リリカルなのはクロスSSその31

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1名無しさん@お腹いっぱい。
ここはリリカルなのはのクロスオーバーSSスレです。
ガンダム関係のクロスオーバーは新シャア板に専用スレあるので投下はそちらにお願いします。
オリネタ、エロパロはエロパロ板の専用スレの方でお願いします。
このスレはsage進行です。
【メル欄にsageと入れてください】
荒らし、煽り等はスルーしてください。
次スレは>>975を踏んだ方、もしくは475kbyteを超えたのを確認した方が立ててください。

前スレ
リリカルなのはクロスSSその30
ttp://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1197873049/

過去スレ
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1195735974/
ttp://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1196174166/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1196173990/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1195352813/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1194875382/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1195352813/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1194875382/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1194190014/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1193668768/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1193128576/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1192340228/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1191674700/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1190950386/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1190209861/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1189525591/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1188914457/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1188222989/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1187714790/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1187176581/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1186669558/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1186147008/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1185640072/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1184997868/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1184393091/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1183637309/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1182871170/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1182002145/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1180901290/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1179746193/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1177202668/
ttp://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1197295459/

*雑談はこちらでお願いします
リリカルなのはウロスSS感想・雑談スレ9
ttp://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1198038372/

まとめサイト
ttp://www38.atwiki.jp/nanohass/
2反目のスバル@携帯 ◆9L.gxDzakI :2007/12/22(土) 20:22:49 ID:MODc8x/y
舞い降りよ、心無き>>1乙よ
週頭に誰かが「こりゃ土曜までに次スレ立つな」と言ってたが、本当に立っちまってビックリだぜ!
3戦国の鉄の城:2007/12/22(土) 20:23:34 ID:Dt3sxcbC
>>1
お・・お疲れ様です。
しかしこうも早く次スレにいっちゃうものなんですねぇ・・。
4Strikers May Cry:2007/12/22(土) 20:27:06 ID:t4ezLlxg
スレ立て乙にございます。

それじゃあ今日中にデビルメイクライ3クロスの最終話の骨組みを書いて明日には投下するぜ!!
5リリカル龍騎 ◆YHOZlJfLqE :2007/12/22(土) 20:28:16 ID:ITwUKpp/
諸君 私は>>1乙が好きだ
諸君 私は>>1乙が好きだ
諸君 私は>>1乙が大好きだ

えっと…前スレが立ってからこのスレが立つまで5日ですか…なんというハイペース…
6戦国の鉄の城:2007/12/22(土) 20:30:56 ID:Dt3sxcbC
>>4
期待しております!!

>>5
ですよねぇ・・。
次レス立つのは今日から何日後になるのかな?

っと、35分あたりにホンダム投下いたします。
グデグデだけど俺、がんばる。
7スーパーロボット大戦X:2007/12/22(土) 20:33:48 ID:pCRjGdHd
>>1
立て、ご苦労様です。
>>6
OK、支援です。
ついでにそれが終わったら俺のSSも投下しますけどいいですか?
時間は9時半ごろにでも・・・。でも少し遅くなるかも・・・。
>>1
乙です。
まさかと思うけど、新年迎えるまでにもう一つ立つかなこりゃ……?
9戦国の鉄の城:2007/12/22(土) 20:35:48 ID:Dt3sxcbC
魔法少女リリカルBASARAStS 〜その地に降り立つは戦国の鉄の城〜

第一話「忠勝、ミットチルダにて起動」

「・・・・・!!」
忠勝は目を覚ました。あたりを見回すと今までの騒がしさはなく、静かな場所で。
しかしその風景は違和感がありすぎた。数多の鉄の城が建ち並び、灰色の川が流れている。
そしてその灰色の川の上を異形の船が高速で通り過ぎる。戦国の世を生きてきた忠勝にとっては見るものすべてが異形のもの。頭を抱え、地に膝を付く。自分の武器はちゃんと自分の手に握られている。
「・・・・・」
彼は必死に考えている。この世界からどうやって戦国の世に戻るのか。その前に、戻れるのか。ここの者達はどんな容姿なのだろうか?
少なくとも頭のてっぺんの毛だけを綺麗に剃った愛を与えると見せかけて殺戮行為を仕掛ける南蛮人ではないことを願う。
ゆっくりと立ち上がり、自分にどこか異常がないか立ちながらの瞑想で確かめる。
(ない。)
そう確認したかの如く、忠勝の眼が赤く光り、関節から熱を排気。煙が吹き上がる。

__________戦国最強「本多忠勝」、始動。

巨大槍を数回、回転させると背中の紋章から筒が二本飛び出す。俗に言う「ロケットブースター」というものだ。
筒から蒼白い炎が出る。低く構えて数秒、再び眼が赤く光り、空へと飛び立った。


しばらく飛行していると一つの奇妙なものを見た。空を飛ぶ奇妙な船だ。
上には何かが回転している。あれで空を飛んでいるのだろうか?どちらにしろ忠勝にはその原理はわからない。
そして地上では何か騒がしい。
何が起こっているのかは理解するつもりはなかった。だが、遠方から見えた光で忠勝は大体のことを理解した。

しかし、自分の体は勝手にあの船を「守ろうと」飛び出していた。

なんでそういう行動に出たのかは自分でもよくわからない。そして今まで戦国の世に身を流していたときの記憶を思い出した。戦の跡、そこには自分の手で命を絶ってしまった兵。
死体から鎧などをひっぺはがす農民達の姿、一人の兵にすがりつくように泣いている子供、そして女。こちらが近づくと石を投げてきた。
「しんじゃえ人殺し!!」
その時は自分は何も思わなかった。しかし主である徳川家康は悲しそうな顔をして、自分に問うた。
「忠勝・・・ワシは・・・間違っていたのか・・・?」
「・・・・」
その問いに答えることはできなかった。
しかしこれだけはわかった。戦で死んだ敵兵のことを想い、主は泣いているのだと。その日から、兵の命を自分の手で絶つたびに、苦しくなった。
もしかしたら自分は「必要以上に人が死ぬのを見たくない。」と感じるようになっていたのかもしれない。
「・・・・・・!!!」
意識を現実に戻す。そう、自分が今やるべきことはすでに決まっていたのだ。
紋章が開き、二枚の巨大な盾を腕に装着。箱と光の間に立ち、両手を交差させて光を真っ向から受けた。
_____忠勝、防御形態
間接が軋むほどの衝撃が走る。しかしこのまま引き下がるほど自分は落ちぶれちゃいない。何しろ戦国最強なのだから。
腕を上へと思い切り振り上げた。光は上空へと飛び、爆発した。
自分は守ろうと思った命を守った。命を絶つことしかできなかった自分のこの手で。
10戦国の鉄の城:2007/12/22(土) 20:38:17 ID:Dt3sxcbC
「・・・・え・・?」
私、高町なのはは唖然としていた。シャマルさん達が乗っていたヘリを守ろうとしてヘリの前の立とうとした時、全身を黒い鎧で身を包んだ人(?)が盾で砲撃を防いでいた。
ここには民間人はいないはず。だとしたら、こんなバリアジャケットを持つ管理局員がいただろうか?
いや、いない。じゃあ・・・誰が?
「あの・・・あなたは・・・?」
その人は何も答えなかった。こちらを見てホッとしたような雰囲気を出すと背中のブースターを噴出して砲撃が発生した地点へと飛び出していた。
(フェイトちゃん・・・はやてちゃん・・・)
不安でたまらなかった私は二人の親友に念話を行っていた。
(うん、こっちでも確認したけど・・・誰だったんだろう?)
(しかしどえらいバリアジャケットやったなぁ・・・。あんなバリアジャケットであれほどの速度・・・人間とは思えへんわ。)
親友のフェイトちゃんとはやてちゃんの答えは同じだった。助けてくれたのに不安がぬぐえない。
(と・・・とりあえず私あの人追ってみるね!)
(あ、わ、私もいく!)
無意識のうちに私はあの人を追っていた。
正体が何なのか知りたかったのが半分、お礼が言いたいのが半分。
私はひたすらあの人の後を追う。姿は見えなかったけど、必死で追いかける。途中でフェイトちゃんと合流した。
急がなきゃという思いが、何故か頭の中で駆け巡る。
11戦国の鉄の城:2007/12/22(土) 20:40:18 ID:Dt3sxcbC
「・・・・・・」
「い・・いつの間に・・・?」
「あ・・・あらぁ・・・」
一方、三人はお互いに驚いていた。
忠勝のほうはあんな砲撃をしていたのが少女だったということだ。自分の知り合いにも銃を使う女性がいたが、あそこまで大きくはない。
槍を構える動作はしていたものの驚きで攻撃に移るという意思はどこかに吹っ飛んでしまった。
そして忠勝と対峙する二人の少女。一人はディエチ。砲撃を行った張本人だ。そしてその隣に立つはクアットロ。
二人とも砲撃を防がれたと思いきやいきなり目の前に黒い鎧に身を包んだ巨人が降り立ったからだ。
逃げることも忘れ、ただただ唖然として立ち尽くしている。
「・・・・・!!」
いち早く我に帰ったのは忠勝。
巨大な槍を二人の少女めがけ振るう。もちろん先端は回転してないから刺さない限りダメージは打撃だけで済ませられる。
「う・・・わっ!!」
ディエチはなんとか避けるも自らの武器、イノーメスカノンを吹き飛ばされてしまった。
忠勝は次にクアットロへと右斜めの振り下ろし攻撃を行った。クアットロは慌てながらもシルバーカーテンで姿を消す。
そして忠勝が混乱している間にディエチはIS、「ヘヴィバレル」を発動。変換時間は無いに等しいため威力は期待できそうにない。
魔力で生み出された弾丸を盾で防御する。お互いに離れ、また静寂が流れる。また忠勝が槍を振るい始めた時・・・・
「IS発動!ライドインパルス!!」
突然現れた紫の髪の少女に一撃が防がれた。乱入者の名前はトーレ。ディエチとクアットロの姉のような存在だ。
忠勝の槍とトーレのインパルスブレードがぶつかり合い火花を散らす。しかし力の差は目に見えていた。
(こいつっ・・・できる・・・!!)
次第に押され始めるトーレ。しかしディエチの援護射撃で忠勝は大きく吹き飛ばされた。
「今だっ・・・!!」
インパルスブレードの連続攻撃が忠勝を襲う。
「トライデント・・・・スマッシャァァァァァァァッ!!」
「エクセリオォン・・・・バスタァァァァァァァァッ!!」
「「「!?」」」
トーレの連続攻撃は新たな乱入者により中断された。
一方は亜麻色の髪を両サイドで結び、白いバリアジャケットを纏った女性、高町なのは。
もう一方は長い金髪をなのはと同じように両サイドで結び、黒いバリアジャケットに身を包んだ女性、フェイト・T・ハラオウン。
「・・・チッ、退くぞ!!二人とも!!」
「は・・はい!IS発動!!シルバーカーテン!!」
新たな乱入者の姿を見て不利を悟った少女達は姿を消し、逃げた。
しかし二人の女性は三人を追うことはなかった。
視線はすでに黒き鎧の巨人、本多忠勝へと移されていた。
「あ・・・あの・・大丈夫ですか・・?」
「差し支えなければお名前などを教えてほしいのですが・・・」
「・・・・・」
彼女達の問いに答えることはできなかった。
何しろ彼は「喋れない」のだ。喋れないものに答えろといわれてもいかがなものかなと。
言葉の代わりに機械音が唸る。
忠勝は立ち上がりまた飛行を開始しようとする前に・・・
「・・・!?」
体が床に沈み、また意識を失っていた。
これはたぶん、エネルギー切れというやつである。
12戦国の鉄の城:2007/12/22(土) 20:40:46 ID:Dt3sxcbC
投下終了。
えーっと・・・短かったかなぁ・・?
13322 ◆tRpcQgyEvU :2007/12/22(土) 21:08:15 ID:N6Za9vBi
>>12
投下乙です。
長さはあまり気にしないでもいいんじゃないでしょうか。
長ければ長いほどいい作品になるわけでもありませんし。

それと、私も十時半ごろに投下したいんですがよろしいですか?
EDFじゃなくて、とあるSF映画とのクロスなんですが。
14名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 21:10:39 ID:ePVDSMey
>>13
コーホー?
分からんがwktk
15戦国の鉄の城:2007/12/22(土) 21:12:25 ID:Dt3sxcbC
>>13
あはは・・そういってくれると少し気が楽になります。
ん、SF・・待ってますぞー。
16名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 21:12:53 ID:RHcIA2B5
投下乙

>>13
プレデター?
わからないけど期待しておこう
17名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 21:17:53 ID:i7/NMhLH
>>16
意外性を考えてエイリアンじゃね?
18名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 21:20:27 ID:hFDeTM4q
GJ!!ミスター質量兵器ホンダムかっこいいぜッ!!次回も楽しみです。
いやゴアウルドだね。支援。
19Strikers May Cry:2007/12/22(土) 21:20:41 ID:t4ezLlxg
インディペンデンスデイでは?
20名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 21:21:24 ID:i7/NMhLH
宇宙戦争かな?
21名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 21:21:53 ID:xUnIyOQt
ガンヘッドだろ?
22名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 21:22:19 ID:LGa4Vcy4
え?ターミネーターじゃないの?
23名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 21:23:12 ID:i7/NMhLH
もしかして・・ロボコップ?
24名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 21:25:42 ID:xUnIyOQt
まさかの猿の惑星。
25戦国の鉄の城:2007/12/22(土) 21:26:29 ID:Dt3sxcbC
AVP(エイリアンvsプレデター)かな?
そもそもSFだっけ・・・あれ。
26名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 21:26:43 ID:H2347q3N
いやいや、ここはスターシップ・トゥルーパーズじゃないのか?
27名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 21:27:05 ID:xUnIyOQt
>>18
スターゲイトktkr
アスガードは萌える。
28名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 21:28:48 ID:OmdBEV8C
ソラリス?
29スーパーロボット大戦X:2007/12/22(土) 21:32:58 ID:pCRjGdHd
とりあえず先に俺のスパロボXを投下させてもらいます。

 最終話  心は共に

 宇宙新暦99年12月31日
 「シャイニングガーディアンズ」により、イバリューダー本隊を地球から退け、ネオ・ジオンのアクシズ落しを阻止する事に成功した。
 だがその数時間後に地球にある「オージー・ブレイク」が突然作動し始め、オージー・ブレイクから光の柱が現れ、後1日もしないうちにこの宇宙ともう一つの宇宙が一つになり崩壊すると言う危機に陥ってしまった。
 「シャイニングガーディアンズ」はすぐに「オージー・ブレイク」の破壊に乗り出したがその手前で謎の空間に取り込まれてしまう。
 その空間は何もない宇宙空間のようなものだが、回りには二つの地球と太陽と月が見えるのである。

 「ブレイク・ゾーンに大勢様をご歓迎しよう」

 その空間の真ん中に居たのが「オージー・ブレイク」を作動させた謎の敵「ヴォルツ・クルーガー」と言う男とその男の機体でマジンカイザーと同じくらいの大きさの「ダークデストロイヤー」であった。
 彼の正体は8年程前まで時空管理局所属のランクは「空・SS」クラスの魔導師兼科学者であったがレジアス達がスカリエッティとつるんでいた事がわかり、
 すぐに管理局から姿を消し、自分の死を偽装して、地球に来たのだがその地球では自分の研究が認められず追放を受け、「オージー・ブレイク」の影響でもう一つの地球に来たが、
 そこでも自分の研究は認められず、追放されたのだ。
 つまりこれは彼の自分を認めない地球に対する復讐なのである。
 そしてその復讐はいつしかすべての宇宙にと向けられていたのだ。

「手前! さっさとあの装置を止めやがれ!」

 甲児が怒るがヴォルツは当然断れる。

「嫌だね。俺を認めなかった地球や世界なんて滅べばいい。それに他の宇宙に行ったところで同じだろうな・・・」
「そんな事勝手に決めるな!」

 ガロードも怒るがヴォルツは聞く耳持たずである。

「それに実はと言うとあの装置は俺以外でも自由に動かせれる奴がいるんだよね。お前達をこの空間に呼んだ理由の一つだよ」
「何!?」

 ヴォルツの告白に全員驚きを隠せなかった。

「あの時、聖王のゆりかごが作動した時俺も行くべきだったな。聖王のゆりかごに・・・」
「まさか・・・」

 フェイトはまさかと思った。

「そうさ、聖王の器であるヴィヴィオ。お前だよ」
「え!?」

 ヴィヴィオ自身も驚きを隠せない。

「それはどういうことや!?」

 はやてがヴォルツに理由を聞く。
30スーパーロボット大戦X:2007/12/22(土) 21:33:58 ID:pCRjGdHd
「あの装置は昔、聖王が使ってた遺品を少々くすねて作ったんだよ。
だから聖王に反応して使えるんだよ。ゆりかごが動いてた時はチャンスだと思ったよ。
お前達が聖王を殺してくれれば俺が手を下さずに俺以外に動かせれる奴がいなくなるからよ!」
「ヴィヴィオは私とフェイトちゃんの子供! ヴィヴィオを殺す事なんてできない!」

 なのはが頑なにあの時の戦いでやったことは間違いでないと言い切る。

「まあいいさ、どうせこのまま時間が経てば宇宙は一つになる。
だがお前達だけは俺の手で葬ってやる! それがお前達をここに呼んだ最大の理由!」

 ヴォルツはいつになく怒りを顕わにしている。

「へ、出来るもんならやってみやがれ!」
「俺達を敵に回したことを後悔させてやるぜ!」

 ケーンや鉄也が強気で言う。

「言っとくが「ダークデストロイヤー」だけじゃないぞ・・・」

 そう言うとダークデストロイヤーの回りに20機もの色々な組織の機体が出てきた。

「ガルファやギャンドラーのもいるぜ!」
「これはダークデストロイヤーが作り出したものだ。基本性能は変わらん」
「そいつを聞いて安心したぜ」
「何!?」
「俺達がそいつらと戦って勝った事を!」

 ジョウやレントンが今まで戦った敵なら勝てると思った。

「勝てるかな? ま、やってみせろ。俺にお前達の力を見せてみろ! お前達が戦いやすいように太陽と月も出しておいてやった!
もし俺に勝てたらオージー・ブレイクの動かし方を教えてやるよ!」

 ヴォルツはいつになく強気である。そして全艦に命令が下った。

「各員、発進せよ!」

「シャイニングガーディアンズ」は総力戦でこの戦いに挑んだ。
 今まで戦っていた敵の機体だったために簡単に雑魚機体を蹴散らし、すぐにダークデストロイヤーだけになり、
 そしてヴォルツを後一歩のところまで追い詰めた。

「終わりだな」
「覚悟せよ!」

 アルテアとマイヨが代表してヴォルツに終わりだという。しかし・・・。

「本当に終わりと思うか? ダークデストロイヤーの真の姿を見せてやろう!」

 そういい終わるとダークデストロイヤー黒く光だし、形を変えていった。
 全ての装甲が何倍も厚くなり、口のマスクが取れ牙がむき出しの状態になり、さらに全身が黒くなっていたのだ。
 言うなれば、ジェネシックガオガイガー以上の装甲に獣の力を完全に加えたものである。
31スーパーロボット大戦X:2007/12/22(土) 21:34:50 ID:pCRjGdHd
「これが真の姿「アルティメットマスター」だ!」
「アルティメットマスター・・・」

 皆がその姿に驚くが一人アースラで見ていたヴィヴィオが怯えるように震え始めた。

「どうしたの、ヴィヴィオ?」
「あのロボットから懐かしくて怖いものを感じる」
「怖いもの?」

 シャーリーがヴィヴィオから聞こうとするがヴィヴィオはただ震えるだけであった。

「さすが聖王の器、この機体の怖さがわかってるようだな。
この機体は聖王の能力の一部を持ってるの同時に闇に染まったものなんだよ!」
「へ、そんなの関係ねえぜ!」

 忍が関係ないように言う。

「ブライト、これが最後のようだな」
「ああ、全機アルティメットマスターを破壊せよ!」

 ブライトの命令により、アルティメットマスターへの攻撃が始まったがアルティメットマスターは攻撃してもダメージがあるようには見えない。

「どうした、それで終わりか? 後、2時間しかないぞ」
「くそ、何て硬さだ」
「このままでは・・・」

 ゲインやアルテアが苦戦しながらも対策を練ろうとしていた。

「艦長、この空間に何か来ます!」
「何!?」
「馬鹿な!? この空間は俺が認めたもの以外は入れない空間・・・。なにが来るというのだ!?」

 ヴォルツさえも驚くブレイク・ゾーンへの進入。それは聖王のゆりかごであった。

「あれって聖王のゆりかご!?」

 はやて達は壊したはずのものが存在する事に驚きを隠せない。

「あれは俺達が完全に破壊したはず・・・」

 ゆりかごを破壊した竜馬達も驚きを隠せなかった。
 するとヴィヴィオはゆりかごから発する声が聞こえた。

「ヴィヴィオ・・・」
「な、何?」
「ヴィヴィオ、いいえ私自身よ」

 その声は皆にも聞こえた。そして聖王のゆりかごから出てきたのは聖王として覚醒したヴィヴィオだった。

「あれって、ヴィヴィオ!?」
「でもヴィヴィオはここにいますよ!?」

 アースラにいるメンバーは二人のヴィヴィオを前に驚きが隠せない。
 それはアースラにいるヴィヴィオも同じである。
32スーパーロボット大戦X:2007/12/22(土) 21:35:37 ID:pCRjGdHd
「まさか、あれは俺達のように別の宇宙から来たヴィヴィオなのか?」

 隼人が冷静に状況を把握する。

「そう。私は皆の知らない宇宙から来たヴィヴィオ。もっとも私はもう死んじゃった身、このゆりかごも本当はないもの・・・」
「つまり、宇宙が一つになろうとした影響でこの空間に来て再び肉体を持ったって事か?」

 ホランドがゆりかごのヴィヴィオに聞く。

「少し違います。私は魂だけの存在・・・。でもその魂を今一つになろうとしてます。ヴィヴィオ、来て・・・」

 ゆりかごのヴィヴィオがそう言うとアースラにいたヴィヴィオは突如消え、ゆりかごの上に二人のヴィヴィオが立っているのが見える。

「私の力を託すね。どうかなのはママやフェイトママを、皆を守って・・・」

 幼いヴィヴィオを聖王のヴィヴィオは抱きしめ、そして二人の体が光輝きだし、光消えるとそこにいたのは聖王のヴィヴィオであった。
 なのはは恐る恐るヴィヴィオに尋ねる。

「ヴィヴィオ・・・? どっちのヴィヴィオなの?」
「なのはママ、私は私だよ。どっちでもないヴィヴィオはヴィヴィオだよ」
「ヴィヴィオ・・・」

 なのはとフェイトは今のヴィヴィオが自分達のよく知っているヴィヴィオだと確信した。

「なのはママ、フェイトママ。ヴィヴィオも戦う。皆で帰ってキャラメルミルクを食べよう。今度こそ約束だよ」
「うん、ヴィヴィオ」

 なのはは泣きながらヴィヴィオと約束する。

「はっはっは、まさか聖王まで来るなんてな・・・! まあいいさ、お前もこの手で葬ってやる!」
「ママ達や皆を守る!」

 ヴィヴィオの参戦により、状況は変わった。アルティメットマスターに使われている装甲とヴィヴィオの聖王の力が反応して、
アルティメットマスターの装甲がもろくなり、ヴィヴィオのパンチにより今までどんな攻撃にもダメージが見当たらなかったアルティメットマスターの装甲が簡単に破壊されていった。
明らかにダメージが出来たのだ。

「こんなことがあってたまるかーーーーー!」

 装甲のもろくなったアルティメットマスターはもはや「シャイニングガーディアンズ」の敵ではなく、
 全員による一斉攻撃などによりアルティメットマスターは戦闘不能状態になったのだ。

「ごふ! こんな事で俺が・・・」
「今度こそ、お前の負けだ!」

 ゲイナーがその事実をヴォルツに突きつける。すると・・・。

「ふ、そうだな。俺の負けだ」
「え?」

 あまりの潔さに全員が警戒した。まだ何かあるのかと・・・。
 しかしもうヴォルツのは抵抗する気力がなくなっていた。

「約束だ。オージー・ブレイクの動かし方のデータを全艦に送ってやる」

 そう言うとラー・カイラムやナデシコC、月光号やアースラにオージー・ブレイクのマニュアルのデータが送られた。

「艦長! これは・・・オージー・ブレイクのデータです!」
「どういうことだ!?」

 皆がヴォルツに問い詰める。
33スーパーロボット大戦X:2007/12/22(土) 21:37:19 ID:pCRjGdHd
「俺は悪の道に染まり闇にも染まった。だが約束は守ってやる。そのデータはヴィヴィオに見せればすぐにわかるぜ。
お前達をこの空間から出してやるよ。もうすぐ俺は死ぬしこの機体も大爆発する」
「何でそんなに潔いいあなたがこんなばかげた事をしたんですか!?」

 カミーユがヴォルツに聞く。

「ふ、俺は復讐したい心は今でも変わらん。だがお前達なら世界を変えれると確信した。
だから俺はあの世でお前達の事を見てやろうと思っただけだ。お前達でも駄目だったら俺はあの世から甦ってやる。絶対な!」
「ヴォルツ」
「早く行った方がいいぞ。後1時間だからな・・・。行くがいい! そして世界を変えてみろ!」

 ヴォルツは空間から「シャイニングガーディアンズ」を全員出した。

「ふ、俺はこうして一人で死ぬんだな。ま、人は一人で死ぬのが普通なんだがな・・・」
「私もいるよ・・・」

 ヴォルツの前にいたのは聖王のゆりかごとヴィヴィオであった。
 ヴィヴィオは空間から出る際に分離し、魂だけのヴィヴィオが残ったのだ。

「お前に見取られて死ぬということか・・・。これも聖王の情けか・・・」
「違うよ。ヴィヴィオは聖王じゃなくて一人の人間として見るんだよ」
「そうか・・・、じゃあな」

 アルティメットマスターは大爆発を起こし、ブレイク・ゾーンはその大爆発を飲み込むように消滅した。


 「シャイニングガーディアンズ」はオージー・ブレイクの前までに戻って来た。
 そしてヴォルツからのデータを分離した幼いヴィヴィオに見せ、ヴィヴィオはオージー・ブレイクを止めようとする。
 その方法は聖王が念じればいいだけだったのだ。ヴィヴィオは念じた。

(お願い、止まって。ママ達の、皆の世界を壊さないで・・・。お願い・・・)

 その思いが通じたかのようにオージー・ブレイクは停止し、光の柱も消滅し、一つになりかけ歪んでいた宇宙も元に戻った。
 つまり完全に宇宙が一つになるのを阻止したのだ。

 宇宙新暦100年1月1日
 こうして「シャイニングガーディアンズ」の戦いは終わるのであった。


投下完了。10時頃にエピローグも投下しようと思ってます。
34戦国の鉄の城:2007/12/22(土) 21:41:22 ID:Dt3sxcbC
お疲れ様です。
ピンチのときに訪れる味方増援・・いやいや、スパロボの醍醐味でございますなぁ。
エピローグの方も期待しておりますぞ。
35名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 21:43:46 ID:zr88Y2AS
乙。
説明文はいっそ開き直って説明に徹するべきだったかもね。
36名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 21:57:02 ID:gu3YNuPg
あれ?
話が飛んでる気がするのは気のせいかな?
37スーパーロボット大戦X:2007/12/22(土) 22:03:46 ID:pCRjGdHd
さて、エピローグいきます。

 エピローグ


 オージー・ブレイクの完全停止により二つの宇宙いやすべての宇宙は元に戻っていった。
 しかし、まだオージー・ブレイクは破壊されていなかった。なぜならもう一つの地球の人達を送り返さねばならないからだ。
 その後はオージー・ブレイクは完全破壊する事が決まり、もう一つの地球の人達と最後の別れをしていた。
 そんな中、機動六課のメンバーは「シャイニングガーディアンズ」解散にあたってのことをしていた。

「これから君達はどうするんだ?」

 ブライトがはやてに尋ねる。

「とりあえず、機動六課は今度の4月まではありますけど、その後は解散ですわ。
それに本当は時空管理局はロストロギアが関わってなかったら管理外の世界に干渉したらあかんし、
戦争に介入するのはなおさらですわ。今回はカリムの予言があっただけやし・・・」
「そうか、それは残念だな」

 ゼクスが残念そうに言うが、はやてはそれを弁解するようかのような言葉を口にする。

「まあまあ、ゼクスさん。それに私らはいつでも地球にはいけますよ。永遠の別れになりませんよ。
それにもう一つの地球の方ももしかしたらミッドチルダとつながるかもしれませんし・・・」
「あんた達は俺達がピンチでも助けてくれないってことか・・・だがな」
「我々は君達が危機に陥ったのなら喜んで協力しよう」
「ホランドさん、ジャミルさん・・・」
「ま、女性には無礼のないようにしないとな」
「ゲインさん」
「それは俺達も同じだ。はやて。俺達は君達の仲間だからな」
「アムロさんも・・・。ほんまおおきに」

 はやては皆の心遣いに感謝した。



 ミッドチルダにある海上収容所では管理局に協力の意思のあったナンバーズの収容されているいて、
 そこにスバルやティアナ、凱や宙やロムやプリベンダーのガンダムメンバーが来ていた。

「君達はこれからどうなるんだ?」

 凱がチンクに聞く。

「私達姉妹はこれから管理局の更正プログラムを受けることになってる。その教育官がギンガ・ナカジマ陸曹だそうだ」
「ギン姉が!?」
「スバル、あんた知らなかったわけ?」
「「ははは」」

 ティアナはスバルの知らなさに呆れ、凱とチンクは苦笑いをする。
 ノーヴェが宙に近づいて話しかけてきた。

「お前、あの時言ったよな。「戦う以外の道を見つけろ」って・・・。
だからあたしはその道を見つけてみるよ」
38スーパーロボット大戦X:2007/12/22(土) 22:04:41 ID:pCRjGdHd
 宙は「そんな事言ったけな・・・」とした顔をするがその時の言葉を少し訂正する。

「それなあ、あの時はそう言ったけど別に無理に戦うなって意味じゃないんだぜ」
「じゃあ、どういう意味だよ?」
「あれはな、「人を傷つけるような戦いをするな。人を守る戦いだけをしろ!」って意味なんだぜ。
だからお前が仮にこの後時空管理局に入って戦う道を選んでも俺は怒らないぜ。
お前の道はお前が決めるんだ」
「わかったよ。あたしの名前はノーヴェだ。お前って言うな。それにお前の名前なんて言うんだ?」
「お前って言うなって言ってそれかよ。俺は宙、司馬宙だ。ノーヴェ」
「わかったよ、宙」

 ノーヴェと宙が話している傍ら、デュオとディエチも話していた。

「デュオ、そこにいるのがあの羽とバスターを持ってたガンダムのパイロットか?」
「ああ、そうだぜ」
「確かに機械みたいな人間だな。それにお前の言うとおり変な感じがする」
「デュオ、何を話しているんだ?」

 ヒイロがデュオとディエチに近づいてデュオに何を話しているのか聞いてきた。

「べ、別にお前が変だとか言ってねえぜ!」

 そのやり取りを見ていたカトルやトロワはこう思った。

(あれは絶対あの女の子にそう話しましたね)
(同感だ)

 その一方ではセインとウェンディがロムと話していた。

「じゃああんたは機械生命体!?」
「そう言う事になるだろうな・・・」
「へえ、すごいっスね! 本当に人間のように見えるス! あたし達以上にすごいスね!
宇宙って広いんスね。あたしも宇宙に行ってみたいっス!」

 セインとウェンディがロムに関心しながら話している。
 別のところでは五飛がその様子を見ているオットーとディードに話しかけていた。

「お前達は何のために戦っていたんだ?」
「僕達はただドクターの命令に従っていただけ」
「私もオットーについていっただけ・・・」

 五飛はこの二人が感情と考えがほとんどないものだとすぐに気づいた。

(こいつらは完全に戦う事でしか生きられない兵士だという事か・・・)
「俺はそんな正義は認めん! お前達は自分の正義を見つけろ! そして貫いてみろ!」
「「正義・・・」」
「そうだ、自分達でそれを見つけろ。そうすればその考え方もどうにかなるだろう」
((・・・))「「わかった」」

 オットーとディードは五飛に言われたとおり正義の事を考えようと思った。
39スーパーロボット大戦X:2007/12/22(土) 22:05:38 ID:pCRjGdHd
 海上収容所の別の部屋ではエリオとキャロと銀河と北斗がルーテシアと会っていた。

「俺、お前の事はよくわからないけど、母ちゃんが無事でよかったな」
「うん」
「ルーちゃんはこれからどうなるの?」

 キャロがルーテシアの事を心配するから出た言葉にルーテシアは答える。

「今はわからないけど、多分罪を償うために罰は受けると思う」
「そんな・・・」

 エリオが驚き、北斗が理由を聞く。

「でも何で? お母さんのためにやってた事なんでしょ!? だったら悪いのはスカリエッティでルーテシアじゃ・・・」
「私もある程度は自分で考えてやってた事だし、皆にも迷惑をかけた・・・」
「それでもルーは僕達の友達だよ」
「そうだよ。ルーちゃん」
「俺達も友達になってやるよ。なあ? 北斗」
「うん」
「ありがとう皆」
「皆シチューが出来たからご飯にしましょうーーー」

 シチューが出来たから皆を呼ぶ声がした。その声の主はベガであり北斗の母の草薙織絵であった。

「か、母さん!? 何してたと思ったらシチュー作ってたの!?」

 北斗は母のやっていた事に驚きを隠せなかった。

「局員さんに許可をもらって厨房を借りてたの。ルーテシアちゃんもどう?」
「ルーテシア、母さんのシチューはおいしいよ」
「母さん・・・」
「ルーテシアちゃんのお母さんが目を覚ましたら、おいしい料理を作るように頼んだら? お母さんきっと張り切るはずよ」
「とにかく北斗の母ちゃんのシチュー早く食おうぜ」
「もう銀河ってば・・・」

 そして海上収容所にいる皆でシチューを食べる事になった。
40スーパーロボット大戦X:2007/12/22(土) 22:06:25 ID:pCRjGdHd
 アースラではなのはとフェイトはDボゥイや竜馬達と話していた。

「なのは、本当にブラスターモードを使っても大丈夫だったの?」
「シャマルさんに診てもらったけど、本当なら自分の限界を超えたものだから最大魔力値の8%がダウンするはずだったんだけど、
その予想とは違って何も起こってないって言われた」
「よかった」
「それもDボゥイさんやドモンさんやヒイロさんにガロードのおかげかな。
正直、AMFの事もあってヴィヴィオを止める時が一番つらかった。もし皆がいなかったら、多分一人だけでどうにかしようとして無茶してかも・・・本当にありがとうございます!」

 Dボゥイやドモンに礼を言うがDボゥイはそれ返すような事を言う。

「礼を言うのは俺のほうだ。俺もあの時ブラスター化をしようか悩んでいた。もしブラスター化の障害がまた起きたらと恐れていたからな。
だがあの時のお前を見て俺はブラスター化したが障害が無くて済んだ。だから俺もお前に礼を言う」

 Dボゥイもなのはに礼を言う。

「ところで竜馬さん達はどうするんですか?」

 フェイトが竜馬達にこの後の事を聞いた。竜馬達ゲッターチームはもう一つの地球の人間でもないさらに別の宇宙の人間のため、オージー・ブレイクを使っても帰れるかどうかわからないのであった。
 管理局が竜馬達が居た宇宙を探すにしても時間がかかるのは言うまでもない。
 
「俺達は自分達の力で帰る」
「真ゲッターにはシャインスパークで世界や宇宙を越えれるらしいからなそれで帰ってやるさ」
「元気でな」
「皆さんも・・・」



 そして別れの時が来てもう一つの地球の人達との別れをすませるために機動六課のメンバーもその別れに参加した。
 もっともオージー・ブレイクを動かせるのがヴィヴィオだけなので、機動六課は必然的に行く事になった。
 先にゲッターチームは自分達の宇宙へと帰って行き、後はもう一つの地球の人達を帰すだけになった。

「ヴィヴィオ、お願いね」
「うん」
(お願い、この人達をこの人達の宇宙に返してあげて・・・。お願い)

 そしてオージー・ブレイクから光の柱が現れた。

「これで元の宇宙に帰れるよ。・・・皆バイバイ」

 ヴィヴィオがもう一つの地球の人達に向かって手を大きく振った。
 それにあわせて、なのはやフェイト、機動六課や地球の人達も大きく手を振った。
 それを返すようにモニター越しでガロードやゲイナーやレントンやエウレカ達も手を大きく振った。

「また、会おうぜ」
「今度は楽しく会えるといいですね」
「皆ああああ」
「さようならああああああ」

 こうしてもう一つの地球の人達は自分達の宇宙へと帰っていった。
 それは宇宙新暦100年1月10日の事であった。
41スーパーロボット大戦X:2007/12/22(土) 22:09:13 ID:pCRjGdHd
これにて投下は完全完了です。
今年はこれでSSを終わろうと思います。できればおまけの中断メッセージも作ろうかと思います。
来年の予告ですが来年はこのスパロボXの外伝話を書く予定です。
予定は3・5話、6・5話、9・5話(1)、9・5話(2)、9・5話(3)、15話、16話のつもりです。
42322 ◆tRpcQgyEvU :2007/12/22(土) 22:37:20 ID:N6Za9vBi
そろそろ投下していいかな?
43名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 22:37:57 ID:xUnIyOQt
オニール萌支援
44322 ◆tRpcQgyEvU :2007/12/22(土) 22:42:45 ID:N6Za9vBi
プロローグ

――スカリエッティアジトにて―― 

 靴底が固い床を叩く不規則な音が響いていた。
それに重なるように、はっ、はっ、はっ、と、荒く小さな呼吸音も漏れている。
音の主であるクアットロは走っていた。
鉄パイプで体を支え、挫いた右足を引き摺って、他人から見れば亀の如き遅さで、
しかし本人にしたら出せる限りの早さで、クアットロは恐怖に怯えながらも暗い通路を無我夢中で駆けまわる。
呼吸を乱し、全身から脂汗をだらだらと垂れ流し、足をもつれさせながらも、彼女は怯えた視線を周囲に向ける。

 見えるのは、緑の光に照らされた薄暗い巨大な通路。
彼女が見なれた殺風景な風景は、いつものように凍てついたような静寂に包まれ、彼女の足音以外は何も聞こえない。
しかし、それ以外は違った。
左右の壁には大型の獣が引掻いたような爪痕が幾重も刻まれ、黒ずんだ血糊がべっとりと張りついていた。
壁に並んでいたはずの生態ポットも一つ残らず叩き割られ、床には真っ赤に濡れた鉄屑が至るところに散乱している。
床、天井、壁を問わず、ここで起こった死闘の爪痕が、至るところに刻み込まれていた。

 クアットロは、顔を引きつらせて、ヒィ、と呻き声を上げた。
彼女は思い出したのだ。
ここでナンバーズがあの『化け物』と戦い、何人かが奮戦空しく倒されたことを。
自分は何も出来ずに、何もせずに姉妹を見捨てて逃げ出したあの戦いのことを。
 
 クアットロは壁に持たれかかり、杖代わりにしていた鉄パイプを槍のように突き出した。
光の変化も、僅かな影の動きも、風景の小さな揺らぎすらも見逃さぬよう目を凝らして辺りを警戒する。
目に入るのはほの暗い通路のみである。
『化け物』の影はなく、姉妹の姿も、ガジェットの姿も見えない。
だが、彼女の中から不安が消えることは無い。
戦闘機人と同じかそれ以上の力を持った異形の怪物が、この瞬間にも自分の側に現われる気がする。
鉄をも切り裂く爪が、ガジェットを紙のように貫く槍が、今にも自分に襲いかかってくるのではないか――そう思ってしまうのだ。

 なぜ自分がこんな怖い思いをしないといけないのだ。 
……そうだ、全てはドクターのせいだ。
『化け物』が入ったカプセルを見つけたとき、ウーノ姉様が言ったようにさっさと処分しておけばよかったのだ。
なのにドクターが、あの『化け物』を実験動物にしようとしたから、自分は今、死の危険に晒されている。
姉妹も皆、きっと今ごろ……くそっ……。
もうここにはいない父に向けて、クアットロが、ちっと舌を打った。
45322 ◆tRpcQgyEvU :2007/12/22(土) 22:44:17 ID:N6Za9vBi

と、そのときだった。
突然クアットロの体に、見えない何かが猛烈な勢いで激突し、彼女をふっ飛ばした。
いったいなにが起こったのか?
その疑問に答えを出す間もなく、激痛と共に彼女の体が宙を舞う。
騒々しい音を立てて、クアットロは向こうの壁へと叩きつけられる。
めがねは壊れてしまったが、幸が不幸か、武器は握ったままだった。
苦痛で地面をのたうち回るクアットロに、何かがゆっくりと近づいてくる。
ぼんやりとした、陽炎のような何かが。

「ひぃぃ……」
 クアットロは絶望に体を振るわせ、短い悲鳴を漏らす。まさか、まさかこいつは……。
陽炎はクアットロの眼前で立ち止まった。
クアットロが怯えきった顔を上げると、それは青いスパークを発しながら徐々にその姿を現した。
涙で揺らめく視界の向こうで、クアットロは見た。
この世で最も見たくないものを。自分の目の前に立つ『化け物』の姿を。

 それは人と恐竜を混ぜ合わせたような怪物だった。
筋肉質の体を覆う銀色の鎧。その間から見えるのは爬虫類のような白色じみた表皮である。
その逞しい体は、姉妹の中で一番背の高いトーレよりも大きい。確実に二メートルを超えているだろう。
頭からはケーブルのような太くて長いものが何十本も垂れ下がっていた。
『化け物』の顔は銀のマスクで隠されているのでわからない。
しかし、彼女にはわかった。獲物を凝視する目には、獲物を見つけた喜びが宿っていることを。

そして、捕食者の名を持つ異界の狩人――プレデターの天も震わす咆哮が、アジト中に響き渡った。


――NVP―― ナンバーズVSプレデター 


 続
46名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 22:44:20 ID:xUnIyOQt
エイリアン?支援
47322 ◆tRpcQgyEvU :2007/12/22(土) 22:44:57 ID:N6Za9vBi
AVP2公開記念作品投下終了ー。
作中のプレデターはAVP1序盤のだから肩キャノンは無しだよ―。
次回はプレデターとナンバーズが出会ったときの話ー。
こっから先は死人出たりちょっとしたグロ描写とかあるから苦手な人はNGでスルーしてー。
あと、見事に元ネタを当てた>>16と戦国の鉄の城氏には景品としてエイリアンの卵をプレゼントー。
産まれたらいっぱいいっぱい可愛がってあげてね♪
それじゃ、次は年明け頃にEDF投下するねー。
48戦国の鉄の城:2007/12/22(土) 22:50:27 ID:Dt3sxcbC
>>47
ちょ!胸からエイリアンが!エイリアンが!!(何
そういえばストーム1はスカにゴリアスとかエアタートスとか作ってもらうのだろーか。
49Strikers May Cry:2007/12/22(土) 22:50:42 ID:t4ezLlxg
宇宙捕食者GJ!! しかしあの若造プレデターにピンチになってるようじゃ映画終盤に出てきたエルダープレデターが出たら即絶滅だなナンバーズ。
50名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 22:52:34 ID:9ybvVBKS
>>16
おいおい・・・ 死亡フラグじゃねーか!?
51名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 22:58:04 ID:xUnIyOQt
>>47
なんと戦国の鉄の城氏が成人の儀に挑戦というわけですか。
GJ!
プレデターっすかwそりゃ無茶ってもんだスカさんよwww
こいつら基本戦闘員には容赦なしだからな〜
そしてやはりナンバーズは妊婦認定はされなかったか、仕込んでるだけじゃ駄目だな。
52名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 23:06:32 ID:i7/NMhLH
やっぱプレデターかよ!!
とりあえずGJ!!
53名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 00:49:31 ID:QTZj4Cik
真祖の人ですが投下おけ?・・・もしかけたら続編かくつもりのやつですが・・・

全職人GJ!!
54名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 00:53:18 ID:FonzGF7Q
>>53
剥き出しのSSをぶち込んでくれ!

   )SS*カモン(
55名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 01:03:02 ID:V+tj89fV
GOGO
56名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 01:03:21 ID:QTZj4Cik
真祖の人です投下します。

人は色々な場所で自分が変わる、覚醒するという出来事がある、理系と思っていざサッカーやるとそっちの方が自分にあっていたり、
体育系と思っていたが科学分野で自分の才能を開花させる。だが人間だれしもそう開花できるとは限らない、何故なら自分が何を
秘めているか何て分からないからだ…そしてその能力を戦争で開花させる奴がいる…

プロローグ
―――――某管理外世界研究所
「ロストロギア不正使用、ならびに非人道的人体実験の管理局法違反で、貴様を逮捕する!」
クロノ・ハラオウンは老人と思われる科学者にデバイスを向ける。
「我が崇高なる理念が分からぬ愚か者め!」
科学者は叫ぶ!そして科学者はクロノの拘束型魔法によって縛られる。
「そういった下らない理念や理想なぞ、後で存分に言えばいい!こちらクロノ・ハラオウン、
 例の容疑者を捕まえた、直ちに連行します」
通信を送るクロノに科学者はニヤリと笑った。
「ククククク、だが我らの崇高なる理想を受けたものはまだ他にもいる!いずれ我々が望んだ悲願を叶える為にな…」
そして科学者は奥歯に仕込んだ何かが入った小さな袋を歯で噛み潰し…
「総統!我等の彼岸実現に失敗した私を許してください!ジークハイル!ハイル…ヒT…」
叫びあげると倒れた。
「いかん!毒を隠し持っていたか!」
「助かるか?」
「だめだ、即効性だもう助からん!」
「クソッ!」
クロノは壁を殴る、ようやく捉えることが出来た犯罪者が死を持って逃げ出したのだ、だがクロノは指示を出す。
「研究所の資料を全部持ち出せ、そしてこいつの研究レポートは絶対に見つけ出せ!」
「ハッ!了解しました」
そして部下を手分けさせ、研究所の資料を押収させる。それにしても…彼の悲願とは何だ?クロノは何かに取り付かれたような笑顔を
浮べ死んでいる老科学者を見つめる…まぁ所詮は下らないものだろう、そう判断し、天井を見上げた、そこには赤地に白い丸に卍を裏返しにした
マークが描かれている旗が飾られてあった…。そしてクロノは後悔する、冷静になって研究所を調べなかったことを…

――――研究所
「間に合わなかったな…」
短髪で長身の女性は呟いた。
「ああ」
銀色の長髪で大きいコートがただでさえ低い身長をさらに低く見せている少女も同調するように言った。
「少なくとも護衛のガジェットを派遣していたが」
「相手はあのクロノ・ハラオウン率いる部隊だ、ガジェットだけでは無理だったか」
長身の女性と銀髪の少女は言葉を続ける。
「ドクター」
女性は通信で自分の生みの親を呼び出した、そして白衣を着た紫色の髪をした男性が出てくる。
「どうしたかね、トーレ」
トーレと呼ばれた女性は現状を伝える。
「そうか、彼は自殺したか…ふむ、彼の残した資料はあるかね?」
「分かりません、ですがほとんど押収されていると思いますが」
「そうか、まぁ少しぐらいは探索してくれたまえ」
「了解しました、ドクター」
通信をきると女性は少女と共に荒らされた研究所の探索にむかう。
「やはり、重要資料はほとんど押収されているか」
女性は呟く、その時少女が何かを見つけた、床下にレバーがあったのだ、そして少女はためらわずそれをひいた、
そして轟音がし、床下に階段が出てくる。訝しげな表情をしながらも二人は階段を降りて扉を開いた。
そして女性はドクターと呼ばれる男に通信を送った、そう彼の研究成果と思われる8つのカプセルがありそのカプセルの溶液にそれぞれ男が眠っていたのだ。
57名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 01:05:21 ID:QTZj4Cik
――――某空間
「畜生!姿を表せ卑怯者!」
「ノーヴェ、顔出しちゃやばいッス!」
赤髪の二人の女性は土手の中で暴れていた、そう10対8の勝負でしかも相手は魔法に精通していないド素人のはず
なのに…追い詰められていた。この戦いでにすでにセイン、オットー、ディエチ、ディードを失っていたのだ、
そしてディエチは自身が得意とする狙撃攻撃が全く同じ攻撃で返され戦闘不能に陥っているのだ。
「くそ、あんにゃろー、見つけたら真っ先に私の剛拳叩き込んでやる!」
「でも、見つからなきゃ意味ないッスよ」
そうやってやり取りをいるつかの間だった。
「暢気にお喋りか、随分と気楽なものだ」
ゲッとする二人の背後に銃型のデバイスと戦車砲をイメージにしたデバイスを装備した二名の男がいた。
「ゲ!やばいッス!」
「クソ、こうなれば」
赤髪の二人の女性は保持しているISで攻撃を仕掛けようとするが・・・
「おせーよ」
二人の男性から放たれた攻撃であっけなく吹っ飛ばされる。

研究所で男を発見した短髪長身の女性は歯噛みする、まさか奴らがここまで出来るとは…、すでに四人の妹を失い、そしてついさっき二人の妹も失ったのだ、
奴らは狡猾であり、猟犬のように狙った獲物は確実に倒して行った、そして彼女も、相方と思われるピンク色の長髪をし、両手にブーメラン状の武器を装備した女性に念話を送る。
「見つかったか?」
「いや、見当たりません」
相手はどこかに隠れている、そう思ったときだ、上空から二つの影がこちらに迫ってきたのだ…狙いは…私じゃない!そして短髪の女性は長髪の女性に叫ぶ!
「いかん、避けろセッテ、狙い・・・」
言い切る前に二人の男から小型魔力弾がセッテと呼ばれる女性に振り注ぎ、セッテは被弾に耐え切れず落ちていった。
「クソ!ライドインパルス!」
短髪の女性は自身に搭載されているISを持って二人の男を追おうとした、高高度からの急降下によって速度はついていたが、充分追いきれる自身はあった、
そして追いつき攻撃を加えようとしたが、呆気なく回避される、そして一人の男が自分の背後に回りこむ、女性は自分の迂闊さを呪った、放たれる攻撃、
意識が吹っ飛びかける寸前男性は言った。
「僚機を失った時点で、お前は負けだ」

――――スカエリッティ研究所
そこの主は今モニターに映っている光景を見て、白衣を着た男性は文字通り目を点にしていた。
何せ自分の傑作作品が呆気なく次々と潰されて行っているのだ、そして最後まで抵抗したチンクも袋叩きにされた。
「敵対勢力に損害なし…完璧にこちらの負けですドクター」
自分の秘書官を勤めている女性は事実を言う、しかし顔は引きつっていたが…
「うそ〜〜〜ん」
ドクターと呼ばれた男はすっとんきょんな声を上げるが、同時に別の思考をする。あの科学者一体どんな奴を復活させたのだ?と、そして老科学者の
研究所にあった生体ポットと共にあった資料にはこう書かれていた
       

     ――――プロジェクト・ラストバタリオンと
58名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 01:07:36 ID:QTZj4Cik
…話は少し遡る
スカエリッティという科学者とクロノに捕まって自殺した科学者はプロジェクトFからの知り合いだった、
仲がいいというわけではなく双方とも利用しあう仲だった、そしてその老科学者はある実験を行っていた、
一般人に他から取り出したリンカーコアを植え付けると言う実験だ、だが、この実験は悉く失敗し続けた、
理由?一般人では膨大な負荷に耐えられないのだ、しかしその老科学者はその実験に成功した
(まぁ其の過程で膨大な犠牲が会ったのは言うまでもない)それによりその老科学者は悲願の為にかつて自分の故郷であった
世界に戻り優秀な遺伝子を回収し、プロジェクトFならびに、今までの実験で培った実験の総力をあげて悲願成就の為の第1段階を行った、
しかしその企みは結局時空管理局にばれて阻止され→自殺というコンボに繋がった、その成果をトーレとチンクが確保した為、ちょっとした余興でと
その第1段階を完成させたのだ。

…話を巻き戻す。

「終わりましたよ、ドクター」
一人の青年がドクターとその秘書官のいる部屋にやってくる、彼から発するオーラは独特のものであった、
そう長きにわたって死と戦争を掻い潜ったような…
「結果は知っていると思いますが」
「…君達の勝ちだな」
「ええ、そうです」
青年は当然のように答えた。
「で、どうだった?」
「筋は悪くはありませんでしたよ、ええと、トーレとチンクでしたっけ?彼女たちも中々のものでしたよ」
「まぁトーレは戦闘能力ではトップクラスなのだがな、全く君達はすごいよ、最初君達の経歴を見た時は疑ったよ…そんな人間がいるものかと」
「しかし、現実にいた」
「そうだな、認めざるえないよ


           ――――クルト・マイヤー」

――――通路
「うぃ〜〜酷い目にあったッス!」
赤い髪の女性の片割れウェンディは至る所が焦げだらけの状態で呟いた。
「ちくしょ〜〜〜あいつら今度やったときいはこの屈辱倍にして返してやる〜〜〜!」
似たような状況のディードも呟いていた。
「やれやれお前たちもやられたのか?」
「「ト、トーレ姉もやられたん(すか)ですか」」
「ん、まぁな」
ウェンディとノーヴェも驚いた、二人ともトーレの戦闘能力が極めて高いことを知っている、
だからこそ彼女が落とされた事実にたいして驚愕した、そして彼女達の隣をガジェットが通る、
ガジェットにはクアットロが乗せられていた、だがそのクアットロはウェデンディ以上にあちこちに黒焦げが出来た上に、
口から煙を吐いて、手足が痙攣したように動いていた。
「クア姉もどうしたんですか?」
「ああ、何でもシルバーカーテンで産みだしたダミーごと吹き飛ばされたそうだ」
「「ゲゲゲゲゲゲゲゲゲ!!」」
驚く二人、だが二人とも内心「ざまぁみろ」とこっそり思っていたりもする。
59魔装機神:2007/12/23(日) 01:07:52 ID:SOoW0yey
真祖の人が終わったら投下していいですか?
ニシ手もすごい投下祭りだ
60名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 01:09:46 ID:QTZj4Cik
―――研究所 スカエリッティ室
「まぁ、汚いだろうが、掛けてくれたまえ」
スカエリッティと呼ばれる男は先ほどの男、マイヤーを自室の呼び出した、そしてビーカーを取り出し、
ブランデーを注ぐ、それに顔をしかめるマイヤーに対してドクターは
「ああ、安心しておけ、きっちりと消毒している」
スカエリッティはビーカーに注いだブランデーを飲み干す、それに安心したのかマイヤーもブランデーを飲み干した。
「全く、とんだ拾物だったよ君達は」
「はぁ」
「思い出すよ君たちが目覚めた時・・・」

「な、何で私が生きているんだ、とうかここはどこ!」
生体ポットから蘇った時、マイヤーは真っ先に叫んだ、そして復活した7人の男も似たような声を上げていた、
そしてドクターが何故目覚めたか、そして老科学者との繋がりなどを話した時だった。
「「「「あんのクソ爺!まだ第3帝国の残滓を引き摺っていいやがったのか!」」」」
「どうりで俺達の血液とか寄越せ寄越せ五月蝿かった訳だ!」
そして二人の男が叫んだ。
「「俺はフィンランド人だ!何でまたナチに協力しなきゃいけないんだ!」」
「「「「「「「「うがぁ〜〜〜勘弁してくれ〜〜〜!!」」」」」」」」
そうだこうだの騒ぎがあった、まぁ色々なゴタゴタがあって、スカエリッティの事を「変態博士」呼ばわりして
さらにナンバーズを見てスカに対して集団リンチを加えたりしたのたが、何時の間にか8人の男性はスカエリッティファミリー
の一員になっていった。

「君はあの老科学者の事知っているのかね?」
「ええ、知っていますよ、旧ドイツ第3帝国のフィンランド系ドイツ人の科学者、一時期オデッサと言う組織で活躍していましたが、ある日ばったりと居なくなった…」
「ふむ、資料を読んで君は彼が何を考えているのか分かったかね?」
そして吐き捨てるようにマイヤーは言った。
「第3帝国の復興、其の為尖兵となるクローン兵士作り、そしてアドルフ・ヒトラー総統の復活…おおまかそう言った所でしょう」
「ふむ、君にとって歓迎すべきことではないのかね?」
マイヤーの目を見てスカエリッティは自分が迂闊なことを言ってしまった事が分かった。
「確かに彼のおかげで祖国は復興しましたよ、ですがね、今更第3帝国の復興?冗談じゃありませんよ、
 少なくとも復興した祖国が戦禍に巻き込まれるなんてもう勘弁願いたいですよ」
「そうか、すまなかったな」
珍しくスカエリッティは謝った。
「では、君たちはこれからどうするかね、リンカーコアを植えつけられた死者にして生者、いやクルト・マイヤー」
「まぁ今の居場所がここにしかないから…まぁ彼女達を鍛えるのも悪くはありませんよ」
「そうか…」
61名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 01:11:40 ID:QTZj4Cik
―――後日
「君達にもバリアジャケットが必要だ、だから…」
スカエリッティはナンバーズが身につけているあれを取り出した、そして8人の男たちの顔は凍りつき…そして…

―――廊下
ウーノとチンクは歩いていた、チンクは不機嫌な顔をしていた。
「くっそ〜〜〜〜あいつら」
「どうしたのチンク」
「あいつら、発見者に対する敬意が微塵もない」
「姉と言っても確か彼らの方が長く生きているはずじゃ」
「それもそうだけどな、あいつら揃いも揃って私のことを『ああ、悪いちっこくて見えなかった』だの
『姉?おいおい、お前のようなまな板のチビが姉だって?姉と言うのはトーレやウーノみたいな奴が言うんだぜ』
 とか『お前、好き嫌いはしちゃいかんぞ、背が伸びないからな』だとか、私が一番気にしていることを言いやがって!
 私だって好きでこんな体しているわけではないし、好き嫌いもしてないし、そして…毎日牛乳飲んでいるもん!」
それに微笑を浮かべるウーノ。
「うわーん、ウーノ姉にまで…」
「御免なさい、チンク」
「ああ、そうだ、ドクターは?」
「ああ、あの8人のバリアジャケットを…」
「なぁそれってまさか…」
そう言った時である、スカエリッティが居る部屋から、一斉に何かが殴られる音が聞こえて…
「ご、御免これし(ゴス)、でもデザインは(バキ)、防御力も(メキャ)、性能も(グチャ)、本当だっ(ボカ)、ゆ、許してぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
スカエリッティの絶叫が響き渡る。
「…救急箱必要かな?」
「いや、むしろ病院だな」
まぁ結局軍服をモデルにしたBJにしたそうな。

幾日が過ぎた―――
「うぃ〜〜〜、訓練疲れたッス!」
「あいつら本当に容赦ないからな」
「まぁそれで私たちが強くなるからいいと思うけど」
「・・・・・・疲れた」
至る所傷だらけのナンバーズ達はうめいた、そうあの8人の男達が彼女らの教導官を勤めてから毎日過酷な日々を送る羽目になった、
まだトーレやチンクやセインなどは良かったが、悲惨なのはウェンディ、ノーヴェ、ディードとか新人(セッテはトーレの影響を受け継いだお陰で酷くはなかった)
ナンバーズだった、8人も教導官が教えたこと、それは徹底したチームワークだった、個々の能力を闇雲に使っているだけでは意味がない、ならその能力を上手く
連携して使えば総合的な戦力が上がると…まぁそんなこんなでウェンディ達の戦闘能力や仲間達の信頼も上がっていった、ちなみにクアットロも段々丸くなっていたりもする、
何せしょっぱなからマイヤーに「猫かぶりも大概にせぇよ」と言われた上に、同じく訓練でルーデルと男に毎回悲惨な目にあっていたから。
62名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 01:13:17 ID:QTZj4Cik
――――ウーノの個室
ウーノはベッドの中で目をあける、目に入った光景、そこには綺麗な肉体、適度な筋肉と余分な脂肪が一切ない体、熟睡している男とは何時間か前には熱く融けていた…。
何故…彼に惹かれたのだろうか?ウーノは思った、あの時チンクとトーレが拾ってきた生体ポットから真っ先に目覚めた男、その目は優しさと厳しさを持ち、そして何より
世界や人の汚さを沢山見て行った目…そして望んで復活したわけでもないのに自分の妹達の身を心配し、自ら教導という立場で鍛えて行った背中、本当はドクターの為に駒に
過ぎない自分が…と思ってしまう、だがドクターもそしてこの男も駒と言う言葉に拒絶反応を示した。そしてその男はやさしげな顔で言った「君は人間だ」と…それからかもしれない
…ウーノは微笑むとその男の温もりに身を委ねた、自分とは違う立場、いつかは別れなければない…だけど、今はほんの一時の幸せに身を委ねるのも悪くはない…
再びウーノは目を閉じた、しばらくこうしてもらいましょう…マイヤー。

――――研究室
「いいのですか?」
クアットロとトーレはさっきまでウーノとマイヤーがしていることについてドクターに問うた。
「別にいいと思うけど」
スカエリッティは素っ気無く言った。
「少なくともそれだけの自由ぐらい与えるし、君達だって別に構わないが…」
「はぁ」
「大体、私が仮にも娘のプライベートに突っ込むように見えるかね?」
「「見える(しかも盗聴してそう)」」(即答)
「き、君達私をそんな目で見ていたの?(してねーよ)」
「「うん」」(即答)
「ひ、ひでぇ」
「ん?ウーノ姉とマイヤーさんがどうかしたんスか?」
ウェンディは何を話しているのか分からなかった。
「いや、お前が知るにはまだ早い」
「そうですわね、ウェンディはまだまだオコチャマですから」
「クア姉子供っていうなッス!」


――――教導団達
「出動が決まった」
クルト・マイヤーは7人の男達の中心にして話す。
「ようやくか…」
「目標は?」
「発見され、時空管理局に回収されたレリックの奪還、回収に向かったガジェットは全滅したそうだ」
「ということはかなり上級ランクの魔法使いが居ると言う事ですね」
「ああ、そうだな」
マイヤーは真剣な表情で言った。
「この作戦に参加するのは自由だ、参加するということは…」
「時空管理局に喧嘩を売ると言う事ですね」
一人の男が発言する。
「ああ、そうなる」
だが7人の男はみな同じ考えを持っていた。
「「「「「「「志願します」」」」」」」
ほうと呟くマイヤー。
「いいのかね?」
「ふん、どうせ我々は一度死んだ身、そして我々は今スカエリッティという場所に所属している身なら、その義務に答えるべきです」
「そうか…分かった、だが使用する魔法はすべて非殺傷、万が一に供えて殺傷式を持っていくがね、まぁ我々は古き遺物、
 古きものが新しき者の未来を奪う事は極力避ける、いいな」
一斉に男達は立ち上がり敬礼する。
63名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 01:15:55 ID:QTZj4Cik
――――転送ポート
「ではパンツァー・レーア(装甲教導団)行って来ます」
8人の男達はスカエリッティやナンバーズに向けて敬礼する。

――――某世界
「レリックの確保に成功したか、さすがはクロノ、君のお陰でガジェットの殲滅に成功」
「煽てるなよヴェロッサ、まぁさっさと仕事終わらせて帰りたい」

――――某世界、ちょっと離れた場所
「全員配置に付きました」
連絡が入る、そしてマイヤーの傍らにいる男が呟いた。
「奴ら勝ったつもりでいますよ」
「そうか…なら教育してやれ!」
マイヤーがそう指令すると男達は行動に移る…。


――――聖王教会
「・・・管理局は滅びない、しかし大いなる困難が立ちふさがるだろう、勝者には栄光ある勝利が、
 敗者には生以外すべてを失う敗北が・・・」
カリムは呻いた、何が起きようとしている?

