あの作品のキャラがルイズに召喚されました part91

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1名無しさん@お腹いっぱい。
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。

あの作品のキャラがルイズに召喚されました part90
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1197086959/

まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/


    __              ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃  `ヽ  .   ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
    l lf小从} l /   ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
   ヽ_/ィヘ_)〜′   ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
             ・議論や荒らしへの反応は、避難所でやりなさい!


     _
     〃  ^ヽ      ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は
    J{  ハ从{_,      本スレへの投下で問題ないわ。
    ノルノー゚ノjし     ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず、
   /く{ {丈} }つ     本スレではなく避難所への投下をお願いね?
   l く/_jlム! |     ・クロス元が型月作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   レ-ヘじフ〜l      ・スレタイと違う内容になったり、痛い展開になったりする場合も、避難所に投下した方が無難ね。
              ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。


   ,ィ =个=、      ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
   〈_/´ ̄ `ヽ      ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。
    { {_jイ」/j」j〉      これ以上だと投下できないそうです。
    ヽl| ゚ヮ゚ノj|      ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
   ⊂j{不}lつ     ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
   く7 {_}ハ>     ・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
    ‘ーrtァー’      ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
2名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 14:40:33 ID:qSY2ALed
利用者各位はテンプレ以上に空気を読む事をお勧めします。
3名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 14:51:45 ID:9bYA8Y9h
ふーん、>1乙ですねぇ。
4名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 14:57:46 ID:vw2OCY94
くくく、>>1よご苦労だったな。乙してやろう。
5名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 15:02:07 ID:5qPdHSpn
>>3-4
なにそれ?
6名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 15:15:47 ID:O8OE5BS2
●     「こっ、こっ、こっ、こっ、こっ、この…バカ犬っ!!!」
┠〜〜〜┐ちゃんとここにいてぇ、わたしのちかくでぇ
┃  ●  ∫ ずっとわたしをい〜んつもい〜んつもみ〜んつめてなぁさぁ〜い
┠〜〜〜┘  よそみしてたでしょ、ほかのおんなのこぉ〜
┃         おしおきするのふぅ〜らりふぅ〜らりふぅ〜らちなやつうは
┃          (ん、ちゃちゃちゃちゃちゃちゃ)
┃           どんたーちきかないからねいーいーわ〜けは
┃            たちみーつ〜んかれたかぁ〜ら
┃             ね・え・かたをっかしてよっ
┃              す〜き〜よ〜ンなんてうそ〜よっ
┃               き〜ら〜い〜ンこれもうそだわん
┃                ないないないぃだめよかんちがいぃ〜〜〜〜〜っ
┃                 だからすぅきぃよっなんていわない
┃                  のんのんのんどっこかへいったら
┃                   ぜえったいにっゆるさないからねぇ〜〜〜〜ん  ・・・だぁって
┃                    ほんと〜はだれ〜よ〜りそンばンにンいンたあ〜いの
┃                     あ〜い〜の〜く〜さ〜り〜でっさんっぽっしましょ
敬礼 (`・ω・´)ゞ

7名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 15:32:16 ID:EySE4cDe
                                          ○________
                                >>1乙         |:|\\:::::||.:.||::::://|
                                              |:l\\\||.:.|l///|
                         __ ィ   ,. -――- 、     |:|:二二二二二二二 !
                        /    L /        \.   |:l///||.:.|l\\\|
                / ̄ ̄ ̄ ̄ 7 / / f  / /   l l l lハ  |:|//:::::||.:.||:::::\\|
  ト、     ,.    ̄ ̄Τ 弋tァ―    `ー /   从 |メ|_l  l_.l斗l |ヽ V |:| ̄ フ  ̄ ̄ ̄ ̄
  ヽ \__∠ -――く  __       .Z¨¨\   N ヒj V ヒソ l .l ヽ\| / /
   ヽ  ∠____vvV____ヽ   <   ≧__/ ゝ、t‐┐ ノ .|┐ ./ /
.    \\_____ivvvvvvvv|   V.    (  (  /Tえハフ{  V / /
       \!      |   / 入_.V/|      >-ヘ  \:::∨::∧   / ∠ ___
 __  |\       l/V  _{_____/x|    (_|::::__ノ   }ィ介ーヘ ./  ,. ---――
  )-ヘ j ̄} /|        /___/xx|       _Σ___/| | |V::::ノ/ ∠___
  {  V  /`7.         /___./xXハ    ( |:::::::::::::::::ハ   >' ____二二
.  \_   |/        /___l XX∧     __≧__::::::::/:∧/   `丶、
    |   ヽ        /____|]]∧  __|__L.∠ ム'  <`丶 、 `丶、
    |     ',         {     |]]]>'  __      ∧ l\ \   丶、 `
   ノ     }       l ̄ ̄ ̄.|] >' ,. '  ̄ / .// :/  V'  \ ヽ    `
  / ∧   { \      |      .|>' /      // :/ :/ :   ', l   \ ヽ  ,.-―
 入ノ. ヽ  く  ヽ______7 ー―∠__    〃  l :/    :l l     \V
`ー′   \  `<  | {      /   | /〃   :|/  __V/ ̄| ̄ ̄{
8名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 15:33:33 ID:yt3yLV38
>>1乙式高次物質化能力。
7ならスター・レッドからセイが召喚される。

アルビノってアカデミー行きになるわよとか言われるか…?
9名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 16:43:53 ID:vw2OCY94
1000 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2007/12/11(火) 16:40:49 ID:YOViTSOd
>>1000なら俺が脱ぐ
そして全裸へ!

宇宙の中心マッパダ!さんが何故か思い浮かんだ。
10名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 16:44:27 ID:W4Tl9AD4
999 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/12/11(火) 16:40:42 ID:vw2OCY94
>>1000ならG3召喚

1000 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/12/11(火) 16:40:49 ID:YOViTSOd
>>1000なら俺が脱ぐ
そして全裸へ!
 
これは今、全裸なのか。
11名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 16:51:34 ID:6jPcDWWS
よし、全裸うぷ確定だな
12名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 16:59:52 ID:GxA57szq
一々ageるなよ
13名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 17:25:00 ID:gg7EoWcM
>>1に感謝を


>>8
スター・レッドテラナツカシス。
確かに超能力者以前にアルビノだとアカデミーに狙われかねん。
しかし、ハルケギニアではアルビノは珍しいのか?
14名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 17:28:32 ID:KUHuAzAT
ID:YOViTSOdの全裸マダー
15名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 17:30:16 ID:RUDVO7iz
そろそろここで錬金術師を召還しようや
16名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 17:33:37 ID:wIX3aymX
>>15

ハガレンのエドがルイズに召喚されたようです
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1181052298/l50
17名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 17:34:17 ID:S3glyx9A
>>15
ロリコンでストーカーでフィギュアふぇち?
18名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 17:34:30 ID:MAlpLVpc
そこのスレ荒れすぎててワロタ
19名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 17:34:53 ID:1VeFTzIg
>>15
彩園すずを召喚と申したか
20名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 17:35:02 ID:RUDVO7iz
何か召還されるキャラが足りないと思ったら、メカ沢とメガトロン(G1)とバイキンマンが居たな
21名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 17:36:24 ID:wIX3aymX
>>20

バイキンマンは呼ばれてる。小ネタで。

ttp://www35.atwiki.jp/anozero/pages/3016.html
22名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 17:39:13 ID:vw2OCY94
>>15
っゼロのアルケミスト
っゼロのアトリエ
っ“微熱”の使い魔

ぱっと見てもこんだけ有るじゃないか。
23名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 17:44:02 ID:14rSiMul
魔窟堂信彦を誰か
24名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 17:52:52 ID:RUDVO7iz
ふぇに〜すも〜んじゃ〜
25名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 17:53:50 ID:yT55FZEf
ここでデーモン小暮を召喚
26名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 17:56:52 ID:pmxGQ7TH
>>25
昔聖飢魔Uで出したOVAだと
・世を忍ぶ仮の姿でもマシンガンくらいはかわせる
・体当たりで戦車破壊
・かめはめ波は基本
・軍隊?ぼっこぼこにしてやんよシュバババ
・天変地異だってお手の物
・太陽と地球を一晩で往復
とかやってた
27名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 18:01:37 ID:RUDVO7iz
じゃあマスターフォースのゴッドジンライを召還
28名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 18:08:32 ID:9bYA8Y9h
戦国エースのアインを召喚。
29名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 18:16:51 ID:N0laYzWD
5レスほどいただきます
30黄金の使い魔:2007/12/11(火) 18:17:54 ID:N0laYzWD
油断した、やはりあの鏡はスタンド攻撃だったか…
確かにさっきまで僕はイタリアのアジトにいたはずだが今いる場所はどうだ。
どちらが上か下かも分からない、いやそういった概念が無い場所と言った方がいいだろうか。
ともかく現在僕は、落下し続けている最中なのだ。それだけはハッキリと分かる。

次第に目の前が明るくなっていった空間が、意識を失う寸前に見た最後の光景だった。



なんだろう、笑い声が聞こえる。ここはどこだ?イタリアからそう離れていなければいいんだが…
ゆっくりと、全神経を集中して上半身を起こしてみる。スタンド使いが近くに潜んでいるやもしれない。
細心の注意を払う…必要は無かった。取り囲む少年少女の傍には必ずとしてスタンド像が見える。
全員がスタンド使いとは…“一手”、遅れたか。

ここから一旦距離を取らなくては。出来るだけ遠くがいい。
しかし朦朧とした意識の中次に聞こえてきた言葉は、すぐ傍にいた(多数のスタンドに気を取られて気づけなかった)
ピンク色の髪の少女の口から発せられた。

 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
  五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ……」

油断とは続くものだ。次の瞬間その少女は何の躊躇いも無く唇を合わせてきたのだ。
それがスタンド発動の条件か。

 「くッ、身体が……燃えるように熱いッ……」
同時に左手の甲に記号が刻まれるのを目に焼き付けながら、再度気を失ってしまった。
くそ…“二手”遅れた…


31黄金の使い魔:2007/12/11(火) 18:18:54 ID:N0laYzWD
次に目を覚ました時いた場所はやはりイタリアでは無かった。夢などと都合の良いようにはいかないのは充分承知。
今はこれまでの経験を充分に役立てる事が先決だ。決まっている、まずは“逃げる”だ。

 「あ、目を覚まされたんですね!」
くッ、次から次へと敵が現れる。次は何のスタンドがでてくるんだ一体。
ドアを開け入ってきたのは一人のメイド。歳は…僕に近いようだ。

 「お体は大丈夫ですか?どこか具合の悪いところはありませんか?」
やけに悪意を感じられないメイドだ。しかし注意を怠ってはならない。
予想にもしないスタンド攻撃が無いとは言い切れない。

 「ここはどこだ?」

 「ここはトリステイン魔法学院です。あ、申し遅れました。私、この学院で小間使いをさせてもらっています、シエスタと申します。
  …学院中大騒ぎでしたよ。ミス・ヴァリエールが平民を使い魔にした、っていう。」
なるほど、あのスタンド攻撃がそれか。…人一人を使い魔にするだと?馬鹿馬鹿しいスタンドだ。
発動条件はあれど制限が見当たらないあたり、非常に強力なスタンドであることは間違いないな。
それにしてもトリステイン魔法学院?・・・ふざけた名前だ。どこかの宗教団体と関係するものだろうか?
だとしたら厄介だな。国を相手にすることに繋がるかもしれない。
少なくともイタリアでは無いわけか、ここは。

ファミリーはミスタとトリッシュに参謀を任せてあるから一通りは普段通りに動いているはず。
だが急に行方を眩ました僕を探す為奔走しようとしているのかもしれない。
希望は“僕を探さない”だが、ミスタ達の性格を察すればそれは無駄だろう。
しかし闇雲な行動が危険であることはあの二人もこれまでの経験から承知のはず。

とにかく今は早くイタリアに戻る方法を見つけなければ。

鏡台に突っ伏せているさっきの女を見つけた。通常スタンドは本体を叩けば消えるはず…しかしだ。
32黄金の使い魔:2007/12/11(火) 18:19:27 ID:N0laYzWD
 1.“使い魔”とされた僕が“主人”であるこの女に手を出した時に危険が及ぶのだとしたら。
 2.無事“主人”を倒した後も“使い魔”の属性が消えず、例えば決められた領域から外に出られなくなる、等の移動制限がかけられたら。

以上二点が最大の疑問だ。不用意に手を出すべきではない。
そしてもう一つ疑問が。

 「このベッドは彼女のものだろう。何故彼女はあそこで寝ているんだ?」

 「ミス・ヴァリエールは一晩中寝ないであなたを看病していたんですよ。
  きっと疲れているんです。」
…理解できない。他人を“使い魔”にするスタンドから見れば本体の性格は恐らく支配欲の塊。
その性格があってこそあのスタンド攻撃が成立するはずだ。
ならば何故僕に対して手厚く世話をする必要がある?

しばらくして目を覚まし、むくりと起き上がった少女はこちらに詰め寄り、開口一番にこう言った。
 「ま、ま、まさか、へ、平民の人間なんかが使い魔になるなんて思いもしなかったけど
  こ、これも何かの縁だと思って諦めるわ。今日、この時よりあなたは
  このルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの使い魔なんだから。よろしくお願いね。」

 「僕は敬意を払いたくもない自分より年下の女の子の使い魔なんかになりたくないね。
  ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。」

 「名前を呼ぶならルイズでいいわ。でも使い魔の願いなんてご主人様であるこの私が聞けると思う?
  こっちだってまさか人間が召喚されるなんて思ってもみなかったわよ!
  もうどうしようもないことなんだからあなたも受け入れなさいよ、もう!!
  だいたいあなた歳は幾つなのよ!?」

そこへシエスタが止めに入った。
 「ミス・ヴァリエール。そろそろ朝食の時間です。用意をした方がよろしいかと…」
33黄金の使い魔:2007/12/11(火) 18:20:04 ID:N0laYzWD
 「ああ〜!もう、分かってるわよ。ええっと、あなた。名前はなんて言うの?
  ずっと“あなた”で呼ぶのもどうかと思うわ。名前を教えなさい。」

 「……ジョルノ。ジョルノ・ジョバーナだ。歳は15。」

 「変わった名前ね。しかも私より2つも年下じゃない、敬語を使いなさい。そもそも年上である以前に私は貴族なのよ、平民。
  まだあったわ、あなたは使い魔で私はご主人様。…3つも理由があるじゃない。」
僕より2年も先に生まれておいて常識知らずとは頭が下がるね。

 「じゃあまずは使い魔としての最初の仕事を与えるわ。ジョルノ、着替えさせて。」

 「…お断りします。」

 「言ってくれるじゃない。じゃああなたは他に使い魔としての能力を持ってるの?
  いいえ持っているわけないわよね。既に試してみたけどあなたには主の目となり耳となる能力も無いようだし、
  主が必要とする秘薬を捜してくる能力も無ければ、主を守ることも出来そうに無いわね、だってあなたは平民ですもの。
  だからあなたには使い魔としてとても簡単な仕事を与えてあげることにしたの。
  掃除、洗濯、着替えがあなたに与えられた仕事よ。文句を言わずにさっさとしなさい。」
よくもここまで噛まずにスラスラと喋られるものだ。
しかし流石に僕でも…もう限界だッ……

 「…嫌だと言っているッ!」

 「はぁ?これから誰があなたを養うのか分かってるの?
  あなたは使い魔の癖に何もせずタダ飯を喰らうつもり!?」

 「これ以上君の理不尽な話を聞き続けるのは精神的に参るね。
  どうしても言うことを聞かせたいのなら君のスタンドを使って思い通りにしてみればいいじゃないか。」
34黄金の使い魔:2007/12/11(火) 18:20:59 ID:N0laYzWD
 「何を訳のわからないことを…ああもう遅刻しちゃうじゃない!
  もう、今回だけは大目に見てあげるけど今日の夜を覚えておきなさい!誰が上で誰が下なのか再認識させてあげるわ!」

スタンドが分からない・・・?まさかそんな。いや、試してみる価値はある。

像をイメージする。天道虫をモチーフにした人型のクリーチャー、スタンド名:ゴールド・エクスペリメンスが目の前に現れる。

 「これが見えないのですか?」
静かに佇み前だけを見据えるG・Eを指差して聞いてみる。
スタンド使いならばスタンドが見えるはず。

 「何言ってるのよあなた。まだ意識が朦朧としてるんじゃないの?
  そうか、だからまだ使い魔としての認識が…」

 「ゴールド・エクスペリメンス!花瓶をアヒルに変えろッ!」
命令と同時に降り落とされる腕は正確に彼女の傍にあった花瓶を殴りつけ、ドグシャアと音を残す。
花瓶は衝撃を受けて宙に舞う。

 「きゃあああっ!あなた、人の物に何して……え?確かに花瓶は吹っ飛んだのにジョルノは一歩も動いてない…何故!?」

 「ミ、ミス・ヴァリエール、かかか、花瓶が!」

ゆっくりと、花瓶は粘土細工のように形を変えていき、やがて絨毯の上を歩き回るアヒルそのものに変化した。
アヒルから目を離せない二人はどうやら、本当にスタンド使いでは無いようだ。
G・Eに部屋内のスタンドエネルギーを感知してもらっているが、欠片ほどのエネルギーも発生しないし
スタンドを出して身を護ろうとする動作すら行われない。

 「こ、これ、なんていう魔法なの?生き物を“創り出す”魔法なんていままで見たことも聞いたことも無いわ…」
35名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 18:21:29 ID:N0laYzWD
つづく
36名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 18:21:37 ID:0TEsBfCa
【ジョジョ】ゼロの奇妙な使い魔【召喚74人目】
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1196422707/
37名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 18:22:39 ID:MAlpLVpc
姉妹スレでおやり。
38名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 18:22:50 ID:KUHuAzAT
39名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 18:23:48 ID:N0laYzWD
ミスったあああああ/(^o^)\
40名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 18:24:54 ID:MAlpLVpc
まあそのなんだwドンマイwwww
ジョルノは大好きだから向こうでも応援するよ。
41名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 18:26:07 ID:MAlpLVpc
あ、後一つ突っ込むとルイズは16な。
42名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 18:27:02 ID:YqWfFcA6
話自体は、出だしは悪くないと思う。
でも、他の方も言っておられるけど、ジョジョネタは専門スレがあるし、
そっちの方でやったほうが良いと思う。
43名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 18:31:44 ID:N0laYzWD
とりあえず向こうに書いてくるか…orz
あーハズいorz
44名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 18:33:19 ID:gg7EoWcM
8の願いに答えてスター・レッドから徳永 星召喚書いたから投下してもいい?
45名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 18:38:03 ID:MAlpLVpc
>>43
前にも一人いたから気にすんなw
年齢直しとけー。支援しにいくよ。
46名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 18:39:33 ID:gg7EoWcM
ごめん、読み返したらダメな部分が出てきたから書き直す。マジごめん。


アルビノ見てルイズは驚く……のかなあ。超能力は先住にしか見えないし。
47名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 18:49:48 ID:9bYA8Y9h
なんでわざわざ「先住魔法」なんていう呼び方するんだろう?
自分達の正当性を否定してるようなもんじゃね?
48名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 18:51:10 ID:OFfYcmyu
書いたー。というわけで投下させていただきたい。
作品は「ダンジョンメーカー 魔法のシャベルと小さな勇者」
召喚キャラは主人公アレンです。
49名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 18:57:18 ID:htqQrjyb
>>47
精霊魔法とか他に言い方はあるものな
50名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 18:58:12 ID:2vkvQMfB
ルイズがロードス島から魔竜シューティングスターを召喚したら学園は滅ぶな・・・
あの支配の王錫の影響下でも自我を保ってましたから使い魔の契約なんて無効化したりして(滝汗)
51ゼロと迷宮職人:2007/12/11(火) 18:59:15 ID:OFfYcmyu
十分後に投下開始させていただきます
52サーヴァント・ARMS(代理):2007/12/11(火) 19:00:33 ID:l40vL5n8
>>51の後、投下します
53名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 19:00:48 ID:2DPf0mST
ルーンの影響とか全く関係無しでルイズのあの性格が好みって奴はいないのかな
そしてデレ期に入って好みから外れるルイズ
54名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 19:02:52 ID:z7i/6pMS
>>50

圧倒的な力を持つドラゴンで契約無効化、と言うのであれば、
某HPに「巣作りドラゴン」の主人公ドラゴン・ブラッドを召喚するのがあるけどな。
トリステインがかなり酷いことになってる。
55名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 19:05:49 ID:CrrODkxd
もはや取り繕うことなくゼロ側を蹂躙してるよね。
56名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 19:08:29 ID:vjozBZOb
支援すた
57ゼロと迷宮職人:2007/12/11(火) 19:13:17 ID:OFfYcmyu

/1/

よく晴れた青空の下、ここトリステイン魔法学院では、使い魔召喚の儀式が行われてる。
多くの生徒が蛙だの梟だの火蜥蜴だの飛竜だのを呼び出している中、何回やっても
失敗している生徒が一人。名をルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
通称「ゼロのルイズ」魔法成功率0のルイズである。
周りにバカにされつつも、召喚を続ける。そして、ひときわ大きな爆発が起きた。
煙の中に現れたそれは、一抱えもある金色のシャベルを持った少年だった。



ゼロと迷宮職人(ダンジョンメーカー) 第一「階」 ダンジョン作れます



ゼロのルイズが平民を召喚したぞー、ガキなんて呼んでどうすんだー。
そんな周りの騒ぎはさておき。

「先生! やり直させてください!」

訳:まともな使い魔呼んで周りを見返したい。

「やり直しは認めません。使い魔の召喚は神聖な儀式。召喚者の属性を見極めるものです。
なんであろうと、呼び出したものを使い魔にしなければなりません」

訳:やっと成功したんだから契約しちゃいなさい。時間ないし。


そんなルイズと監督教師コルベールのやりとりを、呼び出された少年はぼんやりと見上げている。
年のころは12、3歳。背は低く、ルイズの目元ほどである。ちなみにルイズにしたって
150サント(cm)あるかないか、である。ぼさぼさの髪に半そで半ズボン。どこから見ても
子供である。

コルベールに言い含められたルイズは「なんで平民なんか」などとぶつぶつ言いながら
少年の目の前に立つと、契約の呪文を唱え始めた。

「我が名は、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」

そして少年の唇に口付けをした。おどろいて目をぱちくりさせ、真っ赤になる少年。
ちょっと可愛いかも、と思うルイズである。

58ゼロと迷宮職人:2007/12/11(火) 19:15:07 ID:OFfYcmyu
「……わ、熱い。熱い熱い熱い」

ぶんぶんと左手を振り、さらに転げまわる少年。

「わ。……ああ、使い魔のルーンが刻まれているだけだから、辛いけどがまんしてね」

そういい終わるか終わらないかで、少年は転げまわるのをやめた。

「なおりました」
「無事に終わったようですね。……おや、めずらしいルーンだ」

屈み込んで左手を見るコルベール。見事に禿げ上がった頭が光を反射して少々眩しい。
刻まれたそれをスケッチすると、周りにいた生徒たちを学び舎へと促した。
次の授業まで時間が無いのである。
次々とフライの呪文を唱え移動を始める生徒たち。中には飛べないルイズをバカにする
発言を残していく者もいる。ぐ、と手を握って耐える。
少年は少年で、わ、すごいなー、などといっている。

「……立ちなさい。私たちもいくわよ」
「なんでですか?」
「授業があるから」
「……ぼく、何でここにいるんでしょう?」

はあ、とため息をつくルイズ。平民を呼び出してしまったため、使い魔召喚について
全部説明しなければならない。劣等感に苛まれつつも、一つ一つおしえてやる。

・トリステイン魔法学院では、二年生になると使い魔を召喚する。
・使い魔の仕事は主の目となり耳となること。必要な秘薬の材料を探して来ること。
主を守ることである。相手が人間のためか少年の視界も聴覚もルイズとリンクできないが。
・使い魔の契約は一生のものであり、消すことも元の場所に戻すことも出来ない。

その話を聞いた少年は、しばらく黙っていた。とくにトリステイン魔法学院のところでは
首を傾げてもいた。
が、ひとつ頷くと

「わかりました、ぼく、使い魔やります」

と承諾したのだった。

「じゃ、教室に行くわよ」
「はい」

二人はそろって学び舎へと向かう。

「はあ、でもなんで平民なのかしら……秘薬の材料集めも、護衛も無理だろうし……」
「できますよ」
「……へ?」

思わず足が止まるルイズ。

59名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 19:15:10 ID:pfLHsOAb
支援
60ゼロと迷宮職人:2007/12/11(火) 19:17:22 ID:OFfYcmyu
「故郷の村で魔物退治してましたし、ダンジョンがあれば色々物が手に入りますから」
「……魔物退治? ダンジョン? なによそれ」

少年の説明を要約するとこのようになる。
・少年の生まれ育った村、サウスアークでは12歳になると一人前とされ仕事を持つようになる。
・12歳になりどんな仕事に就くか迷っていた時、「魔法のシャベル」を拾った。
・魔法のシャベルは簡単に土を掘ることができ、ダンジョンを作ることができる。
・当時、クローランド王国には魔物が大量発生していた。そのためダンジョンに魔物をおびき寄せ
魔物退治をした。

なんとも荒唐無稽の話である、とルイズは思った。クローランド王国もサウスアークの村も
聞いた事が無いし、そんな魔物退治の方法も初耳である。しかしそれ以上に興味を引かれた
ことがあった。

「ダンジョンって何?」
「魔物が住む洞窟のことです」
「それ……作れるのね?」
「はい、ダンジョン作れます。ダンジョンメーカーですから」

むう、と腕を組んで考え込むルイズ。ダンジョンを作る使い魔なんて聞いた事が無い。
この子にしかできないとしたら、特別なことだ。メイジの実力を見たければ使い魔を、という。
自分をバカにする連中を見返せるかな、どうかな。難しいかな……。
ひとしきり悩むものの、結論はでない。少年はその間ルイズを見ているだけだ。

「よし。キミ、ダンジョン作りなさい」

結局出た結論は、とりあえずやってみようである。行き当たりばったりとはこの事だ。

「じゃあ、山へ行きましょう」
「ここじゃダメなの?」
「人の住んでいるところじゃ危ないですし魔物も入ってきてくれません」
「そうなの。……それもそうね。じゃ、ついてきなさい」

二人は学院の裏山へと向かった。

「そういえば、まだ名前聞いてなかったわね」
「アレンです」
「そ。私はルイズ。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
ご主人様って呼びなさい」
「はい、ご主人様」
61ゼロと迷宮職人:2007/12/11(火) 19:19:07 ID:OFfYcmyu

/2/

裏山の斜面に着いたアレンは、持っていた魔法のシャベルをぽんと叩いた。

「起きろ、仕事だぞ」
「……ふへ。おう、おう相棒! あれか、あれをやるんだな?」
「喋った! インテリジェンスソード? ……インテリジェンスシャベル、かしらこの場合」
「なんですかそれ?」

魔法のシャベルと聞いてはいたが、まさか喋るとは! よく見れば土を掘る三角の
面に、笑っているような溝がある。これが口だろうか?

「なんだ? いつものねーちゃんじゃない! おい相棒、おい、このねーちゃんだれだ?」
「ぼくのご主人様。ねーちゃんっていっちゃだめ」
「そっか! よろしくなご主人様!」

とりあえず、悪いやつではなさそうである。

「じゃあやろうぜあれ! あれをよ! 仕事だもんな!」

あまり喋るのは上手くないようだが。
アレンはシャベルを掴むと、斜面に着きたてた。その途端、光り輝く六芒星が
浮かび上がり、四角い穴が開いた。

「すごい……」

はじめて見るダンジョン作りに圧倒されるルイズ。
土のドットメイジでもできるだろうが、こんなに速くは無理だろう。
アレンは穴の中に入ると、地面にシャベルを突き立てる。またも六芒星が現れ
今度は穴とはしごが出現した。

「ご主人様、降りますよ」
「わ、わかったわ」

アレンに促されて洞窟に入る。壁はしっかりしていて崩れる様子はまったくない。

「そのシャベル、一体どうなってるの?」
「よく知りません。なんでも、昔ダンジョンを使って魔物退治をしていた魔法使いが
作ったそうなんですけど」

はしごを降りながら答えるアレン。しっかり下を向きながら、だ。決して上を見ない。

「今、上見たら怒るからね?」
「見ません。学習済みです」
「学習?」
「村でダンジョン作っていたとき、一緒に女の子いましたから」
「……見たんだ」
「みてません!」
62ゼロと迷宮職人:2007/12/11(火) 19:21:09 ID:OFfYcmyu

アレン、珍しく大きな声で反論。上を向いて。白。

「こ、こ、こ、コラー!」
「はぶっ!」

ルイズ落下、アレン直撃。

*はしごで降りている最中にこのようなことをすると大変危険ですので真似しないでください*

「いーい? 次も同じことしたらお仕置きだからね? 絶対だからね?」
「しませんしません……痛いし」

地下一階。二人はそんなやりとりをしている。掘ったばかりのそこは正方形の部屋だった。
ランタンが置いてあり、部屋を明るく照らしている。

「ねえ、このランタンといい、はしごといい、これもそのシャベルの力なの?」
「そうみたいですね」
「みたいって……」
「ぼくはシャベルを使っているだけですから」

アレンは壁にシャベルを突き立てる。光と共に土が消え、はしごの部屋と同じ広さの
空間ができる。その先に進んでまたシャベルを使う。さらに進んでシャベルを使う。
使う。使う。使う。

「……真っ直ぐ掘るだけ?」
「岩盤に突き当たるまでは、そうです」
「岩盤?」
「シャベルの力でも掘れないところです。もうそろそろ着きますよ」

さらに二回、シャベルを使うと色の違う壁に突き当たった。ルイズに見せるように
シャベルを突き刺そうとするが、硬くて無理だった。

「ほんとだ……っていうか、何で解ったの?」
「シャベルの力です。さわってみてください」

差し出されたシャベルの取っ手を掴んだルイズの脳裏に、突如映像が浮かび上がった。

「うわぁぁ! って、あ」

それはこの洞窟を上から俯瞰し簡略化した図だった。掘った場所は明るく、自分たちのいる場所は点で、
そして岩盤は色の違いで表現されていた。

「本当、どうなってるのかしらそのシャベル……」
「よくわかりません。でもダンジョンは作れます」
「あんたね……」

この子、けっこういい加減だ。そうルイズが思っている傍らでアレンは作業を再開。
今度は横の壁を三部屋掘り、真ん中をさらに掘る。図解するとこうである。
63名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 19:22:02 ID:SvZNpl9l
勇者のくせになまいきだ。 支援
64名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 19:22:08 ID:bI+0yqcM
支援、wktkしてきたw
65名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 19:22:37 ID:W4Tl9AD4
これはなかなか。支援。
66ゼロと迷宮職人:2007/12/11(火) 19:23:09 ID:OFfYcmyu


     ↑階段 
■■■ ■ 
■■■ ■ これを 
■■■ ■ 
■■■ ■ 
■■■■■ 

■■■ ■ 
■■  ■ こう掘り 
■■  ■ 
■■  ■ 
■■■■■ 

■■■ ■ 
■■  ■ 真ん中を掘る。
■   ■ 
■■  ■ 
■■■■■ 



「何? この形」
「戦いやすい形にしたんですよ」

ぐるり、と周囲を見渡す。確か狭い通路よりはマシに見えるが。

「……ただ広くなったようにしか見えないんだけど?」
「部屋をつけないと意味無いんですけどね」
「部屋? つければいいじゃない」

ぶんぶん、と首を振るアレン。

「家具を買ってこないとダメです」

・家具を設置すると、そこに必ず魔物が入る
・一度に戦える魔物は三匹まで
・魔物は隣の部屋に入ると襲ってい来る。
・この形にすることで、確実に三匹の魔物と戦える。
・三匹まとめて倒すと、ほぼ確実になんらかのアイテムが手に入る

なるほど、と頷く。さすがダンジョンメーカーを名乗ることはある。
ダンジョンを熟知している。が。

「なんで三匹いっぺんに倒すとアイテムが手に入るの?」
「わかりません。そういうものらしいです」

これだ。なんというか、手段と結果さえわかっていればいい、という。
ルイズは目眩を振り払う。
67名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 19:24:47 ID:bI+0yqcM
支援
68ゼロと迷宮職人:2007/12/11(火) 19:25:11 ID:OFfYcmyu

「じゃあ、家具持ってこないといけないのね? ……お金足りるかしら」

運ぶのも大変そうだわ、と悩むルイズ。ダンジョン作るの止めさせようかしら。

「あ、洞窟さえあれば魔物は入ってきますし、それ倒してお金を貯めましょう」
「……なんですって?」
「だから、魔物を倒してお金を」
「魔物ってお金持ってるの!?」

アレンには驚かされてばかりだが、その中で最大級である。

「持ってますよ」
「何で魔物が……って、聞いても知らないわよね」
「すみません。そういうものらしいです。……人間から取ったんでしょうかね?」

とはいえ、である。ダンジョンでお金が手に入る。これは重要だ。秘薬の材料を
集めて売るなんてちゃちなものじゃない。強烈な収入源だ。こんな使い魔もってるメイジ、
まずいない。間違いない、自分が呼び出した使い魔はすごい!
ということは、イコール自分も凄いメイジ……に成る事ができる、ということだ。

「よーし! 堀なさい! どんどん掘って魔物を呼んでお金稼いで、ここを
トリステイン一のダンジョンにするのよ!」
「はい、ご主人様!」



/3/


しばらくして、ダンジョン掘りを終了した。シャベルのMPが尽きたとの事である。
MPとはどうやら精神力のことらしい。ということはダンジョン作りは全て魔法で
やっていたということか。シャベルのクセに魔法が使えるとは、と劣等感を刺激された
ルイズであったが、ガマンである。シャベルの力は使い魔の力。使い魔の力は自分の力、
である。
自分の偉大な可能性の写しなのだ。……土系統に目覚めるかしら、私、とルイズは考える。

何はともあれ、掘れないのであれば帰るだけだ。

「明日になったら魔物が入ってますよ。魔物は夜活動しますから」

と、アレン。明日が楽しみになるルイズである。
69名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 19:26:11 ID:SvZNpl9l
>>54
ドラゴンに首ったけ
これ? 
70名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 19:26:14 ID:TI7XY1IN
>>53
つ白熊カオス
71名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 19:26:17 ID:W4Tl9AD4
開発系はどうなるかが楽しみだ 支援。
72名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 19:26:22 ID:ypPbhazD
しえん
73ゼロと迷宮職人:2007/12/11(火) 19:27:08 ID:OFfYcmyu

「月が二つある……外国ってすごいな」

などと帰り道でアレンが言っていた。何を素っ頓狂なことを、と思ったものだ。
学院に帰るとコルベールに怒られた。連絡無しで授業をボイコットしたのだから当然である。
どこに行っていたか聞かれたが適当にごまかした。まだダンジョンのことは内緒だ。
しっかりした成果を作り上げ、今までバカにしていたヤツラを見返すのだ。

アレンの食事は厨房の使用人たちに任せた。明日はダンジョン製作のほかに魔物退治も
やってもらわなければならない。食事代は投資である。

風呂に入って自室に戻り、就寝。使用人に言いつけてアレン用に藁を持ってこさせた。
当面のベット代わりである。毛布も渡してあげた。

「明日、授業終わったらすぐにダンジョンの準備よ。忙しくなるわ」
「はい。戦うための準備もしなきゃいけませんね」

いままで、ベットに入って思うことといえば、バカにされて悔しいとか、
何で魔法が使えないのかとか、ネガティブなことばかりだった。
こんなに明日を待ち遠しく思いながら眠りに着いたことが今まであっただろうか。
ルイズは未来を夢見る。凄いメイジになった自分。素晴らしいダンジョン。
そしてアレンとシャベル。

「おやすみ、アレン」
「おやすみなさい、ご主人様」
「おやすー、相棒、ねーちゃん」
「ご主人様だってば」

かくして、ルイズは眠りに落ちた。希望を胸に抱いて。


これは、少年と少女の物語。
たった一つのダンジョンが、国を、歴史を動かす物語。
そのことを知る者は、まだいない。

74名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 19:28:29 ID:bI+0yqcM
支援
75ゼロと迷宮職人:2007/12/11(火) 19:28:50 ID:OFfYcmyu
以上です。というか、図解が崩れたーっ! ううああ、大失敗。
やっぱ禁じ手だったか。すんません。投稿初心者です。
支援感謝です。ではっ。
76名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 19:29:36 ID:cgZLyuYG
乙〜
なんか新しくて良い感じ
77名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 19:30:02 ID:W4Tl9AD4
いやいやいや、初心者であろうともなんら問題ないっす。
丁寧に作ろうと言う意気込みが感じられました。
それ故にこの言葉を送りたいと思います。
 

  GJ!
78サーヴァント・ARMS(代理):2007/12/11(火) 19:30:33 ID:l40vL5n8
乙 >迷宮職人
unicodeや半角ドットとか使えば何とか成るんじゃない?


5分後に投下します
79名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 19:31:13 ID:bI+0yqcM
乙、先が気になる。
他の使い魔がダンジョンに引っ掛かったりしないのだろか?
80名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 19:31:33 ID:CrrODkxd
GJ!
個人的に読みやすい文体なんで今後も期待。
あと長い時は1/○て書いた方がいいかもね。

それと投下中の雑談自重。
81名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 19:32:09 ID:pfLHsOAb
>75


あと、避難所の投下スレにちょっとしたアドバイスを書いておいた。
82迷宮職人:2007/12/11(火) 19:33:42 ID:OFfYcmyu
早レス感謝。続きがんばります。あとまだゲームクリアーしてないので
いまから続きプレイ。
アドバイスありがとーです
83名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 19:34:46 ID:QOPyt3ar
>>79
ヴェルダンディ辺りが迷宮に迷い込みそうな悪寒w
84名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 19:35:48 ID:64khYul2
>>75
やべえwおもしろいwww
続き期待!



支援する
85サーヴァント・ARMS(代理):2007/12/11(火) 19:35:48 ID:l40vL5n8
投下します



隼人とギーシュが決闘を行ってから数日後の事。

武士が日課となった隼人達との厨房での食事を終えて、一足先に食事を終えたタバサと合流したその時。
どこからとも無くタバサの元にフクロウが舞い降りた。その足には手紙。
そのフクロウを見た瞬間心なしかタバサの雰囲気が幾許か冷たくなり、授業の為教室へ向かう生徒達の流れに逆らって歩いて行ってしまう。
慌てて武士が追いかけると、生徒用の馬小屋にタバサは居た。
授業に出ないで1人でどこかに行こうとしていると悟って慌てて止める。

「ちょっと、どこ行こうとしてるのさ!?」
「あなたは関わらなくて良い事。1週間はかかる」

何だか嫌な予感がする。もしかしてこの子、1人で危険な事をしに行くつもりじゃ?

「だ、ダメだよ!君みたいな女の子を1人でそんな長い間ほっとく訳には行かないよ!ならせめて僕も一緒に―――」
「ダメ。あなたには関係ない」
「関係あるさ!・・・僕は、君の使い魔になったんだから。主人を守るのが使い魔の役目なんでしょ?なら君の傍に居なきゃダメじゃないのかな?」
「・・・危険性が高い」
「危ないのには慣れてるよ。僕みたいなのじゃ、頼りないかもしれないけど」

武士のお人好しぶりは天下一品である。
敵でも相手が子供で危ない目に遭えばすぐさま助けに行くし、
アリスの内面世界では地上最強の力を選ばずにアリス本人を選んで外の世界<現実>へと連れ出したほどだ。
もっともそのお陰でこれまで何度も窮地を凌いできた事を考えれば、
ある意味武士は、ARMSを持つ人間の中でも究極のジョーカーだと言えるかもしれない。

そんな訳で、武士の瞳に本気の光を読み取ったタバサは根負けしてしまい。

「馬だと数日かかる。あなたは馬に乗れる?」
「え、いや、その、馬には乗った事無いんだけど・・・」

武士はキョロキョロ見回してから、周りには誰も居ないしこの子なら口も堅そうだし大丈夫かなと結論付けると。
おもむろに学生服のズボンを捲り上げて、靴下を両方とも脱いでポケットに突っ込む。

「服はこれだけだしね」
「?」

怪訝そうな少女の目の前で。
それは、唐突に起こった。


木が半ばからへし折れる時に似た音を立て、瞬時に武士の両足――正確には膝から下、下腿部が2倍以上の太さになる。
下に行くほど太くなっていて、踝の辺りはスカートの様に足よりも大きく広がっている
その表面は明らかに生物の皮膚ではなく、柔軟性の高い金属のようなものに変貌していた。
86名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 19:37:11 ID:pfLHsOAb
支援
87サーヴァント・ARMS(代理):2007/12/11(火) 19:37:12 ID:l40vL5n8
感情の読み取りにくいタバサの瞳が、驚愕に見開かれる。

「それは・・・何?」
「ああ、やっぱり驚いたよね。ARMSっていって、平たく言えば僕達の力みたいなものだよ。空を飛ぶぐらいしか出来ないけどね」
「魔法やマジックアイテムじゃない?」
「そうだね。僕達が居た所には魔法なんて無かったから」

――魔法じみた科学技術は色々とあったけどね――

「とにかく馬よりも多分こっちの方が速いだろうから、僕が目的地まで運んであげるよ」
「・・・わかった。お願い」

抱え上げたタバサは、思っていたよりもすっとすっと軽かった。

「しっかり掴まってて―――それじゃあ行くよ!」

スカートのように広がった部分が、圧縮空気を噴出。

そして白いウサギは少女を連れて、再び青い空へ飛ぶ。







        サーヴァント・ARMS:第5話 『任務』ミッション






北花壇警護騎士団。

ハルケギニアの大国ガリア、その国を支配するガリア王家の汚れ仕事をまとめて引き受けている組織である。
表沙汰に出来ないような国内外のトラブルを処理する為に存在し、その性質ゆえか騎士団の存在自体が表に出る事は無い。
お互い顔も知らず、他の騎士団とも比べれば格段に危険な目にあいながら、地位や名誉とは無縁な闇の騎士達・・・
そしてタバサは、そこに所属する騎士の1人だというのだ。向かう途中でタバサに聞かされた。

武士はなんとなく、この少女がどうしてここまで感情を表に出さないのか分かった気がした。
似たような話なら、武士達は実際に山ほど見てきた。
――この子も、アルやギャローズ・ベルにいた子達と同じなのかもしれない――
ガリアの王都リュティス、その東の端に位置するヴェルサルテイル宮殿の豪華な廊下を歩きながら、武士は痛ましげに顔を歪める。

と、武士の先を早足で歩いていたタバサの足がある扉の前で止まり、扉を開けて天井からぶら下がる分厚いカーテンをめくって部屋の中に。


―――瞬間、何かが飛来した。


88名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 19:37:48 ID:SvZNpl9l
しえん
89名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 19:37:51 ID:MAlpLVpc
迷宮職人の人GJだぜ。続き期待してるからがんばっておくれ。
そしてアームズの代理の方支援
90サーヴァント・ARMS(代理):2007/12/11(火) 19:38:03 ID:l40vL5n8
ARMS無しでも人間離れした反射神経を持つ武士は、その正体を一瞬で看破。
――ええっ、何で卵が!?――
中には泥の詰まった腸詰らしい物も。
真っ先にタバサと武士に飛んでくる軌道だと見抜いて、反射的に武士はタバサを再び抱きかかえる。
そのまま純粋に脚力のみで横っ飛びに回避すると、飛んできた卵はそのまま豪華な絨毯に落ちて中身を散乱させた。
とりあえず、腕の中の少女に当たらずに済んだ。ホッとする。

しかし、それが卵を投げた張本人はお気に召さなかったらしい。

「ちょっと!何勝手に避けてんだい!」

横暴な内容の、傲慢そうな少女の声がした。
思わず言い返そうとした時だ―――何だかとっても聞き慣れた、鈍い音がした。

ガヅンッ!!

「〜〜〜〜〜〜ぁ〜〜〜〜!!」
「ちょっと目を放した隙に何大人気無い事やってんの!」

武士が顔を上げてみれば、唖然とした表情の侍女達と、豪華なドレスを着て何故か煙を立ち上らせている頭を抱えた、青い髪の少女と。

そして、ジーパンにトレーナーを着た、よく知った黒髪の少女。

「く、久留間さん!?」
「ハァイ、やっぱりアンタもこっちに飛ばされてたみたいね」





久留間恵がハルケギニアに飛ばされたのは、やはり武士達と同じタイミングだった。
タバサと同じ青い髪の少女―名前はイザベラというそうだ―の使い魔として、気が付いたら召喚されていたらしい。
その辺りも武士達と同じだ。もっとも彼女の場合は単なる戯れのつもりで『サモン・サーヴァント』を行った結果だが。
案の定、恵のARMS――『ハートの女王』も、どういう訳か復活していた。

とにかくその後話を聞いた恵も使い魔になるのを受け入れた。
なんでもイザベラはこの国の王女でありその権力はかなりのものだから、一緒に飛ばされた仲間達を探すのに役立つと涼と同じ結論に達したから・・・なのだが。

「この子ったら本当にワガママでさぁ、しかも北花壇警護騎士団なんてののリーダーやってるくせに軽い人間不信で性格捻くれててでいちいち魔法の才能なんかにこだわってるからさ、使い魔になったついでにその根性叩きなおしてやろうかと思ってんのよ」

自分もリーダーやってただけにこういうのは見過ごせないらしい。

「は、ハハ、久留間さんらしいね」
「くっ、あ、アンタねえ、使い魔の癖に王女のこの私に一体何してくれんだ――」

ゴンッ!

「使い魔だの何だのってどうでもいい小さい事にこだわってんじゃないわよ!リーダーならリーダーらしく、後ろの方でドッカリ構える!
命令下す立場がそんなのじゃ部下の方も周りから軽く見られちゃうんだから、まずそこからどうにかしなさい!」

とってもデジャヴな光景だ。
もっとも隼人の場合は主に仲間の為であり、今の恵の場合はイザベラの部下の為だけでなくイザベラ自身の為でもある。

「人が気に入らないとか才能に嫉妬してえこひいきするとか、リーダーがそんな事しちゃダメなの。むしろ自分の指揮でその才能を存分に利用するぐらいじゃなきゃ。
そうすれば充分成果が得られるし、指揮した自分の功績って事で箔も付くじゃない」
「あ、あの、ところでなんで僕達こんな所に呼ばれたのかな?」

恵主催の第×会『指揮官としての心構え』についての講義が始まりそうになるのを遮って武士が聞く。
91サーヴァント・ARMS(代理):2007/12/11(火) 19:39:08 ID:l40vL5n8

「ああそうそう、ごめんなさい。えーっと・・・」

恵がポケットから折りたたんだ書簡を取り出すが、チラッと目を通してから隣のイザベラにすぐ差し出す。

「読んであげて」
「アンタが読めば良いじゃないか!」
「生憎『こっち』の文字はまだ覚えれてないから読めないの。ほら、さっさと命令を下した下した」

右手には書簡。左手は固く握られた鉄拳。
結局、イザベラは渋々書簡を受け取って内容を読んだ。
――さ、さすが『ハートの女王』だね・・・やっぱり性格も女王様っぽいよ――

「なんか今余計な事考えなかった?」
「う、ううううん!気のせいだよ気のせい!」






今回騒動が持ち上がったのは、ガリアとの国境沿いに広がる『黒い森』、その一角にあるエギンハイム村。
その村に現れた翼人を掃討せよというのが今回北花壇騎士7号――タバサに与えられた任務だ。
翼で自在に空を飛び、先住魔法(タバサなどメイジが使う魔法とはまた別物)を操る亜人相手では村の人間だけでは敵わないためお鉢が廻ってきたらしい。
だが、それはともかくとして。


「何でだい・・・何で私まで付いてかなきゃならないんだよ!」

恵に無理矢理連れ出され、長距離移動用のガーゴイルに乗せられたイザベラの声が空しく空に響く。
今の格好は豪華なドレスから侍女の服装に変わっていた。目立つから恵が無理矢理着替えさせたのである。
それだけで王女に見えなくなったのは余計な変装させずに済んで幸いと思うべきか、それともここまで王女らしくなくなるのも珍しいと呆れるべきか。

「あのね、たまにはリーダー自ら現場に出て部下の仕事振りも見るもんなの。アンタみたいにずっと宮殿に引きこもってるなら尚更よ。どんな仕事振りなのか、どれだけの実力なのか見極めとかなきゃ。
大丈夫よ。武士も居るし、いざって時は私も守ってあげるから頼りにしてなさい。チラッとしか話は聞いてないけど、あのタバサって子も結構強いんでしょ?」
「っ・・・フン、どうだかね!あのガーゴイル娘なんか――」

ガッ!

「人の事を変な風に呼ばない!」

――ほんと隼人君に似てきたね、久留間さん――
学院から来た時と同じようにタバサを抱きかかえて、ARMSでガーゴイルと併走して飛びながら、2人のやり取りを眺めて武士はそう思う。
タバサもその様子を眺めていたが、その表情は読み取れない。しかし武士の腕の中が気に入ったのか、じっと動かずにゆったりとしていた。

と、そろそろ目的地に辿り着こうとした、その時だ。
眼下に見える森の遠くの方から、男達の悲鳴と強烈な風が吹く音が聞こえてきた。
恵が身を乗り出して、声の聞こえた方を見てみると、

「拙いわ、私達が来る前に村人達が先に動いて翼人にやられかけてる!翼人の数は4・・5!
武士!あんたは先に行って村の人達を助けて!こっちは他の村人が動かないように村の方に行くから!
そうそう、気をつけなさいよ!魔法ってのは結構何でもありみたいだからね!」
「うん、分かった!久留間さん達も気をつけてね!」
「分かってるわよ!」

92サーヴァント・ARMS(代理):2007/12/11(火) 19:40:24 ID:l40vL5n8
2手に分かれる。
落とさないようにタバサをしっかりと抱き直してから急加速すると、数秒で現場に辿り着く。
目下地上の方では、10名ほどの木こりらしい屈強な男達が蔓みたいに伸びた木の枝に絡めとられて身動きができないでいる。
翼人が何かを口ずさみながら腕を振るうと、落ち葉が舞い上がってピンと尖った。
あの大量の葉で木こりたちを切り刻もうというのか。

「いくよ、タバサ!」
「わかった」

腕から抜け出たタバサが『フライ』の魔法を唱えて宙に浮く。
彼女という重石が無くなった武士は、圧縮空気を噴出させて空中でさっき以上に急加速。翼人達の背後まで瞬時に接近する。
近づかれたのを気づかれる間もなく、武士の蹴りが翼人の脇腹へと叩き込まれた。
一応手加減はしたが、それでもARMSで威力を強化された蹴りは容易く他の翼人ごと巻き込ませながら吹っ飛ばす!

「!!」

途端、浮き上がっていた大量の落ち葉は元の柔らかさに戻って地面へと散乱した。
まとめて吹っ飛ばされた翼人はすぐさま宙で体勢を立て直したが、蹴られた方はわき腹を抑えて悶絶し、仲間に介抱されている。

「枯れし刃は契約に基づき水に代わる“力”を得て刃と化す!」

再び唱えられた呪文により、飛ぶ刃と化した木の葉が宙に浮かぶ武士に襲いかかり―――

武士の姿が視界から、消えた。

次の瞬間、木の葉を掻い潜った武士の膝が、呪文を唱えた翼人の腹部にめり込む。
強烈な衝撃に意識を飛ばした翼人が落下する前に4人目の翼人が受け止めると、最初にやられた翼人を解放していた仲間の元へ戻った。そして距離をとる。

杖も無しに奇妙な足で空を翼人以上に速く動き、その蹴りで一撃で自分達を仕留めてしまう武士に、翼人は動きを止めざる負えない。
何せ死んではいないが、実際に2人、それも瞬時にやられたのだ。
木の枝にからめとられていた木こり達も、密かに近づいてきたタバサに解放されたのにも気付かず唖然と見上げている。

タバサも内心、武士の予想以上のポテンシャルを見せ付けられて驚いた。
たとえどんなメイジでも、あれだけ魔法より速く動かれては当てる事は出来ない。
なにせ実戦で鍛えられてきたタバサ自身も、今の武士の動きは見えなかったのだ。

思わずタバサの額に汗が浮いた、その時だ。

「もうやめて! 森との契約をそんな事に使わないで!あなたも、私の仲間を傷つけるのはもうやめて下さい!」
「アイーシャ様!」

翼人達の頭上に現れたのは、亜麻色の髪の翼人である。
翼人伝統の衣装らしい一枚布の衣の色は白で、緩やかにそれをまとって舞い降りてくるその姿はまるで天使を思いおこさせた。
だがいきなり現れた翼人の女性の登場にうろたえた翼人の隙をタバサは見逃さない。
呪文を唱えようとした瞬間、腕をガシッと掴まれたと同時に、意図せず静止の言葉が被さった。
片方はタバサの腕を掴む緑色の胴衣に身を包んだやせっぽちの少年、もう片方は今2人の翼人を蹴り倒したばかりの使い魔の少年。

「お願いです!お願いです!杖を収めて下さい!」
「タバサ、ちょっと待って!」

予想だにしなかった静止の声に、流石にタバサも戸惑った。
だがその間に、突然舞い降りたアイーシャという翼人の言葉を聞いた翼人達が、意識の無い仲間を抱えて躊躇いがちに梢の上へと飛び去っていく。
その際アイーシャとやせっぽちの少年が悲しげに視線を交わしたのを、タバサも武士も気づいた。

翼人の一行を見送ってから、武士はタバサの隣に降り立ってARMSを解除する。

93サーヴァント・ARMS(代理):2007/12/11(火) 19:40:59 ID:l40vL5n8
「どうして止めたの?」

タバサの疑問に、武士は気まずげにしながら答える。

「いや、僕が飛び出した時はその、あそこの人達が危なかったから仕方なかったんだけど、でもあの女の人が出てきて止めた時はちゃんと止まってくれたし、それで・・・止まってくれるんなら別に倒す必要は無いと思って・・・」
「・・・・・・・・・・」

微妙な空気が漂い・・・そこへ、1人の男が近づいてきて話しかけてきた。

「も、もしかしてお城の騎士さまで?」
「ガリア花壇騎士、タバサ」
「ああ、えっと、僕は彼女の使い魔で、巴武士っていいます」

タバサは簡潔に、武士は少し戸惑いながらバカ正直に。

「そ、そうですかい、じゃあ騎士様、ちゃっちゃと連中をやっつけて下さいな」

そう言われて武士は気まずそうな視線をタバサに向けたが・・・
タバサはボーっと立ち尽くしたまま、動かない。

「どうかなさったんで?」
「えっと、タバサ、どうかしたの?」

2人の問いに、ゆっくりとタバサはお腹に手を当てた、その時。






くうう〜〜〜っ






「・・・お腹が空いた」





どうなったのか様子を見に恵とイザベラが駆けつけた時に最初に見たのは、生温かい目でタバサの頭をよしよしと撫でている武士の姿であった。
94サーヴァント・ARMS(代理):2007/12/11(火) 19:41:29 ID:l40vL5n8
投下完了
95名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 19:41:39 ID:OFfYcmyu
支援
96名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 19:43:19 ID:pfLHsOAb
代理乙


それはそうと、突っ込まれるイザベラ様にワロスw
97名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 19:47:17 ID:OFfYcmyu
代理おつでした。イザベラ様ヴァージョンアップフラグ立ちましたな。
98名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 19:53:09 ID:htqQrjyb
イザベラ様大好きだあああああ乙あああああああああああああああああ!!!
99名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 20:03:52 ID:C99C2WEL
きれいなイザベラ様フラグキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!
100名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 20:07:13 ID:wUQ0KgXs
【あちらでの体験】
・好きな子、二次元美少女と毎晩セクロス、毎日ハーレム。Hは異様に気持ちいい。
・魔法で攻撃されても衝撃はくるけど大きな痛みはない
・ぷよぷよみたいな悪魔に遭遇
・100人くらいの美少女をかこんでセクロス
・UFOと空中戦して負けた
・瞬間移動
・最長80時間の離脱。現実世界では30時間ほどたっていた。
・月へは瞬間移動なら一瞬だが、飛ぶと5分くらい。
・魔法でビルを壊せる
・本の世界に入る
・PCを起動してネットで検索
・聞いたことある曲なら自在にどこでも流せる
・未来にいったことがある。大して発達してなかった。
・数年を向こうで過ごす
・バイクなど、乗り物には乗れる。進みは現実とは比べ物にならないほど速い。チャリで時速1000キロは出せる。
・現実じゃありえないくらい綺麗な景色を見ることができる

http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1197295538/
101名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 20:10:16 ID:z7i/6pMS
ARMSの人&代理の人乙&GJです。

・・・なんか、このスレではすっかりイザベラ様が大人気だなぁ・・・
気さくとか、凶鳥とか、薔薇乙女とか・・・
102名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 20:12:05 ID:C99C2WEL
>>101
おっと、ガンパレも忘れちゃ困るんだぜ
103名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 20:13:09 ID:/rRyfYNP
新宿駅の伝言板にXYZって書き込むルイズさんってのは
104名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 20:20:45 ID:ajYR6ISE
ARMSの人乙!代理さんも乙!

そうか、恵はイザベラの根性たたきなおし中かw
隼人に似てきたなwww

>>103
もっこりの餌食に……ならないな。ルイズじゃ
105ギガンティックの人 ◆8J9uQZJJKQ :2007/12/11(火) 20:22:51 ID:3otZNCPT
誰かwikiの編集してくれる方いませんか?
こっちは相性悪いみたいで、編集モードが使えません。どなたか助けて〜

それはそうと、投下します。
準備よろしいでしょうか?
106名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 20:23:53 ID:7FcD5Jr9
支援
107名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 20:25:08 ID:u6MDVgHF
案外にあっさりAMRS見せたなー。タバサだから大丈夫か。
変身過程見てない連中は魔法の靴で誤魔化せるだろうか?
何はともあれGJ&代理の人乙。
108ギガンティックの人 ◆8J9uQZJJKQ :2007/12/11(火) 20:28:31 ID:3otZNCPT
それじゃ往きます。

「品評」


数週間が経過した。
あれ以来、機神の襲撃はない。

そして、生徒達の間では、二つの話題が持ち上がっていた。
春の使い魔品評会。
そして、それをアンリエッタ姫殿下が見に来るかもしれない、という噂。
否、真実ではあるが、それが真か否かは、未だ生徒の間に伝わってはいない。魔術師達はこの品評会で好成績を獲得するために、この時期は使い魔とのコンビネーションの強化を始めとした特訓に励む。
強い使い魔に頼ってばかりでも駄目、主が突出しても駄目。微妙なさじ加減を計るために。
その件に関して、ルイズは思い悩んでいた。彼女の使い魔はめっぽう強い。なんせ神様なのだから当然だろうが、これでは絶対に「使い魔に頼る魔術師」と見られてしまう。
しかも、自分は恥ずかしながら何も出来ない。おこちゃまの学芸会とは違うのだ。これは「使い魔と魔術師とのコンビネーション」を見るための品評会だ。
しかし、その思い悩みの種は、彼女自身だけでなく、その使い魔にもあったのだ。

-授業中の教室-

今日の授業は理科。前では教師が教鞭をふるいつつ黒板に白い字を書いたりしている。
「えー、現代で『サラマンダー』と呼ばれる種の起原は、火山などの付近に生息していた蜥蜴が、この灼熱の世界に耐えるために変異したものとされており…」
ルイズはその字を追いつつ、ノートに書き写す。
「このサラマンダーも普通の蜥蜴とは異なる数多くの特徴を…」
書き写す。そして、小さな声で溜め息をついた。授業に集中しなきゃと思いつつも、彼女の頭の隅に、現在進行形である心配事が居座っているのだから、溜め息をつくのも致し方ない。
それは重大なことで、こんな基礎中の基礎より、ルイズにとって大事なことだった。
そしてその原因のひとつは、窓の外にいる。チラリと窓の外を見やるルイズ。眼下では教室に入らない、各々の使い魔達が休足を過ごしている。その中にある、金色の影と漆黒の影。
それを見てルイズは、深い溜め息をついた。
全く、他人事だと思って。

109ギガンティックの人 ◆8J9uQZJJKQ :2007/12/11(火) 20:29:52 ID:3otZNCPT
-その頃、ルイズの遥か下の地上-

「ドローツー、黄」
「ちぃ、リバース、黄」
「黄の7」
「きゅい、青の7」
「ドローフォー、赤」
「赤、ドローツー」
「あ、私だ…」
そこでは、奇妙な光景が展開されていた。これを見たら、どんな人だって百人中百人「ありえねー」と言うだろう。何故って、ギガンティック2体と蒼い躯の龍が、UNOをしているのだから。
元々戦うために作られたギガンティックと、伝説の中の伝説である龍が、庶民的なUNO。ギャップにも程がある。しかも龍は言葉を喋ってるし、常識逸脱もいいところだ。
「駄目駄目だわ…」
「まぁ、UNOなんて策略だし…赤1、ウノ」
こうなったのには、もちろん訳がある。

数日前のことだ。シルフィードは暇を持て余していた。
「はぁ〜、姉様は授業だし、他の使い魔は喋れないし、退屈…きゅい〜」
シルフィードはこの世界で絶滅したとされている「韻龍」である。
韻龍は言葉を解すとされ、非情に高い知能を持つとされる。それ故にかつて人に狩られ、韻龍は絶滅した…と、信じられていた。
だが、実際には絶滅などしてはいなかった。ここにシルフィードがいることが、それを証明している。
「姉様は意地悪なの〜」
シルフィードはタバサが大好きで、もう許すのならば一日中傍にいてもいい程であった。だが、そのタバサは、シルフィードとなかなか接する機会を持てない。
故にシルフィードは、こうして暇を持て余す日々が続いていて、ストレスが溜っていたのだった。しかし、自分が韻龍であることがバレたら、大変なことになる。
それを心の支えにシルフィードは今日まで頑張ってきたのだが、それもそろそろ限界というものだ。
「きゅい〜!誰かとお話ししたい〜」
その時、シルフィードに近づく影があることに、注意が散漫だったシルフィードが気付くことはなかった。

「ここが使い魔が普段待機してる広場」
「ほう、そのようだな」
「動物園のようで飽きないとは思うが、それも最初だけだ、暇になるぞ」
「そうだな…」
同時刻、オニクスはここの構造に不慣れなネフティスを案内しているところだった。オニクスもどうせ暇だったし、ルイズらは授業中だ。なので暇つぶしもかねて2人は、校内を練り歩いていたのだ。
「やれライオンだの鳥だの…」
「豪勢なメンツだろ?」
「そうだな…ん?あれは何だ?」
ふとネフティスが、視界の隅に何かを捉える。それは蒼い躯の龍だ。
「ほぉ、龍とは珍しいな」
龍は首を振り、何か独り言をつぶやいている様子だ。
「あれはおまえのご友人の使い魔だよ」
「喋る龍とは」
「喋る?空耳だろ」
オニクスが、ネフティス、そしてシルフィードに疑いの視線を向ける。そしてそれを凝視した。耳も凝らす。

それは喋っていた。
110ギガンティックの人 ◆8J9uQZJJKQ :2007/12/11(火) 20:30:52 ID:3otZNCPT
「おいおい、嘘だろ」
「知らなかったのか?」
「今までただの龍だった!」
「なら本人に聞いてみるのが筋というものだな」
ネフティスがオニクスを追い抜いて歩き出す。オニクスもすぐに後を追い、シルフィードの巨躯に背中から迫った。そしてシルフィードの背中をぽん、と叩く。それは過剰なまでの速度で振り向いた。
「きゅい!!?」
「おい龍、お前、喋れるのか?」
シルフィードは焦った。聞かれてしまった。
(どうしようお姉様、どうしよう〜)
「………」
「やっぱ空耳じゃないのか?」
後から追ってきたオニクスが合流する。シルフィードは無言だ。だがネフティスは動かない。シルフィードの顔を見つめている。シルフィードはさらに困った。冷や汗だらだら。
そして困ったシルフィードは最悪の行動をとる。
「し、知らない!喋れる龍なんて知らない!」
「「…………」」
「…はっ!?」
「「嘘だッ!!!」」
どう見ても喋ってます、本当にありがとうございました。

「これは他の人には内緒にして欲しいの〜」
「いいだろう」
数分後、そこでは韻龍とあぐらを組んだギガンティック2体が話し込むという奇跡のコラボが実現していた。
シルフィードは喋れる相手が出来たには出来たが、これが主人にバレたら大変なことにもなりかねないので、やっぱりまだ困っていた。
だが、やはり話し相手が出来た喜びには変えがたく、数分後には陽気な声で雑談が始まっていた。
「もちろんお姉様にも」
「承知した」
「俺もだ…それより、シルフィード、暇なら少し遊ばないか?」
突然オニクスが、シルフィードに切り出す。シルフィードは首を傾げ、ネフティスも疑問の眼差しを向ける。オニクスは右手にケーブルを収束させ、その手の中に何かを生成した。
出てくるのは赤い小箱。小箱の表面にはカードをあしらった絵が書かれている。
「トランプなの?」
「この世界にもトランプがあるんだな…それはそうと、これはUNOと言ってな…俺の世界に伝わる、カードゲームのひとつだ。まぁ、暇つぶしにはなろう」
「…賛成だ」
「楽しそう!やるやる!」
鳴き声を上げ喜ぶシルフィードと、静かに賛成の意を表すネフティス。ここに後々ルイズの頭痛の種になる、二機と一匹のゲームが始まった……

111ギガンティックの人 ◆8J9uQZJJKQ :2007/12/11(火) 20:31:59 ID:3otZNCPT
ということで、その後も彼らの親交は続き、今日も主人らの授業の合間に、UNOに興じているというわけだ。いや授業の合間だけでなく、彼らは時間が許せばルイズの監視の眼を逃れ、UNOに興じた。
(オニクス→シルフィ→ネフティス)
「(赤ドローツー)そういえば」
「(2枚引いて赤9)きゅい?」
「端っこの建物に宝物庫があっただろう?」
「(青9)それはオニクスから聞いている」
「(ドローフォー)あれって何入ってるんだ?えと、赤」
「(四枚引いて、リバース赤)あそこはね…色々噂はあるけど、『破壊の杖』とか『オリガの角笛』とか『英知の塊』とか、いろいろあるらしいわ」
「英知の塊?」
「(赤7、8)さしずめ宝玉ってところか?」
「いや、それが最重要機密らしくて、私もわからないの〜。みんなの間では、『赤黒く光り、敵味方問わず魂を喰らい尽くす魔剣』とか、『小箱に入った太古の生物の化石』とか、『力強いおっさんの胸像』だとか…」
「(黄8)大層な話だな…セキュリティは大丈夫なのか?」
「(黄リバース)あそこは固定化やら自動攻撃端末やらで、蟻の入る隙間も無いらしいきゅい」
「(黄7、6)油断が命取りだ、ウノ」
「(緑6)力づくで外壁ごと潰されるかもしれないぞ?」
「(ウノ)校長直々にかけたって言う固定化は伊達じゃないらしいの。あ、青」
「(出せずに二枚引く。青7)ちっ」
「(ドローフォー)それよりネフティスよ、お前のところは出し物決まったのか?黄色」
「(四枚引く。黄0)出し物?私は多分お姉様となんかするの!」
「(黄ドローツー)何の話だ?」
「(青ドローツー)ほら、使い魔の品評会が近いらしいって聞かなかったのか」
「(四枚引く)ひどい…」
「(青スキップ)ああ、キュルケも言っていたな。ウノ」
「(青スキップ)いいカードが来ないの」
「(青5)ウノ」
「(黄5、6)ツキが回ってこないきゅい〜」
「黄4。あがり」
「黄1。あがり」
「きゅい〜〜〜」
シルフィードが悔しそうに鳴く。ネフティスが小声で笑った。
「はは、落ち込まずに頑張れ」
「さて、そろそろ授業が終わるか?」
「もうすぐお姉様と会える♪」
すぐに陽気な声になるシルフィード。

112ギガンティックの人 ◆8J9uQZJJKQ :2007/12/11(火) 20:33:35 ID:3otZNCPT
同刻。
森の中に、打ち捨てられた小屋がある。そこに、「土くれ」のフーケとユーノワがいた。彼らは図面や何か表を書きながら、言葉を交わしている。
「アンリエッタ殿下が来るってのは本当なのかい?」
「トリステインの内通者からの確かな情報だ。それで警備が手薄になる。わかってるよね」
「今回いただくのは…『英知の塊』。それがあの学校で一番位の高い品物。そしてそれを盗み出せるのは」
「ああ。フーケ、君だけだよ」
「ふっ、おだててくれるじゃないか。侵入の手はずはカンペキかい?」
「ああ。僕が陽動、君が直接の盗み。目標を奪ったら即座に撤収、欲は出さない」
「そう。いい子だ」
「決行は姫殿下がやって来る日と同じに調整しとくよ。姫殿下に、一泡吹かせてあげよう」
「ふっ、それもいいねぇ…」
フーケが不適な笑みを浮かべる。ユーノワも表情が出せたならば、きっと笑っていたことだろう。

夕時。学園の中庭には、いつものメンツが揃っていた。
ルイズ。オニクス。キュルケ。ネフティス。タバサ。シルフィード。
今日ここに彼女らが集まったのは他でもない、使い魔品評会の芸を考えるためだ。もっともタバサは興味がなかったのだが、キュルケが強引につれてきたのだ。
「今日はちゃんと考えなさいよ?カードなんかやってないで!」
ルイズがオニクスにぴしっと言う。オニクスは小さい主人を見下ろしながら、溜め息をついた。
「良かろう、我が主。それで、あてはあるのか。残念なことに君には何も出来ない」
「ううっ」
いきなり痛いところを突いてくるオニクス。毎度のことながら遠慮というものが無い言い回しだ。ルイズは怒りを抑えつつ、オニクスや周囲の皆と共に、考え始める。
もちろん今回ばかりはオニクスもまじめに考えており、本当にやる気がないわけではないことがわかる。
「…ルイズ、剣は使えるか」
「使えるわけないじゃない!学院で剣なんて習わなかったわよ」
「じゃあ槍。戦斧。太刀、ショーテル…」
「武器の類は杖しか使えないっつってるでしょーが!!」
「…せめてまともに魔術が使えれば」
「なんかいった!?」
「いいえ何も。ネフティス、何かいい案はあるか?」
オニクスがネフティスに話をふる。
「…組体操とかはどうだ?特殊な技能は必要ない」
「あのな、中学生の運動会じゃないぞ」
「なら射撃…」
「こんなチビに銃が使えるか」
「『ジュウドー』の組み手でも披露するか?」
「時間が無い」
「上手くお前の主人の無能さをごまかせる方法は無いか…」
「俺が技を披露して、それを上手くルイズが使ってるようにごまかすとか…」
「現場にはプロの魔術師もいる。一発で見抜かれるぞ」
「…問題は山積みね、ルイズ」
「…揃いも揃って無能だのチビだの…それでもアンタら使い魔かーっ!!」
「いいえ、ケフィアです」
「意味わかんないわよ!!」
「そうだルイズ、俺の力を使えば…」
「あれだって結局はアンタの力のオマケじゃない!それに私、あれをまだ自分で制御できてないし…」
…道は長い。そして、タバサは本から顔を上げることはない。

113名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 20:34:10 ID:MCg9FGNN
sien
114名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 20:34:21 ID:OFfYcmyu
しえーん
115ギガンティックの人 ◆8J9uQZJJKQ :2007/12/11(火) 20:35:26 ID:3otZNCPT
次 回 予 告

焦る自分。
進む時間。
決断とひらめき。
今試されようとしているのは、力ではなく…

次回「連携#1」 思い返すこともあるだろう。自分の過ちを。
116ギガンティックの人 ◆8J9uQZJJKQ :2007/12/11(火) 20:37:38 ID:3otZNCPT
今回はこれにて終了です。
来ないフーケはいつ来るのでしょう。

投稿前も言いましたが、本当にどなたかやってくれると助かります。
117名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 21:02:36 ID:GjZxKazh
ギガンティック乙。

wikiの編集なら避難所で頼んでみては?
まとめwiki更新報告スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9616/1184425351/
118名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 21:25:14 ID:4IO+2Zgh
今日は本スレでURLを良く見るなぁ
119名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 21:26:47 ID:qwQhVeTC
ゼロのカウングルッペの者ですが、題名変更と更新よろしいですかね

題名はカンプフグルッペに変更したいと考えてます。
120名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 21:31:00 ID:fhg1GNVY
>>119
そういう依頼は、避難所の管理人様にお願いしてください。
121名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 21:31:45 ID:GjZxKazh
>>119
すぐ上のレスぐらい見てくれ・・・
122名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 21:36:08 ID:qwQhVeTC
や、すみません。
途中で題名変更してもよいのか 疑問だったので聞いてみたのですが

聞く場所を間違ったようでした。

重ね重ね すみません
123名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 21:39:07 ID:07x0EmKi
いいから帰れ
124名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 21:43:27 ID:pmxGQ7TH
まあクックベリーパイでも食べて落ち着け
125名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 21:43:37 ID:gg7EoWcM
>>83
ヴェルダンデのパパはLv1ダンジョンでは凶悪そのものなんだな。
126とある使い魔の一方通行:2007/12/11(火) 21:44:14 ID:cY1Yjo42
昨日ぶりです。
短いとご指摘をいただいたので、前よりは多めに書いてきました。
それと、あらかじめ断っておきますが・・・
一方さんの性格が、もしかしたらかなりねじ曲がってるかもしれません。
原作をみながら、出来るだけ離れなようにしてはいるのですが・・・。
それでも、もしよろしければ、投下させていただきたいと思います。


ちなみに、ルイズと一方さんが契約できないんじゃないかとのご指摘もありました。
完全にそのことを忘れていたので、キスする瞬間ブルブル震えていて、無意識のうちに触れる瞬間に後ろに向かっていってしまったので、キスが出来たとかいうことでお願いします・・・。
木原神拳っぽい原理で。
127名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 21:47:06 ID:bI+0yqcM
>>126
木原神拳は接触していないんだ……
128ゼロの国際部次長:2007/12/11(火) 21:47:42 ID:9bYA8Y9h
「あんた誰? 平民?」
トリステイン、魔法学院のヴェストリ広場だった。

何回も失敗した末に呼び出しに応じた東洋人が変に見えたようだ。

「いいえ、韓国人です。韓国は日本の植民地でした」
と答えた。言葉が出たついでに一言加えた。

「日本は戦犯を称える施設に総理が参拝します。トリステインならば考えられない事です。」

相手は肩をすくめながら言い返した。
「そうですね、ドイツは連合軍が進撃して占領してしまったんです。日本はアメリカと交渉して戦争を終わらせたから。」

予想外の言葉だった。

つづく

ユ・ユンジョン国際部次長
ttp://www.donga.com/photo/news/200708/200708170014.jpg

ソース:東亜日報(韓国語)[光化門で/ユ・ユンジョン]日本の国家自閉症
ttp://www.donga.com/fbin/output?f=i_s&n=200708170014&main=1
【韓国】 日本の国家自閉症〜周辺国の忠告に耳を塞ぎ、自分の信じたいことだけ信じる国
http://news23.2ch.net/test/read.cgi/news/1187368601/
129名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 21:48:44 ID:SvZNpl9l
しえん
130とある使い魔の一方通行:2007/12/11(火) 21:52:44 ID:cY1Yjo42
支援頂けたので投下させていただきます!

