あの作品のキャラがルイズに召喚されました part99
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part98
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1199264741/ まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/ 避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/ ___ ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
〃 `ヽ . ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
l lf小从} l / ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,. ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
((/} )犬({つ' ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
/ '"/_jl〉` j, ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
ヽ_/ィヘ_)〜′ ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
_ ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
〃 ^ヽ ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は
J{ ハ从{_, 本スレへの投下で問題ないわ。
ノルノー゚ノjし ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず、
/く{ {丈} }つ 本スレではなく避難所への投下をお願いね?
l く/_jlム! | ・クロス元が型月作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
レ-ヘじフ〜l ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。
,ィ =个=、 ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
〈_/´ ̄ `ヽ ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
{ {_jイ」/j」j〉 ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
ヽl| ゚ヮ゚ノj| ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
⊂j{不}lつ ・次スレは
>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
く7 {_}ハ> ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
‘ーrtァー’ ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
乙
乙
1乙
● 「こっ、こっ、こっ、こっ、こっ、この…バカ犬っ!!!」
┠〜〜〜┐ちゃんとここにいてぇ、わたしのちかくでぇ
┃ ● ∫ ずっとわたしをい〜んつもい〜んつもみ〜んつめてなぁさぁ〜い
┠〜〜〜┘ よそみしてたでしょ、ほかのおんなのこぉ〜
┃ おしおきするのふぅ〜らりふぅ〜らりふぅ〜らちなやつうは
┃ (ん、ちゃちゃちゃちゃちゃちゃ)
┃ どんたーちきかないからねいーいーわ〜けは
┃ たちみーつ〜んかれたかぁ〜ら
┃ ね・え・かたをっかしてよっ
┃ す〜き〜よ〜ンなんてうそ〜よっ
┃ き〜ら〜い〜ンこれもうそだわん
┃ ないないないぃだめよかんちがいぃ〜〜〜〜〜っ
┃ だからすぅきぃよっなんていわない
┃ のんのんのんどっこかへいったら
┃ ぜえったいにっゆるさないからねぇ〜〜〜〜ん ・・・だぁって
┃ ほんと〜はだれ〜よ〜りそンばンにンいンたあ〜いの
┃ あ〜い〜の〜く〜さ〜り〜でっさんっぽっしましょ
敬礼 (`・ω・´)ゞ
第二次大戦のソビエト軍召喚されないかなー
スターリングラードや硫黄島から逃げられるなら
召喚されても文句言わないのではないだろうか
「ジパング」あたりから作戦の天才牟田口が召喚されたら面白そうだ
史実より2時間長生きした山本五十六が
死ぬ代わりに召喚でジパング世界から排除されるのはアリだろう
むしろ激戦最中に王女(使い魔いなかったよね?)に
戦艦大和(乗組員まるごと)を召還してもらって巨砲でレキシントンを粉砕して欲しい。
サイトの操る零戦をみて「上空に友軍機1!!」とか燃える
ああ、黙れ。気付け。次スレは100だ。
避難所に「〜〜を召喚したらいいんじゃね?」とでも作るか?
ゼロ戦のかわりにティルトローター機 海鳥を召喚すれば
佐竹一等海尉を死ななかったことにできる
山本長官と面識もあるし
異世界せ再会というシチュエーションも面白いのではないだろうか
雑談は一時的に避難所でしようか……
>>17 つーか前スレがまだ埋まってないから召喚妄想と雑談は前スレでやらないか?
13巻のせいで原作設定で継続しにくい作品が増えて
作者ご苦労様だねぇ
20 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/05(土) 22:51:41 ID:jgQtG4XQ
スレ立て乙
>>11 それなら高野五十六をデスネ
>>12 何か知らんが目頭が熱くなってきた
>18
ですね、その方が早く埋まるし、その間の作品投下の邪魔にもならないし。
>12
陸上に戦艦召喚してどないすんねん
立ち往生するじゃん
何でか無闇に喧嘩腰なのがいるような……
だから前スレで無意味文字(or単語)連投荒らしやってたキ印にまともな発想なんぞ出来る訳無いんだから
一々相手にするなと小一時間(ry
>>23 過去に大和召喚したのがあるよ
召喚シーンだけで続かなかったけど
ええと、すいませんがどう見ても荒らしな方がらっしゃいますので、一時的に避難所に避難、
もしくは前スレを使用するなどの対策を取っていただければありがたい次第でございます。
スルーは常識、見るのも嫌ならIDでもNG設定にしてろってこったな。
おかげで前スレの後半はあぼ〜んだらけwww
なんでこう空気読めないのがぽんぽん湧いてくるんだろうね
頭痛くなってきた
戦艦大和でも潜水艦やまとでもなくて、宇宙戦艦ヤマトなら何とかなるかもしれんなぁ。
古代はいらない、真田さんがいればOK
ここぞとばかりに、鬱陶しい雑談を追い出そうとしてる奴がいるなw
連投荒らしが沸いたことと、雑談に何の関係があるってんだ?
荒らしに反応するな、させるなって事。
雑談の是非を論ずるならそれこそ避難所にいけい。
雑談自体にはなんの問題もないですよ、そこから生まれた作品だってあるんだし。
ただ、このスレでは実在した人物の召喚はあまり好ましくないです。
特に軍人関係の召喚は忌避されています。
軍事方面の議論が激しくなって、このスレの趣旨から大幅に外れてしまうので。
なんかついでに召喚してしまったのかな…すでに透明化しているが
35 :
12:2008/01/05(土) 23:11:35 ID:VvIJtoQu
軍系のネタがあったもんで荒らしとしらずにのって大和の話だしてすんまそん
------以下妄想--------
艦橋の中は騒然としていた・・・。
「ここはどこだ!?」「なんで陸上に!?」「どこの戦場だこりゃ」
「ええぃ黙れ!!現状っ報告っ!!」「傾斜0!!」
「取水不能!!主機緊急停止!」「水圧0!主砲旋回不能!!」
「上空に友軍機!!数1!!」
サイト「な・・!?」
サイトは驚愕していた地上に巨大なありえない物体が現れたのだ
彼の操る零戦から見えた巨大な物体は・・・
サイト「戦艦・・・?大和・・!?」
---------以上妄想---------
戦争方面に濃いキャラクターだと、どうしてもネガティブな方向に話が進むからあんまり好きじゃないな。
その点を踏まえるとベイダー卿は逸材だったがwww
大和は素直に海に下ろすってことで
>>23 重くて風石が倍いるだろうし動きも鈍い、空中用の機関を新造しなければならないし、
なにより宙に浮いては死角が多すぎる。
>>30 宇宙戦艦になっても艦底は脆かったな。特に第三艦橋。
あっさりと「大破」はするんだが、その先の「撃沈」には陥らないんだよなぁw
宇宙戦艦ヤマトだといきなり浮遊大陸アルビオンに波動砲撃ちこみそうな予感
>>35 サイトの声がCv稲田徹で脳内再生された
聖剣3より8精霊召喚
各系統魔法のレベルアップとか
>>35 ところでソレはなんて作品のネタなんだいボーイ?
>>38 第三艦橋はアレだ、艦内の不穏分子を配属しておいて、戦闘で犠牲になるようにし向けるためにあるんだ!
いや、ホントは艦橋から見えない艦体下部方向の警戒のためにあるんだろうとは思いますけどねw
けどアレ、ホントによく壊れて無くなってたけど、作り直す資材とかってどこから持ってきてたんだろ。
・・・実はキノコみたいに生えてくるとか?
>>42 言いたい事は十分わかっとる。スマン
まぁ適当に探すとしたらなんだろ仮想戦記物から引っ張り出したら
いくらでもあるけどw(言い訳)ようするにただ書いてみたかっただけ
1発ねたで広島か長崎に落ちる途中の原爆を召喚して
爆心地が後の時代にまで呪いの地として語り継がれるなんてのを妄想した
>>41 それ聖剣3の世界が滅亡するか、精霊が死んじまわないか
>>46 ギギギ…
ゲンがすでに来とるけぇのう、避難所に
軍モノは地獄じゃのう
>>46 ハタ迷惑ってレベルじゃねーぞ!?
>>47 言われてみたら確かに
単にMtL読んでて虚無=白&黒マナ
って説明があったからルイズ以外も強化するとしたらどんなのがいいかなと思って考えてたら浮かんだ
そして白黒マルチでセレニアが浮かんだ
>>46 やりゃあしないとは思うが、流石にそれは止めとけ
どんな形で書こうが、マジで人としての品性を疑われかねない
>46
・・・原作の設定だと、有り得なくもないんだよなぁ・・・
兵器関係に詳しくない私みたいな人間からすれば、
現在の最強の兵器って言ったら、やっぱり核兵器ってイメージがあるし。
・・・核弾頭積載した潜水艦が召喚されて、何らかの理由で核弾頭SLBMが発射され、
それがトリスタニアに落ちてトリステイン崩壊、とか
52 :
51:2008/01/05(土) 23:33:17 ID:YQ4HfrrI
あ、召喚と言っても、ルイズがじゃなくて、ガンダールヴの右手の話ね。
小ネタ考えました。
投下していいですか。
そういえば、聖地に核兵器って召喚されているんだろうか?
wktk
支援します
いまだ私用されたことの無い架空の核兵器ならともかく、
実際に何十万という犠牲者を出して、今なお後遺症に
苦しむ人がいるようなものをネタにできる神経が理解できん。
「キャンディ…ホラ…キャンディ…パパがね…2つしかくれないの…キャンディ…ボクは…たくさん欲しいのに…」
ルイズの召喚したかなりの体格を誇った老人。しかし、その口から発せられた言葉はあまりにもその姿に似合わなかった。
その幼児のような喋り方、仕草に、場に合わせたものは皆引いてしまった。
「コルベール先生!これはいくらなんでもひどすぎます!こんな変なじーさんを使い魔になんて!」
「残念ながら、儀式は神聖なものだ。それはできない・・・」
非常な言葉を言い放つコルベールであったが、やはりその目はルイズに同情していた。
この使い魔は「床が固くて眠れないー」「洗濯なんてやったことないー」と、泣きながらルイズの命令を否定し続けた。
「ルイズおばちゃん、キャンディちょうだい」
「何がおばちゃんよ!私はまだ16よ!あんたの方がよっぽど年上じゃない!ドリアンじーさん!」
良く年より下にみられることがあるルイズだが、おばちゃんといわれるようなことは生まれて初めてだった。しかもこんな老人に・・・
「ボク・・・じーさんじゃないもん・・・」
昼食時に偶然使い魔のドリアンがギーシュの落とした香水を拾ってしまい、ギーシュが二股をかけていたことが分かった。
ドリアンはギーシュから決闘を受けることになってしまい、広場でその決闘は行われた。が、あろうことかドリアンは飴を舐めながらぼーっとしている。
ルイズが不安の表情を浮かべるのも分かる。
「あのドリアンて・・・なんか・・・フツーじゃ・・・ない?・・・つーか・・・なぁ?」
「決闘で飴食わないって普通」
ギーシュの錬金した女性戦士、ワルキューレがドリアンに襲いかかった。体のあらゆる個所をたたかれ、しまいには顔面を踏まれる。
「勝負ありッッ!!!!」
何もできないまま敗北してしまったドリアン。
「ド、ドリアン・・・」
ルイズはドリアンを心配し彼の近くまで走っていった。
「おばちゃん、キャンディ拾って・・・」
「あ、新しいのあげるわよ!
ルイズからもらったキャンディをもらったドリアン。彼がキャンディを口に含むと、美味しそうにキャンディを舐めながらクリと立ち上がった。
まるでダメージを受けていない。ギーシュの攻撃などかわす程でもないと言わんばかりだ。
ギーシュはこのことにより精神が崩壊した。彼もまたドリアンと同じ道を歩むことになるだろう・・・
支援
支援
支援
短いですがこれで終わりです。
NTよろずに一発ネタで
ダイ大最終回の起爆寸前のキルバーンの胴体を召喚しちゃった奴があったなw
>62
乙です。
ただ、投下の前後にどの作品の誰を召喚したのかは書いた方がいいですよ。
「バキ」のドリアンだってのは解りますけど。
神話だったら、インド二大叙事詩のブラフマーストラやアグネアがまんま核兵器
ビームや毒ガスを放つ超古代の飛行兵器ヴィマーナもあるお
>>57 確かに核は少々趣味が悪いな
ノボルがとち狂って出してきたらどうしようもないけど
サンダーボルトという、東京に落とされるはずだった原爆を搭載した飛行機があったはず。
そしてそれの行方が分かっていない、という都市伝説めいたものがあるが……まさか?
フィラデルフィア計画・・・・・・いやなんでもない
>66
確かに核の話題は不謹慎でしたね。失礼しました。
原作で出てこない限りは、話題にしない方が良さそうですね。
>63
一発ネタなら、GS美神のバンダナ(心眼)を呼んだ奴がなかなか秀逸だったと思う。
・・・と話題の転換を試みてみよう。
>>64 誰を召喚したか書いた方がいいですんですか。
タイトルだけじゃ何が来るかわからないようなタイトルをつけて、作中や投下後に明かすのはやめた方がいいですか?
>>71 最低限、投下終了後に明かして欲しい、
まとめwikiに載せるのに手間がかかるから。
>>71 投下後に明かしてないから言われてるんじゃない?
ああ、明かしてないってのはキャラの名前じゃなくてなんて作品から呼ばれたなんてキャラか、ってことだから。
じゃぁ ラピュタのロボット兵士あたりを
石の変わりにコントラクトサーヴァントで主と認識させて召使に・・。
るいず「ゴ・・ゴーレムよね・・?」
ロボット兵「ピンッ・・ポン・・パッ・・」
気絶したルイズを手に乗せてレコンキスタ軍にレーザー攻撃して
あたり一面を火の海にする絵が脳裏に
>>68 レーザー水爆なら・・・
この話はやめよう
最終的にはハルケギニアと地球の境界がなくなって2つの世界が融合しました
なオチになりそうな気がしてきた
どんなものかはともかく「爆発オチ」になるんじゃね?
>71
えーと、投下の前後のいずれか、と書くべきでしたね。
明かしても問題の無いときは投下前に、ネタバレになると言う場合には投下後に、
どの作品から誰を(あるいは何を)召喚したのかを書いた方がいいです。
サイトの母親のためにも帰還はしてほしいな
あるいは、虚無の力が消滅するか、ハルゲキニアが滅亡するかして
二度と「召喚」が起こらないようにするのがトゥルーエンドになりそうだ
母親のメールのところは不覚にも涙出た
>>79 前者の方がハッピーエンドな件について(虚無は虚無しか使えない = 最悪戦争の道具にしかならない)
後者は・・・なぁ。
ラノベ的にはハッピーエンドを目指してほしい所
>>81 人類滅亡から
イチローのレーザービームが召喚されて滅亡するハルケギニアが思い浮かんだ。
ああ、コンボイ司令官バージョンもあるアレか。
>>77 雷様吹いた
イカリヤ・・・(´;ω;`)
巨大隕石召喚で地殻が薄皮のようにめくれちゃって滅亡
とりあえず、前のスレを埋めようか
劇場版HカブトがHCU時にワーム隕石ごと召喚・・・
もう滅亡ネタはやめるか
>>ゼロと魔砲使い
StrikerSの終わりの頃の高町なのは(20)がルイズの使い魔(ガンダールヴ)になりましたのなら、
ミョズニトニルンはジェイル・スカリエッティがやるのはどうでしょう?
日昌晶の「覇壊の宴」と言う欝作品を知っていますか?
あれは確か魔王軍が、召喚のゲートを開いた場所が紛争地帯で、一瞬で壊滅したという……。
今 日 の ハ ル ケ ギ ニ ア
ディアボロのように常に召喚による滅亡の危機に晒され、滅亡するが、
いつも何事もなかったかのように復興する
作品投下しても……OKですか?