装甲指揮官:クルト・マイヤー
黒い悪魔:エーリッヒ・アルフレッド・ハルトマン
300機撃墜の片割れ:ゲルハルト・バルクホルン
不屈なる殲滅者:ハンス・ウルリッヒ・ルーデル
アフリカの星:ハンス・ヨアヒム・マルセイユ
鋼鉄の虎:ミハエル・ヴィットマン
もう一人の白い悪魔:シモ・ヘイヘ
不動なる抵抗者:レミ・シュライネン

史実に存在した8人の男達によって歯車は大きく変わり始める…

リリカルなのは ストライカーズ 
        パンツァー・レーア
       1話:滅びたもの者へ捧げるセプテット

時空管理局そして高町なのは達にとって最悪の日が訪れる…


            続き…書けたら書きたいな…多分書けるかもorzアシタカラKFCダヨヤッテランネー

以上です、魔装機神の人どうぞ
64魔装機神:2007/12/23(日) 01:19:54 ID:SOoW0yey
それでは投下します
65魔装機神:2007/12/23(日) 01:21:12 ID:SOoW0yey
スーパーリリカル大戦(!?)外伝 魔装機神 THE BELKA OF MAZIKAL 16話 紅蓮のサフィーネ

「さあ、いくわよ子猫ちゃん!」
サフィーネは手にしている鞭状の刃、ローズカッターを自在に操りフェイトへ迫る。
「いくよ、バルディッシュ、サイズフォーム」
『yes saw』
フェイトもバルディッシュを構えて、手に持っている斧状のデバイス、バルディッシュを鎌状の魔力刃が出現する。
それ音同時に、フェイトも高速で移動してサフィーネへと向かう。
「見た目に似合わず、すごい武器を使うのね。そおれ!」
サフィーネはフェイトを確認するとすかさず鞭を振るう。
その鞭はしなりながらフェイトを襲う。
フェイトはそれを時間のスピードでかわし、サフィーネのすぐそばへと迫る。
「そこ!」
そして、サフィーネめがけて横一線に振るう。
その一撃はサフィーネを襲う。
「あん!」
サフィーネはダメージの衝撃でのけぞり、妖しい声を上げる。
しかしすぐに態勢を立て直し、再度武器を構える。
「中々いい攻撃をするじゃない、気に入ったわ。もっとしてきて頂戴、お嬢ちゃん」
サフィーネはそういってウインクをする。
(なんだろう…ものすごく戦いづらい……)
フェイトは何か違和感を感じながらもバルディッシュを構える。
もう少しでなのはたちも来る。
それまでは無理をせず出来るだけ時間を稼ごう。
「じゃあ次は、これでどう!」
サフィーネは構えると、サフィーネの周囲から魔法陣が展開する。
「プラズマランサー」
それを見たフェイトも構え、同じように魔同人を出現させ、そこから雷を伴った魔力が集まる。
「さあ、いってらっしゃい!」
「ファイア!」
そして魔法は同時に放たれ、術者も同時に駆け出す。
お互いの魔力は時にはぶつかり、別のものは術者へと向かう。
サフィーネもフェイトのプラズマランサーを交わしたときだった。
「そこ!」
プラズマランサーは向きを変えて、再度サフィーネへと迫る。
「舞いなさい、ローズカッター!」
しかいs、サフィーネはローズカッターを自在に動かし、ランサーをすべて叩きおとす。
しかし、それは¥がフェイトの狙いだった。
「ハーケンセイバー!」
バルディッシュからカートリッジが射出され、それと同時にバルディッシュを魔力は増大する。
フェイトはバルディッシュを横に振ると同時に、魔力刃の部分のまるでブーメランのようにサフィーネへと迫る。
それは見事にサフィーネに命中する。
しかし、フェイトの表情はさえない。
確かに隙を突いたとはいえ、決して避けれないものではないと思った。
あれがシグナムが相手であれば確実に避けたが防御していただろう。
相手は手加減をしているのだろうか。
「効くう、もっと、もっと私に刺激を頂戴!」
しかし、サフィーネの言葉に先ほどまでの疑問が一気に吹き飛ぶ。
本当に変な人だ。
「けど、お遊びはここまで、お姉さんも忙しいみなのごめんね」
そういって、サフィーネの体が変化していく。
「これって……魔装化!?」
フェイトはマサキがサイバスターになるように、サフィーネも何かに変化するのを見て構える。
そしてあらわれたのは、全体的に赤く、両肩に目の装飾がなされた、どこか不気味さを感じさえるものだった。
「教えてあげるわ、これはヴィーゾル、魔装機とはちがう、呪怨機っていうものなの」
そういって、サフィーネはフェイトに迫る。
66魔装機神:2007/12/23(日) 01:24:49 ID:SOoW0yey
「早い!?」
さっきまでとは桁違いのスピードにフェイトの反応が遅れる。
近づいたと思うと、サフィーネはローズカッターを既に繰り出していた。
フェイトはそれを紙一重で回避するが、サフィーネの猛攻は止まらない。
次々と繰り出される変幻自在の攻撃に、フェイトは防戦一方だった。
回避できるのもあれば、完全に回避しきれずにバリアジャケットや肌が傷ついていく。
(こ、このままじゃ……)
何か対策はないかとフェイトは考える……
この状況を脱出するためには……
その焦りが、フェイトに隙を作ってしまう。
「そこよ、捕らえなさい!」
その一瞬の隙をつかれ、フェイトはバインドのようなもので絡めとられる。
「し、しまっ…!」
フェイトは縛られ身動きが出来ない。
しかも……
「な、なにこれ……」
そのフェイトが縛られている格好は、なんとも形容しがたいものだった。
両手足を一つのべインドでつながれているため、海老ゾリ状態になり、そんなところまでしなくていいだろうと思うとことまでバインドされている。
何かとてつもなく恥ずかしくなって顔を赤くしてしまう。
「これを亀甲縛りっていいますのよ、お嬢ちゃん」
そういって、ゆっくりとフェイトの顎に手をかざす。
そして、フェイトの体全体をなめるように見る。
「それにしても……いけない子ねえ」
そういって、サフィーネはフェイトのバリアジャケットをまとっていない地肌の部分、太ももを優しく撫でる。
「ひゃ!?」
「こんな子供が、こんなエッチな格好をしたら、お姉さん、たまらなくなっちゃう」
いきなりの事で顔をさらに赤くして驚くフェイト。そしてそれを眺めて楽しむサフィーネ。
そして、サフィーネは妖しく両手を器用に動かし、今度は手をフェイトの顔に当てる。
「や、やめ……て……」
何か奇妙な感覚に見舞われながら何とか声を出す。
既に顔も涙目だ。
「あだまだこれからよ、お姉さんがもっといい事を教えてあ・げ・る。今度は禁断の女性同士の口付けを……」
「いいかげんにしろーーーーー!!!」
そんな二人の事に割り込む人影が一人。
その人物は思いっきりサフィーネを殴りつける。
「よくも……よくもフェイトをーーーーーー!!」
「あ、アルフ……」
その人物、アルフは主人であるフェイトに害を及ぼすものをぎらついた目で見る。
アルフは頼れる使い間が来てくれたことにほっとする。
「スティンガーレイ!」
そして、フェイトの上空で無数の魔力で出来た矢がいっせいにサフィーネを襲う。
「フェイト、大丈夫か!?」
そこクロノもやってくる。
「アルフ、早くフェイトのバインドを解除してくれ」
クロノの言葉に何とか落ち着きを取り戻したアルフは無駄に何十にも仕掛けられたバインドを外す。
その間、フェイトは顔を赤くして俯いていた。
ある意味、一番見られたくない人にとんでもない姿を見られた気がする。
「この刺激、ぞくぞくするわ……癖になりそう」
サフィーネもサフィーネで先ほどの攻撃に刺激を感じていた。
ちょうどそのときだった。
「サフィーネ!手前はガキになんつうもんを教え込んでるんだ!!」
先ほどの映像はマサキたちにも流れていて、正直言って子供には悪影響この上ない。
はやてとなのははうわあ……と顔を赤らめ、ツヴァイにいたってはこれはなんですかと聞かれて困ったのだ。
「あら、マサキじゃない。しばらく見ないうちにずいぶん男らしくなったじゃない」
サフィーネも言葉に、へっと言い返すマサキ。
「そういうお前はまた一歩おばさんに近づいたのか?」
「お……おばさんですって!?」
マサキの見え透いた挑発にカッとなるサフィーネ。
67名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 01:26:49 ID:sHspHt8K
存在自体が18禁な人が来ちゃったー!支援
68魔装機神:2007/12/23(日) 01:28:12 ID:SOoW0yey
「へ、反応するって事は認めてるんじゃねえのか?」
「私はまだ21よ!」
珍しく挑発する側に入るマサキ。
そしてディスカッターを手にしようと思ったときだった。
「マサキ、こいつの相手は私に任せろ」
ふっと、マサキとサフィーネの間に割り込むリィンフォース。
「そういえば、あなたとの決着がまだでしたわよね。以前のような遅れはとりませんわよ」
そういってサフィーネは武器を構える。
それに応じて、リィンフォースも構える。
「リィンフォース」
はやてが心配する中、大丈夫だとマサキは言う。
「あいつの強さはお前もよく知ってるだろ?問題ないさ」
マサキの言うとおりで、二人の勝負は終始リィンフォースの優勢だった。
サフィーネが放つ攻撃はすべてはじき返し、逆に彼女が放つ攻撃はすべてサフィーネを襲う。
「すげえ……」
ヴィータは始めてエア楼リィンフォースの戦いに驚きを隠せないでいた。
自分達よりも強い事はある程度は分かっていたが、これほどとは思わなかった。
「シュワルゲフリーゲン」
リィンフォースはヴィータが使っている技を使う。
シュワルゲフリーゲンに魔力を帯びさせる。
「いけ」
それを殴り飛ばし、急速に加速をつけてサフィーネを襲う。
サフィーネはさっと構えるが、それは彼女の横を通り過ぎるだけだった。
「それは囮だ」
シュワルゲフリーゲンに周囲を引かれたサフィーネはリンフォースの姿を見落としていた。
「紫電一閃」
リィンフォースの腕から炎が舞い、その腕で思いっきり殴りつける。
「ああん!」
サフィーネは何か喜びの声を含みながら引き飛んでいく。
「全く、何てやつだ……」
クロノはサフィーネを見てため息を付く。
時空管理局に入り、執務官になってから様々な事件を解決していく上でいろんな人や犯罪者に会ってきた。
しかし、こんなにぶっ飛んだやつも珍しい、とクロノはため息を付く。
ああ、とマサキも頷く。
そのときだった。
マサキはなにかとてつもない力を感じる。
「マサキ、これは……」
クロノ言葉にああと頷くマサキ。
なのは達も自然と表情がこわばる
間違いない。
「やつが、シュウが近くにいやがる」
この感じ、間違いなくシュウ・シラカワ、グランゾンのものだった。
しかし、何か違和感を感じる。
(どこにいやがる……)
マサキは集の反応を頼りに周囲を探す。
そのときだった。
「みなさん、お久しぶりですね」
彼は現れた。
リィンフォースがサフィーネに一撃を加えようとした腕を掴んで。

「な……」
リィンフォースは自分の腕を掴んでいる者、グランゾンがいきなり自分の前に現れて驚く。
「シュウ様……」
リィンフォースは驚いているが、サフィーネはシュウ…グランゾンの姿を見て喜んでいた。
「くっ」
リィンフォースはシュウが掴んでいる腕を振りほどいて距離をとる。
「サフィーネ、私を追って地上に上がってきたのですか?」
シュウのため息が混じる言葉にはい、とサフィーネは頷く。
69名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 01:28:28 ID:m10VWqnD
一つ、真祖の人に言わせて欲しい。キャラぶち壊しまくりだと思う。
70魔装機神:2007/12/23(日) 01:30:30 ID:SOoW0yey
「このサフィーネ、シュウ様の事を考えているといてもたってもいられなくなって、地上に上がってきました」
仕方ありませんねえ、とため息を付くシュウ。
「せっかく上がってきたところ悪いのですが、一度戻ってくれませんか?いろいろと頼みたいこともありますから」
そういって、シュウはサフィーネに何かを伝えると、わかりましたといってサフィーネから転移魔法陣が描かれる。
「中々楽しかったわよ、それじゃあね」
「あ、待ちやがれ!」
マサキは止めようとするが、サフィーネはラングランに戻っていった。
それを確認すると、シュウはマサキたちを見る。
ふと、シュウはなのはを見る。
たしか、彼女は自分はほぼ再起不能になるま痛めつけたはずだ。
「かなりの深手を負わせたはずなのですが……あなたは人間なのですか?」
シュウはなのはに挑発めいた言葉を放つが、なのははそれを気にもせずレイジングハートを構える。
「そんなに怖い顔をしないでください。今回はサフィーネの気を感じてきただけですからね」
それでは、と姿を消そうとするシュウ。
「あーら、つれないわねー。もうちょっと遊んでいきましょうよー」
『オクスタンランチャー、モードB』
その時、彼の背中に何かが直撃する。
「まったく、今度は誰ですか?」
シュウは不思議に思いながら後ろを見る。
そこには、管理局員の服を着ている人物が男女を含めて6人ほどいた。
「あれ?結構本気で撃ったつもりなんだけど」
その女性はけろっとしているシュウを見てあれ?っと不思議そうに見る。
「それほど防御が高いんだろう」
その横にいる人物は冷静にその状況を見る。
その表情は精霊層に見えるが、心の中では驚いているのだ。
「で、あなた達は誰なのですか?」
シュウは彼らについて尋ねたとき、中央にいる一番の年長者と思われる人が自身よりも長い大きさの刀を片手でもち、前に出る。
「我が名はゼンガー・ゾンボルト、悪を絶つ剣なり!」
71魔装機神:2007/12/23(日) 01:32:40 ID:SOoW0yey
投下完了。
やっぱサフィーネがいるだけでやばくなってくる……
やはり彼女には登場を少し控えなければならないか
72魔装機神:2007/12/23(日) 01:42:35 ID:SOoW0yey
って……よく見るとまた五字が大量に……
精霊層ってなんだよおいOTL
73名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 01:55:26 ID:hLBQB+Yu
真祖の人・・・キャラがぶっ壊れてるのはいいんだ、それを言い始めたら某Ko○i作品なんかゥボァ
だがスカの話し方とか・・・口調というか・・・何か違和感ある気がするYO
それともドゥーエ姉さまの変装という伏ry

魔装機神氏
GJ
だが変換ミスww素数を数えて落ち着くんだw


で、前スレ>>641

モンハンネタウケてたの・・・?
てっきりスルーだと思ってた・・・

実は肉を焼くのにも一苦労、せっかくの採取品を落とす
大剣が使えないので仕方なくボウガンや弓で
スカの一世一代頑張り物語が・・・ありません
最後に更生組の元に一枚の写真が届いてドクター以下二番三番が肩を組んで飛竜の前で記念写真
そこには狂気の科学者ではなく、生き甲斐を見つけたさわやかなナイスミドルの姿が・・・w

ありません

単発なのであまり考えてませんww
ネタを使いたいというなら存分にどうぞ
むしろ自分より面白く仕上げてくれる人がいればそれが理想だったり
74名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 02:10:15 ID:89/GhD10
GJ!!です。なのはたちはドイツ軍の制服を着た男達が暴れてたらメッチャ驚きそうです。
続編をお待ちしてます。
>>73
トーレはこの世界にいても違和感が無いから困りますw
スカ博士がバキュームステック装備して、シグナムとかに突撃してほしいです。
剣ではじいてみたら感電してビックリとかw
75名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 02:13:24 ID:wOvxiDzz
ちょwww真祖の人wwww
何でドイツ軍のガチな化け物ばっかwww
76名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 02:17:28 ID:V+tj89fV
ムーミン谷のゴルゴ13まで混ざってるじゃないかwwwwwww
77名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 02:18:49 ID:hLBQB+Yu
いや、ウーノ姉からの贈り物のヘヴィバレルをガンランスに改造w
鬼人化セッテブーメラン&ツインブレイズの無双乱舞www
そして支援とばかりに笛吹きまくるクア姉www

「ウーノぉぉ!!罠はどこだ!!」
「エリア2にトーレが敷き詰めに行ってます」
「ここは4だぞおおお!!!!なんでそこまでいくんだあああ!!!あああ!!!」

アイルー運搬逝き
78名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 03:39:20 ID:m10VWqnD
キャラがぶっ壊れている以前に、真祖の人は登場させる人物の自伝や伝記、
その他の彼らに纏わる資料を読んでいるのだろうか。
流石にその人物に纏わる資料の全てを読破しろとは言わないが、最低でも
擲弾兵や急降下爆撃、不屈の鉄十字エースぐらいは読んでいて欲しい。
擲弾兵を読めば分かると思うが、クルト・マイヤーは戦後の不当な裁判で
禁錮刑に処され獄中にあっても常に戦友とその家族や遺族、奥さんと五人の
子供のことを心配していた男だ。家族と戦友を深く愛していた彼が、ウーノと
寝るとは考えにくい、というよりも考えられない。ちょっと冒涜しているのではないか。
79名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 03:42:42 ID:Td9WYnWJ
あまりの投下祭りに感想が追い付かねえw

とりあえず前スレのなのは×メビウス氏、入院されていたと聞いて心配しましたが、無事復帰されて安心いたしました。
今回もGJです! ダンがジープに乗って来ていなくて良かったなヴィータw

他の職人の皆様もGJでした。
80名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 04:18:44 ID:hLBQB+Yu
まあほら、伝説のスパイだって

「しかし大佐、性欲をもてあます」

な訳だしwww
それは冗談にしても

実際個人だからねぇ・・・場合によっては英雄として祭り上げることすら冒涜と言えるのかもしれないよ・・・?
英雄とて人間だから、それにそういう人物像には案外フィルターがかかるもんだし
自分もそんなに知識があるわけではないんであまり言えませんがね・・・

でも、実在の人物を描写するのだからもう少し気を使った方がいいんじゃないかとは思う
81名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 05:47:01 ID:SIbxW50i
>>80
しかしスカ博士やナンバーズも口調からしてキャラ違うしな。
正直違和感しか感じなかった。
82名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 06:06:47 ID:hLBQB+Yu
>>81
あ、そっちは別
口調が違うとかね、自分的に結構アウト
フェイトがなのはちゃんとか呼んでるジャンルゴロ同人位に駄目駄目
83名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 09:09:20 ID:EsuzoOHe
ゼンガーVSシュウ、それはそれですごいみたいなぁ…零式参式ダイゼンガーどれかなぁなんていう楽しみも
五時に関しては…一度寝かして次の日に見るんです
84名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 10:44:03 ID:168Ee9Uq
>>47
アーケードのAVPを思い出した(サン・ドラドがエイリアンだらけになって、そこに軍人やらプレデターがでてくるゲーム)
85リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/12/23(日) 14:36:12 ID:EyAIq+rA
>>82
口調と言えば仮面ライダーアギトの尾室って劇中では
敬語でしか喋って無いんですよね。
でも明らかに年下ばっかのナンバーズにまで敬語使わせるのはいくらなんでもおかしいんで
タメ口にしたいんですけどそういうのは別に構わないでしょうか?
86名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 14:43:10 ID:7LRPRnqs
>85
オムロンは多分、偉そうに命令口調とか使ってみるけどタメ口以下でしか相手して貰えない。
ましてウーノやトーレには頭でっかち尻すぼみ、かと。
87フルメタなのは:2007/12/23(日) 15:07:51 ID:9r3a53yn
威厳無しとはこの事ですな…

それはともかく、自分の作品の第二話が出来ましたんで、今日の夜8時頃から投下します。
今回は少し長めですが、どうかお付き合い下さい。
88Strikers May Cry:2007/12/23(日) 16:29:18 ID:03lOz77B
俺もデビルメイクライ3クロス、Strikers May Cry の最終話がもうすぐ出来そうなんでチェックしてから投下したいと思います。
9時くらいに投下して良いですか?
89スーパーロボット大戦X:2007/12/23(日) 16:32:26 ID:YXWxoIAl
>>87 >>88
両方とも支援です。
でもその前に5時くらいにスパロボXのおまけを投下したいですがよろしいでしょうか?
ちなみに内容はなのは関連の中断メッセージ集でセリフのみになります。
90スーパーロボット大戦X:2007/12/23(日) 16:59:21 ID:YXWxoIAl
では投下します。

 おまけ
 
 中断メッセージ集(なのは関連)

ヒイロ「・・・」
デュオ「ヒイロ、お前何食ってんだ?うまそうじゃねえか」
ヒイロ「残り物だそうだ」
ヴィータ「残り物の割にはうまそうだな。あたしも食べてみるか」
シグナム「なら私もいただこう」
デュオ「俺も」
デュオ、ヴィータ、シグナム「「「・・・」」」
デュオ「この味は・・・」
シグナム「ヒイロ、これは誰が作ったか知ってるか?」
ヒイロ「シャマルのだそうだが」
ヴィータ「やっぱり・・・」
シャマル「あら、ヒイロ君の他にも食べてるけどヒイロ君、味はどう?」
ヒイロ「味はともかく、食べれるから問題ない」
シャマル「味はともかくって・・・、そんな・・・」


なのは「ひとまずはこれで終わりだね。フェイトちゃん」
フェイト「そうだね。それじゃ寝ようか」
なのは、フェイト「「おやすみ」」
???「・・・」
ヒカル「女の子二人が一緒のベットで寝るなんて・・・、きゃあああああ! 漫画のアイデアが浮かんでくるーーーーー!」


スバル「え、ここで終わりなの!?」
ティアナ「スバル、あんたパソコンの前の人も大変なのよ。少しは考えなさい」
スバル「ごめん、ティア。でも絶対戻ってあたし達の活躍を見てよね」
スバル、ティアナ「「それじゃ、またねーーーーー」」


宙「戦闘機人により壊滅された地上本部と機動六課、スバルの隠された出生の秘密、そしてヴィヴィオを攫われたなのはとフェイトは・・・
次回、スーパーロボット大戦Xにチャンネルセット!! ってこれって鋼鉄ジーグの話ないよな・・・」


セイン「ねえ、ノーヴェ、ウェンディ」
ノーヴェ「何だ? セイン」
セイン「あたしもあんな合体ロボに乗ってみたいよ」
ノーヴェ「あんなロボって?」
ウェンディ「ひょっとして真ゲッターロボのことっスか?」
セイン「そうそう、その真ゲッターってやつ。あれって3人乗りだよね。あたしとノーヴェとウェンディでちょうど3人人数ピッタリ。
でも問題は誰が何に乗るかだよね」
ノーヴェ「そんなもん一つは決まってるよ」
セイン「え?」
ウェンディ「セインは絶対真ジャガー号で真ゲッター2っスよ! だってあれは地面潜るんスよね? ならセインと一緒っス」
セイン「そんなあーーー、あたしも真イーグルに乗ってみたいよ」
ウェンディ「だったらストナーサンシャインって技を叫んで一番迫力のあったほうが真イーグルに乗るでいいんじゃないスっか?」
ノーヴェ「それでいこうぜ。せーーーの」
ノーヴェ、セイン、ウェンディ「「「ストナーーーーーーサンシャイン!!!」」」
一矢「ストナーーーーーーーーサーーーーンシャイイン!!!」
セイン、ノーヴェ、ウェンディ「「「あんた誰(スか)!?」」」
91スーパーロボット大戦X:2007/12/23(日) 17:01:57 ID:YXWxoIAl
甲児「エリオ、キャロから聞いたけどよ、お前その年で女風呂に入ったのかよ?」
ボス「マジでか!?」
エリオ「ええ、キャロに誘われてしかたなく・・・」
ボス「くううう、羨ましい!」
甲児「で、なのはさん達の体、どうだったよ?」
エリオ「え、ええええ!?」
さやか「甲児君・・・、ボス・・・」
甲児、ボス「「さ、さやか(さん)・・・。ごめんなさああああああい!」」


忍「フェイト、お前のバルディッシュって奴に断空剣みたいなのがあるって聞いたけどよ本当か?」
フェイト「バルディッシュザンバーのことだね。あるよ」
忍「思うんだが、お前叫ぶのが下手な気がするんだよな。だから俺の真似をしてみろ」
フェイト「忍の真似?」
忍「そうだ、こう言うんだぜ。やぁあああってやるぜ!!」
フェイト「何か、私には恥ずかしい気が・・・」
沙羅「忍、あんたフェイトに何を教えてるんだい・・・」


ドモン「答えよ! スバル! 流派東方不敗は!」
スバル「王者の風よ!」
ドモン、スバル「「全身! 系列! 天派狂乱! 見よ! 東方は紅く燃えているーーー!!」」
スバル「ティアもやろうよ」
ティアナ「絶対やだ!」


スバル「ここで終わっちゃうのか。そうだロムさんが前にやってた名乗りをここでやっちゃお。ええっと
始まりがあれば、必ず終わりが来る・・・。セーブをすれば、必ずコンティニューがある・・・。人、それを中断と言う。
なんてね、それじゃまたねーーーー」

投下完了です。さてと外伝の話の構成でも考えましょうかな。
92名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 17:10:47 ID:ic93ft+N
GJ!
中断メッセージはどれもツボでした。
特になのはとフェイトが寝てるところをヒカルが反応したり、ドモンとスバル
が原作のあれをやったり。
というか、本当に声付きで聞いてみたいですねw
93リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/12/23(日) 17:19:33 ID:EyAIq+rA
>86
そうすか…。
北條にしてもそうですが個人的にはこの二人は
そんなに情けない奴じゃないと思いますけどねえ。
本編ではとかく割を食う事が多かったですけど。
94白き異界の魔王 外伝:2007/12/23(日) 17:42:01 ID:8VVaVEHl
とりあえず実験のつもりで書いてみました。
プロローグので普通のSS>説明の本文で台本形式>エピローグで普通のSS
と言う形式です

投下してよろしいでしょうか。
95名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 18:00:15 ID:8VVaVEHl
急用ができたので、また今度にさせてください
96名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 18:04:21 ID:ZS6Q14mG
94
はい。投下してください。
97フルメタなのは:2007/12/23(日) 19:56:59 ID:9r3a53yn
人気がないけれど、予告した時間なので投下します。
98名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 19:58:40 ID:SIbxW50i
>>97
(屮゜Д゜)屮
99フルメタなのは:2007/12/23(日) 20:02:03 ID:9r3a53yn
魔法少女フルメタなのは
第二話「流れ着いた兵士達」

ミッドチルダの首都クラナガン。その一角にある時空管理局機動六課隊舎。
先程まで静寂で包まれていたこの場所だが、今ではエマージェンシーコールが鳴り響く騒がしい場所となっている。

「何が起こったん?」
作戦室に入ってきたのは六課の部隊長にしてオーバーSランク魔道士、八神はやてである。「強大な次元振反応を確認、その同地区に大型の熱源が出現するのを感知しました。」
「場所は?」
都市部の外れ、廃棄都市区画です。」
はやての問いに、六課メンバーのシャーリーとグリフィスが答える。
「スターズ分隊を目的地に調査に向かわせてや。ライトニング分隊は出動準備のまま待機や。」
「了解。」

六課フォワードメンバー・スターズ分隊は輸送ヘリ「ストームレイダー」で廃棄都市区画へと向かう。
「ねぇティア、次元振はともかくさ、大型の熱源て何だろうね?」
スターズメンバーの一人、スバル・ナカジマが言う。
「アンタね、それの調査があたし達の仕事でしょ!?」
同じくスターズメンバー、ティアナ・ランスターが呆れ気味に答える。」「あ、そっか。」
「ハァ…アンタは本当にいつもいつも…」
あっけらかんと言うスバルに対し、ティアナは嘆息する。
「にゃはは…まぁガジェットの反応もないし、それ程危険な事にはならないよ。」
スターズ分隊長、高町なのははそんな二人を見て、苦笑しながら言う。
「でも何があるのかは分からねぇんだ。あんまし気を抜くなよ。」
スターズ副隊長、ウ゛ィータが忠告する。
「「はい!!」
「ったく、返事だけは一人前だな…」
「にゃははは…」
とても任務中とは思えない空気のまま、ヘリは目的地に到着した。
100フルメタなのは:2007/12/23(日) 20:03:48 ID:9r3a53yn
「データだとこの辺りの筈だよ。」
「あっ、あれじゃねぇか?」
ヘリから降り、バリアジャケットを装着した四人は、少し広い場所に倒れていた“それ”を発見した。
「これって…ロボットっていうやつ?」
そこにあったのは、8メートル程の大きさの白と灰色の二体の鉄の巨人だった。
「うん…一般的にそう言われる物だろうね。」
ティアナとなのはは静かにそう呟く。

が、スバルはというと…
「すっごーい!!!ねぇねぇティア、ロボットだよロボット、くぅ〜かっこいいー!!」
子供のようなはしゃぎっぷりであった。

「うっさいバカスバル!!」
「あう!」
お気楽な事を普通に言うスバルに、ティアナは脳天チョップを利かす。
「はしゃいでんじゃないわよ!危険なモンだったらどうすんのよ!ですよね、ウ゛ィータ副隊長?」
ティアナはウ゛ィータに同意を求めるが、当の副隊長は、
「ああ…そうだな…」
上の空で聞き流し、目をキラキラさせながらロボットを見ていた。
「………」
完全に沈黙するティアナ。
「あ、あははは…まぁとにかく調査しないとね。」
気を取り直してロボットに近付なのは。
しかし、彼女が軽く表面に触れた瞬間、二機のロボットが光を発した。
「な、何!?」
光は機体全体を覆い尽くし、それが収まった時、そこにロボットの姿は無かった。

「あ〜っ、かっこいいロボットが〜!?」
「なのは、テメェ!!!」
非難と怒号を同時にぶつけるお子様コンビ。
「え、えぇ〜!?」
悲しみと怒りを宿す瞳に詰め寄られ、後退るなのは。
それを呆れながら見ていたティアナだが、ふとある物を発見した。
「皆あれ見て、人が倒れてるわ!」
その言葉に騒ぐのを止める三人。そして前方を見るとロボットのあった場所に二人の男が倒れていた。一人は金髪の青年、もう一人は黒髪の少年だった。
「大丈夫ですか!?」
急いで駆け寄るなのは達。
「…大丈夫、生きてるよ。ロングアーチに連絡、至急医療班を!」
生命反応を確認し、指示を飛ばすなのは。
「ふぅ、あとは…ん?」
連絡を終え、倒れている二人を運び終えたスバルが、何かを見つけて拾った。
101名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/23(日) 20:06:12 ID:fPKK1VIO
あし円
102名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/23(日) 20:06:27 ID:fPKK1VIO
支援
103フルメタなのは:2007/12/23(日) 20:06:57 ID:9r3a53yn
「これって…デバイス?」

「う…」
意識を回復させた宗介は、まず自分がベッドに寝かされている事に疑問を抱く。
(どういう事だ…俺はたしかアーバレストのコックピットにいて、あの光に…)
そこまで思い出して、宗介は飛び起きた。
「クルツ!!」
自分を救う為に巻き添えになった仲間の名を呼び、周りを見渡す。
「すぅ…すぅ…」
隣のベッドでまだ眠っている相棒を見つけて安堵する宗介。
「クル…」
そして手を伸ばして起こそうとした時、部屋の扉が開いた。
「あ、目ぇ覚めたん?良かった〜、ケガとかないのに丸一日も眠ってたから心配したんよ?」
入ってきたのはなのは、はやての二人であった。
しかし、二人の姿を確認した途端、宗介の表情に警戒の色が浮かんだ。
「君達が俺達を助けてくれたのなら、まずはその事について礼を言う。だが、ここはどこだ?君達は誰だ?」
長年の軍隊生活で身に着いた口調と癖がここでも発揮された。
それを聞いたはやて達は表情を少し曇らせる。
「ご挨拶やなぁ〜、こんな美少女が目の前におるのに、他に言うことないん?」
そう言って冗談めかしてセクシーポーズをとるはやてだが、彼を知る者なら誰もが認めるミスター朴念仁の宗介に、それは通用しなかった。
「美しくてもそうでなくても、見ず知らずの人間を簡単には信用できん。第一、君は少女という年齢には見えん。」
言った瞬間、部屋の空気が凍り付いた。はやては先程のポーズのまま固まっていた。
「はやてちゃん…」友人を心配するも、掛ける言葉が見つからないなのはだった。
その後、何とか復活したはやては宗介に自己紹介と幾つか質問をし、彼が管理外世界の人間である事を確信した。
そしてここが魔法世界であるという事実は、起動したデバイスや簡単な魔法を見せることで理解させた。
「何と…だが、しかし…」
今一つ納得しきれない宗介に、背後から声がかかる。
「オメーはいい加減、その石頭を軟らかくしろよなソースケ。」
「クルツ、起きていたのか。」
クルツはむくりとベッドから起き上がり、三人の方に向き直る。
104名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/23(日) 20:07:43 ID:fPKK1VIO
支援
105フルメタなのは:2007/12/23(日) 20:11:45 ID:9r3a53yn
「あぁ、今さっきだがな。それより魔法の世界とはな〜、ぶったまげたぜ。」
「まぁそうだろうね。私も初めて知った時は驚いたよ。」
そう語るなのはにクルツは目を向け、
「あんたも俺らと同じなのか?」と聞く。
「近いところはあるかな。ここへは私の意思で来たんだけどね。」
「ふーん。あ、それより助けてくれた事の礼をしてないな。」
「ええよ、そんなお礼なんて〜。」
「何ではやてちゃんが照れるの…」
「まぁ二人とも関係してるからな、お礼は両方にしなくちゃな。では、まずはやてちゃんから…」
そう言うとクルツははやての手を取り、ゆっくりと顔を近付けて行く。
「ちょっ、クルツさん!?」
突然近寄ってきたクルツの甘いマスクに、はやては顔を真っ赤にする。「大したことはできねぇけど、せめて俺の熱いベーゼを…」
だが、彼の唇がはやてのそれと重なる事は無かった。なぜなら…
「はやてから離れろおおお!!」
遅れてやって来たヴィータが状況を瞬間的に判断、起動したグラーフアイゼンをクルツに叩き付けたからだ。
「ぐふぅ!!!」
クルツは勢いのままに吹き飛び、壁面とキスすることとなった。
そんな中、宗介は一言、
「良い動きだ。」とだけ言った。
物事に動じない男であった。

騒ぎが収まった後、はやては二人に話しかけた。
「ほんでな、今日うちらが来たのは見舞いだけやのうて、二人に話があったからなんよ。」
宗介、クルツの両名は顔を見合わせる。
「話とは、一体何だ?」
「うん。二人とも、一般人やのうて、何処かの組織と関わりのある人やろ?」
それを聞き、二人は表情を硬くする。
「何故そう思う?」
「宗介君のしゃべり方、クルツさんの着てた戦闘服、何より二人の持ってた認識票と拳銃。一般人と信じろっちゅー方が無理や。…本当の事、話してくれへん?」
何も言い返せない二人。宗介は少し考えた後どうしようもないと判断し、事情を話し始めた。
「俺達は、ミスリルという紛争根絶を目的とした組織の兵士だ…」
機密には触れない程度の情報、そしてここに来たおおよその経緯を話す。
「その光に飲み込まれた後、気付いたらここにいた。間の事は何も覚えていない。」
「…成程な。大体の事情は分かったわ。」
話を聞き終えたはやてはそう言った。
「まぁ今の話聞いたんは局員としての仕事の一環や。必要な所以外では話さんから安心してや。」
「助かるぜ、はやてちゃん。」
口元を綻ばせてクルツが言った。
「で、もう一つだけ聞きたい事があるんや。こっちは私の要望が主なんやけどな。」
「何だ?言ってみろ。」
「うん。君達二人、魔道士になる気はあらへん…?」

続く
106フルメタなのは:2007/12/23(日) 20:15:05 ID:9r3a53yn
以上です。区切り方が変ですね…すいません。
第三話の投下はしばらく後になると思いますが、必ず書いてきます。
107名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 20:19:12 ID:EqHfhMFq
GJ!
偶然来てしまっただけの他世界の他組織所属の人間をすぐ勧誘っすか、はやては節操ねえなあ。
戦力になるかどうかしか考えてねえのかよ。
108名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 20:21:14 ID:pxx98bv5
正直改行の仕方などがあまり良いとは言えないので今度ご自分で読み返して
おかしなところをなくしたほうが良いかと思いますよ
109名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 20:28:38 ID:RkUgUwMv
>>107
テンプレみたいなもんだからぁ。某所のクロススレでほとんどのキャラが契約のキスをかわせないみたいに。
110フルメタなのは:2007/12/23(日) 20:34:13 ID:9r3a53yn
≫108
ご指摘ありがとうございます。
今後はもっと研究し、読みやすい文章を書くように努力します。
111名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 20:46:58 ID:pxx98bv5
≫110
いえいえ、こちらも差し出がましいかと思いつつも
フルメタは好きでしたのでつい言ってしまいました。
これからも頑張ってください。
112Strikers May Cry:2007/12/23(日) 21:08:22 ID:03lOz77B
とりあえず完成したんでデビルメイクライ3クロス、Strikers May Cryの最終話の投下しても良いでしょうか?

最終回に必要な要素は前回出し尽くしたので蛇足みたいな内容です。

今回は会話シーンが多くてなんか不安ですが……
113名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 21:09:13 ID:dDwXaQkT
支援準備ー
114名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 21:09:51 ID:zqJ7sX7F
>>112
GO!
115Strikers May Cry:2007/12/23(日) 21:11:53 ID:03lOz77B
それじゃあ投下します。
前回のバージル兄さんとシグナム姐さんの”膝枕事件”に我慢ならなかった方は今回の話は見ないほうが良いかもしれません。

今回はそれ以上なので……
116スーパーロボット大戦X:2007/12/23(日) 21:12:45 ID:YXWxoIAl
支援だ
117Strikers May Cry:2007/12/23(日) 21:15:55 ID:03lOz77B
魔法少女リリカルなのは Strikers May Cry 最終話「Dance With Devil」

狂気に溺れた科学者と悪魔にその身を堕とした背徳の司祭の邪悪な野望は誇り高き魂を持つ半魔の双生児の力により終焉を迎えた。

スカリエッティの逮捕により機動六課もその役目を終え、その日六課は部隊の解散を迎えることとなる。
はやてによる六課解散の挨拶が終わり、フォワード一同は六課隊舎を眺めながら短くも激しかった記憶を思い起こしていた。
そして隊舎を見つめる4人の中からスバルがおもむろに口を開く。
「六課ももう終わりか〜なんだか寂しいね〜ティア」
「子供みたいなこと言ってんじゃないわよ」
「う〜またひどいこと言ってる〜ティアのイジワル〜」
「でもまあ…確かに少し寂しいわね。そういえば六課が解散したらスバル、あんたは災害救助の方に行くんだっけ?」
「うん。ティアはフェイトさんの執務官補佐だよね」

六課解散に伴いスバルは以前から入隊を考えていた特別救助隊への入隊が決まり、ティアナはフェイトの下で執務官補佐に就く事となっていた。
「ええ。ところでエリオとキャロはどうするのよ?」
「えっと、僕達はキャロのいた自然保護隊に…」
「却下だ」
エリオがティアナの質問に答えようとした時、その背後に銀髪の影が現れてエリオの返事に割って入る。
「って、ええ!! バージルさん!?」
振り返った4人の背後には六課制服に身を包んだバージルが立っていた。

「えっと…その、却下って一体?」
エリオは自分の希望配属先について突然否定され恐る恐るバージルに聞き返した。
バージルはそのエリオに少し厳しい顔を見せると、エリオの隣にいたキャロにも視線を向けて口を開いた。
「以前聞いたのだが、テスタロッサはお前達の母代わりだそうだな?」
「…はい」
「そうです」
バージルはふと視線をエリオとキャロから移す。
その視線はすこし離れを歩きながら談笑する隊長陣、その中にいたフェイトに向けられた。
バージルにつられて視線を移したエリオとキャロは不思議そうな顔をしてバージルの言葉の真意を測りかねた。
フェイトが母親代わりという事と自然保護隊への移動を否定される話が繋がらない。
バージルはフェイトに視線を向けたまま小さい声でエリオとキャロに語りかける。

「家族で共に過ごせる時間………決して無限ではない、せめてもう少し一緒に過ごしてやれ」
それは過去に家族を、母を突然に奪われたバージルだから言える言葉だった。
小さな声の中にも万感の想いの込められたバージルの言葉にエリオとキャロは彼の不器用なその優しさに胸を打たれる。
「その…はい!」
「分かりました!」
エリオとキャロの事を案じるバージルの言葉に二人は元気よく答える。

その様子を見ていたティアナも亡き家族を思い少し物思いにふける、彼女の横ではスバルが感動的な場面に鼻水まで出して泣いている。
「ぐすっ…うんうん、やっぱり家族は一緒が一番だよ。ずずっ(鼻をすする音)ティア〜ハンカチかティッシュ頂戴〜」
「まったくアンタって子は…はい」
「ありがと。ち〜〜ん」
スバルはティアナから貰ったティッシュで思いっきり鼻をかむ(年頃の女の子なんだからもうちょっと上品にしなさい…)そしてバージルにおもむろに話を移した。
「そういえばバージルさんは六課が解散したらどうするんですか?」
「まだ具体的には決めていないが…」

バージルがそこまで言うとスバルはまるで子犬のように目をキラキラさせてバージルの手を掴むとブンブン上下に振る。
「それならそれなら〜是非とも私と一緒に災害救助隊に来てくださいよ〜!!」
「いや、俺はな…」
「ちょっとスバル! 何を勝手なこと言ってんのよ!! えっと…それならバージルさん…その…私と一緒に…フェイトさんの執務官補佐とかどうですか?」
スバルの強引な勧誘を受けるバージルにティアナが顔を少し赤らめながらそんな事を言った。
「ティアずるいよ〜そんなツンデレモードで言ったらポイント高いじゃん」
「何よツンデレって!? 私はバージルさんの事を考えて言ってるのよ!」
「それなら僕達と新しい配属先を探しませんか?」
「待ってエリオ君。バージルさんはまだ嘱託契約の魔道師だからその前に正式に局入りの準備をしないと!」
「そうだね。それじゃあ最短コースで武装局員の士官学校に入って…」
「そんなのダメ〜お兄ちゃんは絶対に救助隊〜。救助隊向けのレスキュー隊員要請コースに行って私と一緒〜」
「バカスバル!! あんたはまたそんな呼び方して…ワガママ言ってんじゃないわよ!!」
118名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 21:17:41 ID:Kb/3xdTl
支援
119Strikers May Cry:2007/12/23(日) 21:19:38 ID:03lOz77B
「いいじゃん、別にバージルさんは嫌がってないんだし〜。ですよね? バージルさん」
「その呼び方は断る」
「あう〜バージルさんもイジワルだよ〜」

そんなバージル達の下に小さな影が駆け寄って来た。
「おに〜ちゃ〜ん」
そう言いながらヴィヴィオがバージルの下に駆け寄りバージルに思いっきり抱きついた。
「なんだヴィヴィオ?」
バージルは抱きついて来たヴィヴィオの頭を優しく撫でて聞き返す。
「ヴィヴィオずるい! 私もバージルさんをお兄ちゃんって呼びたい〜ナデナデして欲しい〜」
「こんのバカスバル!! ちょっとは自重しなさい!!!」
この日もまたティアナの見事な突っ込みがスバルの脳天に決まった。

とりあえずスバルとティアナのドツキ漫才を華麗にスルーしたバージルはヴィヴィオに話を戻した。
「それでどうしたヴィヴィオ?」
「なのはママがみんなをよんでたの」
「高町が? そういえば訓練場に来いと言っていたな。では行くぞお前達」
「「「「はい!」」」」
バージルの言葉にフォワードメンバーは元気よく答える。
訓練場に来たバージル達はそこに咲き乱れる桜吹雪の見事な花弁の雨に目を奪われた。
「見事な桜だな…」
舞い散る桜吹雪にバージルは思わず感嘆の言葉を漏らし、フォワードメンバーもまたその美しい情景に息を飲む。

「卒業式に桜はつきもんやろ〜。よ〜来たね皆、ささこっちに来てや〜」
そこにははやてを含む隊長陣にギンガを加えた6人が待っていた。
「なのはママ〜」
ヴィヴィオはなのを確認するとバージルの下から勢いよく駆け出して彼女に抱きついた。
バージルはなのはに抱かれるヴィヴィオを優しく見守りそっと微笑を投げた、その彼にシグナムが声をかける。

「遅いぞバージル」
はやてやなのは達の下にフォワードメンバーが集まり、自然バージルとシグナムは二人きりになった。
桜舞う中でバージルは静かに口を開き、シグナムに問いかけた。
「シグナム……一つ聞きたい」
「なんだ?」
「俺はあの娘に…ヴィヴィオに兄になると言った…」
「らしいな」
「だが血の繋がらぬ…そのうえ半魔のこの俺に…本当にそんな資格があるのか……」
バージルのそんな言葉にシグナムは彼の瞳を真っ直ぐに見つめながら、間を置かずに答えた。
「あるさ」
「随分と簡単に言うのだな」
「ああ………私も今の家族とは血の繋がりはないからな」
「そうなのか?」
「ああそうだ。なあバージル、私はこう思う……」
シグナムは言葉を紡ぎながらフォワードメンバーと話していたはやてやヴィータを一瞥し、その視線をまたバージルに向けて言葉を続けた。

「…きっと家族であることに血の繋がりは関係ない。相手を想う心があれば家族になるのは簡単な事だ」
「………そうか」
「とにかく。そろそろ皆の所に行くぞ!」
シグナムはそう言うとバージルの手を引いて隊長陣やフォワードメンバーの下に向かって歩き出した。
「分かった、だからあまり引っ張るな…」
バージルは困ったように言葉を漏らすがその表情はひどく柔らかいものだった。

「それじゃあフォワード一同整列!!」
フォワードメンバーはヴィータの言葉に一列に並び、なのはとヴィータから今までの成長を褒める言葉を投げかけられる。
「あたしはこの1年間褒めたことなかったが、まあお前ら随分強くなった…」
「…みんな本当に強くなった…もう立派なストライカーだよ」
そんな4人を褒めるなのはとヴィータの言葉におもむろにバージルが口を開いた。
「まったく甘すぎだぞ高町、鉄槌……こいつらはまだ不完全な部分が多すぎる…」
基本的にフォワードメンバーに対してはどの隊長陣より厳しいバージルである、なのは達の賞賛の言葉に口を挟むのかと思われた、だが彼の口から出てきたのは意外な言葉だった。
120名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 21:19:45 ID:RJoXMnQC
支援
121Strikers May Cry:2007/12/23(日) 21:21:42 ID:03lOz77B

「だが先の戦いで強大な悪魔を打倒し、その力を調伏した腕前……見事なものだった」
「バージルさん…」
「バージル…お前」
なのはとヴィータはバージルのその言葉に思わず声を漏らす、そして成長した4人にバージルは最高の賞賛と笑顔を見せた。
「胸を張り誇りとしろ、お前達は強い。もはや俺から教えることは何一つ無い!!」
「「「「はい!!」」」」
そのバージルの言葉に込められた想いにフォワードメンバーは涙を堪えて元気よく返した。

「それじゃあ始めようか」
なのははそう言うと何故かデバイスを取り出し、隊長陣も同じくデバイスを取り出し構えた。
「ふえっ?」
その隊長陣の様子にスバルがマヌケな声を上げる、そしてなのははデバイスを構えながら口を開いた。
「全力全開! 機動六課の最後の模擬戦!!」
「リミッターも外れたしな、お前らも相棒持って来たろ?」

ヴィータの言葉に驚愕の覚ましたフォワードメンバーは笑みと共に自身に宿った悪魔の力を解放した。
「行くよマッハキャリバー、ベッキー!!」
「クロスミラージュ、アフターイメージ(影の分身)最初っから飛ばして行くわよ!!」
「ストラーダ、クイックシルバーの時間加速、最高速度で使うよ!!」
「フリード、ケルベロスと融合して行くよ。凍結能力完全解放!!」

白き破壊の魔獣と融合した鉄の拳を持つスバル、意のままに動く影の分身を得たティアナ、加速する時を駆ける高速の槍騎士エリオ、氷結の獄犬と融合し三つ首の氷竜となったフリードを従えるキャロ。
悪魔の力を得た4人の力はもはや隊長陣に脅威を感じさせる程に強大なものへと変わっていた。
「にゃはは…さすがにこれは凄いね」
「まったく…これ反則じゃねえのか?」
「そんな事無いです! 隊長達とは魔力量も戦闘経験も桁が違うんですから!!」
4人の力に呆れるなのはとヴィータにスバルが慌てて反論を入れる、そしてスバルはその視線をバージルに移して話しかけた。
「そうだバージルさん! こっちに来てくださいよ〜♪ バージルさんも加わってくれたら絶対勝てますから!!」
スバルは六課最強(機動六課内裏ランキング byシャーリー)のバージルにすかさず勧誘をかけたのだ、その早業は勧誘王と呼ばれたはやても舌を巻くほどだった。

「いや、俺はこちらに付かせてもらおう…」
だがバージルはそう言うと隊長陣の側に立ちフォワードメンバーを一瞥して渇を入れた。
「その悪魔の力、この俺に見せてみろ! 今日は本気で行くぞ!!」
そのバージルの言葉にスバル達はガクガク震えて怯えだす。
「ほ、ほ、ほ、ほ、ほ、本気で戦うんですかああああ!?」
「死ぬ…今日は絶対死ぬ…」
スバルとティアナはもう涙ぐんでいる、本気を出すと言った闇の剣士の戦意に“ストライカーも泣き出す”。
「キャロは僕の後ろに隠れて! キャロが逃げる時間は稼ぐから!!」
「そんな…エリオ君だけ残して逃げられないよ!! そ、それに死ぬなら一緒だから…」
「…キャロ」
「…エリオ君」

フォワードメンバーはもう死ぬ覚悟になっていた、そんな所に気さくな声で銀髪の悪魔狩人が現れる。
「おいおい〜バージル、子供相手に大人気無えぜ」
何故か六課制服を着た(ネクタイ無しでYシャツボタン開けまくり)ダンテがやって来たのだ。
「帰った筈のお前が何故ここにいる? 店はどうした? というかその服はなんだ?」
「それがよ〜、まだ店の修理は終わってねえし、悪魔退治の仕事は同業者の女に取られちまってトマトジュースを買う金も無いと来た。
それをはやてに言ったら“ピザくらいご馳走する”って言うから遊びに来たんだよ。
あとこの服ははやてが“着てみろ”って言うから着てみた」
「そうか。しかしダンテ……お前そんな営業方針でちゃんと仕事になるのか?」
「まあなんとかするさ。ところでまだ店の名前を決めてねえんだけど、なんか良いアイディア無いか?」
そんな兄弟のやりとりを見ながらはやては満足そうな顔をして呟いた。
「やっぱイケメンは何着てもええな〜」

その時スバルが満面の笑顔でダンテに擦り寄ってその腕を思い切り掴んだ(ちなみに、ベオウルフと融合して尖った指先が食い込んでかなり痛かったりした)。
「ダンテさん! ダンテさん!! こっちのチームに入って下さい!! 向こうにバージルさんが入って蝶ずるいんです!!」
「いててっ……随分と強引な嬢ちゃんだな〜。まあ良いぜ。それじゃあ久しぶりに兄弟で遊ぶかバージル?」
122名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 21:24:28 ID:dDwXaQkT
ダンテキタwwwwwwwww
123Strikers May Cry:2007/12/23(日) 21:24:53 ID:03lOz77B
「いいだろう。しかしお前の武器は非殺傷設定に出来るのか?」
ダンテの二丁銃と魔剣は非殺傷設定なんて便利なものはない、しかしダンテは意外な答えを返す。
「ああ、それならさっきメガネの嬢ちゃんに専用弾とデバイスとか言うの貰ったぜ〜。それにこっちの魔法とかもはやてに聞いたら大概の基本は覚えたしな」
「そうか、しかし随分と用意が良いな。八神お前まさか……」

「その“まさか”や〜!! さあダンテさん管理局入って〜な♪」
「それじゃあこの試合で勝ったら考えてやるぜはやて」
「よっしゃああ!! この模擬戦は絶対に負けれへんでええええ!! イケメンゲット作戦第二段や!!」
「にゃはは…その話からするとバージルさんの勧誘は第一弾なのかな…」
「その通りや! さあみんなフォーメーション組んで行くで〜。一切の抵抗を許さず鏖殺したるんやああ!!」
「はやて今日は絶好調だね…っていうかダメだよ鏖殺は……」
もう止まれないくらいの勢いでハイテンションになっているはやてに、なのはとフェイトが呆れた風に口を開いた。
バージルもそんな盛り上がる六課メンバーの様子に呆れた顔する。
「まったく、これではまるで宴だ」
「いいではないか。最後くらい賑やかな方が楽しいだろう?」
バージルの横に並んだシグナムが随分と楽しそうな顔で語りかけてきた。そのシグナムにバージルは苦笑して返す。
「そうだな……それも悪くは無い」

そんな二人を見たはやてがさらにハイテンションで天元突破した。
「くうおらああああ!! そこは何をイチャついとるんやあああああ!!! っていうかシグナム距離近い!!!
バージルさんと一番フラグを立てとるのは私なんやから勝手に手を出したらあかんのやあああ!!!!(はやて主観)」
はやてはそう絶叫すると、突然何か悪巧みを考えた時の黒〜い笑みを見せてさらにこう続けた。
「ええ事思いついたで〜。こうなったら模擬戦の内容変更! タッグバトルロイヤルで優勝したらなんでも部隊長特権で叶えたるで〜!!
っという訳でなのはちゃんタッグ組んで〜♪ 即効最強砲撃で全員撃沈して優勝! そして正式に美形兄弟は私のモンに…ぐふふっ」
はやてが嫌〜な笑顔をなのはに向けた時には既に全員のタッグチームは完成していた。
以下タッグチーム。
スバル&ティアナ、エリオ&キャロ、なのは&フェイト、ヴィータ&ダンテ、シグナム&バージル、はやては自然と残ったギンガと組む事となる。
「なんて事やあああ!! 一番しょぼそうなタッグ相手やあああ!!!!」
「ちょっ! それヒドイですよはやてさん!!」
ギンガがはやてのぶっちゃけトークに嘆くなかで、各タッグチームはそれぞれに戦意を燃やす。

「よし! ティアがんばって優勝しよう!! そしてバージルさんは私のお兄ちゃんに!」
「あんたって子は……まったく」

「がんばろうねキャロ」
「うん」

「フェイトちゃんは優勝したらどんなお願いする?」
「そうだな〜。それじゃあバージルさんにヴィヴィオの事をよろしく頼もうかな?」
「にゃはは、それはお願いしなくても大丈夫だよ」
「だね」

「よろしく頼むぜ小っちゃな嬢ちゃん」
「誰が小っちゃいだ! まったく本当にお前バージルの兄弟なのか?」
「まあな。でも俺の方が二枚目だろ?」
「付き合ってらんねえな…」

「なんか他のタッグチームの方がキャラ立っとる。これはもう勝てへんな〜」
「私ってそんなにキャラ弱いですか……天国のお母さん、それでもギンガは負けません!」

まるで愉快なパーティーのように姦しく騒ぐ六課メンバーとダンテを見てバージルは微笑を浮かべて呆れ返る。
「まったく本当に騒がしい……」
そんなバージルに彼の横に立っていたシグナムが笑顔で返す。
「確かにな…まあダンテではないが、ダンスパーティーと言うのも悪くないだろう? それとも私がダンスの相手では不足か?」
「お前以上のパートナーはいないだろうな………ではシグナム、俺とお前の剣舞を存分に見せてやるとするか!」

「みんながんばれ〜」
124Strikers May Cry:2007/12/23(日) 21:27:33 ID:03lOz77B
ヴィヴィオがそう言うと同時に、ひどく愉快で騒がしい最高のダンスパーティーが始まる。
その楽しき舞踏に魔剣士と烈火の将は肩を並べて笑い合っていた。




Epilogue 「Crazy Wedding」

機動六課が解散してしばらく時が経ったある日、聖王教会本部にある小さな礼拝堂。
そこである男女の婚礼の儀つまり俗に言う結婚式が執り行われていた。

少年は着慣れないタキシードを着込み、少女もまた着慣れないドレスに身を包んでいた。
「キャロ、ドレスよく似合ってるよ」
「そうかな……そう言うエリオ君もタキシード似合ってる、カッコイイよ」
「えっと…ありがと」
互いに顔を赤くしながらそんな会話をするのは、六課解散時よりほんの少し成長したエリオ・モンディアルとキャロ・ル・ルシエであった。

元六課隊長3人なのは・フェイト・はやてそしてヴィヴィオは同じテーブルに座り。この祝いの式を楽しんでいた。
「まさか“あの二人”が結婚するとはね〜」
「以外だったよね」
ドレスを着たなのはとフェイトが新郎新婦について語るそして同席していたはやてはひたすら酒を喰らっていた。
「先越された〜先越されたで〜ウイ〜ヒック。なんでこの超美少女に彼氏の一人もおらんっちゅうねん〜」
「うわっ…はやてちゃんもう出来上がってるよ」
「ははは(最高に乾いた笑い)…まあはやてらしいよね」
「でも“あの二人”っていつから付き合ってたのかな? フェイトちゃんは知らない?」
「私も詳しくは知らないんだ。でも結構デートとかしてたみたいだよ」
「そうなんだ」
「ウイ〜それだけやないで〜ヒック」
完全に酔っ払い親父と化したはやてがグラス片手になのはとフェイトの会話に割って入った。
「“あの二人”結構お泊りとかしとったんやで〜。エロエロや〜“あの二人は”エロエロ妖怪や〜」

「なのはママ、エロエロってなに?」
「まあ…その…ヴィヴィオは知らなくて良い事だよ。はやてちゃんお酒はもうそのくらいで…」
「うるさいわ〜これが飲まずにいられるか〜」
はやてがそんなバカ騒ぎをしている中、ふとフェイトは祭壇の前の新郎新婦に目を移した。
「でも……確かに幸せそうで妬けちゃうね。ちょっと羨ましいかな」
「うん、“二人”とも凄くお似合いだよ」
「ヴィヴィオもけっこんしたい〜♪」

「確かにな〜やっぱ祝ったらんとな〜ひがんでる場合とちゃうわ」
「その通りだよはやてちゃん。でも…」
なのはは視線をまた祭壇の新婦に向けて呟いた。

「……本当に綺麗だね“シグナムさん“」
125Strikers May Cry:2007/12/23(日) 21:28:54 ID:03lOz77B


教会礼拝堂の祭壇の前に男、バージルは立つ。
いつもは軽くかき上げた銀髪を整髪量でオールバックにして整え、婚礼用の白いタキシードに身を包んでいる。
管理局制服やいつもの青いコートも似合うバージルだが、その白いタキシードを着た姿は一段と凛々しく。
どこぞの王族や貴族であると言われても誰もが否定できぬ程に威厳と気品に満ちた眩しさを放っていた。
そんなバージルの顔はいつも通りの端正な表情だが、付き合いの長い人間ならば彼がそれなりに緊張していると分かるだろう。
常に冷静なバージルもこの日ばかりは身体に走る緊張を抑えるのに必死だった。

そのバージルの目の前に対するように女、シグナムは立つ。
常の彼女を知る者にその姿が信じられようか。
シグナムはいつもポニーテールに纏めていた髪をストレートに下ろし、花嫁にのみ着用を許された純白の衣装ウエディングドレスに身を包んでいる。
そして緊張と不安と恥じらいそして何より喜びにその頬を朱に染めていた。
ヴェール越しに見えるその顔は儚さすら感じる程の美しさである。
花嫁をよく天使に例えるがシグナムにその表現は似合わないだろう、恥じらいの中にも気品を持つ彼女の姿はむしろ女神とすら呼べるものだった。

そしてその二人が今、教会司祭の言葉と共にそっと唇を交わそうとした………

その刹那、突然礼拝堂のステンドグラスが砕け散り異形の怪物が飛び込んで来た。

「ぐはははっ! やっと見つけたぞスパーダの息子! 俺は魔界108大悪魔の一人グロンギ! 今日こそ貴様の命を頂くぞ!!」
その悪魔はご丁寧に人語で語ると周囲に部下の下級悪魔を大量に呼び出す。

普通の人間なら怯え逃げ惑うところだろうだがその悪魔の襲撃に式に参列していた元機動六課組や管理局員の反応は早かった。

「ベッキー全力全壊で行くよ」
「影の分身の力、たっぷり味合わせてやるわ」
「クイックシルバー発動!」
「ケルベロス融合!! フリード、全力で行くよ!!」
機動六課元フォワードメンバーが以前よりさらに力を増したその悪魔の力を解放、さらに隊長陣も負けじとデバイスを起動した。
「出番の無かったウサをここで晴らす!! 行くよレイジングハート!!」
「それじゃあ私も。バルディッシュ、プラズマザンバー最高出力で行くよ!!」
「何か知らんけど。とにかく大暴れや〜。リィン、融合して行くで〜」
「まあ、みんなホドホドにな…やるかアイゼン」

元機動六課のメンバーはシャマルやヴァイスを含めた人間まで殺る気マンマンで全力全壊の戦闘体制を準備している。

さらに礼拝堂のドアを蹴破って新郎と同じ顔の銀髪に赤いコートを着た悪魔狩人が銃やロケットランチャーを持った金髪やら黒髪の美女を引き連れて現れた。
「こりゃまた派手な結婚式だな〜悪魔にも招待状送ったのかいバージル?」
「タダで悪魔狩りなんて気が進まないけど。せっかくの祝いの席なんだし派手に行くわよダンテ」
「それはいいわねえ、それじゃあ私もちょっと本気で殺ろうかしら?」
126名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 21:29:05 ID:dDwXaQkT
シwwwwグwwwwwwナwwwwムwwwwww
127名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 21:30:01 ID:dDwXaQkT
支援
128スーパーロボット大戦X:2007/12/23(日) 21:30:22 ID:YXWxoIAl
なんじゃこりゃああああああ!!
はっはっはっ、もはや笑いが止まらん・・・。
129名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 21:30:56 ID:whmfR3t8
何いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!???????????

支援
130Strikers May Cry:2007/12/23(日) 21:31:00 ID:03lOz77B
「ノリノリだな〜レディ、トリッシュ。それじゃあ楽しいウェディングパーティーと行こうぜ!」


その様子にバージルはヤレヤレといった具合にこめかみを押さえて溜息を吐く。
「ふうっ。まったく、どうして最後まで静かに終われんのだ…」
溜息まじりのバージルの言葉にシグナムは不敵な笑みを浮かべながら返した。
「せっかく魔界から来たのだ。せいぜい歓迎してやろう」
「そうだな。祝儀の代わりは命で払ってもらおうか」

そのバージルとシグナムの下に融合機アギトが二人の得物を持って飛んできた。
「シグナム〜、バージルの旦那〜。受け取りな」
バージルとシグナムはアギトの言葉と共に投げ渡された閻魔刀とレヴァンティンの刃を即座に翻し悪魔達に向けた。
「時間が惜しい、10分で終わらせるぞ」
「10分? 1分の間違いだろう?」
その言葉にバージルとシグナムは顔を見合わせると互いに苦笑した。
そして二人は炎の魔剣レヴァンティンと魔を喰らう妖刀閻魔刀の双刃と共に剣舞を舞い始めた。



これは伝説の序章、後に数多の次元世界で語り継がれる英雄の物語。
家族を失った悲劇に心を闇に堕とした魔剣士は魔道の栄し世界へと下り立ち、夜天の王とその仲間達に出会った。
烈火の将の熱き心と無垢なる少女の慟哭に優しき人の心を取り戻した魔剣士は将を生涯の伴侶として永く人々の為その剣を振るったという。

人々は彼をこう呼び称え敬った“伝説の魔剣士バージル”と。

終幕。
131名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 21:32:48 ID:Kb/3xdTl
ちょwwwお前等wwwwww支援
132名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 21:34:49 ID:ERIn5yVp
職場のなのにニヤついてしまう
どうしてくれるんだwww
133名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 21:35:20 ID:EsuzoOHe
まさかそっちとはwww
134名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 21:35:40 ID:dDwXaQkT
ニヤニヤが止まらねぇwwwww

けど終わりなんだよなぁ
135戦国の鉄の城:2007/12/23(日) 21:36:02 ID:wN1o+KV2
お疲れ様!!そしてGJ!!
不覚にもシグナムとバージルの二人に萌えて(燃えて)しまった俺。
いやだってホント御似合いなんだってば・・・。くそ、にやけ顔がとまらねぇ。
そう思うのは俺だけ?
136名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 21:36:48 ID:Dca4C8vI
いやまだ番外編などがある。
しかし凄いメンツだw
137Strikers May Cry:2007/12/23(日) 21:38:13 ID:03lOz77B
投下終了………やっちゃった。
今回の話に“我慢できない!”とか“俺のシグナム姐さんに!”等の実にまっとうな怒りを抱きになられた方は前回までの話を最終話にして頂きたい。

何ていうかね……シグナム姐さんのカップリング相手がヴァイスだけっていうのが不満(ヴァイス自体は凄い好きですが)でして。

だってシグナム姐さんの伴侶ならやっぱり剣技で彼女を上回らないとダメだと想っていたのでこんな話になりました。

とにかくこれにてSMC終幕です、もし良ければそのうちナンバーズとバージルの番外編を投下したいと思っていますがどうでしょうか?
138名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 21:38:19 ID:RJoXMnQC
>「出番の無かったウサをここで晴らす!! 行くよレイジングハート!!」
ちょwwwwおまwwwww

何という意外?なラスト。でも、良かったです。まさか結婚まで行くとは。
139名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 21:39:01 ID:RJoXMnQC
番外編支援
140戦国の鉄の城:2007/12/23(日) 21:39:30 ID:wN1o+KV2
>>137
番外編?是非やっていただきたい!!
141スーパーロボット大戦X:2007/12/23(日) 21:39:47 ID:YXWxoIAl
>>137
番外編があるのですか?それなら支援です。
しかし、番外編は本編とは時間軸は関係ないものになるのですか?
142Strikers May Cry:2007/12/23(日) 21:43:58 ID:03lOz77B
SMC番外編は事件後のナンバーズの話と事件中のスカリエッティ地下施設での話の二つを考えてます。
143反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/12/23(日) 21:45:41 ID:/U07yDxI
まず最初に一言。
俺のルル×スバをそこそこの形で成立させたことで得られた邪な自尊心返せorz

…ともあれお疲れ様でした!
全体通して見れば分かりますが、バージルも氏も成長しましたねぇ…自分は成長できただろうか…

ペア組んだ辺りからラストまでの流れで、血+の「語り継ぐこと」が脳内再生されました。
やはり昼間にDMC手描きMAD見た影響かなぁ…
…悪魔乱入後も再生されてたのかって? それはそれでアリだろう?w

何はともあれGJ!
番外編も楽しみにしておりますよ〜♪
144名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 21:48:32 ID:yBMlkxKo
GJ!!
ドレス姿の姐さん……綺麗だろうなあ……。
ともあれ二人ともお幸せに!!
それと悪魔自重w
145スーパーロボット大戦X:2007/12/23(日) 21:49:52 ID:YXWxoIAl
>>142
なるほど、わかりました。
本編中と本編後の話と言う事ですね?
いや待てよ、事件後なだけで最終話の途中と言う事かな?
146名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 21:54:05 ID:mCpHfn1Y
シグナム「働きたくないので仕事は無論、家事も頼んだ」
バージル「…ビキビキ」

そして、離婚へと(ぉ
147フルメタなのは:2007/12/23(日) 21:54:17 ID:9r3a53yn
GJです!

