リリカルなのはクロスSSその27

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1名無しさん@お腹いっぱい。
ここはリリカルなのはのクロスオーバーSSスレです。
ガンダム関係のクロスオーバーは新シャア板に専用スレあるので投下はそちらにお願いします。
オリネタ、エロパロはエロパロ板の専用スレの方でお願いします。
このスレはsage進行です。
【メル欄にsageと入れてください】
荒らし、煽り等はスルーしてください。
次スレは>>975を踏んだ方、もしくは475kbyteを超えたのを確認した方が立ててください。

前スレ
リリカルなのはクロスSSその26
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1195735974/

過去スレ
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1195352813/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1194875382/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1194190014/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1193668768/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1193128576/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1192340228/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1191674700/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1190950386/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1190209861/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1189525591/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1188914457/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1188222989/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1187714790/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1187176581/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1186669558/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1186147008/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1185640072/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1184997868/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1184393091/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1183637309/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1182871170/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1182002145/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1180901290/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1179746193/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1177202668/

*雑談はこちらでお願いします
リリカルなのはウロスSS感想・雑談スレ7
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1195820675/

まとめサイト
ttp://www38.atwiki.jp/nanohass/
2名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 23:35:12 ID:qRf6RR25
>>1
3なの魂の人:2007/11/27(火) 23:36:35 ID:uXjoDg0/
>>1
乙ケンリッター
4×DOD:2007/11/27(火) 23:37:39 ID:6sUrnLgj
過去スレの順番は直ってるでしょうかどうでしょうか。たぶん大丈夫と思いますが…
5名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 23:43:24 ID:nn+lb8g2
>>4
合っている
よくやった

そして乙
6リリカル遊戯王:2007/11/27(火) 23:46:18 ID:IEoniXk7
>>1
強靭!無敵!最乙!
7×DOD:2007/11/27(火) 23:46:48 ID:6sUrnLgj
リリカルスクリーム氏申し訳ない、本当に申し訳ない…
8リリカル龍騎@携帯 ◆YHOZlJfLqE :2007/11/27(火) 23:47:21 ID:IgvLXwUh
我らは神の代理人 >>1乙の地上代行者
我らが使命は新スレを立てた>>1を その肉の最後の一片まで>>1乙すること

AMEN
9名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 23:51:46 ID:axyUjG84
>>1

なんか被ってるみたいだが、もう一つの方消したほうがいいんじゃないか?
だれか削除要請シクヨロ
10リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/11/27(火) 23:52:12 ID:zN4K9xor
>>1
乙です。
>>7
お気になさらず。
こんなミス誰でも一度はやりますよ。
11Strikers May Crys:2007/11/27(火) 23:56:26 ID:N6JRwjQD
たった今デビルメイクライ3クロスの八話できました、今回はまだバージル兄さんまだ少しデレ期ですが…
”デレ期の兄さんは嫌!”って人がいたら書き直そうかと思ってますがどうでしょう?
12名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 23:58:13 ID:qRf6RR25
GOGO!!!
13Strikers May Crys:2007/11/27(火) 23:58:44 ID:N6JRwjQD
それじゃデビルメイクライ3クロス投下します
14名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 23:59:03 ID:XbGXAofe
これから先はツンツンしまくりにすればいいのさ!支援
15Strikers May Crys:2007/11/27(火) 23:59:21 ID:N6JRwjQD
魔法少女リリカルなのは Strikers May Cry 第八話 「その日、機動六課(前編)」

ヴィヴィオが六課にその身を預けるようになってしばらくが経ち、ヴィヴィオはなのはとフェイトを母と慕い、六課の隊員一同にも慣れ、バージルを兄としてすっかり懐いていた。

「はあああああ!!」
「おおおおおお!!」
空中を駆ける青き翼の道ウイングロード、その上を駆けるはスバルとギンガのナカジマ姉妹、ぶつかり合うは鋼の拳リボルバーナックル。
スバルの姉ギンガとマリーこと本局の技術官マリエル・アテンザが六課に出向き、なのはの提案によりギンガはスバルと模擬戦を行うこととなったのだった。
「こりゃそろそろ決まるな、ギンガの勝ちだな」
二人を見守る一同の中、ヴィータは教え子の勝負を予見する。
「まだだ」
その時、居合わせた者の中で最もこの勝負に興味の無いと思われた男が口を開く。
「なんだよバージル、こりゃ勝負は見えてんだろ?スバルの奴そろそろギンガに動きが追いつかなくなるぞ」
事実、姉妹の攻防はギンガの方がウイングロードを駆ける速度を上げ、肘鉄や蹴りを含めたコンビネーションの数を増やし、スバルは防御障壁の展開すらままならなくなっていた。
「確かに防御も甘く、受ける打撃も増えている、しかしナカジマは防げないのではない、防がないのだ」
「なんだよそれ、それじゃあいつワザとあんなにボコラレてんのかよ」
「“読んで”いるのだろうおそらく奴は…」

ウイングロード中央でぶつかり合った姉妹は火花の散るほどの打撃の応酬を繰り広げる。
(よし…少し分かってきた、次は)
スバルが一人、自分の感覚を研ぎ澄ます中、ギンガの左のリボルバーナックルが魔力を込めた右のフックに次いで裏拳を飛ばしてくる。
フックを障壁つきの左肘で防いだスバルの視界にはギンガの裏拳は見えていない、ギンガは勝利を確信し裏拳を寸止めしようとするが、その鉄拳は空を切る。
「なっ!」
次の瞬間ギンガの身体は、沈みこんだ反動から繰り出されるスバルのアッパーを喰らい後方の空へと吹き飛ぶ。 
「まさか!私の動きを読んだの? やるじゃないスバル」
「へへ〜昔の私とはちょ〜っと違うんだよギン姉、なんせストライカーだって泣き出す先生がいるんだから」
二人は真剣勝負とは思えないほど楽しそうな顔で、先ほどとは打って変わった白熱の攻防で青空を彩る。
「スバルはだいぶ使えるようになったな」
「当たり前だ、俺からあれだけ学んで使えなければ犬にも劣る」
シグナムの言葉にバージルが相も変らぬ辛口を吐くがその顔は無表情の中にも喜びを感じられた、彼もスバルの目覚しい成長を少しは評価しているようだった。
「そ〜だな〜、なんせ“お兄ちゃん”だもんな〜教えちまうよな〜色々と」
「……うるさいぞ鉄槌」
ヴィータは命知らずにも、またバージルを挑発する、実はスバルはここ最近ヴィヴィオにあやかってバージルをお兄ちゃんと呼ぼうとしているのだ。
ちなみに、この時バージルの中で“将来ヴィータと1対1で模擬戦した時に串刺す幻影剣”の数は累計300本を越えていた(無論、非殺傷だが)。
下の一同がそんなやりとりをしていると、上空ではナカジマ姉妹の戦いがもう終わろうとしていた。
交錯する二つの青い道、ぶつかる二つの影、ギンガの左拳はスバルの眼前に寸止めされるが、振りの大きすぎたスバルの右拳は大きく空ぶっていた。
「本当に強くなったわねスバル」
ギンガは成長した妹に微笑む。
「う〜…今日こそは勝てると思ったのに…」
姉妹の勝負は今日も姉の勝利で終わった。

二人の模擬戦が終わり、なのはから隊長陣とフォワードメンバーの集団戦が告げられる中、なにやらマリーと話していたバージルに話が飛ぶ。
「バージルさんもどうですか?ギンガも入れて5対5の模擬戦なんて」
「ほう、面白いな、いいだろう…今、調整の済んだ“もう一つ”のデバイスをアテンザから受け取った所だ」
「そういえば、デバイスもう一つ貰ってましたね、どんなのですか?」
「ナカジマのデバイスと同じような物だが強度が満足いかなくてな、アテンザに改良を頼んでいた」
なのはとバージルがデバイスの話をする中、フォワードの4人はガクガクと震えていた。
「ど…どうしたの?」
そんな4人に心配そうに尋ねるギンガ。
「隊長たちだけでも大変なのに…バージルさんまで…あ…今日私の命日なのかな?…おかあさんがみえるよ…」
「幻影剣それ以上刺さないでください…刺さないでください…ささないでささないでさささ…」
16Strikers May Crys:2007/11/28(水) 00:00:11 ID:N6JRwjQD
スバルとティアナは虚空を見つめ何かうわ言を言っていた。
エリオとキャロは身を寄せ合ってハウハウッと小動物のように震えていた。
(何か、隊長たちより恐れられてる…でもあの隊長陣より怖いなんてありえないわよね…)
最近、成長したフォワードにバージルが模擬戦で容赦の無い事実を知らぬギンガはこれから自分の身に起こる悲劇を想像もできなかった。
「安心しろお前たち」
バージルがトラウマに浸っているフォワードに声をかける。
「今日はフォースエッジ・フェイクも幻影剣も使わん」
「ほ…ほんとうですか?」
怯えながらティアナが口を開く。
「ああ、今日はこちらを使う」
そう言うとバージルが右の中指と薬指に付けた二つの指輪を見せる、中指の物はフォースエッジ・フェイク、そして薬指の物は今までフォワード陣が機動を確認していない物だった。
「ではアテンザ、見せて貰おうか改良されたこいつの性能を」
その声と共にバージルの手足に白銀の手甲が現れる、その名はベオウルフ・フェイク、彼が前の世界で倒し、その力を調伏した魔獣の武具を模したデバイス。
今までシグナムとの模擬戦で何度か使っていたのだが、バージルの込めた魔力に耐え切れずに崩壊を繰り返していたのだ、今回はマリーの調整を受けた改良版であった。
結局、隊長陣にバージルを加えた模擬戦はフォワードメンバーとギンガの敗北で幕を閉じた、そして未来のストライカー達は泣きを見た、わりと本気で。

俺はふと読んでいた本(近代呪文詠唱講座)から顔を上げる、俺と六課の連中は訓練を終え食堂でのまどろむような時間を過ごしていた。
「う〜にがいのきら〜い」
「ちゃんと食べなきゃダメだよヴィヴィオ…バージルさんも何か言って下さい」
好き嫌いで駄々を捏ねるヴィヴィオに手を焼いた高町が俺に話を振る(まったく母を名乗るならちゃんと自分で叱れ…)。
「何を残している?」
「え〜と人参をたくさんです」
「ならば、その分菓子と甘いものは禁止だ」
「うう〜おにいちゃんがいじわるいってる〜〜」
ヴィヴィオがこちらを涙目で見るが、俺は気にせず自分のカップにコーヒーを注いだ(仮そめとは言え、親の言う事くらい聞かんかまったく…)。
「ふふ」
「どうした烈火」
「いやなに、お前も随分と変わったと思ってな」
烈火は俺を見てなにやら楽しそうに笑っている、まったく何がおかしいのやら…
しかし烈火は静かに笑っていればいつもの猪武者ぶりも嘘のようだな、まあこんな事を言えばひどく機嫌を損ねるだろうが。
「ふんっ、くだらん」
俺はまた読んでいた魔道書物へと目を落とし、食後のコーヒーを口に運んだ。
他愛のないひと時、知識と力を満たしていく日々に今まで無かった充足を感じつつ、時間はゆっくりと過ぎていく。


管理局地上本部における公開意見陳述会がまじかに迫り、俺に二つの選択が浮かんだ。
八神曰く“地上本部が襲撃を受ける可能性があるので本部と六課待機組に戦力を二つに分ける”という話だ。
八神の言葉どおりなら敵はその日に地上本部を狙う可能性が高いらしい、つまり俺の“猟場”になる、しかし敵がヴィヴィオを狙うのなら混乱の生じるその時だろう。
この憶測は地上本部襲撃犯がヴィヴィオを狙う者と同一である仮定の上だが、今までの事件の推移を考えて可能性は低くないだろうな。
地上本部とヴィヴィオが同時に狙われる、俺が敵ならば大部隊の抵抗の予想される地上本部に主力を向ける、六課の守りは自然手薄になるから敵の数も質もたかが知れる。
六課に配置する人員に強力な者はさけないそうだ、癒し手と守護獣が残るらしいがこの二人では攻防のバランスが悪すぎるな…
同時に発生するだろう二つの“猟場”俺は迷うことなく地上本部へ出向く事にした、狩るならば獲物の数は多いに越したことはない。
だがこの選択はヴィヴィオの命を捨てるという事だ、敵の手に落ちれば命の保障などないのだからな…

公開意見陳述会に際し六課からスターズ分隊とバージルが先立って地上本部へと出向くことになりへリポートにて今まさに飛び立とうとしていた。
「ママ〜おにいちゃ〜ん」
そんなバージルたちに彼らを慕う幼い声が響く、ヴィヴィオが二人の下へ駆けてくる、泊まりの任務に出かけるなのはとバージルに寂しさを感じ、二人を見送りに来たのだった。
なのはにキャラメルミルクを作ってもらう約束をして貰ったヴィヴィオはやっと落ち着き、二人を見送る。
全員がヘリに乗ろうとした時バージルの制服の袖をヴィヴィオが掴む。
「何だ」
バージルは横目でヴィヴィオを見下ろしながら、冷たく言う。
17名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 00:00:31 ID:XbGXAofe
ツンツン支援
18Strikers May Crys:2007/11/28(水) 00:00:52 ID:dkxbFUJp
「えと…あの…おにいちゃん、かえったらまたおうたきかせて?」
「……ああ…いいだろう」
バージル達を乗せたヘリが飛び立ち、地上本部へと向かう中なのはは窓から自分達を見送っているヴィヴィオに目をやる。
「それにしてもヴィヴィオ、なのはさんとバージルさんに懐いてますよねえ、羨ましいな〜 バージルさん!是非私のお兄ちゃんに!」
「こら!バカスバル!あんたって子はまたそんな事を…」
「そうだ!良いこと思いついた、バージルさん!ギン姉のお婿さんになって下さい!そうすれば自然と私のお兄ちゃんに!」
「いい加減にしなさい!こんのバカスバルーー!」
今日もティアナの突っ込みは正確にスバルの後頭部を捉えた、いつもなら二人のそんなやりとりを呆れて見ているバージルだが、今日は静かに窓から外を眺めていた。

あんな約束をするつもりなど無かった、もし予想どうりに事件が起きればヴィヴィオの生きた姿を目にするのは今日が最後かもしれないという感傷か?…この俺が?バカバカしいな、そんな事などありえない。
ヴィヴィオは獲物をおびき寄せる為の生きた餌に過ぎない、俺が更に実戦で力を研ぎ澄ますのに必要な道具だ…しかしあの娘は俺がそんな風に見ているなど考えもしないのだろうな…

現場では会場内に入れる八神らはデバイスの持ち込みが禁止らしい(それなら魔道師を会場内警備に就かせる意味が無いだろうが…愚かな)俺と鉄槌以下ヒヨッ子どもは本部周辺の警備だそうだ。
本部周辺には有象無象のムシケラとは言えそれなりの数の局員が控えている、もし今日敵が来るなら、大軍と精鋭を揃えたとて簡単に陥落はすまい…
「もしや杞憂に終わるか?」
俺は鉄槌らに聞こえん程度に呟く、もしそうなら八神の言っていた襲撃の予測は外れるだろう、ならば六課への攻撃もあるまい……ということは俺はまたヴィヴィオに歌を聞かせるのか?
俺が一人、悪夢のような未来を考えていると融合機リィンフォースUを連れた鉄槌が話しかけてきた。
「なあバージル…」
「…ん、何だ鉄槌」
「正直、これだけ警備の厳しい所に攻撃を仕掛ける奴がいると思うか?リスクが高すぎてとても考えられねえよ」
「さあな、何らかの切り札がある可能性もあるだろう、鉄屑の大群とAMFの混成ならば雑魚どもでは話になるまい」
「切り札ねえ、AMF使ったって陥落なんて出来ねえと思うんだけどな、少なくとも正気の人間なら…」
「敵が必ずしも正気である保障などないだろうが、むしろ狂人の方が多いと考えろ…それに歯向かう敵を倒す事に変わりは無い」
「…違いねえな、悪いな変なこと聞いて…って言うか他の局員は雑魚扱いかよ!?」
「ひどいです〜皆さんを能無しで給料泥棒の背景なんてあんまりです〜」
「「いやそこまで言ってない」」
俺と鉄槌は同時に融合機に突っ込みを入れた、油断ならん、やはり八神の融合機だけはあるな…

襲撃の予想に否定的な二人の考えは、地上本部内部への戦闘機人の攻撃とメインコンピューターへのクラッキングそして本部周辺へのガジェットと悪魔の遠隔召喚により打ち破られる事となる、本部周辺は瞬く間に地獄の釜の底へとその様を変えた。

「屑が…」
バージルはまた一匹、塵を媒介に現れた“傲慢”の名を持つ低級悪魔をフォースエッジ・フェイクで切り伏せながら、円周状に高速展開していた6本の魔力刃、幻影剣の内の2本を射撃攻撃でこちらを狙っていたがジェットへ射出してこれを破壊した。
「まったく、これでは高町らにデバイスを届けに行った方が良かったか?」
スバル以下フォワードメンバーは隊長陣にデバイスを届けに行き、ヴィータと別れたバージルは本部周辺の敵掃討に打って出ていた。
突如、空中から降り注ぐ雷撃、バージルは防御障壁で防ぎながら天を仰ぎ見る。
「こんなモノまで来ているのか、この世界は本当に魔界と関係ないのか?」
雷撃の主は巨大なムカデ状のワーム型悪魔“ギガピード”電流を操り30メートルを超える長大な身体を有した天を駆ける悪魔である。
「まあこんな屑どもよりは斬り甲斐があるな…」
そう言うや否や、次の瞬間には高速空間転移で上空に移動し大きく上段にフォースエッジ・フェイクを構えていた。
「はあああ!!」
重力による落下と飛行魔法行使により速度を上げた上段斬り“兜割り”でギガピートの頭を叩き割り、さらにまだ息のある巨体に20以上の幻影剣を様々な位置へと空間転移させ射出。
ものの数分で息の根を止め、また地上へと降り立った彼は、悪魔には死をガジェットには破壊を与えていく。
既に彼の斬り伏せ、穿った悪魔とガジェットは300体をゆうに超えていた、彼の鬼神の
19Strikers May Crys:2007/11/28(水) 00:01:37 ID:Rv/NbozD
ような戦いぶりに、防戦一方だった局員たちも少しは持ちこたえていた。
「…何だこの魔力は随分と高いな…」
突然、接近してきた高魔力にバージルは悪魔を斬り伏せながらロングアーチへ通信を入れる。
(こちらデイモス01、高魔力反応を確認した、飛来する敵航空戦力か?)
(はい、そちらへ急接近中です、今ヴィータ副長とリィン曹長が向かっています、推定オーバーSランク!)
シャーリーの返信にバージルは自身の鼓動が一瞬跳ねたのを感じ、心中にて呟く。
(オーバーSだと…ランクだけなら烈火より上ではないか…どうやら最高の獲物が来たな…)
バージルは迷うことなく飛行魔法を行使、敵航空戦力へと向かう、Sランクを超える相手に自身がこの世界で習得した戦術が完成に近づきつつある事を感じながら、高揚する精神を自戒していた。
(しかし…地上本部襲撃が起こったという事は…六課も攻撃を受けているのだろうな…)
ふと自分を兄と慕う、小さく無力な少女が彼の脳裏を駆けた。

続く。
20名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 00:01:38 ID:XbGXAofe
兄さんの魅力はツンがあってこそ支援
21名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 00:05:14 ID:XbGXAofe
GJ!
次回ついにバージル兄さんによるヌッ殺し祭だな。
兄さんのデレはここぞという極限状態の時に出るからこそ萌えるものになる、
そしてデレはツン期間が長ければ長いほどその指数が跳ね上がるのだ!
22Strikers May Crys:2007/11/28(水) 00:06:55 ID:Rv/NbozD
はい投下終了、次回はゼスト・アギト・ナンバーズが出る予定です兄さんはツン期に入ります(主に物理的に)
しかしよく考えたら精神的にはずっとツンですね、この兄さんは…
それとDevil Never Strikers氏、俺より早くダンテを出すとは…先を越された、是非とも本編を!期待してます。
23名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 00:09:32 ID:Cd6LFpZI
>>9
ここ使い終わったときに落ちてなかったら
再利用すればいい
24名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 00:10:01 ID:6Ah9DRCT
GJでっす!!
25×DOD:2007/11/28(水) 00:12:43 ID:A3W9dw8w
>>22
物理的ツンにwktkせざるを得ない


>>10
そう言っていただけるとありがたい。気をつけます。
26名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 00:21:25 ID:eUZF/61s
GJ!
そしてゼストさん、あなたの事は忘れないよ・゚・(ノД`)・゚・
バージルの刀の錆になっても・・・。
27名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 00:27:05 ID:qf7YfxiC
ベオ・・・・・・・ということは遂に流星脚の出番が!
28名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 00:32:52 ID:ViV6M0KC
GJ。
今回で更にベオも使える様になりましたか。
あれで何回撲殺されたことか……。


後、非殺傷でも300以上の幻影剣に刺されたら死ぬと思うよ。兄さんwww

29名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 02:02:27 ID:xd/DaSzi
ルーテシアの目の前でガリュー輪切りで、物理的にはひどい目には遭わないけど精神的に大きな傷を残す外道展開と申したか
もしくはアギトの目の前でゼスト(ry

……あまりひどいことしないでね、バージル兄貴。無理だろうケドw
30名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 08:47:08 ID:2yfEO7/K
ベール=ゼファーの本気は凄いな
某氏の外伝だと、あれが管理局にいるのか
31名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 09:05:48 ID:6j5+iL24
>>29
別にいいんじゃね?ゼストはすでに一回死んでるわけだし。
結局アニメでもシグナムに殺されてるし、どうせストーリー上いなくていいキャラだし。
32名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 09:12:00 ID:nx6i1AnE
>>31
しかしそうなると、どうやって姐さんはアギトとユニゾンするのだろうか?
33名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 09:13:24 ID:geFVfTU8
>>31
あそこは、管理局局員としての義務(被疑者の確保)を放棄した最低な場面にしか見えんかった
34名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 09:24:56 ID:6j5+iL24
>>32
どうせ2Pカラーに変わるぐらいでこれといって盛り上がらなかったし、しなくても問題ないんじゃね?
35名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 09:25:09 ID:lOH+n63j
>>30
アレがEランクとは、隠蔽技術も凄いよなぁー



……摩殺の帯をアゼルから剥ぎ取ったのか?w
36名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 12:21:03 ID:7p5f8xzB
GJ!
兄貴は一応まともな職場に就職をしたというべきなのだろうか?
そういえば、魔具は下手なデバイスより強力だけど
どいつもこいつも千年単位で生きてきた悪魔の化身だし
やっぱり、そのレベルの装備を再現するのは難しいのだろうな

弟の方は今頃ニート生活真っ最中なんだろうなw
37名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 14:58:51 ID:/nvYX57O
ロックマンゼクスはクロスしやすそうだな
38白き異界の魔王 外伝:2007/11/28(水) 16:53:21 ID:qJmpP3s1
>35
そんなこと言ってると、私そのままその設定使っちゃいますよ
39名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 17:03:52 ID:YPHif/ue
>>38
よりにもよって大事なところに使ってた分の帯もってかれてしくしく泣いてるアゼルを幻視した♪( ・∀・)bΣ
40名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 17:38:25 ID:wT8zfOAI
>>33
そういってやるな。「局員」として見たらあれだが「騎士」として見たら最良の選択肢だったらうしな
41白き異界の魔王 外伝:2007/11/28(水) 19:26:10 ID:qJmpP3s1
>39
こんな感じでしょうか?

ベル「で、アゼルに有無を言わせず納得させて、もらってきたのよ」
はやて「それって強奪、言うんやないやろか」
ベル:「結構大変だったのよ。アゼルを押し倒したり、ぐったりさせたり。私だっていろいろ吸われてやつれちゃったんだから」
ヴィヴィオ:「なに吸われたの?」
ベル:「えーとね」
なのは:「ヴィヴィオ、聞いちゃ駄目!」
ベル:「プラーナよ」

こけるなのはさん

ベル:「どうしたの?」
なのは:「何でもありません!」
42名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 19:55:56 ID:GuIwrAE9
>>32
アギトはバージル兄さんとユニゾンすればおk。
兄さんの力を認めたゼストに譲られたとすればおk。

>>40
どっちかーつーとあれは「武士」の範疇に入るんじゃね?
というか、そんなんよりちゃんと仕事を(ry
43スーパーロボット大戦X:2007/11/28(水) 20:07:09 ID:W5IZ/2mo
最近どうも人多過ぎでこれませんでした。
とりあえずすぐにでも投下したいのですが他に投下する人いますか?
44スーパーロボット大戦X:2007/11/28(水) 20:08:42 ID:W5IZ/2mo
色々時間がないので投下します。
第8話 狂える機人、復活の鉄騎士(中編)

 なのはとフェイトは閉じ込められた皆を救うため、エレベーターのドアをこじ開け、
 ワイヤーを伝って降りて行った。
 一方外では、テッカマン達がガジェットと懸命に戦いヴィータとリインフォースUは迫ってくる、
 ゼストとアギトの迎撃のためおらず、新人4人はなのは達と合流しようと中に入ったが、
 戦闘機人のノーヴェとウェンディに行く手を阻まれていたがなんとか優勢に持っていってた。

「この! 」

 ウェンディはエリアルキャノンでエリオを攻撃するが、エリオのアクロバティックな動きに翻弄され、中々命中しない。

「ウェンディ! このグズ! さっさと仕留めろ! でやぁあああ!! 」

 ノーヴェはエアライナーを駆け、ティアナに蹴りこむ。
 だがキックが命中した瞬間、ティアナの姿は消えた。

「な!? 幻影!? 」
「!? 」

「The load by the silhouette control increases.(幻影制御 負荷増大)」
「The limit of the energy boost is near.(エナジーブースト、リミット間近です)」
「あともうちょっと・・・」
「脱出のタイミングが稼げるまで・・・頑張って・・・! 」

 ティアナとキャロが懸命に頑張っているのがわかり、クロスミラージュとケリュケイオンは答える。
 
「Yes sir.」
「All right.」

「あたし達の目を誤魔化すなんて・・・あの幻術使い、戦闘機人システムを知っている? 」
「幻影だろうがなんだろうが全部潰せば問題」

 ノーヴェとウェンディがそう言ってたその時

「ナックルボンバー!! 」

 突然叫び声が聞こえ、それと同時に腕が壁を突き破り自分達を目掛けて飛んできた。
 二人はガードしたもののダメージを受けてしまいその場で倒れてしまう。
 そしてそれを好機と見たティアナは

「撤収! 」

 そう言い、幻影も含めて4方向へと撤退していった。

「ちっ」
「クソ! 」
「ノーヴェ、ウェンディ」

 二人が起き上がり、後を追おうとしたらチンクから通信が入った。
 
「チンク姉」
「二人とも来てくれ。もう一揆のタイプゼロ・ファーストに苦戦している」
45スーパーロボット大戦X:2007/11/28(水) 20:09:41 ID:W5IZ/2mo
 そして一方なのはとフェイトはシャッハと合流していた。

「シスター、会議室にいらしたんじゃ? 」
「それが会議室の壁と扉が謎のロボットによって壊されてしまったのです」
「「!? 」」

 なのはとフェイトは何のことだかわからない。シャッハが説明をする。
 シャッハが言うには何やら地下に持ってこられていたロボットが勝手に起動し、地下から壁や天井を突き破ったりなどして
 会議室の壁をぶち破り、会議室を横切りドアを壊してどこかに歩いて行ったとのことだ。
 そしてシャッハは重大な事を言う。

「騎士はやてやシグナムが言うにはあのロボットはオーガンと言うイバリューダーに似ているだそうです」
「「!? 」」

なのはとフェイトは信じられないと言う顔をした。それは会議室でオーガンを見たはやてとシグナムも一緒であった。
 シャッハやカリムは知らないがなのはやフェイト、はやてやシグナムはオーガンの事は知っていた。
 しかし、オーガンは先日地球に落とされるはずの5thルナを止めるために死んだはず。

「どう言う事だろう? 」
「わからない、それよりはやてちゃん達は? 」

今はオーガンの事は後回しにしてはやて達の事を聞くことにした。

「お三方とも、まだ会議室にいらっしゃいます。ガジェットや襲撃者たちについて、現場に説明を」
「なのはさん! 」
「やっと見つけたぜ! 」
「あ! 」
「良いタイミング! 」

 なのはとフェイトは新人4人と鋼鉄ジーグと合流し、デバイスを受け取る。

「こちらは私が! 」
「お願いします」

 シャッハはティアナからシュベルトクロイツとレヴァンティンを受け取る。

「ギン姉! ギン姉! 」
「スバル? 」
「ギン姉と連絡が取れません! 」
「え!? 」
「何だって!? 」

 連絡を取れないことに驚くなのはと鋼鉄ジーグ。

「先ほど戦闘機人二名と交戦しました。もしかしたらそいつらの仲間と・・・」
「ギン姉」
「分散しよう。スターズと宙さんはギンガの安否確認と襲撃戦力の排除」
「ライトニングは六課に戻る」
「「「「「はい!! 」」」」「わかったぜ! 」
「シスターシャッハ。上の方を、お願いします」
「この身にかけて! 」
46スーパーロボット大戦X:2007/11/28(水) 20:10:41 ID:W5IZ/2mo
 フェイトとエリオとキャロが機動六課本部に戻ろうと外に出た時、ブレードは嫌な予感がした。

「アキ、すまないがお前はユミ達の指揮を頼む」
「Dボゥイ、あなたはどうするの!? 」
「俺はフェイト達と一緒に機動六課の方に戻る。どうも嫌な予感がするんだ・・・」
「わかったわ、気を付けてね。Dボゥイ」
「ああ、行って来る。ペガス! 行くぞ!」
「ラーサ! 」

 そう言ってブレードはペガスに乗ってフェイト達と機動六課本部に戻るのであった。

 一方、地球では火星の後継者の大規模な作戦「プラン甲」を阻止した「シャイニングガーディアンズ」は火星に行こうとしていたが、
 隼人がルリにあることを言ってきた。

「ホシノ少佐、すまないが俺達だけでもミッドチルダの方に行かせてくれないか? どうも嫌な予感が頭から離れないんだ・・・」

 隼人は1週間前にも同じように悩んだがあの時はなのはが居たからどうにかなると思っていたが、
 どうしてもミッドチルダで悪いことが起こっている気がして、頭から離れなかったのである。

「わかりました。ではゲッターチームは大急ぎでミッドチルダに向かってください」
「艦長!? 」

 ルリの判断に驚くハーリー。ルリはそんなハーリーにその理由を言う。

「私達はこれからボソンジャンプで火星に行きますが、多分短期戦になるでしょう。それに私も嫌な予感がしてますし・・・」
「でも艦長、それだったらなおさら真ゲッターにもいてもらった方が・・・」
「いえ、相手もやっきになってくると思いますし、敵の機体サイズでは真ゲッターよりもモビルスーツの方が戦いやすいはずです。
ですから、ゲッターチームはミッドチルダの方に行って下さい」
「すまない、ホシノ少佐。感謝する」

 ルリはハーリーの反対を押し切り真ゲッターをミッドチルダに向かわせようとする。

 宇宙空間で真ゲッター1の準備が出来、オービットベースに取り付けられた次元転送装置を起動させたが、
 何故か、真ゲッター1を転送できないのだ。

「どういうことだ!? これは!? 」
「まさか、あちらで転送が出来ないように何者かが転送不可能にさせたのか!? 」

 転送できないことに大河や隼人は驚き、竜馬が怒る。

「くそ! それじゃあ、どうやって俺達はミッドチルダに行けばいい? 」

 その時、誰かの声がゲッターチームに聞こえた。

「シャインスパークだ・・・」
「な!? 」
「何だって!? 」
「シャインスパークを使え・・・」
「この声は・・・」
「ああ、間違いない」
「號だ」
47スーパーロボット大戦X:2007/11/28(水) 20:11:14 ID:W5IZ/2mo
3人はこの声の主がわかった。声の主の名は號。ゲッター線の開発の第1人者の早乙女博士とその娘のミチルの細胞を持ち、
 真ドラゴンを動かすために作られた男である。しかし、號は真ドラゴンと共に自分達の宇宙にいるはず。
 この宇宙にいるはずがないのだ。それでも號の声が聞こえやり取りは続く。

「だが、シャインスパークはゲッタードラゴンやその集合体の真ドラゴンにしかない武装だ。真ゲッターができるのか? 」
「大丈夫だ、真ゲッターは真ドラゴンとのシャインスパークやその宇宙に来た時の影響で使えるようになっている」
「號」
「ゲッターの力を信じるんだ。3人の心を一つにすればできるはずだ」
「ふっ、わかったぜ。號。やってやろうか! 隼人! 弁慶! 」
「ああ! 」
「やろうじゃないか! 」

 竜馬は納得し、隼人、弁慶もそれに答える。

「いくぜ! 」
「「「シャイン、スパーーーーーーーク!!! 」」」

 3人が叫ぶと、真ゲッター1が光り輝きだした。
 そして真ゲッターは駆け出し、消えていった。ミッドチルダに向かうために・・・。


 真ゲッターがミッドチルダに急いで行く少し前、とある宙域にある戦闘惑星ゾーマではオーガンが生きていることがわかった。

「オーガンが生きていますと? しかし、ミーク様。奴は太陽系惑星地球を守るために死んだと聞きましたが・・・」
「私には感じるのです。オーガンがこの世界ではない世界で生きているのだと・・・」
(それはもしやあのミッドチルダと言うわけのわからん世界のことか? )

 ミークの言葉でそう判断したゾアは、ミッドチルダにエイド部隊を多数行かせた。
 ゾアはそのついでに火星にもエイド部隊を行かせた。


 その頃、六課に向かっていたライトニングとブレードは上空で待ち構えていたトーレ、セッテと戦っていた。

「エリオ! キャロ! 六課に戻って! ここは私とDボゥイで抑える! 」
「でも・・・」
「フリード! 」

 エリオの命を受け、フリードは先に進みはじめる。

「エリオ君? 」
「アウトレンジの敵がいる。僕らがいても足手まといになるだけだ」
「・・・うん。」

 そして、フェイトはバルディッシュザンバーを展開して、ブレードはテックランサーを出した。
48スーパーロボット大戦X:2007/11/28(水) 20:11:54 ID:W5IZ/2mo
 地上本部付近の上空ではリインフォースUと融合したヴィータがアギトと融合したゼストと戦っていたが、
 ゼストは時間切れだと言い、撤退しようとしていたがアギトはせめてヴィータ達だけは倒すと思い、
 巨大な炎の玉をヴィータ達に向けて、投げようとしたがヴィータ達の攻撃の方が早いと察知したゼストは
 フルドライブを使いヴィータをビルへと叩き落した。そして、ゼストとアギトは撤退していった。

「スバル! 先行しすぎ! 」
「ごめん! でも、大丈夫だから! 」
「仕方ないね。こういう場所だとスバルのほうが速い。大丈夫! こっちが急げばいい! 」
「俺も急がねえとな! 」
「はい! 」

 なのはとティアナと鋼鉄ジーグは急いでスバルの元に行こうとした。

「ギン姉、ギン姉」

 スバルはマッハキャリバーの速度を上げ、ギンガが消息を立ったエリアに向かった。

「ここだ。ギンね・・・!? 」

 スバルは、やっとの思いでそのエリアに辿り着く。
 だが彼女を待っていたのは、チンク、ノーヴェ、ウェンディの三人の戦闘機人と、左腕をもがれ、体をズタズタに傷つけられたギンガの姿だった。

「あ・・・あ・・・う・・・うわぁあああああああああああ!! 」

 スバルの瞳の色が金色に変わり、体から青い光がほとばしる。

「なっ! 」
「こいつは!? 」
「! 」

 3人は驚く。

 まだ遠くにいた鋼鉄ジーグは肌でその威圧感を感じる。

「お、おい。何だよ。この凄いプレッシャーはよ!? これはマジで急いだ方がいいぜ! 」
49スーパーロボット大戦X:2007/11/28(水) 20:12:37 ID:W5IZ/2mo
「ギン姉を返せ・・・ギン姉を・・・返せえぇぇぇぇぇぇぇぇえ!! 」
「チッ!」

 スバルは一気に加速し、三人に突撃する。
 ノーヴェは突撃して来たスバルに応戦し、格闘戦を仕掛けた。
 最初は互角の戦いを繰り広げていたが、怒り狂うスバルは徐々にノーヴェを押していく。

「ウオォォォォォォォオ!! 」
「はあぁぁぁぁぁぁぁあ!! 」

 スバルとノーヴェはお互いにハイキックを繰り出し、足と足が火花をあげて激突する。

「でやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!! 」

 均衡状態が続く中、スバルは自分の足にさらに力を込め、一気に振り切る。
 その衝撃でマッハキャリバーのローラー部に亀裂が入る。

「うわあぁぁぁぁぁあ!? 」


 競り合いに負け、蹴り飛ばされたノーヴェは壁にめり込んだ。
 しかし、スバルもその勢いで壁にめり込んだ。

「くっ、こいつのIS、接触兵器か」
「ノーヴェ、下がれ」
「チンク姉!? 」
「姉なら触れずに戦える! 」
「頼むッス! IS「エリアルレイヴ」! 」

 ウェンディは自分のライディングボードを起動させ、ギンガを入れたケースを積み、ボードの上に乗る。

「ノーヴェ! 行くっスよ! 」
「でも」
「安心しろ、無事に戻る」
「うぅ、後で、セインが助けに来る筈だから」
「ああ、分かった」
「じゃあ、また後で! 」

 チンクに後を任せ、ノーヴェとウェンディは撤退して行く。

「ギン姉を…返せえぇぇぇぇえ!! 」
「貴様の相手は私だ!! 」

 チンクは数本のスローイングナイフ「スティンガー」スバルに向けて投げる。
 ナイフはスバルの足元に命中すると、大きな爆発を起こし、その爆風がスバルを襲う。

「邪魔を…すんなあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!! 」


 スバルは爆風から飛び出し、チンクに殴りかかった。
 その身は傷だらけであったが、スバルは「ギンガを返せ」という怒りのみが彼女をつき動かしていた。

「ク! 」
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!! 」

 チンクはバリアを張り、スバルのナックルを防ぐが、スバルは自らのIS「振動破砕」を使い、拳とリボルバーナックルを傷つけながらバリアを殴り続ける。
 ディバインバスターでバリアは粉々に砕け、チンクはその衝撃で弾き飛ばされる。
50スーパーロボット大戦X:2007/11/28(水) 20:13:07 ID:W5IZ/2mo
「うわあぁぁぁぁあ!? 」
「はあぁぁぁぁぁぁぁあ!! 」
「この! 」

 チンクは無数のナイフを出現させ、遠隔操作で一気にスバルにぶつけた。

「Protection.」
「うわあぁぁぁぁぁぁぁあ!! 」

 巨大な爆発がスバルを包み込む。
 チンクは「これならどうだ」と思ったがスバルはボロボロになりながらもチンクの元に行く。

「ギン姉を返せ・・・」
「ギン姉を、返せよおぉぉぉぉお!!」

 スバルは涙を流しながら拳を振り上げる。
 だが、チンクに鉄槌が振り下ろされる寸前、セインが床下から現れた。

「セインさん到着! 」
「・・・助かった」

 セインはそのままチンクを救出し、再び床をすり抜け、姿を消した。

「あ…あ…」
「The main body was... The system rests.(本体全損 システムダウン)」

 それと同時にマッハキャリバーが壊れ、スバルは地面に崩れ落ちる。
 その時ようやくなのはとティアナと鋼鉄ジーグが着たが時すでに遅しである。

 「「スバル!! 」」

 なのはとティアナと鋼鉄ジーグはスバルに駆け寄る。
 そして鋼鉄ジーグはスバルの壊れた機械の腕と穴の開いた腹から見えた機械部品を見て驚き思った。

(こいつは、俺や凱と同じサイボーグだったのか!? )

 鋼鉄ジーグは今までスバルがサイボーグ(戦闘機人)だったのを知らなかったのだ。
 実はと言うと「シャイニングガーディアンズ」や機動六課でも知ってる人はほとんどいなかったのだ。

 鋼鉄ジーグ=司馬宙は父親からいつの間にかサイボーグに改造させられ、邪魔大王国と戦うことを宿命付けられた。
 そのことを宙は恨んだこともあったが、同じサイボーグの獅子王凱と色々話し合ったりケンカしたりなどして今の自分を受け入れた。

 獅子王凱は今はサイボーグではないものの2年前まではサイボーグであり、現在はサイボーグとGストーンが融合し進化した人類
 エヴォリュダーとなっているため、今でも人間と言うわけではない。

 鋼鉄ジーグはスバルがサイボーグである事を既に受け入れてるだろうと直感でわかった。

(てことは連れて行かれたこいつの姉って奴も同じサイボーグってことか・・・)

 鋼鉄ジーグは今のスバルにどう接してやればいいのかわからなかった。
51スーパーロボット大戦X:2007/11/28(水) 20:14:21 ID:W5IZ/2mo
投下は以上です。
本当は第9話も出来ましたが見直しなどをしてからにします。
でも誰かこれをあげてくれませんか?
でないと人大杉で入れません。
52反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/28(水) 20:28:24 ID:xhVA2vzw
リリカル遊戯王GX氏のお捜しの覇王様は、どうやら俺の心に入り込んできたようです。
…いや、正確には王様かな…

カラオケ編におけるティアナのソロ歌を「奈落の花」と発表しましたが、
最近、「Shuffle」(遊戯王DM2期OP。あの奥井さんの)を使いたいという誘惑が顔を出し始めてしまいました。
「『越えられない』『イライラする』ハードルを壊したってなんにも答えは出ないし」とか、
「見えない絆こそ on the field 誰もが必要な it's the power だから…」とか、歌詞がシンクロしすぎてヤバいのですよ。
…ネタ性を取るか、趣味を取るか、悩み所です。
実際、奈落の花外しちゃうと萌え系のバランスが崩壊しかねないし…どうしよう…
ゼロは俺に何も答えてくれない…教えてくれ、五飛!
53反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/28(水) 20:30:25 ID:xhVA2vzw
はう! ウロススレに書き込むはずが誤爆った…
危うくスパロボ大戦X氏と被るところでした、サーセン。
54スーパーロボット大戦X:2007/11/28(水) 20:36:32 ID:W5IZ/2mo
あのすいませんがこのまま一気に第9話も投下しようと思います。
他に投下する人がいなければ一気に投下します。
すいません人大杉のせいで結構焦ってます。
55スーパーロボット大戦X:2007/11/28(水) 20:39:26 ID:W5IZ/2mo
すいませんが投下します。

 第9話 狂える機人、復活の鉄騎士(後編)

 地上本部のすぐそばに光が現れすぐに消えたがその光があった場所に真道トモルが倒れていた。そしてトモルはすぐに目を覚ました。

「俺は何を、そうかわからない光が目の前に来て・・・。ここはどこだ? 」

 トモルは見知らぬ場所へと飛ばされ、目の前には高い塔が機械達に攻撃されていた。

「何だよ、これは・・・。何かの特撮か? 」

 すると一人の管理局員がトモルに近づいて来た。

「君、そんなところで何をしている!? 」
「え、俺はただよくわからずにここに飛ばされていただけです」

 管理局員は以外にも冷静で考えた。この青年は時空漂流者ではないかと・・・。

「とにかくそこは危なくなるからこちらに来なさい」

 トモルは管理局員の言われるがままに付いて行った。



 一方、機動六課本部に戻っていたエリオとキャロは衝撃的なものを見る。
 それは、焼けてしまった機動六課本部と倒れるシャマルとザフィーラ。
 そして、ルーテシア、オットー、ディード、ガリューに連れて行かれるヴィヴィオであった。

 その時、エリオの頭には嫌なことが思い出されていた。
 謎の集団に自分がクローン人間だと知らされ、親から引き離されたあの時を・・・。

「ストラーダ! 」
「Dusenform.」

 エリオはストラーダをデューゼンフォルムに変形させ、フリードから飛び降り、突撃しようとした。

「エリオ君! 」
「キャロ! サポートお願い! ストラーダ! 」
「Explosion.」

 ストラーダはカートリッジをロードし、先端と後方の噴射口を点火、滑空する。

「Start! 」
「行っけえぇぇぇぇぇぇぇえ!! 」

 そしてエリオは、ルーテシアの元に一直線に切り込んだ。

「ガリュー」

 ガリューはガジェットの上から飛び立ち、エリオに向けて蹴りこむ。

「チッ、邪魔するなあぁぁぁぁぁあ!! 」

56反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/28(水) 20:39:38 ID:xhVA2vzw
投下されるなら先に一つ。
「!」「?」が台詞の最後にくる場合は、空白を取らなくてもOKですよ〜
57スーパーロボット大戦X:2007/11/28(水) 20:40:27 ID:W5IZ/2mo
 エリオはガリューのキックを刃で防ぎ、弾き返す。
 そして体制を崩したガリューに斬りかかるが、ガリューは即座に体勢を立て直し、両腕の刃でエリオの攻撃をガードした。

「クッ」
「失礼」
「え? 」

 ガリューと戦っていたエリオの背後にディードが現れ、ツインブレイズでエリオを撃墜した。

「うわあぁぁぁぁあ!?」

 直撃を受けたエリオは一直線に落下し、海に落ちた。

「エリオ君! 」
「君も邪魔だよ」
「え」

 キャロとフリードの背後にはオットーが現れ、バインドを使って二人の体を縛り上げる。

「きゃあぁぁぁぁぁあ!! 」

 キャロもフリードと共に、暗い海の中に落ちた。

「・・・」
「お嬢様、仕事は全て済みました、後はガジェットに任せましょう」
「うん」

 そして、ルーテシア達は機動六課本部を去った。
58スーパーロボット大戦X:2007/11/28(水) 20:41:43 ID:W5IZ/2mo
>>56
ご指摘ありがとうございます。今度からはそうします。

 さらに一方では、フェイトとブレードがトーレとセッテと懸命に戦っていた。
「スカリエッティはどこにいる!? 何でこんな事件を起こす!? 」
「お望みでしたら、いつでもご案内します」
「もちろん。あなたが我々に協力してくれるのならですが」
「何だと!? 」

 トーレがフェイトに対して言った事にブレードは疑問に思った。
 何故フェイトが協力すると思っているのだと・・・。

「彼は犯罪者だ! それも最悪の! 」
「悲しいことを言わないで下さい。ドクターは、あなたやあの少年の、生みの親のようなものですよ」
「くっ」
「あなたがたの命は、ドクターがプロジェクトFの基礎を組み立てたからこそ」
「黙れ! 」
「仕方ありませんね」
(あの少年と言うのはエリオのことか? だがプロジェクトFとは何のことだ!? )

 ブレードはフェイトやエリオがクローン人間である事を知らないので当然思う疑問である。
 言い終わるとトーレとセッテの体が紫色の光に包まれる。

「またお会いすることになるでしょうその時は、ゆっくりとお話を」
「それと、もうお気づきになられているかもしれませんが次はもう、私達には勝てません」

 二人はそれだけ言い残し、姿を消した。

「クッ! 」
「あの二人の言ってることはハッタリじゃない。またブラスター化しなければならないのか・・・」
「ブラスター化? 」

ブレードはフェイトにブラスター化とその経緯について説明した。

 ブレード=Dボゥイは2年前のラダムとの戦いの際、テッカマンとして戦い続けたが変身を続けていたため、
 肉体崩壊を起こし、もはやこれまでの命となっていたがテッカマンには進化の余地があると知ったフリーマンチーフが
 ブラスター化を教え、Dボゥイはブラスター化した。
 ブラスター化はテッカマンの戦闘能力を上げるだけではなく肉体崩壊を抑えることが出来たが、その代償として
 脳神経核が破損し始め、戦いが終わった後1年は記憶喪失になっていたが今はリハビリのかいがあり直ったが、
 またブラスター化したら再び記憶喪失にならない保障はない上に2度と記憶が戻らないかもしれないと言った。

(なのはにもブラスターモードはあるけど、まさかDボゥイの言ったことになるんじゃ・・・)

 フェイトは心の奥底でなのはのことを心配した。
59スーパーロボット大戦X:2007/11/28(水) 20:42:26 ID:W5IZ/2mo
 戻って、機動六課本部ではキャロがはなんとかエリオ、フリードと共に海から這い上がって来た。
 だが、空には大量のガジェットが飛び交い、本部上空を覆い尽くしている。
 状況は依然として最悪である。

「これから五分後、上空の大型ガジェットと航空戦力による一斉攻撃を行います。
我々の目的は施設破壊です。人間の逃走は妨害しません・・・抵抗せず、速やかに非難してください・・・」

「なんで・・・こんな」

 キャロは足元に魔法陣を展開させ、ケリュケイオンに残った魔力を全て注ぎ込んだ。

「竜騎・・・召喚・・・ヴォルテェェェェェェェエル!! 」

 キャロの叫びと共に、巨大な黒い竜「ヴォルテール」がその巨大な姿を現した。

「壊さないで、私達の居場所を・・・壊さないでえぇぇぇえ!! 」

 ヴォルテールは両肩から巨大な火炎を発射し、ガジェットを全滅させた。
 そしてようやく真ゲッターがミッドチルダにたどり着いた。

「くそ! 遅かったか! 」
「何だ!? あの龍は!? 」

 隼人と弁慶はヴォルテールの火力に驚く。



 時は少し戻って地上本部では突如現れたイバリューダーに応対しなければならなくなった。

「何で、こいつらがこの世界に来るんだよ!? 」

 デッドは文句を言いながら戦う。なのはは思い当たることがあった。
 それはシャッハから聞いたオーガンの存在であった。

(まさかイバリューダーはオーガンを狙ってる!? )

 その時トモルはエイドに襲われていたが何とか逃げていくとある一人の女性と会う。
 彼女の名は神崎未知。E.D.Fの科学者であり、オーガンの設計者である。
 彼女が何故ここにいるのかと言うと地上本部からオーガンを地下に送るように頼まれた際、
 その監視と調整役として来ていたのだ。会議室でオーガンが動いてるのを見てオーガンを追ってきたのだ。

「あ、あなたは? 管理局の人間じゃないわね。地球人? 」
「そうだよ! あんたは何なんだよ!? さっきから管理局とかどうとかって」
「私は地球人よ。名前は神崎未知。E.D.Fの科学者よ」
「E.D.Fだって!? 」

 トモルはE.D.Fの事は知っていた。E.D.Fは地球でも名前は知られていたからだ。
60スーパーロボット大戦X:2007/11/28(水) 20:43:06 ID:W5IZ/2mo
「あなたは? 」
「僕は真道トモルです」
「真道さん、ここにいては危険よ。こっちに避難しなさい」

 未知はトモルを安全な場所に避難させようと指示を出すが未知は危険な方に行こうとしていたのをトモルが止めようとした。

「待ってくれよ。君はどうするんだよ? 」
「私は探したいものを探しに行きたいの。あなたには関係ないわ」
「関係ないけど、君だって危ないよ」

 トモルは懸命に未知を止めようとした。するとエイドが天井を突き破りやってきた。

「キシャアアアアアア」

 エイドはトモルに狙いを定めて攻撃しようとした。しかしその時、

「クロスファイヤーシュート! 」

 突然魔力弾が横からエイドに向かって、飛んできてエイドは狙いを外し天井を攻撃した。
 しかし、その外れた攻撃の影響で天井が崩れトモルと未知を巻き込んだ。
 ティアナはしまったと思い、すぐに助けようとするもエイドに邪魔をされる。

 「痛ててて。は、君大丈夫? 」

 トモルは目を覚ましてすぐに未知に駆け寄るが未知は気を失っていた。
 そして自分達が閉じ込められたことを知る。
 トモルは懸命に瓦礫をどかそうとしてもびくともしない。

「くそ! 俺はなんて無力なんだ! 俺はこの人を助けたい」

 その時、トモルの前に光が広がりその中に謎のロボットが立っていた。
 そのロボットはトモルに語りかけた。

「トモル、待っていたぞ」
「お前は? 」

 トモルの意識はいつの間にか宇宙にと飛んでいた。そして謎のロボットの記憶をほんの少しだが見た。

「オーガン、それがお前の、いや! 俺の名か! 」
61スーパーロボット大戦X:2007/11/28(水) 20:43:46 ID:W5IZ/2mo
 瓦礫の外ではティアナが懸命にエイドと戦っていたがトモルや未知が気がかりで戦いに集中しきれなかった。

「くっ、このままじゃ」

 ティアナが腕を押さえてる隙にエイドは口から攻撃をしようとした。

「やられる!? 」

 ティアナがそう覚悟した時、瓦礫から謎のロボット、オーガンが出てきてエイドを殴った。
 ティアナはそのオーガンを見て驚いた。オーガンはあの時死んだはずだったからだ。
 しかし、ティアナは自分達が知ってるオーガンとは姿が違うことに気づいた。

「これってどういうこと? 」

 ティアナが疑問に思ってる間にオーガンはエイドを掴んだまま外に出て行った。
 ティアナはその間に瓦礫に埋まった2人を助けようと思ったが瓦礫の下にいたのは
 女性一人で男の姿がなかった。

「本当にどういうことなのよ!? 」



 外ではなのはや鋼鉄ジーグやテッカマン達や管理局員がエイドと戦っていたが数が多い。

「こうなったらリアクターボルテッカで一気に・・・え、何? 」

 突然後ろから何かが近づいてくることにイーベルは気づき、それが横を通り過ぎた。

「あれって、オーガン? 」
「だが姿が違うぜ」

 イーベルとゾマーはオーガンだと思われるロボットを見て疑った。しかしアキは

「あれはオーガンよ。姿は変わっても魂は彼そのものよ」
「チーフ」
「とにかく今は敵を倒すことを考えなさい」
「ラーサ! 」

 オーガンはエイドを他のエイドに向けて投げてぶつけた。
 そして他のエイドに殺されそうになる管理局員の前に出て局員を守った。
 オーガンはダメージを負ったが、それを気にせず右手からビームガンを出した。

「うおおおおおおお」

 エイド達にそれが命中し次々にやられていく。がその時

「危ない! そいつらはまだ攻撃するぞ」
「何!? 」

 鋼鉄ジーグがオーガンに言うが間に合わずエイドUの攻撃を受け倒れてしまった。
62スーパーロボット大戦X:2007/11/28(水) 20:44:39 ID:W5IZ/2mo
 エイドにはデストロイヤークラスのものと外装を排除して機動性を高めた姿であるウォリアークラスのエイドUがあるのだ。
 普段エイドは外装を持つデストロイヤークラスのものを使うが外装が壊れたらウォリアークラスの姿になるのだ。
 オーガンは不意打ちを食らったものの、簡単に起き上がりエイドU達に殴りかかった。
 そしてオーガンはエイドU達に向かい額にある武装「P.C.Eキャノン」を発射させながら叫ぶ。

「ここはお前達の来るところじゃない! 出て行けーーーー!! 」

 エイドU達はP.C.Eキャノンを受けすべて消滅した。

「す、すごい威力・・・」

 ベスナー達はその威力にあっけに取られる。
 するとオーガンの前から突然人が現れた。それは真道トモルであった。
 現れたトモルに駆けつけた未知が訊ねる。

「あ、あなたは? 」
「彼の名はオーガン。彼は遠い何万光年の所から地球に着たが、何故かこの世界に来てしまった」
「それは、ごめんなさい。でも彼の目的は? 」
「地球やこの世界には彼が求め、イバリューダーがなくしたものがあるんだ」



 トモルの説明から数分後、スカリエッティから犯行声明が出された。

「ミッドチルダの地上の管理局員諸君。気に入ってくれたかい? ささやかながらこれは私からのプレゼントだ。まあ、イバリューダーは関係ないがね。
治安維持だの、ロストロギア規制だのといった名目の元に圧迫され、正しい技術の促進したにも関わらず、罪に問われた稀代の技術者たち。
今日のプレゼントはその恨みの一撃とでも思ってくれたまえ。しかし私もまた人間を、命を愛する者だ。無駄な血は流さぬよう努力はしたよ。可能な限り無血に人道的に。
忌むべき敵を一方的に征圧することができる技術。それは十分に証明できたと思う。
今日はここまでにしておくとしよう。この素晴らしき力と技術が必要ならば、いつでも私宛に依頼をくれたまえ!格別の条件でお譲りする。」


 犯行声明を聞いたカリムは落ち込んでしまった。

「予言は・・・覆らなかった」
「まだや「機動六課」は、「シャイニングガーディアンズ」は、そして私達は、まだ終わってない! 」

 その時ふとはやてはあることに気が付いた。
 何故スカリエッティがイバリューダーと言う名前を知っていたかと言うことだ。
 実はイバリューダーの名前は「シャイニングガーディアンズ」との話合いの末ミッドチルダでは公表されてないのだ。
 それは地上本部や本局にも知らせてないのだ。
 知っているのは「シャイニングガーディアンズ」と自分達の地球の人間ともう一つの地球の人間だけである。
 いくらスカリエッティが自分達の事を調べていても自分達の敵の事を調べるわけがない。
 それにイバリューダーの名前はもう一つの地球に行って初めてわかったことである。
 その後自分達の地球に頻繁に現れるようになったイバリューダーを名前で呼ぶようになった。
 はやてはこう思った。

 スカリエッティが居るのは自分達の地球じゃないのかと・・・。
63スーパーロボット大戦X:2007/11/28(水) 20:45:56 ID:W5IZ/2mo
投下は以上です。
すいません大急ぎで投下しました。
何で最近は「ずっと人大杉」で入れないんでしょうか?
しばらくは投下予定はありませんが投下する時はどうすれば・・・?
64なのはVSボウケン:2007/11/28(水) 21:10:17 ID:XCSSkc7t
>>1
スレ立て乙&GJです。
>>Strikers May Crys氏
GJ!このところデレだったので物理的ツンがとても楽しみです。後、怯える新人達に笑ったww
余程怖い目に……。
>> スーパーロボット大戦X氏
ジーグや凱とスバルの絡みに期待。ですが、ちょっと文章が淡白過ぎてストーリーが把握し辛いかもしれません。
何故焦ってるのか分かりませんが、投下は時間的余裕のある時にした方がいいと思います。
専用ブラウザを使えば人多杉は無くなりますよ。
65名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 21:25:35 ID:lOH+n63j
>>38
望むところだ!!

