あの作品のキャラがルイズに召喚されました part102
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part101
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1200047270/ まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/ 避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/ ___ ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
〃 `ヽ . ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
l lf小从} l / ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,. ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
((/} )犬({つ' ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
/ '"/_jl〉` j, ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
ヽ_/ィヘ_)〜′ ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
_ ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
〃 ^ヽ ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は
J{ ハ从{_, 本スレへの投下で問題ないわ。
ノルノー゚ノjし ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず、
/く{ {丈} }つ 本スレではなく避難所への投下をお願いね?
l く/_jlム! | ・クロス元が型月作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
レ-ヘじフ〜l ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。
,ィ =个=、 ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
〈_/´ ̄ `ヽ ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
{ {_jイ」/j」j〉 ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
ヽl| ゚ヮ゚ノj| ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
⊂j{不}lつ ・次スレは
>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
く7 {_}ハ> ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
‘ーrtァー’ ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
>6
魔理沙は小ネタで既に呼ばれてたはずだが……
魔法使いでハリーと言えば、ハリー・ドリスデン。
シカゴで唯一、電話帳に「魔法使い」として載っている男。
そんな奴もいたなw
前スレで織田信長を召喚するならどれが良いか、といっているが、ここはやはり内閣総理大臣織田信長とか言ってみる。
信長「のうサル。ワシは『とりすていん』とやらの王様になったわけじゃが、この戴冠式は解るが演説の方はどうなんじゃろうかのう?」
秀吉「やはりここは殿の信念を力強く簡潔な言葉で述べれられるのが一番かと」
マザ「えー、それではこの度平民でありながら(オッホン!)し、失礼…魔法の使えない身でありながらトリステインの王権を引き継がれた織田信長新国王陛下の御言葉を」
信長「うむ。おほん、えー……
鳴 か ぬ な ら 殺 し て し ま え ホ ト ト キ ズ ! !」
翌日の新聞で「人間的成長うかがえず」「支持率大暴落」
信長「王様とは難しいものじゃのう、猿」
秀吉「………」
___
〃 `ヽ .
l lf小从} l /
ノハ{ ゚Д゚ノハ/,.
((/} )犬({つ'
/ '"/_jl〉` j,
ヽ_/ィヘ_)〜′
従わぬなら、殺してしまえ、使い魔を
聞かぬなら
褒め殺しましょう
使い魔を
聞かぬなら
利くまで金的
ホトトギス
支援
支援
あと前スレ1000、何書き込んでるんだw
そういう事されると……書きたくなるじゃないかw
投下開始。
彼は、ある小さな世界の暴君であった。
殴りたいものは殴り、金が欲しければ奪い、眠りたいときに眠る。
傍若無人極まりなく、群れること、束縛されることを何より嫌う。
それでいて、他人の振る舞いには厳しかった。
なんという理不尽、なんという幼稚さ。
しかし、そんな彼の周りには人が集まった。みな「不良」と呼ばれる連中だ。
彼はたちまち学校を支配し、町を仕切るようになった。
やがてその集団は「暴力組織」となり、裏の世界で台頭していくのだが……。
「…………これは、成功……なのかしら?」
トリステイン魔法学院の問題児、『ゼロ』のルイズは困惑していた。
使い魔として召喚できたのは、平民と思しき少年。体育座りのまま眠っている。
珍しい黒髪に黄色っぽい肌、やや低い鼻に切れ長の吊り目。異邦人であろうが、なかなか美形だ。
細身の体に白いカッターシャツと黒い長ズボンを見につけており、
肩にはマントのように、黒い厚手の上着を羽織っている。
その上着の左腕部分には、奇妙な文字の刺繍された腕章がついていた。
どうやらルイズと同い年か、1つ2つ年下のようであった。
「あら、ちょっと可愛くてかっこいいじゃない。やったわねルイズ、美少年とキスできて」
「か、からかわないでよキュルケ! もぉ、ドラゴンとかグリフォンとかが良かったのになぁ。
……あ、起きちゃったわ。まだ契約してないのに……」
少年は、ゆっくりと切れ長の目を見開き、欠伸を一つすると、身を起こしてあたりを不審そうに見回した。
身長はおそらく、170サント前後だろうか。
「……君たち、誰?」
目覚めた少年は、かなり不機嫌のようだ。
ルイズは気圧されまいと、虚勢を張って名乗る。
「わ、私は、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
あなたを召喚したメイジであり、貴族であり、今日からあなたのご主人様!!
そして、ここはハルケギニア大陸、トリステイン王国の魔法学院。
いいわね、あなたが私の『使い魔』よ!」
少年は、ますます眉間の皺を深くする。
「……もう一度、ゆっくり言ってもらえる? 僕がどうしたって? ええと……」
「な、長すぎるならルイズ・フランソワーズ、いや『ご主人様』でいいわ。
あなたがどこから来たのか知らないけど、私の魔法で召喚されたのなら、
運命が選んだ通り、私の『使い魔』として仕えてもらうわ。
さぁ、あなたも名乗ってみせて!」
少年は、表情を変えず、呟くように名乗る。
「……雲雀恭弥」
「ヒバリキョーヤ? 変わった名前ね」
「僕が君に仕える、だって? お断りだ、僕は帰る。
その前に、こいつらを咬み殺さなくちゃね」
少年、ヒバリはどこからか、金属製の短い警棒を二本取り出した。
警棒には横に突き出た取っ手があり、腕をガードするように奇妙な構えをとる。
あっけにとられる生徒たちに、ヒバリは飛びかかった。
ギーシュの頬桁が警棒で殴り飛ばされる。
ド・ロレーヌの顎が割られ、マリコルヌの股間が蹴り上げられ、
モンモランシーが足をもつれさせて転んだ。
硬派ゆえか女子は殴らないが、男子には全く容赦がない。
「僕は、弱くて群れる草食動物が嫌いだ。視界に入ると、『咬み殺し』たくなる」
「きゃあああ!! こ、コルベール先生!!」
ヤバイ。
暴れ出すかもと覚悟はしていたが、こいつはヤバイ。
確かに強い、強いんだが、理不尽すぎる。いったいこいつは何歳児だ。
「や、やめ、やめなさいヒバリ!!」
「やめるんだ!!」
ルイズが叫ぶと同時に、中年の教師コルベールが、杖を振るい小石を飛ばした。
ヒバリは片手の警棒――トンファーで、小石を難なく叩き落す。
「ふぅん。今のは、君?」
「そうだ。私は引率の教師、ジャン・コルベール。
ヒバリ君、いきなり見も知らない場所に連れて来られて、戸惑って暴れるのも分かる。
だが、罪もない生徒諸君を殴るのはよしてくれないか。
人間を召喚した例はほとんどないし、使い魔として契約するのがイヤなら、送還方法を探してあげよう」
彼を危険人物だと認識した生徒たちは、ザザッとヒバリを遠巻きにし、杖を構える。
ドットばかりでもこれだけの人数が束になれば、オーク鬼だろうと敵うまい。
だがヒバリは、群れへの興味を失い、コルベールに向き直る。
彼は強い。若い頃は、随分人殺しもしたのだろう。
「ワオ。素晴らしいね、君」
にいいっ、とヒバリの目尻と口元が吊り上る。
面白くなってきた。教師だろうと総理大臣だろうと、気に入らなければ『咬み殺す』。
気に入れば、心ゆくまで闘って『咬み殺す』。
それが並盛中学校風紀委員長にして並盛町の番長、
孤高の浮雲『雲雀恭弥』が己に課した、単純なルールであった。
「気に入ったから、殺してあげよう」
人が寝ているときにいきなり外に連れ出して、僕の周りで生徒たちと群れをなし、
あまつさえ一方的に「仕えろ」とは何事だ。あのルイズとやらの風紀を正してやらねば。
それより彼だ。さっき『コルベール』とか呼ばれていた。
ああ楽しみだ、強い奴との闘いは、実に楽しみだ!
一方、コルベールは20年来の教師としての経験上、彼を「不良学生」と認識した。
上級貴族の子弟を集めた魔法学院だ。不良学生は山ほどいるし、暴力沙汰も数知れず見てきた。
いずれも、児戯に過ぎない幼稚なものだったが。
魔法は使えないようだが、彼もそれらと同じだ。驚くほど心が幼い。
裕福さゆえ我侭に育てられ、支配と服従でしか人間関係を構築できない、そういう輩だ。
可哀想に。いや、王侯貴族の多くも、そうなのかも知れないが。
「さあ、魔法とやらをかけてみなよ!」
「いいだろう、『レビテーション』!!」
コルベールが再び杖を振ると、ヒバリの体がふわりと宙に浮き上がった。
コモンマジックの初歩、物体を空中に浮きあげて動かす魔法だ。
ペンや本を手元に引き寄せるのも、服をタンスから取り出すのも、メイジはちょっとした力でできる。
「人間にかけるのは、危険ですので原則禁止しているがね。少々大人しくしてもらうよ。
これなら、攻撃を避けたり防いだりできないはず。そして集中砲火を浴びれば、いかに君でも倒れる。
さあ、まずはその物騒な武器から取り上げようか」
ヒバリがニヤリと笑い、トンファーを一本コルベールに投げつける。
コルベールは難なく避けるが、トンファーは節からバラバラになり、内部のワイヤーがあらわになる。
そして『多節棍』となってコルベールの手足に絡みつき、その杖をはたき落とした!
「ぬなっ!?」
『レビテーション』が解除され、ヒバリはふわりと地面に降り立つ。
そして、地面に倒れてもがくコルベールを見下すと、彼の杖を足蹴にして拾い上げる。
「はい、君の負け。でも君、全然本気を出していないよね。
つまらなかったけど、しばらくここにいてみるよ」
なんという、子供だ。
これでも火のトライアングル、もと騎士隊長の私を、いともあっさりと。
ただの不良学生でもなければ、到底人に仕える器ではない。
あのメンヌヴィルのような『戦闘狂』と形容した方が、正しいか。
ルイズは、唖然としていた。
ど、どうしろってのよ、こいつを。
召喚のゲートを潜った時点で、多少は大人しくなっているはずなんだけど。
こ、こいつを私に、扱えるの? 雑用なんかしそうにないし、護衛にするにも物騒すぎる。
強いし美形で、そこはいいのに。
「じゃールイズ、契約はしないけど、もう少し詳しい話を聞こうか。
安心しなよ、女子には手を出さないから」
ヒバリのセリフに、ルイズが赤くなって青くなって白くなった。
て、て、手を出さないって、殴らないって事、よね。それならよし。
「わわわわわわ、分かったらいいのよ! ヒバリ、先生に杖を返してあげて!」
傍観していたキュルケは、あまりの可笑しさに、腹筋が痙攣していた。
「ひ、ひっひ、もぉダメ、変な使い魔にもほどがあるわ!」
(続く?)
29 :
ワオ:2008/01/14(月) 16:06:48 ID:xA97UM1Q
投下終了。
>>25は「2/5」でしたね。
「家庭教師ヒットマンREBORN!」から、雲雀恭弥を召喚してみた。
しかし、いろいろと危険な男が来てしまったなあ。
これはひどい。
キュルケ、ここは笑うとこじゃないだろw
あの漫画はわけわからん・・・
というか、他人にレビテーションかけられるんなら魔法戦闘にならないんじゃね?
お互いにレビテーションをかけ合って2人ともふらふら空を飛ぶか、レビテーションをかけられた側がフライで無理やり移動するか。
そうなると2人とも魔法を使えないから剣や槍でチャンバラ……すげえ、ワルド最強じゃん。
前スレ
>>1000 つまり中村を召喚するわけだな。
「畜生、いつか殺してやる!」
これは…
36 :
33:2008/01/14(月) 16:15:50 ID:gDoGQ6Qp
偏在戦隊ワルドファイブ想像図
レビテーションで相手を飛ばすワルドその1
エアストームで地面に落っことすワルドその2
エアハンマー担当のワルドその3
ライトニングクラウド担当のワルドその4
剣でぶっ刺す担当のワルドその5
あるいは4人がかりでレビテーションかけて残った一人が後ろからブスリ。
これでワルドもやられ役から強敵に復帰できるな。
浦見魔太郎を呼ぶと前スレ1000の意向にはそえるかも知れん。
ワルドにはそんな知恵も勇気もなかったのであった
偏在一体一体が自分で考えて行動できるってわりにそういう複雑な連携攻撃より単なるフルボッコ狙いだったあたり
ワルドって戦術的発想は苦手なのか?
ワルドその1「だって後方支援って地味じゃん」
>>39 頭の良いキャラクターを書くには作者の頭が…
あれ、誰か来た、ちょっといってくr
>>29 >>1 ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
>>42 召喚された方も後々いい笑いモンになっても言い返せない状況になったり
借りを大量に作ってしまったりきっちりと痛い目にあう描写があればギリギリOKなのでは?
>>43 絶対無理
書き手にアルコバレーノ並みの才能が要るだろうね
>>43 お金がとてつもなく足りないからそれはできない、って言ったら
宝くじで一等当たればギリギリ足りるんじゃね?みたいな返しをされても
その…なんだ…困る
>>43 いや、無理だろ
そして現状に対する評価に未来への期待値を込められても
>>29 こりゃひどい
自分で書いといて、〜来てしまったなあ、とか先行きを考えてないのかね?
あととにかく
>>1 を読め
文章に対する感想はそれからだろ
召喚された相手を犬扱いしたりするようなのはダメということだなw
ど、どうしよう
wikiのデモンベイン系読んでたら自分も書きたくなってきた
こういう時はどうすればいいんだ
他のと平行して書いていいのか否か
それいけ宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコよりローソンwww
アクジとルルを喚んでハルケギニアで魔女神判。
>魔女裁判
SSはいいから絵を描くんだ
とりあえず前スレ1000は百回死んだ方がいい。
天使の剣って魔法をはねかえしができるはす
デルフとの二刀流でまさに魔女キラー
>>51 ローソンは現代でのぼけっぷりから察するに、むしろ役に立たないかと。
内熱機関の作動原理とか構造とか、化石燃料とか知らない可能性すらあるぞ。
そんな工業製品レベルのものは、メーカーに頼んで作らせればいい、
デザイナーは、それを使って立派な戦艦を作ればいい。
>>50 同じ作品はおろか、同じキャラが別の作者に召喚されてる現状、特に止める理由も無い
多いときは、同じキャラが召喚されてる3つの作品が並行していたときもあるw
>>50 大丈夫。デモンベインは数千、数万、数億居るから、三つや四つ、作品かぶりがあったって無問題さ。
……って、ナイアルラトホテップが言ってた。
…待て、
>>50は既に作品手がけているけどデモベネタも書きたくなったので
平行作業してもいい?って意味かも知れんぞ。
横島辺りは外部含めて10人以上されたぞ
>>61 あーなるほど
まあその場合も自分のやりたい様にやれ、としか言えんよなあ
複数ss書いてる人もいるし、自分のペースを掴めないようなことにならなけりゃ書いていいんじゃね
同じ作家さんが何本書こうが問題ないぜ
しかし今書いてる方も忘れないでくれ
>>60 にゃるらが言ったなら絶対裏があんだろw
ルイズなんて殆どのやつに登場してるぞ。
>>61 まぁ、いいんじゃないか? それを止める権利はないだろうし、どっちもが停滞しなけりゃ。
>>62 ……何故わざわざここで外部を持ってくる?
>>65 それに引き換えサイトはほとんど出てないよな
ふむ、ならデモベをサブにして書いてみようと思います
頑張ってください、死ぬ程度に
みどろさんが右手を突き出した変なポーズで召喚されるところが見たい。
こうしてこのスレにまた一人、
新たな作者が現れた。
73 :
23:2008/01/14(月) 18:36:07 ID:UCuBBrBw
ヘイトSSの前編が出来たので、投下するぞ。
ちなみに殴ったりとかはしないよ。
>>73 作品の内容を見る前に言うのは心苦しいが、ヘイトだと言い切れるんなら避難所の方がよくないか?
いや、もしかしたらネタで言ってるだけなのかもしれないって気もするんだけど
>>73 本当は投下するなといいたいがせっかくだから投下してみろ
避難所でな
んじゃ避難所に逝って来ます
週刊少年チャンピオンのDamonsの主人公が召喚されるなら可だったのにな
名前がヘイトだから
あんなのばかりなら本スレで毒吐くの許可してもよくないか?
>>77 あれを殴ったりしない話にできるんならそれはそれで見たいかも
誇らしげにヘイトSS書きましたとか言われても、その、なんだ、困る。
それを言い出すと荒れるぞ
すまん誤爆してた
>>55 魔法を跳ね返す剣といわれてぷりっち思い出した
召喚されちゃったらデルフ涙目が確定しちゃうがなー
ああみんなヘイトヘイト言ってるから解んなかったわ。Fateの事かそりゃ荒れるわ。
そういえばどき魔女の天使剣も魔法を跳ね返すな
サモンナイト3からティンコ先生が召喚されてくるネタを思いついた
思いついたはいいんだが……
どんなふうにプロット切っても必ず濡れ場が出てきてしまうのは俺の業が深いからなのか……?
>>86 あの先生、まじで教え子のファーストキスもらってるから……
>>83 魔法を跳ね返したり吸収できるシロモノといえば
ゼルダの伝説でミラーシールドなんて物もあるな。ん?
・右手に魔法返しの盾、ミラーシールド
・左手に退魔の剣、マスターソード
・炎と氷、さらには結界破壊能力付きの矢を放てる妖精の弓
・大岩も難なく持ち上げる力を得れる金のグローブetc
時のオカリナverだとスゲーチートだなリンクw
>>89 いや、意外とサイトが実はアメリカ人で
常に「Hey!」と言ってるサイト→縮めてヘイトなのかもしれん
そしてメリケン的思考に基いて展開されるゼロの使い魔(欧米Ver)
章の終わりに必ず小粋なアメリカンジョークが挿入され、
ハリウッド的なお約束で毎巻必ず濡れ場がある、そんなゼロの使い魔
シエスタの作る郷土料理がオートミールでタルブにあるのもヘルキャット、そんなゼロの使い魔
>>90 もちろんロマリアにある兵器もシャーマンとイングラム
なぜなら特別な存在だからです
イングラムと聞いてAV-98を思い浮かべてしまった
ヘイトと言ったらオブシダンソードを取れる人ならまず負けないあれじゃないのか
デフルはなによ?
ピースメーカーあたり?
HOS暴走零式で色々と窮地に
>>90 スパイディ召喚とか。
なんかすごい奴が来たと思ったら中身はただの人間
「みんなその格好なんなんだい?今日はハロウィンだったかな」
「とりあえずハリー・ポッターにサインもらったら帰りたいんだけど」
とかしょうもないことgdgd言ってルイズの癇癪が飛びまくる
問題はウェブシューターの中身が作れるかどうか。
映画版なら普通に手から糸が出るんだったと思うけどあっち生真面目で面白くないし
>>95 サムライソード(日本刀にあらず)あたりで。
よく考えたら、タルブに陸戦兵器が埋まってたらいろいろピンチになりそうだよな。
>>90 トリステイン魔法学院がビバリーヒルズ青春白書に
>>100 ギーシュとかはもう普段というか原作の扱いからしてそのものじゃね?
アメリカンスクールコメディに絶対一人はいそうなタイプだろ、あれ
銃と剣を自在に使いこなす使い魔
ライジング斬 ザ・サムライガンマンが召還
ガンダールブとか無くてもハッスルタイムで倍速
弾切れとか無い無限に撃てるわ、気合で日本刀が伸びるわ
弾を日本刀で弾き返せるわ
デルフいらなくね?
イヴの眠りからアリサ・クロサキが召喚されました。
観用少女からどことなくルイズに似たプランツが召喚されました。
どっちがいい?
アームスレイブあたりなら対抗可能じゃないか?
対戦車ヘリも近寄れない陸戦兵器という設定だし。
>>103 敵キャラが単語一つしか喋れなくなりそうだな
>>97 何かの間違いでレオパルドンを呼び出すスパイダーマンが
>>104 アリサ・クロサキは危なすぎやしませんか……
>107
艦隊が相手だろうが、7万人が当て衣だろうが、ヨルムンガンドが相手だろうがソードビッカーで終わりなんだな。
自分で振っといてなんだが、お前らアメリカン大好きだなwww
マルトー「ヘラッシェー!! これが本場アメリカン料理の味でぇーいっ!!!」
とか言い出したりしたら……いやこれは日本人だったな
>>103 悪に上下の区別無し!と7万相手に倒しまくるザンということですか
>>97 原作版のウェブシューターは本能的に開発したっぽいし
植物とか自然にあるものから必要な材料抽出しそうだな
>>110 「ツー、ツー、フォー!」
「2つで充分ですよ!」
>>108 火山の女神の娘とかドラゴンの娘とか言われてるからエクスプロージョンを使うルイズには似合いだけどね……
>>115 どちらかってと、キュルケじゃないっすかw
>>114 それだと逃げ出した使い魔を狩る話になりそうだ
>>104 アリサの場合はデルフより地下水の方が武器として相性良さそうな……
>>117 母親はキュルケとフーケを足して二で割ったようなキャラだが、
本人はややルイズやタバサに似た系統のキャラだったりする、
>>102 ギーシュ=ジェシー
マルコリヌ=ジョーイ
コレベール=ダニー
タバサ=ミシェル
キャプテン・ラヴが呼ばれてたらルイズが一応ヒロインか・・・
>>119 いぁ、一応夜叉から読んでるんでわかるけど……
タバサやルイズみたいな性格だからこそ、キュルケと相性良さそうなんだよね…
タバサ8:ルイズ2くらいかね・・・あの人
先生、ルイズを「カーリー」と呼ぶジャヌーさんが読みたいデス
>>110 蛇文字さんは結構優秀だぞ?
意外と強いし。召喚されたことも「アメリカ人の仕業」で済ませそうだし。
厨房に入ったら危険極まりないけれど。
あの世界には保健所というものが存在しないし。
頃合いを計ってたけど流れが止まりそうにないので自ら切断することに
4話投稿おk?
名前入れ忘れた
ゼロの仮面〜ナイト・アフター〜 です
>>122に納得しつつ、原作読み返しながら支援!!
要するにブリミル的には黄色人種なんて人間じゃねえよみたいな?
上で話題になってたけど
>お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
しかし、他作品で活躍してたキャラが、無能で生まれしか誇れるところがない(当時)ルイズに隷属するってのは
すでに互いに尊重とはいえんよな。
時間まで入れ忘れてたわ。もう駄目かも分からんね
50分から開始します
Sienct.
>>128 彼女には美貌と虚乳とツンデレがあるじゃないか
進路クリアー、発進どうぞ!
支援〜
>>128 読解力の無さに乾杯だ
キャラクター本人が尊重するかしないかじゃなく、作品を尊重するかしないかだろ?
クロス元を持ち上げるあまり、ゼロ魔を貶めるなってことだ
支援しましょ支援
ではいきますー
ゼロの仮面〜ナイト・アフター〜 4話
彼女の苛立ちが募っていく。
最初はロクな使い魔ではないと思っていた。
人間だし。平民だし。女ったらしだし。主人の世話も(殆ど)しないし。
それがどうだろう。先程の決闘。彼はただの人間ではなかった。正体は定かではないが、少なくとも普通の人間の姿と亜人の姿の二面を持つ存在、それが望月綾時だった。
そして振るう力は絶大。ドットとは言え、メイジであるギーシュを軽くあしらった。
魔法らしき物も使ったが、杖は持っていない。それもその筈。亜人なのだから。だとすれば、あの光は先住魔法に他ならない。
先住魔法を操る亜人。エルフにも匹敵すると見て相違無いだろう。
それ程の物を呼び寄せ、使役しているのだ。自然と胸を張りたくもなる。
勿論、褒めてやるつもりだった。よくやった、と。そして他にも色々と聞くつもりだった。
なのに、それなのに。今、私は除け者にされている。
信じられない。私の使い魔なのに。私が話に混ざれない。
「信じられない」
消え入りそうな声で呟き、ルイズは学院長室の前で俯き、立ち尽くしていた。
支援
「どうしたもんかのぅ」
「はい……」
学院長室。オールド・オスマンとミスタ・コルベールが苦い顔をして唸る。
それを傍で見るのは、問題の当人である綾時と、ある程度の事情を知っているとの理由で同席したミス・ロングビル。
問題は至極簡単ではあるが、最高に扱いが難しいものであった。
「王宮のボンクラ共に、ヴァリエールの末っ子と、この子をくれてやる訳にはいかない」
先刻のオールド・オスマンの言葉である。
つまり、事態隠蔽の策を図っているのであった。
「別に放っておいても良いんじゃないですか? 僕達が何か言わなければ、特に問題は無いと思いますけど……」
綾時が三人の顔を見比べながら口を開く。
「確かに、先の一件はそれで良いじゃろう。しかし、これからを如何に隠すかが、の」
重々しく頷きながら、オールド・オスマンが現在の議題を再提示する。
「生徒の何人かは、彼を天使や何かと思っている子もいるようです。この際、それで通してしまうのは?」
広場からここに来るまで、生徒達の会話に聞き耳を立てていたミス・ロングビルが横目でオールド・オスマンを見遣る。
「それではガンダールヴである事を明かすのと同義じゃろう。どちらも伝説上、伝説的な存在に変わりはない」
オールド・オスマンが椅子に背を投げ、指で机を叩く。
「ならば先の決闘に関しても、口止めをした方が良いのでは? やはり同じ理由で広まってしまうでしょう」
手で口元を隠し、考えを纏めながらミスタ・コルベールが呟く。
「わしは口止めが到底無意味、且つ不可能と思われるから放っておけと言っておるんじゃよ」
片方の瞼を吊り上げ、オールド・オスマンが低く唸る。
「……なるほど」
最後に綾時が相槌を打つ。
こうして、静寂が訪れた。
だが、その静寂を早々と破るのも、また綾時。
「とりあえず、さっきの決闘に関しては全面的に無かった事にして、何かしらの……そうだな、剣士なんかを僕が装えば良いんじゃないですか?
それだとガンダールヴとしての力を使わなきゃいけませんけど、あの姿になるよりは幾らか現実的でしょうし」
「……考えられ得るのは、それ位じゃの」
オールド・オスマンが髭を弄り、ミスタ・コルベールとミス・ロングビルも同意の色を示す。
「後の問題は、ミス・ヴァリエールにどの程度を教えるのか、ですね」
すっかり当事者を気取るミス・ロングビルがうん、と一人で頷く。
「ふむ。――全て丸々、教えておいた方が良かろう。力を持った以上、それには同等の責任が伴う。少々酷じゃが、その重荷を分からせる必要がある。ミス・ロングビル、彼女を」
特に反対する者もおらず、ミス・ロングビルはルイズを呼びに行った。
支援
支援
綾時の正体を知ったルイズは感激したが、その感激は自身の胸にのみ留めた。
オールド・オスマンから他言無用と釘を刺されたからである。
そして剣士を振舞う為に綾時は学院から剣を支給された。が、ギーシュとの決闘の次の日から現れ、後を絶たなかった他の生徒との立て続けの決闘の果てに13本の剣が大破。
流石に金銭の問題がある。と、町でそれなりの名剣を買うように言われたのが昨日。ギーシュとの決闘から七日が立った時だった。
ちなみに決闘が続いた理由は、綾時の正体を見極めんとする(自称)実力者が大勢居た事に起因する。
そしてキュルケはギーシュとの決闘を経た綾時に、猛烈に恋の炎を燃やしたが、毎晩朝まで学院長室に篭っている綾時をついぞ自分の部屋に招き入れる事は出来なかった。
痺れを切らしたキュルケは七日目の夜にルイズの部屋の前で就寝し、図らずもまんまと剣を買いに行くルイズと綾時に同行したのであった。
しかし、今平原を駆ける馬に跨る人影は二つ。その上には巨大な――と言っても幼児なのだが――竜が影を作り、その上にも二つの人影があった。
タバサが綾時に惚れていると勝手に解釈していたキュルケが、ライバルだけど自分だけ抜け駆けは不公平、と、親友に迷惑な思いやりをかけ、しかしながらタバサも綾時に対する興味から出動。の、図であった。
城下町。擦れ違う人々と肩をぶつけながら、またしてもルイズは苛立っていた。
なんでこいつの周りには女が沸くのだろうか。3:1とか可笑しくね?
よく見たらリョージの顔立ち、凄く整ってるし、何だか私もヤヴァイんじゃね? とか思ってたけど。けどってかのに。
キュルケはいつもの事だから良いとして、このタバサとか言うのは完全に予想外。だってこんな無口な子が、ねえ?
それに何だか他の女の子達もきゃあきゃあわあわあだし、メイド達まできゃあきゃあわあわあだし。リョージもリョージで愛想を振り撒くし。
ほら今も。ぶつかった(女の)平民と「大丈夫ですか?(にこっ」「え、ええ、大丈夫ですよ。すみません(キャッ☆」なやり取りだし。節操がねぇよ節操が。
こんな具合である。
綾時のそんな所しか見ていないルイズは、小柄の貴族目掛けて飛んでくるスリの手を、綾時が一々笑顔を向けながらぶつかったり、手で叩き落として防いでいる事に最後まで気付く事は無かった。
「こっちのが! 良いって! リョージも! 言ってる! でしょッ!」
「いんえ! 絶対! こっちのが! 良いって! ダーリンも! 思ってるッ!」
二人の女の子に、両腕を引っ張られ、綾時は苦笑を浮かべる。
彼の主人の手には「オレだ! オレを買ってくれ!!」と叫ぶ長剣。
反して『微熱』の少女の手には店主お墨付きの大剣。
発端は数刻前。武器屋に着き、綾時が予算等の問題を考慮して安物の剣を選んでいた際、喋る剣――インテリジェンスソードのデルフリンガー――を発見してそれを選んだが、
キュルケはそれを綾時がルイズに遠慮しているだけと主張し、店主が薦めた大剣を綾時に買うとルイズと口喧嘩を始めたのであった。
結局、そのやり取りが終了したのはそれから小一時間後の事だった。
「どっちも買えば良いのに」とは思っても最後まで口にしなかったタバサと店主であった。
ゼロの仮面〜ナイト・アフター〜 4話・了
ちょい短いですがこんな所で
またも投稿出来ずに不本意な所で切るハメに。直らないなぁ、これ
乙ッ!
乙ー
てか大岡裁きならずですかwww
>>149 大岡裁き ←この言葉の意味を知らない俺
>>151 子供の手を左右から引っ張り合って、子供が泣いたとき放した方が本当の母親っていうやつ
三者一両損
>>152 理解した。アレか
まあ状況が違いますからね、割と
>151
「ちょっとぉ、サイトから手を離しなさいよツェルプストー!」
「あーら、ダーリンはわたしの方がいいみたいだ・け・ど?」
「サイトさんはわたしとお風呂に入るんです!」
「や、やめぇ、ちぎれ、れっ!?」
――ごきっ
左右で引き裂いて片方ずつ持っていって一件落着、じゃなかったか>大岡裁き
そしてプラナリアのごとく2つに増えて元通り
サイトの場合両手どころか両足も引っ張られてそうだな
なあに、かえって免疫が付く
鋼鉄サイトに改造してもらえば5方から引っ張られてもバラバラになってもなんともないぜ。
話が飛びますが、アセリア(or聖なるかな)から呼び出すとすれば
誰が適任?ですかね
ナルカナ様じゃ明らかに従ってくれそうもないしw(そもそもエターナル
クラスの存在に使い魔のルーンが効くとも思えん。明らかにプリミルより
も上位存在だし)
>>162 敵の名無しの雑魚引っ張ってきたら
興味が引かれる
ショッカーの戦闘員が召喚されないものだろうか
>>162 逆に考えるんだ
従ってくれそうにないナルカナが、あえて従う理由を考えるんだ
それさえできれば良作になるぜ
>>165 たしかああ見えても簡易改造人間なので
通常の成人男性の16倍の筋力があったはず
>>161 サイト「無能王の娘と言うだけで十分だ!!」
イザベラ様を殺害。
>>165 ゲルショッカー戦闘員は……二時間おきにゲルパー液を投与しないと死んじゃうんだったw
そこであえて防衛人形とかミニオンみたいな人格無しが使い魔やるうちに自我に芽生えてとかだな
(サイト(無印)+成人男性との差分) × 16 = ショッカー戦闘員
Tueeeeeeee
むしろ今まで呼ばれた数ある使い魔の中でも上位な強さじゃねえか!
そろそろテンカワアキトが召喚されてもいいと思う
まさに一般人な能力の戦闘員…コゾーン?
アセリアからか。
ソーマ様とかどうよ。つねに半裸の男。
サハラ生まれのダイヤの精霊を召喚して欲しいな
「汝の正体みたり! 前世魔人ローリーワルド!」
「バレたかバレたか〜よくも正体をばらしたな〜」
外道照身霊波光線か
>>175 毎回毎回「外道!死ね!」な声の渋いアラビア生まれのあのお方ですな
>>50ですが、投下してよいですか?
元ネタは「機神飛翔デモンベイン」です
>>175 初めて見たとき正直
なんでこの面でヒーロー名乗ってんのコイツって
素で疑問に感じたあのヒーローかw
支援
グリリバ支援
短いですが投下
「な、に!?」
視界が歪んだ
「空間、いえ、時空間干渉!?」
突如起こった出来事に、己の半身が在り得ないと叫ぶ
銀色の鏡、すでに体を飲み込み始めている
「クッ!?」
不味い、脊髄に走る電撃が『これは危険だ』と警告を発する
逃れられない、ズブリズブリと少しずつ沈んでいく
「うひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃうぶえ、どうしたのであるかぁ〜? ダイジュウジクザァァァァクゥゥ!」
途端に動きが鈍くなったデモンベインを見て、走り寄って来る無敵ロボ(以下略)
こちらの状況にかまわず、大音量で聞こえてくるドクター・ウェストの声
頭部の巨大なドリルを回転させて突っ込んでくるドラム缶
「ハァァァァァアアア!」
すでに下半身は飲み込まれ、上半身のみ
それでもデモンベインを巧みに動かし
「アトランティスッ!」
真下から右足で蹴りを入れ、ドラム缶が中に舞う
「ぬぅおおお!?」
「ストライクッ!」
「まったねぇ〜♪」
下ろされる右足と同時に、左足が空間を捻じ曲げながらドラム缶を蹴り飛ばし、星の彼方へとやった
「騎士殿ッ!」
ドラム缶のことなど眼中に無く、飛んできた半身は魔術紋様を一瞬で展開させる
赤光して軋みを上げ、1秒と持たず魔術紋様が砕けては、新たに現れてまた砕ける
「ッ!」
それが数百単位で起こり、己の半身が苦悶の表情を浮かべる
「どうなって、いる!?」
己の半身と同様に、魔術紋様を組み上げ抵抗する
が、同様に一瞬で砕け散る
凄まじい魔力、銀鍵守護神機関に匹敵するかもしれない
「クイーンッ!」
通信を入れるが、反応が返ってこない
「グオッ!!」
一層引きずり込まれる、これは逃れられない
魔術では無駄だと感じ取ったのか、半身が手をとり引っ張り上げようとする
「紅朔! 手を離せ、巻き込まれる!!」
「駄目よ!」
んー! と一生懸命引っ張る姿は何時もでは見られないものだった
さらに引き込む力を強くなる
もう持たない、紅朔の手を振り払おうとするが
「こうなったら」
「ナッ!?」
「いっちゃえ!」と言いながら紅朔が銀色の鏡に九朔を押し込む
「ニィィィィィ!!」
その手はしっかりと握られ、二人は時空の壁を越えた
セットか。支援。
────────────────────────────────────
少女は苦しんでいた
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も
唱えては杖を振り、唱えては杖を振り、唱えては杖を振り、唱えては杖を振り
何れ来る使い魔に夢を馳せながら振り続ける
だが、現実は甘くは無い
冷徹に、無情にそれを無視した
周囲の地面は抉れている、少女が行った魔法の失敗で幾つもの穴が出来ていた
『ミス・ヴァリエール……』
頭髪の薄い男が、少女に声を掛ける
『もう一度、もう一度やらせてください!!」
『……解りました、でも次が最後です』
『はい!』
気持ちの良いくらい気合の入った返事が帰ってくる
大きく杖を振り、『サモン・サーヴァント』の呪文を唱える
だが、爆発すら起こらない
周りからは失笑が起こり、少女の事を嘲笑している
(彼女ほどの努力家でも駄目とは、なんと非情な事だ……)
少女は強く杖を握った
悔しい、悔しい悔しい悔しい!!