最終回なのは残念ですが、バージル兄さんとシグナム姉さんが幸せになって良かったです。
番外編の方も期待してます。
148名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 21:55:11 ID:ERIn5yVp
ダンテがらみの話も見てみたいようなw
149名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 21:59:16 ID:whmfR3t8
なんかさ、シグナム姉さんがドレス着てると、塵骸のイグニスを思い浮かべるな
150名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 22:00:47 ID:o06lYS5c
>>149
塵骸?風の人しか覚えてませんねー
151Strikers May Cry:2007/12/23(日) 22:03:55 ID:03lOz77B
いけない!! 大事な事を書き忘れました。

支援及びGJを送って頂いた方々! ありがとうございました!!!!!
152戦国の鉄の城:2007/12/23(日) 22:09:19 ID:wN1o+KV2
>>151
いやいや、こちらも素敵なバージル兄貴を見させてもらいましたよ。

で、いきなりですが15分になったらホンダム投下しようかと。
ちょっと苦しいけど俺、がんばる(何
153戦国の鉄の城:2007/12/23(日) 22:16:18 ID:wN1o+KV2

魔法少女リリカルBASARAStS 〜その地に降り立つは戦国の鉄の城〜

第二話「忠勝と機動六課」

「しかし・・・驚きましたよ。いきなりこんなもの持ってこられて・・・」
「すまんなぁ、どうしても調べてほしかったんよー。」
ここは機動六課のデバイス整備室。ここに機動六課の部隊長、八神はやてとデバイスマイスター、シャリオ・フィニーノがいる。二人の目の前には機能を停止した本多忠勝。
機能停止した忠勝を皆で運んできた・・という経路でここに忠勝がいる。転送魔法使えよと後に誰かにつっこまれた。
シャリオが半ば呆れながらも忠勝を見て、はやてにわざと聞こえるようにぼやく。
「何でここに連れてきたんでしょうか?まず医務室に行かせるべきだと思いますが・・・。」
「いや、このでかさで医務室に入れるわけないやん。」
はやては苦笑して反論、次第に腹黒い笑みを浮かべる。
「でも、シャーリーもちょお興味あるんやないか?こんなすごいバリアジャケットとデバイス。きっと驚くこともイッパイあるで?」
シャリオはその腹黒さに反応するかのように怪しい笑みを浮かべた。
「そうですねぇ・・・。気を失ってるところ悪いですがいろいろと調べさせてもらいましょうか。」
シャリオは嬉々とした表情で忠勝の両脇に置いてある装置をいじり始める。はやてもどことなく嬉しそうだ。
忠勝の体を光が包む。
「全長2m超え・・・体重は約一トン・・・ありえない・・・。」
顔から輝きが消え、次第に驚きへと変わる。
出力、装甲、武装、すべてがミッドチルダにはないものだった。調査結果を何度も見通す。
「・・・!!」
そして一つの項目でシャリオの顔が青くなる。
はやてもさすがに不安になって項目の結果を覗く。
「生命反応はあるのに・・中身が全部機械やて・・!?こいつ・・・ガジェットの仲間・・!?」
はやてはとんでもないものを拾ってきてしまったとちょっと後悔した。
「でも・・今までのタイプにはない形ですね・・ミッドチルダにはない物質でできてますし・・第一助けてくれたんでしょう?」
「そうなんやけどなぁ。」
三人して調査結果を覗く。・・・・ちなみに三人目は機動を開始した本多忠勝、その人であった。
二人とも振り向き、硬直。一人はそんな二人の状態に首を傾げる。
「・・・・・きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
数秒後、大きすぎる二人の悲鳴が聞こえた。
154戦国の鉄の城:2007/12/23(日) 22:17:04 ID:wN1o+KV2
「・・・で、こいついったい何者だ?はやて。」
数分後、悲鳴を聞いたなのは達が乱入して忠勝は何もしていないのにバインドをかけられることで騒ぎは収まった。ただし人数が増えていた。
ヴィータになのは、シグナムにフェイトが増え、まさに隊長陣勢ぞろいである。ちなみにフォワード陣は廊下で待たされている。
忠勝はというと隊長陣の前で正座で座っている。正座で座っているはずなのに皆より大きいのだからまた驚き。
「それがわからないんよー・・・。敵じゃあないことを信じる限りなんだけど・・」
はやては顎に人差し指を添え、考え込む。フェイトが忠勝の顔を覗き込み、質問する。
「あなたのお名前、教えてくれませんか?」
「・・・・・・」
忠勝は答えない。前にも書いたように忠勝は「喋れない」のだ。
あたりを見回しメモ帳とペンを見つける。その二つを指差した。
「・・・?あれを貸してくれって?」
フェイトの問いに忠勝は頷く。フェイトは少し疑問に思ったものの、相手に不安を与えるわけにはいかないので素直にメモ帳とペンを手渡す。
そして第二の問題発生。忠勝は戦国時代出身。だから「ボールペン」なる物を握ったことがないのだ。もちろん見るのも初めて。
ボールペンを手に取り、ペン先を出さないまま書こうとしたためもちろんメモ帳は白紙のまま。
何回もペン先が出てないボールペンで文字を書こうとする。オロオロする忠勝。苦笑する隊長陣。しまいには吹き出す者もいた。
「え・・・えーと、こ・・これはね?こうやって・・・」
なんとか笑いを堪えながらボールペンのペン先を出すフェイト。もう一度文字を書くと今度はちゃんと書けている。
書いている最中の忠勝はちょっぴり恥ずかしそうだった。
「我、本多忠勝也。」
これがメモ帳に書いた答えだ。
この名前を見ると皆どこかで聞いたことがある名だと考え込む。必死に悩むなのは達を見て忠勝は結構有名である主の名前を出すことにした。
サラサラとメモ帳に文字を書いていく。もう使い慣れたのかというツッコミも聞き流す。書き終わるとその紙を皆に見せた。
「主の名前は、徳川家康。」
「うぇえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?」
なのは、はやて、フェイトが叫ぶ。
徳川家康といえば徳川幕府を築いた人物で歴史の教科書で何回もその名前を見てきたし、先生の口から聞いてきた。
その徳川家康がこんなものを持っていたとは聞いたことがない。ましてや、全身機械など戦国時代ではありえない。
「忠勝さんて忠勝さんて・・・えぇぇぇぇ!?嘘っ!?えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
ただどうしようもなくオロオロするなのは。
「た・・ただ・・・ただ・・・だ・・・忠勝さん!?うそじゃないよね!?」
一番近くにいたフェイトがしどろもどろになりながら忠勝に迫る。
忠勝はその異様なオーラに押されながらも頷く。
「狂ってる・・・絶対その戦国時代狂ってる・・・。」
へたり込むはやて。ちなみにシグナムとヴィータは話についてこれていない。
そんな中ついていけてない中の一人であるシャリオが恐る恐る手を上げ
「その・・・忠勝さん・・でしたっけ?これからどうするんですか?」
シャリオの言葉を聞いて皆はっとした。地球の戦国時代の住人(仮)がミッドチルダにいる。それは一つの答えに結びついていた。
ここにいる本多忠勝は「次元遭難者」なのだと。はやてはうーんと唸り、やがて何か思いついたように忠勝を見つめる。
「忠勝さん、うちらのところに来る気あらへん?」
なのは達はまた叫びそうになるのを抑え、それでもなのはは慌てながらはやてに問う。
「忠勝さん魔法使えないんだよ!?・・素直に民間人として・・・」
「んなこと言っても受け入れてくれるところあると思う?」
「うっ・・・・」
「だから機動六課に入れたほうが手っ取り早いと思うん。物騒やし・・・このまま街中で生活させても不便なだけやし・・何より、恩返しってのもあるんよ。」
仮に入れたとしていろいろ問題がありすぎる。メンバーリストに名をいきなりのせるわけにもいかない。
メンバーを入れたら入れたでちゃんと上に報告しなければならないなど社会の厳しさという壁がある。
フェイトがその点について聞くと・・・。
「忠勝さん、来客がある日は訓練所にいてくれへんかな?訓練用のドローンとして。」
恩返しと言っておいていきなりひどい扱いである。だが忠勝はここにお世話になるならこのくらいしなきゃならないだろうと思っていた。
ドローンとは何かわからないが誰かが来客するときは置物になっていればいいのだろうと勝手に解釈。
・・そんなこんなでなのはやフェイトの反対を押し切り、いろいろ矛盾点を残しながらも忠勝は機動六課にお世話になることに。
155戦国の鉄の城:2007/12/23(日) 22:17:50 ID:wN1o+KV2
そんなわけであくる日の朝。来客がある日には訓練所で目覚めるのだが今日は来客の予定はない。
忠勝は宿舎の設けられた一室で目を覚ます。部屋とはいっても物置を急遽改装して作られた部屋なのだが本人はあまり気にしてはいない。
部屋を出て、誰もいない廊下を歩き外に出る。まだ外は完全に日は昇っておらず、まだ薄暗い状態だ。
腕組をして風景を眺める。やがて日の光があたりを照らし始める。これが六課に住んでからの日課であり密かな楽しみ。
「あ、忠勝さん。おはようございます。」
「おはようございますー。」
「キュクルー」
忠勝が振り返ると少年と少女、そして一匹の竜がいた。忠勝は頭を軽く下げて挨拶をした。つられて二人もお辞儀をする。
さて、その少年はエリオ、少女はキャロ。そして竜はフリードリヒ。ちなみに忠勝はフリードリヒと対面したとき大層不思議そうに首を傾げていたそうだ。
この二人が出てきたということは今日はライトニングが訓練装置の準備係なのだろうか。こんな小さいのにしっかりしてるなと忠勝は心から感心した。
二人と一匹が訓練所に向かう。それからしばらくして蒼いショートカットの少女とオレンジのツインテールの少女が出てきた。
「ただかつさーん!おはようございますー!」
「おはようございます。」
忠勝は先ほどと同じように軽く頭を下げて挨拶。
蒼髪の少女はスバル。オレンジの髪の少女はティアナだ。この二人と自己紹介した時はスバルが目を輝かせながら忠勝を見ていた。
ティアナはやっとスバルから開放された忠勝をさりげなく励ましたりしていた。
そして二人の背中を見送る・・・はずだった。
「あ、そうそう。忠勝さんも訓練所に来てくださいって、なのはさんが言ってました。」
「・・・・?」
この後特に予定はないがなんで呼ばれたんだろうと疑問に思いつつもついていくことにした。
自分の武器を持って来いと言われたのが非常に気になったのだが。
(これは主が言っていた「理由を考えたら負けだ!」というやつなのだろうか?)
156戦国の鉄の城:2007/12/23(日) 22:18:38 ID:wN1o+KV2
と・・・投下終了。
どうしても削れない矛盾ってあるもんだなぁ・・。
157スーパーロボット大戦X:2007/12/23(日) 22:23:27 ID:YXWxoIAl
さすが、ホンダム。
戦闘機人よりもやばい存在なのは間違いないな。
忠勝はこの後、どうなるんでしょうね?
158名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 22:27:31 ID:SIbxW50i
ボールペンに苦戦するホンダム萌え
しかしホンダムは全身質量兵器の塊だからなあ。どうすんだろう。
あれか、六課脅威の技術力
159魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS:2007/12/23(日) 22:29:00 ID:4fgBD4Cj
お疲れ様でした。
珍走団テイスト丸出しの伊達政宗のデモを見て、バカ受けした作品とのクロスとは…、
これからどんなハイテンションのバトルが見れるか楽しみです、頑張ってください。
これから一時間後に、今度は自分が投下しようかと思います。
160戦国の鉄の城:2007/12/23(日) 22:34:40 ID:wN1o+KV2
>>159
あいあい、了解しました。
あのゲームはホンダムの紹介を見て「やべ!これ買うべ!!」と思って買ったわけで(ry
161リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/23(日) 22:46:47 ID:vQDPHkL4
メイクライさんGJ
そして結婚式のシーンを読んでて私の小説世界の大介がFIRST一文字の如く

「俺の負けか…上手くやれよ。」

と言ってドレイクグリップをその場においてゼクトロンに乗って立ち去るというのを妄想してしまった私をお許しを…

番外編も待ってます。
162魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS:2007/12/23(日) 23:24:00 ID:4fgBD4Cj
えー。
では一時間たちましたので、投下したいと思います。
163名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 23:27:17 ID:2glCX0Cy
おおっ!!ちょうどトランスフォーマーを観てたところです!
投下支援!
164魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS:2007/12/23(日) 23:29:18 ID:4fgBD4Cj
「主はやてから、ある程度話は聞いていたが、状況は相当酷いようだな」
シグナムが深刻な表情で言いながらなのはの方を振り向くと、なのはは暗い表情で
膝の上に置いた手を見つめていた。
「フェイトちゃん…」
突然、ヴィータがなのはの前にやって来て、彼女の顔に両手を当てて自分の方を振り
向かせて大声で言った。
「テスタロッサは大丈夫だ、そうだろ!? なのは!!」
周囲の人間が、驚いて振り向くのも構わぬヴィータの剣幕とその真摯な視線に、なのは
は眼を見開いてヴィータを見つめる。
続いて、シグナムが励ますように笑顔で言った。
「なのは、テスタロッサはかつて、お前のスターライトブレイカーの直撃にすら耐えた
のだろう? ならば、前線基地一つが壊滅する程度の攻撃では死なんよ」
「シグナム。それ、フォローになってねーんじゃ…?」
ヴィータが白けた表情で言うと、シグナムは鼻白んで天井を見上げながら言った。
「む…そ、そうだな…」
なのはは首を横に振り、微笑みながら言う。
「ううん、今まで色々と大変な事はあったけど、私もフェイトちゃんも――」
なのははそこで一旦言葉を切り、二人の肩に手を置いて、再び話し始める。
「そして、みんなの力でそれを乗り越えていったんだよね。
ありがとう。ヴィータちゃん、シグナムさん」
なのはが多少ながらも力を取り戻したのを見て、シグナムとヴィータは互いに顔を
見合わせ、笑みを浮かべた。
165名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 23:30:10 ID:SIbxW50i
カモ(屮゜Д゜)屮ーーーーン
166魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS:2007/12/23(日) 23:35:09 ID:4fgBD4Cj
実用性に優れた、質素な家具が並ぶ広い洋間。
部屋の中央部にはテーブルがあり、そこには二つの高級ソファーが向き合う形で配置
され、一方には恭也・美由希とヴィヴィオが座っている。
反対側に座るのは、コバルトブルー一色に統一されたパスリーブクレリックシャツと
ロングスカートの、桃子と同年代で、オパールグリーンの髪に額に紋章の入った女性。
ボストンレッドソックスTシャツに迷彩色のハーフパンツを穿いた、犬耳と尻尾を
生やしたオレンジ髪の少女。
ロボットのおもちゃで遊ぶ二人の子供をあやす、黒の半袖ポロシャツに白のカジュアル
パンツの、二十代前半の栗色のショートヘアーの女性。
彼女たちは、窓際に表示されている空間モニターを真剣な表情で見つめていた。

「現在のところ、基地及びその周辺で生存者が確認されたという情報は、残念ながら
入っておりません」
モニターには、演壇に立ったゲラー長官が、フラッシュを浴びながら記者や視聴者に
向けて語りかけている。
「しかし、政府は、生存者の捜索と救出に全力を尽くすべく、次元航行部隊を当該
世界へ向けて緊急派遣し、事件についても、現在総力を挙げて調査中です。
この残忍かつ一方的な攻撃の重大性、攻撃の規模と、推定される犠牲者数の多さを
鑑みて、元老院は時空管理局統合幕僚会議の諮問に同意し、管理内外世界総ての部隊に
DEFCON3体制を発令。最高レベルの防衛準備体制に移行しております」

「なのは達が慌てて帰っていったのは、このためか」
恭也は、モニターを見ながら呟く。
「ごめんなさいね、久しぶりのなのはちゃん達との再会に水を差すような事になって」
ティーカップを持った、オパールグリーン髪の女性が申し訳なさそうに言うと、美由希
が首を横に振って答える。
「リンディさんが謝る事はありませんよ。むしろ、娘さんが行方不明ですごく心配でしょう」
リンディ・ハラオウン次元部局執務統括官は、硬い表情でカップのお茶を少し飲んでから、
小さく言う。
「そうね。血の繋がりはなくても、大切な娘だから…」
167名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 23:36:49 ID:2glCX0Cy
こちらブラックアウト支援する!
168名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 23:37:41 ID:SIbxW50i
諸君 支援だ
169魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS:2007/12/23(日) 23:38:07 ID:4fgBD4Cj
「フェイト…」
リンディの隣に座る、オレンジ髪の少女が不安げな表情でモニターを見つめながら
言うと、栗髪の女性が少女に問いかけてきた。
「アルフ、フェイトちゃんの気配とか何か感じない?」
エイミィ・ハラオウンの言葉に、フェイトの使い魔アルフは、目を閉じて意識を
集中する。
「ダメ、世界が違うから何も」
アルフはしばらくして目を開き、体の力を抜いて天井を仰ぎながら言った。
「でも、フェイトが助からなかった場合、契約が消滅して…魔力供給に影響も出る
はずだから…」
アルフから続いて出た言葉に、リンディは期待を抑えきれない口調で言った。
「じゃあ、フェイトはまだ…」
「確証はないけど、生きてるとは思う」
アルフの言葉に、リンディにエイミィとヴィヴィオの表情が少し明るくなり、恭也
と美由希は顔を見合わせて頷いた。
「フェイトママ…今、どうしてるんだろう……?」
ヴィヴィオは、遠い世界で必死に生き残ろうと戦っている、もう一人の母親を憂え
ながらぽつりと呟いた。
170名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 23:40:53 ID:2glCX0Cy
支援
171魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS:2007/12/23(日) 23:42:13 ID:4fgBD4Cj
すみません、本日はここまでです。
この後に、壊滅した基地から脱出し、巨大な砂漠をさ迷うフェイト以下の陸・空魔導師部隊
へと移ります。
なんとか、明日にはUPしたいですね。
172戦国の鉄の城:2007/12/23(日) 23:46:18 ID:wN1o+KV2
>>171
お疲れ様です。
ちょっとずつ差し込む希望の光・・・なのかな?
とにかく次回に期待というやつか!(オイ
173反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/12/23(日) 23:50:15 ID:/U07yDxI
GJですよ〜。
果たしてフェイトはどうなってしまうのでしょうか…
…あれ? SLBの直撃も基地の崩壊に巻き込まれるのも、フィクション的には実はそんなに大差ないようn(ry

さてと…新年会の話題でテンション上がってたり、
買ったDVDについてた黄金のガオファイガーをニヤニヤしながらいじってたりした今日ですが、
何とかクリスマス短編を間に合わせることができました。
というわけで、久々の「コードギアス 反目のスバル」、0:30くらいに投下おk?
174Strikers May Cry:2007/12/23(日) 23:56:01 ID:03lOz77B
いつの間にか戦国氏とTRANSFOMERS氏が投下してた! GJ。
特にボールペンに戸惑う忠勝萌え!

反目氏……遂にルルが帰ってくるんですね! もちろん投下はOK! 支援体勢です!!
175ネオシャドームーン:2007/12/24(月) 00:06:46 ID:pZ+eiH6d
トランスフォーマー! 最高! 特にオートボットとディセプティコンの
戦いのシーンが面白いよ
176戦国の鉄の城:2007/12/24(月) 00:11:06 ID:JM687xkp
投下ですか!どんと来い!でございますよ。
177リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/24(月) 00:13:11 ID:iBCwf1j9
支援です。
それと反目さんの次に新話投下おk?
178魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS:2007/12/24(月) 00:20:47 ID:zI0NPkc0
皆様、感想ありがとうございます。
私もさらに頑張って、いい話にしていこうと努力いたします。
次の反目のスバル様も、頑張ってください。
179反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/12/24(月) 00:22:52 ID:hUYZWKDJ
それでは、ちょっとだけ早いですが投下します。
推奨BGMはやはり血+エンディングテーマ「語り継ぐこと」。
そもそもSMC氏のエピローグ読んでてそれが脳内再生された原因の一部が、そこにもあるわけでして。
…ああもう、DMC手描きMAD、そしてそれ以上にグレンラガンの神絵師MAD最高!
180コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/12/24(月) 00:24:35 ID:hUYZWKDJ
Epilogue それから

「――ディバイディング・ドライバァァァァァァァーッ!!!」
少年の絶叫が、真冬のミッドチルダに響く。
高々と飛び上がった少年・エリオのストラーダが、勢いよく地面に突き立てられた。
黄色い閃光がストラーダの穂先を中心とし、凄まじい光度をもって周囲へと満ちていく。
数秒後、そこには満足げな笑みを浮かべるエリオと――恐ろしく綺麗に空いた直径約20センチの穴があった。
「ほら、見てください皆さん! ちゃんと空間湾曲に成功しましたよ!」
「…まさか、本当にやりやがるとはな…」
驚きを通り越した、呆れにも近い表情でヴィータが感想を漏らした。
ヴァイスが感心した様子で口笛を吹き、シャーリーがはしゃいで手を叩く。
この日は旧機動六課のメンバーで集まった同窓会の日だった。
そして、会場の店へ入る前にエリオが「見せたいものがある」と言い出し、今に至る。
彼が放った技は、空間を曲げることで周囲への被害のない戦闘フィールドを形成する技である。
約3年前、「ある人物」の贈り物をきっかけに練習を始めたこの技が、遂に先日、形を成すようになったのだ。
今は小さなフィールドしか作ることはできないが、
このまま形になっていけば、管理局にとって画期的な魔法となりうるだろう。
「にゃはは…あの娘様々だね」
少し離れた場所から見ていたなのはが、
練習する度に訓練場の足場を破壊していた日々を思い出して笑った。
「うん…本当、彼女にも見せてあげたかったね」
しみじみとした笑顔を浮かべ、隣のフェイトが言う。
この同窓会には、1人だけ、欠けているメンバーがいた。
自分が信じるもの、守りたいもののためにただひたすらに走り抜け、あらゆる障害とがむしゃらに戦った少女だった。
今はどこにいるのかも分からない。どうしているのかも分からない。
「アイツも…元気でやってるでしょうか?」
少女の相棒だったティアナが、不安げになのは達へと尋ねる。
「…大丈夫。きっと、同じ空を見てるはずだよ」
なのははそんなティアナに柔らかく笑いかけ、空を見上げた。
彼女に悲しい顔は似合わない。きっとどこかで能天気に笑っているだろう。
たとえどこにいても、大切な人と共に、そうして同じ空を見ているだろう。
このクリスマスの雪空を。
181コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/12/24(月) 00:25:47 ID:hUYZWKDJ
一面に広がる雪原を、白い息を吐きながら、1人ルルーシュは歩いていた。
暮らしてみて分かったことだが、北海道の積雪量は半端じゃない。
辺り一面雪景色というのは形だけ見ればロマンチックだが、いざ暮らしてみるとなると、歩きづらいことこの上なかった。
やがて黒髪の青年は、郊外の簡素なログハウスへとたどり着いた。
孤高の革命家として戦いに明け暮れた1人の修羅。
ここが、かつてその修羅だった男の、帰るべき場所。
「ルルーシュ〜!」
と、横合いからルルーシュを呼ぶ声がした。
心を削る激戦の中で全てを投げうってきた彼が、その疲弊した心を許すことのできる、ただ1人の人。
どれだけ殺そうと、どれだけ汚れようと、自分と共にいてくれた、最愛の人。
「えへへ〜、見て見てこれ〜」
無邪気な緑の瞳が、ルルーシュに笑いかけていた。
あの戦いの日々は短かった青い髪は、もう腰まで届きかけている。
「また見事な雪だるまだな」
少女が見せびらかした大きな雪だるまを見て、ルルーシュは疲れも忘れて微笑んだ。
彼女はいつもそうだ。いつもいつも、そうして楽しそうにしている。
(だから…俺も自然と楽しくなれるんだよな)
ルルーシュはそのまま雪だるまへと歩み寄っていった。
「帰ってきたら驚くかな〜って思って、一生懸命作ったんだ♪」
「フッ…結構驚いたが、まだまだもう一歩だな」
「それじゃ、今度は2mぐらいの作ろうかな?」
「先に言っては意味ないだろう」
いたずらっ子のように笑う少女を見て、ルルーシュは苦笑する。
この少女には感謝していた。
普段こそこうだが、3年前のあの日、彼女はズタボロになりながらも、自分を守ってくれた。
それまでの生きる意味を失い、失意のどん底に落ちていた自分の、新たな生きる意味になると言ってくれた。
絶望の暗闇の中で、彼女の涙は光となった。
(だから、俺はこうしてここにいられる)
ルルーシュは雪だるまへと手を伸ばす。
と、不意に深い雪に足を取られ…
「うわあぁぁぁっ!?」
雪だるまへとダイブした。
大きな雪だるまは粉砕され、残骸によってルルーシュは雪まみれとなる。
とっさの出来事に、彼も少女も言葉を失ったが、
「…ぷっ…あははは…大丈夫ルルーシュ〜?」
やがて少女がさぞ愉快そうに笑い出す。
「はは…ははは…」
ルルーシュもまた、つられて笑った。
スバル・ナカジマは、今日も笑っていた。
182Strikers May Cry:2007/12/24(月) 00:27:11 ID:cMdxcLUF
うわっ!! もう投下してる、みんな支援だ!! 久しぶりにルルが帰ってくるぞ!!!!
183コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/12/24(月) 00:27:31 ID:hUYZWKDJ
ルルーシュが雪を払い終えた後、2人は手近な丸太の上に並んで座っていた。
「ん〜、やっぱ寒い日はこういうのが美味しいね〜♪」
スバルがハフハフ言いながら頬張っていたのは、ルルーシュが買ってきたピザまんだ。
赤い中身が多少なりともクリスマス的ではあるかと思って、チキンと一緒に買ったのである。
(…Never End…)
ルルーシュは粉雪のちらつく空へと思いを馳せる。
たとえ夢が叶おうとも、笑顔を見せることはないと思っていた。
自分の夢のための道は、終わることなき戦いの道だと思っていた。
だが今は、こうして笑っている。
夢が叶ってすらいないというのに、戦いの道から解き放たれ、平穏に笑っている。
(たとえ予期せぬ結果になろうとも…)
自分を取り巻くものにひたすら裏切られ続けようとも。
世界が自分を拒絶し、夢を取り上げ、吐き出そうとしようとも。
同じ目線で自分を見てくれる、たった1人のささやかな支えがいるだけで、心穏やかにいられることもある。
(…そうだろう、ナナリー?)
空の向こうのどこかにいるはずの、あの小さな幸せへ向けて、ルルーシュは問いかけた。
そして、ふっと笑みを漏らし、自分のピザまんを一口頬張った。
傍らのスバルは、そんな彼を穏やかな笑顔で見つめ、同じ空を見上げる。

――見てくれているよね、ナナちゃん…なのはさん…みんな。

彼方の仲間達と共に、此方の愛する人と共に、スバルはクリスマスの雪空を見上げていた。
指を彩る緑の宝石が、優しく輝いていた。
184反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/12/24(月) 00:30:11 ID:hUYZWKDJ
投下完了。
短い文章ですが、久しぶりに反目世界のスバルとルルーシュを書けたことを嬉しく思います。
そして今でこそ、声を大にして言えます。
…「コードギアス 反目のスバル」、これにて完結っ!
本来の外伝に当たる前日談は、残念ながら時間の都合でお蔵入りとなってしまいましたが、皆さん応援ありがとうございました!
…二期とのクロスによる続編は、何かもう色んな意味で無理です!(ぇ

そして、もう1つお知らせ。
ウロスで1日反応を見た結果、リレー小説イベント「リリカルなのはクロスSS新年会」、開催することにしました!
職人の方も非職人の方も、1月3日からの一定期間は、お気軽に参加してくださいませ。
…ただ、自分は先週に前クロススレ立てたばかりなので、スレ立てできそうにない…
どなたか代わりにスレ立ててくれる方を募集します。テンプレはこちらで作成しますので
185Strikers May Cry:2007/12/24(月) 00:33:30 ID:cMdxcLUF
短い……だがそこに込められたルルーシュとスバルの穏やかな時間がひどく心に染みる。

二人の静かな日々がNever End(永遠)でありますように。

GJですよ。
186戦国の鉄の城:2007/12/24(月) 00:35:42 ID:JM687xkp
>>184
お疲れさまっしたー!!(何
GJ!GJ!
ハッピーエンドで何より何より!
・・・・あれ?ディバイディング・・・あれ?
187名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 00:43:06 ID:H2aKQAAj
>>184
ルル…幸せになれてよかったよ……

んで、企画の件だけど
スレ立てじゃなくて避難所かどこかでスレをたてる、とかしてみるのはどうでしょうか?
188名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 00:48:41 ID:ZcPC6VLN
職人GJ!

戦国BASARAか・・・ホンダム以外にもアニキやこじゅや佐助あたり出して欲しいな
敵は信長かもしくは松永とか・・・秀吉なんてきたらどんな反応するんだろ
189反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/12/24(月) 00:49:04 ID:hUYZWKDJ
皆様感想どもです。

>>187
んーと…前々から頻繁に出てたその「避難所」という単語ですが、
自分はそれが何を意味しているのかよく分からんのですよorz
気軽に投稿できる場所なら、それに越したことはないのですが
190リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/24(月) 00:51:52 ID:iBCwf1j9
反目さんGJ
コードギアスは見たこと無いけど、ルルの幸せを祝福するっす。
次投下おk?
191Strikers May Cry:2007/12/24(月) 00:54:49 ID:cMdxcLUF
+仮面ライダー氏、支援!!
192リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/24(月) 00:55:55 ID:iBCwf1j9
二十二話 Stars Strike Bパート

【第二廃棄都市街】
「はあぁぁぁぁぁあ!!」
「ハッ!」
「ウリャアァァァァア!!」

強鬼、威吹鬼、轟鬼の三人は、それぞれの音撃武器を振るい、次々にガジェットを打ち砕いていく。
多くの戦いを乗り越えてきた彼等にとってガジェットは赤子同然の相手であり、倒すのにさほど苦労はなかった。
しかし、どんなに腕が立っても所詮は三人。
圧倒的な物量は次第に三人を追い詰めていく。
陸士部隊の局員も大した戦力にはならず、三人は苦しい消耗戦を強いられていた。

「はぁ…はぁ…何体いるんだよ…」
「もう…百体はとっくに倒したと思うけど…はぁ…はぁ…」
「キリが無いっス…」
「ズウゥゥゥゥゥゥカアァァァァァァア!!」
「「「!?」」」

奇怪な雄たけびが聞こえ、三人に向けて三発の砲弾が飛んでくる。
三人は砲弾をかわすと、弾が飛んできた方向を見る。
そこには体色が白に変わり、腰に軍刀を拵え、背中に三本の巨大な大砲が装備されたカメバズーカ強化体の姿があった。

「怪人!?こんな時に!」
「多分、こんな時だからだよ!」
「クソ…ただでさえ、俺達消耗してるのに…」
「貴様ら三人共死んでもらう!ズウゥゥゥゥカアァァァアア!!」

カメバズーカは再び巨大な三発の砲弾を三人に向けて放つ。
既に疲労困憊していた三人にはもう、砲弾を回避する余裕はなかった。
もはやこれまで…三人がそう思ったとき、三発の炎の弾が飛来し、カメバズーカの砲弾を全て相殺した。

「何ィ!?」
「威吹鬼さん!轟鬼さん!あれは…」
「響鬼さんの烈火弾…」
「まさか…」

(BGM 響鬼見参!!)
「待たせたな!」
「「「響鬼さん!」」」

三人の鬼の前に紫色の鬼戦士・仮面ライダー響鬼が現れた。

〔悪しき魔物を無に帰す 正義の炎 鬼が来る 清めの音を 響かせて〕

「遅いですよ響鬼さん!」
「ははは、悪いな威吹鬼!」

〔それは闇の世界 誰も知らない 不思議な話〕

「俺達、大変だったんスよ!」
「ごめんなぁ、トド。それと…」

響鬼は強鬼の方を振り向き、肩に手を置く。

〔戦いはもう始まっている〕

「頑張ったな、強鬼!」
「響鬼さん…」
193戦国の鉄の城:2007/12/24(月) 00:57:32 ID:JM687xkp
>>188
実は敵役は入れない予定なのですよー。
信長だとかまわずスカとか射殺しちゃいそうですし。
誰か入れようかなぁとは思っているのですが・・・。


っと、+仮面ライダー氏、支援ー!
194リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/24(月) 00:58:14 ID:iBCwf1j9

〔月が満ちるように 集まってくる 邪悪な力〕

「後は俺に任せて、三人とも少し休んでろ。あの亀は俺が倒す!」
「「「はい!」」」

三人は後方に下がり、響鬼はカメバズーカの前に立ちはだかる。

〔すべてを今 壊す前に〕

「行くぜ!」
「フン!来い!ライダー!」

〔鋼の身体を持つという〕

響鬼は音撃棒・烈火を振るい、カメバズーカに立ち向かう。
カメバズーカは軍刀を抜刀し、響鬼と剣撃戦に突入するが、ライダー中最高クラスの身体スペックを誇る響鬼に格闘戦で敵うはずも無く、軍刀を折られ、腹部に音撃棒の先端の鬼石を使った強力な突きを叩き込まれ、後方に吹っ飛ぶ。

〔音撃戦士 鬼が舞う 清めの音を 打ち鳴らし〕

「グオ!おのれ…ズウゥゥゥゥカアァァァァア!!」

カメバズーカは三門の大砲から砲弾を響鬼に向けて発射する。
砲弾は響鬼に直撃したかのように見えたが…

〔悪しき魔物を無に帰す〕

「ホアァァァァァァァァァァア!!」

響鬼は装甲響鬼に変身し、爆煙の中から飛び出す。

〔正義の炎 鬼が来る 清めの音を 響かせて〕

そして装甲声刃に炎を纏わせて一閃し、カメバズーカを切り裂いた。

「ズウゥゥゥゥゥゥカアァァァァア………」

切り裂かれたカメバズーカは左右に両断され、燃え尽きて灰となった。

(曲終了)

「ふう…さてと…」

装甲響鬼は残った大量のガジェット軍団に視線を移す。

「三人とも、行けるか?」
「はい!」
「大丈夫っス!」
「俺は響鬼さんの弟子です!こんなことじゃ、へこたれませんよ!」
「よっしゃあ、行くぜ!!」
「「「おお!」」」

【第一廃棄都市街】
「はあぁぁぁぁぁあ!!」
「ディヤアァァァア!!」

アギトとアナザーアギトの戦っている第一廃棄都市街でも、同じような状況が続く。
こちらには指揮を執っている改造人間は居なかったが、カジェットの数は強鬼たちが戦っているガジェットの量を遥かに凌いでいた。
195リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/24(月) 01:00:26 ID:iBCwf1j9
「木野さん…生きてますか?」
「なんとか…な…」

既にシャイニングカリバーは刃こぼれが生じ、二人の体のダメージも大きかった。
しかしガジェット達は容赦せず、二人に向けて迫りくる。

「ここまでか…(浩二…)」
「(真魚ちゃん…可奈さん…ごめん…)」

「その時奇跡が起こった!」

「バイオアタック!」

突如青い液体状の物質が飛来し、二人に迫り来るガジェット達の群れを一掃する。
青い液体はやがて蒼い戦士へと姿を変え、二人の前に姿を現す。

「「!?」」
「俺は怒りの王子!アール!エックス!バイオッライダァ!!」

バイオライダーは熱く叫ぶと即座にRXに戻り、アギトの方に向き直る。

「貴方は…」
「久しぶりだ…アギト!」
「!?」

【アギトの回想】
V3「戻る時が来たようだ…」
アギト「会えて…良かったです!」
BLACK「たとえほんの少しでも…」
1号「いや…いつかまた必ず会えるさ!」

「BLACK…BLACKなんですね!?」
「二十年ぶりだね、アギト!」
「BLACK…!」

二人は固く握手を交わす。
遥か時を超え、悪と戦ったもの同士の再会だ。

「でも、「正義の系譜事件」の時と形が違う…」
「今の僕は、更に強くなった仮面ライダーBLACKRXだ!」
「RX…」
「今ミッド中の廃棄都市に、君たちの仲間が来ている。君の友達と言う、葦原君と氷川君も、別の都市で戦っている。」
「そうなんですか…」
「フン…」

アナザーアギトはダークホッパーに乗り、エンジンを吹かす。

「木野さん?」
「葦原たちの元へ向かう、お前は、「再会した戦友」とやらと、共に戦え。」

アナザーアギトはそれだけ言い、ダークホッパーを走らせた。

「よし…」

アギトは残ったガジェット軍団に視線を移す。
そして体に太陽の光を浴び、バーニングフォームからシャイニングフォームへと変身を遂げ、同時に修復したシャイニングカリバーをツインモードに切り替える。
196リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/24(月) 01:01:00 ID:iBCwf1j9
「リボルケイン!」

RXもサンライザーからリボルケインを引き抜き、八相に構えた。

「行くぞアギト!」
「はい!先輩!」

【対ゆりかご戦闘空域】
「お前なんでこんなに遅いんだよ!」
「仕方ないでしょ!あたし達だってメッッッッッチャ大変だったんだから!」

ドラグランザーに乗った龍騎サバイブとマントを羽ばたかせ、大空を飛んでいるファムは、口喧嘩をしながらガジェットU型の大群を蹴散らしていく。

「ったく、助けに来てやったのにアンタはなんで喧嘩吹っかけるわけ!?」
「喧嘩吹っかけてんのはそっちだろ!?」
「何を!?あたしがどれだけアンタを心配したと…!?」
「へ?」
「なんでもないわよ!!ああ、もう!!」

ファムはガムシャラにブランバイザーを振るい、ガジェット達を切り裂いた。

「…フン、こんな時ぐらい痴話喧嘩は控えろ。」
「蓮!?」
「そ…そんなんじゃないわよ!!」

【第五廃棄都市街】
「もう…駄目か…」

ガタックは地面に膝を着き、そのまま倒れる。
ガジェットの物量作戦の前に局員達は総崩れとなり、ダブルカリバーも折れ、体力を使い果たした。
しかし、未だ残っている大量のガジェットは容赦なく倒れているガタックに迫り来る。

「天道…俺が死んだら、美味い飯…供えてくれよ…」
「諦めんな!」

無数の赤い光弾が飛来し、ガタックに襲いかかろうとしていたガジェットを破壊する。
ガタックは弾が飛んできた方向を振り返ると、そこにはブラッディキャノンを肩に展開させたファイズ・ブラスターフォームの姿があった。

「い…乾…」
「ギリギリ…間に合ったか。」

ファイズはガタックに肩を貸し、立ち上がらせる。

「わ…悪い…」
「後で冷やし…」
「イャッホオォォォォォォォォォォオ!!」
「「!?」」

ファイズとガタックは奇怪な雄叫びを聞き、残ったガジェット軍団に視線を移す。
そこには、ジェットスライガーでガジェット共を蹴散らすデルタの姿があった。

「里奈あぁぁぁぁぁぁあ!!父さあぁぁぁん!!草加あぁぁぁぁぁあ!!俺は活躍してるぞおぉぉぉぉお!!」
「乾…三原さんなにやってんだ?」
「さぁ…」
197リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/24(月) 01:01:42 ID:iBCwf1j9

【第三廃棄都市街 鉄橋上】
「行動不能まで破壊し…回収する…」
「ギン姉…」

ギンガは、容赦なくスバルに格闘技を浴びせる。
その攻撃には躊躇いは微塵も無く、スバルを殴り飛ばす。
殴り飛ばされたスバルは宙に舞い、目を閉じる。

「ぐっ…あ…(やっぱり…無理だったんだ…あたしは…やっぱり…弱いままだったんだ…やっぱり…)」
「Wing Road!」
「!?」

スバルが地に叩きつけられる寸前、マッハキャリバー自身がウイングロードを張り、スバルのピンチを救った。
スバルは旋回してウイングロードに着地すると、マッハキャリバーを見つめる。

「マッハ…キャリバー…?」
「We can still take actions... you and I.(まだ動けます・・・私も、あなたも)
We can still fight. So why abandon now?(まだ戦えます。なのに、こんな所で終わる気ですか?)
You taught me the reason of my being here, my strength and power which you adore so much.(あなたが教えてくれた、わたしの生まれた理由。あなたの憧れる強さ)
Don't make everything a lie.(嘘にしないでください)」
「!?」

【スバルの回想】
「災害とか、争い事とか、そんなどうしようもない状況が起きたとき、苦しくて悲しくて助けてって泣いてる人を、助けてあげられるようになりたいです。
自分の力で…安全な場所まで、一直線に!」

「…ごめん、マッハキャリバー…行くよ!」
「All right buddy.(はい、相棒)」
「はあぁぁぁぁぁぁあ!!」
「Ignition.」
「A.C.S.エクセリオン!」
「A.C.S. Standby」

マッハキャリバーに左右2枚ずつの翼が展開され、マッハキャリバーモード3・ギアエクセリオンが発動する。
そしてスバルは、ウイングロードに乗り、リボルバーギムレットを構えてこちらに向けて向かってくるギンガに向けて、全速力でローラーを走らせた。

「うおおおおおおおおおおおお!!」
「!?」

スバルはギンガの攻撃をかわし、腹部に拳を叩き込む。
そしてリボルバーナックルに数発のカートリッジをロードさせた。

「一撃…必倒…ディバイィィィィィィィン…バスタアァァァァァァァア!!」

スバルのリボルバーナックルから蒼い光が放たれ、ギンガを包み込んだ。
198リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/24(月) 01:03:22 ID:iBCwf1j9

【廃ビル1屋上】
「馬鹿な…」

オットーは展開されているモニターを見つめ、驚愕する。

「ノーヴェ、ウェンディ、ディード、それに13が全て敗北…こんなことが…」
「皆の居場所を奪ったのはお前か?」
「!?」

上空からオットーの前にパンチホッパーが降下してくる。

「お…お前は…」
「俺の名は神代剣…神に代わって剣を振るう男だ。」
「は!?」

次にサソードがオットーの背後に降下してくる。

「覚えて置け…」
「あ…あ…」
「あなたが地上戦の司令塔で、各地の結界担当。」

最後にシャマルとザフィーラが現れ、バインドでオットーを捕獲する。

「うわ!?」
「上手く隠れてたけど、クラールヴィントのセンサーからは、逃げられない」
「大規模騒乱罪、及び、先日の機動六課襲撃の容疑で…!」
「逮捕します!」
「くっ…ギルガラス!」
「カアァァァァァァァア!!」

オットーの呼び声と共に空からギルガラス強化体が現れ、オットーを拘束しているバインドを薙刀で切り裂く。

「ああ!?」
「やれ!」
「クアァァァァア!!」

ギルガラスは薙刀を振りかざし、シャマルに切りかかった。

「クアァァァァア…!?」
「お前…あん時俺を笑ったな…」

ギルガラスの耳にダークな雰囲気のする声が聞こえ、突如シャマルの前にキックホッパーが現れる。
そしてキックホッパーはギルガラスの薙刀を、左足のアンカージャッキでガードした。
199リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/24(月) 01:05:23 ID:iBCwf1j9
(BGM・FULL FORCE)
「ハッ!」

キックホッパーはそのままギルガラスを蹴り飛ばす。

「あの時の緑色!何で…」

オットーはキックホッパーの出現に驚き、三歩ほど後ずさる。
だが…

(BGM一時中断)

「怪我人働かせんなこのバカ女。」
「な!?貴方!誰のおかげで助かったと思ってるのよ!?」
「木野のおかげだろ。後は知らん。」
「こっっっっっの恩知らず!!」

キックホッパーとシャマルは喧嘩を始め、シャマルは悪態をついたキックホッパーにコブラツイストをかける。

「ぐっ、おおぉぉぉ…」
「オラオラオラオラオラオラオラアァァァァァア!!」
「「………」」

そんな二人を黙って見ているパンチホッパーとサソード。

「無視すんなあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」

キレたギルガラスは喧嘩している二人に向け、薙刀を投げる。

「「お!?」」

キックホッパーはシャマルを抱きかかえ、ジャンプして薙刀を回避。
そして着地するとシャマルを下ろし、ギルガラスを睨み付けた。

(BGM再開)
「ふう…お前、まぁた俺を笑ったな…?」
「笑ってねぇ!怒っているのだ!くたばれ!!」

〔FULL FORCE 誰よりも速く 走るのが条件〕

ギルガラスは新たな薙刀を生成し、キックホッパーに切りかかる。
しかしキックホッパーは怒りに燃えるギルガラスの連続切りを自分の美しい足技で次々に捌き、敵を一歩も寄せ付けない。

〔自分の限界いつも 抜き去っていくのさ〕
200リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/24(月) 01:05:59 ID:iBCwf1j9

「クソオォォォォオ!!」
「ッセヤ!!」

キックホッパーはハイキックでギルガラスの薙刀を折る
そして間髪いれずにバックキックをギルガラスの腹部に叩き込み、蹴り飛ばした

〔FULL FORCE どんな時にでも 強さを信じるなら 不可能なんて無い筈〕

「グアァァァァァア!!」
「…」
『Rider jump!』

キックホッパーはホッパーゼクターのゼクターレバーを立て、宙に飛ぶ。

「ライダーキック!」
『Rider kick!』

そしてレバーを倒し、必殺のライダーキックを放つ。
キックホッパーのライダーキックはバックキックを受けて立ち上がり、フラフラとよろついているギルガラスに直撃した。

〔全てを手に入れるさ〕

「ガアァァァァァァァァァア!!」

ギルガラスの体は激しく火花を上げ、粉々に爆発した。

(曲終了)

「うっ…」

オットーは敗北を察し、こっそりと逃げようとする。
が…

「待て。」
「あの時は兄貴をよくもやってくれたね…」
「ヒィ!?」

パンチホッパーとサソードに挟み撃ちを食らう。

「俺達さ、前まであんなにかっこいいこと言ってたのにさ、作者が無能なせいで影薄いまま終わっちゃってさ…今凄く機嫌悪いんだよ…」
「俺は陰が薄いことにおいても頂点に立つ男だ。いや…すでに立っている…」

二人のライダーは両手の指を不気味に動かしながらオットーに迫る。

「そして俺は…憂さ晴らしにおいても頂点に立つ男だ…」
「や…やめて下さ…」
「地獄に堕ちようよ…」
「う、うわあぁぁぁぁぁぁあ!ディードーーーーーーーーー!!」
201名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 01:06:29 ID:at7Xh0J1
支援!
202リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/24(月) 01:06:35 ID:iBCwf1j9

【地上本部通路】
一方、大介、シグナム、リィンの三人は地上本部に辿り着き、レジアスの元に向かっていた。
だが通路を進んでいく途中、三人の前に融合騎アギトが立ちはだかる。

「ここから先は、通行止めだ!」
「お前は…」
「旦那は、ひどいことなんかしねぇ!ただ、昔の友達と話をしたいだけなんだ!旦那には、もう時間がねぇんだ!そいつを邪魔するってんならぁ!!」
「こちらはもとより事情を聞くのが目的だ。事件の根幹に関わることならば、尚更…聞かせてもらわねばならん。」
「んん…」

【中央本部 レジアスの個室】
「オーリス。お前はもう下がれ」
「それは、貴方もです。あなたにはもう、指揮権限はありません。ここにいる意味はないはずです。」
「わしは…ここにおらねばならんのだよ。」
「手荒い来貢で済まんな、レジアス」

ドアが開き、ゼストが槍を持ったゼストが入室してくる。

「構わんよ…ゼスト。」
「…!…ゼスト、さん?」
「オーリスは、お前の副官か?」
レジアス「頭が切れる分、我侭でな。子供の頃から変わらぬ。」
ゼスト「聞きたいことは、一つだけだ。八年前、俺と俺の部下たちを殺させたのは…お前の指示で間違いないか?
共に語り合った、俺とお前の正義は、今はどうなっている?」
203リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/24(月) 01:07:06 ID:iBCwf1j9
【地球 渋谷】
「はぁ…はぁ…」
「はぁ…はぁ…」

カブトとブレイドの戦いは、終盤に差し掛かっていた。
どちらももう余力が無く、次の一撃が最後の一撃となることは誰の眼にも明らかであった。

「そろそろ…行くか…」
『Kabuto Power』

「ああ…」
『Spead2,3,4,5,6』


カブトはパーフェクトゼクターの赤いスイッチを押し、ブレイドはスペード2,3,4,5,6のギルドラウズカードをアンデッドクレストから出現させ、キングラウザーにラウズする。

「はあぁぁぁぁぁあ…」
『HyperBlade』

「おおおおおおおお…」
「Straightflush」

カブトのパーフェクトゼクターは真紅の刃を纏い、ブレイドの手にはブレイラウザーが出現し、キングラウザーと二刀流になった剣は雷と金色の光を放つ。

「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」

二人は一斉に走り出し、必殺の刃を振るう。
二つの必殺技の激突は大地を砕き、渋谷の廃墟を震え上がらせた。

………
「引き分けか…やはり強いな、剣崎…」
「お前も…相変わらず強いな…」

二人は石ころだらけの地面に寝そべりながらお互いに笑いあう。

「天道…」
「ん?」
「俺…行かなきゃならないんだろ?」
「…ああ。」

二人はそれだけ言葉を交わすと立ち上がり、ミッドチルダへと向かった。
204名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 01:08:00 ID:at7Xh0J1
支援します!
205リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/24(月) 01:10:12 ID:iBCwf1j9
投下終了
やばいな…キャラ贔屓が露骨に出てる…
俺もまだまだ修行が足りない…

次回頑張らなきゃ…
206戦国の鉄の城:2007/12/24(月) 01:12:48 ID:JM687xkp
>>205
GJ!
響鬼とRXに燃え、パンチホッパーとザソードで笑わせていただきましt(ry
207戦国の鉄の城:2007/12/24(月) 01:21:43 ID:JM687xkp
思い立ったがなんとやら・・・。
ってことでホンダムをもう一話投下したいと思います。
うーん・・いいんでしょうか・・?
208戦国の鉄の城:2007/12/24(月) 01:27:48 ID:JM687xkp
魔法少女リリカルBASARAStS 〜その地に降り立つは戦国の鉄の城〜

第三話「忠勝、訓練をする。」

(・・・・眼福。)
それが訓練所に来た忠勝の感想であった。
忠勝の目の前にはスバル達となのはが戦闘の訓練をしている。スバルのウィングロードがあたりに広がり、ティアナの弾丸が宙を舞う。
そしてエリオのストラーダから吹き出す黄色い魔力、キャロが放つ桃色の魔力とフリードリヒの炎が交わる。
スバルの攻撃を避け、ティアナとエリオの一撃を防御。キャロとフリードリヒの攻撃を空中に形成しておいた魔力で相殺。
忠勝は魔法なんてものを見たことはないので不覚にも幻想的なその魔力と戦闘に見惚れていた。
「・・・どうですか?」
横から声が聞こえる。声がした方を向くと紫の髪の少女、ギンガがいた。ギンガともお互いに自己紹介を済ませている。何故か知らないがギンガは身構えていたのを覚えている。
大して気にしてはいないのだが。そのギンガの問いに何度も首を上下に振る。
忠勝の様子を見てギンガは微笑して隣に立つ。
ふと忠勝は考える。
(自分は・・もしかしてお荷物ではないのか?)
よくよく考えてみると自分は魔法なるものを使えない。腕っ節や槍の腕の自信はある。
しかしここに来て薄々わかったことがある。「ここでは魔法を使えないと意味はない」のだと。
戦闘にも魔法を使うし、どうやら日常生活にも「念話」という魔法を使うようだ。
自分は魔力なんてこれっぽっちもないから戦闘用魔法はもちろん、念話さえできない。そんな自分がここにいていいのか?と忠勝は悩む。
戦闘に見惚れて浮いていた自分の感情が一気に沈む。はっきり言って憂鬱だ。
「はい!訓練はここまで!」
「「「「あいがとうございました!!」」」」
そんなことを考えている内に訓練は終わったようだ。なのはが皆の今回の訓練でよかったところ、逆に悪かったところなどを述べている。
結局自分はついてくる必要はなかったじゃないか。槍も持ってきた意味はないな。
忠勝は背を向け歩き出す・・前になのはから声をかけられた。
「忠勝さん、あなたも六課にいる身だから・・訓練やっていかない?」
「・・・・・」
考え込む忠勝。その証拠なのか機械音が唸る。
確かにこの世界に来てから戦闘訓練や体を動かすことは最近やっていない。でも魔力を持ってない自分がこの世界の戦闘技術に通用するのだろうか。
ええぃ、もうどうにでもなれ。
槍を構え、大きく頷く忠勝。その後訓練所の一角にある広い廃墟に連れていかれた。
見上げるとフォワード陣と隊長陣。ちょっと待て、なんでヴィータとシグナムとフェイトまでいるんだとつっこみたくなった。
「準備はいいですか?」
シャリオが空中にキーボードを浮かばせて忠勝に向けて叫ぶ。
無論、準備は完了している。槍を天へと掲げてみせる。
「じゃあ設定は5体で・・・開始!!」
身を構える忠勝。地面に形成される魔法陣。そしてキーボードを覗くシグナム。
「・・・桁・・間違えてるぞ。」
「・・・え?」
地面からは設定数より二桁多い訓練用ガジェットドローンが出現した。
209戦国の鉄の城:2007/12/24(月) 01:28:36 ID:JM687xkp
「ちょ!?シャーリー!?」
「何間違えてるの!?」
「ご・・・ごめんなさーい!」
通路を埋め尽くすほどのガジェットドローン。その数ざっと500。
何で間違えたのかは知らないがガジェットドローンは容赦なく忠勝へと向かっていく。
「は・・早く止め「待て!!」・・・?」
フェイトの言葉を遮ったのはヴィータの言葉。そしてヴィータは「マジかよ・・」といった顔で下を見ている。
「あいつ・・・やる気だ・・・」
その数秒後、全員の叫びがビルの屋上から響く。
そのビルの下、忠勝は槍を振るう。
横振りの一撃で数体、もう一回横振りで数体。下からの切り上げでまた数体。それから切り下げ。
そして足の裏をキャタピラを使い自身を回転させて突撃。腰から「ガキンッ!!」という機械音とともに周りにいるガジェットドローンが吹き飛ぶ。
槍の先端を回転させて一突き。そのまま刺さったガジェットドローンを鷲掴みし、放り投げる。遠くで起こる爆発。
(訓練用だからかもしれないが・・・攻撃動作が鈍いな。)
それが忠勝の第一感想。今まで忠勝が駆けてきた戦場はこのぐらい兵がいて当たり前だったし下手をすれば数千の兵と相手をしていた。
だから一対多に長けており、怯まずに攻撃を繰り出せている。
そのうち一体を潰すと一瞬目が黄色く光る。これで100体目だ。
(いける・・・これで自分はお荷物じゃないと証明できる!!)
攻撃を繰り出す忠勝はやけに楽しげだった。が、見学している者達としてはそれどころじゃなかった。
「ありえない・・・」
皆一斉にそう呟いた。
なのはやフェイト、ヴィータやシグナムは下手すると100体近くの敵と戦うときはあるが大体は魔力で一掃。それでも疲労感はある。
スバル達に関しては数十体ぐらいが限界だ。
そして忠勝はその数を軽く超えた500体を相手にしている。ちなみに今は350体いる。
信じられないというのが皆の気持ちだが目の前でああいう戦闘をされては信じるしかない。
何故か、ため息が出てしまう。

その頃の忠勝はいろんな意味でだるくなってきていた。
(さすがに皆を待たせては悪いな・・・。)
槍を地面に刺し、低く構えて精神統一。敵のど真ん中でそんなことをしていれば当然無防備になり一斉攻撃を食らう。
忠勝に向かう魔法の砲撃。それが当たる前に忠勝は空中で大の字になり、周りには黄色いオーラが流れた。

戦極ドライブ、発動。

戦極ドライブとは、忠勝がいた戦国時代の有名武将が全員持っていた技だ。
敵を100人倒すことで溢れ出す自分の中の「気」を興奮状態にさせたままそれを体内で必死に抑える。
そして抑えていた気を一気に開放する。それが戦極ドライブという技だ。
これを発動すると何のデメリットもなしに移動、攻撃、防御などのすべての身体能力などが上がる。
忠勝は背中の紋章から二門の大砲を生成、また低く構える。砲口からはわずかに稲妻が出ている。

忠勝、攻撃形態。

一気に砲口からプラズマエネルギーが放出。
蒼白い光が残りのガジェットドローンの身を包み、溶かしていく。
プラズマエネルギーが消えた後に黄色のオーラが蒼に変わり、そして消えた。
間接か煙を噴出し地に降り立つは戦国最強本多忠勝。
彼の目の前には削れた地面と崩れたビルと青空以外、何もなかった。

「・・・ガジェットドローンの反応・・・ありません・・・」
シャリオの言葉が響くが皆は硬直して動かない。
忠勝は背中のロケットでビルの屋上へと行き、軽くお辞儀をする。それでも動かない皆を見て不安に見てまたオロオロしだす忠勝。
「すごぉぉぉぉぉぉぉいっ!!」
沈黙を破ったのはスバルの一声。それから皆からの感想を叫ばれさらに忠勝はオロオロする。
ついには叩かれもみくちゃにされ踏んだり蹴ったり。
埒が明かないので忠勝はロケットを展開して、逃げた。
210戦国の鉄の城:2007/12/24(月) 01:30:28 ID:JM687xkp
気にせず投下してしまった自分がいたorz
とりあえず他に武将を登場させるとしたら誰がいいか、考えてみることにします。
211名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 01:31:19 ID:at7Xh0J1
もえあが〜れもえあが〜れ〜ホンダム〜♪支援!
212名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 02:00:01 ID:6TrmWSGi
やはりここは、兄貴の出番だな
213名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 02:11:34 ID:OgQ8NebN
ラスト吹いたwwwGJ!
214フルメタなのは:2007/12/24(月) 02:42:36 ID:WN/W85KG
戦国の鉄の城氏、GJです。つーか笑いましたw

それにしても、同じ時期に投下始めて、まだ二話しか作ってない俺って一体…
215なの魂の人:2007/12/24(月) 06:31:15 ID:nB+gIeX/
こんな時間からおはようございます。
見てる人がいるのかどうか分かりませんが、なの魂十二話を投下しようかと思います
投下OK?

一部の人が待っていたかもしれない、あの子の登場ですよ、旦那
216なの魂の人:2007/12/24(月) 06:38:16 ID:nB+gIeX/
OK。5分経過したので、とりあえず投下を開始します
217なの魂:2007/12/24(月) 06:39:26 ID:nB+gIeX/
夢を見ていた。
そう遠くない昔。
自分が生まれたばかりの時の夢だ。

鼻につく薬品の刺激臭。
規則的に聞こえてくる電子機器の作動音。
精密機器が稼動する音。
深いまどろみの中に堕ちていた自分は、嗅覚・聴覚でそれらの情報を知覚し、
自分がこの世に生を受けたのだということを認識した。

ゆっくりと目を開けた。
曇りガラスを通して見たかのような、ぼやけた風景。
しなくてもいいと分かってはいるが、思わず目を擦った。
稼動したばかりの"目"が徐々にピントを合わせ、ぼやけた視界がシャープになっていった。
太いパイプが張り巡らされた、無機質な天井。
そこに備え付けられた手術用の大きな照明。
視界の片隅で何かが動いた。
上体を起こし、そちらの方をみる。
白衣を纏った、老齢の男がいた。
肩までかかる長い白髪、しわだらけの痩せこけた顔。
自分はこの男の顔に見覚えがあった。
……いや、見覚え、というのは語弊だろう。
該当するデータを、脳内に増設された記憶素子から見つけた。
男は驚愕したような表情でこちらを見、顔を強張らせていた。
どうやら、自分が正常に起動したことに驚いているようだ。
しばらくの間、沈黙が続いた。
しかし自分も、一応空気という物は読むことが出来る。
さすがにこのまま黙りこくっていては、雰囲気を悪くするだけだろう。
だからとりあえず、挨拶をすることにした。

「……おはようございます」

と。
今になって思う。
もっと気の利いた言葉は掛けられなかったのか、自分は。

男の顔から、強張りが消えた。
疑念に満ちていたその表情は、やがて優しく柔和な顔つきに変わっていった。
男は目尻に涙を溜め、自分のことをぎゅっと抱きしめてきた。
……とりあえず一発殴っておくか?
そんな考えが頭を過ぎった。
実行には移さなかった。
彼に抱きしめられている間は、不思議と悪い心地はしなかった。



それが私、No.5チンクと。
もう一人の私の父、林流山博士との初めての邂逅だった。



なの魂 〜第十二幕 たまには回り道も必要〜


218なの魂:2007/12/24(月) 06:41:10 ID:nB+gIeX/
生まれたばかりの頃は、本当に必要最低限のデータしか入っていなかった。
先に生まれた姉達と、二人の父親――ジェイル・スカリエッティ博士と、林流山博士。
この人物達のことだけだ。
まるで乾いたスポンジのような脳を持っていた私に、林博士は色々なことを教えてくれた。
私が、スカリエッティ博士――現在はドクターと呼称させて貰っているので、ここでもそうさせて貰う――と林博士の共同で作られた、
最新鋭の戦闘機人――平たく言えば、サイボーグのようなものだ――であるということ。
開発の際、ドクターが生体部分を、林博士が機械部分を担当していたということ。
また、私の開発を優先した結果、一つ上の姉の起動実験が大幅に遅れてしまったらしいこと。
――これが原因なのかは定かではないが、私は一つ上の姉にはあまり良く思われていない。まあ私自身、姉のことはあまり好きではないので
どうでもいい話なのだが。
などなど。
だが、林博士から教わったのは、何も科学者畑の連中にしか理解できないようなことばかりではなかった。
炊事、洗濯、掃除といった家事全般から、商店街での効果的な値切り方まで。
およそ戦闘用の兵器には無縁な……そう、お婆ちゃんの知恵袋的な知識まで私に詰め込んでくれた。
正直なところ、これらの話が本当に今後役に立つのか甚だ疑問ではあったが、私は今でもこれらの知識を蓄えている。
別に記憶領域から消し去るのが面倒くさかったとか、そういう理由ではない。
ただ、これらの家庭的な知識を教えてくれている時の博士の顔が、とても嬉しそうだったから。
彼の言葉と一緒に、その表情もずっと覚えておきたかったから。
だから今でも、私はこうして実用性皆無な知識を覚え続けている。
私が"お父様"と呼び慕った彼を、私を実の娘のように愛でてくれたお父様のことを忘れないために、ずっと覚えている。
ただ一つ。
どうしても思い出せないことがあった。
それが何なのか、私には分からない。
何しろ忘れてしまったのだから。
ただ、それはとても重要なことで……絶対に、忘れてもいいようなことではなかったのではないかと。
漠然と、そう思う時がある。



事件が起きたのは、ほんの一日前だった。
研究所でいつも通りに戦闘訓練のプログラムを終えたときのことだった。
お父様から、可愛らしい財布を預かった。
中を検めると、紙幣が数枚入っていた。
これは何なのか、と聞くと、たまには女の子らしく外で遊んで来い、という返事が返ってきた。
これには私も戸惑った。
何しろこちらは、来る日も来る日も訓練やデータ収集を行っていたのだ。
普通の人間の風習や、立ち振る舞い方などは……知識だけならあるが、実際にはよく分かっていない。
だというのに、いきなり『女の子らしくしろ』と来たものだ。
困惑しながら、お父様の顔を見た。
目の前には、柔和な笑みが映し出されていた。
さすがにここで無下に断るのは気が引ける。
私は遠慮がちに礼を言った後、自分達に宛がわれた部屋へと戻った。
唯一与えられていた外着である和服を、一番上の姉に着付けて貰った。
二つ上の姉が「どういう風の吹き回しだ?」と聞いてきたので、「ただの気分転換だ」と答えて部屋を出た。
さすがにこの格好を見知った職員達に見せるのは気恥ずかしかったので、早足で廊下を駆け外へ向かった。
途中、薄暗い研究室でお父様とドクターが何か言い争いをしているのが見えた。
どうせまた「洋酒はウイスキーかブランデーか」などといった下らない口論をしているのだろうと思い、気にも留めなかった。
町へ着いても、特に変わったことは何も無かった。
強いて言えば、人気の無い路地裏で下品な中年男性に絡まれたところを、
黒服を着た瞳孔開き気味の男性に助けられたということぐらいだろうか。



帰路へつき、残りの道程も半分くらいになった頃。
研究所の方角から、黒い煙が立ち昇っているのが見えた。
嫌な予感がし、研究所へ通信を送ってみた。
応答無し。
もう一度通信を試みようとした時、二つ上の姉が通信を割り込ませてきた。
実験中の事故で大規模な火災が発生。
自分達姉妹とドクターを除く職員達が所内に取り残されてしまった、とのことだった。
219なの魂:2007/12/24(月) 06:42:56 ID:nB+gIeX/



研究所へ戻ってきた私を待っていたのは、全てを焼き尽くす業火だった。
まるで生きているかのように蠢く紅蓮の炎を前に、私は半狂乱になりながら駆け出した。

「やめろチンク! 死ぬつもりか!」

声と共に、右腕を凄まじい力で掴まれた。
突然動きを阻害され、つんのめりそうになりながらも後ろを振り向いた。
二つ上の姉、トーレがそこにいた。

「離してくれ、トーレ! あの中には、まだお父様が!」

「冷静になれ! あれだけの熱量の塊に飛び込んでは、我々でもただでは済まんぞ!」

一切の反論を許さない気迫。
人間を素体としている以上、どうしても戦闘機人は熱量攻撃に弱くなる。
内蔵された緊急冷却装置を稼動させてもこの勢いの炎、そして通路の狭い研究所内では、持って数分程度だ。
このまま飛び込んでも、おそらく犬死だろう。
……そんな事は分かりきっていた。
だが、納得はしたくなかった。

「……何もせずに……ここで黙って見ていろと言うのか……!」

姉を睨みつけ、腕を振り払おうとする。
無理だった。
高機動・近接格闘をコンセプトに作られた姉に、力で適うはずも無かった。

「んもう、チンクちゃんってば物分り悪いんだからぁ。あなた一人が行ったところで、どうにもならないわよ」

いつの間にか隣に、眼鏡をかけた女が立っていた。
一つ上の姉、クアットロだ。
歯に衣着せぬ物言いに、私は思わず激昂した。
クアットロは私を心底哀れんだような目で見、ため息をついた。

「無駄だって言ってるのよ。分からないのかしらぁ?」

呆れたように言い、目の前にいくつかのデータが表示された映像を映し出した。
その後に彼女から放たれた言葉は……私が、最も聞きたくない言葉だった。

「生体反応ゼロ……もう手遅れなのよ」

映像には、五つの赤い光点……任務でこの世界を離れていた、三つ上の姉を除く私達姉妹と、ドクターのものだけが示されていた。
嘘だと思いたかった。
何かの間違いだと思いたかった。
だが目の前で光る五つの光点は、これは紛れも無い事実だと、そう告げていた。
私は言葉を失い、その場にくずおれた。



紅蓮の業火は、瞬く間に全てを飲み尽くした。
後に残されたのは、研究所"だった"瓦礫の山。
そして、奇妙な実験用のポッドが一つだけ。
職員達は地獄の炎に焼き尽くされ、骨すらも残っていなかった。
お父様もまた、例外ではなかった。


220なの魂:2007/12/24(月) 06:44:56 ID:nB+gIeX/
薄暗い貨物室の中。
体育座りの姿勢で眠っていたチンクは、コンコンと扉をノックする音で目覚めた。
顔を上げ立ち上がろうとしたところで、自分の腕が湿り気を帯びていることに気付いた。
どうやら気付かぬうちに泣いてしまっていたらしい。
情けない顔を見られたくなかったので、ゴシゴシと顔を拭い、軽く頬を叩いて気を引き締める。

「……入っていいぞ」

心境を悟られたくないがために、出来る限り無愛想にそう言った。
殆ど仁王立ちに近い格好で腕を組み、ふてぶてしく振舞う。

「失礼致します」

聞き慣れない声と共に、扉が開かれた。
部屋へ入ってきたのは、見知らぬ男だった。
端麗な顔立ちに金色の髪。
ウェイターのような服の上に赤いコートを羽織ったその男の両耳には、機械のパーツのようなものが装着されていた。

「……お前は?」

表情一つ変えず目の前に立つ男に、チンクは不信感を募らせながら問う。

「"戸−伍丸弐號"……流山博士が生み出した、"芙蓉プロジェクト"最後の作品です」

感情の篭らない声で、男はそう答えた。
芙蓉プロジェクトという名に聞き覚えはあった。
父、林流山がドクターに出会う前に続けていたという計画。
端的に言えば"人の手で人を生み出す"プロジェクトだったのだが、戦闘機人技術に代替され、最終的に頓挫したという話だ。
そういえば、と先日のことを思い出す。
火災現場に不自然に残されていた実験用のポッド。
事件の後ドクターが回収していたのだが、あの中に入っていたのが彼なのかもしれない。

「……戦闘機人……ではないのか?」

「僕にはあなた方とは違い、生体パーツは一切使われていません。
 全て機械で造られた身体。人間を素体とした戦闘機人とは、似て非なるものです」

無感情な声。そして全く変わらない表情。
それは、大なり小なり"感情"というものを持ち合わせている自分達とは、全く別種の存在であるということを示していた。
彼の手に、そっと触れてみた。
冷たかった。
だがその感触は、紛れも無く人間のそれだった。
機械だけでここまで出来る物なのかと驚き、そしてここまで人間に近い機械を生み出していた父のことを、誇りに思えた。
機械工学だけに関して言えば、ドクターの数段上を行っているかもしれない。
今度は、少しだけ手を握ってみた。
自分の体温が伝わり、彼の手が少しずつ暖かくなっていくのが分かった。
ほんの僅かだが、懐かしい感じがした。
何故かは分からなかった。

「今後、あなたの身辺の世話やメンテナンスは、僕が行うこととなりました」

「何……?」

不意に聞こえた言葉に、チンクは首を傾げた。
彼女の疑問を解消すべく、伍丸弐號は言葉を続けた。

「知っての通りあなたの身体には、流山博士が独自に開発した芙蓉プロジェクトの技術が使われています。
 生命工学畑のドクターより、プロジェクトの全てを詰め込まれた僕の方が適任だと判断し、ドクターに進言した次第です」

「そう……か……」
221なの魂:2007/12/24(月) 06:46:44 ID:nB+gIeX/

握っていた手を離し、言葉の意味を咀嚼した。
メンテナンスだけでなく、身の回りの世話も行う。
ということは、彼は四六時中自分に付きっ切りになるということなのだろうか。
ふと彼を見やった。
端正な顔立ちと服装のせいで、その姿は優秀な執事に見えなくも無かった。
あ、結構良いかも。
そんなことを思う。

「……伍丸弐號と言ったな」

「はい」

しばし黙考した後、腕を組み、目の前の彼を見据える。

「言い難い。私の呼び易い名で呼ばせてもらうぞ」

「構いません」

「……では…」

ゴホンと咳払いをし、チンクはその名を言った。
父が残した、最期の作品に。
懐かしい感覚を覚えた、目の前の彼に。

「お……"お父様"……」

蚊の泣く様な声。
そして訪れる気まずい沈黙。
はたして彼に、自分の声は聞こえていたのだろうか。
いや。
聞こえていたなら、すぐに応答が返ってくるはずだ。
なにしろ相手は機械。
自分達とは違い、空気など読めるはずもないのだから。

「な、なんでもない! 後で考えるから、それまで待っていろ!」

「了解しました」

真っ赤になって顔を背けるチンクに返ってきた言葉は、やはり無感情な物だった。



「もっ、申し訳ありません! 主の従者の方だったとは知らず……」

そう言ってシグナムは銀時達に向かって大仰に頭を下げた。
家に着いてはやての部屋へ戻り、自分達の素性を話し、そしてはやてから
銀時達のことを聞いた守護騎士達(特にシグナム)の慌てっぷりといったら、一見の価値有りである。

「そ、そんな謝らなくても……仕方ないですよ、知らなかったんですから」

「オイ、『知らない』で殺されかけたこっちの身にもなれ」

まぁまぁ、と両手を胸の前に出す新八を小突く銀時。
そんな彼らを横目で見つつ、ヴィータは手を頭の後ろで組みながら呟いた。

「……シグナムの後ろ取っておいて、よく言うぜ…」

「っ……。ヴィータ! 無礼な態度は許さんぞ!」
222なの魂:2007/12/24(月) 06:47:52 ID:nB+gIeX/

今の今まで一対一で完全に背後を取られた経験のなかった騎士が怒鳴る。
はたしてこの無礼というのは銀時達に対してのことなのか、それともシグナムに対してのことなのか。
真相は謎のままである。
ヴィータは口を尖らせながら、銀時達に向かって頭を下げた。

「……悪かったよ。いきなり殴りかかって……」

「……はやてには手を出さないって誓うアルか?」

酢昆布をくっちゃくっちゃと噛んでいた神楽が、ヴィータの前へと歩み寄った。
ヴィータは心外だ、と言わんばかりに怒鳴る。

「あ、当たり前だろ!? アタシ達は、主を護るために……」

そこまで言ったところで、目の前に長方形の紙製の箱が突き出された。
今まで見たこともないその奇妙な箱に、ヴィータは戸惑いを覚える。

「……何だコレ?」

「酢昆布やるヨ。お近づきの印ネ」

顔を上げると、希望通りの言葉が聞けて満足した神楽の顔があった。
"スコンブ"というものが何なのかは分からないが、ともかく自分たちのことを許してくれるらしい。

「あ……うん。ありがと……」

とりあえず素直に受け取っておいた。
ちなみにこの後、酢昆布を口にしたヴィータと神楽の間で

「酸っぱい! なんかスッゲー酸っぱい! 風呂入る直前のザフィーラ並に酸っぱい!」

「その酸っぱさがクセになるネ。きっとザッフィーの匂いもそのうちクセになるネ」

「絶対なりたくねぇ! つーかよくこんなの食えるな!」

などといったやりとりがあったのだが、それはまた別のお話である。

「……で、何か? オメーらは、この闇の書って奴とはやてを護るために生み出されたプログラムで、
 コイツを完成させると、何かすんげぇ力が手に入る、と」

手にした皮製の表紙の本を掲げ、銀時はシャマルに問いかける。

「概ねそんなところですね」

「……ってことは、何ですか? コレが完成したら、はやてちゃんの足も治るかもしれない、と」

眼鏡を掛け直しながら新八が聞くと、シグナムが淡々と答えた。

「ええ。その程度のことでしたら、闇の書の力を持ってすれば造作もありません」

「マジアルか!? じゃあさっさと完成させるネ!」

興奮したように神楽が言うが、シグナムは少し困った様子で返す。

「ですが、完成させるためにはリンカーコアの蒐集が必要で……」

「リンカーコア?」

「魔法使える奴がみんな持ってる、魔力の元みたいなモンだよ。魔導師とか、魔法生物とか」
223なの魂:2007/12/24(月) 06:49:17 ID:nB+gIeX/

聞き慣れない言葉に首を傾げる新八に、銀時が解説する。
かつて魔導師と戦ってきただけに、この手の知識は一般人よりも持ち合わせているのだ。
その言葉を聞き、神楽が何かを思い出したかのように手を上げた。

「夜兎は魔法使えないけどリンカーコアは持ってるネ。とりあえず景気付けに、私の蒐集してみるヨロシ」

「やめとけ。コイツの吸っても薄汚れた力しか手に入らねェよ」

「オイ、どーいうことだコルァ」

ギリギリと銀時の襟元を締め上げる神楽。
見る見るうちに銀時の顔が青ざめていく。
が、なんとか手を離してもらえた。
完全に意識が落ちる前に解放してもらえた銀時は、首を押さえながら息を乱す。
そんな彼を気にも留めず、はやては顎に手を当てながら、難しそうな顔をしていた。

「……え〜っと、それってつまり、闇の書を完成させるためには、人様に迷惑をかけてまうってことやんな?」

返答、無し。
何故か目を逸らす守護騎士達。
主に似たのか、馬鹿正直な連中である。
この行動を肯定の意として受け取ったはやては、声を大にしていった。

「そんなん絶対あかんよ! 自分の身勝手で誰かに迷惑かけるなんて、絶対にあかん!」

「ですが……」

困惑するシグナム。
それはそうだ。
他者を想い、それ故に力を手にすることを拒む。
そのような主とは未だかつて出会ったことがなかったからだ。
むしろ、自分のためなら他人がどうなろうと知ったことではない。という考えの人物の方が圧倒的に多かった。
困惑するのも無理はない。
そんな彼女の心境を知ってか知らずか、銀時が声をかけた。

「……ご主人様がこう言ってんだ。いいんじゃねェのか?」

確かに一理ある。
自分達は主の命に従い、また主の望みを叶えるために生み出された存在。
主が力を欲さないというのならば、それもまた良し……なのか?
最後に疑問符を付けながら、シグナムは難しい顔をする。
そんな彼女の顔を見て、銀時は呆れたような表情をしながら言った。

「まァ何にしろ、オメーらがコイツのこと護ってくれるってんなら……俺達の仕事はここまでだな」

「え……?」

何の突拍子も無く聞こえてきた言葉。
はやては驚いた様子で銀時を見る。
銀時は腕を組みながら、さも当然のように言い放った。

「そりゃそーだろ。タダで働いてくれる小間使いがいるってのに、わざわざ俺達がここにいる必要はねーだろ」

「こ、小間……」

騎士から小間使いにランクダウンさせられたシグナムが、心外だと言わんばかりに銀時達を見る。
銀時達はその視線を華麗に受け流した。
224なの魂:2007/12/24(月) 06:50:54 ID:nB+gIeX/

「安心はできないけど、信用はできるネ。きっと悪いようにはしないアルよ」

「ちょっと寂しいけど……これでお別れだね」

しんみりした表情を向けてくる神楽と新八。
どうやら冗談ではなく、本当にこの家から去るつもりのようだ。
はやては俯き、黙りこくる。
今まで彼らと過ごした時間が、脳裏に鮮明に蘇ってきた。
毎日が騒々しくて、でも楽しくて。
いつの間にか、彼らがいない日常など考えられなくなっていた。
でも、彼らは去っていってしまう。
何も今生の別れというわけではない。
だが、それでも。
自分の目の前から、彼らがいなくなってしまうのは……嫌だった。
胸にぽっかり穴が開いたような気分だった。

「それはそうとして……だ。なんでオメーがこんなところにいんだよ、ヅラ」

思い出したかのように、銀時は部屋の片隅へ視線を向けた。
桂が壁に背を預け、「俺の出番はまだか?」と言いたげな表情でこちらを見ていた。

「ヅラじゃない桂だ」

やっと話を振ってもらえた桂が、少し嬉しそうに返答する。
「ウゼーんだけど。なんで嬉しそうなんだよコイツ、マジウゼーんだけど」という銀時の言葉を華麗にスルーし、
シグナム達に視線を向ける。

「少し、君達に話があって来た。銀時、お前達にもだ。
 ……八神殿。すまないが少し席を外させてもらうぞ」

「え? あ……はい」

酷く沈んだ様子ではやては答える。
桂はシグナム達を連れ、部屋を出て行ってしまった。
その後に続き万事屋も部屋を出る。
列の一番最後にいた銀時は、部屋を出る直前にちらりとはやてを一瞥した。
はやては物憂げな様子で、ずっと俯いていた。
その姿は酷く儚く……放っておけば、そのまま消え入ってしまいそうに見えた。



「それで、話というのは?」

はやての部屋の入り口を閉め、リビングの真ん中まで来たところでシグナムが口を開いた。
桂は目を伏せ、重たげに話を始めた。

「……こちらへ来て早々ですまないが、悪い知らせがある」

そのあまりの空気の重たさに、一同は思わず黙り込む。
普段はおちゃらけた万事屋も、今回ばかりは真剣に桂の話を聞き入っている。

「単刀直入に言おう。君達の主が、ある男に狙われている」

「何……ッ!?」

顔をしかめる守護騎士達をよそに、桂は懐から一枚の写真を取り出した。
その写真を見、今度は銀時が顔をしかめる。
間違いない、コイツは……。
225なの魂:2007/12/24(月) 06:53:24 ID:nB+gIeX/

「高杉晋助……力による革命――クーデターを目論む、危険な男だ。
 ……その勢力は、もはやテロリストの枠を超えている」

写真をシグナムへ手渡し、腕を組んで語り始める桂。
その表情は、どこか辛そうなものだった。

「元々は、奴らが新型の兵器を開発しているという情報を手に入れ、その調査を行っていたのだがな。
 その過程で、闇の書のことが浮かび上がってきた。……奴らは闇の書の力を使い、この国を滅ぼすつもりだ」

「ですが、闇の書は……」

シャマルが口を挟むが、桂は手を出してそれを制した。

「主以外には使えない。そして主の元を離れることはない……分かっている。だからこそ、だ。
 俺のような一介の攘夷志士ですら容易に得られた情報だ。奴らが知らないはずもない。
 なんらかの対抗手段を持っていると考えるべきだろう」

シグナム達は口をつぐむ。
はたして、管理局ですら完全な封印を施せなかったこの闇の書を制御する方法など、存在しえるのだろうか?
疑問に思うが、彼の言うことは尤もだった。
独自に兵器を開発できるほどの組織ともなると、その情報網は多岐に渡る。
もしかすれば、管理局にも根を張っているかもしれない。
となれば、闇の書の詳しい情報を得ていても不思議ではない。
また、そこから闇の書を制御する方法のヒントを得ていたとすれば……。
半信半疑ではあるが、危機感を持っておくに越したことは無い。
この男も、そのためにわざわざ自分達にこのような話をしたのだろう。
シグナムは思い、桂を見る。

「そこで、だ。銀時、お前に頼みたい仕事がある」

彼は銀時に話を振っている最中だった。
真摯な表情で、銀時の顔を見る。

「八神殿の護衛をしてはくれないだろうか」

そう言った桂は、シグナム達に目配せをしながら話を続けた。

「もちろん、彼女らの力を信用していないわけではない。
 だが先に言ったとおり、奴らも闇の書に対する情報は充分に得ているはず。
 奪取の際には、それ相応の戦力を送り込んでくるだろう」

そこで一旦言葉を区切り、銀時に向き直る。

「……必要なのだ。"白夜叉"と呼ばれた、お前の力が」

かつて戦場を駆け抜け、数多の魔導師を屠ってきた頃に付けられた名。
ひどく懐かしく、そして忌まわしいその名を聞き、銀時は目を細めた。

「……ヅラ。テメェ何を企んでやがる」

「邪推はよすがいい。俺はただ、約束を護りたいだけだ」

「約束だァ?」

「ああ。……"いずれ恩は返す"。そう約束した。今がその時なのだ。
 ……だが立場上、俺が彼女を直接護ることは出来ん。だから、出来る限りのことをしてやりたいだけだ」
226なの魂:2007/12/24(月) 06:55:15 ID:nB+gIeX/

真剣な面持ちで語る桂。
確かに、指名手配犯である彼が関わっていたとなれば、はやての立場が危うくなる。
だが、自分達はたった今はやてに別れを告げてきたばかりだ。
今さら舞い戻っても、確実に怪しまれる。
何よりアレだ、恥ずかしい。
そしてそれ以上に……。

「ケッ……ふざけんじゃねーよ。何が悲しくてテメェの頼みなんざ聞かにゃならねーんだ。
 却下だ。そんな依頼」

桂の言うことを聞くのが癪だった。
ガキのような理由だが、どうにもこの男の頼みを聞く気にはなれなかった。

「ち、ちょっと銀さん!?」

「銀ちゃん、はやてがどうなってもいいアルか?」

背を向け、部屋から出ようとする銀時の背中に新八達の声がかけられる。
銀時は一瞬だけ考え込むように立ち止まり……またすぐに歩き出した。
部屋から出るために、扉に手をかける。

「……銀ちゃん!」

扉が開く音と共に、背後から声がした。
何事かと思い後ろを振り向くと、自室から出てきたはやてが大きな紙袋を抱え、思い詰めた表情でこちらを見ていた。

「あの……銀ちゃん、頼んだらなんでもしてくれる万事屋さんなんやな?」

「何を今さら……それがどうかしたか?」

腰に手を置き、ぶっきらぼうに答える。
はやてはいそいそと車椅子を漕ぎ、銀時の目の前までやってきた。

「それやったら、私から一つ仕事の依頼や!」

ビシッ! という効果音と共に銀時を指差しながら言う。
が、今の勢いはどこへやら。
すぐに顔を赤くしながら俯いてしまった。
両手の人差し指を胸の前でつき合わせながら、ぶつぶつと呟きだす。

「あの、これから毎日……じゃなくてもええ。たまにでいいから、遊びに来てくれへんかな……?」

上目遣いでこちらの様子を窺うように顔を覗き込んでくるはやて。
銀時は面倒くさそうに頭を掻きながら言う。

「……報酬は?」

その言葉を聞き、はやては自信なさげに抱えていた紙袋を差し出した。

「……今ちょっとお金ないから、これで勘弁してほしいんやけど……。
 銀ちゃん、ジャンプ好きやろ? そやから、うちにあった単行本全部あげる!」

はやてから紙袋を受け取り、中を検める。
彼女の言葉通り、紙袋の中にはジャンプのコミックスが大量に敷き詰められていた。
しかし武装錬金やブラックキャットはともかく、いちご100%やToLOVEるまで入っているのはどういう了見だ。
銀時は頭を抱えた。
227なの魂:2007/12/24(月) 06:57:18 ID:nB+gIeX/

「現物支給かよ。しかも俺単行本派じゃないんですけど」

「うぅ……」

ああ、やっぱり駄目か。
殆ど涙目になりながら恨めしそうに銀時を見つめるはやて。
そんな彼女の目の前で、銀時の動きが止まった。

「……オイ、はやて」

呟き、袋から一冊の本を取り出す銀時。
水色の表紙に、大きな二文字の漢字。
なんとなく買ってみたものの、三巻辺りまで集めてそのまま読まなくなってしまった漫画だ。

「コレ、銀魂一巻の初版本じゃねーか」

「え……? うん、そやけど……それがどうかしたん?」

物珍しげに本のページを捲る銀時を見て、はやてはきょとんと首を傾げる。
銀時は意味深に微笑しながら、はやての方を見た。

「どうかしたって、お前……。俺ァ本誌派だけどよ……コイツだけは集めてんだ、銀魂」

本を閉じ、はやてに表紙を向けながらニッと笑う。

「コイツのためならなんでもするぜ。たまにと言わず、毎日でも来てやんよ」

ぽかん、と口を開けたまま固まるはやて。
どうやら思考回路がフリーズを起こしたらしい。
しばらく待っているとようやく再起動がかかったのか、はやてが車椅子から身を乗り出しながら聞いてきた。

「……ホンマに!?」

「ああ。侍は嘘はつかねーよ」

ポンポン、と銀時ははやての頭を軽く叩く。
はやてはしばらく、惚けた表情で銀時の顔を見続けた。
もしかして、これは夢?
いや。
今頭を触られた感触は、確かに本物だった。
夢なんかじゃない。
これからもずっと、彼らと一緒にいれる!