もちろんお待ちしております
wktk
それじゃいきます。
異様な光景が眼前に広がっていた。嗅いだ事のない強烈なにおいが鼻を突き、
これ以上においが入ってこないようにと、思わず両手で鼻を覆った。
人並みの向こうから灰色の煙が垣間見え、もうもうと天に昇っては消えていく。
あの場所で何が起こっているのか、ルイズには想像することが出来なかった。
ちっこい体を人の間に一生懸命ねじ込んで、ようやくその有様を見れるようになったときに
は全てが終わっていた。
きついにおいを発する原因であろう、焼け溶けた何かを境目とするように対峙している2人。
・・・・・・
そのうちの片方――あの青銅のギーシュが、あろうことか、私の召喚した使い魔の目の前に
屈服していた。
第一話
支援
「ちょっと! 何があったの!? ねぇ、聞いてる!?」
ルイズは自分の使い魔の少年に飛びつき、事情の説明を求めた。
甲高い声が当たりに響いたが、少年はただ無口を貫き、服に掴みかかるルイズの手を
邪魔くさそうに払った。
「こら! 無視するな! あ、ちょっと!!」
使い魔は踵を返すと、無言のままスタスタと歩き去った。
通る道には貴族達の集まりがあったが、使い魔が真っ直ぐに歩いてくると誰もが無言で
後じさり、次々と道を譲っていた。
身を乗り出す気持ちで「まちなさい!」と思いっきり叫んでやりたかったが、それは
突然後方からやってきた揺さぶりによってさえぎられ、使い魔に届かなかった。
次に「あっ!」と口から出たときには、もう使い魔の後ろ姿は見えなくなったいた。
「おいルイズ……オマエいったいなんて奴を召喚したんだよ!?」
振り向くより速く聞こえた声は、聞き覚えのある声で、やや震えていた。
コレは確か、同じクラスにいる太っちょ、『かぜっぴき』マルコリヌの声だったと
ルイズは思った。
振り向いて顔を見てみれば、そこにはふっくらと頬肉を蓄えたマルコリヌが、
驚いたような、恐怖を感じているような、なんとも形容しにくい微妙な表情を浮かべていた。
しかし、それはマルコリヌだけではなかった。
彼の後ろにいるクラスメイトのほとんどが、マルコリヌのように形容しにくい表情を
顔に貼り付けており、特にギーシュと仲のいい面子はこっけいだと思える程間抜けな顔をしていた。
支援
だがそんなことはどうでもいい。
それよりルイズにとって、そんな彼らの質問はむしろ自分が誰かに聞きたいことであった。
「あのねぇ、わたしは今ここで何があったのか見てないのよ! わかる訳ないでしょーが!」
むしろあんたたちこそ何が起こったのか教えなさいよと気迫の篭った声で押し返すと、
ルイズに攻め寄って近くにいた何人かの生徒はいっせいに耳を塞いだ。よほど金切り声が
うるさかったのだろう。それでも何人かの生徒は、頭を抱えてその場にしゃがみこんだ。
回復にはしばらくの時間が要った。
しばらくし、生徒達はふらつきながらも立ち上がった。
ようやく話が聞けるかと思っていた途端、しかし……
「ふん。自分の使い魔のことぐらい、ちゃんと理解しとけってんだ。これだから『ゼロ』のルイズは……」
ぶちんっ
聞こえてきた小さな呟きは、再びルイズの堪忍袋をずたずたのボロボロに引きちぎった。
「いってくれたわね――――――!!」
広場に、爆発音がこだました。
支援
ルイズが使い魔として、少年を召喚したのはつい先日のことだった。
幾度の失敗の果てに成功した『結果』が何の変哲もなさそうな平民の、しかも子供だったことに
ルイズはこの世が、始祖ブリミルがわたしのことをお嫌いになっているんだ! とかなり強い
ショックを受け、案の定その場にいたコルベールを除くほぼ全員に笑われた。
一方で、召喚されたばかりの少年は、驚いたように目を見開いてあたりを見渡した。
だが、決して騒ぎ立てることもなく、目の前にルイズが現われて儀式の説明をしてもまったく冷静な態度を
崩さなかった。さすがにコントラクト――要するにキス――されたときは顔を赤くしていたが、
それ以外ではルーンが刻まれるときすら顔を苦痛にゆがめたものの、声という声を一切上げなかった。
少年は一風変わった格好をしていた。
赤を基調とした見たこともない服を着ていて、頭には何か印のついた、これまたやはり赤を基調とした帽子を
かぶっており、空色のズボンと妙にマッチして見栄えはそこそこよかった。顔も悪くはなく、むしろいい男だ。
少年の面影の中に大人びた知性が見て取れたのは、決して態度だけのせいだけではないだろう。
ただ、愛想はすこぶる悪かった。
ルイズが勇気を出して何かしゃべりかけても、ほとんど返してくることがないし、ひどいときに
は目も合わせようとしない。
あまりの態度にルイズが怒鳴りあげても、まるで聞いちゃいないとでも言うようにふらふらと部
屋から出て、毎回必ずどこかへ消えていた。
特別に食堂入りを許したときも、食堂に一歩足を踏み入れたとたんに背を向け、ルイズの制止も
聞かずに勝手にどこかに行き、食堂には戻ってこない。
食べ終わって部屋に戻ると、その扉の前で何をすることなく立ち尽くしていたのだ。
その間にどこに行ってたのかルイズが尋ねても、少年はまるで寝むるように目を瞑り、
こくりと頭を頷かせるだけ。
支援
ルイズは使い魔の生意気な態度に怒りを覚えるとともに、
使い魔の1人すら、それも平民すら使いこなす事が出来ない自身に対する失望を感じていた。
そんな使い魔があのギーシュと決闘するのだという情報を聞いたのは、
食事を終え、部屋の中であの使い魔のことに頭を悩ませているときだった。
【平民対メイジ】。
どっかのバカ貴族どもなら嬉々として向かえる余興だが、この学院ではあってはならない絶望的な図式だった。
あのバカ! と内心で叱り飛ばすとともに、すぐにルイズは飛び出した。
道中であの少年が……名前すら知らない自分の使い魔が無残にやられてしまう姿が
まざまざと思い浮かび、ルイズは震えた。
名前も知らないはずなのに、あの少年には死んでほしくないと、心のどこかで思っていた。
……そして、たどり着いた決闘の場。
ルイズはまさかのメイジ敗北という、信じられない結果を目にしてしまった。というわけである。
支援
ムカつくクラスメイトを適当に吹っ飛ばしたルイズは、自分の使い魔を探して
廊下をあっちにこっちにうろうろしていた。
はじめはとっくに部屋に戻っているだろうと戻ってみてのだが、おかしなことに
使い魔はおらず、仕方なく鍵を掛けなおしてその場を去った。
「ああーんっ! もうどこにいるのよあのバカは!! ……ん?」
唯一の居そうな所に居なかったため、手当たり次第に探し回る。しかし見つからない。
食堂に着いた時点で疲れて止まり、仕方ないのでもう一度広場に戻って残ってる生徒
に手当たり次第に聞いてやろうと決めたとき、ふと厨房から声がした。
「なにかしら?」
壁に耳を当ててみると、野太い笑い声が聞こえた。
『はっはっはっ! えんりょすんな。まったく謙虚な奴だなお前は!』
『マルトーさん、……さん困ってますよ』
『………………呼び捨てでいいです。シエスタさん』
『いいえそんな、レ……さんはそっちの方がいいんですか?』
豪快な声で笑うのは料理長のマルトーだろう。あの人は料理人の癖して戦士のようながっしりした
体つきだから声だけで安直にイメージが浮かぶ。
控えめな声で優しく語り掛けるのは声質からして間違いなく女。おそらくメイドの一人だ。
ということは……ぼそぼそ声で話すこの男の声は……?
もしかして!
思い立ったら即行動。
ルイズは散々探し回った疲れも忘れて厨房に駆け込んだ。
支援
「こらーっ! バカ犬!!」
そりゃあ扉があったら蹴破る勢いで飛び込むと、マルトーと若いコック陣と、そう年の
変わらないだろうメイドと、そのメイドに向かい合っている使い魔の、唖然とした表情が
ルイズを迎え入れた。
「あ、あ、あ、あんたねぇ。ご主人様に断りもなしに決闘しといて、その上説明もせずに
立ち去ったあとこんなメイドには、鼻の下伸ばすなんて、いい身分なものねぇ……」
こめかみに浮かんだ血管がピクピク揺れ、隠し切れなくなっている怒りのあまり、ろれつ
もスムーズに回っていない。
実際、使い魔は鼻の下を伸ばしていないどころか、盗み聞きした会話からしてもいつもど
おりの無愛想を貫いていたことは容易に判断できたのだが、ご主人である『わたし』を
さしおいて、こんなメイドごときのもとに駆け込み、なおかつ普通に会話していることが
どうしても許せなかった。
「も、申し訳ありませんミス・ヴァリエール!」
「あんたに謝ってもらったってどうしようもないのよ! そこをどきなさい!!」
「いいえ、どきません!」
使い魔をかばうように立ちはだかった、先の会話から『シエスタ』と思えるメイドの少女
は、ルイズの背後からにじみ出る恐ろしいほどどす黒い圧力に冷や汗をかきながらも負け
じと頭を下げた。
「この人が……レッドさんが決闘してしまったのは、私が原因なんです!」
シエスタはルイズの知らなかった使い魔の名前を交えて、思いっきり叫ぶように言った。
支援
投下終了。支援が一回ごとに入ってる……なんか素敵だ。
わかりにくいだろうからクロス元書くと、
この無愛想はポケモン金銀水晶のラスボスのレッドです。
ポケモンは初代しか分からない・・・
だから赤の主人公しか浮かばない
投下乙
また凄いのが出てきたな、色々な意味でw
ポケモンは全然しらないけど続きが楽しみです〜乙でした。
投下乙!確かに素敵。
ただマルコリヌ…マルコルヌ…マルクレヌ…なんだっけ、あのマルコメは。
乙です。あー、洞窟の奥でこそこそしてた人か。正直あれは不気味だった。
任天堂のポケモン(人外)でないキャラ召喚は珍しいかな?
>>114 マルコビッチです。いや、これも違うなぁ、マコルネム? ええい、記憶がいかれやがったか。
だーしまった。マルコメの名前間違えた!
鋭い指摘どうも。
ちなみにポケモン自分はRSEとFLまで、
最近のクレイジーダイヤモンドとかはわかりません。
乙
世代的に直撃のはずなんだけどポケモンやったことないんだよな
お疲れ様です〜。
次、投下してもよろしいでしょうか?
wktk
俺だってパール・ジャムは持ってないさ。
>>120 GO!
それは九郎とルイズが目覚める前の晩のことだった。
決闘の興奮も冷めやまぬ中、生徒は各々の時間を過ごしていた。
各自室へと続く廊下を、キュルケは青い髪の少女、タバサとお喋りしながら歩いていた。
と言っても、喋っているのはキュルケの方で、物静かなタバサは時々頷いているだけである。
「素敵よねえ、あの使い魔」
この科白はこれで七回目である。
キュルケが惚れっぽいこと、さらに不特定多数の男と付き合っていることはタバサも知っている。
どうやら、今度はあの使い魔がターゲットのようだ。
また何か面倒ごとに巻き込まれるのではないかと思うと、タバサは持っている杖を重く感じた。
そんな心情を知るよしもなく、キュルケは一方的に喋り捲り、自室の側に来たことに気づくと元気よく挨拶をして去っていった。
タバサは誰も気付かないほど小さく溜息をつくと、自分の部屋へと身体を向けた。
――と。
「――?」
一瞬――
自分に向けられた視線を感じた――ような気がした。
振り向いて気配を探るが、せいぜい各々の部屋の中にいる生徒の気配だけで他には何も感じない。
月明かりだけが廊下を照らす。
しばらく探っていたが、気のせいだったと結論付け、自室へと足を向けた。
自分の後をつける白い影には気付かずに。
場所は変わり、キュルケの部屋。
いつもなら男を連れ込んでいる頃だが、今日はキャンセルした。というか、むしろ振った。
しつこい奴はフレイムで追い払った。
今、彼女の頭の中を占めるのは、ルイズの使い魔である大十字九郎のみ。
ベッドの上に寝転がりながら、目が覚めたらどんな風に誘惑しようか、そのことばかり思い巡らせていた。
やはりここはスタンダードに下着姿で出迎えようか。いや、ここは意表をついてバスタオル一枚という手もある。いっそ全裸で――
今や彼女は微熱の二つ名の如く、心が燃え上がっていた。
そのため気付かなかった。
いつの間にか赤い影が室内に侵入していたことに。
気配に気付いたフレイムは威嚇するまでもなく恐怖で固まってしまった。
フレイムの野生の勘は一瞬で理解した。目の前にいるのが己では決して敵わない存在、全く違いすぎるものだということが。
契約の力は主を守るべきだと叫んでいるが、魂そのものが恐怖してしまい、成す術もなくただ動けなかった。
そんなフレイムを無視し、赤い影はゆっくりとキュルケに近づいた。
影が一歩近づくたびに、室内の温度が上昇していく。
その頃になって、ようやくキュルケは異変に気付いた。
すぐ傍まで来ている。
なんかマルコメが某スレのコン(ry みたいになってるw
そのうち切腹しなければならなくなるのか?
咄嗟に杖に手を伸ばす。そして、振り向きざまに魔法を解き放った。
「ファイヤー・ボール!」
しかし、そこには何も存在せず、放たれた火球は部屋の壁を破壊しただけだった。
キュルケは杖を構えたままベッドから立ち上がった。
思念でフレイムを呼ぶ。しかし、傍に来ない。
「フレイム?」
いつもいる場所に目を向けると、そこにフレイムはいた。
だが、その身体は完全に固まっていた。
それが恐怖によるものだと理解するのに幾秒もかからなかった。
あのフレイムをここまで怯えさせる存在――
「――っ!?」
途端に恐怖が襲い掛かってきた。
――怖い怖い怖い怖い――
そこまでの得体の知れない存在。それがすぐ傍まで来ていたという事実を改めて認識したのだ。
遠くで複数の声と足音が聞こえる。
今のファイヤー・ボールに驚いてやって来た生徒達だろう。
その音に、キュルケは心の底から安堵した。
同時刻――
タバサの部屋の中。
彼女の後を追っていた青い影は室内に侵入していた。
それに気付いたタバサは、杖をベッドの中に寄せ、
「…………ッ!?」
布団を頭まですっぽりと被り、ぶるぶると子猫のように震えていた。
早く何処かに行ってと心の中で叫ぶが、謎の影は聞き入れるはずもなく、タバサのいるベッドに向かっていった。
青い影がだんだんと近づいてくるのを気配で感じた。
そのたびに室温が下がっているのだが、恐怖で怯えているタバサは気付かない。
青い影がタバサを覗き込むように傍らまで近づいたその時――
いきなりガラスが割られ、冷たい夜風が室内へと入ってきた。
「きゅいきゅい!」
タバサにとってとても聞きなれた鳴き声が室内に木霊する。
主の危機を察知したのか、使い魔のシルフィードが窓から顔を突っ込んでいた。
「おねえさま! 無事? きゅいきゅい」
周囲に誰もいないのを知っていたシルフィードは、普段は喋らないように言われている人語でタバサに呼びかけた。
タバサは謎の気配が消えたのを感じとると、ベッドからもぞもぞと這い出てきた。
「シルフィード、ありがとう」
「どういたしましてなのね、きゅいきゅい」
その顔を優しく撫でるタバサ。嬉しそうに目を細めるシルフィード。
と、シルフィードは何かを嗅ぐようにヒクヒクした。
「おねえさま、おしっこの臭いがするのだわ」
「――!?」
タバサは顔を真っ赤にした。
彼女がいたシーツの上はしっとりと濡れていた。
この二つの出来事は、特に大事にならなかった。
キュルケは寝ぼけて魔法を使ってしまったということで、壁の修理を自費で補うことで終わった。
一方、タバサの方は誰も気付かなかったので騒ぎにもならなかった。
互いに昨夜の出来事は誰にも伝えなかった。
キュルケは、訳の分からないことに恐怖したということがプライドを傷つけたのか、自分で何とかすると意気込んでいる。
同時に、九郎を誘うのに使えるかも、と逆に利用しようかと考えていた。
一方、タバサの方は、夜になったら人間に変化させたシルフィードと一緒に寝ようとか考えていた。
とりあえずお化けは怖い。調べる気にもならなかった。
支援っ
以上であります。
まあ、謎の影の正体は知っている人ならすぐにピーンと来るでしょうが。
では、また。
乙であります〜タバサかわいいw
タバ茶! タバ茶! タバ茶!
131 :
ゼロの夢幻竜:2008/01/06(日) 01:15:35 ID:RjFT2doK
皆さんあけましておめでとうございます!
正月はトランスフォーマーのDVD見ながら「スタスクかっけぇ」と呟きつつ、
実写版スタスクの玩具弄りながら蜜柑食ってました(笑)。
13巻ショックのせいで大幅書き直しが見込まれる事になりましたが、順調に書いていこうと思います。
閑話休題、5分後から投下していいでしょうか?
132 :
ゼロの夢幻竜:2008/01/06(日) 01:20:29 ID:RjFT2doK
では投下します。
ゼロの夢幻竜 第十五話「盗賊の狙い」
『土くれ』。この言葉である人物を想像する者がトリステインに一体どれだけいるだろうか?