……ちょーこーぱーる・くーるさまは出ますか?
リオンとアゼルがいればどうでもいいです!

>>41
ってはえぇ!!

……MOTTO!! MOTTO!!
66名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 22:08:03 ID:5tohk3lj
スパロボXに反応したら負けかなと思ってる
67名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 22:16:00 ID:RnuykNJD
>>66
そうやって反応するから投下してきちゃうんじゃないか……
68リリカルBLADE ◆gFOqjEuBs6 :2007/11/28(水) 22:20:12 ID:bdlHLdSN
GJです
ブラスター化ですか……
ブレードがどんな経緯でブラスター化するのかに期待してます!

やっぱりブラスターモードとブラスター化は絡ませたいですよね!
ってあれ?そんなこと考えてるのは私だけでしょうか
(笑)
69リリカル遊戯王:2007/11/28(水) 22:43:21 ID:jf3Me/+z
さあ予定より大分遅れたけれど投下OK?
70名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 22:47:10 ID:lOH+n63j
カードは既にシャッフルしたぜ!
71名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 22:48:15 ID:8d88SYt/
デュエル、スタンバイ!!
72名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 22:48:23 ID:d3+nQXb0
デュエルディスク、スタンバイ!
73リリカル遊戯王:2007/11/28(水) 22:49:44 ID:jf3Me/+z
行くぜ、俺のターン!

リリカル遊戯王GX 第七話 レイ救出作戦! 恋する相手はなのはさん!?

「十代、そういえばスバルに何か渡してなかったか?」

オブライエンが通風口からのルートを考えている間に、ヨハンは先ほど見たことを思い出して問いかける。
フェイト達を二人に任せ逃げる直前、十代はスバルへ一枚のカードを渡していたのだ。

「ああ、スバルが『モンスターに囲まれた時に一掃できるようなカードってないの?』って潜水艦で聞いてたんだ、それでさっきつい……」
「だけど、スバル達に魔法カードが使えるのか? ディスクもないんだろ?」
「それは大丈夫だと思うよ」

二人の会話になのはが入ってくる。
先ほどと比べ、大分落ち着いたようだった、ゆっくりとだがはっきりと自分の考えを話し始める。

「私たちが三沢君を助けた時に戦ったモンスターが、途中で三人に増えたり、何もない場所から突然装備をつけたりしてたんだ」
「あ、そういえば言ってたな……ハーピィ・レディが三沢を襲ったって」
「ということは、万華鏡―華麗なる分身―と何かの装備カードを自分で使ってことか……」
「うん、だからもしかすると、外部からデュエルに介入できる私たちにも使えるかもしれない」

なのはの説明に「なるほど……」と二人は頷き、突然自分たちのカードを取り出しじっくりと見始める。

「ど、どうしたの?」
「いや、それなら俺達の余ってるカードを渡しといた方が何かあった時いいんじゃないかな、って」
「ああくそっ、ほとんど寮に置いてきちまったぜ……お?」

目ぼしいカードが無く顔を顰めていた十代は、見慣れないカードがあることに気づいた。

「薄幸の美少女に恋する乙女に……十代、こんなカード持ってたのか?」
「わぁ、可愛いね、こんなカードもあるんだ」
「い、いや、これ俺のじゃないって!」

HEROカードがメインの十代からは、まったく想像できないカードに困惑する二人へ十代は慌てて否定し、
次の瞬間には真剣な顔でそのカード達を見つめ、ぽつりと呟くように説明する。

「これ……レイのカードなんだ」
「レイちゃんの……?」
「あいつ、結構俺にデッキの相談してくることが多くてさ、たぶんその時に紛れこんじまったんだと思う」

十代は神妙な面持ちでカードを見つめる、
そんな姿を見て、なのはは少し考えた後そのカードを手に取った。

「なのはさん?」
「このカード……使わせてもらっていいかな?」
「えっと、でも、レイのカードは攻撃向けの物は少ないぜ?」
「十代君……別に私、攻撃好きってわけじゃないんだけど〜」

冗談半分に言ってみるが、十代は「え!? マジで!?」という表情を慌てて直し、
ヨハンも「そ、それだったらこっちも使えるな……」とカードの選定をし直すのを見て自分の行いを反省する。
――そういえば、こっち来てから壁を撃ち抜いたりばっかりだったっけ……
74リリカル遊戯王:2007/11/28(水) 22:50:51 ID:jf3Me/+z
「と、とにかく使わせてもらうね。ありがとう」
「あ、ああ、でも効果とかよく見た方がいいぜ、結構分かりづらいのもあるし」
「うん、そうだね。時間ができたら見させてもらうよ」

なのはがカードをしまったところで丁度オブライエンがやってくる。
無理矢理開けた通風口へと入りこみ、思った以上に広いスペースで動きを止めた。

「こんなところにまで……!?」

十代達の前にゾンビ生徒が現れ、デュエルを迫ってくる。
どうするべきか思案していると、アモンが前に立ってデュエルディスクを展開した。

「アモン!?」
「こいつは僕が引き受けよう、みんなは先へ急ぐんだ」
「だけど、こいつは……!」
「大丈夫、危なくなったらすぐに逃げるさ」
「アモンさん……ありがとうございます!」

後ろ髪を引かれながら、その場をアモンに任せて十代達は先を急ぐ、
アモンはゾンビ生徒と向き合いながら内心ほくそ笑んでいた。
――十代達に恩を売って信用を得ておいた方が動きやすい……まったく、これさえなければもう少し楽なんだが。
一瞬忌々しげにデスベルトに視線を向け、デュエルを開始する。



「クロスファイア、シュート!」
「はぁぁぁぁぁ!」

無数の魔力球をフェイトはザンバーフォームのバルディッシュで一気になぎ払う、
いくつかの魔力球を牽制に置いておきながら、ティアナは後ろへと下がり続けていた。

「動けないスバルから引き離そうとしてるんだ、優しいね」
「っ!」
「だけど、無駄だよ」
『Sonic move』

高速移動魔法でティアナの背後に回って斬りかかるが、まるでそこに攻撃されるのがわかっていたかのように、
ティアナはダガーモードのクロスミラージュで一撃を受け止める。

「その言葉、そっくりお返しします」
「なっ……」
「ゾンビになると思考能力も低下するみたいですね……いつものフェイトさんなら、何度も同じ攻撃はしてこない!」

叫びながらバルディッシュを弾き体勢が崩れたところへ魔力球を放つ。
一瞬で作り上げたため粗悪な代物だが、これでも顎に当たれば脳震盪を起こすことぐらいは可能だ、
決まった――そう思った直後、ティアナは彼女が一部で何と呼ばれていたのかを思い出す。
即ち――『金色の閃光』
75リリカル遊戯王:2007/11/28(水) 22:51:55 ID:jf3Me/+z
『Sonic form』
「楽しいよティアナ……今のは、ちょっと焦っちゃったけどね」
「そん、な……!」

ティアナの戦術は完璧だった。
冷静に相手を観察し、以前にはなかった弱点をしっかりと見抜いて撃ち抜こうとした。
ただ一つだけ、見誤っていたのだ。
躊躇いを無くした彼女と自分の、生半可な戦術では埋めきれない能力差を、ソニックフォームの視認さえ不可能なスピードを。

「ティア!」
「っ!?」

スバルの声に我に返り、よろめくように一歩後ろに下がる。
その目の前をやはり視認できるか否かの速さでバルディッシュが通り抜け、ようやくこの状況を切り抜けようと思考が回り始めた。

「ティア、クロスシフト……!」
「無理に決まってるでしょ!? 少しは自分の状況を考えなさい!」

ダメージの残る体を無理矢理起こして言うスバルにティアナが叱責を飛ばす。
危機的状況にお互いのチームワークが乱れてきた……知らない者ならそう思うだろう、
だが、二人は口で言い争いながら念話で作戦を立て直していた。

『ソニックフォームのフェイトさんについていくのはまず不可能……切り札を使うしかないわ』
『でも、受け取っておいてあれだけど本当に使えるのかな……?』
『それは大丈夫だと思うわ、問題は発動条件ね』

スバルが十代から受けとったカードを中心に思考を回す。
そのカードは「ライトニング・ボルテックス」手札を一枚捨てることで相手の場の表側表示のモンスターを全て破壊する魔法である、
使用できるならばこれはかなり強力だ、例え相手がどれだけ強くても無条件で倒すことができる。
だが――その強力すぎる効果が逆に不安だ、もしもフェイト達がモンスターを倒した時のように消滅してしまったらなのは達とは二度と顔を合わせることができない、
それに『手札を一枚捨てる』という発動条件、これをどう支払うか?
――最初に思いつくのは魔力を消費する……だけどこれだけの威力なら、カートリッジ数発分は必要かもしれない。もしくは装備の破棄……こっちは後に響くわね……
思考を巡らせながらもティアナはだんだんと下がり始める。
ソニックフォームのフェイトの攻撃は繰り出された瞬間には終わっている、
勘と経験から基づく予測でなんとか防いではいるが、一撃一撃がギャンブルなこの状況に精神の方がまいってしまう。
――後一つ、発動してくれるかどうか賭けだけど……これなら、必要な魔力も最低限ですむし、リスクもない。これに賭ける!

「スバル、貸して!」
「うん!」

一気に無数の魔力球を生み出し、フェイトが思わず足を止めた瞬間スバルからカードを投げ渡される。
目の前にあるのが魔力球の形を模しただけのほんのわずかな魔力の集まりであることに気づき、一気に切り崩そうとしたフェイトへカードを突き付けた。

「マジックカード! ライトニング・ボルテックス発動!」

ティアナの宣言と同時に、その体が消えていく。

「自分を、コストに……!?」

フェイトはまったく予想していなかった光景に呆然とし――その体に容赦なく雷が襲いかかる。
76リリカル遊戯王:2007/11/28(水) 22:52:59 ID:jf3Me/+z
「うわぁぁぁぁぁぁ!?」
「ふぇ、フェイトさん……」

想像以上の威力にスバルは呆然と呟く。
幸いにも考えていたように消滅はしないらしく、今のアカデミアの状態ならば問題は無いだろう。
……自分たちが受けたら一発でゾンビの仲間入りだろうが。

「スバル、動ける? 復活される前に拘束しておかないと」
「あ、うん! 今のでバトル終了ってことかな、怪我は治ってるよ! ……まだ痺れるけど」

消えたはずのティアナが傷が本当に治っていることを確認しながら問いかける。
種を明かすなら、フィエクシルエットによって生み出した分身をコストとして使えないかどうか試し、それに成功したというわけだ。
そのままフェイトとエリオへバインドをかけ、一瞬動きを止めた後に慌ててスバルの側に駆け寄る。

「スバル、まずいわよ……」
「うん、気づいてる……囲まれてる、ね」

あれだけ派手に戦闘をしていたのだから当然かもしれないが、ゾンビ生徒達の気配がこちらへ集まりつつあった、
怪我こそないものの、ダメージは抜けていないし魔力も消費している、頼みの魔法カードも先ほど消えてしまった、どうやら自分たちが使えるのは一回限りらしい。
かなりつらい状況の中、二人はゾンビによる包囲を突破しようとフェイトとエリオを抱えながら駆け抜ける。



「くっそー、こっちには時間がないってのに……!」

通風口で大分距離を稼いだ十代達は、少しだけ空いたドアの陰に隠れながらゾンビ生徒をやり過ごす、
だが、次々とやってくるせいで中々前に進むことができなかった。
焦れる十代達だったが、突然カレンが鳴き出してジムに何かを訴える。

「カレン?……そうか、俺達の番だな、OK!」
「ジム!?」

ジムが突然飛び出し、側にいたゾンビ生徒の注意を引く。
慌てて駆け寄ろうとした十代を制し、ジムは叫ぶ。

「十代、先に行ってくれ! ヘイ、ゾンビボーイ、俺が相手になるぜ!」
「ジム……くそっ!」
77リリカル遊戯王:2007/11/28(水) 22:54:02 ID:jf3Me/+z


「フリード、ブラストフレア!」

キャロの指示でフリードが火球を吐き、進路上のゾンビ生徒達を下がらせる。
そのまま明日香達と共に駆け出し、ある通路に来たところで明日香が立ち止まる。

「どうしたんですか?」
「その、余計な御世話かもしれないけど……こっちからあの二人が足止めに残ってくれた場所まで行けるのよ」
「っ!」
「そうザウルス、こっからなら俺達だけでも大丈夫ドン! 助けに行ってあげて欲しいドン!」

二人の言葉にキャロは悩む、スバルとティアナだけではない、エリオとフェイトもキャロにとって何にも代え難い人物だ、
今すぐにでも駆け出していきたいところだった、だが――

「いえ、私は皆さんの護衛を続けます……フリード、お願い!」
「キュルゥ!」

キャロの声にフリードが一声鳴いてスバル達の下へ向かう。

「キャロちゃん、どうして……?」
「私はなのはさんに二人の護衛を頼まれました、私の今の任務はお二人を守ることです……それに、スバルさん達ならきっと、大丈夫です!」
「……わかったドン、キャロちゃんがそういうなら、俺達もあの人たちを信じるザウルス!」
「そうね……なら急ぎましょう、またゾンビ達が集まってくるわ」
「はい!」

――エリオ君、フェイトさん……また、一緒にいられますよね……



十代達は保健室のすぐ近くまでやってきていたが、またも多数のゾンビ生徒によって足止めを喰らう。

「くそっ、いったい何人がやられちまってるんだよ!?」

目的地は目の前だというのに動きが取れない、そんな状況に十代は焦りを募らせる、
いつあのゾンビ達が保健室の中に突入するかもわからないのだ、今すぐにでも飛び出していきたいところだろう。

「十代、こっちだ」
「え? オブライエン?」

オブライエンが呼びかけてくるが姿が見えない、
ふと頭上を見上げると、天井裏からオブライエンが顔を出していた。

「俺が表の連中を引き受ける、その間にお前たちはここから内部へ突入しろ」
「で、でも、それじゃオブライエンが危険だ!」
「問題ない、うまくやる」
「だけど……」
「大丈夫、私も一緒に行くよ」
78名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/28(水) 22:56:25 ID:kJ/89nob
支援
79リリカル遊戯王:2007/11/28(水) 22:57:00 ID:jf3Me/+z
なのはがレイジングハートを起動させながら言い、十代とヨハンは仕方なく頷いて天井裏へと昇る。
入れ替わりに降りてきたオブライエンとなのはは、通路の影から保健室の前の様子を窺いながら作戦を立てる。

「どうする? 陽動なら私が一発撃つだけで相当来ると思うけど」
「いや、それではあの数が一斉にそちらに向かってしまう。デュエルはほとんどの場合一対一で行われる、複数に迫られても影響の少ない俺が出る」
「わかった、何人か足止めして、撃退したら援護に行くね」
「頼む」

無愛想だが、冷静に判断を下していくオブライエンになのはは感心する。
留学生とは言っていたが、彼とてこのアカデミアの一員だ、
仲間があのようになってしまっても冷静さを失わないというのは多少冷たいとも思うが、それ以上に今の状況を把握しているからだろう。
なのはは自分が情けなく感じてしまう、フェイトがやられた時、何も考えずにエリオを吹き飛ばしていた、
結果的によかったものの、もしもゾンビだったのがフェイトで、エリオはそれを迎撃していたのだとしたら目も当てらなかっただろう。

「どうした? 準備はいいか?」
「あ、うん、いつでも!」
「ならば……行くぞ!」

オブライエンが飛び出し、口笛を吹いてゾンビ達の注意を引き付ける。
そのまま駆け出すオブライエンをゾンビ達は追いかけ、後方にいた五人ほどがなのはのバインドによってその場に拘束される。

「私のバインドじゃこの人数が限度……後は、アクセルシューター!」

更に数人を魔力ダメージで昏倒させようとするが、すでに一部のゾンビ達がオブライエンよりもなのはを狙ってディスクを構えていた、
そのうちの一人が前に出て、一体のモンスターを召喚する。

「これは……魔道士!?」

―熟練の白魔術師― 攻撃力1700 防御力1900 効果モンスター
更にカードが伏せられるのを見てなのはは焦る、
マジック・ジャマーのような罠を使われてはかなり厳しくなる、その焦りから一気に片付けようと単調な攻撃になってしまう。

「ディバインバスター!」
「トラップカード……魔法の筒(マジックシリンダー)……」

魔力砲撃とモンスターの間に巨大な二本の筒が現れ、そのうちの一本になのはの魔法が吸い込まれていく。
未知の物質になのはは警戒し、もう一本の筒からディバインバスターがなのはに目がけて撃ち出された。

「相手の攻撃を跳ね返す罠!? レイジングハート!」
『ProtectionEX』

咄嗟に障壁を張って自らの砲撃を受け止める。
正直想像以上の威力に、つい今まで模擬戦などで直撃させた人たちに心の中で謝りつつ砲撃を凌ぎ切った。
そのまま相手を見るが、ゾンビ生徒はわずかに笑みを浮かべているように見えた。
80リリカル遊戯王:2007/11/28(水) 22:58:30 ID:jf3Me/+z
「魔法カード……エルフの光……」

モンスターが淡い光に包まれ、なのはは何かの攻撃が来ると身構えたが、ゾンビ生徒はそのまま言葉を続ける

「熟練の白魔術師の効果……魔法が使われるたびに魔力カウンターを乗せ、三つ溜まった時生贄にすることで……」

言葉と共にモンスターの姿が消え、新たな騎士のようなモンスターが現れる。
なのはの本能が、そのモンスターが今までの相手とは比べ物にならない相手だという事を告げていた。

「バスターブレイダーを、特殊召喚する……」

―バスターブレイダー― 攻撃力2600 防御力2300 効果モンスター
バスターブレイダーは有無を言わせずなのはに斬りかかり、なのはは近づかせないように砲撃を放つ。
なのは一人のこの状況で、自分の懐に飛び込まれたら終わりなのを彼女は誰よりもわかっていた、だからこそ迎撃しようとしたが――
バスターブレイダーの剣は魔力砲撃を斬り裂き、その衝撃波がなのはを襲いかかる。

「あうっ……!」
「連弾の魔術師召喚……」

なのはが目の前の相手の対処に思考を巡らせる間にも、別のゾンビ生徒によって新たな魔道士モンスターが召喚される。
―連弾の魔術師― 攻撃力1600 防御力1200 効果モンスター
その光景を視界に入れながら、なのはは思考を巡らせ続ける。
自分が最も得意とする砲撃魔法が撃ち負けた、まだ彼女にはエクシードモード、更には切り札のブラスターモードもあるが、
それで勝てる確証がない以上危険だ、万が一撃ち負けた場合今度は確実に間合いに入られてしまう。
――そうなると、これに賭ける!
なのはは後ろに下がり続けながら懐からカードを何枚か取り出しざっと目を通す。
――十代君の言った通り直接戦闘に向いたカードは少なそう……相手のモンスターを自分のコントロール下に置く!?
テキストを流し読みしていると、その一文に目が止まり迷わずそのカードを使う。

「魔法カード、キューピッド・キス発動!」

キューピッド・キスのカードが消滅し、なのはの右腕にハート型の可愛らしい弓矢が装着される。
目に止まった一文以外よく見ていなかったなのはは一瞬きょとんとするが、バスターブレイダーが迫って来たのを見て慌ててその矢を放つが、
あっさりと矢は弾き飛ばされ、なのはは再び衝撃波で吹き飛ばされてしまう。
発動条件を間違ったか? そう思い諦めずに別の集団を模索するが、その暇もなくバスターブレイダーはなのはへと迫り――

「好きだぁぁぁぁ!!」

告白した。
81リリカル遊戯王:2007/11/28(水) 22:59:48 ID:jf3Me/+z
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふぇ?」

言うまでもなく、なのはは美人の部類に入る。
局でも人気はかなり高いのだが、いかんせん高根の花というイメージや、某金色の閃光の影響から告白されたことは今まで一度もなかった。
そして今、人生初の告白というものを受けたのだ――モンスターから。
――えっと、え? 好きってあれだよね、所謂likeっていう……だってこの人モンスターだもんね? そういえばモンスターも喋るんだ、そういえばおじゃまトリオも喋ってたっけ……ってそうじゃなくて!
全力全開で現実逃避に走っていた思考を無理矢理戻し――現実を見つめた自分に後悔する。

「ええっと、あの……?」
「あんたの決して諦めないその姿勢に惚れた! 俺はあんたに協力する!」
「そ、それはありがたいんですけど……す、好きってどういう……」
「だから、結婚を前提に付き合ってほしい!」

――助けてフェイトちゃぁぁぁぁん!!
思わずスバル達と戦っているであろう親友に助けを求めるが、バスターブレイダーは突如振り返って剣を振るう。
その一太刀で連弾の魔術師は切り裂かれ、なのはをかばうように剣を構える。

「彼女には指一本触れさせん! かかってこい!」

――た、頼りにはなりそうだけど……ど、どうしよう……

続く

十代「レイを救うんだ……そのためにも、こんなところでやられてたまるか!」
ティアナ「戻らなきゃ……みんなを、守らないといけないんだ……!」

次回 リリカル遊戯王GX
 第八話 恐怖のバーンデッキ! 守り抜けブラストフレア!

レイ「じゅう、だい……!」
ティアナ「頼りにしてるわよ、チビ竜!」
82リリカル遊戯王:2007/11/28(水) 23:00:51 ID:jf3Me/+z
十代「今回の最強カードは二枚!」

―スターズ2 ティアナ=ランスター―
風属性 魔法使い族 ☆4
攻撃力1400 防御力1100
自分の場に「スバル」「なのは」「フェイト」という名が付くモンスターがいる時、その枚数×200ポイント攻撃力がアップする。
このモンスターが表側表示でいる時、魔法カードの発動条件を無視して発動することができる、この効果は一度しか使えない。

―高町なのは(キューピッド・キス)―
光属性 魔法使い族 ☆6
攻撃力2400 防御力2300
このカードは「スターズ1 高町なのは」として扱う。
このカードは「キューピッド・キス」を装備した「スターズ1 高町なのは」を生贄にすることでのみ召喚できる。
このカードが表側攻撃表示でいる限り、戦闘では破壊されない。
このカードが攻撃したモンスターは、ダメージステップ終了後破壊されていない場合自分のコントロール下に置く、
そのカードが自分の場にいる限り、このカードは表示を変更できず攻撃もできない。
このカードが破壊された場合、「スターズ」「ライトニング」と名のついた魔法使い族以外の自分の場のモンスターは破壊される。

なのは「うう、これからどうしよう……」
十代「じ、次回もよろしくな!」
83リリカル遊戯王:2007/11/28(水) 23:03:13 ID:jf3Me/+z
以上です。
スバティア⇒激シリアス
キャロ⇒シリアス
遊戯王組⇒シリアス
なのは⇒ギャグ

あっれぇ・・・?
今回の最強カードのテキストがカオスなのは仕様です。
いつも直してくださってた方、嫌がらせみたいになって申し訳ない。
84名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 23:10:54 ID:8d88SYt/
>>83
GJ!!!
しかし、なんというwwwww
85反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/28(水) 23:10:56 ID:xhVA2vzw
>バスターブレイダー
ぐはぁっ!
…これの後でカラオケ編やらさせられるのか…自信なくなるぜorz
ともあれGJ! キューピッドなのはさんはなかなかのテクニカルカードですなw

それにしても…
青眼ズと戦い、内なる闘志(戦闘狂?)に目覚めるなのはさん→フェイトちゃん血だるまで速攻精神ポッキリ
この流れにどうしても笑いがこみ上げてきてしまうw
…いや、自分が勝手に書いた外伝だっていうのは分かってるんですけどね、青眼編は…
86×DOD:2007/11/28(水) 23:16:11 ID:A3W9dw8w
>>83
なのはさんの扱いワロタwwwww
87リリカル.exe:2007/11/28(水) 23:16:12 ID:d3+nQXb0
バスターブレイダー自重www
もうこうなったらなのはさんと融合させてブラックパラディンならぬホワイトパラディンにでもしてしまえw
88名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 23:28:26 ID:ZZD8P7qU
バスターブレイダーwwwwwwwwwww
フェイトに殺されるぞwwwwwwwwwww
89なのウタ:2007/11/28(水) 23:30:00 ID:698OFbgd
GJ!
前半と後半(主になのは)の落差に吹いたwww
デュエル終わったらどうなるんだ、こいつら……
90名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 23:34:45 ID:rIdQc/3a
GJ!
なのはさん、別の意味で大ピンチw
カードは異世界との橋渡しであって、どこかの次元世界にはきっとバスターブレイダー本人が存在してるはず
モンスターカードから召喚されたからといって区別はやめましょう

発動条件と空撃ちが問題になりそうなテキストなので調整
《スターズ2 ティアナ=ランスター》効果モンスター
星4/風属性/魔法使い族/攻1400/守1100
自分の場に「スバル」「なのは」「フェイト」という名が付くモンスターがいる時、その枚数×200ポイント攻撃力がアップする。
魔法カードを発動する時、このカードを生贄にすることでそのカードの発動コストを支払わなくてもよい。

特殊召喚制限はどうしよう?
《高町なのは(キューピッド・キス)》効果モンスター
星6/光属性/魔法使い族/攻2400/守2300
このカード名はルール上「スターズ1 高町なのは」としても扱う。
このカードは「キューピッド・キス」を装備した「スターズ1 高町なのは」を生贄にすることでのみ召喚できる。
このカードが表側攻撃表示でいる限り、戦闘では破壊されない。
このカードを攻撃したモンスターのコントロールをダメージステップ終了時に得る。
そのモンスターはフィールド上に存在する限り表示形式変更と攻撃をする事ができない。
このカードが破壊された時、自分フィールド上の「スターズ」「ライトニング」と名のついた魔法使い族以外のモンスターを全て破壊する。
91リリカル遊戯王:2007/11/28(水) 23:47:54 ID:jf3Me/+z
>>85
うちのなのはメンバーは精神面が異常に脆いのが特徴っすw
カラオケ編wktk

>>90
おお、毎度ありがたいです。
そっか、このテキストだと特殊召喚は制限にかからないんですっけ。
思ったよりも難しいことを今さら実感w

てか人大杉の状態なのに今までで一番感想ついて吹いたwww
みんなギャグ展開好きだなwww
92名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 23:50:51 ID:/WwI657V
>>41
案外、「魔殺の帯」では無くて「サイモン作『柊印のアクセサリ』」かも。
でもアゼルっていじられキャラが似合うな。
93名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 00:00:02 ID:7tFMatVJ
GJ!
エラッタ後のカードもまとめの小ネタにしとく?
94なの魂の人:2007/11/29(木) 00:59:03 ID:D3vVQs0H
なんというなのはさん
これは石破天驚ラブラブスターライトブレイカーフラグですね

さて、自分でも驚異的な速度で出来てしまった第七話
投下してもよろしいでしょうか?
95名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 01:02:22 ID:HvKhWRrv
>>94
来い来い!
支援っ!!
96名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/29(木) 01:02:54 ID:+/9zC4ir
いいぞーいいぞー♪
97なの魂:2007/11/29(木) 01:06:00 ID:D3vVQs0H
「……八っつぁんよぉ。コイツをどう思う?」

旅館に着いて、仕事内容が書かれた紙を受け取って。
部屋に荷物を置き、屋根の上に登った銀時はそこで初めて仕事の書かれた紙を開く。
そして開口一番に出た言葉がそれであった。

「すごく……広大です」

顔に陰を落としながら新八は呟いた。
今回の仕事内容は、こうだ。
『最近雨漏りが激しいので、破損箇所を発見・修復して欲しい』。
要するに、雨漏りはするがどこから雨が漏れているのか分からないのである。
加えてここは由緒正しき和風の旅館。
つまり瓦張りの屋根なので、わざわざ剥がして確認していかなければならないのだ。
銀時の持っている紙には『大体この辺』と大きな丸が描かれていたが、あまりにもアバウトすぎる。
……というより、どう見ても屋根一枚全部囲まれている。

「あンの野郎ォォォ!! 妙にすんなり話が通ったと思ったらこーいうことかァァァ!!!」

「どーすんですかコレ。一枚一枚剥がして確かめてたら日が暮れますよ」

用紙を粉々に破り捨てる銀時を尻目に、新八は頭を抑えながらため息をついた。
まあ一時間もあれば終わるだろうとタカをくくっていたので、はやてを部屋に待たせっぱなしにしているのだ。
……まあ、どうするもこうするもないか。
そう思い、早速道具を手に瓦を剥がし始めようとする。

――ベキン。

……何かが砕けるような音がした。
恐る恐る音のした方を見ると、神楽が勢いよく屋根に金槌を振り下ろしている真っ最中だった。

「オイオイオイィィィ!!! 何してんの神楽ちゃんんんんん!!!」

大慌てで金槌を持つ手を掴む新八。
しかし神楽は、しれっとこんなことを言ってのける。

「破壊と創造は表裏一体ネ。いっぺん全部ぶっ壊して作り直した方がきっと早いヨ」

「オメーは部屋ではやてと遊んでろォォォ!! 銀さんからのお願い!!」

銀時の悲痛な願いが、青空に響き渡った。



なの魂 〜第七幕 デパートで売ってるカブトの幼虫ってアレさなぎになっちゃったらどうすんの?〜



「……?」

一方こちらは、極々普通の旅行を楽しみにきたなのは達。
旅館に着いて早々、温泉へ向かっている途中だ。
どこかで聞いたことがあるような男の声を聞き、なのはは後ろを振り向いた。
しかし、視線の先にいるのはアリサとすずかのみ。
男の姿などはどこにもなかった。
98なの魂:2007/11/29(木) 01:09:18 ID:D3vVQs0H

(なのは。今日はせっかくの旅行なんだから、ちゃんと休まないと駄目だよ)

(あ……う、うん。分かってるよ〜)

彼女の身を案じたユーノが念話で話しかけてくるが、なのはは当たり障りの無い返事をする。
先程聞こえた気がする男の声は、それっきり聞こえてこない。
そうだ。まさか万年グータラ男の彼が、こんなところまで来ているはずがない。
何しろ貧乏だし。

(気のせい……だよね?)

そんなことを思いながら、再び後ろを振り向く。
温泉に入れるということで無駄にハイテンションなアリサを見て、すずかが困ったような笑顔を見せていた。

(ねぇ、ユーノくんは温泉入ったことある?)

そういえば、向こうの世界にも温泉はあるのだろうか?
ふとそんな疑問を抱いたなのはは、ユーノに念話で問いかけてみる。

(え? あー……うん。公衆浴場なら何度か……)

(えへへー。温泉はいいよー)

年相応の笑みを見せながらなのはは言う。
ユーノは顔を赤くして、なのはから顔を背けた。
彼女の笑顔に一瞬見惚れてしまった気恥ずかしさもあるが、それよりも
自分が現在置かれている立場を思い出したからだ。

(……あー……その、なのは。僕やっぱり、士郎さんや恭也さんと同じ男湯の方に…)

(えー、いいじゃないー。一緒に入ろうよー)

そう。
彼は今まさに、『女湯』に連れて行かれようとしているのだ。
ちなみに彼の性別は『オトコ』である。
『お琴』ではない。『男』である。

(いや、その、そーいうわけにも……)

全国のロリコン共が泣いて喜びそうなシチュエーションだが、一応彼にも良心はあったらしい。
なんとか隙を見て男湯の方へ向かおうと試みるが……。

「よーし、ユーノ! アンタはアタシが洗ってあげるからね」

と、アリサにがっしりと首根っこを掴まれてしまった。
もはや脱出不可能。袋のネズミ……もとい、フェレットだ。

(……さよなら僕の貞操…)

荷馬車に乗った子牛のような心境で、ユーノは一人黙祷した。
99名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/29(木) 01:10:09 ID:+/9zC4ir
支援
100なの魂:2007/11/29(木) 01:10:45 ID:D3vVQs0H



「なんか冒険してるみたいで、ワクワクしてくるな〜」

定春の上で木漏れ日を浴びながら、はやては言った。
いつまでも部屋に篭っていてもつまらないから、と神楽に森林散策に連れ出されたのだ。
当の神楽はというと、はやての前に座って辺りをキョロキョロ見回している。
少し調子に乗って、奥の方まで来すぎてしまった。
さすがに熊は出ないだろうが、妙な生き物は出るかもしれない。

「気をつけるアル。油断してると、こないだみたいなモンスターとエンカウントするネ」

「う……そ、それはちょっと勘弁願いたいなぁ…」

不安そうな表情をし、神楽の服の裾をぎゅっと握りながら辺りを見回す。
なんというか、非常に挙動不審である。

「ん……?」

突然はやてが動きを止めた。
うっそうと生い茂る木々。
その向こう側を、じっと見つめる。

「ん?」

神楽もそれに倣い、同じ方向を見つめる。
きっかり3秒。
その不審な『モノ』を見つめていた彼女らは、出来る限り自然に目を背けた。
……辺りを重苦しい空気が包み込む。
沈黙に耐え切れなくなったはやてが、遠慮がちに口を開いた。

「……神楽ちゃん、今なんか体中にハチミツ塗りたくってる人おった気が…」

言ったあとで後悔する。
いや、いくらなんでもそれはないだろう。と。
これでは頭の可哀相な子ではないか。
この世界のどこに、こんな森の奥で、フンドシ一丁で、体中にハチミツ塗りたくる人間がいるというのだ?
ああそうか。私、ちょっと疲れてるんやな。
せやから、あんな幻覚を……。

「妖精ネ、妖精。樹液の妖精ヨ。ああして樹液の平和を守ってるネ」

……どうやら幻覚ではなかったらしい。
さも当たり前のように、至極当然のように神楽がそう返してきたのだ。
しかし、そうなるとますます意味が分からなくなる。
さっきの人は一体?

「樹液守ってるって何の意味が……」

そう呟き、ふと視線を横へ向ける。
……そして、即座に目を逸らした。

「…………」

見なきゃよかった。
はやては本気でそう思った。
彼女の視線の先では、割と二枚目な、ちょっと瞳孔開き気味なお兄さんが大木にマヨネーズを塗りたくっていたのだ。
しかも、そのお兄さんの足元には空になったマヨネーズの容器が大量に散乱していた。
……一体どれだけマヨネーズが好きなんだ。
101反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/29(木) 01:12:32 ID:vZhALLTN
まさかのカブト狩り編、だけど自分そのエピソードは見たことないのヨ支援
102なの魂:2007/11/29(木) 01:12:40 ID:D3vVQs0H

「神楽ちゃん、やっぱ帰ろ。この森怖い」

ほとんど泣きそうな顔で神楽に懇願する。
しかし神楽は先程と同じように、まるでコレが普通とでも言わんばかりの口調でこう言った。

「気にする必要ないネ。今のは妖怪魔妖根衛図(まよねいず)ネ。ああして縄張りにマーキングしてるアルよ」

「……いや、その…明らかに見たことある人やってんけど…」

そう呟いたところで、彼女らのすぐ近くから枯れ枝が折れるような音が聞こえてきた。
誰かがこちらへ向かっているのだ。
身の危険を感じたはやては、すぐにどこかに隠れるように神楽に頼み込む。
神楽は仕方なさそうに、定春を側の大きな茂みへ行くように促した。



神楽達が身を隠した茂みのすぐ先。
そこには、黒いスーツっぽいものを着た男達がいた。

「おーい、そっちはどうでィ?」

そう言って森の奥にいる仲間――監察方の山崎に声をかけたのは沖田だ。
沖田に呼ばれた山崎は、小走りで彼の元へとやってくる。

「駄目です。全然見つかりません……っていうか沖田隊長。その格好は…」

そう言ってカブトムシでも見るかのような目で沖田を見る山崎。
というか、カブトムシである。
沖田がカブトムシの着ぐるみを着ているのだ。

「見たら分かるだろィ」

「いや、分かりませんって」

至極真面目に答える沖田なのだが、真選組最後の良心である山崎には全く理解不能であった。
いや、だって。
着ぐるみだよ?
カブトムシの。
そんなことを考えていると、沖田が「やれやれでさァ」と呟いた後、得意げに説明を行い始めた。

「仲間のフリして奴らに接触する作戦でィ。これで瑠璃丸もあっという間に確保でさァ」

「そんなバカみてーな作戦に引っかかるのはお前くらいだ」

突然山崎の後ろから声が聞こえてくる。
先程まで大木にマヨネーズを塗り続けていた、瞳孔開き気味の兄ちゃん――土方だ。
土方は沖田を一瞥した後、内ポケットから煙草を取り出す。
そんな土方を蔑むような目で見ながら沖田は言い返す。

「土方さん。マヨネーズでカブトムシ取ろうとするのはバカじゃないんですか?」

その言葉を聞き、土方は腰の刀に手をかけた。
沖田もいつの間にか用意したバズーカを肩に担ぐ。
まさに一触即発。
その折、二人の間に割って入るように大きな声が聞こえてきた。
103なの魂:2007/11/29(木) 01:14:31 ID:D3vVQs0H

「トシ。お前まだマヨネーズで取ろうとしてたのか。無理だといっただろう。ハニー大作戦で行こう」

フンドシ一丁、全身ハチミツまみれの近藤がやってきたのだ。
……いや、近藤だけではない。
彼の後ろにいる10人近い隊士達もまた、近藤と同じような格好をしていた。

「……オイみんな。別に局長の言ったことでも嫌なことは嫌と言っていいんだぞ」

呆れ顔で隊士達に声をかける土方。
だが隊士の一人が、少し困惑した様子でこう返した。

「いや、でもハニー大作戦なんで」

「いやだからなんで身体に塗るんだよ」

頭を抱える土方。
バカだ。コイツらバカだ。
そんなことを思いながら煙草に火をつけ、呟く。

「……大体、こんなだだっ広い森の中で虫一匹探すなんざ無茶だぜ」

煙草をくゆらせながら言う土方に、近藤は腕を組みながら返す。

「無茶でもやるしかあるまい。瑠璃丸は価値にすれば国宝級のカブトムシ……一刻も早く見つけ、将軍様の元へ返さねば」

そう、今回の真選組の任務はテロリストの撲滅でもなく、麻薬密輸の摘発でもなく
将軍の愛玩ペット――カブトムシの瑠璃丸の捜索なのだ。
特殊部隊が何やってんの。とか言われそうだが、普段から便利屋扱いされているので仕方ない。

「瑠璃丸は陽の下で見れば、黄金色に輝く生きた宝石のような出で立ちをしているらしいが……パッと見では見分けがつかんらしい」

「要するに、日没までが勝負ってことか……」

煙を吐きながら土方は呟く。
既に正午を過ぎて、結構な時間が経っている。
残された時間は少ないようだ。

「土方さん。やっぱここは『なりきりウォーズエピソードV』でいきやしょーや」

「いや、『マヨネーズ決死行』で行こう」

「いや、『傷だらけのハニー湯煙殺人事件』で行こう」

無駄に凝った作戦名を提案する三人。
そのまま彼らは、森の奥へと行ってしまった。



「カブト狩りじゃァァァァァ!!!」

目に欲望という名の炎を宿しながら、神楽はそう叫んだ。

「あ、あの神楽ちゃん、何を……」

そのあまりの気迫に圧倒されるはやて。
無理もない。
何故なら神楽は、金と食い物に貪欲だから。
104名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/29(木) 01:14:50 ID:+/9zC4ir
ドナドナド〜ナ♪支援!
105なの魂:2007/11/29(木) 01:16:15 ID:D3vVQs0H

「アイツらより先にロリ丸捕まえてやるネ! よく分かんないけど、将軍絡みならそれなりの分け前が期待できるネ!」

「神楽ちゃん、ロリ丸やのーて瑠璃丸な。ロリやったら私らのことになってまう」

脂汗をかきながら訂正するはやて。
すると突然神楽がなりを潜め、困ったような顔でこちらを向いてきた。

「ところではやて。カブトムシってどうやって捕るアルか?」

――知らんのに張り切っとったんかい。
そうツッコミたくなるが我慢する。
というのも、自分もあまり虫の捕り方などは知らないからだ。

「う〜ん、私もよー知らんけど……こういうデッカイ木を揺さぶったら、落ちてくることがあるって話は聞いたことあるなぁ」

「マジアルか。ちょっと試してみるネ」

はやてがすぐ側の大木を指差すと、神楽は嬉々として定春から降り、その大木の前へ立った。
そしてバッターボックスに立った野球選手のように番傘を構え……。

「カーブト……折りじゃァァァァァ!!!」

「どんだけェェェェェ!!?」

へし折った。
もう一度言う。
『揺さぶった』のではない。『へし折った』のだ。
あまりにもあんまりな神楽の行動に、はやては驚愕の声を上げる。
いや、強いとは聞いていたが。
まさか一撃でこの巨木をへし折るとは。
まるで未知の生命体でも見るかのような目で神楽を見るはやて。

「おーいポリ丸やーい」

木の枝を掻き分けてカブトムシを探す神楽。
といっても、これだけ派手なことをやらかせばカブトムシも逃げ出すだろう。

「……神楽ちゃん、ポリ丸やのーて瑠璃丸な」

そう訂正した矢先、神楽が妙な物を発見した。

「ん……?」

黒い……布?
いや、違う。これは服だ。
巨木から広がる枝の間から、黒い服と白い肌が見え隠れしていたのだ。
誰か木の上に乗っていたのだろうか?
気になった神楽は、その謎の人物へ顔を近づけた。

「いたた……」

長い金髪の髪を持った少女がいた。
ゴシック系の黒い服に身を包んだ少女は、何が起こったのか分からない、と言いたげな表情で痛そうに腰に手を当てている。
そしてふと顔を上げ……。
106名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/29(木) 01:17:59 ID:+/9zC4ir
こ・・これはまさか・・?支援!
107名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 01:18:22 ID:8k/8+8+8
フェイト&はやてエンカウントか?支援
108なの魂:2007/11/29(木) 01:18:24 ID:D3vVQs0H

「あ」

「あ゛」

神楽と目が合った。
二人は時間が止まったかのような錯覚に陥る。
マズい。非常にマズい。
金髪の少女――フェイトの心の警鐘が激しく音を立てた。

「……え? 何々? ホンマもんの妖精さん?」

いまいち状況が掴めないはやてが、後ろから覗き込みながら声をかけてくる。
それを合図に、神楽はフェイトに飛び掛った。

「てンめェェェ!! ここで会ったが百年目アル! 覚悟しろコラァァァ!!!」

「ま、まだ一週間も経ってません!」

立ち上がり踵を返すフェイト。
前回本気で死にそうな目に会ったのが、結構トラウマになっているらしい。
そんな彼女を、神楽は番傘を構え容赦なく追いかける。

「カブト割りじゃァァァァァ!!!」

土下座させるんじゃなかったのか? という天の声が聞こえた気がしたが、そんなもん知ったことか。
二人は凄まじい勢いで森の奥へ消え、残されたはやては呆然と定春の上に座り込んでいた。

「……行ってもうた…」

一体何だったんだ?
そう思っていると、ブーンという羽音とともに、何かが定春の頭の上に降りてきた。

「……ん?」

視線を落とす。
……カブトムシだ。
いや、ただのカブトムシではない。
パッと見は普通だが、木漏れ日に当たった甲殻が美しい黄金色に輝いていた。

「……これって、もしかして…」

先程の真選組の会話を思い出す。
国宝級のカブトムシ。
将軍。
日没までが勝負。

「……定春、さっきの人らのとこに連れてってもらえへんかな?」

しばし黙考した後、はやてはカブトムシを引き渡すべく真選組の所へ向かったのであった。



精神リンク、というのものがある。
使い魔とその主は潜在的に精神が繋がっており、特に使い魔は主人の気分・感情を機敏に察知することが出来るのだ。
そしてそれは、アルフも例外ではなかった。

(……な、何? 今の悪寒……)
109名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/29(木) 01:19:40 ID:+/9zC4ir
フェイト・・南無・・支援。
110なの魂:2007/11/29(木) 01:20:15 ID:D3vVQs0H

普段の狼型ではなく、人型となっていた彼女は突然襲い掛かってきた寒気に身を震わせる。
原因はもちろんフェイトがトラウマに出会ってしまったからなのだが、精神リンクだけではそこまで詳しい状況は分からない。
とりあえずマズい。何かマズい。
断片的に分かるのは、そんなことだけだ。
とりあえず念話でも飛ばしてみようかと思ったが、まあうちのご主人様なら大丈夫だろう。と思い直す。
いや、ひとっ風呂浴びたかったから。とかそんな疚しい理由ではなく。

「温泉、気持ちよかったねー」

「ねぇねぇ、この後卓球しない?」

「んー。アタシは、ちょっとお土産が見たいかなー」

前方から声が聞こえてきた。
フェイトと同じくらいの年頃の、三人の女の子。

(……あの子は…)

その三人組の、真ん中に立っていた女の子を注視する。
見たことはない。
しかし、フェイトから話は聞いていた。
フェレットのような生き物を連れた、同い年くらいの魔導師。
……挨拶だけでもしておくか。
そう思い立ち、彼女は少女――なのはの前へ歩み寄った。

「は〜い! おちびちゃん達!」

「……?」

突然知らない女の人に声をかけられ、きょとんとするなのは達。
しかしアルフはそんなことはお構いなしに、なのはの顔を覗き込む。

「ふんふんふん……君かね。ウチの子をアレしてくれちゃってるのは」

「え、え……?」

「あんま賢そうでも強そうでもないし……ただのガキンチョに見えるんだけどな」

困惑するなのはに、好き放題に捲くし立てる。
さすがに友人がここまで言われて、黙っているわけにはいかない。
アリサが二人の間に割って入った。

「……なのは、お知り合い?」

「う、ううん……」

なのはは怯えた様子で首を横に振る。
アリサはアルフを睨みつけ、語気を強めながら言う。

「この子、貴女を知らないそうですが! どちらさまですか!?」

「…………」

だが、アルフはアリサのことを歯牙にもかけない様子で一瞥した。
そしてもう一度、なのはを値踏みするような目で見る。
……ま、ここで面倒事起こしても仕様もないか。
111名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 01:20:19 ID:0SpMzcjz
だめだこいつら、はやくなんとかしないと・・・
112なの魂:2007/11/29(木) 01:22:21 ID:D3vVQs0H

「ごめんごめん! 人違いだったかなー? 知ってる子によく似てたからさー」

悪びれた様子もなく、笑いながら両手をひらひらさせる。
アリサはそんな飄々とした態度にご立腹の様子だったが、なのははほっとしたように胸を撫で下ろした。

「あ……なんだ。そうだったんですか」

「あははは! 可愛いフェレットだねぇ〜」

笑いながらなのはの肩に乗っていたユーノの頭を撫でる。
良かった。悪い人じゃないみたい。
なのはがそう思ったその時、突然彼女とユーノの頭の中に声が響き渡った。

(……今のところは、挨拶だけね)

(……!)

(な……ッ!?)

二人は驚いた表情で目の前の女性を見た。
女性は笑っていた。
今までのような友好的な笑みではなく、何かを企んでいる様な笑顔。

(忠告しとくね。子供はいい子にして、お家で遊んでなさいね。おイタが過ぎるとガブッといくわよ…)

「あ……」

忠告終了。
後はどうなっても知らないぞーっと。

「さーて、もうひとっ風呂いってこよーっと」

そんな独り言を残しながらその場を後にするアルフ。
後ろから先程自分達の間に割って入ってきた女の子の喚き声が聞こえてきたが、
アルフはそれを軽く受け流し、温泉へと向かった。



「チッ……逃げ足だけは速いアルな」

茂みを掻き分け、舌打ちをしながら神楽はそう呟いた。
獲物を逃して大変ご立腹な様子である。

「あ、神楽ちゃんー!」

声が聞こえた。
顔を上げると、視界の奥から定春に乗ったはやてがこちらへ向かってくるのが見えた。
まるでサンタクロースが持っていそうな巨大な袋を抱え、嬉しそうな笑みをこぼしている。

「……? どうしたアルか、はやて。その袋」

定春の上に横座りに乗りながら神楽は聞く。
するとはやては、待ってましたと言わんばかりに袋を開けながら喋りだす。

「えへへ〜。神楽ちゃんがおらん間に、カブトムシ見つけてな〜。
 さっきの人らに渡してあげたら、お礼にって貰ってん」
113名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/29(木) 01:23:06 ID:+/9zC4ir
支援支援!
114名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 01:23:06 ID:0SpMzcjz
支援・少し気力値がヤバイ。SSもや倍
115なの魂:2007/11/29(木) 01:24:24 ID:D3vVQs0H

袋の中には色とりどりのお菓子が詰められていた。
あのチンピラ警察共にしては、中々気の利いたことをする。
だが神楽は、まるでクラスでただ一人赤点を取った学生を見るかのような目ではやてを見、ため息をついた。

「……バカアルな〜、はやて。そーいうときはゲンナマを要求するのが一番賢いネ」

そう言って右手の親指と人差し指で円を作ってみせる。
はやてはそれを見て乾いた笑いを出す。
そして人差し指を唇に押し当てながらポツリと呟いた。

「んー……でも、私はお金のためにやったわけやないし…」

それを聞いて神楽は、いきなり声を荒げてはやてを諭しだした。

「そんな奇麗事ばっかりじゃ世の中渡っていけないネ! 最後にモノを言うのは金アル!」

「そ、そーいうもんなん?」

その迫力に押され、思わず後ずさりしそうになるはやて。
神楽はうんうんと首を縦に振った後、感慨深げにこう言った。

「そーいうもんヨ。よかったネ、コレでまた一つ大人になれたアルよ」

「……なりたくないなぁ、大人…」

はぁ、とため息をつきながらそんなことを呟くはやてなのであった。



(あ〜、もしもしフェイト? こちらアルフ)

呑気に温泉に浸かりながら念話を飛ばすアルフ。
程なくして、フェイトからの応答が返ってくる。

(な……何……?)

念話なのに、何故か息切れしたような声が返ってくる。

(……どしたの? エラい疲れてるみたいだけど…)

(ち…ちょっと、ね……そっちこそ、どうしたの?)

不審に思うアルフだったが、上手い具合に話をはぐらかされてしまった。
まあいいか。先にこっちの用件を済ませよう。

(ちょっと見てきたよ、例の白い子)

(そう……どうだった?)

僅かに興味の篭った声で聞き返される。
少しだけもったいぶる様な素振りをし、アルフは答えた。

(ん〜……まあ、どってこたないねぇ。フェイトの敵じゃないよ)

(……そう。こっちも少し進展。次のジュエルシードの位置が、大分特定できたみたい。
 今夜には捕獲できると思う)
116名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 01:25:11 ID:0SpMzcjz
支援
117なの魂:2007/11/29(木) 01:26:18 ID:D3vVQs0H

ほんの少し、熱の篭った声。
逸る気持ちを抑えているのだろう。
その言葉を聞いて、アルフは急にテンションを上げる。

(う〜ん! ナイスだよ、フェイト! さすがあたしのご主人様!)

しかしフェイトは、そんな彼女とは対照的に殆ど声の調子を変えずに話す。

(……うん。ありがとう、アルフ。夜にまた落ち合おう)

(は〜い)

そう言って交信を終了させる。
さて、それじゃあ夜までくつろがせてもらうとしますか。
そう思いながら、再び温泉を満喫するアルフなのであった。

余談だが、長湯しすぎて上気せかけたのはここだけの話である。



「……終わった…」

屋根の上で大の字になりながら新八は呟いた。
隣では同じように銀時が大の字になって寝転がっていた
視界に広がる大空は、既に真っ赤に染まっている。
昼前から始めた屋根の修理は、今この時をもってようやく終了した。

「結局一日中屋根の修理してただけじゃねーかチクショー。
 こーなったら残りの時間は限界まで満喫してやらァ! もう身体中の皮がズルッズルになるまで温泉に浸かり続けて…」

叫びながら身体を起こす銀時。
だが、目の前の光景を見て彼は言葉を失った。
しばらくの間、呆然とその光景を見続ける。

「銀ちゃーん!」

屋根の下から声がした。
身を乗り出し見下ろしてみると、なにやら巨大な袋を持ったはやてと神楽、そして定春がこちらを見上げているのが見えた。

「今帰ったよ〜」

元気一杯に手を振りながら言うはやて。
その横では神楽が酢昆布をしゃぶりながら、何故か口を尖らせていた。

「はやてのせいで、今月もまた家賃滞納アル」

「あぅ」

先程のカブトムシの件をまだ引きずっているらしい。
本当にがめつい女である。
というか、家賃滞納の主な原因は自分自身にあるということを、いい加減自覚してもらいたいものである。

「いいトコに帰ってきたな。お前らもちょっとこっち来い」

銀時は彼女らに、屋根の上へ来るように促した。
118名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/29(木) 01:27:29 ID:+/9zC4ir
支援しまーす!
119なの魂:2007/11/29(木) 01:27:53 ID:D3vVQs0H



「うわぁ……!」

目の前の光景を目の当たりにし、はやては詠嘆の声を上げた。
小高くそびえる山と山。
その間から、夕日が淡く優しい光を放っていた。
まるで世界を包み込むかのような、柔らかな光。

「絶景アルなー」

「映画のワンシーンみたいですね……」

神楽と新八も、思い思いの観想を口にする。

「……綺麗やなぁ…」

ありふれた言葉。
だが、他に思い浮かぶ言葉は何も見当たらなかった。
きっとどんな美辞麗句も、この夕日の前では霞んでしまうだろう。

「なかなかオツなもんだろ。こーいうのも」

同じ風景を見ながら銀時は言う。
いつも無気力で、子供のようなことばかりする彼。
夕日を浴びた彼の横顔は、いつもより、ほんの少しだけ、『大人の男』の顔に見えた。

「……今日はありがとうな、銀ちゃん」

「…………」

微笑みながらそんな言葉をかける。
銀時は微動だにせずに夕日を眺めていた。

「……もしかして、照れてる?」

先日のお返しと言わんばかりに含み笑いをしながらそんなことを言うと、銀時が何も言わずに頭に手を乗せてきた。
……ほんのちょっとだけ、胸の鼓動が高鳴ったような気がした。
顔が赤いのは、きっと夕日のせいだ。
120名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 01:28:42 ID:0SpMzcjz
支援・そろそろ来るかな・・・。
121なの魂:2007/11/29(木) 01:28:54 ID:D3vVQs0H

……と、桃色妄想を爆裂させているはやてには悪いのだが、この男にそんなデリカシーなどあるはずもなく。
銀時は乗せた手で、そのままはやての髪の毛をわっしゃわっしゃと掻き乱した。

「あぅ〜!」

急に現実に引き戻されて、はやては情けない声を上げる。
さらば幻想。こんにちわ現実。

「新八ィ! 酒持って来い、あとオロナミンC! このまま月見と洒落込むぞ!」

「ちょっとちょっと、僕使いっぱしりですか?」

前を見ながら大声を上げる銀時を見て、新八は笑いながら腰を上げた。
しかしここで空気の読めない神楽が、新八の台詞を鵜呑みにした発言をしてしまう。

「オメーはそれしか取り得ねーんだから、さっさと持ってくるヨロシ」

「んだとコラァァァ!! ツッコミもあるぞォォォォォ!!」

怒声を上げて臨戦態勢をとる。
一触即発、剣抜弩張、空知英秋。いや、これは原作者だ。
とにかく、そんな状態である。
背中から聞こえてくる騒ぎ声に、ようやく銀時は後ろを振り向いた。

「こーゆー一日の終わりに飲む酒が一番美味いんだよ。いいから早く持って来い」

夕日のせいか、それとも別の理由か。
彼の顔は、ほんの少しだけ赤みがかっているように見えた。
122名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 01:29:23 ID:0SpMzcjz
支援っす
123名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/29(木) 01:29:48 ID:+/9zC4ir
支援砲撃!
124名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 01:30:05 ID:vSYecBtO
さらに支援
125なの魂の人:2007/11/29(木) 01:31:06 ID:D3vVQs0H
以上、第七幕投下完了です。
うん、もうちょっと風情のある夕日の表現がしたかった

とりあえずシュノーケルの『奇跡』は個人的に神ED
126名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 01:33:05 ID:0SpMzcjz
>>125
GJでした。
このままだと闇の書グループの影が薄くなってしまいますが、さて、どうなることやら・・・。ギャグ的な意味で。
えぇ、期待してますとも。
127名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/29(木) 01:35:43 ID:+/9zC4ir
GJ!
え〜と・・現在、温泉地にいるのは新撰組に坂田さんファミリーになのはとフェレット
そしてフェイトとアルフ・・なんだか温泉地が戦場になりそうな構図ですね・・
128反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/29(木) 01:41:12 ID:vZhALLTN
GJ!
銀さん達に影響されまくるはやてですが、StS時代ではどうなるんだろうなぁ…
そして空知噴いたwww
129名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 01:53:36 ID:Sap4S5Gd
GJ。
もうこいつら来週から銀魂の本編に出てきても不思議じゃないぐらい馴染んでるよ……。
(特にはやて)
130名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 03:30:25 ID:uCwmBj4x
>>なの魂氏
GJ!
相変わらず違和感を感じさせない融合っぷり。
てかなのはキャラが銀魂絵で再生されるようになってしまったぞ、どうしてくれるww
でも、リリなの絵の銀さんたちは勘弁な。あの絵でゲロとか想像できねぇよwww
131名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 08:07:29 ID:PAUYaGbd
>>なの魂
神楽さん、やめてください。その子にはまだ10年後の三期があるんだから、成長がゆがみそうな教訓はやめてくださいw
132OSGS:2007/11/29(木) 08:46:45 ID:FsOnt39r
>>なの魂氏
GJ〜!!
さっき原作みてきました。
……あれ? なのはとフェイトとはやてがいないよ?
133OSGS:2007/11/29(木) 09:06:54 ID:FsOnt39r
一話できました〜。投下おkですか?
134名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 09:09:29 ID:oq31nRtp
おk
135OSGS:2007/11/29(木) 09:13:30 ID:FsOnt39r
では、おっさんに会話を始めてもらいましょう。

いきや〜す。
136OSGS:2007/11/29(木) 09:14:12 ID:FsOnt39r
OSGS
第一話「いつか、来るべきときのために(前編)」
※今回のザブトン十枚のキーワードは「黒い白虎ブラグ」です。皆さんはりきっていきましょう。おっさん&マイナーキャラ同士の会話から初めていいのかな……?


