乙
しかし、過去スレの順番がバラバラだな
私は皆さんに言いたいことがあります。
私はスパロボXのSSは最後まで書きたいと思います。
>>3 空気を読んでくれ・・・・・・。
嫌われてるのが分からないのか?
>1
乙。
>3
有無、決して、火浦功のようには……なって……く、くれるなよ……(泣)
>>3 いきなり、それまでの過程をダイジェスト形式やあらすじで説明してエピローグだけ書いて完結させました!とかはなしの方向だぜ?
>>3 とりあえず、完結の目処が立ってから、プロットが一通りの完結まで構築できてから書くべきだな。
スパロボクロスはこれまでの歴史を見ても、長くなると思われるから。
それができないなら、残念だがあきらめたほうがいい。
途中で、ネタ尽きた、なんてことになりかねないし、gdgdな展開になってしまう。
>>6 それはしないつもりですが、なのはメインの話となるとどうもそんな事言ってられないかもしれません。
しかし、これだけははっきりいいます。
他のキャラメインで敵組織の壊滅になのは達が参加していた場合の話は本編終了後にでも
外伝としてきちんと書きたいと思ってます。
>>7 それは大丈夫です。オリジナルのラストはまだですが、なのはStrikerSの原作再現部分は
既に最後まで構造が練っています。ネタが尽きることはありません。
スパロボXはもう釣りかギャグとしか思えん・・・・
叩かれても続ける俺カコイイ!とか思ってるんじゃなかろうな
スパロボX氏のスパロボSSは、自分もスパロボが好きだから嬉しいし期待もしているけど、
書式がね、なんだか読みにくい。
地の文とセリフとの間に間隔が無いし、改行を失敗したのか変な所で文が切れてる。
例えば同じスパロボクロスを書いた『OSGS』さんのような書き方を参考にしてみれば、
良い作品に仕上がるのではないでしょうか?
>>8 あと、何話で終わるんだ?何千レスで終わるんだ?
読んでるだけで頭痛がしてくるし。
>>8 ちょ、ちょっと待って。
つまり、あれかい?
なのは勢は、STS原作部分が終わったら、「もうガジェットいないし、スカ事件も終わったからばいば〜い」
ってな感じでいなくなるってことか?
もしくは、STS部分が終わったら、「戦いはその後も〜」的にダイジェストで終わらせて、平和〜、な感じで終わらせると言うことか?
おいおい……
>>12 いえ、最後まで機動六課はお付き合いしますし、
最終回の話はさすがに原作再現でなくとも書くつもりですよ。
>>8 難しいのはその思いついたネタを繋げてちゃんとしたストーリーを作れるかどうかなんだがな。
>なのはStrikerSの原作再現部分は既に最後まで構造が練っています。
つまりそれ以外はスッカスカで穴だらけじゃないのか。
>>14 >スッカスカで穴だらけじゃないのか
そうじゃないと言えば嘘になりますが、そんなに穴はあるわけではありません。
なのは達が参加している敵組織壊滅部分はきちんと考えれてます。
16 :
11:2007/11/22(木) 22:58:48 ID:BN4uUQeD
>>15 俺の質問に答えてくれ・・・・・・。
後何話で終わるんだ?
>>15 そういうことじゃ……
結局、それもなのはに入るんだろ。
つまり、
>>14が言いたいのはそれ以外のところは穴だらけだろ? てことだろう。
スパロボは一つの作品だけのフィールドで通すんじゃなくて、ルート別れたり、他の作品の舞台で戦闘したりするんだよ。
その中にはなのは達が関連しないところもあるし、なのは勢が出てこないマップも存在するだろう。
そこはどうなんだ? 考えて、プロット立ててるのか? ということだ。
ありえないと思うが、一応、聞いておく。
氏はスパロボをクリアしたことが無いのか?
>>15 ん?ちょっと待て!?
>他のキャラメインで敵組織の壊滅になのは達が参加していた場合の話は本編終了後にでも
>外伝としてきちんと書きたいと思ってます。
他作品メインのイベントはあらすじだけ素っ飛ばすということか?スパロボSSでそこを飛ばすなよ…外伝とかねえよ!
これがスッカスカじゃなくてなんなんだだよ??
>敵組織壊滅部分はきちんと考えれてます。
それ以外はダメということでは…そこに至る過程は?
…投下できる空気じゃないので明日の朝まで引っ込んでることにします
俺にはスパロボXがただの嵐にしか見えない。
もうスルーしようぜ。
>>19 いや、この空気を払拭するためにも是非とも投下をお願いします!!!
スーパーロボット大戦X氏へ
いい加減空気を読もう。
そして皆の意見も冷静に読んでみるんだ。
>>21 無茶言ってやるな・・・
この空気の中投下するのは聖人でも無理。
これはもう駄目かもわからんね・・・
なんか悪質なスパロボのアンチに見えてきた・・・
このスレには楽しむかスルーするかの二つしか選択肢が存在しないのだ
地獄島。それは世界的テロリスト『Dr.ヘル』の本拠地。そこでは今、最強の魔神『マジンカイザー』とDr.ヘルの最終決戦が行われていた。
あしゅら男爵の駆る最強の機械獣『地獄王ゴードン』を討ち、そのまま最奥まで踏み込むマジンカイザー。その衝撃でDr.ヘルが玉座までよたよたと後退し、座り込む。
そして今、マジンカイザーの搭乗者『兜甲児』がDr.ヘルの姿を見付け、マジンカイザーを降りて話をしているところである。
「底知れぬ力、卓越した勇気、類稀なる行動力……貴様には力がある。並外れた力だ。
その力を!人類愛や世界平和などという下らぬ物のために、何故使うのだ!」
「何!?」
「ワシは貴様の力が欲しい。どうだ?マジンカイザーとともにワシの片腕となり、思う存分暴れてみぬか?
全世界を、われらの物にしようではないk「断る!」何ぃ!?」
「貴様の仲間になるなんて、真っ平ゴメンだ!
おじいちゃんが造ってくれたマジンカイザーを、悪魔なんかに絶対させないぜ!」
即答。この質問の答えなど、初めから決まっていた。
マジンカイザーには色々な人の思いが詰まっている。それをDr.ヘルのような悪党に利用させ、悪魔にしてしまうのは我慢できなかったのだ。
質問の答えを聞き、Dr.ヘルはゆっくりと肩を落として呟いた。
「そうか……やむを得ん、諦めよう……はあっ!」
その「諦める」とは、甲児を味方につけることを諦めたという意味なのだろうか。持っていた杖を鞭のように振るい、甲児へと攻撃を仕掛ける。
甲児は向かってくる鞭を手持ちのビームガンで撃ち落として難を逃れるが、そこで異変が起きた。
それまで立っていた床が跳ね橋のようにせり上がり、甲児を後ろへと転倒させた。
「Dr.ヘル!ああっ!?」
転倒した甲児はすぐに体勢を立て直し、Dr.ヘルにビームガンを向けるが、時すでに遅し。
先程の跳ね橋のような床の下から、一台のロケットが現れ、それがDr.ヘルを乗せて飛び立ってゆく。
爆発を続け、崩壊してゆく地獄島から、脱出しようというのだ。
「フフフフハハハ……また会おう、兜甲児よ! フハハハハハハ!」
「待て! 待ちやがれ!!」
甲児は諦めずにビームガンを構えるが、爆風によってバランスを崩して転ぶ。Dr.ヘルを追うことはもはや絶望的だ。
だが甲児は気付かなかっただろう。この瞬間、Dr.ヘルの脱出も絶望的になったことは。
周囲の爆発。それがDr.ヘルのロケットに誘爆するなどと、予想できた人間はこの場にはいない。ロケットのブースターが誘爆し、脱出不可能になるという事を。
「な、何だと!?」
そんなことは露知らず、甲児は脱出するためにマジンカイザーへと走った。
「ええい、くそっ!」
マジンカイザーのコクピットへと走り、乗り込んでキャノピーを閉じる。
直後、コクピットの位置に爆風が。後一瞬遅かったら間違いなく餌食になっていただろう。
ここにいる誰にも予想できなかった事はもういくつか存在する。
一つは、巨大な爆発に紛れて謎の光が現れたこと。それは小さな光だったが、マジンカイザーを飲み込むのには十分な大きさだった。
もう一つはマジンカイザーが動かなかったこと。これにより、なす術なく甲児とマジンカイザーが光に包まれた。
そして最後の一つは……その光が甲児を異世界へと飛ばしたことである。
これにより、後に『闇の書事件』と呼ばれる事件に甲児を関わらせることになるのだが、今の彼には知る由も無い。
魔法少女リリカルマジンガーK's
第一話『魔神再臨』
第97管理外世界『地球』。ここでの戦いもまた、佳境を迎えていた。
「助けなきゃ……私が、みんなを助けなきゃ……!」
ボロボロの杖を持った少女『高町なのは』が、そう言いながら前へと進む。左腕を押さえているが、怪我でもしているのだろうか。
彼女の周りには緑色の光が。まるでその場所で彼女を守るように輝いている。足元の陣から光が出ているようだ。
空には無数の閃光。舞っているのか、それとも戦っているのか、衝突しては離れていく。
こうなるまでの経緯を話そう。
なのははこの日、いつもと変わりのない生活をしていた。
学校へと通い、友人と談笑し、家で家族と過ごし、裁判を終えて会いにくる友人を待つ。いつも通りの生活。
だが、この日の晩に状況が一変した。
襲撃者『ヴィータ』が張った結界により、閉じ込められてしまったのだ。
その後、愛用のデバイス『レイジングハート』を手に応戦するも、一歩及ばずバリアジャケットを潰されてしまう。
なのははそのまま止めを刺されそうになるが……なのはの友人が、『フェイト・テスタロッサ』と『ユーノ・スクライア』、『アルフ』の3人が助けに現れ、どうにかヴィータを捕らえた。
そしてフェイトが目的を聞き出そうとするが、その前にヴィータの仲間『シグナム』と『ザフィーラ』が現れ、ヴィータを捕らえていたバインドを解除。
そのままシグナムら『ヴォルケンリッター』との3対3の戦闘になり、今に至るというわけだ。
『Master.Shooting Mode,Acceleration.』
半壊状態のレイジングハートが、声とともに光の翼を広げる。比喩表現ではなく、杖から翼がはえたのだ。
突然の事に驚くなのは。いったい何をするつもりなのだろうか。
「レイジングハート……?」
『撃ってください。スターライトブレイカーを』
スターライトブレイカー。それは、なのはの持つ魔法の中で最大の威力を誇る砲撃魔法。
チャージの時間が大きな隙となるものの、それを補って余りある破壊力、そして今の状況で必要な『結界破壊』の能力を持つ。現状の打開にはもってこいの魔法だ。
だが、その破壊力故に負荷が大きく、今の状態で撃ったらそれこそ全壊してもおかしくない。
「そんな……無理だよ、そんな状態じゃ!あんな負担のかかる魔法、レイジングハートが壊れちゃうよ……!」
『撃てます』
それを知っているなのはは当然止めようとするが、やめる気配はない。それどころか自信を持っての「撃てる」発言。
『私はあなたを信じています。だから私を信じてください』
そもそも文章としての形式に則っていない代物を恥ずかしげもなく人の目にさらしてる時点で何をいまさら>荒らし疑惑
台本形式を注意された時も叩かれたからやめただけであって、何が悪かったのか理解できてない。
色んなレスをもらっても返事は自分は自分なりにやってるつもりですの一点張り。
これだけ叩かれてんのにまだスレへの書き込みやめないってどれだけツラの皮厚いんだか。
引っ込んでろよ胸糞悪い。>スパロボ氏
レイジングハートが信じてくれている。壊れる危険性すら顧みず、なのはを信じてスターライトブレイカーの発射を促す。
その様子を見たなのはが目に涙を浮かべ、目を瞑り、そして……構えた。
「レイジングハートが私を信じてくれるなら……私も信じるよ」
なのはが構えると同時に足元の魔法陣が消え、代わりに正面に大きな円形の魔法陣。
そして今も戦っている仲間に念話を送った。
『フェイトちゃん、ユーノ君、アルフさん……私が結界を壊すから、タイミングを合わせて転送を!』
『なのは!』
『なのは……大丈夫なのかい?』
念話を聞き、それぞれが反応する。
言葉を返さず心配そうな表情をするフェイト、驚いて振り向くユーノ、問い返すアルフ。反応はそれぞれ違うが、なのはを心配しているという点では共通している。
それに対し、なのはは上空にレイジングハートを構えたまま答えた。
『大丈夫……スターライトブレイカーで撃ち抜くから!』
同時刻、この付近のビルの陰に、光とともにイレギュラーともいえる何かが現れた。
鋭角的なデザインをし、黒い両手両足を持ち、胸に赤い翼のような何かがついている。
見る人が見ればこのような感想を持つだろう。「人間サイズのマジンカイザーだ」と。
そして、マジンカイザーのような何か(便宜上『マジンカイザー』とさせていただく)はそのまま立ち上がると、戦場へと歩いていった。胸に『魔』の文字を宿して。
「レイジングハート、カウントを!」
『All right.』
レイジングハートがカウントを始めると同時に、魔法陣の前に桜色の魔力球が形作られる。
『Count 9,8,7,6』
カウントが進むとともに、魔力球もその質量を増してゆく。
ヴォルケンリッター達もそれに気付き、阻止しに向かうが、フェイト達がそれを許さない。
結界を破って転送さえすれば勝ち。ならば時間を稼ぐ必要がある。
それが分かっているからこそ、彼女らはなのはの邪魔をさせないために食い止める。
『3,3,3,3....』
カウントが3で止まる。やはり限界だったのだろうか。声もまるで故障寸前のオモチャだ。
さすがに心配になったのか、なのはが声をかけた。
「レイジングハート……大丈夫?」
『No problem. Count 3,』
なのはの声に反応したのか、レイジングハートが多少持ち直し、カウントを再開する。
『2,1...』
カウント終了も近い。それと同時に撃てるよう、レイジングハートを振りかぶる。
そしていざ放とうというとき、それは起こった。その起こった出来事により、なのはの体制が崩れる。
「なの……は……?」
フェイトは自身の目が信じられないような目でそれを見ていた。
……それも当然だろう。何せ、なのはの胸から腕 が 生 え て い た の だ か ら 。
血などの類が全く出ていないのが逆に不気味である。
俺は、魔神を支援するっ!!
そして、その腕の持ち主であるヴォルケンリッターの一員『シャマル』はというと、遠くのビルからその様子を見ていた。
彼女の目の前には謎の空間の入り口のようなもの。これがシャマルの得意とする魔法『旅の鏡』である。
「しまった、外しちゃった……」
口ぶりからすると、どうやら狙いがずれていたようだ。
旅の鏡から腕を引き抜き、改めて差し込む。それと同時になのはの体から光る何かが。
この光るものこそが、魔法を使うための体内器官『リンカーコア』。それが今、体外に出てしまっているのだ。
「なのは!」
何か分からないがこれはまずい。そう思ったフェイトがなのはを助けるべく、目一杯の速度で飛ぶ。
だが、そうはさせまいとシグナムがフェイトの進路に立ちはだかり、足止めする側とされる側が逆転することになった。
同刻、マジンカイザーはただ前へ、前へと歩いていた。
近くから聞こえる戦闘音に導かれているのか、しっかりと、音の方向を目指して。
歩き、前へと進み、そして視界に何かを確認。その方向へと顔を向け――――
『Rust tornado.』
その何か―実はそれはシャマルなのだが―へと向けて、数本の竜巻を吐き出した。
「リンカーコア、捕獲……蒐集開始!」
『蒐集』
シャマルの目の前にある開かれた本。そのページの白紙の部分が、シャマルの声とともに大量の文字で埋め尽くされる。
文字が2ページ分埋められると、ページがひとりでに捲られ、次のページにもまた文字が書き込まれてゆく。
そして本の文字数の増加に反比例してなのはの魔力が削られ、リンカーコアが縮んでいった。
……もうお分かりだろう。なのはの魔力を奪い、それが本のページへと変わっていったのだ。
魔力を奪われて倒れそうになるが、それでも踏みとどまってスターライトブレイカーを放とうと振りかぶった。
『Rust tornado.』
「えっ!?」
異常発生。デバイスのような声とともに、数本の竜巻が唸りをあげて吹き荒れる。
驚きの声を上げ、振り向くシャマル。そのせいでなのは以外の全員の注意が竜巻の方へと向く。
シャマルの眼前には竜巻。蒐集を中断してかわそうとしたが……間に合わない。どう動いても直撃コース。
直撃する。誰もがそう思ったが、そうはならなかった。ザフィーラが間一髪シャマルの前に躍り出て、防御魔法で竜巻――『ルストトルネード』を防いだ。
「ク……大丈夫か、シャマル?」
「え、ええ。ありがとうザフィーラ」
シャマルを守った後、マジンカイザーと対峙するザフィーラ。その後ろでシャマルは思案する。
(あの人(?)……さっきまでこの結界の中にいなかったはず……なのにどうしてここに?)
勇気に感動支援!
「ス、スターライト……!」
蚊の鳴くような弱弱しい声。それがここにいる全員に今の状況を思い出させた。
唯一マジンカイザーに注意を向けなかった人物、なのはがスターライトブレイカーを放つべく振りかぶっている。
そう、ヴォルケンリッターはなのはの魔力を奪うため、そしてフェイト達はなのはを助けるためにここにいる。
これを止める必要がある。ヴィータがそう思って動こうとするが、時すでに遅し。
「ブレイカァァァーーーーー!!」
閃光が夜空を駆け抜ける。そして天へと昇り、ヴィータが張っていた結界をぶち抜いた。
気付けば胸から出ていたシャマルの腕も無い。先ほどのルストトルネードの時点で既に蒐集は中断されていた。
そのままなのははレイジングハートを落とし、意識を手放した。
『結界が抜かれた……離れるぞ!』
『心得た』
先ほどのスターライトブレイカーが結界を破ったことに気付き、すぐに念話で指示を出すシグナム。そしてすぐにザフィーラが承知した。
だがシャマルは何か気にかかっているようだ。そしてその気にかかる事を念話で話す。
『シグナム、あの黒い人はどうするの?』
『放っておけ。こちらに仕掛けてきたという事は、おそらく管理局側だろう。いちいち相手にしている場合ではない』
『……分かったわ。一旦散って、いつもの場所でまた集合!』
シャマルの気にかかるもの、それは言うまでもなくマジンカイザーの存在だ。
蒐集を始める寸前まで結界内にいなかったはずの存在。シャマルでなくとも気にはなるかもしれない。
だがシグナムはそれを切って捨てた。管理局側だろうという一言で。
そしてシャマルも納得したのか、すぐに他の3人とは別々の方向へと転移していった。
「ユーノ、なのはをお願い」
フェイトはそう言うと、飛行魔法でマジンカイザーの前まで飛んで行った。
突然現れ、シャマルへと問答無用で攻撃を仕掛けた相手。その正体と目的を聞きだす必要がある。そう考えて近づいていったのだ。
ちなみに、万一戦闘になったときのために結界を改めて張ってある。先ほどまで張られていたものとは違い、管理局側からも内部の様子が見えるようになっている。
そしてマジンカイザーの前へとたどり着くと、型通りの質問を投げかけた。
「時空管理局嘱託魔導師、フェイト・テスタロッサです。名前と出身世界、目的を教えてください」
…………………………
沈黙。何一つ言葉を発しない。何を考えているのかフェイトも図りかねている。
このまま沈黙が続くのかと思ったが……次の瞬間、最悪の形で崩れた。
『Photon beam.』
デバイスらしき電子音とともに、目と思われる部位からの光線。おそらく魔力攻撃だろう。
この瞬間、フェイトの意志は目の前の存在を敵として認識。バルディッシュを構えた。
フェイトは知らない。このマジンカイザーがデバイスとバリアジャケットを装備した甲児だということを。
フェイトは知らない。転移のショックで甲児が気絶していることを。
フェイトは知らない。現在起動しているマジンカイザーのモード『魔』は、気絶した装着者に代わっての自立稼動モードであることを。
ザッフィーすげぇ! ルストトルネード防いだYO!! 支援
投下完了。こういう空気での投下ってしんどいんですね…
描写で分かるでしょうけど、魔神皇帝デバイスです。魔モード発動中です。大絶賛暴走中です。
ちなみに
>『Photon beam.』
これ光子力ビームの英訳です。デバイスが言うからには、英訳の必要あるかと思ったもので。
魔モードって危険ですよねぇ。としみじみ思いながら支援
GJ!
マジンカイザーGO!GO!
あ、やばい、落丁がorz
>デバイスらしき電子音とともに、目と思われる部位からの光線。おそらく魔力攻撃だろう。
この後にこの文が続くと脳内保管お願いします
間一髪かわし、改めて目の前の存在へと目を向ける。腕を前に出し、今にも攻撃をしてきそうだ。
>>37 GJ!!!!
空気だったザッフィーについに出番がwww
そして、私の無茶な要望に答えて投下してくださったことに感謝します。
VERRRRRRRRRYYYYYYYYY!!!!!!!!!!
GOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOD!!!!!!!!!!
これはいい魔神皇帝!!
◆l5ZL/l4pJY氏
こんな投下しにくい空気の中、投下した貴方の勇気に敬意を!
カイザーが暴走してるところで俺の頭の中では、The Gate of the Hellが流れてたんだぜ。
何が言いたいのかというとGJってことなんですよーっ!
>>40 そっか、ロボットを人間大に縮ませればクロスできるんだ!
と感心しつつGJです。この発想はなかった…
よく考えれば永井先生がマジンサーガってのを書いてたな
途中で終わったけど
あのイメージでいいのかな
ぼんた君的発想でロボットを縮めてそのまま着るのは・・・うん、いいはずだ。
乙……って、ターボスマッシャーパンチが……
腕、飛ぶの?
ところでデビルメイクライ3クロスの七話出来たんですけど、投下いいですかね?
前回はツンだったので今回はデレなんですけど兄さんが。
おk
デレ期待w
魔法少女リリカルなのは Strikers May Cry 第七話「Devils Never Cry」
日の光の一切届かぬ地下研究施設、生体ポットやガジェットが並び、壁には岩がむき出しの部分すらあり、余計にその場を殺風景な様にしている。
「まだ落ち込んでいるのか?」
銀髪に眼帯という似つかわしくない組み合わせに、さらに小柄な体格を引き立てるような大きなコートの少女、機人5番チンクが施設の隅で座り込む赤毛の少女に話しかける。
「…セッテ泣いてた…」
うずくまって顔を伏せる機人9番ノーヴェが今にも泣きそうな声で答える。
「まあ師であり敬愛するトーレがああなってはな…」
トーレは先のバージルとの戦いで重症を負い、7時間以上の手術の末、今は生体ポットで意識を闇に落としていた。
彼女を師として戦闘技術を磨いた機人7番セッテは常の冷静さを忘れさせる狼狽を見せ、手術中は泣き続け、泣き疲れた今はトーレのポットに寄り添うように眠っていた。
「…あたしが悪いんだ…あたしが無理にでも出てたら…」
姉妹が傷ついた事実に出動できなかった自分を責め、目に大粒の涙を溜めるノーヴェ。
「何故そうなる、まだお前の武装は未完成だなのだぞ?」
「…チンク姉…」
「何だ?」
「チンク姉は死なないよな…」
トーレの姿に姉妹の“死”を感じたノーヴェは自分が最も恐れることを聞かずにはおけなかった。
「当たり前だ、妹たちを残して逝けるものか、それにな…」
チンクはノーヴェの頭を優しく撫でる。
「もしもの時はお前が守ってくれ。」
ノーヴェはそのチンクの優しさに更に顔を伏せ涙を噛み締める。
「…ぐすっ…うん」
「これこれ、泣くな」
そんな二人を施設内に設置されたカメラで見るものが二人。
「君の作った作品は随分と”人間“らしいな、感動のあまり涙が出そうだよ。」
毛髪の全く無い頭に左右で色の違う目オッドアイに司祭の服を着た男が呟く。
「思ってもない事を言うものじゃないよ、アーカム」
司祭服の男アーカムに答えるのは白衣の狂科学者、ジェイル・スカリエッティ、レリック事件の首謀者にして戦闘機人の生みの親である。
「しかしレリックによる悪魔の従順化は順調のようだな」
「アーカム、君の魔道知識のお陰さ、これからはもっと上位の悪魔の呼び出しを試してみよう、それと…」
「何だね?」
「君の言っていた“半魔”の彼にも興味があるな、戦闘機人や悪魔すら凌駕する力、正に魔剣士という名にふさわしい」
「彼は危険だ、接触には細心の注意を払いたまえ」
地下の闇の中、悪魔を求める男と混沌を求める男は静かに破滅の調べを奏でつつあった。
嬉しかった、バージルさんがシャマルたちを助けてくれたことが…でも現場に急行した私を待ってたんは目に痛いくらいの血の赤に、切り落とされた人の手やった。
「何や…これ?」
「敵を取り逃がした、残念だったな」
私は我慢できずにバージルさんの胸倉を掴んどった。
「そんな事やない!殺傷設定で魔法使ったんか?何でや!?バージルさんなら非殺傷かて出来たやろ!」
「別にお前に力を貸すのにそんな約束はしていない、それともヘリを見捨てた方がよかったか?」
バージルさんはまるで何事でもなかったように血痕を眺めながら答えた。
「安心しろ“未確認の敵個体にやむを得ず”と言えば上には説明が付くだろう、それに敵の一部が手に入ったのだから捜査も進むだろう」
冷静な答えやったし筋は通っとる、私は何も言い返せへんかった。
アーカムはやっぱりクローンか?
外道でデレ兄貴支援
試運転は上々、術式の構築とデバイスの補助を利用した、高速転移と高貫通力で展開数を増やした幻影剣は、使っても予想をはるかに下回る魔力使用量だった、俺の全魔力の5%に満たない…これならば高町あたりにでも通用するだろう。
この世界の魔道は俺の力を更に高めた…後は最高の力を持つ者との実戦で研ぎ澄ますだけだ、八神には感謝しよう。
だが自分の身内を殺そうとした者まで同情するとは、よほど自分以外の命が失われるのが嫌なようだ、甘すぎる…一戦力の長ならもっと冷徹になるべきだぞ八神。
その他の隊長陣は複雑そうな顔をしていたが、俺の行動にある程度は理解できる様子だった、現場での実戦経験の差だな、結局は八神も他の隊長陣の言葉に落ち着いたようだ。
六課の連中の反応は嬉しさ半分、驚愕半分といった所だ、特にヒヨッ子どもは躊躇のない実戦での殺傷設定魔法の使用に驚いていた(脆い人間ならば躊躇は命取りだぞ…)。
悪魔に対する説明はしなかった、下手に知識を与えて対策を練られては有事の際の“獲物”が減るからな、管理局には無限書庫という大型データベースがある以上は杞憂ではない筈。
例の子供は病院へ搬送された、検査の結果、異常は認められなかったらしいが敵が狙っているとしたら必ずその存在には裏があるだろう…後日、俺も目を通すとするか。
病院にて検査及び治療を終えた保護児童に会いにシグナムに伴われなのはが向かう事となった、そして何故かバージルも同行を申し込んできた。
「すいません、シグナムさん車だしてもらっちゃって」
「なに、車はテスタロッサからの借り物だし向こうにはシスターシャッハもいらっしゃる、私が仲介した方が良いだろう、それより何故バージルまで…」
「気にするなヌエラという尼に少し興味があるだけだ」
なのはとシグナムの話に応えながらバージルは一人、心中で呟く。
(話の流れでは子供は教会か六課の預かりになるらしいな、六課に来てもらわなければ敵が集まらない…更なる“試し切り”の為にも)
そんな三人にシャッハから通信が入り、子供の行方を見失ったと告げられた。
シャッハから説明を受け、なのは・シグナム・バージルは子供の捜索を手伝う事となる。
「小さな生命反応を感じるな、こちらか…」
バージルは魔力と悪魔の持つ超感覚で子供の位置を探していた、学んだサーチ魔法を試す良い機会でもあった。
「しかし…せっかくのサーチ魔法の試しが迷子探しか…」
バージルは探った反応に近づきつつ、一人で毒ずく、例の子供はもう目の前だった。
「探したぞ娘」
バージルに声をかけられた子供は身体を震わせ手にしたヌイグルミを抱きしめた、突然声をかけた制服姿の男の眼光に今にも泣きそうになる。
(…やれやれ、烈火、確保した中庭だ)
バージルは怯える子供に呆れながらシグナムたちに念話を送る。
「ううっ ぐすっ」
「どうした娘…」
怖がる子供にバージルが面倒そうに聞く。
「ママ…いないの」
「……」
母がいない…どうと言うこともないよくある話。
しかし母という言葉は彼には特別で、そして六課の子供たちやシグナムと触れ合った彼の心には彼自身も気づかぬうちに心の芯に熱を与えられていた。
「…そうか」
思い出されるのは母を喪失したあの日の悪夢、バージルは小さく呟くと手を静かに差し出す。
「来い娘、共に探してやる」
「…ヴィヴィオ」
「何?」
「あたしのおなまえ、おにいさんは?」
「…バージルだ」
ヴィヴィオの手を取ったバージルは少女に歩幅を合わせて歩き始める、ふと幼い頃に母と手を繋いで弟と三人並んで歩いた時の事を思い出していた。
>>45 イメージ的にはOVA版にスパロボαのエッセンスをパラパラと、といった感じでお願いします
>>47 生身の腕は残り、デバイス部分だけ飛びます
このSSの魔神皇帝はバリアジャケットの各部にデバイス装備してるようなものなので・・・
・・・あれ?この設定本編で描写した方が(ry
兄貴…支援
割り込み失礼しました。支援
「あれはっ!」
中庭を歩く例の保護児童とバージルを見たシャッハは自分のデバイス、トンファー型の双剣“ヴィンデルシャフト”を機動。
壁を抜けバリアジャケットを装着、臨戦態勢をとり少女の前に降り立つ…がその喉下には音速に達する程の速さで抜かれた閻魔刀が突きつけられた。
「…バージルさん、何を…その子供はどんな危険があるか…」
「お前が勝負を挑んできたのかと思ってな…それに俺は“確保した”と言った筈だぞヌエラ」
一瞬、場には張り詰めた空気が流れる、ヴィヴィオは迫力に尻餅をついて倒れる。
「あうっ」
倒れたヴィヴィオになのはが近づき話しかけていた。
(二人とも落ちついてください、この子は私が見ますから武装は解いてください)
なのはの念話が響く、なのははヴィヴィオに穏やかに話しかけ、すっかり安心させていた。
(それとバージルさん…見つけてくれてありがとうございます)
バージルは何も言わずにシャッハがデバイスを待機状態に戻したのを確認して閻魔刀を刀袋に戻しその場を離れる、ヴィヴィオはそのバージルに寂しそうな視線を送っていた。
「モテモテだなバージル」
「癒し手のような事を言うな…さっさと連れて戻るぞ」
風の癒し手シャマルのようなシグナムの冗談にバージルはバツが悪そうに応えた。
機動六課隊舎で、はやてはフェイトに地上本部からの査察要請を告げ、そして六課設立の“本当の理由”を聞かせようと聖王教会に行くと話していたとき通信にて泣き喚くヴィヴィオに困るなのはから助けを求められていた。
「エース・オブ・エースにも勝てへん相手がいるもんやねえ」
ヴィヴィオに泣きつかれるなのはを見て、はやてとフェイトは苦笑する。
(フェイトちゃんはやてちゃん、あの…たすけて)
念話にて助けを求めるなのはにはやてとフェイトは微笑んだ、しかし次に発せられたヴィヴィオのセリフに場は凍りつく。
「びえ〜ん なのはさんとバージルおにいちゃんがいないとやだ〜」
「お…お兄ちゃん?」
「何や…なんなんや?バージルさんこんな幼女にナニを吹きこんどるんや!」
「落ち着いてはやて、別に変な事教えたって訳じゃ」
隊長陣は大いに慌て、フォワード陣も目を丸くしていた。
「ずるい〜私もバージルさんの事“お兄ちゃん”って呼びたいよ〜 ねえ?ティアもそう思うでしょ?」
「何言ってんの!このバカスバル!」
相変わらず天然オーラ全開のスバルにティアナが突っ込みを入れ、エリオとキャロの年少二人組みは場の勢いについていけなかった…
「どうした?お前たち」
そんな混乱する場所に話題の中心であるバージル本人がやって来た。
「おにいちゃ〜ん なのはさんとおにいちゃんがいないとやだ〜」
一瞬、不思議そうな顔をしたバージルだが次の瞬間には絶対零度のセリフを放っていた。
「高町が困っている、早く離れろ」
先ほどの混乱の熱は一気に冷め、一同はヴィヴィオに視線をやる、やはり大決壊寸前の泣き顔で目に涙を溜めていた。
(ちょっバージルさん!)
