あの作品のキャラがルイズに召喚されました part100

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1名無しさん@お腹いっぱい。
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。

あの作品のキャラがルイズに召喚されました part99
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1199539799/

まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/



    ___              ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃  `ヽ  .   ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
    l lf小从} l /   ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'     ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   ヽ_/ィヘ_)〜′   ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
             ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!



     _        ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
     〃  ^ヽ      ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は
    J{  ハ从{_,     本スレへの投下で問題ないわ。
    ノルノー゚ノjし    ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず、
   /く{ {丈} }つ     本スレではなく避難所への投下をお願いね?
   l く/_jlム! |     ・クロス元が型月作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   レ-ヘじフ〜l      ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
              ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。



   ,ィ =个=、       ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
   〈_/´ ̄ `ヽ      ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
    { {_jイ」/j」j〉     ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
    ヽl| ゚ヮ゚ノj|      ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
   ⊂j{不}lつ      ・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
   く7 {_}ハ>      ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
    ‘ーrtァー’      ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
                姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
2名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 23:19:47 ID:pfpalszI
>>1
乙。
3名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 23:20:33 ID:cb7fSPne
とうとう100だな
>>1
4男達の使い魔:2008/01/07(月) 23:21:46 ID:zRAoqvh2
「アン。実は君に紹介したい人がいるんだ。」

部屋に入ってきたウェールズの台詞にアンリエッタは不吉なものを感じていた。
先ほどまで読んでいた本を閉じて、ウェールズの方を見る。

思いもかけないアンリエッタの様子に、ウェールズは一瞬戸惑いを見せる。
自分の言葉のどこに、アンリエッタが真剣になる理由があったのか分からないのだ。
故にウェールズは気のせいと割り切ることにした。

「ウェールズ様。それで紹介した方とは?」

「きっときみも驚くよ。ぼくときみの従妹さ。
 おいで、テファ!」

その言葉にアンリエッタが思わず目を見開く。
それと同時に、先ほどウェールズが入ってきたドアから一つの人影が部屋に入ってきた。

「あ、あの!は、はじめまして……」

テファが恥ずかしげに自己紹介を始めるが、既にアンリエッタの意識は別の所に飛んでしまっていた。

「ウェールズ様……あなたは、こんな胸がお好みなのですね。」

アンリエッタがポツリと漏らした一言に、ウェールズは思わず目が点になる。
一瞬の空白の時間が流れる。
直後、ウェールズは必死に弁解を始めた。

「ご、誤解だ!アン。確かにぼくは巨乳は好きだけど……って違う!
 今回は純粋に、ぼくたちの新しい家族を紹介したいだけなんだ!」

思わず本音が漏れてしまっているウェールズ。
一方のアンリエッタは、取り出したハンカチで目頭を押さえながら声を漏らした。

「なにもご弁解なさらなくても結構ですわ。
 わたくしも必ずウェールズ様のお好みにそえるよう努力します!
 ですので、待っていて下さい。ウェールズ様。」

そう言ってしなだれかけるアンリエッタに、いよいよウェールズの混乱は最高潮に達した。

そんな二人の様子を呆気に取られたように見つめるテファの肩に、ぽんと手が置かれる。

「気にする必要はないさ。あれも二人のコミュニケーションさ。
 もう少ししたら、演劇でも見られないようなこっぱづかしい愛の告白が見られるかもしれないよ。」

マチルダがまるでチェシャキャットのようにニヤニヤと笑いながらそう言った。
その言葉に今一つ腑に落ちないものを感じながらも、テファは二人の様子を見守ることにした。

そこではウェールズが、いかに自分がアンリエッタのことを好きであるかを示そうと、
二人の出会いのシーンがどれほど衝撃的であったかを必死に語っていた。

まだまだ二人の会話は続きそうである。

なお、ウェールズが部屋に入ってきた時アンリエッタが読んでいた本は、最近女官の間で大人気の
「馬数斗霊慕龍詩四!大公之娘(ばすとれぼりゅうしよん)」(太公望書林刊 御簾論愚美留(みすろんぐびる)著)
であったが、本編とは関係がないため割愛する。
5名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 23:22:08 ID:y+XJVeBF
>1乙!

あーんど

100スレ目達成!

すべてのSS作家の皆さんに感謝と祝福を!
6名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 23:22:46 ID:y+XJVeBF
支援
7名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 23:22:47 ID:bkIRAmwo
>>1乙〜
ついに100スレ目だ。
8名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 23:23:03 ID:x5jnZkRk
>1乙しつつ支援
9男達の使い魔:2008/01/07(月) 23:24:00 ID:zRAoqvh2
そのころルイズはトリステインの街を歩いていた。飛燕がシエスタお手製の地図を読みながら先導していた。

「ここです、ルイズ。」

ルイズが立ち止まって見上げるとそこには、

『亭精妖之惑魅』

と『ルイズには読めない文字で』書かれた大看板が吊り下げられていた。

「ここがシエスタの言っていた魅惑の妖精亭でいいのかしら?」

そう問うルイズに、飛燕は笑みを絶やさぬまま、その言葉に対して頷いた。

「ここがシエスタが紹介してくれた魅惑の妖精亭で間違いないですね。
 さて、それでは裏口から入りましょうか。」

裏口へと回った二人は、魅惑の妖精亭の中へと声をかけた。

「ごめん下さい。シエスタから紹介されて来た者ですが……」

大きくて抜けが良く、それでいて爽やかな声で呼びかける飛燕。
その声に反応するかの様に、中で人が動く気配がした。
10男達の使い魔:2008/01/07(月) 23:26:00 ID:zRAoqvh2
数時間前のことである。

指令書を読み終わったルイズは一人悩んでいた。
書いてあることは簡単である。要約するならば、

『身分を隠して情報収集をすること』

の一言にまとめることが出来るであろう。

しかし、生まれてこの方貴族社会しか知らないルイズに取っては途方もない難題に思えた。

(昔ならきっと、何も考えずに飛び出して途方に暮れていたでしょうね。)

今のルイズは違う。
シエスタという平民の友人もできた。異世界に行くはめにもなった。
それらのことがルイズの視野を広くしていたのだ。

そうは言っても、簡単に名案など浮かぶわけもない。

(シエスタならきっとこんなに苦労しないでしょうね、ってそうよ!)

餅は餅屋である。その事に思い至ったルイズは、シエスタの所へと向かった。


「情報収集……ですか?」

ルイズに呼び止められたシエスタは、少し考えた後に懐から紙を取り出すと地図を描き始めた

「ここに『魅惑之妖精亭』という叔父の経営している酒場がありますので、ここで尋ねてみてはいかがでしょうか?」

シエスタは、地図からルイズへと目を向ける。

「ありがとう、シエスタ。そうね、確かに酒場ほど情報を集めるのに向いている場所はないわね。」

そうと決まったら善は急げである。
笑顔を浮かべたルイズは、シエスタに今日訪ねても大丈夫かと問いかけた。

「あ、はい。それでは昼休みの間に叔父に連絡しておきますね。」

ルイズの役に立てて嬉しそうなシエスタではあるが、
それでは仕事がありますのでと一言告げて仕事に戻っていった。

笑みを浮かべてシエスタの背中を見送ったルイズではあるが、一つ疑問が生じてきた。

(あれ?街までだと、普通に馬を飛ばしても往復で半日はかかるわよね。
 昼休みの間にどうやって往復するのかしら。)

しかし、シエスタは決して出来もしないことを言うような娘ではないのだ。
なんだか納得のいかないままではあるが、シエスタを信じてとりあえず疑問は棚上げをすることにした。

なお、何故かこの日から学院の七不思議に、
『怪奇!街道を爆走するジェットメイド』
なるものが生まれて、一人の青い髪の女生徒を心底震え上がらせたりもするが、本件もまた本文とは関係がないため割愛する。
11名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 23:27:45 ID:y+XJVeBF
流石シエスタw人間を超えてる支援w
12名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 23:27:46 ID:pfpalszI
待ってたぜ支援
13男達の使い魔:2008/01/07(月) 23:28:38 ID:zRAoqvh2
そうして魅惑之妖精亭に到着したルイズ達であった。

「はーい。あなたたちね、シエスタが言っていたのは?」

野太い声が大気を震わす。しかし、その言葉遣いは明らかに声質とあっていなかった。
思わず声を失くすルイズと飛燕の前に、声の主が姿を表す。
巨大な影がルイズ達の前に現れた。

ルイズと飛燕は完全に言葉を失った。
およそ190サンチほどはあるであろうその人影は、あまりにも大豪院邪鬼酷似していたのだ。

いかつい顔、分厚い胸板、丸太のような腕に足。
あまりにも大豪院邪鬼に似ていると言わざるをえない。

もちろん違う部分も散見される。
癖の大きい毛を、丁寧に油で押さえつけられた髪。
そして、大きく主を引いた唇。
極めつけは、その格好であろう。
肉体美を強調するかの様に、大きく開いた胸元からは、色々と見たくないものが飛び出していた。

(べ、別人と分かっていてもこれはキツイですね。)

思わず苦虫を噛み潰してしまったような表情を作る飛燕。
一方のルイズは、まだショックが抜け切れていないのか立ち尽くしている。

「わたくしの名前は簾火論(すかろん)。この魅惑之妖精亭のオーナーよ。
 シエスタがお世話になっているそうね。」

そう言って、可愛らしくウィンクを飛ばすスカロン。

(も、もう駄目。)

壮絶なまでに似合わないスカロンの仕草に、とうとうルイズの神経が限界を迎えた。
段々と暗くなっていくルイズの視界に一つの光景が映っていた。

「貴方達にはここで働きながら情報を集めてもらうつもりだけど、それでいいかしら?
 飛燕といったかしら?あなた良い男ねぇ〜」

顔を引きつらせた飛燕にスカロンがにじり寄っている光景であった。

男達の使い魔 第十七話 完
14名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 23:28:58 ID:F0Qkqgz6
>ジェットメイド

ターボババアとかマっハばあちゃんの類(たぐい)か……支援
15男達の使い魔:2008/01/07(月) 23:29:48 ID:zRAoqvh2
NGシーン

雷電「むう、あ、あれは!」

虎丸「知っているのか雷電!?」

雷電「あれぞまさしく古代中国において伝わる雌異怒(め・いど)!」

メイドとは西洋が起源であると一説には言われているが、近年の学会ではその起源は古代中国にある、というのが定説になっている。
かつて秦の時代、東海寺と西海寺という拳法界の勢力を二分した寺があった。
いざ雌雄を決する段になって、それぞれの寺は代表者を立ててその決闘にて全てを決着することになったという。
東の狭雷(さ・らい)に西の雅威(が・い)というそれぞれ天才の名を欲しいままにした二人が代表者に選ばれたのは当然の理であろう。
自分が狭雷に僅かに及ばないことを分かっていた雅威は一計を案じることにした。
勝負までの短期間で狭雷を凌駕するには、相手のことを研究し、自分の実力を瞬間的に底上げする必要がある、そう判断した雅威が
取ったのは、あろうことか女装して東海寺にて働くことであった。
怒りは肉体を鋼にし、気を大きく膨らませるという。
東海寺に女装した雅威は、数々の屈辱的なことを体験し、見事に怒りを気に変異させ、狭雷の癖を見抜くことに成功したのだ。
そうして訪れだ決戦当日、雅威はその蓄えた気を爆発させることで見事に狭雷を打ち倒して東海寺を撃ち滅ぼした。
この時見せた技を、雅威は、その技を体得するまでの経緯をとって、雌異怒と名づけた。
この故事がドラゴンロードを渡る拳法家達によってローマへと伝わり、様々な剣闘士達が女装して宿敵に仕えるようになった。
彼らは、自分達のことを故事に則り雌異怒と名乗ったという。
しかし、これは決闘の神聖さを犯すと考えるローマ皇帝コンスタンティヌスによって、
剣闘士に仕えるのは女性のみと定められ、いつしかメイドとは女性を指すようになってしまったのだ。
なお、全くの余談ではあるが、この雅威の技は一子伝承で現代にも伝えられており、
伝承者は雌異怒雅威(めいど・がい)と名乗り、誰かに仕えながら腕を磨く風習になっている。

民明書房刊 「武術におけるメイドの歴史」(平賀才人著)
16名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 23:30:58 ID:y+XJVeBF
男塾乙&GJ

スカロン、邪鬼似かよ!
つまり邪鬼のオカマバージョン!?

・・・・・・想像できねぇ・・・
1798-626 ◆99aL9b0qn. :2008/01/07(月) 23:32:13 ID:eNwMhk9G
男塾GJでした
NGネタのこてこての説明がwww
18男達の使い魔:2008/01/07(月) 23:32:58 ID:zRAoqvh2
まずは
>>1 乙です。
そして百スレ目おめでとうございます。

随分とご無沙汰しておりました。
ようやく師走も終わり、少し楽になって参りましたので、今後はもう少し間隔を詰めて書くようにしようと思います。
目標は本年度完結としておきます。

それでは皆様ご支援いただきまして誠にありがとうございました。
19名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 23:35:02 ID:F0Qkqgz6
NGネタを読んで、冥途の一里塚とか、メイド刑事なシエスタとかってネタが思い浮かんだ。
20名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 23:35:25 ID:cb7fSPne
男塾の人GJって言うかメイドガイってw
オカマ邪鬼……うん、想像しない方がいいな
速攻で死亡確認されそうだ
21名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 23:39:47 ID:ulmx8SjU
100スレおめでとう。全ての作家さんと住人に幸あれ。

そして男達のヒト乙
22名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 23:41:15 ID:LQJ2kpOy
久しぶりの男塾だw

NGシーンとか楽しみにしてたんで
乙です。
2398-626 ◆99aL9b0qn. :2008/01/07(月) 23:41:28 ID:eNwMhk9G
本日2度目ですが第5話投下しますがよろしいでしょうか?
24名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 23:41:53 ID:LQJ2kpOy
>>23
どんとこい
25名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 23:41:54 ID:y+XJVeBF
支援
26名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 23:42:27 ID:of9GxLC8
飛燕はよく頑張った(過去形)よGJ
27ゼロの斬鉄剣 5話 (1):2008/01/07(月) 23:44:12 ID:eNwMhk9G
ゼロの斬鉄剣 5話 ―泣き虫(クライベイビィ)・ルイズ 後編―

早朝
いつもより若干早く目を覚ます五ェ門、ハシバミ草の効能のおかげで肌寒いものの
風邪は引かなかったようだ。
「さて、とりあえず洗濯をいたそう。」
さすがにルイズの洗濯物は無いので今日は五ェ門の胴衣のみだった
シエスタが五ェ門に声をかけたのは既に洗濯が終わり焚き火で干しているときのことであった
「おはようございます、ゴエモンさん。」
おお、と振り向く五ェ門
「おはよう。昨日は馳走を頂き感謝している。」
くすっと笑うシエスタ
「いいえ、まさかゴエモンさんの故郷と曽祖父の故郷が一緒だったなんて。」

なるほど、そういわれればこの黒い髪と黒い瞳、どおりで日本人を感じさせるわけだと五ェ門は納得する。
「ところで、今日はミス・ヴァリエールの洗濯物はないんですか?」
うっと顔が引きつる五ェ門
「ああ、面目の無い話だがルイズと喧嘩になってな・・・」
「まあ、どうしてですか?」
「話すのも恥ずかしい理由なのだ、捨て置いてくれまいか。」
心配そうに顔を歪めるシエスタ
「まあ、早く仲直りできるといいですね。」
「うむ、拙者の不注意でルイズを怒らせてしまったのであるからそういたすつもりだ。」
「がんばってくださいね、ゴエモンさん。」
シエスタは名残惜しそうに五ェ門の元を去る

そのころのルイズ
「おっほっほ、貴方の使い魔はこのキュルケ無しではいきてはゆけなくてよ?」
「拙者、キュルケ殿にぞっこんでござる。」
「ゴエモン、私の靴をおなめ!」
ペロペロペロ

「やめてー!」
絶叫とともに目を覚ますルイズ
「はあ・・・はあ・・・最悪の目覚めだわ・・・」
28名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 23:45:25 ID:KyCXEnPa
100スレおめ。
全ての作家と住人に邪神の加護あれ...

∩(・∀・)∩いあ!すとらま!すとらま!
29名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 23:45:42 ID:nXBxxoCv
支援
30名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 23:46:45 ID:y+XJVeBF
>28
邪神はダメだろw妄想神だ支援
31ゼロの斬鉄剣 5話 (2):2008/01/07(月) 23:46:50 ID:eNwMhk9G
部屋をみわたすルイズ
「ちょっとゴエ・・・・」
言いかけて昨日の出来事を思い出すルイズ
「(そうだったわ、ゴエモンは昨日私が・・・)」
ため息をつくルイズ
五ェ門が来てからというもの朝の決まった時間には起こしてくれていた。
しかし今朝は五ェ門はいない。
「(やっぱり、言いすぎだったのかしら・・・いや、いけないわ、いくら強いからって主人はあくまであたしなんだから!)」
気を引き締めるルイズ
扉をあけ、そそくさと食堂へ走るルイズ

入れ違いで五ェ門がルイズの扉を叩く
「(いない、か)」
そこへキュルケとタバサが現れる
「あらダーリン、おはよう」
「・・・・おはよう」
「うむ、二人ともおはよう、しかし何だそのだありんとは。」
くすっと笑うキュルケ
「それより昨日はごめんなさいね。」
おもったより素直な言葉を聞いた五ェ門
「もうよい、キュルケはもっと自分を大切にするんだな」
「あら、でもあきらめませんことよ?」
ニンマリわらうキュルケ
「(まったく、こりないな。)」
ふと、タバサがキュルケの前に

「タバサ、昨日の差し入れ、いたみいる。」
「いい・・・きにしないで。」
頬がわずかに赤らむタバサ
それをジト目で見るキュルケ
「あら、あたしの誘いを断った後でお二人は何かあったのかしら?」
ちょっとすねるキュルケ
「いや、いろいろあってハシバミ草の差し入れを頂いたのだ、これが美味でありがたかった。」
「・・・・ゴエモン、あなたハシバミ草たべれるんだ。」
「うむ、おかげで今朝は思いのほか目覚めはよかった」
32名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 23:47:18 ID:l+Nbeh7Q
えーっと、公開予約していきますね
33ゼロの斬鉄剣 5話 (3):2008/01/07(月) 23:48:31 ID:eNwMhk9G
驚く顔をするキュルケ
「そ、そう、じゃああたしたちは食堂いくから、またね〜」
タバサをつれ食堂へ向かうキュルケ
「(あの二人はあんなに違う性格で仲がよいのだな。)」
ふと、五ェ門の脳裏に相棒二人の顔が浮かぶ
「(今頃ルパンと次元は何をしておるのだろうか。)」
ちょっとセンチになる五ェ門であった

食堂でさっさと食事を済ませたルイズ
「(なんでゴエモンは姿をあらわさないのかしら・・・・)」
あの律儀な五ェ門のことだから朝になればなんらかのアクションを起こすと思っていたが
微妙なすれ違いで肩透かしをくうルイズ
「いけない、今日の朝は秘薬に関する筆記試験だったわ!」
はっと気がつきそそくさといつもの教室へ向かうルイズ

「むう、試験中とは・・・」
今度こそルイズにきちんとお話しておこうとおもったのだが
いざ向かった教室には、「試験中につき立ち入りを禁ず」の張り紙

仕方が無く教室のエントランスにある椅子へ腰をかける
間もなく早く終わった生徒が何人か出てくる
「あ、あなたは・・。」
む?と顔を上げるゴエモン
「そなたは、昨日の・・・」
「モンモランシーですわ。」
「拙者は石川五ェ門と申す」
「あら、貴方のことはもう知ってるわ」
クスリと笑うモンモランシー
「昨日は、そのすまないことをした。」
首を振るモンモランシー
「あなたのせいではなくってよ。悪いのはギーシュなんですもの。」
すこし申し訳なさそうにする五ェ門
「あの後ね、私に謝ってきたわ。ひどい姿だったけど」
思い出すように笑うモンモランシー
「私、彼を許すことにしたわ」
34ゼロの斬鉄剣 5話 (4):2008/01/07(月) 23:50:45 ID:eNwMhk9G
ほう、と五ェ門
「だって、いつまで怒ってもしょうがないでしょ?それにあの日は私の香水をつけてくれたんだもの」
「(ううむ、拙者は香水は苦手なのだ。)」
と口には言わない五ェ門
「ただし、今後浮気は許さないっていう条件でね。」
ふっ、と五ェ門は笑う
「とにかく、彼は貴方にお詫びがしたいといっていたわ。」
「ほう、あれだけ痛めつけたのだから拙者をうらんでいるとおもったが。」
「あら、彼は仮にも誇り高き軍人貴族よ?第一そんなに狭量な男ならとっくに見捨てているわよ。」
ふふふと笑いながら五ェ門を見つめるモンモランシー
「私も貴方に感謝しているわ、ギーシュもちょっとはいい男になったし、浮気しないって誓ったし。」
「まあ、そういうことなら拙者からは仲良くやれというしかないな。」
「ふふ、ありがとう、じゃあ私はこれで失礼するわ。」
うむ、と五ェ門は頷きモンモランシーの後姿を見送る

――

「(ふう、やっと終わったわ〜、魔法薬の試験はすこし苦手なのよね)」
まずまずの出来だと自負するルイズ
「(さて、ゴエモンはまっているかしらね?)」
そう扉をあけると
そこには楽しそうに談笑するモンモランシーと五ェ門の姿があった
にわかにルイズの怒りが沸点に達する
「な・・・なによ!なによなによなによ!キュルケの次はモンモン!?」
ギリギリと歯軋り
「なによなによ!あたしがおちこぼれだからって!使い魔にまでなめられるなんて!」
ボロボロと涙を流し始めるルイズ

モンモランシーを見送り扉に目をやると、そこには涙を流した鬼神が立っていた
「(何事が起きたのだ・・・)」
無言で五ェ門に近づくルイズ
「あんたなんて!あんたなんて!・・・ファイヤーボール!」
「むっ!」
バーン!
ギリギリで交わしたが至近距離の爆風を受ける五ェ門
先ほどまで座っていた椅子は粉々だ。
「くっ、待て!ルイズ!」
喚きながら走り去るルイズを追いかける五ェ門
35名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 23:51:52 ID:zRAoqvh2
支援
36名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 23:52:37 ID:nXBxxoCv
これで斬鉄剣折れたらどうしよう支援
37ゼロの斬鉄剣 5話 (5):2008/01/07(月) 23:56:11 ID:eNwMhk9G
喚きながら走り去るルイズを追いかける五ェ門

ルイズは扉に鍵を閉め、ベッドにもぐりこむ
ドンドンと扉を叩く五ェ門
「うるさい!ゴエモンはどうせあたしのことばかにしてるんでしょ!」
涙声で叫ぶルイズ
埒が明かないと五ェ門は
「御免!」
キィン!キィン!
ガラガラ・・・
扉を切り倒しルイズのそばへ

「ルイズ・・・」
「こないで!なんなのよ!ほっといてよ!」
子供のように泣きじゃくるルイズ
立ち去ろうとしない五ェ門に当たるルイズ
「ばか!ばか!みんなあたしを馬鹿にするんだ!」
叩かれ続ける五ェ門
バシ!バシ!
何度も五ェ門の体を殴るルイズ
「ひぐっ!なんで・・・なにもしてこないのよう!」
一切抵抗しない五ェ門の態度にますます惨めになっていくルイズ
「なきたければ泣け、当たりたければ当たるがよかろう。」
だんだん五ェ門を叩くルイズの力は弱くなる
ふと五ェ門がルイズの頭をなでる
「拙者は必死で努力し食らい付くルイズを認めている、見捨てるわけがなかろう。」
ぐしゃぐしゃになった顔を上げるルイズ。

「じゃあ、なんで・・・なんでキュルケやモンモランシーなんかと・・ぐす・・なかよくしてるのよ!」
五ェ門は昨日からの出来事をきちんと説明する
だんだんとルイズの顔から怒りが消えていく
「と、いうわけだ。別に拙者はルイズをないがしろにしたわけではない。」
それに、と五ェ門
「お主はもっと自分に自信をもつのだ・・・だが辛くなったとき、泣ける時に泣くがよい、世の中泣くことも叶わぬ事もあるのだからな。」
ルイズは大声で泣いた
「うわああああああん!」
ルイズが人の胸の中で泣くなんて何年振りの出来事だろうか。
自愛に満ちた目でルイズを見る五ェ門

そうしてルイズが泣き疲れて寝るまで五ェ門は懐を貸すのであった。

ルイズと五ェ門がすこし近くなった、そんな日の出来事

つづく
38名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 23:56:11 ID:bkIRAmwo
デルフ使用フラグか支援
39名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 23:57:21 ID:LQJ2kpOy
五右衛門大人だな。
支援
40ゼロの斬鉄剣 5話 (の蛇足):2008/01/07(月) 23:57:43 ID:eNwMhk9G
後日談―
次の日、学院から通達があった
―エントランスの椅子と寮の部屋の扉を弁償してね(ハート)
                オールド☆オスマン―

五ェ門はあまり睡眠を取れなかったが爆破された場所の掃除をしているのであった
41名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 23:57:56 ID:KyCXEnPa
これはいい五右衛門
支援
4298-626 ◆99aL9b0qn. :2008/01/07(月) 23:58:56 ID:eNwMhk9G
支援感謝!
投下完了しました、いきなり慈愛が自愛になってることに気がつきました、
すみません><
43名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 00:02:58 ID:tA3zVk/s
GJ!!
よかった折れなくてホントによかった
ルイズのツンデレLVが凄い事にww
44名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 00:03:02 ID:ulQVPigt
>>42
GJ
五右衛門は真っ当に大人だし、
なんか目が潤んだ。このルイズは可愛いな。
45名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 00:04:30 ID:HLnvZ0jG
ちと思ったんだがルイズが泣き叫んだりしてる時、ドアが無いわけで……


周りにだだ漏れだろうから取り敢えずゼロは返上されるのか?
4632:2008/01/08(火) 00:13:55 ID:2BPOsWg6
投下してもよろしいでしょうかね?
4798-626 ◆99aL9b0qn. :2008/01/08(火) 00:14:00 ID:/boqm/mq
>>43、44
ツンデレは國の宝です
でもバランスがむずかしい・・・

>>45
廊下の陰で咽び泣くシエスタを想像してください。

4898-626 ◆99aL9b0qn. :2008/01/08(火) 00:14:55 ID:/boqm/mq
>>32
支援
49名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 00:14:57 ID:2db8kp4t
支援

>>32
おk
50名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 00:15:20 ID:HSLGKkHe
支援
51名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 00:19:11 ID:sEmR1TY6
祝、100 支援
5232:2008/01/08(火) 00:19:51 ID:2BPOsWg6
まずは、あの作品のキャラがルイズに召喚されましたスレの100スレ目おめでとうございます。
今回投下するのはSSではなく、100スレ目の記念ネタです。
この記念ネタは今作家さんたちがやっているリレーSSとは違いますのでご注意ください。

また、ネタをネタとして笑いとばすことの出来ない方にはちょっとキツイネタです。

あの作品のキャラがルイズに召喚されましたTCG
http://www8.atwiki.jp/anozerotcg/
53名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 00:28:00 ID:62xU5JNG
なんというTCGww
このカードの種類ってこれからも更新できるかな?
54名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 00:29:06 ID:JDPTyelL
>>53
勝手にカードゲームにされたら嫌がる作者さんもいるんじゃね?
55名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 00:29:31 ID:4RcL9V1f
なのはキャラはそこそこ出演してますが、元ネタのとらはキャラは少ないすね
十六夜さん×デルフ希望
アヌビスとはまた違った味わいが…
56名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 00:34:55 ID:rsvwzeaR
おやおや、いつの間にか100スレもいったもけど本当に色々なルイズが生まれたもんだねぇ
あぁ、実に素晴らしいよルイズ………だから盲目暗愚たる僕の父のためにもっと足掻いてみせておくれよ?
君達の抗う姿を僕は愛してるんだからさ


さて、100スレ記念の祝辞はこれまでにして僕はお暇させてもらおうかな
57名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 00:36:28 ID:vyG11T2l
支援
58名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 00:42:57 ID:Jq/iCsT3
投下してもいい?
59名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 00:44:07 ID:vxN6IbP4
ダヴァイッ!
60名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 00:45:19 ID:tA3zVk/s
>>52
悟空とかどうなるんだろ?

支援
61名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 00:46:53 ID:lU5OHEmK
ジークシエン!
62使途を越えた使い魔:2008/01/08(火) 00:48:32 ID:Jq/iCsT3


第1話使い魔召還

「えいっ」

          , - ―-、
        /´      ヽ
\      .lj. k"、从}i l ハ
  \    _lリ淤リvぜi i ヾ、
   `応卞7  > ワイ' トi } }
     `7 ‐) ∫〈〉:;;:::) 〉、ヽヽ
     i ∠ムノ:l´ハ;:〈  ゝ::`,リ冫
     └ 、:.:::ノ>v‐'iヾ:ー"::::::', }>
         i:::::`'ト'ーrl_lム::::::::::::Y′
       \:::厂7:::|- ト;::::::::::l
          .ソ :/ー┤ 「`i::/
        ┴┴━ゝ┴ "

ルイズの爆風がハルゲニアの大地にとどろいた。
げほっと舞い上げた粉塵や煙にむせながらもルイズ
は術の成否を確かめようと爆心地に近づいた。

煙が晴れ、太陽の下に出てきた少年は禍々しいまでの不気味さを放っていた。
蟲が漂い日の光を乱反射する少女のように長い黒髪。キューティクルだ。
少年の神々しい顔立ちが全く違和感なくフィットしている。
見るもの全てが眼をそらすしてやまない、個性的な美貌。
少年は暑苦しい黒い衣服を着ていた。

「あんた誰?」
少年はやれやれといった感じで肩を竦めながら言い放った。
「クックク。俺は特務上級大将、碇シンジだ。シンジと呼べ」

ルイズは教師となにか言い争っている。

すると髪の短い少女が不細工な男に絡まれていた。
手をつかんで物陰に連れこもうとしているではないか!
「ちょっとツラかせや。ヘヘヘ」
ムカムカしてきた。とりあえず指弾で攻撃だ。
「おいそこの三下!」
「うるせぇな?な・なんだよ?」
バシュッ!マルコンヌルが城壁へと叩きつけられる。馬鹿だ。
「ぐぇーーーゃあ!」下劣な豚の断末魔がハルゲニア高原に響き渡る。
ついでにタバサを攫って腕の中に絡みとる。
「ぽっ。」
「よし!逃げるぞ!」お姫様抱っこをして女子寮へ連れ込もうとする俺。

しかしルイズが割ってはいる。
「ちょっと!シンジ、何処へ行くつもりよ」
幼女を手篭めにしようとしたシンジは邪魔をされむかついているようだ。
「気安く俺をその名で呼ぶな」
「タカシ、タカシだ! 二度目はないぞ」
殺気に当てられびびって脱糞したルイズたちを尻目に、タカシはタバサの部屋へ悠然と消えていった。

to be continued
63使途を越えた使い魔:2008/01/08(火) 00:49:01 ID:Jq/iCsT3
プロフィール
碇シンジ
真名:タカシ
学年:中2
階級:特務機関UNTSO特務上級大将
流派:激魂粋陣剣真聖魔斬流
クラス:エンジェル
ランク:SSS
属性:使途属性
時給:870万円(支払いは現金のみ)
能力:魅了の微笑み
能力:必殺爆錬紅白斬
能力:ヒーリングエッジ
装備:炎火牙旋剣
断刀閃の鎧
義心鷲の冑
想光雷壱の盾

初めてSSを書きなす。終わりまでがんばります。
64名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 00:50:31 ID:vyG11T2l
>>63
ちょwwwここまで酷い中二病的キャラは始めて見たwwwwww
65名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 00:51:13 ID:O+NfY0L5
66名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 00:51:16 ID:2BPOsWg6
>>62
そこまで俺設定導入してSS書くつもりなら、自分のHP作ってそこで公開したほうがいいぞ。
ここでそれやると、叩かれまくるぞ。きっと
67名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 00:52:43 ID:fBUwg+0F
>>63
お前絶対に狙って書いてるだろww
68名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 00:54:24 ID:TP/Mo2q6
え〜……何この……何?
69名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 00:55:00 ID:tA3zVk/s
>>63
狙いすぎだww
70名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 00:55:56 ID:lU5OHEmK
>63
え? ルイズが中二病キャラを召喚したようです
ってギャグ作品なんだろ?
キャラ名が違うとか、一人称と三人称が混ざってるとか(ネタとしては)レベル高いぜ……
71名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 00:57:13 ID:Cqc8y8Kz
オッドアイが足りない
72名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 00:57:27 ID:4RcL9V1f
やっぱキスシーンの擬音は「バッパン」?
73名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 00:57:57 ID:MyVZMXar
>>63
身体を張ったネタとしては申し分ないと思うが、流石に既存作品のキャラじゃないように感じるんだ。
その意味ではここは相応しくないと思うぞ。

……既存作品のキャラじゃないよな?
74名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 00:58:02 ID:27WoHRuF
>>62
よし、では次はYOKOSIMAだ。
その次はNARUTOだ。
でKEITAROも書くんだ。
KYOUYAも忘れてはいけない。
U-1&U-2もだぞ。
おといけないNEGIも書かないとな。

どうせやるなら全部書くんだ。




そして全部書いたらさようならだ。
75名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 00:58:25 ID:vOxePvkn
どう考えても荒らしだろw
なんか某ながちゃんにある数多ある内のひとつの小説のようだ
76名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 01:00:16 ID:WctLQQ8P
前スレ991
ユベルとかwktkが止まらないぜ。
一応誰にも傷つけられないというから「神の盾」にはなれるかな、とか思ったり。
77名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 01:04:55 ID:UGe1kLKk
まあ、頃合を見計らって『釣りサーセンwww』とでも言っておけばいいんじゃないかな?
78名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 01:06:40 ID:vOxePvkn
切れ長の目はうつく(ry
オッドアイは閃光(ry
アルカイックスマイルで(ry
アバン流刀殺法を(ry
契約金一億万(ry
79名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 01:08:00 ID:Cqc8y8Kz
釣りっつーか単なるネタでしょ
なんかおかしい反応だな…
80名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 01:12:49 ID:MyVZMXar
>>79
まぁキミは落ち着いてスレタイを音読してみると良いと思うよ
81名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 01:16:09 ID:vyG11T2l
自分、投下いいすか?
82名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 01:17:58 ID:HSLGKkHe
支援はいりま〜す
83名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 01:19:00 ID:/0S+FQbq
>>81
少なくともさっき投下されたのよりは普通なのを期待支援
84名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 01:20:26 ID:tA3zVk/s
>>83
あれ以上やばいのは逆に無理だって支援
85名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 01:20:27 ID:wV3dahhw
>>80
頭わりぃw
86ゼロの因果導体:2008/01/08(火) 01:21:30 ID:vyG11T2l
「あんた誰?」
「え?」

目の前にいきなりピンク色の髪の少女が現れた。
自分は今し方ベータに自分の搭乗していた戦術機を粉砕され死んだはずだった。
しかし今は緑の草原に石造りの大きな城が見える。
欧州的な建築物だが欧州はベータの侵攻によって最後まで生き残っていたイギリスも破壊されているはずだ。
さらに自分の周りには某ポッター家のハリーくんの冒険を描いた小説の世界のような格好をした少年少女たち。
まったく理解できない状況である。

自分はついさっきまで最前線で戦っていたはず、それが今ではどこか分からないところに居る上、訳も分からない連中に囲まれている。
死ぬ直前の幻覚でも見ているのかもと頬を抓ってみるとずきりと痛みを感じた、紛れも無くこれは現実だろう。

「ちょっと! 黙ってないで答えなさいよ!」

自分の体を見てみると99式衛士強化装備ではなく何故か国連軍の群青色の戦闘服姿。
ヘルメット、防弾チョッキ、自動小銃、さらにピストルや手榴弾までも装備してある、傍にはご丁寧に背嚢まで用意されている。

「えーマジ平民!?」
「キッモーイ!」
「平民の召喚が許されるのはゼロのルイズまでだよねー!」
「キャハハハハハハ!」

失礼な連中だが無視して背嚢を背負う。

「私を無視するなー!!」
ピストルをホルダーから抜き、マガジンをセットして構えた。
87名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 01:22:04 ID:HSLGKkHe
ディスプレイがPCのシグナル認識しなくて俺涙目支援
88名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 01:24:41 ID:tA3zVk/s
いつか来るとは思ったが・・・支援
89ゼロの因果導体:2008/01/08(火) 01:24:53 ID:vyG11T2l
「おいっ! ここはいったい何所だ!?」
さっきの少女にピストルを向ける。
「ちょ…ちょっと! あんたいったい何を……」
「ここは何所だと聞いているッ!」
少女が言い終わらないうちに足元にピストルを一発撃った。
周りの連中の笑い声が止まり、恐怖心の混じったざわめきへと変わる。

「こっ…、ここはトリステイン! トリステイン王国のトリステイン魔法学院よ!」
トリステイン王国? 魔法学校? こいつは人を馬鹿にしているのか? それとも頭がイッちゃっているのか?
さらに少女の足元にピストルを一発撃つ。

「ふざけるのもいい加減にしろッ! 本当のことを言えッ! さもなくば……ッ!」
「ほ、本当よ!」
少女は涙目になって言った。しかし魔法だの何だのと言う事を信じるわけがない。

「これが最後だ! 次に嘘を吐けば本当に……」
言い終わらないうちに地面から足が離れるのを感じそのまま地面に思い切り叩きつけられ、そこで意識が途切れた。



    ※    ※    ※


90名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 01:26:43 ID:HSLGKkHe
支援
91名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 01:26:49 ID:flk1N+Fk
支援
逆行系でよく見かける人か
92名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 01:27:08 ID:rV9iRruL
武ちゃん支援
93ゼロの因果導体:2008/01/08(火) 01:27:24 ID:vyG11T2l
「タバサ……、アンタもたまには大胆なことやるわねぇ……」
キュルケは驚いたように言った。
「大丈夫……死んでない……」
「いや、そういうことじゃなくて……」

ルイズは体から力が抜けその場にへたり込んだ、何しろ召還した男がいきなり自分に発砲したのだ。
立ち上がり恐る恐る自分が呼び出した男に近づいた、どうやら気絶しているようだ。
それにしてもこの男、変わった身なりをしている。
いったい何所から来たのだろうか、しかし平民を使い魔にするというのは……

「コルベール先生。召喚のやり直しを……」
「だめです、ミス・ヴァリエール」
「で、でも平民の上、いきなり銃を撃つような奴とは……」
「残念ながら一度呼び出した『使い魔』は変更することはできない。何故なら春の使い魔召喚は神聖な儀式だからだ。いきなり銃を発砲する輩でも、彼を使い魔にするしかない」

ルイズは泣きそうになった。何しろ自分に向けていきなり発砲するような奴を使い魔にしなくてはならないのだ。
「ううう……。感謝しなさいよ、貴族にこんなことされるなんて、普通は一生ないんだから。」



    ※    ※    ※


94名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 01:28:05 ID:flk1N+Fk
支援
95名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 01:29:29 ID:tA3zVk/s
支援
96名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 01:29:34 ID:HSLGKkHe
原作しらないぽ支援
97ゼロの因果導体:2008/01/08(火) 01:29:54 ID:vyG11T2l
『ね…、…ル…ちゃ…、起……よ!』
煩いなぁ、純夏は……。もう少し寝せてくれてもいいだろ……。
『学…に遅……ちゃ…よ! ……って…!』
あともう少しだけ……もう少しだけ……。

「起きろって言ってるでしょう!! この馬鹿ぁー!!」
足に強烈な痛みが走った。
「痛ぇな……誰だよ……」
目を開けると誰かが仁王立ちしていた。

「おお、目覚めたようですね。」
目を覚ますと椅子に座らされていた、しかも手足を縛られて。目の前にはさっきの少女。そして向こうの机にはさっきの禿げたおっさんと俺の装備一式が机の上に置いてあった。

「俺をどうする気だ? 拷問でもして機密条項を吐かせようってか? 残念だが俺はそんな大層な身分じゃないぜ」
「そんなこと誰がするものですか!? アンタ、名前は?」
「は?」
「な・ま・え・は!?」
「人に名前を聞くときはまず自分から名乗るもんだぞ」
「平民の癖に生意気ね……、私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ」
「俺は国連軍横浜基地所属、A-01連隊隷下第9中隊隊長のタケル・シロガネ大尉だ」
任官からもう4年。俺は少し前に大尉にまで昇進していた。

「コクレングン? ヨコハマ? 何それ? それにあんた将校ってことは貴族なの? そうは見えないわね」
「そんなことはどうでもいい。もう一度さっきの質問をする、ここはいったい何所だ!? それと何故俺をこんな所に連れてきた!?」
「だからトリステイン魔法学院よ! それとあんたは私に使い魔として召喚されたの!」
「ハア? 魔法? そんなの今時誰が信じるってかってーの、バーカ!」
少女にまた無言で思い切り足を蹴飛ばされる。
98ゼロの因果導体:2008/01/08(火) 01:33:11 ID:vyG11T2l
「痛ってぇなあ…、そんなに信じさせたいならその魔法とやらをやって見せろよ」
無論出来る訳が無いだろう、常識で考えて。

しかし自分の予想を超えたことが目の前で起こった。
壁際にあった花瓶に少女が杖を向け、何かを唱えると爆発したからだ。
「あああ……、ミス・ヴァリエール何と言う事を……、あれは……良い物だったのに!!」
「す…、すみませんコルベール先生。ちゃんと弁償しますんで……」
目の前の光景に呆気に取られていた。
火薬を使ったようには思えない。火薬を使えば硫黄なり硝煙なりの匂いで分かる、しかしそんな匂いはしない。

ふと窓の外に目をやるとさらに信じられないものを目のあたりにした。
これを見なかったら彼女の言ったことなど信じなかったろう。

「―――月が……、二つ……、あるだって……?」

自分が元居た世界にも、飛ばされた世界にも月は一つしかなかった。なのにここは月は二つある。
「マ…、マジで……?」
ようやく理解できた。

――――――自分は『また』違う世界へと飛ばされてしまった。――――――

そう、『また』なのである。
前は『ベータ』とか言う分けの分からない地球外生命体によって滅びかけた世界、今度は魔法の世界。
一度ならず二度までも違う世界に飛ばされたのである。

もう笑うしかない、神様というものが居たとしたらいったい自分に何をやらせたいのだろうか。
いや、ただ嫌がらせをしたいだけなのかもしれない。
どうせ一度は失った命だ、この嫌がらせにとことん付き合ってやろう。
99名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 01:33:19 ID:HSLGKkHe
支援
100名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 01:34:29 ID:2db8kp4t
100
101名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 01:35:06 ID:HSLGKkHe
壺がよいもの噴いた支援
102名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 01:35:50 ID:tA3zVk/s
アンリミテッドか支援
103ゼロの因果導体:2008/01/08(火) 01:36:25 ID:vyG11T2l
「面白い、その使い魔とかいうの、やってやろうじゃねぇか!」
「フンッ! 私はアンタを使い魔にするのは嫌だけど、留年はもっと嫌だから我慢してあげるだけよ!」
「それよりいい加減縄を解いてくれ。痛くてたまらないんだけど」
「いいけどもういきなり銃を撃ったりしないわよね?」
「神に誓ってもうしない」



    ※    ※    ※



「ったく、痕になっちまってる……。あれ? 何だこれ?」
左手を見てみると何か変な文字のようなものが刻まれていた。
「ふむ、珍しいルーンだな」
禿げたおっさんが左手の甲を覗き込む。

「少し見せてくれないか?」
「まあ、いいですけど…」
そう言うと手の甲の文字を書き写し始めた。

「なあ、これはいったい何なんだ?」
ルイズという少女に聞く。
「ルーンよ。それが使い魔である証」
「で? 何か役に立つのか?」
「何の効果があるかは私にも分からないわよ」
じっとルイズの目を見る。
「な、何よ!? じっと見つめたりして!?」
「いや、相手を1度だけ自由に操れたりするかなと思って……」
「ギ○スじゃないわよ!!」

何故ルイズが王の力を知っているかは皆様のご想像にお任せする。
104名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 01:38:51 ID:FqcXc1M9
>>102
A-01ならアンリミテッドでもないぞw
支援
105名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 01:38:54 ID:HSLGKkHe
ネタ激しいな支援
106ゼロの因果導体:2008/01/08(火) 01:39:04 ID:vyG11T2l
今回はここまで
お察しの通りマブラヴより武ちゃんこと白銀武です
107虚無と最後の希望:2008/01/08(火) 01:39:43 ID:qCLMocVY
戦術機が在るのかどうかで難度が変わってくる乙
108名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 01:42:56 ID:tA3zVk/s

結局のところループしてるのか?
109名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 01:46:47 ID:HSLGKkHe



PC使えない=俺の嫁が書けない…orz
110つかつか:2008/01/08(火) 02:32:05 ID:LaLLQ3Ka
というわけで投下okですか?
111名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 02:32:15 ID:oFMjwbBp
part100はのっけから香ばしいなおい
112名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 02:33:59 ID:HSLGKkHe
支援するヨ
113使い魔を使う使い魔:2008/01/08(火) 02:37:01 ID:LaLLQ3Ka
では、スタート。


 レッドがルイズに吹っ飛ばされているのと同じ頃、
 一匹の生き物が暗い空をぐるぐると旋回していた。 
        
「〜♪ 〜♪ 〜♪」

 彼女の名はシルフィード。ルイズのクラスメイト、
 キュルケの友達である雪風のタバサが召喚せし、今は絶滅したと
 ハルケギニアに伝えられる、美しく幼い『風韻竜』であった。  
 彼女は己が主人であるタバサの部屋の外側で、綺麗な鼻歌を交えながら
 実に楽しそうに飛び回っていた。
 もうなんか、地上を転がるように空中で転げまわって見せたり、
 その場でスクリュー回転して見たりと……大きな体に反し、器用な奴である。 
 タバサは部屋に篭ってなにやら難しい本を読みふけっていた。

「…………」

 が、突如として窓を全開し、見境なくびゅんびゅん飛び回る
 シルフィードに対し、無表情に手招きした。
 シルフィードは弾丸のように回転しながら飛んでいる際にコレを確認、
 何ごとかと思い、すぐさま近寄ってみて………… 


  ポコッ !

 
 そして、杖で頭をたたかれた。 

「きゅい! 痛いのね! なにをするのねおねぇさま!?」

 小声で、しかし甲高い幼さのある声でシルフィードが言った。 
 タバサは一切表情を変えることなく、それどころかさらに杖を振り上げて
 ポコポコとさらに2回、シルフィードをたたいた。 

「きゅい! やめるのね! どうしちゃったのねおねぇさま? ハッ! 
 まさか、そっちの趣味に目覚め……いたいのね! 冗談なのね―――っ!!」
「……うるさい」
 
 杖でぼこぼこ殴っといて、血も涙もない命令であった。
 
 
                  第四話
114使い魔を使う使い魔:2008/01/08(火) 02:38:10 ID:LaLLQ3Ka
 
「ひどいのね、シルフィはまだ何もしてないのね!」
「まだ?」
「! こっ……ことばのあや、なのね……」
「……………………」
  
 シルフィードが瞬と首をうなだれる。
 すっかり意気消沈した使い魔を見てさすがに気を悪くしたのか、
 タバサはかねて疑問だったテンションの高さについて、シルフィード聞いてみた。

「んっふっふ〜〜〜〜♪」
「?」
 
 とたんにシルフィードの顔が笑顔に変わる。というか、満面の笑みに。
 タバサは使い魔の気味悪い言動の意味が解らなく、首をかしげた。

「おねぇさま、シルフィは恋しちゃったかも、なのね!」
「鯉?」 
「違うのね! 恋!」

 シルフィードは大げさに首を振った。風がタバサの髪を揺らす。

「請い?」
「きゅい! 恋なの」

 今度は駄々をこねるように手をぶんぶん振り回す。
 タバサはシルフィードの素直な反応が少し面白くなって、
 次もわざと間違えることにした。

「故意? ……誰に?」
「きゅいいいいいいいぃぃ! おねぇさまのいじわる! ねくら! ぺt」

「遺言は……それだけ?」

「きゅいいいいいいいーーーーーっ!! ごめんなさいなのねーーーーっ!!!」 

 
 もはや正体バレるとかカンケーなしに、シルフィードは叫んだ。
115名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 02:42:28 ID:HSLGKkHe
支援
116名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 02:44:21 ID:tA3zVk/s
支援
117使い魔を使う使い魔:2008/01/08(火) 02:45:42 ID:LaLLQ3Ka
「……昼の?」
「そう、そうなのね! おねぇさま! シルフィは見惚れちゃったのね、きゅい!」

 なみだ目で言ってくる使い魔の頭を、タバサはよしよしと撫でてやった。
 シルフィードは嬉しそうにきゅい! と鳴く。
 
「あの人間が召喚した見たことない竜、ちょっと怖かったけど……カッコよかったのね!」
「…………」  

 シルフィードが自分のことのように嬉々と語るのは、昼間ヴェストリの
 広場で行われた、あのルイズの召喚した平民とギーシュの決闘だった。
 あのときタバサは興味ないと読書に没頭しかかったところをキュルケにつかまり、
 半ば強引に観戦させられていた。
  
 誰もがギーシュの勝利を疑わなかった。タバサもだ。
 一部の物好きな連中が遊び半分で平民に賭けていたが、見たところ普通で
 魔力も何も感じない平民の子供が勝てる道理はどこにもなかった。

 ないように、見えた。

 しかし、ギーシュがワルキューレを出した途端、平民の目つきが変わった。
 それは戦場を、厳しい修羅場を知っている目。勝負事に対する絶対手的な才能。
 ギーシュのメイジだから〜の話が終わったあと、彼は腰からはずした球状の何かから、
 恐るべき『それ』を召喚した。

 山吹色の体。
 対についている2枚の翼。
 長く伸びた太い尾、その先に燃える夕焼けのような灯火。
 自身の力に絶対の自身を秘めた、ぎらついた鋭い目。
 それは――見たこともないドラゴン。
 
 一匹の翼竜は口から炎を吐くと、一撃でギーシュのワルキューレを焼き尽くした。
118使い魔を使う使い魔:2008/01/08(火) 02:48:34 ID:LaLLQ3Ka
 目を奪われた、とはまさしくあのことなのだろう。
 つくづくキュルケには素直に頭が下がる。
 あのとき強引に引っ張ってくれなければ、あれをみすみす見逃すところだった。
 結果は火を見るまでもなく平民の圧勝。焼き尽くされ、原形を失ったワルキューレには、
 その主たるギーシュには、皮肉なことわざである。

 しばらく考えた後、タバサは口を開いた。

「…………ムリ」   
「きゅい!? なんで!? なんで!?」
「ルックス的に……」
「きゅい! ひどいのね! シルフィは美少竜だもん!」
「……」
 
 美『少』竜と自称しているが、シルフィードは実は200年近く生きている
 ずいぶんと長生きさん(竜の中では10歳程度)である。
 シルフィードには、自らが恋焦がれる竜のほうが、
 見た目はともかく実年齢がはるか年下だとは知る由もない、
 ましてや夢にも思っていなかった。

「きゅい! いいもんいいもん! どうせ異性を感じたことのない
 おねぇさまにはわからない話だもん! おねぇさまはあのちょっと
 けばけばした友達とにゃんにゃん……じ、じょうだんなのね! 
 杖をおろして詠唱やめて、なのねー!」 

 シルフィードの願いもむなしく、呪文こそ放たれなかったものの、
 杖は今迄で一番強く、シルフィードの脳天を捉えたのだった。
119使い魔を使う使い魔:2008/01/08(火) 02:49:57 ID:LaLLQ3Ka
 場所を変え……

 一方その頃、ルイズの部屋ではルイズによる
 使い魔(レッド)調教作戦が実行されていた。 

「いい、ばかレッド! これからあのメイドに会うときは必ず私に
 一言話してからにしなさい!! 無断で会話でもしたら一週間ご飯抜きだからね!」 
「べつにいい。シエスタにもらうから」
「このばかぁぁぁぁ!!、それじゃあ罰の意味がないじゃない!!」

 しかし、さっきからこの調子。
 ルイズによる躾はまったく戦果を挙げていなかった。
 大体ルイズの聞きだした話によると、レッドは今までシエスタに養ってもらっており、
 ご飯も服の洗濯などの雑用も手伝ってもらい、かなり親密に話し合える仲なのだと言う。
 さすがに寝どこは自分で探していたらしいが、シエスタは前に「よかったら私のベッドで……」
 などと、大胆不敵な発言を真っ赤になりながらぶっ放したのだと真顔でレッドは言った。
 
「……何が気に食わない? 俺はルイズの使い魔はちゃんとやってるぞ?」

 レッドの言い分はもっともであった。
 レッドは無愛想でちょいと生意気なところを除けば、実はルイズの言うことは
 ちゃんと聞いていたし、守っていた。
 掃除しろといわれたらやってるし、手伝ってもらっているが、洗濯もしている。
 ご飯を抜きにされたら、ちゃんとルイズからはもらっていない。
 この前も、レッドはルイズが授業でめちゃくちゃにしてしまったのだという教室
 (マルマインでも自爆させたか? と疑うくらいひどい有様だった)を、ただ一人で丁寧に掃除していた。 

「一応、おまえを守ってもやれるだろうし……」
 
 手にしたモンスターボールを弾きながら言う。
 
「何が嫌なんだ、ルイズ?」
「あんたの、そのすかした態度と余裕が……嫌いなのよ」

 ルイズは水を一粒ずつこぼすように、ポツリと言った。 
120つかつか:2008/01/08(火) 02:51:09 ID:LaLLQ3Ka
支援に乙。というわけで投下終。

しかしというか、やはり調子悪いな。どーなってんだか?
121名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 02:52:45 ID:tA3zVk/s
GJ!!
なんかいきなりシリアスになったなww
続きがすげー気になる
122名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 02:57:14 ID:HSLGKkHe
デレキタコレ
123悪魔も泣き出す使い魔:2008/01/08(火) 04:35:28 ID:B8Jp7qAD
投下します。
前スレ >>943
>ケルベロスは、番犬であるが故に敵対者、侵入者には容赦はありませんが、
自分よりも上の実力者には敬意を、敗北したなら忠誠を誓うので、
あれ程の態度、口調は取らないと思うのですが

今はモット伯屋敷内の番犬ということで再契約(? が必要だったと、
後は所詮人間相手だという感覚が抜け気って無いので舐めて掛かってる、という事で脳内保管を・・。
投下後に限って大変な誤記気づく事が多いです。申し訳ないです。
124悪魔も泣き出す使い魔:2008/01/08(火) 04:37:18 ID:B8Jp7qAD
氷を自在に操り我が力とする魔獣ケルベロス。
モット伯の前に氷の壁面が広がった。まずはコイツを何とかしなければ本体にダメージは与えられない。

エボニー&アイボリーで攻撃を加えるもの、撃たれた端からみるみる壁が復元される。
氷の再生スピードが前回ケルベロスとやり合った時とは比べ物にならない。

モット伯は水のメイジ。彼が生み出す水から無尽蔵に氷が作られていたのだった。

氷弾、氷柱、冷気と休む間も無く三頭の首から放たれる攻撃。
一方、シエスタを庇いながら防戦に徹するダンテは、反撃の糸口を見出せないまま除々に体力を消耗していた。

この場に留まれば氷攻め、近づけばシエスタが危ない・・・チッ めんどくせえな。
そう思っていた矢先、天井から降り注ぐ無数の氷柱がシエスタに襲い掛かった。
迫る脅威に対して身体は動かず、その場でただ目を瞑る事しかできないシエスタ。
ああ自分はここで死ぬのだと覚悟する。

・・・氷柱は降りてこない、温かいものが頬を伝う。
目を開くと血まみれのダンテが自分に覆い被さり、降り掛かってきたであろう氷柱を全身で受け止めていた。

「あ・・・ああ・・」
「ちょっとばかり頑丈な体でね。・・・この位じゃ死にやしねえよ。」

顔を真っ青にしながら震えるシエスタに、余裕の表情でそう答えるダンテ。
しかし無数の氷柱が突き刺さったその背中は見るのも痛々しい。
シエスタは己の無力さをただ呪った。

それにしてもあのクソ犬。コッチがどうなろうがお構いなしかよ。

「舐めやがって・・・」

そう言いながらモット伯に取り憑いたケルベロスに怒りを露わにした時、
ダンテの左手に刻まれたルーンが輝き出した。

デビルトリガーではない、今まで感じたことの無い力。
今の氷柱で受けた傷がみるみる回復する自身の体に困惑するダンテ。

その隙を逃さずケルベロスが氷弾を3発連続で二人目掛けて撃ち込が、
全身を輝かせるダンテはデルフリンガーを高速で振るい、3発の氷弾をいとも容易く打ち落とした。

「何だそのスピードは!!?」
「さあ?自分でもよくわからなくてね。」

驚きを隠せず目を大きく見開くケルベロス。ここぞとばかりにダンテは反撃に乗り出した。
125悪魔も泣き出す使い魔:2008/01/08(火) 04:38:47 ID:B8Jp7qAD
そうだ相棒!心を震わせるんだ!!
怒り、悲しみ、喜び、色んな感情を高ぶらせる事でお前は誰よりも強くなれる!!
いわゆるスペシャルエディションのターボモードってヤツだ!!!!
何を言ってるのか俺自身もよくわからねーが!俺はお前を信じてるぜ!


・・・って言いたい!  言ってやりたいのに!!
ああもうもどかしい!


「・・・聞こえてんだよド阿呆」
「え・・・?」

気づかぬ内に魂の叫びが声に出ていたらしい。ヤバイ・・・今度こそ折られる。

「ようデル公、コイツはお前の力なのか?」
「えっ? ええ?? おうっ!ハイッ!その通りです!」
「イカすじゃねえか。気に入ったぜ。」

ホントはガンダールヴの力なんだけどね・・・そんな事は口が裂けても言えない。
それがバレたらきっと捨てられる・・・。

何やら手元でブツブツ呻いてるデルフリンガーだったが、ダンテは特に気にすること無く肩に担ぐ。

「Are you rady?」

ケルベロス目掛けて特攻するダンテ。
彼から繰り出される高速の剣舞が、モット伯を隔てた氷の壁面を物凄いスピードで削っていった。

破壊と再生、拮抗するかにみえたが氷の再生が僅かに追い着かない。
モット伯の魔力が底を尽きようとしていたのだ。

止まない剣舞に抗えず、光速で繰り出される連続突きミリオンスタブをとどめに、氷の壁面はとうとう破壊された。

「グオオ・・・!!」

魔力を使い果たしたモット伯が地上へと落下した。
身に纏う氷を跡形も無く破壊され、呻きを漏らしながら堪らず実体化するケルベロス。

「まだだッ!!」
ケルベロスの一頭が口からブレスを放った。この距離では避け切れない!

