言うか全てが凍った、エターナルコフィンもかくやというくらいに空気が凍りつく。
そこで最初に再起動を果たしたのははやてであった。

「それは無理やヴィヴィオ…」
「ふえっ、どうして?」

そのはやての言葉を一同は以外に思う、はやてならこの種の発言を楽しんではやしたてると思ったからだ。

「バージルさんって最近シグナムと仲がええやろ?」
「うん」
「つまりな、バージルさんは極度の巨乳フェチやねん」

以外に常識的な事を言うと考えた一同だったが、やはり予想どうりはやてが言ったのは下ネタだった。

「きょにゅうってなに?」
「あ〜、つまりバージルさんはおっぱいの大きい女の子が好きなんよ」

バージルがそのやりとりにそろそろ突っ込みを入れようとした時、服を誰かが引っ張る。
振り返るとシグナムが顔を赤らめてバージルの後ろに立っていた。

「どうした?」
「いや…そのだな…お前が、きょ、巨乳好きとは本当…なのか?」
147名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 01:18:13 ID:Olrn/l5w
>142
もはや廃れた日本の風習がこんな所に…!
支援
148Strikers May Cry:2008/01/29(火) 01:18:15 ID:1K/Lkwbx
「はっ!? シグナム…お前は何を言って…」

何やら恥じらい気味のシグナムに不可解そうな顔をするバージル、その彼にヴィヴィオがニコニコと満面の笑みを浮かべて擦り寄って来た。

「おにいちゃ〜ん。ヴィヴィオもはやてさんにおっぱい、おおきくしてもらうからおよめさんにして〜♪」
「その通りや! この“乳揉み魔人”と名高き八神はやての手にかかってバストサイズの大きくならん少女はおらん!! さあバージルさん遠慮なく小っちゃなお嫁さんゲットや!!!!」

「ちょっ! バージルさん不潔です! よ、幼女相手に…」
「でもなのは、愛に年齢はきっと関係ないよ。やっぱり母親なら娘の幸せを考えて…」

なんか暴走し始めるなのはとフェイト。


「なんか、モテモテだなバージル」

どういう訳かダンテがピザを食べながらハチャメチャを呈する機動六課の騒ぎを楽しそうに眺めていた。

「……何故お前がここにいる?」
「いやな、仕事が無くって暇でよ。それと借金取りの同業者から逃げて遊びに来た」
「…もう帰れ」

もう収拾不可能なくらいに加熱する事態にバージルは頭を抱えて溜息をついた。

「は〜、まったく……何故いつもこうなるのだ…」

この日もまた騒がしく、そして平和な日常が機動六課で繰り広げられたとか。


終幕。
149Strikers May Cry:2008/01/29(火) 01:21:38 ID:1K/Lkwbx
投下終了です。

なんかバトルやシリアスは飽きたって話を前聞いた時に酒の勢いで書きました。
どうかシリアス風美な本編と合わせて読んでいただくと幸いです。

あまりに馬鹿馬鹿しい話しだったので投下しなかったんですが、消すのがもったいなかったので投下しちゃいました。
こんなのってあり?
150名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 01:23:05 ID:JJ2enGV0
>>149
151リリカル! 夢境学園:2008/01/29(火) 01:24:49 ID:9+JTQPhu
ありさ!
あとダンテ、週休6日は自重しなさいw
バージル兄さんが、ダンテの仕事のなさっぷりに頭を痛めている姿が想像出来ました。
GJです!!
152仮面ライダーリリカル電王sts:2008/01/29(火) 01:25:15 ID:V7tFD5oZ
GJ!ばか騒ぎ。ありです。姉御赤いよ。つかはやてハッチャケ過ぎ。さて、56分ごろに外伝を投下しますか。いいですか。
153反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/01/29(火) 01:25:19 ID:uEuumwK5
>>149
何だこのカエルの軍曹並に間抜けなアナウンスwwwカオスの権化www
GJでした!
しかし、やっぱり微笑ましいなぁバージル…
ウチのセフィロスなんかアレですぜ? 一応みんなに受け入れられたけど…倒れちゃったんだぜ?
154旅ゆく人:2008/01/29(火) 01:25:52 ID:ADn7V5Kt
>>149
有りでしょ、GJ。
155名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 01:27:08 ID:RrIXX5C4
>149
危なかったな。
君はもう少しで最大の過ちを犯す所だった。

つまりはGJ!という事だ。
156名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 01:28:40 ID:CB5a3X1e
GJ。
はやてw
あとダンテ自重www
157名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 01:29:28 ID:O2EnmW9s
GJ!!
禁断の性王モード発動ッ!!w
誤字にあらずッ!!
158名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 01:32:22 ID:tViOH4Vn
GJ!!
ヴィヴィオはなんて爆弾・・いや核爆弾を投下してくれたんだ。
159名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 01:43:11 ID:5jBYvHK9
GJ!
弟はダメニートにも程があるw
160Strikers May Cry:2008/01/29(火) 01:53:17 ID:1K/Lkwbx
…なんか意外に好評ですね、良いのかこんなバカ話で…

そういえば、もうすぐリリカル電王氏の投下の時間ですな。
少し早いですが支援しますぜ。
161仮面ライダーリリカル電王sts:2008/01/29(火) 01:56:08 ID:V7tFD5oZ
さてさて、そろそろ投下始めますか。支援お願いします。
162仮面ライダーリリカル電王sts:2008/01/29(火) 02:00:37 ID:V7tFD5oZ
さて投下します。


仮面ライダーリリカル電王sts外伝
「リリカル電王珍道中物語。」
私はアイン。この時の列車、デンライナーの乗客だ。今日は、オーナーが時空管理局の上層部の方と話しをしているので車内には私とナオミという客室乗務員だけだ。どうしたものかと外を眺めているとナオミが話しかけてきた。

「何をボーッとしてるんですか。」

「いや、何もすることが無くてな。」

「だったら丁度いいです。これから、お茶にしようと思ってたんです。一緒にお茶しましょう。」

「それもいいな。」

思えば、これが悲劇の始まりだった。

「じゃあ準備しますね。あ、そうそう。オーナーが向こうの方から頂いたお茶があるんですよ。」

「では戴こう。」

笑顔で答えた私。しかし、私達は数秒後笑顔を凍り付かせていた。
「あの、聞いていいか。」

「な、なんですか。」
「これはお茶なんだよな。」

「えぇ…、たぶん。」

「なら、何故砂糖が大量かつドロドロになって浮いているんだ。」

「分かりません。」

「何と言うお茶何だ。」

「確かリンディ茶って言ってました。」

「飲むしかないのだろうか?」

「たぶん…。オーナーに美味しいからって勧められたから…。」
163仮面ライダーリリカル電王sts:2008/01/29(火) 02:04:00 ID:V7tFD5oZ
「このまま残してもオーナーに悪いからな。仕方ない、飲もう!」

「ハイ…。ではお先に逝きます。」

グイッとリンディ茶を飲みほすナオミ。すると、次の瞬間その場に倒れた。

「ウッ、しかし、飲むしかない!ゴクッ!」
そして、グイグイ飲んでいく私。しかし、飲み始めて数秒で私は意識を失った。

「もう、ウラタロス達は…、私がちゃんとしなきゃ…て、二人とも大丈夫!」

「もう砂糖は嫌〜来ないで〜。」

「砂糖何か消えろ。こっちに来るな。怖い、怖い、怖い。」

「ちょっ二人ともしっかりして!うんッなにこれ。」

ハナが近づくとそこには緑の箱があった。そこにはこう書かれていた。

「リンディ茶スペシャルブレンド(砂糖40倍)」と。

「しかし、あのお茶はよかったですね。もう一杯頂きたいですね。」

「いいですよ。別に構いませんよ。」

「では、お言葉に甘えてもう一杯頂きます。」

「今、持って来ますね。」

「あなたとはよく話があう。」

「本当ですね。」

そんな事とは知らずにオーナーとリンディさんは談笑を続けていたのであったとさ。
164名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 02:07:46 ID:tViOH4Vn
リンディ茶キター!!しかもスペシャルブレンドって・・支援!
165仮面ライダーリリカル電王sts:2008/01/29(火) 02:07:54 ID:V7tFD5oZ
以上、外伝「リリカル電王珍道中物語」です。本編より書きやすいです。初のギャグです。でも書いてて、「リンディ茶スペシャルブレンド(砂糖40倍)」飲める奴いんのかと思ってました。
166名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 02:10:20 ID:5jBYvHK9
>>165
GJ!
イマジンの味覚ならいけるはず
そういえば、電王って続編が確定しましたね
167名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 02:11:05 ID:VSmN3WLu
そこまで砂糖入ってたら砂糖の方が多くなって「飴」化してねえか?
168名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 02:16:28 ID:491/HKGn
銀さんなら平気で飲むだろ。
あと夜明けのヴァンとか。
169名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 02:19:32 ID:i9hSYlGA
>>168
ヴァンは辛いの専門じゃね?
170名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 02:31:48 ID:nTvqBXBn
>>166
詳しく、超詳しく詳しくkwsk
171名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 02:34:00 ID:i9hSYlGA
>>170
Vシネでキバと電王のコラボやるらしい
172リリカラー劇場:2008/01/29(火) 02:34:05 ID:5wHLkyVE
職人の皆さんGJです。感想を書きたいのですが大量で追いつけなくて申し訳ありません。Fullcolor'Sの第5話後編を投下します。

ガンダム「快晴になったなー!!」

シャアザク「うむ、いざこざがあったがなんとか開けたな、運動会!!」

※注 10月

ガンダム「……やっぱ寒ーーーいっ!!」
シャアザク「ま……真夏の炎天下よりはマシと思え!!」

ガンダム「やっぱり、来年の4月まで延−−」

とガンダムが言いかけた途端。

なのは「本気なのかな?」

フェイト「ま・さ・か……延ばすなんて。ねぇガンダム?」

レイジングハートとバルディッシュを突き付けられ、ガンダムは。

ガンダム「……ウっソでーすι」
と言って開会するしかなかった。

魔法少女リリカルなのはFullcolor'S 第5話後編


そして、あらためて開かれた運動会。
場所は再び、聖祥大附属小学校の運動場。
その開会式にて開会の式辞に立候補したのは体操着の上から『時空管理局 リンディ・ハラオウン』と字が入ったハッピを着込んだリンディであった。

リンディ「宣誓。我々はスポーツマンシップにのっとり正々堂々と闘うことをここに誓います♪」

ガン三郎「クロノの母ちゃん若ぇーなぁ」

クロノ「こっちからすればは……『良い歳して恥ずかしい』と感じるよ〃〃」

リンディ「なお、優勝した組の子達には賞品の他。私からご褒美があります♪」

ゼータ「……ご褒美?」

クロノ「ま、まさか……」
エイミィ「……あれを?」
プレシア「まさかね……」

リンディと永く携わっているクロノやエイミィ。また、彼女と最近お茶をする仲となっていたプレシアは何かに気付いていた。
だが。ステイメンやV2等幼年組は何をくれるのかワクワクしている。

ステイメン「わー、リンディさん、何くれるのかなー♪」

V2「楽しみー♪」


173名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 02:34:13 ID:O2EnmW9s
>>169
ホットケーキみたいのにすごい蜂蜜みたいのかけてましたよ。
174リリカラー劇場:2008/01/29(火) 02:37:52 ID:5wHLkyVE
クロノ「……知らないのって幸せだね」

エイミィ「そだね……あの子達見てたら罪悪感がありすぎて泣けてくる……」

プレシア「大丈夫、アリシアやフェイトも知らないから公平よ……ええ、公平よ」

クロノ「獅子は我が子をせんじんの谷に突き落とすだね」

エイミィ「ま、間違っちゃいないけど。間違っちゃいないけどさι」

−−−−

ガンダム「じゃあ、俺は審判やるから。ゼータがキャプテンでリンディママにプレシアママが副キャプテンの歴代MS+かんりきょくチームが赤組。
で、フリーダムがキャプテンでなのはとフェイトが副キャプテンの新人+まどうしチームが白組。OK?」


一同「はい!」


ガンダムDX「へーんだ、デッケー砲撃出来るからって調子こくんじゃねーぞ!」

ガンダム:オマエが言うかーι

ガンダムDX:てへ♪


フリーダム&なのは「??」

−−−−

リィナ「それでは第一競技の前にご紹介します。まず、第一実況のリィナ・アーシタと」

エイミィ「同じく第二実況エイミィ・リミエッタです。解説は、ガルマドップさんです」

ガルマドップ「よろしく、たのむよ……はてさて次元震や企みの匂いがするな」

エイミィ「はいっ?何か言いましたか?」

ガルマドップ「いやいや、面白そうだねって(黙ってみておこう)」

−−−−

リィナ「それでは第一競技をはじめていきましょーエイミィさん競技説明お願いします。」

エイミィ「はい、第一競技は『たま入れ』です。赤組、白組で出場される方は白線内のコートへ♪」

ウィングゼロカスタム「……弾入れかヘビーアームズ」

ヘビーアームズ「?」

なのは「弾入れ……」

ガンダム「はい、そこミサイルとレイジングハートしまおーねι」

シャアザク「かぞえるにしても籠が消えるわι」


175リリカラー劇場:2008/01/29(火) 02:44:07 ID:5wHLkyVE
−−−−

カラミティ「赤組にたまぶつけんのはなし?」
フリーダム「だめだめ、そんな事するなら籠ねらってι」

なのは「この白玉に★マーク順番にいれたて全部はいったら3つお願いがかなうの!」
フェイト「ナメック星だと1つだよ!」
カラミティ「ほぅほぅ」
レジェンド「カウントするときはこのレーダーで!」

デスティニー「Σ待て、摩訶不思議アドベンチャーじゃねーぞ!!」

−−−−

そしてたまいれが始り……15分で終了の笛がなる。
エイミィ「終了でーす!!」

シャアザク「お、どうだ!?」
アルフ「見たところ五分五分だね……」

ガン三郎「そこでオレがアツい歌声で長く愛される歌を歌う!」
※「とーきーをこえふえてゆくーかなしーみの抜け毛ー」

ガンダム「クッ、いい唄だ……!!」
アルフ「追加だよ、追加!」

フリーダム「Σ歌合戦じゃないでしょう!?」

フェイト「私も負けない!」
※「とっつぜんーこーろんだりーしたー手に千円握りしめてーいてさー」

なのは「手、手が勝手に玉に★を!!」
シャアザク「こっちも負けてないぞ!!」

デスティニー「Σアンタも対抗すんな!千円で何買う気だ!?てか、なのはも泣きながら★マーク入れようとすんな!!」

−−−−

リィナ「第一競技で白組ちょっとリードしましたー♪」
ガルマドップ「これが若さか……」
エイミィ「それ、シャア(あっち)の台詞じゃι」
ガルマドップ「言ってみたかったんだヨ♪」

依然盛り上がり続ける皆の姿を見遣りながら鼻で笑っているMSが居た。
ラウ専用ゲイツ「……フン(なれあって笑っていられるのもいまのうちだ……この運動会を利用してジュエルシードをいただくのは私だからな」

ゴッド「あ、そろそろ全員参加のアレが始まるな」
ターンA「点数にはなんないけどがんばろう!!」

ラウ専用ゲイツ「Σ」


176リリカラー劇場:2008/01/29(火) 02:50:18 ID:5wHLkyVE
※ソーラン節
『エンヤ。サ、どっこいしょー』
ガンダム「どっこいしょー♪」
フェイト「どっこいしょー♪」
フリーダム「ヤーレンソーラン」
プレシア「ソーランソーラン」
一同「ハイハイ♪」

皆がノリノリの中、ゲイツは顔を赤く染めながら網を引っ張る振り付けをこなしていた。
ラウ専用ゲイツ「くっ、絶対みんな殺す〃〃」

−−−−

リィナ「はい、閑話休題的なおゆうぎが終わったところで」
エイミィ「次は50m走です!」

リンディ「じゃあ行きましょうかシャアさん、F91さん♪」
シャアザク「うむ」
F91「はい♪」

ゼータ「頼む」
プレシア「行ってらっしゃいな」

ガン三郎「……な、なあクロノ」
クロノ「…………」

ガン三郎「若いのは分かるけど、なんでおまえの母ちゃんジャージじゃなくてブルマ?」
クロノ「本人は若いつもりだからね−−」

リンディ「何か言ったかしら?(笑顔)」
クロノ「……何もありませんι」

−−−−

フリーダム「えっと、こっちで出場するのはジャスティスとアルフとデスティニーだね」

ジャスティス「うん。行こうアルフ、デスティニー……てアルフは犬形態?」
アルフ「この方が速いからねー♪」

バスター「便利だよなー。ユーノはフェレットの姿で出ないの?」
ユーノ「いやぁ、変身して出てもザメルくんとかに間違ってひかれそうだからι」

レジェンド「大丈夫だ、運よく転んだ拍子にお腹に引っ付くかもしれん?」
なのは「そうだよ、試しにひかれてみなきゃわかんないよ♪」

デスティニー「Σ疑問系かよ!ど根性なアレじゃねえだろ!てか、ノリノリでレイジングハート構えんなオイ!!」

赤、白。それぞれが所定位置につき。スタートのピストルが上空に向けられる。
だが、そこでなのはやアリサがコースのうち一本−−ジャスティスが走る途上に地面が盛り上がっている事に気付く。

なのは「あれ……なにか埋まってるのかな?」
アリサ「ホント……なにかしら」

177名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 02:53:56 ID:ocbcI8oG
未来は誰にもうちおとっせなぁ〜い♪支援。
178リリカラー劇場:2008/01/29(火) 02:57:44 ID:5wHLkyVE
−−−−

リンディ「ふふ、ジャスティスさん。よろしくたのむわね♪」
ジャスティス「あ、はい」

デスティニー「どっちが速いか勝負だ、F91先輩……」
F91「うん。負けないよ!」

アルフ「……どっちが赤いか勝負だよシャア」
シャアザク「フフ……見せてもらおうか。フェイトの使い魔の赤さとやらを」

セイラ(ピンク色とオレンジ色に近い感じね……)

−−−−

セイラ「それでは、よーい−−」
セイラの言葉に彼らは一斉に身構え、ピストルが発砲されると一気に走りだす。
その中で踊り出たのはジャスティスであった。
仲間の快速に自分の事のようにフェイトやすずかは喜んでいる。

フェイト「ジャスティス、速い速い♪」
すずか「がんばってジャスティス」

だが、なのはやアリサは応援とはまったく違った言葉を彼にかける。

なのは「ジャスティスくんダメ、止まって!!」
アリサ「何かがうまってるわよ!!」

ジャスティス「えっ−−(カチッ」

二人の制止は遅かった……。

ドカァーンッ!!
リンディ「ジャスコくん!?」

デスティニー「Σ誰やねん!?」

−−−−

爆発に吹き飛ばされ、ジャスティスはコース外へと身体を持っていかれた。
シャアザク「じ……地雷?」
アルフ「だ、大丈夫かいジャスティス?」

犬形態から人へと姿を変え、アルフが駆け寄るとジャスティスはゆっくり身体を起こす。

ジャスティス「ああ、大丈夫だ……とっさによけたからたいしたケガはしてないよ」

なのは「よかった……」
レイダー「……で、なんで地雷なんか埋まってんだ!?事と次第によっちゃビーム吐くぞ!」
アリサ「そーよ、なんでそんなもの!!」

ガンダム「待ちたまえ! こんな話がある……3回目の運動会のとき。『運動会の会場に爆弾をしかけましたがソレはジョークでした』という話がありました。
それがじつはジョークじゃなかったんでしょう!! 以上!!」
フェイト「なぁんだ、そっかー」
すずか「じゃあ、しょうがないね」
アリサ「そうね……安心したわ」

デスティニー「Σしょうがないのか!?安心すんのソレで!?」

179リリカラー劇場:2008/01/29(火) 03:01:59 ID:5wHLkyVE
−−−−

リィナ「終わりましたかー?終わりましたねー? それでは次の競技に移りましょー♪」
エイミィ「え……良い……の?」
ガルマドップ「ま、よくある事だ♪」

ラウ専用ゲイツ(Σサラっと流した!?)

−−−−

エイミィ「つ、続いての競技はパン食い競争です」

GP02A「行ってくる」
アリシア「行ってきまーす♪」

アリサ「じゃあ行こ。すずか」
すずか「うん♪」

バスター「行ってらー」
フリーダム「頑張ってきてね」

なのは「えっと、あんパンなんだよね?パン食い競争って」
ガンダム「うん、だけど今回はフンパツしてクリームパンとか吊してるよー♪」

なのは「……今から出ちゃダメなの!?」
ガンダム「うん−−」
フェイト「ダメだよι」

ラウ専用ゲイツ「ふん……まだまだこれからだ……パンをぱくついて苦しむが良い!」

−−−−

GP02A「Σぐはっ、な、なんだこれは!!」
競技が始まり、一着の状態でチョココロネに噛り付いたGP02Aが苦そうな表情でそう叫ぶ。

GP02A「コーヒー豆じゃねぇか!!苦っ!」
アリサ「うげっ!? な、なによこのパン。さくらあんだからって桜の花びらぎっしり!?」
すずか「クリームじゃなくておしょう油がかかったプリン入ってる!?」

アリシア「Σわ、わさびツーン!お水お水ーっ(泣)」

リィナ「アリシアちゃんが逆転の一着♪続いてGP02Aさん、すずかちゃん、アリサちゃんになりましたー」

ガンダム「……そ、そんなにフンパツしたっけ?」
ターンA「桜の花びらぎっしり以外は知りませんね〜」
ゼータ「さすがに生はきついだろう味付けとか」

デスティニー「Σ突っ込むところが違う!!ふつうはあんこだろオイ!!」

−−−−

その後、第三、第四競技も妨害はやむことなく続いた。
それはコース上の電撃や大玉転がしの玉が鉄球にすり替わっているなど、悪質な障害物競走など……。

180リリカラー劇場:2008/01/29(火) 03:05:38 ID:5wHLkyVE
ギャン「想像して下さい……あなた方はスパイクシューズをはいてサッカーをしています。
ですが、芝生の上ではなく巨大な黒板だったら……」

なのは「い、イヤァァー!!」
ユーノ「耳が!耳がぁぁ!」

フリーダム「く、フリーダム過ぎるっ!!」

ギャン「想像して下さい……あなた方は一家だんらんで回転寿司にやってきました。
しかし……レーンは50kの速さで回っています。さらに椅子も回っています」

プレシア「あ、熱っ!茶わん蒸しがコースアウトしたわ!!」
リンディ「Σあ、赤だしが!!熱っ、熱っ!!」
シャアザク「Σちまたの回転寿司はバケモノか!」
ウィングゼロカスタム「く、すじこじゃないいくらが襲ってくる!!」

デスティニー「Σイヤイヤイヤ、障害じゃねーだろソレ!!」

ラウ専用ゲイツ「……これは知らんι」

そして−−
青い顔で完走を成し遂げ……倒れ込むMSがいた。
ガンダム「マークIIっ!」
リニス「大丈夫ですかっ!?」

ゼータ「……障害物競走の粉の中からアメをさがす箱の中の粉がすべて塩に……」

ガンダム「Σうわっ、キッツ!!」

ガン一郎「で……でもおめーゴールしたもんな!!根性見たぜ!!」

−−−−

赤組254点 白組248点

ガンダム「これまでにないくらいの接戦だね……」
フリーダム「そうなんですか?光栄です!」

ゼータ「だが……」
プレシア「まだ、勝負は決まってないわよ。貴女達」
フェイト「はい、お母さん……」
アルフ「くーっ、燃えてきたよ!」
リンディ「貴女の力を見せて下さい、なのはさん」

なのは「はいっ!」
ユーノ「がんばろう!」

ラウ専用ゲイツ「……おい……お前ら……なにか可笑しいと思わないのか……?ι」

デスティニー「……あんたは」
ガンダム「……だれ?」
フリーダム「さあ」

ラウ専用ゲイツ(Σしまった……ウラで暗躍しすぎたか……!!)

181名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 03:12:16 ID:ocbcI8oG
絶望は甘い罠♪支援。
182リリカラー劇場:2008/01/29(火) 03:14:10 ID:5wHLkyVE
−−−−

ゲイツからプロヴィデンスに姿を変え、彼はガンダム達に全てを告げる。
プロヴィデンス「私の名はプロヴィデンス!!あの3馬鹿を陰で操り、この運動会で貴様らを共倒れにし。ジュエルシードを手に入れようとしているのだ!(怒)」
ガンダム「…………」
フォビ丼、レイダー、カラミティ「…………」

ガンダム「で……けっきょく赤組なの?白組なの」
フォビ丼、レイダー、カラミティ「3馬鹿ってダレー?」

プロヴィデンス「あああああああ(怒)」

−−−−

ゼータ「ていうか、こんなときにそんなどーでもいい事をひっぱりだされても困る」
プロヴィデンス「どッ!? ま……待て!プレシア・テスタロッサ、お前ジュエルシードがほしくなかったのか!?」

プレシア「もう、興味無くなったから管理局(こっち)に全部預けたわよ」
リンディ「はい、慎重に保護しました♪」
プロヴィデンス「Σほッ!?」

プレシア「それに今私たちにとって重要なのはジュエルシード云々じゃない、ラーメンと蕎麦でもない……」
ゼータ「いま我々にとって重要なことはただ一つ」
フェイト「赤が勝つか白が勝つか……」
なのは「それだけなの!!」

リィナ『最後の競技をはじめますー』
レイダー「あ、ホントに?」
ガンダム「よーし、いこーみんな♪」

プロヴィデンス「…………」
ジ・O「……なんて声をかけていいのか……こう……いろいろアホらしくなるでしょう?」

SEED&ジュエルシードのごたごた・完

−−−−

リィナ「最終競技はみんながんばれつな引きです!!」


白組「オーエス、オーエス!!」
赤組「オーエス、オーエス!!」
一同「オーエス、オーエス」
だが……この時。リンディ達が危惧していたモノが近づいていた……。

がんたんく:んぐーーーーー〔ジジ…ジジジ…ジジジジジ!!〕

クロノ「オーエス……母さん、これは!!」
リンディ「次元−−」

がんたんく:あっ
ドッッカーーーン!!

がんたんくの無反動砲から放たれた衝撃は世界全域を覆い、次元震が起きた……。

ガルマドップ「……地震が起きるほど力んだのか」
リィナ「いつものことですがひさびさですねー」
エイミィ「……マジで?」

183リリカラー劇場:2008/01/29(火) 03:20:41 ID:5wHLkyVE
−−−−

リィナ「というワケで最後のつな引きは、次元震とかが起きましたがかなりギリギリで歴代+かんりきょくチームの勝ちです!」
エイミィ「Σさ、さくさく進めてる!?」
ガルマドップ「ああ、よくある事だ♪」
リィナ「点数がひいふう……てコトで逃げ切った赤組の勝利でーす♪おめでとうございます!」

ゼータ「勝ったか……」
フリーダム「はは、負けちゃったねι」
フェイト「うん、悔しい……でも、楽しかった♪」
アリシア「あはは♪またやりたいなー」
なのは「うん♪来年が楽しみ」
リンディ「次元震が起きちゃったけど……久しぶりに親子で楽しめたわね?」
クロノ「そうですね……はは」

みんなの爽やかな笑顔、勝っても負けても、頑張って楽しめた。
ちょっと大変な始まりだったけど。みんなで頑張って、新しい仲間との絆を繋いで……乗り切った運動会。
つい、感傷的になり。ガンダムとアレックスはじわりと涙を浮かべる。

ガンダム「うっ、よかった……っ」
アレックス「おにいさん……」

ガンダム「だってこんなにマトモにむかえられた運動会ってはじめてっぽくない?ぐすっ、ううっ!」

プロヴィデンス(いつもどんななんじゃい!!ι)

−−−−

たたかいおわって。一同は所属関係なしにひとつの巨大なシートにあつまり、お弁当をあけた。
勝利の音頭を3人のママが取り仕切る。
リンディ「さ、みんな♪桃子さんとプレシアさんと腕を振るったお弁当よ♪」
プレシア「おかわりはないけど−−」
桃子「この晴天の下で食べるお弁当の美味しさを味わって下さい♪」

一同「いただきます♪」

ガンダム「両チーム、おつかれー♪」

クロノ「ゼータ、お疲れ様」
ゼータ「クロノもな」

アリサ「あれ、ガン三郎は?」
ガン一郎「白塗りに向こう行ったー」
アリサ「分かったわ♪」
ゼフィランサス「サっちゃん、コーヒー豆苦かったんだー♪」
GP02A「っ……(怒)」
ステイメン「止めてよ、にーちゃん達ι」

すずか「サイサリスさ−−あι」

リニス「青空の下でのごはんはどうですか3人とも?」

カラミティ「あ、うまい」
レイダー「こーゆーの良いかも」
フォビ丼「雨ん中より百倍美味い……」
アリシア「でしょでしょ♪」
184リリカラー劇場:2008/01/29(火) 03:26:15 ID:5wHLkyVE
一つ離れた場所。
そこにガンダムとシャアはおにぎりを片手に皆の様子を見守っていた。

シャアザク「とりあえずは終わったな」
ガンダム「しかも。まともに、ぐすっ」

シャアザク「泣くな泣くなι」
ガンダム「もう数週間ぐらいたつのに……なのは達とすごい馴染んだよな」

シャアザク「まあな、ジュエルシードのおかげか?」
ガンダム「あはは、そーかも。フェイトもすっごい笑うようになったし」


なのは「ガンダムさん♪」
フェイト「シャア……」

ガンダム「お、どったの?」
シャアザク「ごはん食ってるか?」

なのは「うん、美味しくて食べすぎちゃいそうだよ♪」
フェイト「1番たのしくて、美味しくて……この楽しい時間が過ぎなかったら良いのに……」

シャアザク「それはみんなそうだろうな……でも」
ガンダム「いつもこんなんだとつまんないよ♪普段は仲良くしたいご近所様同士で、でもいろんなごたごたがあって、たまに一緒に集まって楽しんで、帰って。ぐっすり眠る。それで良いじゃん♪」

フェイト「ガンダム……うん。」
アルフ「ガンダムの言う通りだよ♪」

ユーノ「いろんなことを経験して、たまに楽しんで♪」
なのは「悲しいことも経験して、お話して……お友達になるの♪ ガンダムさん、シャアさん。いまさらだけどこれから、高町なのはをよろしくお願いします♪」

フェイト「私も…フェイト・テスタロッサもよろしくね二人とも♪」

ガンダム「こっちこそ”れんぽー”をよろしくな♪」
シャアザク「”じおん”や”えぅーご”もな♪」

なのは達「はい♪」
……こうしてジュエルシード事件はMS達と魔導師の少女達によって終結した。
本来ならジュエルシードは保護すべきロストロギア……だが、MS(かれら)や魔導師(かのじょら)からすれば。
思い出と新しい出会いに繋いでくれたダイアのようなものなのかもしれない。

魔法少女リリカルなのはFullcolor'S ジュエルシード編 完結。

プレシア「で……あなたはなんのためにジュエルシードが欲しかったの?」
プロヴィデンス「名前を覚えて欲しかった……ぐすっ」
プレシア「えっと……熊手ガンダムだったかしら?」

プロヴィデンス「プロヴィデンスだ!最後の最後で!(泣怒)」
185リリカラー劇場:2008/01/29(火) 03:31:20 ID:5wHLkyVE
以上です。ジュエルシード編は完結しました。次は闇の書編となります。
ではでは
〜あとがき〜

レジェンド「疲れたようだなデスティニー」
デスティニー「……誰のせいだと思ってんだ……特に3話」

なのは「ご、ごめんなさいι」
デスティニー「はぁ、俺達(種組)の出番はここまでだから……もうツッコミは誰かが変わって−−」

レジェンド「甘いな、唯一のツッコミ要員であるお前が今回で終わるはずはない!これからも喉がしわがれるぐらいツッコミを入れる事になる、第二期、第三期とな!」

フェイト「お願いね、デスティニー」
はやて「期待してるでー♪」
シグナム「これも修行だぞ」
シャマル「治療はするからι」
デスティニー「Σ長ぇよ、てか!アンタらの出番次だろっ!修行ってなんのだよ!なんの治療だぁぁ!」

ガンダム「(ぽん)あーその、なんだろ。俺も頑張るからι」
デスティニー「……頼む。助けてくれ……」
シャアザク「言っておくがツッコミ要員は多いようで少ないからな。片手で数えれるぐらいι」

デスティニー「Σ少なっ!」

ザフィーラ「その運命、果たせデスティニー」

デスティニー「Σいきなり出てきて、台詞それか!」

ルナ専用ザク「でないとアンタはバードウォッチング要員なんだから、監察するわよ?」
レジェンド「行動も記録するからな」

デスティニー「Σどこからどう見て鳥なんだよ、ウィングがいるだろ!?てか要員ってなんだオイ!ソレはただのストーカーだろーが!!」

スカリエッティ「ふふ、良いデータが取れた」
カリム「私のレアスキル「預言者の著書(プロフェーティン・シュリフテン)」にも貴方はツッコミ要員と出ています」
デスティニー「Σなんのやねん!あんたらまだ出番先だろオイ!」

ガンダム「ちゃんと俺達も頑張ってツッコミ入れるからι」
シャアザク「デスティニーだけにおいしい所はやらんからな」

ヴィータ「ソレ、あいつにちゃんと言ってやれよι」←ツッコミ要員決定


ガンダム&シャアザク「とゆうわけで皆、これからも応援よろしくな♪」

デスティニー『Σ綺麗に纏めて終わんなー!!(怒)』

186名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 03:32:29 ID:ocbcI8oG
どこから突っ込んでいいのか分からん(褒め言葉)

次元震すら華麗にスルーしたMS達となのはキャラにミネラルウォーター吹いた。
GJでした!
187名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 04:51:55 ID:RdZxt6Xa
SMC氏、電王氏、GJです! シリアス一辺倒ではさすがに食傷気味になりますので、こういうギャグ話も良いと思いますよ。
188フルメタなのは:2008/01/29(火) 13:21:24 ID:CC0+Fzpo
ウロスの方で告知しといた予告編、書き上がったので十分後に投下します。

今、人はいるのかな?
189名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 13:22:31 ID:J02nE+20
>188
人はいるのか、と聞いている!支援。
190フルメタなのは:2008/01/29(火) 13:30:29 ID:CC0+Fzpo
そろそろ投下。
予告編なので内容は短めです。
191フルメタなのは:2008/01/29(火) 13:36:49 ID:CC0+Fzpo
スンマセン、行が長過ぎるとかで、エラーをくらいました。
ちょっと待ってて下さい。
192フルメタなのは:2008/01/29(火) 13:44:34 ID:CC0+Fzpo
以上です。
思い付いた妄想をそのまま書き連ねました。後悔はしてません。
(反省はしますが)
193フルメタなのは:2008/01/29(火) 13:47:03 ID:CC0+Fzpo
あれ!?
さっき確かに「書き込みました」って出たのに!?
194名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 13:53:29 ID:tpp952Oj
>>193
もちつけ、一行目の改行を取って行をつめるんだ。
一行目が改行だと新しい規制モードに入って、
問答無用で記事が消失するぞ!
195フルメタなのは:2008/01/29(火) 13:56:27 ID:CC0+Fzpo
そうだったのか!
今急いでやり直します!
196フルメタなのは:2008/01/29(火) 14:00:19 ID:CC0+Fzpo
新暦0076年
リンカーコアが極端に縮小する奇病がミッドチルダを襲った。

元々リンカーコアの大きかった一部の者を除き、人々の多くは魔法の使用が困難となり、ミッドチルダの文明、及び管理局は崩壊の危機を迎えた。

事態を危ぶんだ管理局はデバイスや魔導士の肉体を改造し無理やり魔法を使用し続ける道を選択する。
だが、リンカーコアを介さず使用した魔法は肉体を徐々に蝕み、呪素と呼ばれるそれに完全に汚染された人間は、人の人たる形を失った異形の存在〈魔族〉と化し、人を襲う事件が多発した。

そんな時、とある科学者がリンカーコア無しで魔法を使用する手段〈モールド〉を開発。
使用回数という制限が有るものの、人は魔法の恩恵を再び得始めた。

されど、新しい技術は新しい犯罪を呼ぶ。管理局りに反感持つ過激派が、テロという形で意図的に魔族事件を引き起こし始めた。

「お願い!魔族を倒すのに、あなたの力を貸して!」

「俺はモグリだ。俺を使えばアンタの経歴に傷がつくぜ、フェイト・ハラオウン執務官?」

それを狩るのは、戦闘用モールドを身に付け、魔族化する危険と隣り合わせになりながらも戦う魔法使い、タクティカルソーサリスト。通称ストレイトジャケット。

「人の命が、かかっているんですよ!?」

「人の命なんてのは、この世で最も値引きが効く物さ。」

そして、魔族化を恐れず闘い続ける男、レイオット・スタインバーグ。

「あなたは、何の為に戦っているの?」

「死に場所を見つける為、かな。俺には大事な物も、大切な人ってやつもいないから。」

戦いの先に、男が見つける物は――

「〈マグナ・ブラスト〉――イグジストッ!!」

リリカルなのは×ストレイトジャケット

連載は未定

これが本文です。あー、無駄に何レスも使って何してんだろ俺……
197名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 14:08:42 ID:tpp952Oj
もつかれ〜
198名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 14:13:08 ID:5Bux2DEN
>>122リリカル×アセリア氏
まとめサイト読んで気付いた事が
『テムリオン』では無く『テムオリン』ですよ
199名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 14:57:19 ID:I3XnRn/E
>>198
氏ではないが
「HAHAHA、なにをバカなことを」
と思いつつググると…
200名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 14:59:54 ID:tpp952Oj
リオン、ガーリオン、テムリオン……

違うか。
201リリカルSD戦国異伝:2008/01/29(火) 16:01:32 ID:6W2QTpql
SD戦国伝クロスで投下に治野錬術(ちゃれんじ)
したいんですが構いませんねッ!?

プロローグだけなんで
リリカルでもマジカルでもありませんが。
202リリカルSD戦国異伝 1/3:2008/01/29(火) 16:16:30 ID:6W2QTpql
予告から十分経ったので、投下を開始致します。


立ちこめる暗雲、乾いた大地。
そして、おびただしい数の、死体。

どこまでも暗く、鬱屈した雰囲気の漂う、戦場。
その戦場の中央に、周囲の暗闇よりもなお暗い闇と、それを包囲する影の群れがあった。

永きに渡り対峙していた闇と影であったが、
突如、闇を包囲していた影の群れから八つの影が飛び出すと、正八角形の陣形を描いた。
すると、陣形が眩いばかりの光を放ち始めた。その陣形の中央に向け、一つの影が突っ込んでいく。
影は闇に向けて手にした剣を振りかざし、そして、光の陣形の中心を通った瞬間、激しい閃光と共に……消えた。

  リリカルSD戦国異伝
プロローグ 『転移! 激戦の果てに』

一瞬の静寂の後、徐々にナニかの形をとり始めていた『闇』が、口を開いた。
『貴様ラ…一体ナニヲシタノダ!?』
「知れた事!貴様を滅せんがために…我らの希望を送り出した!唯其れだけのことよ!」
闇と対峙し、そう言い放ったその影は、正八角形の陣形よりもなお美しい光を、その身から放っていた。
「兄者!いや、大将軍様!我らのかねてからの悲願…ようやく!」
「ああ…だが、我らの仕事はまだ終わってはいないぞ?足止めをしなくてはならんからな。」
大将軍と呼ばれた輝く影は、闇を油断無く睨みつける。
何しろ彼らの目の前に在る『其れ』は、彼らが八人掛かりで行った儀式の力を、
其の身一つで賄うことができるほどの存在なのだから。
203リリカルSD戦国異伝 2/3:2008/01/29(火) 16:20:12 ID:6W2QTpql
『オノレ…オノレオノレ己おノれオノれオノレ御のれオノレおのれぇえええッ!
 忌々しい…ムシケラ共めガぁッ!!』

憎しみを込めた、聞くもおぞましい声で『闇』が咆哮する。
その姿は既にはっきりとした輪郭を取り、本来の姿を見せ始めている。
『貴様ら虫ケラ共のちっぽけな策略などに!乗せられるものかァアアッ!』
そう叫ぶと、正八角形の陣形を形作っていた影達を其の巨腕でなぎ払った。
そして、先ほど影が飛び込んでいった辺りをその爪で思い切り切り裂くと、空間が割れ、穴が開いた。
『あの若造が貴様らの希望だというならば…ワシ自ら、その希望を断ってくれようぞ!』
「そうはゆくものか!皆の者、これが我らの最後の仕事だ!」
穴へと飛び込もうとする『闇』の前に大将軍と無数の影が立ちはだかる。
だが、『闇』はそれらをなぎ払おうと腕を振るい、歩を進めていく。

やがて、『闇』に対峙するものは大将軍一人だけとなった。

『グハハハハ!これであとは貴様だけだ、大将軍!大人しくそこを通すがいい!』
「断る!今は亡き先代の大将軍様のためにも、この世を二度と闇に包ませはしない!」
なおも穴へと向かおうとする『闇』を押し返そうと奮迅する大将軍。
しかし、少しづつ押されていき…ついには、『闇』の穴への侵攻を許してしまう。
「クッ…ここまでか!?」
『これで終わりだ!大将軍め!』
「…いや、まだだ!影荒駆主!」
大将軍の叫びに応え、姿を現す一つの影。
それは、先ほど陣形に飛び込んでいった若者と似た男。影武者・影荒駆主であった。
204名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 16:23:44 ID:tViOH4Vn
支援
205リリカルSD戦国異伝 3/3:2008/01/29(火) 16:24:42 ID:6W2QTpql
大将軍は額に手を当てると、光り輝く結晶を取り出し、其れを影荒駆主へと投げ渡した。
「大将軍様!?これは!」
「荒駆主が無事戻ったならば、その頑駄無結晶を渡しておいてくれ…頼んだぞ!ハァッ!」
『何ッ!?』
穴へとその身を埋めようとする『闇』に割り込むように、大将軍は空間に開いた穴へと身を躍らせる。
すると穴はその形を歪め始めた。無理矢理に通ろうとしたために、オーバーロードを起こし始めたのである。
『大将軍、貴様ッ!こんな事をすれば、貴様も時の嵐に巻き込まれるぞ!』
「承知の上よ…!私と共に、逝くが良い!闇よ!」
穴の中へと大将軍と『闇』が消えると、穴は急激に縮み、閃光と共に消えた。

「大将軍様!大将軍様ぁあああーーッ!!」

戦場から、全ての命が消えた。
そして後に残ったのは、影荒駆主の悲痛な叫びのみであった……

}次回を待て!{
206リリカルSD戦国異伝:2008/01/29(火) 16:28:33 ID:6W2QTpql
というわけで、投下完了。

愛とリビドーだけが友達です。

一応、A'sとのクロスになります。

そして、次回を待て!
207リリカラー劇場:2008/01/29(火) 16:33:29 ID:5wHLkyVE
>>フルメタ氏
GJ、なんだかカッコイイクロスと感じました頑張って下さい。

>>戦国伝氏
あらたな武者頑駄無到来にktkr。GJです!
208名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 16:45:19 ID:XQOfabOi
>>戦国異伝氏
な、なつかしー! 天下統一編だよー!
俺の始めて買ったプラモは元祖SDの武者荒烈駆主だったなあ……。
209スーパーロボット大戦X:2008/01/29(火) 16:46:54 ID:cqYaVIJ6
えーと、ウロスの方では夜になりそうと言ったのですが、
リアル事情予定よりも早く終わったので、5時半ごろにチェンジリリカルなのはA’Sの最終話を投下したいと思います。
210リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2008/01/29(火) 17:22:11 ID:B2rd2aLw
ウワオ、自分以外にも武者魂を持つ者が!?
三代目大将軍=初代武者頑駄無は原作上出て来れないので、
そっちの乗り物酔い野郎はお任せしますね
211スーパーロボット大戦X:2008/01/29(火) 17:30:09 ID:cqYaVIJ6
さてと投下しますかな。最終回です!

 最終話 帰還!! さらば魔導師!