なぜ成功しないのか、なぜ何も起こらないのか
血が流れ出るほど唇を強く噛んだ
大きな、鳶色の瞳から零れ落ちた涙
頬を伝い流れ落ちる
綺羅綺羅と輝き、太陽の光を反射した涙が地面に落ちると同時に耳を劈く雷光音が響いた
空には星、太陽は双月に
誰もが驚いた、今は昼だったはずだ
なぜ空に月がある、なぜ空は暗い
気が付いたときには空に端が見えないほどの巨大すぎる魔術紋様陣
赤く光を放ち、高速で少女の腰の高さまで降りてくる
異常な状態に誰もが動けない、動いてはいけない気がした
赤い魔術紋様陣は瞬時に縮小、1メイルの大きさまで縮んだ
『なに……?』
少女が声を上げた、小さくなった魔術紋様陣はゆっくりと回転している
一歩、また一歩
少女はそれに近づいた
召喚陣見れば異常な事態と分かるはずだけんども 支援
しえn
『ミス・ヴァリエール! 危険です! 離れなさい!』
少女はそれを聞かず、歩み寄る
淡く、赤い光を放ち続けるそれに手を伸ばした
『ッ!?』
触れると同時に赤い閃光が視界を埋め尽くし、雷光が走った
夜は昼となり、双月は太陽へ戻る
瞼を開くと、そこに居たのは少年と少女
『え?』
赤いマントを羽織る、美細工な少年
赤いドレスを身に纏う、美細工な少女
眼前に現れた、二人の人間
「な、汝は……?」
瞼を開くと桃色髪の少女が立っている、隣には紅朔が同様に立っている
「あれ? ここは?」
「それはこっちの台詞だ、なぜあの時押した」
「ほら、引いて駄目なら押してみろって言うじゃない?」
「時と場合によるだろう!」
目の前で喧嘩? を始めた少年と少女
『ちょっと! 煩いわよ!』
「いきなり叫びだして、何なのよこの子」
「恐らくは注意されたのであろうが、なんと言ってるか解らないな」
「時空を超えてきたんだから、言語が通じるとは思えないわよ?」
「同じであったら、むしろおかしいだろう」
「まぁ〜それもそうよね」
『ちょっと! あんた達何言ってんのよ!?』
何かよく解らない言葉で捲くし立てられる
「これは如何するべきか」
「じゃあ、少し調べてみましょ」
そう言って紅朔は親指の腹を八重歯で切り、人差し指につける
「何をする気だ?」
「“調べる”のよ」
紅朔は何か言っている桃色髪の少女の口の中へ人差し指を突っ込んだ
試練
『もあっ!?』
「今もあって言ったな」
顔をそらせ、口の中から指を出す
『ちょっとアンタ! 何すんのよ!』
その、少女の唾液と自分の血が混ざり合い付いた指を自分の口へ運んだ
『なっ!?』
「紅朔!?」
「うーん、大体は解ったわよ? はい、騎士殿も口を開けて」
「なにもがぁ!?」
と、無理やり口の中へ突っ込まれた
「“解る”はずよ、ちゃんと理解するようにしましょ」
途端に、この世界や国の言葉が頭に叩き込まれる
そして、その少女の名前や悩み、今やっていた儀式の事も全て理解できた
「いきなりは無いだろう、いきなりは!」
「解ったんだし、そこはプラスマイナスゼロってことにしておきましょ?」
「あ、あんた達喋れたんだ……」
「ああ、今まで解らなかったがな」
少女、ルイズは二人の姿を再度確認した
少年の方はマントを羽織っているが杖を持っていない
少女の方は紅いドレスのみ、如何見ても貴族ではない
「あんた、貴族?」
「この世界の定義で言えば違う」
少年、九朔は答えた
「この世界……? まぁ平民ってわけね、そっちの方も貴族ではないわよね?」
「さぁ? どうかしらねぇ?」
少女、紅朔はひらひらとドレスのスカートを舞わせる
「どっちなのよ、答えなさい!」
「違う、貴族ではない」
変わりに九朔が答える
「両方平民……ね」
かなり落胆したルイズ、あれだけの出来事があったのに召還したのはただの平民
それこそ、ドラゴンとか現れるかも!? と期待したのだが現実は厳しかった
「ミスタ・コルベール! もう一度召還させてください!」
「それは出来ない相談だ、ミス・ヴァリエール」
頭を横に振ったのは教師のコルベール
「『サモン・サーヴァント』は神聖な儀式だ、たった一度きりなんだ」
「君は彼らのどちらかと『コントラクト・サーヴァント』を──」
「お断りね」
コルベールの言葉を遮ったのは紅朔
真紅の瞳がルイズを覗き込む
「ああ、駄目よ駄目よ? 『ゼロのルイズ』なんかに使役されたくないわ〜」
芝居掛かった言葉と仕草、完全にルイズを馬鹿にしている
「な、なんですって!?」
その言葉と仕草を見て顔が茹で上がる
周りで聞いていた者達は爆笑が渦巻いた
「さ、さすがはゼロのルイズ!」
「使い魔に拒否されてらぁ!」
ドっと上がった笑いにルイズは拳を握った
俯き、顔は先ほど以上に紅く染まり、涙が零れ落ちる
ブルブルと震えるルイズをよそ目に、紅朔は続けていった
「でもね、あなた達のような他人をけなす事しか出来ない屑より、好感が持てるわ」
笑い転げる少年少女達に、並々ならぬ殺気を叩きつける
「ひっ!」と軽い悲鳴を上げる人垣
コルベールは咄嗟に構えてしまう
「紅朔!」
「なぁに?」
にっこりと笑う紅朔、それを止めたのは少年
「止めておけ」
「騎士殿がそういうなら、止めておきましょ」
殺気を抑え、先ほどと変わらない雰囲気に戻す
「それでだ、汝はルイズと言ったな」
「え、あ、は、はい!」
殺気に当てられたルイズが敬語になっていた
「我で良ければ、使い魔になってもいい」
「え?」
ルイズと紅朔の声が重なる
「使い魔が出来ぬと、落第になるのであろう?」
「え、ええ」
「騎士殿、本気なの?」
「ああ、本気だ。 困っているものを放って置くなど騎士道に反する」
「はぁ……、しょうがないわね」
紅朔は呆れ顔、こうなると何が何でも助けようとするのが九朔である
「使い魔になってもよいが、条件がある」
「なに?」
「衣食住、衣服は何とかなるだろうが、食住の提供と我等を送り戻す手段を探してくれ」
「食事と宿は提供できるけど、元の場所に戻す魔法なんて……」
「無いのは解っている、それでも良いから調べてほしい」
肩に手を置かれたルイズは顔を赤くしながら頷いた
よく見ればこの少年はかなりの美形、少女の方も同様に美形
ついよ、つい顔が赤くなっただけよっ!
と内心で叫んだ
「ならば契約を」
「え、ええ」
「我が名は『大十字九朔』、我が騎士道に誓い、汝、『ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール』に忠誠を誓う」
「我が名は『ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール』、五つの力を司るペンタゴン、この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
唇が触れた、途端右手に熱が走る
「っ!?」
「ッ!!」
同時に苦悶の声を上げたのは九朔と紅朔
「え?」
二人の右手には使い魔のルーンが浮かぶ
「こ、これは……、ルーンを見せてもらってよいですかな?」
九朔のルーンを見つめ、紅朔のルーンを見る
薄いが全く同じ紋様、一人で二人の使い魔
「うーむ……」
解らない、少年と契約したのに少女の方までルーンが現れる
「見た事が無いルーン、それにお二方両方に付くとは……」
頭をひねるコルベール、だが九朔と紅朔は理由を理解していた
真紅と深緑の瞳がルイズを見つめる
彼らは、二人ではない、“一人”なのだから
以上で投下終了です
次回はメインを投下し終わってからです
メインに何を書いてるんだか知らないけど、変な自己主張はしない方が良いよ。
デモンベインの方GJでした。
それでは次に投下させていただきます。
「それじゃ私は店の準備があるから失礼するけど……後で絶対に来てね。エレオノールの
店っていえば知らないやつはいないから」
繋がれていた手と手が離され、高揚していた心に一抹の影が差し、意識しない部分でエ
レオノールの庇護を期待していた自分に気づいた。こんなことではいけない。子供扱いを
甘受するのは仕方がないにしても、自分から求めてはみっともない。一個の大人として恥
ずかしくない振る舞いをしなければヴァリエールの家名に傷がつく。
「何を買うか決める前に寄るのよ? 絶対にね? 約束だからね」
わたしの手をとり、小指と小指を絡めて何やらぶつぶつと唱えていた。詠唱ではないよ
うだ。民間に伝承される呪いの類だろうか。針千本飲ます……? 物騒な話だ。
「それじゃね。詐欺師に騙されたりするんじゃないわよ」
「あ……えっと……」
他に聞かなければならないことはなかったか。
思いつく前にエレオノールは薄明かりの中に消えていった。その行動力は見習いたいが、
もう少し人の話を聞く癖をつけてもらいたい。
エレオノールと別れたわたしは、とりあえず市場を散策してみようと考えた。事はわた
しの一生に関わってくるわけだし、慎重に慎重を期す必要がある。これだけ客足が少なけ
れば狙いの使い魔が他の誰かに購入されてしまうこともそうそうは無いだろう。ざっと見
回り、エレオノールの店に寄り、その上で決めればいい。あまり長引かせると恐ろしいこ
とになるとも言われていたが、これくらいなら通常の買い物の範囲内だ。ケチをつけられ
る余地はない。
まずは手近な店に立ち寄った。
永久放浪者が貝殻や石を黒い布の上に並べ、ぷかぷかと紫煙をくゆらせている。店の中
で一番高級に見えるのがふかしている煙管というあたりはいかにもな永久放浪者。永久放
浪者がなんであるか分からないわたしも得心がいくというものだ。
「夜市へようこそ小さな魔女さん。石や貝ならなんだって置いてあるよ」
「使い魔にできそうなのはないの?」
「使い魔ね……これなんてどうだい。あの世の石だ」
「ただの丸石にしか見えないけど」
「たったの百万エキューだ。安いもんだろ」
永久放浪者の例に漏れず、はなから商売をするつもりがないらしい。わたしは黙って石
と貝の店を後にした。
次の店では敷地いっぱいに鳥かごが並んでいた。どの鳥も拗ねた目つきで俯いている。
小鳥といえば間断なく愛の歌をがなりたてているものだが。
「さあいらはいいらはい、鳥ならなんでも揃ってる、おまけにどこより安い」
鳥と同じく不景気そうな襤褸を纏った男が、格好とは裏腹な掛け声で呼びかける。
鳥か。使い魔としては少しありふれている。脚が三本のカラス、鱗で半身を覆われた鶏。
見たこともないものばかりだが、食指が動くほどのものではない。
「使い魔向きの鳥はいない?」
「ついこの前まで鷲獅子がいたんだがね。なんたら子爵とかいうヒゲのおっさんに売れち
まったんだ」
「ワシジシ?」
「頭が鷲で翼の生えた獅子のことさ。獅子より強いし鷲よりも速く飛ぶ。こいつを使い魔
にすれば便利至極なんだが……残念だったね」
「そう」
気の無い風を装いながらも、内心ではすれ違った宝物への未練に地団太を踏んでいた。
わたしの知る限り、鷲の頭と翼、獅子の身体という特徴を持った生き物はグリフォンをお
いて他にない。グリフォンであればこの上ない立派な使い魔になってくれたはずだ。わた
しの使い魔になるはずだったグリフォンが横合いからさらわれてしまった。どこの髭かは
知らないが、後で目にもの見せてくれよう。
その店では頭髪の代わりに頭から草を生やしている少女が植物を売っていた。夜市に来
る途中で見た、頭頂部から毒々しい草を一本生やしていた少女の縁者だろうか。
「マリファナ欲しくない? トリカブトなんてどう? これは最近南米で見つかったって
いう癌の治療薬でね……」
「く、く、く、薬!? どんな病気でも治す薬はないの!?」
「そんなものあるわけないでしょう」
「ええっと、そのね……体のどこかが悪くなって、そこを治すとまた別のどこかが悪くな
る……っていう病気」
「あたしはお医者じゃないもの。病気の名前言ってもらわなきゃ分かんないわ」
「名前って……何よ役立たず!」
「あのねぇ。お客じゃないならさっさと帰ってもらえる? 商売の邪魔」
「言われなくたって帰るわよ! 誰がこんな店で使い魔買ったりするもんですか!」
店側に非が無かったことに気づいたのは、頭に上った血が下りて数分経過してからのこ
とだった。
草髪の少女には申し訳の無いことをした。他者との折り合いを欠いたまま社会に出ては
爪弾きにされてしまうこと請け合いだ。幸いにも自覚はあるのだから、詫びも兼ねて心を
落ち着けるお茶でも買おう。予算が余ったらという注釈つきで。
どこよりも盛況な店が棺桶屋というのはどうかと思う。客のほとんどが歩く死体とくれ
ば尚更だ。
衣服という次元を通り過ぎて久しいであろう布切れを腐りかけた身に纏い、蛆が云々、
皮膚がどうこう、内臓があれこれといった記すにはばかる状態にある亡者達が、整然と並
び立てられた棺桶の前で群れをなしている。時折棺桶屋の店主が出てきて亡者達を追い払
うも、連中はすぐに戻って棺桶の前でぐずぐずとしている。
元いた場所でこのような光景を目にすれば、逃げるなり叫ぶなり胃の内容物を外に出す
なりしたことだろうが、夜市で見る腐った死体には哀れみを感じるだけだった。
濁った瞳で棺桶を見る。眠る場所が欲しい。だが金は無い。けして手に入ることのない
宝物を前にして他所へ移る気にもなれない。死んだ後も眠ることさえ許されない悲哀を感
じる。そう思うと、緩慢な動作から愛嬌にも似た可愛げを感じてしまう。
棺桶を約束すれば簡単に使い魔になってくれそうだ。しかし棺桶の中で眠りっぱなしの
使い魔を手に入れても意味が無い。意味が無い以上、手に入らない寝床に羨望の視線を送
る彼らを見続けるのは悪趣味というものだ。口の中で一言詫びてその場を後にした。
幟旗に描かれた記号が一つ。初めて見る代物だが、その記号が「刀剣」を意味している
ことが飲み込めた。推理するまでもない。ゴザで剣呑にきらめく刃の数々を見れば誰だっ
て分かる。武器に用事は無いのでちらりと目をやるだけで通り過ぎた。どこからかオレを
買えという声が聞こえたのはきっと気のせいだ。
普段ならつい長居してしまいがちな装飾品の店。
洗濯した形跡がない服しか置いていない古着屋。
不可思議な材質の品々が置いてあるガラクタ屋。
子供なら喜ぶだろうが、生憎とわたしは子供を卒業したおもちゃ屋。
美味しそうだが腹の虫に喝を入れてやり過ごしたお菓子屋。
怪しげ、いぶかしげ、胡散臭げな物を各種取り揃えているものの、わたしが欲している
使い魔は扱っていない。夜市には何でも揃っているはずではなかったのか。脚を筆頭にし
て肉体は疲れ果て、慣れない事ばかりで精神も疲弊している。水分と栄養を補給したい。
それが無いとしてもせめて腰を下ろして休息したい。
わたしが「使い魔屋」を発見したのはそんな時だった。
他の店とは違い、使い魔を店頭に並べているわけではない。ではなぜその店が使い魔屋
であると知れたのか? 答えはいたって単純、立て看板にそうしたためられていたからだ。
幾百もの言語が延々と並んだ中、よく見知ったハルケギニアの公用語を認めた時、それが
どれだけ嬉しかったことか。しかもその内容が使い魔屋であると知った時、わたしの嬉し
さは歓喜から至福へと昇華されたのだ。
「ちょ、ちょっと! この『使い魔屋』って本当!?」
「……ああ」
首に物々しい縫い跡のある無愛想な男が、えらく物憂げに首肯した。その言を受けて店
先を見渡すが、肝心の使い魔らしき影はどこにも見当たらない。ずらずらとぶら下がった
札のようなものがあるだけだ。
「どこに使い魔がいるのよ?」
「……そこに書いてあるだろ。品書きと注文書を兼ねている……」
物憂げというよりは陰気臭い態度でそう言った。
見れば、札の一枚一枚に恐ろしく細かい文字で説明書きのようなものがある。九分九厘
は未知の言語だったが、立て看板と同じく、ごく自然な形で公用語も紛れていた。
「本当に、本当に使い魔屋なのね?」
「……そうだ」
ふむ。よく考えてられている。他の店に比べて商売の方法が洗練されている。このやり
方であればより多くの商品を扱うことができるわけだ。興奮のあまり上滑りしがちな頭で
考えた。
深呼吸を一度。深呼吸を二度。深呼吸を三度。落ち着こう。落ち着いて探そう。目当て
の店に行き着いたのは行幸だが、ここでハズレを引いてしまえばその幸運もふいになる。
なになに……平安時代に生きる陰陽師? どういう意味だろう。
こちらはクレステリアの暗黒魔法使い……カトハの魔界に住まう魔王の子……第七世界
の年若き魔女……サンティケイブの邪神を退治することになる勇者……倶裡阿陀のアルキ
ー見習い……なんたかかんたらのどうたらこうたら……云々のかんぬん……あれのこれ……
どれのそれ……どれもこれも意味からして分からない。
できたらわたしでも分かる境遇にある者がいい。文化の違いは軋轢を生み、軋轢は争い
を生む。トリステインとまでは言わないが、ハルケギニアで暮らす使い魔を呼び出したい
ところだ。ハルケギニア、ハルケギニア、ハルケギニア……。
うん? アルビオンで孤児の世話をして暮らすハーフエルフの少女? ハーフエルフか。
人間の血が混ざっていれば、エルフ特有の凶暴性も多少は抑制されているかもしれない。
先住の魔法は強力極まりないものが多いと聞くし、エルフの秘薬を使えば姉さまの病気だ
って……。問題があるとすれば孤児と暮らしている点か。頑是無い子供達から保護者を奪
い去るのは流石に気がひける。姉さまも悲しみはすれ喜びはすまい。
他のもの、他のもの……桃色の髪を持つメイジ見習いの少女? 魔法が常に失敗するこ
とを気に病んでいる公爵家の次女……どこかで見たような気がする。しかし本人の承諾無
しで売り物にされることもないだろうから他人の空似か。
おっとこっちにもう一つ……従兄弟の才能と裏切りへの不安に押し潰されかかっている
ガリアの王女……ガリアの王女!?
「ちょ、ちょっと! これ本当なの!?」
「……何度も聞くな」
店主の無礼な態度をとがめるだけの余裕はない。頬に熱が溜まり、額から汗が滴り、髪
の毛が乱れに乱れた。興奮がさらなる興奮を呼び、感情の高まりは極地に達しようとして
いる。
ガリアといえばハルケギニア随一の大国だ。マジックアイテムに関する技術ではトリス
テインをしのぐと聞く。そんな国の王女を使い魔にすれば、金銭的な面でも技術的な面で
も多大な協力をあおぐことが可能になり、それによって姉さまの病を癒してさしあげ
る……前に空前絶後の外交問題になってヴァリエール家は断絶の憂き目に……いやいやい
や、そうではない。店先に並んでいるということは、本人が使い魔になることを承諾して
いるということだ。それならば……いや、それでも外交問題になる気がする。しかしこれ
だけのチャンス、逃してしまえばもう二度と……。
悩みあぐね、自分の中に没入しようとしいたわたしは、肩に置かれた掌の感触で現実世
界に引き戻された。その硬さ、分厚さ、無骨さ、全てに覚えがあり、しかも記憶が新しい。
もう一つ付け加えるとすれば、新しい上に忌まわしい。
「いようチビ。探したぜえ」
ヨダレを垂らさんばかりの凶悪な笑顔を浮かべ、オーク鬼がわたしを見下ろしていた。
とりあえず以上です。
ガリアのおでこ王女もハーフエルフのおっぱい少女も出てこない。出てくるのはオーク鬼。まるで現実……。
GJ!
でも、九朔達って世界移動できなかったっけ?
ナイアさんのゲームだから可能だったんだっけ?
使い魔を買いにの人は、俺の中で神と認識されていまス
GJ
勝手に売り物にされてるのかこえーな夜市
それはそれとして楽しそうだな夜市
一回くらいはいきたいかもしれん夜市
……エキューで商売できたのか
GJ!
夜市の雰囲気が好みだ
原作も読んでみます
まとめサイト見ると、更新止まってるの多いんだな。とらが呼び出されるヤツの続き読みてえなぁ。
856 :名無しさん:2008/01/14(月) 22:34:16 ID:rMFsXAUA
俺はおもしろけりゃ台本形式でもかまわんと思うんだけどな。
おもしろけりゃな。
857 :名無しさん:2008/01/14(月) 22:59:41 ID:Bod6GhS6
>>855 一日置いてみると、駄作に見えたりするよなw
書いたときは、キャラに感情移入とかしてていい感じだと思っても、
あとでその部分見直すと、手直ししまくりになったりとか。
858 :名無しさん:2008/01/14(月) 23:02:50 ID:G3yijYCs
避難所に投下されてるやつ
作者の態度は置いといて、内容で不快に思えるのが短いってことだけなんだが……
あまりに内容が無いんだが、あれって作者はヘイト書いてるつもりなのか?
859 :名無しさん:2008/01/14(月) 23:07:18 ID:GGe9NZGE
ヘイトの意味が良く解かってないんじゃない?
本スレでの様子とか投下後の受け答えからすると頭の弱い子っぽいし。
860 :名無しさん:2008/01/14(月) 23:18:49 ID:zoVn1I36
822 名前:名無しさん 投稿日:2008/01/14(月) 16:17:58 [ nDvkkDMY ]
本スレで毒吐いても今回ばかりは許せるレベルだろ……
848 名前:名無しさん 投稿日:2008/01/14(月) 21:50:38 [ lVl1.jJU ]
あまり毒を隔離すると
浄化作用が働かなくなります
こういう輩が増えると本スレも終わりだなあ。
861 :名無しさん:2008/01/14(月) 23:21:32 ID:4gAuoYSk
>>860 こいつかな?
78 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/01/14(月) 18:43:57 ID:C/jBq/p4
あんなのばかりなら本スレで毒吐くの許可してもよくないか?
82 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/01/14(月) 18:47:02 ID:C/jBq/p4
すまん誤爆してた
862 :名無しさん:2008/01/14(月) 23:29:02 ID:ry9Cpyl2
本スレで毒がいい作用するわけないだろう
こんなことを言うと「少量なら〜」とか言い出す奴は氏ね
863 :名無しさん:2008/01/14(月) 23:32:43 ID:nDvkkDMY
ああ、822は俺だけど本スレでは言ってねえよ。
つか本スレで吐かれても俺は咎めないよ的な意味だぜ。
>207
毒を持ち込むなよ。
せっかく使い魔を買いにで和んだというのに……
209 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 23:40:01 ID:W8ID8yiA
^^
210 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 23:51:52 ID:W8ID8yiA
816 :名無しさん:2008/01/14(月) 16:06:01 ID:GGe9NZGE
新スレ一発目の投下が既に酷い
なんだあれ
817 :名無しさん:2008/01/14(月) 16:06:39 ID:nDvkkDMY
さっそくヘイト物っぽいな。
俺TUEEEEかまして何がしたいんだ?
818 :名無しさん:2008/01/14(月) 16:11:24 ID:nXcYLG5M
マリコルヌの玉潰れたんじゃないのか
モテモテといい扱いがひでえw
819 :名無しさん:2008/01/14(月) 16:15:28 ID:75MtAZQ2
本スレ30、気持ちはわかるが毒はこっちへw
だがまともに批評するならば、
ガンガン本スレに書き込んだ方が良いかもなあ。
820 :名無しさん:2008/01/14(月) 16:15:47 ID:3ct.9IPQ
気持ち悪かった
821 :名無しさん:2008/01/14(月) 16:15:48 ID:EejC5vmQ
現在連載中の個人的良作数点が撤退か完結したら撤収だな。
毒。
邪気眼に加え新スレ一発目で、新作に対する一抹の希望も消えた。
支援スクリプトっぽいのも煩わしいことこの上ない。
822 :名無しさん:2008/01/14(月) 16:17:58 ID:nDvkkDMY
本スレで毒吐いても今回ばかりは許せるレベルだろ……
823 :名無しさん:2008/01/14(月) 16:27:35 ID:pxM4.97A
冷静に考えて続きようが無いな
クロス先の原作も大概機知外ぞろいだけど
その中でも最悪な機知外もってきてどうするのかな
あいつ人と交渉したり、損得計算できる性格じゃないぞ
824 :名無しさん:2008/01/14(月) 16:38:16 ID:ROWIWH2U
>>821 まぁまぁ、ああいうのを即座にぶった斬るレスが付く間はまだ大丈夫だろう。
本気でヤバいのは、ああいうのすら持ち上げレスだらけになったり、
原作キャラが酷い目に遭うのを喜ぶヤツがそうでないヤツを圧倒し始めた時だ。
825 :名無しさん:2008/01/14(月) 16:40:37 ID:TDETch3w
あれはいっそ一話限りの小ネタで終わって欲しいね。
それでも小ネタの中では一、二を争う駄作になるだろうけど
211 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 23:53:49 ID:W8ID8yiA
864 :名無しさん:2008/01/14(月) 23:40:49 ID:nDvkkDMY
本スレにここの張るんじゃねえよクソが。
うぜぇ…
865 :名無しさん:2008/01/14(月) 23:44:13 ID:lVl1.jJU
もう既に終わってる
さてと、これで気持ちよく寝れるお^^
またエドか
213 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 23:56:13 ID:W8ID8yiA
866 :名無しさん:2008/01/14(月) 23:52:12 ID:EejC5vmQ
今度は毒を本スレに転載する阿呆か。
あまりのアレさにしばし反応できなくなった。
867 :名無しさん:2008/01/14(月) 23:52:50 ID:WlwsXvBY
またエドか?
868 :名無しさん:2008/01/14(月) 23:53:08 ID:9GmRaMrY
どうしようもなく頭のかわいそうな子なのか作者なのか・・・やれやれだな。
869 :名無しさん:2008/01/14(月) 23:54:11 ID:gRh8q2E.
エドだね
追加だお^^今度からいろいろ追加していくお^^
楽しみにしててお^^
平和だな。
216 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 23:58:55 ID:W8ID8yiA
普段は支援するお^^
暇になったら荒らしにジョブチェンジだおwwww
さてと、12時過ぎたら何食わぬ顔でレスしてやるおwww
218 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/15(火) 00:00:33 ID:W8ID8yiA
ギリギリで12時越えちゃったおwwwwうえwっうええええっwwwww
昔の2chと違って、IDあぼんのおかげで見易くなったなー
技術進歩様様だ
まあやることは変わらないお^^
とりあえずみんなお休みだお^^
>>219 専ブラ様々だねぇ
あぼんだらけだと、なんだか別の意味で嬉しくなるのは困りものだが
毒吐きのカス共のゲロを本スレ持ち込むなボケが。
>>221 本当、NGワード万歳だな。
透明あぼーんにしておけばほぼ確実に存在に気づかないw
使い魔屋に置いてある“商品”が、幻獣の類ではなく、人間だってことに気付いてるのでしょうかね?
3連休も終わりか。
だれかボトムズキャラ召喚を書いてくれないかな
メロウリンクや青騎士なんかも面白そうだ。
むせるー♪
228 :
暇人A:2008/01/15(火) 01:29:27 ID:Nbyx+0KR
え〜〜、投稿して良かですかね?
支援ハイリマース
231 :
暇人A:2008/01/15(火) 01:31:33 ID:Nbyx+0KR
――これは……!?
コルベールは、思わず身体を堅くした。
ディティクト・マジックでその男の肉体を走査した瞬間、これまで見たことも無い反応が起こるのを感じたからだ。
その長身の男は人間だった。
生物学的に言えば、それは疑いようも無い。
黒革の上下に襟元からーフをなびかせた、その男は、見るからに精悍な相貌をしていた。
だが、――同時に、男は『ただの』人間ではなかった。
皮膚、筋肉、神経・骨格をはじめ、ありとあらゆる内臓器官が、コルベールの見たことも無い物質によって組成され、代替され、全身の肉体を構成している。
しかし、しかしそれでも、“彼”は人間なのだ。
それはコルベール自身のディティクト・マジックの反応が証明している。
一体……何者……なんだ!?
コルベールは、『サモン・サーヴァント』で、ゲートから出現して以来、いまだ意識を取り戻さない謎の男から、彼を召喚した一人の少女に視線をやる。
少女――ルイズ・ラ・ヴァリエールは、自分が召喚した、もう一人の平民の少年と激しい口論を展開していた。
そう、このルイズという生徒は、学園創設以来の劣等生として『ゼロ』という、不名誉極まりない二つ名で呼ばれている少女だった。その彼女が、またもトラブル――と呼ぶべきかどうかさえ現段階では分からないが――を起こしたのだ。
彼女も所属する、トリステイン魔法学園の生徒は、二年生に進級する際、使い魔を召喚する。この儀式は、魔法学園に於ける必修行事であり、魔法関連の科目でことごとく単位を落としている彼女にとって、この儀式での失敗は留年を意味する。
そして、――案の定と言っては何だが―― 十数回の召喚失敗の果てに、ルイズが呼び出したのは、なんと幻獣でも魔獣でもない、二人の平民であった。
これは前代未聞の事態であった。
召喚に応じたのが、ただの平民であったという珍妙な事実に衝撃を受けたルイズは、再度の召喚のやり直しを主張したが、コルベールはそんな彼女を説き伏せ、ヒラガサイトと名乗る少年と、未だ目を覚まさぬ長身の男に、契約の儀式を結ばせた。
すると、驚くべし、なんと使い魔のルーンが――しかも寸分たがわぬ同じルーンが――その二人の平民の左手の甲に刻まれてしまったからだ。しかも、コルベールの長い教師生活の中でも、まるで見たことの無いような、変わったルーンが。
支援?
233 :
閑人A:2008/01/15(火) 01:36:17 ID:Nbyx+0KR
およよ、書き込めない?
そういうときは、分割するといいらしいです
>・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
>・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
ちょっと確認してみよう。
たぶん、一行あたりの文字数でひっかかってると思います。
改行のタイミング的に…
237 :
閑人A:2008/01/15(火) 01:39:11 ID:Nbyx+0KR
メイジが使役できる使い魔は、通常一体。
『サモン・サーヴァント』で複数の生物が召喚される場合は、非常に稀であるが、在り得ない訳ではない。しかし、契約の接吻を複数の個体全てと交わしたとしても、使い魔のルーンを刻まれるのは、そのうちの一体であるとされていた。
現役の使い魔が死亡せぬ限り、『サモン・サーヴァント』のゲートが開かないのはそのためだ。
複数の使い魔と同時に契約を交わし、使役したメイジなど、始祖ブリミルくらいであろう。
そう考えた瞬間、コルベールの頭脳にもう一つの事実が閃いた。
始祖ブリミルが召喚した使い魔たちも、また人間であったという伝説を……。
――これは、どういうことだ……!?
そう思い、召喚に応じた二人の平民たちに――片方は眠ったままだったが――気付かれぬよう、ディティクトマジックをかけてみたが、少年の方は、何の変哲も無い人間だった。だが、――この長身の男は、亜人ですらない、まさしく謎の生物と呼ぶべき人間だった。
コルベールは、ルイズに二人の平民――特に、この得体の知れない男との契約を強制した事実を、今になって激しく後悔していた。
ルイズの名前が……
239 :
閑人A:2008/01/15(火) 01:40:13 ID:Nbyx+0KR
「では皆さん、教室に戻ってください」
可能な限り平静を装い、コルベールは生徒たちに指示する。
長身の男が覚醒する前に、教え子たちを出来るだけ、この場から遠ざけた方がいい。
そう思ったからだ。
あとは、未だに少年と口論を続けているルイズだが、……最悪の場合は、彼女を護って、この男と戦う可能性も考えておかねばならない。
「だからっ! お前が何を言ってるのか、全然わかんねえって言ってるんだよ!!」
「いい加減にしなさいよ、この平民っ!! さっきからワケ分かんないこと言ってるのはアンタの方じゃないのっ!! 大体、平民ごときが貴族にそんな口の利き方していいと思ってんのっ!!」
「魔法だの貴族だの使い魔だの、意味不明なこと言ってるのはテメエじゃねえかっ! 頭おかしいんじゃねえか!?」
「あ〜〜、そこの君、ちょっといいかね?」
「は!? なんスか!? オレいま、このキチガイ女の相手で忙しいんスけど!!」
「きっ、キチガイとは何よっ、この田舎平民!!」
「君は、君とともに現れた、あの男と知り合いなのかね?」
「知りませんよ、そんな奴!!」
「ちょっとアンタ、どっち向いてんのよっ!! こっち向きなさいっ!!」
「ああ!? キチガイがキチガイ語で喋っても、意味分かんねえん……だ、よ……!?」
自分を召喚した少女と、つかみ合い寸前の勢いで争っていた彼は、突然ぽかんと空を見上げて驚きの表情を見せた。
作品名はなんだろな。支援
それがちょっと楽しみ支援
支援
243 :
閑人A:2008/01/15(火) 01:45:46 ID:Nbyx+0KR
フライ。
魔力によって自分を浮かせ、飛翔する。近距離であれば移動にも使える呪文。
コモンマジックの中でも初歩に属する魔法。
しかし、彼――ヒラガサイトという少年は、半ば茫然としながら、校舎に向かって飛んでゆく生徒たちを見て、呟いた。
「――あれが……魔法……!?」
その表情を見て、コルベールは確信した。
この少年は、メイジを初めて見たのだ、と。
いや、魔法そのものの存在をいま、初めて知ったのだ、と。
ありえない。
およそ、このハルケギニアの住人であるならば、どこの誰であろうが、魔法の存在すら知らないなどという事は、まず考えられない。
ならば結論は、おのずと明らかだ。
――彼らは少なくとも、このブリミル教圏の人間ではない……?
支援
245 :
閑人A:2008/01/15(火) 01:49:01 ID:Nbyx+0KR
「はっ! アンタ『フライ』も見たこと無いの!? それこそが、アンタが未開の国の野蛮人である事の証明じゃないのっ!!」
驚愕の表情で上空を見上げる少年を、ルイズは更に罵りつづける。
「ミス・ヴァリエール、いい加減にしなさい」
「でも先生、この平民さっきからスッゴク生意気で――」
「いいから、――落ち着きなさいと言ってるんだっ!!」
「……はい」
普段は温厚篤実なコルベールは、滅多な事で声を荒げるような真似はしない。相手が生徒であれば、それは尚更だ。
だからこそ、その怒声の威力はさすがに大きかったらしく、ルイズは、たちまち静かになった。
「……ええっと、君、名前は?」
「ヒラガ、サイトです」
「ここは、ハルケギニア大陸にある、トリステイン王国王立魔法学院。私は教師のコルベールだ。で、――いま私が言った言葉の中で、一つでも知っている単語はあるかね?」
246 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/15(火) 01:52:15 ID:eK0OjvGA
支援
間隔長いのは改行の再調整のせいか?再支援。
支援
249 :
閑人A:2008/01/15(火) 01:54:45 ID:Nbyx+0KR
だめだ!
何度やっても書き込めねえ!!
よそのスレなら、普通に書き込んで、何の問題も無かった文字数なのに!