――レイカー・ランドルフ

 第187管理外世界。
 連邦軍極東支部司令官レイカー・ランドルフは、ラングレー基地の司令官ケネス・ギャレットと、通信を行っていた。レイカー横には副指令サカエ・タカナカが控えている。
 極東――伊豆基地の地下、レイカーのデスクで腹芸が展開されていた。

「では、このたびのEOTI機関の武装テロ、さらに格納されていた量産型ヴァルシオンは、おまえの預かりしらんところなのだな」
「当然だ。だれが好き好んで犯罪者など囲むものか」
「……」

 レイカーは、モニターをにらみつける。その先、ケネスの顔には、なんの感情も浮かんでいない。だが――サングラスの向こうの目はせわしなく動き、頭髪のない頭には、粒の汗が噴出していた。明らかに様子がおかしかった。

「だが、取引といこうか」
「取引? ふん。こちらはなんの関係もないと表明しているのにか?」
「ああ。そちらが協力を要請していたイスルギ重工の社員はすでにとらえてある。金の動きもな」
「……なにが望みだ」
「そちらに預けているATXチーム――。今度ミッドチルダ地上本部で新たに創設される部隊に出向としたい」
「なに? なぜだ」
「お前と同じだ。政治的観点からな」

 この手の人種は、金や地位に関するところに同意を入れる。レイカーが使ったのはそこだ。地球権防衛――否、時空圏防衛の手段をまじめに伝えるよりも、相手の土俵で居たほうが手っ取り早い。

「ふん。貴様も俗物か。地上本部からの要請だろうが……」
「なんとでもいえ。だが悪い取引ではあるまい。今後一切、この事件には触れん」
「いいだろう。こちらもあの扱い憎い隊員たちに辟易していたところだ」
「……では了承でいいのだな」
「手続きはそちらでしろ」
「了解だ。では、ケネス。息災でな」

 通信をきる。傍にいたサカエにうなづき、サカエはさらに別の通信を確保する。暗号通信。さらに厳重に。通信は異世界へとつながっていく。

 モニターに通信相手の顔が大写しになった。三人だ。
 壮年の男が二人。もう一人は蜂蜜色の髪を流した女性。
 レイカーは円卓を囲む彼らに――古の騎士を思い出した。

「とりあえず戦力は確保したぞ。しかし、わたしたちがこんな会話をしていることを知れば、部下はどんな会話をするだろうか。ビアン、マイヤー、騎士カリム――」

 卓を囲む彼らはおのおのにうなづいた。

 数日後、ATXチームに辞令が下った。

『キョウスケ・ナンブ以下ATXチームは、時空管理局本局遺失物管理部、陸士部隊「機動六課」への出向を命じる。』
137OSGS:2007/11/29(木) 09:17:07 ID:FsOnt39r
――キョウスケ・ナンブ


 ATXチーム隊長、キョウスケ・ナンブは、
輸送機レイディバードをあやつるヴァイスとその相棒「ストームレイダー」の後ろの座席で、何度も読み返した資料に、
再び目をとおしていたところだった。
 日はまだ明るい。
 座席に放り出してあるDコンを見ればまだ十時を回ったばかりだった。
 EOTI機関の急進勢力がおこしたテロ事件を、辛くも解決したATXチームを待っていたのは急な出向命令だった。
 ATXチームは今朝早く、復興されたミッドチルダ北部の臨海空港に到着、迎えのヴァイス陸曹、アルト二等陸士と合流した。

(どうにも手持ちぶさ……だが)

 何度も読み返した出向先の資料に、再び目を通す。
 まだ少女、といっても過言ではない年齢の女性の顔写真が、資料とともに添付されていた。
 
(部隊長、八神はやて二等陸佐を筆頭に、戦技教導隊から高町なのは一等空尉……
時空管理局本局の執務官、フェイト・T・ハラオウン……。魔導師に疎い俺やエクセレンですら名前を知っている魔導師が、二人も出向している部隊、か。ハガネ隊やヒリュウ隊に居た俺たちが言えることではないが……)

 異様な戦力の充実ぶり。ロストロギアの危険性は身をもって知っているキョウスケだったが、この編成には違和感をもっていた。
 まるでもっと巨大ななにかを――少なくとも古代遺失物『レリック』専門の部隊ではない気がしてならない。

(エアロゲイター、というのも考えられるが。L5戦役から半年間、ヤツらはなにも動きを見せていない……となれば)

「あ〜っと。キョウスケ中尉」

 キョウスケは資料から目を離した。
 正面をみると、苦笑しながらこちらを振り向いているヴァイスがいた。

「何度か、お呼びしたっす」
「……すまん」

 資料に集中しすぎたようだった。
 ヴァイスは別段気分を害した様子もなく外を指差した。
 いままで眼下の森の緑と、切り立った崖くらいしかなかったが、じょじょに人の手が加わった光景にかわってきている。民家や集落がちらほらと見えはじめた。
 クラナガンを挟んだ位置にある空港と六課隊舎は、移動するにあたり、かなりの迂回をしなければならない。クラナガン上空では、大型輸送機の飛行は認められていないからだ。

「もうちょいで、ミッドの首都クラナガン周辺っす。そろそろ気流に入るんで、エクセレン少尉を呼んでいただけます? キャビンにいるほうが安全ですから。俺はアルトに」
「了解」

 まだ操作に慣れないパネルを開き、格納庫でヴァイスリッターの調整をしているエクセレンに通信を繋いだ。

「エクセレン――なにをしてる」
「ぎやぁ!!」

 すさまじい悲鳴を上げながら、エクセレンがのけぞった。
138OSGS:2007/11/29(木) 09:18:17 ID:FsOnt39r
(もう少しマシな悲鳴はあげられんものか)

 キョウスケは心のなかで思う。
 ATXチームの暫定副隊長エクセレン・ブロウニングは胸を抑えながら、大きく深呼吸をする。

「……落ち着いたか?」
「もう、キョウスケ。いきなり顔出されたらびっくりするじゃない。わたしのリンカーコアがばっくばくに……」
 
 どうやらいきなり目の前にパネルが開いたらしい。
 驚くエクセレンの背景は、ヴァイスリッターのコクピット。

「あの、リンカーコアの使い方が全般的にまちがってるような……?」
「なんだ。そこにいたのか、アルト」
 
 あらたなパネルがキョウスケの前に開き、苦笑した少女とヴァイスが映し出される。
 控えめにツッコみを入れたのは、調整を手伝っていたアルトらしい。
 小柄なアルトはエクセレンと並びあって、コクピットに身体を入れている。

(やはり若いな。管理局の局員は……)

 時空管理局とキョウスケとエクセレンの属する連邦軍は、協力体制にあるが、さまざまな部分でちがいがある。年齢もその一つだ。
 キョウスケは口元をゆがめながら、エクセレンに言った。

「ふっ。若いほどリンカーコアの修復ははやいそうだ。早く修復しろ」
「う……微妙にきっついこと言ってない?」
「六課の平均年齢にくらべただけだ。ヒリュウやハガネの隊員よりも若い。おまえが最年長ではないのか?」
「――ここから操縦席打ち抜いちゃおうかしら。こう、ばっきゅ〜ん」
「……」

 キョウスケは口をつぐむ。
 エクセレンのこめかみに浮かんだ青筋を見て、ヴァイスがあわてて口を挟んだ。 

「ま、まあまあ。子守、おつかれさまっした。エクセ姐さん」
「アルトちゃんは夜泣きもしないでい〜い子だったわよ。ただ、小学校の男子トイレの話はちょっと引――」
「うわあああああ!!? ちょ、どうしていきなりバラそうとしてるんですか!?」

 アルトが悲鳴を上げながらエクセレンの口をふさぐ。

「む、むぐむぐ。だってヴァイス君は知ってるんでしょ?」
「キョウスケ中尉がいますって!」
「大丈夫。キョウスケは私以外の女性には興味ないから。てかほんとに苦し――。落ちるって! 降参!」

 狭いコクピットのなか、必死にタップをいれるエクセレンの様子を見てキョウスケはため息をつく。ヴァイスも同様のようだ。
 
「というか、アルト。お前は自分の恥を自分から漏らしすぎだっての……」

 ヴァイスもため息まじりに言う。
 興奮しているアルトをなだめながら、エクセレンが言った。

「まあそれは置いておいて。で、アルトちゃん。クエスチョンは解決できた?」

 荒い息をととのえ、やっと落ち着いたと見えるアルトがエクセレンにうなずく。
139OSGS(4/10):2007/11/29(木) 09:18:50 ID:FsOnt39r
「はい。TC−OSまわりのことだったんですけど、もう大丈夫です。これでATXチームの機体整備、参加できそうです」
「そう。ブロウニング先生の蜂蜜授業もまんざらじゃないってことね。次のコース、体験しとく?」
「つ、次のコースっていうと……?」
「組み技から寝技、立技から寝技、射撃から寝技? あとはカイ少佐直伝のダンディな押さえこみ込みから、貫け、マグナ〜ム?」
「マ、マグナム……?」
「ゲシュペンストのモーションセレクトまわりの事だろうがな。あとにしろ」

 何を考えたのか、顔を真っ赤に染めたアルトと、絶好のからかい相手を見つけたエクセレンの会話を強引に打ち切る。エクセレンのスキンシップは一度はじまると長い。ブリットがいない分、他にちょっかいが行っているのだ。
 そのちょっかいの対象――アルトが小首を傾げた。

「ってヴァイス陸曹? 操縦中のパネルは原則禁止じゃあ」
「それはヘリの話だ。ここまではほとんどオートパイロットだし、ストームレイダーが細かい調整をやってくれっから、俺は座ってるだけだ。だがそろそろ腕の見せ所だな。輸送機のライセンスにも挑戦すんだろ? 見せてやるから戻って来い」
「あ、もうクラナガン付近ですか?」

 パネルのむこうでヴァイスがそうだ、と頷いてみせる。
 キョウスケはレイディバードのゆれの種類が、さきほどとは違ってきているのに気がついた。身体で感じるほどはっきりとゆれている。

「とりあえず、二人ともこっちに戻れ。そろそろ気流がはげしくなるらしい。コクピットに頭をぶつけたいなら別だが」
「あら、ざんねん。じゃあ、そろそろ戻りますか。アルトちゃん。初心者の落とし穴には気をつけてね」

 コクピットから出ようとしていたアルトの動きが止まった。

「落とし穴ですか?」
「そう。ちゃ〜んとリフトに足をかけないと、地面まで一直線だから。五階建てビルの屋上くらいの高さはあるからね。冗談じゃなくて真っ赤なアルト。縁起わるいわよ〜」

 キョウスケは眉をひそめた。

(俺はその赤いアルトに乗ってるんだが……。さっきのことを根に持っているのか?)

 現在オーバーホールに回している愛機を思い出した。
 修理に出したときは青の夜間迷彩で塗装されていた愛機――アルトアイゼン。

「気をつけます……」
 アルトがリフトの向こう側を見ながら言った。
「じゃあ、こっちはゆっくり、慎重にいくから。まっててね、ダーリ――」

 通信を強引にうち切り、キョウスケは手元の資料に視線をもどした。
 ヴァイスの押し殺した笑いが響いた。

「ヴァイス陸曹」
「いや、ほんと面白いコンビっすね。まだ初対面から二時間も経ってませんが」
「……不本意だ」
「この分だともう一人のパイロットのほうも期待できますね。たしかブルックリン・ラックフィールド曹長?」
「ブリット。アサルト3だ。前の任務でヒュッケバインmkUが大破していなければ、今日に間にあったのだが。アルトアイゼンも含めてオーバーホール中だ」
「アルトアイゼンに、ヒュッケバインmkUっすか。俺も含めて整備班の連中は楽しみにしてましたっけ」
「向こうのローテーションがやや過剰だった。機体の磨耗も不安だったが――」
140OSGS(5/10):2007/11/29(木) 09:19:28 ID:FsOnt39r
 それに加えて、ヴァイスリッターのオクスタンランチャーも修理に出されたままだ。エクセレンがやっていた調整は代わりに持ってきた武装まわりのセッティングだ。

「そういえばその任務って先日の――EOTI機関急進派のテロ事件っすか」
「なぜ知ってる」

 キョウスケは資料から目を離す。
 報道はされたものの、すぐに管制がひかれ後続情報はほとんどなかったはずだ。
 ヴァイスは再び苦笑しながらこちらを振り向く。いやいや、報道じゃないっすよ、と手を振りながら。

「現場で会いませんでした? 鉄槌の騎士ヴィータって、スターズ分隊の副隊長っすよ。たしか『おっさん』少佐の応援部隊と一緒に出たって」

 キョウスケの脳裏に、鉄槌を掲げながら、リオンやガーリオンを叩き落していく赤い騎士の姿が浮かんだ。

「……思い出した。彼女がそうか。ロクに名乗る暇もなかったが、印象には残っている」
「まあ、ある意味かなり目立ちますからね。ヴィータ副隊長。それを言ったらウチの隊長、副隊長は有名人ばっかりですか」
「……」

 戦闘機以上の機動力をもつリオンやガーリオンに、いとも簡単に追随し、いとも簡単に装甲をぶち抜く。
 それでいて死者は一人もだしていない。キョウスケがL5戦役中にであった魔導師に、そんな芸当をできる人間はいなかった。
 資料のページをめくると、たしかに見覚えのある赤毛の少女の写真があった。
 赤い衣装――騎士甲冑の印象が強かったせいか、局員制服の彼女にキョウスケはいまのいままで気がつけなかった。

「特機につっこんだ馬鹿がいた……と、副隊長が言っていましたが……マジだったんすね」
「……」

 特機、量産型ヴァルシオンを一人で相手にし、帰還したキョウスケは思わず閉口した。

「で、キョウスケ中尉の代車があのゲシュペンストってわけですか。でも、やっぱり、愛機が恋しいっすか」
「まあ……な。愛機といえば、ヴァイス陸曹はヘリのライセンスも取得しているのか?」
「ええ。というかヘリが本業っすね。新人は陸戦魔導師ばっかりで――。アルトが輸送機ライセンスとるまでは、ヘリもお預けっすか。俺くらいしか輸送機扱えるのいませんし」

「そうか。だが、わざわざ迎えをだしてくれているとは思わなかった」
「八神部隊長直接のご指示ですんで。それにタイミングとしては丁度よかったんすよ。六課の隊舎の備品や、もろもろもレイディバードの格納庫の隅に置いてあるっす」

「……あの着せ替え人形用の机もそうか」

「あれはなんていうか、まあ備品には間違いないんすけど。ウチの上司の趣味です。ミッド出身じゃないなら驚きますよ――っと。そろそろか、ストームレイダー」

『はい。この先に乱流が。最短ルートですが、山脈を越えた冷たい風が吹きつけています。加えて、三時方向の切り立った崖と谷の凹凸が流れを返しますので、このあたりの気流は不安定になりがちです』

 インテリジェントデバイス・ストームレイダーの音声とほぼ同時に機体がすこし揺れる。
 外の風景の印象はかわっていないものの、気流は確実に乱れているようだ。

「お待たせ〜」

 キョウスケの背後の扉がスライドした。
141OSGS(6/10):2007/11/29(木) 09:20:29 ID:FsOnt39r
 当然のようにキョウスケのとなりにエクセレンが座り、アルトは操縦席のとなりにはアルトが座る。アルトは心なしかぐったりとしていた。
 ここまで来るまでにエクセレンにからかわれてきたのだろう。

「エクセレン……あまりからかってやるな」
「あ〜……だってほら、ブリット君いないし」
「じゃあテスラ研に通信でも送っておけ」
「無理無理。きっと山奥で素振りでもしてて、通信なんて返す暇ないでしょ」
「……ヤツらしいがな」

 エクセレンはすばやくベルトを締める――同時――アラートが鳴り響いた。
 

「!」

 パネルに表示されたアラートに、アルトがすばやく対応した。手早くヘッドセッドを頭にかぶせる。
 
「ヴァイス陸曹!」
「わぁってる。シャーリー! どうなってる!

「陸曹! いまどこにいらっしゃいますか!?」

 大型のパネルがうきあがり、ブラインドタッチで情報をいち早く把握しようとするシャリオが画面に浮かぶ。

「いまか? 隊舎の北西――十キロってところか。ストームレイダー! 位置情報を転送してくれ」
「位置確認しました。その位置なら――間に合うかも! 陸曹、その位置から十時の方向で戦闘が発生しています。アーマードモジュールとイスルギ重工製の最新鋭実験機の戦闘です!」
「は? んな話きいてねえぞ。大体フライトプランは通ったはずだろ」
「本来はもうすこし西で行われるはずだったんですが、所属不明のアーマードモジュールと戦闘状態に陥り、戦線がながれてきたみたいです。このままじゃ……」

 ヴァイスとシャーリーが情報を交換している間に、アルトは自分の前に開いたパネルでマップを引き出していた。シャーリーが纏めたデータをマップに反映させる。

「この位置……」
「隊舎のすぐ近くね。このまま戦線が流れると、間違いなく……まずいわね」

 シートベルトをはずし、アルトの開いたパネルに身をのりだしながら、エクセレンが小さく舌打ちする。
 キョウスケはちらりとモニターを見る。現場はレイディバードの速力ならものの五分といったところか。

「おまたせや!!」

 パネルの向こうで声が響いた。

「モニターと資料こっちまわして。グリフィス君はシグナム隊長に連絡! 準備できしだい出てもらって」
「八神部隊長!」

 シャリオの顔が輝く。

「いまヴァイス陸曹のレイディバードがこちらに向かっています!ATXチームのお二人も一緒です。通信ひらきます」
「了解や。キョウスケ中尉、エクセレン少尉」

 画面が切り替わる。大きな瞳と髪留めが印象的な少女が大写しになった。
142OSGS(7/10):2007/11/29(木) 09:21:36 ID:FsOnt39r
「はっ」

 パネルに大写しになった部隊長に、キョウスケとエクセレンは敬礼する。

「私服のままで失礼します。連邦軍ATXチーム隊長。キョウスケ・ナンブ中尉、副隊長エクセレン・ブロウニング少尉です。本日づけで機動六課に出向となりました」

 はやては頷く。

「よろしくな。機動六課課長兼部隊長八神はやてです。
 出向そうそう、まだロクに挨拶もできてへん状態で申し訳ないんやけど……出撃、たのめるか?
 こっちからはライトニング副隊長、シグナムに出てもらう。ほかの分隊長は出払ってるし、地上の武装隊にも応援は要請したんやけど、いつもどおりの到着になると思う」
「応援はない、と?」
「そう考えてもらってかまわへん。ちなみにウチの周りの部隊も合同演習中や――」
「了解です」
「では、シグナム副隊長と合流するまで、そっちの指揮をおねがいします。あ、コールサインと小隊はそのまま、キョウスケ中尉がアサルト1、エクセレン少尉はアサルト2。それから暫定的ですけど二人をそれぞれ、一等陸尉、二等陸尉とします」
「わお……もしかしたら出世じゃない?」

 緊張感のない発言にアルトとヴァイスが目を見開いた。

「エクセ姐さん! んなこと言ってる場合じゃないですって。コイツをぶっ飛ばせばすぐに作戦領域っすから! ゲシュペンストmkUとヴァイスリッターの立ち上げ、お願いします」

 レイディバードの機首の向きを変更しながら、ヴァイスが叫ぶ。

「ま、パーティに遅れたくはないわよね。キョウスケ」
「ああ。では、レイディバードは俺たちをおろした後に待避。指示を待て」

 パイロットスーツを着ている暇は無い。
 私服のままで狭い通路を進み、薄暗い格納庫に踏み込んだ。

 二機のパーソナルトルーパーが直立で立っている。
 青の装甲のPT量産型ゲシュペンストmkUと白の装甲を持つヴァイスリッター。

 キャットウォークリフトでハッチに移動し、ハッチを開けて、閉める。
 リンカーコアによる個体認証がおわり、ゲシュペンストに火が入る。
 隣のヴァイスリッターから通信が入る。

「ハイブリットアーマーに、メガブースター……それにあの武装。mkUナンブカスタムが洒落になってないわよ」
「アルトとおなじように使えはせんだろうが多少はマシなはずだ。チューンする暇もなかった」
「それはこっちも。ブーステッドライフルとスラッシュ・リッパー。まだ調整が完璧じゃないのよねぇ」
「不安要素はあるが出ないわけにはいかん。着任早々に拠点を失うのはもう真っ平だ」

 キョウスケの声色にかわりはなかった、が。僅かににじんだ悔しさを感じ取ったのか、エクセレンの表情が神妙なものになった。

「昔のラングレー……か。そうね。六課には、面白い子も多いみたいだし、任務のあとにお楽しみってことで」
「……」
「ちょ、ちょっと。べつに局員全員、からかい倒そうってわけじゃないわよ」
「スキンシップはおまえの担当だ。四の五のは言わん」
「な〜んか、ひっかかる言い方だけど」
「おまえは機動六課をどう思う」
143OSGS(8/10):2007/11/29(木) 09:23:30 ID:FsOnt39r
「どう、って……もうちょっと肩の力ぬいてもいいんじゃない?
 たしかにどこか裏がありそうだし、魔導師隊とPT隊の同時運用はめずらしいケース。
 でも、それも一年の期限をつけられた実験部隊ならではのテストケース、なら納得できない?」
「それならばもっと早くから出向要請が来てもおかしくない。急すぎないか?」
「そりゃそうなんだけどね……おっと。アルトちゃん、そろそろ出れる?」

 ゲシュペンストとヴァイスリッターの動力が安定する。
 画面に映ったアルトがエクセレンに応える。

「そろそろ……はい。カタパルト開きます!」

 レイディバードの簡易カタパルトが開き、外の光景があらわになった。

(部隊がすべて演習中のタイミングというのも解せん……。ここでなにが出てくる?)

――W17

 

「ベルカの騎士を相手にするには――ん? なんの言語モードだ」
「トラブルか? W17」
「いや、任務には支障ない。言語野のバグだろう。自己診断システムの上では異常はない」
「了解。戦闘を続行する」

 機密通信が途切れると同時に、W17が搭乗する機体の足元がえぐれてはじけた。
 敵機――戦闘機に四肢を追加した形状のが上空を旋廻しながら胸部に取り付けられたマシンキャノンを連射する。
 通常の戦闘機では自殺行為ともとれるほぼ垂直に近い動力降下も、重力慣性制御機関テスラドライブの恩恵によって、当たり前のようにリカバリーできる。減速をほとんど加えないまま地表のぎりぎりまで下降。W17に襲いかかる。

「回避……」
 
 W17は飛行能力のないアサルト・ドラグーン「量産型アシュセイヴァー」を巧みに操り、四肢を生かしてステップを踏ませ、すれ違うリオンに火砲の射線を向ける。
 連射性に特化したガンレイピアの銃口からレーザーが発射され、銃口と機体を青のマズルフラッシュで染めあげる。

 だが、すでに上空のは機首を空にひるがえし、有効射程範囲から逃れている。まるで予知していたかのような機動だった。

「ドール1。機体の挙動が不審すぎる。回避パターンが一定化しているぞ。戦闘プログラムのレベルを上げろ。実戦の機動でかまわん」
「了解。戦闘レベル――。修正終了」

 再びリオンが機首を返す。旋回半径が小さくなり、よりシャープな機動に代わった。テスラドライブの緑の燐光が機体の尾から噴出する。手加減のない戦闘機動だ。リオンの左腕に取り付けられたレールガンがアシュセイヴァーに向けられ、加速された弾体が地面を穿つ。

 微妙に射線はずれているようだが、装甲の薄いアシュセイヴァーでは、一撃が致命傷になりかねない。

(だが、これでいい。このまま戦線を流していけば、いずれ)

 W17は適度に撤退と反撃を繰り返す。ただ悪戯に戦線を延ばしているのではなく、結果的に戦線が流していく。そんな演技をしながら、W17は目的がこの場にあらわれるのを待っていた。

 別働隊から通信が入る。
144OSGS(9/10):2007/11/29(木) 09:24:38 ID:FsOnt39r
「W17。目的方向から高速で飛行する空戦魔導師を確認した」
「誰だかわかるか?」
「特徴はライトニング2のものだ」
「――よりにもよって彼女か」
「は?」
「なんでもない。これよりフェイズ2に以降。わたしはここで足を止める。ドール1」
「了解」

 アシュセイヴァーの足裏から噴射剤を噴出し、バッグステップさせる。同時に機体が揺れて、傾いだ。リオンのレールガンがアシュセイヴァーの右脚につきささり、装甲を貫通。バランサーが働くよりもさきに、アシュセイヴァーは地面に膝をついた。
同時に、ガンレイピアをフルオートで発射させ、リオンを追い払う。

(ここまでは計画通り――だが)

 破損箇所もほぼ予定通り。
 足まわりに不調を抱えたアシュセイヴァーの機動力は、目に見えて落ちていた。
 背部のブースターを全開にし、機体を大きく上昇させた。そのまま森を抜ける。
 開けた草原と荒野に降り立つ。さらに先には建物の一群があった。
 アシュセイヴァーの頭部のカメラが機動六課隊舎の映像を拾った。距離にすれば三十キロというところだろうか。

「ぬ……ランドリオンが追いついたか」

 さらに森を迂回していたランドリオン二機と、リオン二機が合流し戦力を増す。計五体。
機体下部にとりつけられた四本の棒状のキャタピラ――スティック・ムーバーで、ランドリオンは地面をすべるように移動する。草原を疾走し、向かってくる。

「ファイアーダガー。マルチロック……ファイア!」

 W17は胸部の連装ミサイル・ファイアーダガーを地面と上空にばら撒く。
 ミサイルが噴射の尾を吐き出しながら、リオンとランドリオンに向かうが、マシンキャノンで打ち落とされ、残ったものは回避された。
 加速された弾体、レールガンの閃光が三機から発射される。
 避けられないわけではなかったが――W17は動きをとめた。

「そこを動くな――イスルギ重工のテストパイロット!」
「!」

 思わず動きを止める。
 アシュセイヴァーに音速をはるかに超えた弾体が突き刺さる瞬間、人影が割り込んだ。

 人影が剣を振るう。センサー越しにW17が見切れた剣線はわずかに二つ。が、何かを切り裂く甲高い音は三つ聞こえた。
 機体をそれた弾体は、真っ二つになりながら飛んでいく。
 知覚するのも難しい速さのレールガンの軌道を見切り、切り裂いて見せた人影は、さして感動も無い声でいった。

「ベルカの騎士を相手にするにはまだ早い……だが、任務なのでな。無事か?」

 アシュセイヴァーのセンサーを通して、W17は彼女の姿を確認する。

「烈火の将シグナム。炎の魔剣レヴァンティン……」

 W17はコクピットのなかでつぶやいた。

(ここで出会うのも運命か……)

 W17はそんなことを思いながら、刹那の間、桃色の髪を美しくなびかせる女性と鋭い輝きを持つ魔剣に目を奪われていた。
145名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 10:18:16 ID:J3foNuC6
支援?
146OSGS:2007/11/29(木) 10:35:46 ID:FsOnt39r
オチで規制もらった……
※今回はここまでです。ご精読ありがとうございました。
 次はド欝っぽい展開ですので、関東圏が雨になったときにでも投下します。

※プロローグにあったように、キョウスケたちがいたのは管理外世界です(名称募集中)。
 ミッドと交流ができたのは五年ほど前からです。
 さらに、質量兵器封印を建前にしているので、あくまで連邦軍とは『協力』体制です。
 認識としては、対異星人用の戦力。
 六課に招かれた理由はのちのち。
 でもあんまり歓迎はされてない。

※PTやAMの生産ラインがミッドや管理世界のいくつかで確立されてしまったため、質量兵器が広がりを見せてしまっている。
 当然、ライセンス以外の機体は管理局の破壊対象になります。

今回の番外編
――月村すずか


 ちゅどーん。

 ある日空から巨大な神様がおちてきて、コテージの外を掃除していたアリサちゃんに、津波のような水しぶきが降ってきた。

 いきなり服をびしゃびしゃにされ、怒り拍子に顔を真っ赤にさせたアリサちゃんは、泉に横たわる神像に近寄った。
 神像は泉のそこに腰をおとす格好でいた。かなり広いはずの泉がまるで風呂のようだ。
 全体が俯瞰できないほど巨大だが、手足くらいはよくわかった。

 そして顔の、

 頬にあたる部分から、

 金属製の、

 髭が、

 生えていた。

「ねえ、すずか。わたしたちってこういう『巻き込まれる』こと多くないかしら?」
「……六課の出撃回数って、そんなに多くないからじゃないかな? SS入れても、かなり少ないし」
「それはなに? アグスタ防衛戦でウォーダンが出てくる予防線? ネタかぶるのいたしかたなしって言ういいわけ?」
「ううん、それはちょっと……」

「う、う〜ん……ここはどこだ……? 君みたいな美人にキスしてもらえれば記憶が戻るかも……」

「うっさい! あんたなんかアホセルでいいのよ! バカチン!」
「いきなりかよ! 初対面だ、これがな! オレ年上だよ、たぶんな!」
「ま、まあまあ……」

 『髭面の神像』。これがわたしたちを巻き込む災厄の源だとは、神ならぬわたしたちには、まだわかりませんでした。

 次回OSGS巻末番外編――文学少女リリカルすずか。

「”文学少女”と飢え乾くシステムLIOH」

 もとい。冗談です。

「”文学少女”と飢え乾くゲシュペンスト」
147OSGS:2007/11/29(木) 10:36:30 ID:FsOnt39r
以上です。最後で規制をもらってしまい、長らく止めてしまいました。
もうしわけないです。
148名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 13:06:41 ID:c371ip+C
GJ!
アラドがどう登場するのか今から楽しみです
149名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 13:39:50 ID:J3foNuC6
しばらくのあいだアルトアイゼンとヴァイスリッターをそれぞれ擬人化したデバイスかと思ってた件について
150名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 14:10:47 ID:J6TVPQYH
このままハガネとヒリュウに6課が合流したら
ちびたぬき二佐のセクハラスキンシップが全開だなw
151名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 16:03:06 ID:z89gu28s
未来悟飯まだかな〜〜?
152名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 18:04:09 ID:DU94ppz2
>なの魂
ここでカブト狩り話かよ!
黄金色のゴリラとか、幼女にはトラウマになるんじゃないか?
それにしてもはやて&神楽とフェイトの遭遇の仕方がアホすぎてワロタw
いちいち一週間も経ってないとか答えなくても……

相変わらず混ぜ方が上手でGJ。
153名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 19:56:13 ID:MBQTPbr3
>なの魂GJ
ああ、こうやって、銀魂色にそめられて、単発SSですきやき食うために、シャマルと
グルになって防御魔法張って、鍋を独占しようとしたりするほどになったんだな。
sts編になったら、どうなるやら、ああ、おそろしい。
154名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 20:52:14 ID:8dB0XcMF
>>146
GJ!
でも、畑違いのPT、しかも癖の強いATXチームをはやてが指揮運用できるとは思えないんだが。
早くレフィーナ艦長を呼ぶべき。
キョウスケたちははやてが特に理由もなく真の設立理由を隠してることをどう思うかな〜?
155スーパーロボット大戦X:2007/11/29(木) 21:22:55 ID:sFVGlyed
見たいのに「もうずっと人大杉」のせいで見れません。
しばらくは投下予定はないと言いましたが、第10話までのあらすじとインターミッションのものを書いたので投下したいと思います。
今回も時間状焦ってます。
156スーパーロボット大戦X:2007/11/29(木) 21:28:02 ID:sFVGlyed
結構焦ってるので送ります。誤字等は後々訂正します。

 第10話までのあらすじ

 「シャイニングガーディアンズ」は火星の後継者の討伐に成功するものの、戦力を割きすぎたため、
 ミッドチルダの地上本部は壊滅、スバル・ナカジマの姉、ギンガ・ナカジマと保護したヴィヴィオを連れてかれてしまった。
 しかし「シャイニングガーディアンズ」に悲しむ暇を与えないかのようにソール11遊星主が地球に襲来。
 Qパーツ(パスキューマシーン)を奪い自分達の星「三重連太陽系」を復活させようとする。
 そんなことになったら地球はなくなってしまう。それを阻止するため「シャイニングガーディアンズ」は
 ソール11遊星主を追うため「三重連太陽系」に行くことになったがその前に凰牙に乗っていた北斗が凰牙共々ガルファに連れてかれてしまうのである。
 さらに悪い事にもう一つの地球にいた地球連邦の連絡員の話によるとスカプコーラルとの調停に必要なノルブと言う高僧がシベリア鉄道に捕まり新連邦との交渉に使われそうになってしまうとの連絡が入った。
 「シャイニングガーディアンズ」は三重連太陽系に行く部隊、地球に残る部隊、もう一つの地球に行く部隊と3つに部隊に分けざるを得なくなってしまったが彼らの懸命な奮戦により、
 三重連太陽系にてソール11遊星主を倒し、その影響で開いたムゲの宇宙に行きムゲ・ゾルバドス帝国を滅ぼし、無事地球に帰還した。
 地球では北斗の救出に成功し、ガルファと手を組んでいたギャンドラーを倒し、ガルファ本星が地球付近に現れたが第7のデータウェポン「フェニックス」の助けもあり見事ガルファ皇帝とゼロに勝つことが出来た。
 もう一つの地球ではノルブを奪還し、シベリア鉄道は総裁のキッズ・ムントの失脚により今までの力をなくし、新連邦は総統のフィクス・ブラッドマン及び幹部のフロスト兄弟とデューイ・ノヴァクを失い、
 事実上壊滅、宇宙にいた宇宙革命軍も月での戦いで総統を失いこちらも事実上壊滅、スカプコーラルとの調停に成功する。
 もう一つの地球の人達はまだ事態が終わってないこともあり、最後まで一緒に戦うことを約束してくれた。
 そして「シャイニングガーディアンズ」のメンバーは全員地球に戻ってきた。

 ちなみにその時の部隊の振り分けはこうである。

 三重連太陽系に行く  ガオガイガー、ダンクーガ、マジンガー、鋼鉄ジーグ、ドラグナー、テッカマンブレード、オーガン
 地球に残る      電童、マシンロボ、Gガンダム、ガンダムW、ブレンパワード、ダイモス、ナデシコ、飛影、なのはStrikerS
 もう一つの地球に行く ガンダムX、キングゲイナー、エウレカセブン、Zガンダム、逆襲のシャア、真ゲッターロボ
157スーパーロボット大戦X:2007/11/29(木) 21:29:29 ID:sFVGlyed
 「シァイニングガーディアンズ」が全員地球に帰還してから1週間が経った。

「スカリエッティはどこにいるのかまだわからないのか?」
「管理局の方も一生懸命捜してますけど見つかりません」

 ブライトがはやてに聞くがまだわからないとしか言えなかった。ケーンがその間に入ってきた。

「もしかしたらこの地球じゃなくてもう一つの地球に居るんじゃね?」
「それはないはずです」

 ケーンの言葉にティファが反論する。

「D.O.M.Eは月に居ながらもあの地球の歴史をすべて知ってました。この地球から来る人もすべて・・・。D.O.M.Eにも聞いてみましたがスカリエッティと言う人はこの宇宙の地球には来てないと言ってました」
「てことはやっぱりこの地球てことか?」

 忍が聞いて考えてもやはり思いつかない。

「イバリューダーの本隊が近づいてると言うのに・・・。早くスカリエッティを見つけねえと・・・。」

 しかし、そんな時機動六課の代理本部として本来は廃艦処分になるはずだった艦船アースラに居るルキノから連絡が入った。

「アコース査察官がスカリエッティのアジトを発見したそうです」
「何だって!?」

 全員に緊張が走った。


 ヴェロッサとシャッハはスカリエッティのアジトの前にいた。
 そのアジトの場所は何と2年前の戦争で国際テロリストDrヘルの根城であった地獄島であった。

「間違いない、ここだ」
「しかし、ここって確か・・・」
「ああ、ユーノ先生にも調べてもらったがここは2年前にDrヘルと言う科学者が使っていた場所だ。前の敵のアジトにまた敵がアジトを作るなんて普通は考えないからね」
「敵も考えましたね」

 二人が喋っていたその時、突然地獄島が揺れ始めた。


 戦艦の中ではスカリエッティのアジトがわかり、マジンガーチームに既に闘志がついていた。

「あの野郎、まさか地獄島にいたなんてな!」
「敵のアジトにまたアジト、なかなかやるじゃないか。だが勝つのは俺達だ!」
「大変よ、地獄島から戦艦が出てきたって・・・」
「何だって!?」「何!?
158スーパーロボット大戦X:2007/11/29(木) 21:31:43 ID:sFVGlyed
 全員がモニターを見る。そこには地獄島から出てきた戦艦「聖王のゆりかご」の姿があった。
 その玉座の間には座らせて、苦しんでいるヴィヴィオがいた。
 なのははアースラから見ていてとても許せない気持ちになった。それは「シャイニングガーディアンズ」のメンバー全員同じ気持ちである。

「あんな小さな女の子が苦しんでいるのにあいつらは何も感じないのか!?」

 カミーユがそう言うとそれに続くかのように忍、ケーンが怒る。

「あの野郎、ムゲ野郎と同じだ。ただのうすぎたねえ悪党だ!」
「こんなことならドルチェノフの野郎の方がマシな気がするぜ!」

 彼らが怒っているととんでもない報告が入った。

「ガジェットと戦闘機人が日本に現れまし・・・、これって大変です! 八神部隊長! 
ガジェットや戦闘機人以外に戦闘獣、ハニワ幻人、モビルスーツが出てきました!」

 そこに映し出されたのはガジェットや戦闘機人、そしてミケーネ帝国の戦闘獣、邪魔大王国のハニワ幻人、かつてティターンズや今もネオ・ジオンが使っているモビルスーツの姿ある。
 そしてその中にはあのギンガ・ナカジマの姿もあった。

「ギン姉・・・」
「くそ、敵は俺達の事を考えてでかいのを出してきたか」
「敵は今回は本気だってことか・・・」

 スバルが驚き、ホランドがぼやき、ゲインが納得する。

「とにかく全員でこれらの対策会議をします。全員ブリッチに来てください」

 全戦艦にアナウンスが入りそして対策会議が始まった。その結果こう部隊を分けることになった。

 ゆりかごに突入する なのは、ヴィータ、ガンダムW(チーム)、テッカマンブレード(スペースナイツ)
 ゆりかごの外の敵を駆逐する はやて、ガンダムX(チーム)、ブレンパワード、キングゲイナー(チーム)、エウレカセブン、ドラグナー、ナデシコ(チーム)
 スカリエッティのアジトに行く フェイト、オーガン、飛影、真ゲッターロボ
 地上に行く スバル、ティアナ、エリオ、キャロ、シグナム、Zガンダム、逆襲のシャア、Gガンダム(チーム)、
       マジンガー(チーム)、鋼鉄ジーグ、ガオガイガー(GGG)、マシンロボ、電童(GERA)、ダイモス、ダンクーガ

「作戦は一刻を争う。だがこれだけは絶対に守れ。皆生きて帰るんだ!」

 ジャミルがそう言い、会議は終わる。
 エリオとキャロが心配そうにフェイトの所に来る。

「フェイトさん、危険です。いくら真ゲッターや飛影やオーガンがいるとはいえ、魔導師がフェイトさん一人でスカリエッティの所に行くなんて・・・」
「大丈夫だよ。シスターシャッハやアコース査察官もいるし、必ず帰ってくるよ」

 言い終わるとフェイトはエリオとキャロを抱きしめた。
 一方なのはもスバルに心配されていたがなのはが言い返す。

「スバルが憧れてくれたなのはさんは誰にも負けない無敵のエースだから」
「はい!」
「スバルだってウチの自慢のフロントアタッカーなんだからね。相棒と、マッハキャリバーと一緒に、負けないで頑張ってきて」
「はい!!」


こうして機動六課と「シャイニングガーディアンズ」によるスカリエッティとの最終決戦の幕が開かれるのである。
159スーパーロボット大戦X:2007/11/29(木) 21:34:17 ID:sFVGlyed
投下は以上です。
この後のことは本当に真剣に考えるので時間がかかりそうです。
ところで誰でもいいので「もうずっと人大杉」でも普通にいける方法はありませんか?あったら教えてください。(専用のものをダウンロード)はなしで・・・。
160名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/29(木) 21:40:18 ID:zvWa1sJ/
そんな便利な物はありません!素直に禁断の壺を使いなさい!
以上!
161名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 21:45:03 ID:yrikn5cZ
>>159
2chとネットの基本的なマナーを守れば拙くても投下は自由。でもあなたはいろいろ酷すぎる。
30分レスも無いし、予告後5分程度で投下も構わない。でも誤字は分かってるならちゃんと訂正してから投下すべきだろ。
何をそんなに焦ってるんだか。
>この後のことは本当に真剣に考えるので
たかが遊びとはいえ、ストーリーものなら最初から真剣に考えて作ってくれ。
それと人大杉には専ブラが一番早い。専ブラは無料だ。上でも出てるし、前スレでも何度も言われてる。
162スーパーロボット大戦X:2007/11/29(木) 21:48:15 ID:sFVGlyed
>>160
>>161
そうですか、わかりました。そうするとしてもウイルスとか入りませんか?
私のパソコンはウイルス対策を基本的にしてないので・・・。
>何をそんなに焦ってるんだか
焦っているのはこの掲示板があがらないと私が書き込むことが出来ないからです。
163名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 21:53:29 ID:Xv3GQ1af
>私のパソコンはウイルス対策を基本的にしてないので・・・。

あのさ、別に荒らしとかアンチとかそういうんで言うんじゃないけど、本気で
ネットやらない方がいいよ? 「基本的に」ってのがどの程度か知らんけど。
164名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 21:53:32 ID:OIR9s4tV
>>162
ならウィルス対策すればいいじゃん
165スーパーロボット大戦X:2007/11/29(木) 21:57:16 ID:sFVGlyed
>>164
それが出来れば苦労しません。
私にはそんな技術はありません。
166名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 21:58:40 ID:dzvmc01k
もう本気で半年ROMを推奨したい
書き込んだりせずまずいろいろネットを勉強していらっしゃい
167名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 22:00:07 ID:H7jkLdfo
>>165
あんた、ちったあ努力というものをした方がいいよ。
もしかしてリア中やリア小なんですか?
168名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 22:00:16 ID:OIR9s4tV
>>165
苦労しようとしたの?(・ω・)
自分で調べたり、自分でウィルスソフト買ったり
自分でフリーのウィルスソフト落としてみたり……

やり方はそれなりにある。
ちょっと労力を使えばいくらでも…………あれ?
ひょっとして俺、今釣られてる?
169名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 22:00:49 ID:V5AX2C3B
>>165
先生導入するかどうにかすればいいじゃないか。
それも無理ならもうネットはやめろ。それらが判るまで勉強しろ。
もしくはウイルス覚悟でやれ。

技術でもなんでもないぞ。PCでネットをする上での常識だ
170名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 22:02:17 ID:6fNDQzwZ
名前欄にfusianasanと入れてセキュリティーガードに登録するだけでもウィルスはある程度防げると言うのに
171名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 22:02:22 ID:H7jkLdfo
>>165
というかググるって知ってますか?
172節制の14 ◆6EgzPvYAOI :2007/11/29(木) 22:02:32 ID:BSXkGCp1
>162
とりあえず、ウィルス対策をしなさい。そして専ブラを入れ、誤字をチェックしてから投下すれば、例え文章力が今より下がっても、批判は減るから。
後、僕としては、君が省略した部分こそ読みたい。
173リリカル遊戯王:2007/11/29(木) 22:08:49 ID:jmeqcGR7
というかウィルスの知識0で2chに書き込みするとか、
感染しても気にしないぜひゃっほー!的な人ぐらいじゃないのか、常識的に考えて
174名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 22:09:05 ID:yrikn5cZ
>>165
ウィルス対策もせずにネットをすべきじゃない。
まず対策。あんたはそれからここ。
ttp://info.2ch.net/guide/
ttp://www.net-manners.com/
セキュリティをしてからやっとここだ。
ttp://browser2ch.web.fc2.com/
175名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 22:12:47 ID:ZjIHwWur
〔 `∞´〕 < 大漁♪
176名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 22:12:53 ID:H7jkLdfo
スーパーロボット大戦X氏はネットに繋いどけば、それだけでウィルスに感染するって知らないのか?
177名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/29(木) 22:14:35 ID:zvWa1sJ/
スパロボ氏今すぐにでもいいからウィルス対策をするんだ、それと
>>174に感謝するんだな。
178スーパーロボット大戦X:2007/11/29(木) 22:16:33 ID:sFVGlyed
>>176
それくらいは知ってますよ。
問題は今の暮らしなんです。
>>177
そうですね。とりあえずは紹介された所で勉強はしますが機会があったらまたここに書き込みます。
179名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 22:17:25 ID:H7jkLdfo
>>178
暮らしは関係ないだろ、暮らしは!
180名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 22:18:20 ID:DU94ppz2
もうみんな相手するのやめようぜ。
容量の無駄だし、せっかくの職人が投下しづらくなるだけで無益だ。
181名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 22:19:51 ID:LOdYGykM
ウイルス対策なんて簡単だろ
金払うのが嫌なら無料お試し版を使いまわすなり、フリーを探すなりいくらでもできる

その前に投稿前の推敲をしてくれ
182名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 22:20:03 ID:wpwGtu3b
>>178
なぁ? あんたの暮らしってのは、高々数千円の出費で終わるようなものなのか?
っつーかよ、あんたの暮らしなんざ別にどうだって良いんだって。
こっちが言いたいのは一つ。ネットに出るなら出るで、マナーと常識ぐらい守れ。

ウィルス対策ソフト何ざ、安いのなら千円ちょっとだぞ。
183OSGS:2007/11/29(木) 22:22:23 ID:FsOnt39r
うす。感想、要望ありがとうございます。空気よめないOSGSがきました。
いま第二次αとAやってるんでネタ放ってみました。

>>148
アラドは……すみません、プロッド立てるときにまったく考えてませんでした。
そういえばスクール組はスカリやナンバーズに絡ませると面白そう。
考えて……るところです。
ただ普通の出すのも面白くないんで――コミック版鋼の救世主とか、第三次αの冒頭とか、からませられたらな、と。

>>149
アルト、ヴァイスのところが描写不足だったようで、もうしわけないです。
ちゃんと『アルトアイゼン』『ヴァイスリッター』と、表記を一定としなかったのが一因だと思いました。
次回から気をつけますね。

>>150
アースラ出てくるまで我慢です。予定では八話で合流予定です。

>>154
はい。次回ははやてが胃をこわして、リィンに愚痴ります。

では、相変わらず遅筆ですが少々お待ちください。


今使ってるノートPCはオヤジがウィルスでぶっ壊したものを、なんとか直したものです。
えらく面倒になるんで、対策はやったほうがいいと思いますよ〜。

オヤジは何を見てウィルスにひっかかったって? ははは。それは言わない約束で。
184名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 22:22:52 ID:H7jkLdfo
というか、スーパーロボット大戦X氏はまずは世間的な一般常識というものから身に付けて来るべき。
185節制の14 ◆6EgzPvYAOI :2007/11/29(木) 22:24:45 ID:BSXkGCp1
続きは雑談スレを推奨します。
が、その前に……
>178
専ブラは無料だし、ウィルスソフトもavastとかフリーウェアなのは沢山あるよ。
『downloadする』『インストールする』等クリックするだけだから技術も入らないよ。文章書くより楽だよ。
186名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 22:25:30 ID:H7jkLdfo
リリカルなのはウロスSS感想・雑談スレ7
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1195820675/
じゃ、誘導。
187名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 22:26:22 ID:0SpMzcjz
>>178
とりあえずJane doe styleで検索してみろ。
188名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 22:33:25 ID:5leODxra
激しく遅レスな気もするが

>>30
管理局って世界結界外だよな
するとあの全力ベル様がその気になればいつでも降臨可能ということに
涙目ってレベルじゃねーぞ
アニメのベル様の新コスもエロくて好きだ

そして柊格好いいよ格好いいよ柊
魔剣が神殺しの力を手に入れた経緯やヒルコを取り込んだ経緯から考えると今の柊ってスーパーチートキャラ並の強化がされてるんだがどうなるんだろう
189節制の14 ◆6EgzPvYAOI :2007/11/29(木) 22:39:17 ID:BSXkGCp1
>188
その時、ベル様を抱き上げたのは緑のバンダナの……!


「あ、暴発した(ターン)」
190スーパーロボット大戦X:2007/11/29(木) 22:40:29 ID:sFVGlyed
>>187
もう覚悟の上でJane doe styleのものをダウンロードしました。
とりあえず見れるようになりました。
ひとまず色々言ってくれた人達には深く感謝しお詫び申し上げます。
191名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 22:40:58 ID:NgBalPMP
>>188
柊だぞ
いくらチートしても、バランスが取れるくらいにレベルを下げられるくらいのことは造作も無い
192名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 22:41:03 ID:3zcK4DI1
http://www38.atwiki.jp/saikyouhero/pages/11.html
このランキングスレの柊は凄い事になってるぞ

あとベル様の衣装って黒皇子の時のだと思ったけど違うのかな
193名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/29(木) 22:41:26 ID:zvWa1sJ/
ちょっとまて!ウィルス対策はしたのきゃ?
194名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 22:43:15 ID:V5AX2C3B
>>188
それを多い尽くすが如く「下がってる」んだよ。
柊は。


しかし、画集を買ったが、ベル様が柊のぬいぐるみをほんのり頬を赤らめながら持っている絵を見ると……
フラグだな、と思ってしまう俺はもう駄目だと思うんだ・・・orz
195名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 22:44:29 ID:H7jkLdfo
>>192
柊はたくさんのリプレイに出てるからなあ。
196名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 22:51:09 ID:DU94ppz2
亀だが

>>154
ATXがすることなんて突撃しかないんだから問題あるまい。
197名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 22:54:15 ID:7ZkAkDqX
>183
むしろ人名を「ヴァイス陸曹」とかにしたほうがいいんでないかと思ったり(階級あってたっけか)
198OSGS:2007/11/29(木) 23:03:51 ID:FsOnt39r
あ。自SSみてたら重大なことに。

六課の集結前日って、シャーリーいたらまずいじゃん!?

なにオペレーターやらしてんの、俺!?