恐らく粗方の人間がこの言葉を一つの単語として用いるだろう。『土くれのフーケ』。
正体不明で神出鬼没な事で名を馳せるその怪盗は、魔法を用いて貴族の屋敷等を襲いお宝をまんまと奪っていく事で有名である。
その存在に貴族達の大半は怯え、名前が一度でも出ようものなら戦々恐々としている。
というのも、彼等がどんなに厳重な警備網を布こうがフーケは鮮やかに突破し、気づいた時には時既に遅しという状況が度々あったからだ。
加えて、そんな風に犯行を犯す事もあれば、屋敷自体を吹っ飛ばしたり等かなり荒っぽい事もやってのける時がある。
出方と手段の多様化の為に、警備の者達もめっぽう降り回されっ放しというのが現状だった。
分かっているのは次の三点。
男女かどうかも分からぬフーケは、時たま犯行の際大きさにして30メイルはあろうかというゴーレムを使う事が鍵となり、少なくとも土系統のトライアングルクラスメイジという事だけは分かっていた。
それと犯行現場に『秘蔵の○○、確かに領収いたしました。土くれのフーケ。』という被害者にとっては非常に鼻持ちならない文面のサインを残していく事がお決まりになっていた事。
そして狙う獲物の大半はマジックアイテムに集中していた事だった。
さて、その当のフーケは今魔法学院本塔の壁に垂直に立っている。
彼女の狙いはこの塔の5階にある宝物庫に隠されているという『深海の宝珠』だった。
地道に調査を続けた結果、ここにある事は間違いないと踏んだのだが、実際その場の近くへ来てみると大きな問題が発生した。
足の裏で探ってみても分かるが壁は厚く、またかなり頑丈に作られている為に早々簡単な方法では破壊する事は出来ないと分かる。
フーケは悔しそうに歯噛みした。
「『固定化』の魔法以外はかかってないみたいだけど、これじゃ私のゴーレムでもどうしようもないね!
やっとここまできたっていうのに……かと言って手ぶらで戻る訳にはいかないからねえ。『深海の宝珠』はもう目の前にあるっていうのに……ん?」
そんな時彼女は壁の一部にそこまで小さくはない真新しい窪みを見つけた。
何か大きな衝撃波によって削り取られた様な……そんな感じだ。
先程まで中庭の辺りで大きな音が引っ切り無しに聞こえていたがそれと関連性があるのだろうか?
まあいい。外壁の他の部分を見ても目立つ傷はそこぐらいな物だ。
言い換えれば物理的に脆弱なものになっていると言う事。
そこを攻めない手は無い。
フーケは自分の幸運さに小唄でも歌いたくなったが、そこはぐっと堪え一言だけ呟いた。
「ツキは最後の最後でお出まし……って事ねぇ。」
自分に自分の杖が向けられている。
魔法が使える事が前提である貴族にとってこれ程屈辱的な事は無い。
だがキュルケは少しでも余裕を見せる為に、無理矢理にでも僅かな笑みを捻り出しながら言う。
「やるじゃない。取って置きの隠し玉には少し驚いたけど。」
すると当のラティアスは杖をくるっと一回転させてキュルケの方に差し出した。
「私もです。攻撃と防御の連携をあれだけ上手く組み立てられたら、普通は攻め込めないですよ。実際途中まで上手く立ち回れませんでしたし。……手合わせして良かったです。」
ラティアスがそう言ってふっと微笑む。
キュルケもその様子に微笑みながら話を続ける。
「んで?あなたは私にもうご主人様にちょっかいを出すなとか言い出すのかしら?」
「二度と……とは言いません。……偶になら許します。」
その言葉を聞いてキュルケはきょとんとする。
ちょっと、それってあまり変わってないんじゃないの、と。
しかし、ラティアスの発した言葉の裏に隠された意図を読み取ると、キュルケは小さく吹き出した。
ラティアスの手に掴まり、彼女は立ち上がりつつ短く答える。
「ありがと。」
ジャーンジャーンジャーン げぇっ支援っ
134 :
ゼロの夢幻竜:2008/01/06(日) 01:21:41 ID:RjFT2doK
ところで、二人が交わしている会話が聞こえずとも、遠くから見ていたルイズはこれまでに無い充足感を感じていた。
使い魔であるラティアスが家の宿敵とも言えるキュルケを打ち破ったからである。
最初こそ苦戦を強いられるように見えたものの、新たに見せた能力……不可視化を使って勝利したのだ。
最早今なら、スクウェアクラスの騎士を乗せた火竜を相手にしたって負ける気が起きない。
気づけばラティアスはキュルケに杖を渡し、こちらに向かって歩いていた。
ルイズはその身をひしと抱き締め、嬉々とした声を上げる。
「凄い!いいえ、もう凄いなんて物じゃないわ!そんな言葉も霞んじゃうわ、ラティアス!」
ラティアスはその言葉に照れたようで軽く頬を掻いた。
しかし、直ぐにいつもの表情になってルイズに囁く。
「有り難う御座います、ご主人様。でも、もしキュルケさんの隣にいるちっちゃい人が相手だったら私は多分負けていたでしょう。」
「え?」
その言葉にはっとしたルイズは、キュルケの隣に佇む青髪をした小柄な少女、タバサに目をやった。
特に先程の結果に取り乱す事も無く黙々と本を読み続けている彼女が相手だったならラティアスは勝てないと?
怪訝そうな表情でタバサを見つめ続けるルイズにラティアスはその理由を述べる。
「あの人の属性で、あの人の知性で勝負になっていたら多分私は手も足も出なかったでしょう。
空を飛べる事や技を出す事は言うまでも無く、今初めて使った不可視化も対抗策はあっという間に練られていたでしょうね。」
信じられないといった目でルイズはラティアスとタバサを交互に見た。
勿論ルイズとてタバサの力量がある程度見切れないほど愚かではない。
彼女が使い魔召喚の儀において風竜を召喚した事から彼女は風系統であり、且つ相当な力量を持つメイジであると察しはついていた。
しかし、ラティアスが自分の事をそこまで卑下するほどの実力を持っているのだろうか?
そう思っていた時、地面が小さく震えた。
何かと思ってキュルケが背後に向かって振り返ると……
「な、何よ、これ!」
たっぷり30メイルはありそうな巨大な土ゴーレムが立っていた。
しかもそれが大きさに合わない機敏な動きでこちらに迫ってきている。
突如現れたその存在に平常心を保てる者が果たしてどれだけいるだろうか?
少なくともその場にいる者達の中には誰一人としていなかった。
「逃げるわよ!」
「言われなくてもそうするわ!!」
ルイズの言葉に否応無く反応するキュルケ。
ラティアスは一瞬で元の姿に戻り、ルイズを両腕で掴んで空中へ舞い上がる。
タバサはシルフィードを呼び出してそれに乗るとほぼ同時に、走っていたキュルケも乗せた。
「ご主人様。あれは一体何なんですか?」
「土ゴーレムよ……あんな大きな物を操れるなんてきっとトライアングルクラスのメイジだわ。」
ルイズはラティアスの質問に的確に答える。
その言葉を聞いたラティアスは小さく呆ける様に呟いた。
「流石はご主人様です。」
135 :
ゼロの夢幻竜:2008/01/06(日) 01:22:33 ID:RjFT2doK
フーケはゴーレムの肩に乗ったまま、壁にある窪んだ所に向かって拳を打ち振るうよう操る。
衝突の瞬間、彼女はゴーレムの手を鉄へと変化させていたが、それでもまともに人一人通れる穴が出来るまでに3〜4回は叩かなければならなかった。
何とか開いたその穴へ、フーケはゴーレムの腕伝いで入っていく。
中をざっくばらんに見渡す事もせず、フーケはある一画を目指し走り出す。
行動は全てにおいて、俊敏且つ狡猾に行わなければならない事がフーケの考え。
そして目指した一画にはいかにも高価そうな宝石箱がずらっと並べられていた。
が、フーケはそれらには目もくれず、一番右端にある木彫りで装飾も少ない質素な箱に手をつける。
鍵がかかってはいたものの、特に『固定化』の魔法が施されている訳でもなかったので『錬金』でその鍵を土くれにし、一応中身の確認をする。
自分の視界に映ったものを見てフーケはつい薄ら笑いを浮かべてしまう。
箱の中には目も覚めんばかりに青く、そして美しく輝く『深海の宝珠』があったからだ。
それにしても随分と古参なやりくちではないか。
一番重要な秘宝という物は一番それらしくない外見、若しくはそれに準じる物に収められているなど。
しかしこれが一体どういう形でマジックアイテムという力を発揮するのだろうか?
が、それについて考えている時間は無い。
箱の蓋を閉めた後でそれをローブの下にしまった彼女は去り際、壁にこんな書置きを刻んでいった。
「『深海の宝珠』、確かに領収いたしました。土くれのフーケ」
ゴーレムは本塔より離れ、魔法学院の城壁を一跨ぎで越す。
異常なまでの地響きをたてながらそれは草原を進んでいたが、あるポイントまで辿り着くと一気に崩れ小さな小山となった。
そこから少し離れた場所で旋回するタバサの風竜とルイズを背中に乗せなおしたラティアスはその様子を特に何をするというわけでも無く見つめていた。
「ご主人様、あのゴーレム壁を壊してましたけど、一体何をしていたんでしょう?」
「宝物庫。」
ふいに口をついて出たラティアスの質問に答えたのはタバサだった。
その言葉にぎょっとしつつ、ルイズはゴーレムを操っていた者に関しての特徴を必死で思い出していた。
「そう言えばゴーレムの左肩辺りに見えた黒ローブのメイジ、壁の穴から出てきた時に何かを抱えていたわ。」
「じゃあ泥棒じゃないですか!急いで追いかけましょう、ご主人様!」
「無理よ。もうその本人が見えなくなっちゃったもの。」
そう言ってルイズは小山の辺りを指差す。
成程。そこには人っ子一人、鳥の一羽も見当たらない。
犯罪が正に行われた場面に鉢合わせたにも拘らず、何も行動に移す事が出来なかった。
出来る事は限られていることぐらい分かってはいても、その事をラティアスは内心歯噛みしてしまった。
支援
137 :
ゼロの夢幻竜:2008/01/06(日) 01:28:35 ID:RjFT2doK
以上で投下終わります。今回は割合少なめに抑えました。
ルイズのブレーキ役は仇敵とはいえキュルケしかいないと思いましてラティアスに含んだ事を言わせました。
タバサが勝てる理由は……ご想像にお任せいたします。
13巻を読み終わってぼうっと思ったのが、
F-22を実家の県にある特攻記念館に飾られている零戦と同じ様な状態で出したり、
一次大戦の病院船で今は地中海に眠るブリタニックを出したり……
考えすぎました。
今日はこれまでにします。
では、また近い内にお会いしましょう。
流れに便乗して投下します。
タバサネタ被りんぐ\(^o^)/
「・・・でね、男子生徒数人が集まって、ある日の夜に屋敷の前まで行ったのよ。
入り口の前まで近づいたんだけど、屋敷に誰も居なかったのか明かりは全然点いてなくて、ホントに真っ暗だったワケ・・・。
気になった男子の一人が恐る恐る扉の真ん前まで足を運んだんだけどね、その時遠くで見てた男子がある事に気がついたの・・・・。
それがね・・・2階の真っ暗な窓から、ズ ラ ッ と並んで立ってるメイド達が全員でコッチを見」
口をパクパクさせるキュルケ
どうやら部屋の主がサイレンスの魔法をかけ直したようだ。
部屋の隅のベッドには団子の様に丸まったシーツとそこから伸びた長い杖がプルプル震えている。
「アッハハハハっ ゴメンゴメンっ。そういえばアンタこういう話が本当に駄目だったのよね。」
シーツをめくると眼鏡を外してスンスンと小声で泣いているタバサがいた。
その姿に思わず笑いそうになるが、やはり罪悪感の方が先立ったので一言ごめんネーと言いながら頭を撫でてやる。
「でも可哀想よね本当に・・・。」
「何・・?」
「知らない? ウチのあのメイドがね、今朝急にそのモット伯の屋敷へ呼び出されたの。」
「話が有る」と部屋に入ってきたかと思えば、いきなり怪談話を始めた時は一体何のつもりかと思えばそういう事か。
「それを先に言って・・・」と涙声で訴えると、キュルケはクスクス笑いながらもう一度謝った。
同じ頃、ルイズとダンテはコック長のマルトーに厨房へ呼び出されていた。
「マルトー・・・お気持ちは察するけど・・・・」
「いやっ、一度だけ顔を見に行ってやってくれるだけでもいい。どうにも今日一日胸騒ぎがずっと止まないんだ。」
マルトーは何度かモット伯の厨房を手伝いに屋敷へ呼ばれたそうだ。
その時の記憶は鮮明で、あんな屋敷へと行ってしまったシエスタが心配で堪らないらしい。
「あんな気持ちの悪い連中は初めてだった・・・。
あの屋敷で俺が何の仕事をしたかと言えばモット伯一人分のディナーだけ。
ヤツが食事を始めると、テーブルのサイドでメイドも執事も死んだ様な目ぇしてジッと動かねえんだ・・・。
あんまり気味が悪いモンだから仕事を終えたらさっさと荷物まとめて逃げる様に帰ってったね俺は。」
いつもの豪気なオーラは陰に潜み、顔面蒼白で屋敷での出来事を話すマルトーに、
只ならぬ事ではないというのは感じたルイズ。
しかし貴族と云えど自分は学院の生徒、その上魔法だって使えないに等しいというのに一体何がしてやれるというのだ。
そんな自分の無力さに歯痒さを噛み締めていた。
厨房の窓から表を覗くダンテ
夕刻前。沈みかけの太陽は真っ赤に空を染めようとしていた。
(本当にアイツ等だとすれば・・・。)
「そろそろ時間が無さそうだな。」
ダンテの口から思わず洩れたその一言は、ルイズとマルトーが動揺するには十分だった。
「おい!アンタ何を知ってるんだ!?一体どうなるんだシエスタはっ!!!?」
「アンタね!!根も葉も無い事言ってマルトーを不安にさせるんじゃないわよ!!!」
どうせいつもの冗談で面白可笑しくはやし立ててるつもりなのだろう。
そう思っていたルイズだが、使い魔の瞳は狩人のように鋭い目つきだった。
「ストロベリーサンデー」
「はあ?」
「久々に食いたいんだよな。おいマルトーさんよ、俺らが帰って来る頃にはソイツを3人分作って待っときな」
突然の発言と要求に何が何だかわからないルイズとマルトー
「え!? ・・えぁああ・・行ってきてくれるのか・・・?」
「ああ、行くぜ御主人。シエスタを連れて帰る。」
「ちょ、ちょっと!!勝手な事ばっか言わないでよ!!!!」
「ありがてえ・・・ありがてえ!俺にできる事なら何でもする!!!だからシエスタを・・・!!」
毎度の事ながら無茶苦茶な事ばかり言ってくれるこの使い魔に頭を痛める。
しかしマルトーの話を聞いてシエスタが心配なのは自分も同じだ。
「ああもうっ!!・・・しょうがないわね。いい?私は"犬の散歩"へ屋敷の近くまで通りかかるだけなんだからね!」
「ワンっ! ワンっ!」
素直になれない主人に飼い犬はここぞとばかりに鳴きだす。
大股で手を大きく振り上げ、ズカズカと厨房を後にするルイズ
同じ格好をしながら着いて歩くダンテ
「楽しいパーティーになりそうだな。」
赤いコートの狩人はおぼろ気に浮かび上がった双月を見ながらそうつぶやいた。
すみません冒頭が抜けてましたorz
コッチが始めです
mission7
ルイズ達と街へ出た日から数日後の朝、
シエスタはジュール・ド・モット伯の屋敷にて給仕に勤しんでいた。
学院から少し離れた領地に構えたこの屋敷に周囲の人々は只ならぬ不安を実らせていたのだった。
元々あまり善い噂を聞くことが無かったモット伯であったが、近年にも増して不振な行動が目立っていたからである。
屋敷から人の気配は殆ど無く、本人を含め使用人や衛兵は皆蒼白い顔で空ろな目をしている。
それまで働いてきた使用人やメイド達は皆解雇され、
代わりを雇うかと思えば、彫金専門のメイジから特注の人形を40〜50体程取り寄せたらしい。
屋敷内は静寂に包まれ、余りの気味の悪さに外の警備を勤めていた番兵も皆辞めてしまった。
それ以来、こうやって外の人間を屋敷へ雇い入れるというのは実に久しぶりだとの事。
ここに居る人間は私一人しかいないんじゃないだろうか?