(ひどいです!いくらなんでも!)
(そうやそうや!男なら責任とらんかい!)
姦しい三人の念話にさしものバージルもたじろぐ、正に悪魔も泣き出さん気迫を三人は放っていた。
「やれやれ…わかった高町がおらん間は俺が共にいよう」
バージルが座って本(デバイス工学 高速無詠唱の課題)を読むなか、その隣では年少組みと遊び疲れたヴィヴィオが寝息を立てていた。
「本当に懐かれちゃいましたね」
「いい迷惑だ」
エリオの言葉にバージルは冷たく返すが、彼に身体を傾けて眠るヴィヴィオには何も言わなかった。
「こらああああ!!バージルーー!!」
突如として騎士甲冑姿にレヴァンティンを持ったシグナムがドアを蹴破り乱入してきた(自動ドアなのだが…)
「今日は模擬戦の約束だろうが!!まさか忘れたとは言わせんぞ!!!」
「忘れてはいない、だが断る」
「しかも、即答か!!」
二人がそんな漫才じみたやりとりを年少組みに見せるなか、ヴィヴィオが起きそうになる。
「…うう〜ん」
「烈火よ静かにしろ、起きてしまう」
「ええ〜い、模擬戦とその子供のどちらが大事だ!!」
「高町らと約束したのでな、今日は諦めろ」
二人のそんなやりとりは、なのは達が帰って来るまで続いた。
さすが兄貴だ!人をバラしてもなんともないぜ!支援
聖王教会ではカリム・クロノ・はやてから六課設立の真の目的“管理局崩壊の阻止”がなのはとフェイトに語られた、その中でなのはとフェイトの倒したアンノウンの話が浮かぶ。
「それにあの“死神”とか“悪魔”とか分析班の言っとった黒いアンノウンもおるしな…」
「悪魔ねえ、あの男の関係者ってことか?」
はやての言葉にクロノが返す。
「そんな事、言わんといて!バージルさんはフォワードの子らにも良くしてくれてる、シャマルだって助けてくれた…」
「でも得体が知れないのは確かだ、殺傷設定の魔法を使ったって話しも聞いた、今だから聞くが君たちは彼をどう思っている?特にはやては」
三人は揃って複雑そうな顔をする。
「きっと…悪い人じゃないと思うよ、ヴィヴィオも懐いてくれたみたいだし」
「私もなのはと同じ意見、エリオ達もお世話になってるし」
「私は…」
なのはとフェイトは即答するがはやては口ごもる。
「はやて、君は一部隊の責任者なんだぞ!下手な同情で爆弾を抱えて部下を危険に晒したいのか!」
俯くはやてにクロノは叱責を飛ばす。
「確かに同情もあった!けど…私は嫌なんや人の一番大事なもん奪うんは!」
はやては目に涙を浮かべるが決して曲げない意志を込めた強い瞳でクロノを見据える。
「もし私らがバージルさんを厳正な法の目で見るなら、アミュレットを奪わなあかん、そしたら絶対に血が流れる、人の大事なもん奪って傷付け合って…そんなん絶対に嫌や!」
クロノははやての眼力に圧せられ何も言う事ができない。
「私はもう…誰かが目の前で大事なもの奪われるんは見たくない…」
思い出されるのは10年前、それは”闇の書事件“で目の前で消されたヴィータに悲しみと絶望の涙を流した時、そして雪の降る中を散っていった管制人格、初代リィン・フォースを失った記憶。
「それに市街地での殺傷設定魔法の事やったら部隊長の私の責任や…」
「はやて…なにもそこまで」
「クロノがそんな事を言うからよ、はやて…クロノも心配で言ったんだから泣かないで、私も彼は悪い人じゃないと思うわ」
狼狽するクロノにカリムが助け舟を出す、結局バージルの件はクロノが出身世界を調べ、表向きは時空遭難者として人間でない事は六課隊長陣とクロノにカリムのみで口外無用となった。
高町らが帰ってきて結局は烈火とやりあう事になった(本当に戦闘狂だな)、俺はまた戦いで“熱”を持った心身を冷まそうと宿舎屋上で夜空を見ていた。
ふと幼い頃に母が口ずさんでいた歌が静かに口から漏れる。
「どうした?」
屋上出入り口に今日覚えたばかりの気配を感じて声をかける、ドアから出てきたのは予想どうりヴィヴィオだった。
「うう…」
「寝れんのか?」
「…うん」
寝付けず、不安で部屋を無断で出てきたんだろう、やれやれとため息をつく、このまま駄々を捏ねられても困る、早く寝かせるとしよう。
「こちらへ来い、冷えるぞ」
そう言うとヴィヴィオは迷うことなく俺の隣へ腰掛ける。
「さっきのおうたは?」
「昔、俺の母が歌っていた子守唄だ」
「おにいちゃんのママ?いいなママがいて…」
「とっくの昔に死んでいるがな」
「えっ…」
つか簡単に逃げられんなよ聖王教会支援
八神や六課の連中にもしていない母の話が何故かこの時は自然と口に出た、烈火のつける熱はやけに俺の理性を溶かす…
「それじゃあ…ヴィヴィオのママも?」
「何故そうなる?俺の母とは無関係だろうが…お前の母はそのうち見つかるだろう」
「ほんと?よかった」
また泣きそうになるヴィヴィオを慰める…気休めだな、この娘は人造魔道師素体だとか言うものらしい、詳しくは知らんが“本当の母”などいない。
「おにいちゃん、おうたきかせて」
「…いいだろう」
俺は隣に座ったヴィヴィオに聞こえる程度の声で、また懐かしい歌を聞かせた、ヴィヴィオは10分もしない内に寝息を立てていた。
「本当にどうかしているな…俺は」
俺は高町にヴィヴィオの旨を念話で送り、また小さな声で口ずさむ“悪魔は泣かない”と言う名のあの歌を…
続く。
ダメな所はニート侍以上にトコトンダメだこの兄貴w早くなんとか(ry
支援
セキュリティ強化支援
オワタ。 母の歌はサブタイトルのまんまゲームのOPの曲(CMとかでも使ってました)です。
さて、そろそろ地上本部襲撃なんです…ナンバーズがたくさん出るとです…斬る?それともKILL?
殺すのはさすがに嫌がる方がいると思うんでやめようかな…
GJ
女の園でバージルは大丈夫なのだろうかw
>>63 GJ!!!
ヴィヴィオに弱いのかwwww
>殺すのはさすがに嫌がる方がいると思うんでやめようかな…
無理に改変してバージルじゃなくなってしまうほうが、嫌がられると思いますよ。
兄貴はやるときは殺る男だと思いますし
GJ!
そういえば、兄貴って勉強家だけど
未だに魔剣文書が読めないらしいな
ニート言えば弟の方がマジで自宅警備員(週休6日主義ってどんだけw
ダメだ、何とかしないとw
GJ!
兄弟揃ってやる時はやるタイプなのは間違いない
弟は4で一般人の目の前で教皇殺してるし
GJ!
>斬る?それともKILL?
両方ですね。
バージル兄さんが襲撃してきたナンバーズを殺さないわけがないし、見ず知らずの敵に情けをかけるバージル兄さんじゃないでしょう。
ナンバーズだってたくさんいて目だたないより、一瞬の輝きを得る方が幸せだと思います。
まあ、生きてるけど四肢切断で達磨というのも乙ですが。
生きてるけど四肢切断で達磨・・・・正伝草加のことかー!
>>63 GJ! ダンテが跳ねっ返りな分、大人しい弟分や妹分に弱いのか兄貴はw
>斬る?それともKILL?
『上層部にもバージルを危険視している人が多い、下手を打つとアミュレット取り上げられそうになって
騒動が起こる、勘弁してくれ』とか、兄貴の立場を理詰めで説明した上で殺しだけはしないで欲しいと説得したら、
たぶん打算働かせて半殺しで勘弁してくれるんじゃなかろうか。
そうですか、何か血に飢えた要求が多いので、殺さないまでも流血は増やそうかな。
>>70 じゃあ、そいつらを殺そうってことになりかねないwww
>>71 GJ!
なんというデレ兄貴www新たな力にご満悦なご様子w
兄さんと戦ったらナンバーズに再起不能の5人や6人いても何も問題ないんじゃないかと思ってしまうw
ストーリー的に何かに困るというわけではないしw
>>42 VERYGOD!に見えたw
まあ魔神だから間違ってないが。
>>47 瞬脱装甲弾みたいな感じじゃね?>ターボスマッシャーパンチ
なんという穏やか空気・・さっきまでの険悪空気が嘘みたいだ・・
それとやっぱり、マジンガーと兄貴はいいな〜。
>>母の歌はサブタイトルのまんまゲームのOPの曲
まじで?初めて知った。どんな曲だったか。
>>72 正にバージルw
「I need more power」は3でも屈指の名台詞だと思ってます。
ゲームのOPとEDのアレです特に導入部分、裏設定は亡き母が二人に歌っていたものだとか。
スパロボX氏
とりあえずは完結させることが何よりも大事だと思うよ。
文体がどうでも長期停止してるのに新しいの作品を書いてる作者さんよりは立派だよ
>>6 それでも間に合わなくなって
こうなったら年表だ!
とかなるんですね?
Strikers May Cry氏
なんてことだ、バージル兄ちゃんに真逆萌える日が来ようとはっ!
ちょっと3SEで兄貴使って空中連続ラピッドスラッシュの練習してくる!
何故だかわからないが、スターライトブレイカーVSシャイニングソードブレイカーなんて光景が見えた
>>81 ちょwwwwクラッシュギアかよwwwww
しかも投げる前にぐるぐる回らないといけないあの技かwwww
>>82 シャイニングソードブレイカーには無限の可能性があるんだぜ!?あれ最終回で不死鳥から騎士に進化したし…
あーなつかしーですねー。ミニ四駆を巨大化させたようなアレですかー。
武器とかがせわしなく動いてるのが妙に可愛かったですねぇ。ベーゴマみたいにすり鉢型のスタジアムで何度もぶつかって。
アニメではCGで格好良かったなぁ。すげー火花散ってるし。
>>83 けど、確か編み出したときに瓦礫の山を粉砕してたし、並みの魔法よりは強いかもな。
魔法と組み合わせて、マジででかい剣を召喚したりとかww
>>85 それ面白そうデスね。「未知のデバイス、クラッシュギアデバイス襲来!!」って感じで。
他にも「今大流行のデバイス玩具『クラッシュギア』……その頂点に君臨する高町なのはに挑め!!」とか。
佐山なエリオ、新庄なキャロ
すまん、ただの妄言だ
>>87 そのエリオはフェイトに「まロい…」とか言いそうだなwww
>>87 そ、そそそそそれは何か? 現在絶賛延期中の終わクロとのクロスを早く書けっちゅう暗喩か!?(泣)
まぁそれはさておき、機会があるから今言っちゃいますが……。
実はクロス書き始めてしばらくしてから、『キャラの置き換え』以外でなのはと終わクロをクロスする方法を思いついたのですよ。
『なのは達の住む地球によく似た別の地球。その地球は60年前、周辺に存在する10の次元世界を滅ぼしたという過去を持っていた!!
その罪を償えと迫る者(遺族)、次元世界を滅ぼす手段を得ようとする者(スカリエッティ)、そして機動六課は事態究明と戦闘防止の為にその地球に降り立つ。
そこで知ったのは再度迫る地球崩壊の危機、そしてそれを防ごうと暗躍する奇怪な少年少女達だった!!!』
↑って感じの。思いついてから考えるとこっちの方が良い様な気がするんですが(両方のキャラが出せるし、こっちの方が正しいクロスの形だし)、こういう場合ってどうしたら良いんですかね。
sts放送時はエリオはややエロでキャロは飛王様っぽいと思ってた
ヴィヴィオはもろヘイゼルだったが
>89
とりあえずやりたい方をやる
>>60 GJ!!穏やかなバージル兄貴もいいですね。
無垢な幼女とこわめのお兄さんの組み合わせも良かったです。
続きも楽しみにしています。
93 :
OSGS:2007/11/23(金) 09:37:30 ID:4Qf6SM2J
おはようございました。
いつのまにか板が変わってる……。
SS投下した後、妙にはずかしくなってブラウザを閉じてしまいました。いや、酒の力って偉大……。
支援ありがとうございました。
ちなみに『アインスト』なのは、フェイトの表現は、もっとヤバ目でした。
百合板やエロパロ板行け、といわれてもしかたのないような表現でしたので自重しました。
さらに、
まさか今後ネタのツッコミに、元ネタの作者さまがいらっしゃったことに吃驚しました。
全部あたりです。ディアナのところは申し訳ねえ、護持でした。気がついてくださった方、感謝です。
『向こう側』と『こちら側』とは、事情や事件が異なっている設定ですので、ちょいちょい、ネタをやっていきます。
頻度はあまり多くないでしょうけれども。
雑談のほうでもかなりお世話になりました。
『管理局は、質量兵器を保有する一組織に対し、どう対応するか』
『ジム一体につき、魔導師は何人で対応できるか』
『半オリキャラってなに?』
振り出し、全部わたしです。貴重なご意見ありがとうございました。
卒論と課題に追われ、負われ、かなりの遅筆になりますが、来年はもっと忙しくなるのでがんばって行きたいです。
よろしくお願いいただけたらとおもっとったりしちょります。
>93
えと、アインストが反転するなら、エロパロ板はともかく百合板にはいかないのでは?
【代わりに数字板住人になる】
>>60 GJ!
敵と戦闘に対して冷徹な兄貴、燃え!!
ヴィヴィオにデレな兄貴、萌え!!
前回言ってましたが、第7話までのあらすじと第7話開始前のインターミッションが
出来ましたので投下してもよろしいでしょうか?
スパロボって話によっては話の内容によっては一切出てこないキャラっていますよね・・・。
反応がないので投下します。
第7話までのあらすじ
ミッドチルダに戻った機動六課と「シャイニングガーディアンズ」は休日を楽しむ中、
かつて共に戦ったマシンロボチームとジョウと協力し、別の宇宙からやってきたギャンドラーを一時退ける。
そして、彼らはさらに別の宇宙から来たゲッターチーム流竜馬、神隼人、車弁慶を仲間に加え、
レリックケースを持った謎の少女を保護する。少女の名はヴィヴィオ。
ヴィヴィオはなのはとフェイト(特になのは)に懐き、「シャイニングガーディアンズ」と行動を共にする。
一方地球ではミケーネ帝国と邪魔大王国の最後の侵攻が起こったが、「シャイニングガーディアンズ」の奮闘により
指導者の暗黒大将軍と竜魔帝王を倒し、地下勢力を壊滅することに成功した。
機動六課が合流して間もなくネオ・ジオンによる5thルナ落しが決行されようとし、
「シャイニングガーディアンズ」が頑張るものの5thルナは落とされたかに見えたが、
しかし、イバリューダーを裏切ったデトネイター・オーガンの命を賭けた「ランク・アンク」により5thルナは消滅、
地球に核の冬が来ることはなかったが命がけの行動によりオーガンは死んでしまった。
そして、宇宙新暦199年、9月の中ごろになった。
オービットベースでは大事な話がされていた。
「火星の後継者が1週間後ぐらいに大侵攻をすると言うのは本当なのかね!? 」
「はい、アキトさんの話によりますと敵はボソンジャンプを制御しつつあるそうです」
ルリによって知らされた事実にブライトや大河達は驚いた顔し、そう言った。
「私も火星の後継者に狙われましたし、そのうちの一人がボソンジャンプを使って逃げましたので間違いないかと思います」
「となると、火星の後継者との決戦は1週間後ということになるな」
「1週間後となるとミッドチルダでも地上本部の陳述会が開かれるやないか!? 」
ブライトが作戦決行日を言うとはやてがミッドチルダでも大事な事が行われることを言う。
「その陳述会にスカリエッティ一味が絡んでくる可能性はないわけではないな・・・」
大河が真剣な顔して悩む。ブライトは提案を出した。
「でしたら部隊を2つに分けるしかありませんな」
「せやけど、地上本部の要望で「シャイニングガーディアンズ」が持ってこれるロボットは1体だけやそうや」
「ああ!? 何でだよ? 」
はやてがそう言うと忍がケンカごしになって理由を聞いてきた。
「その要望を出してるんがレジアス・ゲイズ中将だからや」
「あのティターンズみたいな考え方してるおっさんか・・・」
はやての言葉にデュオが納得したような顔をして言った。
「それだと地上本部には機動六課の他に誰を行かせましょうか? 」
「俺が行くぜ、俺ならそんなに問題ないだろうしビッグシューターはパーツを運ぶための輸送機とでも言えば大丈夫だろ? 」
ブライトが悩んでいると宙が提案を出してきた。そしてルリはそれがいいと思いこう言う。
「そうですね。宙さん達はミッドチルダの方をお願いします。
後はスペースナイツの皆さんもですね。彼らはロボットに乗ってるわけではありませんので通れるはずです」
そして部隊はこう分けられた。
火星に行く Zガンダム、逆襲のシャア、Gガンダム、ガンダムW、ガンダムX、ブレンパワード、キングゲイナー
マジンガー、真ゲッターロボ、ガオガイガー、エウレカセブン、ダンクーガ、ダイモス
ナデシコ、ドラグナー、マシンロボ、電童、飛影
地上本部護衛をする なのはStrikerS、鋼鉄ジーグ、テッカマンブレード
なのはメインのため、「地上本部護衛をする」を書きます。
「それじゃあ、皆さん頼みましたで」
「ああ、任せとけってよ! 」
はやての頼みにケーンが元気に一杯に言った。しかし、一方で隼人が悩んだ顔をしていたのをなのはが気づいた。
「どうしたんですか? 」
「いや、どうも妙な胸騒ぎがしてな・・・。お前達も気をつけろよ」
「わかってます」
以上です。書き忘れてましたがこの作品に出てくる真ゲッターは「世界最後の日」のものですが
「原作漫画版」にある真シャインスパークが出せる設定にしてます。
いやだからもうくんなお前(Xの人)。
これ読めるか?
空気
とりあえずライトノベル研究所あたりで基本を理解してから書くことを薦める。
ぶっちゃけ読めたもんじゃない。
なのはがいる必然性わかんないし、なのはたちが居るほうしか書かないんだから無理して部隊分け再現する必要ないし。
しかも原作改変かよ(ゲッター)。
そもそも真・シャインスパークは原作技じゃない(原作では真・ゲッターがシャインスパークっぽい技(エネルギーをまとっての突進)を使っただけで真シャインスパークの名称、設定はスパロボオリジナル)
>>96 >投下してもよろしいでしょうか?
だめ。
とりあえず第7話が出来ましたので投下したいのですが、
他に投下する人はいませんでしょうか?いませんでしたら投下します。
次の話も長いので前、中、後編にしてます。
するな。
どうせなら部隊分け両方書けよ
しかもテッカマンブレードもどこまで原作知ってるのか疑問だし
お断りだ
とりあえず投下には支援する
では投下します。
ミッドチルダの地上本部で陳述会が始まる1日前の地球のアメリカの「CITY-NO.5」にあるとある家では、
真道トモルがPASFUを使って夢を見ていた。
しかし、その夢にはイバリューダーのエイド、そしてオーガンが出てくるのであった。
「何だよ!? これは!? うわぁああああああ! 」
トモルは夢の中でビルから落ちて、そのショックで目覚めた。
「また、あの夢か。最近同じ夢ばかりを見るな」
トモルは最近PASFUで楽しい夢を見ようとして何度も同じ夢を見る。それはイバリューダーやオーガンが出てくる夢である。
トモルは趣味で行く懐古博物館で「シグナライト計画」で使われたシャトルの模型を見ていた。
帰ろうとしていたその時、トモルの前に突如光が広がったのである。
「今度は一体何なんだよ!? うわぁあああああ! 」
トモルの体は光に包まれ、そしてトモルの姿は消えていたのだ。
第7話 狂える機人、復活の鉄騎士(前編)
「シャイニングガーディアンズ」は翌日に控えた陳述会の護衛任務をするため、
なのは、ヴィータ、リインフォースU、新人4人を夜のうちに行かせて、後のメンバーは朝行く事になった。
そして、なのはがヘリに乗り込もうとした時、寮母のアイナと一緒にヴィヴィオが見送りをしようとしていた。
「ママ」
「あれ? ヴィヴィオ。どうしたの? ここは危ないよ? 」
「ごめんなさいね、なのは隊長。どうしてもママのお見送りをするんだって・・・」
「ん〜。駄目だよ、ヴィヴィオ。アイナさんに我侭言っちゃ」
「ごめんなさい」
ヴィヴィオは寂しそうな表情をして謝った。
「なのは、夜勤でお出かけは初めてだから、不安なんだよきっと・・・」
「あ〜、そっかぁ。今まで戦闘で出たことはあっても必ず夜遅くてもその日のうちに帰ってきたからね。
なのはママ、今夜は外でお泊りだけど、明日の夜にはちゃんと帰ってくるから」
「…絶対? 」
「絶対に絶対」
「う? 」
「良い子で待ってたら、ヴィヴィオの好きなキャラメルミルク作ってあげるから。ママと約束ね」
「うん! 」
なのははヴィヴィオと指切りで約束するし、ヘリに乗る。
そしてヘリはヘリポートを飛び立ち、暗い夜空に消えていく。
ヴィヴィオは寂しさが混じった瞳で消えていくヘリを見つめていた。
しかし、それがなのはとヴィヴィオにとって長い別れになろうとは誰も予想できなかった。
そして、陳述会当日になった。
「内部警備の時、デバイスは持ち込めないそうだから、スバル。レイジングハートのこと、お願いしていい? 」
「ぇ、あ、はい! 」
「前線の皆で、フェイト隊長たちからも預かっておいてね」
スバルはなのはにレイジングハートを託され、それを見たダービットが疑問に思う。
「しかし、何で中に入るのにデバイスは持ってちゃ駄目なんだ? 」
「内部の裏切りの事を考えてのことでしょうね」
「時空管理局も器量が小さいね」
アキが理由を答え、デッドが非難した。
数時間後、遂にスカリエッティ一味が動き出した。
「さぁ、ミッションスタートよ! 」
クアットロはそう言い、シルバーカーテンを展開し、地上本部のコンピュータを狂わせた。
そしてナンバーズ達の攻撃が開始された。
内部に潜入していたセインが司令部を麻痺させ、チンクがIS「ランブルデトネイター」で防御システムにダメージを与える。
「うん、防壁出力減少・・・ルーお嬢様ぁ♪お願いしますぅ♪ 」
「遠隔召喚! 」
ルーテシアは、地上本部の外部一体に大量のガジェットドローンを召喚した。
それに驚き逃げる局員達。
「ちっ、どいつもこいつも腰抜けばかりだね。皆行くわよ! 」
「はい! 」「おう」「ああ」
「「「「テックセッター! 」」」」
ナターシャが指示し、ユミ 、ダービット、デッドがそれに続き4人はテックセットした。
「Dボゥイ、私達も」
「ああ」
「テックセッター!」「ペガス、テックセッター! 」
それに続く形でアキとDボゥイもテックセットした。
地上本部内部では混乱が続いていた。
「会の中止はせんぞ。迅速に賊を捕らえよ」
「はっ! 」
「地上本部の防衛は鉄壁だ。進入できるものなどおらん」
それを聞いていたクアットロが嫌味たらしく言う。
「別に〜。中まで進入する必要はな〜いもん。囲んで無力化してしまえば」
クアットロはガジェットを防壁に突撃させ、自爆させて防壁を破った。
本部内の全てのシャッターが閉じ、電源が落ちた。
「閉じ込められたか! 」
「AMF濃度が高い。魔力が結合できなくなっています」
「通信も通らへん。やられた! 」
しかし、実はこの地上本部の地下には地球の組織E.D.Fから、秘密裏にあるものがあったが、
それは電源が切れたとき、作動したのである。
投下は以上です。
分岐ルートも書けって言ってますけど、ここはなのはのSSですよ。
なのはが出ないルートを書いたら完全にスパロボSSになりますので書きません。
あくまでこれはなのはとスパロボのクロスオーバーのなのはSSですので。
え?デッドもブレードももう味方?
>>109 それは一番アンタに言われたくない
スターズとライトニングで部隊を分けるとか色々あるだろうが
どうせどっちにしろキャラ立ってないんだから、なのはキャラも分けた方がまだキャラが目立つだろ
>>109 全体どころか一話の中にさえストーリー繋がりが感じられないのはどういことだ?
とりあえず各原作を一から全部見直して来い!
だいたい、なんだ
>地上本部護衛をする なのはStrikerS、鋼鉄ジーグ、テッカマンブレード
これは?
明かに楽したいだけじゃねえか!書けもしないなら参戦させるなよ!
>しかし、実はこの地上本部の地下には地球の組織E.D.Fから、秘密裏にあるものがあったが、
それは電源が切れたとき、作動したのである。
えっと、ここの意味がわからないんだけど。
>数時間後、遂にスカリエッティ一味が動き出した。
ここも唐突に入るもんだからあんまり遂にって感じがしないし。
あと全体的に『それに』使いすぎ。地の文少なすぎる上に簡潔すぎ。ラノベ研究所に言って基本を理解してから来い。
推敲ってわかる? 読み返したりしてる? キャラに違和感感じたりしない? もし感じないならもうあんたは末期だよ。
分岐ルートも書けって言うか、分岐の別ルート書かないなら分岐させなくていいじゃんって言いたいんだと思うが、どうか。
>>113 >それは電源が切れたとき、作動したのである
それは、ある作品が関わってると言うより原作再現部分のためいえません。
>分岐の別ルート書かないなら分岐させなくていいじゃんって言いたいんだと思うが
分岐させなかったら、スーパーロボットのあまりの多さにナンバーズが阻止される可能性があるからです。
>>114 それが言い訳にしか聞こえない
ならもう片方のロボがやたらと多いルートはどうなるんだよ
あんだけいりゃ間違いなく圧勝だろうが
>>115 あっちのルートは勝つことを前提にしてるので問題ありません。
それに途中であるユニットがミッドチルダに行こうとしますので数も減ります。
>>116 勝つことを前提?それは貴方の中での話だろ
ストーリー的に考えたら明らか不自然だろ
だいたいあるユニットって、そのルートを書けってんだよ
>>116 尋ねるけど、貴方は何のためにSS書いてるの?
意味がわからないって言うのは、文章が雑で文の意味がわからねえって言ってんだよ。
あと多過ぎて駄目ならそもそも参戦させなきゃいいだろうが。完結までの道は考えてるのか?
なのはキャラとからまねえキャラ絶対出てくると思う。
こんな馬鹿馬鹿しいルート分岐は初めて見たよ、ありえない。
分岐とは両方選ばれることを前提に作るもんだよ。
面白いSSを書こうという気が全く感じられない。
>>114 それを考えるのがスパロボSSだろう?何のためのクロスオーバーだと思ってんだよ?
自分に実力がないのをくだらん言い逃れするな。
>>116 問題だらけだろ?
はっきり言わせてもらう、ここはあんたの日記帳じゃねえよ!