と、思ったが>>550に励まされた。
199OSGS:2007/11/29(木) 23:04:40 ID:FsOnt39r
>>550は雑談のほうでした。失礼。
200名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 23:05:09 ID:QHKggY7Q
ニヤリ
201Strikers May Crys:2007/11/29(木) 23:05:28 ID:YYonqcZb
デビルメイクライ3クロスの第九話できました、かなりバージル兄さんが暴れるんですが…投下どうでしょうか?
”ナンバーズいじめるなんて耐えられない”って方がいたら少し修正して投下しようかと思ってます。
202名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 23:07:05 ID:V5AX2C3B
>>201
道は開いています。
そのままでGO!!!!
203名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 23:08:23 ID:H7jkLdfo
>>196
どこのソ連兵だ?
>>201
池!ナンバーズはいじめられて何ぼ。
204Strikers May Crys:2007/11/29(木) 23:09:10 ID:YYonqcZb
それでは投下行きます、デビルメイクライ3クロス今回。
今回のバージル兄さんはツン成分が多量に含まれます、ご利用の際は用法用量を守って正しくお使いください。
205リリカル.exe:2007/11/29(木) 23:09:33 ID:z2AgwFDu
DTゲージ無限モードの如くどぞー
206名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 23:09:51 ID:0SpMzcjz
死なない程度に苛められてロリペタだけなぜか待遇が違うのがナンバーズとバージルの関係クオリティ(ry
というわけでそのままGo
207リリカルなのはStS×覚悟のススメ:2007/11/29(木) 23:10:04 ID:YqBC1JAv
>>201
愛あらばいじめもまた良し!
支援の構え。
208Strikers May Crys:2007/11/29(木) 23:10:04 ID:YYonqcZb
魔法少女リリカルなのは Strikers May Cry 第九話「その日、機動六課(後編)」

俺は最高速度で鉄槌の下へ向かった、奴の強さは戦わずとも知れている、せっかくの獲物を先に倒されては意味が無い、しかしそんな考えは杞憂に終わる。
「バージル…リィンが、リィンが!…」
デバイスは砕かれ融合機は倒れ、鉄槌が敗れていた、少なくとも命に別状は無いようだ、俺は医療班に念話を入れて敵の反応のする方向を見定める。
「お前はここで医療班を待て、俺は敵を追う」
高速で撤退する高い魔力反応をサーチし即座に連続転移の準備に入る、この距離と敵の速度ならば仔細ない。

「すまねえ旦那…あたしがもっとしっかりしてれば…」
「気にするなアギト、お前はよくやった」
手に乗るほど小さな少女、融合型デバイスであるアギト、そして彼女を抱えて飛行する男、ゼスト・グランガイツ、スカリエッティの技術で蘇り故あって地上本部に乗り込もうとした元管理局の魔道騎士であった。
「む…あれは」
そんな二人の前に青いコートを着た銀髪の男が待っていた。
「待ちくたびれたぞ」
「何も感じなかった…魔力を隠蔽する技、大したものだな、管理局員か?」
「そんな事はどうでもいい」
「何?」
青いコートのバリアジャケットを着た男、バージルは手にした白銀の剣を突きつける。
「さあ、全力で戦え」
バージルは言い終わらぬうちに刃を振るっていた。

「くう!」
「旦那ああ!」
空中でバージルの振るうフォースエッジ・フェイクを槍型デバイスで受け苦悶の顔を見せるゼストに火炎弾の支援をしながらアギトが叫ぶ。
しかしアギトの火炎弾は周囲に高速展開した幻影剣に相殺され爆ぜ飛ぶ。
「はあああ!!」
ゼストは槍の後部、石突き部分からカートリッジを排出し魔力付加を強めた刃でバージルの剣を空中へ弾き飛ばす。
「貰ったあああ!」
勝利を確信したゼストは最高速度でバージルの心臓めがけ刺突を入れる、非殺傷設定でもこの一撃ならば確実に意識を断てる、例え障壁を張ろうと打ち破る自信があった。
「さすがだな…鉄槌を倒しただけある…」
窮地の筈のバージルは不敵に笑みを見せその頬を歪めた、有利な筈のゼストは背筋に寒気を感じる。
次の瞬間、耳障りな高い金属音と共にゼストの槍は、魔を喰らう妖刀“閻魔刀”の刃にその侵攻を阻まれていた。
「まさか閻魔刀を抜かされるとはな」
「俺に全力で戦えと言ったのだ、貴様も全力で来い!」
「ふっ」
「何がおかしい?青き騎士よ」
「いやなに、同じ土俵に立ったつもりの貴様がおかしくてな…」
カートリッジを使ったゼストの槍と鍔競りながらバージルは未だ不敵な笑みを崩さずに言った。
「旦那ああ!!後ろだ!」
離れた場所で支援の為に火炎弾を形成をしていたアギトが叫ぶ、その時ゼストの背後から上空へ飛ばされた筈のバージルの剣が回転しながら迫ってきた、敵に投げた剣の軌道を操る技“ラウンド・トリップ”である。
「くううう!!」
ゼストは即座に防御障壁を後方に展開しその刃を防ぐが前方の閻魔刀の圧力は増し、刃の挟み撃ちがゼストの命を刈らんと迫る。
「アギトオオオ!俺ごと撃て!」
「な…でも旦那!」
「構うな!」
「…わかった!」
アギトは形成した巨大な火炎弾を5つ、鍔競り合う二人へと放つ…爆炎と煙が上がり視界を満たす。
「くっ…」
「大丈夫か旦那!」
煙の中から姿を現すゼストにアギトは安堵の笑顔を見せる。
「やったんだな、へっへ〜ん、見たかこの烈火の剣精アギト様の力!あんなキレた奴なんか楽勝だぜ」
「いや、まだ終わっていないぞアギト…」
「えっ!旦那〜何言って…」
アギトは言いかけた言葉を飲み込んだ、目の前には姿を消していた青いコートの剣士が離れた場所から、両手に刃を携えてこちらを見ていた。
「う…嘘だろ…何で?」
209名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 23:11:01 ID:H7jkLdfo
そんな俺は兄さんのツン中毒支援
210Strikers May Crys:2007/11/29(木) 23:11:29 ID:YYonqcZb
アギトは自分の目を疑った、あの状況からあんな距離に移動するなんて“人間”ではありえないからだ。
「高速転移か…あの状況でやるとはな」
「何、あまりに遅い支援攻撃だったのでな」
ゼストの言葉に答えながら、バージルは右手に閻魔刀、左手に剣型デバイス、フォースエッジ・フェイクを構え、さらに自身の周囲に幻影剣を10本形成する。
「さあ、どうした…もっと見せてみろ貴様らの力を」

「紫電一閃!」
透る声と共に横薙ぎに振るわれる炎の魔剣により、刃のように反り返る鋭い前腕を持つ蜘蛛型悪魔“アルケニー”が両断され塵となって滅んでいく。
魔剣を振るうは烈火の二つ名を持つライトニング副隊長シグナム、彼女の頭上ではスターズ隊長、高町なのはが砲撃と誘導弾で遠距離の悪魔とガジェットを倒していく。
「大丈夫かなのは!?」
「はい!」
デバイスを受けとった六課隊長陣はシグナムとなのはが地上敵戦力の、フェイトが敵航空戦力の迎撃に出撃し、はやては後方指揮の建て直しに奔走していた。
「通信が通りにくいな…ロングアーチ!こちらライトニング02だヴィータとバージルは無事なのか!?」
鎌を持った傲慢の名の低級悪魔“ヘル・プライド”を返す刃で次々と斬り伏せながら六課通信主任シャーリーに通信を入れる。
「こちらロングアーチ!…ヴィータ副長は…未確認の敵戦力に撃破されました…敵はバージルさんが今追ってます!」
「ヴィータが敗れただと…」
シグナムと永き時を共に戦ってきた鉄槌の騎士ヴィータ…彼女の強さは並でない、しかもリィンと一緒に居たという事はユニゾンして敗れたという事だった。
「くっ…このままでは、バージルの救援に行けんではないか!」
シグナムとなのはが撃破した敵戦力は既に200体以上に上っていたが未だに掃討には遠く、二人の足元には排夾されたカートリッジが一面に散らばっていた。
「無事でいろよバージル…」
さらにシグナムとなのはの眼前には更に大鎌を構えた悪魔ヘル・ヴァンガードが数体出現して二人の足を釘付けるのだった。

バージルとゼストの戦いはその舞台を眼下の森へと移しながら激しさを増していた。
シグナムすら見た事のない閻魔刀とフォースエッジ・フェイクの二つの刃が織り成す白刃の二重奏に幻影剣の掃射を加えた攻撃は、歴戦の魔道騎士であるゼストの防御と命を容赦無く削っていく。
しかしバージルのバリアジャケットも所々が切り裂かれ鮮血がその青を際立たせていた、バージルの嵐のような猛攻を斬り返しながらゼストは確実に反撃の斬撃を刻み込んでいた。

森の中、バージルとゼストは苛烈な斬り結びの果てに一度距離をおき互いの血潮で濡れた刃を構えて睨み合っていた。
「旦那、こうなったら融合するしかねえよ!」
「これ以上、お前に負担をかけられん、…俺がまたフルドライブで落とす」
「そんな…旦那!これ以上の無理して危ないのは旦那の方じゃねえか」
息の荒くなったゼストにアギトが融合の提案をするが、にべも無く断られる。
バージルとゼスト、両者共に身体に刻み付けあった傷は互角、しかし人造魔道師として強化された代償に短命を背負うゼストに対し、悪魔の力を持つバージルが徐々に有利になりつつあった。
そんな中バージルは突然、閻魔刀を鞘に戻しフォースエッジ・フェイクを背中に掛けて構えを解いたのだ。
「…なんのつもりだ青き騎士よ?」
「3分やる、傷の回復と融合の相談でもしろ、今のままではつまらんのでな」
「な…こんの野郎舐めやがって!」
あろうことか死闘の休憩、彼にとってはもう融合せぬゼストは“唯の楽しい死合相手”でしかない…そして今彼の力を試すのに必要なのはそれ以上の強敵だった。
「大丈夫か?旦那」
「ああ」
アギトが懸命に治癒魔法を行使してゼストの身体に刻まれた傷を癒していく、ゼストは座って身体を休め自身も治癒魔法の補助を行う、バージルはそんな二人を腕を組んで見ている。
「ところで、青き騎士よ…お前は一体何故こんな戦いを望むのだ?」
「言っても意味の無いことだ、それに俺は貴様らの言う騎士ではない」
「…そうか」
211名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 23:12:33 ID:H7jkLdfo
兄さんのツンについて行けてこそ真の仲魔支援
212Strikers May Crys:2007/11/29(木) 23:12:44 ID:YYonqcZb
場には沈黙が流れる、そんな三人の下に予期せぬ乱入者が現れた、上空から一つの影がバージル目掛けて落下する。
「オラアアア!!」
唸りを上げて回る脚部の回転刃を持つローラーブーツ“ジェット・エッジ”による踵落としを放つ戦闘機人、ナンバーズ9番ノーヴェであった。
バージルは組んだ腕をそのままに最低限の動作でノーヴェの蹴りを避け、地面に足をめり込ませたノーヴェの腹部に膝を入れて吹き飛ばす。
「かはあっ!」
ノーヴェはゼストらの目の前に転がり腹部を押さえて咳き込む、そんな彼女の周りに次々と他の戦闘機人が現れる。
「ああもう…まだ仕掛けるなって言ったじゃないすっか〜」
「…命令無視」
「…姉さま大丈夫ですか」
宙に浮く盾“ライディングボード”に乗った11番ウェンディ、同じ顔を持つ双子8番オットーに12番ディードであった。
「うるせえ!黙らした方が楽だろうが…くっ痛え」
「まったく…我々の任務は彼を倒すことではないのだぞノーヴェ…それに先ほどの戦闘の負傷だってあるだろうが」
そんな4人にもう一人、銀髪に眼帯の小柄な少女、ナンバーズ5番チンクが近づきノーヴェに声をかける。
そして地下に潜り状況を見守る6番セインと距離をおき狙撃のチャージと後方指揮の為に離れた場所から状況を見つめる4番クアットロと10番ディエチ。
今フェイトを地上本部上空にて釘付けている3番トーレと7番セッテを除く地上本部と六課を強襲したナンバーズが全員その場に集まった。

「失礼しましたバージル殿、我々はナンバーズ、ドクター・スカリエッティの作り出した戦闘機人です」
「戦闘機人…この前、串刺した木偶人形どもの仲間か」
「…我々はあなたと戦いに来たのではありません」
チンクがそう言うと宙に映像が浮かび白衣の狂科学者ジェイル・スカリエッティがその顔をバージルの目の前に映し出した。
「いやあ、初めましてバージル君、君の話は娘達からよく聞いているよ“悪魔”のように強く冷酷だと…いや君にこの言い方は失礼かな?半魔の剣士殿」
「随分と俺の事を知っているようだな…やはり襲撃には内部からの情報流出があったか」
「おや…もう気づいているのかね?」
「当たり前だ、貴様らの襲撃は手際が良すぎだ、いかに雑魚ばかりの局員にAMFと悪魔を用いようともな」
「さすがだよ、しかし君についての情報は内部からのリークからではなく“別の”情報源があるのだよ…さて本題に入ろうか、この後に管理局の方々に大切な演説があるんでね…」
「俺に力を貸せとでも言うか?」
スカリエッティの話を切りバージルがその先を繋げる。
「ご明察!その通りだよ、私の技術なら君に更なる力を与えられる、損はさせないはずだがね」
「断る」
即答だった、静かだが一切の譲歩の感じられぬ強い意思を持った言葉でバージルは返した。
「ほう、君のような者が管理局に肩入れかね?どちら側でも変わらないと思うがねえ」
「違うな…」
「では何故だね?」
「決まっている、貴様が無能だからだ」
「……無能?…この私が?」
狂気の科学者ジェイル・スカリエッティ、狂っていると言われたとて敵味方共に天才と認められてきた彼にバージルは無能の烙印を押したのだ。
「その通りだ、随分と長い間研究とやらをしているようだが、あの程度の木偶人形しか作れぬならば無能極まる」
その言葉にスカリエッティは僅かに頬の肉を歪ませる。
「…そうかね交渉決裂か…それでは皆、後は頼んだよ」
スカリエッティがそう言うと映像は途切れ、同時にナンバーズが戦闘態勢に入り空気が張り詰めたものに変わる。

「ドクターからは無理やりでも連れて来いって言われてるんっすよ〜」
「別に肉片だって構わねえってな」
ウェンディとノーヴェがそう言うや否や、チンクの固有技能(IS)ランブルデトネイターにより爆破効果を付加されたダガーナイフがバージルに降り注ぎ爆炎でその周囲を彩る。
「今だ!オットー・ウェンディ!一気に決めるぞ」
213名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 23:14:12 ID:H7jkLdfo
ナンバーズの刺身支援
214Strikers May Crys:2007/11/29(木) 23:14:54 ID:YYonqcZb
チンクの指揮が飛びウェンディは誘導弾をオットーは広域攻撃のエネルギーをチャージし晴れ上がった煙の中で防御障壁を展開していたバージルに射ち出した。
しかしその攻撃がバージルに命中することは無い、射出された次の瞬間に閻魔刀の鍔鳴りの音と共に発生した大量の空間斬により攻撃は空間ごと刻み落とされた、その数実に20以上。
「これだけの攻撃でこの魔力使用量か…デバイスの魔力処理能力もだいぶ馴染んできたな」
バージルは自分に向けて放たれた攻撃を一瞬で消し去りながら、まるで目の前のナンバーズを欠片も意識していないような言葉を静かに呟く。
「よそ見してんじゃねええ!」
雄叫びと共にノーヴェが空を駆ける道エアライナーにより空中を疾走しながら渾身の捻りを加えた回し蹴りを放つ、その威力は初見のものを超えるそれを内包しながらバージルの側頭部めがけ軌道を描く。
「早いな、しかし動きに無駄が多すぎる」
なんでもない風に感想を口にし、バージルは瞬時に装着したベオウルフ・フェイクの蹴りをノーヴェの蹴り足に合わせて打ち出す。
空中で火花を上げて軋む二人の脚部、ノーヴェの武装ジェットエッジは回転刃の速度とブースター加速を上げるが、逆にノーヴェの足が悲鳴を上げ始める。
「くうっ!固ええっ」
「その上、この程度の破壊力か…屑が」
そう言い放つと同時にバージルの脚部に絶望的なまでの魔力が込められ、火花を散らしノーヴェのジェットエッジに無数の亀裂が入り始める。
「ノーヴェ!くっ…ウェンディ私の攻撃に合わせろ!オットーは次弾までレイストームのエネルギーをチャージ!」
チンクが叫びダガーナイフとウェンディの誘導弾を再びバージルへとその照準を合わせ、正確に彼めがけ発射する。
しかしノーヴェの攻撃を涼しい顔で返しながらバージルは周囲に幻影剣を多数展開、この支援攻撃を打ち落とし、さらに攻撃準備に入っていたオットーに射出した。
「うわあっ!」
瞬時に張った防御障壁を打ち破られオットーが被弾、チンクとウェンディがオットーに目を奪われた刹那、期を伺っていたディードが高速移動でバージルの背後に回り双剣ツインブレイズを振りかざし、彼の背中に斬撃を打ち下ろそうとしていた。
「やっと来たか、やはり背後に回るとは芸のない…」
背中に感じた殺気と視線に奇襲の匂いを感じていたバージルは脚部に更に力を込めてノーヴェの足のジェットエッジを粉砕。
足ごとへしゃげたそれをノーヴェの身体ごと側方に蹴り飛ばすと瞬時に手甲を解除、背後へと向き直り即座に片手で抜いたフォースエッジ・フェイクにより頭上の双剣を防ぐ。
確信を持って行った奇襲が破れ、その上に芯まで凍るようなバージルの目を息のかかるような距離で見つめたディードは今まで感じたことのない感情“恐怖”にその身を震わせた。
「どうした?機械仕掛けの木偶でも恐怖を感じるのか?」
静かに嬲るように言葉を吐かれると同時にディードは腹部に冷たい異物を押し込められるような感覚を覚える。
「えっ…」
軋みを上げるディードの赤い双剣とバージルの白銀の刃の下で彼のもう一つの手が、閻魔刀の刃でディードの腹部を刺し貫いていた。
バージルは双剣を受ける手はそのままに腹部の閻魔刀を捻り上げディードの腹部の肉をおおいに抉った。
「あああああああっ!!!」
熱を持った激烈な痛みに普段はその表情を変えぬディードが涙と悲鳴を上げる。

「ノーヴェ!ディード!」
チンクはダガーナイフを構えながら動けなかった、先ほどの幻影剣での迎撃によりこの男が近接戦の最中でも遠距離攻撃を正確に射出すると知って攻撃の手が鈍っていた。
ウェンディも誘導弾とライディングボードの砲撃をチャージするが攻めに出れず顔を苦悶に歪める、遠方で狙撃の機会を伺っていたディエチも同じく近すぎる標的と姉妹に引き金を引ききれなかった。
「お前ら!どけっ!!」
アギトの治療を受けながら、今までナンバーズの奮戦を見ていたゼストが自身の槍型デバイスを構えバージルに向かって飛び掛らんと魔力を高めていた。
「しかし騎士ゼスト、今のあなたは傷ついている…ここは我らが…」
215名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 23:15:18 ID:H7jkLdfo
せっかくの戦いを邪魔されて兄さんは怒り心頭のご様子です支援
216Strikers May Crys:2007/11/29(木) 23:17:05 ID:YYonqcZb
「今はそんな事を言っている場合ではないぞ、このままでは全員死ぬ、それに傷の事を言うならお前とて負傷しているのだろうが」
「…」
流れる己が血潮を省みずに戦おうとするゼストをチンクは止めるが、ゼストの気迫に押され口を閉ざす、現状で回せる戦力を惜しめばそれは死に繋がる事を彼女はよく理解していたからだ。
(全員聞け!これから騎士ゼストが敵の動きを止める、できたら全員の攻撃で一気に押し切るぞ!)
チンクの念話が終わらぬうちにゼストは単騎で駆け出していた、その後ろからはチンク・オットー・ウェンディ・アギトが支援攻撃の準備に入り遠方のディエチもクアットロの照準補佐によりスコープの狙いを定める。
「フルドライブで行くぞ!!!」
ゼストの声にデバイスが応えカートリッジが空を舞う、彼の最強の魔力付加を加えた槍の穂先がバージルへと向けられた。

バージルは頭上の双剣を薙ぎ払い、ディードの腹部に埋まった閻魔刀の刃を横に引き裂きながら抜き去ると、瞬時に鞘に戻し両手足にベオウルフ・フェイクを再装着した。
振り返りながらディードを足元へと殴り倒し、視線をゼストへと向ける、彼の放たんとする攻撃が最高のものであるという予感が四肢の防具に過大なまでの魔力を込めさせる。
(しかし、この男…既に死期を目前にしているな…この戦いを終えればこの先まともに戦えまい)
至高の敵の短命を漠然と感じ、バージルの胸中に寂しさに似た念がよぎる、バージルはゼストの一撃に応えようと跳躍し、最高の威力を持つ蹴り技“流星脚”を放つ。
轟音を響かせ空中でぶつかり合う二人の暴虐たる一撃、両者は得物はおろか骨肉すら軋ませながら互いを滅ぼさんと魔力を高める。
そして最初に崩壊の音色を奏でたのはバージルのデバイス、ベオウルフ・フェイクであった。
ベオウルフ・フェイクは亀裂と圧壊の歪みをその身に刻みながら砕け散り、バージルはゼストの刃により後方へと吹き飛ばされる。
木々が砕けながら倒れ、大地が大きく抉られ、バージルの吹き飛ばされた跡に道を形作る。
「やはり強度的な問題は今後の課題か…実戦での使用は考えようだな」
バージルはデバイスの不具合を述べながら立ち上がる、同時に幻影剣と防御障壁を展開し追撃に備えた。
「今だっ!!!」
バージルが立ち上がり、その影を晒した瞬間チンク・ウェンディ・オットー・アギトの攻撃に加えて機を伺っていたディエチの砲撃がバージルへと降り注ぐ。
バージルは空間転移で回避に移ろうとしたが、脚部に妙な感触が走り転移しようとずれた空間の移送が止まる。
そこには足を掴み彼の動きを封じる地中から伸びた腕、物質潜行能力“ディープダイバー”により地に潜っていた機人6番セインの手があった。
閃光がバージルの身体を包みこみ、視界を覆う大きな土煙が上がる、ナンバーズは勝機を確信した。

「セイン大丈夫か?」
チンクが声を荒げて通信を入れる、離脱の余裕はあったと考えているが、一斉攻撃の寸前にバージルの動きを止めるという危険な役回りをこなした姉妹の安否が、勝利の余韻を冷ます。
「それはこいつの事か?」
土煙の中から静かで冷たい声が響く、そこにはボディスーツのあちこちを焦がしたセインの首を掴み上げるバージルが、その姿があった。
バージルもバリアジャケットの大部分を焦がし煙を上げて破損していたが、眼光に宿る覇気はいささかの衰えも無い。
攻撃の瞬間に展開していた幻影剣でチンクのダガーとウェンディの誘導弾を相殺しながら最大出力の防御障壁と地中より引きずり出したセインを盾にその身を守ったのだ。
それでもバージルの身体に刻まれた無数の傷が攻撃の苛烈さを表していたが、ナンバーズは身動き一つしないセインに目を奪われていた。
「返すぞ」
バージルはそう言うと手に掲げていたセインをボロキレのように超人的な膂力でチンクらの方へと投げ捨てる。
「あっ」
思わず声が漏れる、その怯みが命取りだと感じた時には遅すぎた、次の瞬間には空間転移により周囲を覆う幻影剣の刃、バージルの手は鞘にその身を隠した閻魔刀の柄にかかり、抜刀の体制を取っていた。
ナンバーズに向けて幻影剣がその刃を鮮血で潤さんと飛来する、そしてバージルは高速での移動による刃の一閃“疾走居合い”を放つ。
ナンバーズは防御障壁を展開するが防ぎきれず数多の裂傷をその身に刻む、特に遠距離支援砲撃が厄介なディエチには念入りにその武装へと幻影剣の刃が踊る。
バージルの居合いが放つ絶命必至の閻魔刀の刃を、遂にアギトと融合をしたゼストが己の槍にて受け止める、甲高い金属音を立てて噛み合う刃が火花を散らし二人の男を照らす。
「やっと融合を見せるか」
「これ以上、出し惜しみはできんからな」

217Strikers May Crys:2007/11/29(木) 23:18:58 ID:YYonqcZb
血の海の上で再び織り成される剣舞、二人の男は笑みさえ浮かべて斬り結ぶ、しかし幾重にも火花を散らし舞い踊る血刃の軌跡も終局を迎える。
倒れ伏したのはゼスト、胴を十字に切り裂かれ口腔よりどす黒い血潮を吐き出し、地に身体を落とした。
いくら融合を果たしたオーバーSランクの魔道騎士とて無理な調整を受けた身体での長時間の戦闘は容赦なく彼の生命を削り、なによりナンバーズを気遣いフルドライブを使った事が大きく負担となっていた。
「惜しいな…貴様とは万全で斬り合いたかったぞ」
バージルは倒れたゼストにあえて止めを刺さずに見下ろす。
「ごふっ…今が俺のベストだ…」
「旦那っ旦那ああ!!」
斬撃の直前で融合を解除され負傷を免れたアギトが、何とか一命を取り留めたゼストに駆け寄って傷の治療を始めていた。
「…手加減したのか?」
「融合を解除するのが見えて気が萎えただけだ…」
「そうか…俺の名はゼスト、お前の名を教えてくれんか?」
「バージル」
ほんの短い時間ゼストと言葉を交わしたバージルは彼とアギトを捨て置き、幻影剣の掃射に傷つき倒れたナンバーズへと足を進めた。
「さてと、まだ抵抗する力は残っているんだろうな…」

ディエチの狙撃砲は全壊、ノーヴェはジェットエッジごと足を潰され、ディードは切り裂かれた腹部から腸をぶち撒けて気絶、セインは死んでいないものの能力の行使は不可能、ゼストも倒れ戦線復帰は絶望的。
ナンバーズに残った残存戦力はチンク・オットー・ウェンディにディエチの傍で遠距離からこちらを伺うクアットロのみ、接近戦に持ち込まれれば刹那で終わる状況。
(チンクちゃ〜ん、とってもいい情報がきたわよ〜)
チンクにクアットロが念話にて軽口を叩く、恐らくは下手を打っても敵に一番近いチンクらを囮にすれば自身は撤退可能という計算の為だろうが、その非情は他の姉妹に知る由も無い。
チンクがクアットロと念話をするのをバージルは黙って見ていた、ナンバーズは連携の取れた戦術を得意とする集団と判断し、あえて反撃をさせ軽く腕試しの相手にしようかと考えたのだ。
そのバージルの周囲に転移魔法陣が現れ、大量の低級悪魔ヘル・プライドが召喚される。
「さ〜ルーテシアお嬢様〜早く転送してください〜」
「…分かった」
クアットロの指示を受け、たった今救援に駆けつけた幼い召喚師の少女、ルーテシアが自分のデバイス“アスクレピオス”により悪魔の召喚とナンバーズ・ゼストらの転送を平行して行う。
「“逃げ”だと…つまらんマネを!」
尻尾を巻いて逃げる敵をみすみす逃がすバージルではない、目の前の低級悪魔をフォースエッジ・フェイクで切り裂きながら目の前のチンクらに迫る。
ウェンディはノーヴェとセインを、オットーはディードを抱えルーテシアの転移魔法陣の上で離脱の準備をするがバージルは悪魔を倒しながら迫ってくる、このままでは転移の前にチンクらが倒れるのは必定であった。
「ウェンディ…ノーヴェを頼む、姉は少し行ってくる」
そう言うとダガーナイフを構えたチンクは一人転移魔法陣から進み出て、彼女らに迫るバージルを見据えた。
「えっ!ちょっチンク姉なにするんすか?」
「チンク姉え!」
ウェンディと彼女に支えられたノーヴェが叫ぶが、次の瞬間にはチンクはバージルにダガーを投げつけ爆砕するその刃で交戦を始めていた。

「これ以上、妹たちには近づかせない…悪魔の剣士殿」
「“悪魔”か、それを知っていて貴様一人か?木偶人形」
「勝てずとも…姉ならば妹の道を作ってあげたいのですよ…」
持てる全てのダガーと爆破付加能力を行使して、命がけの玉砕へと銀髪隻眼の小さな影が走る。
しかし悪魔は無慈悲にもチンクの投げつける刃を爆破の効果範囲外にて全て幻影剣で爆ぜ落とし、手にした銀色の凶刃を彼女の小さな身体に突き刺した…
「チンク姉えええええ!!」
ノーヴェの絶叫が木霊する中、転移魔法陣は術式構築を完了しバージルとチンクを残して他の全員を一瞬で追尾不能な地点まで転移させた。
218名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 23:19:20 ID:H7jkLdfo
兄さんの本気クルー!?支援
219名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 23:21:07 ID:vYOVp0iv
もうどっちが悪役か解らないww支援
220Strikers May Crys:2007/11/29(木) 23:21:35 ID:YYonqcZb
「がはあっ!」
右胸にフォースエッジ・フェイクの刃を突き刺されたチンクが鮮血の華を吐き散らす、心臓を狙った筈の一撃が逸らされ、驚愕を覚えるバージルの剣を持つ手をチンクが掴む。
「ごほっ…この距離なら外さない…」
鮮やかな紅で口を汚したチンクが、その手に最後のダガーを持ち最大の爆破能力を行おうとISの発動兆候を見せる。
しかしその瞬間に走った腹部の衝撃と脳に走る電流に小さく痙攣し彼女は意識を闇に落とし、光を映す隻眼を閉じた。
「自爆か…少々危なかったな」
バージルはダガーが目の前で爆発する前にチンクの腹部から腰椎へと閻魔刀を刺し入れ、魔力を流して脊椎越しに直接脳を揺さぶり意識を奪ったのだった。
「しかし、これで俺の新たな戦術はおよそ完成か…殺す必要もないな」
彼はそう呟くとチンクの肺腑に埋まったフォースエッジ・フェイクと腹部の閻魔刀を引き抜き、傷だらけの小さな身体に治療を行いながら、未だ混乱の収まらぬ本局へと通信を入れた。
「地上本部管制、こちら機動六課所属嘱託魔道師バージル・ギルバ、本部襲撃の未確認敵戦力の一人を確保した至急医療班を送れ…」

続く。
221名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 23:21:53 ID:H7jkLdfo
落ち着け、まだ魔人化するような時間じゃない支援
222名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 23:24:19 ID:V5AX2C3B
>>220
>傷だらけの小さな身体に治療を行いながら
兄さんwwwwww
なんというwwwwww
やはりロ……

GJ!!!!
223名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 23:24:51 ID:0SpMzcjz
>>220
GJ
なんというお持ち帰りそしてなんという体格贔屓
224Strikers May Crys:2007/11/29(木) 23:27:12 ID:YYonqcZb
デレの反動でかなり辛めのバージル兄さん、しかしヴィヴィオを見捨てるはナンバーズは虐待するは…
何かバージル兄さんがどんどん暗黒面に堕ちていくな…ちゃんとデレで回収せねば。
友人から”チンクは殺すな”って言われたので一応、殺しませんでした(実は下書きの段階で3回くらい殺してたので)。
225名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 23:32:37 ID:H7jkLdfo
>>224
GJ!
なんという暴れっぷり、やはりバージル兄さんはダークヒーローが似合う…
しかし暗黒面に堕ちるというか、兄さんは元からそっち方(ry
だからこそ、ふとした拍子に見せる他人を気遣う表情がたまらない!
そして、これは兄さんによるチンク姉拷問フラグですね?
226リリカルなのはStS×覚悟のススメ:2007/11/29(木) 23:32:50 ID:YqBC1JAv
生き延びたか…チンク。
正義サイドに捕獲される敵一名、これすなわち改心フラグなれど、この先はいかに。

GJでございます。


そして、『StrikerS因果』未だ続き上がらぬ情けなき身ですが、
ふと受け取った電波を形にしたものを投下します。

ミッドチルダと関わることになった後進世界での一幕を描いてみたものであり、
なのは側のキャラが名前しか登場していない点でかなり問題ではありますが、
嘘予告的なものとして受け取っていただければ幸いです。
227リリカル.exe:2007/11/29(木) 23:33:09 ID:z2AgwFDu
なんというナンバーズマストダイwww
228名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 23:33:51 ID:LOdYGykM
GJ!
3回も殺したのかw
兄貴強すぎです、弟が人間の出る幕じゃないとレディに言ってた理由が今ならわかる
半魔とはいえ人知を半分ぶっちぎってません?
これで魔人化したら、、、兄貴3戦目のように広域次元連斬とかやらかすのだろうか?
そろそろ弟の方ははちゃんと働いた方がいいかもw

それにしても、デバイスが兄貴の戦いについてこないとは…
やっぱり、魔具のような魂の結晶を人工的に再現するのは難しいのだろう
229名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 23:34:39 ID:H7jkLdfo
リリカルなのはウロスSS感想・雑談スレ7
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1195820675/
感想誘導しつつ支援
230シープクレストの黒船、あるいは木馬:2007/11/29(木) 23:39:21 ID:YqBC1JAv



「冗談じゃねえ…」
この俺、ルシード・アトレーは、トレーニングルームの片隅に積み上がった
新型装備の山を前に、悩みを山積させていた。
早速開封して楽しそうに色々といじり回しているルーティとビセットを
ただぼんやり見ているだけなあたり、メルフィも俺と似たような気分なんだろうな。
つい三ヶ月ほど前までは万年日陰者にして手空きの便利屋扱いだった俺たち第四捜査室…
正式名称、シープクレスト保安局刑事調査部第四捜査室にこんなものがちょくちょく持ち込まれ始めたのは、
いきなり始まった技術革新とやらのせいらしい。
まあ、魔法関係の事件を担当させるために、魔法の才能がちょっとでもあるやつを
本局がなりふり構わずスカウトして集めてきたのが俺たちだから、
こういう、なんかあやしい試作装備が回されてくること自体はありふれたこと。
だけど、いくらなんでも、『技術革新』の一言で納得するほど俺はお人好しじゃない。
今は金庫で厳重に管理されてる新版の教本に書かれていた魔法体系は、どう見ても今までの俺たちと接点が無い。
そりゃ、発掘された古代の遺跡から失われた魔術だのマジックアイテムだのが出てくることくらい、たまにはあるだろうよ。
そんな大発見が何十個も同時に重なって、こんな武器『ども』が俺たちの手元に転がり込んでくるようになったってわけか?

『初めまして』
「わっ、しゃべった」
「なになに? 今度のは自分でしゃべんの?」
『はい、ストレージデバイスではなくインテリジェントデバイスですから』
「いん、てり…?」
マナを編み上げて魔法の効果を生み出すには、特殊な才能がいる。
魔法と科学技術の融合が今ほど進んでいなかった昔は、誰もがわりと普通に使えていた力だったらしいんだが、
今となっては珍しいその才能の持ち主の一人が俺だったのはまったくいまいましい限りだ。
それはともかく…そんな俺たちにしたって、昔の人間と比べたら魔法の能力じゃ大幅に劣っているはず。
だが、あの新型装備どもを手にした今じゃ、それですらも洒落になっていないと思う。
ストレージデバイスとかいうのは早い話、魔法の手順をほとんど代行してくれる杖で、
俺たち自身がマナを編み上げて行使する数十倍の早さ、というよりも一瞬で魔法を発動させられる。
あの日から俺たちの魔法は、火縄銃からいきなりマシンガンに変わった。
それだけじゃない。バリアジャケット、念話、飛行術式…こいつら全部ひっくるめると。

「お前の心配は、おそらく正しい」
「…いきなり後ろから陰気なツラさらすなっての」
顔色から心を読んできやがったゼファーは俺の罵詈に取り合わず、
一人で勝手に先を続ける。

「第四捜査室は、この装備と能力に見合った働きを期待されるだろう」
「ゼファーさん、じゃあ」
「それ以上のことはわからん。できる限りのことをするしかないな」
「待ってください、できる限りって…」
部屋を出て行くゼファーの後ろをメルフィがあわてて追いかけていく。
藁にもすがりたいって面だったな、あれは。
珍しいものが見られたのはまあいいけど、それでめでたし、で終わるものでもない。
近くのベンチで寝転がりながらタバコを五本同時にふかしてるバーシアに、ふと目をやった。

「ん、なに」
「くせえ、よそで吸えよ。
 それに、何、一度にンなたくさん吸ってんだ」
「だって、予算増額されてんでしょ、ウチら。
 だからちょっとリッチに」
「おまえな、予算でタバコ買う気かよ」
「んなことしなくても、お給料にも色がつくでしょ」
「あれは研究費だろ、新装備の」
「それだけじゃないみたいねー」
上半身を起こすとバーシアは意味深ににやけてきた。
と思ったが、目つきが笑っていない…
231名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 23:42:56 ID:0SpMzcjz
支援。硬派SFみたいな、ライトノベルみたいな。
232シープクレストの黒船、あるいは木馬:2007/11/29(木) 23:43:01 ID:YqBC1JAv

「小耳にはさんだんだけど、ウチら、拡大されるみたい」
「誰から聞いたんだよ」
「だから、小耳にはさんだの。人員拡張だって。
 ま、テキトーに頑張んなさい。あたしは槍でも磨いてくるわー」
バーシアは、手をぱたぱたと振りながら去っていった。
…どうも、からかってるわけじゃないらしい。
しかし、人員拡張って、これ以上うちのどこにそんな人数が入るっていうんだよ。
第一、室長の俺自身が面倒を見きれない。
すると、現実的に考えて、分室なり何なりがどこかに出来て…
だとしても、第四捜査室の室長は俺だから、そいつらも俺の指揮下ってことになって…
いやいや、いくらなんでもそれはない。『第四捜査室二課』みたいな風になるんだろ…
んな、やたらたくさん魔法使いを集めてどうする気なんだ。
そこに来て、今の『技術革新』だろ。
一体全体、俺たちに何をさせる気なんだ?

「センパイ」
「…………」
「今までの私達でいられるんでしょうか、私達」
「さあな」
なにしろ考え事の途中だ。
神妙な顔で不安っぽいものを訴えてきたフローネにも、
普段以上につっけんどんな態度で当たってしまった。

「へー、それじゃ、もっとうまく飛べるようになるんだぁ、私」
『はい、術式をマスターに合わせて最適化するのも私の機能です』
「あーあ、いいよなぁ。今んとこ、飛べるのルーティだけじゃん」
「えへへぇ、風系統が得意だからかなぁ」
ルーティ、ビセット。
喜んでいられるお前らが、心底うらやましいよ。
その分、俺がしっかりしなきゃいけないあたり、実にムカつくんだけどな。
…あー、困った、困った。

「ご主人様ー」
「どうした、ティセ」
「どうして汗いっぱいかいてるですかー?」
「…気のせいだろ」
「あぅー」
部屋が妙に蒸し暑いのは、間違いなく俺の気のせいだった。
そのくせ、背筋が寒いのも。






この半年後、俺たちはレリックという魔法の宝石をめぐって少女ルーテシアと争い、
極秘裏に政府と国交を持っていたミッドチルダの存在を知る。
単なる保安局の一捜査室にすぎない俺たちにあんな大量の装備が流し込まれ、
噴火した火山での救助活動だのドラゴンの鎮圧だのの危険な任務にばかり送られた真相は、
ミッドチルダに対抗しうる新世代魔法戦部隊のテストケースにされていたからだってわけだ。
魔法が使える人間自体がレアなこの世界だからやむをえないんだそうだが、
そのせいでルーティを再起不能寸前まで使い潰されたのには、さすがの俺たちも黙っていなかった。
ミッドチルダから研究用に払い下げられた装備を使って対ミッドチルダの軍備を整えようとしていた不義が、
『図ったようなタイミング』で明るみに出た結果、ある種の妥協と取引で俺たちはミッドチルダに出向となる。
そして、その縁で出会った機動六課と合流、キナ臭い話に取り囲まれながらも『ゆりかご』を追っていくことになるんだが…


  … To be Continued ?
233リリカルなのはStS×覚悟のススメ:2007/11/29(木) 23:46:18 ID:YqBC1JAv
以上であります。

キャラクターを知らなくても大して問題ないように書いたつもりだったのですが、
投下していいのか、いいのかとかなり悩んだシロモノです。

クロス先は『悠久幻想曲3 PerpetualBlue』なのですが、
題材に引きずられて悠久のティストが死んでいる点は大猛省。
234名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 23:47:09 ID:0v08O8Lp
>>224
GJ! 正直これならスカ側主人公でも読める気がwゼストかっこいいよゼスト。
……某ヴェロシティとか読んだせいで、チンクの先行きが『ここで死んだ方が良かったんじゃないか?』レベルで想像されてしまう。
235名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 23:47:52 ID:0SpMzcjz
GJでした。あぁ、元ネタがわからない・・・otzメソメソ

海外SFドラマっぽい雰囲気だと思った俺は死んだ方が(ry
236Strikers May Crys:2007/11/29(木) 23:48:39 ID:YYonqcZb
この先どうなるか気になる支援。
237名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/29(木) 23:50:30 ID:H7jkLdfo
>>233
GJ!
て、悠久幻想曲3とのクロスかよ!きな臭い雰囲気が漂っていてしばらく気づかんかったwww
子安氷上のゲムドラナイトナツカシス。

>『図ったようなタイミング』
謀略の匂いをプンプン感じるぞ!日本国総理大臣織田信長を呼ぶんだ!
238節制の14 ◆6EgzPvYAOI :2007/11/30(金) 00:06:11 ID:Ha6FNtaZ
>233
乙。2までしかやってないけど、すぐ分かりました。

……ほろ○るどーしてるかなぁ。

【知る人ぞ知るmooファン】
239名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/30(金) 00:46:05 ID:C72Iqe5D
悠久3かぁ……。



クリアしたかった…… orz
240マスカレード ◆gFOqjEuBs6 :2007/11/30(金) 01:24:50 ID:pQnwtXY4
ずっと同じ作品を書いてると違うものを書きたくなってくる……(笑)

新作のプロローグを書き上げてしまったんですけど、投下してもぉKですかね?
4レス程です
241名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/30(金) 01:31:22 ID:EzyNhdve
ドゾー
242Strikers May Crys:2007/11/30(金) 01:31:40 ID:a4h0UmQt
おっと、新作ですか?支援です。
243マスカレード:2007/11/30(金) 01:40:31 ID:pQnwtXY4
西暦2006年。地球人類は、未曾有の危機に瀕していた。
地上からは海が消え去り、舞い上がった塵が空を覆う。
海だけではない。かつてのような、緑豊かな自然も失われていた。
それでも人々は、荒廃した世界で強かに生き延びている。生き続けていた。

そんな荒野を、二人の影が往く。
砂漠のような地面を踏み締め、二人は歩き続ける。
「皮肉な物だな……ここも数年前までは、しっかりと舗装された道路だったとは」
「……仕方ないよ、シグナム……今はそんなこと、考えてる余裕なんて無いんだから……」
「……そうだな」
金髪のツインテールを揺らしながら、フェイト・T・ハラオウンは言った。

10年前……西暦1996年。
その頃は、この地球にはまだ海があった。自然があった。人々は平和に過ごし、いつまでもこの平和は続くかと思われた。
だが、その年の冬。事件は起こった。
プレシア・テスタロッサを主犯としたPT事件。
異世界の少年の不手際により散らばったジュエルシード。それは、この世界の動物や植物に取り付き、小さな町に混乱を招き入れた。
そしてプレシアは自らの宿願の為、娘−正確にはクローン−であるフェイト・テスタロッサを駒として使い、そのジュエルシードを収拾させた。
だがプレシアの目的は叶う事無く、異世界の組織−時空管理局−と民間協力者の少女により鎮圧され、世界はまた、平和へと動き始めた。

「シグナム、今頃どうしてるやろなぁ……」
「きっと、フェイトちゃんと上手くやってるよ!」
デスクに座った八神はやては、PT事件を解決へと導いた少女……高町なのはへと視線を送る。
そして次に聞こえる声は、シャマルの声。
「フフ……シグナムははやてちゃんに言われて、フェイトちゃんについて行ったのよ?
はやてちゃんったら、やっぱり心配なのね」
「そりゃそうやんか〜……シグナムも家の子なんやから」
シャマルもなのはも、クスクスと笑っている。
この八神はやても、とある事件の重要人物である。
PT事件と同じく10年前。
闇の書と呼ばれるロストロギアが、この世界……地球に確認された。
闇の書とは、あらゆる生物のリンカーコアを食らい成長するという、悪質な魔導書。
闇の書の守護騎士−ヴォルケンリッター−達は、闇の書の完成を目指し、行動を開始したのだ。
だが、それも事件発覚から間もなく、同じく時空管理局と民間協力者により鎮圧される。

こうして時空管理局は、PT事件と闇の書事件を経て、強力なメンバーを迎える事となった。
高町なのは。フェイト・T・ハラオウン。そして八神はやて以下4人。
彼女らは積極的に異世界での救助活動に勤しみ、正式に管理局に入る事も考えていた。
だが、それから3年後に起こったとある事件により、彼女らの運命は変わった……。
244名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/30(金) 01:42:39 ID:4JNBTSpD
しえん
245マスカレード:2007/11/30(金) 01:48:54 ID:pQnwtXY4

「まだか……」
荒野を往く一人の青年。
全身白い服を着ている。頭には白いテンガロンハットを被り、大きなサングラスをかけている。

彼は待ち続けていた。
幼い頃から、ずっと。その瞬間だけを。
待ち続け、旅を続けている。
その男が待つ者……それは、彼自身にも何かはわからないのかも知れない。
だが、それでも待ち続ける。
たった一つの目的の為に。
そんな青年の目の前に、一匹の怪物が現れた。
緑の奇妙な人型の肉体に、頭からは大きな角を生やしている。
爪は長く、鋭く尖っている。
その怪物は、男の目の前で、街の人々を襲おうとしている。そんなことさせてたまるか。
「……こうしてはいられない……!」
男は咄嗟に、怪物へと突進していた。

闇の書事件から3年後……1999年。
太平洋に落下した巨大隕石は、この地球上から海を消し去った。
舞い上がった塵に太陽光は遮られ、緑豊かな自然も失われた。
だが、悲劇はそれだけでは無い。
巨大隕石から現れた地球外生命体……通称『ワーム』が、人類を襲い始めたのだ。
ワームは人々を殺害し、その人間に成り代わる。そうして少しずつ、人間界に浸透して行った。
そんなワームに対抗するため、突如歴史の表舞台に姿を現したのが、『秘密組織ZECT(ゼクト)』。
彼らはワームに対抗すべく『マスクドライダーシステム』を開発。ワーム殲滅の切り札として投入した。

一方……。
「シグナム……」
「ああ……ワームだな」
フェイトは立ち止まり、目の前に現れた数匹のワームを見据えた。
ワームは今まさに、フェイト達の目の前で人々を襲っている。見過ごす訳には行かない。
フェイトとシグナムは、ワームに向かって歩き始めた。それぞれのデバイスを携えて。

7年前。太平洋に落下した隕石は、高町なのは及び、その友人達の運命を大きく揺るがした。
巨大隕石の衝突。そして地球外生命体ワームの大量発生。
未曾有の危機に瀕したこの世界を見捨て、自分達だけミッドチルダに移る事はできない。
そして、なのはには家族が、友人達がいる。
それはなのはだけには限らない。フェイトにも、はやてにも守りたい人々がいる。
彼女らの取る行動は決まっていた。彼女らは自ら志願しZECTへ入隊。
こうして、大切な者を守る為の戦いは始まったのだ。

「……ハッ!」
白い服を身に纏った男は、素手でワームを殴り付けた。
ワームはよろめきながらも、逆に男を爪で引き裂こうとする。
246名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/30(金) 01:51:38 ID:J0wAOjcI
GJです、そして姉御。
>>「無事でいろよバージル…」
筋違いにも程があります。w
ここで二刀流ですか!しかも同時幻影剣!ゲームでもできるけど難しくて諦めました。
あれに慣れると今度はダンテができなくなりそうで・・。
魔人化はまだお預けですか、広域次元斬と連続兜割りはトラウマw
247マスカレード:2007/11/30(金) 01:57:41 ID:pQnwtXY4
だがそんな攻撃は当たらない。
素早く姿勢を低くし、攻撃を回避した男は、さらに重たい蹴りをワームへと放った。
所詮は兵隊……アーミーサリス。無数にいる兵隊ワームの中の一匹に過ぎないのだ。
あらゆる面において人類を凌駕するワームでも、たかがサリス一匹ではこの男には敵わない。
男は一発、二発と重い攻撃を叩き込み、サリスはいよいよ満身創痍となっている。

トドメだ。これで終わらせる。

男は、鋭いモーションで蹴りを放った。体を回転させ、脚を高く振り上げて。
プロの格闘家をも越えるであろう回し蹴りは、見事にサリスの頭に突き刺さった。
そしてサリスはしばらく悶え……やがて爆発した。
緑の炎に照らされた男は、ゆっくりと太陽を睨み、言った。
「まだ……来ないのか……」

場所を変えて、フェイト達もまた、サリスの大群と交戦していた。
「……兵隊ごときが、我らに勝てると思うな……!」
シグナムは、炎の魔剣『レヴァンティン』を振り下ろす。
レヴァンティンに一刀両断されたサリスは、見事に爆発。次々とサリスを倒してゆく。
「……ハァーッ!」
フェイトはバルディッシュを鎌状のハーケンフォームへと変型させ、シグナムと並んでワームを斬り倒してゆく。
煌めく魔力刃は、見事な切れ味でサリスを切り裂き、爆発させていった。
やがて最後のサリスを倒した二人は、周囲を見渡した。
「……良かった、誰も死んで無い……!」
「……やはり……ゼクトルーパーはまだ出動していない……か」
喜ぶフェイト。そして対象的にため息をつくシグナム。
「……きっとまた、ネオゼクトとの戦闘に出動してるんだろうね……」
シグナムの言葉に、さっきまで喜んでいたフェイトの表情も一変。悲しげに俯いた。

ワーム殲滅に乗り出したZECTは、次々とマスクドライダーシステムを開発した。
試作0号から始まったライダーシステムは、最新の物で第8号までの計9機が開発された。
そしてマスクドライダーシステムを所有する武装組織ZECTは、圧倒的な技術力の差で、世界の頂点まで上り詰めたのだ。
こうして、事実上世界の全てを管理・官制下に置いたZECT。
だが、そんなZECTを良く思わない者は大勢いる。それはライダーシステムの資格者も例外では無い。
数人の資格者は、自分の部下と、同じくZECTを良しと思わない者を引き攣れ、ZECTに反旗を翻したのだ。
そして彼らは自らを反ZECT抵抗勢力……『NEO ZECT(ネオゼクト)』と名乗り、自由を旗印にZECTに対するゲリラ活動に乗り出した。
248マスカレード:2007/11/30(金) 02:06:38 ID:pQnwtXY4

「1号ライダーはまだ見付からないのか……」
スーツを着た、エリート風の男が呟いた。
左腕には黄色を貴重とした変身ブレスが輝いている。
ZECTは長らく1号ライダー……通称『カブト』の有資格者の捜索を続けているが、一向に見付かる気配が無いのだ。
以前、カブトの資格者として選ばれた男が一人いたが、その男はカブトゼクターをその目に拝む前に、ワームに殺されてしまった。
ライダーの資格者は世界にそう何人もいる訳では無い。
それ故にこのまま資格者が現れねば、1号ライダー・カブトは欠番に終わってしまう恐れすらある。
そんな中、ヴィータが声を発した。
「心配すんなよ矢車……1号ライダーなんざいなくたって、私達だけでワームはブッ潰せる!」
「……落ち着けヴィータ」
矢車と呼ばれた男はゆっくりとヴィータに歩み寄る。身長差が著しい。
「ライダーシステムは全てが揃った状態で、我々ZECTが管理する事でこそ、その真価が発揮される。
だからこそ、1号ライダーの資格者を見つけ出し、裏切り者共を抹殺しなければ……」
「どうせまたパーフェクトミッションって奴だろ……?」
「………………」
ヘヘッと笑いながら矢車を見るヴィータ。言わんとすることは既に読まれているらしい。
「解っているなら話が早い……その通りだ」
矢車もまた、フッと微笑んだ。
「……でも勘違いすんじゃねぇぞ?私達はネオゼクトとやる気はねぇからな」
表情を変え、矢車を軽く睨むヴィータ。
ヴィータを始め、元管理局の一部の人間は、あくまで「誰かを守る為の戦い」を続けているつもりだ。
人間同士で争うつもり等毛頭ない−それでも、戦闘を避けられない時はあるが−。
そしてなのは達も、自分を信じZECTに入隊したのだ。そんな彼女らは何を旗印に戦うのか……。

隕石が運んで来た宇宙外生命体……ワームが蔓延る荒廃した世界。
繰り広げられるは、ワーム×ゼクト×ネオゼクトとの、三つ巴の戦い。
それぞれの信じるもののために戦う彼らに対し、運命の女神がいるのだとしたら、一体どのように微笑むのだろうか。
そして、その祝福を受けるのは……?