「……やたー!」

目尻に涙を浮かべ、諸手を上げて喜ぶはやて。
神楽がそんな彼女を抱きかかえ、大喜びでぶんぶん振り回す。
新八も嬉しそうな表情をしていたが、さすがに神楽の行動はマズいと考え止めに入る。
そんな彼女らを見て銀時は笑い、桂の方を見た。

「……そーいうわけだ、ヅラ。お前の依頼を受けるわけにはいかねェ」

背中越しに、はやてを右手の親指で指す。

「あっちのが上客だ」

「……フッ」
228なの魂:2007/12/24(月) 06:59:12 ID:nB+gIeX/

盟友の天邪鬼っぷりに、思わず吹き出す桂。
そのまま銀時の横を通り、部屋から出て行こうとする。
そして銀時とすれ違う直前、彼はこう呟いた。

「そうか。玄関と窓ガラスの修理費も、俺が肩代わりしてやろうと思っていたのだが……それなら仕方ないな」

「……あの、スンマセン桂様。俺が悪ぅござんした」

桂の腕を掴み、頭を下げる銀時。
現金な男である。

「そや、忘れるトコやった。みんなのお洋服とかも買ってこなあかんな」

そんな彼らの後ろでは、神楽に抱きかかえられたはやてが、満面の笑みを浮かべてシグナム達を見ていた。

「……は?」

いきなり訳の分からないことを言われて困惑するシグナム達。
洋服? 騎士甲冑か? いや、あれは買うものじゃないだろう。
などと思考を巡らせていると、はやてがグッと握り拳を作って宣言した。

「闇の書の主として、守護騎士みんなの衣食住、きっちり面倒見んと!」

「オィィィ! お前金あるじゃねーか! 服買うくらいなら俺の給料に回せや!」

叫ぶ銀時。
どうどう、とそれを押さえつける桂。
どこまでも金にがめつい男である。
しかしはやては慌てず騒がず、嫌な笑みを浮かべながら口元を手で覆った。

「あれれ〜? 銀ちゃん、本一冊でなんでもしてくれるって言うたやんなぁ?
 侍は嘘つかんって言うたやんなぁ?」

「腹立つんですけど! メッチャ腹立つんですけどこの子!」

こめかみに青筋を浮かべながら怒鳴る銀時。
未来の片鱗を見せるチビ狸は、心底嬉しそうな笑顔を浮かべていた。
229なの魂:2007/12/24(月) 07:00:35 ID:nB+gIeX/



次元空間で一隻の船が航行を続けていた。
名はアースラ。
時空管理局が保有する、巡航L級8番艦である。

「みんなどう? 今回の旅は順調?」

艦長席に腰掛けながらその女性――リンディ・ハラオウンは言った。
オペレーター達が彼女の問いに対し、逐一報告を返す。

「はい。現在、第3戦速にて航行中です。目標次元には、今からおよそ160ベクサ後に到着の予定です」

「前回の小規模次元震、やはり第107管理外世界も感知していたようですね。
 現地の組織に、調査要請を出したようです。
 それと……二組の探索者が再度衝突する危険性は、非常に高いですね」

「そう……」

物憂げな表情で次元の海を眺める。
小規模次元震が起こったというだけでも厄介だというのに、その発生地点がよりにもよって第97管理外世界なのだ。
時空管理局に勤める一局員としては、あまり関わりたくない案件である。
だが、件の次元震にロストロギアが関わっているという情報を得てしまった以上、管理局が動かないわけにはいかない。
これ以上、戦争の火種を振り撒かないためにも。

「失礼します、リンディ艦長」

「ん。ありがとね、エイミィ」

差し出された紅茶に口をつけ、一息つく。

「そうねぇ……場所が場所だし、ちょっと厄介ね……。
 ロストロギア……彼らに知られでもしたら……下手を打てば、一年戦争の再来ね。
 ……危なくなったら、急いで現場に向かってもらわないと。ね、クロノ」

視線を下へ向ける。
ブリッジの中央に立っていた、紺色の魔導法衣を身に纏った少年が艦長席を見上げながら言った。

「大丈夫。分かってますよ、艦長。僕は、その為にいるんですから」
230なの魂の人:2007/12/24(月) 07:03:08 ID:nB+gIeX/
以上で十二話投下終了です。
みんな綺麗なスカ博士を書いてる中、あえてダークな感じで書いてみる。
チンク姉が好きです。
でも万事屋と八神家はもっと好きです。
231名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 07:35:24 ID:EYFQrMV4
ついに芙蓉プロジェクト絡みの話が出てきましたか
無印時である以上いずれは絡んでくるとは思いましたけど
まさか戦闘機人それもチンクに絡んでくるとは思いませんでしたが
この先あるであろう流山博士とプレシアの狂気の絡みが楽しみです
そしてソレを見事ぶち壊してくれる銀さんやなのはたちの活躍が何よりも
232名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 08:20:04 ID:2zhmFhK3
チンク姉キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
ああもう可愛いなちきしょーーーーーーーーーーーー!!
しかしこの銀時、ツンデレである
233名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 08:29:40 ID:RA6RahgD
グッジョ―――ッ!
いいかい?あれがいいツンデレだよ(子供に言い聞かせるように)
敵側が敵役オールスターになってるんで楽しみです

……この状況、クロノじゃ収拾つけるの無理じゃないか?
234白き異界の魔王 外伝:2007/12/24(月) 08:31:10 ID:zIbHjmGf
なの魂を読み終わったので投下させてください。
良作の後だと投下が怖いです。
そのくらい面白かった……
235白き異界の魔王 外伝:2007/12/24(月) 08:37:06 ID:zIbHjmGf
ミッドチルダ北部 ベルカ自治領「聖王教会」大聖堂:八神はやて
部下として連れてきた女性を1人伴って来たはやては、一般の参拝客は決して入らない大聖堂奥の一室に通された。
そこははやての友人であり、聖王教会教会騎士団のカリム・グラシアの執務室だ。
分厚い木の扉を2回ノックすると、扉は内側から開かれた。
現れたのはカリムではなく、彼女の秘書のシャッハ・ヌエラだ。
短く切りそろえた赤い髪がよく似合う彼女は、少しきつい仕事用の顔ではやてに入室を促す。
「ようこそ、騎士はやて。カリムは奥でお待ちです」
いつもならカリムがいるはずの扉の正面にある大きな机には誰もおらず、仕事に必須の羽ペンはペン立てに刺さっている。
それならとはやては部屋の奥を見る。
案の定、小さく声が聞こえてきた。
「クロノくんはもう来とる見たいやな」
「ええ、つい先ほど来られました」
はやてはシャッハに促されるままに、部屋の奥に歩を進める。
ついたてを1つ横切った先にある窓際のテーブル──そこは、カリムのお気に入りの場所だ──にはすでにカリムとクロノが座っていて、お茶の合間にクッキーを摘んでいた。
「うちの分も残っとる?」
「もちろんよ。お代わりもたくさんあるわ」
はやては少しおなかがすいていた。
机の上をちょっと覗いてクッキーの数を数える。
──うん。まだ、たくさんある。
ゆるんでしまいそうになる表情を押さえて、はやては空いている椅子に座った。
236白き異界の魔王 外伝:2007/12/24(月) 08:39:23 ID:zIbHjmGf
テーブルに着いたハヤテにはすぐにシャッハが紅茶を運ぶ。
「あたしの連れは?」
はやては自分が連れてきた女性のことを聞いた。
お土産のケーキを持った彼女は、シャッハに連れられて別のついたての奥に行ってしまったのだ。
「お連れの方でしたたら、向こうでケーキを切り分けておられますよ」
はやては心底ほっとする。
どうやら、大人しくしてくれるみたいだ。
1つ大きな心配事から解放されたはやては、ほどよい熱さのティーカップを手に取り、その香りを軽く楽しむ。
次いで音を立てぬように口に含み、口に広がるほどよい渋みを味わいながら赤い液体を飲みこみ、目を見開いた。
「ファーストリーフのいいところやな!」
「まあ」
シャッハも目を大きく開く。
「よくわかったわね」
「あたしもな、ちょっと前から紅茶にうるさくなったんや」
「それじゃあ、もう変な物は出せないわね。そうだ、とっておきのを出しましょうか?」
「ええんか?うれしいなぁ」
「あ、あー、ちょっと待ってくれ」
ほっておいたら、聞き酒ならぬ聞き紅茶を始めそうな二人をクロノが押しとどめた。
ここに来るとゆったりしてくるのはいつものことだが、リラックスするのが目的ではない。
「はやても来たことだし、そろそろ本題に入らないか?」
はやてはティーカップを皿に戻して、居住まいを正したカリムに目を向けた。
笑顔ではなく、真剣さをみせたカリムが口を開いた。
「2人には聞きたいことがあって来てもらったの」
「聞きたいこと?」
「ええ、JS事件も一段落ついたわ。でも、すぐに大きな案件が持ち上がった……」
「新しい世界、ファー・ジ・アースとの接触だね」
「ええ」
新しい世界との接触は決して小さい事件ではない。
JS事件の陰に隠れていたが、それが解決された今、表に現れてきたのだ。
「ファー・ジ・アースは人もいれば、魔法もある。それに、他の世界の存在すら知っている。しかも、お互いのことを知ってしまったわ。そう言う世界との接触は聖王教会としても無関心でいることはできないの」
「だろうね」
異世界との接触の際、宗教は大きな問題となる可能性のある事項の1つである。
多数の世界に信者を持つ聖王教会は異世界の宗教との接触も初めてではないが、かなり気を使わなければいけないことは経験的にわかっていた。
「私も時空管理局理事官だから、資料はいくつももらっているわ。でも、実際に現地に行った人の話を聞きたかったの」
「それで、あたしらを呼んだんやね」
「それに、管理局の動き教えて欲しかったし。いいかしら?」
はやては少し考える。
ファー・ジ・アースの情報については機密とされていることが多い。
「僕はかまわないよ。個人的にも、立場的にもカリムに隠さないといけないようなことは知らないしね」
だが、カリムも時空管理局でそれなりの地位に就いている。
セキュリティレベルは十分クリアしていると言っていいだろう。
「うちも同じや。せやけど、報告書通りのことしかいえんよ?」
「ええ、それでいいわ。お願いね」
はやては紅茶をもう一口飲み込んだ。
少し長い話になりそうだった。


カリム:「管理局はファー・ジ・アースと交渉を行っているでしょう?まずは、それがどうなっているか教えてもらえないかしら」
はやて:「それなら、クロノ君の方が詳しいんやないかな?」
クロノ:「そうだな。まず、管理局からは数名の使節団が派遣されている。
     彼らの窓口となっているのが、アンゼロット氏だ。
     ファー・ジ・アースには複数の組織があり、それら全てがアンゼロット氏の直接の指揮下にあるというわけではないが、この交渉で彼女が代表となることについて反対しているところはないようだね」

管理局が新たに接触した世界と交渉する際、その窓口を絞ることは重要になります。
1つの世界の中に複数の有力な、しかも敵対した組織があることも珍しくはありません。
それでも、その世界がの状況、技術によっては管理局は管理世界の安定のために交渉せざるを得ません。
今回の交渉相手であるファー・ジ・アースは複数の勢力が存在する世界ではありますが、交渉先は1つに絞ることができました。
これは、管理局に取って幸運なことと言えるでしょう。
237白き異界の魔王 外伝:2007/12/24(月) 08:41:36 ID:zIbHjmGf
はやて:「アンゼロットさんか……」
カリム:「はやて。あなたはアンゼロットという方と直接話をしたことがあるのでしょう?どのような方でしたか?」
はやて:「そやな……とにかくイイ性格の人やな」
カリム:「はぁ……いい性格、ですか」
はやて:「そうや。あと、目的のためなら手段をえらばへんところもあるみたいやったな」

まったくその通りです。

はやて:「それでも、信用はできる人やと思うよ。でも、使節団は楽な仕事はできんやろうな」

アンゼロットですから。

クロノ:「この交渉で管理局側からファー・ジ・アースに要求したことは2つ。ロスト・ロギアの引き渡し。質量兵器の禁止」
カリム:「それで、どうなりました?」
クロノ:「両方とも強く拒否されたみたいですね」
カリム:「まあ」
クロノ:「今まで新たな次元世界と接触した際の通例に従い、少なくない援助を申し出たのですがそれも拒否されました」
カリム:「それは、ファー・ジ・アース側がより多くを要求した、と言うことですか?」
クロノ:「いえ、そう言うわけではありません。前者についてですが、これはファー・ジ・アースとの接触の原因になったステラの管理をファー・ジ・アースと管理局のどちらが行うかと言うことです。今のところ、互いに譲るところはないようですが」
カリム:「ファー・ジ・アース側は管理局を信用していないのですか?」
クロノ:「はっきり言って信用してないようですね。接触したばかりですし、当然とも言えますが」

強力なロスト・ロギアは次元世界の存亡に関わることもあります。
なので、これは管理局にとって最重要案件の1つといえます。

カリム:「もう一つの質量兵器の禁止についてはどうなのですか?あの世界もかなり魔法技術が発達していると聞きました。いまさら、質量兵器を必要としているとは思えないのですが」
クロノ:「それは、ファー・ジ・アースが現在侵略を受け続けている世界だから、というのが理由のようですね。エミュレイターや魔王と呼ばれる、その侵略者と闘う際には質量兵器が有効な物となることも少なくないそうです」
カリム:「質量兵器が有効ならば、魔法も有効なのでは?」
クロノ:「相手によるみたいですね。
     魔法に対しては無敵に近い防御能力を持つが、質量兵器に対しては有効な防御手段を持たないエミュレイターも多数確認されているそうです。
     そして、逆のエミュレイターもまた確認されているようです。
     そのような状況では攻撃手段を限定してしまう質量兵器禁止は受け入れられないのでしょう。それに」
カリム:「それに?」
クロノ:「ファー・ジ・アースの特殊な事情、つまり世界結界に対する影響が大きいというのもあるようですね」

ファー・ジ・アースを守る世界結界は、エミュレイターの侵入を妨害します。
また、仮に侵入を許したとしても強力なエミュレイターは世界結界の中では力を大きく抑制されてしまうのです。
これは魔王と呼ばれる存在も同じです。
ファー・ジ・アースにおいて極めて強力な魔王にウィザードが対抗できるのはこのためなのです。

カリム:「ですが、その世界結界と質量兵器の禁止にどういう関係があるのですか?」
クロノ:「それには世界結界のシステムが大きく関わっています」

ミッドチルダでの結界とは個人、あるいは複数人の協力により行使した魔法で空間を切り取り、それに特殊な性質を持たせた物のことを言います。
しかし、世界結界はそれとは規模が大きく違います。
世界結界を支えるのは、その世界にいる住人全て。結界の大きさは世界全てです。
つまり、人々の持つ世界はこうある、と言う認識を利用しているのです。
それであるが故に世界の人々の認識が大きく揺らげば世界結界も弱まり、ついには破壊されてしまいます。

カリム:「では、あの世界が質量兵器禁止を実行した場合は……」
クロノ:「ええ。質量兵器禁止を受け入れた場合、一般市民にも質量兵器禁止を受け入れてもらわなければならないでしょう。そして、治安維持には質量兵器の代わりに魔法が使われることになります。そうなれば」
カリム:「認識が大きく揺らぎ、世界結界の破壊につながるわけですね」

質量兵器の禁止を進めるのは管理局の大きな仕事の1つです。
しかし、それは社会システムを大きく変えてしまうことになりますから簡単な事ではありません。
その中でもファー・ジ・アースのようなケースは管理局にとっても初めてのことではないでしょうか。
238白き異界の魔王 外伝:2007/12/24(月) 08:42:46 ID:zIbHjmGf
クロノ:「こういう状況ですから、多くはありませんがやはり過激な考えを持ち出す物もいるみたいですね」
カリム:「やはり……」
クロノ:「ええ。武力を持って、ファー・ジ・アースを制圧しよう、と言う考えです。あの世界には多数のロストロギアがあると予想されることもそれに拍車をかけているみたいですね」
カリム:「その考えは管理局で主流を占めているのですか?」
クロノ:「まさか。人手不足の管理局には無理がありますよ。それに、魔王の存在もありますし」
はやて:「そう言えば、この前の会議で魔王の戦力評価を聞いた時のクロノ君の顔。あれは、すごかったな」
クロノ:「僕だけじゃなかっただろう。誰だって、ああなるさ。はやてはそうでもなかったみたいだけどね」
はやて:「あたしは一回、魔王と戦ったことがあるし。それに力を押さえられてるってのも聞いとったしな」
カリム:「どういう物だったのですか?私のところには届いていないのですが」
クロノ:「ああ、あれはあまりにばかばかしすぎて文章にはされていないのです。ですから、もう一度再評価が行われているところ」
カリム:「参考程度に、そのときの話を聞かせてもらえませんか?」
クロノ:「ええ。いいですよ。確か、もっとも楽観的な評価では魔王1人の戦力は戦艦一隻に相当。逆にもっとも深刻な評価では、管理局の全戦力をも凌駕すると言う物でした」
カリム:「ずいぶん開きがありますね」
クロノ:「まだデータがそろっていない段階ですし、交戦記録もはやて達のみですから。どの結果でも、強力すぎることには変わりありません。正直、あまり会いたくありませんね」

クロノの話を聞きながらはやては頬を引きつらせていた。
「どうぞ」
彼女が連れてきた女性がケーキをのせた皿をそっとクロノの前に置く。
その女性こそ、他でもない。
今、話題に上っていた魔王本人。
1人で最低でも戦艦一隻に相当し、あるいは管理局の全戦力をも凌駕するというベール・ゼファーなのだ。
「クロノの横に、その魔王がおるよ」とはとてもではないが言えない。
「ファー・ジ・アースとの交渉が非常に難しい物であることは理解しました。クロノ、はやて。今後もお願いします」
「ええ、わかりました」
「ところで」
ケーキを置くために、側に立ってベルをカリムが手で示す。
「あなたが連れてこられたこの方の紹介をしてもらえないかしら」
「あ、ええ……」
ここに連れてきたのは、ベルに勝手な行動をさせないためでもある。
その意味では、これでよかったのだろう。たぶん。
「フェイトちゃんところで事務をやっとるベル・フライ。新入局員や」
「そう。よろしく、ベルさん」
「よろしくお願いします。カリムさま。噂は聞いています」
「あら、カリムでいいわよ」
239白き異界の魔王 外伝:2007/12/24(月) 08:44:30 ID:zIbHjmGf
握手と自己紹介を交わす2人をみて、何か感づかれやしないかとはやてはびくびくし通しだった。
やがて、ベルも交え4人は仕事を離れて談笑にはいる。
いつもははやてもこの輪の中にはいるのだが、ベルの事を考えるとそんな気にはなれず、カリムとクロノの話も耳に入っていなかった。
クロノがはやてに突然話しかけたのはそんなときだ。
「はやて、一つ聞きたいことがあるんだが」
「へ?あ?」
はやてはベルに集中させていた意識をあわててクロノにうつす。
話がもっと長かったら危なかった。
クロノの話をほとんど聞いていなかったことがばれていたに違いない。
「この前、フェイトの執務室に行ったら、写真立てが1つ増えていたんだ」
「それで?」
どことなくクロノの様子がおかしい。
張り詰めた物を感じる。
「いや、それが……フェイトとエリオとキャロ、それに僕の知らない男が写った写真なんだ」
「おとこ?」
どこか、どころではなかった。
明らかにおかしい。
具体的には殺気すら含んでいる。
「ああ、青いブレザーを着て、ネクタイをだらしなくゆるめて、しかも腕まくりをして指ぬきグローブをつけた男だ」
だん!
少しずつ熱くなっていくクロノは机を叩く。
ベルとカリムもお茶をやめて、クロノを見ていた。
「ああ、それはな。柊君や。ファー・ジ・アースでずいぶんお世話になったんよ。フィエトちゃんやエリオ、それにキャロとも仲がようなっとなぁ」
「仲良く!?ずいぶん!?あんなだらしない男が!!!」
ベルとカリムは顔を見合わせてくすくす笑っていたが、はやてはいやな予感がしていた。
後にはやては語る。
「フェイトちゃんでああなったら、本当の娘の時はどうなるんやろう」
このときの彼女には分かりようもなかった。

*****************************
今回はここまでです。
あるライタの真似をしてみようとがんばったのですが、思ったよりうまくいかなかったです。
真似の仕方がたりんからだ、と思っておくことにします。
240魔法少女リリカルなのはStylish:2007/12/24(月) 08:59:08 ID:ZW3lXd6C
>なの魂
やべーよ、とうとう銀魂サイドで知らないキーワード出てきちゃったよ!(汗
古本屋で奇跡的に手に入れた十二巻までしか持ってない似非ファンの俺。呑気に次の仕入れ待ってる時じゃない、定価で買ってこなきゃ!
待っててくれ、チンク姉! すぐに脳内補完してあげるよ!!(クリスマスの街を走りながら
あいも変わらずクロスキャラとその流れ共に違和感なく心に溶け込む内容の濃密さですね。
これまで、私はナンバーズを日本刀に刻まれる敵としか認識していなかったのに……何故だろう、今はあの少女達がとても…とても素敵に見える!
ナンバーズの中でイレギュラーとなったチンク姉が今後どうなっていくのか、瞳孔開いて見守らせていただきましょう。
そして、銀さんパートも相変わらず和むなぁ。銀さん男前すぎw
はやて迫る魔の手がついに明るみに出ましたが、しかしその危機感すらも八神家と銀さんファミリーの絆を強める為のスパイスさ。
あと、出会いの時点ですでに微妙なシンクロ果たしてる神楽とヴィータにニヤニヤ。神楽が酢こんぶ進めるなら、それは友好の証ですよ?
そして、団結力強いはずのヴォルケンの中でヴィータのザフィーラに対する認識が明らかになって泣くと同時に吹いたwwおい、長い年月共に戦った仲間だろwww
これだけ内容盛りだくさんで、まだなのは無印ストーリーも進行中だというんだから、毎回何が起こるかわからずハラハラです。
次回もお待ちしております、頑張ってください!
241名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 09:25:51 ID:jU7yGIlM
>白き異界の魔王氏
GJ。台本形式でもいいんじゃないと言った1人だけど、正直普通に地の文混ぜて書いた方が向いてると思う。
口調で普通に特徴出してるから名前無くても誰だかある程度分かるし。
文量増えて大変だろうけどw
242戦国の鉄の城:2007/12/24(月) 12:24:24 ID:h2ZF1+HY
こんにちは。
いきなりですが五分後にホンダム投下したいと思います。
他の武将って登場させるタイミングが難しいんだよなぁ・・・。
243戦国の鉄の城:2007/12/24(月) 12:31:59 ID:h2ZF1+HY
五分経ったので投下させていただきますね。
しっかしシリアスは苦手だぁ・・・。
244戦国の鉄の城:2007/12/24(月) 12:32:34 ID:h2ZF1+HY
魔法少女リリカルBASARAStS 〜その地に降り立つは戦国の鉄の城〜

第四話「忠勝と予言、そして鬼」

「ククク・・まさかこんなデータが手に入るとはねぇ・・・。」
とある地下にある研究所。ここで紫の髪に白衣を着た男性、ジェイル・スカリエッティは立っている。
彼の目の前にはモニターに映し出されたなのは達六課メンバー。そして、本多忠勝。
「こんなものが六課にあったとは・・いやいや、流石の私も驚いたよ。」
本多忠勝の映像だけがアップになり色々な項目が浮き出る。スカリエッティはふむ、と唸る。その顔はまさに純粋に何かを楽しむ子供の様。
そんな彼の横に薄い紫の髪の女性が現れる。ナンバーズの1番目、ウーノだ。
「ドクター。これをどうするおつもりで?」
「ククク・・・久しぶりに別の方向に研究意欲が向いてきたよ!!」
長年付き添っているウーノはその言葉だけでドクターがこれから行おうとすることが理解できた。
「ではドクター、材料はどうするおつもりで?」
「そんなもの、何かで代用すればいいだけのこと!クククク・・・ハハハハハハハハハ!!」
高笑いをして研究所の奥へと消えていくスカリエッティ、その後をついていくウーノ。
誰もいなくなったその一室に本多忠勝のモニターをじっと見つめる隻眼の少女が立っていた。
その少女が思うはモニター越しに見える強者への期待。自然と腕がうずいてしまう。
いつしか対決するであろう強者に思いを膨らませ、隻眼の少女は立ち去る。
「もし戦うことがあれば・・・私の期待を裏切ってくれるなよ・・。」
少女、チンクの呟きが響いた。
245戦国の鉄の城:2007/12/24(月) 12:33:42 ID:h2ZF1+HY
所変わってここは聖王教会の廊下。
その場所にはなのは、フェイト、はやてという隊長三人。その後ろには何故か忠勝がいる。
時々刺さる視線が痛い。
「じゃあ、入ろうか。」
はやてがノックするとドアが開き、奥からフェイトより少し薄い金髪の女性が現れた。
「失礼します。高町なのは一等空尉であります。」
「フェイト・T・ハラオウン執務官です。」
二人が背筋を伸ばし、敬礼をする。金髪の女性はそんな二人に対して優しく微笑む。
「いらっしゃい。はじめまして。聖王教会教会騎士団、騎士、カリム・グラシアと申します。どうぞ、こちらへ。」
そう案内されて三人は奥のテーブルへと案内される。テーブルの椅子には一人の黒髪の男性が座っていた。
「失礼します。」と言ってから二人は席に座る。
「クロノ提督、少しお久しぶりです。」
「ああ。フェイト執務官。」
クロノと呼ばれた男性はその威厳のある表情のまま、フェイトと挨拶。
そんな二人を見てカリムはクス、と笑った。
「二人とも、そう固くならないで。私たちは個人的にも友人だから。いつもどおりで平気ですよ?」
カリムの言葉にクロノは「やれやれ」といった表情をする。
「と、騎士カリムが仰せだ。普段と同じで。」
「平気や。」
「じゃあ、クロノ君、久しぶり。」
「お兄ちゃん、元気だった?」
フェイトの言葉に一瞬クロノはドキッとして、それから少し照れた表情に。
「それはよせ。お互いいい年だぞ?」
「兄妹関係に年齢は関係ないよ。クロノ?」
「・・・・」
クロノの抵抗の言葉にフェイトはさらりと対処。クロノは肩を落とす。
そんな二人の姿を見て、つい笑みがこぼれてしまう。
「あれ?忠勝さんは?」
なのははもう一人いないことに気づく。その人は何故かここに連れてこられた忠勝だ。
「忠勝さーん。入ってきていいんだよー?」
忠勝とは誰か?日本名であることを考えるとなのは達の友人なのだろうか?とクロノとカリムは思う。
しかし入ってきたのは想像を真っ向から打ち破り、いや、砕いた黒い鎧の巨人。
しばらく流れる沈黙。「あちゃー」という表情をするなのは達三人。一方の忠勝はもう慣れたみたいだ。とりあえず頭を掻いておく。
「な・・何なんだ?このミスター質量兵器は?」
「えっと・・・六課脅威のメカニズムや!」
「違うでしょ、はやてちゃん。えっとね、こちらは本多忠勝さん。私達に協力してくれている人なの。」
「というか人なのでしょうか・・・?」
まただ。自分を見るその視線が痛い。こんな姿を主に見せられない。戦国最強も形無しである。
フェイトがコホン、と咳払いをすると喋れない自分の代わりに自己紹介をしてくれた。
「この人は本多忠勝さん。なのはやはやての世界の戦国時代からこの世界に飛んできたんだって。とっても強いんだ。」
いや魔法を使える貴殿らのほうが十分強いですよと言いたくなったが喋れないので心の中にしまっておくことにした。
お辞儀をすると二人も頭を下げて返してくれた。
「でも忠勝さん・・でしたっけ。連れてきたんですか?」
そこは自分も気になってたことだ。納得のいく答えを期待しているぞはやて殿。
「うん・・六課にいるから、クロノ君達にも会わせておかんとなーって。」
来客や外部の者には会わない約束をしたような気がするが忠勝は堪える。
苦笑するクロノとカリム。
正直それからの話は忠勝は自分に関係ない話だったためあまり覚えていない。
唯一気になることがあるならば予言の「崩れ落ちる鉄の城」というフレーズだ。その言葉を聞いた時忠勝は寒気を覚えた。
まさか自分が死してしまうのだろうか?不安になってきた。そして「白銀(しろがね)の城」。
自分の意思を継いでくれる者がいる・・ということだろうか?
どうしても不安がぬぐえないまま六課に戻った。
246戦国の鉄の城:2007/12/24(月) 12:36:13 ID:h2ZF1+HY
自室に戻ろうとするとはやてに呼び止められた。
「あの・・忠勝さん。カリムの予言の崩れ落ちる鉄の城・・・って忠勝さんも感じてるとおり・・貴方だと思うん。」
俯いて言いにくそうに言葉を口にするはやて。忠勝は何もせず、黙って聞く。
「でも・・・あれは割りとよく当たる占い・・ってカリムも言うてたし・・第一・・・ウチや・・ウチ等六課メンバーが・・そんなことさせへんから!」
振り絞って出した言葉。言い切ったはやては少し呼吸を荒くしている。顔は俯いたままだ。
そんな彼女を見て忠勝は何も言えない。だから手を伸ばし、不器用ながらもはやての頭を撫でる。
「!」
もうちょっと鬼が島の鬼に男気・・というものを学んだほうがよかったな。と心底思いながら忠勝は自室へ戻った。
途中で金髪の子供と遭遇し、泣かれてエライことにはなったが。

また所変わり管理局地上本部。
窓辺に佇む中年の男と女性。
「連中が何を企んでいるやら知らんが、土に塗れ、血を流して地上の平和を守ってきたのは我々だ。それを軽んじる海の連中や蒙昧な教会連中にいいようにされてたまるものか!
何より、最高協議会は我々の味方だ。そうだろう?オーリス?」
「はい。」
「査察では、教会や本局を叩けそうな材料を探して「ハァッハッハッハ!いけねぇなぁオッサンよぉ!」・・・誰だ?」
中年の男が振り向くとそこには銀髪に隻眼、上半身裸で巨大な錨みたいなものを持った男がいた。
「・・誰だ?」
「んなことより、オッサンのその性格を直したほうがいいぜ?反吐がでらァ。」
「何!?」
中年の男、レジアスの殺気を込めた表情をしばらく見つめ、男は鼻で笑う。
「権力とか、そういう事の前に部下を大事にしたり協力する・・・というのも必要だぜ?っとぉ、機動六課とやらの宿舎は・・あっちゃあ。えらく離れてやがるな。」
地図を眺め豪快に笑いながら背を向ける男。
「待て!!貴様は誰だ!!返答次第によっては貴様を・・・・」
言い切る前に男は殺気を込めた視線を送る。その殺気は先ほどのレジアスが放っていた殺気を遥かに上回るものだった。
思わず硬直してしまうレジアス。そしてまた豪快に笑い出す男。
「あんたに名乗る名前は鬼が島の鬼・・・ぐらいしかねぇよ。じゃあな!その六課とやらにお友達が待っているんでな!!」
男は巨大な錨の上に乗り、サーフィンみたいに滑りながら去っていった。室内で。
247戦国の鉄の城:2007/12/24(月) 12:37:09 ID:h2ZF1+HY
投下終了ー。
さて、鬼をどうやって・・・。
248名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 12:50:48 ID:RTq5Zgiv
GJ!会うたびに驚かれる彼に不憫を覚えながら、クロマティ高校のメカ沢や
フレディを思い出しましたw
そして優しげな所もよかったです。続きもがんばって下さい。
249名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 13:08:43 ID:SvAdc8ct
みなさんGJです。
冬休みに入ったから投下のページがいいですね♪
今夜はクリスマス・イヴ…短編をどなたか期待したいです。
250名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 13:14:30 ID:H2aKQAAj
>>247

うおwwww鬼が来てるwwwwGJ!!!
251反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/12/24(月) 13:32:25 ID:hUYZWKDJ
皆様GJなのですよ〜♪

>>249
あー…自分もね、上の方にクリスマス短編投下したんですけどね…久々の反目のスバル…
あ、そっかぁ! やっぱあれですか、全然クリスマスっぽくないですか! そりゃそうだ! あははははは…

…orz
252Strikers May Cry:2007/12/24(月) 13:40:25 ID:cMdxcLUF
投下が多くてGJが間に合わねえぜ、皆さんGJ!
特になの魂氏、チンク姉が可愛すぎですよ! 嬉しすぎて死んだらどうするんですか!

ところで今、クリスマス用に短編書いてるんですが投下は今日で良いんですかね? 
それとも明日の方が良いですか?
253名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 13:58:10 ID:xWkOt9hv
>247
えっと……陸サーファー(TRPG『迷宮キングダム』のモンスター。ダンジョンの僅かな段差でサーフィンする)連想しましたw
254名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 13:59:07 ID:Da52sVML
>なの魂氏
時間たってますがGJ!
なんか騎士甲冑のデザインでも揉めそうな気が
大猿になっても破れない服か蝶・サイコーかとかで
255名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 14:20:12 ID:cMdxcLUF
>>252
問題なしと思われます。
投下承認します。
256戦国の鉄の城@携帯:2007/12/24(月) 14:26:29 ID:cL7ohlZ3
>>252
自分も>>255に同意でございますよ。
257リリカル龍騎 ◆YHOZlJfLqE :2007/12/24(月) 14:54:23 ID:I9d0GbrF
前スレからの感想書けなかった分も合わせて職人の皆様GJです

>>252
HURRY! HURRY HURRY!! HURRY HURRY HURRY!!!

…で、Strikers May Cry氏の投下が終わってから1時間半後にでもリリカルマジンガーの2話投下したいんですが…
258Strikers May Cry:2007/12/24(月) 15:20:41 ID:cMdxcLUF
クリスマス短編はもう少し見直して投下します、たぶん8時くらいになるのでその間は好きに投下して頂きたいです。

ですので早くリリカルマジンガーの続きを!!
259名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 15:23:24 ID:RQLb/ltB
リリカルマジンガー北アあああああああああああああああああああああ
260リリカル龍騎 ◆YHOZlJfLqE :2007/12/24(月) 15:36:03 ID:I9d0GbrF
…愚妹に「さっさと代われ」とせっつかれていたので、正直言ってありがたいです…
では、次のレスから投下ということで
261リリカルマジンガー ◆YHOZlJfLqE :2007/12/24(月) 15:37:13 ID:I9d0GbrF
 両腕をブレさせながら、前方へと構える者がいる。
 その者の名は兜甲児。いや、今はマジンカイザーと呼ぶべきだろうか。
 デバイスと化したマジンカイザーを纏い、胸には『魔』の一文字が輝いている。今は暴走スイッチが入ったも同然の状態なのだ。
 相対するは、漆黒の戦斧を構えた金髪の少女。いや、戦斧は既に金の刃を持った大鎌へと姿を変えている。
 少女の名はフェイト・テスタロッサ。先ほど放たれた光線により、甲児を敵とみなしている。
 状況は既に一触即発。今はまだ停止してはいるが、一度動き出せばそう簡単には止まらないだろう。
 なお、フェイトと一緒にここにいたなのは達三人はすでに次元航行艦『アースラ』へと帰艦している。


 そんな一触即発の状況の中、―誰も気付いてはいないが―遠くからそれを見る男が一人。

「まさかマジンカイザーがこの世界に来ていたとはな……グレートのようにデバイスになっているのか?」

 その男は、マジンカイザーを知っていた。甲児と同じ世界の人間だろうか。
 まるでロボットのようなこの外見も、甲児同様にデバイスと化した機体を使っているのならば納得もいく。
 とにかく考えても仕方がないと思ったのか、男がぽつりと呟き、再びマジンカイザーの方へと目を移した。

「……貴様なのか? 兜……」


 そして、それから一秒と経たないうちに状況が動いた。


第二話『激突! 雷光VS魔神』


『Arc Saber.』
「はぁぁぁぁっ!」

 先手を取ったのはフェイト。囮のつもりか、空からマジンカイザーへと魔力刃のブーメラン『アークセイバー』を放つ。
 弾速はそれほどでもないので、十分避けられる。その上で本命を撃ち込むというのがフェイトの狙いだ。
 実際に多くの相手には通用するはずの手だし、普通なら通じる手だ……相手が暴走という、短絡的な考えしか持たない状態でなければの話だが。

『Turbo smasher punch.』

 突如、前方へと向けられていた腕のタービンが回転を始める。その回転は速く、それがもとで腕がぶれる程だ。
 タービンの回転速度がグングンと加速。その間にもアークセイバーはマジンカイザーへと迫る。
 そして着弾する直前、腕が前方へと飛んだ。いや、飛んだ後で生身の腕が残っていたのだから、あの腕がデバイスなのだろう。
 とにかく、腕部のデバイスを前方へと飛ばす『ターボスマッシャーパンチ』が放たれる。タービンの回転速度からか、竜巻という名の尾を引きながら。
 飛び出した腕はアークセイバーを弾き飛ばし、そのままフェイトの方へと飛んでいく。

「なっ!?」

 目の前で起こったあまりの現象に、フェイトは驚くことしかできなかった。
 アークセイバーを避けずに弾く、これはまだ予想の範疇だ。そうなったとしても他の攻撃魔法を叩き込むには十分な隙ができるはずだった。
 むしろ驚いたのはその方法、「腕を飛ばして攻撃に用いる」という行動だった。まるでロケットパンチである……いや、実際そうなのだが。
 幸いフェイトのスピードなら回避は可能。かわして距離を取り、飛んでいった腕を目で追った。
 腕はフェイトの後ろにあったビルの壁を直撃し、着弾箇所を中心にヒビを入れる。そしてすぐに飛んだ軌道を逆行し、再びマジンカイザーの腕へと収まった。
 それを見たフェイトは、先ほどからの攻撃方法も考慮に入れて考える。眼前の存在への対処方法を。
 眼からの光線に、口からの竜巻、さらにはロケットパンチ。いずれも中〜遠距離の相手への攻撃だ。
262リリカルマジンガー ◆YHOZlJfLqE :2007/12/24(月) 15:37:58 ID:I9d0GbrF
『Fire blaster.』

 そして考えている間に放ってきた攻撃もまた、中距離への攻撃。胸からの圧倒的熱量を持った砲撃『ファイヤーブラスター』が、フェイトを焼き尽くさんと迫る。
 考えている間に停止という大きな隙が生まれ、その瞬間にぴったりのタイミングでファイヤーブラスター。回避は困難だ。

『Defenser.』

 すぐにバルディッシュが防御魔法『ディフェンサー』を展開。フェイトの身を迫り来る灼熱から守る。
 暴走状態でろくにコントロールできていないせいか、その威力はフルパワーとは程遠い。それが幸いし、最低限の防御力しかないディフェンサーでも防ぎきることはできた。
 もっとも、それでも結構な威力はあったらしく、防ぐ際の負担はかなり大きかったようだが。
 だが、これでフェイトは確信した。マジンカイザーは中〜遠距離戦闘を得意とする、つまり距離を取るのは危険だと。
 そして、ふともう一つの事実に気付く。

「あの人……もしかして飛べないの?」

 そう、フェイトがこれまで空を飛びながら戦っているのに対し、マジンカイザーは空を飛ぼうとすらしないという事実に。
 マジンカイザーは専用の翼『カイザースクランダー』が無ければ飛べないという弱点があり、そのスクランダーは元の世界に置いてきてしまったのだ。
 それでも甲児の意識があり、コントロールできるモード『Z』や『神』ならば魔法で擬似的なものを作ることは可能なのだが、今のモードは『魔』。それを使うことは不可能。
 だが、今はそんなことを知る由も無いフェイトにとっては「相手は空を飛べない」という事実だけで十分。空を飛べる自分には機動力という大きなアドバンテージがあるのだから。

 さて、この状況で取り得る戦術は二つ。
 一つはバルディッシュを再び大鎌形態『サイズフォーム』へと切り替えての接近戦。相手が中〜遠距離戦を得意とするならば、距離を詰めて封じるという手だ。
 もう一つは、相手の射程外からの長距離砲撃。相手が空を飛べないなら、上へ上へと行くだけでたやすく射程外へと逃れられる。
 現在フェイトの脳内では、どちらの戦術を採るかという会議が繰り広げられている。無論、戦闘を続けながら。
 そしてその会議は、片一方を否決することで早々に幕を閉じた。

(他はともかく、あの竜巻の射程は長い。その射程の外からの攻撃は……)

 片一方、射程外からの砲撃という案について考える。そしてすぐに首を横に振って否決。
 こういうものを得意とするなのはならまだしも、今のフェイトにはそれを当てる自信が無い。

(……だったら!)「バルディッシュ、サイズフォーム!」
『Yes sir.』

 腹は決まった。バルディッシュを大鎌へと変え、そして目一杯の速度でマジンカイザーへと突っ込み、一撃を見舞う。
 その一撃は見事に命中し、マジンカイザーを怯ませる。が、それだけだ。
 マジンカイザーは元々『超合金ニューZα』と呼ばれるデタラメな強度の装甲を纏っていたのだ。そしてそれがデバイスとなった。

「堅い……!」

 だから、その強度がデバイスに反映されていても不思議ではない。
 さすがに超合金ニューZαほどではないにしろ、それ相応の防御力はあるのだ。
 だが、それでもフェイトは攻撃を繰り返す。さすがに何度も攻撃すれば少しはダメージもあるだろうと考えてのことだ。
 ラッシュ、ラッシュ、ラッシュ。徹底的に攻撃を繰り返す。さすがにこれだけ叩き込めばダメージもあったようだが……

『Kaiser knuckle.』

 両腕のタービンを回転させながらの殴打『カイザーナックル』を使い、フェイトへと拳を突き出す。
 ここからは鎌と拳の応酬となった。
 フェイトがバルディッシュを振るえばマジンカイザーはそれを受け止め、マジンカイザーのカイザーナックルが繰り出されればフェイトはそれをかわす。
 状況は現在、一見互角の戦闘であるが、その実フェイトが不利だ。
 かたやフェイトは速度で上回り、攻撃を当て、かわすことは十分に可能。だがその分非力な上、防御も薄い。マジンカイザーのようなパワー型の相手なら、一発喰らうだけで即座に不利になるくらいだ。
 かたやマジンカイザーは火力と防御力で上回り、フェイトのようなスピード型が相手ならば一撃当てれば沈められる。もっとも相手の動きが速く、なかなか当てられないのだが。
 一方は一撃当てるだけでよく、もう一方は倒れるまで何発も当てなければならない。どちらが有利かは明白だろう。
263リリカルマジンガー ◆YHOZlJfLqE :2007/12/24(月) 15:38:55 ID:I9d0GbrF
 そして遠くから見ていた男……『剣鉄也』もまた、その事実に気付いていた。
 フェイトの不利を悟り、その上でもう一つの可能性を考える。すなわち、暴走の可能性を。
 もしも本当に暴走しているのならば、倒れるまで止まることは無いだろう。ならば、止めてやる必要がある。
 そして今のフェイトは不利な状況にある……つまり暴走を止めるのは困難だ。
 それらを考慮した結果、鉄也がポケットから赤い戦闘機『ブレーンコンドル』の形を模したキーチェーンを取り出し、叫ぶ。

「行くぞグレートマジンガー! マジーン・ゴー!」

 声とともに小さな閃光。それが消える頃には剣鉄也の姿は無く、代わりに新たな魔神の姿が。
 これが鉄也のデバイス『グレートマジンガー』……甲児のマジンカイザー同様、バリアジャケットの上から全身に纏うデバイスである。
 そして鉄也は背から赤い翼を出し、フェイト達の元へと接近。右腕をマジンカイザーへと向け……

「アトミックパンチ!」

 マジンカイザーへと向けて撃ち出した。


 ドガァッ!
 飛来した青い拳『アトミックパンチ』がマジンカイザーを直撃し、多少よろめかせる。
 その間にフェイトは拳が飛来した方向を振り向き、そして見た。マジンカイザーによく似た、だが明らかに違う魔神を。

「兜! 聞こえるか!」

 その魔神……いや、鉄也がマジンカイザーに向かって呼びかける。飛ばした拳は既に戻っているようだ。
 それを見ているフェイトはというと、状況が飲み込めていないのか頭に疑問符を浮かべている。
 そしてマジンカイザーは……

『Rust tornado.』

 鉄也へとルストトルネードを放った。どうやら危惧していた可能性が当たったらしい。
 迎撃しようとしたが、間に合わない。そして竜巻は鉄也へと直撃……しなかった。

『Blitz Action.』

 バルディッシュからの音声。それと同時にフェイトが消え、ほぼ同時に鉄也がルストトルネードの軌道上から掻き消えた。
 どこだ、どこにいる……見つけた。フェイトが鉄也を抱えて飛んでいる。
 咄嗟に先ほどの加速魔法『ブリッツアクション』で鉄也を助けたということだろうか。

「大丈夫ですか?」
「ああ……すまないな、助かった」

 そのちょっとしたやり取りの後、フェイトは鉄也を下ろして話を聞き、その内容に驚いた。ちなみにここで自己紹介も済ませた。
 曰く、彼らは異世界からの次元遭難者。ここまでは理解できる。
 曰く、元の世界では戦闘用ロボットで戦っていて、こちらに来た際にそれがデバイスへと変化した。
 フェイトはこの時点で驚く。何せ全身に纏うデバイスなんて聞いたこともない上、それが異世界の物質が変化したものだとは。
 さらに曰く、マジンカイザーは使い手が意識を失うと暴走。おそらく今も暴走している……という事らしい。
 あれがもし本当に暴走しているのならば、止めなければならない。しばしの逡巡の末、意を決してフェイトが口を開いた。

「……鉄也、あれを止める。力を貸して」
264リリカルマジンガー ◆YHOZlJfLqE :2007/12/24(月) 15:39:34 ID:I9d0GbrF
「兜ォォォーーッ!!」

 鉄也が一振りの長剣『マジンガーブレード』を手にマジンカイザーへと仕掛ける。
 対するマジンカイザーはというと、再びカイザーナックルを起動させて迎え撃つ。
 再び戦闘開始。先ほどまでのフェイトとの戦闘と同じように、剣と拳の打ち合いが始まった。
 この二人、お互いに高いパワーを持つ。ならば決着までの時間もそう長くはかからないだろう。

 そしてそれから五秒後、マジンカイザーの背後に黄色の魔法陣が一瞬だけ現れ、消える。
 鉄也はそれを視認し、あらかじめフェイトから聞いていた捕縛用の魔法『ライトニングバインド』だと判断。そちらへと向かって胸部へと魔力を溜める。そして――――

「ブレストバーン!」

 前方へと思い切り放った。無論マジンカイザーを巻き込んで。
 先ほどのファイヤーブラスターと同様の魔法『ブレストバーン』……至近距離から撃ち込まれれば、いかに強靭なマジンカイザーといえど押し返される。
 そして押し返された先にはフェイトによって仕掛けられたライトニングバインド。仕掛けに引っかかり、動きを封じられてしまう。
 それを確認した鉄也は、上空に待機していたフェイトの所まで飛翔した。

 フェイトと鉄也の狙いはこうだ。
 まず鉄也が囮となり、マジンカイザーの注意を引き付ける。その間にフェイトはバインドの準備。
 準備ができたところで鉄也に見えるような位置へとバインドを仕掛け、そこにマジンカイザーを押し込む。
 ここまで出来れば後は簡単。全力の一撃を同時に叩き込み、それで行動不能に追い込むだけだ。

「「サンダー……」」

 フェイトはバルディッシュに、鉄也は右手にそれぞれ雷を形成。目標はマジンカイザー。威力の程度は……全力全開。

「スマッシャー!」「ブレーク!」

 声と同時に、二つの雷が同時に放たれる。
 フェイトの放った『サンダースマッシャー』と、鉄也の放った『サンダーブレーク』、二つの雷は狙い過たずマジンカイザーへと向かい、直撃。
 消耗が激しいのか、フェイトは着弾後すぐにバインドを解除し、雷を放った方向を見る。止まっていてくれという望みを込めた目で。
 ……マジンカイザーは立っていた。今の一撃は相当のダメージだったはずなのに、である。

 ――――フラッ

 マジンカイザーが前の方へとふらついて両膝をつき、そして倒れた。
 その直後にマジンカイザーの姿は消え、代わりにそこにいたのは兜甲児という一人の青年だった。
 これはデバイスの機能が止まったこと、すなわち暴走が止まったことを意味する。
 フェイトが地上へと降り、甲児の状態を見る。どうやら気絶しているだけのようだ。
 それを確認するとすぐに念話を使い、アースラへと連絡を入れた。次元遭難者の受け入れ許可を得るための内容の連絡を。
265リリカルマジンガー ◆YHOZlJfLqE :2007/12/24(月) 15:41:20 ID:I9d0GbrF
投下終了。鉄也とグレートマジンガーに出てきていただきました
…うん、なんかgdgd感がorz
…マジンガー勢少し強くしすぎたか…?
266戦国の鉄の城:2007/12/24(月) 15:48:40 ID:cL7ohlZ3
>>265
グッジョブ!
あの強さがあるからこそ「魔神皇帝」なのですよー。
…熱いぜ!
 
 
自分も一応クリスマス短編を描こうかなとは思いますが…なかなかネタが…。
267名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 16:06:26 ID:at7Xh0J1
>>265
GJ!
鉄也さんまで来ていたとは・・ヴォルケン側が不憫でならない気がするのは俺だけ?
268反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/12/24(月) 16:08:31 ID:sj1EoLdW
>>265
家中ボイス鉄也GJ!
しかし超合金ニューZ…でたらめな堅さだw
269りりかる剣心:2007/12/24(月) 16:15:09 ID:Keqt+gG7
第四話と五話の間の話が出来たのですが投下よろしいですか?
270名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 16:20:47 ID:cl/AzfQm
支援
271りりかる剣心:2007/12/24(月) 16:26:11 ID:Keqt+gG7
そこは若者で湧く訓練校。
迷い人である剣心、左之、蒼紫は魔力の使い方を知る為に……魔法のありようを知る為に。そこにやってきた。

拙者らはいまだ経験した事のない学校生活を当初は乗り切る事が難しかった……。

そんなある日、十字傷の剣客はあの少女を目撃する。


魔法少女リリカルなのはStrikerS−時空剣客浪漫譚−始まるでござる。


番外編その一「えぴそーど・すくーる。うんめいの迷い人達と勝利の鍵達」


フェイト殿に案内してもらい、入学してからはや一年が経った。
本当なら短期プログラムで終えるつもりであったのだが拙者達は短期間で魔法の扱い方を覚えるとは考えられなかった。その為にリンディ殿を介してファーン学長殿に四年程学生活を延ばして貰った。おかげで拙者達はある程度、魔力を付加する術は理解した。
その間に拙者達はリンディ殿に拙者達の世界に帰る方法を見つけてもらった。

志々雄真実との闘いからそれほど経っていない事も確認できた。だが、拙者はまだ帰る気にはなれなかった。

この世界に関わってしまった以上。拙者は誰かの為にこの飛天御剣流と逆刃刀を振るいたい。

また、組織に組する事を師匠は怒るだろう。

272名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 16:27:02 ID:SvAdc8ct
支援♪
273りりかる剣心:2007/12/24(月) 16:28:00 ID:Keqt+gG7

そして、0072年6月−−その日拙者は第四陸士訓練校の講堂に寄る事になっていた。入学式があると聞いてはいるが……。


「おう、剣心こっちだ」

左之の声に向かって拙者は歩み寄る。二人は模擬戦の休憩中であった為にアンダーシャツの下にズボンという姿であった。
彼が居たのは講堂の閉じられた扉のところ。

「休憩中とはいえ、本当に来て良かったのでござるか?」

「何言ってやがんでぇ、この中に居る新人どもはおまえや俺の舎弟−−もとい後輩になるかもしれねぇ奴らなんだぜ?」

「今、舎弟って聞こえた気がしたでござるが……て聞いていないでござるな」


彼を見遣ると既に彼は扉の隙間から中の様子をみていた。


多いなこりゃ……どいつもこいつも良いツラしてやがる。


隙間から見ている為に視界は少し悪いがおおかたの様子は確認は出来る。

オレンジ色の照明の光が広がる講堂の中を何人もの自分達の後輩にあたる少年少女達が管理局の制服を着て舞台の方にならんでいる。


すると後輩達の中から左之はある二人の少女に何かを感じる。

あの短い髪の嬢ちゃんと二つに結ってる嬢ちゃん。他の奴らよりも良い眼してやがる。

左之は視線を外し、剣心に微笑む。


「おい剣心、おまえも見てみろよ。良い眼の嬢ちゃんが二人いるぜ。」

「いや、拙者は覗く趣味は−−」

「おめぇだけ、イイ子ぶってんなって」


「Σおろろ!?」

左之に頭を掴まれ、剣心は無理矢理小さな隙間から覗かせられる。

そこには左之助が見たものと同じ光景が広がる。

……確かに皆良い顔をしているでござるな。

特にあの髪を二つに結った子と……。ん……あの子は……。

剣心の目に止まったのは二人の少女。だが、そのうちの一人の少女には見覚えがあった。

274りりかる剣心:2007/12/24(月) 16:30:05 ID:Keqt+gG7

「スバル……ナカジマ……」


彼女はあの時、なのは殿助けた……。そうか、元気そうでなによりだ。

そう思い、自然と微笑み。剣心は視線を外す。

「どうでぇ、良い奴ら居ただろ?」

「ああ、左之の言う通り……良い眼をした若者達が居るでござるよ。
と、そろそろ休憩が終わる頃でござる」

「なんだよ、せっかくあいつらの味見しようかと思ったのにもうかよ。仕方ねぇ、遅かれ早かれあいつらの世話するんだし。んじゃさっさと戻ろうぜ剣心。」

そう告げて走りだす左之に剣心は「ああ」と頷いてついていく。


−−−−−−


講堂には教官の声が響き渡る。

「……試験をクリアし、志を持って本校に入校した諸君らであるからして管理局員武装隊員としての心構えを胸に。
平和と市民の安全の為のちからとなる決意をしかと持って訓練に励んで欲しい。」

「はいっ!」

新入隊員の高らかな言葉に教官は頷き、最初の指令を彼らに与える。

「以上、解散! 1時間後より訓練に入る。」

「はいっ!」

彼らは敬礼をして答え、講堂を一斉に出ていく。

その様子をほほえましげに講堂に隣接する学長室の窓から見ていた女性がいた。


「ふふ……。新人さんたちみんな元気ですね。」

彼女の言葉にこの部屋の主である壮年の女性。ファーン・コラード学長は微笑んで「ええ」と頷く。

「今年も元気な子たちが揃ったわ。7年前のあなたたちに負けず劣らずのやんちゃな子たちもいるわよ。フェイト」

「はい」

「まあ、あなたとなのははたった三ヶ月の短期プログラムだったけど」

「その節はお世話にになりました。」

頭を下げてからフェイトは気になっていた事を彼女に尋ねる。

「あの。緋村剣心、相楽左之助、四乃森蒼紫の様子はどうですか?」

275名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 16:32:14 ID:qKjfoKo9
支援
276りりかる剣心:2007/12/24(月) 16:32:26 ID:Keqt+gG7
「そうね、あの三人は素晴らしいわ。魔力の使い方や魔法の事さえも解らなかったのにたった半年で魔力の使い方を覚えたわ。
まるで渇いた砂漠が一気に水を吸い込むように。今では剣心と左之助が後輩達を引っ張ってくれているわ。
それに四乃森蒼紫、彼もあなたと同じ執務官試験を受けるそうよ。」

学長の評価にフェイトは自分の事のように嬉しそうに微笑んで「はい」と頷く。


すると、そこにドアをノックする音が聞こえ。ファーン学長が「どうぞ」と入るよう促すと入ると共に元気のよい声がかえってくる。


「失礼しますっ」

「あーどもです。本校通信士科卒業生シャリオ・フィニーノ執務官補佐でっす!配備換えになりました!」


栗色のロングヘアに眼鏡をかけた女性も元気よく挨拶をする。

「知っているわよシャーリー。それにそちらは」

学長がシャーリーと共に入ってきた少年に声をかける。と少年は敬礼をする。

「はい、エリオ・モンディアルですっ!今日は見学の許可をいただきましてありがとうございます!」

「いいえ。」

「訓練校のこといろいろべんきょうさせていただきますっ!」

真っすぐな笑顔のエリオにファーン学長も微笑んで「しっかり勉強していってね」と告げる。

「シャーリーごめんね。エリオをよろしく」
どこか心配そうなフェイトにシャーリーは大丈夫です。と微笑んで答える。

「はい♪勝手知ったる母校ですから!」

エリオの服を正しながらフェイトはエリオと言葉を交わす。

「じゃあ、エリオ。私は学長先生とお話があるから」

「はい、フェイトさんっ」

「シャーリーについていい子でいてね。左之助にあったら挨拶してあげて。あと、帰りは一緒だからね」

フェイトの言葉にエリオは嬉しそうにはにかんで「はいっ!」と頷く。

端から見れば本当の親子のような光景である。



「じゃ、行ってきますっ!」

「いってきまーすっ」

「気をつけて」

シャーリーに手を引かれ、エリオはフェイトに小さく手を振って学長室を後にする。

277りりかる剣心:2007/12/24(月) 16:35:05 ID:Keqt+gG7
ファーン学長は微笑んで二人の後ろ姿を見送りながらフェイトに尋ねる。


「かわいい子ね。あの子が例の……?」

「ええ、私が研究施設から保護した子です」

「あの子も将来は局員に?」

ファーン学長がそう尋ねるとフェイトは寂しそうに微笑んで頷き、答える。

「本人はその気みたいなんですが。私からはよく考えるよう言っています。今日は単に社会勉強ですね」



「しかし、あのやんちゃ娘たちの片割れがもう子供の世話をしてるとはね。私も老けるわけだわ」

ふふ。と微笑み。フェイトやなのはの小さい時の声を思い出しながらそう告げるとフェイトは苦笑を浮かべる。

「またまた」

「そういえばシャーリーとはいつから?」

「先月です。希望指名で補佐につけてもらいました。優秀ですから」



「さて、じゃあそろそろ本題に入りましょうか。
執務官殿の相談ごととは何かしら?」

微笑んでそう告げる学長の眼に真剣さを感じ、フェイトは気を引き締めて答える。

「はい……」


−−−−−−


その頃、緋村剣心と相楽左之助は中断した模擬戦を再開するべく教官と共に陸戦訓練場へと来ていた。

既に二人に並びに四乃森蒼紫の実力は卒業生に匹敵するまでに至っていた為に彼らは同期隊員を教える立場にもなっていた。

四乃森蒼紫は執務官試験の為に不在。


「っと、教官よー。ちぃっとしたら新入隊員が訓練するんだろ」

広大な大地の上で左之助は剣心と対峙しながら近くの教官に尋ねる。

「ですけど、緋村さん達の模擬戦はすぐ済むでしょうし。それに新入隊員には良い勉強になるかと」


278名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 16:38:59 ID:qKjfoKo9
支援
279りりかる剣心:2007/12/24(月) 16:39:08 ID:Keqt+gG7

「なるほど、では左之。早く終わらせて後輩達に場所を譲るしかないでござるな」


剣心の言葉に左之助は両手の拳をぶつけ合って「おう」と答える。


「では教官殿、合図を」

「了解です。」

鞘に納めた逆刃刀をベルトに差す剣心の言葉に教官は右手を高々と挙げる。


左之の方も構えずに立っていた。

さて、久しぶりの剣心との模擬戦だな……。

「始め!」
教官の手が振り下ろされた瞬間、剣心と左之は互いに向かって走り出す。

「は、速い!」

二人の模擬戦の行方を見守る教官にとって剣心と左之の移動の速さは驚くべきのものであった。

何故なら、それは魔力を使わないでの速さであるからだ。


「おらおらおらっ!!」

剣心の姿を捉え、左之は両手に魔力を付加し頭、胸、肩、腹、脚へと拳打の嵐を繰り出す。

しかし

「いきなり乱打とは驚いたでござるよ、左之」

腹への拳を剣心は柄で受け止め、逆刃刀を鞘に納めたまま振り上げて左之の頭、胸に一撃を放つ。


「ちっ!?斬左!」

二回の攻撃を左之は紙一重で受け流し剣心の顔に向けて左手に巻いてあるデバイスを腕時計型から斬馬刀へと展開しを振り払う。だがその行動一つ一つは剣心にすでに読まれていた。

鋭く斬馬刀の一撃は剣心を捉える事なく空を切る。

いねぇ……下か!?