「ンあ・・・」
一方通行が目を覚ますと、目の前にピンクがいた。
何かしゃべっているようなので、音の反射を解除する。
「た・・・あんた、丸一日寝てたのよ」
疲れたようにピンクがつぶやく。
「もう、あんた一体なんなのよ・・・いきなり気絶するし、どんなに持ち上げても動かないし・・・結局、先生に頼んでフライで運んで貰ったんだから」
そういえば軽い頭痛がする・・・あのまま熟睡してしまったのだろう。
眠っているときも自動的に反射は作用するのだから、どんな人間がどんなに力をこめて持ち上げようとしても持ち上がらないのは当たり前だ。
・・・と、自分の寝ている場所とピンクの発言の両方がおかしいところに気づく。
「あァ?今なんつッた?」
「だから、あんたは一体なんなんだっていったよ!」
「「フライ」つッたな?それで俺をここまで移動させたのか?」
「え、えぇ、そうよ。あのまま放置しなかったんだから感謝しなさいよね!」
オイ・・・何なンだよそいつは!
彼は、常に必要なもの以外はすべて反射している。
衝撃や熱などは勿論、光・紫外線などだ。
例えば風を操って持ち上げようとしても、風を反射してしまって持ち上げることはできない。
サイコキネシスでも、彼の力はそれすら反射する。
まともに彼を移動させようとしたら、「あの少年」の「右手」でもなければ無理だ。
なのに、その「先生」とやらは彼を移動させたのだという。
「その「フライ」ッてのは何なンだ?」
「フライはフライよ。あんた、フライも知らないの?」
「知らねェから聞いてンだよ」
「しなねぇからって・・・貴族に向かってそんな言葉使って・・・」
ピンクが細かく震えている。
「ま、まぁいいわ・・・後でしっかり教えてあげるから・・・フライってのはね、簡単にいえば空を飛ぶ魔法よ。ほかのものを飛ばすこともできるの」
「魔・・・法・・・?」
やっぱり頭いかれてンのか?
しかし、魔法なんてものでもなければ彼を動かせないのかもしれない。
現に、彼が出会った「ある少年」以外のすべての人間は、彼にまともに触れることすらできないのだから。
だが、魔法を使う人間が貴族をやっている国など聞いたことがない。
というかそんなものがあるのなら知らないわけがない。
だが、確かに魔法は存在するらしい。
ならば考えられるのは・・・
並行世界(パラレルワールド)か?
確か、並行世界を専門に扱っている研究所もあったはず。存在はしても、決してそこへ行くことができない世界といわれていた気がするが。
魔法なのだし、そんなこともできるのかもしれない。
131とある使い魔の一方通行:2007/12/11(火) 21:53:13 ID:cY1Yjo42
「何、魔法も知らないの?本当にどこの田舎もんよ・・・」
ピンクが頭を抱えている。
「まぁ、いいわ・・・よくないけど・・・召喚しちゃったものはしょうがないんだから、前向きに考えなくちゃ・・・」
やはり、魔法によって自分は召喚されたらしい。
そう一方通行は理解した。
ならば・・・だ。
こいつに送り返してもらえば良いのだろう。
「オイ、俺を元の世界へ戻せ」
「・・・無理よ」
さっきの話から、使い魔とやらを召喚しなければ留年してしまうのだろう。
だが
「ふざけンな。俺にはオマエの都合なんざ関係ねェ。戻せ」
当然の台詞だ。
しかし、自分でもわかるくらい、中身がない台詞だった。
それも、当然だ。
自分がレベル6になる為に、1万人の人間を殺したのだ。
たとえ化け物といわれていても、彼もまた人間なのだ。
罪悪感はある。むしろ、日を追えば追うほど増えている。
自分の罪の借金が、どんどん増えていく・・・
利子に利子が重なる。
一人や二人の命を救った程度じゃ、到底償えない程に・・・
「だから無理だって言っていでしょう!呼び出す呪文はあっても戻す呪文なんてないのよ!」
そう言われたとき、本当は、心の底で、どう思ったのだろうか。
自分でもわからない。
ただ、利子だけが増えていく感覚は残る。
「・・・本当に、無理なのよ。サモン・サーヴァントは、世界のどこかにいる生き物を、使い魔として呼び出す魔法。呼びだした使い魔が死ぬまで、決して使えないの・・・」
どうやら、ウソでは無いようだ。
本当に、彼女は元の世界に戻す方法を知らないらしい。
「・・・って元の世界?あんた今、元の世界って言った?」

「あァ。俺のいた世界とここは別の世界だ」
132名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 21:54:39 ID:9bYA8Y9h
紫煙
133名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 21:55:35 ID:SvZNpl9l
四円
134とある使い魔の一方通行:2007/12/11(火) 21:56:42 ID:cY1Yjo42
「・・・頭痛くなってきた」
ピンクはそういうと、頭を抱えた。
何か証明できるものはあるかと聞かれたから、持っていた携帯電話を渡した。
通話などは当然できないが、あらかじめインプットされていたゲームを見せたら、しぶしぶながらそれがこの世界のものでは無いのだと納得したらしい。
「本当にどうしましょう・・・召喚したのがただの平民だと思ったら今度は異世界人なんて・・・本当にふざけてるわ・・・おぉ、始祖ブリミルよ!なぜこんな試練を私にお与えになったのでしょうか・・・」
むしろ聞きたいのは俺の方だと心の中で思う一方通行。
だが、ただ嘆いているだけでは何も変わらない。
230万人の頂点に立つ頭脳で、彼は冷静に、現実何ができるか、何をすべきかを考える。 
とりあえずこのピンクは放っておいて、自分に「フライ」をかけたという教師にでもあった方がいいだろう。
その力を見ておきたいとおも思うし、何より教師なら生徒よりは多くの事を知っているはず。
もし、万が一戻れないのであれば、魔法がどんなものなんかは理解しておかなければならない。

「と、とにかく、貴方は私の使い魔になったのよ。使い魔が何をすればいいのかわかる?」
「知らねェ」
「使い魔っていうのはね・・・簡単にいえば主人の目となり耳となり、必要なものを探し、主人を守るものよ」
そうかよ、と適当に相槌を返し、体の調子を確かめてからベッドから立ち上がろうとする。
「目と耳は・・・駄目ね。聞こえないわ・・・必要なものを探すのも・・・魔法すら知らないんなら無理だし・・・守るっていっても、私より華奢なんじゃ・・・ってちょっと!」
言っている間にベッドから立ち上がった。
「待ちなさい!どこ行くのよ!」
ピンクの言葉を無視し、その先生とやらの場所へ向かおうとする。
ドアへ手をかけ、開いたところで
「づあ゙っ」
瞬間、足に激痛が走った。
一体、何が・・・!
目がくらむような痛みを覚えながら
―――まさか、あのピンクが何かしたのだろうか。
そう思って、後ろを振り向くと

椅子に小指をぶつけたのだろう。
ピンクは足を抱えて目にいっぱい涙を浮かべて、足を押えていた。
135名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 21:56:54 ID:SvZNpl9l
支援
136とある使い魔の一方通行:2007/12/11(火) 21:59:50 ID:cY1Yjo42
「つまり・・・」
「私がダメージを受けると、貴方もその痛みを感じるみたいね。その逆はないみたいだけど」
ふざけンな!
そう叫んで、ピンクを殴りたくなる衝動を抑える。
「全く・・・痛覚だけ感覚を共有する使い魔なんて聞いたことないわ」
痛みを共有するということは、自分はピンクに対し武力を用いることができず、ピンクを守らなければならないということだ。
一方通行は、痛みに対して全くと言っていいほど耐性が無い。
どんなお坊ちゃまでも、些細なことで痛みは感じる。
長い年月、それを重ねていくことで、ある程度は痛みに対する耐性はできる。
しかし、彼にはそれが無い。
どんな小さなダメージさえ、彼は反射してきたからだ。
つまり、彼はピンクよりも痛みに耐性がないということだ。
確かに痛いといっても、ピンクにとっては足の小指をぶつけたダメージは大したものでは無い。
しかし、一方通行はそれで息を切らすほどのダメージを受けたのだ。
ピンクに逆らって、自傷行為をされたら・・・
ピンクが死ねば、自分も死ぬかもしれない。
それは、一方通行がピンクに安易に逆らうことができないことを意味していた。
137名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:00:55 ID:SvZNpl9l
私えん
138とある使い魔の一方通行:2007/12/11(火) 22:00:58 ID:cY1Yjo42
痛覚だけだといっても、自分も使い魔と感覚の共有を行うことができると知った彼女は、少しだけ気を持ち直した。
「貴方、名前は?」
「・・・一方通行」
「アクセラレータ?変な名前。アクセラレータ・・・アクセラレータ・・・うん。覚えたわ。それでアクセラレータ。よく聞きなさい!あなたのご主人様の名前を!」
「私の名前はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。呼ぶときはルイズ様でいいわ」
「ンでルイズ。具体的に俺は何をさせられるンだ?」
「だからルイズ様って・・・まぁいいわ。貴方にできる事をやらせてあげる。掃除!洗濯!その他雑用!」
「ふざけンな。誰がンなことやるか。自分でやれ」
そういうと、若干得意そうに
「あら、誰があなたの衣食住の世話をすると思ってるの?この世界のおかね、持ってる?」
「持ってるわけねェだろ」
「あ、そ。じゃ、私がいなくちゃこの世界では生きていけないわよ。ここを出ても、すぐに野たれ死ぬわ」
実際、一方通行の場合、適当な民家に押し入って略奪を繰り返せば少なくとも野たれ死ぬことはない。
だが、「フライ」のように正体不明の魔法がある以上、うかつに行動することもできない。
それに、もし脱走した後で自殺でもされようものなら、本当に命が危ない。
ルイズから離れることは、二重の意味で危険なのだ。
「・・・わかったよ」
フッ
勝ち誇ったように笑ってから、「それじゃ、朝ごはんを食べに行くわよ」と言ってドアを出た。
139名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:01:00 ID:qwQhVeTC
支援
140とある使い魔の一方通行:2007/12/11(火) 22:01:50 ID:cY1Yjo42
「おはようルイズ」
廊下を歩いていると、後ろから燃えるような色の髪と褐色の肌、そして突き出たバストが艶めかしい女性だ。
それに対し、露骨に嫌そうな表情をしたルイズが
「おはようキュルケ」
と答える。
どうやら、あれはキュルケというらしい。
「あなたの使い魔って、それ?」
一方通行を指さして、馬鹿にした口調で言った。
「そうよ」
「あっはっは!本当に人間なのね!すごいじゃない!サモン・サーヴァントで人間読んじゃうなんてすごいじゃない。さすがはゼロのルイズ!」
ゼロ?そういえば、呼び出された時もゼロと呼ばれていた。
何かのあだ名なのだろうか。
「どうせ使い魔にするなら、こういうのじゃなくちゃ。ねぇ、フレイム〜」
キュルケが勝ち誇った顔で使い魔を呼ぶ。
のっそりと、巨大なトカゲが現れた。
ちなみに、温度は彼にとっての適温になるように調整されているので、熱気等は一切感じない。
「これって、サラマンダー?」
ルイズが悔しそうに尋ねた。
「そうよ、見て?この尻尾。きっと火竜山脈のサラマンダーよ!」
さんざんルイズに向かって自慢をしていたが、それが終わるとさっさと食堂へ向かってしまった。

食堂についたルイズが、一方通行に床に置いたささやかな糧を与えた。
「オイ、お前、これ、何だ?」
「ご飯よ。本当は使い魔は外。あんたは特別な計らいで、床」
そういうと、祈りを捧げ、豪華な食事を美味しそうに頬張った。
一方通行は、あまり飯にこだわる人間では無い。
どちらかというと小食でもある。
しかし、これはどうだろう。
「どうしたの?食べないの?」
「あァ。食欲なくなっちまったわ」
そういうと、彼は食堂を出て行った。
141とある使い魔の一方通行:2007/12/11(火) 22:03:46 ID:cY1Yjo42
しかし、行くあてもなくブラブラしていると・・・
「あ、あの・・・」
「あァ?」
「いえ・・・あの、ミス・ヴァリエールに召喚されたっていう・・・使い魔さんですか?」
「あ〜・・・まァ、一応そういうことらしいな」
「そうですか・・・えと、こんな時間にどうかされたのですか?今は朝ご飯の時間のはずですが」
簡単にさっきの事を話すと、メイドの少女は同情した様子で、
「それは・・・災難でしたね・・・そうだ!もしよければ、賄いでもどうでしょうか?」
そう、100%善意です。というように言ってきた。
しかし、それが居心地悪かった。
自分でもなぜだかわからない。
もしかしたら、10数年ぶりに浴びた、まともな善意だったからかもしれない。
ただ、そのまま賄いを貰う気にはなれないことは確かだった。
「いや、俺ァ腹も大して減ってないンで」
「そうですか・・・でも、お腹がすいたら言ってくださいね!食堂に来てくだされば、いつでも御馳走できると思います」
「あァ、好意だけ受け取っておくよ」
そういうと、その場を離れるように逃げた。

そうこうするうちに、食事を終えたルイズと遭遇した。
「勝手にどっか行って・・・全く・・・」
それから教室に入るまで、ずっとブツブツ言っていた。
「しかし・・・まァ」
一方通行が変わりを見回すと、ありえないような光景が広がっている。
巨大な蛇。さっきのトカゲ。ぷくぷく浮かんでいる巨大な目玉。蛸人魚他。
学園都市の遺伝子組換え生物の研究所に行ったって見れないようなものが、さも当然のように大量に存在している。
こらァ、マジで異世界だなァ。
そんな事を考えていると、教師が入ってきた。
軽く挨拶をした後
「おやおや、変わった使い魔を召喚したようですね。ミス・ヴァリエール」
シュヴルーズというらしい教師が、一方通行を見てそういうと、口々に周りから囃し立てられた。
シュヴルーズは厳しい顔でそれらを見ると、杖を古い、囃し立てていた生徒の口を粘土でふさいだ。
「お友達をゼロだのなんだの言ってはいけません。罰としてその格好で授業を受けなさい」
教室の笑い声が収まった。
一方通行は、それらを冷めた目で見ていた。
・・・良く言うぜ全く。自分から種蒔いておいて。
にしても、あの粘土は何なのだろう。
あれが学園都市での光景ならば、空間移動か。
しかし、あれも魔法らしい。
レベル4クラスの超能力を、いともたやすく操る魔法。
やはり、魔法についてよく知らないうちに行動するのは危ないだろう。
142名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:05:01 ID:SvZNpl9l
支援
143とある使い魔の一方通行:2007/12/11(火) 22:05:01 ID:cY1Yjo42
教師が授業を開始した。
いくつかわからない単語があったが、それは隣のルイズに聞くことで大体理解できた。
曰く、「火」「風」「土」「水」の4系統がある。
現在は存在しないが、「虚無」の魔法がある。
重量な金属や大きな建造物等は、「土」の魔法によってできている。
それぞれクラスがあり、「ドット」「ライン」「トライアングル」「スクウェア」の4段階に分かれている。
固定化という魔法があり、この建物にも「スクウェア」クラスのそれが適用されている。
4大系統のほかに、最も優しい「コモン・マジック」がある。「フライ」もこれに相当するらしい。
金を作るには、「スクウェア」の実力が必要らしい。
そこまで理解したところで
「そうですねぇ。ここにある石ころを誰かに錬金してもらいましょうか。・・・ミス・ヴァリエール!」
「は、はい」
「先ほどからコソコソと使い魔とおしゃべりしていましたね。そんな余裕があるのですから、貴方にやってもらいましょう。」
どうやら、ルイズが錬金をするようだ。
「先生」
「なんですか?」
「やめておいた方がいいと思います・・・危険です。」
その言葉に、誰もがうなずいた。
どういうことだろう、と彼が考えていると。
「やります」

その言葉に、一方通行とシュヴルーズ以外の全員の顔が青くなった。
一体どういうことなのだろうか。
先ほどの様子を見る限り、錬金というのは原子配列を組み替えているわけではなさそうだ。
いや、実際のところどうかはわからないのだが、少なくとも大量のエネルギーが発生し、あたり一面が焦土とかしたり、多量の放射能が放出されたりするわけでもない。
考えている間にすでにルイズは呪文を唱え始めた。
同時にすべての生徒が机の下に顔を入れる。
「あァ?何やってンだァ?」
―――瞬間
机ごと、石ころが爆発した。
シュヴルーズは黒板にたたきつけられ、爆風と熱が一方通行まで襲いかかる。
そして、一方通行爆風に巻き込まれた。
「なっ・・・!」
反射が作用していない。
いや、風は受けていない。
しかし、熱が襲いかかる。
明らかにおかしい。
風とすすは反射できている。
しかし、熱のようなものだけが反射されない。
と、すべてが収まった。
煙が晴れ、前を見るとハンカチで顔の汚れを拭いたルイズが
「ちょっと失敗したみたいね」
まるで、料理で塩と砂糖を間違えたくらいの感覚で、事もなさげに言った。
144とある使い魔の一方通行:2007/12/11(火) 22:07:10 ID:cY1Yjo42
ルイズは、部屋をめちゃくちゃにした罰として、魔法の使用を禁じられ部屋の掃除をやらされた。
「あんたも掃除手伝いなさいよ」
「オイ、何言ってンだよ。オマエの罰だろ」
「主人の不始末は使い魔の不始末、使い魔の不始末は主人の不始末よ。手伝いなさい。これ、命令」
チッ、舌うちして適当に箒に手を伸ばす。
「早くしなさいよ。お昼までに終わらせなくちゃ、ご飯たべれなくなっちゃうんだから」
「アーアーそーですか」
もう!というと、それっきり喋らなくなった。

掃除がもう終わるというころ。
「・・・あんたも私の事、ゼロって馬鹿にしてるんでしょ」
「あァ?」
「とぼけないでよ!ご主人様だ貴族だ言っておきながら、錬金の魔法すら使えないゼロだって!さっきからそんな顔してるくせに!」
「これは元からだバカ。それにあの爆発だってそこそこの物じゃねェのか?レベル3くらいはあンぞ」
「爆発って・・・ふざけないで!どうせ私は何をやっても爆発しかすることが脳のない落ちこぼれの魔法使いよ!」
「落ちこぼれって・・・ンじゃお前ェは、貴族のくせに魔法が使えない、落ちこぼれのゼロだって言ってほしいンか?」
マゾか?そう思うと
「そんなわけないじゃない!私はねぇ!これでもほかのみんなの何倍も努力して、勉強では学年で1番だって何回もとったわ!
なのに魔法だけはいつも失敗!どんなに!どんなに練習しても爆発!爆発!爆発!他の誰が失敗したって爆発なんて起きないのに、私だけは爆発しかおきない!」
「だから知らねェって・・・」
「・・・もういいわ。あんたご飯抜きね。ちゃんと掃除しておきなさいよ」
そういうと、箒を投げ捨てて出て行ってしまった。
145名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:07:43 ID:SvZNpl9l
4円
146名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:07:53 ID:htqQrjyb
しぇん
147とある使い魔の一方通行:2007/12/11(火) 22:09:11 ID:cY1Yjo42
何なンだ?いったい・・・
そう思うが、今何を言っても無駄だろう。
何も声をかけずに放っておいた。
どうせしばらく放っておいたら元の機嫌に戻るだろう。
「「落ちこぼれ」、か・・・」
ふと、口からそんな言葉が漏れていた。
「あの少年」も、レベル0の落ちこぼれだった。
そういえば、ほかの誰が失敗しても爆発なんて起きなといっていた。
もあしかしたら、あれもあの「右手」みたいな異端の能力者になるのだろうか。
「考えすぎか・・・魔法だしなァ」
そう考え、その場を後にした。

いくら一方通行でも、さすがに2食抜くのはつらい。
今後のことも考えると、何かしら食いつなぐ手段を考えないと本気で飢え死にしかねない。
「そういやァ・・・」
ふと、あのメイドの事が思い浮かんだ。
あまり世話にはなりたくなかったが、背に腹は変えられない。
ひとまず、足を食堂に向けた。

「あら、アクセラレータさん!どうしたんですか?・・・もしかして、またミス・ヴァリエールに・・・」
「あァ、まァな」
「あらあら、大変でしたね・・・どうぞ、私たちの賄いのシチューでよろしければ、是非食べて行ってください」
そう言って、メイドの少女は奥へはいって行く。
とりあえずついていくと、簡単なテーブルの上にシチューとパンが置いてあった。
「おう!おめえも大変だなぁ!大したもんはないが、食ってけ!」
おそらく料理長だろう・・・長いコック帽をかぶった大柄な男がそう言った。
148名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:09:28 ID:SvZNpl9l
支援
149とある使い魔の一方通行:2007/12/11(火) 22:10:51 ID:cY1Yjo42
「それにしても全く、貴族ってのは身勝手だなぁ。自分の不始末を人に押し付けて、おまけに飯を抜くなんて!」
簡単に説明すると、料理長の男(マルトーというらしい)が間髪入れずに口を開く。
ついで、メイドの少女(シエスタというらしい)も
「本当に・・・何も分からないうちにいきなり呼び出されて、使い魔にされてしまって・・・可哀そうです」
「俺ぁ仕事があるから、あまり構ってやれんが、何かあったらこのシエスタに言ってくれ!力になるぜ!」
ガッハッハと豪快に笑うと、奥へ引っ込んだ。
「さぁ、何も気にしないで食べてください!」
その言葉を受けて、一方通行はシチューへと手をつける
「・・・ンめェな」
はい!と嬉しそうに返事をするシエスタ。
学園都市にいたころも、食べているのはコンビニで買ったものやファミレス、実験室で出される簡単な食事だ。
よく考えると、こういう作った人と一緒に食べるご飯なんて、何年振りだろうか。
そう考えると、なぜだか余計にシチューがおいしく感じられる。
二言三言話しているうちに、彼はぺろりとシチューを平らげた。

「お粗末さまでした」
「ンまかったよ。助かった。」
「いえいえ、困った時はお互いさまですから・・・いつでも来てくださいね!」
嬉しそうにいうシエスタ。
このままでは何か悪いと思ったのだろうか。
「何か手伝えることあるか?」
自分でも吃驚するようなことが、口から洩れていた。
少し目を瞬かせていたシエスタだが、にっこりと笑うと、
「それでは、デザートを運ぶのを手伝って頂いてもいいでしょうか?アクセラレータさん」
「あァ」
150とある使い魔の一方通行:2007/12/11(火) 22:11:46 ID:cY1Yjo42
そのまま、シエスタと一緒にケーキが乗った台座を動かしながら食堂へとついた。
2人で別れて、順番にケーキを配っていく。
あらかた配り終えただろうか。
その時。
「アーッ!」
「ご、ごめんなさい!」
何者かの大きな悲鳴と、シエスタの謝る声が聞こえた。

その場へ行ってみる。
「な、な、な・・・なんてことをしてくれたんだ!」
「申し訳ありません、貴族様!」
「僕の・・・僕の香水を・・・!」
すると、周りで見ていた者達のうちの一人が、
「おい・・・あれ、モンモランシーの香水じゃないか?」
「本当だ・・・モンモランシーが自分の為だけに作る香水だな・・・」
「え・・・?いや、何を言ってるんだ!これは・・・」
「ギーシュ様!やっぱりモンモランシーと・・・」
「ケ、ケティ!これは違うんだ・・・」
ケティと呼ばれた少女が、目に涙をいっぱいに浮かべる。
そして、
「その香水が何よりの証拠です!さよならっ!」
バシン!
右の張り手ギーシュの頬にぶつかる。
そのままケティは去っていく。
と、入れ違いのように金髪の縦ロールの少女が現れた。
彼女は来るなり
「うそつき!」
と一言どなり、ギーシュに左の張り手をくらわせた。
「あ、あのレディたちは薔薇の存在の意味を理解していないようだ」
そういうと、ギロリ とシエスタをにらみ
「君が香水を壊したせいで、二人のレディの名誉に傷がついた!どうしてくれるんだね?」
その言葉に、周りの野次馬から苦笑が漏れたが、気にしない様子でシエスタを問い詰める。
シエスタはひたすら縮こまって、ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・と謝っている。
ギーシュは、今にもシエスタへ手を上げようとした。

「オイ、オマエ何やってンだ?」
151名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:12:32 ID:ajYR6ISE
ひとかたさん若干丸っこくなったな支援
152とある使い魔の一方通行:2007/12/11(火) 22:12:35 ID:cY1Yjo42
一方通行が、ギーシュに向かって問うた。
「何だね?ああ、ルイズの召喚した平民か。みてわからないのかい?このおろかなふるまいをした平民に、礼を教えているのさ」
「礼だァ?ふざけンな。てめェがやってンのは、二股がばれたことに対する単なる奴あたりだ。バカが」
その言葉に、ギーシュの顔が紅潮する。
「な、なんだと!元はと言えば、この平民が香水を割ったのがいけないんだ!」
「それ以前の問題だろ。お前が二股していなければ、コイツが謝れば済む問題だったンだ。てめェが二股なンざしてなければ、こンなことにはならなかったろうさ」
「ふ、ふざけるな!いや、そもそも平民に貴族の礼がなんたるかを問うた僕が馬鹿だった・・・もういい、下がりたまえ」
ギーシュがそう言って背を向けた。
だが
「ふざけンじゃねェよ!それとも、二股がばれたやつあたりを平民にするのが貴族の礼なのかよ?」
そうだそうだー、とヤジ馬たちからも声があがった。
「ふ・・・いいだろう、そこまで言うのなら、君に貴族の礼がなんたるかを教えてやる!」

「決闘だっっ!!!」

「そうだな・・・10分後にでもヴェストリの広場に待つ。別に、来なくても構わないよ。命が惜しければ、ね」
そういうと、ギーシュは食堂を後にした
「ふン、決闘ねェ・・・いいぜ、やってやンよ」
そう呟くと、後ろから顔を真っ青にしたシエスタが
「だ・・・だめ・・・貴族と決闘何かしたら・・・殺されちゃう・・・」
その時、一方通行の頭によぎった。
一万人の命の負債。
馬鹿だ、と思う。
今だって、彼が出てこなければこの少女が殴られただけで済んだだろう。
その矛先を自分に変えただけで、前任ぶろうとしているのか。
本当におかしな話だ。ふざけている。
―――だが、ここで何もしなければ、その負債は絶対に返せなくなる。そんな予感がしたのだ。
「私のせいで・・・」
そういうと、シエスタは走って食堂を出て行ってしまった。
すると、前からルイズがやってくる。
「ちょ、ちょっと何か勝手にやってるのよ!私も謝ってあげるから、ギーシュに謝りに行くわよ!」
「謝らねェ」
「そう、わかったのなら一緒に・・・ってなに言ってるの!?あんた、自分が何したかわかってるの!?貴族との決闘よ!あんた死んじゃうんだから!」
「知らねェよ。それより、広場はどこだ?」
ルイズを無視して、野次馬の一人に場所を聞き出す。
「ちょ・・・ちょっと!聞きなさい!あんた本当に死ぬわよ!」
何も聞こえないように、広場へ向かって歩いて行く。
「もう・・・!知らないわよ!勝手に決闘でも何でもやって死んじゃいなさい!」
そう云い捨てると、ルイズも食堂から走って出て行った。
153名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:14:04 ID:SvZNpl9l
支援
154とある使い魔の一方通行:2007/12/11(火) 22:14:16 ID:cY1Yjo42
一方通行が広場につくと、ギーシュを囲むようにして人壁が出ていた。
存外、ここには暇人が多いらしい。
「ふん、逃げずにきたか・・・どうやら、命が惜しくないようだね!」
「あいにく、お前ェごときに逃げなくちゃならないほど弱くはないンでな。」
「平民風情が・・・決闘を始めるぞ!」


本当に危なくなったら、飛び込んででも止めなくちゃ・・・
さっきはああ言ったが、ルイズは心の中でそう決意している。
本当に・・・あの使い魔は何を考えているのだろう。
よく考えてみれば、自分はあの使い魔について、名前と異世界から来たということしか知らない。
殆ど会話もしていない。
ただ、呼び出した相手の事をまともに知らずに死なれたくはなかった。
確かに、自分は平民が召喚されたとき落胆した。
死にたくなった。
でも、彼だって何も分からないままここに呼び出されたのだ。
自分の生活だってあるだろう。家族だっているだろう。
と、カトレアやエレオノール、やさしい父に怒るとものすごく怖い母を思う。
・・・許してあげよう。
あいつだって、メイドを守るためにやったことだし、悪いのはギーシュだ。
たとえ、自分が土下座することになっても、これからはアクセラレータに、少しだけ、そう、少しだけ優しくしてあげようと思った。
155名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:15:19 ID:64khYul2
ギーシュオワタ 支援
156名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:15:24 ID:07x0EmKi
>「アーッ!」

ちょwww支援wwwww
157名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:15:44 ID:SvZNpl9l
そういやこっちの絵師も得ろゲンガーか
158名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:16:02 ID:l40vL5n8
正しくは「アッー!」な
支援
159名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:19:03 ID:l40vL5n8
sien
160名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:19:15 ID:CrrODkxd
なんでもそっちに持っていこうとすんなよ。
支援。
161名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:19:34 ID:l40vL5n8
支援
162名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:20:11 ID:FqGDnh/G
一方さんじゃ殺しかねないww
163名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:20:37 ID:+KO7NNsH
ID:CrrODkxdは何でもかんでも噛み付きたい年頃なんだろうねw
164とある使い魔の一方通行:2007/12/11(火) 22:23:56 ID:Q2XGgXYA
ごめんなさい制限かかりましたorz
もう少しで書いた文は投稿し終わるのですが・・・

どうすればいいでしょうorz
165名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:24:33 ID:l40vL5n8
避難所代理投下スレに行ってらっしゃい

代理はオレが取ろう
166とある使い魔の一方通行:2007/12/11(火) 22:25:02 ID:Q2XGgXYA
了解です!

ありがとうございますm(_ _)m
167名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:25:20 ID:Knl/X7CR
>>164
さあ避難所の代理投下スレヘ急げ
168SS書き丁稚:2007/12/11(火) 22:26:14 ID:VWdK77DK
 さぁ、この平行世界のギーシュ君はどう敗北するのか?(酷い)

 ワードナ(Wiz4真エンディング後)で書いてるんですが、Goodになったワードナが単なる元ワルな御茶目好々爺になって困る。
 ルイズ日記だから小ネタ扱いになる予定ですが。

 しかし長編をきちんと完結させている人って偉大です。
 「ご立派な使い魔」はあんまりなオチに爆笑し、「ゼロのアトリエ」はにんじんが食べたくなりました。
 そういえばシヴァの姿の一つもアレな姿なので、ミシャグジ様の後はソレが召喚されたりして。
169一方通行(代理):2007/12/11(火) 22:28:41 ID:l40vL5n8
学院長室。
「オールドオスマン!大変です!大変なことがわかりました!」
使い魔召喚の儀式のときの立ち合いをして、フライで一方通行を部屋まで運んだ禿頭の教師が、大きな扉を乱暴にぶちあげて、肩で息をしながら入ってきた。
「何じゃ騒々しい。静かにせんかい」
「も、もうしわけありません。興奮していたもので・・・」
「それで、何が大変なのかね?ミス・クローデット」
「コルベール違いです。それに性別違います」
「おお、すまんすまん。それで、何が大変なのかね、ミスタ・コルベール」
「あぁ、そうでした・・・実は、先日行われた使い魔の儀式で召喚された、ミス・ヴァリエールの使い魔の事なのですが・・・」
「あぁ、あの平民のことかね?噂は聞いとるよ」
「それが・・・あの少年の右手に現れたルーンが珍しい形をしていたので、スケッチして調べたのです・・・」
「ふむ・・・それで?」
「なんと、あの少年は伝説の始祖ブリミルの使い魔、ヴィンダールヴのものと一致していたのです!」
「・・・ボケたかねミスタ・コルベール」
「ボケてません!」
「・・・まじ?」
「マジですマジ」
「むぅ・・・それが本当となると・・・大変なことになったのぉ」
「このことを、学院や王宮に報告しますか?」
「ほっとけ。どうせ伝えたってろくなことにらなんじゃろうて」
と、ドアが規則正しくノックされた。
「失礼します。オールド・オスマン」
出てきたのは、妙齢の美女。
メガネをかけ、短いスカートが色っぽい。
オスマンとコルベールの鼻の下が伸びている。
「おぉ、ミス・ロングビル。どうしたのかね?」
「それが・・・決闘が起きていて、大騒ぎになっています。」
「決闘か・・・で、誰と誰がそんな馬鹿なことを?」
「一人がギーシュ・ド・グラモン」
あのグラモンの馬鹿息子か、とオスマンが呟く。
「どうせ、女を取り合っての喧嘩じゃろう。相手は?」
「それが・・・メイジではないのです。ミス・ヴァリエールの使い魔の少年のようです。」
オスマンの目が、鋭く鷹のように光った。
「教師達は、決闘を止めるために眠りの鐘の使用許可を求めています。」
「アホが・・・たかが子供の喧嘩を止めるために秘宝を持ち出すまでもあるまいて・・・放っておきなさい」
「わかりました」
ロングビルが去って行った。
コルベールとオスマンは目を見合わせると、
「オールド・オスマン」
「うむ」
コルベールが促し、オスマンが杖を振るった。
すると、壁にかかった大きな鏡に、ヴェストリ広場の様子が映し出された。
170一方通行(代理):2007/12/11(火) 22:29:21 ID:l40vL5n8
―――そして決闘が始まった。
「僕はメイジだ!よって、魔法を使う・・・よもや、卑怯とは言うまいね?」
ギーシュが薔薇を振ると、地面から一体の銅像が現れた。
「僕の二つ名は「青銅のギーシュ」!よって、このワルキューレが君の相手をする!」
「ハッ、そんなチンケなもんで俺の相手をしようとはなァ!」
言いながら考える。
コモン・マジックやルイズの失敗魔法すら反射できなかったのだ。
おそらく、「土」系統の魔法のあの人形の攻撃は反射できないだろう。
見た目でも、まともに攻撃されたらただの怪我じゃ済まない事が理解できる。
しかし、あの程度なら。
あの程度なら、攻撃される前に楽に倒せるだろう。
そう、何も反射は最強の防御というだけではないのだ。
その反射によって、砂利を蹴ればその衝撃を操り、散弾銃のように攻撃することができる・・・例え地面が土でも、そこそこの威力はでる。
あの青銅でできたものなど、破壊できる程度の威力は。
「お・・・らァッ!」
ドンッ!っと土が凄まじい勢いで吹きとぶ。
「なっ!?」
中に含まれる小石も混じり、青銅のワルキューレをた易く粉砕する。
なんだあれ・・・。あの平民もメイジなのか!?いや、杖は持ってないぞ!先住魔法か!
野次馬達がざわめきだす。
だが、一番驚いたのはギーシュだ。
いくら平民相手だからと力を抜いていたとはいえ、自分のゴーレムが簡単に破壊されたのである。
「ふ、ふん・・・どうやら少しはやるようだね。いいだろう。本気を見せてあげるよ!」
杖を振ると、ワルキューレが6体現れた。
「6体、か・・・」
171一方通行(代理):2007/12/11(火) 22:29:54 ID:l40vL5n8
彼の頭が凄まじい勢いで演算を開始する。
あの力を見た以上、おそらく自分が出せるだけのワルキューレを出したに違いない。
6体以上同時に出せないのか、それとも力すべてを使って6体なのか。
後者ならば、土を飛ばすだけでも時間をかければ何とかなるだろう。
しかし、前者の場合、対策を見つけられて突破される可能性が高い。
さらに、先ほどと同じように攻撃すればそのすきにほかのやつらから攻撃を食らう。
距離を離せば、その分威力が落ちさらに時間がかかり、同じく危険度は増す。
ならば。
手を空中に伸ばし、かき回す。
「安心しな、一瞬で終わらせてやンよ」
手を振ったその瞬間。
1秒とかからず大気の流れを制御し、暴風を操る。
―――――轟ッ!!!
風速120メートルの暴風が、壁となってワルキューレを空へと巻き上げる。
30メートルは軽く超えた高さへとワルキューレが舞い上がり、落下した。
グシャッ!と音をたて、地面に激突する。
四肢は千切れ飛び、そのうちのいくつかはヤジ馬に直撃した。
「な・・・なな・・・な・・・」
驚きのあまり、言葉すら口にできないのか。
ギーシュだけでなく、野次馬達も混乱の極みにいた。
今のは一体なんだんだ!あいつは一体なんだ!スクウェアクラスのメイジなのか!いや、先住魔法だ!エルフだ!亜人だ!
それを無視するようにすたすたと歩いてギーシュの元へと歩いて行く。
「ひ・・・ひぃっ」
おびえたように距離を取ろうとするギーシュ。
そこへ
ズンッ!
土が散弾銃のように前へ飛び出す。
「ぐがっ」
ギーシュが1メートルは吹っ飛ぶ。
「がはっ・・・ハァハァ・・・」
肩で息をしながら、一方通行を見上げた。
その眼には、助かりたい。という文字が書いてある。それだけでは無い。
なぜ、自分がこんな目に合わなくちゃいけないんだ!とも書いてあった。
「た・・・助けてくれ!僕が悪かった!あやまるから!」
172名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:30:11 ID:SvZNpl9l
長編を完結するには新しく買ってきた参考書を最後までやり切るぐらいの気力がいるからなあw
173一方通行(代理):2007/12/11(火) 22:30:38 ID:l40vL5n8
ゲスが・・・
殺す気で来たくせに、自分が危なくなると途端にこんな卑屈な表情をする。
ギーシュの言葉と表情が、彼を余計に駆り立てる。
ズンッ!
もう一発。今度は至近距離だ。
3メートルは吹っ飛んだだろうか。
やはり、土なので威力は低い。
だが、それが余計に苦しみを長引かせる。
腹部にもろに当たり、空気がすべて吐き出させられる。
ついでに、胃の内容物もすべて吐き出した。
「ガッ・・・ガフッ・・・たす・・・ゲッ」
もう一発。
「ギャッ」
もう一発。もう一発。もう一発。
何もしゃべれなくなり、のたうちまわるだけになった。
「そろそろ殺すかァ。なァ。おめェは俺を殺そうとしたんだ。俺がおめェを殺しても、文句はいわねェよな」
その言葉を聞き、ギーシュは余計に大きくもがきだした。
何を言ってるのかもわからない状態で、息を吐きながら口を開けたりしめたりしている。
地面から、どう考えても失敗したとしか思えないようなボロボロのワルキューレが姿をあらわした。
ギーシュが命を削って作りだした、最後のワルキューレ。
足が無く、腕も一本、頭もない。
ただ、一本の手で剣を握っていた。
・・・もー、いーかなァ。
一方通行が地面を蹴ろうとした。
瞬間。
目の前を、ピンク色の何かが遮った。
174名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:31:06 ID:SvZNpl9l
しえん
175一方通行(代理):2007/12/11(火) 22:31:56 ID:l40vL5n8
「も、もういいでしょ!ギーシュ死にそうじゃない!確かにこれは決闘だけど、でも命までとらなくたって!」
ルイズだ。
何でこいつをかばうのだろうか。
「オイオイ、何言ってくれちゃってンですかご主人様。こいつは俺を殺そうとしたンだぞ?ならコロサレル覚悟があるってこった」
「そ、そんなこと関係ない!あんたがギーシュを殺したら今度こそ本当にあんた殺されるのよ!平民が貴族を殺したなんて知られたら、あちこちから兵隊がやってくるわ!」
「・・・あァ、そういえば使い魔の不始末は主人の不始末だっけなァ。俺が殺したらお前がいろいろとヤバイってわけか」
ルイズが沈黙した。下を向いてぶるぶると震えている。
「ハイハイ、わかりましたよご主人様。貴族様は殺したらイケナインですね?」
「この・・・バカッ!」
「な・・・」
「私がやばい?そんなことどうでもいいわよ!あんたがギーシュを殺したら、あんたが死ぬのよ!そんなの放っておけるわけないじゃない!人を馬鹿にするのもいい加減にしなさい!!」
ボロボロと、ルイズは涙をこぼした
「あ、あんたが・・・死んじゃうのよ・・・い、いきなり召喚して悪かったって思ってるんだから・・・死んじゃったら謝ることだってできないじゃない・・・心配したってあたりまえじゃない・・・」
一歩通行は驚いていた。
違う世界だと、ここまで違うのか。
それとも、魔法のある世界だからか。
それとも、彼の事を何も知らないからか。
彼女は学園都市に居ても、一方通行にこんな風に、対等に接してくれるのだろうか。
わからない。
だけど、確かに今、彼女は彼と対等だった。

「心配」

そんな事を言われたのは、いつ以来だろう。
能力開発をする前、彼がまだありきたりな4つの漢字でできた名前だった頃だっただろうか。
思い出せない。
ただ、嬉しかった。
純粋に、心配されるということが、これほどうれしいことなのか。
当たり前だ。
だって、認めてくれたのだから。
一人の人間として。
最強でも無く、化け物でも無く、最弱でも無く、使い魔でも無く。
一万人を殺した、血に濡れた自分を。
「絶対」になんてならなくても。
石ころに躓いてしまったような偶然によって呼び出された自分が、この少女によって、初めて人間として扱われたのだ。
「ル・・・イズ」
「やっと・・・やっと名前で呼んだわねこの馬鹿」
泣いていながら、わずかにのぞく笑顔。
その、後ろ。
176名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:32:17 ID:S6+Y1RvQ
私怨
177一方通行(代理):2007/12/11(火) 22:32:40 ID:l40vL5n8
剣を振り上げたワルキューレ。
すでに、ギーシュは気を失いつつあった。
自分が何をしているのかわからないだろう。
ただ、死にたくない。
その一心で生み出した、出来そこないのワルキューレ。
それが、今、ルイズに向かって剣を振り上げた。
「どっ・・・けぇ!」
気がついたら、体がルイズを押しのけていた。
ルイズがダメージを受けたら自分もダメージを受ける。
そんな事を考えるより先に、体が動いた。
「アクセ・・・」
ルイズが振り向き、何事かを話しかけようとした瞬間に
ワルキューレの剣は、一方通行へと振り下ろされた。
「そんな・・・うそ・・・あくせられーた?・・・アクセラレータ!?」
出来そこないのワルキューレの腕は、完全に振り下ろされ、地面まで延びていた。
「そんな・・・私のせいで・・・私が出てこなければ・・・あぁ・・・あ・・・」

「何勘違いしてンだよ馬鹿」

え?とルイズが一方通行を見る。
傷一つない。
ワルキューレをよく見ると、手くびが千切れていた。
「そうだよなァ・・・良く考えたら、魔法なンざすでに制御してンじゃねェか」
たとえば、学院の床。
一方通行は、歩くときの衝撃すら「向き」を制御して、足に負担が一切来ないようにしていた。
そして、その床にはスクウェアクラスの固定化の魔法がかけられている。
魔法に対して一切の「向き」の制御がきかないのであれば、学院の中を全く負担をかけずに歩くなんてことができるはずがない。
つまり、彼の反射は魔法にも作用するようだ。
しかし、フライのようなコモン・マジックやルイズの失敗魔法だけは反射することができなかった。
4大系統のものは反射できても、それ以外は無理らしい。
それが何なのかはおいおい考えていけばいいだろう。
178名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:33:03 ID:SvZNpl9l
支援
179一方通行(代理):2007/12/11(火) 22:35:23 ID:DSlIlNl1
スマン!

さるさん喰らった!
代理の代理頼む!
180名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:36:24 ID:pfLHsOAb
了解
181名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:36:49 ID:MAlpLVpc
バトンリレー支援
182名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:37:03 ID:SvZNpl9l
ひょっとして●持ちでも規制を食らうの?ここ

んじゃ代理してみる
183一方通行(代理):2007/12/11(火) 22:38:40 ID:SvZNpl9l
ギーシュの方を見ると、誰かが介抱している。
先ほど、ギーシュに左ビンタをくらわせたモンモランシーのようだ。
あちらは特にする必要はないと判断したところで、前からシエスタがおずおずと現れた。
顔が赤く染まり、目が真っ赤だ。
さっきまで泣いていたのかもしれない。
「良かった・・・アクセラレータさん・・・でも、ごめんなさい・・・逃げてしまって・・・。」
「気にすンな。あいつを見れば何の能力も無い人間にどうしようもないことくらいわかンよ。逃げても当然だろ」
「でも・・・だからと言って貴方を身代わりにして逃げたんです・・・」
「・・・飯の礼だ」
「え?」
「俺にシチューくれたろ。あれの礼にやったンだ。これでチャラだ。それよりも、よければ、また今度も、作ってくれないか?」
そういうと、パアっと顔を輝かした。
「はいっ!」

無理して優しく言った甲斐はあったのだろう。
その笑顔を見ると、心が洗われるような気がした。
そして、心がほんの少しだけ、本当に少しだけ軽くなったような気がした。
一万人の命の罪。
その、本当にわずかな部分。
例えるなら、一億円の借金の中から1円だけ返した。
だが、それでも十分だった。
きっと、この巨額の借金は一生何かをしたくらいじゃ返せない。
でも、何もしなければ絶対に返せない。
1円ずつでも、少しずつでも返す。
そのために、守ろう。
ルイズや、シエスタだけではない。
この世の闇から、光の世界を。
何も知らず、善良に生きている一般市民の幸せを、理不尽に奪う半端な悪党から。
完全な闇に浸かっている、筋金入りの悪党が。
すべてを守ることなどできない。
でも、彼の手の届く範囲だけでも。少しでも守る。
一方通行の中に、その決意が芽生えた。


「か・・・彼は一体何者なのでしょうか・・・?」
「むぅ・・・わからんのぉ。そもそも、あんなもの魔法ではあるまいて。先住魔法か、あるいはそれ以外か・・・」
「これが・・・ヴィンダールヴの力なのでしょうか」
「いや・・・伝説には、ヴィンダールヴはあくまで獣を操る力とあるが・・・今のは、寧ろ始祖ブリミルの領域・・・むぅ」
184一方通行(代理):2007/12/11(火) 22:39:15 ID:SvZNpl9l
29 名前:とある使い魔の一方通行[sage] 投稿日:2007/12/11(火) 22:35:37 ID:VrLocKBQ
一応、これで本日の投下は終了です
代理の方、ありがとうございましたm(_ _)m

この文もあちらに移してくれると助かります。
お願いしてもよろしいでしょうか?

一応、これで本日の投下は終了です
何か変だと思う所や、直した方がいい所など、是非教えていただきたいです。
次はいつになるかわかりませんが、悪い所を直してできるだけいいものを投下できるように頑張ります。
ありがとうございました〜
185名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:40:54 ID:64khYul2
GJ!
一方さんTUEEEEE
186名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:42:03 ID:OFfYcmyu
おつかれでした。おっそろしい文量ですねぇ……。
もうちょい、情景描写があると美味しさが増すように思ったりします。
187名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:46:00 ID:l40vL5n8
代理の代理さん、サンクス

規制時間は10分か?
188名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:46:44 ID:DljO4afx
一方さんがカミやん病に
189名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:47:13 ID:j1FpsBoI
この文章量には感心するほかないな。

個人的には一人称と三人称が混ざってるようなのが気になった。
三人称の地の文で主観を書く時はもうちょっと気をつけた方が良いと思う。
190名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:47:49 ID:qwQhVeTC
gjです

さすがに一方通行は強い
そして別れた直後だと言うのにモンモン優しいなあ

あと決闘の口上みてて、前田慶次を思いだしてしまったw
191名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:49:24 ID:sH1trfUN
>>190
そういや前田慶次だったらギーシュをどうするのかなぁ

「嫌な目だ」って言いたあと速攻で首をはねるんだろうか・・・
192名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:51:58 ID:S6+Y1RvQ
やはり、ギーシュ生存。
ゼロの兄貴のような強者は現れないか。
193とある使い魔の一方通行:2007/12/11(火) 22:53:48 ID:cY1Yjo42
規制解けたみたいです

>>186
情景描写ですか・・・頑張ってみます!
>>189
3人称と1人称ですか・・・今軽く読みなおしてみましたが、確かにわかりにくいかもしれませんね・・・
とりあえず、1人称のときには()をつけて、メリハリをつけれるように書いてみます。

>>188
そうなんですよねぇ・・・
読み直すと、どこかカミやんと混ざってるんですよ・・・
ただ、ラストオーダーに会う前の一方さんだと、どうにかしないと使い魔するのは無理かなーと思ったり。
であった後だと、活動時間という限界があるので・・・
ミョズニルトン効果で時間増加とかも考えたんですが、ラストオーダーの為に意地でも戻ろうとするだろうし・・・
ってことで、ちょっと熱血な一方さんになっちゃいました。
まぁ、ひとえに自分の文章力の無さが原因なんですけどねorz

あと、代理の代理の方も本当にありがとうございました。
助かりました〜
194名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:54:01 ID:MAlpLVpc
ギーシュ無理に殺すメリットがないがなw
195名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:57:38 ID:T0rGKhuF
果たして、この一方さんにヴィンダールヴの力が加わるとどうなるか?
196名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:58:36 ID:ajYR6ISE
ひとかたさん乙!

>>194
文中でいってたが、うかつに殺すと立場悪くなるしなぁw
197名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 22:59:54 ID:1A4uK0YA
村井陽水みたいにぶん殴られて改心するのでは?根っから腐っている奴じゃないし。
198名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 23:00:29 ID:Knl/X7CR
>>193
とりあえずお疲れ様〜

ミョズニトニルンな
199名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 23:01:12 ID:M9YnVT2s
ミョズニトルンとかどうしても覚えられん
俺の頭の中じゃいつでもミョルミョルだ
200名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 23:04:31 ID:qwQhVeTC
>191

まあ、あれは一人謀殺してたからでせう。

利休のバカ息子的扱いをおこなわせる可能性ならありますが

或いは結城英康のように、改心させるかも。
201名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 23:11:36 ID:sH1trfUN
>>200
つまり腕の一本は覚悟しとけ、と
202松下:2007/12/11(火) 23:11:39 ID:dKOfDW9N
大作、乙でございました。

さて、5分後に予約しましょうか。
203名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 23:12:22 ID:sH1trfUN
まぁやったのは捨丸だけど
しからば、投下。


《誰も二人の主人に兼ね仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛し、一方に親しんで他方を疎んじるからである。
 あなたがたは、神と富とに兼ね仕えることはできない》
  (新約聖書『マタイによる福音書』第六章より)


突如現れたアンリエッタ女王は、にっこり笑って3人を睥睨する。
「さあ、お話は全て聞かせてもらったわ、『国家の敵』リッシュモン、それにマツシタ。
 ルイズも一体、使い魔にどういう教育をしているのかしら? うふふふふふふふふふふふふ」
「へ、へ、陛下、こここここれは」
「問答無用、『レコン・キスタ』の手先の売国奴め。とうとう尻尾を掴んだぞ。モットの身柄も押さえた」
いつの間にか現れたアニエスが、ずらりと剣を抜いてリッシュモンに突きつける。尾けていたのか。
この目付けにも当然目付けをつけておいたのだが、始末されたか。不覚だった。

「ち、違います、誤解です陛下! わしはただ、彼が陛下の密命を受け、国情を調査するのに協力して」
「それならそうと、私に言って下さればよろしいのに。こんなところでヒソヒソと、国家転覆の謀計を」
「違います違います違います! マツシタ! あんた、どうにかしなさいよ!」
ええい、面倒な。ひしひしと女子銃士隊に包囲されており、怯える二人を連れて逃げるのは難しそうだ。
リッシュモンを犠牲にして逃げようか。その後タルブで独立宣言を行い、それこそアルビオンあたりと結託するか。
松下が酷い覚悟を決めた時、リッシュモンに手首を掴まれた。

「詳しい事は、あとでお聞きします! これにて御免!!」
リッシュモンが手早く呪文を唱え、杖を床に突く。すると客席の床が液体のように溶け、
すーっと3人は地下空間へ落下した。慌てて女王たちも飛び込もうとするが、硬い床のままだ。
劇場内は突然の騒ぎに、何かの余興かと喜んでいる。

「追いなさい! アニエス、このあたりの地下通路は分かりますか!?」
「調査しました、陛下! こちらです!」
205名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 23:18:03 ID:SvZNpl9l
しえん
206名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 23:18:17 ID:pfLHsOAb
支援
劇場の地下、下水道を兼ねた地下空間。3人はひたひたと歩いている。
臭いし暗いが、しょうがない。こんな下水道が存在するだけで、王都の衛生状態はかなりマシだ。

「……やれやれ、撒けましたかな。よもやあんな場所で、女王陛下ご本人が出てこようとは」
「寿命が縮んだわ。一体どう言い訳すればいいのよ! マツシタが、余計な事言うからでしょ!」
「しょうがない、『薔薇十字団』のことも、洗いざらい話そう。
 ルイズもいるし、タルブの信奉者集団があるから、ぼくをすぐにどうこうは出来まい」

「いいや、お前たちは、ここで人知れず始末する」
アニエスの声。ふわりと路地裏の排水孔から飛び降り、用意していた拳銃で、あやまたずリッシュモンの心臓を狙う。
「閣下!」
だが、銃弾は空中で静止し、液体となって落ちた。
『危ないところであったな、リッシュモン。そして「東方の神童」、「虚無の担い手」よ』
「……お、おお、我が『守護天使』!」

リッシュモンの背中に、大きなグリフォンのような翼が生える。
ついで赤金色の角が現れ、神々しい有翼の、黄金の雄牛が彼の背後に顕現する。
ソロモン王の召喚した72の霊の一柱、『有翼の総裁』ザガム(別名をハアゲンティ)であった。


《モーセがシナイ山からなかなか下りて来ないのを見て、民が(モーセの兄)アロンのもとに集まって来て、
 『さあ、我々に先立って進む神を造って下さい。
  エジプトの国から我々を導き上った人、あのモーセがどうなってしまったのか、分からないからです』
 と言うと、アロンは彼らに言った。
 『あなたたちの妻、息子、娘らが着けている金の耳輪をはずし、私のところに持って来なさい』
 彼はそれを受け取ると、のみで型を作り、若い雄牛の鋳像を造った。
 すると民は『イスラエルよ、これこそあなたをエジプトの国から導き上った、あなたの神だ』と言った》
  (『黄金の子牛』:旧約聖書『出エジプト記』第三十二章より)
「なるほど、ザガムか。古の守護神獣でもあり、錬金術に優れている魔神だ。
 つまり『薔薇十字団』も、悪魔召喚に成功しているのか。
 さほどに強力でも凶悪でもない堕天使だな。悪人ではあるが穏健派の彼には相応しいかも知れん」

『然り。我は他の悪魔のように、争いを好まぬ。ただ知識を人の子に伝えたゆえ、《神》によって追放されたのだ。
 人の子の女王よ、ここは杖を収めよ。この者は金銭を好むが、別段汝の国を裏切ってはおらぬ』

「ふざけるな、悪魔『ども』め! ここは《聖女の王国》トリステインの王都だぞ!
 汚らわしい悪魔などに指図されるいわれはないッ!!」
アニエスと銃士隊は銃弾を放つが、全て液体となって流れ落ちる。
『土は金に、石は銀に。あらゆる金属は流れる水銀に帰一し、水銀は金の母胎となるべし。
 また曰く、水は葡萄酒に、葡萄酒は血液に、血液は聖なる油となって、選ばれし者の頭に注がれん……』
弾切れだ。アニエスは激昂して剣で切りかかるが、それも『水銀』に変わる。

「せ、先住の魔法……!」
『我は悪魔の中でも弱きもの、されど真の『錬金術』により、人の子に我を傷つけることは叶わぬ。
 例えばこの地下を流れる下水を浄化し、液体を気体や固体とし、逆巻く氷雪の嵐とも成せるのだぞ、女王よ』
いくつもの石つぶてが悪魔の周囲に浮かび上がり、様子を伺うようにくるくると旋回する。

『さあ、決断せよ女王。我らと戦うのであれば、我は支配下にある地獄の33軍団を喚起せしめ、
 速やかに汝らを殺戮するであろう。いざ、勝敗を決しようか。それとも、降伏するか?』
石つぶてが、ざあっと女王たちに襲い掛かる。それらはぶつかる前に、目の前でぴたりと停まる。
よく見れば、黄金だ。

「そういうわけです、アンリエッタ女王。残念です、とても残念です。
 もし貴女が『ノン』と言えば、ぼくは貴女を拉致してタルブへ逃れ、アルビオンとでも結託するでしょう。
 トリステイン王国は、六千年の歴史に幕を下ろしますな」
松下は飄々と女王を脅迫する。ルイズはあまりの事に声も出ない。

女王は脂汗を流すが、ようやく口を開いた。
209名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 23:21:30 ID:KDr+EHIw
支援
210名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 23:23:24 ID:2DPf0mST
支援
「……いいでしょう。その『薔薇十字団』について、知っていることを洗いざらい吐きなさい。
 悪魔ザガムよ、あなたの知識も必要です。アルビオン攻めの軍資金を創造していただかねば」
「陛下!!」
「アニエス、ダングルテールの生き残りの貴女が、虐殺を命じたリッシュモンを恨むのも理解できます。
 しかし、国家の命運は、私情で左右してはなりません。アンリエッタ女王の名のもとに、彼らを赦します」

女王はきっぱりと言い放つ。
アニエスはがっくりとくずおれた。崇敬する女王に復讐を否定されては、生きている意味がない。
「貴女は私の剣、私の盾。
 それに近衛隊長と言えば、元帥とも同格です。胸を張りなさい。
 復讐の炎を義憤に変え、私と枢機卿の命令に従い、敵を打ち滅ぼしなさい!」


一方、松下は。
「リッシュモンにザガム、ひとまずきみたちを『亜使徒』としよう。
 金銭や知識に執着しては、身を滅ぼすぞ。それらはもっと大きな目的のために、用いるべきなのだ」
「……それは、『千年王国』とやらの建設ですか?」
女王が微笑むが、松下は動じない。
212名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 23:24:48 ID:9Yh9U2jK
私怨もとい支援
213名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 23:25:45 ID:2DPf0mST
松下肝が据わってるな
支援
「ええ、陛下。貴女とてお分かりでしょう、この世がいかに、地獄に近いかと言う事を。
 戦争、飢餓、疫病、貧困、無知、欺瞞、嫉妬、情欲、暴力、拝金主義。
 地獄の数を上げれば、まったく数え切れません。
 それに、悪魔よりも人間の方が、よっぽど恐ろしいのです。
 だからこのぼくは、唯一なる神の御名のもとに、この世界を一つにしなければならない。
 トリステインやアルビオン、ガリアやゲルマニアやロマリア、
 いやハルケギニアという枠組みさえ超えて、
 世界のあまねく人民が、貧窮や不幸から解放される地上の楽園。
 それが『千年王国』なのです!」

「……では、私の王権も要らないということになりますね」

「そうです! 新しい権威と新しい王国が現れ、天地が更新され、人間も覚醒して新しくなります。
 貴女は王国を担う重圧からも解放され、一人の市民として幸福な生活を送れる。
 粉挽きどころか、奴隷や乞食だって解放され、気軽に貴女と会話できる。
 それが革命の後に来る、新しい世界です!
 魔法が使えるというのは技術に過ぎない、科学が、機械工学が発展すれば、平民だってメイジに勝てる!
 その時代は、もうすぐそこです!!」

松下の大演説は、王都トリスタニアの下水道に、殷々と響き渡った。
ルイズは頭を抱えた。

(つづく)
215名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/11(火) 23:26:18 ID:jQZfvuXe
sien
216名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/11(火) 23:26:57 ID:jQZfvuXe
支援
217松下:2007/12/11(火) 23:27:41 ID:dKOfDW9N
投下終了。支援感謝。
プッサンの絵画『黄金の子牛の礼拝』は、1637年頃の作ですな。

『錬金術(アルケミー)』は近代科学の祖です。その目的は実際に黄金を作ることより、
不老不死の探求、世界の理を探ることにありました。
無論、ドイツには相当な鉱山が存在し、物理的な『錬金』も盛んでしたが。
物理学、医学、生物学、数学、化学、哲学、神学、悪魔学。
ルネサンス以降、急速に科学技術が発達するのは、
ひょっとしたら古代から復活した『悪魔』の力を借りていたのかも知れません。あのファウスト博士も、錬金術師でした。

さて前回も言いましたが、年末は忙しくなりますので、次回の投下は年明けになると思います。
クリスマスには何か別の作品を投下できたらいいな。
では、また。
218名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 23:28:24 ID:ISoXQIRh
松下過ぎるGJ
ではまた来世!
219名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 23:37:34 ID:nZZK2x6X
GJ
生きがいを上司に全否定されたアニエスがちと気の毒
220名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 23:38:52 ID:2DPf0mST
GJ!
現役の騎士の目の前でよくもまあ堂々とこんな台詞が吐けるなw
>>218
千影乙
221名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 23:40:29 ID:KUHuAzAT
とある使い魔の一方通行乙です
多少考察してみたが一方通行と魔法は相性が悪い。
元の世界でも裏では最強を名乗れそうに無いな。
222名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/11(火) 23:58:25 ID:RImmu9A9
一方さんは風を操って摂氏一万度のプラズマを生み出せるから
ワルドのような風のスクウェアレベルとは比べものにならんだろうな
223名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/12(水) 00:02:58 ID:cvykr/ix
ゼロ魔世界で虚無を除いて一方通行の相手ができそうなのは
同じく反射が使えるビダーシャルぐらいかな?
224名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 00:07:46 ID:58VK07g4
wikiを見てたら書きたくなったので書いてみました。
元ネタはグレンラガンよりカミナとグレンです。(三番煎じぐらいだけど…)
投下する人がいないなら、五分後くらいから投下します。
225名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/12(水) 00:09:56 ID:cvykr/ix
支援
226名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/12(水) 00:10:05 ID:cvykr/ix
支援
227名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/12(水) 00:11:21 ID:cvykr/ix
支援
228ゼロとアニキ 第一話「あれはグレンだ!」:2007/12/12(水) 00:13:52 ID:58VK07g4
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
通称、ゼロのルイズは喜んでいた。
目の前に赤く、巨大なゴーレムが鎮座していた。
『サモン・サーヴァント』に私は完全に成功したのだ! 