そんな錯覚すら覚えるシエスタは、この場で叫びたい衝動をグッと堪えていた。
この場に居るメイドや執事達は皆仕事に励んでいるもの、
誰も喋ろうとしない、話しかけても反応が無い、顔の表情から生気が感じられないのだ。
「(またあの目だ・・・)」
後ろから視線を感じる。きっとモット伯だろう。
自分を品定めする様なジトっとした目で見つめられるのは、今日ここに来てからこれでもう4回目だ。
その異様な行動に堪らずしゃがみ込み、堪えようのできない嗚咽を両手で抑える。
「ミス・ヴァリール・・・。ミスタ・ダンテ・・・・」
声にならない声で信頼を寄せる貴族とその使い魔の名を呼び、屋敷の中で独り助けを求めるシエスタ
やっぱり氷は弱点か支援
「・・・で? 首輪とヒモは付けなくてよかったのかよ御主人?」
「バッ・バカっ!!!!!そそそんな物持ってる訳無いでしょ!!!」
いやあったぞ。
下着の引き出しの奥だ。
顔を真っ赤にしながら否定するルイズに薄ら笑いを浮かべるダンテ
モット伯の屋敷に辿り着いた頃にはもうすっかり日は落ちていた。
動くとすればそろそろか・・・
「ねえ、聞きたいんだけど?」
「何でございましょう御主人様?」
「ふざけないでちゃんと答えて。」
「へいよ。」
「今回の件。アンタは何か心当たりがあるみたいだけど。」
「まあね。」
「何を知っているの?」
「色々とな。」
「詳しく話して頂戴!」
「やれやれ・・・」
時間が惜しいが食い下がらないルイズに折れ、今から向かう屋敷の状況を簡潔に説明する。
魔法が横行するここハルケギニアでも死霊や悪魔の概念は確かに存在するが、
それらと遭遇する率は魔獣やモンスター等と比べて極めて少ない。
そんな事から存在するしないかの信憑性も次第に薄れ、除霊や悪魔祓いといった類は無いに等しかった。
「・・・信じられない。神学の教本でデーモンの挿絵何かは見てるけど、・・・本当にそんなのが身近に居るっていうの?」
魔法だのドラゴンだの喋る剣だの散々出てきといてその反応は無いだろう・・・と内心呆れ気味のダンテ。
「まあいいさ信じようが信じまいが。とにかく俺は今までソイツ等を狩って飯食ってきたんだ。
それで、これから店を構えてそろそろ本格的にやるかってところでお前に呼ばれた訳さ。」
雑談を続けながら屋敷の入り口前へ着く。ルイズに「ここで待ってろ」と一言告げて、ダンテは門番に近づき話し掛けた。
門番の顔を見るや確かに噂通りの顔つき・・・でも無かった。気さくな表情で和気あいあいとダンテと話している。
「・・・ハハハ。申し訳ないがジュール・ド・モット様は今晩大事な用がありますので、
今日のところはお引取り願いたいのですが。」
「そうかい。だが今日はパーティーがあると聞いてここに招待されたんだがね?」
「はて?そのようなご予定は聞いておりませんが・・・」
「おかしいな、招待チケットはここに持ってるぜ。」
「ちょっと拝見してもよろしいですか?」
「ああ、今出すから待ってな。」
「ちょっ!ちょっと勝手に・・・!!!」
そう言いながらルイズが駆け寄ろうとした瞬間
門番の額にゼロ距離で銃口を向けるダンテ
ダァアン!と一発の銃声が鳴り響いた。
思いもよらぬ使い魔の行動に目を見開き両手を口に当てるルイズ。
恐る恐る撃たれた門番に目をやるとその姿はそこに無く、その上から血の様なものが滴り落ちている。
そこへと視線を上に向けると、壁に貼り付いている人の様な"それ"が自分の目に映った。
ギャアアァァァ!!!と金切り声をあげながら"それ"はダンテに降りかかった。
ダンテはすかさず左手からもう一丁の銃を取り出し、2つの銃口を掲げマシンガンの様に乱射する。
銃弾を受けるものは慣性を無視するかのように宙へ浮き続けた。
あまりの出来事にストンとその場にへたり込むルイズ。
混乱する頭を落ち着かせ、悲鳴と恐怖を必死に堪えながら周囲の状況を理解しようとした。
向かいに居た筈のもう一人の門番の姿が見えない。代わりに背後で何か気配を感じる。
気配のする方向に目をやると化け物がもう一匹、
名前を呼ぶのもおぞましいその醜い姿はルイズに襲い掛からんとばかりに右手を振り上げていた。
そいつと目を合わせてから身体が硬直して一切動けない。今まで感じた事のない恐怖がルイズを支配している。
化け物が右手を振り下ろそうとしたその瞬間、
ダンテの投げたデルフリンガーが ズドォン! と音を立てピアスのように化け物の胴体へ突き刺さった。
次の獲物にゆっくりと近づく狩人。
悲鳴を上げながらバタバタとその場で悶る姿を傍らで見ているルイズは今にも泣き叫びそうだった。
化け物の顔に靴底を押し付け、胴体に銃口を向けてガン!ガン!ガン!と数十発の銃弾を打ち込み地面にスタンプさせる。
その時のダンテはいつにも増して楽しそうな顔をしていた。
惨劇も束の間。再び夜の静寂が周囲を包む。
「おい」
呆然とするルイズに声は届かない。
「やれやれ・・・漏らしちゃいないだろうな御主人様よ。」
「・・・・・・・漏らさないわよバカ!!!!」
やっと落ち着いた所で改めて周囲を見回すルイズ。
「・・・何なのよコイツら」
「悪魔さ。さっき説明したろうが。」
「でもこんなのって・・・・こんなの今まで一度も・・・」
「こんなのがこの中にウジャウジャ居るのさ。シエスタも一緒にな。」
右手の親指を屋敷に向けるダンテ。その中を想像するだけでルイズは背筋を凍らせた。
始末した門番の悪魔が泡となって消える頃、遠くからこちらへ近づいてくる人影が見えた。
「キュルケか。」
学院を出るルイズ達を追いかけて来たそうだ。上空でタバサの使い魔が待機している。
「もっと早く来たかったんだけど、タバサがね、今日は部屋から絶対出たくないなんて言いだしちゃって、
それを説得するのに今まで時間が掛かっちゃったの。もう会いたかったわぁダーリンっ!!!
・・・あらヴァリエールどうしたの?こんな所に座り込んで?漏れそうなの?」
「ううううるさいわねどいつもこいつも!!!放っといてよ!!!!!」
マルトーに頼まれてからこれまでの事情をキュルケに説明した。
「・・・てな訳なんだ。悪いがウチの御主人を連れて帰ってもらえないか?」
「うーん、ダーリンの頼みだからいいんだけど、・・・タバサの奴絶対ここまで降りてこないわよ。」
「アンタね・・・」
事の経由を察するにタバサに同情せざるをえないルイズ
「やれやれ、タバサにとって安息な場所まで案内してくれ。」
「え?ちょっと??・・・ひゃあっ!!」
動けないルイズをお姫様抱っこの要領で抱えるダンテ。キュルケは不満気な顔だ。
「優しいのねぇ。でもダーリンは早くあっちへ行ってあげなきゃ。この子一人位なら私だけでも何とかなるわ。」
そう言って屋敷に目をやりながら呪文を唱えると、ダンテの両手からルイズが宙に浮いた。
「おおお落としたらただじゃ済まないわよ!」
「この後に及んでまだそんな口が聞けるとは・・・ちょっとは感謝してもらいたいわね。」
「助かったぜキュルケ。」
「あら、いいのよダーリンは。そのかわり、今ルイズにやったア・レ。私にもして欲しいなあ。」
「ハッ いいぜ。・・・二人きりの時にな。」
「・・ちょっと・・・急いでるんなら・・・さっさと行きなさいよ・・」
二人の世界に物理的に挟まれるルイズ。両方とも結構な胸囲なので尚更息苦しい。
「メイドさんをよろしくね。」
「今晩中には絶対帰ってくるのよ!!」
「ああ、必ず二人で戻る。」
二人に軽く手を振り、ダンテは屋敷の中へと入っていった。
投下以上です。支援と御指南いつもありがとうございます。
wikiにまとめて下さった方にこの場を借りてお礼を申し上げます。
では、第二話の投下よろしいですねッ!?
ルイズの部屋の中で、レッドによる無愛想で解りやすい説明が続いていた。
レッドはそばにあった椅子に何故か縛り付けられ、ルイズはそれを見下ろすように
仁王立ちしている。
それでも冷静というか、自分のペースを見失わないこの少年は、冷静なのかバカなのか
ちょっと危ない趣味を持っているのか、ルイズは考えて冷や汗を一つたらした。
あのあと、ルイズはシエスタを振り切ってレッドに接近、あたおたするマルトー及び
若いコック陣を一喝で黙らせると、レッドの首根っこを乱暴に掴んでこの部屋まで引
きずってきた。
この体と細腕に何でそんな力があるのかルイズは自分自身驚いてたりするが、
引きずられながらもシエスタに手を振るレッドを横目で見てそんな考え遠くに吹っ飛ばし、
そう近くはない自分の部屋に向かって力の限り走り抜けた。
ただ、あのメイドとこのバカを一秒でも一緒の空間にいさせたくなかった。
部屋に戻ると問答無用で椅子に座らせ、はききれる息も完全に無視してあっという間に
レッドを縛り上げた。縛られる当の本人は何の抵抗もせず、ため息を一回つくも、終始
されるがままだった。
第二話
支援
「……以上だ」
レッドが口を閉じると、ルイズは軽く頷いた。
理由はわかった。よーくわかった。
シエスタとかいうメイドの話を要約すると、ギーシュの二股がばれて、それをたまたま
近くにいたシエスタが目撃。そこでギーシュは二股のばれた理由をシエスタに擦り付け
ようとした。
そしてギーシュの理不尽な理屈により、罰を受けそうになっているところをたまたま通
りかかったこのバカ――レッドが目撃し、…………電撃を浴びせた?
「うん、ってちょっと待ちなさい!
あのメイドがギーシュに言い寄られ、アンタがかばった。ここまではわかったわ。
うん、わたしは冷静だもの。でも、だからこそ冷静に考えてワケわかんないとこ
ろがもー一つ、あるんだけど……」
「……?……もしかしてギーシュとかいう奴の二股の理由? そんなの俺も知らない……」
「 アンタはバカかぁ!! 」
レッドはさも不思議そうに首をかしげた。頭上にはてなマークが浮かんでもおかしくない、
そんな表情だ。
「電撃よ、で・ん・げ・き・! 仮にその話が本当だとして、なんで平民のあんたがメイジ
みたいなこと出来るのって話! わかった!?」
「……ああ、そのことか。でてこい」
言うやいなや、レッドの腰あたりが急にガタガタ震えだした。ルイズは何事かと身を引い
たが、レッドの大丈夫という言葉に、おそるおそる腰のあたりを覗き込んだ。
安心だとわかったため、ルイズは何が起こるか期待に目を少しだけ輝かせたが、それはう
るさく震え続けるだけで一向に変化がおきず、しばらくするとぴたりと揺れは止まってし
まった。
「……」
「……」
あれ?
「…………」
「…………?」
「……………………………」
「…………………………あれ、おかしいな?」
「……レッド、私をバカにしてる?」
「いやぜんぜん。……そうだルイズ、腰の辺りにボールみたいなのがいくつかくっついてる。
……その一番右のやつをとってくれ」
殿方の腰周りに触れるのは少し抵抗があったけど、意を決して覗いて見ると、腰のライン
には確かに赤と白で塗られた、手のひらサイズの小さなボールが6つ並んでいた。
「あ、あるわ……でこの、い、一番右の奴ね……」
「…………(なぜ震える?)」
レッドは頷き返しつつ、まるで恐ろしいものに触れるがごとき慎重さを見せるルイズを、
心底不思議に思った。
「……ってそんな撫でるように触らないでくれ、こそばゆい」
「え! あ、ご、ごめん」
頬を薄く朱に染めて、ルイズは縮こまりつつボールをとることを再開した。
「ちょっとルイズ!! さっきからガタガタうるさいわ…………」
そこに体よく飛び込んできた、よ―――――――く見知った女の声。
同時に扉が開いたことで入ってきた光と人影に、ルイズはハッとなって顔だけを向けた。
扉の、丁度部屋と廊下を結ぶ境目に呆然と立ち尽くしているのはあの怨敵ともいえよう
存在。ルイズとは家系をはじめ、胸の大きさ、実力、ほぼ全てにおいて対極に位置し、
そして精神的にも客観的にも今一番見られたくない女、キュルケその人であった。
いつもはいやらしく、常に余裕を持って接してくる(それがまた嫌な部分)彼女が、あろ
うことか、目を点にして呆然棒立ちである。
だがしかし、それはルイズにも言える事であった。
彼女は腰のボールを見るために床に膝立ちになり、頬を真っ赤に染め、体はは探し回った
のとレッドを引きずったので疲れ、思う以上に汗だく。
そして、そんな彼女の前にはレッド(そこそこ美少年)が椅子にがんじがらめに縛られており、
ルイズの手は丁度死角となってるキュルケの目線からは男の大事な部分あたりをまさぐって
るように見えてしまっているわけだ。
当然、死角のことも含めてルイズには全部わかっている。
ゆえに棒膝立ち。ゆえに呆然。ぼーぜんである。
「ご、ごめんなさい。あの……お、お楽しみ中だと思わなくて……その、
る、ルイズにそういうのはまだ早いと思ってたわ、私。うん……」
キュルケがじわじわと頬を染めていくのに比例するように、ルイズの脳天から流れ落ちる汗
の量がじわじわどころか二次関数式にのごとき速度でどばどばと増えていく。
そんなルイズのことなど目に、頭に入っていないようで、キュルケはまるっきり乙女丸出し
でくねくね身を捩じらせていた。
「しかもそんなマニアックなプレイを……うらやま……じゃなくて、きゃ―――ッ!」
最後に叫んで部屋を出るのと、ルイズが瞬間的に『神速』なみのスピードでキュルケに飛び
掛ったのはほぼ同時であった。
同時であったがゆえに、キュルケの扉を閉めるほうがわずかに速く、ルイズは頭を思いっき
り打ちつけて、声も出さずに床を転げまわった。
「………………どうでもいいけど、はやくほどいてくれよ」
レッドのつぶやきは絶望的なほど聞こえてなさそうだった。
>>111 金銀だけど中身は赤緑のレッドの設定だったよーな……
投下終了。
ああ、こんな時間にこんなアホ話に支援くれる人がいるなんて……
そして
>>116の言うとおり、任天関係はともかくポケモン関係では人間って珍しいっぽくてびっくりです。
でも意外とポケモン好きな人が多くて嬉しいなぁ。
>>154 そうなのか
ガチで初代しか分からんからなぁ・・・
それでもポケモンはかれこれ1000時間はやったけど
すごすぎ。
ちなみに、金銀水晶のレッドは御三家+ピカのパーティからみて
ピカチュウバージョンのレッドのようだから、若干違うといえば違う。
服装とかも微妙に違う。ていうかピカチュウL、81て。
GJ
ポケモンの細かいところは分からないけど
普通に笑ったww
要は、クリア後専用ダンジョンの一番奥にむちゃくちゃ強くなった前作主人公が待ち受けてるといった感じだな
ポケスペのレッドでもおもしろいかもしれん…
いや、むしろイエローか…
ところで100スレ記念企画ってどうなったんだっけ?
ゼロの魔砲使い読了しました
魔砲のように、ゼロ魔世界を思索する使い魔物は初めてで実に興味深い
色々じっくりと考えておられるようでコレは先が楽しみです
地の文も丁度良いし、説明が長いなんて事は全然ありませんよ
ロリなのはモノはベタな内容や色んな意味でのレベルの低さに、正直辟易していたのでSts.Verは嬉しい限り
批判が多いかも知れませんが頑張ってください
>>88 違う作品同士のキャラが掛け合い、敵対することがクロスものの面白さと思うし、
今まで読んでみたもので、そういった同作品の敵味方が別世界に舞台を移して敵対、
というSSに面白いモノはなかったような
まあ普通に町を壊滅させられるギャラドスとか完全に従えてるからなあ
レッドのポケモンの中じゃあ、カビゴンが一番きつかったな……硬いわ、寝るわで。
ソーナノ召喚が一番好きな自分。
ピンクちゃんはやっぱり進化したら口紅なんだろうか。
レッドはポケスペのレッドの印象が強い
金のレッドだと手持ちは
御三家、ピカチュウ、カビゴン、エーフィだね
凄く亀なレスだが………
あの企画が好きなだけに前スレ
>>952吹いたwww
デデーン
170 :
98-626:2008/01/06(日) 09:35:09 ID:H9EjJrtj
ゼロの斬鉄剣投下しますがよろしいでしょうか?