 倒れたはやてをアースラへと連れて行き、はやての命に別状は無いがリインフォースは一緒にいるヴォルケンリッターに重要な事を告げる。

「私は、夜天の魔導書本体は遠からず新たな防御プログラムを生成し、また暴走を始めるだろう」
「やはりな」

 予想していたようにシグナムは答える。

「修復は出来ないの?」
「無理だ、管制プログラムの私の中から夜天の書本来の姿が消されてしまっている」

 シャマルの問いにリインフォースは首を振って答える。

「主はやては大丈夫なのか?」
「何も問題はない。私からの侵食も完全に止まっているし、リンカーコアも正常作動している不自由な足も時をおけば自然に治癒する」

 その言葉にシグナムたちは安心した顔をする。

「そう。それならまぁ、良しとしましょうか」
「あぁ、心残りはないな」
「防御プログラムがない今、夜天の書の完全破壊は簡単だ。破壊しちゃえば暴走することも二度とない。代わりにあたしらも消滅するけど」
「すまないな、ヴィータ」
「何で謝んだよ、いいよ別に……こうなる可能性があったことぐらい皆知ってたじゃんか」
「いやお前達は残る」
「え?」
「逝くのは私だけだ……」

 リインフォースの言葉に皆が驚く。リインフォースの話によるとはやては守護騎士プログラムを修復するのと同時に守護騎士プログラムと夜天の書本体とは完全に分離させていたのだ。
 そしてリインフォースはクロノとユーノを通じてなのはとフェイトに自身の破壊を頼む。
 その話を竜馬は陰で聞いていた。

(簡単に消えると思わんがな……)


 朝になり桜台林道でリインフォースは雪が降る海鳴の街を見つめているとようやくなのはとフェイトが到着する。

「あぁ、来てくれたか」
「リインフォースさん」
「そう呼んで、くれるのだな」
「あなたを空に帰すの私たちでいいの?」

 フェイトがリインフォースに尋ねる。

「お前達だからこそ頼みたいんだ。お前達のおかげで私は主はやての言葉を聞くことが出来た。主はやてを喰い殺さずにすみ、騎士たちも生かすことが出来た。感謝している。だから最後はお前たちに私を閉じて欲しい」
「はやてちゃんとお別れしなくていいんですか?」
「主はやてを悲しませたくないんだ」
「リインフォース」
「でもそんなの……なんだか悲しいよ」
「お前たちにもいずれ分かる。海より深く愛し、その幸福を守りたいと思える者と出会えればな」

 そう言ってリインフォースは優しく笑う。そして、シグナムたちも到着する。

「そろそろ始めようか……夜天の魔導書の終演だ」
212スーパーロボット大戦X:2008/01/29(火) 17:31:22 ID:cqYaVIJ6
 その頃はやては自宅のベッドで目を覚まし、リインフォースが消えようとしている事を知る。

「リイン……フォース……」


 リインフォースを囲むように守護騎士達が後ろに、なのはとフェイトが左右でデバイスを持ち魔法の準備を整える。

『Ready to set』
『Stand by』

 レイジングハートとバルディッシュによって、魔法の準備が完了した事が告げられる。

「ああ、短い間だったがお前達にも世話になった」
『Don’t worry(気にせず)』
『Take a good journey(よい、旅を)』
「ああ」

 レイジングハート達に礼を言うリインフォース。
 まさに、別れのときが迫っていた。その別れに身を震わせるヴィータの肩を強く握るシグナム。
 そんな時、ある人物が現れる。

「リインフォース! 皆ーーー!」

 その声ははやてのものだった。はやてはリインフォースが消えようとしているのを知り、急いで車椅子を飛ばしてきたのだ。
 はやてが来たのでヴィータが動こうとする。

「動くな! 儀式が止まる」

 リインフォースの言葉に動きを止めるヴィータ。

「あかん! やめてぇ! リインフォースやめてぇぇぇ!!」

 リインフォースの展開する魔法陣の直ぐ側へとやってくるはやて。

「破壊なんてせんでえぇ! 私がちゃんと抑える! 大丈夫や、こんなんせんでえぇ!!」

 はやての必死な叫びに皆は戸惑う。
 しかし、意志を固めたリインフォースの決意を崩す事は誰であろうと出来ない。

「主はやて。いいのですよ」
「いい事無い。いい事なんて何もあらへん!」

 はやての必死な叫びにとても暖かい気持ちとなるリインフォース。

「随分と長い時を生きてきましたが、最後の最後で、私はあなたに綺麗な名前と心を頂きました」
「リインフォース……何言ってるんや。やっと家族全員揃ったばかりやないか。
こんなお別れなんて、絶対嫌や……嫌なんや」
「騎士達はあなたの側にいます。何も心配はありません」
「心配とかそんなん……」
「だから……私は笑って行けます」

 その言葉に、フルフルと震えながらも言葉を出し続けるはやて。

「話聞かん子は嫌いや! マスターは私や。話聞いて」

 はやては泣きながらも必死にリインフォースを止めようとする。
213スーパーロボット大戦X:2008/01/29(火) 17:32:02 ID:cqYaVIJ6
「私がきっと何とかする。暴走なんてさせへんて約束したやんかぁ……」
「その約束は、もう立派に守って頂けました」
「……リインフォース!」
「主の危険を払い、主を守るのが魔導の器の勤め。あなたを守るための最も優れたやり方」
「やっと、やっと救われたんやないか……」
「……私はいつもあなたの側にいます」
「そんなんちゃう。そんなんちゃうやろう…リインフォース!」
「駄々っ子は友人に嫌われますよ。聞き分けを我が主」

 はやてはさらにリインフォースに近づこうとするが雪で積もって出来た膨らんだ部分に車椅子の車輪が引っかかりはやては前に倒れてしまう。

「「はやて(ちゃん)!」」

 なのはとフェイトははやてを心配するが、今動くわけにもいかない。

「……なんで、これからやないの……これからうーんと幸せにしてあげなきゃいかんのに」
「大丈夫です」

 リインフォースははやてに近づき、はやての頬をそっとやさしく撫でる。

「私はもう、世界で一番幸福な魔導書ですから」
「……リインフォース」
「主はやて、1つお願いが……、私は消えて小さく無力な存在になります。私の名は、その欠片ではなく。
あなたがいずれ手に入れるであろう……新たな魔道の器に送って頂けませんか。祝福の風リインフォース……私の魂はきっとその子に宿ります」
「……リインフォース」
「はい。我が主」

 リインフォースは元の位置へと戻り、夜天の書の横に着くと目を閉じる。

「主はやて。守護騎士たち。それから強気思いを持つ小さな勇者達」

 リインフォースは光に還ると思われたが、何故かリインフォースは消えない。

「!? どういうことだ!?」

 周りは驚くが一番驚いているのはリインフォース自身である。

「何故、私は消えないのだ?」
「当たり前だ!」

 リインフォースはその声がするほうへと向く。その声は上空にいた真ゲッター、つまり竜馬のものである。

「竜馬さん!」

 真ゲッターはゆっくりと地面へと降り、解除して竜馬は元の大きさになる。

「どういうことだ? 流竜馬……」

 シグナムが竜馬に聞く。

「リインフォースだったか? お前、自分の体の変化に気付いてないのか?」
「私自身の変化だと……?」

 リインフォースは一生懸命考えるが、自分は再び防御プログラムを形成させて、またはやてを苦しめてしまうことしか思いつかない。

「私がこのまま残ったらまた主はやてを殺しかねないのでは……」
「もっとよく考えてみろ。お前は俺のゲッター線を取り込んでるんだぞ」
「ゲッター線……」
214名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 17:32:36 ID:7v18MY8z
支援
215スーパーロボット大戦X:2008/01/29(火) 17:32:48 ID:cqYaVIJ6
 その言葉に皆が考え、一番最初にはやてがある答えを導き出す。

「竜馬さん、それってまさか……、あの防御プログラムに関係してる事やないやろか?」
「そうだ」
「まさか、リインフォースさん自身も……」

 なのはもあることに気付き、他の皆もようやく気付くが、ヴィータとリインフォースはまだ気付かない。

「なあ、どういうことだよ!? ちゃんと説明しろよ!」
「ヴィータ、お前が防御プログラムと戦った時、流竜馬は何て言ってたか覚えているか?」

 シグナムがヴィータに質問し、ヴィータは一生懸命思い出し、ようやく気付く。

「それ、本当かよ!?」
「まさか……、いやありえない……」
「やっと気付いたか」

 竜馬はようやく気付いた面々にため息をつく。

「そうだ。防御プログラムが進化したようにお前もゲッター線で進化してんだよ」

 そうなのだ、竜馬のブラックゲッターのゲッタービームを吸収した時はまだ防御プログラムとリインフォースは分離していなかったのだ。
 分離した際にゲッター線を防御プログラムに持っていかれたと思ったら実はそうではなくリインフォース自身もゲッター線の影響で進化していて、
 分離した際に二度と防御プログラムが形勢されないように防御プログラムの根源を完全破壊していたのだ。
 ちなみにまだリインフォースと分離してない時に真ゲッターに腕を斬られてもすぐに再生したのはゲッター線の進化によるもの。
 そしてリインフォースの進化はそれだけでなく、今消えようとしてもリインフォースの能力は今まで以上になり、簡単に消える事は無いのだ。

「まさか、それは本当か?」
「俺が言うんだ。間違いないだろ。俺はゲッターに乗ってるんだぜ。俺を信じろ!」

 竜馬は怖い笑顔でリインフォースに答える。

「じゃあ、リインフォースは……」
「ああ、ずっと一緒にいていいって事だぜ」
「リインフォース!」

 はやては一生懸命に置きあがり、リインフォースに近づこうとするが、足がまだ不自由なので立つ事が出来ない。
 そこにリインフォースが来てはやてを強く抱きしめる。

「主はやて、私は……、私は……」

 リインフォースとはやてはお互い強く抱きしめながら泣く。
 そこにヴォルケンリッターもやってきて皆泣きながら、抱きしめあおうとする。
 その様子を見てなのはもフェイトも泣くが竜馬に尋ねる。

「ねえ、竜馬さん。その話本当?」
「俺が嘘つくと思うかよ?」

 なのはとフェイトは今までの竜馬の言動を思い出す。
 竜馬はたびたびクロノとよくもめてはいたが、嘘をついたことは無い。

「そうだね……。竜馬さん嘘は言ったことないもんね」
216スーパーロボット大戦X:2008/01/29(火) 17:33:37 ID:cqYaVIJ6
 数日が経ち精密検査の結果リインフォースの体は竜馬の言うとおり進化していたので防御プログラムを形成する事は二度とないことがわかる。

「ゲッターの戦士、流竜馬。感謝する」

 リインフォースが竜馬に頭を下げて感謝する。

「別に、俺はただ本当のことを言っただけだぜ」
「お前がいなかったら私はあのまま主はやてと別れていただろう……」
「そんなもん俺じゃなくてゲッターにでも言うんだな」

 竜馬はそっけない態度でその場を去った。
 そして12月31日にようやく竜馬のいた世界がわかり、竜馬は帰ろうとする。

「竜馬さん、お別れはつらいですけど、元気で……」
「ああ、それにはやくインベーダー共を皆殺しにしねえと俺の宇宙が大変そうだしな」
(この人は本当に怖い事を平気で言うな……)

 ユーノは心の中で竜馬の怖さを改めて思う。

「おい、クロノ」
「何ですか?」
「これ返すぜ」

 竜馬はクロノに真ゲッターのデバイスを投げ渡す。

「あっちに帰ったところでそれは使わねえし、それに奴らを倒すには本物のゲッターじゃないと意味ないしな……」
「そうですか、僕も竜馬さんにこれを返します」

 クロノが取り出したのは竜馬から取り上げていた拳銃であった。竜馬は拳銃を自分の懐にしまう。

「え? 竜馬さんそれ何のために使う気何ですか?」

 フェイトが竜馬に尋ねる。

「これは隼人のだ。隼人が俺をはめたから全ての決着がついたら撃っていいって言って俺に渡したもんだ」
「竜馬さんはその隼人って人を撃つんですか?」

 今度ははやてが竜馬に尋ねる。

「さあな、最初は撃つ気だったが、今はもうわかんねえよ。それよりも俺はいくぜ」

 竜馬はそう言ってゲートをくぐろうとする。

「竜馬さん、お元気で!」
「さようならーーーーーーーー!」

 なのは、フェイト、はやて、ユーノ、クロノ、エイミィ、アルフ、リンディ、シグナム、ヴィータ、シャマル、そしてリインフォースが竜馬に向かって手を振りさよならを告げる。
 竜馬はそれに答えるかのように怖い笑顔で答える。

「ああ、またな!」

 そして竜馬はゲートをくぐり光の中へと消えていった。
217スーパーロボット大戦X:2008/01/29(火) 17:34:46 ID:cqYaVIJ6
 竜馬はゲートをくぐり、目を覚ますとそこは月に打ち上げられていたゲッターロボのコックピットの中であった。

「俺は夢を見ていたのか?」

 竜馬はなのは達の今まで思い出が夢だったのかと思うがそうではないかもしれないとも思う。
 竜馬は自分がいなくなって既に13年が経っていた事を知る。

「あれが夢だろうと俺には関係ねえ。俺はインベーダー共を皆殺しにするまでだ」

 竜馬は月に残っていたゲッターロボを一人で修復改造し、そして地球へと降り立った。
 すべてはインベーダーを皆殺しにする為に……。


 魔法少女(チェンジ!!)リリカルなのはA’S 次元世界最後の日 完
218スーパーロボット大戦X:2008/01/29(火) 17:38:28 ID:cqYaVIJ6
投下完了。これで真ゲッターの話は終わりです。
リインフォースが生き残る設定はどうでしたでしょうか?防御プログラムがゲッター線で進化したならリインフォースも進化していてもおかしくないと思いこんな感じにしました。
やはり別れや消える時の事を書くと悲しくて書くのがつらくなります。
自分では納得のいく終わりだと思います。
新作ネタは思いついてないのですが、反目さんの「片翼の天使」第17話の全員集合を見て、
スパロボXのIFストーリーでも同じような事を書こうと思い現在執筆中です。
219名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 18:00:16 ID:BLQLJMGK
GJ、面白かった。
220魔装機神:2008/01/29(火) 18:42:34 ID:1haNe1UJ
7時ごろに投下します
221名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 18:46:14 ID:A1QxN67N
どっちでも支援
222名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 18:46:28 ID:fZAMgtTl
>>スパロボX氏
乙でした、さすがはゲッター線だ物理法則も何も有ったもんじゃねぇぜ
223旅ゆく人:2008/01/29(火) 18:48:38 ID:ADn7V5Kt
晩になりました、なのはクロススレの皆さん。

自分、十時頃投下してみたいなー、
と思ってンですが、どないなモンでしょ?
224名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 18:54:07 ID:v3hGpuYD
>>223
おk〜って言いたいところだけどロングパスすぎない?
丁度混む時間だから九時ごろもう一回聞いてみたらどうかな?
225魔装機神:2008/01/29(火) 18:59:29 ID:1haNe1UJ
ちょっと早いですけど、ほのぼの嘘予告をやってみたいと思います。
226魔装機神:2008/01/29(火) 19:02:40 ID:1haNe1UJ
「ん?」
スバル・ナカジマは自分の目に差し込める朝日で目を覚ました。
時間はおよそ6時半頃。
「ん、ん〜〜〜〜」
スバル・ナカジマは思いっきり背伸びして自分の布団から出る。
ベッドではない、布団である。
彼女が現在所属している時空管理局遺失物管理部機動六課は先のジェイル・スカリエッティ事件。
通称J・S事件の際に隊舎が全壊してしまった。
現在ではJ・S事件も解決し、その隊舎もまた立て直すのかと思いきや、意外な展開が起こる。
J・S事件の際に時空漂流者としてこの世界に流れ着いた人物の一人によって、新しい隊舎が建てられたのだ。
驚くべき事に、その人物はおよそ15秒ほどで新しい隊舎をたてたのだ。
しかも、耐震強度も何もかも完璧。どこぞの一級建築士も唖然とするほどである。
だが、少々問題な所もある。
まずはその隊舎そのものだ。
確かに強度面から見ればたいしたものだが、いかんせん空調設備などが付いていない。
まあ、それぐらいなら取り付ければいいだけだから、それは別としよう。
一番の問題は、その隊舎事態の風貌にある。
この新しい隊舎、見た目はある星の出身者である自分の上司のいる世界のお城そのものなんだとか。
想像してほしい。
近代的な建築物の中央に、戦国時代にあるようなお城が立っている。なんともシュールな光景だ。
しかも、その最上階と門(入り口)には達筆な筆で「時空管理局遺失物管理部機動六課城」と書かれているのだ。
正直、恥ずかしいことこの上ない。
しかし、上のほうは「ユニークでいいじゃないか」といってその新しい機動六課の隊舎のこのままですることに同意したのだ。
そんな事があったが、なんとか新しい隊舎、もとい六課城にもなれ、機動六感メンバーは擬似戦国ライフを楽しんでいる。
こうして、今日も機動六課の1日が始まった。

スバルは起床して訓練着に着替え、廊下(縁側)を歩く。
「おお、これはナカジマ殿!」
と、朝っぱらからやけに元気でいて、やけに暑苦しい男性がスバルに挨拶をする。
その人物は頭に鉢巻をしていて、全身の衣装は赤く、自身の性格も燃えるような熱き魂で出来ているような少年だった。
「あ、幸村さん、おはようございます」
スバルもその少年、真田源次郎幸村に挨拶する。
「本日も快晴で、まっこと鍛錬日和でございますなあ」
そう言って、幸村は朝日を見る。
確かに、今日は雲一つない快晴で、気持ちがいいのは確かだ。
ただ……
「あの〜幸村さん。別に敬語なんて使わなくていいですから、普通にはなしてください。同僚に話す感じで」
この幸村と言う人物。性格は熱血なのだが、意外と話し言葉は丁寧で、熱血な敬語を話しているのだ。
しかし、幸村はなりませぬ!とスバルを見る。
「このような世界へ飛ばされた我等をこうまで歓迎し迎えてくださった。
そのような方々にそのような言葉など、恐れ多くて使えませぬ!!」
そ、そうですか、と半分引き気味で堪えるスバル。
まあ、元からそういう性格なんだろうなあ、と自己完結した。
「それで、幸村さんは朝早くに何か用なんですか?」
スバルに言われ、ぽんと手を打つ幸村。
そういえば忘れるところだった。
「拙者は親方様に朝のご挨拶に伺うところでござった。ナカジマ殿もご一緒に参られますか?」
227名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 19:04:08 ID:7v18MY8z
支援?
228魔装機神:2008/01/29(火) 19:04:49 ID:1haNe1UJ
幸村の言葉にう〜〜ん、と考えるスバル。
彼の言う親方様とは、この六課城をたてた張本人、武田信玄である。
勿論、親方といっても武田組などといった大工の親方ではなく、れっきとしたなのはの世界でも有名な戦国武将である。
それを聞いたとき、嘘だ、こんなの嘘だ……と隊長陣は頭を抱えたという。
どうやら想像していた人物とかなり違うらしい。
まあそれはおいておいて、スバルはそれじゃあ私も行こうかな、と同行する事になった。
こうして二人はこの城を建てた張本人、武田信玄の私室の前に立つ。
「親方様、おはようございます!」
幸村は元気欲ふすまを開けて挨拶をする。
しかし、その私室はものけのからで、誰もいない。
「散歩にでも出かけたのかな?」
そう思い、周囲を見ると机の上に一つの置き書きがある。
幸村はそれを手に取ると、この時代なのに筆で「鍛錬場に来い」と書かれていた。
「鍛錬所……訓練所のことかなあ?」
そこしか思い当たるところがないスバルはう〜〜んと考える。
そう思ったときだった。
「きゃああぁぁーーー!!」
ある女性の悲鳴が聞こえ、あ……とスバルは思い出した。
「ティア起こすのすっかり忘れてた」
おそらく、起きたときの時刻を見ての悲鳴だろう。
ティア、意外と朝弱いからなあ……と何度か自分が起こしている事を思い出す。

「この腑抜け者があ!!」
訓練所にとてつもなく大きな声が響く。
幸村を含めたフォワード陣は訓練場に付いたのだが、それを見てその声の主、武田信玄は叫んだ。
その相手は、先ほど悲鳴を上げ、髪を整える暇がなかったティアナだった。
しかし、ティアナともどもフォワード陣は愚か、特にいる隊長陣でさえ声あまりの声の大きさに耳をふさいだ。
どんな声を出してんだよ、と内心つぶやくヴィータ。
「寝過ごしなど、武士にとってあるまじき失態!さらには誰かに起こされるなど、笑止千万!!」
「も、申し訳ありません」
ティアナは何とか耳を開け信玄を見る。
信玄はとても厳しい目でティアナを見る。
「歯を食いしばれぃ」
「は?」
「歯を食いしばれといっておる!」
「は、はい!」
ティアナは言われるがままぐっと歯を食いしばる。
それを確認して、震源も構える。
「きけい!これは愛の鞭だ、しかと受けとれぃ!」
そういったとたん、ぐっと力をいれ、信玄は全力でティアナを殴り飛ばした。
普通、殴られただけでも普通はよろけるか少し吹き飛ぶぐらいだろ。
しかし……
「ティアアァーーーーーーーー!!」
スバルは原作8話のごとく叫び、おもいっきりふき取んでいくティアナを見る。
ティアナは殴られた瞬間水平に吹き飛び、500メートルほど吹き飛ばされた。
それを見て、あ…あ…と恐ろしい目で信玄を見るなのはたち。
普通、殴っただけではあれだけ飛ばない。飛ばないはずだ。
ふきとんだのを見ると、信玄はスバルを見る。
229魔装機神:2008/01/29(火) 19:06:26 ID:1haNe1UJ
「スバルよ」
「は、はい!」
よくティアナを起こしていたのは自分だ。
甘やかすな!と自分も殴られるものだと思いぐっと歯を食いしばる。
「よくぞ他人のためにこうまで尽くした。その点ではほめてやろう」
「え?」
まさかの言葉に、一瞬きょとんとしたが、ありがとうございますと信玄を見る。
「だが覚えておけ、そのような甘えは人のためあらず。心するように」
「わ、解りました」
そこでだ、と信玄は幸村とスバルを見る。
「本来ならば、我々武田流儀の試練をおぬしらには見てもらうだけの予定だった。
ずあが、しかし先ほどのこともある。おぬしも幸村と共に試練に挑んでみせい」
え?と信玄を見るスバル。
まあつまりは……
「私も今からすることに参加すればいいんですね」
「うむ」
信玄に頷きに、はいと答えるスバル。
その元気のよさに、信玄も頷く。
と、今度はなのはを見る信玄。
「それでは少しここを借りる」
そういうと、信玄はさきほどから刺している巨大な斧を持つ。
今回のフィールドは森。
「ぬうぅぅりゃああぁーーーーーーーー!!」
そして気合と共に信玄は斧を振るう。
それと同時に、部下利と少しずる竜巻が発生する。
それを見て、あいつロストロギア級にやばくねえか?塗布と疑問に浮かんだヴィータだが、ここでは気にしない。
そうこうしているうちに、その竜巻によって木は飛んでいき、皮をはぎ、
何故か建築用の木ザとなって君建てていき、あっという間にお城が出来上がる。
そして信玄は飛び上がり、城の最上部ねとたつ。
「幸村、スバルよ!わしが出す試練に挑み、見事乗り越えて見せよ!!」
ビシッと斧を構え、遥か下にいる幸村とスバルを見る。
「はい、わかりま「うぅおおおおぉぉ!果たして見せますぞおぉぉーーーーーー!!!」」
幸村は背後に炎を発しながらその館へ入っていく。
スバルはその迫力に圧倒されながらも幸村の後に続くのだった。
魔法英雄(ヒーロー)リリカルBASARA 武田家の日常、熱血!武田一瞬館 始まるわけがありません
230魔装機神:2008/01/29(火) 19:08:54 ID:1haNe1UJ
投下完了。
……すみません、なんか奇妙な電波を受信して書いてしまいました。
まあ、ねたと思って呼んでくださればOKです。
231名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 19:10:26 ID:RrIXX5C4
許して欲しかったら続きを書くんだw
232名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 19:10:55 ID:i9hSYlGA
これは続きを期待せざるを得ないなww
233リリカルlain:2008/01/29(火) 19:17:10 ID:qX/sqJwJ
続きを投下します いつもどおりさらっと読める程度の容量なので、
気が向いた時にでも宜しくどうぞ
234リリカルlain 4a:2008/01/29(火) 19:18:57 ID:qX/sqJwJ
「──それでね、ディバインバスターを波状光線にして発射しようと思ったんだけど、エクステンションみたいに
巧く行かなくて……シューター系じゃ威力が届かなくて駄目っていう状況になると、どうしても砲撃系ってなっちゃうし」
「ディバインバスターは砲撃魔法の中でも唱え易さに比べて効果が高いからね、逆に術式のプログラムが綿密なんだ。
今度その時組み立てた術式のソースを見せてくれないかな。実際に術式を見ると、もっと深く突っ込んでアドバイス
出来ると思うから」
「うん。明日の教習でも緊急避難時の障害物撃ち抜きをやるから、ユーノくんに渡す分のプログラム、空組みして
レイジングハートに保存しておくね。明日、メールに添え付けして送っておくから」
「どうしても術式組成の時点で躓いてしまうなら、その段階からレイジングハートに頼ってみたらどうだろう。
なのはは術式の組成もそうだけど、詠唱の方の適性が低い訳じゃないんだから」
「う〜ん、それも考えたりするんだけど、何でもかんでもレイジングハート任せだと、レイジングハートの処理機能も
不安だし、レイジングハートが直ぐにヘトヘトになっちゃうよ」
「そう、だから役割を逆転させるんだよ。レイジングハートに十割術式の組成を、なのはも弾道、照準、消費魔力、
そういった詠唱シークエンスを十割」
「あっ……」
「レイジングハートは頭のいい子だから、入力術式さえ間違っていなければ殆どの魔法の術式はちゃんと構成して
くれるから。後はなのはの腕次第だね」
 ユーノの間近にある通信画面越しのなのはの顔が、漸く難題の解答を編み出した学生の如くパッと明るく輝く。
「あーっ、それは全然頭に浮かんで来なかったよ〜。そっか、そうだよね! ……あはは、やっぱりユーノくんは凄いね」
 照れて頬を赤らるなのはに矢庭に明け透けな事を言われ、ユーノはどう応えていいかわからずに苦笑いを返した。
十四歳として相応に発育したなのはの女性的な身体は、時空管理局の制服が几帳面に着衣されている。対するユーノは
厳密には局員待遇の民間人として、局内施設である無限書庫の中でも好きな服装で上下左右に無重力空間を移動していた。
 ユーノがフワリフワリと際限の無い本棚の前へと赴くと、なのはの通信画面も彼に追行する。
「ユーノくん、沢山魔法の事知ってるからって……教導隊の学科でも、教官として即戦力になれるって事務本部長が
仰ってたよ」
 嘘か真かはさて置き、ユーノはそれに対して何も言及しないでおいた。確かに学力的な面では、そこそこの成績を
残して学院を卒業した。なのはには黙っているが、なのはやはやてが意外だと驚嘆する事でも、ユーノを始め
魔法社会で暮らす魔導師にとっては取るに足らない一般常識であったりも多々ある。
 なのはは魔法に関して、熟練の局員さえ舌を巻く類稀なる才能がある。それははやてにも同じ事が言える。
 先天的に魔法の資質を得ていた二人の少女。だが先天性というものは、如何とも改変をし得ない固着された
ステータスと置き変える事も出来る。
 物理法則が現象を支配する管理外世界ならば、地球の古典思想であるゼノンのパラドクスも論弁次第で正当性を
継ぎ接ぎにして形に出来るが、魔法という極めて事象に緊密な不確定要素が混入されると強ち頷けない。
 畢竟して、魔法において先天性はあくまで、己の手で獲得した訳でもない単なる偶然程度に認識されている。
 更に彼女達には生まれながらに魔法と接して来た訳ではない──習慣的に魔法と触れ合って来た経験が無い──
そうした観念上の欠点が明確に内在している。
 時空管理局という組織に所属して初めて、なのはもはやても才能だけでは社会の荒波に生き残れないと
身に沁みて思い知っていた。現在も海鳴市での一般学生と局員の二束の草鞋を履いている以上、そうした諸々の
事情もあるし殊更に魔法学院へ編入したいと言える立場ではない。
 教育分野としての魔法への理解を補う為に、なのはは事ある毎に師匠でもあるユーノへ学術的な魔法理論の
講師を頼んでいた。飲み込みの早いなのはに、ユーノは人に教えるのが特別得意ではないが、彼女が教え甲斐の
ある生徒であるのは実感している。
 はやても守護騎士四名の他に、この文弱明敏な青年とも教師と生徒の関係を築いているらしい。先日とある筋から
それを小耳に挟み、内心なのはは面白くない気持ちを抱いているが、それは微々とも顔に出さない。
235リリカルlain 4b:2008/01/29(火) 19:19:46 ID:qX/sqJwJ
 彼女自身に自分の陰ながらの努力を口止めされているのか内情は皆目わからないが、若しユーノの口から「実は
はやてにも色々質問されているんだよ」と冗談半分に話題にされたら、なのはもこの漠然とした胸の靄を
晴らせるのだろうが……義理堅いユーノが他人を第三者との会話で持ち出す真似はしないのをなのは自身も
よく知っている。
 だから、なのはは何と無く面白くない。ユーノが自分の手の届かない場所に、自分が介在していない秘密を
持っている事に幾許の煩悶がある。それは決して恋愛感情とまでは行かない、どちらかと言えば双子の片割れが
相手との精神的な距離に拗ねる、極めて本能的な嫉妬だった。
 自然な、素直な感情の行き着くところにある、なのはの思春期真っ只中な女の子らしいユーノへの自己顕示欲
というものだ。自分だけを認めて欲しいと熱願する、師匠と弟子の関係らしいユーノに対する独占欲だった。
「ねぇユーノくん、フェイトちゃんと連絡取ってる?」
 ユーノは今度の学会で発表する論文作成の為の資料を選別しながら、眼鏡の奥の瞳をなのはの顔へ横目にした。
「週に何度かメールを送っているんだけど、フェイトからは何も返って来ないんだ。若しかしてなのはも?」
 悪い予感が現実のものとなり、なのはは愈々表情を強張らせて小さく首肯した。毎日宿舎に戻って寝る前に
フェイト宛てにメールを送信しているが、今回の教習で無人世界に滞在してから一度もフェイトと何らかの伝達手段
でも接触していない。
「家とか他の人の番号はちゃんと通じるの。フェイトちゃんだけ……わたしだけじゃなくて、ユーノくんもなんだ」
 だがその点にもなのはとユーノは奇々怪々な印象を、互いに打ち明けず隠し持っている。高町家の人々やその他の
地球の知友各位にフェイトの話題を出してみても、何故か文面や通話を介して微妙にはぐらかされてしまう。
 まるで何者かがなのはとユーノの携帯電話の送信情報を接収し、相手に成り済まして返答を作成しているかの様な
不気味さだった。
「携帯電話の故障や、管理局の方の電波調整で異変があった訳ではないみたいだね。フェイト側の携帯が壊れてるのかな……」
 空間に浮かび上がっている画面の中のなのはが、妙な寒気を感じて瞳を翳らせる。
「フェイトちゃん、皆と元気にしてるかな。フェイトちゃんに逢いたいよ……」
 不意に寂しげに微笑んだなのはを、ユーノも痛ましげな顔で穏やかに見守った。

 今朝、アルフと喧嘩した……。
 フェイトは寝不足の所為もあり、授業の内容に少しも追いついていなかった。今の彼女の頭にあるのは、
ひたすらに今朝のアルフとの口論の想起だけだった。
 リンディが数日の間だけ家を空ける事になった。フェイトは携帯電話が寿命を迎えた事故を口実に、思い切って
最新のNAVIと携帯電話をせがんだ。リンディは数少ないフェイトからの子供らしい要望を向けられ、どこか
嬉しそうにしていた。
 ……だが、リンディは持ち主の手で故意に破壊された携帯電話の存在に気付く事も無く、時空管理局の方へと
出張していった。
 その日から、フェイトは新たなる電脳世界へと旅立っていった。内密に買い寄せたミッドチルダ式の電算機器規格の
NAVIを組み立てた日から、フェイトはワイヤードへ接続しない日は無くなった。加え、その依存度は日毎に深刻に
なっていくばかりだった。
 昨晩はつい夜更かしをしてしまっただけ。アルフにNAVIの導線を引き抜かれ、気が付けば朝陽が部屋に射し込んでいた。
アルフも最近のフェイトのワイヤードに入り浸る不摂生に鬱憤が溜まり、今日でそのたがが外れてしまったのだろう。
 何よりフェイトが肝を潰しているのは、そんなアルフの断行に返した自分自身の言動だった。

 フェイト、ゲームをやるななんて言わないけど、ちょっと加減ってものを考えた方がいいんじゃないのかい?
 放っておいてよ! いいところだったのに、どうしてそんな意地悪するの!?
 フェイト?
 出てって! 今すぐ部屋から出て行ってっ!
 ちょっ……フェイト、フェイト!
 うるさい! アルフなんて大嫌い!
236リリカルlain 4c:2008/01/29(火) 19:20:35 ID:qX/sqJwJ
 時計やらハンガーを投げつけて追い出したアルフとリビングで顔を合わせるのが辛く、今日のフェイトは制服に
着替えると部屋の窓からそそくさと飛行魔法で登校して行った。

 帰るのも疎ましい。もうあの家の誰とも逢いたくない。きっとクロノもリンディもエイミィも、アルフと同じ様な
意地悪をする。
(なのはもユーノもはやても、メールを返してくれないのは本当は私の事が嫌いだからなんだ。嫌いなら嫌いって
ハッキリ言ってよ。みんなで私を無視するなんて、酷いよ……)

 貴方だってどうでもいい造り物の癖に この世界に存在している事に何一つ意味を見出せないんでしょう?
 ……そうだね、千砂 全部貴方の言う通りだったよ 私なんて、この世界の何処にも居場所なんて──────
 じゃあ、ほら……早くこっちにおいで ここには神様がいるんだよ
 うん 今すぐそっちに行くね そこにあるんだ、私の誰にも惑わされる事の無い楽園が────

 教室で半ば忘我として椅子に座るフェイトは、加速度的に熱を帯びていく思考に何もかもを委ねていた。
 根拠の無い妄想だけが、フェイトの中で緩慢に膨張を進める。
 ワイヤードに没入する反面、フェイトの中で自家や身近な人間関係に対する無意識的な乖離が生じていた。
そしてフェイト自身が、そこに何ら危機感を抱いていない。寧ろ、現実の煩わしい雑事から遠ざかっていける
開放感さえ感じていた。
 引き出しの中に両手を突き入れ、フェイトはその手に持っている携帯電話を神経質そうに弄る。この冷や冷やした
感触を味わうだけでも、彼女は気持ちだけはワイヤードの住人になれていた。
「どうしたのバニングスさん?」
 前方の教壇から発せられた女性教師の声で、フェイトは反射的に顔を上げた。アリサが挙手をしている。傍に
歩み寄った女性教師と何か小声で話し合い、女性教師はアリサから何事かの同情を顔色で示す。
「それじゃあ……」「すずか、フェイト、ごめん、一緒に保健室まで来てくれない?」
「え……」
 フェイトは前触れも無く指名され、間誤付く。すずかがアリサの体調の訴えと、その奥に秘められた真意を
目聡く受け止めて起立した。すずかからも視線で促されたフェイトは、教師の眼を盗んで携帯電話を制服のスカートの
ポケットに仕舞い込み、慌てて二人を追って廊下に出た。
 アリサが突然不調を訴えた原因は同性ならば容易に推定が可能なので、フェイトも心配そうにアリサの傍ですずかと
一緒に保健室を目指した。
 階段の踊り場に差し掛かった所でアリサが立ち止まり、ケロっとした表情で自分に振り向いた時、フェイトは
訳も無く心臓を鷲掴みにされた様な圧迫感を強いられた。
「ねぇフェイト、最近あんた変だよ」「ア、アリサちゃん……露骨過ぎるよ」
 フェイトはこの踊り場を三人の密談の舞台にする為にアリサが仮病を使った事を今更に察し、フェイトは俄かに
呼吸を乱して二人から眼を逸らした。授業中の廊下は不自然な程に酷く静かだった。
 アリサが一歩フェイトに歩み寄り、顔を突き合わせる。アリサの嫌味の無い図々しさが、今のフェイトには他人を
赦さない領域も侵されてしまいそうで不快感を覚えた。昨日の放課後だって、NAVIの拡張機器だとか何だとか行って、
一緒に遊びにいく約束ほったらかしにしたよね? あたし達と一緒に居るの、そんなに楽しくない?」
 習い事を多く抱える身として、数少ない放課後の自由時間を友達を過ごすのを平日の僅かな楽しみにしている
アリサにとって、最近のフェイトは裏切りにも等しい事を続々としてくれている。
「そ、そんな事」
 フェイトは弱々しく項垂れ、努めてアリサと眼を合わせない。疚しい事は無い筈だが、どうしてかこのアリサの
詰問がフェイトにはとても堪えられなかった。
「新しい機種に変えたから、珍しくて気になっちゃうんだよね?」
 すずかが穏便に仲立ちをするが、アリサとフェイトからそれぞれ寒暖の激しい無言が返るだけだった。
237リリカルlain 4d:2008/01/29(火) 19:21:16 ID:qX/sqJwJ
「岩倉さんだって急に別人になったみたいに明るくなったし……近頃、何かがおかしいと思う訳」
「たとえば……?」
 すずかが慎ましい中立的な立場に佇み、この場が険悪な雰囲気に包まれないか不安げに二人を見比べている。
「何もおかしくはないよ」
 アリサとすずかが、何故かしら衝撃を受けてフェイトに視線を集める。二人の耳朶に触れたフェイトの声は、
澄んだ響きを有していながら判然としない汚濁を含んでいる。
 フェイトが二人の視線を真っ直ぐに受け止める。当惑してフェイトを見詰めるアリサとすずかは、フェイトの
歪に笑んだ顔付きに不鮮明な悪寒を感じ取る。
「大丈夫だよ、私。なのはがいなくったって、私はもう寂しくないから」
「別にあたし達はなのはなんて一言も口に出してないけど?」
 揚げ足を取って来たアリサに、フェイトは意志の疎通が正常に行われていないかと疑わせる微笑みを浮かべた。


 互いの誤解を浮き彫りにした重苦しい沈黙が漂う踊り場に、場違いに軽快な着信音が鳴り響く。フェイトが咄嗟に
スカートのポケットから携帯電話を取り出し、画面を開く。
 自分達と接している途中にこうして余所の用事に気を向けられるのは、アリサは殊に癪に障る相手の行動だった。
すずかもアリサの張り詰めた憤慨を敏感に感じながら、しかし表立って指摘出来ない。画面内容を確認して喜色満面の
フェイトに、彼女はアリサの疑念に同感する面持ちをしていた。
「ごめんアリサ、すずか。私、ちょっと行かなくちゃ。強敵と遭遇したみたいで、今のメンバーだけじゃ太刀打ち
出来ないんだって」
「ふぅん、またゲーム?」
 見当違いな事を喋って来たフェイトへ、アリサは怒りの沸点を突き抜けそうに眉を痙攣させる。話の内容が、
フェイトがすっかり入れ込んでいるファントマというオンラインゲームのものであるのは、アリサとすずかは知る由も無い。
 二人の友人の制止も聞き入れず、フェイトは授業中も構わずに階段を駆け下りていく。
「フェイトちゃん……」
 すずかは音も無く胎動する不安を紛らわせる為に、掌を胸元で握り合わせる。視線を落とした階段には、まるで
現実世界から消え去ったかの様なフェイトの残影だけが朧気に散らばっていた。
 息を弾ませながら階下手洗いの個室に立てこもり、フェイトは改めて携帯電話の画面を目前で開く。仲間への
返信メールの文章を打つ間のフェイトの眼は、鬼気迫るものがあり他者を寄せ付けない閉塞感が如実にあった。

 携帯でログインするから、少しパラメータ低下されるけど参加していい?
 オーケーオーケー! Aliciaさえ来てくれりゃどんな敵も一撃だって!
 えへへ、そんな事無いよ 今何人?
 四人
 Alicia早く来てくれってば マジヤベェ
 どんな敵なの?
 いやー多分新規ダンジョンなんだろうけどさ、見た事無い敵なんだよ
 ダンジョン名はScaglietti labって……Aliciaは知らないよな?
 うん
 んで、まぁレアアイテムあるかもしれないって中を探索してたんだけどさ そうしたら遭遇した相手と今
交戦してるんだよ 人型で数匹いるんだけど、どいつこいつも普通の敵じゃねぇぜ
 でもAliciaのパラメータなら勝てるって
 敵の名前は?
 それが表示されないんだよ 兎に角、話は奴をぶっ倒してからにしようぜ!
 そうだね
 もしかしたら、向こうもユーザーかもなぁ 最近ファントマで事件あったろ? あいつ倒したらどっかの街で
死者が……とか起きないよな? 向こうの動き、CPUとは思えない精緻なものなんだよな 向こうもこのダンジョンを
探索してるのかも
 んな訳ねぇだろ そうやって少数事例を持ち出して全体を叩くのはマスコミだけだぜ
 メールでの情報交換を止め、フェイトは携帯電話のワイヤード接続機能を入力して行く。
 高精度の電脳仮想空間へ意識を転移させる瞬間の、この平衡感覚が薄らぐ五感の狭窄が心地好かった。
「え? スカリ、エッティ……ラボ?」
 どこかで聞き知った単語を上の空で呟いたフェイトだが、しかし目先に展開されていく仮想の極楽の誘惑に負けて
一抹の疑問を思考の届かない奥底へと封印した。
「──コネクト、ワイヤード」

To Be continued
238リリカルlain:2008/01/29(火) 19:23:25 ID:qX/sqJwJ
今回は以上です 4dでちょっと誤植がありました すみませんでした
クマー
239名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 19:25:47 ID:VYblYV8i
>>229
始まるわけないのかよww

まあ、普通に面白そうだと思った俺は信玄に張り飛ばされてくる。
240リリカラー劇場:2008/01/29(火) 19:46:01 ID:5wHLkyVE
>>魔装機神氏
うわぁ、武田軍熱いww
期待しますGJww

>>lain氏
凄い面白そう続きが楽しみですGJ♪
241旅ゆく人:2008/01/29(火) 21:17:16 ID:ADn7V5Kt
>>224
成る程、それは確かに道理ですな。
いや、久々の投下でキンチョーするのと、
ちと、さっきまで買い物行ってたのでw

と言うことで、改めて十時頃、おkでせうか……?

それにしても、ライダーベルトは、今の時期に買うのが一番ですわ。
在庫処分価格で買えるしw
242反目のスバル@携帯 ◆9L.gxDzakI :2008/01/29(火) 21:18:47 ID:uEuumwK5
アルフ分が足りねぇぇぇぇぇぇぇ!
誰か、誰か俺におっぱいを!
…スミマセン、取り乱しました。寝不足ゆえに。

>>229
これが噂のお館様ですかwww
激しく楽しみです。ううむ、まだまだBASARA世界は奥が深い…w

さて、寝不足の甲斐あって片翼最終話書けたよー。
上手い具合にPCにありつけたら10時くらいに投下しますよー。…無理かもしれないけど。その場合は明日。
BGMはFF的に考えると「Why」なんでしょうけど…個人的には、「優しくキミは微笑んでいた(.hack//G.U.vol3主題歌)」がオススメです。
243反目のスバル@携帯 ◆9L.gxDzakI :2008/01/29(火) 21:20:31 ID:uEuumwK5
Oh、被りorz
自分は投下できない場合もありますので、旅ゆく人氏、お先にどうぞ。
11時空いてるかなぁ…
…キノクロス後編も書かなきゃなぁ…
244名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 21:21:14 ID:ACqDfml0
>反目のスバル氏
旅ゆく人氏とかぶってますぜ。
今投下するか、旅行く人氏の後にしたほうが良いかと思われ
245旅ゆく人:2008/01/29(火) 21:26:29 ID:ADn7V5Kt
>>243
いや、ならそちらが先に投下なさいませ。
もし、PCが確保できなければ、自分が先に、と言うことで。

ああ、これで最期の推敲の時間が確保できる、かな?
246リリカル龍騎 ◆YHOZlJfLqE :2008/01/29(火) 21:43:20 ID:7yI4LxxY
なら、ウロスで言った嘘予告は……旅ゆく人氏の投下終了から一時間後に投下ってことでいいですか?
247Strikers May Cry:2008/01/29(火) 21:43:25 ID:1K/Lkwbx
ねえ皆ってエロ好き? っていうか、もしかしてエロ大好き?
遂に禁断のクロスカップリングのエロが出来ちゃってさ、これから避難所に投下して来るんだよ。

もしも“バージルとシグナムのエロ見たい”って人がいたら来てくれよ。
出来る限りのエロで歓迎するぜ。

では、アディオス!
248反目のスバル@携帯 ◆9L.gxDzakI :2008/01/29(火) 21:55:31 ID:uEuumwK5
ごめん、無理orz
PC取られてたOTL
というわけで旅ゆく人氏お先にドゾー。
11時頃にまた試してみます。

>>247
エクセレント!
249スーパーロボット大戦X:2008/01/29(火) 22:00:00 ID:cqYaVIJ6
>>247
読ませてもらったが俺には刺激が強すぎた。
だがこれだけは言おう。…おめでとう。ガク____O
250旅ゆく人:2008/01/29(火) 22:05:32 ID:ADn7V5Kt
おーし、『空想ルンバ』リピートしまくって、テンション上がりまくりだぜ。
……心臓も、相変わらずばくばくしまくりんぐですがね orz

では、別の曲聴きながら、投下と行きますか。
何て曲かは、……読めば解るかも、ですw

てことで、
>>248
失礼。先に、……征きますッ!
251名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 22:05:48 ID:P1famtdx
>>247
取りあえず始めに一言
姐さんおめでとう

実にGJですよ。
ただ欲を言うならもう少しシーンにはいるまでの課程が欲しかったかな?
252棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/01/29(火) 22:09:13 ID:ADn7V5Kt
 ――ここは、ミッドチルダ郊外の、とある自然公園。その、広い広い草原の真っ只中。
 ほんの少し前に、運命のいたずらから出会った、魔導師の親子と、奇妙な旅人の一行は、まだそこにいました。
 陽は、少し傾き始めたみたいです。
  しかし、彼らはまだ離れる気配がありません。
 だって、

「ヴィヴィちゃ、ここだよー」
「えっ、何処どこ、ニジュク?」
「ヴィヴィちゃん、こっちだよー」
「えー、どこなの、サンジュぅ?」

 子供達が、遊ぶことに夢中だから。


 そんな子供達のことを、なのはとクロは、少し離れた所から半ば呆れつつ、でも優しく見守っています。

 今、子供達は鬼ごっこの真っ最中。
 と言っても、
「こんなに草の背が高いと、二人のこと見つけられないよー」
 ヴィヴィオはとうとう、その場にへたり込んでしまいました。少し、ふてくされているみたいです。
 確かに、生えている草の背は高いようですが、それでも、最も高いところでもヴィヴィオの膝から下くらいしかありません。
 でも、
「ヴィヴィちゃ、あいとー」
「ヴィヴィちゃん、がんばー」
 ヴィヴィオからそう離れていないところから、白い双子、――ニジュクとサンジュの声がします。

 ただし、姿は見えませんが。

 もしかしてあの双子は、透明になる力でもあるのでしょうか。――いえいえ。

「二人とも卑怯だよー。体ちっちゃくして、草の中に隠れるんだもぉん」
 ヴィヴィオは口をとがらせて言いました。

 そう、あの双子は体を小さく出来るのです。 何故か、着ている物も小さく出来るのですがね。

「えへへー」
「あそびでもしんけんにやれって、センゆってた」
「だから、しんけんに、つかまらないようにするの」
「だからって、卑怯なものは卑怯なのっ!」
 ちょっと得意げな双子の声に、ムッとなって叫ぶヴィヴィオです。
「わーい、おにさんおこったー」
「にげろ、にげろー」
 双子の声が、ヴィヴィオから離れ始めます。
 ガサガサと、音を立てて離れます。
「こらー、ふたりとも逃げるなーっ!」
 両腕を振り上げて、ヴィヴィオはまた、ニジュクとサンジュを追いかけ始めました。
253棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/01/29(火) 22:12:50 ID:ADn7V5Kt
 そんな子供達の様子を、ベンチくらいの大きさの岩に腰掛けて見守っていた、大人二人。

「やれやれ……」
 と、クロは嘆息し、

「三人とも……」
 なのはは頬に手を当てて苦笑。

「何で、あそこまで元気に」
「本当、走り回れるんだろう」
 ずっと、こんな調子の二人である。

「でも、ま、そうは言うけどよ」
 二人の背後から声がした。

「あの三人がここで思いっきり走り回ってるのって、結構幸運で、幸福な事じゃねぇの?
聞けば、ヴィヴィオちゃんもかなりやばいことに巻き込まれてたって話だし、
うちの二匹だって、下手すりゃあの屋敷でミイラになってたかも知れないしな」

 それは、まだてるてる坊主にされている、センの声だった。
 クロとなのはが、子供達について、その子達を見守りながら話しているのを耳にしての言葉でもあった。
「ものは考えようっていうのかな、俺達は今、結構幸せな光景を、見られてんのかも知れないぜ?」

「……ふむ」
 クロは、右手で帽子の鍔を軽くあげ、
「そうかも、知れませんね」
 なのはは軽く頷いて、
「センにしては良い事を言うね」
「おいおい、いつものことだろ、クロ?」
「でも、本当にそう思いますよ、クロさん」
「……同感です、実は」

 二人と一匹は子供達を、微笑みながら見つめていた。

254棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/01/29(火) 22:14:46 ID:ADn7V5Kt
 そんな時です。

 不意に、とても強く、風が吹きました。

 森が、激しくざわめきます。

「わあっ」
「なになに」
「すごいかぜなの」

 思わず、ポンッ、という音を立てて元に戻った、ニジュクとサンジュ。

 そして、白いものが舞い上がりました。

 それも、たくさん、たくさんです。

「すごい……」   
「しろいもの、いっぱい……」
「おそらに、あがってくの……」

 思わず、ヴィヴィオとニジュクとサンジュは、空を見上げました。

 空に漂う綿毛は、空の蒼さと相まって、子供達にはとても真っ白く見えました――。

255棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/01/29(火) 22:17:08 ID:ADn7V5Kt
【一期一会(作詞・作曲:中島みゆき)】

『見たこともない空の色 見たこともない海の色』

「……タンポポ、かな?」
「えっ、タンポポ?」
「ヴィヴィちゃ?」
「二人とも、初めて見るの?」
「「うんっ」」

『見たこともない野を越えて 見たこともない人に会う』

「タンポポ、ですね」
 クロが呟いた。
「クロさんの世界でも、タンポポってあるんですか」
「ええッ。と言うか、この世界でも、これってタンポポなんだ。ちょっとびっくりだな」

『急いで道をゆく人もあり 泣き泣き 道をゆく人も』

「ぽわぽわ、とんでいくね」
「どこまで、とんでくのかな?」
 双子はぽーっと見惚れています。
「ねえ、ふたりとも」
「「なに、ヴィヴィちゃ?(ちゃん?)」」
「タンポポ、飛ばしてみようよ」

『忘れないよ遠く離れても 短い日々も 浅い縁(えにし)も』

「そうですね、考えてみればびっくりかも」
「世間は狭いと言うけれど、『世界』も案外狭いのかな」
「うーん、……そう考えると、この世界とクロさんの世界って、意外と隣り合わせとか?」
「ふふッ。お互い、気付いてなかっただけだったり?」
「にゃはは。でも、それならそれで、とても素敵なことかも知れないなぁ……」

『忘れないで私のことより あなたの笑顔を 忘れないで』

「クロちゃ、これ、これぇー」
「しろい、ぽわぽわ、みつけたのー」
「ママ、ねぇ、飛ばしっこしよ、タンポポの」
 子供達が、手に手に、小さな小さな綿帽子を持って、ニコニコしながら二人に駆け寄ってきました。

『あなたの笑顔を 忘れないで』

                                       【歌:匿名希望のW・Hさん(女性)】

 さて、そろそろ。

 旅話の続きを、お話しするといたしましょう――。


256名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 22:17:53 ID:fYtKj7Oy
>>247
乙です。と言うか甲(好)評価。
バージルは本編とキャラが随分違う気が…それほど欲求不満だったのね。
この後起こるであろう、仲間達による
ハチャメチャぶりでも想像してみるか…。
257棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/01/29(火) 22:20:10 ID:ADn7V5Kt
「(すうっ)……ふぅ〜〜」

 ニジュクとサンジュの目の前で、ヴィヴィオは綿毛を飛ばすお手本を見せます。

「「うわぁ……」」
 ヴィヴィオの吹きかけた息に乗って、タンポポの子供達は舞い上がりました。
 風は、まだ少し強めに吹いているので、思った以上に高く、高く、舞い上がっていきます。
 先程の光景よりはささやかなものでしたが、ニジュクとサンジュにはやっぱり不思議に満ちた光景です。

「ヴィヴィちゃ、すごぉい」
「しろいぽわぽわ、とんでいくの……」
「えへへ、そうかな♪」
 はにかみ笑顔な、ヴィヴィオです。

でも、二人にも出来るよ」
「そかな?」
「うん」
「できるかな?」
「簡単だよ、ほら、やってみようよ」
 ヴィヴィオは、二人を促します。

「……うんっ」
「わかったの」
 覚悟を決めた双子の顔は、真剣そのものです。タンポポを持つ小さな手に、力がこもってます。

「あの、二人とも、そんなに力まなくても、……あはは」
 なのははそんな二人の様子に、微笑ましく思いながらも、苦笑いを浮かべ、
「ええっと、リラックスだよ、ニジュク、サンジュ?」
 ヴィヴィオはあたふたと双子をなだめます。
「ふふっ、やれやれ」
 そして、白い双子のいつもの様子に、黒い旅人はいつものように肩を軽くすくめた。

「じゃあいくよ、せぇの……」
「「「ふぅ〜〜〜……」」」
 三人の子供達は、一斉に綿帽子に息を吹きかけました。
「「うわぁ……」」

 それに促され、また別のタンポポの子供達が舞い上がります。
 その様子に、双子はやっぱり声を上げました。
 でも、その大きく見開いた目の色は、今までとはちょっと違うかも。

「できた、できた♪」
「あたしたちにも、できたぁ♪」
「ほら、できたでしょ?」
「「うん♪♪」」

 これぞまさしく満面の笑みという笑顔で、ニジュクとサンジュはヴィヴィオにこっくりと頷いたのでした。

258棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/01/29(火) 22:22:30 ID:ADn7V5Kt
 でも、ふとニジュクは思いました。

「ねぇ、クロちゃ?」
「んッ、どうしたんだい、ニジュク?」
「どしてタポポって、しろいのかな?」
「えッ、ああ――」
「あっ、それあたしもおもった」
 サンジュは、手を挙げて、ぴょんぴょんと跳びはねます。
「サンジュもかい? うーん、どうしてだろうねぇ」
 少し困った顔で、クロは眼鏡をかけ直した。

 そんなクロに、なのはが助け船を出す。
「じゃあ、色を付けてみようか、ニジュクちゃん、サンジュちゃん」
「「えっ?」」

 ヴィヴィオはぽんと手を叩いて、
「そうだよ、二人とも、そういうこと出来るんだし」

「あっ」
「そだった」
 そのことを思い出した双子は、傍らにあった綿毛を摘んで、思い思いの色を付けます。

 ニジュクは、
「おはなのあおー」

 サンジュは、
「はっぱのみどりー」

「捻りが無ぇー」

「「セン、うるさいっっ!!」」

 双子の抗議に、今だてるてる坊主のセンは、韜晦して口笛を吹いた。

259棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/01/29(火) 22:24:28 ID:ADn7V5Kt
「いくよ、サンジュ」
「うん。せーの……」
「「ふぅ〜〜〜〜……」」

 ――おや?

「とばないの……」
「どうしてかな……」
「もっかい、いくよ」
「うん、ニジュク」
「「せぇの、……ふぅ〜〜〜〜」」

 ――うーん。

「やっぱり、とばない」
「なんでかな……」
 双子の顔が、にわかに曇ります。

「「ねぇ、なのちゃ(ちゃん)、なんでかな?」」
 二人は、なのはに尋ねました。

「な、なのちゃん……」
 なのはの顔が、微かに引きつる。

「ママ、なのちゃん……」
 ヴィヴィオは両手で口を押さえて、何かを堪えているみたいです。

「クックク、……おい、クロ、……取り敢えず後で、あの二匹に何か言っとけよ、……クククッ」

 センは忍び笑いを漏らしつつ、傍の樹で手をついて笑いを堪えるクロに言った。

260棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/01/29(火) 22:28:40 ID:ADn7V5Kt
「――二人とも、そう言うことだから、この人のことは、
なのは『さん』と呼んであげなさい。それも礼儀というものだから。良いね」

 ここしばらく、なのはのお世話になることを、クロは双子に、堪えきってから告げた。

「「あいっっ!!」」
 二人は元気よく、手を挙げて答えました。

 それから、なのはに、
「それでね、なのちゃ、……ちがった」
「だめだよニジュク。なのさんて、……あっ」
 やっぱり、呼びにくいのでしょうか?