「ふ、ふ、ふ、ははは、あーっはっは!」

 思わず高い笑い声が出てしまう。てゆうか、笑い声が止まらない。やっぱりわたしは天才ね!

「あのルイズが魔法を成功させた!?」
「な、なんだあのゴーレム。すっげぇ強そうだ!」
「そんな馬鹿な!」

 外野の声がうるさい。なんとでも言いなさい、わたしはもうゼロじゃないのよ!
 と口笛でも吹き出したくなるような気分でルイズは『コンクラント・サーヴァント』を済ませるためにゴーレムに
近寄った――ところで凍りついた。
ゴーレムの口の中に血にまみれた男が座っていた。


 で、今に繋がるワケで。
 はぁああああぁ、と声を上げて大きくルイズは溜息を付いた。
 あれから散々だった。

229名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/12(水) 00:15:54 ID:cvykr/ix
支援
230名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 00:15:57 ID:h+/PEoC3
支援しちゃうZE!
231名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/12(水) 00:16:04 ID:cvykr/ix
支援
232ゼロとアニキ 第一話「あれはグレンだ!」:2007/12/12(水) 00:18:13 ID:58VK07g4
 血を見て一部の生徒は貧血を起こすわ、吐き出すわ、悲鳴を上げるわ。冷静に対応したのがミスタ・コルベールと
(意外なことに)タバサだけだったし。
 慌ててゴーレムから男を引きずり出し、応急処置を施し、タバサの召還したドラゴンに載せ、超特急でトリステイン
魔法学院に担ぎ込んだのが三日前。今はその三日目の夜
 その男はまだ目を覚ましていない。一時は本当に危なかったみたいだけど、わたしの財布の中身と引き換えに
男は一命を取り留めていた。うう、これで今月は辛い。
 だけど、仕方が無かった。わたしの使い魔は残念ながらこの男となのだ。再召喚は伝統に反する、という理由で
却下されてしまい、使い魔がいないと学院を強制放校。いっそあの時、助けなけりゃ――なんていう考えも浮かばないで
もなかったが、それはわたしの貴族としての矜持に反することおびただしい。
 結論。選択肢は、無し。とゆうわけで、未だに意識を回復しないこの男にサクッと『コンクラント・サーヴァント』見事成功。
ちょっと悪い気もしたが、まぁ、平民ぽいし、大丈夫よね、と自己正当化。意識がある時にする方が恥ずかしいだろう。
あとは目を覚ませば――あ
 目を覚ました。目をパチパチとさせて……ガバッと起き上がった!

「ど、どこだ、ここは? 一体どうなってやがる」
「あんた、眠ってたのよ、三日くらい。」
「三日……三日!? 戦いは! 戦いはどうなったんだ! シモンは、グレンラガンはどうなった!?」
「シモン……グレンラガン? 何を言っているのかよくわからないけど、あんたが乗っていたあのゴーレムのこと?」
「ゴーレムって何だ? いや、まぁ、それは良い。お前は誰だ? ここはどこだ? どうして俺はこんなとこにいる?」
233名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 00:20:42 ID:W4EqnWGI
エドが会場を見ると、そこには華麗にドレスアップしたルイズの姿が見えた

「こりゃぁ…相棒、見てみろよ」

「…ふん」

エドが食べ物を食べていると

「楽しんでるみたいね。」
ルイズがエドに声をかけてきた

「べ、別に…」

「それにしても、よく食べるわねぇ」

「ほっとけ!」

「そう…」

「「……」」

「…そういえば、お前は踊らないのか?」

「踊る相手がいないのよ」
「ふ〜ん…モグモグ」

ルイズは、手をエドの前に出した

「踊ってあげてもよくってよ…?」

「へっ…!?…お、『踊ってください』―じゃねぇのか?」

「もうっ!!…今夜だけだからね。…私と一曲踊ってくださいませんこと?」

ルイズは顔を赤く染めている

(相変わらずだなww)

「ダンスなんかした事ないぞ」

「私に合わせて。…そう…ねぇ、私にもっと話してよ、エドのこと。私、信じることにしたから…」

エドはルイズに、エドがいた世界の事を話した。 ―こうして、夜は過ぎていった―

234名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 00:22:14 ID:W4EqnWGI
ルイズ「エド、そこの本を取りなさい」
エド「はぁ?、んな本自分で取れるだろうが、自分で取れ。俺は機械鎧を磨いてて忙しい」
ルイズ「(ムカッ)いいエド、下僕が居る場合は貴族は自分で本を取らないのよ!」
エド「あ〜そうですかい」
ルイズ「平民の癖してご主人様のご命令が聞けないのね?」
エド「知るか、貴族なんてどーでもいい」
ルイズ「エ〜ド〜ワ〜ド〜!!!」
エド「なんだよ?・・・・。ってルイズやめろ!また鞭で振り回すのは!!」
ルイズ「あんたって奴は!あんたって奴はああああああああ!!」ベチッ ベチッ!!!!
エド「ルイズ、痛いからやめろ、ってか危ないって。うおわっ!!!」
ルイズ「きゃっ!!」ドスンバタン!!!
・・・・・・
ガチャッ
コルベール「ミスター・エルリック、ちょっと用事があるのだが・・・」

コルベールの妄想:ルイズを押し倒してるエド、しかも服が二人とも乱れていてエロっぽい

コルベール「すまない、お楽しみ中だったか・・・」バタン
ルイズ「ちょっ・・・違います!!待ってください!!」
エド「ちょちょっちょっと待ってくれ!、誤解だああああああああ!!」
235ゼロとアニキ 第一話「あれはグレンだ!」:2007/12/12(水) 00:22:45 ID:58VK07g4
「順に答えるわ、わたしはルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。あんたのご主人様よ」
「ご主人様だぁ? お前が? 俺の?」

 目の前の男はくだらなそうに言うと、わたしをじっと見た。なんか今笑った。笑いやがった。

「ハッそんなんでご主人様だぁ? くだらねぇ、おとといきやがれ」
「ちょっとあんた、平民のくせに貴族になんて口利いてるのよ!」
「ヘイミン? キゾク? なんだそれ? 喰えるのか?」
 
 ルイズは頭が痛くなった。とんでもない田舎の平民を呼んじゃったのかしら。の割にはあのゴーレムは一体何?

「……二つ目の質問に答えるわ、ここはトリステイン魔法学園でここはその医務室。サモン・サーヴァントで呼びされた、
あんたは大怪我しててここに運び込まれたの」
「大怪我……そういえば、傷が無くなってるな。死んだと思ったんだが」
「感謝しなさいよ。あたしが薬の手配をしてなかったらきっと死んでたんだから」
「そうか…そりゃすまなかったな、ありがとよ。で、トリステインってどこだよ?」
「はぁ? あんたトリステインも知らないの? 一体どこの出身? ふん、まぁいいわ。あんた、名前は?」
「俺の名前だぁ? よし、耳の穴ぁかっぽじってよ〜く聞きやがれ!」

 そう言うと男はベッドの上に建ち左手で天井を指差した。

「ジーハ村に悪名轟くグレン団の、ぁ、不撓不屈の鬼リーダー! カミナ様たぁ、俺の事だ!」
236名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 00:22:55 ID:W4EqnWGI
「あぁもぉ!!、あんたまた牛乳残してるわね!」
「誰がこんなもん飲むかよ!、別に牛乳なんか飲まなくても平気だ!!」
「平気じゃないわよ!、牛乳は骨にもいいのよ!」
「骨にいいものなら他にもあるだろが、だったらお前が飲めよ。胸がでかくなるかもしれんし!!」
「(プチッ)ほお・・・そこまで言うなら・・・私が飲ましてやるわ」
「えっ!?」
「エードちゃぁん・・・。口あ〜んしてね・・」
「ちょっ・・・ルイズ・・や、やめっ!!!」
「さっさと飲みなさい!!」
「いーーーーーやーーーーーーーーーー!!」
「ちょっと、暴れないで、牛乳がこぼれちゃっ・・・きゃっ!」ドスン
「いっつー・・・ルイズ大丈夫か?」
「いたたたた・・・もぅ何するのよぉ・・・牛乳が顔についたじゃない・・!」
「ったく・・・しょうがない奴だな」

ペロッ

「ーッ!!」
「ほら、牛乳飲んでやったぜ!」
「待ちなさい・・・・・・・今度から・・・ちゃんと飲みなさいよ・・・でも・・・こういうことするのは今日だけだからね!(照」
「ーッ!・・・・わかったよ、ちゃんと飲んでやるよ(真っ赤」
「わかれば・・・いいのよ(真っ赤」

237名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 00:23:00 ID:7qNcKjfY
誤爆か?
238名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 00:23:53 ID:W4EqnWGI
ちゅどーん!!!!

大きな爆発の終わった後には、平民が召喚された

「ゼロのルイズが平民を召喚したぞ!」

ゼロと言われた少女の周りの生徒の一人が、そう叫んだ

「う、うるさいわね!ちょっと失敗しただけよ!」

その少女―ルイズ―が顔を赤くして叫んだ

「ミスタ・コルベール!もう一d「ダメです」…」
「しかし、「無理」…」
「…わかりました(泣)」

そう言うとルイズは、地面に大の字で気絶している平民に使い魔のルーンを刻んだ―もちろん、キスで―

「!?イッテェェェェ!」
平民が、痛みに耐えかねて声を上げた

「あんた、名前は?」
「は?…ここは…」
「名前は何か聞いてるのよ!早く答えなさい!」
「俺は…エドワード・エルr「ルイズ〜!!」」
「「!?」」

いきなり名前を呼ばれたルイズと、自分の話を中断させた少女を見る

「どうしてくれるのよ!あたしの…あたしのフレイムが死んじゃったじゃない!」

この不幸な少女はキュルケだった…
239名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 00:24:33 ID:W4EqnWGI
「へ????」
「あなたの爆発で飛んで来た岩が、フレイムを潰しちゃったのよ!」
「えぇ〜と…ごめん」
「ごめん?ごめんですむわけないでしょ!」
(どうしよう…)

ルイズは焦っていた。自分のせいで、キュルケの召喚したばったりの使い魔を死なせてしまったのだ

「えぇっと…ミスタ・コルベール!ミス・ツェルスプトーにもう一度召喚の儀式を!」
「やれやれ…使い魔が死んでしまってはしかたありません。ミス・ツェルスプトー、もう一度召喚の儀式をして下さい」
「わ、わかりました(泣)」
キュルケがもう一度、呪文を唱える

「なぁ?聞いていいか?」「なによ?てゆーか名前を言いなさい!」
「ぐ…エドワード・エルリックだ!ここはドコなんだ?」
「はぁ?ここが分からないの?どこの田舎から来たのよあんたは!」
「うるせぇ(怒)」
「口のきき方に気を付けなさい!いい?ここは「なんてこった…」へ?」
「へ?」

ルイズがキュルケの方を見ると、そこには『平民』が召喚されていた

「うそでしょ…」

キュルケは泣きそうになりながら、自分が召喚した平民を見た

(あら?けっこうイイ男じゃない…ってそんな事考えてる場合じゃないわ)

「ミスタ・コルベール!」「…」
「もう一度…」
「…」
「そのぅ…」
「…ダメです」
「やっぱり…(泣)」

キュルケは、召喚された平民の方に向かって歩いていった

(はて?ここは…何処だ?)
キュルケに召喚された平民―ルイ・マスタング―は辺りを見渡していた

(さっきまでマリリンの部屋で…いや、ドアを開けたら…ん?)

キュルケがマスタングの前まで来ていた

「あなたのお名前を教えてくださる?」
「これはこれは…私の名前はルイ・マスタングと申します、美しいお嬢さん。できれば、貴方のお名前を教えていただけたら嬉しいのですが」
「あたしはキュルケよ。そして…あなたのご主人様よ!」

240名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 00:24:54 ID:lVMxUtpX
絶対相手にするなよ
241名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 00:25:13 ID:W4EqnWGI
俺の傑作面白すぎるでしょwwwwww
さすが俺、最高だな。
242ゼロとアニキ 第一話「あれはグレンだ!」:2007/12/12(水) 00:26:33 ID:58VK07g4
 ルイズは頭を抱えてうずくまった。どうしよう、田舎者の上に本当の馬鹿だ。泣きたい。てゆうか、泣こう。
ああ、ブリミル様、願わくばわたしに普通の人生を。どうしてわたしだけこんなに苦難が多い人生なのかしら。

「……もういいわ、行くわよ」
「ああん? どこにだよ」
「あんたが乗ってたゴーレムを取りにいくのよ。動かし方知ってるんでしょ? 大きくて重くて動かせないから
置きっぱなしなのよ。邪魔だから早くどかせって先生達から文句言われてるんだから」
「ゴーレムじゃねぇ、グレンラガンだ」
「だから! その、グレンラガンって何なのよ、ゴーレムでしょ?」
「だから、ゴーレムって何だよ。グレンラガンっつったらグレンとラガンが合体して出来たガンメンに決まってるだろ。
お前、ガンメンを知らないなんてどこの村の出身だよ。それともここは地底か?」

 埒が開かない。そう感じたルイズはとりあえずこいつがグレンラガン?と呼ぶあのゴーレムまで連れて行って
やることにした。それからゆっくりいたぶって調教してやろう。
 平民と貴族の格の違いを思い知らせてやるんだから!
 サモン・サーヴァントを行った場所は学院の中庭だったので、距離的にはすぐだけど、そこに行くだけででえらく
時間がかかった。何故なら、カミナが

「うおお、こんなすげぇ石の建物は初めてみたぜ!」
243名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 00:27:10 ID:3K2wsBuk
グレンラガンか、熱いらしいけど内容把握してないな、機会があれば見てみるか。
支援
244名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 00:27:21 ID:SQABLAD3
あからさま過ぎて逆に釣り臭いぜ。
とりあえずNGNGっと
245名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/12(水) 00:28:33 ID:cvykr/ix
支援
246名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/12(水) 00:29:02 ID:cvykr/ix
支援
247ゼロとアニキ 第一話「あれはグレンだ!」:2007/12/12(水) 00:30:05 ID:58VK07g4
とか

「な、なんで月が二つもあるんだ……!?」

とか騒ぎ出したからだ。
 ルイズはさっきの一連で確信したことを更に深く思った。こいつ、本当の本当に田舎者ね。大体、月が二つあることを
知らない、なんて空を見たことが無いのかしら。地底にでも住んでたと言うの? 馬鹿馬鹿しい。ああ、腹立たしい。

「ほら、あれよ」
 中庭に到着して、わたしは鎮座しているゴーレムを指差してやった。周囲には灯りが点っている。またミスタ・コルベール
が何やら調べているらしい。ああいう珍奇な行動が無ければ良い先生なのに、と生徒は皆口を揃えて言う。

「お、……ってありゃグレンだけじゃねぇか。ラガンはどこ行った?」

 また何か言ってるが付き合うのがいい加減精神的に面倒なので、ルイズは構わずコルベールを呼んだ。

「ミスタ・コルベール!」
「なんだね、ミス・ヴァリエール――おっと、使い魔が目を覚ましたのか!」

 コルベールが早足で近づいてきた。

「君が乗っていたゴーレムは一体どこで作ったのだね!? いやぁ、見たこともない金属に見たことも無い機械の構造、
良ければどんな風に錬金したのか教えて頂けると……」
248名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 00:30:11 ID:3K2wsBuk
間隔が長いな……まさか直書きじゃないよな……?
249ゼロとアニキ 第一話「あれはグレンだ!」:2007/12/12(水) 00:32:18 ID:58VK07g4
 早口でコルベールがまくしたてる。しかし、ルイズは横から冷静に述べた。

「ミスタ・コルベール、こいつはメイジなんかじゃありません。平民とか貴族とかも知らないって言うし、トリステインって
言ってもなんだそりゃ?とか言うんですよ」
「ふむ? ではどうやってあのゴーレムを」
「あー! ゴチャゴチャゴチャゴチャうるせぇ! あれはゴーレムなんていう名前じゃねぇ! あれはグレンだ! 
俺のモンだ!」
「あれがあんたの物って言うなら動かして見なさいよ!」
「言われなくたって動かしてやるよ!」

 カミナは開きっぱなしのグレンのコックピットに入った。座席に座る。レバーを握る。一応点検をする。
 よし、なんも問題なんかねぇ!
 軽い機動音と共に金属が擦れて、駆動する音が辺りに響く共に赤い巨大なゴーレム――ガンメン、グレンが
立ち上がった。

「お、お、おおおおおおぉぉぉぉ」

 外ではコルベールがおたけびを挙げていた。興奮していた。同時にすげぇ!カッコイイ!とか思っている。
どんなメイジのゴーレムを見たときよりも凄い感動がコルベールを包んでいた。
250ゼロとアニキ 第一話「あれはグレンだ!」:2007/12/12(水) 00:33:32 ID:58VK07g4
 一方、ルイズは目を見開いて、呆然としている。
 あんな、金属の塊が! どうせ色と形がそれらしいだけのハッタリと思ってたのに。まさか、あんなものが……!?
もしかして、とルイズは思った。もしかして、わたしは凄い使い魔を――

「どうだ、見たか! 俺を誰だと思っていやがる!!」

 夜の学院にカミナの声が響いた。
251名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 00:34:03 ID:3K2wsBuk
ここのスレ結構沢山はいるからまとめて投下したらいいよ、ぶつ切りはあんまり好まれん
252名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 00:34:27 ID:58VK07g4
以上、投下終了です。拙い分で申し訳ない。

>>248
ちょっと規制の事気にしながら投下していました。遅くてすいません。
253中本博美 ◇/sYQkvDLto:2007/12/12(水) 00:35:29 ID:W4EqnWGI
俺は小説を書いてもすごい。
真実の経歴。
才能だけで全国歌手オーディションにて、
3800人中27人として合格し、特待生になったが辞退した話や、
これまた才能だけで運動会から地元の陸上競技会に呼ばれた話を書いている。
http://www.geocities.co.jp/Athlete-Olympia/3986/jiko.html

運営サイトの真実。目玉経歴が3つあり。
http://blue.kakiko.com/tare/hiromi/jijitu.html

4000曲以上の土着おどり動画。
http://folkdance.seesaa.net/

284地域1曲ずつのベスト版。
http://folkdanceselection.seesaa.net/

本体の別館。
http://vip.45.kg/folkdance/

ベスト版の別館。
http://vip.45.kg/folkdance/folklore.html

用意してみた。簡易世界地図と共に、
それぞれの別館で位置確認が出来る優れもの。
http://ime.nu/mh3.mp7.jp/data/54/saiaku/pub/2.jpg
そして俺のイケメン顔。
254名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 00:36:48 ID:3K2wsBuk
直じゃないんなら問題ないよ。余計な詮索すまなんだ。
・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
テンプレにもあるとおり、一回の書き込みで結構はいるから、規制考えるならこう言うところもチェック頼むな。

ともかく、投下乙だぜ
255名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 00:40:44 ID:sacw5hOA
投下乙
256名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 00:45:50 ID:RKzcDIHW
支援
257名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 00:52:52 ID:QnibMYp9
投下乙です
258宴はまろやか:2007/12/12(水) 00:55:53 ID:zsUfLui5
こんばんはー。1:10ごろから投下しようと思います
対ギーシュ、今回はちょっとシリアスです。
259宴はまろやか 1/4:2007/12/12(水) 01:02:01 ID:zsUfLui5
「そうだ、決闘だ!」
 ギーシュは言った。
 
 宴はまろやか
 「愛しのモンモランシー」
 
 
 一本足の小さなカフェテーブルを挟んで、一組の男女が向かい合い座っていた。
 小ぶりなティーカップが二つ、間にお菓子を積んだ小皿が一つ、これだけでテーブルの
上はいっぱいになっている。全体を白く塗られた控えめな意匠の、とても狭いテーブル
だった。
 はっと、ギーシュは、テーブルの上からはみ出て落ちそうになった自分のカップを慌て
て手で押さえた。ぎりぎりながらスペースを確保していた筈だったが、突然傾いて中身を
ぶちまけようとした。向かい側の彼女が、自分の側からそれを押しのけ、無理やり作った
空きに派手な音と共に肘を立てたのだ。ギーシュは思わず肩を窄める。
「だからねぇ、だから……ああもう」
 ギーシュの向かい側に座る彼女、モンモランシーがこれ見よがしに溜息をついてみせる。
その仕草にギーシュがますます萎縮したのを眺めてから、彼女はごん、と自分のひざで
ギーシュのそれを蹴ってみせた。
「あいたっ」
「黙れ」
 ごん、ごんと連続して膝小僧を攻められる。あまり人の居ない広場に多い、一人用の
テーブルに二人で座り、たまにお互いのひざが擦れ合う感触を味わう。これがギーシュの
密かな楽しみの一つだったが、その狭いスペースは今、明らかにモンモランシーの味方を
していた。
「あんたねぇ、この、この。このっこのっ、このぉ!」
「いたっ、痛い! 凄く痛いよ」
「黙りなさい!」
 もしかしたら足が近すぎることは、すねを蹴られることのなかったギーシュの味方もし
ていたのかもしれない。だが、痛いものは痛い。ギーシュは少し涙目になった。
「ていうかね、なくしたって、なくしたって何よ。ほんとに、あれは自信作だったのに」
「それは、ごめんよモンモランシー」
 モンモランシーは一際力が篭ったひざをぶつける。彼女が身を乗り出して近づけてきた
整った目鼻よりも、ギーシュはぴたりと距離を埋めたままのひざ同士に胸を高鳴らせた。
健全な男子生徒だった。
「そ、そうだ! 今から僕は死に物狂いで君から貰った香水を探しに行くよ。
 絶対に見つけてくる。約束する」
 このままモンモランシーの機嫌を損ねたままにしておくと、何が起こるか解らない。こ
の幼馴染が、同学年のヴァリエール家の三女ほどではないにしろ、恐ろしい癇癪持ちであ
ることをギーシュは知っていた。
 ごつん、とギーシュのひざが一際強い音と共にいじめられた。
「その必要はないの。あなたがふらふらしてる間にルイズがね、ちゃんと見つけてくれた
んだから」
「ルイズ? ゼロの?」
「ええそうよ。あなたなんかよりよっぽど頼りになるわ。
 じゃあね!」
 強い音を立てて椅子が引かれる。立ちすがらにもう一度ひざを蹴られた。
 ギーシュは思わず口をぽかんと開けて、立ち去るモンモランシーを見送った。自分の彼
女があのゼロのルイズと親しいというのは初耳だったし、なによりゼロの彼女よりも頼り
にならないと言われたことがショックだった。
 
 
 
 ギーシュは昨日の足取りをなぞり、中庭に訪れていた。授業を受けた教室は、一度覗い
てから、上級生が居ないところだけ見て回った。教室は二つだけ残して、食事、休憩、そ
ういった場所を巡る。そして中庭に辿り着いた。
 正確には、中庭だった場所、だろうか。昨日は中庭だったが、今日はただの更地だった。
「……そうか、ここだ。ゼロのルイズらしい、過激な証拠隠滅だな!」
 これは陰謀だ、とギーシュは思った。ここまで派手に爆破されている以上、ルイズにも
それをやらねばならない何かがあったはずだ。しかし、彼女に何があったのか問い詰める
260宴はまろやか 2/4:2007/12/12(水) 01:02:32 ID:zsUfLui5
のは難しい。不毛の地を思わせる土肌に、ギーシュは慄いた。
 くりかえしモンモランシーに何度も蹴られたひざが痛んだ。はっきりと姿を見せない害
意は、確実に自分を狙っている。
 ギーシュはごくりと唾を飲み込んだ。
「る、ルイズなんか怖がることない。僕のワルキューレならやれる、やれる……。でも、
貴族同士で争うのは良くない」
 土をじゃり、と鳴らして腕を組む。
 目的はいくつかある。一つ目は、モンモランシーの信頼を取り戻すこと。これが一番重
要だった。それも、出来るだけ早く達成しなければならない類のもの。二つ目は、何らか
の計略を持って自分を陥れたルイズからグラモン家の誇りを取り戻すこと。これも重要だ。
栄えあるトリステインの軍人である、父や兄らの沽券にも関わる。それから、二つ目は貴
族同士の決闘の禁止を破らずに行う必要があった。貴族たるもの、定め事には忠実にあら
ねばならない。
 ギーシュはすっかり吹き飛んでしまった中庭に一度目を遣って、逸らした。
「プレゼントは逆効果だ。彼女の心の篭ったプレゼントを足蹴にしたばかりなのに、そん
な恥知らずな真似はできないし……」
 ふと、第六感とでも呼べば良いのか、召喚の儀以降増えた感覚にくすぐったさを覚えて、
下を見た。近づいてきているな、と思い、屈んで両腕を広げる。
 一瞬土が盛り上がったかと思うと、ギーシュの腕の中に使い魔のジャイアントモール、
ヴェルダンデが飛び込んだ。
「よしよし、良い仔だねヴェルダンデ。君はいつだって天使のような抱き心地だね。
 ……おや、僕にプレゼントかい? まったく君はなんて素敵な使い魔なんだ!」
 ヴェルダンデは口にくわえた鉱石をギーシュに差し出し、そして主人の頬に頬ずりする。
一通り擦って満足したのか、次は顔を舐め始めた。くすぐったそうにギーシュが笑い声を
上げる。
 そして何者かに後ろから押されたヴェルダンデが、主人の顔に強かに激突した。
 ヴェルダンデが掘った穴から、ルイズの使い魔が顔を出したのを見て、ギーシュは眉を
寄せた。
「うまそうな石のにおいがする!」
 ちなみにゴブリンの嗅覚は宇宙なので、ラッキーに石の匂いの良し悪しなど解らない。
 ギーシュは、ラッキーが鉱石に鼻を寄せるのを見て、頼みごとを一つ思いついた。
 
 
 
 一人と二匹が顔をつきつけて相談を始めた。
「まず、この鉱石は成功報酬でいいかな」
「へい! かまいやせん」
 ラッキーは勢い良く首を振る。ギーシュは石を持ってきてくれたヴェルダンデに伺って、
彼女にも不満がない事を確認する。役に立つならとはしゃぐヴェルダンデの頭を強く撫で
てから、ギーシュは一層声をひそめる。
「これから君に頼むのは演劇だ。決闘のかたちをなぞる。
 ただし、決闘は貴族の誇りを示すためのもの。演劇は貴婦人の気を惹くためのものだ」
 彼は真剣な表情で言った。
「その違いを解って欲しい。君の主人に預けた誇りもあるけれど、僕の一番はモンモラン
シーなんだ」
「へい! わかりやした」
 ラッキーはまた勢い良く首を振る。ギーシュは表情を柔らかく崩した。
「よし、劇は派手に行こう。恋に焦がれると言うし、焼けてしまうほど熱い方がいい」
「あ、それならおいらにちと考えが」
「おお! 頼もしいね」
 ラッキーはギーシュの許可を取り、一度だけ彼を殴った。
 直径一メイルほどの光る鏡が空中に現れる。固唾を飲んで見守るギーシュの前で、一台
の銃と沢山の袋を引き摺ったゴブリンが顔を覗かせた。
「おい、どうした」
 現れたゴブリンは言った。ラッキーと同じく小柄だ。ギーシュよりも頭二つ分は小さい。
しかし、浮かんだ鏡から、地面までの僅かな距離を飛び降りるだけで、彼は爆発にも似た
着地音を立てた。呆れるほど大量の袋を引き摺っていた。
「こんな閑地に俺を呼ぶなんて……」
 ゴブリンは戦争が好きだ。暇があれば他種族と争うし、一度戦が始まったなら日常の一
切の些事を忘れて戦いにのめり込む。ゴブリンは例外なく争いを歓迎する。
261名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 01:02:37 ID:3K2wsBuk
支援する!
262宴はまろやか 3/4:2007/12/12(水) 01:03:03 ID:zsUfLui5
 だから、たまに、戦争の得意なゴブリンが生まれる。
「――戦争でも、するのか?」
 そして彼は、シャープシューターと名乗った。
 
 
 
「ギーシュの旦那が言うには、おいらたちと旦那が喧嘩して、旦那がピンチになって、で
今度はおいらたちが負ける? らしい」
「最初は勝って、最後に負ければ良いんだろう」
「あ、なるほど」
 ギーシュはモンモランシーを一人だけ呼んで見せるのではなく、決闘騒ぎを起こして集
まった見物人の中に彼女が居ることを期待する、そういうやり方でいくらしい。ラッキー
とシャープシューターは、ギーシュが騒ぎの宣伝をしている間、打ち合わせと練習をする
ことにした。
「勝つのは俺が居れば問題ない。全部吹き飛ばしてやるよ」
 シャープシューターは凄惨な笑みを浮かべて言った。ラッキーも特に異を唱えない。目
の前の、木製の連射銃を構えた狙撃兵の恐ろしさは、ラッキーも良く知っていた。
「じゃあ、おいらたちにとっては、難しいのは負けるほうってことかい」
「そうだな」
「練習しようか」
「ああ」
 二匹はそう言って、後ろに倒れる練習を始めた。
「ほら、ばたーん」
「ばたーん」
「ばたーん」
「ばたーん。これは、背中が痛いな」
「だから練習してるんだろ。ばたーん」
「確かに。ばたーん」
 ちなみに言うまでもないが、シャープシューターも生粋のゴブリンである。
 
 
 
 火の塔と風の塔の間、丁度建物の影になるヴェストリの広場で、ギーシュの掛け声と共
にその決闘は始まった。
「行け! 僕のワルキューレ!」
 一体のゴーレムが二匹のゴブリンに向かって突撃する。薔薇の意匠の杖から飛んだ一枚
の花びらは、二匹のゴブリンにより近い位置でゴーレムに変化し、そして構えた槍を振り
下ろした。ギーシュらしかぬコンバットトリックに観衆が熱狂する。
 シャープシューターは、己の武装と、ラッキーの肩を引っ掴んで飛びずさり回避した。
掴み損ねた一つの袋が切り裂かれ、中身がばら撒かれる。開始前から、シャープシュー
ターが自分の周りに冗談にならない量の袋を置いていたので、ばら撒かれた中身は観衆の
興味の視線を一身に受けた。すぐさま彼、彼女らから訝しげな声が上がる。
 ところがたった今生命の危機に晒されたばかりのゴブリンたちは、目の前でワルキュー
レがちらつかせる槍など取るに足らないと言うように、にやりと笑った。
「なかなかァ、早いもんだな、おい」
 シャープシューターは掴んだ袋の口を緩めて言った。中には、ワルキューレに切り裂か
れた袋と同じように、木くずと石くずが詰まっている。
 彼はそれを全て、己の銃に押し込んだ。
「ゴブリンを舐めちゃァいけない。いけないぜ」
 彼は銃を構えた。
 そして集まった貴族たちは、世の中に数多存在する"数の力"のうちの一つ、取るに足ら
ぬ平民の牙の一つの完成形、魔法使いの優位を脅かす全く新しい脅威――
 たった一匹のゴブリンが、ハルケギニアに持ち込んだガトリング・ガン。それが、ゴー
レムを蹂躙する様を目の当たりにすることになる。
 
 ギーシュの耳は、自分とゴブリンを取り囲む生徒たちの歓声と、目の前に立ちふさがる
ゴブリンの構える銃の発する音との区別がつけられなくなっていた。シャープシューター
の銃は凄まじい音と威力を存分に発揮している。
 先手で切り裂いた袋の中身を信じるなら、あの銃が自分のワルキューレにぶつけている
のは木くずと石くずのはずだ。青銅で象ったワルキューレの肌が負ける筈がない。絶対に
263名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 01:03:27 ID:RKzcDIHW
支援
264宴はまろやか 4/4:2007/12/12(水) 01:03:34 ID:zsUfLui5
間違っている。ギーシュはそう思って一気に四体のゴーレムを作り上げた。初手の一体、
次手の二体が無残に吹き飛ばされているので、今の四体は、全部で七体までしか練成でき
ないギーシュの全力に当たる。
 ギーシュは必死にラッキーに向かって目配せした。ここで華麗にギーシュが逆転して、
ラッキーとシャープシューターに負ける演技をしてもらう必要がある。それはもう必死に
目配せした。だから、ラッキーが目配せに気づいた素振りを見せたときは本当に助かった
と思った。
 ラッキーは戦闘中にウインクをしてくるギーシュの気の良さに嬉しくなって、自分も彼
に向かってウインクをした。
 ギーシュは絶望した。
 
 生徒たちは、ギーシュがシャープシューターの銃で吹き飛ばされるのを見て歓声を上げ
た。学生にとっては全く縁のない、素晴らしく迫力のある戦いだった。二匹のゴブリンは、
自分たちとギーシュで演じた演劇が観衆に受けたことに気を良くして、最後の締めに移っ
た。
「よし、もう良いんじゃないか。ばたーん」
「そうだな。ばたーん」
 観衆は何が起こったのか解らずに、揃ってぽかんと大口を開けた。
 モンモランシーと連れ立って見に来ていた、ラッキーの主人であるルイズだけが、何が
起こったのかに気づいて頭を抱えた。
 
 
 
 満身創痍のギーシュは、医務室で水系統が得意なモンモランシーの手当てを受けていた。
 
「ちょっとギーシュ、あなたねぇ、なに馬鹿やってるのよ」
「も、モンモランシー……」
「ほらほら喋らない。ルイズが言ってたわよ。『ゴブリンに、最後に負けるフリをしてく
れって言えば、多分あんな感じになるわよ』って。あなたも馬鹿ねぇ」
「……くっ、ま、またゼロのルイズかい!? あ、あいつ本当に僕たちの仲を引き裂くつ
もりなんじゃ」
「馬鹿言わないの」
「まさか嫉妬!? ルイズはこのギーシュ・ド・グラモンひ密かに恋心を寄せていて、僕
がモンモランシーにばっかり構っていることに気を悪くして……」
「馬鹿言ってると引っぱたくわよ!」
「ご、ごめんよモンモランシー! 大丈夫、僕は君一筋さ!」
「だから馬鹿言ってるんじゃないの! あんたが騒いでるうちは、治るものも治らないん
だからね!」
「ごめん、ごめんってば」
「じゃあ早く寝なさい!」
265宴はまろやか 5/4:2007/12/12(水) 01:04:07 ID:zsUfLui5
投下終了です。支援ありがとうございました。
ほのぼのだけじゃなくてシリアスなバトルもやります!

すいませんうそつきました。ギーシュ戦でまさかの八百長とかすみませんでした。
今回のゲストは、ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooterです。彼は超強いです。
タフネス1の敵は彼が出てくるだけで全滅です。彼が居ると後続も出せません。
ワルキューレは1/1の兵士トークンみたいなものかなー、と思いながら書いてました。

投下間隔がほぼ一週間で固定されつつあるんですが、もっと早く書きたいなぁ…
266名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 01:04:30 ID:RKzcDIHW
投下乙したー
267名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 01:04:46 ID:3K2wsBuk
投下乙、そしてGJ
ゴブリンですか、ゴブリンは仕方ありませんね。
268名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 01:04:56 ID:48GXzed5
支援
269名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 01:07:36 ID:SQABLAD3
乙乙!

ゴブリンじゃしょうがないな( ´∀`)
ギーシュの評判ががた落ち……かなw
270宴はまろやか@補足:2007/12/12(水) 01:10:45 ID:zsUfLui5
な、何があったのか気づいたのはルイズとモンモランシーだけ…です…!
原作より酷い扱いにはなりません。ちょっとモンモランシーがつんつんするだけです。

…モンモランシーがつんつんするって、むしろプラスじゃないですかねハァハァ
271名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 01:14:02 ID:nDxqMoth
ラッキーの頭の中身がテラカワイスwwww


BLEACHからネム召喚して平民だからとこき使うルイズ。SSとハルケギニアが繋がって、マユリ様襲来。
ネムがハルケギニア風に言えば軍の将官クラスのご令嬢&本人も高官と知ったらルイズはどんな反応するだろう。


スター・レッドネタの投下は明日…じゃない、今日の午後か明日になりそう。
ハルケギニアでのアルビノの扱いとか、どうしたものか………。
272名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 01:16:04 ID:SQABLAD3
>>270
つまりギーシュはツンデレ萌えのマゾヒストなんだな?そうだな!?
273名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 01:16:39 ID:oLZhm25m
まさにこの言葉が当てはまる
「クソワロタwwwwwww」
274名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 01:19:30 ID:a6NFPVsu
アニキとラッキーの人、乙でした

ふと、グレンごと召喚と言う事は、向こうに残されたシモン側もグレンラガンになれないわけで……
あれか、どこぞのネタイラストにあった様な、キング・キタンやダヤッカイザーと合体か

まさかの新ゴブ召喚は、今後のルイズの気苦労が心配なところですよ
シューターは扱いミスるとやばいって
しかし、ガトリングをばら撒くという結構酷いことしてるはずなのに、このほのぼのさ加減はいいなぁ
275名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 01:21:54 ID:zsUfLui5
>>272
し、しまった!それじゃギーシュじゃなくて私じゃないか!

宴はまろやかではギーシュもそういうことにしようと思います。
276名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 01:25:14 ID:KTlyH8ux
いかん、ゴブリンの大群じゃ!誰ぞ、めった切りを持てい!
277名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 01:26:26 ID:SQABLAD3
>>275
ちょwwカミングアウトwwww

これからもがんばってくれ。
wktkして待ってるぜ〜
278名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 01:37:13 ID:qgRRgHYa
まろやかな人乙。あの射手にはよく最後の数点持っていかれたもんさ。
……隣にゴブリン生贄にしてプレイヤー攻撃出来る司令官様も控えてたしな!
279名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 01:42:32 ID:D0jZms5C
>>274
まあ、どうせ量産型の3コイチだしリーロンならグレン2号機作るぐらい簡単だろうが。
問題は思い入れだわな。
280名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 01:53:55 ID:Jm+W+ZV3
>>276
御館様、ポケットのビスケットという歌やドラえもんのバイバインって知っていますか?

つまり、こういうときはとっておきを使うのです

逃げるぞー!!!
281ゼロと迷宮職人:2007/12/12(水) 02:00:47 ID:h+/PEoC3
投稿後、応援レスがうれしくて書き進めていました。
気がつけば、程よい量になってました。
投稿していいですかね?
282名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 02:02:17 ID:qgRRgHYa
不安であれば一日寝かせて推敲、そうでなければ……来いッ!
283ゼロと迷宮職人:2007/12/12(水) 02:08:57 ID:h+/PEoC3
私に見直しはあっても推敲はありません(ぉ
では一分後から投稿を開始いたします。
284ゼロと迷宮職人:2007/12/12(水) 02:10:02 ID:h+/PEoC3

ゼロと迷宮職人 第ニ「階」 これからのご主人様にはダンジョンがあります

/1/

朝。ルイズにしては珍しく、すっきりと目が覚めた。昨日一日のことが怒涛のように
思い出される。平民、アレン、ダンジョン。ダンジョン!

「アレンッ!」

記憶の刺激に思わず名前を呼んでみれば。

「ふあっ!? ……おはようございます」

寝ぼけ眼の少年が飛び起きた。ほっと無い胸をなでおろすルイズ。とてもスムーズに
撫で下ろせた。それはさておき。夢ではなかったのだ。

「さ。さっさと支度をしなさい。授業終わらせてダンジョンへ行くんだから!」

早くしたところで授業は時間通り進むだけなのだが、気が逸っているルイズには
それすらどうでもいいらしかった。
さっそくクローゼットから服やら下着やらを取り出す。貴族たるもの使用人がいるならば
服を着るのも任せるものだが、待っていられない。アレンはその間、後ろを向いていた。
耳が赤かった。

「これもって」

と着替え終わったルイズがアレンに渡したのは洗濯物満載のがごである。ブラウスに
ニーソックス、そしてショーツ。アレン、毒でも魔物から食らったが如くふらふらである。

「しっかり持つ! 無駄にしている時間は無いんだから!」
「は、はい……」

そういわれも、やっぱりふらふらなアレンであった。

昇った日がまだ浅い位置にある時間。空気が実に澄んでいる。
二人は水場へとやってきた。洗濯である。簡単なものを手伝わせようと、
最初下着をアレンに渡すが、本人真っ赤になって拒否。ごめんなさいゆるしてくださいと
頭を下げるその姿に罪悪感半分嗜虐半分のルイズである。
結局、下着類をルイズ、服やスカートをアレンという分担に落ち着いた。

「キミの服、そのうち買わないと……これから生活していくんだから、
色々とそろえないといけないわね」
「ダンジョンでお金稼ぎましょう」
「少しなら私も持ってるから大丈夫よ。それにしても、しっかり洗濯できるのね。
ご両親の教えがよかったのかしら」

気がよくなっているルイズが何の気も無しにそういうと、アレンは困ったような顔をした。

「……親、いませんでしたから」

ルイズの表情が途端に曇り、手が止まった。

285ゼロと迷宮職人:2007/12/12(水) 02:12:03 ID:h+/PEoC3

「ごめんね、知らなかったとはいえ、ひどいことを言ってしまったわ」
「いいえ、いいんです。それに、大変だったけど辛くなったですし。
村の人たちはいい人ばかりでしたし。……いろいろ、おもしろい人もいました」

笑顔を作って声を弾ませるアレン。話題を変えようというその心使いが
うれしく、むずがゆく。

「そ、そう。どんな人がいたの?」
「ええとですね、村おこしのために色々無茶いう村長さんとか、いろんな家具を取り扱う
家具屋の兄弟とか、優しいのに武器屋さんなおねーさんとか、料理人になりたかったのに
ダメだったから仕方なく……」
「あれ、おはようございます」

と、アレンの話の途中、後から挨拶が飛んできた。振り向けば、洗濯物を抱えた
メイドが一人。

「あ、シエスタさん。おはようございます」
「アレン君、おはよう」

優しく微笑むメイドことシエスタ。

「いつ知り合ったの?」
「昨日、ご飯をもらうときに」

ああ、と合点が行くルイズ。昨日呼ばれたばかりだというのに知ってるのは変だと
思ったのだ。そうこうしているうちに洗濯が終わる。

「ちょうどよかったわ。シエスタ、これ干しておいてもらえるかしら」

洗い終わった洗濯物をかごに入れてシエスタに渡す。その際チップを渡すのを忘れない。

「かしこまりました。取り込んだものはお部屋までお持ちしますね」
「助かるわ。じゃ、お願いねアレン」
「はい。ではー」

頭を下げてルイズに続くアレン。二人を見送ると、シエスタも洗濯を開始した。
それにしても、とシエスタは思う。ミズ・ヴァリエールってあんな雰囲気だったろうか。
いつもツンケンしていたのに、今朝はずいぶんと穏やかだ。使い魔となったあの少年、
アレンのおかげだろうか。シエスタはふと、故郷の家族を思い出した。


/2/


食堂へと続く通路で、二人は火蜥蜴を連れた少女にであう。いや、胸といい背丈といい
あふれる色気といい、少女と表現するには少々辛いが。

「あら、今日は随分早いお目覚めじゃない、ルイズ」
「キュルケ……」

昨日からこっち、ご機嫌状態が続いていたルイズであるが、ここにきて一気に険悪モードに
突入である。
無理も無い。キュルケとルイズの家は先祖代々領地を隣に持つ仇敵同士であり、
本人たちも仲がよいとは決していえない。
キュルケがルイズをからかいケンカになる、というのがパターンである。
286ゼロと迷宮職人:2007/12/12(水) 02:14:32 ID:h+/PEoC3

「ふふ、本当に平民の子供を召喚したのね。よかったわねー召喚が成功して」
「あんですってー!」

話題の内容はともかく今回もテンプレ的流れどおりの展開である。そんな二人の横で
アレンはしゃがみこみ、火蜥蜴をわー、とかいいながら眺めている。
一抱えもある蜥蜴で、シッポの先端が燃えている。
あつくないのー? ぎぎー。ないんだーすごいなー。

「どう? 火竜山脈のサラマンダーは? ぼうやも気に入ってくれたようだけど」
「アレン!」
「はいっ」

名前を呼ばれて跳ね上がるように立ち上がる。その様子をくすくすと笑うキュルケ。
アレンは赤くなってうつむいた。

「あら、意外に可愛いのね。アレン君だったかしら? 私はキュルケ。
キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。
キュルケおねーさんって呼んでね♪」

軽く体を倒して、顔を近づけるキュルケ。アレンは必死になって下を向く。
強調された胸の谷間が視界に入った途端、見てはいけないような気がしたからだ。
が、下を見たら今度は褐色の脚線美が。あうあう、と顔を真っ赤にして視線をそらした。
ルイズはキュルケの名前を呼んで怒りをあらわにするが聞く耳もたずである。

「んー、どーしたのかなー? 人とお話しするときは相手の目をみなきゃダメだぞアレン君。
なんでできないのかなー?」

うああ、と意味もなく呻くアレン。反応がいちいちキュルケを楽しませる。アレンは
だって、だってと呟くと、少しだけ顔を上げキュルケを見た。
上目遣いで、顔を赤らめて。

「キュルケおねーさん……なんだか、えっちです」

などといった。

「……」

ずきゅん、ときた。恋だの微熱だの、そういったものとは全く違うときめきをキュルケは
味わった。

「可愛い……だっ!」

ルイズ君のチャージ! キュルケ君ふっとんだー!

「こ、の、色狂い! 子供にまでコナかけてんじゃないわよ! 行くわよアレン!
病気になるわ!」
「ええ、キュルケおねーさん病気持ちなんですか?」
「まちなさいっ!」

必死の形相でアレンを掴む。

「いーい? 病気持ちって表現はダメ。NG。禁止。ついでに言うと私はいたって健康。
わかった?」
287名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 02:15:28 ID:x33HD/Ue
しぇーん
288ゼロと迷宮職人:2007/12/12(水) 02:16:03 ID:h+/PEoC3

なにやら得体の知れないオーラを出すキュルケにがくがくと頷くアレンである。
なお、この世界には魔法があるので大抵の病気はあっさりと治る、と深く考えてはいけない
フォローをここに書いておく。

「放しなさいキュルケ! アレンが怖がってるじゃない!」

無理やり引き剥がすと、手をとってルイズは食堂へと駆け込んだ。

「アレン、今後キュルケに近づいちゃダメよ? 絶対よ?」
「は、はい……」

やっぱり得体の知れないオーラを出すルイズにガクガクと頷くアレンだった。

/3/

場面も時間もがらりと変わって、ここは教室。太陽が空の真上に昇る時間である。
教室にいるのはルイズとアレンだけである。二人はそろって焦げた木片やら
汚れた机やらを掃除していた。
食事が終わって錬金の授業に出席した二人。アレンにはちんぷんかぷんな
授業を受けていると、ルイズが教師に指された。前に出て錬金の魔法を使いなさい、と。
周りの生徒が制止するも、教師もルイズも聞く耳持たず。かくして杖は振られた。
対象の石ころが爆発。教師の女性は吹っ飛び、ルイズはすすまみれ。アレンは爆風に
煽られ後頭部をぶつけるという結果だった。
かくして気絶から回復した教師から罰として掃除を言いつけられ、今に至る。

「……私ね、魔法成功したことが無いの」

黙って掃除をしていたルイズが、口を開いた。アレンはシャベルでゴミを集める手を止めた。
シャベルは朝からずっと持っていたのである。ダンジョンまで部屋においておけば、とルイズも
いったのだが大切なものだからと持ち歩いていたのだ。
それはさておき。

「どんな魔法も失敗して、爆発がおきる。だから私は『ゼロのルイズ』魔法成功率ゼロ」

それだけいうと、俯いてルイズは震えだした。

「ぼくも、はじめはとても弱かったです。カラスコウモリ一匹でも、苦戦しました」

アレンは真っ直ぐルイズを見ながら言葉を出した。姿勢も視線も、言葉も真っ直ぐに。

「けど、がんばりました。がんばってダンジョン広げて、がんばって戦いました。
大丈夫です。ご主人様はきっと魔法使えるようになります」

疑いと迷い、悲しみと切なさ、様々な感情が混ざり合った視線がアレンに向いた。

「いままで、ずっとずっとがんばって、でもこうなったのに?」
「今までとこれからは違います」

その視線を、変わることなく真っ直ぐ受け止めて、アレンは言う。

289ゼロと迷宮職人:2007/12/12(水) 02:18:02 ID:h+/PEoC3
「だって、これからのご主人様にはダンジョンがあります」

ルイズの目が、見開かれた。

「ぼくが強くなったのは、ダンジョンのおかげです。ダンジョンがあれば、
ご主人様だってきっと魔法が使えるようになります!」
「……本当?」
「本当です。絶対です。間違いないです」

アレンは胸を張って言う。

「だって、あのダンジョンはこれからトリステイン一のダンジョンになるんです。
トリステイン一のダンジョンを使えば、トリステイン一の魔法使いになれます!」

ルイズは、涙が出そうなのを上を向いてこらえた。今まで流した悔し涙ではない。
嬉し涙だ。
ルイズは思う。アレンはこう言ってくれる。まだ会って2日、過ごした時間を考えれば
一日しか経っていないのに。ゼロだとバカにもせず、言ってくれる。胸の奥が熱くなる。
そうだ、ああそうだとも。私はアレンを召喚した。こんなに素晴らしい使い魔を。
昨日も思ったではないか。私は立派なメイジに成れる!

「ありがとう、アレン。そうよ、私は立派なメイジになってみせる。ダンジョンメーカーの
アレンを呼んだ私だもの、なれるに決まってるじゃない!」
「はい! トリステイン一の魔法使いに!」
「魔法使いじゃないの。メイジね? メイジ。トリステイン一のメイジ! いいえ、
トリステイン一なんてちっちゃいことは言わない! ハルケギニア一よ!
アレン、ハルケギニア一のダンジョンを作りなさい! そして私はハルケギニア一の
メイジになって見せるわ!」
「はい!」

元気よく返事をするアレン。ルイズの目にもう涙は無かった。あるのは燃える決意である。

「そうと決まれば掃除に時間をかけてられないわ! さっさと終わらせるわよ!」
「はい!」

二人は元気よく掃除を再開した。

後に語り継がれる「教室の誓い」であった。



「ところで、ハルケギニアってなんですか?」
「……アンタね」
290迷宮職人:2007/12/12(水) 02:20:32 ID:h+/PEoC3
以上です。いやあ、一日にこんな文量かいたの初めてです。
支援ありがとうございました。
次回は二日後ぐらいになると思います。

前回、分割量を名前にかいたら、とのご指摘を受けましたが、
できなくてすみません……
291名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 02:22:42 ID:oLZhm25m
ええわぁ
キュルケの反応かわゆすぎwww
292名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 02:23:34 ID:qgRRgHYa
来いって言ってて支援し忘れた……すまん、超すまん。
293名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 02:26:49 ID:JqUiOpjS
キュルケおねーさんはエロイな(*´д`*)ハァハァ
そして、キャプテン翼自重www
294名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 02:27:10 ID:qgRRgHYa
そして読んだ。キュルケがショタに目覚めてしまったか……おそろしやおそろしや。
ルイズもポジティブで可愛いのぅ。GJ。
295名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 02:32:31 ID:whhuBUYR
ショタへの目覚めは怖いからなぁ…
アレ、ちょっとしたことで燃え上がるんだぜ…
俺みたいな男にでもな…
296迷宮職人:2007/12/12(水) 02:32:53 ID:h+/PEoC3
>キュルケ
書いている最中、子供に戻りたいと思ってしまいました。
キュルケ、ショタ覚醒。

>ポジティブルイズ
今のところですが、アレンにルイズがツンとなる要素がありませんし。
今までぐるぐると同じところを回っていたルイズが、
突破口を見つけたためにあの状態です。

>キャプテン翼
ひひひ、サーセンwww ではなく、すみません。ネタを仕込まずには
いられないので……。
297迷宮職人:2007/12/12(水) 02:35:07 ID:h+/PEoC3
>>295
よう、俺。あなたとはいい酒が飲めそうだ。
298名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 02:54:47 ID:qgRRgHYa
ショタ……ブリジットとかリオ・バクスターとかに萌えるのか。怖い怖い。
299名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 02:59:30 ID:Wq/2HgF1
リリカルなのはのユーノ君とかエリオ君にも萌えますが何か
合い言葉は「こんな可愛い子が女の子なわけないだろ?」
300名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 03:47:02 ID:zEimvUNY
お姉ちゃんやめて、ボク男のコだよ まで読んだ
301名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 04:14:38 ID:whhuBUYR
お兄ちゃんやめて、ボク男の子だよ まで読んだ
302名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 04:27:03 ID:ksUVKeUO
>>300より>>301の方が萌えるな。
303名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 04:59:04 ID:KTlyH8ux
>>302
だよな。
304ゼロのドリル:2007/12/12(水) 05:00:42 ID:gut5zIRm
中編が完成したので投下したいのだけれど、いいですか?
305名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 05:09:59 ID:Hph3c3H5
ギガドリル支援
306ゼロのドリル:2007/12/12(水) 05:11:45 ID:gut5zIRm

三ヶ月後――。


「無理だ……勝てっこないっ!!」
総数七万のアルビオン軍を目の前にして、伝説のゴーレムであるカオガミ様の副操縦士になったギーシュはそう叫んでいた。
なぜギーシュが副操縦士になったのか。
それはルイズが自分の巨大な魔力を上手く調節できなかったからだ。
カオガミ様が傷ついたとき、ルイズは簡単な修復にも無駄な魔力を使っていた。それを見かねたコルベールが効率よく魔力を使えるよう、土のメイジを乗せれるように改造したのだ。ゴーレムのことで、土のメイジの右に出る者はいないから。
もっとも改造などと大げさな言い方をしているが、実際には三十メイルのゴーレムの胴体部分に穴を開けて人一人が座れるスペースを空けた程度だ。

「ちょ、ちょっと!! 男の癖に弱腰にならないでよ!」
自分が座る操縦席の下にいるギーシュに向かって、震える声でルイズは叫んだ。

アルビオンとの戦争でめざましい活躍を見せたカオガミ様のゴーレムは現在、アルビオンから撤退するトリステイン軍の殿を任されていた。
七万を前にして自分はただの一体。逃げることは許されない。なぜなら、これは死守命令。つなわち、命がけで守れと言う命令だ。
死んだらどうなるんだろう? 痛いのかな? 暗いのかな? ブリミル様の元に召されるのかな? 分からない、怖い。
操縦桿を持つ右手がガチガチと震える。ルイズは左手で右手首を握りしめて、無理矢理その震えを抑え込もうとした。
それから何度か深呼吸して、自分と同じように震えてるであろうギーシュに呼びかける。
「ギーシュ。私を信じなさい。あんたが信じる、私を信じなさい」
「君が信じる僕は? 君が信じる僕はないのか、ルイズ?」
「私たちはこんな所で負けないんだから」
「スルー!?」

307名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 05:13:20 ID:gut5zIRm

ゼロのドリル 中編「あばよ、デル公」

そんな二人の会話を、ルイズが座る操縦席の後ろで聞いていた喋る剣、デルフリンガーが遮る。
「漫才もいーけどよ、嬢ちゃん。そろそろ敵の射程に入っちまうぜ、これ」
直後。目の前が真っ赤に燃え上がる。大きくゆれるカオガミ様。炎の魔法が直撃したのだ。
「ひ、ひぃ!」
ギーシュの口から悲鳴が零れる。作戦級の規模を想定した大がかりな魔法攻撃が直撃したのだ。現在のハルケギニアでこの炎を受けて生きている人間はいない。
そう、今回の戦争でカオガミ様が挙げた戦果は戦術レベルではなく、作戦レベルで考えなければならないほど大きかったのだ。
「こ、のぉ!」
炎を放ってきた魔術師隊に向けて拳を突き出す。距離にしておよそ数百メイル。パンチが届く距離ではない。
敵はカオガミ様の射程外から一方的に魔法を撃つ作戦のようだ。
しかしルイズは慌てず、魔力――と信じている"力"が拳に集まるイメージを固める。すると拳からドリルが出現。出現したドリルはそのまま拳を離れると、回転しながら敵の部隊へとぶっ飛んでいく。
大慌てで敵はドリルをかわす。地面に突っ込んだドリルは回転もそのままに、周りの土をえぐり取りながらアルビオン大陸を貫いた。
「よし、このまま遠距離から攻撃するんだルイズ!」
「そいつは賛成できねーなぁ」
「インテリジェンスソードは黙っていたまえ。僕はルイズに言っているんだ」
「なによ。ギーシュの癖に私に命令する気?」
「め、命令じゃないよ。提案だ」
ルイズは意識をゴーレムの背中につんだ風石へとやる。緑色の光が風石から溢れだして、カオガミ様の身体をフワリ――と、宙へ持ち上げる。
「お。嬢ちゃんは分かってるみたいだねぇ」
「ななな、何を考えているのかねルイズ。そうか! 空から攻撃するんだね! それなら更に敵から距離を稼げる!!!」
「突っ込むわよ! ギーシュ!!!!」
「ほ、本気かいルイズ!! ミス・ヴァリエール!!!!」
「ええ! 本気よ!!!!」
ルイズがゴーレムの片腕を丸ごとドリルに変える。するとギーシュは慌ててそのドリルをルイズの魔力を使って青銅へと錬金した。
巨大なドリルを尽きだしたまま、カオガミ様は一直線に敵の本陣へと突っ込んでいった。

308ゼロのドリル:2007/12/12(水) 05:14:22 ID:gut5zIRm
遠距離からの差し合いでは数の差、そこからくるスタミナの差で負ける。それがルイズの判断であった。
ゆえに一見無謀とも思える中央突破を強行することにしたのだ。
「司令塔や指揮官を狙え」
敵陣の中に降り立ったルイズはデルフリンガーのアドバイスを聞くやいなや、即座に多くの兵に守られている貴族に狙いを定めた。
足下では土のメイジがゴーレムを錬金してただの土くれに戻そうとしている。
片手のドリルでそのメイジ達を薙ぎ払いながら、ルイズはひたすら司令塔を倒し続ける。
倒した指揮官の数が二十を超えた辺りで、土のメイジ達はルイズのゴーレムに対抗するために、数百人で力を合わせ同じ大きさのゴーレムを数体作り出した。
「ふはははは!! 見ろ、このゴーレムの数を!! たった一体で何が出来る!!」
どこかの誰かがそう叫ぶ。たまたま聞こえたその声に、ルイズは律儀に応えてやった。
「ふん。やってみせるわよ!!」
死への恐怖と、命より大切な誇り。その天秤を、力尽くで誇りに傾けるために、ルイズは叫んだ。
敵のゴーレムは軍人らしい連携のとれた動きでカオガミ様を包囲する。
包囲されたルイズは迅速に、迷わず、包囲したゴーレムの中の一体に飛びかかって思いっきり蹴っ飛ばした。
迷いのない動きにうろたえた他のゴーレムの動揺を見逃さず、続けてすぐ側にいたゴーレムを思いっきり殴りつける。
冷静さを取り戻した他のゴーレムが一斉に飛びかかってきたのを見るやいなや、ルイズは全身から高速で回転するドリルを生み出して全てのゴーレムを貫いた。

――いける!!
このまま押し切れば勝てる。

一瞬で全てのゴーレムを葬ったルイズを見て、敵の大部隊は恐怖に駆られて統率を失い始めていた。
勝機が見えてきたルイズの心に、ほんのわずかな隙が生まれた。
「油断すんねい嬢ちゃん!! "風"がくるぞ!!」
その一瞬の隙を突いた者がいた。
元トリステイン王国魔法衛士隊・グリフォン隊隊長、ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド。
ルイズの元婚約者であり、今は――敵。
愛馬であるグリフォンに跨り、上空から一気にカオガミ様の、ルイズの操縦席めがけて急降下してきた。
どうやらこの戦いが始まってからずっと、ルイズ達の直上に控えてチャンスを待っていたらしい。
ワルドは落下の加速と風の魔法による加速、更に偏差による分身と鉄も切り裂くウィンドカッター。これら全てを使ってカオガミ様に突っ込んできた。

309ゼロのドリル:2007/12/12(水) 05:15:42 ID:gut5zIRm
大きな音と衝撃が戦場に木霊した。

ワルドはこれだけの魔法を使った。これだけ使ってようやくルイズが座る操縦席を覆う装甲に、亀裂を一筋だけ入れることが出来た。
そして、風のメイジである閃光のワルドにしてみれば、この亀裂だけで十分だった。
小娘一人を葬るぐらい、この程度の亀裂があれば十分だったのだ。
「さよなら、僕のルイズ」
「ワ……ルドさま……」
亀裂からルイズに向かってエアカッターを唱える。
ルイズは咄嗟に魔法を吸収するデルフリンガーを盾にしようとした。
斬――と操縦席の中に音がなり、操縦席が真っ赤に染まる。
にやりと、ワルドの顔に笑みが浮かぶ。

間に合わなかった。
真空の刃は、エアカッターは、ルイズの脇腹を引き裂いていた。
胴体が真っ二つにならなかったのは、ギリギリで身体半分だけデルフリンガーを盾にすることが出来たから。
口からゴポリと血の塊を吐き出した。痛みでこぼれる涙で霞む瞳で、元婚約者の顔を見る。
ワルドはトドメのエアカッターを唱えようとしている。急いで振り払わなければいけないのに、手には力がこもらない。息は吐くばかりで、なぜか吸うことが出来なかった。

あ……そっか。私、死んじゃうんだ。

当然のようにそう覚悟して……操縦桿を握る手がルイズの意志を無視して動いた。
カオガミ様の手がへばりついていたワルドをはじき飛ばす。
「その傷でまだ動くか!」
吹き飛ばされたワルドの表情が驚愕でゆがむ。
血に染まった操縦席。そこに座るルイズの瞳からは、すでに光が消えていた。
けれど操縦桿を握る手にだけは、まるで本人の意志を無視しているかのように、不気味に力がこもっている。
「吸った魔力の分だけ、持ち主を動かすことが出来る力。どたんばで思い出したねぇ」
ルイズの片手に掴まれていたインテリジェンスソードがそう呟く。
310ゼロのドリル:2007/12/12(水) 05:16:59 ID:gut5zIRm
「坊主! 嬢ちゃんがもたねぇ……退くぞ!!」
「なんだなんだ? なにかあったのかね?」
副操縦席にいたギーシュには何が起こっているのかサッパリ分からなかった。
状況の説明を求めるギーシュの言葉を無視して、デルフリンガーはルイズの身体を操作してカオガミ様を浮かばせると全速力で戦場を離脱した。
「なにをやっているんだい、ルイズ!? し、死守命令を無視するのか?」
「死守ならやったよ。嬢ちゃんはな、文字通り死ぬまで、よ」
カオガミ様の身体から急速に力が無くなり始めていた。ルイズの"力"が供給されなくなったせいで、もう動かなくなり始めていたのだ。
「あと使えるエネルギーは……これだけってわけかい? たまんねーな」
デルフリンガーはルイズの身体を操作するとカオガミ様にスピンオンされていたコアドリルを抜き取り、代わりに自分の刀身をその穴にそえる。
「……な……にを」
か細い声がした。
血まみれの少女の、死体と言っても過言ではないほどボロボロの少女の口が、ほんの少しだけ動いた。
「してる……の……デルフ」
「こーすんでい」
朦朧とゆれるルイズの瞳に見られている中で、デルフリンガーの刀身が緑色に輝き出す。
「覚えとけ嬢ちゃん。おめぇさんの使ってる力は魔力じゃねぇ、螺旋力ってんだ」
輝きが消えたとき、デルフリンガーの刀身はルイズにとって良く見慣れた、螺旋を描く突起物。ドリルとなっていた。
「俺がインテリジェンスソードであるために使っていた進化エネルギーを螺旋力に戻す! うけとれぇい、ルイズ!!」
そのままルイズの身体を操作して、デルフリンガーは自らのドリルをカオガミ様にスピンオンした。
サイズが違いすぎるせいで差し込み口を破壊してしまったが、ひび割れた隙間から溢れんばかりの光が零れだした。
そうして……デルフリンガーはルイズの目の前で光の粒子となって消えていく。
眩い光を全身から放ったカオガミ様は、そのまま戦場から猛スピードで離脱した。ワルドのグリフォンですらそのスピードには着いていくことが出来なかった。
真っ赤に染まった操縦席で、ルイズはぼんやりとデルフリンガーが消えた螺旋ゲージを眺めていた。
311ゼロのドリル:2007/12/12(水) 05:17:29 ID:gut5zIRm

――お礼を言っておくね、デルフリンガー。一応、ここまで付き合わせたギーシュは無事にモンモランシーの元へ返してあげたかったから。

デルフリンガーの螺旋力も切れたカオガミ様は、しばらく飛び続けた後そのまま近くの森に墜落した。多くの木々をなぎ倒しながら、森の中で横たわる。
そのカオガミ様の操縦席の中で微笑みながら――ルイズは息絶えたのであった。

次回 後編 「天の光は、全て虚無」


投下、終了です。
312名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 05:30:53 ID:Hph3c3H5
GJ
完全に予想外の展開だ……
こいつはすげえぜ
313ゼロのボーガー:2007/12/12(水) 06:28:12 ID:ksUVKeUO
人気の無いこの早朝にこっそりカブトボーグネタを貼り付け布教するオレ。
あの…張ってもいいですか?
314ゼロのボーガー:2007/12/12(水) 06:37:30 ID:ksUVKeUO
…いいもん、こっそり張るもん。
________________________________________

「ふはははははは!!ゼロのルイズの使い魔風情が、このギーシュ・ド・グラモンに喧嘩を売ったこと、後悔するんだな!!」
「くっ…!いけえぇええ!トムキャットレッドビートルゥウウウ!!!」
 広場の真ん中でバラを構えて大笑いする金髪の青年、そしてその前には苦しそうに息を吐きながら叫ぶ少年。
 桃色の髪の少女は不安げな表情を浮かべながら、なぜこうなってしまったのかを思い返していた…

第二話 「決闘!ボトル・フォール・バトル」

 ルイズの部屋、寝床として用意された藁とシーツの上で、
 窓から見える夜空に浮かぶ二つの月の下、 天野河リュウセイは悩んでいた。
 別に月の数を気にしているわけではない、異世界であることにも関心は無い、
 魔法に関しては過去に暗黒魔道の組織と戦ったこともある訳で、大した抵抗も無く受け入れられた。
 召喚されたのだって気にしていないし、使い魔になったことにも不満は無い。
 元々、10歳の割には妙に達観したところがあった。このくらいのことで動じる玉ではないのだ。
 少年の悩みはカブトボーグにあった。
「…この世界には、カブトボーグが無い…」
 この世界に来てすぐに気づいていたことではあるが、やはり簡単に気持ちの整理がつく問題ではない。
 それに、彼は生まれてすぐに産婦人科の医者とボーグバトルを行い叩きのめしたほどの生まれついてのボーガーである。
 親友の心臓が弱り余命幾許も無くなったと聞けばカブトボーグを叩きつけて心臓を治し、
 また別の親友の家が営む中華料理屋の斜向かいに新しい料理屋が開店したと聞けばボーグバトルで叩き潰す、
 これまで何もかもをカブトボーグと共に経験し、カブトボーグで解決してきたのだ、急にそれがなくなったショックはかなり大きかった。
「オレは…これからどうすれば…」
 呟きはむなしく、答えなど見つからない。
 静かな部屋に微かに響くルイズの寝息だけが、
 眠ることもできずに悩み続けるリュウセイの心に僅かな安らぎを与えていた。
315ゼロのボーガー:2007/12/12(水) 06:38:44 ID:ksUVKeUO
―夜が明ける。

「…ひっ!あ…ああああ、あんた、誰よ!」
 爽やかな朝日が降り注ぐふかふかのベッドの上、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは叫んでいた。
 別に寝ぼけて召喚した使い魔のことを忘れたわけじゃない、
 目を覚まして最初に目にしたのは頬が扱け、目は窪み、その下に隈を湛えた幽霊のような顔。
 自分の覚えていた使い魔の顔とはかけ離れたものだった。
「リュ…リュウセイなの…?」
「あぁ…」
 目の前のそれは肯定の意を表した。どうやらほんとにリュウセイらしい。
 本人は「一晩中悩んでて…」と言っていたが、それだけで人はここまでやつれられるものなのだろうか。
 とりあえず何か食べさせよう、そう思い立ち急いで着替え、部屋を飛び出す。
「着替えを手伝いなさい…って空気じゃなかったわね…」
 部屋の前で赤いのが喚いてたけど気にしない。
「ほら!あと少しだからしっかりして!」
 とにかく急いで食堂へ向かった。展開が速くていい。
 貴族達のテーブルで食べさせるにはお祈りまでに時間がかかるため、
 厨房へ走り近くにいたメイドにパンとスープを用意させてみる。
 しかしパンをちぎってもスープを口に運んでも食べる様子はなく、
「オレはここまで良くがんばった…」
「何の話よ…」
 とうとう意味不明なことまで口走り始める始末。
 呼び出したばかりの使い魔がいきなりぼろぼろで泣きそうな気分だ。
 仕方なく食事させるのはあきらめ、授業に連れて行くことに。
 部屋で休ませたかったが使い魔のお披露目があるのでそうもいかず…
―そして昼がやってくる。
 結局授業中も、授業でうっかり爆発を起こした後も、その責任を取らされ教室の掃除をしてる間も、
 昨日の一件のお陰で特に不快に思うことは無かったが、
 リュウセイはふらふらとしたままで…
316ゼロのボーガー:2007/12/12(水) 06:40:22 ID:ksUVKeUO
 再び食堂にやってきたときに事件は起こった。
「どうしてくれる!キミの浅墓な行動のお陰で二人のレディの誇りが傷ついt」
「うるせえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!元はといえばテメェが!」
「ゴフゥ!」
「ちょ、リュウセイ!?」
 よろめくリュウセイを支え食堂にやってきたはいいが、
 入り口の近くに人だかりができ中に入りづらい。
 近くにいた生徒に事情を尋ねていたら、
 何故か突然リュウセイが騒ぎの中心にいた生徒に飛び掛ったのだ。

―それから先はあっという間だった。
 激昂したギーシュがリュウセイに決闘を叩きつけて去っていく。
 私が止めるのも聞かずリュウセイは舞台となる広場へ向かい、
 そして―
「どうした?もう終わりか平民!」
 膝を突き、俯くリュウセイ。呼吸も荒く、やはり頬はこけたままだ。
「ぐっ…」
「リュウセイ…」
 苦しそうなリュウセイを見て、ルイズは思う。
(…もうだめだ、止めよう、昨日リュウセイは私を守ってくれた。だから今度は私が…)
「リュウセイさん!」
 ルイズより一足早く、野次馬の中から飛び出す影があった。
「リュウセイさん…私…もう見てられません…もうこれ以上、あなたが傷つくのは…!」
 ギーシュに責められていたメイドだ。いつの間に知り合いになっていたのだろう。
「シエスタ…」
「もういいんです…リュウセイさんはよくやってくれました…
 貴族相手にここまで戦ったんです、誰も文句なんて言いません…!だから…もう…戦わないで……!」
 その言葉とは逆に、リュウセイは拳を握り締める。
 表情に覇気が現れ、先ほどまでの情けない様子はもう微塵も無い。
 リュウセイは思い出していた。
 シエスタとの数々の思い出を…
 洗濯に出かけた早朝の出会いに始まり、
 二人で出かけたピクニック、
 三日三晩行った素振りの訓練。
「一体いつの話よ…あんたがこっちに来たの昨日じゃない。」
 ルイズの声は誰にも届かない。
「シエスタ…ごめん…!オレは戦わなくちゃいけないんだ!」
 意を決した表情で言い放ち、ギーシュに向き直る。
「そんな…リュウセイさーーーーん!」
 崩れ落ち、涙を流しながらシエスタはリュウセイの名を叫ぶのであった…。
317ゼロのボーガー:2007/12/12(水) 06:42:17 ID:ksUVKeUO
 再び向き合うギーシュとリュウセイ。
「待たせたな!ギーシュ!
 二股がばれて女の子二人に振られ、その腹いせにメイドに八つ当たりしやがって!許さん!
 うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!いけぇ!トムキャットレッドビートルゥウウウウウウウ!!!」
 先ほどまでとはうって変わり、トムキャットレッドビートルはすばやくかわし、攻撃する。
「貫け!トムキャットレッドビートル!」
「何っ!?」
 リュウセイの声に呼応するようにトムキャットレッドビートルは力を増し、
 とうとうギーシュの作り出した青銅のゴーレム―ワルキューレ―を粉々にしてしまった。
「…っ!…少しはやるようだが…遊びは終わりだっ!」
 まさか自分のゴーレムが平民に砕かれるなどとは思っても見なかったギーシュはプライドを傷つけられ、
 怒りに震えながら同時に六体ものワルキューレを造り出す。
 それら全てが手に持った武器をトムキャットレッドビートルに向かって構えた。
「終わったな…」
 余裕を取り戻しそう呟くギーシュ、しかし次の瞬間目にしたものは…
「レッドアウトゴールデンマキシマムバーニングウゥゥゥゥ!」
 燃え上がり爆発四散したワルキューレたちの残骸と、こちらへ突っ込んでくる炎のライオン。

―黒焦げになり意識を失う直前、ギーシュは自分に起こった全ての理不尽に対して疑問の声を上げた。
「な…なぜ…」
 爆炎の向こうに悠然と立ち、堂々と少年は叫ぶ。
「決まってるだろ…。
 …お前みたいな二股男が勝つようになっちまったら…世も末だからだよ!!!」

 戦いが終わり、活力も取り戻した。
 そういえばお腹すいたな、などと考えていると、後ろから急に抱きしめられる。
「リュウセイさん…!よかったっ…!」
 そこには瞳を潤ませながらも安堵の表情を浮かべるシエスタが。
「シエスタ…」
 リュウセイが振り向き、笑顔を見せようとしたとき、
「ななな…何二人して抱き合ってんのよ!朝からずぅーっと心配させといて挙句の果てに勝手に決闘!?」
 泣いているような笑っているような、怒っているような叫び声が耳に突き刺さる。
「しかも終わったら今度はメイドといちゃいちゃいちゃいちゃいちゃいちゃいちゃいちゃ!
 わ…私だって心配したんだから!ほ…本当にしんぱい…うぅ…」
 泣き出してしまったルイズを見て大慌てのリュウセイ、とりあえずシエスタを離そうとするが…離れない?
「私とミス・ヴァリエール、どっちを選ぶんですか?」
 聞くだけで背筋が凍りつくような声で笑顔のシエスタに問いかけられる。
 いつの間にかルイズも顔を挙げ、潤んだ瞳でこちらを睨みつけている。
 唐突な展開にさすがのリュウセイもお手上げであった。
「た…たすけてくれえぇ〜!」
 どこまでも澄み渡るような青い青い空の下、彼の叫びは一体誰に向けられたのか。
 ただ一人、その光景をいつまでも眺めていた生徒は呟く。

「人のフリ見て我がフリ直せ、デースネ☆」

                                    完
318ゼロのボーガー:2007/12/12(水) 06:50:49 ID:ksUVKeUO
次回予告
 なにぃ!?あれっきりギーシュが目を覚まさない?
 そんなことよりもさ、せっかく休みなんだからどっかいこうぜ!
 え?ギーシュ?ついでに何とかしとくよ。
 かくして、オレとルイズの長い長い一日が幕を開ける。
 次回ゼロのボーガー「出会い!ホリデイ・ホース・インテリジェンス」
 熱き闘志にチャージ・イン!