おそらくよろしいのではないかと思われます。
支援だ〜
投下します、第2話5ページです
ゼロの斬鉄剣 二話 ―異国の食事とルイズの魔法―
ルイズと部屋を出た五ェ門は目の前の部屋のドアが開いたことに気がついた
ドアから現れたのはブラウスのボタンは2つほどはずし胸があらわとなっている赤髪の少女だった
「(むぅ、なんと破廉恥な・・・)」
そうおもいつつも朝から衝撃的な絵に顔を歪ませる−もちろん悪い気はしないが。
不二子程ではないが大きな胸に彫りの深い顔立ちとルイズとはかけ離れたプロポーションに少々戸惑う。
少女はルイズを一瞥し
「おはよう、ルイズ」
「おはよう、キュルケ」
「貴方の使い魔・・・ふうん」
しげしげと五ェ門を見つめるキュルケと呼ばれた少女
「な、なによ!」
「ぷ・・あっはっはっは、さすがゼロのルイズね、本当に人間呼ぶなんてすごいじゃない!」
キュルケの馬鹿にした言葉にルイズは顔を赤くした
「う、うっさいわね!それよりあんたはなにを呼んだのよ!」
「あら、貴方と違って私はちゃんと成功したのよ?フレイム〜。」
キュルケが名を呼ぶと扉からのそのそと巨大なトカゲがでてきた
「(ほう、この世界にはこのような生き物も・・・)」
「ふふっ、私のかわいい使い魔、火竜山脈のサラマンダー”フレイム”よ。」
そう紹介されたサラマンダーが五ェ門の瞳をのぞく。
瞬間大柄な体とは思えない俊敏さで一歩引くフレイム
「あら、どうしたのフレイム?」
フレイムは見たのだ、五ェ門の瞳の奥にある己の炎など簡単に飲み込むような冷たい何かを。
「あら、あなたの使い魔は臆病なのね?」
ここぞというときにルイズが返す
「ちがうわよ、どうしたのフレイ・・・」
キュルケが再びフレイムに目をやると、五ェ門の足元で腹を見せている
「(ふむ、なかなか人懐っこいトカゲのようだな。)」
「ちょっとフレイム、なにしてるのよ!」
自分にだってまだ見せたことの無いフレイムの態度に面食らうキュルケ
「このトカゲはなかなか人なつっこいな、躾もできているようだ。」
当の五ェ門はフレイムを褒める
「ちょっと、ゴエモン!ツェルプストーの使い魔なんて褒めるんじゃないわよ!」
174 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/06(日) 09:45:25 ID:QgB+0119
支援
「あら、ゴエモンさんとやらのほうが使い魔を見る目があるようね」
「なんですってー!」
やれやれと、五ェ門とフレイムはお互いの顔をあわせため息をつく
「おぬしも頑張れよ。」
(へい、ありがとうございやす)
と聞こえた気がした。
「とにかく、そちらの使い魔さんにはまだちゃんと自己紹介していなかったわね。」
「ふむ、拙者は石川五ェ門、今はルイズの使い魔をやっている。」
「私はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー、長いからキュルケ
でいいわ、あなたは変わった名前だけど・・・ゴエモンでいいのかしら?」
また呼び捨てか、と思った五ェ門だがもう気にしても仕様が無いだろうと思った。
「それで構わん。」
「そう、じゃあお先に失礼。」
キュルケが去るとルイズは
「ふん!なによあいつ!自分はサラマンダー召還したからって・・・・」
少し涙目になるルイズ。
「まあよいではないか、そなたも現に人間を召還したのだ。」
「よかないわよ!メイジと平民じゃ狼と犬程の差があるのよ!」
やれやれと、ため息をつく五ェ門
「ところで先程”ゼロのルイズ”と言っていたがおぬしの苗字にはそのような単語はなかったようだが?」
とたんにルイズの顔が赤くなる
「う、うるさい!うるさい!もう!さっさと朝食取るわよ!」
と当り散らしていた。
「(何を怒っているのか?)」
不思議そうにルイズの後をついていくのだった。
「ここは食堂よ!本当はあんたみたいな平民が・・・」
と喋っているとすごすごと五ェ門は別の方角へあるいていた
「ちょ、ちょっとゴエモン!どこ行くのよ?」
振り返る五ェ門。
「拙者はこれから厨房へ、賄い食をだしてくれるというのでな。」
うっと顔をこわばらせる
「う・・・あっそ、じゃあ食べたらここで待っていて。一緒に教室で授業をうけるから。」
また――おもろい物を支援したっ
支援
ルイズはそういって食堂にはいっていく
「(五ェ門用に主従の関係を分からせるためわざとみすぼらしい食事を用意したけど・・かえって良かったわね、今朝の一件もあるし・・・)」
図らずとも危機を脱したようだと、それはそれで納得して食事を始めるルイズであった。
「(ふむ、授業とは・・・魔法とやらには興味がある・・)」
五ェ門はそう考えた後、シエスタの指定どおり厨房へ向かう
「あ!ゴエモンさ〜ん」
「すまないシエスタ、早速食事を頂きに来た。」
とそこへ大柄な男がやってくる
「おう、平民なのに貴族なんかの使い魔になっちまったってェ奴はお前かい?」
「いかにも、拙者石川五ェ門と申す。以後宜しくお願いする。」
「かたい挨拶は抜きだ!俺は料理長のマルトー。さあさ、あまり物で作ってはいるが食ってくれ!」
そういうと五ェ門の前に見たことも無いような料理が出される
「(これが異世界の料理、見たことは無いがなんともよい香りだ・・・。)」
「ささ、遠慮するなよ!」
そう進められ食事を始める五ェ門
「これは美味い。」
「そうだろう!いや、お世辞でもうれしいぜ!」
かなりご満悦なマルトー。
「いや、見たことの無い料理だがこれはとても素晴らしい味だ。礼を言わせていただく。」
こうして五ェ門は料理長にも気に入られ「またこいよ!」といってもらうことになった。
「(さて、そろそろ待ち合わせ場所へ向かうか。)」
食事を終え、ルイズとの待ち合わせ場所へ向かう五ェ門
厨房では
「シエスタ、なかなかいい男を連れてきたじゃねぇか?狙っているのか?ん?」
「ち、ちがいますよぅ!」
などというやりとりがあったのだが五ェ門は知る由も無い。
五ェ門はルイズに教室まで案内された
「ほう、なかなか広い場所だな。」
中に入るなりクスクスと聞こえてくる、まあ概ね好奇の目でみられているか
そんなものだろうと五ェ門は流す。
「(それにしても、まるで動物園のようだな・・・)」
事実その場にはキュルケのサラマンダーをはじめとして巨大な目玉が浮かんでいたり、不気味な色の蛙
などが集まっていた。
「(己もその中の一人、か。)」
突きつけられた現実に少々自嘲気味になる五ェ門であった。
支援
そうこうしている間に中年の女性が大きな扉から入ってきた
「皆さん、春の使い間召還は大成功のようですね?」
開口一番大きな声で喋りだす
中年の女性、教師シェヴルーズは五ェ門を見るなり
「おやおや、変わった使い魔ですね。ミス・ヴァリエール」
「ゼロのルイズ!いくら魔法ができないからってそこらへんの平民つかまえてくるなよ!」
「違うわ!ちゃんと召還したんだもの!」
「嘘はつくなよルイズ、どうせ失敗したんだろう!」
この台詞をはいた太った少年が言い終えると教室は笑いの渦につつまれた。
「うっさい!かぜっぴきのマリコルヌ!」
「はいはい!そこまで!それ以上騒ぐならその口に魔法をかけますよ!」
とたんに静かになる教室
「では、授業をはじめます-」
五ェ門はつぶさに授業を聞いていた、魔法にかかわる『火』、『土』、『風』、『水』そして失われた
『虚無』とやらの属性があること、その他魔法についての知識を真剣に聞いていた。
シェヴルーズはこの真剣な眼差しで授業を聴いている「平民」に好印象を持った
「はい、では実際に錬金を実践してもらいましょう。ミス・ヴァリエール!」
とたんにざわついた。
「先生、それはやめてください!」
「無謀です!」
たちまち騒ぎになりかける
「はい、静かに!ミス・ヴァリエールの使い魔を見習いなさい、平民にも関わらず熱心に授業を受けています、貴方たちも負けてはいけませんよ。」
「でも先生!」
「いいから、さあミス・ヴァリエール、この土を錬金して御覧なさい。」
「はい!やります!」
「よろしい、ではこちらへ。」
会話の流れの間、或る者は机の下へ、また或る者は教室の外へ
「(一体なんだというのだ、先程の実演ではたいした現象はないはず・・。)」
訝しげに周囲を見渡す五ェ門 ―瞬間
ボン!
「ぬぅ!」
あまりにも突然の出来事に対応できなかった五ェ門
土煙がおさまりあたりを見渡すとまるで爆撃を受けたような惨状となっていた。
支援
「けほ・・・ちょっと失敗したみたいね。」
「なにがちょっとだ!」
「だから言ったんだ、ゼロのルイズにやらせるといつもこうだ!」
「成功率ゼロのルイズ!」
非難轟々とはこのことである
後ほど意識を取り戻したシュヴルーズにルイズは五ェ門ともども後片付けを命じられその教室での授業は本日中止とあいまった。
「(さきほどのゼロのルイズ・・・そういう意味だったのか。)」
そういう意味があると知るとどうもルイズの態度の理由も分かってくるものだ。
「なによ・・・馬鹿にしてるんでしょう・・・。」
掃除をしながら覇気のない声で話すルイズ
「人には誰でもそういう時期がある、気を落とすことは無い。」
苛烈な修行の中、何度も苦境にたたされたことのある男はそう慰めた。
「なによ・・・使い魔に同情されるなんて・・・。」
その後二人は教室を無言で片付けていく。
――
「オールド・オスマン!」
禿げ上がった男が一人の老人の前に立つ
「あー・・・なんじゃね?」
オスマンと呼ばれた老人が返すと
「一大事です、これをご覧ください!」
「えー、なになに?『始祖ブリミルの使い魔たち』、これがどうかしたのかえ?」
「違います、先日使い魔召還の儀式で一人平民を呼び出したのですが・・・」
「おー、ヴァリエールのハナタレの三女か、たしか・・ルイズとかいっておったのう。」
そういうオスマンにスケッチをみせる。
瞬間、老人の顔が険しくなった
「ほう・・・」
傍らにいた秘書に声をかける
「すまないが、ミス・ロングビル、席をはずしてくれんかのう。」
「・・?ハイ、わかりました」
ロングビルが扉を閉めると
「・・・・詳しく説明をするのじゃ」
一気に場の空気が凍り始めるのであった
つづく
乙でした〜
184 :
98-626:2008/01/06(日) 09:54:07 ID:H9EjJrtj
2話投下終了しました、若干駆け足で話がつながらないかも知れませんがご容赦ください
ハルケギニアで斬鉄剣が最初に斬る物は何か。それが問題だ乙〜
乙
ハルケギニア二こんにゃくはあるのか!?
シエスタのじいちゃん作ってたりしてwゴエモン好きなんで期待してますGJ!
更新乙でした。
順当に行けば、次は決闘イベントですが、
五ェ門なら、ガンダールヴ補正がなくとも、ワルキューレくらいは問題なさそうだからなあ。
例の決め台詞が、今から楽しみだったりします。
おつ〜
ジュブナイルよりテトラ(完成版)召喚
機材がないので何もツクレマセン
「ルイズ、おおきいルイズにもどったナァ」が聞きたい……
乙ー
さて、ここで問題
どうやったら五ェ門がギーシュと決闘するでしょうか?
@シエスタをかばう
A武士の誇りを傷つける
B二股かけたギーシュに義憤を燃やして手打ちにする
私としては
C無視
が自然かと
斬鉄剣、地の文増やしてくれ
落ち着きが無くて読みにくい
乙でした
斬鉄剣でどんなつまらない物を斬るか楽しみだな
調べたら斬鉄剣で斬れないものの多くが特殊合金だったりするからな
ハルケギニアにこんにゃくが無い事を祈るのみだ
乙でした
ルパン三世見直すと五右衛門、剣術以外にも科学知識や地理学やら多岐の分野にわたって詳しいらしい
もしや、万能? 魔法も刀でぶった切りそうだし
>>192 なあに原作版五ェ門ならそんな設定はないから大丈夫だ
>>180 シェヴルーズになってる
シュヴルーズだったはず
地の文多いのは良いけど、説明台詞が多いのはイヤだな。
状況を読者が把握できればいいのに一々説明されるのはイライラするんだ
キノの旅くらいの感じで簡潔に状況が分かればいいよ
そういうのは読者が考えるもんでしょ。一々説明されなきゃ分からんゆとりじゃあるまいし
>>192 ただ、最初切れなくても最後には切ったりするぞ。
特にTVスペシャル。
でもハルキゲニアってファンタジーの割りに実在しない金属出ないからなー。
五ェ門にとってはありがたいかも。
五ェ門の最大の弱点は日本食を長期間食えないとなるとつらいって点では
なかろうか。
賞味期限切れのカップ麺を仕方なさそうに買ってたりしたし。
実在しない金属はなくても「固定化」とかがあるからな。
宝物庫の壁とか超硬いはず。
固定化は化学変化を起こさせない呪文だぜ。
固くするのは硬化の呪文。
・・・でもそう描写されただけで実際に使われた事ないんだよな。
ファリスの猛女召喚の時も思ってたけど、ミスリルとかオリハルコンとかの
架空の金属がゼロ魔に出てこないのがちょっと意外だったんだよね。
いや、案外デルフが+3ミスリル製バッソだったりするのかもしれんが。
エルフ耳と言われて、なぜかピッコロを思い出した
>>197 そこで、『燃えよ斬鉄剣』のあのステルス戦闘機が、聖地に召喚されてたとかなぁ
まあ、あの合金を錬金するには、コッパゲチートか土のスクエアでもないと難しそうではあるけど
>>201 学園襲撃時に、捕虜になった女生徒が強姦されそうな未来が見えるぞそれ
>>200 架空のファンタジー系超金属の属性ってさ、
・破魔
・不変
大抵このの二パターンだろ?
前者はメイジの優位性がガタ落ちするから気軽に出せない。
後者は使いどころが難しい。とても。
『絶対に折れない剣』なんてのを作っても、経費削減ぐらいの役にしか立たない。
刃先を幾らでも鋭くできるのは利点だが、鋳造だと限度がある。性質上鍛造は理由付けが難しいし。
>>201 最終巻が発売されずに同人で保管したやつか・・・なのに俺、同人入手しそこなったんだよなあ。
たしか最後のほうは、戦争の激化と劣勢でろくでもない小娘が補充としてやってきて敵国の民間人を虐待したり
彼女が敵軍の捕虜になった歩兵や、精神的に参ったが戦車兵が麻薬に手を出して狂ったりしてたっけね・・・
トリスティン軍の少女兵士がクスリでアヒャって撃たれても目玉プラプラさせながら
敵に突っ込んで自爆する未来が見えます
ジェットマンのアイツが、ガリア王に召喚される。最初は命令に従ってるけど、そのうち…
「俺の名前を言ってみろーーーっ!!」
そして、生かしておけば、ブリミルが呼べるかもって事で玉座にあの状態で座らされてる
ファンタジー超金属なら「イル・ドークト」とかどう?
シオナイト辺りを呼び出して作り方を習って。
超金属なら特撮に山ほど転がってるな
仮面ライダー555の指サックとブレストプレートもソルメタルとかいう物質だったはず
それはなにか?クロスのクロスをやって仮面ライダー555対石川五ェ門をやれと?
なんかアン王女がとっつぁんを召喚する話とか見たくなってきた
>>209 シオナイト、と聞くと強烈な麻薬しか思い浮かばない
実はオスマン=ルパン、コルベール=次元、ロングビル=不二子が変装していた。
>>213 自分も同類。全スレでレンズマンの話題が出ていたから、尚更。
217 :
216:2008/01/06(日) 12:56:24 ID:RsF4iL67
すまん、全スレ→前スレ…
レンズマン関係読んでもすぐメンターが見つけるんじゃね?って問題は「レンズの子ら」ラストの
目標を定めずひたすら遠くの次元宇宙に飛ばすトラップ使えば大丈夫じゃね?
キムが助かったのはキニスン家の絆あってのことだから、ウォーゼルやクラウド、ナドレック、クザク
あたりなら助けようが無いと思う。
突然だが、「戦う司書」シリーズからの召喚はどうだろうか?
220 :
98-626:2008/01/06(日) 13:33:24 ID:H9EjJrtj
いくらか書き溜めてるのですが連投になるとまずいのでしょうか?