と、いうワケで、また後日お邪魔します。
なら、避難所で代理投下を頼むコースがオススメです。
んー、投下がてら、状況見てみたいんだが、ここに差し込んでしまっていいのかな
一生懸命自分の文章を書いてるってのはわかるが
異世界に飛ばされたことを確認する作業は省いていいと思う
ここに投下されてる時点で読者視点ではわかってる事だからな
そういうやりとりがあったとか書いとけば十分
避難所のほうにいくみたいなので、それを落としてからにします
おk、どちらもwktkして待ってる。
ただしくられっとんは夏美の嫁
【馬鹿の戯言】
なっちんに取られるならば本望です
つーか結局なんのクロスだったんだ?
避難所の方スレチで出直し宣言入ったからクラレット投下してもいいんじゃないかな?
避難所で誤爆した後飯食いに行ったようなので
464 閑人A sage
すんません! 指摘喰らうまで、スレ間違いに気付いてませんでした!
と言うわけで、メシ食って出直してきます!!
DATE:2008/01/15(火) 02:09:40 ID:CRC.yJus
次の方投下しても良いんじゃないか
んじゃ開幕
--------------------------
自身が貴族であるために必要な召喚だった。
彼女はそれに応えてくれた。
だから彼女が胸を張って『主』だと言えるようにありたい。
〜魔法使いと召喚師〜その4
逃げ出したくて手を伸ばした。
魔法使いがそれを掴んでくれた。
その瞬間から、魔法使いは彼女の『主』になった。
――使い魔は主と一心同体
そんな大嘘をついたのはどこの誰なのだろう。
* * *
ギーシュ・ド・グラモンは、自身を『薔薇』と定義している。
彼曰く、薔薇は多くの人を楽しませるために咲くものだ。
故に彼は、悲しそうな女性を無視することなどできないのであり、
その考え方は、相手が某『ゼロ』の使い魔であっても変わらなかったのである。
で、その使い魔といえば、アルヴィーズの食堂の隅っこでションボリしている最中であった。
ルイズが後始末完了の報告を済ましにいったため、ここで待ち合わせていた。
現状、クラレットは完全に思考のループの虜になっている。
この場において、彼女に罪を問えるものはいないだろう。
大なり小なり魔法が使える時点で、ルイズと対等の立場ではいられない。
それが罪と評されるものなのかも怪しい。
何故なら、彼女がここにいることそのものが、主が『ゼロ』ではないことを証明しているのだから。
仮にそこに思考が至ったとしても、この少女は自分を責め続けることで振り出しに戻るだろう。
例えて言うならそれはメビウスの輪のようなもので、抜け出すには誰かの助けが必要なのだ。
「やぁ、レディ」
そして、そのタイミングで彼は現れた。
キザったらしく薔薇を差し出し、金色の巻髪をかき上げ、そしてのたまったである。
「そのような悲しい顔をしていては、美しい薔薇も萎れてしまうというものだよ」
見事である。パァァァァフェクトにキマった。少なくとも本人の脳内では、ではあるが……。
ここまで決まったのだから、彼女は驚いた後に薔薇を受け取り、優しく微笑んでくれるに違いない。
そうすれば自己紹介して遠乗りにでも誘って、(中略トカ18禁トカ)、OK、完璧。
非の打ち所なんてみつからない。
トリステインの貴族ならこれで十分だろう。
相手側も、それにあわせるのが流儀なのだから。
あかん。33行でもはじかれる
----------------------
だがしかし、悲しいかな、ギーシュ・ド・グラモン。
非常に残念だが、この使い魔はトリステイン人ではないのだ。
なんで本格的に泣き出しかけてますかお嬢さん? と思ったところで手遅れというもの。
今までこらえていたであろう涙が、目尻に珠になっているようだ。
零れ落ちるのは時間の問題。非常にヤバイ展開だ。計画は失敗である。
「おい、ギーシュがルイズの使い魔にアタックしてるぞ」
「うぁ、命が惜しくねーのかよ……」
「てか、泣かしてないか?」
背後から他の学生の声も聞こえる。
これは、早期に撤退せねばなるまい。
いや、しかし、ここで逃げ出してはグラモン家の名折れ……。
「ギーシュさま……」
ギーシュの葛藤もここまでだった。
栗色の髪の乙女――『熾火』のケティ・ド・ラ・ロッタさんの登場である。
この時点で彼の運命は決まった。
27行でもはじかれる
---------------------------
「どうか、その方にはこのような思いはさせないでください!」
「き、君は誤解しているんだ。ケティ。いいかい、僕の心の中に住んでいるのは、君だけ……」
残念なことに、彼は弁解を最後までつむぐことが出来なかった。
思いっきり頬をひっぱたいた音が、途中でそれを打ち切ってしまったからである。
だが、ギーシュは泣きながら走りさる少女を追うことができなかった。
それを許さない“ナニカ”が顕現したからだ。
その“ナニカ”は、どこぞの“ごはんを抜く時のママ”のごとき怒気を放ち、
持ち前の見事な巻き毛は、風もないのに揺れていた。
手にぶら下げているのは暁の星、もといワインの瓶。
「やっぱり……、あの一年生に手を出していたのね?」
「モンモランシー。誤解だ。彼女とはただいっしょに、ラ・ロシェールの森へ遠乗りしただけで……」
「あまつさえ、同時にあの『ゼロ』のルイズの使い魔に声かけてたわね?」
「お願いだよ。『香水』のモンモランシー。咲き誇る薔薇のような顔を、そのような怒りで歪ませないでくれよ。
僕まで悲しくなるじゃないか!」
天に向かって掲げられ、そのまま逆転したワインの瓶は、容赦なく彼の頭に内容物をぶちまける。
怒りに満ち満ちた眼は、もはやギーシュに一切の抵抗を許さない。
支援
「うそつき! どうせ、その子のあとはヴァリエールも狙ってるんでしょ!」
「なるほど、一粒で二度美味しい」
「クハッ、俺も女の子召喚すれば……」
「使い魔経由ならあの噛み付き癖もあるいは……」
などといった学友達の囁き声を聞きながらギーシュは思った。
――下心は否定しない(できない)けど、ヴァリエールの存在は忘れてた……。
あの桃色を背負うのが並大抵の苦労ではないことを、彼もまた知っていた。
この段階で気がつけたのはある意味、幸運だったのかも知れない。
* * *
かくして、食堂の隅には一種異様な雰囲気の空間ができあがった。
片や、モンモランシーに頭からワインをかけられ、ケティに頬を張られたギーシュ。
片や、目の前の怒涛の展開にいろんな意味で思考がフリーズしたクラレット。
まぁギーシュについては自業自得である。
結果としては、こっちの方が彼にとってよかったかもしれない。
二兎を追うのですら難儀なのに、三兎はさすがに……。
「無謀、よねぇ……」
つぶやきはキュルケ・フォン・ツェルプストーの物だ。
お前が言うか、と総ツッコミを食らいそうな女性である。
自分のことを棚にあげるのが彼女流といえば、「らしい」かもしれない。
すっかり固まってしまった友人(認定時刻:今朝)を眺めながら、おもむろに腰を上げる。
もう少し眺めていたいが、そろそろ助けてやらないとフリーズからパニックに以降しそうだ……。
「な〜にやってんの、クラレットにギーシュ」
「あ、キュルケ」「げ、ツェルプストー」
奈落の獄吏にでも会ったか、ギーシュよ……。
そして、この状況で知った顔に会えたんだからもう少し喜んでよ、クラレット君。
平手にしとけ、ビンで殴る女はやばいって
しえん
「んでギーシュ。とっとと追いかけないと手遅れになるわよ?」
「しかしだね、君、この場にはまだ……」
「あ、私はいいので、行ってあげてください」
「そうそう。こっちはあたしがフォローしといてあげるから。泣いてる女の子は追いかけるものよ?」
意を決して駆け出したギーシュだったが、Uターンして戻ってくるまで、10秒もなかった。
懐から薔薇を一輪取り出して、クラレットに差し出し優雅に一礼を決め、
「ミス・クラレット。もし何かお困りでしたら、この『青銅』のギーシュ・ド・グラモンにご相談ください。
必ずや、お力となりましょう。」
それだけ言い残して、再度出発するギーシュ。
――少しは反省したらどうか、この男……。
この瞬間だけは、大なり小なりの差はあれ、食堂に集った人間の気持ちが一致した。
ただし、二人を除いて。
>>266 ぶちまけたのはビンの内容物
----------------------------------
「香水、でしょうか……」
「あのバカの忘れ物、ってところかな?」
「えっと、『香水』の……」
「あ〜、たぶんモンモランシーの香水。返しにいこっか」
「私はここでルイズを……」
「クラレット、いいこと教えてあげる」
ここに至って、ようやく使い魔の少女は気が付いた。
目の前にいる赤毛の女性は、下手な悪魔よりもよっぽど悪魔的な存在だと。
「あたしね、ヴァリエールが嫌いなのよ」
赤くて大きな悪魔は、本来なら悪魔を使役する召喚師を高笑いしながら引き摺っていった。
近くの学生に「『使い魔ならツェルプストーに拉致された』って伝えといて」とだけ、伝言を残して。
* * *
――初日で愛想を尽かされた……ってのはさすがにないわよね。
その伝言が(特大の毛玉を抱えた)ルイズに伝わったのは、割とすぐ後のことだった。
ヴァリエール家代々の恋人や妻を奪った憎きツェルプストーは、とうとう使い魔にまで手を出したらしい。
そっちの趣味もあったのか……、とかはとりあえず思考の外においておこう。
あぁ、そういえば爆発の時にクラレットを庇ったのはアイツだったっけ。
……やっぱりそういう趣味もある??
「どうしようリプシー。あんたのご主人様、ピンチかもよ?」
「ピ」
ぬいぐるみモドキはいたって能天気だ。感覚共有でもしているのかもしれない。
力みたいのはあるようだし、主に何かあったら慌てるだろう。
とりあえず探そうか、と行動指針を定める。
が、その決意はいきなり出鼻を挫かれた。
踵を返したそこには、ルイズよりもさらに小柄な少女がいたのである。
青系の髪、青い瞳に眼鏡、そして不釣合いなほど大きな杖。
マントが黒いから、多分同級生。こちらを指差して、ただ一言。
「それの主と話したい」
思わずあたりを見回すルイズ。
もう少しわかりやすく言って欲しいというのは、わがままだろうか。
多分、私の抱いているもふもふのことだとは思うのだが……。
「その子」
やはり、リプシーのことらしい。
これ?と掲げて見せると頷いてくれた。
「この子の主ならわたしも探してるのよ。ツェルプストーがつれてっちゃったらしくて」
「わたしも手伝う」
「いいの?」
「……(こくん)」
手伝ってくれるなら、歓迎しよう。
無愛想だけど、その分信頼できそうだし。
こういう場合、まずは自己紹介から?
「えっと、わたしは、」
「ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール」
「……知ってるんだ」
「有名だから」
たぶん悪意はないんだろう。
ちょっと傷つくけど、『ゼロ』とバカにされるよりはいい。
「で、わたしは何と呼べばいいのかしら」
「タバサ」
変な名前、とは言えなかった。
きっと彼女は、わたしの二つ名も知っている、
それを言わなかったのは、それがきっと、彼女流の誠意だから。
相手の誠意に応えられないようでは、貴族の名なんて名乗れないだろうから。
支援
とりあえずここまで
書き込み反映だけど、23行あたりに壁があるっぽいです。
22行までは大丈夫な感じでした。
25行だと通ったり通らなかったり。
あと、ギーシュ。上手く書いてやれなくてすまんかった。
キザなセリフは難しいよ……。
以下、いつもの
※参考
ごはんを抜く時のママ
世界を救った英雄たちが恐れる存在。麺棒でヘルハウンドをなぎ倒す戦闘力。
話を追うごとに増えるアジト人口を養う料理の名手。
3人の子供たちの服も自分で作ってしまう達人。
17歳、童顔巨乳。
(こくん)
サモンナイトにおける『伝統』。
ゼロ魔キャラでは、タバサなら許されると思う。
ゼロ魔キャラでは、タバサでなければ許されないと思う。
こういうギーシュもいい
むしろギーシュは本来こうあるべきなのかもしれん
>>273 GJでした!
自分も早く作品仕上げて初回投下にこぎつけたいなぁ
>>274 シエスタに絡むギーシュだけは納得がいかなかったとです
>>275 期待しております
>>276 >原因は、彼がいた場所に残された小瓶。
の1文がコピーできてませんでした。ご指摘ありがとうございます
参考に噴いたのは俺だけでいい
279 :
閑人A:2008/01/15(火) 03:23:49 ID:Nbyx+0KR
避難所の方には何とか書き込めましたです。
申し訳ありませんが、どなたか、代理投稿お願いしますです。
そう言われて、才人はしばらく黙っていたが、やがて悲しげに首を振った。
「……ありません」
「はあ!? アンタいくら何でも、そんなわけ無いでしょっ!?」
「君は黙っていなさい、ミス・ヴァリエール」
「……でも、先生コイツは――」
しかし、コルベールは喚き立てる少女を無視して、なおも才人に質問を続けた。
「では、君の故郷はどこかね?」
「……地球……日本……東京……」
「……」
「聞いた事ありません、か……?」
初めて聞く言葉だった。
ルイズは、もう何も言わなかったが、どこの秘境よソレ?と言わんばかりの表情をしていた。
「ならば――四国、高知という地名は?」
錆びの利いた低い声が、一同の背後から響いた。
「バダン――という名の組織に聞き覚えは?」
そこには、さっきまで意識を失っていたはずの長身の男が立っていた。
その精悍な容貌によく似合う、まるで氷のような冷たい瞳を光らせて。
281 :
代理:2008/01/15(火) 05:26:16 ID:9pIOsQNV
バカな!?
この私が、何の気配も感じずに、むざむざ背中を取られただと!?
コルベールは杖を構えながら、無意識に教え子をかばいつつ、男から距離を取った。
長いブランクこそあるが、これでも彼は元凄腕の軍人である。気付かぬうちに素人に背中を取られた事なぞ、20年の教師生活の中でも、一度も無いと言っていい。
つまり――、
素人じゃない。いや、この男、……素人がどうとかの世界には住んでいない……!!
コルベールは、半ば絶望とともに確信した。
――この男は、危険だ……!!
男の眼を見た瞬間に、コルベールには分かっていた。
男の、その眼光は、ただ単に目付きが鋭いというだけのものではない。それこそ、数え切れないほどの“地獄”を見てきた者でなければ出来ない目だ、という事を。
そして、自分がこの男に、表現しがたい警戒心を抱いたのは、ディティクトマジックの結果反応だけでは無かったのだ、という事を。
この男に沁み付いた、一流の戦士だけが身にまとう空気感――同じく戦場を駆け抜けた過去を持つ者として、自分にも共振するような“何か”を感じていたからだ、という事を。
そして男は、コルベールの警戒に対応するように、じわりと殺気をその眼光に含ませる。
「ミス・ヴァリエ−ル、絶対に私より前には出ないで下さい……」
「コルベール先生……?」
ルイズの呼びかけにも、もう彼は答えない。
コルベールは、低く小さな、それでいて恐ろしいほどの早口で呪文を詠唱している。
この男がメイジであるかどうかは、まだ分からない。
だが、分かる事もある。
コルベールほどの者なら、対峙すれば、敵の強さは、おおよそ肌で感じ取れるからだ。
そして、いま彼の勘は、明確に警報を鳴らしている。
――戦うな、と。
つまり、それは、この男が現有する戦力は、恐らくトライアングル・メイジである自分をはるかに凌ぐであろう、という確実な予感であった。
トリステイン魔法学院にメイジ多しといえど、この男とまともに戦える者があるとすれば、恐らくは学院長、『偉大なる』オールド・オスマンくらいであろうか。
そう思った瞬間、コルベールは、軍を辞して以来、久しく封じ込めていたはずの、戦いの“血”が騒ぐのを感じた。
282 :
代理:2008/01/15(火) 05:26:59 ID:9pIOsQNV
ルイズにも、いまやコルベールと長身の男との間に張られた、ただならぬ緊張の糸に気付いている。しかし、彼が一体、何に反応してそこまで戦闘的になるのかが分からない。
ただの目付きの悪い、しかも丸腰の平民相手に、トライアングル・メイジであるこの先生が、ムキになって杖を向ける理由が分からない。
彼女の知るこの教師は、少々変わり者ではあるが、あくまで静かで、穏やかな人格者のはずだからだ。
しかし、それはある意味、当然のことだった。
お嬢様育ちの公爵家の令嬢などに、しかも階級制の偏見に凝り固まった少女などに、眼前の平民の危険度を測れといっても、当然、出来ない相談であろう。
それは、歴戦の強者『炎蛇』のコルベールにして、初めて測れる事実だったからだ。
「……どうやら俺の質問の答えは、腕ずくで聞き出すしか無さそうだな」
そう男が呟いた瞬間、
「寄るな!!」
コルベールの叫びと共に、杖から赤い火柱が迸った。
「なっ!!?」
呆気に取れたように、今まで脇で成り行きを見ていた才人は、あらためて驚きの声を上げた。
コルベールの杖から走った炎は、彼の頭上で収斂され、一個の球体となり、さらに、どんどんその体積が膨張しているのが見えたからだ。
気が付けば、その炎球は、もはや半径1メートルほどにまで膨れ上がっている。
あんなものをぶつけられたら、人間なんぞ骨も残らないだろう。
――あのコッパゲのおっさんが、あの玉を造っているっていうのか……!!
才人は、慄然たる思いで、杖を振りかざす眼鏡の中年を見た。
「平賀才人、だったか」
しかし、その錆びた声に思わず振り向いた瞬間、才人はさらに唖然とした。
「もう少し退がっていろ。火傷したくなければな」
男は、笑っていた。
眼前の奇跡にまるで動じる事も無く、その口元には切れるような笑みが浮かんでいた。
283 :
代理:2008/01/15(火) 05:27:26 ID:9pIOsQNV
その笑みを見た瞬間、コルベールは、自分が男に抱いた本能的な警戒心が間違っていなかった事を確信した。それと同時に――今更ながらではあるが――もはや戦わずして、この場を生きてくぐり抜ける事は出来ないであろう事も。
コルベールが読み取った、男の笑みの意味――それは、もはや覆しようも無いほど明確な“敵意”だった。
「悪く思わんでくれよ……これは正当防衛なのだからな……!!」
「正当防衛……? それはこっちの台詞のはずだがな」
そう答えた男の笑みに、皮肉的なニュアンスが混じった瞬間、
「黙れっ!!」
コルベールは『ファイヤーボール』を放った。
彼が持てる魔力の半分以上を込めた、渾身の一発だった。
しかし、猛スピードで迫った火球が男を飲み込んだ瞬間、コルベールは自分の目を疑った。
人間の肉体など瞬時に焼き尽くし、溶解させるほどの熱量にもかかわらず、――火球に飲み込まれたはずの男が、
「――ばっ、ばかなぁぁっ!!?」
何と、火球の内部から、火球そのものを弾き飛ばしたのだ。
そして、炎の巨球を内側から破裂させ、煙の中から姿を現したその人影に、さっきまでの面影は無かった。
男は、先程と変わらず“居た”。
しかし、その姿は一変してしまっていた。
黒革の上下も、スカーフも、彼は身に纏ってはいなかった。
「……うっ、うそだろ……!!」
今度は才人が、うめくような驚愕の声をあげる。
いや、彼のうめき声の対象は、自分の呪文を破られたコルベールの悲鳴とは、明らかに異なる。
才人は見たのだ。
明らかに存在すべきではない、存在するはずの無い、その顔を。
直径2メートルに及ぶ、高熱の球体を内側から破壊して、なおも悠然と屹立する男の顔を。――いや、男の顔を覆う、その仮面を。
284 :
代理:2008/01/15(火) 05:27:55 ID:9pIOsQNV
赤い仮面。
白いマフラー。
複眼。
アンテナ。
立てられた襟。
そして、腰に巻かれた“変身ベルト”。
高度成長期以降の日本で育った子供なら、彼を知らない者などいるはずも無い。
伝説的な人気を誇った不死身のヒーロー。
だが、あくまでも彼はフィクションの、――画面の中の存在であったはずなのだ。
しかし、しかし、……“彼”は、ここにいる!
絶対的なまでの存在感と戦闘力を誇示しながら!
「あ……あんた、一体、何者なの……!?」
コルベールの背後で、文字通り腰を抜かしたルイズが尋ねる。
「オレの名は風見志郎。またの名を――」
「うそだぁぁぁ!!」
才人は叫んだ。
聞くまでもなく、才人は仮面の男の正体を知っている。
だが聞きたくなかった。
聞いた瞬間、この覚めない悪夢が本物の現実になってしまいそうだったから。
聞いた瞬間、もう二度と自分の故郷に――平成の日本に帰れなくなってしまいそうだったから。
いや、それ以前に自分の、平賀才人という人格が正気を保っているのかどうか、それすら分からなくなってしまいそうだったから。
だが、そんな才人の思いは、“彼”には全く届かなかった。
「またの名を――仮面ライダーV3」
才人は、意識を失った。
285 :
代理:2008/01/15(火) 05:28:25 ID:9pIOsQNV
273 名前:閑人A[sage] 投稿日:2008/01/15(火) 02:43:47 ID:CRC.yJus
え〜〜、投下はここまでです。
出典は「仮面ライダーspirits」の13巻あたり。
V3がヒバシラキックのあと帰ってこなかったら、てな感じです。
タイトルは……すんません、いいのが思いつかなかったので、次回からつけます。
お手数では有りますが、どなたか転載お願い致します。
キタキタおやじが召喚されました
V3のヒト。
文章も上手いし、盛り上げ方もすごいですね。
サイトの反応も意外で面白い。
今後の展開に期待します。
仮面ライダー増えてきたな・・・
V3か……。ゼクロスかと思ったぜ。
不粋を承知で言えば、火柱キックの後の風見が満足に変身できるとは思えないが。
とにかく今後に期待
目つき悪いもんな、魂風見。思わず危険人物と判断しちゃうよな。
爆発系キャラ同士での召喚も診たいな
吉良とかアーチャーもええけど、ウルトラダイナマイトとかいじめてくんとかやさしくしてねちゃんとかもう子供じゃないわちゃんとか
友達の家に泊まるって言ってきたのちゃんとか
1も読めないやつは書き込みしなくていいよ
ミサイルより爆発力のあるサウンドを聴かせてくれるアイツを見たいね
>>291 後半のはルイズだと爆発のトリガーが引かれようがない罠。
うむ、状況には引き込めかねないがまあ物理的にスイッチに届かないよねとw
いじめて君だとルイズが光の速さで自殺するぞW
アニメ版だと「宇宙のどこかにいる―」って喚び出したけど、
これって要するに平行世界とかじゃなくて、
高性能な宇宙船さえあれば地球とギニアを行き来できるってことだよね。
ガンダムやナデシコのレベルじゃ全然足りないけど、
999とかスタートレックくらい高度なら可能なのかな。
その辺は作者の設定次第だろ。
実際宇宙船の出てくる話はゼロの宇宙日記とか夜明けの使い魔とかあるけど、それで元の世界と行き来できるかはそれぞれだし。
298 :
双月の女神:2008/01/15(火) 09:50:45 ID:MBLyhh1I
ごめんなさい(涙)、十章の文章ファイルが壊れたです。
次回更新先延ばしに・・・(滝涙)。
必死に書き直しますのでもう少しお時間を・・・。
失礼をば。
トゥーカ予告。何もなければ五分後に。
アルビオンに数多い港町の一つ、スカボロー。
現在アルビオン紛争の最前線になったこの町は、人と物で溢れていた。
間もなく始まる王党派との決戦のため、貴族派が各地の兵力を結集して
いるのだ。
中でも特に、前線司令部として徴収された町一番の宿の警備は普段の
比ではない。招集された高官達の宿舎として利用されている事を鑑みて、
なお余るほどの厳重な警戒態勢である。
「失礼します!」
まだ年若い兵が、緊張した面持ちでその部屋の扉を開けた。奥の窓際
に配された執務机、そこで書類を読む人物へと敬礼する。
「ああ、そう畏まらずともよい」
軽く手を挙げて敬礼を解かせたのは、兵士よりいくらか年を経た細身
の男。丸い球帽にローブとマントを身につけた姿は、とても軍人や貴族
には見えない。また彼の発した言葉も、平民の兵を気にかける穏やかな
ものであった。
それでも兵は姿勢を直立に戻しただけで、決して気を抜かない。直属
の上司に対するよりもなお堅苦しい態度に、男は苦笑する。
「それで、用件は?」
「巡回行動中の『レキシントン』号より連絡があり、空賊船一隻を確保したとの事です」
「それはよかった。連中の通商妨害は悩みの種だったからな。乗員には何か褒美をやらねば」
「いえ、それが……」
「ん?」
ばつが悪そうな顔をして、兵士は説明を続けた。
連絡によると、『レキシントン』号が発見した時には、件の空賊達は
既に壊滅状態で、乗員達は僅かな生き残りを捕縛しただけらしいのだ。
さらに連中のフネは損傷が激しく、港までの牽引は不可能と判断。その
場で処分せざるを得なかった、と。
驚くべきは、その空賊船からウェールズ皇太子の死体を回収した事、
そしてこの一件が僅か二人によって成し遂げられた事である。
「なんと、それは本当か!?」
「報告が確かならば。それで、その二人なのですが」
一人は、トリステイン貴族ワルド子爵。名前を聞いた男の頬が緩むが、
もう一人の名を聞くと今度は眉根を寄せた。
「ゼロ、だと?」
「子爵の協力者だと申しております。間もなくこのスカボローに到着しますが」
言葉を続けようとした彼を、男は手で制した。口元には意味深な笑み。
「後でここに来てもらおう。遅くても構わんから、その旨を伝えてくれ」
「は、しかし閣下。恐れながら申し上げますが、ゼロなど明らかに偽名です。
いくら口で協力者と言っても、実情がどうだかわかったものではありません」
「なに、心配はいらんよ。子爵が連れて来たのなら、さほどの問題もあるまい」
「……了解しました」
なおも不満を残した風の兵が退室したのを見計らい、『閣下』は表情
を消した。窓の外に視線を移し、目を細めて雲の一つを眺める。雄大な
青に包まれた白い塊は、風に吹かれてみるみる千切れ、霧散した。
「ふん……いつまでも、流される雲のままでいると思うなよ」
Mr.0の使い魔
―エピソード・オブ・ハルケギニア―
第三十四話
『マリー・ガラント』号が桟橋に横付け、何本ものロープでしっかり
固定される。次いで甲板からタラップが降ろされ、最初の三人が大地へ
降り立った。クロコダイル、ワルド、そしてワルドの【遍在】。未だに
目を覚まさないルイズは、大きな布に包まれて【遍在】の腕に抱かれて
いる。彼女の存在を極力隠し通すためのやむない処置であった。
「さて、どうする? グリフォンがあるなら、城まで時間はかかるまい」
「いえ、今日はゆっくり休もうと思います。
精神力を回復させないと、いざという時命に関わるかもしれませんので」
「兄ちゃんの【遍在】も打ち止めみてーだしな」
鞘に納まったデルフリンガーが、笑いながら口を挟んだ。途端に鋭く
睨まれ、大げさに震えてみせる。
「おお、こわ。そんなに怒るなよ。戦力把握は必須だろ?」
「……ああ、そうだ。しかし、よくわかったね」
「魔法を吸い取る力の応用さ。
発動してる魔法にどのくらい精神力が使われてるか、何となくだがわかるんだよ」
「精神力の残り具合もな」と続けられて、ワルドは閉口した。手の内、
特に消耗状態に関しては、デルフリンガー経由でクロコダイルに伝わる
というわけだ。この様子だと、桟橋での裏事情も知られていると考える
べきだろう。デルフリンガーが勝手に能力を喋ったにも関わらず、用心
深いクロコダイルが文句一つ言わないのだから。今のは牙を剥かせない
ための牽制である。
「おい、世間話はそれくらいにしとけ。お客さんだ」
そのクロコダイルの声で、ワルドはすぐさま普段の顔を取り繕った。
一方のデルフリンガーも大人しく引っ込み、それきり黙りこくる。
貴族派への応対準備が整ったところへ、一人の兵士が駆けて来た。
「ワルド子爵、それにミスタ・ゼロでいらっしゃいますね。閣下がお待ちです」
「ああ。その前に一つお願いがあるのだが」
「何でしょう」
ワルドの言葉を聞いて、兵士の顔に不満がありありと浮かんだ。
気づかないふりをしたまま、ワルドは用件を伝える。
「先に荷物を運びたい。空いている部屋はないか」
「……でしたら、私がお運びしますが」
「私物だが、大切な品でね。すまないが、他人には手渡したくないのだ」
大事そうに布包みを抱える【遍在】を一瞥し、兵士は再びワルドへと
向き直った。露骨に嫌そうな表情だが、無駄な問答で時間を喰うつもり
はないようだ。
「では、先にお部屋へ御案内します。こちらへ」
「ありがとう」
宿を司令部にしている、というのは冒頭で述べたが、クロコダイル達
が通されたのもその宿の一室であった。随分と豪華な部屋で、一泊する
だけで相当な額を必要としそうだ。おまけに今は軍が接収しているのに、
そんな代物を無条件で使わせてくれるという。しかも、クロコダイルと
いう部外者込みで。
「随分と太っ腹だな。こんな部屋を用意してくれる閣下って奴は」
言葉とは逆に、葉巻を吹かすクロコダイルの目は笑っていない。それ
どころか、戦場のど真ん中にいるように殺気を放っている。
ワルドとしては正直たまらないのだが、自分も警戒している手前強く
出られなかった。代わりに黙々と【ディティクトマジック】による検査
を行い、盗聴アイテムの類いがない事を確認している。覗き穴がない事
は、真上に立ち上る葉巻の煙ですぐわかった。
「普通の鏡、普通のランプ、普通の窓、普通の壁……不審点はありません」
「感謝の極みだよ、全く」
忌々しそうに吐き捨てて、クロコダイルは葉巻を灰皿へ押し付けた。
「そろそろ閣下の顔を拝みに行くか。“私物”の管理は【遍在】に任せて、な」
「やあ、よく来てくれた」
クロコダイルが感じた彼の第一印象は、有り体に言って“冴えない男”
だった。意地汚い権力への個室も、神への狂的な盲信も、暑苦しく燃え
盛る正義感に燃える様子もない。とにかく地味で、あまりに淡白な人柄。
とても反乱軍の最高司令官には見えなかった。
「やはり不思議だろうね、余のような軟弱者が軍を指揮しているのは」
「いや……失礼した、クロムウェル閣下」
「気にしないでくれ。大っぴらには言えないが、自分でも理解しているよ」
朗らかに笑い、クロムウェルは二人にソファを勧める。物腰も柔らか
で、警戒していた事が馬鹿らしく思えるほどだ。本性なのか演技なのか、
クロコダイルでも判断しかねた。ひょっとして、部屋をあてがった事も
純粋に好意と感謝からなのではないか。
「さて、まずはワルド子爵に礼を言わせてもらおう。
ウェールズ皇太子の暗殺という難しい任務、よく成し遂げてくれた」
「恐縮です」
「そして、ゼロ卿も。子爵の成功は卿の協力があってこそと聞き及んでいる」
「光栄に思う。
ただ、一つ訂正させていただけるなら、おれは貴族の称号を持っていない。卿は不要だ」
そう言って、クロコダイルは腰のデルフリンガーを小突いた。
平民出の剣士だというニュアンスを込めての仕草に、クロムウェルは
首を振る。了承を示す縦ではなく、否定を示す横に。
「これはすまない。だが、貴殿はメイジなのだろう? それも土系統の上級者」
「何故、そう言える」
「空賊船の中は砂まみれだったそうだ。さらに、何人かが大きな砂柱を目撃している。
ワルド子爵の系統は風。砂柱を作れるほどの土メイジは生き残りの中にいない。
ならば、消去法で貴殿の魔法だと考えるのが妥当だ。素人の推測ではあるがね」
ほう、とクロコダイルは口元を歪めた。貧相な見た目に反して、この
クロムウェルという男、存外頭が働くタイプだ。素人なりに得た情報を
分析し、考察する力がある。ぼんくらな外見で油断していると、知らぬ
間に計略の一部として組み込まれかねない。正直に身上を話すのは愚策
と考えたクロコダイルは、目を細めつつ偽りの自己紹介を始めた。
「いかにも、おれは土系統だ。使える魔法は少々偏っているが」
「よければ一つ、手並みを見せてもらえないか」
「ふむ。では……【砂嵐】」
呟きと同時に、広げた掌に砂が溢れて渦を巻く。およそ10サントの
小さな【砂嵐】が回転し、部屋の空気をゆっくりとかき混ぜた。
珍しい大道芸を見たように、クロムウェルから拍手が起こる。
「素晴らしい! 時に、杖を振っていなかったが……どうやったのだ?」
「昔、戦場で片手を失ってな。それ以来こいつが代わりだ」
砂嵐を消し、クロコダイルは左手のかぎ爪を差し出した。今まで見た
杖の形は様々であり、故にこんなモノでも言い張れば通ると思ったのだ。
いわゆる『杖』以外に造花やサーベルなど様々なデザインが存在する中、
かぎ爪ぐらい違和感もあるまい。
実際、クロムウェルは納得したように大きく頷いた。
「なるほど、それならば誰も杖とは思うまい。いやはや、貴殿が敵でなくてよかったよ」
「その“敵”に関して、一つ相談があるんだがな」
「何?」
クロムウェルが安堵している今を逃すまいと、クロコダイルはぐっと
身を乗り出した。話を持ちかけるお膳立ては十分に整っている。後は、
どれだけ相手の興味を引き、乗せられるかだ。
「アルビオン統一後、閣下は他の国も制圧する腹づもりだろう?」
「ん、ああ。特に急いで、という訳ではないが」
「なら、トリステインへの侵攻をしばらく見合わせて欲しい」
突拍子もない話に、クロムウェルの目が点になった。ワルドも同様に
驚いた顔で、クロコダイルを呆然と見つめる。
「……納得のいく説明を、してもらえるのだろうな」
「無論だ」
食いついた事に内心ほくそ笑みながら、クロコダイルは話を続けた。
まず第一に、両国間の地理条件。補給路の確保は軍にとって死活問題
であるが、アルビオンは常に移動を続けており、進攻先との距離が安定
しない。これは安全かつ確実な補給を困難にする。
また、正面から戦争するとなれば、必然的に軍全体の消耗が早くなる。
どの国相手に戦ってもそれは同じだが、そうして疲弊した所を別の国に
攻撃されればあっけなく潰えてしまうだろう。言うまでもない事だが、
王家の支配に反逆している貴族派と同盟する国は存在しない。いずれの
国が“漁父の利”を狙って行動してもおかしくない状況だ。
「では、持久戦に持ち込めというのかね? 経済的には弱国であるアルビオンが?」
「真正面から攻め込むよりは長持ちするだろう。その間に、裏側から崩せばいい」
先述の距離の壁は、アルビオンが関わる戦争に於いて攻撃側に対して
のみ制約として働く。逆に防御側の視点では、敵軍を疲弊させる武器の
一つだ。有効利用しない手はない。
クロコダイルの意見を聞いたクロムウェルは、苦笑いしつつワルドを
指差した。
「内部工作ならば、もうやっているよ。現にグリフォン隊の隊長はこちら側にいる」
「まだまだ。他の国も含めて徹底的に手を入れて、政権をひっくり返すのさ。
そうすれば余計な戦力を使わずに味方が増やせて、地上の拠点も確保できる。
最終的に戦う事になっても、裏切りを恐れて全力を出せない軍相手なら楽勝だ」
本音を言えば、クロコダイルは戦争の勝ち負けなどどうでもよかった。
唯一、貴族派が擁する兵力、国を覆すほどの軍事力だけは非常に魅力的
である。トップたるクロムウェルを丸め込んで誘導すれば、あっという
間にそれを手中に納める事ができるのだ。可能な限り消耗させず、手元
に引き込みたいところであった。
問題は、クロムウェルが出会ったばかりの自分を信用するかどうかに
ある。つなぎとしてワルドを挟むのは、思った通りに動かすには不適当。
余計な意思が介在すると、伝達された情報は歪むものである。可能なら、
自分が直接意のままに動かせる傀儡に仕立てたかったのだが。
「貴殿の案は興味深いな。だが、初対面の相手の意見を軽々しく重用する訳にはいかない」
やはりと言おうか、クロムウェルは素直には頷かなかった。
こういう時に使えそうな物――例の恋文は【遍在】の懐で、交渉材料
としてもいまいち弱い。死体から拝借したあの指輪なら手元にあるが、
賄賂にこれ一つでは少なすぎる。物欲に乏しい相手には効果も薄かろう。
いっそ『風のルビー』と偽って渡すか。万分の一の確率で本物かもしれ
ないが、その時は枢機卿に「既に王党派の手から失われていた」と釈明
して誤摩化せば――。
クロコダイルがそう考えていた時だ。
「ただし、だ。余の“個人的な頼み”を聞き入れてくれるなら、考慮する余地は充分にある」
「……何?」
クロムウェルの申し出に、クロコダイルは虚を突かれた。怪訝な顔を
見て気を良くしたのか、クロムウェルは手振りを交えて饒舌に語る。
「貴殿とワルド子爵は、トリステイン出身の人間だ。
そして、現在のアルビオン王は先代トリステイン王と兄弟にあたる。
我々貴族派の降伏勧告を突っぱねた彼らだが、君達なら無下には扱うまい」
「生き残りの王党派に潜り込んで殲滅せよ、と?」
ワルドが口を挟むも、クロムウェルは否定した。実に楽しそうに。
「貴族派に討ち取られたウェールズ皇太子の亡骸を、送り届けて欲しいのだよ」
...TO BE CONTINUED
以上、三十四話トゥーカ終了。
すばらしい暗躍具合
土メイジ(偽)が通用することも分かったしさてどう動くやら
トリステインはオランダ・ベルギーがモデル、ならば”地元”の英雄を・・・
と思たがパトラッシュとネロくらいしか思いつかん
やはりこちらでも原作者はアルビオン人で地元ではまったく無名…
地元では顧みる必要のない負け犬と言われているかわいそうな1人と1匹を戦争に放り込むのか。
かわいそうなことしてやるなよ。
感動と可哀相の涙を取り違えてる日本人
平家物語の頃からの流れなんだから、それはもう日本人の民族性としか言いようがないよね
オランダと言ったらさまよえるオランダ人とチューリップと麻薬と反日と植民地主義しか思い浮かばない。
ダッチワイフ……
オランダつながりでロボダッチのタマゴロー召喚。
Mr.0の方乙そしてGJでした
何という暗躍っぷり
ルイズの今後が心配になる
オランダといえば風雲児たちにヘイトというオランダ商館長がいたような
>>289 召喚の謎現象で直ったんでしょうきっと。
ゼロ魔クロスではそれなりによくある展開。
>>312 フライングダッチマンの事かーっ!!!