「にゃはは、――うん、わたしのことは、『なのさん』で良いよ、二人とも」
「いいの?」
「ほんとに?」
「本当だよ」
「ああ、すみません、なのはさん」
 クロは申し訳なさそうに頭を下げた。

「良いんですよ、二人とも色々解ってくれてるみたいだし。で、飛ばないことを尋ねようとしたんだっけ、わたしに?」
「うん」
「なんでだろ」
「うーん、どうしてだろうね……」

 なのはは言葉に詰まる。
 いや、たぶん色を付けたことが原因の一つであろうことは、容易に想像はつく。
 しかし、それだけでは何か今ひとつ説明がつかないような気がする。

 色を付けても、綿毛は綿毛らしくあった。今もそうである。

(飛びづらくはなったんだろうけど、でも、あのふわふわした感じは残ってるし。……飛べ無いなんて、やっぱり無いよね)

 正直、説明する言葉が見つからない。

(うーん、どう言えば良いんだろう……)

 答えに、全く窮してしまった。

261棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/01/29(火) 22:32:42 ID:ADn7V5Kt
 そんななのはの様子に、クロは何も言わずに頷いて、

「それは、きっと」

 声をかけながら、二人に近づく。

「きっと、色を決められてしまったからじゃ、ないのかな」

「いろを?」
「きめられた?」
「どういうこと?」
 ヴィヴィオも興味を持ったようで、身を乗り出してきました。

「うん。もっと正確に言うなら、『勝手に色を決められた』から、と言うべきかも知れない」

 クロは、そう言うと足下にあった別の綿帽子をそっと摘んだ。

 子供達は、ポカンとした顔で、クロを見つめています。

「ほら、彼らはみんな、このように綿のような真っ白い色をしているね」
「うん」
「そだね」
「それは、たぶん」
 クロは、手にした綿帽子を、腫れ物に触るように、優しく撫でた。

「自分で、染まりたい色を見つけたいからじゃないかと、私は思うんだ」
 その綿帽子を見つめる目は、限りなく穏やかで、優しい。

「だから、彼らは真っ白でいたいのさ、旅立つその時が来るまでは、ね」

 子供達は、その言葉を聞いて、何かに気付きそうな顔です。

「たびを、するの、ぽわぽわ?」
「クロちゃんや、あたしたちや、センみたいに?」
「だから、風に乗って、飛んでいこうとするのさ」
「旅を、する……」

 でも、どこかもどかしそうな顔もしているような気がします。
262名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 22:37:18 ID:J02nE+20
しかし、銀英伝ともクロスというのがなんともはや、支援。
263名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 22:37:20 ID:RdZxt6Xa
支援
264旅ゆく人@携帯:2008/01/29(火) 22:42:51 ID:NaJxbtwM
人生初の、さるさんキター orz
265名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 22:51:01 ID:E8KSD1WG
世の中には避難所で代理投下というものが
266スーパーロボット大戦X:2008/01/29(火) 22:53:24 ID:cqYaVIJ6
>>264
大変ですね。俺もこの前投下完了ギリギリで起こりました。
まあ、俺の場合はギリギリ投下は完了してその報告が出来なくなっただけでしたが…。
とりあえず、明日の9時くらいまではパソコンで投下できないと思ってください。
下手したら丸1日かも…。
267棺担ぎのクロ。 リリカル旅話 代理投下:2008/01/29(火) 23:09:04 ID:vtc8Qi4O
 その時、なのはが、あっ、と小さく声を上げた。

「つまり、ニジュクちゃんとサンジュちゃんが色を付けちゃったことで、
二人の持つ綿帽子さんが、ええっと、その、拗ねちゃった、とか?」

 クロは、「成る程」と微笑みながら頷いて、

「そう言うのも、あるかも知れませんね」
 綿帽子を撫でながら、答えた。

「本当なら、色を決めるのは自分だから」
 撫でながら、なのはを見つめた。

「私は、ニジュクとサンジュの綿帽子が、勝手に色を決められたことで悲しんでいるのじゃないか、
と思ったのですけどね」

 そして、双子に目を落とす。

「旅に出る理由が無くなったから、ね」

 その、クロの言葉に、ニジュクとサンジュはシュンとなりました。

「あたしたちのせい、なんだ」
「ごめんね、ぽわぽわ」
「そこまで気落ちすることもないさ。でも、そうなると、やることは解るよね」
「「うん」」
 頷いて、二人はお互いの綿帽子に指を乗せます。

 付けられた色が、その指にすうっと吸い込まれ、二人の指がそれぞれ青と緑に染まりました。
 それから、二人はクロに綿帽子を預けて、渡されたタオルで手を拭きました。
 そして、改めて渡されます。これで綿帽子も指も元通りの色です。

「よかったね、ぽわぽわ」
「ぽわぽわ、またまっしろだね」

 風が吹きました。綿毛が飛び出せるほどのものではなく、軽く揺れる程度でしたが。

「何か、タンポポ、嬉しそうに見える……」
 それを見て、ヴィヴィオが呟きました。

「気のせいかな?」
「違うよ、ヴィヴィオ」
「ママ?」
「きっと、本当に嬉しいんだよ、この子達は」
「……うん、そうだね、きっとそうだよ」

 仲良し親子は、互いに微笑みながら、頷き合いました。
268棺担ぎのクロ。 リリカル旅話 代理投下:2008/01/29(火) 23:10:08 ID:vtc8Qi4O
「じゃあ、そろそろ彼らも旅立たせようか」
「うん、そだね」
「たびさせようね」
「ヴィヴィオもやるよぉ」
「ではでは、わたしも……」

 一匹を除いて、各々が手に手に綿帽子を持ちます。

「みんなー、準備オッケー?」
「うん、良いよ」
「「あいっっ!!」」
「いつでも、良いですよ」

 ちょうどその時、風が吹きました。
 遠くまで飛ばすには、良い風です。

「よーし、じゃあ行くよー。せーの……」
「「「「「ふぅ〜〜〜〜〜……」」」」」

 五人は、一斉に息を吹きかけました。

 綿毛達が、一斉に飛び立ち、舞い上がって行きます。

「うわぁ……」
 それを見て、サンジュが走り出しました。
「おーい、ぽわぽわぁー、げんきでねー」
 手をふりふり、綿毛達を追いかけます。
「あっ!」
「あたしもっ!」
 つられて、ヴィヴィオとニジュクも駆け出します。
「がんばれぇー、ぽわぽわぁー」
「自分の色、見つけるんだよぉー」
 子供達は、手を振りながら、追いかけていきます。

「おーい、みんなー、あんまり遠くまで行っちゃだめだよぉー。もうすぐ帰るんだしぃー」
 なのはは、苦笑しながら叫んだ。

「ははッ、やれやれ」
 クロは、やはり苦笑しながら、頭を掻いていた。
269棺担ぎのクロ。 リリカル旅話 代理投下:2008/01/29(火) 23:12:37 ID:vtc8Qi4O
「それにしても」
 不意に、頭を掻く手を止める。

「ここのタンポポ、花の色は」
「えッ、ええ、種類にもよると思いますけど、大体が黄色じゃないか、と」
「ああ、やっぱりそうでしたか……」
 ふう、と、クロはため息をついた。

「ほらを、吹いちまったな、クロ」
 傍で枝にぶら下げられている、小生意気なてるてる坊主が言った。

「あの、ほら吹き男爵のことを……」
「そのことだけじゃないさセン、私がため息をついたのは」
「あン?」

「もし、仮に、綿毛達の旅が私の言ったような目的のものだったとして、
その行き着く先は、予め決められたものだと知ったら、どう思うのかな、って」

「……成る程。何か、お前らしいや」
「黄色な花しか咲かせられないと知って、彼らは――」

「大丈夫じゃないのかな、思うんですけど」
 なのはが、子供達を見つめつつ、明るく言った。

「確かに、落胆したりするかも知れないけど」
 そして、クロを見つめた。
「受け入れて、別の決意というか、夢を持ったりするんじゃないかな。えと、例えば――」
「例えば?」

「もっと、明るく、目立つような黄色で、咲いてやろう、とか」

「……ふふッ、そう言えば、ほとんどのタンポポって、とても明るい黄色で咲きますよね」
「だから、大丈夫」
 クロに向かって、なのははにっこり笑って、大きく頷いた。

「みんな、そう言う強さを、持っているものだから」
 そう言って、なのはは機動六課で過ごした日々を思い出していた。

(あの子達も、頑張ってるよね、今も)

 そして、クロをしっかりと見据えて言った。

「クロさんも、ですよ」

 その言葉に、かぶっている帽子の鍔を持って、表情を隠すクロ。
 ようやく見える口元は、微かにふるえているようだった。
270名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:14:24 ID:tViOH4Vn
しえん
271棺担ぎのクロ。 リリカル旅話 代理投下:2008/01/29(火) 23:14:36 ID:vtc8Qi4O
 やがて、その口元が弓状にしなり、
「なのはさんも、そうなんじゃないですか」 鍔を上げた顔は、にっこりと、優しく笑っていた。
「うーん、どうなんだろ?」
 そう答えたなのはも、にっこりと笑っていた。
「ふふふ……」
「にゃはは……」
 しばらく、笑いあっていた、二人。
「さて、お疲れでしょうから、そろそろわたし達の家にご案内しますね。でも、くつろげるかどうか、ちょっと解らないけど……」
「野宿よりは全くましですよ。泊めていただけるだけで、とても有難いことです」
「うわあ、何か、逆にありがとうございますって言わなきゃ、って気が……」
「いやいや、そんなことは……」
 そして、また笑いあう。

「おーい、そろそろ帰るよー」
 なのはが、綿毛達のことを手を振って見送っていた子供達に、叫んで声をかけた。
「はーいっ!」
「「いま、いくのーーっっ!!」」
 子供達はなのはに向き直って、手を振って答えました。
「ふふっ、やれやれ」
 そう呟いて、クロは樹に立てかけてあった棺桶を背負う。

 陽は、傾きを増していたが、まだ、地平線に沈むまでには、至っていなかった――。
272名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:15:41 ID:tViOH4Vn
支援
273名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:16:28 ID:Va/kqVuK
>>266
え?連投規制のさるさんのことなら、23:00の時点で解除されてると思うよ。
他にさるがあるのか知らないけど。

そして代理さんに支援
274棺担ぎのクロ。 リリカル旅話 代理投下:2008/01/29(火) 23:16:47 ID:vtc8Qi4O
 旅をする、と言うことは。


 常に、希望と絶望が背中合わせのものであることを意識するものなのかも知れません。


 しかしながら、それでも人は、旅する者は、それを続ける。


 その先に何があるのかを知りたくて、続けるのでしょうか。


 それとも、それを敢えて振り切ることが、続ける理由となっているのか。


 もしかしたら、……それらに気付くために、旅を続けるのでしょうか。


                                    『棺担ぎのクロ。リリカル旅話』
                                                 第二章・了




「あー、取り敢えずこの俺の拘束を解け。話は、それからだ」

 あッ、忘れてた。

「ひどッ!」
275名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:19:23 ID:vtc8Qi4O
代理投下完了〜
次回もがんばって下さい!
次の作品も狙い撃つぜ!
SSによる原作同士の融合が始まるby00ナレーション
276旅ゆく人:2008/01/29(火) 23:20:35 ID:ADn7V5Kt
あー、チクセウ、何てこったヰ……。
もちっと間隔置いて投下するべきだったぜい……。

さて、如何だったでしょうか。
今回は、ゲスト無し、予告と違って他の「なのは」キャラ出てこず、
で、お送りシマウマ…… orz

本当は、もう少し長くなる予定だったのですが、
思いの外、草原のシーンに力入ってしまって、
これで一旦、第二章としてパッケージしてしまおう、
と言うことで、こうなった次第です。
277名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/29(火) 23:22:06 ID:RrIXX5C4
ほのぼのいいねぇ。
278旅ゆく人:2008/01/29(火) 23:27:18 ID:ADn7V5Kt
あっ、普通に書き込めてるわw

さて、劇中に出てきた、中島みゆき女史の『一期一会』ですが、
最近、自分、中島みゆきがマイブームの一つでして、
で、たまたま聴いてたアルバムの中にこの曲がありまして、
「おいっ、これ、もし『クロ。』がアニメ化するなら、OPこれで決まりだろ、常考」
と、一人で盛り上がって、んで、ちと、やっちゃいました、と。
279反目のスバル@携帯 ◆9L.gxDzakI :2008/01/29(火) 23:30:11 ID:uEuumwK5
GJ!
ほのぼのして、何つーか…癒されましたw

そして悪いニュース。
スマン、みんな。今日の片翼は明日に持ち越しっぽいorz
実際、こんなGJSSの数々(エロ含w)を前にして投下する勇気もなかったし…本当にごめんなさい
280旅ゆく人:2008/01/29(火) 23:35:19 ID:ADn7V5Kt
いや、それにしても、さるさんに引っかかるとわ、
こういう事なのですなぁ……。
もちっと考えて投下せんとなぁ……。

ということで、
>>265
>>266
ご心配、おかけしました。何とか、避難所行って、
代理投下してもらいましたわ……。

あと、
>>275
代理投下、まことに、まことに感謝の極み。
感涙にむせび泣いております、ありがとうございました。
281旅ゆく人:2008/01/29(火) 23:42:55 ID:ADn7V5Kt
それでは、私はここまで。
第三章は、……二月中旬かなぁ。
今度は必ず、他の『なのは』キャラ、
――ぶっちゃけ、八神一家を絶対出します、……必ずッ!

あと、『雪風』からまた出します、一人。女性とだけ、言っておきます……。

更にもう一人……。別の作品から出るかも知れない……。
ヒントは、すでに忍ばせて……。
282旅ゆく人:2008/01/29(火) 23:46:12 ID:ADn7V5Kt
まあ、出すにしてもチョイ役ですが。
やりすぎれば、なのはクロスの意味無くなるし。

では、私以外の全ての職人さんにGJを、
温かく支援してくださる、スレ住人の皆さんに、感謝を、
申し上げます。

では、失礼します ノシ
283名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 00:12:14 ID:KQnLP0aj
メーテル声なあの人か?
284リリカラー劇場:2008/01/30(水) 00:13:51 ID:FdtvreYv
>>旅人氏

うわぁ、自分のよりすっごいほのぼのしてるw
面白かったです、次を期待しています。GJ
285リリカラー劇場:2008/01/30(水) 00:15:24 ID:FdtvreYv
あと、30分したら闇の書編 プロローグを冬瓜しますー
286名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 00:34:31 ID:N1pnUW4N
冬瓜 White Gourd

「冬」という名がつきますが、れっきとした夏野菜の冬瓜(とうがん)。
保存に適し、まるごと冷暗所に置いておけば、冬まで貯蔵できることに由来しています。
キュウリと同じウリ科の植物で、さわやかな味わいが特徴的です。
水分が豊富で、体熱を下げる効果もあります。
夏バテしがちなこの季節。冬瓜を食べて、身体の中から健康になりましょう。
287リリカラー劇場:2008/01/30(水) 00:38:10 ID:FdtvreYv
闇の書。
時を越えて世界をゆき、様々な主の手を渡り旅する一冊の魔導書。

時が移ろうまま……。
この書は輪廻を繰り返していた。

だが、行き着いた今の主はこれまでの主とは違った。
闇の書がもたらす強い力を欲しがろうともせず、守護騎士たちと共に過ごしている……。

名を八神はやて

そして、もう一人……彼女の他。主に適した者が居た……しかし彼の元にこの魔導書が行き着く事は出来なかった。

「だが……いずれ。彼と我が主は知り合う事になる」

闇の書の予想は……意外にも早く、当たる事になる。

魔法少女リリカルなのはFullcolor'S 闇の書編 開幕


始まりの場所は”れんぽー”の居住艦アルビオン


GP01「ステイメン、ちょっと良いか?」

ステイメン「何ー?」

GP01「オレちょっとリンディさんに用事があってさ。悪いんだけどお使いしてくれない?それにこの街を知るのに、友達つくるのも出来るし」

ステイメン「うん、良いよ♪何買ってくれば良いの?」

するとゼフィランサスは紐を通したガマグチのサイフをステイメンの首から掛け、一つ折りのメモを渡す。
GP01「サイフの中にはお金と買う物のメモが入ってるから。で、これは商店街への地図」

ステイメン「あ、うん♪じゃあ行ってくるねー♪」
GP01「行ってらー、わかんなかったら怪しくない人に聞くんだぞー♪」

ステイメン「はーい♪」



ブリッジからステイメンがアルビオンを出て行ったのを確認し、ゼフィランサスはハンディカムを手に動き始める。

GP01「フフフ、ハプニング起きてくんないかな〜♪」
GP02A「っ、てめぇ悪魔かι」

GP01「悪魔なんて失敬な。お前よりステイメン可愛いんだから仕方ねーじゃん♪っと、お前は来なくて良いからな」
GP02A「……ふん、言われなくても行かん」

GP01「うん、じゃーな♪」

288リリカラー劇場:2008/01/30(水) 00:52:06 ID:FdtvreYv
−−−−

ステイメンがアルビオンを出てしばらくした頃、海鳴市のとある家。
そこでも一人の少女が女性に着替えを手伝ってもらい。
車椅子へと腰掛けて玄関を出ていた。

「じゃ、買い物行こか」

「はい、はやてちゃん♪」

−−−−


はやて「シグナムは道場で、ヴィータとザフィーラはおじいちゃんやおばあちゃん達がおるとこやから……ちょっとゆっくり買い物してこかシャマル?」

シャマル「そうですね−−あっ」


家から商店街へと向かう中、シャマルは遠くに小さなMSが居るのを見つける。
何やらメモを見て辺りをキョロキョロしているの行動からシャマルは道に迷ったのか?と考える。


はやて「あ、あれは……MSの子やな。道に迷ったんかなぁ」

シャマル「おサイフも持ってるようですし……お使いかもしれませんね」

はやて「ちょっと声かけてみよ」


はやての言葉にシャマルは「はい」と頷き、彼女の車椅子を押して小さなMSのへと歩み寄る。

そして……

「ど、どうしよう怪しそうな人が来たら……とりあえず。お、大声で助けを呼べばいいんだ!!
わー、誰かにさらわれるーよ助けてー!」

シャマル「……声かけづらいですねι。はやてちゃん行ってくださいι」

はやて「そやな、シャマルやと泣き叫ぶかもι」


MS達と少女達の新たな思い出を紡ぐページが開かれた……。

289リリカラー劇場:2008/01/30(水) 00:54:05 ID:FdtvreYv
以上です。

一応、ラストをどうしようかワクワクしながら書いてます。
悲しい話ですから、前回のよりまったりしないと……。
ではではー
290キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/01/30(水) 00:58:00 ID:ydSXDJGW
泣き叫ばれるシャマル期待(なに
そして次は誰か予定あるのかしら?
無かったら投下したいと思う。
291リリカラー劇場:2008/01/30(水) 00:59:33 ID:FdtvreYv
GOです!
292名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 01:00:13 ID:d7rWiKCz
GJ!!
あぁ・・・ついにアトミックバズーカが町で撃たれるフラグがw
293名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 01:00:44 ID:rVuJ+l7g
>>281
>あと、『雪風』からまた出します、一人。女性とだけ、言っておきます……。
婆さん?医者?記者?
誰なんだ〜っ!?

あとほのぼのGJ!
センはミッドの魔法で一時的なりとも『先生』に戻らないかな?
原作でも結構良い感じなダンディっぽかったが……はっ!もしやはやての好物!?

>>289
こっちもワクワクしながら読んでますよw
294旅ゆく人:2008/01/30(水) 01:05:36 ID:sa3wqTS/
>>293
ネタバレ、禁止ッ!(藍華チャン風に

後から原作を手にする人のことも、
考えましょー。
でも、感謝。

明日から昼勤なので、寝ます ノシ
295名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 01:14:14 ID:IWmfwgmB
>>290
楽しみにしてたぜ支援
296キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/01/30(水) 01:15:35 ID:ydSXDJGW
ちょっと間を置いたほうがいいらしいので、三十分ほど後(具体的には私が風呂入り終わってから)投下したい思うのだ。
そのときはまた支援をよろしく頼む。向こうにも書いたが私以外には楽しくない話かもしれんがw
297名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 01:16:23 ID:S+NoI9QN
>>281
女性かぁ・・・あの人かな?
男性キャラだと
トーレとジャックはブーメラン一緒に作る光景何てのが浮かぶなぁ・・・
298名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 01:21:49 ID:d/5tA7xW
支援
299名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 01:25:08 ID:CqYPYgOS
>>297
つまりセッテのブーメランはお姉ちゃんがせっせと作ってくれた手作り品というわけか。

…萌えるw
300仮面ライダーリリカル電王sts:2008/01/30(水) 01:32:12 ID:qyFVXHg3
支援いたす。自分は、キャロとバクラの人氏の後にリリカル電王第六話投下します。
301キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/01/30(水) 01:34:44 ID:ydSXDJGW
ちょっと早いけどソロソロ行きます〜支援ヨロシク
302名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 01:35:23 ID:d7rWiKCz
さっぱり支援
303キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/01/30(水) 01:36:10 ID:ydSXDJGW
そこは第六管理世界と呼ばれる次元の中では発達した都会と言われる都市だった。
他の次元世界との連絡船や貨物船が航行し、無数の物資と人を行き来させる。
当然そこには利権が生まれ、金が生まれ、金持ちが生まれ、街が栄える。
利権はさらに人を集め、その中で二種類の人種を作った。つまり……持つ者と持たざる者。
二つの人種は街を特徴的に染め分ける。つまり光の部分と闇の部分。

キレイな通りのすぐ後ろ側、夜にも光が絶えない表通りのハズレにそんな場所はある。
古いレンガの壁が並び、僅かな街灯が頼りなく辺りを照らす。だが足りない!
それではこの闇を払うことも、そこに隠れる弱者にして無法者を照らす事も。

もちろんそんな場所は犯罪が横行し、夜にもなれば歩く者も僅か。
特に女子供なんていう犯罪の対象に成り易い者は……だが彼女は歩いていた。
特徴的な民族衣装のようなフード付きのローブを被り、手元にはバッグ。
首からは価値がありそうだが趣味の悪い金色のペンダント。
辺りを気にしながらアッチにふらふら、こっちにフラフラ。
どうみてもこの街に始めてきたが迷子になってしまった少女の図。
そんな人物がこんな危険な場所を歩いていたらどうなるか? 至極簡単だ。『襲われる』

「っ!?」

細い路地から伸びてきた手が少女をその闇の中へと少女を引きずり込む。
辺りには少女の悲鳴が響くが勿論誰も助けになど来ない。
複数の男の荒い息遣いが彼らの目的を大変に解り易く表現している。
だが……

「ギャアァアア!!」

不意に響いたのは野太い男の悲鳴。少女のソレよりもずっと鬼気迫った声だ。
それに続くように複数の掠れた悲鳴が暗闇に閉ざされた横路地から寂れた道を満たす。
もちろん誰も助けになど来ない。少女の時と同じだ。

「ヒィアァ! 化け物ぉをぉぉ!!」

不意に小さな闇から飛び出してきた男は恐怖で真っ青に染まった顔を引き攣らせている。
男が僅か見せた安堵も、闇の中から男達の手のように伸びた板金鎧によって遮られた。
ガッシリと男の首を掴んだ鎧はいかに男が暴れようとも解けはしない。
時間をかけて恐怖を与えるように再度闇へと誘われた男の悲鳴が空しく辺りに響いた。
304キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/01/30(水) 01:37:33 ID:ydSXDJGW
数分の後、完全に沈黙を取り戻した路地から姿を現すのは最初に引き込まれた少女。
そしてその後ろに続いて現れたのは男たちではない。むしろ人間ですらなかった。
一つは首が無く空っぽの鎧だけの存在。もう一つは腐臭を漂わせる亜人の屍骸。
どちらも幾ら薄暗い夜だからとか、寂れた場所だからと言う理由で現れるものではない。
そんな怪物達とか弱そうな少女が歩いていれば、まさに怪物に誘拐される王女様だろう。

だがこの少女は違う。
桃色の髪二房をピンと跳ね上げ、口元には獣の笑みと刃のように鋭い目元。
闇に飲まれずにソレを従えるような圧倒的で不気味な存在感。
首元で金色のペンダント 千年リングが怪しく光る。彼女は……魔王。
決して冥王ではない。

「ヒャッハ〜! 全く獲物には苦労しねえぜ」

少女が懐から取り出したのは複数のボロボロの財布。
中からお札や硬貨を取り出しては数えて自分の懐へしまい直し、財布の方を放り捨てる。
彼女もやっていること事態は男たちがやろうとしていた強盗と変わりは無い。
ただ違うことを上げれば彼女は悪党専門にソレを行っていると言う事だろう。

「だが所詮は街のチンピラだな、食事三日分ってとこか。
 しかしよく釣れる。お前の怯えっぷり、弱そうに見える所はある種才能だな? 相棒」

『全然嬉しくないです……』

意地の悪い笑みを少女が浮かべる先に影のように重なるのは、少女と同じ姿。
だがそちらは完全に落ち込んだようにくらい表情をしている。人の良さそうな印象を与える様は正に正反対。

「だからよ〜いい加減に腹を括れって相棒。
オレ様の本領は盗みだって…『ダメです!』…ケッ! 
悪党からコソコソ奪うのは良いのに、真人間からゴッソリと盗むのはダメかい?」

『良いって訳じゃないんです! でも…「グゥ」…うっ』

「はいはい、まずは飯だな。良い訳は後で聞くぜ」

可愛らしいお腹の音に少女はタメ息を一つ。
指を一つ鳴らせば首の無い鎧・首なし騎士 亜人の屍骸・ゴブリンゾンビが灰のように闇に消える。

そんな感じで……


『キャロとバクラの就職が困難を極めているようです』


305キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/01/30(水) 01:38:13 ID:ydSXDJGW
「いらっしゃいませ〜ご注文を問うぞ」

「えっとハンバーガーのAセットを一つに単品でナゲットを……」

「はい、かしこまりました〜少々お待ちくださいませ〜」

キャロ・ル・ルシエがこういった場所 ハンバーガーショップなるモノに入ったのはこの街に来てからだった。
最初はオッカナビックリ、ドラゴンの巣に突入するような心境だったのだが、慣れと言うのは恐ろしいもの。
もうこの街で一番落ち着ける場所といえばここだ。え? 家?……そんなものは現在彼女には無い。

「お待たせしました〜ごゆっくりどうぞ」

「あっありがとうございます!」

『なんで店員にデカイ声でお礼を言うんだよ?』

千年リングに宿る人格 バクラにそう指摘されてキャロはハッと顔を赤くする。
見れば店員もクスクスと笑っていた。逃げ出した衝動を必死に抑えて、席を探す。
注文する途中に余りに混乱し、店を飛び出したこともあるくらいだから、大きな進歩だ。
幸い時間が夜間である事から店内は空いていた。キャロは落ち着く奥の席に腰を下ろす。

「ふぅ……」

タメ息を吐く回数が確実に村にいた時よりも増えた事を認識し、キャロは誤魔化すようにオレンジジュースに口をつける。
ストローを通って流れ込む痺れるような甘さにも馴れた。

「キャウ〜」

「あっ! ゴメンね、フリード」

恐らく美味しそうな匂いに我慢できなくなったのだろう、バクラとは違うパートナーの声にキャロは慌ててカバンを開く。
中からのっそりと顔を出したのは白色に赤い瞳の幼竜 名をフリードリヒ。
サイズの割に大きな口にナゲットを放り込みながら、キャロ自身もハンバーガーを齧る。
何時食べても暖かいという画期的なパンの温もりに思わず彼女の表情も緩んだ。
306Strikers May Cry:2008/01/30(水) 01:39:37 ID:G1wZOIjH
支援だぜ!
307名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 01:40:01 ID:OiDX2svh
支援
308キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/01/30(水) 01:40:06 ID:ydSXDJGW
『さて相棒、真面目な話をしようぜ』

「はい! ゴメンなさい、一人で食べちゃって」

キャロがトレーに乗った殆どの食べ物を食べ終えてから、頃合を見たようにバクラは話し出した。
そこには何時もの嘲笑うような表情は成りを潜めており、それがキャロを余計に緊張させる。

『都会に出れば仕事があると思って、墓荒らしの残りを叩いてここまで来た訳だが……
このままじゃジリ貧だぜ。お前も解ってるんだろ? どこに行こうとガキがやれる真っ当な仕事なんてそうそう転がってるモノじゃないってことだ』

「でも就労の制限が低くて、その斡旋もあるって本で読みました」

『現実と理想は違うんだぜ? 相棒』

確かにキャロの言う就労の制限年齢を下げるという法律は管理世界に広く浸透している。
だがそれは決して雇用主に年齢の低い者を『雇わせる法律』ではない。
長い経緯や詳しい内容は割愛するが『雇っても良い法律』と解釈された。つまり裁量権は完全に雇う側にあることになる。

同じ仕事を同じ賃金でさせるならば大人と子供、どちらを雇うだろうか? 答えは至極当然、よく働けて体を壊しにくい大人を採用する。
もちろん若年者を雇用する事で優良企業としての名を売るという考え方もあるがそんな事ができるのは大企業のみ。その大企業だって雇える人数など限られている。

『まあ余所者の感想だがこの世界は魔道師や魔法がやたらと力があるだろ?』

コクリと頷いた相棒にバクラは続ける。

『つまりよ〜「ガキも働いて良いですよ」って言うのは、魔道師の適正がある奴を早めに引き入れる策なんじゃねえか?』

質量兵器を禁じた管理世界において武力といえば魔道師とほぼ直結する。
魔道師は武器を持たせて訓練すれば誰にでも勤まるわけではない。故にその絶対数は少ないが国から企業レベルで大量に求められる人材。
ゆえに魔道士の絶対数を手早く確保する手段としての青田刈り、若年者の就労制限の引き下げと言う手段が選ばれた。
魔道師がどこよりも必要なのは各次元に影響力を持つだけの武力を有さなければならない時空管理局。
そんな彼らが出した法案であれば、自分達の利害とも重なるゆえに反対する理由は各次元世界には無い。
309キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/01/30(水) 01:40:48 ID:ydSXDJGW
『だけどお偉方の考える事は酷く単純だ。盗賊のオレでも予想できる。
つまり……「魔道士だけ優遇するのは世間的にマズイだろう。だからみんな一緒」ってな!』

口では魔力に優れた者だけを優先しているわけではない!と一律に下げた。
これでは『労働力が不足しているので若年層にも働いて欲しい!』と言う全く違った、良い方に改悪されたメッセージを生む。

『一緒って言われれば生活が苦しい奴は都会にでも出て働こう!と思うだろう。
 ソレが甘い罠ってわけさ。必要とされるのは一握り。大人で事足り仕事をガキにやらせる物好きも居ない。
 何とかなると思って田舎を出てきてみれば……状況は最悪って訳だ』

前にも言ったようにこれは『雇っても良い権利』を『雇う側』に与える法だ。
ゆえに企業や国は唯の子供には興味を示さない。なにせ必要なのは「一部」なのだ。
体面を保つ為に若年労働者の最低賃金も決められている。それでは子供を雇う利点が無い。
もし子供を欲するものと言えば……汚い仕事の者ばかり。
雇うという最低限度の条件しか整えず、重労働や低賃金を貸す悪徳業者。
清らな体と心が目的の人身売買の餌食。そして悪事に手を染める者も無数に出る。


『さあ……どうするよ? 相棒』

キャロも薄々気がついていた。決して話に聞いていた理想的な状態でないことくらい。
ここに来て一週間になるがその間幾つも店や会社を回った。大きな企業から小さな店まで。
大きな企業からは魔道師でもない子供雇う意味は無いと跳ねられ、小さな店では魔道師である必要性は無いが人手に困っている所もない。
ましてキャロ自身決して人生経験豊富とは言えないのだから、さらに始末が悪い。

「私……本当に甘かったんですね」

『まあ、追放なんぞしてくれた長老が説明不足にも程があるがな』

もっとも長老自体、若年層の就労状況を伝えられるままに理解していたのだろうが。
世間知らずなのはキャロだけでなくあの村の全ての人間と言っても過言ではないだろう。
310名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 01:41:00 ID:OiDX2svh
支援
311キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/01/30(水) 01:41:26 ID:ydSXDJGW
だとしてもキャロは己の安易な判断を恥じる。

「ゴメンなさい」

『謝られる事なんて一つもねえよ、相棒』

「でもゴメンなさい……フリードも……ゴメンね?」

「キュウ……」

どれだけ自分が無知で無垢で何も解らなかったのかと言う事を強く認識させれた。
同時に自分が守っているつもりだった『悪い事をしない』と言う定義が余りに脆いものだと気がついた。
そんな愚かな自分を『悪』と言って間違いないだろう寄生者は導いてくれた。
自分ひとりだったら、きっとあそこで騙されて終わりだ。この街で一週間生きることもできなかっただろう。
このハンバーグも食べられなかっただろうし、二日に一度のシャワーにもありつけなかっただろう。

『ポロリ』と液体が俯いたキャロの瞳から零れた。
一度流れてしまえば勢いを増した涙の流れを止めるものは何も無い。
口からは嗚咽がそのボリュームを増して溢れ出した。

『相棒、もし「オレの今まで言って来た事が全部正しい」なんて詰まらない事を考えてるなら止めろ』

「……ぇ?」

『オレ様がいった汚い事は全て世界の真理だ。ソレは間違いない。だが……それだけじゃない』

「どういう……事ですか?」

『バ〜カ! 教えちまったら意味がねえんだよ。
涙なんてつまらねえものを拭いて、自分で考えな、相棒』

そう言われてノロノロと涙を拭くキャロを横目で見つつ、バクラは呟く。
相棒の道理をそんなに曲げる事も無く、自分の楽しさも追及できる作戦を。


『そんな困った相棒に提案だ。
魔道師……なってみる気はないか?』


312名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 01:42:04 ID:OiDX2svh
支援
313キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/01/30(水) 01:42:59 ID:ydSXDJGW
以上です。しかし進まないねw
そしてこんなに苦労するキャロは世界を見渡してもそう居ないはず。
今回は色々妄想していた事と泣きキャロとハンバーガーが書けたので文句は無い。
314名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 01:45:50 ID:/MXfv7QY
GJ!
ロリコンは許さない首なし騎士に吹いたw
315名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 01:47:38 ID:EfDdcZFl
GJ!
さて就職前にどっかからデュエルディスクを調達しないとな
カードもあれば精霊を呼び出すことも可能なはず
316名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 01:47:40 ID:O7U+M4X1
最近流行のマック難民wwwww
バクラは着実にキャロ旗を立てていっているように見えるぜ
GJ!!
317名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 01:48:11 ID:/KDEyMsO
丁寧な進行がいい感じだ

>ご注文を問うぞ
でちょっと吹いてしまった。
「どうぞ」のミスかもしれないけど、これでも意味が通らなくもないなwww
318名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 01:48:27 ID:OiDX2svh
GJでした!
何というツンデレw
社会制度の考察も、良くできてると思いました。
319仮面ライダーリリカル電王sts:2008/01/30(水) 01:48:29 ID:qyFVXHg3
GJ。どこの世界も就職難ですね。キャロ頑張って。
さて、自分は、2:40頃にリリカル電王第六話投下したいのですがいいっすか。
320リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/30(水) 01:50:17 ID:o/j0aP5i
じゃあ電王さんより先の二次十分当たりに投下したいけど…おkですか?
321名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 01:50:24 ID:d7rWiKCz
GJ!!です。
原作より現実を知ったキャロか・・・いいですねw
さぁデバイスを盗ま・・・調達しないとねw
322名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 01:53:18 ID:seQvqLEP
GJ!!でした。
このままいけば管理局で生活のために戦う
職業魔導士キャロが見れるんだろうか。
あるいはチンピラじゃなくて大物悪党を狙うか。
いいな〜。
厳しい社会の現実を味わってるキャロが素敵です。
頑張ってください。
323Strikers May Cry:2008/01/30(水) 01:54:39 ID:G1wZOIjH
ああもうGJだぜ!!

この先二人がどんな珍道中を巻き起こすのかマジで期待大っす。
324名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 02:00:40 ID:CqYPYgOS
GJ!
そういえば、遊戯王の連中は偏執的なまでにハンバーガーにこだわってたことを思い出したw
何かある度ハンバーガー食べに行こうって…w
325名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 02:03:09 ID:ME0lczlc
GJ!
オヤジ狩り狩り思いだしたw
このままいくと、キャロは本編よりかーなーり黒くなりそうだな
326名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 02:04:51 ID:EfDdcZFl
>>325
これからオカルトデュエリストとして就職するに違いない
327名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 02:06:45 ID:8QGMwR0d
GJ!!
この二人の魔導士認識って、どんなんだろ?
万が一、キャロがブラックマジシャンガールみたいになるような事があったら...。
328リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/30(水) 02:11:40 ID:o/j0aP5i
行きます

【平成ライダーサイド】三話「俺達はかーなーり強い!」Aパート
【ゼロライナー車内】
「!」

キョウキはゼロライナーの車内に入り、滅茶苦茶になった室内を見渡す。
そして、頭部に傷を負い、倒れている桜井侑斗の姿を見つけた。

「桜井!おい桜井!」

侑斗を抱き起こし、大声で呼びかけるキョウキ。

「う…き…桐矢…」

侑斗は目を開け、弱々しく口を開く。

「大丈夫か!?」
「へっ…弱虫のお前に助けられるなんて…俺も…ヤキが回ったぜ…」
「そんなこと言ってる場合か!外に行くぞ!手当てをする!」
「あ…ああ…」

【箱根山ふもと】
キョウキ、すずか、デネブの三人は、怪我をしている侑斗をふもとに張ったキャンプまで運び、手当てを施した。
現在侑斗は手当てを終え、元気を取り戻していた。

「鬼ぃ!?お前が!?」
「ああ、今の俺は「キョウキ」。「強い鬼」と書いてキョウキだ!」
「…クックック…アッハッハッハッハッハ!!」
「な…何が可笑しいんだよ!?」
「だって…はは…運動音痴で…イマジンやワームにビビリっぱなしだったお前が…鬼とか…アッハッハッハッハッハ!!」

いっそう激しく笑う侑斗。

「こっの…!」
「先輩落ち着いてください!でも…侑斗君は何でここに?」
「それなんだけどな…」

【未来 東京】
侑斗とデネブは、モモタロス達が過去へ敗走した後…全てが終わった後に、ハナ達の未来に辿り着いた。

「侑斗!駄目だ!完全に未来が乗っ取られてる!」
「遅かったか…!」
「ああ…完全にな…」
「「!?」」

落胆する二人の前に、ホットドッグを頬張る牙王が現れる。

「牙王…お前がこれを!?」
「へ、まぁな。」
「モモタロス達はどうしたんだ!?」
「さぁな、どっかに逃げてっちまったよ。そして…」
329リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/30(水) 02:12:27 ID:o/j0aP5i
ガオウベルトを腰に出現させる牙王。

「お前らも、逃げるなら今の内だぜ?」
「…!」

侑斗もゼロノスベルトを装着し、ゼロノスカードをカードホルダーから取り出す。

「やっぱりお前も喰われたいか…良いぜ、面倒見てやる…変身!」
『GAOH form』

牙王は金色のパスをガオウベルトの中心にかざし、仮面ライダーガオウに変身する。

「変身!」
『Ultair Form』

侑斗も仮面ライダーゼロノス・アルタイルフォームに変身を遂げる。

「ハッ…」
「…!」

ガオウはガオウガッシャーを、ゼロノスはゼロガッシャー・サーベルモードを構え、互いに歩み寄っていく。

「「…ハアッ!!」」

そして至近距離に入った後、二人はお互いの刃を激突させた。

………
「…で、敗北してこっちに飛ばされてきたと?」
「ああ…」
「牙王の力は前より強くなっていた…頑張ってみたけど…どうにもならなかった…」
「けど、なんであいつが生きてるのかが分からない…あいつは野上に…」
「もしかしたら…AAMONの仕業か…」
「「あもん?」」
「ああ。」

キョウキは首を傾げる侑斗とデネブに、今この世界は、AAMONという、「悪の組織」の脅威にさらされつつあるということを教えた。

「悪の組織…まさかそんなもんが…」
「リンディさんの話によれば、今世界を襲ってる怪人達は、昔リンディさんが見た怪人達を復活させ、量産した物らしい。奴らの技術なら、牙王を蘇らすことも可能だったのかも…」
「蘇らせて…か…」
「おまけに、妙なことも色々企んでるようだ。現に俺が今追ってるヤマアラシだって、メカに改造されてるらしい。」
「へぇ…面白そうじゃないか。俺も混ぜろよ。」
「「「え!?」」」

侑斗の発言に驚くキョウキ、すずか、デネブ。

「駄目だよ侑斗君!怪我してるのに…」
「彼女の言うとおりだ!無茶はよくないぞ侑斗!」
「平気だよこんなの!それに、そのAAMONって奴らが牙王と関係あるなら、何か手がかりがつかめるかもしれない!俺はやる!」

侑斗は頭の包帯を取り、投げ捨てる。

「でも侑斗!」
「いいぜ。」
「先輩!何言って…」
「俺はヤマアラシは未経験だ。一撃で仕留めるためにも、味方は多いほうが良い。丁度、アタリも来たしな。」
330リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/30(水) 02:14:35 ID:o/j0aP5i
キョウキは侑斗に情報収録済みのアサギワシのディスクを見せる。

「へ…じゃあ、お前がどれだけ強いのか、見せてもらうぜ?」
「ああ、かーなーり強いから、腰抜かすなよ!」

二人は互いに微笑み合い、山に登っていった。

【箱根山河原】
キョウキと侑斗の二人は、アニマルが知らせた場所に辿り着く。
そこは透き通った水が流れる綺麗な川が流れている河原だった。

「ここか…」
「おい、一体何処に…」
「AAMONの為に…」
「AAMONの為に…」
「「!?」」

不気味な鳴き声が聞こえ、二人に向けて無数の針が飛んでくる。
二人は受身でこれを回避し、立ち上がって針が飛んできた方向を振り向く。
そこには体の半分が機械化したヤマアラシの童子と姫が居た。(童子は右半分、姫は左半分が機械)

「あいつら…」
「あれがサバキさんがやられたっていう奴らか…」
「「ヌン!」」

童子は右腕の、姫は左腕の腕方フィンガーランチャーから銃弾を連射し、二人を撃つ。
二人ははジャンプでそれを回避し、着地すると、キョウキは変身音叉を指で鳴らして額にかざし、侑斗はゼロノスベルトを腰に巻きつけ、ゼロノスカードをホルダーから抜いた。

「はあぁぁぁぁあ…ハア!!」
「変身!」
『Ultair Form』

キョウキは蒼い炎をまとって強鬼に、侑斗はゼロノスカードをゼロノスベルトにアプセットし、ゼロノスアルタイルフォームに変身を遂げる。
そして並び立った二人のライダーは人差し指で童子と姫を指差し、叫ぶ。

「「最初に言っておく!俺達はかーなーり強い!!」」

(BGM ACTION-ZERO)
【ゼロノス対ヤマアラシのメカ童子】
〔君の声聞いた気がして 失われた時間さ迷う 存在さえ忘れられた この想いはどこへ続くの?〕

ゼロノスはゼロガッシャー・サーベルモードを握り締め、童子に斬り込んで行く。
対する童子はフィンガーランチャーでゼロノスを攻撃するが、ゼロノスは弾丸を全て斬り払い、まっすぐ突き進む。
331リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/30(水) 02:15:09 ID:o/j0aP5i
〔俺に立ち向かうすべての 相手は後悔するだろう 半端にウロウロするなら 何もせずにじっと見てな
誰も皆信じている真実それだけが 正しいとは限らないのさ その目で 確かめろ〕

「ヌッ!?」
「バーカ!そんなんで俺を止めようなんて、一千年早いんだよ!」

ゼロノスはゼロガッシャーを振るい、スピーディな動きで童子を切り刻む。
その切れ味は鋭く、童子の機械の体をズタズタに切り裂いていく。

〔強き者に強き力 言っておく「かなり強いぜ」〕

「トドメだ!」
『Full Charge』

ゼロノスはカードにフリーエネルギーをチャージし、ベルトから引き抜く。
そしてカードをゼロガッシャー・サーベルモードに装填し、緑色に輝く刃で同時を切り裂いた。
ゼロノスの必殺技の一つ「スプレンテッドエンド」だ。

〔極めつけのVega Altair 始まるBattle(Don't stop)Action-ZERO〕

「ぐああああああああああ!!」

スプレンテッドエンドを受けた童子の体に「A」の軌跡が刻まれ、童子は爆発した。

「どうだ!妖怪ヤロー!」

【強鬼対ヤマアラシのメカ姫】
〔存在しない存在を 証明し続けるためには ゼロというレール 駆け抜け止まることなど許されない〕
「おおおおおおおおおおおお!!」

強鬼は姫の銃弾の雨を潜り抜け、懐に飛び込んで音撃棒を使った連続攻撃を叩き込む。

〔孤独だけを強さにする 心を痛いほど 分かっているだからいつでも 一緒に戦うのさ〕

「ヌア!」
「まだまだ!!」

強鬼はさらに手数を増やし、激しい攻撃を姫の体に打ち込む。

〔強き心強き願い 重なる時無敵になる〕
「うう…鬼め…」
「トドメ!」

強鬼は烈火剣を形成し、空にジャンプする。
そして剣を唐竹割りに振るい、姫を真っ二つに切り裂いた。

〔デュアル仕様Vega Altair 繰り出すAttack(Don't stop)Action-ZERO〕

「グギャアアアアアアアアア!」

斬られた姫は真っ二つに分断され、燃え尽きて消滅した。
(曲終了)
332リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/30(水) 02:16:05 ID:o/j0aP5i
「片付いたな…」
「ああ…でも、まだサバキさんをやったヤマアラシが…」
「モウゥゥゥゥゥゥゥウ!!」
「「!?」」

物凄い雄叫びが聞こえ、森の中からほぼ体全体を機械にされたヤマアラシが現れる。
その目は既に理性を失っており、破壊衝動のみに支配されている。

「出た…こいつが大物か!」
「行くぞ…デネブ!」
『Vega Form』

ゼロノスはもう一度ベルトからカードを抜き取り、裏側にして再びカードをセットし、ゼロノス・ベガフォームへとフォームチェンジした。

「最初に言っておく…俺は…」
『いいから戦え!来るぞ!』
「お…おお!京介…じゃなかった、強鬼!俺が奴を引き付けるから、その間に奴を!」
「ああ!」
「モオォォォォォォォォォオ!!」

メカヤマアラシは背中の針型ミサイルを飛ばし、二人を攻撃する。
強鬼はダッシュでミサイルを避けていき、ゼロノスは肩のゼロノスノヴァでミサイルを撃墜していく。
そしてゼロノスはゼロガッシャーをボーガンモードに変え、再びフリーエネルギーをチャージしたカードをガッシャーにセットする。

「さぁ…こっちだ!」

ゼロノスは必殺技「グランドストライク」を連射し、メカヤマアラシを撃つ。
魔化魍であるメカヤマアラシにグランドストライクは通用しなかったが、メカヤマアラシの目を強鬼から話させるには十分だった。

「今だ!強鬼!!」
「オオオオオオオオオオ!!」

烈火剣を持った強鬼はメカヤマアラシの頭部へとジャンプし、あまり頑丈に改造されていない脳天に剣を突き刺す。
そして音撃鼓を頭に張りつけ、烈火剣を通常の音撃棒・烈蒼に戻し、音撃の構えを取った。

「天下無双の型!!ハッ!ハッ!ハアァァァァア…ハアッ!!」

強鬼は自分オリジナルの音撃を繰り出し、音撃鼓を激しく叩き鳴らす。
天下無双の型を受けたメカヤマアラシは体に亀裂が入り、轟音を上げて爆発した。

………
「イッテ〜!」

着地に失敗した強鬼は顔だけ変身を解除し、尻餅をついている。
変身を解除した侑斗はそんなキョウキの前に歩み寄り、手を差し伸べた。

「ん?」
「やるじゃねぇか…キョウキ!」
「!…ああ!当たり前だ!」

キョウキは満面の笑みを浮かべながら侑斗の手を取り立ち上がった。

………
「やはり不完全じゃったか…」

AAMONの幹部・幽霊博士は、箱根山の木の上から双眼鏡でメスヤマアラシの残骸を見ながらそう呟いた。

「まぁ良い、失敗は成功の元だ。次こそは魔化魍など使わなくとも、強力な怪人や兵器を作ってやるわ!」
333リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/30(水) 02:17:15 ID:o/j0aP5i
【箱根温泉旅館 露天風呂】
戦いが終わった後、キョウキ、侑斗、すずか、そしてデネブの四人は、戦いの後の露天風呂を楽しんだ。(キョウキと侑斗はトランクスの水着、すずかは紫のビキニ)

「いやぁ〜、極楽だなぁ侑斗!」
「ああ…体の芯までかーなーりあったまる…」
「月村、お前なんで泣いてんだよ?」
「なんでもありません〜、ふぇ〜ん!(先輩と入りたかったのにぃ〜!)」

【次回予告】
セイウチロン「喰らえキックホッパー!」
キックホッパー「グッ…!」
(セイウチロンの攻撃をホッパーゼクターに受けるキックホッパー)
パンチホッパー「兄貴!」
サソード「矢車!」

シャマル「想さん…これ…」
(矢車にライダーブレスを渡すシャマル)
矢車「お前…」

(セイウチロンに圧倒されるパンチホッパーとサソード)
シャマル「瞬も剣君も、貴方の分まで戦ってる!それを、貴方は見捨てるつもりなの!?そんな想さん…大嫌い!」

(スーツを着込み、ライダーブレスを掲げる矢車)
「シャマル…お前ら、礼を言う。」

(ライダーブレスにザビーゼクターをセットする矢車)
「変…身」

(ファイティングポーズを取る矢車ザビーRF)
334リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/30(水) 02:19:59 ID:o/j0aP5i
投下終了
メスヤマアラシとなってるところがあるのでメカに訂正を…
やっと心の傷が癒えてきました…これからも頑張ります。

次回の平成サイドはザビーを使うので再び矢車タイムです。(いつもこればっかですみません…)
剣崎も使いたいけど彼、使いどころ難しいんだよなぁ…
とにかくお楽しみに。
335仮面ライダーリリカル電王sts:2008/01/30(水) 02:27:33 ID:qyFVXHg3
GJ!ACtion-ZERO聞きながら読んでました。侑斗も強鬼も格好いいです。さて50分ごろからリリカル電王sts第六話投下したいと思います。支援お願いいたす。
336名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 02:32:17 ID:PPVBLiHD
>>334
原作終了後なのになんでアルタイルフォームが使えるんですか?
最終回の最後の変身で桜井が消滅した以上、アルタイルの緑カードを入手するのは不可能なんですけど?
337名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 02:38:39 ID:l6HDtNNo
いっちゃって
338StS+ライダー:2008/01/30(水) 02:39:39 ID:o/j0aP5i
さあ…なぜなんでしょう。
という冗談はおいといて。
たしか侑斗が「カード、もっと持ってくりゃ良かったんじゃないか?」とデネブにいってたんでどこからか持ってきたってことで。
339名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 02:44:29 ID:O7U+M4X1
>>338
無理だろ、それでも。
340名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 02:46:39 ID:EfDdcZFl
>>338
緑は未来における桜井さんの記憶の結晶であって
全部使ったからこそ本人がああなったわけで
原作の侑斗の記憶では全部赤のゼロにしかならないような
それに存在しない時間をどっかから持ってくるのはさすがに無理ですって
まあ、時間がたち侑斗が大人になったため桜井さんの象徴であるアルタイルを使えるようになったと解釈できなくもないですけれど
341StS+ライダー:2008/01/30(水) 02:49:44 ID:o/j0aP5i
駄目かなぁ…
じゃああれだ。
逆ダブルタイフーン使用後三時間変身不能という設定が忘れられたのと同じく、みなさんカードの出所のことは忘れてください(ぇ
ではおやすみなさい
342名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 02:49:55 ID:O7U+M4X1
>>340
その設定でも緑むりじゃね?
桜井と侑斗はもう別人だろ。
侑斗が大人になっても赤だと思うんだが
343仮面ライダーリリカル電王sts:2008/01/30(水) 02:50:06 ID:qyFVXHg3
それではそろそろ投下しますか。支援ヨロシクお願いいたす。
344名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 02:53:19 ID:EfDdcZFl
支援
345仮面ライダーリリカル電王sts:2008/01/30(水) 02:53:19 ID:qyFVXHg3
仮面ライダーリリカル電王sts第六話
「必然の出会い!」

「はやてよ。下樸達も良い目をしておるな。」

「何言うとるん当たり前や。それに皆下樸やない家族や。」

一人しかいないハズの部隊長室で、はやては白きイマジンと話していた。

「しかし、ジークと出会ってもう半年も起つんか。」

「早いものだ。」

「早くないよ。いろいろあった。」

「そうだな。」

はやてこのイマジン、ジークの出会いは半年前のこと。ジークは良太郎同じく次元震でこちらにやって来たのだ。
ジークは元々実体化していたが次元震の影響で光となってさまよっていたのをはやてが発見し自らの体に留まるよう言ったのだ。それから、半年が経ち今では体を幻影として映せるまでに回復したのだった。

「このイマジンの大量出現…、何んやろう、何か気になるんよ。」

「同感だ。」

「何かとてつもないものが動き出しとる。私らが頑張っていくしかないんや。」

「私も微力ながら手伝おう。」

「ありがとジーク。」

「例には及ばん。」

346仮面ライダーリリカル電王sts:2008/01/30(水) 02:55:45 ID:qyFVXHg3
部隊長室ではやてがジークと話していた時、スバル達は急いでいた。モモタロスが新たなイマジンを見つけたのだ。そして、スバルと離れた、キャロは良太郎と合流した。