「相棒!俺をかざせ!!」
そう叫ぶデルフリンガーを吹き荒れる冷気に突き出す。
その身に襲い掛かる絶対零度のブレスは、デルフリンガーの刀身が全て吸収してしまった。

渾身を込めた最後の一撃をも受け流され、満身創痍のケルベロス。


「さあ、お仕置きだ。」

悪魔の様な笑みで宣告するダンテ。
雄叫びを上げる魔獣は頭一つを残し、二つの頭と四つの足を全て切り刻まれる。
シエスタはその惨劇を見終わる事無く、卒倒して意識を失ってしまった。

「ハアッ・・・ハッ・・!・・・流石だな。この男の力を持ってすれば、或いはと思っていたが・・・。」
「フンッ 下手な小細工が俺に通用すると思ったか?」
「甘くは無かったという事だな・・・・。いいだろう、・・・今一度、我が牙の加護を受けるがいい。」

そう言いうやケルベロスの姿は三又のヌンチャクに変化し、光に包まれながらダンテの下へ戻った。
126悪魔も泣き出す使い魔:2008/01/08(火) 04:40:48 ID:B8Jp7qAD
「やれやれ、とんだお騒がせだったな。」
「しつけがなってなかったんじゃねえか相棒?」
「あン? 誰が喋っていいって言った?」

「あ・・・」

「ああ、そうだな。このお喋りが直らない剣を改めて躾けてやらないとな。」
「(ヤブヘビッッ!!?)」
「・・・まあいいや。デル公、さっきのもお前の力なのか?」

「え?・・・えええ!まあ・・その、何ていうか。俺っち
魔法とか4大元素のエネルギーとかを吸ったり出したりできるんです。はい。」

「ふーん、出し入れ自由って訳か。」
「ええ!はいっ!そりゃもう!!」
「・・・そんなモンあるなら最初っからそう言っとけ。」
「だってアンタ喋んなって・・・!?・・ああ いや、何でもないです・・・。(トホホ・・・)」

そうこうデルフリンガーをいじってる間にモット伯の意識が戻る。
魔力も体力も根こそぎ奪われたらしく、何とも言えない疲労感が全身を巡り、息切れが絶えない様子だ。

「うう・・・ここは一体・・?」
「よう。」
「・・・・何だね君は?」
「(シエスタ襲ってた時は意識が無かったのか・・・?)
ただの使い魔さ。自分が今まで何やってたのか憶えてないのか?」
「私は・・・今日の晩、メイドと一夜を共にする夢を見て・・それから・・・!?」

散乱した自室を見回し、白い顔を更に真っ青にさせるモット伯

「一体・・どういう事かねこれは?君が・・やったのか・・・!」
険しいが力の無い口調で問い詰めるモット伯の目の前に、ヌンチャクの姿に戻ったケルベロスを差し出す。
「コイツがやったんだよ。コイツに宿った悪魔がアンタの体を操ってな。」
「悪魔だと・・・そんなモノが・・実在するというのか」

確かにここ数年の記憶が曖昧でハッキリせず、夢と現実の区別がつかない日も多々あった・・・
だとしたらさっきまで見ていたメイドの夢は・・・

そう思っていた矢先に、夢だけの存在だったはずのメイドが、現実であろう自室の隅で横たわっていた。
「私は・・・何という事を・・・・・」
「まあ、反省会は後でゆっくりやってもらうとしてよ。アンタ、これをどこで手に入れたんだ?」
「それは・・・水と風の魔法を使うメイジ達にとって象徴たるアイテム。子供の頃から私はそれに憧れていてね・・・。
数年前、闇オークションに出品されていたモノを競り落し、我が手にする事ができたんだ。」

「(って言うことは少なくとも10年以上前からコイツはこの世界に・・・。一体どうなってやがんだ?)」
「(相棒よう・・・)」
「うるせえ、後にしろ。」
「・・何の事かね?」
「コッチの話だ。それより、コイツはアンタが思ってる程大層な代物じゃない。俺が預からせてもらう。」
「ああ・・・それに私には過ぎた力だ・・身をもって証明されたよ・・・・。」
「それと、あのメイドは元々ウチの学院のメイドだ。ついでに持って帰っておくぜ。」

「君は・・・魔法学院からの使いかね?」

ダンテはシエスタを抱きかかえた状態でモット伯に向き直り、

「ああ、俺はルイズ・ヴァリエールの使い魔だ。憶えときな。」

その言葉を最後に屋敷を後にした。
127悪魔も泣き出す使い魔:2008/01/08(火) 04:41:37 ID:B8Jp7qAD
外は夜明け前。薄い光が差し掛かり、日の出が上ろうとしていた。

「今晩中か・・・。まあ間に合うだろう。」

主人の言いつけを何とかして間に合わせるため、足早に学院を目指すダンテ。
その腕の中にはシエスタが心安らかに寝息を立てていた。
その途中、何か思い出した様にダンテは背中に担いだ剣に語りかける。

「デル、お前さっき何言おうとしてた?」
「ああ、あんま大した事じゃないんだけどよ。
相棒のその手に宿ったルーン、自分が触れた武器や道具の詳しい使い方や生い立ちなんかが解るんだけどよ。
・・・どうだい?」

今この状態のケルベロスが武器と呼べるにしても、先程切り刻んだ犬が本来の姿だ。
悪魔がその身をもって武器と成しているデビルアームズは、無機物としてはカウントされないようだった。

「・・・ホントに大した事ねえな。」
「(トホホ・・・)」
128悪魔も泣き出す使い魔:2008/01/08(火) 04:42:35 ID:B8Jp7qAD
投下終了です。
モット伯の話はこれで終わります。
129名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 04:49:19 ID:vMcBYQLn
130名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 06:17:47 ID:QXWnsAyF
九郎と九朔が召喚されてるのに、彼女だけ小ネタ止まりじゃかわいそうじゃないか、と
俺の中でニャル様が囁いたので、デモンベインよりアナザーブラッド召喚でも書こうと思ったんだが、
飛翔終了後の彼女って、「アナザーブラッド」とは呼べないんだよなぁ。
一応、デモベのエロパロ板等では二次創作的に「紅朔」って呼ばれてるけど、
二次創作名称を使って書くのって、このスレ的にありなんだろうか?
131名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 06:57:25 ID:mB54uzbA
有りとは思えない
132名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 07:21:16 ID:r+eEVLbj
そのエロパロ板で書きゃいいじゃないの
133名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 07:27:44 ID:b9gCZkkR
本名で呼んであげればいいじゃん。ややこしくなりそうだがw
134名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 07:31:22 ID:UqQwZ+zp
特に問題ない気もしますが、どうしても気になるなら嘘じゃないんだし九朔って書くか、カタカナでクザクとでもしといたらいいんじゃないですか?
135アリム:2008/01/08(火) 07:41:23 ID:tpLT49b4
>>60
SP-61 孫悟空 AP:40 SP:28 維持コスト:5 種族:サイヤ人・男
特殊能力:このカードが与えるあらゆるダメージは直接山札に与えてもよい

コメント:全平行世界最強の存在 ただし大食らいなので使用にはコツがいる

こんな感じでどうでしょう。攻撃をかわされると悲惨w
ちなみに特殊能力は瞬間移動をイメージしました
136名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 07:46:26 ID:fBUwg+0F
>>135
出して次の相手ターンにTウイルスやられたら間違いなく悲惨w
137名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 09:23:37 ID:oFMjwbBp
>>130
才人も地の文ならともかく、ハルケギニア人から呼ばれる時は『サイト』ってなってるだろ?
だから最初の名乗りの時は『九朔』と名乗って、以降は表音で『クザク』と表示
九朔(♂)が後で現れてた場合もそのまま『クザク(♀)』『九朔(♂)』とすれば分類も出来るしいいんでね?
逆でも良いし
138名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 09:41:34 ID:rsvwzeaR
普通に紅朔でも良いかと
139名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 10:31:26 ID:MxUpGX27
小ネタでお父さんが犬になっちゃう映画の犬をルイズが召喚して、ヴァリエール公爵が……とか思い付いた。

書けたら早くても今夜投下するかも。
140名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 11:04:32 ID:0dkP4B/x
俺はキーン召喚書きたかったが、マイナーなので諦めた
141名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 11:16:51 ID:OOHI8Hrf
>>139
犬でお父さんというと携帯のCMしか思い浮かばんww

142名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 11:32:37 ID:9I5aAJYd
>>141
あとガンバルガーなw
143名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 12:34:22 ID:w+DgJ23K
ネコでおとうさんなら、ちよちゃんのおとうさんか
144名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 12:44:30 ID:flk1N+Fk
>>143
好きとか嫌いとかはいい
クックベリーパイを食べるんだ
145名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 12:45:04 ID:HSLGKkHe
単発ネタなら楽しそうだな、ちよ父wwww
146名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 12:53:28 ID:flk1N+Fk
だがギトーが「女子の制服とか好きだから!」と心の底から叫んだりする美人の奥さんがいる何かになってしまう
147名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 13:17:18 ID:3lddZwqR
デモンベインの大十字九郎が召喚されてキュルケにせまられたとき
九朗『悪ィな……キュルケ。あんたのこと嫌いじゃなかったけど』
九朗『どうも俺、やっぱりロリコンだったみたいでさ。あいつのきれいな体知っちまったら……てめぇなんざ汚すぎて抱く気にもならねえんだよ!ババァ」
なんて言う九朗を思い描く自分がいた
148名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 13:25:00 ID:RgK6ajx8
九朗は絶対そんなこといわねーよnoob
149名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 13:26:43 ID:aGCB3iE6
ということで飛影を召喚な。
150名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 13:27:38 ID:yuMwt+9T
忍者戦士を召喚するのか。
151名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 13:31:46 ID:HSLGKkHe
黄金勇者の翼か
152名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 13:32:36 ID:OOHI8Hrf
飛影
全長3・6m
重量500kg

超高性能ゴーレムと認識されそうだな
153名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 13:34:06 ID:ohtM1Quq
とびかげって召喚されてなかった?
と、さらに違う方向に言ってみる
154名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 13:36:08 ID:aGCB3iE6
じゃあ鞍馬天狗を召喚。
よくしらんけど。
黄金バットとか月光仮面とかでも。
155名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 13:36:19 ID:T0LOPGK6
斜め上どころの騒ぎじゃねぇwwwww
156名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 13:39:28 ID:w+DgJ23K
ルイズが黒獅子、タバサが爆竜、キュルケが鳳来鷹召喚して
ピンチになったらヤツが何処からとも無く現れて勝手に合体するのか

157名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 13:47:19 ID:AWP34AkG
>とびかげ
とびかげに紹介されたマイケルが厨房の料理長に収まるとかwww
158名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 14:02:13 ID:HSLGKkHe
パッパラ隊よみたくなってこた
159名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 14:03:54 ID:aGCB3iE6
ギーシュにチキンと言われて決闘になるマイケル。
160名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 14:11:15 ID:tsU8dFSf
ここはひとつ、正義のヒーローアーマージャックを呼んでみよう
161名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 14:31:42 ID:6EDjPzsC
意義の見方だと?ならばアムドライバーからニルギースさんを呼んでこなければなるまい!
162名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 14:36:26 ID:6EDjPzsC
うーわ凄い誤字ってる。正しくは正義の味方、な。
…ニルギースさんだと誤字の方でもそんなに間違ってない気がしてくるのは何故かなぁ…?
163名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 15:09:00 ID:HLnvZ0jG
正義……
覇道の姫さんとかジャステイライザーとかそんな系統か?

メタトロンやラットマンとかでも可

だがリューガ(サンダルフォン)召還した方が面白そうな気もする上に下手したら即殺される可能性が高い
164名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 15:11:14 ID:dUQw31jy
>>160
ジャックつながりで、ハンマージャック。バキもついでに召還。
165名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 15:12:13 ID:yuMwt+9T
と言うか、あいつライラさんのいないところに放り出されたら3秒で鬱になるぞ。
166名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 15:15:54 ID:OOHI8Hrf
>>164
その2人じゃ話が広がらないってww
勇次郎なら絶対に使い魔にはならないし
ピクルなら犯っちゃうし
167名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 15:19:04 ID:flk1N+Fk
>>166
バキなら烈を呼んでダブルツンデレ
もしくは最凶死刑囚の一人ドイルを呼んで魅惑の妖精亭で女装するドイル
168名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 15:20:16 ID:VcQK2/zQ
バキなら渋川さんでしょう
169名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 15:20:28 ID:yuMwt+9T
烈なら7万人相手でも余裕なような気がする。
むしろアルビオンの大地を砕かないかどうかの方が心配になる。
170名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 15:23:21 ID:39vT4lbv
空に漂う球体になっちまうぞ、アルビオンw
171名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 15:24:29 ID:aojyRtuh
オリバだとワルドが叩きつけられた衝撃でアルビオンが墜ちるな
172名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 15:27:25 ID:kQhDJP+x
やっぱバキといえばジャガッタ・シャーマンだろう。
収納に便利だぞ。
173名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 15:29:28 ID:yuMwt+9T
巨大カマキリでも召喚しとけ
174名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 15:38:34 ID:AWP34AkG
>カマキリ
つまり召喚は失敗して、すべてはルイズの脳内使い魔?
175名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 15:45:14 ID:84/rWEe/
宝物庫にある「破壊の大岩」は迷い込んだことのある郭海皇の打岩で
ワイバーンに襲われていたオスマンを助けるためにとっさに投げつけたもの。

人間の腕力で投げられるわけが無いためマジックアイテムだと誤認されてそのまま保管される。

烈海王だと
 大人気ない
 ツンデレ
 料理も出来る
 武器も使える
 見えない目潰しや水面走りや尾行など面白い小技が多い
だから話が展開しやすそう。
ギーシュ戦
「人形を召喚し戦わせる そこまでたどり着いたことは褒めておこう
しかし我が中国では1800年以上前の三国志の時代にすでに通過した場所だ!」
〜略
「聞いてみれば君はメイジの中では最下級だとか そんな君を相手に本気を出そうとした私も大人気なかった」
と転蓮華で優しくギーシュの首を折る烈

教育者な海王とか超肉体医者とかも比較的常識人かつ技能や性格的に面白いかも?
176名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 15:46:47 ID:39vT4lbv
ブリーフ先生は病弱な姉が召喚したら面白いな
177名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 15:48:26 ID:yuMwt+9T
問題はそいつらの場合、せっかく召喚された近代兵器を微塵も使いそうにないところだな。
178名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 15:49:20 ID:g+L0mTQr
寂海王に、ハルケギニアの若者を導いてもらおうぜ
179名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 15:49:39 ID:aojyRtuh
下手な近代兵器より強いのがそろってるからなぁ。

まぁ少なくともデル公の出番は一切無いなw
180名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 15:49:43 ID:lU5OHEmK
以前雑談で話したTOPのクラース&ミランダが召喚されました。が書きたくなってきた。

契約の指輪集めて久々に家に戻ったら寂しそうなミランダさんが居て、たまには甘えさせてよでデレモード。
焼きたてのパイをアーンしてるところでテーブルごと召喚され周囲のいい笑いもの。
けれど召喚魔法が使えることが分かって唖然、しかも魔法が使いたいからって魔法が使えない平民なのに何年もの研究の末成し遂げたものであることにさらに唖然。
契約はしてないけど、何時までもミランダさんにヒモ状態はさすがに心苦しいのでルイズの実家との金銭契約で使い魔&召喚術の師匠をすることになったクラース。
精霊と契約する為、ルイズのハルケギニア大冒険が今始まったり始まらなかったり。

一方その頃テファにアーチェが召喚されていて、フーケ=おマチさん救出の為に旅立ったり旅立たなかったり。
その過程でクラース&ルイズ組とばったり会ったり。
水の精霊使役されててモンモン涙目だったり。

――と、ネタばかりはやたら浮かぶんだが、生憎バイトと卒論とレポートで時間が……
――TOPの内容はうろ覚え過ぎるけど今更やり直す時間も……と言う訳で誰かこのネタで書かないか?
181名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 15:52:50 ID:84/rWEe/
>>177
デルフですら使ってくれそうなのが
烈海王
本部
死刑囚
ぐらいしかいない…

加藤が使ってくれるか微妙なライン
182名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 15:54:28 ID:84/rWEe/
>>179
ワルド辺りを「貴様は中国武術を舐めた!」で凹る時などに大活躍!
183名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 16:03:39 ID:OOHI8Hrf
郭海皇を召喚した場合はルイズが床で寝そうだ
さすがにヨボヨボおじいちゃんを床では寝かさないだろうし
介護をする羽目になりどっちが使い魔か分からなくなる可能性大ww

そしてワルドの腕を手刀でばっさりと

184名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 16:04:47 ID:yuMwt+9T
電撃すらも消力で無効にするのか
185名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 16:08:52 ID:flk1N+Fk
医者が召喚されたらどのルーンにせよ活用出来るな
186名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 16:11:31 ID:yuMwt+9T
どの分野かにもよるだろうな。
だが水のメイジは脳移植ができて腕の接合も道具なしに行えるんだぞ。
しかも秘薬があればすごい勢いで怪我の治療も可能。
医者の出番はないんじゃないかな。
187名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 16:11:49 ID:cfbq2F9g
>>183
手刀よりむしろタマピンじゃね?
188名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 16:14:03 ID:aGCB3iE6
手遅れだ(ニヤリ)
189名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 16:38:03 ID:g3jn2tsN
今更SO3やってる

フェイトかアルベルなら割と簡単に構想練れそうだな
190名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 17:05:25 ID:4RcL9V1f
小ねたでルイズがルイズを召喚する話があったが、どうせなら学院の主なメンバーがみんなルイズを召喚する話(ルイズ自身はフツーに才人召喚)が診たい。
全員並行世界で才人と生き別れたルイズ同士による才人争奪戦。
>やたらスタイルのいいルイズ
>空中戦に特化(エクスプロージョンパルス推進?)したルイズ
>傭兵だったルイズ
>虎縞型猫と合体したルイズ
>不死の属性持ちのルイズ

ここは原作ではやられキャラだったルイズビッグボディに活躍を…
191名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 17:07:53 ID:g+L0mTQr
>>180
とりあえず、ミランダじゃなくてミラルドだ・・・・・・。


いっそ精霊王クラースを、と思ったがこの設定はマイナーすぎるな・・・・・・
一応は公式っぽいが。
192名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 17:19:36 ID:PJ49mo1t
アレ公式なのか?
敵の能力があまりにもチート臭いし既存キャラも色々と変だったような…
193名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 17:21:20 ID:HSLGKkHe
ミラルドさんだよドチクショウ
名前間違いながら書くんじゃねぇ
最低でも琥珀は読め
194名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 17:26:09 ID:MxUpGX27
ルイズ、タバサ、キュルケ、ギーシュがルミナスナイツの連中&ふぁちまを召喚。
テファが桜子を召喚。

美少女12人&おまけの男子2人の学生騎士団ルミナスナイツ!!
195名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 17:32:06 ID:flk1N+Fk
ごはん抜きを忠実に実行して使い魔を餓死させたメイジとしてハルケギニアに名を残すルイズもみてみたいな
196名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 17:33:17 ID:39vT4lbv
>>195
相手が平民だったら
「へー」で終るんじゃね?
197名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 17:37:01 ID:osvahZNx
そういや、原作ルイズのSっぷりに対して耐えてるサイトがMっていうコメントがあったが。
PCゲームだけど、ライトノベルにもなった神さえ殺したM神父召喚されたらどうなんだろ?
こいつならルイズの暴虐に耐える……どころか喜ぶと思うんだが。
198名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 17:44:53 ID:39vT4lbv
「殺し屋1」のもう一人の主人公
ドMのヤクザは
ルイズが生ぬるいって呆れていたな
199名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 17:50:28 ID:i1QfHnS1
そりゃあれはレベル的に子供の癇癪だろ
200名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 17:54:11 ID:h/lWt2jv
>>199
連邦の白い奴を召喚したら、「子供に付き合っていられるか!」と相手にされないわけだな
201名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 17:54:54 ID:84/rWEe/
>>198
そしてフーケゴーレムに対して
「アレで踏み潰された蛙みたいに殺すのか…良いセンスしてやがる…
お前こそ俺が求めていた変態だ!」
と「セイントの笑み」を浮かべて突進
オマチさん涙目
202名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 17:56:03 ID:dUQw31jy
そうか!あのピザがルイズにちょっかい出す理由がわかった!
ピザ自身は生粋のMでルイズの潜在的なSを本能で察知したんだ!イジめてほしくてしょうがないピザは振り向いてもらうためにちょっかい出してるに違いない!
203名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 17:57:55 ID:Zt5XVyPb
ルイズ以外のメンバーも全員他作品キャラ召喚(ルイズはサイトを召喚)というのも見てみたいな。(全員異性が望ましい)
ギーシュが美少女召喚した場合どんな対応するのか見てみたい。
キュルケやタバサは実際自分の使い魔が人間だったらどうするか見てみたい。
まあ完全小ネタ向きだけど
204名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 17:58:48 ID:84/rWEe/
>>200
ワルド「いかにガンダールブとは言え5対1では!」
アムロ「そんな理屈〜!」(殴り倒す)
ワルド「うぎゃ〜!」
205名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 17:59:43 ID:7aTPkCog
>>202
何を今さら
アバン先生や姉妹スレのアヌビス神を初め、マゾコルヌがMだと看破した使い魔はけっこう多いぞ
206名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 18:24:38 ID:3ZjOW9gg
てか原作で彼女に罵ってもらってなかったか?
あとセーラー服の件をみるかぎり女装癖もあったような・・・
207名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 18:28:51 ID:saD058td
ギーシュの使い魔にワンピースよりローラさん(イボイノシシのゾンビ)が召喚されたらオモロい展開になる?
208名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 18:29:39 ID:39vT4lbv
騎士団入ってからは後輩の女子に罵られる事すら

 嗜 む 漢 それがマリコルヌ

最新刊あたりじゃ普通の恋愛なぞ、目もくれぬ覚醒ぶりだ
209名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 18:36:36 ID:AWP34AkG
>208
サイトのノートPCにエロゲが入っていたら……マリコルヌが二次元教を布教するやも知れぬ
210名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 18:45:59 ID:FGnUVnSE
>>209
奴さんなら煩悩力で日本語を3ヶ月くらいでマスターすんだろうなw
日本のアニメや漫画を楽しみたいがために日本語を勉強したオーストラリアからの留学生みたいに。
211名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 19:04:50 ID:YxyRi642
A君(17)の戦争から田中魔王が召喚されました、か。彼ならハルケギニアに同人ショップを開ける。
212名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 19:08:22 ID:xhyZVT+2
田中魔王と言われるとヘルズウォーリアーが先に来る俺
何気に優秀な使い魔だよね。魔獣もついてくるし
213異世界BASARA:2008/01/08(火) 19:11:34 ID:wsXeaX7J
誰も予約がないのなら久しぶりの投下、よろしいですか?
214名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 19:12:57 ID:KaQTKyyS
どぞー
215異世界BASARA 1/4:2008/01/08(火) 19:15:21 ID:wsXeaX7J
では投下いたします。

夢を、ルイズは夢を見ていた。
夢の中でルイズは、池のほとりにある小船の中にいる。
うらぶれた中庭にある池…ルイズが「秘密の場所」と呼んでいる所だった。
「ルイズ、ルイズ」
そこへ、マントを羽織った貴族が現れた。
羽根つき帽子を被っているせいか、顔を見る事は出来ない。
「ルイズ、泣いていたのかい?」
「子爵様…」
ルイズは呟いた。
「また母上に怒られたんだね?安心して、僕がとりなしてあげるから」
そう言って手を差し伸べてくる。
ルイズは立ち上がり、その手を握ろうとした…が。
そこに風が吹き、貴族が被っていた帽子が飛んでいく。

「あ…」

そこに現れた顔は、ルイズの思っていた顔ではなかった。

「な、何やってるのあんた」
「さあ行こう、ルイズ」
貴族だと思っていた男は、自分の使い魔…幸村だった。
「行こうじゃないでしょ、何でここにいるのよ!」
「何って、僕の婚約者を迎えに来たんじゃないか」

ボク?こいつ今自分の事を“僕”って言ったのか?
いつもは拙者と言っているのに…いや、それよりも婚約者とは何だ。

ルイズは困った顔でぐるぐると思考を巡らせている。
その反面、幸村はルイズを見て微笑んでいた。

こ、こいつ…静かにしてれば結構カッコイイかも…
216異世界BASARA 2/4:2008/01/08(火) 19:17:02 ID:wsXeaX7J
「待て!貴様…僕のルイズに何をするか!!」

と、今度は別の男の声が聞こえた。
見てみると、羽根つき帽子を被ってマントを羽織った男…今度は本物の子爵様だった。
しかし、幸村は慌てる様子もなく、軽く子爵に向けて腕を振るう。
すると強い風が吹き、子爵は吹き飛んで池に落ちてしまった。


「やめてよね。本気になった僕に勝てると思ってるの?」


幸村はしれっと言い放つと、ルイズに向き直って微笑む。
「さ、行こうルイズ」
「ちょ、ちょっと!行かないわよ!離して!」
抗議するが、幸村は気に止める様子もなく、ルイズを抱きかかえた。
「何でよりによってあんたなのよ!離しなさーい!!」
ルイズは抱きかかえられたまま手足をばたつかせるが、幸村はただ微笑んでいた。
ルイズはそれが何だかとても恥ずかしかったのだ。


「う〜ん…離しなさいよぉ…」

ルイズ殿……ルイズ殿……

「何笑ってるのよ馬鹿ぁ…Zzz…」

ルイズ殿…ルイズ殿!!

「むにゃ…うん?」


「ルウゥゥイズ殿おぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!!」
「ほわあああぁぁぁ!!??」
217異世界BASARA 3/4:2008/01/08(火) 19:19:33 ID:wsXeaX7J
突然の大声でルイズは夢から現実へと一気に引き戻される。
「おおルイズ殿!目が覚めましたか?」
「ユキムラ…」
目を覚ましたルイズはしばらくぼーっとしていたが、我に返った。
「あ、あんた私の部屋で何してるの?廊下で寝てたんでしょ?」
「はっ!何やらルイズ殿の呻き声が聞こえたので、駆けつけた所存!」
幸村は心配そうな表情でルイズを見ている。
さっきまで見ていた夢を思い出し、ルイズは顔を真っ赤にして俯いた。
「ルイズ殿、どこか具合でも悪いのでござるか?」
「べ、別に何でもないわよ…馬鹿…」

「…あれ?」
だがここでルイズは奇妙な事に気づく。
この部屋にはちゃんと鍵か掛けられている。そして幸村は鍵なんか持っていない。
ならば、どのようにしてこの部屋に入ったのか。
「ユキムラ、どうやってこの部屋に入っ…」
その答えは幸村の背後にあった。
壁に大穴が空いている。いや、元はそこにドアがあったのだが無くなっていたのだ。
「…ねぇユキムラ、あの穴は何かしら?」
ルイズは出来るだけ平静を装って、幸村に問い掛ける。
「ははっ!駆けつけようにも鍵が掛かっていたので、武田軍に伝わる『武田式開門』で扉を開放した結果にござる!」


『武田式開門』………閉じられた扉、門を蹴破る。もしくは引っぺがす。


「ふざけるなあぁぁぁぁー!!!!」
烈火の如く怒ったルイズの蹴りが幸村を吹き飛ばした。
「あんたは力任せで物を壊す事しか出来ないの!?」
「しかし!ルイズ殿の御身に何かあってからでは!!」
「うるさいうるさい!このバカムラ!アホムラ!サナダムシイィィー!!!!」


「…あーあ…だから止めとけって言ったのによぉ…」
廊下で、デルフリンガーはポツリと呟いた。
218名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 19:19:47 ID:KaQTKyyS
支援
219名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 19:23:09 ID:CE8TRHDR
支援
中の人ネタwww
220異世界BASARA 4/4:2008/01/08(火) 19:23:46 ID:wsXeaX7J
――同時刻、チェルノボーグの監獄――

城下で最も監視と防備が厳重と言われている監獄…
その入り口の門の横に、1人の男が立っている。
「やれやれ…隠密というのは苦手だ…」
男はそう言いながら松明の炎を見ている。

「待たせたな…土くれを連れて来た」
男が炎を眺めていると、門から仮面を付けた男が出てきた。
その横には、トリステインを騒がせた盗賊…ルイズ達によって捕らえられたフーケが立っている。
「やぁフーケ殿…ご機嫌如何かな?」
「ご機嫌に見えるかい?こいつがあんたの言っていた連れ?」
男の言葉にフーケは苛立った声で言った。
仮面の男は頷く。
「ああ…目的は違えど、我等の仲間だ」
その言葉を聞いた男はフッと笑った。
妙な格好をした男だと、フーケは思った。このトリステインでは見た事のない服装である。
「変わった格好をしているけど、あんた何処の出身だい?」
「そうだな、遠い世界から此処へ呼ばれた……と言っても卿は信じないか……」
「はっ!別の世界から呼ばれただって?あいつ等みたいに?」

『あいつ等』…その単語を聞いた男の眉がピクリと動く。

「ほぉ…あいつ等とは誰かな?」
「私をこの監獄にぶち込んだ奴等だよ。確かユキムラ…いや、サナダユキムラだったね」

それを聞いた男の唇が不気味な程吊り上った。
そして、今度は笑い出した。

「ははははは、ふはははは!成る程成る程、人生はこれだから楽しいものだ。
いや、私の人生はあちらで一度終わっているから違うかな?」

いきなり訳の分からない事を言い出した男に、フーケは言葉が出なかった。
男は一頻り笑うと、2人を見て言った。
「さぁ行くとしよう。その者達に一度会いたくなったよ」
221異世界BASARA:2008/01/08(火) 19:25:06 ID:wsXeaX7J
これで投下終了です。
やっとアルビオンに突入出来た…
222名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 19:28:25 ID:cJBzXUFy
バサラの人GJでした

しかし武w田w式wとwはwwwwwwww
ヒーローズの真田シナリオは本当にはっちゃけてたなwwwww

そして北条のバサラ技がこのスレで炸裂するのがすげぇ楽しみな俺


223名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 19:48:22 ID:U4cV+xfs
バサラの方乙そしてGJでしたー
平蜘蛛を天守閣から投げ捨てて爆散した人(史実)ktkr?
224名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 20:07:41 ID:/v2Z6KKv
>>186
脳移植って言っても魔法の力で無理矢理くっつけるだけで結局拒絶反応は現れるし、
怪我の治療は確かに凄いが魔法に頼り切りだから生まれつきの異常は治せないんだけどな。
おそらく体の治癒力を高めているだけのようだし、怪我の度合いや経過によっちゃ細胞が死んで回復も出来ないし。
225名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 20:31:32 ID:cfbq2F9g
>>211
なんとなく買ったデビル17のあまりのつまらなさのせいで
同じ作者のA君読む気が失せたんだが、そっちは面白い?
226名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 20:37:25 ID:2ipvWQhW
>>225
時折入るヲタ臭い小話を抜けば、そこそこ笑えて、戦争小説としてはマトモ。
227名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 20:49:18 ID:WYvDZ7st
>>225
しかしあの本を読むなら心してかかれ。
完結は望めないからな・・・。
228名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 20:55:43 ID:vxN6IbP4
>>225
扱ったネタ元が例のアレだから、もうあの名義じゃ出せないっぽいから心して挑んでくれ。
229名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 20:58:01 ID:HSLGKkHe
何があったんだ…
230名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 21:04:57 ID:WYvDZ7st
御代のいつもの病気です。
231名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 21:06:40 ID:l8trcQ6l
デビル17の方だろ?アレで草加ネタを出したから。潰されたんだろうと思うが。
232名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 21:08:09 ID:dgv2Opea
ルイズがDTBの黒を召喚したなんて妄想したのは俺だけで十分
233名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 21:11:51 ID:cfbq2F9g
>>226-228
トン
それほど悪い評価はないみたいだな。
でも遅筆病持ちはなあ・・・もう俺何年も獏ちゃんのを待ってるからな・・・・・・
でその作者は書いてるうちに続ける気なくなっちゃいました型?
書いてるうちに新しいネタ浮かんじゃいました型?
書くより釣りに行きたい型?
234名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 21:18:40 ID:aGCB3iE6
伊丹十三みたいにならなかっただけマシってこと?
235名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 21:21:09 ID:WQxSmzVR
伊丹十三監督は創価を元ネタにした作品を作ろうとして不審死したんだよな・・・
236名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 21:24:21 ID:cfbq2F9g
ああ遅筆じゃなくて創価か
ウッチャンが創価の勧誘断ったんで干されたって聞いたけどほんとかね
237名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 21:33:36 ID:qJ3or9Kx
パナマはry
三州公はry

あっルイズに召喚されたのか!(違う
238名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 21:35:15 ID:TP/Mo2q6
日本のメディアは草加せんべいの呪縛から
解き放たれねばならんのです。

といっても他新聞社の空き時間を金で買って印刷してるからたちが悪い。
239名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 21:39:43 ID:ydSntq9h
風林火山の最終回を見て、勘助を召喚しようと、1月ぐらい書きためた物があるのですが、投下しても大丈夫でしょうか。
一月といっても、暇な時にちょくちょく書いたくらいなので、量としては僅かなのですが。
240名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 21:40:37 ID:MYmGSLFo
>>239
よーそろー!
241名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 21:41:07 ID:s3Qe2vVA
その辺りの話は【荒らしに偽装した何か】を大量に呼び込むからやめない?
めんどくさくなるとイヤだしさー。
242名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 21:41:47 ID:s3Qe2vVA
すまん、リロミス。支援体制に移行
243名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 21:42:59 ID:ydSntq9h
>>241
そうですか・・・
一応、歴史ものといっても、実在した人物でもなく、原作も小説だから大丈夫かな、と思ったのですが・・・
自重しますorz
244名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 21:44:00 ID:s3Qe2vVA
>>243
ち、ちがいます、すんませんっ! あなたの事じゃないんです。
245名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 21:44:21 ID:gudjy7Rd
支援すること風の如し
246名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 21:44:49 ID:2ipvWQhW
>>233
単純に筆が遅い派
247風林火山:2008/01/08(火) 21:45:52 ID:ydSntq9h
>>244
すいません早合点しましたごめんなさい勘違いした自分が悪いんです

それでは、投稿させていただきます〜
248名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 21:46:16 ID:vyG11T2l
>>239
支援はできているが謙信(戦国ランスver.)は俺の嫁な
249風林火山(1):2008/01/08(火) 21:47:05 ID:ydSntq9h
「勝った・・・」

その視線の先には、真田の御旗。

「勝った・・・!」

その眼に映るのは、武田の勝利。

「御屋形様・・・」

その頭の中に浮かぶのは、信玄の姿。

「我らが・・・勝ちにござりまする!」

その心に満ちるのは、歓喜。

「勝鬨を、おあげなされ・・・!」

その後ろには、若い侍。

「武田が軍師山本勘助!その首、頂戴仕る!」

若い侍が刀を振り上げるや否や、勘助の体が光に包まれる。
侍が驚き、動きが止まった数瞬の後。

「・・・・・」

そこに、勘助の姿は消えていた。








250名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 21:47:50 ID:vyG11T2l
支援
251風林火山(1):2008/01/08(火) 21:48:13 ID:ydSntq9h
―――――トリステイン魔法学院にて、春の使い魔召喚の儀式がおこなわれている。
そこでは、小さな薄桃色の髪が特徴的な、少女が呪文を詠唱していた。
「わが名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・・・」
「五つの力をつかさどるペンタゴン。我が運命に従いし使い魔を、この地へと召喚せよ!」
瞬間、あたりが光に包まれた。

(やった・・・!サモン・サーヴァントが成功した!)

心の中は喜びに満たされた。
しかしその数秒後には絶望へと変化する。
何故なら、そこに現れたのは
傷だらけの鎧を着た、左目に眼帯をした異相の青年だったからだ。



―――――目を、開く。

(ここは・・・どこだ?)

そこは、明らかに川中島では無かった。
死体は一つもなく、おかしな服装をした、様々な色の髪を持つ少年達。
なにより、それらの後ろには巨大な城がそびえ立っていた。

「ゼロのルイズが平民を召喚したぞぉ!」

「さすがはゼロのルイズだ!」

突然、大きな声が聞こえた。

「う、うるさいわね!ちょっと失敗しただけよ!」

と、突然あたりが静かになった。
召喚されたものを、改めて認識したからだ。
その姿は、明らかに貴族では無かった。
だが、明らかにただの平民では無かった。
見たことも無い様式の鎧を着、目には眼帯。
その鎧は、幾本もの矢が刺さっており、所々銃弾の跡のような物があった。
252名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 21:49:32 ID:vyG11T2l
支援すること風の如く
253風林火山(1):2008/01/08(火) 21:50:07 ID:ydSntq9h
「ぐ、軍人か!?」

「兵隊を召喚したのか!」

(召喚?一体何のことだ)

勘助には、何が起きているのか全く分からなかった。
そもそも、自分は死んだはずではなかろうか。
あの、若い武士にこの首を取られたはずでは無かったか。
しかし、このまま何もしないわけにはいかない。
とりあえず、この中で一番年をとっている禿頭の中年男性に声をかける。

「もし」

その声に、注意深く勘助を見ていた男が答える。

「な、なんでしょうか」

「ここが何所か、お答えいただきたい」

「は、はい。ここはトリステイン魔法学院ですが・・・貴方は?あ、私はコルベールというものです」

「失礼。拙者の名は、武田が軍師。山本勘助と申すもの」

軍師、という言葉に反応したのか、コルベールは眉をピクリと動かした。

「して、ここは一体」

「トリステイン魔法学院よ」

コルベールでは無く、勘助の後ろに立っていた、桃色の髪の少女が答えた。

「とりすていん?聞いたことが無いが・・・」

60近い人生の中でも、聞いたことも無い単語に首をかしげる。

「ちょっと嘘でしょ!?トリステインを知らないの!?」

「こ、これ、ミス・ヴァリエール・・・」

いくら貴族ではないとはいえ、こんな形相をした軍人に対して、不遜の態度をとっているルイズに、内心コルベールが肝を冷やす。

254名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 21:50:20 ID:QXllWioY
柊蓮司>ご飯をくれないので、仕方がないから庭の草を食べて
飢えをしのごうとしていたらシエスタが台所に連れて行って
食べさせてくれた上にルイズも家名の恥なので食事ぐらいは
取らせてやるから庭の草を食べるのはやめてと言ってくれた
この世界の女の子はみんなやさしいなあ!
どっかのおおと、・・・・
255名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 21:50:25 ID:vyG11T2l
荒らしを無視すること林の如く
256風林火山(1):2008/01/08(火) 21:51:27 ID:ydSntq9h
「トリステインは、このハルキゲニア大陸にある王国よ!それを知らない何て・・・どこの辺境から呼ばれたのよ!」

「呼ばれた・・・?」

(ますます、何のことやら・・・。しかし、ハルキゲニア大陸か。もしかすると、ここは中国や、聞いたポルトガルというような、海の向こうの国ではあるまいか)

なるほど、それなら辻褄があう。
あのおかしな色の髪や、服装、そしてこの城。
全く建築様式が異なることなど、海を隔てるほど遠い国ならばおかしくはないだろう。
この国の名前や、大陸の名前など、この勘助が知っているはずもない。

「して、呼ばれたとはどういうことだ?」

「だから、召喚したのよ、サモン・サーヴァントで。あたりまえじゃない」

ミス・ヴァリエールと呼ばれた少女が答える。

「サモン・サーヴァント?召喚、はて、申し訳ないがこの勘助。何のことやらさっぱりとわかりかねます」

「は?サモン・サーヴァントすら知らないの!?本当にどこの辺境から来たのよ・・・」

少女が、嘆くように言った。
ついで、口をつぐんでいたコルベールが言う。

「サモン・サーヴァントというのは、使い魔たる存在をこの世界のどこかから呼び出す魔法のことです」

警戒の色を残しながらも、コルベールが説明する。

「魔法?まさか、そんなものが存在するはずが・・・」

魔法とは、いわゆる法力と同じ意味を射すもののはずだ。
そんなものが存在すると信じているほど、勘助は盲目では無い。
―――が。

「確かに、川中島からここへと移動したのは確かなようだ・・・それに」

そう。
これこそが、先ほどからずっと感じていた最大の違和感。
軽いのだ。体が。
見れば、腕に力が満ち、頭には剃ったはずの髪が生えている。
若返っているのだ。
知識、記憶はそのままに、体だけが、20前後の姿へと。

(これが、魔法というものか・・・なるほど、これならば川中島からこの地へと誘うことも、できるやもしれん)
257名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 21:51:44 ID:vyG11T2l
投稿すること火の如く
258風林火山(1):2008/01/08(火) 21:52:55 ID:ydSntq9h
「わかった。これについては信用しよう。だが、何故某がここへと誘われたのだ」

「それは私にはわかりません。しかし、彼女にとって最も必要とされているものを呼び出すのが、サモン・サーヴァントなのです」

「必要?この勘助をか?なるほど、戦でもするというのか」

「い、いえ、そんなことはありません!いや、それよりも・・・先ほど、軍師とおっしゃいましたが・・・」

「いかにも。武田家の軍師だ」

「武田家・・・?それは一体」

「ふむ。某がここを知らぬのと同じように、そちらも知る筈はないだろう。簡単にいえば、この国と同じ。某の居た国だ。武力において、最強と呼ばれる国でもある」

「な、なるほど。一国の軍師を、それも大国の軍師をミス・ヴァリエールは召喚してしまったのか・・・人間の使い魔すら例がないというのに・・・・」

コルベールは頭を抱えたくなった。
が、自分が何をすべきなのかを思い出したのか

「み、ミス・ヴァリエール。この方に契約の儀を行いなさい」

落ち込んで自分を失っていた桃色の髪の少女に、コルベールが呼びかけた。

「え!?」

突然話を振られた少女が、ビクリ、と体を震わせた。

「そ、そんな!平民の使い魔なんて聞いたことありません!これはきっと何かの間違いです!やりなおさせてください!」

まさに、必死、という形相でコルベールに異を唱えている。

(使い魔、というものが何かはわからぬが・・・話からすると、大体従者のようなものであろう。何をそこまで必死になることがあるのか)

「残念だが、ミス・ヴァリエール。それはできないことだよ。これは神聖な儀式だ。やり直しは認められない。絶対に、だ」

「そんなぁ・・・」

ヘナヘナと少女から力が抜けた、が。
すぐに立ち上がった。

「し、仕方ないわ、私が召喚してしまったんだから・・・それに、これと契約しなくちゃわたし、留年だもの・・・。初めてなのに・・・」
259名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 21:53:10 ID:vyG11T2l
働かざること山の如し
260風林火山(1):2008/01/08(火) 21:53:40 ID:ydSntq9h
「貴族とこんなことができるなんて、普通は一生ないんだからね!感謝しなさい!」

(?一体何のことだ。儀式、だというが。何のことやら)

すると、少女が勘助の顔を両手でつかみ。
その異相の中の唇と、自分の唇を重ねた。

「なっ・・・!」

勘助がその顔を驚きで染めている。
対称に、少女の顔は朱色に染まっていた。

「グッ・・・」

勘助の表情が苦悶に歪んだ。
見れば、左手に淡い光が走っている。
そして、ルーンがその手に刻まれた。





261名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 21:54:04 ID:2kPcaA1+
>>259
働けwww
262風林火山(2):2008/01/08(火) 21:54:41 ID:ydSntq9h
「ふむ・・・珍しい形のルーンだな・・・あとでスケッチさせて貰おう。さて、皆さんお待たせしましたね。部屋へ戻りなさい」

コルベールが契約の完了を確認し、生徒達を教室に返した。

「これで、貴方は正式に私の使い魔よ。これからは、私の事はルイズ様か、ご主人さまと呼びなさい」

ルイズが、何かをふっ切ったようにやけくそ気味に言った。
それの言葉に、勘助がピクリ、と反応した。

「ご主人・・・だと?」

ギロリ、と片方の目でルイズをにらむ。
ウッとルイズが竦んだ。
だが、怯むも気丈に振舞う。

「そ、そうよ!私があなたのご主人様になるの!契約したんだから」

「小娘。口が過ぎるぞ」

「こ、こここ小娘って言ったわね!使い魔のくせに!」

「真実だ。わしから見れば、十分に小娘と言えるだろう」

「また言った!」

「真実を言って悪いこともなかろう」

「い、いい?貴族は名誉というものがあるのよ。命よりも大事な・・・それを、貴方は侮辱したの!」

「侮辱だと?それならば貴様の方だろう。突然拙者をこの地へと召喚し、挙句の果てには僕になれと!この勘助が仕える御屋形様はただ一人。武田信玄のみでござる」

「そんなことは知らないわよ!あなたは私の使い魔なの!」

「そのようなことは知らん。迷惑!某を元の場所へ返してもらおう!やらなければならぬことは山ほどある!」

(そうだ・・・。決戦に勝利した以上、上杉を討伐し、ゆくゆく天下を取るための準備をせねばならん。上杉の脅威がなくなった今こそが、天下を得る好機!)
263名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 21:55:11 ID:vyG11T2l
>>261
働きたくないでござるwww働きたくないでござるwww
支援
264名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 21:55:12 ID:DXeLD2Ch
>>259
それはイカンだろwwwww
265風林火山(2):2008/01/08(火) 21:55:42 ID:ydSntq9h
「戻る?無理よそんなこと!できるわけないでしょ!おとなしく私の使い魔となりなさい!」

その言葉に、勘助は驚愕した。

「小娘!今何と申した!戻ることが、無理と申したか!」

「当たり前でしょ!元の場所へ返す魔法なんて聞いたことないわよ!」

「なんと・・・では、元の場所へ戻る手段は無いと、いうことか」

「だから最初から無理っていってるでしょ!そんなことはどうでもいいわ!私の使い魔になることを認めなさい!」

「認めぬ」

「認めなさい!」

「認めぬ」

「こ、これだけ言っても分からない何て・・・いいわ。それならこっちにも考えがあるわよ・・・決闘よ!その体に、ご主人さまというものをしっかりと教え込んであげるわ!」

「なっ!み、ミス・ヴァリエール!決闘は御法度ですぞ!」

それまで、流れについていけずに唖然としたコルベールが、あわててルイズを制止した。

「禁止されているのは貴族同士の決闘のはずです。自分の使い魔との決闘を禁止する、だなんて聞いたことありません」

が、ルイズはそれに対しては冷静に答える。
一方、それに困ったのはコルベールである。

「そりゃきみ、誰も使い魔と主人が決闘するだなんて考えもしないだろうし・・・」

「とにかく、ミスタ・コルベールに留められるいわれはありません。勘助!いいわね!」

「承知」
266名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 21:56:44 ID:fBUwg+0F
>>259
それなんてニート侍'swww
267風林火山(2):2008/01/08(火) 21:56:52 ID:ydSntq9h
以前はこのようなことがあれば、迷惑!と言って振り切ったものなのだが。
しかし、今度の勘助はそれを止めようとしなかった。
見る人が見れば、勘助は大して怒っていないとわかっただろう。
なにせ、勘助は自分の失策により武田家を危機にさらし、それを勝利に導くために己の命を捨てたのだ。
そこを、ルイズによって助けられた。
ここへ呼ばれたことに、何故怒れようか。

(私は、一度死んだのだ)

今更、信玄に忠義を尽くす必要も無い。
信玄の事は、好きだった。
命をかけようとも思い、実際に命を捨てた。
だがしかし、勘助は信玄の忠実な僕というわけでは無い。
信玄はあくまで、夢なのだ。
そして、夢でありながら、野望でもある。
信玄という人間、そしてその息子の勝頼によって天下を統べる。
それこそが彼という人間のすべてだった。
それももう、終わったことだ。
それに、勘助がいなくとも、信玄ならばむやみに焦って暴走することもないだろう。
武田に信玄がある限り、武田は決して滅ばない。
そういう確信が、勘助にはあった。

「良い?私は貴族だから魔法を使う。別に卑怯とかなんとか言う気はないわよね。そして、私が勝ったら、あんたは私の使い魔よ」

(使い魔か・・・よくよく考えれば、それもいいやもしれん。この地が戦乱に渦巻く地であるならば、この地の知を蓄え、再び天下を目指す為の準備期間にもなるやもしれんし、そうでなくとも、平和にただ生きるのも、あるいは良いやもしれん)

「承知した」

「あんたがそこを一歩でも動いたら、開始よ。いいわね」

「グッ」

突如、勘助が叫びをあげると、そのまま地面に崩れ落ちた。
あたりに靄がかかっている。
おそらく、スリープクラウドの呪文で眠らせたのだろう。

「ミス・ヴァリエール。例え使い魔と主のものであっても、決闘は禁止です。とりあえず、今日は部屋に戻りなさい。この使い魔の事は、院長や先生方と相談してから決めます」
268名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 21:57:54 ID:DXeLD2Ch
武者ぶるいがするのをぉぉぉ支援
269風林火山(3):2008/01/08(火) 22:00:01 ID:ydSntq9h
―――――なんと驚くべきことか、と勘助は思った。

あれから丸一日、勘助は眠っていたのだという。
そして、目覚めた勘助は勘助は何よりも先に、これから暮らすであろうこの地について、そして自分の身について尋ねた。
そこで、勘助は自分の処遇・この社会での地位などを理解した。

(魔法の存在もさることながら、やはり海外ともなると随分と異なる)

魔法の存在が産業のほぼ全てを支えていることにも驚きを隠せない。
油なぞ、最低レベルの魔法で作れることから、ずいぶんと価値が低く見られているらしいし、紙も大量に出回り、図書館と呼ばれる、大量の本を集める場所もあるという。
さらに、蝮が行っていた、型破りの楽市楽座をどこの市場でも当然のように行っている。
そして何より、ガリアと呼ばれる国の存在。
人口1500万の国であるという。
1500万の国とは、武田・上杉・朝倉・毛利等など、大国の国々が同盟して戦っても、勝ち目があるかどうか。
さらに、空を飛ぶ船の存在。
使い魔の感覚の共有。
ポルトガル伝来の火縄銃程の威力は無いが、使い勝手が良い銃。
何を取っても、驚くことばかりだ。
もし、甲斐に空船の一つでもあれば、楽に上杉を打ち取ることもできたであろう。
攻撃できない場所から一方的に攻撃できるということは、それほど大きいのだ。
魔法の便利さにも驚きの一文字しか出てこない。
すでに、勘助の頭の中には、これを利用していかなる陣形を取るべきか、いかなる作戦を使うべきか、いかにして城を取るべきか、そんなことばかりが駆け巡っている。
ルイズの話しか聞いてはいないが、しかしその説明でも多くの事がわかった。
ほぼ、半日はそれについやしたのだろうか。
この地の地理も大まかにだが理解した。
目を閉じれば、タルブの平原や城下町、浮遊大陸アルビオンの首都、ゲルマニアの街やロマリア、ガリアの首都やラグドリアン湖の光景などとも、ありありと浮かんでくる。
さすがに城や家等の建造物等は想像しにくい。
だが、もし、隣国であるゲルマニアとの戦争が起きれば、どこを拠点とするべきか、もしガリアとの戦争が起きれば、どう対処すれば良いか、そんなことすら、勘助は考え出している。
勘助の頭は、それからめまぐるしく回った。

(いかん。ルイズの話によれば、ここに戦など面影もありはしないのだ。それよりも―――)

勘助の手には、主たるルイズの衣服の入った籠が握られていた。
270風林火山(3):2008/01/08(火) 22:01:09 ID:ydSntq9h
(まずは、これをどうにかするのが先決か・・・洗濯なぞ、殆どやったこともないが・・・)

と、前方にメイドの衣装を着た少女が歩いているのが目に入った。

「もし、そこのお方」

「・・・え、あ、私ですか?」

勘助が声をかけると、数秒遅れて返事が返ってきた。
何故自分に声がかけられたのかわからないといった風だったが、勘助の持っているものを見て納得した。

「洗濯ものですか?それならば、私たちにお申し付けくださ・・・あ、もしかしてミス・ヴァリエールが召喚した使い魔さんですか?」

「いかにも」

「あの・・・えと、私たちと同じ・・・平民、でしたよね」

「この国の区分では、平民であることは確かだ。魔法は使えんのでな」

「そうでしたか!わたし、シエスタといいます!えと、何かありましたらいつでも私を頼ってください!平民どうし、助けあわなくっちゃ・・・」

勘助の異相にも全く恐れることなく、シエスタと名乗った少女が笑いかけた。

「恐れ入る。それでは、これを頼んでも良いだろうか」

「はい、お任せください!」

「ふむ。だが、立場が対等ならばこちらだけ何かして貰う訳にも行くまい。何か、手伝えることはあるか」

半ば、楽しむように、笑うように勘助は言った。

「そうですか?では、今日のお昼に食堂にケーキを運ぶのですが、お手伝いいただけますか?」

「承知した」

笑みを浮かべながら、勘助は籠をシエスタに手渡した。



271風林火山(3):2008/01/08(火) 22:02:13 ID:ydSntq9h
―――――昼の食堂
ルイズからの見たこともない昼食を平らげた勘助は、その足でそのまま調理場へと向かった。
これまた見たこともない物を、シエスタに頼まれ、学生たちへと届ける手助けをする。

「この列にある、台の上に置いていけばいいのだな?」

「はい。そんなに丁寧にやる必要も無いですから。終わったら私に声をかけてくださいね」

「あいわかった」

いうと、勘助とシエスタは別れ、それぞれの机にケーキを配膳していく。
はじめは柔らかいケーキに苦戦したが、元々手先が器用な方である。
すぐに慣れ、そう時間もたたずにケーキを配り終えた。
と、何やら奥で大きな声が聞こえた。

「これは僕のじゃない。他人の物ではないのか?」

「その香水はモンモランシーのじゃないか?」

「そうだ! その鮮やかな紫色はモンモランシーが自分のために調合している香水だぞ!」

「ということは・・・ギーシュ、お前はモンモランシーと付き合っているということか!?」

「それは違う。 彼女の名誉のために言っておくが……」

「ギーシュさま……やはり、ミス・モンモランシーと……」

「そんなわけないだろケティ。いいかい、僕の心の中に住んでいるのは君だけ――」

バチン―――
大きな頬を叩く音がして、向こうから少女が歩いてきて、それと入れ替わるように巻き髪の少女が歩いてきた。

「モンモランシー、誤解だ。彼女とはただいっしょに、ラ・ロシェールの森へ遠乗りをしただけで……」

「やっぱり、あの一年生に、手を出していたのね?」

「お願いだよ。『香水』のモンモランシー。咲き誇る薔薇のような顔をそのような怒りで歪ませないでくれよ。僕まで悲しくなるじゃないか!」

と、モンモランシーが机の上のワインを手に取りギーシュにそれを吹っ掛け、

「うそつき!」
と、怒鳴って去っていった。
ギーシュはハンカチを取り出し、ゆっくり顔を拭く。
そして、突然シエスタに怒鳴りつけた。

「そこのメイド、待ちたまえ」

シエスタの肩が震え、恐る恐るとギーシュの方へ振り向く。

272名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 22:02:47 ID:fBUwg+0F
なんという真っ向勝負戦争フラグw
支援
273風林火山(3):2008/01/08(火) 22:03:10 ID:ydSntq9h
「君が軽率に香水の壜なんか拾い上げたおかげで、二人のレディの名誉が傷ついた。どうしてくれるんだね?」

「あ・・・す、すみません!」

シエスタはペコペコと何度も謝る。
そこで、周囲の野次馬から

「いや、二股をかけてたお前が悪いんじゃないのか?」

と声がかけられた。
ギーシュの友人達が、どっと笑った。

「確かに、そりゃ当然だ!」

すると、顔を赤く染めたギーシュが、友人達は無視してシエスタへと詰め寄る。

「何を言っている給仕君。君達が壜を放置してればよかっただけじゃないか」

「もうしわけありません、貴族様・・・」

「これは謝って済む問題ではないのだよ!君一人が謝っても、彼女達の名誉はけがれたままだ!」

「すいません、すいません、すいません・・・」

「だから謝って済む問題ではないのだよ・・・そうだな、決闘でもするかね?互いの名誉をかけて行う決闘ならば、彼女たちの名誉の汚れも少しは落とせるかもしれない」

シエスタが、泣きそうな顔で、いや、すでに目に涙をためながら、必死に謝っている。

(どうやら、シエスタに非があるのではなく、ただの八つ当たりのようだな)

シエスタに非があるのならば、自分が出る必要はないと思っていた、が。
それがただのやつあたりだというのなら、それも、身分の違いを盾にするようなやつあたりであるならば、恩のある自分はそれを助けねばならないだろう。
それに、周りのだれもが彼女を助けようとはしない。
まるで、見せものであるかのようだ。
見ていて、とても気分が良いものでは無い。

(それに、あの小僧。気に食わんな)
274風林火山(3):2008/01/08(火) 22:04:14 ID:ydSntq9h
あんな小童が、幅を利かせ、あの少女のような有能な者が隅をあるかねばならないなどと。
ルイズの話を聞いた時、勘助はまず中国を思い浮かべた。
郷挙里選のように、有能なものは取り立て、無能なものは落ちていくという制度も、これほどに素晴らしい技術や政治体制がある国ならば、あって当然だと思っていたのだ。
だが、そうでは無いらしい。
有能な平民よりも、無能な貴族の方が偉いという。
下の者の事を考えることができない支配者は、どれほどの能があろうと無能である、と勘助は思う。
無能である上に、下々の物の考えることができないような支配者が、幅を聞かせられているような国なのか。
これでは、やがては上が腐敗し、下剋上が起きるのが必定、などと思いを巡らす。

「あいや、待った!なにも決闘などする必要なないだろう」

「む?なんだね君は」

「某の名は山本勘助にござる。何があったのか、大体わかった。しかし、何も決闘まで行う必要はないであろう」

「は?ああ、ルイズが召喚した平民の軍人か。全く。ルイズは自分の使い魔の教育すらまともにできないのか。さすがはゼロのルイズだ!」

ゲラゲラと、あざ笑いながら、ギーシュが言った。
そして、勘助を流し見るようにして言った。

「ならば、君が代わりにこの僕と決闘をするのかね?軍人ならば、多少は手ごたえもあるだろうさ」

ギーシュの言葉を聞いた野次馬達が、面白そうに勘助達を眺めている。

「決闘?この勘助と、決闘すると申したか?」

「ああ、確かに言ったね。耳が悪いのかい?」

「ふむ。小童。決闘の、意味。理解しているのであろうな?」

ギロリ―――
塞がっていない片目でギーシュを睨む。
今更、勘助の異相に気づいたのだろうか。
ビクリ、と肩をすくませ、一歩後ずさった。
が、震えながらも、しどろもどろに勘助に口を叩く。

「も、も勿論さ。貴族に二言は、な、ない、よ」

「ふむ」

「い、いや、だけど平民相手にさすがに今のは僕もちょっと大人げなかったかな、あはは、君が謝るというのなら、この場は納めてもいいよ」

変に素早い口調で勘助に口をきく。

「いや、決闘か。構わん。やろう」

ヒクッ、とギーシュの口元が引きつる。
それに気付きながらも、そんな事を気にする勘助では無い。
275風林火山(3):2008/01/08(火) 22:05:42 ID:ydSntq9h
「仮にも主人であるルイズをけなされ、それを放っておくのは使い魔としての名折れでもある」

「そ、そうかね。あ、そうだ、僕は貴族なんだ!だから、魔法を使っても文句あるまいね!」

「構わん」

「よ、よし、今の言葉忘れるなよ・・・それじゃあ、1時間後にヴェストリの広場へ来るんだ!・・・いや、もし怖気づいたのなら別に来なくても構わないよ。僕は別に君と戦いたいわけでは無いからね」

「必ず行こう。もし、その広場はどこにあるのか、教えていただきたい」

ギーシュの言葉を軽く受け流し、勘助は野次馬から広場の場所を聞き出した。
その間に、ギーシュは早歩きでその場から立ち去った。

「あ・・・あなた、殺されちゃう・・・貴族と決闘何かしたら・・・」

それまで、事の成り行きを見守っていたシエスタが、顔を真っ青にして言った。
そして、そのまま彼女は走り去ってしまった。










276名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 22:06:05 ID:fBUwg+0F
どうやら決闘は大人の人ほど積極性が高まるようです
支¥
277風林火山(4):2008/01/08(火) 22:07:36 ID:ydSntq9h
―――――1時間後。広場。

「お、怖気づかずにきたようだね、勘助・・・」

「当然だ」

どこから噂を聞きつけたのか、呆れるほど人が集まっていた。
さらに、決闘の仲介役までついている。
そして、野次馬達が期待している決闘が、今まさに始まろうとしていた。
この決闘の結果は、観客達の予想では、殆どギーシュの圧勝であった。
しかし、誰の目にも、どちらにこそ余裕があるのか、一目瞭然であった。
貴族であるギーシュに、明らかに余裕がない。
いくら相手が軍人とはいえ、自分はメイジである。
彼らの頭の中にある、どんな達人の平民であろうとも、決して貴族には勝てない。
そんな常識が、この状況に崩れかかっていた。
だが、しかしこのギーシュにも先ほどよりは、余裕が見て取れる。

(やはり、魔法を使えるというのが自信につながっているのだろう)

と、勘助は分析する。
確かに、魔法は便利だ。
ルイズや、教師の話、そして実際に見た魔法のどれもが、驚くべきものばかりだった。
が、しかしだからと言って、それらに決して勝てないというわけでは無い。
同数の集団のメイジと平民では、基本的に平民では勝てないだろう。
高位のメイジと、平民の一騎打ちでは、どんな達人でも勝つことはできないだろう。
だが、トライアングルクラスのメイジ一人なら、足軽10人にそれぞれ弓と槍を5本ずつ持たせれば、確実に倒せる。
鉄砲兵なら、2,3人で落ちるかもしれない。
ましてやラインクラスなぞ、足軽2人3人、ドットクラスであれば、勝てるかどうかは、弓兵とそうでない者との差程度だろう。
1:1の場合、メイジ相手に、10メイル程度でも距離を離されれば、一気に危うくなる。
が、1メイル以内の懐に入れれば、もはやメイジは役に立たない。
いつぞやの、小島五郎左衛門と同じだ。
例え、スクエアクラスであろうとも、所詮一人の兵としての能力しか持たぬ。
ひょんな事で、雑兵にすら命を取られる。
だのに、自分があの小童に勝てぬ、ということはない。
問題は、距離のみである。
距離を取られて、攻撃できない場所から攻撃されては打つ手はない。

(ならば、自分が取るべき行動は―――)
278名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 22:09:28 ID:saD058td
風のごとく支援
279風林火山(4):2008/01/08(火) 22:09:58 ID:ydSntq9h
「それでは、このコインが地面に落ちたら、それが合図だ。それと同時に、決闘は開始される。それでは、いくぞ・・・」

ピインッ、とコインが弾かれた。

―――瞬間。
地面にコインが落ちるよりも早く、勘助は走りだした。

「ひ・・・ひぃ!」

無言のまま、驚きで動けないギーシュに切りかかる。
コインが地面に着いた瞬間、ズンッと鈍い音がし、そして―――
ギーシュの腕が切断された。

「ぎ・・・ぎああああああああああ」

ギーシュが、腕に走った違和感に気づき、そしてその違和感の正体に気づいた時には、口から大きな悲鳴が漏れていた。

「小童。貴様の武器が魔法というのなら、この勘助の武器は智慧に他ならない。真っ向から力で持って打倒せぬなら、それ以外の方法で打ち取るまでよ」

勘助が、聞いているのかどうかはわからないが、ギーシュにそう呟いた。

「い、今のは反則じゃないか!」

「そうだそうだ!まだ開始の合図が落ちてなかったぞ!」

「これは神聖なる決闘だ!平民には誇りというものがないのか!」

野次馬からは、野次が乱れ飛ぶ。
それらを、ジロリ、と睨みながら、勘助は言った。

「黙らんか、小童ども!戦とは戦うと決まった瞬間から、いや、戦う前からすでに始まっているのだ!命をかけて戦うのが仕事の貴族が、神聖な戦いなどと申すな!」
280名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 22:10:12 ID:flk1N+Fk
支援
281名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 22:10:17 ID:fBUwg+0F
支援
この手の根っからの武人キャラはここでは結構珍しいよな
282風林火山(4):2008/01/08(火) 22:10:58 ID:ydSntq9h
そう一括すると、野次馬達がシン、と静まりかえった。

(いかん・・・どうも、血の気が盛んになった気がする・・・若返った代償か)

以前の自分なら考えられないほど、自分を抑えられなかった。
以前なら、軽く受け流し、無駄な争いを避けたはずなのに。

(これからは気をつけねばならんな・・・)

そう考えると、そのままその場から立ち去ろうとした。

「待ちなさい勘助!」

突然、勘助を呼ぶ声が聞こえるのと同時に、勘助の行く手を、ルイズが遮った。



―――――遡ること1時間程。

昼食をとってから、突然姿を消した勘助をルイズは探していた。

(全くもう・・・あの使い魔は一体、どこをほっつきあるているのかしら!)