確か、最後の審判の日が来るまでさまよってないといけないんだっけ?
フライングダッチマンに惚れて彼と世界を彷徨うフライングダッチワイフとなる道を選択したルイズの物語か
フライングマン思い出す。
「つよきす」よりフカヒレこと鮫永新一召喚
・・・・・・・・や・・・役に立たねぇ・・・
ガンダールフ補正受けてもトップクラスの無能だ・・・
うろ覚えだが魔界都市ブルースだと新宿が停泊地になってたな>フライングダッチマン
>>322 おいおい、フカヒレは覚醒したらシャークになるんだぜ?
フリッカージャブでギーシュだってボコボコさ
まあ、ギターはそこそこ上手いし、使い魔品評会でもそれなりに目立てるんじゃね?
>>324 でもだって覚醒したところでフカヒレは所詮フカヒレ・・・
っていうかやっぱマリコルヌの使い魔なんだろーなー
ここはよっぴー召喚だな。こここそ自分の居場所とルイズと互いの人形を作りあい
永遠の忠誠を誓う合う二人、しかし…
素敵な男性がいない
今日さ、秋葉でゼロのDVD売ってるところをいろいろ巡ってみたらさ、
スクリーンでやってるんだよ1話と2話が。
おーやってるやってる、ルイズかわいいなーと思いながら見てたらなんだか急に懐かしくなった。
見覚えのあるシーンや聞き覚えのあるセリフが次から次へと流れてくる。それが妙に心に響いてね。
アニメが始まったのはたった2ヶ月前のことなのに、ずっとルイズと一緒にいたような気がして、
まるで昔の思い出を見ているような気分になってすごく懐かしかった。
その後、帰りの電車の中でのこと。
ホントノキモチを無限ループで聞きながらルイズのことを考えてたらさ、ふと気付いちゃったんだよ。
来週からはもうこんなかわいいルイズを見ることができないんだって。もう会えないんだって。
もちろんDVDは買ったからアニメ自体はいつでも見ようと思えば見れるんだけど、
それは既に感じたようにあくまでも過ぎ去った思い出でしかなく、そういうのじゃなくて、
生き生きとしたルイズと新しい思い出を作ることはもうできないんだって気付いてしまった。
毎週のようにルイズを見て幸せになって、ルイズの新たなかわいさを発見して打ち震えて、
また来週を楽しみに生きていく日々は終わってしまったのか。
ルイズとお別れだなんて信じたくなかった。妄想と思い出だけで生きていける自信なんてない。
寂しくて寂しくてたまらなくなった。
目を閉じて寝たフリをして下を向いても涙が零れてきて、目がかゆいんだとアピールするかのように
ちょびちょび指で目を擦っている俺は傍からみるとかなり変態的だったと思う。
目を擦ってたら寝たフリにならないじゃんなんて当然のことを考える余裕すらその時は無かった。
がそんなことはどうでもいい。一体この先どうすればいいんだ俺は。寂しくて死んでしまうかもしれない。
もっともっとルイズが欲しい。かわいいルイズとずっと一緒にいたい。
いつまでもルイズを見ていたい。ルイズのかわいさをもっと感じたい。
ルイズはかわいい。本当にかわいい。最高にかわいい。かわいいよかわいいよルイズ。
ルイズ…ルイズ…ルイズううううううううううううううううううううううう!!!!!!!!!!!!!!!!
ううっ…ルイズぅ…行っちゃやだよぉ…大好きだよ…大好きだよ…ルイズ…
330 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/15(火) 17:26:03 ID:td9Hnpz3
俺ルイズ本編全く知らないでウィキから飛んできたんだけど、ガンダールヴってさまざまな武器・兵器を扱う才能を有した使い魔なんだよな?
色んなアイテム使用することに長けた使い魔………。
それ、どこぞの慢心王とか出てきたら面白くないかね?
>330
志村ー>1ー>1ー
333 :
330:2008/01/15(火) 17:32:49 ID:td9Hnpz3
なるほど、こんなとこがあったか。
いや、ごめん。マジで気づかなかった。≫332
>>333 謝らなくていいからメール欄にsageと入れようか
下げろカス
少なくとも本編知らない奴でしかもテンプレが見れないやつには
書いてほしくはないな。
>色んなアイテム使用することに長けた使い魔
そりゃ一番は青い恐竜だろう。外部装甲を付け替えることであらゆる状況に対応。
本編ってのは原作のことな。
アニメ版や漫画版はあくまでも派生商品。
2期は結局コルベール先生死んじゃったぽいしな
迷子は誘導されたからいいとして、暴言は止めなって。テンプレ以前に常識だから。
2期ッテナンダッケ
※ゼロ! ヴァリエール!
ゼロ! 君の番!
ゼロ! たたかえ!
ゼロはそこまで来ている
ゼロは怒りに燃えてる
デレの炎をくぐって やがて現れる
平和を壊す敵は 爆破で叩きふせる
それが ゼロの使命 それが ゼロの願い
始祖のルビーが燃えて 爆破たちまち起こり
たたかう たたかう
ヴァリエール ゼロ
※くりかえし
そばかすのないシエスタなんていなかったんですヨ
くぎってだれですか
さやにいれてもしゃべるデルフはにせものです
実在の人物系の話がもっと見たいね。
ジャンボ鶴田、ブルーザー・ブロディ、アドリアン・アドニス、フリッツ・フォン・エリック
橋本真也、アンドレ・ザ・ジャイアントのハルケギニアでの活躍が…
馬場さんやアンドレは亜人扱いかなあ
なんでプロレスラーばかりなんだw。
せめてVシネ版サンダーライガーにしとこうぜ。
永井先生版の原作ライガーも時々は思い出してあげてください。
永井先生版というかTVアニメ版はヒロイン二人がエロかったよね。
あれで小学6年生なんだぜ…
>>345 実在の人物はあれなので、板垣作品のアンドレアス・リーガンや猪狩、斗馬で我慢しましょう。最近のならチェ・ホマンてのもいたね。
あれはフィクションだから。うん。
プロレススーパースター列伝があるじゃないか
>>350 そのメンバー全員フルボッコされたじゃねーかww
いや・・・斗馬は負けただけか
おーけー、ならばアイアン木場でどうだ。
プロレススターウォーズの猪木ならブリッジしてる間に
いつの間にか敵が場外まで吹っ飛んでくれる
ではアホーガンで手を打とうか
シコルスキーやガーレンを召喚するのか
板垣作品からならドイルでいいだろ
オリジナルか元になった誰かがいるのかは知らんけど
ここは播磨灘に
いや、こうなったらもうバキ出しちゃお。
ピクr…ごめん嘘
武器使いということで本部しかいないな
なんでも知ってるあの人なら虚無の各呪文も詳細に解説してくれるはずだ
363 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/15(火) 19:41:19 ID:Md7H0D5q
ジルオールの虚無の子シャリを・・・
いくらなんでもマイナーすぎるか・・・
>>363 アンリエッタ闇落ち確定だな
でもどうせならフェティ様のほうが会話が噛み合わなくて面白いとおも
浦安鉄筋家族から
国会議員(汗)
366 :
つかつか:2008/01/15(火) 19:56:29 ID:1z57JQN6
20:00に投下します。
よっしゃカモン!
支援準備
らじゃー
支援体制完了!
おいすー支援
支援
>>365 ちょwwwww学園がウ○コまみれになるぞwwwwww
支援
支援
? トラブルか?支援
異常発生?
何があった?
避難所には特に変わりは無かったが
ま、ホントにトラブルがあったら避難所にも書き込めないしな
まったりとまつべー
釣られた? 支援
リアルで所要をしていた。申し訳ない。
……早いもので、レッドがルイズの使い魔として召喚されてから一週間が経過した。
あの、ギーシュと決闘を交わした日からすると既に二日がたっている。
使い魔としてのレッドの名は、その二日のうちに学院内の貴族、平民の間に瞬く間に広がっていた。
五話
何もないなら支援にもならんだろ…
支援開始
一安心支援
支援
支援
よしキタ。支援。
支援
支援
支援
パソコンの調子がおかしい、避難所でやるべきかな?
噂を聞いた貴族達の中で、レッドの評価は様々なものだった。
ギーシュを倒した使い魔。平民の癖に強く、不気味な存在と見てまったく近寄らないもの。
彼らが特に不気味と感じたのは、単純に誇張の強まった噂のせいだけではない。
何を話しかけようともまるで反応を示さない人形のような意思表示。はたから見ているだけで、
ルイズとの関係性を主従かと疑いたくなるほど勝手な、レッドの捻くれたように見える人間性が原因だった。
レッドの話のさい、生徒達の間ではよく本の虫こと『雪風』の女の子が比較対照の話題に上がるのだが、
思えばあの子にはキュルケというまんま爆弾のような友人がいることをふと思い出す。
とにかく、今まで不気味というか、比較的浮きまくっていた『雪風』すら可愛く見えてしまうほど、
レッドの存在は浮いていた。
また一方で、【ゼロ】の召喚した彼を相変わらず軽んじる者達もいた。
主に上級生達であり、その中でも特に貴族としての我が強い者達である。
決闘を目の当たりにしている者たちも、所詮アイツが倒したのはドットのギーシュだ。と
廊下を歩くたびに言い放ち、わざわざ大人数でレッドをよく見かけるという場所の近くにきては
本人とすれ違ったときになどにわざとらしく肩をぶつけ、罵倒する。
もちろんレッドは謝った上で相手にもしていないのだが、それを「ビビっている」だとか「怖気づいた」
だとか演技満々で笑い飛ばし、さんざん皮肉をぶちまけながら帰って行く。
悪口のさなかにルイズが出っ張り、ケンカすることもある。
大抵の場合上級生の「この使い魔は躾が〜」からルイズが叫び返すことで始まり、
ルイズの負けず嫌い気質をフル活用したわめき合いに続く。
しかし、いくらルイズの負けん気が強かろうが家系が凄かろうが、多勢に無勢で
しかも肝心の使い魔はまったくの無関心というどうしようもない現実が叩き付けられ、いつも敗北する。
ちなみに、ルイズはこの後使い魔を部屋に引っ張ってお仕置きしようとするのだが、
毎回の如くレッドの前に不可視の壁が現われて、ムチがはじかれるだけで終わる。
触れるどころか近寄ることも出来ない、コレもポケモンとやらのせいなのだろうと思うと、ただムカついた。
レッドはそのうちその場に座り込み、何食わぬ顔で『図鑑』とよんだ赤い箱をガチャガチャ
いじくり始める。
その態度を、ルイズは挑発されていると、ナメられていると受け取って、
無駄だとわかっても必死でムチをふるい続けてやがて疲れ果てるのだった。
その隙をみて、また悠々と外出。行き先はほとんど厨房、もといシエスタ。
息を荒げるルイズのこめかみに反射的に青筋がたつが、「進歩。これは進歩しているのよ」
と自分に言い聞かせ、ルイズは下腹あたりにくっと力を込めて後姿を見送る。
行き先を告げるようになっただけまだマシである。
なにせあの日の夜以前は、何も言うことなく何も答えることなくどこぞなりとふらふら消えていたのだから。
――――そう、このイラだち、コレは進歩だまだマシだ。
何の進歩か本人をしてよくわかってないが。
支援
sienn
支援
し〜えん
支援
支援だニャース
支援
支援し右
左舷支援
加えて、進歩――「変化」――はまだあった。
レッドは朝には必ず部屋にいるようになったし、ルイズに顔を洗わせることと服を着させることもした。
朝食となると食堂に入る前にどこかに消えるのだが、まぁ厨房……シエスタのところに朝食をとりにだろう。
ここは変わらない。
大きく変わったのは、レッドが共に授業を受けはじめた事だった。
隣の椅子に座り、先生の話す内容を眼をぎらつかせて聞き入る。そりゃあもう、怖いくらいに真面目に。
そして、そのときだけやけに素直になる。
黒板に書き込まれる字は読めないと言い、素直にルイズに聞いてくる。小声でしぶしぶ説明してやると
頷くなり小声で「むー」とうなったりする。
わからない問題があると言うと、それこそルイズが授業にならないくらいしつこく聞いてくる。
授業が終わった後も聞いてくる。言葉態度は冷静に、しかしひたすら眼を輝かせて。
隠し切れないほど好奇心の強い性格だ。とルイズは感心した。
幼い子供のように、未知や神秘に頑なに惹かれるのだろう。そしてそのときだけ、
必死で覆い隠している冷静な皮が剥がれ落ちてしまう。
思わず、こっちこそがレッドという少年の、本来の姿ではないかと疑った。
意外とかわいいやつじゃない、と心の中で微笑んだ。
なによりこれはルイズにしかわからない変化だったのだ。ざまぁみなさい、メイドめ。
授業が終わると、レッドはさっさと立ち去った。
それは、今日も同じこと。
支援
右舷支援
レッドは興味を持ち始めていた。他の何でもなく、魔法という神秘に。
自分はトレーナーとして様々な場所を冒険し、修行を積んできた身だ。
途中、正義感から最強とささやかれるマフィアと戦い、ボスを倒し壊滅にまで追いやったこともある。
『伝説』とされる存在と合間見えたし、かつての『最強のポケモン』とも戦い抜いたことだってある。
それでも、三年以上を費やした冒険と修行の中で、これほど特異な現象と出会ったことはなかった。
この世界は「ポケモン」と「魔法」の世界的な価値観が逆になっているだけだと頭の中の冷静な部分
は判断を下すが、そうじゃない。と頭のどこかが否定する。
ギーシュとバトルしたとき、あのワルキューレというものを見て心が躍った。
思えば、トレーナー戦は何時ぶりだったろうか? あれは間違いなくポケモンではなかったが、
体は勝手にデシャヴを起こして腰のボールに手が行った。
『青銅』=『はがねタイプ』という計算が体で無意識になされた。手は自然と四番目を取った。
勝負は一瞬。今までならつまらないとはき捨てる結果は、その過程に意味があった。
――楽しい、ということを思い出したのだ。
ルイズを【さいみんじゅつ】で眠らせた後。シエスタをさがした。ある頼みごとをするために
朝、仕事終わりに会う約束をしていたのだった。
向かった場所は学院で働く者が寝泊りする宿舎。しかし、中に踏み込んだりはしない。
少々回りくどいが、事前にマルトーのおじさんに話を通して呼び出してもらっていた。
仕事が終わって疲れているだろう彼女に会うのはやや心が痛むが、それはシエスタはいい人だからである。
だが、レッドの心は他者へのいたわりのそれよりも、久しく感じる好奇心の方がはるかに勝っていた。
学院の外で待っていると、シエスタはおずおずと出てきた。給仕服は脱いでいる、当然か。
彼女は顔をうつむかせている、目線を横に流して意図的に眼を合わせないようにしているのは明らかだ。
やはり仕事上がりのやっと訪れた自由な時間に呼び出されて、嫌なのだろう。
謝りを入れて引き返すことも考えた。でもやっぱり、好奇心がその場に体を縛り付けた。
「あの……レッドさん……」
弱弱しくそう切り出したのは、シエスタからだった。
掛けてやる言葉を詮索したが、今にも泣き出しそうな人を前に体が動かなかった。
まったく情けないことだ。と冷静な部分の自分がごちた。
しかし、シエスタの次の言葉は、予想を斜め上に超えていた。
「ごめんなさい!」
それは、一途な想いの篭った、確かな謝りの言葉だった。
支援
支援
支援
支援
支援
過剰支援うざい
おー、確かに進歩してるな支援
「…………へ?」
気が抜けた。憑き物でも落ちたんじゃないかってくらいにずるんと、壮大に。
シエスタはこちらの様子などお構いなしに、再び頭を下げた。
「あの……本当にごめんなさい。私のせいでレッドさんが決闘なんかすることに
なっちゃって……その、私は」
「……あー、そうだったな……」
呆け面で頭をかきながら思い出す。ギーシュとバトルする原因の一端は彼女にあったなーと、……完全に忘れていたが。
――しかし、それだけのことでここまで謝ってくれるとは、シエスタはよほど人がいいのか。
それともこの世界ではそれだけ身分に差があるのか?
「……別にいいさ、勝ったし」
「え、あの……じゃあ、許して……くれるんですか?」
シエスタは恐る恐る聞いた。
「だから、いいって言ってますって」
言葉の後、シエスタは感極まるとでも言える笑顔になり、レッドの片手を包むように握った。
レッドは一瞬びくッと肩を震わせ、ぼうっとした眼でシエスタを見る。
頬をうっすらと赤く染めたその顔は、やわらかい笑みを浮かべていた。
「ありがとうございます………えへ、レッドさんてもっと怖い人かと思ってましたけど、
意外とやさしい人なんですね……」
野に咲く花のような笑顔を言葉と共に送られると、レッドは返す言葉もなくシエスタから乱暴に手を解いた。
それからくるっと背を向けると、たいして乱れてもない帽子を、深くかぶり直した。
ようやく頼みごとをするのは、それからしばらく経ってからのことだった。
支援船団
支援
…PCはちゃんとメンテしてますか>中の人
それからというもの、マルトーのおじさんをはじめとする厨房の面子。
シエスタをはじめとする召使いの面子にやたらと好意的に接せられるようになった。
出される飯は貴族に出すものと間違えたのと聞いてしまうくらい豪華なものに昇格し、
ふと一人で廊下を通りすがれば、ほうきを持った召使いの子から気軽に話しかけられた。
中でも、シエスタは一段と好意を寄せてくれていた。
それは悪くない……どころか気分がよかった。懐かしい想いに浸っている気がして、心が温かくなる。
隔てのない人たちと接したのも、レッドには久しぶりだった。
いい感じにかわいらしい反応だな支援
支援
支援
うんなんかいいな支援
そして、レッドが興味を持ち、積極的に授業に参加したのは単に魔法だけではなかった。
むしろレッドにとって魔法よりも興味深かったのは、教室の周りにいる他の使い魔たちのことである。
彼らは皆レッドと同じように召喚されたワケだが、そのことを聞いたレッドは妙に真剣な表情を浮かべた。
彼らはレッド以外動物であり、そのうちのほとんどは、レッドのいた世界にも種類がいた。
初めて授業に参加したレッドは、彼ら全てを見渡そうと目線を配らせた。
だが、コレといって驚くような奴は教室内にはいない。あきらめたように息をつき、
ふと窓の外を見て……驚きに、眼を見開いた。
窓の外に待機していたのは、一匹の竜だった。青白い肌の、かなり大きな竜。
しかも偶然なのか、竜の大きくてくりくりした眼は、レッドの方をじっと見つめている。
「……おい」
「……なによ? おとなしくしてなさい」
「外のあれ……なんだ?」
レッドが小さく指差すと、ルイズは指を追って外を見た。
しばらくして、ふぅ、と疲れたようにため息をつく。
「あれはウインドドラゴンの幼生よ……」
「……! ドラゴン……」
レッドの頭に浮かんだのは、かつての四天王の『将』。
圧倒的な破壊力と耐久力を生まれ持った伝説の生き物、ドラゴンタイプを駆使する
おそらくは短い生涯の中で、二番目の強敵。
こっそりと図鑑を開く、その対象をウインドドラゴンとやらに向けるが……
支援
支援
し〜え〜ん
支援攻撃
きゅいきゅいがポケモンボールに入るか! 支援
でっかい支援です。
ポケモンかどうかの分かれ目www支援www
支援
ひとの ものを とったら どろぼう! 支援
気になるぞ支援
『ザー……ザザー……ザ、ザー……』
やはり、まともに機能してくれなかった。
そしてこの日、錬金という時間にクラスメイトに冷やかされたルイズがムキになって、
前に出て実験をすると名乗り出た。
途端にクラスメイトの何人かが悲鳴を上げ、何人かはもくもくと机の下なりに隠れる逃げる。
たかが学校の実験で逃げ隠れる意味がわからなかったが、キュルケという女子生徒が呆然と
椅子に座っていたレッドに、隠れた方がいいと教えた。
ワケわからぬまま机の下に伏せた直後、それこそマルマインが【じばく】でも起こしたような爆発が巻き起こり、
教室は本当に【じばく】……それどころか【だいばくはつ】でも起こしたような惨状になった。
「…………ちょっと失敗しちゃったわね」
そして、【じばく】の中心にいたはずのルイズはひんし状態になることもなく、
すすだらけの顔に苦笑いを浮かべて、そう言った。
ああ、意外とあいつのがポケモンっぽいな、とレッドは思った。
失礼すぎるw 支援
やっぱ機能せずか支援
同時刻――――……
太く、また見るからに頑強で巨大な鉄の扉。その扉は中心から二つわけで、一応人が触れれるところに
ぶっとい閂がかけてあり、またその閂にも巨大で重そうな錠前がコレでもかと掛けられていた。
念の入れようがありすぎるが、当たり前であった。何せここは宝物庫の扉なのだから。
その前に、一人の女性が立っていた。
すらりとした長身に、出る場所はしっかり出ている体つき。
薄緑のキメのある髪を胸の位置まで伸ばし、知的な眼鏡が似合う大人な女性は
愛しそうにそのぶっとい錠前をなで、眼前に壁として立ち上る扉を見上げていた。
女性の名は『ミス・ロングビル』。
学院の長、オールド・オスマンの秘書を務める優秀なメイジである。
普段からまじめで清楚。そしてオスマンや教師であるコルベールを見惚れさせるような美人
である彼女の眼は、しかし今目の前の『壁』を見上げる眼には、悔しさと憎憎しい感情が混ざり合い、
その表情は心の中で舌打ちをもらすほど苦いものに染まっていた。
「……予想はしていたけど、まぁ、強固な扉だね」
まったく、と息をつき、手に持った杖をポケットにおさめる。
扉を開けるために『アン・ロック』、『錬金』と試してみたものの、まったく効果がなかった。
わかりきっていたことだが、ただでさえクソ分厚いこの鉄の塊にはすさまじい『固定化』が仕掛けられている。
そして、自分にそれを破る技量はない。
どうしようと考える。この扉を開ける方法はないものか、頭を捻る。
誰か強力なメイジを連れてくる……自分以上に強力な『土』のメイジはそうどこにもいない、却下。
自らの技量を上げ、この扉を開ける……短期間でこれ以上のスキルアップは難しすぎる、大体自分は
ここにずっと居座るつもりはない、却下。
「お手上げか。はぁ、あたしとしたことが目の前にあるお宝に手が出せないなんてね」
ため息でずれた眼鏡をくいっと持ち上げる。と、そのとき。
「おや、ミス・ロングビル。ここでなにをしているので?」
何の気配も前触れもなく、見知った声が聞こえてきた。
まあ大爆発食らったらポケモンすら死ぬしなw
ルイズポケモン化計画ww支援
支援
支援
439 :
つかつか:2008/01/15(火) 20:35:56 ID:1z57JQN6
投下終了です。
支援には感謝します、本当に申し訳ない。
次の話は避難所に投下してみます。
もしかして書きながら投稿中?
データが飛んだのか? 支援
乙
ルイズモンww
442 :
つかつか:2008/01/15(火) 20:37:16 ID:1z57JQN6
>440
いえ、ちゃんと書いたものをコピーしてペーストしてます。
すまんかった
あと乙〜
乙
楽しませてもらいました
乙でした
下手なポケモンより強いのかルイズ
最近書き込みの調子がおかしいらしいしそのせいじゃないかな
まー投下が上手くいかないなら最初っから代理を頼むってのも一概に悪いとは言えんしな
それよりもPCをちゃんと調べる方が先かもね
そしてレッドが頼んだ内容が気になるZE
GJ
乙
なんというツンデレポケモン
これは間違いなく性格はいじっぱり
>>448 ルイズ ツンデレポケモン
たかさ 1,53サント おもさ ???
べつめい ゼロの ルイズ。
きょむの まほうが とくいで つかいまに よく なつく。
しかし すなおに そのきもちを あらわすことは すくない。
>>449 >すなおに そのきもちを あらわすことは すくない
確かにww
>>449 思わず噴いたwwwwww
おぬし、私の麦茶を返してくれないかwwwwwwwwwww
VIPで似たようなのがあったな……<くぎみやポケモン ルイズ
>>454 これ以上オレの腹筋鍛えさせないでwwwwwwwww
どっかのサイトでモンスターボールに入ったルイズが居ましたね・・・
ルイズがポケモン図鑑にも表示されたりしてたし・・・何処だったかな?
小ネタ
おそ松くんからおそ松兄弟
「ああ愛しのルイズ、ミーは再開をどれだけ待ち望んでいたか」
「やい、ワルド、またよからぬ事をたくらんでやがるな」
「な、失敬な!チミ達使い魔なのだからミーを敬えザンス」
「うるさい、みんなやっちまえ」
「おう!」「ほいきた!」「とっちめよう!」
ぼこすかぼこすかぼこすか ぼこすか
「シェーーーーーーーーーー、・・・・ガクッ」
「あ、あなたたちワルドさまになんてことするの!」
「うひゃー、ルイズが怒った」
「逃げろ逃げろ」
「わー」
「ひぇー」
スマブラXに出番が回ってきたので
ピクミンよりオリマー&ピクミン達を召喚
宇宙船がたどり着いたのはハルケギニアだった!
あまりの小ささに見えなくて大半のピクミンが踏みつぶされますが何かww
言葉にもできねぇ……悲しすぎるだろ
もやしもんの影響でルイズが菌類の幻をみるようになりました
(おい、ルイズかもすぞ)
(ちょっとこっち見ろ)
「あなたたち、うるさいわよ!」
「ルイズがついに幻覚や幻聴が見えたり聞こえたりするようになったぞ」
「ルイズかわいそうに」
「あいつは向こうの世界(深遠)を覗いちまったんだよ・・・」
遠見の鏡で見ていたオスマンとコルベール
「学院長、ルイズが心を病んでしまったようです」
「まぁ待ちたまえ、あの額に現れたルーンあれはミョズニトニルンのものじゃないか」
「たしかに似ているようですが少し違うようです」
スマブラ延期とか聞くけど大丈夫なんかね
抜けがあったので誰も予約がないなら投下します。
抜け?
とりあえず支援
しえん
第1話使い魔召還ー4
ただいまなむ憂い。羞恥。無邪気な笑顔。そしてまた微笑み。
体の芯から湧きあがる怯え。気持ちが昂ぶる。
照れ臭いのか、ルイズは電気信号をギャロップから(ry
「……でてけ」
これだからおぼこは困る。股間を押さえつつシンジは階下へと進む。
すると髪の長い少女ランクB-が金髪の変態に絡まれていた。
肩をつかんで押し倒そうとしているではないか!
「お○こすべぇ。ヘヘヘ」
ムカムカしてきた。とりあえず指弾で股間を攻撃だ。
「おいそこの下衆!」
「んだよ?これから」
バシュッ!金髪の股間と叩きつけられる。情けでみねうちだ。
「ぐぇ!」悪漢の断末魔が女子寮に響き渡る。
ついでにランクB-を攫って腕の中に絡みとる。
「ぽっ。」
「よし!ずらかるぞ!」お姫様抱っこをして彼女の部屋へ進駐だ。
「私、どうしたのかしら?」
「変質者に襲われかけていたんですよ、お嬢さん」
「私の服を脱がせたのは誰?」
「僕ですよ、君を正気に戻すために」と紳士なシンジ。
暫く、ランクB-はベッドに座ったまま、シンジを見つめる。
濡れた唇を開く。魂が溶けてゆく。
「じゃあ、私を愛してくださっているのですか?」
にじり寄り両腕を廻してきた。奇妙な確信をこめてシンジを捉え、乳房を押し付け
掻き抱き、初めて人の愛を得た愉悦を帯びた謙虚な目でジッと彼をねめあげた。
「愛してくださってね」
憧憬と勝ち誇った自信が混在した、恍惚に浸りランクB-は囁いた
「わかっているの、わかっているの、わかるのよ」
ランクB-の柔らかな肩を掴んだ手は熱(ry
to be continued
投下し忘れてました。これで本当に一話終了です。
18話までおおまかに完成したので手直ししたあと、
数日毎に投下していきます。応援よろしく!
うわあ・・・・・・
ようは荒らしだろ?
精神科いってこいクラスの。
投下予約者は名前にタイトルを(ryy
タイトルもなしとは自分に自信があるんだなーと、支援した手前感想を書いてみる
運営議論に掛け合ってテンプレに入れてもらうか
>>449 ゲットした時には"じばく"のみで
ルイズに"指輪"を使用するとグラフィックに追加。"ゼロのルイズ"に。
更に"祈祷書"を持たせるとレベルアップで技が増えるようになる、みたいなのでもいいんじゃねw
ルイズ、またはゼロのルイズに"ねこみみ"を使用すると…
>>458 タルブの草原にびっしり埋まってる
人間サイズピクミンを想像した
ヨシェナヴェのメイン材料なんだ
ここんとこ、何だかなあという状態が続いてるような・・・
定番の人たちの投下が少ないのって、例の記念企画とかのせいか?
とすると110スレまではこのままかねぇ・・・
しかしピクミンはエンディングを見る限り使いこなせればヤバいぞ
>>458 気になって今見に行った。
発売日延期のお知らせ…
>>473 年末年始は普段と異なる生活サイクルで動いてたって人も多いだろうから仕方ないんじゃないか?
本当に三次創作な多重クロスを書く為に止まってるのなら夢も希望も無いがw
>>475 ちょうど24日から試験期間の俺には嬉しい知らせだぜ
小ネタですが、投下していいですか?
おk
○月×日
ルイズ殿の使い魔になってずいぶん立つ。
フーケの一件以来、どこか表情が柔らかくなった。
これはフーケを捕らえたことで自信がついたこともあるだろうが、やはりキュルケ殿やタバサ殿の存在も大きかろう。
妙齢のおなご達が仲睦まじく歩く姿は実に微笑ましい。
やはりルイズ殿は女の子だ。
使い魔として、ルイズ殿にもおなごとしての幸せを掴んでほしい。
○月△日
軽いジャブとしてルイズ殿の部屋にゴスロリ衣装を置いておく。
燃やされる。
○月□日
ルイズ殿の部屋のカーテンの上のシャーってなるやつが外れたのでトリスタニアに行く。
○月☆日
機は熟した。ゴスロリ衣装を……
爆破される。
○月◎日
カーテンの上のシャーってなるやつがアレだったのでトリスタニアに行く。
○月○日
ナース服を……
爆破される。
○月●日
カーテンの……
爆破される。
この日記を今読んでいる者へ。
これを今そなたが読んでいるということは、おそらく私はもうこの世にいないだろう。
しかし、私のルイズ殿への想いは重々わかってくれたことと思う。
頼む、どうか私の遺志を継ぎ、ルイズ殿を、ルイズ殿を立派な女の子に……
○月■日
カーテンの上のシャーのやつがやっぱりアレなのでトリスタニアへ。
以上、銀魂より東条歩が召喚されました
緑茶返せ
赤出汁返せ
ペディグリーチャム返せ
水酸化ナトリウム返せ
Volvic返せ
カントリーマァムと梅酒返せ
ハヴァネロ返せ
甘ロリだとどんな反応をするのか見てみたいなw
>ナース服を……
どこから調達した
まさか自作!?
クックベリーパイ返せ
あの日の甘酸っぱい思い出を返せ
亢龍覇を使って燃え尽きようとしている紫龍を呼んだら…
>>492 ありゃ春麗一筋で他の女には目もくれないからな
その上で聖闘士の使命に殉ずるある意味完全無欠の正義の味方だ
>>492 それだと場合によっては山羊座のシュラも付いて来るな
車田漫画なら風魔の小次郎とかどう?
仕えるってことに抵抗はなさそう
サガを召喚すてギャラクシアンエクスプロージョンを
一輝兄さんを呼んでシスコンに目覚めさせる
何故かちいねえさまが車田タッチでエスメラルダっぽい顔に
風小次からなら風林火山と黄金剣がセットかね
サイトの風林火山VSワルドの黄金剣
デルフ完全スルー
えと、裏から転載
349 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/01/15(火) 23:09:36 ID:AXGSdz8x
ハルヒスレの天才より転載。
エラー表示無しってキツいな。
627 名無しさん@ピンキー sage 2008/01/15(火) 21:54:50 ID:x6K+J9Jh
あ、知らない新規制を発見したので、既出かもだけど報告。
一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えるそうです。
SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイみたい。
最初の改行がまずかったのか
次からテンプレに入れた方がよさそうね
邪武なら完全に犬になれるな
2巻で終わっていたら大空へルイズが登っていく絵をバックに
「私はようやく登りはじめたばかりなのよ。
このはてしなく遠いツンデレ坂を…」
ゼロの使い魔 未完
デルフリンガーが魔剣カオスとかぶって困る。口調似てるし・・・。
あれだ
すぐ改行入れずに全角スペース挟めばいいんじゃないかな
デネビックバスターが召喚される
なぜか元に戻れないうえに、カードが無いので必殺技も使えない
しまいにはデルフと漫才を始める
508 :
蛇の使い魔:2008/01/16(水) 00:27:42 ID:XrcMDflg
投下OK?