もうチラシの裏にでも書いててくれ。
日本語通じてねーw
ここまでひどいと日本人かどうかすら疑問だわw
>>118 マンセーされたいからに決まってるじゃないかw
勝つことが前提って何さ。それならそれこそ過程全部すっ飛ばしてエピローグでいいじゃん。
ここはお前のメモ帳じゃない。読者に伝わってはじめて意味があるんだろうが。
>>116 クロスの大前提は原作を尊重すること。
あなたが書かないと言っている部隊の側に行った作品を好きな人は貴方の作品を見てどう思うか考えてる?
大体スパロボでルート分けで1ルートのみに従軍するって言うのは一人用ゲームだから成り立ってるシステムだぜ?
プレイヤーが好きなルートを自分の価値観で選べるんだから。
>>116 r;ァ'N;:::::::::::::,ィ/ >::::::::::ヽ
. 〃 ヽル1'´ ∠:::::::::::::::::i
i′ ___, - ,. = -一  ̄l:::::::::::::::l
. ! , -==、´r' l::::::/,ニ.ヽ
l _,, -‐''二ゝ l::::l f゙ヽ |、 ここはお前の日記帳じゃねえんだ
レー-- 、ヽヾニ-ァ,ニ;=、_ !:::l ) } ト
ヾ¨'7"ry、` ー゙='ニ,,,` }::ヽ(ノ チラシの裏にでも書いてろ
:ーゝヽ、 !´ " ̄ 'l,;;;;,,,.、 ,i:::::::ミ
::::::::::::::::ヽ.-‐ ト、 r'_{ __)`ニゝ、 ,,iリ::::::::ミ
::::::::::::::::::::Vi/l:::V'´;ッ`ニ´ー-ッ-,、:::::`"::::::::::::::;゙ , な!
:::::::::::::::::::::::::N. ゙、::::ヾ,.`二ニ´∠,,.i::::::::::::::::::::///
:::::::::::::::::::::::::::::l ヽ;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ /
::::::::::::::::::::::::::::::! :|.\;::::::::::::::::::::::::::::::/ /
>116
俺は分岐させた上で両ルート書ききった作者を知っているが。
分岐させたルートを両方書ききれないのなら、そもそも分岐させない様に話を進めたら如何か。
あとスレ住人皆が言っているが、地の文が少なすぎて展開が追えない。
作者自身が分かっていても、読者が分からない様な文章では公開する意味が無い。
もう少し文章の肉付けをしてから投稿すべし。
最後になってアレだが……少しは空気を読むという言葉の意味を理解しよう。
少なくとも、貴方の行動を不快に思っている人は貴方に対するコメントの数の9割以上は存在する。
せめてもの情けにこの言葉を送ろう。
つ半年ROMって来い。
多分ほかの職人さんも、書き込んでないだけで不満には思ってるだろうな
もはや荒らしじゃないかと思っている俺が居る
>>116 パワーバランスの調整もろくにできないのにスパロボSSを書くんじゃねえよ!
あんたのは思いつきの極一部分のイベントだけを書いてるだけ、どこがダイジェストじゃないと言うんだ。
それならスパロボBBSのスパロボの会話イベントを妄想するスレのほうが遙かに面白いと断言できる。
>>109 何と言うか、最早文章力とか技術とかそれ以前の問題だと思う。
構想も練れていないし、何よりも他人の意見を取り入れていない。
万人受けするものを作るなんて事は不可能だから要求しない。
それでも、言われたことを真摯に受け止めて改善するのは大切なんじゃないかな?
独り善がりで突っ走ってSS書くというのは題材にした作品にも、このスレ板にも失礼なことだと思う。
こんなことを書き込んだけれど俺は別に書くのを辞めろなんて言ってるんじゃない。
ただ、独善的な心を持っていては良い物は書けないということが言いたいだけだ。
過去の人の言葉を借りれば、あなたのSSには少しも賛成しないがあなたにSSを書く権利があることは守るつもりだ。
「書いてみよう」と初めて思った時のことを思い出して、投稿が遅れてもいいから練習に励んでみてはどうだろうか。
あなたが成長することに期待します。
上からの目線で長い文章を書いて申し訳ない。
最近感想レスが少ないとかの話しをよく聞くけど、X氏はある意味感想レス多いなw
とりあえずまあアレだな
「書くのを辞めろとは言わない、頑張って書いてくれ。でもこのスレに投稿しないでくれ」
こんな感じで如何か
なのはが絡まない方を書かないなら、分岐をしない方がよかったのでは?
産業でまとめると
人の話を聞け
練習してから来い
空気嫁
こんな感じかな?
OGとかなら登場キャラは多いですが、敵対組織も少ないですし
頑張ればなんとかなると思いますが。
いろんな作品の入り混じったスパロボはまず参戦作品の世界観とキャラの特徴を
知らなきゃいけないから大変ですよね。
スーパーロボット大戦X氏はここの他の作者さんのSSを読んだことあるのか?
とりあえずX氏は、参戦作品の原作が見れないなら、せめて貴方の参戦作品に入ってる作品と同じクロス作品である
リリカルガオガイガー、リリカルブレード、リリカルマジンガーあたりを読むことをオススメする
もうスルーしとこうぜ。反応しなきゃ消えるだろ。
こんな空気では他の職人が投下し難いと思うんだ?
>>137 賛成。もうNGに入れときゃいいか
反応しなきゃ問答無用で投下してくるだろう
彼自身がそう書き込んでいるじゃないか
消えるっていうより、X氏が上達すればいいんだよ
こんだけ叩かれたんだ。流石に少しくらいは上達する努力はするだろ
それでも無理なら、また叩かれて、また少し上達して。
少しずつでも改善してくれる事を望む
>>134 スパロボスタッフはまず参戦全作品の全話を見なくちゃいけいないそうだからな。
設定資料集やムックとかの関連書籍も集められる限り集めて読むそうだ。
>>141 誰かが言ってましたが、スパロボ自体が二次創作って本当ですよね。
ご都合主義な部分もありますがまとまってますし。
>>140 某所とか某所で全く改善されなかった例を知ってるだけに……
どうしても問題がサクッと消えてくれたら万事解決と思ってしまう
>>142 スパロボFにてエヴァンゲリオンが初参戦した際に、
庵野監督に「EVAは宇宙に行けるのか?」や「ATフィールドはどのくらいで破れるのか?」を実際に聞いた話は有名だな。
>>141 そのご都合主義的なものを楽しむのがスパロボの醍醐味だと俺は思う。
これ以上は雑談に行ったほうがいいとおもうんだぜ?
皆エキサイトしすぎ。
少し頭冷やして、雑談スレに移動しよう。
他の人が投下しづらいよ、ホント。
まったくだ。これまでの流れで80レス以上使ってるっていうのに
>>142 そう考えるとスパロボは多重クロスしてて話が破綻しないっていう稀有な例よな。まず一般人には敷居が高いものだがな。参戦させればするほど原作はチェックせんといかんし
>>X氏
とりあえず、Wikiの他作品、あとガンダムクロスやゼロ魔クロスの作品を見て勉強する事をオススメする。
恐らくそれほどSSを書いてるわけではないように思えます。まずは一作品クロスから始めれば?
失礼。携帯からだったから知らんで不味いタイミングで書いてしまった
150 :
OSGS:2007/11/23(金) 19:33:35 ID:4Qf6SM2J
あれ? 今日って休日っすか?
目の前の大学図書館が締まってるのはそのせいですかい!?
>>150 今更何を言っているんだ貴方wwww
今日は勤労感謝の日ですぜwwww
社会人は休みじゃないのも多いけどなー。
俺も休みじゃない人間の一人だが、今日は風邪で死にそうだったんで休んだ。
>Strikers May Cry
孤独を背負った男と薄幸の少女の組み合わせの相性は古来よりグンバツだときまっとる!!
やはり牙はひそめていただけだったバージル兄貴。
仲間意識に戸惑いながらも、芯は変わってないところが、見ててハラハラしますね。
味方として頼もしいんだけど、ゲームみたいに次のステージで敵になっててもおかしくない雰囲気を保っているw
単なる善人でも単なる悪人でもない、寂しさと切なさを感じるバージルはまさにダークヒーロー。
>斬る?それともKILL?
私個人としては、殺す展開も殺さない展開もありだと思いますね。
バージルらしさとは言うけれど、リリカルなのはの舞台である以上、ある程度の甘さもあった方がいいし。
なのはのキャラに思い入れが傾いてる人だっていると思うし。
誰かが死ぬにしても、リリなのキャラにとっては大きな影響を与えると思うので、その辺の展開で話を広げてくのもありだと思いますよw
いずれにせよ、私はこの作品を全面的に支援します。
だ、だから、早く続きを……ハァハァ(ぉ
時々思う事だが、ここでの作品群ってヴィヴィオをあんまり見ない気がするな。
今度ヴィヴィオ主役の話を書いてみたいと思ってます
要するにMr.Xがクロスしているのは、作品では無く『システムとしての』スパロボでは無かろうか?
と、言ってみるテスト。
彼が望むのは個々の、或いは一連の物語では無く、事件が発生し、集結しているという状況かと推測される。
そうすると、彼の最大のミスがSSという形式に落とし込もうとした出発点では、という疑念も吝かではないかと。
>>155 なのはママをやるためだけに出された幼女という、ぶっちゃけ何のキャラクター性もないキャラだからな。
ていうかヴィヴィオがイルイにしか見えない
160 :
OSGS:2007/11/23(金) 20:07:15 ID:4Qf6SM2J
そういや、おかんも妹もおやじも家にいた……
じいちゃんも日課の小学生下校時のパトロールしてなかった……
ああそうかかい祝日かいっ! 帰り道寒すぎるっ!
>>153 インフルもはやってるみたいなんで、ご自愛ください。
OSGS氏はどじっ娘だなぁ。
>>159 まあ都築ってアイビス編が好きらしいし
とここで
なのはとフェイトとユーノがハイぺリオン
エリオとキャロが龍虎王
スバルとティアがビルトコンビ
に乗ってるなんてへんな電波を受信した
八神家はなにかね
やっぱヴァルザカート?
とにかく私から言えることは私は原作再現をきちんとしようとしてることです。
一方の方が多いのはナデシコの原作再現が行われるためです。
それに私は最初のほうで言ったはずです。
時間があれば、本編終了後に書き直すと・・・。
>>166 引っ込め、馬鹿ッ!
(CV星野貴昭&☆)
>>164 先生、アリア役にアギトを当てはめるとリインの居場所がなくなる気がします!
>>166 なんでもいいけど少しは文章をちゃん勉強して、皆の意見もちゃんと聞いてくれ。
特に後者の方が貴方には欠落している。
多少文章が下手でも、皆の意見を素直に聞いていれば、こうも叩かれる事はないと思うんだ
>スパロボX氏
書き終わったらまず自分で読む
↓
頭の中に思い描いていたことを表現出来ているか確認
↓
再度推敲
↓
これらを繰り返してようやく投稿
というかあまり急いで投稿しなくてもいいと思う。
このスレの有名な職人の人もそんなに投稿ペース速くはないですし……
いろんな小説読んでみるといいですよ。
一人称小説、三人称小説、本編再構成小説、クロス小説、エロパロ版にある小説。
ジャンルはたくさんありますから!
小説を元にして頭の中で想像力を掻き立てて、頭の中でアニメを展開させるのもいいことですよ。
自分、エロパロ版の保管庫にあるSSで目に涙が浮かびましたから。
俺はアラド編が好きなんだ
落ちこぼれだけど決める時は決めるというアラドが好きなんだよ
特にあの射撃機体でも突っ込んで撃つという突撃バカなところが
>>166 いいわけと毒電波の垂れ流しはいらんからROMってろ。
むしろ、リアルの知人にそれ読ませて相談してみろ。
よっぽどおめでたいヤツじゃなきゃお前を止めてくれる。
ダメだこりゃ・・・・独善と傲慢の塊だ>スパロボX
まとめwikiからも削除キボンヌ
>>171 意図しなかったとはいえ自分を半死半生の目に合わせたラトに対する第一声が
「おれは怒ってないから気にすんな」だったり、姉貴に自分を忘れられた挙句
思い切り痛罵されても「とにかく今は姉さんを取り戻すんだ!」と何があってもポジティブさを
失わなかったりと、アラドの精神的タフネスぶりは異常。
>>166 >時間があれば、本編終了後に書き直すと・・・。
非常識発言もたいがいにしろよ。
最初から書き直し前提のものを投下することをなんとも思わないのか?
>>168 …キャレットかレギュレイトあたりに当てはめれば…
>>166 誤字修正ならともかく後から書き直し前提で小説書くってふざけてんのか、あんた?
それにそんな態度だと敵作るだけだぞ。
最初なんだから無理せず少ない作品。
それもちゃんと理解している作品でやればよかったんだよ。
登場作品を見ても、ウケを狙ったか何も考えてないとしか思えないし。
最初のはガンダム系、マジンガー系、ゲッターロボ系で成り立ってたんだから。
数だけ揃えても、まったく扱えない現状よりは遥かにマシになるぞ。
多少の誤字はまだ目を潰れるが、内容が破天荒なのは無理ってもんだ。
>>166 l | 三} __|__ ―- /丁ヽ |王_ |士土 ___ 尸
リ '市' く| し 、_ ∨ ノ / /lヽ〕 ,ノ上 ヒ cノ
ー────────────y────────────一
-ァ^===、‐- _
, イ`ー'^ヽ 丁 ̄}\
r^⌒ \ j │ />ヘヽ
/ヘ \z≧=≠==≦z /  ̄{_
く ヽ>'´ j `'< L
〃ヽ / ハ、 \/ 〉
ハ ∨/ / / { \ \ ヽ/ヽ
l ∨ / / 丶 \ ヽ ∨┘
| l ,′/ ./ ヽ \ :l | | |
| | │/_/―‐- -―‐\_| l l |
| | l {/ ` ´ l lV l|
| ∧ Y _ _ _ _ ノ /ヽ/|
| l { 小V´ ̄`ヾ 〃´ ̄>イノ/ l
,′j ヽ ハ :.:.:: :.:.: ∧く. |
. / /} /|ハ. r ┐ / { \{
,/'´ ノ // ノゝr、ハヘ ’ rイ゙lイ\_ヽ\ >
´ ̄ ´ ̄ │l│ト /}{^レ!│| | ` ̄`
_ r-、│l│∀ 八.∀│| |,-ッ
/´ `ヽヽ ソ {Y } /_ -――-、
/ 〕-く ̄ 7^}ムイ¨Y^ヽく \
/ _ノ _>┴〈/ ̄ `<└ 、 \
/ 厂 >'´ } `< \j \ \_
/ ∠/ jヘノ>'>'´ | ∨{'⌒V⌒ヽノ〜ヘ `>、
>>174 そうか!
実体剣とアサルトマシンガンと大鋏に変形するデバイスを持つ管理局の突撃バカにすれば…
>>166 原作再現? 原作レ○プって言うんですよあんたのは。
書き直しするから? してから投稿しろこの馬鹿。
あとあんた書き込み見てます? 自分に都合の悪いものも見なきゃ成長はないぞ?
とりあえず一月ほど練習してから来い。第二の三○目になる気か貴様
ということで皆さん。空気読めない痛い子はガン無視の方向で行きましょう。
ここから通常通りの流れでドゾー
なぁ、皆そろそろ沈静化しようぜ。
他の職人が投下できないって言ってるよ、この空気はきついって。
あと、AAはやめとこうぜ。
X氏のために必要以上に容量を消費するのは無駄だ。
空気を読めない男であるこの俺の出番な気がする
だが、だがしかし!
俺は本当に空気が読めない男、まだ投下する作品ができていない!
とりあえず俺が最初に書いたのは台本書き・多数クロス(20を超えていた)・メインが王国心
んで正直今のX氏以上に叩かれまくって、色々とライトノベル(文学だと二次創作の参考にはなりづらい)読みまくったり、
SSの書き方のサイトを何件も回ったり、後はとにかく読め!書くより読め!って感じ
アニロワを読むのお勧め、心理描写とか俺主観で神レベル
何が言いたいかと言うと、クーガーの兄貴が出てる回読むと長文書きたくなっちゃうんだ
>>184 ちょwww
アニロワは好きですし、心理描写とかは全面的に肯定なんですけど、ルイズがなあ……。
正直俺を完全にルイズ嫌いにしたのはあれがでかいですねえ。
でも太一の成長とか、映画使用で異常にかっこいい野原一家とかはガチだと思います。
>>184 先生、俺のSS書きの参考資料はフルメタと銀八先生と他の職人様の作品だけです!
>>174 相方が精神的タフネスが低いせいで尚更そう見えるよな。
ただ彼の一番の特色は、某外宇宙の神様にカミングアウトした旧神と似た素質疑惑があるという事だ。
ぶっちゃけニルファのED。
お前は巨より微を選ぶのかwと。
ここまで書いて、ニルファEDからアラド衣類半壊クワガタがなのはA'sワールドに飛ばされるSSを妄想すた。
ヴィータとアラドって良いコンビになりそうだと思うんだ。
>>187 全次元宇宙の中心でロリを叫んじゃった彼か……
189 :
魔装機神:2007/11/23(金) 21:45:06 ID:EueXKV2h
あの……投下してもいの?
>>184 先生、俺の版権SS処女作はエロパロスレに乗っけた奴です!
《歪んだパズルは一度リセットするべきだ。 投下で流れを変え、新たな職人に未来を託そう》
《住人へ、需要があるのか無いのかは知らんが、投下許可を》
今回は短いです。
>>魔装機神氏
HURRY! H(ry
>>190 先生!俺の版権SS処女作は新シャアのクロススレに投下しようとしてすでに黒歴史にした勇者王×種死の奴です!
>>189 流れを断ち切るために、支援させて頂きます…
196 :
魔装機神:2007/11/23(金) 21:51:09 ID:EueXKV2h
それじゃ投下します。
SHADOW NANOHASTS8 あれがフュージョン
「これって……」
ここは機動六課の医務室。
ここでシャマルはモニターを忙しそうに動かす。
機能取ったウルの検査のまとめをしているのだ。
彼にある複数の魔力と根を張っているようにくっついている魔力をそれを包む魔力。
複数の魔力はおそらくフュージョンのものだろう。
根を張っているような魔力はおそらくヤドリギの呪い。
そして最後の、それを包ン出いる魔力。
それは、自分達にもあるものであった。
「リンカーコアが彼を進行を防いでる?」
その包んでいる魔力は、彼の呪いの進行を防いでくれているのだ。
だが、リンカーコアにそんな事ができるのかといえば、答えはノーだ。
そんな事が出来れば、ほとんどの呪いは魔術師には聞かないことになる。
この力はなんなのだろうか……
まだ、何かあるかもしれないと、シャマルはウルに診断結果について調べるのだった。
「さあて、今日の朝の訓練だけど、今日はウルさんとヨアヒムさんにも手伝ってもらいます」
「うーっす」
「よろしくたのむだら」
なのはの横で、ウルとヨアヒムは手を上げてみる。
「けど、訓練を手伝えって何すればいいの?」
ウルは誰かから戦い方を教えてもらっておらず、ほとんど独学で学んできた
(少し父親のしたこともあるが、いかんせんウルが小さすぎるため遊びでしかなかった)
心配ないよ、となのははウルを見る。
「今日はウルさんたちが戦ってもらうのはスバルさんたちじゃなくて……」
そのなのはの言葉と共に、ジャキン、と剣を構える音が聞こえる。
そこには、レヴァンテインを構えるシグナムの姿があった。
「二人は副隊長陣と戦ってもらって、新人達は見学って形だから。見学手言うもの大事だからね」
そう、二人の相手はスバル達ではなく、スターズとライトニングの副隊長、シグナムとヴィータでの模擬戦である。
ヴィータの話を聞いやシグナムが、是非一度戦ってみたいといったのだ。
「フュージョン能力と言うものに興味があってな、是非一度手合わせしたい。頼めるか?」
シグナムの言葉に、へっとウルも構える。
どうやら了承したらしい。
「お前の相手は私だ、スバルのときと違って全力でてもかまわねえぞ」
「おう、望むところだっち!」
そういって、ヨアヒムは例の仮面をつける。
?とヴィータはヨアヒムを見る。
「愛と正義の戦士、グランパピヨン、今宵も華麗に参上だっち!」
ヨアヒムの謎のポーズを口をあんぐりあけてみるヴィータ。
なのはやスバル達もぽかんとしている。
(あたしの相手、ウルにしてもらったほうがよかった……)
そう思ったとき、先に異変に気付いたのはシャーリーだった。
「えっと……あの仮面をつけた瞬間、彼の魔力が一気に跳ね上がったんだけど……」
シャーリーの言葉に、え?とモニターを覗き込むなのは。
確かに、以前と比べてかなり数値が違う。
「あのマスクのおかげなのかな?」
「さあ……」
なのはは不思議そうにヨアヒムを見るのだった。
「さあ、くるだっちよ!撲殺魔道師!!」
「なんだそれは!!」
>>184 ここ八年ばかりで読んだストーリーで覚えてるのは、ラノべ(ばいアスとかマルドゥックはどうなんだろう)とノベルゲーと黒冷水とパロロワぐらいだなあ。
ラノべは言い回しとかは身に着くけど、明らかに影響受けた分体だと自分で分かることがあるから困る。
藤原祐とか成田良悟とか川上稔とか。
魔装機神氏→NANOHA COMBAT ZERO氏の順番でOKなのかな?
割り込みorz支援
誤字はしちゃうし(×乗っけた ○載っけた)投下宣言には気付かないしと、またドジやらかしちゃったぜ支援
走り出した想いは今でもこの胸を確かに叩いてるぜ支援!
203 :
魔装機神:2007/11/23(金) 21:53:14 ID:EueXKV2h
「フュージョンと言うものは使わないのか?」
シグナムはレヴァンテインを構えたままウルに尋ねる。
さっきから自分は攻撃しているが、ウルはただそれをかわすだけで、フュージョンというものを使おうとはしない。
「ちょっとまてって、何に変身するか決めさせてよ」
そう、ウルが持っているフュージョンは一つではない。
何になるかによって状況はかなり変わってくる。
その中、ウルが選んだのは……
「やっぱ、剣には剣!」
決めると、ウルは意識を集中させる。
くる…そう思った次にシグナムが感じたのは、すさまじい闘気だった。
ウルが光だし、その中から現れたのは全身が燃えるような鎧に包まれた剣士。
(なるほど、魔力数値だけなら高町やテスタロッサを超えるというのも納得がいく)
ウルの炎のフュージョンモンスター、ファイデスから放たれる熱気と闘気。
シグナムはそれを感じ取り、ふと笑みがこぼれる。
だが、その顔からは冷や汗が流れていた。
ファイデスはゆっくりと獲物である大剣を構える。
「面白い、ヴォルケンリッター、烈火の騎士シグナム、参る!」
「あれが、フュージョン……」
先ほどまでヨアヒムに唖然としていたなのはたちだったが。始めてみるフュージョン能力に驚きを隠せないでいた。
シャマルやはやての言うとおり、魔力数値は自分やフェイトを超えている。
さらに彼の中にはまだ数種類のフュージョンモンスターがいる。
その頃、スバル達も以前の竜のようなモンスターとはちがうモンスターが出てきたので驚いたが、なのはたちほどには驚かなかった。
「あれ……なんか熱くない?」
スバルは体中に神割と出てくる汗を拭きながら尋ねる。
これが訓練中なら当たり前だが、今は見学中で、いくら外でも汗をかくはずがない。
そういえば、昨日の任務中の時でも急に寒くなった。
その時、ウルが水龍、ぺネキフィウムがいた。
という事は……
「この熱気と昨日の寒さは、ウルさんのフュージョンのせい?」
よく見ると、シグナムはかなりの汗をかいていた。
「くっ」
鎧なのか剣なのか、それとも両方なのかは知らないが熱を持っている。
剣に熱があるのは確実で、シグナムはウルの攻撃を紙一重で見切るが、そのたびに熱風に襲われる。
このままでは体力を奪われ続けるだけであった。
(戦士としても腕もいい……強いな)
そういって、シグナムは再度構える。
この状況下で勝つには……
(短期決戦で一気に攻めるのみ!)
シグナムはレヴァンティンからカートリッジをロードする。
それを見たウルは手をシグナムのほうへ向ける。
それと同時にシグナムの周囲が赤くなる。
そう思ったときにはシグナムがいた地点を中心として爆発が起こる。
すさまじい爆煙と熱が訓練場を包み込む。
「うわ!」
意外と近くにいたスバル達は吹き飛ばされそうになり、必死に飛ばされないように耐える。
「うわあ!」「きゃあ!」
しかし、体の軽いスバルとエリオは後ろに飛ばされてしまった。
204 :
魔装機神:2007/11/23(金) 21:55:09 ID:EueXKV2h
しかし、体の軽いスバルとエリオは後ろに飛ばされてしまった。
すいません、ここはキャロとエリオで
205 :
魔装機神:2007/11/23(金) 21:58:16 ID:EueXKV2h
「二人とも、大丈夫?」
しかし。地面におちると思った二人だが、その前にフェイトが二人を助けた。
「あ、ありがとうございます。フェイトさん」
いいえ、とフェイトは笑って再度ウルを見る。
「すごい……」
フォワード陣はウルの力を目の当たりにして、自分達とは次元の違う強さに尊敬半分、恐怖半分の感情を持つ。
「な、なんだ!?」
ヨアヒムと戦っていたヴィータは、いきなりの熱風に動きを止めてしまう。
「もらっただら!」
その間に、ヨアヒムが大木を振りながらヴィータに襲う。
ちなみに、その大木はヨアヒムが引っこ抜いたものだ。
「そんなもんでアイゼンに勝てると思うな!」
ヴィータはアイゼンを振り、大木を吹き飛ばす。
このヨアヒムと言う男は力が強く、それを売りにした攻撃を繰り出している。
「くそ……なかなかやるだらな」
ヨアヒムは肩から息をしてヴィータを見る。
「おめえもな、行くぞこの馬鹿力!」
ヴィータもカートリッジを消費し、アイゼンを構える。
「行くぞアイゼン!ラケーテン……ハンマー!」
ヴィータはグラーフアイゼンからはたんれている推力を使ってくるくると回転し、ヨアヒムへと向かう。
「デストロンハンマー!」
ヨアヒムも構えて、自分の前方に魔力を集中させながら突進する。
その時、ウルとシグナムのほうから、先ほどよりも激しい爆発が起こった。
ファイデスは爆発後を見る。
そこには、先ほどの爆発で地面が焼け焦げていた。
だが、それだけだった。
そこにはシグナムの姿はない。
消し炭にはしていないはずだからまだ近くにいるはずだ。
「どこを見ている?」
シグナムの声が聞こえ、ファイデスは上空を見る。
先ほどの爆発が起こる直前に、シグナムは高く飛び上がっていたのだ。
「今度はこちらの番だ。いくぞ、レバンティン!」
シグナムがレヴァンティンの周囲に炎を纏わせ、ファイデスへ向かう。
「切り裂け!紫電一閃!!」
炎はさらに激しく燃え、ファイデスを襲う。
ファイデスも剣を構え、迎撃の態勢を取る。
ぶつかり合う二つの剣。
その瞬間爆発が起こり、膨大な熱量と魔力が放出される。
二人の周囲を包む爆煙。
その中から先に出てきたのはシグナムだった。
シグナムは上空に退避して煙のあとを見る。
(手ごたえはあったはず……どうだ?)
気を緩めずにレヴァンティンを握り締めるシグナム。
やがて煙も薄まっていき、そこには未だにファイデスが悠然と立っていた。
しかし、手に持っている剣は砕け散っていた。
不利な態勢から放った一撃は完全に力が入らずに競り負け、砕かれたのだ。
ただ黙って砕けた剣を見るファイデス。
勝負あったか、シグナムはそう思ったとき、ファイデスはその剣を放り投げた。
206 :
魔装機神:2007/11/23(金) 22:00:20 ID:EueXKV2h
そして、ファイデスの前方に燃え盛る炎の魔法陣が描かれる。
まだ何かあるのか……そう思ったとき、ファイデスはその魔法陣を腕を突っ込む。
そこから、先ほどよりも大きな剣を引っこ抜いてきた。
どうやら、まだ隠し玉が合ったらしい。
面白い、そうおもってシグナムは剣を構える。
「そ、そこまで!ストップ、ストップ!」
そこへなのはから通信が入る。
底までとは堂宇ことだろうとシグナムは思ったとき、周囲を見て気付いた。
二人の周囲はもはやほとんど何もなく、様々なものが焼け爛れた後だったのだ。
よく見れば、戦いに集中しすぎて爆発に気付くのが遅かったヴィータとヨアヒムも吹き飛ばされている。
「これ以上するとここが危なくなっちゃうから……ウルさんには非殺傷設定なんてないみたいだし、けが人が出たら目もあてられないよ」
ウルにフュージョン能力に非殺傷設定はない。
だからこそシグナムに頼んだのだが、これでは自分達もどうなるか解らないし、なによりこの訓練場まで壊されかねない。
そう思ってなのはは止めたのだ。
そのなのはの言葉に、わかったとシグナムはゆっくりと降りる。
ウルのほうもフュージョンを解き、うーん、と大きく背伸びをする。
「かなりのものだな、フュージョンというのは」
シグナムの言葉に、まあねとふんぞり返る。
「ダテにこれで飯は食っていってないからな」
そうか、とシグナムも微笑を浮かべる。
「いってー……」
その中、爆風に吹き飛ばされたヴィータとヨアヒムも何とか立ち上がる。
「ちきしょう、頭がくらくらする……何が起こったんだ?」
ううん、とさっき吹き飛ばされた衝撃でヴィータは寝ぼけているようにふらふらと起き上がった。
それを見て、フォワード陣達はクスクスと笑うのだった。
支援放火の手を緩めるな! 支援。
208 :
魔装機神:2007/11/23(金) 22:03:10 ID:EueXKV2h
投下完了。
ちょっとウルが強すぎる気がしたけど、大丈夫か?
あと、さりげなく遊戯王のネタSSが公表だったみたいだけど、あれ以降次が思い浮かばない
(と言うかこれ以上長編を増やす続けるのは無理)なのでご容赦を
支援……犯罪っぽい字面ですな>放火
支援
>>208 GJ!