______________________________________________
終わりです。次回予告までがカブトボーグなんで書かずにはいられないんです。すみません。
布教といいつつカブトボーグ知らないとネタがただの説明不足ですが、
知ってる人に楽しんでいただければうれしいです。それでは。
319名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 08:07:09 ID:x1UasFNY
小ネタ投稿していいですか?
少し自身はないけれど
バカ王子、プフに続く第三作品目です
320名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 08:13:19 ID:ksUVKeUO
ばっちこーい
321名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 08:18:09 ID:x1UasFNY
使い魔ゼーロ

「でもそんな『まれ』が結構起こるんだ。矛盾してるだろ?」BYキルア・ゾルディック

本日は今後の人生を左右すると言っても過言ではない。
使い魔召喚の儀式サモン・サーヴァントを行う日である。
数多くの生徒が素晴らしい使い魔を召喚した。
一番すごいのはタバサノフウリュウ、二番目はキュルケサラマンダー
他の使い魔は知ったこっちゃありません。
「ミス・ヴァリエール」
「は、はい!!ミスタ・コルベール。何でしょう?」
「状況を説明してくれませんか」
「今一度召喚のやり直しを認めてもらえれば」
「神聖な儀式のやり直しは罪悪と知りたまえ」
今、ルイズの目の前にいるのは明らかに変態だった。しかも変なポーズをしている。
三角形の御結びの様な頭、マッチョな体は何故か褌しか身に着けていない。
「これが・・・・・私の使い魔?」
やり直しは却下。すでに使い魔を召喚している者の苦笑。
ルイズのせいで自分の番が回ってこない数人の生徒による「早くしろ」というブーイング。
ルイズはまさに泣きそうである。しかし、ここで泣くわけにはいかない。
とりあえず、近づいて話しかけることにした。
「君は『あんた誰?』という」
「あんただ・・・・・・え?なんで?」
亜人だと思っていたそいつは喋る事ができ、その上自分の言う事を見事に言い当てた。
「我が名は百手太臓!!おまえ、ラ・ヴァリエール公爵の三女ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールだな!!?」


322名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 08:19:10 ID:x1UasFNY
ルイズの頭は大混乱中である。
「心配することは無い、私は君の使い魔になりに来たのだよ」
妙に偉そうだ。
ルイズは正直こんな奴とは契約なんかしたくなかった。
しかし、こんな日がいつか来ると信じ。
常に早売りの本屋に一人で並び、「ゼロの使い魔」を購入している百手太臓には。
2chの「ゼロの使い魔」関連スレを全て熟読した百手太臓には。
そしてこの時のために予習復習を行っていた百手太臓には。
ルイズは必ず自分と契約しなくてはいけないことを知っている。
小ネタとはいえこの世界に来たのだ、今の百手太臓はサイコーにハイってやつだ。
タイゾーは確信していた。今後起こる展開を。
「ルイズ!!そいつと契約しちゃいなよ。なんだったら、
このマリコルヌが契約の呪文を教えてあげようか?こうやるのだよ
『我が名はマリコルヌ・ド・グランドプレ。五つの力を司るペンタゴン。
この者に祝福を与え、我が使い魔となせ』どうだいわかったかな?
あ、自分の名前に変える事を忘れちゃだめだよ!」
待たされている生徒代表のマリコルヌは大爆笑中だ。
「では、契約させてもらおうか、将来、この世界で俺の嫁になるルイズよ!!」
ルイズは見た。迫る変態の唇、傍で爆笑しているマリコルヌ。
その中にルイズの頭には一つの希望を見た。成功確立は低い。
しかし、ルイズはそれに賭けたのであった。そして、『まれ』は起きた。
323名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 08:20:27 ID:x1UasFNY
ギーシュは語る
「確かにあった。ありえない?いやあったのだ。
 咄嗟の判断の様なものじゃ、ピンチって瞬間に時間が超スローになって、
普段できない発想が頭に浮かぶ。あれに近い。
この情報の信憑性は測りやすいぞ。
なにしろ、マリコルヌとのキスによって変体の手にルーンが刻まれたのだ。
マリコルヌを盾にしてキスさせたのじゃからな。
周りの生徒や先生が注目していたわけじゃ、その場の全員が証人よ」
タバサは語る「あの光景はセクハラだった」と
ちなみにルイズは召喚をやり直し、普通の平民・阿久津宏海を召喚し無事契約

太臓もて王サーガより百手太臓、阿久津宏海を召喚
324名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 08:20:56 ID:N4bb7igJ
俺の腹筋をズタズタにしてくれたプフの作者か
支援する
325名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 08:23:43 ID:x1UasFNY
投稿終了です
どうでしたか?
大亜門先生は偉大だな、とこの作品を書いてる最中思いました
元ネタは気が向いた時にでも避難所で書きます
326名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 08:56:49 ID:Hph3c3H5
なんでバカ王子、プフときて次がこいつなんだよ!
あと、冒頭見て一瞬「あれ、これ姉妹スレじゃね?」って思っちまったじゃねーかGJ!
327名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 09:06:25 ID:xaVHcln6
>>318
カブトボーグGJ
何気に好きなアニメだったので続きを期待している。
328名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 09:17:02 ID:aPqSM3FK
>>318
さやかちゃんとマンソンのハイブリットキャラがいるじゃねーか!
あとロイド安藤、どうしてアンタがこの世界にいる!?
……ところでエンペラーカーンって、この世界だとどれくらいの実力なんだろうか。

カブトボーグは大好きなんで、次回に期待させてもらいます。
329名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 11:00:09 ID:/DpcUO1M
>>325
諸君らの愛した太臓は打ち切られた!何故だ!?
330名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 11:04:59 ID:7LjCOBJQ
>>329
JUMPだからさ
331名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 11:11:13 ID:VrBc7ZLc
メカ沢「このままじゃ俺たちは・・・魔法に支配されちまうぜぇ!!」
ルイズ・サイト(それはひょっとしてギャグで言ってるのか!?)
332ゼロの夢幻竜 代理投下:2007/12/12(水) 12:59:58 ID:P00WBQdP
ゼロの夢幻竜 第十一話「深海の宝珠」

広場の一騒動の後、ラティアスはゆっくり休む事が出来たか?
答えは否である。
学院長オールド・オスマンから、目を覚まし次第出来るだけ速やかに学院長室へ来る様に言われたからである。
日が暮れ、夜の帳が下りた頃にラティアスはルイズと共に、人間形態で学院長室を訪れた。

「二人ともよく来た。ま、そこに腰掛けとくれ。」

オスマンはセコイアで作られた重厚な机の前に置いてある、二つの椅子に向かって手を向ける。
ルイズが恭しく礼をしながら「失礼します」と言ってそこに掛けたのを見てラティアスもそれに倣う。
それをずっと見ていたオスマンは、先ずラティアスの方に向かって質問をする。

「いきなり呼び出したりしてすまんかったのう。じゃが、君達には色々訊いておかなければならない事があってな。先ず、メイド服を来た底の君じゃが、本当にミス・ヴァリエールの使い魔なのかね?」
「はい。私はミス・ヴァリエールの使い魔です。名前をラティアスと言います。」

ルイズとオスマンの心の中にラティアスの声が響く。
しかしオスマンは流石にそれでは動じる事は無く、実に余裕のある態度でそれを受け入れる。

「ふむ、確かに人語を解し、直接心に精神感応術を使って訴えかけてくるのは驚きに値する。現存する並みの竜や、使い魔として契約した生き物でも易々とは出来ん芸当じゃ。
今の姿も人の目を欺く為のものなのじゃろう?なあに、わしはありのままを見せる事が好きな主義での、今の姿をずっと続けていなさいとは言わん。元の姿に戻りなさい。」

そう言われてラティアスは席を立って変身を解除する。
これにはオスマンも「ほう……」と一頻り感心する。
しかし、ここに呼び出した本題を忘れるほどではなかった。

「宜しい。では先ず訊きたいのじゃが君は何処から来たのだね?」
「ここではない地球という所から来ました。」
「チキュウ……うーむ、その場所は流石に初耳じゃ。では……」
「学院長先生!あのう……そういった質問について、昨夜ラティアスから色々と訊いた事を記した物があるんです。持って来ても宜しいでしょうか?」

ここで一からラティアスの素性を訊く様な事をしてしまえば昨夜の二の舞になる。
それを危惧したルイズは例の口述筆記集を思い出したのと合わせて、それをオスマンに見て貰う事を提案する。

「おお、もう調べてあるのかね?」
「はい。簡易的な纏めとも言えるものですが。」
「良いじゃろう。ここへ持ってきてくれるかの。」
「分かりました。」
333ゼロの夢幻竜 代理投下:2007/12/12(水) 13:01:46 ID:P00WBQdP
ルイズがそう言うと、ラティアスは即座に浮かんでいる位置を少し下げる。

「ご主人様。寮塔までは私がお運びします。さ、どうぞ背中に。」

言われてルイズはラティアスの背に跨る。
学院長は窓から飛び立つ事を見越して、背後にあった窓を開けた。
そしてラティアスは弾かれる様に飛び立つ。
ものの一分もしない内にルイズは重そうな羊皮紙の束を携えて戻ってきた。

「これがその質問集です。」
「これはまた凄い物じゃのう。使い魔召喚の儀は昨日の事じゃったがようやった。では拝見させてもらうぞい。」

それからオスマンは羊皮紙の束を拡げそれらにじっくりと目を通していく。
時々、「ほう……」とか「うーむ……」とか言ったりする以外は異常なまでに静かだ。
それからとっくり一時間は経った頃、オスマンは全ての羊皮紙に目をやり終えた。
ふう、と一息吐いた後で彼は真剣な顔つきで言う。

「成程。ミス・ヴァリエール。君の使い魔がこの世界ではない、どこか別の異世界から召喚された事はよう分かった。しかしその事も含めてここに書いてある事の9割以上は他人に話してはいかんぞ。
今日の昼の騒動で学院中には知れたであろうが……」
「つまり、この質問集は極秘扱いという事になるんですか?」
「左様じゃ。風竜を凌ぐ飛行速度、精神感応術、人語の理解、人間の姿への変身、そして先住魔法ともとられかねない杖も詠唱も必要としない強力な術。たった一日でこれだけの事が明らかになったのじゃ。
まだ使い魔自身が気づいていない力があるとも言えるが、これが王宮やアカデミーに知れ渡ったら連中は君らを引き離すじゃろう。最悪使い魔は暇を持て余した王侯貴族共の戦争用兵器か、人の心も持たん研究員連中の実験材料にされかねん。
それで良い訳が無いじゃろ?」
「勿論です!この使い魔は……ラティアスは私のものです。そんな目に会わせる訳にはいきません!」
「わしもそれは同じじゃ。そこで……彼女には極力使い魔の姿、つまり今の姿でいて欲しいのじゃが、よいかな?」

その問いかけにラティアスは少し躊躇する。

「ラティアス、返事しなさいよ。」

だんまりの時間が長い事を不審に思ったルイズが、ラティアスに返事をするように促す。
ラティアスは学院長に質問するかのように訥々と語る。

「私が人間の姿をして心で話すことが出来るというのはこの学院の中だけの話に止まっているんですね?」
「今のところは……じゃが。それがどうかしたのかね?」
「もし差し支えなければ朝と宵だけで良いので、メイドさんのお仕事をお手伝いさせてもらえませんでしょうか?」
334ゼロの夢幻竜 代理投下:2007/12/12(水) 13:02:31 ID:P00WBQdP
それは意外な質問だった。
まさかそんな質問が飛んでくるとは思っていなかったオスマンは言葉を濁す。

「給仕の仕事をか……確かに君の能力を考えればその仕事をするのに差し支えは無いと考えられる。じゃが何故そんな事を?」
「そうよ。そんな事はメイドにやらせておけば良いじゃない。今朝は特別だったとして、あなたがそんな事をし続ける理由なんか無いわ。」

その言葉に対してラティアスはふるふると首を振る。

「私は誰かのお役に立ちたいんです。勿論、ご主人様の元でお仕えしていなければならないとは思っていますが、もっと多くの人に認めてもらいたいんです。」

オスマンはラティアスの目をじっと見つめる。
彼女の目に何か感じる所でもあったのだろうか一息吐いてから言葉を選ぶ。

「先程わしが言った言葉に反する事となるが、朝夕の限られた時間の事じゃ。生徒達にも一種の緘口令を敷けばおいそれと外にばれる事も無いとわしは思いたいが……」
「お願いします。この通りです。」

そう言ってラティアスは頭を下げる。

「分かった。特別に認めよう。但しそれ以外の時間は、あくまでもミス・ヴァリエールの使い魔に徹するのじゃぞ。良いかな?」
「分かりました。」

ラティアスはルイズの見よう見まねで恭しくお辞儀をする。
明日が楽しみであるという感情を胸に押し込めながら。
一方、オスマンはラティアスの左手、『ガンダールヴ』の事について考えていた。
今、この場で詳しく説明するべきだろうか。
しかし彼は心の中でそれをしまい込む。
この場で伝説でしか語られていないことの話をしたとて当事者達を一方的な混乱に追いやるだけだ。
焦らずともいつかルーンの補助を受けた自身の力に気づき、自分に対して質問をぶつけてくる時が来るだろう。
その時こそが『ガンダールヴ』の力について語る時であると。
335ゼロの夢幻竜 代理投下:2007/12/12(水) 13:03:09 ID:P00WBQdP
「ふむふむ……これは100年近くも前の物なのか。」

学院長室でオスマン、ルイズ、ラティアスが話し合っていた頃、コルベールはある書類とにらめっこをしていた。
『宝物庫目録』という物である。
学院には宝物庫という一画が存在する。
魔法学院成立以来の秘宝が納められているとの事で知られていたが、実像はあまりよく知られていないのが現状である。
知っていると言う者がいても、中に入っているのは換金出来ない程素晴らしい代物と確実にがらくたと言っていい代物が6:4の割合である位だと言うだろう。
今彼が目録とつきあっている理由は、そのがらくたと言われている物の中で学院長の使用許可が下りる物は無いかと探しているからであった。
と言うのも彼、コルベールが教鞭を振るいながらも熱中している事は発明であった。
魔法を使えば難無く出来る事を……と生徒達から言われても、20年来やっている事がそれである。
彼は直ぐにでも、自身の努力が報われる日が来るのではないかとは正直あまり思っていない。
正しい評価という物はいつも時間がかかる物である。
だからじっくりと待つ事が大事だといつも言い聞かせていた
さて、そんな彼にしてもこの量はないと思ったものだ。
目録はページにして数十ページに及ぶ物だからだ。
更に細々とした字や、複雑な図が大量に載っているために目的の物を見つけるにしてもそれなりの時間を要するものであった。
と、その時コルベールはある物に目を奪われる。
それは別に目的の物ではなかったが、膨大な説明が数ページに渡って延々と書き込まれていた故に注目せざるを得なかったのだ。

「えーと、『深海の宝珠』?」

名前のニュアンスからして何かのマジックアイテムだろうか?
コルベールは更に読み進める。
曰く、今は何重にもロックされた箱の中に入っているとの事。
曰く、魔法を用いて作られてはおらず、非常に鮮やかな宝珠ではあるものの、観賞用以外に用途が全くの不明との事。
曰く、単純な作りの様に見えて、魔法で調べてみれば実は複雑極まりない物との事。
曰く、王室より派遣された8人ものスクウェアクラスメイジが、過去何回も複製に挑戦したものの悉く失敗との事。
曰く、王室の宝物庫に置いていては常に賊の標的となりかねないために、この学院の宝物庫に置いているとの事。
そして驚異深い記述の最後は、こう締めくくられていた。
336ゼロの夢幻竜 代理投下:2007/12/12(水) 13:04:59 ID:P00WBQdP
―この物体は王室からの密命により解体出来ない為、物理的な調査はこれ以上行えない。このハルケギニアの地で作られた物は、概して魔法の力を利用し複製が可能である。
それが不可能であるという事は、この品は我々の持つ技術体系とは全く違う物で作られたという事である。東方の地より持ち込まれた物でエルフの技術で作られた物と仮定しても、それで完全に説明がつく訳ではない。
事実その技術では無い事が、隣国アルビオンにて捕らえられたエルフの一人が齎した証言によって一応証明されている。
この方面に関しては更なる調査が待たれるが、我々の世界にいる如何なる知的生命の創造物で無い物と仮定すると、これは完全に正当な研究の道から外れる事となる。―

時の王政府がお手上げと判断した代物。
コルベールの興味は更にそそられた。
目録が記された年月日を見てみると相当なものである。
そろそろ更新の時期ではなかろうか。
もしそうなら是非自分の目でこの代物を見てみたいものだ。
そう思いつつ彼は目録のページを捲っていった。
が、彼は知らない。
後にこの『深海の宝珠』が意外な形で彼の前に正体を明かす事など。
337名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 13:21:52 ID:WVyFaJ4/
支援
338ゼロの夢幻竜 代理投下:2007/12/12(水) 13:31:34 ID:P00WBQdP
投下終了します。
この間まとめの作品を見ていて思った事が一つ。
「使い魔が『ガンダールヴ』ならサクサクッと話が進むけど、ヴィンやミョズで話を始めた人は結構きついいだろうなあ。」と。
では近い内にまたお会いしましょう。
339名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 14:16:43 ID:lVMxUtpX
宝物の正体はアレかな?
GJ!
340名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 15:23:28 ID:OWqAr0e1
兄貴も来ている気がしてならないぜ乙!!
341名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 15:27:51 ID:Epgti88C
みかん絵日記を召喚。
342名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 15:38:51 ID:79PX+5kc
>>341
知ってるヤツがいるかすら分からんだろ
そんな日本語話せるバイリンガルキャットのお話なんて
343名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 15:40:18 ID:SQABLAD3
最近の俺はみかんというとわんこのほうを思い出す。
みかん絵日記のアニメ?いつも見てましたとも。
344名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 15:42:33 ID:q8Wgpxlz
>>341
ドラえもんの裏番組・・・
345名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 15:42:36 ID:N4bb7igJ
二本足で歩く日本語話せる猫だっけ?
346名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 15:48:36 ID:Epgti88C
確か名前はマイケルだったかな。
347名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 16:19:43 ID:h+/PEoC3
>>346
ナメんなよ。

なんと懐かしい。
348名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 16:29:21 ID:EY0wyJO7
ピクル召喚→ルイズ公開レイプ


考えたはいいが、内容的に書くと色んな意味で問題になるから、やめとこう
349名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 16:30:16 ID:wKF1idGl
>>348
完全に避難所行きだな
350名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 16:37:40 ID:tU19dHww
>>341
ひらがな書けるクレヨン持った猫なんてわかりません
351名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 16:44:42 ID:Epgti88C
ピクルが来るとルイズがすごいブサイクになるだろ。
352名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 16:59:40 ID:i3NiyMDM
逆に考えるんだ
ノボル風のピクr……ごめん無理だった
353名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 17:06:45 ID:N4bb7igJ
>>352
魔法を筋肉で弾きそうなオーク鬼とか真っ青の何かは想像出来た
354名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 17:11:36 ID:Xi9pGTtG
悪の人格のほうの双子座のサガとかは
355名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 17:35:05 ID:tU19dHww
召喚つながりで南雲慶一郎召喚とか
356名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 17:49:41 ID:yHET8Shv
>>354
若き日のジョゼフに召喚された後すぐに殺害してすり替わり、シャルルも殺害してガリア王となりそうだな
んで本編のジョゼフとは違ってゼロ魔世界を征服しようと企むわけだ
357名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 17:51:05 ID:Ip50SyuK
召喚繋がりでイエル・チェルケトルとかどうだろう
結構古い作品だし知名度も低いかもしれないけど
358名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 17:57:24 ID:/sI0pE0n
>>357
イェル・チェトケルじゃなかったっけ?
なんにせよ剣も魔法も扱える強力キャラだな。時期によっては弱体化しとるが。
んじゃ、コントラクト・サーヴァントつながりで風のコントラクター、
八神和麻を召喚。…ルイズがひどい目に遭う所しか思い浮かばん。
359名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 18:00:40 ID:nmv0oyEo
もし誰か書くとしても
マリアが生まれなくなるのはかわいそうなので
元の世界にはちゃんと帰って欲しいな>イエル
360名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 18:16:46 ID:Epgti88C
青色サヴァンとコントラクトサーヴァントする。
361名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 18:21:57 ID:ZmyLRMsh
黒い翼の天使が使いこなせなかったなぁ
というかハルケギニアって天使や悪魔の概念あるのかね?
あと風の精霊術……エルフバリアー(仮)で反射できるのだろうか
362名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 18:25:28 ID:suYgFRyc
>>358
デルフいらない子、ギドー嬉しがる、ルイズ惨殺の三本立てにしかならんだろ。
363名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 18:25:40 ID:9hGpODsf
グリニデ様とかなら平然と魔法をはじき返しそうだなー。
364名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 18:30:25 ID:D8i2zERu
ルイズ「それなんでブラしてるん?」
ステファン「ブラじゃない、大胸筋矯正ベルトだヨ」
365名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 18:38:06 ID:WiLBTJcu
金卵www
366名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 18:39:27 ID:lkKSh8xI
>>363
まずギーシュ戦で大爆発w
367名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 18:44:45 ID:YHAytt9D
>>364
噴出したカルピス返せwww
つかそのネタ知ってるのは>>364-365と俺だけで十分だww
368名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 18:47:38 ID:N4bb7igJ
ブラじゃないよ大胸筋矯正サポーターだよ!乙
369名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 18:50:58 ID:wKF1idGl
>>367
そしてしつこくブラじゃない、ブラじゃないと言い張るんだよなwwwwww
370名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 18:51:09 ID:/t5qhRWE
洗濯板と売女1号&2号と根暗幼女をフルボッコするSSはまだですか?
371名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 18:54:54 ID:W4EqnWGI
バイ 0 ハザード
バイオ4のレオンが召喚される話。



レオン:コメリカのエージェント。マトリックスみたいな動きが出来ます。



レオンの装備
コスチュームその2:黒スーツ、ハット、白いマフラー。マフィアみたいです。
アタッシュケースLL:沢山物が入ります。普段何処に持っているのか誰にも分かりません。
ナイフ:便利な大型ナイフ。よく切れます。
無限ロケットランチャー:弾数無限ロケットランチャー。RPG7。スゲー威力でスゲー爆発。爆風に注意。
限定仕様ハンドキャナノン:無限マグナム。S&W M500。スゲー威力でスゲー反動。
シカゴタイプライター:無限マシンガン。トンプソンM1。スゲー威力でスゲー連射。
PRL412:小型レーザー砲。最凶装備。タメ時間長い。本編ではガナードにだけダメージを与えるのですが、話に使えないので、SS内では普通のレーザー兵器にします。


372名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 19:01:08 ID:W4EqnWGI
御堂刹那(みどう せつな)享年30歳
刹那は、今時珍しくないフリーターの青年。
彼は人付き合いが苦手で、友人と遊ぶよりもマンガ、アニメ、ゲームといった娯楽を好んだオタクである。
巫女装束、ブルマー、メイド服と様々なコスチュームに萌えを求める男。
萌えを追求するあまり、自らがコスチュームを纏って萌えを表現できないことを残念がる趣味人。
また剣術道場を持つ祖父から『夢幻真刀流』を教わり、免許皆伝の腕前であった。
刹那は祖父の孫の中で、最も剣術の才があったのだ。
そんな彼の学生時代の評価は『もっと強調性を持ちましょう』『もっと友達を作りましょう』であった。
そんな刹那の性格が災いして、正社員になれず、未だにフリーターであった。
アルバイト生活をやりながらコツコツと生きていた。
そんな彼も交通事故で呆気なくこの世を去った。
この国の交通事故の死者は多く、大多数の人間に取っては、良くあることであった。
毎年何万人も出る交通事故の死亡者に、また一人加わっただけである。
この物語は、主人公の交通事故による死亡で始まる。

現代設定
西暦2008年
漫画『ジョジョの奇妙な冒険』と、小説『ゼロの使い魔』が発売されている。
刹那はジョジョの奇妙な冒険とゼロの使い魔を見ている。
その為ハルケギニアで、原作知識を利用して好き勝手に行動する。



373名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 19:01:57 ID:/sI0pE0n
>>370
避難所に行ってランスでも呼んで来い
<フルボッコの意味が違います
374名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 19:03:45 ID:wKF1idGl
>>373
やめて(女性キャラが)皆犯されちゃう
375名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 19:04:06 ID:W4EqnWGI
いまいち乗らないから人が増えたらまた投下しますね^^
376名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 19:04:30 ID:wKF1idGl
>>375
二度と来るな
377名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 19:05:32 ID:W4EqnWGI
いいえまたきます^^
378名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 19:08:48 ID:6NEkI6su
アニメでバーガンディ伯爵が出たって聞いたんだけど、
どんな顔してたのか誰か教えてくれない?
379名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 19:11:46 ID:Epgti88C
きれいな顔してただろ。
380名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 19:13:01 ID:bVBsfIHG
ランスシリーズから
小川健太郎くんと来水美樹ちゃん召喚…

ヒラミレモンの代用としてハシバミ草を食する
カオスに似たデルフ…、なんか面白そうだ
381名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 19:15:39 ID:wKF1idGl
>>380
是非とも書いてくれ
382名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 19:17:37 ID:GkpBeKB+
>>356
イザベラが「わたしの前では優しいお父様だった」と語るフラグがついてるような
んで
ルイズ:星矢
キュルケ:紫龍
タバサ:瞬
ギーシュ:氷河
と召喚されて瞬がピンチになったらお兄さんが次元を越えて飛んでくると
383名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 19:20:14 ID:nDxqMoth
学園アリスから無効化のアリスの力を持つ佐倉蜜柑を召喚。
盗みのアリスもあるしメイジの力が盗まれて阿鼻叫喚www
384名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 19:20:25 ID:bVBsfIHG
戦国と6(ゼス崩壊)しかやっていなから無理…
戦国以降は健太郎くんは魔人になっちゃったから
7万の大軍も意味無し、魔王美樹ちゃんに至っては升の厨性能だからな…
書いても主人公TUEEEEEEになるだけだし
つーかSS書きとしての技量はオレには無いよ。


385名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 19:25:10 ID:lVMxUtpX
アリスと言えばアリスSOSのアリス召喚して救助に向かうのはどうだろ
386名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 19:29:04 ID:Zcf7Zvy8
>>355
夜な夜なお面つけて説教しながら悪徳貴族を粛清する話になりそうだな
387名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 19:44:31 ID:x72SG8Ty
ランス世界で言えばゼロの使い魔ってモロにゼスの文化と被ってるし、
ランス主人公で書いたとしてもゼスの焼き直しになるだけだとおもふ。
388名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 19:44:51 ID:D8i2zERu
>>372
なんという盗作、コレは間違いなく理想郷(笑)

ああー、大胸筋矯正サポーターだった…

ル、ル、ルイズたんモヘーー
389つかいま:2007/12/12(水) 19:49:27 ID:sNa0lN+v
お客さんお客さん、3話目できたよ。投下よろしいあるか?
390名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 19:50:23 ID:wKF1idGl
>>389
いらしゃい、いらしゃい
391名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 19:50:24 ID:VxkTNF2N
支援するから、さっさと投下するでおじゃ!
392つかいま1/2 第三話 男なんか大嫌い 1/5:2007/12/12(水) 19:53:05 ID:sNa0lN+v
よろし、投下するよ。


一方その頃、地球の日本国東京都練馬区、天道家では。
「え? 乱馬の奴、まだ見つかってないの?」
「うむ。我々に何の断りもなく家出する男ではなかったと、見込んでいたんだが……。
 ああ〜乱馬くんっ、きみってやつは〜〜っ」

学校から帰ってきた天道あかね、早雲、早乙女玄馬が、茶の間で相談していた。
「右京やシャンプーのところや、九能先輩の家にもいなかったのよ。きっと何か、事件に巻き込まれているんだわ!
 おじさま、早乙女のおじさまっ! 乱馬が寝ているときに、何があったの?
 朝起きたら、隣の布団からいなくなってて、荷物や服も全部そのままだったんでしょ!?」
「誰かに誘拐されたのかも知れん……寝るときは女の恰好じゃったし……。
 あの夜も別に普段どおりで、失踪する理由も全然思い浮かばんのじゃが……。
 とりあえず、のどかが連れ去ったわけではないそうだしなぁ」

「ヤバイとこにでも売り飛ばされてんじゃなぁい? もしくはアレよ、北○鮮」
「やめてよっ、なびきおねーちゃんっ。らんまに限って、そんな……」
「あらあら、大変ねぇ」

「乱ちゃん……どこ行ってしもたんや。うちやあかねちゃんを見捨てて、どこへ……」
「ばあちゃん、大変ね! 乱馬が蒸発したよ!! 突然どこにもいなくなったね!!」
「あの乱馬が……蒸発だと? 俺じゃあるまいし、迷子にでもなってんのか?」

「なんじゃとぉ、乱馬が!? おらのシャンプーにつきまとうからじゃっ、ざまあみよ!!」
「乱馬はどーでもよいが、らんまちゃんの女体を堪能できんのは、悲しいのぉ……」
「ぬぁにぃ〜〜っ、早乙女乱馬がいなくなっただとぉ!? 天道あかねとおさげの女を、我がものにする好機!」
「ああ〜〜乱馬さまっ、この私が全力をかけて、貴方の行方を探り当ててみせますわっ!」
「OH! バッドスチューデントのサオトメ・ランマが失踪でーすって? それはGood Newsでーす!」

「早乙女くんは、今日もお休みね。いーなー、どっか旅行かなー」
「ふふふふふふふふ、早乙女がいなくなっただって? この僕がず〜〜っと呪っていたせいだねっ」
「乱馬……きっとどこにいても、男らしくしているはずよね」

乱馬の、バカ。誰にも黙って、どこ行っちゃったのよ。
誰も知らない、どこか遠くへなの? 私を置いて、みんなを置いて。こんなに心配かけて。
さっさと帰って来なさいよ、バカ。
393名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 19:53:59 ID:VxkTNF2N
支援
394つかいま1/2 第三話 男なんか大嫌い 2/5:2007/12/12(水) 19:55:13 ID:sNa0lN+v
「っちくしょ〜〜、これ全部俺が片付けろってのかよ」
「あんたは私の使い魔でしょ、ランマ。キリキリ働きなさいよ、あんたのせいでもあるんだから」

ルイズが授業で爆発を起こし、教室はしっちゃかめっちゃかになっていた。
先生は痙攣して気絶していたが、命に別状はないようだ。
俺は爆発で興奮した、誰かの使い魔の猫に抱きつかれ、泣き叫びながら暴れてしまった。
授業は中止。で、これだ。
「でも、猫が怖いなんておっかしいわね〜。あんたにも意外な弱点があったんだぁ」
「うううう、気持ち悪かった。あのまんま切れていたら、俺は猫になってもっと暴れていたぜ」

さあて、片付けたし、昼飯にすっか。ご主人様のルイズはもう食堂かよ。
「じゃー、またシエスタさんのお世話になっかな。そろそろ召喚されて丸一日かぁ……。
 みんな、心配してんだろーなー。でもまぁ、早く帰る方法を見つけねぇと」

「ランマちゃんも、てーへんだなぁ。身一つで見知らぬ場所にかどわかされて、一生使い魔になれなんてよぉ。
 この料理長のマルトー、貴族どもなんて嫌いだね。給料はそりゃ高いんだが」
「早くおうちに帰りたいです……でも、遠いところなの。お金もないし。
 ご馳走様でしたー。私に手伝えることがあったら、申し付けていいですよ」
「じゃあランマさん、貴族様がたにデザートやお飲み物などを配っていただけますか?」

貴族はいけすかねー奴らばっかりだが、平民は普通の人たちだ。
ちっと魔法が使えるからって、威張りすぎなんだよなメイジって。革命が起きたらどーすんだ。
いやでも、ルイズはほとんど魔法が使えないのか。平民の血でも入ってんのかな。
あいつはあいつで頑張ってんだし、むげに出て行くのもどーなんだろ、悲しむかな。
いやいや、無理矢理人を連れ去って焼印みてーに入れ墨彫って、奴隷扱いしてんだ。日本だったら逮捕されるぜ。

可愛いらんまのメイド姿に、男たちは大喜びだ。
「はいはーい、並んで並んでっ。押さないでー、今お配りしまーす」
「あのっ、サイン下さーい」「かわいーねぇ、住所どこ?」「ばか、この娘はルイズの使い魔だろ」
どこへ行っても、男というものは変わらないらしい。
395つかいま1/2 第三話 男なんか大嫌い 3/5:2007/12/12(水) 19:57:28 ID:sNa0lN+v
その頃、医務室のベッドでは、あの男が目覚めていた。

「このギーシュ・ド・グラモン17歳、美しい薔薇は、一人のためだけに咲くものではない……。
 幼馴染であり、長い付き合いの『香水』のモンモランシー。
 可愛い下級生でお菓子作りがうまく、情熱を秘めた『燠火』のケティ。
 最高のツンデレであり、公爵家の令嬢である『ゼロ』のルイズ。
 そして突然現れた、元気溢れる『おさげの女』ランマ。ああ〜、誰も捨てがたいっっ」

隣でモンモランシーが、胡乱げな目をしてリンゴをむいていた。
「あんた何股かける気なのよ、ギーシュ。一応私の前よ。
 まぁ、あんたがバカで変態で女好きなのは、今に始まったことじゃーないけど」
「それは違う、誤解だモンモランシー。
 誰もが可愛らしく選べないので、全員と要領よく付き合いたいと願うこの気持ちに、偽りはないっ!!」
ギーシュが身をくねらせ、拳を握りこめかみに青筋を立てて力説する。アホか。
「そーゆーのを、四つ股かけるってゆーのよ」

どすこーい、どすこーい。

「四股(しこ)を踏んでどーするっっ! よつまたよ、四つ股っ!」
「ところでこの会話は、何語なのだ?」

そんな感じで、二人はよろしくやっていた。ギーシュはいい彼女を持っているようだ。


「ふーっ、今日も一日終わったぜ。つっかれた〜。
 魔法のせいか、会話は通じるけど文字は読めねぇし、
 そろそろ学院の外に出て、いろいろ情報を集めてーなぁ。それか、教師にでも聞いてみるか……」
らんまは、う〜んと伸びをした。ルイズが寝床から答える。

「じゃあ、来週の『虚無の曜日』に都のトリスタニアへでも行こうかしら。
 ここからそうねぇ、馬で3時間ぐらいかかるけど、大きな町よ」
ふーん、このトリステインって国の都か。とは言え異世界の情報っつってもなぁ、どう聞いたもんか。
396名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 19:58:23 ID:VxkTNF2N
支援
397つかいま1/2 第三話 男なんか大嫌い 4/5:2007/12/12(水) 19:59:39 ID:sNa0lN+v
とりあえず汗もかいたし、ひとっ風呂浴びたい。
「……なあ、ルイズ。風呂ってないのか?」
「貴族は総大理石造りの豪華岩風呂。魔法技術をふんだんに使った快適な施設よ。
 けど、平民はサウナ風呂しかないわ。汗ぐらいは流せるでしょ」
「……あ、そう。じゃあご主人様がお休みしたら、俺は風呂に入ってくるぜ」
「どーぞ。使い魔が汗臭いのは嫌だしね」

シエスタさんに聞いて、一人でサウナ小屋を使わせてもらう。一緒に入ろうか、とも言われたが、必死に拒んだ。
「……まあいいか。内側からカギはかかるし、お湯はあるな。
 あとで水を浴びて女になる必要があるけど……誰も見て、ねーよな?」
ざばっ、とらんまがお湯を被る。

赤い髪が黒くなり、筋骨が逞しくなり、背丈がぐんと伸びて、豊かな乳房が胸板となる。
日本男児・早乙女乱馬16歳、ここに復活である。
「ふぅ、ずっと女でいると疲れるぜ。人格まで女になりそうで、ちょっと嫌だなぁ……」

汗と垢を洗い流し、さっぱりとする。
「やれやれ、でもま、ルイズも意外と素直だし、しばらくはどーにかなるか……。
 長らく『ゼロ』って呼ばれて劣等感味わってたんだろーし、俺が召喚できて嬉しいのかもな」
劣等感とは無縁に近い性格の乱馬だが、他人の気持ちを推し量れないわけではない。
ただお互い、好意の言葉を面と向かって言うのが、恥ずかしいお年頃なのだ。さらっと言うこともあるのだが。

「ランマー、忘れ物よ。それで明日の予定だけど……」
「嘘っ!? るるるルイズっ、ちょっと待て、そこに置いといて、部屋で待ってろよっ!」
「なによ、女の子同士でしょ……っって、あんた、誰!!? 男の声よ!!
 ランマ、なにやってるの!? 開けるわよ!!」

いかん、嘘、ちょっと待て、いきなりばれてしまうっっ。殺されるっ!!
カギを魔法で爆発させ、ルイズがサウナ小屋の扉を開けた。ちくしょう、逃げ場がねえ!

「……きゃ――――――っ、おっ、男――――――っ!!!」
398名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 20:00:09 ID:bVBsfIHG
支援
399名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 20:00:40 ID:bVBsfIHG
支援
400名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 20:00:55 ID:suYgFRyc
ついにバレたかwww 支援
401名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 20:01:24 ID:bVBsfIHG
支援

あら、もしかしてさるさん?
402つかいま1/2 第三話 男なんか大嫌い 5/5:2007/12/12(水) 20:01:36 ID:sNa0lN+v
ルイズが叫び、杖を振り上げる。
乱馬は素早く腰にタオルを巻き、杖を叩き落して片手で口を塞ぎ、黙らせる。
目を白黒させるルイズの目の前で、ざばっと戸口にあった冷水を浴びて女に戻る。
「……ぷはっ! ランマ!? あ、あんたいったい、なんなの? いまの男は!?」

早くもばれちまったか。しかし、男だと告白してもいろいろ面倒くさそーだよな。
男前の俺に惚れられても、なんだし。じゃあ、こうだ。

「すまねぇ、黙ってて。これは俺の秘密、恥なんだ。どーしても言い出せなかった。
 俺は本来『女』なんだが、クソ親父のせいで、ある『呪いの温泉』に落ちてしまい、
 お湯を被ると『男』になってしまう、ふざけた体質になったんだよ。
 水を被れば女に戻れるんだが、性格も段々男らしくなるしよー……あーあ、これじゃ俺、嫁にも行けやしねぇ」

これでよし。ルイズはほっとした表情になった。
「な、なんだ、そうだったの。
 ビックリしたじゃない、いいからそういう事は先に言っておきなさいよ。
 あーよかった、男の裸なんか見ちゃって、心臓に悪いわ。私、男なんか大っ嫌いだからっ」
「え゛」

「ああいやいや、女好きってわけじゃないのよ。
 ほら私、魔法が使えないでしょ? だからずっと『貴族じゃない』って、いじめられていて……。
 友達も恋人も、ほとんど『ゼロ』だったの。胸だって……。
 男は寄ってくるけれど、きっと私が名門公爵家の令嬢だからって、心にもないこと言っているだけよ。
 劣等感ばかりがどんどん大きくなって、どうしようもなかったわ。
 ……でもランマ、貴女は私の友達になってくれる? 私の数少ない、魔法成功の証人だもん」

「あ、ああ、いいぜ。よろしくな、ルイズ」
育ちや胸の大きさは違えど、年恰好や背丈はほぼ同じ。異世界で生まれた二人は、主従兼友達になった。

「……でも、あの男になったランマ、ちょっと恰好よかったな……」

(続く)
403名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 20:02:47 ID:YHAytt9D
…サウナ風呂にお湯ってあったっけ?



なんてツッコミは野暮だな。乙
404名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 20:03:33 ID:wKF1idGl
405名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 20:03:56 ID:VxkTNF2N
あー突っ込んでいいかな?
この展開だとらんまは急いで戻らない限り留年……。
406つかいま:2007/12/12(水) 20:04:02 ID:sNa0lN+v
投下終了、支援謝謝ね。
変身体質の説明は、こんなことになりました。原作ではそーもいかんけど。
ちょっとルイズが丸くなりすぎた感はあるなあ。ツンデレって難しい。
じゃっ、またね。
407名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 20:04:17 ID:bVBsfIHG
乙〜

何つーか高橋留美子のほんわかギャグ臭がww
408名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 20:05:38 ID:x33HD/Ue
乱馬の消えた日本側に正体バレに…
うん、GJ!支援間に合わなくてスマン
409名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 20:18:30 ID:CmncfgDo
つかいま乙です

その泉は神盾溺泉!
6000年前に伝説の使い魔が溺れたという悲劇的伝説があるのよ!
以来、そこで溺れた者皆、伝説の使い魔になてしまう呪い的泉!

とかいうのが思い浮かんだ
410名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 20:24:55 ID:GkpBeKB+
>>409
なつかしいw
パンスト太郎(だっけ?)が浸かったのはなにが溺れた泉だったっけ
411名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 20:25:06 ID:9ukSkehe
>409
メイジいらない上に量産出来るじゃねーかw


412名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 20:30:53 ID:ZPV0S+X2
ニウホーマンマオレンとかいったっけ?
牛に乗り蛇と何か持った男
413名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 20:31:45 ID:bVBsfIHG
鶏じゃなかったっけ?
最後の一つ?
414名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 20:31:57 ID:whhuBUYR
>>405
それ言ったら才人も出席日数足りずに留年じゃね
415名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 20:39:36 ID:MzJNi/hh
>>410
鶴と鰻を持って牛に跨った雪男だったかな?
のちに蛸足も追加された
416名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 20:45:55 ID:0/sfz1aw
さらに双子をかぶろうとした
417名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 20:59:26 ID:GVX8FAxF
それどこのキメラ?

…つーか、本当にそんなの出たの??
(あのマンガよく知らないの)
418名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 21:12:40 ID:GkpBeKB+
>>417
うん。
そんな状態の人が溺れたからそこに浸かるとそれらが混ざったキメラな奴になる
419名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 21:15:03 ID:D8i2zERu
短編できたよー
420名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 21:17:00 ID:zgE4QS+M
創龍伝から四神龍兄弟召喚。核ミサイル弾き返すはサイコキネシス使えるは四人全員が龍に成れるは最強要素大杉で話にならん気もするが………
421sage:2007/12/12(水) 21:23:28 ID:ckGTPN9a
あの四兄弟がおとなしく使い魔になるわけ無いな。
「貴族にあらずんば人にあらず」みたいなトリステインじゃ、
あっという間に逃げ出すと思う。

もちろん大暴れして、調査・捕獲に来たアカデミーを更地にしてから。
422名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 21:23:39 ID:D8i2zERu
「ゲホッ、ゲホッ、カ、カメラさん大丈夫ですか?
えー本日はですね、世界一生春巻きを速く作れるというポンさんを探してベトナムに来ているのですが、
いや其れにしても先ほどの爆発は何だったのでしょうか。大変驚きました。
まだ私の胸は爆発でバクバク、バクバクとなっている分けですが、トリゾーです、
でですね、今土煙がひどくてなーにも見えませんねぇ。
おや、アソコから、なんとピンクの髪の女の子が駆け寄ってきます。
なにか生春巻き作りの名人について知っているかも知れません。少しお話を伺ってみましょう」

「あのここらへんで生春巻きを世界一速く作れるポンさんという方がいると聞いてきたのですが」
「ソレハワタシノコトダヨ」
(あんた達、何者なの?)
「えぇー本当ですか?!いやーラッキーだなぁー。あのですねその技をですね見せていただきたいのですが」
「アァイイヨ」
(ちょっと聞いてるの?!さっきから変なものをこっちに向けて、ふざけてるの?!もういいわ、とにかく契約よ!)
423名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 21:26:40 ID:Dr0kWEfR
四竜兄弟と聞いて、一光、二順、三明、四吉が出てくる俺はどうすれば。
424名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 21:27:47 ID:D8i2zERu
「それじゃあ早速準備の方へ…
えぇっ、カ、カメラさん今の撮りましたか?!突然のキスです!いやー照れちゃうなー
……あっ熱い!右手が、今突然熱くなってきました!熱い、熱いです!熱いですよカメラさん!」
………
……


「いやー、先ほどのは何だったのでしょうか。
あまりに熱くて、あ、つい、あ、ついですね、カメラの前で泣きそうになりました。トリゾーです。
はい、ともかくポンさんにその技の方をですね、披露してもらいましょう」

「どうですかポンさん、今日の調子は?」
「あんた達いったい何なのよ!誰よポンさんて!
私はルイズ、公爵家の三女なのよ!こんなとこ座らせて、いったい何を!…て、通じた?」
「マァマァダネと、なるほど、これは新記録期待できそうですね。ではよーい、スタート!」
「ちょっと待ちなさい、新記録って何よ!てか言葉通じてるんでしょ、聞きなさい!こら!」
「おや、何かおっしゃってますね。なになに、コンナ、グザイジャ、ツクレナイ、と。何ですってーー!」
425名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 21:32:09 ID:D8i2zERu
(シャッカシャカシャカウーロンチャー)(ED BGM)
「今回は非常に申し訳ない結果となってしまいました。
えー今後はですね、このようなことがないよう、スタッフ一同一層努力いたします。
ではまた次回、お会いいたしましょう。桂トリゾーでしたー。さよーならー。
ほらポンさんもいっしよに、さよーならー」

「だから私の名前はルイズってんでしょうがあああああああ!!」


以上、the world of golden eggsより、桂トリゾーを召喚
426名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 21:32:54 ID:x33HD/Ue
>>414
「俺を学校に行かせろぉぉぉぉ!」
と下がる使い魔が連想されたね?

>>423
よし、今すぐGENESISにwktkする作業に戻るんだ
427名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 21:33:41 ID:Zcf7Zvy8
>>420
創竜伝なら小早川奈津子よぶと面白いかもな
ルイズがなみだ目になってるのが思い浮かぶけど
428名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 21:38:05 ID:c2nXE3yP
>>427

ちょwww

チェーンソーでギーシュ君の首が大ピンチになるじゃまいか
429名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 21:44:24 ID:i8WIDooa
なっちゃんは怖すぎる
430名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 21:45:33 ID:Td33QPMY
>>428
なっちゃんって
ああいう美少年は(性的な意味で)食っちまうんじゃねえか?

ギーシュ\(^o^)/
431名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 21:51:10 ID:wKF1idGl
祝・ギーシュ君童貞卒業
432名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 21:58:50 ID:i8WIDooa
アンリエッタとルイズが、聖女様コールでもしないとアルビオン行かなそうだ。

「せ、聖女様。お願いします。我が国を救うために。どうか、どうかお力添えを」
「おーほっほっほっほ」

うわ、すげぇやだwwww
433名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 22:04:06 ID:/sI0pE0n
>祝・ギーシュ君童貞卒業
そして背後からモンモランシーに刺されるギーシュ、と自然に連想できてしまったなぁ。
434名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 22:06:32 ID:wKF1idGl
>>433
そしてケティがモンモランシーを惨殺してNice boat.になるのか
435名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 22:10:32 ID:/sI0pE0n
>>434
うむ。
「ほぉら、先輩にはそのお化粧がお似合いですよあはははははは」とか言いながら
モンモンの顔面に炎たたきつけるの。あるいは真っ赤になるまで熱した鉄板とか。

あれなんかケティがすごいヤンデレに
436名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 22:12:47 ID:nDxqMoth
龍遣いで皇女様の九雷を召喚してみる。
神龍のイヤリングをぶんどってはみたものの使えなくて泣くルイズが目に浮かぶwwwww
437名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 22:13:24 ID:rhZl7yCQ
投下してもよろしいです?
438名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 22:14:40 ID:9m+F1o5X
>>437
何が来るかわからない!
でもそこが楽しみだ!
支援!
439名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 22:15:11 ID:zsUfLui5
支援
440名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 22:15:33 ID:/sI0pE0n
おぅけぃかもんなう!
441“微熱の”使い魔3−1:2007/12/12(水) 22:15:36 ID:rhZl7yCQ
 魔法学院の教室は、ザールブルグのアカデミーのそれとよく似ていた。似ていたが、アカデミーと比べると若干硬質というか、エリーには柔らかさが欠けるように感じられた。
 それはおそらく、この学院が純粋な学問の場というわけではなく、“貴族”の教育機関としての側面を持ち合わせているためかもしれない。
 アカデミーは真理の探究たる錬金術を学ぶ場所ではあるが、その基盤を作り上げた最大の功労者である、ある女性の気質を受け継いでか、学内には良い意味での柔和がある。
 もっとも、それが災いしてか卒業試験に数年を費やすというとんでもない“つわもの”を輩出することもあったが。
 それがさておき。エリーはちょっとおっかなびっくりで教室を見回していた。
 教室には猫や犬、ネズミやカエル、蛇といった動物たちもいたが、田舎育ちであるエリーにとってはそれらは特に驚くべきものではない。
 原因は、そこかしこをうろついているモンスターたちだ。
 スキュアとかいう蛸人魚に、バグベアという目玉のお化け。六本足の大きなトカゲ。いずれもエリーの知らないモンスターであった。
 メイジが自らの使い魔を召喚する魔法サモン・サーヴァント。
 キュルケから聞かされた時は、すごいとか、やってみたいなとか思ったりしたエリーだが、この連中を見ているとそんな気分もぷしゅーと音を立てて萎んでいく。
 普通の動物ならまだしも、ヴィラント山のアポステルや、森の死神クノッヘンマンなんていうちょっと御免こうむりたいのが召喚されないとも限らないからだ。
 エリーがキュルケにモンスターや動物たちのことを聞いたりしていると、ルイズと才人が入ってきた。
 ルイズは相変わらずの仏頂面で、才人のほうも同じような表情で、顔に小さな筋みたいな痕がいくつものできていた。

 「ヒラガくーん」

 エリーが声をかけると、才人は表情を和らげて、おうと手を振った。

 「何をにやけてるのよ、このバカ使い魔!!」

 「あ……!」

 その光景にエリーは思わず悲鳴を上げた。
 ルイズは才人の反応にキッとなり、いきなりその顔をひっぱたいたのである。平手などはなく、鞭でだ。
 どうやら顔のすじは、教室に入る以前にルイズからつけられたものらしい。

 「いってえ……!!」

 その一撃に、才人は怒りと苦痛の入り混じった声を上げる。

 「ツェルプストーなんかから施し受けて、その使い魔にデレデレして……! どこまでわたしに恥をかかせるの!?」

 「――お前には関係ないだろう!!」

 「あるわよ!! ツェルプストーから食べ物めぐんでもらうなんて恥辱……。ご先祖になんてお詫びしたらいいのよ!!」

 「お前の先祖なんかしらねえよ!! そんなに言うんだったら、もっとましな餌よこせ!!」

 ぎゃー、ぎゃー、ぎゃー、ぎゃー……。
 何ともはや見苦しい口論が際限なく続く。

 ――うーーん……。

 最初は止めようかと思ったエリーだが、あまりの凄まじさのためにすっかり気後れしてしまい、呆然とその様子を見つめるだけだった。

 「あーあー、やっぱりやってくれたわねえ、あの子は」

 キュルケは期待通りとでも言いたげな顔で、ルイズたちの言い争いを見ている。
 エリーは才人が責められている原因が自分にもあるのではと、

 「いいのかな、止めなくて……」

 「ああいうのには下手に関わらないほうがいいわよ」

 「とばっちりを食うだけ」

 キュルケは肩をすくめ、タバサは本を読みながら言った。
 まったくもって、その通りであろう。
 二人の争いは教師がやってくるまで続いた。
442“微熱の”使い魔3−2:2007/12/12(水) 22:17:14 ID:rhZl7yCQ
 「ミス・ヴァリエール、それにミス・ツェルプストー、二人ともずいぶんと変わった使い魔を召喚したようですね」

 ミセス・シュヴルーズなる中年の女性教師は才人、それにエリーを見ながら、とぼけた声で言った。
 くすくすと笑い声があちこちから漏れる。
 キュルケのとなりに座るエリーは、シュヴリーズと目があうとちょこんと頭を下げる。ちなみに机の上にはキュルケから借りた筆記用具が並んでいる。
 才人のほうはただ座っているだけだが、エリーのほうは授業を聞く気満々である。むしろ本来受けるべきはずのキュルケよりもやる気が感じられた。
 ここハルケギニアの魔法が、貴族階級であるメイジにしか使えないことは、昨夜聞いている。
 けれども、もしかすれば錬金術の技術に応用できるものがあるかもしれない。
 エリーはそう考えて、キュルケから筆記具を借り受けたのだ。
 そんなエリーをキュルケは楽しそうに、タバサは少し興味深げに見ていた。
 当のエリーはまるで気づいてはいないが、シュヴルーズも内心少し驚きながらエリーを見ていた。
 何というか、慣れている。
 エリーを見て、最初に受けた印象はそれであった。
 異国の人間であると噂では聞いていたが、席にちょこんと座る姿は、服装さえ同じものなら他の生徒たちと比べても違和感はないだろう。
 ルイズの使い魔である才人が明らかに異質であるのに対し、エリーはいくらか緊張が見られるもののどうにも自然なのである。
 それは人種的なものや、今まで過ごした生活環境の違い、特にアカデミーという魔法学院と似た場所で学んでいたという点が大きいのだが、シュヴルーズはそんなことなど知る由もない。
 エリーを見つめ、若干注意力散漫になっていたためか、シュヴルーズは教室の笑い声が途切れていないことにすぐに気がつかなかった。

 「ゼロのルイズ、召喚ができないからって、そのへんの平民連れてくるなよ!」

 その声をきっかけに、笑い声はどっと大きなものへ変化した。

 「違う! ちゃんと魔法は使えたわ! こいつが勝手にきちゃったのよ!!」

 ルイズはいきりたち、からかった男子生徒を睨みつけた。

 「……こっちだって好きできたんじゃねーよ」

 才人はそう毒づくが、ルイズはまるで耳に入っていない様子。

 「嘘つけ、サモン・サーヴァントができなかったんだろう?」

 教室内の笑い声がげらげらと品のないものへと変わっていく。

 ――何なの、これ……?

 その雰囲気に、エリーは顔をしかめる。
 ルイズに対して決していい印象を持っているわけではないが、それでも大勢の前で笑い者にされる光景というのは見ていて不愉快なものだ。

 「――それ、ひょっとしてわたしにも言ってるのかしら、かぜっぴきさん?」

 キュルケがその赤い髪の毛をかきあげながら言った。
 魅惑的な笑みを浮かべながら、ルイズをからかった男子生徒を見つめるが、その瞳はまるで笑っていない。
 その途端、笑い声が急速に小さくなっていく。

 「ぼ、ぼくは風上のマリコルヌだ。かぜっぴきじゃない」

 キュルケの鋭い視線を受けながら、マリコルヌは顔をそらしながらもごもごと言った。

 「はい、そこまでです。みっともない口論はおやめなさい」

 シュヴルーズの厳しい声によって、教室の喧騒は終わりを告げた。
 ルイズは何か言いたげにキュルケは見ていたが、視線が合いそうになると、ふんとそっぽをむいてしまう。
 キュルケはそんなルイズに、ふっと微笑しただけだった。
 やがて、授業が始まった。

 「……土系統の魔法は、万物の組成をつかさどる重要な魔法であるのです。この魔法がなければ重要な金属を作り出すこともできず、加工することもできません。大きな石を切り出して建物を建てることもできなければ、農作物の収穫も……」

 授業を聞きながら、エリーはこの大陸においてどれほど魔法というものが生活に浸透しているか、改めて実感した。
443“微熱の”使い魔3−3:2007/12/12(水) 22:18:59 ID:rhZl7yCQ
 と、すると、その魔法を操るメイジたちの権力というか社会的な地位は、シグザールの貴族たちとはだいぶ異なりそうだ。
 ならば、たとえばあのルイズの才人に対する傲慢な態度も決して例外的なものではないかもしれない。

 ――何だか、やだなあ……。

 シュヴルーズの話を、要所要所メモしながら、エリーはかすかにため息をついた。
 話をひと区切り終えたシュヴルーズは、机の上に石ころを置いた。
 何をするのかとエリーが少し身を乗り出していると、シュヴルーズは手にした杖を振り、呪文を唱えた。
 すると、石ころは石からまったく別の金属へと変化していた。

 ――お、黄金? いや、多分違う……。真鍮か何かな? でも、すごい……!