よければ12時30分から投下します。
お父さんktkr
510 :
蛇の使い魔:2008/01/16(水) 00:30:20 ID:XrcMDflg
一段ごとにしなる階段を上っていく。
階段の隙間から、闇夜の眼下に、ラ・ロシェールの街の明かりが見えた。
「命のともし火だな。」
「…私はこれを背負っているのね。」
ワルドとルイズが呟く。
また足を動かす。今度は誰も話さない。
だが、少し変だ。
足音がひとつ…多い。
スネークが後ろを振り返る。
先ほどフーケのゴーレムの上にいた仮面の男が飛び上がり、ルイズの背後に立った。
「ルイズ!」
「え?」
仮面の男がルイズを抱え上げる。
スネークがナイフを引き抜き、切りつける。うまく、仮面の男のみを切りつけた。
しかし、浅い。スネークを蹴り飛ばす仮面の男。
その隙を突いてワルドが風の槌で男を殴りつける。
全身を強打し、ルイズから手を離す男。
しかし、その手放した位置が悪い。ルイズが空中に投げ出される。
ワルドが飛び上がり、ルイズを抱きとめた。
「先に行け!」
スネークが叫ぶ。
ワルドはルイズを抱えたまま、階段へ戻って、走り出した。
スネークが男とワルドの間に割り込む。
対峙する二人。
仮面の男が杖を引き抜いた。
詠唱を開始する男。
空気が冷たく感じる。男が呪文を完成させる。
「相棒!俺を盾にしろ!」
呪文が来る!
盾になるものはデルフしかない。
デルフを引き抜き、盾のように構えるスネーク。
「『ライトニング・クラウド』!!!」
呪文の正体に気がついたデルフが叫ぶ。
空気を裂き、男の体から稲妻が走る。
デルフによって捻じ曲げられた稲妻が、スネークの左腕と腰を貫く。
511 :
蛇の使い魔:2008/01/16(水) 00:30:51 ID:XrcMDflg
「ぐぉおおおおおお!!!!!!!!!」
人体が焼けるにおいがする。
左腕が火傷を負っていた。
「『エア・ハンマー』だ!!気をつけろ、相棒!!」
間髪入れずに男が呪文を詠唱する。
詠唱が完成する前に、ソーコムを右腕のみで迎え撃つ。
ダンッ!!
発射した一発が男の額を貫く。
力なく倒れ、奈落の底へと落下していった。
膝を突くスネーク。息が荒い。
「よう相棒、まだ生きてるか?」
「もちろんだ。」
「被害は?」
「左腕に火傷。それと、ステルス迷彩が電撃で壊れた。」
ステルス迷彩を取り出すスネーク。
ステルス迷彩は黒くこげていた。
これでは二度と使えないだろう。
ただ、それのおかげで腰にダメージはない。
「さっきの電撃は『ライトニング・クラウド』だ。
『風』系統の強力な呪文だ。アイツ、相当の使い手のようだな。」
先ほどの電撃を思い出す。
もう喰らいたくない。
「急ぐぞ、デルフ。」
「おうよ。」
痛む左腕をかばいながら、階段を上り始めた。
512 :
蛇の使い魔:2008/01/16(水) 00:32:03 ID:XrcMDflg
階段を駆け上がり、一本の枝を進むと、一艘の船が停泊していた。
船上ではルイズとワルドが待っていた。
「スネーク、大丈夫!?」
「火傷を負った。」
左腕を捲り上げる。
傷口の一部が炭化している。
自然回復は望み薄だ。
「ふむ、水の治療薬を分けてくれないか?」
ワルドが船長らしき平民に話しかける。
「お安い御用でさ。」
船員が缶を手渡す。
これが治療薬だそうだ。
字が読めないため、言われない限り何なのか分からなかった。
「これを塗れば、一発でさ。」
「すまない。」
礼をいい、船に乗り込む。
船が『風石』によって浮かび上がる。
帆と羽が風を受けて動き出した。
出港だ。
船倉でスネークは火傷の治療を行っていた。
その治療薬の効果に驚くスネーク。
「みるみるうちに回復していくな。」
完治はせずとも、動かせるようにはなった。
さすがは魔法、か。
「到着は明日の昼だ。寝ておきたまえ。」
「すまない。」
ワルドの言葉に素直に従う。
疲れきった体を横たえ、眠るスネーク。
ルイズが難しい顔でスネークを見つめる。
「仮眠を取れるときに取る。これは戦士の基本だよ。
君も寝ておきなさい。」
ルイズもワルドに言われ眠った。
513 :
蛇の使い魔:2008/01/16(水) 00:32:57 ID:XrcMDflg
翌朝。
扉の隙間からまばゆい朝日が差し込む。
その光で目を覚ますスネーク。
一緒にルイズも目を覚ます。
ワルドは既に目を覚ましていた。
「よく眠れたかね、どうだ気分は?」
「振動ベッドで熟睡させてもらった。一人で眠るにはもったいないくらいだ。」
もちろん、硬く、揺れる床のベッドなど気持ちのいいものではない。
朝日を浴びに、外へ出る。
天気がいい。下は雲だらけだが、上は抜けるような青空だ。すがすがしい風が顔を撫ぜる。
「そろそろアルビオンが見えるはずだ。。」
「下は雲だらけだぞ。一体何処に大陸がある?」
「何処見てるのよ。アルビオンはあっち。」
ルイズが空中を指差す。指差す方を仰ぐスネーク。
そこには巨大な雲しかないはずだ。
だが、その中にアルビオンは存在した。
「大陸が…浮いている…。」
「浮遊大陸アルビオン。その名の通り、宙に浮いた国。
月に何度かハルケギニアの上空に飛来するのよ。
それと、アルビオンは『白の国』とも呼ばれているわ。
大陸から溢れた水が霧のようになって、アルビオンの下半分を覆うから。」
ルイズが平らな胸を張って説明する。
スネークに彼の知らないことを教えるのが嬉しいようだ。
「それにしても驚いた。」
「どうして?」
「大陸が浮いているなんて事、俺の常識からは考えようもなかったもんでね。」
貴重な体験をした。この光景を目に焼き付けておこう。
「右舷上方・雲中より、アンノウン接近中!」
レッドアラート。鐘楼の見張りが叫ぶ。
右舷上方から、この船より一回り大きい黒船が近づいてくる。
舷側の穴からは大砲が顔をのぞかせている。
「大砲なんてあるのか。」
「感心してる場合じゃないわよ!」
のんきなスネークと焦るルイズ。
ワルドは表情を変えない。真っ直ぐと黒船を見つめている。
「反乱勢…貴族派の軍艦かも知れないな。」
「旗は掲げていないようだぞ。それでも軍艦と言うのか?」
「旗を掲げていない…、空賊かしら…。」
ルイズがかすかに震える。
ワルドがその肩を抱いた。
514 :
蛇の使い魔:2008/01/16(水) 00:33:26 ID:XrcMDflg
ドーンッ!!!
黒船が威嚇射撃をする。
「全員抵抗するな!抵抗したものには容赦しない!」
黒船からメガホンを持った男が大声で怒鳴った。
こちらに向かってフリント・ロック銃や弓が構えられ、鉤つきロープがルイズたちの乗った船の舷縁にひっかかる。
それぞれ獲物をもって、屈強な男たちがロープを伝ってやってくる。
「パーレイ…って通じないか?とにかく、勘弁してくれ。」
早速服従するスネーク。
その頭を思いっきりルイズが叩いた。
「いきなり負けてんじゃないわよ!」
「『匹夫の勇、一人に敵するものなり』」
文句も言わず、それだけ言うスネーク。
「何それ?」
「無闇に戦いを求める愚か者の勇気は、一人の敵を相手にするのが精いっぱい、と言う意味だ。
まずは数を考えろ。これだけの武装した相手を無傷で倒すなど、不可能な話だ。」
正論で返され、ぐうの音も出ないルイズ。
先ほどまで騒いでいたワルドのグリフォンも静かになっている。どうやら魔法で眠らされたようだ。
「船長は何処だ!?」
派手な格好の一人の空賊が降り立ち言った。
肌は日焼けだろうか、赤銅色で、随分たくましい胸板だ、
シャツは油で黒く、胸をはだけさせていて、左目には眼帯。
どうやら空賊の頭らしい。
「わ、私だ。」
声を上ずらせながら船長が手を上げる。
髪の毛から足の指まで小刻みに震えている。
頭が曲刀を船長の喉下に突きつける。
「船の名前と積荷は?」
「ト、トリステインの『マリー・ガラント』号。積荷は硫黄だ。」
頭がニヤリと笑い、船長の帽子を取り上げ、自分がかぶった。
「この船は俺たちが買った!代金はお前らの命だ!」
515 :
蛇の使い魔:2008/01/16(水) 00:34:48 ID:XrcMDflg
今度は屈辱で震える船長。
それから頭は甲板のルイズとワルドに気がついた。
大股で近づく頭。
「貴族まで乗せているのか!こいつぁいい!身代金をたんまりせしめてやる!」
頭がルイズの顎を手で持ち上げる。
「たいした別嬪だな。こいつは俺たちの船で皿洗いかもな!」
男たちが下品に笑う。
ルイズの目が怒りに燃える。
頭の手をぴしゃりと跳ね除け、にらみつけた。
「生意気な餓鬼だな。少しは立場をわきまえろ。」
「下がれ、下郎。」
「はっ!威勢だけはいいじゃねぇか!気の強い女は嫌いじゃないぜ!」
怒りに震えるルイズ。
スネークの手を引き、前に突き出し、命令する。
「スネーク、やっちゃいなさい!」
「あぁ?なんだおめぇは?」
「あー、いや俺はただの平m「私の使い魔よ!」……。」
さらに男たちが笑う。
「人間が使い魔?これは笑える!いいジョークだ!」
「トリステインの貴族はいよいよ人間まで使い魔にしやがった!」
口々にスネークをののしる。
スネークは空賊を気にしてはいないが、ルイズに呆れていた。
余計な情報を与えた。まったく、厄介な事を…。
「おい、野郎ども!この使い魔殿は船首の船倉に、こちらの貴族は船尾の船倉にお連れしろ!」
以上です。
次回は楽しい牢獄LIFEですよー
乙。さりげなくメイリンから教えてもらったことわざ覚えてるんだな。
牢獄ネタはMGSの伝統だからな〜
きっと下痢気味な気のいい看守が登場するにちがいないw
ジョニー一族自重w
オタコンの「ヒキオの勇――」って奴を思い出して吹いたw
ぜひこっちバージョンも作ってくれw
今こそケチャップの使い時
>「よう相棒、まだ生きてるか?」
さりげにエースコンバットネタもw
521 :
閑人A:2008/01/16(水) 02:07:03 ID:x82R2Ke5
「やめろっ!! やめるんだ風見ぃっ!!」
結城丈二――ライダーマンが、血を吐くような絶叫を上げるのが聞こえた。
だが、戦友には申し訳ないが、風見志郎――仮面ライダーV3には、もはや引き返す気はなかった。
――V3火柱キック。
レッドボーン、レッドランプ、ダブルタイフーン。
その肉体に仕込まれた三つの動力装置を、ほぼ暴走状態に近いまでにフル回転させ、そのパワーを全て右足に乗せる。理論上では『逆ダブルタイフーン』のさらに数倍の威力を発生させる事が出来る。
――だが、それゆえに、肉体にかかる負担は半端なものではなく、例え改造された肉体と言えど、その衝撃に耐えられるかどうかは定かではない。
つまり、命と引き換えに放つ、文字通り『最期』の技。
だが、いまの風見には、そんなことなどどうでもいい事だった。
この一撃で、バダンの大首領の復活を阻止できるならば、たかが自分一人の犠牲など、全く問題ではない。
V3来た!支援
その、あまりの強大さ故に、虚数空間に封じ込められた大首領“JUDO”
しかし、現世から遠く隔離されてなお、自らの意思の触手を世界に這わし、歴代の“闇の組織”を裏から操ってきた。
そして今、彼は、永遠の牢獄ともいうべき虚数空間から脱出しようとしている。
アマテラス――かつての大首領の同志であり、彼と同質の身体を持った女。
死んだはずの彼女の肉体を、大量のサタンニウムによって再構成し、その肉体に秘められた圧倒的なエネルギーによって、“牢獄”そのものを破壊する。
――そうはさせん!!
どのみち、変身ベルトたるダブルタイフーンが半壊した今では、おそらく変身して――V3として戦えるのは、これが最後のはずだ。
思い残す事など何も無い。
例え自分がいなくとも、未だ世界には、9人もの“仮面ライダー”が残っているからだ。
デストロンの再生怪人たちに吊るされた、光輝くアマテラスの肉体。
今にも、“牢獄”の門に叩きつけられんとするその背に、同じ輝きと熱量を秘めたV3の右足が――火柱が、いま、届く!!
その瞬間、世界は白い闇に包まれた……。
ここは学院長オールド・オスマンの一室。
風見、才人、ルイズ、コルベールの4人は、より詳しい話をするために、召喚儀式に使った草原から、この部屋に河岸を移していた。
風見はそこで再び、自分が何者であるか、そして自分が、ハルケギニアに召喚される直前までの状況を説明し、――才人はそれを、物凄く複雑な表情で聞き入っていた……。
コルベールとの魔法を破ったあと、風見は変身を解いた。
眼前にて杖を構えるこの男が、もはや自分と戦えるだけの力を、いまの火球で使い切ってしまったのを感じたからだ。
もともと風見としても、この中年男に何ら含むものがあったわけではない。
彼からすれば、一方的に向けられた敵意に、こっちも合わせただけ。いわば、売られたケンカを買っただけだ。
風見は、まず自分が人間である事――メカニズムを埋め込み、肉体を強化された“改造人間”である事実を話した。変身後の――V3の姿は、そんな自分を戦闘モードに切り替えた姿であるとも。
風見としても、気安く人に語っていい話題ではなかったが、まず自分が“人間”である事実を認識してもらわなければ、心を開いてもらえないと思ったのだ。
その後、何故か自分を見て失神した才人に寄り、自分にもはや戦意は無い事を伝え、この少年を休ませる部屋はないかと尋ねたところ、ようやくコルベールも杖を下ろした。
支援
一度、緊張がほぐれれば、後はお互い大人同士、話が進むのも早かった。
コルベールは自分の非礼を詫び、風見と才人が、このハルケギニアに出現した事情――すなわち『サモン・サーヴァント』と『コントラクト・サーヴァント』について語り、取りあえず、学院最高のメイジであるオスマン氏の意見を伺おうという事になった。
そして彼らは今、学院長室にいる。
「なるほど……とにかくこれは、前代未聞の事態のようじゃな」
オスマンが、普段見せない思慮深い光を瞳に宿し、風見と才人を見回す。
風見はそこで再び、自分が何者であるか、そして自分が、ハルケギニアに召喚される直前までの状況を説明し、――それを聞いた才人は、物凄く複雑な表情をしていた……。
コルベールも口を開く。
「取りあえず、ミス・ヴァリエールの今回の『サモン・サーヴァント』に関しては、分からぬ点が多すぎます」
『サモン・サーヴァント』で人間が召還された事。
召喚された人間二人ともに、使い魔のルーンが刻まれた事。
召喚された人間二人ともに、この世ならぬ異世界から召喚された事。
召喚された人間二人ともに、刻まれたルーンが、これまで見たことも無いほどに奇妙なものであった事。
死んだはずだった風見が生きており、破壊されていたはずの変身ベルトまで、見事に復元されている事。
「いや、そんなことは、そもそも問題じゃない。俺たちが聞きたいのはただ一つだ」
そう言うと風見は、才人と目を合わせた。
「――というと?」
オスマンが聞き返す。
「俺たちが、自分の世界に帰る方法があるのかどうか、だ」
「ちょっと――待ちなさいよっ!!」
そこで初めてルイズが口を開いた。
「あんたたち帰る気なのっ!?」
「いや、……そりゃそうだろ?」
当然だろ?と言わんばかりの口調で才人が言い返す。
「あんたたちは、わたしの使い魔として召喚されたのよっ!! なに御主人様の許しも無く帰ろうとしてるのよっ!?」
しばしの間、院長室を沈黙が支配した。
才人は心の底から呆然としたような表情を見せ、逆に、風見は眉一筋動かさなかった。
そして、コルベールは困惑したようにオスマンに目をやり、オスマンは小さく溜め息を吐いた。
そうなのだ。予想外の事態が起こりすぎてコルベールも忘れていたが、そもそもルイズは、彼ら二人とすでに契約を交わした、法的に認めれた、正式な二人の主なのだ。
「……まあ、ミス・ヴァリエールの気持ちも分かるが――」
「お前……何言ってるんだよ一体……!?」
コルベールが教師の立場から何かを言おうとした瞬間、才人が、ゆらりと彼女の方に向き直った。
「俺たちは無理やり召喚されたんだぞっ!! 日本に帰れば、それぞれ自分の生活があるんだっ! 何が悲しくてテメエの使い魔なんぞやらなきゃならねえんだっっ!!」
「あんたが悲しかろうが嬉しかろうが、そんな事はどうだっていいのよっ!! 契約のキスを交わした時点で、あんたたちはもう、わたしの使い魔なの! わたしに従う義務があるの! これは始祖ブリミルが定めた神聖なるルールなのよっ!!」
「それは犬猫が召喚された場合だろうがっ!! 俺たちの人権をテメエが無視していい理由がどこにあるっ!?」
「あるわよっ!! 貴族のわたしにアンタたち平民が従うのは当然でしょっ!!」
「いい加減にしたまえミス・ヴァリエール!!」
さすがに学院長『偉大なる』オールド・オスマンの一喝は、ヒステリックに罵りあう少年少女を黙らせるには、充分な威圧感を持っていた。
「さて、話を戻そうかの」
オールド・オスマンは、才人と風見を振り返ると、むしろ沈鬱な表情で口を開いた。
「結論から言うと――」
「おぬしらを元の世界に帰す方法じゃが……わしにも分からん」
「――おい……!!」
その瞬間、才人がオスマンに掴みかかった。
しえん
「冗談じゃねえぞ、このジジイっ!!」
が、その首根っこを風見が捕まえる。
「落ち着け、平賀」
「落ち着けって、――風見さん何言ってスかっ!? いまの聞いてなかったんスかっ!!」
「Mr.オスマンの話はまだ終わってない」
「『結論から言うと』って言ってたじゃないスかっ!! これ以上ないほど終了してるでしょうっ!!」
「いや、カザミ君の言う通りじゃ。わしの話にはまだ続きがある」
「――え!?」
「わしは『分からん』と言っただけじゃ。『コントラクト・サーヴァント』を無効化し、君たちを元いた世界に送り届ける方法が『無い』とは、一言も言うてはおらん」
「つまりMr.オスマン、我々が帰る方法を捜してくれる、という事か?」
「そうじゃ。ワシとて無駄に歳を重ねておるわけではない。コネも有ればツテも有る。ワシでなければ読めぬ機密書類や、会えぬ賢者たちもおるしな」
そこまで言って、オスマンは息を整えた。
「トリステイン魔法学院は、これより全力を以って君たちを、故郷に帰す方法を捜索する。そして、我が母にかけて誓おう。必ずや、その方法を見つけ出すと」
ここまでキッパリ言われては、才人も何も言えなくなってしまう。
「――して、ここからが相談なんじゃがな」
「相談?」
「なに、大したこっちゃない。ただ、君たちの帰還方法が見つかるまでの間、彼女の――そこのラ・ヴァリエール嬢の使い魔になってやってくれんかの?」
「はぁ!?」
才人は、思わずルイズを振り返る。
「がくいんちょう……!」
そこには、才人と対照的に、思わず顔をほころばせた少女がいた。
「それ……交換条件スか……?」
「いやいやとんでもない。あくまでも、君たちの自発的な意思を尊重させてもらうが……。しかし、何と言っても我らは教育者の端くれじゃからな。生徒の使い魔を『人間だから』という理由だけで、無下に取り上げることは出来んのじゃ」
「Mr.オスマン」
風見が口を開いた。
その瞳は、再び氷の冷気をまとっている。
「俺の故郷は、俺を必要としている。再び変身が可能になった今、何としても日本に帰らねばならない。何としても、だ。――これだけは了承してくれ」
「それは、……ワシの相談を飲んでくれた、と受け取ってよいのじゃな」
オスマンは、そんな風見の冷気など、まるで意に介さぬような、老獪な顔で頷いた。
533 :
閑人A:2008/01/16(水) 02:25:41 ID:x82R2Ke5
投下は以上です。
一行目に隙間を空けず、22行(前後1・2行)程度の投稿なら、
問題なく書き込めるようです。
支援
乙です。
「仮面ライダー」の実在をこの目で見ちゃったからか才人がテンパり気味ですな。
第八話 二重スパイ
フーケを魔法学院の生徒、しかも今まで魔法を成功させた事が無い人間が捕らえた、というニュースは直ぐさま学院内だけでなく、大陸全土に広まった。
勲章が授与される、そう決まったのはルイズ達が学院に戻った次の日の事で、フーケという人物を捕らえたその影響の大きさを嫌でも伺い知れる。
勿論、彼女を捕らえたのはルイズではない。彼女の使い魔、47だ。当初、ルイズはまるで自分だけで捕らえた様な言われ方に困惑していた。
キュルケや、タバサ、何より47も勲章を授与すべきではないのかとオスマンに進言する。オスマンは全てを見透かしたかの様に長い髭を指すって笑った。
結果として、キュルケ、タバサ両者ともに勲章とまでは行かないが、相応の功績が認められる事となった。
「ありがと。これで私達も一躍時の人よ」
「……だって、本当に私だけじゃないし、捕まえたのは47だし……」
勲章授与のパーティーが開かれる城へは、特別に城からの馬車で送迎される。その中で、キュルケはルイズにお礼を言った。
今までにない、真摯な表情にルイズは伏し目がちに応えた。彼女の隣には47がいる。
これからパーティーが行われるとあってか、馬車に居合わせた全員は一様にして気分が高潮しているのだが、彼は不機嫌ともご機嫌ともとれない表情のままだ。
「その、ごめん。本当なら、47が勲章をもらうべきなのに」
「気にはしていない。使い魔としての責務が果たせれば、それで十分だ。勲章など、俺には似合わない」
幾ら、フーケを捕らえた主たる人物とは言え、使い魔には勲章は与えられない。
確かに、この世界にとって常識とは言え、今回ばかりは彼女の中で申し訳ない気持ちが生まれる。
ゴーレムを破壊し、フーケが落下してくる時も47は真っ先に彼女のもとに駆け、彼女を受け止めてみせた。
放っておけば重傷、最悪意識が戻らない可能性だってあった。それをいち早く察知した彼は、あくまで捕らえる事を第一に考えて行動した。
二度も危険から守ってくれただけでなく、フーケを捕らえる。その場に居合わせた全員から賞賛の的になり得るというのに、それでも使い魔としての責任を優先する。
使い魔がそうだというのに、自身はどうだろうか。成功だと思った何かの魔法で、フーケの盗みに結果として加担してしまった。
調査団に志願したのもその尻拭いの為。にもかかわらずゴーレムが現れた時、何も出来なかった。
ただ、悔しい。彼女の中で、劣等感が明確となる。その頃には、もう、会場の城が姿を現していた。
※ ※ ※
「なあ相棒」
「……なんだ」
「ゴーレムと闘っていた時、さ。確かにアンタからガンダールヴの力を感じたんだ。一体、どういうことだろうな」
華やかなパーティーが行われる中、47は人気の無いバルコニーに出て、冷えた空気を味わう。
その最中、背負われたデルフリンガーがずっと疑問に感じていた事をようやく口にした。
確かに、コルベールと話をした時、47はヴィンダールヴの可能性があると言っていた。
ところが、ゴーレムと闘った時のあの姿はガンダールヴそのもの。何故、異なっているのか。これがどうしてもデルフリンガーの中で燻り続ける。
47は暫し考えてから、左手の手袋を外した。そして、月の光にその手を掲げる。
「こいつぁ……」
デルフリンガーは、まるで信じられないと言った様子でため息をついた。
彼の左手に、ルーンが刻まれていた。右手に刻まれたルーンとはまた異なる模様をしている。当然、ルイズと契約を交わした時には無かったものだ。
「これが、ガンダールヴなのかもな」
47は呟く。そして、再び手袋をはめると室内へと目を向けた。
丁度、ルイズが勲章を授与される所だった。普段の彼女とは打って変わった、豪華なドレスに身を包んだ姿に、一瞬目を奪われる。
「似ている」
自然と、そんな言葉が漏れていた。
47が暗殺した、クローンの少女の姿は今でもはっきりと脳裏に焼き付いている。
首に毒材注射をする直前の息づかい。死ぬ間際の筋肉の微弱な硬直。
パーティー会場の様子もあってか、普段よりもはっきりと。彼が、暗殺したターゲットの事を意識しているのは少し珍しかった。普段なら、直ぐにでも思慮の外に行くはずだ。だが、今は何故か違う。
そうさせている主たる原因は、恐らく彼が目にしたオルトマイヤー文章だろう。
クローンを作り出す方法を記した文章、クローン技術の粋を集めたとも言えるであろうこの文章が、英語で記されている上に何故この世界に存在するのか。
47自身の例をもとにして考えてみれば、同じ様にこの世界に召喚された人間がいて、その人間が持ち込んだ、というのが妥当であろう。では、その人間は誰なのか。
そもそも、オルトマイヤー文章はクラス1クローンという極めて完璧に近いクローンを生みだす技術を記したものだ。
例えば、これと、47の遺伝子情報さえあれば、幾らでも47と同じ人間を生み出す事が可能という事になる。そんな危険きわまりないものがそう簡単に外に持ち出される可能性などあるだろうか。
学院の所蔵庫に保管されていたのならば、オスマンやコルベールが何か知っているに違いない。
まずは彼らから話を聞くべきか。最悪、この世界にクローン技術を研究している者がいるかもしれない。
であれば、同じくオルトマイヤー文章の発端となった47が命を狙われるのは無い話とも言い切れないだろう。
彼は、この世界で主にもまだ明かしていない自身の秘密に、久方ぶりに思慮を巡らせていた。
胸元から写真を取り出す。一人の少女の姿が映っている。或は、これでずっと抱いていた違和感を解消出来るかもしれない。勿論、ルイズはターゲットではないし、今は主だ。暗殺など、思案する余地もない。
これ以上深く考えるのは危険か。47は一度会場に戻り、側にいたウェイターを呼びつけ飲み物を用意するよう頼む。ウェイターは別段47を怪しむ様子も無く、一礼してから立ち去った。
流石に夜風にずっと当たっていたのが悪かった。冷えた体が微かに震える。近くの柱にもたれて、会場内を一瞥していると、音楽が聞こえて来た。どんな曲目かは分からなかったが、リズムは聞き慣れていた。
三拍子の、やや軽快なワルツだ。程なく、其処に居合わせた老若男女が踊り出す。
そういえば、ルイズは何処だろうかと目を細めていると、袖を引っ張られる様な感覚を覚えた。
「踊る相手がいないのよ。使い魔として、付き合いなさい」
それが、ルイズであると47は視線を落とさずとも気づく。
「ワルツなら一応、踊れる」
「そう、それなら良いわ」
彼女からしてみれば、使い魔とともに、このような場で踊るなど恥ずかしい事この上ない事だ。
それでも、彼女はパートナーとして47を選んだ。彼女なりのやりかたでのお礼、47に拒む理由は無かった。幸い、ワルツの基本的な所は知っている。
彼女の手を取りやすいよう、少し、前屈みになる。周囲の視線が集まって来た。今回のパーティーの主役が使い魔と踊っているのだ。当然の事だろう。
だが、47は別段気負うつもりは無い。寧ろ、より目立つ様に踊ってやろうと思った。
此処に、魔法使いを目指す一人の少女がいる事を誇示する様に。彼女もクローンかどうかなど、問題ではないのだ。
其処にいるのは、自身の主だけ。
音楽が盛り上がる頃を見計らって、ステージの真ん中にステップで駆けた。ルイズは驚き、顔を赤くする。
「もっと、自信を持つべきだ」
「……え」
「例え、お前と瓜二つの人間が居たとしても、お前はお前だ。そのお前が、魔法を使える様になろうと努力している。結果、俺を召喚して、その俺が、フーケを捕らえた」
ルイズは、唖然としたままワルツを踊る。心なしか、そのステップ一つ一つがはっきりしていた。
「でも、フーケを捕らえたのは……」
「47だ。ルイズの使い魔のな。だから、自信を持つと良い。ゼロのルイズではない、と」
47は、決してルイズに目を合わせないまま話を続ける。
別に、彼女の目を真っすぐ見たまま話をするのが恥ずかしかった訳ではない。毅然とした態度で踊っていた方が見栄えがするからだ。
音楽が終わる頃には、観客が皆、二人のダンスに見入っていた。キュルケや、タバサもその中にいる。
皆がこのダンスに惜しみない拍手を送ると、ルイズは深々と一礼した。47もそれに倣う。
すると、貴族の男達が次々と彼女にダンスの申し入れをしてきた。たちまち、ルイズの周りに人が集まる。
初めての体験に、感情が高ぶるルイズだったが、既に47が会場から姿を消していた事に気づいてはいなかった。
※ ※ ※
「……ん」
冷ややかな空気が頬に当たり、そこでフーケは目を覚ました。ルイズ達の居る外れ。レンガ造りの塔の地下に設けられた牢獄には、他に収容されている人間の姿が無かった。
余程、平和なのだろう。もし、自分の生まれがこの国だったらと、フーケは唇を噛み締めた。多分、もう盗みを働く事は出来ないだろう。そして、自分の身元がばれるのも時間の問題だ。
「自業自得、か」
ため息をつきながら、寝ていたベッドの上に座り直す。時折、壁にともされた炎が揺らめく。彼女と、炎以外には動く者はまるでない。
ぼんやりと、天井を見上げる。どのくらい眠っていたのだろうか。ゴーレムから落下して、直前に47が抱きとめてくれた辺りで意識を失っていた。
思えば、何故彼は助けたのだろうか。あのまま、素直に激突でもさせてくれた方がある意味では助かったというのに。
「ふう、全く迷惑な事をするわね」
「そうか。すまなかった」
不意に出た独り言に応える者が居たのか。フーケはぎょっとして正面を向く。幾ら明かりがあるとは言え、暗がりで声の主がよく見えない。
声には聞き覚えがあったが、少なくとも警固兵ではなさそうだ。影がゆっくり近づいてくる。次第に、顔立ちがはっきりしてきた。
「貴方は……どうして」
其処に立っていたのは、紛れも無く自分を捕らえた男、47だった。しかし、眼前に立つ男の姿が中々受け入れられず、フーケは気がつけば自分の瞼をこすっていた。
「どうしたのかしら。今はパーティーの真っ最中でしょう」
「此処から逃がしてやる。その代わり、俺の質問に答えてほしい」
「質問……」
「破滅の書。あれの情報は、何処から手に入れた」
47はそんな彼女に対して、淡々と質問を投げかける。
フーケは、相手が47だと知ると妙に落ち着きを取り戻していた事に幾ばくか驚いたが、ベッドから立ち上がり、鉄格子に近づく。
「ガリア王国で私が盗みをしていた時に聞いたのよ。それを手にした者は、破滅を自在に操れるって」
「……ガリア王国」
「そう。トリステイン王国のすぐ側にある国。それだけのすごい書物なら、きっと盗み出せばトリステイン王国は大混乱する、とね」
果たして、フーケの言う事は的を射ていた。この世界がクローン技術をそのまま利用出来る程科学技術が発達しているとは思えない。
だが、魔法という未知の力であれば代用など難しくはない筈だ。問題は、英語をハルケギニアで通じる言語に翻訳出来るかどうかだが、これも持ち込んだ者がいると仮定するならそう難しくないだろう。
「それで、他にはあるかしら」
「ああ。お前の腕を見込んで。情報屋として俺の為に動いてほしい。勿論、相応の報酬は出す」
「……え」
フーケは言葉に詰まった。確かに自分の盗賊としての能力は、情報収集の面でも十二分に発揮出来る。だが、何故一介の使い魔がこのような事を依頼するのか。
とは言え、フーケにしてみれば、ここから脱出出来るのは嬉しい限りだ。盗みをしなくとも47がたった今懐からちらつかせている金貨という報酬が手に入るのも良い。
自分でも驚く程に早く、この交渉は成立した。彼が何を考えているかまでは分からなかったが、一度投獄され、失うものは失っている。この際、そんな事はどうでもよくなっていた。
47が細い針金の様な者を錠の鍵穴に差し込み、二三秒程動かすとあっという間に鍵が開いた。肝心の警備兵は交代をする為に宿舎に向かっているのだという。
即ち、警備に穴があく事を示している。まさにその通りで、二人が牢獄から外に出る間、そしてフーケが一目のつかない所に行くまでの間、誰一人としてすれ違う事が無かった。遠くから聞こえてくる華やかな音楽や声が、まるで夢のようですらある。
「それで、私は何をしたら良いのかしら」
「……レコンキスタ、というのを知っているか」
素早く茂みに隠れ、早々に二人は仕事の内容を話し始める。47が言ったレコンキスタという言葉は、フーケも余り知っているものではなかった。
ただ、アルビオン王国にて国家転覆を目論む組織、というぐらいの、実に大雑把なものだ。勿論、実在するかどうかも彼女の知りうる無いようでは判断のしようも無い
47はややあって、側の茂みの中に手を突っ込んだ。そして、その中から一体の若い男の死体を引きずり出す。
黒いローブで全身を覆い、闇夜に乗じて行動するにはうってつけの姿だ。瞼や口は閉じられており、死ぬ間際の恐ろしい表情は影も無い。
しかし、首に出来た、血の滲んだ細い糸の様な傷を見れば、フーケとてどうやってこの男性が息絶えたのかを推測するのは容易だ。
「どうしたのよ、これ」
突然、47がこのような死体を引きずり出した事に嫌悪感を覚えるが、冷静に一息ついて追求する。
「俺が、牢獄に侵入する前に、こいつがうろついていた。どう見てもこの城の者ではない。
気になってな。適当に尋問にかけたらレコンキスタの者だと白状した。何でも、お前をスカウトしに来たらしい」
「……それで、用済みになったから始末したのね。酷い人。ルイズが聞いたら嘆くわよ」
「そうだな。所詮、俺と、ミスルイズとでは住んでいた世界が違いすぎる」
「何よそれ……。全部分かりきっているみたいな言い方ね。とにかく、私はレコンキスタとは何も関係ないわ。彼の方が先に助けに来たのなら話は変わっていたけれど」
フーケが皮肉を言ってみせる。ところが、47はまるで聞こえていないといった様子で死体を茂みの中に戻す。
端から見れば其処に死体があるなどと想像もつかないくらい、奇麗に茂みの中に死体が隠された。余程の事が無い限り、警備兵がこの茂みの中を捜索する事も無いだろう。
「さて、仕事の確認だが、お前にはそのレコンキスタについて調べてほしい。それと、この世界で起きている事で瓜二つといった言葉に関係ある事も、どんなに小さくても良い。情報を集めて来てくれ」
まるで死体を隠す事など議論するまでもないとでも言わんばかりに終わらせると、直ぐさまフーケに二つの仕事を依頼する。
前者は覚悟を決めて取りかからなければならないような内容だったが、後者はどうしても不可解さがあった。
「そうだな、出来れば、クローンという言葉に繋がる情報であればある程良い」
「その、それはそんなに難しくなさそうだけど……」
「かも知れない。だが、俺にとって重要だ」
或は、この世界にとっても。そこまで言いそうになり、47は慌てて噤んだ。現段階ではこれ以上の情報を彼女に渡すのはまずい。
フーケはやはり怪訝そうな表情であったが、お互い危険な道を歩いて来た者同士通じ合う何かを感じたのだろう。
それ以上の詮索をする様子も無く、一度頷いてから闇夜にとけ込んで行く。その素早さは、流石盗賊だと47も賞賛せずにはいられないものだった。
ちょwワルドwww
この時点でワルドが…www
こんなにあっさり死ぬワルドって他にいただろうか…www
大丈夫、偏在さんの筈だ!
……だよな?w
偏在ってさあ、死んだら消えてなかったっけ?
……あれ?
え、ってことは死体は本体で…
……こりゃマジで暗殺されたな。
なんという敏腕サイレントアサシン
トライアングルメイジといえど、暗殺者には勝てんか。
それとも、今作ではスカウトに来たのがワルドでは無かったか。
そうであれ、レキンコスタのスカウトが雑魚なはずはないので、やはり暗殺者sugeee
ワルドはスクウェアだぞ
外から監視してるなら偏在に死体のフリさせると言う選択肢も無い事も無いし
元々生きてるわけじゃないから心臓止まろうが冷たくなろうが
後始末に適するまで待って消すと言う事も出来てもおかしくない
本当に出来るかどうかは別問題だが
偏在だったら尋問に白状することはないんじゃね?