「良太郎さん!」

「キャロちゃん!どうしたの。」

「どうしたやない。イマジンや。」

「イマジンが!分かった。て、何でいきなり口調が変わって。」

「俺やキンタロスや。」

「キンタロス!?もしかしてエリオ君達と同じことになったんだ。」

「そんなのはどうでもええ。来たで!」

Kキャロの言葉に振り向くとそこには改造イマジン、ライノイマジン改がいた。
左手をハンマーにしたそのライノイマジン改は、良太郎にハンマーを向けると叫んだ。

「電王。今日こそ死んでもらおう。」

「いくで!良太郎!」
そう言うと、キンタロスは良太郎に憑いて腰にベルトを巻き、ライダーパスを構えた。

「変身!」

そう言うとライダーパスをベルトにセタッチさせた。すると、身体を黒いアーマーで覆いにその上に金色のアーマーが装着され、良太郎は仮面ライダー電王アックスフォームとなるとその周りに懐紙吹雪が舞い、こう言った。

「俺の強さにお前が泣いた!涙はこれで拭いときや〜!」

電王はライノイマジン改に向かって突っ込んでいった。持ち前の防御力でライノイマジン改の攻撃を受けながら攻撃していくとライノイマジン改は近くにいた局員を捕まえた。

「こいつがどうなってもいいのか。」

「卑怯やで。」

「卑怯なんてものな…ギャアァァ!」

「二人とも大丈夫!」
「フェイトさん!」

ライノイマジン改に突然、稲妻の槍が刺さるとライノイマジン改は吹き飛びそこにフェイトが現れた。
347仮面ライダーリリカル電王sts:2008/01/30(水) 02:58:56 ID:qyFVXHg3
しかし、良太郎は気づく、捕まった局員の時の扉が開いたことを。

「あかん!扉が。」

「今だ!」

ライノイマジン改は扉へと飛び込んだ。そして、過去へと飛んだのだ。

「過去に行かれてもうた。」

「過去に行くってどういう事?」

「時を超えることね。」

フェイトが尋ねると近くにいたハナが答えた。イマジンは契約者の願いを叶えることで、過去を強く思い出させその時間に飛ぶことが出来ることを。

「しかも、過去じゃ俺達は良太郎に憑けんのや。」

「ケータロスさえあれば…。」

「ケータロス?もしかして、この携帯のこと。」

「それです!」

「後は、何処に飛んだかや。」

電王はチケットを局員の額にあてた。すると、イマジンの飛んだ時間が浮き出てきた。

「えっと、この日、何が、有ったのか覚えてます?」

「確か、その日は、空港で火事があった筈だ。」

「あの時の火事!」

「フェイトさん知ってるんですか?」

「えぇ。知ってるわ。ロストロギアの暴走が原因の火災で私も救助していたわ。そして、6課創設の理由でもあるの。」

このことにより、電王は、スバルとより関わりが深くなっていくのである。

348名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 02:59:59 ID:wrhh7W+w
少し……、支援しようか
349仮面ライダーリリカル電王sts:2008/01/30(水) 03:03:21 ID:qyFVXHg3
さて、ここで一旦良太郎達から視点を変える。
ここは、6課部隊長室を見る事が出来る茂み。そこにはやてを狙う影があった。右手をライフルに改造されたソレはオウルイマジン改である。

「全く、人間は隙が多い。死んでもらうぞ、八神はやて。」

オウルイマジン改が狙撃しようとしたその時、スコープの目の前に小鳥が止まり見えなくなってしまった。

「クソッ!邪魔だ。」
小鳥を払い除けると既にはやての姿はなかった。

「クソッ!畜生!こんな鳥のせいで!」

そう言うと小鳥をライフルで撃ち抜いた。
すると、辺りにラップ調の曲が聞こえて来た。そちらを見ると茶色で紫のシミのついたキャップを被り、紫のメッシュが入ったオレンジ色の髪をツインテールに纏めた女性がいた。
女性はDJ風のステップで近づくと、オウルイマジン改に向けてこう言った。

「クロスミラージュ、セットアップ♪お前、気に入らない。倒すけどいい?」

「何だと!」

「答えは聞いてないけど。」

言葉を遮り、光に包まれた女性、ティアナはそう言った。
そして、バリアジャケット姿と成るのだが、いつもと違い、両肩のサイドに紫のアーマーが装着されていた。

「人間風情が。」

そう言い、迫るオウルイマジン改。
しかし、ティアナはダンスのように、ステップを踏み、全ての攻撃をかわすと、クロスミラージュから次々と魔力弾を叩きこんでいた。まるで楽しむように。
そして、オウルイマジン改を壁に追い詰めるとこう宣言した。

「最後いくよ、いい。答えは聞いてない。」
そして両肩のアーマーが開き中央のクロスミラージュへと魔力を収束させ、放ち、オウルイマジン改を倒した。
350仮面ライダーリリカル電王sts:2008/01/30(水) 03:08:13 ID:qyFVXHg3
しばらくしてスバルがその場所に着くと、既にイマジンの気配はなかった。

「誰か、倒しやがったな。」

「あ、スバルちゃんだ!」

ティアナはそう言うとスバルに抱きついた。

「ティ、ティア?なにしてんの、それにその格好…。」

「それより、ネェネェ良太郎は?良太郎は何処いったの。というより、見つかった。」

「え、えぇ〜!もしかして、ティア、良太郎さんと付き合ってるの?」

「いい加減にしなさい!アンタは何でいつもそうなるのよ!」

「あ、いつものティアだ。」

スバルが話しているとモモタロスが割り込んできた。

「オイッ、リュウ!いい加減にしやがれ。」

「リュ、リュウ?」

「そ、リュウタロス。良太郎さんの仲間のイマジンらしいわ。」

「そうなんだ。」

「そういうこと…、うん?何だ良太郎か。何が起きたんだ。イマジンが過去に飛んだ!?オイッお前らどうやら話してる暇はないらしいぜ。急いでデンライナーに乗るぞ。」

「うん、分かった。」


新たに現れたイマジンジークとリュウタロス。二人の実力は。改造イマジンとは。隠された秘密を暴いてゆこう。次回を待て


次回予告
Rティアナ「皆、お久しぶり!元気だった?」

アイン「こんな時こそ静かにしろ。」

Rティアナ「ごめんなさ〜い。」

アイン「次回仮面ライダーリリカル電王sts第七話「時と過去」」

Rティアナ「お楽しみにね〜。」

351仮面ライダーリリカル電王sts:2008/01/30(水) 03:11:51 ID:qyFVXHg3
以上で投下終了です。
今回、ティアナハッチャケてます。性格、真逆です。ま、それもいい。さて次回はお楽しみのライナーフォームです。頑張って書きます。
352名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 03:16:55 ID:S+NoI9QN
>>299
セッテもセットでも良いかも
ブーメラン戦隊は優秀な前科者を放り込むには打って付けの部署だからなぁ
353名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 03:19:46 ID:PPVBLiHD
>>341
納得させれる理由を考えられないのなら
最初からゼロフォーム出したら?
354名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 03:20:51 ID:EfDdcZFl
GJ!
このスレのティアナは踊りながら戦う路線まっしぐらだな
悪魔狩人といい、リュウタといい
銃使いにはそういう傾向があるのだろうか?
355名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 07:24:35 ID:IWmfwgmB
>>341
設定も考えず適当にやってんのか
無理があり過ぎだろ。
356魔法少女リリカルなのはStylish:2008/01/30(水) 08:01:44 ID:bwzZJwVS
>キャバクラ
いいのか、この略称で…w

>改めて「キャロが千年リングを見つけたようです」
マックで緊張するキャロって、かわいすぎだろ……
前回から前途多難だったけど、いきなりチンピラ狩りしてるコンビに吹いた。
もちろん、いたいけな少女を襲おうとしたバカが悪いんだろうケド、これはもう完全に詐欺だとなくしかないですね。キャロの状態とバクラの状態の差がありすぎw
あと、キャロの体で「ヒャッハー!」とか言っちゃダメだろ、そんなキャロボイスで悪役的な台詞なんて……興奮するじゃないか(ぉ
ついに今後の指針らしきものが出来た本話。次回、どうなるのか見ものです。
357名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 08:47:09 ID:7+IElUSQ
>>282
昨日の疲れや体の中の悪いものが、洗い流されていく……。
こういうSSを書けるってのはすごいな……。
GJ!
358リリカル龍騎 ◆YHOZlJfLqE :2008/01/30(水) 08:55:13 ID:PqlMht2G
今は予約ありますか?なければまとめ更新した後で嘘予告投下したいんですが…
359リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/30(水) 08:57:39 ID:o/j0aP5i
予想以上にアルタイルの登場が不評だな…
いくら侑斗と桜井が別の存在になったとはいえアルタイルフォームが使えないとは言われてないから良いと思ったんだけどな…

これ以上不評が来るなら…ザンキさん登場を修正したみたいにアルタイルをゼロに直そっかな…
360名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 09:01:12 ID:mGaN7uW5
358
リリカル龍騎氏は以前書かれて連載がとまっている作品は書かれないのでしょうか。
361名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 09:14:04 ID:7+IElUSQ
>>358
無いですよ〜支援いたします。
362リリカル龍騎 ◆YHOZlJfLqE :2008/01/30(水) 09:20:03 ID:PqlMht2G
>>360
現在進行形で先のネタを構想中です。それが形になり次第、再開する予定です

それでは投下します。クロス元は「すばらしきこのせかい」です
1レス目は「ツイスター」(OPムービーBGM)を、2レス目は「サムデイ」(南師戦BGM)を推奨します
363リリカル龍騎 ◆YHOZlJfLqE :2008/01/30(水) 09:21:55 ID:PqlMht2G
 あの数日間の出来事、ありえないほどつらかった。

 人を信頼すること、人に裏切られること。俺が今まで思っていた渋谷は、狭くて息苦しい、ただ退屈な街だった……でも違った。

 みんなと出会えてよかったと思ってる。

 今までは見えなかった何かが、見え始めたような気がするから。

 パートナーを信頼しろ。俺はお前を許さないけど、俺はお前を信じる。


 それと、俺達……生き返る世界を間違えたみたいだ。狙ってやったんじゃないだろうな、ヨシュア?


 魔法少女リリカルなのは −It's a Wonderful World−


 今俺達がいる世界はミッドチルダっていって、魔法技術が発達した世界だって聞いてる。
 おかしいだろ? 俺達がもといた世界じゃ、魔法はただの空想の産物だったんだからな。

「ネク! この機械、襲ってくるよ!?」
「クソッ、俺達こいつらに何かしたか?」
「身に覚えが無いから困ってるんだろ……」

 どういうわけか、この世界でもバッジは使えた。
 だから今みたいに、機械……ガジェットだっけ? それが襲ってきても、何とかなった。


「しかし三人とも珍しい名前やな……特にビイト君、ホントはこれ偽名かアダ名のどっちかやない?」
「そ、そんなんじゃ「ほんまに?」……すいませんでした。尾藤大輔之丞です」

 ビイトが名前のこと聞かれて、敬語で謝ってたのには思わず笑ったな。
 あの後俺に言ったみたいに「ダセーからビイトって呼べ!」って言ってたからみんなビイトって呼んでたけど……
 もしそう言ってなかったら大輔之丞とか呼ばれてたのか?


 俺達が地球に送り返されるまでの間も、色々な事があったんだ。
 手続きとかでしばらく時間がかかるって言われてたから、その間は機動六課の世話になってたよ。

「そういえばネクっていつもヘッドフォン着けてるわよね。どんな音楽聴いてるの?」
「元はといえば人との関わりが嫌だったから着けてたんだけどな……聴いてみるか?」

 その後ティアナにヘッドフォンを貸したんだ。最初のうちはノリノリで聴いてたんだけど、途中で orz ←こんな感じになってた。
 確か『ツイスター』って曲の「偉い? で? 辛い? ってか(もう)凡人風」ってフレーズのあたりか。
 あのフレーズで何でああなったのか今でも分からない。
364リリカル龍騎 ◆YHOZlJfLqE :2008/01/30(水) 09:22:26 ID:PqlMht2G
 もちろんただ送り返されるだけっていうのも癪だったから、六課の仕事も手伝った。
 バッジやサイキックもちゃんと使えたから、何とか足手まといにはならずに済んでる。

「黒いカエル……まさか、ネクさんが言ってた『ノイズ』!?」
「シキ、これどういう事!? 何でノイズがこんな所にいるのよ!」
「知らないよ! こんなの死神がいない所に出る訳が……まさか!?」

 まあ、さすがに禁断ノイズが出てきたことには驚いた。こいつらがいるって事は、死神が誰かミッドチルダに来てたって事だからな。


「管理局のヘクトパスカル共に告ぐ! お前ら全員ここで4ね!」
「……ネク、あいつ本当に死神か? 実はただのバカだとかじゃねえのか?」

 ……で、出てきた死神はお前が倒したはずのあのオブジェ死神。ここには生き返る途中の参加者とUGで死んだ奴らが集まるようにできてるのか?
 しかもあいつは、スカリエッティって奴と手を組んでた。もしかしたらそっちで言うコンポーザーみたいに、次元世界を牛耳る存在にでもなりたかったのかもな。


 それから俺はなのはさんとパートナー契約をして、スカリエッティが動かしてる戦艦……ゆりかごだっけ。それに乗り込んでる。
 シキやビイトと契約したままの状態って事は、多分複数人と契約しても大丈夫なんだろ。
 それに、生きてる人間との契約もヨシュアの時に出来てる。だからなのはさんとも契約できたんだと思う。
 ……それは今は置いといて、それからどうなったか話すよ。
 ヴィヴィオを助けたのはいいけど……あのオブジェ死神とまた戦うハメになった。

「ゼタ遅ぇ! ゼタ遅ぇ! ゼタ遅ぇんだよ!!」

 何回か戦って分かってはいたけど、やっぱりあいつは強い。UGで戦った時も、もう少しで消されるところだったくらいだ。
 でも、俺達は負けられない。こいつを何とかしないとゆりかごは止まらない。
 動力炉も潰れてるし、制御する役のヴィヴィオも助けた。それでも止まらないのは多分、こいつが何かをしたからだ。

「全力!」「全開!」
「「スターライトォ……ブレイカァァァァーーー!!」」

 そして、俺達は――――


 ――――さて、今までネク君が語ってくれてた物語だけど、多分この全容が日の目を見ることはもうないんじゃないかな?
 何でって? これを文に起こす人が他の物語を書くのに忙しいから、この物語にまで手が回らないんだよ。
 その「他の物語」が一段落つけば何とかなると思うけど、望みは薄いね。だからこう言うべきかな?


「魔法少女リリカルなのは −It's a Wonderful World−、多分始まりません」
365リリカル龍騎 ◆YHOZlJfLqE :2008/01/30(水) 09:23:35 ID:PqlMht2G
投下終了
すばらしきこのせかいのBGMはどれもこれもゼタすばらしいと思うんだヘクトパスカルども
366名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 09:26:22 ID:MR7rTIyj
>>313
GJ!
なんという世間の荒波www
この歳でマック難民とはwww
カイジばりにぼろ…ぼろ…と泣いてそうw
367名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 09:35:12 ID:U6vvfNPj
ゼタって聞いてファントムキングダムのほうが浮かんだ
アイツの場合手駒一つでミッド潰せるレベルだから困ったもんだw
インフレにも程があるww
368名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 11:11:01 ID:CqYPYgOS
>>365
俺の身内が狂信者となったあのゲームのことかーっ! GJ!
そしてやはり敵は彼ですかwww
369名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 11:59:29 ID:8HSZqO81
ラハールだったらうまい具合にとけこみそうだな
370名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 13:00:30 ID:U6vvfNPj
ラハール(水橋かおり 聖王さま)かw
アギト様がおるしなw
しかしポータブルだとゲーム上ではゼタに勝てるがゆえに実は最強という罠
371名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 13:42:36 ID:4d19Oy47
ゼタ言うと、あれか。センチネルの敵雑魚。

【それはゼク】
372名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 13:43:37 ID:U6vvfNPj
キャサリン・ゼタ・ジョーンズでもないぞと
373名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 13:48:00 ID:hQQpkCwC
>>370
小説版でもゼタと互角だしな。

小説版での大体の序列だと
ロザリンド>ラハール=ゼタ>ラミントン>エトナ=フロン=サロメ>
      >中ボス(クリチェフスコイ時代のおよそ半分の実力らしい)>バール
      >>ジェニファー>ゴードン>下級天使兵>プリニー隊>>地球防衛軍

魔王ですらないSCHOOL OF THE MAOHでも充分オーバースペックだし…
あの世界で参戦して大丈夫そうなのとなると地球勇者チームか
レベル事故時のエトナ(それでも偽ゼノン城魔物相手にしても苦になってなかったような…)くらいしか…
374名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 13:58:02 ID:U6vvfNPj
ファントムキングダム略してファッキン(最悪)の設定なんか読むと馬鹿馬鹿しくなるからな
最大高空射程4000km 最大有効射程8000kmの戦車ってなんだよww
375軍曹:2008/01/30(水) 14:06:21 ID:OznhmYdC
どうもお初です。
リリカルなのはStylish氏へ支援絵投下します。

http://appleup.bbsnow.net/file/html/stylish.html

氏の作品大好きだし、ここのスレにはティアナを嫁にもっていらっしゃる方が
異様に多いので、結構気合い入れたんですが……構図って難しいッ!(ぉ
一番満足してるのはロゴだったりw
376名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 14:07:47 ID:hQQpkCwC
小説版のカリフォルニア州並の拳を持つ合体ロボとか
それの5分の3をテラスターとオメガスターで破壊するラハールとラミントンとか…
(まあ、正確にはテラとオメガは管理者呼び出して魔力払ってやらせるんだが)
377名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 14:10:50 ID:O7U+M4X1
>>375
すげぇな……作品もそうだが、2chにアド付きで投下できるその勇気が。
一応、sage進行なので、sageてください
378名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 14:46:51 ID:kIftbNxG
>>374
確かPKの戦車って魔法撃つタイプも無かったっけ
質量兵器じゃないから大量運用できそうな恐ろしさ
379軍曹:2008/01/30(水) 15:07:04 ID:OznhmYdC
sage忘れすいませんでしたァァァ!!
ホント申し訳ないです。
アドの方はどーやらPC側が自動で入力していたようです。
以前小さな掲示板でアドレスを入れたからかもしれません。

にしても気づかない俺って……orz
以後気をつけます。
380名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 15:07:30 ID:NReiOjIL
>>356
一人美人局
381Strikers May Cry:2008/01/30(水) 15:37:05 ID:G1wZOIjH
ウロスの方で言ったGガンダム(と言うよりはマスターアジア)とのクロスが出来たんで投下します。
準備は良いですかい?
382スーパーロボット大戦X:2008/01/30(水) 15:38:30 ID:+hGuNeBc
>>381
OK,支援しよう。
それと避難所で言ったのですがSMCのシグナムのお祝いを他のクロスキャラが祝うのはどうでしょうか?
383Strikers May Cry:2008/01/30(水) 15:41:48 ID:G1wZOIjH
それじゃあ投下します、Gガンダムとのクロスでギャグ短編です。

>>382
どうでしょうか、とりあえず避難所でお祝いスレ作って“書き込みたい人はどうぞ”って流れとかならありかと。
一応はエロ話は避難所限定ですので。
384リリカルアジア:2008/01/30(水) 15:43:03 ID:G1wZOIjH
魔法マスター リリカルアジア!! 見よ! 東方は赤く燃えている!!!! 前編


これは少し昔の話、かつて最強の武人に出会った少女の物語。

火災に巻き込まれた力なき少女、彼女の名はスバル・ナカジマ。
そして空港火災でスバルに襲い掛かる銅像、もはや死を覚悟したスバルだがそこに聞こえたのはかの人の声。

「石破天驚拳!!」

砕かれる銅像、そしてスバルの前に現われた功夫着の老人。
武人然とした彼の強き意思に満ちた優しい目でスバルを見つめて優しく問いかけた。

「ケガは無いか?」
「は、はい……あなたは一体?」
「ワシか? ワシは東方不敗マシターアジアじゃ!!」




あの日会った人は強くてカッコ良くて……私はあの日思った、“私もこの人みたいになりたい”って。




数年後、Bランク試験にて。

眼前の無数のターゲットを相手にスバルとティアナは少々苦戦を強いられる。
そんな時スバルの目に赤々と炎が浮かぶ。

「それじゃあ、ティア! あれ行くから!!」
「えっ!? マジでやるの…」 
「マジ!!」

そう叫ぶとスバルは超高速で回転し始める、それはまるで巨大な独楽の如く。

「超級覇王電影弾!!!!!!」

技名の雄叫びと共にスバルはターゲットに向かって突進を敢行、次々と無数のターゲットを破壊。
そして最後に空中で決めのポーズを取る。

「爆発!!!」

その言葉と共に残ったターゲットも全てが破壊された。
こうしてスバルとティアナの二人は史上最速でBランク試験に合格した。


「いや〜凄いね…ははは…」
「はい! ありがとうございます!!」

スバル達の様子を見ていたなのはは顔引きつらせて二人の(主にスバルの)活躍に乾いた笑いを溢す。
そんな所に突如として老人の笑い声が響き渡る。

「か〜かっかっかっか〜!! 甘い! 甘いぞスバルウウウ!!!」
385スーパーロボット大戦X:2008/01/30(水) 15:43:22 ID:+hGuNeBc
>>383
まあ、それは避難所限定なのは最初っから考えてますよ。
後々の展開から考えておきます。
それと支援
386リリカルアジア:2008/01/30(水) 15:43:33 ID:G1wZOIjH
「なっ!? この声は!」

唐突にフードとマントを羽織った男が現われ、スバルに指差しながら吼えた。

「流派!」
「東方不敗は!」

何故かその言葉に即座に応えるスバル、傍にいたティアナとなのはは黙ってこの光景を眺めるしかなかった。
そしてスバルと男の奇行は続く。

二人は繰り出した無数の拳を空中でぶつけ合いながら吼え合う。

「王者の風よ!」
「全身!」
「系列!」
「「天破侠乱!!」」

そして最後に拳を突き付けあいながら同時に咆哮を放った。

「「見よ!! 東方は赤く燃えているううううううう!!!!!!!」」


ティアナとなのは、ただただ唖然である…というかどうやって突っ込めと言うのか?
こんな状況で突っ込める者など世界広しと言えどそうはいない。
そしてようやく男はフードとマントを剥ぎ取った。

「少しは成長しておるようだなスバルよ!!」
「師匠もお変わりなく!」

こうして奇妙な師弟が機動六課の列に加わる事となった。


続く!!

387Strikers May Cry:2008/01/30(水) 15:48:26 ID:G1wZOIjH
投下終了です。
短いギャグ短編です、次回で終わります。
っていうかスバルにはやたらと流派東方不敗が似合う。

さてStrikers May Cryの番外編をどうするべきか……具体的に言うとあの二人の愛の結晶をどうするべきか?
っていうか実は既にかなり書いてあるんだけど、投下すべきか迷ってたりします。

388名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 15:51:29 ID:d7rWiKCz
GJ!!です。
うわぁい!!魔力なしで最強級の奴がやってきたぜw
マスターガンダムの登場を待ってますw
ノーヴェは足技だから・・・。
389スーパーロボット大戦X:2008/01/30(水) 15:51:49 ID:+hGuNeBc
>>387
GJです。師匠は裏切りますか?
>っていうかスバルにはやたらと流派東方不敗が似合う。
俺もそう思ってスパロボXのおまけの中断メッセージ集にドモンとスバルの演舞を書いたな。
この前のは俺には刺激が強かったが見たい!
投下してもいいと思いますが、前みたいに刺激が強かったら避難所に投下すればいいのでは?
390リリカラー劇場:2008/01/30(水) 16:26:57 ID:FdtvreYv
>>龍騎氏

世間の荒波に涙しましたw、GJ♪

>>Strikers May Cry氏

フルカラーとは違うマスターktkr、GJ♪
391反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/01/30(水) 16:31:02 ID:LW8VHToo
>>387
ちょっと待てwww今の流れのどこで電影弾修得したんだwww
ともあれGJ! つーか今のスバルの時点で明らかにヴォルケンズよりは強いw

そろそろみんなもきれいなStSはやてが見たくなってきたんじゃないか?
というわけで、夕べからじらしにじらしまくった片翼最終回を投下しようと思うのですが、いいかな?
BGMは夕べ言ったとおり、「優しくキミは微笑んでいた」推奨。
392名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 16:31:52 ID:VvA5cxuU
GO
393スーパーロボット大戦X:2008/01/30(水) 16:33:20 ID:+hGuNeBc
OKだぜ!
394反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/01/30(水) 16:37:06 ID:LW8VHToo
それでは最後にセフィロス様が盛大にデレる最終話、投下します。
…彼の処遇に関して批評・文句を受ける覚悟は当にできているッ!

魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使

最終話「幕 〜いつまでも、いつの日か、また会えるのを待っているから」

JS事件の解決から数ヶ月。
ミッドチルダは冬を迎えていた。
事件最大の功労者たる機動六課の面々も、建て直された旧隊舎で、それぞれに頑張っている。
特に、この部隊の運用期間が残り数ヶ月程となった今、皆は今後の進路を考えなければならなかった。

部隊長のはやてには昇進の話も持ち上がっていたが、六課解散以降は捜査官に戻るつもりらしい。
今回の一件で自分の未熟さを痛感し、もう一度自身を鍛え直したいのだそうだ。
守護騎士の面々もはやてについて行くつもりらしいが、ヴィータだけはなのはから教導隊への誘いがかかっているとのこと。

フェイトは副官シャーリーを連れて執務官仕事に専念する予定だ。
現在本格的に執務官試験に向けて勉強を再開したティアナを、自分の部下として引き取ることも真剣に検討中である。

スバルには先日、特別救助隊からのスカウトの声がかかった。
本人も希望していた配属先なのだが、六課の皆を離ればなれになり、守れなくなることが少々不安とのこと。
とはいえ、前向き思考のスバルのことだ。結局、その内ティアナ辺りに何か言われて解決するだろう。

エリオとキャロの進路はまだ決まっていないのだそうだ。
シグナムからは年齢相応に学校通いを勧められているが、ひとまず管理局で仕事を続けるつもりだという。
あの2人ならばどこへ行っても、お互いを支え合って元気にやっていくだろう。

ギンガはしばらく前線を離れ、ナンバーズの校正プログラムの講師役を務めるらしい。
人道的な立場から、管理局の保護下に入るのならば釈放を認めるという方針の元に、
計6人の戦闘機人が、社会参画のためのこのプログラムを受講することになった。
残る5人は未だ拘留中だが、そのうちディードに関しては、また別の機会に触れることになる。

クロノは相変わらずクラウディア提督として活躍中。
だが、今回のゆりかご攻防戦でのブランクを恥じ、任務の間に猛烈なまでの鍛錬を挟んでいる。
生真面目なクロノらしい、とさぞ愉快そうに語ったのは妻エイミィだった。
ついでに言えば、今でもセフィロスとは犬猿の仲らしい。

ユーノもまた、無限書庫の司書長としての日常に戻っていた。
あの時なのはに言った「大事な話」だが、実は未だに切り出せていないらしい。
肉体の死亡フラグを回避しつつも男としては死亡した、とはこのことか。情けない話である。

ヴィヴィオは正式になのはの養子となり、「高町」の姓を得る。
聖王教会の小学校に入学し、順風満帆の学校生活を謳歌しているとのこと。
そこにいるのは、紛れもなく普通の人間の女の子だった。

なのはは、変わらず教導官として新人達を指導していた。
ブラスターモードの後遺症から最大魔力量は8%低下し、本来は数年間の療養が必要なのだが、
教え子達をほったらかしにするわけにはいかない、と本人は現役継続の意志を述べている。
とはいえ、周囲の強い勧め(脅迫?)により、六課解散後はしばらく休養に入るとのこと。
微妙に皆に頭が上がらなくなった、と苦笑いするなのはの顔は、しかしまんざらでもなさそうだった。

そして、セフィロスは…
395反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/01/30(水) 16:38:24 ID:LW8VHToo
聖王教会附属病院。
しんしんと粉雪の降る日、その病室の一角に、彼はいた。
ベッドにその身体を預け、上体を起こして窓外の雪を眺めている。
かつての漆黒のコートはなく、その身に纏うのは簡素な患者服。
セフィロスの姿は、今そこにあった。
あのゆりかご攻防戦直後、彼は唐突に意識を失った。
それ自体は単純に魔力の使いすぎから来る疲労だった。
全身全霊を込めて戦い、単独でセーファ・セフィロスの姿さえも晒したのだから、それはまだ頷けるだろう。
しかし、その後が問題だった。
戻らないのである。
いつまで経っても、戦いの中で削られた莫大な魔力が回復しないのだ。
平時でSSランクの能力を発揮していた彼の魔力は、今や一般人ともさほど変わら
ない。
おまけに、無理をしたことによる後遺症もまた、弱った身体を蝕んでいく。
そして遂に、先月をもってこの病院に入院することとなったのだ。
絶大なる力と冷徹なまでの意志を持ち、遥かな高みにそびえ立っていた英雄は、歩くことすら叶わぬ卑小な存在に成り果てた。
と、そこへこんこんとノックの音が鳴り響いた。
セフィロスは手にしていた本を閉じ、扉の方を向く。
閉じた本には、「LOVELESS」という題名。
ゆりかごでの戦いから数週間後にフェイトが読んでいたのを、セフィロスが見つけたものだ。
今は病院での退屈しのぎのために、彼女から借りている。
かつての彼の親友から与えられたものだ。フェイトは快く貸し出していた。
「元気しとる、セフィロスさん?」
がちゃりと扉を開け、笑顔と共にはやてが入ってくる。後ろにはリインとシャマルの姿があった。
はやてはセフィロスが入院してから、ほぼ毎日のように見舞いに来ていた。
彼女との顔合わせは、既にセフィロスにとっては日課のようなものだ。
「見ての通りだ」
故に、至って自然に言葉が口をつく。
「その調子なら、気分はええみたいやね」
にっこりと笑い、はやてがベッドの傍にある椅子へと座った。
しばしセフィロスは、その姿を無言のまま、ぼんやりと眺める。何か考え事をするかのように。
「…ちょうどいい。頼みがある」
そして不意に口を開いた。
「ん? 何?」
「隊舎に連れていってくれ。…屋上がいい」
「隊舎?」
唐突な頼みに、はやては怪訝そうな顔をする。
わざわざ隊舎の屋上に何の用があるのだろうか。
「屋上で何かするんですかー?」
「そういう気分なだけだ」
先にリインが尋ねていたが、その答えは素っ気ない。
故に、なおのこと気になってくる。
「まあまあ。連れてってあげたら、はやてちゃん?」
その時、ぽんとはやての肩に手が触れる。
一緒に来ていたシャマルの手だった。
「…せやね。ほな、行こか、セフィロスさん」
今は考えることもない。着いたらいずれ分かることだ。
ひとまずはやては推測をやめ、シャマルと協力してセフィロスを車椅子に座らせると、リインと共に病室を後にした。
空っぽになった病室には、シャマルだけが残る。
用事がある、と適当に言い繕って、1人残った彼女だけが。
先ほどの優しい笑顔とはうって変わった、暗く沈痛な面持ちで。
そっと、シャマルの右手がその顔を押さえた。
「…ぅ…うぅ…っ」
堪えきれず、ベッドに顔を埋める。
1人きりの病室に、嗚咽が響き始めていた。
396反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/01/30(水) 16:39:51 ID:LW8VHToo
やがてセフィロスははやてに車椅子を押され、六課隊舎の屋上にたどり着いた。
その場にいるのは、はやてとリイン、車を運転してきたシグナム、そして車内にいたザフィーラ。
久々の隊舎だ。一月前に入院して以来となる。
セフィロスはそこから周囲の風景を、じっと感慨深げに見つめる。
「…今日はなのは達の訓練はないのか」
と、セフィロスがはやてにそう尋ねた。
いつもなのはと新人達が賑やかに駆け回っている海上訓練場には、今は人っ子1人いない。
「あ、せやね…」
そして、どうやらはやてもまた、今それに気が付いたようだ。
「まあ、雪も降っとることやし…お休みなんやないの?」
「そうか…」
若干残念そうに言いながら、セフィロスは雪空を見上げる。
しばしそのまま空を仰ぎ続けるセフィロス。
その様子を黙って見つめるはやて。
(…やっぱり…セフィロスさんもまた飛びたいんやろうなぁ、空…)
同じように空を見上げ、はやてが内心で呟いた。
セフィロスがジェノバの血を引いていることは、フェイトとヴィータの証言から
分かっている。
そしてその件を、はやてはひとまず他の皆には黙っておくことにした。
言えば無用な騒ぎが起こる。セフィロスの身が危うくなる。
そして、心配せずとも、彼は正真正銘自分達の仲間だ。
そう信じていた。
そのジェノバの片翼を、はやては思い浮かべる。
彼の片方の翼は折れた。もう自由に空を翔け回ることはできない。
同じような立場を味わったはやてには、よく分かる。
(…英雄は空に還る、か…)
カリムの預言が思い出された。
途端、言い知れぬ不安が込み上げてくる。セフィロスの背中に、誰かの――とても大切な誰かの影が重なった気がした。
「セフィロスさ――」
「今日は悪かったな」
思わずはやてがその名を呼ぶのを、セフィロスの言葉が遮る。
感謝の言葉だ。
この無愛想な男から感謝されたことなど、はやてには初めてのことだった。
「お…どないしたの今日は? 感謝されるんなんか初めてやよ?」
「何となく、だ」
セフィロスはそう言って、再び視線を前方に戻す。
身体が残らず力を失ってもなお、その青い瞳だけは、変わらず妖しく光を放っていた。
その瞳が、周りに広がる風景を一望する。
皆と出会い、大切な時間を共有した六課隊舎を。
その先に広がる、命を賭けて守り抜いたクラナガンの街を。
「…ええもん見れた?」
その様子に、ふっと笑みを漏らすと、はやてが問いかけた。
「ああ…見に来ておいて正解だった」
他意のない、素直な言葉。
普段の彼らしからぬ言動に、やはり拍子抜けはしてしまうものの、それでもそれはとても微笑ましいものだった。
はやてやリインのみならず、シグナムからも笑みがこぼれる。
無表情な狼の顔だが、恐らくザフィーラも同じなのだろう。
「――覚えておかなければならないからな」
不意に、セフィロスの口がぽつりと呟く。
「また帰ってきた時のために」
397反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/01/30(水) 16:40:59 ID:LW8VHToo
途端、セフィロスの手元の辺りが、ぽうっとおぼろげに光った。
見ると、彼の左手が緑の光を放ち、そのまま光は粒子となって離れていく。
否、消えていくのは光ではない。セフィロス自身が光る粒子となっているのだ。
「…!」
突然の事態に、はやての瞳が見開かれる。
「どっ…どうしたんですかー!?」
リインもまた狼狽し、セフィロスの周りを忙しなく飛び回っていた。
「どうやら潮時らしい」
セフィロスはその2人とは対照的に、淡々と事実を述べる。
あたかも身体の劣化を語ったジェネシスのように。
「そんな…!」
それだけではやては察した。
「…そんなのあかんっ!」
故に、叫ぶ。
そうならぬように、今まで皆手を尽くしてきた。
誰もが彼がまた、元気な姿を見せてくれることを願っていた。
そして、誰よりも、はやてが。
「セフィロスさん、約束したやないか…元の世界が見つかるまで、一緒に戦ってくれるって…!」
まだ管理局は、彼の帰るべき世界を発見していない。
こんな異郷の地で、それを受け入れさせるわけにはいかない。
何よりも…
「だから…消えたりしたらあかんっ!」
ただ単純に、生きていてほしかった。
「すまんな」
しかし、セフィロスは引き下がろうとはしない。ただ淡々と、言葉を紡ぎ続ける。
「シグナム! …ザフィーラッ! セフィロスさんを止めて!」
自分ではどうにもならない。横で慌てるリインもまた。
故にはやては周囲の従者にすがる。それが無駄だと分かっていても。
シグナムは沈痛な表情を浮かべてうつ向いてしまっている。ザフィーラもまた、ただただ首を横に振るばかり。
重なった。
その時、はやてが漠然と抱いていた不安が――とても大切だった誰かの姿が、はっきりとセフィロスに重なった。
「…何でや…」
あの人と同じ、銀の髪と黒い服。
あの人の瞳は青くはなく、赤い光を宿していた。
同じ漆黒の翼を羽ばたかせ、あの人は親友達に牙を剥いた。
それでも、最後には自分の声に応えてくれた。
別れの時は、今と立場は逆。
あの時はあの人が地面を踏み締めていて、自分が車椅子に座っていた。
空は同じ、雪の舞う空だった。
――私はもう、世界で1番幸福な魔導書ですから。
強く支える者。幸運の微風。
祝福のエール。
「何で、みんなみんな…」
すっ、と。
はやての頬を熱い雫が伝う。
冷たい外気の中で、その温度を失うことなく。
「私の大事な人は、こんな雪の日にいなくなってしまうんや…!」
どうして何度も何度も、大切な人間を奪われなければならない。
これが神の意思とでも言うのなら、自分は神を恨んでやる。
雪の日なんか、もう嫌いだ。
大粒の涙をぼろぼろと流しながら、はやてはセフィロスの前にへたりこむ。
しばらくの間、誰も何も言わず、その場に立ち尽くしていた。
はやてのすすり泣く声だけが、静かな雪空の中に響いていた。
どれほど経っただろうか。
ほとんど消えかけた右手が、はやての涙をそっと拭う。
「…俺はいなくなるわけじゃない」
セフィロスの声には、どこか優しい響きがあった。
398反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/01/30(水) 16:42:06 ID:LW8VHToo
「分かったことが、1つある」
「え…?」
涙ですっかり赤くなってしまった目で、はやてがセフィロスを見上げる。
「俺の身体は、ライフストリームによって構成されていたものだった」
以前セフィロスは、自分はライフストリームに落ちてここまで来た、と、何かの話の折に語ったことがある。
ライフストリームに落ちた者はその流れに身体を溶け込まされ、肉体を失う。
しかし、セフィロスの強靭な精神力と野心はそれを拒み、元の姿と意識を持ったまま転生した。
それは本来、彼の一度目の死の要因なのだが。
それでもこの時、蘇った身体が完成するには、彼の意識が目覚めてから実に5年もの歳月を要した。
それが今回は、全くのタイムラグもなしに、元の身体を手に入れたのだ。
考えられるのは1つ。それがライフストリームによって直接形成された、急ごしらえの身体だということ。
「魔力が戻らず、身体が蝕まれたのはそのためだろう」
エネルギーの塊から、同じ種類のエネルギーが沸き出ることはあり得ない。
1つの爆弾が2回爆発することは決してないように。爆発エネルギーから爆発エネルギーが生まれないように。
故に、魔晄エネルギーによって賄われた魔力を、セフィロスは回復することができなかったのだ。
その身体で魔力をギリギリまで使い果たしたのである。
足りない分は肉体を形成する魔晄によって補われる。
この状況は、まさに当然の帰結だった。
「…小さな流れは、その形を保つため、本流へと還る」
その時が来たのだ、とセフィロスが言った。
原因は不明だが、今ミッドチルダとセフィロスの世界は、管理局ですら確認でき
ないような、小さな穴で繋がっている。
カリムの預言能力にライフストリームが関与したのが、その証明。
セフィロスの身体は、そこからライフストリームの本流へと還ろうとしているのだ。
「そして…それは俺の死を意味しない」
彼にはその流れにさえも逆らって、己を貫く力がある。
「俺は何度でも蘇ってみせる」
確固たる意志を込めて、セフィロスが言った。
「もっとも…その時は、元の世界に帰ることになるが」
お前達には無駄足を踏ませてしまったな、と、微かに苦笑を浮かべながら言った。
ライフストリームの本流は、言うまでもなく元の世界にある。
まさかまたこの世界に溢れてくることはないだろうし、次の身体は、自然と元の世界に生まれることになる。
「――おにいちゃんっ!」
と、階段の方から幼い声が聞こえた。
そちらを向くと、あのヴィヴィオが、大きな瞳に涙をたっぷり溜めて、こちらへと駆け寄ってくるのが見える。
「ちょ、ちょっとヴィヴィ…、あっ!」
そして、一瞬階段から顔を出し、すぐに引っ込めるスバルの姿。
そこにいたのはスバルだけではない。なのは、フェイト、ヴィータ、新人達…
機動六課のフォワード陣の中に、そこにおらぬ者はいなかった。
彼女らは病院のシャマルから、六課の中で彼女だけが知っていた真実を聞かされている。
もう、セフィロスの身体はもたない。明日を迎えるよりも早く、その肉体は消失する、と。
それ故に訓練を一時中断し、彼をここまで追いかけてきたのだが、そこで最後の一歩を踏み出せずにいたのだった。
誰よりもセフィロスに深く関わっていたのは、多分、はやてであろうから。
妙な気の遣い方をするその様子に、思わずセフィロスは噴き出していた。
「ぐすっ…こわいおにいちゃん…いっちゃわないでよぉ…」
しかし、幼いヴィヴィオに自制は利かない。
すすり泣きながら、セフィロスの身体にしがみつく。
「ヴィヴィオ、まだぜんぜんおはなししてないのに…いっちゃやだぁ…!」
399反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/01/30(水) 16:43:16 ID:LW8VHToo
今までの怯えっぷりが嘘のように、ヴィヴィオは泣きじゃくってセフィロスを引き止めようとする。
思えばゆりかごでの会話の時から、彼女の中から恐怖は消えていた。
六課からヴィヴィオが誘拐される時。
その時に見た、頼もしいまでの彼の力が、彼への怖れに勝ったのだろうか。
「…相変わらず、口の悪い奴だ」
それでも当分、セフィロスの呼び名は「こわいおにいちゃん」で固定らしい。
ため息をつくと、セフィロスは二の腕の辺りでヴィヴィオの頭を撫でた。
もう身体の半分近くは、光の粒となって離れている。下半身はほとんど消滅していた。
「…すまないが、俺にはまだ、向こうでやり残したことがある」
生涯を懸けてでも果たさねばならぬ、ジェノバの大願。
「だから…『俺』は再び『私』に戻らねばならん」
休息はこれで終わりだ、と。
かつて捨てた人としての命を生きる時間は終わった。これからは、再び自我を押し殺し、孤独な戦いに身を投じることになる。
「…それでも…」
そこへ、はやてが問いかけた。
瞳はまだ潤いを湛えていたが、その表情は、確かに笑っていた。
初めて会った時と同じように、穏やかな笑顔で。
「それが終わったら…またここに、今のセフィロスさんで…帰って来てくれるかな?」
背負い続けた不幸や悲しみ。
それを知るがゆえに、誰よりも優しく、はやては微笑んでいた。
「――故郷というのは、どんな感じがするんだ?」
しかしそれには答えず、セフィロスは同じく問いかけで返す。
「俺には故郷がなかったから、分からないんだ…」
遠くを見つめるような目で。
はやての背後に広がる、冬のミッドチルダの街並みを見つめて。
「…多分、こういうことなんだろうな」
そして、視線をはやてに戻し、口を開く。
「今は、ここが俺の帰る場所だ」
はっきりと言った。
自らの真実を知ってからの5年間。セフィロスの居場所はあの世界から消えた。
目に移る人々は、全てが遺伝子レベルで刷り込まれた敵。
ジェノバの同胞達は、その全てが1000年前に滅んでいた。
頼ることができる者もおらず、ひたすらに殺戮を続けるだけの、孤高の道。
守ってくれる者もおらず、遂に力尽き倒れ、この世界へと流れ着いた。
出迎えたのは、優しい人達だった。
独りきりで戦ってきたセフィロスを、仲間として受け入れてくれた。
初めはセフィロスも、必要以上の馴れ合いを嫌っていた。
しかし、気付いた時には、この日常を受け入れていた。
孤独な天使の魂は、その奥底で、それを求めていたのだから。
漆黒の片翼を預けることのできる、仲間達の待つ居場所を。
「セフィロスさん…」
親しみを込めて、その名を呼んでくれる者がいる場所を。
400スーパーロボット大戦X:2008/01/30(水) 16:44:17 ID:+hGuNeBc
支援!
401反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/01/30(水) 16:44:31 ID:LW8VHToo
「…連中に、伝えておいてほしいことがある」
わざとらしく声を上げ、セフィロスが言った。
壁を隔てた先にいる者達に、直接呼びかけるように。
なのは達の身体が、思わずぴくりと震えた。
新人達4人は、完全に本格的な泣きに入っている。ぼろぼろと涙を流しながら、セフィロスの会話を聞いていた。
なのは、フェイト、ヴィータの3人も、毅然として振る舞おうとしているが、正直限界が近かった。
すこし言葉をかけられたくらいで、涙腺は容易に決壊するだろう。
「まず…フェイト」
そして、そんなことなどお構い無しに、セフィロスは言葉を紡ぐ。
何せこちらはもう時間がないのだから。
「ジェネシスが俺を訪ねてきたら、出かけているとでも言って追い返してくれ」
「…はい…」
壁を隔ててフェイトが小さく答え、その右手で目もとをなぞる。
「ヴィータ…なのははすぐ無茶をするようだからな。面倒だとは思うが、フォローしてやれ」
「言われなくても分かってるよ…くそっ…」
憎まれ口を叩くようにヴィータが言って、しかし堪えきれずにごしごしと目を擦った。
「スバル、ティアナ、エリオ、キャロ…言うことは前と同じだ。その絆を一生大切にしろ」
「はい…はい…っ!」
4人の若きフォワード達が、ほとんど声にならない声で必死に答える。
「なのは…ヴィヴィオを大切にしろ。親のいない孤独…絶対に味わわせるな」
「はい…絶対に…」
溢れた涙を拭うこともせず、なのはが力強く頷く。
「…ここからはお前達の分だ」
と言って、セフィロスはその場の4人と1匹に向き直る。
シグナム、ザフィーラ、リイン、ヴィヴィオ、そして――はやて。
共に雪空の下に立つ仲間達に。
「リインフォース…守護騎士達はお前のサポートがあるから、安心して戦える。ちゃんと支えてやってくれ」
「はいです…はいですぅぅ〜…!」
顔中を涙でぐちゃぐちゃに濡らしながら、リインが健気に敬礼した。
「シグナム…俺が帰ったら、今度こそ続きをやろう。シャマルにも伝えてくれ」
「フッ…いいだろう。上物を用意して待っている」
あのシグナムが、僅かながらに瞳に光を湛え、不敵な笑顔で答える。
「ヴィヴィオ…帰ってくるまでには、もう少しましな呼び方を考えておけ」
「うん…がんばる」
しゃくり上げながら、ヴィヴィオが両手で涙を拭う。
「ザフィーラ…今度指す時は負けん」
「それは楽しみだ」
微かに笑いながら、ザフィーラが答える。さすがに彼は泣いていなかった。
「そして…はやて」
最後にセフィロスは、1人残った少女の目を見据える。
真っ向から、真摯な眼差しで。今まで話してきた、どの時よりも。
「一度しか言わんぞ」
一瞬の間が開く。
ふっ、と。
セフィロスの表情が緩んだ。
心の底からの笑みを浮かべて。
今までの冷笑とも苦笑とも明らかに違う。初めて見せる、暖かな笑顔で。

――ありがとう。

そう、確かに口にした。
彼女が自分を招き入れてくれたから、こうして今の自分がある。
ことあるごとに背中を押してくれたから、今の仲間達がいる。
真っ直ぐな想いを込めて、彼なりの最高の笑顔で。
セフィロスは初めて――先ほどの素っ気無い言葉とは異なる、明確な感謝の言葉を述べた。
「…初めて…名前で呼んでくれたね」
そしてはやてもまた、最高の笑顔で答えたのだった。
402名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/01/30(水) 16:44:49 ID:xmBpU3+G
支援
403反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/01/30(水) 16:45:47 ID:LW8VHToo
「…では、そろそろ時間か」
一拍の間の後、何でもないことのように、セフィロスが呟いた。
今や彼の身体はほとんど残っていない。吹いたら飛んでいってしまいそうな、おぼろげな姿。
1分ともたない。
しかし、それは別れを意味しない。
いつかまた、ここで、巡り会う。
どんなに時が経っても、必ず戻る。必ず待っている。
「また会おう」
故に、口をつくのは別離の言葉ではない。
「うん…」

――また会おな。

片翼の天使が微笑む。
同時に、その笑顔は光って消えた。
今、セフィロスの五体全てが細かな粒子となり、緑の蛍火を放って、ゆっくりと空へと昇っていく。
降りしきる白い雪と、立ち昇る緑の光。
幻想的な雰囲気さえ漂う光景。
空へ還る英雄の姿を、はやてはずっと見上げていた。
なのは、フェイト、スバル、ヴィヴィオ、シグナム、ザフィーラ…
全ての仲間達と共に。
やがて光は広大な空に溶け、消えた。
と、そこへひらひらと降りてくるものがあった。
粉雪とは明らかに異なる何かを、手を伸ばし、捕まえる。
手のひらの中には1枚、漆黒の羽根があった。
はやての両手が、それをぎゅっと抱きしめる。
どこまでも戦っていける。
そう、はやては感じていた。
いずれセフィロスが帰るこの場所を、守り抜くために。
でなければ、彼に笑われてしまう。
それでも、まだまだ自分は力不足だ。
目の前の全部を守り抜くには、まだ到底足りはしない。
見渡せば、共に歩く者達がいる。
だが悲しいかな、それでもまだ、自分には力が足りない。
だから。
(…もっと、もっと)
強くなろう。
空を仰ぎ、はやては胸に誓う。
(だから、負けへんように…)
それでも、時には挫けてしまいそうになることもあるだろう。
故に。
はやては願った。
(…見守っててな)
潤んだ瞳で、そっと微笑む。
いつかまたここで再会する、その時まで。
いつまでも、いつの日か。
また会えるまで待っているから。
涙を拭い、はやては皆の方へ向き直る。
その顔に、晴れやかな笑顔を宿して。
「――ほな、お仕事に戻ろっか」
404反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/01/30(水) 16:46:57 ID:LW8VHToo
ライフストリームの中。
果てしない流れの中を、俺の意識が漂っていく。
いや――もう『俺』ではないか。
ここからはまた、『私』の時間が始まる。
彼の星を我が手に。全てを私とするために。無限の宇宙を、星と共に渡り歩くために。

――クラウド。
人間の希望が何故かくも強いのか。
何故私の野心が希望に屈したのか。
その答えが分かった気がする。
希望とは、互いに高め合うものなのだ。
同じ希望を抱いた者が寄り添うことで、同じ希望を手にするために、共に努力し、自らを高める。
1つ1つは小さな力でも、億にもなれば、遥かな高みに至ることができる。
遠い異界での最後の戦いが、私に教えてくれた。
たった1人の私が敵わぬわけだ。

ならば。
私は同じ希望の力を以て、お前に最高の絶望をもてなして、お前と刃を交えよう。
私には私の帰りを待つ者達がいる。
我が悲願を成し遂げ、新たな故郷の地を踏むために。
私はお前の言う希望の力を束ね、かつての私と同じ絶望を受けたお前を制してみせよう。
勝って帰る。勝たねば帰れぬ。
それが、我が運命ならば。

ライフストリームの情報が、意識の中に流れ込む。
星痕症候群。
3人の子供達。
そして――

――そこにいたか。

お前も望んでいるのか。

いいだろう。

行くとしよう。

クラウドが、私を呼んでいる。




瞳を開く。
相変わらず、そこには五体満足な身体。
手には戦うための剣もある。

「――久しぶりだな」

振り下ろされたバスターソードを、正宗が受け止めた。
金髪の若き剣士がそこにいた。青い瞳を、妖しく輝かせて。

「クラウド」




To be continued "ADVENT CHILDREN"...
405スーパーロボット大戦X:2008/01/30(水) 16:47:48 ID:+hGuNeBc
いかん10回連続になると投下が出来なくなる!
支援!
406反目のスバル@携帯 ◆9L.gxDzakI :2008/01/30(水) 16:49:40 ID:CqYPYgOS
最後のコメントで規制くらったorz

終わっ…たあぁぁぁぁぁぁぁぁ!(ぇ
ようやく終わりましたよ片翼の天使!
まさかセフィロス様なんちゅう劇物を放り込んで、ここまでこぎつけることができたとは…世の中分からんもんですな…

さて、ようやく完結した片翼でしたが、いかがだったでしょうか。
コンピレーションFF7作品の空気をイメージして書きました故、漢達の意地や友情を感じていただければ、作者としては感無量です。
…魔法少女モノのクロスで目指す題材じゃねぇ…
ともかく、最後までお付き合いくださった皆様、ステキな支援絵をくださったなのはStylish氏、
ここまで応援ありがとうございました。
…さあ、次はシャイニングクロスだ!
つーか片翼終わったってことは、もうシャイニングの方針決まるまで仕事しないでいいってことッスね!?