ちょいと険悪ぎみな流れを変えるには職人の投下が一番ですぜ。
>>187 シグナムとも接近戦好きで気が合いそうだ。
以下シグナムとアラドの会話の妄想。
シグナム「ではアラド、この状況下でならお前はどう対処する?」
アラド「ハイ、ラ……じゃなかった、シグナムさん!一気に距離を詰めてブっ飛ばします!」
シグナム「そのとおりだ。私もその状況なら同じ判断をするだろう」
でも、なのはさんが相手だと
なのは「じゃあアラド、この状況ではどうすればいいかな?」
アラド「ハイなのはさん!相手の懐に突っ込んでブっ飛ばします!」
なのは「あれ?おかしいな……(中略)……少し、頭冷やそうか」
とかなりそうだww
>>211 アラドそうなってもお前のことは忘れないぞ
>>187 OG2や三次αでしっかり相方一筋ですと描写されたから大丈夫だぜ。
にしても、
>シグナム「ではアラド、この状況下でならお前はどう対処する?」
>アラド「ハイ、ラ……じゃなかった、シグナムさん!
お前、一体誰と間違えたw
……そういや戦術理論講義で素人のシャイン皇女が正解出してる横で、幼少からパイロット教育を受けていたはずのアラドが誤答してたなぁ。
NANOHA COMBAT ZERO氏が
投下しないようでしたら自分が投下してしまっても構いませんかね?
おk
>>214
外で飯喰ってました。どぞ
準備できたんでしたら自分は後で構わないです。
突然パソコンがプロキシを受け付けなくなって(壺が使えないからこのスレ見れない)困った…。
いやマジで焦りましたよ。
今再起動しなおしたけど何が起こったのか解りませんでした。
全くダメダメだな俺…orz
では投下開始・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【5】天空に舞う希望 BARSITY
ヴァレー基地。 パイロット居住区のとある一角の雰囲気は どよよーん と、淀んでいた。
「・・・・・はぁ・・・・」
「「・・・・はぁぁ・・・・」」
珍しくなのはが盛大に溜め息をつくとそれにはやてと、シャマルが釣られた。
先のフトゥーロ運河の作戦の土壇場で魔力反応のある3機にまんまと逃げられたことで無気力感に囚われていた。
いつもの魔法戦とは違い、戦闘機を介したこの世界の空中戦は肉体的にも精神的にも消耗が激しい。
そんな中に駐在所長が現れた。
「オマエラ、何してんだ?」
「今回の任務の困難さをしみじみと思い知らされてんねん」
両腕を投げ出し、顎を机に乗せているはやてが呆けたようにつぶやく。
サボっているようだが純粋な休養日なので、朝に1時間ほどの軽い運動を行った他はとくにやることもない。
この場にフェイトとシグナムが居ないのは、引き続き傭兵達とフルコンタクトの格闘技訓練をやっているからだ。
「ふん。ヴァレーの酸素を無駄遣いしているようだな」
皮肉の一つもでるが、それが厭味にならないのが駐在所長の個性というか持ち味だろう。
「そんなオマエラが喜ぶニュース。最後っ屁をかましていった2機の作戦空域が判ったぞ」
けだるそうな3人の目が一瞬光る。
「本当ですか?何処?」
駐在所長はすぐに答えず、勿体をつける。
「そんなオマエラが嫌がるニュース。あの2機は最新鋭Su−37、しかもTOPエースの一角、ゲルプ隊だ」
「うへぇ・・・それは勘弁やなぁ」
はやてが条件反射のように頭を抱える仕草をする
「・・・・って何が凄いんやったっけ?」
咄嗟のリアクションだけはしておいて、肝心の話の中身についてはシャマルに振る。
この天然ボケぶりは何時でも発揮される。もう一つのレアスキルだ。
「ポストストール機動という運動性が抜群に優れた機体で、現在の戦闘機の最高峰よ。つけこめるような欠点がある機ではないわね」
シャマルが主の為に丁寧にフォローを入れる。
「う〜ん・・・・、せめて互角に戦えるようにしないと、また逃してしまうよ」
「でもなぁ、予算がなぁ・・・みんな楽に仕事させてあげたいからもうちょっといい機体を用意したかったんやけど。
なのはちゃん 旧いファントムでごめんな」
ウスティオ空軍からの査定でボーナスを奮発してもらったこともあり、機種変更できるだけの余裕もでてきたが、
空軍当局から提示された機体に納得できる性能のものは無く、
もう少し高性能機を提案してもらえるようになるまで我慢しようかと思っていた。
「いいよ。はやてちゃん。道具は使う人次第だからね。それに常に性能を引き出せるかどうか、判らないじゃない」
ドッグファイトで癖のあるF−4Eファントムを使うなのはにとって、機種変更は判断に迷うものだった。
今の機の癖を完全に掴んで技量向上を図るか、新型機で戦いに望むかの判断は微妙かつ重要な問題だ。
「お待たせ。今終わりました」
訓練を終えたシグナムとフェイトが戻ってきた。
身体を動かすのが性に合っているらしく、2人の顔は清々しそうだった。
「お疲れ様」
「お疲れさんや。・・・で、何なん?そのポケットの膨らみは」
はやてが目ざとく注目する。
「ああこれですか。格闘戦の訓練中に何故か、賭け試合みたいな流れになりまして・・・・」
「皆に手合わせしてくれって懇願されたのよ。手加減なしで・・・って」
二人のトレーニングウェアのポケットからウスティオ紙幣やらオーシア銀貨やらが
ジャラジャラと転がり落ちてきた。かなりの額である。
実家が繁盛している喫茶店の娘だけあって、なのはの暗算はかなり速い。
頭の中のソロバンが作動する。
総額は攻撃機A6Eや軽戦闘機F5Eが買えるぐらいの額だ。
まったくもって文字通りのボロ儲け。
「この額、かなりあるよ。これって、ひょっとして?フェイトちゃん、シグナムさん?」
「まさか二人とも手加減無し・・・?」
この二人は訓練で加減はしても手を抜くことはあり得ない。
「ボッコボコにしてやったんか?」
「「・・・うっ・・・」」
はやての問いに
顔を見合わせて沈黙を護るフェイトとシグナムの表情は言葉以上に明白に物語っており、
なのは、はやて、シャマルの三人の呆れ顔が納まらなかった。
その場に居合わせた駐在所長はソッチ系の「アーッ」な性癖嗜好はなかったので、傭兵共の思考回路を完璧に読んだ。
まぁ、2人ともタイプは違うけど相当に美人だし、男としての素直な欲望はよく判る。
だが、今回は相手が悪かった。叩きのめされたに違いない。
ま、ここは男として、彼等の名誉の為にも黙っておいてやろう・・・。
「山間の街 ソーリス・オルトゥスは、ウスティオの首都 ディレクタス近郊に位置する。
連合軍は オーシア第101空挺師団を主とする空挺部隊をソーリス・オルトゥス上空から降下させ、
ベルカに対し上空と地上から一気に奇襲をかける」
「今作戦は、ウスティオ開放の足掛かりとなる、重要な作戦だ。
街に降下する 空挺部隊を援護し 敵の対空迎撃網、並びに迎撃機を殲滅、空挺部隊の安全な降下を支援しろ」
「ソーリス・オルトゥスには 未だ一般市民が多く住む。諸君らの行動次第で 彼らの運命も変わるであろう」
基地の作戦参謀がブリーフィング終了直前に、値踏みするような視線で傭兵達を眺め回した。
「さて本作戦に関して貴様らが喜ぶニュースと嫌がるニュースがある」
「悪いほうから頼む」
「この空域の敵航空戦力は消極的だ」
「そりゃ、いい話じゃないんスか?」
なのは達とさほど年齢の違わない、だが能天気そうな傭兵の声に
強面のいかにもという顔つきのベテラン傭兵が呆れたように反応する。
「あのなPJ、そんな単純な話な訳ねーだろ!」
「うむ。たった2機のSu−37の担当空域らしい。どうだPJ いい話だろ?」
「かーっ ターミネーターなんてアリかよ?」
思わず点を仰ぐ傭兵達を眺めて、なのははシャマルに耳打ちした。
「シャマルさん」
「何?なのはちゃん」
「ひょっとして駐在所長が話していたSu−37っていうのは?」
「まず同じ部隊とみていいわね。Su−37の通称名がターミネーターだし」
「ふうん」
経験豊富な傭兵達のモチベーションがみるみる下がっていく。
それを敏感に感じ取ったなのはも影響を受けていた。
「で、俺達が喜ぶニュースってのは?」
リスクと報酬のさじ加減を図るのが傭兵として成功する才能であることを作戦参謀も良く知っている。
今回は目がくらむような特大ニンジンを目の前にぶら下げる。
「ターミネーターを落とした奴には高額ボーナスを出すぞ。あれには随分と痛い目に合わされてきたからな。
・・・・・噂で聞いたところによると、お前達、賭け事でかなりの奴がカモられたそうじゃないか?ん?」
その金額はかなりのものだった。
ちなみにシグナムとフェイトが儲けた金額と同額にボーナスが設定されているというのは、偶然の一致だろうか?
と、なのはは不思議がった。
《護衛機へ こちら第122航空隊 これより目標空域に入る。中をカラにするまで帰投できない よろしく頼む》
《イーグルアイよりガルム隊、 まずは空挺部隊の降下予定地点に位置する防空網を攻撃しろ》
《お前達は何だ!飛ばなければ価値のない連中だ!勇気の無い奴は置いていく!》
《悔しければ食らいつけ!しがみつけ!わかったな! よし行け!》
《行くぞ行くぞ行くぞ!》
《俺達はナンバーワン!》
《続け!どんどん行け!迷うな!止まるな!》
《立てクインシー!飛ぶんだ!》
次々を白い傘が開く。空戦魔導師として空を自在に飛べる者からしてみれば、
パラシュート降下ほどまどろっこしくリスクの高いものは無い。
地球出身のなのははまだしも、飛行魔法の浸透によりパラシュート降下という概念すら無かった世界から来た他の3人にとっては
なんとも気を揉む時間が始まった。
《降下前に落とされては申しわけが立たない 護衛機の諸君 頼むよ》
《122航空隊 任せて。空挺作戦は成功させるよ》
なのはが輸送機の針路の前方に出るとすぐにSAMランチャーを探しはじめた。
機首を下げて山岳部の地形を利用し地表を舐めるような超低空で接近する。
対地攻撃の中でも特に危険度の高い防空網制圧(ワイルドウィーズル)任務は空戦とは違う。
今までとは別の種類の緊張感がなのは達を襲う。
積極的に反撃してくる地上ターゲットを専門に狙うというのは、
先のフトゥーロ運河でなのはが経験した防空網の罠に自分から飛び込んでいくということだ。
右後方にはシャマル、左後方にシグナム、後ろにフェイトが控えるというダイヤモンド編隊を組む。
今回の出撃はなのは、フェイト、シグナム、そしてシャマルという臨時編成だった。
MiG31フォックスハウンドのはやてやF−15Cイーグルのピクシーは
制空機に乗る傭兵で編成された臨時戦隊として、輸送機の進入の陽動作戦として別方面に出ている。
その陽動作戦が成功したのか、敵戦闘機の活動は見られなかった。
《地上に着く前に蜂の巣だ!》
《彼らの勇気を無駄にはできん!》
地上2箇所から明るいオレンジの輪が光、その光が猛烈な勢いで飛翔してきた。
誰もがフェイトのプラズマランサーかと思うほどその光はよく似ていたが、SAMのものだった。
《SAMサイト発見!タリズマンチーム、サイファーチームで攻撃》
《ウィルコ》
《了解、援護する》
フェイトが囮となり、なのはがそのまま超低空で突っ込みつつ、AGM−88 HARM対レーダーミサイルを放つ。
《サイファー マグナム!》
なのははHARMを使ったのは初めてだったが、特に違いを感じることもなかったし、レイジングハートも反応を示していなかった。
ミサイルの噴射方向を魔法で偏向してやればよい。
アクセルシューターの誘導とはちょっとタイミングが異なっていたが、持ち前の空間認識能力の高さでなのはは苦も無く操っていた。
命中。
レーダーサイトが轟音と共に吹き飛ばされ、SAMが無害化された。
一方、シャマルとシグナムのチームも動きを見せていた。
こちらはシグナムが囮となり、シャマルが攻撃という組み合わせだった。
シグナムが囮役とは意外な感じもするが、機体特性の面から自然と役割がきまった。
質量兵器による戦いならではの分担ともいえた。何しろ超低空侵攻はトーネードの十八番である。
なのはが行った進入よりもさらに低いギリギリの高度でシャマルが防空基地に迫った。
《投下!》
トーネードが腹に抱えた巨大なJP233ディスペンサーから大量の小型爆弾がばら撒かれる。
なのはの攻撃は外科手術を思わせる精密なピンポイント攻撃だったが、シャマルのは文字通りの完全破壊だった。
レーダーもミサイルも支援部隊もまとめて一気に吹き飛ばす。
元々滑走路の破壊を目的としたディスペンサーなのでその攻撃範囲は広い。
地面そのものが爆発したかのように爆発が周囲を覆う。
支援
防空網の制圧は完璧で、空挺部隊の降下も順調に進んでいた。
《ここはどこだ 敵の真中じゃないのか?》
《大丈夫だ 地図は俺が持っている 合流地点を目指そう》
《こんなに配備されてるなんて聞いてないぞ!》
《降下の際に銃を飛ばされちまった》
《弾薬の確保に成功した これより作戦に移行する》
《降下部隊近くの建物に取り付いた後 安全を確保せよ!》
空挺作戦にこうした混乱はつきもので、隊員も混乱の回復を図るよりも奇襲降下を最大限の戦果とするため
主導権を確保する重要性を良く理解していた。
《E−4地区の敵は排除! 続いて次の地区へ進軍する》
《C−8地区確保! ただ弾薬の残りが少ない コンテナの降下を》
《行け 今が絶好のチャンスだ! 行け!行け!行け!》
ベルカ軍の抵抗も組織的なものではなく、なのは達が拍子抜けするほど作戦は順調に進んでいた。
《今回は順調だな》
《今のところはね。まだ気を抜いちゃ駄目だよ》
編隊長のなのはがシグナムに釘を刺した。
だが、指揮官とは慎重な見方ばかりすれば良いというものでもない。
上手くいっているときはその流れで押し切ってしまう強引さも時に必要だ。
なのはも我が主もそのあたりの見極めができていない。
「将としては、まだまだ未熟だな」
フルクラムのコクピットでシグナムが呟く。とはいえ指揮官として成長していく様はシグナムとしても喜びだった。
戦況はシグナムの見解が正しく、戦闘態勢に入るのが遅れたベルカ地上部隊は、意外なほどあっけなく制圧されていった。
いつも激戦・苦戦ばかりが戦いではない。
《B−9地区 敵地上部隊と交戦中!クッソー 戦車が混じっていやがる!》
《独力で対処できるか?》
《戦車に阻まれて前進不能!あれをなんとかしてくれ!》
機首をすでにB−9地区方向へ向けながら、なのはが要請に応える
《ガルム隊、B−9の敵地上部隊を叩くよ!》
目障りな防空網は最初の一撃で吹き飛ばしたので、地上から打ち上げてくる砲火は少ない。
今度は、フェイトとシグナムも地上攻撃に加わる。
ベルカ地上部隊の中では数少ない組織的な防衛を展開している部隊だったが、空からの攻撃には脆かった。
《ありがとよ空軍さん。 空から敵が来たら追い払ってくれよ》
《頭の上のことは心配しなくていいよ》
地上部隊からの無線にフェイトが一同を代表して返答する。
とんでもない話だ。前回はまんまと逃げられている。4対2でも対等に勝負できるかどうか・・・
やはり、その鳥達がやってきた。
やはり、ソーリス・オリティスは彼等、「川鵜」の猟場のようだった。
《ベルカ戦闘機部隊の機影を確認! ガルム隊 戦闘機を撃破しろ》
<この反応!?>
<前の運河の時と波形が一緒よ>
フトゥーロ運河から撤退したベルカ軍は、拡張しきった戦線の見直しに入っていた。
171号線を失ったのも、運河を失ったのも戦力の分散配置といういつの戦争でもある失敗で、
ヴァレー基地攻略作戦までがベルカ軍の行動限界らしい。
ベルカ空軍が接収したウスティオの基地では2機のSu−37を駆るパイロットが休んでいた。
「インディゴ隊の再編はどうなると思う? ライナー」
「JAS39を運用する部隊は幾つかありますが、『藍鷺』が信用して同じ空を飛べることができる腕を持ったパイロットが何人いるか・・・・」
「そこが問題だな。他の作戦機と設計、整備体制、用兵思想が全く異なる。我が空軍内にあの機を運用する基盤が十分に整っていない」
「機体そのものは悪くないから惜しいですね」
ライナー・アルトマンがホットミルクをすすりながら答える。
「かといってこのままハインリッヒ1人の部隊というのも不味いな。士気に響く」
この場にはいないが、インディゴ隊唯一の残存戦力であるハインリッヒ中佐もこの基地で羽を休めていた。
とはいえ部隊再編を決めるのは空軍上層部であり、関係のない他の現場指揮官がとやかく口をはさめることでは無かった。
だが、ハインリッヒの親友であるオルベルト・イェーガーは部下を失った友の今後を案じない訳にはいかなかった。
「ソーリス=オルティスが空挺奇襲を受けている!」
基地司令部に飛び込んできた至急報を聞いて、オルベルト=イェーガー少佐は雑誌をめくる手を止めて、愛機に飛び乗った。
《どう思います?》
《一杯くわされたな。敵制空部隊との戦闘の報告があっただろう?、あれは陽動だよ》
《一気に街を落とす気ですね。奇襲とはいえ、あの街を落とすには旅団規模は必要でしょう》
あっという間に2匹の川鵜が空に舞い上がっていた。
《中型輸送機で20機相当だな。これに護衛機と攻撃隊がつくぞ》
《あの街の郊外にSAM基地が幾つか展開しているそうです》
イェーガー少佐は部下にして僚友ライナー=アルトマン中尉と、上空で迎撃作戦を組み立てている。
地上で打ち合わせをせずとも完璧に意思疎通ができる名コンビとはいえ、
空に上がって改めて意見を交わすことで懸念事項を吐き出してしまい、再確認するという作業を彼等は欠かさない。
《無駄だ。空挺奇襲を受けている時点で既にSAM基地は制圧されたか、破壊されたと考えろ》
《では、攻撃機にはワイルドウィーゼルチームを含む可能性と・・・何処の奴らでしょう》
《そりゃ陽動作戦に出なかった連中さ・・・他に気になる事は?》
イェーガーは時にはぐらかしたようで、真実を外さない喋り方をする。
アルトマンは編隊長の問いに的確に答えた。
《ウスティオ軍、ヴァレーの連中でしょうか 隊長?》
《だろうな。ところでこの間のフトゥーロ運河の撤退支援。覚えているか》
《いやな雰囲気がありましたね》
《最後に俺達を包囲しようとしていた6機編隊はヴァレー基地所属だった。あれは強敵だな》
《迎撃止めて逃げますか?》
《そりゃ名案だ。検討に値する》
イエ−ガーの際どい冗談は緊張感を全く感じさせない。2人はSu−37ターミネーターを更に加速させた。
針路そのまま、ソーリス=オルテティスの戦闘空域まで後3分。
ベルカ公国空軍 第5航空師団 第23戦闘飛行隊 ゲルプ隊 見参。
フトゥーロ運河から撤退したベルカ軍は、拡張しきった戦線の見直しに入っていた。
171号線を失ったのも、運河を失ったのも戦力の分散配置といういつの戦争でもある失敗で、
ヴァレー基地攻略作戦までがベルカ軍の行動限界らしい。
ベルカ空軍が接収したウスティオの基地では2機のSu−37を駆るパイロットが休んでいた。
「インディゴ隊の再編はどうなると思う? ライナー」
「JAS39を運用する部隊は幾つかありますが、『藍鷺』が信用して同じ空を飛べることができる腕を持ったパイロットが何人いるか・・・・」
「そこが問題だな。他の作戦機と設計、整備体制、用兵思想が全く異なる。我が空軍内にあの機を運用する基盤が十分に整っていない」
「機体そのものは悪くないから惜しいですね」
ライナー・アルトマンがホットミルクをすすりながら答える。
「かといってこのままハインリッヒ1人の部隊というのも不味いな。士気に響く」
この場にはいないが、インディゴ隊唯一の残存戦力であるハインリッヒ中佐もこの基地で羽を休めていた。
とはいえ部隊再編を決めるのは空軍上層部であり、関係のない他の現場指揮官がとやかく口をはさめることでは無かった。
だが、ハインリッヒの親友であるオルベルト・イェーガーは部下を失った友の今後を案じない訳にはいかなかった。
「ソーリス=オルティスが空挺奇襲を受けている!」
基地司令部に飛び込んできた至急報を聞いて、オルベルト=イェーガー少佐は雑誌をめくる手を止めて、愛機に飛び乗った。
《どう思います?》
《一杯くわされたな。敵制空部隊との戦闘の報告があっただろう?、あれは陽動だよ》
《一気に街を落とす気ですね。奇襲とはいえ、あの街を落とすには旅団規模は必要でしょう》
あっという間に2匹の川鵜が空に舞い上がっていた。
《中型輸送機で20機相当だな。これに護衛機と攻撃隊がつくぞ》
《あの街の郊外にSAM基地が幾つか展開しているそうです》
イェーガー少佐は部下にして僚友ライナー=アルトマン中尉と、上空で迎撃作戦を組み立てている。
地上で打ち合わせをせずとも完璧に意思疎通ができる名コンビとはいえ、
空に上がって改めて意見を交わすことで懸念事項を吐き出してしまい、再確認するという作業を彼等は欠かさない。
《無駄だ。空挺奇襲を受けている時点で既にSAM基地は制圧されたか、破壊されたと考えろ》
《では、攻撃機にはワイルドウィーゼルチームを含む可能性と・・・何処の奴らでしょう》
《そりゃ陽動作戦に出なかった連中さ・・・他に気になる事は?》
イェーガーは時にはぐらかしたようで、真実を外さない喋り方をする。
アルトマンは編隊長の問いに的確に答えた。
《ウスティオ軍、ヴァレーの連中でしょうか 隊長?》
《だろうな。ところでこの間のフトゥーロ運河の撤退支援。覚えているか》
《いやな雰囲気がありましたね》
《最後に俺達を包囲しようとしていた6機編隊はヴァレー基地所属だった。あれは強敵だな》
《迎撃止めて逃げますか?》
《そりゃ名案だ。検討に値する》
イエ−ガーの際どい冗談は緊張感を全く感じさせない。2人はSu−37ターミネーターを更に加速させた。
針路そのまま、ソーリス=オルテティスの戦闘空域まで後3分。
ベルカ公国空軍 第5航空師団 第23戦闘飛行隊 ゲルプ隊 見参。
なのはがピクシー以外の僚機と戦闘に入るのは初めてだったが、
自身も本来なら遥かに格上のピクシーへの指示はどうにもやり難いと思っていた。
《4対2、数で押し切るよ!》
狭い正面から突っ込んでくるゲルプ隊に対して、ガルム隊の4機は斜め一列エシュロンフォーメーションで向かい合う。
一気に距離が詰まっていくが、先に動いたのはなのは達ガルム隊だった。
密度の濃いAAM一斉射の攻撃で逃さないというのが目論見だった。
《FOX2!》
一斉にフォックスコールが起こり、白煙を残してミサイルの群れが2機のSu−37に向かっていく。
《来たな!用意はいいか?》
《いつでも》
多数のミサイルを撃たれるというのはさすがに歴戦のエースパイロットでも緊張する。
こればかりはイエーガーもアルトマンも慣れることはできなかった。
空中衝突するほどに狭い間隔で飛んでいたゲルプ隊は赤外線イメージでは1機の大型機のように見えた。
なのは達の放ったミサイルはその熱源反応の大きさから爆撃機、輸送機と判断した。
4発のミサイルで木っ端微塵に爆発するだろう。
急激に2機が分散する。
アルトマンは左上空へ、イェーガーは右の低空へそれぞれ向かう。
ミサイルは逃げる敵機が放つフレアの欺瞞に騙されないよう、目標から分離した小さな熱源を無視するプログラムを持っていたが、
分離した熱源が同じ強さを持っていることでどちらが欺瞞でどちらが機体かの判断に迷った。
ゲルプ隊にはその程度の遅れで十分。
傑出した機体性能とパイロットの腕が揃ったからこそできる芸当だった。
《うそっ!》
思わずシャマルが声を上げる。
その時には既にゲルプ隊とガルム隊は互いの後ろを取り合うよう。距離をおいて上下左右に位置を奪い合うようになっていた。
だが、機動力でまさるゲルプ隊が徐々に相対的な位置取りを変化させ、もうじきガルム隊の4機の後ろを窺おうかという状況になっていた。
数で勝るとはいえ、このままではジリ貧で負けると判断したなのはが通信を送る。
《敵の連携を崩すよ。シグナムさんは敵の1機と単機戦闘。長引かせ、牽制して下さい》
《ああ、心得た》
《フェイトちゃんが囮役、距離を開けさせ、敵を連携させないように》
《いいわ》
《シャマルさんは低空に降りてきたら攻撃を。高空は私が担当するね》
《わかりました》
《じゃあ行くよ? Ready・・Go!》
まず薄紫色のフルクラムが編隊から離脱し、一旦雲の中へその姿を隠した。
続いて黒っぽい機体のタイガーシャークが一見無謀にも思える単純な直線飛行を始め、
薄い緑のトーネードがソーリス=オルティス郊外の山肌を舐める超低空にまで駆け下りる。
そして、最後に白いファントムが高度を稼ぐ。
《向こうが動きましたね》
《このまま背後をとられるリスクを嫌ったのだ。何か仕掛けてくるぞ》
なのはの作戦はイェーガーはかなり正確に見破った。
《方位0−4−0に1機》
フェイトの単調な飛行はすぐにゲルプ隊に発見された。
《小賢しい。あのわざとらしい飛び方は囮だな》
《無視しますか?》
《そうだな・・・いや・・・》
並のパイロットなら囮に喰いつく。
エースなら囮を見破って無視する。
《囮も伏兵もまとめていただこう》
TOPエースなら囮も伏兵もすべての獲物を飲み込んでしまう。
そして「番の川鵜」は押しも推されぬTOPエース部隊。
《おそらく、別の敵が1対1を挑んできますね。我々を連携できないよう引き離すために》
《やはりそう思うか? それについては任せる》
フェイトに対処の余裕を与えないが、逃げる咄嗟の動きにも柔軟に対応できるだけの微妙な間合いで後ろを取りに行く。
「この雰囲気。ヤな感じ」
フェイトは後方に意識を研ぎ澄ましていた。囮とはいえ、敵を後ろに2機も従えるのは気分の良いものではない。
だが、なのはが囮役を任せてくれたのは私を信じてくれているからだ。
ゲルプ隊は鋭く、容赦ない機動でフェイトを追い詰めていた。
常に未来位置を予測し、先手先手を打ち、互いの死角をフォローしあう。
お手本にしたいぐらいあっけなくタイガーシャークの後ろを取った。
《今だ!》
シグナムの合図に合わせてフェイトがスロットルを全開に叩き込み、アフターバーナーも目一杯炊く。
ゲルプ隊の2機も周囲に注意を払っていたが、関心は目の前の黒いF−20に集まっていた。
《させるかっ!》
そのタイミングを可能な限り存在を殺していた薄紫のフルクラムがその一瞬の間合いを計ってミサイルを放つ。
《相手になるから かかって来い!ウスティオ空軍のブレイズだ》
シグナムの攻撃にしては珍しい長射程でのミサイル攻撃だ。この世界でもシグナムが中長距離攻撃を苦手としているのは変わらない。
《ほら来た!》
アルトマンが予想したとおり、別の薄紫のウスティオ機が雲の中から飛び出してきた。
《1対1を望むか? アルトマン》
《まさか、俺達は『番の川鵜』ですからね、あなたについて行きますよ 隊長》
無線をオープン回線にしていたアルトマンがシグナムにむけて言い放つ。
《という訳で俺は今、アンタに関わる気はないよ。ブレイズ》
シグナムは無視された事に驚いた。
名乗りを挙げて挑んだ真剣勝負を無視されたことはシグナムの戦歴の中でもそう多くはない。
《何、私を無視するかっ!?》
一瞬全身の血が沸騰する。
この時、ソーリス・オルティスでの戦闘の主導権はベルカ軍の手に移った。
今日はここまでです。
途中鯖不調で2重投下でスマソ。
今回は地の文を減らしてみたんですが、
それでも場面の展開が他の方のSSとくらべてもまどろこしくて orz
ライオン丸Gとのクロスとか思いついたけどそもそも知ってる人いるだろうか
GJ!
NANOHA COMBAT ZERO氏乙
>>232 10話冒頭のナレーションは神だったな
>232
最終的には、六課は全滅して、カリムもクロノも殺されて、ヴィヴィオまで……となるのでしょうか。
>>232 あれも懐かしいな
最後らへんの黒さに引いた覚えがある
>>236 風雲ライオン丸も怪傑ライオン丸もあんな感じの終わり方ですよ。
次はスクリーム氏の投下かね?
239 :
りりかる剣心:2007/11/24(土) 00:39:03 ID:xNIfW9Qq
職人の皆さんGJ
魔法少女リリカルなのはStrikerS−時空剣客浪漫譚−第二話後編が出来ました。投下良いですか?
来な…3連投の時点で支援を叩き込む…!
241 :
りりかる剣心:2007/11/24(土) 00:42:26 ID:xNIfW9Qq
あ、じゃあスクリームさんの次にしますι
GJでっす
・・・ふむ、朝まで投稿は控えるか
>>235 個人的には最後の戦いの後とクロスさせようと思ってたんですが……
今度こそ大事なものを守れる獅子丸みたいな感じで
反応がない スクリーム氏は寝てしまったようだ?