仮面ライダーカブト
始まります。
249マスカレード:2007/11/30(金) 02:10:19 ID:pQnwtXY4
投下終了です
タイトルは
『仮面ライダーカブト』
です。
何の捻りもありません。いえ、むしろ捻りません(爆)

クロス元は劇場版仮面ライダーカブトGOD SPEED LOVEです。
マスカレードとは関係ありません。パラレルワールドです。
なんかやっちゃった感MAXです
投下乙です。
確かに、まんまといえばまんまですね……
まあ、こういうのもありでしょう。


さて、それじゃあ仮面ライダーに続きまして。
ウルトラマン、投下します
第12話「敗北、そして新たな出会いなの」


「ゾフィー、ヒカリ……!!
ついに現れたか、宇宙警備隊め……!!」

異次元空間。
ゾフィーとヒカリの乱入という事態を目にし、ヤプールは歯軋りした。
宇宙警備隊の介入は、全く予想していなかったわけではない。
メビウスが時空管理局側にいる以上、時空管理局がメビウスの世界を見つけ出すかもしれない。
逆に宇宙警備隊側が、メビウスを探してこちらの世界にやってくるかもしれない。
そう、可能性としては考えてはいたが……実際に現れたとあっては、やはり厄介だ。
ヤプールは掌から黒いガスを噴出させ、それを凝視する。

「……まだだ。
仮に、奴等のコアを全て使ったとしても……まだ届かん。
完成さえしてしまえば、宇宙警備隊も時空管理局も……誰が相手であろうと……
暗黒四天王や、皇帝さえも……!!」

闇の書さえ完成すれば、全ての目的は達成される。
そうなれば、もはや止められる者はいない……だが、まだまだ完成には遠い。
フェイトのリンカーコアを吸収しても、まだ闇の書のページは埋まりきっていなかったのだ。
今の所、ページを大幅に増やす方法が一つだけ、あるにはあるが……それを用いても、まだ届かないだろう。
ヴォルケンリッターやダイナが、地道な蒐集を進めるのを待つか。
答えは否……こちらからも、出来る事をやらなければならない。
ページを増やす手立てが……無い訳ではないからだ。

(尤も、これで奴等が倒れてしまえばそこまで……かなりの賭けにはなるがな。
奴等に、それだけの力があるかどうか……)


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「超古代の戦士……それが、ウルトラマンダイナの正体か。」
『うん……ミライさんの様な、光の国のウルトラマンってわけじゃないらしいんだ。』

時空管理局本局。
ユーノは、ウルトラマンダイナについて調べ上げた事に関して、なのは達に報告していた。
分かった事は、ダイナはミライと同じ光の国のウルトラマンではないと言う事。
ダイナは異世界において、超古代の時代に悪と戦い続けてきた光の戦士の一人。
そして、スフィアと呼ばれる知的生命体の火星襲来を機に、現代に目覚めたという事である。
ミライの予想は、見事に的中していたのだ。

「そう言われてみると、確かに納得できるね。
なんかダイナって、ゾフィーやヒカリと違って、色が派手だったしさ。」
「ダイナは、レッド族・シルバー族・ブルー族のどれに当てはまるのか、分からないウルトラマンでしたからね。」
「え……ウルトラマンって、そういう風に色で分けられてるんですか?」
「うん、そうだよ。
だからそれもあって、ダイナが異世界のウルトラマンだって思ったんだけど……
まあ、どれに分類したらいいのかっていう例外みたいなウルトラマンもいるにはいるから、不安だったんだ。」

ミライは、恐らく自分が知る限りは最強のウルトラマンであろう、ウルトラマンキングの事を考えて溜息をついた。
正直な話、あのウルトラマンキングだけは、どれに分類したらいいか未だに悩む。
シルバー族といえばシルバー族なのかもしれないが……カラーリングが、少々独特すぎる。
本人に聞いてみれば分かるのかもしれないが、相手が相手だけに、会える機会は極めて少ないだろう。
兎に角、この事は一旦置いておくことにして、ユーノの報告を聞くのに専念する事にする。

『ダイナのいた世界では、他にもウルトラマンは確認されてる。
ウルトラマンティガ……ダイナと同じ、超古代の戦士が現代に目覚めたウルトラマンなんだ。
一応、他にもイーヴィルティガっていうウルトラマンもいたらしいけど……こっちは悪党だったらしいからね。
怪獣とか侵略者とか、そっちの方に分類されてたんだ。』
「じゃあダイナは、そのティガっていうウルトラマンと、一緒に地球を守り続けていたの?」
『いや、それがそうじゃないんだ。
ティガが現れたのは、ダイナが現れる七年も前なんだけど……ティガはある戦いを切欠に、姿を消したんだ。』

ユーノは画面に、ティガに関する資料を映し出す。
ダイナと似た姿を持つ、もう一人のウルトラマン―――ウルトラマンティガ。
その異世界において、初めて人々の前に現れた、最初のウルトラマンである。
ティガが現れたのは、ダイナが現れるよりも八年も前。
超古代の戦士の遺伝子を受け継ぐ一人の青年―――マドカ=ダイゴが、ティガの力を手にした事が全ての切欠であった。

―――もっともなのは達は、ダイゴの名前までは分からなかったようだが―――

ティガは、数多くの悪と激闘を繰り広げ、人々を守り抜いてきた。
しかし、月日が経つに連れて戦いは熾烈を極めるようになり……ティガも、苦戦を強いられる用になっていった。
そして終には、ティガとは対極をなす『闇』の存在―――最強の敵、邪神ガタノゾーアが復活を遂げた。
ガタノゾーアの力は恐ろしく強大であり……ティガも、その前に敗れ去ってしまったのだ。
だが、それでも人々は希望を捨てなかった。
闇に屈しまいとした人々の希望は、光となってティガを蘇らせたのだ。
希望の光を得たティガ―――グリッターティガは、その圧倒的な力でガタノゾーアを打ち倒した。
そして、戦いが終わった後……ダイゴは、ティガへと変身する力を失ってしまったのである。

「希望が力になって、闇を倒した……」
「最後まで諦めず、不可能を可能にする……それがウルトラマン。
異世界でも、それは変わらないんだね。」
『それからしばらくの間、ティガは人々の前に現れることはなかったんだけど……
邪神との戦いから二年後に、ティガは再び現れたんだ。』

邪神ガタノゾーアとの戦いから、二年後。
超古代遺跡ルルイエより、闇の力を持つ巨人が復活を果した。
そのリーダー格である戦士カミーラは、かつてティガと恋人同士にあった。
彼女はティガと再び出会う為、ダイゴの前に現れ、ティガへと変身する力を与えたのである。
その後、ダイゴは彼女等を打ち倒す為にとティガへと変身を遂げたのだが……現れたティガは、かつての彼と違った。
その全身は、闇を連想させる漆黒のカラーリングをしていた。
そう……ティガは本来、彼女達と同じ闇の力を持つ戦士だったのだ。
二年前は、正義の心を持つダイゴがその力を手にした事により、光の戦士として覚醒した。
だが今回は、カミーラの力の影響が大きかった為か、闇の戦士―――ティガダークとして目覚めてしまったのである。
そして、その変身は極めて不完全なものであった。
正義の心を持ったまま闇の戦士として覚醒してしまったが為に、本来の力を発揮できないでいたのだ。
しかし、それでもティガは諦めず、彼女等に戦いを挑んだ。
その結果……奇跡は起こった。
ルルイエに眠っていた超古代の光の戦士達が、戦いの最中にティガへと光を分け与えたのだ。
ティガは戦士達の光を得、グリッターティガへと覚醒し……そして、カミーラ達を終に打ち倒したのである。

『そして、この戦いから六年して……終にダイナが現れたんだ。』
「じゃあ、それを最後にティガは消えたんだね。」
『いや、それがこれが最後じゃないんだ。』
「……ふぇ?」
『さっき言ったのと矛盾しちゃうけど……実はティガは、一度だけダイナと共闘してるんだ。』
それは、ティガが最後に現れてから六年後の話。
地球侵略を目論む異星人―――モネラ星人が、地球に襲来してきた時の事である。
ダイナは、モネラ星人の切り札である超巨大植物獣クィーンモネラに、敗れ去ってしまったのだ。
圧倒的な力を持つ巨悪の前に、ウルトラマンが倒されてしまう。
奇しくも状況は、かつてのティガとガタノゾーアとの最終決戦と、同じであったのだ。
そして……この絶望的な状況を救ったのも、かつてと同じもの―――希望の光であった。
希望を捨てず、諦めなかった人々の想いが光となり、そしてその光が……ティガとなったのである。
ティガは己の光を……人々の希望をダイナへと分け与え、ダイナを復活させた。
そして、ティガとダイナはついにクィーンモネラを打ち倒したのである。

「……全く、とんでもない話だね。
信じてさえい続ければ、必ず奇跡は起こるって……でも、そういうのも嫌いじゃないよ。」
『これが、ティガが人々の前に姿を現した最後の戦いだよ。
それからは、ずっとダイナが戦い続けていたんだけど……』
「……ダイナはある戦いを切欠に、姿を消した?」
『うん、その通りだよ。
ダイナは、暗黒惑星グランスフィアとの戦いを最後に……消え去ったんだ。』

地球と一体化を遂げようとした、暗黒惑星グランスフィア。
周囲に巨大なブラックホールを持つ、近づくもの全てを飲み込む巨大な闇。
ダイナは仲間達と力をあわせ、グランスフィアとの決戦に臨んだ。
そして、グランスフィアを消し去る事に見事成功し、地球を救ったのだが……
ダイナは、グランスフィア消失時に発生した巨大なブラックホールに、そのまま飲み込まれてしまったのである。
これが、人々がダイナを見た最後だと記録されている。

「えっと……そのブラックホールが、私達の世界に通じていたってことでいいんだよね?」
『多分そういうことだと思う。
そして、その後は……何らかの切欠でヴォルケンリッター達と出会って、行動を共にしてる。』
「しかし分からないのは、ダイナが何で彼等と一緒にいるかだな。
こうして見てる限り、ダイナはミライさんと同じ……人々を守るために戦ってきた、ウルトラマンなんだろう?
なら、どうして闇の書側の味方なんか……」

ダイナの正体が分かったのは良いが、御蔭で尚更謎が深まった。
何故ダイナが闇の書側についたのかが、皆目検討がつかなくなってしまったからだ。
もしも、ダイナが悪党であるのならば話は分かる。
だが……彼は正義の味方として戦い続けた、ウルトラマンなのだ。
ならば何故、闇の書を完成させようとしているのだろうか。
仮に、ヴォルケンリッターに恩義を感じているのだとしても……やはり、考えられない。
「……ザフィーラの奴は、自分達の意思で闇の書の完成を目指してるって言ってた。
主は関係ないって……もしかして、闇の書を完成させなきゃいけない理由があるのかな?」
「けど、闇の書は破壊にしか使えないはずだし……あ、ユーノ君。
その闇の書に関しては、何か分かってるのかな?」
『はい、御蔭で色々と分かりました。
とりあえず、今分かってる事は全部話しますね。』

ユーノは画面に、闇の書に関する資料を映し出した。
ここまで調べてみて、様々な事が分かった。
まず最初に、闇の書というのは正式な名称ではないということ。
闇の書の本来の名前は『夜天の魔道書』ということである。
その本来の目的は、各地の偉大な魔道師の技術を吸収して研究する事。
それらを記録として半永久的に残す為に造られた、主と共に旅する魔道書……それが、夜天の書であったのだ。
そんな夜天の書が破壊の為に力を発揮するようになったのは、ある持ち主がプログラムを改竄したから。
圧倒的な力を欲しさに、全てを捻じ曲げた者がいたからである。
この改竄の結果、旅をする機能・破損したデータを自動修復する機能が暴走してしまった。
転生と無限再生の機能は、これが原因で生じてしまったのだった。
だが闇の書には、これらを遥かに上回る凶悪な機能が、更に搭載されてしまっていた。
それは、主に対する影響の変化にあった。
闇の書は、一定期間蒐集がない場合……主自身の魔力を侵食し始める。
そして完成した後には、破壊の為だけに主の力を無際限に使い続ける。
その為、これまでの主は皆……完成してすぐに、その命を闇の書に吸い取られてしまったのである。

「……ロストロギアの持つ、強大な力を求めた結果か。
どこの世界でも、そんな奴はいるんだな……」
「封印方法や停止方法については、分かった事はあるか?」
『それは今探してる。
でも、完成前の停止は……多分難しい。』
「え……どうして?」
『闇の書が真の主と認識した人物でないと、システムへの管理者権限が使用できない。
つまり、プログラムの停止や改変ができないんだ。
無理に外部からアクセスしようとしたら、主を吸収して転生するシステムも組み込まれてる……
だから、闇の書の永久封印は不可能って言われてるんだ。』
「……ファイナル・クロスシールドも、破られる可能性がありえるんだよね……」
闇の書の封印は、流石のウルトラマンでも厳しいようであった。
かつてヤプールを封印したファイナル・クロスシールドでも、下手をすれば打ち破られる危険性がある。
そしてそれは、破壊に関しても同じ事が言える。
アルカンシェルで跡形もなく吹き飛ばしても再生するというのであれば、自分達の光線はまず通用しない。
例え、一撃で惑星を一つ消滅させるだけの破壊力を持つ最強兵器『ウルトラキー』を使ったとしても、恐らく結果は同じだろう。
しかし……それでも、主を闇の書の完成前に捕まえ、闇の書を破壊するしか手はない。
結果を先送りにするだけではあるが、現状を何とかする事は可能だ。
皆の顔つきが、一層険しくなる。
こんなに危険な魔道書を作り上げたかつての主に対して、少なからず怒りを感じているようである。
するとそんな中、アルフがふと口を開き、疑問に思ったことを訪ねてみた。

「ユーノ、闇の書を改竄したかつての主ってのがどんな奴なのかは、分からないのかい?」
『名前とか出身世界とか、詳しい事までは分からないけど……古い歴史書には、こう書いてあった。
まるで血の様な赤い色をした、悪魔の様な存在だって……』
「悪魔……」

悪魔という単語を聞くと、どうしてもヤプールの事が頭に思い浮かんでしまう。
散々、ミライやゾフィー達といったウルトラマン達が、ヤプールの事を悪魔と呼び続けていたためであるが……
流石に考えすぎだろうと、皆が苦笑する。
しかし……唯一、ミライだけは引っ掛かりを感じていた。
何故ならば、ヤプールも……赤い色をしているからだ。

(本当に……単なる偶然なんだろうか……?)

単なる偶然として片付けるには、何かが引っかかる。
ヤプールが闇の書を狙うのは、本当に、唯単に強い力の存在を感じ取っただけだからなのだろうか。
それとも……もしかしたら、最初から闇の書の存在を知っていたのではないだろうか。
そう……闇の書の改竄を行ったのは、ヤプールなのではないだろうか。
そんな悪い予感を……ミライは、少なからず感じていたのだった。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「入院?」
「ええ……そうなんです。」

翌日。
はやて達は、彼女が通っている病院へとやってきていた。
今朝、急にはやてが強烈な痛みに襲われ、倒れてしまったのだ。
慌ててアスカ達は、彼女を病院へと運び込んだのだが……
そこで、彼女の担当である石田女医から、入院を勧められたのだ。
どうやら、麻痺が徐々に広がり始めている可能性があるらしい。
事態が事態だけに、流石にアスカ達もそれを承諾せざるをえなかった。
そして今、はやては病室でその事実を伝えられ、少し落ち込んでいる。

「あ、でも……検査とか、念の為だとか言ってたしさ。
そんな心配しなくてもいいって。」
「うん、それはええけど……私が入院したら、皆のごはんは誰が作るん?」
「う……」
「ま、まあそれは……何とかしますから。」
「大丈夫ですよ……多分。」
「はやて、毎日会いに来るからな。
だから……心配、しなくても大丈夫だからな?」
「うん……ヴィータはええ子やな。
せやけど、無理に毎日来んでも大丈夫やからね。
やる事ないし、ヴィータ退屈やろ?」
「う、うん……」

自分の身よりも、周りの者の事を第一に心配する。
そんなはやての優しさを前に、誰もが言葉を発せられないでいた。
彼女が何故倒れたのか……その原因は明らかだ。
闇の書の侵食が、早まってきているのだろう。
何としてでも、彼女を救わなければならない。
より早くの完成を……目指さなければならない。
この優しい主を、絶対に死なせてなるものか。

「あ、でもすずかちゃんからメールとか来るかもやし……心配せぇへんかな……」
「それでしたら、私が連絡しておきますね。」
「まあ、はやてちゃんは普段から頑張ってるんだしさ。
たまには三食昼寝つきの休暇ってことで、ゆっくりするといいよ。」
「そやな……じゃあ、ありがたくそうさせてもらうわ。」
「じゃあ私達は、一度荷物を取りに戻ります。
また後ほど。」
「うん、気をつけてな。」
アスカ達は、はやてが入院中必要になるものを取りに帰るため、病室を後にした。
しかし……それから、しばらくした後だった。
はやては胸を押さえ、苦しみ始めたのだ。
アスカ達に心配をさせまいと、ずっと痛みを堪え続けていたのである。
これまでに経験した事のないレベルの激痛が、体中を駆け巡る。
一体、自分に何が起こっているのか。
はやては、何も分からぬまま、ただ痛みに耐えていた。

(あかん……しっかりせな。
このままじゃ、皆が困るんやもんね……)


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「なのはちゃん、フェイトちゃん、アリサちゃん……ちょっといいかな?」
「すずか?」

翌日。
フェイトは無事に意識を取り戻し、なのは達と共に学校にいた。
彼女のリンカーコアの回復には時間が少しばかりかかるが、日常生活には一切支障はない。
その為、これまでと変わらずに学校生活を送れている様だった。
二人は管理局から指示があるまで、現場待機という形になっている。
そして今は、丁度下校時なのだが……仲良し四人組が教室を出てから少しして、すずかがふと口を開いた。
なのは達はその表情を見て、何か深刻な悩み事があるに違いないとすぐに察する。
そして、その予感は見事に的中した。

「実は……はやてちゃんが、入院しちゃったって。」
「え……入院?」
「うん……そうなの。」

すずかの心配事とは、昨日の事―――親友であるはやてが、入院してしまったということだった。
なのは達も、直接の面識がないとはいえ、はやての事はすずかから色々と聞いている。
メールの文面を見る限りでは、然程重い症状というわけではなさそうだが……事が事だけに、流石に心配だった。
彼女は、自分に何か出来ることはないだろうかと思っていたのだ。
そしてその思いは、なのは達三人も同じく感じていた。
ならばと、早速アリサが提案する。

「じゃあさ、皆でお見舞いに行こうよ。」
「うん、私もそれがいいと思う。
今日いきなりは流石にだから、連絡入れて、明日辺りに。」
「うんうん……メールに、励ましの写真とか一緒に乗せてさ。」
「皆……ありがとう。」
「何言ってんの、すずかの友達なんでしょ?
私達にも、紹介してくれるって言ってたじゃないの。」
皆ではやてのお見舞いに行く。
四人の意見は一致し、早速すずかははやてへとメールを打とうとする。
そのまま、四人は学校の外へと出てバス停へと向かう。
そして、十字路に差し掛かったときだった。

「あ、ミライさん。」
「あ、皆。」

四人は、丁度外に出かけていたミライと出会った。
アリサとすずかの二人は、翠屋で始めてあった時以外にも、ミライとは何度か会っていた。
なのは達がハラオウン家の夕食に招かれた時や、なのはの父である士郎が監督を務めるサッカーチームの応援に行った時。
エイミィがなのはの姉の美由希と意気投合して、皆で銭湯に行った時など、色々だ。
ちなみに当たり前だが、賑やかな女性人とは対照的に、ミライは一人男湯で過ごしていた。
ユーノは事情を知らないアリサ達がいる手前一緒には行けなかったし、クロノも都合が悪く仕事ときたからだ。
だが、一人で空しく過ごしていたかというと、全くそんな事は無い。
実は言うと彼は、その銭湯で偶々同じ境遇の男性と出会い、そのまま意気投合してしまっていたのである。
この出会いは後々、色々と波紋を巻き起こすわけなのだが……まあそれは別の話。
ここで、なのは達はミライにある頼みをする事にした。

「ミライさん、よかったら写真撮ってもらってもいいですか?」
「写真……いいけど、どうしたの?」
「実は、友達が入院しちゃって……励ましのメールを送ろうと思ったんですけど。」
「考えてみたら、誰かにとってもらわないと四人全員映れないんですよね。
それで、どうしようかって思ってたんだけど……」
「それで写真かぁ……うん、いいよ。
早速撮ってあげる。」
「ミライさん、ありがとうございます♪」

その後、ここでは流石に通行人の迷惑だからということで、五人は近くの公園へと移動した。
ミライははやての事は知らないが、きっと彼女達の良き友達なのだろうと思っていた。
だから彼は、早く良くなって欲しいと願いを込め、四人の写真を撮る。

しかし、この時はたして誰が思っただろうか。
この写真が、思わぬ波紋を呼ぶことになろうとは……


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「あ、すずかちゃんからだ。」

数分後。
八神家では、シャマルが食事の下ごしらえをしている最中であった。
はやてが入院中のため、今は彼女がはやての携帯電話を預かっている。
早速、シャマルはすずかからのメールを確認する。
メールの内容は、明日の放課後に友達と共に、はやての見舞いに行くという事。
はやてにとって、すずかは誰よりの親友である。
彼女から励ましの言葉があれば、きっとはやても喜ぶに違いないだろう。
それに、すずかが友達を連れてきてくれるというのならば、はやてに新しい友達が出来る。
思わずシャマルの顔に、笑みが浮かぶ……が。
この直後、メールに添付されていた一枚の写真を見て……彼女の表情は、凍りついた。

「え……!?」

シャマルは目を見開き、硬直する。
思わず、握っていた菜箸をシンクに落としてしまった。
しかしそれも無理は無い。
その写真に、あの二人―――なのはとフェイトが映っていたのだから。
まさか、すずかが彼女達と友達だなんて、思ってもみなかった。
このままではまずい……そう感じ、すぐさまシャマルは他の四人へと念話を飛ばす。

『シャマルか……どうした?』
「た、大変なの!!
テスタロッサちゃんと、なのはちゃんと、すずかちゃんとが……!!」
『落ち着け、シャマル。
一体、テスタロッサ達がどうしたんだ?』
「あの二人が、管理局魔道師が……明日、はやてちゃんに会いに来ちゃうの!!」
『ハァッ!?
ちょ、それって……俺達の事、ばれたの!?』
「ううん、そうじゃないんだけど……あの二人、すずかちゃんのお友達だから……!!」
『何だって……?』

あの二人は、すずかの友人だった。
ヴォルケンリッター並びにダイナ達は、その事実に驚き言葉を失う。
何と言う偶然だろうか。
はやてが闇の書の主であるという事までは、どうやらばれてはいないようだが……それでもこれはまずい。
シャマルが焦りを覚えるのも、無理は無い。
「どうしよう、どうしたら……!!」
『落ち着け、シャマル。
幸い、主はやての魔術資質は全て闇の書の中だ。
詳しい検査をされない限り、まずばれはしない。』
「そ、それはそうだけど……」
『つまり、私達と鉢合わせることがなければいいわけだ。』
「うぅ……顔を見られちゃったのは、失敗だったわ。
出撃する時に、変身魔法でも使ってればよかった……」
『今更悔いても仕方ない。
ご友人のお見舞いには、私達は席を外そう。
後は主はやてと、それと石田先生に我等の名前を出さないようにお願いしておこう。』
「はやてちゃん、変に思わないかなぁ……」
『仕方あるまい……頼んだぞ。』
「うん……」
『……ちょっと待った。
確かに、シグナムさんとか皆はやばいけどさ……俺はセーフなんじゃない?』
「……あ。」

アスカの一言を聞き、皆がハッとした。
確かに蒐集の際には、アスカはウルトラマンダイナに変身して出撃している。
自分達と違い、顔も名前も知られていない筈だ。
彼だけは、なのは達と接触してもセーフなのではなかろうか。
誰もがそう思ったが……すぐにこの後、皆があることを思い出す。

『駄目だ、アスカ……お前も顔が割れている可能性がある。』
『え?』
『お前さ、一番最初に変身した時……ほら、あたし助けた時だよ。
あの時、一瞬だけど顔見られてなかったか?』
『……あぁっ!?』

自分でもすっかり忘れていた。
この世界に来て、一番最初にダイナへと変身した時。
あの時、一瞬だけとはいえ姿を見られていた可能性があるのだ。
ばれていない可能性もあるが、それでも顔を見せるにはリスクが高すぎる。
結局のところ、誰もなのは達の前に姿を現す事はできないということだ。
アスカは大きく溜息をつき、己の不運を呪った。
本当に今更ではあるが、この世界に来る前までの様に、隠れてこっそり変身すべきだったか。
いや、それではこうしてはやての為に戦うことも出来なかったし……どちらにせよ、どうしようもない。
『……落ち込んでいても仕方ない。
気を切り替えて、蒐集に戻るか……あ〜、くっそ……』
「……兎に角、それじゃあ急がないと……」

早速シャマルは、身支度を整え外出しようとする。
はやて達に、自分達の名前を出さぬよう注意をしなくてはならない。
一体、どう説明すれば納得してくれるだろうか。
病院に着くまでに、いい言い訳を考えなければならない。
これまでにないこの事態に、シャマルは相当の危機感を抱いていた。

(怒っちゃうかな、はやてちゃん……)


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「シャマルの奴、大丈夫かな……?」

異世界、大海原。
その上空を飛びながら、ヴィータはシャマルの事を考えていた。
自分達の名前を出さないようにとはいうものの、どうはやて達に説明するのだろうか。
下手な事を言って、彼女達を怒らせたり、不安がらせたりしないだろうか。
どうにも、マイナスな方向へばかり物事を考えてしまう。

「……いけねぇ。
今は、こっちに集中しないといけないのに……」

ヴィータは大きく頭を振り、蒐集活動に集中しようとする。
闇の書さえ完成させてしまえば、後はどうにだってなる。
はやてを一刻も早く回復させるのが、自分達の役目。
そう思おうとするが……ヴィータには、すぐにそれが出来なかった。
昨日から、何かが自分の中で引っかかっていたからだ。

(……何かがおかしいんだ。
こんな筈じゃないって、私の中の記憶が訴えている……でも。
今は、こうするしかないんだ……!!
はやてが笑わなくなったり、死んじゃったりしたら……!!)
しかし、ヴィータはその引っ掛かりをすぐに否定する。
自分がこうして躊躇ったりしている内に、はやてに何かがあったらどうしようもない。
彼女の命は、後どれだけもつか分からないのだ。
だから、やるしかない……やるしかないのだ。
自分達には、迷っている暇は無い。

「やるよ、アイゼン!!」
『Ja!!』

海中から、巨大な海蛇の様な魔道生物が出現する。
ヴィータはカートリッジをロードし、その脳天へと全力でグラーフアイゼンを叩きつけた。
だが、一撃で倒れてはくれない……どうやら、それなりに実力があるようだ。
ならばそれだけ、リンカーコアから蒐集できる魔力も期待できる。
久々に当たりを引いたと確信し、ヴィータは一気に勝負に出た。
再度カートリッジをロード、グラーフアイゼンの形態を変化させる。
とてつもなく巨大な破壊槌―――ギガントフォームに。

「ぶちぬけぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

グラーフアイゼン最強の一撃が、魔道生物の横っ面にぶち込まれた。
流石にこれには耐え切れなかったようであり、魔道生物は悲鳴を上げて崩れ落ちる。
すかさずヴィータは、アイゼンを振り下ろして追撃。
その頭部に、強烈な一撃をぶち込んだのだった。
これで、魔道生物は完全に沈黙。
すぐにヴィータは、リンカーコアを生物から摘出させる。
結果は予想したとおり……これまでの生物に比べて、比較的強い魔力であった。
これなら、それなりにはページを埋められそうだ。
すぐに、蒐集に移ろうとする……が。
この直後……予期せぬ事態が、彼女に襲い掛かった。

ドッバァァァァァァァァンッ!!

「えっ!?」
「ギャオオオオオォォォォォォォォッ!!」

突然、背後から大津波が襲いかかってきたのだ。
ヴィータはとっさに障壁を展開、それに飲み込まれないようにと踏ん張る。
この津波は、自然に発生したものではない。
同時に聞こえてきた鳴き声こそが、何よりの証拠である。
すぐにヴィータは、その声の主であるだろう相手の迎撃に移ろうとする。
しかし、この直後だった。
もう一発、続けて津波が発生したのだ。
それも今度は、正反対……魔道生物のいた方からである。
よりにもよってこのタイミングで、敵は二体現れたのだ。
ヴィータは片手で障壁を維持しながら、もう片方の手でも障壁を展開し、背後の津波に対応する。
なのはの砲撃魔法なんかに比べれば、この程度の相手は何とかしのげるレベルだった。
そして、津波をしのぎきった時……彼女は、信じられない光景を目にした。
「なっ……嘘だろ!?」
「ギャオオォォンッ!!」

魔道生物がいた方に出現した、その大型生物。
まるで刃の様に鋭く尖った尾びれを持つ、紅い体色の二足歩行獣―――レッドギラスが、空を仰いで大きく雄叫びを上げた。
あろうことかこの怪獣は、今ヴィータの目の前で……彼女が倒した魔道生物を、食らったのだ。
それも……摘出したリンカーコアごとである。
これにはヴィータも、怒りを感じずにはいられない。
何としてでもぶち倒し、リンカーコアを引きずり出す。
すぐさま、彼女はレッドギラスに襲いかかろうとする……が。
それよりも早く、彼女の背後にいたもう一匹の怪獣が動いた。
レッドギラスと全く同じ、唯一の違いはその体色が黒色である怪獣―――ブラックギラス。
ブラックギラスはヴィータへと、全力で拳を振り下ろしてきた。

「くっ!!」

ギリギリのところで気付き、ヴィータはこれを回避した。
どうやら、二体纏めて相手にする必要があるらしい。
ならば、このままギガントフォームの一撃をぶち込んで、打ち倒してくれる。
ヴィータは大きく振り被り、そして二匹へと振り下ろそうとする。
しかし、それよりも僅かに早く……レッドギラスとブラックギラスが動いた。
二匹はまるでスクラムを組むように、互いの肩をがっちりと掴んだのだ。
そして……その体勢のまま、急速で回転し始めた。
これこそが、かつてウルトラセブンとウルトラマンレオを苦しめた、双子怪獣必殺の攻撃―――ギラススピンである。
グラーフアイゼンとギラススピンが、真っ向からぶつかり合った。
鉄槌の騎士必殺の一撃と、双子怪獣必殺の一撃。
相手にうち勝ったのは……

「ぐっ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!??」

グラーフアイゼンが弾かれ、ヴィータが大きく吹っ飛ばされる。
うち勝ったのは、ギラススピンの方であった。
ヴィータは当然知らなかっただろうが、ギラススピンはかつて、ウルトラセブンのアイスラッガーにもうち勝った程の攻撃。
彼女の最大の一撃をもってしても、うち破るには届かなかったのだ。
勝ち誇るかのように、双子怪獣は唸りを上げる。
そしてヴィータは、海面へと叩きつけられ……海中へと沈んでいった。
(嘘だろ……?
こんなんで、終わりなんて……)

まさかこんな所で、こんな敗北をするなんて、思ってもみなかった。
絶対にはやてを助け出そうと、そう誓ったばかりだというのに……何という様だろうか。
悔しくて仕方が無い。
こんな所で、終わりたくなんか無い。
ヴィータは、徐々に薄れ行く意識の中……大切な仲間と、そして主の事を思った。

(シグナム、シャマル、ザフィーラ、アスカ……はやて……はやてぇ!!)





「……はやてぇっ!!」

ヴィータが大声を上げ、起き上がる。
大きく肩で息をし、周囲を見回す。
するとここで彼女は、風景がそれまでとは全く変わっていることに気がついた。
大海原とは一転、緑色の木々が生い茂っている。
目の前では焚き火が燃えており、海水で冷えた体を温めてくれる。
もしかして、誰かが自分を助けてくれたのではないだろうか。
そう思ったヴィータは、他に誰かいないのかと、周囲を見渡してみる。
すると……少しばかり離れた位置から、何者かが近寄ってきた。
馬を連れた、カウボーイハットを被っている中年の男性。
そのわきに抱えられている薪を見て、助けてくれたのはこの人に違いないとヴィータは確信する。

「お、気がついたか……大丈夫そうだね。」
「はい……えっと、助けてくれてありがとうございます。
……助けてくれたんですよね?」
「ああ、そうだ。
浜辺に流れ着いていたところを見つけてね……本当、驚かされたよ。
……一体、何があったのかな?」
「……あたしは……」

先程の出来事を思い出し、ヴィータは唇をかみ締める。
突然現れた、謎の生物二匹に負けてしまった。
それも……グラーフアイゼンの最強形態であるギガントフォームが、真っ向勝負で破れたのだ。
鉄槌の騎士と鉄の伯爵にとって、これ以上ない屈辱だった。
そんなヴィータの表情を見て、男は少しばかり暗い表情をする。
どうやら、よっぽどのことがあったに違いない……これは、聞くのをよした方がいいだろうか。
そう思って、話を中断しようとするが……ヴィータが話をし始め、それを遮った。
「……あたしは、負けたんだ。
あの、黒と赤の二匹の怪獣に……アイゼンが……!!」
「……!!」

ヴィータの言葉を聞き、男は表情を変えた。
赤と黒の二匹の怪獣……場所は海。
彼には、思い当たる節があったのだ。
だが……それ以上に問題が、最後の一言―――アイゼン。
まさかと思い、男は確認をとろうとした。

「……よかったら、名前を教えてもらえないかな?」
「あ……ヴィータです。」
「ヴィータか……」

男はその名前を聞き、軽く一息をついた。
やはり、予想したとおりだった……偶然とは恐ろしいものである。
まさかこんな所で、出会う羽目になろうとは。
しばし、男は言葉を失っていた。
そんな彼をヴィータは、不思議そうな顔をして見つめてくる。
流石にこのままではまずいと感じて、男はすぐに口を開いた。
そして……己の名を、彼女へと告げる。

「……俺はダン。
モロボシ=ダンだ。」

モロボシ=ダン。
かつて、地球防衛に当たった一人の戦士。
ウルトラ兄弟の一人であり、そしてウルトラマンレオの師―――ウルトラセブンその人である。
267名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/30(金) 03:08:35 ID:4JNBTSpD
なんとまあセブン搭乗
支援
なんか食わないとぼーとする
以上、投下終わりました。
前回から少し間が空いて、申し訳ありませんでした……

今回、大幅にこのSSの核心部分に迫らせてもらいました。
闇の書改竄の真実については、まだ敢えて言いはしませんが、もはやお分かりの通りです。

ミライの銭湯云々の兼ですが、これはA'sサウンドステージ01の出来事です。
勿論、書かせていただきます……こんな面白いネタ、使わないわけにはいきませんから(笑)
今回はちょっと余裕が無くて書けませんでしたが、構想自体は出来上がってますので、近いうちに番外編としてあげたいと思います。


さて今回の一応の目玉である、モロボシ=ダンことウルトラセブンの登場。
ヴィータは残念ながら、双子怪獣のギラススピンに敗北してしまったわけですが、ご安心ください。
ウルトラマンレオを知ってる人であればお分かりの通りでしょうが……リベンジはさせますから。
後、ギガントフォームは最強形態ではないという意見に関しては分かっております。
ですが……A'sの時点では、まだあの最終形態がお目見えになってなかったので、敢えてこうさせていただきました。
これも伏線ですので、ご安心ください。

でわ次回、ヴィータ特訓編(残念ながらジープは出ません)をお楽しみに(ぉ
269反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/30(金) 05:08:55 ID:B4Gz/2Xs
おはらっきー☆
…2日連続の徹夜で、半ばやけっぱち状態です。いっそ死にてぇ…orz

>>268
GJ! 次回はヴィータの特訓ですか…妙に体育会系になりそうw

1時間ほど仮眠取ってきますノシ
270名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/30(金) 05:57:22 ID:DLF5ujiO
GJ。
このタイミングでセブン登場とは……。
流石に予想つかなかったぜ。
最近、何故か麻雀をやってるセブンですが、さてどんな特訓になるか期待。
271名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/30(金) 10:46:16 ID:q4m6Pzzl
GJ!
あのゲン役の人が実際に命懸けだった訓練がクルー!
272マスカレード:2007/11/30(金) 14:33:24 ID:XE5z3SQu
GJです
ティガとダイナの説明が懐かしくて良かったです
ウルトラマンはあまり詳しくないんですが、ティガやダイナは全部TSUTAYAで借りて見てたので、なんかテンション上がりました(笑)
昭和ウルトラマンは幼稚園くらいの時しか見てなかった為に記憶曖昧ですが、
私が知るウルトラマンの中ではガイアかネクサスが1番好きだったりします
273リリカルなのはFeather :2007/11/30(金) 16:55:10 ID:LknfFQiS
GJです
平成3部作はあまり覚えて無いので今度TSUTAYAでティガとダイナ全巻借りて見ます
ただガイアは主人公の頭の良さだけは頭に残っています
レオと聞くとシルバーブルーメが頭をよぎります


274名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/30(金) 17:10:28 ID:5KNnuu56
>マスカレード氏
久々のライダー作品GJです
天道がカブトじゃない?
まだプロローグなのでなんとも言えませんが、期続きに待してます
275節制の14 ◆6EgzPvYAOI :2007/11/30(金) 17:14:24 ID:Ha6FNtaZ
乙。
後、カウボーイハットがテンガロンハットに見えた。

「そのハンマー、日本じゃ二番目だ!」
 と、ガンダムハンマーでヴィータ追い回す本部長連想して吹いた。
276×DOD:2007/11/30(金) 19:26:40 ID:9hUEwNqA
ウルトラ分がやっと補給された…GJでござる。



ちょいと書いてみた、×DODとまったく関係ない例の外伝、落としてみていいかな? かな?
277リリカルなのはFeather :2007/11/30(金) 19:31:48 ID:LknfFQiS
支援します
278名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/30(金) 19:32:51 ID:94rIF1I8
マナ支援
279スバルギア・ゲッチュ 1/5:2007/11/30(金) 19:35:26 ID:9hUEwNqA
 その日スバル・ナカジマとティアナ・ランスターは、肩を並べて機動六課のオフィスの廊下を歩いていた。
 手にはそれぞれ愛用のデバイス、マッハキャリバーとクロスミラージュが武装形態のまま握られ
ている。しかしその様子がどこかおかしかった。ローラースケートの車輪の接合部からは僅かに白
煙が上がり、小銃のグリップは普段は無い熱を帯びていた。

「まったく。瓦礫でコケた挙げ句、こっちに突っ込んでくるなんて…ドジなんだから」
「あはは…ごめんねティアナ、マッハキャリバーもクロスミラージュも」

 要するに、故障だった。
 対魔導師戦を想定したなのはとの模擬戦。ものの見事に避けられた突撃の代償である。
 とっさの事だったのでティアナも飛んでくるスバルを受け止められず、かろうじてデバイスを我が
身の盾にしてしまった。
 結果、スバルに返された機械音は「損傷軽微」の意であった。さすがにノープロブレムとはいか
なかったのである。
 そんなわけで訓練は一旦中断し、向かう先は機動六課メカニック・シャリオの部屋。シャーリー
の愛称で親しまれている、デバイスのそもそもの開発者だ。データや設計になのはやリインも関わ
ってはいるが、修理はやはり彼女以外いるまい。

「シャーリーさん、失礼します! …あれ?」

 目的地にたどり着き、ノックをして入室。しかしデスクには、誰もいなかった。
 きょろきょろと見回すも、人の気配はなかったのである。出払っているのだろうか。

「留守、かな?」
「みたいね。…あ、書き置き」
「『15分で戻りまーす』。じゃ、ちょっと待って…ん?」

 だがそこで、蒼い髪の少女は「それ」を目撃する。

「どうしたの、スバル」
「ティア、あれ何だろ?」
「?」

 ――もし、シャリオがあと5分早く、デスクに戻っていたら。
 スバルがそれを見つけることがなく、ティアナもまた気付かなかったら。
 きっとその事件は起こらなかっただろう。しかし、歴史にIFは存在しない。

「…ヘルメット?」

 これはとある少女が引き起こした、奇想天外な騒動の記録である。



 魔法少女リリカルなのはStrikerS外伝
 スバルギア・ゲッチュ   第一話「スバルの出来心」 Aパート
280スバルギア・ゲッチュ 2/5:2007/11/30(金) 19:37:29 ID:9hUEwNqA
「何だろ、ティア」
「あたしに分かるわけ無いでしょ。…でも、デバイスには見えないわね」

 一見、それはただのヘルメットだった。
 白塗りの土台の上に、ランプのような突起が乗ったヘルメット。無造作に机に置かれたそれには
何の文字も書かれておらず、単色で何とも味気のないデザインである。
 だが逆に、それゆえにスバルたちの興味を引く物体だった。
 こんなものが何でこの部屋にあるのだろうか、と。

「シャーリーさんの発明品かな?」

 デスクに身を乗り出してスバルが言う。
 この部屋にある以上確かに、何らかのマジックアイテムである可能性は高い。

「ちょっと、止めなさいよね」
「ううん、へーきへーき。魔力も何も感じないもん」
「それは、そうだけど…」

 さらに目を近づけるスバルに対し、たしなめるティアナの語気はやや弱めだった。
 確かに魔法の術式や魔力の流れといった、自分たちの知る魔導の気配を感じることはできない。
 確証はないが、普通のヘルメットということだって考えられるのだ。なのに口酸っぱく言うのは
アホらしいというものである。

(でも…)

 しかし、だ。
 用心に越したことはない。万が一もし、魔力が未知の技術で封じられていたら。
 ロストロギアに数多く関わっているわけではないが、中には魔導師の接近により目覚めるものも
あるという。そしてその大半は、覚醒させた魔導師に何らかの害を及ぼすものであるとも…
 そうなったら大変だ。まあ六課のオフィス内にぽいと置いてある以上まかりまちがってもそれは
無いとは思うが、そう、万万が一である。

「…スバル、行くわよ。外で待ちま」
「ティア、見て見て〜」
「ぶっ」

 思い至って言うが、しかし遅かった。
 嬉しそうなスバルの声に振り返ると、あのヘルメットはすっぽりきっちり、スバルの頭の上に鎮
座していたのである。
281スバルギア・ゲッチュ 3/5:2007/11/30(金) 19:38:28 ID:9hUEwNqA
「ちょ、ちょっと、スバル!」
「あ。これ、軽いよ! 結構おっきいのに」
「早くはずしなさい! 何かあったらどうするの!」
「きゃー、ティアナのえっちー!」
「きゃーじゃない! えっちでもないッ!」

 慌てて脱がしにかかるが、ティアナの手はひょいひょいとかわされ逃げられる。
 テーブルを挟んで、ぐるぐる回る追いかけっこ。ティアナは真剣にフェイントを交えたりするの
だが、近距離戦闘に長けるスバルにことごとく回避され続けた。
 いつものように完全に遊ばれている。次第に苛立ちが募り、いい加減にしなさいと口で止めにか
かろうとした時。
 それは起こった。

「ただいま帰りましたーっ! さて、やっとピポヘルの研究に…あ、あれ?」

 シャリオが、帰ってきたのだ。
 はっと固まる二人。この状況は第三者からすれば、無断で部屋に入った挙げ句室内の備品で勝手
に遊んでいるようにしか見えない。最悪である。
 実際スバルは、遊んでいたわけなのだが。

「あっ…それ……」
「ごっ、ご、ごめんなさいっ!」
「こっ、こ、これは、すみません、すぐ――」

 このままだといかに温厚なシャリオとはいえ、怒られるのは目に見えている。
 慌てに慌ててスバルはヘルメットに手をかけ、ティアナはとっとと外せと言わんばかりに視線を
投げつけた。

「それ…かぶっ、ちゃった?」

 しかし、シャリオの反応は二人の予想を外れた。
 スバル、いやその頭の上。
 例の地味なヘルメットを指差している。その手は、小さく震えていた。

「は…い。かぶっ、ちゃいました」
「…ちなみに、何処に置いてあったり?」
「そこの、机に…あの、まずかったですか?」

 恐る恐るといった様子のティアナの問いに対し、シャリオはこう答えた。

「うん、結構…」
282スバルギア・ゲッチュ 4/5:2007/11/30(金) 19:39:46 ID:9hUEwNqA
 二人がさっと蒼ざめた次の瞬間、スバルの体から突如として白い光がほとばしった。
 ティアナとシャリオが驚いて目を向ければ、何と頭上のヘルメットに乗ったランプが、警告灯の
ように赤く光り出していた。
 どういうわけかは分からないがどう見てもとにかく拙い。
 しかしどうする事もできず、やがて白い光が二人の視覚を完全に奪った。

「スバル! スバルッ!」
「危ない、下がって!」
「でも、スバルが!」

 しまいには白光だけでなく、何やら怪しい煙まで巻き起こる始末。
 強烈な閃光に網膜を灼かれて焦り、親友の名を呼ぶティアナが近付こうとする。
 しかしシャリオに後ろから腕を捕まれて動くことができない。
 もくもくと立ち上る白煙を前に立ちすくんでいると、ようやく光がおさまり、視力が回復はじめる。
 一体、スバルの身に何が。目元を覆っていた腕の間からゆっくりと様子を窺うティアナ。

「ティア〜っ!」
「きゃっ」

 煙を突き抜け、何かがぶつかってくる。腹部に衝撃が走った。

「ちょ、ちょっと、何!?」
「ティア、ティアっ…怖かったよっ…!」
「その声、…まさか、スバル!?」
「ええっ?」

 …まさか。でもこの声は。そう目を向けると、腰には確かに、何かが抱きついている。
 煙が晴れる。そこにいたのはスバルだった。スバルがぎゅっと、ティアナに抱きついていた。

「うぅ……あれ…ティア、どうしたの? シャーリーさんも…」

 そう、姿形は紛れもなくスバルそのものだった。どういうわけか服装がバリアジャケットに変わ
ってはいるものの、声、仕草、顔の表情、何から何まで、それはスバルだった。
 しかし、何かが違った。
 明らかに違う点。それは一言で言うならば。

 サイズだった。

 チビスバルとでも言おうか。ティアナに抱きつく身体は、どう見ても彼女の足下から膝元くらい
の大きさしかない。人間を縮小コピーした感じだ。
 …服やメットまで小さくなっているのはどういう話だ?
283スバルギア・ゲッチュ 5/5:2007/11/30(金) 19:41:18 ID:9hUEwNqA
「う、ん…あ、ティアだー」

 と、ここにもうひとつの声。
 ぎょっとして振り向くと、そこにはもうひとつの、子供サイズのシルエット。
 いや、ひとつではない。煙が晴れるとともに、開発室を兼ねた広いシャリオの部屋を、埋め尽くす影が。
 地味な、あのヘルメット。白を基調としたバリアジャケット。全て、まさしく、それらは。

「ティア! 大丈夫?」

――小さなスバルたちが、

「どうしたの、ティア?」

――大量のチビスバルが…、

「あれ? えっと…ティア?」

――四分の一スケールの親友たちが!

「ティア」
「ティアー」
「ティア〜っ」
「何なのよ、これは――ッ!」

 シャリオの部屋は、ピポスバルで満たされた。
284×DOD:2007/11/30(金) 19:42:13 ID:9hUEwNqA
多分続く。



スバゲッチュ!
285名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/30(金) 19:58:32 ID:CqdB6UCo
なに、このスバル率!
やっぱり108人いるのかな?
286名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/30(金) 20:45:44 ID:Fqh/HehZ
吹いたwwその発想はなかったわー……GJ!
287リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/11/30(金) 21:02:27 ID:/irscSM9
それでは、ウロスSSでの予告通り魔法少女リリカルグレンラガンA's投下します。
支援を求める。
はいorYESで答えてください。
288名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/30(金) 21:04:14 ID:4oykHSHs
Ja!
289リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/11/30(金) 21:04:39 ID:/irscSM9
天元突破グレンラガン×魔法少女リリカルなのはA's


あらすじ

 ひょんなことから、別の世界へと飛ばされてしまったシモンたち。
 その世界は、自分たちの元居た世界とは違い、獣人たちの存在自体が無かった。
 時空管理局と呼ばれる組織に属する戦艦アースラに助けられたシモンたちは、
その船の艦長であるリンディ提督の施しで、地球の海鳴市と呼ばれる町で暮らし始めた。
 そこでの生活に慣れてきた時、リンディ提督たちが追っていた捜索指定の犯罪者の捕獲に同行。
 見学だけで済むはずだったが、管理局のやり方に共感が持てず、自分の道を貫き通すためシモンは戦いに介入する。


魔法少女リリカルグレンラガンA's

第二章『お友達になりましょう』


「俺を!」
「私達を!」
「誰だと思ってやがる!」「誰だと思っていますか!」

 突然現れ、名乗り上げをしたグレンラガンのパイロットであるシモンとニアに一同は身動きが取れなかった。
 巨大なロボットの登場に驚きを隠せないのは当然であった。

“いったい、あれは何なんだ?”
 
 私とシモンによる名乗り上げが、皆さんに届いたみたいです。
 戦うのを止めて下さって、とってもうれしいです。
 あら、赤いお洋服を着た女の子が右手に持ったハンマーを向けて話しかけてきます。

「カッコイイ、名乗り上げじゃねぇか。なら、こっちも名乗ってやんねぇとな。あたしは、鉄槌の騎士ヴィータ」
「守護獣ザフィーラ」

 青い服の男性もご一緒に挨拶をして下さいました。
 ヴィータちゃんに、ザフィーラさんですね。
 御二人とも素敵なお名前です。
 それから、

「あなたのお名前は何ですか?剣をお持ちの方」
「…私の名を知りたければ、実力を示せ」

 女剣士は、立っていたビルの屋上の床を蹴り一気に滞空中のグレンラガンへと右手の剣を振るう。
 シモンは、瞬時に左腕の穴から2本のドリルを生み出す技パイクスティンガーで斬撃を受け止める。
 魔力によって強化された剣による斬撃と螺旋力によって生み出されたドリルの衝突は、凄まじい火花を散らす。

「何しやがる!」
「なるほど、ハリボテでは無い様だな」

 女剣士は均衡を解き、グレンラガンとの距離をとる。
 その視線からは、殺意は感じられない。

「なるほど、なかなかの実力のようだ。私の名は剣の騎士シグナム」

 シグナムさんですね。あなたも素敵なお名前ですね。
290リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/11/30(金) 21:06:02 ID:/irscSM9
 それにしても、シグナムさんって武道派なのですね。
 手合わせして相手の力量を測れるなんて、武人と言う人種なのでしょうか?

 シモンは、グレンラガンを操作し、シグナムに右手の人差し指を向ける。

「お前達は何故、こんな事をしているんだ。あんな小さな子達を相手に武器を使うなんて、大人がする事じゃない!」
「魔導士には歳など関係無い。我らにはやり遂げねばならぬ使命がある…そしてお前達は我らの使命には必要無い者だ。ここから立ち去ってくれぬか」
「生憎、俺達大グレン団には諦めるって考えなんて持ち合わせていない!このまま、あの子達と戦う気なら俺が相手になる!」

 両腕に2本のドリルを生み出し、戦闘態勢に入るグレンラガン。
 ベルカの騎士たちも、武器を構え直ぐ動ける状態に入る。
 一触即発の雰囲気が流れる中、2人の少女が会話に入ってきた。

「あの…シモン、ニア。グレンラガンを下がらせてくれないかな?私達あの人たちと戦いたいの」
「初めまして。高町なのはと言います。行き成りですけど、私…あの子…ヴィータちゃんと戦いたいんです。どうか、手を出さないで下さい」

 2人の言葉に驚くシモン。
 こんな幼い子たちが自分から戦いたいと言い出すなんて思いもしなかったからだ。
 
「フェイトちゃんも、なのはちゃんも、あの人達とお友達に成りたいのですね。分かりました。シモン、ここは引きましょう」
「えっ!?ニア、良いの?」
「はい。2人とも真剣な眼差しです。あの時のシモンと同じぐらいに、とっても力強い」
 
 そう、あの時…私を助けてくれたあなたと同じ強い意志。
 こんな強い意志を持った子達を無下に何て出来ません。
 さぁ、シモン。2人のために、ここは引きましょう。

「分かったよ、ニア。でも、2人が危険になったら割って入る!……2人とも、それで良いな?」
「「はい」」

 シモンと約束したなのはとフェイトは、互いに因縁のあるベルカの騎士と戦いを始める。
 フェイトの使い魔であるアルフと、守護獣ザフィーラは互いに得意な肉弾戦を開始した。
 グレンラガンは、上昇し魔法少女2人の行動をモニターから眺める。

「すごい…本当に俺達より年下なのか?」
「なのはちゃんの技は凄いです。目をつぶったままピンク色のボールを、あんなにた〜くさん操るなんて、本当に凄いです」
「あぁ、フェイトも金色の鎌で、あの剣士と対等に渡り合ってる…それにしても、世界が違うと常識も違ってくるんだな」

 半年前までは、穴倉暮らし以外の世界なんて知りもしなかったシモンにとって、この現実も穴倉から出てからの体験の延長に過ぎない。
291リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/11/30(金) 21:08:16 ID:/irscSM9
 この世界にどんな屁理屈が在っても、シモンは自分の信念とドリルで突き進む。
 例え、閉ざされた道であってもシモンのドリルは掘り続ける。

 なのはたちの激しい戦いが行われている頃、結界維持を武装局員にまかせ、クロノとユーノの2人で捜索指定の犯罪者の仲間を探す。
 その結果、シグナムたちを心配してやって来たシャマルを発見、拘束しようとする。
 だが、突如現れた仮面の男に蹴り飛ばされるクロノ。

 グレンラガンのモニターで周囲を見渡していたシモンは、クロノが襲撃を受けているのを見つける。

「クロノ!?行くぞ、ニア!」
「はい!」
「ブッブゥー!」

 グレンラガンは、背中のトビダマの推力で一気にクロノの下へと向かう。
 モノの数秒で、クロノたちの居る場所へと辿り着いたグレンラガンは謎の覆面の男とミントグリーンの服装をした女性を発見。
 状況から、この2人のどちらかがクロノを襲ったと判断し、まずは仮面の男の方を捕らえようとシモンはグレンラガンの右手を伸ばす。
 しかし、

「なに!?」

 グレンラガンは、多数の青の光を放つチェーンに首や両手両足を縛り付けられる。
 仮面の男が手のひらをこちらに向けていることから、奴が発動した魔法だと周りに居たシャマルとクロノは判断した。
 しかし、焦るシモンの肩に乗ったブータは他の方向からの視線に気づき鼻を鳴らす。
 だが、チェーンを外す為足掻いていたシモンには伝わらない。

「こんな物で、グレンラガンが止められるかよ!ニア、フルパワーで行くぞ」
「はい、シモン」
「「はあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」」

 2人と1匹の気合と共に、出力を上昇させグレンラガンの内部から緑色の輝きが発生、全身の吐出口から可能な限りドリルを生み出す。
 フルドリライズと呼ばれる、この技によってグレンラガンを縛り付けていたチェーンは砕かれる。
 束縛から抜け出したグレンラガンは、仮面の男と女性を捕らえようとするが、天から放たれた黒い雷によって先ほどまで居た強装結界が撃ち破られた。
 現在グレンラガンが居る場所は封時結界内のため、人に見られる心配が無いのを付け足しておく。
 強装結界を出たときは、武装局員に穴を開けてもらい脱出しているので、ドリルで風穴を空けた訳ではない。
 もし、そんな事をしたら結界が破壊されてしまうためリンディ提督から念を押されている。
 
「これはいったい?はっ、あいつらは!?」
 
 雷光に目を奪われていた隙に、女性と仮面男に逃げられる。
 更に、結界内に捕らわれていたヴィータたちもその隙に脱出してしまう。
292リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/11/30(金) 21:10:27 ID:/irscSM9
 一瞬の隙を突かれてしまい、知り合いを傷つけた奴を取り逃がしたことにイラつき壁を叩くシモン。
 
「シモン……元気を出してください!あの方達とまたお会いしましたら…」
「会ったら?」
「ちゃんとお話して、こんな事をやった理由を聞きましょう。どんな行動にも、理由がある…シモンたちを見てきた私には分かります」
「…うん。そうだね、ニア」

 またお会いしたら、私の食事をた〜んと、食べさせてあげます。
 楽しみにしていてくださいね。
 ヴィータちゃん、シグナムさん、ザフィーラさん。それから、先ほどの御二人もね。

 各自散開して、管理局の探索網から抜け出したヴォルケンリッター達だったが、急に全身に悪寒が走った。

(う、急に寒気が…今日はシャマルの食事当番だったけ?)
(全身に走る悪寒…何かが起こるというのか?まさか、今日の食事当番は……)
(この全身を刺す様な悪寒は…まさか…いいや、今日は主の食事当番だ。気にするものではないな)
(さ、寒い。風でも引いちゃったかしら?って、私が風邪を引くはずも無いか)

 彼女ら+犬1匹の悪寒は後日、的中するのであった。
 
 シモン達を乗せたグレンラガンが、アースラへと戻ると機嫌が悪そうなリンディ提督が待っていた。

「クロノ執務官の命令を無視して、捜索指定犯罪者と戦うなんて…もし、あなた達の行動で死傷者が出たらどうするつもりだったの?」
「それは…それでも、俺は10にも満たない子供に戦いなんてさせられない!そんな道なんて、俺は歩まない…無い道なら自分で作る」
「シモン君…確かに、子供に戦いなんてさせちゃうなんて大人のする事じゃないわね。本当は、私も子供達に戦いなんてさせたくない。
それでも、あの子達は自分達の思いで管理局の魔道師として戦っているの。あの子達の思いを無下には出来ないわ」
「それは…自分の思いで戦っているなら、止められない……でも、あの子達に危険が迫ったとき俺はグレンラガンで助太刀します」

 強い意志で言い切るシモンに、何も言っても仕方がないと思ったリンディ提督は、

「良いわ。でも、約束して…決して無理はしないって」
「はい!」
「リンディさん、大丈夫ですわ。シモンは、シモンの持つドリルは、天と地と明日を貫くドリルなのですから!」

 右手の一差し指を頭上に掲げるニアに、「ふぅ、負けたわ」と両手の指を絡ませたまま、先程まで仕事の顔だったリンディ提督は、
家でのお母さんとしての顔に戻っていた。
293リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/11/30(金) 21:12:36 ID:/irscSM9

それから、私とシモンは、リンディさんにお叱りを受け許された後、家に戻りお休みしました。
 次の日は土曜日だったため、小学校が休みだったフェイトちゃんから気分転換に外へ散歩に行かないかと誘われて今は、海鳴市周辺を探索しています。
シモンは先程のリンディさんからのお説教で、何だか考え込んでいます。
散歩を初めて20分ぐらい経っても、ずっと俯いたままで心配です。
 前を歩くフェイトちゃんも、シモンの事が心配なのかチラチラと後ろを振り返っています。
私はシモンに何を言えば良いか考えていると、ブータと目線が合いました。
 するとブータは、小さい手で胸を叩いています。
シモンの事は、自分に任せろと言っているのでしょうか?
ならば、私はブータにお任せします。 シモンとの付き合いが長いブータなら、さり気なく元気付けてくれる。そう感じたからです。
私の気持ちが分かってくれたようで、ブータは小さな頭で頷いて下さいました。

俯きながら歩くシモンの肩に乗ったブータは、小さい舌で彼の頬をペロッと舐める。
生暖かい感触に反応したシモンは、顔を上げブータを見ると、身体全体を使って元気付けようと奮闘している。

「ブッブゥー!ブゥブブ、ブゥ!ブブブ、ブゥ〜ブブ!!」
「ブータ、俺の事を気遣ってくれているのか?」
「ブッブゥ!」
「…ありがとう」

 いつものシモンに戻ったようで良かったです。
 流石はブータですね。シモンを復活させてくれてありがとうございます。
 シモンの元気な姿を見たフェイトちゃんも、笑顔を見せてくれて良かった。

 フェイトに誘われて来た場所は、海鳴市の中でも結構大きな公園であった。
 スポーツでもして、ストレスを発散してもらおうとフェイトなりの気配りだ。
 シモンは、肩に掛けて来たスポーツバッグを開けると中からはサッカーボールとバトミントン用のラケットが2個とシャトル(羽とも呼ばれる)が1個入っていた。
 早速広い公園のグラウンドでサッカーを始めるシモンとフェイト。
 サッカーをするのは初めてだったシモンは、フェイトから説明してもらいながらルールを覚える。
 フェイト自身も、小学校での授業で初めて知ったスポーツなので結構大雑把な説明だったが、2人でするのでパスの渡し合いを始める。

「結構楽しいな、これ」
「全身運動が出来て、身体にも良いですよ。ニアさんも、しませんか?」
「私もやっても、宜しいのですか?」
「あぁ、もちろんだよ。ニア」

 それでは、お言葉に甘えてやらせていただきます。
 このサッカーは…あぁ、思い出しましたわ。王宮で学んだ玉蹴りですね。
 やり方を思い出しましたし、さぁ行きますよ。シモン!

「はあぁぁっ!」
「ちょ、ニア……ぐへ」
「あ、シモンさんの顔が真っ赤」

 ニアの強烈なキックは、シモンの前でホップし彼の顔面を捉えてしまったのだ。
 スポーツ万能のニアによるキックは、まさに『ドライブシュート』と呼んでも過言ではなかった。

 シモンはベンチに座り、腫れた顔を水で濡らせて冷たくなっているタオルで冷やしている。
294リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/11/30(金) 21:14:51 ID:/irscSM9
 フェイトとニアは、バトミントンを楽しくやっている。
 お互い運動神経が常人以上で、凄まじいラリーが繰り返されている。
 まだまだ続くのかと思い、彼女達から目線をそらした先には赤い髪の女の子が老人たちと一緒に何かをやっていた。
 その女の子の顔を見た時、どこかで見たような感覚に陥るシモン。

(あの子…どこかで見たと思うんだけどな。ん〜いったいどこだったかな?)