なのはさん「まだ外伝集もあるよ」

orz
407仮面ライダーリリカル電王sts:2008/01/30(水) 16:51:55 ID:qyFVXHg3
これしか言うことはない。GJだ。
408スーパーロボット大戦X:2008/01/30(水) 16:53:54 ID:+hGuNeBc
>>406
すばらしくGJでした!!俺はFFは全然知らないのですが、これは面白く読ませていただきました。
しかしユーノは悲惨だな。その外伝も書くってウロスで言ってましたよね。
しかし、魅入られたので支援がうまく出来なくてすみません。orz
俺は二回ほど投下しすぎをくらったことがあるからもうわかった。
10回連続(間に支援が一つだけの場合)は規制をくらい午前9時まではそのパソコンから書き込みができなくなる。
皆さんも注意してください。
409名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 16:59:10 ID:4t1WEBCm
>>406
お疲れ様でGJ! イヤしかしセフィロスがデレにデレたなwwww
いいぞ、もっとデレれ


>>387
経緯はなんやかんやでとかそんなあらすじでいいですから

超 見 て ぇ

バージルとシグナムの子供がどんなか超見てぇ!
410名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 17:01:07 ID:1opXQo3M
投下乙です。
長編ご苦労様でした。 長い物語が一つ終わるってのは感無量ですな。

ただ、セフィロスは最後にデレどころか超ドツンが待ってると思ってたなあ。
411スーパーロボット大戦X:2008/01/30(水) 17:20:50 ID:+hGuNeBc
えーと、5時45分ごろにスパロボXのIFストーリー2を投下したのですがよろしいでしょうか?
この話は片翼の天使の第17話の全員集合を見て思いついたものです。
前もっていいますが、なのはStrikerSの話ですが、敵はオリジナルだと思ってください。
412スーパーロボット大戦X:2008/01/30(水) 17:45:06 ID:+hGuNeBc
では投下します。これはフルボッコタイムです。

 注意 この話は本編から外れたパラレルワールドな話です。


 IFストーリー2  皆の力


 「シャイニングガーディアンズ」はミケーネ帝国、邪魔大王国、火星の後継者、ソール11遊星主、ガルファ、ギャンドラー、ムゲ・ゾルバドス帝国を倒し、
もう一つの地球の危機を無事回避し、地球に迫っていたイバリューダーも退け、ネオ・ジオンのアクシズ落し作戦も無事阻止する事に成功する。
 残るスカリエッティが起動した聖王のゆりかごを止める部隊とスカリエッティのアジトに行く部隊と地上に残る部隊とに分け、
 スカリエッティのアジトに行った部隊はスカリエッティと戦闘機人の一部を逮捕、地上の部隊もガジェットや戦闘獣やハニワ幻人を倒して戦闘機人の一部を逮捕する事に成功する。
 残りはゆりかごを止める部隊だったが、玉座の間にはなのはのみになってしまい、聖王となったヴィヴィオと戦っていて、何とかヴィヴィオを助けようとしていた。
 なのはは自身の限界を超えるブラスターモードも起動させ、ヴィヴィオを助けるためにヴィヴィオにスターライトブレイカーを放つ。

「全力、全開! スターーーライト、ブレイカーーーーーーー!!」

 なのはとレイジングハートの超必殺技と言えるスターライトブレイカーがヴィヴィオを直撃し、ヴィヴィオの体内にあったレリックを破壊する。
 ヴィヴィオの立っていた場所にクレーターができていてそこにはレリックを失ったヴィヴィオが元に戻り立ち上がろうとし、なのはは駆け寄ろうとするが突然ヴィヴィオの下から特殊なコードが現れヴィヴィオを縛る。

「なのはママ……」
「ヴィヴィオーーーーー!」

 なのはは急いでヴィヴィオの元に向かうがなのはは先ほどのブラスターモードとスターライトブレイカーの反動でうまく体が動かないでいた。
 そしてヴィヴィオは突如どこかに転送されてしまう。

「ヴィヴィオ……」

 なのはは折角助けたというのにまた連れ去られ、自分の無力さを感じ泣き崩れる。
 その時ようやくはやてとウイングゼロが玉座の間に着く。

「なのはちゃん!」
「なのは、無事か?」

 はやてとヒイロがなのはに尋ねるがなのはは泣き崩れてうまく答えることができないが何とかあることを答えることができた。

「はやてちゃん……、ヒイロさん……。ヴィヴィオが……、ヴィヴィオがまたどこかに……」

 その言葉にはやてとヒイロは何が言いたいのか察しがついた。ヴィヴィオはまた連れて行かれたのだと……。
 ゆりかごがいつに無く揺れ始める。

「はやて、もうすぐここは崩れる。脱出するぞ」

 ヒイロはゼロシステムで玉座の間が崩れる映像を見て、はやてに脱出を勧める。

「そうか……、なのはちゃん。とりあえずここを出よ……」

 はやてがなのはを起こそうとするがなのはは立ち上がろうとしない。
 反動もあるがなのはにとってはそれ以上にヴィヴィオが目の前から連れ去られた事の方が衝撃的である。

「なのはちゃん、とにかく今は外に出よ……。ヒイロさん悪いけどなのはちゃんをそっちに乗せてくれへんやろか」
「了解した」

 はやてはなのはをヒイロに任せることにヒイロはなのはをウイングゼロの手に乗せ、そしてコックピットに入れ、はやてとウイングゼロは急いで玉座の間を去る。
 ゆりかごの内部にいた他のメンバーも嫌な予感を感じ通路の途中で捕まえたディエチをつれて既に外に脱出していた。
413スーパーロボット大戦X:2008/01/30(水) 17:46:24 ID:+hGuNeBc
 外では突然ゆりかごのスピードが早くなったり遅くなったりを繰り返される様子が見えており、ルリはすぐに全員に通達する。

「全機、戦艦の方に戻ってください。これからナデシコCのボソンジャンプで全艦宇宙に飛びます!」

 ルリの通達を受け、全員ラー・カイラム、ナデシコC、アースラ、月光号に戻ってくる。

「ハーリー君、全員戻りましたか?」
「はい、全員帰還してます」
「それではボソンジャンプします」

 そして全艦ボソンジャンプし宇宙に着き、ゆりかごよりも先にゆりかごの到達予定ポイントに先回りをする。

「トーレス、こちらの被害状況は?」
「全機いますが、ほとんどの機体が損傷していて一部には機体損傷の激しいものもあります」
「なら早く機体を修復を急がせろ。それと出せれる機体と人員を全て出すように他の方にも伝えろ!」
「はい!」

 ブライトの指示により機体損傷の少ないものはすぐに修復され出てこれる機体と人間はすべて出撃した。
 出てきたのはZガンダム、νガンダム、ゴッドガンダム、ウイングガンダムゼロ、ガンダムダブルエックス、ネリー・ブレン、ヒメ・ブレン、キングゲイナー
 マジンカイザー、グレートマジンガー、真ゲッター、鋼鉄ジーグ、ダイモス、ファイナルダンクーガ、バイカンフー、ニルヴァーシュ、電童、凰牙
 ブラックサレナ、ジェネシックガオガイガー、ドラグナー1型カスタム、ファルゲン・マッフ、飛影、テッカマンブレード、オーガン、フェイト、はやて、スバルである。

「わ、私も……」
「ダメよ、なのはちゃん。体を動かしちゃ……」

 アースラの病室で無理に動こうとするなのはをシャマルが止める。

「でも、ヴィヴィオを助けなきゃ……」
「なのはちゃんもヴィータちゃんも重傷なのよ。それに他の皆もいるから信じて待ちましょ……」

 シャマルの言葉になのはは一時はおとなしくなる。
 そしてようやくゆりかごが地球から出てきて宇宙に姿を表す。

「やっと出てきやがったぜ。一気にぶっ壊してやるぜ!」
「やめろ、藤原」
「何で止めるんだよ!?」

 忍が止める理由を聞き、比瑪がその理由を言う。

「あそこにはまだヴィヴィオが残ってるの。だから助けないと……」
「だったら一気にぶっ壊して助ければいいじゃねえか!?」
「それができたら苦労はしないんだよ……」

 忍の言葉に沙羅はあきれる。

「おい、それはどういうことだよ!?」
「忍、ヴィヴィオは今戦艦のどこにいるかわかるか?」

 一矢が忍に聞く。

「……いや、わかんねえ」
「そんなのに断空光牙剣でも使ってみろ。ヴィヴィオごとぶった切るかもしれない」
「なるほどな……」

 ようやく忍は理解した。するとゆりかごの方から何か声が聞こえる。
414スーパーロボット大戦X:2008/01/30(水) 17:47:53 ID:+hGuNeBc
「あら、皆さん。待ってくれたのですかぁ。それはうれしい事ですね」
「この声は……、あの嫌なメガネ女か!」

 その声の主はクアットロで忍がすごく嫌う相手である。
 クアットロはなのはの壁抜きディバインバスターで気絶していたが、なのは達はクアットロを捕獲する余裕が無くが玉座の間を去り、
 なのは達が去った後に目を覚ましたのだ。
 そしてクアットロは自分の姿を全員にモニターに映す。

(こいつメガネしてねえな)

 忍はさっきまでメガネをしていたのにしてない事に気付くがどうでもいいことである。

「私にもちゃんと名前はありますわ。クアットロって名前がね……」
「んなもん聞いちゃねえ! さっさとヴィヴィオを返しやがれ!」

 甲児がクアットロに言うが、当然クアットロは拒否する。

「それは出来ませんわ。何せあの子は聖王でこのゆりかごを飛ばすためにいるんですもの」
「それは違うぞ!」

 カミーユが強く否定し、ドモンが論する。

「人はどんな生まれ方をしても人は自然の一部だ! そしてお前はその自然を破壊しようとする悪党に過ぎん!」
「ですが、あなた達はその悪党に負けるんですよ」
「へ、口の減らねえ姉ちゃんだな」
「貴様が地球を滅ぼすのなら私は貴様を討つまで!」

 ケーン、マイヨも反論する。

「今から起こることを見てもそんな強気でいられますかな?」

 クアットロがそう言うと突然ゆりかごが震えだし、変形していき、どんどん大きくなっていく。俗にいうトランスフォームである。
 大きさは500メートルくらいでその姿はキングジェイダーに似ているが、違う部分がある。

「あそこにいるのは、ヴィヴィオ……」

 なのははアースラのモニター越しでその映像を見ていた。
 ヴィヴィオは変形したゆりかごの頭の額に磔になったようにいた。
 なのははいてもたってもいられずシャマルの静止を無視し、急いで出撃する。

「「「なのは(ちゃん)(さん)! まだ休んだ方が……」」」
「これくらい平気だよ。ヴィヴィオは私が助けるって言ったから……」
「なのは、その気持ちは嬉しいが、もう少し俺達を信用したらどうだ」

 なのはに向かってジョウが言い出し、アムロも言う。

「俺達は君の仲間だ。俺達だってヴィヴィオを助けたいさ」
「アムロさん、でも……」
「ここまで来て帰る訳にも行くまい。だが体には気をつけろ。私が言えるのはそれだけだ」
「アルテアさん……。わかりました……」
415スーパーロボット大戦X:2008/01/30(水) 17:48:48 ID:+hGuNeBc
 なのはは皆を信じながらもヴィヴィオを助け出そうと考え、ゆりかごにと対峙する。
 そしてクアットロがゆりかごの変形について説明する。

「このゆりかご、聖王の体内のレリックが破壊された時、聖王だった人間を動力炉として取り込んで変形する機能をドクターはつけたのですよ……」
「俺達の機体を参考にしたわけか……」

 ロムがその言葉に答えを出す。

「その通りですわ。でもこれを操っているのは私自身ですよ。私を倒さないとこの子は帰ってきませんわ」
「それを聞いて安心したぜ」

 鉄也がそっと胸をなでおろすような事を言う。

「俺達はロボットとずっと戦ってるんだぜ」
「俺達にとっては何も問題はない」
「戦闘機人ナンバーズナンバー4、クアットロお前を殺す」

 それに続くように鋼鉄ジーグ、ブレード、ヒイロが言う。

「あら、出来るかしらあなた達に……」
「ヴィヴィオは絶対助ける!」

 全員の心が一つになる。

「やってもらいましょうか。その力で……」

 クアットロはゆりかごの右腕から強力な魔力弾を発射する。
 全員それを何とか回避し、魔力弾は小惑星郡にぶつかり小惑星郡は跡形も無く消えた。

「これはくらうわけにはいかんな」
「まだいきますわよ」

 続いて左手から魔力弾を発射しようとするが、それは発射されなかった。
 何故なら真ゲッターが上からトマホークで左手を斬ったからだ。
 竜馬が皆の行動を促すように言う。

「ヴィヴィオがいるからってビクついてんじゃねえ!」
「ヴィヴィオは額にいるのならそこを攻撃しなければいい話だ。全員ゆりかごを総攻撃しろ!」

 隼人の指示により全員総攻撃に入る。

「そうはさせませんわ」

 クアットロはゆりかごの腹部からも魔力弾を撃とうする。

「ターーーボスマッシャーーーーーーーパーーーーンチ!!」「ドリルプレッシャーーーパーーーーンチ!」「ブロウーーーーーークン、マグナーーーーーーーーーーム!!」

 ゆりかごの攻撃が決まる前にマジンカイザー、グレートマジンガー、ジェネシックガオガイガーの三機のロケットパンチがゆりかごの腹部を貫き、腹部は爆発し小さな穴が開く。

「まだまだだぜ!」

 お次はドラグナー1型カスタムとファルゲン・マッフと飛影とニルヴァーシュがゆりかごをものすごいスピードで全身を斬りつける。

「ならこれならどうですか!」

 クアットロは今度はゆりかごの残った右手からミサイルを大量に出すが、νガンダムのフィンファンネルバリアで阻まれる。
416スーパーロボット大戦X:2008/01/30(水) 17:49:28 ID:+hGuNeBc
「く、これも当たらないなんて……」
「次はこれだ!」

 ゲイナーが叫ぶとキングゲイナーのオーバーフリーズでゆりかごを凍らせる。

「ファイヤーーーーーブリザーーーーーーード!」

 一矢の叫びと共にダイモスの胸のファンが回り、ゆりかごは上へと舞う。

「烈風! 正拳突きーーーーーーーーーーー!!」
「ゴットハーーーーーーーーーーーンド、スマーーーーーーーーーシュ!!」
「マッハドリル!!」

 まずはマッハドリルを両手に装着させた鋼鉄ジーグが穴の開いた部分から少し離れた腹部を攻撃し、新しい穴を開け、
 ダイモスとバイカンフーの強力なパンチがゆりかごを二つに割る。
 しかしそれでもゆりかごは動き続ける。

「まだまだですわ!」

 ゆりかごの分かれた下半身部分から大量のガジェットが出てくるが、それよりも先にブラックサレナがボソンジャンプをし、
 ガジェットよりも先にハンドカノンで攻撃しガジェット達を全滅させた。

「はは、まだまだ下半身は動きますわ」

 ガジェットを出し終えた下半身は足の裏から魔力砲を発射させようとする。

「そうはさせん!」「いくよ!」「おう!」

 電童と凰牙はフェニックスの力を使い、暁の大太刀、雲噛と海槌を出して下半身を強く斬りつけ、下半身は爆発をする。

「こうなったら……、これならどうですか!?」

 ゆりかごの胸部分からは何かの砲撃が発射されようとしていた。
 皆はチャージを止めようとするが、バリアが張られ攻撃が通らない。

「言っておきますが、これはあなた達では防げませんわよ。これは星一つは簡単に消滅させれますわ」

 ブレードはその言葉でクアットロが反物質砲を撃とうとしていることを直感しブラスター化する。
 そしてオーガンと共に砲撃部分の直線状に待機する。

「トモル! 準備はいいな!」
「大丈夫です!」

 そしてゆりかごから反物質砲が発射されるのと同時にブレードはブラスターボルテッカでオーガンはグランドクルスアタックを放ち、
 ゆりかごの反物質砲を相殺させる。

「こんな事って……」
「行けーーーーーーーー!」

 クアットロがあっけに取られているとZガンダムがゆりかごに突撃をかけ、中に侵入してコックピットに乗せていたスバルを下ろす。

「スバル! 中から破壊してくれ!」
「わかった!」

 そしてスバルはISを発動させてゆりかごの中を思いっきり破壊していく。
417スーパーロボット大戦X:2008/01/30(水) 17:50:09 ID:+hGuNeBc
「このままでは……。だけど、聖王がいれば……」
「もうヴィヴィオはいないぜ」

 突然の忍の言葉にクアットロは戸惑うがその言葉は本当であった。
 クアットロがスバルに気を取られている隙になのは達が無理矢理ヴィヴィオのいた額部分を破壊し急いで保護したのだ。
 そしてようやくスバルはクアットロを見つける。

「見つけた……」
「ひっ!?」

 スバルの瞳は金色だがその目の奥は怒りの炎が灯っていた。

「よくもヴィヴィオやなのはさんを……」
「待って、あなたも私と同じ戦闘機人でしょ。だったら私と一緒に……」

 スバルはクアットロの話をまったく聞く気も無く、近づきながらディバインバスターを形成する。

「一撃、必倒ーーーーーーーーーーーーー……」
「い、いやああああああああああ!」
「ディバイイイイイイイイイイン、バスターーーーーーーーーーーー!!」

 ディバインバスターが飛んで逃げようとしていたクアットロを逃がさずクアットロはディバインバスターをまともにくらい倒れる。
 スバルはクアットロを背負い、連れて帰りZガンダムと共にゆりかごを脱出する。

「よし、もうゆりかごには何もない! 思いっきりやれ!」

 ブライトの指示によりまだ攻撃していない他のメンバー(ファイナルダンクーガ、ネリー・ブレン&ヒメ・ブレン、ウイングガンダムゼロ、ゴッドガンダム、ガンダムダブルエックス)と
 なのは、フェイト、はやての強力な全力全開の総攻撃が始まる。

「全力、全開! スターーーーーーーーーライト……」
「雷光一閃! プラズマザンバーーーーーーーー……」
「響け、終焉の笛、ラグナロク……」
「ファイナル断空砲!!」
「1,2,3! チャクラエクステンション!」
「ターゲット、ロックオン!」
「ばああああああく熱! ゴッドフィンガーーーーーーーーーーーーー!!」
「ツインサテライトキャノン!」

「「「ブレイカーーーーーーーーーーーーーーー!!」」」「やあああああああてやるぜ!!!」
「シュートーーーーーーーーーー!」「石破! 天驚けーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!」「いっけーーーーーーーーーーー!!」

 放たれたすべての光が一つとなりゆりかごを飲み込み、ゆりかごは後かも無く消えていった。

「任務完了」
「やっと終わったぜ」

 とりあえず、ようやく終わったことに全員が安堵する。


 しかし残った最後の敵ヴォルツ・クルーガーは待ってくれなかった。
 それから数時間後ヴォルツ・クルーガーはオージー・ブレイクを発動さえ、宇宙を一つにし始めようとするのだった。
418スーパーロボット大戦X:2008/01/30(水) 17:52:34 ID:+hGuNeBc
投下完了。スパロボXは基本的には完結してますが、こういったIFストーリーや超番外編などでまた書くつもりです。
しかし今は何も書くネタが無いのでしばらくは俺自身の投下はありません。
フルボッコタイムを書くのは別の意味でつらいですが、楽しいものです。
419名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 18:05:49 ID:8QGMwR0d
反目氏GJ!!!!
セフィロスはみんなのお兄ちゃんに
楽しく読ませて頂きました。クロノ君が活躍できて個人的にgood!
アルフさんはどうしたんだと思いつつ、次回作に期待します
420名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 18:08:04 ID:VvA5cxuU
反目氏乙andGJ!
421リリカラー劇場:2008/01/30(水) 18:29:02 ID:FdtvreYv
>>スパロボ氏
ナデシコチームの活躍が無茶苦茶良かったですGJ♪

>>反目氏

クロノの活躍っぷりに涙しましたww
次も期待してますGJ。
422リリカラー劇場:2008/01/30(水) 18:41:43 ID:FdtvreYv
では自分も投下しますので支援願います。


ステイメン「どーしよ……01兄ちゃんの描いた地図」

ステイメンは今、海鳴市街で路頭に迷っていた。
それは兄ゼフィランサスが描いてくれた地図がなんとも解りずらかった為だ……。そのために少年には目的地到着は少し難しかった。
ステイメン「えーっと、しょーてんがいは……」

そう告げて同じ場所に来てしまったのは3回目の事……。
しかし、そこへ車椅子に乗った少女がやってくる。

「よかったら、道あんないしよか?」
「大丈夫ですか?」

声をかけられ、背後を振り返ると。そこには車椅子を押している金髪の女性と車椅子の少女。
彼女の歳はなのはやフェイトと同じぐらいだろうか……。


ステイメン「……あ、ありがとうございます。おねがいして……いいですか?」

「あはは、驚かせてしもたかな?ごめんな」

ステイメン「う、ううん、大丈夫です」

はやて「はぁ、よかった〜。私の名前は八神はやてっていうんや」
シャマル「私はシャマルです♪」

ステイメン「ボク、”れんぽー”所属のGP03ステイメンって言います♪」

はやて「そっかー、じゃあスティッチってよぼか♪」

シャマル「Σリロ&?」

『だが……いずれ、彼と我が主は知り合うことになる』
闇の書の予想が当たった……。

魔法少女リリカルなのはFullcolor'S 闇の書編 第1話

”れんぽー”戦艦アルビオン。


ジムキャノンII「あれ?ステイメンと01がいないな……」

GP02A「ああ、ステイメンの買い物にな」

ジムキャノンII「へー……02は行かないの?」

GP02A「俺は行かん」

ジムキャノンII「……ホントに?」

GP02A「ぐっι 行かんと言ったら行かん……」


ジムキャノンII「んもー、ツンツンしちゃっ−−Σごめんなさいごめんなさい、だから頭突きしながらバルカン撃たないでイタタタ!」

423リリカラー劇場:2008/01/30(水) 18:43:31 ID:FdtvreYv
その頃、長兄は−−

ステイメンから遠く離れた距離でこっそりと自分の弟を見守っていた。
手には小さい弟の勇姿をおさめるためのハンディカムも持っている。

GP01「…………にしてもやるなステイメン。わざと可愛いとこ見せて車椅子の美少女と美女にお近づきになるなんて」

???「お前ハンディカム持ってなにしてんの?ι」

GP01「ああ、ガンダムさん。いやね、買い物しにいく末弟の勇姿を。」

ガンダム「へー、でもあの隣の子らは?」

GP01「…………人型と人型がんたんくさん?」

ガンダム「知らないんなら素直に言えι」

−−−−
しばらくしてステイメンははやて道あんないもあり無事、海鳴市の商店街へとたどり着く。

シャマル「到着しましたよ、ステイメンくん♪」
はやて「ここが商店街や♪」

ステイメン「ありがとうはやてさん♪」

はやて「どーいたしまして♪私もちょうど買い物しよ思ってたし。……で、何買うん?」

はやてのその言葉にステイメンは首からぶら下げているガマグチのおサイフを開け、中に入っていたメモをひらく。

ステイメン「やおやさんでよくうれたトマトひと山と、おとうふやさんできぬごしどうふ1丁と、たまご1パック♪」

シャマル「……これはまた」
はやて「つぶれやすくて難易度高いなぁ……ι」


ガンダム「なんでそんなチョイス……?」

GP01「グーゼンですよグーゼン」

−−−−

ステイメン「すいませーん、うれてるトマトください!」

八百屋さん「あいよー。いちばん売れてんのはコイツだ♪うまくて安い奴」

ステイメン「あ、いえ、あのっι」
(どうしよう……たぶん「うれてる」っていみがちがうんだ!……でも、ぼく漢字がわかんない…………)


ガンダム「おい、ステイメン困ってるぞι」
GP01「あはは、ハプニングきたー爆萌えー♪」

ガンダム「おいおいι」

424リリカラー劇場:2008/01/30(水) 18:48:13 ID:FdtvreYv
−−−−

はやて「おじさーん、たぶんこの子が言うてんの完熟トマトのことやろ♪」
ステイメン「うん♪」

八百屋さん「なんだそうだったのかい?ごめんねι」

はやて「じゃあ、ひと山。ステイメンくんと私にくださいなー♪」

八百屋さん「あいよ♪」


GP01「おお、ありゃ母性を狙った好感度UP作戦かー。やるなー」

ガンダム「ふびん……弟さん二人ふびんすぎι あ、ところで02も来てないの?」

GP01「あいつは来なくて良いんですよ」
ガンダム「へ?」

−−−−
15分後……、はやて達のおかげもあり、ステイメンはメモに書かれたお使いの品は一通り帰る事が出来た。

ステイメン「おトーフもトマトもたまごもかった♪……うーん」

はやて「にしても何作るんやろな?この材料で……」


ガンダム「何作る気だったの?」
GP01「今日はカレーです」

ガンダム「カレーにトマトとか、トウフとかたまごいるの? あ、トッピングとかか」

GP01「いや、テキトーに選んだだけなんで」
ガンダム「Σえぇι」

GP01「お、きたきたハプニング♪やっぱりはじめてのお使いはハプニングが連チャンでないと」
ガンダム「え……あいつら?」

425リリカラー劇場:2008/01/30(水) 18:52:08 ID:FdtvreYv
−−−−

レイダー「なんだよ、ちびっこが買いモンかぁ?」
カラミティ「へー、エラいじゃん」
フォビ丼「エラいからこづいちまえこづいちまえ」

ステイメン「Σあーー」

偶然、居合わせた3人にからかわれステイメンは怖くなり、次第に目に涙が滲み出す。
そんな姿を黙っていられなくなったのかはやては車椅子を押してステイメンの前に出る。

はやて「ちょ、いきなり出てきて君ら何すんのや!それにこんな小さい子にいたずらして!」
シャマル「恥ずかしくないの!?」

フォビ丼「なーに言っちゃってるワケ?」
レイダー「オレ達なにも悪い事してないけどー?」
カラミティ「てゆーか何だよアンタら」


シャマル「あなた達が何なの!?」

ステイメン「わーケンカしないでーι」


ガンダム「どうすんのゼフィランサス」
GP01「まあ、大丈夫ですよ」

ガンダム「え?」

ゼフィランサスがそう告げると。ステイメンやはやて達を守るように上空から一条のビームカノンが3人をケシズミにしてしまう。
それはステイメンやMSの乗り物として造られたオーキス・デンドロビウム(チャイルドシート装備)である。

GP01「オーキスを上空に待機させてたんで。手ぇ出した奴は焼きます」
ガンダム「やるねお兄ちゃ−−待て、仕込みの彼らは!?」

GP01「ご褒美ほしいって言ってたんで今あげました」
ガンダム「……悪魔やι、おまえ白い悪魔やι」

GP01「ははは、白い悪魔はアナタじゃないですか」

−−−−

はやて「なな、なんやのコレ?ι」
シャマル「大きい……ですねι」

ステイメン「ぼくの大事な乗り物なんだ♪ ありがとうーオーキス。ちょっとやりすぎだけどι」

はやて「へー凄いなぁι」

ステイメン「あ、そうだ♪お姉ちゃんたちを家まで送ってあげるね♪」

はやて&シャマル「へ?」

GP01「おーまたまた好感度UP狙いな」
ガンダム「お前……。でもああゆう事も出来んだな」
426リリカラー劇場:2008/01/30(水) 18:55:21 ID:FdtvreYv
GP01「ええ、便利でしょ♪あれで時空旅行一人でさてましたし」

ガンダム「Σ嘘ι」
GP01「マジです。さぁて、あとは翠屋寄ってステイメンのご褒美ケーキ買うかな」

ガンダム「ひどい……ひど過ぎι」
GP01「何言ってんですか?可愛い子にはぶらり、旅させないと」
ガンダム「Σイヤイヤι」

オーキスの内部に設けられた生活空間スペースにはやてとシャマルを乗せデンドロビウムとなったステイメンははやて達の家へと飛んでいく。

−−−−

ステイメン「はい、とーちゃく♪」

はやて「あっという間やったなー。ありがとなステイメンくん♪」

シャマル「すぐに夕飯の支度もできますね♪」

ステイメン「じゃあ、ボクも帰るね♪」

オーキスに納まり、ステイメンは離陸準備を始める。


はやて「あ、ステイメンくん♪」

ステイメン「?」

はやて「明日、日曜日やし。良かったら、家に遊びに来てや♪」
シャマル「知ってもらいたい家族もいますから、それにステイメンくんのお兄さん達も詳しく聞きたいです」

ステイメン「……うん♪絶対絶対遊びに来るねー♪ばいばーい」

元気いっぱいの笑顔を浮かべ、手を振ってステイメンは飛び−−すぐにオーキスの姿は空の彼方に消えてゆく。
しばらくの間、はやてとシャマルは彼が飛んでいった空を見つめていた。

はやて「ええ子やなー♪」

シャマル「そうですね、また会いたいです。あの方向は海かしら……」

はやて「海かー、みんなんで行ってみたいわ……おっと、皆まだやし早くばんごはんつくらなな♪」
シャマル「はい♪」

427リリカラー劇場:2008/01/30(水) 18:58:16 ID:FdtvreYv
−−−−

ステイメン「はい、とーちゃく♪」

はやて「あっという間やったなー。ありがとなステイメンくん♪」
シャマル「すぐに夕飯の支度もできますね♪」

ステイメン「じゃあ、ボクも帰るね♪」

オーキスに納まり、ステイメンは離陸準備を始める。

はやて「あ、ステイメンくん♪」

ステイメン「?」

はやて「明日、日曜日やし。良かったら、家に遊びに来てや♪」
シャマル「知ってもらいたい家族もいますから、それにステイメンくんのお兄さん達も詳しく聞きたいです」

ステイメン「……うん♪ぜったい遊びに来るねー♪ばいばーい」

元気いっぱいの笑顔を浮かべ、手を振ってステイメンは飛び−−すぐにオーキスの姿は空の彼方に消えてゆく。
しばらくの間、はやてとシャマルは彼が飛んでいった空を見つめていた。

はやて「ええ子やなー♪」
シャマル「そうですね、また会いたいです。あの方向は海かしら……」

はやて「海かー、みんなんで行ってみたいわ……おっと、皆まだやし早くばんごはんつくらなな♪」
シャマル「はい♪」

−−−−

ステイメン「あっ♪」

そして……戦艦、アルビオン付近までやってくるとステイメンは大事な兄を見つけ、オーキスからおりて駆け寄る。

ステイメン「ただいま、02お兄ちゃん♪」

GP02A「おう……無事帰ったか」
ステイメン「うん!ちゃんとおかいものしてきたよ♪」




ガンダム「あー、なるほど。だから02来なかったんだ」
GP01「ただいまとおかえりって言ってくれる人が居なきゃね♪ビデオも見る人がいないとイミないし」

ガンダム「…………お前、良いお兄ちゃんじゃん♪」
GP01「大事な弟ですから♪」

428リリカラー劇場 投下終了です。:2008/01/30(水) 19:00:51 ID:FdtvreYv
−−−−
同じ頃、八神家……。

シグナム「そうですか……そんな事が」

ヴィータ「か、絡んだのは許せねーけど。ビームかよι」

シグナム、ヴィータ、ザフィーラが帰ってきてからはやてとシャマルは買い物で出会ったステイメンの事を話していた……。

シャマル「とっても可愛いの♪」
はやて「それに、明日遊ぶ約束したし♪その時は皆とも自己紹介やな」

シグナム「そうですね、お会いしたいです」

ザフィーラ「で、この飯は……?」

はやて「トウフ入りのハヤシオムライス。ステイメン君につられて材料買ってもうてι」

ヴィータ「は、早く食べよーよ」

はやて「あはは、そやな♪じゃ、皆で」

一同「いただきます♪」

続く
429名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 19:02:04 ID:pLn3/7C6
支援
430リリカラー劇場:2008/01/30(水) 19:24:38 ID:FdtvreYv
以上です。これから闇の書を関わらせるか……。

ではでは
431フルメタなのは:2008/01/30(水) 19:29:44 ID:v9tGMmov
GJです。
見ててニヤケが止まらないw

反目のスバル氏とスパロボX氏もGJです。
それぞれの新作や番外編にも期待してます。
432スーパーロボット大戦X:2008/01/30(水) 20:09:14 ID:+hGuNeBc
>>430
GJでした。すごくほのぼのしてますね。
ところでこの話ってテスタロッサ一家が全員いるからフェイトが闇の書に取り込まれても別になのでは…。
後、ジュエルシード編に出てきたキャラはあとどのくらい出る予定なんですか?
433名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 20:26:39 ID:4d19Oy47
乙。

つ【チー鱈豆腐バーガー】
434リリカラー劇場:2008/01/30(水) 20:27:18 ID:FdtvreYv
みなさん感想ありがとうございます。

>>スパロボXさん

それに関してはのちのち明かしていきます。意外?な事になっていますからww
435名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 20:36:51 ID:O7U+M4X1
>>433
なんぞそのチーズ餡シメサババーガーの類似品みたいなものはww
436名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 20:54:25 ID:fkdX6tnY
>>435
幽体離脱できるアレかw
437戦国の鉄の城:2008/01/30(水) 20:59:35 ID:m4mIlTFd
職人の皆様GJです。
いやぁ、切なさと和みのダブルアタックは結構胸にジン、と来ますなぁ。

さてさて、予約がなければ9時ぐらいにモンハンクロス投下よろしいですかね?
438戦国の鉄の城:2008/01/30(水) 21:01:22 ID:m4mIlTFd
>>437
うぐ、ミスりました。
9時10分あたりに投下よろしいですかね?
439Strikers May Cry:2008/01/30(水) 21:05:59 ID:G1wZOIjH
>>387
説明不足ですいません、マスターとの出会いの後に弟子入りって過程があるって事で。
次回あたりにでも少し書きます、やっぱ30分くらいで書くと穴だらけっすね。

それと反目氏、「片翼の〜」完結おめでとうございます。
ちゃんとゲーム版アドベントに繋がるストーリーなんですね、GJっす。
440Strikers May Cry:2008/01/30(水) 21:07:16 ID:G1wZOIjH
アンカミス、>>387>>391でした
441戦国の鉄の城:2008/01/30(水) 21:11:09 ID:m4mIlTFd
えーっと…反応ないけど結局投下しちゃいます。
東方不敗のような熱さがちょっと欲しかったりする、そんな俺。
442戦国の鉄の城:2008/01/30(水) 21:11:45 ID:m4mIlTFd
魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER

第十話「鎧竜」

唸る轟音と時折広がる爆風。響く金属音と弾かれるような鈍い音。
保護施設だった場所にて狩人ドクと黒鎧竜グラビモスは戦う。
唸りながら迫る尻尾の攻撃をガンランスの大きな盾で防ぎ、砲撃の反動とバックステップで距離をとる。
「やれやれ…!やはりソロはかなり堪えるな…!!」
顎へとつたう汗を手で拭い、構えなおすドク。その表情は苦痛で歪み、汗がにじみ出ている。一方のグラビモスはまだ余裕のようだ。
さすが黒く、硬く、強くなったグラビモス。一筋縄にいかない…というよりかは、下手すると負ける。
そんな相手を一人で狩るということは相応の覚悟と腕とどんなことでも動じず、耐えられる忍耐力が必要。ドクはそのすべてを持っているつもりだったが一つ失敗をした。
左手に握られている銃槍を見て舌打ちをする。その銃槍は「ディープフィッシャー」。もう一段階強化すれば「リヴァイアサン」という最終形態になる。
「君が通常のグラビモスならばガンチャリオットで歓迎したものを…。」
そう呟いたって目の前の相手は黒い。本来の弱点である龍属性が効かないのだ。となると次に効きやすいのは水属性。だからドクはこれを選んできた。
しかし、それが失敗だった。いまさら後悔しても遅い。……だったら?もちろん、それでも狩る。
「さぁ、どちらが倒れるか持久戦(我慢比べ)といこうじゃないか!!」
弾丸をリロードして唸り声を上げる黒鎧竜の元へと、走る。
頭に思い浮かべるは七人の愛娘達の姿。
443戦国の鉄の城:2008/01/30(水) 21:12:31 ID:m4mIlTFd
グラビモスはこちらへと走ってくるのに対し、ドクは急に足を止めて盾を構える。無論ぶつかる両者。盛り上がる地面。
刹那、ドクの右手につけた籠手の隙間から赤い光が漏れ出して一瞬だが魔法陣が展開。グラビモスの巨体を、止めた。
続けて盾で顔を殴る。わずかに怯み、顔面に砲撃を見舞う。至近距離からの砲撃にも関わらず顔は煙を纏うだけで何も効いてないようだ。
顎の攻撃を盾で防ぎ後方へと押し返された。
続けて突進。ドクの二度目の対処は、ためらわず走る。5m…4m…、距離が縮み、ドクが軽く地面を蹴るとスライディング。綺麗にグラビモスの真下をすり抜けた。
ただすり抜けたわけじゃない。槍で腹を斬る。否、甲殻を削ると言ったほうがいいかもしれない。刃は肉を斬らず、鋼鉄のような甲殻を削っていく。
グラビモスは停止。ドクは立ち上がり様子を伺う。やはり効いていない。
「ならば……。」
目を細め、腹部をじっと見つめる。ディープフィッシャーをしまって懐へ潜り込み、腹部を殴る。
魔力も込めていないし特別なものなんて入れてない。ただ殴っただけ。ドクは一点、不自然な部分を見つけた。
「ここか…っ!!」
すばやくディープフィッシャーを取り出して不自然を感じた部分を突き刺す。刃は甲殻のわずかな隙間を通り、肉を刺す。
滴り落ちる血をドクは見逃さない。すかさず砲撃を撃ち込んだ。
さすがに効いたらしくグラビモスは悲痛な咆哮をあげた。しかしこれがガス噴射の引き金となる。
突然身体のいたるところから赤いガスが噴出。ドクの全身を取り巻いた。
吹き飛ぶドク。白衣は完全に燃え尽き、全身から黒い煙が出ている。立ち上がるが身体は震えている所を見ると、かなりのダメージみたいだ。
「ガードしてもこれかね…。思い切り危険じゃないか。だがな…。」
ポーチから回復薬を取り出して一気に飲み干し、空になったビンを投げ捨てる。
続いてガンランスの弾をリロード。グラビモスの突進を防御して動きをとめたところで先ほどの箇所をまた刺す。
今度はただの砲撃じゃない。何か空気が抜けるような音が響いた後、静止。
「私も…引き下がれないのだよっ!!」

爆音とともに「竜撃砲」が放たれる。
444戦国の鉄の城:2008/01/30(水) 21:12:55 ID:m4mIlTFd
「ねぇ、ノーヴェ、あのドクってやつ大丈夫っすかね?」
「アタシに聞くな!くそっ…!」
ドクとの激戦を残っていた施設の一部分の窓から見ているノーヴェとウェンディ。ウェンディは不安そうな表情に対しノーヴェが悔しそうな表情。
戦闘できない歯痒さ、苛立ち。何もかもが混ざり合ってやりきれない気持ちだ。
横を向くとドクの部屋になにやらうごめく影。
ノーヴェは恐る恐る近づく。そして
「何やってる!!」
思い切り開けるとそこには以前自分達が着ていた蒼いボディースーツに身を包んだチンク・セイン・オットー・ディエチ・ディードの五人だった。
「み…皆…!?チンク姉まで…!?」
全員でドクのアイテムボックスから武器を漁っている。頬を掻いて少し唸っているチンクが前に出て理由を話し始めた。
「こういうことをしてはいけないとは思ったのだがな…。私というやつは、やはり見てるだけはどうしても嫌らしい。」
続けてほかの者達も口を開く。
「右に同じ。やっぱり何かお手伝いしないとね。」
「僕も…ほぼ同じ理由かな。」
「何故かは知らないけど、あの人を死なせちゃいけない気がする。」
「後味悪いのは、嫌だから。」
「皆…。」
ノーヴェはウェンディと目を合わせ、二人とも頷く。
「悪いけど、借りるとするか!」
ノーヴェとウェンディもアイテムボックスを漁り、武器を取る。皆自分が扱えそうな武器やアイテムを選んで取る。
理由はただ一つ、「あの人を助ける。」何故こんな考えがあがったのか、と聞けば少女達は「そうしなきゃいけないような気がしたから」と言うだろう。
少女達は誰かに言われてるからでも、自分がそうしたいからでもない、心の奥にある本能に従ってると言うべきだろうか。
チンクが選んだのは己の以前の武器からだろうか。投げナイフ一式。普通の投げナイフから麻痺投げナイフまで。
セインは中々自分に合うものがない、と騒いでいたが片手剣「オデッセイブレイド」で落ち着いた。
オットーも色々と悩んだ末にライトボウガン「繚乱の対弩」。
ディエチは自分のもともとの武器に近いもの。つまりヘヴィボウガン「バストンウォーロック」に決めた。
ディードは以前の戦闘スタイルがツインブレイズ、双剣であるため案の定すぐに決まった。水属性の「ギルドナイトセーバー」。
ウェンディはディエチと同じへヴィボウガンを選ぶ。その名は「ヘビィバスタークラブ」。
ノーヴェはかなり悩む。悩みに悩んで共通点は打撃。ということでハンマー「イカリクラッシャー」に。
七人の少女は皆顔を見合わせて頷き、ドクの部屋から飛び出してドクを助けるために外へと向かう。その途中でギンガとばったり遭遇。
皆顔をゆがめてなんとか突破できないかと考えてるうちにギンガは後ろを向いて予想外の言葉を発した。
「どうしたの?早く行くわよ?」
不敵に笑うギンガの手には相棒「ブリッツキャリバー」が握られ、光っている。
笑顔に変わりギンガの後についていく少女達。外では、激戦が続く。
445戦国の鉄の城:2008/01/30(水) 21:13:21 ID:m4mIlTFd
「ぐ…ぐぅ!?」
吹き飛ばされて施設の瓦礫をぶち抜いて埋もれて、なんとか立ち上がったのはドク。
グラビモスは腹の甲殻を少し失って赤い筋肉を露出させながらもまだ余裕といった面持ちでドクを睨んでいる。
それでもディープフィッシャーの弾丸をリロード。グラビモスに向かっていく。
「おぉぉぉぉぉぉっ!!」
ディープフィッシャーの刃がグラビモスの赤い筋肉に突き刺さり、鮮血が飛び散る。
その瞬間低く構えて巨体から赤いガスが噴出。それも予測していたかのようにドクは盾を前に突き出しながらバックステップ。
再び突撃しようとしたところに黒い鉄球のようなグラビモスの尻尾が衝撃を与え、ドクの体を吹き飛ばした。
地面を転がり壁に叩きつけられて吐血。顔を上げた先には明らかにブレスの体勢に入っているグラビモス。
「右手を……使うか……!?」
右手に手をかけた瞬間ドクの横を影が通り過ぎ、その影は紫の光を射出してグラビモスを怯ませた。
影が離れると同時にまた別の影が通り過ぎる。一つの影は一本の剣で腹を斬り、二つ目の影は巨大な鈍器で顔を叩く。三つ目の影は二本の刃で腹を裂く。
次にナイフがグラビモスの巨体に刺さり、痺れさせて続いて弾の嵐。
収まるとドクの回りには八人の少女。ドクはつい笑みを零し、その笑みを隠すように兜を深く被って顔を見せないようにした。
「ドク、大丈夫ですか?」
一人はリボルバーナックルを装着し、バリアジャケットに身を包んだギンガ。
「まったく、お前も無茶をするんだな。」
フフ、と微笑み麻痺投げナイフを構えたチンク。
「ここはお姉ちゃん達に任せとけ!」
オデッセイブレイドを手で弄び、ウィンクするセイン。
「……撃てた。」
ちょっと意外そうに繚乱の対弩を眺めて、少し嬉しそうにドクのほうへ顔を向けるオットー。
「へ!少しの間、武器借りるぜ。」
イカリクラッシャーを肩で背負い、不敵な笑みを浮かべるノーヴェ。
「これでお手伝いできるかな?」
バストンウォーロックを持ち心配そうにドクを見るディエチ。
「大体の銃はトリガーを引けば撃てるっす!ね?ドク?」
ヘビィバスタークラブを構えて満面の笑みを浮かべるウェンディ。
「ドク、貴方を助けに来ました。」
ギルドナイトセーバーを持って一見無表情だがどこか柔らかい雰囲気を出しているディード。
そんな彼女達を見てドクはまた笑みを零す。兜をこれでもかというぐらい深く被ってなんとか顔を見せないようにし、立ち上がる。
「すまないな。こんな私に付き合ってくれて。」
構えなおしてドクは叫ぶ。
「さぁ、第二ラウンドとしゃれ込もうではないか!!」
そして、少女達とともに走る。
446戦国の鉄の城:2008/01/30(水) 21:14:06 ID:m4mIlTFd
「くっ!背中硬い!!」
「セイン!!ヤツの腹は比較的甲殻が薄い!!そこを狙え!!」
「うぉおおらぁぁぁっ!!」
「GJだノーヴェ!スタンしている間に一斉射撃!!」
「「「了解!!」」」
ナンバーズとギンガの参戦によりなんとか形勢を保ったドク。しかしグラビモスのタフさは尋常ではなく、これでもかと攻撃を加えても身を少し震わせるのみ。
ディープフィッシャーも竜撃砲を撃ちすぎたために少しオーバーヒート気味で本来なら冷却完了の時間を過ぎても蓋は閉まらない。
完全な我慢比べの戦いへと化した。
それでも「魔法」というものが加わっただけで形勢は傾きつつある。あと一押しといったところだ。
しかし形勢もグラビモスの咆哮で見事に変わる。ついにグラビモスが『怒った』のだ。突進の体勢に入り、皆は避けようとするのだが…
「速いっ!?」
突然グラビモスのスピードが上がった。黒い巨体がチンク、セイン、ノーヴェ、ディードを襲う。
「うわぁぁぁぁぁぁっ!?」
悲鳴を上げて四方八方に吹き飛ぶ四人を見て残りの四人も援護に向かおうとするが今度の矛先はその四人だった。
顔を大きく上に上げて口の中に熱を溜めてから前に突き出し、口から太い熱線が吐かれた。
ちょうど逃げ遅れたウェンディを助けようとしてディエチがが飛び込み足に熱線が当たってしまう。
「あ……あうぅぅぅあぁぁぁぁぁっ!あ…足がぁぁぁぁぁっ!!」
足が黒く焦げている。ギンガは殺気むき出しの目でグラビモスを睨み、突撃。だがグラビモスはブレスの直後。体から赤いガスが。
気付いたときにはもう遅かった。全身が赤いガスに包まれて、数秒後に吹き飛ばされていた。
「うっ……くぅぅ…!!」
壁にもたれ掛かりながらなんとか立ち上がろうとするギンガだが前方には迫る黒い巨影。
そんな中、ドクの中で何かが、弾けた。
巨体が壁もろともギンガを崩そうとする刹那、雄叫びを上げながら男が間に割って入り、赤い魔法陣を展開させて巨体を止めた。
「……!?」
誰もが驚愕する中、ドクはついに兜を投げ捨てた。露になる紫の髪。
目が開かれ、金色の瞳でグラビモスを睨む。
ナンバーズはそろって口を開く。
「ド……ドク…ター?」
”ドクター”と呼ばれた”元”ドクのその男は右手を横に凪ぎ、グラビモスを吹き飛ばした。
どこか貫禄に満ちたその風格と顔でグラビモスと対峙する。しばらくすると自嘲気味に笑い、呟く。
「愛しい娘は更正プログラムを受けていて、もう一方は獄中で暮らしている。だが立派に生を貫いている。
しかし私はどうだ。一部の人間の企みで食物連鎖という極限の中に投げ出されて、そして必死で。でもそのおかげで力を得た。

せっかく力を得たんだ……一度くらい、父親らしく娘を守ったっていいだろう?」


かつて次元犯罪者として名を轟かせた科学者、ジェイル・スカリエッティが、そこに立っていた。
447戦国の鉄の城:2008/01/30(水) 21:15:07 ID:m4mIlTFd
投下終了。
結構悩んだナンバーズの武器。
ちょっと無理矢理だったかな…?
448仮面ライダーリリカル電王sts:2008/01/30(水) 21:21:05 ID:qyFVXHg3
GJ!!スカリエッティあんた漢だよ。渋くてカッコイイ!
449名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 21:30:49 ID:TwaY73r/
なんというきれいなスカ。だが嫌いじゃないGJ!
450Strikers May Cry:2008/01/30(水) 21:38:01 ID:G1wZOIjH
ふふ…こういうスカもありですな、GJ。

ところで今って空いてるよね? もう少ししたら久しぶりに「リリカル・グレイヴ〜」を投下したいんだけど。
451スーパーロボット大戦X:2008/01/30(水) 21:38:59 ID:+hGuNeBc
いい人になったなスカリエッティ。GJ。
>>450
OKです。出来る限りの支援はします。
452Strikers May Cry:2008/01/30(水) 21:46:53 ID:G1wZOIjH
それじゃあ、そろそろ投下します。

久しぶりの「リリカル・グレイヴ〜」第五話です。
今回から未知のストーリーに入るのでマジ難産でした、そして今回は新キャラ登場です(STSのキャラだけど)。
453Strikers May Cry:2008/01/30(水) 21:47:26 ID:G1wZOIjH
魔道戦屍リリカル・グレイヴ Brother Of Numbers 第五話「地上本部襲撃(前編)」


「ふ〜…さてどうしたものかな…」

男は溜息交じりの独り言を漏らしながら目の前のモニターを眺めていた。
モニターには時空管理局地上本部の様々な資料、それも外部に流出すべきではない警備体制や内部構造という類のものである。
そしてもう一つ、眠りにつき血を入れ替えている最中の死人の姿。

男の名はジェイル・スカリエッティ、自他共に認める天才科学者である。
彼は何かを悩みながらキーボードを無意味に叩いて物思いにふけっている、そんな彼に戦闘機人ナンバーズの長女ウーノは熱いコーヒーの御代わりを注ぎながら尋ねた。

「どうなさったんですかドクター?」
「ああ、ウーノか……実は今度の地上本部襲撃の事でね」
「何か問題でも? 特に不安要素は無いと思いますが」
「グレイヴの事さ」

スカリエッティはそう言いながらモニターに前回行われた戦闘の映像を映す、それはグレイヴが倒したフェイトを確保しようとしたセインに制止をかけるものだった。
そしてもう一つの画像がモニターに展開される。それはスバルとギンガのナカジマ姉妹と聖王の器ことヴィヴィオの姿だった。

「ただの戦闘やレリックの奪取ならともかく、少女を誘拐するとなると彼は賛同しないだろうねぇ、それどころか妨害なんかするかもしれないよ…」
「ドクター……グレイヴが邪魔ならすぐにでも殺す準備はできています」

スカリエッティの言葉にウーノは強い意志を込めた瞳で応える、彼女はこの男の為なら邪魔な者を排除するのに躊躇などはしないのだ。
だがスカリエッティはウーノにやれやれといった感じで首を横に振る。

「いや〜、それはダメだよウーノ。身体や武器に色々仕込むだけならまだしも、寝首を掻くなんて芸が無いしフェアじゃあないよ」
「なっ……芸とかフェアとかそういう問題ではありません!!」

ウーノはコーヒーを入れていた魔法瓶をブンブンと振りながら顔を真っ赤にして声を荒げる。
スカリエッティはそんな彼女から溜息混じりには視線をモニターに移すとコーヒーを啜りながら物思いにふける。

(本当にどうしたものかな……どういう反応をするのかまったく読めないなんてねぇ。まあそれも面白いから良いんだが)





地下にそびえる鉄の城、そこはジェイル・スカリエッティの有する研究所。
そして死人兵士ビヨンド・ザ・グレイヴとその妹達、ナンバーズの住まう楽しい家でもある。


「……」
「……」
「……」
「……」
「……」

「あああああ!! もう、誰か喋るっすよ!」

ナンバーズ11番ウェンディは彼らに向かって叫んだ。
まあウェンディがこんな風に叫ぶのも無理はない、今彼女の前にはかれこれもう1時間は一言も喋らない無言集団がいるのだから。
先の無言の者達の正体はグレイヴを筆頭にセッテ・オットー・ディエチ・ディードといった生粋の無口系キャラである。

そして彼らはソファに腰掛けてテレビで映画鑑賞の真っ最中だった、無論ポップコーンもなければコーラもなく、ただ静かに眺めているだけだ。
454名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 21:47:26 ID:71+vECtI
>>450
進路クリアー、投下どうぞ
455Strikers May Cry:2008/01/30(水) 21:48:32 ID:G1wZOIjH
くっちゃべって映画を見るタイプであるウェンディには耐えられない光景だったのであろう、故に彼女は声を上げた。


「静かに」
「ウェンディうるさい」
「今良いところ」
「姉さまお静かに」

「あ〜、みんながあたしをいぢめるっす〜」

セッテ・オットー・ディエチ・ディード、見事なまでの連携攻撃である。
この流れるような連携技にウェンディは頭を抱えて喚く。
そして、そんな所にクアットロが現われる。

「ま〜た、うるさいわねぇウェンディちゃんったらぁ。みんなドクターからお話よ〜、次の作戦のだ〜いじなお話だから集合よ〜♪」

クアットロの言葉に一同はソファから離れる、そして皆と一緒に行こうとするグレイヴの前にクアットロが立ち塞がった。

「グレイヴさん、今日のお話は姉妹だけなんですよぉ? だからちょ〜っと一人で待っててくださいね♪」
「………」

グレイヴは静かに頷き、クアットロの言葉に従った。






時は時空管理局地上本部での公開意見陳述会の当日、そして地上本部のとある一室の男はいる。
名をレジアス・ゲイズ、長年に渡り地上の平和を見守ってきた生粋の時空管理局員である。
そして彼の傍らには血の気の無い一人の青年が立っている。

そう、それはまるで“死人”のような血の気の無さだった。


そしてレジアスは通信モニターに映る女性に質問を投げる。

「今日の陳述会での襲撃か……情報道理に行くと思うかオーリス?」
『分かりません、ただ情報源は局に潜入している“機人”ですから可能性は低くは無いかと』
「そうか、では計画の発動準備をしておけ。もし今日だとすれば時期は少々早いが計画を実行する事になる」
『分かりました』
「それとファンゴラム、奴の投入も準備しておけ」
『えっ!? 本当によろしいのですか? もし制御できなくなれば…』
「構わん」
『…分かりました』

会話を終えたレジアスは通信モニターを切り傍らの青年に視線を移すとふと口を開いた。

「お前はどう思うかな? 私の考えは間違っていると思うか?」
「……」
456スーパーロボット大戦X:2008/01/30(水) 21:49:43 ID:+hGuNeBc
支援
457名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/01/30(水) 21:51:12 ID:xmBpU3+G
支援h
458戦国の鉄の城:2008/01/30(水) 21:52:29 ID:m4mIlTFd
支援っす
459Strikers May Cry:2008/01/30(水) 21:54:28 ID:G1wZOIjH
「はっ…答える訳が無いか、死人に口無しとは良く言ったものだ」

レジアスは自嘲的な苦笑を漏らしながら視線を窓の外に向ける。そしてこれから行おうとしている壮大なる謀反に思いを馳せた。

「待っていろ、もうすぐこの地上に完全な平和を与えてやる……今ある全てを破壊してな」






『グレイヴ、準備は良いかい?』
「……」

スカリエッティの通信にグレイヴは無言で頷き手の二丁銃ケルベロスを構える。
二匹の地獄の番犬はその巨大な銃口で静かな威圧感をかもし出していた。

時空管理局地上本部襲撃における確保すべき対象“戦闘機人タイプゼロ”そして“聖王の器”に関する事項は結局グレイヴに伝えられず襲撃作戦を実行する事となる。
これはもしもの場合、彼が妨害や離反をしかねないという可能性を考慮しての事だった。

そうとも知らず、グレイヴは戦闘態勢を整えてガジェットと共に遠距離転送の準備に入る。
そんなグレイヴをチンクが複雑そうな表情で見つめていた。

そして、そのチンクに突然念話通信が入る、それは少し離れた場所に佇んでいたクアットロだった。

(浮かない顔してるわねぇ〜チンクちゃん)
(クアットロか…)
(もしかして罪悪感なんて感じてるの〜?)
(ああ…少しな、グレイヴを騙すなんて気が乗らないよ…)
(はぁ〜、チンクちゃんって本当にお馬鹿なのねぇ〜)

クアットロは呆れたようにメガネを指でかけ直して小ばかにしたような笑みを見せる。
その様にチンクはいささか怒りを宿した眼光で睨んだ。

(何っ!?)
(だってそうでしょ? 教えたって喜ばないって分かってるんだから……知らない方が幸せならその方が良いわよ)
(…そういうものか?)
(そういうものよ、チンクちゃんだってグレイヴさんに悲しい顔して欲しくないでしょ?)
(ああ、そうだな……しかし“私だって”という事はクアットロもグレイヴの事を心配しているんだな)
(なっ!? ち、違うわよ! 変な事言わないでちょうだい!)