245 :
りりかる剣心:2007/11/24(土) 01:09:11 ID:xNIfW9Qq
反応が無いみたいなのでラーメンの湯切りみたいにちゃっちゃっちゃっと投下しますー
こいこい
248 :
りりかる剣心:2007/11/24(土) 01:13:46 ID:xNIfW9Qq
見たのは彼らの凛々しい姿。
感じたのは悲しげな十字傷。誰かの為に振るう逆刃刀。
感じたのは背中の悪一文字の想い。仲間の為に振るう拳。
感じたのは誇り高き姿。絆の為に振るう御庭番式武術。
あの人達に話を持ち掛けた事に皆は後悔はないはずですよ。
彼らならなのはさん達と協力して時空世界を助けてくれる……きっと。
そして僕は、あの人と家族として迎えてくれた皆の為に。答えを見つける為に。
刀を振るいます。
魔法少女リリカルなのはStrikerS−時空剣客浪漫譚−始まりますね。あはは♪
第二話「試されし迷い人の力、過ぎ去りしは未来。後編」
>>247 やや高めのはラーメンでも湯きりしないか?
この笑みはまさか支援
>>249 そんなのあるのか?w
252 :
りりかる剣心:2007/11/24(土) 01:16:25 ID:xNIfW9Qq
剣心とシグナムが訓練室から退室した姿を確認してからリンディはモニターから視線をオペレーター席に座るエイミィに移す。
「エイミィ……緋村さんの総合値を聞かせて」
彼女の尋ねにエイミィは「はい」と頷き、計測モニターから出た剣心のデータを開いて答える。
「総合魔力はRank.S-……最初はAAAでしたが、あの構えから急激に上昇しました。
さらに、最後のあの技は魔力付加出来ていませんでしたが威力はAAA-が出せています。」
「そう……ありがとう。ご苦労様」
「いえ。もう少しで私もしばらくは産休ですから」
「ふふ、そうだったわね」
エイミィから彼のデータを聞き、リンデイはほほ笑みながら剣心、左之、蒼紫のデータが入ったディスクを彼女から受け取る。
−これで三人の身体能力は取れた、それにしてもすごい……魔力が不安定なのは仕方ないけど。シグナムさん達とあそこまで立ち回れるなんて……。
これはなのはさんとフェイトさんが歩んだ方法で良いかもしれないわね。
「−−あと、彼らが居た世界の事なんだけど。どうかしら?」
「あ……。特定の世界とはいえ、過去となるとなかなか照合が見つかりません。」
「わかったわ、ありがとう」
エイミィから離れ、なのは達が居る艦長席にリンディは移動する。
支援
254 :
りりかる剣心:2007/11/24(土) 01:18:54 ID:xNIfW9Qq
二人が退出すると共に訓練室を映すモニターが閉じられ、剣心とシグナムの最後のやり取りになのはは苦笑いを浮かべながらも安堵していた。
「あはは、剣心さん大変だねι」
そんな彼女の心情を理解したフェイト、はやてはぽんっと彼女の肩に手を置く。
「あ、フェイトちゃん。はやてちゃん」
彼女らになのはは言葉を返す事無く、ホッとした笑顔を浮かべる。
「でも、私も剣心と闘ってみたいかな」
「剣心さん、シグナムにずいぶん気に入られたなぁι」
しかし、なのは達には気になる事が一つあった。
「二度と人を殺めない為」そう告げた剣心の瞳が悲哀を帯びていた事だ。
何があったのだろう……と。
何が原因で彼はあの信念を抱いたのか。
そう考えていると、ブリッジに二人の足音が聞こえてくる。
「待たせたでござる。」
「ただいま戻った。」
しばらくして、ブリッジに訓練室から戻ってきた剣心とシグナムの姿に皆は笑顔で出迎える。
「剣心さん、すごかったです」
「なのは殿、いや。魔力を自在に操れてなおもあのような威力の一撃を放つシグナム殿や皆の方が拙者からすれば驚かされたでござるよ。」
「あはは。それもそうですねι」
「なんだ、その顔は」
どこか含みのある笑みを浮かべているヴィータに気になったシグナムが尋ねると彼女は「いやぁ、さぁ」とあいまいな返事をする。
「まさか、リーダーより強かったとはなーって。」
「なんとでも言え。緋村が強いのは事実だ。お前も気付かなかったはずは無いだろ」
するとヴィータは真剣な表情になり、ああ。と頷く。
「こっから見てても解る。龍槌閃って技から感じてたよ」
「でも、カッコイイ技やな。龍槌閃かぁ〜♪」
微笑んで技の名前をあげるはやてにヴィータとリインはうんうんと頷く。
支援
256 :
りりかる剣心:2007/11/24(土) 01:21:04 ID:xNIfW9Qq
「ギガトン龍槌閃ってやってみるか」
「すっごい強そうですねー。でも、リインとしては最後のあの技にしびれましたー♪」
はやての肩の上でリインは「そーりゅーせん」の動きを再現する。
「あはは、じゃあ。リインに似合う刀探したるな♪」
「わぁー、良いんですかはやてちゃん♪」
「逆刃刀なら探したらあるんじゃないですか?パイナップル壊したものとかなら」
思い出しながら告げたシャマルの一言にヴィータとリインは驚いた表情を浮かべる。
「買ってくれ、はやて!」
「リインもほしいですー!」
「Σえぇー!? いや、あれは…変に高いしなぁι」
彼女らのほほえましい姿に剣心はなのは、フェイトと優しい表情を浮かべていた。
「結構苦戦したみてぇだな剣心」
「あ、左之助」
そこに右手の怪我を治してもらい歩み寄ってきた左之の言葉に剣心は苦笑いを浮かべて「ああ」
「やはり、永い時を闘いで過ごした彼女達の力は伊達ではないでござるよ。左之も解るだろう?」
「まあな。」
「でも、二人も大分慣れていますよね」
フェイトの言葉に剣心は渋るが左之は「ああ」ときっぱり答える。
「そりゃな、こっちは魔法なんか使わねぇとこで闘ってたんだからよ」
「そういえばそうだったね。」
剣心と左之助が皆と話している姿を見ていたザフィーラは普段の守護獣の姿で壁に背を預けている蒼紫に歩み寄ってから彼を見上げる。
「ザフィーラか……」
「驚かないようだな」
「魔法が栄えている世界に来ているのだ。今更驚かん。」
蒼紫の答えに「それもそうだな」とザフィーラは頷く。
257 :
りりかる剣心:2007/11/24(土) 01:24:14 ID:xNIfW9Qq
「緋村さん、左之助くん、蒼紫さん。」
凜と表情を引き締めたリンディの呼びかけに三人は彼女を見遣る。
その呼びかけの意味を剣心達となのは達は理解し、空気は静かなものになる。
「結果でござるか」
代表して尋ねた剣心にリンディはこくりと頷く。
「ええ、けどその前に緋村さんから頼まれていた元の世界に帰れる方法なんだけど……緋村さん達が居た明治という世界なんだけど。
こちらでは照合が合わなかったの……」
彼女の言葉に剣心らは納得したように頷き、そんな彼らになのは達は心配そうな表情を浮かべる。
「そう……でござるか。」
「ごめんなさい。でも、まだまだ調べてみますから。」
しかし、剣心は悲痛そうな表情を浮かべる事なくリンディに微笑む。
「いや、拙者達も諦めないでござるよ。それにリンディ殿。手をつくしてくれてかたじけない」
「ま、そんなにやわじゃねぇよ。」
「ああ、そうだな」
帰れる事に絶望しない彼らの眼に「彼らは強い。」と熱い想いを感じ、彼女らはほっと安堵する。
「全力で手を尽くしますので待っていて下さい。」
「仔細承知したでござるよ」
「……では結果を言います。
四乃森蒼紫さん、Rank.AAA。
相楽左之助くん、Rank.AAA-。
緋村剣心さん、Rank.S-。とこのように結果が出ました」
リンディが告げた結果になのは達は眼を見開いて驚く。
無理もない。魔力を使った経験も無く、使ったとしても不安定であるにも関わらずRank.Aを軽くオーバーしているからだ。
また、彼らと闘ったシグナム、ヴィータ、ザフィーラは納得だ。と言ったように頷いている。
彼女らの反応を見て剣心らは自分達がどのような力なのか理解していた。
だが、左之は頭に?を浮かべて隣にいたフェイトに尋ねようと視線を合わせる。
258 :
りりかる剣心:2007/11/24(土) 01:26:54 ID:xNIfW9Qq
(どうしたの左之助?)
(って、なんだこれ。口でしゃべってねえのに……)
(ああ、これは念話っていって秘密の話とかするのに使うの。)
(へぇ、便利だな)
(じゃあ、後で教えてあげるね♪)
(ああ、ところで。らんく、とりぷるえーまいなすってどれくらいなんだ?)
(ヴィータよりちょっと下かな)
フェイトにそう教えられ、左之はやっぱりか。とヴィータを見遣って納得する。
(ま、わかった。悪ぃな)
(ううん、お安いご用だから♪)
「それで、改めて第四陸士訓練校に入学してもらう事になるんだけど、貴方達にはなのはさんやフェイトさんの二人のように短期プログラムを受けてもらおうと思うの。
良いかしら?」
リンディの提案に剣心達は互いを見合わせ、迷う事なく頷く。
「拙者達の力で人々を護れるなら、遠慮なく使ってほしい。」
「管理局が情けねぇなら喧嘩屋に戻らせてもらうけどな」
「外法を取り締まるのも……御庭番の務めだ。」
彼らの決意に彼女らは嬉しそうに微笑む。
これほどの強い人達が仲間となる事。友達となれた事。これほど嬉しい事はない。
リンディは席から立ち上がって告げる。
「決まりね。三人ともありがとう。これから私は訓練校に貴方達の身体能力の結果を渡しに行ってきます。はやてさん、あの話をしてあげてみて♪」
「おろ?」
「あ、はい。解りましたリンディさん」
はやてにバトンを渡し、リンディはブリッジを後にする。
支援
外国の英文字が分からないクロス側支援。
261 :
りりかる剣心:2007/11/24(土) 01:29:33 ID:xNIfW9Qq
「はやて殿、話とは一体……」
剣心の尋ねにはやてはなのは達と頷き、答える。
「うん。今朝私が考えた目標なんやけど。三人に聞いてほしいんや。」
「……聞くでござる、はやて殿の目標を。」
「ま、構わないぜ?」
「どのような……?」
彼らの言葉にはやては「ありがとう」と微笑んで彼らに告げる。
それは今朝、ホテルにて彼らと話をする前になのは、フェイトにも告げた話だ。
「私は自分の部隊を作ろうって思ってるんや。」
「はやて殿の部隊……」
「うん。昨日の災害救助や犯罪対策、発見されたロストロギアの対策もなんにつけミッドチルダ地上管理部隊の行動が遅すぎる。後手に回っての動きでもあかんし。ちっとも問題が終わっていかへんって思ってる」
「け、組織って奴はどこも情けねぇな、管理局もよ」
苛立ったような表情で右手の拳を左手にパシンと当てて告げる左之助にはやてや周りの皆も言葉が出なくなる。
そして、はやてはキッと表情を引き締めて彼らに打ち明ける。
「小数精鋭のエキスパート部隊。それで動いていったら少しは上も変わるかもしれへん。
でな、私がそんな部隊を作れたら……剣心さん、左之助くん、蒼紫さん。部隊に入ってくれへんかな?」
「鈍っている現状の管理局を変える事も踏まえて問題を解決していく部隊……」
相変わらず表情を崩さない蒼紫が出した結論にはやてはしどろもどろになる。
「あ、でも、何年かかるか解らんしι
三人は帰らなあかんし「八神はやて……」
「え」
自信がなくなったかのように顔色に影を落としはじめたはやての頭に蒼紫の手がおかれる。
いきなりの事に戸惑ってしまうも見上げた先にあった無表情の奥の優しげな蒼紫の眼差しに彼女は頬を染めてしまう。
262 :
りりかる剣心:2007/11/24(土) 01:34:45 ID:xNIfW9Qq
「今更水臭いでござるよ、はやて殿」
「剣心さん、蒼紫さん……」
「確かに俺達はいずれ帰らなければならない。だが」
「拙者達を友達とよんでくれたお主達の事をほおっておく事は出来ぬでござるよ。
それに、拙者は異世界であろうと苦しみから人々を救いたい管理局の仕事に興味がでた。
だから、将来指揮官となるはやて殿がそんな顔をしては皆を引っ張ってはいけぬでござるよ♪」
優しく微笑み、そう告げる剣心に。
はやて、なのはやフェイト達は彼の優しさを感じ取る。
「な、左之」
先程から憮然とした表情をしている左之に剣心が声をかける。
「まぁ、組織ってのは嫌ぇだけどよ。嬢ちゃんが部隊作るってぇなら、考えてみるか」
「……剣心さん、左之助くん、蒼紫さん。三人とも、ありがとうな」
彼らの言葉にはやてはじわりと滲み出た涙を拭いながら告げ、微笑む。
そして、剣心は彼女に歩み寄り、手を差し出す。
「はやて殿、お主の部隊が出来た時。是非、手伝わせてほしいでござる」
「あ、はい。こちらこそお願いします」
剣心の手を握り、辺りにはほほえましい雰囲気が流れる。
支援一閃
264 :
りりかる剣心:2007/11/24(土) 01:40:26 ID:xNIfW9Qq
「あ、そうや。今から皆でレクリエーションルームに行かへん?」
「おろ?りくりえいしょん?」
「うん。まだ、私ら剣心さん達の事よく知らんから。そこで聞きたいな〜って」
はやての提案に周りにいた彼女達は口々に賛成と告げる。
「拙者達の事でござるか?」
「はいです、剣心さん達がいた世界の話は聞きましたですけど。」
「剣心さん達自身の話をまだ聞いていませんから」
「緋村達が歩んで来た過去か……」
リインとなのはにそう言われ、彼らは複雑そうな表情を浮かべて自身が歩んできた過去を思い出す。
「だめ……ですか?」
「いや、構わないでござるよ。はやて殿、なのは殿」
「左之助はどう……かな?」
フェイトの尋ねに左之は鼻の頭をぽりぽりと掻く。
「たいして面白くねぇけど。それで良いんならな」
頭の後ろで手を組んでいたヴィータが横で彼を見上げるように彼に告げる。
「かまわねぇーよ。教えろ」
「蒼紫さん、貴方も良いですか?」
無表情な彼にどう対応すれば良いか悩みながらも尋ねるエイミィ。
「……ああ」
頷く彼らの姿にはやて達はただならぬ何かがあると感じ取り、ブリッジからレクリエーションルームへと移動する。
……そして、彼女らは彼らが歩んできた辛く悲しい過去を知る事となる。
それは次の話。
支援支援ー
266 :
りりかる剣心:2007/11/24(土) 01:43:13 ID:xNIfW9Qq
同じ頃、どこかの研究施設。
その施設の中にある広大な訓練室には周りの造りとは不釣り合いな水色の着流しと袴を着た少年が日本刀を握り、肩に担いでいた。
「あはは、トーレさんの服カッコイイですね♪」
彼の眼の前には何かのボディースーツを着た紫のショートカットの女性がエネルギーの翼を展開させて立っている。
「ふん。何をにこにこ笑っている……行くぞ!!」
そう叫ぶと共にトーレはラインドインパルスを起動させ、高速機動を少年に見せた。
そして……彼は右足の爪先で床を。とんとん。と軽く突いて走り出す。
続く
支援ー
268 :
りりかる剣心:2007/11/24(土) 01:45:28 ID:xNIfW9Qq
以上、第二話でした。
宗次郎をもう少し深く書くつもりでしたが長くなったのでそれは三話で書いていこうと思います。ではではー
269 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/24(土) 01:46:52 ID:aphy+j4o
支援
GJ!
トーレさんそんな事言っても笑いは止まりませんww
>>りりかる剣心氏
GJ!剣心組のランク高!それに蒼紫とはやてにフラグらしきものが……。
宗次郎は博士側に参加でしょうか。トーレとどっちが速いのか楽しみです。
ところでセリフの文末にたまにある『ι』って何の意味があるんですか?
そーじろは向こう側にいるか…バランス的にもそうかもw
>>271 多分汗。「(汗」。
>>272 ひらがなで書かれるとダバ声のこなたの父ちゃん思い出してまぎらわしいぞw
感想ありがとうございます♪
『ι』は汗のつもりですー。わかりにくいかもですけど
>>272.274
なるほど、そう考えると納得です。ありがとうございました。
>>266 フラグが!はやてと蒼紫にフラグが立ってるよ!?(錯乱中
GJでしたーw
剣心さんGJです
剣心組かっこいいなぁ
さあ、こんな時間に人がいるかどうかわからないが、投下OK?
さすがにいないかな、規制にかからないことを祈りながら投下
リリカル遊戯王GX 第六話 最高の最悪 エリオVSスバル!
「おかしい、何故見張りがいない?」
「中で何かあったって考えるのが自然だね」
十代達はアカデミアまで戻ってきていたが、人っ子一人いないその状態に首を捻る。
荒れている様子はないため、モンスターが襲ってきて全滅……なんてことはないだろうが、
見張りを全員撤収させるほどの事態とは何なのだろうか?
言葉にできぬ不安を感じて内部に入り――動きを止める。
「な、何だ……?」
「この人達、普通じゃない……!」
「まるでゾンビだぜ!」
十代達を取り囲むように現れたゾンビ生徒たちに警戒を強める。
ゾンビ達は何も言わずにデュエルディスクを展開し歩み寄ってくる。
「何だ? デュエルしようってのか?」
「十代、あまり無用な戦いは……」
「だが、デュエルしないと通してくれそうにないな」
不気味な動きで、それでも十代達の進路を塞ぐゾンビ達に、やむ負えずデュエルディスクを展開してデュエルを始めようとし――
突然目の前に落下してきた女性と少年に目を奪われる。
「フェイトちゃん!?」
「エリオ!?」
なのは達は思わず叫ぶ。
だが、その思考は完全に停止していた。
何故この二人が戦っているのか、何故エリオの体が血まみれなのか、
何故――ストラーダがフェイトの体を貫いているのか。
「っ……な、のは……にげ、っ……」
「――っ! レイジングハート!」
「なのはさん!?」
『Divine Buster』
フェイトの姿を見て、何かが切れたなのはがエリオとその周囲にいたゾンビ生徒を吹き飛ばす。
倒れたままのフェイトを抱き起こし、治癒魔法をかけようとして――
「……怪我が、ない?」
「なのは、大丈夫……エリオと戦って、て……わかったことが、ある……」
「フェイトちゃん、喋ったらダメだよ!」
心配するなのはに首を振って応え、フェイトは時折苦しそうにしながら言葉を続ける。
「私たち、の存在は……この世界じゃ、カードの精霊と似てるんだ……」
「カードの精霊……」
「だから、戦いが終われば怪我はなくなる……ダメージは、残るみたいだけど」
「そ、それじゃあ、この世界では私たちは死なない……?」
タイタンから受けた傷が治っていたスバルを思い出しながら尋ねる、
この考え通りだとしたらなのはの心配も杞憂に終わる、
わずかに期待を込めて問いかけるが、フェイトはその問いにも首を横に振った。
「さっき偵察に出た時、モンスターの死体を見た……たぶん、デュエルじゃない……精霊同士での戦いでやられたら、死ぬんだと思う」
「じゃ、じゃあエリオにやられたフェイトちゃんは……」
「……違う、今のアカデミアに、死の概念はない」
「え……?」
言っている意味がわからなかった……いや、わかっていても、予想していても否定したかったのだろう。
「今のアカデミアで精霊……私たちが死ぬほどのダメージを受けたり、デュエルで負けたりしたら――」
「こうなるんですよ」
「危ない!」
「っ!?」
スバルに引っ張られ、なのはの目の前をストラーダが通り抜ける。
少しでも遅れていたら間違いなくやられていただろう、スバルに感謝すると同時に本当にエリオがやったのか信じられなくなってしまう。
だが、エリオはとても楽しそうな表情でなのは達にストラーダを構えていた。
「なのはさん達も一緒に戦いましょう……凄いんですよ、こんなに戦いが楽しく感じるのは初めてです……」
「エリオ……本当に……」
以前の彼からは想像できない姿にショックを受けるなのは達の横で、
十代達はゾンビ生徒達に追い詰められていた。
「みんな、目を覚ましてくれよ!」
「デュエル……デュエルしよう……」
「ダメだ、こうなったらやむ負えない……!」
「ようは勝てばいいんだろ! やってやる!」
ディスクを展開してデュエルをしようとした瞬間、聞きなれた声が十代達を押しとどめる。
「ダメよ十代! デュエルしちゃダメ!」
「明日香、剣山!?」
「うぉぉぉぉぉぉりゃぁぁぁぁぁ!!」
剣山が台車に木材などを取り付けた改造車でゾンビ生徒たちを威嚇していき、
それによってできた逃げ道へ明日香がみんなを誘導していく。
エリオがそれを防ごうとするが――
「アルケミックチェーン!」
「キャロ!」
「皆さん、急いでください!」
キャロの鎖がエリオを封じ、その間に十代達は逃げ出していく。
「なのはさん、早く!」
「フェイトちゃん……っ!」
ティアナは逃げ出す直前、後ろを振り返った。
執務官に必要なものを色々と教えてもらった、恩師のような存在であるフェイトを、最後に見ておきたかったのだ。
そしてそんなティアナの視界に入ったのは――
「クロスミラージュ!」
『Phantom Blazer』
ティアナが咄嗟に放った砲撃魔法が相殺される。
なのはたちが驚いて振り返るが、ティアナは一気に走るスピードを上げて叫び返した。
「みんな、急いで! フェイトさんが……フェイトさんもエリオみたいに……!」
「あはは、さすがティアナだね……あれを防ぐだなんて」
「ダメですよフェイトさん……一撃で終わらせたらつまらないです」
「そうだね……ゆっくりと戦いの面白さを教えながら、なのはやキャロ達も仲間に入れよう?」
「はい……十代さんたちは、お任せしますね」
エリオは振り返り、新たなに現れた男へ語りかける。
「ああ、任せておけ……この俺、万丈目サンダーにな」
十代達は明日香を先頭にある部屋まで逃げてきていた。
「ここなら、大丈夫そうね」
「……なのはさん、大丈夫ですか?」
「うん……ごめんね、私がしっかりしないといけなかったのに」
「フェイトさん、エリオ……」
暗く俯くなのは達の横で、十代達もショックを隠せないでいた。
アカデミアの仲間達の変貌、そして、テレビでしか見たことのなかった「殺される」という瞬間……
「明日香、いったいどうなっちまってるんだよ!?」
「私達にもわからないの、フェイトさんとエリオ君が見回りに出て、しばらくしたら突然あんな風になった生徒が……」
「初めは何人かデュエルを受けて、勝った人もいたザウルス。だけど倒しても倒しても、すぐに起き上がってきていずれはデスベルトのせいで……」
「三沢君や無事な人達は体育館の方でバリケードを作ってるわ、私達は皆が帰って来たときのために見回ってたの」
「そうか……翔もそこにいるのか?」
十代の質問に明日香が少し俯いた表情で応えようとするが、背後から聞こえてきた泣き声に中断される。
そちらを向くと「兄貴……兄貴……」と蹲っている翔の姿があった。
「翔、無事だったか!」
「丸藤先輩! こんなとこにいたドン!? 見つからなくって心配してたザウルス!」
「兄貴……剣山君……」
喜びながら二人は近寄るが、翔は蹲ったまま顔を上げようとしない。
十代は自然に手を差し出して――
「よせ、十代!」
「へ?」
ヨハンが叫ぶが、その前に翔が十代の腕を掴み勢い良く立ち上がる。
その顔は――
「デュエルしようよぉ!」
「しょ、翔!?」
「そんな、丸藤先輩まで!」
普段の翔からは考えられない力で腕を掴み、強制的にデュエルをしようとするが、
横手から伸びてきた魔力の道が翔の体を吹き飛ばす。
「ごめん、翔君……!」
「スバル……くそっ、翔まで……!」
「いいじゃないか十代、お前も仲間に入ればいいだけさ」
入り口から聞こえてきた声に十代たちは慌てて振り向く、
何人ものゾンビ生徒の先頭に立った万丈目が、デュエルディスクを展開しながら近づいてくる。
「万丈目……お前まで……」
「天上院君、十代、お前たちも一緒にデュエルを楽しもう。俺はこんなにデュエルに快感を覚えたのは初めてだ」
エリオと同じ事を言う万丈目に、十代達は愕然としてしまう。
背後には翔、前には万丈目と大量のゾンビ生徒が十代達を追い詰める。
「どうする!? このままじゃ……!」
「やるしか、ないの……!?」
「まだだ! 道がないなら作ればいい!」
十代の言葉になのはははっとして顔を上げる。
二人で向き合い、頷きあってそれぞれ別の方向へと向き直った、
なのはは横の壁へ、十代は天井へディスクを展開する。
「何をする気だ!?」
「みんな、なのはさんの側へ! いくぜ、フェザーマンとバーストレディを手札融合、ファイヤーウィングマン!」
「いくよ、本日二回目! ディバインバスター、フルパワー!」
なのはの砲撃が壁を吹き飛ばして道を作り、十代の呼び出したモンスターが天井を崩して万丈目達の追撃を阻止する。
天井の崩壊を逃れた翔が追ってくるが、キャロが再び鎖を召喚し縛り上げる。
そのまま通路を駆け抜け――二つの閃光がその進路を塞ぐ。
「フェイトちゃん……!」
「逃げるなんて酷いよ、なのは……私達と、戦おう?」
「エリオ君、目を覚まして!」
「キャロも仲間になろうよ、ライトニング隊みんなでさ……」
デバイスを構えて歩み寄ってくる二人になのはたちは思わず後ずさり――スバルとティアナが前に出る。
「スバル、ティアナ!?」
「ここは私達が抑えます、なのはさん達は早く先に!」
「保健室に行かないとレイちゃんが危険です、そちらをお願いします」
二人の目に迷いはなかった、スバルはエリオと、ティアナはフェイトとそれぞれ向き合う。
今のなのはにこの二人と戦うのはまず無理だ、彼女は決して心が強いわけではない。
確かになのはの意思は固い、最後の最後まで相手を救おうと動き、決して諦めようとしない、
だが……硬いからこそ壊れやすい、幼い頃からの親友、比べられるものではないが、ヴィヴィオよりもなのはの心に深く寄り添っていたものが崩れてしまったのだ、
まともな精神状態を保つのがやっとであろう、ならば二人を止められるのは、自分達しかいない。
「スバルさん、嬉しいなぁ、僕と戦ってくれるんですね」
「違うよ、戦うんじゃない……目を覚まさせてあげる……!」
「ティアナ、さっきの判断はよかったよ……もっと、もっと楽しもう!」
「フェイトさん……私に教えてくれた執務官としての心得、今度は私が教えます!」
他の面々が止める前に二人はフェイトとエリオへ駆け出していく、
なのははその光景に呆然とするが、ヨハンに手を引かれ慌てて走り出す。
「急ぐぞ! 俺に言ったこと、もう忘れたのか!?」
「え――」
「仲間を信じるんだろ? なら信じろ! あんたの部下と、親友を!」
「っ……うん! ありがとう、ヨハン君!」
――みんな、お願い……!
エリオはウイングロードで滑走するスバルへと狙いをつけ、一気に突撃する。
近接戦闘を得意とする二人だが、力や防御力ではスバルが勝るが速さでは圧倒的にエリオに軍配があがる、
その突撃を回避することは不可能と判断し、障壁で受け止め反撃しようとするが、直後のエリオの行動に目を見開く、
魔力をブーストとして爆発させた直後にスバルの強固な障壁との拮抗、かなり負荷がかかっているはずのストラーダで、更にカートリッジをロードして二回目のブーストを発動させる。
強力な負荷でストラーダはフレームが軋み、障壁は砕け散って慌てて身を捻ったスバルの左腕を浅く切り裂いた。
「エリオ……!」
「どうしたんですかスバルさん、そんなスピードじゃ僕にはついてこれませんよ」
「そんな戦い方をしたらストラーダが持たないよ! わからないの!?」
「ああ、心配いらないですよ。この世界では戦いが終われば元通り、ストラーダだって壊れても元に戻ります」
スバルは怒りを抑えるように拳を強く握る、だが、次のエリオの言葉に――キレた。
「スバルさんもどんどんマッハキャリバーを使うといいですよ、強化されてるんだし、ちょっとやそっとじゃ壊れないんでしょう?」
「エリオォォォォォォォォ!!」
ウイングロードの形成とほとんど同速度で突っ込み右腕を振るうが、その拳は壁の一部を砕くだけだった、
高く跳んで拳をかわしたエリオは、自分の右腕に雷撃を纏わせ、怒り任せの攻撃によって隙だらけになったスバルの背中を狙う。
「紫電、一閃!!」
「うわぁぁぁぁ!」
数年前の時にはまだ制御がしきれず、自身のバリアジャケットをも粉砕してしまった未完成の技だったが、
今はもうあの時とは違う、威力もあがり制御も完璧だ、
その一撃を受けてさすがにスバルも――そのままエリオの腕を掴み取る。
「なっ!?」
「この、ぐらい……!」
――ギン姐の方が……強かった!
そのまま腕を引き寄せ――投げ飛ばす!