視線を懐に向けたその瞬間、顎に魔力によって付加された重い一撃が放たれる。

280りりかる剣心:2007/12/24(月) 16:42:06 ID:Keqt+gG7

−−龍翔閃−−。

気付けば身体は崩れ落ちるように地面に膝をついていた。斬馬刀を腕時計の形に戻し、毒づきながら剣心を見上げる。


「はぁ……はぁ。んだよ、前より強くなってんじゃねぇか。」

「はぁ…っ…ああ、魔力の使い方も慣れてきたのもある。それに、それをいうなら左之も充分強いでござるよ。」

剣心もまた龍翔閃で左之の顎を攻撃したと時に拳打による一撃を受けた脇腹を手で押さえながら微笑んでいた。

「イタタタ……教官殿、そろそろ後輩達がくるのではござらんか?」

剣心と左之の闘いに呆然としていたが教官は剣心の言葉に手元のモニターを開いて答える。

「……え、あ。そうですね。もう準備しているかと」


「では、早く退散するとしようか。左之」


剣心の言葉に左之は「おう」と答えて立ち上がる。

「では、教官殿。訓練の方頑張ってください」

「は、はい。」


教官に微笑み、剣心と左之は訓練場を後にする。

そんな二人の後ろ姿を教官は見送りながらつい、呟いてしまう。


「ま、魔力を使っているのが早すぎて分からなかったし。 本当に人間か、あの二人……」


「しかし、改めて洋服というのは動きやすいでござるな」

校舎に繋がる準備室に向かう間、剣心と左之は他愛のない話を交わしていた。

「またしかにな。てゆーか剣心おめぇ端から見てたら女だな、前より若くなってるからよけいに」

「む、失敬な」

「おい、あっちの棟に行って訓練見ようぜ」

準備室と相対するように建っている建物を指すと、剣心もそれを見遣って頷く。

「そうでござるな、さっきの子達の姿も見れるかもしれぬし」

二人は方向を棟へと向けて歩を進める。

「剣心。先客がいるみたてぇだぜ」

左之にそう言われ、棟の屋上に視線を移すと眼鏡をかけた女性と少年の姿がそこにあった。
281りりかる剣心:2007/12/24(月) 16:44:26 ID:Keqt+gG7
−−−−−−

一方、剣心達が踵を返した先にあった準備室には仮の部屋割表を確認しそれぞれの部屋へ移動してから彼ら新入隊員達はアンダーとズボンに着替えて次々に列を組んでいた。

隊員達の中には仮のルームメイトになり、それが後々まで絆を深める間柄になる二人の少女がいた。
それは先程、剣心と左之が太鼓判を押したショートカットの少女とツインテールの少女。

スバル・ナカジマ 12歳
ティアナ・ランスター 13歳。

の二人。今彼女達も訓練の為に陸戦訓練場へと繋がる準備室にやってきていた。

「では、1番から順番に訓練用デバイスを選択。ミッド式は片手杖から長杖、近代ベルカ式はボールスピアのみだ。」

先程、剣心と左之の模擬戦に立ち会った教官も書類を片手に隊員達に指示を飛ばしていた。

そんな中、銃のホルダーを肩にかけてながらティアナはスバルに声をかける。

「スバルだっけ、デバイスは?」

「あ、わたしベルカ式でちょっと変則だから……持ち込みで自前なの!」

そう告げながら彼女がバックから取り出したのはローラーブーツとリボルバーナックルという手ではめるデバイス。
それらを装着してみせる。
「去年からずっとこれで練習してるの」

「格闘型……前衛なんだ」


へぇ。といったように告げるティアナにスバルは微笑んで「うん」と答える。

「ランスターさんは?」

「あたしも自前、ミッド式だけどカートリッジシステム使うから。他に自作持ち込みもいないみたいだし、変則同士で組まされたんでしょうね」

自作である銃型のデバイスをホルダーに納めているとスバルは興味深そうにそれを見遣っている。

「わ……銃型。珍しいね、かっこいー!」

「…………並びましょ」

スバルの言葉にティアナは彼女の顔を見遣ってから列へと並ぶ。
そんなティアナにスバルどうも緊張してしまう。


「う、うん……」

や、やっぱりちょっとこわい……。


その2へ続く

282名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 16:46:15 ID:2zhmFhK3
支援でござる
283りりかる剣心:2007/12/24(月) 16:46:52 ID:Keqt+gG7
以上です。剣心とスバルをどこで再会させるか。を悩んでいますww

では「その2」でお会いしましょう。

また、職人の皆様GJです。
284りりかる剣心:2007/12/24(月) 17:01:13 ID:Keqt+gG7
すいません、訂正が二つありました。

「スバル……ナカジマ……」


彼女はあの時、なのは殿※助けた……。※の所に「が」をいれて下さい。

「ま※たしかにな。てゆーか剣心おめぇ端から見てたら女だな、前より若くなってるからよけいに」

こちらの※には「、」をお願いします。
285名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 17:06:23 ID:KTKK+Gkf
もつかれっした!
286名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 17:08:18 ID:2zhmFhK3
GJです
…が、執務官ってクロノやフェイトは最年少の部類で、普通ベテランが挑むものですよ?
執務官は一尉官相当の地位になるので、訓練生が受けれるものではないと思いますが…
フェイトが二回、クロノですら一回落ちてますし
287名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 17:26:17 ID:SgecD648
フェイトの場合「なのは撃墜」ってメンタル面の大事故絡んでたからって要素もあるし
(コミック版で時期が重なってた事をなのはのセリフで示唆されている)
288名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 18:08:01 ID:Bpdzs/Pj
まあ、受かるヤツは一発で受かるし、受からないヤツは死ぬまで受からないよ。
志半ばで死ぬのもいるし。
289名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 18:10:42 ID:H2aKQAAj
つか、リアルでの試験等もそんなもんだろ
290名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 18:12:15 ID:N+qWZw6U
まったくもって正論だが身も蓋もないなぁwww
291りりかる剣心:2007/12/24(月) 18:14:42 ID:Keqt+gG7
皆さん感想ありがとうございます。

>>286

確かにそうなんですがまだそこは後々触れていこうと思っています、あと蒼紫の場合。培った経験と能力でなんとかなるんじゃないかと思ってます。
292黒い影:2007/12/24(月) 18:19:37 ID:dhN5ul6B
どうも。ここの作品を見ていたら自分も投稿してみたくなってきました。
参加、OKですか?
293名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 18:22:04 ID:tCbngYe8
投下するのはいいが、まずは>>1をよく読んでからな。
294名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 18:22:55 ID:jGP52iYL
292
いいと思いますよ。
ところでなんと言う作品とのクロスですか。
295名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 18:33:34 ID:KTKK+Gkf
左之以外は、頭良いから(回転が早い)大丈夫かな 。
蒼紫は、頭(かしら)としての経験、独学で屍人形がどんな物か理解したのも凄い。
剣心は、大久保卿曰く「〜もお前と同等の有能な実力者が志久雄」
296黒い影:2007/12/24(月) 18:41:09 ID:dhN5ul6B
293>すみません、読んでませんでした。以後気お付けます。

294>ロックマンエグゼ(漫画版)とのクロスです。
297名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 18:48:30 ID:MECEBSGe
>>286
フェイトやティアナもそのうち、年上の執務官補佐がついたりするんだろうなあ。
……なぜかティアナの下に配属された、餓狼伝の長田さんのようなごつい男を
幻視した……。
298名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 19:22:27 ID:at7Xh0J1
>>296
ロックマンエグゼもうあるし!
299名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 19:25:09 ID:H2aKQAAj
>>298
あってもよくね?
別に重複ネタがいけないわけではないんだし。

まぁ、けど、>>296は比べられてしまうことは覚悟すべきだな。
300名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 19:28:59 ID:Bpdzs/Pj
>>296
ロックマンエグゼはどのエグゼになるんですか?
ただのエグゼ?
301名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 19:35:40 ID:LdzgcIaj
EDFの人こないな……。
楽しみにしているんだが
302黒い影:2007/12/24(月) 19:55:27 ID:dhN5ul6B
魔法少女リリカルなのは.EXEStS

プロローグ

「俺が生涯を懸けて勝ち得た全て…」

両手の間に全てを集束させる。

籠めるは俺の象徴。俺の存在意義。

これを撃てば俺は消えるだろう。

だが構わない。あんな化け物に吸収される位なら、この力…。

「貴様にくれてやる!!」

俺の生きた証力を波動に変え、眼前の“敵”に向かって撃ち放つ。

(これでいい…)

自然と笑みが零れる。

「勝て。ロックマン…」

唯一の“宿敵”と呼べる相手に全てを託し、俺の体は消えていった。


303黒い影:2007/12/24(月) 19:55:51 ID:dhN5ul6B
(…ここは…何処だ……俺は…生きているのか…)

気が付くと、俺はどこかの森で倒れていた。

「どうした、ルーテシア……」

「ゼスト…人…倒れてる……」

(人間……?ここは…現実世界か)

ぼんやりとした意識の中、うっすら開けた目を向ける。

そこにいるのは長身の男と小柄な少女。

「……触る…な……」

「……?何か言ったか……?」

「人間が……触るな!」

俺は持てる力を振り絞り、男の手を振り払う。

「人間風情が……この俺に……グッ」

身体中に痛みが走り、堪らずその場に膝をつく。

痛みで意識が朦朧とする中、少女が近寄ってくる。

「あなた、名前は?」

「…なに?」

少女の問いに少々殺気を込めて睨むが少女は顔色一つ変えようとしない。

「あなたの、名前は?」

再度、小娘が問う。

「……フォルテ……」

そこで俺の意識は暗転した。

これが真実の探る騎士と母を思う召喚師と異界の凶戦士との邂逅だった。
304黒い影:2007/12/24(月) 20:04:32 ID:dhN5ul6B
いかかですか?結構拙い文なんで自信ありませんが…。

>>299 比べられるのは覚悟してます。だいぶ言われるでしょうが…。
>>300 昔、コロコロで連載してたやつです。
305名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 20:07:51 ID:2zhmFhK3
>>291
というか 能力じゃなくて与えられる権力とかの問題で受けさせてもらえないんじゃないかと
306Strikers May Cry:2007/12/24(月) 20:09:01 ID:cMdxcLUF
クリスマス用の短編が出来たんで投下いいですか?

今回のは今まで俺が書いたシリーズSS(DMCクロス・ガングレクロス・シノブ伝クロス)を全部ごちゃ混ぜにしたカオスなSSなんですが…

一応はSMCとガングレクロスの時間軸を中心にSMCの外伝第一弾として書いたものなんですが。
307スーパーロボット大戦X:2007/12/24(月) 20:09:44 ID:O5P+Y44W
>>306
投下支援。どんとこいや!
308Strikers May Cry:2007/12/24(月) 20:18:09 ID:cMdxcLUF
それじゃあ投下します、今回の話はかなり無茶がある話です。

いちおう反目氏のギアスSSクリスマス版に影響を受けて書きました。

時間的にはSMCエピローグ前、バージル兄さん結婚前です。
309Strikers May Cry:2007/12/24(月) 20:19:02 ID:cMdxcLUF
魔法少女リリカルなのはStrikers May Cry番外編。

クリスマス特別短編 ニニンがリリカル・グレイヴMay Cry 「聖夜〜それはきっと神の与えた特別な〜日だ。だからセクハラしても良いよな!? な? 良いだろう!?By音速丸」

もしくはStrikers May Cry第十七、五話「結婚前夜」


空に浮かぶ次元航空艦アースラのブリッジでそのパーティーは開かれていた。

「ベリーメロン!! じゃなかったメリークリスマスウウウウ!! 全世界抱かれたい男ランキングNo1!! こと音速丸様だ!! ぶるううあああああ!!!(若本)」
「同じくメリークリスマス!! 萌える戦闘機人を作らせたら宇宙一!! ジェイル・スカリエッティだ!!」
「今日はジェイの介とこの俺様がクリスマスパーティーを開催してやるからしてええええ!!! 
女共は俺に感謝して股を開き“音速丸様、私に頂戴”と言って俺の前に集合!! 男共は正座で部屋の隅に行けええええええ!!!!(若本)」
「はははっ 今日も飛ばしてるねえ、音ちゃん」
「あったりまえだぜジェイの介!! こんな女だらけの空間で落ち着いていられるほどに俺は獣性を失っていねえええええ!!!! ぶるううあああああ!!!!!!(若本)」
そんな音速丸とスカリエッティのクレージーな演説をよそにパーティーは賑やかに進んでいた。


「いや〜やっぱりピザは最高だぜ。ちゃんとオリーブも抜いてあるしな」
「ホントです〜ピザがあればもう他のゴハンはいらないですよ〜♪」
機動六課とバージル・ダンテの悪魔兄弟の集まったテーブルで延々とピザの皿が消費されていく。
それもその筈、ダンテとリィンがパーティーが始まってからずっとピザばかり食べていたのだ。
さらに二人は近くにいたティアナに追加注文を入れた。
「お〜い嬢ちゃん。ストロベリーサンデー追加だ」
「リィンもです〜」
「えっ? はい分かりました〜」
ティアナは給仕係りとしてウェイトレス姿(フリルやリボンのたくさん付いた強化使用!)でパーティー会場を駆け回っていたのだ。
「ヴィヴィオもたべる〜」
「ティア〜私も食べる〜ストロベリーサンデー最高〜♪」
「さいこう〜」
スバルとヴィヴィオもダンテやリィンにならいストロベリーサンデーを注文(スバル既に4個め)、テーブルの上をデザート地獄に塗り替える。
超甘い物好き(ダンテ・リィン・スバル・ヴィヴィオ・ヴィータ)メンバーの注文によりテーブルの上はもはや子供の好きなものテンコ盛り状態になりつつあった。

そのありさまをバージルは心底すまなそうな顔で見ている。
「なんというか……すまんな」
バージルの謝罪(主に弟関係)を受けたはやて以下隊長陣はその言葉に苦笑いで返した。
「ははは…まあ私ん所のヴィータも相当なモン(スバルと張り合って既にストロベリーサンデー6個め)やからなんとも言えんわ」
はやては乾いた笑いでバージルに応える、そしてテーブルにはティアナの持ってきた新たなピザ(ベーコンとほうれん草のトッピング、オリーブ抜き、)Lサイズ3枚と6個のストロベリーサンデーが並べられた。


一方こちらはナンバーズとグレイヴのいるスカリエッティファミリーのテーブル。
そこにはいつものようにグレイヴの周りに集まっているセイン・ノーヴェ・ウェンディにその他ナンバーズの姿があった。
「……」
「グレイヴ〜おんぶっす〜」
「グレイヴ〜抱っこ〜」
「お前らグレイヴに変な事言うな!!」
グレイヴで遊ぶセインとウェンディにヤキモチを焼くノーヴェ、その4人に給仕としてウェイトトレスの格好(ゴスロリメイド風特別仕様!!)をしたチンクが料理を手にやって来た。
「ノーヴェも何かお願いしたらどうだ? せっかくのクリスマスなのだからグレイヴなら何か聞いてくれるだろう」
チンクがテーブルに皆の注文した料理を並べながらそんな事を言った、その言葉を聞いたセインとウェンディはニヤ〜っと笑ってノーヴェを挟み込む用に彼女の隣へ移動する。

「おらおら〜ノーヴェもグレイヴに何かお願いするっすよ〜」
「なんならキスとか言ってみたら〜」
「キ、キ、キス〜!?」
「そうっすよ! 大人の階段上るっす〜♪」
「女は度胸! やってみなって!!」
真っ赤になるノーヴェをセインとウェンディがからかう、チンクはやれやれといった感じでグレイヴの隣にちょこんと座った。
310名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/24(月) 20:21:23 ID:pnpR8K7U
支援
311Strikers May Cry:2007/12/24(月) 20:22:14 ID:cMdxcLUF
「すまんな。今日も騒がしくしてしまって」
「……」
グレイヴはそんなチンクに今日も無言で微笑んだ、こんな風に穏やかな時間を過ごせるのはきっと良いものだとグレイヴは胸中に感じた。

そしてここは残りのメンツの集まったテーブル。
そこは鬱屈とした重苦しい空気が立ちこめ、粘っこい瘴気が溢れて心なしか照明の光も届かなさそうな雰囲気があった。
「……なあ、今年のアニメは……何が一番だったと思う?」
「…グレン・ラガ○かな…」
「俺は…瀬戸の花○かな…」
「そうか…はははっ…なんでこのテーブルには女の子がいないのかな…」
そこはサスケ軍団とSS本編で出番の少なかった男連中(ヴェロッサ・クロノ・ヴァイス含む)が集まったテーブルだった。
もちろんだが女性陣は一人もいないし給仕もアーカムという極悪使用である、テーブルの上にはビールの空き缶とおつまみが散乱していた。


そんな風にパーティーを楽しむ(?)一同に主催者である音速丸がマイクでその美声(!?)を荒げた。
「ぶるうううああああ!!!!! 諸君! 楽しんでいるかね〜そろそろパーティーイベント開催の時間だわさあああ!!!(若本)」
「では皆〜こっちに来てくれたまえ」
スカリエッティの掛け声で全員が会場の中央に集まる。
「では〜これより音速丸様主催!! 全員強制参加の王様ゲームを行ううううう!!!」
音速丸の爆弾発言、強制参加王様ゲームと来た。もちろんパーティー参加者は皆拒絶反応を示すが、音速丸はさらにこう続けた。
「ちなみに拒否しやがった奴はジェイの介の開発した“足の匂いが納豆臭になる光線銃”を使って一生強烈な納豆臭と過ごしてもらうから、そのつもりでいろやあああ!!(若本)」
こうしてトンデモイベント強制王様ゲームがスタートした。

王様と書かれた札を持ったはやてがやたらと嬉しそうな顔で絶対的な命令権をもって叫ぶ。
「ほんなら〜3番の乳を5番が揉む!!」
「なんだってえええ!!!」
そのはやての命令に今まで表情(?)の暗かったサスケが驚愕する、ちなみに彼は5番だ。
「この男女比率なら相手が女の子である可能性が高いいいい!! さ〜俺に揉まれるオッパイちゃんは誰かな〜?」
マスク越しにエロオーラを放つサスケの前に大きな黒い影が現れたそれは隻眼の死人兵士グレイヴである、そして彼の手には3番と書かれた札があった。
「………」
「ノオオオオオ!!!」
サスケはその手に硬〜い胸板の感触を味わった。

さらにその後もダンテが音速丸の尻を撫でたり、忍者その1をチンク姉が抱っこ(体格的にかなり厳しい)したり
ライトニング分隊全員がメイド服に着替えたり(エリオ含む)、ナンバーズ1・2・3番がセーラー服になったり(年齢的なものによりかなりイメクラ臭が漂っていた)した。
そして開始30分めにして遂に最大の爆弾が投下された。

音速丸が手にした王様の札をヒラヒラと動かしながら缶ビール片手にこう言った。
「え〜では7番が9番に過激な接吻、つまりディープキーッスをしてもらううううう!!!(若本)」
その言葉に静まり返る会場内で手に9番の札を持ったバージルが顔を青くしていた、心なしか冷や汗まで流している。
そのバージルの後ろに金髪の影が現れ、彼にしなだれかかるように抱きついて来た。
「あれ〜? バージルさ〜ん、もしかして“当たり”引いちゃいました〜?」
それはパーティーの雰囲気に呑まれて大量に酒を浴び、完全に酔っ払ったシャマルだった。
シャマルはバージルに抱きつきながら手にした物を見せる。
「実は〜私も“当たり”なんですよ〜」
シャマルの手には7の番号の書かれた札が握られていた。

そしてシャマルはアルコールにより赤く染まった顔をバージルに近づけていく。バージルは思わず引き下がるがシャマルはその彼を無理矢理に押し倒した。
「お、落ち着け癒し手…」
「癒し手なんて水臭いですよ〜バージルさん♪ シグナムやヴィヴィオちゃんみたいに私も名前で呼んでくださいよ〜?」
押し倒されたバージルにシャマルがどんどん接近していく。その光景を周りの者は息を飲み見守る。
シグナム(先の命令でメイド服着用)はレヴァンティンを振り回して暴れるが、悪乗りした六課メンバー(主に酔った隊長陣)に押さえられていた。
「ちょっ…ちょっと待…」
「それじゃあディープっていう指示なんで激しく行きますね♪」
312名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/24(月) 20:23:02 ID:pnpR8K7U
支援n
313名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/24(月) 20:25:21 ID:pnpR8K7U
支援
314Strikers May Cry:2007/12/24(月) 20:26:19 ID:cMdxcLUF
バージルは狼狽しながらシャマルを止めようとするが、彼女はお構い無しにその唇を重ねてきた。

そのキスはかなり激しいものだった、静まり返ったパーティー会場に響く程の音で舌が蠢き唾液が交換される。
逃げようとするバージルにシャマルは腕を首に絡ませ、身体(特に胸)を押し付けて彼の動きを封じる。
何度も位置を変える唇の間から流れた唾液が二人の顎を伝って服を汚していった。
唇しか使っていない筈のその行為はどんな卑猥な言葉よりも濃密に官能の様を見せ付けた。
あまりの痴態にサスケ軍団の半数は股間を押さえ前かがみになって倒れ、年少組みは保護者に目を隠された。

「ぷはぁっ」
一体どれだけの時間そんな淫靡な光景が繰り広げられたのか分からないが、遂に息の苦しくなったシャマルが唾液の糸を互いの唇から引きながらバージルから顔を離した。
あまりの事に完全に冷静な頭をフリーズさせたバージルが呆然とする中でシャマルは名残惜しそうに彼の唇を眺めていた。
「はぁ〜シグナムはいつもこんなのを味わってるんですね〜♪ なんだか羨ましいな〜」
そんな事を言うシャマルの後ろに目に見える程に凄まじい殺気を全身から放つメイド服の剣鬼が立っていた。

「シャマル……貴様には3つ選択肢がある。1番、紫電一閃で斬殺。2番、火竜一閃で焼殺。3番、シュツルムファルケンで滅殺。………さあどれが良い?」
それはレヴァンティンを殺傷設定で構えて仁王立ちするシグナムであった、その殺気と眼光は魔界の上位悪魔でも逃げ出しそうな程の迫力を放っていた。
「ひい〜っ!」
シグナムの見せる気迫にシャマルは思わず傍にいたバージルの後ろに隠れた、そしてバージルもやっと凍結していた思考を再起動する。
「お、落ち着けシグナム…」
「そこを退けバージル……私はその女狐を鏖殺せねばならんのだ」
「いや……とにかく…殺傷設定は止めろ。癒し手も酔っていたのだから罪は無い。…そして落ち着け…頼むから」
さしものバージルもこのシグナムの殺気に冷や汗を流し悪寒を感じる、彼が生きてきた中でこれほど恐怖した事があったろうか。

「そうか……」
バージルの必死の説得にシグナムはレヴァンティンの刃を下ろし顔を俯けた、やっと落ち着いたのかと思われたが事態はその斜め上を行く。
「やはり…シャマルのような女の方が良いか…」
「はっ?」
「そうだろうなぁ……淑やかで女らしいものな…」
「おい……シグナム。何を言って…」
「……どうせ私なんて戦闘狂の猪武者でガサツで剣と胸の大きさぐらいしか取り柄なんて無いものな……」
「…シグナム?」

「シャマルとでもイチャついてろ!! お前などもう知らんっ!!!!」
シグナムは怒りに真っ赤になった顔を上げ、涙をたっぷりと溜めた瞳でバージルを睨むとくるりと背を向けて駆け出した。
「ちょっ! 待て!」
「離せ馬鹿者っ!!!!!」
バージルは背を向けて走り去ろうとするシグナムの肩を掴むが、帰ってきたのは全力の鉄拳だった。
その拳はかつてティアナに振るわれたものの非でなく(推定10倍以上の打撃力)、見事な角度とタイミングでバージルのテンプルに入り彼を一撃でノックダウンして床に沈めた。
「ふんっ!」
シグナムは床にくず折れたバージルを一瞥して目の涙を拭いながらどこかに走り去っていった。

「ぎゃっはははっは〜。振られてやんの〜みっともね〜恥ずかち〜カッコ悪い〜♪ イケメンでモテルからって調子乗ってからだバ〜カ♪(若本)」
事件の張本人である音速丸が倒れたバージルを指差してゲラゲラと大笑いしていた、周りの人間はそんな風に喜ぶ音速丸をまるで生ゴミを見るような目で見る。
そして哀れな被害者のバージルに同情の眼差しを送る。
「うわ〜バージルさん可哀想〜。ねえギン姉、これが修羅場ってやつかな?」
「え〜っと…たぶん。っていうかスバル、あなた冷静ね…」
「おにいちゃん。げんきだして〜」
六課メンバーがバージルに駆け寄る中、ナカジマ姉妹とヴィヴィオがそんなことを言った。

「なあ、何があったんだよ〜?」
「教えてっす〜」
「教えて〜」
ノーヴェ・ウェンディ・セインがそんな事を言っていた。それもその筈、彼女達の目はグレイヴとチンクの手により淫らな接吻や修羅場を隠されていたからだ。
「お前達は知らなくていい事だ。まだ早い」
「………」
チンクのそんな言葉にグレイヴは無言で頷きノーヴェ達の頭を撫でた。

ものすご〜く嫌な笑顔をした音速丸がスカリエッティの近くに寄り耳打ちする。
315名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/24(月) 20:27:27 ID:pnpR8K7U
背イン
316Strikers May Cry:2007/12/24(月) 20:29:47 ID:cMdxcLUF
「お〜い、ジェイの介〜。そろそろアレ使うぜ〜(若本)」
「オ〜ケ〜音ちゃん♪」
そしてセクハラ魔人の魔宴が始める。
「え〜では、またもやこの俺様が王様だ〜。それでは1・2・3・5・6番は俺の部屋に下着姿で来いや〜(若本)」
以下番号割り振り、1番フェイト、2番なのは、3番シャマル、5番ウーノ、6番ディードと音速丸好みのおとなしい巨乳だらけ(シグナムは夕日に向かって駆け出したので除外)であった。
「ちょっ! 明らかに作為的なものを感じるんやけど……」
音速丸ははやての突っ込みを全力で無視してまだまだ続ける。
「よ〜し次はサスケの番だぜ〜。おらジェイの介〜やってやんな〜(若本)」
「了解! 音ちゃん」
スカリエッティがオチャメに舌を出して笑いながら“王様ゲーム操作装置”と書かれた機械を操作、するとクジを引いたサスケが即座に王様の札を取った。

「よっしゃ〜! それじゃあ4番と5番の子がこのセリフを読むんだあああ!! さあチンクちゃん、ヴィヴィオちゃんこれ読んで〜♪」
「まだ番号札を見せてないのに何故分かる!!」
チンクがそんなサスケに向かって思わず突っ込むがゴスロリウェイトレスの格好ではあまり迫力はなかった(むしろかなり可愛らしかった…)。
「ほら〜ヴィヴィオちゃ〜ん。これ読んでみようか。ハァハァ」
「え〜っと。“おにいちゃんのすごくおっきい” これなんていみなの?」
サスケ軍団は目にも止まらぬ速さでヴィヴィオに近づき、その卑猥単語の意味を知らない無垢な子供に早速読ませていた。
「うっひょおおおお!! この汚れを知らない無垢さ加減が堪らねえええええええ!!!」
「俺もう嬉しすぎて死ぬかも」
「さあ! チンクちゃんこれ読んで〜」
サスケ軍団はチンクとヴィヴィオを囲みながら手に卑猥セリフの書かれた紙を手に狂喜乱舞する。
「う〜。このおにいちゃんたちこわいよ〜」
「迫るな! 息を荒げるな! そんな獣みたいな目で見るなあああ!!!」
サスケ軍団はチンクとヴィヴィオのロリっ子コンビに迫り二人は大いに怯える。

さらにサスケ軍団の一人が続けて王様の札を引く。
「よ〜しそれじゃあ俺は19番の子に体操着とブ、ブ、ブ、ブ、ブ、ブ、ブルマを着てもらううううううう!!!! さあノーヴェちゃん着てくれ! そして見せてくれええええ!!!!!」
「何言ってんだお前!! っていうかあからさまなイカサマじゃねえか!!」
体操着とブルマをもって迫る忍者を押しのけながらノーヴェが吼える、他の場所でもサスケ軍団がイカサマで取った王様特権でセクハラ三昧を展開していた。

そのカオス時空をよそに音速丸は先ほどのクジを引いた女性陣にセクハラ攻撃を仕掛けている。
「オラオラ〜。早く下着姿になって俺の部屋に来いよ〜。何かい? それとも全裸が良いのかい? そうなのかあああい!? ぶるううああああ(若本)」
音速丸は全身からエロオーラを発しながらディードとフェイトの美乳を後ろから揉みまくっている。
「きゃっ!」
「ちょっ! やめてください!」

もはやパーティー会場は音速丸とその配下のサスケ軍団のセクハラ地獄と化す。
そこに妖刀を携えた魔剣士と巨大な二丁銃をもった死神が凄絶なる殺気を纏って現れた。
「うひ〜! なんだよこの背中越しに感じる寒気は〜。まるで本気になった○悟飯と戦った時みてえだ!!(若本)」
「音速丸さん…なんかものすご〜く嫌な予感がするんですが…」
「やべえ! 俺の本能が今確実に死ぬって言ってる!」
「おいおい〜お前の本能ってあてにならなそうだな…でも確かに何故か死にそうな予感がするぜ…」
そんな音速丸とサスケ軍団の後ろに立っているのは閻魔刀を構えたバージルとケルベロスの銃口を音速丸達に突きつけるグレイヴだった。
「さて…死ぬ準備は出来ているだろうな?」
「………」
グレイヴは無言でバージルは言葉と共に得物を構える、もはや音速丸達に逃げる場所はどこにもなかった。
「ぶるうううううあああああああああ!!!!!!!!!!!(若本)」
哀れな断末魔の叫びを上げてセクハラ魔人の宴は終焉を迎えた。


音速丸とサスケ軍団がゴミ袋に入りやっとパーティーは落ち着きを取り戻す。
そしてはやてが手にしたマイクで会場内の皆に声をかけた。
317名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/24(月) 20:31:43 ID:pnpR8K7U
しえん
318Strikers May Cry:2007/12/24(月) 20:31:51 ID:cMdxcLUF
「え〜テステス、ただ今マイクのテスト中〜。ではこれよりクリスマスパーティーのメインイベント。プレゼント交換会を行いま〜す♪」
その言葉と共に会場に集まった人々は手にした様々なプレゼントを互いに交換しだす。
その騒がしい会場に赤い影が現れた。
「ほ〜らサンタさんの登場だ。良い子はみんな集まりな!!」
「…………」
赤いサンタの服を着たダンテとトナカイのキグルミを着たグレイヴが大きな袋を持って現れたのだ。
「わ〜いです〜♪」
「サンタさ〜ん♪」
リィンとヴィヴィオが喜んで駆け寄りスバルやフォワード、ナンバーズ3馬鹿姉妹(セイン・ノーヴェ・ウェンディ)もダンテとグレイヴの周りに集まる。
「あれ? なんでダンテおにいちゃんがサンタさんなの?」
「実はな、サンタのじいさんは世界中を回ってて忙しいから便利屋の俺に手伝いを頼んだのさ」
「ほんと? ダンテおにいちゃんサンタさんにあったの?」
「勿論さ。サンタのじいさんとはガキの頃からの長い付き合いでね。ほらサンタのじいさんからヴィヴィオにプレゼントだぜ♪」
ダンテは目をキラキラ輝かせたヴィヴィオに袋からクマのヌイグルミを出して渡した。
「ありがとうダンテおにいちゃん♪」
「今は“サンタのお兄ちゃん”だぜヴィヴィオ。良い子にしてたらサンタのじいさんに来年もよろしくって言っとくからよ」
「うん」

ダンテがヴィヴィオに微笑ましくプレゼントを渡すのをリィン・スバル・ナンバーズが羨ましそうな目で見ていた。
その視線に気づいたダンテは袋を掲げてそんな少女達に向き直る。
「ホラホラ! プレゼントが欲しい良い子は集まりな!」
ダンテはノリノリで集まった少女達にプレゼントを配っていく、その光景を離れた場所で見守る銀髪隻眼のゴスロリウェイトレスが一人いた。

チンクは嬉しそうにプレゼントを貰う妹達を見て、とても楽しそうに笑っている。そのチンクの前にトナカイのキグルミを着たグレイヴがやって来た

「トナカイがこんな所に来ていいのか?」
グレイヴはそのチンクに笑顔を見せて担いだ袋の中からリボンで包装された一つの箱を取り出した。
「もしかして……私にプレゼントなのか?」
「……」
グレイヴは小さく頷きその箱をチンクに差し出した、受け取ったチンクは顔を赤らめる。
「その……今開けてもいいか?」
「……」
グレイヴはこれにもまた笑顔で頷く、チンクは慎重にリボンを解き包装紙から箱の中身を取り出した。
それはチンクに良く似合う小さな靴だった、深い赤色に随分と靴底の厚いそれをチンクは息を飲んで見つめる。

「今…履いても良いか?」
「……」
グレイヴは頷くとその場に膝を付いて靴を履き替えるチンクに手を貸して手伝った。
赤い靴を履き終えたチンクは色々な角度から自分の足元を見下ろして見る、それはサイズも完璧に合ったもので外観の赤色も彼女の可愛らしさを引き立てる素晴らしい物だった。
「これは……やっぱり私には可愛すぎる…それにちょっと底が厚すぎるな」
「……」
チンクは恥じらいに頬を朱に染めるがグレイヴはそのチンクの頭を撫でる。
その時チンクはこの底の厚い靴の意味を理解した、グレイヴは初めてチンクの頭を立ったまま撫でたのだ。
「グレイヴ……もしかして…私が背の小さい事を気にしているからこの靴をくれたのか?」
「……」
グレイヴはこのチンクの質問にもまた無言で優しく微笑んで彼女の頭をそっと撫でた。

そんなグレイヴとチンクをよそにダンテはプレゼント交換をしていた者たち、隊長陣や大人連中のところにも袋を持って駆け出した。
「お〜いグレイヴ〜あっちにもいくぜ!! 良い子な大人連中にも幸せ分けるぞトナカイ!!」
「………」
無言で頷いたグレイヴはチンクの頭をひとしきり撫でると彼女に一言残して去って行った。
「…メリークリスマス…チンク」



アースラ内部、外を一望できる大きな窓を備えた休憩室そのある一角にメイド服を着た烈火の将が一人ベンチに腰を掛けていた。
勢いでバージルを殴り倒した彼女だが自分の行為が度を過ぎていた事を十分に理解していた。
319Strikers May Cry:2007/12/24(月) 20:34:34 ID:cMdxcLUF
あれは酔ったシャマルの悪戯でバージルは何も悪くは無い、だが他の女に唇を許したという事は理性でなく感情の問題で耐えれないものだった。
そこに管理局制服に身を包んだ銀髪の男が近づいて来た。
「探したぞ」
「……」
バージルの言葉にシグナムは窓の外に顔を背けてそっぽを向く、普段は理知的で冷静な彼女だがこうなったらもう手の付けようがない。

「何か用か?」
シグナムは最高に機嫌の悪そうな低い声で窓の外を眺めながら口を開く。
バージルは悠然と歩み寄り、そんな彼女の横に何事も無かったかのように座った。
「実は今、向こうでプレゼント交換会が行われていてな…」
「何だ? 物で私を釣るつもりか?」
氷のように冷たくカミソリのように鋭いシグナムの言葉、並みの男ならこれだけで逃げ出すような迫力があった。
だがバージルは並みの男でない、これでも伝説の魔剣士の息子だ。ここで引いたら親父の名が泣くと心中で自分に言い聞かせて言葉を繋げた。
「…まあ…そんな所だ」
「どんな物を渡されても簡単には許さんぞ」
相変わらずそっぽを向いたシグナムの手にバージルは手にした小さな箱を渡した。

「良かったら受け取ってくれ…」
手渡されたその小さな箱にシグナムはやっとバージルに視線を移す、“まさか”と自問しながら“もしかして”とも期待する。
だってこんな小さな箱に入って、こんな風に渡される物の想像は一つしか無かったのだから。
開かれた箱の中には小さな金属製の輪状の装飾品が鎮座していた、その指輪という装飾品の持つ意味は唯一無二。永遠の愛以外には無かった。

「俺の命の全てをお前に捧げる………だからお前の全てを俺にくれ」
真っ直ぐにシグナムに投げかけられるバージルの眼差しと言葉にシグナムは赤くなった顔を恥ずかしそうに俯けて答える。
「……そんな言い方はずるいぞ」
「知らなかったか? 俺はとても卑怯な男だ」
シグナムは今の自分の顔を見せまいと俯いてその白金で作られた指輪をそっと左手の薬指に嵌める。
その指輪はまるで最初からそうであるように完璧に合ったサイズでシグナムの白い指に嵌る。
シグナムはその胸中でこれだけはどんな事があっても絶対に手放すまいと心に誓った。
「バージル……こんな女でよければ、お前にこの一生を捧げよう」
シグナムはそう言うと静かに身体をバージルに委ねて唇を重ねた。

その光景を外に降り始めた雪の欠片だけが見ていた。



パーティー会場の隅でゴミ袋に詰められた音速丸が叫ぶ。
「ちきしょう! ちきしょううううううう!!!! 何故だあああ!! 俺はただ女達に幸せ(主にセクハラ)をプレゼントしようとしただけなのにいいいいいい!!!(若本)」
その音速丸に一緒に括られたサスケ軍団が呆れて口を開く。
「音速丸さん、それ以上叫ぶと体力消耗しますよ」
「ううううるせえええええ!!!! これが叫ばずにいられるかよおお!!! 嗚呼、何でイケメンはあんなにモテるんだよおお!!(若本)」
320Strikers May Cry:2007/12/24(月) 20:35:39 ID:cMdxcLUF
「きっと顔が良くて、強くて、性格が良くて、甲斐性があるからじゃないですか?」
「それじゃあサスケ!! 俺達みたいにセクハラと悪戯が大好きな野郎はモテねえってことかよおお!!(若本)」
「音速丸さん……一応、自覚はあるんですね」
「ちっきしょうううう!!! 俺にも幸せをくれええええ!! 温もりをくれええええ!!! ぶるうあああああ(若本)」
今日も丸くて黄色い珍生物の雄たけびが木霊する。


「みんな〜雪っすよ〜♪」
「キレイだね〜」
「だな」
「うむ」
「……」
ウェンディが最初に気づきセイン・ノーヴェ・チンク・グレイヴが外を覗く。

「みてママ〜ゆきだよ〜」
ヴィヴィオが外の雪を見てはしゃぎだしてなのはの手を握る。
そんな少女達の言葉と共に外に降り出した雪の情景をパーティーに集まった全員が見とれる。


今夜は聖夜、全ての者に幸せを。

メリー・クリスマス。

終幕。
321Strikers May Cry:2007/12/24(月) 20:40:32 ID:cMdxcLUF
投下終了です。

なんていうか後半の展開はSMC最終話を読んだ友人から

“いきなり結婚は早すぎる。その過程がないと男っ気のないシグナムが何であの鉄面皮とゴールインしたのかの理由が欲しい”って言われたので書きました。

それと反目氏のギアスSSのクリスマス版にかなり影響を受けて書いちゃいました。

なんていうか…ごめんなさい。

こんなカオスパーティーに支援いただき感謝です。
322名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 20:46:25 ID:H2aKQAAj
>>321
GJ!!!
他の面々もいい味出してました!!!


グレイヴの話も読んでみたいです、どうかお願いします!!
323名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 20:46:55 ID:DAnXt6Lp
GJ!
カオスすぎるwww
324反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/12/24(月) 20:47:10 ID:hUYZWKDJ
ブラボー! ブラボー!
まさか本当にカオスパーティーを書くとは思わなかったんだZE!

しかしバージル兄…ニヤニヤが止まりませんなw
ちゃんとプロポーズできて偉い偉い。ウチのルルときたら…

スバル「これ(指輪)は?」
ルル「拾った」
(from反目11話)

…やっぱり大人ですなぁ。
エピローグの短文が本当に参考になるものかは分かりませんが、どうもです
325名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 20:58:30 ID:at7Xh0J1
GJっす!
今思ったのですが、このクリスマスでこれほどのカオスなのだから新年会では
さぞ盛大なカオスになるんでしょうな・・
326スーパーロボット大戦X:2007/12/24(月) 20:58:31 ID:O5P+Y44W
>>321
カオスすぎだがよかった。
俺もどうにか考えてみようかな・・・。
明日はクリスマスだからなんとかなるかも・・・。
327名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 21:20:45 ID:2zhmFhK3
>>321
なんというGJ
だから皆可愛すぎだって。そして一言もセリフなかったなのはとフェイとに黙祷を捧げよう
それにしてもこのシグナム、異常である(可愛さが)
つうかJの助自重
328戦国の鉄の城:2007/12/24(月) 21:22:36 ID:PkBTs5S8
GJ!
同じくバージル兄を見てニヤニヤが止まらない一人ですw
329名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 21:59:44 ID:KTKK+Gkf
GJ!!
王様ゲームで、銀魂の松平のとっつぁんを思い浮かべた
330スーパーロボット大戦X:2007/12/24(月) 22:05:20 ID:O5P+Y44W
結構やっつけで少々パクリなところがあるかもしれないけど、
クリスマスのが出来ましたのでチェックなどをしてから投下しようと思いますので、
10時半に投下してもよろしいでしょうか?
331戦国の鉄の城:2007/12/24(月) 22:08:41 ID:PkBTs5S8
>>330
了解しました。
今度はどんなパーティーが展開されるのか・・・。
332スーパーロボット大戦X:2007/12/24(月) 22:11:02 ID:O5P+Y44W
>>331
まあ、反目のスバル氏やStrikerS May Cry氏のと比べると短いものです。
333魔装機神:2007/12/24(月) 22:19:34 ID:i/6ortID
もうクリスマスとか無理だから……中の人ネタ満載の新年会ネタやろうかな……
参戦予定作品、ザベルカオブエレメンタル スーパーリリカル大戦 フルメタルマジカル シャドウなのはSTSで
334リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/12/24(月) 22:20:07 ID:6GDUO2tT
全職人さん方にGJを送ります。
さて、スーパーロボット大戦X氏の後にリリカルグレンラガン最終話Aパートを投下しても宜しいですか?
朝から午後5時までバイトで疲れてAパートしか間に合わなかったOrz
335スーパーロボット大戦X:2007/12/24(月) 22:30:34 ID:O5P+Y44W
>>334
OK,投下支援です。
ではこちらが先に投下します。

 注意 この話は本編とは無関係のパラレルワールドな話です。



 超番外編 クリスマスでクライマックス!!!


 宇宙新暦199年12月24日の夜Gアイランドにあるベイタワー基地では、「シャイニングガーディアンズ」はクリスマスパーティをやっていた。

「しかし、こんなパーティするのは何年ぶりやろな」
「はやてちゃん、私達は集まっていつもしてると思うけど・・・」

 はやてのボケになのはが突っ込む。

「でもこんな雪の降ってる日はあの事を思い出すな・・・」
「それって、やっぱり初代リインフォースの・・・」
「「「「?」」」」
 
 新人4人は何の事だかわからないがなのはとフェイトとはやて、ヴォルケンリッターは思い出す。
 10年前のこの日海鳴市で起こった「闇の書事件」の結末である。当時のヴォルケンリッターはなのはとフェイトの敵として現れた。すべてははやてのために・・・
 しかし、何とか闇の書との防衛プログラムとを切り離し、アースラのアルカンシェルで破壊したが、初代リインフォースが居る限りまた復活してしまうので、
 初代リインフォースはなのはとフェイトに自身の破壊を要求し、はやてと悲しい別れをしたのだ。

「リインフォース・・・」

 はやてが暗い顔をしているとカトルが話かけてきた。

「こんな日なのにそんな暗い顔しなないほうがいいですよ」
「カトルさん・・・」
「何か嫌な事でもあったのですか? 僕達もどちらかと言うとあまりいい思い出ありませんけど」

 カトルははやて達に自分達がクリスマスの日に何をしていたのかを話した。
 かつては地球軍とホワイトファングとの3つ巴となり戦争を止めた事や、マリーメイア軍の反乱阻止のために戦っていた事を話した。

「皆さんも大変だったんですね」
「でも今はこのパーティを楽しみましょう」
「「「はい!」」」

 なのはとフェイトとはやては元気よく答えた。
 ステージではシャーリーとサブロウタが司会をやっていた。
336スーパーロボット大戦X:2007/12/24(月) 22:31:44 ID:O5P+Y44W
「さあてまず最初のステージは、何と名無しのピエロ君によるサーカス芸です!」
「皆さんお楽しみに!」

 そういうとトロワがピエロの半分の仮面を被って現れ、アクロバティックな演技を見せてくれた。

「名無しのピエロ君、ありがとう!」
「さあてお次は「オーバーマンバトル」のゲームチャンプのゲイナー・サンガ君とのゲームバトルです! 挑戦したい人は並んでください!」

 ゲームはもちろんゲイナーが得意な「オーバーマンバトル」であり、当然の事ながら参加者全員ゲイナーに負け、
 ゲイナーとシンシアとの戦いが一番盛り上がり、後一歩のところでシンシアが負け、ゲイナーが勝った。

「シンシアちゃんおしかったね。さあてシャーリー、お次は何だい!?」
「次は皆さんお待ちかねのビンゴゲームです! 商品はあちらにあります!」

 皆がシャーリーが指を指した方を見るが皆「え? あれだけ?」と言うような顔をしていた。

「なあ、もう少しましなのない?」

 ガロードがシャーリー達に意見を言うとヒカルが怒ってガロードに言う。

「ガロード君てばひどい。折角現役売れっ子漫画家のアマノ・ヒカルの書き下ろし同人誌や単行本が欲しくないって事!?」
「いや、そういうわけじゃ・・・」
「うわあああああん。ひどいよ、イズミちゃゃゃああん!」
「よおおし、よし、よし」
「いやヒカルさんのよりイズミさんの方が問題あると思うよ」

 銀河がイズミに意見を言ってきた。

「だってイズミさんが働いてる店の招待券もらっても俺達酒飲めねえし・・・」
「ま、これはお子様に用じゃなくて俺達大人用って事だな・・・」
「だがホランド、俺達がもらっても使えないと思うが・・・」

 ゲインがホランドに突っ込む。確かにゲインやホランドはもう一つの地球の人間。もらっても使い道がないのだ。

「なあ、ガロードいっそのことGコンを景品にだしたらどうだ?」

 ウィッツがガロードをそそのかすように言う。

「馬鹿言うなよ。これがなかったらダブルエックスが動かねえだろ!」
「でもそのGコンは元々盗んだ物だってジャミルから聞いたけど・・・」
「う!」

 ロアビィが的を射抜く事を言う。ガロードは初めてフリーデンに侵入しティファを連れて行く前に金庫から盗んだものだったのだ。

「とにかくGコンは駄目だからな!」

 サブロウタとシャーリーが他にいいものはないかと考えながら辺りを見回しているとサブロウタがあることを閃いた。
337スーパーロボット大戦X:2007/12/24(月) 22:32:49 ID:O5P+Y44W
「ねえ、フェイトさん。あなた何か出来る事ありません?」
「え? まあ、私に出来る事なら何かしますけど・・・」

 フェイトがそう言うとサブロウタがにやりとして皆に発表した。

「出ました! 何と一等はフェイト・T・ハラオウンさんのほっぺにキスだ!!」
「何だってーーーーーー!?」

 ほとんどの男達は驚きを隠せなかった。

「ちょっとサブロウタ、私そんな事言ってないよ!」
「え、でも私に出来る事ならって言ったじゃないですか」

 サブロウタがフェイトを問い詰めると意外な人達がサブロウタを肯定した。

「確かにそう言った」
「俺もそう聞こえた」
「ああ、俺も聞いた」

 それはDボゥイと勇と凱であった。しかしその傍らには彼らの恋人達がすごく怒った顔をしていた。

「Dボゥイ」
「勇」
「凱も!」

 アキと比瑪と命がそれぞれの男達に向かって怒り、男達はすぐに謝った。

「ちなみに二等は八神はやてさんのキスで三等が高町なのはさんとのキスだよ」
「何でそうなるんや!?」

 はやてがサブロウタに突っ込みを入れるが男達は皆聞いておらず、ビンゴゲームが始まった。

「さああて、ルーレットスタートだ!」
「絶対フェイトさんのキスは俺がもらうぜ!」
「待ちな! それは俺の役目だ!」
(エウレカ、君がいるのはわかってるけど俺も欲しい)
「やああああてやるぜ!!」

 ケーンや甲児、レントンや忍が機動六課の隊長達とのキスを求める中、ものすごくテンションが上がっている男がいた。

「よっしゃああああ! 俺はもう最初っから最後までクライマックスだぜ!!!」

 デュオはこのパーティの開始の時からいつになくテンションが上がりぱなしだったのだ。
 そしてビンゴゲームが始まるとそのテンションはさらに炎以上に燃え上がっていた。

 ちなみにビンゴゲームの一等はエリオ、二等はヴィータ、三等はヴィヴィオだった。
 当然の事ながら男達のほとんどは落ち込み過ぎてしばらく立てなかったそうだ。
 その後パーティの料理でサイ・サイシーの中華料理、ベガのシチューなどが出てきて皆元気が出たが、
 その一部の料理の中にはシャマルの料理も入っており、その料理は全員が食べてしまい、
 ヒイロ、アキト、ドモン以外の人間は倒れてしまい、悪いものは食中毒になってしまったそうだ。


 終わり
338スーパーロボット大戦X:2007/12/24(月) 22:34:34 ID:O5P+Y44W
投下は以上です。
スパロボWをやった人間からしたらパクリな部分がありますがご了承ください。
でもそれなりに面白くしたつもりです。今度は出来れば正月ネタも作ってみようかな・・・。
でもクリスマスネタより難しそう。
339リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/12/24(月) 22:37:24 ID:6GDUO2tT
GJですー
スパロボメンバーズが生き生きしてて良いですね〜メリークリスマス

では、私も投下をさせて頂きます。
340名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:39:24 ID:jAcm/O+j
グレンラガンクロス待ってました!
支援!支援!!
341戦国の鉄の城:2007/12/24(月) 22:39:30 ID:PkBTs5S8
>>338
GJ!
フェイトがあの役となるとやっぱりテスタロッサつながり?
そしてDボゥイがアキに向かって頭を下げてるところを想像して吹いた俺。
メンバーが違うだけでこんなに面白さって増えるもんなんですねー。
342リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/12/24(月) 22:40:04 ID:6GDUO2tT
Part.A
天元突破グレンラガン×魔法少女リリカルなのはA's


あらすじ

 少女は全てに絶望し、闇の書に願う。その願いを聞き届けた闇の書は主である少女と融合し漆黒の天使へと変貌する。
 2人の少女、変貌した少女を救い出すため漆黒の天使へと立ち向かう。
 真実を知った少年と少女は、螺旋族の最終兵器であるラガンと合体したグレンラガンを駆り戦場へと向かう。
 魔力と螺旋力との激突が始まろうとしていた。

魔法少女リリカルグレンラガンA's

最終話『ほな、また会おな』

 海鳴市の街中の上空で対峙する闇の書の意思に身を任せ変貌してしまった八神はやてと、誤解により戦うこととなった高町なのはとフェイト・テスタロッサ。
 愛する者たちを失い失意の底へと落ちた少女の願いを聞き入れ、漆黒の天使の姿をした闇の書は目の前に立ち塞がる者達へ攻撃を開始した。
 封鎖結界を張られ逃げることも出来ず、襲い掛かる闇の書を押さえるため、ユーノとアルフと合流し戦いを挑むなのは達。
 接近戦を挑むフェイトだったが、ハーケンスラッシュによる斬撃も闇の書のパンツァーガイストによって防がれダメージを与えられない。
 フェイトが接近戦をして隙を作っている間に、ユーノとアルフによる捕獲魔法で片手両足を拘束されるもバインド破壊魔法によって脱する。
 その瞬間を狙い、なのはとフェイトによるディバインバスター・エクステンションとプラズマスマッシャーが闇の書目掛けて発射される。
 しかし、両手の張られたパンツァーシルトによって完璧に防がれてしまう。
 魔道師ランクAAAの2人相手に完璧に有利に戦闘を行う闇の書の意思の実力はSS以上だろう。
 攻撃を防ぎきった闇の書の意思は、新たに魔法を唱え始める。
 その詠唱と魔法集束を見たユーノたちは、なのはからコピーしたスターライトブレイカーを撃つと察し急遽避難し始める。

「フェ、フェイトちゃん。そんなに離れなくても」
「至近で食らったら防御の上からでも落とされる。回避距離を取らなきゃ」

 自分の魔法など受けた事が無いなのはは危機感が足りず、フェイトに捕まえられ避難させられている。
 フェイトは以前彼女の攻撃を受けている事から、この魔法への危機感は一番良く知っているのだ。
 そんな時バルディッシュから、民間人が結界内に取り残されているのを報告した。
 
 桃色の閃光が上空で輝く光景を誰も居ない歩道で見上げるすずかの元へ駆け寄ってくるアリサ。

「やっぱり誰も居ないよ。急に人が居なくなっちゃった」

 その報告に脅えるすずか。

「辺りは暗くなるし、なんか光ってるし、いったい何が起きてるの?」

 アリサとの会話で更に恐怖を感じ始めたすずかに気づき、彼女の手を引っ張るアリサ。

「兎に角逃げよう。出来るだけ遠くへ」
「あ、うん」

 魔力の集束を終え、標的へと魔力の塊を放とうと動き出す闇の書の意思。
 民間人が居る場所へと降り立ったなのはとフェイトは、周囲を見回すと走りながら逃げる2人組みを発見し声をかけると、そこには顔見知りの人物が居た。
 驚く4人へ向け、闇の書の意思は集束魔法を撃ち放つ。

「スターライトブレイカー」

 強大な集束魔法が放たれる。
343リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/12/24(月) 22:42:14 ID:6GDUO2tT
 なのはが扱う直射型スターライトブレイカーとは違い、闇の書自身が得意とする広域型へと性質が変わっている。
 そのため、攻撃範囲が広く回避は無理であった。
 アリサたちに防壁魔法を掛けたフェイトは、彼女達の前に立ちディフェンサープラスを展開。
 更にフェイトの前に立ったなのはは、ワイドエリアプロテクションを発生させ攻撃を受ける準備を整える。
 町全体を埋め尽くす魔力波が、なのは達を飲み込もうとした瞬間、巨大な何かが彼女達の前に立ち銀色に輝く何かを前に突き出した瞬間に魔力波に飲み込まれていった。
 なのは達の安否を心配したアルフとユーノは、念話を使用し語りかける。

「(なのは、なのは大丈夫?)」
「(フェイト!?)」

 桃色の閃光を受け止めながら、なのはとフェイトは現状報告を2人へ話す。

「(大丈夫ではあるんだけど)」
「(アリサとすずかが、結界内に取り残されているんだ。防御は、今来てくれたグレンラガンに防いでもらってるから大丈夫)」

 なのは達の前で巨大な傘状のドリルで魔法攻撃を受け止めているグレンラガン。
 ギガドリルには敵の攻撃を吸収し反射させる能力があり、受けている魔法攻撃のエネルギーを防御へと回している。
 なのは達の報告を受けユーノはアースラで待機中のエイミィへと連絡を入れ、アリサとすずかを至急避難させられないかと聞く。

「余波が収まり次第直ぐ避難させる。何とか堪えて」
『『はい』』

 何とかスターライトブレイカーを防ぎきり、アリサたちに直ぐ安全な場所へ連れて行くように言う。
 だが、友人2人が予想外な行動をしているのを見たアリサとすずかは問いかけようとするも即刻転移させられる。
 2人に正体を見られたなのはとフェイトだったが、今はそんな事を考えている暇など無いと考えるとユーノとアルフに2人の護衛を頼む。
 渋ったアルフだったが、ユーノにここに居たら2人が全力を出せないと言われ、観念してアリサ達の護衛をしに飛んでいく。
 その場に残ったのは、2人の魔法少女とグレンラガンのみ。

「シモンさん達も避難を」
『2人には悪いけど、俺にはあいつを助ける理由があるんだ。だから、2人こそ避難してくれ』
「グレンラガンでは、小回りの効く闇の書の魔法を相手に戦うなんて無茶です」
『大丈夫です。シモンのドリルと私とブータは、魔法になんて負けません』

 話が平行線を渡っている時、エイミィから緊急通信が入る。

『なのはちゃん、フェイトちゃん。それからシモン君、ニアちゃん。クロノ君から緊急連絡。闇の書の主に…はやてちゃんに投降と停止を呼び掛けてって』

 エイミィの話を聞き、なのはとフェイトは闇の書の意思へと思念会話で話しかける。
344Strikers May Cry:2007/12/24(月) 22:42:52 ID:cMdxcLUF
いつの間にかもう投下されてる!! みんなシモンに全力で支援砲火だ!!!
345戦国の鉄の城:2007/12/24(月) 22:43:42 ID:PkBTs5S8
OK、自分も支援砲火!
346スーパーロボット大戦X:2007/12/24(月) 22:44:10 ID:O5P+Y44W
こちらも支援砲火と行こうか!
347リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/12/24(月) 22:44:45 ID:6GDUO2tT
 
「(はやてちゃん、闇の書さん、止まって下さい。ヴィータちゃん達を傷つけたのは私達じゃないんです)」
「(シグナム達と私達は)」
「我が主は、この世界は自分の愛する者たちを奪った世界が悪い夢であって欲しいと願った…我はただそれを叶えるのみ。
主には穏やかな夢の内で永久の眠りを…そして、愛する騎士達を奪った者達には永久の闇を」
「闇の書さん!」

 なのはの言い放った言葉を聴き悲しい顔に成る闇の書。

「お前も、その名で私を呼ぶのだな」
『なら、お前の本当の名前を言いやがれ!!』

 その大きな声を聞き、なのは達から目線を逸らし、前を向くと腕を組んだグレンラガンがそこに居た。

「シモンとニアか…今日は何故騎士達の近くに居なかった」
『…馬鹿な大人の策略に騙されて行けなかった…すまない』
「主はお前達を好きでいる…ここから去ってはくれないか?」
『それは出来ない。はやて達を救い出すまで一歩も引かねぇ』
『それに、まだ貴女のお名前を聞いていませんわ。さぁお答えになって』
「まもなく消えて無くなる我自身の事など言ってもしょうがない…それに、もう後戻りは出来ない」

 闇の書から黒きオーラが表れたのと同時に、道路のコンクリートを突き破り魔法生命体となった赤竜が出現し、その触手でなのはとフェイトを締め上げる。
 それに気づいたグレンラガンは、彼女達を救い出そうと動くも何者かに体当たりされビルへと激突する。
 ビルから抜け出したグレンラガンの目先には、生物的な装甲を纏ったグレンラガンに似た人型魔法生命体が居た。

「私は主の願いを叶えるだけだ」

 締め上げられながらも、闇の書の意思へと訴えるなのは。

「願いを叶えるだけ?その願いを叶えて、それで本当にはやてちゃんは喜ぶの?心を閉ざして何も考えずに、
ただ主の願いを叶えるだけの道具でいて貴女はそれで良いのッ!?」
「我は魔道書…ただの道具だ」
「だけど、言葉は使えるでしょう。心があるでしょう。そうじゃなきゃおかしいよ…本当に心が無いんなら泣いたりなんかしないよ!」
「この涙は主の涙…私は道具だ…悲しみなど、無い」

 その答えに、フェイトと遠くで会話を聞きながら敵と戦闘を行うグレンラガンのコクピットにいるシモンは苛立つ。
 フェイトはバリアジャケットのバージを行い触手から抜け出す。
 ソニックフォームへと成りなのはに取り付いた触手も薙ぎ払い、闇の書に問い掛けるフェイト。
348反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/12/24(月) 22:46:54 ID:hUYZWKDJ
ルルーシュ「これが人間の! 黒の騎士団の!! そして、俺の支援だぁぁぁぁぁッ!!!」
349リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/12/24(月) 22:47:10 ID:6GDUO2tT

「悲しみなど無い…そんな言葉を、そんな悲しい顔で言ったって誰が信じるものか!」
「貴女にも心があるんだよ。悲しいって言っても良いんだよ。貴女のマスターは…はやてちゃんは、きっと答えてくれる、優しい子だよ!」
「だから、はやてを開放して。武装を解いて!お願い!!」

 なのはとフェイトの必死の説得をしている時、グレンラガンは闇の書が誕生させた巨神兵と接近戦を繰り広げながらシモンは闇の書へ話しかける。

『悲しいなら悲しいって言えよ。自分の胸の内に溜めていたら最後には皆を巻き込んで迷惑をかけてしまうんだ!
以前俺も兄貴が死んだ時悲しみで自暴自棄に成っていた。だから分かるんだ!悲しみは1人で抱え込むな』

 シモンによる説得も聞いた闇の書であったが突如各地から火柱が噴出す。
 その光景を見た闇の書は、己の崩壊が始まった事に気づく。

「早いな。もう崩壊が始まったか…私も時期意識を無くす。そうなれば、直ぐに暴走が始まる。意識がある内に主の願いを叶えたい」
『Blutiger Dolch&Das Verstärken von Magie』

 闇の書によるブラッディダガーが発動し、なのはとフェイトの周囲へ鋼の短剣が8発ずつ出現する。
 更に、シモン達の邪魔が入らぬよう戦わせている巨神兵へ強化魔法を掛ける。
 その効果によって、グレンラガンに似た姿だった造形から醜い本当の姿へと変化した。
 この姿こそ、巨神兵の真の姿。地上を焼き払った調整者の姿である。
 なのはとフェイトへと発射されたブラッディダガーだったが、爆発と同時になのはを抱えたフェイトがその上空へ移動していた。
 ソニックフォームによる高速移動による恩恵だ。
 フェイトは、分からず屋の闇の書へ向けアサルトフォームのバルディッシュ・アサルトを構え、

「この駄々っ子!」
『Sonic Move』

 両手両足に光の羽を出現させ、一気に闇の書へ向け疾走する。

「言うことを…聞けぇぇぇっ!」

 凄まじい速度で来るフェイトに向け闇の書のデバイス部分を向ける闇の書の意思。

「お前も我が内で眠ると良い」
「ハァァァッ!」

 勢いをつけたバルディッシュによる打撃だったが、闇の書の張った盾によって防がれ更に全身を光に変換され始める。

「あぁ…あっ」
「フェイトちゃん!」

 なのはの声が響く中、フェイトは光となって消えた。

『Absorption(吸収)』
「全ては…安らかなる眠りの内に」

 フェイトは闇の書へと吸収され消えた。
 その光景を見たなのは、シモン、ニアは驚きの顔に成っていた。
350名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:47:32 ID:Oa07sBRe
グレンラガンキター!!
支援砲火!!
351リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/12/24(月) 22:49:44 ID:6GDUO2tT
 巨神兵は、フェイトの消失に唖然となっていたグレンラガンに向け額からオーガニックプロトンアクセラレイションキャノンを放つ。
 不意な一撃に左肩の盾が砕け散り、その衝撃で近くにあったビルに激突してしまう。
 呆然となっていたシモンだったが、エイミィからの報告でフェイトはまだ健在で闇の書内部に閉じ込められているだけらしい。

「なら、答えは1つだ…ニア、行くぞ!」
「はい、シモン!」

 衝突したビルから抜け出したグレンラガンは、人工生命体であり魔法生命体へと変化した巨神兵に意識を集中させる。
 グレンラガンは背中のトビダマの出力を最大にして加速し、破損した左肩にドリルを出現させショルダーアタックを繰り出す。
 巨大化したことで、飛行能力を失っていた巨神兵にはその突撃を回避する手段は無くドリルを胸に受け悲鳴を上げる。
 ドリルを突き刺したグレンラガンを払い除けようと両手を伸ばすが、即座にグレンラガンは退避し一気に上空へと飛び上がる。

『ギガァァァッドリルゥゥゥブレイクァァァ!』

 螺旋力を最大にして右腕に出現させたドリルをギガドリルへと化へ巨神兵へと突撃する。
 グレンラガンへ向け巨髪兵は、巨大な口を開けそこから現れた砲身による最大出力のオーガニックプロトンアクセラレイションキャノンを撃つ。
 螺旋力の輝きに包まれ巨大なドリルへと化したグレンラガンに向けて撃たれた砲撃は、そのドリルへと直撃する。
 
「そんなものが!」
「このグレンラガンには効きません!」
「ブッブゥー!」
『『ハァァァッ!』』

 なんとグレンラガンのギガドリルは、オーガニックプロトンアクセラレイションキャノンおも吸収しエネルギーへと変え、
膨大な螺旋エネルギーへと変えて撃ち返す。
 膨大なエネルギーを受け肉体が崩壊し始めた巨神兵へ向け止めのドリルをぶつける。
 超巨大なドリルが巨神兵のボディを貫き構成していたコアを粉砕する。

「よし!…ぐっ」

 最後の力では成った砲撃を受けグレンラガンの左足を砕かれる。
 若干ダメージがフィードバックしたシモンは、痛みに顔をしかめた。
 振り向き敵が完全に倒されたのを確認したシモンは、闇の書が居る場所へと向かう。

 
「我が主もあの子も、覚める事の無い眠りの内に終わり無き夢を見る。生と死の狭間の夢…それは永遠だ」

 闇の書の意思の独白に対しなのはは、意思のある目で彼女を見つめながら、その答えを否定する。

「永遠なんて無いよ。みんな変わってく、変わっていかなきゃいけないんだ!私も、貴女も!」
『そうだ!お前の言っている事は、ただの現実逃避だ。永遠なんて無い…そう、父さん、母さん…そしてカミナの兄貴が死んだ時から、
俺の人生に永遠なんて無いんだ!だから、今を精一杯生きる。そして掴み取る…生きた証を!!』

 損傷しながらもグレンラガンは闇の書との戦闘へと加わる。
 なのはとグレンラガンのタッグが闇の書との戦闘を始める。
352名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:50:28 ID:RwIfZ8WI
WOW!WOW!fight the power!
353リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/12/24(月) 22:52:08 ID:6GDUO2tT
 
 その時フェイトは、闇の書の中で懐かしい人たちと対面していた。
 それは決して現実に起こらなかった幸せな出会い。
 母であるプレシアと姉のアリシアと使い魔のリリスとの幸せな生活を夢の中で体験しているのだ。

 海上へと場を変えながら、はやてを取り込んだ闇の書の意思と、なのは&シモンとニアとブータが搭乗するグレンラガンとの闘いが切って開かれた。
 まず先に動いたのは、グレンラガンの方だった。
 先手を取って相手を拘束しようと、両手を伸ばす。

「盾」

 闇の書の意思はデバイスを胸の前に浮かせ、両腕を左右に突き出し、両手を広げ強固なベルカ式シールド魔法を展開しグレンラガンの両手を受け止める。
 闇の書に両手を阻まれながらも、気合いを込め力ずくで押さえ込もうとするグレンラガン。

『このぉぉぉ!』

 シモンの声がグレンラガンの口から発せられながら、徐々にだが闇の書を押さえ込んでいく。
 グレンラガンの尋常なパワーに、顔をしかめる闇の書は、この均衡を脱するため再び巨神兵を出現させる。今度は、3体同時である。
 3体のグレンラガンタイプの巨神兵は、グレンラガンを掴み闇の書から引き離す。

『テメェら!退きやがれぇぇぇ!!』

 シモンの咆哮と共にフルドリライズ形態へと成ったグレンラガンによる全方位ドリル攻撃を受け串刺しにされる巨神兵。

『うおぉぉぉ!』

 そして、全てのドリルをギガドリルへと変化させ敵をまとめて3体粉砕する。
 その隙を突いて接近戦を挑むなのはだったが、闇の書の圧倒的な格闘能力に苦戦を強いられる。
 かなりの強度を持つラウンドシールドで闇の書の拳を防ぐもバリアブレイクによって粉砕され、更にブラックインパクトと呼ばれる打撃技を受け海へと叩きつけられる。
 倒したと考えた闇の書だったが、海中から浮き出る人影を見て驚く。
 あの一撃を受けてもなのはは、倒れず這い上がってきたのだ。

『(リンディさん、エイミィさん、戦闘位置を海の付近へ移しました。市街地の火災と修復をお願いします)』
「大丈夫、今災害担当の職員が現場へ向かっているわ」
『(それから闇の書さんは駄々っ子ですが何とか話は通じそうです。もう少しやらせて下さい)』
「行くよ、レイジングハート!」
『Yes my master』

 災害担当が現場域へと到着したとの報告を受けているリンディ提督。

「無茶しないでねって言う雰囲気じゃなかったわよね…それに、シモン君達も戦ってるし」
354リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/12/24(月) 22:54:41 ID:6GDUO2tT

 カートリッジをリロードし、残り3本のカートリッジを見つめながら闇の書とのお話をどうするか考えているなのは。
 その横をグレンラガンが通過する。

『なのはは、そこで休んでろ!俺があいつを止める!』
「えっ、でも」
『切り札を使う…行くぞニア!』
『はい。シモン!』

 勢いをつけ一気に闇の書より高い位置へと飛び上がったグレンラガンは、頭を引っこ抜く。
 強制的に合体が解かれ、ラガンとグレンへと戻る。
 そして、ニアが操縦するグレンの残った右手に握られるドリル形態のラガン。

「行きます。シモン!」
「あぁ、やってくれ。ニア!」
「はぁぁぁッバスタァァァ!ビーム!!」
「ラガンッインパクト!!」

 グレンによって投球されたラガンは、下半身全部がドリルとなった己を闇の書へと突撃させる。
 狙うは、闇の書の本体である本の部分。
 闇の書自体を狙った攻撃だと察した闇の書は、デバイス本体にパンツァーシルトを展開しドリルを防ぐ。

「ぐぉぉぉっ!」

 歯を食い縛りながら、ラガンのドリルの回転数を上げて闇の書のデバイスのシステムを掌握しようとする。
 ラガンには、相手のシステムを乗っ取る機能があり、それを使い闇の書からはやて達を救い出そうとしているのだ。

「シモンよ…お前は何故そこまでする」
「友達を助けないで、誰を助けろだっ!いい加減に駄々を捏ねるな!」
「ならば、お前も私の中で眠れ…」

 その瞬間、ラガンもまたフェイトと同じく光の粒子へと変換され始める。
 危機を悟ったシモンは、ラガンのコクピットハッチを開きブータを近くに居たグレンへと投げ渡した後光となって消えた。
 グレンの口を開きブータを救出したニアだったが、シモンが消えてしまったシーンを見る。

「シ、シモン……でも、私は諦めません。私は、あなたを信じています。だから」

 ニアが乗る半壊しているグレンは、残った右腕で闇の書を指差す。

「闇の書さん、私は諦めません。はやてちゃんもフェイトちゃんも、そしてシモンも…そんな永遠の夢などに負けはしません!きっと、みなさんは帰ってきます」
「何故そう言い切れる」
「それはぁぁぁ!」

 右腕を闇の書へと振り下ろすも、盾によって防がれる。

「私の明日は、シモンと共に歩む明日なのです!だから、貴女には負けません!」

 しかし、闇の書の意思による打撃攻撃によって吹き飛ばされるグレン。
 顔をしかめるニアだったが、突如グレンのコクピットから誰かの声が聞こえる。 

『へっ、うかうか寝てらんねえな』
「え、何か言いましたか?ブータ」
「ブ〜?」

ニアの肩の上で首を横に振るい否定するブータ。

「いったい何が起ころうとしているの…シモン、返事をして」

中破したグレンのモニター越しに、激しい戦闘を再び始める闇の書となのはを見届けながらシモンの帰還を願うニアとブータであった。
355リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/12/24(月) 22:57:08 ID:6GDUO2tT


闇の書に捕らわれたシモンは、フェイトと時を同じくして夢へと引きずり込まれていた。
とても居心地が良く、現実を忘れさせてくれる夢の世界でシモンは穴を掘っていた。

「…よし、上出来だぜ、シモン。お前のドリルは最高だ」
「え…兄貴?」
「ん?どうしたぁ、シモン。腹でもって減ったかぁ?そんじゃ、偵察済ませたらダイグレンで飯でも食うか!」