クアットロはそう言うと即座に通信を切ってそっぽを向いた、離れた場所からでも分かるくらいに彼女の顔は赤く染まっていた。
本来は姉妹の中でもっとも冷静であり冷徹である筈のクアットロの変化にチンクは思わず微笑を零した。

「まったく…クアットロも随分と変わったな」

そう小さく呟きながらコートの内側に仕舞われた投擲専用のダガーナイフを確認して転移魔法陣へと足を進め今夜の戦場である地上本部へと向かった。

こうして小さな機人の少女は足を踏み入れる、血と硝煙の匂いに満ちた地獄の門前へと。




地上本部で行われていた公開意見陳述会。
460Strikers May Cry:2008/01/30(水) 21:55:05 ID:G1wZOIjH
管理世界の首脳陣を招いて開かれたこの席をスカリエッティもしくはそれに順ずる勢力による襲撃を教会騎士であるカリム・グラシアの持つ希少技能により予言されていた。
そしてその予言は現実のものとなる。

地上本部は突如として現われる無数のガジェット・ドローン、そしてそれを従えて銃火の華を咲かせる死人兵士の猛攻を受ける事となる。


「くそぉっ!!」
「死ねっ! 死体野郎がっ!!!」

地上本部の警備に当たっていた局の武装隊が怒号を発しながら手にしたデバイスから殺傷設定にされた射撃魔法を雨の如く射出する。
だが彼らの貧弱な攻撃では最強の死人兵士を倒すにはあまりに遠く、地獄の番犬の吐き出す銃弾の餌食となっていく。
飛び交う魔力弾の集中砲火を転がり避けながらケルベロスの銃弾が返答として返される、下手な威力の攻撃では傷一つ付かない死人兵士の身体に歴戦の殺し屋としての本能が確実に武装局員の数を減らしていった。


「……」

グレイヴの手にした二丁銃ケルベロスが硝煙と薬莢の転がる音を周囲に満たした時、そこで動く者は彼を除いて皆無となる。
周囲の制圧を終えたグレイヴがふと天を仰いだ時それは映った、それは天空で交錯する二つの光だった。





「くっ! こいつ強えぞ…」

地上本部に迫る謎の魔道騎士、ゼストと交戦に陥ったヴィータはリィンフォースとの融合を果たしているにも関わらず苦戦を強いられていた。
ゼストの魔力はオーバーSランク以上と測定されているだけあって簡単に勝てる相手ではない、他の部隊員を案ずる気持ちもありヴィータの心中に焦りの色が濃くなっていく。

「こうなったら、ギガントで…」

ヴィータがそう小さく呟いた刹那、地上からヴィータ目掛けて高速の物体が飛来する。
それは見覚えのあるロケットランチャーの弾頭、かつて相対した死人が放ったのと同じものだった。

「きゃあああぁっ!!」

ヴィータはそのランチャーの攻撃に直撃して地上へと落ちていく、ランチャーの攻撃と同時に展開された高濃度のAMFにより彼女の防御障壁の出力は絶望的に下がっていたのだ。
突然の救援により眼前の敵を倒せれたゼストは唖然として地上へと目を向ける、そこには手に巨銃を背に棺を持った死人兵士が立っていた。

そして言葉もなく交錯した視線で彼の思考を悟る。
グレイヴは目で語った“早く行け”と。


「すまんな」

ゼストは静かにそう呟くと地上本部へと向かった、かつての親友へと会うために。






「くっそぉ……あの死体野郎がぁ…」

ヴィータは毒づきながら、落下の衝撃にひび割れたアスファルトの上で自身のデバイスを杖代わりにして立ち上がった。
461Strikers May Cry:2008/01/30(水) 21:55:56 ID:G1wZOIjH
目の前の敵に意識を集中していたとはいえ、以前受けた攻撃で地に落とされるような醜態を晒した事に激しい怒りを呼び起こされる。

そして、そんな彼女の前に件の死人が悠然とした歩調で現われた。




「やってくれたじゃねえか、死体野郎!」
「……」

ヴィータは怒りに燃える瞳で睨み付け手にしたデバイス、鉄の伯爵グラーファイゼンを構えた。
グレイヴもまた無言で以って手のケルベロスを構える。場に鋭く重い空気が流れたその刹那、ヴィータの元に心強い救援が駆け付けた。

「ヴィータちゃん! 大丈夫!?」
「ああ」

それは、機動六課スターズ分隊隊長である高町なのはその人である。
まるで初めて相対した時のような状況でなのははレイジングハートをグレイヴに向けて構える。
そして胸中にかつて親友であるフェイトと初めて会った時の事を思い出した。

(初めては敵同士だった……でも言葉を交わせば、想いを知ればきっと分かり合える…だから私は……)

胸中の走る思いに決心をつけたなのはは、決して屈せぬ強き思いを抱き口を開いた。

「私はなのは、高町なのは! あなたのお名前、教えてください!!」
「ちょっ…なのは、何言ってるんだよ! そんなん意味ねえ…」

ヴィータがそう言いかけた刹那、二人の前に立った死人兵士は小さな呟きを漏らした。
小さな声だった、だが良く澄んだ残響が二人の耳に響いた。

「……ビヨンド・ザ・グレイヴ」

グレイヴの漏らしたその言葉に一瞬唖然とするなのはとヴィータ、だがなのはは彼の言葉を己が胸に刻み付けそして口を開いた。

「グレイヴさん……どうしてこんな事をするのか、お話聞かせてもらって良いですか?」
「………」

返答は無言と共に構えられた巨大な二丁銃、だが彼の目は手の冷たい鉄塊とは裏腹に熱い戦意に満ちていた。
そしてグレイヴの眼光になのはは理解する、彼が何を考えているのかを。
“聞きたければ自分を倒して見せろ”と。

「それじゃあ行くよヴィータちゃん」
「ああ、望むところだ」

こうして最強の死人兵士と最高の砲撃魔道師の戦いが再び始まる。
地獄の番犬と不屈の心の咆哮と共に。






同じ時刻、地上本部の一角においてゼストはかつての親友と相対していた。
男の名はレジアス・ゲイズかつて夢を共にした朋友である。

「久しいな、レジアス」
「ああ」
462Strikers May Cry:2008/01/30(水) 21:56:38 ID:G1wZOIjH
「一つ聞く……俺と俺の部下を殺したのはお前の差し金か?」
「だったら……どうした?」
「許さん!!」
「そうか……」

レジアスは静かにそう言うと指を鳴らす、音が響くと同時に壁越しに高出力の射撃魔法がゼストに襲い掛かり防御障壁とバリアジャケットを貫通して鮮血を散らす。

「ぐうっ!!」

ゼストは即座にデバイスを構えて壁越しに攻撃してきた未知の敵に構える。
緊迫する空気とは対照的に敵は崩れた壁を跨ぎゆっくりと部屋に入ってきた。

「ではやれ……“ティーダ”」

かつて死した管理局の若き魔道師、ティーダ・ランスターは死人となって再びこの世を歩く。
ただ破壊と殺戮を与える為に。

続く。

463名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 21:56:38 ID:AZW0dcpQ
支援
464Strikers May Cry:2008/01/30(水) 22:03:03 ID:G1wZOIjH
投下終了です。

今回から“死人魔道師ティーダ”が登場です、もちろん内藤先生テイストな呼び名も考えてますので、どうか期待してやってください。
そして次回あたりからはGUN−HOやらファンゴラムを出したいっす、しかし最近血の気の多い展開を書いてなかったからちゃんと書けるか心配ですね。

しっかしアレだ、この前資料用に買ったガングレイヴの公式設定資料集(1&OD)にデス・ホーラーの変形機構がまったく描いてなかったのがショックで死んじゃいそうだよ。
465戦国の鉄の城:2008/01/30(水) 22:08:02 ID:m4mIlTFd
>>464
GJ!なんかレジアスがものすごい悪役に感じる…。しかしそこがまたイイ。
ティーダとグレイヴの戦いはどうなるのか…、想像と期待が膨らみますよ。
466スーパーロボット大戦X:2008/01/30(水) 22:08:19 ID:+hGuNeBc
>>464
GJだぜ!!しかし色々と話が荒れそうだな。
だがそれも悪くない。クロスキャラの主人公が敵ってことは最後まで敵なのかな?そこが気になります。
しかしティーダが出てくるとなると声は誰がいいかな?原作アニメでも声は無かったし…。
467名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 22:14:56 ID:Gb8lNihR
投下GJ!!
グレイヴがこの先どうなるかも気になりますがGUN−HOの誰が出るかも気になります!
あの超異常殺人集団からだれを出すのかッ!?
個人的予想はE・G・マインかモネヴ・ザ・ゲイルだ!
468名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 22:15:57 ID:/MXfv7QY
やべぇ……   
   〃∩ ∧_∧
   ⊂⌒(  ・ω・)  噛ませ犬はティーダでよくね?
     `ヽ_っ⌒/⌒c
        ⌒ ⌒
程度で言った意見が反映されちまってる……っ!?
ちょっと罪悪感。

ときかくGJでした!
無口っ娘たちの映画鑑賞のシーンはグレイブに纏わりついているイメージを脳内保管の方向で
469マスカレード:2008/01/30(水) 22:23:11 ID:Oh2DHOmG
皆様GJです!
>>464
GJ!ティーダが新キャラとは……これはまた斬新ですね。
元ネタはあまり知りませんが、ティアナはどんな反応を示すのか楽しみです。

12時頃から、私もマスカレード第16話「俺、参上!」を投下しようと思います。
もう多分誰も覚えている方はいないと思いますので、投下前に一度今までのあらすじの説明はしようと思いますが、一応適当にまとめを読み返して頂けると幸いです。
なんかもうここまで更新遅いと、需要無しとか言われそうで少し怖いですが、12時頃から投下予約大丈夫でしょうか?
470名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 22:30:21 ID:6/hgwlhf
久し振りに読めて嬉しい
支援するよ
471スーパーロボット大戦X:2008/01/30(水) 22:30:28 ID:+hGuNeBc
>>469
12時ですか、でしたら俺は11時に投下したものがあるのですがいいでしょうか?
夕方に「新作ネタは思いついてないからしばらくは投下しない」と言ってましたが、
風呂に入りながら新作を考えたら思いついてしまい、プロローグだけでも出来ましたので投下したいのですが、よろしいでしょうか?
472名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 22:31:29 ID:9CFns3nV
マスカレード氏の電王は管理局制だったと思いますが、そうなるとハナの設定や愛理と未来の桜井がとった行動などは管理局側の人間は知っていたりするんですか。

それと、今の世界もやっぱりカイに一度壊されて、良太郎の記憶から再生された世界人でしょうか。
473名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 22:32:11 ID:nXfk/H1Q
>>467
え・・、GUN-HOってトライガンのGUNG-HO-GUNSのことか!?
474マスカレード:2008/01/30(水) 22:32:37 ID:Oh2DHOmG
>>471
わかりました。どうぞ、先に投下して下さい!
そのだいたい1時間後くらいには私も投下します
475名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 22:32:44 ID:eOS18pMt
是非オカマのあの人を
476名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 22:34:47 ID:O7U+M4X1
ミッドバレイかエミリオを…
477Strikers May Cry:2008/01/30(水) 22:38:00 ID:G1wZOIjH
>>473
GUN−HOといえばあの超異常殺人集団の他に何のGUN−HO−GUNSがいると?

>>475
ちょっとそこのあなた! エレンディラ・ザ・クリムゾンネイルを! あの最強のロストナンバーを出したらリリカルなのはのキャラみんな瞬殺じゃないか!!
まあそれでも面白そうだけどさ……
478リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/30(水) 22:46:55 ID:o/j0aP5i
僕は今から投下したいけど…駄目?
479名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 22:47:43 ID:YWNI4V+c
>>447
超GJ!!
ドクターが熱い。いいキャラしてるぜ。
かっこいいぜ親父!! 
うん、このドクターはちゃんと『父親』してるんだよな。
480スーパーロボット大戦X:2008/01/30(水) 22:54:27 ID:+hGuNeBc
>>478
すいません、早いですが、今から俺が先に投下します。
クロスオーバーはDETONATORオーガンです。
481スーパーロボット大戦X:2008/01/30(水) 22:55:25 ID:+hGuNeBc
 DETONATORStrikerS

プロローグ


 西暦2292年。地球は外宇宙からの敵イバリューダーに侵略を受ける事になった。
 しかし、イバリューダーの正体はかつて白鳥座付近の異常重力源を調査する計画「シグナライト計画」によって200年前に旅立った人間が、
 宇宙空間という過酷な環境に適応するために究極の進化を遂げた姿であった。
 そのイバリューダーでデトネイタークラスのオーガンは自分が地球人である事を思い出し、地球にと帰還しようとするが追って来るエイド達の前に遂に力尽きるが、
 オーガンは死ぬ前に地球に自身ソリッドアーマーの設計図をデータとして送り、そのソリッドアーマーはオーガンと同じライフデータを持つ青年真道トモルとリンクし、
 オーガンは再び甦る。そして地球にと迫ってきたイバリューダー本隊と決戦のため、トモルは命がけでオーガンとリンクしイバリューダーとの最後の戦いに挑み、
 戦いの中、イバリューダーの総司令ゾアをボロボロになりながらも倒し、そして戦闘惑星ゾーマから放たれようとする反物質砲を自分の持つグランドクルスアタックで対抗する。

「うおおおおおおおおおおおおおお!!」

 太陽の力で発動するグランドクルスアタックで戦闘惑星から放たれた反物質砲を相殺するが、オーガンはその世界からいなくなってしまう。トモルと共に……。



 そしてミッドチルダでは突然の次元の裂け目を観測し、時空管理局の機動六課出撃し、その観測された場所を探す。

「しかし、深い森だな……」
「でももし人が倒れていたら探さないと……」

 その観測された深い森に機動六課スターズ隊の隊長高町なのは一等空尉と副隊長のヴィータ三等空尉が捜索をしていた。
 そして二人が森の中を探しているとレイジングハートが何かを発見し、急いでなのはとヴィータはその場所に駆けつける。
 二人が見たのは3メートル前後でボロボロになっている人型のロボットであった。

「何だこれ?」
「少なくともミッドチルダのじゃないのは確かだね……」

 二人が恐る恐るそのロボットに近づこうとする。すると突然ロボットの前に人が現れた。若い青年である。
 青年は現れたと同時に地面に倒れる。

「おい、大丈夫か!?」

 ヴィータがその青年を起こそうとする。

「ううう……」
「まだ息はあるみたいだな……。なのは、早く連れて帰ろうぜ」
「うん……。でもこのロボットも連れて帰った方が……」

 なのはの言い分はもっともだ。このままこのロボットを置いたままでは他の人が見た時不審がるのは確かだ。
 なのははライトニング隊の隊長フェイト・T・ハラオウン執務官とその副隊長のシグナム二等空尉を呼び、青年とそのロボットを機動六課隊舎に連れて帰ることにした。
482リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/30(水) 22:55:32 ID:o/j0aP5i
じゃあ、支援します。
483スーパーロボット大戦X:2008/01/30(水) 22:57:56 ID:+hGuNeBc
プロローグの投下はこれだけです。
StS+ライダーさんすみませんでした。
テッカマンブレードがあるならオーガンもいいのでは?と思い書くことを決意しました。
なのはStrikerSの時間軸は第9話後と言うことになってます。
余談ですが、リアル事情により今から数日はこれない(投下できない)可能性が出てきました。
484マスカレード:2008/01/30(水) 23:04:53 ID:Oh2DHOmG
>>483
GJです!
テッカマンブレード……間違いなく私の作品ですねw
自分の作品が、誰かを動かしたとなると、私もうれしいです!
保護されたソリッドアーマーとトモルが今後どうなるのか、とても楽しみです!

>>478
私のは後でも構いませんので、お先にどうぞ!
485名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:09:50 ID:o8yTUfVm
ガンホー唯一の紅一点のドミニクかEGマインじゃないか?
E・G・マインってザが付かないよな、やっぱり弱いからなのか?

「おまえがいくのはマイホームじゃない」

「じごrqsだえsf!」←グレイブの銃弾

みたいな登場の仕方しか思いつかないww
486リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/30(水) 23:10:02 ID:o/j0aP5i
XさんGJ
しかし予告とはいえまだ三十分たってないな…
やっぱり予告にも三十分マナー適応するのでしょうか?
しないのなら今から投下しますが、するなら明日投下します。
487名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:11:02 ID:Bm7uuWvF
職人の皆様GJです!

>>旅ゆく人氏

尖った作品が多い中、実に癒されました。

>>反目のスバル氏

なんですかこの美しすぎる最終回は! 一作目に続けて素晴らしい作品を書き上げたお力に感服するばjかりです。
二次創作ではでは頭が固いだけのアホ扱いされがちなクロノに、確固たる理想と信念を語らせたのも良かったです。
反目のの番外編の方も、ナカジマ一佐に「よくも家の娘を傷物に!」とぶっ飛ばされるルルを期待しておりますww

>>Strikers May Cry氏

本編では悪役として中途半端だったレジアスが、かつての親友をも冷徹に殺そうとするド悪党と化しているのが良いですね。
死人と化したティーダの登場で先の展開が全く読めなくなった分、この先の独自展開に大いに期待しております。
Gガンネタも良かったです。ギャグならば東方先生にフルボッコされるスカ一味が見てみたいかもw
488名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:11:19 ID:nXfk/H1Q
「心が震えるわ!!」の人とか・・・

人外大好きだしw
489名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:15:51 ID:g+wGJ7N6
毎回思うがライダー氏は少し譲り合いという言葉を覚えた方がいい
先に投下予約してたにも関わらず、X氏に投下を譲ったマスカレード氏に対してかなり失礼だと思うぞ
490リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/30(水) 23:23:04 ID:o/j0aP5i
そうですね…ごめんなさい。
反省の意味も篭めて今日は止めときます。

俺最近おかしいよな…
ゼロノスカードの設定崩壊させて電王ファンの皆さんから大バッシングを喰らうわ投下しようしようと急いで迷惑かけるわ…
目標失くしてスランプにでもなったかな?それともいつも思いついたネタで書いてるからこうなるのかな?
なんにしても情けないです…
491名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:24:43 ID:d7rWiKCz
>>464
GJ!!です。
こりゃグレイヴマジギレフラグがレジアスに立っちゃいましたね。
オーグマンとか出てきたら、今まで以上に過激な展開になりそうw
レジアス、スカ博士、六課の対立が楽しみで仕方ありません。
492Strikers May Cry:2008/01/30(水) 23:45:24 ID:G1wZOIjH
>>485
とりあえず彼にはこういう名前があります“マイン・ザ・E・G・マイン”ちゃんとザはつきますよ?
認めてあげてください、彼だってGUN−HOの一員なんですよ。
493名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:46:07 ID:P5IZJ34F
>>464
GJです!!ガンホーですと!?だったらニコ兄とリヴィオをぜひ!
というか質量兵器大戦!になりそうな予感www
まあなのはさんの砲撃ならエンジェルアーム級だから問題なさそうですけどw
494名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:47:47 ID:uM+6WWdK
ガンホーって聞くとラグビー部思い出す俺ふもっふ
495名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:56:38 ID:IiGY4YwB
>>490
俺はアンタの作品は好きだぞ。
けど、落ち着く為に少し時間を置いた方が良いんじゃないか?

色々と混乱しているように感じるもんで言ってみた。
気に障ったらすまん。
496マスカレード:2008/01/30(水) 23:58:15 ID:Oh2DHOmG
申し訳ありませんが、少しミスを発見しましたので、修正も入れて12持30分頃まで時間を取りたいです……

とりあえず急いで作ったものですが、今までのあらすじだけ簡単に説明しときますね。

なのは達が出会った仮面ライダーと呼ばれる戦士達は、平和を守るために戦っていた。
ある日出会った天道総司は、フェイトの命を救うためにハイパークロックアップで時間を巻き戻してしまう。
そんなことから様々な誤解が生じてしまい、ついには天道はカブトに変身し、なのはを撃退してしまう。
なのはほぼ無敵を誇るカブトだったが、その勢いは長くは続かなかった。
ワーム、ダークカブトと立て続けに戦ったカブトは、ついに打倒カブトに燃えるフェイトに敗れてしまったのだ。
こうしてフェイトに敗れた天道は、管理局へと連行されてしまった。
そして、遼太郎の前に現れたイマジンは……

第16話「俺、参上!」
12時30分頃から投下開始します。
497名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:59:37 ID:EfDdcZFl
>>490
まあ、そんなこともあるさ
やることなすこと全部裏目にでたことなんて人生に一度や二度ではあるまい
498名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 00:20:05 ID:N8/vBFaT
「小説を書くとき、いろいろな読者を想定したけれど、自分が一番良い読者になりたい」

というのを、なにかのあとがきで見た気がする。どうおもいますかね、これ。
499名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 00:20:47 ID:keRCfWBE
>>498
とても大事なことだと思う。
まず自分が面白いと思えない作品は、書くべきじゃない
500名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 00:21:32 ID:WAjUky27
>>498
聞き方によってはとてつもない独りよがりな気がしないでもない
501名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 00:23:11 ID:MAL7soSS
>>498
まあちょっと経ってから自分で読み返してて「つまんねー」と思うような作品はなぁ
502名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 00:37:04 ID:N8/vBFaT
書き手は究極的に一人で、掲示板にさらしている以上読み手は無限になりますね。
あんまり独りよがりになると、作者と同じ価値観をもっている人間しか楽しめない。

でも、嫌々別の物を書いても、無限の読み手の誰にヒットするかはわからない。

クロス物ってその自他に掛かるウェイトの按配がものすごく難しいんだと思う。

ここをこうしてあ〜やってくっつけるのが、自分的にはものすごく面白いと考えていても、
それは両方の原作を大幅に改編したものかもしれないし。
503マスカレード ◆gFOqjEuBs6 :2008/01/31(木) 00:43:14 ID:43V1UWxE
そろそろマスカレード投下開始しますね

量はこれを含めて20レスいかないくらいです。
久々に多いので、支援して下さると幸いです
504名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 00:44:50 ID:AAu//1dV
>>496
とりあえず、『良太郎』だからね
505489:2008/01/31(木) 00:48:11 ID:srmseGPU
>>503
支援します。
506名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 00:49:22 ID:wtm3az6Q
支援
507名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 00:50:19 ID:srmseGPU
>>505
名前に489と入れてしまいました。
以前入力した名前がそのまま残っているのを見落としていました。
以後気をつけます。
508名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 00:53:20 ID:dv3uJd5y
>>507気になさんな支援
509マスカレード:2008/01/31(木) 00:53:45 ID:43V1UWxE
>>504
うわ……誤字です……orz


『Maximum Hyper Typhoon(マキシマムハイパータイフーン)!!』
ハイパーカブトの持つ大剣は、その引き金を引かれ、電子音声と共に巨大化。眩ゆい光を放ち始める。
そして、自分へと向かって突進してくるレプトーフィスワーム。腕は紫のエネルギーを放ち、カブトを倒さんと振り上げられている。
「うおぉおおおっ!!!」
ハイパーカブトは、動じる事なく、大胆なモーションでパーフェクトゼクターを振り下ろした。
マキシマムハイパータイフーンの直撃を受けたレプトーフィスワームは、成す術も無く消滅した。

その直後だった。ハイパーカブトが装着しているハイパーゼクターが暴走したのは。
「うおッ……!?」
カブトは一人、見知らぬ草原に落下した。ハイパーゼクターもいずこかへと飛び去ってしまい、ハイパーフォームから通常のカブトへと戻ってしまう。
さっきまでは、加賀美―ガタック―達と共に、雑木林でワーム軍団と戦っていたはずだ。
カブトは、突如として暴走したハイパーゼクターにより、この別の次元世界へと飛ばされてしまったのだ。

「ヘン……シン……!」
『Henshin(ヘンシン)!!』
やがて、カブトの前に現れた黒いカブト。
黒いカブトは、パンチ、キックとあらゆる攻撃を繰り出す。カブトもまた同じ動きで技を繰り出す。
二人の動きには寸分の狂いも無く、まるで自分と戦っているかと錯覚してしまう程に、一致していた。
そして、同時に放たれた必殺技―ライダーキック―。
ライダーストンパーと呼ばれる二人の脚部は、激しい光を撒き散らしながら激突した。
黒と赤のライダーキックは互角にも見えた。だが。
「うわぁぁぁああああああっ!?」
二人の力は、相殺されなかった。黒いカブトの方がキックを降り抜き、カブトを弾き飛ばしたのだ。

「うわっ……!」
弾き飛ばされた先に待っていたのは、打倒カブトに燃えるクロノ・フェイトの元だった。
ワームと戦い、黒いカブトと戦い、最後にはライダーキックを受けてしまったカブト―天道―は、既にまともに戦える状態では無かった。
だが、天道には待たせている者がいる。たった一人の妹がいる。ここで敗れる訳には行かないのだ。

そして始まる、フェイトとカブトの真剣勝負。ソニックフォームとなったフェイトは、カブトの体力を確実に削っていた。
そしてフェイトのジェットザンバーにより、マイザーボマーも封じられてしまったカブト。
このまま戦えば、勝利の女神はどちらに微笑むのか……それは誰にも解らない。解らない筈だったのだ。
勝負は、意外な結末に終わった。

「なんでお前が……!?」
「お前の……たった一人の……妹なんだろう……」
ザビーが放ったライダースティングは、見事にカブトの装甲に突き刺さっていた。
カブトブレストは、通常兵器ではダメージを与えられない程の硬度を誇るが、相手が同じライダーならば話は別だ。
ザビーのゼクターニードルは、カブトブレストを見事に貫いている。
クロノは、カブトにライダースティングを浴びせるつもりなど毛頭無かった。
ワームを倒す為に、ライダースティングを放ったのだ。それなのに、その先にいたのはフェイト。
もう、クロノ自身にも何が何だか解らなかった。何よりも、敵である筈のフェイトを庇う天道が理解出来なかった。
510名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 00:54:33 ID:lfrpodlV
支援
511旅ゆく人:2008/01/31(木) 00:58:16 ID:d1Y+eZvy
支援、させていただきます。
512名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:11:22 ID:UYT0mAzr
支援
513マスカレード:2008/01/31(木) 01:11:37 ID:43V1UWxE
ダメだ……
さっきから何回やっても……書き込みが反映されない……orz
514名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:12:25 ID:keRCfWBE
>>513
文頭に空白行が入ってるなら
スペースいれてもう一度チャレンジ
515名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:12:55 ID:lfrpodlV
>>513
書き手じゃないからよく知らないけど
一行目を改行すると引っかかる変な規制ができたらしい
それかな?
516マスカレード:2008/01/31(木) 01:15:12 ID:43V1UWxE
>>514-515
アドバイス有難うございます!ではそれでやってみます。

 
気絶した天道は、その場に倒れ込んだ。
太陽も沈んでしまった暗闇で、意識を失った天道を、バインドの光が照らす。
ゆっくりと浮かぶ天道の体。バインドを使っているのは、アルフだ。
「ごめんよ……天道……」
アルフは、小さな声でそう呟きながら、再びこの世界から姿を消す天道を見送った。


――夢を……夢を見ていました。
夢の中のその人は、とても強く、優しく……何よりも哀しい目をした人でした。
その人は、私の親友の命を救う為に、時間を巻き戻した。
私の親友をその手にかけた強力な敵を、彼はその圧倒的な力の差で、撃破して……
でも、そのせいで彼は私たちに追われる身になっちゃって……

高町なのはは、浮かない表情でランドセルを閉めた。チャイムが鳴り、生徒達は教室から出ていく。下校時間だ。
「なのは、帰ろうか」
「うん、フェイトちゃん……!」
なのはは親友を心配させまいと、すぐに笑顔を作った。

ACT.16 「俺、参上!」

加賀美新は、ため息を吐きながら下校していく生徒達で賑わう学校を眺めていた。
ここは、つい数日前までは、自分達が潜入し、色々と探っていた聖祥小学校。
潜入捜査は終了し、ZECTは学校から手を引いた為に、加賀美達が学校に関わる事は無い。呪いの鏡も、ただの噂へと変わって行くだろう。
「意外と長かったんだな……」
ガタックエクステンダーに跨がった加賀美は、ハンドルにもたれながら憂鬱そうに呟いた。
考えてみれば、ここでなのは達と出会った事から全てが始まった気がする。
辛い事もあったが、楽しい事もあった。それだけに、学校との別れが少し淋しくもあった。
だが、今加賀美がここにいる目的は、そんな感傷に浸る事では無い。なのは達に会う事が目的なのだ。
「直接会って、確かめないと……!」
校門から出て来るなのはとフェイトを見付けた加賀美は、その表情を固くし、ガタックエクステンダーから降りた。

加賀美は、ガタックエクステンダーが駐輪されている場所までなのは達を連れ出した。聞きたい事は一つだ。
「――で、天道は一体どうなったっていうんだ……!?」
怪訝そうな面持ちでなのは達を問い質す加賀美。問われた二人も、少しばかり困った表情をしている。
「キャンプが終わってからもう随分と時間が経ったっていうのに、天道はどこにもいない。樹花ちゃんの所にも帰ってないらしいじゃないか。流石におかしいだろう?」
「……加賀美……それは……」
「天道さんは今、アースラに居るよ」
加賀美の問い掛けに、浮かない表情をするフェイト。そんな親友に変わり、なのはが答えた。
想像を裏切らなかったなのはの言葉に、加賀美は「やっと見付けた」という安心感と、「やはり捕まってしまったのか」という不安を同時に感じた。
ここ最近ずっと天道の動向を探ってはいたものの、どこを探せども見付かる気配が無い。
こうも見付からないとなれば、天道の身に何かあったと考えるべきだろう。そして、天道を最後に見たのは、目の前の金髪の少女なのだ。
「……やっぱりか……」
「その……ごめんなさい……」
何故か謝罪するフェイト。そんなフェイトを見ていると、加賀美も強い言葉を発せなくなる。
フェイトとしても、自分を救ってくれた天道の話となると、どうしていいのか解らなくなるのだろう。
草加雅人の言い分も踏まえた上で、フェイトは天道にどう接すればいいのか、混乱してしまうのだ。
「……天道は今、どうしてるんだ? 無事なのか?」
「あ……そのことは心配しなくて大丈夫だよ。取り調べ中だけど、割と素直に答えてくれてるみたいだから……」
なのはの言葉に、加賀美は驚愕し、途端に間抜けな声を上げた。
「う、嘘だろ? あの天道が素直に答えてるだってぇ!?」
「う、うん……そうだけど……?」
517名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:16:30 ID:qYrGSUXl
支援
518マスカレード:2008/01/31(木) 01:20:54 ID:43V1UWxE
「あの天道が……素直に……」
なのは達から目線を反らし、素直な天道を想像しようとする加賀美。
……だめだ。想像出来ない。加賀美は、無駄な想像は諦めて、なのは達に向き直った。
「なのはちゃん、俺を天道と会わせてくれないか……?」
「え……まぁ、面会なら多分大丈夫だと思うけど……」
なのはとフェイトは、お互いの顔を見合わせた。

一方で、アースラのとある一室。椅子に腰掛けたリンディは微笑んでいた。
アースラでは比較的狭いこの部屋には、テーブルと椅子、それから殺風景なイメージを和らげる観葉植物程度しか設置されていない。
テーブルを挟んで、リンディと向かい合う形で座っている男は、リンディの視線を気にも留めず、カツ丼を食べている。
やがて、カツ丼を米粒一つ残さずに完食した男は、テーブルに丼をドン! と、強く置いた。
「ご馳走様! 美味しかったよ!」
「有難う、天道君。嬉しいわ
体調もすっかり良くなったみたいね」
完食してくれた天道に、嬉しそうに微笑みながらお礼を言うリンディ。こんなにも美味しそうに食べてくれる人も珍しい。
天道は、片付けを始めるリンディに見える様に、人差し指を天に翳した。
「おばあちゃんが言っていた……
病は飯から。食べるという字は人が良くなると書く……ってな。
これもアンタが作る料理のおかげだ」
「あら、上手い事言うのね。でも、天道君も料理の腕前はプロ並みだって聞くわよ?」
いつも通り、随分と心に余裕を持った態度で接する天道。
元々、カブトに変身していたが故に、後々傷が残る程の深刻なダメージは受けていなかったのだ。
黒いカブトのライダーキックによるダメージに、フェイトとの戦闘……
そして、最後に受けたライダースティングによって、蓄積されたダメージが許容量を越えた天道は、一時的に意識を失っただけに過ぎない。
天道は以前にも、矢車が変身するザビーのライダースティングを受け、気絶。病院送りにされた事はあるが、大事には至らなかった。
つまり、天道はそれなりにダメージを負い、戦闘にこそ負けはしたが、その常人を遥かに上回る回復力で、既にコンディションを持ち直しているのだ。
「プロ以上……と言って欲しいな」
「なら、今度ご馳走して貰いたいわね」
微笑むリンディ。天道は、先程までの自信に満ち溢れた態度のまま、微妙に声のトーンを落とした。
「……だが、その前に俺は家に帰らなければならん。可愛い妹が待ってるんだからな」
「そうね……その為には、貴方が時間を巻き戻した本当の目的を聞かなければならないの。解るわよね……?」
天道の言葉に、次第に艦長モードの表情へと戻るリンディ。
519名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:22:57 ID:srmseGPU
支援
520リリカルスクライド//G.U. ◆etxgK549B2 :2008/01/31(木) 01:23:38 ID:g3CYbuhp
支援〜そして【おやすみなさい】
521名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:24:54 ID:qYrGSUXl
そういやあったな。天道が尋問でカツ丼要求って話
支援
522マスカレード:2008/01/31(木) 01:28:09 ID:43V1UWxE
「お前もしつこい奴だな。あのワームを倒す為だと言っているだろう?」
「本当にそうなのかしら? 貴方なら時間なんて巻き戻さなくたって、あのワームを倒せたはずよ?」
リンディの言葉に、目線を反らす天道。自信に満ちたその表情には一切の揺るぎが無い為に解りにくいが、天道も返す言葉がスムーズに出てこないのだ。
その時であった。部屋の扉が音をたてて開いた。天道は扉へと視線を向ける。
「天道、お前……!」
「加賀美か。どうした、そんな血相を変えて」
扉から入って来たのは、加賀美だった。なのはとフェイトも、後から入ってくる。
リンディはなのは達の顔を見るや、すぐに席を立った。
「……今は二人にさせてあげましょう」
そう言って、加賀美に軽く会釈したリンディは、なのは達と共に部屋を出た。
今はこれ以上尋問しても無駄な事。ならば久々に会えた友と二人きりにすれば、何か状況が変わるかもしれないと思ったのだろう。
少なくとも、リンディの中では、加賀美は天道の「友達」なのだ。二人の関係に友達という言葉を用いるのに、何の躊躇いもない。
きっとなのは達にとってもそうなのだろう。

加賀美は、ズカズカと天道の目前まで歩を進めた。
「どうした?じゃない! お前一体何やってんだ!」
「見ての通りだ」
「見ての通りぃ……!?」
加賀美は、座ったまま腕と足を組んだいつも通りな天道から視線を外した。するとテーブルの上に置かれた完食された丼が目に入る。
正直言ってさっぱり解らない。
「何が見ての通りだ! ちゃんと説明しろ!」
「……鈍い奴だな。見ての通り、カツ丼を食べてたんだ。中々美味かったぞ?」
「ふっざっけっるっなっ!!!」
加賀美は、両の手に力を込めてテーブルを叩いた。「カツ丼を食べていた」なんて答えを聞きたかった訳じゃない。何故こうなったのかを聞きたいのだ。
天道が居ない間、樹花はずっと天道の心配をしていたのだ。樹花だけでは無い。自分だってそうだ。
「カツ丼なんてどうでもいい! なんでお前がこんなとこにいるのかを聞きたいんだよ!
あの後急に連絡取れなくなって、樹花ちゃんだって心配してたんだぞ!?」
「……そんなこと、解っている。お前に言われるまでもない」
「じゃあなんでなんだよ……!?」
目を吊り上げ、怒鳴る加賀美。ここ最近、天道にしろ何にしろキレっぱなしだ。
天道は、そんな加賀美の耳を引っ張り、自分の顔へと引き寄せる。そうすることで、「いてて……」と、加賀美の声が漏れる。
「加賀美……今から言う俺の話を良く聞け」
「な、なんだよ……!? 離せよ……!?」
天道は、加賀美の耳をパッと離した。反動でバランスを崩し、机にもたれ掛かる加賀美。そんな加賀美を見下ろしながら、天道は口を開いた。
「俺は恐らく、しばらくは帰れない。だからお前に伝えておくことがある」
「な、なんなんだよそれ!? どう言う……」
「一つ。管理局にいる、立川という男は恐らくワームだ。」
「な……!? それって……」
「だが、間違いなく普通のワームでは無い。俺が居ない間、お前はZECT内部でネイティブというワームについて調べておけ」
「ネイティブ……?」
加賀美の台詞を事如く遮りながら、天道は続ける。
523名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:35:05 ID:we477HpD
ミッドバレイVSグレイブ見たい!アニメじゃヴァッシュの銃弾止めたし
524マスカレード:2008/01/31(木) 01:35:52 ID:43V1UWxE
「二つ。カブトとガタックには暴走スイッチが仕組まれている」
「暴走スイッチ……!?」
首を傾げる加賀美。
「暴走スイッチがある限り、俺達は全てのワームを倒すまで戦い続けなければならない。
穿いたが最後、永遠に踊りが止まらなくなる赤い靴のようにな」
「……そんな……っ!?」
目を見開く加賀美。同時に、加賀美の脳裏を一人の親友の姿が過ぎる。
サソードとして戦い、共にワームを倒して来た友―神代剣―。彼の正体もまたワームなのだ。
驚愕のあまり言葉も出ない加賀美。天道は、加賀美の前のテーブルに「バンッ!」と左手を起き、加賀美の意識を再び自分へと向けさせる。
「恐らく、俺があの時立川に襲い掛かったのは、暴走スイッチのせいだ」
「そうか……確かにそう考えたら……でも、待てよ……」
眉間にしわを寄せ、考える加賀美。
「なんで立川はドレイクに変身出来たんだ? 大介が資格を失ったなんて話聞いてないぞ?」
「奴ら……ネイティブは恐らく、全てのゼクターを操る事が出来るんだろう」
天道は、過去に立川と遭遇した経験がある。天道はいつも通りカブトに変身しようとした。
だが、カブトゼクターは天道の手中には納まらなかった。ネイティブと名乗った立川の元へと飛び去ってしまったのだ。
「そんな馬鹿な……!? じゃあ、ライダーシステムはネイティブの物だって言うのか!?」
「さぁな……だが、ゼクターを操れるということは、少なからずZECTとも関係があるはずだ。お前はそれを調べろ。」
「わ、わかった。お前はどうするんだ……?」
加賀美の問いに、天道は少し考えるようなそぶりを見せる。そして加賀美の目を見詰めながら、言った。
「さっきも言ったが、俺はしばらく家には帰れないだろう。
ならば、逆にそれを利用し、この時空管理局という組織について調べるまでだ」
「そうか……わかった! お前も、無茶はするなよ」
そう言って、加賀美は席を立った。アクティブな性格の加賀美は、やるべきことが解れば、すぐに行動に移さずにはいられない質なのだ。
だから、今はまずZECTに向かう。田所さんなら頼りになるだろう。部屋を出る為、ドアに向かって歩いて行く加賀美。
その時だった。
「待て、加賀美……!」
「……なんだよ、天道?」
去ろうとした加賀美を、天道が引き止めたのだ。加賀美は、怪訝そうに振り向いた。
「俺が居ない間……樹花の事を頼む」
「……言われなくても、解ってるさ」
天道の今更な頼み事に、フッと微笑む加賀美。
加賀美の、心強い笑みに安心した天道もまた、フッ と笑いながら、「そうか」と一言だけ返した。
二人は、なんだかんだ言いつつも厚い友情で結ばれているのだ。故に、元より特別な言葉は必要としていない。
このたった数秒のやり取りだけで、二人にとっては十分だった。


加賀美が立ち去ってから数分後の事だった。天道がいる部屋に、三人の少女が足を運んでいた。
なのは、フェイト、はやて。未来の三大エースだ。
三人が現れた事に気付いた天道は、表情はそのまま、声のトーンだけ少し上げて言った。
「よぉ! 珍しいな、お前ら三人で来るとは」
「あの……天道さん……」
すると、フェイトが俯いたまま、一歩前へと踏み出した。天道は、何を言い出すのかとフェイトを見詰める。
次の瞬間、フェイトはゆっくりと頭を下げ、小さな声で言った。
「あの……ごめん……なさい……」
「……ほう……?」
天道はそれだけ言い、フェイトを見詰める。天道の全てを見透かしたかのような表情に、何故かはやてとなのはも緊張してしまう。
「その……もしかしたら、天道さんは私の命を救うために時間を巻き戻したんじゃないかって…………それに……あの時も……」
天道は、すぐにフェイトの言葉の意味を理解した。確かに、自分はキャマラスワーム戦と、ザビーのライダースティングから二度もフェイトを救っている。
それは紛れも無い事実だ。だが、一つ疑問がある。
「何故お前に、俺が時間を巻き戻した理由が解る?」
「それは……」
「天道さんなら時間なんて巻き戻さへんでも、あのワームを倒せたはずやから……
わざわざ時間を巻き戻してまでフェイトちゃんを助けたって事は、それなりの理由があった……ちゃいますか?」
口下手なフェイトの言葉を遮り、はやてが理由を説明した。
525マスカレード:2008/01/31(木) 01:40:47 ID:43V1UWxE
「なるほどな……。確かにその通りだ。だが、もし俺が自分の力を使いたかっただけだ……と言ったらどうする……?」
「それは無いと思う……かな」
「何故そう言い切れる?」
今度は、微笑むなのはに視線を向ける天道。
「一応私達だって、天道さんの性格は解ってるつもりだよ……?」
なのはの言葉に、天道は軽いため息をついた。いや、外見上軽いが、心情的には重い。
天道的には「なら最初から俺を捕獲しようとか考えるなよ」と、心底言いたくなった。
「全く、お前達は……今になってその答えに気付いたのか」
「はい……その……良太郎に言われて……」
「……そうか」
天道は、静かに言った。良太郎という人物がどんな男かは知らないが、中々見る目があるな……と、そう思った。

「あの……私もごめんなさい……」
「……お前もか」
フェイトに続き、なのはも頭を下げた。天道も、こんな状況は滅多に体験しない為に、少しばかり戸惑っているのかもしれない。
普通に何かされて謝られた場合は、「解ればそれでいい」の一言で済ませる事も出来る。だが、今回はそんな簡単な問題では無い。
そもそも天道が管理局を敵に回すような発言をしたことから、誤解が深まって行ったのだから。
……といっても、天道としてもいつまでも過去の話をしているつもりも無い。今はこの状況をバネに、少しでも前に進むべきだ。そう思った天道は、ゆっくりと口を開いた。
「……お前達が謝る必要は無い。今更お前達に謝られようが、どうにもならん。
……だが、そうだな。本当に謝罪する気持ちがあるなら、俺をここから出して貰おうか」
「それは……出来ません……」
「やはり、俺を捕獲する事が上層部からの命令だから……か?」
天道の質問に、フェイトはコクリと頷いた。今まで散々尋問されたのだ。今度はこちらから質問する番だ。
「ならばその上層部とやらについて、いくつか教えて貰いたい事がある」
「答えれる範囲なら……」
「俺からの質問は簡単だ。『ネイティブ』という言葉を聞いた事があるか?」
「「「ネイティブ……?」」」
声を揃える三人。
「そうだ。管理局の上層部と、何か関係があるんじゃないか?」
「ごめんやけど……そんな話は聞いた事ないわ……」
「私も、ネイティブなんて言葉初めて聞いたかな……」
はやてに続き、フェイトが首を横に振る。なのはも同じような反応を示しており、どうやら本当に知らないらしい。
天道は、落胆気味に「そうか……」と返した。

しばらく沈黙する一同。特に話す事も無くなって来た、そんな時だった。
フェイトの脳裏に、草加の言葉が蘇る。それは、天道を陥れる為の草加の罠。だが、フェイトはそれを知る由も無い。
草加の言う事にも一理あるが、天道の事も信じたい。何せ、自分の命の恩人なのだから。
キャマラスワームの時はまだしも、ザビーのライダースティングに関しては、間違いなく天道が自分を救ってくれた。
それはフェイト自身がこの目で確かめた事だ。
「……天道さん……私を助けてくれたのは……その……素直に、ありがとうございました……でも……」
「…………?」
「やっぱり、まだ完全には貴方を信用出来ません。」
「……ほう」
「でも……剣崎さんも言ってたように、私も貴方を信じてみたいんです……」
ゆっくりと言葉を紡ぎ出すフェイト。自分でも何を信じていいのか解らない。
526マスカレード:2008/01/31(木) 01:45:23 ID:43V1UWxE
「ほう……つまりお前が俺を信じるかどうかは、今後の俺次第という訳か。
だが、それはこっちの台詞だ。俺もお前達を信用した訳じゃ無い。」
表情一つ変えずに、腕を組んだまま、少し上を見上げる天道。
フェイトの言葉には「裏切らないで欲しい」という願望が込められているのだろう。まぁ随分と都合のいい話だが。
そもそも天道からすれば、立川がいる時点でこの管理局という組織も十二分に怪しいのだから。
「……やっぱりそうだよね。いきなりこんなとこに閉じ込められたんじゃ、信じてくれないのも当然だよね……」
にゃはは……と苦笑いしながら呟くなのは。
「それに、フェイトちゃんを助けてくれたのは嬉しいねんけど、時間を巻き戻した……なんて、どれほどの罪になるんか私らにも解らへんし……」
「それについては心配はいらない」
「「「え……!?」」」
はやての言葉を遮り、自信に満ちた表情を浮かべる天道。三人は、「どうして?」と驚きを隠せない。
もしかして、既に天道の裁判は結果が出ているのか? いや、そんなはずは無い。
かつて、フェイトやはやてが罪を犯した際の裁判だって、もっと時間が掛かったのだから。
いくら考えても天道のこの自信の意味がさっぱり解らない。そこではやてが、三人を代表して口を開いた
「もしかして、何か無罪確定の策でもあるん……?」
「そんな都合のいい物があるか」
「じゃあ一体……」
天道ははやての言葉を遮り、天を指差した。
「おばあちゃんが言っていた。
俺が望みさえすれば、運命は絶えず俺に味方する……ってな。」
自信に満ち溢れた天道の表情に、三人は大きなため息をついた。言ってしまえば何の根拠も無い自信という事だ。
自分が望みさえすれば、どんな窮地でも切り抜ける事が出来る。これもまた、天道の大胆な意思の現れなのだろう。
「そりゃそうだよね。私やはやての時だって裁判は結構時間が掛かったんだから……」
「何……?」
呆れた口調で呟いたフェイトに、天道が反応する。天道はまだなのは達の事を何も知らないのだ。
「あ……フェイトちゃんもはやてちゃんも、最初から管理局の一員って訳じゃ無いんだ
私たち三人がこうして親友になるまでに、色んな事があったんだ」
「ほう……それは興味深いな」
再び腕を組み直す天道。なのはも、そんな天道についつい笑みが零れる。
なのはは今までの歴史を、ダイジェストで語り出した。3年前の、プレシア・テスタロッサ事件から始まった自分達の歴史を。
3年前に現れたフェイトは、ジュエルシードを集める為になのは達と敵対していた事。
はやての守護騎士であるヴォルケンリッターが、はやての病を治す為、魔導師を襲撃した事。
管理局と八神家で、二つに別れてしまった民間協力者の兄弟がいた事。
その民間協力者は、愛した家族を自分の手で殺さなければならないという悲痛な宿命を背負っていた事。
そして、その兄弟も、天道と同じく異形の化け物に家族を奪われ、復讐の為に生きていた事。
今まで自分達が刻んで来た歴史を語るなのはの表情は、まさに感慨無量といった感じだ。
「――こうして、私たちは三人揃ったんだ」
「……なるほどな」
話を終えたなのはに、視線を送りながら頷く天道。なのは達にはなのは達の戦いがあったのだ。
それは天道とて理解していたが、こうして聞いてみると、やはりいい話に聞こえる。何より、天道は家族や、子供達の絆には弱いのだ。
それは確かに天道の態度からは判断し難い。しかし、天道とて人間だ。
自分と同じく、幼い頃から家族が居ないはやてやフェイトの話を聞いて、何も感じずにはいられなかった。
またはやても、天道と似たような境遇にあったからこそ、天道を信じてみようと思ったのかも知れない。
……とは言っても、はやてはそんな同情染みたことを天道に言うつもりは無いが。
527マスカレード:2008/01/31(木) 01:54:53 ID:43V1UWxE
ちなみに、まだなのはとフェイトは天道の過去については知らされていない。まぁその話については、またいずれ語られる時が来るだろう。

なのはの話を聞いた天道は、それ以上は何も喋らなかったという。

それから数分と経たない内に、お別れの時間がやってきた。なのはは普通の家庭で暮らしている為に、夕方くらいには帰らないと家族が心配するのだ。
ただでさえ世間は未確認生命体やら怪奇殺人事件やら浅倉威やらで何かと物騒なのに、これ以上心配させる訳にもいかない。
そういう訳で、三人は別れを告げながら天道の部屋を出て行った。
「……なんだ、お前は帰らないのか?」
「え……あ、まぁちょっとくらいなら遅くなってもええかなって……」
訂正。はやてだけは、部屋に残っていた。薄い笑顔を浮かべながら、天道に視線を向けている。
「……お前には、家族がいる。あまり家族を心配させるのは感心しないな。」
天道の言うはやての家族とは、シグナム達の事。天道とて樹花に心配かけまくりだが、そこには逢えて触れない。
いや、自分が樹花に心配をかけているからこそはやてには同じ事をさせたくないのだろう。
同情の言葉こそかけるつもりは無いが、はやても天道に何か言いたい事があるのだろう。
笑ってごまかしながら、はやては喋り出した。
「私、思うたんです。天道さん、ほんまは寂しいんとちゃうかって……」
「何……?」
「ごめんやけど、加賀美くんから天道さんの過去に何があったか、聞かせて貰いました。妹さんのことも……」
はやての言葉を聞くや否や、天道は大きくため息をついた。
「……全く、相変わらずお喋りな奴だ。すぐに口を滑らす男は大物にはなれない。おばあちゃんが言ってた通りだな。」
「……そんなことも言ってたんや……」
思えば、加賀美はいつもそうだ。かつて加賀美は、ひよりにライダーベルトについて問われた際にも、口を滑らせ、余計な情報を知らせた事がある。
「それで、お前はそれを知ってどうすると言うんだ?」
「どうもしません。ただ、さっき言ったように私にも家族がおらへん時期があった。
だからこそ、家族の大切さは解ってるつもりです」
「……それは立派な事だな」
「だから、樹花ちゃんにもあんまり、心配かけさせへんように……って思ったんです」
「ああ、解っている。そんなことはお前に言われるまでもない」
「そうですか……」
はやては、少し俯いて、そう言った。天道は今の様に、よく他人を―というよりもなのは達を―「お前」と呼ぶ。
それはつまり、まだ仲間として認識されていないということでは無いか?
はやては、そこがどうにも気になった。学校で一緒に捜査をしていた時は、確かに「八神」と呼ばれていた。
だが、今はまた「お前」に戻っている。それは、余裕に見える天道にも、心のどこかに管理局に……なのは達に対する憤りがあるからだろうか?
いつか、私達もお前や貴女、苗字では無く、名前で呼ばれる日が訪れるのだろうか? そんな事を考えながら、はやては部屋を後にした。
最後に、一言だけ。
「天道さん、私らは……少なくとも、私は天道さんの味方のつもりやから。」
そう言い残したはやては、「ほな」と言いながら、天道の前から姿を消した。手をひらひらと振りながら。

はやては、天道の部屋から出て、しばらく歩いた所で、一人の男性とすれ違った。
「(あ……立川……さん?)」
一緒動きを止めるはやて。相手は立川。天道の部屋へ向かって、真っ直ぐ歩を進めていた。
元々立川とはあまり話した事が無い為に、気の利いた会話も思い付かなかったはやてだが、一つだけ解った事があった。
「立川さん……なんであんな、表情険しくしてるんやろ……」
それは、立川の表情だった。はやてのイメージでは、立川は優しい好青年キャラだった筈。一体何かあったのだろうか?