「効くもんかぁ!!」
「――!」
背中から床に叩き付けられ、エリオの息が一瞬止まる。
急いで体勢を立て直そうと起き上がるが、目の前に突き出されていたスバルの拳と魔力に、動きを止めてしまう。
「一撃、必倒!」
「しまっ――」
「ディバイーン……バスター!!」
スバルの0距離からの魔力砲撃を受け、エリオは壁に叩きつけられて気を失う。
一息つこうとした直後、何かがぶつかりその場に倒れこんでしまう。
「いっつぅ……っ!? ティア!」
「くっ……やっぱり厳しいわね……」
「エリオ、やられちゃったんだ……さすがだね、スバル」
「フェイトさん……!」
なんとか立ち上がるも、状況はかなり厳しかった。
ティアナはすでにふらふらなのにも関わらず、フェイトはほとんど疲労しているように見えない、
防御の硬いスバルが前に出ようとするが、足から力が抜けてその場に膝をついてしまう。
「スバル!?」
「っ……思った以上に、ダメージが……!」
「そんな状態じゃ面白い戦いができないね……困ったな」
完全に舐められている、そう思いながらもティアはしかけることができなかった、
無防備に考え込んでいるだけのように見えるが、あの状態からでも一瞬の間に自分の背後を取れるだろう。
フェイトの戦いはよく見ていた、だが、今のフェイトはその時よりも強い。
――人を傷つけるのに、躊躇いがない……
それはフェイトを知る人間には信じられないことであった。
例え犯罪者相手でも、フェイトはどこで自分をセーブしていたのだ、
その躊躇いがなくなった彼女は、もしかしたらなのはを超えてしまうかもしれない。
「……そうだ」
簡単なことじゃないか、といった風に微笑みながら二人へ向き直る。
「仲間になればいいんだ、ずっと一緒に戦えるよ……」
「……スバル、頑張りどころよ」
「だね……頑張ろう、マッハキャリバー!」
『All right』
スバルは懐に忍ばしてある一枚のカードにこっそりと手を添える、
別れる直前十代から受け取ったこのカードに、この場を乗り切る可能性を賭けて。
十代達は誰もいないことを確認し、部屋に入って扉を閉める。
「ガンナーガール、無事だといいが」
「万丈目、翔……ちくしょう!」
全員の気持ちは完全に沈みこんでいた、
それも無理はない、アカデミアに帰ってから息をつく間もなく、次々と変わり果てていった仲間の姿を見せられてしまっているのだから。
「今は、落ち込んでいる場合じゃない」
「ヨハン!?」
「早くこの薬を保健室まで届けなければ、鮎川先生とレイが危険だ」
「そ、そうだ……レイが待ってるんだ……!」
そう言うが早いか、薬を持って十代は駆け出そうとする。
「待て! どうする気だ!」
「どうって、だから薬を届けるんだよ!」
「落ち着いて十代、保健室の方にもあのゾンビ生徒が大勢いるのよ!」
「だったら! 尚更急がないと!」
「落ち着いて――って私が言えた立場じゃないけど、とにかく冷静になって、十代君」
なのはの言葉に十代は一旦動きを止める。
先ほどのなのはの表情を十代は見ていたのだ、絶望に染まったその顔を。
「保健室の周りがあのゾンビたちでいっぱいなら、私達が真正面から乗り込んだら返ってレイちゃんたちは危険になっちゃう」
「じゃあ、どうしろっていうんだよ!」
「そうだね……正面からじゃなければいいんだよ」
なのはの言葉が十代はさっぱりわからないと首を捻るが、オブライエンが意図に気づいて言葉を引き継ぐ。
「通気口からなら見つかる可能性はかなり低い、ミッションを達成するならそちらから向かうべき、ということか」
「うん、私はここの構造に詳しくないけど……みんななら、通気口からでもどっちの方向が保健室かわからないかな?」
「問題ない、内部構造なら把握している」
「よ、よし、それなら急ごうぜ!」
「wait、トゥモローガール達は体育館の方へ行って守りを固めた方がいい」
ジムの提案に明日香達は頷き、キャロとフリードを護衛に体育館へと向かう。
十代達も保健室へ向かおうとしたとき、生徒手帳が保健室からの通信を拾った。
『……か、誰か、応答して!』
「鮎川先生!? 無事なのか! レイは!?」
『十代君!? お願い、早く来て、もうもたn……』
「先生!? 返事をしてくれ、先生ー!!」
続く
十代「くそっ、どいてくれ! レイのところへ急がないといけないんだ!」
なのは「信じてるよ、スバル、ティアナ……私は、私が今できることをやるんだ!」
次回 リリカル遊戯王GX
第七話 レイ救出作戦! 恋する相手はなのはさん!?
なのは「さ、さすがにモンスターとお付き合いする気はないんだけど!?」
十代「相変わらずだな……あのカード」
なのは「今回の最強カードはこれ!」
―スターズ3 スバル=ナカジマ― 効果モンスター
攻撃力1850 防御力1600
自分の場に「ティアナ」「なのは」「ギンガ」と名のつくカードがある場合、
その枚数×200ポイントこのカードの攻撃力はアップする。
この効果はいつでも扱うことができる、
このカードを生贄にすることで、このカードを素材とする融合モンスターを特殊召喚できる。
デッキから魔法カードを二枚除外しこのカードを生贄にすることで「スバル=ナカジマ(戦闘機人)」を特殊召喚できる。
十代「無事でいろよ、スバル……!」
なのは「次回もよろしくね♪」
以上です。
覇王様の力を押さえつけてなんとかこのレベルまで持ち直したぜっ
今回デュエルまったく関係なかったのは反省するべき点ですね
次回からはなのはたちもハーピィレディのようにカードを使い始めます
GJ!
何か人大杉でまともに見れないけど、どうにか読んだ
専ブラいれるの面倒だorz
カードエラッタしたいけど、種族と属性がわからないのが何とも
問題は雑談スレにも行けないことだけどなw
>>286 む、確かにそういうのも入れたほうがよさそうですね
・・・べ、別に考えるのが面倒だったから、とかじゃないんだからねっ!
とりあえず修正版
―スターズ3 スバル=ナカジマ― 効果モンスター
地属性 魔法使い族 ☆4
攻撃力1850 防御力1600
自分の場に「ティアナ」「なのは」「ギンガ」と名のつくカードがある場合、
その枚数×200ポイントこのカードの攻撃力はアップする。
この効果はいつでも扱うことができる、
このカードを生贄にすることで、このカードを素材とする融合モンスターを特殊召喚できる。
デッキから魔法カードを二枚除外しこのカードを生贄にすることで「スバル=ナカジマ(戦闘機人)」を特殊召喚できる。
>>268 GJ!
さすがは三人だぜ!
でも飛天御剣流は国とか組織についちゃいけいない自由の剣なので、またもや権力側についたら比古師匠に怒られちゃいそう。
それにしても、今となってははやての言葉は虚しく響くだけだぜ…
人大杉で雑談スレいけないから本スレでエラッタしてみる
《スターズ3 スバル=ナカジマ》効果モンスター
星4/地属性/魔法使い族/攻1850/守1600
このカードの攻撃力は、自分フィールド上に表側表示で存在する
「ティアナ」「なのは」「ギンガ」と名のついた魔法使い族モンスターの数×200ポイントアップする。
このカードを生贄にすることで、このカードを素材とする融合モンスター1体を特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動する事ができる。
自分のデッキから魔法カード二枚をゲームから除外し、このカードを生贄にすることで自分の手札・デッキ・墓地から「スバル=ナカジマ(戦闘機人)」を1体特殊召喚する。
極めて高い汎用性と速攻性を秘めた魔法使いである
融合呪印生物も真っ青なデメリットなし1:1交換リクルート能力
サクリファイスエスケープ可能な誘発即時効果であるというおまけ付き
大半のデメリットアタッカーがお役御免になります。本当にありが(ry
さてと、十七話できたぞおぉぉぉぉお!
投下おk?
反応無いから投下します
十七話魔法少女リリカルリンディ「怪人狼男の殺人大パーティ!」Aパート
リンディ「大幹部…恐ろしい策略と強力な力で私や仮面ライダーたちを苦しめた恐ろしい悪魔…
様々な次元犯罪者を見てきているが、私は彼らほど恐ろしい悪人は今まで見たことがない。
その一人であるゾル大佐・本名バカラシン・イイノデビッチ・ゾル。
巧みな戦術と強力な怪人を使い、私達を苦しめた強敵だ。
今回の物語は、ゾル大佐と仮面ライダー2号・一文字隼人の直接対決…
魔法少女リリカルリンディ、始まります。」
(レッツゴー!ライダーキック!!(子門真人バージョン))
迫る ショッカー 地獄の軍団
我らを狙う黒い影 世界の平和を守るため
ゴー!ゴー! レッツゴー! 輝くマシン
ライダー(ジャンプ!) ライダー(キック!)
仮面ライダー 仮面ライダー ライダー ライダー!
ライダー(ジャンプ!) ライダー(キック!)
仮面ライダー 仮面ライダー ライダー ライダー!
「仮面ライダー・一文字隼人は改造人間である。
彼を改造したショッカーは、世界征服を企む悪の秘密結社である。
仮面ライダーは、人間の自由のためにショッカーと戦うのだ!」
昨日はいろいろあって(パソコン不調とサーバーダウン)投下出来なかったし
今日も今日とて先客が居る、か…。
まあ支援。
【市内 鉄橋側】
「「ジングルベ〜ル♪ジングルベ〜ル♪すずが〜なるぅ〜♪」」
それはクリスマスの近い日の夜…
二人の酔っ払いが肩を組んで歩いていた。
一人は片手にクリスマスプレゼントの箱を持っている。
「はっはっはっは…おぉ!」
「ん?どした?」
「お…おしっこぉ…」
「は?…ハハハハハハ!なんだよおめぇ、早くいって来いって!」
「すんません〜」
酔っ払いの一人が用を足すため、鉄橋の影に向かう。
もう一人は彼を待つため、近くのガードレールに腰を下ろし、持っていたプレゼントを地面に置く。
だがその瞬間、彼の悲鳴が聞こえた。
「ぎゃあああああああああ!!」
「む!どうした!?」
酔っ払いは彼が用を足しに行った鉄橋の柱の影に向かう。
そこには、倒れているもう一人の酔っ払いの姿があった。
「お…おい…しっかりしろ!おい!」
「…」
酔っ払いの呼びかけでもう一人の酔っ払いは目を覚ます。
だがもう一人の酔っ払いは起き上がった瞬間、青い体毛の生えた狼男の姿に変わった。
「ワオウ!」
「ぎゃあああああああ!!た…助けてくれえぇぇぇぇぇえ!!」
狼男は助けを求める酔っ払いの首筋に噛み付き、息の根を止めた。
そして酔っ払いの首筋の噛まれたあとには紫色の不気味な痣が出来ている。
狼男は酔っ払いが死んだのを確認すると、鉄橋の影から歩道に出るが、その瞬間数人の戦闘員が現れ、狼男を取り囲んだ。
「アオ!?」
「イイ!!」
そして暗闇の向こうから不気味な足音を立て、ゾル大佐が現れる。
「逃がすな!貴重な実験材料だ!!」
「イイ!!」
戦闘員達は狼男に一斉に襲い掛かる。
だが狼男の戦闘能力は意外に高く、戦闘員達を次々に殴り倒していく。
「ええい!だらしのない奴らめ!」
ゾルは怪しい笛を取り出し、それを吹き鳴らす。
その音色を聞いた狼男は頭を抑え、苦しみ始めた。
その隙を衝き、戦闘員達が狼男を取り押さえる。
「ご覧下さいゾル大佐殿、ウルフビールスによって、狼男になりました。」
「たわけ!」
ゾルは持っていた鞭で隊長戦闘員の頬を打つ
「実験用の狼男を町に逃がすことで、仮面ライダーに計画を知られてしまう!早く死体を片付けろ!」
「イイ!」
戦闘員達は狼男と酔っ払いの死体を運んでいく。
「…ん?」
ゾルは人形と子供用の赤い靴が道に落ちていることに気付き、人形を拾い上げた。
「ふん、子供の土産か。」
ゾルはその人形を持ち、その場から去っていった。
小さな目撃者がいたことにも気付かずに…
「あたしのお人形、狼男が持っていっちゃった…」
【若草園】
町にある孤児院・若草園
一文字隼人と滝和也は、リンディ、五郎、ユリ、藤兵衛と共に、クリスマスツリーの準備をしていた。
「滝さん、次それとってよ。」
「…」
「?、滝さん?」
「お前よぉ、その格好は普通当日にするもんじゃないのか?」
滝はミニスカサンタルックでツリーの準備をしているリンディに突っ込みを入れる。
「良いのよ、せっかくツリーを飾るんだから、気分も格好もクリスマスやったほうが雰囲気出るの!」
「お前の場合、頭ん中いっつもクリスマスじゃねえのか?」
「な!?滝さんのバカ〜!!」
リンディは両腕を振り回しながら滝に突撃するが…
「ほれ」
「む〜!」
簡単に額を片手で押さえられ、静止させられてしまった。
「どうよ〜攻撃できないだろ〜」
「む〜!む〜!む〜!」
リンディは涙目で腕を振り回しながら前進しようとするが、やはりできない。
「む〜!む〜!む〜!む〜!む〜!む〜!」
「ハハハハハハ!ほらほらがんばれ〜」
「ちょっと滝兄ちゃん!リンディ姉ちゃん!遊んでないでしっかりやってよ!」
「「あ、ご…ごめん…」」
五郎の一喝でやっと均衡状態を解く二人であった。
「おいボウズ、クリスマスプレゼントは、何が欲しいんだ?」
隼人は近くにいた少年に欲しいプレゼントを聞いた。
そして返ってきた答えは…
「僕、サンタクロースより仮面ライダーに会いたい!」
「え?」
「あたしもよ!」
「俺も!」
「え…えぇ…」
「よーし…じゃあ俺が連れてきてやる!なぁ、隼人!」
「あ…ああ…そうだな!」
「「「「ワーイ!」」」」
「ははは、そら良かったなぁ!隼人、頑張れよ!」
「おやっさんまで…」
「あら、綺麗にできたじゃない!」
ドアが開き、若草園の教師・早苗が教室に入ってくる。
「先生、ビッグニュースよ!クリスマスにはサンタクロースじゃなくて、仮面ライダーが来るんですって!」
「ほんとに?一文字さん、滝さん、安受けあいして大丈夫なの?」
「なーに、子供達の夢は破れはしませんよ、早苗さん。」
「そういえば…早苗さん、久美ちゃんはどうしたんですか?」
「ああ、道理で元気な声が聞こえないと思ったら…」
「それなんですが…あの子、急に熱を出してしまって…」
「そりゃ大変だ、リンディ、一緒にお見舞いに行こう。」
「うん。」
隼人とリンディは久美の部屋に向かった。
【久美子の部屋】
「あ!お兄ちゃん!お姉ちゃん!」
「こんにちは。」
「大丈夫かい?」
「うん。お兄ちゃんとお姉ちゃんの顔見たからもう平気よ。」
「良かった。しっかり寝て、早く風邪を治すんだよ。」
隼人は久美子の布団を掛けなおした。
「お姉ちゃんそのサンタさんの服可愛い〜」
「えへへへ〜そうでしょ〜♪」
リンディは軽く一回転し、久美子に笑顔を送った。
「そうだ、隼人のお兄ちゃん聞いて。」
「ん?なんだい?」
「狼男が私のお人形を持って行っちゃったの。」
「狼男?」
「狼男って…あの狼男のことなの?」
「悪い奴だなぁ、じゃあクリスマスプレゼントには新しいお人形がプレゼントされるよう、お兄ちゃんがお祈りしといてあげるよ。」
「ほんとなの…ほんとに狼男がお人形もってっちゃったの…隼人のお兄ちゃんもリンディのお姉ちゃんも、久美が嘘ついてると思ってるのね。」
「いや、僕は信じるよ。久美ちゃんは嘘をつくような子じゃないからね。」
「あたしも、久美ちゃんを信じるわ。」
二人は再び久美子に笑顔を送った。
「だったら取ってきて、狼男から私のお人形を。」
「いいとも、だから今はお休み。」
「はーい。」
久美子は安心すると瞼を閉じ、眠った。
【ショッカーアジト】
「夕べ死んだ男の土産かと思ったが違うようだ…この人形は新しくはない。確か一緒に靴があったな、見せろ。」
「イイ!」
戦闘員は人形と共に落ちていた赤い靴をゾルに渡す。
ゾルはその靴を調べると、ひらがなで書いてある名前を発見した。
「若草園…「はやせくみこ」…まさか見られたのでは…」
【市内 鉄橋側】
その頃隼人とリンディは滝を連れ、久美子が人形をなくした鉄橋の側に来ていた。
「おい隼人、リンディ、お前ら、子供の言葉を信じてるんじゃないだろうな?」
「いや、子供の言葉だからこそ信用できる。それに夕べ、二人の男がここで行方不明になっている。」
「やれやれ、無駄だと思うがねぇ…」
「これだけ行っても子供の言葉を信じないなんて、滝さん汚れてるんじゃないの?」
「なんだとぉ…」
滝は両手で握り拳を作り、リンディのこめかみをグリグリと攻撃し始めた。
「あぅ〜!ウメボシやめて〜!」
「うるせぇ!このこのこの〜!」
「ひ〜ん!」
「はははは!お前らその辺に…む!?滝!リンディ!」
「この!…何だ?」
「ふぇ〜ん!…何?」
「見てみろ!」
二人は隼人に言われ、汚水の入っていない溝を覗き込む。
そこには一つの革靴が落ちていた。
「これは…」
「大人用の靴…よね?」
「やはりここで何かあった…それを夕べ目撃した久美ちゃんが、恐怖の余り発熱してしまったのかもしれない!」
「すると…本当に狼男が居たとでも言うのか?」
「何をしているんです。」
「「「!?」」」
三人は驚き、後ろを振り返る。
そこには一人の警察官の姿があった。
「いえ…俺達は子供の人形を捜しに…」
「子供の人形?そんなもんは見ませんでしたね。それよりこの辺は立ち入り禁止です。」
「仕方ない…滝、リンディ、おとなしく退散しようぜ。」
「ああ…」
「そうね。」
一文字と滝はバイクに乗り(リンディは隼人のバイクの二台に乗る)、撤収した。
「ふん…」
そして三人が立ち去ったことを確認した警察官は、ゾル大佐の姿に変わるのだった。
【若草園】
その夜の若草園…辺りは不気味なほど静まり返り、狼の鳴き声が木霊していた…
【久美子の部屋】
「うーん…」
久美の看病をし、そのまま眠ってしまっていた早苗は目が覚め、時計を見る。
針は丁度十二時を指していた。
「あらもうこんな時間…皆ちゃんと寝ているかしら?」
早苗は久美の額のタオルを濡らしなおすと、部屋を出、他の子供達が寝ている部屋に向かった。
【若草園廊下】
早苗は暗い廊下を歩き、子供達の部屋の前に着く。
だが、早苗は一つの異変に気付いた。
扉が少し開いているのだ。
「おかしいわね…さっきはちゃんと閉めた筈なのに…」
早苗は不振に思い、子供達の部屋に入る。
その瞬間、二人の戦闘員が現れ、早苗に襲いかかった。
「「イイ!」」
「きゃあああああああああ!!」
戦闘員は早苗を捕らえ、首筋にナイフを突きつける。
「言え!早瀬久美子はどれだ!?」
「く…久美ちゃんに何か用があるんですか!?」
「言え!」
「み…右から二番目の子です…」
「そうか…」
「…!」
早苗は戦闘員が手を離した瞬間、全速力で走り、久美子の部屋に向かった。
【久美子の部屋】
「久美ちゃん!」
早苗は急いで久美子の部屋に入る
だが…
「アオーーーーン!!」
久美子の部屋には既に、青い体毛の狼男が潜入していたのであった。
「きゃああああああああ!!…」
早苗は恐ろしさの余り、気を失ってしまう。
そして狼男は久美子を抱きかかえると窓を突き破り外に出た。
【若草園近辺】
狼男は久美子を抱えながら石段を降りていく。
その時二台のバイク音が聞こえ、バイクのライトが狼男を照らした。
「アオ!?」
「隼人さん!滝さん!あれ!?」
「む!?」
「こりゃ驚きだ…まさしく狼男!」
「貴様ら、一文字隼人と滝和也、それにリンディだな!?」
「俺達の名前をご存知と言うことは…」、
「ショッカーの改造人間だな!」
「黙れ!一歩でも動いてみろ!この娘の命はないぞ!!」
「子供?…あっはっはっは!!」
「む!?小娘!何がおかしい!?」
「あっはっはっは…おかしいのなんのって…」
「狼男、貴様のその薄気味悪い目玉でよーく見ろ!!」
「!?」
狼男は久美子を包んでいた毛布を剥ぎ取る。
だが中から現れたのは久美子ではなく、五郎だった。
「べー!」
「むむむ!?」
「五郎、早く逃げろ!!」
「うん!」
五郎は素早く狼男の腕から降り、走って逃げ、滝に飛びついた。
「五郎、ご苦労さん!」
「は…隼人兄ちゃん、お…俺、もう駄目かと思ったぜ!」
「安心しなさい、あたし達がついてるわ!」
「狼男!子供をさらってどうするつもりだ!?」
「黙れ!今度こそ息の根を止めてやる!アオーーーーーン!!」
狼男は石段から飛び、三人の前に降りた。
「やれ!」
「イイ!!」
そして狼男の命令を聞き、剣を持った戦闘員達が現れ、三人に襲い掛かった。
「滝!五郎を連れて逃げろ!」
「ああ!」
滝は五郎をバイクに乗せ、全速力で逃げる。
「よし…セットアップ!」
リンディはバリアジャケットを装着し、魔力刃をデバイスの先端に纏わせた。
「はっ!やあ!!」
そしてデバイスを振るい、戦闘員達を次々に切り裂いていく。
「トオ!トオオ!!」
隼人も二人の戦闘員から剣を奪い、二刀流で戦闘員達を次々に切り倒して行った。
「おのれぇ…アオーーーーン!!」
狼男は指からロケット弾を発射し、隼人を攻撃した。
無数のミサイルが隼人に襲い掛かる。
「チィ!」
「隼人さん!」
リンディは隼人の前に立ち、バリアを張ってミサイルを防ぐ。
「リンディ、悪いな。」
「大丈夫よ。」
「狼男め…変身!トオォォォォォォォオ!!」
隼人は変身ポーズを取り、宙に飛んで仮面ライダー2号に変身する。
「トオ!トオ!トオオオオオ!!」
そして得意の力技を振るい、残っていた戦闘員達を全滅させた。
「クソォ、仮面ライダー!来い!!」
「行くぞ!トオォォォォォオ!!」
仮面ライダーはジャンピングパンチを狼男に放ち、狼男はそのパンチ後ろに回りこんでかわす。
そして後ろに回りこんだ狼男をライダーはミドルスピンキックで攻撃するが、狼男は素早く飛んで再び攻撃をかわす。
そして空中から2号に飛び掛り、2号は飛び掛ってきた狼男を捕らえ、巴投げで投げる。
狼男はこれも受身を取り、そのまま地面を蹴ってライダーに飛び掛り、鋭い爪でライダーを攻撃した。
ライダーも正拳突きでこれに対し、狼男の爪はライダーの左腕を切り裂き、ライダーの正拳突きは狼男の顔面に直撃した。
「ぐあ!」
「アオオ!?」
「クソォ…トオ!」
ライダーはライダージャンプで高く飛び、キックポーズを取った。
「ライダアァァァァァア!!キイィィィィィック!!」
「アオオオオオオオ!!」
狼男も空中に飛び、フライングキックでライダーキックと激突する。
そしてキックの激突で二人は弾き飛ばされ、ライダーは地面に激突し、狼男は茂みの中に落ちた。
「ぐあ!!」
「ライダー!」
リンディはライダー近づき、手を差し伸べた。
「すまない…」
ライダーはその手を取り、立ち上がる。
そして二人の耳に、狼男の声が響いた。
「仮面ライダー!次に会うときが貴様の最期だ!覚えて置け!」
それだけ言い残し、狼男の声は消える。
「クソォ…狼男め…」
「……」
………
【ハラオウン家】
「うーん…」
リンディはハラオウン邸の食卓の上で目を覚ました。
体には一枚の毛布が掛けられている。
「そうか、あのまま寝ちゃったんだ…でも寝てる暇はないわ、早く次元を繋げなきゃ…」
リンディは毛布を取り、再び閉ざされた次元の解放に向かった。
【ミッドチルダ聖王医療病院 矢車の病室】
「矢車…」
「兄貴…」
「…」
口に酸素吸入器を取り付け、眠っている矢車の元には、影山、剣、シャマルの三人が見舞いに来ていた。
「俺がもっと強ければ…兄貴は…!」
「いや、俺のせいだ…俺がもっと早ければ、矢車は…」
「想さん…!」
シャマルは矢車の手を握り、暖める。
「!?」
その光景を見た影山は顔をしかめ、一目散に病室から出て行った。
「影山!」
剣は影山を追い、病室から出る。
【聖王医療病院廊下】
「影山、どうしたんだ?」
「剣、俺は最低だ…」
「何?」
影山は握り拳を作り、ギリギリと力を入れる。
「俺は兄貴に嫉妬した…兄貴が死に掛けて、大変な時だって言うのに、俺は兄貴に…クソ!クソォ!!」
影山は何度も何度も壁を殴り続けた。
次第に影山の拳から血が滲み出ていく。
「影山…」
「クソ…兄貴…兄貴…!」
【スバルの病室】
「腕、もう動かせるんだ。」
「神経ケーブルがいっちゃってたから、まだしばらくは上手く動かせないけど、その内元通りになるって。」
「チビッ子達には何処まで?」
「あたしとギン姉の生まれとか、その辺は…」
「そう…」
ティアナは隣にいたエリオとキャロに向き直る。
「悪かったわね…あたしが止めてたのよ、スバルの体のこと…」
「あ…はい…」
「エリオ君…」
「ん?」
「スバルさん、私達温かいスープとか買ってきます!」
「食堂で売ってましたから!」
「あ…」
エリオとキャロはそういって部屋を出る。
「スバル、あたしも睦月兄に呼ばれてるから、一回戻るわね。」
「うん…分かった…」
ティアナも部屋を出、スバルは一人になった。
そしてそれから数分後…
「こんにちは。」
「あ…」
「…久しぶり。」
病室に五代がやってきた。
手には果物の入ったバスケットを持っている。
「あなたは…」
「スバルちゃん、だよね?」
「はい…」
五代はベッドの隣にあった椅子に腰掛ける。
「俺のこと、覚えてるかな?」
「忘れる筈ありませんよ…あたしを助けてくれた…仮面ライダー」
「ふう…良かった…」
五代は果物ナイフを取り出し、りんごを剥き始めた。
「なのはちゃんから聞いたよ、お姉さん、さらわれちゃったんだって…」
「はい…」
「亡くなっては…居ないんだよね?」
「あれくらいの損傷なら、蘇生できると思います…タイプゼロを回収…とも行ってましたし…」
「じゃあ、助けられるチャンスはあるじゃない。」
「でも…」
「大丈夫!」
五代はりんごとナイフを置き、スバルにサムズアップを送った。
「あ…」
「スバルちゃんは妹なんだから、大丈夫だって信じなきゃ駄目だよ。
妹が弱気になってちゃ、助けられるお姉さんも助けられないよ。」
「五代さん…」
「うん…」
五代はスバルに笑顔を送った。
「…うわああああああああああ!」
「おお!?」
スバルは泣き崩れ、五代の胸に顔を寄せる。
五代はそのまま泣き崩れるスバルの頭を優しく撫でるのであった。
(アイキャッチ 2号編)
支援
投下終了です。
今回の萌えポイントは滝に遊ばれるリンディさんかと…
次回もお楽しみに。
>304
乙。
……で、ミニスカサンタのレティは?
【むしろそっちが本命】
>304乙です。
俺も投下して構わないですか?
(昨日からこう言ってはすっぽかしてきたけど…色々あったんですよ、マジで。orz)
とりあえず支援
OK
>>リリカルなのはStrikerS+仮面ライダーさん
GJ!!
今回も、たっぷり堪能させて貰いましたw
何気にティアに「睦月兄」と呼ばれてるレンゲル。
お前ら、いつからそんな仲になったwww
ところで、質問。
ネイティブ化してる事に、まだ負い目(みたいなの?)をもってる影山ですけど、サソリワームである坊ちゃまは、この作品内ではその辺(自分がワームであるとか)気にしてないんですかね?