頭の回りが良く、理解が早い勘助を、ルイズは少し認めていた。
ただの平民ならばこんなことは思わなかっただろうが、コルベール先生の話によれば、ロバ・アル・カリイエにある大国の軍師であるという。
これって、ひょっとするとすごいことじゃないかしら?と、ルイズは思った。
だから、ご飯も貴族と同じような物を出したし、寝る場所にもちゃんとシーツを敷いてあげたのだ。
ルイズからしてみれば、使い魔に対して驚くべき待遇を出している。
だというのに―――

(勝手にご主人様のそばから離れて、どっかにいっちゃうなんて・・・)
283名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 22:11:17 ID:fBUwg+0F
支援
284風林火山(4):2008/01/08(火) 22:12:49 ID:ydSntq9h
そして、再び食堂に戻ってきて、そこを探していると―――

「そ、そうかね。あ、そうだ、僕は貴族なんだ!だから、魔法を使っても文句あるまいね!」

ギーシュの必死な叫び声と、そして他の生徒たちのざわざわとした声が聞こえた。
そちらを見てみると、一点を囲むようにして生徒たちの垣ができており、やがてそこからギーシュが逃げるように歩いてきた。
そして、ギーシュがルイズを発見すると

「ルイズ!き、君は使い魔の教育というものがなってないな!おかげで決闘なんてするはめになってしまったよ。まったく・・・」

と言い残し、去って行った。
何のことか分からず、そして決闘という言葉に思考が停止する。
とりあえず、人垣の方へと行ってみると、勘助が歩いているのが見えた。

「か・・・勘助!あんたどこ行って・・・って聞きなさい!待ちなさいこら!」

まるで聞こえないように勘助が出て行ってしまった。
慌てて追いかけようとするが、人垣が邪魔で追い付けない。
ついに、勘助を見失ってしまった。
仕方なく、人垣の一人に勘助の事を聞いてみた。
すると、驚くべき答えが返ってきた。

「君の使い魔?ギーシュと決闘するってさ。1時間後に、ヴェストリの広場でやるって」

「け、決闘!?勘助とギーシュが、本当に決闘するの!?」

「あぁ。なんでも、ルイズを貶されたからには使い魔として何もしないのは、名折れだっていってたね」

ルイズの目の前が一瞬、真っ暗になった。
それでも、すぐに気を取り戻し、勘助を止めるべくヴェストリの広場へと向かった。
が、そこには野次馬ばかりで勘助の姿は無かった。

(もう・・・本当に何をやってるのよ勘助!)
285名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 22:13:58 ID:fBUwg+0F
支援
286風林火山(4):2008/01/08(火) 22:14:12 ID:ydSntq9h
それから1時間。
勘助がやってきたと思ったら、すぐに決闘が始まってしまった。
自分が止める暇もなかった。
というよりも

(勝手に決闘して、1時間もご主人様を待たせるなんて・・・一回、ボコボコにやられるのがいいわ!)

という思いがあったためか。
でも、ご主人様の名誉のために決闘をしたっていってたし、本当に危なくなったら助けてあげよう、とルイズは思った。
まさか、ギーシュが一瞬で敗北するなどとは全く考えていなかった。



―――――ルイズか。
勘助は行く手をさえぎる者を確認した。

「一体、何ようでござる」

問うた。
その言葉に、ルイズはすかさず返す。

「あんた、ご主人様に相談もしないで、勝手になにやってるのよ!」

「見ての通り、決闘にございます。何も、ルイズ様に迷惑をかけてはおらぬと思いますが」

ジロリ、とルイズを睨む。

「迷惑ですって!かかってるわ。十分に。ギーシュをあんなにして!主人の不始末は使い魔の不始末っていったわよね、前。当然、使い魔の不始末は主人の不始末なのよ!ギーシュの腕の治療費とか、学校からの処罰とか、いろいろと大変になるんだから!」

「ふむ。それは申し訳ないことをした。だが、言わせてもらえれば・・・逃げることだけはできなかった。貴族の言葉でいえば、名誉のために、だな」

「名誉のために・・・ふ、ふん!いいわ・・・別に、あんたが悪いってわけじゃないし・・・悪いのは、決闘をふっかけてきたギーシュの方だっていうし・・・おとがめなしにしておいてあげる!ご主人様に感謝しなさいよね!」

言うと、ルイズはすぐにそっぽを向いて、叫ぶように言った。

「戻るわよ!」

(追い出しはできないとしても、相当の罰はあるものと思っていたが・・・いや、ありがたくはある。とりあえず、それでよしとしておこう)

不可思議な思いであったが、しかし、害はない為にそのままにしておこうと勘助は思った。
287名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 22:15:03 ID:fBUwg+0F
支援
288風林火山(4):2008/01/08(火) 22:18:30 ID:ydSntq9h
以上で投下終了となります。

支援いっぱいありがとう!
そして支援にこそ笑いました。特に>>259-263の間の支援の人。

そして、勘助の若返り・・・
いやだな、と思う人もいるかもしれませんが・・・さすがに60の老人が召喚されてもなぁ、と思った為に、若返らせていただきました。
それから、勘助の一人称とか性格とかも、自分の思っている勘助像が入っているために、実際とは違っちゃったかもしれません・・・。
そのあたりは、なんとか流してみてもらえると・・・嬉しいです。

書く速度遅いので、次投下できるのはかなり遅くなると思います。
289名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 22:19:29 ID:vyG11T2l
290名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 22:21:04 ID:Plpj314f
GJでした!!
魔法モノの作品で魔法至上主義じゃないのが俺は最高に好きなのでこういうのはいいなぁ
戦いは力じゃない、やっぱり智恵だよね!!
291名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 22:21:14 ID:OOHI8Hrf
GJ
しかし、ニートとその親の戦いは何なんだww
292名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 22:21:42 ID:s3Qe2vVA
>>288
乙でした。渋くていいっすね。次を待ってます。

すんませんっしたっ!
293名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 22:24:00 ID:vaZ/4vSi
お前らギーシュが片腕になったことはスルーか
294名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 22:24:34 ID:WQxSmzVR
>>293
魔法でくっつくんじゃない?
295名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 22:25:28 ID:GT12PSTQ
>>294
治療代云々の話が出てたから多分無理かと
296名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 22:25:51 ID:dUQw31jy
GJ!

ギーシュの腕?そんなもんセメダインでくっつけとけ!
297名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 22:26:36 ID:P7sGL3QG
>>293
脳移植ができる世界の魔法学院なんだから腕の一つや二つ問題なくくっ付けられるよ。
298名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 22:31:57 ID:q+ksSMoX
GJ良い感じに軍師な思考してるね
レコンキスタとガリアの関係にいち早く気付きそうだな

ギーシュ?
西洋剣で押し切られて切断ならともかく
日本刀で切断されたんだったら傷口も綺麗なもんだろ

魔法でくっつくと言われても不思議とは思わんよ
299名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 22:32:54 ID:P7sGL3QG
モンモンが秘薬作ってくれるよ。
300SS書き丁稚:2008/01/08(火) 22:38:49 ID:MYmGSLFo
もしくはアナキン・ルーク父子のように本物そっくりな義手という手もありかと。

しかし1年もせずに100スレとは凄いですな。私も早いところ続き書かないと。
301名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 22:45:03 ID:z1R85u5J
>>295
くっつける薬とかメイジの手配に金が要るんじゃない?

るろうにで出てきたノコギリ状の刃を持つ刀とかで無ければ大丈夫そう


神経をつなぐ技術が基本的に無い→研究したら出来るようになったんで脳を移植してみました
とか途中経過を一気にすっ飛ばしているならともかく…
302名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 22:48:15 ID:7wHmi8qD
逆に考えるんだ
男の浪漫な色々仕込んだ義手を装着するチャンスだと考えればいいんだ
303名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 22:49:21 ID:aGCB3iE6
ワルドの場合は腕拾って逃げられなかったからだよね。
304名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 22:49:54 ID:flk1N+Fk
>>302
一気にバサラ臭漂う世界観になるのか
305名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 22:53:36 ID:z1R85u5J
>>302
ギーシュ「カンスケ 腕のことは気にしなくて良いよ
この義手はすごく気に入っているんだ!
人差し指にはモンモンの香水入り
親指薬指中指は予備スペース
小指をひねるとバラの花が出てくる
そして手首から接合部までの間には
ヴェルダンでのおやつである蚯蚓がぎっしり!
凄いだろう?」

こうですか?判りません!
306虚無と最後の希望:2008/01/08(火) 22:54:02 ID:U8Kry86g
予約無さそうなんで投下して良いですかー?
307名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 22:54:26 ID:aGCB3iE6
つーか、「決闘」で反則はダメだろう…
308名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 22:55:14 ID:P7sGL3QG
>>307
そこをハッタリで丸めこんだのさ。
309名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 22:56:46 ID:vaZ/4vSi
>306
どうぞ

>307
あの手の戦法は宮本武蔵の一乗寺下り松と似たり寄ったりだろう

310名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 23:00:39 ID:ohtM1Quq
>>307
読んでて「うっわすっげー詭弁w 勘助ナイス!」とは思った

そして支援
311名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 23:01:53 ID:DSkLFECR
噂によると初期の武士道=「勝てばよかろうなのだァァァッ!」らしい。

・・・支援する!
312虚無と最後の希望:2008/01/08(火) 23:03:44 ID:U8Kry86g
「後で話、聞かせてもらうからね!」

 学院前でワートホグを降りて、学院へ歩いていくルイズ
 チーフとタバサが何かを話していたのに気がついたのだろう
 しょうがないと、すぐに諦める

「はは、嬢ちゃん気になって仕方が無いようだねぇ」
「ある程度話しておいたほうがいいんじゃねぇか? 相棒」
「ああ、そうだな」

 杖で突付かれ振り向くと

「いつ」

 と、聞かれた
 これからやることがある、それに追従してもらえれば話しやすい

「これから行く所がある」
「付いて行く」

 もう一度、ワートホグに乗り学院外に墜落しているペリカンへと向かう
 ものの数分、到着して見るとタバサの目の前には鋼鉄の何かが地面にめり込んでいる
 半分ほど土に埋まっているので、全体図がわからないが独特なフォルムなのはわかった

「これは?」
「『D77H-TCI ペリカン』、垂直離着陸機だ」

 よくわからないと言った顔のタバサ
 口を開けているかのように見えるのは人員を乗せる貨物部分
 チーフはその中に入っていく、タバサはそれを見つめるだけ
 十秒も経たず、手に何かを持って出てくる
 そのまま、ワートホグに乗せる
313名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 23:05:11 ID:4RcL9V1f
ただ当時の日本人に「中国」という概念は有ったかな?
中原の地とか明国とか…
314虚無と最後の希望 level5:2008/01/08(火) 23:07:03 ID:U8Kry86g
「私の本当の名前は『シャルロット・エレーヌ・オルレアン』」
「オルレアン? つーことはおめぇは王族か」

 デルフリンガーはチーフが知る世界情勢を読み取り、『オルレアン』に適合した情報を口にする

「いや、いきなり重い話になっちまったなぁ」

 『オルレアン』、その名を持つものは現ガリア王国の王、ジョゼフ一世の弟であり、暗殺された天才的なメイジだと聞いていた
 そうなると、タバサは、シャルロット・エレーヌ・オルレアンはオルレアン公の娘であり、王位継承権を持つ王女
 そして父が暗殺された事、母がエルフの薬で精神を壊された事、そしてその母が人質に取られている事
 それを利用してガリア北花壇騎士団員として呼び戻されては危険な任務を強いらされている事
 その全てがジョゼフ一世の指示で行われた事を話した

「こりゃあ、重すぎたな。 嬢ちゃん、すまねぇ」
「いい」

 無表情で返事を返すタバサの瞳は、先ほど以上の憎悪が渦巻いていた

「事情はわかったが、これは貸せない」

 その言葉を聞いたタバサに失望の色が宿る

「こんなものを使わず、自分の手でやるんだ」
「だな、あれはかなりあっけねぇぞ。 殺したって感覚がないし」
 あたかも撃ったことあるようなデルフリンガーだった
「そう」

 少し俯くタバサ

「まぁそう落ち込むなよ、今すぐは無理でもいずれその機会が来ると思うぜ?」
「その時まで自分を磨いときゃいいじゃねぇか」

 チーフはその話を聞きながら、弾薬ケースを開け、弾丸の数を数える
 その後、スナイパーライフルのグリップを持つとステータスに4/0と表示される
 弾倉に4発、予備弾薬は0、弾薬ケースの中には12発
 他の所を回ればまだあるかもしれない
315虚無と最後の希望 level5:2008/01/08(火) 23:09:28 ID:U8Kry86g
「今度は貴方の番」

 スナイパーライフルを置きながら、自分の素性を話し始める
 マスターチーフ、スパルタン-117は『Spartan-II Project』により作られた兵士
 最新鋭強化複合装甲服『ミョルニル(ムジョルニア)アーマー』を装備し、あらゆる武器と兵器の知識を備える
 また、肉体強化を施され、常人とは比べ物にならない反応速度や筋力を手に入れている
 それらにより極めて高い戦闘能力を発揮、それに伴う厚く蓄積された経験により、多彩な戦況に対応できる
 そして、チーフと同様の装備と知識を持ち合わせるスパルタン達が存在していたが
 『人類の存在は神への冒涜である』と戦いを仕掛けてきた異星起源種族軍事連合『コヴナント』の
 圧倒的な技術力と数の前に敗北、チーフを残し全滅したと言う

「馬鹿げた話だろ? あんな奴らに攻め込まれたらあっという間に終わっちまう」

 馬鹿げた話所ではない、本当の話なら人間同士が争っている場合じゃない
 チーフと同様の、強力な兵士が複数居たにも拘らず人類を敗北せしめたコヴナント、その強大さが手に取るようにわかった

「信じる信じないはそちらに任せる」

 ただ、淡々と話すチーフの言葉にタバサは頷く
 荒唐無稽な話だが、それを嘘と判断する物は無く、チーフの戦闘能力と手に持つ武器により高い説得力があった
 だから

「信じる」
「なら、具体的な訓練内容は──」
「夜に」
「……、わかった」

 今すぐにでも聞きたいといった感じだが我慢しているようだ
 話が終わる頃には日が落ちかけ、双月が顔をのぞかせていた
 ワートホグの銃座には拾い集めてきた銃、ハンドガンやアサルトライフル、バトルライフルなどがあった
 助手席にタバサを乗せ、学院の門をくぐる

「ここでいい」

 女子寮から少し離れた場所でタバサは降りた

「夜に」

 違えない様に再度確認、それを聞いて頷く
 歩きながら口笛を吹くタバサ、数秒後にタバサの使い間が飛んできて背中に乗せ飛んでいった

「嬢ちゃんの目、やべぇな」

 どんなことをしても『殺す』と言う決意
 16でここまでの覚悟をするほどの出来事だったのだろう
 ハンドルを切り、シエスタに聞いた使われてない倉庫へ向かいアクセルを踏み込んだ
316虚無と最後の希望 level5:2008/01/08(火) 23:11:41 ID:U8Kry86g
「遅いわよ」

 銃の手入れをこなし、部屋に戻ると完全に日が落ちていた
 それを待っていたのは腕を組み椅子に座るルイズ

「それじゃ、何話してたか聞かせてもらうわよ」
「まあまあ落ち着けって、相棒は元から話すつもりだったしな」
「アンタは黙ってなさい! 私はチーフに聞いてるの!」

 「おーこえぇこえぇ」と鞘に納まるデルフ、それを見た後にチーフは話し出す
 タバサと戦った経緯、その後の話した内容
 そして、戦闘技術を教えることになった事を
 一々質問を挟んでくるルイズのおかげで外は紅と蒼の、双月の光が世界を照らしていた

「なんでそんなに……」
「事情はしらねぇが、強くなる必要があるんじゃねぇか?」

 先ほどタバサから聞いた話をおくびにも出さず、デルフは語る

「でも、何でチーフに?」
「おいおい娘っ子、相棒がべらぼうに強いこと忘れてんだろ?」
「それでもよ、メイジがその……、魔法を使えないチーフに何を教わるのよ」
「娘っ子、タバサって嬢ちゃんは魔法の扱いはかなり上手いと思うぜ、それには納得出来るよな?」
「え、ええ」

 悔しいが、タバサのその才覚は素晴らしい物であるとルイズは思っている
 あの歳でトライアングルクラスは伊達じゃない

「まあ本気出してないとは言え、魔法を使えない相棒に負けたんだぜ?」
「それがどういう意味か、解らねぇわけじゃねぇだろ」

 うっ、と言葉が詰まる
 よほど油断している状況で奇襲を掛けるぐらいしかメイジに勝てない
 そのメイジが魔法を使えない者に負ける、それも正面からだ
 チーフという個人はハルゲニアの「魔法を使えない者はメイジに勝てない」と言う定義を破壊している

「第一、優れた技術を持つやつに師事を仰ぐなんざよくある事じゃねぇか」
「そ、それはそうだけど……」

 一理ある、確かにデルフリンガーが言うことには一理在るけど……
 あのチーフがタバサを抱きかかえていた光景が浮かび、何かが引っかかっていたルイズ
 少し考える、「まさか、まさかね」と飛躍しすぎた考えに頭を振った

「う〜、まあいいわ! 今回は許してあげる、でも──」

 言い掛けたルイズが止まる、チーフも気づいている
317名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 23:12:31 ID:flk1N+Fk
支援
318虚無と最後の希望 level5:2008/01/08(火) 23:13:01 ID:U8Kry86g
「地震……?」

 かすかに感じる、女子寮が揺れている事に

「地震、じゃないわね……」

 揺れは一度だけではなく、定期的に揺れている
 歩いていれば気が付かないほど小さな揺れ
 ルイズは窓に手を掛け外を覗く

「……なにあれ?」

 本塔の横には巨大な何かが聳え立っている
 本塔と同等の高さを持つ──

「ゴーレム!?」

 ルイズはかかとを翻し、ドアを勢いよく開ける
 ガンッ、とドアは鈍い音を出しながら何かにぶつかった

「あっ」

 ドアを開けた先にはタバサが蹲っていた

「ご、ごめんなさい!」
「大丈夫」

 よろめきながら立ち上がるタバサ

「約束」
「それは後にして! 本塔の横にゴーレムが立ってるの!」

 そう言ってルイズは駆け出す
 だが、少女の足では遅い

「きゃ!」

 軽い悲鳴を上げたルイズ
 チーフはルイズを抱えて、廊下を走る
 ルイズの二倍近い速度で駆けた、それを見ていたタバサは

「アン・ロック」

 ルイズの隣の部屋、キュルケの部屋の鍵を解除
 キュルケを叩き起こした

「ちょっと〜、なんなのよぉ」
「外にゴーレム」
「え、なに? なに?」

 よく理解できていないキュルケを他所に、タバサは自分の部屋に戻り、口笛を吹きながら窓から飛び降りた
319虚無と最後の希望 level5:2008/01/08(火) 23:15:17 ID:U8Kry86g
 時を遡る事、数時間前

「チッ、なんて頑丈な……」

 本塔の外壁、非常に分厚く、さらには『固定化』の魔法まで掛けられておりフーケのゴーレムでも壊せない頑丈さがあった
 塔内部の扉にも同様に強力な『固定化』が掛けられており、他の物質へ変化させる『錬金』を弾くほど強力
 固定化を上回る錬金を掛ければ良いが、フーケ以上のメイジが掛けた代物であり、変質は不可能であった

「中が駄目なら外、と思ったがそう上手く行かないようだね……」

 だが、ここで諦め無いのがフーケ

「とりあえず、叩いてみるかね」

 地面が競りあがり、物の数秒で巨大なゴーレムが出来上がる
 そして、大きく振りかぶったゴーレムの腕

「ひび位は入っておくれよ!」

 壁に当たる瞬間、ゴーレムの拳を鉄へと錬金した
320名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 23:17:31 ID:hMDkrH7R
唐、唐土(もろこし)、支那あたりだな。<当時の日本人にとっての中華大陸
中国だと中国地方のことになるんだったような……それは明治以降か?
321虚無と最後の希望 level5:2008/01/08(火) 23:17:35 ID:U8Kry86g
「やっぱりゴーレム!」

 外に出ると見えたのは巨大な、30メイルはあるゴーレム
 その土の拳を本塔にたたき付けていた

「なにして……、あそこは確か……」

 宝物庫、貴重なマジックアイテムなどは保管している
 そこの壁を攻撃していると言うことは

「まさかフーケ!?」

 チーフと武器を買いに言ったときに、店主から聞いた言葉を思い出す

『近頃、下僕に剣を持たせる貴族様が増えてきたんですよ』
『どうして?』
『何でも、「土くれのフーケ」ってな貴族様ばかり狙った盗賊が居るって話でさ』

 そのフーケが宝物庫を狙ってる!?
 止めなければ、そう思いルイズはゴーレムへ向かって駆け出そうとしていた

「なにをする気だ」
「何って、あいつを止めるのよ!」

 怒鳴るようにルイズは言った

「何か手はあるのか」
「うっ」

 言葉が喉に詰まる、考えなしに突っ込もうとしてた様だ

「で、でも! 何とかしなくちゃ……」

 指を唇に当て考え始めるルイズ

「ルイズ!」

 そこへキュルケが走ってくる
 その上空にはタバサとシルフィード

「何なのよあれ! あの大きさだとトライアングルクラスは有るわよ!」
「多分、土くれのフーケよ」
「まさか、あんな堂々と狙ってくるとは思っても見ないわよね」
「何とかして止めないと!」
「とりあえず……、タバサ!」

 呼びかけ、操っている奴の顔を見れないか尋ねる

「見えない」

 距離もあるが、夜な上にフードを被っている為、男か女かすら解らなかった

「ダーリン、あれ、何とか出来そう?」
「ちょっと! 何がダーリンよ!」
「あら、良いじゃない別に」

 口喧嘩を始めそうな二人に割って入る
322名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 23:19:48 ID:hMDkrH7R
おっと割り込みすまんかった支援
323虚無と最後の希望 level5:2008/01/08(火) 23:20:08 ID:U8Kry86g
「無理だな」

 アサルトライフルにハンドガン、デルフリンガーにあとは『プラズマグレネード』と『プラググレネード』が2個ずつ
 あのゴーレムを破壊するには明らかに火力不足、『ロケットランチャー』や『ロッドガン』、『戦車』でもあれば簡単だろうが

「だが、やって見るしかないようだな」

 アサルトライフルを構えるチーフと杖を手に持つキュルケ
 上ではシルフィードに乗るタバサ

「わ、わたしも!」

 いそいそと杖を取り出すルイズ

「それじゃあ、援護をお願いできるかしら? ミス・ヴァリエール」
「任せて! ミス・ツェルプストー!」

 それを聞いてゴーレムへ駆け出すチーフ、
 後に続くように杖を振るうキュルケとタバサ

「ファイアボール!」
「エア・カッター」

 噴出した火玉と風の刃
 チーフの上を通り過ぎ、ゴーレムに直撃した

「やった!」

 それを見たルイズが喜ぶが

「あー、駄目っぽそうね」

 表面を焦がす程度と浅い傷を作る程度、すぐさま傷が修復され元通りになった
 チーフの方も発砲するが表面に小さい穴を作る程度
324虚無と最後の希望 level5:2008/01/08(火) 23:21:53 ID:U8Kry86g
 その攻撃に気づいたゴーレムがルイズたちの方へ歩み寄る

「下がるわよ!」

 ルイズの手をとり、逃げようとするが

「駄目よ! ここであいつを捕まえなきゃ!」

 そう言って杖を振るうルイズ

「ファイアボール!」

 ゴーレムの表面、軽い爆発が起きる

「ルイズ!」

 引っ張っていこうとするキュルケだが、振りほどいて再度杖を振るうルイズ

「ファイアボール!!」

 同様の、軽い爆発
 軽い傷を作るだけに至った

「もう!」

 無理やり、ルイズを抱え上げて逃げ始めるキュルケ

「何馬鹿なことしてるのよ!」
「離して! 貴族は敵に後ろを見せないのよ!」
「ちょっ、キャ!」

 ルイズが暴れキュルケが転倒、抱えられていたルイズも同様に転がる
 ゴーレムは踏み潰そうと歩み寄る、次第に強くなる地響き

「ファイアボール!!!」

 起き上がり、呪文と唱える
 先ほどより大きな爆発だが、軽い傷

「ルイズ!」
「ファイアボール!!!!」

 またも爆発

「どうしてよ! どうして出ないのよ!!」
325名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 23:22:17 ID:/kz+mWiX
halo main themeが脳内で再生されてきたぜ
支援
326虚無と最後の希望 level5:2008/01/08(火) 23:25:26 ID:U8Kry86g
 唱えるのはファイアボール、起こるのは爆発
 踏み潰そうと迫るゴーレムの足
 キュルケはルイズに覆い被さり、タバサは間に合わないと目を瞑った
 確実に踏み潰された、確かにそうなるはずだった
 だが、ゴーレムから少し離れた場所にチーフと、二人の少女を抱きかかえる姿があった
 そして、ゴーレムの足首は青白い閃光とともに砕け散る
 バランスを崩し、倒れそうになるも足首がすぐさま再生を始める

「馬鹿! 何であんなことしたのよ!!」
「悔しく……て、いつも馬鹿に、されて……、フーケを捕ま……、えれば、もう誰にも『ゼロ』なんて……」

 溜めに溜めた思いが堰を切ってあふれ出していた
 こんなにも強い使い魔を呼び出したくせに、事に関して何も出来はしない
 己の無力さで涙が溢れ出し、喋れなくなるほど泣きじゃくった

「メイジの実力を見るなら、使い魔を見ろ」

 泣くルイズの声をさえぎる様に、チーフは言った

「契約を」

 目の前に立つ使い魔は、恐怖や慢心が無く、ただ起伏の無い感情で言った
 彼は決めたのだ、ルイズの使い魔になることを
 正式な契約を結ぶことは、元居た世界に返れなくなるかもしれないという事
 それを承知で言ったのだ
 その決意を固めた使い魔がたった一言を要求している、ならば主人として答えてあげなければならない
 溢れていた涙は止まり、一つの信念が宿る

「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」

 ルイズはチーフに口付けをした
 その途端、チーフの左手から光があふれ出す
 浮かび上がったのは『ルーン』
 ここに契約に至り、チーフは正式なルイズの使い魔となった

「命令を」
「っ…、フーケを、『土くれのフーケ』を捕まえなさい!」

 その言葉を聞いた使い魔は、一言返した

「了解した」

 頷いた、デルフリンガーを持つ左手にはルーンが淡く輝いている
 振り返ると同時に右手に持ったアサルトライフルを背中に担ぎながら駆ける
 視線の先には高さ30メイルはある巨大なゴーレム

「突っ込んでいくなんて……」

 チーフの行動を見てキュルケは呟く

「大丈夫よ! チーフは私の使い魔なんだから!」

 涙目ながら自信たっぷりにルイズは言った、その姿を見たキュルケは嬉しそうに

「ええ、大丈夫よね」

 と、僅かに微笑んだ
327名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/01/08(火) 23:26:29 ID:rGElxeds
支援
328虚無と最後の希望 level5:2008/01/08(火) 23:27:06 ID:U8Kry86g
 その頃、ゴーレムへの攻撃が効果無しと判断したタバサは上空へ舞い上がっていた
 ゴーレムへの攻撃が効かないなら、それを操るメイジへ攻撃する
 対土メイジの基本であり、最も効率がいい解決方法
 幸い、ゴーレムを操るメイジの意識はチーフに向いている
 好機と判断、上空へ舞い上がっていたシルフィードは一気に下降する

「───」

 タバサは小さくつぶやき、ゴーレムの肩に乗るローブを着たメイジに向かって杖を振るった
 威力と詠唱速度を考慮した風の魔法を放った
 うねる風の刃、メイジを切り裂かんと空を走るが直前で弾け消えた
 途端、ゴーレムの左拳が迫る
 振り上げる拳は鋼色に変化し、魔法を防ぎつつタバサへ攻撃を行う
 だが、体をひねるシルフィードには当たらない
 それを見てフーケは笑った

「残念」

 ゴーレムの腕になぞるように突っ込んでくるタバサとシルフィード
 すれ違いざまに魔法を叩き込もうという魂胆だろうが

「見え見えなんだよ!」

 ゴーレムの腕から土の壁はせり上がり

「!」

 シルフィードは避けきれず激突した
 放り出されたタバサと、墜落するシルフィード

「残念だったねぇ、これで仕舞いだよ!」

 止めと言わんばかりにフーケの足元から撃ち出される石礫
 シルフィードは咄嗟に尻尾を振るい、石礫の射線上に割り込ませタバサを石礫から守る
 だが、完全とは言えなかった
 たった一つ、通過を許した礫が杖を振るおうとしたタバサの額に直撃
 その威力は十分、一発でタバサの意識を刈り取った
 それを見たシルフィードは「きゅいっ!」と軽い悲鳴を上げ、バランスを立て直せずそのまま落ちていく
329名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 23:27:28 ID:OOHI8Hrf
支援
330虚無と最後の希望 level5:2008/01/08(火) 23:27:53 ID:U8Kry86g
「タバサッ!」

 悲鳴に近いキュルケの声
 杖を構えたキュルケの『レビテーション』は間に合わない
 シルフィードは落下する前に体勢を立て直せるだろうが、タバサを救うに至らない
 杖すら握っていないルイズは持っての他
 ならば駆け出す者は一人
 およそ3メイル、落下寸前のところでタバサを抱きかかえ大地を駆けるのはチーフ
 キュルケの前まで駆け、タバサを渡し抱える

「離れろ」

 キュルケは頷き、二人はタバサを抱えその場から遠ざかる

「タバサの顔に傷が残ったら、骨の一欠けらさえ燃やし尽くしてあげるわ」

 気絶したタバサを抱えるキュルケの声は明らかな怒気を含んでいた
331虚無と最後の希望 level5:2008/01/08(火) 23:30:20 ID:U8Kry86g
 左手にデルフリンガーを持って走る

「相棒! やっちまえ!」

 その速度は風、振るわれた剣は剛力
 剣の面で叩かれたゴーレムの足は爆発したように弾ける

「なッ!」

 驚きをあげたのはゴーレムを作り上げたメイジ、土くれのフーケ
 足首の8割を吹き飛ばされ、バランスを崩すゴーレム

「その程度で!」

 即座に修復を始めたゴーレム
 やはりこの程度では破壊できない、一撃で大部分を破壊できる武器ではないと
 破壊、その言葉で思い出した
 何度かデルフをたたきつけ、土を吹き飛ばす

「無駄だって言ってるだろうがぁ!」

 踏み潰そうと足を上げるが、すでにその場所には居ないチーフ
 見ると、ルイズ達の元に駆け寄っていた

「ど、どうしたの!?」
「ルイズがゴーレムを破壊するんだ」
「え?」

 突飛に言った言葉にルイズが固まる

「本気なの?」

 信じられないといったキュルケ
 その問いに答えるチーフ

「ああ」
「で、でも!」

 口ごもるルイズ、前方には迫り来るゴーレム

「ルイズは『ゼロ』ではない」

 と、隣で呟くように言ったチーフ
332名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 23:30:53 ID:OOHI8Hrf
支援
333名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/01/08(火) 23:31:24 ID:rGElxeds
支援
334名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 23:31:27 ID:WuAW3SBI
もうねる
335虚無と最後の希望 level5:2008/01/08(火) 23:32:55 ID:U8Kry86g
 驚きながらもその言葉に同意したのはキュルケ

「そうね、ダーリンを召還したんだから、ルイズはもう『ゼロ』じゃないわ」
「キュルケ……」
「ほら、杖を構える!」
「え、あ」

 キュルケがルイズの腕を取り、杖をゴーレムへ向けさせる

「狙いはゴーレムの胸だ」

 杖先はゴーレムの胸部へ

「さあ、集中」
「うん」

 瞼を瞑るルイズ

「全力で唱えなさい、貴方の魔法を」

 瞼を開くと同時に唱えた

「すぅーーー」

 息を吸い込み、魔法を唱えた

「ファイアァァァァボォォォーール!!!」

 一瞬、ゴーレムの胸が凹んだが何も起こらない

「失敗……?」

 迫るゴーレム、距離は5メイルもない

「いや、成功だ」

 言うと同時にゴーレムの上半身が凄まじい爆発を起こして吹き飛んだ
 地面がゆれ、響き渡った轟音が鳴る、爆発は激しい閃光を生み、暗く染まった学院を染め上げる

「す、凄いわね……」

 あまりの威力に驚くキュルケ
 そんな中、落下する土の中にフーケを見つけたキュルケがレビテーションを掛ける

「ね、ねえ、しししし死んで無いわよね……?」

 ゆっくりと降りてきたフーケを見てルイズが言った

「死んでない方がおかしいわよ」

 ど、どうしよう! と困惑するルイズ
 火系統のキュルケが見たことが無いほどの大爆発
 その爆心地近くに居たフーケが生きていればそれこそ奇跡

「と思ったけど、生きてるっぽいわね」

 微かな呼吸、恐らく衝撃で気絶しただけのようだ
336名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/01/08(火) 23:35:05 ID:rGElxeds
支援
337虚無と最後の希望 level5:2008/01/08(火) 23:35:56 ID:U8Kry86g
(見た目ほど威力は無かったのかしら?)

 失敗したのにこの威力、正しく成功させて居たらどれぐらいの威力になっていたか
 創造をこえるルイズの今だ開かぬ才能に冷や汗を流した

「ん」

 目が覚めたタバサ、空ろな瞳には落ちる土破片が映っていた

「タバサ、大丈夫?」

 タバサの額から流れていた血をぬぐうキュルケ

「大丈夫、ゴーレムは?」
「ルイズの魔法で吹き飛んだわよ」

 失敗魔法しか出来ないルイズがゴーレムを吹き飛ばした?
 30メイルはあるゴーレムを?

「本当?」
「うううそじゃないわよ! 私が吹き飛ばしてやったんだから!」
「本当?」
「ええ、かなり凄かったわよ」

 その言葉を聴いて納得した
 ルイズがあのゴーレムを吹き飛ばしたのは真実だと

「すごい」
「え、あ、ありがと」
「まぁ、ともかくさっすがはダーリン!」
「ちょぉ! なに人の使い魔に抱きついてるのよっ! それにゴーレム壊したのは私なんだからねっ!」
「感謝」

 キュルケはチーフに抱きつき、ルイズはそれを見て激怒、タバサは軽く頭を下げていた

「なあ、相棒。 俺は『剣』なんだぜ?」

 と返事も返されず、本来の用途で使用されなくて落ち込むデルフリンガーだった
338虚無と最後の希望 level5:2008/01/08(火) 23:37:05 ID:U8Kry86g
以上で投下終了です
長くてだらだらでした、今度からはもうちょっと短く纏めてみようと思います

サブタイでもつければよかったかも
339名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 23:39:14 ID:OOHI8Hrf
GJした
フーケよく生きてたなww
340ゼロの夢幻竜:2008/01/08(火) 23:50:07 ID:tdN0C0Xu
ジャーンジャーンジャーン。皆さん今晩は。
予約無さそうなので0時30分からの投下宜しいでしょうか?
341名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 23:51:53 ID:flk1N+Fk
げぇっ 支援
342名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 23:54:52 ID:yaVxOgVB
むむむ。なにが(ry

その0時半までに他の人が待たされる可能性もあるから、もうちょい早くならんかね?
343名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 23:58:52 ID:GT12PSTQ
>>340
空き時間があるなら少しだけ投下よろしいですかね?
344名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 00:00:12 ID:ccLHIwbn
チーフのひとGJでした。
しかしペリカン墜落してるってことはどんな召還されたのか気になるところ。
345名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/01/09(水) 00:01:19 ID:Vkh2nZR+
>>343
支援
346名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 00:01:40 ID:RH5LM0ke
初書きですが、プロローグだけ投下してもよろしいですか?
人がやりそうでやっていない作品を使うのは随分緊張するので、
とりあえず試し読み程度に。あまりにもつまらないならば止めますので。

『ゼロのミステス』 - 坂井悠二 / 灼眼のシャナ
14巻のサブラク戦終了後、待ち合わせ場所へ向けてのシーンから。
向こうの世界でも自在法は使える。ただし、何故か封絶の効果はない。
347ゼロのミステス:2008/01/09(水) 00:02:26 ID:GT12PSTQ
下げ忘れ本当にすいません

発明家とはすべからく多大なる時間の果てに我学を大成させるものである。
かつて一人の発明家が生み出した自在法「封絶」も、
複雑で無駄が多いとされた原型に至るまでに既に多大な失敗を繰り返していた。
後にある天才によって簡略化され広く普及することになるその自在法であるが、
様々な角度から見れば、完成形やそこまでへの道のりである過程は当然、
最初に生み出された「原型」すらも「重大な意味をもつもの」と言えた。

探耽求究の生み出した「原型」には、不要なものが紛れていた。
当時まだ不安定だった封絶は、副作用による紅世との因果関係力の低下を
抑制させる力を持つ複式を主軸式に織り交ぜて展開させていたという。

この因果力維持用の自在式をとあるミステスが求め、
「ミステスがその自在式を使うこと」を
仮装舞踏会が求めるようになるとは、誰も夢にも思わなかったであろう。
緻密に計画を練ってきたベルペオルも、まさかの
"零時迷子及びそのミステスの消失"によって盟主の再誕を絶たれるとは
思いもしなかった。しかも、存在の力が消滅したわけでもないらしく、
そのミステスの身近な人間達は彼のことを覚えている。
となればもう、答えは一つしかない。
(あの干渉で…ミステスは別の世界へ飛んだ)
『この世の本当の事』が一つ増えたらしい。
(まったく…相変わらずこの世は思うようにいかないねえ…)
また彼女は笑う。因果力をどうにかして零時迷子に与えなければ。
向こうが式を使ってくれればいいが、あのミステスが自分で式を
組み上げる、などありえないだろう。
"永遠の恋人"が顕現でもしない限り、あちらは何も起こらない。
ともかく何とかこちら側がフレイムヘイズ達より先に動くしかない。
「まあ…そこが面白いんだけどねえ」
鋭い眼差しの笑顔を半月に差し出し、参謀は窓に佇む。

------------------

「―そうか、だからアナタは居るんだ」
坂井悠二が"彼方"へ向かおうとしたその前に現れる、不思議な何か。
(これが"道"への扉なのか…)
次第に体はその中に吸い込まれて、いなくなってしまった。

それは、本来導くべきところにいざなう門ではなく、
紅世とは別の何かによる干渉。
悠二はその"妨害"を完全に取り違えていた。
幸か、不幸か。
348名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 00:07:45 ID:9ooz5TQW
先生、なんか読みにくいです……
意味の区切りで「、」を打つほうがよいかと…
349ゼロのミステス:2008/01/09(水) 00:09:47 ID:RH5LM0ke
一応投下はこれだけですが終了ということで
sage忘れ本当にごめんなさいorz
>>340氏の作品を見た後つってきます

>>348
意味で区切ると今度はやたらと句読点が増えて困って…
改行して別段落にしてみましょうかね
350名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 00:09:54 ID:cqocaprn
>>348
無理だろ。そういうことも意識できてないんだから。
、だらけになるのがオチ
351名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 00:11:27 ID:cqocaprn
おまえこれ、プロローグにしても冗談が過ぎるだろ。
ちゃんと書いてから投下しろ。

本人は本気かもしれんが、傍から見れば、冬厨と見分けつかんぞ?
352名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 00:19:09 ID:9ooz5TQW
音読してみるのがいいかもねぇ。
絶対息切れすると思う。
353名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 00:21:19 ID:y9oYTIsw
>>350-351
まあまあ
毒吐きでもないし批判はもうちょっと穏やかにどうかひとつ
354名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 00:23:13 ID:k8Ymt24A
>>350-351
カプランあんた、リッカーに食われたんじゃなかったか?

引き続き夢幻竜の人を支援
355名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 00:28:13 ID:xLExXp+L
そろそろかな?
夢幻竜支援
356名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 00:28:15 ID:TvM9c8v0
>347
文章力は
@只管良い作品をたくさん読む
Aそれを意識しながら自分で書く
B誰かに見てもらい、欠点を指摘してもらいながら推敲する(推敲前Verをちゃんと残しておくこと

で確実に上がる。
あとはゼロ魔クロスの場合、読み手は召喚シーンは読み飽きてる人多いからある程度独自色が出せる一気に書いてから投下しちゃったほうがいい。
少なくとも、それで「お前何がしたいの?」って批判は免れることが出来るはず。
文章作法とか何から始めればいいか分からない場合は「やる夫が小説家になるようです」か「ライトノベル研究所」「美少女ゲームシナリオ教室」あたりを参考にスベシ!
357名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 00:30:14 ID:azzW3q0G
>>349
熱意はわかるんだが、10kbくらい書いて、三日間寝かせたあとに推敲してみ
そんだけでかなり違うぜ
358ゼロの夢幻竜:2008/01/09(水) 00:30:29 ID:1QarBKXm
では投下します。

ゼロの夢幻竜 第十七話「深海の宝珠(前編)」

一本道を進み続ける屋根無しの馬車。
御者と案内役を買って出たミス・ロングビルを始めとするフーケ捜索隊の姿がそこにあった。
使い魔のラティアスは馬車の速度に合わせつつ5メイルほど上の空を飛んでいる。
その一行の中でキュルケは、ルイズに対して一抹の違和感を持っていた。
こうも静かな状況で自分の次に何かを言おうとするのは彼女ぐらいなものだ。
ところが今は側にいて本を読みふけっているタバサと同じくらい何も喋らなかった。
時々、使い魔の事やナシになった授業の事について話題をふるのだが、返って来るのは愛想の無い言葉ばかりで会話が全くと言っていいほど続かない。
たまに視線をラティアスの方に向けて、何かを聞き取っているように頷いたり目配せをしているがそれが何を意味しているのかが分からない。
何をやっているのか教えてくれと言っても、噛み付かれるような勢いで「黙ってて!」といわれるばかりだ。
朝食の後、学院長室に行った事が原因だとは思っていたが一体学院長に何を吹き込まれたのだろうか?
そうこうしている内に馬車は深い森の中へと進んでいく。
周りの木々がやたら高く鬱蒼としているせいか、道の見通しはいいくせに薄気味悪い感じがしてならない。

「ここから先は徒歩で行きましょう。」

ミス・ロングビルがそう言ったので、全員が馬車から降り森の中を進む事にした。
それから周囲に警戒しつつ暫く進んでいると急に視界が開けた。
丁度学院の中庭と同じくらいの広さを持った空き地といったところだろうか。
その真ん中に確かに廃屋は存在していた。
昔は木こりが使っていた炭焼小屋であったのだろうか、近くには大小様々な薪が散在し、そして小屋の脇には古ぼけた窯がある。
一行は先ずフーケが中にいるかもしれない、悟られては不味いという事で近くの茂みに隠れて小屋の様子を見ることにした。

「私の聞いた情報だと、フーケはあの中にいるという話だそうです。」

ミス・ロングビルは廃屋を指差して言う。
しかし、小屋からはそれらしき感じは全くしない。
ルイズに至ってはあまり聞いていないようでラティアスとの話に熱心になっている。
耐え切れなくなったキュルケはルイズを引っ掴み、少し離れた場所で話しかけた。

「ヴァリエール!あなたねぇ、この泥棒退治自分から名乗り出たのに大事な事そっちのけで使い魔とお喋りしてんじゃないわよ!」
「私は!学院長先生からラティアスと一緒に言いつかった事を確認していただけよ!」
「それにしても限度があるんじゃないの?馬車に乗ってる時からずっとそうだったの?」
「そうよ。でも人に教えちゃいけない、常に連絡を取っていることって言われたからそうしていただけよ!」
「それって一体何なのよ!」

そこまで言って二人の周りが急激に静かになった。
ついでに言うとお互いの声も聞こえず、相手の声はただ口パクを繰り返しているだけになった。
ふと近くを見るとタバサがこちらに向かって杖を向けている。
お得意の『サイレント』を使ったのだろう。
いつの間にか大声で話していたという事だ。
二人は元いた所まで戻り、タバサが作ったという作戦に耳を傾ける事にした。
もし中にフーケがいるのであるとすれば、奇襲を使って不意をつくしかない。
その為には相手に気配を悟られてはお終いなので、不可視化が出来、『技』を繰り出す事の出来るラティアスが偵察兼斥候として赴く。
もしそれが上手くいかなかったなら、フーケを外に誘き出す。
と言うのも、外にはフーケお得意の土ゴーレムを作り出すのに必要な土がそれほど無いからだ。
そしてフーケがゴーレムを作り出そうとまごまごしている隙に、全員で集中砲火を浴びせる、という事になった。
早速ラティアスは自らの姿を消し、小屋の側面にある小窓まで近づいてみる。
そこから中を覗くと大体の様子が見て取れた。
間取りは恐らく一部屋。
部屋の中央には長い事誰も使った事が無さそうなテーブルと、乱雑に置かれた椅子があった。
ちらと見えた暖炉は完全に崩れており、使う事は殆ど不可能と見える。
また部屋の隅に積み上げられた薪の横には大きめの棚があった。
埃の積もり具合と内部の様子からして長く人が使ってはいなかったものの、極最近誰かが使っていた事だけははっきりする。
何度見回しても中に誰もいないことを確認したラティアスは、皆の所まで戻って結果を報告した。

359名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 00:31:23 ID:azzW3q0G
支援
360ゼロの夢幻竜:2008/01/09(水) 00:31:37 ID:1QarBKXm
「中に誰もいませんよ。入っても大丈夫ではないかと思います。」

それを聞いた全員は恐る恐るドアの近くまで近寄る。
一応タバサはドアに向かって杖を振り、罠の類が仕掛けられていないかどうか調べてみたが、どうやら無いらしい。
そこでドアを開けて中に入ろうとすると、一番後ろに控えていたミス・ロングビルが外に向かおうとしだした。

「私はフーケが近くにいないか、ちょっと辺りを偵察してきます。」

その彼女を前にいたルイズが引き止めた。

「駄目ですよ、ミス・ロングビル。生徒だけを残して偵察なんかに行ったら危ないじゃないですか。ここがフーケの隠れ家なら、もしかしたらここに『深海の宝珠』があるかもしれないんですよ!
フーケに会わずに宝を持ち帰れたらそれだけでも良いじゃないですか!」
「え?え、……ええ。そうね……分かったわ。」

言われて彼女は小屋の中へ歩を戻す。
皆はフーケが何か手懸かりを残していないかあちこちを漁りだす。
そしてルイズが何か無いだろうかと棚の中をごそごそと探っていると、中から質素な作りの木箱が現れた。
そしてその中を開けると……

「あったわ!『深海の宝珠』よ!」

ルイズは木箱の中から青い直径10サント程の宝石を取り出す。
光量が少ない室内にも拘らず、それは非常に鮮やかに輝いていた。

「あっけないわねぇ!」

キュルケはつい拍子抜けした声を上げて反応してしまう。
が、ただ一人、神妙な面持ちで『深海の宝珠』を見つめる者がいた。
入り口の辺りを警戒していたラティアスはルイズが掲げた『深海の宝珠』にふらふらと寄せられていく。
そして夢中になったような表情でそれを見つめた。

「ご主人様、これは本当に『深海の宝珠』なんでしょうか?」
「ええ、そうよ。前に宝物庫を見学した時に見たの。って、どうかしたの?ラティアス。」

ルイズの声はラティアスには聞こえてこなかった。
ラティアスは知っている。
これが一体何でどういった代物なのかを。
その時、一瞬ではあるが頭の中に鋭い痛みを感じた。
それから彼女の視界は一気に暗くなる。
そして幾つもの言葉が断片的に、しかし大量の悪寒のようになって彼女の心を襲いだした。
これは……よく出来た幻想?……それとも、記憶?

―これは『こころのしずく』と呼ばれていて……は守っている……君には……事は無理だ……一族の掟は……お前に出来るわけ無いだろ……人間共に何故……下衆が……だからあれ程……なと言ったろうが!
…………助けて……助けて、兄様(あにさま)!……―

「ラティアス……?!どうしたの?!ラティアス!!」

ルイズの叫び声が聞こえてラティアスははっとする。
気がつくと、自分の身は何故か床に落ちていた。
頭を上げるとタバサやキュルケが自分をぐるっと取り囲んで見下ろしている。
状況が分からないラティアスは取り敢えずルイズに質問した。

「あのぅ……私どうかしましたか?」
「どうかしましたか〜?じゃないわよ。急に気を失って床に落ちるんだもの。びっくりしたわ!」
「そ……そうだったんですか。」

361名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 00:32:10 ID:TvM9c8v0
中に誰もいませんよ支援
362ゼロの夢幻竜:2008/01/09(水) 00:33:15 ID:1QarBKXm
そう言いつつラティアスは空中に戻る。
と、その時、ミス・ロングビルが『深海の宝珠』の入った箱をすっとルイズから取り上げた。

「皆さん素晴らしいですわ。さあ、学院に戻りましょう。あー、これは私が学院に着くまで持っておきます。
ここに置いておいたのに無くなっている事に気づいたフーケが、何時私達を襲うか分かりませんから。」

しかし最後の辺りの言葉は、ラティアスが発した精神感応の声によって掻き消された。

「それは駄目です。私達が持っておきます。」

その言葉と共にラティアスは木箱を上からひょいと取り返す。
そしてそれを部屋の奥にいるルイズに渡した。
事情が飲み込めないのか、ミス・ロングビルは間が抜けた様に訊いた。

「あら、どうして?」
「……あなたが持っていれば何処かに隠してしまうからですよ。違いますか?『土くれ』のフーケさん?」

その言葉でキュルケとタバサがミス・ロングビルの方向を見た。
だが、言われた当の本人は涼しい顔をして冗談混じりに反論する。

「あらあら。私がフーケですって?冗談でしょ?」
「冗談ではありません。あなたがフーケであるというキーワードは幾つかあります。」

その言葉に場の空気がずしりと重くなった。
ミス・ロングビルも表情を固くする。

「先ず一つ。『徒歩で半日、馬で4時間』。あの事件が起きたのは日付が変わろうかとしていたぐらいの夜中です。ご主人様達が現場に呼ばれた時、朝御飯も始まっていないほどの時間でした。
なのにあなたは調査に出たといったにも拘らずあの場にいましたよね?かなりの距離があったのにどうしてですか?
ついでに言うと、学院長の調べでは先日の夕方以降、厩舎の馬を借りた者は誰一人としていないそうです。
二つ。『近在する農民への訊きこみ』。確かにこの近くに農家はありました。でも先程言った事を踏まえれば、訊きこみをするなら普通人が起きている時にやりませんか?
皆が寝静まっているような夜中に無理矢理やる物ではないと思うんです。おまけにそういった時間帯なら目撃情報も物凄く少なくなるか、或いは全く無いと言っても無理はありません。
ましてさっきの事と合わせて考えれば、帰って来る筈の時間が余計遅くなると思いますけど?
三つ。『埃の具合』。あなたはここをフーケの隠れ家だって言いましたけど、見ても触っても分かる通りこの小屋って凄く長いこと使われてない筈なんですよ。
隠れ家にしているんだったらそれなりに生活の痕跡があってもおかしくはないはずです。何でかって言うと、床に転がった酒壜にまで埃が溜まった状態なのは変だと思いましたから。
それとドアの辺りと棚の辺りだけ変に埃の積もり具合が薄いんです。つまり、誰も使っていないこの小屋にはごく最近誰かがやって来て何かをしたって事です。
そして最後の四つ。『偵察』。恐らくあなたは私達に『深海の宝珠』を発見させた後、ゴーレムを使って蹴散らそうという算段を立てていたんでしょう。
ここからそれなりに離れればゴーレムを作る為の土はたくさんありますからね。って言っても、半分学院長先生、半分私とご主人様の推理なんですけどね
……どこか違う所はありますか?『土くれ』のフーケさん?」

ラティアスは取り澄ました表情で言い切る。
ミス・ロングビルは最初こそ笑い混じりに聞いていたが、後になるにつれて段々表情が引き攣っていった。
暫しの沈黙が場を支配する。
それを打ち破ったのはミス・ロングビルの笑い声だった。

「っはははははっ!!こいつは驚いたねえ。あのエロジジイがまさかそこまで考えていたとは思わなかったよ。そしてあんたも。なかなか鋭い観察力じゃないか。そうさ。私が『土くれ』のフーケだよっ!」

言うが速いかミス・ロングビルことフーケは外に飛び出し、地面に杖を向けて詠唱をしだす。
そして数秒の後に、そこには学院を襲ったあの時のゴーレムとほぼ同じ大きさのゴーレムがあった。
フーケはゴーレムの腕伝いでその身に乗り、肩の所に立つと再び杖を振ってゴーレムを操る。
するとゴーレムはその巨大な腕を振り回して、小屋の屋根を吹き飛ばした。

363ゼロの夢幻竜:2008/01/09(水) 00:33:39 ID:1QarBKXm
「きゃあああああっ!!」

ルイズが大きな悲鳴をあげてその場に蹲った。
ばらばらと屋根の木材や暖炉に使われていた煉瓦の破片が降り注ぐ中、タバサはいち早く立ち上がり呪文を詠唱して杖を振る。
あっという間に大きな竜巻が出来、ゴーレムに向かって一直線に進む。
しかし、ゴーレムはまるで微風を受けたかのように平然としていた。
ならば、とばかりに今度はキュルケが胸に差した杖を引き抜いて、タバサと同じく呪文を詠唱して杖を振る。
直径にして1メイルはありそうな火炎の玉がゴーレムを襲ったが、やはりゴーレムは意に介してないかの如く三人に向かって進み続ける。

「無理よ、こんなの!!」
「退却。」

キュルケが叫び、タバサがぼそりと呟くなか、ラティアスは近くにいたルイズに声をかける。

「ご主人様!私に『深海の宝珠』を渡して下さい!」
「どうするの?!」
「説明している時間はありません!早く!」
「わ、分かったわよ!……はいっ!」

そう叫んでルイズは『深海の宝珠』を空中に投げる。
ラティアスはそれを横取りしようと腕を動かしたゴーレムを、辛くも避けながら『深海の宝珠』をキャッチした。
その時である。
体の中に何かが流れ込んできた。
端的に言ってしまえば力その物だが、それだけではない何かも入り込んでくる。
一体これは何なのか。彼女は知っている。
これは彼女が元いた世界では『こころのしずく』と呼ばれる物であり、彼女と同じ姿をした者達の力を高める力を有している事を。
フーケの操るゴーレムは、尚も主人であるルイズとその仲間を踏み潰そうとしていた。
傷つけさせてなるものか!
ラティアスは鋭く嘶くとゴーレムに向かっていった。
364名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 00:34:46 ID:oaBXLq2d
支援
365ゼロの夢幻竜:2008/01/09(水) 00:35:19 ID:1QarBKXm
以上で投下終了します。
後編もなるべく早く仕上げますので今後とも宜しく。
ではまた近い内にお会いしましょう。

366名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 00:40:20 ID:OIseCo98
GJ!!
おっとラティアス本気モードか!?
367名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 00:54:24 ID:xLExXp+L
しずく持ち兄妹の強さは異常
GJ!
368名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 00:58:13 ID:EIuZFaL9
TCGのページもう消えてる?
369名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 01:02:40 ID:xLExXp+L
>>368
本当だ
どうしたんだろ?
370名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 02:10:38 ID:mCA/aojU
>>288
わろた&GJ

まさかNHK大河ドラマから召喚するとはルイズの魔法も節操なしだなww
371名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 06:17:11 ID:LM7hsMCR
デモベネタを考えてると言った>>130なのですが、やはりアナザーブラッドと九朔を両方とも「九朔」と呼称すると、
地の文がかなり訳ワカメな状態になりそうな予感。

「紅朔」でグーグル先生に聞いてみると、一応それなりの市民権を得ているようなので、やはり紅朔と呼ぶ方向で行こうと思います。
372名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 06:31:59 ID:6EuH0/aj
まあ2次創作オリジナルキャラとかじゃなく分類用に使われてるからなあ。
同名でややこしくなるよりは紅でやったほうがいいと思うぜ?
373名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 06:37:20 ID:hHDLiiz2
このスレ見てるとサイトじゃ物足りなくなってくるね
374名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 07:06:54 ID:t5KpQ5kj
スパシンと最強アキトも二次創作じゃ市民権得てるので呼んでいいでしょうか
375名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 07:19:35 ID:6fjxHGgK
オォウ・・・ジャァズ
376名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 07:34:42 ID:azzW3q0G
>>374
ここでは市民権が無いな。 >>1を読んでくれ

> ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
377名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 07:54:27 ID:ic+tpYmf
ネット上で認められている〜に対する皮肉じゃね?
378名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 10:06:24 ID:mHE1zHhx
オリキャラを呼ぼうって話じゃなくて、原作上呼び名が無い奴に、不便だから名前を付けても良いですか?って話だろう。
379名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 10:25:24 ID:8m/1LZ3+
ちょっと表記が変わってるだけで、別に祐一がU-1になるわけじゃないしな。
380名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 10:29:13 ID:LwhAwZ5g
慎一
381名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 10:30:32 ID:B4JdhYJE
名前が無いなら「彼」とか「その男」でいいじゃん。
382名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 10:59:56 ID:c8P6Duq+
名前がないんじゃなくて乱馬とらんまが分裂したようなキャラだったような
互いの性格はまったく違うが
383名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 11:04:10 ID:gzDEFplp
けいやくきん100おくまんえん
384名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 11:10:49 ID:B4JdhYJE
修羅と羅刹みたいなものか。
385名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 11:18:35 ID:9ooz5TQW
一人称を「私」「わたし」「ワタシ」で書き分けるようなもん?
386名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 11:24:54 ID:jvgyKJY2
LOSTのソーヤーやロックを召喚というのはどうだろう。
387名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 11:33:23 ID:U6iBFvwo
なんとなく書いてたら出来てしまった小ネタを投下してもよろしいでしょうか?
388名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 11:47:03 ID:OMbXFcIE
どうぞ。
389名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 11:47:33 ID:+1eFPhcV
おk&支援
390名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 11:48:20 ID:SWGQpFQo
支援
391やわらかるいず1話?:2008/01/09(水) 12:04:50 ID:U6iBFvwo
やわらかるいずOP

ズッタカタン、ズッタカタン ズッタカタンタンタンタン、タン、タタタタン

やわらかるいずの心は一つ、魔法使いたい、魔法使いたい
胸に刻むは貴族たましい 生まれてこの方ぺったんこ
錬金すれば 教室 吹き飛ぶ
(ちょっと失敗したみたいね、たいきゃーく)
ファイヤーボールで壁に穴が開く
(逃げろー)
やわらかるいず やわらかるいず
他のついずいを 許さぬツンデレ
虚無の 曜日には 武器屋でぼったくられる


「あんた・・・・何?」
「僕、やわらか戦車です」

ルイズが やわらか戦車 を召喚しました。

途中経過略

「使い魔の仕事は三つよ」
「はいルイズさん」

「一つ目は意識の共有・・・・でも出来ないわね」
「そうですか」

「二つ目は秘薬の材料の収集だけど」
「お使いなら出来ます!!」
「これも無理と・・・・」

「最後に魔法使いの護衛なんだけど・・・」
「まかせてください!!これでも僕、怖い戦争兵器なんですよ!!」
「そう!!たのもしいじゃないの・・・・で、武器はどこ?」
「ありません!!」
「はぁ?」
「武器はありません」
「じゃ、じゃあ何が出来るの?」
「退却です!!」
「たいきゃく?」
「はい!!退却が出来ます!!」
「駄目じゃん!!」
「ルイズさんが怒った!!たいきゃーーーく」
 
ドカーーーーーーン

ズンズカズンズンチャン 〜終われ〜
392やわらかるいず:2008/01/09(水) 12:06:52 ID:U6iBFvwo
ごめんなさい これだけです 思いついたらまた書くかもしれません
393名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 12:18:33 ID:/VpnI3Pt
ちょ・・・今までで最弱かw
394名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 12:20:03 ID:+avDTd6S
>>391-392
乙w

あれ呼んだらそうなっちゃうよな。w
395名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 12:20:48 ID:B4JdhYJE
どこで流行ってるのか未だに分からん。
セカンドライフも。
396名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 12:25:28 ID:TPdYC87n
そんなことより問題は、
ルイズとキスしたら不倫じゃないか、やわらか戦車よ!
GJ
397名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 12:29:42 ID:B4RbV402
>>371
一応ニトロワではアルとの会話でアナブラ本人が自分を「紅朔」って呼んでた。
アレは終了前の設定だろうけど、一応オフィシャルなモノでもそう呼んでるから「紅朔」でいいのでは?
398名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 12:36:37 ID:IvV6w+oc
いや、ここはデモンベインのクトゥルーそのものを召喚してハルゲニアを阿鼻叫喚の地獄絵図に……
そして、地球皇帝の登場!!
地球皇帝ばんざーーーい!!!
399名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 12:38:53 ID:cKQ4U8Dl
地球皇帝の声(若本ヴォイス)は……何故か問答無用で支配者の威厳に満ち溢れていような気がする。
400名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 12:40:54 ID:VcEZ8mP+
デモベは斬魔大聖と機神咆哮しか知らない俺には、ここ最近のデモベ関連のレス内容がさっぱりだw

>>398-399
地球皇帝の衣装には笑ったw
401名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 12:45:24 ID:oaBXLq2d
地球皇帝?
半裸に王冠と腰パンで強力わかもとな恥丘皇帝?
402名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 13:04:58 ID:zaat1xNA
取り敢えずデモベ信者は一回原作一通り読むことをお勧めする
イクタァいいよイクタァ
403名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 13:14:27 ID:E1pGgOm2
>>400
地球皇帝が好きなら機神飛翔を買って損はないよ

……地球皇帝のあのインパクトで何度も吹いて七回死んだのも今では良い思いで
404名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 13:38:23 ID:B4JdhYJE
ところで、ワルドってフーケのゴーレムに勝てるの?
どうにも無理っぽい気がして仕方がないんだが。

つーか、トライアングルであれほどってことは
オスマンってどんだけ凄いんだよ?
405名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 13:42:31 ID:WZNf/vl4
>>393
ぬいぐるみの柔らかさ
豆腐のもろさ
桃の腐りやすさ
を併せ持つ逸材だからね…

>>404
本体狙えば良くない?