 頭の隅っこで、あともう少しで答えが出かけていた所にシャトルを俺の足元に落ちてきた。
 それを取りにニアが走ってシモンの足元へとやってくる。
 ひょいっとシャトルを拾い上げたニアだったが、俺が先程まで向いていた方向を見て動きが止まる。

「どうしたんだい?ニア」
「あの子…あぁ、昨日の赤い服の子ですよ。シモン」
「赤い…あっ、あのハンマーを持った子か」

 あの子がこんな所に住んでいるなんて、思ってもいませんでしたわ。
 ヴィータちゃんは、私達に気づいていないみたいで、お爺さん達と賑やかにボールを転がしています。
 昨日みたいな強がった雰囲気が全く無くて、とっても可愛らしいです。
 その時私は、良いことを思いついたのです。

「シモン!私、良いこと思いついちゃいました」
「え?ニア、いったい何を」
「ニアさ〜ん、何かあったんですか?」

 ニアの戻りが遅いので、呼びにやって来たフェイト。
 ニアたちが向いている方向に何かあるのかと見ようとするが、シモンたちに阻まれる。

「何でもないです。さぁ、フェイトちゃん3セット目始めましょう」
「そうそう、2人とも頑張って。あはは」
「あ、そうですか?なら、ニアさん始めましょう」

 フェイトはニアと一緒にバトミントンをしに走っていく。
 その時、ちらっとシモンに顔を向けるニア。
 彼女の合図に気づき頷くシモン。
 そう、あの子ヴィータを追跡しようというのだ。
 管理局に知らせず、自分達で話を聴きに行くために。
 フェイトとの凄まじいスマッシュの打ち合いは、ニアの必殺『稲妻スマッシュ』によって勝負が決着した。

「流石です。ニアさん」
「フェイトちゃんも、凄かったですよ。あんな高い位置からスマッシュを打てるなんて、普通じゃ出来ませんわ」
「ニアさんも、凄かったじゃないですか。最後なんてラケットが稲妻を帯びている風に見えてましたよ」

 そうして、スポーツを楽しんだ3人だったがシモンとニアはもう少し公園で休むと言いフェイトを先に帰らせる。
 こうして、ヴィータの帰りを狙って追跡を開始した。
295リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/11/30(金) 21:17:31 ID:/irscSM9
 ゲートボールで勝ったのが嬉しかったのか、上機嫌で家へと帰宅するヴィータ。
 尾行などした事が無い2人の追跡に気づかないほど、ヴィータは子供であった。

「たっだいま〜っ!」

 家へと入っていくヴィータを見送ったシモン達は、どのタイミングで家へと乗り込もうかと考えていると背中を突かれ慌てる。
 そこには、なのは達の友人である月村すずかと、車椅子に座った少女と20台ぐらいの女性が居た。

「そこの御二人さん。家に何か用ですか?」
「あ、えーと」

 返答に困るシモン。
 それもそうだ。あなたのお家に犯罪者が居ますなんて言えるはずも無い。
 その時、ニアはフェイトに見せてもらった写真に写っていた女の子が目の前に居ることに気づく。

「あ、あなたフェイトちゃんが言っていた、月村すずかちゃんですね」
「そうですけど、フェイトちゃんのお知り合いですか?」
「はい。親戚です」

 他の人に聞かれた場合は、親戚だと言う事にしてと、リンディ提督から言われていたのでニアは、こう答えたのだ。
 すずかもフェイトの親戚と聞いて、気を許して話しかけてくる。

「えっと、御二人のお名前は?」
「私の名前はニア・テッペリンと言います。そして、この人がシモン・ジーハです」
「よ、よろしく」

 ニアの手腕によって、何とか打ち解ける事に成功する。
 そんならと、車椅子の少女と付き人の女性も自己紹介を始める。

「わたしの名前は八神はやてって言います。4人家族のお母さんやってますぅ」
「お、お母さん?」
「はやてちゃんたら〜私の名前はシャマルと言います」

 こうして、自己紹介を済ませた4人は立ち話もなんだから家へ招待されることになった。

『アルカナフォース・エクストラ・ザ・ライトルーラーを召喚!泣いて許しを乞うがいい!!』

 顔芸と呼ばれる凄い形相と成ったアニメキャラを見てワクワクするヴィータ。

「すげぇ〜こいつ、先の顔からすげぇ変わりよう」
「人格が変貌するキャラクターと言うところか」

 ヴィータの見ているアニメを横で眺めているシグナム。
 今日は剣道の稽古が休みなので、現在ソファーで休んでいる。
 そろそろ晩御飯の準備の時間なので、食事が出来るのを楽しみにしている2人である。
 シグナムが座るソファーの横で伏せている獣型形態のザフィーラは、退屈そうに目をつぶっている。
296リリカルスクライド//G.U.携帯:2007/11/30(金) 21:18:39 ID:9vr7I/rH
自ら支援
297リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/11/30(金) 21:19:41 ID:/irscSM9
 その時、チャイムが鳴る音を聞きヴィータは主が帰ってきたと思い急いで出迎えに行った。
 相変わらずやんちゃだなと思いながら、シグナムも出迎えに玄関へと向かう。
 そこには、はやてとシャマル、はやての友人である月村すずか、そして見知らぬ男女が立っていた。

「その方々は?」
「はやて、そいつら誰だ?」
「こら、ヴィータ。初めて会う人に言う言葉遣いやない」
「イタィ、ごめん。はやて〜」

 ヴィータのほっぺたをぎゅっと摘まんで叱るはやてに、ごめんなさいと誤るヴィータ。
 そのアットホームな雰囲気にクスっと笑うすずか、シモン、ニアの3人。

「さぁ、上がってな。自己紹介はお茶を飲みながらでもしよう」

 はやてに言われて「失礼します」と言って家の中へと入って行くシモンたち。
 リビングに通されたシモンたちは、椅子に座るように言われ、言われたとおりに座る。
 机にお茶を出してもらい、やっと自己紹介に移った。

「そんじゃ、家の子達を紹介するなー。胸が大きいのがシグナム。元気いっぱいな子のヴィータ。そんで、先程話したシャマルや。
そんで、家のペットのザフィーラや」
「主はやて…その、胸が大きいとかは」
「あはは、冗談や。しっかりモノのシグナムは、近所の剣道場で非常勤の講師をやってます」

 そんな温かい雰囲気の中での挨拶の後、シモンとニアの自己紹介が始まった瞬間、シャマル以外の2人と1匹は目つきを鋭くした。
 仲間達が突然、強張った顔つきになった事に気づき念話でシグナムに聞くシャマル。

(突然どうしたの?真剣な顔つきになって)
(あの、主はやての友達の知り合いと言う者たち…昨日戦ったロボットの操縦士だ)
(えぇぇ、何で知ってるの?)
(自分達で名乗り上げていたからな。我々も名乗り上げたが…まさか、こんなにも直ぐ見つけられるとは、不覚)
(おい、どうするんだよ?はやての前じゃ、あいつら叩けねぇぞ?)
(落ち着けヴィータ。相手も俺達の素性を晴らしに来た訳では無さそうだ)
(何で、そんな事分かるんだよ?ザフィーラ)
(シャマルのセンサーに魔道師の反応が無かった。要するに、この2人は魔道師ではない)
(ってことは、まだ管理局にバレて無いって事か!そんじゃこいつらをここで倒せば)
(早まるなヴィータ。そんな事をすれば、管理局側に発見される可能性が増える)
(ここは、相手の出方を見てみましょう。だから、落ち着いてね。ヴィータちゃん)
(くっ、わぁ〜たよ)

 そんな風に会話がされていると、ニアが言った一言に顔を見合すヴォルケンリッター達。

「お友達になりましょう」
「「「……えぇぇぇ!?」」」
「どうしたんや?みんな。そんなに驚いて」

 うふふ、みなさん驚いていらっしゃいますね。
 お友達になって、お互いにお話できれば戦いなんて起きないのです。
 まずは、知り合いになって分けを聞いて、こんな事件を起こす理由を聞きたいのです。
298反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/30(金) 21:20:44 ID:B4Gz/2Xs
予想外の斎王噴いたwwwww支援
299リリカルスクライド//G.U.携帯:2007/11/30(金) 21:21:49 ID:9vr7I/rH
再び支援
誰も居ないとは想定外
300リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/11/30(金) 21:22:04 ID:/irscSM9
 もし、止めることが出来ない重大な事ならお手伝いしてあげたい。
 事前にシモンには話していたので、他の皆さんのように驚いていません。
 さぁ、これからが私の大勝負です。
 お友達とのお食事会作戦開始です!

「はやてちゃん、今からお食事の準備ですか?」
「そやな。午前11時過ぎやし…そんじゃ、すずかちゃんと、シモンさんとニアさんも一緒にご飯食べて行く?」
「良いの?はやてちゃん」
「当たり前や。お友達に料理を振るうのも楽しみ内や」

 すずかは、はやての満面な笑顔に断れないなと観念し、携帯で家へ連絡を入れる。
 ニアも、携帯でハラオウン邸へと連絡を入れる。
 その行動に冷や汗が流れるヴォルケンリッター達だったが、ニアの通話を聞くとそんな不安は取り越し苦労となってしまった。

「はい。お友達のお家で食事を頂いてきます……はい。お礼はキチンと言います。はい。ごきげんよう」

 そして、この後にヴォルケンリッター達へ舞い降りる不幸へのカウントダウンは、この瞬間から始まっていた。

「はやてちゃん。私も、お料理のお手伝いをさせて頂けませんか?」
「なんや、お客さんはお客さんらしく待っててもらってもええんよ?」
「シグナムさんたちとお友達になりたいんです。是非料理を食してもらいたいんです」
「ん〜ええよ。そんじゃ、ニアさんは、どんな料理作れるんや?」
「お料理は、御家で習ってきましたので何でも作れますよ」
「それじゃあ、そうや!わたしとニアさんで、料理勝負でもしよか!」
「わぁ〜面白そうですね。是非やらせてください」

 こうして、シモン以外にとって地獄の料理ショーのゴングが鳴ったのである。

「ふふふ〜♪」
「ニアさん、食材の切り方がうまいんやなあ」
「そぉ〜れ!」
「わぁ!ニアさん、そんなにコショウ入れたらあかんて!」
「大丈夫大丈夫♪」
「えぇぇぇ!!そんなに煮込んだらあかん!!」

 聞いているだけで、地獄の料理が完成されようとしているのは誰の目にも見えた。
 その中で、シモンだけはニアの料理の完成を楽しく待っていたのだった。

「はい。完成しました!たぁ〜んと召し上がれ」

 そして、悪夢の食事が始まり、そして、終焉を迎えた。

「ト、トイレェェェェェ!」
「き、気持ち悪い」
「舌がヒリヒリする…」
「あはは…ちょっと、味付けを間違えた見たいやな…ちょっとやないか…ガク」
「目眩が…あぅ」
「ん?みんな、どうしたの。美味しいのに」

 1人だけ黙々とニアの料理平らげるシモンの姿があった。

ニアによる悪夢の料理は、シモンの胃袋へ収納される事で終幕を迎え、口直しに、はやての料理でヒリヒリする舌の食感を元に戻すことに成功する。
301リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/11/30(金) 21:24:21 ID:/irscSM9
はやてとすずかは、苦笑いながらニアの料理の評価をするが、ヴォルケンリッターの面々は、悪意があっての仕打ちかと疑いの念を抱く。
しかし、その原因を作った本人は、全く不味い料理を作ったとは思って無いので始末が悪い。
 ニコニコ顔のニアと、その彼女の料理を全部食べた男を見てどうするべきかと考えるヴォルケンリッター達。
 そんな時、ニアからの提案が出された。

「あの、はやてちゃん。シグナムさん達とお話がしたいのですが、お外でお話しても宜しいですか?」
「え?ここで話したらええちゃうん?」
「それは…お年頃の女の子の秘密です」

 その一言には、流石のはやてでも介入するわけにも行かず、シグナムとシャマルをニアとの話し相手にと向かわせた。

「それじゃあ、俺も…」
「シモンくんは、ここで待機や。ヴィータもやで」
「はーい」

 庭へと出たニアと、シグナム&シャマルは対峙する。

「何の用で我々の前へ出てきた。返答次第では―」

 シグナムは殺気を放ち、目の前で立つ少女を怖気つかせようとする。
 だが、ニアは真っ直ぐシグナムとシャマルを見つめている。

(まったく臆せぬか…抜けているのか、それとも修羅場を潜り続けてきた…か)
「シグナムさん。お聞きしたいことがあります」
「ん、何だ?」
「あなた方が望んでいる結果とは何ですか?」
「結果…だと?」
「はい。結果です」

 ニアの真剣な眼差しから、ふざけている訳では無いとシグナムとシャマルは思う。
 答えてやるべきか、返答せず後で記憶を消すかと悩む2人。
 後者は、実際に使いたくない最終手段である。
 前者で答えを出せば、もしも管理局側にバレた場合、主はやての安否が危うくなる。
 悩むシグナムだったが、シャマルと目線を合わせると頷いて見せてくれた事から、前者を選ぶことにした。

「私達の求める結果は、主はやての病気を完治させる事のみ」
「はやてちゃんが車椅子に乗ってることから、どんな病気か分かる?」
「…足が動かないのですか?」
「そう、はやてちゃんは闇の書の機能によってリンカーコアが蝕まれている状態なの」
「それを止めさせるためには、闇の書の完成が必要」

 シグナムさんと、シャマルさんのお話によると、闇の書と呼ばれるデバイスは、リンカーコアと呼ばれるモノを取り込み、ページを増やしていくらしいです。
302節制の14 ◆6EgzPvYAOI :2007/11/30(金) 21:24:49 ID:Ha6FNtaZ
ジャイアンシチュー支援。
303名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/30(金) 21:26:35 ID:4oykHSHs
ならば支援
304リリカル.exe:2007/11/30(金) 21:31:14 ID:XWml7YAA
子安自重wwww支援
305反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/30(金) 21:35:25 ID:B4Gz/2Xs
1.顔芸が凶悪面
2.緑色の光
3.中の人がかつて新ゲッターで晴明演じた子安
4.宇宙の波動
そんなこんなで、彼もケン・イシカワパロディキャラだったんではないかと思うんだ支援
(GXはパロディ大好きですし)
306名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/30(金) 21:43:04 ID:lGgiJqcZ
斎王ふいたwww
支援させてもらう。
早く規制解除されれば良いね
307名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/30(金) 21:50:33 ID:Qo9YdwOv
支援!
22時になれば解除……のはず。多分。
308リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/11/30(金) 22:06:21 ID:/irscSM9
 今までは蒐集しなくても良かったらしいですが、急に闇の書がはやてちゃんのリンカーコアを蝕み始めたらしいのです。
 それを止めるためには、闇の書のページを増やし管制プログラムの起動が絶対条件らしいのです。
 管理局へ助けを求めようものなら、はやてちゃんを拘束され自分達も封印される可能性があり、助けを求めることが出来ないとの事です。
 2人のお話を聞いていて、私はある決心をしました。

「分かりました。その蒐集のお手伝いをさせて下さい」
「……えっ!?お前は何を言っている。自分の立場が分かっているのか?」
「分かっていますよ、シグナムさん。私達は別の世界から来た人間です。だから心配後無用です」

 そう、心配後無用なのです。お友達になるのなら、全力で協力を惜しまないのが私達大グレン団なのですから。

 話を終えて、部屋へ戻ってくるとテレビゲームで惨敗して涙目なシモンと上機嫌なヴィータの姿があった。
 こうして、午後3時過ぎに八神邸を後にし、シモン達はハラオウン邸へと戻っていった。
 帰り道の途中で、ニアから事の一部始終を聞いたシモンは、ニアに言った。

「ニアの判断は正しいよ。仲間が苦しんでいるのを放ってなんていられない。彼女達も助けたい者のために動いている。
なら、助けられる命があるのなら全力で協力しよう」
「ありがとう…シモン」

 日が落ち始める中、2人は真っ直ぐ家へと歩いていった。
 

『シモンとニアの行動が、この世界の運命を内側から貫く。だが、その行為が正解かどうかは、結果によって決められる』


309リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/11/30(金) 22:08:56 ID:/irscSM9
おまけ
「アルフと〜」
「ザフィーラと」
「ブーブー!」
「「使い魔(守護獣)通信!」」「ブッブーブー!」
「ついに第二話が投下されちゃったね、ザフィーラ」
「お前とは、戦い以外で会話をしたのは闇の書事件後だったな」
「そうだねぇ〜あの後とか子犬フォームの練習は傑作だったよね」
「…思い出したくも無い」
「ブブー?」
「あ、ブータごめん、ごめん。仲間はずれにした訳じゃないんだよ」
「ブッブブゥ〜♪」
「そんじゃ、本編の解説をするよ〜シモンとニアとブータが乗ったグレンラガンがフェイト達を差し置いて、
ヴォルケンリッター達と対峙しっちゃって、あら大変」
「初めて見たときは、何の冗談かと思った…だが、実力はシグナムが認めるほどだ」
「ブブー!」
「あはは、あんたも凄いよ、ブータ」
「だが、高町なのはとフェイト・T・ハラオウンの2名に言われ手を引いたな」
「まぁ、なのはもフェイトも頑固者だからねぇ。この前の借りを返したかったんだよ」
「ブブゥ〜?」
「え?女の子がする事じゃない?古いね〜ブータは(笑)。今は、そんな男勝りな女の子に人気があるのよ」
「話が脱線したが、シャマルを助けた仮面を被った男…奴の正体は」
「あ、ストップ!そこから先はネタバレになるよ」
「すまん」
「それで、リンディお母さんに叱られたシモンとニアは、フェイトに誘われて外に遊びに行くんだ」
「着いた公園で、シモンとニアはヴィータを発見したのだな」
「そうだね〜まぁそれは置いといて、ニアの放った技に突っ込みは無いのかい?」
「いや、作者が直感で思い浮かんだネタにどう言えと?」
「…ごめん。そんで、シモンたちはヴィータを追跡して、はやてちゃんのお家を発見しちゃった」
「戦闘以外では、気が抜けているからな…」
「そんでもって、そのままお家に招待された後…まぁ、凄かったらしいね、料理」
「…思い出したくも無い」
「あはは(汗)」
「そして、ニアとシグナムとシャマルによる密談が交わされた」
「まさか、蒐集の手助けをしようとするなんて予想もしなかったよ」
「今後のシモンとニアの行動には注意だな」
「そんじゃ、今回はここまでぇ〜。みんな、次回の投下を期待せずに待っててね♪」
「バイバイ〜」「さらばだ」「ブブー」
おしまい
310リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/11/30(金) 22:11:09 ID:/irscSM9
投下完了です。
支援ありがとうございました。
修正部分を書いておきます(つー;)

>>289
第二章を第二話に修正お願いします。

>>300
×1人だけ黙々とニアの料理平らげるシモンの姿があった。
○1人だけ黙々とニアの料理を平らげるシモンの姿があった。
311名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/30(金) 22:19:01 ID:XNuNmbpH
GJ。まぁ予想してたけどね。アイツらの性格を考えると。これからに期待。
312名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/30(金) 22:40:19 ID:CtDKp1RB
こうして見ると二アとシモンとマジで良いカップルなのに・・・。なぜだ!!
本編では血涙TT。せっかくのクロスだから魔法で何とかできないのか・・・。
つくづく思う。それにしてもシモンって胃袋が凄すぎ。
313なのウタ:2007/11/30(金) 23:59:46 ID:jv8RM3BP
GJ!

ついでにbugの一発予告作成中に受信した替え歌を投下
歌いにくいところがあるのは仕様だゼッ
314なのウタ:2007/12/01(土) 00:00:58 ID:jv8RM3BP
純白の悪魔のテーゼ (元ネタ:残酷な天使のテーゼ)


純白の悪魔のように 少女よ エースになれ

ずっと願ってた 救われたあの時から 貴方だけをただ目指して 追い続けるあたし

一緒に歩んできた 頼りになる親友と 互いの夢叶えるために 駆け抜けてきたよ 

だけどいつか気づくでしょう その拳には 過去の誓い 果たすための力あること

純白の悪魔のテーゼ 部隊から やがて駆け出す

ほとばしる蒼い魔力で 思い出を力に変えて

この空を駆けて輝く 少女よ エースになれ
315名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/01(土) 01:35:11 ID:oDlQgr5a
ああ、次は映像付きでyou tubeにうpだ
316名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/01(土) 08:51:56 ID:8mGdLGAa
ここの流れの速さを甘く見ていた…
慌てて殴り描きましたらくがき挿絵が、Strikers May Crys九話を支援いたす。
ナイフとか色々うろ覚え。
こんななんちゃって絵描きじゃなく、そろそろ本物の絵描きが降臨しないかなぁ

http://kjm.kir.jp/pc/?p=48229.jpg

九話のバージル兄貴の目…養豚場のブタでも見るかのように冷たい目だ。
残酷な目だ…「かわいそうでもなんでもないが明日の朝にはお肉屋さんの店先に並ぶ運命だ。ダァーイ(ゲーム音声)」ってかんじの!
317名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/01(土) 09:04:53 ID:XacNmQTd
>>316
GJ!すぐる。
このツン具合が堪らん。
318反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/12/01(土) 11:14:55 ID:zgwz2Duj
畜生…携帯からでは見れない…orz
では自分も久々に替え歌を。今回はデバイスソングではないです。


札(ふだ)、無音、砂漠にて。
(元ネタ:雪、無音、窓辺にて。)

音も無い世界に 放たれた I was card

誰かに呼ばれて 誰かを倒して
繰り返し無駄なことだった
折れないアンタに めげないアンタに
出会ったその日までは

流れ出す強い想い 力になると
気が付いた どこまでも捧げるさこの破壊剣(つるぎ)アンタだけに

存在が変わる程の 愛に生きてみたくなる
闘志へと情熱へと 繋がれば戦場に立ち
愛しさに抱かれながら また今日も剣を振る
ゆるやかに振る 風じゃなくてもっと鋭い剣風(かぜ)

色がない砂漠で 見つけたぜ You are star

(歌:バスター・ブレイダー)
319Strikers May Cry:2007/12/01(土) 11:42:54 ID:cXWGSqcg
おおお!またもや神降臨ですか、覇気に満ちたチンク姉の目がたまらんです。
320リリカル遊戯王GX:2007/12/01(土) 11:59:07 ID:Alnb/vMt
>>316
兄貴以上にチンク姉もかっけぇ・・・!
断言するぜ、あなたは絵師だ!

>>318
どこまで俺の手を離れるバスターブレイダーwwww
321名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/01(土) 12:45:31 ID:CX1JD5t7
>>316
バージルかこいいよバージル
 

セイン「助けに行こうとした瞬間に……(((((( ;゚Д゚)))))ガクガクブルブル」
322リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/12/01(土) 12:48:00 ID:/wqHQDJP
>>316
絵が上手ですね〜
自分の絵なんて、かなり下手で涙が(つー;)

さて、第三話ではグレアムさんの極悪非道にブチ切れシモンを登場させようかと構想中
そこでアイディア募集なのですが、グレンラガン相手に闇の書状態のリインフォースでは分が悪いので、
蒐集した召喚魔法で呼び出すお相手を募集します。
極力古くなく、やられてもOKな敵でよろしくお願いします。
書き込みはウロスSSの方でお願いしますです。
323名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/01(土) 14:57:30 ID:hZ7+hKQl
はやての件はどうみても生贄だからなー
ぶん殴るところが楽しみだwww
324名無しさん氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 16:46:14 ID:TV3MpdqR
某<魔界刑事>ならグレアムファミリー嬲り殺し確定ですな。
あるいは、はやてがなんかの奇跡で某<魔界医師>の患者になったら、
グレアムファミリーは解体されるか、八つ裂き状態で無理やり生きたまま
にされるか、解体されて患者に臓器を提供されるでしょう。
325マスカレード:2007/12/01(土) 19:53:18 ID:oO68yadp
このまま誰も投下しないのであれば、8時過ぎ頃から仮面ライダーカブト第1話を投下したいのですが、ぉKでしょうか?
326リリカルなのはFeather :2007/12/01(土) 20:10:33 ID:J8LBt2VQ
新作楽しみにしてます 支援
327名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/01(土) 20:12:08 ID:lLsbGv3j
カブト一作に絞ったSSか・・・
支援
328 ◆sP9nVRi1sI :2007/12/01(土) 20:17:25 ID:tGpoRj6N
投下が無いのは、ライダーロワの最終話を呼んでいるからと見た支援
329マスカレード:2007/12/01(土) 20:24:18 ID:2WFtTudc
フェイトとシグナムは、荒れ果てた荒野を歩き続けていた。
ここはかつて首都であった東京から、数十q程離れた場所。
「シグナム……もうどれくらい歩きました……?」
「さぁな……だがここに来るまでで、かなりの数のワームを倒している。私達のしてきた事も無駄では無かろう」
「……そうだね……それで誰かの命が助かったなら……」
フェイトは、明るく微笑んだ。
ZECTはネオゼクトとの戦闘の為に、民間人の救助を後回しにしている。
それにより、もちろんゼクトルーパーの出動は遅れる事になる。こうしている間にも民間人は死んで行くというのに。
元管理局のメンバーは、ほぼ全員が民間人である。それ故に、彼女らは同じ民間人を見殺しにはしたくないのだ。
だからフェイト達は自分の足で旅をし、本来ライダーが派遣されないような場所でも救助活動を続けるつもりなのだ。
「でも、本当に良かったの?シグナム……はやてと一緒にいなくて……」
「構わん。それにテスタロッサに付いて行くのは、主はやての命令でもある」
「そう言ってくれると助かるよ……」
シグナムの言葉に安心し、フェイトはまた「フフ……」と笑い始めた。

所変わって、東京・ZECT本部。
ここは、元管理局勢力……通称『八神班』に割り当てられた、いわゆる作戦会議室である。
部屋の奥には大きめのデスクがある。壁にはいくつものモニターがあり、まさに秘密基地といった雰囲気だ。
基本的に、なのは達は本部にいる間はこの場所に集まっている。
現在集まっているのは、はやて・なのは・ヴィータ・シャマルの4人だ。一応小さいザフィーラはいるが、こちらは1匹とカウントしよう。
「それで……これ、どうするの?」
「どうするって言われても……本部からの命令やし……」
「たくっ……本部の奴ら、また私達に面倒事を押し付けやがったな……」
各々が困った顔で、同じ方向を見ている。
彼女らが見ているのは、部屋の中央の巨大なデスク。いや、その上に乗っているアタッシェケースだ。
「加賀美の野郎、どんなつもりで私達にこんなもん寄越しやがったんだ……!」
「まぁ落ち着き、ヴィータ……」
「……でもはやて、こいつは……!」
「わかっとる……まずは、どういう事か説明して貰わなな」
ZECT士官隊長クラスの制服を身に纏ったはやては、くるりとイスを回転させ、部屋の巨大なモニターに視線を移した。
同時に、ZECTロゴを流し続けていたモニターは、その画面を変えた。

「……これはこれは、八神班の諸君。全員揃って……は、いないようだな」
「大和さん……」
なのはがその名を呟く。モニターに映っているのは、ZECT戦闘部隊長『大和鉄騎』だ。
戦闘部隊長と言うだけに、大和はZECTの全戦闘部隊を統括している。それ故に、はやて達も、大和の命令には従わざるを得ないのだ。
「オイ大和、テメェ今度は何企んでんだ?私達にこんなモン送り付けてきやがって……」
ヴィータは、上官である大和を睨んだ。基本的にヴィータは、嫌いな相手なら例え上官であれ、タメ口で話すのだ。
330名無しさん@お腹いっぱい:2007/12/01(土) 20:29:53 ID:S1cMMq79
支援
331 ◆sP9nVRi1sI :2007/12/01(土) 20:30:57 ID:tGpoRj6N
しえーん
332マスカレード:2007/12/01(土) 20:34:01 ID:2WFtTudc
だが、もちろん大和にとってそれは許し難い行為だ。大和は逆にヴィータを睨み返した。
「貴様……口の聞き方には気をつけろよ?」
「あんだと!?」
「フン……どうやら貴様は、上官に対する口の聞き方を知らないようだなぁ?」
「うるせーよ!矢車ならまだしも、私はテメェを上官だと認めた覚えはねぇ!」
拳を握り締めるヴィータ。どうやらこの大和という男、ヴィータとは犬猿の仲らしい。
大和はヴィータを完全に見下し、またヴィータは大和に敵対心を剥き出しにしている。
「まぁいい……貴様のようなガキには何を言っても解らんだろうからな」
「んだとテメェ!もっかい言ってみろ!」
「もう……ちょっと落ち着いて、ヴィータちゃん!」
フンッと嫌味に笑う大和。さらに食い下がるヴィータを、シャマルが宥める。このままでは一向に話が進まないと判断したからだ。
こういう話は隊長同士で進めた方が早い。今度ははやてが、アタッシェケースをモニターに向けた。
「で、大和さん……これは一体、どういう事なんでしょうか」
「これはこれは八神隊長、貴女ならそこのガキと違ってまともに話せそうだ」
その言葉に、はやては一瞬だけ眉をしかめた。それもそのはずだろう。ヴィータの悪口を言われて、はやてが喜ぶ訳が無い。
そもそも大和は、ZECTへの絶対的な忠誠心を誓っている。対象的に、はやて達はZECTにいながらも、ZECTのやり方に完全に賛同している訳では無い。
しかも、はやて達は元々は別の組織の一員であったのだ。それ故に、大和は八神班のメンバーをあまり信用してはいないのだ。
「そんなことより、このケースのライダーシステムを、私達にどうしろ言うんですか?」
アタッシェケースを開けるはやて。中に入っているのは、紫の刀。
「それは我々ZECTが開発したライダーシステム第4号・サソードシステム……その刀はサソードの変身ツール、サソードヤイバーだ」
「第4号……?」
大和の言葉に反応するなのは。
「第4号って……ガタックやケタロスよりも以前のライダーシステムですよね?それがなんで今更……」
「そういえば……ZECTのライダーには4号の型番が欠落してるって噂を聞いた事がある……」
今度はシャマルだ。
シャマルも噂話程度にしか聞いた事は無いが、今現在ZECT製ライダーは0号〜8号まで存在する。
未だ資格者が発見されない1号−カブト−と、裏切った3号と6号を除くと、0号と4号が存在していない事になる。
「どういうことだよ?金のライダーって奴とは違うのか……?」
「ううん、黄金のライダーは私達に姿を見せないだけで、ちゃんと活動してるみたい……」
ヴィータの疑問に答えるシャマル。
流石シャマルと言うべきか。凄い情報網だ。八神班の諜報活動担当だけの事はある。
333名無しさん@お腹いっぱい:2007/12/01(土) 20:37:24 ID:S1cMMq79
支援!
334 ◆sP9nVRi1sI :2007/12/01(土) 20:41:22 ID:tGpoRj6N
支援
335マスカレード:2007/12/01(土) 20:45:27 ID:2WFtTudc

「貴様達が知らなくても無理は無い。サソードはまだロールアウトされたばかりだからな」
「……で、このサソードシステムをどうすれば……?」
はやてはアタッシェケースを閉め、話を戻す。
「どーせまた厄介な仕事押し付けるつもりなんだろ?」
後ろで腕を組みながら悪態をつくヴィータ。だが大和は既にヴィータなど眼中に無いらしく、そのまま話を続ける。
「本部からの通達だ。そのサソードヤイバーを、お前達八神班にくれてやる」
「「「……なッ!?」」」
大和の意外な言葉に、一同は目を見開いた。本来なら、受領するだけで部隊長クラスにまで昇格できる筈のライダーシステムを、何故?
ましてや、あの大和が八神班のメンバーにライダーシステムを譲るとは、どうにもきな臭い。
「何故、これをウチに……?」
「貴重なライダーシステムを貴様らにくれてやるのは釈だが、どうやら本部は八神班の……シグナムをサソードの資格者と判断したらしい」
「……確かに、シグナムさんなら、剣術にも長けてるしね」
納得するなのは。シャマルとヴィータも、シグナムならば似合うかもしれないと頷く。
「ですけど、シグナムは今いません。いない相手に、どうやってこの刀を渡せと……?」
「ならそれを奴に届けろ。ZECTに反旗を翻した愚か者共を叩き潰す為に、今は一人でも多くのライダーが必要だからな」
それだけ言うと、モニターはまた元のZECTロゴマークに戻った。向こうから通信を切られたのだ。
ヴィータからすれば、こう言った大和の態度がまた腹立たしい。

一同はため息をつきながら、サソードヤイバーを見詰めた。
「シグナムさんがライダー……か……」
「でも、やったじゃねぇか!これで八神班をバカにする奴も減るだろ。なんせウチにはライダーがいるんだからな!」
ヴィータは、浮かない顔をしたなのはを励ますようにサソードヤイバーを両手に構え、振り回しながら言った。
「私はできれば、シグナムにはライダーになって欲し無いねんけどな……」
「え……どうして、はやてちゃん?」
シャマルはキョトンとしながらはやてを見た。八神班にもライダーが居るとあらば、ZECT隊員達の見る目も変わるというのに。
「シグナムは今、ZECTから離れて、民間人の皆さんを助ける為に旅をしてるんや……
それやのにこんな物渡してもうたら、シグナムは今度こそ完全にZECTに従わなあかんようになってまう」
「そうだよ。そうなれば、一緒にいるフェイトちゃんにも、何かしら影響が及ぶだろうからね……」
なのはとはやての言葉に、ヴィータは動きを止めた。「あ……そっか……」というような表情だ。
事の深刻さに気付いたヴィータは、そのままサソードヤイバーをはやてに渡した。
こんな時は、なんでもいいから提案してみるに限る。シャマルは、恐る恐る声を発した。
「……じゃ、じゃあ、シグナムだけこのままZECTを離れちゃえば……」
「んなことしたらネオゼクトと一緒だろうが!」
「うん……シャマルさんも聞いたでしょ?大和さんの言葉……」
「はい、ごめんなさい……」
即効で二人に却下されたシャマルは、ショボーンと俯いた。
336名無しさん@お腹いっぱい:2007/12/01(土) 20:53:21 ID:S1cMMq79
支援します!
337マスカレード:2007/12/01(土) 20:58:18 ID:2WFtTudc
大和はさっき、「ZECTに反旗を翻した愚か者共を叩き潰す」と言った。
もしもシグナムがZECTを離反しよう物なら、シグナムは全てのZECTライダーを敵に回す事になってしまうのだ。

数分程、一同が「どうしよう……」と考え込んでいると、部屋のドアが開いた。
「あの……お話終わりました……?」
「蓮華ちゃん……?」
部屋に入って来たのは、『高鳥蓮華』だ。本部直属の隊員という噂だが、何故かZECT見習い隊員の制服を着用している。
なのはやはやての制服は赤いスーツに、左肩にはマントというスタイルだ。対象的に蓮華の見習い隊員制服はやけに動き安そうである。
「上官に言われて、サソードヤイバーの説明しに来たんですけど……」
「あ、どうぞどうぞ……まぁ座ってよ」
笑顔でイスに誘導するなのは。
ちなみに蓮華はまだ18歳……つまり、19歳のなのはよりも1歳年下だ。
着席した蓮華の前に、サソードヤイバーの入ったアタッシェケースが置かれる。
蓮華は開いたケースを、皆に見える角度に回転させると、説明を開始した。
「サソードヤイバー……これは従来のライダーシステムとは勝手が違います」
「勝手が違う……?」
「はい。まず、従来のライダーシステムとの大きな違いは、誰でも装着可能という所にあります」
その言葉に、ヴィータは目を輝かせた。ヴィータは以前から、心のどこかでライダーシステムに憧れていたのだ。
「誰でもって事は、私でも変身できんのか!?」
「いえ……それは……誰でもと言っても、資格者である事が前提ですから」
「なんだよ……じゃあ誰でもじゃねぇじゃんかよ……」
ヴィータは落胆しながら、着席した。心情的には、持ち上げて落とされた感覚だ。
「資格者がサソードゼクターを呼び出して、この刀に装着する事で、サソードへの変身が完了します。そこまでは従来のシステムと一緒です。
サソードの特徴は、全身を駆け巡るポイズンブラッドにより、どんな人間が装着しても、システムに同調できる……という所にあります」
「要するに、ゼクターに選ばれた人なら、そのポイズンブラッド?の効果で誰でも変身できる……って事でええねんな?」
「はい……このポイズンブラッドの調整に手間が掛かり、他のライダーよりもロールアウトが遅れたそうです」
蓮華は一通りの説明を終えると、立ち上がり、サソードヤイバーを右手に持ち、構えた。
「後は、サソードゼクターに選ばれるに足る精神の持ち主が居れば、サソードは誕生します。
そこで、八神班のシグナムさんがサソードの資格者として適任。と、判断された訳です」
次の瞬間、蓮華は見事な太刀筋でサソードヤイバーで空を斬った。なのは達も、「おぉ〜」と拍手を贈る。
シグナムには及ばないまでも、かなりの腕前だ。

「確かに、シグナムさんは管理局……ううん、ZECT内部でもかなりレベルの高い剣術使いだからね」
「そうね……刀を使わせたら、シグナムに勝る人はそうは居ないわ」
「だからこそ、これはシグナムさんが持ってるべきなんです♪」
なのは達の言葉を聞きながら、蓮華はガチャッと音をたてて、サソードヤイバーをアタッシェケースにしまった。
338名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/01(土) 21:00:14 ID:lLsbGv3j
なのは達のゼクト制服姿か・・・
これはちょっと見てみたいかも支援
339名無しさん@お腹いっぱい:2007/12/01(土) 21:00:17 ID:S1cMMq79
支援します
340 ◆sP9nVRi1sI :2007/12/01(土) 21:01:58 ID:tGpoRj6N
あの微妙に小物臭のするマントか支援
341リリカルなのはFeather :2007/12/01(土) 21:11:34 ID:J8LBt2VQ
昔の敵の幹部クラスが着けていそうなマント支援
342マスカレード:2007/12/01(土) 21:14:49 ID:2WFtTudc


一方のシグナム達は、東京から離れた場所で、ワームを斬り続けていた。
かなりの数のワームだ。道路を端から端まで角の生えた緑色のワームが埋め尽くしている。
「ハァーーーッ!」
燃え盛る魔剣を振るい、一匹、また一匹とサリスワームを爆発させてゆくシグナム。
だが今回ばかりは数が多すぎる。フェイトもシグナムも、お互いをフォローする余裕は無い。自分の戦いでいっぱいいっぱいだ。
フェイトとしても、この数の相手に、カートリッジと魔力を消費するザンバーフォームを使用したくは無い。
フェイトはバルディッシュをハーケンフォームに変型させ、ワームを真っ二つにしてゆく。

だが……
「キリが無い……!こいつら、倒しても倒しても数が減らない……!」
「らしくないぞテスタロッサ……弱音を吐くとは……!」
既に二人は百を越える数のワームを爆発させている。だが、一向に数が減らないのだ。
見渡す限り緑の体に覆われた道路は、かなり異様な光景だ。
「ZECTの戦闘部隊が来るまで、後どれくらいですか……!?」
「解らん!増援は期待するな!とにかく倒しまくれ!」
シグナムが刀を振るう度に、ワームは爆発し、フェイトが鎌を振り下ろす度に、ワームは数を減らしてゆく。
二人のすぐ後ろには、まだ多くの民間人が取り残された町が存在する。
故に、ワームを例え一匹たりとも、町には入れる訳には行かない。町の前方の防衛ラインは、なんとしても死守するつもりだ。
もしもこいつらを町に入れてしまえば、間違いなくこの町の人々は皆殺しだろう。
そんなことは絶対にさせない。
こんな奴らに、町を渡す訳には行かない。フェイトもシグナムも、自分にそう言い聞かせながら戦う。

それから、戦闘時間は軽く1時間は経過した。二人はワームを斬り続ける。斬って斬って斬りまくる!
シグナム達も、こんな数のワームと戦った事は無いことは無い。だが、それは八神班の皆が一緒に戦ってくれたからだ。
たった二人で、千匹近くいるワームを殲滅するのは、どうにも辛いのだ。
「チッ……!」
左手にレヴァンティンの鞘を持ち、ワームの攻撃を防ぎながらも、右手に持った刀でワームを斬り倒してゆく。
表に出してはいないが、シグナムの疲労はかなりの物だ。少しでも気を抜けば、すぐにワームに攻め落とされるだろう。
そしてそれはフェイトとて同じ事。二人はだんだんと防衛ラインに近づいてゆく。ゆっくりとだが、押されているのだ。
「クッ……ZECTどころか、ネオゼクトも来ないのか……!」
「きっと……もうすぐ来てくれるから!負けちゃダメだよ、シグナム!」
フェイトもシグナムも、少しずつだが魔力を消費している。もしもサンダースマッシャー等の射撃魔法を撃ってしまえば、すぐに魔力が底を突いてしまうだろう。
極力魔力を抑えながらも、ワームを爆発させ続ける……そんな努力を続けていた二人を神は見放さなかった。

「撃てーーーッ!!!」

この空間に、大きな声が響いた。同時に、先頭の数十匹のワーム部隊が、嵐の如きマシンガンの銃撃を浴びた。
「やっと来てくれた……!」
「ZECTか……!?」
フェイトとシグナムは、大量のマシンガンが放たれている後方を振り返った。
そこにいるのは、数十人のゼクトルーパー。それはまるで、町の入口を埋め尽くす黒アリの如く。
そして戦闘に立ち、ゼクトルーパー部隊に命令を下しているのは、紺色のスーツを纏った、この部隊の隊長だ。
シャツやマントも全体的に青色を基調としており、左肩に掛かったマントには、クワガタムシを模したZECTロゴマークが施されている。
343名無しさん@お腹いっぱい:2007/12/01(土) 21:24:26 ID:S1cMMq79
支援!
344名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/01(土) 21:25:38 ID:i3XR0hxj
支援
345マスカレード:2007/12/01(土) 21:29:35 ID:2WFtTudc

「加賀美の部隊か……!」
「加賀美……来てくれたんだ……!」
ようやく増援が来てくれた。その事に、フェイトとシグナムの表情は、一気に明るくなった。
その間にも大量のゼクトルーパーが放つマシンガンは、次々とワームを撃ち貫き、緑の炎へ変えてゆく。

「シグナム、フェイト!お前達は下がれ!後は俺の部隊が引き受ける!」
この部隊を指揮する隊長……『加賀美新』が、大きな声でそう言った。
加賀美は隊長クラスである為に、フェイトやシグナムよりも階級は上だ。つまり、これは命令と取る事ができる。
「いや、私達はまだ戦える……と言いたい所だが、ここはその命令に甘えさせて貰おう」
「うん……流石に今回ばっかりは、疲れたかな……」
ここは大人しく、加賀美の命令に従う事にしよう。今はそれが得策だ。フェイトとシグナムはお互いの顔を見合わせた。

二人は、空を飛んでゼクトルーパー隊の背後へと後退してゆく。ここからは、スーパー加賀美タイム(?)だ。
加賀美が、手を挙げる事で、ゼクトルーパー部隊の射撃は止まった。
「俺が変身して戦う!お前達は引き続き援護を頼む……!」
「「「了解!!!」」」
加賀美はスーツのボタンを開け、天に手を翳した。加賀美の腰には、銀色のベルト−ライダーベルト−が輝いている。
そして、彼方から飛来した蒼き流星は、前方のワーム数匹に突撃。そのままワームを貫通・爆発させ、加賀美の手に納まった。
これが加賀美の蒼き戦いの神の力……クワガタムシ型昆虫コア−『ガタックゼクター』−だ。

「変身ッ!!」
加賀美はガタックゼクターを構え、勢い良く越のライダーベルトに装填した!
同時に、ガタックゼクターのランプは光り輝き、電子音が鳴り響いた。
『Henshin!!』
ベルトから拡がって行く銀色の光。加賀美の体は、だんだんと銀を基調とした、蒼きアーマーに包まれて行く。
そして次の瞬間、ゼクトルーパー部隊の先頭に立つ加賀美は、『仮面ライダーガタック・マスクドフォーム』へとその姿を変えていた。
346リリカル.exe:2007/12/01(土) 21:32:09 ID:mRTHME+s
ガタックバルカンってスペック通りだと頭おかしい威力なんだぞ!支援
347マスカレード:2007/12/01(土) 21:33:23 ID:2WFtTudc
投下終了です!
支援してくれた皆さんに感謝!
なのは達が着ているのは、GSLで岬さんが来ていたような制服です
まぁなのは達なら男用の方が似合いそうな気もしますけど……(笑)
一応スバルとかも出す予定はあります
余談ですが、ガタック変身の際のBGMは「KABUTO EXTENDER」が合いそうな気がします
348 ◆sP9nVRi1sI :2007/12/01(土) 21:35:05 ID:tGpoRj6N
80/s以上の連射速度で、ドレイクの銃より威力が上らしい支援
349名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/01(土) 21:36:06 ID:i3XR0hxj
GJです!!

次回のスーパー加賀美タイム楽しみにしています
350 ◆sP9nVRi1sI :2007/12/01(土) 21:37:32 ID:tGpoRj6N
スーパー加賀美タイム宣言w
ゼクトルマシンガンが後期仕様なのも個人的にGJ!
351リリカルなのはFeather :2007/12/01(土) 21:50:54 ID:J8LBt2VQ
GJです
劇場版では殆ど出てないサソード活躍に期待してます
少し疑問があるのですが 何で年下で階級が下のフェイトが加賀美を呼び捨てなのですか?
352名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/01(土) 22:02:29 ID:JsFOd50/
ドラッグオンドラグーンのウェポンストーリ見たけどどれもこれも危険すぎじゃね?
ほとんどロストギア指定レベルとゆうか怨念とか呪い系が多すぎ。
所持していて大丈夫なのかなカイム。
353マスカレード:2007/12/01(土) 22:06:45 ID:oO68yadp
>>350
まぁGSLではドレイクもゼクトルマシンガンに倒されましたからね……

>>351
それは加賀美のキャラのせいですね(笑)
加賀美が素直にさん付けとか先輩とかって呼ばれてるのが想像し辛かったんです
それに加賀美なら呼び捨てにされても怒らないでしょうし。最終回では言い直させてましたけど(笑)

余談ですがGSLでは天道・ひより・加賀美・大介・矢車はキャラが違います
矢車は一発で解ると思いますけど……(笑)
354名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/01(土) 22:07:27 ID:JsFOd50/
  昔、飛べない竜がいた。荒々しい高潔な心
  を持つ彼は人間と交わることはなかった。だが
  ある日、傷ついた若き騎士と一匹の竜が出会う。

  竜は騎士を助けると、彼が目覚めるのを見届け、
  その場を立ち去ろうとした。翼のない竜は、役立
  たずと人に忌み嫌われていたからだ。

  別れ際、騎士が言った。 「この恩は生涯忘れない」
  時が流れ、年老いた竜は人間の軍勢に取り
  囲まれる。竜が死を覚悟したその時……

  「翼なき友よ!長く待たせたな!」あの時の騎士
  が国王となり、数千の兵と共に現れたのだ。
  竜は忘れていた牙を剥き出しにして吼えた。
草原の竜騎槍のストーリが一番好きだ
エリオが聞いたら感動しそう。
355名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/01(土) 22:14:58 ID:lLsbGv3j
シグ姐がサソードか・・・
マスカレードよりもなのはキャラが立ってるGJ!
加賀美はいつもかっこよく登場してオイシイ所だけ持って行かれるからなぁ
マスカレード氏は天道が一番好きとのことですが、その天道はカブトじゃない。その辺にも期待してます
356リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/01(土) 22:19:42 ID:hpQoGB4c
先輩GJ!
実は劇場版カブトとのコラボは僕も考えてます
メンバーは

フェイト、はやて、ヴィータ、ザフィーラ、矢車、シャマル、加賀美、大和→ZECT

大介、シグナム、織田→ネオゼクト

ってな感じで

クロノはネオゼクト反逆時に死亡、なのははフェイトを守って銃弾を受け植物状態。
だからフェイトはネオゼクトの人間に異様なまでの殺意と戦闘欲をむき出しにしている。(なのはは生命維持装置をつけてフェイトの部屋で眠っている)

シグナムはZECTの独裁に失望し(そして大介と一緒に居たいがため)ZECTを脱走。

はやてとその他のヴォルケンリッターはシグナムを欠陥品扱いし、排除しようとする。

矢車とシャマルは恋仲だが、シャマルは自分がプログラムであるため、矢車と自分の関係は許されるものなのだろうか?と悩んでいる。

という感じっす。

劇場版カブトは何か「愛」に対して物足りない気がしたからこんなの思いつきました。
でもキャラの性格著しく違うからこんなの書いたら批判殺到だろうなぁ…
357名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/01(土) 22:33:02 ID:lLsbGv3j
>リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー氏
さすがにそれはやめといた方がいいかと
いろいろ無茶すぎるw
358リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/12/01(土) 22:39:43 ID:hpQoGB4c
ですよねww
友人にも止めとけいわれました。

しっかしテストに修学旅行と書いてる時間がホントにない…
早く先に進めたいのに…

こうなったら最終回一話前は超展開で話しをry
359322 ◆tRpcQgyEvU :2007/12/01(土) 22:52:49 ID:eObFOsRM
私も第五話のBパートを投下していいですか?
360名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/01(土) 22:54:42 ID:iKVmxSjs
支援する!
361マスカレード:2007/12/01(土) 22:58:32 ID:oO68yadp
>>356
シグナムの変わりようが凄まじいですね……
あまりネタバレはしたくありませんが、私はゼクトとネオゼクトの分け方は
なのは、スバル、キャロ→ゼクト
フェイト、ティアナ、エリオ→ネオゼクト
みたいに分けようとか企んでます
こういうペアって絶対二人一組じゃないですか。
はい、キラとアスランです。ヒイロと五飛です。
これ以上はストーリーに関わるので言えませんけど……(汗)


支援します
362名無しさん@お腹いっぱい:2007/12/01(土) 22:58:39 ID:S1cMMq79
こちらレンジャー6!ストーム1君を支援する!
363322 ◆tRpcQgyEvU :2007/12/01(土) 23:01:29 ID:eObFOsRM

「汚いところですまないな。姉の名前は、チンクという」
「チン……ク……ぐぅう!?」
 ストーム1は体を起こそうとした。
 瞬間、体中に激痛が走り、顔面が引きつった。
 とてつもない痛み。まるで、熱した油を体中にぶっかけられたようだ。
 滲み出る脂汗。悲鳴をなんとか口の中に押し留め、ストーム1はゆっくりと体を戻した。

(まいったな。ちょっと動いただけで、まさかこれほど痛むとは……)
 今、自分の体はいったいどうなっているんだろうか。
 ストーム1はなんとか首だけを持ち上げ自分の体へ目を向けると、全身が包帯で覆われているのがわかった。
 割られた額は鉢巻のように包帯を巻かれ、起きあがったときにシーツからはみ出た両手は、ギプスをつけられ鍋掴みのようになっている。
さらには寝巻きの下の胸板。所々が赤く染まった包帯が呼吸に応じて上下に動いていた。
声が出にくいのは、喉だけではなく肋骨もやられているからだろう。
寝巻きとシーツで見えないところも、感触からして包帯だらけになっているに違いない。
一見すると酷い状態だが、じっとしていれば痛みはさほどではない。
それだけが、只一つの救いだろうか。 

「まだ動くことも出来ないか」
 ベッドの側で彼を見下ろしていた少女が独り言のように呟いた。
「まあ、しょうがないか。そんな怪我で、それに――」
 それから少女は顎に手を当て、思い出したかのように付け加えた。

「――それに、一ヶ月も眠っていたのではな」

(なに、一ヶ月だと? そんなに長い間、俺は眠っていたのか?)
 体の痛みと時間の経過が脳を揺さぶり、意識が完全に覚醒した。
 聞かなければならないことが山ほどある。
 二人は無事なのか。彼女等は何者なのか。ここはどこなのか。何故自分はここにいるのか。

 そして――世界はいったいどうなってしまったのか?

 だけど、喋ろうとする度に激しい痛みが喉と胸を焼き、うまく言葉を発せられない。
起きようとすれば、あちこちが悲鳴を上げて、全身が強張る。
それでも出来るだけ体へ負担が掛からぬよう、小さな声で簡単に尋ねた。
364Strikers May Cry:2007/12/01(土) 23:02:48 ID:cXWGSqcg
支援でございます。
365名無しさん@お腹いっぱい:2007/12/01(土) 23:03:03 ID:S1cMMq79
こちらレンジャー8!支援する!
366322 ◆tRpcQgyEvU :2007/12/01(土) 23:03:03 ID:eObFOsRM
「こ……こは……おれは……なぜ……?」
 言い終えた直後に吐いた、盛大な溜息。
 もっと色々聞きたいが今はこれだけで精一杯だ。
 ストーム1が尋ねると、少女はなぜか眉をひそめて「……一ヶ月前のことだ」と静かに語り始めた。

「あの日、とある事情で出かけた二人が帰ってこなくてな。通信も繋がらなくて、姉が心配になってセイン――セインとは姉の妹のことだぞ――と探しに行ったのだ。
 そしたら二人と一緒にお前も倒れていた。皆凄い怪我だった。血まみれで、ボロボロで、あのまま放っておいたら、確実に全員死んでいた」
 お前は今もあまり変わらんがな。と付け加えて少女は続ける。
「それから、二人に自分達を助けたのがお前だと聞いてな。姉はお前なんかを助ける気は無かったが、妹達の恩人を放っておいては目覚めが悪い。
 だからしかたなく、お前も我々のアジトに運んできたというわけだ。二人も生きているぞ。今はまだポットの中だがな」
 そうか、あの子達は生きているか。
ポットが何かはわからないが、少なくとも、今は死んでないことは確かなようだ。
とにかく、生きていてくれて本当によかった。こんな自分にもまだ守れるものがあったのか。

「そ……か……よ……か……た……」
 ストーム1はガーゼを張られた頬を緩めて安堵した。
「よかっただと? 何を言っているのだ、本当に苦労したのはここからだというのに」
 すると少女は瞳に怒りの色を浮かべ、ストーム1をまっすぐに見据えた。
「―――ふん、よく聞いておけ、姉達はお前を連れかえったせいで上の姉達から説教されたのだ。物凄くな!
 ウーノ姉様には『そんな理由で部外者を連れてくるな』と叱られ、トーレ姉様には『お前らはそんなにお人よしだったのか?』と呆れられ、
 クアットロには『へぇ〜これがニコポってやつなのねぇ』と馬鹿にされ……くそッ! 思い出しただけで腹が立つ!」
 そう捲くし立てて、少女は顔を伏せた。
「それにお前は、姉達の体のことを知ってしまった。管理局の者ではないという確実な証拠もない以上、生かしておくには危険過ぎる。
 ……そう姉達に諭されてからはみんな頭が冷えてな、お前のことは処理することに決まりかけていたが……」
 眉間に皺寄せ、少女は再びこちらを睨みつける。
「ドクターがお前を助けろとおっしゃった。だから姉達は、不本意ながらもお前をここで治療したというわけだ」
 そこまで言うと、少女は大きく息を吐いてこちらへ背を向けた。
「お前の事は世話は姉とガジェットがやる。死なせはせんから安心しろ。後、お前の装備はドクターが研究してる。
 それが一段落したら話したいことがあるそうだ。まだ質問したいことがあるならそのときに聞いてくれ」
 説明が終わったのか、そのまま少女はドアへと歩みを進める。 
367名無しさん@お腹いっぱい:2007/12/01(土) 23:03:52 ID:6FIuQLEu
俺に出来ることはせいぜい支援することだけだ!
368×DOD:2007/12/01(土) 23:04:40 ID:Vs04oZzJ
間に合ったッ! 支援するッ!
369322 ◆tRpcQgyEvU :2007/12/01(土) 23:04:58 ID:eObFOsRM
「あ、そうそう忘れてた」
 途中で振りかえり、少女は言った。
「この部屋は常に監視されている。だから、絶対に妙なマネはするなよ」
 そこまで言うと、少女は「こいつのせいで姉のイメージが……」とぶつぶつ呟きながら鉄扉を開けた。
 灰色のコートがふわりと揺れて、腰の辺りにナイフを差しているのが見えた。
 そのまま閉じられる鉄扉。今度は照明まで落とされた。
 
 部屋中を支配する暗闇。
 何もない、誰もいない、耳を聾したような静寂の中、ストーム1はそっと瞼を閉じた。
 眠りのためではない。ただ、考えるために。
 限られた情報で一番考えやすいこと、『彼女等が何者なのか』を考えるために。

 彼はまず、一番無難な予想と最悪の予想を立てて考えてみることにした。
なぜ最悪の展開も考えるかというと、予め考えておいた方がいざと言うときに対策を立てやすいからだ。
彼がストームチームの隊長をしているうちに身についた知恵だった。 
 
 まず初めに考えられることは、彼女等がEDFか民兵組織の特殊部隊であることだ。
確か、EDFでは『異邦人』の技術を応用した、女性限定の特殊部隊設立を計画していると聞いたことがある。
彼はそれを、プラズマ兵器装備の飛行部隊と予想していたのだが、まさかサイボーグソルジャーだったとは。
 
 だけどこれでは説明できないこともある。
なぜ、ドクターとやらは彼の装備を研究しているのか。
EDFの装備は、今や世界中の軍隊で正式採用されているはずだ。
自軍にある装備を今更調べる必要がどこにあるというのだ。民兵組織だったとしてもEDFからの援助があるはずなのに。
それに、なぜ彼女等は自分を処理しようとしたのだ?
例えどんな理由があろうとも、同胞を問答無用で処理しようとするか? 全人類が共闘している今のご時世で?