V3召喚
空想の存在でしかなかった、仮面ライダーに遭遇したサイトがどう変わってゆくかが、
楽しみですね。
既に魂スペックで正確が変わりつつあるような。
ルイズとの接しかたも変わり、これがクロスものの醍醐味だと思います。
>>548 素で間違えたorz
mono di tri tetra penta(以下略)を覚え直してくる
……じゃなかった、ゼロ魔はドット ライン トライアングル スクウェアorz
投下よろし?
長編書こうとして断念した小ネタです。
初なんで、ものっそいどきどきしてる。
がんばれー
>>550 サイトってテンパってるだけかと思ったら、魂’sの短気な若者っぽい言動になってるのか。
麺太郎みたいな。奥が深い。
んじゃいってみます。
「諸君!決闘だ!」
ヴェストリ広場に大勢の見物人が集まる中、その中心でギーシュ・ド・グラモンは薔薇を口にくわえながら宣言した。
そこへピンク色の髪をした一人の少女が、人垣をかき分けてギーシュの前に出てくる。
「ギーシュ!やめて!決闘は禁止されているはずよ!」
その少女、ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールは懇願するように叫ぶ。
しかしギーシュはそれを気にした様子もない。
「禁止されているのは貴族同士の決闘だ。平民との決闘は禁止されていない。
それにしても君の使い魔はどこにいるんだね?」
すぐに来るよう言ったはずだが姿が見あたらない。と言いつつあたりをキョロキョロと見渡す。
食堂を出ていったのを見かけたルイズも不思議に思い、その姿を探す。
そこへ周りからヤジが飛ぶ。
「逃げ出したんじゃないのか?」
「随分腰抜けだな!」
「ゼロの使い魔は、プライドもゼロか!」
ゲラゲラと笑いながらいう野次馬に、カッとなったルイズは怒鳴ろうと口を開こうとする。
しかしルイズは何かに気づいたようにハッとして、口を閉ざし辺りを見回す。
ギャラリーはそんなルイズの様子を訝しく思ったが、どこからかバイオリンの音色が響いたのを聞きつけた一人が声をかける。
「おい、この音はなんだ?」
その言葉に周りもようやく気づく。
その音色に聞き覚えがあるルイズは、姿を探すが見あたらない。
ギャラリー達も出所を見付けようと辺りを見回す。
「あ!あそこだ!」
そのうちギャラリーの一人が見付けたようだ。
広場に面している一つの塔の屋根の上を指さす。
そこにはカラスを肩にとまらせ、巨大なバイオリンを背負い、太陽をバックに曲を演奏する男がいた。
男が演奏をやめ、広場を見下ろしながら口を開く。
「すぐにその汚らしい口を閉ざすんだな。さもなくば地獄への行進曲を聞くことになるぞ」
不思議な威圧感を出しながら言う男に、周りの野次馬は口を閉ざす。
男の肩にいたカラスがルイズの近くまで飛んできて、その肩にとまる。
「ルイズ落ち着くんじゃ。いちいち反応していたらキリがないぞ。ハーメルも降りてこんかい」
「オ、オーボウ」
カラスはルイズに話しかけ、その後塔の上の男に向かって言う。
そのカラス――オーボウ――の言葉を聞き、男――ハーメル――はフッと笑い、塔から飛び降りる。
「おお!?」
「飛んだぞ!」
その行為に周りがどよめく。
ハーメルは巨大なバイオリンを背負ったまま、クルクルと回りながら塔から落下し――
どがぁぁぁ!!!べきっ!!!
――そのまま墜落した。
「うぎゃあああ!!!大骨折したあああ!!!」
痛すぎる〜!と叫きながらハーメルは右足をおさえ、ゴロゴロとのたうちまわる。
そのあんまりな光景に周りはポカーンとしている。
そんな周りを無視して、ハーメルは何事もなかったかのようにマントを翻しながら立ち上がり、ギーシュに言い放つ。
「フッ、このおれが『伝説の最強最大勇者』超特大バイオリン弾きのハーメル様だ。逃げ出すのなら今のうちだぞ」
「足折れたままだぞ……?」
右足をプラプラさせ、バックにゴゴゴゴというエフェクトをつけながら言うハーメルに、見物人のひとりがつっこむ。
「ふ、ふんっ。に、逃げ出したわけではないようだね」
いろいろとペースを乱されたギーシュは、多少ドモリながら声をかける。
「怯えずに来たことはほめよう。さぁ決闘を始めようじゃないか!」
そう宣言するギーシュの声に、ルイズはハッとして止めようと身を乗り出す。
しかしそれはオーボウに止められる。
「やめるんじゃ、ルイズ」
「オーボウ!?どうして!?」
「言ったところでやめはせんじゃろう。ハーメルも一度決めたら人の話を聞くような男ではない」
「そんな!?」
オーボウとルイズが言い合いをしているのを気にせずに、ギーシュは薔薇の造花を一振りする。
花びらが一枚地面につくと、そこから煌びやかな装飾がされたゴーレムが一体出てきた。
「僕はメイジだ、魔法を使ってお相手をしよう。僕の二つ名は『青銅』、『青銅』のギーシュだ!
青銅のゴーレム『ワルキューレ』を使う!行け!ワルキューレ!」
ワルキューレがハーメルに向かって突進してくる。
「ハーメル!危ない!」
ルイズはそれを見てハーメルに声をかける。
それに対しハーメルは冷静に――
ガシッ!
「へっ?」
オーボウを掴み。
ズボッ!
「グッ!?」
ダイナまいと、と書かれた筒をオーボウの口に押し込み。
「そりゃあああ!!オーボウ爆弾!!!」
ワルキューレに向かってぶん投げた。
どがああああああん!!!
着弾し爆発をするオーボウ。
それを見たルイズはハーメルの胸ぐらをつかみ叫ぶ。
「あ、あああああんた何してんのよ!!!」
「フフフ…こんな時のために用意してあったオーボウ爆弾だ」
「アホかいっ!!」
詰め寄るルイズに、なんの悪びれもなく答えるハーメル。
「ハ、ハーメル…貴様……」
「オ、オーボウ!オーボウ!!」
「え―――い、死んでしまったやつのことは考えるな!」
「あんたがやったんでしょうが―――!!!」
ピクピクと瀕死の状態で呻くオーボウ。
心配して声をかけるルイズとそれを気にしないようにいうハーメル。
「ふ、ふふふ。こんなに馬鹿にされたのは初めてだよ」
自分を無視され、怒りにプルプルと身を震わせるギーシュ。
彼は薔薇を振り、さらに六体のワルキューレを出す。
「君は僕の全力で叩きのめしてあげよう!!」
その声と共に六体のワルキューレがハーメルに襲いかかる。
ルイズと言い争いをしていたハーメルは、その攻撃を無防備に受けてしまう。
「きゃあ!」
それを見たルイズが悲鳴を上げ、涙目になり叫ぶ。
「や、やめてえええ!!!」
「いてぇじゃねぇか!このボケえええええ!!!」
支援
叫びながらワルキューレの一体を持ち上げ、残りを蹴散らすハーメル。
「へ?」
「バ、バカな!?」
まったく攻撃がきいてない様子に惚けるルイズと、驚愕するギーシュ。
「よくも俺様のエレガントビューチーフェイスをしこたま殴ってくれたな〜。この代償は大きいぞ〜。」
ハーメルは立ち上がりながらバイオリンを構える。
「この超特大バイオリンで聞かせてやる!死の序曲をな―――!!」
そう言い放ちバイオリンを担ぎ、踊り狂うように曲を弾き始める。
「な、なんだ!?ヘンテコでバカでかい楽器をマヌケに弾き始めたぞ!?」
「バイオリンだ!バイオリンにこだわっているんだ!!」
ハーメルの奇行にギャラリーがざわめく。
「こんな時にいったい何を考えているんだ?」
「でも…とても美しい演奏だわ…」
困惑するギーシュ。
マヌケな行動だが、曲は美しいというルイズ。
「マーラー作曲、交響曲第十番《大地の歌》じゃ」
「オーボウ?」
そこへいつの間にか復活したオーボウがルイズの肩にとまり、語る。
「家庭に恵まれなかった偉大なるシンフォニスト、マーラーが最後に残した曲じゃ。
これを聞いたものは、生涯で一番心に残る場面を思い出すという」
(涙が……)
ルイズの脳裏に過去の情景が浮かんでくる。
魔法の練習で失敗し、怒られたルイズはベッドへ潜り込んで泣いていた。
そこへ姉のカトレアが来る。
"ルイズ、どうしたの?"
"また魔法を失敗しちゃった……"
優しく声をかけるカトレア。
むずがりながらカトレアに抱きつくルイズ。
カトレアはルイズの頭を撫でながらあやす。
"気にすることないわ。あなたはきっとすごいメイジになれる。
お父様よりもお母様よりもお姉さまや私よりずっとすごいメイジよ
間違いないわ、私の可愛い小さなルイズ"
(ちい姉さま……っ!)
ルイズはいつも自分に優しかった姉を思いだし、ポロポロと涙を流す。
「おい!あれを見ろ!」
ギャラリーの一人が何かに気づき、指をさしながら声を出す。
その声にハッとなり、その指さす方向をみるルイズ。
「うぅ〜…ごめんよ〜もうしないよ〜許してくれ〜…」
そこには涙を流し土下座するギーシュの姿があった。
「な、何があったのかしら?」
冷や汗を流しながらルイズはオーボウに訪ねる。
「おそらく過去の所行を思い出しているのじゃろう」
「あ〜…なるほど…」
おそらく過去に付き合っていた女性に浮気がばれ、怒られている所を思い出したのだろう。
そう判断したルイズはハーメルを探す。
「ほ〜れほれ、頭を地面にこすりつけんか」
ルイズが見付けたのは、ギーシュの頭を踏みつけ、なぜか自身に土下座させるハーメルだった。
脱力するルイズ。
「許してください!もう不誠実なことはしません!ですから……」
邪気がいっさい無い目でハーメルを見つめるギーシュ。
だまってそれを見下ろすハーメル。
固唾をのんで見守るギャラリー。
「だぁれが許すかこのボケえええ!!!」
ハーメルは邪悪な笑顔で新たな曲を弾き始める。
「や、やめてくれ〜!はずかしすぎる〜!!」
曲を聞くとギーシュは全裸になり、どこからか出したお盆で股間を隠し、踊り始める。
「そ〜れ、踊れ踊れ〜」
「誰かやめさせろ!見苦しすぎる!!」
とても楽しそうに曲を弾くハーメル。
ギャラリーはあまりに惨たらしいギーシュの姿に哀れみをもつ。
頬を引きつらせるルイズとオーボウ。
「実は昔、モンスター相手に王宮でこれをやってな……」
「そそそそそう、ひひひひひ評判はどうだったのかしら?」
「もちろん…最悪じゃった……」
互いに脂汗をかきながら言葉を交わすルイズとオーボウ。
その二人の前では、いつまでもギーシュの裸踊りが続いていた………。
終了です。
ハーメルンのバイオリン弾きから、ハーメル(+オーボウ)召喚。
いや、ムズイ。
文才がある人が心底うらやましい。
では、失礼しまっす。
あー緊張した。
いや面白かった!GJ!
GJ!!いやー、やっぱハーメルは最高だなwww
初期ハーメル……ルイズがチャイコフスキードロップキックでフーケのゴーレムと戦うのか
GJ
ルイズとハーメル相性良過ぎるwww
567 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/16(水) 09:50:50 ID:ZqtIupgx
小ネタ限定ならそれも好し
身分差別がテーマの作品も見たい。
カムイ召喚でシエスタが正助の子孫…
タバサとキャラかぶりのせいで
某メガネ魔導師(♀)を召喚できないのがイタイ……
周りに移るもの総てを考察してしまう人種で、別世界の魔法理論の保持者ナノニ…
>>569 逆に考えるんだ。
タバサと仲良くなり、一緒に魔法考察させるとか。
>>566 マリオネットで操られまくるルイズが目に浮かぶw
ルイズ「やめてぇ、無駄にしないで私の寿命ぅぅぅ」
>>571 そこにはトリステイン一の着ぐるみ師となったルイズの姿が・・・
>>573 元ネタまったくわからない。
とりあえず、キャラかぶって考察系らしいから、そう書いてみた。
真面目に考えるキャラなら、「ルイズの属性は虚無」って
普通にわかりそうだと思うのは俺だけかね…
虚無自体あるかどうかもわからないようなお伽噺だという先入観があるんだから、
真面目に考えれば普通にわかるってのは流石に無理があるとは思う。
その世界での常識ってものがあるからね。
あ、すまん。
「ゼロ魔世界以外の魔術論を知ってるヤツなら」ってことね。
使い魔の属性がメイジ依存+ルイズの使い魔は属性を持たない使い魔
ってだけで十分な気がして
虚無系統も6千年も前のお話だしな
俺らで言えばイエスが2000年前に本当にいたかなんてわからんわけで
それの3倍の年数ともなればよりわからなくなるだろう
マイ★ボス マイ★ヒーローから榊 真喜男を召喚。
シエスタ失踪による【第一次クックベリーパイショック】(ギトー先生命名)発生。
と、リロード前に書き込んでしまった
582 :
閑人A:2008/01/16(水) 14:53:46 ID:x82R2Ke5
14:55ごろから投下したいですが、
良かですか?
ほぼ情報ない状態で、爆発から虚無の系統の発想はちょっと難しいんじゃない?
585 :
閑人A:2008/01/16(水) 14:56:44 ID:x82R2Ke5
>>533 四人が学院長室を辞した後、風見はコルベールの部屋に誘われていた。どうやら彼は、二人が元いた“異世界”に多大なる興味があるらしい。
才人も、風見について行くべきか迷ったが、やめておいた。
彼にとっては、自分がTVの再放送で観ていたヒーローが、一人の人間として、当然のように自分の隣にいるという現実は、この魔法の国以上に受け入れがたいものだったからだ。
――ひょっとして俺は、本当は今頃、病院の集中治療室で、植物状態になって、覚めない悪夢でも見ている最中なんじゃないか?
風見を見ていると、そんな想像が頭をよぎり、気が狂ってしまいそうになってくる。
だったら、かなりムカつく女ではあるが、まだコイツと一緒にいる方がマシかも知れない。そう思ってしまう。
幸い――かどうかはともかく、少女は部屋までついてこい、と言う。
御主人様のお供を務めるのは、使い魔の当然の義務だと。
才人は――やっぱりムカついたが―― 一応素直について行くことにした。
「おいルイズ、“それ”が今日の『サモン・サーヴァント』で笑わせてくれた平民か?」
「スッゲェな、お前。どこまで俺たちを楽しませれば気が済むんだ?」
「公爵家の御令嬢は、何事にも手を抜くって事を知らないらしいからな」
学院長室からの帰り、女子寮のルイズの個室に向かう道すがら、才人を従えた彼女は、こんな調子の嘲りを、何度も浴びせられていた。
どうやら、彼女が平民を使い魔として召喚したという珍事件は、もはや全校に知れ渡っているらしく、廊下で顔を合わせた者たちの殆どが、自分たちに後ろ指を差す。
聞こえよがしな悪口を言ってくる連中だけでも7〜8人。いや、それ以上に、眼引きし、袖引き合い、聞こえぬように失笑冷笑を送ってくる者数れず。
しかし、ルイズは、そのいずれにも取り合わず、毅然と胸を反らして廊下を闊歩する。
才人は、最初のうちこそ、ザマア見やがれと思わぬでもなかったが、そのうちさすがに気が引けてきた。
「お前……ひょっとしてイジメられてんのか?」
「――違うわ」
「でも、よう……ちょっとコレ、ひどいんじゃね?」
「バカは相手にしない主義なの。だから何を言われても、気にはならないわ」
ルイズは、振り返りもせず言い捨てたが、その肩が震えているのが、才人には見えた。
「泣いてんのか……?」
「泣いてないわよバカァッ!!」
そう言いながら才人に向き直ったルイズの瞳は、確かに涙で潤んでいた――しかし、その形相は、とても『イジメられて泣かされた女の子』といった、しおらしいものではなかった。
支援
支援
「なんでなの……!?」
「――え?」
「なんでアンタなの……? なんで平民なの……!? 今度の『サモン・サーヴァント』は、わたしが……わたしが『ゼロ』じゃないって証明する、最大のチャンスだったのよ……!! なのに、なんで……なんでアンタなんかがノコノコきちゃうのよぉっ!!」
むちゃくちゃ言うな。
そんなこと俺が知るか。
無理やり勝手に、俺を召喚したのはテメエじゃねえか。
――普段の才人ならば、たちまち、そう言い返しただろう。
しかし、この場合、誰がそれを言えただろう。
必死に涙をこらえて、全身を震わせながら自分を睨み据える、この小柄な少女に。
「――すまん」
才人は謝っていた。
この少女の言い分は、理不尽極まりない。そんな事は分かっていた。
しかし――自分が召喚に“応じた”ことで、この少女の名誉を毀損したというのも、また、一面の事実なのだ。そう思った瞬間、思いが素直に口から出ていた。
「え……?」
しかし、才人のこの反応は彼女にとって、かなり意外だったらしく、一瞬、その形相から険が抜ける。
だが……。
――おいおい、『ゼロ』のルイズが、今度は平民に八つ当たりしてるぜ?
――おおかた、給料の額で揉めたんじゃねえのぉ。
――給料って、使い魔のか?
――ちげ〜よ、使い魔の『フリをしてもらう』給料だよっ!!
――ぎゃはははははっ!!
支援
これ以上は無いほどにあからさまな侮辱の声が、廊下の向こうから響き、ルイズは再び唇を噛みしめると、拒絶するように才人に背を向けた。
校舎を出て、女子寮へと続く渡り廊下を歩いている時だった。
見事な巻き毛とそばかすの少女と、フリルのついたシャツの胸ポケットに薔薇を挿した、キザったらしい少年のカップルとすれ違った。
「――ほら、あれが例の……くくっ」
「ダメよギーシュ、笑っちゃ可哀想よ……ふふっ」
ルイズの肩が、また、かすかに震える。
その瞬間、才人の中で何かが切れた。
「オイ待てよ!」
そう言うや否や、才人はすれ違った少年の頬に、渾身の右ストレートを叩き込んでいた。
「ぴぎゃっ!!」
才人の右拳は、振り向こうとしていた少年にとって、丁度カウンターになったらしく、2・3m転がって、彼は、そのまま動かなくなった。
突然の出来事に、少年の隣にいたカノジョも、数秒間ほど呆然としていたが、やがて悲鳴をあげて、ギーシュと呼ばれた少年の元へと駆け寄る。
「ギーシュ! ギーシュ!! しっかりしてギーシュ!! ――ちょっとアンタ、いったい、一体何をするのよっ!?」
巻き毛の少女が、才人を睨みつけた瞬間、ようやくルイズの時間も動き出したようだった。少女と才人の間に入り、彼の胸倉を掴み上げる。
「なっ、何やってるのよアンタっ!! ……あっ、あのっ、ごめんなさいモンモランシー、 すぐにコイツにも謝らせるからっ!!」
「……」
「なに黙ってるのよっ!! 早く、早く謝りなさいって言ってるのよっ!!」
「……」
「平民っ!! 御主人様の命令が聞こえないのっ!?」
「『ヘイミン』じゃねえっ!!」
まさか自分が怒鳴られるとは思わなかったのだろう。ルイズは、びくりと震えて彼の胸倉から手を離した。
「俺の名前は『ヒラガサイト』だ!! 『ヘイミン』なんて呼び方するんじゃねえっ!!」
「じゃあ、君は自分が平民じゃない、とでも言いたいのかい……!?」
声のした方向に才人が目をやると、少年――ギーシュが唇から血を流しながら上体を起こそうとしているところだった。
モンモランシーと呼ばれた少女が、彼の腫れ上がった頬に手を当て、何かを小声で唱えている。すると、見る見るうちに少年の傷が癒えてゆく。
(また“魔法”か、――くそっ!!)
しかし才人は、その奇跡の業を見ながらも、何故か自分の戦意が止む事は無かった。
「人を後ろから不意打ちして、恥じもせず名乗りをあげるなんて、いかにも平民に相応しい下品さだと思うがね」
「女の子を平気で傷つけて恥じないような貴族サマよりは、かなりマシだと思うがな」
「え……?」
その言葉を聞いて、ようやくルイズは理解した。
この平民が、他の誰でもない、自分のために怒ってくれているのだ、と。
さっきまで、さんざん罵りあい、つかみ合いをしていたはずの、自分のために。
何よりも、さっきあれだけ理不尽な言葉を投げつけた自分のために。
「なん、で……?」
しかし、才人が、その問いに答える事は無かった。
「言ったな、平民……!!」
ギーシュの瞳に、凶暴な光が宿る。
しかし才人も、全く気圧される事無くギーシュを睨み返す。その眼差しには、もはや何の躊躇いも無い。
「どうした? 来いよ貴族サマ。まさかコレで終わりってワケじゃないんだろ?」
「あわてるなよ平民」
ギーシュはズボンのポケットから左手の手袋を取り出し、才人に投げつけた。
「ぎっ、ギーシュっ!!」
ルイズが悲鳴のような声を上げる。
「――決闘だ。30分後にヴェストリの広場で待っている。来たまえ」
「……上等だよ」
「その意気だ。逃げるなよ平民!」
それだけ言うと、彼はきびすを返して立ち去った。
「誰が逃げるか、この――」
「――逃げなさいっ!!」
ルイズの顔は、蒼白になっていた。
「いいからっ、いいから逃げなさいっ!! でないとアンタ、本当に殺されちゃうわっ!!」
「もう、遅いわよ」
半狂乱になって、才人の服を引っ張るルイズの背後から、モンモランシーが冷たく言い放つ。
「ギーシュは手袋を投げつけた。――平民のアンタが知ってるかどうか分からないけど、これは、決闘に於ける正式な作法なの。逃げる事など認められないわ」
そう言いながらモンモランシーは、瞳に嗜虐的な光を宿らせる。
「安心なさい。ギーシュはあれでも優しいから、いくら平民でも殺したりはしないわ。殺された方がマシだって目には遭うかも知れないけどね」
「でも、学院内での勝手な決闘は、校則で禁じられているはずよっ!!」
「それは貴族同士の場合でしょ? 校則は無礼討ちまで禁じてはいないわ」
「無礼討ちって――そんな……!!」
「勘違いしちゃダメよルイズ。この場合、あくまで先に手を出したのは、そこの平民の方なんだからね」
そう言い捨てると、モンモランシーはマントをなびかせて振り返り、ギーシュが去った方角に歩いてゆく。交渉はもう終わりだと言わんばかりに。
「待って、――ねえ、ちょっと待ってよモンモランシー! そんなこと言わないで。使い魔に代わって主のわたしが謝るから! このバカにも謝らせるから!! だからギーシュに機嫌を直すように言って!! お願い!!」
モンモランシーの背に、ルイズが叫ぶ。
その血を吐くような声に、さすがのモンモランシーも、ちょっと躊躇うものがあったのか、ちらりと才人に振り向く。
「御主人様はこう言ってるけど、あなたはどうしたいの、平民?」
「案内しろよ、テメエの彼氏のところへよ」
「つまり、謝罪する気は無いって事?」
「当然だろ」
モンモランシーは、やれやれとばかりに肩をすくめ、
「――だ、そうよ、『ゼロ』のルイズ。ホント躾がなってない使い魔ね」
そう言って、また歩き出し、才人も無言でそれに続く。そして彼を、さらにルイズが追う。
「何で? 何で分かってくれないの? アンタ殺されるのよ? メイジの使う魔法がどういうものかって事は、コルベール先生の『ファイアボール』で見当付いてるでしょう!?」
そう言いながら才人を見上げるルイズは、もはや涙をこらえてはいなかった。
このときルイズを見下ろした才人は、この少女が意外なまでの美貌の所有者である事に、初めて気付いた。
桃色がかったブロンド。
さらさらの長髪。
きめ細かい白い肌。
鳶色の大きな瞳。
しかし、その瞬間、才人の脳裡に浮かんだのは、彼女がその美貌を歪ませた姿。
――屈辱に肩を震わせ、唇を噛みしめ、必死になって涙をこらえる姿だった。
わからねえ。
何でだよ、何で、おれはこんなにたまらない気分になってるんだ!?
一体おれは何に腹を立ててるんだ!?
わからねえ! わからねえ! わからねえ!!
――いや、ちがう。わかってる。答えは最初から出ていたはずなんだ。
「俺が死んだら……今度こそ、ちゃんとした使い魔を召喚しろよ」
女の子を泣かせる男は、最低だって事だ。
そんなクソ男をぶん殴るのに、理由なんざ必要ないって事だ!!
「仇はその時とってくれりゃあいい」
ぱーん。
平手打ちのいい音が響いた。
「アンタ……本気でそんなこと思ってたの……!? そんなこと考えて、わたしの心配を無視して勝手に、勝手に決闘なんかおっ始めようって言うの……!?」
その顔を支配していたのは怒り。
使い魔になる事を拒絶された時も、周囲から散々バカにされた時も浮かべなかった、純粋な怒り。
「死んじゃいなさい! あんたなんか、あんたなんか、死んじゃえばいいのよっ、このばかぁっ!!」
支援
596 :
閑人A:2008/01/16(水) 15:09:21 ID:x82R2Ke5
投下は以上です。
才人さんの性格が、ど〜〜〜しても修正できません。
おいおい何とか努力していきますので、ご勘弁を。
乙っす!
とりあえず最後の「死んじゃえばいいのよ」のところで、SHUFFLE思い出したの私だけでしょうか?
お疲れ様です
おつ〜
サイトの気持ちはよ〜くわかる
お〜、男の子らしい(男らしいとはチョトチガウ)サイトだ
まぁ、某魔女の元ネタは半二次なんで召喚不可能なんだけどね
>>576-579 某人界の魔王様なら
「人間が召喚されている時点で異常だ。
ならば他のすべての可能性を考慮にいれても問題は無い」
とか言い切っちゃいそうです
なんだこの頼りになるサイトは
でも風見と一緒だから仕方ない
乙です!
村枝ライダーと関わる男たちは例外なく熱くなっていくからなぁ
七万の軍勢を前に、
「今日は、俺とお前で、ダブルガンダールヴだ」
>>603 小高い丘で7万の軍勢が上げる土煙を見ながらの一言か・・・
熱いなぁ
>>604 ふと「ルイズの使い魔を300人のスパルタ人に任せてみた。」なんてものが思い浮かんだ
ガンダールヴ補正で7万くらいなら余裕で追い返しそうだから困る
300人ものむくつけき男が学院に滞在するのか。
何ともはや恐ろしい光景だ
>603
でもライダーだし人間同士の普通の戦争でしかないアルビオン戦には介入してくれないんじゃないかな。
介入するとしたらタルブ村で略奪を行ったりした時くらいだろうし、レコンキスタもそこまで規律が悪いわけでもないみたいだし。
7万の改造メイジ軍団とかならライダーの敵だろうけど……絶望的な戦力差だな。
>>607 死神博士とかが召喚されてるなら改造メイジ軍団もあるかもな
>>605 300人にキスして回るルイズ
いろいろときついなw
陸上自衛隊一個大隊(+海自哨戒艇)でどう?
ラストは伊庭三尉が
「俺は…〇〇だーーーーっ!」(あの時代の西洋の重要人物)
で焼き討ちされ終了。
>>605 スパルタ人なら一人でも最適な奴がいるぞ
クレイトスって神に戦争しかけた奴が
>>613 どんなに長くもっても「服を洗いなさい」の時点でルイズの首が飛んでいくので不可。
下手すりゃ召喚された時点で全員が胴体切断になる。
投下してもいいですか?
支援
支援す
何か手塚治虫先生の漫画の機関銃ってMP40ばっかりじゃね?
----------------------------------
―――夢を見た。命を危険に晒しながら、守るべき者のために、生きる人々の夢を。
―――夢と現実の境界は、目覚めたときに見えたものを、どう感じるかだけだ。それを区別できるのは、神様だけなんだろう。
※ ※ ※
不意に鳴り響いた電子音で夢の世界から引き戻される。
寝ぼけた頭で辺りを探ると何かを掴む。
「布切れ?」
よく目を凝らしてみると女性物の下着であった。
瞬時に自分の置かれている状況を思い出す。
その一:自分はベータに自分の乗っていた戦術機を粉砕されて死んだ……、はずだった。
その二:気づいたら違う世界に飛ばされていた。
その三:犯人はルイズとか言う魔女っ娘。理由は使い魔にするため。
「よし、思い出した」
握ったままのショーツを放り投げ、寝る前に外した腕時計を掴み、腕時計の目覚ましを止める。
窓の外では朝日が立ち上り、鳥たちが囀りをあげ、この学園のメイドと思わしき少女がせっせと洗濯を行っている。
「さてと、俺もお洗濯にいきますか」
※ ※ ※
シエンン
シエンン
「ボクは羽入と申します〜♪ ボクの姿は見えません〜♪ なのです〜♪」
さっきのメイドの少女が何か歌いながら洗濯物を干している。
何故か妙にノリノリだ。
「ずっと昔からここにいます〜♪ だけど梨花しか知りません〜♪ なのです〜♪」
「お洗濯中申し訳ありません、J○SRACの者ですが」
「ひゃあっ! ご、ご、ごめんなさい! もう勝手に歌わないので許してくださいのです!」
それにしてもこのメイド、ノリノリである。
「いや、スマン、冗談だ」
「も、もう…。驚きましたよ。いきなり変なこと言うから。ええと…、どなたですか?」
「俺? 俺はタケル。タケル・シロガネ。ヴァリエールのお嬢様の使い魔をやってる」
「そ、それじゃあ、あなたがあの…」
そう言い後ろに後ずさりする。
どうやら昨日ピストルをぶっ放した件が広まってしまっているようだ。
「あ、いや、洗濯道具がどこにあるか聞きに来ただけだ。別に変なことをしたりはしないよ」
「す、すみません。失礼なことしちゃって」
「いや、別に気にしてないからいいよ。それより洗濯道具はどこにあるんだ?」
「はい、こっちです。ついて来てください」
俺はメイドに洗濯道具と井戸の場所を教わり、清々しい朝の光に包まれながら洗濯を行った。
※ ※ ※
洗濯を終え、部屋へと戻ってきたが、未だにルイズは気持ちよさそうにベッドで寝息を立てている。
「zzz……、私の執事をやらないか……?」
どんな夢を見ているんだ、こいつは?
ベッドのそばに寄り、頬を指で突いてみる。
「zzz……、うるひゃい、うるひゃい、うるひゃい……」
だからどんな夢を見ているんだよ、お前は!?
頬を指で突きながらルイズを起こす。
「おーい、お嬢様ぁー、朝でございますよー」
「んんん……、おはよう……って誰よあんた!?」
どうやら寝起きで頭が回転し出していないようだ。
「お前の呼び出した使い魔のタケルだ、思い出したか?」
「……、私が呼び出した使い魔ね。そうね、昨日、召喚したんだっけ」
「服」
椅子にかかった制服を放り投げると、ルイズはだるそうにネグリジェを脱ぎ始めた。
つるぺったんな胸など見ても面白くないので反対側を向く。
「下着」
「ハァ……、どこに在るんだよ?」
「そこのクローゼットの一番下の引き出し」
着替えも一人で出来ないのかと呆れながら、適当にひとつ掴んで、ルイズの方へと放り投げた。
「服」
「ハァ? さっき渡しただろ」
「着せて」
頭が痛くなった。
「平民のあんたは知らないだろうけど、貴族は下僕がいる時は自分で服なんて着ないのよ」
「自分で着れるのなら、自分でやれよ!」
「ご飯要らないの?」
この台詞が出た時点で俺の敗北は決定した。
何故なら背嚢には食料品は入っていなかったからだ。
さらに俺はここのところ、帰還する度にまたすぐ再出撃でまともに食事を取った覚えすらない。
―――神は死んだ。
そうニーチェの言葉を何度も呟きながら、しぶしぶルイズの左肩にブラウスの袖を通し始めた。
紫煙
>「ボクは羽入と申します〜♪ ボクの姿は見えません〜♪ なのです〜♪」
いきなりスレを間違えたかと思った支援
※ ※ ※
ジャケットを羽織り、サブマシンガンを首から下げルイズとともに部屋を出ると向かいのドアの一つが開いて、
中から燃えるような赤い髪の女の子が現れた。
女の子と言ったがむしろ女性と言ったほうがいいプロポーションだ。
「おはよう。ルイズ」
ルイズは露骨に嫌そうな顔をして、挨拶を返した。
「おはよう。キュルケ」
「あなたの使い魔って、彼かしら?」
そういいながら熱い視線を向けられる。
「え? お、俺?」
「ええ、そうよ。これが私の使い魔よ」
ルイズは眉間をピクピクさせながら言った。
「あなたには勿体無い、いい男ね。でも『サモン・サーヴァント』で人間を呼び出すなんてあなたらしいわ。流石ゼロのルイズ、
私たちにはできないことをやってのけるっ! そこにしびれる! あこがれるっ!」
「うっ、うるさいわね!」
「あたしも昨日、使い魔を召喚したのよ。誰かさんと違って、一発で呪文成功よ」
「ああ、そう! 良かったわね」
「どうせ使い魔にするなら、こういうのがいいわよね。フレイム!」
キュルケは、勝ち誇った声で己の使い魔を呼んだ。
キュルケの部屋からのっそりと、真っ赤で巨大なトカゲのようなものが現れた。
「し、新種のベータか?」
咄嗟にサブマシンガンを構える。
「平気よ。あたしが命令しない限り、襲ったりしないから」
「これって、サラマンダー?」
ルイズが悔しそうに尋ねた。
「そうよ! 火トカゲよ! 見てよ、この尻尾。ここまで鮮やk(以下長いのでry」
「ああ、そりゃよかったわね!」
ルイズは半ば切れている。
「素敵でしょ。あたしの属性ぴったり」
「あんた『火』属性だもんね」
「ええ。微熱のキュルケですもの。ささやかに燃える情熱は微熱。でも、男はそれでイチコロよ、あなたと違ってね?」
キュルケは得意げに己の胸に付いているものをアピールする。
ルイズも負けじと返すが明らかにボリュームが違いすぎる。
言うならば関東平野とエベレストのようなものだ。
「あんたみたいにあちらこちらの男に色気振りまくほど暇じゃないだけよ」
「あなた、お名前は?」
「ん? 俺か? 俺はタケル・シロガネ、国連軍の大尉だ」
「変わった名前ね、軍人さん」
「余計なお世話だよ」
「それじゃあ、お先に失礼するわ」
ルイズはキュルケが去っていくのを、あたかも親の敵でもあるかのように睨みつけていた。
「ああ、もう! なんなのよ、あの女! 自分が火竜山脈のサラマンダーを召喚したからって!」
「俺じゃあ不満か? 不満なのか?」
「あたりまえでしょ! メイジの実力を計るには使い魔を見ろと言われてのよ!