赤…マスクザレッドみたいにゴーレムの中に入ったら外が見えないし。
406名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 13:44:08 ID:9ooz5TQW
風の場合は偏在と遠見で術者殺すしかないぽ
407名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 13:49:33 ID:zEf45kP6
>>244
萌えたw
408名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 13:57:35 ID:RWImsrvQ
RED EYESのミルズをMK-54付で・・・・

素で相手がフルボッコにされる様しか思い浮かばん
409名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 14:31:04 ID:th7OX0tF
>>408
SAAは割とチューニングが必要なイメージがあるのが問題だな
バッテリーは自家発電で何とかなるみたいだし、固定かかければ損傷は抑えられるだろうが、
ブーストの火薬と銃器の弾薬の補給が問題だな
……レールガンの弾頭ってどんなんなのかね?

つーか正直ミルズってSAA使わないほうが強くね?
デルフだけでも相手がフルボッコにされる様しか思い浮かばん……
410名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 14:50:13 ID:ac+AimeE
生身でSAA含む小隊壊滅させてましたからねぇあの人
素でどんな身体能力してるんだかw
411名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 15:26:36 ID:9sXuoxML
精霊の守り人からバルザ姐さんを召喚。
デルフと槍を装備すればまさにガンダールヴだし
ルイズをいい感じに成長させてくれそう。
ただ、守り人世界にも月が二つあるから異世界召喚ではなく
異大陸召喚ってことになるのかな。
412名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 16:19:23 ID:zAaWIOrS
勇者のくせになまいきな。から最強の勇者“ああああ”を召喚
ギーシュ、フーケ、ワルドその他もろもろが簀巻きにされて連れさらわれるな
413名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 16:39:55 ID:DxC/Re7z
>>409
ならばゼップを呼ぶんだ。
林の中を補給無しで戦い続けていた彼なら、いくらでも戦え……
やっぱり生身でも強すぎる……
414名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 16:48:57 ID:B4JdhYJE
強いキャラより弱いキャラの方が読んでても面白いよな。
だからもし強いキャラ呼ぶならギニア側も底上げしたらどうだろうか。
415名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 16:55:26 ID:2xsLT7zz
>>411
ありうるな。つかすげー読みたい。
416名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 16:55:52 ID:i2BrStdk
問題はその底上げ手段をどうするか、だな
よく考えないとあっという間に原作蹂躙とかそう言うレベルの問題に発展する恐れがあるし
417名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 16:57:17 ID:th7OX0tF
原作蹂躙も「あしたのルイズ」くらい徹底してやれば文句も言われない、といいなー
418名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 16:59:18 ID:C92XIusi
じゃあフーケが人造人間、ワルドあたりはスーパーサイヤ人でちょうどいいな
419名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 17:13:08 ID:B4JdhYJE
いや、底上げって、設定を変えるんじゃなくて、
強いものとして扱うって意味。
つーか、設定的にも本当に強いはずなんだが…
30メートルのゴーレムとかさ、常識的に考えたらありえないくらい強いはずだろ?
420名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 17:15:18 ID:C92XIusi
でかいものは使いにくいというのが人類の歴史というかドイツ人の歴史ですよ
421名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 17:17:22 ID:qaUgkyhO
ロボットものは難しいんだよな。
ジェフティなんかきたらショット1発で空船焼け落ちるだろうし
ゴーレムはバーストショットでも撃てば灰も残らないw
422名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 17:22:30 ID:i2BrStdk
>>419
確かに普通に考えたら相当脅威だ
少なくとも戦車とか引っ張り出すくらいしないと倒せなさそう
しかも物が物だけに戦車砲の一発だけで沈んでくれるかどうか

でも、原作であろう事か手持ちのロケットランチャーの一発で撃沈されてしまってるからな……
底上げを行うにしてもその辺がかなり足を引っ張るのは確実
423名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 17:23:01 ID:9ooz5TQW
っレイバー
っアームスレイブ
っパワードシンクロプロテクター
424名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 17:32:25 ID:plLyVRPg
>>420
ドイツ人の友達も言ってたよ、大きすぎると相手もビビっちまってすることもできない、ってNA!
425名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 17:34:36 ID:2pUA8dBH
弱いキャラより強いキャラのほうが読んでて楽しい俺は異端ですか?
426名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 17:39:11 ID:lkUZnkUL
>>425
同志発見
427名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 17:40:37 ID:J8iEtk2H
ぶっちゃけ俺が呼び出されても変わらないしNE!
428名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 17:41:36 ID:AbpRpVU0
>425
シーンを観るか、物語を読むか、の違いだし。まあ好み。
ただ、オレツエーで最後まで行くより、強キャラが出張るまで間を空けてカタストロフが欲しいかな、強キャラものなら。
429名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 17:48:11 ID:+01XG9NZ
最初無敵で後々苦労し始めるパターンは読んでてダルい
無敵のまま行ってくれと思う
430名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 17:50:41 ID:WkBVsluB
>>428
ちょw カタルシスだろw
カタストロフ引き起こしてどうするw
・・・でも言ってることには同意。
431名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 17:50:53 ID:epqwgbDM
>>428
俺もカタストロフ欲しいわ
サイヤの使い魔とか、悟空の凄さはわかるけど
性格がアレだからちょっとほのぼのしてたんで
もうそろそろ爆発させてほしい。

引くぐらいワルドフルボッコにしてくれないかな
432名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 17:53:17 ID:47KACHD+
勇者カタストロフから誰か呼ぼうぜ誰でもいいから
433名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 17:53:23 ID:epqwgbDM
>>\(^o^)/そうでした
434名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 17:57:45 ID:o/FZhvDv
>>419
自己再生のキャパシティを超えると、自身の大きさが崩壊を早めるんじゃね?
435425:2008/01/09(水) 18:00:52 ID:AbpRpVU0
>カタストロフ
おっといけねえ、闇の人格の願望が漏れちまったか……忘れたほうが身のためだぜ。

忘れて…
436名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 18:10:18 ID:KV/0WCin
>>カタストロフ欲しい
つまりブロリーを呼べと。
いやまあ怪獣呼んでも同じかもしれんが。
437名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 18:15:34 ID:2pUA8dBH
>>435
425は俺なんです…。
438名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 18:15:51 ID:jvgyKJY2
ボーグ召喚でいいよ。
439名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 18:33:10 ID:we0IvggO
ルイズムカつくんで、
ぼこぼこにへこましてくれるSS期待してるんだがまだかね。
440名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 18:44:46 ID:xLExXp+L
わかりやすい釣り針に引っかからないように
441名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 18:46:13 ID:9MgdwsGT
ところで小ネタの短編投下してもいいっすか?
442名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 18:47:38 ID:C92XIusi
ダメといわれたらそのテキストどうするつもりなんだね
443名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 18:48:49 ID:QHRwlMo3
とっとと投下しる
444名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 18:49:50 ID:9MgdwsGT
んじゃ逝きます。


頭をかきむしる癖のある使い魔


学院長室では教師達が責任の所在を押し付けあっていたが
その見苦しい茶番劇はオールド・オスマンの登場によりひとまずは収まった。

「誰もこの学院の宝物庫が狙われるとは考えてもいなかった」
「責任はこの場の皆にある」
「大体この場に居るものでまともに当直を勤めた者はいるのか」

と最高責任者に言われれば誰も反論など出来はしない。
だが、質問をする者なら一人いた。

「…あのぉ、ちょっといいですか?」

その声に皆が扉の方を向くと、そこに居たのはボサボサ頭に汚い帽子をかぶり
薄緑色の、トリスティンでは見ない奇妙な服に木で出来た下駄なる靴を履いている
小柄で貧相かつ奇妙な男であった。

皆が胡散臭げな目で見ている中、オスマン学院長が彼に返答しつつ自らも質問をした。

「君は確か……、ミス・ヴァリエールの使い魔じゃったな
 何か気になる事でもあるのかね?」

男は照れくさそうに笑いながら頭をバリバリと掻き毟るのだが、頭からはふけがポロポロ
落ちてきて不潔極まりない。
教師達の男を見る目は胡散臭いを通り越して蔑んでいると言っていいだろう。
もっとも男はそんな事は全く気にしていないようだが。

「いえ、さっき学院長さんがおっしゃいましたよね。
宝物庫はちゃんと夜間の見張りがされていなかったと。」

「うむ、全くもって情けない話じゃがその通りじゃ。」
オスマンは苦笑いをしながら答える。

「なるほど、それで土くれのフーケがあんな無謀なことをしたのか納得がいきました。」
男は手をポンと叩いて頷く。

オスマンはこの男が何かを掴んだ事を理解して、今度はオスマンの方から質問をした。
「すまんが君の分かったことを教えてもらえんかの?」

「それなんですが学院長は最初に、誰もこの学院の宝物庫が狙われるとは考えてもいなかったと
 おっしゃいましたが何故ですか?」
男は逆に質問で返した。
445名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 18:51:09 ID:MuIC5SPl
支援

>>437
貴方がお好きなのはこれですか?
ハッハッハッ!見ろ人がゴミのようだ!ハッハッハッハッ
446名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 18:51:38 ID:9MgdwsGT
男の質問の意図は読めなかったが、オスマンはとりあえず返答をした。
「それは、この学院には教師や生徒を含めた多数の貴族がおるのじゃから
 いかに土くれといえどもそんな多数のメイジとやり合っては命がいくつあっても…」

「そ、そ、そう! それなんですよ! 僕の言いたいことは!!」
男は急に興奮したのかどもりだし、頭を更に掻き毟りだした。
「普通ならば宝物庫にはたくさんの見張り、それも魔法学院の宝物庫なんですから
 腕利きのメイジが見張りに就いていると考えるのが自然です。
 しかし土くれのフーケは堂々とあの巨大な土人形で宝物庫の破壊という手段をとりました。
 つまり! 夜になって就寝時間になれば誰にも見つかることなどないと知っていたんです!!」

その言葉にオスマンや教師達が騒然となったのも無理は無い、それが意味していることは
「…この学院にフーケの協力者が潜んでいるというのかね?」
オスマンは普段の態度とは一変した慎重な態度で男に質問をする。

「あるいは、フーケ本人が潜んでいたという可能性もあります。
 ところで教師の方達で今この場にいない方はおられますか?」

教師達はお互いの顔を見合わせると、そのうちの誰かがポツリと呟いた。
「そういえばミス・ロングビルはどこに…?」

この言葉で教師達の疑いが彼女に向けられる事となった。
彼女はオールド・オスマンが秘書として雇い入れたのだが彼女の素性を知っている者は
学院内に誰もいないのだ。
分かっている事は元貴族で土系統のメイジであるという事だけ。
貴族から放逐されたメイジが盗賊や傭兵といった真っ当でない職に就くしかない事と
系統が同じであるという事が、更に教師達のロングビルに対しての疑いを深めた。

オスマンは、そんなバカなと傍にいるコルベールに意見を求めようと彼のほうを見ると、
彼の顔は血の気が引いていて今にも倒れそうに震えている。

「どうしたんじゃ、コッパゲ君?
 具合が悪いんじゃったら少し休んでもよいぞ。」

いつものように名前をわざと間違えて呼ぶもそれに対するリアクションも無いので
まさか本当に病気なのではと心配になるオスマンだが、コルベールは震えながらも
オスマンの方を見つめてゆっくりとだが何かを喋ろうとする。

「が、学院長……、も、申し訳ありません!!」
コルベールはまさに土下座せんばかりの勢いで謝罪をした。
余りにいきなりの事で皆が目を丸くしている。

オスマンが何か知っているのか問いかけると、コルベールはロングビルに宝物庫の特性
や破壊の杖の事などを喋ってしまった事を全て告白した。
これによりオスマンもロングビルを疑わざるをえなくなったのだが、そこに丁度運良くか
運悪くかロングビルが学院長室内に入ってきた。

「学院長! フーケの居場所を…、って皆さん…、どうかされましたか…?」

ロングビルが戸惑うのも無理は無い。
学院長室内に居る人間全てが彼女を見つめているのだ。
それも普段男達が彼女を見るような情熱的な目ではなく、疑念のまなざしで。
447名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 18:52:12 ID:ZqhnYl5b
支援
…1行で誰だか分かるのも珍しい
448名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 18:53:15 ID:th7OX0tF
う、俺はわからん支援
449名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 18:53:31 ID:9MgdwsGT
そして彼女がその視線に戸惑い後ずさりしたのを契機に教師達が全員で飛びかかった。
「我が最強の風を持ってすれば盗賊の一人や二人!」
「貴女のせいで私はクビになっちゃうとこだったのよ!!」
「よくも、私の純情を弄んでくれましたね!!」
「そんな事をしなくてもワシにいってくれればいくらでも貢いだのに!」
「な、何いってんのよぉ! はなせぇ!!」
「あの〜皆さん、まだ状況証拠だけど彼女が犯人だと決まったわけでは…」
学院長室内は叫び声と悲鳴と破壊音の混沌に包まれたのだった。



そのころ例の胡散臭い男の主人である我らがヒロインのルイズは学院長室に向かっていた。
本来なら既に到着していなければならないのだが、姿が見えなくなった使い魔を探していて
遅れていたのだが。

「まったく、あいつってば使い魔だったら主人である私の傍にいつもいるのがあたりまえでしょう!
 罰として当分食事抜きだわ!」

そのご機嫌斜めなルイズを呆れた目で見ているのが彼女の天敵ともいえる女性、キュルケである。
さらにその横に本を読みながら歩くという器用なことをしている、キュルケの親友タバサがいる。

そんな事をしているうちに学院長室前まで来たのだが、扉がきしんでしまっている。
何があったのかと三人が覗き込んでみると、そこには縄できつく締め上げらたうえに猿轡までかまされた
ミス・ロングビルと、引っかき傷やらでボロボロになった学院長と教師達、
そして頭を掻きながらこれからどうしようと悩んでいるルイズの使い魔がいたのでした。

「ちょっとコースケ、一体何があったっていうのよ!」

自分に対して叫ぶ小さなご主人の声に気づき困ったように笑いながら、彼は答えた。
「何と言うか…、容疑者の捕縛っていうのかな、多分。」


金田一耕助召喚
450名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 18:53:48 ID:uD8tIGlL
タイトルですべてが理解できる支援
451名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 18:54:43 ID:QHRwlMo3
わりとあっさりわかったwww支援
452名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 18:55:43 ID:9MgdwsGT
ああ、やっぱ分かっちゃいましたかw
改めて思うけど物語を作るって難しいです
453名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 18:55:57 ID:O1b/yL+W
頭を喉と読み間違えて危険なものを想像してしまったw
454名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 18:56:32 ID:uD8tIGlL
乙です
猿轡て誰の趣味だww
455名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 18:57:38 ID:T5WgDWqC
>>449
これはエロい(;´Д`)ハァハァ
456名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 19:20:04 ID:IAUBhsZQ
陽炎揺れる名も無い駅から乙
457名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 19:21:05 ID:IAUBhsZQ
>>453
フラッシュと時報はもういやだの人かよwww
458名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 19:22:37 ID:ET9G+bEd
>>453
テラひぐらしwww

雛見沢メンバーで使い魔に向いてるの誰だ?いずれ雛見沢症候群起こすの前提で。
459名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 19:26:58 ID:qaUgkyhO
頭でつい最近一話だけ見たドラマの
のだめなるものを思い出したが金田一か!!!

さすがナチュラルに真相を見破る達人だ
460名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 19:27:07 ID:mwBU6T8N
ビートXを呼びたいがドナー設定をどうしようかな…?
461名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 19:30:41 ID:oaBXLq2d
頭をかきむしるでアンドリュー・シクシソンかと思った
猿轡GJ!
462名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 19:33:26 ID:IAUBhsZQ
>>458
K1:ウッディ!!
レナ:酷いよ! ルイズちゃん!!
みおんw:(・3・)<あっるうぇー?
沙都子:すじ
梨花:少し…頭冷やそっか…
詩音:悟史くん悟史くん悟史くん悟史くん悟史くん悟史くん悟史くん悟史くん悟史くん悟史くん悟史くん悟s(ry
羽入:あうあうwww
時報:はもういやだー!

お好みなのをお選びください
463名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 19:35:40 ID:0jCSSupA
>>458
俺はレナだと思う。
鮮血の使い魔のコトゥノハ様のごとく、鉈でゴーレムをみじん切り。
ちなみにその時のコメント
「かわいい〜!お持ち帰り〜!」
464名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 19:49:00 ID:9ooz5TQW
毒吐き見てて思いついた

キュルケがサモナ2のハサハ召喚。
サイト争奪戦に妹系獣耳が参戦。
ブチ切れるルイズ
寝ぼけて乳吸われるキュルケ
狐火で気絶するタバサ
決闘でサイトに日本刀を使われて涙目ギーシュ
おじさんと呼ばれれて、のの字を書くヒゲロリコン←最重要
465名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 19:54:56 ID:6fjxHGgK
>>439
ボコボコにへこます?
なら総悟を召還か?
466名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 19:56:20 ID:6fjxHGgK
連レススマソ
>>463
レナは「かわいい」じゃなくて「かぁいい」だ
467名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 19:56:36 ID:C92XIusi
へこますならやはりハートマン先任軍曹だろう
468名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 19:57:41 ID:A1gWQ3x8
それじゃあ魔法学院全体がへこんでしまうぞw
469名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 19:58:47 ID:IAUBhsZQ
>>467
マリコルヌに志望フラグktkr
470名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 20:00:10 ID:GjzD23kS
テファに召喚されればわりと平穏な日々が続くが
アルビオン陥落した時点で
何の準備もなしに一国と戦う羽目になりそうだな
471名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 20:04:59 ID:MuIC5SPl
今日からお前の名前はほほえみデブだ。
よかったないい名前だろ
472名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 20:07:47 ID:GjzD23kS
バラライカにそう呼ばれたら
マリコルヌ
…歓喜のあまり失禁しかねないな
473名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 20:08:16 ID:ilku+q8v
エクセルサーガよりエクセル 予告 一応何か書いてみる
474名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 20:12:42 ID:ffd+4USo
俺は厳しいが公平だ 人種差別は許さん
貴族、平民、エルフ

みな平等に……価値がない!
475名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 20:13:42 ID:ET9G+bEd
>464
>寝ぼけて乳吸われるキュルケ のみ読んだ。
476名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 20:16:27 ID:0jCSSupA
>>466
おお!まさかちゃんとツッコミ入れてくれる人がいたとは!きっとにーにーも喜ぶぞ!
477名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 20:17:47 ID:uD8tIGlL
>>473
エクセルのテンションの高さを書けるのか?
ある意味完璧な平民だがww

イルパラッツォなら貴族としか思われないだろうけど
478名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 20:18:07 ID:vadQ3Hw4
貴族より早く神はこの世にあった
心はブリミルに捧げてもよい
だが貴様らの尻は学院のものだ
分かったか豚娘ども!

アルビオンに行く前に戦争が終わっちまうぞ、アホ!

ピッカピカに磨き上げろ アンリエッタ女王でも糞したくなるようにな

貴族は許可なく死ぬことを許されない!
479名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 20:26:22 ID:ilku+q8v
イントロ

世界は腐っている!!!この世界は須らく是正されねばならない!しかし!
唐突に世界を統べても愚民共にはまずついてこれまい!
そこで一国!
しかし息切れを回避するためあえてもう一声!
これでもう安心!無理なく世界西部区の第一歩!
即ち我われの目標とは・・・

市街征服!

-----------------
「ああなんだってまた、あたしがこんな事をしてるんだ」
平民が経営する居酒屋でフーケ(本名 マチルダさん 25歳)がぼやいていた、盗賊をしながら生活費を稼いでいたがある日
あやしげな格好をした青年に拉致されいつの間にか世界征服を企むヒミツ組織の構成員にされ、
何故か病弱で有名なエレオノール・アルベルティーヌ・ル・ブラン・ド・ラ・ブロワ・ド・ラ・ヴァリエール(略して ハッちゃん
)を同僚に活動費を稼ぐ為に今日も居酒屋でセクハラに耐えるのだった!!!

「ゲフっ」
「うわあああなんだこの女、血を吐いてるぞー、水のメイジを呼べー」
居酒屋でハッちゃんの脈を確かめたメイジ風の男が絶望に落ちた
「駄目だ、脈が無い」

「だいじょうぶ、だいじょうぶ」
じゃらじゃらじゃら
「ごぷぅ、あらあら、また気を失ってしまいましたわ」
「な、なんだその薬は!」
「気にしない気にしない」

そしてバイトに戻ったフーケの客は見るからに恰幅の良い爺様で
やたら触ってくるので、ついに切れたフーケはジャーマンスープレックスを決めるとシュプレヒコールが鳴り止まなかった

店のオーナーが張り付いた笑顔で「きみ、首ね」そしてフーケはまたバイトを首になったのである

そして数日後
「ああ、もうはしばみ草しか食っていない・・・」
フーケがアジトでだれているとフクロウが手紙を持ってやってきたのであった

つづく
480名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 20:29:40 ID:pnnvqOvK
>>479
煽り抜きにお前は色々と間違っている
481名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 20:33:43 ID:GjzD23kS
>>479
ノリは良いんだが設定のつめが甘いな
482名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 20:35:48 ID:ePOd+ZqH
FF7よりジェノバを召喚






FF7とまったく同じ世界になりそうだ
483名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 20:38:02 ID:ilku+q8v
マチルダサーガ 第一話

えー私が今現在どの様な状況下と申しますとー
あの後 校長に拾われて秘書を続けたのですが
お宝に目が眩み監獄のような所に入れられて
鉄格子もものものしく流石に素直には外に出して貰えそーもないので
こーして食事用のスプーンでもって地道に脱出を試みているわけです

「テファどうしてるんだろうねぇ」
「困ってるだろーなー」


「出た!」

陽の光に感動したフーケは即座に警備員に見つかり監獄に戻されたのでした

そして政治犯たちを扇動して脱獄を図るのだが
「走れー」

「畜生!グリフォン隊を舐めやがって!各自魔法は任意!!」

何故か仮面を被った髭もじゃが居たような気がするがフーケは全力全開で馬屋に走ると馬で逃げ出した

馬で逃げ出す最中にレンコンキスタだのわめく髭もじゃが居たが
それに気づく事無く疾走した

「だから、私の話を聞けって ガクッ」
運悪く本物のワルドに当たってしまった為、グリフォン隊は長期休暇となったのは余談

つづく
484名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 20:38:53 ID:th7OX0tF
>>479
世界西部区が素でわからんかった
世界征服の誤字か
あとマチ姉をさらりと2歳も年を取らさせるなってところと、病弱なのはカトレアだろうってところか
つーかスレの趣旨的にイルパラッツォをちょっとでいいから出せ
最後に、ハイテンションエクセルを期待した俺に謝罪を要求する
嫌いじゃないけどね、このノリ
485名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 20:39:10 ID:HWcwFJfe
タシロータシローだっけ(ジュノバ
486名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 20:42:00 ID:47KACHD+
書きながら投下してるっぽいね
まだ冬厨居たのかよ
487名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 20:45:57 ID:ilku+q8v
しまったカトレアとエレオノール間違えた
これはもう駄目かもしれんね

イルパラッツォはいわゆるボスであるからして、表には出てこない
これは定説
488名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 20:48:09 ID:xLExXp+L
>>487
それ以前の問題だ
489名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 20:57:16 ID:BT9G64qw
>>454>>461
そうだ!怪人二十面相を召喚すれば(ry
490名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 21:13:27 ID:DxC/Re7z
小ネタなら、むしろルイズが召喚する場面にホーリーブラウニーのフィオとビオラでも係わらせたらどうだ?
491名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 21:20:43 ID:uD8tIGlL
確実にR指定になるけどなww
492名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 21:20:45 ID:cBSH9kU9
>>490
ちゃんと優秀な使い魔を召喚させてやるつもりだったのに羊達の沈黙に出てきそうな奴を召喚
「なんであんたはそうやって話をスプラッタ方面にもっていきたがるのー!?」
「えー、だってぇー」
結局リセットしてサイトが召喚されたことに
493名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 21:24:48 ID:dumTKQnA
>>492
レクター博士が召喚されたらみんな喰われちまうよ。
まあシエスタだけは殺さないような気がするけどな。
恩人の叔母を思い出して。
494名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 21:31:04 ID:th7OX0tF
>>492
むしろ、優秀なやつやら美形なやつやら本気でオーバースペックなやつを召喚させてみる
→どっかで破綻を起こして失敗
→時間を戻す
を繰り返してみて、最終的にうまくいったのがサイトだった、っていう方がぽい気がする
495名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 21:36:12 ID:HWcwFJfe
ルイズはGPMみたいに無意識のうちにループさせてるのか
496使い魔を買いに:2008/01/09(水) 21:38:12 ID:enTOi7Nz
実に実にお久しぶりです。投下させていただきます。
497使い魔を買いに:2008/01/09(水) 21:39:15 ID:enTOi7Nz
 右腕部各関節は可動域の限界を超えるか超えないかまで捻りあげられ、左腕は押し潰さ
れる格好で体の下から動かない。動かすことができるのは左手の指が精一杯、開閉させて
土をかき出すことくらいしかやれることがない。
「うぅ、ぐっ……いたっ! 痛い! どきなさい下郎! 汚らわしい豚の分際で!」
 いたいけな少女の悲痛な叫びが暴漢の鼓膜を震わせているとしても、その意味が脳まで
届いているかどうかは別問題だ。豚に似た暴漢が人語を解するという可能性が無いわけで
もなかったが、少女の命令に従うかどうかというのもまた別問題だ。

 髪を掴まれ、額から顎にかけて満遍なく地面に押し付けられた。口の中に泥や砂が侵入
してきて、頬の内側からにじみ出ていた血と混ざる。苦くて酸っぱい。世に言われるとこ
ろの「敗北の味」というやつだろう。顔を擦りつけられて何もできない無力感が、わたし
の体と心から抵抗する力を奪っていく。

 力が抜けたところで無理やりに立たされ、そのまま宙吊りにされた。わたしの頭ほども
ある大きな掌にがっちりと握り込まれ、指先一つ動かすことができない。全体重が肘と手
首の関節にかかる。握られた手が痛む。押しつけられた顔が、巨大な質量がのしかかって
いた腰が、体のあらゆる部位が痛む。

 生涯整えられることはないであろう鋭く長い爪、その先は黒い土が入り込んでいる。分
厚くざらついた掌、節くれだった指の一本一本が赤ん坊の手首ほどもあった。見ればみる
ほど梃子でも開きそうにない。痛めつけられたわたしではなおさらのことだろう。

 オーク鬼への先制攻撃を決意した時、考えるでもなくこう思った。
「わたしは貴族だ。名誉あるヴァリエール家の血を継ぐ者だ。オーク鬼から逃げ出すなん
て論外もいいところだ。不名誉な生より名誉ある死だ」
 いざ目の前に死が迫ってきた時、自分の判断が霞のように揺らいで見える。
 ……揺らいで見える? それがなんだ。あきらめるな、ルイズ。父さまや母さまがここ
であきらめるか? 姉さまだってオーク鬼ごときに弱みは見せまい。たとえ魔法が使えな
くともわたしとてヴァリエールの人間だ。たとえ強がり九割でもいい。背中だけは見せる
まい。

 口中に溜まった土と血交じりの唾液を、オーク鬼の額に向けて吐き捨てた。眼を狙った
のだが、的としては小さすぎたようだ。しかし狙いが外れたくらいで挫けない。後で悔い
ると書いて後悔。やるとしたら後でやるべきだ。今、わたしを助けることはわたしにしか
できない。後悔より先にやらなければならない。
 吊るされることで、両腕以外は自由になった。先ほどよりも選択肢は多い。右足でオー
ク鬼の胸辺りを蹴りつける。鉄の感触に痺れかけたが、なんとか反動をつけて下半身を仰
け反らせた。勢いを殺さず、今度は鼻っ柱に向けて蹴りを叩き込んだ。
「いっ……たあ……」
 漏らしたくも無い弱音が漏れた。鎧の胸当て部分を蹴った時と感触が変わらない。拘束
は緩まず、ひるんだ様子が微塵も見られない。こいつは普段からパンに鉄粉でもかけて食
べているのではないだろうか。
 足の痛みにくわえ、予告なく腕が締め付けられた。肉が軋み骨が叫ぶ。喉の奥に悲鳴を
飲み込んだ。キングサイズの鍋つかみよりまだ大きな手で握られれば、わたしの細腕など
万力で締められた藁束でしかない。

 痛みがわたしの体と神経を責めさいなむ。先ほどと同じ要領で蹴りつけてみたが、やは
りわたしの足が痛いだけに終わった。さらに蹴り、また蹴り、五度目に脚を振り上げたと
ころでオーク鬼の口元がのっそりと動いた。
「あのクソ女、何考えて待ち伏せてやがるかと思えば……オマエさんどこのチビだ?」
498使い魔を買いに:2008/01/09(水) 21:40:46 ID:enTOi7Nz
 振り上げ、振り下ろす間際で脚を止めた。
「匂いが妙に似てやがるから見事に騙されたぜ。クソガキのイタズラだったとはよ」
 そこから脚を下ろす。今度はゆっくりと。間違っても相手の顔に触れたりしないよう細
心の注意を払って。
「おいチビ。イタズラがバレたガキってぇのはもうちっとションボリするもんじゃねえの
か? ああん? それをオマエ」
 今一度目の前のオーク鬼を見てみると、瞳の中に知性の光が垣間見えた……ような気が
した。けして気圧されたわけではないが、思わず目を逸らしてしまう。
「蹴るわ、喚くわ、も一つ蹴るわ」
 わたしに抵抗する意志が無くなったことを察したらしい。宙吊りの状態から地面に降ろ
された。足の裏が求めていた地面という土台が、なぜだかとても心もとなく感じる。
「おまけにこいつだ」
 わたしの腕を放し、空いた右掌で額に付着した唾液を拭って隣の樹にこすりつけた。自
分が何をしたのか思い出さざるをえず、わたしはますます居場所が無くなり萎縮する。彼
言うところのしょんぼりとしなければならない子供のように。

 ああ、ああ、ああ。
 ここが常識の埒外にある場所だということは理解していたし、その上で何をすべきか決
めていた。はずなのに。そう、はずなのに。わたしの馬鹿、わたしの馬鹿、わたしの大馬
鹿のコンコンチキの大間抜け。ダメなルイズ、本当にダメなルイズ。
 オーク鬼は恐ろしい怪物で、人間を見れば襲いかかってくる獰猛さを持ち、子供の頭を
割って中身をすする害獣である。これを討つは貴族の務め、獣相手に不意を打ったところ
で誰がわたしを咎めよう。
 この考えがどこから来たか。言うまでもない、わたしが身につけた、学びとった、教わ
った、常識というものから導き出した。そう、常識。無視しなければならなかったはずの
常識だ。蝙蝠が口をきき、足跡だけが道を行くようなところで、オーク鬼だけが真っ当に
人を襲うものか。少し考えれば分かることだろうに。

 その態度は貴族と呼べるほど立派なものではないにしても、ならず者とこき下ろすほど
荒々しいものではない。物陰から急襲され、組み伏せた後は罵倒され、足蹴にされ、唾を
吐きかけられ、それでも手を上げず声を荒げず静かに怒っている旨を述べる様は、ケダモ
ノ風の乱杭歯や突き出た鼻からは想像することもできない大人のそれだ。

 まずいことになった。先ほどまでとは違う意味でまずいことになった。
 状況がわたしの立ち位置を向こう見ずないたずらっ子へと仕向けている。悲壮な決意と
貴族としての誇りを胸にして怪物に立ち向かう勇敢な少女だったはずが、悪戯が露見して
大人からガミガミと叱られるみっともない悪たれになっている。
 悪童としては、黙って説諭を受けるのが本道というものだろう。言いたいことを言い尽
くせば怒りも多少は収まるはずだし、そうなれば今度はわたしが質問する番だ。ここはど
こなのか、今はいつなのか、この先にあると言われる夜市とはどんな場所なのか。他にも
聞きたいことは山積している。

 というように、わたしが黙って怒られればいいのだが、
「だからガキはイヤなんだ。おい聞いてんのかチビ。クソチビ、おめえのことだよ。ガキ
ってのは知らないふりしてルール知ってやがんだ。知ってて、それで破りやがんだ。オマ
エよぉ、オレじゃなかったらコレもんだぞ。夜市のルールってなあ絶対だ。それを……」
 中身はともかく、オーク鬼の顔を見ると、言ってはならないことを言ってしまいそうな
衝動に駆られるというか、我慢しなければならないことは分かっているのに、どうしても、
無礼な、とか、偉そうに、とか、相手を刺激するようなことを言いたくなってしまう。思
えばわたしの学生生活はいつもそうだった。
499使い魔を買いに:2008/01/09(水) 21:41:30 ID:enTOi7Nz
 折れなければならなくてもけして折れず、ほぼ全局面に渡って我を押し通す。この性情
を調節、統制することができれば、もう少し甘みのある、今よりは大分塩辛くない学生生
活になったはずだ。耳元で恋の詩を囁き合う素敵な恋人は贅沢にしても、同性の友達の一
人くらいはいたに違いない。バーガンディ伯爵にしてもそうだ。結婚するまでは猫を被り
通しておくべきだった。母さまの助言を無視した挙句がこれだ。
「いいか、オレだからよかったものの、下手こけば締め殺されても文句は言えねえんだ。
そのへんきちぃっとご立派なオツムで理解できてんのか」
「……うるさい」
「ああん?」
「うるさいって言ってんのよ! 何よわたしばっかりが悪いみたいに!」
 あーあ、やっぱりこうなった。

「オーク鬼の豚面なんて、見れば蹴りつけてやるのが礼儀ってものよ。文句言われる筋合
いなんてこれっぽっちもありゃしないわ」
 理性で押さえつければ押さえつけようとするほどに、わたしの感情は暴れたがる。マン
ティコア隊のトップエースをもってしても乗りこなせないじゃじゃ馬だ。
「だいたいさっきからチビチビチビチビって馬鹿の一つ覚えみたいに。わたしが小さいん
じゃなくて、あんたが無駄に大きいだけのことでしょオデブさん」
 我ながら酷い物言いだが、脳を介さず脊髄の反射で口を動かしているため、止める術は
無い。オーク鬼のコメカミに走る血管のうち、最も太い一本が小刻みに震えている。
「どうせ悪いことしてお金稼いでいっぱい食べて大きくなったくせに。貴族であるわたし
が罰したとして、何が悪いって言うのかしら」
 ツェルプストーから空気が読めない王国の女王的扱いを受けることが多々あるわたしだ
が、別に読めないわけではない。その証拠に、面罵しながらも腰がひけている。

「……なるほどなぁ」
 右手の槍を深々と地面に突き刺し、右掌に左拳を打ちつけた。オーク鬼の顔全体に赤み
差しているように見えるのは、けして気のせいではないだろう。
「オマエさんの言いたいことはよぉく分かった」
「ふん!」
「だがな、安心しとけ。オレぁ他所の子は叱らないなんて不人情な連中とは違うからよ。
どこのガキだろうがきっちりとしつけてやる」
 右拳から骨の鳴る音。次いで、左拳からも同じ音。ゴキ、ゴキ、ゴキ。
「言って分からねぇガキにはそれなりの対応ってやつをしてやらにゃな」
「な、なによ。暴力に訴えようっていうの!? 人間みたいな格好してたからって、そう
いうところはどこまでも動物なんだから!」

 一連の攻防を脳内で再生してみた。あの素早く熟達した動きにわたしがついていけると
は思えない。鈍重そうに見える野生の猪が、人間ではついていけない敏捷な反応を見せる
のと同じだ。まず逃げられない。
 お尻を叩かれる程度ですめばしめたものだが、第三者が存在しない以上、どんな無法な
裁きで断罪されるかはオーク鬼にしか分からない。そうした場合、わたしの勝気が死因に
なるということで、ある意味では予想通りだがやっぱり嫌だ。荒っぽいながらも良識ある
口調に期待したいが、頭に血が上ってやり過ぎる人間は数限りなくいる。例えば母さまと
か。その血を半分受け継いだルイなんとかさんとか。
「近寄らないで!」
 二歩、後ろにさがったが、相手の一歩でそれ以上に詰め寄られた。
「近寄らないでったら!」
 背中に樹が触れた。もうさがる場所が残されていないことと、わたしの背中が汗でじっ
とりと湿っていたことを知った。
 相変わらずオーク鬼の表情は読み取りづらかったが、なんとなくサディスティックな笑
みを浮かべているような気がする。そのままにじり寄ってわたしの方へ手を伸ばし……。

「待ちなさい!」

 わたしの声に似ていた。だがわたしの声ではない。声調がもう少し大人びているし、な
によりわたしは声を出していない。オーク鬼が声のした方を振り返り、わたしもそちらへ
目を向けた。
500使い魔を買いに:2008/01/09(水) 21:43:13 ID:enTOi7Nz
とりあえず以上です。
もう少しペース上げて続けていこうと思います。だってオラは人間だから。
501名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 21:52:26 ID:th7OX0tF
GJ
もしかしてこの先は避難所!? とか全く思いませんでしたすいません嘘です
にしてもこういうルイズの後ろに引けない性格は損をするけどかわいらしいものがあるね
502宵闇の使い魔:2008/01/09(水) 21:58:19 ID:Xhb0G6ie
寒中見舞い申し上げつつ、22時から投下させて頂きます。
503宵闇の使い魔:2008/01/09(水) 22:00:02 ID:Xhb0G6ie
お姫様のご命令で、メイド――もとい女騎士様のお供をする事になった俺とマチルダ。
気の強そうな顔立ちをしてると思ったが、中身もまんまガチガチでやんの。
マチルダがなんとか上手く取り持ってはくれてるが――
ま、引き受けた以上はやるだけのことはやるがね。


宵闇の使い魔
第弐拾参話:Dusky Link


異世界であっても夜は暗い。
いかに魔法によって気軽に火や明かりを生み出せる世界であっても、夜の世界を侵食できるほどの力は持っていないのだ。
故に、人は夜を恐れるのが常である。
しかしその一方で、常に当てはまらない者達が居ることも事実である。

異世界から呼ばれし異形の術を使う剣士、長谷川虎蔵。
《土くれ》のフーケの名を持つ快盗、マチルダ・オブ・サウスゴータ。
トリステイン女王アンリエッタの懐刀、アニエス。
アンリエッタの密命を受けた三人は、夜の闇に紛れてとある貴族の屋敷へと忍び込んでいた。

この屋敷は今夜、主が出かけている事もあり警備人員が少ない。
更に、マチルダの手元には屋敷の間取りが書かれた羊皮紙も準備されている。
全てアンリエッタとマザリーニの手による物だ。
今は足を洗ったとはいえ、マチルダはハルケギニアでも屈指の快盗である。
此処までお膳立てされていれば鼻歌を歌いながらでも忍び込めるというものだ。

目的は屋敷の主である貴族の裏帳簿である。
此処暫く、妙に金遣いが荒いという情報を得たアニエスが調査を主張したのだ。
虎蔵やマチルダは、いかに裏帳簿とはいえ敵側からの賄賂の情報が乗っているとは思えないと意見したのだが、
彼女は今は少しでも情報が欲しいと意見を押し切った。

確かに、此処暫くの調査では思うように情報が手に入っていないのは事実なのだ。
アニエスが未だにシュヴァリエとして認可されていない以上、派手な調査活動は出来ない。
せいぜい城下町の盛り場や裏路地で探りを入れる位のものだ。
前者はマチルダやアニエスが遊んでいる風の格好で盛り場に出入りし、男を引っ掛けて。
後者は裏路地で屯すならず者達を虎蔵が締め上げて。
はっきり言って、どちらも致命的に効率が悪い。
更に言えば、アニエスは男に免疫が無い訳ではないが慣れているとも言いがたく、成功率はかなり低い。
その中で、虎蔵が暇つぶしがてらに口説き落とした酒場女から偶然得られた情報がそれなのだった。

504名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 22:02:27 ID:GjzD23kS
支援を
505名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 22:04:20 ID:sYo/UKfZ
支援
506名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 22:05:19 ID:oaBXLq2d
支援
507名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 22:10:18 ID:GIK4Z0jb
宵闇さん規制されたそうなので、代理投下行きます。
508名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 22:10:55 ID:uD8tIGlL
了解支援
509名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 22:12:52 ID:GIK4Z0jb
237 名前: 宵闇の使い魔 [sage] 投稿日: 2008/01/09(水) 22:06:59 FEDgAOPg

「どうよ」
「五月蝿い。少し待て――」

書斎で意外なほどにあっさり見つかった帳簿を眺めるアニエスに、暇そうにした虎蔵が声をかけるのだが、
アニエスは真剣な様子で帳簿を眺めながらしっしっと手で追い払う。
虎蔵は肩を竦めて本棚を物色するマチルダへと視線を移した。
この潜入の決め手となった情報を持ってきた当初は妙に機嫌が悪かったのだが、この本棚を見てだいぶ回復したようだった。
快盗時代の本能を刺激されているのだろうか。
もっとも、潜入がばれて今後のこういった行動がしにくくなるのは面倒である。
金目の物があってももって行くことは出来ないのだが――

「ふぅん、意外と良い物が揃ってるじゃないか――この辺りの貴族の蔵書にしちゃ、モット伯に次ぐかもしれないね」
「こんな量でか?」
「価値のある本が何冊あるか、さ。だいたい有象無象の本なら、書斎とは別の所に溜まってる可能性もあるだろう?」

そりゃそうだ、と虎蔵も本棚の前に立って背表紙を眺める。
もっとも、文字は読めないので特に意味のある行動ではないのだが――

「って、こいつぁ――」
「ん? なにか珍しい物でもあったのかい?」

驚く虎蔵にマチルダが近づいてきて、彼の視線の先を覗き込む。
身長差から彼女の髪の香りが虎蔵の鼻に届くのだが、"女性経験の少ない高校生"などではない彼は特に気にすることもなかった。
一方マチルダは虎蔵が眺めていた本を発見するのだが、その背表紙に形の良い眉を顰めてしまう。
決して如何わしい言葉が書かれていたわけではない。
単純に、読めないのだ。

「これは――文字、かい?」
「同心円と極地の空洞帯――って書いてあんな」

首を傾げるマチルダに対して、虎蔵があっさりとそれを読んでしまう。
読み書きが出来ない筈の虎蔵が、だ。
マチルダは一瞬きょとんと虎蔵を見つめるが、すぐに得心が行った様子で指を鳴らし――かけて止める。
一瞬潜入調査中であると言うことを忘れていた節があるが、すぐに思い出したようだ。

「召喚されし書物」
「呼び方は知らんがな。俺の世界か、それに近い世界の本だな――
 同じ物を美津里の倉で見た気がするんだが、中身は思い出せん」
「美津里?」
「なんで其処に食いつくんだよ――元の世界で色々と面倒を持ち込んでくれた奴だよ。古物商でね」

ふぅーん、とまた機嫌が悪くなりかけるマチルダだが、それ以上にその本が気になったようだ。
虎蔵の脇腹を突付いて説明を求める。
510名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 22:14:19 ID:GIK4Z0jb

同心円と極地の空洞帯――
虎蔵の世界では一般的に世界は球状をしていると認識されており、その球の中身は詰まっていると考えられている。
だがこの本では、球は中空であり内側の凹面は人間などの居住が可能だと語られているという。
地球空洞説というらしい。

「内側の世界が此処だって?」
「可能性は、な。奴の受け売りってのは腹立たしいが――
 穴が地殻に存在するもんだから、便宜上空洞って言ってるだけでな。
 実際はなんらかの回廊で別の宇宙にある惑星――ま、ざっくりと言ってしまえば異世界と繋がってるって訳だ」
「アンタは兎も角、こいつやゼロ戦だっけか? あれの持ち主は、その穴を通って来た――かもしれない、と」

理解の早いマチルダに、虎蔵は頷いてみせる。
とはいえ――

「仮説の域を出んがな。とはいえ、これの著者とは別だが、穴の先の世界には二つの太陽がって言ってた奴もいてな。
 ま、此処は太陽じゃなくて月だが」
「そりゃ――偶然にしちゃ、ちょっと出来すぎてるね」
「だろ? ま、なんにしても俺にはさっぱりだが」

ギブアップと言わんばかりに両手を挙げる虎蔵。
マチルダは此処まで煽っといてそれかい、と飽きれてしまう。

「仕方あるめぇよ。こちとら人を殴ってなんぼの仕事しかしたことが無いんだ」
「あんたらしい。っと、そういえば――
 確かに他にも幾つか聞いたことがあったよ。召還されし書物、だっけかな?
 文字だけの、精巧な絵だけのと色々あるらしいけど――興味が?」
「俺がそうそう本なんぞ読むように見えるか?まぁ、"厄介な本"じゃあないことを祈るばかりだね」

マチルダはアンタらしい、と笑って肩を叩いて物色へと戻っていった。
一方でアニエスは帳簿から書斎机の引き出しの物色を始めている。
一つ一つ引き出しを開けては、中に入っている羊皮紙や手紙を慎重に調べているようだ。
時折何かをメモしているのは、次の調査対象といったところだろうか。

「これは――」
511宵闇の使い魔(代理):2008/01/09(水) 22:15:40 ID:GIK4Z0jb
だが突然、アニエスが先程の本を発見した虎蔵のように声を上げた。
よほど驚く何かが見つかったのか、声のボリュームが少し大きい。
ぬ、と慌てて口を押さえるが、幸いにも何者か書斎に近寄って来るような気配は無い。
虎蔵は手でOKを示してアニエス元へと向かった。
マチルダもまた、やれやれとため息をつきながらやってくる。

「そんなに驚くほどの物が見つかったって?」
「あぁ――これだ」

アニエスが二人の視線の先に晒したのは一通の封筒。
その声色、目付きからしてそれなりの発見と言うことなのだろうか。
もっとも、決定的な証拠などが手紙などという形で残っているとも考えにくいが。

「リッシュモン――高等法院長だったね」

アニエスはその通りだ、と頷きながら封筒から手紙を取り出した。
だが、その中身に書かれていたのは観劇がどうのこうのといった当たり障りの無い文面のみである。
アニエスは僅かに眉根を寄せて考え込む。

「同じ国の貴族同士なら、手紙のやり取り位しても不思議は無いんじゃないか?」
「この二人の間に、私信をやり取りするような繋がりは無かった筈だが――」

虎蔵の指摘も、腑に落ちないようで何度もその文面を確認する。
だが、何かの暗号が潜んでいる様子も無い。
本当にただの私信だというのだろうか。
いや、そうは思えなかった。
理由は無く、ただなんとなくでしかない。
だが、この手紙の裏に薄っすらと何かが透けて見える気がするのだ。

そして何度目かの読み返しで、彼女はある事に気づいた。
当たり障りの無い文面の中にある数少ない明確な固有名詞に。

「タニアリージュ・ロワイヤル座、トリスタニアの休日――か」
「流行の演劇だろう? それがどうかしたのかい」
「いや、少し気になってな――さて、少し長居し過ぎた。そろそろ引き上げよう」

二人にはさっぱりだが、彼女には薄っすらと敵への繋がりが見えたのかもしれない。
それまでの調子が嘘のように口元に笑みを浮かべると、手紙を封筒へと戻した。
マチルダは虎蔵に向かって肩を竦めて見せると、調査の痕跡を消す作業に入る。
その後三人は無事屋敷を抜け出し、帰宅した貴族が侵入者に気づくことも無かったという。

512宵闇の使い魔(代理):2008/01/09(水) 22:16:42 ID:GIK4Z0jb

一方、時と場所が変わって魔法学園。
虎蔵をアンリエッタに貸し出したルイズは、やや退屈ながら平和な学園生活を送っている。
《虚無》に目覚めた影響なのか、初歩のコモンスペルならば使えるようになった。
更に虎蔵やキュルケ、タバサらの影響で性格も少しずつ丸くなり、
散々《ゼロ》と馬鹿にしてきたクラスメイト達とも少しずつ打ち解けてもきた。
今までのことを思えば、怖くなるくらいに幸福な日々であるとすら言える。

とはいえ、そんな日々も何日かたてば飽きがくる。
キュルケとタバサがふらりと何処かに出かけてしまったこともあり、これといった話相手がいないのだ。
シエスタとも比較的話すようにはなっていたが、彼女には仕事がある。
そうそう邪魔をする訳にもいかない。

「と、言うわけなんです」
「まぁ、構いはしないがね。しかし、此処に居ても同じくらい暇ではないかね?」

そこでやってきたのがコルベールの研究室であった。
彼はここ数日、タルブ村から運ばれてきた《ゼロ戦》の整備に掛かりきりになっていたが、
それを眺めるのは一人でボーっとしているよりはよっぽど良い暇つぶしにはなっていた。
彼は作業をしながらも話相手にはなってくれるし、時には手伝わせてもくれる。
なにより、虎蔵の世界の物に興味があった。
彼の話では、この金属の塊がシルフィードよりも早く飛べるというのだ。
興味が湧かない方がおかしい。
513宵闇の使い魔(代理):2008/01/09(水) 22:17:47 ID:GIK4Z0jb
「そんなこと無いですよ。少なくとも、此処意外では見れるものでもないですし――でも、本当に飛ぶんですか、これ」
「飛ぶ、だろうね。少なくとも、彼の――虎蔵君の話を聞いた限りでは、納得できる理屈ではあったよ」
「理解できたんですか?」
「あぁ。もっとも、詳細な部分で疑問は尽きないがね。
 少なくとも、私の発明の延長、その派生にこれが存在することは間違いない。
 ならば、信じる以外の道は、私には存在しないよ」

機体の下から這い出してきたコルベールが、ぽんぽんとエンジンが納まっている部分を叩いて語る。
ルイズとしては、コルベールが言うならそうなのかも知れない位にしか考えられないが、
彼の目にはこのゼロ戦が空を舞う姿が映っているのだろう。

「おっと、そうだ。ミス・ヴァリエール、一つ頼まれてくれるかな?」
「はい? えぇ、構いませんけど」
「ミスタ・グラモン――ギーシュ君を呼んで来てくれないかい」
「ギーシュを?」

背の高い椅子からひょいと飛び降りながらも、コルベールの口から出てきた意外な名前に首を傾げる。
ギーシュは決して無能という訳ではないし、ゴーレム創造にいたっては優秀とすら言って良い。
多少性格に――主に女性がらみの――難はあるが、教師に呼び出されるような事は滅多に無いはずだ。

「あぁ、彼にはこれの整備を手伝ってもらっていてね」
「ぇッ、本当に?」
「彼は練金が得意で手先も器用だからね。飲み込みも悪くない」

はぁ、と納得したようなしていないような微妙な表情で研究室を出て行くルイズ。
どうしてもコルベールのように顔を汚しながらゼロ戦の整備をするギーシュが想像出来ずに、何度も首を捻りながら歩き始めた。

「とりあえず部屋かしらね――」
514名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 22:17:53 ID:GjzD23kS
支援
515名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 22:18:02 ID:0QxeO4kb
sien
516宵闇の使い魔(代理):2008/01/09(水) 22:18:54 ID:GIK4Z0jb

ギーシュの部屋の前までたどり着くと、中からは談笑が聞こえてきた。
この声はギーシュとモンモランシーだろう。
無駄足にはならなかったようだ。

「ギーシュ、ミスタ・コルベールがお呼びよ」

逢引中に間が悪かったわね、などと思いながらドアをノックするルイズ。
《アン・ロック》も既に使うことは出来るのだが、流石にキュルケのように問答無用で押し入ったりはしない。当然だが。
するとすぐにドアが開き、ギーシュが顔を出した。
なぜか手にはワイングラスを持っている。

「おや、ルイズ。何故君が?」
「暇潰しに《竜の羽衣》を見に行っててね。それで頼まれたのよ。研究室に来てくれって」
「あぁ、なるほど――うーん――」

ルイズによる伝言に、ギーシュは手元のワインと部屋の中でテーブルに座り、
妙に不機嫌そうにしているモンモランシーを見比べた。
行くべきか行かぬべきか迷っているといった所だろう。

「相手は一応先生なんだから、さっさとそれ飲んで行った方が良いんじゃないかしら?」

基本的にルイズはクラスで一番真面目な性格をしている。
授業とは関係ないとはいえ、教師に呼び出されているなら行くべきだろうとギーシュを促しただけだ。
他意はない。
そしてギーシュも、それもそうだね――と言ってグラスを口元へと近づけようとするのだが――

「ちょッ、駄目ぇぇッ!!」
517宵闇の使い魔(代理):2008/01/09(水) 22:20:07 ID:GIK4Z0jb
それを見たモンモランシーは、二人が驚くほどの声を上げてそれを止めた。
二人はぎょっとしてモンモランシーへと視線を向ける。

「あ、いや、その――ほら、先生の所に行くのにワインの匂いをさせているのも、ね?」

するとモンモランシーはなぜかしどろもどろになりながら席を立ち、ギーシュの手からグラスを取り上げる。
あまりの挙動不審っぷりに二人は声も出ない。

「ほ、ほら、ギーシュ。ミスタ・コルベールがお呼びなんでしょう? 早く行った方が良いんじゃなくて?」
「あー――あぁ、そうだね。うん。じゃぁ、モンモランシー。また後で」
「えぇ。片付けは私がしておくわ」

だが其処は流石のギーシュである。
しっかりとモンモランシーの手の甲に軽くキスをしてから部屋を出て行った。
しかしルイズはその場に残り、ふぅーん――と妙な声を漏らしながらモンモランシーを見つめている。

「ま、まだ何か用があるのかしら?」
「あやしい、わ、ねぇ――――」
「な、何のことかしらぁ?」

ギーシュから取り上げたグラスを背中に隠すように持って、ルイズの視線から逃れるように明後日の方向を見る。
だがその視線の先には壁しかないのだから、怪しい事この上ない。
誤魔化すにしても、もう少し上手く出来ないものかとすら思う。
決して器用ではない――というより、明らかに不器用なルイズをしても、だ。

「それよりも、ほら。もう用は無いでしょう? さっさと出て行って頂戴!」
「あら、良いじゃないの。少しお話しましょうよ」
「あ、貴女、ちょっとキュルケに似てきたわよ――」

少し前まで勉強の虫の様だったルイズがチェシャ猫宜しく笑みを浮かべながら近づいて来る。
それを見たモンモランシーは思わずキュルケの名前を出してしまったのだが、それが彼女の運の尽きだった。

「なッ、なぁーんですッてぇー!!」

最近は仲良くなってきている。
ご先祖様には申し訳ないが、十分に友人と言っても良いだろう。
しかし、そうは言っても素直でない事にかけてはハルケギニアでも指折りのルイズである。
他人の口から指摘されるのは我慢がならない。
自分がほんの少しでもそれを認めてしまいそうな所がある分、尚更だ。
故に、何時もの様にあっという間に頭に血が上ってしまう。

「い、言うに事欠いて誰に似てるですッて!!」
「え、いや、そのー」

ずんずんと詰め寄ってくるルイズに、モンモランシーはおたおたと後ろに――部屋の奥へと追いやられていく。
非常に拙い状況だ。

彼女の頭の中では今、最悪の状況がシミュレートされている。
このまま情けなく後ろに下がって行くとする。
壁までは結構な距離があるから、下手をすると転んでしまいかねない。
何せ後ろ向きだ。
当然、そうなればこの手の中のグラスは割れ、ワインは零れてしまうだろう。

まずい。まずいのだ。それは。
ただのワインならどうということも無い。
あの浮気者の部屋が汚れるだけだ。知ったことか。
しかし、このワインはそうではない。
高価な秘薬使ってまで作った惚れ薬が入っているのだ。
零してしまっては後が無い――これは何とかしてあの浮気者に飲ませなければならないのだ。
518名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 22:20:45 ID:uD8tIGlL
支援
519宵闇の使い魔(代理):2008/01/09(水) 22:21:08 ID:GIK4Z0jb
「ちょっと、落ち着きなさいよ、ルイズ。顔が怖いわよ――」

じりじりと後ろに押されていくモンモランシー。
頬に冷や汗が流れる。
だがその時、後ろに回した手にテーブルがぶつかった。

――あぁ、始祖ブリミル! 感謝します!