なのはStrikerS-NEXT五話「捜し求める者達」Aパート
スマートブレイン社員が村上の命令で人間解放軍本部へと向かった頃…。
「ヘッ見ろよ!またポンコツ人形がお出かけみてえだぜ!」
「ゼンマイ巻いてもらいに行くんじゃねーの?あるいは油刺してもらうとか?」
「……。」
ノーヴェが三人ほどで彼女を取り囲んだライオトルーパーによるMP部隊に執拗に絡まれていた。
しばらく俯いて言われるままになっていたノーヴェだったが…
「……おい!仮にも女なんだからあんまり苛めるなよ!逃げてっちまったぜあいつ…w」
「へっ!生身の女なら例え人間でも事情によっちゃ可愛がってやろうって気も起きなくは無いがあんな機械が
人間の皮被ってるだけの連中にまともに接してやる義理なんかないっつうの!」
ノーヴェの姿を見送りつつライオトルーパーの一人は冷たく言ったものである。
「あっれえ?」
彼の背後で頓狂な声がした。見れば別のライオトルーパーが脇に止められた警戒に使用しているかつて米軍が使用していた
装甲車の兵員室の荷物スペースでなにやら引っ掻き回しているではないか。
「どうした?」
「予備のアクセレイガンと制服がそれぞれ三セットほどなくなってます。
十五分前に点検した時はあったはずなのですが。」
「何だと!お前達の目は節穴なのか?何できちんと見張りをしていなかったんだ。
きっとまた悪質なマニアの仕業だぞ。見つけないと俺達はライオトルーパー隊から
脱退させられかねん。是が非でも事態を収拾せよ!」
隊長は隊員達を叱咤すると草の根を分けてでも紛失した品を探し出す事を命じた。
「上手く盗めた…。よし。後は乗り込むだけ…。」
「あの…これ、サイズが大きすぎるといいますか…。」
「ノープロブレム!着てしまえばなんとかなるデスよ〜。」
ビルの陰では三つの影がノーヴェをやり過ごすと自分達も社員寮へ向かって行く。
ノーヴェが走り去っていった先は社員寮の一室である。そこはかつてのアースラ乗組員に
して時空管理局の元通信指令エイミィ・リミエッタの部屋だった。スカリエッティがすっかり
人事不詳に陥ってしまった今…椿秀一や尾室隆弘・北條透。そして榎田ひかりなどと並んで
彼女もまたナンバーズの身を案じている一人だった。そしてナンバーズ達もまた一部の
メンバーを覗けばそんな彼女を憎からず思っていた。
現に今も…
「…あ、笑った…。笑ったよディード。」
「…ああ。」
エイミィとクロノ提督の子供…カレラ・ハラオウンとビエラ・ハラオウンの
双子の赤ん坊がいるベッドの横にはオットーとディードが居た。
この二人はここを訪れるとずっとカレラ達を眺めている。
最近では簡単な世話くらいなら自分達から進んでするほどだ。
自分達と同じ双子ということで親近感を抱いているらしい。
またソファーにはセイン、ウェンディ、チンク、そして比較的くだけた様子でいる
この三人に比べると気の毒なほどかしこまってセッテが座っていた。
そしてかしこまりつつも傍らの空間モニターを弄っている。
「セッテ。そんな緊張してないでもうちょっとくつろぎなよ。」
「いえ。自分は別に…。」
エイミィの言葉にいかにも恐縮といった面で答えるセッテ。
その時エイミィが彼女の操作する空間モニターに目をとめた。
背中に「リアーフィン」を展開した銀髪の女性=リスティ・槙原がそこに居た。
「あれ?この人って…。」
「知っているのですか?」
「何年か前に会った事があるんだ…。」
話しながらエイミィは彼女と初めて会った時の事を思い出した。
未確認生命体事件の始めのころ。
まだ未確認生命体に対する満足な対抗方が確立されておらず。
対応は後手にまわり彼女達HGS(変異性遺伝子障害)や忍者、あるいは
香港国際警防隊だったメンバーなどのいわゆるエキスパートに
頼るしかなかった。
事件が激化し海鳴市でも被害者が出て、たまたま立ち寄った病院に彼女…リスティ・槙原は居た。
そこで少し話した。
外国人として(その時は彼女には管理局の存在などは伏せられていたために外国人ということになっていた)
今回の事件についてどう思うかなど聞かれた気がしたが何を話したかははっきりと思い出せない。
そのかわり管理局の事を気取られないように
適当に話をつくろってばかり居た事を覚えている。
ちょっと考えてみればその時点で初対面だったのだから管理局の事がばれるもなにも
ないように思えるがどうも彼女の視線はエイミィに本心を見透かされているような錯覚を
与えたのだった。
それから少し経って管理局からの通告を無視してでもなのは達が警察に露見しない範囲で
個別に未確認生命体事件に対応していくと決断した矢先。リスティは二人の妹もろとも失踪し、
そのまま行方不明になり死亡した事になったのである。
「あの…あの…エイミィ?聞いていますか?」
「あっ…いや。ちょっと昔の事考えてて。でもとにかく
その人は凄い人だよ。もう死んじゃったんだけどね…。」
エイミィが静かに言ったその時。
「はあ…はあ。」
息を荒くして部屋に戻ってきたのは先ほどライオトルーパー隊に
イビられていたノーヴェである。顔は紅潮していて肩は震えており、目は潤んでいた。
「またMP隊の人たちに何か嫌な事言われたの?」
「うるせーほっとけ!」
それを悟って声をかけるエイミィに怒鳴るノーヴェ。
「おい!気を使ってもらっているというのにその口の利き方はなんだ!」
そんな彼女の態度を見かねてノーヴェを激しく叱咤するチンク。
だがチンクを制止するとエイミィはノーヴェを抱きしめた
「よしよし。解ったから。ね?」
「放せよ!チンク姉の顔見にきただけでお前に用なんか…はなっ…放せっ…えぐ、放…うっ………。
うっ…わああああああ〜ん!」
振りほどこうとするノーヴェだったがエイミィの腕の中は温かく、それでいてやさしかった。
今まで我慢したものが溢れ出して…。
そんなノーヴェの背中を摩るエイミィ。その時。
ピンポーン。
ドアチャイムが鳴り響いた。
他の姉妹…ディエチかクアットロ辺りが来たと思ったノーヴェは
泣いている姿を見られてはたまらんと
ばかりに素早く辺りを見回した挙句隠れる場所が無い事に気が付き…
「…もしお姉達が来たとしていつまでそうしてるつもりっスか?」
いわゆる貝状態になっていた。
しかし玄関に建っていたのは…。
3人の高校生ぐらいの少女だ。
いや…三人とも確かに服装はMP隊が来ている黒い制服だ。しかし…しかしだ。
まず3人とも女性であるにも関わらず男性の制服を着用している。
しかもサイズが合ってない。服のサイズがかなり大きいのだ。
そもそもMP隊は男性のみで構成されているはずのもの。
さらに3人の中で最も背が高い桃色の髪の少女は着用しているサングラスの
大きさが合わないらしくしきりに直している。
極めつけは3人全員が大きめのバッグを抱えるなり手に持つなりしていて
それも急いで中身を詰め込んだらしく3人の中で一番背が低い金髪の少女の持っている
バッグからは私服と思われる服の袖が見えている。危険な雰囲気はしないがいくらなんでも怪しすぎる。
どこから突っ込めばいいのやら…そんな考えがエイミィやナンバーズの頭を巡った。
「あの、何の御用でしょうか…?…!!」
「うっ…動くなっ!…ないで下さい…!」
「フリーーーズ!日本語でいうと手を上げろ!です!」
「なっ…!」
恐る恐るこの珍妙なMP隊員を出迎えようとしたエイミィ。
だが突如そのうちの二人がアクセレイガンをエイミィに突きつけた!
色めきたちツインブレイズやレイストームといったそれぞれのISを展開するナンバーズ。
この辺りの反応の早さはさすが戦闘機人といったところか。
残りの一人はアクセレイガンの扱いになにやら手間取っている。
アクセレイガンは銃と剣が一体となった武器だ。ガンモードでも銃身は
ダガーモードでいう刀身の部分で形成されている。
すなわち何も考えずに弄くりまわすと…。
「あの…これは一体どのように扱えば…?痛いっ!」
「ちょっとみゆき!大丈夫!?」
…このように怪我をすることになるのだが…。無論正規の隊員ならこんな凡ミスははしない。
「…とにかく消毒して話聞いたげるからその服脱ぎなよ。」
エイミィの言葉とともに観念したようにアクセレイガンの銃口を下げる3人。
その後十分が経過。
「つまり消息不明になったお友達の消息をどうしても知りたくて元管理局だった私の噂を
インターネットで知ってここに来た…と。これでいいのかな。」
「死んでしまっていても別に構わないんです。生きているのか死んでしまっているのかさえはっきり出来れば…。その、すみません。
迷惑ですよねこんなの…。」
3人のリーダー、ツインテールの少女「柊かがみ」がエイミィが差し出したお茶を飲みながら呟いた。
「それでその探してる人っていうのが…うひゃ〜。すごいねこれ。何かのお祭り?」
「ガクエンサイですよ。ガクエンサイ。」
ちょっと自慢げに答えるパティ。
「…なんかちょっとやってみたいかも。」
「わ、私は嫌だからな!」
「えー?受けると思うけどな〜。」
すかさず突っ込むチンクにセインがニヤけながら言った。
>>306 他の職人さんの投下終了直後は、嫌われる原因の一つになりかねませんので、気をつけた方がいいですよ支援
「この青い髪の娘で…名前は泉こなた。でもう一人がこのたれ目の子で柊つかさ…あのかがみって人と双子なんスよね?
それとこの緑色の髪の子で名前が岩崎みなみ…こっちのピンク色の子が小早川ゆたか…。それとこっちの写真に載ってる
左から二番目の人で柊まつり…。う〜ん。見覚えは無いっスねえ…。」
ウェンディが携帯の画面とかがみが持ってきた柊家の家族写真を見比べながら言った。
「はい。他にも沢山いなくなってしまった人が居ますが…うっ…。」
「…痛かった?」
「いえ…。ところで」
答えつつオットーに傷を手当てされているのは先ほど指を傷つけた背の高い少女…「高良みゆき」だ。
「………。」
「こちらの方は一体どうされてしまったのです?」
アルマジロ状態から戻るに戻れないノーヴェを不思議そうな顔で見つめるみゆき。
「あー。こいつはねえ…えいえいっ。」
「ぶわーーーはッはッ…何すんだよてんめえええええ!」
「まあ…涙目になってしまうくらいくすぐられるのが苦手なのですか…これをどうぞ。」
「あ…その…どうも。」
ウェンディがワキの下をくすぐったために涙目の状態で跳ね起きるノーヴェ。
しかし友人に聖人君子とまで称されるこの高良みゆきはやさしく彼女にハンカチを差し出したのだった。
「…ねえ?つかぬ事をお聞きしまスがお友達によく萌え系とか和むとか言われないスか?」
「よく言われます。何の事かあまりよく解らないのですが…。」
「……(和んでいる。)やっぱそうスか。」
「(この人みたいな妹なり姉がナンバーズに居たならもう少し居心地よかったかもしれんのだがなあ…。)」
彼女を眺めながらチンクは思ったものである。
支援
支援
ここまでで。
>>314 sts氏が投下し終わってから
一応二十分ちょい経ってますし開けたつもりだったんですが不味かったですかね?
昨日から投下しそびれていたもので少し気がはやっていまして。
これからは気を付けます…。
Bパートは夜にでも。
なんで誰もいないんだよ・・・
せめて誰か一人くらい感想書いてもいいだろ・・・
まあこんな変な時間に投稿した自分も悪いですから。
…全然凹んでないと言われれば嘘になりますが。
和んでるナンバーズ可愛いよナンバーズ
でもゴメン、俺特撮系の作品は読まないんだ・・・・w
やっぱある程度の感想は必要だと思う
そりゃ確かにタダで読めるからって支援だけして感想無しとかはひどいだろ
こんなことして意味あるかどうかはわからないけど、テンプレに「職人さんへのGJ!を忘れずに」とか追加しといた方がいいと思う
あとは「投下する場合は他の職人さんの投下から1時間程開けて投下しましょう」とか
人がいないのは時間の問題というより人大杉のせいかと思われ。
IEとかからじゃ見られないからな。
見られないから当然書き込めない。
まあそれはそれとしてGJ!
ずっとウロススレの方ばかり見とりました…
ともあれGJ!
クウガ登場を楽しみに待っております。全裸で
すいません。
上手く感想が書けないので、GJの一言で勘弁してください。
ううむ、外出していたから今帰りましたー。
これはまたライオ隊が交戦フラグ?
GJ!
正直支援していただけるだけで嬉しいですなー
GJです!
>>324 クウガはかなり後になっちゃうんですよね〜。
何しろ強いですから。
でもデルタギアとかアギト(しょーいちクン含めて3人ほど登場決定)も出ますよ。
ギルスはどの辺で出すか思案中。
後かがみ達3人+エイミィのオルフェノク体はBパートで出ます。
「かがみんとかみウィキさんのイメージと違うだろ!」と言われそうな気もしますが。
こなた曰くかがみんは動物でいえばウサギとの事ですがウサギオルフェノクは出ちゃってますからね。
ウサギに顔が似てるといえば似てるかな?って動物をチョイスしましたけど。
そういえばウサギオルフェノクってパンチホッパーだったな
マスカレード氏のSS読むまで忘れてたけど
GJ!!です。唐突に思いついたのですが・・・ハムスターオルフェノクって
いたら強いと思います?
>>330 ヴァルキリープロファイルのハムスターは鬼強い。
はっきりいってロキより強かった
まあ、一番絶望感をくれたのはブラッドヴェイン様だけど
亀レスですが
リリカル遊戯王GX氏
フェザーマンとバーストレディの融合モンスターはフレイムウイングマンですよ
皆様GJです!
私もリリカルBLADE投下したいんですが、大丈夫でしょうか?
おk
では……
僕の力が誰かの役に立つなんて、思ってもみなかった。
人の心を否定する力……
悪魔によって与えられた、殺戮の為の力……。
だけど、僕はあの人達と出会えた。
初めて誰かを護りたいと思えた。
……初めて命を救いたいと思えた。
その気持ちに嘘は無い筈だ。
だが、それでも……
僕にはやらなきゃならない事がある。
倒さなければならない、敵がいる……!
宇宙の騎士リリカルなのはBLADE……
始まります。
黒歴史ブレードII支援
八神家。ある朝の食卓。
今日のメニューは白米や目玉焼き等、和風の朝食だ。特に会話も無く、一同は黙々と箸を進めている。
数日前までは、もう少し明るい空気だったはずだ。それなのに、今ではどこか重たい空気となってしまっている。
そしてその原因となったのは、シンヤだ。ブレードに敗北したあの日から、シンヤは無口になってしまったのだ。
人間、ストレスが溜まると、その影響は普段の生活にも現れる。シンヤはその傾向が顕著に現れていると言えるだろう。
ブレードへのリベンジで頭が一杯なのだ。
そんな辛そうなシンヤを見兼ねたはやては、箸を止め、シンヤに話しかけた。
「シンヤ、最近元気無いけど……なんかあったん?」
「別に何も無いよ……」
「……なんか悩み事があるんなら、相談してくれてええねんで?シンヤも私らの家族やねんから……」
「ああ、分かってる……」
言うと同時に箸を置くシンヤ。自分の分の朝食を平らげたのだ。
シンヤは「ごちそうさま」と言いながら立ち上がると、そのままリビングを出た。自室へと戻ったのだろう。
シンヤが立ち去ったのを見届けたはやては、一同に質問した。
「シンヤ、なんかあったん……?」
「あの、その……えぇと、シンヤくんは……」
シャマルは何か適当に、はやてが心配しないような理由をつけて話を終わらせようとした。
だが思うように言葉が出ない。こんな時、なんて言えばいいのか……。
「何でもありません」
「……シグナム……?」
そんなシャマルをフォローしたのは、シグナムだった。
「シンヤは最近、ようやくやりたい事を見付けようです。色々と迷う事もあるのでしょう。そっとしておくのが得策かと」
「そ、そうよね……シンヤくんならきっと、またすぐに元気になってくれますよ」
シグナムに合わせ、シャマルも笑顔を作る。
「そうなん?それなら別にええけど……」
はやてはまた、朝食の続きに手を付け始めた。とりあえずは誤魔化せたらしい。
シャマルは小さく、ホッと息をついた。
それから、軽く1時間程度が経過していた。シンヤは赤いテッククリスタルを見つめながら、自室のベッドで寝そべっていた。
その時だった。ドアの向こうから、声が聞こえて来る。
「シンヤ、少しいいか?」
「シグナムか……入れよ」
相手はシグナムだ。シンヤの部屋のドアが開き、シグナムが入ってくる。
「何の用だい、シグナム……?」
「シンヤ……最近のお前は、挙動が不自然過ぎる。あまり主に心配をかけさせないで欲しい……」
ベッドに座り直したシンヤを見つめるシグナム。
「……分かってるさ……それでも……」
「ブレードか?」
「…………」
シグナムは、何かを言おうとしたシンヤを遮った。図星を突かれたシンヤは、黙ってシグナムを見つめる。
「ああ、そうさ……俺は、奴を越えない限り……前には進めない……!」
「……シンヤ……」
目をギラつかせ、テッククリスタルを握り締めるシンヤ。やはり兄・タカヤの話となると平常心ではいられない。
「シンヤ……どうしても、強くなりたいか……?」
「当たり前だ!俺は昔からずっと……兄さんを倒すのが目標だったんだ!それなのに……」
「……昔からだと?」
シンヤの言葉に、少し気になるポイントを見付けたシグナム。テッカマンになる以前からこの因縁は続いていたというのだろうか。
作画安定してないよ支援
支援
「兄さんは昔からそうだった……たった少しの差で、いつだって俺を置いて行く……!」
「…………」
「たった30分だ……たった30分、あいつの方が産まれるのが早かっただけで、俺はあいつを一生兄さんと呼ばなければならない!」
「双子……か……」
「だから俺は奴と戦うんだ!奴を追い越す為に……!」
シンヤは悲痛な表情で、声を荒げる。シグナムも、そこに立ったまま黙ってそれを聞く。
「………ならば私に付いてこい。お前ならば、強くなれるかもしれない……」
「何だと……?」
シンヤは、「どういうことだ?」という表情で、シグナムを見上げた。
第8話「見捨てられた世界」
ユーノは無限書庫で、数冊の本の中身を調べていた。
ユーノの下に緑の魔法陣が展開。周囲を数冊の本が浮かんでいる。現在検索中だ。
無限書庫は「世界の記憶を納めた場所」と呼ばれる程。管理局が今までに出会った世界の歴史の全てが詰まっている。
「…………」
「……それだけで本の中身が解っちゃうの?」
「え……まぁ、はい……」
リーゼロッテに問われたユーノは、顔を引き攣らせながら答えた。ユーノからすればリーゼ姉妹は少し苦手だ。
「それで……何か見付けた?」
「あ、はい……これは……」
ユーノは、眉間にしわを寄せた。どうやら、色々と驚くべき内容らしいが……。
一方、海鳴のハラオウン家。
「そっか、フェイトちゃん、ケータイ買って貰ったんだね」
「はい、さっきリンディさんに……♪」
リンディに携帯電話を買ってもらったばかりのフェイト。現在、なのはやエイミィと一緒に、晩御飯の食材を整理している。
「そういえば、そのリンディ艦長はもう出掛けちゃったの?」
「はい、アースラの武装追加が済んだから、試験航行だって……」
「武装追加っていうと……アルカンシェルかぁ…………
あんな物騒な物……最後まで使わずに済むといいんだけど……」
エイミィは、「ふぅ……」とため息をつきながら言った。
アルカンシェルとは。クロノ曰く、「闇の書を封印するための最終手段」らしい。それだけに物騒さのレベルもずば抜けている……らしい。
「でも、ハイコートボルテッカとかも充分物騒な気が……」
「あれはアルカンシェルよりも破壊力高い割に、周辺への被害がまだ少ないからね」
「ボ、ボルテッカで少ないって……」
冷や汗をかきながら、苦笑いするフェイト。ボルテッカよりも被害の規模が大きい兵器。まったく以て恐ろしい話だ。
「……ってそういえば、Dボゥイはどうしてるの?」
「Dボゥイなら、部屋で寝てますよ。体調が悪いみたい……」
「この前の戦闘くらいから、なんだか体が不調みたいだけど……大丈夫かな?」
Dボゥイを心配するなのはとフェイト。前回の戦闘から数日が経過したが、やはりDボゥイの体調はたまに崩れるらしい。
「そういえばDボゥイ、目眩がするとか言ってたね……」
エイミィも、買ってきた野菜を袋から出しながら呟いた。病院に連れて行こうにも、異世界人のDボゥイには保険証も住民標も無い。
ましてや、テッカマンであるDボゥイの体がちゃんと見て貰えるかが解らない。いざとなったら本局で治療を受けるしか無いのだ。
「とりあえず……クロノ君もいないですし、戻るまではエイミィさんが指揮代行だそうですよ?」
「責任重大〜」
話を変えるなのは。子犬携帯で肉に噛り付いていたアルフも、茶化すように言った。
「それもまた物騒な……
ま、とは言えそうそう非常事態なんて起こる訳が……」
その時であった。
鳴り響くアラート。モニターに表示されるエマージェンシーの文字。一同は、アラートに合わせて光る赤いランプに照らされる。
「………………」
エイミィは、持っていたカボチャを、「ゴトッ」という音をたてて落とした。
ユミのあの性格はないわ支援
一方、シンヤとシグナムは、とある辺境の世界に転移していた。
「……この世界は……」
目を見開くシンヤ。口はポカンと開かれている。目の前に広がるのは、余りにも信じられない光景だった。
「……ここは、原生生物の余りの凶暴さから、管理局すらも見捨ててしまった世界……」
「原生……生物……?」
「ああ。正確には、異世界からの使い……とでも言うべきか。」
つらつらと説明を始めるシグナム。
「数年前……異世界からやってきた奴らには、この世界のどんな兵器も通用しなかった。
そして奴らは、その圧倒的な戦力で、介入してきた管理局すらも凌駕した……」
「そんな…………」
わなわなと奮えるシンヤ。見渡す限り一面の荒野だ。だが、所々から、紫色の奇妙な樹が伸びている。
「奴らは、このままでは管理局すらも滅ぼされかねなかった……
そうなった管理局は、この管理外世界を……」
「…………?」
シグナムの顔を見るシンヤ。
「……記録から抹消し、無かった事にした……」
眉間にしわを寄せるシグナム。どうやら、シグナムも不満に思っているらしい。
手に追えない世界は管理外世界と指定する。それが管理局のやり方だと、シグナムはそう言うのだ。
「この世界は管理局にとっても忌むべき世界だ……恐らく、この世界の付近には近寄らないようにしているのだろう」
「そんな……じゃあ、シグナムは……」
「もちろん、こんな世界に近寄りたく無いのは、私とて同じ事だ
……だがシンヤ……お前はもう、他の世界の生物では満足出来ないだろう」
二人の目の前では、緑色をした巨大な虫のような生物が徘徊している。巨大生物も、こちらに気付いたらしく、ゆっくりと近付いて来る。
シグナムはシンヤを見つめた。「お前はどうする?」といった目付きだ。
「………………」
「もちろん、無理に戦えとは言わない。嫌なら帰っても構わんが……」
「ふざけるな!!」
「……ッ!?」
厳つい表情で、そう叫んだシンヤ。ポケットからテッククリスタルを取り出し、シグナムに見せる。
「こいつらは……ラダムだ!俺と同じラダムだ!!」
「なッ……何だとッ!?」
驚愕するシグナムの横で、シンヤはテッククリスタルを翳している。
「テェックセッターッ!!」
次の瞬間は、シンヤの姿は。赤と黒の悪魔へと変わっていた。エビルはそのまま動かずに、緑の生物−『ラダム獣』−を睨んだ。
10秒程時間を置いても、未だに動きを見せないエビル。痺れを切らしたシグナムは、騎士甲冑を装着、レヴァンティンを構えた。
「どうしたシンヤ、何故動かない!?」
「……ダメだッ!こいつら……言う事を聞かない……!」
ついに、シグナム達の元へと飛び込んできたラダム獣。二人は飛び上がって、それを回避する。どうやらシンヤは、ラダム獣達を支配下に置こうとしたらしい。
「どういうことだ、シンヤ!?」
「……こいつらはもう、俺の敵という事だ!!」
背中から赤いスラスターを噴射したエビル。次の瞬間には、1番近くにいたラダム獣に、両手に装着した短剣−ラムショルダー−を突き刺していた。
「そうか……ならば解りやすい!」
シグナムに襲い掛かる二匹目のラダム獣。それを回避し、レヴァンティンをシュランゲフォルムへとフォルムチェンジ。
ラダム獣へと長く伸びるレヴァンティンの連結刃。シグナムの、『シュランゲバイゼン・アングリフ』だ。
シグナムの連結刃は、ラダム獣を搦め捕り、巻き起こる砂塵と共に、敵を襲撃した。
ユミのあの表情はない支援
一方、エイミィ達は試験航行の為出港したばかりのアースラに合流。
ヴォルケンリッターが現れたと思しき世界をモニターに写していた。
「文化レベルは……ゼロ。でも……なんだろう、この世界……こんな座標、見た事無いよ」
「あれ……シグナムと、エビル……」
未知の世界。そこにいるのは、シグナムとエビル。
「エビル……ッ!!」
性懲りもなくまた現れたエビル。Dボゥイは、モニターを睨みながら拳を握り締める。それを見たクロノは、Dボゥイに向き直った。
「Dボゥイ……君は休んでなくて大丈夫なのか?」
「俺は大丈夫だ……エビルが現れた以上、眠っている訳にはいかない!」
「……そう言うと思ってたよ」
フフッと微笑むクロノ。Dボゥイも、つられて軽い笑みを浮かべた。
一方で、エイミィは冷や汗をかきながら、パネルを叩いていた。
「まずいなぁ……座標が遠すぎる……
この分じゃ、結界を張れる局員が集合するまで、何時間掛かるかわかんないよ……」
「エイミィさん……私達が行きます……!」
エイミィの説明の通りだ。目標が遠すぎるらしい。焦るエイミィを安心させようと、フェイト達が一歩前へ出る。
「ううん……ダメなんだ……座標が遠すぎる上に、データベースにも無い未知の世界……
フェイトちゃん達だけを転送するのは、ちょっと厳しいよ……」
「ならばどうすればいいんだ!?」
エイミィに食いかかるDボゥイ。このままエビルを見逃せというのは、Dボゥイにとっては酷過ぎる。
……その時だった。艦長であるリンディが、口を開いた。
「なら、アースラごと行けばいいんじゃない?」
「な……艦長、それは……!?」
驚いたクロノは、「また何を言い出すんだこの人は」みたいな口調でリンディを見上げる。
「それに試験航行もまだ途中だし……
試験航行も兼ねて、その世界まで行けば、一石二鳥じゃない」
「まぁ確かにそれなら、行けない事も無いですけど……」
「けど、未知の世界に無断で接触すれば、後から上の奴らに何を言われるか解らない!」
声を荒げるクロノ。確かに言う事は正しい。無断で未知の世界に干渉するなど、間違いなく違反事項だ。
「それしか、方法は無いのか……?」
「うん、今思い付く限りでは、最善の方法だと思う」
「そうか……」
その言葉を聞いたDボゥイは、クロノへと歩み寄った。
「頼む、クロノ……俺は今、奴を見過ごす訳には行かないんだ!」
「Dボゥイ……」
クロノは、「はぁ……」と大きなため息をついた。もうこうなったら何を言っても無断だろう。
「分かったよ、Dボゥイ……」
「感謝する……!」
話は決まった。クロノ・なのは・フェイト・エイミィ……それからDボゥイの4人は、リンディを見詰めた。
「じゃあアースラ……未知の世界に向けて、発進しましょうか!」
「了解!」
リンディの号令と共に、エイミィは目標世界の座標の入力を始めた。
でもソルテッカマンは結構良かったよ支援
最善手な気がまったくしない支援
>>333 ・・・なんつー基本的なミスしてたんだ、ご指摘ありがとうございますorz
「ハァッ!!」
シグナムが、エビルが。次々とラダム獣を切り裂いてゆく。それにより少しずつ数を減らしてゆくラダム獣。
あと少しで殲滅だ。エビルがテックランサーを振り上げた、その時だった。
「ん……何だ?」
「動きが止まった……?」
さっきまで大暴れしていたラダム獣が、突然その動きを止めたのだ。戦いは終わったのか……?
否、まだ終わってはいない。
「シンヤ……後ろだ!!」
「……ッ!」
刹那、「ガキィン!」という金属音が響き渡った。エビルのテックランサーとぶつかり合う、もう一つのテックランサー。
相手は、エビルのよく知るテッカマンだ。
「ク……貴様ァ!!」
「エビル……そんな蟻と行動を共にするとは、ついにラダムの心を忘れたか!」
相手は薙刀状のテックランサーを、エビルのテックランサーとぶつけ、距離を取る。
「……3人目の……テッカマンだと……!?」
シグナムも、二人を眺めながら呟いた。シグナムの視界に映るのは、全体的に丸いフォルムをした、灰色のテッカマン。
「忘れた訳じゃないさ……お前こそ、こんな世界で何をしている!?テッカマンランス!!」
エビルは、灰色のテッカマン……『テッカマンランス』に、テックランサーを突き付けた。
………………
…………
……。
それから、数分後。
シグナムの前に立っているのは、シンヤと、紫の髪を後ろで束ねた青年だ。
青年の名はモロトフ。テッカマンランスの人間態だ。
「なるほど……つまりそこの蟻は人間では無いと……そう言うのか……エビル?」
「蟻だと……?」
モロトフに顎でしゃくられたシグナムは、顔をしかめながらモロトフを睨み付けた。
「そうだ……それに俺はラダムを裏切った訳では無い。お前こそ、こんな辺境の世界で何をしている……?」
問われたモロトフは、少し間を空けてから、話し始めた。
「……あの時、貴様と裏切り者ブレードのボルテッカはぶつかり合い……拡散した……」
ゆっくりと解説を始めるモロトフ。
「それは俺も覚えている。だが、オメガ様の艦にいた筈の貴様が、何故こんな場所にいるのかと聞いている!」
「フン……ボルテッカの光は、エビルが放ったPSYボルテッカにより、私達の元にまで迫って来たのだ……!」
「何……?」
少しばかり表情を緩めるシンヤ。
「そして気付けば私は、ラダム母艦に眠っていた大量のラダム獣の卵と共に、この世界に飛ばされていたのだ」
「ならば、ランス以外のテッカマンはどうした……!?」
「知る物か。この世界に飛ばされたのは私と……」
「…………?」
シンヤは何を言い出すのかと、モロトフの顔を見詰めた。
それにしても、このモロトフという男。しばらく見ないうちにシンヤに対する態度がでかくなっていないか……?