どうだろう?ちょいと疲れるが
前スレ952ので鬼ごっこなら何とか書けそうな気がする。
気がするだけだよ(´・ω・`)
223 :
98-626:2008/01/06(日) 13:35:21 ID:H9EjJrtj
了解、じゃあ少し間をあけますね。
人間爆弾ズ⇒召喚のショックで自爆
復活ママさん⇒お裁縫以外の芸が無い
蟻召喚師
油人間
おばちゃん
三毛ボン
活躍させどころが難しいですな
個人的には、荒縄の姫君がルイズを強引に引っ張ってくれると期待
>>201 作画は「萌よ戦車教室」のあの人だったよね?
たしかアレの連載が再開してない原因はヤマトより酷い利権騒動だっけ・・・
・・・最終章読みたいぜよorz
ハルゲキニアの船は帆があろうが無かろうが
風の吹く方向以外に動けそうに無いんだが
どうやって移動方向を制御してるんだろう
>>227 それは一撃で世界を殺せるセキュリティホールです
そこを突いて俺TUEEE!する作品も見てみたい気はするが…
ギャグで
>>227 風石パゥワーで風の方向ぐらい操れますよ
ルイズとその使い魔として召喚された猫耳少女・南波の2人は、学院の温室でキノコ狩りをしていた。
「あったー! ほら見て見て!」
そう言って南波が差し出したキノコは、鼻にツンとくる異臭が漂い傘が蕩けかけていた。
「……真面目にやる気あるの?」
「えー!?」
取ってきたキノコを投げ捨てたルイズに不満そうな南波。
「それにしてもタバサちゃんも来ればよかったのにね」
「用事があるって言ってたから仕方ないわよ」
そう肩をすくめたルイズだったが、最初からタバサを誘ってはいなかったのだ。
「きっと残念がってるから今日の話はしないようにしましょ!」
「ルイズちゃんやっさしー!」
>>232 原作にそんな描写あったか?
船の浮遊時に空気など流体への作用は無かったと思うが
「そっ……、遭難したー! まだ2レスしか経ってないのに遭難しちゃったよ!」
「うるさいわね。落ち着きなさいよ」
「私のせい? 『そうなん』です。なんちゃっ――」
「落ち着けー!」
この状況で笑えないギャグをかました南波に、ルイズは容赦無く魔法で吹っ飛ばした。
遡る事30分前。
南波はルイズの手を取って今にも崩落しそうな崖の先端部に生えているキノコを取りに行き……、
お約束通り崖が崩落、2人は断崖絶壁から落下した。
さらにその下を流れる激流の川に流されて、熱帯性の植物が繁茂するこの場所に漂着し現在に至る。
「ここどこ? ジャングル?」
「私が聞きたいわよ!」
支援
――グキュルルル〜……
朝食から数時間、そろそろ昼時という事もあって南波の腹の虫が盛大に泣き声を上げた。
「お腹空いたなあ……。そういえば、さっき崖で取ったキノコ……」
南波が懐からキノコを取り出した瞬間、ルイズはそれを神速の速さでひったくり、
「! ……あんたほんっとーにキノコを見る目が無いわね! この毒々しい色、臭い! どう見ても毒キノコよ! こんなキノコのために私達遭難したの!?」
しかし南波はそんなルイズの言葉に耳を貸さず、
「……ルイズちゃん。そう言ってこのキノコ独り占めする気なんでしょ!」
「!?」
と一口で丸呑みしてしまい、案の定、
「お……、美味しい……」
ばったり倒れ伏してしまった。
「嘘おっしゃい!」
キノコの毒を受け、南波は脂汗を垂らしつつうんうん呻いている。
「大変!! 凄く苦しそう! 毒キノコを食べた時の治療法は……」
ルイズは慌ててなぜか持っていたサバイバルに関する書物から治療法を得ようとするが、その内容は彼女の想像を超えていた。
「……じ、人工呼吸!?」
思わず赤面するルイズだったが決意を固め……、
「そうね、今は一刻を争うんだから仕方ないわ……こ、心の準備が……」
……たものの、やはり照れからか顔を背けてしまった。
「よし、今度こそ……」
「あ〜、死ぬかと思った!」
今度こそ人工呼吸をと思った瞬間、何事も無かったかのように南波がむっくり起き上がった。
「治るの早いわよ!」
「???」
支援
支援、そして予約。
「ルイズちゃん、ごめんね。まさか本当に毒キノコだったなんて……」
「まあ、体が何ともないならいいんだけどね」
体調は回復したものの空腹までは回復しなかったようで、南波は何か食料が無いか周囲を見回していた。
「あ〜、お腹空いたなあ……バナナだ!」
とある木にバナナがなっているのを発見はしたものの、実には到底手が届かない。
「でも高いなあ。あ、棒と箱が落ちてる!」
南波は棒を振り回してみたり箱の上でジャンプしてみたりしたが、バナナには手が届かなかった。
その様子を見かねてルイズが箱の上に乗り棒でバナナを叩き落すと、南波は心底感心した表情で手を叩き、
「ルイズちゃん、凄ーい!」
「私にこんな恥ずかしい格好させて……。わざとやってんじゃないでしょうね!?」
ルイズは怒りと羞恥心で赤面しつつ震えていた。
よく見たら、最後の書き込みから15分立っていますね。
代理用にも無いみたいですし?
15・30まで待って、大丈夫なようなら投下します。
来てたー、支援。
じ、15:30歯ナ害DETHヨ。
投下死タ砲ガ云いDETHヨ。
イマ素具ニ
「お腹は膨れたけど、私達帰れるのかなあ……」
俯いて深刻な表情の南波だったが、バナナの皮の山を背にしているためいまいち緊張感に欠ける。
「だ、大丈夫よ! 帰れるに決まってるわ! ……それにいざとなったら私がいるんだから」
自分の言葉に赤面したルイズだったが、
――アーアアー
「ターザンだ!」
その時既に南波の興味は遠くから聞こえてきた謎の声に向いていた。
「は?」
「凄い! ターザンって本当にいたんだ! こっち来た!」
そして垂れ下がった蔓にぶら下がって2人の前に現れたのは――、
「タバサちゃんにそっくり!」
どう見てもタバサです。本当にありがとうございました。
塩円
もっと纏められるんだから纏めて投下しなよ
あと投下間隔も遅いし
後に投下したいって人が居るのにだらだら時間掛けてたら迷惑だとか思わないのか?
支援
支援
>>247 ドリームキャストが・・・、2台・・・!!
>>247 まあまあ。
まあ、私も時間を見て投下しますか。
とりあえず、ID:3zd7ntroさんの後で。
で、投下は終わったのかな?
終わったんならそう書かないと。
じー……
さっ
じー……
さっ
顔を覗き込んでくるタバサの視線からルイズは必死に顔を背ける。
「なぜ目を逸らすの」
「タバサ、誘わなかったから怒ってるんでしょう?」
「私はターザンだからわからない。でも近々素敵な事が起こる」
肩を竦め無関係なふりをしてさらりと不吉な発言をするタバサ。
「ひぃいいい!!」
「ルイズちゃん、ターザンと知り合いなんて凄い!」
「だから、あんたはわざとやってんの!?」
そんな2人を南波はやはり心底感心した表情で目を輝かせて見つめ、ルイズはまたも怒りと羞恥心で赤面しつつ震えていた。
>>247 >>252 すいません。
自分では繋がりを重視してまとめたつもりだったんですけれど。
あと2回で終了ですので、もうしばらくお待ちください。
書きながら投下してるのか?
どうでもいいが投下予約くらいしろよ
60行って結構長いから
2段落くらいぶち込んでも割と収まるヨ
俺はワードで作ってから投下しているけど、1ページ丸々写してもまだ余裕があるよ。
ひょっとして専ブラを使っていないのかな? だとしたら、難しいかもね。
ちょっと間が空きすぎですな。
線
行数的には4〜5レス分一緒にしても1レスに収まる勘定
つまり内容的には2レスで済む量、効率的にやれば5分かからない訳だ
それを投下予約無しに一時間以上かけてというのは幾ら何でもおかしいと思うが
「こっち」
そう言ってタバサは藪をかき分け2人を先導し始める。
「帰り道も知ってるなんて流石ターザン!」
「……何にせよ助かってよかった……」
「でもルイズちゃんと2人で遭難するの、結構楽しかったよ。また一緒に遭難しようね!」
「まったく、縁起でもない!」
南波を魔法で吹き飛ばしたものの、少し嬉しいルイズだった。
(いつまで歩くのかしら)
ルイズがそう思い始めた時、突然ラバサが立ち止まった。
「? タバサ?」
「迷った」
『ええええええ〜!??』
「てへ」とでも付けそうな口調でのタバサの発言に、南波・ルイズの悲鳴がジャングル中に響き渡った。
その時、
「ミス・ヴァリエール〜!」
そう3人に向かって大声を張り上げる人影――コルベール――がゆっくり降下してきた。
「ミス・ヴァリエール、心配させないでください」
「ミスタ・コルベール……」
「しかし、まさか隣接する人工ジャングル温室に迷い込むとは……」
「何でそんな温室があるのよ!」
翌日……、
「それでね、ターザンがね!」
救出後に書いてもらったサイン片手に心底楽しそうに昨日の話をタバサにしている南波の様子を、ルイズはジト汗を垂らして見ていた。
長々と申し訳ございませんでした。
「南波と海鈴」から「南波」が召喚された話です。
大体は作っていたのですが、いざ書き込むとなると直したい部分が多くて……。
ご迷惑をおかけしました。
>>251 どうぞ。
・・・・えっと、終わり?
266 :
240:2008/01/06(日) 15:39:37 ID:3zd7ntro
私が先、ですよね?
>265
えっと・・・だったら投下を中止して、直してから書き込む事にした方が良かったと思いますよ?
その方が迷惑もかからないし、見てる人を不愉快にしなくて済みますから。
まぁ、とりあえず投下乙でした。
まあ、私はID:3zd7ntroさんの後なので。
どうぞどうぞ
269 :
240:2008/01/06(日) 15:41:17 ID:3zd7ntro
では、読みきりです。
なお、本当に端役ですがオリキャラ(設定)が出ていますし、一部グロ表現がありますので、嫌いな方はスルーしてください。
あれから、もう二週間が経つことになる。
わたしの使い魔が――――ゴーレムに踏み潰されて死んでから。
☆
学院生活二年目に入ってしばらくが経過した、よく晴れたある日のこと。
「あんた誰?」
春の使い魔召喚儀式で呪文を唱えたルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール
(つまりそれはわたしのことだ。16歳の魔法学院2年生。身長はかなり小柄、体格はかなり細身、顔はかなり可愛い……と自分で言ってみる。愛称は特に決まってないけど、『ゼロ』とかいう超ありがたくない二つ名が広まっているようだ)
は、平民の女の子を召喚した。
トリステイン魔法学院のものとは違った制服を着ている。
身長は平均ぐらい、髪型は耳にかかる程度のショートカットで、スレンダーな肢体。
わたしほどでは無いけどかなり整った顔立ちの、ちょっと吊り上った勝気な感じの大きな瞳が印象的。
つまる所、極めて記号的に表現するならば『ボーイッシュな美少女』という言葉が適切な外見をしている。
「誰って……。ボクは白咲深春(しらさきみはる)」
「どこの平民?」
杖もって無いし平民よね。
なんてことなの、平民を召喚するなんて前代未聞だわ。
「ルイズ、『サモン・サーヴァント』で平民を呼び出してどうするの?」
誰かがそう言うと、居合わせた人間の半分ぐらいが笑った。
違うの、わたしはやれば出来る子なの、呼び出すことにはちゃんと成功したじゃない。笑わないでよこれは違うの。
「ちょ、ちょっと間違えただけよ!」
そうよ次は絶対完璧にちゃんとした使い魔を召喚して見せるわ!
「でも僕もあんな美少女を使い魔にしたい」
「ゼロのルイズは僕らに希望をくれた!」
「俺はもうちょっと幼い子が」
「自重しろ、マルコメ」
あれ、以外に好評? 評価高い? 羨ましがられてる?
あっ、ギーシュがモンモランシーに殴られてる。あの二人つき合ってたんだ。
「さあ、ミス・ヴァリエール、使い魔と契約を」
わたしは言われるままに使い魔と契約した。
「つまり、ボクは勝手にそっちの都合で呼び出されて、年中無休給金無料で一生働かされるという訳だね」
何よその言い方、まるでわたしが悪いみたいじゃない。わたしだって普通の使い魔が良かったのに。ドラゴンとか。グリフォンとか。
「まあ、しょうがないか。帰る方法が見つかるまではお世話になるね」
「なによそれ、何でわたしがお世話するのよ。逆でしょうが」
考えてみれば、普通の使い魔と違って人間の言葉は喋れるし、手が使えるんだから……使用人で十分な事ばかりだわ。
「でもねー、使い魔ってなにするの?」
「まず、使い魔は主人の目となり、耳となる能力が与えられるわ」
「どういうこと?」
「使い魔が見たものは、主人も見ることができるのよ」
「へぇ」
「でも、あんたじゃ無理みたいね。わたし、何にも見えないもん!」
なによその顔、使い魔としての能力が足りないあんたが悪いのよ、わかってるの?
「それから、使い魔は主人の望むものを見つけてくるのよ。例えば秘薬とかね」
「秘薬ってなに?」
「特定の魔法を使うときに使用する触媒よ。硫黄とか、コケとか……」
「えっと、ちょっと無理」
そうよね、秘薬の存在すら知らなかったものね!
「そして、これが一番なんだけど……、使い魔は、主人を守る存在であるのよ! その能力で、主人を敵から守るのが一番の役目! でも、あんたじゃ無理ね……」
「あっ、それなら自信あるかも」
「魔法が使えない平民がどうやって守るのよ……。あんたなんか特技でもあるの? 料理がうまいとか編み物が得意とか」
使用人としてしか使えないのなら、使用人として使ってあげるわ。
「特技? うーん、そうだ!」
えっ、なんでこっちに、ちょっと、制服をっ。
何が起こったかですってぇ? ああああっあんな恥かしいこと言える訳ないじゃない変態!
気づいたら、朝になっていた。
太陽が黄色い。
使い魔と一緒に部屋を出ると、異常な肉塊を二つつけた女悪魔が現れた。
しかも、ブラウスの一番上と二番目のボタンを外して、胸元を見せびらかしている。
わたしに喧嘩を売ってるのか、こんにゃろー! う、うらやましくなんかないんだからね!
「おはよう。ルイズ」
こいつ笑った、わたしを見て笑った、わたしの胸を見て笑いやがった。
「おはよう。キュルケ」
「あなたの使い魔って、それ?」
使い魔を指差して、バカにした口調で言った。
「そうよ」
「あっはっは! 本当に人間なのね! すごいじゃない!」
なによ、そういうあんたは、おおお、おっぱい悪魔じゃないの。
「『サモン・サーヴァント』で、平民喚んじゃうなんて、あなたらしいわ。さすがはゼロのルイズ」
「うるさいわね」
「あたしも昨日、使い魔を召喚したのよ。誰かさんと違って、一発で呪文成功よ」
誰もあんたのことなんて聞いてないわよ。
「あっそ」
「どうせ使い魔にするなら、こういうのがいいわよねぇ〜。フレイムー」
おっぱい悪魔は、勝ち誇った声で使い魔を呼んだ。悪魔の巣からのっそりと、真っ赤で巨大なトカゲが現れた。
ちょっと、暑いじゃない。
「うわぁ! 真っ赤な何か!」
使い魔が目を輝かせて近寄る。あんまり近づくと危ないわよ。
「おっほっほ! もしかして、あなた、この火トカゲを見るのは初めて?」
「うん、初めてっ! 何これっ」
「サラマンダーよね」
わたしの使い魔なんだから、わたしに聞きなさいよね。
「そうよー。火トカゲよー。見て? この尻尾。ここまで鮮やかで大きい炎の尻尾は、間違いなく火竜山脈のサラマンダーよ? ブランドものよー。好事家に見せたら値段なんかつかないわよ?」
なによっ、自慢して!
「わたしの使い魔だって凄いんだからっ!」
ゆ、指とか?
「どこが凄いのよ? ふふふ、そんな顔を真っ赤にして考えこまなくてもいいじゃない、おかしな子ね」
い、言え無い……。
「あなたお名前は?」
「ボクは白咲深春だよ。貴方は?」
「シラサキミハル? 変な名前ね。あたしはキュルケ、微熱のキュルケよ。
ささやかに燃える情熱は微熱。でも男の子はそれでイチコロなのですわ。ルイズと違ってね。
じゃあ、お先に失礼。今度、じっくりルイズについて語り合いましょう」
さっさと消えなさい。まったく。
「くやしー! なんなのあの女! 自分が火竜山脈のサラマンダーを召喚したからって! ああもう!」
「いいじゃない、召喚なんかなんだって」
「よくないわよ! メイジの実力をはかるには使い魔を見ろって言われているぐらいよ! なんであのバカ女がサラマンダーで、わたしがあんたなのよ!」
「え〜、でも人間だよ? 動物よりすごくない?」
「わたしは使い魔を召喚したのよ。人間じゃないわ」
なのになんで、人間が呼び出されるのよ。
……昨日は本気で動物扱いしてやるつもりだったけど、さすがにそれはひどいかしら?