心中でそう喝采をあげると、グラスをテーブルの上に乗せて、そっと滑らせてテーブルの中央へと向けて滑らせる。
簡単には落ちないであろう位置まで持っていき、自分はそのままルイズに押されるように壁際へ。
完璧だ。
ルイズの意識はもはやワインには無いだろう。
これでどうにかして少し怒りを収めれば、ぷんすかしながらも部屋を出て行くだろう。
繰り返そう。完璧だ。
ルイズはいまだにきゃんきゃん怒鳴っている。
あの黒衣の使い魔を呼んで以来、割と大人しくなっていた気がしたが、本性はそう変わらないらしい。
もっとも、今のモンモランシーにはそれも可愛く見える。
達成感でいっぱいだった。

「ふぅ。ッぅ――まったく、もう!」
「ごめん、悪かったわ。ルイズ。そうよね、貴女があんなゲルマニア女に似てきたなんて、私もどうかしてたわ」

一頻り怒鳴り疲れたのか、ルイズは未だに肩を怒らせながらも、追及の手を緩める。
それを好機と見たモンモランシーは、普段のギーシュもかくやという口の滑らかさでルイズを宥めに掛かった。
だが――――

「ほんとにもう。急に怒鳴らせないでよね!」

と、苦心してテーブルに置いたワイングラスを手に取り、ぐいっと呷ってしまったのだ!

「あぁぁッ!?」
「っ、ん――ふぅ。何よ、変な声上げちゃって――」

絶望的な声を上げてがくっと崩れ落ちるモンモランシーを見下ろして、ルイズは首を捻る。
たったグラス一杯のワインに何を――と。
そんなに高かったのだろうか。
その割には大した味では無かった気もするが。
とはいえ、ここまで大げさに落ち込まれると後味が悪い。
謝らない訳にもいかないだろう。
ルイズはもう、と呟いてモンモランシーの傍らにしゃがみ込む。

「えーと、その、モンモランシー。ワイン一杯でそんなに落ち込まなくて、も――」

そして慰めの言葉を掛けながら――――

--------------------------------
以上、第弐拾参話でした。
口説き落とした酒場女は黒髪だったりするかもしれません(何)
というか新年初投下の1レスで規制て……orz

13巻を読みながら、右手の宗州草薙、左手のデルフで見事な"攻め"と"守り"とか考えつつ、
次回はもう少し早めに仕上げたいと思っています。
520宵闇の使い魔(代理):2008/01/09(水) 22:22:12 ID:GIK4Z0jb
以上、代理投下完了しました。

あ、一部改行多すぎになったので、勝手ながら分割しましたー。
521名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 22:22:19 ID:Gloo1Iom
>>493
博士が食うのは無能な人間だけだったはずだぜ?

アンアン危うし
522名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 22:24:04 ID:uD8tIGlL
GJ
ああ・・・・修羅場がみえる・・・
523名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 22:24:28 ID:GjzD23kS
宵闇の人 GJ!

代理の人も投下乙!
524名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 22:26:13 ID:B4JdhYJE
フーケの30mゴーレムがロケラン一発で沈んだ件は、
ロケランの使い方が解ったからそれ以上続ける意味がなくてフーケが止めたんじゃね?
本気出されたら負けてただろ。
525名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 22:26:26 ID:GIK4Z0jb
>>521

真っ先にアンアンですかい。いやそりゃビッチな無能ですけどw
他にもいるぢゃないですか、ミスタギトーとかミセスシュヴルーズとかモット伯とかワ○ドとか○ルドとかワル○とか・・・
526名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 22:30:51 ID:6jNh6axn
主人が一番無能という事を忘れちゃいけない
527名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 22:31:05 ID:aeislnrB
>>524
つーかHEAT弾があんな大爆発を起こすのはおかしいんじゃね?
528名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 22:34:55 ID:uMIdx/JJ
ガンダールヴの力でパワーアップしてたんだろ、きっと
529名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 22:37:09 ID:S2V3AT27
100スレ目記念カキコ
530メイドガイの人:2008/01/09(水) 22:41:27 ID:mIDz+qhD
100スレ目に間に合ったかな。ひさしぶりですが投下ok?
予約が無ければ10分後くらいに投下したい。
531名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 22:44:42 ID:th7OX0tF
アニメ化楽しみだ支援
532名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 22:48:37 ID:ilku+q8v
あの作品のキャラがルイズに召還されました

「あんたどこの国の生まれよ」

ギーシュに絡まれ
「な、魔法を使うだと!!!」

フーケに驚かれ
「いったいどうしたらいいんだ!!」

ワルドを圧倒し
「スクウェアレベルか!!!」

七万の大軍を一人で超える伝説の再来




ウォーリーをさがせ!よりwally

ウォーリー「ウォーリーは偏在する」
533名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 22:50:22 ID:Yh0MclOQ
いや、ウォーリーを探せは私も好きだけどさ。
小ネタって投下予約いらないんだっけ?
534名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 22:51:32 ID:CKKEKSBh
見える…時代すら遡って先代の王様時代にもブリミルの時代にもサハラにも存在するウォーリーが見える
535仮面のツカイマガイ ご奉仕その2 1/5:2008/01/09(水) 22:53:38 ID:mIDz+qhD
それでは投下します。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ご奉仕その2

 『錬金』の授業を担当する教師、『赤土』のシュヴールズは言った。
「では、ミス・ヴァリエール! 貴方には前に出て『錬金』をしてもらいます」
 シュヴールズの前には彼女の二つ名と同じ赤土の山が置かれている。
 それを『錬金』の魔法で別の物質に変えろというのだ。
(ど、どうしよう……!)
 だがルイズは『錬金』はおろか、コモンマジックすら上手く使えない。
 ここは正直にできませんというべきか? だが――
「ほら、『ゼロ』のルイズ! 早くやりなさいよ!」
 意地悪い級友の野次が飛ぶ。ここで逃げるわけにはいかない。
 ルイズ、絶体絶命のピンチであった。

                          ☆

 ルイズがメイドガイ・コガラシなる怪しい男を召喚し、己の使い魔と定めてから数日が経過した。
 このメイドガイ、とにかく怪しい。怪しすぎてもうどこからツッコミを入れればいいのかわからないほど怪しい。
 何せ筋骨隆々とした野性味あふれる大男がメイド服を着ているのだ。これを怪しいと言わずなんというだろうか?
 このような使い魔を召喚したルイズの生活はそれまでのものとは一変した。
 メイド服を着た大男と四六時中同居生活。そんな生活を送る人間が、このハルキゲニアに何人いるだろうか?
 そしてそのメイドガイ・コガラシの仕事ぶりたるや筆舌に尽くしがたいものがあった。
 いい意味で、そして悪い意味で。

 まずはルイズの服装を見てみよう。基本的に自分の面倒は自分で見るのが規則である貴族生徒たち。
 高貴な彼らのこと、同じ服を毎日着るようなずぼらなことはしないが、それでも毎日の服装はだらしないものになりがちである。
 だがメイドガイを呼び出して以降のルイズは違う。パリっと糊のきいた、皺一つ無いシャツ。
 スカートの折り目は0.1サンチ単位で揃えられ、マントはまるで新品のような輝きを放っている。
 いずれもこれはコガラシの仕事ぶりによるものであることは言うまでもない。
 だが、
「メイドガイ・スチーム・アイロンって何よ! なんで手から蒸気がでるわけ!?」
「ククク……メイドガイ超振動クローの応用よ。これでご主人の衣服に皺は残さん」
「だからなんでそんなことができるのよー!」

 次はルイズの部屋だ。必要以上の華美を嫌い、元々調度品の類は少ないルイズの部屋は常にそれなりに整理整頓されていた。
 しかしコガラシが掃除をしだしてから、ルイズの掃除など掃除になっていないことに気づかされた。
 如何な技術の賜物であるか。果たしてどうすればでこぼこの板間が顔の映るほど磨かれたものになるだろう? 
 だが、
「ご主人よ。下着にシミができているぞ」
「えっ!? ええええええ、ななな、なんでそんなことを!」
「メイドガイアイは透視力! いかなる汚れも見逃さない、この目を持ってすれば造作も無いこと。この部屋の掃除もその賜物よ!」
「ま、まさかアンタずっとそのメイドガイアイってやつを……」
「クククク……いかにも。おはようからおやすみまで貴様の暮らしを見つめるメイドガイ。ご主人のことは何一つ見逃さん。
そしてメイドガイアイによれば、そのシミの原因は――」
「ばばばばばばかああああああああああああ!」

 そして食事。これはもともとコック長のマルトーが腕を振るっていたもので。
 ルイズもそれは普通に美味しい食事だと思っていた。
 だがコガラシに言わせればそれはあくまでも凡人の到達しうるレベルの『美味』らしく、
 メイドガイたる彼がその仕事を任せうるに足るものではないらしい。そしてコガラシは不敵な笑みを浮かべて厨房に消えた。
 数十分後、料理人としての常識を粉々に打ち砕かれたマルトー氏の姿が厨房にあった。
 愕然としている彼には申し訳ないが、コガラシの作った料理は彼のものよりも数段上の『美味』であった。
 だが、
「美味しい料理を作るのはいいけれど。その前に――その引きずっているモノは何かを説明しなさい!」
「これか? その辺をふらふらと飛んでいたから生け捕りにしたまでよ。喜べご主人、今夜は生け造だ!」
「きゅいー! きゅいー! た、助けて欲しいの!」
「それはタバサの使い魔よ! 早く返してきなさい!」
536名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 22:54:34 ID:qaUgkyhO
コガラシィ!支援
537仮面のツカイマガイ ご奉仕その2 2/5:2008/01/09(水) 22:54:52 ID:mIDz+qhD
 こうしてルイズの生活水準は衣・食・住全ての面において、他の生徒により非常に高い水準のものとなっていった。
 だが、それに比例するかのごとく……。ルイズのストレスは増大の一途を辿っていったのだ。
 今日もまた、ルイズの悲鳴とコガラシの不敵な笑いが木霊する。
「コガラシぃー! あんた何やってんのよー!」
「ククク……知れたことよ。今日も貴様に最高のご奉仕をお届けだ!」

 これは、そんな主従のある一日の記録である。
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、16歳。
 ハルケギニアの始祖ブリミルの血筋にして貴族の娘――
 当人はまだ知る由もないが、彼女は四系統のいずれにも属さない始祖の魔法「虚無」を操ることができるのだ。
 故に、彼女の存在を利用せんとするもの、疎ましく思うものから彼女は狙われる運命にある!
 メイドガイ・コガラシは始祖ブリミルが彼女を謎の敵から守るために異界より遣わした伝説の使い魔なのである!
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「うう……」
 席を立ったはいいが、教壇に進むこともできず。かといって戻ることもできない中途半端な位置で立ち尽くす。
 自分が魔法を使ったところで、いつものように爆発するのが関の山。
(ならいっそ、このまま教室中を爆発させて有耶無耶にする!?)
 進退窮まって、そんな不穏当な考えを抱いたその時。ルイズの耳にあの男の声が聞こえた。
『クククク……困っているようだな、ご主人よ』
「!」
 突然聞こえた声、それは聞き間違うはずもない。そう、誰あろうそれは。
「コ、コガラシ!?」
「? ミス・ヴァリエール。何か言いましたか?」
 不思議そうな顔をするシュヴールズ。彼女にはこの声が聞こえていないのか。
 だがルイズが辺りを見回しても、どこにもコガラシの姿は無い。

『クックック、何をキョロキョロ間抜け面を晒しているのだご主人よ。俺はそこには居ないぞ』
(あ、あんた、どこから喋ってるのよ!)
『サンライトイエローのメイドガイヴォイス! 独自の特殊な発声法により、ピンポイントで声を届かせる貴様専用秘話音声だ!
それを使い、俺は今教室の外から貴様に向けて声を発している!』
 このメイドガイのこと、透明化くらいやってのけたのではないかと思ったが、
 どうやら何らかの手段を使って、こちらに声を届かせているらしい。
(私にだけ聞こえてるってこと? でも、私の声はどうやって聞いてるのよ?)
 その手段がどうであれ(このメイドガイが何かを行う時、そこに理屈を見出すのは無意味だとルイズは既に学習している)、
 こちらはそんな離れ業は使っていない。
『メイドガイイヤーは地獄耳。メイドガイたるもの、例え100キロ離れていてもご主人の声を聞き逃しはしない』
(……まぁ、あんたのことだからそれくらいじゃ驚かないけど。それより何の用? 私は授業中よ!)
 意外と言えば意外なことに、コガラシはこちらのやることを邪魔するということは滅多にない。
 むしろ勉強をしていれば茶を淹れたり、お腹が空けば夜食を持ってくるなど親切極まりないほどだ。
 もっとも、そうした『コガラシの性格』と『メイドガイとしての仕事ぶり』のアンバラスさにルイズはほとほと困り果てているのだが。

『状況は見ていればわかる。『錬金』とかいう魔法が使えなくて困っているのだろう?』
(……そうよ。悪い!? どうせ私は『ゼロのルイズ』よ!)
 この男を相手に隠しとおせるとは思わず、ルイズは自分の二つ名を明かす。
 魔法が下手で下手でどうしようもない、何もできない、できることのない『ゼロ』のルイズというわけである。
 屈辱に耐えるルイズを嘲笑うかのようにコガラシは笑う。
『クックック……恥ずかしい二つ名もあったものだな』
(う、うるさいわね!)
538仮面のツカイマガイ ご奉仕その2 3/5:2008/01/09(水) 22:56:18 ID:mIDz+qhD
『――だがそんなご主人とはいえ、恥をかくのをみすみす見逃すメイドガイではない。俺が力を貸してやろう』
 力を貸す、とはどういうことだ。まさか代わりにコガラシが『錬金』をするというのか?
(あんた平民でしょ! 魔法なんて使え…ない……使えないはずよね?)
 いかにこのメイドガイといえど、さすがに魔法は使えないはず。
 ……やれと言えばなんなくこなしてしまいそうではあるが、それだけはきっと無いはず。無いと思いたい。
 ルイズの心配
『当たり前だ。メイドガイは貴様らの言う『魔法』などという奇態な能力は持っていない』
(そ、そうよね。それだけは無いわよね――って、あんたが奇態とか言うな!)
 かなり聞き捨てならないことを言われ、そのことに文句を言うがメイドガイは取り合わない。

『奇態を奇態と言って何が悪い? この俺にかかれば魔法など使わずとも、あの程度の芸当朝飯前よ!』
(い、一体どうやるっていうのよ)
 あの程度の芸当。シュヴールズが土塊を真鍮に変えてみせたことだろう。
 トライアングルクラスのメイジですら真鍮が精一杯なのだ。それをどうやって再現するというのだ?
『簡単なことよ。貴様が錬金の魔法とやらを唱えて見せる。そして一瞬の隙をついて俺があの土の塊を別の物質に摩り替えるのだ。
クククク……、これで錬金の一丁あがりというわけだ』
 なるほど。それならこの人知を超えた男、メイドガイならば可能だ。
 しかし、問題が一つある。
(で、でもそれってズルじゃないの……)
 そう。これは明らかに反則行為だ。
 たしかな恥はかきたくないが、生真面目なルイズにしてみれば抵抗のあるプランだ。

『努力を怠り失敗するは愚か者の為す事よ。しかしご主人の隠れた努力を知らぬメイドガイではない。
己の労を惜しまぬ努力は報われねばならぬ。報わねば報いてみせようメイドガイ。ご主人の努力の結果を見せ付けてやるのだ!』
 ルイズは毎日のように魔法の練習や勉強をしている。だがその努力の結果は一向に現れない。
 それを、野次を飛ばしている級友たちに見せつけててやりたいと思う気持ちが強いのもたしかだ。 
(ううっ……。こ、今回だけだからね!)
『ククク……了解だ。どうせだ、『珍しいモノ』と摩り替えてやろう』
 意を決し、ゆっくりとルイズは教壇の前に歩いていく。
 それを見守る生徒たちはすでに防御体制をとっている。ルイズがいつ『爆発』を起こすかわかったものではないからだ。
 だがそれは逆に好都合。コガラシの摩り替えがやりやすくなるだけだ。
 事情を知らないシュヴールズは、人の良さそうな顔をしてルイズを待っている。

「――――」
 教壇の前に立ったルイズは杖を振り、『錬金』の魔法を唱えだす。
 しかしそれは完全にフェイク。あるのかないのかわからないルイズの魔力は込められていない、ただの見せ掛けにすぎない。
「『錬金』!」
 そして呪文を完成させたルイズが杖を振り下ろしたその瞬間。
『メイドガイ・フラッシュ!』
 ルイズにだけ聞こえるコガラシの叫びと共に、教室が激しい閃光に照らされる。
 すわルイズの爆発か? と思う生徒たち。しかし一向に、光以外の現象。熱や爆風は起こらない。
 不思議に思い、恐る恐る眼を開ける生徒達は信じられない事態を眼にする。
 教壇に赤土ではなく、それと同じくらいの量の『謎の鉱物』が鎮座していたからだ。

「成功した!?」「ゼロのルイズがか!?」
「やるじゃありませんか、ミス・ヴァリエール! こうも上手く金属を錬金するとは、土のメイジでもなかなかできないことですよ」
 驚きの声を挙げる生徒、そして感嘆の台詞でルイズを誉めるシュヴルーズ。
 たしかに自分でも見事と思えるほどの『錬金』ぶりであった。
 しかしあまりにも手放しで誉めるシュヴルーズに、少し罪悪感が沸いてくるルイズ。
 誤魔化すように謙遜しながら言う。
「あ、あはは。いえ、たまたまです。普段はこんなにあっさりとは」
 あっさりも何も、錬金を成功させたことのないルイズには本物の『錬金』がどんなものかはわからなかった。
 そんなルイズを他所に、シュヴルーズは疑問を述べる。
539名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 22:57:52 ID:Ho1RU+EC
支援
540仮面のツカイマガイ ご奉仕その2 4/5:2008/01/09(水) 22:57:56 ID:mIDz+qhD
「で、これは何ですの? なんというか、不思議な感じのする石ですが」
「え? えーっと……」
 たしかに。目の前の錬金物は何なのかわからない。一見して黄金のような貴金属の類ではないことは確かだ。
 黒っぽいような白っぽいような不思議な色をしていて、鉄などとは少し違う感触だ。そしてひどく重い。
 何より『土』のトライアングルメイジのシュヴールズが言う『不思議な感じ』とは一体なんであろうか。
 トライアングルともなれば、普通の人間が感じ取れるものではないことを感じていても不思議は無い。
 考えてもわからない。しかし、わかりませんとも言えない。仕方なくルイズは小声でコガラシに尋ねることにした。
(コガラシ! これ何なのよ?)
 どこか遠くよりコガラシの声が響く。 


『ウラン鉱石だ』


(う、うらん? 何それ?)
 聞いたこともない物質の名前だ。ひょっとすれば、コガラシの居たところから持ち込まれたのかもしれない。
『主に――などで産出され、――として加工される。その利用法は――で、莫大なエネルギーが――であり、
――であるが故――よって鉱物資源としての価値は非常に高い。言うなればレアアイテムよ』
 コガラシは意外なほど丁寧に解説をしてくれるが、その内容はルイズにはさっぱりわからない。
 ルイズの頭の回転が足りないのではなく、単純に知らない単語が多く使われているからであったのだ。
 ただ一つ気になることがあった。

(貴重品なのはわかったけど、『ほうしゃせいぶっしつ』って何よ?)
『――が――であり、――が――な物質のことだ』
 やはりなんのことだかさっぱりわからない。だが一つだけわかること、それは――
(よくわかんないけど……ひょっとして危険物?)
 『ほうしゃせん』とか『はつがんせい』がどうのこうのと言うその単語からは何か洒落にならない危険な感じがする。
 ルイズの問いにコガラシはしばし考え込むような沈黙を送り。

『ムウ……………………なに、かえって免疫力がつく』
「つくかバカああああああああ!」
 怒りとともに杖を振るい、『錬金』の魔法を発動させ――ることはできず、『ウラン鉱石』は爆発し、消滅した。
 そしてルイズはやはり爆発を起こす羽目になってしまった。

 爆風の中でルイズは『結局こうして何もかも吹き飛ばしてしまえば楽になるんだ』となんとなく悟ってしまうのであった。
541名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 22:58:00 ID:1QKmJYx+
HEAT弾は

「『漏斗型の金属板』の後ろに漏斗型の爆薬を置き
 爆薬の爆発力で 『漏斗型の金属板』を押しつぶして
 『超高速の金属の流れ』を作って
 『金属の流れ』の『速度』で装甲をぶち抜く」
代物だから 爆発自体は全方向に向かう

風呂場で両手の中の水をピュッと撃つアレの
「水」の変わりに「金属板」を「両手の圧力」の代わりに「爆発の圧力」を使うようなもん

決して
「爆風が一方向にしか向かない」弾でもなければ
「爆風が一点に集中する」弾でもない
542名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 22:58:26 ID:qaUgkyhO
バッww放射能wwww支援
543名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:00:16 ID:9ooz5TQW
ウランの粉塵が教室に飛び散った支援
544名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:03:17 ID:K8RjwH1N
コルベール先生の髪がwwwwwwwwwwww
545仮面のツカイマガイ ご奉仕その2 5/5:2008/01/09(水) 23:04:33 ID:mIDz+qhD
                          ☆

「うー……」
 自室のベッドの上に突っ伏してルイズは唸る。今日もいつものように疲れがどっと肩にのしかかってくる。
 一般的な貴族生徒の負うであろう苦労レベルをはるかに超えた疲れに、もはや一歩も動くもできない。
 その理由は、言わずと知れた今日の『錬金』の授業のせいである。

 あの爆発の後始末では、『ひばく』というやつはコガラシがメイドガイ的な何かを駆使して抑えたらしい。
 聞く限りではメイドガイがどうとかいう次元の話ではなさそうだが、コガラシ的にはたいしたことのない仕事だったらしい。
 それというのも不思議なことに飛び散ったはずのウラン鉱石は完全に『消滅』してしまったからだ。
 コガラシもそれには不思議そうにしていた。ルイズの起こす爆発にはそうした力があるのかもしれない。
 しかし、そんなことはどうでもいい。

「結局今回も失敗……」
 ルイズの爆発でなんだか有耶無耶になってしまった錬金の授業。結局ルイズの錬金は失敗ということになったらしい。
 それでいい。やはり人間正直が一番なのだ。ズルしてはいけない。今回のことは言わばズルへの罰なのだ。
 これからは真っ直ぐに、誰に恥じることのないようにしていこう。そう心に誓うルイズであった。

 ルイズが天と自分とブリミルに誓いを立てた次の瞬間。
「今帰ったぞご主人」
 どこかへ出かけていたコガラシが帰ってくる。
「フム……」
 コガラシはベッドの上に突っ伏すルイズを一瞥し、何事を考え込む。
「どうやらご主人はウランをお気に召さない様子。ならばこれでどうだ『プルトニウム』に『トリウム』……」
 そう言って懐から取り出すのは大小さまざまな怪しい雰囲気の石ころたち。

「…………」
 それを見たルイズは疲れを見せたまま幽鬼のように立ち上がり、無言で杖を振り上げ
「『錬金』『錬金』『れんきいいいいいいいん!!!』」
「ヌオオオオ!? ご主人何をするーーー!」
 そして今日もルイズの爆発が炸裂した。

                                (続く!)
546名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:05:55 ID:mIDz+qhD
投下終了。そういうわけでだいぶ間が空きましたが、『仮面のツカイマガイ』第二話です。途中なんか上手く書き込めなくて焦ったw
そんでまぁギャグ作品から召喚っていうのはすごく難しいと実感。独特の空気が出せなくて苦労します。
他のギャグ作品書いてる人とかすごいなぁと思います。しっかりせな、しっかりせな……。

それではいずれまた。


[追記]
3レス目6行目
>ルイズの心配

を↓

ルイズの心配を他所に、コガラシは不敵に笑う。
547名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:08:08 ID:eNwg3MQK
コガラシさん程自重の似合わない人?はいないぜ
GJ
548名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:08:37 ID:th7OX0tF
どうやって放射性を抑えたとか突っ込むのが礼儀なのかなーでもルイズが突っ込んでないからいいかー的GJ
というか十分コガラシっぷりを発揮できてるので気にせず続けてくださいな


>>533
1レスだけのネタなら一々予告しないことが多いな
ただ、投下予告に割り込むのは美しくないので猛省したまえ>532
549名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:12:03 ID:QHRwlMo3
クソワロタwwwwwGJwwwww


550名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:12:27 ID:UY3y8baf
ククククク・・・・GJだったぞ作者の人!
551名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:15:18 ID:QHRwlMo3
亀だが・・・

>>464
使い魔バカになって、お母さんモードになってるキュルケを想像してもた。
サイトのピンチで大人モードになって、(主に胸で)ルイズ涙目
駆け引きなしのストレートアタックでシエスタ涙目

ルイズがちびっこの涙に勝てそうな気がしないのは仕様ですかそうですか
552名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:15:29 ID:B4JdhYJE
精製しなきゃ大したことないだろ。
純度も低いだろうし。
553371:2008/01/09(水) 23:16:37 ID:LM7hsMCR
うおおお、メイドガイのノリが余すところなく再現されている。
まさにこれは良いものだGJ!
あと、ルイズの下着の染みについてkwsk。

>>397
なんと、一応公式化されていたのか、あの呼び名。
格ゲー苦手だからスルーしてたんだが、買ってみようかなニトロワ。
アナブラと並ぶ萌え貧乳キャラの沙耶たんも出てるし。
554名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:17:18 ID:qaUgkyhO
コガラシGJ!


ルパンの映画にウランの結晶とか、
ガイガーカウンターが振り切るような高純度のものがあったなぁw
555名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:19:02 ID:rkuZsfCL
ゼロの世界にも癌とかあるのか?
556名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:20:54 ID:C92XIusi
ガンなんてどこにだってあるだろ、生物として
昔はガンで死ぬよりはやく死んでる奴が多かっただけで、少数はやはりガンを発症するだろ
557名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:21:10 ID:VcEZ8mP+
GJ一話読んでないけどテラワロタw
早速一話読んできます

>>554
ヘミングウェイ・ペーパーの謎かw
あの頃のTVスペシャル版は面白かったな。
558名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:21:13 ID:IOs1ddja
>>555
あるんじゃね?
肉体的には地球人と殆ど同じなら。
559名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:21:17 ID:ZML5X4e1
投下してもいい?
560名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:22:38 ID:rkuZsfCL
>>559
かもん
561名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:23:55 ID:eNwg3MQK
支援
562名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:24:39 ID:QHRwlMo3
しえn
563名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:24:52 ID:B4JdhYJE
カウンターが振り切れたらレンジ変えろよwww
564名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:26:34 ID:/f+KmjTw
>>559
よし受け止めてやろう
565使途を越えた使い魔:2008/01/09(水) 23:27:13 ID:ZML5X4e1
使途を越えた使い魔
>>62 >>63
第1話使い魔召還ー2

自然の摂理より幸せを知らない肛門挙筋に息吹を感じる。
残滓が排除される冷たい感覚は、鈍った意識に夢心地。
世界がおだやかだ、お空が楽しく見えてきた。
米倉が出来て私にできないはずがない。大丈夫。続行。
人攫いに呼びかけを試みる。
「タカシ!待ちなさい」

ーーーー何っ
俺はその言葉に驚愕の色を隠せなかった。
なぜなら俺の真名を知る唯一の男はリュージは既に、この世にいないからだ。
背徳者が永遠に氷漬けとなっている。繰り返される、千編一律な応対。
クロッペンの事を笑えないな。ククク。
「なぜ俺の真名を知っている? 小娘……」

「はぁ?あんたさっき自分で名乗ったじゃない」

チッ汚ない策略によって俺の真名は暴かれてしまったのか。
卑怯で計算高く、利己的なガキだな。赤毛猿を思い出すぜ。ムカムカしてきた。
マルコンヌは潰れたままか。使えない奴め。
使途を従えし解脱者、闇を溢し血塗られた救世主である俺のベクトルは既に定められているわけか。
決意の轍。引き返せない思想を科学する。
BGM 轢かれもんの小唄を口ずさむ俺。




そんなわけでハルゲニア高原へやって来たのだ

「我の名はルイズ・フランソワ・ラ・ショコラ・リ・ヴァリウエール。五つの力を司るペンタドラゴン。
この者に祝福を与え、我の使い魔となす」
シンジの唇に、そっと押しつけた。舐めるようなキスだ。
チュゥ
「んんんん・・・・////////?」
―――舌・・・私の舌がシンジの舌が触れ合った刹那、唇はぬめぬめと蠢いた。唾液が溢れる。
使い魔の股間が私の体に密着している。隆々と張りつめたまま。口内は沸騰しそう。
唇を噛み、歯並びをなぞる。二枚のぬめりに覆われた舌。
草原の中で口を睦みあっている。使い魔の唾液が私の喉を潤す。もみもみ。

to be continued
566名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:29:21 ID:GrF2800q
これはひどい
567名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:29:51 ID:mEBu2o9e
おもしろーい
568名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:30:21 ID:xLExXp+L
誰だ投下許可だした馬鹿は
569名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:30:24 ID:MUZXVhF5
つか何でタイトルが誤字ってるんだ。
570名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:31:07 ID:ptpJMgKh
なんつうか・・・頭が痛くなってくるな
571名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:31:12 ID:k8Ymt24A
色んな意味でまったくこの愚か者めが!
572名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:32:03 ID:mkyhEwhh
もう完全にネタでやってるだろと(ry
573名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:32:13 ID:/f+KmjTw
>>568
すまん
574名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:33:18 ID:47KACHD+
>>565
死んでちょうだい
575名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:33:26 ID:QHRwlMo3
>>568
ごめん
576名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:34:44 ID:uD8tIGlL
よかった支援しなくてww
577名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:35:07 ID:za2S0Jrl
>>573
そう気にするな。誰もこんなのが来るとは思ってなかった。
578名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:35:55 ID:xLExXp+L
>>573
こっちも言葉が悪かったすまん
579名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:36:23 ID:N9F0dAeh
支援しなくて良かったと言われるものが投下されるとは……
580名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:37:24 ID:jy2+VGQ/
>>541
全方向に効果をもたらすみたいなこと書かれてもなぁ〜
581名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:38:36 ID:eNwg3MQK
>>575
ごめん、俺も支援しちまったんだ
582名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:38:42 ID:xLExXp+L
マルコンヌにハルゲニアにルイズの名前……
原作くらい見ろよ
583名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:39:42 ID:MUZXVhF5
そもそも元ネタにすら愛がないだろこれ…。
584名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:41:47 ID:UY3y8baf
そもそも元ネタはなんぞ?
585名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:41:58 ID:GAGZ5QLz
話ぶったぎって悪いがこのスレ見てるとメタビー召還物とか書きたくなってきた
586名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:42:32 ID:/f+KmjTw
>>582
たぶん原作どころかアニメさえ見ていないとか
しかしこれは酷い
587名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:42:35 ID:uMIdx/JJ
マジレスするだけ無駄だろ
ネタとして楽しむくらいの気持ちで眺めておけ
588名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:44:37 ID:uD8tIGlL
これ見てると、なんか小学生のとき書いた小説を思い出すんだよ

589名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:44:57 ID:xLExXp+L
>>585
メタルビーストに見えてインベーダー召喚か?と思ってしまった
590名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:45:31 ID:8gTeq6hj
流れを無視して、ブレイクエイジを誰か召喚してくれ。
wktkするから。
591名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:47:10 ID:xLExXp+L
>>590
言い出しっぺの法そk(ry
592名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:47:40 ID:UY3y8baf
>>590
YOUが書いちゃいなよ!
593名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:48:24 ID:th7OX0tF
>>590
ディーター召喚の人は今も執筆を続けてくれていると信じている
594名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:50:20 ID:uD8tIGlL
>>589
その後にゲッター登場と?
どう考えても人類滅亡フラグしか立たないんですがww
595名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:50:24 ID:aXxKzFqr
>>586
ここまで来るとわざとだろ
596名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:50:53 ID:9n0S6KUJ
今投下してもよろしいでしょうか?
597名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:52:41 ID:8gTeq6hj
>>596
支援





>>591 >>592
頑張って書いてるんだよ!
でも書くの初めてだから終わんなくて誰かが書いてくれることを信じたいんだぜ!!
だから、一緒に書いてくれw
オマエとなら、戦える!

>>593
ディーターがクロマクになって本編に中々でなくてサイトが主人公になりそうな件で大丈夫か悩んでる俺。
あと何に乗せるかが二転三転しまくり。うぼあー
598名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:53:26 ID:uD8tIGlL
支援恐怖症になりつつも支援
599“微熱”の使い魔9−1:2008/01/09(水) 23:53:42 ID:9n0S6KUJ
 「わー……! 高いよー、速いよーー!!」

 風竜シルフィードの背中で、エリーは子供のようにきゃいきゃいと騒いでいた。
 みっともないと責めるなかれ。何しろ、エリーにとって空を飛ぶなどという経験は初めてのものだし、かつドラゴンの背中に乗るなどおとぎ話の中のものでしかなかった。
 それが、今現実として、空を駆けるドラゴンの上に乗っているのだ。興奮するなというほうが無理な注文だった。
 シルフィードはエリーの歓喜がわかるのか、歓声が上がるたびに、その動きは優雅に、機敏になっていた。

 「相変わらず、あなたの風竜は惚れ惚れするわね」

 エリーの隣。キュルケは赤い髪をかきあげながらドラゴンの背中を撫でた。

 「シルフィード」

 一番前に乗るタバサは無表情のまま言った。

 「そうそう、あなたのシルフィードは」

 キュルケはその意をくんで、すばやく訂正した。

 「ハルケギニアの、魔法使いってすごいんだね……」

 はるか向こうの空や山を見ながら、エリーはつぶやいた。

 「こんなすごいドラゴンを、使い魔にしちゃうなんて……」

 「でしょう?」

 キュルケは自慢げに微笑む。

 「でも、みんながみんなこんな幻獣を呼べるわけじゃあないわ。メイジの実力を見るなら、使い魔を見ろって言うように、それだけタバサがすごいってこと」

 「……」

 タバサは何を言わない。が、一見無表情のその顔には、わずかに感情の揺らぎがある。キュルケには、それが“照れ”であることがわかった。

 「うふ」

 クールな親友の反応に、キュルケは嬉しげに目を細める。

 「私、最初シルフィードを見た時、ちょっと怖かったんです……。ドラゴンだし」

 「ふーん。あなたの国……シグザールのドラゴンはそんなに凶暴なの?」

 「私も、話で聞いたことしかないですけど。でも、ほんの数年前までヴィラント山……ザールブルグからそんなに遠くない山に棲んでたそうです。ものっすごく強暴で強くて、大勢の人間が犠牲になったとか……」

 「へえ……」

 キュルケはかすかに感嘆の声をあげる。場所は変わっても、竜族の強さは凄まじいものらしい。どこへいっても、最強の種族ということか。

 「それ、どんなドラゴンだったの?」

 「何でも……赤い体をした大きな火竜だったそうです」

 「火竜」

 火を吐くドラゴン。火のメイジとしては色々と感じるところのある存在だった。
 しかし。

 「ねえ……エリー? 棲んでたって…過去形で言ったわよ? じゃあ、今その火竜は?」
600名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:53:56 ID:QHRwlMo3
おびえながら支援
601名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:54:11 ID:GAGZ5QLz
流石にID変えてまで投下は無いのでは?
支援しますよ
602名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:54:45 ID:QHRwlMo3
開幕から「サラマンダーよりはやーい」を思い出してしまった支援
603名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:55:06 ID:th7OX0tF
>>602と同じ感想持った支援
604“微熱”の使い魔9−2:2008/01/09(水) 23:55:20 ID:9n0S6KUJ
 「いません。退治されましたから」

 あっさりと、エリーは言った。それは、キュルケにしても予想できた答えではあった。しかし、ドラゴンは敵に回せば、並のメイジなんぞ相手にさえならない恐ろしい存在である。

 ――それを、退治した?

 話を聞いた限りでは、エリーの住んでいた国に、魔法使い、少なくともハルケギニアのようなメイジはいないはず。ならば、誰がどうやって、炎のドラゴンを退治した?
 キュルケの中でむくむくと好奇の炎が燃え出した。
 エリーの言う火竜が、ハルケギニアと同じものとは限らない。しかしシルフィードを見たエリーの言動から考えるに、基本的な差異はないであろう。あるとすれば、韻竜のことくらいかもしれない。

 「どんな人が?」

 「王室騎士隊長の、エンデルクって人です」

 「騎士ね……。うん?」

 騎士という言葉に納得しかけたキュルケ。だが、

 ――仮にも一国の王室直属の騎士隊長なら、スクウェア……いや、ちょっと待った。エリーの国にメイジはいないはず……。それなら、そのエンデルクという人間は……普通の、つまり平民?

 「あの、エリー、ちょっとだけ確認しておきたいんだけど……そのエンデルクって人はメイジじゃないのよね」

 「そうですよ。あ、ものすごい剣の達人だそうです」

 「それで、火竜を倒した?」

 ハルケギニアの常識では、剣は魔法と同列ではない。ことに貴族にとっては、魔法という武器を持たない者が、身を守るために磨いた牙という程度。
 シグザールの火竜が、こちらに比べて弱いのか。それとも、そのエンデルクという騎士がとんでもない化け物なのか。
 キュルケの頭に、貧弱貧弱ウリリリィィイイイィィィ!なドラゴンと、凶悪な火竜を剣のみで倒す“化け物”のイメージが浮かんだ。

 「あの、どうかしたんですか?」

 「いえ、何でもないのよー。おほほほ……」

 不思議そうなエリーに、キュルケはあわてて笑顔を作った。

 ――考えてみたって、始まらないか……。

 実際に、その火竜やエンデルクを見れば話は早いのだろうが、それは無理な相談である。

 「見つけた」

 タバサが言った。同時に、シルフィードがきゅいと鳴く。

 「え、ルイズ? どこに?」

 キュルケが下を見ると、人を乗せた二頭の馬が道を走っている姿が。そのうち一頭はどうにも動きが良くない。よく訓練されている馬のおかげでどうにかなっているようだが、明らかに下手くそだ。
 ルイズと、才人。

 「馬にも、バカにされてるわね、あれは……」

 才人の“お見事”な乗馬を見ながら、キュルケは苦笑する。

 「どうやら、城下町にいくみたいね」

 馬の走る方向、その先に見える街を見ながら、キュルケはつぶやく。

 「あの使い魔くんに、プレゼントでもしようっていうのかしら……」
605名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:55:50 ID:C92XIusi
支援
>>597
プロットちゃんと書いて、最低三回は推敲しとけばどんなに悪くともみれる代物にはなる
才能や経験より手間と熱意だよ
わかんないところや専門外のところはちゃんと調べるか思い切って省略しちゃうこと
606名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:56:09 ID:uD8tIGlL
よかった!恐怖に耐えてよかった支援
607“微熱”の使い魔9−3:2008/01/09(水) 23:57:10 ID:9n0S6KUJ
 「人が多いですねえ……」

 街を見回しながら、エリーはつぶやく。

 「そりゃあ仮にも、城下町だからね」

 「うーん。それだけじゃなくて……」

 キュルケの言葉にうなずきながらも、エリーは何かを考えている。

 「その、何かせかせかしてるっていうか……」

 それは、ここがせわしないというより、ザールブルグがのんびりしているということなのだが、エリーにはそれはわからない。あるいはここにきて、初めてわかったことかもしれない。

 「最近物騒だからねえ……みんなピリピリしてるのかもしれないわ。土くれのフーケの噂もあるし」

 「“つちくれ”? 何ですか、それ?」

 「最近あちこちで暴れてる泥棒よ。正体は不明。ま、メイジらしいってことは確かみたいだけど」

 と、キュルケはどこかわくわくしたように言っている。

 「メイジって、貴族の人が泥棒するんですか?」

 「メイジの全部が貴族ってわけじゃあないわ。中には家が没落したり、勘当されたりで身を落とすやつもけっこーいるの」

 「厳しいんですね、ここも……」

 「まーね。っと、それよりも、ルイズは……」

 「あそこ」

 タバサが小さく顎をしゃくった。その先には、ピンクの頭と、それについていく黒い髪。
 才人はあちこち見回しながら、アレは何だ、コレは何だといっている。エリー以上に“田舎者”丸出しである。

 「何をやっているんだか」

 「買い物でもするんですかね? どこ行くんだろう?」

 エリーがつぶやいた途端、

 「ちゅうか剣屋はどこだよ」

 才人が大声で言った。

 「へえ、ルイズったら、使い魔くんに剣をプレゼントするつもりらしいわ」

 キュルケは面白そうに言った。
 エリーも何となく二人の後姿を見ていたが、

 「あ」

 路地裏のほうをちょこちょこと動く影を見て、そちらを振り向いた。

 「今のは――」

 一瞬見えたその影は、エリーのよく見知っているものと、酷似していた。
 気がついた時には、エリーは影を追って走り出していた。初めてきたばかりの街を一心不乱に。
608“微熱”の使い魔9−4:2008/01/09(水) 23:58:37 ID:9n0S6KUJ
 「ちょっと、エリー!? どこへいくの!? ダメよ、一人で!!」

 キュルケもあわてて、それを追う。タバサも本を閉じて続いた。
 路地裏を駆け、ゴミ箱を飛び越えて、全力疾走。その果てに、エリーはついに影に追いついた。

 「見つけた……!」

 エリーの叫びに、影はびくりとして立ち止まり、振り返った。

 「やっぱり……そうだ」

 “影”を見つめながら、エリーはふるふると震えだす。

 「はぁはぁ……エリー、どうしたの、急、に……!?」

 「……!」

 追いついてきたキュルケとタバサも、“影”を見て立ち止まった。

 「こども?」

 キュルケのつぶやき。それは“影”の姿を実に的確に表現している。
 不思議な形をした緑の帽子と服。それを着込んだ子供。それが“影”の容姿。が、何か、どこかおかしい。

 「サイズが変」

 タバサの言うとおり、それは人間の子供のようではあるが、その見かけ上の年齢に対して、背丈があまりにも小さすぎる。子供というよりも、小人だ。

 「やっぱり、妖精さんだあ」

 エリーはしゃがみこんでその小さな相手を見つめ、笑顔を浮かべた。

 「妖精?」

 キュルケも改めて小人を見る。そういえば、何か不思議な魔力?のようなものを感じなくもないが。

 「そんなものが、ここらにいたの? 精霊じゃなくて? いや、それでもおかしいけど」

 「精霊に近い。でも、ランクは多分もっと下」

 キュルケの疑問に答えるように、タバサがつぶやいた。

 「“隠れて”走ってたのに……。人間に僕らが見つかって、こんなに簡単に追いつかれるなんて……」

 緑服の妖精は、驚いた顔でエリーたちを見上げている。

 「あ、はじめまして。私はエリー。あなたは、妖精さんだよね?」

 「そう、僕は妖精のポポル。お姉さんたちは、どうして……ああ、そっか」

 緑妖精は不思議そうな顔をしていたが、エリーの腕を見て、納得したようにうなずいた。
 キュルケは何事かとエリーの腕を見る。そこには、古い腕輪が光っていた。それは、エリーが“召喚”された時からすでに身につけていたものだ。

 ――あれが、何か特別なものだっていうの?

 気がつくと、タバサも興味深げに、妖精、そしてエリーの腕輪を見ていた。

 「その腕輪をつけてるってことは、その“資格”のある人ってことだね」
609名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 23:58:51 ID:th7OX0tF
迷子フラグ? 支援
610“微熱”の使い魔9−5:2008/01/10(木) 00:00:06 ID:9n0S6KUJ
 資格? と、キュルケは首をひねる。
 それは一体何なのだろう。妖精を見る、あるいは見つけることのできる、という意味だろうか。

 「それじゃあ、今度からお姉さんのところにもいくね」

 「いくって、妖精の森にいけるんじゃないの?」

 エリーが言う。妖精の森。またファンタジーな言葉が出てきた。

 「森に来る? これないこともないけど……まわりは人間にはものすごく危険なところもあるから、ちょっと無理だと思うけど」

 「……そっか、ザールブルグとは違うんだ」

 エリーはつぶやいた。少しだけ寂しそうな顔で。

 「――で、いいの?」

 タバサが言う。

 「え、なにが……って、そうそうゼロのルイズのこと忘れてたわね…………うーーん」

 キュルケは考えながら頭をかく。

 「まあルイズのことはとりあえずいいわ。子供じゃないんだし」

 「……そいじゃお姉さん、またねー」

 そうこうするうちに、ポポルは手を振って駆けて行ってしまった。

 「……良かったの?」

 キュルケはエリーに言った。

 「ええ。こっちにも妖精がいるんだって知って、ちょっと安心しちゃった……」

 「私としては、面白いものに会えたし、いいんだけどね」

 キュルケは苦笑いを浮かべる。

 「せっかく街にきたんだし、お茶でもしていきましょうか?」

 「……気まぐれ」

 そう言いながら、タバサは妖精の駆けていったほうを見ている。よほど興味を引かれたのか。

 「お茶のついでに、色々見ていきましょう。あなたに必要な道具や薬も見つかるかもしれないし」

 キュルケはエリーの腕を引っ張って、表通りに向かって歩き出す。

 「あ……はい」

 少しぼうっとしていたエリーは、うなずきながらそれに従う。
 タバサはそんな二人にため息をついてから、もう一度妖精の去ったほうを振り向いた。

 ――妖精……。何かわかるかもしれない。

 青い髪の少女の頭に、ある女性の姿が思い浮かぶ。
 人には難しいことも、精霊に連なるものであるなら、解決する術を持っているかもしれない。
 タバサはキュルケに呼ばれるまで、じっとその場に立ち尽くしていた。
611名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:01:10 ID:iFD1pyp/
支援
612“微熱”の使い魔9−6:2008/01/10(木) 00:01:19 ID:9n0S6KUJ
 で、結局。

 「うーん、これなんかいいんじゃない?」

 「あの……ちょっとハデなんじゃあ……」

 三人は服屋であれこれ物色をすることになった。もっというなら、エリーがキュルケの着せ替え人形みたくなっていた。タバサは我関せずでこんな場所でさえ本を読んでいる。

 「あら、これくらい。平民の女の子だって着てるわよ」

 「でも、ちょっと露出が多いような……」

 「そう? じゃあ、こっちは? このシックな感じなら、エリーにも」

 「へえ……素敵かも……。え、エキュー? 金貨で……枚? ひいい!」

 高すぎる、とエリーは悲鳴を上げた。

 「大丈夫よ、これくらい。私のポケットマネーでどうとでもなるから」

 「いや、でも…こんなに……」

 キュルケの選ぶ服はいずれも、派手ではあるが趣味のいいものばかり。しかし値段のほうも、エリーの感覚からすれば、洒落にならないものばかりだった。
 エリーとて、年頃の少女である。おしゃれにまるで興味がないわけではない。だが、“優先順位”では常に錬金術が上位にある。錬金術の中では、貴金属や装飾品を作るものもあるが、それらはあくまで研究の過程、研究成果として価値があるのだ。
 別の場合でも、あくまで“商品”としての価値であり、自分が着飾るという発想はなかった。

 「あの、やっぱり、こういう高いのは……それよりも、もうちょっとこう汚れても困らないようなやつとかが欲しいんですけど」

 「そーお?」

 キュルケはちょっと不満そうだったが、すぐに納得したらしく、

 「じゃあ、それはそれで買うとして……普段着や余所行きの服ってことで」

 もう少し庶民向けの服から何着か選び出してきた。
 エリーはキュルケの押しの強さに、少し引き気味になってしまう。
 そこに。

 「もう、冗談じゃないわよ、あの親父ッ!!」

 店の前を、文句を言いながら一人の少女が通り過ぎた。その横には、疲れたような顔の少年。

 「あれ、サイト?」

 エリーはつぶやく。

 「サイト? 使い魔くん?」

 エリーの言葉に反応し、キュルケも店の外を見る。
 ぷりぷりと機嫌の悪いルイズと、面倒くせえなあ、という顔の才人が歩いていた。

 「っと……いけない、いけない。通り過ぎるところだったわ。サイト、こっちよ」

 ルイズはちょっとあわてたように引き返し、エリーたちのいる服屋に入ってきた。

 「男ものの服がほしいんだけど。これにあうのを見繕ってちょうだい」

 ルイズは親指で才人を指しながら、店員に言った。
613名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:01:42 ID:ulm10gM/
いや、お手伝いさんの妖精ゲットフラグだろ支援
614名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:01:43 ID:GAGZ5QLz
支援中
615名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:01:57 ID:m+sbFa+W
支援とともに投下予約
616名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:02:33 ID:Lux1u4AI
魔法学院を妖精さん養成学校にするつもりか支援w
617“微熱”の使い魔9−7:2008/01/10(木) 00:02:38 ID:9n0S6KUJ
 「あら、ルイズ? 素敵なハニーに服のプレゼントかしら?」

 キュルケはにんまり笑いながら、エリーに呼びかけた。

 「え? えええ?!? ちょっと、何であんたらはここに!?」

 「あら、私はエリーと一緒に服を買いに着ただけよ? それとも、私たちがここにいちゃまずい理由でも?」

 「ジョーダンじゃないわよ! ただでさえ気分悪いのに、何でツェルプストーと……!」

 「……よう、エリーも買い物?」

 フンガーフンガーとやかましい“主人”にかまうことなく、エリーを見た才人はちょっと照れくさそうにたずねる。

 「ま、まあ、そうかな? サイトも?」

 こっそり尾行してきたというのがあるだけに、エリーはちょっとたどたどしい態度。しかし、サイトはそれに気づいた様子もない。

 「ああ、まあな? うちの“ご主人様”が剣を買ってくれるつうから……。でも、買えなかったけどな」

 「なんで? いいのなかったの?」

 「まあ、なんつうかなあ…。剣ってけっこう高いもんらしくってさ。まともな大剣なら、最低でも二百とか、そんなんだと」

 「大剣?」

 エリーは一瞬きょとんとする。どう見ても筋骨隆々とはいえない才人の体格からは、そんな重量のある武器を選ぶとは予想できなかったのだ。

 「で、結局適当なのがなくて、親父に悪態ついて店出ることになったんだよ。で、代わりに、服でも買ってやるって……」

 「ふーん。でも、そのほうが良かったかも。サイトの服、ここじゃちょっと目立ちすぎるもの。私も人のことは言えないけど」

 「そうかもな」

 才人は自分の服を見下ろしながら苦笑する。

 「ちょっと、いつまでもツェルプストーの使い魔としゃべってるんじゃないわよ!! 他の店に行くわよ、他の店に!」

 ルイズが才人の首根っこをつかんだ。

 「うあっと…! じゃ、じゃあなエリー……おい、引っ張るなよ!?」

 「うっさいうっさい! いいことサイト!? あんた、ツェルプストーの使い魔と口きくの禁止!! 絶対!!」

 「な、何だよ、それ。横暴だぞ!!?」

 「そうよ、エリー? そういう野暮はよろしくないんじゃなくて」

 にやにやとしたキュルケが口をはさむ。

 「うるさい、うるさーーい!!」

 ルイズが大声で叫びながら、飛び出すように店を出て行った。才人を引きずって。

 「……相変わらず、すごいなあ……」

 「というか、まわりに迷惑」

 半ば呆然とするエリーに後ろで、タバサがつぶやいた。
618名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:02:40 ID:cc0SQeSt
>>565
ビッチルイズうぜー
619“微熱”の使い魔:2008/01/10(木) 00:03:50 ID:9n0S6KUJ
今回分はコレにて終了です
支援のかたがたに感謝いたします
ありがとうございました
620名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:04:25 ID:eNwg3MQK
支援
621名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:06:41 ID:e11GZHoy
>>619
投下乙です
622名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:06:46 ID:xl1ZGQMb
GJ!!
しかし、色々とフラグが立ってきましたな
そしてデルフは何処にww
623名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:07:01 ID:Z+sEsxJc
エリーとサイトをどうしても比較してしまう。
なんと言うか、余裕が感じられないのがこのルイズの持ち味なんだと納得できた。
624名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:08:41 ID:Z1cZk+/3
ちょっ デルフどこいったのーーーー
625名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:08:51 ID:+icGyz/+
……で、デルフがもしかして?
いや、これは出待ちに違いない
一番いいところで颯爽と現れるはずだ
とりあえず期待しておく!


>>597
本人かよw
まあ、ディーターはもともと本編に直接絡むキャラじゃなかったしな
サイトが主人公でもいいんじゃないかな
問題は、それによってディーターの魅力がちゃんと描けるかどうか、だろ
626名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:10:32 ID:0gHt1VVa
シア様がハタキでシバき殺したんじゃないんだなw>火竜
627名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:10:38 ID:uBEI7/5A
妖精さんがどうなるかわくわくだぜ


>>605
サンクス。
もっと頑張ってみるぜ

>>625
目から鱗落ちた。
じゃあサイトナムにサイト乗せる計画進めるわ
628名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:13:54 ID:Lux1u4AI
デルフはガルダナイトになりました。

>>626
マリー+の伝説の二人エンドは激しくワロタw
629つかいま:2008/01/10(木) 00:16:38 ID:nH/BXIol
乙あるよー。作品によってデルフの出し方もいろいろあるな。
それではお客さん、第七話できたある。10分待ってから投下する、よろしか?
630名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:18:18 ID:uBEI7/5A
>>629
よろしね!
631つかいま:2008/01/10(木) 00:18:23 ID:nH/BXIol
ああ、ID変わってたね。わたし>>615あるよ。
632名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:18:25 ID:pZ13QDB0
支援
633名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:18:52 ID:KUtx3ItM
ゼロのぽややん書いてた人ってまだ続きかいてるのかなぁ・・・
634名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:23:41 ID:x48Wbbed
>>628
まぁ、最高級インゴットとして評価されるなら本望じゃね?w

従属効果:魔法無効とか
635名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:24:12 ID:BvHal0mA
支援
636名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:26:27 ID:6o+T8nwB
微熱のデルフは、学院の宝物庫にあるのかもしれないね。

あと、エリー自作の武器でサイトが頑張るのも良いかも。
(その場合、どうみてもエリーフラグだが)
637つかいま1/2 第七話 土くれを捜せ 1/5:2008/01/10(木) 00:27:08 ID:nH/BXIol
あいやー、1週間ぶりに投下開始!