あれ、何で兄貴が居るんだ?
チミルフとの戦いで…死んだ筈なのに。

「あぁ?俺が死んだだぁ?何寝言なんか言ってんだよ、シモン。現に俺は、ここでピンピンしてるじゃねえか」
「あ、うん…」
「さぁ、さっさと目を覚まして行くぞ」

カミナの兄貴の後ろ歩きながら俺は、この出来事に焦っていた。
先程まで、闇の書と戦いを繰り広げ、ラガンインパクトを叩き込んだ瞬間、光に包まれた。
そして目覚めたときには、カミナの兄貴の横で穴を掘っていたのだ。
そんな事を考えていると、目の前を歩いていたカミナが立ち止まった。

「見て見ろよ、シモン」

兄貴に言われ、恐る恐る下を見るとそこには獣人たちと、強制労働を課せられている人間たちの姿があり、その中に見覚えがある人影を見つける。

「父さん…母さん。何で」

驚く俺の肩を力強く掴むカミナの兄貴。

「やることは一つだろう?行こうぜ、シモン」
「え、でもガンメンも無いのに」
「このカミナ様と、最高の兄弟のシモン、お前がいれば恐れるモノなんてねぇ!行くぜ、ダチ公」
「う、うん!行こう、兄貴」

カミナの力強い言葉に突き動かされ、坂を滑り降り獣人たちへと殴りかかった。
反撃してきた獣人たちだったが、カミナとシモンの相手には成らなかった。
普通では有り得ない事態だったが、カミナの勢いに半ば考えること止めていたシモンは、がむしゃらに戦っていた。
獣人たちを殴り倒し親との再会をした後、シモンは人間たちと喜び合っているカミナ呼び出し問い始めた。
356名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:58:03 ID:tCbngYe8
支援
357リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/12/24(月) 22:59:26 ID:6GDUO2tT

「兄貴…ここって」
「そうだ。お前の望んでいた思いを形にした場所だ。今頃気づいたのかぁ?」
「気づいてたよ。でも、兄貴や、父さんや母さんが居たら夢だと思いたくなかったんだ!」
「そうか、なら話は早い。今居る夢の世界で永遠の幸福の中で眠るか、厳しい現実で生き抜いていくか、どちらか選べ」
「選べって…兄貴」
「ここなら、俺が生きているダイグレン団での生活が楽しめる。現実に戻れば、俺が居ない戦場で戦っていくことになるが…どうする?シモン」
「兄貴…俺…うわっ!?」

突然兄貴は、俺の髪をくしゃくしゃにしてきた。

「なんてな。最初から決まってるんだろ?」
「兄貴…うん。俺…行くよ」
「それでこそ俺の心の兄弟だ!さぁ、行けよ。待ってる女が居るんだろう!」
「ああ、行ってくるよ、兄貴!」

その時、首に掛けていたコアドリルが輝き出す。
コアドリルに反応し地中からラガンが飛び出して来た。
ラガンのコクピットへ乗り込んだシモンは、カミナの顔を見る。
そこには、あの頼りになるカミナの兄貴の顔があり、目が熱くなる。
だがシモンは、前を向きカミナの方を振り向かず操縦桿を握り締めラガンを起動させ、宙へと飛ぶ。

『さようなら。兄貴!』
「行ってこい、シモン!」

空中に浮いていたラガンは、ボディをドリルへと変え地面へと突貫する。

『ラガンッインパクト!』

螺旋力に包まれたドリルが地面を掘り進む。
地中を掘り進むと硬い岩盤へとぶち当たる。

『そんな壁で俺を止められると思うなッ!』

ラガンの口から発せられたシモンの声に共鳴しドリルの回転数と威力が上昇し、硬い岩盤を粉砕する。
その瞬間、ラガンとシモンは光に包まれた。


Part.Bへ続く
358リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/12/24(月) 23:01:22 ID:6GDUO2tT
投下終了〜後半のカミナ登場は今日思いついたなんて言えない(ぇ
Part.Bは、来週までには投下します。Part.Cもあるので元旦前に投下したい・・・w
359戦国の鉄の城:2007/12/24(月) 23:03:26 ID:PkBTs5S8
>>358
GJ!GJ!
熱い!熱いよ兄貴!俺の目頭もなんか熱(ry
360リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/12/24(月) 23:04:34 ID:7PWtS98C
GJです。
シモンがユメの世界に…。
でも一端嵌ったらよっぽどの奴じゃなきゃ出られないよなあ…。
自分は時間空けて十一時半過ぎくらいに投下したいんですがよろしいでしょうか。
361魔装機神:2007/12/24(月) 23:06:25 ID:i/6ortID
GJ
リリカルスクリーム氏よりも先に投下してもよろしいですか?
新年特別SSに登場させたキャラがまだ出てきていないのでとっとと出したいのですが
362Strikers May Cry:2007/12/24(月) 23:08:57 ID:cMdxcLUF
以前、雑談の方で話の出た巨神兵がマジで登場GJ! 本当に出してしまうとは剛毅ですね…
363リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/12/24(月) 23:09:28 ID:7PWtS98C
>>361別に構いませんよ。
364名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 23:10:53 ID:ARUtR9Jh
巨神兵って、いるだけで放射能バンバン出してる様なヤツなんだが……。
365反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/12/24(月) 23:12:42 ID:hUYZWKDJ
君らバスタービームへのツッコミはなしかねwww
GJ! 何だかグレンラガン描きたくなってきました。
366魔装機神:2007/12/24(月) 23:15:13 ID:i/6ortID
それでは投下します。

SHADOW NANOHA STS 9 「なあに、そんなに怖がる事はないよ」

「ふふふ、これは本当に興味深い」
スカリエッティは目の前にある化け物を調べている。
既にほとんど息絶えている状態ではあるが、それでもかなりの魔力を保持している。
これが本当に力を解放するとしたら、どのようなことが起こるだろうか……
考えただけでも端子実で仕方がない。
「チンクが見たと言う変身能力を持つ人物も気になるし、ウーノが調べている奇妙な建築物……くくく、一研究者としてかなり興味があるものばかりだ」
そういって、チンクから得た映像と奇妙な遺跡のようなものを見る。
「こ…これは……」
その時、彼の後ろで伽藍がとてもつもない表情で驚いていた(普段でもとてつもない気もするが)
「どうしたのだね?これに心当たりでも?」
そういってその怪物と変身する男を見る。
「うむ、特にその男にはまろは何度も殺されかけたでおじゃる」
いや、あんた一度死んで化けて出てきたじゃないですか。という突っ込みはおいておいて、伽藍はその人物、ウルを恨むような目で見る。
「そうか、じゃあ出来ればその人物について知っていることだけでも教えてくれないか?」

「へっくしょん!」
ウルは昼食中、盛大なくしゃみをする。
「うわ、きったねー」
ヴィータは嫌そうな目でウルを見る。
自分の料理にかかってないか心配だ。
「あー、風邪引いたかな?」
ウルはうーんと考えると、ヨアヒムはあっはっはと笑いながらウルを見る。
「そんなわけないっち。昔っからいうだっちよ、馬鹿は風邪をひかないっち」
「お前にだけは言われたくねえ!」
ウルは思いっきりヨアヒムの頭を殴る。
(けど、さっきの感覚、以前にもあった気が……なんだろ?)
まあいいや、とウルはおおお……と頭を抱えているヨアヒムを横目に昼食を再開した。

「なるほど……契約した魔物と融合する特殊スキル、か……」
スカリエッティは興味心身で伽藍の話を聞く。
これはかなり興味深い話だ。
伽藍自体そこまで詳しく入らないのだが、その節栄だけでも十分だった。
「ありがとう。それともう一つ知りたいことがあるんだが…」
そういって出されたのは、それは彼に奪われた例の書物だった。
「これは何か知っているかね?」
伽藍はそれを見て、確か……と思い出す。
「加藤が持っておった書物でおじゃるな…残念じゃがまろもその書物の事は存じておらん」
ただ…と何かを思い出す。
「加藤が何かこれを使ってたくらんでおったな……」
だが、そんな事は自分にはわからないし、別に知りたくもない。
「なるほど……ありがとう、中々参考になったよ。ところで物は相談なんだが……」
そういってスカリエッティはある事を言う。
「私はこれからあることをするのだが…sの手助けをしてはくれないだろうか?」
ふむ、と伽藍は頷いて……
「まあ、助けてもらった手前、いいでおじゃるよ。こちらとしてもあやつには仕返しをしたいでおじゃる。
その条件を飲むなら協力してもいいでおじゃるよ」
そうか、とスカリエッティは頷いて……
「では、まずそのクッションの秘密を……」
「それは企業秘密でおじゃる」
367名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 23:16:04 ID:3zIgwgbE
GJ!
ニアがノノにwww
368魔装機神:2007/12/24(月) 23:17:59 ID:i/6ortID
ウルたちを含むフォワード陣は、今は町へ繰り出している。
ウルが派手に暴れまわったせいで、少々訓練場が破損してしまったのだ。
しかし、そこまでひどいというものではなく1日もあれば完全に修復する。
その間は練習は出来ないので練習した後は今日は町へ繰り出していいといわれたのだ。
だから、今日は自由練習にも熱が入り、現在こうやって町へいるのだ。
「そういえば、こうやってフォワード陣全員が一緒に出かけるって始めてね」
そうですね、とエリオは頷く。
一方、ウルとヨアヒムはで不思議そうに、子供のようにきょろきょろと辺りを見回す。
だが、それは仕方のないことだった。
明治時代の風景にしか知らないウルにとって、近代的な形式は初めてなのだ。
だが、その行為が間違いだった。
ウルは珍しそうに町を見ていると、何か見覚えのあるものが見に移りこんだ。
それは、街中には不釣合いな、格闘技等で使われるリングだった。
(ま、まさか……)
ウルは、なにか嫌は予感がした。
「あれ?この前来たときこんなのなかったような気がするけど……」
スバル達も気付き、あれはなんだろうと思いふける。
「今日は別にいくところもありませんし、一度行って見ましょう」
キャロの提案にスバル達も賛成し、ウルたちもその場所へと向かう。
そして、その嫌な予感は見事的中する事となる。

「きみ、こんなところでどうしたの?」
なのはは目の前にいる小さな少女を見る。
少し用事があって聖王教会に来ていたのだが、その時にシャッハから通信が入った。
以前保護した女の子が抜け出したと。
それを聞いて、なのは都シグナムは急いで聖王教会へと向かった。
聖王教会についた後は各自でそのこを探していたのだが、どうやら先になのはがその子供を見つけたのだ。
だが、ヴィヴィオはなのはを見つけてびっくりしたのか、少し後ずさる。
「名前はなんていうの?」
だが、それでも尋ねてくるなのはの問いに、少女は「ヴィヴィオ」と小さくつぶやく。
「そうか、ヴィヴィオって言うんだ」
その時、シャッハもその現場を見つける。
(あれは……)
孫そのとき、シャッハそのヴィヴィオと言う少女の様子が少しおかしい事に気づいた。
(まさか……)
何か嫌な予感を感じたシャッハはデバイスを構える。
「逆巻け!ヴィンテルシャフト!!」
その言葉と同時に、シャッハは一瞬でなのはとヴィヴィオの間に現れる。
「ひ」
ヴィヴィオはそれを見て驚き、しりもちをついてしまう。
「シスターシャッハ、ちょっと待ってください」
いきなり現れ、ヴィヴィオを睨んでいるシャッハ。
なのははそれを見て何か勘違いをしているのではないかと思い、少し状況を説明する。
「そういうことだったのですか。申し訳ありません」
委員ですよ、となのは入ってヴィヴィオがしりもちをついたときに落としたぬいぐるみを拾う。
「これ、君のお友達?」
そういってなのははぬいぐるみを差し出す。
ヴィヴィオはそれに小さく頷いてそれを受け取った。
そんなやり取りを、シグナムは遠くからほほえましく見ていたのだった。
369魔装機神:2007/12/24(月) 23:20:04 ID:i/6ortID
「やっぱり、この人たちは……」
フェイトは今、地上の108部隊の会議室であのときの戦いに介入してきた女性達を見ていた。
そこに居るのはギンガ・ナカジマとゲンヤ・ナカジマ。
ゲンヤはスバル、そしてギンガの父親である。
「間違いねえ、こいつらは戦闘機人だ」
ゲンヤの言葉にやっぱり、とフェイトはそのモニターを睨む。
人間を素体として作り上げるそれは、時空犯罪者、ジェイル・スカリエッティが以前から研究していたものだった。
そして、フェイトと同じようにそのモニターを睨むギンガ。
彼女……いや、ナカジマ家もまた、戦闘機人と深いかかわりを持つ。
「わかった、この件はこっちのほうでも調べておく……」
そういった後ゲンヤは少し考え……
「それと、ギンガをその間そっちへよこす…いいな」
ゲンヤの言葉にギンガも頷く。
ありがとうございます、とフェイトは深く礼をする。
「なあに、気にするこたあない。こっちも譲ちゃんと高町の嬢ちゃんにはいくら礼を言ってもたりねえくれえだ」
そういって気差うに笑うゲンヤ。
「それでは、失礼します」
その後、フェイトも軽く笑みを浮かべ、ギンガと共に部屋を出て行く。
「戦闘機人事件、か…」
二人が出て行った後、ゲンヤはふう、と一息ついて天井を見る。
「まさか、二人もこの事件に巻き込まれるとはな……いや、あの二人だからこそ、か…」
そういって、ゲンヤは死んだ妻の事を思い出す。
「クイント、やっぱり血は争えねみてえだな…まあ、血は繋がってはねえけどな」
そういって、ゲンヤは飲みかけのコーヒーを口に含むのだった。

「これからよろしくね、ギンガ」
フェイトは車の中で、これから仲間となるギンガと話をしている。
「いえ、こちらこそ。私もフェイトさんと一緒に働けて嬉しいです」
あ、ありがとう……とフェイトは恥ずかしそうにする。
どうも、誰かから憧れの対象というか、そういうのは何か恥ずかしい。
「ところで、スバルは元気でいますか?」
話がギンガの話になって、うんとフェイトも頷く。
「あんまりフォワードのみんなとは会ってないけど、それでもみんなは元気でいることは確かだよ」
そうですか、と銀河もうれしそうであった。
その時だった。
フェイトは何か嫌な予感を感じた。
(なんだろう……)
自分ではないが、何かよからぬことが起きるかもしれない。
(まさか、エリオとキャロの身に何か……)
そう思ったフェイトはいてもたってもいられなかった。
「ギンガ。ちょっとよるところが出来たけど、いい?」
「え?あ……はい」
いきなりどうしたのだろうかと思ったが、別に断る理由はないギンガは頷いた。
「ありがとう、ちょっと運転が荒くなるけど我慢してね」
そういうと、フェイトはぐっとアクセルを踏み込み、今のところは規定速度ギリギリまで加速する。
(二人とも、今行くからまっててね)
370魔装機神:2007/12/24(月) 23:21:24 ID:i/6ortID
「おお、お前たちもいたのか!」
ウルはうんざりしながら目の前の人物を見る。
「し、師匠!師匠もここに来ていただっちか!」
それとは対照的に、ヨアヒムは驚いて自分の師匠、グラン・ガマを見る。
スバル達も驚いてその人を見る。
顔は見た感じの親父面で、頭に変なのは巻いているし、上は変なチョッキのようなもの、下に至っては変わったパンツ一丁でいるのだ。
「誰、この人?」
ティアナはウルにガマについて尋ねる。
「あいつはヨアヒムの師匠だ。なんか変な格闘技を世界に広めるべく世界中飛び回っているらしいんだけど、まさか時空をも超えるなんてなあ」
ウルはげんなりして二人の話しているところを見る。
「うむ、いつもどおり弟子達と毎日の鍛錬をしていたときだ。いきなり光に包まれてな……リングごとここに飛ばされてしまったというわけだ」
ガマは自分がどうなったのか熱く語る。
「どうやらここはワシ達がいるものとは違うと一目でわかった」
しかあし!とガマは握りこぶしを作って叫ぶ
「私は誓った!この世界でもこのレスリングを世界中ではやらせると!」
その時、ガマの目にある人物が移った。
ガマはその人物、エリオのそばに近づく。
「な、なんですか?」
エリオは少し引き気味に尋ねる。
「きみぃ!中々いい体をしているじゃないか。まだ幼いが、いずれはいい選手になれる!
どうだ、私と一緒に習ってはみないかね?」
ええ!?とエリオは驚いてガマを見る。
「やっぱり師匠も思っていただっちか。俺も彼の才能には目をつけていただら」
ヨアヒムまで言い出して、エリオは戸惑う。
「い、いえ…自分は間に合って……」
「なあに、そんなに怖がる事はないよ、確かに最初はいたく辛いかもしれんが、じきになれ、それが快感になっていく」
なおもすごい迫力で、危ないセリフを言いながら迫るガマに、半分恐怖しながらエリオは断ろうとする。
「ちょっとあんた!本人が怖がってるでしょう!」
「そうです!エリオ君を離してください!」
それを見たティアナが止めるわけに割ってはいる。
「なんだ、君も入りたいのかね?女子とは珍しいが、私は別にかまわんぞ」
「ふざけんじゃないわよ!」
そうか、ざんねんだ、といいながらガマはもう一度エリオをみる。
この人、意外としつこい、とエリオは思った。
「さあ、共に汗を流そう、そうすれば、このすばらしさを君は理解できる!」
そうって少し無理やりにでも連れて行こうとする。
「お、おい…そのへんに「キイイィィィィィ!!!!」」
流石に見かねたウルが止めようとしたとき、ある一台の車がガマに迫る。
だが、流石に彼をひき殺そうとはせず、キイィィィィ!とレーサーも真っ青なハンドル裁きでその近くへ止まる車。
「あ、あの車って……」
スバルはその車に見覚えがあった。
キャロも同じで、少々驚いタ表情を見せる。
そして、運転席から出てきた人は、予想通りの人であった。
「エリオ、大丈夫!?」
371魔装機神:2007/12/24(月) 23:25:21 ID:i/6ortID
投下完了。
さて、とうとうシャドハU最大級のネタキャラ、グラン・ガマさんの登場。
これでこのSSは寝たよう粗衣が大きくなる。
そしてまだグランパピヨンとヨアヒムとグラン・ガマ……
しばらくはリリカル大戦に投下するので投下するのは少し先かも
372リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/12/24(月) 23:27:36 ID:7PWtS98C
GJ。
自分も後少ししたら予告の時間がくるんで投下しますね。
373戦国の鉄の城:2007/12/24(月) 23:29:43 ID:PkBTs5S8
>>371
GJ!
フェイトさんの運転テクニックに吹いた俺。
一体どこでそんなテクニックを・・・。
374魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS:2007/12/24(月) 23:30:11 ID:zI0NPkc0
GJでした。
自分も、出来れば今日続きを載せたかったのですが、文が完成しませんでした。
今週末ぐらいに、何とか載せれるよう頑張ります。
375リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/12/24(月) 23:32:49 ID:7PWtS98C
あと五分後に投下でいいでしょうか?
376戦国の鉄の城:2007/12/24(月) 23:37:25 ID:PkBTs5S8
>>375
了解しましたー。
377名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 23:38:36 ID:at7Xh0J1
私怨!
378なのはStrikerS-NEXT9話 ◆0qJqyuBpiQ :2007/12/24(月) 23:43:38 ID:7PWtS98C
なのはStrikerS-NEXT9話「デルタギア」

その頃廊下でノーナンバーズ達と遭遇していたトーレは。

「研究所では随分とお前に世話になったなあ。」

一団のリーダー格のノーナンバーがトーレの顎を掴んで言った。
その腕を払いのけようとするトーレをなおも押さえつける。
今から遡ること十年近く前。スカリエッティの研究所。

「ISとの適合性はトーレの60%。その他の数値も平均してトーレの75%。話にもならないわね。」

演習ルームで煙を吹いて倒れている私を冷たい目で見つめながらウーノ…という名前だったはずだが
別に名前などどうでもいい。
とにかくいけすかない事務員的な姉が乾いた声で言った。
目覚めてからはや二週間が経つがこいつが笑った所を見た事が無い。

「ふん、ドクターの素晴らしい理想に力添えする事もかなわぬ失敗作が!」

トーレという名の冷酷な姉が私を蹴りつける。

「まあ構わないわ。培養型なら素体はいくらでも準備出来るのだし。」

ウーノの声とともに私はトーレに乱暴に持ち上げられ、程なくして狭い生体ポッドに押し込められた。

「先に言っておく。次に目が覚める時は廃棄処分にされる時か臓器をスペアとして取り出すかのどちらかだ。
まあ…せいぜい覚悟しておくことだな。」

トーレのその言葉とともにポッドが閉じる。暗黒が長い間私を支配した。
そして再び目が覚めた時、私はスペアにはされず、普通の人間とさして換わらない真っ当な権利を得た。
また自分達の体に大きな変化が起きた事も知らされた。最初は戸惑ったが慣れてみればこれは素晴らしい力だ。
動物の特性をもつ怪人へと変身し、ISなどに頼る事も無く
戦闘機人と同等以上の戦闘能力を発揮出来るようになった。そしてなによりその力によって今こうして
訳もなく私を生み出し弄んだ挙句ゴミのように捨て去ったあのスカリエッティの
忠実な腹心が私の力の前に為す術無く這い蹲っているではないか。
かつての虐げられていた暗い過去を思い出しながらノーナンバーは彼女の持つオルフェノク体
「エウパルケリアオルフェノク」へと変身し トーレを踏み躙っていた。

「これからはいろいろと顔を合わせる事も多いだろう…せいぜいよろしく頼むぞ。
もっともお前達が壊れて動かなくなるまでのそう長くない間だがな…。」

ひとしきり笑うとノーナンバー達は去って行った。
379なのはStrikerS-NEXT9話 ◆0qJqyuBpiQ :2007/12/24(月) 23:47:25 ID:7PWtS98C
よろよろと立ち上がると自分の部屋へと戻ろうとするトーレ。
と、不意に視界に割り込んで来た物があった。首から下を特殊強化外筋「V-1」の銀色の装甲に身を包み、
手にメットの部分を抱えて壁に
手を付き肩で息をしている尾室隆弘である。彼も先ほど例によってサイガに凹られていたのだ。

「あれ?…トーレ、どうしたのそのケガ?演習には参加してなかったよなあ?」
「お前には関係無い!ッ…!私に構う暇があれば自分の心配でもしていろ!」

怪訝そうに声をかける尾室を一喝すると立ち去るトーレ。

「はーあ…。…あれ?」

かつての上司だった小沢管理官にしてもそうだったがなぜ自分はこうもやさしい女性と言うものに縁が無いのだろうか。
尾室がため息をついて俯いたその時。床に少し煤けた一枚の写真が落ちているのが目に付いた。
スカリエッティとナンバーズが写っている。真ん中にはひときわ誇らしげな顔をしたトーレが写っていた。
さっきはこんなもの無かったから恐らくトーレが落としていったのだろう。

「何で…何でこんな事に…。」

ベッドに座りこみ、うなだれた。そこではじめて姉妹が全員揃った時に撮影した心の支えにしている
写真が無くなっている事に気が付いた。
…ドクターに付き従い堂々と戦ってその結果敗れてのこの仕打ちならばまだ納得出来る。
しかし今自分が置かれているこの理不尽な状況とこの仕打ちは一体なんなのだろうか。
強がっていても彼女は精神的な面ではごく一般人と何ら変わりは無い。
そんな事を考えていると頬を一筋、また一筋と暖かい物が伝っていき…。

「おーいトーレ。さっきこれ落してったぞ〜。あれ?カギが開いてる…。おい、入るぞ〜。
あれ?全く電気くらい点けろよ。…ん?………」

トーレの部屋のドアを叩く尾室だったが反応はない。
カギが開いている事に気が付きトーレの部屋に入る彼だったが中は真っ暗で彼女の気配はすれど姿は見えず。
電気を点けるとそこには…。

「………。」

枕に突っ伏して泣いていたところをいきなり明るくされて固まっているトーレが居た。

「あれ?泣いてんの?………ひょっとして入ってきちゃ不味かったか?ノックしても返事ないしカギが開いてたから…。」
「ISッ…ライドっ…」
「は?」
「インパルス!」

いきなり首根っこを押さえられて凄まじい勢いで壁に叩きつけられる尾室。

「キサマぁ…妹達には絶対に言うなよ!。」
380名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 23:47:39 ID:at7Xh0J1
支援!
381なのはStrikerS-NEXT9話 ◆0qJqyuBpiQ :2007/12/24(月) 23:51:54 ID:7PWtS98C
「な、何をさ?」
「こっ…この後に及んで私をたばかるつもりかキサマ!」
「ひょっとして泣いてた事?別にいいじゃないか…女の子なんだから。」
「セインやウェンディならいざしらず私は女の子などでは無い!!」
「解った。解ったからそうムキになるなよ。」
「ッ…大体だな。お前は何でウーノには敬語で喋る癖に私にはタメ口なんだ?あれと私は同い年。私にも敬語を使え!」
「あー。解った解った。とりあえずこれで顔を拭きなよ。それよりも今日こそメンテナンス受けてもらうよ。
ケガしてるみたいだし。ほいっ…よっと。」

飽くまでも突っかかるトーレをいなすと尾室は不意に彼女の足を払った。
一瞬浮き上がる彼女の体を受け止め、
いわゆる“お姫様だっこ”の態勢になるとそのまま歩き始める。

「わ、私はドクター以外に体を預けるつもりは無い!放せ!下ろせ!」

必死の叫びも空しくトーレが運ばれて行ったころ…。

「わったっしは〜セイン〜頼れるおね〜さま〜。」

即興の歌を口ずさみながら
スマートブレイン社の内部で極端に活動が制限されているナンバーズの
中で最も自由に行動出来る人物…セインがスマート
ブレイン社の壁の中をディープダイバーで潜行していた。
スマートブレインの敷地より外へ出なければ基本的に咎めは無いので
彼女はスマートブレイン社内を自由に移動する事が出来るのである。
という事はつまりやりようによってはいくらでもスマートブレインに反旗を翻す事が出来なくも無い訳だが
今のスカリエッティの精神状態を考えれば彼がそんな大それた行動に出る事は…

「まずありえ無いんだろうなあ…。」

セインにしてみればこれほど歯痒い事は無い。彼女でなくてもナンバーズ全員が
考えている事だった。と、そんな事を考えていたら…

「痛い!」

壁から飛び出してしまった。したたか打った腰を摩っていたその時。
ドサッ!すぐ背後から聞こえた音に振り向いて見ればスーツ姿の眼鏡の男性…スマートブレインの社員だ…が
横たわり、青い炎を挙げていたのが目に入った。そして…

「nice to meet you ♪」

彼女…ひいてはナンバーズにとっての恐怖の象徴。
仮面ライダーサイガことレオがそこにいた。
今気が付いたがここは社長室ではないか。窓ガラス越しに村上と見覚えの無い3人組…
彼女とは面識がないが木場勇治と海道直也と長田結花だ…が目に入った。

「…How are you?」
「…あ、IS!ディープダイバー!」
「oh…Hey mechanical pencil !How are you?…I’m fine Thank you.」

再び壁の中へ逃げていくセイン。レオはそんな彼女を外人肩すくめポーズで
見送ると足元に落ちていたシャーペンを拾うと独り言を言った。
382なのはStrikerS-NEXT9話 ◆0qJqyuBpiQ :2007/12/24(月) 23:54:45 ID:7PWtS98C
「また逃げるためにISを使っちゃったのか……。私ってば…。」

壁の中で悲しげに呟くセイン。あれは忘れもしない。ミッドチルダで全人類使徒再生作戦が開始されたとき、クアットロ、ウーノ
ドゥーエ、チンクを除く八人は研究所の近くの廃棄区画でスマートブレイン社が送り込んだ部隊と戦闘になったのだ。
無論彼女もその中に居た。

「グオォォォォォォ!」

獣じみた唸り声とともに突っ込んできた銀色の怪人…オルフェノクが攻撃陣形を
組んだナンバーズのド真ん中に突っ込んでくる。
戦術も何も無い単純な攻撃だ。陣形を飛んで散開するとノーヴェとウェンディが
オルフェノクの背中に砲撃を撃ち込んだ。
次いでひるんだところにディードが素早く接近し斬撃を加える。

「打たれ弱さだけは大したものだけどこれならあと少しで決着が付きかと。」
「フン何処の誰かは知らないが…私たちとやり合うのならばもっとマシな兵力を準備して欲しい物だな。」

傍らに浮かぶオットーの報告を聞きながら
数刻前に彼女によって殲滅されたライオトルーパーの骸を見やりながらトーレが言った。

「ウウウウウ…。」

不意にオルフェノクが動きを止める。

「やっとくたばったか…チンク姉が心配だ…早く研究所に戻らねーと…。」

ノーヴェが焦り気味に言ったその時。

「ウォォォォォォ!」

オルフェノクが叫び声とともに全身を発光させ始めた。
まばゆい光が辺りを覆い、やがてそれが収まったとき…信じられない光景が広がっていた。

「な…何スかこれ。こ、こんなん反則っしょ…。」

尻餅を突いたままウェンディが顔を引き攣らせながら「それ」を見上げた。
彼女の目の前についいままで居たはずのオルフェノクの姿はもはや何処にもなく。
代わりに全長十メートルはゆうに超える巨大の角を生やした銀色のモンスターが唸り声をあげて
鎮座していたのだ。正確にはそのオルフェノクが消え去ってしまった訳ではない。
何故ならばこの異形の姿こそ彼女達が戦っていた“オルフェノク”「エラスモテリウムオルフェノク」が怒りに任せて変身した
姿でありその真価を発揮するにもっともふさわしい
姿…「激情体」なのである。セインはそれからの事はよく覚えていない。気が付いたら
その場から自分ひとりでディープダイバーを使用して逃げ出していて、
程なくしてスマートブレインに捕縛された。そしてエラスモテリウムオルフェノクの猛攻
によって死亡寸前の見るも無残な姿となった姉妹と対面する事になったのである。
383なのはStrikerS-NEXT9話 ◆0qJqyuBpiQ :2007/12/24(月) 23:57:28 ID:7PWtS98C
再起出来たからよかったものの…あのままウェンディやオットー、トーレ達が
帰らぬ人となっていたならば彼女は恐らく正気を保ってはいられなかったろう。

「…………。」

自己嫌悪がセインの脳裏を支配したその時である。

「なに?警報?」

壁を伝って警報が鳴り響いたのが解った。「王の後継者」として覚醒しつつあるヴィヴィオが社内を徘徊し始めていたのだ。
その騒動の中心地である社内の一角のやや開けたエリアでは。

「ひぃぃぃ、ひぃぃぃぃぃ…。」

皆さんは恐怖に顔を歪めたこの男を覚えているだろうか?二話のBパートに登場した
スティングフィッシュオルフェノクこと井沢博司である。

「ああああ!」

井沢の体を光の触手が貫いた。
一瞬の苦悶の声とともに彼もまた物言わぬ彫刻と化してしまう。
バリバリと音を立てノアオルフェノクが井沢の体がノアオルフェノクに咀嚼され、
飲み込まれていく。
ノアオルフェノクが漆黒のバリアジャケット
(厳密には「王の人間体」にふさわしい姿として
ヴィヴィオがなのはのバリアジャケットをベースに作り上げた服であってバリアジャケットでは無い)を装着した
ヴィヴィオの姿に戻る。
と、そこにトランクを抱えて皮ジャンを来た男がどこからともなく現われた。
焦りのためか、顔には汗が滲んでいる。

「もはや村上社長がどう言おうと貴様を生かしてはおけん!仲間の仇だ!」

皮ジャンの男はトランクの中からかつて三原修二が使用していたライダーズギア「デルタギア」を取り出すと素早く装着した。
サンゴの特性を持った「コーラルオルフェノク」としての側面も持つ事で知られている
彼は前々からオルフェノクの王の力に懐疑的であり、次々と仲間が餌食にされている事
を知って「帝王のベルト」であるサイガギアと
オーガギアの製作終了後、用済みになって保管されていたデルタギアを持ち出してきたのだ。

「変身!」≪Complite≫
「………遊ぶ?」
「…ファイア!」≪Burst Mode≫

冷たい笑みを浮かべるヴィヴィオにデルタムーバーの光子弾を撃ち込むデルタ。
だが光子弾はヴィヴィオには届かない。
384名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 23:57:39 ID:at7Xh0J1
支援砲撃!
385なのはStrikerS-NEXT9話 ◆0qJqyuBpiQ :2007/12/25(火) 00:01:03 ID:7PWtS98C
反対にヴィヴィオが放った衝撃波がデルタを弾き飛ばした。

「くうっ…死ねええええええっ!」≪Ready…Exceed Charge≫

凄まじい衝撃も意に介さずデルタは立ち上がり、ミッションメモリーをデルタムーバーにセットした。
展開したデルタムーバーから紫色の円錐が放たれ、ヴィヴィオに突き刺さり、デルタが翔んだ。デルタの必殺技
「ルシファーズハンマー」だ。凄まじいエネルギーの奔流と轟音が辺りに木霊した。

「痛い…でもこの程度じゃ死なない!」
ところがどうした事か。王の力をものにしつつあるヴィヴィオを屠り去るには
ルシファーズハンマーをもってしても威力不足なのだ。弾き飛ばされたデルタが壁に叩きつけられる。もはやデルタに
戦闘能力は残っていない。ダメージがキャパシティーを超えたために変身が解除され、皮ジャンの男の姿に戻る。

「お前は…。」

そこで初めて彼は壁からぺリスコープアイを使って戦いの一部始終を見つめていたセインに気が付いた。
戦闘能力を失ってただの糧と化した自分に迫り来るヴィヴィオ=ノアオルフェノクを悔しげに睨むと…

「そいつを…くれてやる!行け!そして必ず…奴を倒せ!…ああああああ!」
「ええっ?…わっ!」

皮ジャンの男は自分の腰に巻かれたデルタギアを剥ぎ取るとセインに投げ渡し、ヴィヴィオを指差して叫んだ。
受け取ったデルタギアと皮ジャンの男を見比べるセイン。
だが既にヴィヴィオが目前に迫っている事を悟ると弾かれるようにディープダイバーで壁に潜行、その場を離れた。
そして次の瞬間ヴィヴィオが放った光の触手が彼に襲い掛かり、彼もまた井沢らの後を追った。

「気持ち悪い。ちょっと食べ過ぎた…。」

ヴィヴィオは皮ジャンの男「だった」物体を平らげると呟き、ねぐらへと戻っていった。

「くれてやるって言われてもなあ…これをどうしろって…。」

そのころ安全地帯まで避難したセインは心細げにデルタギアを見つめていた。
386名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 00:02:35 ID:X0yC/drd
支援?
387リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/12/25(火) 00:10:19 ID:zY46Ll32
ここまでで。
コーラルオルフェノクは劇中ではかなり最後の方に登場したオルフェノクですね。
あとノーナンバーのリーダー格が変身したエウバルケリアオルフェノクですが
http://www005.upp.so-net.ne.jp/JurassicGallery/jpage1.htm
↑こんな奴です。
ノーナンバーのリーダー格のこいつが恐竜の先祖って事は…?

388名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 00:17:40 ID:arHijZH8
お疲れ様です。
トーレカワユス、オムロン役得おめでとう
そしてヴィヴィオエグいわー……

次の順番、どなたもおられないようでしたらしばらく後で投下させていただきますね
389リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/25(火) 00:19:33 ID:tEukyFow
スクリームさんGJ
僕も立った今新話完成したけど、投下は後からで良いです。
お先に投下どうぞ。
390リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/12/25(火) 00:20:07 ID:zY46Ll32
次の投下というと一時間空けなきゃならないから
一時ごろになりますか。
起きてられるかなあ…。
それと誤爆してしまったスレの皆さん申し訳無いっす…。
391名無しさん@お腹いっぱい:2007/12/25(火) 00:24:44 ID:qbfrJHGd
GJ!!
コーラルオルフェの人間態って確か、象アンデッドの大地役の人だった筈です。

ヴィヴィ王、強過ぎ!!倒せる手段あるのか!?
ユーノが無限書庫で倒す手掛かり発見してくれねえかしら。
なのは達の出番はまだっすかね?
392名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 00:54:29 ID:+6F/2wLp
乙ですー。
デルタ回収されてるって事は、HERO SAGAの展開と同じで、三原君死んじまってるんすかね。
393リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/25(火) 01:07:44 ID:tEukyFow
もう一時か…
388さん、そろそろ投下おkですよ。

それと、あと二十分位音沙汰無かったら僕投下して良いですか?
394名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 01:10:27 ID:pOmq3QDZ
つか、1時間待ちって長くね?
30分でもいいと思うんだが、皆どうよ?
この投下ラッシュ時に1時間は待ってる方もきついでしょ
395リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2007/12/25(火) 01:12:20 ID:arHijZH8
ちゃんといますよー
じゃあ再起一発目、皆様の暖かいご厚意に支えられてどーんといってみましょう!

======


 古来より幾多の光と闇の抗争が繰り広げられた国、「天宮(あーく)」。

 そこには常に正義を貫き、闇の魔の手から平和を勝ち取ってきた勇敢な者達がいる。

 人は彼らを「武者頑駄無」と呼ぶ!


 天宮を治める頑駄無大将軍と彼の率いる頑駄無軍団により、
この国は数十年に渡る平和と繁栄の時を迎えていた。

 が、しかし!

 平和を謳歌する天宮に宇宙の彼方から新たな脅威が迫りつつあった。
 数百年周期で武者の世界に接近する謎の小惑星「是断の門(ぜだんのもん)」。
 闇の勢力を掌握する謎の錬金術師「鉄仮面」の秘密研究所である。

 ある日、その是断の門に時空を越えて一人の魔女が現れた。
 彼女の名はプレシア=テスタロッサ。彼女は死んだ娘を蘇らせる事を望み、
錬金術の粋を極めた鉄仮面に接触してきたのであった。

 そして彼女の協力により是断の門内部に何者かが遺した超古代の遺産である
「超時空転移装置(ぶっとびしすてむ)」を修復させた鉄仮面は装置を作動させ、
天宮を征服すべく過去に頑駄無軍団と死闘を繰り広げた闇軍団の戦士達を呼び寄せたのである!
 鉄仮面は錬金術により手に入れた力を戦士達に分け与え、
彼らを堕悪武者(だーくむしゃ)として強化したが
その中で最も強い闇の力を持つ魔界の住人、堕悪魔刃頑駄無(だーくまじんがんだむ)が
突如として反旗を翻したのである!

 プレシアは辛うじて超時空転移装置により逃走したものの鉄仮面は抹殺され、
堕悪武者達を束ねた堕悪魔刃頑駄無は是断の門を拠点とし、堕悪闇軍団を結成。
 今までにない力を手中に収めた堕悪闇軍団はついに頑駄無軍団に宣戦を布告するのであった!
396リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2007/12/25(火) 01:13:08 ID:arHijZH8

 頑駄無軍団と堕悪闇軍団は各地で激突するが、圧倒的に数と力に勝る堕悪闇軍団により、
永らく本格的な戦とは縁遠かった頑駄無軍団は次第に追い詰められていく。
 時の大将軍は起死回生の策として三人の精鋭を衛星軌道上に浮かぶ敵本陣、是断の門に送り込んだ。

 熱く燃える心を持った若き斬り込み隊長、「武者丸(むしゃまる)」。
 青き稲妻の如く駆け、敵を断つ鋼の体のクールガイ、「斗機丸(ときまる)」。
 比類なき火力とパワー、的確な戦略眼を併せ持つ司令塔「鎧丸(よろいまる)」。

 頑駄無軍団最強の二つ名を持ってその名を知られる「夢者遊撃隊(むしゃゆうげきたい)」である。

 どんな苦境にも決してくじけず、己の武者魂を信じて突き進む三人は、
数多の困難を突破し、ついに堕悪魔刃頑駄無の待ち構える是断の門の中枢へとたどり着く。
 そこで彼らが見たものは、過去の戦で活躍し、現在では伝説上の英雄と呼ばれる
武者頑駄無たちがカプセルに封印された姿であった!

 堕悪魔刃頑駄無は遊撃隊と刃を交え、一人で三人を圧倒しながらその恐ろしい企みを語りだす。
 プレシアの残した研究資料を手に入れた彼は時空を越えた我々が住む世界、
「天馬の国(ぺがさすのくに)」に「ジュエルシード」と呼ばれる
強力な魔力エネルギー結晶体が事故により散逸している事を知ったのである。
 野心あふれる堕悪魔刃頑駄無は装置で呼び寄せた列強の頑駄無たちを
堕悪武者へと改造し、その力で宇宙の全てを支配するという野望を実行に移したのだった!

 しかし、夢者遊撃隊の乱入により頑駄無たちを奪回された堕悪魔刃頑駄無は予定を変更し、
自ら超時空転移装置を使い堕悪闇軍団とともに天馬の国へと転移した。
 夢者遊撃隊はそれを追おうとするが目覚めた武者頑駄無たちも一斉に転移しようとしたため
装置に過負荷がかかり、オーバーロードを起こしてしまう!
 武者丸、斗機丸、鎧丸、そして多くの武者頑駄無と堕悪闇軍団の行方は果たして!?


 ……こうして「天馬の国」こと「日本」に訪れる事となった未曽有の危機。

 それは覇道を突き進む魔王の抱いた野望。
 愛ゆえに道を外した哀しい母の嘆き。
 終わらない夜を終わらせんとした心優しい騎士達の願い。

 立ち向かうは四十八の勇敢なる武士(もののふ)たち、
 そして……!
397リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2007/12/25(火) 01:14:35 ID:arHijZH8


 巻之壱「それは不思議な出会いやでっ!」


 ――200X年、1月1日、大阪――


「え〜、そこのお兄さん、タコ焼きいかがですか?
 今なら焼きたてでホラ、こんなに熱々で美味しいですよ〜!」

 今日は元日。新春ムードで浮かれた多くの人々が繁華街に殺到する。
 当然その客を見込んでタコ焼き職人見習いの少年、
ススムもいつも祖父と二人で営業している場所に屋台を出したのだが……

 現実はいつも厳しい。

 東京でタコ焼き職人として一旗揚げた父が病に倒れ、
その分も自分が日本一のタコ焼き職人になろうと父の師でもあり、
大阪でも屈指のタコ焼き名人である祖父の元を訪れたのだが、
腕は確かとはいえやはりまだまだ子供。
 お客さんがなかなか来てくれないのは道理である。

「ハァ……こんなに人がいるのに、なんで誰も買ってくれないんだろう……
 やっぱり父さんやじーちゃんじゃないとダメなのかなぁ……」

 自然の摂理の前に打ちのめされ、参り始めてきている様子のススムの脇に
音もなく接近し、力無い独り言に割り込んだ少女がいた。

「そら道頓堀には有名な粉もんの店がぎょうさんあるし、
 わざわざ子供がやってる店で買う物好きもおらへんやろ。
 名人て言われてるじいちゃんがおるんやったら話は別やけどな」
「それはわかってるんだけどさ。じーちゃんは神社に屋台出してるからボクしか動けないし」
「あぁ、そらしゃあないな。ほな一口味見……んー、ちょっと粉っぽいんちゃうかな。
 水の分量か火の通し方間違えたんと違う?」
「え!? あ、本当だ! ありがとう、はやてちゃん……って、はやてちゃん!?」

 驚くススムに向けてその発言の主である車椅子の少女、八神はやては
にっこりと微笑んで正月恒例のあの言葉を口にした。


「あけましておめでとうございます、ススム兄ちゃん!」
「あ、あけましておめでとう。今年もよろしく……じゃない!
 ダメだよ! こんな人ごみに、しかもこんな朝早くに車椅子なんかでたった一人で来ちゃあ!」
「わかってるわかってる、お正月の頭からお説教は堪忍やで。
 それに私も慣れてるさかい車椅子でもどこかて行けるで!
 あと料理の腕も兄ちゃんよりかは自信有るんやけどなぁ? あんまり関係ないけど」
398名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 01:15:07 ID:eE98E0ya
支援
399リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2007/12/25(火) 01:15:22 ID:arHijZH8
 胸を張って自慢げに語るはやてだったが、
ススムはあくまで毅然とした態度を崩さず話を続けた。

「それでも! 何かあったら誰も責任なんて取れないんだよ?
 今度からは必ず介護師さんか誰かに連れてきてもらう事、いいね!?」
「せやからわかってるて、堪忍な、ススム兄ちゃん」
「しょうがないなぁ、だいたい何だよその『兄ちゃん』って……」

 それを指摘されたはやてはバツの悪そうな顔で少し視線をそらし、
困り気味に眉を歪ませて笑いながら歯切れ悪く答えた。

「あ……あはは、ちょう近所のおっちゃんやおばちゃんの喋り方がうつってしもたみたいやな。
 いっつもお世話になりっぱなしやさかい……アカンかった?」
「いや、別に気にしないけど……そんな事よりどうしてこんな遠くまで?」
「……あんな、わたし、しばらくこの大阪の風景も兄ちゃんたちも見納めになりそうやねん」
「見納め?」

 怪訝そうに首を傾げるススムの表情を見て、
はやては一瞬寂しそうな、しかしそれを精一杯隠そうと努めて明るい表情でその問いに答えた。

「うん……私の主治医の先生がな?
 その先生の後輩が勤めてるもっといい病院があるて言うてくれはってん。
 そこやったら研究も進んでるしこの脚の事も何か分かるかもしれへんて言わはるし……
 そやから、もうじき大阪から引越さなあかんねん」
「そうなんだ……寂しくなるなぁ、はやてちゃんはウチの常連さんだったもんね」
「ホンマや。そやから最後にじいちゃんのタコ焼き食べたかったんやけど、
 居はらへんのやったらしゃあないな……」

 しんみりとなる二人を尻目に街を埋め尽くす人々は大いに盛り上がりを見せていた。
 そのどよめきにつられるように徐々に白み始める東の空。
 いつの時代も変わらない初日の出の瞬間である。

 しかし、新年を祝う歓喜の声はいつしか不安げなざわめきへと変わっていた。


 巨木が倒れるかのような不快なバリバリという断裂音が町中に響き渡る。
 突然の異常事態に戸惑う人々の眼前に奇妙な光景が映し出された。
 空中に裂け目が生じるというありえない現象が生じ、
そこから何かが落ちてくるやいなや裂け目は再び閉じてしまったのである。

 そしてその落ちて来た白い「何か」はゆっくりと動き出し、
人間の言葉で何者かに向けて叫びだしたのであった。

「姿を見せろ、堕悪闇軍団! この武者丸様が成敗してくれる!!」

 その奇妙な来訪者は未だ自分の置かれている状況が飲み込めていないのか
混乱して腰に提げた刀を抜き、両肩の二つに割れた寺の鐘のようなバーニアを吹かし、
周囲の目に付くモノや、建造物さえ手当たり次第に切り捨て始めたのである。

 平和な正月の街角はそれを境に悲鳴と混乱の坩堝と化した。
 そんな街の片隅で街路樹の根元に落ちていた石ころが不気味な光を放っていたのだが、
その事に気付く者は誰一人としていなかった。
 ただ一人の少女を除いては。
400リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2007/12/25(火) 01:16:14 ID:arHijZH8
「暴れないではやてちゃん! しっかりつかまってて!」
「せやけど、ススム兄ちゃんとじいちゃんの屋台が……ッ!?」

 車椅子から身をよじらせ、逃げ惑う人の流れに逆らうようにはやては屋台を振り返る。
 そんな時、彼女のの脳裏に今まで感じたことのない奇妙な感覚が走った。

「どうしたの!?」
「わからへん……わからへんけど、あっちの方から何かめっちゃ嫌な感じがする……」
「嫌な感じって、今よりもっと悪い事なんてどうやって起きるのさ!?」
「せやからわからへんって言うてるの!
 何なんやろ、怖いとか、気色悪いとかがごちゃごちゃになってるみたいな……」

 正体不明の感覚に振り回され、戸惑う二人の前に次の瞬間
 重い衝撃音と共にとれとれピチピチで知られるあの海産物飲食店の看板が落下し、
その残骸の上から獲物を求める狩人のような眼をした白い影が二人を見下ろしていた。

「出てきやがれ、魔刃頑駄無……」

 その白い影は息も絶え絶えにそう呟くと、
見るからに力を消耗した様子でその場に倒れ込んでしまう。

「……どないしたんやろ、怪我、したんかな……?」
「あ、危ないよ、はやてちゃん!」
「大丈夫や。何やこの子、そんなに悪い奴には見えへんもん」
「けどさ……あぁ、もう! おい、お前、大丈夫か!?
 そ、そうか! ハラ減ってんだな? これ食いなよ!」

 直感で何か感じるところでもあったのかフレンドリーに接しようとするはやてと
おっかなびっくりながらも彼女を信じ、謎の生命体の身を案じるススム。
 朦朧とする意識の中、その話題の主はさまざまな思いを巡らせていた。

(この声、どこかで……いや、それよりこのニオイは一体!? あぁ、うまそう……)

 ……思いを巡らせようとしたが結局食欲に負けたようである。


「すまねぇ! ボーッとしてたとはいえ俺とんでもない事やっちまった!
 鬼の撃さんに知られたら何をされる事やら……」

 ほっと一息つき、完全に我を取り戻した白い生物は自分の犯した過ちの罪の意識と
撃さんなる人物に対する過剰なまでの恐怖に苛まれていた。

「しゃあないよ……で、済ませるにはちょっと被害が大きいなぁ……」
「面目ない! 堕悪闇軍団が待ち構えてると思ったら、ついカッとなっちまって……
 気がすむまで俺を殴るなり蹴るなり好きにしてくれ!」
401リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2007/12/25(火) 01:17:02 ID:arHijZH8
 摩擦熱で火が起こるのではないかと危惧するほど頭を地面に擦りつける白い生物? を見て、
ススムは当初彼に抱いていた感想を180°変えていた。

「……何か、ホントに悪い奴じゃなかったみたいだね」
「何? 兄ちゃん、まさか私のこと信用してへんかったん?」
「いや、別にそういう訳じゃ……あ、そうそう!
 そういえば名前を聞いてなかったよね? ボクの名前はススム!」
「うまいことごまかしたな……わたしははやて。八神はやてや!」
「君は、何て言うの?」
「それと、キミ一体何モンなん? 宇宙人? 未来人? 異世界人? それとも超能力者?」
「……いや、正直それ全部どうかと思うよ、はやてちゃん。
 どっちかっていうとロボットみたいな格好だし」
「俺は……俺の、名前は……」

 刹那。

 三人がいる場所とは別の方向から爆音が上がる。
 慌ててそちらの方向に眼をやるとそこには彼に似た、しかしより禍々しいシルエットの
同じく白い姿をした何かが街を破壊し始めたのである。

「うわーっ! また暴れだしたー!?」
「アホかお前はーっ! 俺はさっきからずっとここにいるだろーがっ!!」
「あ、そうだった。じゃあ、アレは一体……あれ、どうしたのはやてちゃん!?」

 現れたもう一つの白い影を確認したはやては青ざめた表情でポツリと呟いた。

「さ、さっきとおんなじや……あれを見てたらめっちゃ嫌な気分になって来る……」
「……俺もビンビン感じるぜ。
 あの野郎からとてもお友達にゃなれそうに無い、とんでもなく嫌な感じを!」

 はやての怯える声に合わせる様に彼も新たな存在に戦意を燃やし始め、
真剣な顔つきでゆっくりとこちらに向かってくる影を見つめる。

「えっ? じゃ、じゃあ……」
「少なくとも知ってる連中にああいうのがいた覚えは無いけどよ……
 これ以上人の姿使わせて勝手に俺の罪状を追加されてたまるかってんだ!
 ……それと、さっきのタコ焼きの礼もしなくちゃな」
「えっ?」

 最後の一言はぎりぎり聞こえるか聞こえないかと言うところの照れ隠しのようであったが、
その一言を言い終えるとすっと息を整え、こう大声を張り上げた。

「やいやいやい! よーく聞きやがれ、この偽者野郎!
 俺様は頑駄無軍団が一の精鋭、夢者遊撃隊の切り込み隊長!
 史上最強の武者頑駄無、泣く子も黙る武者丸様だあっ!!」
「武者……丸……それが、キミの名前……?」
「行くぜぇっ!」

 現代日本を舞台に、武者頑駄無と謎の怪物の死闘が、今、幕を開けた。
402リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2007/12/25(火) 01:17:52 ID:arHijZH8
 互いに刃を抜き、切り結び始める同じシルエットを持つ二人の白い戦士達。
 姿形が似ているので最初は武者丸も単純な自分のコピーだと考えていたが、
自分のそれとは明らかに戦い方が違う。
 抜刀の仕草、間合いの取り方、太刀筋や技の組み立てに至るまで自分と重なるものは何も無い。
さらに刃を交わすうち武者丸はある事に気が付き始めた。
 自らの師の一人、號號将頑駄無(ごうごうしょうがんだむ)はかつて言っていた。
 「真剣勝負では相手の心がその刀を通じて伝わってくる」と。
 だとするならこの相手の心は一体何だと言うのだろう。
 恐怖、怒り、憎しみ、悲しみといった負の感情……そういった生の感情が向けられている割には、
恐ろしいほどこの相手は機械的すぎる。迷いや揺らぎが一切感じられないのだ。
 しかし、こう考えているうちにも敵の攻撃は休まるところを知らない。
 かすかな疑念を振り払い、武者丸は再び全神経を戦いへと集中させた。

 一進一退の攻防はいつ果てるとも無く続き、見守る二人をはらはらさせた。
 このままでは埒が明かないが、自分達にいったい何ができるというのだろう。
 だが、明らかに次元の違う世界で必死になって白刃を閃かせ続ける武者丸を見て、
やがて重い沈黙を破りどちらからともなくススムとはやてはその口を開いた。

「が……頑張れ……頑張れ! 負けるな、武者丸ーっ!!」
「わたし、喧嘩は大っ嫌いや! そやけど、武者丸君はわたしらなんかのために頑張ってくれてる!
 そやからそんな怪しい紛いもんなんかに負けたらアカン!」

 ススムとはやての必死の叫びが聞こえる。その声を聞いた武者丸は、
自分の中にかつてない新しい「何か」が湧いてくる実感を感じていた。

(不思議だ……二人の声を聞いてると俺の中に力が漲ってくるみたいだ……
 今まで感じたことの無い力を……何だか、今日の俺は負ける気がしねえ!)

 二人の声に後押しされるように、武者丸の手の中の刀は相手を圧倒し始める。
 その体から目に見えるかのような気合を迸らせた武者丸は
全身をバネにしたかのような強烈な踏み込みから会心の一閃を繰り出し、
ついに偽武者丸の体を切り裂いた。

「もらったぁっ!」

 重い一撃を喰らい、たまらずよろける偽武者丸。
 さらに追い討ちの一撃を加えようと再び武者丸が飛び掛った時、
先程の傷口から血でもオイルでもなくどす黒い瘴気が噴出し、武者丸を包み込んだ。

「武者丸!」

 ススムは思わず叫び声を上げるが、次の瞬間には武者丸は無事な姿を一同の眼前に現していた。
 だが同様に偽武者丸もまだ動けるようで、今にも武者丸に襲い掛からんとしている。
 しかし武者丸は棒立ちのまま次の行動に移ろうとしない。

「む、武者丸! どうしたの!? じっとしてたらやられちゃうよ!」
「……今、分かったぜ。コイツが俺に似てる理由を……
 コイツは俺に対する恐怖心がカタチを持ったものなんだ!
 どういうカラクリか知らねぇが、今コイツの瘴気を浴びた時にそれが分かった。
 あの時、俺は俺が暴れてる姿を見た人達の恐怖や怒り、哀しみの幻が見えた。
 何のことはない、全部自分で蒔いた種だったんだ……」
「武者丸……」
403リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/25(火) 01:17:55 ID:tEukyFow
武者○伝ナツカシス支援
404リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2007/12/25(火) 01:19:33 ID:arHijZH8
 うつむいたまま力なくそう告げる武者丸だが、
その口調とは裏腹に刀を持つ手をより強く握り締め、力強くこう続けた。

「だからこそ! せめてコイツだけは何としても俺自身の手で叩っ斬る!!
 ウオオオオオオオオオオッ!!」

 そう叫ぶと武者丸は刀を地面に突き立て、そのまま全速力で敵に一直線に向かっていく。
 突き立てられたままの刀は摩擦熱で赤熱化し、まるでビームサーベルのように発光し始めた。
 それを見た偽武者丸は刀を振るい、斬りつけるが当たらない。相対速度に開きがありすぎたのだ。
 弾丸のような勢いで攻撃を「追い越した」武者丸は非常用補助バーニアの推力で
無理矢理方向を転換して刀を地面から引き抜き、必殺の一撃を放った。

「強気に無敵に大人気!! 天下御免の武者丸殺法!!
 道頓堀断裂……灼・熱・ざぁぁぁぁぁぁんッ!!」

 武者丸の灼熱斬は横一文字に敵の胴を捉え、ついに勝負は決した。
 大爆発が二人を包み込み、あたり一面が煙に覆われる。
 そして燃え上がる炎と黒煙の中からゆっくりと本物の武者丸が無事な姿を見せた。

「やった!」
「違う、まだや! まだあの気配は消えてへん!」

 はやてが震える手で指差す先にいたのは、
より醜悪な姿に再生しようとしている偽武者丸の不気味な姿だった。


「ありえねぇ! 確かに真っ二つにしたのに……
 コイツは刀じゃ仕留めきれないっていうのか!?」

 武者丸がそう絶望的な面持ちで吐き捨てた次の瞬間、
天空から強烈な電撃が降り注ぎ、偽武者丸は跡形も無く消し飛ばされた。
 ……いや、先程不気味な輝きを見せていた謎の石だけはそのまま空中に残り、浮遊していた。

「見つけた、ジュエルシード」
「ラッキー! 誰かが弱らせておいてくれたおかげで戦う手間が省けたね」

 声がする方を見上げると、煙に隠れてよく分からないが
確かに二人ほどの女性……しかも一人ははやてと同じ位の子供の影が浮かんでいたのである。
 状況から鑑みて先程の電撃はこの二人が放ったものと見て間違い無さそうであった。
405リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2007/12/25(火) 01:20:04 ID:arHijZH8
「何っ!? ジュエルシード……アレがそうなのか!?
 っていうか、何モンだお前ら! 邪魔するんじゃねぇ!」
「何言ってんのさ、そこの短足二頭身! もともとこれはあたしらの専門分野なの!
 さぁ、さっさと封印しちゃおう!」
「うん。お願い、バルディッシュ」
<<Yes, sir>>

 武者丸の問いかけを無視した二人は淡々と作業を続ける。
 合成音声のような声がしたかと思うと、彼女らがジュエルシードと呼んだその石は
見る間に子供の方が持っていた得物に取り込まれてしまったのであった。

「おい、お前ら! ジュエルシードの専門家とか言ったな! ひょっとして堕悪闇軍団の仲間か!?」
「だあくやみぐんだん……? 何それ、聞いたことある?」
「ううん。そんな事よりもう帰ろう?」
「おっけー! じゃあね、短足二頭身!」
「待ちやがれ、まだ話は……おうわっ!?」
「武者丸!?」

 二人は用が済んだからとでも言いたげにあっという間にその場から飛び去ってしまい、
煙が晴れる頃にはもう誰もそこに残ってはいなかった。
 どうやら堕悪闇軍団ではないようだが、厄介な相手になりそうだと武者丸は感じていた。

「武者丸ーっ!」
「ススム、はやて、大丈夫だったか!?」
「うん、ありがとう……武者丸!」

 ススムの礼を聞いた武者丸は照れくさそうに鼻の辺りをすすり上げ、こう答えた。

「いや、礼を言うのは俺の方だ。二人がいなかったら負けてたかもしれない……
 だから、その……何だ。あ、ありがとうな、ススム、はやて……ん? どうした、はやて?」

 はやてはただじっと二人が飛び去っていった方向を見つめていた。
 とても悲しげな表情で。

「どうしたの、はやてちゃん?」
「ひょっとして、あいつらに心当たりでも!?」
「わからへん、わからへんけど……何やえらい寂しそうな声の子やったな、って……」


 これが正義の武者頑駄無、武者丸とススム少年の運命の出会いの物語。
 そして当人達は気付いていなかったが後に親友となる少女達の出会いでもあった。
 そう、全ての始まりの物語。

 その後武者丸の口から語られる堕悪闇軍団の脅威、彼等の求めるジュエルシードの事、
彼の他にも多くの仲間の武者頑駄無たちがそれを追ってこの世界に来たという事……
 あまりにも非現実な話では有るが、今日自分達の身に起こった事を考えると
この事実を認める他は無かったのである。


 それからしばらくは予想に反して何事もなく過ぎていった。
 その間に全国に現れた武者頑駄無たちも次第に現地の生活に溶け込み、
人々や頑駄無達の間から少しずつ脅威に対する危機感が薄れてしまっていた。

 しかし、かりそめの平和はそう長くは続かなかった。
 
 半年余りたったある初夏の日、海の見える閑静な街で起こった異常な事件とは?
 そしてその背後で静かに動き出す一人の少女の数奇な運命やいかに!?

 ――次回を待て!
406リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2007/12/25(火) 01:20:51 ID:arHijZH8
 次回予告(ねくすとぷれびゅう)

 私、高町なのは! ごくごく平凡な小学3年生なんだけど、
学校の帰りに大怪我をしたフェレットと出会った頃から
周りで変な事件がい〜っぱい起こるようになっちゃってもう大変!
 それで東京から刑事さんが捜査に来たんだけど、なんとその人は……!
 次回、SD頑駄無対魔法少女 リリカル武者○伝、巻之弐!
 「おまわりさんは武者頑駄無なの?」!
 リリカルマジカル、頑張ります!


=======
以上です。ご支援ありがとうございました
407名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 01:26:07 ID:eE98E0ya
GJ!
斗機丸とか他にはナンシーやч、に期待だぜ
408リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/12/25(火) 01:27:36 ID:o25+N2Q7
乙です〜
>>351
『ギガァァァッドリルゥゥゥブレイクァァァ!』

 螺旋力を最大にして右腕に出現させたドリルをギガドリルへと化へ巨神兵へと突撃する。
 グレンラガンへ向け巨髪兵は、巨大な口を開けそこから現れた砲身による最大出力のオーガニックプロトンアクセラレイションキャノンを撃つ。

上の文章から分かるように巨神兵が巨髪兵という誤字になってますOrz修正お願いしておきます。
409リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/25(火) 01:31:14 ID:tEukyFow
GJ
僕はどうしようそろそろ寝ないと親怒る…
皆さんお慈悲を!どうか僕に投下を!
410黒い影:2007/12/25(火) 01:33:17 ID:I6BGlbSu
>>406
>>407
私としてはシャチョーに期待ですね。
411名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 01:36:42 ID:eE98E0ya
>>409
All Right(良いんじゃないでしょうか)
412リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/25(火) 01:40:19 ID:tEukyFow
二十三話 雷光Aパート

【ゼストの回想】
「また守れなかったな…死者二十五名、その内民間人十一名…」
「やはり、ミッド地上は事件が多すぎる!人員も戦力も、何もかもが足りん!
今回の事件の発端も、海の連中が逃がした魔導犯罪者だ!なのに優秀な戦力や魔導師は、皆本局に持っていかれる!!」

レジアスは力一杯デスクを殴る。

「向こうは向こうで、犯罪の規模が違う。」
「だからと言って!地上の小さな区画が滅ぶのは良いというのか!?」
「レジアス、落ち着け。」
「…すまん。」

【地上本部前】
「俺はお前のように魔法の力は無いし、人を育てる力も無い。だが局の中で権力を付け、力を蓄えれば…こんな現状も変えられるかもしれん。」
「行けるさ…お前なら…」

二人はお互いに笑いあった。

【???】
「お前の働きは実に見事だレジアス、お前の精神を見込んで、頼みたい仕事がある。」
「ハッ!」

【地上本部エントランス】
「レジアス…近頃良い噂を聞かんぞ。」
「俺は何も変わっていない…ミッド地上部隊は確実に力を付けてきている。」
「…」
「ゼスト…お前は今戦闘機人事件を追っているのだったな。」
「ああ。」
「お前にはもっと重要な案件があるはずだ。そちらに移れ。」
「分かった。」

レジアスは隣に居たオーリスと共にその場を去った。

「…(ナカジマ、アルピーノ。)」
「「!?」」

ゼストは影で話を聞いていたクイントとメガーヌに念話を入れる。

「(作戦の決行、早めるぞ…今夜だ。)」
「「(了解!)」」
413名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 01:40:42 ID:arHijZH8
しえん
414リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/25(火) 01:41:05 ID:tEukyFow
………
その日の夜、突入作戦は決行された。
しかし、敵の戦力はこちらを遥かに上回り、ゼストやクイント・ナカジマを初めとするゼストの部隊の隊員達は、メガーヌを残し全て戦死した…

「こんな所まで入り込まれたか…この拠点も、廃棄せねばならんな。」
「遺体を回収しよう…ドクターの研究に役立てるために…」

………
「困るねゲイズ中将、大事な拠点を一つ潰されてしまった。」
「命令が追いつかなかった…すまん…」
「まぁ、さして被害も無かったがね。あ、それからあなたの夢、戦闘機人は優秀な性能を発揮しているよ。
 1対1でSランク騎士の撃破。なかなかだろう。」
「!?(ゼスト…)」

………
【現在】
「おまえの正義を問いたかった。
 お前になら良い。おまえの正義の為になら殉じる覚悟があった。
 だが、俺の部下達は何の為に死んでいった?
 どうしてこんな事になってしまったんだ?
 俺達が守りたかった世界は、俺達が欲しかった力は、
 俺とおまえが夢見た正義は何時の間にこんな姿になってしまった?」
「…ゼ…グオオォオ!!」

レジアスの胸部を鋭い爪が貫く。
レジアスは大量の血を吐き、デスクの上に沈んだ。

「フフフフ…お役目ご苦労…」

下手人は少し前にレジアスの部下として姿を変え、命を奪う機会をうかがっていたナンバー2・ドゥーエであった。

「父さん!」
「!」

ドゥーエは手から衝撃波を発射し、オーリスを気絶させる。
そしてバインドをゼストに掛け、動きを封じた。

「くっ…」
「ゼスト…俺は…俺は…」

レジアスはそれだけ言い残し、絶命した。

「レジアス…」
「さぁこれで貴方の役目と復讐も終わ…」
「おおおおおおおおおおおおお!!」

ゼストはバインドを渾身の力で打ち破り、ドゥーエに切りかかった。

「!?」
「でぃやあああああああああああ!!」
415リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/25(火) 01:41:49 ID:tEukyFow

【数分後…】
「旦那!」

数分後、はやてを助けるためにゆりかごに向かったリィンを除く、アギト、シグナム、大介の四名がレジアスの個室に姿を現す。
そこで四人が見たものは、胸を貫かれたレジアスと、腹部を切り裂かれ絶命したドゥーエの死体であった。

「これは…」
「…」

大介は悲しい表情をしながら懐からメイク道具を取り出し、ドゥーエにメイクを開始する。

「お…おい!お前何やってんだよ!?」
「可哀想に…「まだやりたいことがあった」…そんな顔をしている…」
「はあ?」

アギトは大介の言動に首を傾げる。

「「女は花」…逝く瞬間まで…花で居ろ…」

大介はメイクを終えると、ドゥーエの両手を胸の前で組ませ、開いていた瞼を指でそっと閉じてやった。

「これは・・・あなたが?」
「そうだ、俺が殺した。俺が弱く、遅すぎた・・・」

【スカリエッティアジト内部 素体保管室】
「以前トーレが話したかな?君と私は、親子のようなものだと。」

スカリエッティは黒い光の中に閉じ込められているフェイトに邪悪な表情で話しかける。
そして電子モニターにフェイトの母親・プレシア・テスタロッサの映像を映す。

「!?」
「君の母親、プレシア・テスタロッサは、実に見事な科学者だった…私の原案のクローニング技術を完成させてくれた…」
「…」
「だが、彼女にとって君は失敗作だった…蘇らせたかったアリシアとは似ても似つかない…粗悪な模造品…
それゆえまともな名前も貰えず、プロジェクトの名をそのまま与えられた。
記憶転写クローン技術プロジェクトフェイトの最初の一葉、フェイト・テスタロッサ…」
「クッ…」

【廃ビル2屋上】
「ルーちゃん止めて!私達が戦ったって何にもならないよ!」
「ガリュー、君も主人を守る戦士なら、ルーを止めて!ルーは奴らにだまされてる…操られているだけじゃないか!!」

二人は、ルーテシア、ガリューに必死の説得を試みる。
だが…

「貴方達には分からない…優しくしてくれる人がいて…友達がいて…愛されてる…」
「ルーちゃん…」
「私の大事な人は…私を忘れてみんな行っちゃう…一人は…嫌だ…淋しいのは…嫌だ…」

ルーテシアは一筋の涙を流し、巨大な術式を空に展開する。

「ひとりぼっちは・・・嫌だぁぁぁあああ!!!」

ルーテシアの叫びと共に、術式から巨大な白竜、ハクテンオーが姿を現し、雄叫びを上げる。
416リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/25(火) 01:42:26 ID:tEukyFow

「キャロ!」
「うん!」

キャロも空に巨大な術式を展開し、詠唱を開始する。

「天地貫く業火の咆哮、遥けき大地の永遠の護り手、我が元に来よ、黒き炎の大地の守護者…」
「…!」
「…!」

エリオとガリューもそれぞれの武器を構え、再び合間見える。

「似ているんだ…僕達とルーは…ひとりぼっちで…誰も守ってくれなくて、誰も信じられなくて、何も分からなくて、傷つける事しか出来なくて…
だけど変われるんだ!きっかけ1つ、想い1つで、変わっていけるんだ!!」
「竜騎招来、天地轟鳴、来よ、ヴォルテール!」

キャロの詠唱と共に巨大な黒竜・ヴォルテールが出現し、気高く咆哮する。
そして黒と白の竜は、戦いを始める。

「貴方のお母さんを助けるのに…私達も協力する!絶対絶対約束する!だから…こんなことはもう止めて!」
「嘘だ…」
「嘘じゃない!」
「嘘だ…嘘だぁぁぁあああ!!!」

ルーの激昂と共に
ガリューの腕からさらに二本の刃が生える。
そして無理に刃を生やした痛みからか、心を閉ざし続けるルーテシアの事を思ってか…ガリューの目からは血の涙が零れた。

「ガリュー…」
「駄目だよ…召喚師の我侭で…召喚獣を傷つけちゃ…ガリューもハクテンオーも、泣いてるよ…」
「う…うわあああああああ!!ああああああああああ!!」
「…エリオ君!」
「うん!」

幼き戦士達は苦しむ少女を助けるべく、決着に臨む。
しかし、すぐ近くで、そんな幼き戦士を達を邪悪な瞳が見つめていた。
417リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/25(火) 01:44:08 ID:tEukyFow

【廃ビル3屋上】
「フン、ガキ共が、甘ったるくて見ていられないな…あれで古の力の使い手とは笑わせる…」

志村はルーテシアとキャロを見下し、黒い笑みを浮かべる。

そんな時、一発の矢が志村の足元に命中した。

「む?」
「貴様…何をしている?」

志村が矢が飛んできた方向を振り向くと、そこにはカリスアローを構えた始の姿があった。

「フッ…やはりこの腕の傷で気付いたか…まぁ、あれで気付かないなら相当の馬鹿としか言いようが無いか…
この腕の傷が、簡単に治らないほど深かったことに感謝するんだな…」
「やはり貴様だったのか…アルビノジョーカー!」
「クックックックッ…」

志村はグレイブバックルを取り出し、「チェンジケルベロス」のカードをセットする。
始もカリスラウザーを腰に出現させ、「チェンジマンティス」のカードを取り出す。

「まずは小手調べだ…簡単に倒れてくれるなよ?」
「望むところだ…決着を付ける…」

志村はグレイブバックルを装着し、始はエースのカードをラウズした。

「変身!」
『change』
「クックックック…変・身…」
『open up』

始は仮面ライダーカリスに変身し、志村は仮面ライダーグレイブに変身する。
そして二人のライダーはそれぞれの武器を握り、合間見える。

「「はああああああああああああ!!」」

二人のライダーは変身後すぐに戦いを始め、カリスのカリスアローとグレイブのグレイブラウザーの鍔迫り合いが激しく散らした。

短いですが投下終了
次回はいよいよホームランです
お楽しみに。

そーいえばアストラナガンはいつになったら立体物になるんだろ…
418名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 01:45:19 ID:eE98E0ya
支援
419リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/25(火) 01:52:52 ID:tEukyFow
あ、最後のとこ

激しく火花を散らした

に修正を…
42019:2007/12/25(火) 02:39:54 ID:K3jFEgNE
職人の皆様GJです!!
続きができたんで三時ごろにでも投下しようと思うんですがいいですか?
421黒い影:2007/12/25(火) 02:48:11 ID:I6BGlbSu
いいんじゃないですか?