なんであのバカ女がサラマンダーで、わたしがどこの馬の骨かもわからないような男なのよ!」
「ひでぇ言い様だな、おい! お前だって人間だろうに」
「メイジと平民じゃ、オオカミと犬ほどの違いがあるのよ!」
ああ、神よ、この国に平等という概念を与えてくれ……
「ところであの彼女、お前をゼロのルイズって言ってたけど、『ゼロ』って何だ? お前ってそんな名前だったっけ?」
「ただの……ただのあだ名よ」
「あだ名ね…… あいつが微熱ってのはなんと理解できた。お前はどうしてゼロなんだ?」
「アンタは知らなくていいことよ」
今度は俺にさっきキュルケに向けた様な視線をぶつけた。
「胸か?」
ルイズの関東平原を見つめて言った。
「こ、こ、この馬鹿ぁ!!」
「つるぺったぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!」
強烈なアッパーを浴びせられ、思いっきり体が吹っ飛ぶ。
ああ、口は災いの元とはこの事だな…
以上で投下終了です
ああ、文字制限厳しすぎる…
乙
ルイズがワルドを召喚すたらどうかなーとか夢想してみた。
ガンダールブの力は手に入れられるし、ルイズと素直にねんごろになれて自動的に虚無の魔法使い手に入れて世界征服目ざせるし全然OKじゃん
でもクロスねたにならないのでワルドのライバルキャラのマルド召喚で
帽子のマークはワルドと逆のMの字で、
クロムウェルのライバルのシロムウェルと2Pで
>>631 それだとワルドがニンニク食べてパワーアップしたりするパワフルな下品キャラにwww
アニメ版ワルドを原作ルイズが召喚し、原作版ワルドをアニメ版ルイズが召喚する。
途中で子供の頃の思い出や、人間関係に食い違いがあって疑問に思うが…ってのを想像しちゃうな。
いなかったことにされてるブラッキー。
一月近く空いてしまいましたが、ゼロの花嫁投下します
サン支援
以前に街で起こした騒ぎの事情聴取の為、コルベールとルイズ、それに燦の三人は衛士詰所へと赴いていた。
衛士長はメイジであり、ヴァリエール家の威光を恐れていた為、話は至極スムーズに進んだ。
衛士詰所に行くとすぐに応接室に通され、緊張しきった衛士長の、街中でヤクザが好き放題やっていた言い訳を延々聞かされた辺りで問題は起きなさそうだと予想出来たのではあるが。
良家の子女を多く抱える魔法学園の教師付きというのも、それを助長していたようだ。
心中思う所あっても、その程度の策は弄せるコルベール。
二人の話し合いは、お互いこの件を問題にはしないという事でまとまった。
しかし、問題は衛士長の側で控えていた女性衛士の一言から発生する。
全ての話が終わり、退室する三人を外まで送るよう衛士長から命じられたその女性衛士は、別れ際にぼそっと呟く。
「……貴族の道楽で街をこんなにされては堪らんな」
衛士達にとっては面白くない結果であろう。苦労して調査した結果が貴族の威光で全て無かった事にされるのだから。
それがわかっているコルベールは聞こえなかったフリをしてやれたのだが、実際に死にかけたルイズにはどうにもその一言は納得いかなかった。
「出来る事は愚痴るだけ? 街の治安も守れない衛士にはお似合いよね」
二人の視線が絡み合う。
それ以上の事は起こらなかったが、ルイズは聞こえよがしにコルベールに声をかける。
「今日はありがとうございましたミスタ・コルベール。私はこの後燦と買い物をしていくので、先に戻っていてください」
何やら不穏な気配を察したコルベールだったが、そう言ったルイズの表情は穏やかで、これからの燦との買い物を楽しみにしている女の子の顔であったので、ほっと胸をなでおろす。
「ああ、ご苦労様。ゆっくり楽しんできなさい」
燦はルイズの言葉に無邪気に喜んでいる。
以前来た時もそうだったが、女の子同士の買い物は彼女にとってかなり楽しいものらしい。
コルベールと別れ、二軒目の店を出た所でルイズ達は彼女と再び出会った。
嬉々とした顔で彼女を迎えるルイズ。
「やっぱり来たわね。そういう顔してたわ貴女」
現れた女性衛士は押さえきれない怒りを表情の端に滲ませながら、ルイズの前に立つ。
「先ほどの発言を取り消してもらおう。我々の努力も苦労も知らない箱入り貴族にふざけた事を言われるような仕事を我々はしていない」
口の中に含むように笑うルイズ。
「取り消す? 腕づくでやってみたら?」
ルイズの煽り口調に、女性衛士は拳を握って怒りを堪えながら答える。
「……それが望みなら」
「もちろんそのつもりよ。ケンカを売られて黙ってる程、私人間出来てないの」
燦はおたおたしながらルイズを止めに入る。
「る、ルイズちゃん。その、またケンカしたら先生に怒られるで」
「バレなきゃいいのよ、バレなきゃ。そこの貴女、何処か良い場所あるかしら?」
背格好は少女と呼んで差し支え無いルイズにこんな事を言われて、女性衛士もこれ以上忠告だけで済ませる気は失せてしまった。
「付いて来い」
街外れの草原、ちょうどうまい具合に木々が周囲を覆っているおかげで、街道からは近くまで寄らないとこちらの様子を見る事は出来ない。
草の高さも芝といって差し支え無い程度、これに足を取られる間抜けも居まい。
女性衛士がルイズ達を案内したのはそんな場所であった。
渋い顔をする燦からデルフリンガーを借り受けるルイズ。
凄い言いたい事があるらしく、無視されるのを覚悟でデルフリンガーは言う。
「……なあ、娘っ子よう……いや、もういいや好きにしてくれ」
デルフリンガー先端を地面に引きずりながら、女性衛士の前に立つルイズ。
「いいわよ」
ルイズが剣を持ち出した事で怪訝そうな顔になる女性衛士。
「貴族様が剣士の真似事か? 素直に魔法を使わんと後悔する事になるぞ」
痛い所を突かれたルイズは女性衛士をねめつける。
「人の心配より自分の心配したらどう? こっちはもう抜いてるんだから、そっちもさっさと抜かないと死ぬわよ」
「お構いなく」
剣を鞘に収めたまま見下すようにそう言う女性衛士。
「あ、そう」
重そうに剣を引きずるルイズを見て、誰が瞬速の踏み込みを予想出来ようか。
両手で剣を掴むと、長大な両手剣を真後ろから頭上へ振り上げながら女性衛士に向かい斬りかかる。
女性衛士もこの奇襲には驚き、即座に剣を抜いて振り下ろされるそれに合わせる。
金属同士が打ち合う甲高い音が鳴り、女性衛士の頭上でルイズの剣は止められる。
そのまま鍔迫り合いとなるが、背が低く不利なはずのルイズは一歩も引かずにその場で持ちこたえる。
「何よ、少しはやるじゃない」
「貴様……」
ルイズの言動に薄気味悪さを感じた女性衛士は、一度ルイズを突き飛ばして距離を取る。
もちろん、これでバランスを崩してくれれば一刀の元に勝負を決めてやれたのだが、ルイズにそんな隙は見出せなかった。
(コイツ、一体何なんだ?)
小柄で上品な顔立ち、ヴァリエール家の息女だという事だが、外見は正にその通りだ。
櫛が何の抵抗も無く通ってしまいそうな柔らかそうな髪も、清潔に整った身なりも、可憐で美しいその顔も、全てが前情報通り貴族の令嬢である事を表していた。
だがそんな彼女は、不意を打たれたとは言え、メイジではないが衛士として鍛えてきたこの自分、アニエス・ミランが受ける事しか出来ない速度で斬り付けて来たと思ったら、今度は鍔迫り合いまでやってのける。
天狗になっている貴族をこらしめる。そんな意図を持ってこの勝負に望んだアニエスであったが、どうやら自分の認識を改める必要があるようだ。
まるで訓練の時のような真剣な顔で、片手に持った剣を前に突き出し構えるアニエス。
今度は真横から薙ぎ払うように剣を振るうルイズ。
良く見れば予備動作も大きく、その動きを読む事は容易い。
だが、全体重をその一撃に乗せているのでは、と思えるその剣を捌くのに余裕は持てそうにない。
(そこまで勢いをつけたのなら、かわしてしまえば次は繋がるまい)
その思い切りの良さは買うが、それだけで負けてやれるほどこちらも気前良くは無い。
切っ先の距離を見切り、ルイズが真横に振るう剣の上を右腕に握った剣ごと、そしてその切っ先は脇の下を通るよう少し下がりながらこれをかわす。
これならすぐに反撃に移れる。
かわした後に、一呼吸分の間が開くはず。そこで踏み込んで決着だ。
そう思い、左足を一歩前に出した直後、前に倒しかけた上体を後ろに仰け反らせながら剣を降ろす。
ルイズは全力で振るったはずの剣を、アニエスがかわしに来たと感じた瞬間に、全身を使って止めていたのだ。
左足を一歩前に踏み込み踏ん張り、一直線に伸ばしていた腕を肘の所で曲げて剣の向きを変え、腰を逆側に捻ってついた勢いを強引に殺す。
すぐさま剣の軌道を変え、下から掬い上げるように斬りあげるルイズ。
その剣をアニエスは上から振り下ろした剣で止める。
(早いし強いっ!?)
剣を跳ね上げられないので手一杯。つくづく読みを外してくれる女である。
(読み通り!)
ルイズが振り上げた剣を、この女は剣を振り下ろして止めるしか手は無いはず。
そして僅かに浮いた女の肘を、剣から左手を離して押し上げる。
驚愕に歪む女の顔、それを確認する暇すら惜しんで懐に踏み込み、体のバネをいっぱいに使った跳び膝蹴りを腹に叩き込んでやる。
体をくの字に曲げてよろよろと後ろに下がる女、それでも剣を手放さないのは見上げたものだが、その切っ先に力は感じない。
それをこちらのデルフリンガーで絡めるように押さえながら、ルイズは追撃の後ろ回し蹴りを同じく女の腹にぶち込んでやった。
この蹴り方は、全身の力を込めやすいのでルイズのお気に入りでもある。
大きく後ろに飛ぶ女。何と驚くべき事か、女はこの期に及んでもまだ剣をその手から離していない。
(んじゃこれでトドメ!)
女は既にルイズの剣の間合いからは離れているにも関わらず、ルイズは剣を振り上げる。
(おりゃあああああ!!)
その振り上げた剣を、ルイズは女に向かって全力で放り投げる。
縦に回転しながら女に襲い掛かるデルフリンガー。
かっ飛んでいくデルフリンガーの心境はいかばかりであろうか。
「……だからもう好きにしてくれていいって」
諦観の境地である模様。
女は完全に自分のペースを崩されている。
それでもすぐに体を起こしてデルフリンガーの直撃を避けるべく剣を構えるのは、その訓練の賜物であろう。
だが、それもルイズの読みの内。
デルフリンガーを弾いた直後、その眼前にまで踏み込んでいたルイズの狙い済ました蹴りにより、遂に剣を跳ね飛ばす事に成功した。
事ここに至ってアニエスは彼女を貴族として見るのを止める事にした。
出来るだけ傷を少なくだとか、顔は避けようだとか、そんな事はどうでもいい。
後でどんな目に遭おうと、ここでこの女に負けるのだけは絶対に嫌だ。
剣ごと蹴り飛ばされて痺れる右手を放っておき、残った左手をルイズの顔面に叩き込む。
もちろん拳でだ。
それをルイズは更に一歩踏み込み、何と額で受け止めてきた。
振りぬけなかった拳に激痛が走る。
ルイズは頭を捻ってその拳をすりぬけながら、こちらと同じく左の拳を握り、それをアニエスの顔面にぶち込んできた。
インパクトの瞬間目の前に火花が飛び、鼻の辺りに嫌な感覚が広がる。
すぐに後頭部に衝撃が来る。
上下左右の感覚が曖昧になっている。さっきの衝撃はどうやら自分が後ろに倒れて後頭部を地面にぶつけたという事らしい。
アニエスは我に返ると、足でルイズを蹴り飛ばして距離を開けさせ、その隙に立ち上がる。
(コイツッ!!)
ルイズは自分で投げた剣を手にすべく走り出している。
自分も遅れる訳にはいかない。
都合の悪い事に、剣は二本が重なるように転がっていた。
どう考えても辿り着くのはルイズの方が早い。
ルイズは自分の剣を手に取ると、振り返ってその後を追うように走っていたアニエスに数歩踏み込みながら剣を振るってくる。
真横から得意の大振りでアニエスを狙ってきたが、それを、アニエスは頭から海に飛び込むようにして剣を飛び越えた。
このかわし方は予想外だったのか、ルイズも一瞬挙動が遅れる。
余りに大きい動きであった為、それでもルイズの斬り返しが間に合ったが、既に地面に転がっていたアニエスは靴の裏で受け止める。
靴底が切り裂かれるが、全ての動作に支障は無い。
更に後ろにあった剣を後ろ手に取り、膝立ちになりながらルイズの三回目の連続斬りを受け止める。
ルイズの特性は掴んだ。奇襲や対メイジには向いているやり方であるが、それ以上ではない。
剣同士で斬り合う事を前提に学んだアニエスの敵ではない。
ルイズは懐から杖を取り出して呪文を唱えだす。
(それもフェイクでしょう! 貴女の手は見切ったわ!)
とにかく、どんな形でもいいからまず相手を崩す事を考える。
その上で崩れた相手に全力で剣を叩きつけ、その運動能力に任せての出た所勝負。
躊躇無く踏み込み、まっすぐに剣を振り下ろし、斬り上げ、薙ぎ払う。
ルイズは真っ当な剣技に対しての受け方が甘い。反射神経だけで受けきられる程、彼我の能力に差は無いのだ。
アニエスが攻勢に出てから数分後、ルイズの剣はアニエスによって天高く打ち上げられていた。
間髪居れずにその首元へ剣を突き付けるアニエス。
決着は付いた。
信じられないといった顔でこちらを見るルイズを他所に、アニエスは剣を鞘に納める。
「所詮は貴族の道楽。お話にならんな」
その視線だけで射殺さんとするかのごとく、アニエスを睨みつけるルイズ。
だが、どうやら負けたと理解出来るぐらいの冷静さと知性は残っているらしく、それ以上はつっかかってこない。
もうこの場に用は無い。
とびっきりの冷たい視線をルイズに送るアニエス。
「剣術ごっこも良いが、相手は選ぶ事だ。それと……」
最後に鼻で笑ってやる。
「何を勘違いしてるのか知らないが、お前に剣の才能は無い。さっさと結婚して家にでも引き篭ってるのがお似合いだ」
心の底からすかっとする。
こんなに爽快な気分は久しぶりだ。衛士首になるかもしれないが、知った事か。
調子に乗った貴族の鼻を明かしてやるのがこんなにも楽しいとは。
(このまま変な趣味に目覚めてしまいそうだ。今夜は最高の酒が楽しめそうだな)
全身を震わせて屈辱に耐える姿、頬は紅潮し、瞳は潤んでいる。
あんな大言を吐いた生意気な小娘と同一人物とはとても思えない。
ダメだ、ここで笑ってはいけない。この小娘にとって決して越えられない存在だと思い知らせてやらなければならないのだ。
もっとゆっくりこれを見ていきたかったが、断腸の思いで自重し、こちらを睨む二つの視線を背に受け広場を去って行った。
ルイズは今にも飛びかからんとする燦をその手で止める。
完全に負けたのだ。この上使い魔に頼って更なる無様を晒せというのか。
燦はルイズが止めなければ、間違いなくあの女性衛士につっかかっていただろう。
燦ならばあの手練相手でも負ける事は無いだろうが、それではルイズがあの女に勝った事にはならない。
『さっさと結婚して家にでも引き篭もってるのがお似合いだ』
こんな言葉をたかが平民、それも知性も教養も無いような衛士風情に言われて黙って引き下がる事など出来ようか。
怒りと屈辱に震えながら、それでも精一杯燦を気遣いつつ声をかける。
「燦、帰るわよ」
燦はルイズの言葉に逆らわず、無言でそれに付き従う。
何も言って来ない所を見ると、どうやら自分は感情をうまく殺せているらしい。何とか学園に戻るまでは爆発せずに済ませなければ。
絶対に燦に当たるような真似だけはしたくない。
アニエスは仕事を終えると、珍しく酒場へと繰り出す。
行きつけの店を作る程飲みにも行かないので、雰囲気の良さそうな店を適当に選びそこに入る。
もちろん一人だが、これでいい。男性ばかりの同僚など仕事以外では顔を見るのも嫌だ。
落ち着いた内装に、暗い中でもそれとわかるほど清掃の行き届いた店内。
アニエスはカウンターに座り、静かに酒をいただく事にする。
幸運な事に、アニエスが偶々入ったこの店には騒々しい客もおらず、ゆっくりと酒を楽しむ事が出来そうだ。
早速一杯目、上品なカクテルを一口口にする。
フルーツ系の口当たりの良さと、適度なアルコールが心地よい。
そして何より、昼のあの出来事がこの酒の味をえもいわれぬものとしてくれた。
(あの顔……今まで負けるような事も無かったのか。そんな無垢で無知で無思慮でプライドの高い貴族のお嬢様。今頃悔しさに歯噛みしてる事だろう、泣いているかもしれんな)
二口目は少し多めに流し込むつもりだったが、そのあまりの旨さに、つい全てを飲みきってしまった。
すぐに次を頼むが、これもあっという間に無くなってしまう。
何と酒の進む日であろうか。明日は非番だし、今日はもうこのまま飲めるだけ飲むとしよう。
そんな事を考え、景気良く酒を進めるアニエス。
「随分ご機嫌ね、何か良い事でもあったのかしら?」
不意に隣から声が聞こえてきた。
少し遠い場所、同じカウンターで席を二つ空けた先に座っていた緑髪の美しい女性が自分のグラスを振っていた。
見ず知らずの人間と、こんな場所でいきなり会話をするような生き方をしてきた覚えは無い。
少なくとも向こうに敵意は無いようだが、こんな時すぐに気の効いた切り替えしの出来ないアニエスは無言だ。
「いきなりごめんなさいね。ただ、あんまりにもおいしそうにお酒飲んでるものだからつい」
言われて赤面するアニエス、見ていてわかるぐらい楽しそうにしていたつもりは無かったのだ。
「……それは失礼した」
緑髪の女性は返事をもらえた事で、歩み寄りに成功したと思ったのか、席を一つ詰めてくる。
「何か景気の良い話でもあったの?」
彼女はこの店に慣れているようであるし、その彼女の作った流れに敢えて逆らう事も無かろうと当たり障りの無い程度で話をする。
「気分の良い事があった、それだけだ。ここは良い店だな」
緑髪の彼女は嬉しそうに頷く。
「そうね、私もこの店見つけた時は本当嬉しかったわ。少し値段は張るけど、こういう一人でも落ち着いて飲める場所って貴重よ」
「まったくだ。この雰囲気は本当に、悪くない」
基本的にそんな話す方ではないアニエスだったが、緑髪の彼女の話しやすさとこの店の雰囲気、そして酒のおかげでいつもより随分と口が回ってくれた。
何より、同世代の女性と話す機会など随分と無かったのだ。
そんな相手とお互い踏み込みすぎない程度に会話を交わすのは、とても楽しかった。
程なくして双方本来のペースを逸脱したアルコール量を摂取しはじめる。
「でね、そこの学園長ってのがまたスケベなジジイで……」
ロングビルと名乗った緑髪の彼女も、女一人で世間の荒波と戦ってきていた。そんな境遇も良く理解出来る。
「何処にでも居るものだ。私も似たような目に遭った事があるが、よっぽどその手ごと叩き斬ってやろうかと……」
二時間もすると、二人共数年来の友人であるかのように意気投合する。
衛士という仕事を女だてらに続けてきたアニエス、そして没落貴族という立場でありながら女手一つで妹の仕送りまでやっているロングビル。
背負う苦労も似た物が多い二人は、その気に食わない対象もそっくりだったのだ。
「だから〜、貴族貴族って何が貴族よ〜。何処にでもいるボンクラの集まりじゃない〜、そんな甘ったれの面倒見ろなんて冗談じゃないわよ〜」
それとなく出来上がってきているロングビル。アニエスもかなりキているので、ロングビルのろれつが回っていないのにも気付いていない。
「ああ、今日もそういうバカ貴族がケンカを売ってきたのでな、返り討ちにしてやった」
「ホントに〜? 何処の何様よそのボンクラ〜。きっちり殺してきたんでしょうね〜」
「ヴァリエール家の令嬢という話だったな。泣きそうになりながらぶるぶると震えていた」
ケタケタと笑うロングビル。
「ああ知ってるわそいつ。学園の跳ねっかえり『ゼロのルイズ』でしょ。生意気にプライドばーっかり高くってさ、ロクに魔法も使えない癖に何よ偉そうに」
グラスを揺らして失笑するアニエス。
「なんだあいつ、魔法までヘボか。救いようが無いな」
アニエスの言いっぷりが気に入ったのかロングビルは机に突っ伏して笑い転げる。
「アニエス、アンタ最高よ。心配しなくてもいいわよ〜、あのチビちゃんが何か仕掛けようとしたら、私が知らせてあげるから」
「そうか、それは頼もしいなロングビル。では……」
グラスを掲げるアニエス。ロングビルもそれに倣う。
「バカ貴族の絶滅を願って」
「あははははははは、アホ貴族が地獄に堕ちる事を願って」
『カンパーイ』
帰路も無言のまま学園へと辿り着くルイズと燦。
燦は、部屋で休むというルイズにかける言葉が見つからない。
ドアの前でどうしたものか悩んでいると、部屋の中から微かにすすり泣く声が聞こえてきた。
「悔しかったじゃろうなあ……許せなかったじゃろうなあ……」
時折聞こえてくる搾り出すような声を聞くと、自然とこちらまで涙が零れてくる。
「大丈夫じゃルイズちゃん、私が何とかしたる。絶対このままになんてしておかんきに!」
翌朝。
トリステイン魔法学園側にある丘の上に、二つのシルエットが見える。
日が昇ったばかりの早朝。
二つ並んだそのシルエットは微かに上下に揺れながらまっすぐ丘を降りてくる。
ちゃっちゃーちゃちゃちゃーちゃちゃちゃーちゃちゃちゃ♪
【BGM:ロッキーのテーマ】
「ダッシュじゃルイズちゃん!」
「応っ!!」
汗を撒き散らしながら駆け出す二人、先行する燦の物凄い速さにもルイズは良く付いていっている。
Trying hard now♪
木刀を構える燦に、右に左に斬りかかるルイズ。
「右! 左! 右! もっと早く! もっとシャープにじゃ!」
「っだああああああああああ!!」
it's so hard now♪
背中に大きな石版を乗せ、体の下にはとげとげの付いた石版を置く。
その上で、猛烈な勢いで腕立て伏せをするルイズ。
「85! 86! 87! ルイズちゃんペース落ちてるで! 88! 顎は地面につけて! 89!」
「ぎゃああああああ棘が! 棘があああああっ!」
trying hard now♪
腹筋するルイズの腹の上にぼすんぼすんと両手で抱える程の大きさの石を落とす燦。
「どないした!? もう終わりなんか!? あの女のボディはこんなもんじゃないで!」
「いや、ぼふっ! あの女ボディとか打たな、ごふおっ!」
Getting strong now♪
坂道を一息に駆け上がるルイズ。休む間も惜しんで同じ坂を駆け下り、全速でまた駆け上がるを繰り返す。
「後二十往復じゃ! スピードが落ちてるで! もっと腿を上げるんじゃ!」
「おりゃあああああああああ!!」
won't be long now♪
食堂で皆が注視する中、ルイズと燦は並んで物凄い量の食事を両手で次から次へと口に放り込んでいく。
「良く食べ! 良く寝て! 滅茶苦茶鍛えるじゃあああああ!!」
「ほごっ!(わかってるわ!)むごもごふご!(でもお行儀とかだけは守らせて貴族的に!)」
getting strong now♪
剣を持ったままランニングするルイズ。時々立ち止まってはその場で剣を振り回す。
窓からその様子を見ていた下級生が手を振っている。
「応援してます! 頑張ってくださーい!」
笑顔で答えるルイズ。
「ありがとう!」
ちなみにその下級生のすぐ隣、窓の外からは見えない位置にキュルケが居て、その下級生を睨みつけている。
「……あの、これでいいんでしょうか」
「ええ、良く出来たわ。後はルイズがここ通る度に応援を忘れない事よ」
「は、ははははい!」
Gonna fly now♪
タバサが本を読みながら投げやりに呪文を唱えると、その本の前に氷の矢が現れ、ルイズ目掛けて一直線に飛んでいく。
「フットワークじゃ! 左右のフットワークをもっと細かく! 上半身の捻りも忘れたらアカンで!」
「あぶなっ!? ちょ! タバサ! あんたもうちょっと数減らし! っぎゃああああ刺さったあああああ!!」
flying high now♪
剣を構えるルイズの周囲をギーシュのゴーレム七体が取り囲む。
「あの……幾らなんでもこれは……マズイんじゃない?」
弱気なギーシュの声を歯牙にもかけない燦。
「同時に七体が剣を振る! それをその場から動かずに全部捌くんじゃあああああ!!」
「かかってきなさいぎいいいいいいいしゅうううううううううう!!」
あっという間に袋叩きにされるルイズ。
「まだまだよっ!! こんなもので私が倒せるとでも思ってるの!?」
「じゃ遠慮無く」
お言葉に甘えて再度フルボッコにするギーシュ。
gonna fly, fly, fly……♪
小高い丘の上に、ルイズと燦の二人は並んで立ち、両腕を大きく上に振り上げる。
「うおおおおおおおおおおおおっ!!」
「おりゃああああああああああっ!!」
二人の雄叫びを、キュルケは物凄い距離を置いた場所で呆れながら、タバサはその隣で本を読みながら聞いていた。
「さて、あの二人は放っておいて、私は行くとするわね」
タバサにそう断って立ち去ろうとしたキュルケだったが、タバサの目が何かを訴えかけているのに気付く。
慌てて手をぱたぱたと振る。
「別に変な事なんてしてないわよ。ミス・ロングビルの紹介で戦闘訓練の相手見つけてもらっただけだから」
尚もその視線はキュルケを射すくめたまま動かない。
「だーかーら、危ない事なんてしてないってば。そもそも先方の希望で火のメイジが良いって話だったんだし、相手はれっきとした軍人なんだから心配いらないわよ」
キュルケの言い訳を微動だにせず聞いていたタバサだったが、一応それで納得したのか視線を逸らした。
胸をなでおろしたキュルケはタバサに手を振って、丘を下っていく。
残されたタバサが再びルイズと燦に目をやると、二人はまだ何処かへと向かって吼え叫んでいる。
「問題無い……かな」
常識的な事全てに目を瞑り、とりあえず他に迷惑かける事は無さそうだと二人の奇行を容認するタバサであった。
特訓を終え、再挑戦とばかりに街に乗り込むルイズと燦の二人。
アニエスはパトロール任務中であった為、休憩時間にその相手をする事になった。
場所は前回と同じ野原だ。
セコンドの燦はルイズの顔を両手で包み込むように掴む。
「ルイズちゃんは強い!」
「私は強い!」
「ルイズちゃんは早い!」
「私は早い!」
「ルイズちゃんの剣は誰にも止められない!」
「私の剣は誰にも止められない!」
「ルイズちゃん最強!」
「私最強!」
「叩きのめしたるんじゃああ!」
「おっしゃああああああああ!」
とても女の子とは思えない雄々しい気合の声が終わると、デルフリンガーを手にアニエスの前へと進むルイズ。
「生きて帰れるなんて思って無いでしょうね」
アニエスは心底呆れている。
「……まあいい。やるぞ」
呆れてはいたが、同時に楽しみでもあったのだ。
ロングビルから再挑戦のつもりがあるらしい事は聞いていたが、まさか本当に来るとは思っていなかった。
(そういう根性のある奴は嫌いじゃない。……せめて、三十分は保ってくれよ。でないと無理をして時間を空けた甲斐が無い)
店のドアを開くと、強い木の香りが鼻をつく。
それは不快なものでは決して無く、この店を印象付ける良いアクセントになっている。
客の数も控えめ、いや、店主にはそもそも全ての席を埋めるつもりはないのだ。
その良い雰囲気に惹かれて客が増えると値段を上げてその足を調節するという徹底振りで、絶妙にコントロールされた店内の雰囲気は、いつ来ても彼女にとって好ましい場所であり続けていた。
既にカウンター席に付いている友人の隣に座ると、彼女は大人びた心安らぐ笑顔で迎えてくれた。
「今日、そっちにルイズ行ったでしょ。どう、楽しんだ?」
どうやらこちらの事はお見通しらしい。ひどい友人だ、人が驚かせてやろうと顔が笑ってしまうのを必死に堪えていたというのに。
まあいい、それならそれで。もう我慢しなくてもいいのだから。
「最高の気分だな」
表情を崩してそう言うと、友人ロングビルはいつものように声をあげて愉快そうに笑う。
彼女のこんな素直な笑顔が、私は大好きなのだ。
数杯重ねただけで、ロングビル、アニエスの二人共軽い酩酊状態となる。
店の雰囲気と、やはり気の許せる友人が一緒という事が大きな原因であろう。
六杯目を頼んだロングビルは、片肘をテーブルにつき、その手に自分の顎を乗せながらこちらを向いている。
眼鏡の奥の瞳はほどよくとろみがかっていて、桃色に薄く染まった頬と首筋が何より扇情的だ。
「随分と彼女達特訓してたみたいだけど、成果の方は出てたの?」
対するアニエスはアルコールの影響などまるで受けていないと言わんばかりにほぼ変化無し。
まっすぐに伸びた背筋を崩す事も無く、テーブルの上に置いた両手を組みながら僅かに首を傾けてロングビルを見つめる。
しかしその切れ長の目が僅かに揺れており、口元も注意深く見ればいつもより緩んでいるのがわかる。
「全然駄目だな。しぶとい所は認めてやるが、てんでなってない。特訓してあれなら、今後を考えるに今すぐ死んだ方が当人の為だ」
アニエスのこんな口調が大好きなロングビルは、テーブルを叩いて笑い転げる。
「あはははは、医務室に通い詰めになりながらの特訓も効果なしとは、そりゃ確かに死んだ方がいいわね」
一時間の激闘の末、魔法無しならば全治三ヶ月の重傷を負い再び敗北したルイズ。
彼女の特訓の成果が出ていないわけでは無論無い。
ただルイズの特訓はそのほとんどが地力を上げる為のものであり、そもそもの相性の悪さを解消する為のものではなかったのだ。
アニエスは正当な剣術と体術で、相手が剣ならば鉄壁の防御を誇る。
そこにルイズの変則的な剣のみで挑もうというのが、そもそもの間違いなのである。
少しでもまともな剣術を学んでいれば、その応用としてあの変則的な剣が活きてくるのだが、燦はルイズにそれをほとんど教えなかった。
ルイズの特性を殺す事になると考えての事だが、真正面から剣のみでやり合うという条件の付いた対アニエス戦においてそれは致命的な間違いであると言わざるをえない。
アニエスもロングビルに倣って六杯目を空け、次を頼む。
「今回私は剣でなく木刀を使った。何故だかわかるかロングビル」
アニエスから手加減を思わせる言葉が出てきたのが意外だったのか、不思議そうに問い返すロングビル。
「珍しいわね、アニエスは情けとか容赦とか全くしなさそうなのに」
喉の奥で含むように笑うアニエス。
「剣だと急所に当てたら殺してしまうだろう。木刀ならば、いくら打ち込んでもそうそうは死なん」
表情が引きつるロングビルを他所に、アニエスは楽しそうに語る。
「この選択は正解だったぞ。何度も何度も何度も何度も全力で打ち込んでやった。肉が裂け、骨が折れ、激痛に身をよじりながら立ち上がる奴を更に打ちのめし、その意思が潰えるのを見守るのは何物にも変えがたい愉悦だ」
友人、アニエスは友人、と自分に言い聞かせながら必死にどん引きする自分を戒めるロングビル。
「惜しむらくは、奴の心が折れる前に奴の体に限界が来た事だな。次はもう少し工夫して体への損傷を抑えつつ苦痛を与える方法を考えてみようと思う」
とても楽しそうにそんな事を言う友人に、つっこむ術をロングビルは持ち合わせていなかった。
「相手がロングビルでなければこんな話も出来ん。私はつくづく良い友人を持った」
マスターが出した七杯目のグラスを掲げるアニエス。
「私達の友情に」
このように時々ふっと漏らす可愛い所が、とても卑怯だと思うロングビルも、同じく七杯目のグラスを掲げる。
「(その矛先が私に向かない限り)永遠に続く友情に」
『乾杯』
ちんと鳴るグラスの音、アニエスもロングビルも得がたい友人を得られた喜びは、まだしばらく続いてくれそうであった。
トリスタニア魔法学園医務室に担ぎ込まれるルイズ。
街からここまでルイズを抱えて走ってきた燦は、部屋の外の長椅子にぶっ倒れている。
医務室内で医師はルイズの惨状を見て呟く。
「……今日は特にひどいな。あのゴーレム坊やかい?」
手術の準備を整え終わり、医師にメスを渡しながら女性医師は肩をすくめる。
「さあ、原因が何だろうと私達の手間にはさして変化はありませんよ」
「全くだ」
医師は治療に取り掛かるべく患者をゆっくりと観察する。
血に塗れたピンクの髪は、元々は美しくウェーブを描いていたのだろうが、今は乾燥した白色と黒色の何かが張り付き、まともに櫛も通らない有様となっている。
頭部にある裂傷は、おそらく鈍器のような何かを叩きつけられた痕であろう。
そこから噴き出したと思われる血が凝固して黒ずんでいるのはわかる。だがこの白い物は?
医師の脳内にどピンクな妄想が吹き荒れる。
いや、ピンクと言うには少々殺伐としすぎている内容であったが、それでも医師の滾る血流が、ここ数週間押さえつけていた欲求を蘇らせるに充分である。
看護婦はその気配に一早く気付く。
「落ち着いて下さい、この白い物はおそらく汗が固まった物でしょう。オールドオスマンが大人しくしてるおかげで、例の症候群も治まってるんですから無茶はいけません」
その目線だけで全てを察する看護婦の手腕は見事の一言。
医師も看護婦に励まされたおかげで自らを持ち直す。
「すまない、治療を続けよう」
性欲持余症候群、その段階によりL1〜L5まで分類されるその病の、医師は経験者であった。
女王感染者(オールドオスマン)と呼ばれる一次感染者の動向にその精神を左右されてしまうという恐ろしい病気である。
医師は水の魔法により、重傷箇所から順に治療を施していく。
ここ数日は良くルイズもここに来ていたのだが、これまでは大事無く過ごせたのだ。今度もきっと大丈夫だと自らに言い聞かせる医師。
汗と血で張り付いた制服をゆっくりと切り剥がすと、その下にある地肌が大気に触れる。
今までは意識しないよう気をつけていたのだが、きっかけがあったせいでそれが難しくなっている。
年齢に比して明らかに幼いその体型、その代わりに瑞々しさと弾性を持ったその肌は、ルイズの荒い呼吸に合わせて微かに上下している。
衣服を切る為の鋏が腹部の上から、ゆっくりと上へと切り上がり、胸部に達する。
この辺りはほとんど損傷を受けていないせいか、美しい彼女に相応しい照り返すような光沢を放つ。
更に上、首周りまで切り進み、そこで鋏を置く。
後は切り裂かれた衣服を、彼女の傷口に影響しないようゆっくりと左右に引いて脱がせるのだ。
その下にあるはずの下着、可愛らしい薄ピンクの生地のそれをも一緒に剥がす予定だ。
少々惜しい気もするが、自らの逸る気持ちを考えるに、順に一枚づつ楽しむ余裕は無さそうだ。
上半身の後は下半身が待っているのだから。
相変わらず血色の良いその脚部、付け根の、その最奥の曲線を、早く、私に。
「ウッディ!!」
奇声と共に放たれた看護婦の一撃で医師は昏倒した。
「すみませーんL5発症でーす、代わりに三年生の女生徒誰か呼んできてくださーい」
看護婦の手には、赤黒い液体の滴る金属製の棒状の物体が握られていた。
目を覚ますなりルイズはベッドから跳ね起きる。
そして自らの敗北を思い出し、ひとしきり喚き散らした後、ベッドから飛び降りて医務室を後にする。
廊下の長椅子に寝ている燦を起こすと、燦は目を覚まし心配そうにルイズを労わるが、それをルイズはその表情で押し留める。
燃える様な瞳は、決して諦めない執念の証。
それに打たれた燦も自然と任侠モードに切り替わる。
二人が並んで歩く廊下に何処からか降り注ぐ桜の花吹雪。
学園生徒でこの二人の前に立つ勇気の持ち主は誰もおらず、無人の野を行くがごとく校舎を出る。
「二人共そこまで」
殺気立ったルイズと燦に声をかけられる人間はこの学園でも数少ない。
その内の一人、タバサがゆっくりと二人に近寄る。
末期症状ww支援
規制か?