魔法学院の秘宝、『魔剣デルフリンガー』を盗んだ怪盗・フーケ捜索のため、聞き込みに出たらんま一行。
学院周辺からトリスタニアまで足を伸ばし、シルフィードを飛ばして情報を収集する。
そして、2日目の夜。宿のテーブルで付近の地図を広げ、集めた情報を整理する。

「……どうやら、犯行のあった箇所を調べていくと、この山地を中心にしているようですね。
 この近くで怪しい人影を見たという噂もあるようですし」
「神出鬼没とは言っても、アジトはないと活動できねぇしな」
「ええ。この山地は、岩山と洞窟ばかりの荒地。土メイジのアジトには相応しいかと」
「そこを調べて、盗品が見つかれば……!」

意気込むルイズに対し、キュルケは冷静だ。二つ名が『微熱』のくせに。
「けどさあ、フーケは土のトライアングルメイジよ?
 ミス・ロングビルは土のラインだけど、トライアングルともなれば、30メイルもの巨大ゴーレムを操るレベル。
 生半な戦力じゃあ、返り討ちに遭うだけじゃ……」

30メイル(メートル)ぅ? ゴジラやウルトラマンよりゃ小さいが、ビルが襲って来るよーなもんだな。
ギーシュの悪キュウリとは大違いだぜ。

「でもよー、操ってるフーケ自身を倒せばいいんだろ?
 格闘なら俺がいるし、火のトライアングルも風のトライアングルもいるし、何とかなるって」
「そーよね、この『微熱』のキュルケが土くれなんかに負けるもんですか!
 正体は泥臭い野蛮人か、嫁き遅れのおばんに違いないわ、そんな奴!
 おーーーーっほっほっほっ、見てらっしゃい!!」

キュルケの高笑いに、ロングビルさんが『ぴき』と額に血管を浮かばせた。
この世界での23歳とは、充分年増の域らしい。

「……つっても、流石に広すぎるよなぁ。何か手がかりがもう少しねーかな。
 魔法での盗品の探索ってのは、できたらやってるだろーし」
「ええ、噂では、フーケは盗品に『魔封じの札』を貼り、魔法による探知を免れているそうです。
 最初の頃フーケの被害にあった貴族の屋敷から、それが盗まれていたとか」
「じゃあ、フーケも自分にそれを貼っているのかも知れないわね……」

ん、待てよ。こういうのにうってつけの人材、いや獣材がいるじゃねえかよ。
「なあルイズ、財宝捜しに、ギーシュのヴェルダンデを連れてくるか? 主人はともかく、使い魔は優秀なんだろ」
「それも考えたけど、あの変態を連れてくるのは勘弁して欲しいわ」
「まぁ、そうか……あいつに手柄を譲るのも、シャクだもんな」
638つかいま1/2 第七話 土くれを捜せ 2/5:2008/01/10(木) 00:29:38 ID:nH/BXIol
かくして、捜索3日目。一行はシルフィードに乗り、件の山地へ向かう。
ごつごつした岩肌と自然の洞窟。なるほど、『土くれ』のアジトらしい雰囲気だ。

「とにかく、手分けしてその辺の洞窟を捜しましょう。一時間ぐらいしたら、一旦ここに集合ということで」
「そうね。あまり離れない方がいいかも知れないわ。……ランマは、私を守りなさい」
「怖がりなご主人様だぜ。いいよ、使い魔の俺が守ってやらー」
主従二人の様子に、キュルケが微笑んだ。
「じゃあ私、タバサ、ミス・ロングビルは別々になりましょうか。
 タイマツを出して、火を点けてあげるから」

ルイズとらんまは、手を繋いで近くの洞窟に入り込む。
「……暗いし、寒いわ……フーケの罠があるかも……」
「手を離すなよ、ルイズ。何か出たら、この鉄の棍棒で叩きのめしてやっから。
 ……おし、足跡があるぜ! これをたどって行けばいいだろ」

二人が足跡をたどって行くと、やがて洞窟の行き止まりに着いた。
「あれ? おっかしーな…… のわっ!?」

ぽーん、とらんまの頭上でクス玉が開き、紙吹雪と砂が降り注いで垂れ幕が下りた。

「……『ハズレ』だって、ランマ。これでフーケがいるらしい事は分かったけど、
 よく考えたら土メイジなんだから、足跡ぐらい自由自在よね」
「っっちくしょお〜〜、バカにしやがってえ〜〜っ」

この程度の罠ですんで、幸運だったと思えってのか?
殺そうと思えば殺せた、とか思ってるんだろ?
フーケの野郎、早乙女乱馬をなめんじゃねえぞっ。ぜってー捕まえてやるっ。

ふふふふふ、と笑いながら、復讐に燃えるらんまであった。子供か。
639名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:30:57 ID:Lux1u4AI
悪胡瓜支援
640つかいま1/2 第七話 土くれを捜せ 3/5:2008/01/10(木) 00:31:47 ID:nH/BXIol
確かにフーケのアジトはあるようなのだが、なかなか本物が見つからない。
四人は合流して、同じ洞窟を捜すことにする。

落とし穴が多数ある洞窟、開けた宝箱が爆発して砂を撒き散らす洞窟、
温泉が急流のように通っている洞窟、井戸の底から幽霊が出る洞窟。
もういくつの洞窟を探索したのだろう、そろそろ日が暮れてきた。やっぱりヴェルダンデを連れてくるべきだったか。

「ぜいぜいぜい、どこまでも人をおちょくりやがって、フーケのやろお〜〜っ」
「タバサが幽霊を見て気絶しちゃったわ。ひとまず外へ出て、合流しましょうよ」
「おー、キュルケ。ルイズもだぜ。……ん、ロングビルさんは?」
「こっちの分岐点で、彼女は向こうへ行ったんだけど……」

天井が高く細長い、やや下り坂になった狭い道だ。突如、背後でゴトンという音がする。
振り向けば、道をゴロンゴロンゴロンと巨大な石の円盤が転がってくる!
咄嗟にロングビルの入った道へ飛び込むが、円盤は更に追いかけてきた。

「どっひゃーーーっ!? キュルケ、はっ、早くロングビルさんを追うんだっ!
 道幅いっぱいの上に勢いがつき過ぎてて、俺でも止められねーぞ!!」
「ままま待ってランマちゃん! 置いていかないで!!」
二人はルイズとタバサを各々背負い、全力でロングビルの進んだ道を駆け抜けた。

「で、出口だ! 文字通り光が差してるぜ、助かったっ!」
らんまとキュルケが外に飛び出し、素早く横に逃げて石の円盤をやり過ごす。
円盤はドシンと向こうの壁に激突し、めりこんで止まった。

「はあああ、危なかった〜〜。死ぬかと思ったぜ、こんちきしょう。
 ……って、ここは岩山の谷間か? 確かに上から光は差し込んでいるけど、出口って雰囲気じゃねえなぁ」
「そうね。この崖の高さ、50メイルはありそうよ。上からも狭くて出入りできそうにないし」

幅は10メイルほどか。かなり細長いが、ならせば面積は校庭ぐらいありそうな、回廊状の空間だ。
上からの光と雨で、地面には案外草花が繁茂している。
そして、崖を刳り貫いて、結構立派な人工の建造物がある。その前に若い女がいた。

「あら、皆さんお揃いで」
「ああっ、ミス・ロングビル! やっと会えたわ、探したのよ!」
641つかいま1/2 第七話 土くれを捜せ 4/5:2008/01/10(木) 00:34:14 ID:nH/BXIol
「無事でよかったぜロングビルさん。この崖を刳り貫いたよーな建物はなんだ?
 ……はっ、そうか、ここがフーケのアジトか!!」
「やったわ、お手柄ねミス・ロングビル!」

ロングビルに駆け寄る二人の足元が、ずぼっと崩れて落ちる。
「でえっ!?」「きゃあ?!」
泥だ。地面が泥のようになって、二人、いや四人を腰まで飲み込んでしまった!

くくくくくくっ、とロングビルが嘲笑った。手にはメイジの杖と、水晶球を持っている。
「馬鹿な小娘どもだねぇ、私が『土くれ』のフーケさ。
 ようこそ私の秘密基地へ。なかなか面白い見世物だったよ、あんた達の慌てぶりはね」
ロングビル改めフーケの掌の中の水晶球に、らんま一行のこれまでの苦労が映し出される。

らんまの怒りは、心頭に達した。素早く棍棒を旋回させ、跳躍してルイズごと泥から抜け出す。
「っってえめええ、人をさんざんおちょくりやがって!
 とうとう追い詰めたぞ、ここでぶっ飛ばしてやらあ!!」

「やってごらん!!!」

後ろの崖からゴゴゴッと身長30メイルもの『岩のゴーレム』が現れ、らんまたちを踏み潰しにかかる!

「こっ、こんなデカブツ、こんな狭いところで動かすなよなっ!」
「私は土メイジだからねぇ、ゴーレムの中に潜らせてもらうよ。あんた達は潰れっちまいなああ!!」
「ら、ランマちゃん、私とタバサも助けて!!」

巨大ゴーレムの中に隠れたフーケ、気絶したルイズとタバサ、泥の中のキュルケ。
立ち向かうらんまは鉄の棍棒1本。その頭上から降り注ぐ岩石と土砂。絶体絶命のピンチだ!
642つかいま1/2 第七話 土くれを捜せ 5/5:2008/01/10(木) 00:36:38 ID:nH/BXIol
しかし、迫り来るゴーレムの右足が突然、爆発した。ルイズの放った爆発魔法ではない、『内側』からだ。
ガラガラと岩が崩れ落ち、ゴーレムはバランスを崩して崖に寄りかかった。
その足の中から現れたのは、一人の男であった。

「………ここは、どこだ?」

黒髪に八重歯、黒いプリント入りの黄色いバンダナ、背中のリュックサックと赤い番傘。
らんまは思わず固まる。今のは土木技『爆砕点穴』!
そしてこいつは、見忘れようもねえ、この男はっ!!

「りょ、りょ、りょ、良牙!!!?」

………おい、冗談だろ。助かったのはいいが、マジかよ?
あの野郎、『響良牙』の方向音痴は、異世界に迷い込むほど酷えのか?

「ら、乱馬!? きさま、天道家から失踪したんじゃなかったのか?
 こんなところで何を「そりゃこっちのセリフだっっ!! なんでおめーまでこっちに来てんだよっっ!!」

良牙は眼をぱちくりさせる。
「こっち? 何だか知らねえが、取り込み中のようだな。この動く石像をぶっ壊しゃあいいのか?」
「そ、そうだ! さっきの要領で、粉々にしちまってくれっ!」
「よおし、喰らえ妖怪変化、『爆砕点穴』!!」

良牙が人差し指をゴーレムに突き立てると、ゴーレムを構成する岩石が次々に爆発していく。
無生物の『破孔(ツボ)』を突いて爆砕する、中国の土木作業者によって生み出された奥義だ。

「よおおーーし、って、どわああああああああ!? しまったあああ!!」
ゴーレムはガラガラガラガラと崩れ落ち、谷間は土砂で埋まってしまう。
間一髪、らんまはルイズとキュルケとタバサを背負い、頑丈な建物の中へ避難した。
良牙は無傷で、ぼこっと土砂の上に顔を出す。
「おーーーーーい、乱馬、どこに埋まったーーーっ!」

「……お・め・え・なあ〜〜〜〜……」
らんまは建物の中で、精神的・肉体的疲労によりぐったりしていた。

(続く)
643つかいま:2008/01/10(木) 00:38:28 ID:nH/BXIol
投下終了ある。
愉快な仲間が増えてしまて、一体どうなることあるか?
次回をお楽しみに、再見!
644名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:39:56 ID:uBEI7/5A
方向音痴って凄いんだなぁ……w

乙!!
645名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:41:03 ID:Lux1u4AI
さすが極度の方向音痴w
GJでした。
646名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:41:17 ID:8hP7lZmm
そうかあ、良牙ってナチュラルに異世界に出たり入ったりしてるから
どんな短い距離でも迷うんだw
647名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:42:10 ID:+icGyz/+
まあ方向音痴じゃ仕方ないよなw
648名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:43:30 ID:Z1cZk+/3
まぁ、方向音痴だしなぁ
649名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:45:42 ID:3B1r/nmA
良牙だと何でも方向音痴で済ませられるw
650名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:46:16 ID:QiuiFLkn
欄間の正体がバレる日も近い
651名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:50:29 ID:f+0gkTe9
>>647-649
なんでおまいら納得してるんだよw
多分、天道道場に良牙が戻れたとしても来た道辿れないんだろうなぁ
652名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:50:36 ID:FAo7Fwdg
爆砕点穴って人にきかないだけで実はすごいんじゃないか、と改めて思い知ったと言うか
653名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:51:25 ID:8hP7lZmm
>>652
実はアルビオンも一発で落ちるんだぜ(大嘘
654名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 00:53:45 ID:pMBlprmX
>>653
ひょっとして本当に落ちないか?
655名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 01:04:40 ID:KEKBUvo9
>>653
嘘からでた実になりそうだから困るwww
65698-626 ◆99aL9b0qn. :2008/01/10(木) 01:07:08 ID:ETi5fRbs
ゼロの斬鉄剣 6話投下しますがOKでしょうか?
657名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 01:10:07 ID:iFD1pyp/
>652
少なくとも、ウマなみモグラに穴をあけられるんだからだから出来ても俺は驚かない。

(ただ、やるなら三日ぐらいかかって疲労困憊して欲しいが)
658名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 01:10:23 ID:/xDwJ9+m
それは一向にかまわんが98-626って一体何?
659名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 01:11:15 ID:iFD1pyp/
>斬鉄剣
大丈夫なはず、いったれ!
660名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 01:11:53 ID:074JUTEz
>>656
ペース速えええ
むりしないでくれよ
661名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 01:12:29 ID:7l7jZP6N
初回投稿時のスレ番号とレス番号だろう
パート98の626から続いてますという
662名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 01:12:48 ID:f+0gkTe9
支援
66398-626 ◆99aL9b0qn. :2008/01/10(木) 01:12:54 ID:ETi5fRbs
>>658
part98の626番目のカキコって意味です
とりあえずとってつけただけなんで気にしないでww

投下します
664ゼロの斬鉄剣 6話 (1):2008/01/10(木) 01:14:15 ID:ETi5fRbs
ゼロの斬鉄剣 6話  ―魔剣デルフリンガー―

五ェ門がルイズに召還されてからはや3週間たった夜の事

「ねぇ、ゴエモン。」
部屋の隅で瞑想をしていた五ェ門に声をかけるルイズ。
「あんた、いっつもその服だけど替えの服はないの?」
すこし顔を顰める五ェ門
「あいにくだがこれが拙者の一張羅。」
「あ!そうか。」
自分が召還したときに五ェ門が持っていたのは斬鉄剣ぐらいであったので
愚問といえよう
「そうね、明日は休日だしゴエモンの服を買いに行きましょうか!」
「拙者の着物を?」
ふふん、とルイズは鼻をならす

「あたしはこう見えても公爵家の出よ?使い魔の服を買うくらい楽勝よ!」
それに、とルイズ
「ゴエモンもこの国に来てから遠出はしてないでしょ?だから一緒にいきましょ。」
ふむ、とうなずく五ェ門
「かたじけない、一つ宜しく頼む。」
五ェ門がそう礼を述べるとルイズはニンマリと笑いながらベッドにもぐりこんだ
こうして次の日は城下町に行くことになったのだ。

チュン・チュン・・・・
五ェ門はいつもの時間に目をさましたが・・・
「あら、おはようゴエモン。遅かったわね。」
不覚にも寝過ごしたかと太陽をみるもまだ顔をだしたばかりといったところだ。
「む、ずいぶん早い目覚めだな、ルイズ。」
まあね、と笑うルイズ
「ここから城下町まで馬でも3時間はかかるのよ、早めにでないとね。」
なるほど、納得するゴエモン
「それに今日は久しぶりに人とでかけるから・・・(ボソ)」
665名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 01:14:54 ID:nH/BXIol
支援あるね
666ゼロの斬鉄剣 6話 (2):2008/01/10(木) 01:17:01 ID:ETi5fRbs
「どうかしたのか?」
「う、うるさいわね!いいからさっさと行くわよ!」
やれやれ、元気のいいことだと思う五ェ門であった。

「これが今日乗っていく馬よ!」
そう紹介されたのは見事な風貌の馬だった。
「ほう、見事な馬だな。毛艶もいい。」
えへん、となぜか自慢げな態度で五ェ門に説明する。
「きょうはこの学院でも指折りの馬を借りることができたのよ!」
自分の馬ではないはずなのだが、思ったより立派な馬を借りることが出来てずいぶんご満悦なルイズ
しかし―
「ブルルルヒィーーーーーン!」
とたんに暴れだすルイズの馬
「な!なんなのよ、落ち着きなさいよ!」
なるほど、と五ェ門。
どうやら学園でも指折りの気性の荒い馬を借りてきたらしいー
五ェ門はルイズから手綱を取り上げる

「どうどうどう・・・」
暴れていた馬も五ェ門が手綱を取るとみるみる大人しくなる。
「ちょっとどう言う事よ!なんであたしの言うことよりゴエモンの言うことを聞くのかしら!?」
かなり不機嫌になるルイズ
「馬はなかなか賢い生き物だ、自分に合った乗り手でなければたいていこうなる物だ。」
ぶー、と膨れるルイズ
「馬の癖にあたしを馬鹿にして!」
ハハハ、と笑う五ェ門
「馬鹿にしてるというより、ルイズの場合は殺気がでているから馬が怯えたのだろう。」
あたしのどこが殺気でてるのかしらと不満げだが
「わ、わかったわよぅ。」
大人しくなったルイズを見て馬が頬ずりする。
「ちょ、きゃ!」
馬がルイズぺろぺろ舐めだす
「だいぶ気に入られたようだな、これを機にもっとお淑やかにすることだ。」
「ブルルヒヒン!」
五ェ門が笑い出すと馬も笑い出した。
「んもう!余計なお世話よ!さ、はやくいきましょ!」
667ゼロの斬鉄剣 6話 (3):2008/01/10(木) 01:18:49 ID:ETi5fRbs
「では拙者が手綱を、ルイズは道案内をしてくれ。」
むすっとしたがしぶしぶ了解するルイズ
「うう、わかったわよ。ところでゴエモンは馬にのったことがあるんだ?」
「無論、では行くぞ!」
ルイズが五ェ門の腰にしがみつくと馬は走り出した

「・・・あの生意気な貴族には特に気の荒い奴を当てたつもりだが、やるじゃねぇか。」
影から見ていた学院付きの厩務員がおもわず漏らすのであった。

その日キュルケが起きたのは外で馬の足音が聞こえてきた時だった
「ん〜、朝から騒がしいわね・・・あら?ルイズとダーリンじゃないの!」
門をくぐる姿をキュルケは見ていた。
「方角は城下町かしら、こうしちゃいられないわ!」
ドンドンドン!
キュルケが叩いたのはタバサの部屋
朝起きてすぐドアを叩かれたためびっくりするタバサ。
「・・・なに?」
ボソリといったつもりだが聞こえたのかキュルケは
「タバサ〜、ちょっとあけて〜」
しぶしぶとドアにアンロックの呪文をかける
「タバサ、一緒に城下町まで行かない?」
なぜ、と首をかしげるタバサ
「ダーリンとルイズが城下町へ行ったのよ!追いかけなくちゃ!」
ダーリンときいて誰?とおもうタバサ
「んもう、ゴエモンよ、ゴ・エ・モ・ン」
ピクリと反応するタバサ、しばらく考えて。

「行く。」
「そうこなくっちゃ、早速行きましょ!」
と、せかすキュルケにタバサは
「大丈夫、シルフィードなら城下町まで30分・・・」
ああ、とキュルケはうなずく
「そうだったわね、貴方の使い魔・・・風竜ですもの、すぐ追いつくわね!」
「・・・準備。」
タバサはそそくさと準備を始める
キュルケも寝巻き姿だったことを思い出し自分の部屋へ戻る
「じゃ、一時間後に出発しましょうか。」
668名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 01:19:24 ID:/xDwJ9+m
斬鉄剣+トリップの方が平常時の名乗りとして適切と思うが

で、話投下時もトリップは付ける方が名乗りの書式としては望ましいと思うぞ

支援
669名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 01:19:48 ID:ceeGsLhF
また、つまらぬものを斬ってしまった支援
670ゼロの斬鉄剣 6話 (4):2008/01/10(木) 01:21:15 ID:ETi5fRbs
2時間半後―城下町

「なかなか速い脚だ、お主は。」
「ブヒヒン!」
嬉しそうにする馬、どうやら気は荒いが脚は相当なものであるようだ
「おもったより早くこれたけど、もうにぎわっているようね。」
宮城へ続く大通りはすでに人でにぎわっていた。
馬を町の入り口にある預け場に留め置くと目的の店へ向かう
それを影からのぞく二人の影
「あら、ダーリンたちはどこへ行くのかしら?」
「・・・・」
気づかれないように後に続く二人だが五ェ門は気配で分かっていたようだ
「(なぜあとを・・?)」
さして危険ではないので捨て置く五ェ門。
「ここよ、ゴエモン。」
古臭い店だが汚くは無く、生地の種類も豊富で品揃えもよかった。
「これはようこそ、ヴァリエール様。」

気のよさそうな老女主人がルイズに声をかける
「お久しぶりマダム、今日は使い魔に服を仕立ててもらいにきたの。」
「おやまあ、そうでございましたか・・・立派な殿方ですこと。」
しげしげと眺めるマダム
「拙者、出来ればこれと同じものを仕立ててもらいたいのだが。」
ほうほう、とうなずくマダム。
「これは珍しいつくりの服ですわね。」
「出来るか?」
にっこりと笑うマダムは一言
「服を扱いかれこれ50年、まかせなさい。」
そういうとさっさと寸法を測り始めるマダム
「マダムは元・貴族、でも腕は確かよ。あたしが小さい頃からお世話になってるわ。」
ホホホと笑うマダム
「そうですよ、私はヴァリエール様のオムツも仕立てたのですから」
「ちょ、マダム!変なこと言わないで!」
「使い魔さん、服を詳しく見たいから脱いでもらえるかしら?代わりは用意するわ」
あっと思い出すルイズ
671ゼロの斬鉄剣 6話 (4):2008/01/10(木) 01:24:02 ID:ETi5fRbs
「そうよマダム、ゴエモンのサイズに合う服は無いかしら?近いうち品評会があるのよ。」
やいのやいの女性はファッションにうるさいもので最終的に決まったのは入店してから実に3時間後のことであった。
「マダム、宜しくお願いするわ。」
「またお越しくださいませ、ヴァリエール様。」
五ェ門の服が仕上がるのは10日後ということで仕上がり次第学院に送ってもらうことにして店を去る
二人

「じゃ、服も買ったけど時間があるわね。もうすこし街を見ていき・・・・」
ルイズはそこで言葉を詰まらせる
五ェ門の後ろには―
「あら、ごきげんようルイズ。奇遇ね?」
「・・・・こんにちは。」
「ちょっと、なんであんたらがいるのよ!」
あわてるルイズ
「あら、今日はただのお買い物よ?ね、タバサ」
コクリとうなずくタバサ
「ふうん、何を買いに行くのかしら?」
「あら、よろしかったら一緒に行きませんこと?」
「・・・・ゴエモンも。」
「ちょっと、かってにゴエモン連れてかないでよ!」
むくれるルイズ
「まあよいではないかルイズ、せっかくだから拙者はもう少し街を見て回りたいのだ。」
うー、とうなるルイズ
「しかたがないわね、はやくすませましょ!」
二人きりで街を見て回れると思っていたルイズはしぶしぶ了解する

キュルケ達が合流してしばらくすると、町の路地の奥からわずかながら悲鳴が聞こえてきた
「ルイズ、すまないが先に行っててくれ。」
と駆け足で声の方角へ向かう
「ちょっと、ゴエモン・・・もう!」
672ゼロの斬鉄剣 6話 (6):2008/01/10(木) 01:25:59 ID:ETi5fRbs
路地の奥には家に囲まれ、人目につかない広場があった
「オラオラ!たてよ!」
「や、やめてくれ・・・」
「うるせぇ!親分の女に手を出しやがって!」
とらわれた男女一組とそれを嬲るガラの悪い男たち
一番屈強そうな男― 親分と呼ばれている男はおもむろに
「もう、やめろ」
ピタリと子分たちが動きを止める
やっと終わったかと思った矢先
「この錆た剣でゆっくりいたぶってやんな」
下非た表情で子分に剣を渡す。
「へい、わかりやした」
「ひぃ!」
振りかぶった時
「待たれよ!」
間一髪、現れた五ェ門。
「なんだテメェは!」
ふん、と五ェ門
「弱い者を大人数でいたぶるとは、大人気ない奴らだ。」
「うるせぇ!とっとと失せろ!」
いきり立つ男たち
「それ以上やるのならば、拙者があいてをいたそう」
「生意気な、やっちまえ!」
五ェ門を間合いに捕らえたとき、男たちは勝利を確信したが
バシ!バシ!バシ!
3人がかりで飛び掛るが目にも留まらない手刀で叩き伏せる
「お主ら如き、斬鉄剣の露にすることすら憚る。」
一番デカイ男に目を向ける五ェ門
「さて、あとはお主だけだが。」
男は五ェ門の異様さに怯む
「この二人に手をださないと誓うなら見逃してやろう。」
「しゃらくせえ!」
男は五ェ門に飛び掛ったが、すばやく回り込まれ腕をキメられる
「お主のような乱暴者にこの腕はもったいないな」
ボキン!ボキン!
673名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 01:26:01 ID:iFD1pyp/
支援
674名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 01:26:14 ID:Z1cZk+/3
ルイズって乗馬スキル高かった記憶が支援
675名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 01:26:45 ID:BvHal0mA
支援
676ゼロの斬鉄剣 6話 (7):2008/01/10(木) 01:27:48 ID:ETi5fRbs
容赦なく五ェ門は男両腕を折る
「これで二度と悪さわできまい、今度からはまじめに働くことだな。」
「ひ、ヒイイイイイ!」
子分たちも打たれた箇所を折られているのか抑えながら逃げおおせる
それを見送る五ェ門は声をかけられる
「あ、ありがとうございます」
痛めつけられてた男は女とともに五ェ門に礼をする
「礼はいい。それよりもこの町からはやく出て行くことだ。」
そういわれるとそそくさと男女は去っていく

それも見送ると五ェ門はルイズたちのところへ戻ろうとするが
「まってくれ!」
五ェ門は振り返ったが誰もいない、気のせいかとおもったが
「ここだ!ここだよ兄さん!」
なんと、捨てられた剣から声が聞こえてくる
「面妖な・・・」
鞘に手をかける五ェ門
「ちがうって!兄さん、俺っちをつかってくれよ!」
しかし五ェ門は返す
「残念だが拙者にはもう斬鉄剣がある、あきらめろ。」
そういうと五ェ門は踵をかえす。
「ま、まってくれ!絶対役に立つって!そうだ!おれっち魔法を打ち消すことができるんだぜ!」
振り返る五ェ門
「ほう、それは面白い力だな。」
「だろ!俺を拾い上げてくれよ、お願いだよ!」

必死になる剣、それもそうだ。こんな人目のつきにくいところで捨てられたらガキの玩具にされるか
くず鉄拾いに拾われるかどっちかなのだから。
「その言葉信じよう、だが偽りがあれば・・・・・。」
刃を覗かせる五ェ門。
「と、とにかく手にとってみてくれよ、な?」
五ェ門が剣を手に取る
すると、左手のルーンが輝きだす
「お、おでれーた!、兄さんは使い手か!」
なんのことだと五ェ門
「いいから!俺っちは兄さんに拾われるべくして拾われたんだよ。」
ひとまず剣のいうところの「魔法を打ち消す力」について興味があったので拾うことにした。
「あ、俺の名前はデルフリンガーっていうんだ、兄さんの名前は?」
677ゼロの斬鉄剣 6話 (8):2008/01/10(木) 01:29:29 ID:ETi5fRbs
「うむ、拙者は石川五ェ門という」
「とりあえず俺の名前はデルフって呼んでくよ!」
口の軽そうな剣だとおもう五ェ門
「わかったからデルフ、少し落ち着かんか。」
しょぼくれるデルフ
「わ、わかったよ。鞘に収めてくれたら黙るから、その剣チラつかせるのは勘弁してくれ。」
「あとでお主の力、試させてもらうぞ。」
「おう、まかせてとき」
カチャン
さっさと鞘に収められるデルフであった。

「さて、もうじき日が暮れる、急がねば」

ルイズたちに合流した五ェ門
「ちょっとゴエモン、どこへいってたのよ。それになに?その剣は?」
五ェ門は喋る剣についてルイズに聞いた
「それはインテリジェンス・ソードね。」
なんだそれはという顔をする五ェ門
「魔法の力で意思を持つようになった剣のことよ、わりと沢山あるのよ。」
剣を見つめる五ェ門
「それより、ダーリン。もう夕方だけどはやく帰らないと。」
しまったという顔をするルイズ
「・・・・のってく?」
横からタバサ
「人・・・4人に馬一頭。楽勝」
「そうね、タバサの風竜がいれば学園まですぐですもの。」
馬をどうやって運ぶのだと思ったが
「(きゅい!あばれないでね!)」
馬がおびえないよう目隠しをしておいて背中にのせる
「ブヒヒン?」
ずいぶん肝の据わった馬であるが、単に間抜けであるのかもしれない

その日、五ェ門は久々に空からながめる夕日を目にするのであった。

つづく
678ゼロの斬鉄剣 ◆99aL9b0qn. :2008/01/10(木) 01:31:50 ID:ETi5fRbs
投下完了ッ!も
直したはずの文が直ってなくてすまんでした、誤字がorz
>>668
助言サンクスです
さっそくやります。
679名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 01:32:22 ID:f+0gkTe9
680名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 01:45:42 ID:BvHal0mA
はたしてデルフは斬鉄剣より活躍することができるのか
GJ
681名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 01:51:55 ID:gqmcB72P
普通に魔法も残鉄剣で切りそうだからなぁ……

「所詮魔法も発動すれば物理現象よ、ならば残鉄剣で切れぬ道理は無い!」とか言って

弱点は残鉄剣そのものに直接作用する錬金とやはり直接作用するっぽい虚無系統かな
682名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 01:54:21 ID:HtKkplis
デルフ → デザートエルフ
リンガー → ちんこ
デルフリンガー → 砂エルフのちんこ
683名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 01:54:32 ID:JO8UPyYX
斬鉄剣が折れてしまってからがスーパーデル公タイム
684名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 02:23:36 ID:VqRN3ZxA
>>681
「天地自然の物理を捻じ曲げる魔法ごとき小細工が、達人に通用すると思うたかッ!!」
こうですか?
685sage:2008/01/10(木) 02:56:03 ID:Htf2pCBx
でも、西洋剣と日本の刀じゃ扱い方は違うからなぁ。
まぁ、ルーンがあるから平気だろうが。
686名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 06:55:14 ID:zQrzYwgV
そーいや雷すら叩っ切ってた、ファーストコンタクトで
「森羅万象、斬鉄剣に切れぬ物無し」
とかいってたな
687名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 07:44:48 ID:8cZjvvbK
>雷すら叩っ切ってた
なんというワルド戦


クロスファイアネタで書いてみてるんだが、
例えダミーの杖があっても詠唱無しで炎出したら疑われるかなぁ……。
688名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 08:20:12 ID:yhLb3iVr
>>686
エンパイアステートビルの避雷針の上に立って、落ちてきた雷を真っ二つにした、アレね。
「斬鉄剣に〜」でなく「この一刀のもと〜」じゃなかったっけ?
689名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 08:26:34 ID:1NSzqv1F
ここでウルトラマグナスを召還
そして宇宙ペストにかかる

ウルトラマグナス「出て来い!!ゼロのルイズ!!」
690ゼロの大魔道士:2008/01/10(木) 08:44:04 ID:U07pqYP/
九時から投下します。
ペースあげていきたい今日この頃。
691ゼロの大魔道士(1/5):2008/01/10(木) 09:02:13 ID:U07pqYP/
「ありがとうございました!」
「よう、見てたぜポップ! 上手いことやったじゃねえか!」

すたこらさっさと厨房に戻ったポップを迎えたのは頭を下げるシエスタと上機嫌のマルトーだった。
既に食堂のほうは白けた空気が蔓延し、生徒たちは散りはじめている。
ギーシュだけは感情の向け先がないのをどうすればいいのか迷っている様子だったが
本来の最優先の目的――モンモランシーとの和解を思い出し、脱兎のごとく駆け出していた。

「見たかよあいつらのポカンとした顔! いやあ面白いもん見せてもらったぜ」

余程愉快だったのか、朗らかに笑うマルトー。
見れば周囲の料理人たちも皆一様に笑みを浮かべている。
シエスタですら身体を震わせて笑みをこらえていたりする。

(…こりゃ、よっぽど鬱憤がたまってるんだなぁ)

それを見たポップは心の中で溜息をついた。
平民と貴族。
それはポップの世界でも存在している差別だが、いかんせん根源的な事情が異なっている。
魔法を使えるか使えないか。
それだけがこの世界の人間の心を縛りつけているのだ。
確かに魔法は脅威だが、ヒュンケルやラーハルトといった化物を目にしているポップとしては彼らの心情が理解できない。
同時に、この人たちの前では魔法は使えないとも強く思う。
今こうして笑いあって話ができるのも自分が魔法の使えないただの旅人だと思われているからだ。
もしも魔法使いだと知れたら一体どういった反応が返ってくるのか…
ダイがベンガーナの市民の前で竜の騎士の力を解放したときのことを思い出す。
シエスタがギーシュに向ける視線はあの時の市民たちに近いものがあった。
自分にもあんな視線が向けられるのだろうか。

(ったく、なんとも面倒な世界に来ちまったもんだ)

それでも、ダイを見つけ出すまでは帰るわけには行かないのだ。
今の自分にできることはとにかく情報を集めること。
気を取り直したポップは仕事の続きをするべく皿へと手を伸ばした。
692ゼロの大魔道士(2/5):2008/01/10(木) 09:04:01 ID:U07pqYP/
「やれやれだ…」

一方、騒ぎには我関せずとばかりにルイズとキュルケに挟まれていたコルベール。
彼は食事の時間を終え、ようやく二人の少女から解放されていた。
今は授業の準備をするべく廊下を歩いている最中。
と、前方から一人の女性が歩いてくる。
長い髪に眼鏡をかけた知的そうな女性――コルベールの同僚であり、学園長の秘書的存在であるロングビルだった。

「あら、ミスタ・コルベール。随分お疲れのようですわね?」
「こ、これはミス・ロングビル。いやいや、お恥ずかしい…」

たはは、とつるつるの頭部を撫でさするコルベール。
実はコルベール、ロングビルのことが好きだった。
好き、といっても好意レベルの話なのでデートできたら嬉しいなーとかその程度の話である。
が、お気に入りの女性であることは変わりはない。
そんな女性から話しかけてもらったのだ、これほど嬉しいことはない。

「そういえば、聞きましたわよ? なんでもあのミス・ヴァリエールの使い魔になられたとか?」
「は、はあ…」

ぴたり、と手が止まる。
正直、あまり触れてほしくない話題だった。
いくら考え方が柔軟な部類にはいるといえども、コルベールにもメイジの誇りというものがある。
誓いを立てた以上、ルイズの使い魔になったことを悔やむ気もないし、不満をもつ気もない。
しかし他人、しかも好意を持っている女性からそのことを言及されるのは少しつらいものがある。
何せこの世界の一般常識では使い魔とはあくまでもメイジの奴隷なのだから。

「ふふ、大変でしょう?」
「まあ、確かにその通りなのですが……なんとかやっていきますよ」
「頑張ってくださいね」

照れたように笑うコルベール。
ロングビルはそんな同僚の姿に同情したのか、あるいは話題そのものに興味があまりなかったのかそれ以上言及をしなかった。
693名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 09:04:27 ID:ZyMb0g21
期待支援
694ゼロの大魔道士(3/5):2008/01/10(木) 09:05:45 ID:U07pqYP/
「そういえば…話は変わりますが」
「?」
「最近またあの盗賊が世間を賑わせているようですわね」
「盗賊というと、『土くれのフーケ』のことですかな?」
「ええ、つい先日も貴族の方が被害にあったそうですわ」

土くれのフーケ。
トリステインの中でももっとも有名な盗賊の名前である。
通り名の通り、土属性のメイジであるその盗賊は単独犯であるにもかかわらず国中の貴族の宝を盗む手だれだ。
トライアングルクラスといわれるその腕前を駆使し、神出鬼没に現れるその正体は謎に包まれている。
男か女か、歳は幾つくらいなのか、目的はなんなのか。
その全てが一切の謎とされている存在だ。

「まあ、かの盗賊が目をつけるような宝は持っていませんので私は安心ですけど」
「それは私も同じことですな。この歳で研究一筋のせいか、財産という文字とはとんと縁がない」
「しかし個人はともかくとしても、この学園は別…そうではありませんか?」
「と、いうと?」
「このトリステイン魔法学院には貴重なマジックアイテム等が収められている…違いまして?」
「まさかフーケがこの学園を標的にすると!?」
「可能性の問題ですわ。事が起きてからでは遅いですもの」

難攻不落の宝物倉ですから、そんなことはないでしょうけど。
そうクスクスと笑うロングビルだが、コルベールからすれば笑い事ではない。
宝物庫に入ったこともある彼はその中身をある程度把握している。
当然、その中にはお金に換算できないほどの貴重品やレアアイテムが存在している。
中でもとりわけ貴重といわれているのが…

「確かに…あの『杖』などが奪われた日には目も当てられませんな」
「杖、と仰いますと……『鎧の杖』でしょうか?」
「おや、既にミス・ロングビルはお知りになっていましたか」
「人の耳に戸は立てられませんもの。けれど不思議ですわね、杖なのに鎧というのはどういう意味なのでしょうか?」
「さて…私も詳しいことを知らないのでなんとも。いや、待てよ…」

ふと、コルベールは視線を左手に移す。
そこに描かれているルーンのことは既に調査済みだった。
695名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 09:06:20 ID:ZyMb0g21
大魔道支援
696名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 09:06:29 ID:+5aKoQiA
元ヘッポコ支援
697ゼロの大魔道士(4/5):2008/01/10(木) 09:07:15 ID:U07pqYP/
神の左手ガンダールヴ。勇猛果敢な神の盾。左に握った大剣と、右に掴んだ長槍で、導きし我を守りきる。
始祖ブリミルを守ったとされる使い魔の一体。
その存在が持っていたとされるルーンが自分に刻まれている。
あらゆる武器を自在に操ったという伝説通り、剣や槍など武器と分類される物を手に持った瞬間そのルーンは力を発揮した。
武器の性能を即座に解析し、最適な扱い方を使用者に与え、身体能力をアップさせる。
他の使い魔のルーンにはない、特別な能力だ。
このことはまだオスマンや主のルイズにすら教えていない。
無論、これは知ったばかりだからという理由なのでこの二人にはこの後説明をしに行くことになるのだろうが。

(この私が伝説のルーンを身につけることになるとはな…)

血に濡れた手に刻み込まれた守護者の証。
守る、という命題を抱えながらも敵を倒すための力という矛盾を持つ奇跡。
研究者としては興味がそそられるルーンだが、人を魔法で傷つけないと誓っている今の自分には過ぎたものだと自嘲する。

(だが、この力ならあるいは…)

所持者であるオスマンですら使い方がわからないと言われている鎧の杖。
しかしガンダールヴの力ならばその本当を解析できるかもしれない。
むくむくと研究者としての好奇心が脳を満たしていく。
だが、その考えはすぐに振り払われた。
そもそもあの杖は自分の所有物というわけではない。
何よりも、あれは武器だ。
人を傷つける忌まわしき物の一つなのだ。

(……だが、もう、そうも言っていられない…か)

過去がどうであれ、今の自分は一人の少女の使い魔なのだ。
彼女の命令には従わないといけないし、彼女に仇をなす敵は自らの手で打ち払わなければならない。
誓いはあくまでも魔法による人の殺傷の禁止だが、だからといって素手や武器で人を傷つけても良いという問題でもない。
だが、それでも今は武器を手に取らなければならない。
それが今のコルベールの役目なのだから。

「……ル? ミスタ・コルベール?」 
「あ、はい!?」
「どうなさったのですか? 突然俯かれて…」
698ゼロの大魔道士(5/5):2008/01/10(木) 09:08:56 ID:U07pqYP/
ロングビルの心配そうな声にコルベールはハッと我に返った。
気がついて見れば彼女は心配そうに自分の顔を覗き込んでいるではないか。
顔と顔の距離が近い。
歳に似合わず純情なコルベールは思わず身体ごと仰け反ってしまう。

「こ、これは失礼!」
「いえ、ですが本当に大丈夫なのですか? 気分が優れないようなら…」
「いやいや、そんなことなど! この通り私は元気一杯で!」

ほっほっと飛び跳ねてコルベールは健康をアピールした。
頭部の汗がキラリと煌く。
刹那、ロングビルは二重の意味でコルベールの頭を心配した。

「そ、そうですか。ならばよろしいのですが…」
「ご心配感謝します。おっと、そろそろ授業の時間ですな」
「これは申し訳ありません。引き止めてしまって…」
「いえいえ、全く気にしていませんので…では!」

シュタッと手を上げるとコルベールはやや駆け足で教室へと向かう。
それを笑顔で見送ったロングビルはその姿が廊下を曲がったことを確認し、口元を吊り上げた。

「詳しい情報はやはり得られず、か…だが必ず手に入れて見せるよ、『鎧の杖』!」

先程までの楚々とした様子を一変させてロングビルは高笑いをあげる。









「み、ミス・ロングビルがあんな下品な高笑いを…あはは、これは夢なんだ、あはは…」

なお、たまたま通りかかったぽっちゃり型男子生徒がその光景を見て深く心に傷を負ったのだが、それはまた別の話である。
699名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 09:09:43 ID:ZyMb0g21
アムド
鎧化支援
700ゼロの大魔道士:2008/01/10(木) 09:10:14 ID:U07pqYP/
投下終了。
原作にほとんどなかった二人の会話は難しい…
701名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 09:14:21 ID:BOrQe9I3
おつー。
続き楽しみにしてます
702名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 10:17:42 ID:qhHVv8KI
大魔道乙。

この調子だと、鎧の杖はポップがアムドしちゃうのかな?
なんて短絡的な考えをしてしまう。
wktk。続き期待。
703名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 10:39:08 ID:+icGyz/+
いや、コッパゲ先生を守る最強の鎧さ、特にその頭頂部を!
……兜部分ってまず最初に外れるイメージがあるな


>>687
「会話の中にルーンを紛れ込ませた」とか言えばちょっとはごまかせるんじゃね?
704名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 10:52:12 ID:kr5dq3cd
アムドの予感!

それはそうと、このポップはブラックロッドを持ってきているんだろうか?
705名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 11:25:02 ID:1N/oSzty
最後にバーンに殴りかかって折れただろ
706名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 11:33:14 ID:HuAzX3zj
某所ではいきなり空から降ってきたから
原作知らないやつがつい聞いてしまったんだろ
707名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 11:35:02 ID:wRBz/V9c
   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)
. |     (__人__)  召還多過ぎだろ
  |     ` ⌒´ノ  常識的に考えて
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ 
   /    く 
708Mr.0の使い魔:2008/01/10(木) 11:35:33 ID:ghccOaP0
大魔道士の人乙でした。

さてさて、久しぶりのトゥーカ宣言。
何事もなければ五分後にトゥーカします。
709名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 11:39:00 ID:pMBlprmX
支援しつつマジレス
>>707
「召還」だと帰してるぞ
710名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 11:42:40 ID:uwLowpcb
>709
召喚と書くところを召還と誤記してるやつが多いって言ってるだけだろ常考…

召還のレス抽出数2
あれ?
711Mr.0の使い魔 第三十三話(1/5):2008/01/10(木) 11:42:51 ID:ghccOaP0
 ぐらりと傾くルイズの体。倒れ込む彼女を前に、クロコダイルは何も
できなかった。助ける気がなかったから、ではない。
 全く同じタイミングで、クロコダイルの視界も黒一色に染まったのだ。
咄嗟に右手をつかなければ、今しも甲板に投げ出された死体のように、
グリフォンから転がり落ちていた。このように自分の事で手一杯であり、
他の行動ができなかったのである。
 後ろの【遍在】が弾けて消える音で、不規則に揺れるクロコダイルの
意識はようやく安定した。血相を変えたワルドがルイズを抱き起こす様
を視界に捉えつつ、疑問を漏らす。

「何が、起きた……?」

 戦いで傷を負った訳ではないし、特に体調が悪いなどという事もない。
だと言うのに、何の前触れもなく意識が飛んだのだ。不審に思わない方
がどうかしている。

「気を失っただけ、みたいですね」

 クロコダイルの疑問が聞こえたのだろう、ワルドが幾分安堵した声で
答えた。どうやらルイズの身を気にかけての言葉だと受け取ったらしく、
クロコダイルの変調にはまるで気づいていない。
 望んでいた返事ではなかったが、不調を悟られるよりマシか、と考え
直した。既に雨で力が使えない場面を見られているのに、これ以上弱点
を晒すなど論外である。
 今のワルドの勘違いを利用できるように、クロコダイルは次の言葉を
選んだ。

「魔法の使い過ぎ、か?」
「それもありますが、一番の原因は皇太子の死でしょうね。
 今まで精神的に無理を重ねていたところに、強いショックを受けて気絶した」
「ふむ……港に着くまで、休ませた方が良さそうだな」
「ええ。船長!」

 足早に船内へ向かうワルドの背を眺めながら、クロコダイルは小さく
唸った。ルイズが気絶したのは心労が積み重なった故にで説明がつくと
しても、自分については心当たりすら浮かばない。まさか本当に『呪い』
という事もないだろうが、理由がわかわからないままでは困るのだ。事
は自分の命に関わるかもしれないのだから。
 思考を巡らせるクロコダイル。
 その下では、彼を乗せたままのグリフォンが、居心地悪そうに甲板を
引っ掻いていた。


 Mr.0の使い魔
  ―エピソード・オブ・ハルケギニア―

     第三十三話


 小綺麗なベッドにルイズを寝かせ、ワルドは傍らの丸椅子に腰掛けた。
ルイズは規則正しい呼吸を繰り返しており、平穏そのもの。うなされる
様子もない。
 しかしながら、ワルドは未だ不安を拭いきれなかった。息をするたび
上下する胸の動きはごく僅かで、顔も多少青ざめている。少し離れれば、
死体と見間違えそうだ。
712Mr.0の使い魔 第三十三話(2/5):2008/01/10(木) 11:44:26 ID:ghccOaP0
 死んだように眠る、という表現はワルドも聞いた事がある。しかし、
実際にワルドが思い浮かべたのは、眠るように人が死ぬ場面であった。
あの時、握った手が温度を失い、冷たく重くなる感覚は、思い出すだけ
でも震えがくる。
 急に怖くなって、ワルドはルイズの手をとった。温かい。冷たくない。
そこにある命を確かめるように、ワルドはじっと目を閉じる。

(……む)

 瞼の裏に、甲板の光景がぼんやりと浮かび上がった。いつもの癖で、
使い魔と感覚を共有してしまったようだ。あるいは、見たくない現実、
不吉な可能性から逃げるために無自覚なまま行ったか。どちらにしても、
感傷を振り払う手助けになった事に苦笑する。空を映し出すグリフォン
の視界では、見覚えのあるフネがゆっくりと近づいていた。


「おい、ありゃあ『レキシントン』号じゃねぇのか?」

 水夫の一人が発した声に、クロコダイルはふとそちらを向いた。雄大
なアルビオン大陸を背にして、大きな軍艦がこちらにゆるゆると近づき
つつある。向きの関係で片舷しか見えないが、側面に突き出した何十門
もの大砲は壮観だ。一斉射でどんな相手でも撃破できるだろう。
 その『レキシントン』号から、四頭の竜が飛び立った。タバサの引き
連れているシルフィードとは違い、くすんだ紅色の鱗で体を覆っている。
青い鱗のシルフィードは風竜、では、赤は火竜か。

「船長はいるか!」

 一頭が甲板に降り立ち、鎧兜を着た竜騎士が船長を呼びつける。残る
三頭のうち二頭は空賊船の検分に向かった。最後の一頭が上空を旋回し、
いざ事あればすぐさま対応できるよう警戒している。
 竜騎士はへつらう船長と二言三言交わすと、今度はクロコダイルへと
歩み寄った。フルフェイスの兜の中に、鋭い瞳の光が垣間見える。

「空賊共と戦ったのは、お前か」
「行きがかり上だ。アルビオンに着く前に空賊に殺されるなんて冗談じゃねェ」

 グリフォンの背から降りると、クロコダイルはそう嘯いて不敵な笑み
を浮かべた。相手に侮られず、かといって強く警戒もされないように、
匙加減を調節した態度。思い通りに事を運ぶには、こうして使いやすい
駒を選び、それに適した対応をしてみせなければならない。
 竜騎士はクロコダイルの内心に気づいた様子もなく、兜の奥で小さく
笑った。味方だとわかってすっかり安心している。

「違いない。まぁ、理由はどうあれ、このフネを守ったのだ。
 ここ最近は空賊騒ぎが続いて、少なくない物資が奪われていてな。
 それを討ち取ったとなれば、港で何かしらの報償が出るだろう」
「そいつは結構。働いた甲斐があるってもんだ」

 思惑を隠して笑い合う二人。と、そこでグリフォンが身じろぎする。
次に気づいたのは竜騎士だ。グリフォンの嘴が向いた先を目で追ったか
と思いきや、途端に不機嫌になった。クロコダイルもまたそちらに目を
向け、甲板に出てくるワルドを見つける。
713Mr.0の使い魔 第三十三話(3/5):2008/01/10(木) 11:45:37 ID:ghccOaP0
 一瞬の沈黙。
 最初に開いた竜騎士の口から、多分に嫌味を含んだ言葉が飛び出した。

「これはこれは、ワルド子爵ではないか。
 クロムウェル閣下直々の御命令を受けたと聞いたが、こんなところで油を売っているとはね」
「その御命令故に、だ。彼と協力して任務を遂行した」

 切り返すワルドは淡々としたものだ。やはり元々が部外者であるから、
組織内での風当たりも強く、すっかり慣れてしまったのだろう。

「まさか空賊退治などと言うまいな」
「説明するより、見た方が早い」

 ワルドはグリフォンに向かって右手を挙げる。意図を理解した使い魔
が数歩後ろに下がり、体躯の影から覗くウェールズの亡骸。
 それまで余裕綽々だった竜騎士が、あからさまに狼狽えた。

「なッ!?」
「これが僕の受けていた命令だ。ついては、至急閣下に連絡して頂きたい」
「……承った」

 動揺をひた隠しに短く答え、竜騎士は愛竜の背に跨がる。二度、翼を
波打たせた竜は、逃げるように『レキシントン』号へと飛び去った。


「何も、仰らないのですね」

 遠ざかる竜の見送りもそこそこに、ワルドはクロコダイルに向き直る。
抑揚のない声を聞いたクロコダイルの口が、三日月を描いた。

「少なくとも、今どうこうする気はない。利害はぶつからん筈だからな」
「利害、ですか」
「そうさ。クロムウェル閣下とやらの覚えめでたい子爵なら、口利きぐらいは簡単だろう?」

 さも当然と言わんばかりのクロコダイルに、気を張っていたワルドの
方が面食らった。忠誠を誓うとまでは言わずとも、クロコダイルは一応
トリステイン側の人間である。加えて、裏切るに足るような理由もない。
そんな男が敵への紹介を要求するなど、ワルドの想像の枠の外だ。

「確かに面会ぐらいなら……まさか、首でも狙うのですか?」
「それこそまさか、だ。落ち目ならともかく、隆盛の貴族派を潰すのはもったいない」
「もったい、ない?」

 妙な口ぶりに、ワルドは思わず聞き返した。クロコダイルの言い草は、
とても人間や組織に向けたものではない。金の浪費、食材の無駄遣いを
戒めるような。あるいは道具、それも消耗品の類いを効率的に使え、と
言っているようだ。
 クロコダイルはそれ以上この話を続けようとはせず、別の問いかけを
ワルドに向けた。
714Mr.0の使い魔 第三十三話(4/5):2008/01/10(木) 11:47:45 ID:ghccOaP0
「それより、子爵。ルイズはいいのか?」
「【遍在】を一人残して来ましたから、何かあればすぐわかります。
 今は容態も落ち着いていますし、安静にしていれば大丈夫とは思いますが」
「そうか。なら、いいさ」

 満足げに頷くクロコダイルを、ワルドは冷たい目で見つめる。現状は
可もなく不可もなく。少なくとも、トリステインへ、ルイズへと裏切り
行為が発覚する可能性は減った。不本意だが、ルイズが眠っている事が
ワルドにとって幸いしている。
 今のうちに、クロコダイルの真意を見定めなければならない。相手の
計画や行動原理を知らなければ、戦場では容易く足下を掬われるのだ。
ワルドから見て、クロコダイルは頼もしい味方ではなく、狡賢く難解な
敵であった。


 王都トリスタニア。
 間もなく正午を回ろうかというこの時間、表通りであるブルドンネ街
は活気に満ち溢れている。しかしながら、一つ路地を入った別の通り、
チクトンネ街に人気は皆無だ。このチクトンネ街はいわゆる“夜の顔”で
あり、昼間に人がいないのは当然と言えば当然なのだが。
 その数少ない人の中に一人、眠たげにあくびをする美女がいた。長い
髪をそよ風に揺らすのは、ロングビルその人。

「くぁ……久しぶりの徹夜は、少しツラいねぇ。考えたくないけど」

 ロングビルはクロコダイルの指示通り情報を集めるため、前の職場に
顔を出したのである。改めて着た下着じみた給仕衣装は非常に羞恥心を
煽ったものの、仕事のためだと割り切った。色仕掛けに便利だとは言え、
以前はよく平然と着ていたと思う。あの格好でオスマンに尻を揉まれた
時、爆発しなかった過去の自分を褒めてやりたい。
 その後秘書に転職した結果が日々のセクハラ三昧、さらには大悪党に
従えられる現在に繋がっていると考えると、全力ではり倒して御破算と
していた方がマシだったかもしれないが。
 これ以上思い出を穿り返すとネガティブな方向へ突っ走りそうなので、
ロングビルは軽く頭を振る。気持ちを切り替え、集めた情報を整理する
事にした。身分の貴賤を問わず、酔っ払い客数十人から聞き出した情報
を、順序立てて並べ替え組み立てる。
715Mr.0の使い魔 第三十三話(5/5):2008/01/10(木) 11:48:54 ID:ghccOaP0
 ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド。二十六年前、地方領主
の一人息子として生まれ、両親の愛を受けて育つ。快活な少年時代。
 約十五年前、元々持病を患っていた母親が他界。その後半年ほどは、
ひどく塞ぎ込んで別人のように陰鬱だったと言う。
 母の死から半年後、隣であるラ・ヴァリエール領内で開かれた園遊会
にて、公爵の娘達と交友関係を持つ。これをきっかけに、以前の活力を
取り戻した。特に仲が良かったのが、ルイズの一つ上の姉、カトレアだ。
 その後は積極的に魔法を学ぶようになり、加えて魔法以外の分野にも
広く興味を持ち、貪欲に知識を吸収した。この時期に屋敷で働いていた
というある衛士は、真夜中になっても灯の消えない部屋を見て感心した
そうだ。
 十二年前、十四の時にトリステイン魔法学院に入学。この頃には、既
に優秀な風のトライアングルメイジとして噂が広まっていた。なおかつ
勉学一筋という訳ではなく、他の生徒と良好な交友関係を築いている。
ちなみに、当時からモテたそうだが、全ての求愛を即座に断ったとの事。
それで『閃光』のあだ名がついたと、同級生らしい貴族の青年が苦笑を
交えて語ってくれた。
 十年前、父である子爵がランスの戦で戦死し、爵位と領地を相続する。
魔法学院三年生だったワルドは学院を中退して仕官、魔法衛士隊に配属
された。魔法学院で契約した使い魔であるグリフォンを伴っていたため、
グリフォン隊の見習いとして職務に励む。それと前後して、懇意だった
ヴァリエール家との交流が疎遠になり始めた。
 その後は訓練と任務を繰り返す中で功績を重ね順調に昇進、三年前に
副隊長のポストを得る。また魔法の実力も成長し、トライアングルから
スクウェアへと昇格した。
 一年前、前任のグリフォン隊隊長が加齢を理由に軍を退職、引き継ぐ
形でワルドが同隊隊長に任命されている。以後、それほど目立つ活躍は
ないが、政情不安定なアルビオンを探っているらしい。

「――酒飲み話じゃあこれが限界かね。
 それにしても……よりにもよって、アルビオンか」

 眩しい陽光に手をかざしつつ、空を見上げるロングビル。少しの間、
彼女は雲の彼方を見つめていた。


   ...TO BE CONTINUED
716Mr.0の使い魔:2008/01/10(木) 11:49:41 ID:ghccOaP0
以上、第三十三話トゥーカ終了です。
717名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 11:51:37 ID:pMBlprmX
読み耽ってて支援し忘れてたすまん
GJ!
しかしまったく展開が読めない
718名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 12:12:14 ID:+icGyz/+
仮に、テファに危険が及ぶようになったときにマチルダがどう動くのか
しかしゾクゾクするなGJ
719名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 12:45:31 ID:HtKkplis
ミデアで突撃
720名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 12:47:59 ID:awUtM+P+
ダンバインのSS書こうかと思ったけど、死ぬほどガイシュツっぽいな
721名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 12:49:20 ID:HtKkplis
既出でも良いから書けよ。
722名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 13:07:20 ID:fdsyTe9R
みな待っているぞ
723名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 13:43:44 ID:5q/irt34
アムドって言う言葉聞いてアムドライバー思い出した
724名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 13:56:10 ID:uwLowpcb
>アムドライバー
これが若さか……(27歳)
725名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 14:11:40 ID:6XTvaIEx
若いって…イイよな…<同じく27歳
726名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 14:16:09 ID:VX4OBP5M
どっちもわからない22歳
ドラクエ漫画はロト紋だろ常考
727名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 14:20:50 ID:txEVEsf0
どっちもわかる21
DQはダイ大以外ないだろJK
728名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 14:24:46 ID:t3+5rsSk
え?ドラクエ漫画といえば4コママンガ劇場でしょ?
としかいえない33歳足骨折療養中男
729名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 14:25:22 ID:6XTvaIEx
ブラックシーザー格好良いよねブラックシーザー。
ダイ大もロト紋もどっちも肯定する蝙蝠っす。
730名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 14:31:49 ID:BmSB6zLr
モンスターズ+を忘れたらだめだろ
731名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 14:38:47 ID:+icGyz/+
>>730
だって打ち切られたジャン……
今からでも続きかいてくれねーかなー
732名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 14:58:23 ID:mYl128sP
>>730
しかしモンスターズに出てきた2の王子ロランだったかな?ゼロ魔世界の価値観の全く逆
を行く人物だよな〜 全く魔法が使えないがその身体能力のみで破壊神を破壊した男って
呼ばれてたからなあ、召喚されたら面白いかもしれない。
733名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 15:11:42 ID:DNTirXIR
 突如、真・女神転生IIIの主人公にして、DDSアバタールチューナーの隠しボスたる
人修羅を召喚しようとして、既にされてて愕然。
 内容が恐ろしく被ってそうですが、投下しても構いませんねッ!
734名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 15:14:51 ID:uwLowpcb
支援しつつカモン〜
735名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 15:14:52 ID:Gzv0JL6S
>>733
召喚したくて小説版を買ってあの言い回し再現出来なくて頭痛めてる俺が支援する
736名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 15:19:24 ID:+icGyz/+
>>732
価値観は同じだろ
要はメイジ殺しのものすごいバージョンだと思えばいい
魔法も破壊の杖も使わずに30メイルのゴーレムを破壊して7万人をボコれば化け物だと思われるさ

支援
737名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 15:20:07 ID:a4lxJXWd
ユベル召喚・・・・。
とりあえずタバサとルイズとガリア王(の心の闇)はぺろりと食べられそうです
738名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 15:24:13 ID:Gzv0JL6S
サビてたら鋼の剣相当だろうデルフ一本でゴーレム文字通り八つ裂きにしそうだもんなロランは……
ともかく支援。
まだかな?
739ゼロの魔人――0話:2008/01/10(木) 15:30:13 ID:DNTirXIR
>>735俺も再現出来てないのです。勘弁ください。
元ネタは、真・女神転生IIIと、マニアクス。
小説版に、アバタールチューナー隠しボスのステータス。
それらの都合の良いとこどりで宜敷く。

ゼロの魔人――0話


ひとつの世界が死に、彼は産まれた。

数多の敵を鏖殺し。
全てのコトワリを否定し。
天上に耀くカグツチさえも打倒して
世界は、新たに生まれ変わる力を失った。
創世は成されなかったのだ。

 辺りは、際限ない闇と混沌に満ち、
純然たる悪魔へと変貌をとげた少年は、
時間の概念さえ失われた其処に、独り佇んでいる。

彼は待っていた。
曖昧な悠久を享受し、それを待っていた。
そして、静かにその時は訪れる。
彼は、それが何であるかを知っている。
それが、主従の契りである事を知っている。
それが、次なる創世の始まりである事を知っている。

 躊躇う事なく、咫尺に揺蕩う銀の水面へ体を沈め、
久しく発する事の無かった言葉を紡ぐ。

僕の名は――
740ゼロの魔人――1話:2008/01/10(木) 15:34:19 ID:DNTirXIR
ゼロの魔人――1話


 少女は、爆風に乱れ、焦げてしまった、
桃色の艶やかなブロンドを気に留めるでもなく。
 振り下ろした杖が消し炭と化し、
爆裂四散した事に気を病むでもなく。
 爆発の衝撃で煤に塗れ、割れてしまった綺麗な爪の痛み、
ボロボロの衣服に気が立つでもなく。
 まして、幾人かの親しくも無い学友が、
先の爆発に巻き込まれ昏倒している事に気が差すでもなく。
 唯、目前に広がる結果に嬉嬉と、不安をない交ぜした様な、
何とも形容しがたい感情に囚われ、戦慄いていた。

今日は、トリステイン魔法学院に於ける春の使い魔召喚の儀式その日であり、
 今後の魔法使いとしての属性を固定。専門課程への移行。
更には、二年への進級試験も兼ねる重要な役割を担うものである。
 例年通り執り行われたそれは、稀に見る優秀な成果を呈し。
一抹の心配事を内包するも、つつがなく儀式は進行していった。
 そして、此度の担当教員、額の後退も著しい中年の男コルベールは、
召喚儀式最後となる生徒の名を呼び上げる。

「ではミス・ヴァリエール、前へ」
「はいッ!」

 呼ばれて少女は、桃色のブロンドを揺らし、その鳶色の瞳を決意の炎に燃やして、
意気揚々と広場の中央に踊り出た。
 そして、同時に蔑みと嘲笑が巻き起こる。
しかし少女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、
外野の物言いを燃料に殊更燃え上がり、朗々と召喚の呪文を詠唱した。

“ゼロのルイズ”

つまりは、魔法成功率ゼロの蔑称。
コルベールは喧騒を諌めながら、それを見守っている。

(見てなさいッ! アンタ達なんかとは次元の違うッ!
 神聖でッ! 気高くッ! 美しいッ!
ハルケギニア史上最強にしてッ!
 至高の使い魔を喚んでやるんだからッ!)