私も現在、絶賛執筆中なんですが、フォルテの強さをどうするか悩んでます。
力を譲渡して弱体化してますから、「どの技ならだせるか」とか「デバイス、いるかな」とか検討中です。
422名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 02:53:03 ID:pOmq3QDZ
>>421
マンガ版のフォルテってゲットアビリティシステム搭載されてたから、闇の書と同じ感じじゃね?
423黒い影:2007/12/25(火) 02:59:39 ID:I6BGlbSu
>>422
『システム』じゃなくて『プログラム』です。
でもそうなると、魔力どうしよう…。強者の波動=魔力でいいですかねぇ?
42419:2007/12/25(火) 03:01:55 ID:K3jFEgNE
では、投下します。



「誕生日?」
「そうだ。主はやてのだ。」
はやて達がお風呂に入ってる時
庭先で修行していたらシグナムさん達から話を持ちかけられた
はやての誕生日のことについてだ
「誕生日というのは祝うものだと聞いてな。」
「なるほど。喜ぶと思いますよ。はやて。」
「勿論主には当日まで秘密にしておく。」
「秘密にしておいて、当日にはやてを驚かそうっていうわけですね。」
「その通りだ。」
「ちなみにケーキは翠屋から届くことになっている。」
「幸いここ数日は管理局からの仕事も入ってないからな。準備する時間は十分にある。」
「という訳だ。何かプレゼントを用意しておけよ。」
「わかりました。」
プレゼント…か
女の子って何をプレゼントしたら喜ぶんだろ…
………まったくわからない
明日にでも誰かに相談してみるか
「そうそう。当日、飾り付けをするまでの間孫、おまえが主を連れ出しておいてくれ。」
「って、俺ですか!?」
「ああ、頼んだぞ。」
「わかりました。」
誕生日のことはやてに悟られないようにしないとな
「上がったでー。」
はやて達がお風呂から上がって来たみたいだ
「悟飯、目茶目茶汗掻いてるやないの!!」
「え…ホントだ。」
言われてみれば少し寒いな
夕食食べてから休み無しでずっと修行してたからかな
いつもより量と密度をかなり上げてたし
「そのままで居たら風邪引いてしまうで!!今日は先に入っとき。シグナムもリインフォースも
それでええよな?」
「ええ、我々は構いません。」
「そういことだ。悟飯、先に入ってこい。」
「わかりました。お先に失礼しますね。」
425名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 03:03:15 ID:pSCvY7fH
いいと思います。ロックマンエクゼシリーズか…。すみません、1、2以外全部やってフォルテに勝てなかったトラウマを思い出しちゃって。
42619:2007/12/25(火) 03:03:58 ID:K3jFEgNE
そして次の日
どんな物をプレゼントしたらいいか
なのは達に聞いてみたところ
気持ちが篭っていれば何でもいい、指輪、オルゴール、アクセサリー
といった返答を貰った
それらを探すために町に来てるんだけど
…俺、お金持ってなかったっけ
俺が初めてこの世界に来て八神家で生活するようになった時
はやてが『何か欲しい物があったら私に言ってな。』って言ってくれた
といっても欲しい物は取り分けなく
せいぜい、予備の胴着を何着か作るため布地代を出して貰った時以外はやてからお金を
貰った事はない
管理局から貰った報酬も全部はやてに渡してるし
どうしよう…
考えながら町を歩いていると看板が目に入った
「えーと、何々。超特大ラーメンを30分以内に食べ切れたら賞金1万円…。」
えーと、店の方角は…あっちか

よし、お金は手に入った
何を買おうかな
色々お店を巡ってるけど中々見つからないな…
そう思いながら次のお店に入って探しているとある首飾りにに目が留まった
ただの首飾りではなく、首飾りの中心部に…四星球がついていた
と言ってもそれはかなり小さく、ドラゴンボールではなくただのガラス玉でできてる物だ
四星球か…
これはお父さんのお爺さんの形見でお守りだっけか
お父さんは自分の命を何度も救ってくれたって言ってた
そして俺が生まれた時にお父さんが探し出してくれて俺のお守りになったんだっけか
俺もこいつには何度も助けられた
42719:2007/12/25(火) 03:06:33 ID:K3jFEgNE
ガーリックJr達に拉致られた時
ラディッツに拉致られた時
俺の帽子に四星球が付いていたからお父さんはすぐに俺を助けに来ることができた
…ホント…色々あったな
…よし、はやてへのプレゼントはこれにしよう

はやての誕生日当日
俺はいつものように朝早くに起きて体を伸ばして超サイヤ人になり
はやてが起きてくるまで庭先で修行をしはやてが起きてきたら
おはようの挨拶をして一緒に朝ご飯を作る
そしてみんなで朝ご飯を食べたら俺が皿洗いをする
よし、普段と変わらないな
内心悟られたらどうしようと思ってたけど大丈夫だったみたいだ
…そろそろはやてを連れ出すか
「なぁ、はやて。」
「何?」
「一緒に出かけないか?」
「…え、今なんて?」
「一緒に出かけないかって言ったんだけど…。」
…怒らせちゃったのかな?
あれ?何かはやての顔が少し赤いような…
「行こ行こ!!着替えてくるからちょっと待とって!!」

「悟飯と二人っきりになるんも久しぶりやね。」
「そうだね。」
俺ははやての乗る車椅子を押しながら公園を歩いている
女の子と出歩く時は少し静かな所が好ましく、男が必ずエスコートするものだと
リンディさんから教わった
「それに超サイヤ人やない悟飯も久しぶりやし。」
「たしかに。外である時以外は超サイヤ人でいるからね。」
「そーいやその修行ってどのくらい進んどるん?」
「そうだな…全てのマイナス要素が無くなるまであと少しだな。」
「ふーん。その修行始めてけっこう経つけど大変みたいやね。」
「こればっかりは時間掛けないとどうにもならないしね。」
42819:2007/12/25(火) 03:09:02 ID:K3jFEgNE
「だけど悟飯、無理せえへんようにな。」
「うん。わかってるよ。」
はやてはよく俺のこと心配してくれるな
何だかうれしいな
「じゃあ次は図書館にでも行こうか。」
「うん。」

「そういえば図書館とか来るのも随分久しぶりな気がするな。」
「悟飯はずっと修行ばっかしてるもんな。」
「ははは。せっかくだしはやてのおすすめの本とかある?」
「そやね………男の子やし………神話とか冒険物とかそういうのは平気?」
「うん、大丈夫だよ。」
「そやったらこっちにおもろいのあるで。」
その後ははやてと一緒に昼ごろまで本を読んでいた

お昼食べに一旦家に戻ろうと言って
はやてと一緒に家に向かってる
もう飾り付けが終わってる頃だろう
家の中にある気も増えてるし準備は終わってるみたいだな
家の中に入ると俺は超サイヤ人になる
「やっぱいつ見ても不思議やなぁ。」
「そう?まぁ早く居間の方へ行こう。」
はやとの車椅子を押しながら居間のドアを開ける
『お誕生日、おめでとう!!!!』
「…え?」
「驚いた?今日はやてちゃんの誕生日でしょ。」
「だからはやてに秘密で準備進めて驚かせようとしたの。
「びっくりした?」
…反応がないな
「はやて?」
「あ、ごめん。こないな風に祝ってもらったんは初めてやから、うれしくてつい…。」
「ああ、もう!!主役がそんなんでどうするの!!ほら、何か挨拶!!」
「あ、えーと、私のために、その、ありがとうございます!!」
「ありきたりねぇー。まぁいいわ。」
「ほら、はやてちゃん。ローソクの火消して。」
42919:2007/12/25(火) 03:11:12 ID:K3jFEgNE
「あ、うん。」
はやてがローソクの火を消して誕生日会が始まった
にしてもみんな騒いだりするの好きだな
俺も楽しんでるけどね
はやても嬉しそうにしてるいっか

そろそろプレゼントを渡したほうがいいのかな
桃子さんが二人っきりの時に渡したほうがはやても喜ぶって
翠屋に行った時に言ってた
はやてはなのは達と楽しそうに話してるし後でいっか
チキンを食べながらそう考えていると
「悟飯。」
ヴィータが声を掛けてきた
「何?ヴィータ。」
「始まるぞ。」
「始まるって何が?」
「大食い大会。」
大食い大会か
大食い大会…
「ってまた?たしかこの前もやったよね。」
「何でもリンディ提督がお前にリベンジをしたいそうだ。」
そういえばこの前は俺と優勝争ったんだっけ
で、今回は前回負けたリベンジっと
「食べるものは普通のシュークリームで優勝表品は翠屋特製シュークリームセットなの。」
「あそこのシュークリームは絶品だ。」
「ああ。あそこのシュークリームはギガうめーんだ!!」
「という訳だ、孫。主はやても期待している。主の期待を裏切ってくれるなよ。」
って、みんなも期待してる目で見てる
まぁ、頑張るか
43019:2007/12/25(火) 03:14:08 ID:K3jFEgNE
あ…危なかった
負けるかと思った
これが始まる前俺が色々なもの食べてたからって…
出された飲み物が砂糖と牛乳が大量に入ったお茶っていうのもあるけど…
シュークリームの食べた数は三桁突入したよ
他の人はその前に棄権していったのに…
やっぱリンディさんって…ホントはサイヤ人とか…
そう思って本気になって気を探ってみたけどそんなことはなかった
そのリンディさんは隅っこ方で落ち込んでいた
悪いことしたかなって思ったけど
はやて達は喜んでるみたいだし…いっか

夜も遅くなって来たのでお開きになった
みんなで後片付けをしてる
はやては…ちょうど一人みたいだな
「はやて。」
「何。」
「はい、俺からのプレゼント。」
「え、あ、ありがとう。…その、開けていい?」
「いいよ。」
そういった後、はやてはプレゼントを入れた箱を開けた
「あ、綺麗…。悟飯、ありがとな。大事にするから。」
「喜んでもらえてよかったよ。」

その後、後片付けも終わりみんな帰っていった
そろそろ寝ようかと思ってたらはやてが外を見ていた
「どうしたの?」
「いやな、今日は星空が綺麗ってゆうとったんよ。でも曇ってしもうて…。」
「あ、ほんとだ。」
昼ごろは晴れてたのに
431名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 03:17:11 ID:/R72ynQP
しっえーん!
43219:2007/12/25(火) 03:17:21 ID:K3jFEgNE
何とかしてやりたいな…そうだ
「星空見たい?」
「そりゃ見れるんやったら見たいけど…。」
「じゃ、見にいこっか。」
そう言ってはやてを抱き上げる
「え、あ、悟飯?」
「俺が雲の上まで連れて行ってあげるよ。バリアを張って行くから
その格好でも大丈夫だよ。」
そう言った後外にでてバリアを張り一気に上昇していった

雲をつき抜けた後、上昇するのをやめた
「着いたよ。」
「びっくりしたぁ。心の準備まだやったのに。」
「ごめん。」
「でも、満天の星空見れたんや。許したる。」
怒ってないみたいだな
よかった
「綺麗やなぁ。こないな星空見たんは生まれて初めてや。」
「空気が澄んでるからね。下から見るより綺麗に見れるんだ。」
そういえば昔はお父さんとドラム缶風呂入りながらよく星空を見てたっけなぁ
パオズ山からはかなり綺麗に見れるんだよなぁ
後よく潜りっこしてたっけか
懐かしいな
「あ、流れ星!!」
「ほんとだ。」
たしか願い事するんだったな
必ず平和を取り戻せますように
「はやては何か願い事とかした?」
「うん。」
「どんな願い事?」
「内緒や。悟飯は?」
「じゃ、俺も内緒。」
「むー…まあええわ。悟飯。」
「何?」
「ありがとな。」
「どういたしまして。」
43319:2007/12/25(火) 03:25:25 ID:K3jFEgNE
投下完了です

ほのぼの目指してみたんだけどどうだっただろ
次の更新は早くしたいな

支援どうもでした!!

>>黒い影氏
弱体化しただけならば技は全て使えるが威力と性能が格段に落ちている
というのはどうでしょうか?
技そのものも使えないというのであればゲットアビリティプログラムで
集めていくのもいいと思います。
漫画内では相手を倒して吸収して自分のものにするか、相手と長時間戦って
相手の特性をコピーするというのがあったと思います。

参考程度にでもなったら幸いです。
434名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 03:43:47 ID:/R72ynQP
DBZの方GJでした!
はやてと悟飯のほのぼのもよかったです。
しかし一番印象に残ったのはリンディさんw
435黒い影:2007/12/25(火) 03:56:33 ID:I6BGlbSu
>>433
十分参考になりました!
獣化は見た感じ無理そうですけど、ゴスペルの力は残しておきたいですね。バニシングワールド使えないし…。
でもコピーとなると、出来そうにないのが幾つかありますね。例えば、ヴィータのギガントとか。ハンマー有りませんから。
436名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 10:45:26 ID:eE98E0ya
>>435
バトルチップを名前そのままで強化魔法扱いにして武器を持たせるとかは…無理があるか
437戦国の鉄の城:2007/12/25(火) 11:33:37 ID:QWj9BUM5
職人の皆様GJです。
しかしクリスマスネタはまだ間に合うかな・・。
むりやり五話にしてしまったので多少の矛盾は承知の上。
つーわけで五分後にホンダム投下させていただきます。
438戦国の鉄の城:2007/12/25(火) 11:40:50 ID:QWj9BUM5
五分経ったのかな・・パソコンの時計早く時間合わせしないとなぁ。
では、投下させていただきます。
439戦国の鉄の城:2007/12/25(火) 11:41:53 ID:QWj9BUM5
魔法少女リリカルBASARAStS 〜その地に降り立つは戦国の鉄の城〜

第五話「聖夜の夜、そして風魔」

「・・・・」
機動六課宿舎の外、中々人目のつかない所にその男はいた。
黒と白を強調した忍用の着物に、目から下を露出させた兜。その兜から出た少し黒みを帯びた赤髪。
背中には忍者刀を二本、繋げて背負うように差している。
右の肩当てから流れる血、その量は半端ではなく、彼が腰掛けている草が真っ赤になるほどだった。
「・・・・・」
この男は考えた。主から命ぜられた任務を予定通りこなし、横目で大武道会を見ながら帰路についていた途中、光に巻き込まれた。
そして目覚めたときにはここにいた。今と違うのは目覚めた当時、肩に太い木の枝が刺さっていたことだけ。
彼は右肩に刺さっていた枝を抜き、今に至る。何故、自分はここにいるのだろう?
「・・・・・」
どうしようもないので立ち上がろうとするが、肩が熱く焼けるかのような激痛が走る。
立ち上がれずにそのまま倒れこむ男。
ここまでか。そう思った刹那
「あ・・・あ・・・・」
ハチマキを締めた蒼髪の少女が顔を真っ青にして立っていた。
それから、男の意識は途切れた。

「!!」
次に目覚めたとき、室内にいた。
肩は包帯が巻かれ、痛みも和らいでいる。誰が自分をここまで・・・?
上半身だけを起こすと先ほどの蒼髪の少女がいた。
「あ、目覚めたんですね?よかったぁ・・。心配したんですよ?っていっても・・・あたしもパニックになってここまで抱きかかえてきましたが・・。」
えへへ、と恥ずかしそうに笑い頬を赤に染める少女。すると彼女が助けてくれたのだろう。
口を開くが言葉が出ない。彼は小さい頃、「声を無くした」。だからどこぞの戦国最強と同じく、喋れない。
少女が近づき、近くにあった椅子を自分が寝ている布団(ベット)の隣に引き寄せ、座る。
「あなたのお名前は・・・風魔・・さんですか?」
いきなり驚いた。見知らぬ少女に自分の名前を言われたからだ。
少女は自分が驚いたのを見抜いていたかのように自分が持っていた忍者刀を見せる。その鍔にははっきりと「風魔」と彫られていた。
やれやれ、だからわかったのか。肩を落とし、素直に頷く。いかにも自分は風魔小太郎。忍者である。
「あ、あたしはスバル。スバル・ナカジマって言います。ここは機動六課の宿舎の医務室です。」
スバルと名乗った少女。そしてわからない単語が一つ。
(・・・・機動六課?)
今までそんな軍はあったのだろうか。主からも聞いたことはないし、部下からも聞いたことはない。
そんな自分をよそに、スバルという少女は綺麗に切った林檎を爪楊枝に刺し、顔の前に出す。
「はい、あーん。」
「!!!?」
いきなり驚いた。その2。いきなり林檎を自分の目の前に出されても・・・。
顔を逸らすしかない。おそらくスバルから見れば自分の顔は赤いだろう。
「左手だけじゃ食べにくいでしょう?はい、口あけてください。」
確かにスバルの言っていることは筋が通っているが・・・だからと言って初対面の者にそんなことをしていいのだろうか?
・・・数秒後、その林檎を食べきった自分がいた。恥ずかしさで味わう余裕がなかった。
そんな自分の横で嬉しそうに笑うスバル。ふと窓を眺める。雪が降っていた。
440戦国の鉄の城:2007/12/25(火) 11:42:43 ID:QWj9BUM5
宿舎別室で忠勝は機動を開始した。
体を見た。茶色かった。見事な茶色に自分の体が染まっていた。次に鏡越しに自分の顔を見た。
鼻が赤かった。そりゃあもう見事なまでに赤かった。
「おっきいトナカイさん!」
忠勝の目の前で金髪の少女、ヴィヴィオは喜ぶ。ヴィヴィオの足元には赤と茶色のペンキ。
そんな少女の横で「ごめんなさい。」とこれでもかというくらいに何回も頭を下げるエリオとキャロ。
その奥で「止めようとしたんだけど・・・。」とつぶやくなのはとフェイトの姿が。やはり子供相手には甘くなるらしい。
どうやら今日は「くりすます」という祝い事の日らしい。
当然のごとく忠勝は「くりすます」なんて知らないし「となかい」なる動物も知らない。
生きてきた時代が違うだけでこんなに常識も違うものなのである。
三人に連れられ広間に出る。あたりは綺麗な光やらテープやらで装飾されており、忠勝は一瞬見惚れた。
「ぶはっ!!何なんだ忠勝の旦那!その格好は!!」
思いっきり酒を吹き出したのはヴァイスであった。
「あははは、大きすぎるトナカイですねー。」
次にグリフィスが控えめに笑う。まぁ、笑われているのには変わりない。
「なんか忠勝さん、似合ってますねー。」
「うんうん、やっぱり今日だからかな?」
「ヴィヴィオちゃんてばいたずらっ子ねー。」
次にルキノ、アルト、シャリオが忠勝の姿を見て笑う。
忠勝ちょっと拗ねた。
腕を組んでそっぽ向いたはずの方向には・・・大爆笑するヴィータを始め、自分を笑うヴォルケンリッターの面々。
忠勝さらに拗ねた。
ふと下を見ると紙で作った角を付けられ、鼻まで赤く塗られている蒼い狼、ザフィーラの姿があった。
「・・・お前もか。」
ザフィーラの言葉に素直に頷く忠勝。ちょっと、嬉しくなった。

そんなこんなしていく内にクライマックスでプレゼントなる贈り物の交換をしている六課メンバー。
怪我人を看護していたスバルも戻り、広間は騒がしくなっている。
当然忠勝はプレゼントを準備していない。渡されてもいない。
一人窓から見える夜空を眺める忠勝。
肩を叩かれた。振り向くとそこに立っているのは八神はやて。
「忠勝さん。はい、プレゼント。」
渡されたのは小さな小包。忠勝はなんで自分に?と思いながら受け取る。
「ほら・・あの時頭なでてくれたやろ?あれで逆にウチが励まされてしもうてな・・。そのお返しや。」
「・・・・」
小包を開けると小さな宝石。なんの捻りもない、丸くて黄色い宝石。
それでも忠勝は大事そうに握り締めた。忠勝はまたはやての頭を撫でる。
「あかん・・・あかんて。また・・・。」
「はやてに近づくなー!!」
忠勝、鉄槌で殴られる。
頭を抱えて立ち上がると目の前にはグラーフアイゼンを構え、巨大なソリの上でリィンフォースUとともに仁王立ちするヴィータ。
いつの間にか自分の体はソリから伸びるロープでつながれていた。
「テメーはソリでもひっぱっとけー!!」
「ひっぱっとけ。ですー!!」
忠勝は素直にそうすることにした。ただし、ちょっと捻った。
両手を前に突き出し、目を赤く光らせると背中の紋章から二門の巨大なロケットが。

忠勝、機動形態。

「え、ちょっと待て、落ち着け忠勝、ただかつ!ただかぁぁぁぁぁぁぁつっ!!」
悲鳴とともに巨大なトナカイはソリの上に二人の小さなサンタを乗せたまま、夜空へと飛び立った。
441戦国の鉄の城:2007/12/25(火) 11:43:48 ID:QWj9BUM5
そのころ、かつて伝説の忍と呼ばれた風魔小太郎と、いつの間にか侵入した鬼、長曾我部元親は医務室で話をしていた。
「・・・・」
「わかってらぁ。なんで俺等がこんなとこに飛ばされちまったか・・・だろ?」
元親の言葉に頷く風魔。
「俺だって知りてぇよ。ま、事故・・・と考えたほうが手っ取り早い。」
本多忠勝が失踪した後、次に元親、そして風魔。
実を言うと、何も関連性がない。したがって手がかりもない。
「戦国最強さんには会ってねぇが・・・ここにいるらしいな。」
巨大な錨を持ち、ドアに向かう元親。
廊下に出る前に立ち止まり、廊下側を向いたまま元親は言う。
「・・・・風魔。死ぬなよ。戦国時代にいた時ぁ敵同士だったが、ここにいる間は数少ねぇ仲間なんだからよ。」
最後に「じゃあな」と言い放ち、立ち去った。
「・・・・」
風魔はまた窓から見える風景を眺め、物思いに耽る。
442戦国の鉄の城:2007/12/25(火) 11:45:05 ID:QWj9BUM5
投下終了です。
果たして間に合ったのかどうか・・・。
443名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 13:08:45 ID:pSCvY7fH
GJ!戦国BASARAは知らないがとても良かった。
444名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 13:27:15 ID:ZWy0jdGP
GJ

小太郎まで来たか・・・個人的には佐助がよかったなぁ
幸村は流石に出し辛いよな、だって相手全員女だし
前田トリオとかも6課に馴染みやすそうだな
早く秀吉がガジェットを千切っては投げてという光景を!

無双やってからBASARAやるとすごい違和感あったな・・・特に人格
445名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 13:43:01 ID:HX+k5Lvr
GJ!
BASARAは知りませんが
ヴィヴィオがカワイイ
446黒い影:2007/12/25(火) 14:44:52 ID:I6BGlbSu
>>422
今度は小太郎ですか…聖夜ですから宗教繋がりでザビー出て欲しかったです。
あとは信長が降臨してくだされば、白い魔王VS征天魔王がみれるんですが…。
447黒い影:2007/12/25(火) 17:35:23 ID:I6BGlbSu
すいません。上のは間違いです。正しくは>>442
448名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 17:48:00 ID:Z7/AAZFm
GJ BASARAお疲れ様

自分はザビーを出してもらいたい。
あとは松永久秀、スカと気が合いそう。
449名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 18:13:34 ID:arHijZH8
今、空いてるなら投下しても大丈夫ですか?
450名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 18:16:55 ID:adPPle/D
かまあああん
451リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2007/12/25(火) 18:17:09 ID:arHijZH8

 月が朱く光る蒸し暑い夜更け、ある街の公園にあるハイキングコースで
ベージュのマントを羽織った栗色の髪の少年とこの世のものならざる異形の影が対峙していた。
 少年の衣服は所々擦り切れ、流血している箇所もある。

「クククッ、よく頑張ったと褒めて差し上げよう、魔導の少年よ。
 だが、私も年で少々疲れ気味だ。そろそろ追いかけっこも終わりにしたい所なのだが?」
「お断りだ! このジュエルシードはお前には渡さない、絶対に!」

 小さな紅い宝玉をかざした少年の発する緑色の光の鎖が影を縛り上げる。
 だが、体力の消耗のためか不安定で明滅を繰り返すその鎖はいとも容易く砕け散ってしまう。

「チェーンバインドが!?」
「ふむ、どうやら限界は私より君の方が近いようだな」

 息も絶え絶えな少年とは対称的に余裕たっぷりに新たな呪文の詠唱を始める影。
 その呪文は少なくとも少年の知識の中には無いものだった。
 やがて肥大化した影の背中の背負子から単眼の化け蜘蛛が二匹飛び出し、
その毒牙をもって攻撃を仕掛けるが、
 少年は円形の魔方陣を盾の様に展開して蜘蛛の攻撃を防ぐ。

「ご自慢の防御の術か。しかし、これならどうかな?」
「印の形が変わった? 今度は何を……」

 蜘蛛の動きが変わり、少年の周りをぐるりと取り囲んで糸を吐き出す。

「糸? だけど、こんなもので!」
「クククッ、その認識が甘いと言うのだよ」

 結界越しにがんじがらめに巻き付く蜘蛛の糸。それは一言念じるだけで
強力なエネルギーを放射し、中の少年を追い込んでいった。
 悲痛な絶叫と共に糸の隙間からこぼれていた緑色の光が消え、
巻きついていた糸も対象の消滅に従いはらりと地面に落ちていく。

「ククッ、力尽きたか。どれ、中はどうなって……む?」

 糸の中に倒れていたのは少年ではなく、一匹のフェレットのような生き物であった。
 しかし、その首に少年が持っていた紅い宝玉のような物があることから
この少年がとっさに姿を変えたものだと推測できる。

「力を温存するために姿を変えたか、賢明な判断だ。
 ここまで私と渡り合った君の力に敬意を表しよう……
 だが、私の仕事のためにもあまり騒がれると迷惑なのでね。
 しばらくその姿のまま己の無力さをたっぷりと味わうがいい……クククッ」

 影が手をかざし、新たな呪いの言葉を紡ぐ姿を薄れ行く意識の中で捉えながら、
少年は一心に助けを求める声を上げ続けていた。

(誰か……僕の声を聞いて……力を貸して……! 魔法の、力を……!)
452リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2007/12/25(火) 18:17:53 ID:arHijZH8


 巻之弐 「おまわりさんは武者頑駄無なの?」



「以上が、武装テログループ『ゲバゲバ団』関連の事件に関する最終報告だ。
 何か質問のある者はいるか?」

 所変わってここは東京都の警視庁。
 先日一人の優秀な刑事の活躍によって解決を見た武装テロ事件の経過報告が行なわれていた。

「……無いようだな。それでは、この一件に関する捜査本部は解散する。以上だ。
 それから、お前はちょっと残ってくれんか?」
「自分ですか、オヤジさん? わかりました」

 彼がそう語りかけた刑事はなんと武者頑駄無……
武者丸と共に頑駄無軍団の先陣を切っていた斗機丸であった。
 今、彼は堕悪闇軍団やジュエルシードに関する情報を掴むため、
そして人々の平穏な暮らしを守るため一人の刑事として多忙な日々を送っている。

「いつもスマンな、トッキー。今日はシンヤに付き合ってくれる約束だったのに……」
「いえ、シンヤなら分かってくれますよ、本部長であるオヤジさんの息子さんなんですし。
 それより一応庁内なんですからトッキーはちょっと……」
「ハハハ、スマンスマン。相変わらずカタい奴だ」

 斗機丸は捜査一課本部長の下に身を寄せ、彼等一家と家族ぐるみで交流していた。
 特に彼の息子であるシンヤを斗機丸は弟のように見ていて、
この「トッキー」というニックネームは彼によって付けられた物である。
 そしてこの和やかな雰囲気を壊すことを惜しむように本部長は重い口を開いた。

「ところでお前がこっちに来てからもう半年になるが、
 例の堕悪闇軍団の事、ジュエル何たらの事、何かつかめたか?」
「いえ、残念ながら……疑わしい情報はいくつかありますがまだ確証までは取れません。
 ですが、全国に散った同胞達の行方は大体把握しています。
 もし何かが起こった場合には彼らも即座に問題に対処するハズです」
「そりゃ頼もしいな。ところで、だ。今お前に残ってもらった理由だが……」
「何でしょうか?」
「いつも世話になってる県警から捜査協力の依頼だ。しかもお前を名指しでな」
「捜査協力、ですか?」
「あぁ、こいつは俺の勘だが……案外お目当てのものが見つかるかもしれんぞ?」


「あ、いたいた! おーい、なのはーっ!」
「アリサちゃん! すずかちゃん!」
「今日もあの子の所、行くんでしょ?」
「抜け駆けなんて許さないんだからね!」

 海鳴市という海に面したごく平凡な地方都市。
 そこに住む人々は普段と変わらない平和な生活を送っていて、
それはこの小学三年生の少女、高町なのはにとっても同義であった。

 だが、この時すでに彼女を巡る運命の歯車は回り始めていたのである。
453リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2007/12/25(火) 18:18:34 ID:arHijZH8
「あの子の怪我、大丈夫かな?」
「あの時、たまたま私達が通りかかったから良かったけど、
 もしあそこを通らなかったらどうなっていたんだろう……」
「うん、ひどい怪我だったもんね……」
「だーいじょうぶだって! あそこの先生には家もよくお世話になってるし、
 フェレットの一匹や二匹くらい楽勝楽勝!」

 そう自信たっぷりに答えるなのはの親友、アリサ=バニングスに対して
心配そうに先日救助したフェレットの身を案じるなのはと、同じく彼女の親友月村すずか。
 三人はとても仲の良いグループで、いつも一緒に行動している。
 最も、ここ最近はとある不可解な事件が起こっているために
もともと一人で外出する事は学校や親から固く禁じられているのであるが。

「それより二人とも、聞いた? また出たんだって、謎の怪人蜘蛛男!」
「うん、ニュースで見たよ! 怖いよね、
 出会った人は何故か傷もないのにまともに立つ事もできないくらい弱ってるんだって……」
「私、ああいうのぜ〜ったいに許せない!」

 三人の中でも特に勝気なアリサは特におかんむりな様子でこう主張した。

「スパイダーマンは正義の味方でしょ? 本物の営業妨害もいいところだわ!」
「ね、ねぇアリサちゃん、それちょっと違わない?」
「って言うか営業って……」
「と・に・か・く! もし私の目の前に出てきたらギッタンギッタンにしてやるわ!」
「暴力はだめだよ! できるだけ話し合いで分かってもらわないと」

 そう言ったなのはをアリサはジトっとした目で見つめ、こう切り返した。

「なのはの話し合いって聞かなきゃ最終的に拳と拳の語り合いになっちゃうじゃない」
「あう……」

 心当たりがありすぎるほどあるなのはは、親友のズバリ核心を突く鋭い一言に
言い返すことは不可能であったと言う。
454リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2007/12/25(火) 18:19:05 ID:arHijZH8
 心当たりがありすぎるほどあるなのはは、親友のズバリ核心を突く鋭い一言に
言い返すことは不可能であったと言う。


 そうこうしているうちに三人はフェレットを預けてある動物病院にたどり着くと、
若いながらも開業医として働く腕利きの女性獣医が扉を開け、三人を出迎えた。

「こんにちわー!」
「あら、今日も来てくれたの? 三人ともいい子ね」
「あの子、どうしてます?」

 三人は心配そうな顔をしてそう尋ねる。

「今のところ落ち着いてきたみたい。もう心配要らないわ。
 けど、私はあなた達の方が心配だわ。皆も知ってるでしょ? 蜘蛛男の話は……
 暗くなったら絶対に外を出歩いちゃダメよ?」
「はーい!」

 返事だけは元気よく答えるが、三人の興味はすでに別の視点へと移っていた。

「あの、今、あの子に会っちゃいけませんか?」
「もちろんいいわよ? ただし、手短にね」
「やったぁ!」
「ありがとうございます!」
「フフ、どういたしまして……あら? お客様みたい。私はちょっとお相手してくるわね」

 彼女がその場を離れると同時に、三人はフェレットを入れてあるケージを取り囲み、
包帯姿も痛々しいフェレットをケージから取り出して思い思いに見つめる。
 拾ったばかりで、はたと目を覚ました時もそうだったが
このフェレットは妙になのはの方ばかりを気にしている様子だ。
 その事に気づいたアリサは隣のなのはを小突いて囁きかける。

「ねぇ、やっぱりまたなのはを見てるよ、この子」
「うーん、私、そんなに気に入られちゃったのかなぁ?」
「でも、この子を預かれそうなのはやっぱりなのはちゃんだけだし、ちょうどいいんじゃない?
 そういえばもう家族の人達にはお話ししたの?」

 すずかの大きな瞳に見つめられ、、なのはは昨夜自らの家族に
この迷子のフェレットを預かってもいいか聞いた事を思い出す。
 犬を多く飼っているアリサ、同じく猫を多く飼っているすずかの家は
たとえ広くとも危険が大きい。とはいえなのはの一家の家業は喫茶店……飲食業だ。
 食の衛生管理問題が叫ばれる昨今、動物からの感染は十分懸念事項であり、
すずかはその事を心配していたのだが……

「うん! みんな私が世話をするならかまわないって!」
「本当? よかったね、お前!」

 ひとしきり三人の話が盛り上がっている所に彼女達を呼ぶ声が響く。

「皆、ちょっといいかしら?」
「あれ、院長先生、お客様は?」
「えぇ、事件の聞き込みをしている刑事さんだったの。
 それであなたたちの話をしたら家まで護衛してくださるっておっしゃって……」
「本当ですか?」
「刑事さんかぁ、何かかっこいいね!」
「じゃあお言葉に甘えさせていただきます。また明日ね、フェレット君!」

 フェレットはそう言い残して部屋から去っていく三人を、
いや、先程と同じようになのはだけをじっと見つめていた。
455リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2007/12/25(火) 18:20:19 ID:arHijZH8
「話は院長先生から伺ったよ。俺が君たちを家まで護衛する事になった刑事だ。よろしくな」

 と、実に爽やかに応対する刑事。
 しかしこの後、少女達が示した反応は尋常ではなかった。

「ね、ねぇ、ちょっとこの……人?」
「う、うん……」
「あのー、ひょっとして、刑事さんって……武者頑駄無なんですか?」
「あぁ、そうだよ。よく分かったね……って、見りゃ分かるか。ハハッ」

 三人の前に現れたという刑事。しかしそれはどう見ても人間ではない。
 小学生でも噂レベルでは聞いたことのある、全国に現れた謎のキャラクター、武者頑駄無だ。
 彼女らの預かり知らぬことであるが、この街を騒がせている蜘蛛男事件の捜査のために
県警の依頼で本庁から派遣された敏腕武者刑事、 トッキーこと斗機丸である。

「その通り、俺は見ての通りの武者頑駄無、名前は斗機丸さ。
 友達はトッキーって呼んでくれるけどね」
「すっごーい……本物と会うのって初めて」
「何だか思ってたより背が低いんですね」
「触ったらどんな感じなんだろう……うわ、やっぱり金属だ」
「一体どこがどうなってるんだろう? わかる、なのはちゃん?」
「んー……私じゃよくわからないなぁ、私はAV機器専門だし……
 忍さんだったら詳しいんじゃないかな?」

 三人ともそれぞれ興味しんしんと言った風情でトッキーを弄繰り回す。
 さすがにたまりかねたトッキーは三人をたしなめた。

「あ、あのね、君達……珍しいのは分かるけど俺はオモチャじゃないんだから……」
「ご、ごめんなさーい!」
「ねぇねぇトッキー君、捜査って何の捜査?
 ひょっとして、噂の蜘蛛男の事件とか……」
「ト、『トッキー君』……ねぇ。捜査内容はそう簡単に人には話せないよ。
 特に君たちみたいな好奇心の塊みたいな子供たちにはね」
「えーっ!? トッキーのケチ!」
「ア、アリサちゃん……」

 いつの間にか敬語を使われなくなっているトッキー。
 その後もアリサにプライベートのメール内容を暴かれそうになったり、
メカマニアのすずかの姉、忍に危うく分解されそうになったり、
アリサ、すずか両者の家で飼われている犬猫に追い掛け回されたりして
トッキーはかつてないほどの苦労を背負い込みながらも
何とかなのは以外を送り届け終わる頃にはかなり時間がたってしまっていた。
456リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2007/12/25(火) 18:21:04 ID:arHijZH8
(お、女の子ってここまでパワフルな生き物だったのか……!)

 などと疲れきった表情で本人達に知られたら倍はひどい目に遭うであろう事を思っていると、
なのはがじっと見つめてきたのでトッキーは慌てて体裁を整えた。

「さて、最後はなのは君か……すっかり遅くなってしまってすまなかったな」
「ううん、さっき家に連絡は入れたから大丈夫。
 でも、何だかさっきから妙な感じがするんだけど……」

 何気なくそう言ったなのはをトッキーは若干ぎょっとした目で見返す。
 確かに先程からセンサーは微弱な『気』の反応を捉えているが、
俗に言う心霊スポットなどに比べればずっと小さなものであり、
普通の人間なら全く気付かない程度の些細な変化であったからだ。

「一体何だろう……それにこの間から見る変な夢も気になるし……」
「夢? どんな夢なんだい?」
「えっと、森の中で誰か知らない男の子が怪物みたいな影と戦ってて……
 その子がずっと『助けて』って呼びかけてくるの……それも最近ずっと」
「最近、ずっとそんな夢を?」
「うん。さすがにこれだけ続くとなんだか気になっちゃって」

 彼自身の直感に何か引っかかるものがあったのか、
夢は夢であるとはいえその夢について問いただして見たトッキー。
 その内容を武者としての戦いの記憶が、この半年で培った刑事としての勘が
トッキーに非常事態のサイレンを割れんばかりに鳴らしている。

「わかった、覚えておくよ。
 陽も暮れてきたし、早く家に急ぐとしよう」
「はい……うん?」

 きょとんとしているなのはの視線の先を追うと、
そこには包帯を巻いたままのフェレットがこちらにむけて駆け出してきていた。

「あ、あの紅い宝石の首飾りに包帯は……あのフェレット君!?」
「君の友達かい?」
「はい、公園で怪我をして倒れていたから、さっきの獣医さんの所に預けた子なんだけど、
 どうしてこんな所に……あ、そういえばケージの鍵ってちゃんと閉めてたかな……」

 なのははあれこれと動物病院での事を思い返し、最後にフェレットと戯れていた人物を思い出す。

 ……あ、自分だ。

 そう気が付いてからの行動は素早かった。フェレットが逃げ出さないようさっと抱きしめ、
胸元で抱え直してから何かを誤魔化すかのように彼女はそのフェレットに話しかけた。

「だ、駄目だよ、フェレット君! まだ怪我が治ってないんだから病院を抜け出したりしちゃあ!」

 生温い目でその過程を見ていたトッキーは小さなレディの名誉を傷つけまいと最大限に気を使い、
この場合最も自然に話題を変えるにふさわしいであろう言葉を導き出した。

「しかし困ったな。今から獣医さんの所に戻ってたら真っ暗になってしまうぞ」
「あっ、そうだ! よかったらちょっと早いかもしれないけど、家においで!
 お姉ちゃんがすごく楽しみにしてたし、皆とってもかわいがってくれるよ!」

 そう嬉しそうにフェレットに話しかけるなのはだが、当のフェレットは
なのはの制服の袖をくわえ、どこかに引っ張っていこうとするが無駄な努力だと分かると
腕から飛び降り、あさっての方向に向けて再び走り出した。
457リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2007/12/25(火) 18:21:33 ID:arHijZH8
「あ、フェレットくーん! そっちは獣医さんでも私の家でもないよー!?」
「ま、待つんだ! なのは君!」

 フェレットを追いかけ、走り出すなのはを慌てて追いかけるトッキー。
 しかし何を急いでいるのかフェレットの足は意外に早く、なかなか追いつけない。
 フェレットが足を止める頃には傾いていた太陽はすでに沈みかけていて、
街は夕暮れ時を迎えつつあった。。

「ハァ、ハァ……や、やっと追いついた……足、速いよフェレット君……
 あれ、そういえばここってフェレット君と最初に会った公園?
 それにこの森って確か夢の中で見たあの……」

 運動が得意ではないなのはは、少し追いかけただけでもう息が上がっている様子だ。
 なのはは再びフェレットを抱き、乱れた呼吸を落ち着けながら周囲を見渡すと
そこが自分の腕の中のフェレットと初めて会った場所だと言う事に気づく。
 一方のトッキーは余裕綽々といった表情であったが、突然その眼の色を変え、
頭を抱えてその膝をついた。

「グッ!?」
「どうしたの、トッキー君?」
「さっきから感じていた妖気の反応が増している……これは、まさか!?」

 自分に向けて放たれる強烈な殺意に気付いたトッキーに向け、どこからともなく声が聞こえてくる。

「ホホゥ、もうここを見抜いたか。警戒はしておいたはずなのだがな」

 生温かい風が木々を揺らし、発せられるガサガサという音に紛れ、
森の暗闇の中から一つ目の黒い影がゆっくりと姿を現した。

「ひょ、ひょっとして……オバケ!?」
「いや、違う! このすさまじい邪気……キサマ、何者だっ!?」
「我が名は幻妖……否、堕悪幻妖。堕悪闇軍団の忍びの者なり。
 待っていたぞ、頑駄無よ」

 ついに正体を表した謎の黒い影……それは堕悪闇軍団が送り込んだ尖兵であった。
 果たしてトッキーはこの予想外の敵の出現からなのはを、街を守ることができるのか!?

 ――次回を待て!
458リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2007/12/25(火) 18:23:24 ID:arHijZH8
次回予告(ねくすとぷれびゅう)

 私達の前についにその姿を現した怪人蜘蛛男は
武者頑駄無たちがずっと警告し続けてきた恐ろしい堕悪闇軍団。
 普通の小学三年生だったはずの私も巻き込まれて大変な事になってしまいます。
 過去のトラウマのせいで武器や技を使えなくてピンチに陥るトッキー君!
 そしてあのフェレット君の意外な秘密とは?
 次回、SD頑駄無対魔法少女 リリカル武者○伝、巻之参!
 「胸に宿るは不屈の魂(こころ)なの」
 リリカルマジカル、私だって頑張ります!


登場武者符亜意留(ふぁいる)

幻妖 [ゲンヨウ]
出典:新SD戦国伝 伝説の大将軍編
モデル:ゲーマルク(背部マザーファンネル部の土蜘蛛はガザシリーズ)

 新生闇軍団妖魔忍軍に所属し、毒の術を得意とする忍者。
 残忍な手口を平然と行なえる卑劣漢であり、
土蜘蛛地獄の術を用いて烈光頑駄無(レッコウガンダム)たちを苦しめたが、
怒りに燃える烈破頑駄無(レッパガンダム)の必殺技、妖気殲滅波によって倒された。

======
投下終了ー。
>>454冒頭の二行は見なかった事にしてくださいorz
ちなみに○伝公式サイト→ttp://www.sunrise-inc.co.jp/musha/
459名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 18:27:06 ID:adPPle/D
支援!
460なのは×終わクロ:2007/12/25(火) 20:11:21 ID:JXpXCWIX
武者○伝!? 激懐GJ!!!
461名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 21:17:37 ID:o9fMqGAs
ちょっとまて、
スレが立ってからまだ3日なのに、
なんで400KB超えてるんだ
462名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 21:19:55 ID:FV+4Ed8W
職人の怒涛の投下ラッシュが続いたからなぁ・・
463名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 21:20:11 ID:71qABOBh
ヒント:冬休みかつ今日は誰かの誕生日もしくはストック分吐き出し
464名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 21:21:26 ID:+fd4Qvg5
職人さんにサンタが降りてきているからさ。
465名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 21:28:12 ID:PsvUdKfU
俺にはサンタさんが来なかった(アイデアが降りなかった)なぁ。
やっぱ、悪い子だからだろうか。
466魔装機神:2007/12/25(火) 21:49:44 ID:/LFqUHBi
俺もサンタさん無理だった……
だが、七福神なら……七福神なら大丈夫なはずだ。(現在カオスな新年SS執筆中)
467リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/12/25(火) 21:54:07 ID:vkcR4K3o
こんばんは。 年末深夜勤で忙しいですが、本日はお休み!
そんな訳で0:30頃に最新話を投下したいと思います。

クリスマスSS? 書いてる時間ありませんでしたorz
468名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 21:54:35 ID:dmqI3ugP
○伝、爆王が出てきてくれることを期待
469名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 22:01:33 ID:ZXZFsIKZ
武者○伝氏こっちに移ってきたのか、獅ガンダムとザク三兄弟が出てきたとこで
更新停止してたから気になってたんだよな
470スーパーロボット大戦X:2007/12/25(火) 22:05:22 ID:lwt5WjFF
クリスマスネタは他の人に感化されて作りました。
現在は頑張って正月ネタを書いてます。
471名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 22:10:37 ID:eE98E0ya
サンタさんは降りてこなかったけど投下OKですか?
472リリカル龍騎@携帯 ◆YHOZlJfLqE :2007/12/25(火) 22:14:59 ID:LguZS9ZX
クリスマス→間に合わNEEEEEEE!!!
新年→リリカルマジンガー3話を一刻も早く書き上げねばならんので無理

・・・いや、ほんとゴメンナサイorz
473Strikers May Cry:2007/12/25(火) 22:19:56 ID:d1o7vMtj
どんな話を投下ですか? 教えてプリーズ。
474Devil never Strikers:2007/12/25(火) 22:20:37 ID:eE98E0ya
デビルメイクライのダンテのニートのほうです
475名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 22:21:10 ID:c9jqO4/9
>>467
待ってたぜ!
投下楽しみに待ってるぜ!!

>>471
どうぞどうぞ遠慮なく。
476名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 22:22:11 ID:c9jqO4/9
>475
あれ?sage入れたはずなのに…
更新した時に消えたのかorz
477Devil never Strikers 1/8:2007/12/25(火) 22:23:06 ID:eE98E0ya
Devil never Strikers
Mission : 04
tear


 機動六課食堂。
 あの模擬戦の後、相変わらずダンテはここでピザを食べていた。
 人を待っていると言った点も含めて前々回と同じような入りだった。
 だが前回と違って今回は待ち合わせではなく待ち伏せである。
 ダンテが三枚目のピザを食べ終え五七杯目のストロベリーサンデーに手を伸ばした時、待っている人物が仕事を終えてやって来た。
 その人に向けて手を上げ気づくのを待つ。そして気付いた所で声をかけて呼び出す。

「ちょっとこっち来い、ハチマキ」

 名前を呼ばれたハチマキことスバルはトマトシチューハンバーグを持ってダンテの正面に座る。

「何ですかハチマキって」
「気にすんなよ。それよりちょっと聞きたいことがあるんだ」
「聞きたいこと、ですか?」
「あれはどうしてああなった?」

 ダンテの言ってる『あれ』とはもちろん昼間の模擬戦のことだ。

「それは、その……どうしてダンテさんがそんなことを聞くんですか?」

 だがスバルは答えない。
 普段話さない人にいきなりそんな事を聞かれれば不信に思って当然だろう。
 スバルの疑いにダンテは何も言わず、スバルを見つめ続ける。その目に『悪いようにはしない』という思いをこめて。
 ダンテのその思いを感じたのかスバルはおずおずと話し出す。
 もちろんデリケートな部分は話さなかったが。

 スバルの話はホテルアグスタの所から始まった。
 ティアナがミスショットをした事、それがティアナには悔しくてたまらなかった事、それ以降二人で秘密特訓をしていた事、その成果がクロスシフトCである事。
 そこから先はダンテも見ていたので特に新しい情報は無かった。
 大体の事を聞いたダンテは今回の件のおおよそを理解する。
 だがまだおおよそで、核心はそこじゃない。
 ダンテはそこと思われる部分を聞くことにした。

「あいつの強くなりたい理由ってのは?」
「……言えません」

 そこはさっき話さなかったデリケートな部分だ。
 エリオやキャロには話したが、さすがに今までほとんど会話したことの無いダンテにそこを話すわけにはいかない。
 スバルの言えない、と言う答えにやはりそこが今回の核心だと理解する。

(さて、どうしたもんかね)

 ダンテがこれからの手を考えていると今度はスバルから質問があった。
478Devil never Strikers 2/8:2007/12/25(火) 22:25:14 ID:eE98E0ya
「どうして…そんな事を聞くんですか?」

 さっきから言っているがダンテは機動六課の連中とは顔見知り程度の仲でしかない。
 そんなダンテが首を突っ込むのは明らかに不自然だ。
 スバルはダンテにその理由をさっきのように問いただす。

「間違ってると思ったからだ」

 答えは短く、スバルにとって予想外の言葉だった。
 その言葉を聞いたスバルは今までより強い口調でダンテに食って掛かる。

「間違ってるって何がですか!自分なりに強くなろうとして努力するのは間違ってるんですか!?」

 それだけ言うと目に涙を浮かべながらスバルは食堂から去っていった。
 残されたトマトシチューハンバーグを見ながらダンテは溜息をついた。

(そういう意味じゃないんだがな…)

 ダンテは次の人間に話を聞くために食堂を出た。
 そのまま人気の無いほうに歩き出す。
 適当な曲がり角を曲がり、そこで振り向き立ち止まり、食堂から自分を見張っていた次の話し相手を待つ。
 数秒後、今ダンテが曲がった角から尾行者の顔が出てくる。
 その顔とダンテの目が合い、ダンテは喋りかける。

「お話聞かせてくれないか?」

 自分の尾行がばれていた事を知った尾行者は曲がり角から体を出して答えた。

「ええ、いいですよ」

 予定していなかった話し相手、シャーリーとの話合いが始まった。
479Devil never Strikers 3/8:2007/12/25(火) 22:27:15 ID:eE98E0ya
「目的は何だ?」

 先に切り出したのはダンテの方。
 シャーリーの答えはこの上なく簡潔だ。

「仲直りです」
「そのために何をする?」
「話し合わせます」
「それで解決するのか?」
「はい」

 シャーリーは断言した。話し合えば解決する、と。

「ですから他の誰かが何かをする必要はありません」

 要するにダンテは邪魔だから関わるな、と言いたいらしい。
 ダンテも場を引っ掻き回すつもりはないので潔く引くことを決めた。

「そうかい、なら俺は帰るぜ」

 そういってシャーリーに背を向けるダンテ。
 そのちょっと寂しげな背中にシャーリーは話しかける。

「で、ダンテさん。少し協力してもらえませんか?」

 ダンテはうんざりした様子で振り返り答える。

「協力してほしいならもっと素直に言え」
「気にしないでくださいよ。結果は同じでしょ?そこに至る過程を楽しまないと♪」
「……で?俺は何をすりゃ良いんだ?」

 その言葉にそれもそうだなと納得したダンテは自分の役割を問う。
 ダンテの役割はひどく単純な物だった。
480Devil never Strikers 4/8:2007/12/25(火) 22:29:18 ID:eE98E0ya
 シャーリーとの打ち合わせの少し後、ダンテは訓練場に来ていた。
 なのはは今ここにいるらしい。
 ティアナ達フォワードに今回の件で見せたい物があるからその間の足止めを頼まれたのだ。
 運が良いのか悪いのかダンテとシャーリーが話している間にティアナが目覚め、善は急げとばかりに作戦決行となった。

(こういうのは苦手なんだがな)

 だが愚痴った所で始まらない、ダンテはなのはの姿を探し歩き始めた。
 機動六課の入り口から訓練場までの直線ルートを歩けばどこかで見つかるはずだった。
 そしてその考えは当たり、向こうから歩いてくる人影を見つけた。
 なのはとフェイトだった。
 二人がダンテを見つけ立ち止まる。
 ダンテも立ち止まり、お互いに少し距離をとった状態で対峙する。

「どうするつもりだ?」

 挨拶もなしに話し出すダンテ。
 なのはは一瞬何のことか分からなかったがすぐに昼間の訓練の事だと理解する。

「話し合います。それでティアナも分かってくれると思いますから」

 なのははそう言うがダンテは納得しない。
 おそらくそれでは上手くいかないからシャーリーは動いているのだ。

「それで上手くいくと思ってるのか?」
「はい」
「それはないな」
「どういうことですか?」

 ダンテの言い方になのはは少し怒りを覚える。そんな空気を察して隣のフェイトも少し不安そうになった。
 だがダンテは沈黙でなのはを威圧する。
 というより、シャーリーが動いていることから話し合うだけではダメな事を知っている。
 だがどうしてそうなったかは知らないのでなのはの問いに答えられない。
 よってなのはが新しい質問をするのを待つ意外に手は無かった。

(どういうこと、か……俺に聞くな)

 この思わせぶりな沈黙を打ち破ったのはダンテではなく、なのはでもなく、はたまたフェイトでもなかった。
 突如規則的な電子音が周囲に鳴り響き、それとほぼ同時に目の前に赤いウインドウが空中に現れる。
 何かの緊急事態だ。それを理解した瞬間シャーリーからダンテにだけ通信が入る。

(ダンテさん、聞こえてます?作戦は一時中断して戻ってきてください)
481Devil never Strikers 5/8:2007/12/25(火) 22:31:19 ID:eE98E0ya
 話を切り上げ、ロングアーチの元に行くなのはとフェイト。
 今は協力者ではあるが、基本的に部外者であるダンテは仕方が無いのでヘリポート新人達と合流する事にした。
 ダンテがヘリポートに到着した時には四人全員とがそろっていた。
 もちろんティアナもいる。

「もう動けるのか?」
「え?……はい」

 それだけ聞いたダンテは視線をそのまま空に移す。
 数秒の間が空き、今度はティアナがダンテに話しかける。

「心配してくれたんですか?」
「そりゃああんなもん見せられちゃな」

 そのまま会話を続けることは出来なかった。
 副隊長二人がやってきたので私語は出来ない。
 そしてヴァイスがヘリコプターの準備を終わらせ、いつでも飛べる状態にした頃に隊長達がやってきた。

「今回は空戦になるから出動は私とフェイト隊長とヴィータ副隊長」
「みんなはロビーで出動待機ね」
「悪魔はいねーみたいだし、今回はダンテも出番無しだ」
「「はい!」」
「はい」
「…はい」

 なのは、フェイト、ヴィータがそれぞれ事態を説明した。
 それに新人達が返事をするが、元気の良い物は半分で、残りは元気の無いものと活気の無いものだった。
 なのはが活気の無い返事をしたティアナのほうを向く。

「ああ、それからティアナ。ティアナは出動待機から外れとこうか」

 その言葉に場の空気が揺れる。
 それが正しいと思っているらしい隊長と副隊長の四人。
 ただ衝撃を受けるエリオとキャロ。
 言われた親友の顔を見るスバル。
 言葉の意味を理解し、顔を俯けるティアナ。
 そりゃ逆効果だろ、と思いながらも何も言わずにこの場を眺めるダンテ。
482Strikers May Cry:2007/12/25(火) 22:32:18 ID:d1o7vMtj
支援! そしてティアナにはこのセリフを送ろう。
“兄貴のケツばっか追っかけてどうする?” byアニメ版デビルメイクライ二話のダンテより。
483Devil never Strikers 6/8:2007/12/25(火) 22:34:15 ID:eE98E0ya
「今夜は体調も魔力もベストじゃないだろうし…」
「言う事を聞かない奴は…使えないって事ですか?」

 ティアナの言ってる事はかなりひねくれた解釈にすぎない。
 だが前後の状況からしてそう思いたくなるのは当然といえば当然だ。
 そして一度決壊してしまった想いは止められない。

「現場での支持や命令は聞いてます!教導だってちゃんとサボらずやってます。
それ以外の場所での努力まで教えられたとうりじゃないとダメなんですか?
私はなのはさん達みたいにエリートじゃないし、スバルやエリオみたいな才能も、キャロみたいなレアスキルも無い、
少しくらい無茶したって死ぬ気でやらなきゃ強くなんてなれないんです!」

 そこまで一息に言ったティアナ。
 その視界が急に赤く染まる。

「ダンテさん?」

 なのはの言葉でこの赤がダンテのコートの赤だと知ったティアナ。
 ダンテは腕をティアナの顔の前に出し、視界をふさいでいた。
 顔を上に向けるがダンテは顔をなのはのほうに向けているのでその表情はうかがえない。

「行け」
「え?ちょっと何を言って…」
「さっさと行け、何とかする」

 ダンテの勢いに押されてなのは達はヘリに乗り、他のメンバーがヘリポートに残された。
 何か言いたげなスバルやティアナを無視し、ヘリポートの入り口に話しかける。

「高町なのははしばらく帰ってこない、この形で良いんだよな?」
「すこし強引でしたけど…まあこれなら大丈夫です」

 答えたのは入り口から入ってきたシャーリーだった。
 ダンテとシャーリーなんて誰も考えなかった組み合わせに全員が混乱している中、ダンテは口を開いた。

「全員ロビーに移動だ。良いよな?シグナム」
484Devil never Strikers 7/9:2007/12/25(火) 22:36:16 ID:eE98E0ya
 ロビーに移動した一行は次に何があるのかとダンテを見る。
 だがその肝心のダンテは次に何があるのかとシャーリーを見ていた。

「それで?何をするんだ?」
「説明するの、なのはさんの教導の意味を」

 シャーリーはキーボードを叩き、ロビーのパネルに映像を映してから話し始めた。
 昔、一人の女の子がいた事から始まった話は、その女の子が魔法と出会い、
 一つの事件に巻き込まれた事、
 その後もまた別の戦いに巻き込まれた事、
 敗北と限界を超える無茶な強化へと続いた。

 そしてそれまでの疲労と無茶から起こった、もう歩く事すら出来なくなるかもしれなかった程の負傷でこの映像は締めくくられた。
 その後はシャーリーがなのはがどういう気持ちでみんなに戦い方を教えているかを語った。
485名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 22:37:05 ID:tnq2CCzY
支援
486Devil never Strikers 8/9:2007/12/25(火) 22:38:19 ID:eE98E0ya
 シャーリーからなのはの過去と目的を聞いたティアナは一人で訓練場に座り込んでいた。
 なのはの過去。それは無茶をしたことによる負傷。
 なのはの教導。それは昔の自分の様にはしたくないがための方針。
 それを無駄にしてしまうかのような無茶な特訓。
 実際あのまま特訓を続けていたら映像のなのはほどではないにしろ何らかの形で医務室のシャマルの世話になっていただろう。

(結局、あの特訓はなんだったんだろう)

 大切な親友まで巻き込んでまでやってたことは何も通じず、ただ体を痛めつけてただけ。
 自分のしてきた事を振り返り、自己嫌悪に陥る。

 どれくらい時間がたっただろうか、ふと横から視線を感じてそちらを見るとなのはが立っていた。
 微笑まれたが、その顔もちょっと前のとは違って見える。
 なのはが隣に座った。

「あ!なのはさんが座りました」

 今解説したのはエリオだ。
 現在物陰で二人の様子を窺っているのはダンテ、スバル、エリオ、キャロ、シャーリーの五人。

「シャーリーさんや、他の人に色々聞きました」
「なのはさんの失敗の記録?」
「じゃなくて!あの…」
「無茶すると危ないんだよ、って話だよね」
「……すみませんでした」

 そしてなのはは作ろうとしている四人のチームの理想形を語りだした。

「エリオはスピード、キャロは優しい支援魔法、スバルはクロスレンジの爆発力。三人を指揮するティアナは射撃と幻術で仲間を守って知恵と勇気でどんな状況でも切り抜ける」

 そんなチームをなのはは作りたかったらしい。
 その形にゆっくりと近づいている事を話し、なのはは続ける。

「模擬戦でさ、自分で受けてみて気づかなかった?ティアナの射撃魔法ってちゃんと使えばあんなに避けにくくてあんなに痛いんだよ。一番魅力的なところをないがしろにして慌ててほかの事をやろうとするから、だから危なっかしくなっちゃうんだよ、って教えたかったんだけど」

 そして最後にティアナが置いておいたクロスミラージュを手に取る。

「まあ、でもティアナが考えた事、間違ってはいないんだよね」

 クロスミラージュのシステムリミッターのテストモードをリリースした。
 それをティアナに渡し、モード2の起動を促がす。

「モード、2」
「Set up: Dagger Mode」

 クロスミラージュを構えたティアナがモード2を命じ、クロスミラージュが持ち主の支持に従い、その姿を変える。
 グリップと銃身の角度が開き、銃口からオレンジの光の刃が伸びる。グリップの底から銃口にもアーチ状の刃が輝き、変形を終える。

「ティアナは執務官志望だもんね。ここを出て執務官を目指すようになったら、どうしても個人戦が多くなるし、将来を考えて用意はしてたんだ」

 先の事まで考え、自分達の安全を最優先に行われていたなのはの教導。
 それを成果が出てないと思い込んで、自分だけが弱いと思い込んで、そしてみんなを巻き込んだ。
 ティアナの肩が震え、目から涙が零れだした。
487Devil never Strikers 9/9:2007/12/25(火) 22:40:23 ID:eE98E0ya
 そこまで見届けたダンテは振り返り、歩き始める。

「ダンテさん?」
「俺はもう帰るぜ、あれなら十分だ」

 ダンテが数歩も歩かないうちにスバルが呼び止め、ずっと疑問に思っていた事を聞いた。

「なんでダンテさんは協力してくれたんですか?」 

 おそらく照れくさいのだろう、ダンテは歩みを止めずヒントだけ呟いた。

「Devils never cry」
「え?」
「意味は自分で考えな」

 悪魔は泣かない。
 何故なら涙は人間だけが持つ、宝物だから。

(あんな使い方はもったいなくて見てられなかったぜ)

 訓練場で見せた劣等感や焦燥からくる涙ではなく、今ティアナが流している涙。
 それを見れたダンテの顔にはいつもの皮肉屋なものではない、暖かく優しい微笑みがあった。


Mission Clear and continues to the next mission
488Devil never Strikers 9/9:2007/12/25(火) 22:41:35 ID:eE98E0ya
今回は以上です
ダンテはなんだかんだいっても根っこの部分では人間が好きなんだと思っています
489戦国の鉄の城:2007/12/25(火) 22:46:00 ID:Ib1+XySj
>>488
GJ!
支援はできなかったけどorz
クールに決まってましたなー。ダンテ・・・。
490Strikers May Cry:2007/12/25(火) 22:46:21 ID:d1o7vMtj
GJですな、個人的にはこの先どんな悪魔が出てくるか興味津々です!
できればファントムたんとか……いえなんでも無いです。

しかしダンテよ家族の為に涙を流す悪魔もいるんだぜ、お前はよくしってるだろ?
491名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 22:47:49 ID:jtxS4OyF
毎度毎度、メル欄に大文字でsageと入れてスレ上げる阿呆はいい加減に専ブラ使え
492名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 22:51:19 ID:WFI295D7
GJ!です。
とてもきれいにまとめられ、ダンテもかっこよくてよかったです。
493黒い影:2007/12/25(火) 23:04:02 ID:I6BGlbSu
GJ!
でも相変わらずダンテの戦闘の戦闘シ−ンは無しですか。
早く悪魔でないかな…。
494黒い影:2007/12/25(火) 23:06:08 ID:I6BGlbSu
>>493
あぁ、また間違いを…。『戦闘の戦闘シ−ン』ってなんだよ……。
495リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/12/26(水) 00:30:04 ID:18wH72gk
投下開始します



 上空にてなのは達がティアナと再会していた頃、地下水路でスバル達ともガジェットとも違う動く影があった。

「ディード、どう?」

「姉様からの連絡だとこもう少し先の場所だそうです」

 数は4。 誰もが素早い動きで水路を駆け抜けている。

 その1人は異形の人型に、その人型抱えられれている幼い少女。 少女の周りを飛ぶ妖精に、彼女達を先導する少女が1人である。

「ルールー、急ごうぜ。 上で他の連中が動いてるけど、巻き込まれる可能性だってあるんだ」

「分かってるアギト。 ……ガリュー」

「……」

 ルーテシア、アギト、ガリュー。 そしてナンバーズ12のディードである。

 彼女達はドクターの要請を受けて、地下水路に落ちたとされるレリックケースの回収に向かっているのだ。

 敵である時空管理局の武装局員の姿はない。 既に彼等は陽動であるガジェット達と戦闘を行っている為、着実にこの場所から離れていっている。

 だからと言って安心は出来なかった。 上空の戦闘は人が行える限界に近い戦いに発展し始めている。 もう彼女達が介入出来るレベルではなかった。

 そんな戦いに巻き込まれれば、大変な事になるのは目に見えていた。

 一応、こちらに来ないように頼んでいるとは言え、戦闘中に何が起こるか分からない為、出来るだけ迅速にレリックケースを回収したいのだ。

 そう考えた瞬間。

 ――!!