 驚きのあまり、エリーは思わず立ち上がっていた。
 シュヴルーズはそれを見て、こほんと咳払いをする。

 「そこのあなた! 授業中ですよ、ええと……」

 「あ、エルフィール・トラウムです」

 「では、ミス・トラウム。まずあなたにやってもらいましょうか。この石を好きな金属に……」

 「え!? ええと……」

 いきなりのことに、エリーはしどろもどろになる。
 キュルケもまさかそんなことを言われると思っていなかったのか、すぐにはうまい言葉が出なかった。
 もじもじするエリーに、シュヴルーズは怪訝な表情を作っていたが、すぐにエリーが異国人であることを思い出した。

 「し、失礼。ミス・トラウムは生徒ではありませんでしたね。あまり真面目な様子だったものですから……」

 シュヴルーズは顔を赤らめ、ほほほと笑う。

 「す、すみません……ついうっかり」

 エリーも赤面して、うつむきながら着席した。

 「それでは、ミス・ツェルプ……ミス・ヴァリエール! 授業中の私語は慎みなさい」

 シュヴルーズはエリーの“主”であるキュルケに指名をしようとしたが、才人と話しているルイズを見て、それ咎めた。

 「す、すみません!」

 「おしゃべりをする暇があるのなら、あなたにやってもらいましょう」

 え、わたしですか!? と、声をあげるルイズに、シュヴルーズはそうです、とうなずく。

 「あ、あのミセス・シュヴルーズ! それはやめておいたほうが……」

 青い顔で言ったのはキュルケだった。

 「どうして?」

 シュヴルーズの代わりに、エリーが言った。

 「危険だからよ」

 エリーのほうをむきながら、キュルケは簡潔に答えた。

 「危険?」
444名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/12(水) 22:19:17 ID:cvykr/ix
しえん
445名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/12(水) 22:20:00 ID:cvykr/ix
支援
446名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 22:20:18 ID:/sI0pE0n
エリーは真面目だからなぁ支援
…真面目だからついつい年数オーバーしちゃうんだよなぁw
447“微熱の”使い魔3−4:2007/12/12(水) 22:20:31 ID:rhZl7yCQ
 どういう意味だろうか? エリーは首をかしげた。

 「ミス・ヴァリエールが努力家だということは聞いています。さあ、やってごらんなさい。失敗を恐れていては何もできませんよ」

 「は、はい! やります!」

 シュヴルーズにうながされ、ルイズはふんと鼻息も荒く立ち上がった。

 「ルイズ、やめて!」

 キュルケが悲鳴をあげて止めようとするが、ルイズはかまわずに壇上へと進んでいく。
 他の生徒もキュルケと同じような顔で、口々にやめろ、思いとどまれと叫んでいる。

 「ねえ、みんなどうして怖がってるの?」

 エリーはくいくいとキュルケの袖を引っ張る。

 「爆発するのよ……あの子の魔法は」

 キュルケは頭を押さえて言った。

 「爆発……?」

 ここの魔法もそうなんだ、とエリーは錬金術の調合で失敗した時のことを思い出した。
 あの場合も爆発と共にせっかくの材料もみじめな廃棄物と化してしまう。もっとも、爆発といっても顔がすすける程度のかわいらしいものだが。

 「でも、それくらいなら……」

 あくまで錬金術での失敗例を考えながらエリーがそう言うと、キュルケはあきれたような顔になった。

 「そのくらいって、あなた……」

 「威力がものすごい」

 いつの間にか机の下に身を隠していたタバサが言った。

 「そうよ、怪我なんてしたくないでしょ!? ほら! そこの使い魔くんも隠れたほうがいいわよ!」

 キュルケは才人に向かって叫んでから、エリーを引っ張って机の下に移動する。
 他の生徒や使い魔たちも似たようなことをしていた。

 ――何かおおげさだなあ……。

 これってもしかして、いじめじゃないの? エリーは考えながら、机の下からルイズの唱える呪文を聞いていた。
 やがて呪文が終わると、

 轟音と衝撃が、教室を襲った。

 「……ひゃああ!!」

 突然のことにエリーは耳を押さえ、ぎゅっと眼を閉じた。
 静かになった後、恐る恐る様子を見ると、教室内は見るも無残な状態になっていた。
 使い魔たちが恐慌状態になって騒いでいる。阿鼻叫喚とはこのことだろう。
 ルイズは煤だらけになりながら、憮然とした表情で立っている。そのそばでは、シュヴルーズが大の字になってぶっ倒れていた。

 「ちょっと、失敗したみたいね」

 これが“ちょっと”?
 何か超然とした態度でつぶやくルイズを、エリーは呆然として見つめていた。
448“微熱の”使い魔:2007/12/12(水) 22:21:53 ID:rhZl7yCQ
今回は以上であります
支援していただき、ありがとうございました
449名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 22:34:28 ID:qLFnw1gB
エリー乙
450名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 22:43:30 ID:Jm+W+ZV3
微熱さん投下乙

つっか出だしのルイズって病んでるなぁ
比較対照があって客観視されると浮き彫りにされちまうね


あと避難所落ちてるっぽい?
451名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 22:43:35 ID:7LjCOBJQ
じーじぇ〜
452名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 22:46:00 ID:1pENl+mF
原作ではサイトのDQN度で相殺されてたけど、今回みたいな純粋な比較の展開になると
ルイズの行動の恐ろしさを思い知らされるなあ。
453名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 22:46:53 ID:/I2IFtDl
>>450
したらば全体が落ちてるっぽいんじゃない?
他の所も軒並みアウトだったし
454名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 22:47:08 ID:vmIRfdPf
投下乙
ルイズマジ外道、鞭で顔叩くのは危険なことこの上ない
万が一目に当たりでもすれば目の機能に異常をきたすか失明の危険もある
耳の付近に当たれば威力にもよるが鼓膜が破れる可能性もある
奴隷だって体を鞭で打たれてることはあれど顔を打たれるなんてよっぽどのことでもないだろうに・・・

・・・才人がマジで心配になってきた
455名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 22:48:51 ID:Td33QPMY
>>452
サイトってなんかDQNな事したっけ?
顔にラクガキとかパンツのゴムに切れ目とか
小学生のいたずらレベルの事しか記憶にないんだが
456名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 22:51:09 ID:qLFnw1gB
2巻最初で強姦未遂があったっけ
457名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 22:56:43 ID:Jm+W+ZV3
ヴァリエール公爵家第三令嬢のDQN判定だと

何のとりえも無い 平 民 が使い魔をしている事が第一

しかも何のとりえも無いくせに貴族であり主人である自分に
反抗的な態度をとるこれが第二

そのうえで>>455のような事したら
何の良心の呵責もなく鞭打つんじゃね

初期ルイズ基準だと
458名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 22:57:19 ID:Xi9pGTtG
XYZ
459名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 22:58:11 ID:fN9spVhs
この世界の魔法って身体能力強化あった?
サイトの身体能力もわからん
ビル駈け上ったり岩砕いたりできる?
460名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 22:58:50 ID:YvVcekJr
せめてバラ鞭にすれば音が派手で威力は抑えられるからM側にも悦ばれるのに。
(馬鹿はいろいろと間違えている)
461名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:00:51 ID:Jm+W+ZV3
>>460
ありゃあSM界のハリセンだからなw
462名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:04:12 ID:vmIRfdPf
正直ルイズはツェルプストーに負けられないとかゼロのあだ名が嫌とかいろいろ言ってるが
そういう自分はどうなのか

オスマンは使い魔を友だと言う、ルイズは奴隷or召使いだと言う
ゼロというと怒るくせにモンモンやマルコメのことを洪水やかぜっぴきと言う

ルイズって根本的におかしくね?
463名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:06:10 ID:7LjCOBJQ
>>460-461
知っているということは二人とも薔薇の鞭でしばかれたことがあ(ry
464名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:06:42 ID:6p8XG0ZM
>>455
ルイズが魔法を使えないことを、思いきり馬鹿にしてなかったっけ?
465名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:06:43 ID:E3gPlyb7
投下したいのですがよろしいでしょうかー。

微熱の使い魔を読んで書き始めた小ネタだったのですが、思いの外長くなったので数日かけて投下します(´・ω・`)
466名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:07:13 ID:SQABLAD3
>>462
初期のルイズは聳え立つ糞の山だよな
467名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:09:40 ID:vmIRfdPf
>>465
カモン

>>466
すまん読めん
468名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:09:55 ID:YvVcekJr
>>463
薔薇じゃなくてバラ、バラバラのバラね。
私は使われる方じゃなくて使う方だったんですが、あれも結構難しいんですよ。
巻きついて当たるようなやり方は巻き鞭といってM側に嫌われるので気をつけよう!

>>465
よーそろー!

>>466
そこからお互いが歩み寄って性格が改善されていく訳で。
469名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:09:57 ID:9T4+UVaf
>>462
使い魔の件は平民と動物という時点で既に比較できない
徒名の件についてはどっちが先に言い出したか解らないのに決め付けてるのは早計過ぎ

結論するとただ単に>>462が個人的にルイズの事を嫌いなだけ
470名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:10:02 ID:s4egkz6o
>>466
学院の多数生徒から馬鹿にされてたら、学院全体に噛みつくだろ?
ひねくれたり自殺したりしなかっただけ立派じゃねえの?
471名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:10:36 ID:vmIRfdPf
上げちまったのよな……orz
472名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:11:51 ID:zsUfLui5
>>465
支援するっ!
473名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:12:23 ID:s4egkz6o
>>465
支援体制に移行します。
474名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:12:30 ID:E3gPlyb7
思い出すのは水のせせらぎ、草の臭い、頬を撫でる風の冷たさ、彼女の笑顔。
その全てが遠く、遠い。
何もかもが懐かしい。
彼女と過ごした時間が、今の彼を突き動かす全て。


ルイズは、泣いてくれるかな?


サイトは力を振り絞ってデルフリンガーを振るう。
一降り二降り、三度振ったところでたたらを踏んだ。
サイトはこんなにもデルフリンガーが重いということを初めて知った。


あいつ、あれで泣き虫だからな。


段々足に力が入らなくなってきた。
槍で突かれた左腕の傷口からは血が溢れている。そこから命が漏れていくような感覚に怖気が走る。
それでも止まらない、止まったらもう二度と動けない。


それに寂しがり屋だし。


着地ざま、剣を力任せ横薙ぎに払った。
手に伝わる肉と骨を断った、確かな手応え。
周囲に味方なんて誰もいない、適当でも振り回せば誰かに当たる。


一杯悲しんで、一杯泣いてくれるかな?


大群の前にたった一人で現れた少年剣士は既に満身創痍。
けれど、彼は今この場にいる誰よりも必死に生き足掻いていた。
全ては彼女のために。


結局あんな別れになったけど、俺、お前のこと、好きだったんだぜ。


包囲していた兵士達がいっせいに槍を突き出した。
再び跳躍、敵のいない方へと渾身の力を込めた一飛び。
直後、サイトの耳に届く空を裂く無数の音。


生意気で、我が儘で、短気。でも、そんなところも好きだったよ。

475名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:13:16 ID:/sI0pE0n
支援態勢は整っている。
遠慮なく来られたし。

あと初期ルイズネタは投下終わってからにしようぜ
476名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/12(水) 23:14:07 ID:cvykr/ix
しえん
477名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:14:53 ID:Gjv8Z3fI
支援
478名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:15:09 ID:E3gPlyb7
見上げれば空を黒く染める矢の嵐。
サイトは足が地面についた瞬間、足腰全てのバネを使ってその場から飛び退いた。
そのはずみで、体の中からぶちぶちと何かがちぎれる音がした。


ごめんな。


かわしきれなかった矢が右の腿と背中に刺さった。
転がりながら足の矢だけ引き抜く、背中の矢は転がった際に半ばから折れていた。
既にサイトの体はで血で汚れていない場所など一カ所もない。


本当にごめんな。


真っ赤に染まった少年剣士。
生きているのが不思議なほどの傷を負ってなお、剣を握り、離さない。
なぜそのような姿になってまで戦うのか、この場にいる誰もが理解できないでいた。


お前一人残してごめんな。


衝撃。
爆音と吹き上がる炎、かつてテレビで向こう側で見た爆撃のようなそれがサイトを襲う。
ある意味それは正しい。サイトの周囲に向かって、無差別に火玉の魔法が何十とうち込まれているのだ。


お前は泣き虫だから、きっと泣くと思う。


吹き飛ばされる。
投げ出されて、仰向けに倒れるサイト。
それでも起き上がろうともがくが、一度止まってしまった体は、糸が切れた人形のように動かなかった。


でも、いっぱい泣いて、いっぱい悲しんだら……


何もかもなげうって、少しでも長く生きるためにサイトは懸命に戦った。
一分一秒一瞬でも長く、ルイズのことを考えるために。そうすることだけが、自分の気持ちを証明する唯一の方法だと信じて。
だが、それも終わる。


俺のこと、忘れてくれ。

479名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/12(水) 23:15:24 ID:cvykr/ix
>>459 身体能力の強化は今のところ出てなかったはず。
水魔法で可能かもしれないとは思う。
あと、ミノタウロスへの脳移植も身体能力の強化といえなくもない。

ガンダー補正は
基礎体力の向上
思考速度・反応速度の強化
武器の使用にかかわる技術
の三つで物理法則に反することはできないと思う。
480名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/12(水) 23:15:39 ID:cvykr/ix
支援
481名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/12(水) 23:16:05 ID:cvykr/ix
支援
482名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:16:12 ID:L22Vn+Vq
生まれてからずっと捻じ曲げられ続け、
攻撃的になることでしか自分を守れない、見捨てられる恐怖と、劣等感で『おかしくなってる』のを少しずつ、
ムカつくだけの初期才人と一緒に少しづつ成長し、少しづつ治していくんだよ。
支援
483名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/12(水) 23:17:13 ID:cvykr/ix
支援
484名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:17:27 ID:vmIRfdPf
支援
485名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:17:56 ID:zsUfLui5
雑談自重しろ
支援
486名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:17:56 ID:nDxqMoth
そんな流れの中、学園アリスの蜜柑や東方の輝夜や十二国記の陽子を召喚したらどうなるか。

蜜柑→ルイズねーちゃんは爆発のアリスなんか!?
輝夜→地べた這いが!
陽子→女子からお姉さまと呼ばれそう
487名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:18:19 ID:E3gPlyb7
涙が止まらない、止められない。
もう体は動かない。
握り締めていたはずのデルフリンガーは、既に無かった。


全部忘れて……幸せになってくれ。


遠巻きに包囲した兵士達が、一斉に弓をつがえ、大砲を向け、杖を構えた。
標的は、たった一人のちっぽけな少年。


「ルイズ、ごめんな」


流星のように降り注ぐ死を眺めながら呟いたそれが、サイトの最後の言葉となった。





ルイズはネグリジェ姿のまま、ベットに腰掛けている。
神聖アルビオン共和国の降伏から既に三週間が経過し、トリステインにも平和な日々が戻り始めていた。
出征していた男子生徒達も皆学院へと帰還し、授業も平常通りのものへ戻った。

窓の外からは光が差し込み時刻は昼過ぎを知らせていた。
寮で生活していた女性生徒達の殆どは、今は授業を受けるために本塔へと出払っている。
そんな中部屋に残ったルイズの姿は、痛々しいという他無かった。

目は落ちくぼみ、唇は乾いている。
痩せてはいたが、健康的でしなやかであった体は、今や憔悴しやつれ果てている。
目は虚空を泳ぎ定まっていない、手には以前にサイトへプレゼントしたセーターと、赤い布きれ。

確かに男子生徒達は戻ってきた。
戦場で生き残り、ギーシュのように勲章を貰ったものもいる。
けれど、その中にサイトの姿はなかった。
代わりに彼女の手元に戻ってきたのは、どす黒く血に染まったパーカーの切れ端とデルフリンガー。
そして、サイトが死んだということを示す紙切れ一枚。


「ルイズ! ちびルイズ! 返事をなさい!」
「ルイズ! お願いだからご飯だけはちゃんと食べて!」

扉の向こう側から響く、二人の姉の声も今のルイズには届かない。
あの日、あの時から、彼女たちの言葉は届かなくなった。




488名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:18:52 ID:nDxqMoth
ごめん、支援
489名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:19:28 ID:VKKa0CEv
サイト死亡からか 支援
490名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/12(水) 23:20:11 ID:cvykr/ix
支援
491名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:20:28 ID:W4EqnWGI
ルイズ!ルイズ!ルイズ!ルイズぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!ルイズルイズルイズぅううぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!ルイズ・フランソワーズたんの桃色ブロンドの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
小説12巻のルイズたんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
アニメ2期放送されて良かったねルイズたん!あぁあああああ!かわいい!ルイズたん!かわいい!あっああぁああ!
コミック2巻も発売されて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!コミックなんて現実じゃない!!!!あ…小説もアニメもよく考えたら…
ル イ ズ ち ゃ ん は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!
そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!ハルケギニアぁああああ!!
この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?表紙絵のルイズちゃんが僕を見てる?
表紙絵のルイズちゃんが僕を見てるぞ!ルイズちゃんが僕を見てるぞ!挿絵のルイズちゃんが僕を見てるぞ!!
アニメのルイズちゃんが僕に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!!僕にはルイズちゃんがいる!!やったよケティ!!ひとりでできるもん!!!
あ、コミックのルイズちゃああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあアン様ぁあ!!シ、シエスター!!アンリエッタぁああああああ!!!タバサァぁあああ!!
ううっうぅうう!!俺の想いよルイズへ届け!!ハルゲニアのルイズへ届け!

支援^^
492名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:20:59 ID:PBYCGMTA
しえん
493名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:21:15 ID:E3gPlyb7
「どういうこと!? 何であんただけなのよ!? サイトは……サイトは一体どうしたのよ!?」
「落ち着けよ、娘っ子……」
「そうよ、落ち着きなさい。あなたが大声をあげても彼は帰ってこないわ」
ルイズの部屋の中、かつてサイトが寝起きしていた藁の上にはデルフリンガーが置かれている。
そしてルイズの横には二人の姉の片割れ、エレオノールの姿があった。
「サイトは……サイトは生きているんでしょう!? 答えて! 答えてよ!?」
目に涙を浮かべ、手には血染めの切れ端を握りしめたルイズが叫ぶ。
最初に届けられたのは手紙だった。
その中にはヴァリエール家が使い魔の三女、ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールの使い魔が死んだことと、その死を悼む内容が記されており、血染めのパーカーが同封されていたのであった。
この際半狂乱に取り乱したルイズに対して、学院は実家への連絡という手段をとった。
そうして呼び寄せられたのがエレオノールとカトレアの二人の姉であった。
最初はルイズを叱咤してルイズを立ち直らせようとしたエレオノールであったが、サイトを呼びながら泣き叫ぶルイズに折れ、最終的には侯爵家の力を使って、サイトの消息についての調査を行った。
そうした調査の末、戦場で収集された武器の中に、一降りのインテリジェンスソードがあり、それが盛んに「ルイズ」「サイト」と叫んでいると分かったのである。
エレオノールは直ぐさまその武具を取り寄せる手続きを行って、その甲斐あってデルフリンガーは再びルイズの部屋への帰還を果たしたのであった。

「サイトは……サイトは無事なの?」
縋るような目つきのルイズ。
「相棒は……」
デルフリンガーは言い辛いことを伝える時の人間のように一度言葉を区切り、やがて決心したように続けた。
「相棒は、死んだよ」
「嘘よっ!」
間髪入れずに叫んだルイズの言葉。まるでその言葉が予め分かっていたような速やかな反応。
「本当だ。相棒は、もうこの世に生きちゃいない。相棒は、最後の最後で俺を手放しちまったのさ……あの中を、ガンダールヴ無しで生き残るは不可能だ」
「それでも……、それでも!」
ゆっくり、崩れるようにして床へ腰を下ろすルイズに、デルフリンガーもエレオノールも、かける言葉が見つからなかった。
デルフリンガーだけが、最後の希望だったのだ。
「生きてるって言って……お願い……」
すすり泣くルイズに、デルフリンガーは「すまねぇ」と小さく返すしかできなかった。

希望が砕かれたとき、人は惑う。そうしたときに、一人で立ち直れるものは強いものだけだ。
だから、長女として、人生の先輩として、エレオノールはルイズに手を貸そうとした。
彼女なりのやり方でルイズを立ち直りを手助けしようとした。

「いつまでそうしているつもり、泣き虫ルイズ!」
「……」
「お父様が止めるのを聞かずに、戦地になんて行くから、使い魔を死なせる羽目になったのよ」
「……」
姉として、妹を心配していた。
だから、結局のところ、エレオノールが次に発した言葉は、彼女の優しさからであったのだが。

「毅然となさい! あんな使い魔が死んだくらいで……」

その一言で、ルイズの中にある、何かが砕けた。

「使い魔くらい……」
どうってこと、と続けようとしたところで、エレオノールが凍りつく。
泣きはらした目で顔を見上げたルイズのそこからは一切の表情が抜け落ちていた。ただその目が、まるでガラス玉のように無機質で、エレオノールはこれまでの人生で一度も妹のそんな姿は見たことがなかった。
その唇が、小さく震えた。
妹が何かを言おうとしていることを気取ったエレオノールは、焦点の定まらないルイズの瞳を真っ直ぐに見返し挑発した。
「はん、何か言いたいみたいね、言ってごらんなさいよ」
再び、ルイズの口が小さく動いた。
「何を言っているのか、全然聞こえないわ。ほら、ちゃんと口に出してごらんなさい」
「おいやめろ姉っ子! そいつは逆効果だ!」
ルイズの異変に気づいたデルフリンガーが大声で静止するが、何もかもが遅すぎた。
494名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:22:10 ID:G8myzZqf
コミックは3巻がでてるだろうが!支援
495名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:22:13 ID:W4EqnWGI
ルイズ!ルイズ!ルイズ!ルイズぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!ルイズルイズルイズぅううぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!ルイズ・フランソワーズたんの桃色ブロンドの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
小説12巻のルイズたんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
アニメ2期放送されて良かったねルイズたん!あぁあああああ!かわいい!ルイズたん!かわいい!あっああぁああ!
コミック2巻も発売されて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!コミックなんて現実じゃない!!!!あ…小説もアニメもよく考えたら…
ル イ ズ ち ゃ ん は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!
そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!ハルケギニアぁああああ!!
この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?表紙絵のルイズちゃんが僕を見てる?
表紙絵のルイズちゃんが僕を見てるぞ!ルイズちゃんが僕を見てるぞ!挿絵のルイズちゃんが僕を見てるぞ!!
アニメのルイズちゃんが僕に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!!僕にはルイズちゃんがいる!!やったよケティ!!ひとりでできるもん!!!
あ、コミックのルイズちゃああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあアン様ぁあ!!シ、シエスター!!アンリエッタぁああああああ!!!タバサァぁあああ!!
ううっうぅうう!!俺の想いよルイズへ届け!!ハルゲニアのルイズへ届け!

めっちゃうんこくせーw支援
496名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:22:15 ID:/sI0pE0n
この支援は止められんな
497名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:23:04 ID:PBYCGMTA
これは支援せざるを得ない
498名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:23:24 ID:zsUfLui5
姉っ子って呼び方に不覚にもほんわかさせられてしまった支援
499名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:23:47 ID:s4egkz6o
もう冬休みかあ支援
500名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/12(水) 23:24:11 ID:cvykr/ix
bsbしbしnbしんb新
501名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:24:24 ID:E3gPlyb7

「黙れ」

「……え?」
無表情な顔をした妹が紡いだ言葉の意味が理解できずに、エレオノールは漏らすようにして聞き返した。

一方、ルイズは自分が見上げているものがなんだか分からなかった。
ひび割れたモノクロのステンドグラスのような形をした何か、それが先ほどから耳障りな雑音をまき散らしている。
その音を聞いているだけで頭が痛くなる。
まるで頭の内側から大きなハンマーで、力一杯ガンガンと殴られているようだ。
だから言ってやったのだ、思ったままを。感じたことをそのままに。

「うるさい うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさあああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」



その日以来、姉達の言葉はルイズに届かなくなった。
そして姉以外の者達の言葉も届かない。
今や、彼女達はルイズにとって『理解できない何か』になってしまったのだ。
彼女達が、ルイズの心が分からなかったように、ルイズにも彼女達が分からなくなってしまっていた。

時折部屋の外で発せられる、『何か』が発する雑音。
ルイズはそれが響く度に手編みのセーターと血染めの切れ端を強く握りしめる。
母の庇護を求める赤子のように、それだけが彼女を守ってくれると信じて。
「サイト、助けてサイト。怖いよ、怖いのがくるよ……」
大切な想いを抱きしめたまま、ルイズはベットに倒れこむ。そして子供のように丸くなって泣いた。


部屋の外、エレオノールとカトレアの二人は揃ってため息をついた。
「ごめんなさい、エレオノール姉さま。私が至らないばっかりに……」
そう言って両手で顔を覆って泣き出すカトレアを、エレオノールは抱きしめ慰めた。
「いいのよ、あなたのせいじゃないわ。あなたはあの時体調を崩していたんだもの、仕方がないわ」
泣きじゃくる妹っ子のカトレアをあやすエレオノールの顔色も曇っている。
「おい姉っ子、あんまし自分を責めるんじゃねぇぞ。お前さんはお前さんなりに精一杯やったんだろ」
壁際に立てかけられたデルフリンガーの言葉にも、エレオノールの顔は晴れない。
「いいえ、何もかも、私の責任だわ」
「……反省と自分を責めることは似て非なるもんなんだぜ」
分かってはいても、返す言葉もない。

暫くするとカトレアも泣き止み、表面上は平素通りの様子に戻った。
「ちょっとは食べてるみたいだけど、こんな状態じゃ放っておく訳にはいかないわね」
足下にあるトレイには干からびたパンと、冷たくなったスープがのせられている。
そのパンには小さく千切った跡が残されていたが、とても健康を保つのに必要な量とは言えそうになかった。
「この扉を破ってでも屋敷に連れ帰るしかないわね。屋敷なら目も行き届くし、何より……この部屋に残すのは良くないわ」
使い魔の少年との思い出がある、という言葉を飲み込んだエレオノールは、いつにもまして辛そうな表情をしていた。
「……可哀想だけど、私もそれが正しいと思うわ」

ルイズの心が壊れてしまった翌日、カトレアもまた彼女の狂乱ぶりを目の当たりにした。
ルイズを可愛がっていた分だけ、彼女の受けた心の衝撃は言葉にできないほどであった。
だが、それと同様かそれ以上に、カトレアはエレオノールのことも心配していた。
ルイズの心を決壊させた原因が自分であると、人一番責任感の強いエレオノールは自分を責め続けているに違いない。
カトレアは愛する妹、そして姉までが苦しんでいるのに、何もすることができないという自分の無力さを強く呪った。
502名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:25:48 ID:L22Vn+Vq
支援
503名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:26:01 ID:/sI0pE0n
ああ、自主的な冬休みね支援
504名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:26:31 ID:vmIRfdPf
エレオノールKY 支援
505名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:26:32 ID:qSDF1ux5
削除要請はこちらへ。

anichara:アニキャラ総合[レス削除]
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/saku/1104401581/
506名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:26:59 ID:G8myzZqf
私怨
507名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/12(水) 23:27:10 ID:cvykr/ix

支援
508名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:28:05 ID:E3gPlyb7
「それで?それはいつやるんつもりなんだい?」
カトレアの苦悩を余所にデルフリンガーがエレオノールに問いかけた。
あるいは、エレオノールの注意を自分に向けるためだったかもしれない。
「早いほうがいいわね。明日か、明後日にでも」
「……エレオノール姉さま、ルイズは……あの子は、お屋敷に帰ったらどうなるんですか?」
痛いところを突かれたという表情を一瞬見せたが、直ぐに眼鏡を直すふりをして手で顔を隠してしまうエレオノール。
それだけで、カトレアには今後ルイズがどういった状態に置かれるかが分かってしまった。
「屋敷で軟禁、でしょうね。外を歩けるようになるのは、だいぶ先のことになると思うわ」
冷たい口ぶりでそう答えるエレオノール。
けれどカトレアには分かっている、その真なる暖かさを。
だからいっそうの切なさを感じるのだ。それが追いつめられたルイズの心に届かなかったという、お互いのすれ違いに。



深夜。
気がつくと、ルイズは階段を上っていた。
素足で堅い石段を踏んでいるはずなのに、どういう訳か足下はふわふわとして、まるで雲の上を歩いているようだった。
心地よい浮遊感に身を任せ、どんどんと階段を上っていく。
理由は分からないけれど、一番てっぺんまでたどり着けば、そこにサイトがいる気がした。
「サイト……待っててね、すぐに、すぐに会いに行くから……」
頭がぼうっとする、まるで霞がかかったように上手く考えがまとまらない。
本来結びつくはずの事実と意味が組み合わさらない、そうしているうちにどちらも泡が弾けるようにして溶けて消えてしまう。
自分が何をしているのか、どうなってしまうのかが考えられない。
でもいい、もうどうだっていい、なんだか疲れてしまった。
ただ、楽になりたかった。

階段は唐突に終わりを告げた。
屋上、冬の空気が鼻孔から入って肺を満たした。
普段なら頭がすっきりするようなそれを受けても、熱に浮かされたようなルイズの足取りは止まらない。
そうして、ルイズは終着へとたどり着いた。
屋上の円周を囲む石塀、そこが行き止まり、そこから先に道はない。

でも、その先にサイトがいるような気がした。

ルイズは胸ほどの高さがある石塀をよじ登り、その上に立って地面を見下ろした。
闇が支配する時間、黒に塗りつぶされた世界、どこまでも続いていそうな、そんな光景が目の前に広がっていた。
サイトのそばに行くための一歩。ルイズがそれを踏み出そうとしたとき、雲間から双月の片割れが顔を出し、眼下の一部を淡く照らし出した。
それは、ルイズとサイトが出会った、あの春の召喚の儀式が執り行われた一角であった。

無表情なルイズの目から、一筋の滴がこぼれ落ちる。
全ては彼の場所から始まった。

馬鹿で、スケベで、浮気者で、お調子者で、ちっとも乙女心が分かっていないサイト。
でも、勇敢で、優しくて、いつも守ってくれた、そして何より、私を好きって言ってくれたサイト。

509名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/12(水) 23:28:14 ID:cvykr/ix
支援
510名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/12(水) 23:28:21 ID:cvykr/ix
支援
511名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:28:50 ID:Gjv8Z3fI
支援
512名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:29:23 ID:vmIRfdPf
支援
513名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:29:33 ID:bP54R4oQ
支援
514名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/12(水) 23:29:50 ID:cvykr/ix
支援
515名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:31:13 ID:E3gPlyb7
「我が名は」
自然と、口をついで言葉が出た。

「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」
それは始まりの呪文。

「五つの力を司るペンタゴン」
あの素晴らしい日々の、幕開けを告げた呪文。

「我が運命に従いし」
だからもう一度唱えよう。

「使い魔を召喚せよ」
何もかもを、やり直す為に。


光。
背後から自分を放たれる光に気づき、ゆっくりと首をそちらに向けるルイズ。
そこには白く光る鏡のような形をしたゲートが出現していた。
ルイズはゲートが現れた方を、身じろぎせずに、ただ無感動に見つめていた。

そうだ、サイトはゲートの向こうになんていない、いるのは……
自然と体が正面を向いた。
早く会いたい、サイトに会いたい。

そう思い、再び歩を進ませようとしたところで、声をかけられた。
「あら飛び降り? いきなり目の前で人に死なれるってのいうのも、ちょっと新鮮ね」
聞き覚えのない、女性の声。聞こえた方向、先ほどまでゲートがあったそちらに顔を向けた。
そこには先ほどまであった銀色に輝くゲートは無く、代わりに一人の女性が立っていた。
年の頃は二十歳前後。
腰まで届くロングの髪は薄く紫がかった銀髪、月光に照らされた整った顔立ち、そして何より特徴的な左右色違いの瞳、それらが組み合わさって彼女とその周囲に幻想的な美しさを作り出していた。
けれど可愛らしいかと言われれば否、全体的に紺で纏められている服装は、どちらかといえば妖艶な雰囲気を醸し出している。
妖精というよりは、淫魔サキュバスといった方がこの場合は正しいだろう。

ゲートが閉じて、現れた女。
つまりは彼女が、サイトの『代わり』ということだ。
ルイズが平静の状態であったならば、彼女が現れた意味を悟り、また泣き叫んでいたことだろう。
けれど、今の彼女にそれすらも理解することができない。

ぼうっとした眼差しで女を見つめるルイズ。
対する女もルイズの感情の宿らぬ瞳を見返して、二人はお互いの目を覗き込むこととなった。
ルイズは女の、女はルイズの瞳を覗き込む。

目を見る、と言うことはその人間の奥底までを見ることに似ている。
人と自分が違うが故に、本来であれば目を見ただけで何かが分かるなどというのはおとぎ話のまやかしだ。
けれど、それが鏡を見るように、同じ瞳に同じ心を持っていたなら?

二人はお互いの内に潜む、深淵を覗き合った。
そして直感的に、お互いがよく似たものであると理解する。
それは、同じ何かを持つもの同士のシンパシーだったかもしれない。
516名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:31:17 ID:Gjv8Z3fI
支援
もしかしてこの時点から召喚?
517名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:31:50 ID:YvVcekJr
いい話だとは思うんですがちょっとスレ違いでは?それとも最後の最後でどんでん返し?
支援
518名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:32:54 ID:zsUfLui5
支援
519名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/12(水) 23:33:47 ID:cvykr/ix
ルイズが召喚したことには違いないので問題ないのでは?
支援
520名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:33:45 ID:G8myzZqf
もしかしたら長編
521名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:34:48 ID:E3gPlyb7
「……私の名はヘルミーナ。あなたの名前は?」
女の涼やかな声が聞こえる。
雑音しか聞こえなかったルイズの耳に、久方ぶりの人間の声が届いた。
「ルイズ……ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール」
「そう、ルイズっていうの……何をしてるかは、見た通りなんでしょうね」
口元を隠してくすくすと声を漏らす。
「それで、あなたはどこへ行きたいの?」
「サイトの……サイトのところへ行くの」
不思議だった。
ヘルミーナに問われたままを、唇が勝手に動いて答えていた。
彼女の言葉は砂漠のような乾いたルイズの心に、水滴を落とす如くすっと染みこんでくる。
「そう……あなたも大切な人を喪ったのね」
ヘルミーナの口から漏れた『失った』という言葉がルイズの心を締め付けた。
誰の言葉よりも、重くルイズの心に突き刺さった。

すっと、ヘルミーナが石塀の上に立つルイズへと手を伸ばした。

「だったら、取り戻せばいいじゃない」

「……え?」
ヘルミーナの言っていることがルイズには分からなかった。
だが、『何か』が発する雑音のような不快さは全く感じない。むしろ心地よい不可解さ。
それは人を誘惑する悪魔の声のようだった。
「あなたの手から零れたものを、再びその手に掴むのよ。私にはその手助けができる」
差し出された手と、ヘルミーナの端正な顔を交互に見つめる。
冷たく、美しく、微笑むヘルミーナの顔が、月の加減で泣いているようにも見えた。
おずおずと手を伸ばすルイズ、そしてその小さな手をヘルミーナが力強く掴んだ。


泣いた、声を出して泣いた。
恥も外聞もなく、わんわんと泣いた。
ヘルミーナの胸の中、しがみ付いて、縋り付く。
楽しかったこと、辛かったこと、悲しかったこと、大切な宝石箱をぶちまけるようにして、心の奥から気泡のように沸き上がってくるそれらを全部ヘルミーナにぶつけた。
ヘルミーナはただ強く脆い彼女の背中を抱きしめ、その桃色の髪を優しく撫でていた。



こうしてルイズの幸せな少女時代は、一つの別れと一つ出会いをもって、その終わりを告げた。
522名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/12(水) 23:36:29 ID:cvykr/ix
支援
523名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/12(水) 23:36:44 ID:cvykr/ix
背イン
524名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/12(水) 23:36:56 ID:cvykr/ix
支援
525名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:37:42 ID:VKKa0CEv
釘宮つながりか 支援
526ヘルミーナとルイズ1:2007/12/12(水) 23:37:59 ID:E3gPlyb7
以上で投下終了です。
アトリエシリーズから二十歳の頃のヘルミーナ召喚でした。

この後も続くのですが、チェックが追いついていないので明日の投下になります(´・ω・`)
527名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:38:46 ID:/sI0pE0n
そういやじぶん、冷徹系釘宮って見たこと無いな支援
知らないだけかもしれんが!
528名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:39:07 ID:Asjr6to6
良作の予感支援
529名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:39:21 ID:zsUfLui5
投下GJでした。
壮大なプロローグktkr 召喚前丁寧に書くなぁ
530名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:39:34 ID:7LjCOBJQ
おつ〜
531名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:40:49 ID:N4bb7igJ
GJ!
……なあ、あんた俺の涙腺になにか怨みでもある?
532名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:41:32 ID:Asjr6to6
非常にいいプロローグでした。期待してます
533名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:41:42 ID:UCVd/crW
作者乙
続きが気になるぜ
534名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:42:02 ID:G8myzZqf
使い魔なんて使い捨てです。青い人にはそれがわからんのです。
535名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:42:24 ID:s4egkz6o
GJ!
二十才……あれの後であれの前ですか。楽しみです!
536名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:42:46 ID:SQABLAD3
乙……!

ユーディの頃にはもう冥いオーラが漂ってたヘルミーナ姉さんだが
だいたいその前辺りかな?
537名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:43:01 ID:1pENl+mF
なかなかの文章力ですね。
召還シーンだけでここまで読み応えがあったのは初めてですわ。

後、スレ違いでないので気になさらず。
538名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:43:22 ID:/sI0pE0n
前人未到の地へ足を踏み出した作者に敬礼
いやマジで前例無いタイミング…シャナがあったっ!?
539名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:43:34 ID:YvVcekJr
そういう事だったんですね。早計で失礼しました。

しかし皆さん素晴らしい。
ボトムズのキリコ(赫奕たる異端の後)で書こうとしたんですが、死んだフリ→アーマーマグナム突きつけて人質にしてしまって先が続きません。
どうやればあの神にだって従わない男を使い魔にできるんでしょう?
540名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:45:37 ID:wTyEtAUJ
また物凄い作品がCome Outしたな。都築が楽しみだ
支援爆撃開始、第一目標SS 第二目標作者
541名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:49:02 ID:GkpBeKB+
ベルサイユのばらのオスカルを召喚とかふと浮かんだ。
ハルケギニアでは平民扱いだがそれ抜きでもファンが増えそうな気がする。
ギーシュもさすがに女には手を出さないよな?多分だが

でもアンドレがいないんじゃかわいそすぎるんでやめとこう
>>539
召喚で気絶してる間に契約→そのまま手厚く介抱
→目覚めたらコルベールなんかも含めて詳しく話し合う
の三連コンボでとりあえず死ぬことは回避できます。
従わせるのは……そこは作者の腕の見せ所ということでww
542名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:49:09 ID:UCVd/crW
>>539
無理だろ>キリコを使い魔にするのは
某所の巣ドラのブラッド召喚モノのように最初から完全オリジナル展開に持ってくしかないんじゃない?
543名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/12(水) 23:58:04 ID:rYgO/ef/
ヘルミーナを某暗黒でしか知らない俺参上

取り戻すとは人体錬成?w
544名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 00:03:45 ID:eqCC0Gae
ヘルミーナというとカルバリーテンプル……(それはヘルミーネ)。

>>541-542
さすがに無茶でしたね。特に若葉マークの小僧には。
何とか契約さえしちゃえばあとはルーンの力で或る程度操れるかもしれませんが、操られっぱなしだとキリコらしくないし。
洗濯や着付けを言われるままに行うキリコはキリコじゃない。むむむ。
545名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 00:06:18 ID:VJCnomJ4
GJ
いい展開だなあ。独自色の強い作品はやはり展開が予測できず面白い。

>某所の巣ドラのブラッド召喚
前にも紹介されててたけど、蹂躙ものの投下はここでは勘弁願いたい。
546名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 00:06:58 ID:H/v/NrnC
>>544
異能生存体なのでなぜかことあるごとにハプニングが起こって契約ができません。
547名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 00:11:14 ID:btwwKSdk
アトリエ好きとしては最近の投下状況が結構嬉しい
548名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 00:13:23 ID:C4egBUdi
やべ、熱すぎて泣いた
549名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 00:14:18 ID:IG/YU6cd
一応、転載しときます。避難所の件。


したらば掲示板”障害についてお知らせ”
平素よりlivedoorレンタル掲示板をご利用下さいまして誠にありがとうございます。
現在、広範囲の掲示板でストレージ障害により、
閲覧困難な状態が発生しております。
発生時間:2007/12/12(水) 22:20頃〜
復旧時間:継続中
復旧に向けて作業をおこなっておりますが、
現時点での復旧時刻は未定です。
この度は大変ご迷惑をお掛けいたします。
550名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 00:27:57 ID:7dRyS5xE
サイト死亡の人投下お疲れさんです。

ここ最近の傾向として
脱テンプレ展開がありますがこの作品も
期待させてくれる力があると思います
どうか良い意味で驚かせてください。

>>539
フィアナにあう前だったら何とかなるかもよw
もっともPSに目覚めるか微妙だけど
551爆炎の使い魔:2007/12/13(木) 00:35:05 ID:OkGaaLxC
すごい作品の後で気が引けてしまうのですが・・投下予約よろしいでしょうか?
552名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 00:36:12 ID:aYHuty52
支援
553爆炎の使い魔:2007/12/13(木) 00:37:39 ID:OkGaaLxC
では、いきます。

 ギーシュとの決闘が終わった次の朝、ヒロは日課であるルイズを起こした。
「ルイズ。そろそろ起きろ。朝食の時間に遅れるぞ」
「ふぁぁ・・・わかったわ」
「私は先に出る」
「ちょ、ちょっと、一緒に食事しないの!?」
 慌てて起きるルイズ。
「昨日の今日だ。いきなりあんなことがあった後では他の生徒も警戒するだろう。何、食料の確保はできるから安心しろ」
「あ・・・」
 昨日のギーシュとの決闘を思い出すルイズ。そしてあの異形の左手も。今日もヒロは、体が隠れるくらいのマントを羽織っていたので腕は見えな
かったが、あのマントの下には確かにあの巨大な左手が存在するのだろう。
「い、いいじゃない!ヒロは人間じゃないんでしょ?だったらどんな格好してて、どんな能力もってても不思議じゃないわ!」
 そこでふとルイズは一言。
「ね、ねぇヒロってエルフなの?」
 おそるおそる聞いてくるルイズ。
「エルフ?ああ、エルフの知り合いはいるが、私はあんな潔癖症軍団とは違う」
 エルフの女王、アゼレアが頭に浮かぶヒロ。
「エルフに知り合いって・・・じゃ、じゃあヒロってなんなのよ・・・」
「私はな、魔族だよ」
 それだけ言うとヒロはルイズの部屋から出て行った。
「まぞくって・・・何?」
 ルイズのつぶやきに応えるものはいなかった。なぜなら、この世界には魔族などいないのだから。
554名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 00:40:44 ID:r0TaYp0D
4en
555名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/13(木) 00:41:05 ID:GAnImNGB
支援」
556名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/13(木) 00:41:24 ID:GAnImNGB
支援」
557爆炎の使い魔:2007/12/13(木) 00:41:39 ID:OkGaaLxC
 昨日と同じように、厨房へ向かって歩くヒロ。道中、思い浮かぶのは昨日の決闘のことだ。
(昨日は我ながらまずいことをしたな・・。成り行きとはいえ、魔法の使用、左手の露呈、問題は山積みだ。この学園でもこんな異形の者は、追
放されるか、迫害されるかのいずれかしかない。)
ヒロの左手は、幼少時、人間に襲われた友人をかばって切り落とされたものを、自分の魔力で再生したものである。別段気にすることはないはず
なのだが、面倒事は極力避けた方がいいと考えた。その結果が、体を覆うほどのマントである。普通にしていれば、旅人だと思われるだろうし、
まず怪しまれることはないと思ったからである。
 思えば武器もない状態だ。もし戦闘にでもなろうものなら、武器無しでは少々心許ない・・・GOHはここへ召喚された際になくなってしまったよ
うだ。昨日のギーシュレベル、あの程度なら1対1ではまず負けることはないだろう。しかし、この学園の生徒全員が相手ならどうなる?数の暴力と
いうものがいかに恐ろしいかを、身をもって知っているヒロは、自分の状況にため息をつくしかなかった。

 考えごとをしているうちに、厨房の前に着く、厨房に入ると若いコック数名が前に立ちふさがる。
「何だ・・・?」
ヒロはにらむ。それにたじろぐコックたち。そんな若者たちを押しのけて、後ろから太った親父が現れた。
(ブリモリンみたいなやつだな・・)
ヒロがそんな失礼なことを考えていると、への字にしていた親父の口がひらく。
「お前、メイジだそうだな」
「は?」
「とぼけたフリをしてもだめだ。お前、昨日貴族の小僧と決闘して、魔法を使って勝ったそうじゃねぇか」
「確かに魔法は使ったがな・・・別にメイジというわけではない。大体メイジというのは人間の貴族がなるものなのだろう?私は人間ではないか
ら、そのカテゴリからは外れるわけだ」
「人間じゃねぇって・・お前さん、そのとがった耳、まさかエルフ!?」
 同じことを、同じ日に二回も言われてこめかみを押さえるヒロ。
「私はエルフではない。そうだな・・貴族のメイジに召喚された、魔法が使えるちょっと変わった種族だ、とでもしておいてくれ」
 魔族について説明すると日が暮れそうだったので、もうやけ気味になっていたヒロは左腕を見せた。
「これを見ろ。こんな腕の人間はいないだろう?」
 ヒロの腕を見たコックたちは呻く。
「なんだそりゃ・・」
「ば、ばけものだ・・・」
 予想通りの反応だ。
「さあ、気が済んだらそこをどけ。私は自分用の食事を作りたいだけだ。長居するつもりはないから安心しろ」
 ヒロは少しイライラしていた。ただでさえあまり好きではない人間、その上今はその人間の使い魔ときている。大魔王の娘として生を受け、新生
魔王軍の君主として戦争をしていたこともある自分だ。
 いきなり未知の世界へ飛ばされ、この世界のことをよく知らないとはいえ、自分の姿などで、ここまで偏見の目で見られると、さすがにイライラ
も募るというものだった。
 ヒロが、コックを押しどけて厨房の中へ入ろうとすると、さきほどの太った親父がまたも前に立ちはだかる。
558爆炎の使い魔:2007/12/13(木) 00:42:26 ID:OkGaaLxC
「まちな」
「なんだ・・・?」
「お前さん、貴族と決闘したのはシエスタを助けるためだったそうじゃねぇか」
「別に他意はない。単純に私が気に食わなかっただけだ」
ヒロの言葉を聞くと、太った親父はニカーッとした笑みを浮かべた。
「その謙虚な態度・・気に入ったぜ!!お前さんが貴族だろうと貴族じゃなかろうと、そんなの関係ねぇ!!お前さんはシエスタを助けて
くれたんだ、その事実は変えようがねぇ。貴族は嫌いだが、お前さんのことは好きになれそうだ」
 いきなりの親父の態度に目をぱちくりさせるヒロ。
「おう、お前さん、食事にきたんだったな。よし、今から俺が美味いもんを作ってやるからそこで待ってな!」
 笑いながら厨房へと消えていく親父。すると周りのコックが互いに顔を合わせ頷くと、ヒロの両手を取った。
「さ、使い魔さん、こっちの席へどうぞ」
「コック長の作る料理は美味いっすからね!」
 連行される宇宙人のように、ひょいっと両脇から持ち上げられるヒロ。
「お、おい!お前たち!」
 そのまま椅子にストンとおろされる。
「お前ら!さっさと手伝え!」
「「「は、はい!」」」
 厨房の奥から、親父の怒鳴り声が聞こえると、急いで作業を始めるコックたち。ヒロは置いてけぼりだった。
「あ、あの・・ヒロさんっ!」
 コックたちが散らばると、そこにはシエスタがいた。
「すみません・・・あのとき、逃げ出してしまって」
「気にするな。過ぎたことだ」
「ほんとに、貴族は怖いんです。私みたいな、魔法を使えないただの平民にとっては・・・」
「魔法が使えない。か・・別に魔法を使うわけが全てではないだろう。私とて、練習せねば魔法は使えなかった。ただ、別に魔法を使いたかった
わけではなく、単にそうする必要があったからだ」
 ヒロはスペクトラルタワーに上ったことを思い出す。思えば9歳の頃の話だ。
「それでも、やっぱり圧倒的な力の前には、私たち平民は成す術がないんです」
 うつむくシエスタを見ながらヒロは考える。
(貴族しか魔法が使えない、か。この世界では魔法は血族など、それが関係しているのだろうか。それならこの学院にいる生徒、教師も含めて全
員貴族というわけか。それを思えば決して少ないわけでもないな。いや、この国の全人口がどれだけいるのかもわからない状況だ。深く考えるこ
とは、まだ早すぎるな)
「でも、今回は本当にありがとうございました。経過はどうでも、私は貴方に助けられました」
「お前はこの学院に雇われているのだろう。ここのいくら貴族といえ、全てがああいう輩でもあるまい。教師などなら助けてくれそうな気もする。
 大事なことは、相手が上の存在であっても卑屈になりすぎないことだ。怖いからと、相手の言いなりになっていては何も解決しない」
「はい、逃げた後、ヒロさんが戦っているのを見て、思いました。逃げてるだけじゃ何もできない。貴族様を倒すとかじゃなくって、もっと自分
を強くもとうって。私、あのとき何も考えられなくなって、でも、今度からはちゃんと1人で対応できるようにします」
 笑顔を浮かべるシエスタ。そんなシエスタを見て、ヒロも笑みを浮かべた。
559爆炎の使い魔:2007/12/13(木) 00:43:27 ID:OkGaaLxC
「待たせたな!」
 さっきの親父が料理を持ってやってきた。量もそれほど多いわけではなく、確かに美味しそうな匂いを漂わせている。
「さあさ、食ってくれ。遠慮はいらねえ」
 言われたヒロは料理を食べる。
「確かに、いい味だ。私が今まで食べた料理の中でもかなり上の位置にくる」
「はっはっは、言ってくれるじゃねぇか。そういや自己紹介がまだだったな。俺の名前はマルトー、ここのコック長だ」
「私はヒロだ」
「ヒロって名前なのか、こんなこと聞くのもなんだが、その腕、やっぱり人間じゃねぇのかい?」
 マルトーはヒロの左腕をちらりと見る。そんなマルトーにヒロは食事をする手を止めて言う。
「そうだな。まあ半分は人間だ」
「ほう!半分人間だなんて変わってやがるな。まあいい、お前さんは貴族からシエスタを救った俺たちの英雄だ。これからはいつでも着た時には
料理を作ってやるぜ」
「それは、嬉しい限りだな。だが、自分の仕事を優先してもらってかまわん。時間が空いてたら作ってくれる、程度で私は十分だ」
 あまり大人数で騒ぐのを好まないヒロらしい発言だったが、マルトーはそれを遠慮と受け取ってしまうのであった。
「お前さんは貴族に勝っちまうくらい強いくせに、威張ったりしないんだな。ますます気に入ったぜ。シエスタ!」
「はい!」
「このお嬢さんに、アルビオンの古いのを注いでやれ!」
 お嬢さんと言われ、ちょっとぎょっとしたヒロ。呼ばれたシエスタは満面の笑みになると、ワイン棚から言われた通りのヴィンテージを取りだし
た。
「お、おい、こんな時間から酒を飲む気はないぞ」
「気にするな!別にお前さんは学生ってわけじゃねぇだろう。授業中寝てたって何も言われねぇさ」
「そういう問題ではnんぐぐぐぐ」
「遠慮なんてすんじゃねぇ」
 無理矢理飲まされるヒロ。結局2杯も飲んでしまった。それから、食事のときはヒロは厨房を訪れるようになり、厨房の全員がヒロを歓迎し、シエ
スタもそんなヒロと仲良くなっていくのであった。
560名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 00:43:45 ID:/kxH4lM9
支援
561爆炎の使い魔:2007/12/13(木) 00:44:45 ID:OkGaaLxC
 ヒロがこの世界に来てそろそろ1週間がたつ。朝食が終わると、ルイズと一緒に授業に出る。これもすでに日課となっていた。
 ヒロにとって、この学院の授業は非常に有意義である。なんといっても学校である。この世界の内情や常識を教えるのが役目なのだ。情報収集
にこれほど適した場所もないだろうと感じた。1番最初に気がついたことは、ここの世界の魔法は、戦闘よりも日常生活に特化したものが多いこと
である。
(なるほど、貴族=メイジとやらがこの世界で幅を利かせているわけだ。ここまで製作などの過程をスキップ出来るとなると、普通の職人というも
のはまず育つわけがない。しかし造形や細かい部分までは、使用者のセンスに委ねられているようだ。まったく職人がいないというわけでもないの
だろうな)
 ヒロは授業を良く聞く。おまけにわからないことがあれば質問すらする始末である。授業態度にいたっては、この教室の誰よりも熱心であると言
えるだろう。先日の戦闘を見ていた教師たちも、最初はヒロを少し恐れるような印象があったが、戦闘狂ではないヒロは騒ぎを起こすつもりはなか
った。それどころか、授業中にわからないところがあると、ストレートに質問をしてくるヒロに次第に好印象をもっていった。元来、教師は質問に
答えるのが仕事なのである。貴族ではないとはいえ、自分の授業をちゃんと聞いてくれるヒロは「いい生徒」なのであった。
 その日も2つ目の授業を終えると、教室移動のため、ヒロはルイズと歩いていた。
「ねぇヒロ。あんたあんな強いくせに、どうしてこんな普通の授業を受けてるの?」
「普通も何も、私はこの世界の人間ではないのだから、ここで聞く内容は9割がた知らないことばかりだ。お前に聞くのも1つの手だが、せっかく授
業と言う形で教えてくれるわけだ。活用しない手はあるまい。それに教師はお前より年上だ。お前の知らないことも多数知っているだろうからな」
 なるほど、と納得するルイズ。
 ルイズは今まで、この学院を魔法の使用方法を学び、自身の能力を向上させるための場所だと思っていた。もちろんそれは間違いではないだろう
が、それ以上に、世間一般のことを学ぶ授業も確かに少なくはなかったことに気がついた。自分はこの学院に来る前は世界は自分の家だけだった。
それを、思えばいかに自分が世間知らずに育ってきたかを思い出す。
(そうだわ。思えば魔法が使える様になることばっかり考えてきたけど、この学院を卒業したら私は領主、もしくは領主の妻として平民の上に立つ
ことになるわ。世間のことを知らなくて民の支持なんて受けられるわけない。)
 自分とは違ったヒロの授業の受け方を聞いたルイズは、これ以降、魔法が使いたい、と思う気持ちだけでなく。自分の将来のことも考えるように
なっていた。これが後、ルイズにある行動を取らせることになる。
562名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/12/13(木) 00:45:18 ID:GAnImNGB
し迂遠
563名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 00:45:26 ID:HsgB7X/B
支援
564爆炎の使い魔:2007/12/13(木) 00:45:26 ID:OkGaaLxC
 ルイズとヒロがなんてことのない日常を送っている最中、学院長室で、ミス・ロングビルは書き物をしていた。
 ミス・ロングビルは居眠りをしているオスマン氏を見ると、薄く笑みを浮かべた。誰にも見せたことのない笑みである。ミス・ロングビルは低い声
で『サイレント』の呪文を唱えると、オスマン氏を起こさないように、足音を消して学院長室を出た。
 ミス・ロングビルが向かった先は、学院長室の下にある、宝物庫がある階である。
 ここには、魔法学院設立以来の秘宝が収められているのである。
 そこはとても厳重な扉があり、普通の手段では開きそうになかった。
 ミス・ロングビルは、近くに誰もいないのを確認すると、ポケットから杖をだす。大きさはエンピツくらいだが、持っている手首を振ると、するす
ると杖は伸びて、指揮者の指揮棒くらいの大きさになった。
 ミス・ロングビルは、低く呪文を唱えると杖を扉に向けて振る。
「『アン・ロック』は通用するわけないか。この分だと『錬金』でも無理そうだね。多分スクウェアクラスが『固定化』の呪文をかけてるみたい」
 ミス・ロングビルがどうしたものかと、扉を見つめていると、階段を上ってくる足音が聞こえた。
 すると、ミス・ロングビルは杖を折りたたみ、ポケットにしまった。
 現れたのは、コルベールであった。
「おや、ミス・ロングビル。こんな場所でどうなさいました?」
 ミス・ロングビルは愛想のいい笑みを浮かべる。
「ミスタ・コルベールではありませんか。ええ今宝物庫の目録を作成しておりまして・・」
「はぁ、それは大変だ。この宝物庫は秘宝クラスからガラクタまで多種多様なものが入っておりますからな」
「まあ、今すぐにしなければいけない仕事、というわけでもないのですけれどね」
「なるほど、まあ、中はオールド・オスマンが詳しいですからな。一緒に見て回った方が作成も早いかもしれません」 
 すると、ミスタ・コルベールは思い出したようにミス・ロングビルのほうを向く。
「その、ミス・ロングビル・・」
「なんでしょうか?」
 照れくさそうに、ミスタ・コルベールは口を開く。
「あの、よろしければ、ご一緒にお昼などいかがですかな?」
 ミス・ロングビルは、少し考えた後、にっこり微笑んで、申し出を受けた。
「ええ、喜んで」
 コルベールは、思わず飛び上がりたいのを抑えて、ミス・ロングビルと歩き出した。
「ところで、ミスタ・コルベール?」
「はい?なんですか?」
「宝物庫の中に入ったことはあるのですか?」
「もちろんですよ。まあろくなものはありませんが」
 思わぬ誘いが成功したミスタ・コルベールは非常に気を良くしていて、何でも喋ってしまいそうな勢いであった。
「では、『死神の鎌』をご存知?」
「あれですか・・」
 いきなり真剣な顔になるミスタ・コルベール。
「あれは確かに大鎌の形をしております。しかし、なんというかあれほど禍々しいものを見たのは初めてです。本当に死神がいるとすれば、ああいう
ものを持っているのしょうな。触ったこともあるのですが、なんというか、持っただけで魔力を吸われるような感覚になりましてな。とてもではあり
ませんが、人間に扱えるものではないのではないでしょうか・・」
「では、なんのための道具なのでしょうか?」
「これはあくまで持論なのですが、おそらくエルフが使っていた武器、ではないでしょうか。あれほどのものはまず人間が扱うものとは思えません」
 真剣なミスタ・コルベールの様子に、思わず息を呑むミス・ロングビル。
(そんなとんでもないものなのかい・・でもそれだけのものなら好事家が好きそうじゃないか。)
「しかし、宝物庫は立派な造りですわね。あれではどんなメイジを連れて来ても、開けるのは不可能でしょう」
「確かに、魔法に関しては無敵でしょうが、物理的な力なら何とかなると思うのですよ」
「物理的な力?」
「例えば、巨大なゴーレムで叩いたりとか」
「なるほど、大変興味深いお話ですわ、ミスタ・コルベール。食堂でも聞かせてくれないかしら」
 二人は会話をしながら1階へと降りていった。
565爆炎の使い魔:2007/12/13(木) 00:46:13 ID:OkGaaLxC
ようやく7話・・・平和な日常を書くことがこんなにも難しいことだなんて。
結局最初の設定を変えてしまいました。
次はついに、デルフリンガーの登場でしょうかね・・
支援してくれた方々には感謝しても感謝しきれません。ではまた投下できる日を願いまして失礼します。
566名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 00:53:08 ID:dVFejjBU
>>550
>もっともPSに目覚めるか微妙だけど

生まれた時から異能生存体、どのタイミングで呼ぼうがその意味では何の問題も無い
覚醒の有無が問題になるようじゃ野望のルーツとかペールゼン・ファイルズとかが成り立たないじゃないか
567名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 00:55:52 ID:6+j92dbM
おっと、目を離していたら支援しそこなってしまった。すまない。
だがお疲れ様なんだぜ。

…そうだよね、ルイズって世間知らず属性もあったんだよね、忘れてた。
568名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 01:18:30 ID:/kxH4lM9
爆炎の人乙
569名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 01:30:58 ID:yUUmbeIw
さて、ちょっと投げても大丈夫ですかしら?
570名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 01:32:43 ID:z7j/E0hX
もろちんさ
571最終話 1/5:2007/12/13(木) 01:34:01 ID:yUUmbeIw


 少年は空飛ぶ戦艦の上、ただじっと眼下を見下ろしていた。
 浮遊大陸アルビオン、その開けた戦場でうごめく黒い影に、少年はただじっと視線を向けていた。


 少年はその砕け散った世界から一人、召喚というプロセスを経て青年の手中に呼び出された。
 青年は杖も使わず浮かぶ赤いおくるみを来た赤ん坊に、己に宿る伝説の力を実感していた。
 赤ん坊の成長は早かった。
 ほんの数日で十年以上の成長をとげ、驚くほどの速さで知識を吸収していく。
 まるで“今まで溜まっていた分を吐き出す”かのように、赤ん坊は少年へと成長した。

 青年、ロマリア皇国皇帝ヴィットーリオ・セレヴァレはその力をもって聖地奪還を夢に見た。

 しかしその少年は、誰よりも強く誰よりも賢く、そして誰よりも高潔であった。

 ジュリオ・チェザーレというふざけた偽名を与えられたその少年は、誰よりも平穏を愛していた。
 それこそ本来皇国を挙げて敵対すべきエルフと交友関係を結ぶことをその視野に入れるほど。


 そんな平穏を愛する少年は今、国境を越えてはるかアルビオンの大地に立っている。
 一応の理由は“視察”だった。
 浮遊大陸アルビオンの異常、それは大陸が速度を上げて移動していること。
 トリステインの北西を浮かんでいたアルビオン大陸が各国の上を飛び始めたことだった。

「ジュリオ様、やはりアルビオン側面に何かの装置が取り付けられているもよう」
「あのゴーレムのような技術ですか?」
「そこまでは不明ですが、形状から考えてそうではないかと」
「(ううん、確かに彼らの技術力なら十分可能でしょうが、しかし何故?)」

 大陸を移動させる理由がわからず、ジュリオは思案しながら近くの古木の表面をなぞる。
 手袋に緑色の粉が大量に絡みつく。

「やはり、これはあのカビ……」
「ジュリオ様、これをご存知なのですか?」
「ええ。ですがこれはもう失われたはず……本当にこの騒ぎを引き起こしているのはガリア王なのですか?」
「そのはずです。我々の手のものからの情報でもそうとしか。ただ奇妙な情報もあります」
「奇妙?」

 手の中の枯死したカビを払い落としながら、ジュリオは情報官に振り返る。

「被害者がほとんどいないのです。町そのものはカビに覆われゴーレムに破壊されていますが、人的被害は逃げ出してきた民衆の間のいざこざが原因のものばかりで」
「……人的被害を必要としない? なのに町を占拠して破壊活動を?」
「ええ。建物を残らず瓦礫に変えてカビで木々をなぎ払って、まるで更地を作るために動いているとしか」
「更地? この状況で戦争行為ではなく破壊発動? そんな必要が何故……」

 ふと、少年の脳裏に浮かぶ情報。
 神殿、伝説、悪魔の扉、聖地、聖域、そして召喚された自分。

「地図を! ハルケギニア全域の地図を! 各地の神殿と聖域の地図もお願いします! 竜騎士隊の皆さん、お手数ですが戦場の映像を上空から視察してください! 副長! 彼らに遠見の水晶を!」

 慌てて机の上に置かれたものをなぎ払い、少年は受け取った地図を広げる。
 聖域と神殿の位置を地図にマークしながら少年は叫ぶ。
572名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 01:34:46 ID:4HYbrbTA
支援
573名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 01:34:46 ID:z7j/E0hX
後悔しつつ支援
574最終話 2/5:2007/12/13(木) 01:35:11 ID:yUUmbeIw
「これじゃありません副長! かつての始祖ブリミルのころの聖域の地図です!」

 遠見の鏡を操作していたメイジが、竜騎士からの情報を処理し始める。
 古き地図を重ね合わせかつて聖域と呼ばれた場所同士を結んでいく。
 東方の森付近で見つけた遺跡も同じく地図にマーキング。
 それは驚くほどキレイに、五芒星を描いた。

「ジュリオ様! アルビオン戦場に巨大な魔法陣が!」
「位置は!? 現在のアルビオン、いえ、その魔法陣の位置は!?」

 地図に移るアルビオン大陸の位置を表す光点が、五芒星の中心へ近づいていく。

「大陸を移動させている推進装置の破壊を!」
「無理です! 間に合いません!」

 叫ぶように伝令を返す兵士たち。

 かつての世界で“成長”を放棄することで“最強”を得た赤ん坊、世界が変わることでその制約から解き放たれた少年、かつて『あかちゃんまん』と呼ばれていた彼は、思わず天を仰いだ。

 ゆっくりと、何かに押しのけられるように黒雲が晴れていく空を。

「誰か僕のマントを!」

 右手のルーンを輝かせ、あかちゃんまんは竜のミルクの入ったビンをつかみ、そして叫んだ。


 戦場の中心にあった城、正確には城の跡。
 相次ぐ虚無のぶつかり合いで完全に崩壊した城の上空、二つの力がはじけて光る。

「ははははは! どうしたミス・ヴァリエール! 迷いが見えるぞ、その拳から!」

 拳から放たれた虚無の衝撃を同じく槍から放った虚無の衝撃で相殺し、ガリア王ジョゼフは馬上に笑う。

「くっ!」
「どうした虚無の担い手よ! その姿はハッタリか? 先代が泣いているぞ!」
「黙りなさい!」

 槍が虚無の幻を貫き、その後ろから打ち込まれた拳もまた、同じく虚無の幻を貫く。

「どちらにせよ私の勝利は変わらんよ! ここで勝とうが負けようが!」
「ハッタリを!」
「ハッタリ? もう少し回りに視線を向けるべきだったな!」

 その声にルイズは視線を横に流す。
 その視界におかしな光景が映った。
 それは町並み、トリステインでもアルビオンでもない、発達した工業技術が作り出す鋼の町並み。
 海が、見えない。

「……ゲルマニア!? そんな!」
「後ほんの十秒ほどなのだよ、ミス・ヴァリエール。後ほんの十秒ほどで、私と私のミューズの目的は達成される!」

 大陸が五芒星の中心に迫る。

「今、この世界の全てが捻じ曲がる!」
575名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 01:35:29 ID:OkGaaLxC
支援です。
576最終話 3/5:2007/12/13(木) 01:36:11 ID:yUUmbeIw
 聖域により描かれる五芒星の真ん中に、アルビオンはたどり着いた。

 瞬間、世界が止まった。

 輝き始めるルイズの胸、ちょうど心臓の上に刻まれたルーンが輝きを放つ。

「あ、ああ! 精神力が!」
「は、ははははは! なんという虚脱感!」

 馬の上でジョゼフが脱力する。

「くああああ! 間に合わなかった!」
「ジュリオ様!」

 風竜の上、ジュリオの、あかちゃんまんの右手のルーンが光を放つ。

「な、何だ、この吸い上げられるような感覚は!」

 宮殿の中、ヴィットーリオの体から精神力が失われていく。

「ぬう、面妖な!」
「あう! 力が!」

 左手のルーンが放つ熱にかつぶしまんはひざをつき、その横でティファニアが崩れ落ちる。

「あはははは! あはははははは! 始まる、始まるの! また楽しいゲームが!」

 荒れ果てた鋼の建造物の中、赤いドレスの少女の額のルーンが輝く。

「ミス・ヴァリエール、見たまえ、今この世界は生まれ変わる」
「何を言ってっ!」

 大陸そのものが光を放ち、中心に浮かぶアルビオンの魔法陣がそれをかき集め空に光点を浮かべる。
 その光点が走り、ありえないほど巨大な魔法陣が描かれていく。
 見覚えのあるそれは、ルイズが二年生の春の儀式でも用いたもの。

「召喚魔法!?」
「始まるぞ、待ちに待ったこの瞬間が! 我々ならば『四つの四が揃ったとき、「始祖の虚無」が復活する』、エルフたちなら『四つの悪魔が揃いしとき真の悪魔は目覚め、大災厄をもたらす』、まあ私はどちらでも構わんがね!」
「まさかあれが!」
「然り! あれこそが悪魔の門! 命の星は意志無きものに意志を与え、意思あるものに力を与える! メイジもエルフもくそくらえだ! はははははははは!」

 世界が悲鳴を上げる中、四つの四から吸い上げられた力がゆっくりと、悪魔の門をノックする。
 あらゆる命の中で等しく、世界にヒビが入る音が聞こえた。
 ゆっくりと空から、否、“空のように見えていた世界を覆う鏡”から“それ”は現れた。
 “それ”は大地、“それ”は世界、“それ”は命。
 “世界そのもの”が、鏡を抜けてせり出してくる。
 失われた世界、砕け散った世界、全ての可能性を繋ぐ、“真ん中の世界”。
577最終話 4/5:2007/12/13(木) 01:37:46 ID:yUUmbeIw
「そんな、あれは、あれは」

 あかちゃんまんは竜の背で呆然とそれを見る。

「あれは僕の世界!」

 何よりも偉大な幻想が、世界を包み込んだ。


『Let's GO ! ZEROPANMAN!〜そして世界は回り始める〜』








 鋼の古城の中、力を吸い上げられ倒れる赤いドレスの少女を、白いスーツに包まれた手が優しく受け止める。
 その傍らには赤いスーツを着た男と黄色いスーツを着た男。
 少女の無事を確かめホッと息をつく三人の前で、ひときわ大きなカプセルから培養液が抜かれていく。
 開かれたカプセルの中、黒い亜人が一歩を踏み出した。

「結局こうなりましたね」
「まあいいんじゃねーの? 死に掛けてた俺らにゃどうしようもなかったんだし」
「そうだね。でもそれはそれとしてもだ、君はどうするんだい?」

 白い服の亜人から少女を受け取りながら、黒い亜人はぞろりと並ぶ牙を除かせ、心底楽しそうに笑った。

「決まってるだろ? 世界はいつだって、オレ様のものだ」

 その笑みに、三人もまた笑みを返す。
 直後後ろで小さく足音。
 冷凍睡眠カプセルの中にいた老人と女性が、帽子の位置を整えながら歩み寄ってくる。

「ならワシはもう一度、工場を作らんといかんのう」
「そうですね」

 楽しそうに、本当に楽しそうに、六人は笑う。

「それじゃあ行きましょう、ジャムおじさん」
「そうじゃな。もう一度子供たちにパンを焼いてやらねばのう、バタ子や」
「はい!」
「アンアン!」


 かくて世界はつながり、“真ん中の世界”と一つになったハルケギニアは革新のときを迎えた。
 あらゆる世界につながるその“真ん中の世界”は、そこにある命そのものに力を与える。
 それでも変わらず、どんなときでも、森の中の小さな建物からはおいしい香りが漂っている。
 命を生み出す老人と、絶対に外さない魔球を投げる女性が、楽しそうに歌いながらパンを焼いている。
 静かな静かな夜の空、命の星が降り注ぎ、黒と赤は青い髪の少女とその父親と共に楽しそうにいたずらを考える。
 侍は相棒の魔剣を抱え、二つの月の下美女の酌を傾る。
 かつて赤ん坊だった少年はホットミルクを飲んでベッドの中へ、王はそれを静かに見守る。
 桃色の髪の少女は先代に会うか会うまいか頭を悩ませる。
578名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 01:39:19 ID:z7j/E0hX
しえん
579名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 01:40:44 ID:4HYbrbTA
支援
580最終話 5/5:2007/12/13(木) 01:40:51 ID:yUUmbeIw
 そして繋がる世界の中、子供たちの夢が歩き出す。
 幼いころに思い描いた幻想の世界が顕現し、ハルケギニアと混ざり合う。


 神の左手ガンダールヴ。勇猛果敢な神の盾。握った両の豪腕と、吐き出す業火を携えて、導きし我を守りきる。
 神の右手がヴィンダールヴ。心優しき神の笛。愛と勇気を胸に秘め、導きし我を運ぶは地海空。
 神の頭脳はミョズニトニルン。知恵のかたまり神の本。あらゆる知識と英知をもって、導きし我に助言を呈す。
 神の心臓ヴァンダールヴ。悲しき定めの神の天秤。ただその均衡を保つため、笑って悪意を受け止める。

 四人の僕を従えて、我はこの地へやってきた。
 生み出す命に愛を込め、我はこの地に生を振りまく。

        ブリミル・ル・ルミル・ユル・ヴィリ・ヴェー・ジャムトリ




ZEROPANMANシリーズ最終話投下終了。
最後のこれはあれだ、心の目で読むんだ。
お疲れ様。
581名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 01:48:19 ID:QPo5h2fZ
乙。ジョゼフは黒騎士装備かなぁ
582名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 01:49:08 ID:C4egBUdi
いろいろ噴いたwww
583名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 02:03:47 ID:ypbY0c4C
GJ!w
584名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 02:27:36 ID:zbmy0w4U
ジャムトリwww
585名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 02:37:50 ID:USoSaWU/
ちょっ、なんと言うジャムGJ
586名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 02:47:05 ID:PxNSPr/2
なんというデウス・エクス・ジャム……これは確かに心の目で読むしかない
587名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 03:05:18 ID:U8wCOtHs
十分頃に投下よろしいでしょうか?
588アカイロマジカル:2007/12/13(木) 03:13:08 ID:U8wCOtHs
投下します。


第四幕
零の涙事





願えばきっと、夢は叶うよ。
本当にそう思うか?