 唱え上げる呪文に、あらんかぎりの願望と欲望を練り込め、
掛け声と共に力の限り杖を振り下ろす。
741名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 15:36:21 ID:Gzv0JL6S
支援
つい書きながらかと疑った
スマン
742ゼロの魔人――1話:2008/01/10(木) 15:36:48 ID:DNTirXIR
――ルイズは正気を取り戻した。
 失敗かと思われた禍禍しく、青黒い放電を纏った大爆発は漸く静まり、
突き出していた、脈打ち疼く指先を意識せず庇いながら、面前に佇むそれを値踏みする。

(成功……した? なにこいつ? 平民?
あの身体中の斑紋様はなに? なんで上半身裸なわけ?
 何処の辺境から来た部族よ?
えっ? 首の後ろ……ツノ?
えっ? オーク? 亞人なの?
こんな幻獣や魔獣、見た事も聞いた事も……あぁーもぉーッ!!)

「アンタなんなのッ?!」

 言葉尻もぶっきらぼうに、沸き立つ怒りを、己が目睫の先に立ち尽くすそれへぶつけた。
 一見すれば青年の様であるそれは、その肢体を覆い尽くす呪咀的なラインの刺青。
首の後ろから飛び出る黒く不気味な、鋭い突起物。
そして全体から滲み出る妖婉な雰囲気が、正体の判別を更に難航させる。
ルイズは、何も応えないそれにやきもきしながら、次いで言葉を投げつけようとして阻まれた。

「僕の名は人修羅……魔人、人修羅」
「ッア……なんだ、ちゃんと喋れるんじゃない。“ヒトシュラ?”って、変な名前。
アンタ魔人なの? 通りで見た事も聞いた事も無いはずだ……わ?」

 油断していたのだろう。
地を丸出しに、自然と受け答えながらルイズ。
 月まで吹き飛びそうな意識の手綱を引き絞り、
今し方聞いた言葉の意味を、自慢の頭脳総動員で以て咀嚼する。

(良かったぁ、平民じゃ無いのね。
ヒトシュラって、なんかダサいけど、この際まぁ良いわ。平民じゃ無いんだし。
 ところで平民じゃ無かったらなんなの?
……そう魔人よ。コイツが自分で、そう云ったじゃないッ!
 じゃあ魔人ってなに?
そのくらい知ってるわ。神話や伝承に登場する神にも近しき存在よッ!
 じゃあ、この目の前に居るコイツはなに?
そんなの決まってるわッ! 私が呼び出した神にも近しき使い魔よッ!


 嘘……でしょ?……)

「ミスタ・コルベ――」

 ルイズは、己の許容量を容易く崩壊させる事態に助力を求めるべく、
教員の名を呼びかけて、周囲の異変に気付いた。
 突如として現れた伝説的存在に、羨望と疑惑入り乱れる喧騒の最中、
魔人を中心として、一触即発の空気が立ちこめているのだ。
 実力上位の生徒は然る事ながら、コルベールに至っては、日頃の温厚な表情を忘れる程に、
険しい表情で顔をしかめ、今にも飛び掛からんばかりである。
 ルイズは唐突に理解した。
己の喚びだした魔人を御せなかった後、訪れるであろう惨劇を。
魔人と云う強大で未知な存在に、気後れてる場合では無い事を。
743ゼロの魔人――1話:2008/01/10(木) 15:38:24 ID:DNTirXIR
(チョチョチョ……チョット皆、私の使い魔をどうする気よッ!
 だッ……大丈夫よルイズ。自分で喚びだしたんじゃないッ!
 きっと上手くいく。神にも近しき存在がなによッ!
 カカカ軽く、傅かせてみせるんだからッ!)

「ちょっとアンタッ!」

 一際大きな声を上げ、魔人との距離を一気に詰め寄ると、
視界の隅で狼狽する、頭髪寒々しい教員の事は歯牙にもかけず、言葉を続ける。

「アンタは私が喚びだした使い魔なんだからッ! 早く私の前に跪きなさいッ!」

 一部の生徒とコルベールは凍り付いていた。
 触れてはならぬ逆鱗に、剰えド級の破壊魔法を打ち込んだのだ。
天に御座す神も許してはくれまい。魔人ならば尚更の事だろう。
しかし、皆々の不安は良い意味で裏切られ、一同は愕然とした。
 魔人が跪いたのだ。
その赤く揺らめく漆黒の瞳からは、憤り、憂い、共に無い事が窺い知れる。
 ルイズは気を落ち着かせると、徐に予備の杖を抜き出し、召喚時と同様の調子で、契約の呪文を詠じた。

(マッ……魔人に初めてのキスを捧げるなんて、
 なんだか凄い悪い事してるみたい)

 胸中の検討違いな考えとは裏腹に、主従を契る口付けも滞り無く終り、
魔人の左手には、契約の証し足るルーンが刻まれる。

「終りました」

 水を打った様に静まり返った広場に、儀式終了の言葉が響く。
唖然としつつも顛末を認め、いち早く我に返ったコルベールは、
しどろもどろにルーンを確認した。

「ふむ……こッ……これは珍しいルーンですね。その刺青も……あぁーいゃ失礼ッ!
さッ……さぁ皆さん、儀式は終了です。速やかに教室へ――」

 責任者である職務を全うするコルベールの声を受け流し、
ルイズは再び、使い魔に目を向けようとする。
 しかし、己が全身から、赤い光の粒を噴き出している事に気付き、
手足を見やり、それを観察した。

「なに……これ?……」

 徐々に収束されたそれは、魔人の佇む其処へ光の川となり流れ、
少女の視界は突如、暗転する。
朦朧とする意識の中で凛とした声を聞きながら。

「僕の名は魔人、人修羅……今後とも宜敷く……ルイズ」
744ゼロの魔人――1話:2008/01/10(木) 15:39:36 ID:DNTirXIR
短くて済みませぬが、取り敢えず此処までです。
745名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 15:42:22 ID:x48Wbbed
乙!

マガツヒ?ルイズのマガツヒを食った?

ノクターンの頃はあんなにもヒヨワンカーだったのにアバタールの人修羅様は
強くなられましたなぁ……あ〜、久々にマニアクスを引っ張り出してプレイしたくなった。
746名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 15:44:08 ID:Gzv0JL6S

……激情家のルイズからなら少々多めに吸っても問題無さそうだな
747名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 17:00:41 ID:iFD1pyp/
メガテン系列は大好物だよ GJ
748悪魔も泣き出す使い魔:2008/01/10(木) 17:14:10 ID:PRq6lPCc
投下します
フーケのパートに入ります
749悪魔も泣き出す使い魔:2008/01/10(木) 17:14:38 ID:PRq6lPCc
朝霧に包まれる学院

ダンテは眠るシエスタを医務室のベッドに運び、厨房へと向かった。

「うおおおぅっ!!!・・・アンタは恩人だ!俺たち平民の救世主だっ!!」
「ハッ 大げさだな。それより腹減ってんだ。ピザと例のアレ、頼むわ。」

しがみ付いて号泣するマルトーを振り払い、
朝食と昨日頼んでおいたモノを要求するダンテ。

「おう!バッチリできてるぜ!!これがマルトー特製のストロベリーサンデーだっ!!!」

それはイチゴの食材がふんだんに使われた、食べ物にも見えなくも無い"何か"だった。

「(・・・食えんのかコレ?)」
「ガァッハッハ!さあ遠慮すんな! さあ!」
「・・・マルトーさんよ。」
「まだまだ大量に作ってあるからな!好きなだけ取って食え!!」

「レシピを渡すから、今度は俺の知ってるストロベリーサンデーを出してくれ・・・。」

マルトーの厚意を無碍に断る事もできず、空腹という事もあって、
鍋一杯のストロベリーサンデーと呼ばれるモノを全部平らげてから、主人の待つ部屋へと戻った。

「気持ち悪い・・・やっぱ全部は止めときゃよかった・・・。」
「(オトコだね相棒は・・・)」

部屋に入るとルイズが凄い格好で寝ていた。
昨日の制服のままで、今にもベッドからズリ落ちそうだ。
よく見ると擦り傷が所々できている。

「何かあったのか・・・」

まあどうせキュルケ達と喧嘩でもしたのだろう。
そう納得すると、ルイズの着ている制服と下着を全部引っ剥がして、簡単な手当てを施す。
幼児体型には大して欲情しない。
それから汚れた衣類を集めて洗濯へと向かった。

自らの出生の事情もあって、子供の頃は人里から離れた山小屋で暮らす事も少なくなかったダンテ。
手洗いの洗濯も慣れたものであった。

「釜の薪割りは、いっつもアイツと取り合いの喧嘩だったな・・・。」

そんな幼い頃の思い出に耽っていると、誰かが近づいてきた。
見覚えのある幸薄い頭髪。ここに来た初日で会った奴か。

「やあ、君はヴァリエールに召喚された使い魔・・・だったよね? 確か名前は・・」
「ダンテだ。トニーでも構わないぜ。」
「ああ、ダンテ。私はコルベールだ。ここの教師を務めている。」
「見りゃわかるさ。んで、コルベール先生は俺に何の用だい?」
「うん、朝食が済み次第、ヴァリエールと一緒に学院長の部屋に来て欲しいんだ。
君の主人から色々聞きたい事があってね。」
「アレと何か関係があるのか?」
750悪魔も泣き出す使い魔:2008/01/10(木) 17:15:43 ID:PRq6lPCc
ダンテの指差した方角にある大きな塔には大きな穴が開いており、
周辺の壁も含めた瓦礫が散乱した穴だらけの地面が、惨劇を物語っていた。

「今朝ここに帰ってから、一番に目についてね。ウチの御主人様は一体何をやらかしたんだい?」
「昨日の晩に賊が入ったらしくてね。ヴァリエールがそれを目撃した・・・というか、
それと戦っていた者の一人だった、という事なんだ。」

はじめは、ギーシュが巨大なゴーレムを対峙していたのを、
シルフィードでモット伯の屋敷から戻った、ルイズ、キュルケ、タバサの3人がそれに加わったという話だ。

「私は昨夜の当直では無かったからね。詳しい話を彼女達から聞き出さないと。」
「やれやれ・・・次から次へと面倒事が続くな。」

涼しげな風が学院に吹き渡る


使い魔が洗濯を終え、部屋に戻ると、そこには顔を真っ赤にさせた主人が、仁王立ちで佇んでいた。

ルイズが目を覚ますと、部屋の壁には見慣れた赤いコートが、ボロボロの姿で掛けられていた。
気づけば、自分の体は丁寧に拭かれており、昨夜に出来た擦り傷や切り傷に血止めが施されている。
手当てしたのは、きっとコートの持ち主であろう。
そう思うと、心の内には己の使い魔に対する敬意と信頼が廻っていた。・・・までは良かったのだが

「し、しゅ、しゅ主人をあられも無い姿に晒した上に、ドアを開けっ放しにするとは、どういう了見かしらっ!!!」

服を着せてなかった

「ああ、悪い悪い。両手が塞がってたんで、閉めるの忘れてた」
「忘れてたじゃないわよ!!!どどどどう責任とってくれんのよ!!」

頭に血が昇り過ぎて、自分でも何を言ってるのがよくわかってないルイズを、
自分なりの解釈と見解を持ってなだめようとするダンテ。

「責任ね・・。じゃあ後10年経ってどこまで発育するか様子を見てから・・・」

「このっ・・!!バカァーーー!!!!」

寮内に少女の怒号と爆発音が響き渡った。

751悪魔も泣き出す使い魔:2008/01/10(木) 17:16:39 ID:PRq6lPCc
ルイズは黒焦げになったダンテを見下ろすと、それを足蹴にしながら朝食会場へと足を運んだ。
ダンテはそれを見届けると、颯爽と立ち上がり焦げ付いた身体を両手で払う。
防御も回避も十分間に合った筈だが、ルイズの機嫌をこれ以上損ねる訳にもいかず、甘んじて直撃を受けたのだった。

「それにしても相当タフだねアンタも」
あの爆発を受けながら、平然と立ち上がるダンテに、思わず言葉を漏らすデルフ。
屋敷で受けたダメージも、致命傷が幾つかあった筈なのに、その傷もいつの間にか無くなっていた。
「タフじゃなきゃ人生楽しめないさ」


学生達で賑わう朝食会場
そこでのルイズは、いつにも増して不機嫌な表情で、食事についていた。

「空いてるかしら?」

キュルケが右隣のイスへ腰掛ける。その向かいの席では、タバサが既に目の前の料理にかぶりついていた。

「今朝は粗末なモノを晒してたわよね」
「うううううるさいわねっ!!アッチで食べなさいよ!!」

今朝、ルイズの部屋の前を最初に通り掛かったのがキュルケでなければ、今日の朝食会場ではルイズの話題で持ちきりだったであろう。
キュルケはルイズと目を合わせると、「フッ」と嘲笑の笑顔で、開きっ放しだったドアを、そっと静かに閉めたのであった。
そんな彼女のさり気無い気遣いが、ルイズのイライラを更に助長させる原因となっていた。

鬼の形相で睨み付けるルイズに、キュルケは言葉を続ける。

「ダーリンも可哀想よねえ・・・こんな華も色気も無い主人の身体を弄らないといけないなんて」
「死にたいんなら早くそう言いなさいよ。・・・今楽にしてあげるから」

2人は右手の得物をスプーンから杖に持ち帰る。
一種即発の状況だったその時、向かいのタバサが呟く様に言葉を発する。

「ギーシュは重体。今日は来れない」

それから一転して、話題は昨夜の出来事で持ちきりになる。

「それにしても、・・・とんでもない相手だったわよね」
「あんなゴーレム、今まで見たことも聞いたことも無いわよ!」

魔法学院本塔の宝物庫を荒らしていたであろう盗賊、"土くれのフーケ"が作り出したゴーレムは、ルイズ達の想像を絶するモノであった。
噂に違わぬ巨体を誇るゴーレムの頭上には、おびただしい数の蝙蝠が飛び回り、その腕から繰り出される拳は雷を帯びていた。

その電撃を受けた青銅のワルキューレにうっかり触ってしまったギーシュは、見事に感電してしまい、医務室へと運ばれたのだった。
雷が荒れ狂う空模様の中で、タバサはシルフィードを飛ばす訳にもいかず、
ルイズ達はフーケが学院から遠のくその姿を、後ろでただ見る事しかできなかった。

「やっぱりアレって・・・」
「破壊の杖の力」

フーケの二つ名は"土くれ"
土系統の錬金を得意とするフーケが、風系統の、それもスクウェアクラスをも上回る程の雷を操っていたのである。
それは盗み出した破壊の杖を使用していたからに違いない。意見の一致した3人はそう結論付けた。

「とにかく、学院長には早く説明しておかないとね」
「でも・・・説明したところで、ウチの教師達や王宮の衛士が、あのゴーレムの相手を務められるのかしら?」
「「「・・・。」」(ムシャムシャ)」
「ま、まあ ダーリンがいるじゃない。何とかしてくれるわよっ」
「そ、そうよねっ 凄いんだから私の使い魔は!」

乾いた笑いがこだまする
752悪魔も泣き出す使い魔:2008/01/10(木) 17:17:15 ID:PRq6lPCc
一方、シエスタの様子を見に医務室へと足を運んだダンテ。
そこに彼女の姿は無く、金髪の縦巻きロールを後ろに束ねた女子生徒が、一人ベッドの前で座っていた。

「あなたは・・・」
「よう、どこかで会ったか?」

女子生徒に面識は無かったが、その隣のベッドに横たわっていた男は見覚えがあった。
ああ、シエスタをここに運んだ時、こんなのが隣に居たような。
全身を包帯でぐるぐる巻きにされて、誰だか判別できない状態だったが、
その隙間から伺える、安らか、というか間抜けな表情。

「ギーシュ。・・・だったか?確か俺と遊んでくれた奴だよな?」
「え? 遊・・?  えっ、ええ、そうでしたわねっ」

今朝方、コルベールが話した通り、ギーシュは盗賊のゴーレムと戦って、この有り様になったらしい。
何でも、傍らにいた自分を守るために必死で立ち向かったそうだ。

「私が安全な所に避難するまで、・・・本当に勇敢でしたの。」
「へえ、中々ガッツあるじゃねえか。気に入ったぜ」

顔を赤らめながらモンモランシーが説明すると、ダンテはそう言って、ギーシュに敬意を表した。

「ところでよ、コイツの隣でメイドが寝てたと思うんだが、見なかったか?」
「ああ、彼女なら私とすれ違いで、ここを出てきましたけども」
「そうか」

モンモランシーがギーシュの治療へここに来たのが朝食を終えてすぐ。医務室を出たのは、ついさっきだ。
怪我も負ってはいなかったし、マルトーから今日は休みを言い渡されているはずだから、もう大丈夫だろう。

「そろそろか・・・」

ダンテはコルベールの言っていた事を思い出し、学院長の待つ部屋へと目指す。

「んじゃ、邪魔したぜ。コイツが起きたら伝えといてくれ、仇は取っておいてやるよ。
それから、また遊ぼうぜってな。」

ダンテはモンモランシーに早口でそう捲くし立てると、医務室を後にした
753悪魔も泣き出す使い魔:2008/01/10(木) 17:18:11 ID:PRq6lPCc
遡ること先日の夜

「チッ、 やっぱ正面からは無理か。」

"破壊の杖"奪取を目的とする土くれのフーケは、魔法学院本塔の宝物庫前で立ち往生していた。
扉に掛けられた固定化の魔法、この部屋の壁を打ち破るには、物理衝撃による破壊の他無いと、調べはついている。
しかし、その対策として塗り込められた分厚い壁は、フーケのゴーレムを持ってしても、簡単に打ち破れるものではなかった。

「イチかバチか、・・・やってみるしかないようね。」

多少、騒ぎになるだろうが、オスマンは先日から外泊中、あの得体の知れない使い魔も居ない。
今このときがチャンスであった。

フーケがそう判断してから、塔の外へ回り込もうとした瞬間、宝物庫の扉が突然開きはじめた。

「バカな・・!一体誰が!?」

暗闇の広がる宝物庫の奥から人影が見える。
全身が土気色の裸婦が赤毛の長髪をなびかせながら、こちらに近づいてきた。

「フフフフフ・・・」

妖しい雰囲気を漂わせながら獣の様な鋭い眼差しで、こちらを見つめる裸婦に対して、フーケは指1本動かす事ができなくなっていた。
心臓を鷲掴みにされている様な、今まで感じたことの無い恐怖と緊張感に包まれる。
そんなフーケに、裸婦の唇が耳元に近づき、この世の者では無い様な声で囁いた。

「アナタ・・・、面白そうな力を持ってるじゃない。ホラ、私も起きたばかりだし、・・・目覚めの運動に付き合ってみない?」

その言葉を聞いたのを最後に、フーケの意識は深い闇へと沈んでいった。


その翌日、
オスマンを含む多数の教師が、コルベールの調査を踏まえて、フーケの目撃者である3人の生徒達の話を聞いていた。

「それでは、あの塔に開いた大きな穴は内側から開けられた、と?」
「はい、それも雷の力を使って。恐らく破壊の杖かと・・・」
「ふむ、破壊の杖か・・・」

「それと・・・宝物庫の中でこんな物が・・・」

コルベールが差し出したのは、ロングビルの眼鏡。
754悪魔も泣き出す使い魔:2008/01/10(木) 17:18:56 ID:PRq6lPCc
「ミス・ロングビルの身に一体何が!?」
「ひょっとしてフーケの姿を見てしまった為に・・・」
「いや、ひょっとしたら、ロングビルそのものが・・・」

今日一度も姿を見せてない彼女という事もあって、この場は騒然となっていた。

「事の真偽がハッキリしない今、いらぬ詮索は禁ずる」

目を大きく見開いたオスマンが、珍しく険しい顔つきでそう答えた。

「現場に彼女の身に付けていた装備品、少なくともミス・ロングビルは、
土くれのフーケの近くに居る、あるいは捕らえられている可能性がある。という事じゃ。」

"捕らえられている"という言葉に、コルベールをはじめ、教師と生徒達は凍りつく。
その日の当直だったシュヴルーズは今にも失神する寸前だった。

「それを踏まえてじゃ、これよりミス・ロングビルの救助を優先とした捜索隊を編成する。
じゃが、その先にはフーケとの衝突が待ち構えておると考えても良い。さあ、我こそはと思う者は杖を掲げよ。」

杖を掲げようと迷う者、目を背ける者と様々であったが、一貫して杖を上げる者は出てこなかった。

「何じゃ?誰もおらんのか・・・情けない。ミス・ロングビルの窮地を救う者はおらんというのか!」

「・・・私が」

その杖を掲げたのは目の前にいたコルベール
ロングビルに抱く淡い恋心、盗賊によって搾取されたという怒り、
そんな思いを廻らせている無意識の内に、杖を掲げてしまったようだ。

コルベールの真の実力や生い立ちを知らない教師達は、皆騒然となっている。

「院長が先に述べた通りに、先ずはミス・ロングビルの救助を最優先とします。
それで異論はありませんね?」

「うむ、まあ、それもいいかのう」

「私も志願します!」
次に杖を掲げたのはフーケ目撃者の一人で生徒のルイズ。

「ルイズ!一体何を考えているのです!あなたは生徒なのですよ!?」
「だって!誰も上げてないじゃないですかっ!!」

本当は一番に上げる筈だったのに、コルベールに出鼻を挫かれて、多少イラ立っている。

次にキュルケ
「しょうがないわねぇ・・・。ヴァリエールの尻拭いはお任せ下さい」
「なななな何ですって!!!!」

最後にタバサが
「上空での偵察、援護等でお役に立てます」
「いいのタバサ?あんな雷じゃ、シルフィードもそう長く飛ばせないわよ」
「心配」

心配するキュルケにそう答えるタバサ。まだ他に何か考えがあるようだ。

「私がこの眼鏡を頼りに、探知の魔法でミス・ロングビルを辿ります。」

「では、馬車を手配しよう。それで向かい、残りの3人は魔力を温存するのじゃ。」
755悪魔も泣き出す使い魔:2008/01/10(木) 17:19:46 ID:PRq6lPCc
投下以上です
756名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 17:26:44 ID:sYeCRoBL
インキンタマタマって感じだな
757名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 17:28:39 ID:sYeCRoBL
うほ。誤爆スマソ
758名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 17:44:25 ID:f+0gkTe9
GJ!!
コルベールがここで一緒に行くのって初めてかな
759名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 17:51:32 ID:58xHGkXx
>>758
一応避難所の作品で一つあった。
他は……ちょっと覚えてないや。
760やわらかいやつ:2008/01/10(木) 17:59:49 ID:gpOC59aM
ぼー とみのさん見てたら2話が出来ていたので6時20分ほどに投下しても宜しいですか? 
761名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 18:15:33 ID:Dg2m0ALB
支援全員後退
762やわらかるいず:2008/01/10(木) 18:21:03 ID:gpOC59aM
こっそりと投下させて頂きます
763やわらかるいず:2008/01/10(木) 18:21:35 ID:gpOC59aM
やわらかるいず2話

ズッタカタン、ズッタカタン ズッタカタンタンタンタン、タン、タタタタン

ーーーーー途中経過略ーーーー
ギーシュが決闘を申し込んできた

「ちょっと!!なんであなたがギーシュと決闘なんかする事になったのよ!?」
「すみません、すみません 全部私のせいです」
「だいじょうぶですよ ルイズさん必ず勝ちます」
「あんた、武器すら持ってないのに何言ってんの?」
「だいじょうぶです!!新兵器があるんです!!」
「「新兵器〜?」」

ーーーヴェストリ広場ーーーー
「逃げずに良く来たな」
「ふっふっふ・・・いつまで強がってられるかな?」
「何?」
「見よ!!この新兵器を!!」

新兵器 『香水キャノン』 
モンモランシー特製香水のいっぱい詰まった瓶を装備したやわらか戦車の新武装

「な、ひ、卑怯だぞ!?割ったらこんどこそ殺される!!」
「兄者が言っていた 不倫は文化だって」
「く、来るなーーー!!」
「とりゃああーーーー」
「・・・・・・・・・・・」
「てりゃああ」
「・・・・・・・・・おい」
「とりゃあああ」
「だから・・・・・おい」
「とりゃあああ・・・・何でしょう?」
「お前、動いてないぞ」
「あれ?本当だ」
「香水瓶が重いんだな・・・・・よし、はずしたからこれで動けるぞ」
「ありがとうございます」
「いや、いいって事だよ」
「あはははは」
「あはははは」
「「あははははははは」」

「あほかぁーーーーーー!!」
ドカーーーーーン
「「たいきゃーーく」」

ズンズカズンズンチャン 〜終われ〜


「君の主人は本当に怖いな」
「でもいいところもあるんですよ」
「たとえば?」
「えーと、うーーん と えーと・・・・」
「この馬鹿せんしゃーーーー」

ドカーーーーーーン

ズンズカズンズンチャン 〜今度こそ終われ〜
764やわらかるいず:2008/01/10(木) 18:22:25 ID:gpOC59aM
投下終了 全速後退でたいきゃーーーく
765名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 18:23:26 ID:+icGyz/+
なんか猫を盾にくくりつけてるイラストを思い出したw
766名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 18:23:26 ID:hGfINoPt
ネヴァンか…

ベオウルフはどこに?

といいつつやわらか支援
767名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 18:37:53 ID:Z2mBitqD
すごい和むなww
768名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 18:38:49 ID:mMY6rjwX
知ってる人がほとんどいなさそうだけどThe Witcherからジェラルト・オブ・リヴィアを召喚
769名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 19:28:14 ID:EJTS+xVa
DMC3>>もしや、ギターの素敵な色っぽい姉ちゃん?(何か違う)
ギターが杖って・・・・
ギター位あるでしょ
もしくは、ヴァイオリンかシタールか、それに類するもの

766さんと被りますけど、
確かに、孤狼は何処に・・・・?
あれだけの巨体と膂力なら、実体化した時点で街程度なら瞬滅出来るんじゃ
国は・・・・無理か
後、スタイルに無かったって事は、馬とも再戦の可能性?
770名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 19:44:23 ID:bKjetJ+A
>>411
バルザなら、似た境遇をもつタバサの面倒も見そうだな。
守り人世界の呪術は、精神や霊的なものの扱いに長け、ゼロ魔の魔法は
物質的なものに影響を与えるって感じだから、タバサママを救う事もできるかも。

給仕を手伝うときにメイド服を着せられるバルザさん(30歳)を想像してしまった。
771ゼロの魔人――設定:2008/01/10(木) 20:01:34 ID:DNTirXIR
>>739-740 >>742-743

 投下した後で元ネタの時間軸とか設定書くの忘れてた事に気が付いた。
申し訳ないです。

真・女神転生IIIノクターン、悪魔千年王国エンドその後の人修羅を召喚。
スペックはアバタールチューナー隠しボスの固定ステータスを使用です。


因みにスペック。


種族:魔人
名前:人修羅(ヒトシュラ)
HP18,000
相性:呪殺、破魔、物理、氷結、火炎
  衝撃、電撃、封魔、神経、猛毒
  混乱、魅了無効
スキル:地母の晩餐(敵全体万能属性攻撃)
    召喚(仲魔を召喚)
    ジャベリンレイン(敵全体物理攻撃+封魔)
    ゼロスビート(敵全体物理攻撃+麻痺)
    ヒートウェーブ(敵全体物理攻撃)
    メディアラハン(味方全体HP完全回復)
攻撃する(敵単体物理攻撃)
772名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 20:06:27 ID:HtKkplis
うわ…
そういうシェイラルドシルヴァランスは書かなくても良いと思うよ…
773名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 20:13:38 ID:HtKkplis
ゲームの通りにやろうとすると
あちこちでおかしなことになるから、
あまり厳密にしないほうがいいかもね。
どれとは言わないけど。
774名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 20:17:01 ID:pThhg1N/
>>764
こういう気軽に読めてしかも和むSSは読んでて落ち着くな
フーケ戦やワルド戦を読みてぇw
775名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 20:21:39 ID:rMFpGrUu
あれ?この相性だと風系魔法は通用する?ザンは衝撃で風じゃないから、メガテン世界の相性だと
カバーできないのか。
776名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 20:24:50 ID:8cZjvvbK
>>770
バルザじゃない!バルサだ!!
確かにバルサとタバサは境遇が似てるよな。


そして、仏教校の筈のうちの学校の図書館にクトゥルフがあった件について。
いくら仏様でも防ぎきれねーぞ!!
777名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 20:27:57 ID:pMBlprmX
cv狂犬若本召喚
778名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 20:28:03 ID:6XTvaIEx
>>775
あと地変系も通用する。
けどまあアバタール・チューナー通りだから別に問題ないけど。
779名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 20:36:56 ID:rMFpGrUu
>>776
大日如来は宇宙そのもの。
つまり。大日如来=アザトースなんだよ!
780名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 20:38:53 ID:+icGyz/+
仏像見たらSANチェックが必要だったような……(うろ覚え)
781名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 20:39:00 ID:xY+G27Wx
>>779
な、なんだってー(AA略
782名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 20:40:29 ID:P3P3L0dB
>>691
遅レスだが縛るものはなにも無いのだからさっさっと旅に出ればいいのにと思った
783名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 20:41:40 ID:fm9EFXHQ
>776
バルサン?
784名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 20:41:55 ID:eOhUGVsI
>>782
旅支度無しで旅に出ろ、とな?
785名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 20:43:13 ID:h4AQSmMe
新参だが……この流れならば言える!

ペルソナ3の望月君を召喚させたいんだけど
786名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 20:44:02 ID:8cZjvvbK
>>780
待て!今日は始業式で生徒職員全員が仏像を拝んだぞ!なんてこったい
787名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 20:45:29 ID:nH/BXIol
するとニャルさまが観音菩薩あたりで、仏像に顔がなかったり?
788名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 20:46:51 ID:3uaJMfXk
確か人修羅とダンテってマニアクスで共演したよな?
この二人って魔界経由で東京に帰れるんじゃない?
ってダンテはそこからまた自分の国に帰らなきゃいけないからきついなw
789名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 20:54:19 ID:P3P3L0dB
>>784
原作でもわりと支度なしで移動していたし飛べるし、思っただけ。

>>788
サモンナイトのキャラや悪魔くんも召喚送還できるんだから自分自身も移動できるはずなんだよな。

790名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 20:57:38 ID:eOhUGVsI
>>789
昔の送還術はともかく、現在の召喚術は召喚した本人だけだった気がする。
他人の召喚獣を送還できるのは、サモナ本編だとギアンと誓約者だけだぞ
791名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:01:39 ID:rMFpGrUu
>>787
拡張されたクトゥルフ世界観だと、地球の神は全部クトゥルー神話的存在が不完全に伝承された姿だよ。
792790:2008/01/10(木) 21:01:41 ID:eOhUGVsI
×昔の送還術はともかく、現在の召喚術は召喚した本人だけだった気がする。
○昔の送還術はともかく、現在の送還術は召喚した本人だけだった気がする。
                      ↑


こうやね…。
条件反射でレスしてもた
793名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:20:07 ID:MmJPqVn9
>>789
サモンナイトに関しては>>790の言う通り、各世界間の移動は召喚師本人が召喚・送還を行っていて、
送還しようとしても召喚した人以外できないから、召喚師本人が死んだら召喚されたものが送還できなくなるんだ。
だから例えルイズに召喚されたのが召喚師でも、はぐれ召喚獣みたいな元の世界に帰りたいけど帰れない状況に陥るはず。
まぁゼロ魔の世界は「世界の名前」がハッキリしてるから、リィンバウム側の召喚師に「ハルケギニア」の名前と存在を伝えれば、
設定的に無色のサモナイト石あたりで逆にハルケギニアの物や生物をリィンバウムに召喚する事も一応可能かと。
あ、メルギトス級の別世界に侵攻かますような大悪魔とかは力さえ十分に保っていれば可能だろうけどね?

さて、ハサハたんが召喚された場合のSSを考える作業を再開するお!
794名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:24:52 ID:eOhUGVsI
>>793
ルイズよりキュルケに召喚させてやってくださいお願いします。
2護衛獣は呼び出しても、ほか3体のどれかがリィンバウムにいけるから安心。


というか、使い魔やってる間は、コントラクト・サーヴァントが「誓約」と同じ扱いになるのかね?
だとしたら、他の召喚師に召喚されかけるとレジストか二重誓約にならんか?
795名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:26:01 ID:lfHNeb12
>さて、ハサハたんが召喚された場合のSSを考える作業を再開するお!
むしろSSとして書いてよw
796名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:32:06 ID:ovVtusTY
ハサハたんがハサウェイたんに見えた俺
797名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:34:02 ID:pMBlprmX
なぜかバサラたんに見えた\(^o^)/
798名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:35:31 ID:ovVtusTY
俺の歌を聞け〜といいつつルイズ無視
そのまま放浪の旅にでるバサラという幻視を見た
799名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:35:50 ID:h4AQSmMe
華麗にスルーされた俺カナシス
めげずに且つ空気を読まずに新作投下申請

ゼロの仮面〜ナイト・アフター〜
ペルソナ3の望月綾時を召喚

45分から投下開始おk?
800名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:36:52 ID:xswvYNYH
ごゆるりと…
801名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:40:17 ID:8cZjvvbK
>>798
ルイズはピンク髪
802名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:41:15 ID:MmJPqVn9
>>794
一応俺の中ではリィンバウムのサモナイト石を媒介として要した送還可能な召喚式とハルケギニアの一方的な魔術式による召喚でまったく別扱いと言う認識。
個人的に主従の強制力としてはハルケギニア側のが強めな感じだな。リィンバウム側のだと見返りの能力アップとかは信頼関係による気力的なもんぐらいだし。
ついでに言うと今考えてるのは「メルギトス撃破後のマグ×ハサハッピーエンドから1年半後ぐらいのハサハ」。理由は天啓が降りたとしか・・・
>>795
もちろんある程度設定が固まったら文章化して投下していくさっ!。
今色々「このシーンはこうするべきか」とか「世界観の設定との噛み合わせが破綻しない程度でなるべくハサハたんを活躍させるには」とか色々考えてるんだ。

さて、ハサハたん特有の絶対領域をどう強調するかをまた考える仕事が始まるお!
803ゼロの仮面〜ナイト・アフター〜:2008/01/10(木) 21:45:06 ID:h4AQSmMe
それじゃあ一応、投下開始



ゼロの仮面〜ナイト・アフター〜  一話




「君たちの命の暦は、まだ続いていく。
 おめでとう。奇跡は……果たされた」
 暗闇の下。けれど固い絆で結ばれた仲間達と一緒に。
 そんな輝かしい場所で――『彼』が微笑んだ気がした。


 パタン。と、扉の閉まる音で、少年は目を覚ました。
 真っ先に浮かんだ疑問。ここは何処だろう。しかしその疑問は直ぐに消えた。
 終わり無き上昇。交互に差し込む光と闇。小さなテーブルを挟んで向かい側に座る小さな老人と、その付き人。夢と現実、精神と物質の狭間に存在する場所。
 ――ベルベットルーム。
 自分が居る場所を理解した所で、次なる疑問が浮かんだ。
 何故、自分は此処に居る? 全ては終わった筈だった。『彼』の大いなる決意によって。
 何故、自分はまだ存在している――?
 問いを口にしようとした所で、少年の向かいに座る老人――ベルベットルームの主、イゴール――が、少年を制する様に口を開いた。
「お久しぶりですな。と言っても、貴方と直接お会いするのは、初めてにございますが」
「……あの」
「残念ながら、今は貴方の問いには答えられません。時間が無いのです。私は早急に、私の役目を果たさねば。私の役目とは即ち、貴方に助言を授ける事です」
「……」
「貴方がこれより向かう地に、暗い災厄の影が迫りつつあります。そしてその影を払う者として、貴方が選ばれた。
 ……私が申し上げられるのはこれだけでございます。では、これをお持ちなさい。またいずれ、お会いする事になりましょう」
 イゴールが手を振ると、少年の手の中に小さな感触が生まれた。鍵、だ。
 それを実感した瞬間に、急激に少年を睡魔が襲う。抵抗を許さない、絶対的な睡魔が。
 少年は数多ある疑問を抱えながら、暗闇へと意識を手放した。
804名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:46:00 ID:eOhUGVsI
>>802
俺は、「質は違うが互いに干渉」くらいで書いてる。

>メルギトス撃破後のマグ×ハサハッピーエンドから1年半後ぐらいのハサハ
それだと、「おねえちゃんのおよめさんになる」が出来ないっすよブラザー



そろそろ支援に入るべきか
805ゼロの仮面〜ナイト・アフター〜:2008/01/10(木) 21:47:35 ID:h4AQSmMe
 

 その感覚に、真っ先に反応出来たのは唯の二人。
 圧倒的な魔力。怖気が走る程の禍々しさ。
 それに頬を撫でられる様な感覚に、青髪の少女――タバサは咄嗟に杖を構えていた。
 しかしそれよりも早く杖を取り、しかし構える事の無かったのは、タバサを含めた子供達の教師である、ミスタ・コルベール。
 彼の二人は――差はあれども――歴戦の猛者と呼んで相違無い。
 つまり、春の召喚の儀式に、猛者足る彼等が恐怖する様なモノが呼び出される。そんな『異常』な事態に、『戦闘行動』として反応出来たのは、その二人以外には有り得なかった。
 だが、その二人も直ぐに杖を持つ手を緩める。彼等が恐怖した魔力は、顕現した瞬間……否、刹那と呼ばれる時間の間に立ち消えていた。
 気のせい? そんな筈は無い。彼等の研ぎ澄まされた感覚が捕らえた、強大な力。それ程の物を、捕らえ間違える筈があろうか。
 二人の頭の中を、ほぼ同様の考えが駆け巡るが、事実として先程の気配は欠片程も無い。
 ならばその『刹那』の間に、何があったのか?
 杖を握る手に力を入れ直し、彼等は未だ渦巻く煙を注意深く見詰め続けた。

806名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:48:58 ID:DD8OAJLW
紫煙
807ゼロの仮面〜ナイト・アフター〜:2008/01/10(木) 21:49:15 ID:h4AQSmMe
 数秒後。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは歓喜の感情を落胆へと変貌させていた。
 やった。ゼロの自分でも、出来た。成功した。そう確信していた。
 だがその確信は、脆くも『異常』事態を前に崩れ去ってしまった。
 ルイズの眼前。爆発の煙が消えた場所に立っているのは、一人の人間の少年。妙な格好をしているが、貴族には見えない。
 貴族ではないイコール、平民。それ以外に考えられる要素は皆無であった。
 確かに召喚には成功した。だがその結果はどうだ? 人間? それも平民。傍から見れば最高のネタだろうが、当人にしてみれば笑い話にもならない。
 そんな事を考えている内に、辺りからは野次が飛び始めている。ほら見ろ。皆が笑っている。私を馬鹿にして。
 これからも続くのだろう、同級生達からの嫌がらせの日々を思い、ルイズは拳を強く握り締めた。
「ミスタ・コルベール! やり直しを――」
「ミス・ヴァリエール、早く契約の儀式を。――早く」
 頭の寂しい教師に異議を唱えるつもりだったルイズだが、今までに見た事もない迫力を出すコルベールに、思わず口を噤む。
 厳しい目で自分と平民を見比べているコルベールは、どうやらやり直し等させてくれる気は毛頭無いらしい。
 ルイズもそれを察し、 ぶつぶつと文句を垂れながらも、きょとんとした顔で辺りを見回している平民に向かって足を向けた。
「感謝しなさいよ。平民が貴族にこんな事されるなんて、ホントは一生ないんだからね。
 ――我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我が使い魔となせ」
 少年の大きな瞳に、自分の姿が映る。妙に恥ずかしくなり、ルイズは目を瞑って少年と唇を重ねた。
「ッ!」
 突然のキスに、少年が大きく身体を離す。
「何を――――、痛ッ!?」
 次に、左手に走った激痛に顔を顰める。
「少し、良いかな。――ふむ、珍しいルーンだ」
 コルベールが少年の左手を取り、左手に刻まれた文字をスケッチする。
 その間にも、彼の雰囲気がピリピリと張り詰めていたのに気付いたのは、手をされるがままに差し出している少年のみ。
「それでは皆さん、教室に戻りますよ。さあ、早く」
 少年に一瞥を残し、コルベールは生徒達を空へと送り出す。
 その光景に、少年は目を丸くした。これに気付いたのは、今度はルイズのみである。
 だが直ぐに「平民だから魔法を見た事があんまり無いのだ」と、結論付けた。
「……あんた、名前は?」
「え?」
 ルイズが低く呟き、少年が聞き返す。
「名前」
「……あ、ああ、うん。…………、……望月だよ。望月綾時」
「モチヅキリョージ? 変な名前。……まあ良いわ。あんた、今から私の使い魔だから。とりあえず付いて来なさい」
「……?」
 思案は数秒。使い魔の少年――望月綾時は、うん。と、小さく自分に頷き、自分よりも幾分か小さな少女の背に付いて行った。


 運命は静かに廻り始めた。……或いは、狂い始めた。
 終わりを齎した少年が、終わりを防がんと、この地に降りた事によって。静かに、静かに。
 

 時は待たない。すべてを等しく終わりへと運んでゆく。
 限りある未来の輝きを、守らんとする者よ。




ゼロの仮面〜ナイト・アフター〜  一話・了


一応これで。近い内に二話以降も
イゴールさんの台詞難しい
808名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:49:44 ID:eOhUGVsI
割り込みになってもたごめん
809名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:52:37 ID:0KAGi3NI
望月と聞いてフルネーム出るまで誰か分からんかった支援
810名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:53:42 ID:h4AQSmMe
ぶっちゃけこのスレには「死人は召喚し易い」って暗黙の物が漂ってるよね
811名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:54:15 ID:24nPIzWf
この描写だと、コルベールは危険性を承知しながらも、自分の生徒を
一人だけ得体の知れない存在の元に置き去りにしたみたいに見えるかも。
生徒は先に帰らせて、自分はルイズとともに使い魔に相対するほうが
より“らしい”かもしれませんね。
812名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:54:22 ID:rMFpGrUu
GJ!

メガテン系が充実してるねぇ。実にいいことだ。
読み比べるのが楽しいなんて、こんな幸せなことは無い。
813名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:58:22 ID:h4AQSmMe
>>811
確かに。ちょっとだけ修正しますわ

>>812
人修羅とかwktkせざるを得ないよね
814名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:59:35 ID:eOhUGVsI
メガテン知らないのが厳しくなってきた今日この頃
815名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 22:01:25 ID:HtKkplis
望月と言えば漫画版。
816名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 22:04:16 ID:h4AQSmMe
>>814
アレは良い物だ……。けど人を選ぶ事は言っておく

>>815
単行本しか読んでない
817ゼロの仮面〜ナイト・アフター〜:2008/01/10(木) 22:07:18 ID:h4AQSmMe
「それでは皆さん、教室に戻りなさい。さあ、早く」
 少年に一瞥を残し、コルベールは生徒達を空へと送り出す。
 その光景に、少年は目を丸くした。これに気付いたのは、今度はルイズのみである。
 だが直ぐに「平民だから魔法を見た事があんまり無いのだ」と、結論付けた。
「……あんた、名前は?」
「え?」
 ルイズが低く呟き、少年が聞き返す。
「名前」
「……あ、ああ、うん。…………、……望月だよ。望月綾時」
「モチヅキリョージ? 変な名前。……まあ良いわ。あんた、今から私の使い魔だから。とりあえず付いて来なさい」
「……?」
 思案は数秒。使い魔の少年――望月綾時は、うん。と、小さく自分に頷き、自分よりも幾分か小さな少女の背に続こうとし――、
「……、……」
 空を飛んでゆく生徒達を見ながら――そう振る舞いながら――自分を警戒している、コルベールを振り返り、小さく微笑んだ。
 その屈託の無い微笑に、コルベールの顔が驚嘆に染まるのを見、綾時はまたも笑う。
 コルベールが如何にも半信半疑と言った風に、ぎこちない笑顔を返す。
「ちょっと、何してんのよ! 早く来なさい!」
「ああ、ごめんよ」
「あんた、口のきき方が――」
 傍から見れば微笑ましげな少年少女のやり取りに、コルベールは顔を顰めた。
 安心して。自分に微笑みかけた時の綾時の口が、そう言っていた。
 意図は図りかねる。自分だけでは荷が勝ち過ぎるやもしれない。
 そう考えながら、コルベールはルイズ達と同じ様に――距離を離し過ぎず――歩いて教室へ向かった。



修正。やっつけ感はあるが、致し方無い
818名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 22:07:32 ID:MmJPqVn9
とりあえず二重契約は「元からハルケギニア側には召喚の系統が違う上に送還術が無いから」って理由で作中の当人達には多少困惑するけど、
結局は別物として特別大きな作用は無かった的な展開にしたいんだぜ……
あとメルギトス戦後の理由は「平和だから色々お勉強とか頑張って覚えたりした」方が何かと都合が良い&マグナのお嫁さんになる為に頑張るハサハは可愛いから。

マーラ様のお話ぐらいの長さでハッピーエンドでハサハを可愛く書いていきたいな。自己満足の塊ができそうな予感!
819名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 22:07:58 ID:ovVtusTY
メガテンは真メガテン1〜2とかの雰囲気がなくなって
オサレ系になってるのが悲しい
820名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 22:10:07 ID:h4AQSmMe
>>818
小説なんて所詮誰もが自己満足さ!


誰かDDSアバタールチューナーのサーフ辺り召喚してくれないだろうかと、他力本願
821名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 22:13:31 ID:62k2WIaC
追い付いた。
職人方GJ!

悪魔も泣き出す氏に突っ込みが入ったようだが・・・・・忘れてはいけない。

ベオは唯一、

死 亡 し て い る 事に
822名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 22:14:18 ID:I9NnzZKz
「あんたバカァ?」
「な、何よ使い魔の癖に」
「この!」
互いに掴み合うアスカとルイズ
その横ではタバサがレイと見詰め合っている
「たぶん、三人目」
「いいね、召還したのはあなたが最初」
「そう」
「あなた誰」
「私はタバサ」
「タバサ・・・そうあなたタバサなのね」

そしてとんでもないものを呼び出してしまったワルド
「ワルド、槍を使え」
「な、レコンキスタの老人たちは黙って居ないぞ」
「所詮、祈祷書の予言通りにしか行動できない連中だ問題無い」
823名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 22:15:20 ID:ouNjAEhk
>>819
時代が違うんだ
悲しいがあきらめろ
824名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 22:19:08 ID:eOhUGVsI
キツネの子の召喚にはwktkがとまらない。

鬼願法師、鬼神将ガイエン、金剛鬼で暴れまくる子か
遠異・近異、ヒナ&シロトト、オニマルあたりの可愛い系で固めるか。
3以降の術も持たせてえらいことにするのか、とか
825ゼロの夢幻竜:2008/01/10(木) 22:20:02 ID:KYLcOh9c
皆さん今晩は。
早速ですが現在スレは830近くにまで達していますよね?
明日未明の投下になりそうなんですけど、新スレ待った方が良いですかね?
826名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 22:21:11 ID:24nPIzWf
>>811 です。
ナイトアフターの方。自分の意見への素早い対応、眼を瞠りました。
確かに、修正された>>817の方が“らしい”し、お話に余韻があると思います。

くちはばった言い方だったかもしれませんが……GJです。
827名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 22:21:43 ID:MmJPqVn9
>>824
( ´・ω・)

(´・ω・`)フーケ襲撃シーンにオオアカ切断虫でゴーレム真っ二つを考えていてサーセン……
828名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 22:27:51 ID:KcYAG+OW
>>819
分かるよ。
鈴木大司教がいなくなってかららしさが無くなった。
829名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 22:30:12 ID:7ToAwn2l
…あー、メガテンというと
デジタルデビルストーリーしか知らないや俺
830名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 22:31:23 ID:eOhUGVsI
切断虫とかなんとマニアックなチョイス……
ぶっちゃけ日本刀落としと召雷とイズナ眼だけで、並の使い魔としては十分戦えるんだよね。

あれ……、日本刀装備サイトとかできるのか、この子
831名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 22:31:54 ID:wIun8OM4
今から小ネタ投下してよかですか?
832名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 22:33:16 ID:Z2mBitqD
>>825
夜にだいぶ投下されるから次スレのほうがいいと思う
実際に投下時のスレ具合によるけど


それとメガテンと言われて所さんの目がテン!しか出てこなかったw

あと支援
833名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 22:33:40 ID:eOhUGVsI
支援〜w〜
834名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 22:34:12 ID:n83ovpaG
パニゲルミニスを除けば最強ユニットだからな
ハサハは
もちろんボーナスは魔法攻撃力全振り一択だ
835名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 22:49:25 ID:ACu1s30O
投下してもいい?
836名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 22:50:20 ID:ouNjAEhk
どーぞ?
837名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 22:51:39 ID:+icGyz/+
>>831が予約してるんじゃないか?
838名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 22:52:46 ID:ACu1s30O
あれ?授業中にケータイに書いてたのが消えている。

すみません明日にします。
839831:2008/01/10(木) 22:53:23 ID:wIun8OM4
一回投下したら弾かれた
もっかい投下してみる
840名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 22:54:33 ID:3kdN32Q6
>>838
授業は聞いとけよwww
841名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 22:54:47 ID:+icGyz/+
831が投下して、835は取りやめでいいんだな支援
842名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 22:56:56 ID:GTsmH7o6
>>838
Civ4廃人になって危うく大学を留年しかけた俺みたいな奴だけにはなるなよ厨房。
843名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 22:58:10 ID:y4Yo9nWW
携帯で学生が書いたってだけでいっぱいフラグが
844名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:00:06 ID:rfS2X5VP
メガテンというか、デジデビしか分からない。
中島君とか北君しか。
845名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:00:27 ID:GTsmH7o6
>>843
スイーツ(笑)と言う訳だな
846人付き合いのできる使い魔1:2008/01/10(木) 23:00:38 ID:wIun8OM4

──教室吹っ飛ばして掃除中


「──だから『ゼロ』のルイズなのか…」
「フンッ! あんたまで『ゼロ』『ゼロ』ってわたしのことバカにするのね」
「聞いてたのか。怒るなよ、ルイズ。
君はオレの命の恩人で、頼りになる主人だと思っている。友人ともな。
それじゃ、いけないか?」
「…生まれてこの方、わたしの人生狂いっぱなしよ。
『フライ』はおろか、『レビテーション』ですら失敗ばかりだし、
それが、『あの』由緒あるヴァリエール公爵家の三女ってことで、他の連中にはバカにされるし…、
べ、べべ別にわたしはやっかみなんて気にしてないわよ!?
わたしは、少し他と違うだけで、原因を突き止めたら、
きっと、魔法が使えるようになるんだから!
…でも、その足がかりになるはずだった使い魔召喚でも、
あんたみたいな平民が召喚されちゃうし、もう、めちゃくちゃよ」
「焦ってんだ」
847名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:00:49 ID:KMY3QzX/
エースコンバットのゴルドorウィザードorソーサラーorガルムorラーズグリーズ隊のクロスでも書くか?

アーマード・コア(AC)のクロスって出来ないものかな
848人付き合いのできる使い魔2:2008/01/10(木) 23:02:51 ID:wIun8OM4
「…なんですって?」
「オレと同じさ。
どうしたらいいか、何をしたらいいか、わからなくて、焦ってる。
状況の変化に対応できてない」
「なっ、なによ!
わたしはルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、
由緒あるヴァリエール公爵家の三女よ!!」
「名門貴族の子も人ってことだろ?」
「……ふ、ふんだ、なによ!
わかったような口きいちゃって!
…あぁもう!
さっさと片付けてご飯食べに行くわよ!! わたしも手伝うから!
か、勘違いしないでよね!
さっきからお腹ペコペコで、一刻も早く食べに行きたいだけなんだから!!」
「わかったよ。
早く一緒に食べに行こう、ご主人様」
「…フン」



スーパーロボット大戦Dの男主人公
ジョシュア=ラドクリフを召喚
849名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:05:16 ID:Z2mBitqD
ギュネイと親友になった男かww
850831:2008/01/10(木) 23:06:47 ID:wIun8OM4
投下終了です、遅れてすみません
いっぺんに投下しようとしたら、弾かれたから二つにわけました

ジョシュアなら…ギュネイと親友になったジョシュアならルイズとも!
851名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:08:28 ID:f+0gkTe9

助手がいなくなったらラキが可哀想じゃないか
852名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:08:55 ID:KMY3QzX/
>>850
行けそうだな・・・前から思ったが、使い魔の儀式って数関係ないの?
853名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:15:53 ID:TW+T8HZU
使い魔が嫌がったり逃げたりというのはありますが、ルイズが個人的感情で契約をしなかった、という作品はあるんでしょうか?
進級がかかっているから諦めて契約するのが当たり前かもしれませんが……
854名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:18:26 ID:iZf5hj49
白粉つけたダークエルフを召喚
とか書いても元ネタわからんのが多いか
855名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:18:46 ID:eOhUGVsI
水野良がどうしたって?
856名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:21:38 ID:sf23U4cE
>>853
小ネタだが、モテ王サーガの太蔵
マリコルヌに押し付けた
ちなみにその後召喚やり直してまともな使い魔呼びなおした
857名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:22:09 ID:duOT43HI
>>854
まさにルイズと「口づけ」だな。

……スイフリーのことじゃないよな?w
858名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:23:54 ID:g+hXo4C6
>>854
付け耳つけたルキアル並の頭脳をもった人間がどうしたって?
859名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:25:10 ID:sf23U4cE
>>853
今ちょっと調べなおしてきたが、タイトルは使い魔ゼーロでWikiの小ネタ た行にある
860名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:31:10 ID:aTEld1QN
メガテン系が増えて喜ばしいね。タカジョーくん来ないかな?
861名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:34:40 ID:KcYAG+OW
メガテンというと偽典が真っ先に頭に思い浮かぶ。
・・・あの世界観はハードすぎてゼロ魔に合わないな。
862名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:41:01 ID:7ToAwn2l
>>854
あぁ邪神の最高神官で竜を解体したマジックウエポンで
一つのエルフの集落を
完全に滅ぼし怨霊の巣窟にかえたアイツだろ

ルイズに呼ばれるよりジョゼフに呼ばれた方が話が膨らむと思うぞ
863名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:41:34 ID:pidxHRQj
>>854
最後に愛は勝つが作者のスタンスなのに愛が惨敗しちゃったアレですか?
あれは主人公の神への愛が勝ったと考えればなんの問題も無いと思うんだ
…あと、書いてくれたら感涙ものだが避難所向きではなかろうか?
864名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:41:47 ID:AVr/qXMh
真女神転生ifの宮本明が召還された話ってありそうだけど中々無いね。
865名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:45:23 ID:wIun8OM4
>>852
助手はギーシュとの決闘すら回避しかねない

>>861
ヒロインのバラバラ死体のパーツを集めろだもんな
個人的にリメイクする価値あるほど面白いと思うが
866名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:45:34 ID:n83ovpaG
>>864
夜話かどっかで見かけたキガス
867名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:47:21 ID:JLXmoaMT
メガテンって言ったら主人公がパソコンで悪魔を呼び出して実は神様の生まれ変わりで
世界が滅茶苦茶になってヒロインが群集から石投げつけられて世界滅亡する奴だよな。
それ以外は紛い物なんだから今更真メガテンとかペルソナとか最近のペルソナは世界観
違うとか同でもいいような気がするぜ。
868名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:56:50 ID:n83ovpaG
>>867
世界より愛する人が大事だ、みたいなセリフを言うやつは多いが
マジで実行して、本当に世界滅亡させたのはこいつくらいしか知らん
869名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:57:52 ID:1qhEfa1A
デビルチルドレンしかやったことないわ
870名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:58:41 ID:AVr/qXMh
あと、真女神転生ifのハザマも無いなぁ。
871名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:59:17 ID:8hP7lZmm
AM文庫のやつを学校で読んでて、それを先生に見られたのはいい思い出だ。

カラーイラストで弓子のおっぱいだからなあw
872名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 00:03:20 ID:r9KQLzOB
相変わらずIE使って書き込んでるネカフェ厨居るな。
873名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 00:03:39 ID:ya+J53wy
>>822
タバサがレイと見詰め合っている というのが凄くシュールだw

874名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 00:17:38 ID:DWHmdjjl
>>854
虚淵作品に皆笑顔のハッピーEDなんてありませんよね
875名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 00:18:36 ID:DseGTjWN
>>850


流石はツンデレキラーと呼ばれる男。
876名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 00:18:45 ID:8WfRj8bx
時に、もうTCGのページは復帰しないんだろうか。
877名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 00:20:47 ID:LqDXloux
>>869
漫画版は少年誌のベルセルクとまで言われたシロモノだ。
878名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 00:21:37 ID:r9KQLzOB
>>870>>873 お前、わざとやってんのか?スレ上げんな。
879名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 00:23:21 ID:ya+J53wy
>>878
スイマセン
880名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 00:26:58 ID:LqDXloux
強キャラ召喚ネタで、ルイズがマグダル、キュルケがデプレ召喚を考えたことはあるが、
ルイズは確実に双子の弟と言えどツェルプストーの使い魔になったら仲良くさせないウルトラビッチになりそうだw

両親が殺されたとか聞けば変わるかもしれんが。
881名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 00:27:36 ID:rFcC+LWp
>>877
残酷描写が多かったが間違いなくアレはボンボンの漫画の中でも5本の指に入る名作
882名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 00:28:35 ID:AQ9wAQ3w
ボンボンって少年誌か微妙な位置だよな
とりあえず王ドロボウと同じで空気読んでない漫画だった気がする
883名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 00:34:08 ID:izAOx3Hm
ボンボンはやけにエグイのとエロイのがあったな
884名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 00:39:04 ID:dN4YS0US
デビチルはジャリ向け雑誌とは思えない超展開でアニメとぜんぜん別物だったぜ
885名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 00:44:11 ID:AZXf78Pq
いぬじに、片手吹っ飛ぶの当たり前だったからな
886名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 00:44:27 ID:1QXcW6Wn
俺は愛読してたぜ、ボンボン
887名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 00:44:30 ID:MmujKXTd
さっき有ったサモンナイトの話題ですまんけど
初代のパートナーはパートナーエンドでは送還術の応用で現代まで追っかけて来るぞ


>>850
ジョッシュだとイザベラやジョセフすら落としそうで……
やはりギュネイと戦闘のプロが親友なのは伊達じゃないな
888名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 00:55:09 ID:ORKkAyEF
>>876
作った本人にしかわからない
889名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 00:55:30 ID:wrTzzlKH
>>887
サモンナイト正史は、誓約者フラット残留ですかr
890名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 00:56:14 ID:f0w7KEBs
メガテン増えて・・・








続き書かなくてもいいかな(´・ω・`)
891名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 00:57:03 ID:1QXcW6Wn
>>890
俺としては、書いてほしい
892名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 00:57:28 ID:OZC928bg
ボンボン・・・サイファー・・・
誰も知らんか
893名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 01:02:37 ID:h+FTO+cF
>>890
言いたくは無いが、まだ増えているとは言えないかもしれんぞ
1話か2話だけで続きがこない話もよくあるし
894名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 01:06:52 ID:2M46dXdg
書きたくないなら無理に書かなくてもいいんでないかい。
895名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 01:11:54 ID:MmujKXTd
>>889
解ってはいるけどあのエンディングが結構好きだったのさ
因みに組み合わせは勇人とカシス

ところでナイト繋がりでみつめてナイトの主人公、東洋人召還とか……メタな三択が脳な(ry


ボンボンと言えばボンボン坂高校とかもですね
896名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 01:18:13 ID:mhnw7qnz
>>895
>ボンボン坂高校
部長召喚か
ギーシュ貞操の危機か
897オッツ・キイムの使い魔:2008/01/11(金) 01:22:25 ID:QiJucP2r
あけましておめでとうございました。
100スレ目おめでとうございます。
投下してもよろしいでしょうか?
898名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 01:24:21 ID:IyArfXtZ
支援
899オッツ・キイムの使い魔 1/6:2008/01/11(金) 01:25:23 ID:QiJucP2r
 吟遊詩人は歌い伝える。
 この大陸の伝説を―――

 時間と空間をさまよう世界。
 うつろう時間を紡ぐ言葉。
 言葉はやがて証となり、全ての時間と世界を繋ぐ。


××××××××××××××××××××××××××××××


 がしゃんがしゃんと、窓に激しく何かがぶつかる音。
 タバサは目を覚ました。
 心地よく暖かい寝床の中で、まだ覚醒しきらない脳が、あといくらかの眠りを求める。
 しかし音はますます大きくなるばかりだ。"サイレント"でもかけようかと思ったが、このまま窓を壊されたらシャレにならない。
 仕方なく体を起こすと、窓の外いっぱいに青い姿が見えた。
 昨日召喚したばかりの使い魔、風韻竜のシルフィードである。早く早くとせがむように、首の側面で窓を叩き続けている。
 最高に嫌な予感がした。
 窓を開けたら、ろくでもないものが入ってきそうな気がした。
 しかしこのままというわけにもいかない。タバサはしぶしぶベッド脇にあった杖を手に取ると、"アンロック"のコモンを唱えた。
 途端、シルフィードの首が窓から勢い良く侵入する。
 口の先に、何かを咥えたままで。
「う…わぁっ!?」
 床に投げ出された何か、黒髪の人間が叫ぶ。どうやら頭を打ったようだ。
 頭をさすりながら、ええと、えーと、と戸惑っている様子だった。
「…お、おはよう」
 その衣類はシルフィードに捕まっていたためか、引き上がり、捩れ、一部が大きく破け、とんでもないことになっている。
 具体的に言うと、上半身の正面についている瑞々しい一対の膨らみの右側が、ばっちり丸見えになっていた。
「胸」
 タバサに言われたその人物は、意味がわからずきょとんとする。
 タバサの胸元を見て、違うと首を振られ、やっと自分の体に視線を落とす。それから、たっぷり5秒ほど硬直してから、「うわあああああん!?」と慌てて胸を隠した。俯いた耳は真っ赤である。
 そんな乙女の騒ぎをよそに、シルフィードが今にも泣きそうな声をあげる。
「おねえさまおねえさまおねえさまぁ〜! どうしよう、バレちゃったのね! きゅいきゅい!」
 タバサは思った。ああやっぱりろくでもないトラブルが入ってきた、と。

 シルフィードの言い訳はこうである。
 朝、空の散歩を楽しんでいたら、ヴェストリの広場に模様のようなものを見つけた。
 広場近くの屋根に降り立ち眺めたところ、それは広場いっぱいに土で描かれた人物画だった。
 その大きさと上手さに驚く。
 なにこれすごいの! だれが描いたのかしら! きゅいきゅい!
 そう人間の言葉で大はしゃぎする。自分一匹しかいないはずの屋根の上で。
 しかし背後で、あ、という驚いたような声が聞こえ、仰天して振り向くと―――この少女がいたのだった。
「だってだって、屋根の上に人がいるなんて思わないのね!」
 それがシルフィードの最後の言葉だった。
 目立つことを嫌ったタバサに、説明後、さっさと部屋を追い出されたのだ。

 以上が、今回の真実であり真相である。
900名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 01:27:10 ID:KvObXKBh
支援
901オッツ・キイムの使い魔:2008/01/11(金) 01:29:21 ID:QiJucP2r
何故か投稿できない…?
すいません、もうちょっとお待ちください。
902オッツ・キイムの使い魔:2008/01/11(金) 01:32:45 ID:QiJucP2r
すみません、何だか駄目っぽいので代理スレでお願いしてきます。
行数もサイズも大丈夫だと思ったんですが…なんでだろう。
903名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 01:56:36 ID:wrTzzlKH
2レス目からでいいかな?
904名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 01:57:35 ID:ORKkAyEF
支援
と思ったが誰も代理投下しないのか?