支援
ルイズに負けじとやる気の燦に感動するルイズ。
「ええ! 最高の舞台にしましょう!」
盛り上がる二人、それに水を差すようにキュルケは言った。
「で、何やる気なの?」
そのアイディアすら無い二人は、まずそこから始めるべく部屋へと走っていった。
その後姿に声をかけるキュルケ。
「ミスタ・コルベールが私達の芸見てくれるって言ってるから、後で相談に行ってらっしゃい」
聞こえたという合図なのか、後ろ手に手を振りながら宿舎へと向かって行った。
「さて、じゃ私達も準備始めるとしましょうか」
暢気にそんな事を言うキュルケを、タバサはじとーっと見つめる。
「私はもう終わってる。キュルケもさっき知ったばかりなんだから早くしないと手遅れになる」
ミス・ロングビルに紹介してもらった相手との戦闘訓練にうつつを抜かしていたキュルケも、実は品評会の事を忘れていたのだ。
「はいはい。んじゃそれなりに仕上がったらミスタ・コルベールの所に行けばいいのね」
こくんと頷くタバサ。
タバサは、二人共その気になってくれたようで胸をなでおろしていた。
実はコルベールから、二人の芸が完成したら一度自分の前で披露するよう言っておいてくれと頼まれていたのだ。
コルベールが心配するのも良くわかる。
王女を前にこの二人が暴走なんてした日にはフォローしきれない。
ただ、一つ納得いかないのが、タバサもコルベールの前で芸を披露するよう言われた事だ。
この二人程無茶をした覚えは無い。いつも一緒に居るからと自分も問題児扱いはあんまりじゃないかと思う。
だがもし、タバサはいい、と言われたらそれはそれで少し寂しいと思うかもしれない。
自分の事ながらその辺が少し複雑だ、などと愚にも付かない事を考えていた。
誰かさん達の起こした決闘騒ぎのせいで開催が遅れてしまった使い魔品評会は、何としても無事に終わらせなければならない。
そう意気込むコルベールの気持ちが痛い程良くわかるタバサは、あまり興味は無かったが、せめてそれっぽく見えるようにと、密かに練習をしておいてあげたのだった。
代理おわりー
あんた、どこに誤爆してんねんw
代理投下誤爆なんてはじめてみたぞ
663 :
花嫁代理:2008/01/16(水) 20:30:00 ID:2Jv4BRF0
ルイズに負けじとやる気の燦に感動するルイズ。
「ええ! 最高の舞台にしましょう!」
盛り上がる二人、それに水を差すようにキュルケは言った。
「で、何やる気なの?」
そのアイディアすら無い二人は、まずそこから始めるべく部屋へと走っていった。
その後姿に声をかけるキュルケ。
「ミスタ・コルベールが私達の芸見てくれるって言ってるから、後で相談に行ってらっしゃい」
聞こえたという合図なのか、後ろ手に手を振りながら宿舎へと向かって行った。
「さて、じゃ私達も準備始めるとしましょうか」
暢気にそんな事を言うキュルケを、タバサはじとーっと見つめる。
「私はもう終わってる。キュルケもさっき知ったばかりなんだから早くしないと手遅れになる」
ミス・ロングビルに紹介してもらった相手との戦闘訓練にうつつを抜かしていたキュルケも、実は品評会の事を忘れていたのだ。
「はいはい。んじゃそれなりに仕上がったらミスタ・コルベールの所に行けばいいのね」
こくんと頷くタバサ。
タバサは、二人共その気になってくれたようで胸をなでおろしていた。
実はコルベールから、二人の芸が完成したら一度自分の前で披露するよう言っておいてくれと頼まれていたのだ。
コルベールが心配するのも良くわかる。
王女を前にこの二人が暴走なんてした日にはフォローしきれない。
ただ、一つ納得いかないのが、タバサもコルベールの前で芸を披露するよう言われた事だ。
この二人程無茶をした覚えは無い。いつも一緒に居るからと自分も問題児扱いはあんまりじゃないかと思う。
だがもし、タバサはいい、と言われたらそれはそれで少し寂しいと思うかもしれない。
自分の事ながらその辺が少し複雑だ、などと愚にも付かない事を考えていた。
誰かさん達の起こした決闘騒ぎのせいで開催が遅れてしまった使い魔品評会は、何としても無事に終わらせなければならない。
そう意気込むコルベールの気持ちが痛い程良くわかるタバサは、あまり興味は無かったが、せめてそれっぽく見えるようにと、密かに練習をしておいてあげたのだった。
ゲェーッ被っちまった、ごめん。
花嫁さん投下乙です。
ルイズはもう別世界への世界扉を開いちゃったんだね…
支援だ
ルイズがスポコンになっとる
乙
エロ澄さん早く止めないと死人でるぞ支援
あれ?
なんか抜けてね??
669 :
ゼロの魔人:2008/01/16(水) 21:36:53 ID:naeRzdQO
ライオットアクト熱が再燃して、エージェント召喚の妄想にかられてたら、
人修羅の事をすっかり忘れてしまっていただぜ。
相変わらず短いですが続き投下よろしいですか?
後、最初に謝らせて下さい。ゴメンなさい。
だめだね、あの作品住人は赦さない
支援する!!
アニエスに勝とうとするならば、剣をデルフではなく、ワルドの杖みたいに
魔力発動体と武器を兼ねたものにした方が良いと思うね。
剣でつばぜりあいしながら、どんな魔法でよいから“失敗”する。
原作の煉金の授業みたいに、自分はダメージいかなくてもシュヴルーズみたいに
アニエスにはダメージが与えられると思う。
昨夜の、近年類を見ない大地震は、トリステイン魔法学院に勤める者を煩忙させた。
学棟の被害は、連綿と施された固定化の魔法により軽微である。
しかし、保管されていた瓶詰めの秘薬や陶器など、
設置されていない物は悉く損壊し、甚大な被害と成っていた。
怪我人一人として出なかった事が、奇跡的様相を呈している。
夜を撤して院内を奔走し、事態の収拾に人力尽くした教員や奉公人は、明け方あたりに漸く報われ、
日の上る頃には、常より少々慌しい業務を残すのみとなった。
欠伸を噛み殺し、山の様な洗濯物を消化する為、
メイドの少女は一人、学院外に設置された洗い場へと赴く。
気持ち足早に辿り着くと、先に訪れていた人影へ目を奪われた。
暫し立ち止まり思案の後、少女は喜色満面の笑みを湛え、小走りに近づき、
その者をまじまじ下から覗き込んで観察する。
「あの……貴方はもしや……悪魔さん? ですか?」
傍らに、堆い洗濯物を置き訊ねると、大きな黒い瞳を輝かせた。
洗い場に向き立ち尽くしていたそれは、少女に顔のみを向き変え、
視線を絡めると頷き、そうだと主張する。
「やっぱりッ! そうなんですねッ!
初めて見るので少し自信無かったんですけど……
あの……さッ……触ってみても……宜しいですか?」
喜びから不安、不安から懇願へと表情を次々に変えて、佇む悪魔に言葉を紡ぐ。
悪魔が、その身も向き変えて無言の肯定を示せば、
少女は己が撓わに揺れる胸の前で掌を合わせ、跳ねて全身で喜びを顕にした。
「あぁ……ありがとうございますッ! では……」
触りますね、と心中で続け双手を広げると、壊れ物を扱う様に悪魔の胸へ細い指を這わせる。
悪魔はされるが侭、微動だにしない。
「綺麗です……紋様。力の流れを感じます。
きっと、とても高位な悪魔さんなんですね」
触れる指の動きは止めず呟きながら、多くを感じ取ろうとひたすら行為に耽る。
指の腹が甘い痺れを覚え、吸い付く様に夢中となった。
悪魔の肢体は、華奢と云う程に細くも無く引き締まっており、
艶やかな肌や温かみのある弾力、揺るぎない逞しさが感じ取られる。
胸から腹へ、紋様をなぞる様に動かすと、今度は肩口に上り腕へとそれを繰り返す。
末端の五指に至り、後戻って喉元から頬、赤く揺らめく目元に指を進めると、
己の髪と同様の深い黒髪に指を埋め、頭の後ろへと滑り込ませる。
遂に指先を、首筋から突き出た、黒く不気味な鋭い突起物に接触させると、覚えず声が零れた。
「ぅあぁ……凄く硬い……それに熱くて……
指が焼けてしまいそうです……」
脈動する魔力の源に柔柔と指を絡め、その存在に熱っぽい吐息を漏らす。
「ふぅ……こんなに溢れて……
これが……」
悪魔の反応を伺う様に顔を持ち上げ、融けた視線で確認すれば、
先程と何ら変わらぬ静かな漆黒の眼が見下ろしている。
全てを見透かされてしまう様な見開かれた目に、思わずシエスタは全身を密着させた。
魔性に自らの溢れる胸を押し付け、指の股や腹、掌でそれを擦り、軽く、強く緩急を付け握る。
先端を包み転がして弄び、一頻りその熱さを愛でると、
名残惜し気に背中、そして腕へと、その手を這わし悪魔を堪能し終えた。
673 :
ゼロの魔人:2008/01/16(水) 21:47:38 ID:naeRzdQO
以上です。
アマラに潜ってパトってきます。
亀だが
>603
テファに、
「なあ、信じてみないか……神も仏もいなかったとしても、仮面ライダーはいる……って」
と言うサイトの姿がぁぁぁw
あれ?
後半が全部弾かれてしまっただぜ?
>>674 先生、そんな熱血度十倍増しな才人が見たいです……
>>673 エロスは程々にしときなさいw
(意訳:もっとやっちゃえお願いします)
弾かれたなら弾かれた部分を避難所に投下だ!
そして代理投下してもらうんだ! ハリーハリーハリー!
「ふぅ……ありがとうございました……悪魔さん。とても素敵でした」
紅潮し茹った顔を手の甲で冷やし、感触の余韻に浸っていると、
不意に重要な何かを忘れている事に囚われる。
とろけて停滞した思考に湧き起こる疑問を燻らせ、幾許置くと自己紹介もまだな事に気付いた。
慌てて滑らかな少し長いボブの黒髪を手櫛、くたびれたメイド服の皺を伸ばして身なりを整える。
深呼吸して落ち着きを取り戻すと、畏まって名を告げた。
「すみません私、舞い上がってしまって。いきなり失礼な事を……
私、シエスタと云います。この学院で奉公してるんですよ。
悪魔さんのお名前は、何と仰るんですか?」
仕切り直し言上すると、その悪魔が魔人であり、名をヒトシュラと知る。
更に言葉を重ねれば、昨日行われた使い魔召喚の儀式にて喚びだされた事が判明した。
魔人と云う存在に、一際興奮の色を隠せないシエスタは、尚も会話に没頭する。
「ミス・ヴァリエール……
悪魔召喚を、しかも貴族の中に行使できる方が居らしたなんて。
私のお爺様の代で失われたとばかり思ってました。
あッ! 私の家は代々、悪魔合体の秘術を執り行う者の血を組んでるんですよ」
だから、と先程暴走して行動が先走ってしまった事を再び謝り、目を伏せた。
「昔はもっと沢山居たんですけど、お爺様の代で異端の煽りを受けてしまって。
短い間に多くの同胞と、大半の技術は失われたんです。
私の様な者はこうして、社会に紛れ生活してるんですよ。
まさか生きてる内に、悪魔を目に出来るなんて思わなくて」
悲惨な顛末に臆面も見せず、そう云ってのけ、更に話は続く。
「それにしても魔人が召喚されるなんて……
死を与える事に特化し、行動理念とする存在。試しの者。
あッ……もしかしてヒトシュラさんは、この世界を?」
含みを持たせた端的質問をヒトシュラに投げ掛けるが、応えはない。
シエスタは、それでも何かを察したのか頷き、真摯の眼差しを向ける。
「そうですか……私に出来る事があれば何でも云って下さい。
それに、さっきのお礼もしないと」
努めて明るく振る舞うと、此処で初めてヒトシュラの両手が学院の女子制服と下着、
掃除に用いられたと思しき雑巾で、一杯に埋まっている事を知った。
それが意味する事を瞬時に理解すると即座に奪い取り、
隣に置いた洗濯山に重ねる。
「これは私がしておきます。今度から、気軽に申し付け下さいね。
後ぉ……そうだッ! マガツヒッ! 私のマガツヒを差し上げますッ!
悪魔の方はマガツヒが無いと、この世界に留まれないんですよね?」
名案を思い付いたとばかりに顔を綻ばせ、いそいそ着衣を脱ぐと、
首筋から肩を晒し、横髪を耳に掛けて己を差し出す。
「必要な時は何時でも差し上げますから、全部は吸わないで下さいね」
目を瞑り待ち構える少女の肩をヒトシュラは掴み、自然と首元に顔を沈める。
本来、生命エネルギーであるマガツヒを吸収するのに部位は問わない。
しかしシエスタはそれに気付くでも無く精一杯身を竦め、
程なく全身から噴き出す赤い光の粒に合わせ弛緩した。
「ふぁ……ぁあ……ぁ」
首の付け根から流れ出る灼熱の奔流に意識を焼かれ、嬌声をあげる。
産まれ出でて味わった事のない死の悦楽は、
悪魔の埋まる其処から全身を駆け巡り、少女を蹂躙した。
我知らず覚束無い腕で空を掻き、ヒトシュラの首にそれを絡めると、
あらん限りの力で後頭部の突起物を握り締め、殊更深く自らに押し付ける。
「ふぅ……くふぅ……んんッ」
口は既に語るのを止め、雫と喘ぎを垂れ流す器官へと成り果てていた。
擦り寄る様に、剥き出しの肩口を必死に密着させようと身じろぎ、
胸元が己の体液で、しとどに濡れる事など気にも止めない。
時間の感覚も定まらず、その行為の意味さえも忘れ耽溺すると、
突如訪れる喪失感に、思わず抗いの声音を洩らす。
「……ぃあぁ」
シエスタは頭を振り俯いて、絡めた指を放すまいと力を込めるが、いとも容易く解かれた。
何故、と目線を擡げてヒトシュラ見やれば、
今し方の行為が何であったか思い出し、気恥ずかしさからかその場へ崩れ落る。
肩を揺らし涙に頬を濡らすと、傍らに跪いた悪魔に顔を優しく拭われた。
柔らかく撫でられるくすぐったさに幾分気が晴れたのか、
はにかんで、ぎこちない笑みを作って見せる。
「ごめんなさい……ヒトシュラさん……
私ったら先から迷惑ばかり掛けてしまって……
今度からはちゃんと……大丈夫ですから」
誰よりも、自分に云い聞かせる様に言葉を綴る。
開けた服も整えると、心許ない足取りで立ち上がり、
辺りを確認すれば、間もなく学院生の朝食である事が窺えた。
「ふぅ……これは私がやっておきますから。
ヒトシュラさんも早くミス・ヴァリエールの所へ行って差し上げて下さい。
もうすぐ朝食の時間ですよ」
澄まして冷静に努め、そう述べれば、
ヒトシュラは首肯を残し、程なく洗い場を後にする。
シエスタは、その後ろ姿に憂いの眼差しを投げ掛け一息吐くと、
気分を一新して腕まくり、朝の日課を再開した。
681 :
ゼロの魔人:2008/01/16(水) 22:05:59 ID:naeRzdQO
一行目に改行が交じっておられました
>>677ありがとうございます。
これで本当に以上です。
パシフィックシティで肉塊にされてきます。
乙!
エロイな、シエスタはw
乙。ちょっとドキドキw
乙
シエスタエロいよシエスタw
小ネタ考えてる時に気になったんだけど、ハルケギニアってピアノあったっけ?
ちょwwwもうガマンできん!
シュッ
(;´Д`)
Σ⊂彡_,,..i'"':
|\`、: i'、
\\`_',..-i
\|_,..-┘
(;´ω`)ムシャムシャ
つi'"':
`、:_i'
( ゚ω゚ )
つi'"':
`、:_i'
>>605 スパルタ人は鍛えているので一人頭1000人ぐらいは余裕なんで
それはちょっとアルビオン軍に可哀そうかも
あと世界を救った英雄レベルとかになると一人で2万ぐらいは
潰走させるのでガンダールヴ3倍段で6万ぐらいはいけるはずw
>674
風見はフーケに
「家族はいるか?」
「お前は守ってやれ」
って言うんだな?
>684
さあ?
でも、あったことにしちゃっても特に問題は無い気がする。
>>689-690 好みの女のタイプがやらせてくれる女で
二番目に好きなタイプがやった後で金を請求しない女な人
693 :
つかいま:2008/01/16(水) 22:42:28 ID:RJPrE8d/
お客さんお客さん、やっと第八話できたよ。
投下よろしいあるか?
支援
>>694 まあここ何年も新刊出てないからな……
夢枕獏の読者も少なそうだし
支援支援
よろし、投下するね!
良牙の『爆砕点穴』でフーケのゴーレムは爆砕されたが、谷間は土砂で埋まってしまう。
らんまたちは、逃げ込んだフーケのアジトの3階にある窓から、ようやく脱出できた。
「ぺぺぺっ、死ぬかと思ったぜ。でも、これじゃあフーケも……」
と、ぼこっと土が盛り上がり、緑色の髪が現れる。
「あ・あんたたち……本気で死ぬところだったじゃない……くっ」
土まみれでフーケが這い出てきたが、ぱたっと倒れて気絶した。生きてはいるようだ。
杖を取り上げ、ロープで縛りあげておく。それから一同はフーケのアジトの中に引き返した。
ルイズとタバサをキュルケに預け、らんまと良牙は物陰で話し合う。
知り合いに会えて嬉しいし、頼りにはなるが、良牙に帰り道が分かるはずがない。
「……おい良牙、お前どーやってここまで来たんだ?
まさか、お前も銀色に光る『鏡』みたいなのを潜ったのか?」
「鏡? いや、知らんな。一週間前ぐらいに、変な事はあったが。
旅の途中でうっかり川に落ちて流されてしまい、気がついたら変な奴らに取り囲まれていた。
若い男にキスされそうになったところを必死で逃げ出して、いつしかこの山の洞窟に迷い込んだんだ。
その時はブタに変身していたが、荷物や服が一緒に流れ着いていて助かったぜ」
「ふーん。じゃあ、流されている途中で『鏡』に入ったのかもな。
その変な奴らってのは、多分他の国の魔法学院の奴らだろ」
「他の国? 魔法学院? さっきから何を言っとるんだ乱馬。あの女たち、日本語が通じていたぞ?」
言葉が通じる……ってことは、良牙のやつも、召喚されたときに結局キスされちまったのか?
まあそれは置いといて、真実を告げてやらねぇとな。
「……いいか良牙、よく聞けよ、どれだけ驚いてもいいぜ。
ここは地球じゃねえ、月が二つあって、魔法使いや化け物がうろうろしている妙な異世界だ。
俺は寝ているときに、あの桃色の髪をしたルイズってやつに魔法で拉致されたんだよ。
早いとこ帰る方法を見つけねぇとな、あかねたちが心配してるだろーし」
良牙は半信半疑だが、見上げると空には確かに二つの月があった。
まあ、二人とも不可思議・奇天烈な事には結構慣れている。
「……流石の俺でも、異世界に迷い込むとは思わなかったな。とりあえず危ないところを救ってやったんだし、感謝しろ」
「うるせえっ、生き埋めにしかけやがってっ」
「お前がやれっつったんだろうがっっ」
黒豚支援〜
らんま支援
目を覚ましたルイズたちが、言い争うらんまたちのそばにやってきた。
「キュルケから話は聞いたわ、助けてくれて有難う。あんたたち、知り合いなの?」
「まーな。俺は響良牙、乱馬のライバルだ」
「ヒビキリョーガ、か。変な名前ねえ。でもライバルって、ランマは女でしょ?
……ひょっとして、恋人? だったりして?」
「「ねーーーーよ」」(ぞぞっ)
二人はハモって否定する。いかに女の体でも、乱馬は男なのだ。
「俺には許婚もいるし、こいつは一応彼女持ちだ。
それにこいつ、本当は人間じゃねーんだぜ」
「「は?」」
らんまがアジトの奥から水を汲んできて、良牙にばしゃっとかけた。
たちまち彼は、首にバンダナを巻いた黒い仔ブタになる。
「な? こいつは『もともと黒い仔ブタで、お湯を被ると人間になる』奴なんだ。
そーだろ、『Pちゃん』?」
ぶきき〜っ、と良牙が暴れる。らんまはその耳にひそひそと囁く。
「へへっ、悪ぃが、こっちでは俺は『お湯を被ると男になる女』で通してるんでな。
良牙もちょっと秘密保持に協力してくれ」
「きゃーっ、可愛い! ちょっと貸して、ランマちゃん」
Pちゃんになった良牙がキュルケの巨乳に挟まれ、鼻血を噴いた。
「……ま、フーケも捕まえたし、さっさと秘宝を持って帰ろうぜ」
「そうしましょ。さあフーケ、気がついたんならアジトを案内してもらうわよ」
フーケのアジトにある宝物庫には、沢山の金銀財宝が眠っていた。
お城の一つや二つは買えるであろう量と質だ。これを全部貴族から盗んだというのだから、大したものである。
そして、学院から盗まれた秘宝『魔剣デルフリンガー』は、ずっと奥の部屋の壁に掛けられていた。
良牙なら迷ってアルビオンまで行ってくれると信じてる。徒歩で
支援
良牙は胸に縁があるからな。テファに拾われるだろ
らんまが、剣の掛けられた壁に近寄る。
「これが、盗まれたお宝か? ただの錆び付いた長剣じゃねえか」
『へん! 見る目のねえ奴にゃ、評価されたくねえよっ』
「のわっ!? け、剣が喋った?」
ルイズは大して驚かず、喋る剣にたずねる。
「ふぅん、インテリジェンス・ソード(知性ある剣)ね。あなたがデルフリンガー?」
『おうよ! この俺様こそ、始祖ブリミルの時代から存在する伝説の魔剣!
値段なんかつけられねぇお宝さ!』
「こんな錆び錆びじゃあ、くず鉄にもならねえもんな(ひょい)」
『あにおう!? ……いや、おめー「使い手」か、おでれーた!
まさかこんな小娘が「ガンダールヴ」たあ思わなかったぜ。よーし、俺様を使ってくれ』
「が、『ガンダールヴ』!? それって」
驚くルイズやキュルケの背後で、縛られたフーケが呟く。
「……始祖ブリミルの、4人の使い魔の一人。しばしば時代の変わり目に現れ、
あらゆる武器を自在に操って、ブリミルの後裔たる『虚無の担い手』を守る……」
「フーケ……」
「コルベールから、そう聞いたわ。あんたが『ガンダールヴ』ってことは、
そこのルイズ・フランソワーズは『虚無の担い手』の一人ってことになるわね。
ま、私の敵じゃなかったけど。あのバンダナのガキはどうしたの?」
「知ってても教えねーよ。大人しく牢屋に入ってな」
「そうよ。貴族をあれだけコケにしたんだし、縛り首になっても文句はないでしょ」
縛り首、絞首刑。日本でも時々行われている重い刑罰だが、ここは中世ヨーロッパ風の異世界。
窃盗罪でも侮辱罪でも、縛り首になることはよくあるのだろう。
なんか、後味悪いな。まだ若いじゃねえかよ、女だし。何も死ぬこたぁねーだろ。
「……なあ、メイジは杖がなきゃ魔法が使えないんだろ?
杖だけ取り上げて、こっそり逃がしてやらねぇか? 秘宝は取り返したんだしさ」
支援とつけるの忘れてた支援
それを聞いて、フーケが哄笑する。
「あっはははは! お優しいお嬢ちゃんだね、いいのかい? 私の杖はこれ一本とは限らないよ?」
「間接的にでも、人殺しにはなりたくねーんだ。また襲ってきたら、きっちりぶちのめしてやらー」
「ランマ……。ねぇキュルケ、タバサ、どうする?」
キュルケは、胸にPちゃんを抱いたまま、呆れて肩をすくめる。
「あのねぇ、またフーケが盗賊を始めたらどーすんの? 思いっきり、逃がした私たちの責任じゃない。
縛り首がイヤなら、手の指を切り落として逃がしてあげてもいいのよ?」
フーケが青褪める。せっかくなら、五体満足で生き延びたいのが本心だ。
「そ、そいつは勘弁しとくれよ。私だって、まだ人殺しはしちゃいないさ。
私には祖国に可愛い妹もいるんだ、家族のために仕方なくやっていたんだよ。
没落貴族の私が手っ取り早く大金を稼ぐには、盗賊か傭兵か娼婦しかなかったんだから。
逃がしてくれたら、盗賊稼業は今日を限りにきっぱりやめるよ。お礼もするし、陰の味方にもなる。
私の名誉にかけて誓うよ、これは本気さ」
「……だとよ。タバサの意見は?」
「悪党でもけじめはある。彼女は土のトライアングルで裏の情報通。利用できれば、メリットは大」
「そうねえ、ランマの故郷である『東方』の情報も必要だし。キュルケも、いい?」
キュルケが溜息をつき、しぶしぶながら承諾する。
「しょうがないわねえ。じゃ、フーケさんはこれまでどおりミス・ロングビルでいて、
私たちに協力してくれたらいいわ。秘密を守るには秘密を共有するのがいいって言うしね。
『土くれ』は追い詰めたけど逃げられたって学院に報告して、お宝の大部分を持ち帰れば、
手柄としては充分よ。あーゆーおーけい? 裏切ったら縛り首ね?」
フーケが肯き、目を伏せる。
「……秘宝目当てで就職したとは言え、あのじじいの下で働くのも、正直限界なんだけど。
居酒屋でバイトをしてたら、じじいがセクハラしてきたのが縁で学院長秘書にされたぐらいだしねぇ。
依願退職して、いくばくかのお宝を売ったお金をもとに、トリスタニアで酒場でも開こうかしら(フゥ)」
「おめーも苦労してんだな……」
おマチさんにゃサクラ先生役が似合うぜ支援
翌日、トリステイン魔法学院では。
「な、なんですと!? 姫殿下が、明日ですか?」
「そうなんじゃ、ミスタ・ギトー。急に学院の視察がしたいと仰せられたそうでの。
どうする、フーケはまだ捕まらんし、わしは捕まりそうじゃし」
「あとはお任せ下さい、前学院長」
「ギトーくん、クビにしちゃろか?」
なんと、アンリエッタ王女殿下が、急遽魔法学院の視察に見えるというのだ。
学院中が準備にてんやわんやの中、風竜シルフィードに乗ってらんま一行が帰ってきた。
ミス・ロングビルが進み出て、学院長に『報告』する。
「オールド・オスマン学院長、ただいま戻りました。実はかくかくしかじかで、
フーケは取り逃がしたものの、アジトから多数の盗品を押収いたしました。
これが盗まれた魔剣『デルフリンガー』です!」
『よおーお、オールド・オスマンのじじい、久し振りだな!
俺様はあんなとこにいるのも飽き飽きしてたんだ、このおさげの姉ちゃんに使ってもらうことにしたぜ!』
オールド・オスマンは、ほっ、と安堵した。
「お、おお、それはお手柄じゃった! 姫殿下も喜ばれようぞ!」
「姫殿下?」
「ああ。明日の朝から、アンリエッタ姫殿下が学院のご視察に来られるそうでな。
授業は休みじゃし、ついでに夜は歓迎祝賀パーティーも兼ねて、ぱーっと『舞踏会』を催そうと思っておる。
デルフリンガーはまあ、褒美としてランマちゃんに差し上げよう」
「まあ、素敵! 張り切っておめかししなくっちゃ!」
教師のギトーはじろっと、はしゃぐキュルケを睨む。
「姫殿下は、いずれ王位を継承される大事なお方。粗相があってはならんぞ、諸君」
「はあい、ミスタ・ギトー。でもフーケを撃退した私たちだって、主賓席に連なるだけの資格はあるんじゃない?
さあルイズ、タバサ、ランマちゃん、一緒にドレスを選びましょう!」
(続く)
709 :
つかいま:2008/01/16(水) 22:59:56 ID:RJPrE8d/
投下終了、支援謝々ね。
話の展開が結構早いけど、あんまりらんまをこっちに長居させると、
「らんま」世界の方が大変あるしなぁ。
では皆様、再見!
>>687 一方その頃、イザベラ様の元には矢田勘次(がんがんじい)が…………w
人修羅さま乙でした。
なんというエロメイド、これは間違いなくHI☆GO☆U☆HO☆U!
つかいまの人も乙です。
おマチさんが酒場の女将……良いかも知れないw
エロイな
ここ最近の作品読んでると本当に原作読んだことあるのかと思ってしまう
>714
私が思うに、最新巻読んだからこそ、ついつい現実逃避(?)してしまうのではないかと…。
HAHAHA、原作だって1巻の頃と最新巻の頃じゃ色々別物じゃないかBOY
原作読むのは別に義務でもないけどね
>>714 そう言うことはいっちょ前に評価される作品書いてから言おうね
>>718 待て
二次創作に原作抜きで何をどうしろと
アニメ視聴しての二次創作?
>>719 書いてる人間から言わせてもらうけど、言うこと自体は作品書いて無くても言っても構わんだろ。
>>720 途中まででいいって話じゃねーの?
ワルドまで7万までタバサ救出まで等々、どっか区切りまで読んで書けってことかもな
13巻のとこまで書ける自信が無けりゃそれもありだろな。そーすりゃ13巻以降を黒歴史にできるぜ
仮にも「アニメ」サロンのスレな訳だからアニメだけ見て書く人を追い出すような発言はどうかと思うぜ?
ガリアの処理が問題だが
「そのあともいろいろありましたが、みんな幸せになりました。めでたしめでたし」
って道も確かに存在してる。
13巻の設定前提で書いてますがナニカ?
ついでに言えば人気のモット氏はアニメオリジナルだしな
>>727 ガンガレ。超ガンガレ。
>>728 小説しか読んでないんで彼の人格は知らないけど、
命を狙われても本一冊で許しちゃうおおらかな人ということでおk?
書く以上全巻読むのが当然だと思うが
当たり前だが後の巻ででる設定はできるだけ尊重しなきゃならんし
アニメしか見てない奴に設定やキャラがきっちりと把握できているかどうか
ノボルに設定やキャラががきっちりと把握できているかどうか
とりあえず、使い魔をヴィンにしてたヤツはみんな頭抱えてると思う。
>>729 本一冊ならおおらかかもしれんが、あれはただの本じゃないからなあ
知名度抜群の宝物だぜ?金に換算しにくいくらいの
そう考えりゃ、正確は普通のおっさんでいいんじゃねーか?
間違えた総合だよ…
あっちの世界のエロ本ってのはこっちの世界では仮想体感エロゲくらいに相当するんだろうか
ダイソードでもエロ本は大人気だったよなあw
写真なんて存在しない世界だし、本物の人間が魔法で閉じ込められたって誤解も。
つまりシエスタはエロ本一冊の価値の女であると
>>738 まて、あの世界のエロ本は金を積んでも手に入らない一品だぞ。
稀覯本と同じ価値の女も少ないかもよ
シエスタの価値は庶民の財産よりも遙かに上ってことさ
>>738 一応あの世界のエロ本はツェルプストー家の家宝だったはずなんだが
うろ覚えだから間違ってたら申し訳ない
僕のBeppinSchool1月号と交換してください><
俺も子孫の為に秘蔵のでらべっぴんを実家の蔵に保存しとくか
誰かの傷ついた心が〜♪
孤独な空で燃え上がる〜♪
愛を知らない瞳が〜♪
求め裏切り隠されたREASON〜♪
Dボーイ召喚か
分かってても分かってなくて設定無視してても
面白ければいいと思うよ
>>733 召喚元で魔法が発達しているなら、ミョズのためにマジックアイテムが送られてくるのはありだし、
召喚元にとんでもない生物がいるなら、ヴィンのためにそれが送られてくるのもありだと思う。
聖地に怪獣とかがぽんぽん出てきても困るが……
怪獣といえばゴジラやガイガンやギャオスは召喚されてるけどガメラはまだだよな?
>>747 その場合、ガンダールヴの槍はブリューナクとかの神器か
ロンギヌスの槍みたいな聖遺物になるんかな?
>>748 ルイズがトト召喚、んで敵としてバイラスが登場、とゆー訳解らんプロットなら本気で考えた事があるが、
今書いてるやつでいっぱいいっぱいなんで挫折した。
そんなことより早く続き書けよ俺orz
>>748 平成三部作のガメラはマナを動力源とした生体兵器らしいから
ゼロ魔世界みたいなマナが豊富にある世界に出たら凄いことになりそうだw
昭和、平成、小さき勇者
ゴジラと違って基本的にこの3種類しかいないから選びやすそうな気はするんだが
ギャオスなんか昭和、宇宙、超遺伝子獣、ガメラ2000に出たやつら、ハイパー、イリスと種類多いよorz
ぺがす、酔ッチャッタミタイ
>>756 型月を意識したわけじゃないが、現代兵器としての槍が設定的に消えるなら
ゼロ魔世界の聖遺物として、デルフみたいに槍が残ってるんじゃないかな、と
ないならつくればいいじゃない
コッパゲの超科学力を飛行機の変わりに示すものとしてさ
ヴィンとかミョズを選ぶ時点で、空中戦はあまり困らないんだよね
魔法系世界からの召喚だとハゲさんの仕事が一つ減る…
ネギま!学園祭編で登場した
量産型・茶々丸なら電気と魔力のハイブリッドでコッパゲが喜ぶかもな・・・
>>754 イリス召喚して
「イリス…熱いよ…」(うろ覚え)を
再現したいなあ タバサで
メカゴジラ・・・の残骸を召喚。
「さすがゼロのルイズ!馬鹿でかいガラクタを召喚しやがった!」と生徒達が囃し立てる中、
ただ一人コルベール先生だけがこの「ガラクタ」の素晴らしさ(と恐ろしさ)を理解してしまう。
「機械仕掛けのドラゴン型ゴーレム」がハルケギニアを闊歩する日も近い…か?
>>761 数が関係なければ、俺はデスギドラ、ダガーラ?、キングギドラを呼んで大暴れさせたい
>>762 VSのMOGRA とスーパーメカゴジラの残骸もいいな
海の底に沈んでいった機龍…はゴジラと一緒だから大惨事になるな
>>761 でも、イリスは朱雀らしいんだよなー。
ポケダンの親方様を召喚してみたいが、ギーシュ戦が
「たぁーーーーっ!!」で終わりそうで困る
3万出すならPS3買うわー
誤爆すまん
>>765 ということは、あの世界には、青龍と白虎にあたる怪獣もいるのか?
>>768 白虎は忘れたが、青龍はキングギドラだった気がする。何かで読んだ。
何か、キングギドラ、モスラが陸海空で対応してるとかもあった気がする。
確かに金子監督のゴジラでは
青龍=キングギドラ
白虎=バラゴン
朱雀=モスラ
玄武=アンギラス
と設定してやる予定だったけど予算と映画の時間数で玄武ことアンギラスはオミットに・・・(号泣)
>>769 イリスはガメラシリーズの京都駅のやつだぞ
ギャオスが朱雀だと思ってたぜ…
そうか、あれはギャオスの上位互換だったのか
初めて知った
わんさか出現したギャオスの中で突然変異起こした個体がイリスだっけか?
確かそうだったような。
しかし、ルイズにはピグモン辺りが似合いそうだ。
平成版では死なずに生きてるんだっけか。
カイトダイスキ
巨大怪獣だと色々アレだからベビーゴジラ呼んで癒されようぜ
>>779 ワルキューレに尻尾を踏まれると申したか
ははは・・・ギャオス談義をしてるとこのスレの初期に掲載した『災いのタバサ』の続きが読みたくなってきたよ・・・
『災いのタバサ』の作者さんの復活を待ってるぜ!!
>>779 外見とは裏腹に子煩悩なVSゴジラが東方から奪還しにきますがよろしいか?
>>781 サイトの死亡フラグが立ってそうなアレか…実は私も再開期待してたり(w