「天道総司さん……入りますよ」
立川が、天道の部屋のドアを開いた。自動的に横へスライドしたドアの先に、立川の姿を見た天道は、途端に表情を曇らせる。
「やれやれ、今日はやけに面会が多いな。今度はお前か」
「お久しぶりです」
「本当に久しぶりだな。調度俺もお前に聞きたい事があった。そっちから来てくれるとは好都合だ」
すぐに元の表情に戻った天道は、いつも通りの冷静な態度で着席し、足を組んだ。
「貴方が聞きたい事はもう解っています」
「ならば話は早い。ネイティブについて教えて貰おうか……いや、もう聞くまでも無いな」
「……流石です。やはりもう気付いていましたか……私達の正体に」
「当然だ……俺を誰だと思っている。
お前はワームだ。そして恐らく、お前の言うネイティブとやらもワームの集団だ。違うか?」
天道の問いに、しばし間を置く立川。
528名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:58:49 ID:Ih3e4BXw
支援
529マスカレード:2008/01/31(木) 02:03:26 ID:43V1UWxE
「その通りです……しかし、貴方は一つ誤解しています。我々ネイティブは貴方達人間との争いは望んでいません」
「……何だと……?」
「我々は、ワームにも人間にも属さない。我々が望むのは、人間の中でひっそりと生きて行く……ただそれだけです」
立川の言葉に、再び表情を険しくする天道。天道は、今度は少し強い口調で、身を乗り出しながら言った。
「ならば何故お前は管理局に所属している!? それに、お前はひよりの事を何か知っているんじゃないのか!?」
「ひよりさんは、確かに無事に存在しています。次元の彼方で……
そして、時空管理局ならばその世界に介入する事が出来る……」
「……なッ!?」
その大きな目を向きだし、固まる天道。この男は何を言いたいのだろうか?
いや、もはや聞くまでも無かろう。
「貴方は、まだハイパーゼクターの力を使いこなせていない。ひよりさんを救う為には……」
「時空管理局に味方しろと……そう言いたいのか……!?」
「理解が早くて助かります。どのみち、今の貴方では管理局に属する以外にはひよりさんを救う手段は無い。
ならば答えは簡単です。私には貴方の出す答えが既に見えていますが」
落ち着き払った態度で、天道を見据える立川。これは、もはや脅迫に近かった。
天道相手に、ひよりを救う手段が一つしか無い等と告げれば、天道の取る行動は容易に想像出来る。
……もっとも、天道はハイパーゼクターで次元の彼方に飛ぶ方法をまだ知らないだけなのだが。
「今はまだ答えを急ぐ必要はありません。ZECTもBOARDも暫くは行動を起こせない筈です。
よく考えて、貴方は自分の答えを見出だして下さい。」
「……お前は一体何を考えている?」
「……貴方には、これからもワームを倒して貰わなければなりません。
貴方がひよりさんと再開することで、更に力を付ける事が出来るのなら、我々は協力を惜しみません」
机に突っ伏した天道は、ゆっくりと立川を睨んだ。管理局の力を使って天道に協力する……それは天道にとっては大きなヒントだった。
「つまり……管理局はお前達ネイティブにより支配されている……ということか」
「……そう取れたのならそういう事でも構いません。今はそれでも差し支えはありません……」
そう言い、立川は席を立った。毎度ながら絶妙なタイミングで席を立つ男である。
天道も話が乗って来た所で、自分から話を切る。巧みな話術で天道を引き込むつもりなのだろうか?
だが、天道はこれ以上何も言う事は無かった。今は自分の立場の事で頭が一杯なのだろう。
天道は果たして管理局に属するのか? それとも……。

立川は、アースラの廊下を歩きながら呟いた。
「時間はまだある……イマジンやグロンギがどう動こうが……まだ十分に我々に分がある……」
小さな声で呟いた立川は、とある部屋の前で立ち止まった。
「問題は、オルフェノクと天王寺……それから……」

アースラの一室で、良太郎はテーブルに向かい合う形で、ハナと対面していた。
良太郎は終始落ち着かず、ソワソワとハナを見ている。お互いの自己紹介―と言ってもまだ名前だけだが―を済ましたあたりで話は止まっているのだ。
初対面であるハナの、刺す様な強い視線に、良太郎の表情も完全に強張っている。
このままではいつまで経っても話が進まない。良太郎は、勇気を出して、口を開いた。
「あ、あの……僕は一体……また何か悪いことでもしちゃったんでしょうか……?」
「……ううん、私達はずっと貴方を探してたのよ」
「え……僕を……?」
良太郎の表情は、少しだけ緩んだ。同時にキョトンと首を傾げる。
すると、部屋のドアが開き、一人の男が入ってくる。アースラに居る間、良太郎も何度か面識があった男だ。
「あ……貴方は確か……立川さん……?」
「時の運行を守りし者に選ばれし人……野上良太郎……」
「は、はい……?」
良太郎は、再び首を傾げた。話がさっぱり読めない。時の運行? 自分が選ばれた? そんな特撮番組みたいな展開がある物なのか?
「話を戻すわね。貴方は、ずっと私達が探してた人材なの。」
「え……?」
状況を飲み込めずに混乱している良太郎の耳に、再びハナの声が届いた。良太郎は再びハナに視線を向ける。
530マスカレード:2008/01/31(木) 02:08:00 ID:43V1UWxE
「間違いない。貴方は特異点です」
「ええ。貴方なら、電王になれるかも知れない……!」
「え……特異点……? 電王……?」
立て続けに意味不明な単語を口走る立川とハナ。訳がわからなさ過ぎる二人の言葉に、良太郎は次第に意識が遠退いて行くのを感じた。
そして。
「何ィ!? 特異点だとぉっ!?」
「「…………ッ!?」」
突然、良太郎が机を叩いた。強く叩かれた机は「ドンッ!」と大きな音を立て、立川とハナを軽くのけ反らせる。
良太郎は、既にさっきまでの良太郎では無かった。髪の毛は逆立ち、瞳の色は野獣の様に赤く輝いている。
「これは……本当にイマジンが憑いていたとは……」
「だからこそ、彼なら電王になれるかも知れないって言ったのよ」
驚く立川を宥めながら、ハナは良太郎を睨み付けた。
「かぁーーーっ! 特異点って! 最悪じゃねぇかぁ!!」
「うるさい、少し黙りなさい!」
「あんだとぉ!?」
良太郎が、ハナに掴みかかろうとした、その時だった。艦全体に、緊急アラートが鳴り響く。
恐らく……いや、間違いなく何らかの敵がサーチャーに引っ掛かったのだろう。
良太郎達の部屋は赤く照らされ、非常事態であることが伺える。良太郎はここぞとばかりに、身を乗り出した。
「ヘッ、調度いい……こうなりゃこの体で好き勝手暴れてやろうじゃねぇか!」
「な……!? ちょっと待ちなさいよ!」
「うるせぇ、どけ!」
「きゃっ!?」
ハナが立ち上がった良太郎を取り押さえようとするも、勢いのついた良太郎は止まる事は無かった。
ハナを突き飛ばした良太郎は、そのまま自動ドアをこじ開け、走り去って行った。
ちなみに自動ドアはある程度自力で開けると、壊れていない限りは勝手に開いてくれる。そんな訳で、不幸中の幸いか、良太郎はドアを壊さずに済んだ。

所変わって、第97管理外世界。海鳴市近郊。
殺風景な廃工場に、数人の人間と、大量のワームがうごめいていた。
人間―少なくとも人間の姿をしていた―の中の一人。喪服を来た女が、口を開いた。
「……ZECTの戦力は大幅に削られている。今のうちに潰しておくべきだな」
「まぁだ早い。ZECTには金銀銅がいるのを忘れた訳では無かろう?」
対するローブを着た男は、ZECTを「ゼクート」と独特のイントネーションで呼んだ。
女―間宮麗奈―は、ゆっくりと男に視線を向けた。
「しばらくは様子を見ろと?」
「その通ーりだ! 人間共は勝手に潰し合ってくれるからなぁ? 心が痛くなる思いだよ」
「心? 馬鹿馬鹿しい……お前に人間を気遣う心があるとは思えないな」
嘲笑う様にローブの男を見る麗奈。男の、ローブの下に隠れた顔が微かに笑った。眼鏡が怪しく光り、その笑顔をより怪しい物へと変える。
ややあって男は、相変わらず相手を見下した様な口調で、再び喋り出した。
「まぁいい……今は組織を相手にするな。抵抗する者を一人一人、確実に潰していけ」
「天道総司は既に管理局とやらが処分したらしいが?」
「ほう……?」
ローブを着た男は、クックックと笑いながら、立ち上がる。男にとっては、これだけでもかなりの情報になったのだろう。
「本当に心が痛いね。人間共が、あろうことか自らの手で勝利の鍵を潰してくれるとはなぁ?」
やがて男の笑いは、大きな物へと変わっていた。笑いながら、杖をつき、工場を出ていく。
麗奈は黙ってそれを見送った。

一方で、海鳴近郊の公道を走る一台のバイク。銀色のボディをしたファイアーストームは、津上翔一を乗せ、工場へと向かっていた。
翔一は感じたのだ。頭痛にも似た感覚で、工場からただならぬ悪意を。
やがて、工場目前で、翔一の腰は金色に光り出した。竜巻の如く回転しながら、翔一の腰に変身ベルト―オルタリング―が装着される。
「変身ッ!!」
翔一の声に呼応し、オルタリングは金の光を放出した。オルタフォースの力を受けた翔一の姿は、一瞬にしてアギトへと変わる。
同時に、オルタフォースの影響でファイアーストームの姿も変化。
赤と黄色のカラーリングを基調としたスーパーマシン……マシントルネイダーへと変化したのだ。
「ハッ!」
アギトが飛び上がると、マシントルネイダーの二輪のタイヤは横方向へと回転。さらに、車体が平らくスライドした。
531名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 02:11:27 ID:AAu//1dV
支援
532マスカレード:2008/01/31(木) 02:12:29 ID:43V1UWxE
 
薄暗い工場の壁に、大きな穴が開いた。そこから差し込む夕日に目を細める麗奈。
穴から入って来たのは光だけでは無かった。アギトを乗せたマシントルネイダー・スライダーモードが、凄まじい速度で突っ込んで来たのだ。
「何だと……っ!?」
驚く麗奈。直後、二人の男が麗奈を庇う様に前へ出る。
だがアギトは構わずに、アーミーサリスの集団の中をマシントルネイダーで突破。大量のワームは一気に爆発して行く。
「お前は……カブトの仲間か!」
「……ッ!?」
声を上げる麗奈に、赤い視線を向けるアギト。アギトはすぐに、マシントルネイダーから飛び降りた。
「お前は、あの時の……!」
アギトにも麗奈には見覚えがあった。以前、学校でカブトやガタックと共に戦った時に、顔を見せた女だ。
アギトは麗奈とは戦ってはいないものの、この女がワームである事は容易に想像がつく。ならば、倒すしかない!
そう感じたアギトはすぐに左腰を叩いた。同時に、オルタリングの左側が青く輝き、アギトの左腕も青く変色した。
「ハッ!」
そして、オルタリングから取り出しましたるはお馴染み、ストームハルバード。
ストームハルバードを変形させ、ロッドを伸ばしたアギトは、その赤い瞳で麗奈を睨み付けた。
「お前の相手は私ではない……やれ」
麗奈が合図すると同時に、麗奈の前方に立っていた二人の男は、その顔に奇妙な影を写し出した。
そして、変身。二人の姿は、灰色の怪人へと変わっていた。
アギトから見て右に立っているのが、三又に分かれた槍を持った怪人。オコゼの特質を備えた、スティングフィッシュオルフェノクだ。
対して左側に位置しているのが、カタツムリの特質を備えたオルフェノク。スネイルオルフェノクだ。
どちらもワームに擬態されたオルフェノクなのだろう。
進化した人類にまで擬態するという点では、人類はワームには及ばないとも取れてしまうのが恐ろしい所だ。
アギトは、ストームハルバードを手に、スネイルオルフェノクへと突撃した。
「ハァッ!」
ストームハルバードを巧に回転させ、スネイルオルフェノクにダメージを与えて行くアギト。
スネイルオルフェノクはこれといって特別な打撃武器を持っていない。
突風を巻き起こしながら斬り付けるアギトが相手では、圧倒的に不利だ。
両手でガードの姿勢を取るも、一振り、二振りとストームハルバードを振るう度に、体力が削られていく。
このままではまずい。スネイルオルフェノクはふと、スティングフィッシュオルフェノクへと視線を送った。
気付けば、スティングフィッシュオルフェノクの姿は遊泳体へと変わっていた。
下半身は魚のような尾鰭に変体し、ゆらゆらと空中に浮いていた。地球の重力を無視し、浮かぶスティングフィッシュオルフェノクは、アギトへと狙いを定める。
そして。
「……クッ!?」
スネイルオルフェノクを攻撃していたアギトの体は、横方向へと弾き飛ばされた。
アギトの後方にいたスティングフィッシュオルフェノクは、時速180kmの速度で大きく旋回。そのままアギトに突撃したのだ。
スティングフィッシュオルフェノクはその勢いでアギトを工場の外まで押し出す。
閉鎖された空間から抜け出しさえすれば、空を飛ぶスティングフィッシュオルフェノクの方が有利になるのだ。
533名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 02:13:41 ID:qYrGSUXl
支援
534マスカレード:2008/01/31(木) 02:18:01 ID:43V1UWxE
工場の外に出たアギトは、空中に大きな放物線を描きながら攻撃を繰り返すスティングフィッシュオルフェノクに苦戦を強いられていた。
相手が一人ならまだ構わない。だが、実際にアギトと交戦しているオルフェノクは2体いるのだ。
オルフェノクの能力は意外と高い。空飛ぶ敵は凄まじい速度で突撃し、隙をみては陸のスネイルが打撃を入れる。
反撃する隙も与えられずに、アギトはストームハルバードで攻撃を防ぎ続けるしか出来なかった。
だが、諦めてはいない。かならず隙が出来る筈だ。なんとかして片方を足止めする事さえ出来れば……。
そう思いながらも、槍を携え、再び飛んできたスティングフィッシュを、しゃがんでかわす。
スティングフィッシュがアギトの上空を横切る瞬間、しゃがんだアギトはストームハルバードを天へと突き出す。
しかし、相手もそう簡単には食らってくれなかった。ヒラリと左に一回転し、ストームハルバードを回避。
さらに旋回して、アギトの後方に回り込む。そして手に持った槍を突き出すが、アギトはストームハルバードを巧に振り回し、それをガード。
防いだ。そう思ったのもつかの間、スティングフィッシュがアギトから離れた瞬間に、後ろからスネイルが殴り掛かって来たのだ。
流石にそこまで気が回らなかったアギトは、見事にスネイルの左ストレートの直撃を受ける。
打撃武器とは言い難いが、鈍器状に発達した左腕はパンチにしては充分な威力を誇る。重いパンチで、アギトの顔面を殴り付ける。
「クッ……!」
フラフラと、少しのけ反るアギト。刹那、ストームハルバードをスネイルの脳天へと振り下ろした。
黙ってダメージを受けるアギトでは無い。一発入れられながらも、攻撃のチャンスは逃さない。
振り下ろしたストームハルバードをさらに回転させ、反対方向でスネイルを斬り付けようとするも、今度はスティングフィッシュにそれを邪魔される。
再び横切った空飛ぶオルフェノクに、ストームハルバードを弾かれたのだ。
スティングフィッシュはまた、アギトを翻弄する様に空中を飛び回る。
だが、アギトには少しだけ希望が見え初めていた。この敵は二人共、攻撃にパターンがあるのだ。
攻撃前には旋回。それを防げばもう一体が殴り掛かって来る。アギトは、旋回するスティングフィッシュに視線を送った。

その時だった。
「うわわわわわわっ!!」
「何……!?」
なんと、アギトの目の前に現れた魔法陣から、一人の若者が放り出されたのだ。
「な、何ここ……僕……さっきまでアースラにいたはずなのに……!」
若者……良太郎は、キョロキョロと周囲を見渡す。見れば、そこは怪人3人が交戦しているただ中。
イマジンが表に出ていればまだまともな対応が出来たのだろうが、そこは良太郎である。全くもって不幸なタイミングで自我を取り戻してしまったのだ。

「(今だ……!)」
アギトは思った。ついに見付けた勝機に、仮面の下で自信に満ちた表情をする翔一。
突如現れた良太郎に、スティングフィッシュが一瞬だけ動きを止めてしまったのだ。
パターン性があるとはいえ、それを乱してしまったスティングフィッシュオルフェノクは、もはや敵では無い。
アギトは、ストームハルバードをスティングフィッシュへと投げ付けた。
投げられたストームハルバードは、切っ先を目標に定め、真っ直ぐに飛んで行く。
535マスカレード:2008/01/31(木) 02:24:23 ID:43V1UWxE
 
スティングフィッシュオルフェノクは、飛んで来た青き槍を咄嗟に弾き落とした。
一瞬隙を見せたのは確かにミスだが、それでこの状況を打開出来るとは言えない。
しかも、自分から武器を手離してしまったアギトには、防御の手段が無い。そう踏んだスティングフィッシュは、アギトに向かって加速した。
そして、スティングフィッシュオルフェノクは自分の目を疑う事となった。
アギトの手にする武器が、赤き炎の剣へと変わっていたのだ。それだけでは無い。アギトの右腕から、胴体にかけての色が燃えるような赤へと変わっていた。
だが、それがどうしたと言わんばかりに突撃するオルフェノク。同時に、アギトの持つフレイムセイバーのクロスホーンが展開。
燃えたぎる炎を刃に宿し、オルフェノクに向かって構えるアギト。
そして。
「ハァッ!!!」
アギトは掛け声と共に、フレイムセイバーを振り下ろした。フレイムセイバーは、上空を通過するオルフェノクの頭にヒット。
そのまま、飛んで来たオルフェノクを、頭から足の先まで、真っ二つに切断した。
二つに別れたオルフェノクの体は、燃え盛る炎に焼かれながら、爆発。そのまま、ワームとしての生涯も終え、緑の炎と化した。

「す……凄い……」
尻餅をついたまま、アギトを凝視する良太郎。良太郎の目に映るアギトの姿は、まさに子供の時に見た特撮ヒーローを彷彿とさせた。
だが、そんな事をしている場合では無い。残ったスネイルオルフェノクが、良太郎に襲い掛かって来たのだ。
「う、うわぁっ!?」
咄嗟に、スネイルオルフェノクから距離を取る良太郎。次の瞬間には、スネイルオルフェノクの体を赤い剣が取り押さえていた。
「……え……え?」
訳もわからずに、目の前に現れた赤い戦士―アギト―を見つめる良太郎。
アギトは逃げろと言わんばかりに、良太郎に赤い視線を向けている。だが、良太郎は元々あまり機転が効くタイプの人間では無いのだ。
固まったまま、アギトを見詰めるしか出来ない良太郎。アギトはそれを察知してか、スネイルオルフェノクを出来るだけ遠ざけようと剣を振るった。
逃げられないのならば、自分がこの敵を出来るだけ引き離し、被害の及ばない場所で爆発させる。そう考えたのだろう。
アギトは、華麗な剣捌きでスネイルオルフェノクを良太郎から遠ざけて行った。

「ぼ、僕は一体どうすれば……」
今にも泣き出しそうな顔でアギトを見守る良太郎。何の能力も持たない一般人が、いきなりこんな場面へ放り出されては、こうなるのも無理は無い。
そうしていると、暫くして良太郎の右隣りに、砂で出来た鬼の様な怪人が現れる。
「何やってんだ! 戦えよ!?」
「う、うわぁっ……!?」
灰色の、砂で出来た怪物は、イライラした口調で良太郎に迫る。
「逃げてんじゃねぇよ! っていうか俺にやらせろよ!?」
「あ、悪霊退散……悪霊退散……!」
「誰が悪霊だ!」
二本の角に、向きだしにした歯。地面から上半身だけが実態化したその姿を見ては、良太郎が悪霊と勘違いしても仕方が無い。

「そいつはそういう類いの物じゃないよ……もっと早く気付くべきだったんだよね……君が得意点だってことに」
後ずさる良太郎に、聞き覚えのある女性の声が聞こえた。ゆっくりと近付いてくる声に、振り向く良太郎。
「ハナさん……? と、得意……点……」
相手はハナ。まだ名前程度しか知らないが、良太郎はこの女性に確かな見覚えがあった。
536マスカレード:2008/01/31(木) 02:28:30 ID:43V1UWxE
 
「やっと見付けたのに……こんなとこで君を失う訳には行かない……」
「な、何言ってるの……? ハナさん……」
立ち尽くし、ぼーっとハナを見つめる良太郎。砂で出来た怪物も、良太郎を見詰めている。

「ハッ! フン!」
スネイルオルフェノクの攻撃を華麗に防ぎながら、フレイムセイバーでダメージを与えていくアギト。
しばらくの間組み合った二人は、随分と良太郎から離れた場所にまで来ていた。
スネイルオルフェノクは、左腕をアギトに叩き込もうと突撃するが、アギトはすれ違い様にフレイムセイバーを横一線。
火花を散らしながら、アギトとスネイルオルフェノクの位置が入れ代わった。そのまま、チラッと良太郎を見るスネイルオルフェノク。
アギトには苦戦を強いられるが、あのひ弱そうな若者を人質に取れば、少しは勝率が上がる。
咄嗟にそう判断したスネイルオルフェノクは、良太郎に向かって走り出した。
しまった! とばかりにスネイルオルフェノクの後を追うアギト。

「君なら電王になれる!」
「で……でんおう……?」
言いながら、定期券のパスケースにも似た何かを差し出すハナ。
「受け取って! 早く!」
「えぇ……う、うん……」
ハナは、少し大きめのパスケースを良太郎に押し付ける。パスケースにしては機械的で、尚且つ重い。
良太郎は、訳も解らずにパスケース―ライダーパス―を受け取り、同時にアギトの方向を見る。
こちらに向かって来るスネイルオルフェノクを見た良太郎は、またしても白目を剥き、意識が飛びそうになる。
……が、今度は倒れる前にハナに支えられ、正気を取り戻した。
「しっかりして! パスを使って、変身するのよ!!」
「へ、変身……!?」
「戦って! 変身して、あいつと戦うのよ!!」
「む、無理だよそんなの!?」
だんだんと接近するオルフェノク。オルフェノクを指差すハナに、良太郎は、泣きそうな声で叫んだ。
もう時間が無い。このままでは、アギトの助けが入る前にオルフェノクが良太郎に接触してしまう。
そんなのは嫌だ。怖い。逃げたい。良太郎は、悲痛な面持ちでオルフェノクを見詰めた。
こうしている間にも、良太郎とオルフェノクの距離はだんだんと縮まっていると言うのに。
「バカ! 死にたいの!?」
「おいしっかりしろよ! 何度も言うが、お前が死んだら俺まで道連れなんだよ!!」
ハナに胸倉を掴まれ、苦しそうな表情を見せる良太郎。同時に、砂の怪人も良太郎を激励する。

30m……20m……。だんだんと接近するオルフェノク。このまま死ぬくらいなら、最後に賭けてみるのもいいかもしれない。
産まれてこの方、本当に不幸な出来事しか無かった少年……良太郎は、ハナに背中を押され、勢いよく立ち上がった。
「へ……へんしんっ!!」
ライダーパスを握り閉め、叫ぶ良太郎。だが、良太郎の姿は変わらない。変わったのは、腹に巻かれたベルトくらいだ。
「な……何……?」
「もうっ……!」
ハナは、苛つきながらも良太郎の腹に巻かれたベルトを、赤と青の矢印が示すままに接続した。
銀のベルトには、4色のボタンが施され、中心にはパスと同じ白いマークが輝いている。
ベルト上部には、そのシステムの名前がハッキリと印されていた。大きく描かれた『DEN-O』の文字。そして、その下に印される小さな『DEN-O SYSTEM』の文字。
良太郎は、何も変化の無い体に違和感を覚えながらも、偶然にも手に持ったライダーパスをベルトに近付けてしまった。
こうして、故意では無いとは言え、ライダーパスはベルトの中央部―ターミナルバックル―にセタッチされた。
それにより、ターミナルバックルは白く光り輝く。白き輝きと共に、白黒というシンプルな配色のスーツが良太郎の体を包んだ。
537名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 02:29:55 ID:UYT0mAzr
支援
538名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 02:32:19 ID:lfrpodlV
得意点×

特異点○
支援
539マスカレード:2008/01/31(木) 02:36:31 ID:43V1UWxE
良太郎……いや、『電王 プラットフォーム』は、自分の体を見渡し、ハナに向き直る。
「な、何これ!?」
「来るよ!」
「えぇ!?」
再びスネイルオルフェノクを見詰める電王。もはや、オルフェノクは電王の目前にまで迫っていた。
「うわぁっ!?」
電王に飛び掛かるオルフェノク。もちろん電王は対応出来ずに、オルフェノクに弾き飛ばされてしまう。
いてて……と立ち上がる電王に、じわじわと詰め寄るスネイルオルフェノク。
「うわぁ〜っ!」
しかし、電王はあろうことか、オルフェノクに背を向け、逃げ出したのだ。
そんな電王を遠目に見守るアギト。スネイルオルフェノクはもはや電王しか眼中に無い。ここは少しだけ様子見だ。

逃げ回り、工場の中に入った電王は、ついにスネイルオルフェノクに追い詰められていた。
スネイルオルフェノクは、ゆっくりと電王に近づき、その鈍器の様な左腕で電王を殴り付けた!
「うわぁあああっ!?」
軽く吹っ飛ぶ電王。
『俺を呼べ!』
「えぇ……!?」
良太郎の頭に響く、砂の怪人の声。呼べとか言われてもさっぱり訳が解らない。解る筈が無い。
電王は再び立ち上がり、オルフェノクから逃げながらも、大きな声で叫んだ。
「よ、呼ぶってどうやってぇっ!?」
走りながら声を出せば、その速度が落ちる事は容易に想像がつく。ましてや、良太郎の走力ではオルフェノクから逃げ切るのは不可能だ。
すぐに追い付かれてしまった電王は、さらにスネイルオルフェノクの攻撃を全身に受けて行く。
一発、また一発と打撃を受ける電王。良太郎はうめき声を上げながら、仮面の下で顔を歪める。

アギトみたいに上手くいかないのは何故だろう? 自分が剣を持っていないから?
違う。良太郎が、弱すぎるからだ。自分の弱さに、心身共に打ちのめされる。
「うぅ……っ!」
これじゃあ変身したって一緒じゃないか……。ただ防御しながら耐えるしか無い。反撃の手立ても無い。
そして、再びスネイルオルフェノクの左腕が電王の胸に減り込んだ。
「うわぁああああああっ!!」
またしても吹き飛んだ電王は、工場に積まれていた荷物の山を突き破り、大きな埃を立てる。
「うぅ……」
なんとか崩れた荷物から這いずり出た電王の体は、埃にまみれ、真っ白に汚れていた。
黒いスーツは白く、汚らしい色に見え、その姿が電王の圧倒的なまでの不利さを物語っている。
そんな中、再び頭に声が響いた。
『馬鹿野郎! だから俺を呼べっつってんだろ!?』
「だから、どうやってぇ!?」
崩れた荷物を払いどけながら、叫ぶ良太郎。呼べ呼べと言われても、正直困る。
その時だった。

「ベルトのボタンを押してっ!」
スネイルオルフェノクの逆方向から聞こえるハナの声。ハナの声に気付いた電王は、慌ててベルトを探った。
「え……えと……ボタ、ボタン……ボタン……?」
パシパシと手探りでベルトを叩く電王。ターミナルバックルに、4色のボタンが見えた。
赤・青・黄・紫。4色あるが、今はなんでもいい。電王は適当に、赤いボタンを押した。
先程までは白かったバックル中央部が、赤く輝き、点滅を始める。そして同時に、まるで電車のミュージックホーンの様な音調を奏で始める。
電王は、点滅するベルトに、再びライダーパスをセタッチした。
『Sword Form(ソードフォーム)』
ベルトの電子音声が、その名を告げた。どこからか現れた赤い光は、電王の周囲を渦巻く。
電王の後頭部に現れた桃のような形をした仮面―電仮面―は、電王の顔のレールを走り、顔面に位置を定める。
顔面に装着された電仮面が真っ二つに割れ、電王の周囲を飛び交っていた赤い光も、オーラアーマーとなり、電王の体に装着される。
胸・背中・肩……それぞれに装着されたオーラアーマーは、お互いのパーツを繋ぎ合わせ、赤く輝く。
鳴り響く汽笛音に合わせ、ベルトの中央と、電仮面も赤く輝き、薄暗い工場を照らし出した。
540名無しさん@お腹いっぱい:2008/01/31(木) 02:40:35 ID:TQl0YNeP
>538 いやいや、読んでる我々と違って、話してる当人等にとっては直接字を見ないと
言葉のニュアンスだけで知識にない言葉は出てこないよ支援
541マスカレード:2008/01/31(木) 02:47:02 ID:43V1UWxE
 
「俺……」
赤い装甲を身に纏った電王は、ゆっくりと親指を自分の顔に突き立て……
「再び参上ッ!!!」
両手を広げ、派手な決めポーズで言った。というより叫んだ!
僅かな光を反射する赤い装甲。大きな赤い二つの目。赤く染まったベルト。
『仮面ライダー電王 ソードフォーム』がここに、誕生した。
「今まで散々遊んでくれやがって……」
言いながら、左腰に装着された2番パーツ・4番パーツを取り外し、二つを繋げる。
それを空中に投げた電王は次に、右腰に装着された1番・3番パーツを取り外し、投げた2・4番パーツに連結させる。
電王システムに標準装備された武器、『デンガッシャー』だ。
デンガッシャーを組み替え、ソードモードに連結合体する事で、剣先の赤い刃―オーラソード―が巨大化する。
さぁ、ここからはスーパーヒーロータイムの始まりだ!

電王は、走って突撃して来るスネイルオルフェノクを、腹から叩き斬った!
「ぐわっ!?」
「ヘヘッ……」
後ずさるスネイルオルフェノクに、ゆっくりと近づく電王。何と言うか、オーラが違う。さっきまでとは、オーラが違う。
スネイルオルフェノクも本能的にそれを感じ取り、少し距離を取る。
それを逃げと取った電王は、「ふざけるなよ?」と言わんばかりにもう一度スネイルオルフェノクを斬り付けた。
「俺に前フリはねぇ……最初っからクライマックスなんだよッ!」
要するに最初から潰しにかかると言いたいのか。電王は軽快なステップで、剣を振り回し始めた。
スネイルオルフェノクの体は、ストームハルバード、フレイムセイバーに引き続き、今度はデンガッシャーの刃に傷付けられてゆく。
しかも、力任せに斬りまくる電王は、ある意味でアギトよりも悪質だ。
工場の壁まで追い詰められたスネイルオルフェノクは、反撃に出るべく、電王に向かって走り出す。
だが……
「オラァッ!」
たやすく斬り返され、おまけに重い前蹴りまで入れられてしまう。
蹴りの反動で吹っ飛んだスネイルオルフェノクは、工場の壁を突き破り、外へと叩き出されてしまった。

フラフラと立ち上がるスネイルオルフェノク。眼前に立ち塞がるは、夕闇にオーラアーマーを輝かせる電王。
電王は止まる事は無かった。ズカズカとオルフェノクに近寄り、縦、横、斜めと繰り返しながら、斬って斬って斬りまくる!
地面に転がったオルフェノクを見た電王は、「ヘヘッ」と笑いながら、ライダーパスを取り出す。
再びライダーパスをベルトにセタッチすることで、ベルトは赤い輝きを点滅させ始める。
そして、次にベルトが発した音声は。
『Full Charge(フルチャージ)』
フルチャージの音声に合わせて、赤い光がデンガッシャーのオーラソードにチャージされる。
ライダーパスをポイッと投げ捨てた電王は、デンガッシャーをゆっくりと構えた。そうすることで、赤く輝く剣先は、ゆっくりと空へと舞い上がる。
「ヘヘッ……俺の必殺技……!」
掲げたデンガッシャーに合わせ、電王の頭上に浮かぶオーラソード。
「パート2ッ!!」
そして、それを一気に振り下ろした!
振り下ろされたオーラソードはスネイルオルフェノクの体を中心から真っ二つに切り裂き、切れ目から赤い光が漏れる。
そして次の瞬間、オルフェノクは爆発した。大きな爆音と共に、跡形も無く。
恐らくアーミーサリスを正体とするであろうオルフェノクの爆発により、緑の炎が空へと昇っていた。
「かぁーっ! 気持ち良いーっ!!」
ガッツポーズで、喜ぶ電王。久々の大暴れだったらしい。
その日、電王という新たな戦士が誕生した日。夕闇空に勝利を喜ぶイマジンの声が響いたという……。
542マスカレード:2008/01/31(木) 03:01:23 ID:43V1UWxE
次回予告

電王の登場により、新たなステージへと突入する物語。
新たな敵に、新たな仲間。
だが、そう簡単に一つの物語は終わらない。
再び行動を起こした天道総司!
そんな天道に、管理局は……電王は一体どう動くのか……
そして、初めて経験する仲間の「死」に、なのは達は……

今こそ放て!怒りのハイパーキック!

次回、魔法少女リリカルなのはマスカレード
第17話「それぞれの傷」
に、ドライブ・イグニッション!


スーパーヒーロータイム
「NEXTSTAGE〜プロローグ・T〜」

その女は、当てもなく、街をさ迷っていた。
黒い挑発を揺らし、やつれた顔をした女性は、フラフラと街を歩き続けていた。
女には記憶が無かった。曖昧な記憶ならば、頭のどこかに眠っている気がした。
だが、それも定かでは無い。ハッキリと覚えているのは、誰かに教えられた気がする、自分の名前。そして……
『はやく逃げないと、また襲われてしまう。』
その思いだけだった。下手をすれば命を奪われるかもしれない。その言いようの無い恐怖が、女の足をさらに急がせた。

どれだけ歩いたのか、何日歩き続けたのか。女はついに、どこか、知らない街で力尽きた。
生きてはいるが、もうそろそろそれも限界に近くなってきた。生きる事が、辛くなってきた。
『私……死ぬのかしら……』
女はそう思い、目を閉じた。
………………
…………
……。

「大丈夫ですか!?」
聞こえる声に、私は薄目を開ける。目の前にいるのは、長髪の男。
『貴方は……?』
「あぁ、俺? 俺は城戸……城戸真司って……そんなことより、大丈夫かよアンタ!?」
男は、名を名乗った。誰かとまともな話をしたのが、ずっと久しぶりだった気がした。
『私……死んで無い……?』
死にかけの私に、手を差し延べる男……名前は城戸真司。
「死ぬなんて言うなよ、ほら!」
『…………』
私は、城戸真司の手を掴んだ。
何故か、その手はとても暖かい気がした。心が暖まるような……ずっと忘れていた感覚だった。
「お姉さん、何があったんですか? 家は?」
『何も……解らない……』
「……じゃあ、名前は?」
『名前……?』
「そうだよ、名前だよ!」
名前……それだけは、何故か覚えてるような気がした。
『私は多分……プレシア……テスタロッサ……』
私は、私の名を名乗った。
多分なんて言えば、怪しまれるのは当然だった。だがこの男は、そんなそぶりをまるで見せなかった。
「じゃあプレシアさん……でいいんだよな。プレシアさん、取りあえず何か食べません? 俺腹減っちゃって……」
『……ええ……』
腹減った……なんて、初対面でしかも、死にかけの女に言う事じゃないだろうと思った。けど、今は別に突っ込む気にもなれなかった。
だから、苦笑いする真司に、私は薄く微笑んだ。少なくとも、微笑んでいたと私は思った。

To Be Continued.
543名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 03:06:58 ID:UYT0mAzr
GJ!!です。
電王爆誕ッ!!そして天道がどう行動するか楽しみですw
そして、スーパーヒーロータイムが気になりすぎるぅ!!
リセットの性かな?
544マスカレード:2008/01/31(木) 03:11:44 ID:43V1UWxE
投下終了です。
久々ですが駄文っぷりが悪化してる気がしてなりませんorz
マスカレードでの電王の今後についての質問は、ネタバレになりかねませんので、「続きを待っていて」下さいとしか言えません。

昔過ぎて覚えてる方はいないと思いますが、連載当初には津上・天道メインで、敵はドラスメインって言ってたんですよね
ですが、ZOが全く出る気配が無いってことですが、私としても出したいんですが、これ以上出していいものかと少し不安でして……

そういえば非情に私事なんですが、電王のDXなりきりシリーズをまとめ買いしました。
ぶっちゃけデンガッシャーの組み方で毎回ミスりますw

では、おやすみなさい
545魔法少女リリカルなのはStylish:2008/01/31(木) 07:26:32 ID:mEj6ISHb
>片翼
見事なフィナーレでございました。ライフストリームから始まり、そこへ還る。
まさしくFF7に相応しいストーリーだったと思います。
最後にセフィロスが盛大にデレてくれたけど、根幹ではやっぱり変わってないのがいいですね。
いや、クラウドたちには災難だろうけど、一人の人間として一概に悪と決め付けられない事情があるもんだと考えさせらました。
そうか、アドベントチルドレンでいきなり登場してビビったけど、こんな経緯があったのかセフィロス様…。
最初の邂逅の冷淡さと比べれると、これまで関わってきたはやて達に言葉を掛けてくシーンは感慨深いものがありましたねぇ。
素晴らしい作品でした。そして、反目のスバル氏の更なる次回作にも期待いたします。
さて、セフィロスのテーマ聴きながら一話から見直すかw

>リリカルグレイヴ
まず、何はなくともティーーダァーー!!?
こいつぁ、全くの盲点だった! 原作と違って何か隠し持ってると思ったレジアスのおっちゃんでしたが、こんな最悪な隠し玉を持っていたとは、予想すら出来ませんでした…
ティアナが出会ったとき何が起こるのか? もうすでに怖い。想像したくない(汗
他にもグレイヴに作戦の真相話してなかったり…この辺スカと敵対するのは全然いいだけど、ナンバーズとの絆に亀裂が入らないか不安ですね。
しかし、なのはが少女時代の「らしさ」を見せてくれたあたり、明るい材料もありますね。頑張ってくれ、なのはさん!
色んな意味で気になりまくる次回、お待ちしております。
546魔法少女リリカルなのはStylish:2008/01/31(木) 08:14:45 ID:mEj6ISHb
>>375
俺反応おせええええっ!!
まとめの絵板見てビックリ、そのコメントでもしやと思いスレをチェックして二度ビックリ。遅レスですみません、首吊ります(汗
完全に見落としてましたよ、本来ならばクリックした途端失禁しつつレスするのですが…orz
そして、遅ればせながら素晴らしい支援絵ありがとうございます!
やっべ、完全に予想外! まさか自分の作品のイラストが来るとは予想してなかったです。歓喜w
ダンテもいいけど、構図的にもポーズ的にももうこの作品の主役はティアナに大決定。銃を交差させるポーズがDMC的であり、純粋にカッコよくもあり、このイラストだけでDMCクロスを表現してますよw
この遅すぎる反応を軍曹氏が気付いてくれるかは分かりませんが、全力でGJを送りたいです。
そして、この絵で創作意欲が確かに超支援されました。続きを仕上げることで応えたいです。
547リリカルスクライド//G.U. ◆etxgK549B2 :2008/01/31(木) 08:46:18 ID:g3CYbuhp
>>523
それって可笑しくないかい?なのは関係無いじゃないか:CVダークヨハン

>>マズカレード氏
天道となのは達の会話がナイスでした。
やっと、分かり合える?ぐらいには親しくなって良かったです。
加賀美は相変わらず単純だったのは嬉しい限り(ぇ
やっと電王登場しましたね〜って、まさか駅長の代わりが立川さん!?
プレシア母さんも参入してきそうで、物語はクライマックスへと向かっているのか!?
最後にGJ!
548キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/01/31(木) 09:07:02 ID:F5NRXyOx
今更ながらたくさんのレスに御礼申し上げる。

幾つか訂正しておきたいことがある……
首なし騎士はロリコンを許さないから手を離さないのではないぞw
あとデュエルディスクとかカードの精霊とかは全く考えてないので許して。
首なし騎士とかはバクラの持ちうる闇のイメージを、キャロの召喚魔法で呼び出して固定化云々みたいな設定があるけど、オレ設定なのでどうでも良い(ぇ

しかしなぜ他の作者様のお話は立派にリリカルだった、バトルしてたり、ほのぼのしていたりするのになぜウチは……
チンピラ狩りした金でマックに入って、世知辛い世の中に涙しているのだろう? 
ナゾである。
549名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 10:20:34 ID:/cAMXj9d
遊戯王クロスでモンスター召喚というキーワードに、
なぜか闇AIBO召喚を連想した
MADの見過ぎだな
550名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 10:54:16 ID:A1s6OyIY
>>549
見すぎだな
ダークネスと同化してこい
551名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 10:59:55 ID:NNHDK04J
>>375
一瞬ヘルシングの表紙かと思ったのはナイショ
552名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 12:21:41 ID:oJ/J7s76
>>544
マスカレード氏GJです!
電王登場により一体どうなってしまうのか・・・。
特に天道とはやての会話は萌えました。
553リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/31(木) 12:22:12 ID:v63P9zFP
>マスカレード先輩
じゃんじゃん出しておkじゃないですか?
俺なんかNEXTまで出しますし。(しかも機動六課サイドのメインストーリーで)

さてと…僕も投下おk?
554リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/31(木) 12:43:27 ID:v63P9zFP
反応ないので投下

【レッドドラゴンサイド】四話「武の在り方」Aパート
【第62管理世界 時空管理局陸士部隊支部 トレーニング場】
「さて…訓練に入る前に、お前達に重大な発表がある。」
「なんスか、龍?」
「レッドドラゴンに、新しいメンバーを加えることになった。」
「新しいメンバー?」
「あたし達に、内緒で?」

チンクとディエチは目を丸くしながら新しいメンバーの入隊に驚く。

「オイ、誰なんだよ?」
「まぁ勿体ぶってもあれだ、入ってきてもらう。入れ!」

トレーニング場の入り口のドアが開き、道義を着た新入りのメンバーが入室してくる。
それは、ナンバーズ達もよく知る人物であった。

「お久しぶりですね。」
「ああーーーーーー!?」

メンバーの顔を見たセインは口を大きく開け、大声を出してチンクとディエチ以上に驚く。
なぜならその新入りとは…

「シスターシャッハ…」

だったからだ。

「セイン、元気そうですね。」
「な…なんでシスターがここに!?」
「騎士龍に声をかけられたんです。戦力増強のために、レッドドラゴンに来て欲しいと。」
「カリムやロッサは何て?」
「喜んで承諾してくれました。特にロッサが。」
「そ…そうなんだ…」
「それと、私は皆の訓練の指導も行って欲しいと頼まれています。」
「ええ!?一応新入りなのに!?」
「さあ!早速ですけど、訓練に入りますよ!」

指の骨を鳴らし、身構えるシャッハ。

「うわぁ〜、最悪…」

セインは落胆し、頭をガクリと下げた。

【食堂】
「はぁ〜あ…今日はいつも以上に疲れた…」
「あのシスターはほんっとに厳しいっス…」
「…」
「あれ?ノーヴェどうしたんすか?そんな暗い顔して。」
「べ…別に、何でもねぇよ…」
「あ!分かった!今日は龍がディードに付きっ切りだったからいじけてるんだ!」
「え!?そうなんスか!?」
「そ…そんなんじゃねぇよバカ!」
「恋する乙女は可愛いねぇノーヴェ♪」
「こっの…ぶっ壊す!」

いつもどおり騒がしいセイン、ノーヴェ、ウェンディの三人。
555リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/31(木) 12:45:35 ID:v63P9zFP
「…」

一方、こちらは自分のオムライスにケチャップで「龍」という漢字を書いているオットー。

「オットー、どうしたんだ?」
「…!、!、!、!」

オットーは字を書き終わると目を吊り上げ、スプーンを使って文字をオムライスごとグチャグチャにし、そして食べた。

「お…オットー…」

チンクはそんなオットーの姿に恐怖を覚えるのだった。
そんなナンバーズ達のいつもどおりの会話が続く中、味噌汁を飲んでいるディードの元に龍がやってくる。

「ディード。」
「あ…龍…」
「お前、刀が欲しいと言っていたな?」
「あ…はい…龍が持っている刀を見て、恥ずかしながら羨ましく…」
「そうか…この世界には、地球から数々の日本刀を集め、それを売りさばいている有名な店があるらしい。最近のお前の成長は目覚ましい。
ささやかだが、褒美として連れて行ってやる。飯を食ったら、俺の部屋に来い。」
「は…はい!」