ルイズは、体に風が当たるのを感じた。
寒い。でも、あれ? 私は窓でも閉め忘れたのだろうか。
いや。それにしたって寒すぎる。まるで冬の風の様だ。しかし、今は春のはず。
ルイズは目を開く。そこには、一面の星空。黒い雲。そして、赤い背中。
――――あぁ、夢じゃなかったのね。

つまり、自分が召喚したとんでもない平民《哀川潤》だと、気付く。
この、悪魔の様な平民の行動力は恐ろしく。召喚してからすぐに学園を歩き回り、多種多様な被害をルイズや他の生徒に与えた事を思い出す。
そして、疑問が口をついて出た。
「って、ここどこ?」
潤は振り返り。満面の笑顔で言う。
「お。起きたか。おはよー」
「ああ、おはよ。……で、ここどこ?」
ルイズは極めて冷静に努める。目の前の人間を刺激してはいけないから。
「んー。空、もしくは竜の背中かな。具体的な場所は……どこだっけ?」潤は竜の前に座る少女、タバサに問う。
「ガリア」タバサは手元の本から目を離さず言った。心なしか声に元気がない。
「だそうだ」
「ななな、何でそんな所にいるのよ!!」
ルイズの冷静は粉々に瓦解した。
「面白そうだし、暇だったからな」悪びれもせず言う。
「……振り落とせなかったから」タバサ、アンタ……振り落とそうとしたんだ。
「何で私がこんな所にいるのよ!」
「拉致、いや誘拐かな。ほら、よく言うじゃん。可愛い子には旅、いや、虐待しろって」
言わないし。更に言い直して、酷くなってるし。
「……それで、ガリアくんだりまで何しに来たのよ?」
「うむ、聞いて驚け。吸血鬼退治だ。なんやらタバサの任務らしいぞ。ちなみに怪談百選を第十話まで聞かせたら快く乗せてくれたんだ」
任務? タバサは騎士の仕事でもしているのだろうか。怪談? 知らん。
589アカイロマジカル:2007/12/13(木) 03:17:59 ID:U8wCOtHs
「それで何故、私が?」
「ほら、お前言ってたじゃん。朝には服を着替えさせるのよ、って」
ルイズは自分の服が、寝間着から制服になっていた事に気付く。ついでに空は暗い。
「朝じゃないじゃない!」
潤は空を指差す。
「さぁ、見てごらん。太陽がこんな綺麗」
「あれは月よっ!」
「……諦めなよっ!」潤は器用にタバサの声で言った。
「タバサはそんな事言わない!」
「へえ、ふうん。そうかそうか、お前はそんなにあたしを困らせたいのか」
潤は漏絡を諦めたのか、目を細め恐喝に移行した。
「うぅぅ」
潤の迫力により、知らずの内に、呻き声が漏れる。
「お前は、昨日言ったよな? 《お願いします。馬鹿にされたからって、いきなり生徒を殴らないで下さい。何でも言う事聞くから。ねっ! ねっ!》って。ああ? 約束を破るのかお前は?」
言わされたのだ。だが、そう言わなかったら、学園中に死屍累々の屍を生産しただろう。
「分かった、分かったわよ」
潤は、うん、よろしい、と呟き。親指をぐっど立てルイズに向けた。
ルイズはタバサに近付き。
「その。任務らしいけど、いいの?」
「いい、私に拒否権はない。……紫鏡……ベッドの下……だるまさんころんだ……」タバサは酷く怯えていた。
「お、あれじゃねーの。件の村って」
「……くだん」
ルイズは目を細め先を見渡す。しかし村などまるで見えない。あと、タバサの事もあえて見ない。申し訳ないから。
「ほれ、あの山の所」
山はある、確かにある。ただし、目算で50リーグ位はあるだろうか。
――どういう視力してんのよ。
「測ったことないから分かんない」
「あ、あたし今喋ってないわよ!」
潤はニヒルな笑みを浮かべルイズを見た。
「読心術だよ。ただのテクニック。訓練すりゃ誰でも出来るさ」
ルイズはため息をつく。
「ほんと、アンタ何でもありね」
潤はシニカルに。そして皮肉げに笑い。
「言っただろ。人類最強の請負人だって。あたしは何でもできるし、全てのことに対して誰よりも長けている。それが、哀川潤なのさ」
――請負人……か。ルイズは召喚した時に話した事を思う。

590名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 03:21:50 ID:fwk3Kp4E
久しぶりしえん
591アカイロマジカル:2007/12/13(木) 03:23:18 ID:U8wCOtHs





召喚の儀式が終わり、皆が空を飛んで、寮に帰った。私は、それを見て悔しさに唇を噛んでいた。
私は平民を召喚した。その平民は――彼女は威風堂々とした佇まいで私を射抜くように観る。
すらりとした長身。眼の眩むような紅い様相。そして、とんでもない、どうしようもないほどの美貌。
正直にいうと、気後れする。
だが、私は、召喚した使い魔の平民に、歩いて帰るわよ。と言った。
たとえ、使い魔が平民でも魔法が使えない、とは思われたくなかったのだ。
しかし、この危うげに保たれた筈の、私の打算は、使い魔の一言により砕かれた。
『へぇ。お嬢ちゃん、あんた魔法が使えないのか。いや、絶対に失敗する、といった方がいいのかな』
……何、で。
『何でそんな事が分かるのよ!』
私は声を荒げていた。
事実を言われて悔しかったのだ。ただの平民の女に、私の使い魔に言われたせいで。
私は、高く薄いプライドによる打算を見抜かれたのだ。
それでも、使い魔は皮肉げに答えた。
『勘だ。いや、勘よりも確かなものかな? まぁいいや、そんな事は。とりあえず安心しろよ。お前は魔法が使えるようになる』
私は絶句した。
《魔法が使える》《安心》――何て、馬鹿な事を言う。私だって希望は捨てていない。だから、魔法を勉強して勉強して勉強して。練習して練習して練習して。
それでも、出来なかった。わたしは出来なかった。誰も、見てくれもしなかった。……わたしは認めて欲しいんだ。

でも、コントラクトサーヴァントは成功した。
これは、私が、何ヵ月も前から準備して、勉強して、練習して、研鑽して、構築して、会得して、約束して、決別して、演技して、傾向して、遅停して、停滞して、韜慨して、
決意して、挫折して、伝達して、忘却して、倦怠して、考察して、打算して、矛盾して、肯定して、更訂して、連鎖して、絶望して、嫉妬して、でも行動した。
――私はしたんだ。私は努力したんだ。
592アカイロマジカル:2007/12/13(木) 03:27:31 ID:U8wCOtHs
もしも、もしも失敗していたならば。私は壊れていただろう。これは確信する必然。
私は一つの可能性に賭けて、杖を振りフライを詠唱した。
コントラクトサーヴァントは成功した。それなら、今だって。成功するかもしれない。
だが、やはり、いつもと同じ手応え。少し先の地面が爆発するだけだった。
『あは』私は笑いを漏らす。
ああ、やっぱり。
それでも、それでもいつかは。きっといつかは、と確信の無い願いにすがるわたしに《安心》?
もしも、もしも失敗していたならば。私は壊れていただろう。これは確信する必然。
私は一つの可能性に賭けて、杖を振りフライを詠唱した。
コントラクトサーヴァントは成功した。それなら、今だって。成功するかもしれない。
だが、やはり、いつもと同じ手応え。少し先の地面が爆発するだけだった。
『あは』私は笑いを漏らす。
ああ、やっぱり。
それでも、それでもいつかは。きっといつかは、と確信の無い願いにすがるわたしに《安心》?
『出来ないじゃない! 何で、私に、希望を持たせるのよ!』
私は自分が泣いているのに気付いた。唇に涙が入る。私はそれを隠す為に、使い魔を捲し立てた。
しかし使い魔はシニカルに、今すぐってわけじゃねーよ。と、皮肉げに笑う。
『何故なら。このあたしを喚んでしまったからだ。人類最強の《請負人》哀川潤を喚んじまったからだ』
何を言っているのか分からない。だが、使い魔は確信のある口調で言った。
私は何故か、使い魔の話に聞き入ってしまった。この使い魔は私には無い、確信のある自信を持って言ったからだ。
『……何の…説明になるのよ?』
使い魔は迷いなど皆無であろう紅い瞳で私を視た。
『説明? わざわざ異世界から、このあたしを召喚したって時点で、既に理由なんていらないんだよ。ただの無能に、あたしを喚べる縁などあるわけがないんだ』
恐るほどのナルシスト具合だと思った。だが、何故だか、その確信を私は信じてみたくなった。
593アカイロマジカル:2007/12/13(木) 03:31:33 ID:U8wCOtHs
その自分に対する圧倒的なプライドで、お前は無能では無い、と言われたんだ。
私は信じていいのか? この使い魔の自信を。
私は信じていいのか? この使い魔の確信の中にある私を。
私は信じていいのか?

私はхххでは無いと。


ああ、最後なんだ。賭けよう。

『これも縁だ。だからお前の願い、この人類最強の請負人、哀川潤が請け負ってやる』

億に一つ、いや京に一つ賭けてみよう。私の使い魔に。私の願いを。


そして使い魔は、哀川潤は、私に笑いかけた。
『と、いうわけで。しばらくよろしくな。あたしにくっついていれば、一ヶ月位で使えるようになるんじゃねーの。わはは』

なんというか、いろいろ台無しだった。


594アカイロマジカル:2007/12/13(木) 03:34:26 ID:U8wCOtHs
以上、投下終了です。
もしも、待ってた人がいれば、遅れてごめんなさい。
支援ありがとうございました。
595名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 03:39:13 ID:fwk3Kp4E
GJ!!
あなたがそろそろ投下するという事を、私はあらかじめ予測してました
むしろ待ってたWW
596名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 04:38:50 ID:Qnu75wH0
爆炎の人、乙でした
魔族ものは参考になりますです。はい。
597ゼロのボーガー:2007/12/13(木) 05:47:08 ID:QPo5h2fZ
誰もいない。レッツ!カブトボーグ!するなら今のうち。
後5分くらいしたら張りますね。
598ゼロのボーガー:2007/12/13(木) 05:52:23 ID:QPo5h2fZ
「もっと太くて大きいやつはないの?」
 大声で喚いているのはルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
 ここはトリステインの城下町にある武器屋で、集まっているのはいつものメンバーだ。
 喚くルイズとからかうキュルケ、冷や汗をかきながら間に挟まれ困惑するリュウセイと、
 それを宥めるマンソン、無関心なタバサ。
 もはや見慣れた日常の光景である。

第三話 「出会い!ホリデイ・ホース・インテリジェンス」

 ことのおこりは昨夜の一件から。
 まだ召喚されて一週間も経ってないというのに
 ここのところのリュウセイはシエスタとか言うメイドとやたら親しくなり、
 挙句昨夜は私の言いつけを忘れていつまでも部屋に戻らず、
 何をしているのかと探してみれば食堂で二人、昔の思い出話に花を咲かせていた。
(…このままじゃいけない!)
 何とかしてご主人様が一番であることを思い知らせようとルイズが考えた結果、
 安易だがプレゼントを贈ることを閃いた。明日は休日なので丁度いい。
 しかし何を送ればよいものか、これがなかなか思いつかない。
 一人で考えるよりは、といつものようにマンソンに相談したところ、「剣はどうだ?」と思いもよらない提案を受けた。
「なぜ剣を?リュウセイは剣士でもないのに…」
 まさか武器を送るなんて考えもしなかった。そんなものなくても彼は十分に強かったから。
 マンソンは答える。
「リュウセイは確かに強いが、
 あの『カブトボーグ』で戦っている姿を思い出してほしい、
 実はあの時、リュウセイ自身は恐ろしく無防備なんだ。
 身を守るために、武器が必要だと思うんだよ。」
 ルイズは驚愕した。
 そういえばそうだ、ボーグを離した後、リュウセイ自身は後ろで叫びながらつっ立っているだけ。
 もし今までそれに気がつく相手がいたら…考えるだけで恐ろしいことになっていただろう。
 さらにマンソンは続ける。
「それに、武器を与えることで主人を守るという使い魔としての本分を改めて思いださせることにもなる。
 一石二鳥じゃないか?」
「素晴らしいわマンソン!さすがね!」
 ルイズは満面の笑みを浮かべ、マンソンを褒め称えた。

―そして翌日。
 朝早くから準備をして、乗馬の体験が無いと言うリュウセイを後ろに乗せ馬を駆り、
 長時間の道のりの末意気揚々と辿り着いた城下町の武器屋の中で…
「なんであんたまでここにいるのよ!」
「あーら、ダーリンがどこにいようと私にはお見通しなのよー?」
 マンソンに無理やり居場所を聞き出し、タバサの風竜まで駆り出して先回りしていたキュルケに出会ったのだ。
 後ろではマンソンが申し訳なさそうに苦笑している。
 やがてリュウセイが間に巻き込まれ…
「いい加減にしやがれ!ギャーギャーうるせぇぞテメェら!」
 とうとう店の隅に置かれていたそれが怒鳴り声をあげることになった。
「…え?」
 間抜けな声を上げるルイズ達、そのまま声の主を探して黙り込み…
「よし、この剣にしようぜ!」
「…え?」
599ゼロのボーガー:2007/12/13(木) 05:53:51 ID:QPo5h2fZ
 沈黙を最初に破ったのはリュウセイだった。
 声の主すら見つけていない他の四人は、突然何を言い出すのかといいたげな表情だ。
 それに気づいたリュウセイは言う。
「だーかーらー!そこの喋る剣にしようって言ってんの!」
「…え?」
 次に間抜けな声を上げたのはその喋る剣。
「おじさん、あの剣いくら?」
「…え?」
 値段を聞くリュウセイだったが当の店主すらぼうっとしている。
 誰もいないところから怒鳴られ、売れると思ってなかった剣が売れ、買われると思ってなかった自分が買われ、
 全員が全員、しばらくは「…え?」と呟くばかりであった。
 何とか我に返り外を眺めるともうそれなりの時間である、学院に帰るころには真っ暗だ。
 いまだ呆け続けている剣を慌てて引き抜き、会計を済ませ外へ飛び出す…が。

 …薄暗い。
 街から学院までは結構かかってしまう。
「手遅れだったみたいね…。」
 呟くルイズ。
 特に苦手というわけでもないが、真っ暗な道を長い時間走り続けるのはやはり不安になる。
 表情からそれを感じたのか、マンソンが口を開いた。
「ルイズ、久しぶりに馬に乗りたい気分なんだが代わってくれないか?
 キミ達はタバサの風竜に乗って先に帰っていて欲しい。」
 『代わってあげようか』ではなく『代わってくれないか』と言う辺り、ルイズの性格を熟知している。
 さすがマンソンというべきか。
 なんにせよルイズに断る理由はなく、多少申し訳なくもあったが先に帰ることになった。
 マンソンと別れ学院に向かう、風竜に乗ったタバサとキュルケ、リュウセイとルイズ。
 しばらく背に揺られ、ようやく辿り着いた学園で見たものは…
「な…!?何よあれ!!?」
 宝物庫を攻撃する巨大な土人形。
「…フーケ。」
 タバサが呟く。
「あれが…武器屋の言っていた…」
 リュウセイは思い出していた、最近暴れまわっている盗賊、土くれのフーケの話を。
 武器屋の親父に話を聞いた時は大して気にもしなかったが、実際会ってしまうとそうも言ってられない。
「行くぜ!」
「え?ちょ!ちょっとダーリン!?」
 突然風竜の背中から飛び降りたリュウセイに、慌ててレビテーションをかけるキュルケ。
 リュウセイは着地と同時に叫ぶ。
「フーケ!オレと勝負しろ!」
 慌てて降りてきたルイズも魔法で攻撃するが、宝物庫の壁にひびが入っただけで大した効果はなさそうだ。
 鬱陶しそうに土人形が拳を振り下ろしてきた。

―迫る巨大な拳。
―効かない魔法。
 この窮地にリュウセイはどう立ち向かうのか!
  負けるなリュウセイ!戦えリュウセイ!

「うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

                                 完
600ゼロのボーガー:2007/12/13(木) 05:56:44 ID:QPo5h2fZ
次回予告
 ゴーレムなんてオレとトムキャットレッドビートルの敵じゃなかったぜ!
 しかし一瞬の隙を突かれて学院の宝、「破壊の杖」が盗まれてしまった。
 目撃者のルイズ達は学院長室に集められることに。
 かくして、怪盗フーケとの壮絶なバトルが幕を開ける!
 次回カブトボーグ「盗まれた宝!フーケ・フーガ・フォレスト」
 熱き闘志を、チャージ・イン!
___________________________________________
おしまいです。
「あれ?2,3話くらい読み飛ばした?」って思っていただければ幸いです。それでは。
601名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 06:12:11 ID:HsgB7X/B
ボーガーさんお疲れ様でした。人が居ないところを狙って私も小ネタを投下しようと思います。
602そっけない王宮 1/4:2007/12/13(木) 06:14:53 ID:HsgB7X/B

 城下の誰もが、今なお王の暗愚を嘆き、亡き王弟の不幸を嘆いている。
 
 そっけない王宮
 
 
 

 
 私は息を整える。私は歩幅を整える。私は指先が丸まらぬよう意識を遣り、肩が丸まら
ぬよう意識を遣る。
 私は息を整える。私は足音を整える。私は首が曲がらぬよう意識を遣り、足元がおぼつ
かぬよう意識を遣る。
 唇を薄らと吊り上げる。目元を心持ち和らげる。頬は僅かに持ち上げ、鼻梁は攻撃的で
ない程度に鋭く。誰かに会う瞬間でもない、部屋を出る瞬間でもない、ベッドの上で目覚
める瞬間でもない。私はこれをこの世に生まれた瞬間から、一時も惰性に耽ることなく続
けている。
 そして私はいつものように朝食の席につき、彼に挨拶する。
「おはよう、兄さん」
 兄の名はジョゼフ、私の名はシャルルという。
 
 
 

 
「シャルル、今日の狩りでもまた、随分と毛並みの良い狐を射止めたと聞きました。母は
あなたが誇らしい」
「ありがとうございます」
 ガリア王国の晩餐は、心なしかスープとメインディッシュの間の待ち時間が長い。従者
たちの話によれば、私が十六の歳を越えたころから、母上の言いつけでそうなったようで、
私はその時間を私との会話につぎ込む母上を見る度に喜びを覚える。
 その僅かな時間のために、料理長がメニューに大変頭を悩ませたとも聞いた。思えば子
供の頃の好物だった、鶏の、何と言ったか、料理長特製の皿が今ではあまり美味しく感じ
られない。歳と共に好みが変わったのだと思っていたが、スープを口に含んでからの時間
と何か関係があるのかもしれない。
 しかし、母上が私のために、自分も口にする料理の味が落ちるのを許したということは、
私に小さくない喜びを与える。私は母上に何か言うこともないし、料理長に何か言うこと
もない。
「シャルル、その狐は剥製にするのでしょう? 出来上がったらどうするのですか」
「母上にさし上げようと思っています」
「まぁ! あなたのような息子を持って、私は幸せです」
 少しばかりはにかんで、羞恥から顔を背けるように隣の卓を確認する。兄さんのグラス
に注がれているワインは赤だった。私のグラスが白なので、今日のメインディッシュは魚
料理だろうか。思いの他良く動いた狩りだったので、腹が減っている。
「僕も母上の子供に生まれて幸せです。そうだ、今日は兄さんが後一歩のところまで兎を
追い詰めたんです。弓を構えて慎重に引く様は、御伽噺の挿絵をくり貫いたようでした」
「あなたが言うんですもの。それはそれは素晴らしい光景だったのでしょう」
「そ、そのときは夢中だったんだ……。結局射止められなかったんだけど」
「兄さんなら、きっと次は射止められるよ」
「もし射止めたら、母上にさし上げたいと思います!」
「ジョゼフ」
「はい」
「お前には聞いていません」
「申し訳ありません」
 母上が口元にフォークを運ぶのを待ってから、私はメインディッシュにナイフを入れた。
空腹も手伝ってか、とても美味そうだ。
 新しい皿が運ばれてくる度に訪れる、最初の一口の瞬間にはいつも胸が高鳴る。
 
 
 
603そっけない王宮 2/4:2007/12/13(木) 06:15:32 ID:HsgB7X/B

 
 比較的優秀な土系統のメイジが多いガリア王国の、王族である私が土系統の師に困るこ
とはまずない。今日こそは金の錬金を、と思う。錬金と言うのだから、金を練成できて初
めて形になる魔法だと、私は思っている。もう少しで物事の本質に手が届きそうだという
この感覚は、師や他の誰かのどんな言葉よりも励みになる。
「シャルルは凄いなぁ、今日こそは金の錬金を成功させるだろう、とお前の先生がぼやい
ているのを聞いたよ」
「ありがとう、兄さん。絶対に成功させてみせるよ」
「ははは、頼もしいな。それに比べておれなんか……」
「兄さん、兄さんならいつか、僕なんかよりもずっと凄いことが出来るよ」
「そ、そうか? はは、そうだといいなぁ」
 私は風系統が得意だ。そして水系統についてはどの系統よりも必死に練習している自信
がある。だから土はあまり得意な分野とは言えないが、金を練成できるようになることは、
私の魔法の底上げになるだろう。そのせいもあって、今日はいつも以上に真剣に魔法の練
習に取り組む。
 自らを高める鍛錬は、いつだって私を惹きつけてやまない。
 
 
 

 
「さすが殿下! こんなに素晴らしい風竜、私めは見たことがありません!」
「なんて勇ましい竜なんでしょう!」
 私の呼びかけに答えた使い魔は、堂々、泰然とした風竜だった。
 父上が今日の日に私たちに使い魔の召喚をさせると仰ってから、母上や従者らが私に向
けた期待は少なくないプレッシャーとなっていた。だが、この風竜ならそれに充分に応え
ることもできよう。自然と口元が緩んだ。
 食事の世話も、寝床の確保も早急にこなさなければならない。竜騎士隊の厩に空きはあ
るのだろうか。自分で尋ねに行こうかと足を上げたが、思い直して従者に言いつける。今
はこの、愛くるしい使い魔の首を撫でることで私は忙しい。
「シャルル……。おまえは、すごいな。こんなに立派な竜をおれは見たことがない」
「ありがとう、兄さん。兄さんの使い魔は彼女かな? とても綺麗な女性だね」
「ああ、実はそうなんだ。ほら」
「パクノダと申します」
「よろしくお願いします、パクノダさん」
「よろしくお願いします。殿下」
 私の風竜は、一度にどのくらいの食事をするのだろうか。彼は城で見かける竜騎士達の
竜よりも、控えめに見て二回りも大きい。早速世話役の手配がされるようだが、今日のう
ちに一度会っておくのが良いだろう。
「シャルル、おれの使い魔と握手をしてくれないか。これから仲良くして欲しい」
「殿下、お願いします」
「もちろん、兄さんの使い魔なんでしょう? 喜んで」
「ありがとうございます。ところで殿下、一つお尋ねしたいのですが宜しいですか?」
「何でもどうぞ」
「では、失礼を承知でお尋ねします。
 あなたの兄上、ジョゼフ様の使い魔に、私のような平民がなってしまったのですが、ど
う思われますか?」
 そうだ、今日はトリステインから良い牛の肉が入ったと聞いた。それを少し、風竜に与
えるように言おう。初日に同じものを食したということは、私と風竜の彼との関係にきっ
と良い影響を及ぼすのではないだろうか。
「パクノダさん自身のことですか? 背が高い、魅力的な女性だと思います」
「……そうですか。ありがとうございました」
 パクノダさんはそう言って握手を解き、頭を下げた。
 今日は風の気持ちよい良い天気だ。竜の背に乗って高く飛び上がるのなら、こんな日が
良い。
「ありがとう、シャルル。これから好くしてやってくれ」
「お安い御用だよ。兄さん」
 たった今、一陣の風が私の体を撫でていった。早くも使い魔の背に乗って空を飛ぶ様を
想像してしまい、私は自然と笑みを浮かべた。
604名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 06:15:58 ID:jqonOXVb
支援つかまつる
605そっけない王宮 3/4:2007/12/13(木) 06:16:22 ID:HsgB7X/B
 
 
 
三の裏
 
 パクノダは平民だが、メイジの魔法にも劣らぬ特異な能力を持つ。
 念という。
 念は人によって異なる、さながら顔のように多種多様なものだ。
 パクノダの念は、体のどこかが触れた状態で質問をしたときに、相手の嘘を見破り、心
の隅から隅までをくまなく探して本心を引き出す能力である。
「それで、パクノダ。どうだった……? どうだった、どうだったのだ!!
 シャルルは、シャルルの本心はおれが平民を召喚したことを蔑んでいたか? 嘲笑って
いたか!? 教えてくれ!」
 ジョゼフが己の使い魔に強く問い詰めた。パクノダは、困ったように眉を寄せてから、
おずおずと口を開いた。
「それが……。私は、ジョゼフ様の使い魔に、私のような者がなってどう思ったか? と
尋ねました」
「わかっている。……それで本心ではどう思っていたのだ!
 シャルルは竜を召喚したのに、おれは平民だ。こんな、こんな……。シャルルはお前を
見て、どう思ったのだ! 頼むから教えてくれ!」
「『とても綺麗な女性だ』と『背が高い』とだけ」
「……。は……いや、……それだけ、それだけか?」
「はい。あなたの弟は、ジョゼフ様の前で口にしたこと以外の何も、心の中に持っていな
かった。本当にそれ以外に何も思っていないようでした」
 自室に戻ってから今までパクノダに詰め寄っていたジョゼフだったが、使い魔の言葉を
聞いて静かに椅子に腰を下ろした。
「そうか……、そうか。シャルルは、おれにはもったいない弟だ……」
「シャルル様は、本当にジョゼフ様のことを好いているのではないでしょうか」
「……そうだな。少しでもあいつのことを疑ったおれが馬鹿だった。今まで随分と劣等感、
猜疑心に苛まれてきたが、全ておれの思い過ごしだったのか」
 ジョゼフは、パクノダが来客用の上等な椅子に座ることを許して、部屋の外に控えてい
た従者に飲み物を用意させた。
 
 パクノダの能力は、質問に対する答えを確実に心の中から探し出す。
 ただしそれは、どんなに力を籠めても、どんなに万全な体調でも、無いものを見つける
ことができない能力でもある。
 
 
 

 
 父上が倒れた、と従者が私に駆けてきた。私は城下の下水に関する資料を読んでいた。
手元に集まる報告書を読む限りでは、積年の劣化が祟って、とても良い水準にあるとは言
えない。早めに何かしら手を打つ必要がある。
「シャルル、父上が倒れたらしい。もう長くないと聞いた」
「そうだね。僕たちを呼んでいるみたいだ。急がないと」
「……そうだな。急ごう」
 下水の情報はもっと細部まで必要だ。優秀な執務員はここしばらく、王が病床であるこ
とも手伝って人が足りない。外交のためにも人数を割かなければならないだろう。下水の
不備は、民に不満を与える。それは良くない。
「ジョゼフ様、シャルル様、陛下がお二人をお呼びです!
 我々は下がりますので、どうぞ陛下の枕元に」
「わかった」
「ありがとう」
 本格的な工事には何人の土系統のメイジが必要だろうか。ガリアには土系統を得意とす
る者が多いが、彼らの数に任せて広大な国土を維持してきた。長期間王都に集中させるわ
けにもいかないし、もし父上が亡くなるようなことがあれば、暫くは喪に服す必要もある。
私だって、暫くは何もしたくないだろう。
「……次王はジョゼフと為す」
「おめでとう、兄さん」
606そっけない王宮 4/4:2007/12/13(木) 06:16:58 ID:HsgB7X/B
 仕方ないが、民にも暫く我慢してもらうしかないだろうか。喪が明けたら直ぐに手を打
つことだけを約束しよう。下水のことを父上の凶報と同じ板に貼るわけにもいかないだろ
うから、別に木板を手配するべきか。
「兄さんが王になってくれて、ほんとうによかった。僕は兄さんが大好きだからね。僕も
一生懸命協力……」
 
 
 
四の後
 
「それで、シャルルはやはり……」
「はい。改めて聞いたのですが、嫉妬とか、そういうものは一切ありませんでした。
 『兄さんがとても嬉しそうだった』とだけ」
「そうか。おれはなんて疑り深い、愚案な新王なんだろうな。父上が次王におれを指名し
たとき、おれはシャルルに対する優越感でいっぱいになったというのに」
 ジョゼフは続けた。
「消えたと思っていたはずの劣等感が、やはりおれを苛む」
 
 暫くして、狩りに出かけたシャルルは毒矢に倒れることとなる。
 
 
 

 
 王弟シャルルの心の内を知る人間は、彼が存命うちは一人も現れなかった。
 十五歳を迎えた彼の娘が召喚した韻竜が、王宮に留まっていたシャルルの使い魔から全
てを聞くのはそれから三年後のこと。
 
 
 
607そっけない王宮 5/4:2007/12/13(木) 06:18:52 ID:HsgB7X/B
投下終了です。支援ありがとうございました。
支援10巻のエピソードを読んでいて、オルレアン公って仙人みたいだなぁと思いました。
コンセプトは「感性のずれたシャルル」です。きちんと書けたかなぁ。

うっかり筆が乗って夜通し書いてたんですが、そのまま寝かせて出勤すると直すとこばっかり浮かんで仕事に手がつかなくなりそうなので、
推敲もしないで投下しちゃいます。
微妙なネタすぎて普段の5倍くらい推敲必須なはずなんですが、いつだってのーぷろぶれむです。
え ごめん許しt

召喚キャラはHUNTER×HUNTERからパクノダでした。全然目立ってないんですけども…。
608名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 06:22:08 ID:HsgB7X/B
支援10巻ってなんだ…。誤字です誤字。
本編も誤字ないかどきどきです。
609名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 06:31:26 ID:obEmYMb4
すっげぇ…、これは予想の斜め上
610名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 07:18:56 ID:TZQgaDrf
爆炎>>乙です
天国の扉、未所持状態なんですか?
て事は、地獄の扉登場の可能性も?
もしくは、レプリカで何とかする?
611名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 10:02:14 ID:r0TaYp0D
>一ヶ月位で使えるようになるんじゃねーの。
つまり哀川さんは、一ヶ月でタルブ戦イベントを起こすと言っているのか…
作中内では、大体どのくらいの日数が流れてたっけ?www
612名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 10:26:10 ID:oCVA5juO
皆さん乙です。
パクノダ姐さんの能力はミョズとの相性がいいんだよな………

ガンダールヴは誰だろう。
613名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 12:16:28 ID:btwwKSdk
>>爆炎の人乙でした 待ってたよ〜
死神の鎌を持ったときにコッパゲが吸われたのって魔力じゃなくて魂じゃ・・・

最近、ロングビルの正体をコルベールも端っから知っていたのではないか
とか思うようになってしまった。
例えで出す事が具体的過ぎるんだもんよ・・
614名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 12:35:44 ID:zbX1HUQt
>>613
時事ネタのつもりで具体例出したんじゃない?
同時期に城下町ではフーケの話題で持ちきりだったらしいし
615名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 13:09:49 ID:zPnys7ij
ミスロングビルはフーケの正体知ってたのかな?
616名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 13:13:46 ID:Qnu75wH0
What?
617名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 13:16:36 ID:LuhD9jRQ
>>615
(0W0)ナニウォウィッティルンディスカ?
618名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 13:28:07 ID:ypbY0c4C
そりゃ知らないわけがないだろwwww
なんだよその質問わwww
619名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 13:30:18 ID:oXjQc0Db
同一人物だろーが
620名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 13:44:15 ID:5ab4QAXP
コナン=新一
みたいなものだっていうんですか
621sage:2007/12/13(木) 13:59:27 ID:0WcwFT79
>620
どっちかてーと、
キッド=黒羽快斗
622名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 14:01:18 ID:obEmYMb4
ルルーシュ=ゼロも近いとオモウ
623名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 14:06:18 ID:3hvCoZrP
>>615
お前原作もアニメもここのSSも理想郷も見てないだろ
624名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 14:12:29 ID:IkoeGim2
ムウ=ネオじゃね?
625名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 14:22:13 ID:QPo5h2fZ
>>613
毛魂だろ。
626名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 14:25:14 ID:IkoeGim2
>>615
初期の遊☆戯☆王かよwwwwww
627名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 14:27:20 ID:oXjQc0Db
ジャガー=ジャズマスターとも思う
628名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 14:31:33 ID:oBBJvoGv
ミスロングビル(ルイズに)「あなたは土くれのフ−ケという女の事を知っているのかしら」
629名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 14:36:09 ID:IkoeGim2
>>628
つまりは

キャスバル・ダイクン=シャア・アズナブル=クワトロ・バジーナ=エドワゥ・マス=ギルバート・デュランダル

と言う事か
630名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 15:16:34 ID:USoSaWU/
ちょっ一番最後ちがくね
631名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 15:19:14 ID:PeNeAdhQ
一応、月光仮面の俳優が、最終回まで「???」のままだったのが原点とか。

どーこーのだーれーかーは しーらなーいけーれーどー
だーれもがーしーってるー なーぞのーひーとー
つちくれフーケのおばさーんはー せーいぎーのみーかたーだ
よーいひーとだー
632名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 15:22:48 ID:O1jkPlId
>>615
新しすぎるwwwww
633名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 15:24:27 ID:ve1i/Z38
>>615はね、二重人格と言いたいのさ
634名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 15:25:16 ID:GkRSgHVY
数日後、土砂崩れに巻き込まれて生き埋めになった>>631が発見される事に。
635伝説を呼ぶ使い魔 :2007/12/13(木) 15:31:05 ID:30TvYrv5
一つ投下よろしいですか?
636名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 15:31:56 ID:ve1i/Z38
いいよ
ただ、今から出かけるんで支援できないけど……
637伝説を呼ぶ使い魔 :2007/12/13(木) 15:32:39 ID:30TvYrv5
「前が見えねぇ。」

先ほどルイズのそれはもうすさまじい打撃を受けて目覚め、ブラウスやスカートを運んでいるのは
赤いシャツに黄色いズボン、この間とうとう買ってもらったアクション仮面シューズに身を包むのは
904回の召喚の末ルイズに召喚された少年『野原しんのすけ』5歳。
しんのすけはルイズに頼まれていた洗濯をしに外に出かけていた。
「まったくルイズちゃんったら人使いが荒いゾ。」
ルイズの洗濯物はまだ5歳のしんのすけにはまだ重くよろよろ歩きになっている。
ましてや家事などあまり手伝わない基本グータラライフを送ってきたしんのすけ
には洗濯のしかたなどわかるわけもない。
そしてしんのすけはまだ一つの事実に気付いてなかった。
「せんたくきどこだー?せんたくきー。」

ハルケギニアに洗濯機などないという事実に。

「せんたくきー。せんたくきー。一昨日の晩御飯はケンタッキー♪」
ノリノリで歩きながら何気無い気分で右に曲がろうとしたときだった。
「おお!おっとっと。」
「キャッ!?」
つまずいてバランスを崩しそうになったしんのすけはそばにいたメイドにぶつか
りそうになる。
638伝説を呼ぶ使い魔 :2007/12/13(木) 15:33:12 ID:30TvYrv5
しかしそこは自慢の身体能力を使いこなしてヒラリと体勢を直すしんのすけ。
おバカパワーなしでも問題なく体勢は直せた。
「ほっほ〜い。」
「あの、大丈夫ですか…?」
メイドが話しかけてくる。ここでしんのすけの目は鷹のようにギラリと光る。
(対象女子高生以上の)女好きなしんのすけならこれくらいは日常茶飯事。
なかなかの器量良し。背丈、顔つきから対象年齢クリア。
そしてしんのすけの身体能力なら問題なく飛び込める距離まで近づいて気付いた。

彼は見逃さなかった。彼女の胸はけっこう大きいと言う事を!

「おおお〜〜ッ!!!!」
しんのすけがついいつもの癖で興奮、そしてナンパと言ういつものパターン。
「お姉さ〜ん。オラといっしょにお洗濯しませんか〜?ついでにオラの苦労も
その手で洗い流してくれますか〜?キャッ!言っちゃった〜。あは〜。」
しんのすけはいつもの癖で顔をニヤけさせる。
無論メイドは困ったような顔ではにかんでいる。


639伝説を呼ぶ使い魔 :2007/12/13(木) 15:33:48 ID:30TvYrv5
「あ、あの、もしかしてあなたがミス・ヴァリエールの使い魔になったと言う子ですか?」
メイドがしんのすけの左手にあったルーンを指差して言った。
しんのすけがそれに気付いたように言う。
「お?オラはルイズちゃんの使い魔なんだって。」
「き、貴族様をちゃん付けで呼んで大丈夫なんですか?」
「え?ルイズちゃんはルイズちゃんだゾ。そんなことよりオラ今おせんたくの最中なんだけど
お姉さんどこにせんたくきあるか知らない?ルイズちゃんに頼まれちゃって。」
そう聞いたメイドが首を傾げる。とりあえず最中じゃなくてこれから始めるのでは?という疑問は追いといた。
「えっと、洗濯ですね。それでしたら私も洗濯に向うところですから、一緒に行きましょう。」
「おお〜。優しいお姉さんだぞ!これがじいちゃんの言ってたメイドさんか〜。
帰ったらじいちゃんに自慢しよーっと!」
二人の間に流れるなごやかな空気。二人が笑いながら自分が名乗ってなかったことを思い出す。
「すいません。名乗るのを忘れていましたね。私はこちらでご奉公させていただいている
メイドのシエスタと申します。」
「シエスタ…シエちゃんでいいかな?オラは野原しんのすけ!最近気に入ってるおつやは
『ロイヤルチョコビ』ブラックビター味!どうぞよろしくだゾ。」
「ノハラシンノスケさんですね。変わった…お名前なんですね。」
そう言うとしんのすけがよし今がチャンスと言わんばかりの目つきをする。
人差し指を立ててチッチッと音を立てると、少しだけ気取って言う。
「シエちゃん。オラのことはしんちゃんと呼んでいいゾ!まぎわらしいかな?」
「えっと、『まぎらわしい』ですよ?…シンちゃん。これでいいですか?」
「あっはぁ〜ん、シエちゃん飲み込みが速いぞ〜。よろしくりきんとんは甘ったるい〜。」
と、内心(よし!つかみはOK!)と思いつつ決め台詞を言ったしんのすけだった。

640伝説を呼ぶ使い魔 :2007/12/13(木) 15:34:51 ID:30TvYrv5
たどり着いたのは水場。
洗濯のための水はここで確保するわけだが、しんのすけはなぜかまだキョロキョロしている。
「シエちゃん、せんたくきは?」
「…?センタクキってなんですか?」
「ええ!?せんたくきを知らないの!?じゃあいままでどうやって服洗ってたの!?」
「え…。水をくんで洗剤を使って洗濯板でゴシゴシと…。シンちゃんも道具持ってるじゃないですか。」
しんのすけが荷物を見てみると、なるほど。確かにルイズの服の他に洗剤や洗濯板が用意されていた。
しんのすけは愕然とする。つまりルイズはしんのすけに手洗いをしろと言うのだ。
手洗いはおろか、そもそも洗濯機の使い方も間違えるしんのすけに。
「オ、オラせんたくやったことないゾ…。」
しんのすけの脳裏に鬼ルイズの怒りの咆哮を上げる姿が浮かび上がる。
その脅威にすくみ上がったときだ。
「あの…。洗濯の仕方がわからないなら私が教えますよ?」
基本プラス思考のしんのすけ。一瞬でしんのすけの瞳に光が再びともる。
「おお!!手取り足取り!?」
「は、はい。私でよければ…。どうですか?」
「ほい!精いっぱい敬意をこめてやらせていただきますです!!」
面倒くさい事が嫌いなしんのすけだが、それ以上に綺麗なお姉さんとおつきあいするのは
たとえそれがただの洗濯の指南でもものすごく大好きなのだ。
元凶のはずであるルイズに感謝するくらいに。
641伝説を呼ぶ使い魔 :2007/12/13(木) 15:35:43 ID:30TvYrv5
その後極楽のような気分でシエスタに洗濯を教わり部屋に戻る。
そこには制服に着替えたルイズが朝食に行く支度をしていた。
着替えは平賀某くんやその他SSの方々の場合それをやらせていたが、
流石にしんのすけのガタイじゃ着替えさせるのは無理と判断したようだ。
朝食は『アルヴィーズの食堂』にて取られる。
食堂には生徒、先生問わず学院のメイジ達が集まっており、百人は優に座れるであろう、
テーブルが三つ並んでいる。
内装は豪華絢爛であり、テーブルにはロウソクや花が飾られている。
「ホントならあんたみたいな平民『アルヴィーズの食堂』には一生入れないのよ。感謝してよね。」
「おお!でっかいぞ!…みさえのケツがッ!!」
「…誰?」

ズゥゥゥン…。と言う効果音が響き渡る。お約束のネタが通用せずしんのすけがこれまでにないくらい落ち込んだ。

「…やっぱダメだゾ。いつもなら母ちゃんの後ろに立って言うからいいんだけど
ルイズちゃんは胸だけじゃなくおしりも小さいからこの台詞使えないんだゾ…。」
「アンタ喧嘩売ってんの?」
「スリムは褒め言葉だゾ。」
しんのすけがテーブルの上を見たらものすごいご馳走がある。
当然しんのすけの感激っぷりは半端じゃあない。
「おお!オラのはオラのは!?」
「アンタのはそっち。」
そう言って指した皿には固いパンと質素なスープがあった。
しんのすけがあからさまな不満の表情を浮かべる。
ルイズがニヤニヤしながら続ける。
「どうしたの?使い魔は外で食事をするところを
私が特別に中で食べさせてあげるんだから、もう少し感謝しなさ「おかわりッ!!」速いわねッ!?」

642伝説を呼ぶ使い魔 :2007/12/13(木) 15:36:40 ID:30TvYrv5
普段から手抜きな朝食に慣れているしんのすけに取ってこんな朝食は3時のおつやより足りない。
そしてコレを完食すれば自分ももらえると考えたらしい。
「な、ないわよおかわりなんて!使い魔のくせに贅沢いってんじゃないわよッ!」
ルイズが椅子に座り祈りをささげる。
そんな様子をしんのすけはふくれっ面で見ている。
―偉大なる始祖ブリミルの女王陸下よ。―
だが祈りの最中にしんのすけが気付く。
皿の真ん中に複数人が分けて食べるように盛りあわされたフルーツの盛り合わせに。
キラン としんのすけの瞳が輝く。その口には少しばかりよだれが。
―今朝もささやかな糧を我に与えたもうたことを感謝いたします―
祈りを終えたルイズがふと、しんのすけのほうを見るがしんのすけにしてはやけに従順に食堂から去ろうとしていた。
だが、あのしんのすけが何もせずに去るわけがないのだ。
「お、おい、フルーツこんなに少なかったか?」
「おかしいな、もっとあったハズだけど。」
ルイズがそれを聞いて皿を見ると確かにいつもと比べて量が見てわかるくらいに少ない。
おかしいと思った瞬間即座にしんのすけの後姿に目を向ける。
「アイツ…まさかッ!!」
ルイズがしんのすけを追いかける。
「ちょっと待ちなさいアンタ。一旦こっちを向いてみなさい。」
ビクッ!としんのすけがその場で立ち止まる。
「何か…。」
しんのすけが振り返る。すると…。

「ごようですかぁぁぁぁぁ?」

眉には切り分けたリンゴ!目の端でイチゴを挟み、鼻からさくらんぼをぶら下げ、
ほおをすでに食しているであろう果物で膨らませつつ口からバナナをはみ出させたしんのすけの姿が!!
ブッ!!っとルイズが口をおさえたとはいえ思わずふきだす。
「この…大バカ犬ーーーーーッ!!!!」
拳骨の音が響き渡った。
643伝説を呼ぶ使い魔 :2007/12/13(木) 15:37:34 ID:30TvYrv5
続いて授業の時間。
ルイズに喰らった拳骨のなごりがまだしんのすけの頭にコブとして残っている。
「全く信じられない!神聖な食堂でなんてマネしてんのよ!」
「ちょっとしたおちゃめなつもりだったのに…。あとルイズちゃん。
そこは『食べ物で遊んではいけません』でしょ!やれやれ、ルイズちゃんもまだまだツメが甘いゾ。」
「わかってんならやるなぁーーーー!!」
教室に入るとすでに来ていた生徒達はルイズとしんのすけに目を向けた。
「おっ、『ゼロのルイズ』が平民を連れてご登場だ。」
「流石『ゼロのルイズ』!ゼロには非力な平民の子供がいいってか?」
「ハハハハハハ!!!」
しんのすけを連れたルイズを周りの生徒があざ笑う。
「いやー照れるなー。まいっちゃうゾー。」
「ほめてないってッ!!」
しかししんのすけがこの程度の罵倒を受け付けるハズもなかった。
マイペースなしんのすけを説き伏せるなど簡単にできることではない。
そうこうしているうちに先生らしき女性が教壇に立ち講義を始めた。
「皆さん、春の使い魔召還は大成功のようですね。このシュヴルーズ、
みなさんの使い魔を見るのを毎年、楽しみにしているのですよ」
そして教室を見渡すとしんのすけに眼をとめた。
「おやおや、また変わった使い魔を召喚したようですね、ミス・ヴァリエール」
彼女、シュヴルーズがしんのすけを見ながらとぼけた声でいうと、教室に笑い声がおきる。
笑い声とともに小太りの少年、マリコルヌがはやし立てる。
「『ゼロのルイズ』!召喚できないからってその辺に歩いていた平民連れてくるなよ!」
「違うわよ、きちんと召喚したもの!こいつが来ちゃっただけよ!」
「嘘だ〜。『サモン・サーヴァント』ができなかっただけじゃないの?」
ルイズが顔をしかめているとしんのすけが問う。
「ねえねえ、『ゼロのルイズ』って何?」
すると途端にルイズはバツが悪そうになり、視線を外してしまった。
「知らなくていいことよ。」
「ほうほう、コンプレックスだから気にしていると。」
「(ドキッ!)ち、違うわよ!違うんだからねッ!!」
しんのすけが少し考え込む。
「うーん、コンプレックス?例えば『太り気味だからモテない』とか『実はマゾヒストなのを
いつバレるかヒヤヒヤしているが案外それも楽しみ』だとか?」
マリコルヌが噴出すのはほぼ同時だった。

644伝説を呼ぶ使い魔 :2007/12/13(木) 15:39:04 ID:30TvYrv5
「お、お、お前なんでそれを知ってるんだ…?」
「え?適当に言っただけなんだけど。他にも『モテてるのをいいことに浮気中』とか、
『使い魔のモグラを気に入りすぎて女性を悲しませないだろうか』とか
『最近博打にはまって負け続けてる』とかは?」
ガッタァーンッ!!と言う音をたてて後ろに倒れたのは全然見当違いの所に座っていた
ギーシュ・ド・グラモンだった。
「アンタ、もしかして今のも偶然?」
「うん。ぐーぜんだゾ。」
トリックなどない。この日のしんのすけは妙な奇跡を起こした。それだけの話だ。
そして無関係だったギーシュに思わぬ流れ弾が当たった。それだけの話である。
そうこうしてるうちにシュヴルーズが見かねて皆を叱った。
「みなさんお静かに。授業を始めますよ。」
授業が始める。ルイズも真剣な顔になり席に戻る。
しんのすけもなんとなく魔法に興味があったので聞いてみた。
「私の二つ名は『赤土』赤土のシュヴルーズです。土系統の魔法をこれから一年皆さんに講義します」
講義の内容は魔法の基本のおさらいだった。
魔法の基礎となる四大系統。火・土・水・風。それに失われし虚無を合わせた五つの魔法系統があること。
そしてそれらの系統を足すことによりさらなる力を発揮すると言うこと、
4大系統のほかに、最も優しい「コモン・マジック」があることがわかった。
「ほい!」
ここでしんのすけが手を上げる。
「コ、コラ!あんた勝手に何やってんの!!」
「けいとーは100個くらい重ねたらおかねもちになったりお姉さんにモテモテになりますか!?」
「ハイ?」
周りからクスクス笑いがあがる。ルイズが小声でしんのすけが
「ちょっと!アンタ何聞いてんのよ!?」
「オラも魔法のおべんきょうをしようかと思って。」
「平民じゃ一生かかっても魔法なんか使えないわよ!杖もないのに!」
「じゃあ杖っていくらかかるの?」
「売り物じゃないわよ杖は!」
苦笑してシュヴルーズが続ける。
「えっと、ちなみに重ねられるのは4系統。一つが『ドット』、二つ重なって『ライン』、
三つが『トライアングル』、四つが最大クラスの『スクウェア』です。
私は土系統のトライアングルですから『錬金』できるのは真鍮が限界。ゴールドは『スクウェア』でないと
錬金できませんし、そのスクウェア・スペルも精神力の回復に多くの時間がかかりますからお金持ちになるのは
少し難しいですね。…スクウェアくらいになれば相当の地位が約束されますし、女性の人気も保てるのでは?」
「おお〜!!」
(り、律儀に答えちゃった!いい人ですねシュヴルーズ先生!!)
ルイズが心の中で突っ込んだ。
645伝説を呼ぶ使い魔 :2007/12/13(木) 15:40:05 ID:30TvYrv5
「ほい!」
さらにしんのすけが質問を続ける。
「じゃあルイズちゃんは何けいとーですか!?」
ルイズがぎくりとしてしんのすけの頭を掴む。
「ア、アンタ…!バカ、やめなさい!」
「えっと、私は今年からこのクラスを受け持っているので何とも…。
そうですね、ではミス・ヴァリエール。貴方にやってもらいましょう。
この石を自分の望む金属に錬金してみてください。」
一瞬で周りの空気が変わった。
「そ、それだけは!それだけはご勘弁を!」
「それをやったら私…!まだ生きて叶えたい夢があるんです!!」
「危険すぎます!『ゼロのルイズ』にやらせたら命の保障すら…!」
そう聞いたルイズがカチンときてシュヴルーズに宣言した。

「やります!やらせてください!!」

周りの面々が顔を青くして騒ぎ出す。
「『ゼロのルイズ』が動き出すぞ!!」
「今すぐやめさせてください!」
「早まるな『ゼロのルイズ』!生き急いで何が得られる!?」
しんのすけがまわりのオーバーなリアクションに疑問を持った。
「…ルイズちゃんやけに大人気だゾ…。何?とんでもない大魔法でも使うの?」
ゼロのルイズと言うあだな、周りの尋常じゃない反応。この状況からしんのすけ
の割り出した説!それは!



646名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 15:40:40 ID:nQjRK37D
マルコメww
647名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 15:50:36 ID:6+j92dbM
かわいそうなのは流れ弾を浴びたギーシュのような支援w
648名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 15:51:57 ID:vUdaxfCO
支援
649名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 15:54:16 ID:GnRcCb1F
電車の中で読んで噴き出しちまったじゃねーかww
いいぞもっとやれ支援
650伝説を呼ぶ使い魔 :2007/12/13(木) 16:01:06 ID:30TvYrv5
あれ?代理に投稿したけどもしかしていけるか?

(しんのすけの深層心理)

ルイズがキャピったテンションで呪文を唱える。
「もえもえぴぴぴーもえぴぴぴー!怪獣シリマルダシ出てこーい!!」
呪文と供ウン十メートルもある怪獣シリマルダシが出現!
一瞬で学院が火の海!
キャー!と叫び声を上げて逃げ出す女子生徒たち!
その時現れたヒーロー!!

「アクションハイパーゴーシャストルネードビッグサンダーロイヤルレモンティーカンチョー!!」

ものすごいおならジャンプとともにシリマルダシのケツに大打撃!シリマルダシ撃破!
「キャー!あんな怪獣をいともかんたんに倒しちゃったわ!」
「強いわ!カッコいいわ!私の恋人になってー!」
しんのすけは一瞬にしてヒーロー!モテモテになった!


「どうか私のおヒザで耳そーじさせてくださいなんてカーッ!!たまんないねチクショーッ!!」
なんというプラス思考。ある意味見習うべきかもしれない。
それがしんのすけという人間なのだ。
「まっ・ほ・う!まっ・ほ・う!シーリ・マール・ダシ!シーリ・マール・ダシ!」
しんのすけがハイテンションになってルイズにシリマルダシコールを送る。
ルイズも一瞬呆れたががぜんやる気が沸いてきた。
「『錬金』ッ!!」


瞬間、全てが吹き飛んだ。
651伝説を呼ぶ使い魔 :2007/12/13(木) 16:01:57 ID:30TvYrv5
原因はいわずもがな。ルイズが石ころに杖を振り下ろした瞬間、その石ころは机ごと大爆発を起こした!
巻き込まれた生徒の大半は失神。無事なのは後ろのほうにいた生徒見事にマリコルヌで『変わり身の術』を決めた
しんのすけだけだ。
至近距離の爆破で失神したシュヴルーズを尻目にルイズが口を開く。
「ちょっと失敗したみたい」
「ちょっとじゃないだろう!ゼロのルイズ!」
「いつだって成功の確率、ほとんどゼロじゃないかよ!」
これは流石にしんのすけもゼロの真意を悟った。
「うーん、ルイズちゃんはやっぱ母ちゃんクラスの危険生物だゾ…。」
後ろでなぜか無傷の状態でのんきにリンゴを食べながらそう言ってるが悟ったはずだ。多分。


その頃ミスタ・コルベールは図書館であることを調べていた。
ルイズが召喚した少年に刻まれたルーンについて調べていたのだ。
だが彼の調べ物は今現在行き詰っていた。
「おかしいな…。確かこの辺だったはずだが…。」
ハズレだったらしく本棚に本をしまう。その時。

ガラガラガラッ!!

本棚の中の本が突然なだれとなって落ちてきた!
それはまさにしんのすけの家の押入れのように!
「うわあああああッ!!」
コルベールがギリギリで避けたもののバランスを崩して転倒する。
「おーイタタタ。ん?コレは?」
目の前にあった本は少しばかり傷んで、ページも少しばかり破けていた。
だが開いてあったページにはさし絵が描いてあった。

後ろにそびえるメイジ。その前に立つ小人。そしてその前には剣を持った小さな剣士、
大柄な鎧の騎士、そして二本の角を持った細身の戦士。
そして小人の左手、それの拡大図にかかれていたのはしんのすけと同じルーン。
もう半分のページは破れててわからなかったがコルベールはそのルーンに気を取られてそれどころではなかった。
「こ、これは!あった!見つけたぞ!早くオールド・オスマンに知らせなくては!」
急ぎ足でその本を抱え、図書室から姿を消した。
652伝説を呼ぶ使い魔 :2007/12/13(木) 16:02:30 ID:30TvYrv5
投下終了。
ここまではもはやお約束の流れ。
続きはおそらく今晩投下できます。
653名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 16:03:07 ID:6+j92dbM
お疲れ様っしたー。
しんのすけ絶対懲りてないよなぁ…w
654名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 16:08:58 ID:QFFmlu6J

挿絵のって奴らかwww
655名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 16:17:55 ID:zPnys7ij
魔法の設定が漫画版だね。
656名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 16:21:42 ID:pmTPzMlI
最初の前が見えねえぞは、
確か原作で給食運んでる時のネタか?
657名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 16:33:53 ID:6vMoQZUO
なんかしんのすけが自分の身長の倍以上あるデルフ構えて疾走してる絵が…
つーかキャラクターがみんなあの絵に変換される

映画版のクオリティーを知ってるとゼロ魔ストーリーでも違和感がないw
658伝説を呼ぶ使い魔 :2007/12/13(木) 16:59:22 ID:30TvYrv5
すいません。3話のタイトルは
「使い魔のお仕事は大変だゾ」でおねがいします。
659名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 17:03:03 ID:SuzjrCWU
しんのすけって確か将来は東大中退して
ボランティアかなんかでノーベル平和賞もらうんじゃなかったっけ
660名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 17:11:45 ID:Hx8BA4Kf
>>656
あの顔面が陥没するまで給食のおばちゃんに殴られたやつだな

俺もそこだと思ってルイズがそこまで折檻したかとまじびびった
661最強の使い魔(予定):2007/12/13(木) 17:14:20 ID:5Cjqtcy1
えー、初投稿になるかもしれないのですが、エヴァクロスネタを張ってもいいですか?
良いようなら17:30頃に貼り付けようかと思うのですが。
662名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 17:15:01 ID:hL6lhLCK
よろしければ1720より投下します
663名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 17:15:32 ID:hgpyldvA
>661
投稿はかまいませんが、sage進行でよろしく
664名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 17:16:18 ID:hL6lhLCK
おと、失礼しました

お先に投下どうぞ
665名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 17:21:55 ID:ypbY0c4C
エヴァスレ確かなかったっけ?
666名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 17:23:07 ID:ypbY0c4C
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/eva/1190887727/

あった。このスレでおk
667名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 17:23:12 ID:whVKR0nS
668名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 17:23:39 ID:30TvYrv5
ありますね。確かに。

新世紀エヴァンゲリオン×ゼロの使い魔 〜想いは時を越えて〜@ ウィキ (新世紀エヴァンゲリオンの碇シンジとエヴァンゲリオン初号機)
http://www10.atwiki.jp/moshinomatome/
669名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 17:24:36 ID:30TvYrv5
これ保管庫じゃねーか…。
670最強の使い魔(予定):2007/12/13(木) 17:33:15 ID:5Cjqtcy1
えっと良く判らないのですが・・・
こちらのほうがいいのでしょうか?
エヴァの方が良いのでしょうか?

ちなみにネタばれになりますがシンジや初号機は出ません。(多分)
671名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 17:36:54 ID:4HYbrbTA
専用スレがあるんだから向こうでいいんじゃないか?

投稿する時はちゃんと向こうのルールをよく読んでからな。
672名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 17:46:05 ID:zPnys7ij
そこちゃんと生きてるスレか?
格ゲーキャラのスレは完全に死んでるよな。
673名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 17:48:39 ID:ypbY0c4C
いきてると思うよ。
つかいい書き手さんがくれば蘇るもんさ。姉妹スレも初期はそうだった。
674名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 17:49:11 ID:/zwCD8sF
あえて向こうで書いて、息を吹き返させるというのも選択だ
675最強の使い魔(予定):2007/12/13(木) 17:56:57 ID:5Cjqtcy1
〜想いは時を越えて〜 のマトメは長編一作のみ掲載なのでどうなのかちょっと・・・
投稿しても良いものなのでしょうか?

初めてなのでごちゃごちゃと煮え切らずすみません。
676ゼロのカンプフグルッペ:2007/12/13(木) 17:57:41 ID:hL6lhLCK
えと、こちらには投下なされないようなので、
失礼して、1800より投下します
677ゼロのカンプフグルッペ:2007/12/13(木) 18:00:26 ID:hL6lhLCK
地上に降りたカノンフォーゲルの操縦席からルーデルが大地に降り立った時
生徒達の間にどよめきが起こったのはある意味で当然なのかもしれない。
「平民だ・・・・・」
「後ろにも銃を持った平民が乗ってるぞ!」
「でも、竜騎士はメイジじゃ無いと成れない筈でしょ?」
確かに彼等の物差しで考えれば、目の前の男達を平民と評価するのは正解だろう。
ルーデルもガーデルマンも魔法など使えない。
この世界の定義にしたがうならば、彼等は何処にでも要るような、
平民階級の一軍人にすぎない。
だが、その彼等に対し周りの生徒達と違う評価を下した者達もいた。

「・・・・・・かなり出来る」

一人はタバサと呼ばれる青髪の無表情な少女。
ゆっくりと読み掛けていた本を閉じて杖を持つ手に僅な力を込める。
万が一の際に男が乗って来た"ソレ"と男を速やかに無力化を行えるように。

そしてコルベール。
彼も目の前の存在の異質さに驚愕した一人である。
いや、彼こそがこの場でもっとも緊張していると言っても良いだろう。
ガーゴイルかゴーレムなのかを確かめるためのディティクト・マジックを行った結果、
目の前の飛行物体や人からは一辺の魔力すら確認出来ない事が判明した。
つまり、ただの物でしかないはずの物が、
この世界に未だ普及しない何らかの方法で空に舞い上がった瞬間をその目で目撃したのだ。
技術者としての彼は未知との遭遇に歓喜したが、
しかし元軍人としての彼はこの状況に最大級の警鐘を鳴らしている。

まず、羽の下にある化け物染みた2門の小型砲の存在が問題だった。
声高々に兵器かそれに類する物で有ることを証明しているようなもので有るし
何より"ソレ"から降りて来たのが異風の、しかし明らかに軍人である事が問題を大きくしていた。
678ゼロのカンプフグルッペ:2007/12/13(木) 18:02:29 ID:hL6lhLCK
降りて来た男の風格や制服、襟元を飾る黄金と宝石で装飾された勲章らしき物
これ程の物を与えられるほどの軍人となれば
ただの平民の一兵士と言うわけでも有るまい
下手をすれば"シュヴァリエ"騎士階級やそれに類する物を与えらているかも知れない
もしそうならば明らかに戦争や紛争の原因に成りかねない大問題であった。

――騒ぐもの備えるもの、反応は様々であったが。
しかし、当のルーデルの方では、気にすら止めていなかった。
何も問題は無かったかのようにコルベールの正面まで淀みなく足を進め、
踵を打ち鳴らし、直立不動で斜め前に左手を突き上げて敬礼を行う。

「ドイツ空軍第二地上襲撃航空団のハンス・ウルリッヒ・ルーデル大佐です
幾つか質問があるがお答え願いたい」

目の前の人物は少なくとも、礼儀を知る軍人では有るようだ。
そう判断しコルベールは目の前の人物に対し返礼する。

「トリステイン魔法学園教師ジャン・コルベールです。
私に答えられる事だとよいのですが」

警戒心を一ランク下げた事で、今度は好奇心の方が上回ってくる。
彼は何処から来たのか。"ソレ"は何なのか。そして、何を知りたいのか。

コルベールや周囲の生徒達もどうなるのかと息を飲み見守る中
ルーデルは大した事では無いのだが、と質問を口にする


「ここがトリステイン魔法学園と言う事は確認したが、
それはヴァルハラの戦死者の館と同じようなものなのと考えてよろしいのか。
もしそうならば、是非ヴァルキュリアや戦友達に会わせて欲しいのだが」

大方、対空砲の直撃でも受けて自分たちは戦死したのだろう。
そうでもなければ戦場の最前線から突然このような場に移動する理由がない。

ルーデルは本気で自分達が戦死したのだと考えていた
679ゼロのカンプフグルッペ:2007/12/13(木) 18:06:23 ID:hL6lhLCK
以上です
680名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 18:06:48 ID:zPnys7ij
格好良いな。
681名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 18:13:30 ID:aGbq0CNy
投下乙です。

流石、『現実世界』最強の男、ルーデル。
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%92%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%87%E3%83%AB
嘘みたいだけど、これ現実に挙げた戦果なんだぜ…
682名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 18:18:06 ID:ve8GuTRI
乙!
ターちゃんや冴羽を呼ぼうぜ
683名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 18:20:14 ID:UGnzi27D
前回

>出展は「急降下爆撃機」というSF小説です

て書いてたけど、見つからないんですが。
著者と出版社教えてもらえます?
684名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 18:27:28 ID:pmTPzMlI
>>683
「急降下爆撃 ルーデル」でぐぐればすぐ見つかるぞ。
685名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 18:28:49 ID:fiI9tH76
686名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 18:30:49 ID:UGnzi27D
それ、SF小説じゃなくて自伝じゃないですか?
687名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 18:31:04 ID:ypbY0c4C
自伝かよ……
688名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 18:33:33 ID:eXWtgRUL
つまり、キャラクターじゃなくて作者本人を召喚したと。
689名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 18:34:39 ID:v/Z0T9VI
いや、それは『あの作品のキャラクター』では無くならんか?
もうフィクションでもなんでもないぞ
690名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 18:35:23 ID:bumJZ7Cj
そんなの前に投下されたときから分かってる事じゃないのか
691名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 18:36:05 ID:ypbY0c4C
実際にいる人物の自伝とまるっきりフィクションの作品のキャラクターじゃ
全然違うぞ。
692最強の使い魔(予定):2007/12/13(木) 18:37:43 ID:5Cjqtcy1
お騒がせしましたが、とりあえずエヴァの方に聞いてきます。
向こうの反応次第でどっちにするか決めさせていただきます。
相談に乗っていただいてありがとうございました。
693名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 18:46:37 ID:hL6lhLCK
ttp://www.amazon.co.jp/gp/aw/d.html/ref=ms_fb_p_8_p1/250-4466534-4515442?ie=UTF8&uid=NULLGWDOCO
MO&edi=ddO48s%2FaCm82kCvXO7sZf7vLjlWKUKFh42cOmArjJAQ%3D&a=847002454X

あとは小林源文の
街道上の怪物に漫画板があります
694名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 18:47:37 ID:ojyhl7Rm
伝奇小説に出てくる多少脚色された実在の人物とかならまだしもなあ
隆慶の前田慶次とか山風の柳生十兵衛とか
695名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 18:53:13 ID:5+xXijVc
あそこは新人にゃ厳しいぜ
追い出そうとする人間が多過ぎる
696名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 18:54:46 ID:gHC7UIrm
歴史上の伝説の人物ってのはアウト?
個人的にルーデル大佐は大好きなんで応援しているが。
ちなみに『急降下爆撃』は予備知識なしで読むとガチで出来の悪い架空戦記にしか見えないw
墜落した味方を飛行機で滑走して拾っただの、本日17回目の出撃をしたとかふざけた事が書いてある。
697名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 18:55:09 ID:RHBu51Ce
>>543
dwwのアトリエが更新されとるな
698名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 18:56:24 ID:ypbY0c4C
>>696
スレタイ読めとしか。
699名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 18:56:30 ID:XHWO5NHg
>>696
スレのタイトルを良く読み直す事をお勧めする
700名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 18:58:11 ID:eXWtgRUL
個人的な好みと>>1のルールは何の関係も無い訳だが。
少なくともここではスレ違い。

どうしても書いたり読んだりしたけりゃ自分でスレ立てしろと。
701名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 18:58:49 ID:/5LTig2G
ゼロのカンプフグルッペ グッジョブ!!
英雄キター!!!!