「ところで、あの人、ゼロのルイズって言ってたけど、『ゼロ』ってなに? 苗字?」
「違うわよ! わたしの名前はルイズ・ド・ラ・ヴァリエール。ゼロはただのあだ名よ」
「あだ名ね。あの人が微熱ってのはなんとなくわかったけど。ルイズちゃんはどうしてゼロなの?」
「知らなくていいことよ」
むしろ、知ったらいけない事よ。
「むね?」
ダメ、これはダメだわ。いくらわたしが海よりも深い慈愛の持ち主でもこれはダメ。
いえ、むしろ躾けてあげるのが主としての愛よね。
「あああ、あんただってそんなに無いじゃないっ!」
でも、わたしよりも有る。なんて生意気な使い魔!
「かわすな!」
ええい、ちょこまかと。こいつ、なんで当たんないのよ。どこまでもご主人様に逆らう使い魔ねっ!
【巻き戻し】
【再生】
→【早送り】
【朝食】
「あのね? ほんとは使い魔は、外。あんたはわたしの特別な計らいで、床」
「ひ、ひどいよルイズちゃん……」
「ちょ、泣かないでよ。わかったわ、半分こしましょ、ねっ?」
「あっ、このお肉おいしー」
「あんた、涙は? 嘘泣き? 嘘泣きだったの?」
【授業】
眠い、ううんダメ、って、コイツ早速寝てるぅー!
ご主人様が、苦労して頑張っているのに。
起きなさい、起きろ、このバカ……犬じゃないわね、どっちかっていうと猫?
起きろバカ猫っ!
えっ、いえ先生、使い魔に躾を、はい、やります。サモン・サーヴァントは出来たんだし大丈夫よね。
……ちょっと失敗したみたいね。
「ううん、ルイズちゃんどうしたのー?」
あんたは、もうちょっと寝てなさい。
【片付け】
使い魔が寝ていたので自分でやろうと思ったけど出来なかった。
使い魔を起こしてやらせようとしたら、そこらの使用人に声をかけてあっと言う間に終わらせた。
どうやら、わたしの魔法がほとんど成功しないことに薄々気が付いていたらしい、なんで?
使い魔なんかに、慰められたくないわよ。
まあ、わたしの顔が可愛いことは認めるけど。
感度って、バカ! バカ猫!
【昼食】
「なんで、あんたがテーブルで食べているのよ」
「うん? あの人が代わってくれたんだよ」
見れば、豚、じゃない、マ、マー、マルコム]? とにかく太っちょの男子が床に座り込んで幸せそうな顔で使い魔用スープを啜ってた。
女の子と話したのは数ヶ月ぶりとか、つぶやきながらうっとりしている。気持ち悪い。
椅子を取りに行って、そのまま永遠に消えればいいのに。
支援
【決闘】
なんか一年生の女子がからんできた。
マリーコール・ド・グランドプレとかいう、わたしほどでは無いがそれなりに可愛い子だ。
兄を床で食事させて、平民の使い魔をテーブルで食事させるなって、わたしは無関係なんだけど。
それにしても似てない兄妹ね。
あれよあれよというまに、使い魔が決闘することになってしまった。
やめてよね、平民がメイジに勝てるわけないじゃないの。
ああ、でもこの時期の一年ならまだ系統も決まってないし、コモンだってろくに習ってないハズよね。
あっ、風で吹き飛ばされた。
なんどやっても近づくことすら出来ないじゃない。一方的ね。一年は。
わかったでしょ? 平民は、絶対にメイジに勝てないのよ!
あっ、また。寝てなさいよ! バカ! どうして立つのよ!
「痛いなあ、あのさあ、君、さっきからミニをはいて風を起こしているから、可愛い苺の下着が丸見えだよ?」
なっ、なんてこと言うのよ。でも、一年の動きも止まったわ。
速い、一瞬で、一年の懐に潜り込んだ。
ミシマコウゲンリュウ? なにそれ、あっ、一年、白目剥いてる。
【看護】
もう、打ち身と擦り傷が一杯じゃない。
そんなに、意地張ることないのに。
あれから平民がメイジを傷つけたって大変だったんだからね。
幸い、気絶してただけで別状は無かったのと、向こうから挑んできたので不問になったけど。
ふふ、寝顔だけは可愛いわね。
【プレゼント】
「あなたも、まあまあ、役に立つことがわかったし、なにか買ってあげるわ。剣なんかいいかしらね」
「うーん、ボクが習ったのは体術だからいらないかな。それより代えの服や下着が欲しいんだけど。後、お風呂入りたい」
「わかったわ。明日買いに行きましょう。それと今、お風呂入ったらすごくしみるわよ?」
「うん、ありがとねルイズちゃん」
「べ、別に使い魔がいつもみすぼらしい格好をしてたら、わたしが恥かしいってだけなんだからね」
【一週間後の夜】
「誰もいないわよね」
こんな所、誰かに見られたくない。
「じゃ、いきます」
杖を構えて精神を集中させる。
使い魔は明るい性格で、たちまち学院に馴染んだ。わたしにも友達が出来た。
おっぱい悪魔は余計だけど。
でも、最近、使い魔が主でわたしがそのオマケみたいな気がする。
だから、魔法の練習をする。
大丈夫、わたしはゼロなんかじゃ無い。
『サモン・サーヴァント』も『コントラクト・サーヴァント』も成功した。
千分の一でも、万分の一でも、成功した例があるかぎり、ゼロではない。
それに平民が魔法を使おうとしても何も起こらないけど、わたしが使うと爆発する。これは普通では有り得ない事だ。おそらく魔法に使われる力の暴走、それは言い換えれば、こつさえ掴めばすぐに魔法を使える可能性があると言うこと。
集中、集中 集中、集中、集中。
「今よ!」
いままでに無い手ごたえ、これはいける。
……うぅ、ケホッ、ケホッ、なんで爆発するのよ。煤まみれじゃない、体洗いたい、それに着替えないと。
あっ、壁に、見てない、わたしは壁に大穴なんて見てないわよ!
マルコメ落ちぶれすぎ支援w
翌朝、大騒ぎになってた。
宝物庫の壁が壊されて、秘宝の『破壊の杖』が盗まれたそうだ。
わっわっわ、わたしのせいじゃないわよね?
何、あんたたち、そんな所に集まって、盗み聞き?
「ばかもの! 王室なんぞに知らせている間にフーケは逃げてしまうわ! その上……、身にかかる火の粉を己で払えぬようで、何が貴族じゃ!
魔法学院の宝が盗まれた! これは魔法学院の問題じゃ! 当然我らで解決する!」
そういって学院長が、捜索隊を募ってるけど。
「し、しかし、あの宝物庫の壁を破壊するなど、どう考えてもスクウェア、到底私たちには……」
……どうやら教師たちは、あの宝物庫に穴を開けるなんてってびびっているみたいだけど、たまたま不幸な事故で、ほんの少しだけ、ほんのちょっぴり、人が通れるくらいの穴はあいていたわけで。
これチャンスじゃない?
「おらんのか? おや? どうした! フーケを捕まえて、名をあげようと思う貴族はおらんのか!」
宝物庫に飛び込むと、杖を学院長の前に掲げる。
「ミス・ヴァリエール!」
教師たちが驚きの声を上げる。
「何をしているのです! あなたは生徒ではありませんか! ここは教師に任せて……」
「誰も掲げてないじゃないですか」
ここで名を上げとけば、うふふ、もう誰も……。
あれ、ちょっとキュルケ真似しないでよ。タバサも?
教師たちがごちゃごちゃ文句をいったけど、結局、わたしと使い魔、キュルケとタバサ、ミス・ロングヒルで盗賊の隠れ家に行くことに決まった。
ミス・ロングヒルが御者を買って出た。
キュルケが、彼女に話しかけている。
「よしなさいよ。昔のことを根掘り葉掘り聞くなんて」
まったく、これだから成り上がりもののゲルマニア貴族は。
「暇だからおしゃべりしようと思っただけじゃないの」
「あんたのお国じゃどうか知りませんけど、聞かれたくないことを、無理やり聞き出そうとするのはトリステインじゃ恥ずべきことなのよ」
キュルケは、舌打ちすると下品に足を組んだ。
「ったく……、あんたがカッコつけたおかげで、とばっちりよ。何が悲しくて、泥棒退治なんか……」
「とばっちり? あんたが自分で志願したんじゃないの」
「あんたが一人じゃ、ミハルが危険じゃないの。ねえ、ゼロのルイズ」
「どうしてよ?」
「いざ、盗賊が現れたら、あんたはどうせ逃げ出して後ろから見ているだけでしょ? ミハルを戦わせて自分は高みの見物。そうでしょ?」
こいつ、何てこと言うのよ。
「誰が逃げるもんですか。わたしの魔法でなんとかしてみせるわ」
そう、絶対に盗賊は、わたしが捕まえて見せる!
そうこうしている間に、馬車が森の中に入っていった。
薄暗くて気味が悪いわね。
「ここから先は、徒歩で行きましょう」
ミス・ロングヒルがそう言って、全員が馬車から降りた。
森の小道をしばらく歩くと開けた場所に出た。
元は木こり小屋だったのだろうか。確かに廃屋がある。
「わたくしの聞いた情報だと、あの中にいるという話です」
ミス・ロングヒルが廃屋を指差して言った。
人が住んでいる気配は、まったくない。
わたしたちは、ゆっくりと相談をし始めた。とにかく、あの中にいるのなら奇襲が一番よね。寝ていてくれたらなおさら。
相談の結果、タバサの立てた作戦にしたがってミハルが中を確認することになった。
「誰もいないよー?」
ちょっと、皆で小屋に入ってどうするのよ。わたしは外で見張るわ。
ミス・ロングヒルは辺りを偵察してきますと言って、森の中に消えた。
それにしても、キュルケやけに使い魔と親しすぎない?
青い髪のタバサとかいう子とも、もしかして、男だけじゃなくてそういう趣味も?
まっまっま、まさか、あんなことや、こんなこと……そ、そんなことまでっ?
ダメよ、ダメ、不許可よ! ツェルプストーに使い魔を寝取られたなんてことになったらご先祖様に申し訳がたたないわ!
■
あれ、いまやけに視界が暗くならなかった?
「きゃああああああ!」
ゴーレム! まさか盗賊の? そんな、こんな魔法が使える相手だなんて話が違うわよ!
巨大なゴーレムが、いつのまにか現れ、小屋の屋根を吹き飛ばした。
大丈夫! 自分を信じればきっと夢は適うんだ! 失敗でもいい、あの宝物庫の壁を壊した力なら!
力が弾けた、だけど、それは、あの時の感覚とは比べ物にならないほど弱い。ゴーレムがこちらを振り向く。
集中が甘かったようね、もう一度!
「逃げて! ルイズちゃん!」
使い魔が、叫んでる。
「いやよ! あいつを捕まえれば、誰ももう、わたしをゼロのルイズと呼ばないでしょ!」
ゴーレムは、迷うなそぶりを見せている。やる、やれる。
キュルケが、タバサが、ミハルが、何か言っている。
でも、もうそれは、わたしの耳には入らない!
逃げたくないといったら嘘だ。でも、きっとこんなチャンスは二度とない、偶然とはいえ一度は起こせた爆発をもう一度、今、起こせれば!
そう出来る、やれる可能性が1%でもあるなら、それを試さずに引いて後悔するなんて絶対に出来ない!
「わたしは貴族よ。魔法が使える者を、貴族と呼ぶんじゃないわ」
杖を痛いほど握り締める。
「敵に後ろを見せない者を、貴族と呼ぶのよ!」
ゴーレムの足が持ち上がる。魔法を詠唱し、間に合わないっ。
視界に、ゴレームの足が広がる。引き伸ばされた感覚の中、死がゆっくりと、降りてくる。
突き飛ばされた。
ミ、ハ、ル?
突き飛ばされたわたしの目の前に血が広がっている。
わたしの使い魔は平民だ。いえたとえ、メイジやエルフだって30メイルもあるゴーレムに踏み潰されて生きていられるとは思えない。
死んでいる。間違いなく。
ミハルは、馬車に轢かれたカエルみたいになって生きているような化け物じゃくて肉体的にはごく普通の人間だもの。
ご主人様の言うことをちっとも聞かなくて、その癖、明るくて、憎めなくて、わたし、あなたに相応しい主なろうと、思って、それで……。
何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何でこうなるのよっ!
わたしが、わたしが殺したんだ。こんな任務、志願しなきゃ良かったんだ。
視界がゆがんだ。
ああ、わたしは今泣いているだなとここで初めて自覚する。
「ミハル……」
返事は無い、永遠に。
ゴーレムが再び、足を上げる。
足の裏に、人の形をわずかにとどめた肉の塊がこびりついている。
ミハル、わたしの使い魔、ごめんね。せめて、同じ死に方をするから許してね。
ああ、キュルケが何か叫んでいる。
「ちょっとぉ、何ぼんやりしてんいるの! ボクが命がけで助けたんだからさっさと逃げなよ!」
えっ?
ミハル? ゴーレムの足にくっついているのは? 幻覚?
おそるおそる伸ばした手は、すり抜けた、ああそうか、と思い至る。
わたしとしたことが、完璧に失念していた。取り乱しすぎて、完膚なきまでに忘れていた。
……そういえば、この世界には、こういう奇跡があるってことを。
☆
あれから、もう二週間が立つことになる。
わたしの使い魔、シラサキミハルがゴーレムに踏まれて死んでから。
……踏み潰されて死んだあと、幽霊になってから。
あの後、盗賊(フーケとかいう奴だったらしい)は、幽霊になったミハルに驚いたのか、ゴーレムを操作せずに逃げていったみたい。
足取りを掴むことは出来なかったけど、『破壊の杖』は小屋に置き忘れていったので、わたしたちは『シュヴァリエ』の爵位をもらった。
タバサは何故か気絶、ミス・ロングヒルも草むらで気絶して居る所を見つけた。そんなに怖いものなのかしらね。
特にミス・ロングヒルは、青い顔で何度も謝ってきた、別に引率者ってわけでもなかったんだから、そんなに責任を感じなくてもいいのに。
秘書もやめて、田舎に帰るらしい。御札とか高価なお供え物を大量にもって来た。学院の秘書ってそんなに儲かるのかしら?