 地下に衝撃が走る。 上からの衝撃だとすると、上空の戦いが激しいのだろう。

 ディードは走る速度を緩めないまま、小型の携帯端末を取り出し、外の戦闘状況を映し出す。

 そこには神速で戦い合う閃光が2つと、白と黒の光のぶつかり合いが見えたが、今の自分ではやはり介入出来るレベルなどではない事はすぐに分かった。

 アギトもディードと同じ映像を見て、改めて自分の認識は間違っていないと納得すると速度を更に高めていく。

「急ごう……」

 目標まで後少し。


496リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/12/26(水) 00:35:24 ID:18wH72gk
 ○―――○



「ティアナ……」

 なのはは再度、彼女の名前を呼ぶ。 やはり何処からどう見ても、目の前にいる少女はティアナ・ランスターであった。

 そして纏う雰囲気も自分達の知っているティアナとほぼ同じものだ。

 だが、違う。 その目には、自分達を敵としか見ていない冷たいものしか宿っていない。

 生きていてくれた事は本当に嬉しい。 しかし何故、生きていた彼女が自分達に剣を向けているのかがさっぱり分からなかった。

 しかしそんな事を考えている暇を与えてはくれなかった。

 最初になのはに攻撃してきた女性――トーレの姿がぶれ、その場から掻き消える。 そしてなのはとはやての目が追いついた時には、フェイトと力押しをしている姿である。

 再びトーレの姿が消えると同時に、フェイトの姿も消える。 どうやらスピード勝負を挑んだようだ。

「フェイトちゃんとどうレベルの速度……」

 2人はその速度に介入や援護を諦める。 あの速度で戦闘をこなすフェイトに下手な援護はかえって邪魔をしてしまう。

 ならばトーレはフェイトに任せて、自分達はまず目の前のティアナをどうにかしなければならない。

 自分達の知っているティアナならば、リミッターを解除した自分達2人なら確実に取り押さえる事が出来るだろう。

 しかしティアナから感じられる力の気配は、トーレとそれ程変わらないものだ。

「っ!」

 ティアナから魔力が吹き上がる。 その魔力量は前からは考えられない程の量だ。

 量だけで見れば、AAAクラスのヴィータといい勝負だと言っていい。

「でも負けるわけにはいかない!」
497名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 00:39:35 ID:X4R6XqqX
支援
498リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/12/26(水) 00:40:29 ID:18wH72gk
「そや! まずはノックダウンさせんとな!」

 なのはもはやてもやるべき事は決まった。 まずはティアナを気絶させて捕まえてしまおう。 そうすれば何か分かるかもしれない。

 レイジングハート、シュベルトクロイツをそれぞれ構え、それぞれ砲撃魔法をぶっ放した。

 なのはとはやての同時直線砲撃魔法をティアナへと放つ。 2色の魔法は迷わず、ティアナへと突き進んでいく。

 しかしティアナはそれを見ても、顔の表情1つ変えない上に、動こうとすらしない。 なのはとはやてが疑問に思った時、その答えが出た。

「――!!」

「な、なんやてぇ!?」

 はやてが驚くのも無理はない。 ティアナは避けなかった。 が、こともあろうに2つの魔法を剣で切り捨てたのだ。

 はやての魔法を紅の剣で、なのはの魔法を黒ずんだ鉈のような大剣で。 まるで豆腐を切り裂くような感じに軽々と斬ってしまったのだ。

 一瞬だが茫然としてしまう。 しかし2人もここで動きを止めてしまうような素人ではない。 すぐに別の攻撃方法に切り替える。

 動いてすぐになのはが前へと出る。 接近戦はあまり得意ではないが、はやて程ではない。 それにこの数年で接近戦対応の魔法も習得してきた。

 対してティアナは本来ならなのはと同じポジションであり、接近戦は得意ではない。 剣を持っているが本来の武器ではない為、得意ではない筈と考える。

 だがそれは大きな間違いである。

 ティアナが一気に突撃してくる。 速度はフェイトには及ばないが、やはり速い。 そして右手に持つ大剣での斬撃。

「くうっ!?」

「……!」

 予想外に重い。 斬撃も早く、レイジングハートで防御するのが精一杯だった。

 しかしティアナは攻撃は終わっていないと言わんばかりに、今度は左手の紅の剣による突きを放ってくる。

 なのはは回避しきれないと考え、シールドを展開するのだが、
499名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 00:42:27 ID:NIPM9yaA
支援
500リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/12/26(水) 00:46:13 ID:18wH72gk
「そ、そんな!?」

 シールドなど関係ないと言わんばかりに紅の剣はシールドを喰い破ってくる。

「なのはちゃん!」

「ちっ!」

 はやてが、援護にブラッディダガーを放ったのだ。

 大量に現れた小さい剣状の魔法を先程のように剣で切り裂く事はせずに一気に下がって回避する。 さすがに防ぎきれないようだ。

 危なかったとなのはもはやても安堵した。 あのままだとなのはが間違いなく串刺しにされていた。 なのはの強固のシールドを突き破るような剣だ。 バリアジャケットなど紙切れ同然だろう。

 安堵するがなのははすぐにもう一度砲撃魔法をチャージする。 先程のはやての攻撃で、体勢を崩したティアナに放つ為に。

「エクセリオン……!」

 カートリッジをロード。

 ティアナは強い。 だからこそ一撃で止める為に、数発のカートリッジをロードして、より強力な魔法へと変貌させていく。

 だがティアナもまた冷静であった。 なのはに魔力が収束されているのを見て、己も自分の大剣――『求め』に魔力を集中させていく。

「オーラフォトン……!」

 その様子にはやてが目を見張る。 ティアナの右手になのはと同じ――いや、それ以上かもしれない魔力が収束していくのだ。

「バスター!!」

「ビィィィム!!」

 同時に放たれる2つの魔法。

 それはぶつかり合い、一瞬の拮抗をもたらすがすぐに2つとも消滅してしまった。 相殺されたのだ。

「くうっ――あっ!」

「し、しもうた!?」
501名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 00:48:33 ID:X4R6XqqX
支援するである
502リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/12/26(水) 00:51:49 ID:18wH72gk
 砲撃魔法を撃った後は、誰であろうと隙が出来る。 だからこそ油断してしまった。

 ティアナは既に左手の紅の剣に魔力を収束させている――!

「オーラフォトン……レイ!!」

 オーラフォトンで出来た光の槍がなのはとはやてに無情に襲い掛かった。



 ○―――○



 それと同時刻。 地下での戦闘も更に激しいものになっていた。

 スバル達が108部隊と合流した頃は、確実にガジェットは減っていったのだが、ある時間を境に一気に数が増えたのだ。

 その数も尋常じゃない。 もうスバルが殴り倒したガジェットの数は100を超えている。

 エリオも少女を108隊の隊員に預け、前線に出ていたがあまりの数の多さに顔を顰めるしかない。

 108部隊の隊員も魔法を、時には地形を利用して着実にガジェットを破壊していく。

 確かに数が多いが、六課のほうから増援が出たと言う連絡はない。 ならばとギンガは思考する。

 着実に減っているガジェットは、増援が出ない限りこちらだけで処理出来るだろう。 数で負けてはいるが、戦闘能力の質ではこちらが上だ。

 しかし気になるのは上空だ。 敵指揮官と戦闘を繰り広げているなのは達3人。 彼女達がエースだと言っても不安が残るのだ。

 あの日でどれ程の局員が死んだのか。 その数がミットチルダが――いや、時空管理局が出来てから最大の人数と言っていいぐらい、人が死んだのだ。

 もう非殺傷設定を信じて、相手を捕縛出来るとは思えない。 これは殺し合いなのだとギンガは気づいていた。

「はああぁぁ!!」

 先日、届けられた新型デバイス『ブリッツキャリバー』の力も借りて、一気に攻める。 これを全部叩き潰せば、あちらの指揮官も撤退するだろう。
503リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/12/26(水) 00:59:54 ID:18wH72gk
 まさかあちらも単独でこれだけ数がいる部隊を攻めてくるとは思えない。 しかし、先日の事件などを思い出せば油断は出来ないのが現実である。

「後、少しです! 一気に行きましょう!」

 ギンガの声に同僚達が力強い声を上げる。

 その姿に頼もしさを感じるギンガ。 自分が一応、この小隊の指揮権を持っているとは言え、この小隊の中では一番の新人である。

 自分よりも年上の仲間は自分以上の知識と経験を生かして、確実にガジェットを屠っていく。

 だからか油断した。 これだけ頼もしい仲間がいたからこその油断かもしれない。 何時の間にか自分達が見通しのいい場所に誘導されていた事など知る事がなかったのだ。

 そして――

「高エネルギー反応を確認!? 近いです!!」

 最初にそれに気づいたのはキャロであった。 本来、補助型の彼女は探知能力はここにいる誰よりも高かった為に発見出来たのだ。 しかしそれはもう時遅しであった。

 高エネルギー反応の発信源は、この場所から直線距離で1キロメートル程離れた場所。 そして一瞬で、高エネルギーがこちらに向かって放たれたのだ。

 推定S+ランクの物理破壊に特化した砲撃。 だが、これだけのエネルギーの砲撃を受ければただでは済まないのは間違いない。 しかし回避するには時間が余りにも足りなかった。

 すぐにそう判断すると一番前へとギンガやスバル、一部の108隊の隊員が出る。 誰もが己の防御に自信があるものばかりだ。

 つまり彼女達が選択したのは、回避ではなく防御。 あの高エネルギーを受けきる気なのだ。

 エリオとキャロが何かを言おうとしたが、そんな時間はなかった。 スバル達が防御シールドを展開した直後、高エネルギーが確実に彼女達に直撃したのだ。

「くううぅぅぅ!!」

 あまりにも強い力にスバル達が苦悶の声を上げる。 エリオとキャロ達も援護したいのだが、いまだに攻撃してくるガジェットを相手に手一杯だ。

 スバル達もそんなエリオ達にかまっている暇などなかった。 数人でシールドを展開しているのだが、シールドからはミシミシと嫌な音しかしない。

 そしてその衝撃に耐え切れず、遂に――シールドが崩壊した。



 ○―――○


504リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/12/26(水) 01:05:10 ID:18wH72gk
「目標に命中。 でも良かったの?」

「ええ。 ドクターやウーノ姉様の話によれば、あの程度の衝撃じゃ破壊されないわ」

 スバル達を狙撃したのは、ナンバーズの2人であるクアットロとディエチであった。

 ディエチの保有武装であるキャノンで、長距離からの狙撃をしたのである。

「……でも最後、なにか手応えだった」

「そう。 まぁ、これだけの距離じゃ防がれたのかもね。 まぁ、その先は私達の出番じゃないわ」

 クアットロの言葉に反応したのか、2人の後ろに青、緑、赤、黒、白の髪を持った少女達が30人程現れる。

 テムリオンから渡されたミニオンである。 彼女達は無表情ではあるが、その先頭の1人だけは他のミニオンとは違い感情があった。

「了解ですクアットロ殿。 残りは我等が任務を遂行します」

 青い長髪の少女だ。 ミニオン隊の指揮官らしい。

「お願いしますわ。 器以外は皆殺しにしてもかまわないそうですから、思う存分やってください」

「ええ。 いくぞお前達!」

 その声に反応して、ミニオン隊が一気に飛び出していく。 先程、囮に使ったガジェット達の大半は吹き飛んでしまったし、残ったものも既に破壊されているだろう。

 となれば、後は彼女達のミニオン隊が器の確保を目指してもらうしかない。

 改めてクアットロは考える。 戦力が足りない、圧倒的に足りないのが現状だ。

「数だけ頼みの戦法ももう限界でしょう」

 時空管理局とて馬鹿ではない。 もう対抗策の1つや2つぐらい、考えている筈だ。

 そうなれば、数頼みのガジェット軍団だけでは勝つ事は不可能になってくるだろう。 いや、もうなりかけている。

「根本的な打開策を考えなくてはいけないわね」

 ガジェット以上の戦力であるミニオン達も、無限にある訳ではない。 テムリオンが必要戦力として提供はしてくれているが、このまま使い潰せば肝心な時に足りなくなるのは間違いない。

 だから、だ。 どうにかしなければならないだろう。

 ロウ・エターナルとは協力関係があるとはいえ、何時切り捨てられるか分からないのだから。
505リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/12/26(水) 01:09:32 ID:18wH72gk
「ねぇ、セインから連絡」

「セインちゃんから?」

 思考にふけていると、傍にいたディエチが声をかけてくる。 長距離通信でない事から、どうやら同じくこの近くで待機しているようだ。

「どうしたのセインちゃん?」

『クア姉、ルーお嬢様がレリックケースを確保したよ。 今、ディードと一緒に脱出してるみたい』

「そう」

 協力者であるルーテシア一行は、与えられた任務を成功させたようだ。

 今回の作戦の目的は、2つのレリックの確保、器の回収、敵との戦闘データの収集の3つである。

 その内の2つかは既に成し遂げたも同然。 後はもう1つのレリックと器のみだ。

 しかし、元々単体戦闘能力が高くないクアットロとディエチでは、あのレリックと器を確保している陸戦魔道師達に単体で勝つ事は出来ないだろう。 そこはミニオン達に任せるしかない。

 ならば、

「ディエチちゃん、もう1撃撃てる?」

「ん、もう5分ぐらいたてば一発は」

「なら移動するわよ。 ここに居てもやれる事はないしね。 セインちゃんは、ルーお嬢様の援護に」

『あいよー、クア姉』

「さて、やるべき事をやりに行きましょうか」



 ○―――○


506リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/12/26(水) 01:14:59 ID:18wH72gk
「くうっ!」

 一気に弾き飛ばされた。

 空中で体勢を立て直すと、自分より高い場所にいる2人組みをティアナは睨むように見つめていた。

 あの2人は後に自分の恩人であり、仕えている人――テムリオン様の計画を害する可能性がある人物達だ。

 ティアナから見て、2人はテムリオンの敵ではないような気がするのだが、彼女が警戒している以上、自分がやるべき事をしなくてはと考えをすぐに改める。

 右手に握る『求め』、左手に握る『誓い』に魔力を更に流し込んでいく。 それと同時に剣達から歓喜の声が上がってくる。

 実際に声を発する訳ではないのだが、剣から伝わってくる『何か』でそれが分かるのだ。

 本来なら、剣達にも意思があるらしいのだがテムリオン曰く、

『その剣達の意思はかつて、とある戦いで砕かれてしまいましたの』

 らしく、力のみを行使出来るだけの剣でしかないらしい。

 だがティアナにとってはどうでもいい事である。 ただ彼女はテムリオン様の為に力を振るう事が出来ればそれでいいのだ。

 さて、改めて上空にいる2人の魔道師――高町なのは、八神はやての2人を見る。

 近接戦闘ならば、絶対に勝てる自信がある。 だがあの砲撃能力の高さはもっとも警戒しなければならない。

 特に高町なのはの砲撃力は、悔しいが現在の自分が使える直線砲撃系の神剣魔法オーラフォトンビームを上回っている。 先程は上手く対消滅させたにすぎない。

 それに1対2と言う状況も、ティアナにとってはマイナス面であった。

 自分の保有魔力量は、八神はやてと同等程度だ。 自分とスペックが同等――もしくは自分以上――の相手2人だと、さすがに辛いとしかいいようがない。 本来ならば、もう倒されても可笑しくはない。

 しかしどういう訳か、あちらはこちらを倒そうと言う気がないのか殺気が感じられなかった。 いや、倒す気はあるのだろうがそれはこちらを拘束するつもり、と言ったほうがいいかもしれない。

 どうせ自分を捕らえて、テムリオン様達の情報を手に入れるつもりなのだろう。

「小賢しいわ」

 そして、自分を捕らえようとする甘い考えを持った事を後悔させてやろう。

 テムリオン様からは、情報収集だけでいいと言われていたが、もし倒せるのならば倒してしまっていいだろう。
507リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/12/26(水) 01:19:16 ID:18wH72gk
「さぁ、行くわよ『求め』!」

 『求め』から黒ずんだ白い波動が溢れ出す。

「ホーリー!」

 聖なる名を持ちながら、闇に染まった波動がティアナを包み込む。 これによってティアナの身体能力の底上げが出来る上に、ある程度の怪我の治療も出来る。

 まだまだ戦える事を確認すると、あちらも治療か作戦会議が終わったのだろう。 こちらを見ている。

「ティアナ……」

 何故、高町なのはが自分の名前を知っているかは分からないがそんなもの関係ない。

 剣を構え、ティアナは再び突撃を開始した。



 ○―――○



 レイジングハートを構えなおし、ティアナを見つめるなのは。

 状況はこちらのほうが優勢だ。 ティアナが自分達と同等の力を手に入れた今でも、十分勝ち目はある。

 しかし、この状況になのはは歯噛みをしていた。 何故、自分達が争わなくてはいけないのか? どうして仲間であった自分達がこうして戦わないといけないのか?

 なのはの頭にはそんな思いが一杯である。

 しかもどういう事か、非殺傷設定での攻撃を放っているのにも関わらず、自分達の魔法はティアナの肉体に傷つけていた。

 そうなると非殺傷設定での魔力ノックダウンが狙えない。 ならば、残る手段は1つだ。

「はやてちゃん」

「わかっとる。 バインドでの捕獲やな」

「うん」

 魔力ノックダウンが狙えない以上、バインドでの捕獲でしかないだろう。 だが出来るのか?
508リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/12/26(水) 01:23:51 ID:18wH72gk
 今のティアナは強い。 近接戦闘も中距離も遠距離も、バランスよく戦えるオールラウンダーだ。 かつて自分が教えていた射撃型の魔道師などではない。

 そう考えると、フェイトやシグナム達と言った近接戦闘を得意とする人達の援護がないのが痛かった。

 近接でティアナの動きを止めてさえくれれば、バインドによる捕獲はやりやすい。 しかしフェイトはもう1人と交戦中、シグナムやヴィータ達はこちらに向かってきているらしいが、途中で足止めをくらっているらしい。

 このままでは負ける。 こちらは1人ではないのだ。 もしもなのは1人であったのなら、何時か押し切られて倒されてしまっただろう。

 だがティアナと違い、頼れる仲間がいるのだ。

 お互い頷きあうと、ティアナを見る。 それと同時にあちらの視線がこちらへと向いた。

「ティアナ……」

 なのはの呟きを合図にティアナが突撃してくる。 やはり速い。 単純な速度なら自分達以上だ。

 一気に間合いを詰めようとするティアナに対して、なのはとはやてが取った行動は全速で間合いを離す事であった。

 何度も考えた通り、接近戦での戦いは勝ち目などない。 だから全力で下がり間合いを取る。

 ティアナもまた接近戦こそが、一番勝因が高いポジションだと言う事を知っている。 それ故にお互いがそれぞれ得意なポジションをキープしつつ、相手を倒さなければならない。

 力と力のぶつかり合いと同時に、これは読み合いの戦いでもある。 いかに相手の先を読みきるかにかかってくる。

 はやてのブラッディダガーがティアナの動きを止めようとすれば、ティアナは一気に加速してそこから退避する。

 なのはのアクセルシューターがティアナを誘導しようとすれば、あえて動きを止めてアクセルシューターを切り裂いていく。

 ティアナのオーラフォトンビームがなのは達の足止めをしようとすれば、2人の連帯でそれを回避しきる。

 仕切りなおしてからもティアナの方が優勢であったが、徐々にティアナの動きが止まり始めてきた。

 それも当然の事であった。 あれだけ魔力を放出しながら攻撃し続けていれば、魔力切れになるのも必然的である。 しかも状況は2対1。 ティアナの能力が優れていても、同レベルの相手2人には長くはもたないのだ。

 もちろんなのはとはやては、動きが鈍くなっていくティアナを見逃す筈もない。

「もう一発! ブラッディダガー!!」

 ティアナの周りに血塗れの刃が出現する。 それを2振りの剣で弾いていくが、鈍くなっているせいか最初の頃のようにすべてを弾き飛ばせず、体に刃が掠めたりしている。

 しかし致命傷は1つもない。 強力なフィールドか何かで守られているのだ。 はやてとしてはかえってそちらのほうが良かった。 フィールドのおかげでティアナに致命傷を与えなくてすむのだから。
509リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/12/26(水) 01:26:42 ID:18wH72gk
「なのはちゃん! いまや!!」

「うん!!」

 ブラッディダガーで動きが止まったティアナに向かって、なのはがブーストをかけて突撃していく。

 今、ここでチャンスを逃せば、疲労したティアナが逃亡する可能性が高い。 そうなる前にここで一気に捕獲したい。

 速度が速いティアナを設置系のバインドではティアナを捕らえる事は出来ない。 ならば零距離でより強固なバインドで捕獲してしまえばいい。

 それを放つべくなのはが脇見も逸らさず一気に突撃していく。 ティアナもそんななのはの動きを理解しているのだが、はやての攻撃により思ったように回避行動が取れない。

 そしてなのはが最高の場所に辿り着いた。

「くっ!」

 それと同時になのはのバインド魔法がティアナに向かって放たれる。 ティアナに避ける術はなかった。



 ○―――○



 確実に直撃した。

 そう思ったのだが、気がつけば自分達には何一つ怪我はなかった。 さすがにこれには疑問が出てくる。 あれだけの攻撃を受けて無傷ですむとは思えない。

 実際、あのまま直撃を受けていればスバル達はただではすまなかっただろう。

 救援者が現れたのだ。 何時の間に目の前に紅のドレスを身に纏った少女と筋肉質な男が1人、この2人がシールドを突き破ってきた攻撃からスバル達を救ったのだ。

「おい、大丈夫か?」

「ヴィータ副隊長!? それに……」

 1人はスターズ3の鉄槌の騎士ヴィータだとスバルはすぐに分かった。 だがもう1人の筋肉質の肉体を持った男は誰だが分からなかった。

「ザフィーラだ」

 疑問を浮かべているスバルやエリオ達に男はそれだけで答えた。

 寡黙な男――ザフィーラの答えに色々な意味でスバル達は大混乱を起こしていた。 普段は犬――本当は狼――の姿でいたザフィーラがまさか人になるとは夢に思わなかったのだ。

 だが混乱する様子を出す前に、ザフィーラの次の言葉で全員が再び表情を固めた。
510名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 01:29:38 ID:qYOKjm9F
範囲に入った瞬間発動してフェイトすら捕縛するレストリックロックはどうした支援
511リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/12/26(水) 01:30:49 ID:18wH72gk
「新手だ」

「数は?」

「30。 あの人形共だ」

 人形。 ロストロギア強奪事件が始まってから現れ始めている人の形をした魔力で構成された人形。 だが一体一体の戦闘能力はAランク以上の能力を持つものが多く、数も多いときた。

 それが30。 消耗が激しいスバル達ではかなり厳しい相手と言っていい。

「ザフィーラ、あたしらであいつらを倒す」

「そうだな」

 自分達もここに来るまでに山ほどいるガジェットを叩き潰してきたのだが、まだ十分戦える。 この程度で弱音を吐くほど柔な鍛え方はしていない。

 途中で合流したザフィーラもそれは同じだろう。 シグナムとシスター・シャッハははやて達のほうに向かった筈だから、そちらは心配していない。

「行くぜ!」

「ああ!」

 鉄槌と盾の騎士が一気にこちらに向かってくる敵に向かって突撃する。

「おおおお!!!」

 まずはザフィーラが先手を取って赤の人形を殴り飛ばした。 今までの戦闘データの結果、赤が強力な魔法を使ってくるから一番最初に潰しておきたい。

 だからこそザフィーラだ。 強力な魔法を放たれても防ぐ事が出来、尚且つ直接打撃に弱い赤潰しに最適だ。

 対してヴィータの狙いは青の人形。 こいつはこちらの魔法をキャンセルしてしまう魔法を使ってくる。 近接が得意な自分達はともかく後ろにいるメンバーは、これに対しては殆ど対抗手段を持たない。

 自分達が全て倒すつもりではいるが、これだけの数だ。 全て防ぎきれるとはかぎらない。

「どりゃああ!」

 一閃で青の人形を叩き潰す。 倒された人形はマナへと還っていく。 それを見て、ヴィータは次の敵に突貫しようとして――すぐさまその場から離脱した。

 離脱したその数秒後、青い閃光が走る。 視線を送れば、先程自分が立っていた場所に青い人形。 だが雰囲気が違う。

「ちっ、あれは例外だな」

 他の周りの奴等と比べるまでもない。 こいつだけは例外的に強い。 AA+クラスの強さと言っていいだろう。

 こいつを放置しておくのは厄介だ。 ならば自分が倒せばいいだけの話。
512リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/12/26(水) 01:35:21 ID:18wH72gk
『ザフィーラ、例外が一体いた。 あたしが倒すからそれまでもたせてくれ』

『分かった。 だがこれだけの数だ。 あまり時間はないぞ』

「任せておけよ!!」

 最後の言葉は口に出して、一気に加速。 先手を取る!

「はああ!!」

「おりゃああ!!」

 だが、あちらとて何もしない訳がない。 アイゼンによる一撃を、その手にもつ剣で簡単に受け止めてしまう。

 体勢的に言えばヴィータのほうが有利ではあるが、相手も負けんといわんばかりに力を込めていきほぼ拮抗状態と言っていいだろう。

「ちぃ!」

「くっ!」

 弾けて、間合いを一度離す2人。 その間、ヴィータは相手をよく観察し始めた。

 今までの人形達と違い、あきらかに感情がある。 やはり戦闘能力以外でも例外のようだ。

「……てめぇら、何者だ?」

「レリックを渡してもらおう」

 ヴィータが正体を探ろうと問いかけるが、返ってくる返答はそれだけ。 あちらもそう簡単に正体を話す気などはないらしい。

 だからこれだけで敵を問い詰める事をやめた。 そんな時間がないからだ。

 既にザフィーラ1人では抑え切れなかった敵が、スバル達のほうへと向かっている。

 そう簡単に負けはしないだろうが、時間が経てば消耗しているスバル達が不利なのは明白。 そうなる前に倒さなければならない。

「もう……誰かを失うのは嫌なんだ……!」

 ヴィータの脳裏に傷ついた人、失ってしまった人などが写る。 そんな想いをまた何度も味わうのはいやだった。 味あわせるのが嫌だった。

 だから!

「アイゼン!!」

 カートリッジをロード。 己が出せる全力で相手を叩き潰す。

 相棒であるグラーフアイゼンのハンマーヘッドが変形、巨大な状態になる。 それを敵に叩き付けんと一気に加速した。

 しかし相手は動くすぶりを見せない。 一体何故?

「ギガント……クラッシャー!!」
513名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 01:36:17 ID:Lnfgeu3J
支援だぜ!
514リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/12/26(水) 01:39:40 ID:18wH72gk
 ヴィータの全力全開の一撃が炸裂した。

 目の前にいるもの全てを粉砕する一撃。 直撃すれば、一撃で倒せるだろう。 そう、当たればの話。

「なっ!?」

 青い少女の目の前に緑色の壁がグラーフアイゼンの一撃を受け止めていたのだ。

 なるほど。 余裕とばかりに黙って見ていた理由がやっと分かった。 これ程、頑丈なシールドがあるのならば余裕でいられるのだろう。

 だが、とヴィータは不敵に笑う。

 相手が悪かったな、と。

「おおおお!!!」

「なっ!?」

 一度は完璧に受け止めたと思ったグラーフアイゼンが、ヴィータの咆哮と共にシールドを食い破っていく。

 それを見て、今度は相手に同様の表情を浮かべる。 それに合わせヴィータは視線を逸らさず周りの状態を確認する。

「あいつか!」

 目の前のシールドを張っている奴はこいつではないと思ったヴィータ。 予測どおり、青い少女の後方に必死にシールドを展開している緑の少女の姿があった。

 それに気がついたのは、シールドの色であった。 魔力の色と髪の色が共通だと事前の情報で知っていた為である。

「くそっ!」

 場所は分かった。 だがヴィータは青い少女を打ち倒す事しか出来ない状態である。 シールドが破られそうになったと分かった為か、シールドに青のシールドも混ざり合っている為、先程より強固なものになっている。

 ザフィーラは多数の敵と交戦中で、緑の少女に攻撃する事を望めそうにない。

 誰かいないのかと、思ったその時。

「あたしが!!」

「スバル!?」

 後ろで戦闘していた筈のスバルが加速して一気に緑の少女に突撃していく。 どうやら1人だけでこちらにやってきたらしい。

 スバルはヴィータの横を抜けると、すぐにカートリッジを3発ロード。 それと同時に右腕のリボルバーナックルに魔力が集中していく。

 リボルバーナックルに込められた魔力を感じ取ったのか、シールド展開に必死であった緑の少女がスバルに気づくが、もう遅い。
515名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 01:39:50 ID:UTC+j9UL
支援
516名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 01:40:40 ID:UTC+j9UL
支援
517リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/12/26(水) 01:43:49 ID:18wH72gk
「一撃……必倒!!!」

 既にスバルはそれを放てる状態なのだから!

「ディバイィィィン……バスタァァァ!!!」

 自分を助けてくれた憧れの人が使った魔法を、自分なりに改修したアナザータイプ。

 近代ベルカ式直線放射型魔法『ディバインバスター』。 それが今、スバルから放たれたのだ。

「ああああぁぁぁ!?」

 ディバインバスターの直撃を受けた緑の少女は悲鳴を上げながら、消滅していく。

 元々緑属性は魔力による攻撃に弱い。 その魔力系攻撃を直撃した今、耐えられる訳もなくスバルの言葉通り、一撃で倒されたのだ。

「よくやったスバル!!」

「し、しまった!」

 緑の少女が倒された今、強固な緑色のシールドは消滅し青色のシールドが残るだけであったが物理攻撃に対してそれ程強固でないシールドなど、もはやヴィータの前には紙切れ同然であった。

「こいつで終わりだあぁぁ!!」

 青色のシールドを突き破り、ギガントクラッシャーが直撃した。

「馬鹿……な……テムリオン様直属の……ミニオン隊である我等が……」

 ギガントクラッシャーが直撃した為、やはり他の人形達のように魔力の霧となり消えていった。

「テムリオン、そいつがこいつらの親玉の名前? それにミニオンがこいつらの名前なのか?」

 ヴィータが消えていく直前から聞いた情報を纏めながら口に出す。

 それと同時にまわりを見ると、大方の人形――ミニオン達は倒されて尽くしていた。

 ザフィーラだけではなく、Aランクであるギンガを始めとした108隊や、エリオ達も奮戦したおかげだ。 怪我を負っているものは多いが、重傷者は誰もいないのが幸いだ。

 ここにもう用はない。 ならば急いで戦闘中である地上へ戻らなくてはいけない。 負傷者達ギンガ達に任せればいいだろう。

「はやて……待ってろよ」

 だが、空もまた決着がつく頃であった。



 ○―――○


518名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 01:46:02 ID:UTC+j9UL
支援
519リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/12/26(水) 01:47:19 ID:18wH72gk
 それを感知する事はなのはにもはやてにも出来なかった。

 ティアナにバインドが放たれた瞬間、突如横から強力な砲撃攻撃がなのはへと襲い掛かったのである。

「――くっ!!」

 バインドをかける事に全神経を集中させていたなのはにそれを防ぎきれるシールドが展開されているわけもない。 まともに当たれば――墜ちる。

 だがなのはは、攻撃を感知した瞬時に体を動かして無理矢理回避行動を取った。 経験から来る咄嗟の行動であったが、その行動はなのはの命を救う事になる。

 暴虐なエネルギーがなのはの正面を通り過ぎる。 前面に緊急展開したシールドがガリガリと削られている。 やはり直撃すれば危なかった。

 しかしそれはなのはの命を救うと同時に、最大のチャンスを逃してしまう事と同意義であった。

「トーレ!」

「ああ!」

 中途半端に放たれたバインドなどティアナは一瞬で解除してしまう。

 更にフェイトと戦っていたトーレも何時の間にかティアナの傍にやってきていた。 どうやら完全にフェイトを振り切ったらしい。

「あっ!?」

「くうっ! これならどうや!!」

 こちらの動揺をついて一気に2人が離脱していく。

 そうはさせんと阻止しようとはやてが魔法を放つが、突如ティアナとトーレの姿が掻き消えてしまう。

「な!? 幻影やて!」

 よく見れば、5つの方向にティアナとトーレが5人ずつになって全速で離脱している様が見える。

 完全に失念していた。 ティアナ・ランスターの使える魔法に幻術がある事を。 さっきまでの戦いで自分達が知っている魔法が1つも出てこなかった事から、幻影も使えないと思っていたのが失敗である。

 幻影を駆使して一気に離脱。 2人が体勢を整える頃にはティアナとトーレ、援護攻撃に入った人物達の姿は何処にもなかった。

「シャーリー、追跡は?」

『すいません。 ロストしました』

 念の為、司令室に問いかけてみるが、やはり返ってきたのはロストしたと言う事。

 やはり特殊な転移魔法などを使っているのだろうか? 疑問は尽きる事がない。

 そして何よりも、何故生きていたティアナが敵にまわってしまったのか? それが一番知りたい事であった。

「ティアナ……」

 なのははただ茫然と彼女の名前を呟くだけであった。



 リリカル×アセリア SCENE06 空陸激突 END
                          →
                           NEXT SCENE07 嵐の前
520リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/12/26(水) 01:50:15 ID:18wH72gk
投下終了。
多大な支援感謝です。 次回はインターバルになります。
というかいい加減、早くユウト達を書きたいな……。
521リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/26(水) 01:53:04 ID:wR8W9QMm
gj
八分後投下おk?
522名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 02:03:14 ID:oal+7UTN
OK!支援!
523リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/26(水) 02:03:38 ID:wR8W9QMm
投下しますです

二十三話 雷光Bパート

「はあぁぁぁぁあ…」
「…!」

エリオは拳に雷を纏わせ、渾身の力を込める。
ガリューは身を低くし、腕の刃を構える。

「…!!」
「おおおおおおおおおお!!」

二人は猛スピードで突撃し、お互いの必殺の一撃を繰り出した。

「…!!!」
「紫電一閃!!」

二人はお互いの技を激しくぶつけ合う。

「おおおおおおおおおお!!」
「………!?」

そして勝利したのは…エリオだった。
エリオの紫電一閃がガリューの刃を折り、体に拳を叩き込んで大きなダメージを与え、ガリューを戦闘不能にさせたのだった。

そして、召喚獣同士の戦いも決着が着きつつあった。

「ハクテンオォォォォォォォォオ!!」
「ヴォルテェェェェェェェェェル!!」

ハクテンオーは腹部から光線を発射し、ヴォルテールは翼から爆炎を発射する。
二体の攻撃のぶつかり合いは互角であるかに見えたが、勝利はヴォルテールに傾く。
ルーテシアを救いたいという思いがキャロに勝利をもたらしたのだ。

「あああああああああああ!?」

全ての勝敗が決した後、ルーテシアは再び雄叫びをあげ、意識を失う。

「ルーちゃん!?」

キャロはルーテシアに駆け寄り、彼女を抱き起こす。
幸い脈は有り、何処にも異常は見受けられなかった。
キャロはルーテシアを救ったのだ。

「良かった…」

キャロは案緒し、胸をなでおろした。
524リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/26(水) 02:04:15 ID:wR8W9QMm

【スカリエッティアジト 素体保管室】
「ライオット!」
『Riot Blade.』

フェイトはライオットモードを起動し、自分を閉じ込めていた黒い光を切り裂く。
だがスカリエッティの表情から余裕は消え無かった。

「それが君の切り札か…成程、AMF状況下では消耗が激しそうだ…
だがここで使ってしまって良いのかい?ここで私を倒しても、ゆりかごも私の作品達も止まらないんだよ?」
「何?」
「プロジェクトFの応用は便利なものでねぇ…私のクローンを十二人の戦闘機人達全員に仕込んである。
どれか一人でも生き残ればすぐに復活し、一月もすれば私と同じ記憶を持って蘇る。」
「馬鹿げてる。」
「アルハザード時代の当事者としては、常識の技術さ。つまり君は各地に散った十二人全員の戦闘機人を倒さねば、私の計画を止めることは出来ないのさ!」

スカリエッティは再び黒い触手を召喚し、フェイトを拘束する。

「くっ…」
「さあ、絶望したかい?君と私はよく似てるんだよ。
私は自分で作り出した生体兵器。
君は自分が見つけ出した反抗出来ない子供達。
それを自分の思うように作り上げ、自分の目的の為使っている。」
「黙れ!」
「君はあの子達に自分に逆らわないように教え込み戦わせている。
私もそうだしプリシアもそうだ。
周りの全ての物は自分の道具にすぎない。
そのくせ君達は自分の愛情が薄れるのには臆病。
プリシアもそうだった…君もいずれそうなる…」
「黙れ!黙れ!」
「間違いを犯す事におびえ、薄い絆にすがって震え、そんな人生など無意味だと思わないかね?」
「あ…ああ…」
「ふっふっふっふ…」
『『違う!』』
「…!」

スカリエッティが展開していたモニターから、エリオとキャロの声がフェイトの耳に響いた。

『フェイトさんは何も間違っていない!」
『不安なら私達が付いています!困った時は助けに行きます!』
『もしも道を間違えたら僕達がフェイトさんを叱って、ちゃんと連れ戻します!』
「あ…」
『僕達が…皆がついてる!」
『だから負けないで!迷わないで!』
『『戦って!!!』』
「…」
525リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/26(水) 02:04:59 ID:wR8W9QMm

(BGM・Pray)

『Get set.』
「バルディッシュ…オーバードライブC…」
『Sonic Drive.』

フェイトのバリアジャケットからマントが取れ、服装が身軽になっていく。
そしてライオットフォームのバルディッシュが二刀流になり、ライオットザンバーモードになる。

「ごめんね、ありがとうね。エリオ、キャロ。
無駄な事なんて無いんだよね・・・
私は弱いから迷ったり、でもきっとずっと繰り返す。
だけど、因果。それも、全部私なんだ。」

【アジト司令室】
「魔力値が増大…!?」

ウーノの身体を突如バインドが拘束する。
そして、ヴェロッサが猟犬達と共に姿を現した。

「探しましたよお嬢さん…スカリエッティのもう一つの頭脳であり、十二人の戦闘機人の指揮官、ナンバー1・ウーノ…君の頭の中、ちょいと査察させてもらうよ。」

【アジト地下】
「烈風一陣!」

地下でもシャッハがセインの撃破に成功し、勝利を収めていた。
これで残るナンバーズは、半数以下となったのである。

【素体保管室】
「はあぁぁぁぁあ!!」
「!?」

フェイトは高速で移動し、瞬時にセッテを撃破する。

「ライドインパルス!」

残ったトーレはライドインパルスを起動し、フェイトに応戦する。
速さと力は互角…だが今のフェイトに迷いは無い。
フェイトは次第にトーレを圧倒し、二つの剣を合身させて巨大な剣に変える。

「はあぁぁぁぁぁぁぁあ!!」

フェイトは光の剣を振るい、トーレを打ち飛ばした。
トーレは壁に激突し、意識を失う。
そしてフェイトは残ったスカリエッティに切りかかり、スカリエッテイはグローブで攻撃を防御する。
しかし、小さなグローブでフェイトの全力を受け止めることなどできるはずも無く、次第に圧倒されていった。

「おおおおおおおおおおお!!」
「フツフッフッフ…あーはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!良い気になるな愚か者共!!
私に倒されれば幸せだったものを…貴様らは神に見放された…可哀想になぁ…」
「!?」
「死ぬ!死ぬ!死に絶える!!一人も残らないぃぃぃぃぃぃい!!ヒャーッハッハッハッハッハッハ!!」

フェイトはそのままスカリエッティを剣で叩きつけ、気絶させた。
フェイトはその後ザンバーを下ろし、顔をしかめた。

「神…スカリエッティをあれだけ狂気に満たす者…そいつがおそらくこの事件の真の黒幕…一体誰?」
526リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/26(水) 02:05:27 ID:wR8W9QMm

【廃ビル1内部】
「連絡があったわ…今動いているのは船の中の四番と、アンタだけだそうよ。あんたの事情は知らないけど、罪を認めて確保されれば、まだ生きなおすことは出来ると思う。」
「んな訳ねえ!あたし達は戦闘機人、戦うための兵器だ…戦う以外の生き方なんて…ねえんだよ!!」
「バカ!」
「!?」
「戦う為の平気だってさ、笑う事も優しく生きる事も出来るわよ。
戦闘機人に生まれたけど誰よりも人間らしく馬鹿みたいに優しく、一生懸命生きてる子を私は知ってる。」
「…」

ノーヴェはこの後、投降し、管理局に保護された。
そして遠くない将来、チンク、セイン、オットー、ノーヴェ、ディエチ、ウェンディ、ディードの七人は、自らの理念を変える人物と出会い、様々な経験をしていくことになる。
だが、彼女達はまだそれを知らなかった…

そしてこの時点で、残った戦闘機人はクアットロのみとなった。

【ゆりかご最深部】
「まったく…どの娘も使えないわねぇ…」

クアットロは眼鏡を外し、髪を下ろす。

「ま、私がいれば何とかなります。ね、ドクター?」

クアットロは自分の下腹部を押さえる。

「向こうの切り札ももうじき潰れますしねぇ…」

【廃ビル3屋上】
『EVOLUTION』
「ヌン!」

カリスはワイルドカリスに強化変身し、ワイルドスラッシャーでグレイブに切りかかる。
能力は圧倒的にワイルドカリスのほうが上ではあったが、グレイブは互角に勝負を進めていた。

「チッ…」
「悪いが、俺は性能差で負けるほど…未熟じゃないんだよ!」

グレイブはグレイブラウザーでハイグレイドシンボルを切りつける。

「グッ…!」
「終わりだ…」

グレイブはラウズトレイを展開し、「マイティグラビティ」のカードを引き抜く。

「面白い…」

ワイルドカリスもワイルドスラッシャーをカリスアローに合体させ、ハートの十三枚のベスタを合体させて「ワイルド」に変化させる。
そして二人はお互いのラウザーにカードをラウズした。

『WILD』
『MIGHTY』
「「おおおおおおおおおおおおおおお!!」」

ワイルドカリスは緑色の光線を発射し、グレイブは重力の剣で光線に応戦する。
二つの技のぶつかり合いは周囲の建物を破壊し、辺りは爆風に包まれた。

『ゆりかご』機動ポイント到達まで…あと1時間35分
527名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 02:06:24 ID:ODY7zF9O
ホームラン支援
528リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/26(水) 02:07:05 ID:wR8W9QMm
投下終了
今回歌詞がなかったのは作者が挿入歌を持っていないからっす…お許しを…
色々削りすぎでしたが次回いよいよ最終回一話前。
お楽しみに!
529黒い影:2007/12/26(水) 02:30:28 ID:ncXO9t3U
GJ!
私も投下の用意がもう少しで整います。
投下、OKですか?
530Strikers May Cry:2007/12/26(水) 02:32:59 ID:62YalX9T
まったく皆がんばりすぎだぜ……実にGJだ。
黒い影氏、もちろん支援しますよ。
531黒い影:2007/12/26(水) 02:35:16 ID:ncXO9t3U
それでは…投下。

魔法少女リリカルなのは.EXEStS


第一話


深い森の一角で天高く黒煙が立ち昇る。

そこにあるのは少し前までは研究施設と呼ばれていた建物。

だが今は、見る影も無い程に崩れ落ち、燃え盛る業火がそこに在る全てのものを焼き払っていく。

今以て燃え続けるそこで、フォルテは瓦礫の上に腰掛け、自身が起こしたこの惨状を静かに眺める。

現在の彼の格好は擦り切れたボロマントを羽織っており、その横には普段頭部を覆っている黒いヘッドパーツが鎮座している。

それによって顕わになった長い銀髪が炎に照らされて輝いている。


「脆すぎる……こんなものか…」

フォルテは不満の声を零すと共に周囲に眼を向ける。

その視線の先には、煤や埃で薄汚れた白衣を着た研究員や警備員らしき人間が何人も倒れ伏している。

時折うめき声が聞こえるが、全体としては静かだ。
532黒い影:2007/12/26(水) 02:36:36 ID:ncXO9t3U
彼が初めてゼストとルーテシアの二人と出会って数年。

簡単な治療を受けたフォルテはここが異世界だと聞かされ驚愕した。

知識としては知っていたが、まさか自分がそこに飛ばされるなど思いも寄らなかったからだ。

自分の世界の事を語った。

発達したネットワーク社会、電脳世界とネットナビ、電脳獣、etc……。

彼にしては珍しく色々なことを説明した。

傷を癒し元の世界での様に各地を彷徨うかと思ってたが、拾われた借りもある為それ以来、彼らと行動を共にし、手を貸している。

今回この研究施設を襲ったのもその為で、以前にも幾つかの施設を壊滅させている。
533黒い影:2007/12/26(水) 02:37:11 ID:ncXO9t3U
休息を取っていたフォルテの前に、唐突に通信ウィンドウが現れる。

『フォルテ』

相手は別行動を取っているゼストからだった。

声の感じからして、随分と緊迫しているようだ。

『ルーテシアが一人で出かけた。探し物が見つかったらしい』

「……『レリック』か。またあの男の指示か…くだらん」

フォルテの不平にゼストは「そう言うな。あの子の母親のためだ…」と言い。

『既にアギトが向かったが、管理局も動いているからどうなるか解らん…。すまんが、向かってやってくれ』


アギトと言うのは、とある研究所で拾った赤い髪と青い翼を持った小人の少女。

『烈火の剣精』の二つ名を持つ古代ベルカ式の融合騎のことである。

自分の名前を思い出せないのでお嬢―――ルーテシアに名前を付けてもらい、彼女に一番懐いている。

そのため、よくお嬢の事を心配しており、今回率先して動いたのもその所為だろう。


ゼストのその頼みに俺は目を閉ざし、思案する。

(あの男―――スカリエティの指示というのが気に食わんが、だが………)

直ぐに断るが、あのお嬢が関わってくると少し悩む。

お嬢がレリックを探す理由もそうだが、何より借りがある。なら……。

「…………解った、動いてやる。場所はどこだ」

俺はお嬢の居場所を聞くと通信を切り、準備を始める。

隣に置いていたヘッドパーツを被り、地面に黒紫の光を放つミッドチルダ式の魔方陣を展開。

座標を固定。転移魔法を発動し、移動する。

さあ、管理局よ。俺の心を―――渇きと飢えを満たしてみせみろ。
534黒い影:2007/12/26(水) 02:40:40 ID:ncXO9t3U
投下終了。
フォルテに一部オリジナルを加えてみましたが、どうでしょう?
六課との戦闘は次に持ち越しです(スイマセン)。
535Strikers May Cry:2007/12/26(水) 02:44:29 ID:62YalX9T
まだ様子見的展開に期待大GJ。
しかし出会って数年って事は会った当初はルーテシアかなり幼かったって事ですね。
536黒い影:2007/12/26(水) 02:51:07 ID:ncXO9t3U
>>535
そうなりますね。フォルテにとってお嬢は歳の離れた妹って感じです。
フォルテ、コサック博士に造られて十数年は生きてますから。
537リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/26(水) 02:55:50 ID:wR8W9QMm
GJ
フォルテの活躍に期待します
アニメでは余りにもアレだったんで
538名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 03:13:20 ID:ZSjFJ/WO
デューオの使者に勝利した後、行方不明のまま終わったっけ?
539黒い影:2007/12/26(水) 03:17:34 ID:ncXO9t3U
>>537
確かに、アニメでは存在薄かったですね。
最初、出てきた時も直ぐにゴスペルに食われちゃいましたし。
>>538
だったと思いますよ。

ところで、ゲットアビリティプログラム(以降、G・A・P)で誰の魔法をコピーしようか決め悩んでます。
欲しいところとしたら、シグナムとフェイトorエリオの魔力変換資質か白い魔王(冥王?)の砲撃ですけど…。
他にはなにがいいでしょう?
540名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 04:33:35 ID:jbAM/d+/
ライダー氏はもうちょっと専門用語の解説とかも入れながら進めてほしいかな?
一応仮面ライダーは好きで見てましたが、当方そんなに専門的な知識は無いので、なんとかシンボルとかベスタとか書かれても?って感じです。
雰囲気から大体は解りますが、多分原作を見てなかった人にはさっぱり伝わらないと思いますので、その辺を改善すると更にレベルアップです。
まあなにはともあれGJ!

黒い影氏はライダー氏の投下からもう少し待った方が良かったように思います。
541名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 07:39:40 ID:X4R6XqqX
>>539
それは今後の展開を左右しかねないことなので、貴方が考えなければ意味ないと思いますよ
542戦国の鉄の城:2007/12/26(水) 09:38:16 ID:TCoexDAc
お二人ともGJ!
>>528
えぇ、Prayを聴きながら見てましたとも。
もうすぐ最終回かー・・・楽しみなようなー・・・寂しいような。

>>534
懐かしいなぁ。エグゼ4でフォルテにボッコボコにやられたっけ(何
とと、フォルテがどう動くのか、楽しみにしてますよー。

で、いきなりっつっちゃあ何ですが自分も五分後に投下させていただきます。
543名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 09:41:01 ID:hP7cNEOU
おお、支援します。
544戦国の鉄の城:2007/12/26(水) 09:44:35 ID:TCoexDAc
では、投下したいと思います。
俺が思うに、BASARAの忍は空気を完全にぶった切る(ぇ
545戦国の鉄の城:2007/12/26(水) 09:45:04 ID:TCoexDAc
魔法少女リリカルBASARAStS 〜その地に降り立つは戦国の鉄の城〜

第六話「その日、機動六課。そして崩れ落ちる城(前編)」


忠勝は六課のヘリポートに立つ。
どうやら何かの警備らしい。どちらにしろ自分は居候の身なので行けない。
「じゃあ・・・忠勝さん、ヴィヴィオを・・お願いね。」
なのはとフェイトが少し寂しそうにヘリという空を翔る船に乗る。ヴィヴィオも寂しいのだろう顔が不安で染まっている。
しかしこれも仕事。三人もよくわかっているはずだ。このままでは埒が明かないので、心を鬼にしてヴィヴィオを連れてその場から去った。
「忠勝っ・・・」
ヴィータが何か言いそうだったのをシグナムが止める。
「言うな。本多も・・・辛いんだ。」
皆が乗ったヘリは管理局地上本部へと向かった。予言が現実になるまで・・・あとわずか。
546戦国の鉄の城:2007/12/26(水) 09:46:15 ID:TCoexDAc
有名な管理局員が集まる管理局地上本部。
ニュース番組にてレポートが始まり、現場にいけなかったメンバーはそれぞれの思いでモニターに目を向ける。
「公開意見陳述会開始まで、あと三時間を切りました。本局や各世界代表による、ミッドチルダ地上管理局の運営に関する意見交換が目的のこの会議。
波乱続きとなることが珍しくなく、地上本部からの陳述内容について注目が集まっています。今回は特に、かねてから議論が絶えない、地上防衛用の迎撃
兵器「アインヘリアル」の運用についての問題が話し合われると思われます。」
忠勝も、モニターに眼を向ける。ヴィヴィオは今、アイナが相手をしてくれている。
「陳述会の開始まで、ライブの映像とともに、実況を続けていきます。」
忠勝は立ち上がり、何もないことを祈りながら外に出ることにした。
外に出ると、隣からこの世界にいるはずのない見知った男が現れた。その男は巨大な錨を持ち、真剣な面持ちで忠勝に話しかけた。
「いよぉ、戦国最強本多忠勝さんよ。今日はなンか重要な日らしいな。」
男の名は長曾我部元親。戦国の世では何度か戦ったことがある。忠勝は槍を構えた。
「おいおい、ここで戦闘したってしゃあねぇだろ。一応俺はアンタに話をしにきた。風魔もいるんだがな、怪我をしちまってて来れねぇ。」
忠勝は槍を下ろし、また誰もいない門へと顔を向けた。向けたというよりかは、睨んでいる。
嫌な予感が彼の頭から離れなかったのだ。だからこうして、門の向こう側から映える太陽を眺める。
それぐらいしか気を紛らわすことができなかった。
「それで・・・俺達がこの世界に来た理由・・・ちょっとずつ・・・憶測だがわかってきたぜ。」
「!?」
「まぁ落ち着け・・・。俺等より前に生死不明になったやつ等がいてよ・・そいつらが関係してるみてぇだ。」
自分達より生死不明になった武将・・。
考え込んでからしばらく経ったあと、忠勝はハッとしたように元親の顔を見る。
「そうだ・・・魔王のオッサン・・・織田信長、その配下・・・明智光秀。この二人は本能寺で明智光秀が謀反を起こし、崩れ去る本能寺の中で
斬り合ってたのを最後に、サッパリ姿形消えちまった。」
その話は自分も知っている。
炎で焼け落ちる本能寺の中で斬り合ってた魔王と悪臣。崩れ落ちた本能寺の瓦礫を掃除しても遺体すらなかったという。
残るはずの武器も消えていた。つまり、もしかしたら自分達より先にこの世界に来たのかもしれない。
「・・・で、この世界に来てから知ったんだが・・次元震っつーもんがあるらしいぜ。一見普通の地震と変わらねぇがその地震によって次元と次元を
繋げる穴がポッカリと開いちまうことなんだ。多分、あの二人の大きすぎる邪気に引き寄せられたんだろう。偶然にも謀反の時に、地震が起こったという証言も聞いた。
で、その二人があっちに行っちまったことで・・・なんつーんだ。その穴がゴチャゴチャになっちまって、穴ができやすくなって・・あとは知ってのとおりだ。」
その話を聞いても一つ納得がいかない。
何で元親は自分がここにいることをわかったのか。自分の存在は特定の人以外は秘密のはずだし、何よりこの世界に慣れてないはずの元親がそんなことを知ってるのか。
忠勝はわずかに赤く光る眼で元親を睨みつける。大体の内容を理解した元親はため息をついて説明する。
「聖王教会だかなんだかしらんが、そういうとこに拾ってもらった・・そういうわけだ。」
忠勝は、少し同情した。
547戦国の鉄の城:2007/12/26(水) 09:47:34 ID:TCoexDAc
「IS発動、ランブルデトネイター。」
「遠隔召喚・・・開始。」
そのころ地上管理局本部では、惨劇が起こっていた。
爆発音が響く。倒れていく人たち。進入するガジェットドローン。
その数は軽く1000を超えている。
中にはまだ人が残っている。走るフォワードメンバーとヴィータ、リィン。
「本部に向かって・・航空戦力・・・!?速い・・・!!」
「ランク・・推定オーバーS!!」
ロングアーチからの連絡を聞き、ヴィータは走りながらリィンを呼ぶ。
「そっちは、あたしとリィンが上がる!!地上は、こいつらがやる!!」
ポケットから待機状態のシュベルトクロイツとレヴァンテインを取り出し、ティアナに渡す。
「こいつらのことを・・・頼んだ!」
「届けてあげてくださいです!」
「「「「はい!」」」」
スバル達と別れるヴィータ。
ヴィータは赤い光、リィンは蒼白い光となり、一つになる。
「ユニゾン・イン!」
普段の真紅に染まったゴスロリ風のバリアジャケットが生成されてからバリアジャケットが純白へと染まる。
ユニゾン・インしたヴィータとリィンは、まだ見ぬ敵の元へと飛んでいく。そして
「ギガントハンマー!!」
「外したです!」
雲が消えたその空に浮かぶは茶髪だった男。今は髪が金に染まり、赤き眼光をヴィータにへと向ける。
その男の名は、ゼスト。
そしてその騒ぎの中、別々の場所でガジェットドローンが出てくるはずの魔方陣からは、二つの人影が出ていた。
548戦国の鉄の城:2007/12/26(水) 09:49:09 ID:TCoexDAc
一方ーー
「うわぁぁ!」
突然の襲撃者の攻撃に吹き飛ぶスバル。
ティアナ達は桃色の魔力に囲まれ動けない状態となっていた。
「ノーヴェ、作業内容忘れてないっすか〜?」
ノーヴェと呼ばれたスバルによく似た赤髪の少女はそっけない態度で返事をする。
「うるせーよ。忘れてねぇ。」
奥から出てきた大きなサーフボードのような機械を持った少女、ウェンディがからかうように語る。
「捕獲対象三名。全部生かしたまま持って帰るんすよー?」
「・・・旧式とはいえ、タイプ0がこれくらいでつぶれるかよ。」
「・・・・戦闘・・・・機人・・・」
その二人の少女の姿を見てポツリとつぶやくスバル。
「ふっふーん?あたし達だけじゃないっすよー?」
その背後には無数のガジェットドローン。
「絶対絶命ってやつね・・これは・・・。」
ティアナが敵を思い切り睨みつけながら銃口を向ける。
「それでも・・やらなきゃいけない・・・」
ストラーダの切っ先を向ける。
「それが・・・私達の今やるべきこと!」
「キュクルー!」
ケリュケイオンを桃色に光らせ、戦意を見せるキャロとフリード。
「ちっ・・・。だったら!」
まず先手を切ったのはノーヴェ。黄色のウィングロードを発動させてスバルへと突撃。
「くっ・・・!」
スバルも突撃。そして拳と拳がぶつかり合う。すぐさまスバルは離れ、その離れた隙をついてティアナが射撃。
ノーヴェは回避して後ろに回りこみ、ティアナに蹴りを喰らわせようと、突撃する。
ティアナに当たったと思ったらティアナの姿は光の塵となって消えた。
「・・・幻影!?」
蹴りの衝撃であたりに砂塵が起こり、ウェンディが眼球に内蔵されているカメラであたりを見ると、四人ではなく、
数十人に増えたスバル達であった。
「うっそぉ!?・・なーんてね!」
一見成功したかに見えたこの作戦、だが二人の少女の悲鳴によって失敗に終わる。
「きゃあぁぁぁ!!」
「このっ・・・はなせぇ!」
ガジェットドローン参型の機械の触手に捕らえのは幻術を発動させていたティアナ、キャロの二人であった。
殴りかかろうとしていたスバル、切りかかろうとしていたエリオはその悲鳴によって動きを止められた。
「策を作るときは常に相手の裏を突け・・・。松永のおっちゃんが言ってたことがこんなとこで役に立つとはな。」
「さぁ、人質もいることだし、ついてきてもらうっすよ〜?」
本当に絶体絶命かと思われたその刹那、手裏剣がティアナとキャロを捕らえていた触手を切り裂いた。
爆発の砂塵の中、スバルが目にしたのは見覚えのある赤髪。
「風魔・・・さん?」
その名を呟いた瞬間、その赤髪の人影の中心の砂塵が晴れる。そこに立っていたのは迷彩服を着ていた男。
手には少し大きい手裏剣が二つ。
「悪いけど、俺伝説の忍って呼ばれるほど働くの好きじゃないのよね〜。ま、俺のほうがいい男だろ?」
その男を殺気を込めた目つきで睨み、構えるノーヴェ。
「・・誰だ。」
並の人なら逃げ出しているであろうその殺気を受けても不敵に笑うと手裏剣をヨーヨーのようにもてあそぶ。
数秒すると男の眼光が鋭くなっていた。
「人呼んで猿飛佐助。さぁーて、お前に俺の動きが見切れるかな?あ、言っとくけど一人じゃないよ?」
「何?」
その瞬間、装甲がボコボコにへこみ、上半分が引きちぎられたガジェットドローンの残骸が吹き飛んできた。
残骸を見て目を見開き、驚愕するノーヴェとウェンディ。
「フン・・・これしきで我に挑むとは・・・片腹痛いわ。」
奥から現れたのは人間にしては大きすぎる身長、体格をした男。片手にはボロボロになったガジェットドローンが握られている。
「我が名は豊臣秀吉・・・。貴様等は我を楽しませてくれるのだろうな・・・?」
二人の武将が、並んでノーヴェ達二人を睨む。

「・・・あ、お嬢ちゃん達早く行ってくれないかな?」
「あ・・・はい!撤退ー!!」
突然の乱入者にわけがわからないままスバル達は隊長の下へと走る。
549節制の14 ◆6EgzPvYAOI :2007/12/26(水) 09:49:21 ID:8X3VeSeE
>539
他のロックマンシリーズから取ってくるとかどうだろう。
今流行のエアーマンとか。
550戦国の鉄の城:2007/12/26(水) 09:50:57 ID:TCoexDAc
投下終了。
「イケる!」と思ったHEROはとりあえずミッドチルダに送っておく。
後半はだいたい完成してるので、早ければ夜投下するかも。
551節制の14 ◆6EgzPvYAOI :2007/12/26(水) 09:54:18 ID:8X3VeSeE
>550
乙。

秀吉……ああ、ショタな竹中半兵衛とラヴいと噂の?

そして信長が……某ハッタリのせいでパッツンパッツンの界渡り判別装置が最初に浮かんでしまう……
552戦国の鉄の城:2007/12/26(水) 09:57:05 ID:TCoexDAc
>>551
ショタというよりは仮面舞踏会です。
仮面被って蛇腹剣持って・・ゲフンゴホン
服の色変えればナポレオンです(何
553名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 10:04:20 ID:6SJzj+SF
GJ。
その内、戦国時代に武将がいなくなるんじゃないかと思うほど沢山来てるなwww
554名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 12:17:56 ID:C4R0zjlK
さて、そろそろ新スレの季節ですね
555名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 12:22:54 ID:inEdHCsx
早いなー、もうそんな時期か
556リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/26(水) 12:40:17 ID:wR8W9QMm
新話できたぜぇ…投下おk?
557マスカレード ◆gFOqjEuBs6 :2007/12/26(水) 12:46:05 ID:rtb4T82X
支援します!

といっても、今からすぐ用事で出掛けるので感想はまた後ほどになりますが……
558名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 12:48:06 ID:C4R0zjlK
現在489KB支援
559リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/26(水) 12:49:01 ID:wR8W9QMm
二十四話 ファイナル・リミットAパート

【廃ビル3屋上】
「勝負は着きそうに無いな…」
「クッ…」
「俺はこれで引き上げるとしよう…さらばだ…」

グレイブはテレポーテーションを使い、姿を消した。

「逃がしたか…」
「始!」

膝を着いているワイルドカリスの前に、Jフォームになったギャレンが降りてくる。

「橘…」
「どうしたんだ?志村は?」
「橘、落ち着いて聞け。」

始は、志村が白いジョーカーであったこと、そしてバニティカードを盗み、スカリエッティに協力していたことを話した。

「志村が…そんな…」
「奴はバニティカードとグレイブを奪うため、お前に近づいたんだ。」
「そうだったのか…俺がもっとしっかりしていれば…!」
「橘さーん!」
「ん?」

ギャレンは自分の名前を呼ぶ声を耳にし、屋上から下を見る。
下には足を負傷し、クロスミラージュ・ザッパーモードを持っているティアナの姿があった。

「ティアナ!」

ギャレンはビルから飛び降り、ティアナの前に着地する。

「足、怪我しているな…」
「こんなの、かすり傷です。それより…状況は?」
「依然として最悪だ。戦闘機人は殆ど片付いたものの、まだガジェットが残っている。俺達は再び迎撃に回らなければならない。」
「そうですか…ならあたしも…?あ…れ…?」

ティアナは急にめまいを起こし、意識を失う。
ギャレンはティアナを抱きとめ、顔を覗き込んだ。

「モード4の反動か…これだけの傷を負ってモード4を起動したんだ。疲れて当然か。」
「ティアナアァァァァァァァァァァァア!!」
「ん?」

ギャレンは凄まじい叫びを聞き、後ろを振り返る。
そこにはグリンクローバーを爆走させ、こちらに向かってくるレンゲルの姿があった。

「睦月…」
「わあぁぁぁぁぁぁあ!橘さんどいてえぇぇぇぇぇえ!!」

レンゲルはグリンクローバーに急ブレーキを掛け、停車させようとした。
だが健闘空しく間に合わず、グリンクローバーの車体はギャレンに直撃する。
560Strikers May Cry:2007/12/26(水) 12:49:18 ID:62YalX9T
支援です。
しかし最近ほんとうに投下が多いですねGJを送る間もないっすよ。

もう嬉しい限りです。
561リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/26(水) 12:49:47 ID:wR8W9QMm

「うわあぁぁぁぁぁぁぁあ!!」

ギャレンは物凄い勢いでかっとび、近くの建物に激突した。

「睦月いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃい!!」
「ごめんなさあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!」

【ゆりかご内部 王座の間】
「ヴィヴィオ…」
「勝手に、呼ばないで!」

ヴィヴィオは手から光弾を発射し、なのはを攻撃する。
なのはは光弾を回避し、ヴィヴィオの後ろに回りこむ。
そしてヴィヴィオを止めるため、チェーンバインドでヴィヴィオを拘束するが…

「こんなの…効かない!」

ヴィヴィオはそれをあっさり打ち破り、拡散型の光弾をなのはに向けて発射した。

「くっ…」
『Round Shield』

なのはは強化型のシールドを張り、それを防ぐ。

「この…!」
「ブラスター2!」
『Blaster 2nd.』

なのははブラスターモード2を起動させ、周囲に三体のブラスタービットを出現させる。
ブラスタービットは先程より強力なバインドをかけ、さらにピラミッド状のシールドをヴィヴィオの周りに張ってヴィヴィオを拘束するが、なのはの体は、自然に負担を重ねていく。

【ゆりかご最深部】
「あはははは、やっぱり〜。陛下〜、その悪魔が使ってるパワーアップ、どんどん使わせちゃって下さい〜。ブラスターとやらの正体は、術者が耐えうる限界を遙かに超えた自己ブースト。
撃てば撃つほど、守れば守るほど、術者もデバイスも命を削っていきます。うっふふ。優秀な前衛がいて、後先考えない一撃必殺を撃てる状況なら、そりゃまぁおっかないスキルなんでしょうけど…こんな状況では、役に立ちませんよね…」

【王座の間】
「これは…もう覚えた!」
「!?」

ヴィヴィオはバインドを引きちぎり、シールドを殴り壊す。
そして、ダメージを追っているなのはに躊躇いも見せず殴りかかった。
562リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/26(水) 12:50:54 ID:wR8W9QMm

【地上本部 レジアスの個室】
「同行を願います。」
ゼスト「断る。ルーテシアを救いに戻り、スカリエッティを止めねばならん。」
「スカリエッティと戦闘機人たちは既に逮捕。ルーテシア・アルピーノも、私の部下たちが保護するべく動いています。」
「そうか。…ならば俺の成すべきことは、後一つだけか。」
「旦那!!何故!!」
「じっとしていろ!!」

ゼストは槍を構え、鋭い眼光を放つ。

「やめとけ、ああいう命知らずのバカは、何言っても聞かないんだ。俺はそんな奴を何人も見てる。」
「うう…」

アギトは大介に諭され、大介と共に後ろに下がる。
そしてシグナムはレヴァンティンを構え、ゼストと再び合間見えた。

「夢を描いて未来を見つめたはずが、いつの間にか、随分と道を違えてしまった。本当に守りたいものを守る……ただそれだけのことの、なんと難しいことか…」
「…」
「行くぞ…」
『Grenzpunkt freilassen!(フルドライブ・スタート)』
「紫電…一閃…!」

二人はそれぞれの必殺技を使い、一斉に走り出す。
そして、すれ違いざまにお互いの最強の刃を振るった。

「…」

シグナムはリボンが切れ、ポニーテールに結んでいた髪が下ろされる。
そしてゼストは…

「ぐっ…あ…」

体を炎の刃で斬り付けられ、その場に倒れ伏した。

「旦那あぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
563リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/26(水) 12:52:49 ID:wR8W9QMm
………
「俺の知る限りの事件の真相は、この中に納めてある。」

ゼストはデータチップをシグナムに渡す。

「お預かりします。」
「気を付けろ…この戦い、背後に計り知れない邪悪な意思を感じる。」
「邪悪な意思?」
「ああ、おそらくスカリエッティの背後に居るもの達だろう…だが、俺も詳細は分からん。」
「そうですか…」
「それと…アギトとルーテシアのこと、頼めるか?巡り合うべき相手に、巡り合えずにいた…不幸な子供だ。」
「旦那!!」
「アギト、おまえやルーテシアと過ごした日々。存外、悪くなかった。」

ゼストは窓の外の空を見上げる。

「…いい空だな。」
「はい。」
「うん…」
「俺やレジアスが守りたかった世界。おまえたちは、間違えずに進んでくれ。」

ゼストはそう言い終えると瞼を閉じ、永遠の眠りについた。

「旦那〜!!!!!」
「…」

アギトは顔を両手で押さえ、泣き崩れる。
それを見かねた大介は、思わず人差し指でアギトの小さな頭を撫でた。
大介は、相棒であったゴンと一時期分かれていたこと。
そして、自分が愛し、もしかしたら今でもシグナム以上に思っているかもしれない女性、間宮麗奈を自らの手で葬ったときのことを思い出す。
大介は身を突き刺す悲しみに襲われる事を二度も味わっている。
だから、大事な人を失う悲しみが分かるのだ。

「私はこれから空へ上がる。アギト。おまえはどうする」
「あんたは…旦那を、殺した!…だけど!騎士として、誇りある最期をくれた。旦那はあんたに、あたしを託した。
だから、あんたと行く!傍にいて、見極めてやる。あんたがもし、旦那の言葉を裏切るような真似をしたら…」
「その時は、おまえが私を焼き殺せ。」
「……ユニゾン、イン!」

【ゆりかご動力部】
「ここか…」

ヴィータはW型の群れを蹴散らし、動力部に辿り着いていた。
しかし、体はもうボロボロに傷つき、もはや立っているのが不思議な状況だ。
それでもヴィータはグラーフアイゼンを振り、動力部を破壊しようとする。
だが、自分の体がそれを許さず、ヴィータは倒れ、起き上がれずにいた。

「なんでだよ…なんで、立てねぇ!こいつをぶっ壊さなきゃ、皆が困るんだ。はやてのことも、なのはのことも!守れねぇんだ!こいつをぶちぬけなきゃ!意味ねぇんだ!!」

ヴィータは最後の力を振り絞り、ようやく立ち上がった。
だがグラーフアイゼンは限界を向かえ、粉々に砕け散る。

「駄目だ…。守れなかった…。はやて、みんな…ごめん!」
「諦めんな!」
「!?」
564リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/26(水) 12:54:45 ID:wR8W9QMm

耳に力強い声が響き、ヴィータは顔を上げる。
そこには、オロチの時共に戦った盟友、歌舞鬼、凍鬼、煌鬼、西鬼、羽撃鬼の姿があった。

「久しぶりだな、生意気赤毛!」
「歌舞鬼…」
「仏の応援が…お前をここまで頑張らせた。」
「凍鬼さん…」
「後は俺達に任せるみゃ!」
「煌鬼…」
「後でなんか奢れや!」
「西鬼…」
「後は…俺達に任せろ!」
「羽撃鬼さん…」
「行くぜ野郎共!」
「「「「おお!!」」」」

五人の鬼は音撃武器を構え、動力部に音撃を叩き込む。

「音撃打・業火絢爛!」
「音撃殴・一撃怒涛!」
「音撃拍・軽佻訃爆!」
「音撃響・偉羅射威!」
「音撃奏・旋風一閃!」

五人力強い音撃は動力部に大きなダメージを与え、崩壊させることに成功する。

「や…やった…」
「偉いよ、ヴィータ。」

ヴィータの前に、リィンとユニゾンしたはやてが現れ、ヴィータを抱き起こす。

「はやて…」
「ヴィータの頑張りに…皆答えてくれたんよ。」
「…ああ。(海之…やったよ…)」

だが安心するのもつかの間、新たなガジェット達が現れ、七人を襲う。

「来たぜ!はやて!ヴィータ!後は任せろ!」
「うん!」
「頼むぞ…歌舞鬼!」
「おう!行くぜ皆!!」
「「「「おお!!」」」」

五人の戦鬼は音叉剣を持ち、群がる機兵達に切り込んでいった。

【ゆりかご最深部】
「駆動部が…けどまだ陛下がいる…ドクターの計画は終わらないわ…」

この時クアットロは気付いていなかった。
自分に破滅の足音が近づいていることに…
565名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 12:55:56 ID:inEdHCsx
ダディィィィィィィィィィィィィィッ!!?支援
566リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/26(水) 12:57:13 ID:wR8W9QMm
投下終了
ヴィータファンの皆様には少し悪いことしたかも…
相変わらず短い文章ですか、前にも話したとおり、短い文章に仮面ライダースピリッツを込め、クライマックス…そして第二部に向けて執筆していきたいと思います。
皆さん、応援よろしくお願いします。
567Strikers May Cry:2007/12/26(水) 13:06:06 ID:62YalX9T
GJ! だがもうこのスレも終わりか…ほんとうに早いな。
568名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 14:12:52 ID:fUaGSOOV
次スレ

リリカルなのはクロスSSその32
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1198645820/
569名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 15:19:46 ID:m8vgxQCL
>>568
乙ー。そして最後の埋めや
570名無しさん@お腹いっぱい。
          ..:::::::::::::::::::........
           .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::......::::::::::..  
       .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::   
       ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::  
      .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::  
      .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::   
    .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: .::::::::::::::::::::   頭冷やされる前に埋めます
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