>ルーデルは本気で自分達が戦死したのだと考えていた
ここらへんのすれ違いが上手い。
価値観のすり合わせはクロス作品の醍醐味だから続きが楽しみだぜ。
702名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 18:59:06 ID:So2p907o
伝記があれば可じゃなかったっけ?
703名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 19:00:39 ID:zbmy0w4U
>>698-700
文脈とレス内容から判断して、>>696が言ってるのは創作物の中に出てくる歴史上の人物ってことだろう?
君達はスレタイ読む前に国語の教科書をまず読むべきだと思うんだ。
704名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 19:02:05 ID:pmTPzMlI
はいはいそう喧嘩腰にならない。
送信ボタン押す前に深呼吸推奨。
705名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 19:02:54 ID:eXWtgRUL
>>703
作者本人が行ってる「急降下爆撃」が自伝なんだが。

国語云々を言う前にスレを読め。
706名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 19:04:25 ID:ypbY0c4C
>>703
まずオマエが人語理解しましょうね。
707名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 19:06:03 ID:59hO/LCC
とりあえず、自伝は『作品』だと思うんだ
キャラは怪しいが、スレタイ厳守と言うならルイズ以外が召喚してるのも多い

避難所ならいいんじゃないかな
708名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 19:08:07 ID:zbmy0w4U
>>705-706
だから、自伝も伝記も立派な創作物だろ?
自分が嫌いだからってあれこれ難癖つけて追い出しにかかるのは止めたら?
みっともないよ。
709名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 19:09:54 ID:9g41QEff
710名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 19:09:55 ID:obEmYMb4
避難所でやるのが無難だと思う俺
711名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 19:10:24 ID:eXWtgRUL
自伝は創作じゃない。
創作が入ってる時点で伝記にならんからだ。

とりあえず小学生から国語やり直して来い。
712名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 19:11:51 ID:ypbY0c4C
は?いつ追い出しにかかった?
質問に答えただけで別に悪意も何もなかったんだがな。
けんか売ってきたのはどっちだよ。教科書に書いてあるのも立派な本だからそれ召喚してもアリですねw

いい加減にしろ。これだから嫌われるんだっての軍オタは。
713名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 19:13:52 ID:l9Jei+sf
痛い人間の多いスレですね。
714名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 19:14:22 ID:obEmYMb4
>>712も空気よめてないです…


とりあえずルーデルの人は、グレーゾーンってことで避難所で書けば
八方丸く収まると思うのだけど・・・
715名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 19:18:53 ID:bumJZ7Cj
一ついいか
何で前回この展開にならなかったんだ?
前の終わり方を見れば続くのは確定的だったと思うのだが
716名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 19:18:55 ID:4KzmvTZc
実在の人物召喚とか、自伝を創作と認めるかとか、
その辺の扱いをどうするか決めたい人はこちらへ。
 運営議論スレ3
 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9616/1194526775/

軍オタうざいって人はこちらへ。
 毒吐きスレ Part14
 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9616/1197105975/

そして俺はおっぱいが好きです。
717名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 19:19:58 ID:hL6lhLCK
荒れる原因作って申し訳ないです。

以後はこのスレに来ないようにします

おさがわせしました
718名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 19:20:26 ID:4KzmvTZc
>>715
一応運営議論で話があがってるんだけどね。
なんかうやむやになってるな。
719名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 19:21:58 ID:RqESG1Lj
>>715
そんなこというのなら、前回の内にお前さんがその展開に持ち込んでくれよ。

しかし前回あんなに荒れてたのに、続き書くとは思わなかったねえ。
720名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 19:23:39 ID:ypbY0c4C
わりぃ。俺もKYだったわ。
721名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 19:25:52 ID:q/oUfNjw
まったくだ
722名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 19:27:01 ID:SuzjrCWU
なんかよくわからんが



どう考えたって自伝なんて創作だろうに
こんなこと大学受験英文クラスにも書いてあることだろ

あと作者もグレーだと思ったなら避難所いけよな
723名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 19:27:19 ID:39+7kbPz
>>719
いなかったから聞いてるんだろう。JK
724名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 19:29:47 ID:9g41QEff
もう12月も半ばか…
725名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 19:31:32 ID:4xmbSTto
文理上スレタイと違うという意味なら、「ルイズ以外」が召喚している作品の方が余程スレ違い。 自伝は歴とした創作物・著作物だし、十分「あの作品」の範疇に入ると思うよ。
726名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 19:32:49 ID:7dRyS5xE
なんでこんなに馬鹿が湧いているのかと思ったら
ルーデルの人が来てたのか

まぁ俺個人は別に本スレでもかまわんが
馬鹿が湧くから避難所に行かれた方が良いな
727名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 19:33:46 ID:G29AuObD
>>725
運営に関わる議論は避難所の該当スレでどうぞ
728名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 19:34:33 ID:4KzmvTZc
>>722
>>725

( ´・ω・`)つ>>716
729ゼロのカンプフグルッペの人:2007/12/13(木) 19:37:28 ID:hL6lhLCK
すみません。本スレにはもう書き込みません。

正直すみませんでした
730名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 19:39:35 ID:v7VqONOv
この流れだとルイズ以外が召還した作品にも追い出しかける奴が出てもおかしくないな。
議論されてる〜じゃあ結論出るまで書き込むなってな
731名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 19:40:31 ID:5ab4QAXP
本当にそう思ってるなら無言で消えるもんだぜ
まぁ乙
732名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 19:55:57 ID:ZON4QkYy
>>659
マジ?
でもしんのすけって東大よりも京大に行くタイプだ
733名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 20:08:07 ID:4HYbrbTA
どこぞの女子寮管理人みたいにおねぇさんと約束したんだろ。
734名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 20:09:45 ID:c4AMLyVM
今までにも現実から呼ばれた人がいたと思うが、小ネタならともかく長編はきついのかねぇ
個人的には気になっている作品なんだが。
線引きは難しいが、排他的な雰囲気はよろしくなかろうぜよ。
735名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 20:12:42 ID:X6bgp8Gp
議論に参加しないでここで言うだけの奴は何なんだ?
意見があるなら議論スレに来いよ
736名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 20:28:46 ID:2tMDmn91
>>729
頼むから避難所で続き書いて下さい!
続き凄く気になる。

しっかしまぁ、何でこうも皆職人さんに冷たいスレになってしまったのかねぇ…
基本的に職人さんは神様でしょ?
作品書いてくれる職人さんが気分悪くしてスレから居なくなってしまっては元も子もないだろうに。
それにルーデルは実在の歴史上の人物だが、小林源文をはじめ幾多の劇画家が漫画化してるキャラ
なんだが……
737名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 20:37:11 ID:8Op7Y71d
職人神格化してルールから外れたのを肯定するのこそダメだろ
作品が元じゃない以上避難所か別のとこでやるべき
738名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 20:37:33 ID:6shLegLb
カンプフグルッペの件だが、ぶっちゃけエガちゃんのが小ネタにあったぞ?
そんなスレ違いとは思わんのだが。
739名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 20:40:44 ID:eo5MM4x+
いつまでこのスレで議論する気ですかー?文句垂れてる奴も擁護してる奴もどっちもルール違反ですからー。
非難所に議論スレあるんだからそっちでやれよ
740名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 20:41:24 ID:ypbY0c4C
書き手が神様とかw
741名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 20:43:25 ID:oXjQc0Db
俺もなんだかんだで、ルーデル閣下好きだから、何らかの形で続けて欲しいな。
避難所で続けて下さいな。
742名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 20:49:42 ID:BzcTOOI6
貧乳は至高
巨乳は究極
743名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 20:51:54 ID:/zwCD8sF
巨乳のほうが勝率が悪いって事か
744名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 20:53:29 ID:RKtIwPd0
俺は断然東西新聞社派
745名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 21:00:09 ID:I2YSPcRr
しかし上から下までアレな人材が揃ってるのによくまともに機能してるな東西新聞社
まともなのは谷村部長くらい
746名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 21:01:13 ID:aGbq0CNy
東西新聞って社主も出てきた当初は随分マシな人だった記憶があるんだけどなぁ。
747名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 21:03:09 ID:aoRUFmEx
  _ _∩
 ( ゚∀゚ )<おっ
 し  |
 |  |
 し ⌒J

  _ _
 ( ゚∀゚ )<ぱい!
 し ⊂彡
 |  |
 し ⌒J

  _ _∩
 ( ゚∀゚ )<つるぺたょぅι゛ょ!
 し ⊂彡
 |  |
 し ⌒J

  _ _
 (*゚∀゚*)
 し  J
 |  |
 し ⌒J
748名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 21:06:01 ID:Q07eIxpU
749名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 21:06:15 ID:8+PzDZa2
《もし汝らが、わがしもべ(ムハンマド)に下した啓示を疑うならば、
 さあ、それに類するものを一章でも作ってみよ。》
 (啓典『クルアーン』第二章より)

荒らしが来ても、わりと綺麗におっぱい論議に移行するこのスレは素晴らしい。
750名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 21:10:23 ID:nqHe/b1R
そろそろワルドさんもおっぱいに付いてルイズを裏切るか、
レコン・キスタに付いてルイズを裏切るか選択を迫られるSSもあってもいいと思うんだ。
751名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 21:13:07 ID:oUIqWxfd
原作ではロリコンが演技である可能性が高いからな。
フーケと良い関係になってたし。
752名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 21:16:57 ID:vUdaxfCO
実は異性に興味持ってない説を投下。
ホントはサイトに興味シンシン。
753名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 21:17:27 ID:Q07eIxpU
フーケの胸を凝視してどこ見てんだいとはたかれるワルド幻視した
ワルドってロリコン疑惑でマザコンだったよな
……どっかにお母さん的な幼女いねえか
754名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 21:18:01 ID:6shLegLb
女なら誰でも良いっていう場合も(ry
755名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 21:20:09 ID:aoRUFmEx
  _、,_
( ^ω^)ワルドがサイトをショタい目で……。

勘弁して下さい。
756名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 21:21:51 ID:Z9uhjr2D
>>755
それはそれで汚されそうなきが激しくするので勘弁。
757名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 21:22:09 ID:DmQEtBfu
>>752
うほっいい男、ないしはぬふぅ兄弟と申されたか
758名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 21:27:39 ID:w3h6UuXZ
>>752
だったら、ルイズと結婚した暁には腕の立つ小姓として手元に置くのも一興かと。
って、大野さん自重してください。
759名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 21:31:39 ID:3hvCoZrP
>>753
泉かなた
ミュール・テイワズ・アルトネリコ

自分が知ってる限りのロリな母さんはこの二人だな
760名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 21:33:53 ID:dNwi3g2W
投下をしようと思うのですが、よろしいですか?
761名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 21:34:50 ID:Z9uhjr2D
ロリ年増といったら望月撫子さんとか。

>>760
ドンと来い
762名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 21:35:18 ID:vUdaxfCO
参られい
763キース:2007/12/13(木) 21:35:23 ID:dNwi3g2W
 生徒からかのオールド・オスマンまで幅広く名を轟かせることとなったキース・ロイヤル、
そのきっかけとなった『ヴェストリの悪夢』事件から五日が経過していた…。
事件の三日後に学院の庭に転がされていたギーシュは一見元通りだが、たまに目を見開いてうずくまり『もかもか…うぅ…もか…もかもかが…』などと呟くようになってしまい、
喧嘩別れしたはずのモンモランシーの手厚い看護を受けている。それに、ヴェストリの広場の大穴もそのまま埋められていなかった。
つまり、5日経っても傷は全く癒えていなかったのである。それはもう、壊滅的なまでにだ。
しかし、ルイズはその5日間で完全にキースの使い方を身につけていた。そう、彼を一番楽に使う方法は…
「キース、あの風っぴきを黙らせなさい」
「御意」
「なにをするんだゼロの…むがっ!」
彼と対等に話をしようとしないことである。そもそもが執事なため、彼は命令にはそれなりに忠実だ。
今も平民の使う拳銃をマリコルヌの喉へ突きこんでいるが
「殺さないようにね」
「わかりました」
密かに舌打ちが聞こえたような気がしないでもないが、気にしないことにする。
 とりあえず拳銃をマリコルヌの口の中に突き入れているキースを放置し、ルイズは食堂へ向かった。

***使い魔は変態執事 第4話〜恋気と狂気と迷惑と〜***

 ああ、あの冷ややかな整った顔に、何も見ていぬようで全てを見ている澄んだ瞳、そしてその身にまとうミステリアスな雰囲気、そんな彼を見ていると…
「タバサ、私、あの人に恋しちゃったかも!」

「……。」
……タバサは固まる。
 傍目にはいつもと変わらない冷ややかな無表情に見えたろうが、親友の口から、いつも関わる度に平穏な日常にミミズのように潜り込んでくる男に恋をしたと言う言葉が飛び出たのだ。
そんなことがあれば固まるしかない。幸い、いつも固まっているように周囲から見られているため問題はなかったが。
「……」
キュルケの額に手の平を当てる
「タバサ、何でいつになく優しい目をして私の額に手を当てているのかしら」
「…少し熱い」
「いえ、微熱が平熱よ。それに多分あなたの手が冷たいだけ」
「…『アイス』。これを頭に当てるといい」
「そんないつになく口数が多めで優しいタバサが大好きだけれども安心しなさい健康だから」
それはそれで健康でない気もしたが、
「…本気?」
「勿論よ。――ああタバサ、この私が、微熱が燃え上がったときに嘘をついたことがあって!?」
 またも硬直する。確かにこの惚れっぽい友人が恋をしたと言った時は、どんな手段ででも手に入れていた。
そのことを思い出し、それなりの深さの憂鬱に陥りながらも、一応言葉にする。
「……悪趣味」
もはやそうとしか言いようがない。それ以外の言葉が思いつかない。素直になれないけど本当は……とか、そう言う問題でもない。
 例えるなら、そう
「ええ!?あのミステリアスで、あったかいのか冷たいのかわからない空気、燃え上がるのも当然でしょう?」
スライム相手に恋するようなものだ。タバサ自身は未だに人間かどうかすら怪しいと睨んでいると言うのに。
「人間だという保証はない」
「いいえ、彼は人間よ!私には解るわ!それにもしそうだとしても、種族の違い……壁は高い方が燃えるでしょう?」
言っても無駄だとわかってはいた。
……わかってはいたが、甘いものよろしく感情は別腹として一応忠告しておいた。
 さすがにそろそろ木陰での読書に戻りたい。傍らで静かにしている、と言うかすやすやと寝ているシルフィードを視界の端に収めつ、
「使い魔品評会の練習は?」
とキュルケに、目の前で使い魔たちに芸を仕込んでいる生徒たちへ戻るよう促す。
「そうね、もうフレイムも充分休んだでしょうし、戻るわ。またね、タバサ!」
 しなる赤毛を見送り、本に目を戻す一瞬、視界の端に妙なものが映った

     時は遡る
764名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 21:35:30 ID:JL8sNOLp
ゼロ魔って大野さん系の人たちと果てしなく縁遠そうなジャンルだから安心しろw
765名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 21:36:48 ID:dNwi3g2W
 「キース、今度使い魔品評会があるの」
ルイズは、目の前に居る銀髪オールバックの執事を見据えて言う。
「つまり使い魔を披露する会なわけ。本当は主人と使い魔の絆を深めることが目的なんだけれど、私と貴方には不要ね」
キースは恭しく礼をする
「在り難きお言葉」
「褒めてないわよっ!深めたくない上にあんたは執事のようなものだから命令聞いてればいいってだけ!
 べ、別に既に絆が深いって言ってるんじゃないんだからっ!」
「はっはっは、ルイズ様は素直で御座いませんな!」
「絶対に違うと言ってるでしょーっ!」
なお、この否定は本気である。本物であると断定する。と言うかいままでこの男のどこに惚れる部分があったろうか。
 ルイズは、叫んだことで多少切れた息を整え、最重要事項を口にした
「特に、今回の会にはトリステイン王国王女、アンリエッタ姫殿下が特別に視察にいらっしゃるのよ。だから…」
「つまり、機に乗じて暗殺せよと」
「そこふざけないっ!」
「御意、真面目に暗殺を実行します」
「だーかーらー、そうじゃないと言ってるのよおおおおおお!!」
ルイズは自室の床をごすごすと何度も蹴り付けた
「だから粗相のないようにかつ最高の演技を見せろって言ってるのよ!」
「おお、そうでしたか!これはこれはつい勘違いを!」
…これだから疲れるのだ。もう、ものすごく。具体的に言うとサモンサーヴァント7回分に相当するくらい。
 しかし、一応この使い魔は姿形は人間だ。動力も行動原理も身体の構造も一切不明だが、姿からしてできることは限られてくる。
……ルイズは頭を抱えた。
人間に芸をさせるためにこんなに必死になる貴族、しかも学生がこのハルケギニアに居ただろうか?いや、居ない。むしろ居て欲しくない。そんなのが世界に蔓延したらハルケギニアは終わりだ。雑技団の訓練にかかりっきりの学生なんて想像したくもない。
 ああ……いっそ、どうでもいい気がしてきた
「もう……あんた、でかい岩10個くらいジャグリングしながら回転して空飛びなさい」
「御意」
「――ってできるの!?いよいよあんた人間じゃないわよ!?」
「はっはっは、人間とは努力でさまざまな壁を乗り越える生物なのですよ!」
「そう言うレベルじゃないわよ!まずメイジでもないのに空飛べるの!?」
「ルイズ様、回転すれば風が生まれます。風さえ生むことができれば、メイジでなくとも空を飛べるのは道理かと存じます」
「ああ、そうね……、なら、いっそゼロと呼ばれても空さえ飛べれば、――ってできるか普通っ!?」
「絶対負けるもんか、限界超えてーで御座います」
「歌わない!弾き語るの禁止!あとどっから出したのそのギター!?」
 そこでルイズははたと気づく。まともに話してはいけない、と。
そうだ、自分はキースとの正しい付き合いを会徳したはずなのだ。
 息を整えながら手の平に『始祖ブリミル』と3回書いて飲み込み、落ち着きを取り戻す――
「――って、私は何奇行して落ち着いてるの!ああ、偉大なる始祖ブリミル!今のはナシ!ナシです!」
と虚空に向かって祈りを捧げエア神棚を作り出す前に我に帰り、
「と、とにかく、さっき言った芸をしてもらうんだから、ちょっと練習に出るわよ!」
「御意でございます」
 こうして、ゼロとよくわからないものの主従は、使い魔王国となっている中庭に移動したのだった
766名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 21:38:33 ID:dNwi3g2W
 タバサは最初、目の前にあるものが理解できなかった。
むしろ今も理解できない。今の私には理解できない。未来の私はどうだろう?理解できているだろうか?
だが、何となく理解したら母のような状態に陥るような気がしないでもない。そう言えば母はそもそもどのような状態なのだろう。心が止まっている、そんな感じだ。
そう言えばあの使い魔の心も何となく、止まっているように思える。だとするとあのルイズの使い魔は何故動けるのだろう?
以前書物で読んだ『自動的な死神』などを思い出したが、それとか?それとも
「きゅいきゅい!きゅい!」
 現実逃避スパイラルからシルフィードの鳴き声で帰還し、もう一度眼の焦点をそれに合わせる。
 それは、宙に浮いていた
 それは、岩を投げ上げていた
 それは、その状態で複雑な回転を織り交ぜていた
 それは、どさくさで岩を殴り飛ばして学園の壁にブチ当てていた
 それは、どさくさで学園の壁にひびを入れていた
 それが、ひびを入れた壁は実は宝物庫の壁だった
……しかも、飛ばした先からまたどこからともなく補給してくるので、他の生徒たちは気づいた様子がない。
少し視線を下げると、ちょっぴり(ほんの少し)だけ驚いた顔をしたルイズと、『まあステキダーリン!』とでも言わんばかりの輝く瞳で変態を見上げるキュルケ。
 とりあえず
これで確定した。
「……人間じゃない」
 ならば何か。エルフ?しかし、シルフィードに以前聞いたところ否定された。すると、ガーゴイルだろうか。
実際タバサは、血を注いだ人間そっくりいなるスキルニルなるガーゴイルを知っているが、
それに元の人間以上の力を加えることも失われた始祖ブリミルの技術なら可能であろうと思える。
 これ以上考えても仕方がない、と、タバサはかぶりを振って思考を止める。
 だが、今のまま『任務』であのような存在と相対すれば、自分に待ち受ける運命は『死』の一文字だ。何としても対抗策を考えておかねばなるまい。
ひょっとすれば、もし、もしもだが、あれが生物だった場合、キースだらけの集落という存在も在り得る。
あの銀髪の執事だらけの村、……考えるだけでも、おぞ気がはしる。
自分は死ぬ訳にはいかない。復讐を果たし、母を救うまでは……。


日は瞬く間に過ぎてゆき、そして……


 品評会当日。
 豪華絢爛、格の違いを見せつけながら学園へ入る大行列、柔和に微笑んでしなやかに手を振る麗しのアンリエッタ姫殿下、尊敬し、崇めながら脇に群がる貴族の子供たち、
そんな中でルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールはというと……
「……」
「…ぃゃん」
「何がイヤンよっ!」
自室で、縄で椅子に縛りつけた使い魔とにらめっこしていた。
 窓から清涼感溢れる風が入り込み、さらさらとそのふわふわの桃色がかったブロンド髪をなでる。
無駄に晴れた青空は、無駄な爽やかさを演出し無駄に健康的かつ無駄に健全な雰囲気を醸し出す。
そして今、ルイズは時間を無駄にしている。全く、この世は無駄だらけだ、と珍しく詩的に仕上がったかなと自画自賛してみる。
「ルイズ様は何故私をこんなところに縛り付けているのですかな?」
……そんな平穏な思考を邪魔する不届き者がひとり。
ルイズは嘆息すると、
「じゃあ、解いたら何をするのか言ってごらんなさい?」
「それは勿論、アンリエッタ姫殿下の所へ行くに決まっているではありませんか」
さも当然と言うかのように、表情も変えずに言う。
「行って何をするのか、言ってごらんなさい?」
「はっはっは、ルイズ様も野暮なことを聞くものですな!そんなに私が信用できないと?」
「アンタが今朝、銃やら吹き矢やら弓やらをしっかり念入りに整備してなければ信用したかもしれないわね?」
「……何が問題なのです?」
キースが訝るように眉根を寄せる
「だああああああああ!!何を当然、みたいな顔してんじゃないわよ!
 姫殿下をまだ暗殺するつもり何でしょう!?そうなんでしょう!?何とか言いなさいよこのプラナリアもびっくりの超変態生物!」
キースはわめくルイズを理解できないとでも言うかのように首をかしげると、
「落ち着いてくださいルイズ様。冗談に決まっているでしょう?騒ぐと体に毒ですぞ」
「あっんったっのっせいでしょうがあああああああああああ!」
懐から抜いた杖の先にいたキースを脅威の爆発力で窓から吹き飛ばした。
767名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 21:38:58 ID:DmQEtBfu
しえん
768名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 21:40:41 ID:dNwi3g2W
 そうして迎える本番、普通に飛ぶタバサとシルフィード、炎をまるでサーカスのジャグリングのごとく操るキュルケとフレイム、何故か体中に薔薇を挿して血みどろでヴェルダンテと戯れるギーシュ、などが目立つステージは進行し、遂にルイズの番となった。
麗しのアンリエッタ王女は春を思わせる暖かな笑みで、今か今かとルイズを待っている。
 そして、小さな体で堂々と、ルイズは壇上へ
恭しく礼をすると、小石を宙へと放り、それに錬金をかけ、大きな爆発を引き起こす。
『おい、『ゼロ』がまた失敗したぜ!?』
『姫殿下の御前でまで失敗やらかすなんて流石はゼロのルイズだよな!』
己の失敗すら演出兼合図として利用するなど、以前のルイズではありえなかったろう。
しかし、今は違う。
 どうせ変態的な使い魔を発表する、もはや多少失敗による爆発のことを言われたくらいでどうということもない。火事山に放火しても何も変わらないのと同じなのだ。
その前向きのようでいてかなり後ろ向きな決意は、召喚前のルイズにはありえなかった。成長である。諦めとも言うが、結果的に性格が丸くなったとも言える為問題はない。
「さあ来なさい!私の究極闘士一号!」
 群集の前で多少緊張していたのか、それとも多少テンションがうひょーなことになっていたのか。予定にもない変な台詞を吐きつつ、杖を掲げた。

そして…

『………』
春だというのにどことなく冷たい風が吹き抜ける
『……ひょっとして、逃げられたんじゃないのか?』
『……もはや、流石はゼロのルイズとしか言いようがないな』
 ルイズは真赤になって、怒りと屈辱に震える体を抑えながら、ぎこりと折れるように礼をすると、舞台をぎちりぎちりと固い動きでゆっくりと降りた


「…何故、人は争いをやめないのでしょうか」
 目も眩む鮮やかな緑の平原、学園の庭
「何故、争いは止まらないのでしょうか…。」
 穏やかな風が花の香りを運び、その銀髪を揺らす
「ああ、何故人は、他人を傷つけたがるのでしょう…」
「そ・れ・は・あんたみたいなヤツがいるからよおおおおおおおおおおおおっ!」
爽やかかつ激しい爆風が焦げる香りを運び、その緑を吹き飛ばす。
その風は、ハルケギニアという世界の風に溶けて、すぐに消える。
「このように、人は平穏を吹き飛ばす、そう、人間の本質は破壊者なのです。黒魔術師殿は即ち人の業」
地面にずぼりと頭から刺さって股を開いた黒いタキシードが、そのままの体勢で語り続ける
「全ての業の集合を叩くことができれば人は救われますが、その攻撃がまたもや人の業となる…」
頭を振るように腰から先を回し、
「人の業は結局、いつまでも消すことはできないのですな」
またもや穏やかな春の風が…
「いい加減にしなさいっ!」
強烈な爆風によって掻き消された。
769キース:2007/12/13(木) 21:42:09 ID:dNwi3g2W
 何故このようなことになったのだろう。
自分は何か悪いことをしただろうか
馬鹿のようなというか馬鹿そのもの、むしろこの世の馬鹿をひとつに纏めたような使い魔を召喚したところまではいい、もう慣れた。
そして、その使い魔が毎回馬鹿な事件を起こすのもいい、慣れた。
……ここまで考えて、更に落ち込んだ。何だかものすごく道を踏み外している気がする。
 そして、一番の問題は、自分がこの使い魔を制御し切れていないことであった。
なにせ理解しがたい変態だ、誰にも制御できるとも思えない、とは結局いい訳だ。
相手が不思議生物だから?そんなことは関係ない。事実として、ルーンが刻まれていると言うのに使い魔の力を持て余している自分が居る。
そして、肝心なときに呼んでも来ない。これは明らかに、主としての器が足りていない
「この…馬鹿っ!」
そんな気持ちを涙腺から噴出しながら、怒りで白くなった視界の端、吹き飛んでのびていたキースに殴りかかるものの、急にむっくりと起き上がったキースに対応できず地面を殴りつけて倒れる。
 なんだか、ものすごく惨めだった。心を虚無が支配し、その中をいつかどこかで聞いたルーンが飛び回る。
「あは…あははは…」
もはや惨めすぎて笑えてきた。結局、諦めただの何だの言っていたが、全てを受け流すことはできていなかった。
心の中に溜まりにたまったその怒りが、悲しみが、絶望が、その涙とともに溶けて消えてゆき、その分を空白が埋め尽くす。
そして残ったわずかな喜びも、今、こうして笑い声とともに外へ放出されている。
そうだ、この使い魔を殺そう。殺しても死ななそうだけれど、この頭の虚無を飛び回るルーンの力ならばひょっとしたら、とも思う。
 そんなときだった
「む?ルイズ様、ところで、あの辺りの壁の向こうには何があるのですか?」
急に聞こえてきたキースの声に、ふと我に返る。―――今、私は、何を考えていた?
「…急に何?」
徐々に、涙で歪み、怒りと虚無で潰れていた視覚が戻る。聴覚が戻る。
「いえ、そこで巨大ゴーレムで壁を粉砕しているステキなお方がいるものですから」
――何故自分は気づかなかったのか、身の丈30メイル以上ありそうな巨大ゴーレムが、学園の壁に向かって拳を振り上げていた。
そしてその豪腕が振り下ろされ、しょっちゅうキースが衝撃を与えていたその壁が、心臓を震わせるほどの轟音と共に崩壊する。
ルイズは慌てて、さっきのキースの質問の答えを思い出す。
「えーっと、確かあの場所は、………宝物庫!」
「ああ、あの売りさばいたら高額で売れた『アレ』があったところですな!」
不穏なことを聞かなかったが、聞かなかったことにする。聞いていない、聞いていない。
壁の中へ、ゴーレムをつたって入ってゆく黒いフードの人間を見送りながら思考する。
相手は強い地のメイジであり、宝物庫狙い。そういえば、と、ちろりと聞いた『土くれのフーケ』の噂を思い出す。見事に合致している。
と、言うことはだ
―――捕まえれば相当な名誉であり、この品評会での失敗による汚名を払拭するには充分だ
そして、こちらにはスクエアクラス相手でも劣らないであろう有り余る力がある。
「――キース、あの泥棒を捕まえなさい!世のため人のため、そして何より私の名誉のために!」
「御意」
 しかし、ルイズはまだ理解していなかったのだ
 その使い魔の奇行は、有り余る力を持て余している訳でもなく
 ――正真正銘、根っこからの変態性によるものであることを



 なんと言うか、参ったとしか言いようがない。自分に落ち度があったか考えてみる。
まず、姫の護衛に出張り学園自体の防備が手薄になる瞬間、姫自身が来訪しての使い魔品評会を狙って、こうして襲撃をかけた。
次に、前からアタリをつけていた、皹の入った壁を破壊して宝物庫内に侵入、お目当ての『自在の黒剣』を物色。
ここまでは問題なかった。華麗とも言える、無駄のない、隙のない、完璧な手際だった。
 だが、ここからが問題だ。いくら探せども、お目当ての品が見つからない。
あらかじめ『黒曜石を彫り上げて作り上げたようななめらかな刃』との情報は仕入れてあったのだが、そんなものは見つからない。
そして、極めつけは…
「――キース、あの泥棒を捕まえなさい!世のため人のため、そして何より私の名誉のために!」
「御意」
まずい、人が来た。
このような祭典中に、一体何故?
「まったく大事な式典をフケるなんて、とんだ不良貴族サマもいたもんだ!」
770名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 21:42:59 ID:DmQEtBfu
支援
771キース:2007/12/13(木) 21:43:57 ID:dNwi3g2W
目当ての品はまだ見つかっていない、が、捕まるつもりなんて毛頭無い。
 そこまで行動を決めたら、あとはすることなんて一つだ。
フーケはひょいとゴーレムに飛び乗って戻る。自分を捕まえようと動いているのは、学院内屈指の落ちこぼれ『ゼロのルイズ』の従者、銀髪オールバックのみだ。
ならば、目撃者を潰しておいた方が手っ取り早い。
ただの平民相手にゴーレムによる全力の打撃を加えることは好みではないが、別に抵抗もない。
 ゴーレムに命じると、その固くて太くて立派な腕が持ち上がる。

 ルイズは、自らの使い魔がその振り下ろされた腕に潰されていくのを黙って見ていることしかできなかった
ぐちゃり、と、轟音の中からですら、ルイズの聴覚はその音を聞き取った。確かに、確実に、間違いなく、肉の潰れる音だった。
いくら、死んだら新しい使い魔を召喚できるとは言え
いくら、死んでしまえばいいと深刻に思ったとは言え
 ――普通の、少しプライドが高いだけの少女が、人が一人死んで素直に喜べるはずは無かった

 潰した。足に伝わる振動だけで、そのくらいはわかる。確かにゴーレムの拳は、人一人を叩き潰した。
では、
「やりましたな土くれ殿!さあ、警備の者が来ぬうちに早いところとんずらですぞ。」
 私の隣に居るこの男は何なのだろう。
「どおおおおおゆうううううことよおおおおおおおお!!??」
 遥か下方から風を切り裂くように響く桃髪の貴族の声
「はっはっは、ルイズ様、こーいったトリックの基本的な解き方をご存じ無いのですか?」
「何がよ!」
 キースはその固定された銀髪でかぶりを振り、
「不可能なことは不可能なのです。それを隠れ蓑にし、できる事を不可能と言う先入観で埋める、それがトリックの基本です。」
「…で?」
「つまり、あのタイミングでゴーレムの拳を避けることなど不可能、ならば、可能な方法を何か見落としている…と言うことですよ、ルイズ様」
 それよりもさっきからこいつは、当の盗賊の横で何を呑気に会話しているのだろうか。
「…それで、何?」
「忍法変わり身の術をご存知ですかな?」
「あ・ん・たねぇぇぇぇぇ!」
「何だって?」
確かに肉を潰した感覚だったはず、と、ゴーレムの拳を急いでどかす。すると…

 ふんわりとした髪

 上等なマントとドレス

 纏った空気にどことなく気品を感じる

 間違いなく、麗しのアンリエッタ姫殿下であった

 ただし血まみれの

「………」
「………」
「………」
 フーケは固まり、ルイズは呆然とし、キースは冷や汗をダラダラと流す。
772キース:2007/12/13(木) 21:44:44 ID:dNwi3g2W
「………」
「………」
「………」
そのまま数十秒ほど固まった後、
「…皆さ〜ん、大変です!曲者が王女様をさらってゴーレムでッ!」
銀髪執事が馬よりも早く、風のように魔法衛士隊へ走った
『何だって!姫殿下なら今この中にっ!』
『見ろ!居ないぞ!』
『おい、あそこだ!まずい、血塗れに!』
そしてすぐに、護衛の部隊のほとんどがこちらへわらわらと
『どうしよう、俺の担当だったのに!ああ、隊長に…隊長に…ッ!』
『あれは土くれだっ!』
『噂の土くれはテロリストだったんだ!』
『現在の政治に不満を持って姫様を拉致、殺害したんだ!』
『ああ…嫌だ!もうあんな痔は経験したくない!』
『取り囲め!土属性隊、壁をッ!』
『水属性、早く姫様の治療!』
『うわあああああ隊長!やめっ、こんなところでっ!』
『まずは姫様の命だ!命!命あっての物種だ!』
あっという間に完全な包囲が構築されてゆく。しかも、今の喧騒にいくつか使い魔の声が混じっていた気がする。
「え…え……」
喉が震える。フーケがゴーレムを操り、なんとか包囲を突破しようと試みているが、もうどうでもいい。
「ルイズ様」
 しゅたっ!

そう表現するのが正しい、そう思わせる飛び方で、まるで降って沸いたように現れるキース。

「あとは捕まるのも時間の問題です」

 恭しく礼をしつつ、済ました顔で冷静に報告するキース。

「エ…エオルー・スーヌ・フィル・ヤルンサクサ…」

 口が勝手に、いつか、つい最近聞いた呪文を紡ぐ

「これで任務達成です。あなた様の名誉はうなぎのぼりですぞ!」

 そして、この魔法の威力を理解し、理解した上で…

「吹き飛んで頭を冷やして死になさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!」

 フーケも、衛士隊も、キースごと全て吹き飛ばした
773キース:2007/12/13(木) 21:47:14 ID:dNwi3g2W
以上です。
このように、マチルダさんはキースの婚約者だったり婚約者争奪戦にワルドが乗り込んできたりしました。嘘ですが。
むしろ、収拾がつかなくなったのでやめましたが。

地味に続きます。ごめんなさいね
774名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 21:47:49 ID:IG/YU6cd
乙! そういやキースってレッド・ドラゴンだったけ。火だけしか弱点無いなw
775名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 21:48:57 ID:eG+Dh9TG
膨らみかけの中間おっぱいの魅力には何者も抗いがたい
776名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 21:53:49 ID:59hO/LCC

なんかもうルイズがオーフェン化してるな

あとキースは音声魔術を使うから人間っぽい生きものじゃね?
777名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 21:58:26 ID:nqHe/b1R
キースはドラゴン種族ではない。もっと、なにかそう、もっひゃらな存在だ。
778名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 22:01:59 ID:ypbY0c4C
身代わりアンリエッタ使ったところで吹いたw
779名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 22:04:33 ID:IG/YU6cd
>>776
そっか、ぽいものっぽいモノだったのかw
音声魔術って最初しか使わなかったから、無かった事になったかと思ったぜ。
マジクの母親のノルニルとか、その辺不明なキャラが多いんだよな。
780名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 22:12:50 ID:KxGqazv1
>>774
やっぱり人間じゃなかったかw
781名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 22:16:49 ID:dVFejjBU
口にすることすらはばかられるっぽいものでも登場しそうだな
で、キーガ誕生と
782名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 22:20:02 ID:59hO/LCC
あれもノルニルとも言い切れないよなぁ
魔術士か天人じゃないとマジクがありえないが、魔術無しで平気でフルボッコにしてるから全くわからんな
783キムタク:2007/12/13(木) 22:26:48 ID:8+PzDZa2
さて諸君、約1ヶ月ぶりに投下したいんじゃが。ララァなら分かってくれるよね?
さすがにキースには負けそうじゃにゃー。
784ヘルミーナとルイズ2:2007/12/13(木) 22:29:59 ID:F5hq0DNF
その次に投下予約しますー。
785名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 22:30:20 ID:IG/YU6cd
>>782
まあ元ネタはその辺りわざとぼかしてるからな。
黒こげにされた時だけ復活の遅いレッドドラゴンなキースとか、魔術を使う自然が大好きで街が苦手な
ノルニルなマジク母とか。
ついでに死の絶叫ティッシが母親っぽい、すぐキレるラッツベインもそうな。
786神聖マルコメ帝国AZ 第三話 1/4:2007/12/13(木) 22:30:33 ID:8+PzDZa2
武装ゲリラ組織『12月のクリスマス』推薦!!


ナオンと彼らだけの蜜あふるる約束の地、神聖マルコメ帝国。
これは、その理想郷の実現を目指す、彼ら二人の物語である。
豪快すっとばし作品。(読者が)


『神聖マルコメ帝国AZ(あのゼロ)』
 第三話 悪の大王クロムウェル


その頃、浮遊大陸アルビオンでは。

「フハハハハハハ、デーーーーービーーーーール!
 汝ら右の頬を打たれる前に、打つべし打つべし! このポーズ万歳!!」
テューダー王家への貴族による反乱組織『レコン・キスタ』代表、オリヴァー・クロムウェル。
もと司教であった彼は悪魔に魂を売り渡し、例の「両手を挙げて構えるポーズ」をこよなく愛する悪人となっていた。
「今日の目標は、人の嫌がることを進んでやること。汝ら、進んで嫌がらせをせよ!!」

「さて、我が出来の悪い使徒たちよ。今日のこの悪い報告だが……
 悪いぞ貴様ら、よくぞしでかした! 何か粗悪品を与える。」
「……はぁ。」
「フフフ、アルビオンのほとんどは我らの手に落ち、残すはニューカッスル城のみ。
 すみやかに全土を統一し、『レコン・キスタ』改めデビル教団の名の下に、ハルケギニアを治める悪の帝国を築くのだ」
「はっ、クロムウェル大王」

「これで、暴れ馬に乗ってビョウのついた服を着た悪党たちが、
 ヒャハハハハハハッて笑いあえるような理想の世界が生まれるであろう。悪い、実に悪いぞ!」


《悪のデビル帝国 建国宣言書》

 アルビオン王党派のみんなー、元気かにゃ?
 ほんとは病気なのに、隠してる子はいないじゃろかー?

 そんな事はさておき、悪のデビル帝国を建国せんとす。
 小便はすませたか? 神様にお祈りは?
 部屋の隅でガタガタ震えて命乞いをする心の準備はオッケー?
 まあ今後なにか困ったことでもあったら、気軽に滅亡して下さい。

                                     終わり
787名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 22:32:40 ID:IkoeGim2
( ゚д゚ )
788神聖マルコメ帝国AZ 第三話 2/4:2007/12/13(木) 22:32:41 ID:8+PzDZa2
「あのー今日の作戦はあのーあれー……なんじゃっけ?」
「お前、人と話すときは、内容をよく吟味してからにしろ」

召喚からおよそ3週間。ファーザーがちょくちょく死ぬ以外は、わりと平和だ。
最近『土くれ』のフーケという盗賊が学院に襲来したとき、運悪く巨大ゴーレムの足で踏み潰されたが、生きていた。
ただ直後に、後頭部にレンガが落下して再び死んだ。血みどろで頭上にピヨピヨと小鳥が飛びまわっていた。
立て続けに2回以上死ぬと、復活までタイムラグが出来るらしい。

「しかし、あの『レンガさん』が学院長秘書のロングビルじゃったとはにゃー。
 東大デモクラシーじゃった、あのような高エネルギーのナオンが内に潜んでおったとは」
「ルイズたちが捕らえたんだってな。お手柄だ、僕らには関係ないが。
 いいから黙ってこのトンカツ定食(夜食)を平らげろ、片付かん。しかし、旨いなこれ」

「うむ、このトンカツってやつは、まさに食べられるために生まれてきたんじゃよ。
 一万年と二千年前からトンカツ定食ってやつよ。トンに勝つことから縁起もよい。
 どこから湧き出すのかは分からないんじゃが……ご馳走さまでした」
「トンってなんなんだ……で、作戦の概要はまとまったのか?」

ファーザーが頬にご飯粒をつけたまま、バカそうに宣言する。
「えーと、関係筋から、明日トリステイン王国のアンリエッタ王女殿下がやってくるという情報を掴んだんじゃよ。
 王宮に一輪咲く高嶺の花を摘み取るのは、この国王のわし。そういう作戦です。
 ララァなら分かってくれるよね?」

「ほう、そんな情報が。でかしたぞお前のくせに。
 じゃあ僕らは、お出迎えに整列しなくちゃならんな。授業は休みか。
 そしてこうやってがんじがらめに縛っておくから、お前はそこでかわいてゆけ」
「アーーーーーーー、いつの間に? オー、この変態人間!」

ファーザーは縛られた上、口と鼻を布で塞がれ、窒息死したまま朝まで放置された。
789名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 22:34:38 ID:oUIqWxfd
支援したるか
790神聖マルコメ帝国AZ 第三話 3/4:2007/12/13(木) 22:34:46 ID:8+PzDZa2
翌朝、そして翌昼が来た。王女と枢機卿がやってきたらしいが、わしは縛られたままなので分からぬ。
それに何度も死ぬのも飽きた。いっそ殺せ。考えるのはやめねーんじゃよ。
「ええい、この形態では無限収束法によるワープもままならぬ。ワープ!(言っただけ)」

マルクスキーも帰ってこねーし、どこほっつき歩いてるんじゃよ、あのどぐされスキー。
別にあんな野郎、帰ってこなくても構わないんじゃよー!(ツン) 見よ、この高度なツンデレ技術を。
「……ム? そう言えば、いつの間にやら顔の布切れが外れているにゃー。
 ならば、これをこうして、ここをこうと、うむ、アレクサンダーくんが乱麻を絶ったごとく……
 よけいに絡まった気もするんじゃが、いいから早く戻って来てー、エウメネスキー!!(デレ)」

そして夜、マルコメがようやく帰ってきた。
「うるさいぞファーザー、また死にたいのか。どうも僕がお前と同じ部屋に存在すると、
 どこからともなくトンカツ定食二人前の乗ったちゃぶ台が出現している気がするが」
「テヘッ、フラグが立ったんじゃよ。さっそく中東全土を攻め取り、イル汗国を建国せよ。
 わしはキプチャク平原を攻め取って、黄金のオルドにナオンを侍らせてご覧に入れる」
「なんのことだかさっぱり分からん」

「で、王女様は?」
「お前が知る必要は何一つない、このトンカツ定食発生装置め。僕がますます太ってしまうじゃないか。
 うん、旨い美味い上手い(モグモグ)」
「ええいくそったりゃあ、早くわしを解放しろ高エンゲル係数スキーの小僧めが。
 喰らえ必殺、自分なりの高速回転!!」
ズドグルグルとファーザーが旋回しながら跳び、マリコルヌを吹き飛ばす。

「早く王女様にお手を拝借して、手の甲に忠誠のキスを、とか言われているのに、
 無理矢理唇を奪いたいにゃー。わしって高貴系ツンデレ殺しなんじゃよねー(ニコリ)」
高速回転で縄目を抜けたファーザーは、シルクハットをかぶり燕尾服を纏い、
さらによく分からない扮装をした。


【機動紳士ファーザー00(ダブルオー)】

 機動紳士ファーザー00は、007とかの影響下に生まれた300年後の世界の宇宙紳士である。
 またの名をナオンマイスター。キャラクターデザインは電波がゆん。
 00はせっかくなのでゼロゼロと読みたかった。
791神聖マルコメ帝国AZ 第三話 4/4:2007/12/13(木) 22:36:26 ID:8+PzDZa2
「まあよい、王女の部屋を探さねば。これこれそこのメイドくん、ちとものを尋ねるが」
「キャアア、変態!!」
「なにぃ!? ……ああしまった、パンツをはき忘れていたんじゃよー!
 三流メイジ捨て駒スキーと闘った際にずり落ちたんじゃろかー!」
核弾頭級の危険性を帯びた紳士が爆誕した。現在およそかっこよさ5.8枚目。

「しかし、いまさらあの部屋に帰るのもなんじゃし、この落としていったテーブルクロスを拝借。
 うむ、下半身に巻きつけるとかっこよさがいや増し、合計2.5枚目ぐらいにはなったじゃろか」
計算以前の問題だが、機動紳士は出撃した。そしてある部屋で立ち止まる。

「ム、あれはギーシュ? 何を覗いているのじゃろか?」
「おお、姫殿下! この『青銅の正義』ギーシュ・ド・グラモンが、
 遥かなテレザート星で貴女のご健康をお祈りしています! 全裸で。」
「ええいどけ、そして謝るな偽善者! 王女殿下の中年スパイを務めるのは、
 このスパイ大作さまよ!!(ズガアア)」

「……なにか騒がしいけど、見つかってしまったの?(ガチャ) ……あの、貴方は?」
「ボンソワール、姫殿下。わしは宇宙の果てのどこかから、ふらりと大気圏を突破して現れた、
 高貴なる機動紳士00(ダブルオー)。その真の正体はファーザー・ブラウン卿です」
「あの、貴方も貴族? では、先ほどのルイズへのお話を、聞かれてしまったのですね。
 お願いします、どうか貴方もルイズに協力し、アルビオンへ向かって下さいませんか」

……な? あ、あら? 想定外の展開じゃよ?

「げっ、あんたはマリコルヌの変態使い魔!? 姫様、こんなのと普通に会話しないで下さい!」
「神聖モテモテ王国国王になんという言い草じゃよー! 断固抗議する!」
「ええっ、国王陛下!? まあ、これは失礼をば」


数十分後、僕の部屋に血塗れで帰ってきたファーザーは、
なぜか明日の早朝、僕やルイズと一緒にアルビオンへ行く事になっていた。
あと何かがあったらしく、パンツをはいてなかった。

(続くんじゃぜ?)
792名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 22:36:30 ID:oUIqWxfd
ふう
793キムタク:2007/12/13(木) 22:37:35 ID:8+PzDZa2
投下終了した。(ビーン)ではまた来年。
794ヘルミーナとルイズ2:2007/12/13(木) 22:39:27 ID:F5hq0DNF
それでは10分後に投下しますー。
ちょっと長いかもしれないので、もしも規制を受けた場合どなたか代理をお願いします(´・ω・`)
795名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 22:48:40 ID:8+PzDZa2
なぜ直後に大作がー? くやしいが支援してやらあ!
じゃが、わしの支援は甘くないぜ?
796ヘルミーナとルイズ2:2007/12/13(木) 22:49:29 ID:F5hq0DNF
あの時から数えて、三度目の冬が訪れていた。
ルイズとヘルミーナはろくに人の手も入っていない、岩がごろごろと転がっている山道を登っていた。
日はまだ高い。この調子なら目的を果たすのに多少手間取ったとしても、今晩はテントの中で落ち着いて休むことができるだろう。
今更堅い床では眠れないなどというやわな神経は、両者とも持ち合わせていなかった。

「それでルイズ、道は大丈夫なんでしょうね。こんな物騒なところは用事が済んだらさっさとおいとましたいところなんだけど」
そう言ったのはヘルミーナ。
彼女は今年で二十三になるそうだが、現れた時の姿とあまり変わっていない。相変わらずの美しさと妖しさで周囲を惹きつけている。
「そう願いたいわね。私だってこんなところまで来たのは初めてだもの、確証なんて持てやしないわ」
そう答えたのは手に地図を持って、ヘルミーナに先行していた桃色の髪の女性。
ルイズだった。
あれからだいぶ背も伸びた。ヘルミーナと出会った頃は彼女の方が十サントほど高かったのだが、今ではほぼ同じ身長になっている。
やせっぽちだった体型も、女性的な丸みを帯びたものへと変わっていた。
胸だけは標準以下だったが、ほっそりとした体つきとのバランスが美しく、それは十分に男を惑わせ得るものとなっていた。
だが、何よりの変化は、その目であろう。
もとよりつり目がちだった目は一段とその鋭さを増し、かなりキツイ雰囲気を放っている。
見たものを震え上がらせるような冷酷な目は、以前のルイズには無いものだった。
二人とも旅装を纏っているが、それが野暮ったい印象は与えない。
一般的に動き回るに向いていないメイジや僧侶用のローブを大胆に改造した着こなしは、それだけでセンスの良さを感じさせる。
色はヘルミーナは紫を基調として、ルイズは黒。それぞれ二人のイメージと相まって、彼女たちの魅力を最大限に引き出していた。

「巣立ちを迎えていない火竜の幼体、本当に見つかるのかしら」
「こんな眉唾な情報を見つけてきたのはあなたじゃない。でも、もしも本当なら幼体の『竜の舌』、とても貴重だわ」

この二人、一般的なメイジとは違う、少々特殊な存在であった。
曰く、この世界でたった二人の『錬金術師』。
錬金術の練金は土魔法『練金』を意味するものではない。
素材を調合し、全く違う効果を持つ様々な薬やアイテムを作り出す研究者の総称、それが錬金術師である。
それがヘルミーナが召喚された翌日に、ルイズに語って聞かせたことだった。

そして今、彼女たちは旅の空の下にいる。

二人が出会った翌日、ヘルミーナは自分が錬金術師であること、材料の収集中に魔物に襲われ、その先にあったゲートに飛び込んで難を逃れたこと、そして自分は親代わりであった先生を捜して旅をしていたことをルイズに話した。
一方、ルイズはここがハルケギニアという世界であること、ヘルミーナは異世界から来たかもしれないということ、この世界に錬金術というものが無いことを伝えた。
この頃になるとルイズも本来の冷静さを取り戻し、お互いに必要な情報の交換が行うことができた。
特に、お互いの関心事については念入りに話し合った。
ルイズにとっては、錬金術のその技。人工生命や死者蘇生、聞いたこともないような途方もない錬金術の奥義の数々。
ヘルミーナにとっては、異世界の存在とそれに付随する様々な未知なる事柄、そしてルイズが喪ったという少年の話。
そうしてお互いの関心事が分かったとき、ルイズはヘルミーナに申し入れたのだ。
『自分に錬金術を教えて欲しい』と。
ルイズのこの申し出をヘルミーナはしばし検討し、結果として承諾した。
そこにどの様な思惑があったのか、神ならざるルイズには分からなかったが、確かなことは自分が一筋の光明を掴んだという事実であった。
ヘルミーナは自分が元の世界へ戻るまでの間、ルイズに錬金術を教える、その代わりに自分が戻るための手助けをして欲しいと言った。
ルイズは一も二もなくこれを快諾し、この世界で最初の『錬金術師の弟子』となった。

そしてその日の夜、ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールは学院から失踪した。
あれから三年、ルイズは一度もトリステイン魔法学院を訪れていない。当然ヴァリエール公爵家にも。
今、ここにいるのはただのルイズ。
貴族の名誉も、家族も、友人も、何もかもを捨て去った、ただのルイズであった。
797名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 22:50:07 ID:oUIqWxfd
支援
798名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 22:52:52 ID:8+PzDZa2
支援(全裸で)
799名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 22:53:12 ID:nqHe/b1R
支援(クロスアウッ!)
800ヘルミーナとルイズ2:2007/12/13(木) 22:53:34 ID:F5hq0DNF
「毎度思うんだけど、空飛ぶ箒ってこういったところでも使えれば便利じゃないかしら」
「仕方がないわ、あれはそういうものだもの。大ざっぱな移動はできてもこういうところを飛ぶのは向いていないわ」
ルイズの軽口にヘルミーナが相づちをうつ。
深い意味はない、毎度の愚痴と切り返しの応酬だ。
ルイズとヘルミーナは弟子と師匠、召喚者と被召喚者という関係にありながらお互い対等の立場をとっていた。
お互いが教師であり生徒、そんな二人は主人と使い魔の証である使い魔の契約、すなわちコントラクト・サーヴァントも済ませていなかった。
ルイズにとって使い魔とは生涯あの少年ただ一人であったし、ヘルミーナ自身も使い魔という立場を望まなかったからだ。

空飛ぶ箒の調合材料である風石の品質、その調合に使われる中和剤の元となるラグドリアン湖の水についてお互いに意見する。
いつも通りの大して実りもない雑談をしばし続けた後、二人は目的地周辺に到着した。
「情報によればこの辺のはずね。ルイズ、準備は良い?」
「氷属性のブリッツスタッフでしょ。分かってるわ」
ルイズが背負った革袋から強烈な冷気を放つ杖を取り出すと、ヘルミーナも同様にそれを取り出して手に持った。
「標的はあくまで幼体だけ。もしも成体に見つかったら一目散に逃げる。良いわね」
「幼体を見つけたら二人でブリッツスタッフを使ってブレスを使われる前に倒す。手順は覚えてる、大丈夫よ」

彼女たち二人の目的は竜の舌、それも幼竜のそれだ。
竜の舌は錬金術の素材としても大変貴重なものであるが、その中でも幼竜のものとなるとその価値は跳ね上がる。
幼い竜は常にその周囲を成竜達に囲まれて生活している。
単独で行動する成竜を相手にするよりも、幼竜を相手にする方がよほど骨が折れるのだ。
ではなぜそのような明らかに危険過ぎる幼竜を女二人は探しているのか?
それは今ルイズが手にしている一枚の紙切れに原因があった。

多数の火竜が生息する火竜山脈、彼女達はそこへ鉱石の採集が目的でやってきた。
準備を整えるために立ち寄った麓の町に一泊したときのこと、彼女達は酒場で気になる言葉を耳にした。
それは「火竜山脈の一角で、親とはぐれた幼竜を見かけた」というものであった。
普段ならそんな与太話、酔っぱらいの戯言と聞き流すところだったが、それが火竜山脈近郊で幼竜となると話は別だ。
ヘルミーナとルイズはそれを喋っていた傭兵風の男に近づいて、酒を奢り、しなだれかかり、女の武器を使って詳しい話を聞き出した。
商隊の護衛だという男は、昨日まで火竜山脈の一部を通る護衛の仕事についていたらしい。
多数の火竜が生息する火竜山脈は、ハルケギニアでもトップクラスに危険な一帯であることは間違い無いが、山脈のどこへ行っても竜と遭遇するという訳でもない。
竜達の生活圏の外ならば、その危険度は大幅にダウンする。
無論、群からはぐれた竜が出現する可能性も完全には否定できない、
そういうわけで、彼は竜のテリトリーの外を横断する商隊の護衛任務を引き受けていたらしい。
危険は大きいがその分報酬も大きい、運悪くドラゴンに遭遇しなければ暫くは遊んで暮らせる。
そんなことを心の支えにしながら、怯えつつもきちんと護衛の仕事を果たしていた彼は、もうすぐ山脈が終わろうかというところでそれと遭遇したらしい。
まだ翼で飛ぶこともできないよう、幼い竜の子供。
幼竜の周囲に親竜達がいる。
子育てに神経質になっている成竜達は非常に好戦的である。
危険きわまりない幼竜と遭遇してしまった彼は、正直なところ死を覚悟した。
けれど、不思議なことに幼竜の周辺には他の竜の姿はなく、商隊が竜を刺激しないように息を殺して歩を進める間も、結局何も現れなかった。
そうして、商隊と男は無事に街へと到着したというのが話の顛末であった。

しきりにルイズのお尻を触ろうとする男をあしらいながら聞き出したのは、なかなかに貴重な情報であった。
最後に男に地図を見せて場所を確認してから、彼女達は酒場を後にした。

801名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 22:53:53 ID:btwwKSdk
支援
802名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 22:53:55 ID:nqHe/b1R
支援
803名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 22:53:58 ID:oUIqWxfd
支援
804名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 22:56:35 ID:8+PzDZa2
支援後、死亡
805ヘルミーナとルイズ2:2007/12/13(木) 22:57:17 ID:F5hq0DNF
そして今ルイズが手にしている紙切れこそ、男が幼竜と遭遇したという場所が記された地図であった。
「まだこの辺に居てくれると嬉しいわね」
「ハルケギニアの竜の生態は分からないけれど、目撃されてからまだ三日。この周辺に居ると考えるのが妥当でしょうね」
その『周辺』とやらがどの程度の範囲なのか分からないから困るのだとルイズは嘆息した。
冬とはいえ、火竜山脈は暑い。
山頂付近の蒸し風呂じみた暑さではないにしろ、二人が今いる場所も十分に暖かかった。
加えて、街から山の入り口までは空飛ぶ箒で飛んできたものの、そこからは徒歩。
火竜の幼体がその場所を離れてしまう可能性を考えて、二人は割と強行軍でここまで上ってきている。
ヘルミーナもルイズも、弱音は吐かないものの、美しい顔を流れる汗は正直であった。
「……少し探して駄目なら、一度休憩にしない?」
「……賛成ね。ドラゴンも、もっとじめじめして空気が淀んでる地下に住めばいいのに」
そろそろ付き合いも長くなってきたこの師匠の変な趣味には口出しせず、ルイズはあたりを見渡して休憩ができそうな場所を探した。

ルイズの視界の端を、ちらりと動く何かの影が横切った。
「! ヘルミーナ! あそこ!」
胸元を手で扇いでいるヘルミーナを余所にルイズが指さしたその先、小高く積み上げられた岩の上、そこには赤い獣の姿があった。
大きさは牛ほど、赤い鱗に覆われ、背中には折りたたまれた翼がある。
間違いなかった、ハルケギニア原産の火竜種の幼体であった。
ルイズが気づくと同時、幼竜もルイズ達を確認したのか、威嚇の唸りをあげた。
発見したのはルイズ、だが最初に反応したのはヘルミーナ。
「ブリッツスタッフ!」
ヘルミーナが手にした杖の先端を幼竜へと向けると、そこから一直線に強烈な冷気が迸った。
同時、幼竜の喉の奥がオレンジに輝き、恐怖と共に語られる火竜の象徴、ファイアブレスが放たれた。
幼くともドラゴンはドラゴン、そのブレスはヘルミーナのブリッツスタッフの冷気を相殺せしめる程の威力があった。
しかも、その余波は二人の肌を軽い熱波をもって炙っていった。
相殺どころか、押し負けている。
熱気と冷気がぶつかり合い、その余波で発生した水蒸気、それによってルイズ達の周囲はまるで霧にでも包まれたかのようになっていた。
「ヘルミーナ! 杖!」
そう言ってルイズは手持ちのブリッツスタッフをヘルミーナに放り投げた。
ブリッツスタッフはその性質上、使えば使うほどに充填された魔力を消費していくマジックアイテムである。
つまり、最初に放った攻撃以上は望めない。
その一撃がブレスを押し返せないと分かった以上、彼女達が最初に考えていたブリッツスタッフを使って遠くからドラゴンを力任せに押し切るという作戦は使えなくなったのである。

真っ白の視界の中、ドラゴンがいた方向へと一直線に駆けるルイズ。
懐から小さな杖とピルケースを取り出し、器用に片手でケースの中身を口に運ぶ。
口に含んだ錠剤を奥歯で噛み砕き嚥下して、次に呪文を唱え始める。
薬の助けを借り、意識と肉体とを切り離す。意識は呪文に集中し、体はただ最初に決めた通りに前へ向かって走るだけ。
そうして彼女は走りながら、見事呪文を完成させた。

霧が薄れ、再び視界が戻ったとき、幼い竜の目にはナイフを片手に持った女が自分へ向かって走ってきているのが映っていた。
このとき、幼い竜は飢えていた。数日前に親竜とはぐれて以来、常に空腹だった。
暫く前に餌になりそうなものを見かけたが、それは数が多く体が大きなものも多かった。
今回見つけた餌はその時のものと同じ形をしていたが、先のやつよりも小さく、何より柔らかくて美味そうだった。
目の前の餌を食べる、捕食者は原始的な欲求を満たすことで、その頭はいっぱいになっていた。

806名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 22:57:31 ID:btwwKSdk
産業廃棄物支援
807ヘルミーナとルイズ2:2007/12/13(木) 23:01:44 ID:F5hq0DNF
幼竜の顎が開く。今ぞ高熱のブレスが吐き出されるという段となっても、駆けるルイズに怯みは感じられない。
だが、ドラゴンにしても躊躇いはない。
真っ直ぐに岩場を上ってくるルイズに向かって、灼熱のファイアブレスが浴びせかけられた。
これで終わり、一巻の終わり。
人の身でドラゴンのブレスの直撃を受けて、無事で済む道理などありはしない。
だが、次の瞬間獲物を確認しようとのそりと動いた幼竜を襲ったのは、腕に走る焼け付きような鋭い痛みだった。
「ギッ!」
突然襲った未知の感覚、それは不快で、ひどく幼竜を苛立たせるものだった。
「ギャギャッ!」
体中を使って痛みと怒りを露わにする。
そうしてじたばたと手足を振り回す幼竜から、素早く飛び退いた影一つ。
五体満足で、火傷一つ負っていないルイズの姿。
その手には赤い血を滴らせた、一振りのナイフ。

しくじった。
折角のイリュージョンの魔法が成功したというのに、肝心のナイフは幼竜の腕に傷を負わせることしかできなかった。
正面に投影した幻を囮に使い、自身は側面から奇襲を仕掛ける。そして首尾良く接近したならば一撃をもって絶命させる。
これがルイズの計画であったのだが、詰めが甘かったとしか言いようがない。
幼竜は今だ健在であるし、そのどう猛さは手負いになったことで、ますます手がつけられなくなってしまった。
本来ならこれは一時退却して体勢を立て直すのが定石。だが、それを決行するにはルイズはブレスの射程範囲内部に、深く入り込みすぎてしまっていた。
引けば丸焼き良くて生焼け、ならば攻めるか?
これもまた上手い方法とは考えにくい。
今のルイズの位置は引くには近すぎるが、攻めるには遠すぎる。
ならばどちらか?頭がその回答を導き出す前に、ルイズの体は前へと飛び出した。

弾丸のような俊敏さをもって飛び出したルイズを見て、竜は大きく口を開けた。
喉の奥では既に赤い焔が灯されている、後はその塊を怒りにまかせて吐き出すだけ。
あるいは、幼竜が冷静であったならば、また違った行動に出ていたかも知れない。
自分に躊躇いなく近寄ってくることや、これだけ火を吐いても今だ食事にありつけないでいることで、危険を察知して逃げ出していたかも知れない。
だからそれはある意味では不幸中の幸い、ルイズの功績だったかもしれない。
とにかく、竜は怒っていた。
怒っていたのである。

幼竜の口から、炎の吐息が放たれた。
正面から飛び込んでいったルイズの目の前が、美しいオレンジの光で埋め尽くされる。
それはとても綺麗で、あの夜に、石塀の上から見下ろした闇によく似ていた。
ルイズの耳元で、誰かが囁いた。
ただのルイズにになって以来、何度も耳にした甘い誘惑。
(これでサイトのところに行けるのよ)
サイト、その名前を思い浮かべただけでルイズの心がキリキリと痛みを感じた。
自分を残してどこかへ行ってしまったあの少年、誰かが書いた悪魔のシナリオの向こう側に消えてしまった大好きだった彼。
そのサイトに逢える、また逢える。
それを思うだけでルイズの体は力を失ってへたり込みそうになってしまう。

「ブリッツスタッフ!」
彼女を幻想から連れ戻したのは相棒の鋭い叫び声だった。
目前に迫った赤い瀑布に、白色の寒波が叩きつけられる。
瞬く間に周囲はもうもうと水蒸気が立ちこめ、視界を奪った。
いつの間にか幼竜とルイズの延長上へとその位置を移動させていたヘルミーナが、ブリッツスタッフに込められた冷気の魔力を解放し、ルイズの背中越しにそれを放ったのだった。
808名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:01:53 ID:btwwKSdk
育毛剤支援
809名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:03:14 ID:Z9uhjr2D
フライングボード支援
810名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:03:47 ID:mVbuDN4a
その日、悪魔は
「生きろ!」といった――。

支援。
811ヘルミーナとルイズ2:2007/12/13(木) 23:05:31 ID:F5hq0DNF
甘美なる誘惑に屈しかけた精神が、強引に現実へと引き戻される。
意識が飛びかけていたその時も、ルイズの両足はきちんと目標地点へ向けて動いてくれていた。
ルイズが気が付いたときそ、こは既に竜の眼前、手を伸ばせば触れられる距離だった。
驚いた幼竜が再びその口を開けてブレスを吐きかけようとする。
だが、四度目のブレスが放たれるより早く、ルイズの手中にある白銀がきらめき、鱗ごとその喉元を真横に切り裂いていた。