龍はディードにそう言い、食堂から出て行った。

「ディード、龍って、刀なんか持ってたの?」
「はい、セイン姉様。この前見せて貰いました。「虎徹(こてつ)」という銘の刀で、最上大業物十二工の一本だそうです。
なんでも、昔の日本に居た剣客集団の新撰組局長・近藤勇という侍が使っていたと言われていたものと同型の刀と言っていました。」
「へぇ…」
「なんかすごそうっス…」
「じゃあ、私はこれで。」

味噌汁を飲み終えたディードは膳を持って席から立ち、出口に向かった。

「…」
「しかし、買うものが刀とはいえ、あれって一種のデートっスよね〜。ノ〜ヴェ〜、ライバルは強敵っスよ♪」
「だ、だからそんなんじゃねぇ!」

【龍の部屋】
「…」

龍は茶柄黒鞘の日本刀「虎徹」を手に持ち、鞘から剣を抜く。
そして刀身を見つめ、刃に自分の顔を写し、ある人物の事を思い出した。

「流(ながれ)さん…」
556リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/31(木) 12:46:31 ID:v63P9zFP
【龍の回想】
「龍、お前はなんで剣を始めたんだ?」
「僕を馬鹿にしてきた奴らを…見返すためです!」
「…龍、剣術は暴力じゃない。」
「え?」
「確かに天然理心流は、実戦向けの剣術だ。しかし、今は戦国時代や幕末じゃない。剣で人を傷つける時代は、終わったんだ。
お前が他に習ってる、空手や柔道だってそうだ。
私怨で人を傷つけるためにあるものではない。
だから、例えどんなに相手が憎くても、人を無意味に傷つけるような剣や拳は絶対に振るな!
今の武術は、武術家同士がお互いの腕を競い合い、切磋琢磨する為の物なんだ。
龍…それを忘れないでくれ。」
「…はい、流さん…ごめんなさい…」
「よおし、お前は良い子だ。褒美として、俺の「虎徹」をお前にやるよ。七歳のお前には、ちと、重いかもしれないがな。」
「え?だって…あの刀は流さんがお金を溜めて買った大事な物だって…」
「良いんだよ、お前に受け取って欲しい。」
「う…うん…」
「ありがとな、龍。最上大業物だから、大事にしてくれよ!」
「うん!」

………
「…ん?」
「龍。」

ドアの向こうからディードの声が聞こえ、龍は刀を鞘に納める。

「入れ。」

ドアが開き、白いセーターを着、黒いロングスカートを履いたディードが部屋に入ってくる。

「龍が選んでくれた服…着てみました。」
「ほお…やはり、お前にはシンプルな服装が似合うな。」
「セイン姉様やウェンディも、龍が買ってくれた服が気に入ったといっていました。」
「そうか…さて、行くか。」
「はい。」

龍は刀をクローゼットにしまい、ロックを掛けてディードと共に部屋を後にする。

【市街地】
市街地は高い高層ビルが並ぶ都会で、二人は迷わぬよう地図を見ながら、刀剣屋を探していた。

「この辺り…ですか?」
「そうだな…ん?あれか?」

龍はビルとビルの間に挟まれた小さな和風の建物を指差す。
看板には「刀剣の小関」と書いてある。

「刀剣…って書いてますから、間違いないでしょうね。」
「じゃあ…行くぞ。」
「はい。」
557リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/31(木) 12:47:38 ID:v63P9zFP
【刀剣の小関店内】
「いらっしゃいませ!」

二人が店に入ると、眼鏡を掛けた太った中年の男性が二人に声をかけた。

「おや?店を間違えたかい?ここは刀屋で、団子屋じゃないよ?」
「いえ、ここで良いんです。俺達は、刀を見にきました。」
「へぇ〜、デートに刀屋かい…珍しいカップルが居るもんだねぇ〜」
「…!」

頬を少し赤く染め、うつむくディード。

「どうした?」
「カップル…そう見えるんでしょうか?」
「見ようによっては…見えるだろうな。」
「…」
「ま、せっかく若くて初々しい男女が来てくれたんだ!安くしとくから、好きなの選びなよ!」
「感謝します。ディード好きなものを選べ。」
「あ…はい!」

龍とディードは店内を回り、様々な刀を見ていく。
その中で龍は、黒柄茶鞘の剣を発見した。

「龍?」
「これは…和泉守兼定(いずみのかみかねさだ)か…」
「かねさだ?」
「新撰組副長であり、近藤勇の親友であった、土方歳三が持っていた刀と同じものだ…大業物のため、地球の通信販売でも余り見かけないが、ここに一振りあったとは…」
「それは最近仕入れたモンですよ!地球に行っていたら、運よく手に入ってね。」
「うん…俺の虎徹と共に並べると、映えるかも知れんな…」
「お!兄さん虎徹なんて持ってるのかい!?ありゃ…確か脇差でも600万以上するはずだが…」
「剣術の先輩に貰ったんですよ。ちょっとした理由がありましてね。」
「そりゃあ羨ましい…」
「店長、そんなことより、この兼定、買いますよ。」
「え!?私が選ぶのでは…」
「この刀じゃ嫌か?」
「い…いえ、良いです。」
「へい!おまけして…70万です。」
「な…70万!」

ディードは値段を聞いた途端、目を大きくして驚く。

「何だ?金が足りないのか?」
「い…いえ…でも、修行中の私に、そんな70万もする業物の刀なんて…やっぱり、私には無銘が…」
「遠慮するな。なんなら…」

龍は財布からクレジットカードを出し、店主に提示する。

「俺が買ってやる。」
「ええ!?」
「お、兄さん優しいね。」
「ちょっと…龍!」
「刀は良い物を使うに越したことはない。遠慮するな。」
「うう…」
「店長、兼定の他に刃引きの刀を二本ください。」
「へいよ!兼定と刃引きを二本ね、まいどあり!じゃあ、所有者変更手続き終わってから宅急便で送るから、この伝票に、住所書いてよ。」
「はい」

龍は渡された伝票に送り先の住所を書き、店長に渡した。
558リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/31(木) 12:50:07 ID:v63P9zFP
「おお、あんたら…局の人間かい。どうりで刀が三つも買えるわけだ…しかし、局って事はあんたら、あの「辻斬り魔」を倒しに来たのかい?」
「ええ…そんなところです。」

「最近この世界には、無差別人間惨殺事件が多発し、人々を恐怖のどん底に落としていた。
「辻斬り魔」というのは、その惨殺事件の犯人である。
そしてその「辻斬り魔」が殺した人間の中には、政界の要職にある者達も数人おり、この世界はパニックに陥っていた。
龍は、そんな「辻斬り魔」の影にAAMONの気配を察し、レッドドラゴンのメンバーと共に「辻斬り魔」を倒すため、この世界にやって来たのだ。。

「全く嫌になっちゃうよねぇ…戦国時代の日本じゃあるまいし、こんな平和な世界で、刀を使って人を殺すなんてねぇ…」

店主は溜息を着きながらタバコを取り出し、火を付けて吸い始める。

「全くですね…剣が泣いている。」
「だよねぇ…じゃ、三日後の昼には着くと思うから。少し待っててくれよ。」
「はい。行くぞ、ディード。」
「はい。」

二人は店を後にする。

【市街地】
店を出た二人は、お互いに会話をしながら街を歩く。

「あの…ごめんなさい。」
「あ?」
「刀…自分で買うつもりだったんですが…」
「俺が勝手にやったことだ。気にすることはない。」
「でも…」
「なんなら、胸でも触らせてくれるのか?」
「な!?」

頬を赤く染め、両手で胸を隠すような動作をするディード。

「冗談だ。」
「で…ですよね…」

ディードは安心し、胸から手をどける。

「ウェンディ達から聞いたが、以前は羞恥心すら欠いていたらしいな。」
「え?」
「確かに、俺も最初はお前を無個性な奴だと思った。それが剣術を始めてから、下らない冗談を言われて赤面するようになるとは…スポーツと言うものは、簡単に人を変えるものだな。」
「…」
「そう照れるな。悪いことじゃない。」
「す…すみませ…」
「た…助けてくれえぇぇぇぇぇえ!!」
「「!?」」

突然路地裏からスーツを着た男が現れ、二人の前にやって来る。
559リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/31(木) 12:51:41 ID:v63P9zFP
「おお、あんたら…局の人間かい。どうりで刀が三つも買えるわけだ…しかし、局って事はあんたら、あの「辻斬り魔」を倒しに来たのかい?」
「ええ…そんなところです。」

「最近この世界には、無差別人間惨殺事件が多発し、人々を恐怖のどん底に落としていた。
「辻斬り魔」というのは、その惨殺事件の犯人である。
そしてその「辻斬り魔」が殺した人間の中には、政界の要職にある者達も数人おり、この世界はパニックに陥っていた。
龍は、そんな「辻斬り魔」の影にAAMONの気配を察し、レッドドラゴンのメンバーと共に「辻斬り魔」を倒すため、この世界にやって来たのだ。。

「全く嫌になっちゃうよねぇ…戦国時代の日本じゃあるまいし、こんな平和な世界で、刀を使って人を殺すなんてねぇ…」

店主は溜息を着きながらタバコを取り出し、火を付けて吸い始める。

「全くですね…剣が泣いている。」
「だよねぇ…じゃ、三日後の昼には着くと思うから。少し待っててくれよ。」
「はい。行くぞ、ディード。」
「はい。」

二人は店を後にする。

【市街地】
店を出た二人は、お互いに会話をしながら街を歩く。

「あの…ごめんなさい。」
「あ?」
「刀…自分で買うつもりだったんですが…」
「俺が勝手にやったことだ。気にすることはない。」
「でも…」
「なんなら、胸でも触らせてくれるのか?」
「な!?」

頬を赤く染め、両手で胸を隠すような動作をするディード。

「冗談だ。」
「で…ですよね…」

ディードは安心し、胸から手をどける。

「ウェンディ達から聞いたが、以前は羞恥心すら欠いていたらしいな。」
「え?」
「確かに、俺も最初はお前を無個性な奴だと思った。それが剣術を始めてから、下らない冗談を言われて赤面するようになるとは…スポーツと言うものは、簡単に人を変えるものだな。」
「…」
「そう照れるな。悪いことじゃない。」
「す…すみませ…」
「た…助けてくれえぇぇぇぇぇえ!!」
「「!?」」

突然路地裏からスーツを着た男が現れ、二人の前にやって来る。
560リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/31(木) 12:53:07 ID:v63P9zFP
「なんですか?」
「ら…ライオンの化物が…助けてくれ!」
「え?」
「ライオンの…化物だと?」
「グルオォォォォォオ!!」

凄まじい雄叫びが轟き、右手に大きな日本刀が装備されたライオン型怪人が出現した。
怪人の出現と同時に人々は全て逃げていく。

「うわあ!出た!?」
「貴様…AAMONか!?」
「いかにも!ドクトルG配下のブレードライオンだ!その男は俺の獲物…こちらに渡せ!」
「成程…やはり「辻斬り魔」は貴様だったか…探す手間が省けたな、行くぞ!
変…身!」

龍はヴェイトに変身し、ファイティングポーズを取る。

「ぬ!?貴様は噂の仮面ライダーヴェイトか!?なら相手にとって不足はない!切り捨ててくれる!」
「ディード…ツインブレイズを一本貸せ。」
「はい。」

ディードはツインブレイズを1本出し、ヴェイトに渡す。

「ライダー、貴様剣を使うのか?」
「…!」

ヴェイトはツインブレイズを構え、ブレードライオンに斬り込む。
そしてブレードライオンの剣とヴェイトの剣は激しくぶつかり合う。

「やるなライダー…ヴェイトは格闘の達人と聞いていたが、貴様、本来は剣士か?」
「お前は武道家の道を外れた…よってここで斬る…!」
561リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/31(木) 12:55:25 ID:v63P9zFP
投下終了
「なんで個人が虎徹を持ってるんだ?」とか、「どうして兼定が七十万で買えるんだ?」とか「この話は一体何をやりたいの?」という突っ込みはなしに…
562名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 13:06:59 ID:aKcF4KTY
>561
兼定をたった七十万で……ゴルゴムの仕業だ!
刀剣屋の店主がブレードライガーもといブレードライオンで、レッドドラゴンのアジトを突き止める為に安く売ったとか。

……いや、単位が米ドルなら普通にあり得るか。
563名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 13:33:40 ID:UYT0mAzr
>548
本編では語られなかった魔法有利社会の厳しさを語ってると思えば大丈夫ですよw
過去に誰かが言ってましたが、首なし騎士とかにキャロは名前をつけてそう。
ガウェインとかランスロット、タルカス、ブラフォードとかw
564名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 13:44:42 ID:wy+7vPIA
GJ!

ちなみに、兼定は初代と三代目の評価は高くない。
二代目兼定はノサダとも呼ばれる大業物。

『長さ二尺三寸四分、反り四分五厘、鎬筋高く、反り浅く、先反り強し、小板目に柾目まじり、地沸について強く冴える』と専門誌に書いてあった。

新撰組副局長、土方歳三の愛刀も兼定であり、武将の森武蔵守の槍も兼定で『人間無骨』と称する切れ味。

尚、近藤勇の虎徹は偽物。
565名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 13:46:31 ID:eBrwUvRr
>>563
つ「Luck」「PLuck」
566名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 14:13:25 ID:UYT0mAzr
>>565
このスレにはジョジョを知っている人がいっぱいいて感激w
567名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 14:32:59 ID:wy+7vPIA
>>563
首がないとデスマッチができないw
568Strikers May Cry:2008/01/31(木) 15:09:41 ID:QVTnURO/
リリカルアジアの後編できたから投下します。

心の準備は出来てますか? 基本的にギャグで書いてますので、突っ込みどころ満載です。
569名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 15:14:49 ID:wy+7vPIA
来るがいい!
カウンター(支援)の準備は万端だ!
570リリカルアジア:2008/01/31(木) 15:15:21 ID:QVTnURO/
それじゃあ投下します。

基本的に両原作の大部分をはしょってます、でもその分は東方不敗とスバルをたっぷりと楽しんでいただければ幸いです。
571リリカルアジア:2008/01/31(木) 15:15:45 ID:QVTnURO/
魔法マスター リリカルアジア 見よ! 東方は赤く燃えている!!!!! 後編


「ねえスバル…」
「何、ティア?」
「あんたさ…自分の師匠はカッコイイって言ってなかった?」
「うんっ! 師匠ってカッコイイでしょ?」
「……」

ティアナ・ランスター、相棒の美的感覚を疑う今日この頃。
彼女にとって、東方不敗マスターアジアのチャームポイント“ヒゲ・おさげ・もみあげ”は少々理解し難かった。





機動六課に現われた最強の武闘家、東方不敗マスターアジア。そしてその弟子である現キング・オブ・ハート、スバル・ナカジマ。
これはその二人が巻き起こす熱き拳の物語である。

六課に配属されたスバルにフォワードメンバー達、そしてそんな彼らを厳しくも優しく見守る師父、マスターアジア。

以下略。

だが地上本部襲撃を受けて連れ去られるスバルの姉ギンガ!! そして正体を現すマスター・アジア!!!
彼は六課を裏切り、あろう事か宿敵スカリエッティと手を組んだのだっ!!


「なっ! 師匠! 一体これは…」
「まだ気付かんかスバルよ! ワシは裏切ったのだっ! このくだらん時空管理局をなああ!!!」



驚天動地を見せる超展開!! そして手を組んだ東方不敗とスカリエッティによる聖王のゆりかごの起動!!
地上本部に向かう敵を食い止める為に出動したスバルの前に現われた謎の女“シュバルツ・ギンガ”!!!!

「甘い! 甘いわ、スバル!!!」
「なっ!? あなたは一体?」
「私の名前はシュバルツ・ギンガ!! ネオドイツの女とでも言っておきましょう」

突如として姿を現したマスクを被った自称ネオドイツの女シュバルツ・ギンガ、一体その正体は誰なのか?
驚愕するフォワードメンバー一同。

「一体誰なんだ! シュバルツ・ギンガ」
「まったく分からないわ」
「……」

大袈裟に驚くエリオとキャロ、そしてティアナは突っ込んで良いものかどうか分からず唖然とするしかなかったとか。





そして始まるスバルとシュバルツの戦い。
シュバルツは左手を回転させ必殺技、その名も“ネオドイツドリル”を打ち出す、繰り出される無数のドリルパンチの嵐にその身を切り裂かれるスバル。

「どうした! どうした! どうした! どうしたあああああっ!!!! お前の力はその程度かあああ!?」
「くううっ!!」

音速に達せんとする程のドリルパンチの連撃、その猛攻を展開した防御障壁でなんとか受け流そうとするも防御の全てを読まれ、成す術無く鮮血を散らしていく。
572リリカルアジア:2008/01/31(木) 15:16:30 ID:QVTnURO/
襲い来る左ストレートのドリルパンチ、スバルはその攻撃に反射的にカウンターの右拳を放つ。
だが両者の腕が空中でクロスした瞬間、シュバルツは手首部分を延長してドリルの刃でスバルの顔面を抉った。

「ぐううっ!!」

スバルは呻きながら、咄嗟に距離をとる。
魔力で編んだ額のハチマキのお陰で事なきを得たが、もしハチマキが無ければ確実に絶命していた。
そんなスバルにシュバルツは嘲笑の声で笑う。

「はーはっはっは!!! その程度かスバル! その程度の力では私を倒すどころか、マスターアジア打倒など無理の一言おおおおっ!!!」
「何いいっ!?」
「東方不敗に授けられた明鏡止水の心を忘れた今のお前に勝ち目などないわああああっ!!」

そのシュバルツの言葉に、スバルはかつて師父から教えられた明鏡止水の心を思い出す。

「見えたっ! 見えたぞ、水の一滴っ!!! わだかまりややましさの無い澄んだ心!」
「そう! それこそが明鏡止水!!」
「「それが人に己を超えた力を持たせる事ができる!!!!!」」

スバルとシュバルツ、まるで最初から打ち合わせていたかの如くに言葉を共に紡ぎ出しこれが最後の戦いと構えを取る。

「来いスバルッ!!! お前の力を見せてみろ!!!」
「言われなくとも!!! 見ろ、これが私のおおおおっ!!!!」

吼えると同時に光り輝くスバルの身体、その色は曇りなき黄金の輝き。
そう、これこそが…

「ハイパーモードだああああっ!!!!」

このスバルの雄叫びと同時に天空を走る二つのウイングロード、そしてスバルとシュバルツは脚部のローラーブーツを全速力で走らせる。
瞬時にスバルとシュバルツの影は交錯し、爆音と共にぶつかり合う両者の拳。
火花を散らし空気を震わせるが一瞬で勝敗は決した。

「ディバインバスタアアアアアァ!!!!!」

スバルの右手にキング・オブ・ハートの紋章が輝き、魔力のオーラが巨大な掌を形作る。
これこそが流派東方不敗が最終奥義。

「石破ああああぁぁ天驚うううううぅぅ拳んんんんん!!!!!!!」
「ぐおおおおおおっ!!!!!」

炸裂する流派東方不敗が最終奥義“石破天驚拳”、その凄まじく強大な魔力波動がシュバルツを飲み込む。
この大技を喰らって無事で済む者などいはしないのだ。
衝撃に吹き飛んだシュバルツに駆け寄るスバル、そこで彼女が見たのはマスクの取れたシュバルツの姿。
それは自身の姉、ギンガ・ナカジマの姿であった!!

「よく…私を倒したわねスバル…」
「なっ!? シュバルツの正体がギン姉だったなんてっ!!!!!」
「し、信じられないっ!」
「考えも付かなかったわ!」
「……」

その事実に驚愕するフォワード一同、その中でティアナは一人“あれ? 気付いてたのって私だけ?”なんて思ったりしたが場の空気の異常な熱さに口を開けなかった。

「スバル、明鏡止水の心を会得したあなたならばこれを使いこなせるわっ! 受け取りなさい、この左リボルバーナックルをっ!!!!」


そしてスバルは両手にリボルバーナックルを携え、胸に明鏡止水の心を秘めて師父、東方不敗マスターアジアの待つ聖王のゆりかごへと向かう。
573名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 15:16:34 ID:wy+7vPIA
支援
574リリカルアジア:2008/01/31(木) 15:18:21 ID:QVTnURO/
そこで待ち構えていたのは戦闘機人の武闘家集団“ナンバーズ12天王”!! 始まる死闘!!

以下略。

新生シャッフル同盟(フォワード一同)はナンバーズ12天王を含む数多の敵を打ち倒す。
そして遂にスバルはゆりかご上部にて東方不敗と対峙する!!






「か〜かっかっかっか〜っ! よくぞここまで来たなスバルよっ! 恐れをなして逃げなかっただけは褒めてやるわいっ!!!」
「何をっ!! マスター! 何故あなたはこんな事を!?」
「ワシが言いたい事がまだ分からんのかっ!? この馬鹿弟子があああっ!!!!」
「ええ分かりませんっ!! 言いたい事があるならハッキリと言ってみてください!!」
「では言ってやろうっ! だからお前はアホなのだあああああっ!!!!」
「何っ!?」

そう叫ぶと同時に宙へと跳び強烈な蹴りを見舞う東方不敗、スバルはその蹴り足に自身もウイングロードを展開して加速させたマッハキャリバーの上段への回し蹴りを叩き込み応戦。
凄まじい爆音と火花が飛び散り、衝撃にゆりかご上部の装甲が深さ数メートルはへこむ。
そして空中で攻撃を交錯させながらも吼える東方不敗。

「お前は本当に管理局の説く正義が正しいとでも思っているのかっ!?」
「なっ!? 一体何を!?」

瞬間、東方不敗の足に莫大な魔力が収束して蹴りの威力を爆発的に増加させる。

「きゃあああっ!」

そのあまりの威力にスバルは吹き飛び、優に十数メートルは吹き飛ばされてゆりかご上部を転がる。

「なっちゃいないっ! 本当になっちゃいないぞスバルウウウッ!!!」
「くっ!」
「良いかスバルよっ! 時空管理局の敷く法や正義など所詮まやかしっ! 何故その事実に気付かんのだっ!?」
「何だってっ!?」
「危険の除去と言い張って現地世界の許可も無く、神聖な古代遺産を穢し尽くし奪い去るっ! 手前勝手な理屈で以って他の世界に“質量兵器の禁止”などと謳っておきながら、自分達は次元航空艦船に強力な魔力兵器を搭載する矛盾っ!!
まるで己がこの世の支配者とでも言うような厚顔無恥な有様よっ!!!! これでもお前は管理局が正義と言うのかスバルウウウウっ!!!!!」
「そ、それは…」
「だからワシはこのゆりかごで管理局を滅ぼすのだっ! 管理局が消滅すれば世界に自ずと調和は戻るっ!! 手始めにまず管理局本局をゆりかごとワシが消し去ってくれるわっ!!! か〜かっかっかっかっ! そうだ、それが良い…それが1番だっ!!!」


遂に明かされる東方不敗マスターアジアの真意、その魂の叫びに事の成り行きを見守っていた皆も驚愕に染められていく。
地下基地でフェイトに逮捕されたスカリエッティも東方不敗のその様に唖然とする。

「く、狂ってる…狂ってるぞおおぉぉっ!」
575リリカルアジア:2008/01/31(木) 15:19:37 ID:QVTnURO/
「お前が言うな」

傍にいたフェイトは思わず突っ込んだとか。



そして東方不敗の語りはまだ終わらない。莫大な魔力と闘気を身体から溢れさせながらもさらに吼える東方不敗。

「そうだ…償いだっ! 犯した罪は償わなねばならぬ、この手でなっ!! そう、屁理屈で以って奪われ汚された世界の秩序っ! 偽物の正義でふんぞり返る愚かな管理局から世界を取り戻すのだっ!!!!」

そんな東方不敗の超理論にスバルも遂に吼える、自身の信じる正義と誇りを込めて。

「それは間違っているっ! だからと言って局を抹殺して良い筈がないっ!!!」
「まだ分からんのかっ!? 何が管理局法だっ!? 何が理想的な統治と平和だっ!? 所詮は支配者気取りの暴政ぞっ!!!!!」
「だが無闇な破壊や崩壊よりは遥かに良いっ!!」
「だからお前はアホなのだあああっ!!!! この馬鹿弟子があああああああっ!!!!!!!」

再び宙へと身を翻す両者、そして渾身の力で以って放たれる互いの絶技。

東方不敗が手を円形に回しながら描き現われた文字と共に魔力と闘気で形成された小型の分身が飛び出す。

「十二王方牌大車併っ!!!!!!」

東方不敗の放つ流派東方不敗の奥義、これにスバルは右手のキング・オブ・ハートの紋章に魔力を込めて炎と燃やしながら自身の必殺技で返した。

「私のこの手が真っ赤に燃えるううぅっ! 勝利を掴めと輝き叫ぶうううっ! 爆熱っ! ディバインバスタアアアアアアッ!!!」

閃光と共に宙でぶつかり合う両者の闘気、そのあまりの衝撃にゆりかご全体が軋みを上げて震え上部装甲が脆くも吹き飛んでいく。
極限まで高まった両者の絶技は遂に爆散する、だがスバル・東方不敗の師弟に後退の二文字無し、二人は迷う事無く最速で駆け抜けて直に拳をぶつけ合った。

「うおおおおっ!!!」
「はあああああっ!!!!」

雄叫びと共に重なる両者の拳、そしてリボルバーナックル越しにスバルの拳へと東方不敗の熱き魂の慟哭が伝わっていく。

(これは悲しみ……拳から深い悲しみが伝わってくる…マスターの拳が泣いている……己の拳は、己の表現するものだと教えてくれたのはこの人だっ!!)

同じ領域に立ち始めて東方不敗の深き心の内を知ったスバルにさらに熱き魂が宿る、そして両者の拳は無数に交錯し再び距離をとり、同じ奥義を出す体勢へと移る。

「超級!!!」
「覇王!!!」
「「電影弾んんんんん!!!!!!」」

超高回転から繰り出される独楽の如き体当たりが一閃し、再び宙で交錯して爆音を響かせるもこの程度では決着には至らない。
そして両者は距離を取り手に莫大な魔力と闘気を高めていく。

「マスター! あなたは間違っているっ!!!」
「何っ!?」
「何故なら、あなたが抹殺しようとする管理局もまた広き世界の一部っ! その局を消し去って世界に秩序を取り戻すなど愚の骨頂っ!! そして私は信じている、少なくとも私や六課の皆が抱く正義の心に一片の曇りなど無いとっ!!!!!!!!」
「ふんっ! ならばワシが正しいか、お前が正しいか決着をつけてくれるわああああっ!!!」
「応っ!! キング・オブ・ハートの名に懸けてええええっ!!!!!」

東方不敗とスバル、互いに身体に溢れる魔力と闘気を極限まで高めていく、そしてその心が明鏡止水の境地に達したと同時に輝く金色へと変わりハイパーモードへと成る。
二人の身体から溢れる闘気だけでゆりかご上部の装甲は飴細工の如くヒビ割れていき、氷の如く砕け散る。

「行くぞっ!!!!」
「応っ!!!!!」

そして互いに同じ構えを取り、同じ技を吼える。
576リリカルアジア:2008/01/31(木) 15:21:32 ID:QVTnURO/
そう、これこそが全管理世界最強最大の武の境地にして最強究極奥義と謳われた無敵の大技…

「流派っ!!!」
「東方不敗があああっ!!!」
「最終ううううっ!!!!!」
「奥義いいいいいいいっ!!!」
「石っ!!!」
「破っ!!!」

「「天驚拳んんんんんんんんんっ!!!!!!!!!!!!」」

咆哮と共に打ち出された流派東方不敗最終奥義“石破天驚拳”、そのあまりの破壊力に天は裂け、大地が割れ、大気が焼ける程の衝撃が生み出される。
ゆりかご上部の装甲などチーズのように溶け出し、もはや古代の船は崩壊寸前の様を呈する。

宙でぶつかり合う東方不敗とスバルの石破天驚拳、最初は拮抗していた両者の闘気だが徐々にスバルが押し負けていく。

「くうっ!」
「ぐはははっ! そこまでかっ!? 貴様の力などそこまでのものに過ぎんのかあああっ!? それでもキング・オブ・ハートかああっ!!!!!!」
「このおおおっ!」

東方不敗の闘気の圧力に膝を突きそうになるスバル、そこに東方不敗の叱咤が飛ぶ!

「足を踏ん張りっ! 腰を入れんかっ!! そんな事では悪党のこのワシ一人倒せんぞっ!!! この馬鹿弟子があああああああっ!!!!!!!!!!!!!!!」

しかし、あまりの強い闘気の圧力に遂に膝を突くスバル。

「何をしておるっ! 自ら膝を突くなどっ、勝負を捨てた者のする事ぞおおおおっ!!!!! 立てっ! 立って見せええええいいいいいいっ!!!!!!!!!!!!!」
「うるさいっ! 今日こそ私はあなたを超えてみせるっ!!!!!」

スバル、渾身の力を振り絞り両手のリボルバーナックルへと持てる全ての魔力を注ぎ込んでいく。
それこそがスバルの持つ石破天驚拳、最強のバリエーション!!!

「石破天驚うううううっ!!! ディバインンンッ!!! バスタアアアアアッ!!!!!!!」

そして魂の咆哮と共に放たれた魔力の巨大な掌が東方不敗の石破天驚拳を打ち破り、その巨大な拳で東方不敗を握り締めた!!!!!

「ヒイイイイイトエンンンンドオオオオオッ!!!!!!!!!!」

スバルの誇る最強最高の超絶技が炸裂するその刹那、東方不敗は今まで見せた事の無い程に涼やかな笑みを見せた。

「よし…今こそ、お前は本物のキング・オブ・ハート…」
「なっ!?」

スバルの放った究極の魔力と闘気が爆裂する瞬間、スバルの脳裏に今まで師父マスターアジアと過ごした修行の日々が走馬灯の如く駆け巡る。

「師匠ううううううっ!!!!」

そしてスバルの涙と共に奥義は決まり、その場を眩い閃光と爆炎で包み込んだ。




全ての戦いが終わった聖王のゆりかご上部、最終奥義石破天驚拳のぶつかり合いに直径100メートルは下らない巨大なクレーターが出来上がっていた。
577リリカルアジア:2008/01/31(木) 15:22:24 ID:QVTnURO/
そしてその中心地で全ての力を使い果たし、倒れ伏した東方不敗をスバルが抱きかかえ、共に沈み行く夕日の赤を見ていた。

「美しいな…」
「はい、とても美しゅうございます」
「では……流派」
「「東方不敗は…」」
「王者の風よっ!!」
「全…新…」
「系列っ!!」
「「天破侠乱っ!!!!」」

東方不敗とスバル、淀む事無く互いに流派東方不敗の詩を読み上げていく。
これが交わされる最後の言葉と知るが故に、吐き出される言の葉の一つ一つに熱き魂を込めながら。

「「見よっ!! 東方は赤く燃えているっ!!!!!!!!!」」

そう言い終わった瞬間、東方不敗の腕が力を失い地に落ちる。


「師匠?…師匠?……師匠っ!! 師いいいい匠うううううううっ!!!!!!!」

暁に美しく照らされた中、スバルが溢れる涙と共に慟哭を天に響かせる。

嗚呼、どこまでも広きこの世に英雄・英傑と呼ばれる者数あれど、かの人を超えるものがいようか? いやいまいっ!!

真の英傑にして最高の武闘家、東方不敗マスターアジア、全てを授けた最愛の愛弟子の腕に抱かれその魂を天へと還した。

東方不敗マスターアジア、暁に死す。


リリカルアジア 大完結!!!!!
578リリカルアジア:2008/01/31(木) 15:25:43 ID:QVTnURO/
投下終了です。

笑うあり・涙あり・燃えあり、それこそがGガンだと思ってますのでこんなハチャメチャ展開になりました。

っていうか俺の覚えてる内容はこんな程度しか覚えてないっす、見たの何年も前だからな……
579名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 15:26:33 ID:wy+7vPIA
GJ!
色々な奴が涙目w
580名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 15:27:14 ID:IjHaVQtn
香港版式の終わり方だ
581名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 15:32:57 ID:TFDqY3hF
GJ!
ハチマキが無ければ死んでいたってw
赤い〇星かよwww
あと、なのはさん影薄っwww
582名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 15:39:18 ID:WbO09aLs
>>マスカレード氏

久しぶりの更新お疲れ様でした。さりげにリリカルブレードと同じ世界の話だったんですねw
龍騎やプレシア母さんまで絡んできて、先の展開が予想もつかなくなってきました。
583名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 15:47:16 ID:WbO09aLs
>>Strikers May Cry氏

GJです。ゲルマン忍者と化したギン姉と、フェイトさんの「お前が言うな」に笑いましたw
584反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/01/31(木) 15:58:10 ID:gRgDvgMv
>>561
GJ!
ただ最近は、たまにはなのはキャラメインで怪人を倒してほしいな〜、と思う今日この頃。
いや、3年B組龍先生(ぇ)は嫌いじゃないですよ? ただ、ライダーメインの話に比重が傾いてる気がしまして。

>>578
ちょwwwGJ!
十二大天王ってGR要素まであるじゃないッスかwww

さて、4時からルルーシュ4話を投下したいのですが、よろしいですかね?
今回は先週号ジャンプのBLEACHレベル(分かりやすく言うとネム治癒シーン)のエロ表現を含みますが…これ、いいのかなぁ…
585Strikers May Cry:2008/01/31(木) 16:02:12 ID:QVTnURO/
>>584
東方不敗「そんなもの良いにきまっておるだろうがっ!!! ぐずぐすせんと早く投下せんかああああっ!!! そして我が弟子、スバルの活躍をワシに見せいっ!!!!!」
586反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/01/31(木) 16:05:07 ID:gRgDvgMv
>>585
某衝撃の人「やぁかましいっ! そこで黙って見ておるがいいわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「反目のスバルのルルーシュが機動六課に来たようです」

「『片翼の天使』が連載終わったみたいだな」
テーブルに置かれた皿の料理をつつきながら、俺はそう切り出しました。
「そだね。まだまだ番外編もいくつかあるらしいけど…あむっ」
隣の席の嫁はそう答えると、スパゲッティを大量に口の中へと放り込みます。
「番外編?」
「ほ。ひょんへんへひゃいへひゃひゃっひゃほほほ…」
「スバル…いい加減口に物を入れながら喋るのはよせ」
ため息をつきながら、俺は嫁をたしなめました。
入れた量が量なだけに、何を言っているのかさっぱり分かりません。
………………
………

………………………ま、まあ…それが可愛くもあるのですが…
「あ、ごめんごめん」
若干はにかみながら、口の中身を飲み込んでスバルが言いました。
…もう3年は付き合ってるというのにいちいちドキリとしてしまうのは、俺が悪いのか?
「…ほ、ほら…口も汚して…」
「ん、ありがとー」
どぎまぎしながら、俺はペーパーナフキンで、嫁の唇に僅かについたトマトソースを拭いました。
「「「………」」」
そしてそれをぽかんとした様子で見つめる3人。
説明が遅れましたが、今はちょうど夕食時です。
食堂のテーブルを元新人組+俺の5人で囲み、夕食をとっています。
ちなみにキャロの肩にはフリードとかいう小さな竜が乗っていますが…もうちょっとやそっとじゃ驚かんぞ。
「ホント仲良いのね…」
3人のうち、ティアナがそう言いました。
「そりゃそうだよティア。なんせ夫婦だもん」
「まあ、それは分かるんだけども…」
どうやらこの光景がよほど珍しかったようです。
ああ、嫁も昔はよほど男っ気のない生活を送ってきたのだろうな…
…何故か感慨深くなってしまいました。
「だよね〜ルルーシュ♪」
と言いながら、突然嫁が俺の腕にしがみついてきました。
「し…食事中ぐらい、大人しくしろ」
「あらら、照れちゃった?」
そりゃ恥ずかしくもなります。
公衆の面前で抱きついてきて、そのふくよかな胸を当てられては…って何を鮮明に解説しているんだ俺は!
「フ…フン…」
ともかく、俺は多分赤いであろう顔を明後日の方向に向けました。
587反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/01/31(木) 16:06:38 ID:gRgDvgMv
「そういえば、スバルさんとルルーシュさんは、普段どんな感じの生活をしているんですか?」
と、キャロが尋ねてきました。
そういえば俺達の生活風景って、プロポーズの所とクリスマスの買い出し帰りぐらいしか描写されてないな…
…ここらでちゃんと公開しておいた方がいいかもしれません。
読者の皆様に妙な性活を妄想されても困りますし。
「そうだな…あれは同棲2年目だったか…」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

あれは俺が風呂から出た時の話だった。
『先に上がったぞ』
『はーい』
リビングのスバルが返事をし、自分の着替えを持つ。
『さてと…』
俺は風呂上がりのアイスを食べるべく、冷蔵庫を開けた。
前に買い置いておいたから、まだアイスは7つはある。
…はずだった。
『何っ!? アイスが一個もないだと!? あんなにあったのに!』
『あ、ごめーん。昼に7段重ねアイス作って食べちゃった♪』
『スバルぅぅぅぅぅ!』

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「それはまた壮絶な…」
「ま、相変わらずみたいで安心したわ…」
冷や汗をかくエリオに、ため息混じりのティアナ。
スバルとの付き合いの差が如実に出てる反応だな。
「他にはあんなこともあったよねぇ」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ちょうど本編エピローグの少し前くらいのことなんだけど、その日は屋根の雪を落としてたんだ。
『気を付けろよ、スバル』
『ん、オッケーオッケー』
あたし達は並んで雪を払ってたんだけどね。
『…うひゃあっ!』
ちょっと油断しちゃって、たっぷり雪を被っちゃったんだ。
もう頭だけ出て、残り全部埋まっちゃって。
『大丈夫かスバル!?』
で、ルルーシュが驚きながらも助けようとしてくれたんだけど…
『…どわあぁぁぁっ!』
手元が狂って、ルルーシュも埋まっちゃったわけ。
お互い1時間は脱出できなかったなぁ…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「…と、大体こんな感じ」
今度は嫁が語りました。
「…雪って、怖いんですね…」
エリオがそんな感想を漏らしました。
「うん…雪って怖いよ」
「そうだよ、エリオ君…」
まったくだ。北国の雪は怖い。ある意味ブリタニア以上に怖い。
スバルの肩がぶるぶると震えていました。
…それで、何でキャロまで体験談に加わっているんだ。
588名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 16:08:03 ID:UYT0mAzr
>>584
覚悟とは!!暗闇の荒野に!!進むべき道を切り開くことだッ!!
支援
589反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/01/31(木) 16:08:04 ID:gRgDvgMv
「…ま、まあそれはそれとして…」
妙な方向に進んでしまった空気を改善しようとしてか、ティアナが口を開きました。
すまないティアナ。やはり持つべき者はこういう良識ある仕切り役です。
かつての俺の周りは会長だのディートハルトだの、ブッ飛んだ人ばかりが仕切り屋で困ったものでした。
もっとも、そういう俺もブッ飛んでる方の人種だったのですが。
…ああ、俺だって自分が濃いことも分からないほど馬鹿ではないとも。
そこ、自意識過剰とか言うな。
「他には何かないの? そういうずっこけ話だけじゃなくて、何かもうちょい夫婦らしいの」
「夫婦らしい話? うーん、どれがいいかな…」
スバルはそう言って頭を捻り始めました。
しかし、夫婦らしい話か…いわゆるラブラブな話でもすればいいのか?
だが、下手なのろけ方をしては相手がイライラするからな…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

※音声のみでお楽しみください
『あっ! ひぁ…ぁ…んんんっ!』
『く…っ!』
『ふぁ…ああああああっ!!!』
『…はあ…はあ…』
『はあ…はあ…ねぇルルーシュ〜、もう一発だけぇ〜♪』
『もう、無理…これ以上出ない…orz』

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ち ょ っ と 待 て !
何を連想してるんだ俺は!
完全にエロス直球じゃないか! 地の文入れようものなら即座に追放だ!
「何か閃いたルルーシュ?」
「え!? あ、い、いや…あともう少し…」
話せるかこんな猥談!
この場でこの話題を切り出したが最後、俺の男としての尊厳は確実に崩壊する!
二重の意味で!
………………
………

…俺も少し熱くなりすぎた…冷静になった方がいいな。
ともかく、この話は絶対に話さない方向でいこう。うん、そうしよう。
…ともかく、読者の皆様にこれだけは言っておきます。
あれは紛れもない真実です。戦闘機人は、どうやらそちらの方も絶倫のようで。
だからこれから戦闘機人と付き合おうという方はお気をつけて。
特にどこぞのオリジナル仮面ライダーなんかは。

///////////////

…投下終了。
うん、やっちまった感が否めないorz
このレベルでもひょっとしてマズイのかな…多分、大丈夫…だよね?
590Strikers May Cry:2008/01/31(木) 16:08:37 ID:QVTnURO/
超級覇王支援弾!!!!
591Strikers May Cry:2008/01/31(木) 16:14:53 ID:QVTnURO/
>>589
とりあえず濃密な展開を勝手に脳内補完しました、GJ!
よし、それじゃあちょっと避難所行こうか、そしてたっぷり地の文付けたエロスに突入しようか。

まあ冗談はさておき、そろそろ頑固親父の登場となるか……ゲンヤパパンの暴走が早く見たいぜ。
592名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 16:20:24 ID:UYT0mAzr
>>589
GJ!!です。
ゲンヤは魔法のショットガンを持参ですねw
593名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 16:27:40 ID:0yScNYvF
GJ!!!!
ゲンヤさん登場で、この話終わるかな?
主人公死亡的な意味で
594リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/31(木) 16:31:53 ID:v63P9zFP
gj
えーと、
>どこぞのオリジナル仮面ライダーなんか

特にどっちかな?青い子?赤い子?(笑)

一応なのはメンバーはティアナ、スバル&ノーヴェ、チンク、ディードが単独で怪人倒してますね。
まぁ、やっぱり目立たないのかな?
昭和ライダー復活編まで時間あるし、何か考えておいたほうがいいかも…
しかしあれだな…拓哉とスバルがくっついたら次回の鍋パーティみたいなイベントでルルーシュの前で自慢げにスバルに組み付く拓哉とか書かなきゃいけないんだろうか?(笑)
595名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 16:34:29 ID:UYT0mAzr
ギアスで次の戦闘で自爆しろとかなのはを襲え(性的な意味で)とか命令しそうw
596反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/01/31(木) 16:38:35 ID:gRgDvgMv
>>594
色は忘れましたが1号の方でwww
だって拓ギンはもう鉄板じゃあないかっ!(バンッと机を叩く)
拓スバ? そんな暴挙に出たらまた黒の騎士団の包囲網が展開されちゃうよ?(にっこり)

そして見落としの方は申し訳ない。
なんせ投下時間が時間なもので、どうしても飛ばし飛ばしになってしまうのですよ。…ホント申し訳ないorz
597名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 16:40:13 ID:lBt9v/Bd
なんやかんやで、そろそろ次スレの季節ですが。
598フルメタなのは:2008/01/31(木) 16:43:35 ID:A1uKzdqV
今人はいるんでしょうか?
いるんだったら十分後に番外編を投下するし、いないんだったらウロスの方に予告しといて夜にします。
599フルメタなのは:2008/01/31(木) 16:54:53 ID:A1uKzdqV
無反応…か…
誰もいないようなので、夜九時に投下予告だけしときます。
600リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/31(木) 16:56:17 ID:v63P9zFP
>>595
自爆装置は付いてないんですよ。
生体改造だから体は生身のままなんです。(体の筋肉は強化改造を受けているため、生身のままでも異常握力がだせますが。)
ちなみに生殖能力もあり。(失礼)
どっちかっていうとZOより真仮面ライダーに近い感じです。

ちなみに戦闘スタイルについてですがアウレフは宇宙刑事ギャバンに、ヴェイトは仮面ライダー2号に近い戦闘スタイルです。(データ紹介文に書いてある戦い方じゃ分かりにくいと思うので他ヒーローで例に挙げました。)

>反目さん
拓ギンは鉄板なのか!?
まぁ、あれだけ密着密着密着を繰り返して結局何もありませんでしたじゃ話にならないよなぁ…
ヒロイン別ルートかいてみようと思ってるけど、まず拓ギンから攻めるべきかな。
なにせ拓哉は強化筋肉のおかげで異常身体能力とはいえ生身だからギアス効いちゃうのでw
601名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 16:58:44 ID:WbO09aLs
>>反目のスバル氏

ルルとスバルのズッコケながらも微笑ましい同棲生活がGJです! ルルはダンナとしてもヘタレなのかw
地の文でエロス描写の詳細を補完した完全版を、避難所に投下されるのは、いつ頃になるのでしょうか?w

>>フルメタなのは氏

投下されるのでしたら支援いたしますよw
602リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/01/31(木) 16:59:06 ID:v63P9zFP
っていっけね!
フルメタさん支援!
603名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 17:40:47 ID:/zYdOL1X
新スレ建ててこようか?
604名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 17:54:13 ID:VrmBHs8R
>>リリカルアジア
いろいろ“省略”しすぎて盛大に吹いたwwwwwwwwwww

> 反目のスバル ◆9L.gxDzakI 氏
GJJJJJJJJ!
605名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 17:59:04 ID:9fAQvby5
>反目のスバル殿
ギアスはキャラの顔しか知らんがGJ。
最近クロス上の漢たちがデカい牌を堪能してるみたいで恨やましい。(爆)
606名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 18:01:28 ID:/zYdOL1X
新スレ立てたよー

リリカルなのはクロスSSその42
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1201770052/
607名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/01/31(木) 18:23:43 ID:mkz5kD42
>>606 乙             
                       
           
こちらは埋めましょう。
608名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 18:37:26 ID:UYT0mAzr
>>605
そんなあなたにはヴィータをプレゼント。
609名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 18:39:15 ID:WAjUky27
埋め議論ネタ

質量兵器使ったとしても、罰則を受けるだけじゃない? 
まさか処刑とかはされないだろうし。
魔法を使えないし、肉弾戦による戦闘力がそこまで高くない奴が、
生き残るために質量兵器使うのってありえるんじゃね?
死んでしまうのと、法を犯して牢屋入れられるのどっちがいいよ? ッて言われたら後者を取るほうが
多そうだ。
610名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 18:42:58 ID:mdGI3Wgn
そして管理局をクビになる、と。
いくら身内裁判でも度々軍規?違反すれば庇えきれないだろうし
違反者が増大するなら罰則強化だってありえるしね。

クビ、とまでいかないけどエリートコースから転落しそうだよな。
警察でも一度でも発砲すればキャリアは無理って聞いたことがある。
611名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 18:43:15 ID:d2nxsTg9
埋めついでに一つネタなぞを投下


知られざる闇の書の過去。闇の書事件より十一年前、地球では決して歴史に語られる事の無い一つの戦いがあった。

「……気を、付けてね。うまく言えないけれど、今回のあなたのお仕事、嫌に胸騒ぎがするの」
 暗く憂いだ表情を見せて来る妻に、クライド・ハラオウンは息子のクロノを抱き抱えながら取り繕う様に微笑みを浮かべる。
「大丈夫さ。今度もグレアム提督にロッテとアリアも一緒だから、戦力は充実している。
──闇の書は、今度こそ封印してみせる」

「我等が鉄甲龍、復活の時は来た! 今こそ裏切り者である木原マサキの造りしゼオライマーを破壊し、
この世を冥府と化すのだ!」
 十五年という永き屈辱の時をひたすらに耐え忍び、遂に決起する秘密結社。

 そして……。

 地球の衛星軌道上へと転送を完了したエスティアとグレアム艦は、日本の富士樹海で勃発した巨大ロボットの戦闘に遭遇する。
 モニター管制を担当しているリーゼアリアの驚愕の声が、グレアム艦とエスティアのブリッジを緊張で包む。
「戦闘中の片方の地球製巨大ロボットから……闇の書が覚醒する際の魔力反応が! 父さまっ!?」
「何と言う事だ、一体何者が闇の書を……」

「負けられない! この戦だけは──!」
「……勝てる」
 深夜の戦場に迸る、破滅の閃光。
 敵の必殺攻撃に翻弄されながらも、その男は残忍な薄笑みを浮かべ、ある入力コードを打ち込んだ。
 消滅していく風のランスターの中で、八卦衆が一人・耐爬は、奇妙な紋様の光を垣間見た。
「夜天の光よ、冥府の王たる我が手に集え! 次元連結システム、闇の書覚醒プログラム作動!」
 風を司る敵ロボットを一瞬のうちに撃破した男の前に、古代異世界の騎士達が召喚される。
 まさしくそれは、クライド達が追い求めてきた因縁のロストロギアでもあった。
『我等、夜天の主の下に集いし騎士』
『主ある限り、我らの魂尽きる事無し』
『この身に命ある限り、我等は御身の下に在り』
『我等が主、夜天の王──木原マサキの名の下に』
「これで戦力は整った……最早誰にもこの俺を止められまい! ククク……ハハハハ……!」
 深い夜の闇の中に、一人の野望の男の哄笑が高らかに響き渡っていた。

冥王計画リリカルなのはA's 始まりません
612名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 18:45:56 ID:WAjUky27
>>610
でも、死んでしまったら昇進も何も無くない?
613名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 18:47:23 ID:UYT0mAzr
よりにもよって本物の冥王と闇の書の組み合わせかw
正面からじゃ勝てないw
614なのはStS+φ's正伝 ◆doxxn25Md. :2008/01/31(木) 19:01:15 ID:Eg9VRrRE
冥王といえばグランドマスターな私は飛竜の虜です
615名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 19:03:36 ID:WAjUky27
このマサキはマサトに戻る事がないのかな?
616名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 19:09:26 ID:mdGI3Wgn
>>612
組織の性格が、ってこと。
よくある硬直した組織像みたいに
現場「もう無理ぽ、現地調達の質量兵器つかっておk?」
司令部「あうあう。やったらお前どうなるか分かってるな?」
みないなイメージで。

実際質量兵器を保有しているか?とか、それを使用できる技術教育を行っているのか?って疑問が残る。

でも、あの手この手で規則を抜けようとする非エリート指揮官ってのも燃えるうよね。
617名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 19:12:18 ID:WAjUky27
>>616
なるほ。
確かに使えるかどうかは微妙だな。
618名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 19:29:15 ID:eBrwUvRr
冥王様じゃ御本人ないが類似品は出そうと思ってる俺
619名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 19:46:16 ID:+i4Kh/Bj
>>616
そういう「なんでもあり」の秘密部隊もあったりしてな。
魔法のまの字すら出せない任務を受け持つ、ブラックな部隊が。

「忘れろ。俺達は存在しない」
620名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 19:51:14 ID:RCXdQZKy
>>612
つ『殉職で二階級特進』
言いたいことは分かるが。

>>616
子供でも扱える上にほぼメンテナンスフリーと評判のカラシニコフはいかがか。
基本的に超コネ組織だから、「上層部に知り合いが〜」なら幾らでも隠蔽できると思われ。
621名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 19:52:51 ID:+/CfmVer
>>616
新城直衛みたいな指揮官なら欲しいな
622名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 19:54:00 ID:WAjUky27
>>621
マンガ版ならおkかもしれんが、原作版はいろいろと問題のある性癖がww
623名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 19:55:31 ID:FzB8KX5i
>>+ライダー氏

もうホントにね・・・拓哉や龍がギャルゲの主人公に見えてきました。
624名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 19:57:55 ID:WAjUky27
>>623
オリはやっぱ危険で駄目だった、ってことだろ
625名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 20:14:05 ID:5ux7yh6/
ここでおれがGルガール召喚
626名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 20:16:12 ID:5ux7yh6/
誤爆だった…スマソ
殺意の波動に目覚めてくる
627名無しさん@お腹いっぱい。
ギャルゲの主人公って顔とチンポしか取り柄無いよな