支援
ロングヒル→ロングビル
以上、投下終了です。
やったぜ、初投下。でも感想の時間を空けたほうが良かったと落とした後に気が付きました……。
「ホーンテッド!」から、『愛と平和の使者』こと白咲深春を召喚。
なお本文中の深春の特技は、きっとマッサージなんだと思います。ウィキには載ってませんが彼女は……自分で読んで確かめて下さい。
最後の方だけ書きたくて、プロットも練らずに書き始めたのですが、長文を書くのに耐えられなくて色々略しました。
読むと書くとじゃ大違い、自分で書いてみて、改めてこのスレの書き手の投下速度とクオリティは凄いと思います。
いつも素晴らしい作品を書いてくれている皆様に、実感をこめた感謝と尊敬を、長文を書くのは本当に大変ですね。
ここを覗くのを毎日、とてもとても楽しみにしています。
では、251氏どうぞ。
282 :
斬魔の使い魔:2008/01/06(日) 15:51:18 ID:Gfoi4klh
D:3zd7ntro氏乙でした。
では、投下します。
ギーシュとの戦いから色々と変わったことがあった。
まず、コック長のマルトーから気に入られた。
「お前さんがメイジだろうとエルフだろうと関係ない。シエスタを助けてくれて、あの小生意気な貴族を倒してくれた。それだけで十分だ!」
背中をバンバンと叩かれ褒められるのは悪い気がしない。
特に九郎にとって僥倖だったのは、食事を食べ放題になったということだ。
貴族用ではなく平民用の食事だが、九郎にとってはそれで十分。
塩だけで一ヶ月以上過ごし、あまつさえ猫を……ゲフンゲフン。
そんな生活をしていたこともある九郎にとって、食べ放題というものほど素晴らしい言葉はない。
感涙し、土下座までしかかった九郎の姿にマルトーの方がうろたえてしまったほどだ。
そして、他の生徒達から一目置かれるようになった。
といってもその内情は様々。
羨望の目で見る者もいれば、露骨に敵意を表す者、気にしないふりをする者と色々。
特に九郎が困るのは決闘を申し込んでくる生徒だった。
あの決闘を見た上で申し込んでくる以上、ギーシュ以上に腕に自身がある生徒だろう。
正直、マギウス・スタイルにどうやってなったのか未だに理解できていない九郎にとって、かなりピンチである。
この場合、打てる手はただ一つ。
「あ! あれは何だ!?」
「何?」
九郎が指差した先に顔を向ける生徒。
古典的な手法だが、効果は十分。
三十六計逃げるに如かず。
生徒が気付いたときは、九郎の姿はこの場から消えていた。
一連の様子を影から見つめていたオールド・オスマン。
長大な顎鬚を指で撫でながら、その眼光は鋭く九郎を、正確にはその両手の甲を射抜いている。
「ふうむ……ミスタ・コルベールの報告の通りじゃの」
本人は気付いていないのか気にしていないのか分からないが、召喚されたときに出ていた紋章が消えていた。
代わりに左手の甲にあるのは、文献にもあったガンダールブのルーン。
九郎が倒れていたときに調べたコルベールが血相を変えて報告に来たのが今日の朝早く。
自分の目で確かめようと来て今に至る。
「ふうむ、分からん。どうなっておるのじゃ? そもそも本当にあやつがハドウの言う人間なのだとしたら、書を持っていないとおかしいしの」
額にしわを寄せて考え込むオスマン。
その肩では使い魔の鼠、モートソグニルがカリカリとナッツをかじっている。
遠くから聞こえる学園の喧騒と、カリカリというかじり音が響く。
「ところで何の用かの? 見ての通り儂は忙しいのじゃが」
突然、飄々とした声で呼びかけるオスマン。
目の前には誰も居ない。そして、背後にも誰もいない――ように見える。
支援。
284 :
斬魔の使い魔:2008/01/06(日) 15:52:43 ID:Gfoi4klh
しかし――
――それはそこにいた。
まだ形を持たず、ただたゆたうだけの存在だが、確かにそこにいた。
そしてそれは感じとった。
目の前の老人から湧き出る極上の魔力を。
それにとっては何よりのご馳走を。
まだ形を持たないはずのそれは、”鎌首をもたげ”老人に襲い掛かった。
それの存在を感知したオスマンは、怖がるモートソグニルをなだめるように優しく撫でると、杖を構えた。
「ひょっ」
ひょうきんな声を上げて杖を振るう。
不可視のそれは、杖から放たれた不可視の力に弾かれた。
慌てて距離をとる何か。
しかし、間髪いれず機関銃のように放たれた力に、その何かは弾かれ弾かれ、霧散した。
「……む、逃げた……か?」
消滅したのではない。
実体化する力を失って、再び元のたゆたうだけの存在へと戻ったのだ。
「面妖な」
オスマンは杖を一振りすると、乱れたローブを正した。
モートソグニルは慌ててローブの中へと避難した。
オスマンは周囲を警戒し、もう怪しい気配が存在しないことを確認するとマントを翻した。
学院長室へ向けて歩を進める。
その表情は、彼の秘書が見たら医者を呼ばれること請け合いなほどに精悍なものだった。
学院で何かが起きている。
全てはあのヴァリエールの使い魔が現れてからだ。
もう少し慎重に調べねばならんな。
オスマンは決意も新たに持っている杖を強く握った。
怪盗フーケによって宝物庫が襲撃されたと報告が来たのは、その夜だった。
支援
286 :
斬魔の使い魔:2008/01/06(日) 15:54:21 ID:Gfoi4klh
以上です。
ちょっと短めですが。
しかし、なかなか話が進みません・・・
もっとテンポよく進めれるようにしたいものです・・・
ロング「ビ」ル……シクシク支援。
400ならロディマス・コンボイを召還
>>ID:3zd7ntro氏
いやいや、こういう纏め方はありだと思う。
少なくともロクに変化も面白みも無い場面を延々とするよかはずっといいと思うっす。GJ
400に期待
どうもありがとうございます。
でも、何度も見直したのに、句読点の位置がおかしい場所に後で気が付くのはなぜでしょう。
しかも、人名間違いまで。
デモンベインの知識は無いのですが、九郎は、猫に何をしたんだ……。
>>291 むき出しのコックでも打ち込んだんじゃね?
乙
>>291 本編で、相棒に「お前は猫を食ったことがあるか?」と尋ねるシーンがあるので。
そこから引用しました。
なんと、ル、ルティモンド?
それは兎も角、斬魔の人乙です。
話の続きができました。投下いいですか。
今度の竜王は、原作と比べると少し穏やかかもしれません。
いいと思います。
ルイズはある城の地下深くにいた。ルイズの目の前には一人のメイジが玉座に坐っている。
悪魔のような恐ろしいあ人のメイジが・・・
「よく来たルイズよ。わしが王の中の王、竜王だ。わしは待っておった。そなたのような若者が現れることを・・・。もしわしの味方になれば世界の半分をルイズにやろう。どうじゃ?わしの味方になるか?」
「あ、あの、なんで私はこんな所にいるんでしょうか?」
「何をいまさら。そなたはわしを退治しにこの城までやって来たのではなかろうか」
「あ、あなたのようなメイジを退治なんてとんでもないです!ぜひとも味方にさせてください!でも、ゼロの私に世界の半分なんて荷が重すぎます!」
「ほう、世界の半分は入らぬと申すか。まあ、そなたが望むのならそれもよかろう。ルイズよ。お前の旅は終わった。さあゆっくり休むがよい!わあっはっはっはっ・・・・・」
ルイズの視界は真っ暗になってしまう。数時間後、先ほどのメイジと同じ声がルイズの耳に響いた。
「ルイズ。起きるのだ。ルイズ」
ルイズははっと、夢から目覚めた。そして目の前には先ほどの夢の住人の姿があった。
「ひっ!夢の人!?せっ、世界の半分なんてとんでもないです!」
「何を言っておるのだ?わしはそなたに召喚された使い魔ではないのか?」
−すっかり忘れてた。昨日召喚したんだっけ。確か昨日夜に散歩に行ってたんだっけ。
「た、確かに召喚したわね。ちょうどよかったわ。じゃあ、この服を洗濯しといて頂戴」
「わしが・・・洗濯をか・・・?」
「そうよ!あんたは私の使い魔なんだからそれくらい・・・な、何よ、その目は・・・」
「王のわしにそのようなことをしろというのか・・・!」
竜王の魔獣のような眼光でにらまれたルイズはヒッと足がすくんでしまう。
「愚か者め!思い知るがよい!」
−なんで!?物探しのときは快く引き受けてくれたのに・・・
ルイズと竜王の考え方は違っていた。
物探しの件は、ルイズは使い魔なんだから主人の命令を聞くのは当然と思っていたのに対し、竜王は自分の部下の望みはある程度叶えてやるものだと考えていた。
もちろん部下の衣類の洗濯等は上の者がやるようなことではない。
「な、何よ・・・私はヴァリエール公爵家の人間なのよ・・・あんたみたいのがかなう訳ないじゃない・・・」
口では強がりを言って見せるが、足はガクガクと震え、目からは沢山の涙の粒があふれている。竜王はフッとルイズを嘲笑する。
「何がおかしいのよ!」
「哀れだな、ルイズよ。どうやっても太刀打ちできぬ相手に一生懸命強がりを言って見せる。自分がわしにかなわぬことは自身がよく分かっておるはずじゃ。いくらわしでもこんな間の抜けた相手と戦うのはちと気が引けるのぉ」
「も、もういいわ!洗濯は自分で行ってくる!」
そう言ってルイズは学院を出て広場に向かった。
「あの、ミス、ヴァリエールですよね?」
メイド服に身を包んだ少女が、後ろからルイズに声をかけてきた。
「確かあんたはここのメイドの・・・」
「はい。ここで働かせていただいているシエスタと申します」
「ねえ、シエスタ。あんたも洗濯しに行くんでしょ。私のもやっといてよ」
「そういえば、貴方の召喚した使い魔は人語を解す亜人だとか・・・」
「そうだけど、それがどうしたのよ?」
「誠に申し上げにくいのですが、洗濯なら・・・」
「あー、だめだめ。あいつったらかなり尊大なやつで、とても洗濯なんてさせられるようなやつじゃないのよ。そういうことで、あんたがやっといてよ」
「はあ、分かりました」
亜人の使い魔が来て、洗濯者が少し減ると思っていたがそうでもなかった。しかし、彼女は別に洗濯が嫌いという訳ではなく、気にはしなかった。
ルイズは部屋に戻って、いそいそと着替えを始めた。洗濯をしてくれない者が服を着替えさせてくれるとは到底思えないからだ。
ルイズと竜王は朝食をとるために部屋から出る。
すると、部屋を出たと同時に他のドアも開いた。
中からはルイズと同い年とは思えないほど大きな胸を持った艶やかな褐色色の肌で赤い髪の少女(といえないかもしれない大人っぽい女性)が出てきた。
彼女は竜王の姿を見た途端に顔が引きつってしまった。
「お、おはよう、ルイズ」
「おはよう、キュルケ。どうしたの、顔が引きつってるわよ」
「隣にいる彼が貴方の使い魔なの?」
「そうたけど、とっても尊大で全然使い魔とは成り立たないのよ」
「やっぱり、使い魔は普通は動物や幻獣だからねー。たとえば私のフレイムとか」
キュルケの部屋からは、真っ赤な巨大なトカゲが出てきた。しかし、何かにおびえるように震えている。
「あ、あら?どうしたの?」
「これってサラマンダーでしょ?」
「そうよ、火トカゲよ、召喚される前は暑い火竜山脈にいたから、風邪でも引いちゃったのかしら」
別にフレイムは風邪を引いたのではない。サラマンダーは竜に近い種族。
竜王の圧倒的な存在感に怖じ気づいている。
「ほう、これがサラマンダーか。古い書物に載っているサラマンダーとは外見が大きく違うようだが、まあ、あれは遠く昔のことだ。長い月日が立てば、生物の姿も変わるかもしれん」
「せ、生物の姿も変わる!?」
キュルケは竜王の言ったことに対し気ったことを、恐る恐る聞いてみた。
「確か書物に描かれていたサラマンダーはトカゲではなく龍の姿であった」
「タツ?タツとはいったい・・・」
「龍というのはだな、角は鹿、頭はワニ、体は大蛇、爪は鷹、掌は虎にており、魔力により空を飛べる生物のことだ。空を飛べる竜、すなわち飛竜と言われることもある。わしの住む世界ではすでに死滅しておるが、この世界にはまだ残っておるのか」
「じゃあ、この子のご先祖様も空を自由に飛び回ってたんだ・・・」
多分それはないと思う。
「それで、あなたのお名前を押し言えてほしいんだけど・・・」
「わしの中、わしは竜王。王の中の王、竜王だ」
「とても偉大な名前ですね・・・」
キュルケの顔は先ほどにも増して引きつっていた。
「じゃあ私はこれで」
サラマンダーを自慢しに来たキュルケだが、なんだか焦りながら去っていったように見える。実はキュルケもルイズも、リューオーという名前が竜王を表すのだとはうすうす気づいていた。
しかし、認めたくなかった。どちらも誰もが認めるゼロのメイジのルイズに、そんな高等な生物を召喚できるわけがない。
そして、ルイズの方は「自分より使い魔の方が偉いなんてあり得ない」といった感情も持ち合わせていた。さすがにキュルケはそんな使い魔を召喚してしまうルイズをゼロとは呼べなかった。
「サラマンダーが昔は空を飛んでたって本当?」
「実物を見た訳ではないのだが、本にはそう記してあった」
「そっか、じゃあ、これから食事を取りに行きましょ」
「うむ、分かった」
食堂についたルイズと竜王は、料理の並べられた椅子に座った。
「あんたもメイジでよく分かんないけど王様みたいだから、一応きちんとしたものを食べさせてあげるわ」
「ふん、小娘が、生意気な口を聞きおって」
このようなことを言うルイズだが、本当は安物の固いパンなどを与えてしまうと恐ろしい魔法で処刑されることが目に見えていた。
そして、竜王は元いた世界では悪の化身として邪険にされていて、少なくとも人間から食事をもらうなどあり得なかった。
生意気だと思いつつも、その行為に少しだけだが揺れ動いた。
「ほう、これはかなりの美味だ。料理人の腕が食材のよさを活かしておる」
「そ、それはよかったわね」
食事が終われば次は学院での魔法の授業だ。これは竜王にとってかなりの好都合。この世界を我が物にするのは授業を通してこの世界のことを知るのが一番だからだ。
今日はこれでおしまいです。
魔王萌えは……すでに新ジャンルとはよべないか。GJだぜ!
頼むから投下する前に推敲ぐらいしてくれ・・・
投下前に音読は基本やろ?
そーいや、有名ラノベキャラだとスレイヤーズのキャラが誰も来てないね。
リナとか放り込むと暴れまわって原作陵辱になるからみんな自重してるのかな?
以前出てきた話だと、黒魔法がハルケギニアで使えるかどうかって話だった。
そこら辺の設定が引っかかってやりにくいんじゃないかな。
精霊魔法系も精霊が違うだろうから使えないよな。
竜王の人 投下乙!
無理にテンプレな展開をなぞらなくても良いんだぜ (´・ω・`)b
>>305 旬を外しちゃっているからなぁ
というか途中から読まなくなったがスレイヤーズ本編って完結しているのか?
>>297 悪魔のような恐ろしいあ人のメイジが・・・
亜人?
>> 「ほう、世界の半分は入らぬと申すか。
要らぬかいらぬ?
>>299 >> 中からはルイズと同い年とは思えないほど大きな胸を持った艶やかな褐色色の肌
褐色の肌、でいいと思う
>>「わしの中
わしの名か
見付けられたのはこれだけだった
竜王のハルケギニアライフ楽しみなんで頑張って欲しい
>>305 それに、性格的な問題もあるな
リナとかが使い魔やれと言われても100%従わないと思う
つーかぶち切れて顔面にドロップキックでも叩き込んでそのまま逃亡も有り得そうだからなぁ
スレイヤーズすぺしゃるのジョン召喚とかは考えた時あるけど、
リナやナーガにしても原作の性格とか雰囲気を再現するのは難しいと思う。
>>310 異世界だってのを納得させて返す方法を誠心誠意見つけます、って約束した上で
土下座しながら金でつればなんとかならなくもないような。
VSオーフェンでもナーガ&キースが出てくるまでは一応従う姿勢を見せてたし。
やっぱり、やめたほうがいいか。
>>310 リナだったら山賊やフーケぶちのめして
財宝奪っていくから生活には困らないだろうな…
ルイズ無視して好き勝手(目標 自分の世界への帰還)に行動していくというのも
俺的には悪く無いが、原作蹂躪の批判はどうしても受けるだろうな
やわらか戦車召喚という電波を受信。
…使い魔として何ができるだろうか。剣も持てないし。
>>309 あ人は亜人の間違いです。
細かいところに気がつかなかった。
ダイアトラスとか召還されてないな・・・
破壊大帝だからか?
>>308 本編は完結してる
すぺしゃるはラノベ界のこち亀と呼ばれつつある
>>314 その身に刻まれた撤退魂が主に逆流して
ルイズが危険な場所に飛び込まなくなる為、天寿をまっとう出来るんじゃね?
そう考えると優秀だなw
>>308 本編は結構前に完結してるよ
外伝はまだ連載続いてるけど
>>316 誰でもが自分と同じ思考と思うんじゃない。
破壊大帝だからとかではなくて純粋に召喚しようと思うヤツが少ないからだ。
どうしても読みたいなら自分で書け。
>>312 そこでの問題は土下座とか金で釣るとか、ルイズがそれをやりそうに無いって事なんだよね
勿論、事前に念入りにボコボコにされたなら話は変わってくるかも知れないが、先に言われた通り
スレイヤーズ世界の魔法がハルケギニアで使えるかどうか怪しいし、使えたとしても明らかに
先住魔法扱いされて色々大変な事になる可能性があるからなぁ
リナがおとなしく従ったのならともかく、この場合それなりに大暴れした後になりかねないから
幾らオールド・オスマンでも原作のガンダールヴ発覚の時みたいに王宮に報告しないと言う保証は
全く存在しないし
>>317,319
そうなんだ、情報ありがとう
古本屋でまとまっているのがあったら買ってみるか
3年後くらいに
スレイヤーズすぺしゃるの方ならジョセフィーヌ召喚とかどうだろう
ルイズの事を娘の様にかわいがる様になれば、敵は皆それはもう恐ろしい事に
投下してイイデスカー?
と言うか、level3見直してたらこれは困った的な間違いが
「フライ」使用中は他の魔法使えないんだったよね・・・
あとおかしな文面もあったのに見逃してた!
それと、どなたかわかりませんがwikiに登録ありがとうございます
ガウリィ召喚でいいじゃないか
2部開始時点のガウリィならば、デルフを手に入れる事にも違和感はないだろう
324さんの後に投下予約しつつ支援