 それに加えてさっきの少女はナイフを携帯していた。怪我人の見舞いには不必要な道具だろう。
話によれば、この部屋も四六時中監視されているらしい。
なぜ、ただの怪我人をそれほど警戒する必要があるのだろうか?
この予想は不明瞭な点が多すぎる。理想的であるが、可能性としてはあまり高いものではない。
370名無しさん@お腹いっぱい:2007/12/01(土) 23:06:07 ID:S1cMMq79
ストーム1−−−−−!!!支援!
371322 ◆tRpcQgyEvU :2007/12/01(土) 23:06:37 ID:eObFOsRM

 そして最悪の予想は――彼女等が『異邦人』であるということだった。 
 恐ろしいことに、そう考えると全ての疑問に辻褄が合ってしまう。
機械の体も、装備を研究する理由も、自分を処理しようとした理由も、警戒されてる理由も。
あの洞窟のことは奴等の仲間割れ、生かされている理由も、この体を実験か何かに利用するためだとしたら――
考えれば考えるほどに、脳がただの予想を残酷なる結論へ変えようとする。
もしかすると、自分はとんでもなくヤバイ状況にあるのではないだろうか――。

(……ヤメだヤメだ。何を考えてるんだ、俺は)
 ストーム1は自分の愚かさに苦笑した。
 どちらにしても、情報が不足している今では結論を出すことなど出来ない。
推測だけで物事を決めつけるのは大馬鹿者のすることだ。
それなのに、説明出来ないからと言って彼女等を『異邦人』だと決めつける?
バカバカしい。トンでもない暴論だぞ、それは。
一体俺は、何時からこんな馬鹿げた考えをするようになったのだ。

……どうやら、怪我のせいで頭が馬鹿になっているらしい。
ここは大人しくドクターとやらが来るのを待ったほうが得策だな。
聞きたいことがあるならその時に聞けばいい。
今は早く回復できるように眠ろう。考えることは後でも出来るんだから。

 そこで彼は、疑問を持つことを止めた。
疑問の代わりに脳を支配しようとしているのは、眠気。夢の世界からのまたとない招待状。
やっぱり体は、今一番必要なものがわかっていたようだ。

(それにしても、姉は姉はって、自分の事は何も言わなかったな、あの子。
 今度会ったときは、名前くらいは聞ければいいが……)
 その思考を最後に、ストーム1は夢の国へと旅だった、
 自分が一つだけ重大な勘違いしていることにも気付かずに。

――
372322 ◆tRpcQgyEvU :2007/12/01(土) 23:07:35 ID:eObFOsRM
――新暦七十五年 三月十一日 十時一分 スカリエッティアジト――
 
「ふむふむ……ほぅ……これはなかなか……」
 中央に浮かぶホロスクリーンと座椅子以外は何もない、だだっ広い空間。 
 ジェイル・スカリエッティは座椅子に腰掛け、スクリーンを見ながらクスクス笑っていた。
 
 視線の先では、荒野の中で兵士達が銃を手に取り化け物達と戦っていた。
兵士達が銃を乱射しながら突撃していく。カメラの主も一緒になって駆けて行く。
画面の左側にいるエースオブエースによく似た女性兵がゲラゲラ笑いながら銃をぶっ放した。
銃口からは無数の小型爆弾がばら撒かれ、蟻型の化け物を彼女の仲間ごと吹き飛ばす。
携帯火器から放たれる絨毯爆撃のような攻撃。これには流石のスカリエッティも感嘆せざるを得ない。

 響く銃声。怒号。爆音。化け物達の断末魔。
巨大な黒蟻が吐き出した赤い液体を、画面右側で戦っていた兵士が頭から被ってしまった。
兵士は、聞くに堪えられない断末魔をあげながら、あっという間に焼け爛れ、天を仰ぐかのよう両手を掲げ、そのまま仰向けに倒れ込んだ。

『伍長ーーッ!』
 倒れた兵士は知り合いだったのか。
カメラの主は獣のような絶叫を発し、酸を放った黒蟻に銃口を向け――
そのとき、急に画面が乱れて、止まった。
砂嵐のようなノイズが画面に広がっていき、ピーっという音を最後に、真っ暗になって消えた。

「やれやれ、やっぱりまだ全ては見られないか。解析が完了するまでは……」 
 呟いたスカリエッティは、傍らに置いてある、修復されて傷一つ無くなり、何本ものコードに繋がれたヘルメットに目をやった。
 スクリーンに写っていたのは、ヘルメット内のカメラに記録されていた戦闘映像だった。
 プロテクトの解析がすんでないせいで全体の二割くらいしか再生できないが、それでもこの映像は充分過ぎるほどの価値を持っている。
巨大蟻を一斉射で破壊するアサルトライフル。高層ビルを単発で崩壊させるロケットランチャー。
蟻の群れをあっという間に蜂の巣にする自動式の重機関砲。
別の映像であの女性兵が使った敵軍を街ごと消滅させるレーザー砲。どれをとっても素晴らしい。
 
 映像だけではない。ヘルメットの持ち主が所持していた装備品も凄まじい。
ライフル銃は、データ上では艦船用の複合結界すら撃ちぬけるほどの威力を持ち、
未知の合金で作られたアーマーはBJと同等かそれ以上の強度を誇る。爆弾は、内部からならXV級艦船すら轟沈できるほどだ。
質量兵器とはこんなにも恐ろしい物なのか。
管理局が躍起になって排除しようとしているのもわかるような気がする。
373×DOD:2007/12/01(土) 23:08:40 ID:Vs04oZzJ
支援!
374322 ◆tRpcQgyEvU :2007/12/01(土) 23:08:53 ID:eObFOsRM

「装備のデータは取れている。部品のコピーも完了した。あとはそれを元に映像の兵器を再現するのみ。
 私の技術も加えればかなり近いところまでは再現できるだろう。チンク達はよい物を持ってきてくれたよ。
 これで私の作品達はもっともっと強くなれる。だが――」
 スカリエッティは今までの笑みを消し、けわしい顔で座椅子のコンソールを操作。
スクリーンに、チンク達が連れかえった男――ストーム1のカルテを映し出した。

「この男は大ハズレだな。たしかに予想身体能力はかなり高そうだが、それでも一般人でも鍛え上げれば充分辿りつけるレベル。
 リンカーコアの有無も調べたが、見事に欠片すら見けられなかった。まったく、治療して損した気分だよ……」
 表情を変えることなく、スカリエッティはスクリーンを消した。
「ま、それでも目覚めたら話くらいはしてやらんこともない。私も聞きたいことが山ほどあるしな。もっとも、あれが話せる状態だったらの話だが」
 白衣に手を入れ、スカリエッティは一枚の銀板を取り出した。ストーム1の懐に入っていた銀板。
ミッドチルダ語によく似た言語が刻印された、兵士ならだれもが持ってる身分証明。
「そうだな、まずは名前から聞かないといけないか」
 それは、『NAME』の項目だけが真っ黒に焼け焦げた、ストーム1の認識票だった。

 スカリエッティがストーム1の目覚めを知ったのは、それから十分後のことである。


『星舟』活動再開まで後――67日――

To be Continued. "mission6『魔法の世界』"
375322 ◆tRpcQgyEvU :2007/12/01(土) 23:09:41 ID:eObFOsRM
投下終了です。続きはまた後日に。
376名無しさん@お腹いっぱい:2007/12/01(土) 23:09:43 ID:S1cMMq79
スカ山キターーーー!!
377リリカル.exe:2007/12/01(土) 23:10:19 ID:1iEHW79h
姉www支援
378名無しさん@お腹いっぱい:2007/12/01(土) 23:15:58 ID:S1cMMq79
GJ!!
あのーつかぬ事をお聞きするようですが・・
敵軍を街ごと消滅させるレーザー砲ってまさか・・ジェノサイドキャノンですか?
379名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/01(土) 23:19:10 ID:M/usjQas
GJ!
まだ一部のしかもフォーリナーからみたら下位の連中のデータしか見れてないのかな?
『星船』や上位兵器を見たらどう思うやら。あと最強の陸戦兵なめんな、スカ!
380×DOD:2007/12/01(土) 23:25:30 ID:Vs04oZzJ
ストーム1治療されたということは…スカはこれから間接的に世界を救うことになるのか?
wktkが止まらない。続きがあまりにも待ち遠しすぎる。
381名無しさん@お腹いっぱい:2007/12/01(土) 23:25:51 ID:6FIuQLEu
魔法の使えない、ただの人間の底力というものを甘くみなさんなよスカ博士w
管理局の白い悪魔の地球の史実でも、人外クラスは大勢いるんだぜ。
382名無しさん@お腹いっぱい:2007/12/01(土) 23:27:51 ID:S1cMMq79
そうだそうだ!むしろナンバーズより遥かに強いぞ!スカ山!
そういや、やっぱヴァラクと戦闘機獣も出んのかな?
383名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/01(土) 23:28:43 ID:iOuQ1Q+f
まぁ、スカも所詮は魔法至上主義のミッドチルダ産なんだし、仕方ないお
384リリカル.exe:2007/12/01(土) 23:28:44 ID:1iEHW79h
ていうか動画の人は間違いなくクレイモアじいちゃんの家族の人だなw
385322 ◆tRpcQgyEvU :2007/12/01(土) 23:32:08 ID:eObFOsRM
>>378
3のはジェノサイド”ガン”です。

>>382
ゲームに出た敵は全種類登場します。
386名無しさん@お腹いっぱい:2007/12/01(土) 23:36:44 ID:S1cMMq79
あーなんかドキドキして来た・・
これからストーム1の大活躍が見られるのかと思うと心臓が激しく鼓動して
来る。
387リリカル遊戯王GX:2007/12/01(土) 23:55:27 ID:Alnb/vMt
GJです、ああなんかチンク姉に萌え死にそう

>「この男は大ハズレだな。たしかに予想身体能力はかなり高そうだが、それでも一般人でも鍛え上げれば充分辿りつけるレベル。
も、もしや描写されてないだけでミッドの人間は全員ビルから飛び降りても無傷なレベルの肉体を持っているのか・・・!?
388名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/01(土) 23:58:45 ID:GjhmGM5X
>>385
投下GJ!
登場人物も増えていき、物語が加速し始めましたね。どう展開していくのかwktkが止まらん。
そしてまさかの姉wwwwww

>>387
予想身体能力だから、実際は違うってことじゃね?
389×DOD:2007/12/02(日) 00:23:32 ID:w/1ygZ9w
>>352
 効果ならキャロのインチキリーチ鎖召喚の方がアレな気がする…ので、管理局の武器
ボッシュートは大丈夫と判断してます。
 それと王子の武器はほとんど全部呪われてますが、自身が一度精神ぶっ壊れてるので
きっと平気。むしろ「ゆりの葉」みたく、逆に武器に好かれてることも。狂気パワーかな。

>>354
 種族を超えた絆、自分も大好きなお話です。どんな形になるかはわからないけど、一度
は登場させてみたい。
390リリカルなのはStS×覚悟のススメ:2007/12/02(日) 00:27:43 ID:ndtKp/He
スカリエッティの莫迦め、きさまの目は節穴か。
腕力魔力の強弱が戦士の戦士たるゆえんと思っているのか! 思っているのか!
戦士の恐るべきはその覚悟と戦術なり。

322氏のストーム1は、まもなくその真価を示すものと確信しております。
391名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 00:36:43 ID:auQJyYbH
>>352
逆に考えるんだ。どんな聖なる武器を使おうとカイムが使えば呪われると考えるんだ。
392反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/12/02(日) 00:37:10 ID:muh/cpkz
馬鹿な…話題について行けていないだと…!?
何はともあれ、職人の皆様GJです!

さて、ちょっと思い付いた小ネタがあるのですが…この空気で投下するには勇気が要るぜ…
393名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 00:49:05 ID:vXY1Tzpd
なに、気にすることは無い
394反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/12/02(日) 00:52:01 ID:muh/cpkz
それは、1人のちびだぬきの思いつきから始まったのでした。



「スカリエッティから押収した機械で遊ぼー!」
「「「えええええー!?」」」
はやての突拍子もない提案に、六課の面々は声を揃えて驚いた。


「ファイナルッ! フュージョン!!」
スバルの駆る灰色と青のロボットから黄色い閃光が放たれ、3機のマシンがその元へと集う。


「そんなヒョロヒョロした機体で、あたしらを落とせると思うなよ!」
「フン…身体の細さならそちらも似たようなものだろう!」
コックピットの中でレヴァンティンを操縦幹代わりにしたシグナムが、純白の機体に剣を握らせる。
ヴィータの赤い巨人がナギナタを構えてシグナムに突っ込み、リインの紫の巨人がライフルを腰だめにして狙いを定めた。


「頼むよ、キャロ!」
「うん…龍虎王・移山法!」
青い龍神が御札を天に投げる。空間に穴が生じ、巨大な霊山が姿を現した。


「スバル、まずはあたしが牽制する!」
ティアナの操る漆黒のガンダムが、双銃を構えてギンガを狙い撃つ。
「甘いわね…そんなもので私を落とせるとでも?」
しかしギンガの真紅の機体は、前方に右手を突き出すと、盾のようにして幅広のドリルを展開し、ビームの連射を防ぎきった。


「ザフィーラ、頼むぞ!」
「心得た!」
「僕達の意地を受けてみろ!」
ザフィーラ、クロノ、ユーノのマシンが直列する。
「チェーンジ・ゲッター3!」


「もらった!」
黒い鎧をまとったフェイトの機体がフィールドを展開し、シャマルの機体目掛けて突撃する。
「残念、本物はこっち♪」
「なっ…!?」
フェイトの背後には、倒したはずの紫の光を放つ機体が、無傷で飛んでいた。


「ふふ…さて、そろそろ行こうか。レイジングハート、次元連結システム起動」
『All right.』
そして、なのはを乗せた白き冥王が、静かにその身を起こした。



「スーパーなのット大戦」 いつまでも、近日開戦!
395反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/12/02(日) 00:53:26 ID:muh/cpkz
最初に言っておく!
スカがこれらの機体をフル活用していたら余裕で六課に勝てたのでは?というツッコミは無しだ!

しかし、どうなんだろこれ…SSとして成立させられる自信が全然ない…
万一連載開始するとしたら、数の子生き残りやルールー&アギトも交えてやりたいですが。
そのためにはまずStSを全部見ないとなぁ…
396名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 01:00:35 ID:vXY1Tzpd
ゼオライマー
ブラックサレナ
ガオガイガー
ゲッター
竜虎王
グレンラガン?
ストライクノワール?

紫の光とはいったい…うごごご
397リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/12/02(日) 01:08:51 ID:AWjlIntM
シグナムが乗ってるのは、ダン・オブ・サーズデイ!
ガン×ソードのヴァン(童貞)が操縦する機体ですな!!
ヴィータとリインの乗る機体が不明
398名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 01:23:27 ID:9Sgz+NKm
赤・ナギナタからシャア専用ゲルググ、紫・腰だめに構えるから初号機では?
399名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 01:24:57 ID:sk5SRlbd
>>387
アレですよ、ギガンティックドライブみたいな重力制御装置がアーマーに仕込まれてるんですよ、きっと
バイクとかヘリはダメージ受けるけどさ!

400反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/12/02(日) 01:33:26 ID:muh/cpkz
あっさりとバレそうなので早々に解答発表。
そもそも正体伝わらなければ元も子もないですし…

なのは:ゼオライマー(実際あれも射撃オンリー)
フェイト:ブラックサレナ(黒くて速い。デスサイズヘルはティアナと被るので却下)
スバル:ガオファイガー(ガオガイガーじゃないのよ)
ティアナ:ストライクノワール(ピストルだけじゃなくアンカーまで共通)
エリオ&キャロ:龍虎王(キャロが龍、エリオが虎)
シグナム:ダン・オブ・サーズデイ(ダイゼンガーとでギリギリまで悩んだ結果こっち)
ヴィータ:エヴァンゲリオン弐号機(だって…ハンマー持ちの機体なんてそうそういないし…)
リイン:エヴァンゲリオン初号機(ユニゾンキックさせたかったし…)
クロノ&ユーノ&ザフィーラ:新ゲッターロボ(よく読むと「スイッチオン!」の掛け声がない)
シャマル:ゼーガペイン・ガルダ(今回の最地味候補。サブパイはもちろんデバイス)

総じて最近の顔触れが多いのは仕様です。
あまり古いと、コン・バトラーみたく1機で何でもそつなくこなせる機体が多いので、
乗るなのはキャラとの特徴を合わせづらいのですよ。
数の子とかのを考える時には、もうちょいリアル系や地味機体を補充したいです。

ちなみに、ザッフィー達をアクエリオンにしなかったのは…単に原作見てないからです…
401名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 01:37:52 ID:WULh8w5i
>>400
(だって…ハンマー持ちの機体なんてそうそういないし…)
我こそはーーってこの人はハンマーじゃなくて鉄球か。
402反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/12/02(日) 01:46:57 ID:muh/cpkz
ギン姉をものの見事に忘れたっ!
というわけで完全版。

なのは:ゼオライマー(実際あれも射撃オンリー)
フェイト:ブラックサレナ(黒くて速い。デスサイズヘルはティアナと被るので却下)
スバル:ガオファイガー(ガオガイガーじゃないのよ)
ティアナ:ストライクノワール(ピストルだけじゃなくアンカーまで共通)
エリオ&キャロ:龍虎王(キャロが龍、エリオが虎)
シグナム:ダン・オブ・サーズデイ(ダイゼンガーとでギリギリまで悩んだ結果こっち)
ヴィータ:エヴァンゲリオン弐号機(だって…ハンマー持ちの機体なんてそうそういないし…)
リイン:エヴァンゲリオン初号機(ユニゾンキックさせたかったし…)
クロノ&ユーノ&ザフィーラ:新ゲッターロボ(よく読むと「スイッチオン!」の掛け声がない)
シャマル:ゼーガペイン・ガルダ(今回の最地味候補)
ギンガ:グレンラガン(ギン姉と色が真逆なのが残念)

>>401
同様の理由によりダイターンもNGです
403なの魂の人:2007/12/02(日) 01:49:54 ID:tiQxogk9
ザコでもいいなら、フルメタのサベージやミストラルUとか
使い捨てのHEATハンマーだけど
404名無しさん@お腹いっぱい:2007/12/02(日) 01:51:30 ID:dO8Xn9TB
っつかヴィータをガオファかガオガにして、スバルをアルトアイゼンとか
パイルバンカー装備のロボにすれないいんでない?
405名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 01:53:57 ID:9Sgz+NKm
つゴルディオンハンマー
406名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 01:58:58 ID:FZHMFOC1
コード麒麟・・・
407名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 03:07:44 ID:OBBFmqWc
>>389
私的にデポルポポルの話がなんか和むんだぜ。全武器中でも数少ないハッピーエンドな話ですし
でも一番好きなのは人切りの断末魔とパールベリトの涙だったり。
この二つはやたら切なくて好き。
408名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 04:09:51 ID:1Cn0or8y
スバルのナックルはとっても勇者王だけど
ローラーダッシュ属性も忘れちゃなんねえ
類似した動きができる事とリボルバー属性引っ掛けてゴーダンナーと言う手もある
あ、相棒(嫁)が中の人つながりだ
409名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 04:49:35 ID:Rqjl5Arw
>>400
(だって…ハンマー持ちの機体なんてそうそういないし…)

黄金勇者ゴルドランでウサリンMK-Uという機体がありましてな…
ハンマーの他にニンジン型ファンネル・キャロビット装備で
勇者サイドを1機で圧倒するとんでもない機体。
ちなみにあるゲームではガオガイガーとゴルディに合体技と称して
ゴルディ略奪して素手で使う。
410×DOD:2007/12/02(日) 10:42:52 ID:w/1ygZ9w
>>407
詩人ウラヤマシス
人斬りの物語は2で狂ったの見てびっくりした。アガイヂ―ッ!

小ネタでレイハさんとかバルディッシュさんの武器物語を書いてみたかったりだけどどうだろう。
411反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/12/02(日) 10:49:19 ID:muh/cpkz
ひ…一晩のうちにこれとは…
これはひょっとして、本編を書けということですか? …違う? そうですか…

何となくスバルは、ロケットパンチやバリアがあったり、合体とかもしちゃうド派手なガオファイガーを好むと思ったんですがねぇ…
ゴーダンナーはまだ見てないから…じゃあ、電童にしようかな。こっちはFAが派手ですし。
アルトはもうちょい別の人にしたいです。ソウルゲインは…ガリュー?

あと、ヴィータをガガガにすればいいのでは?という意見がありましたが…
おいおい忘れてもらっちゃ困るぜお客さん、ゴルディもなしにどうやってハンマー使うんだい?
というわけで、よほどのことがない限りウサリンで。…何話に出てくるんだろ…

…ハッ! いかんいかん、このままでは本編を書いてしm(ry
412名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 12:54:15 ID:+SH+lYBF
>>410
ぜひ書いてください。お願いします。
413名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 12:58:54 ID:D1Eace0c
スバルにはコードギアスから配色とかローラーダッシュとか色々被ってるゴウカンガー
…じゃなくてランスロットとか
414名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 14:48:06 ID:LBTFVkqd
木曜日のダンに乗るからには「ウェイクアップ、ダン」くらいは言ってくれないとなんだかわからないジャマイカ
オリジナル笑顔でチィェェェェェェェス!言えとまでは要求しないけどさw
415×DOD:2007/12/02(日) 15:16:01 ID:+tPd1knH
>>412
あ、いや、単にこのスレ的に許されるのかなと。


>>411
さあその調子で本編も書き殴るんだ
416反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/12/02(日) 15:30:37 ID:muh/cpkz
…分かったよやればいいんだろチクショー!
書いてやるよロボットバトルロイヤル! いつか!
そんなこんなで勢いで決まったラインナップがこちら。

なのは:ゼオライマー
フェイト:ブラックサレナ
はやて:ストライクフリーダムガンダム(広域攻撃というわけで)
スバル:ガオファイガーor電童(ヴィータがソレならスバルがGFGでもよくね?と思い保留)
ティアナ:ストライクノワール
エリオ&キャロ:龍虎王
シグナム:ダン・オブ・サーズデイ
ヴィータ:ウサリンMK-U(どうしてもコイツだけ浮いてしまう…)
リイン:ヒメ・ブレン(すばしっこく飛び回る印象)
クロノ&ユーノ&ザフィーラ:新ゲッターロボ
シャマル:ゼーガペイン・ガルダ
ギンガ:グレンラガン
ヴァイス:ガンダムデュナメス
シャーリー:マジンガーZ(機体選びの際には何となく基本をおさえてきそう)
ルーテシア:エヴァンゲリオン初号機(常時暴走モード)
アギト:紅蓮弐式
ガリュー:ソウルゲイン
チンク:ガンダムエクシア(剣がいっぱい)
セイン:ファルケ(ECSを巧みに使ってる印象がスパロボから)
オットー:キングジェイダー
ノーヴェ:アルトアイゼン
ディエチ:エンペランザ
ウェンディ:ニルバーシュ(エウレカ動画探してくるか…orz)
ディード:YF-19(双剣をウリにした機体がなかったもんで、ピンポイントバリアパンチで)

うん、もうみんな分かってると思うが…スカ自重しろ
417名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 15:38:46 ID:syb9V3wh
あえてそこで四型クロウとかベンケイとかグリーナーとかを!
418名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 15:41:14 ID:1Cn0or8y
>(双剣をウリにした機体がなかったもんで、ピンポイントバリアパンチで)
剣つってもショーテルだけどガンダムサンドロックとか
419反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/12/02(日) 15:44:54 ID:muh/cpkz
>>418
それも考えましたが、やたらガンダム(しかもアナザー系ばかり)が多くなってしまったので却下しました。
同時にマクロス分も不足してましたし。

>>417
…えっと…どちら様?
420名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 15:48:30 ID:1Cn0or8y
>…えっと…どちら様?
ttp://www.studio-nem.jp/WORK/B-A/BREAK-AGE/B-A.html
421名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 15:52:54 ID:1Cn0or8y
ttp://www.youtube.com/watch?v=EY21Cye2AiE&feature=related
ついでにゴーダンナー
リンディさんとティアとなのはさんが出てるんだなこれが(中の人的に)
422スーパーロボット大戦X:2007/12/02(日) 15:57:55 ID:3UZCgIgh
>>421
あまいですね。シグナムと恭也も出てるんですよ。
423反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/12/02(日) 16:04:01 ID:muh/cpkz
>>421
どうせニルバーシュ出すんだからゴーダンナーも調べてみようかな〜とも思いましたが…
…確か、アレのツインドライブって時間制限付じゃなかったでしたっけ?
そもそもオクサーの方を出すのが面倒だし…
…とまあそんなわけで、扱いづらそうというのが本音です。

で、あと1つ。
…流石にシャマル先生にゼーガはなかったかなぁ、と後悔しております。
ガルダでトリッキーな面といったら分身ぐらいで、他と比べてもあまりにパイロットと機体の整合性が…
何かシャマル先生に似合う機体はないでしょうか?
424名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 16:12:14 ID:1Cn0or8y
>…確か、アレのツインドライブって時間制限付じゃなかったでしたっけ?
消耗早い(パワーと引き換えの燃費悪化)だけで具体的に時間制限がかかるわけじゃない
>そもそもオクサーの方を出すのが面倒だし…
その理屈で言えばエリキャロやら男衆の合体ロボ全却下か?
中の人つながりでティア乗せときゃいいじゃねえか、と言う方法論も成り立つが?
425リリカルなのはFeather :2007/12/02(日) 16:23:00 ID:+TPXNUFV
>>421
シャマルに似合う機体
レイアースの空神ウィンダムはどうですか?
防御重視で風で緑と結構繋がりはあります
426リリカルなのはFeather :2007/12/02(日) 16:24:51 ID:+TPXNUFV
すいません>>423です
427名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 16:33:29 ID:WULh8w5i
>>425
懐かしい名前だwwww
もう一度見たいんだけどレンタル探してもないんだよなぁ……。
428名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 16:38:16 ID:1Cn0or8y
癒しの風
まさに最適
429OSGS:2007/12/02(日) 16:41:45 ID:/Yt0b3RR
うっ……
銃(ノーヴェ)対拳(スバル)やろうとしてた俺涙目。

ノーヴェ=アルトって結構みんな思いつく?
430反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/12/02(日) 16:46:33 ID:muh/cpkz
>>424
エリオ:ソニックジャベリンとストラーダの槍繋がり
キャロ:マウンテンプレッシャーの召喚魔法繋がり、竜繋がり、中のh(ry

ユーノ:ゲッタービームと、元々レイハを使う予定だったことからのビーム繋がり
クロノ:ゲッタードリルとスティンガーブレイドの刃物繋がり
ザフィーラ:フィンガーネットと鋼の軛のバインド繋がり

大体こんな感じに考えております。
ただネオオクサーとなると…何となく前に立ち読みしたコミック版では格闘戦だったような…
そもそも女性陣でペア組める連中に、両方徒手空拳というのがいないので(ギン姉はグレンラガンに乗りますし)、どのペアを乗せたらいいものかというのが微妙なところ…というのが現状です。

>>429
自分は偶然ですよ〜。
アルト似合う人いないかな〜→スバルにアルト勧められてたっけ→じゃあナックル3人目のノーヴェにしよう
って感じで
431反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/12/02(日) 16:50:58 ID:muh/cpkz
あっ、そうだ!
赤い・パワー系・合体(=ユニゾン)…
つまり、ヴィータをゴーダンナーに、リインをネオオクサーに乗せればいいんだ!

…おk、ちょっくらゴーダンナー見てきます
432節制の14 ◆6EgzPvYAOI :2007/12/02(日) 17:12:14 ID:ceBh9z9z
数の子とスカとギン姉と聖王ヴィヴィオでダイラガーXVだ!!!
433名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 17:51:26 ID:1Cn0or8y
>コミック版では格闘戦だったような…

グラビティーボンバー(重力拘束弾)
発射エフェクトのイメージはガイバーのプレッシャーカノンかな
ネオオクサーの固定装備、命中した対象を重力場で拘束する支援兵装
合体したらハートブレイカーのトリガー握りっぱなしになるし

ただしそれ以外はアニメも付加効果はあるものの見た目完全に殴る蹴るのみ
434×DOD:2007/12/02(日) 17:51:52 ID:+tPd1knH
>>432
カオスにしか みえない
435名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 17:55:54 ID:K9sIt5Lf
>>375
GJ!
スカがただの間抜けな小物にしか見えません!所詮は魔法主義者なのか。
この程度ですさまじいって何言ってんの?というか感じです><
436名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 18:23:32 ID:3++a9sbl
スカ「実験が始まる、ドキドキが始〜まる〜♪」
なんて歌って御機嫌なドクターが浮かんだ
437名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 18:29:42 ID:6LTpPwti
ノウハウの蓄積のないスカの作ったコピー兵器じゃ肝心な時にジャムらないか心配だぜ!
それに兵器ってのはその運用方法を知る人間も大事なんだぜ。
438名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 19:11:10 ID:WULh8w5i
>>436
そのドキドキが極度の緊張と恐怖によるドキドキにならなきゃいいがなwwww

439名無しさん@お腹いっぱい:2007/12/02(日) 19:16:08 ID:dO8Xn9TB
EDF流ライフルマン育成方法はとにかく撃つ、撃つ、撃ちまくる。
そうやって膨大な練習量をこなして得た熟練の戦闘技術はたとえどんな状況下でも
確実に最大限の威力を発揮し、ひいては自信に繋がるというもの。
データを解析しただけじゃEDFの精鋭と同じ戦闘力を得られると思いなさんなスカ博士。
440名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 19:33:18 ID:DaZEGB1+
魔法なしでフォーリナーと互角に殺り合う異常性に気付けなかった、と
まあ実際に交戦してみないと奴らの絶望っぷりは理解できないだろうし仕方ないか
441名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 19:38:51 ID:6LTpPwti
スカにはマザーシップとタイマンしてみろと言いたいwww
442名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 19:51:43 ID:r+GK5TMS
皆落ち着けwwww
対岸の火事の熱さは判らないものなんだよ。
体験してみないと、何事もわからないってwwwまぁ、体験したときには遅すぎるんだけどwwww
443名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 19:54:56 ID:FZHMFOC1
こんなストーム1だったら管理局総動員しても勝てねえw

http://www.nicovideo.jp/watch/sm1170
444名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 20:11:38 ID:DaZEGB1+
そこで有名なストーム1は総じて化物
なまじ魔法がないだけ人間が本来持つ力を全て引き出してるw
445節制の14 ◆6EgzPvYAOI :2007/12/02(日) 20:16:58 ID:ceBh9z9z
>434
まだまだ大した事は無い。
ドクーガの誇る、“あの”スーパー合体メカと比べれば。

若しくは、ギャロンとか?
446リリカル.exe:2007/12/02(日) 20:24:37 ID:sG4RRBt0
ガジェットにゴーフラッシャースペシャルぶつけたらどんな行動を取るのだろうか?

自壊・・・・・・・・・するのかなぁ?
447名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 20:33:04 ID:FZHMFOC1
むしろガジェットに珍兵器ぶつけて落っこちる様とスカのたまげる顔がみたい
448名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 20:39:24 ID:vFKXQeKA
GJ!
爆砕かんしゃく玉の予感!
449名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 20:39:27 ID:1Cn0or8y
>ドクーガの誇る、“あの”スーパー合体メカと比べれば。

ダイラガーは「個別活動する有人機の合体数最多」だから
450名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 20:48:38 ID:FZHMFOC1
たぶん2のINF71のストーム1を見たスカは
ゆりかごの下で走り回る彼の悪夢に魘されるんだろうな・・・
451名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 21:10:02 ID:rOGEik3A
トマト
452名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 21:21:15 ID:U1KGkyVZ
>>425
旅の扉でどらえもんのどこでm(ryな事もやらせたいのでまったく関係ないが追加装備にPortalからサポートCPUのGLaDOSとロボット用ポータルガンをつければ完璧シャマルに(ry
いや、なんとなく思いついた(SLB
453名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 21:26:23 ID:r+GK5TMS
>>452
言いたいことはまぁ判らんでもない。
だが、ryが多すぎだwww
454322 ◆tRpcQgyEvU :2007/12/02(日) 21:47:38 ID:ic1g0Rn3
そろそろ誘導。

リリカルなのはウロスSS感想・雑談スレ7
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1195820675/
455名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 22:31:49 ID:Np3qEGn/
職人の皆様GJでした!

>>ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは氏

ここでヴィータがセブン=ダンと出会うことになるとは、考えもしませんでした。メビウス=ミライを通じて闇の書陣営のことも知らされているようですが、それでもあえて彼女を鍛えるのか?
レオ=ゲン役の真夏竜氏が毎回死ぬような思いをさせられた、あの地獄の特訓を課せられることに……生き延びろヴィータw 「お前のその涙で、大切な人を救えるのか!」って怒鳴りつけられても短気を起こすなよw
レオといえば声優の冨永み〜なさんが、子役時代にレギュラー出演していたことで知られますが、あまりに危険なシーンの連続に同情した冨永さんのご両親が、真夏氏を撮影終了後、毎日のように夕食に招いていたという逸話を思い出したっす。
その冨永さん演じる少女が、他のレギュラー共々シルバーブルーメに殺されてしまう辺り、レオという作品はホント容赦ねえ(滝汗)
番外編も楽しみにしております。

>>リリカルグレンラガン氏

こんなに早く八神家のことが割れるSSは初めて読んだかもw ニアの料理を食べさせられた八神家の面々に同情w 迷わずはやてを救うための行動に、協力することを決めたのは二人ならではですなw
しかし管理局にとってはシモンの行動はかなりの困ったちゃんですよねw ロシウの苦労が少し理解出来る気がするw
うーん、やはりニアを失った後のシモンと、StS時点のなのはたちとの再開を読んでみたいと思ってしまいました。
次回、グレアムに怒りの拳を叩き込むシモンに大期待! クロス先のキャラがグレアムに怒りをぶつける展開って、意外に無いですよね。

>>反目のスバル氏

なんてカオスなロボット大戦w ガンダム系はそれ限定で考えてみても面白いかもしれませんね。
456リリカル・コアfrom携帯:2007/12/02(日) 23:14:48 ID:rOGEik3A
帰りたい、けど帰れない
そんな訳で四話初めだけ三レス程頂きます。

携帯だと推敲が難しいです…。
457リリカリ・コアfrom携帯:2007/12/02(日) 23:18:43 ID:rOGEik3A
『わかりました、引続き調査を続行するように。それと・・・』
モニターの向こう側、757調査捜索部隊長・オーリス・ゲイズ一佐がフェイトからの報告を聞き、指示を出す。
『何か改めて必要なものは?』
「ありがとうございます。お借りしている二個機動小隊で十分ですが・・・」
フェイトは最近昇進したらしい上官の質問に笑顔で答える。
『どういたしまして。なお詳細はまだ不明ですが航空の71任務部隊がレイブンと交戦、貸し出していた
9号特殊機材・ノーヴェが中破しました。他にも一名が軽傷とのことです』
(なのはの隊が?)
フェイトにとってなのはと彼女の直卒班が遅れをとったことが驚きだった。
『今後十分注意して事に当るように』
「分かりました。では後ほど・・・」

「部隊長は何と?」
執務官補のティアが新しい指示を受ける為に、入室する。
とはいえ、基本的にドアを閉めていないので誰でも入れる状態だが・・・。
「引き続きジャック・Oの追跡に当たるようにだって。“アビス”への到着予定は?」
458リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/12/02(日) 23:20:56 ID:AWjlIntM
>>456
お疲れ様です。サー!
どうぞ、投下なさってくださいまし!

>>455
感想ありがとう〜感想を貰えるのは、次への執筆への糧になりますぜ!
459名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 23:22:04 ID:rOGEik3A
「艦橋からの連絡では残り十二時間程度の行程だそうです。
でも部隊長はすごいですよね・・・。軍から小型とはいえ高速輸送艦を借りてくるなんて・・・」
「お父さんの下で働いていたからあまり知られていないけど、本人もすごく有能な人なんだよ」
ティアナは改めてオーリス・ゲイズ一佐の人脈に舌を巻いた。
殆どは父・レジアス・ゲイズから受継いだ物だがそれを維持し利用するのは唯の親の七光の二世では出来ない。
460名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 23:24:34 ID:rOGEik3A
海側が艦船の貸し出しに難色を示し、部隊は機材や兵員を受領し編成ができたが部隊が他世界へ動くための
手段の確保が問題となった。海側の気まぐれで利用できるような艦船を当てにするのは論外であり、
纏まった数で動くためにはそれ相応の輸送手段が必要となる。
オーリス一佐の本領はここからだった。
彼女は海が非協力的であるのを理解すると直ちに父のかつての友人達−内部にも外部にもいた−に掛け合い、
話を持ちかけ取引したのだ。
その結果手に入れたのはミッドチルダ政府軍から高速輸送艦をドック入り前に借用し、さらに装輪装甲車をリースで入手、その他各種物資・
人員を手に入れてきた。
その手に入れてきた物品が搬入されるのを見たとき誰もが目を疑った。
そして誰もが彼女はやはりレジアス中将の娘なのだと再確認することとなった。

「執務官の受け持つ職務の範囲は広いから各所に人脈がないと厳しい仕事だからね。
一人だと手に負えないよ」
「必要なのは経験と才能ですね・・・」
ティアナの困った顔を見てフェイトは苦笑する。
461名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 23:29:04 ID:rOGEik3A
「みんなは格納庫で訓練?」
「はい、トーレさんとセッテさんが来てから随分訓練も充実して来ました。私の幻術だと限界がありますから・・・」
「ティアナの幻術だと耐久力が無いからね。・・・久しぶりに皆の訓練の相手をしてこようかな」
462名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 23:29:28 ID:mWYIccXu
支援
463名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 23:31:31 ID:rOGEik3A
「たぁぁーー!!」
「遅い、ISを使うまでも無いぞ!!」
自身のアームド・デバイス「ストラーダ」を構えるエリオ・モンディアルの声が響く。
それを正面から迎え撃つのは元ナンバーズ前線リーダーNo3:トーレ。
現在は自身直卒のセッテと共に執務官付“民間協力者”−なお扱い上管理局から給料無し−を勤める。
二人が刃を打ち合っているのは船内格納庫。
本来なら積載されるべき車両は無く、天井の低い狭い空間を訓練用として使用していた。
「これでも・・・?!」
「それではディードにも後れを取る!!」
エリオが一瞬で距離を詰め、ストラーダを振り上げるとトーレの頭上から速度を活かして近接、
ストラーダと重さと自身の魔力を重ねて振り下ろす。
だがエリオ渾身の一撃をトーレは左手二の腕で受け止めるとま
だ動きを繋げれないエリオの腹を右拳で打つ。
「・・・ぐっ!!げほ!!げほ!!」
一応手は抜いているが右拳を二発連続で鳩尾に打ち込まれればさしもののエリオも堪らない。
前屈みになり、体内の空気と中身を内臓を出しそうな勢いで吐き出す。
「どうした、終わってはいないぞ!!立て!!」
464名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 23:33:37 ID:rOGEik3A
手だけでなく足を積極的に使うノーヴェと違い、トーレは手を中心に攻撃を組上げる。
前屈み状態のエリオの後頭部に拳を振り下ろす。

「はい、そこまで。・・・トーレ、いつも言ってるけどもうちょっと手加減してあげてくれないかな?」
何時の間にか間に入ったのかフェイトがトーレの右手を押えていた。
トーレもセッテも手加減をしない。相手のエリオとガリューはやればボロボロ、他の小隊員も半死半生になる。
「申し訳ありません、フェイトお嬢様。ですが私やチンクが妹達を少々甘やかしすぎた経験から言えば訓練でも実戦でも手加減は無用です」
「チンクちゃんは甘かったというより優しい子だと思うけど?」
「いいえ、あいつとセインが甘すぎたから妹達があんな育ち方をしたのです」
「そうです、チンク姉様とセイン姉様は少々無駄が多いように感じます」
『またこれだ・・・』
流石のフェイトもこの元戦闘機人二人の頭の固さに頭を抱えるしかない。
465名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 23:35:21 ID:rOGEik3A
「ごほ・・・、すいませんフェイトさん・・・」
「キャロ、ルーテシア、エリオをお願い」
「「は、はい!!」」
いつものことだが、トーレやセッテの相手する模擬戦での雰囲気に萎縮していたのか動けずにいたキャロとルーテシアを呼んでエリオを運ばせる。
「あ、ありがとうございます。・・・って、あの二人とも?」
右をキャロ曳かれて、左をルーテシアに曳かれて行くエリオ。
なお二人は火花が飛ぶぐらい睨み合う。
それをいつも見るであろう他の隊員もはやし立てる。
466名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 23:36:56 ID:rOGEik3A
トーレとセッテはJS事件の時、フェイトに捕獲された。問題はこの後、管理局内で戦闘機人の取り扱いが
議論されていた時、二人は何故かそのまま局の有力者たるハラオウン家の保護下に入っていたのである。
元々二人は−特にトーレ、セッテも若干−フェイトに入れ込んでおり、フェイトが保護扱いにしたことで
二人は再教育プログラムの受講資格の埒外にいた。
無論、管理局内では好ましい状態ではない、という結論になったが相手は何せ元から現役まで執務官を
多数輩出しているハラオウン家と言う事もあり、失脚を狙う一派からあそこに任
せておけばいいだろうという一派等の思惑が重なり合って現在の形に落ち着いた。
467名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 23:37:22 ID:mWYIccXu
支援
468名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 23:40:05 ID:rOGEik3A
「そうだ、トーレ、セッテ、妹さんのノーヴェが怪我したって・・・」
「不出来な妹の事です。大方昔のように見境をなくして挑みかかったのでしょう」
「・・・」
「今回のことでボロボロになって少しは成長するでしょう」
「そ、そうかな?」
思ったとおりの反応にフェイトは苦笑する。
トーレはいつものように妹達に厳しい。セッテは相変わらず冷たくあしらう。
三女はともかく七女はどんな感情を抱いてるのかまったく推し量れない。
だが二人は二人なりに一応は心配しているのだ。それは少しだけ動く顔の表情を見れば分かる。
469リリカルグレンラガン ◆etxgK549B2 :2007/12/02(日) 23:42:21 ID:AWjlIntM
再教育支援
470名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 23:44:52 ID:rOGEik3A
「あとチンクちゃんからまた連絡があってね、『トーレ姉様と
セッテに形だけでもいいから
更生プログラムを受けて欲しい』って」
この時は二人と他の娘達との窓口とも言うべきチンクの名前を
出せば簡単に陥落する。
最近だがフェイトはそれに気が付いた。
「はぁ・・・、またですか。あいつは、何度言えば分かるのか
、まったく・・・」
「連絡だけでもしてあげればいいと思うよ」
「今回の作業が終わったら連絡することにします。セッテ、お
前も手伝え」
トーレがこう言えばほぼ確実に妹達に連絡を取る。フェイトは
心の中でトーレの意外と家族思いの深さに微笑む。
「分かりました」
セッテが喋っているのを聞いてその会話を盗み聞きしていたで
あろう隊員たちがどよめく。
よほどセッテが喋ることが珍しいのだろう。
「じゃあ、トーレ、セッテたまには私の相手をしてもらおうか
な?勿論手加減無しで」
バルディッシュを起動、バリアジャケットを着用。二人に対し自信に満ちた笑顔を向ける。
「判りました、手加減なしでお相手します」
トーレは少しだけ楽しそうに構えをとり、セッテはトーレを支援するポジションへ移る。
471名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/02(日) 23:45:16 ID:mWYIccXu
紫煙
472リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/12/02(日) 23:57:45 ID:8cx9Q2/o
>>390
ストーム1がどうなのかはひとまず置いといて俺がそうだから言いますけど
覚悟って基本的に腕力というか体力の上昇に伴って伸びていくものだから基本的に体力の無い人って
そういう性格に生まれついた訳でもなければ覚悟も勇気もあまり無いすよ。
戦術にしてもそれを考えるだけの頭があっても覚悟が無い人はその頭を
相手に立ち向かうために使おうとしないから結局あまり意味が無い。
単にお前が弱虫なだけだと言われればそれまでですが。
それと支援。
473名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/03(月) 00:05:50 ID:Y5jUsq0/
なおエリオはというと・・・。
「私がエリオ君の看病をするの!!」
「・・・ダメ、私がする・・・」
「あの、二人とも、僕は大丈夫だから・・・」
「大丈夫じゃないよ!!あんな深い打撃を受けたんだから!!」
「お母さんが・・・、持たせてくれた薬があるから・・・」
「ルーちゃん・・・」
「なに・・・?」
エリオは睨み合い火花を散らす二人から這い蹲って離れると壁に体を預ける。
「キュク?」
「ありがとう、フリード。心配しなくても大丈夫だよ」
『今度トーレさんとやる時はハンデをつけてもらおう』
そう思いながら今だ安定せぬ頭を働かせてフェイトとトーレ・セッテ組の模擬戦に目を移す。
「やっぱりフェイトさんはすごいな・・・。ストラーダ、記録よろしくね」
<ヤボール>
そう呟くと三人の動きを追う。
射撃はは厳禁。これは安全上守らなければならない。
必然、格闘戦になるのだが狭い空間では殆ど速度も出せない。
だが三人はそんなハンデを感じさせないような動きで模擬戦を繰り広げ
その場にいる全員に力量と技術の違いを見せ付けていた。
474リリカル・コアfrom携帯:2007/12/03(月) 00:07:37 ID:Y5jUsq0/
なおエリオはというと・・・。
「私がエリオ君の看病をするの!!」
「・・・ダメ、私がする・・・」
「あの、二人とも、僕は大丈夫だから・・・」
「大丈夫じゃないよ!!あんな深い打撃を受けたんだから!!」
「お母さんが・・・、持たせてくれた薬があるから・・・」
「ルーちゃん・・・」
「なに・・・?」
エリオは睨み合い火花を散らす二人から這い蹲って離れると壁に体を預ける。
「キュク?」
「ありがとう、フリード。心配しなくても大丈夫だよ」
『今度トーレさんとやる時はハンデをつけてもらおう』
そう思いながら今だ安定せぬ頭を働かせてフェイトとトーレ・セッテ組の模擬戦に目を移す。
「やっぱりフェイトさんはすごいな・・・。ストラーダ、記録よろしくね」
<ヤボール>
そう呟くと三人の動きを追う。
射撃はは厳禁。これは安全上守らなければならない。
必然、格闘戦になるのだが狭い空間では殆ど速度も出せない。
だが三人はそんなハンデを感じさせないような動きで模擬戦を繰り広げ
その場にいる全員に力量と技術の違いを見せ付けていた。
475リリカル・コアfrom携帯:2007/12/03(月) 00:12:02 ID:Y5jUsq0/
フェイトが正面から間合いに入ればトーレはそれをセッテと協力して受け止めチャンスを探す。
逆にトーレとセッテが同時に攻めればフェイトは攻撃を受け流し、相手を分断できる動きをとる。
それを分かっている二人は一瞬でも分断されないようお互いをカバーする。
『いつかあの中には入れればいいな・・・』
エリオは三人の動きを追いながら漠然と考えていた。
476 ◆sP9nVRi1sI :2007/12/03(月) 00:15:38 ID:jMuJfdxO
しえーん

>>390
……「策を弄するよりも、策が必要ないぐらいの圧倒的な戦力を用意する方が確実だ」って言葉もありますがどうか。
>>472
モルディーン・オージェス・ギュネイは例外中の例外、か……まあ、弱者の論理ってのもありまして。
『されど罪人は竜と踊る』の短編『覇者に捧ぐ禍唄』(巡回商人の話)で出たアレ。
要約すると、「誇りだの正義だのと偉そうなことを言えるのも、おまえが強いからに過ぎない」。だから卑劣な手を使っても咎められる理由は一切無い、と。
……そこまで割り切って徹底的にセコい手を使える奴も珍しいか。
オチが「一片の正義があるかのように描かれる主人公も、強者の前では卑怯さに頼る弱者でしかない」なのが流石ですが。
477リリカル・コアfrom携帯:2007/12/03(月) 00:20:05 ID:Y5jUsq0/
すいません、今回はこれで投下終わりになります…。レイヴン出せんかった…。
あと所々読みにくくなってますが、手違いでやってしまいました。携帯電話の書き込みの制限が今一判らないんですよ…。

支援していただいた方達に感謝のありがとうを。
そして投下されたすべての職人の皆さんにGJ !!を捧げます。

おやすみなさい…。
携帯だと一人一人にGJを送りにくいです…。
478リリカル・コアfrom携帯:2007/12/03(月) 00:23:39 ID:Y5jUsq0/
二重投稿してる…。
見積もりが駄目駄目だよ…

お目汚しすみませんでした
479反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/12/03(月) 00:35:16 ID:2ixfCGLt
>>478
GJでした!
二重投稿なんて気にしない気にしない。ドジッ子職人は当スレの代名詞ですぜ(俺含めて)w

さってと、今日も寝るの遅くなりそうだ。
下手するとまた徹夜かも…いい加減テンションがおかしくなってきたZE!
それではリリカル・コア氏、おやすみなさいませー。自分はまだまだ寝れそうにないですw
480名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/03(月) 00:39:23 ID:fynQYJrh
ナンバーズの活躍が多そうで嬉しいな
GJでした
481×DOD:2007/12/03(月) 00:53:50 ID:6cQPoxLH
GJでした。数の子の今後が明るいといいなあ…


そして1時過ぎから投下予告してもいいでしょうか。投下間隔が未だに掴みがたい…
482名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/03(月) 00:59:48 ID:5Le6NQ1A
>>481
ご予約承りました。
×DOD様、でございますね。

ではお待ちしております。


と、どこぞのフロントみたいに・・・
483名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/03(月) 01:04:25 ID:GeIQDoOB
>>481
了解。只今より支援態勢に入る。
総員、全力全開で支援せよ
484名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/03(月) 01:05:14 ID:VmGLesZW
>×DOD
来いよ、ベネット!
ボイラー室で支援準備しながら待機。
485Strikers May Cry:2007/12/03(月) 01:06:41 ID:luBkCLan
リリカル・コア氏おやすみなさいまし、そしてDOD氏、これより支援の心構えでございます。
486反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/12/03(月) 01:10:35 ID:2ixfCGLt
正直寝不足でキツいが、支援するぜ!
進路クリアー、発進どうぞ! 勇気と共に進め!
487×DOD:2007/12/03(月) 01:13:06 ID:6cQPoxLH
 殺戮の衝動を、己の意志に従えられるかどうか――竜に向けられた彼の『声』は、
それを確かめたいと告げていた。
 カイムの精神は苛烈すぎる戦いの中で、人間の正常の範囲から一度崩壊してしまっている。
復讐に身を焦がして人を斬り続ける内に、いつしか「人を殺すこと」そのものに快楽を覚えるように
なってしまった。
 最近になってようやく安定してきてはいるものの、それでも先のガジェットの奇襲の時に、
決して己の中の獣がなりを潜めたわけではないと思い知らされた。
 だからこそ今回の手合わせを、「模擬戦」とやらを諾した。
 その試合は魔導師の一部が待ちに待ったものであったが、竜騎士カイムにとっては実験を兼ねていたのだ。
 実際、連れてこられた訓練場で、彼は愛剣を抜いたものの、手合わせでは攻めの手を高速の火球、
ブレイジングウイングの連撃のみにとどめた。
 相手を舐めていたのではない。逆に脆弱なあの鉄屑とは違うと、相対した時に認めたのだろう。
ある程度力を持つ者に自ら手を出すことで、檻が爆ぜるのを恐れたのだ。
 戦いは、序盤はほぼ拮抗。
 契約者の鋭敏な感覚は「敵」の攻撃をかわし続け、集束も圧縮もしない火球はダメージこそ少ないものの、
動きを止めるのには十分だった。
 反撃はあったものの、最初は問題にならなかった。カイムの反応速度は既に人間の域を超えている。

「何なのだ、これは?」
「これは…何?」
「ヴィータちゃん?」

 しかし戦意の高揚を見せる相手が、火炎ごときで足を止めるわけがなく。
 むしろ単調な攻撃に、自分をなめているのかとさらに奮起する始末。それに何やら恨みでもあるのか、
ヴィータの白兵戦は普段より一段も二段も激しかった。
 唸りを上げて振るわれる鉄槌が続けざまに胴を掠め、高速の火球は彼女の防護服に次々と弾かれていく。
気が付いたら殺していたという事態だけは何としてでも避けなければならなかったが、戦況はカイムにとって
あまりにも不利すぎた。
 気迫の分だけ増した隙に的確に火炎を叩きつけていくが、しかしあの布の鎧がどうにも破れない。
己の攻めの手を封じたカイムの方がジリ貧になるのは、当たり前の話だった。
 ヴィータとて、出し惜しみをしてなんとかなる相手ではなかったのだ。

「…え…っと……」
「…試合になっておらぬな」

 そして劣勢が確定した頃になって、ようやくカイムは火炎以外の魔法を使った。
 短剣「地竜の鉤爪」に封じられた呪術、クロウオブアイアンウィドウ。乱入したあの任務で、フェイトたちの
相手だったガジェットドローンの群れを圧し潰した、鉄球を空に呼ぶ魔法。
 小柄なヴィータの体を一回りも二回りも超える、八個の鉄球が宙に出現する。
 自分の足元に落ちる影に気づき、横っ飛びに回避するヴィータ。そのすぐ側を黒い塊が物凄い勢いで掠め、
さらに次の球が背後に落下し、訓練場のアスファルトを粉々に砕いていった。
488×DOD:2007/12/03(月) 01:15:13 ID:6cQPoxLH
 チッ、とカイムから舌打ちがこぼれる。
 放ったのは今使える全ての魔法の内、発動までの溜めが最も短いものの一つ。
それを、地面の影で察して、反応するとは。
 今までの戦いで見た防護服、バリアジャケットとやらの性能を酌んで割と多めに魔力を練っておいた筈だった。
防御力を過信していて取れる速度の回避ではない。はやてという女が言っていた、
「守護騎士」の名は伊達ではないということか。
 それでも今のところ、威力のある魔法を使ったからといって、精神のタガが外れてしまうわけではないと確認できた。
 魔力の消費は小さくないが、「未曾有の戦い」を経て膨れ上がったそれにはまだまだ余りがある。
追撃でもう一度、更に魔力を注いで鉄球を呼び出そうとして。
 それは起こった。

「…あの小娘、一体何をしておるのだ?」
「わ、私に聞かれましても…」

 ヴィータが戦闘を放棄した。
 口に出してその意思を宣言したわけではない。しかしそれは行動で示された。
 倒すべき(模擬戦上)不倶戴天の(個人的に)敵を前にして、それを無視する事は戦うことを棄てたと
見なされる。ヴィータがしたのは、まさにそれであった。
 具体的に何をしたか。
 確認しよう。ヴィータは自分で決めた事とはいえ、今目の前にいるこの男のおかげで、
毎朝毎朝都市部のパトロールをしてきた身である。
 そのうえ、目当ての「不審者」カイムはさっぱり見つからなかったのである。もちろん部下たちに
見せるようなヘマはしないが、友人や主が察していたように男への苛立ちは日々募り、ストレスは
溜まっていく一方。

――目の前には黒光りのする、見たこともない大きな鉄球。

――手には鉄槌。邪魔はいない、いるかもしれないがもう頭にはない。

 ストレスを解消するもの、人によるがそれは一般に「趣味」と呼ばれることが多いのである。
そして、ヴィータの趣味は――


「おおおおりゃああああっ!」

 物凄い勢いで振りかぶったグラーフアイゼンが、自分の身長を超える鉄球の芯を打ち抜いた。
 カイムを狙ったわけでもなく、まるっきりあらぬ方向へ飛び去る黒い球体。
 まっさらな平地では味気ない、障害物用にでもと用意されたビルを打ち抜き、三つ、四つと貫通したところで
ようやく失速して落下する。
489×DOD 四章二節 3/7:2007/12/03(月) 01:17:13 ID:6cQPoxLH
「一度、一度やってみたかった…ッ!!」

 俗な例ではあるが、たとえばショッピングモールにある買い物のカート。
 人を載せて思い切り発射してみたいと思った事はないだろうか。
 人間、少なくとも普通の人格を持つ者の多くは、法に触れる事はないが「常識的にやってはならないこと」の
誘惑に多かれ少なかれ駆られるものである。
 言うなればそれは巨大ビリヤード、いや彼女からすれば巨大ゲートボールだろうか。
妙な衝動に襲われたヴィータは最終的に、模擬戦ではなくストレスの発散を選択した。
 少女は不審者より趣味を選んだ。
 自分の魔法が遊びの道具にされるのは流石に気に食わないのか。意味不明な光景を眺めていたカイムも、
これでも喰らえと言わんばかりに鉄球の魔法を連発する始末。

『だぁぁああらああ―っ!!』
「ヴィータ、パトロール続きで結構苛ついてたしなぁ…カイムさんのこと、捜してたみたいやし…」
「カイムが告げた、街で後を追ってきた妙な幼子とはあやつの事だったか」
「恐らく…」
「……どうする心算だ、白」

 こうなってしまうと、もう模擬戦どころの話ではない。ため息混じりにドラゴンが言った。
 一体誰の事か、一瞬皆判断に迷う呼び名。
 しかし視線の先にいるのは一人で、ドラゴンと面識のある、白い魔導師と言えば。

「シロ…わ、わたし!?」

 鳴り響く鉄球の轟音の中で、愕然と声を上げるなのはであった。



「………」
「た、楽しくなんかなかったぞ、楽しくなんか!」
「…まだ、何も言ってないんですけど…」
「ぐっ」

 戦闘ですらなくなった、馬鹿馬鹿しい手合わせが終わった後。
 というより埒が明かなくなって強制的に終了となった後、いつものように、
または無視した気まずさに口を開けず、無言のまま帰ってきた剣士と鉄鎚使い。
 そのうち鉄鎚の方に視線が集中し、慌てて返した言葉はスバルに切って捨てられた。

「まあいい。娘、話を続けるぞ…戦力を限る、と言ったな?」

 まったくやれやれといった様子でドラゴンが言う。それを追って視線がヴィータからあさってに外れた。
 この時ばかりは、ヴィータはまだ信用していないこの竜であるが、本気で感謝したという。

「はい…機動六課の保有戦力は、これでもリミットぎりぎりで…」

 答えるはやての声は小さめだ。勧誘に成功し、そして模擬戦の相手を選ぶことになった時点では
喜びやら焦りやら何やらですっかり頭の中に無かったが、模擬戦の中でデータを測定するリインを見て
気付いたのである。
490名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/03(月) 01:17:18 ID:5Le6NQ1A
支援、でございます
491×DOD 四章二節 4/7:2007/12/03(月) 01:20:31 ID:6cQPoxLH
 一部への戦力の集中を避けるという理由で、管理局内で一部隊の保有できる魔導師のランクには
ある程度のラインが定められている。
 そのためはやてをはじめ、なのはやフェイトといった隊長クラスの魔導師たちは皆本来のランクを
抑えるべく、魔力を封じるリミットが今も課せられているのだ。
 ドラゴンに関してはキャロとフリードと同じ関係ということで申請すれば、事なきを得ることは可能だろう。
確実かどうかはやってみなければ分からないが、彼らを知るクロノにでも口添えを貰えばそのくらいは
きっとどうにかなる。
 だがその場合、ドラゴンを使役する立場として扱われる、カイムについてはそうはいかない。
 先程の模擬戦では序盤は攻撃手段と魔力の限定、終盤はもはや戦闘の様相すら呈していなかったという
こともあって、一応データとしては規定を超えてはいなかった。しかし実際管理局に嘱託するには試験を
受けなければならず、そこにおいては恐らく誤魔化しは効くまい。
 そう。よほど強力に、魔力を封じでもしない限りは――

「問題無い。詰まるところは、魔力を抑えれば良いのだろう?」
「へ? あ、はい」
「……だそうだ。カイム」

 考えそのものをずばり当てられて、どこか抜けたような声を上げるはやての横、カイムが静かに目を閉じた。
 何をと思った次の瞬間、あっ、と幾つか声が上がる。
 その体から魔導の気配が、感知の最小まで消え失せたのだ。

「一時は手こずったが、今は魔力の制御なぞ造作も無いこと。牙すら隠せぬ愚鈍の輩が生き延びるほど、甘い生を送っておらぬ」

 魔導師たちが知る術もないが、強者ひしめく空中要塞をはじめ、カイムたちの戦いは敵地での遊撃が主であった。
 大きな戦争のないミッドチルダの、その中でも潜入が必ずしも前提でない機動六課の面々よりも魔力の隠遁に長けてい
るのは必然である。
 それに。そうでなければ、とうに赤子に喰われている。

「………」

 開いた口が塞がらないとはこの事だ。一体どういう生活を送れば、これほどの隠密を体得できるというのか。

「これで文句は無かろう。それにどうせ、先の手合わせでは何の記録も取れてはおるまい?」
「あ、はい。魔力量しか…」
「全てを解放した訳ではない。その量も高が知れていよう…御蔭で動きやすい。その点では、そこの小娘はよくやった
と言うべきか」
「…楽しんだ割には」
「ちっ、違う! 楽しんでなんかないっ!」

 じっとりとした視線を向けるシグナムに対し、ヴィータが慌てて否定する。
 しかしあれだけ暴れ回った手前、信じる者はいなかった。
492×DOD 四章二節 5/7:2007/12/03(月) 01:24:58 ID:6cQPoxLH


 話もついたということで、その後集まりは一旦お開きとなった。
 気が付けば、陽が高く昇っていた。昼食の時間が近くなっていたのだ。
 午後の教練を見に来ると約束を取り付けると、カイムとドラゴンはさっさと森へ帰ってしまった。人目に姿を晒すのを
あまり好まないのか、それとも自分たちを信用していないのか。

(目立つからやな、多分)

 隊長格の魔導師、なのはやフェイト、そしてリインを交えた食事を楽しみながら、はやてが結論したのは前者だった。
 欠片も信用されていないのなら、恩があるとはいえそもそも力を貸すような話も出ては来るまい。
 キャロの件もある。ドラゴンが彼女を見るときの目は、なるほど確かに師が弟子を見る穏やかさが感じられた。
出会ってから日は浅いが、ひょっとしたらいろいろ気を揉んでくれているのかもしれない。

「…で、なのはちゃん…どうしたん?」

 あまり考えても仕方がないか。そう思って顔を上げると、やや控え目に盛られたスパゲティの皿の向こうには、
なのはの沈んだ姿があった。
 その周囲からはずーんと暗い空気が漂っている。見かねたフェイトが何やら慰めているようだが、
伏せられた顔が上がってこないとかろから察するにあまり効果は無いらしい。

「………シロ………」

 小さく呟く声は、本当に暗かった。

「…ま、まあ、さすがにあれは酷かったかもしれへんな」
「な、なのは、悪気はなかったんだよ、きっと」
「…あの後、散々からかわれた」
「あ、あはは……」

 それを言われると、二人とも笑って誤魔化すしかない。
 なのはが言っているのは、去り際ドラゴンと交わしたこんな言葉だった。

――この世界の魔導にも興味がある。昼の鍛錬とやらに顔を出すが…構わぬな、白?
――しっ…あ、あの、できれば、違う呼び方に…
――何だ、白。
――〜〜〜〜〜〜っ!