自分でやれ?携帯だから無理
905オッツ・キイムの使い魔 2/6:2008/01/11(金) 01:58:31 ID:wrTzzlKH
『はぁ、ナルホドねぇ…』
 タバサの部屋で事情を聞いたレムは、バレたことを困るべきか、助けて貰ったことに安堵すべきか、
 それともウリックのうっかりサンっぷりに呆れるべきか考え、何ともいえない微妙な表情を浮かべた。
『とくかくアリガト、タバサ』
 タバサは首を横に振る。
「交換条件」
 淡々としたタバサの言葉に、ウリックは目に見えて落ち込んだ。
 最初、このことはレムには伏せられる予定だったのだ。
 女であることを秘密にして欲しいと懇願したウリックに、タバサはこれ幸いと交換条件を突きつけた。
 すなわち、韻竜であることを秘密にしてくれ、と。
 無論ウリックは快諾した。そもそも交換条件などなくても、他人の秘密を吹聴するような少女ではない。
 しかし彼女は同時に、全く嘘がつけない性格でもあった。
 韻竜のことを伏せて話しても、何か隠していると態度でバレバレ。長い付き合いのレムを欺けるわけもなく、問い詰められるうちにうっかり口を滑らせ。
 この通り、全てを洗いざらいブチ撒ける破目になったのだった。
「本当にゴメンね、タバサ…」
 うなだれて謝るその姿は、なんだか子犬のようだった。耳としっぽが垂れ下がった子犬。ようするに、やたらと可哀想。
 黒い瞳はうるみ、きゅうん…という鳴き声まで聞こえてきそうだ。無論幻聴だが。
 そんな年下の少女を、心ある人間が責められようか。いや責められまい。
「…妖精だから、いい」
 でも他の人間にはバレないようにして。タバサはなるだけ優しい響きで、でもあまり感情を表に出さないようにしながら、そう言外に含める。
 ウリックはキッと顔を上げ、真剣な表情でタバサを見つめた。
 両手を拳に固く握り締め、その瞳には炎が宿っている。無論幻だが。
「タバサ! ボク、次はガンバるよ!」
 そんなに気合を入れられても。というか次があると困る。頑張るって何をどうやって。
 色々ツッコミ所があったが、むしろありすぎたので、とりあえずタバサは頷いておいた。
『そーよ! もうバレちゃったモノは仕方ナイわよう♪ 次よ次!』
 妖精の方はやたらと気楽だ。あんまり気負われても困るのだが、これはこれでちょっと心配だ。
『…ところで、ひとつ疑問なんだケド。
 どーしてウリックってば、屋根になんかのぼってたの?』
 それは確かに謎だった。
 シルフィードが驚いたのも無理はない。メイジは"フライ"が使えるが、普通は屋根になど上らない。貴族だからだ。
 ましてや彼女は平民で魔法も使えない。自分でわざわざ上るなんて、そんな馬鹿なことをする人間がいるわけない。
 もしや、誰かに魔法で飛ばされたのだろうか?
 ええと。ウリックが話し出す。
「高いトコにのぼったら、なんとなく道わかるカナーって思って」
 それで自力で木登りして、頑張って屋根に上がったらしい。
 あのぐらい高い木登ったのって久しブリだったナー、と楽しそうな姿を見ながら、タバサは正しくウリックを理解した。
 すなわち、お馬鹿である、と。
 タバサはウリックに荷物を渡すと、ふいに口を開いた。
「あなたの」
「なに?」
「格好。何故男装を?」
 少し間があってから、ウリックは笑って言った。
「その…色々あって」
 タバサはそれを見つめて、ならいい、と小さく呟く。
 それ以上は追求しなかった。
906オッツ・キイムの使い魔 3/6:2008/01/11(金) 01:59:52 ID:wrTzzlKH
ウリックは荷物から新しいさらしと針と糸を取り出し、少し悩んだ末、先に服を繕うことにした。
 ちなみに現在は、タバサに借りたタオルを胸に巻いている。標準よりもやや小ぶりの膨らみが、薄い生地をやんわり持ち上げている。
 破れた服をちくちく修繕していく。その手つきは慣れたものだ。
 ちくちくちくちくちくちくちくちく。
 ちくちくちくちくやっていると、タバサがその正面に座った。
 ちくちくちくちく、なんだろうと首を傾げる。
 ちくちくちくちくちくちくちくちく。
 タバサはさらしを手にすると、ウリックの胸を指差した。
「私が巻く」
 ちくちくちくちくちくちく。え?
 ちくちくちく。ちく。
 ぴたり。止まった。
「…え、えええええぇぇぇええっ!?」
 座った体勢のまま後ずさる。
「まままま、巻くってさらしを!? 胸に!?」
『…アンタ、そーいう趣味なの?』
 真っ赤な顔であわあわするウリックと、ジト目で睨むレムに、タバサはあくまでも冷静に言葉を返す。
「もうすぐ朝食」
 つまり時間がない。まだ繕い終わるまでは時間がかかりそう。
 だからその間に、タバサがさらしを巻いて時間短縮する。そういうことだった。
 非常にとてもものすごく理路整然としていて、何の不自然さもあるわけがない理由であった。
 決して、さっきうっかり口を滑らしたことに対する報復だったりはしないし、ころころ表情が変わる少女を見ていて
 普段は押し隠しているお茶目な悪戯心が湧き上がってきたりしたからであろうはずもない。全然ない。
 朝食の時間までは意外と余裕があるような気がするのは気のせいだ。
「ででででで、でもでもっ! でも……レムぅ…」
 ウリックは服をぎゅーっと抱きかかえ、涙目でレムに助けを求める。
『そんなのダメに決まってるじゃナイ!』
「レム…!」
 少女は頼もしい仲間の言葉に、喜びと安堵の笑顔を浮かべ、
『だったら私が巻くわ!』
「レムぅ!?」
 そして3秒で砕けた。
『せっかくの申し出悪いケド、ウリックのコト、初対面のアナタに任せるワケにはいかないわ!』
 ビシッとタバサに指を突きつける。
 おふざけでなく本気で言っていたりするあたり、この妖精も結構な天然だ。ついでに過保護である。
「小さいから無理」
 ぴしっとタバサが切り返す。ううっと唸るレム。
 レムのサイズでは、始点である片端を押さえておくことができない。そして力も足りない。
 胸の膨らみを押しつぶすためには、結構な力でさらしを引っ張らなければいけないからだ。
「ドッチでもハズかしーってばぁ! ボクの意見聞いてよう!」
 あうあう泣きつつ訴えるウリックだが、その声はどちらにも届かなかった。ちなみに聞こえてナイのがレムで、聞く気がないのがタバサである。
 ウリックは神様やら目付きの悪い勇者やら金髪の王子やらに内心必死で助けを求め祈ったが、目の前の2人を止められる者など、はたしてどこにもいなかった。
 結局、ひたすら無言でさらしを突きつけるタバサに、かなり押しに弱いウリックと、条件的に不利だったレムは負けたのだった。
907オッツ・キイムの使い魔 4/6:2008/01/11(金) 02:00:25 ID:wrTzzlKH
 タオルの取り払われた素肌に手を這わせ、タバサはさらしを巻き始めた。
 普段日に当たらないからだろう。腕よりも色素の薄いその場所は、恥ずかしさのためか、淡いピンクに色付いている。
 見上げればウリックと目が合った。赤い顔をして、黒い瞳は涙で潤んでいる。
 目線を戻し作業を再開すると、頭上でウリックの動く気配がした。服を繕い出したのだ。
 妖精はタバサの頭の後ろ上あたりにいて、ウリックの服の端を持っているはずだ。
 裁縫する上半身裸の少女の懐に潜り込んでさらしを巻く少女。かなり倒錯的な光景だ。
 そうしてタバサは考える。
 どうして自分はこんなことをしているのだろう、と。
 報復、悪戯心、確かにそれもある。しかし、それだけの理由でこんなことをするほど、自分は酔狂な人間ではないつもりだ。
 タバサがさらしを引けば、マシュマロのような弾力のあるそれは、簡単に押しつぶされた。
 おそらく、と巻き続けながら思う。
 彼女のことが気になって仕方ないのだ。
 自らを偽る姿、モノとして扱う主人―――そこに、自分の姿を重ねてしまったから。
 明るく無邪気なその姿に、まだ『シャルロット』だった頃の自分を重ねてしまったから。
 わかっているのだ。彼女と自分の境遇はおそらく全く違うし、例え似ていても、自分には目的がある。余計な面倒に首を挟んでいる暇などない。
 けれど。
 何故男装をしているのか、そう訊ねた時。ウリックは一瞬、ひどく辛そうな顔をした。そうしてから笑ったのだった。瞳だけは、深い悲しみを残したままで。
 それを見たら、もう駄目だった。
 わかっているのだ。これは単なる自己満足で、彼女のためにも、そして自分のためにもならないかもしれない。
 それでも。
 誰にも甘えることを許されない『シャルロット』の代わりに、せめて、せめて彼女は、そんな顔をしなくていいようにと。そう願うことを止められなかったのだ。
 だから自分は、彼女のことが気になって仕方がない。
 右腕が脇腹をかすめて、ひゃ、とウリックがくすぐったそうに身をよじった。
(………。)
 もう一度脇腹を、今度はさっきより長く強くかすめてみると、うひゃああ、とプルプル震えた。
(……♪)
 タバサは思う。
 そう、自分が彼女に対してこんなに構うのは、彼女のことが気になるからであって。
 決して、子犬みたいでなんだかちょっと苛めたくなるとか、反応がかなり楽しいとか、そういう単純な理由では決してないはずだ。
 決して。絶対。たぶん。…きっと。
908オッツ・キイムの使い魔 5/6:2008/01/11(金) 02:01:39 ID:wrTzzlKH
 服を繕う手が止まっている。
 タバサが様子を伺うと、ウリックは自分の右手の甲を眺めていた。
 あのヴァリエールの言葉を聞いて、後悔しているのかもしれない、と思った。
 まるで所有物扱いのあの言葉。
 偶然のような事故で使い魔となってしまった彼女にとっては、かなりの屈辱だろう。自分の運命を恨み、悔やんでいるのかもしれない。
 使い魔の証であるルーンを見ながら、自分の主人のことを思い出しているのだろう。そうタバサは思っていた。
「ねぇ、レム」
 だから、次に少女の口からその言葉が飛び出すことなど、あまりにも予想外だった。

「この文字…"ヴィンダールヴ"って、なんなのカナ?」

 タバサの手がすべり、胸を強く押してしまったため、ウリックは「ほわあっ!?」と間の抜けた声をあげた。
『なに、どーしたのヨ?』
 レムが何事かと声をかけた。
 タバサがウリックを見上げる。その顔には、珍しくはっきりと驚きが浮かんでいた。
「タバサ?」
「…これ、読めるの?」
「うん」
 当然、というような声だった。
 使い魔のルーンを見る。ハルケギニアで4系統の魔法に使われるルーンと同じだ。
 しかしタバサには、それを"ヴィンダールヴ"と読むことは出来なかった。自分達の読み方では、ただの意味のわからない文字列としか読み取れない。
 ありのままそう伝えると、2人は顔を見合わせる。答えたのはレムだった。
『実はネ、私たち、ハルケギニア出身じゃナイの。
 オッツ・キイム…ルイズがいう東方から召喚されたの』
 曰く、オッツ・キイムのルーン文字は、マジックワードであると同時に、公用語でもあるらしい。
 そしてオッツ・キイムに倣えば、このルーンは"ヴィンダールヴ"と読めるのだという。
『ウリックがオッツ・キイム出身だから、ルーンもオッツ・キイム風になったとか?』
 ありえるかもしれない。人間の使い魔は初めてだから、どんなイレギュラーがあってもおかしくない。
 しかし今は、それより重大な問題があった。
「それで…タバサは、"ヴィンダールヴ"ってなにか知ってる?」
 問いかけられたタバサは、ウリックの右手のルーンを眺め、自分には読めないことを再確認した。
 この文字列が、"ヴィンダールヴ"であるのならば。
 まさか、この少女が、この何の変哲も無さそうな少女が、伝説の使い魔なのだろうか?
 ありとあらゆる獣を操るという、今やおとぎ話のような伝説の、あの?
『…なにか知ってるのネ?』
 タバサは小さく頷いた。
「でも、確証がない」
 6000年も前の伝説だ。真偽のわからない説が山のようにある。"ヴィンダールヴ"が本当は剣士だったかもしれないし、本当は伝説でも何でもないかもしれない。
 そもそも、このルーン自体、他に読み方があるのかもしれない。
 もし確証の無い伝説を押し付ければ、ウリックの重圧になるだろう。口に出すのは躊躇われた。
「わかったら教える。それと、ヴァリエールには言わない方がいい」
「ヴァリエールって…ルイズ? なんで?」
「言わない方がいい」
 それだけ言うと、もう話すことはないとばかりに、タバサは作業を再開する。
 ウリックを所有物扱いしている今のヴァリエールに、"ヴィンダールヴ"のことを知らせるべきではない。
 タバサは考えたのだ。もしもヴァリエールが知ったらどうなるか。
 彼女は使い魔を再評価するだろう。しかしその評価は、伝説に対する評価であって、ウリックという意思ある個人に対する評価ではない。
 ウリックがウリックとして認められてからでも、教えるのは遅くないはずだ。
 そしてそれは、そう遠くないうちだろうと予想した。
 ルイズは、わがままで意地っ張りでプライドが高くて暴走しやすい。けれど、性根は真っ直ぐな少女だと、
 自分の友人が―――最後のははっきりと言わないけれど―――しょっちゅう話題にしているからだ。
 上から布を捲る音がする。ウリックも作業を再開したようだった。
909オッツ・キイムの使い魔 6/6:2008/01/11(金) 02:02:10 ID:wrTzzlKH
「けっこー時間かかっちゃったケド、朝食間に合う?」
 ウリックが心配そうに訊ねた。
 その姿はすっかり少年のものになっている。服の破けた部分も、胸の膨らみも、まるで最初からなかったかのようだ。
 タバサは頷く。色々あったが、時間としては予定の範囲内だ。
 廊下へ続くドアを開ける。
 ひらりと落ちたそれに気づいたのはレムだった。
『なにコレ?』
 拾い上げたのはメモだった。どうやらドアの隙間に挟まっていたらしい。
『もしかしてコレが、ハルケギニアのコモンワード?』
 読めなかったのでタバサに渡す。
 レムの予想通り、ハルケギニアの公用語で書かれたその文章を、タバサは音読した。

[ 私は先に食堂に行きます。
  使い魔は立ち入り禁止だから、絶対、食堂には来ないように。   ルイズ ] 

 それは書いた人間の気持ちが雄弁に伝わってくる書き殴りっぷりで、タバサは読むのに少々以上の苦労を強いられた。
『食堂はダメって…ぢゃあゴハンはどーすればいいのよう! ルイズのバカ、ケチ、いぢわるー!』
 きゃいきゃい叫ぶレムに、タバサは冷静にアドバイスする。
「厨房。食堂の裏」
『そこでゴハン貰えるの?』
「たぶん」
『きゃー! タバサやさしー!』
 喜んで首元に抱きつくレム。悪い気はしないのか、タバサもそのままにさせている。
『…あれ?』
 しばし戯れてから、レムはようやく異変に気づいた。
 ウリックが会話に参加せず、じっとドアを見つめていたのだ。
『どーしたの? 食いしん坊サンだから、どーしよーって真っ先に騒ぐかと思ったのに』
「ボクだって、食べ者のコトばっかり考えてるワケじゃないモン」
 ちょっと拗ねたように頬を膨らませるウリックに、レムはくすくすと笑った。
『じゃあなに考えてたの?』
「ん〜…」
 ウリックはもう一度ドアを見てから、タバサに視線を移した。

「ねぇ、タバサ。厨房で冷たい水って貰えるカナ?」
910名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 02:03:07 ID:1QXcW6Wn
誰もいないと見せかけて支援
911オッツ・キイムの使い魔 -代理完了-:2008/01/11(金) 02:04:18 ID:wrTzzlKH
『オッツ・キイムの使い魔』第5話、投下完了。

支援ありがとうございました。
ルーンの設定ですが、一部避難所設定スレを参考にさせていただきました。ありがとうございます。
ちなみに原作のオッツ・キイム世界では、北欧のルーンをアルファベット変換し、
それをローマ字(もしくは簡単な英単語)として日本語文法で扱っています。

---------------------
ここまでです。
どうかよろしくお願いします。



-----------------------
代理投下完了
2/6について、非常に長い行がいくつかあったため、1行辺りの文字数が原因と思われます。
他数箇所で、まことに勝手ながら改行を追加させて頂きました。

あと、オッツキイム文字の話を思い出した瞬間に思った
「あぁ、これがやりたかったんだな、この作者殿」と
912名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 02:44:03 ID:By9leDKE
夜麻作品は好きすぎて困る

オッツキイム文字解読に挑んだヤツ
ちょっとでてきなさい。

あとロト紋のルーン解読したヤツも
913名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 03:21:11 ID:UAtEumO5
ちくしょう、キャプテン翼とかアストロ球団とかをネタに小ネタでも一本やれ
そうな感じするけど難しいぜ、やっぱスポーツ関係は相性悪すぎるか・・・
914名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 03:24:35 ID:TCvXdnnj
前に出た明日のジョーとのクロスは秀逸だったなぁ
915名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 03:57:33 ID:KvObXKBh
オッツキイム乙ー。
何時の間にか自分の中でお気に入りになってきてる。
916ゼロの夢幻竜:2008/01/11(金) 05:22:04 ID:3UPglYXW
皆さんお早う御座います。
投下予約無さそうなんで、25分から投下始めて宜しいですか?
917ゼロの夢幻竜:2008/01/11(金) 05:26:13 ID:3UPglYXW
では問題無い様なので投下します。

ゼロの夢幻竜 第十八話「深海の宝珠(後編)」

「凄い……!元の世界では噂しか聞いた事無かったけど、『こころのしずく』ってこんなに凄いんだ!」

改めて『こころのしずく』の力に驚嘆するラティアス。
しかし自分の体に起こった変化はそれだけではない。
自分の左手にあるルーンが眩しく輝いていた。
そして体も何故か軽く感じられた。
この軽さなら元の世界にいた同種生物の一つ、ハネッコといい勝負だろう。
全速力で飛べといわれたら今までの速度の倍近い速さで飛べそうだ。
ラティアスは小さく呟きながら先ず様子見とばかりに、割合小さい体と凄まじい速さを利用してゴーレムの周囲を飛んでみる。
その様子はさながら大きな獅子の体を駆け回る鼠といったところだろうか。
流石にゴーレム、もといフーケは我慢ならなくなったのか、ゴーレムの巨体をいかん無く生かして攻撃を行う。
しかしそれらは常に間一髪のところでかわされてしまう。
対してラティアスが自分の『技』であるミストボールを一発試しに放ってみる。
結果は……ラティアスの予想したとおりだった。
当たったゴーレムの左腕の肘から下が跡形も無く消え飛んでいたからである。
使い魔になる前までの自分の力なら、崩す事さえ難しかったかもしれない。
しかしゴーレムとてやられた場所をそのままにしているわけがない。
ほんの少し目を離していた間で、消え飛んだ部分に新しい腕が生えていた。
ならばと今度は角度を変えながら両足に一発ずつ、そして胴体の真ん中に三発喰らわせてみる。
確かに足が?げてゴーレムはその場に崩折れるが、直ぐにまた足を生やしてこちらに向かって来る。
また胴体はよほど頑丈に出来ているのか、表層面ががらがらと崩れただけで風穴が開くわけではない。
更に動きは一時的だが緩慢になるものの、完全に止まるほどのものではなかった。
お返しとばかりにゴーレムはその腕と足を異様なまでの速さで振り回す。
宙返り、捻り込み等、必死に回避行動を取りながらラティアスは低く呻いた。

「『こころのしずく』を使っても上手くいかない!……やっぱり駄目なのかなあ?」
「嬢ちゃん。そいつぁ違うぜ!」

突如喋りだしたのは、何かあった時の為に一応背中に背負っていたデルフだった。
唐突に話しかけられた事で、ラティアスは一瞬ゴーレムの動きに反応するのが遅くなってしまった。
そして右側からもろに喰らったゴーレムの拳で彼女はその場から50メイルほど遠くに飛ばされる。
気を失いこそしなかったが、開口一番ラティアスはデルフに対して文句を言った。

「いきなり話しかけないで下さい!」
「それはいい。それよりも嬢ちゃんさっき随分と弱気な事を言っていたな。良い機会だから教えるぜ。ぶっ壊れた所を再生するっていうのは操り手であるメイジの精神力をかなり磨り減らすことなんだよ。
あんなデカ物、作って操るだけでも結構きついのに動かしながら作り直すのはそれ以上にキツい行為なんだぜ。」

しかしその話の最中でもゴーレムはお構い無しに攻撃を加えてくる。
フーケが本気を出したのか、ゴーレムの一部は今や頑丈そうな鉄に変わっていた。
デルフはそれも意に介せずラティアスに向かって話し続ける。

「精神力は魔力の量と同じような物だ。いつか必ず再生がおっつかなくなる時が来るだろうさ。それにやっこさん、今あのゴーレムの一部を土より固い物にしたろ?
それでおまえさんをしとめようっていう算段なんだろうが、裏を返せばそんな作戦に出なけりゃいけないほど追い詰められてるって事なのさ。
何しろただ土をゴーレムの形にして動かすより、土に『錬金』の術をかけて鉄にしてからゴーレム作って動かす方が、遥かに精神力を使う事になるからな!」

918ゼロの夢幻竜:2008/01/11(金) 05:26:34 ID:3UPglYXW
それを聞いたラティアスはふと考える。
ならば今の攻め方を暫く続けていれば道はある。
例え、自分の身を不可視化してフーケをゴーレムから叩き落とした所で、大量に精神力が残っている状態でそれをすれば魔法で対抗されてしまう。
ならばゴーレムの修復に精神力を使わせ、その後如何なる簡単な魔法も使えない様にしてからとっちめたって遅くはないだろう。
再びミストボールの応酬をゴーレムに浴びせる。
するとデルフの言った通り、再生はするものの若干そのスピードが遅くなっている事に気づいた。
この調子で行けば或いは……
ラティアスは更に威力と大きさを増させたミストボールを次々に放った。
その為ゴーレムを中心とする半径50メイルに渡って朦々とした霧が立ち込める。
ルイズ達はその場から大分離れていたところで事の成り行きを見守っていたせいか、それに巻き込まれる事はなかった。
その霧の中をラティアスが高速飛行の状態で飛んでみると霧が段々と晴れていった。
そもそも霧というのは大気中で飽和状態になった水蒸気の事である。
体毛がじっとりと濡れていくのを感じたラティアスは、数回身震いをして水気を一気に落とす。
そして霧の中からゴーレムが姿を現した。
相変わらず一部を鋼鉄化した腕も足もあり、なんてことはない様に立っている。
ただ最初の時に比べるといやに痩身の様子を呈している。
間違い無くフーケの精神力は限界に達してきているようだった。
ラティアスは一旦距離を取り、もう一度出力を上げたミストボールを放とうとした。
しかし……それが出来ない。
如何に集中しても霧を包んだ強烈な旋風は口元から現れる事はない。
まさかもう出せないっていうの?いや!こんな肝心な時に!
呆気に取られるラティアスを前にしたフーケは小さく嗤う。

「ちっちっちっ。最後に笑うのは私のようだねえ。なんだかんだ言って今日はツイてるよ!」

そしてその次にはゴーレムの強力な一撃がラティアスを襲っていた。
彼女は勢いに任されたまま地面に叩きつけられる。
そこは丁度ルイズ達が身を寄せ合いながら集まっていた所の傍だった。
と、その時ルイズが杖を握り締めてゴーレムに向かっていった。

「ご主人様!戻って下さい!」

しかしルイズはラティアスの声に止まる事はおろか振り向きさえもしない。
彼女は何やら呪文を詠唱し杖を振ってみる。
だが起こるのはいつもの様に爆発だけで、それ以上の事もそれ以下の事も起きない。
しかも鋼鉄に変異した部分に向けて打った事が不味かったのか、相手の体にも動きにも全く異変は見られない。

「ちぃっ!邪魔だね!今すぐ潰してやるよっ!」

言うが速いかゴーレムはルイズに向かって鋼鉄化した足を振り下ろす。
だが疾風(はやて)の如く駆けつけたラティアスによって彼女は救われた。
ラティアスに羽交い絞めにされつつルイズは叫ぶ。

「何するのよ!離してっ、ラティアス!」
「危ないじゃないですか、ご主人様!逃げないといけないじゃないですか!」
「逃げるなんて嫌よっ!!」

涙まで付いてきた血を吐くような叫びに、ラティアスは一瞬怯んでしまう。

「何でもかんでもあんたに任せたままで……ゼロのルイズだから何も出来ないって思われたくないのよ!あんたがどんなに凄くても、私……私……何にも出来てないままじゃないっ!!!」

ラティアスがキュルケに勝った時から抱いていた悲痛な感情。
自分は何も成長していない……サモン・サーヴァント、そしてコントラクト・サーヴァントには成功したがそれまで。
使える魔法は相変わらず無しで爆発ばかり。コモン・マジックだって碌に使えるものが少ない。
ラティアスの恐るべき力をあたかも自分の力として考えていた自分は浅はか且つ、傍目に見ても惨めな物だった。
そこに貴族のプライドなぞある筈もない。ルイズはそれが許せなかった。
泣きじゃくるルイズを地面に下ろし、ラティアスは彼女の肩を揺さぶる。

919ゼロの夢幻竜:2008/01/11(金) 05:28:21 ID:3UPglYXW
「ご主人様、聞いて下さい!ご主人様の努力は私が一番よく知ってます!ご主人様の気持ちはいつもお傍にいる私が一番よく分かります。
ですから、お願いですからこんな所で無茶なんかしないで下さい!何も考えずに突っ込むなんて勇気でも何でもありません。無茶です!」

しかし話はゴーレムの容赦ない再攻撃によって遮られる。
強烈な地響きがそこにいる全員を襲う。
そしてその時、跳ね上がった小岩がルイズの体を直撃した。

「あううっっ!」

ルイズの体は一旦大きく弛緩し、それからぐったりとラティアスにもたれかかる。

「ご主人様っ!!」

ラティアスの悲痛な叫びが木霊する。
幸い気を失っているだけのようだったが、頭から一筋の血が流れている事は彼女から冷静さを失わせるのに十分な働きをしていた。
ゴーレムは未だに自分達をつけ狙ってこちらに来ていた。
ラティアスは近くにいたキュルケとタバサにルイズの身柄を渡した。

「ご主人様を……ほんの少しの間だけお願いします。」

その申し出にタバサはこくりと頷いた。
それから直ぐに先程呼び出したシルフィードにキュルケと共に乗る。
荷重が少しキツイのか、翼をいつもより大きくはためかせていたシルフィードはラティアスのいる位置より更に高空へと移動した。
これで少しは安心できる。残るは……あのゴーレムだけだ。
ラティアスはゴーレムの方になおり精神を集中させる。
『こころのしずく』を持っているからだろうか力は湧き水のようにゆっくり少しずつ、しかし確実に体の中に流れて来ている。
要はそれをどうやってゴーレムに対して攻撃の術として使うか。
すると……何かが頭の中で見えて来た。いや、厳密に言えば感じた。
ミストボールではない、新しい力の発し方がラティアスの頭にするすると入っていく。
この力は一体何なのだろうか?
兎に角やってみなければどれ程の物なのか想像もつかない。
ラティアスは全身の力を攻撃力に変換してその技……『サイコキネシス』を放った。
次の瞬間、空気が一瞬にして歪み、次いで爆弾が爆発したような見えない衝撃波がゴーレムとその上に乗っていたフーケを襲った。
その勢いは凄まじく、周囲にあった木々は無理矢理捻じられた様にして折られていき、地面には小さいながらも罅割れが出来ていた。
炭焼小屋の窓は一瞬にして全て割れてしまい、小屋自体も大きく傾いでいく。
そしてゴーレムの体も同様に裂け目が出来ていき、ついに全身がばらばらになってあちこちに弾け飛んだ。
高速で飛び散った鋼鉄の塊は地面に衝突するとそのままめり込み、木に衝突すれば枝を、そして幹を悉く吹き飛ばす。
フーケはと言うと、ゴーレムが崩壊する直前にそれの肩から飛び降りていたが、その途中崩壊したゴーレムの体の破片をもろに下腹部に喰らう。
そしてそのまま彼女は炭焼小屋のドアに自分の身を嫌というほど打ち付けた。
そしてそれだけではなく、ドアは真ん中から真っ二つに折れてしまい、彼女はそれと共に部屋の中に押し込まれた。
やがてラティアスの精神力が尽きたのか、『サイコキネシス』は終わりを告げる。
長く感じられた技の発動時間だったが、終わってみれば十秒も経っていなかった。
だがその間に放たれたエネルギーは凄まじい物だった。
ラティアスは全身に脱力感を感じ、そのまま真っ直ぐ地面に墜落する。
最早飛ぶ力も残っていはしなかった。
今の力ではせいぜい人間状態の姿を見せるだけで精一杯だろう。
だが安堵の息は吐けなかった。
小屋からぼろぼろになったフーケがゆらりと現れたからだ。その形相の恐ろしさといったらない。
眼鏡は何処かに吹き飛んだためか既に無く、目は猛禽類のそれと同じ鋭さを持っていた。
後ろで纏められていた艶のあった髪は、ばらばらに振り乱されている。
額と口の端から黒ずんだ血の筋が流れており、破れた服のあちこちにも飛沫血痕が残されていた。
そして彼女は戸枠に寄りかかりながら、左腕で必死に右腕を押さえている。
見ると右腕は肘の先からあらぬ方向に曲がっている。折れているのだ。
そしてそうなっているのは腕だけではなかった。どうやら右足も同じ様になっているらしい。
ただそちらの方は魔法でも使っているのだろうか、立って歩ける状態にはなっていた。
ブーツのヒールがどちらも折れていたので歩きにくそうではあるが。
その様子を見たラティアスは目の前が真っ暗になるような感覚に襲われた。
あれだけやって……新しい技まで覚えて……やっと勝てたと思えたのに!
920ゼロの夢幻竜:2008/01/11(金) 05:29:21 ID:3UPglYXW
「もう駄目なのかしら……」
「弱気になるのはちぃと早いぜ、嬢ちゃん!」

ラティアスの微かな呟きに力強い声で答えるデルフ。

「どう……いう事?」
「何の為の俺だよ!おめえさんが今の姿でいる時に、さっきぶっ放した様なやつがもう出せねえって時に俺があるんだろ?人間の姿で戦うのよ!
まあ、『深海の宝珠』改め『こころのしずく』を左手に持ちながら俺を右手に持ちゃあ分かるぜ。今はまだ幻術をやって多少体を動かす事が出来るんだろ?おめえさんよぉ。」

考えていては時間の無駄だ。やってみるしかない。
ラティアスは人間形態に変身して、言われた通り左手で『こころのしずく』を、右手でデルフを持ってみる。
すると驚いた事に体の痛みが消えていった。
ルーンも再び強い光を放ち始める。
剣は今まで持った事も無いのに、まるで腕の延長線上にあるかのように物凄くしっくりとくる印象を与えた。
だが感心している暇は無い。
フーケが懐からこっそりと杖を取り出し、ラティアスに向けたからだ。

「今すぐくたばりな!このおチビ!」

そう叫んでフーケが呪文を詠唱しだす。
ラティアスは一足飛びに走り出し、フーケとの距離を一気に縮める。
勝利の軍配は……ラティアスの方に上がった。
詠唱が完成する直前、ラティアスは最初の太刀でフーケの杖を真っ二つにし、次の太刀でフーケの脇腹辺りを切りつけた。

「ぐあああっっ!!」

フーケは絶叫し、大きく派手な音をたてて再び小屋の中に押し込まれる。
棚の前で血を流しながらぐったりとなるフーケの周りには、衝突で壊れた椅子、割れた酒壜、そして歪な形の薪が散れていた。
その様子をラティアスは呆然としながら見つめていた。

「死んだの……かしら?」
「……いや。胸元が小さく動いてるから死んじゃあいねえが、このぶんじゃ当分の間泥棒稼業は無理そうだな。」

921ゼロの夢幻竜:2008/01/11(金) 05:29:48 ID:3UPglYXW
デルフはただただ冷静な意見だけを述べていく。
と、小屋からそこまで離れていない所にシルフィードが降り立った。
ルイズはまだ目を覚ましていないらしく、キュルケにもたれかかっている。
ラティアスは勝った事と中にいるフーケの事について言おうとして……膝が抜けてしまった。
その次に世界がぐるりと一周し、そして急激な疲労感に襲われた直後に意識を失ってしまった。
キュルケはルイズをシルフィードの背びれにもたれさせ直した後で、ラティアスを抱きとめる。
そして恐る恐る小屋の中を覗くと、かなりの血を流しながら様々な物に埋もれているフーケを見つけた。
フーケが死んでいない事を確認し、タバサと共に彼女とラティアスを運び出す。
治療が急がれるルイズ、ラティアス、そしてフーケは徒歩や馬では追いつかない。
森の入り口にいる馬は後で取りに来る事にして、自分を含む5人はシルフィードの厄介になる事になった。
学院に戻る段になってシルフィードは、5人も運ぶ事に嫌そうな態度を示していたが、渋々了承した感じで全員を背中に乗せた。
森の入り口まで来てからキュルケは疑問に思った。
ラティアスのあの力は離れて様子を見ていた彼女でも感じ取る事が出来た。
あんな攻撃の形をとる竜は今まで学習したどんな竜の中にもいない。
一見風魔法の一種にも見えたあの技には、明らかにそれ以上の何かが力として加えられていた。
ならばあれは先住魔法の一種なのだろうか?
ラティアスの特徴や振る舞いからして今までそうだと考えられる要素はごろごろあったものだ。
そうであったとしてもおかしくない。
そして……『深海の宝珠』。
あれをルイズから受け取った後、ラティアスは見違えるように速くなり攻撃力も上がった。
だとすれば、あれはラティアスに対して何らかの力を付与したのだろうか?
しかしマジックアイテムなら、魔法使いにとって良くても悪くても何らかの影響がなければならない。
しかし宝物庫見学の際に受けた説明では、人間の魔法使いが何かに使おうとしても何の役にも立たなかったと聞かされた。
改めて思う。『深海の宝珠』とは一体何なのだろうか、と。

922ゼロの夢幻竜:2008/01/11(金) 05:30:16 ID:3UPglYXW
以上で投下終了します。
ではまた近い内にお会いしましょう。
923名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 05:30:34 ID:6odPnfpt
ここで通りすがりに支援!
924名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 08:25:12 ID:D1bxTR6I
もうすぐ次スレだな。
100スレ記念企画はどうなったのやら。
925名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 08:51:45 ID:bK50W0kJ
やはり心のしずくだったか。乙乙
926名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 10:39:37 ID:Dbv0y7ap
>>868
超遅レスだが、同じことやった作品にブラックマトリクスがある。
このゲームは恋人選ぶとそれまで一緒に旅してきた仲間が全員敵にまわって戦うことになる。
無論元仲間を倒してクリアすると世界滅亡。倒されるとゲームオーバー。
製作はサモンナイトと同じフライトプラン。興味があったらやってみるといい。
927名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 10:57:45 ID:ORKkAyEF
PPが存在するということはゲーム仕様?
928ゼロノマキバー第二話:2008/01/11(金) 12:11:17 ID:2GVylGxY
予約無いみたいなんで投下するよー(^o^)/
元ネタ:みどりのマキバオーからマキバオーとチュウ兵衛
929ゼロノマキバー第二話:2008/01/11(金) 12:12:09 ID:2GVylGxY
朝目覚めたルイズは顔を洗い、服を着替え身仕度をして食堂へと足を運ぶ。
それはいつもと変わらない生活だった。
食事を終えた生徒達にコルベールは話し始める。
「二年生は今日の授業は休みとします。昨日召喚した使い魔とのコミュニケーションを取る為
 交流会を開くことにしました」
ルイズはマキバオーのことを思い出す。馬という事なのでとりあえず厩舎に預けておいたのだ。

厩舎の中で目覚めたマキバオーは目の前で藁を運んでいる年配の男に声をかけた。
「んあ〜おっちゃん誰なのね」
男は驚き振り向いた。
「えらいこっちゃ!犬が喋ったよ!」
「犬じゃないって、馬なのよ!」
厩務員の男は昨日ルイズに中庭に呼び出されたことを思い出す。

「この馬とネズミ、厩舎で預かっといて頂戴」
「へ?この犬をですか?」
「犬じゃなくて馬よ、私も信じてないんだけど本馬がそう言い張ってんだからそうなんでしょ。
 後は頼んだわよ」
「はぁ、分かりました」
厩務員は気絶しているマキバオーとチュウ兵衛をリヤカーに乗せて厩舎まで運んだのである。
確かによく見ると立て髪もあるしヒヅメもある、こりゃ馬だ。

「私はここの学院で働いてる厩務員じゃが。
 いやーしかし驚いたな。長い間馬の世話してきたがまさか喋る馬がいたとはの」
「馬が喋って何がおかしいのね?」
マキバオーはクエスチョンマークを浮かべる。
「んあ〜それにしてもお腹空いたのね」
マキバオーは昨日から何も口にしていなかった。
「何だ腹減ってんのかい。今エサを持ってきてあげるからちょっと待ってな」
厩務員の男はそう言って飼い葉桶を運んで来てマキバオーの前に置いた。
「んは、ゴハンなのよ」
腹の空いていたマキバオーは出されたエサをあっという間にたいらげる。
腹がふくれたマキバオーはチュウ兵衛がいないことに気づいた。
「あら、そういえば親分がいないのよ。どこに行ったのね」
そこに丁度よく厩舎の入口からチュウ兵衛が現れた。
「やっと起きたかたれ蔵。ほら土産だ」
現れたチュウ兵衛は両手で持っていたリンゴをマキバオーに渡した。
「リンゴなのね!」
「ちょっとここの建物の様子を見てきたんだが、建物の外は草原ばかりだ、何にもねえ。」
「ふ〜ん」
マキバオーは好物のリンゴをシャクシャクかじりながらうなずく。

さてこれからどうした物かとチュウ兵衛は考える。
やっぱりルイズって女を探し出して帰る方法を聞き出すしかないのか。
チュウ兵衛がそう考えを巡らしていた時厩務員の男が口を開いた。
930ゼロノマキバー第二話:2008/01/11(金) 12:12:53 ID:2GVylGxY
「あ、ルイズさん」
「何!」
入り口にはルイズが立っていた。ルイズはこっちに歩いて来る。
チュウ兵衛は現れたルイズに向かって叫んだ。
「やい、ルイズてめえ!俺たちを元の世界に戻しやがれ!」
「いきなり怒鳴らないでよ!それに何よ元の世界って」
チュウ兵衛はまくしたてる。
「俺たちを元のいたとこに戻せって言ってんだ!」
「そんなの無理よ」
「何だと!?」
「使い魔を元の場所に帰す魔法なんて無いもの。まぁあんた達が勝手に帰るってのなら話は別だけど」
「そ、しょんな…」
「ぐっ…!」
マキバオーとチュウ兵衛は肩を落とした。
「それより今から使い魔との交流会があるのよ。あんた達も来て」
「交流会か…行けば何かわかるかも知れねえな…行ってみるぞたれ蔵、まだ諦めんな!」
「んあ!」
マキバオーとチュウ兵衛はルイズの後をついていった。


ルイズ達が広場につくとそこにはたくさんの使い魔の姿があった。
「んあー赤いのやら青いのやら見たことの無い変な生き物がいっぱいいるのね」
あんたが一番変な生き物よとルイズは心の中でツッコむ。そこへキュルケが現れた。
「あらルイズ。犬とネズミを連れてお散歩?」
「良かったらどっちか譲ってあげてもいいわ」
「何を卑屈になってるのよ。なかなかカワイイ顔してるじゃないのこの使い魔。
 まぁ私のフレイムには負けるけどね」
キュルケの足元からサラマンダーが顔を出す。
「んあーとってもカッコイイのねこのトカゲ。特に燃えてる尻尾がとてもオシャレなのね」
そう言ってマキバオーはフレイムに触ろうとする、が、燃え盛る尻尾がマキバオーの顔面を直撃した。
「あつ、あっつ!あ熱いのね!」
「駄目よフレイムに触っちゃ、火傷しちゃうわよ?それじゃあねルイズ」
キュルケはそう言って去っていった。
「危ねえじゃねえかたれ蔵!俺まで巻き添え食らうとこだったじゃねえか!」
「まったくひどい目にあったのね」
ルイズは置いてあったイスに座り呟く。
「あーあ喉かわいちゃったわ、あんた何か冷たい飲み物取ってきてよ」
「それぐらい自分で取りに行くべきなのよ」
「誰があんたの世話代出してると思ってるの?本当は馬ならもう間に合ってるんだからね」
「わ、分かったのね。まったく馬使いの荒い子なのよ」
マキバオーは給仕がいる所に向かって歩き出す。

「そうだ親分、帰る方法何かわかった?」
「分からん」
「駄目よ親分やる気出さなきゃ、本当に帰る気あるのね?」
「だったらお前が帰る手がかり見つけてみろってんだ!寝てばっかのお前に言われたくねえ!」
「んあ〜それじゃあ、あの気の良さそう兄ちゃんに聞いてみるのね」
マキバオーはテーブルで話をしてるギーシュに聞いてみることにした。
931ゼロノマキバオー第二話:2008/01/11(金) 12:14:13 ID:2GVylGxY
「お話し中ちょっとスイマセンお兄さん。日本に帰る方法知りませんかなのね?」
「ん?何だね君は?ああ確かルイズが召喚した喋る犬だったかな」
「だから犬じゃなくて馬だってのよ…」
「馬?馬ってのは体がもっとスラっとしてて脚が長くてカッコイイ生き物なのだよ」
マキバオーはもう話す気力を無くしていた。
「可哀想に、本物の馬を見たことがないらしいな、今度僕の愛馬を君に見せてあげたいよ。」
「そんなことよりお兄さんよ、使い魔ってのを元いたとこに戻す魔法なり方法知らないか?」
「誰だい今の声は?」
「ここだここ」
ギーシュはテーブルの上に移動していたチュウ兵衛を見つけた。
「あーそういえばこっちのドブネズミの方も喋るんだったな」
「ド、ドブネズミだと!?俺は野ネズミだ!ドブネズミ何かじゃねえ!
 あったま来た!てめえ勝負しやがれ!」
「お、落ち着くのよ親分。これじゃ帰れるものも帰れなくなるのね」
「うるせえ!お前も犬なんかに間違えられて競走馬としてのプライドってもんがねーのか!」
「何かもう慣れちゃったのね」
ギーシュは目の前で言い合いをしてる馬とネズミを見て喋った。
「競走馬とは大きく出たもんだな…へ〜面白い。
 僕の馬を見せてあげるついでにレースでもしてみるかね?」
「上等だ!やるぞたれ蔵!」
「え?」
それを聞いた廻りの生徒が煽る。
「本当かよギーシュ?競馬だ!競馬が出来るぞ」
「何?どうしたの?」
「ギーシュの馬とルイズの使い魔が競馬で勝負するってよ」
騒ぎを聞き付けたルイズが割って入る。

「ちょっとちょっと何言ってるのよ。競馬?ふざけないでよ」
「ああそうだルイズ、もちろん君がその使い魔に乗るんだろ?」
「え?」
「まあその犬に乗れるかは疑問だけどね」
乗れる乗れないの問題じゃない、こんなのに乗りたくない。
「走るっていうのならこいつじゃなくてちゃんとした私の馬がいるわ」
「僕はその使い魔の犬に馬が走るとこを間近で見せてあげたいのさ。他の馬じゃ意味ないだろ?」
「そうだルイズー!メイジなら自分の使い魔を信じろー!」
娯楽に飢えてる生徒達は騒ぎ立てる。
ルイズはギーシュとマッチレースをすることになった。


終わり。次はルイズがマキバオーに乗ってギーシュと競馬で勝負します
932名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 13:09:55 ID:LqDXloux


龍子召喚でルイズ達が光車を集めに……を考えたがマイナーかつ古いかorz
933名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 14:28:55 ID:phU3vZ6P
うっ屈
934オッツ・キイムの人:2008/01/11(金) 14:56:23 ID:cfqRelmz
代理投下ありがとうござうました。
一行の長さについては失念していました。ご迷惑かけて本当に申し訳ないです。
次回から気を付けて投下します。
支援と感想をくださった皆さんもありがとうございました。
935オッツ・キイムの人:2008/01/11(金) 14:59:56 ID:cfqRelmz
>ござうました→ございました
うわああああ、すいません
936名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 15:02:40 ID:67Hu4DMD
>>935
萌えキャラだなあ……(ほのぼの)
937名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 15:44:42 ID:9c798Isw
>>935
ござうーか・・・
938名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 15:59:00 ID:ORKkAyEF
>>936
ぼのぼのに見えて何でもしまっちゃう使い魔召喚想像した
939名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 17:57:22 ID:nOXrst6X
ここって小説からのクロス少ないよね
アルバイト探偵なんか面白そうだが
940名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 18:23:17 ID:11NJn1p1
そうだ!タバサの冒険からクロスしようぜ。
941名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 18:23:35 ID:phU3vZ6P
なら青春の門から伊吹信介を召喚。
942名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 18:25:43 ID:nOXrst6X
不夜城あたりから適当に引っ掴んできてトリステインを真っ黒に
943名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 18:25:57 ID:ORKkAyEF
フラッドとフェイスハガーと寄生獣を同時に召喚
944名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 18:55:02 ID:M8qoA2QL
バカボンから本官さん召還はどうだろう?
945名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 18:57:50 ID:wWEzJ0Xz
>>944
小ネタだか短編だかであったな
946名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 19:07:35 ID:JCPGoPEd
ultrasevenX召喚。
ハルキゲニアを裏から支配する敵を倒す。
947名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 19:09:37 ID:nsWPiOTK
>>938
しまっちゃうおじさん「さぁさぁ、ルイズちゃんをゼロって言う子はどんどんしまっちゃおうね〜」
やめろww俺のトラウマだぞwww
948名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 19:18:06 ID:YmMNnhe0
にゃふぅ召喚とか、どうよ?

絶対互いに、話噛み合わないだろうなあ
949名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 19:19:14 ID:Pm9bljZy
音速丸召喚
あれ?周りのキャラが変わるだけで結局シノブ伝な空気になりそうな
950名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 19:21:38 ID:nsWPiOTK
トップハムハット卿を召還
「お前は混乱と遅れを招いた!」
初代は亀仙人が声優だったんだけど・・・今はオスマン氏の声だよなぁ・・・
951名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 19:22:02 ID:/o99z/kp
アトリエシリーズから妖精さん召喚
952名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 19:24:11 ID:67Hu4DMD
>>948
超絶奇怪生命体はなぁ
小ネタを書ききることすら難しすぎる

>>949
ルイズ=ミヤビとして、シノブのポジションに誰がくるのか……
シエスタか?
そして音速丸の妄言に右往左往する水精霊騎士隊が想像できてワラタ
953名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 19:24:31 ID:TG5WZyfk
マドラックス召喚
…いかん、無敵ソングがエンドレスに脳内を回り始めた
954名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 19:27:05 ID:vOha09au
立てるぞ
955名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 19:27:39 ID:adtb72hM
>953
7万人が全滅するまで回しててください
956名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 19:28:32 ID:vOha09au
957名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 19:29:54 ID:lwo9XP0y
>>953
エルダ・タルータ
958名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 19:31:32 ID:idzwxEO6
サムライレンズマンからシン・クザク召喚
959名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 19:32:51 ID:LNlmlSgD
>953
百合百合三部作の主人公か。書くならば応援するぜ?

スティーブン・ハンターではお馴染みのスワガー・サーガよりボブ・リー・スワガーを召喚。
最新作では日本刀でバッサバッサとヤクザを斬り捨てているから、デルフも扱いこなせるだろう。
960名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 19:34:28 ID:L9E0oPm6
>>958
ブラックロッドのシリーズにゃほれたねえ
しかしあんなダークなのからシスマゲドンまで多才だよな、古橋先生は
961名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 19:40:10 ID:Hlf/UNwR
>>956
962名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 19:40:38 ID:TG5WZyfk
>>959
パソコンが壊れてて書けないんだ、直ったら書こうかね
小ネタでフライデーマンデーを召喚するって手もありだと思うんだが
963名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 19:59:24 ID:+oyRt+kG
>>958
モーガン姉弟召喚考えたことがあったけどさ。
これならパッと見亜人の集団だから当たりっぽいよな。上二人除いて。
だがルイズがキャット姉ちゃんから「頭の良くなる薬」をしこたま食らうことになりそうだ。
964名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 20:01:44 ID:phU3vZ6P
エルカザドのナディ
965名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 20:03:11 ID:VkkzQsgg
第61魔法分隊よりキキノ・ローデルを召喚
もれなくお母さんがついてくるという恐怖
966名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 20:07:12 ID:KuYSMyAI
>>958
小ネタならありかなぁ。
7万の軍勢に一人まっしぐらに切り込んで、本陣を「切り」崩した上でクロムウェルの前
で座礼して「ドウモ」というクザクの姿は一瞬で想像できる。
967名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 20:22:02 ID:5A9bjgyF
水瀬葉月 原作『ぼくと魔女式アポカリプス』のヒロイン 砧川冥子を召喚。

生き残るために『闇滓(アンシイ)』と呼ばれる魔法的要素を、同族たる
代替魔術師を奪い合わなければならない存在だけど、
ハルケギニアのメイジたちに『根源闇滓』があると仮定すると面白い話になるかも。
968名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 20:31:22 ID:idzwxEO6
>>960
そういや、ルイズも妹だったな

>>966
フーケを取り逃がして腹切りしようとする所とかな!
>一瞬で想像
969名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 20:31:38 ID:wxoX0g7F
ルイズにキュルケ、タバサがみつどもえの三つ子を召喚。

おっぱいでっかいっす、とキュルケに懐くふたば。
お互い無視してずっと本を読んでるタバサとひとは。ひとははエロ本だが

ルイズとみつばは・・・すげえ修羅場になりそう
教室爆破後のシーンでルイズを泣かしそうだ。
970名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 20:40:51 ID:nOXrst6X
いっそのことよつば召還でいいよ
なんの役にも立たないけど
971名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 20:42:52 ID:mhnw7qnz
>>968
むしろギーシュに不手際を責められて(言い掛かりつけられて)
ノータイムで腹に刀を突き刺した辺りでルイズに止められて
「いくら相手が平民だからってそこまでやらせる……?」
「ま、まちたまえ!? 何もそこまでやれとは!?」
みたいなギーシュなら見えた
972名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 20:52:52 ID:+4ldHgNs
>>971
なんという決闘イベントなしで人間的に敗北者になるギーシュ
これは間違いなく見てみたい
973名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 20:55:08 ID:M8qoA2QL
パトレイバーだと太田が人気だろうが、あえて野明を召還とか?
知恵と勇気で戦うお姉さんという事で。
974名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 20:56:52 ID:VkkzQsgg
野明はメカがあっての存在だと思うんだよな……
975名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 21:02:37 ID:xkSdo4GE
パトレイバーなら後藤さんとかいいなあ
976名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 21:05:05 ID:idzwxEO6
>>975
二つ名は『昼行灯』
977名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 21:09:32 ID:n/sZKCPG
進士幹泰巡査は?
ルイズの行動に従順に従いながら――越えてはならない一線を越えた瞬間に!!
978名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 21:15:01 ID:M8qoA2QL
>>977
いいかも。
ルイズに召還されてタミコさんに会えないと泣き叫ぶ進士を想像した。
979名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 21:15:04 ID:bK50W0kJ
>>965
確か2,3年くらい前に完結したよな?>61

うお、内容ほとんど覚えてねぇw
980名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 21:15:57 ID:adtb72hM
後藤さんは官僚機構がしっかりしててなおかつほどよく腐ってるときに役立つ人だしな……トリステインで活躍の場はあるだろうか。
981名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 21:21:17 ID:M8qoA2QL
マザリーニを理詰めで追い詰めてアニエスにほれられる後藤さん
982名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 21:24:23 ID:i/J0XpSK
寧ろ内海課長を召喚・・・
983名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 21:25:35 ID:IJtxoJ7p
もうすぐ100スレ目も終わりか・・・・・
ここまで一年経ってないよな?




と、記念書きこみ
984名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 21:27:47 ID:n/sZKCPG
ゆうきまさみ作品つながりで、千川つとむを召喚。ただしその正体はバーディー・シフォン・アルティラで……
985名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 21:29:00 ID:Pm9bljZy
>>1000ならうちにある漫画の中からなんか召喚してみる

>>984
んじゃゆうきまさみつながりでアッセンブル・インサート…ごめんなさいなんでもないです
986名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 21:29:59 ID:adtb72hM
鉄腕バーディー……だめだ、男と女に変わるというキモが失われると面白くない。
987名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 21:31:20 ID:bgfntOWx
ゆうきまさみ作品なら鳥坂先輩がいいな〜
988名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 21:32:47 ID:7wt42DcL
ゆうきまさみと微妙につながりで水ッ球さん召喚とか。
989名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 21:34:46 ID:Z9lh1o4C
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part101
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1200047270/
990名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 21:36:20 ID:N1qGmYxb
>>984
ゆうきまさみ作品つながりで、

灰皿をアポーツするしか能の無い超能力者、って知ってる奴おらんがな
991名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 21:40:37 ID:+4ldHgNs
そういえば趣向はちがうっぽかったがあ〜るが召喚されてたような
992名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 21:49:11 ID:5A9bjgyF
最新刊の『とある魔術の禁書目録』はいっぱい能力者が出てバタバタ死んでいったから、
それらを召喚する話を書いたら面白いと思う。
993名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 21:54:01 ID:aUu2tRsm
>>992
姉妹スレもそうだが、なんで死んだ人間が召喚されると生き返るんだ…
せめて理由が欲しいぜ

ゆうきまさみならアクロバンチ
994名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 21:56:40 ID:yfmb5sgo
>>1000なら漢祭
995名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 21:57:50 ID:aUu2tRsm
>>990
編集長だろ? あの人なにしてんだっけ?

1000なら遺跡になった状態のマクロス召喚
996名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 22:01:59 ID:5A9bjgyF
実際召喚されたのは、死んだ本人ではなく召喚の鏡がコピーした複製だという説があるね。
>>993
召喚の呼び出し側が対象をくぐる事でデータを読み取り、
ハルケギニア側で再生するのかもしれない。
997名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 22:05:01 ID:Q3X1kwKx
>>1000なら金剛番長を召喚
998名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 22:05:13 ID:ryBczQFZ
>>996
それなんてGANTZ?
999名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 22:05:44 ID:mhnw7qnz
>>1000なら人修羅召喚
1000名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 22:06:13 ID:CIISayyG
1000ならガリレオ召還
10011001
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もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。