ファイアドラゴンの幼子が横たわっている。
その喉元からは赤い血が噴水のように勢いよく噴き出して、周囲を赤く染めていた。
「お見事な手並みだわ」
返り血を浴びるルイズの背後から手を叩く音がする。
ルイズが振り返るとヘルミーナが小さく拍手しながら岩山を上ってきているところだった。
「うつろふ腕輪はあなたに渡しておいて正解だったわね」
非力なルイズが、幼いとはいえ竜の鱗の防御を貫けた要因、ルイズの右手にはめられた腕輪を見ながらヘルミーナが言った。
うつろふ腕輪、人間の力を引き出すことができる腕輪。
しかもルイズが手につけているそれはヘルミーナの特別製。武器を使った直接攻撃でなら、ドラゴンの鱗も切り裂けるかも知れないと、以前彼女が笑って話していたものだったのだが、本当に切り裂けたのは驚きであった。
「さて、仕上げね」
幼竜相手とはいえ、竜殺しを成し遂げたという感慨も無く、無表情のままのルイズが倒れた獲物に向き直った。
喉と口から血を溢れさせる幼竜、その口からはヒューヒューと風が抜けるような音が漏れている。
その獰猛さとはアンバランスなつぶらな瞳が涙に濡れて、鮮血にまみれたルイズを見上げていた。
ルイズはそんな竜の姿を見ても眉一つ動かさずにその場に片膝をつく。
ついた左の膝を竜の下顎に、そして右足の裏を上あごへと当てて、足に力を込めてその口をこじ開けた。
そして、血の海になった口内に目的のものを見つけるとルイズはそれを素早く掴み、根本からナイフを使って刈り取った。
直後激しく暴れる幼竜から、ルイズは転げ落ちるようにして距離を離すと、ゆっくりと立ち上がった。
その左手には。血まみれの竜の舌。
「終わったわ」
「そう、それじゃ時間も早いし戻りましょうか」
二人は特にそれ以上この件に関して話をすることもなく、先ほど上ってきた山道を下山し始めたのだった。

そのあとには、哀れな竜の骸が一つ。



ガリア王国、王都リュティス。
数ある酒場の中でも、中の上といった格付けに入る一軒。
様々な層の平民にお忍びの貴族、まっとうな商売人から人様には言えない仕事に従事するものまで、その客層は多種多様。
そこに旅から帰還したルイズ達の姿があった。
火竜山脈での『竜の舌』採集からは既に四日が経過している。
あれから山を下りて街へ戻った二人はそこで一泊宿を取り、ぐっすり眠ってからリュティスへの帰路についた。
当初はルイズが浴びた竜の血が酷い悪臭を発していたのだが、街に戻り次第それを捨てて新しい服を調達、念入りに湯浴みして香水をつけてごまかすこと四日、ようやくその臭いからも解放された。
今ならこうして酒場にいても臭いのせいで目立つということも無いだろう。
テーブルを挟んで向かい合っている美女二人。
ちびちびと舐めるようにして酒を飲むルイズと、ゆったりとした動作で時間をかけて杯を呷るヘルミーナ。

別に『祝杯』という訳でもなかった。
採集へ出かけて帰ってきた日の夜にはこうして酒場に足を向ける、これがこの三年間における二人の日常であった。
二人の錬金術師は現在このリュティスに工房を構えている。
表向きは薬屋として、裏では後ろ暗いマジックアイテムでも用意してみせる何でも屋として。
錬金術というものは何はともあれ金を食う、それがルイズが最初に学んだことだった。
魔法学院を後にした二人は、道々で適当なアイテムを作ってはそれを売り払いながら路銀を稼ぎ、旅を続けた。
そうしてたどり着いたのがガリア王国は王都リュティス。
人口三十万人を誇るハルケギニア随一の大都市、そこに二人は工房を据えることにした。
人が多く活気もある、これは裏を返せばろくでもない人間も多数集まっているということだ。
ヘルミーナとルイズは最初しばらくの間は宿に腰を据えて、こうして酒場に出入りして依頼人を捜すことを繰り返した。
そうやって一月もたつ頃には、街の大通りから一本入った通りに面した一軒家を借りられるくらいに、纏まった金が集まっていた。
この頃になると既にルイズは、錬金術というものが金になると学んでいた。
812名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:05:44 ID:btwwKSdk
生きてる縄支援
813ヘルミーナとルイズ2:2007/12/13(木) 23:08:43 ID:F5hq0DNF
無事王都リュティスに工房を構えた二人は、今度は必要な機材を集めるための資金集めに奔走した。
昼間は薬屋として、夜は事情を聞かないで不思議なマジックアイテムを作ってくれる便利屋として、酒場ややってきた顧客を通じて積極的に宣伝を行った。
ヘルミーナの予想通りというかなんというか、ルイズがあっけなく感じてしまうほどに、二人の名は瞬く間にリュティスの裏側へと浸透していった。
何より二人にとって何より幸運であったのは、ガリア王国で常に燻っている政争の存在であった。
事情を詮索せずに、金次第ではどんなアイテムでも作ってくれる店。それは彼らにとっては実に歓迎すべき存在であったのだ。
官憲の手が回りかけたこともあったが、そのうち何度かが勝手に解決されたことになっていたのは、お互いに持ちつ持たれつの関係を築けたという証左だろうか。
そうやって工房を構え、名前が売れてきてからも、ルイズ達は定期的に酒場に顔を出すことを欠かさなかった。
勿論営業努力という面もあったが、二人の本来の目的は金などでは無いのだから、その真の意味合いは情報収集にあった。
酒場の客や情報屋から得られる情報、そのうちに少しでも興味が引くものがあれば西へ東へ飛び回るのである。

この日も、新たなる情報と仕事の依頼を求めて顔を出していたルイズとヘルミーナだったが、結果は芳しくなかった。
こうなると特にやることもないルイズは酒を飲むことくらいしか時間をつぶす方法がない。
片手にグラスを持って、あまり美味しそうには見えない飲み方でちびちびと酒を舐める。貴族様が好んで飲むような高級ワインではない、平民も口にするような蒸留酒。
ルイズには酒の味は大して分からなかったが、ヘルミーナに言わせると値段の割には悪くないらしい。

手持ち無沙汰になった左手では手にしたネックレスを弄っていた。
アクセサリーのようなそれも、錬金術師としてルイズが制作したものの一つだった。
一見すると菱の形に整えられた黒い水晶、しかしその正体は錘の形の容器に入れられた黒い液体であった。
暗黒水、錬金術によって作られる毒薬の中でもとびっきりの劇薬である。
並の錬金術師には目に掛かることすら適わない、大海原のように奥が深い錬金術の中でもかなり難しい部類にはいるそれを、自分一人で作り出せる程にルイズの腕前は上達していた。
元々勉学に関しては得意な方であったルイズは、明確な目的を備えたことで錬金術という学問において目覚ましい成長を遂げていた。
ヘルミーナ曰く「私ほどじゃないにしろ、あなたも十分に天才ね」とのこと。


「あれ……おめぇ、娘っ子、ルイズ! ルイズじゃねぇか!?」
近くから、どこかで聞いたことがあるような声が聞こえた。
幻聴が聞こえるほどには飲んでいない。ルイズは左右を見渡して声の主の姿を探した。
「おい俺だ! 俺だよ! こっちだこっち!」
ルイズがそちらを向くと、隣でテーブルに突っ伏していびきを立てて寝ている男の姿が目に入った。
「また、酒弱くなったのかしら」
元来強い方ではなかったが、ヘルミーナに付き合っているうちに多少は飲めるようになったルイズである。
「そっちじゃねぇ! こっちだよ! テーブルの下だ!」
訝しんだルイズがそちらの方を見てみると、そこには一振りの大剣が転がされていた。
ルイズの中でやや胡乱になっていた記憶のピースがかちりと嵌る。
「あら、お久しぶりね。デルフリンガー」

だらしなくぐーぐーと寝ている傭兵風の男の足下、そこに転がっていたのはかつての使い魔、あの少年の手にあったインテリジェンスソード、デルフリンガーであった。
当時よりも薄汚れて錆が浮いているようだ、つまりは今の持ち主はその程度ということなのだろう。
「こんなところじゃぼちぼち話もできねぇ、ちょっと俺をそっちのテーブルの上に置いてくれよ」
「私から話すことなんて一つもないわ」
冷たく切り捨てるルイズ、だがデルフリンガーは食いついた。
「そんなこと言うなよ。おめぇさんだってあの後のことが気になるんじゃねぇのか?」
「興味ないわ」
取り付く島もない様子のルイズに、デルフリンガーはそれでも引き下がらない。
「いいから俺をそっちにあげやがれ! こうして出会ったのはきっと相棒の導きなんだよっ!」
大声をあげたデルフリンガーに、酒場中の注目が集まる。自然とその方角にいた二人にも視線が刺さった。
「話くらい別に構わないじゃない」
ヘルミーナから「あまり目立つことはするな」という意味の台詞。
ルイズは嘆息を一つ漏らし、仕方なくといった手つきでデルフリンガーをテーブルの上へと置いた。
814名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:08:54 ID:btwwKSdk
栄養剤支援
815名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:09:28 ID:dpIAW8or
支援
816名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:09:32 ID:l9CGnGiy
イギリスで!Yahooで!国旗で!人気で!ルイズで!二位なんで!支援
817ヘルミーナとルイズ2:2007/12/13(木) 23:11:44 ID:F5hq0DNF
「いやぁ、それにしても久しぶりだな娘っ子!……って、もうそんな歳でもねぇのか。嬢ちゃんって呼んだ方が良いか?」
「別に。呼び方なんて何だって良いわ」
その声を聞くのも不愉快だというふうにそっぽを向いてルイズはグラスの中身を舐めた。
「つれねぇなぁ……以前はもう少し付き合いが良かったぜ」
「そういうあんたは変わりないようね。凄く気に触るわ」
「そりゃあ、俺はインテリジェンスソードだからな。ちょっとやそっとじゃ変わらねぇよ」
カタカタと柄が鳴る、ルイズはこれがこの剣が笑うときの仕草であったことを思い出した。
「お前さんは……随分と変わったみたいだな」
ルイズはつまらなそうな顔のまま、デルフリンガーの言うことをじっと聞いていた。
遮る声が入らなかったことを続けても構わないと受け取ったのか、デルフリンガーは言葉を続けた。
「背丈も伸びたみたいだし、ぺたんぺたんだった胸もちったあ膨らんだみたいじゃねぇか。何よりそう、……美人になったよ。もしも相棒が生きてりゃ、きっと見惚れてたと思うぜ」

  ガシャン  という音が響いた。

酒場を満たしていた喧噪がピタリと止み、一瞬の静寂が世界を支配する。
ルイズはこのとき初めて店内に竪琴を奏でている奏者がいることに気がついた。

客達の視線が視線が一斉に音の方向へと向く。そこにはテーブルにグラスを勢いよく降ろしたルイズの姿。
その表情は先ほどまでと変わらぬ無表情だったが、凍えるような冷たさを秘めたものになっていた。

静けさはいつまでも続かない。水が低いところに流れ落ちるようにして、すぐに人々の発する騒音に飲み込まれ、取って代わられた。
人々はもう先ほどまでの静寂など忘れたように、飲んで唄って馬鹿話に花を咲かせている。
ただ一つ、ルイズ達の座るテーブルのある一角を除いて。
「……悪かったよ。その服で、気づくべきだった」
ルイズのの身につけた黒い服、それが喪服であることに気づけなかったのは彼らしくない迂闊であった。
陶器でできた仮面でも被っているように冷たく非人間的な無表情をしたルイズに、デルフリンガーが詫びを入れる。
「……」
「すまねぇ」
デルフリンガーにとって何とも気まずい沈黙が舞い降りた。
何も喋らないルイズであったが、その無言はむしろデルフリンガーに息苦しい重圧となってのしかかる。
厨房で作られた香ばしい臭いを放つ料理を運ぼうとしていた給仕が、避けて通った。
すえたような臭いを放つ平民の酔っぱらい二人組が、そばを横切ろうとして思い直す。
男のいない席で酒を飲んでいる美女二人を見つけた優男が、声をかけようか考えて結局諦めた。
そういったある種の『触れてはいけない空気』の底に、ルイズ達のテーブルは沈み込んでいった。

「辛気くさくていけねぇ! 話題を変えるぜ娘っ子。それで、あの後のことはちったあ聞いてんのかい?」
耐えかねたのか、わざとらしいほど明るい声でデルフリンガーが次の話題を提供した。結局呼び名は以前のまま『娘っ子』で通すことにしたらしい。
彼なりの気遣いなのだろうが、それすらも今のルイズには気に入らなかった。
「さっきも言ったけど、そんなことに興味はないわ。知らなくたって別に私は困らないもの」
「んじゃそれでも構わねぇよ。俺が勝手に喋る、お前さんはそれを聞く。これでどうだ?」
「……勝手にすれば」
ルイズはテーブルにあった酒瓶を手にとって、中身をグラスへと注いだ。
舐めるようにして飲んでいたはずなのに、いつの間にかグラスの中は空になっていた。

818名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:11:57 ID:btwwKSdk
ギガフラム支援
819名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:13:56 ID:dpIAW8or
超支援
820ヘルミーナとルイズ2:2007/12/13(木) 23:15:58 ID:F5hq0DNF
「お前さん達がいなくなってちまって、学院はもう大騒ぎだったんだぜ。特に姉っ子二人の慌てようったら……」
そう語り始めたデルフリンガーの昔話は、ルイズにとっては知っている事実と、予想できる範囲の出来事の、実につまらない内容であった。
手紙も残さず消えた名家の子女と怪しい女。二人の失踪は役人によって連れの女による誘拐と判断され、即刻トリステイン中にルイズの似顔絵と背格好、連れの女の人相などが書かれた手配書が回された。
しかし彼女達の行方はようとして知れず、有力な手がかりがつかめないまま時間だけが経過した。
その先の春期休暇、夏期休暇にはルイズの学友達、キュルケ、タバサ、ギーシュ、モンモランシーによって遠隔地や都市を巡る自力による捜索も行われたらしい。
それでも、彼女達の学院卒業までに集めることができた情報といえば「それらしい人影がガリア方面に向かう馬車に乗った」という目撃証言だけだったそうだ。
そうして一年と少しの時間が過ぎ、ルイズの同窓達は卒業を迎え、それぞれの進路へ旅立っていった。
エレオノールとキュルケ達、それにコルベールの嘆願でそのままにされていた寮の部屋も、彼女らの卒業と共に片づけられ、今では別の生徒が使っているそうだ。
同時、休学扱いとなっていたルイズの学籍も正式に退学となり、学院にはルイズが在学していたという痕跡は何もなくなった。

書類の上ではルイズの所持品ということになっていたデルフリンガーにはこのとき、エレオノールに引き取られてヴァリエール家の所有になるか、コルベールが身受けして学院の備品となり、引き続き居残るかの選択肢が与えられた。
そして、結局デルフリンガーが選んだのは第三の選択肢。
デルフリンガーはエレオノールに自分を武器屋に売却して欲しいと頼み込んだ。
どこか一カ所に留まるよりも、世界中を行き来する誰かの手に渡れば、もしかすると再びルイズに出会える日が来るかもしれない。
何よりも自分は剣だ、武器だ。屋敷の倉庫や学院の研究室に放置されるのは、自分の在り方じゃない。
例え持ち主を失っても、次の持ち主の手に渡り振るわれることこそが自分の在り様なのだと、デルフリンガーはエレオノールを説得したらしい。
結果、エレオノールはデルフリンガーの言う通りに彼を武器屋へ売却した。
そうして半年、ついに買い手がついたデルフリンガーは新たな持ち主の剣となった。
その持ち主とやらが、今ルイズ達の隣のテーブルで気持ちよさそうに寝ているこの男らしい。

「それにしても、ガリアにいたってのは驚いたぜ。それに印象も随分変わっててよ、オデレータオデレータ」
黙ってデルフリンガーの話を聞いていたルイズ。先ほど継ぎ足した筈のグラスの中身はもう半分になっていた。
「馬鹿ね。トリステインなんて探し回っても見つかるわけ無いじゃない」
ルイズはつまらなそうにそう漏らすと、テーブルの上に置かれたアイスペールから、大きめの氷を取り出してグラスに入れた。
この店の目玉は店からのサービスとして出される氷にある。
普通は高級な酒場で貴族が馬鹿みたいな金額を払ってワインを頼んだ際にボトルクーラーに入れられて出てくる氷。それをこの店ではどんな客にでも、平民でも貴族でも、分け隔て無く出しているのだ。
勿論その為の追加の料金などは取らない。他の店と同じ程度の料金で、きちんとした口にできる氷が出てくるのである。
それには当然ながらからくりがある。
この店にあって他の店にないもの、それがルイズ達の作った製氷器の存在である。
錬金術の研究と応用、そして実践。その上でたまたま完成した製氷器、特に自分たちには使い道のないそれを、ヘルミーナの言い分でこの店に売却したのだ。
それ以来、酒場は連日満員御礼。結果としてルイズとヘルミーナは酒場の店長から、様々な面での便宜を計ってもらえるようになったのである。

「まあ、無事で何よりだ。のたれ死んでやいないか心配したんだぜ」
「……ふぅん」
グラスを手元で揺らすと、中で氷が転がって澄んだ音がした。
別に酒が好きという訳でもない。
ただ、酒を飲んで、やがてその後にやってくる酩酊感は嫌いではなかった。
そういう意味においては、今口にしているそれはワインなどよりもよほど適している。
けれど、今日はなんだか気持ちよく酔えそうに無かった。
821名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:16:14 ID:btwwKSdk
ウニ支援
822名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:17:21 ID:nqHe/b1R
いいな、この感じ。乙女座の私には心地よい。支援。
823名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:17:42 ID:UM47v27T
いいねえ。凄くいいねえ支援
824名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:19:21 ID:HS2kZk6O
支援
825ヘルミーナとルイズ2:2007/12/13(木) 23:19:27 ID:F5hq0DNF
「まあ、お前さんも色々あったみたいやね」
「そう?」
「見てりゃ分かる」
色々あった、と言われてルイズは自嘲気味に笑った。
確かに色々なことがあった、命を狙われたこともあったし死にかけたこともあった。
錬金術の習得はとても楽しいことだったし、自分の作り出したものが何か成果をあげた時は確かに嬉しかった。
けれど、同時に何もかもが空虚だった。
その空虚の中心には常に一人の少年の存在。彼が隣にいないという、ただそれだけのことで何もかもが色あせて感じてしまう。
刹那的な快楽に身を委ねてみるというのも考えたが、そんなことをしても願うものは得られないと分かるほどには理性的であった。
結果、こうして酒をちびちびとやり、忘れた気になるというのが専らのルイズの楽しみと言えた。
「その後、誰か昔の知り合いとは会わなかったか?」
「ん……タバサは見かけたわね。二回ほど」
タバサ、というか彼女の所属する『北花壇騎士団』というものが、ガリアの暗部にあって結構な知名度の組織であった。
ガリア王国の裏側の顔役ともいえるそこに所属するかつての学友は、今ではルイズにとって同じ業界に身を置く近くて遠いお隣さんであった。
「へぇ、あの青髪か。元気してたか?」
「さあ? あっちは私のことに気づいてないようだったし、私は別にあの子のことなんてどうでも良いからね。体調のことなんて分かるわけ無いわ」
そう言って薄く笑う。
二度ほどニアミスしたことがあるが、お互いはっきりと顔を見たわけではない。ことが済んだ後に北花壇騎士団に所属するタバサという名の騎士だったと知っただけだ。

「変わったなぁ……」
「さっきも聞いたわ」
「いや、本当に変わっちまったんだなぁって思ってよ。ルイズ、昔のお前さんはそんなふうに冷たく笑うことなんて無かったのによ」
これもまた、予想の範囲内の反応。
「変わったですって? いいえ、むしろ何も変わっていないわ。私は昔のまま、何も変わらず進み続けているだけよ」
「何がだよ。何が変わってないって言うんだよ……あの頃、相棒と一緒だった頃のお前さんと、今のお前さんの、どこが同じだって言うんだよ!」
最初は抑えるように、そして最後は溜まっていたものを爆発させるようなデルフリンガーの叫び。
それを聞いてもルイズは揺るがず、惑わず、静かに応えた。

「サイトを愛しているわ」

「……あ?」
「私はまだ、ちゃんとサイトを愛しているわ。あんた達とは違う、私はサイトを忘れてないしサイトを諦めてもいない。この手で必ずサイトを蘇らせるわ。そして言うの、きちんと伝えるの、好きだって伝えるの」
そう、何も変わっていない。
この気持ちだけは真実。例え時間と共に記憶が風化しても、この気持ちだけは変わらない。
この先、何があっても絶対に失ってやるものか。


「そうか……お前さんの時間は、あの時のまま凍っちまってるんだな」
寂しそうに呟いたデルフリンガーの声は、六千年を生きながら快活であったこの剣とも思えない老けた声色だった。
「そっちの嬢ちゃん、嬢ちゃんはどうなんだい?」
一瞬、誰に話を振ったのかを理解できない。人の姿をしていないとこういうときに困る、そう思いつつヘルミーナが答えた。
「あら、私のことかしら、デルフリンガーさん」
「おうよ。えっと……すまねぇ、まだ名前を聞いてなかったな」
「ヘルミーナよ。お喋りな魔剣さん」
「よせやい、さんなんてつけられるとむず痒くて仕方ねぇ。デルフリンガーで構わねぇよ」
826名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:19:35 ID:btwwKSdk
遠心分離機支援
827名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:20:40 ID:dpIAW8or
支援。黙々と支援。
828名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:20:55 ID:8+PzDZa2
烈! 支援!!
829ヘルミーナとルイズ2:2007/12/13(木) 23:22:28 ID:F5hq0DNF
自分に話題が振られることは予想外であったが、その程度でヘルミーナは微笑を崩さない。
「それで、一体何がどう、なのかしら?」
「ルイズが、こう思っているってことを、お前さんはどう思うってことだよ」
デルフリンガーの柄がかたかたと何度も音を立てる、それはまるで感情の高ぶりを暗に主張しているようでもある。
「お前さんはこの三年、この娘っ子っと一緒だったんだろ。だったら今を一番分かってるのはお前さんのはずだ。そのお前さんから見てどう思うか、俺はそれを聞きてぇって言ってんだよっ」
最後の方は紛れもなく激昂が含まれていた。
デルフリンガーの怒り。
どうしてルイズがこんな風になってしまったのか、止められたはずだ、導けたはずだという彼の主張。

「全てはルイズが自分で決めたことよ。それに私はその在り方が間違ってるとも思わない」


そうしてヘルミーナの脳裏に思い出されたのは、古い記憶。
彼女かつて、封印され禁忌とされた伝説の秘技を用いて、一人のホムンクルスを創造した。
ヘルミーナが十歳の頃である。

彼女はホムンクルスに『クルス』という名を与え、本当の家族のように愛を注いだ。
一緒に街を歩き、風を感じ、木陰で休み、ものを食べ、鳥の囀りを聞き、水の冷たさを感じた。
姉妹のような存在はいたけれど、むしろ彼女はライバルで、ヘルミーナにとっては、自分が作り出したホムンクルスこそが本当の弟のように思えた。
ヘルミーナは本当に、惜しみなく、彼を愛した。

しかし、別離は突然訪れた。
人造生命として創造された彼は、試験管の外では二十日しか生きられず、そしてその定め通りに命の輝きを失ったのだ。

クルスが動かなくなる直前、二人は最後の、別れの言葉を交わした。


――クルス、思い出、わすれない。
――え?
――たのしい。悲しい。うれしい。さみしい。くるしい。クルスはわすれない。ヘルミーナとの思い出、わすれない。
――ありがとう……。あたしもクルスといっしょにいた時間、忘れない。絶対忘れないよ……。

――おやすみなさい……クルス。さようなら。


忘れてはいない、あの時のことは鮮烈に覚えている。
動かなくなった彼を前に、泣くことしかできなかった自分を覚えてる。

彼を作り出したことを後悔した、彼を助けられなかったことを後悔した。
泣いて泣いて、涙が枯れる程に泣いたあと、気がついた。
自分にもっと力があれば、こんなことにはならなかったと。

だから私はそのときに決意した。この身の全てを錬金術に捧げることを。
この悲しみを忘れない。
そして誓ったのだ、この技術を悲しみとともに伝えていこうと。

ヘルミーナは正面に座るルイズを見た。
彼女の在り方は間違っていない。愛するものを忘れず、それを貫こうとする意志は崇高とも思えた。
故に、ヘルミーナはルイズを導く。
自らの錬金術が、人の悲しみを癒すことができると信じて。
830名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:22:41 ID:btwwKSdk
魔物を解体して素材にして支援
831名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:23:39 ID:8+PzDZa2
たちまち溢れる支援の力
832名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:23:43 ID:l9CGnGiy
究極のチーズケーキと人参料理で支援
833名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:25:25 ID:zsmELKXI
支援
834ヘルミーナとルイズ2:2007/12/13(木) 23:26:43 ID:F5hq0DNF
「彼女がそうしたいと望むなら、私は喜んで手を貸すわ」
その答えを聞いたルイズは顔を上げて、しっかとヘルミーナを見返した。
「私は、このまま錬金術の研究を続けたい。そして、いつかサイトを蘇らせたい。今の私が思うことはそれだけよ」
そのルイズの言葉を聞いて、ヘルミーナは小さく微笑みを返した。
出会った時にヘルミーナの言葉がルイズに届いたのは、同じ痛みを背負ったもの同士の共感かもしれなかった。
もしそうなら、よく似た二人が近い道を歩むことになったのは必然であったのだろう。


「……そうかい。それじゃあ、俺から言うことはもう何もねぇよ」
サイトと心を通じさせたデルフリンガーは、結局最後までルイズと心を通じ合わせることはなく、その言葉を最後に口をつぐんだ。
デルフリンガーの沈黙で話は終わったと判断し、ルイズは席を立った。
続いてヘルミーナも席を立ち、残されたのはテーブルの上の大剣一振りだけ。
先に店の外へ出たルイズとは逆方向へとヘルミーナは歩いて行き、奥にあるカウンターの前で会計を済ませた。
そうしてルイズの待つ外へと出ようとしたところで、ヘルミーナの背中に向かってデルフリンガーから声が投げかけられた。
「あいつのこと、よろしく頼む!」
その言葉にヘルミーナは何も答えず、扉を開けて夜の街へと消えていった。



「なあ相棒、どうしておめぇさんは一人で逝っちまったんだよ……。娘っ子はよぉ、相棒の為に大事だった貴族の名誉や大儀まで捨てて、あんなになってまでお前さんを追いかけてるよ。でもよぅ、こんなのがお前さんの望みだったのかよ……答えてくれよ、相棒……」

虚空へと消えたデルフリンガーの言葉に、応えは無かった。
835名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:26:55 ID:btwwKSdk
撲殺用の杖を支援
836名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:28:38 ID:obEmYMb4
支援
やべ、泣きそう
837名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:30:00 ID:ypbY0c4C
支援。
アトリエ系はどうしてこうもいいSSが多いのか。
838ヘルミーナとルイズ2:2007/12/13(木) 23:30:12 ID:F5hq0DNF
以上で投下終了です。
ご支援、ありがとうございました!

明日、最後の話を投下したいと思いますが、もしも日付が変わる前に帰ってこれなければ明後日投下します(´・ω・`)
839名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:30:43 ID:oUIqWxfd
じゃあ10分後に投下するんで宜しく
840名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:31:46 ID:btwwKSdk
公害により支援失敗

>>838
もつかれ〜
もう終わらせてしまうんか。どう締めるのか楽しみにしてるよ
841名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:31:50 ID:dpIAW8or
哀愁漂うSSだ……
これは久々の良作中編の予感。
次も期待して待ってるぜ。
842名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:34:15 ID:UM47v27T
いやあ、良かった。
結末を書き始めから定めている作品は、読んでて安心感が違う。
登場人物を絞っているのでキャラクターの内面描写もたっぷりだし。
最終話を楽しみにしています。
843名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:35:17 ID:GoMIFtIc
現在小ネタ四作品目のアイデアが浮かんだので書いています
おそらく、明日遅くても明後日には投稿でいると思います
ギャグ系の作品を目指していますが、ホラーっぽくなる可能性があります
みなさんの期待に応えることができるように頑張ります。
844名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:36:36 ID:8+PzDZa2
まさかの3話完結とは。悲しいが超素晴らしい。
しかしもう460KBを超えたな。
845ゼロの夢幻竜 代理:2007/12/13(木) 23:40:02 ID:oUIqWxfd
この間投下してくださった方、大変有り難うございます。
では、再び投下いたします。

ゼロの夢幻竜 第十二話「虚無の曜日」

「可愛いよなぁ……」
「なんだ、マリコルヌ?君はあの子に気があるのかい?」
「あったら悪いのか、ギーシュ?種族間を越えての愛なんて素晴らしいじゃないか!」
「あの子は僕をぼっこぼこに伸したんだぞ?」
「それがどうしたって言うんだ?!大体、僕は兎も角、君には愛しい者達がいるじゃないか!」
「い‘る’ではなくて、い‘た’んだよ……未だに縒りが戻らなくてね。どうすればいいものやら。」
「……なあ、悪い事は言わないから‘古株’は諦めた方が良いんじゃないか?」
「そういうわけにもいかんよ!」
「じゃあ、どうするつもりなんだい?」
「それを今考えているんじゃないかぁ……ハァ……」

ギーシュとの決闘騒ぎからかれこれ一週間近くが経とうとしていた。
ルイズ達が学院長室に呼ばれた翌日、本塔の扉には所狭しとラティアスの能力に関する情報の緘口令が貼られていた
しかし、一旦勢いが付いた噂という物はなかなか消える事が無い。
廊下でも、教室でも、そしてラティアスが朝と宵だけ働いているこの食堂でも声を抑えた話は止まる事は無かった。
何度も口にされているのはルイズが韻竜を召喚したのではないかという見当。
しかし、真面目に勉学に励んでいる者は、幾ら韻竜でもあの大きさと能力は有り得ないと断定した。
それらの者達は韻竜の一種と認めた上で、或いは風竜の変種と想定して話題にしている。
しかし彼等もまた、彼女は先住魔法を使う事が出来るのではないかとか頓珍漢な推測を立てていた。
だが、噂の中心となっている本人はそんな事など意にも介さず、穏やかで可愛らしい笑みを振りまきながらあちこちを忙しそうに走り回っている。
そんな彼女は容姿の良さも手伝ってか、多くの男子学生の視線を集めていた。
彼女の心を射止めようとする者達は挙って、共に食事をしたり後で部屋に来てくれないかと誘ってきた。
ラティアスは元の姿でルイズと行動を極力共にしていなければならない為に、その誘いへの断りをいちいち入れなくてはならなかった。
逆に身持ちのいない女性陣は忽ち嫉妬に駆られる事となった。
愛らしい魅力では自分達の上をいってる上に、少々消極的な姿勢で男性達をその気にさせているのだから余計に腹が立つ。
だが、キュルケの様に魅力を振りまきまくって男性を夢中にさせている訳ではない。
あくまでも給仕の仕事に徹しているだけだ。
何より中途半端な動機で彼女を怒らせでもしたら、あの杖も詠唱も要らぬ魔法で打ちのめされかねないのはよく分かっていた。
やがて食堂にいる生徒達が一人、また一人とその場を去る。
ラティアスがそろそろお仕事終わりの時間かしらと思っていた時だった。
急に近くにいたルイズに呼びつけられた。
846ゼロの夢幻竜 代理:2007/12/13(木) 23:40:32 ID:oUIqWxfd
「何でしょうか?ご主人様?」
「今日は虚無の曜日だし街に出ましょ。何か欲しい物はある?」

優しいお誘いの様に聞こえる文句は、声のせいかどこと無くつんけんとした雰囲気を含んでいる。
その理由は何故か。
キュルケに正体を明かすような真似をした事は一応大雑把ではあったものの正直に答えた事、勝手にギーシュの決闘を受けた一件は勝利した事で無しになった。
そこから、恐らく使い魔ばかりに注目が集まっているのを不快に思ったのだろうとラティアスは考えた。

「そうですね……私は元の姿の時は技を繰り出す事が出来ますけど、この人間状態ではご主人様をお守りする事は出来ません。」
「つまり身を守る為の武器か何かが欲しいって事ね。ブルドンネ街に行けば何かあるかもしれないけど……」
「じゃあ、そこに行く事で決まりですね。私後片付け手伝ってきます。」

言うとラティアスは踵を返してその場を後にする。
その様子を見ていたルイズは、つい誰にも聞かれないようなほど小さい声で独り言を口にしてしまう。

「私だって頼られてばかりじゃないようにしなきゃいけないのに……」


「『我らの竜』が仕事を終えたぞ!」

厨房に入って来たラティアスをそう呼んで歓迎するのは、厨房で働く40過ぎのコック長マルトーであった。
彼もシエスタと同じく平民で、仲間のコックと共に忙しい学院の厨房をきりもりしている。
そして魔法学院に勤めていながら魔法を毛嫌いするという人物でもあった。
そんな彼は、ラティアスがギーシュに勝利したと聞くと、まるで彼女を王族の人間の様に扱いだした。
ラティアスは時間的な制約があるとはいえ、給仕として働き出した事も含め、そういった特別扱いはなるべく控えて欲しいとお願いした。
ところがそんな彼女の姿勢をマルトーは『人格者は無闇に自分の功績を誇ったりはしないものだ』などと言い出して彼女を益々気に入りだした。
時々親愛の証等と称して肩や頭を触ったりするが、今ではその度にシエスタから「駄目ですよ、マルトーさん!」と突っ込まれるのが常になっている。
その雰囲気がラティアスには非常に温かい物に感じられてしかたなかった。
元の世界にいた時はそうもいかなかったからだ。
主人であるルイズと共に過ごす時間もまた価値ある物ではあるが。
椅子に腰掛けながらそうぼんやりと思っていると、シエスタが声をかけてきた。

「ラティアス、今日は私お暇を貰えたの。良かったら一緒に街までどうかなあって。」
「あっ……ごめんね、シエスタ。今日ご主人様と一緒に街に出る事になったの。お誘いはとっても嬉しかったんだけど……本当にごめんなさい。今度はご主人様に言って必ず何とかしてもらうから。」

そう答えるとシエスタの顔に明るさが戻る。

「分かったわ。ミス・ヴァリエールの命じゃ仕方ないよね。行ってきてもいいよ。」
「有り難う。」

そう返事をして、ラティアスは目の前に並べられた賄いにぱくつき始める。
その様子を見ていたマルトーが満足そうに言った。
847名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:40:35 ID:btwwKSdk
今日はもう最後になるっぽい支援
848ゼロの夢幻竜 代理:2007/12/13(木) 23:41:29 ID:oUIqWxfd
「おお?いい喰いっぷりだねえ。余程腹減ってたのか?」
「はい。貴族の方があちこちから呼ぶものですから……」
「そうかぁ。いいよ、どんどん喰ってきな!一生懸命働いたらそれだけ腹が減るもんだ。
……それに比べて貴族の連中はなんだい!杖をちょいちょいっと動かして魔法を使っただけ仕事がどうのなんてぬかしてやがる連中がいる。
俺、いや俺達にとっちゃあんなもん仕事じゃねえよ。汗水垂らして働く事こそ『仕事』って名前を冠するべきだ。
それも知らないような奴は飯を喰う権利なんかありゃしねえ。『我等の竜』よ。お前さんもそう思うだろ?」

マルトーの熱弁にラティアスは答えられなかった。
突然話を振られたので、大きな芋の塊を喉に詰まらせてしまったからだ。
そんなこんなで楽しい時間は過ぎていく。
しかし直ぐにルイズと共に街へ向けて出立する時間となった。

「それでは皆さんお疲れ様です。夕方になったら戻って来ますので。」

そう言って戸口から出て行こうとするラティアス。
そんな彼女をマルトーが引き止める。

「あー、ちょっと待ってくれねえか。『我等の竜』よ。」
「何でしょうか?」

呼び止められたのでラティアスは首だけを半回転させる。
見るとマルトーは何かが入った薄手の袋を持ってにこにこしていた。

「いつもご苦労さん。これっぽっちしかねえし、まだ早いとは思うけど初任給だ。大事に使ってくれよ。」
「いいんですか?学院長もある程度出しはすると言ってましたけど?」
「いいって事よ。あれはあれ、これはこれさ。さ、早く行きな。ご主人様が待ってるんだろ?」
「はい!!」

喜び勇んでラティアスは厨房を後にする。
そんな後姿をマルトー達は微笑ましげに見つめるのであった。
849ゼロの夢幻竜 代理:2007/12/13(木) 23:41:58 ID:oUIqWxfd
所変わってここはルイズの部屋の前。
そこにはキュルケの姿があった。
早く目が覚めたものの、今日はこれと言ってする事も無かったので、ネタはともかくルイズを弄ってやろうかとでも考えていたのだ。
勿論、あの使い魔がいたらとっととそこを後にするつもりではいたが。
正直、ギーシュとの決闘が終わった後に自分に勝負を挑まれていたら勝算は無かったとも言える。
軍人としての教育も十分に受け、仮想の敵として風竜や飛行可能な火竜とも戦闘を行った事がある。
しかしあんな小さく高速で動き回るものを想定していた訳ではない。
またワルキューレを粉々にした、水、或いは風のラインかトライアングルクラスメイジでも簡単に出す事の出来ない威力の魔法が当たれば、洒落にはならない事になるのが目に見えている。
彼女自身も魔法の威力には自信を持っていたが、当たらなければお話にもならない。
仇敵の使い魔とはいえ少しくらいは懐柔くらい出来ないかしら?
そう思いながら『アンロック』の呪文を唱えて扉を開けると……中には誰もいなかった。
簡素な作りの部屋にぼそぼそと文句を言いつつ窓から外を見ると……
お目当ての者達が寮から一望出来るアウストリ広場にいた。
だが状況からしてゆっくり出来なさそうである。
ルイズがラティアスの背に跨り、ラティアスがその場からふわっと浮いたからだ。
間違いなく何処かに向けて飛び立つ姿勢だ。
そして案の定、ラティアスは放たれた矢の如き勢いで遥か彼方へと飛び去って行ってしまった。
半ば呆然としていた彼女は窓から入る一陣の風によって一気に現実へと引き戻される。
こうしちゃいられないとばかりにキュルケは部屋を元通りにしてから鍵をかけなおし、階段を昇っていった。

青い髪と青い瞳を持つルイズより小柄な少女。名はタバサ。
今彼女は部屋の中で読書に興じている。
邪魔が入らない限り殆ど寝食も忘れて、趣味である読書に集中できるこの虚無の曜日は彼女にとって最高の一日だ。
内容が難解な本が5、6冊あったとしても調子が良ければ難なく読み切る事が出来る。
だがそんな良い調子は一気に崩れた。
ドアを激しくノックする誰かが現れたからである。
対して彼女は自分の背丈よりも大きい杖を手に取り、風魔法の一種『サイレント』で音を遮断する。
それを確認した彼女は満足そうに膝元にある本に目を落とす。
だがそれを知らない闖入者はドアを開け、タバサの両肩を引っ掴み猛烈な勢いで口パクをしだす。
その闖入者はキュルケ。
これが彼女以外の人間なら『ウィンド・ブレイク』の一発でもやってとっとと部屋から追い出しているところだ。
が、彼女だけは一種の例外。
仕方なく『サイレント』を解除すると滝の水の様に言葉が迸る。
850名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:42:02 ID:GoMIFtIc
支援
851名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:42:13 ID:mVbuDN4a
せめて最後は笑顔で終わってもらいたいけど……無理か。

たった今「デルフリンガー!お前も生まれ変わったのか!」と平賀才人が叫ぶというシーンという妙な電波を受信しました。
852ゼロの夢幻竜 代理:2007/12/13(木) 23:42:19 ID:oUIqWxfd
「タバサ!今から出かけるわよ!直ぐ支度して頂戴!」
「虚無の曜日」
「ええ、虚無の曜日がどれほどあなたにとって大切な物か私よく分かってるわ。けど今はそんな事言ってられないのよ!ルイズとラテ……あの使い魔が出かけたのよ!方向から恐らく城下街の方向だとは思うけど、何をしにいくのか物凄く気になるのよ!分かった?」

その質問にタバサはゆっくり首を振る。
質問の主意が分からないのと、何故自分にその話を持ってきたかが分からないのだ。
キュルケはやれやれとばかりに頭を抱える。
それからタバサの手元から本をぱっと取って同じ調子で捲し立てた。

「あなたの使い魔じゃないと追いつかないのよ!お願い!」

その泣きつきとも言える声にタバサは頷く。

「ありがとう!追いかけてくれるのね!」

タバサは相も変わらぬ無表情でその言葉を聞くと、窓へ寄り、そこを開けて鋭い音の口笛を鳴らす。
それから窓枠へよじ登り、いきなり外へと身を躍らせる。
半瞬遅れてキュルケがそれに続いた。
その二人をタバサの使い魔である風竜の幼生が難なく受け止める。
最近二人でいる時は、ドアの外に近い階段を使うよりもこちらの手法を多用している。
5階にあるタバサの部屋から飛び降りるという事も大分慣れてきた。
風竜はその両翼で風をしっかりと掴んでぐんぐんと上昇していき、あっという間に高度は二〇〇メイル程に達した。

「いつ見てもあなたのシルフィードは惚れ惚れするわよね〜。」

キュルケが背鰭の一つを掴みながら感嘆の声をあげる。
シルフィードとは風の妖精の名であり、二人の乗っている風竜の名前でもある。
シルフィードは主に進行方向を尋ねる様に首を向けた。

「あっちの方向。赤と白の色をした竜。食べちゃダメ。」

と、その途端シルフィードは翼をいつもより大きく何回もはためかせ、猛スピードで街の方向に向かいだした。
鼻息まで荒くいつも飛ぶ時とは明らかに気合の入り方が違う。
急加速のせいでキュルケが危うく空中にダイブしかけるほどだった。
一方タバサは吹き付ける風を微風の様にしか感じていないらしく、黙々と本を読み続けている。
彼女だけは知っていた。
街へ向かったルイズとその使い魔を追ってくれと言っただけで、何故にシルフィードがこうもむきになるのかを……
853ゼロの夢幻竜 代理:2007/12/13(木) 23:42:36 ID:oUIqWxfd
ブルドンネ街はトリスタニアの城下にあり、幅5メイルにも達する大通りを有する町である。
その入り口とも言える場所にルイズと人間形態のラティアスがいた。

「あんた、やっぱり凄いわ。あんな速さが出せるなんて……」

ラティアスは嬉しそうに微笑む。
馬で三時間かかる道程を、たったの10分で飛びきったのだから感心するなと言う方が無理だ。
桃色がかったブロンドの髪がオールバックのストレートになり、飛んでいる間中ずっと姿勢を低くしていなければならなかった事を差し引いてもである。
ルイズは乗馬が得意であった為に、馬に乗っても腰を痛めるという事は無かったが、馬に乗るより正直こちらの方が速い。
横をふと見ると、ラティアスが活気溢れる大通りに見入っていた。
年の事を考えれば相当物珍しく映るのだろうか。
ルイズはそんなラティアスの手を引き、通りの中にずんずん入っていく。

「いい?ここからは私に話しかけないこと。周りをあまり珍しそうにきょろきょろ見ないこと。」
「えー?じゃあ何で私連れて来られたんですか?送り迎えの為だけだなんて答えは止して下さいよ。」
「あのねえ、武器を買うっていうのにその使う本人が来なくてどうするのよ。色々試してしっくり来る物を選ばなきゃお金の無駄でしょ?」

折角来たのに何だこの扱いは、と文句を言うラティアスを余所にルイズは涼しい顔をしている。
やがて二人の姿は人混みの中へと消えていった。
854ゼロの夢幻竜 代理:2007/12/13(木) 23:42:54 ID:oUIqWxfd
投下終了します。今回は10分を20分にするか30分にするかで悩みました。
馬だってずっとギャロップ走法出来る訳じゃあるまいしと計算した結果そうなりました。
この判断が○か×かは皆さんに任せます。
では近い内にまたお会いしましょう。
855名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:43:44 ID:oUIqWxfd
一つ長さ規制にあったんで勝手に改行したよ。
じゃ、次スレ立てるわ。
856名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/13(木) 23:46:00 ID:oUIqWxfd
857名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 00:47:30 ID:jBwJKKZj
500取ったら好きなSSの続きが読める。
858夏休みの使い魔 ◆iPwmJvtOls :2007/12/14(金) 00:55:49 ID:TrSQNmZ2
埋めがてら投下します
859夏休みの使い魔(1/4) ◆iPwmJvtOls :2007/12/14(金) 00:56:54 ID:TrSQNmZ2
マリコルヌは同志を求めていた。
女の子に尻尾を振り、彼女の機嫌一つに一喜一憂する人生。実に嘆かわしい。
男として、誇りある貴族としての矜持を保ちたいと思うならば、
そんなわがままな女は始めから近寄らせずに、まず自らを磨く事に専念すべきだ。
そう、これは決して妬みや僻みから発した思想ではない。
軽佻浮薄な世の風潮に警鐘を鳴らすのはぼくしかいない。
そのような真理にたどりついたマリコルヌは、一つの団を立ち上げていた。
未だ彼一人の孤独な団だが、いつか世界にその名を轟かせる日を信じて……。
軽薄な男女交際を敵とし、世界中の男達を紳士とするための団。
その名を、SOS団と言った。

マリコルヌは、昼の食堂に姿を現した使い魔……ルイズの呼び出した平民をじっくりと観察する。
さえないという形容が最も似合った風貌であろう、とてももてるようには見えない。
人目がある場所であるにもかかわらず、どうやら夜着そのままで皿を運んでいるようだ。

―――――――――――――――――仲間か。

平民だとて、思想を広める事ぐらいはできる。
彼が仕事を終え、ぼくが食事を終えた時、誘いを掛けてみよう。
団員一号、なんと響きのいい言葉か!
肉を口に運びながらも、マリコルヌの観察は続けられる。
団員一号(仮称)はギーシュの脇で足を止め、何かを拾ってギーシュに手渡した。
ギーシュはマリコルヌの理想を鼻で笑い、SOS団の殺すリストに最初に掲載されると言う栄誉を得た男だ。
あの使い魔とギーシュが意気投合するか、それとも敵対する事になるか。
そこで団員一号(仮称)の紳士としての真価が問われることになるだろう。

「君のおかげで、二人のレディの名誉を傷つけてしまったよ。どうしてくれるんだね?」
「ああ、すまん。何せ俺は産まれてこのかた、一度ももてたためしがないからなあ。
そういう男女の機微は全く理解できんのだ。この哀れな凡人に少しでも憐憫の情を抱いてくれたのなら、
今日の所はこれぐらいで勘弁してもらえるとありがたいんだが」
「ふうん、まあ、仕方ない。君のような平民に僕に匹敵するほどの男女の機微に対する理解を求めるのが無謀か……」

間違いない。もてたためしがないという発言を自らしてしまうほどの自虐、屈辱に涼しい顔で耐えるタフな心―――
彼こそ、SOS団員一号に相応しい逸材だ!
ついに同志に巡り合った高揚を抑えきれず、マリコルヌは食事を口に運ぶ速度を加速させる。
隣の席の奴が訝しげな顔をしたが、そんなことより一刻も早く彼を勧誘しなければならない。
期待と喜びに胸躍らせ、マリコルヌは既にSOS団の活動スケジュールを組み立て始めていた。
だが、しかし。マリコルヌが鶏肉の皿を平らげサラダに取り掛かろうとしたちょうどその時、それは訪れる。
860夏休みの使い魔(2/4) ◆iPwmJvtOls :2007/12/14(金) 00:57:59 ID:TrSQNmZ2
「やあ、キョン」
「佐々木か」

マリコルヌはフォークをくわえたままぴたりと停止し、目を見開いた。
落ち着け。落ち着けぼく。まだ彼が敵だと決まったわけではない。
彼にも社会生活というものがあるのだから、偶然女の子と会話することぐらいあるさ。
ぼくだって昨日ケティと会話した、会話したじゃないか。
(ギーシュ様がどこにいらっしゃるか、ご存知ですか?)
(え、あ、ああ、教室にいたと思うけど)
(そうですか。ありがとうございます)
ぼくだって女の子と会話しようと思えばできるんだ。
そう、今のぼくはまだ見ぬ未来の花嫁のために貞操を守っているに過ぎない。
紳士に不純異性交遊は厳禁だからな!

「この先ずっとその服で過ごすつもりかい?そのままだと、二・三日で目も当てられない惨状になると思うけど」
「そう言われればそうだな。しかし、あてがあるわけでもなし……」
「何、ないのなら買いに行けばいい。こっちにだって休日はあるんだ、何なら僕が見繕ってあげてもいいよ?」

嫌な予感がして、マリコルヌはフォークを置いた。この感覚には覚えがある。
幾多の男女を観察してきた彼の本能が警鐘を鳴らす。
そう。それは女が男を連れ出すために完成させた独特の言い回し、男に誘わせるための策謀―――

「そうか?だが金がないしな……元々金持ちってわけじゃないが、こっちに来てからは一文無しだ」
「いいさ。僕が言い出したんだ、君が何か収入の道を見つけるまでは僕が立て替えておくよ」
「それはいくらなんでも悪い。いくら親友と言ってもだ、ただより高い物はないという慣用句もあることだし……」
「それじゃあ貸し一つということにしておこうか?頃合を見計らって返してもらうことにしよう」
「……余計な事言ったか?俺。まあいい、それじゃあ、今度休みをもらって買いに行くとするか」

二人はなおも何か喋りながら、食堂を後にした。
その後姿を眺めつつ、マリコルヌはテーブルの上の手を小刻みに震わせる。
マリコルヌが、キョンの主張する所である「勘違い」の被害者となった瞬間だった。
裏切られたという一方的な感情と怒りが目から血涙、歯茎から血の泡となって噴き出す。
デートだ。あれは間違いなくお、お、おデートって奴だ!
しかも、女の子から……女の子の方から誘いを掛けられるなんて!
敵だ。もはや千言を尽くしても奴を許す事などできない。我らSOS団の怒りが天を突き、審判を下すであろう!
我らって言っても、一人しか居ないけどな!ぼく一人で、我らとか言ってるけどな!
呪ってやるとか思うだけで、具体的に何をするわけでもないけどな!
「ぐふっ、ぐふっ、ぐふっ……」
マリコルヌは泣いた。他の生徒達が指をさしてこそこそ笑うのも気にせずに、くぐもった声を上げて泣いた。
午後の授業中は、先生に怒られないようにすすり泣く声で、泣いた。
部屋に帰った後は枕に顔を埋めて、泣いた。
861名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 00:58:58 ID:m/Gio+9W
sien
862夏休みの使い魔(3/4) ◆iPwmJvtOls :2007/12/14(金) 00:59:03 ID:TrSQNmZ2
悠々と……いや、無駄に行動力のある誰かさんのせいで充実しすぎた夏休みを送っていた俺が、
目が覚めたらそこは戦乱の異世界だった、などというフレーズが似合いそうな状況で召喚されて三日が過ぎた。
虚無の曜日とかいう休日を服や雑貨の購入に費やすことを決めた俺は、
その発案者である佐々木と共にトリステインの城下町にやってきたわけだが。
「ブルドンネ街。トリステインで一番大きな通りよ」
観光ガイドよろしくこの通りがブルドンネ街という名であることを解説してくれたのは、
この俺のご主人様……ということになっているルイズ。彼女は休日を要求した俺と、
その俺の案内役を申し出た佐々木に対し、自分の使い魔の面倒は自分で見ると言い放って同行を決めた。
「当然でしょ?使い魔の面倒は、それを召喚した貴族が見るの。従者に完全に任せる人もいるけど、私そういうの嫌い」
なるほど。彼女には彼女なりの矜持というものがあるらしい。
貴族だのヴァリエール家だのうるさい分、その権利に相応する義務は果たすという所か。
「貴族ってのも大変なんだな」
「そうよ。だから尊敬しなさい」
「へいへい」
その気の抜けた返答にルイズはちょっと不満げな顔をしたが、俺が彼女への理解を深めた様子を見せた事で満足したのか、
ちらりと佐々木をうながし、前を向いて歩き始めた。俺達も後に続こうとして……佐々木が、あることに気づいた。
「ミス・ヴァリエール。彼が着るような服を売ってる店、わかりますか?」
その問いかけにルイズは足を止める。
「よろしければ、私がご案内しますけど」
「と、当然よ!貴女についてきてもらったのはそのためなんだからね!」
ぎこちなく振り返って虚勢を張るルイズだが、
無駄にふんぞり返った胸と真っ赤な顔がその虚勢を完全に無益なものにしている。
どうやら、彼女の使っていた服屋に無意識のうちに向かっていたらしい。
「くっくっ、それじゃあ私についてきてくださいな、ミス・ヴァリエール」
ルイズは不承不承ながらも頷いて、佐々木の後を追う。
俺もその後を追おうと足を前に進め、雑然と並ぶ露店を三つほど通り過ぎたあたりで声が掛けられた。
「おうおう、見覚えのある奴がいるじゃねえか」
思わずあたりを見渡す俺に更に声が掛けられる。
「どこ見てんだよ。こっちだこっち」
声のした方向を見ると、露店に置かれた剣がカタカタと動いて声を発しているようだ。
「ちょっと、どうしたの……って、インテリジェンスソードじゃない」
インテリジェンスソード?何だそれは。
「喋る剣のことさ。この世界じゃ別に珍しくもない」
「そんなもんかね。まあ、剣なんて使ったこともないしな。必要ないか」
「そうね。さ、早く行きましょ」
結論が出たようなので、俺はその剣に別れを告げ、先を急ぐ事にした。
本当は少し惜しい気もしたんだがな。
「というわけだ。じゃあな」
俺達が立ち去ろうとした時、新しい客がその露店に足を止め、その剣を手に取った。
ちょうどタイミング良かったな。そう思って再び足を前に進める俺達に、
今度はその客がお声を掛ける。
「……佐々木さん!」
ん?
「会えると……きっと会えると信じてました!」
「確か……橘さんだったね。君もこの世界に?」
「知り合いか?」
「ああ、正に知り合いだよ。友達、とまではちょっと言えないからね」
「さ、佐々木さん、それはちょっとひどいのです。せめてその、知己とか」
知り合いも知己もそんなに変わらないような気がするんだが……。
とりあえず、こいつも俺たちと同じ世界にいた、というのは間違いないのだろう。
「ちょっと、お話できませんか?」
橘は通りの通行人を気にしつつ、何か答えを待っているようだ。
その様子から何かを読み取ったのか、佐々木は俺とルイズに目配せをして、言った。
「親戚のやってる店があるんだ、そこで……」
863夏休みの使い魔(4/4) ◆iPwmJvtOls :2007/12/14(金) 01:00:40 ID:TrSQNmZ2
『魅惑の妖精亭』と描かれた看板をくぐり、俺達はテーブルについた。
佐々木が厨房の方角を向いて手を振ると、何だかテカテカしたおっさんと、
鶴屋さんに良く似た黒髪の女の子が手を振り返す。あれが、佐々木の言う親戚とやらか。
「で、どうして橘さんはこの世界にいるの?」
「それが、この国のお姫様にその、召喚されて」
「姫様の使い魔になったってこと?」
「ええ、珍しい事だって騒がれましたけど」
それは本当に珍しい事なのか?俺に続いての珍しい話って、それは本当に例外と言えるものなのだろうか。
「で、何でまた姫様の使い魔がこんなところにいるんだ?」
「そ、それはその、姫様に貰った剣が、ええと……その、間違って捨てられちゃって、それで、」
「リサイクルショップに……」
リサイクルショップ、ねえ。
そんな橘に曖昧な視線を向けつつ、佐々木は腕を組んでなにやら思考をめぐらせていた。
「姫様は……君を、つまり人間を召喚した」
俺と、この橘とかいう奴と。人間を召喚したから、つまりどういうことなのだろう。
異常事態と言うなら、そこから何か分かっても良さそうなものだと思ったりもするのだが。
「人間は例外なんだ。そうですね、ミス・ヴァリエール?」
「ええ、そうね。今までの歴史の中でも……私以外に人間を召喚したなんて今まで聞いたことがないわ」
と、いうことはつまり……どういうことだ?
「姫様とミス・ヴァリエールは共通点を持ってる、ってことじゃないかな?」
「でも、姫様は水のトライアングルだって聞いたわ。私はフライさえ……使えないんだし、同じだなんてとても」
「共通している部分が存在することと魔法の腕前は全く関係ありませんわ」
きっぱりと言い切った佐々木は、少し考える素振りを見せてから、橘に視線を向ける。
「橘さん、何か隠してない?」
「え、ええと、何のことでしょう」
問いかけられた橘の目は、露骨なまでに泳いでいる。案外分かりやすい奴だな。
問い詰められた橘が値を上げるよりも早く、
今の今まで黙り込んでいた剣が唐突に声を上げた。
「おう!相棒、この兄さんはお仲間だ、話しちまってもいいんじゃねえか?」
「相棒?」
佐々木はつかつかと歩み寄って、その剣を目線の高さまで抱え上げて問いかける。
「相棒って何だい?」
「俺の相棒!虚無の使い魔、神の盾ガンダールヴってことさ」
「ガンダールヴ?」
「ミス・ヴァリエール。知ってるんですか?」
「ええ、伝説の使い魔。六千年前から今日まで、その存在が確認されたって記録は見たことがないわ、少なくとも私は」
その言葉に皆は橘に視線を集め、無言の圧力を掛ける。
注目を集めた橘は佐々木をちらと見た後、諦めたのかため息を一つついて話し始めた。
「話します。でも、先にお姫様と『誰にも話さない』って約束したんですから、
あたしが話したってことは誰にも言わないで欲しいのです」
「約束するわ。僕達は知らなきゃいけない。そうだよね、キョン?」
ああ、その通りだ。何か手がかりがあるというなら教えて欲しい。
「んんっ……わかりました。じゃあ、絶対に秘密ですよ……」
橘はテーブルの中央に皆を寄せた後、意味ありげに、無駄に重々しい声で話し始めた。
「その剣の言った通り、あたしと、おそらくキョンさんも、虚無の使い魔なのです……」
864夏休みの使い魔 ◆iPwmJvtOls :2007/12/14(金) 01:01:48 ID:TrSQNmZ2
とうかしゅうりょう
865名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:03:02 ID:qUgiROZe
500KBならアークザラッドからちょこ召喚。
Tのちょこなら力でワルキューレ粉砕。
Uのちょこなら馬鹿力は押さえ気味だが攻撃系特殊能力あり。
シリアスな場面も「ちょこつよいんだからー」「みてたみてたー?」空気嫁となること請け合い。
だが最後は覚醒して「闇に還れ…バ二ッシュ!」でワルド涙目。
866名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:03:31 ID:m/Gio+9W
姫様誰召喚してるんですか
夏休みの人乙

さて埋めようか
867名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:04:01 ID:gGFtfe0x
500kならヴァンパイアハンターから誰か召喚
868名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:06:45 ID:flMu7/Ex
                _∧_∧_∧_∧_∧_∧_∧_∧_
     デケデケ      |                         |
        ドコドコ   < 爆熱の使い魔 17話 まだーー!!? >
   ☆      ドムドム |_ _  _ _ _ _ _ _ _ _|
        ☆   ダダダダ! ∨  ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨
  ドシャーン!  ヽ         オラオラッ!!    ♪
         =≡= ∧_∧     ☆
      ♪   / 〃(・∀・ #)    / シャンシャン
    ♪   〆  ┌\と\と.ヾ∈≡∋ゞ
         ||  γ ⌒ヽヽコ ノ  ||
         || ΣΣ  .|:::|∪〓  ||   ♪
        ./|\人 _.ノノ _||_. /|\
         ドチドチ!
869名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:08:18 ID:u8dxsjbh
              _∧_∧_∧_∧_∧_∧_∧_∧_
     デケデケ      |                   |
        ドコドコ   < 2000の技を持つ使い魔 まだーー!!?  >
   ☆      ドムドム |_ _  _ _ _ _ _ _ _ _|
        ☆   ダダダダ! ∨  ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨
  ドシャーン!  ヽ         オラオラッ!!    ♪
         =≡= ∧_∧     ☆
      ♪   / 〃(・∀・ #)    / シャンシャン
    ♪   〆  ┌\と\と.ヾ∈≡∋ゞ
         ||  γ ⌒ヽヽコ ノ  ||
         || ΣΣ  .|:::|∪〓  ||   ♪
        ./|\人 _.ノノ _||_. /|\
         ドチドチ!


870名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:10:31 ID:MwiNdX9h
500kbなら学園アリスから佐倉蜜柑を召喚。
871名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:10:47 ID:jBwJKKZj
500kなら機動刑事ジバン召喚。

「対バイオロン法第六条!子供の夢を奪い、その心を傷つけた罪は特に重い!」
ワルドの頭上に死兆星が輝く。
872名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:12:54 ID:htEJBYM5
500kbならコーセルテルの竜術士物語からマシェルとちび竜7匹召喚。

なんかゼロ魔の物語ガン無視でほのぼのとした日常生活だけで終わりそうな悪寒
873名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:14:00 ID:OeWvTmjs
500ならアークIIからヒロインをヴィンで召喚
874名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:14:02 ID:i+EpLLYn
500kbなら召喚少女より召喚獣もとい召喚嬢のまどかを召喚


……まだクリアしてないけどな。
875名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:21:30 ID:VJkjkG5e
500なら電磁波で戦闘機を撃墜するミニ四駆を召喚
876名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:22:17 ID:amrKFXsS
500kbならエアーマン召喚

ギーシュ「エアーマンが倒せない!」
ルイズ「あんたが勝てた使い魔って殆どいないじゃない」
877名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:25:53 ID:MwiNdX9h
500kbならダークライを召喚。


ルイズが祖母のルイーゼから教わった歌とヴァリエール領の大聖堂の関係とは?
ハルケギニアで始まるハタ迷惑極まり無いヤクザ神様の抗争!!
878名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:26:51 ID:+WcBqBdH
500kbならヴァンパイアセイヴァーからデミトリ様召喚

会う敵全部にミッドナイトブリス
879名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:26:54 ID:m/Gio+9W
>>500kbなkbなら
ギルティギアよりディズィー召喚
880名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:27:09 ID:SmMH9eAx
500kbなら最後の竜ドレイク召喚

何か成り行きで不死身になったワルドが暴れる希ガス
881名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:27:42 ID:OeWvTmjs
500kbなら、サモナよりカイナさん召喚
882名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:28:00 ID:9u423L7h
500kbならポケモントレーナー召喚

ヴィンダールヴ補正で恐ろしく強くなる手持ポケモン達
883名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:31:21 ID:goavakfz
500kbならワンダーモモーイ召喚
884名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:32:41 ID:rMKnGGGH
最後なら逸刀志狼召還。
七万の軍勢がモガガル
885名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:33:15 ID:+WcBqBdH
途中で送ってもた
500kbならヴァンパイアセイヴァーからデミトリ様召喚
会う敵全部にミッドナイトブリス

ルイズ→( ゚∀゚)彡
キュルケ→寝巻き
タバサ→( ゚∀゚)彡
モンモン→( ゚∀゚)彡
ギーシュ→( ゚∀゚)彡
マルコメ→( ゚∀゚)彡
アンアン→( ゚∀゚)彡
テファ→( ゚∀゚)彡
フーケ→( ゚∀゚)彡
ワルド→( ゚∀゚)彡
コルベール→( ゚∀゚)彡
886名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:33:19 ID:Z7AZko6q
500kbなら俺、続き書くんだ……またクソ長くなりそーだけど頑張るんだ
887名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:35:21 ID:MwiNdX9h
500KBならスター・レッドの人が投下してくれる
888名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:35:46 ID:OeWvTmjs
500kbならヴァンパイアセイヴァーよりリリス召喚

れずれずれずれずれずれz
889名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:39:48 ID:FvGacpE8
500kbならちせ召喚
890名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:42:45 ID:/2TZuYQw
>>500なら次スレに爆熱の人が来る
891名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:44:55 ID:MwiNdX9h
500kbならキュルケがロコンのタマゴを召喚。
育つにつれて技も性格もママに似てくる娘w


ダイヤモンド・パールからは誘惑を自力で覚えるし。
892名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:45:00 ID:qUgiROZe
500KBならアークザラッドからアーク召喚。

剣使うよりも各属性攻撃系特殊能力に加えトータルヒーリングまで有り、ルイズとデルフ涙目。
893名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:46:27 ID:OeWvTmjs
>>861
キュウコンになれない・・・
894名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:47:52 ID:MwiNdX9h
>>893
街でキュルケが買ってあげた使い魔やペット用のアクセサリーの石が……とかで。
895名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:50:04 ID:XA5g+Wbl
500kbなら>>886が続きを書く
896名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:51:27 ID:jxrUa8nW
さて残り4kか
897名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:52:10 ID:MwiNdX9h
500kbならマリーランドの白い悪魔がやってくる。
アンリエッタ女王が学院生徒のアンちゃんになる。
898名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:56:17 ID:jxrUa8nW
500kならドキ!女だらけの水着大会開催
899名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 01:57:56 ID:OeWvTmjs
500kbなら吸血鬼のお仕事からツキ召喚

性格悪くて喋る黒猫さん
900名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 02:03:00 ID:jxrUa8nW
                                          ○________
                                             |:|\\:::::||.:.||::::://|
                                              |:l\\\||.:.|l///|
                         __ ィ   ,. -――- 、     |:|:二二二二二二二 !
                        /    L /        \.   |:l///||.:.|l\\\|
                / ̄ ̄ ̄ ̄ 7 / / f  / /   l l l lハ  |:|//:::::||.:.||:::::\\|
  ト、     ,.    ̄ ̄Τ 弋tァ―    `ー /   从 |メ|_l  l_.l斗l |ヽ V |:| ̄ フ  ̄ ̄ ̄ ̄
  ヽ \__∠ -――く  __       .Z¨¨\   N ヒj V ヒソ l .l ヽ\| / /
   ヽ  ∠____vvV____ヽ   <   ≧__/ ゝ、t‐┐ ノ .|┐ ./ /
.    \\_____ivvvvvvvv|   V.    (  (  /Tえハフ{  V / /
       \!      |   / 入_.V/|      >-ヘ  \:::∨::∧   / ∠ ___
 __  |\       l/V  _{_____/x|    (_|::::__ノ   }ィ介ーヘ ./  ,. ---――
  )-ヘ j ̄} /|        /___/xx|       _Σ___/| | |V::::ノ/ ∠___
  {  V  /`7.         /___./xXハ    ( |:::::::::::::::::ハ   >' ____二二
.  \_   |/        /___l XX∧     __≧__::::::::/:∧/   `丶、
    |   ヽ        /____|]]∧  __|__L.∠ ム'  <`丶 、 `丶、
    |     ',         {     |]]]>'  __      ∧ l\ \   丶、 `
   ノ     }       l ̄ ̄ ̄.|] >' ,. '  ̄ / .// :/  V'  \ ヽ    `
  / ∧   { \      |      .|>' /      // :/ :/ :   ', l   \ ヽ  ,.-―
 入ノ. ヽ  く  ヽ______7 ー―∠__    〃  l :/    :l l     \V
`ー′   \  `<  | {      /   | /〃   :|/  __V/ ̄| ̄ ̄{
901名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 02:03:01 ID:goavakfz
500kbなら寄生獣からミギー召喚

もしくは終わりのクロニクルから佐山召喚…収拾つかなくなりそうだがー
902名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 02:03:35 ID:jxrUa8nW
500kbなら俺が脱ぐ
そしてサイトもギーシュもマリコルヌもオスマンもコルベールもワルドもみんなみんな全裸へ!

ウホ!男だらけの裸祀り!
ポロリもあるよ!
903名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 02:04:19 ID:mXKSHwFY
500kbじゃなくてもOCN規制解いてくれ〜
904名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 02:05:11 ID:jxrUa8nW
ちっ、祀りは先送りか……
905名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 02:06:17 ID:OeWvTmjs
500kbならサモナ1よりモナティとガウム召喚

永遠に日常のヨカン
906名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 02:06:24 ID:wBZXoX8D
500kbならインセクター羽蛾召喚。
907名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 02:07:24 ID:jxrUa8nW
とりあえず500kbなら女連中の水着祭りで良いよもう
908名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/14(金) 02:07:50 ID:i+EpLLYn
500ならレイディー・バード召喚
909名無しさん@お腹いっぱい。
500kbなら幻想水滸伝4から4様召喚。