 不幸中の幸いは、新人たちを先に帰らせていたことか。
 どう聞いても、ドラゴンに弄ばれているようにしか聞こえない。
もし新人たちに聞かれていたらと思うとぞっとする。

「……フェイトちゃん…わたし、犬みたいに見えるのかなぁ…」

 カイムに出会うまで基本的に人間と距離をおいて生活してきたドラゴンからすれば、
数少ないまっとうな知人であるが故の行為である。
 それにドラゴンがペットの名前の定番など知る筈もなく、ただ狼狽するなのはを弄って遊んだだけだ。
しかし当のなのははそんなことは知らない。
 管理局において名実ともにエースオブエースと評され、実際多くの任務を経験してきたが、
さすがにペットみたいに呼ばれたことはなかった。
 相当ショックだった。
493名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/03(月) 01:25:28 ID:VmGLesZW
なのは「こいつら、状況に応じて戦闘力(魔力)を変化させることが出来るのか!?」
DBのサイヤ人襲来編が思い浮かんだw支援
494×DOD 四章二節 6/7:2007/12/03(月) 01:28:33 ID:6cQPoxLH
「……」

 そして当然、問われたフェイトがそれを聞いたことも有る筈はなく。
 ふと、家を守っている己の使い魔アルフの姿を、頭の中で重ね合わせる。
 栗色の髪からぴょこんと飛び出た耳。
 純白の衣の向こうでふわふわと揺れる、長めの尻尾。

「…………」

 ――それはそれで、いいかも。

「……うぅ」
「あ、み、見えない、全然見えないから元気出してなのはっ!」
(…リイン、さっきの映像って記録しとった?)
(い、いえ、でも音声なら)
「は、はやて!」

 一瞬あらぬ方向へ走りかけた自分の思考をバルディッシュで天の彼方まで吹き飛ばし、フェイトは必死になって叫んだ。

「わ、悪ふざけはの辺にしといてやなっ…あの人達、どう思う?」

 さすがに拙いと気付き、いい加減に真面目な話に切り替えるはやて。
 語気が今までの冗談混じりのものから「部隊長」としての真っ直ぐなものへと変わり、
フェイトは立ち上がりかけた腰を再び椅子へと戻す。
 鬱屈していたなのはもまた、遅れてではあるが普段の調子を取り戻して顔を上げた。
仕事とプライベートの切り替え。手こずりはしたが、基本である。

「…まだ、力は隠してたと思う」
「あそこまで魔力の制御が完璧だと、データもちょっと信頼度は低いです」
「うん。私も…ヴィータちゃんに聞いたけど、本気を…『出したいけど出したくない』みたいだった、って」

 フェイトとリイン、続いてなのはの意見は一致した。そこに唯一の模擬戦経験者ヴィータの言葉も加味すると、
同じ見解に四票が集まったことになるか。
 そのヴィータは現在、シグナムと一緒に自分の食事を調達している最中である。何でもシグナムが、
聞きたいことがあるのだそうだ。想像はつく。大方、カイムの腕についてであろう。
 …しかしそうだとすると、シグナムはモニタリングを見ていたにもかかわらず、
わざわざ尋ねに行ったことになる。
戦い方に疑問をもったという点では、もう一人増えたと言えよう。そしてそれは、はやても同じこと。

「…『出したいけど、出したくない』?」
「うん。そう言ってたよ」
「信用されてないってことやろか?」
「でも…それだったら、『出したい』の説明がつかないと思います」
「まだ事情を詳しく聞いた訳じゃないし、仕方ないのかも…」

 それもそうかもしれない、とはやては思った。言われてみれば確かに乱入の理由や事情は
模擬戦の間に聞くことができたが、そういえば彼らの過去や、素性は未だに白紙のままだ。
495×DOD 四章二節 7/7:2007/12/03(月) 01:31:58 ID:6cQPoxLH
 キャロはどう、とフェイトに聞いても「特に何も聞いていないみたい」という答えしか返って来ない。
頼みの綱といえば残るはクロノだが、なのはによれば彼からも情報は得られていないそうだ。
 となれば、自分たちで訊いてしまった方が早いか。

「今度、聞いてみよっか」
「せやな」

 幸い助力は約束してくれたのだ。無理な詮索さえしなければ、話してくれる機会は遠くはあるまい。
「戦う以外に出来ることはない」とはドラゴンの言だが、共同戦線を張るのに互いを知ることが鉄則なのは
言うまでもないし、ドラゴンだって承知のはずだ。

「それにしても…前も言ったけど、素性も知らずによくキャロを任せる気になったなぁ」
「あはは…それは、シグナムさんにも言われたけど…」
「でも竜召喚なんて技術、私たちには無いから」

 フェイトが思い出しながら言い、なのはが言葉を引き継いだ。

「専門かは分からなかったけど。少なくとも、私たちよりはキャロに近いしね」

 そう言った顔には一点の陰りもなかったが、はやてもフェイトも、皆忘れてはいない。
 正式な訓練も受けず、過酷な戦いを続けてきたが故の、とある事故の事を。

「…せやな。けどまあ、エースオブエースの人を見る目は正しかったみたいやな」
「人じゃなくて竜ですよ、はやてちゃん…」
「…そのドラゴンに散々遊ばれちゃったけどね…」
「ああ、またなのはが欝モードにっ」

 己の過ちを二度と繰り返させない。その最大の配慮をもって、なのはは今も新人たちを導いている。
 スバル、ティアナ、エリオとキャロ。少年少女たちにとって、これ以上幸せな環境はあるまい。

(せやな。無理は、あかんな)

 あの竜と竜騎士が、なのはの力になってくれれば。はやては心から、そう願った。
496×DOD:2007/12/03(月) 01:36:39 ID:6cQPoxLH
でんぱ たたないです ぷーぷー



携帯からでした。長引いて申し訳ない。
そして支援感謝!
497名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/03(月) 01:41:33 ID:5Le6NQ1A
>>496
GodJob!!!
徐々にその力を見せはじめてまいりました!!!!
次回もワクテカ、でございます。
498反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/12/03(月) 01:42:39 ID:2ixfCGLt
>>496
ああっ、×DOD氏に電波属性が!?
ともかくGJ! ヴィータ…一度やってみたかったって…w

…ああーっ、もう無理! 限ッッッ界!
ちょっくら1時間ほど仮眠取ります。まあ、起きたところで投下するものもないのですが…
明日…明日には投下できるかと…
499名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/03(月) 01:43:51 ID:VmGLesZW
カイムの狂気がいつ爆発するか…
ほのぼののなかにも、風船に針を近づけるような緊張感がたまらないぜw
そして、なのはの力になるなら、具体的にメイス系の武器を渡すといいと思うよw
500名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/03(月) 05:23:40 ID:5hXmUYoG
>>431
亀ですがリインの方に着目して
白い・ちっこい・作中で3人と合体で
飛影が浮かびました。
501名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/03(月) 05:41:54 ID:fdLQJHML
ttp://paint.s13.dxbeat.com/up/src/paint_1975.png
なんか聞いてるとスカさんにこれに乗せてみたくなってきた。狂ってそうだし。
えぇ、最初にライオットで吹っ飛ばされるのは当たり前。

オレンジな奴に乗って再出撃するのも(ry
502名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/03(月) 07:19:01 ID:GeIQDoOB
ヴィータが可愛すぎるw
惚れ直しましたよ副隊長
503名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/03(月) 14:02:59 ID:VmGLesZW
休みだけど平日だからか、静かですね。ひっそりと支援。お目汚しを。
SMC支援絵。バージルとヴィヴィオの関係を妄想して描きました。

http://kjm.kir.jp/pc/?p=48421.jpg

バージルは手を差し出すだけで、絶対に握り返さないというイメージ。
ゲームでもそうだったけど、僅かなデレにもツンが混じってるのがバージル兄貴だと思うんですよね。
なんにせよ、孤高の戦士と薄幸の少女の組み合わせは好物なのです。
何気にスバルの好感度も高い兄貴だが、兄貴の貴重なデレ分はヴィヴィオが独り占めさw
504名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/03(月) 14:05:05 ID:o9fLzZeC
>>503
兄さんのデレは一握りの稀少なものなのに、羨ましいぜヴィヴィオ!
505Strikers May Cry:2007/12/03(月) 14:57:12 ID:luBkCLan
素晴らしいいいい!!!あなたは新世界の神ですか?マジ崇拝いたします。
ところでガングレイヴODの短編ってか嘘予告が出来たんで、投下いいですか?
506Strikers May Cry:2007/12/03(月) 15:11:35 ID:luBkCLan
それじゃ投下行きます、ガングレイヴODクロスの嘘予告。
アニメ版の内容も少し入ってます。
507Strikers May Cry:2007/12/03(月) 15:12:46 ID:luBkCLan
魔道戦屍リリカル・グレイヴ Brother Of Numbers 偽第一話「ビヨンド・ザ・グレイヴ」

覚えているのは青い空…覚えているのは白い雲…覚えているのは……

太陽の光の届かない地下施設、違法なる科学者ジェイル・スカリエッティの研究所の一室で意識を闇に落としていた男は目を覚ました。
「おや、目を覚ましたのかね?」
声をかけたのは白衣を着込んだこの施設の主、ジェイル・スカリエッティ、対するは隻眼の死人兵士(しびとへいし)ビヨンド・ザ・グレイヴ。
「古びたコンテナに眠る君を発見してね、勝手かもしれないが修復と蘇生をさせてもらったよ…グレイヴでいいのかな?」
スカリエッティの言葉にグレイヴは険しい目つきで答える。
「ああ名前か、私はジェイル・スカリエッティだ一応は科学者のはしくれだよ、それと君の名前はコンテナの資料から知ったよ」
スカリエッティがそう言うと彼の作った戦闘機人たち、セイン・ノーヴェ・ウェンディといった元気のある面々がコンテナから発見された荷物を部屋へと運び込んだ。
「ドクタ〜これは何に使うんっすか〜?」
「ああ、それは彼の身体の血液を交換するために使う専用の椅子だよ」
「そんなモンが必要なのかよ、とんだ欠陥品だなそいつ」
「本人の前で失礼な事を言っちゃダメだよノーヴェ、セインお姉ちゃんおこるよ〜」
「うっせー、姉貴面すんな」
「う〜妹が反抗期だ〜今度チンク姉に言いつけてやる〜」
「それはヤメロ!」
そうやってグレイヴの前でナンバーズがやかましく微笑ましい会話を繰り広げる、表情こそ変わらないが彼の出していた殺気が引いたのをスカリエッティは感じた。
「彼女たちはナンバーズ、私の作った戦闘機人…つまり君と同じような人工的な処置を受けた人間だよ、もっとも君は既に死んだ人間のようだが」
「えっ…その人って死んでるんっすか…ちょっと恐いっす」
「厳密に言えばね、でもこうやって生きて動いているのだから、君たちとそう変わらないさ」
怯えるウェンディにそう言うとスカリエッティはグレイヴに向き直り彼に声をかけた。
「さて、それじゃあ必要な事はこの3人から聞いてくれたまえ、私は研究に戻るよ」
「マジかよ」
「別にいいじゃんノーヴェ、最近は暇だったんだからさ」
「そうっすよ、死人も幽霊も戦闘機人には恐くないっすよ」
「恐がってんのはお前だけだろうが」
スカリエッティはそう残してその場を去り、ノーヴェたちがグレイヴの下に集まる。
「あたしはナンバーズ6番のセインだよ♪よろしくねグレイヴ」
「…ノーヴェだ」
「あたしは11番ウェンディっすよ、とりあえず服を着るっすよ」
3人は自己紹介をしてグレイヴの十字架の刻まれたスーツを差し出した、彼は目覚めの血液交換の為に上半身裸の状態だった。
服を着たグレイヴは3人に施設内を案内され様々な場所を歩いた、そして自分が眠っていたというコンテナの下にたどり着いた。
「これがグレイヴのいたコンテナっすよ」
「すごいボロボロだね〜」
「ってかグレイヴっつたか、なんか喋れよ!最初っから一言も喋らねえじゃねえか」
「そう言わないっすよノーヴェ、きっと美少女だらけで緊張してるんっすよ」
そんな3人を置いてグレイヴはコンテナ内部を見た、最後の自分の記憶では十二やビリーと共に戦いを終え、“ミカ”に見守られて眠りについた筈だった。
「あっそうだ、グレイヴ、あたしこれをコンテナの中で見つけたっすよ、たぶんグレイヴ宛っすよ」
ウェンディはそう言うと古びた手紙をグレイヴに差し出した。
彼はその手紙を丁寧に開き、読み始めた……そして最初から一切の感情を見せなかった表情を悲しみに曇らせ、頬に一筋の雫を零す。
「どうしたっすか!?どこか痛いっすか?」
「どっか痛いならドクター呼ぶか?」
「グレイヴ〜大丈夫?」
たった一滴の涙だったが、表情を表に出さない彼が発露するその感情の重さを語っていた。
グレイヴは自分を心配する3人の少女を見て優しく微笑み、かつて自分のファミリー“ミカ”にしたように、そっとその頭を撫でた。
「うわっ、いきなり何するの?まあ悪くないけど…」
「勝手に撫でんなよ…」
「セインとノーヴェずるいっすよ〜その後はあたしっすよ!グレイヴ〜」
地下の薄暗い施設に温かい空気が流れ、微笑ましい笑い声が響いた。

508Strikers May Cry:2007/12/03(月) 15:13:35 ID:luBkCLan
それは彼へ宛てられた古びた手紙、送り主は最愛のファミリー(家族)。

グレイヴへ。
あなたがこの手紙を読んでいる時、私はきっともう、この世には居ません。
専門医の先生からは後半年の命だと言われました、最後まであなたの傍に居られなくてごめんなさい。
最近は昔の記憶ばかり思い出します、スパイクや屍さんビリーさん、そしてグレイヴと一緒に駆け回ったあの時のことを…
きっと私が死んだらあなたは悲しんで泣いてくれるねグレイヴ、でも私はあなたや皆に会えて本当に嬉しかったから、これだけは忘れないで。
この先あなたが安らかに眠り続けてくれるのを祈ります。
でも目を覚ましたらあなたは、また誰かを守ろうと助けようとするよね、私はそんなあなたが大好きだから、そんな時はその人を守ってあげて。
それじゃあ、ありがとう、さようなら…愛しています。

浅葱ミカ。


グレイヴはスカリエッティの下で大した事でない雑用を行いながら、ナンバーズの面倒を見て静かに暮らす、かつての血と硝煙に塗れた日々を忘れるかのように、しかしそんな日々は長く続かない。
ナンバーズが時空管理局という組織の機動六課という名の部隊と交戦になり苦戦をしているという通信が入る。

スカリエッティのラボのドアが乱暴に蹴破られ死人兵士、グレイヴが姿を現す。
「君か…来ると思ったよ」
視線をその場に置かれていたグレイヴの棺桶“デス・ホーラー”へと移し言葉を続けるスカリエッティ。
「弾は全弾非殺傷設定のものを込めておいたよ、、転送はルーテシアが行なってくれる…」
科学者は転移魔法陣を指差し、武器の説明を入れる。
「しかし、良いのかね?これで君は管理局をこの世界の法を敵に回すのだよ?」
その質問に振り向きもせず、死神とまで言われた最強の死人兵士は再び戦いの場へと足を踏み出していた。

「あなたは何でこんな事をするんですか?どうして彼女達を守るんですか?」
戦闘機人を助けに現れた謎の二丁銃の男に高町なのはは、声を荒げた。
「…ファミリーだ」
男はこの世界に来て初めて口を開いた。
「あの子達は俺のファミリーだ!」
言葉と共に地獄の番犬の名を持つ二丁銃“ケルベロス”を構えた男ビヨンド・ザ・グレイヴは戦場を駆ける、新たなるファミリー(家族)を守るために。

続く(嘘)
509Strikers May Cry:2007/12/03(月) 15:17:31 ID:luBkCLan
投下終了、なんかゲームやってアニメ見たら電波受信したので書いてしまいました。
デビルメイクライ3クロス十話は今夜あたり書き終えて投下しようと思います。
510SHINING WIND CROSS LYRICAL ◆9L.gxDzakI :2007/12/03(月) 15:52:39 ID:PS6BdGPU
>>509
GJ! ガングレイブですか…元ネタはさっぱり分からない(汗
あ〜最近見たこと無いものの話題が増えたなぁ〜…

さて、では何事もないようであれば、第7話Aパートを投下したいのですが、よろしいでしょうか?
ちなみに…前回のような、何と言うか…色々スゴイことにはなりません。
ホンワカ〜というか、和やか〜というか…そんな感じで読んでください。
511名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/03(月) 15:54:51 ID:Yy1X+bd9
アニメ版の最終回はよかった……
できれば書いてほしいです
512SHINING WIND CROSS LYRICAL ◆9L.gxDzakI :2007/12/03(月) 15:57:55 ID:PS6BdGPU
第7話「どんちゃん騒ぎの機動六課?(後編・A面)」

※このSSはドラマCD風仕立てとなっておりますので、地の文が少な目になっております。ご了承ください。
※JASRA●への通報はご遠慮ください。
※これが勝利の鍵だ! 【脳内再生】

【前回までの涙ぐましい凡骨ロード】
機動六課のトップ3ことなのは・フェイト・はやての3人が同時に暇になった。
彼女らはこの休暇を最大限に活かすべく、キリヤ達を連れて街へと繰り出す。
そして向かったボウリング場では、(一部)血で血を洗い合う凄惨な戦いが繰り広げられた。
後の歴史に「管理局史上最大の戦い」と語り継がれる、「機動六課ボウリング大会」である。
そして、戦い疲れた戦士達は、とあるカラオケボックスへと足を運ぶのだった…
(ナレーション:相も変わらずキー●ン山田)

【リリカルマスター XENOGLOSSIA】
オープニングテーマ:突撃ラブハート(歌:ファイヤーボンバー)

「一番乗りです〜♪」
はやてが開いたドアから、リインが真っ先にカラオケルームへと入る。
「フリータイムやから、みんな時間気にせず歌えるで〜」
「よーし、夜まで歌いまくるぞー!」
「程々にしなさいよ、スバル。あまり歌いすぎると次の日喉がつらいらしいから」
「ふふん、まだまだねティアナ。喉の痛みを恐れるようじゃカラオケは楽しめないわよ!」
そんな感じで和気あいあいとしながら、一同が部屋の中へと入っていく。
だが、その中でも唯一、キリヤだけはいまいちテンションが低かった。
「あれ? どうしたの、キリヤ君? 顔色が悪いみたいだけど…」
なのはが真っ先に気付き、キリヤに問いかける。
「あ…いや、大したことじゃないんですけど…」
「気にしないでくださいなのはさん、コイツ単に歌がド下手なだけですから」
「そ、そりゃいくら何でもひどいよシーナ…大体、悪いのは俺よりもむしろ●田彰だし…」
何だか前にも見たようなやり取りだ。
シーナの言う通り、キリヤは歌が苦手である。だから、あまりカラオケには来たくなかったのだ。
「大丈夫大丈夫、上手い下手は関係ないよ。自分が楽しむことを考えて」
「はぁ…」
そうは言われたものの、やっぱり歌う気にはなれないキリヤだった。
「じゃあトップバッターあたし達でいいですか?」
「ん、ええよ〜」
「景気よく決めろよな」
と、どうやら一番手が決まったようだ。新人フォワード4人で歌うらしい。
「曲どれにします?」
「これなんてどう?」
「まぁ無難な選曲ね…」
「私も頑張ります」
4人がたかるようにしてリストを覗き込み、曲を決定する。
「んじゃレッツゴー!」
スバルがリモコンを手に取り、曲を入力した。
513SHINING WIND CROSS LYRICAL ◆9L.gxDzakI :2007/12/03(月) 15:59:05 ID:PS6BdGPU
【Break Out】
歌:JAM Project(「スーパーロボット大戦OG ディバイン・ウォーズ」OPテーマ)

「おおー、JAMですかー♪」
「ま、基本だわな」
「そうなのか?」
「…シグナム…お前、ホント戦闘以外に趣味見つけた方がいいぞ…」
ヴィータが呆れた口調で言う。傍のシャマルも苦笑気味だ。
「ティアが影山パートね。あたし遠ちゃんやるー♪」
「じゃあ僕が福山で行きます」
「私はきだたにさんですね」
「ってちょっと! 松本・奥井の叫びはどうするのよ!?」
「んー…適当!」
「適当って…あーもう曲始まっちゃう!」
そんなこんなでロック調のイントロが終わり、遂に歌詞に入る。
「ブ…ブレイクアゥッ!」
結局松本パートはティアナがやった。
「みなぎるパッショーン♪ ほ〜のおのショウターイム♪ Red Hot Soldier〜♪
 吠えろっ!」
「ギリギリデッドラーイン♪ 下手をすりゃNo Surviver〜♪ Steel Heart Soldier〜♪ いーっ千万のBurning Heart!」
「暗闇のか〜なた〜、ヒカリを追いかけろ〜♪」
「Max Speedで銀河を抜けろ〜♪」
文字面では伝わりづらいが、熱くカッコよく歌い上げる新人達。次第に周囲からも手拍子が聞こえ出す。
そして、4人はぴったりのタイミングで声を合わせ…
「「「「Rock on!」」」」
「いえーいっ!」
「ゴーゴーです〜♪」
「「「「ブレーイクアゥッ! つーき破れそして時を超えー未来へぇーっ! はーげしくー強くあーつくぅー!
    限界なんてDon't know why! 愛があるんだオーライッ! 燃えるぜぇーっ!」」」」
「Just All Ready!」
「Let's Count Down!」
「「「スリー! ツー! ワン! ゴーッ!」」」
当然カウントダウンはギャラリーも一緒である。
「「「「Oh〜OhOhOh〜♪ Super Robot Wars!!!」」」」
かくして、初っぱなから大盛り上がりのうちに曲は終了。
「イエーイ!」
「ええよええよー!」
「カッコよかったよ4人とも」
「えへへ…ありがとうございます」
トップバッターからかなりの滑り出し。一同のムードもかなり盛り上がった。
「息もぴったり合ってたね」
「あはは…なのはさんの訓練の賜物ですよ」
「ふふ…ありがとう。教官冥利に尽きるよ」
(教え子をミンチよりひどい段階までフルボッコにする教官だがな…)
若干呆れながら思うヴィータだったが、決してそれを口に出したりはしない。言えば即座に「SATSUGAIせよ!」である。
ちなみに、1番しか再生されないのは、お約束と割り切っていただきたい。
514SHINING WIND CROSS LYRICAL ◆9L.gxDzakI :2007/12/03(月) 16:00:19 ID:PS6BdGPU
「うーし、次あたし行くか」
気晴らしにとでも思ったのか、思考を止めたヴィータがそう言って、リモコンへと手を伸ばす。
「おっ、ヴィータ行くん?」
「頑張ってねヴィータちゃん」
「おう。ボウリングでは色々ストレスたまったからな…一発ドカンといけるのを…っと」

【真赤な誓い】
歌:福山芳樹(「武装錬金」OPテーマ)

「おおお! 出た出た出た!」
「いきなり行っちゃいますか副隊長!」
2006年を代表する名曲アニソンの登場に湧く一同。
「当然だろ。よぉし…行くぜーっ!」
「「「イエーイ!」」」
「ウォオオーオオッ! ウォオオーオオッ! ダッダダダダッダァー!
 ウォオオーオオッ! ウォオオーオオッ! ダッダダダダッダァー! お前とぉぉーっ!」
気合いのこもった声で熱唱するヴィータ。
だが、文面だけ見ると、アホの子にしか見えないのが惜しいところ。
「立ち止まる、ヒ〜マ〜な〜ん〜かないさ〜♪ 考える、余裕な〜ん〜かないさ〜♪
 あぁりったけ〜のお〜も〜いぃ〜を胸〜にぃ〜♪ 灼熱ぅのた〜た〜かい〜の中へぇ〜♪」
「ヘイ! ヘイ!」
はやての合いの手が入る。しかし何と言うか、妙にダサいぞ。
「あまりにも大きな♪ 力の〜壁、世界の〜闇♪ 絶対負け〜るもんか、限界超ぉえてぇぇぇーっ!」
サビに入る寸前の瞬間、ヴィータの身体が光に包まれた。
一瞬の後、光の中から現れたのは、そう、「真赤な」騎士甲冑姿のヴィータである。
「おおおーっ!」
「カッコいい〜!」
「今はわ〜からな〜いこぉとば〜か〜りだぁけどぉ〜♪ しぃんじ〜るこ〜の〜道〜を進〜むだ〜け〜さぁ〜♪
 どんなてぇきで〜も〜みか〜たで〜も〜かまぁ〜わなぁ〜い♪ この〜手ぇをは〜な〜す〜も〜んかっ!」
マイクを握るヴィータの手が高々と挙げられる。
この歌には、一部の人にのみ通じる、ある楽しみ方があった。要するに…
「「「真赤な誓いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」」」
弾幕、である。
「いつまーでもっ! いつまーでもっ! 追い続けるんだぁーっ!
 どこまーでもっ! どこまーでもっ! 明日への勇気をぉーっ!
 どこまーでもっ! どこまーでもっ! 燃えたぎるハートをっ、お前とぉぉーっ!」
曲の終了と共に拳を掲げ、キメポーズ。自然と周りから拍手が起こった。
「ヴィータちゃんやるぅ!」
「カッコええよ〜」
「流石副隊長! あたしも見習わないとなぁ〜」
「へへ…ま、まぁ、褒められて悪い気はしねーな」
ほんの少し顔を赤らめ、ヴィータが頭をかきながら言った。
515SHINING WIND CROSS LYRICAL ◆9L.gxDzakI :2007/12/03(月) 16:01:30 ID:PS6BdGPU
「シーナ、次辺り歌わないのか?」
「ん〜、ちょっと待って。今曲選んでるから」
パラパラとリストをめくりながら、シーナが返事をした。
横ではスバルもまた、もう一冊をうんうん唸りながらめくっている。
「あ、じゃあ私が繋ぎでいいかしら?」
と、名乗りを上げたのはシャマルだ。
「シャマル先生ですか?」
「そんな繋ぎと言わず、どーぞどーぞ」
「ウフフ…ありがと。それじゃあ遠慮なく…っと」
シャマルがリモコンを取り、曲のナンバーを入力。その選曲は…

【地上の星】
歌:中島みゆき

「お…おおっ!?」
「な、何だかすごく渋いチョイスですね…」
物々しいイントロが流れ、一同の意識がシャマルに集中した。
「え〜…それでは、歌わせていただきます。中島みゆきで、『地上の星』。
 …風の中のすぅばるぅ〜♪ 砂の中のぎぃんがぁ〜♪」
「おおー! 渋い!」
「カッコいいです〜♪」
「何やろ…渋カッコいい、ってやつ?」
丁寧な挨拶の後から放たれた、コブシの入った完璧な歌声に、思わず聞き入る一同。
ボウリング大会といい、何だかシャマル先生がパーフェクト超人に見えてきたぞ。
「みんなどこへい〜ったぁ〜♪ 見送〜られることも〜なくぅ〜♪
 草原のペガァサスぅ〜♪ 街角のビーナスぅ〜♪ みんなどこへい〜ったぁ〜♪ 見守〜られることも〜なくぅ〜♪」
「それにしても、また意外な取り合わせですね…」
エリオが隣のキリヤに声をかけた。
「エリオ、これはあれだ。新しい萌えの形というやつだよ」
「本当ですか。リリカルなのはシリーズも、遂に萌えの新境地開拓に踏み切ったんですねぇ…」
「あの…それどこかで聞いた覚えがあるんですけど」
流石はツッコミに定評のあるティアナ、心を通わせたキリヤ相手にも容赦ない。
「本当ですか?」
「うん、何かのアニメの受け売り」
「ひどいじゃないですかキリヤさん、騙すなんて!」
「ははは…悪い悪い。でも、俺は自分で考えたなんて一言も言ってないよ」
「それでも、からかわれていい気分はしませんよぉ!」
腕をぶんぶんと振り回して憤慨するエリオ。
「つぅ〜ば〜めぇよぉ〜♪ 地上の〜星はぁ〜♪ 今〜どぉこ〜にぃ〜あるんだろぉ〜♪」
そして、そんな彼を尻目に、シャマル先生は熱唱するのだった。
516SHINING WIND CROSS LYRICAL ◆9L.gxDzakI :2007/12/03(月) 16:02:49 ID:PS6BdGPU
「にしても、さっきのシャマル先生すごかったですね…」
「まさか、あの歌をあのレベルで歌い切るなんてね」
そんな風にしみじみと語るティアナとクレハだったが、不意にスバルがティアナの顔を覗き込んでくる。
「…何よ」
「えへへ…ね〜、ティアは歌わないのぉ?」
「別に歌わないってわけじゃないけど…あたしはさっきの合唱で十分よ」
「歌おうよティア〜、あたしもその次歌うからさぁ〜♪」
首に手を回してじゃれつくスバル。その中でティアナが必死にもがいていた。
「う…うっさいわね! 別にいいって言ってるでしょ!」
「もう選曲しちゃうもんね〜」
そう言って、スバルがリモコンのボタンを叩いていく。
「ああっ、こら! スバル!」
「皆さ〜ん、次はティアが歌いま〜す!」
ティアナのマイクを握り宣言するスバル。
「おおっ、期待できそうやね」
「いいとこ見せなさいよティアナ!」
「あ、いや、違うんです! その…」

【Shuffle】
歌:奥井雅美(「遊戯王デュエルモンスターズ」OP)

しかし無情にも曲は始まる。
(あーもうっ! しかもよりによって、ピンポイントであたしの十八番じゃない…)
スバルの意地汚さに歯噛みしつつ、ティアナがマイクを握った。
曲が流れても拒否しない辺りが何とも律儀である。
「…超えられっな〜い♪ イライラすっるぅ〜♪ ハードルッをぉ〜壊したって♪
 なん〜にもぉ〜答〜えはぁ〜出ないしぃ〜っ♪」
アニソン歌手特有の、所々に力の入った歌声を再現し、力強く歌い上げる。
「へぇ〜…上手いんだな、ティアナ」
キリヤが感嘆の声を漏らした。
「ふふ〜ん、ティアは訓練校時代、生徒のカラオケ大会で優勝したこともあるんですよ」
「えっ、そうなのか?」
「恥ずかしがって、あまり人前では歌ってくれませんけどね」
ぺろっと舌を出してスバルが言った。
「見えなぁ〜い〜あし〜たの〜み〜ち♪ え〜がく〜こ〜とはぁ〜♪ 出来ないっかっも〜し〜れな〜い♪
 目を閉〜じて〜ここ〜ろでっひ〜く♪ just like card♪ き〜っと〜♪ 約束された〜 yes you are the winner!」
若干顔を赤くしながらも、ティアナは全力で歌う。
歌うこと自体は嫌いではないのである。ならば、本気で歌って楽しまねば丸損だ。
「never lose! ここ〜ろでっひ〜く♪ just like card! き〜っと〜…奇跡が起こ〜るからぁーっ!」
確かな手応えを感じつつ、歌い終えた。同時に冷静さを取り戻し、
「…だぁっ! 恥ずかしかった…」
顔を右の手のひらで押さえながら言った。
「そんな恥ずかしいなんて言うようなもんじゃないよ。上手かったじゃないか」
「そうですよ、ティアナさん」
「…そういう反応もあまり好きじゃないんだけど…」
「ふふ…ティアナの意外な一面を見ちゃったね」
517名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/03(月) 16:03:15 ID:zHNdKxzO
ガングレはゲームもアニメもやってるが、
グレイブとミカが出てるらしいSRPGはまだノータッチだな。
ミカが死んでるって話はそっちの関係かな?

屍とビリーは一緒に出られる可能性があるな。
518SHINING WIND CROSS LYRICAL ◆9L.gxDzakI :2007/12/03(月) 16:03:59 ID:PS6BdGPU
「よーし! じゃあ宣言通り、次はあたしが歌います!」
スバルが手を挙げて高らかに宣言する。
「よっ、待ってました〜!」
「楽しみです〜♪」
トップバッターを名乗り出たスバルなだけに、皆の期待も集まる。

【燃えろ!トランスフォーマー】
歌:五十嵐寿也、森の木児童合唱団(「トランスフォーマー 超神マスターフォース」ED)

「さぁみんな行きますよー! 燃えろ!トランスフォーマーッ!」
しょっぱなのマイクパフォーマンスからハイテンションで飛ばすスバル。
「イエーイ!」
自然と皆もそれに引きずられる形でテンションが上がる。
(スバル…何歳なんですか貴方は?)
一方、キリヤを含めた一部のメンバーは、スバルの年齢とトランスフォーマーの世代にずれを感じ、
何ともいえない違和感に囚われるのだった。
「Changing♪ Changing♪ 叫ぶ地平線♪ 君に〜きっと何かがお・き・る〜♪
 Burning♪ Burning♪ 燃え上がる空〜♪ 怒りをこめて〜パワー全か〜い〜♪」
拳を握り、感情をこめて歌い上げるスバル。本当に貴方は何歳ですか?
「Hero♪」
「「「ヒーロー!」」」
「Hero♪ 炎のバ〜トル〜♪ 昨日の〜き〜みを〜超〜えて〜ゆけ〜♪」
「「「ユーアーヒーロー!」」」
皆の合いの手を受けながら、曲は遂にサビに差し掛かった。
何となくスバルの好きそうな歌詞だなぁ、とキリヤはぼんやりと思った。
似ているのだ。微妙なスポ根思想が。
「そうさHero♪」
「「「ヒーロー!」」」
「Hero♪ マスターフォースでぇ〜♪ …君もき〜みも〜♪ トランスフォーマァ〜♪」
気持ちのよさそうな笑顔で、スバルは歌い上げた。
「ありがとーございましたー!」
スバルは勢いよく感謝の言葉を叫ぶと、ぺこりと頭を下げる。
「よかったよ〜スバル〜」
「フッ…さすがに積極的なだけはあるな」
「カッコよかったですよ、スバルさん!」
「えへへ…みんなどうもどうも〜」
少しだけ照れくさい様子で、スバルは頭をかいた。
519SHINING WIND CROSS LYRICAL ◆9L.gxDzakI :2007/12/03(月) 16:05:35 ID:PS6BdGPU
「ねぇフェイトさん、一緒にデュエット組みましょうよ!」
そんな話を持ちかけてきたのはシーナだった。
「えっ…私と?」
「そうそう! フェイトさん、歌が上手って聞きましたよ〜♪」
「おう、こん中では多分1番だな」
「ヴィ、ヴィータ…」
褒められることには慣れられない性格のフェイトは、思わず顔を赤らめる。
「歌ってみてくれませんか? シーナさんも、歌がとっても上手いんですよ」
「声のよく似た2人のペアかぁ…いいデュエットになりそうだね」
「そうだ、歌えテスタロッサ」
クレハとなのは、そしてシグナムの後押しもあり、ようやくフェイトも了承する。
「あ、うん…分かった。じゃあシーナ、これでいいかな?」
「オッケーです! じゃ、行きますよ〜!」

【PEACE AGAIN 〜ピース・アゲイン〜】
歌:下成佐登子(「戦え!超生命体トランスフォーマー」ED)

先ほどまでの流れとはうって変わり、穏やかな曲調のBGMが流れる。
「そうだね…ちょっとこの辺で休憩ってとこかな?」
「激しい曲が続きましたからね」
なのはの言葉にキャロが合わせた。
やがて曲は歌詞に入る。もちろん先に歌うのは、積極的なシーナだ。
「流せ〜いの〜彼方から響くTRUE OF HEART〜♪」
「地球は〜今〜デンジャラ〜スゾ〜ン♪」
「「「おおおー!」」」
優しくも悲しい曲調を見事に掴み、抜群の歌唱力で歌い上げるシーナとフェイト。
息もピッタリと合っている。さすがに中の人が同じだけはある、ということか。
「GIVE ME NOW〜♪」
「PIECE AGAIN〜♪」
「「燃えるそ〜ら〜に〜悲しみ〜だけは〜♪ 捨ててくださぁ〜い〜♪
  戦うためぇ〜生まれた〜TRANSFORMER〜♪」」
2人同時のパートもシンクロ率400%でこなし、曲は終了。
「イエーイ!」
「すごいですー! 歌姫ですー!」
「まさかこんなレベルのモンが聞けるとはなぁ」
湧き上がる拍手。まさしく機動六課総動員による大☆喝☆采だ。
「声援どーもーっ!」
「あ…ありがとう、みんな…」
満面の笑顔で、シーナは賛辞を受け止める。一方のフェイトは顔を少し赤らめてはにかんでいた。
歌声は似ているのに、性格は対照的な2人だった。
520SHINING WIND CROSS LYRICAL ◆9L.gxDzakI :2007/12/03(月) 16:07:17 ID:PS6BdGPU
「シーナさんとフェイトさん、すごかったね」
「いいなぁ…私もあんな風に歌えたらな…」
「つーか、あれの後に歌うのはプレッシャーキッツイだろ…」
ヴィータが評した通り、皆先の黄金デュエットの影響もあって牽制状態に入っていた。
「ダメダメなカラオケだな」
「さすがのシグナムもそれぐらいは分かるか」
そんなカラオケ初体験のニート侍にも分かるようなぐずぐずの空気の中、挙手する者が1人。
「はーい、じゃあリインが行くですよー♪」
プレッシャーとは無縁の小さな勇者・リインである。
「リインが歌うん? …あれの後で大丈夫?」
「大丈夫ですー♪ そもそもボウリングでは出番がなかったので、いっぱい頑張るですよー♪」
「そっか。んじゃリイン、あたしがマイク持ってやるよ」
「はーい♪」
両手を器用に使ってリモコンのボタンを押し、ヴィータの持つマイクへと向かった。

【魂のルフラン】
歌:高橋洋子(「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生」主題歌)

「おおっ、エヴァですか!」
「でも何で残酷な天使のテーゼじゃないんですか?」
ティアナがリインに問いかける。
「それはもちろん、リインの趣味ですよ♪
 …さ〜ぁ、リインフォースUで『魂のルフラン』! 初音ミ●には負けないですよー!」
小さな身体に決意を込めて、リインは歌う。
「…私に帰りなさい〜記憶をたどり〜♪ 優しさと夢の〜源〜へ〜♪ も〜一度〜星に惹かれ〜生まれるために〜…♪
 …たまっし〜のルフラァ〜ン♪」
「いいわよリインー!」
シーナが楽しそうな声を上げる。このチャレンジは、どうやら場の空気の改善に成功したらしい。
「青いか〜げに包まれたす〜は〜だ〜が〜♪ 時のな〜かで静かに震え〜て〜る〜♪
 命のゆ〜く〜えを〜問い〜かけ〜る〜よに〜♪ 指先は私を求〜める〜♪」
「ええねぇ、健気やねぇ」
「そうだね」
可愛らしく歌うリインの姿に和むなのは達トップ3。
と、その時、フェイトが何かに気付いた。
「そう言えば…ルフランって繰り返しの意味だよね?」
「そう言えばそうだな」
「とすると…魂の繰り返しやね」
「生まれ変わり…輪廻転生?」
シグナムの相づちを皮切りに、はやてとシャマルが思考を張り巡らす。
「リインで、生まれ変わり…、!」
なのはがそう言った時だった。
彼女らとヴォルケンリッター…要するに、「A's段階で登場していたメンバー」が、一斉に凍りついたのは。
「………」
「………」
「…うっ…」
そして、そんなヴィータの嗚咽を皮切りに…
「…うわああああああああ〜ん!」
「ふええええええええ〜ん! 初代〜!!」
「くっ…うう…っ…何故だ、何故お前が死なねばならなかった…!」
「お〜いおいおいおい!」
一斉に大泣きしだした。
「あれ? えっと…あの…どうしたんですかー?」
「リイン〜! リインはずっと私らと一緒にいてくれるよな〜!」
「いなくなっちゃったり…グスッ…しないよね…?」
「は、はい?」
止めどなくシャニティアを流す一同に困惑するリイン。
ついでに新人やキリヤ達もこの空気に全くついていけず、置いてきぼりを食らうのだった。
521名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/03(月) 16:08:04 ID:zHNdKxzO
割り込み失礼しました。

支援
522SHINING WIND CROSS LYRICAL ◆9L.gxDzakI :2007/12/03(月) 16:08:29 ID:PS6BdGPU
「うう…グスッ…じゃあ、次誰が行く…?」
「誰かこの悲しいハートを癒してくれる、優しい曲を歌ってくれへんかな…?」
涙を拭いながら、なのはとはやてが言った。
「じゃあ…そろそろ、私が歌っていいですか?」
名乗り出たのはクレハだ。
「クレハさんですか」
「頑張ってくださいね!」
「クレハも歌は上手いからな」
「フフ…ありがとう、キリヤ君」
にこやかに笑うと、クレハはリモコンに手を伸ばした。

【約束】
歌:黒田倫弘(「エレメンタル ジェレイド」ED)

「聞いたことねー曲名だな」
「リインも初めて聞きましたよー」
「とにかくまずは聞いてみて。きっといい癒しになるはずだから」
ヴィータとリインにシーナが言うと同時に、クレハが歌い始めた。
「君が教えて〜くれた歌を口ず〜さみ〜♪ 並ぶ〜影を〜少〜しずつ〜僕は君にち〜か付〜ける〜♪」
優しい響きを伴い、クレハの歌が室内に満ちていく。
「いい歌だね…」
「せやね。こう、何て言うか…甘〜い歌詞がええねぇ…」
少しずつ、周りの面々の表情が穏やかになっていった。
クレハは歌う。あの少年の顔を、瞳に映しながら。
「…そば〜にいるだ〜けで〜♪ 君〜といるだ〜けで〜♪ 
 き〜っと昨日より〜僕は強く〜君のことを好きになっているんだよ〜♪
 生ま〜れたばか〜りの〜♪ 青〜い風〜に〜乗せ〜♪
 い〜つ〜の〜日にか〜この想いが〜♪ かけがえのな〜い君〜に届くよ〜うに〜♪」
ゆったりとした、優しい歌声が途切れると共に、方々から拍手が鳴り響く。
「よかったよ〜クレハ」
「いい歌ですね〜。胸にじーんときました!」
「おかげで気分が落ち着いたよ。ありがとう」
「いえいえ」
フェイトの礼に対し、クレハは穏やかな笑顔で答えた。
「しかしええ曲やねぇ」
「神曲っていうのは、こういう歌のことを言うんですね」
うんうんと感慨深くはやてとエリオが頷く。
「お疲れ、クレハ。…でも…」
「でも?」
キリヤの語尾が気になったクレハは、その先を尋ねた。
「何て言うか…すごく実感のこもった歌い方だったからさ。何かあったのかと思って」
「!」
思わず、クレハはその場で硬直してしまった。
「…あれ? 俺…何か悪いこと言った?」
「キリヤさん…鈍すぎです…」
やれやれと言った感じで、スバルを筆頭に新人フォワード達がため息をついた。
「???」
523名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/03(月) 16:09:44 ID:zHNdKxzO
 
524SHINING WIND CROSS LYRICAL ◆9L.gxDzakI :2007/12/03(月) 16:09:55 ID:PS6BdGPU
「さてと…それじゃ、今度は私が歌おうかな」
遂に腰を上げたのは、エース・オブ・エース高町なのは。
「おおっ! ようやくなのはさんの出番ですね!」
(ポジティブだな、彼女…)
先ほどボコボコにされながらも、目をキラキラと輝かせるスバルにキリヤは呆れる。
「ボウリングみたいなヘマすんなよ」
「大丈夫。むしろ汚名返上してみせるよ」
「今度こそエース・オブ・エースの腕の見せ所だね、なのは」
「にゃはは…また微妙な見せ所だけどね」

【ゲキテイ(檄!帝国華撃団)】
歌:横山智佐(真宮寺さくら)+帝国歌劇団

「おっ…ゲキテイか」
言わずと知れた名曲に、キリヤの声が漏れる。
「確かに、エースのなのはさんにはピッタリな選曲ね」
「カッコよく決めてななのはちゃん!」
「来るぞ来るぞ〜なのはさんの演説!」
この曲には、1番と2番の間に台詞部分が存在する。
だが、今回のカラオケでは2番までは曲が進まない。よって、イントロ部分にそれが持ってこられた。
「…私達、正義のために戦います。たとえそれが、命をかける戦いであろうとも、私達は、一歩も退きません!
 それが、機動六課なのですっ!」
「「「イエーイ!」」」
若干アレンジの加わった「演説」を経て、ようやく歌に入った。
「引き裂いた〜闇が吠え〜ふ〜るえるて〜いとに〜♪ 愛の歌高らか〜に踊りでる戦士た〜ち〜♪
 心まで〜鋼鉄に、ぶ〜そうする〜乙女〜♪ あ〜くを蹴散らし〜て正義を示すの〜だ〜♪」
先ほどのクレハとはうって変わって、力強く歌うなのは。
間違いなく別のアニメの主題歌なのに、彼女が歌うとリリカルなのはの歌にしか聞こえなくなるのは気のせいだろうか。
「は・し・れ! 光速の! 帝こ〜く華撃団〜!
 う・な・れ! 衝撃の〜! 帝こ〜く華撃だぁん〜っ!」
高らかにマイクを掲げ、歌い終える。普段よりもテンションが高いような気がするが、多分曲のせいなのだろう。
「イエーイ!」
「流石なのはさん! お見事!」
「にゃはは…ありがとう」
「しかしまぁ、随分似合う曲だな」
感心した様子でヴィータが呟く。
「シグナムなんかが歌ってもカッコよさそうやね」
「そ…そうでしょうか?」
「もういっそ六課のイメージテーマにしちゃいましょうよ! もちろん歌うのはなのはさんで!」
「でも、それをやると利権問題とか色々面倒なんですよ」
「あ、そっか…」
意気込んで提案したスバルだったが、エリオにそう言われて少ししょんぼり。
525SHINING WIND CROSS LYRICAL ◆9L.gxDzakI :2007/12/03(月) 16:11:07 ID:PS6BdGPU
「それじゃ、そろそろ何か食べ物でも頼もうか」
思い出したようにキリヤが提案した。
彼らはまだ昼食をとっていない。このカラオケ屋で食べる予定だったのだ。
「せやねぇ。みんな、今日は私ら隊長組の奢りやから好きにたn」
「じゃあ、あたしはまずピザにー、チキン3皿にー、サラダ2皿にー、フライドポテトにー…」
「…やっぱ、割り勘にしてくれる?」
冷や汗を流しながら前言を撤回するはやてだった。
「ねーキリヤ、ドリンクバーの飲み物取ってきなさいよ」
シーナがキリヤに命令した。
「えぇ? 何で俺が?」
「だって、アンタ歌ってないじゃない」
「理由になってないよそれ!」
理不尽なシーナの言い分に、キリヤが反論する。
「いいから取ってくる! あたしコーラね〜」
「あ、じゃああたしもオレンジジュースお願いしま〜す」
「えええ!?」
スバルにまで頼まれ、思わず間抜けな声を上げるキリヤ。
「僕もメロンソーダ頼んでいいですか?」
「じゃあ、私もカルピスお願いします」
「あたしもコーラな」
「私はカプチーノをお願いしようかな」
「私もエスプレッソ頼むわ〜」
容赦なく浴びせられる注文に、キリヤは戸惑った。
「ちょっ、ちょっとみんな待っ…」
「ごめんね、キリヤ君。でも…私も、烏龍茶お願いね」
「クレハまで!」
ここまで必死に抵抗してきたキリヤだったが、これには完全に折れた。
地球での仲間達の良心的存在だったクレハにさえそちら側に入られては、もう自分を擁護してくれる人間はおるまい。
「…分かったよ、取ってくる」
「なるべく早めにねー♪」
「シグナムみたいにこぼしたらあかんよー」
「…申し訳ありません、主…」
そんなこんなで、シーナ達に見送られ(?)、キリヤは部屋を後にした。
これじゃパシリじゃないか、と内心で愚痴をこぼしながら。

「それじゃ、A面はここまでで終了。カセットテープを取り出して、B面を再生してね♪」
「何の話してるの、なのは…?」
/////////////////////////////////////////////////////
ユーノ「これじゃまるでなのは達が腐女子みたいじゃないか」
クロノ「諦めろ…そういうツッコミは無しで行くのが、この手の企画の鉄則だ」

にしても、キャラ達が作者の意図に反して勝手に動き出すから困る。
みんなそんなにマジになって歌わないでくれよ…会話が全然はさめれないよ…orz
そんなこんなで悪戦苦闘中のカラオケ編、次回はB面です。ある程度ネタは取っておいてあります。

…完全に読者の皆さんの脳内再生能力に依存する文章って、どうなんだろう…少々落ち込み気味です…
526Strikers May Cry:2007/12/03(月) 16:21:46 ID:luBkCLan
GJでした、B面に期待します。
ガングレイヴODクロスで書き忘れましたが、ミカの死亡は完全な捏造のオリジナル設定ですのであしからず。
527節制の14 ◆6EgzPvYAOI :2007/12/03(月) 16:31:16 ID:rewoXibv
「裏返ったな、エーメンビーメン!」

……オンセンガーの前に、そもそもカセットテープを認識されるかが不安だ。

【レコード針を換えながら】
528名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/03(月) 16:53:04 ID:HAnQJdcj
>>525
GJです。初代リィン・・・・(つДT)
良い感じにみんなはっちゃけてますなーw
529名無しさん@お腹いっぱい。
ああ!SSもGJだが……


>>503が素晴らしすぎる!!!

よころでアニメ版といえば“中の人効果”で集金やら修理に来るオッサンが
ダンボールを被りながら「待たせたな!」「美味すぎる!!」と言いそうで、その、なんだ?
困るwwwww