と言うのも、元々ラダムのテッカマンランスは自分こそが最強のテッカマンだと自称していた。
それ故に、ブレードを倒すという同じ目的を持ったエビルは、ランスからしてもライバル的な存在だったのだ。
だが、そのエビルはしばらくラダムから離れ、もはやラダム獣を操ることすらもできなくなってしまっている。
こうなってしまったエビルは、もはやランスの上官などでは無いのだ。
異世界テッカマン登場期待支援
最強かませテッカマンキター!!!!!!支援
時間を少し戻して、視点をアースラへと変える。もうすぐで例の世界に到着するらしい。
だが、その前にDボゥイの目は。アースラのモニターに映るサーチャーに釘付けとなる。
モニターに映るのは、エビルと同じテッカマンと思しき熱源。
「これは……ランスかッ!?」
「ランス……?」
Dボゥイの言葉に反応したなのは。モニターを見詰めるDボゥイの顔を見上げる。
テッカマン同士は、お互いの感応派を感じる事ができるのだ。確証は無いが、これは恐らくDボゥイの知る、ランスの波長なのだろう。
「急いでくれ、ラダムのテッカマンが、もう一人いる!」
「はいはい、わーかってますって!言われなくても……アースラ、到着したよ!」
エイミィが、そう言い、パネルのボタンを一つ、弾くように押した。
同時にアースラブリッジの周囲の映像は、さっきまでの暗い宇宙のような景色から一変。一気に明るい世界が広がる。
「これは……」
「砂漠……っぽいね」
見渡す限りの砂漠。だが、所々で紫色の奇妙な樹がそそり立っている。
「この世界にも現れたのか、ラダム……!」
拳を握り締め、怒りに身を震わせるDボゥイ。なのは達もDボゥイに近寄る。
「これが……ラダム?」
Dボゥイは「そうだ……」と言いながら、リンディに向き直った。リンディにはもう、Dボゥイが何を言うのか解っていた。
「すぐに出撃させてくれ!」
「……わかりました。では、なのはさん達も一緒に……」
リンディが言葉を続けようとした、その時だった。
「ちょっと待ったぁーーー!!!」
ブリッジに響く大声。一同は、ビクッと驚き、振り向く。その声の主は……。
「ユーノくん……?」
「お前……直接アースラに飛んで来たのか……!?」
ユーノだ。ぜえぜえと肩で息をしながら、ブリッジの入口に立っている。
「ユーノ、無限書庫にいたんじゃないの?」
「そのことなんだけど……すぐ伝えなきゃって思って……!」
膝に手を付き、ハァハァと息を切らすユーノ。だが次の瞬間、ユーノは何者かに押され、尻餅をついていた。
「すまない、ユーノ!話は後にしてくれ……俺は行かなければならないんだ!」
言いながら転送ポートへと走ってゆくDボゥイ。ユーノは、壁に手を付いて、立ち上がりながら叫んだ。
「待って……ダメだDボゥイ!君はもう、戦っちゃダメなんだ!!」
ユーノは、力一杯叫んだ。Dボゥイに聞こえるように。Dボゥイが立ち止まるように。
だが、Dボゥイは止まらない。気付けば、既にDボゥイは姿を消していた。
「ユーノ……どういうことなんだ?」
「Dボゥイさんが戦っちゃいけないって……」
クロノとなのはが、ユーノに歩み寄る。ユーノはまだ少し、息を切らしながらも二人に向き直った。
「Dボゥイの体は……」
「皆、新たな熱源が、多数接近!!」
説明しようとするユーノ。だが、その声はエイミィの大声によって遮られてしまう。
モニターには、緑の虫のような生物……ラダム獣が、10匹ほど映されていた。
同時に、ペガスに乗ったブレードがラダム獣へと突撃していく映像が映される。
こうしてはいられない。フェイトはとなのはは、お互いの顔を見合わせた。
「なのは、私達も!」
「行こう、フェイトちゃん!」
さすがラダム獣!テッカマン相手だと雑魚に見えるけど普通の奴らじゃ歯が立たない速度と装甲だぜ支援
「うぉおおおおおおおおッ!!!」
ペガスから飛び降りたブレードは、背中のスラスターを噴射しながらラダム獣へと突撃する。
「どけラダム!貴様らの相手をしている暇は無い!!」
テックランサーをワイヤーで飛ばし、シグナムのシュランゲバイゼンと同じような要領でラダム獣を絡めとる。
「ハァッ!!」
そしてそのままラダム獣を引き寄せ、もう片方のテックランサーで引き裂く!
「キシャアアアアアアアッ!!!」
「ペガァスッ!!」
苦しむラダム獣。Dボゥイはすかさずペガスを呼ぶ。
呼ばれたペガスは、地上を這い回るラダム獣へと、魔力でできたフォトンガトリングを乱射。
放たれたガトリングは、数匹のラダム獣を直撃し、激しい砂塵を巻き上げる。
恐らくそれほどの威力は無いのだろう。目眩まし程度の砲撃だ。
「サンダーブレイドッ!!」
『サンダーブレイド』
フェイトが放った無数の稲妻の短剣は、1匹ラダム獣に突き刺さる。
これもデバイスの強化により増えた、フェイトの新技。サンダーレイジの強化版だ。
「クキャアアアアアアアッ!!」
「ブレイク!」
次に、フェイトの声に合わせて、突き刺さった短剣が爆発。ラダム獣の体に電撃がほとばしり、見事に爆発。
流石に体内で爆発・放電されれば、ラダム獣と言えども一たまりも無い。
「レイジングハート……あれ行くよ!」
『All Light』
なのははレイジングハートを構え、ラダム獣へと向ける。
次の瞬間、レイジングハートの先端から、ピンク色の砲撃が放たれた。高濃度に圧縮された魔力は、ラダム獣を飲み込んだ!
「やったかな……?」
「まだだ!油断するな!」
「なっ……!?」
空から聞こえるブレードの声。なのはは、すぐに砂塵に視線を戻す。
その刹那、砂塵の中からラダム獣が放ったと思しき毒液がなのはに向かって飛んで来たのだ。
『プロテクション』
「うわっ……」
だが、毒液がなのはに届く事は無かった。間一髪で、レイジングハートにより張られた障壁に遮られたのだ。
障壁に当たった毒液は、「ジュワッ」と、何かが溶けるような音を立てて、地面に流れ落ちる。流石のなのはでも気持ち悪いと感じた。
「なのは、フェイト!奴らの目を狙え!」
「え……目!?」
ブレードが、彼方から叫ぶ。
ラダム獣は皆、いくつかの赤い単眼を有している。なのは達の知る生物で言うと、蜘蛛などに近い目だ。
なのはの砲撃ではラダムに決定打を与える事はできない。一方で、フェイトの攻撃は、威力はあるものの、なかなかクリーンヒットさせることができない。
ならば、なのはが動きを止め、フェイトがトドメを刺せばいい。二人はすぐにそれに気付いた。
「行くよ、フェイトちゃん!」
「わかった!」
なのははすぐにアクセルシューターを展開。それをラダム獣の単眼に向けて、たたき付けた。
「クキャアアアアアアアアアッ!?」
「今だ!」
『サンダーブレイド』
再び唱えられた魔法。雷の刃は、ラダムの装甲へと突き刺さる。突き刺さった刃は、フェイトの号令で爆発。また1匹、ラダム獣を撃破した。
サンダーブレイドによる内部からの破壊は、ラダム獣に対しても有効らしい。
テッカマンの光物質変換機能を持ってすればDボゥイの脳組織を再生したり、
ホワイトホールを生み出して赤巨色星を召喚することなど造作もありません支援
二人は協力しながらラダム獣の数を減らしてゆく。ブレードもまた、テックランサーでラダム獣を斬り裂いてゆく。
どうやらブレードのテックランサーは、例えラダムの装甲であってもたやすく切り裂く威力があるらしい。
「エイミィ、エビルはどうしてる!?」
『それが……エビルももう一人も、もう消えちゃったみたい……』
「チッ……遅かったか!?」
嘆くブレード。その隙に、一瞬だがラダムから目を反らしてしまった。
次の瞬間、ラダム獣の爪がブレードへと振り下ろされる。
「ぐあッ!?」
「キシャアアッ!!」
ラダム獣の爪により、地面にたたき付けられたブレード。ラダムは、さらにトドメを刺すべく爪を振り上げる。
その時であった。ブレードに爪を振り下ろそうとしていたラダム獣の頭が吹き飛んだのだ。
それによりラダム獣の爪は、予想していた軌道を大きく逸れ、ブレードの横に突き刺さる。
「……フンッ!」
ブレードは自分に覆いかぶさっていたラダム獣を蹴り上げ、ラダム獣の頭を吹き飛ばした砲撃の出所に視線を送った。
「あれは……?」
「人間……かな?」
一方で、なのはとフェイトが交戦していたラダム獣達も、彼方から飛んで来た砲撃に苦しんでいる。
そして、こちらに向かって走ってくる何人かの人間。後ろからついて来るのは巨大なトレーラー。その上に乗った人間達が、前を走る人々を援護している。
前方を走る隊長格の人間が放つライフルの弾丸は、なのは達ですらダメージを与えられなかったラダムの装甲を傷付けていく。
「凄い……あの人達……!」
「でも……なんで!?」
なのはもフェイトも、その人々の行動が不可解だった。バリアジャケットを装着している訳でも無いのに、ほぼ生身でラダムに立ち向かって行くのだ。
そんな中、隊長格と思しき人間が、大きな声で叫んだ。
「死ぬんじゃねぇぞ、野郎共!この戦いが終わったら、上物のウイスキーを御馳走してやるからよ!」
その言葉に、一同の士気はさらに増す。
「本当に凄い……ラダムの数が、一気に減っていく……!」
フェイトも、サンダーブレイドの雨を降らしながら嬉々とした表情で呟いた。
増え続けたラダム獣も、残り僅かとなり、残ったラダム獣は本能で撤退しようとする。
地を這うラダム獣のは大半は撃破され、翼の生えたラダム獣は、空に帰ろうとする。
だが、そんなことを許すブレードでは無い。
「逃がすかッ!」
次の瞬間、ブレードの瞳は光り輝き、両肩の装甲が大きく開いていた。
そして、そこから放たれるのはエメラルド色の閃光……ボルテッカだ!
「ボルテッカァーーーッ!」
地上でボルテッカを放つブレード。そこから宇宙に向かって、美しく煌めくエメラルド色の柱がそそり立った。
もちろん、空のラダム獣も一匹残らず消滅だ。
ラダム獣の爪を使った質量兵器キター支援
支援
支援
「はぁ……はぁ……」
ボルテッカを放ったブレードは、その姿を人間の姿……Dボゥイの姿へと戻した。
「Dボゥイ……!」
「大丈夫……!?」
元々体調が優れなかったというのに、これだけ戦ったとあれば、さすがのDボゥイでもただでは済まない筈だ。なのは達は、すぐにDボゥイに近寄った。
フラつくDボゥイは、そのままバランスを崩す。なのはは直ぐにDボゥイの後ろに回り込み、Dボゥイの体を支えた。
「Dボゥイ……無理するからだよ……」
「なのは……」
なのはの名を呼び、軽い笑顔を作るDボゥイ。なのははそんなDボゥイを見て、ホッと胸を撫で下ろした。
だが、なのは達は知らなかった。ライフルを抱えた男達が、そんな二人を冷たい視線で見つめていたということを。
それから数分、ラダム獣を殲滅したなのは達は、男達の隊長格を一人。アースラへと案内した。
リンディは、男から大体の話を聞いた。彼らは、ラダム進攻によって半分以上を滅ぼされた人間の生き残りで結成されたレジスタンスらしい。
「……つまり貴方達は、残った戦力でラダム獣達への抵抗を続けていた……ってことでいいのね?」
「ま、そんな所だ。別品の艦長さん……俺の名はバーナード……バーナード・オトゥール軍曹だ。」
左目を失った、体格のいい男−バーナード−が、リンディにそう名乗った。
「私はリンディ・ハラオウン……この戦艦、アースラの艦長です」
リンディも名を名乗る。現在アースラは、この砂漠地帯にぽつんと浮かんでいる状態だ。
だが、アースラはエビルとヴォルケンリッターを追って来ただけに過ぎない。残念ながら、アースラスタッフ一同が彼らと行動を共にする事は無い。
「それで……貴方達は、これからどうするのかしら?」
「俺達はこれから、この先のレジスタンスの基地で合流する。軍の最新兵器とやらを受領するためにな」
「最新兵器……?」
軽く首を傾げるリンディ。
「ああ、そうだ……ま、お前らにゃ関係無い話だがな」
「……そうね」
リンディは少し俯きながら、ため息をついた。バーナード達を助けたいのは山々だが、そもそもこの世界には無断で来ているのだ。
そこまでお節介を焼くことは出来ない。
「ま、俺は最初っからアンタ達を信用してねぇけどな……ましてや、テッカマンの坊やと一緒にいるなんざ、問題外だ」
「ちょっと……それ、どう言う事ですか……?」
後ろでバーナードの話を聞いていたフェイトが、一歩前へ出る。その後ろにはなのはやユーノ、Dボゥイ達も揃っている。
ユーノだけは何故かチラチラと心配そうにDボゥイを見ているが。
「嬢ちゃん……俺達人類はな、そこにいるテッカマン達に滅ぼされたんだよ……!」
「「「な……っ!?」」」
この言葉には、さすがにアースラスタッフの一同も驚いた。確かにエビルがテッカマンである以上、同じテッカマンであるDボゥイもラダムという可能性はある。
それは「30分以上の戦闘でラダムに心を支配される」ということからも推測出来るだろう。
「でも、Dボゥイは違います……!Dボゥイは人間です!」
「どうだろうな……俺はその坊やも、お前達も信用しちゃいねぇんだよ」
残った右目でなのはを睨むバーナード。左目が無くなっている為に、右でしか睨めないのは、やはり痛々しい。
「お前ら管理局は俺達を見捨て、尻尾を巻いて逃げ出した……忘れたとは言わせねぇぜ……?」
「ちょっと待ってくれ、僕達が君達を見捨てたって……どういうことだ?」
一歩前へ出るクロノ。
「ケッ……知らねぇなら知る必要はねぇ……
……もう話す事もねぇだろ」
「俺は帰らせて貰うぜ」と、バーナードはきびすを返した。
本気のラダムは地球を破壊しちゃうよ支援。
宇宙忍者は出てこないの?支援。
もはや何も言う事は無かった。黙って転送ポートへと歩いてゆくバーナード。
「あの……そろそろ僕の話を……」
「艦長ッ!!」
話は終わったと思ったユーノは、皆に聞こえるように口を開く……が、またしてもエイミィにより遮られてしまう。
ユーノは、「あの……大事な話が……」ともう一度声を出すが、やはり遮られる事に。
「12時の方向から、急速接近してくる熱源を確認!!」
「12時って……正面から!?」
「間違い無いのか!?」
「……はい!凄い速度……もうすぐ黙視できる範囲に入られます!」
リンディとクロノに状況を説明するエイミィ。一同、何が起こっているのかさっぱりわからない。
そんな中、帰りかけたバーナードが再びブリッジへと歩を戻す。
「おいおい、冗談じゃねぇ……!こいつは……」
「……テッカマンだ!」
バーナードに続いて、Dボゥイが叫んだ。
そして、次の瞬間。
アースラの目の前にいるのは緑色をした、まさしくテッカマンだ。
「久しぶりだな、タカヤ坊……いや、裏切り者ブレード!!」
「ゴダード……いや、テッカマンアックス!!」
アースラの中で、Dボゥイは拳を握り締めた。
相手はラダムの、テッカマンアックス。緑の甲冑のような装甲を身に纏った、Dボゥイの敵だ。
「残念だが、ここでお別れだ……さらばだブレード!」
そして、両腕を広げるアックス。胸から赤い光を吸い込み始める。どうやら、早速アースラを潰しに来たらしい。
「まずいぞ、艦長!ゴダード……いや、アックスはボルテッカを放つつもりだ!」
「なんですって!?」
「アックスはボルテッカのチャージが遅い!この隙に、離脱するんだ!早く!」
「それは無理だよ!今からじゃ、空間転移も、旋回も間に合わない!」
エイミィの言葉に、一同の顔は真っ青なる。ここで終わりだというのか……?
そんなこと、悔し過ぎる。まだブレードはテッカマンを滅ぼしていない。ラダムへの復讐を成し遂げていない。
Dボゥイは、力の限り叫んだ。
「クッ……やめろぉーーーーッ!ゴダードォォーーーーーーッッ!!!」
「さらばだ!喰らえ……ブレェードォォォ!!!」
だが、Dボゥイの願いがアックスに届く事は無かった。アックスの胸には既に、発射寸前にまで反物質粒子が吸収されていたのだ。
アックスのボルテッカはチャージが長いだけに、密度が濃い。つまり、それだけ威力が高いのだ。
こんな物を受ければ、アースラはもちろん、アースラの周囲は纏めて吹き飛んでしまう。
だが、そんな事など、アックスの知った事では無い。
そしてアックスは。大きく胸を大きく反らせた。
「……ッ!?」
その刹那、アースラのブリッジ内は、眩ゆい反物質の光に照らされた。
アックスから放たれた赤い閃光−ボルテッカ−は、アースラを丸ごと飲み込んだのだ。
「ボルテッカァァァーーーーーーーッ!!!」
その威力は凄まじい物だ。アースラ諸共、アースラの周囲の全ての物質は、アックスの放った反物質の輝きに飲み込まれた。
ラダムに危険視されちゃうと問答無用で広域破壊で殲滅されちゃうよ支援
投下終了です
酷いくらいにグダグダだな……(汗)
とりあえず、転移したのはラダム獣と二人のテッカマンのみで、オメガや母艦はいません。
ラダムマザーは……どうしようか……
GJ!
バルザックもクルー?
そしてこれはブラスター化フラグだな。
バーナード軍曹出たんだからマザーもいいんじゃないでしょうか?
音信不通に気づいたラダム本星も動いてそうだぜ!
366 :
りりかる剣心:2007/11/24(土) 23:40:21 ID:xNIfW9Qq
職人の皆様GJ!
りりかる剣心のちょっとした発表させていただきます。
数年前に起きた闇の書を巡って勃発した事件。
その事件は闇の書の意志−−リインフォースが内に秘める防衛プログラムの再生を鑑み、選んだ自己の消滅によって終幕した。かに見えた……だが。
リインフォースは消滅する際、ある光により引き寄せられた。
「お前はなんで俺の庭にいるんだ?」
「……わからない。気付けば此処に居た。」
「普通ではないな……俺は比古清十郎。少々剣をやっている。お前は?」
「私の名は……リインフォース」
「リインフォース……異国の人間か……。まったく、バカ弟子が出ていった後だというのに不思議な奴に出会ったものだ」
こうご期待!
物語中最強の人出たー!
作者すら「強すぎて使えない」といった師匠がどんな形で関わるのか楽しみですね
>けんしんさん
おお!比古さんですか。
で…永倉新八は(あきらめろ)
どうでもいいけど、投下おk?
途中で規制喰らったら明日に回すけど。
ok
・・・虫の息・・・
動かないと・・・(バタ・・・zzZ
どうぞ!
十七話魔法少女リリカルリンディ「怪人狼男の殺人大パーティ!」Bパート
(アイキャッチ 2号編)
【立花レーシングクラブ】
翌日の立花レーシングクラブ。
狼男の襲撃から助かった久美子は、クラブに遊びに来ていた。
今は五郎、ユリ、リンディ、そして隼人と共にトランプで遊んでいる。
「しかし、なんともなくて良かったよ。子供の言うことを信じた、隼人とリンディのおかげだな。」
「しかしおやっさん、少し見ただけで子供の命を狙うなんて、ショッカーってのはとんでもない奴らだぜ!」
「でもあの狼男は実験用なのよ。」
「なんだって!?」
隼人は久美子の何気ない一言に驚き、トランプを落とす。
「久美ちゃん、それは本当かい!?」
「ええ、私全部聞いていたのよ。でも、怖くて動けなかったの。」
「それで、他に何か言ってなかったかい?」
次は藤兵衛が優しく久美子に問いかける。
「えーと…そうだ!狼作戦って言っていたわ。」
「狼作戦…」
「狼作戦って、何?」
「ピーピーピー」
「あら、何かしら?」
ユリはソファーから立ち上がり、通信に出る。
「これは…滝さん、通信が入ってるわよ。」
「おお!」
滝はユリからヘッドホンを受け取り、耳に当てた。
リンディはそれを聞いて顔をしかめている滝に話しかける。
「滝さん、何処からなの?」
「ニューヨークのFBI本部…ショッカーの暗号電文を解読…本日十三時…短財地区にショッカーの幹部が集結…狼作戦に関係あり…すぐに調査せよ…!」
「滝、リンディ…狼作戦について調べよう!」
「ええ!」
「だが手ごわいぞ。」
「分かっているさ、だがやらなければならないんだ!」
【短財地区】
隼人、滝リンディの三人は、短財地区でショッカーの幹部を乗せたヘリを待ち伏せしていた。
そして十三時丁度、ショッカーのヘリが空から降りてくる。
「流石はショッカー、時間はぴったりね。」
「よし…滝、リンディ、行くぞ!」
「「オーケー!」」
三人は草むらから飛び出し、ヘリから降りたショッカーの幹部(手にはアタッシュケースを持っている)の前に立ちはだかった。
「ダ…ダレダオマエタチハ!?」
「狼作戦についてお尋ねしたい。」
「コ…コロシテシマエ!」
「イイ!」
二人の護衛の戦闘員が現れ、三人に襲い掛かる。
そして幹部はヘリに乗り、操縦して逃げた。
「待て!」
隼人はヘリに飛びつき、操縦席に乗り込み、幹部ともみ合いを繰り広げる。
「隼人!」
「隼人さん!?滝さんお願い!」
「おう!」
リンディはバリアジャケットを装着し、羽を広げて空を飛び、隼人の援護に向かった。
「隼人さん!」
「リンディ!これを受け取れ!」
「うん!」
もみ合いに勝ち、トランクケースを奪うことに成功した隼人はリンディに向けて奪ったトランクケースを投げる。
そしてリンディがケースをキャッチしたのを確認するとヘリから飛び降り、着地した。
「隼人!大丈夫か!?」
「隼人さん!」
「ああ、滝、戦闘員は?」
「片付けたぜ。」
「よし…」
隼人は先ほど気絶させた幹部が乗っているヘリコプターに視線を移す。
操縦者がおらず、コントロールが取れないヘリはそのまま墜落し、中にいた幹部と共に爆破炎上した。
「よっしゃあ!これで幹部が一人退場だ。」
「二人とも、トランクを開けるわね。これで狼作戦の秘密が分かるかも…」
リンディははしゃぎながらトランクケースを開ける。
だが中に入っていたのは赤いマスクと白いローブだけだった。
「へ…?」
「なんだいこりゃ?」
「あ…あたしに聞かないでよ…」
「…ん?二人とも見てみろ。」
隼人はトランクケースの中に一枚のカードが入っていたことに気付き、それを手にとって二人に見せる。
「こりゃあ…」
「ゾルの招待状だ。」
「ホントだわ…「狼作戦開始を祝い、パーティを開催する。仮想にて出席されたり。」だって。」
「こりゃいい…喜んで出席するか。」
「そうだな。」
「ふぇ?出席?」
【ショッカーアジト】
ショッカーのアジト…
ここには沢山の大幹部がマスクとローブを身につけ出席していた。
もちろん、隼人(?)もこの中の一人に変装し紛れ込んでいる。
やがてゾルが現れ、挨拶が始まった。
「ようこそ諸君、今日はショッカーパーティに参加されて感謝する。愚かな人間共は、今頃クリスマスで浮かれている。
が、人間共のクリスマスも今年が最後だ。狼作戦により、全世界はショッカーが握る。
しかも本日のショッカーパーティのプレゼントは、今まで我々を苦しめた邪魔者共を血祭りに挙げること!
諸君、マスクを取りたまえ。」
幹部達は一斉にマスクを外していく。
そしてゾルは一人だけマスクを外していない幹部を見つけ、鞭でその幹部を指す。
「偽の暗号文に操られてとうとう来たな、一文字隼人!」
「イイ!」
二人の戦闘員が現れ隼人(?)を拘束する。
「フフフフ、一文字隼人、あまりの事に声も出ないのか?運転手に化けたFBIの小僧を連れて来い!」
「イイ!」
「はっはっはっは!そいつは無理な相談だぜ!」
「何…」
隼人(?)はマスクとローブを取る。
するとなんと、ローブとマスクの下から現れたのは隼人ではなく、滝の姿だった。
「貴様…」
「あまり上手く事が運びすぎた。上手い話しにゃ気を付けろってね!」
「何!?すると隼人はどうした!?」
「今頃リンディと一緒に、作戦に必要なウルフビールスの貯蔵庫さ!」
「おのれぇ…」
「セイ!」
滝はゾルに持っていたローブを被せて怯ませ、逃げた。
「くっ…逃がすな!追え!」
ゾルは幹部達と共に滝を追った。
【ウルフビールス貯蔵庫前】
「隼人!リンディ!」
「滝さん!」
「爆薬はセットした!」
「よし、脱出だ!」
三人は出口に走り、脱出した。
それと同時に爆薬が爆発し、幹部とゾルを巻き込み、アジトと共に爆発した。
【ショッカーアジト外】
「隼人さん!隼人さん!」
「隼人!何処だ!!」
「滝!!リンディ!!」
滝とリンディは隼人の声を聞き、崖の上に視線を移す。
そこには、隼人の無事な姿かあった。
「俺なら無事だ!!」
「良かったぁ…」
「ビックリさせるな!」
「はははは、悪い悪い!」
「一文字隼人!!」
「む!」
「え?」
「嘘だろ…」
三人はゾルの声を聞き、声が聞こえたほうに向き直る。
今度はゾルの姿がそこにあった。
「一文字…よくもやってくれたな…だが勝負はこれからだ。」
「ゾル、頼りにしていた狼男も表れずか!」
「ふふふふ…貴様が仮面ライダーに変身する如く、俺も変身できる!」
「何だと…すると私同様、貴様も改造人間!!」
「見せてやろう…俺の真の姿を…アオォォォォォォォォオン!!」
ゾルは地面に鞭を叩きつける。
そして煙が上がり、ゾルを包み込んだ。
やがて煙が晴れ、中から金色の体毛を持った狼男が出現した。
「なんてこったい…」
「ゾル大佐が…狼男…」
「滝!リンディ!手を出すな!こいつは俺が倒す!!」
「おお!」
「任せるわ!」
「よし…変身!トオォォォォォォォオ!!」
隼人は仮面ライダーに変身し、狼男の向こう側の崖に着地した。
「行くぞ!!」
「アオォォォォォォオン!!」
支援!
(BGM レッツゴー!ライダーキック!!(歌無し))
狼男はロケット弾でライダーを攻撃、ライダーはジャンプで回避し、狼男の前に立つ。
ライダーはそのままパンチやキックなどの格闘技を繰り出し、狼男を攻撃する。
狼男はそんなライダーに対し、自分の爪や鋭いキックを使ってライダーを攻撃する。
ライダーの力が狼男を叩き、狼男の爪がライダーを切り裂く。
互角の勝負が続き、辺りには鮮血が飛び散る。
「このままでは勝負がつかん…よし、トオォォォォオ!!」
ライダーは狼男に絡みつき、宙に飛んだ。
「ライダアァァァァァア返し!!」
そしてライダー返しで地面に叩きつけた。
「アオォォォォォオ!!お…おの…」
「ライダアァァァァァア!キィィィィィィック!!」
「グオォォォォォオ!!」
そのまま間髪入れずライダーキックを狼男の腹部に決めた。
狼男は既に虫の息である。
「アオォォオ…」
「トドメだ!トオォォォォオ!!」
ライダーは再び宙に舞い、急降下しながら必殺パンチを繰り出した。
「フライィィィィィング!ライダアァァァア!パアァァァアンチ!!」
ライダーが放ったフライングライダーパンチは狼男の頭部に直撃し、狼男の顔面を貫いた
「アオォォォォォオ!…」
狼男は顔から血を噴出しながら崖下に落下し、爆発四散するのであった…
「やった!流石はライダー!カッコイイ!」
「大幹部ゾル大佐の最期か…」
「恐ろしい奴だった…」
ライダーは崖下の狼男の残骸を見ながら、自らの勝利に案緒するのであった
【若草園】
クリスマス当日の若草園。
子供達は胸を躍らせ、ライダーが来るのを待っていた。
「まだかなぁ…」
「早く会いたいわ…」
「大丈夫よ、もうすぐきっと来るから。」
再びミニスカサンタのコスチュームを着たリンディははやる子供達を落ち着かせる。
そして数分後、サイクロン号の爆音が子供達とリンディたちの耳に響いた。
「ほら、来た!」
「メリークリスマス!」
教室の扉を開け、大きな袋を持った仮面ライダーが現れた。
「「「「仮面ライダー!!」」」」
子供達は一斉に仮面ライダーの周りに集まる。
「やあみんな、約束どおり来たよ。」
「本物だ!」
「わーい!」
「よし…久美ちゃん。」
ライダーは狼男に盗まれた人形を久美子に渡した。
「ありがとう!」
「みんなの分もあるよ。さぁ、おいで!」
「「「「ワーイ!」」」」
リンディ「(これが私の地球での初めてのクリスマスだった。私はこの日を、一生忘れることはできないだろう…)」
………
【ハラオウン邸】
「お母さん!お母さん!」
「うーん…」
リンディはエイミィの声を聞き、ハラオウン邸の玄関で目を覚ました。
「私…一体…」
「いきなり倒れちゃったんですよ!」
「そう…ごめんね、心配掛けて…」
「これ以上は危険です!休んでください!」
「大丈夫よ…それより早く次元を繋げないと…」
「お母さん!」
「それに、強力な助っ人も呼んだしね。」
「え?」
「こんにちは!」
いきなりドアが開き、黒いパーカーを着た四十台くらいの男と、青いジャケットを見に付け、頭にバンダナを巻いた男が現れた。
「貴方達…誰?」
「お久しぶりです、リンディさん。」
「ご無沙汰してるっス!」
「久しぶりね、光太郎君、それに、ジョー君。」
【聖王医療病院屋上】
聖王医療病院屋上。
なのははここで夜景を見つめ、さらわれたヴィヴィオを思っていた。
「なのはちゃん。」
「あ…」
そんななのはの元に、コーヒーが入った紙コップを持った五代が現れた。
「五代さん…」
「五代雄介ブレンド…温まるよ。」
「うん…」
五代はコーヒーを飲みながらなのきの隣に立つ。
「スバルちゃん、良い子じゃない。流石はなのはちゃんの教え子だよ。雰囲気も似てるし。」
「うん…」
「…さらわれた、ヴィヴィオって子の事、心配してたの?」
「…!」
「おわ!?」
なのははコーヒーを落とし、五大に抱きついた。
「なのは…ちゃん…?」
「…私がママの代わりだって言ったのに、傍に居てあげるって約束したのに…!」
なのはは五代の胸に顔を埋める。
「あの子…きっと一人ぼっちで泣いてる!」
「なのはちゃん…」
「ヴィヴィオが一人で、悲しい思いとか、痛い思いをしてるかもって思うと、体が震えて、どうにもならないの!
今すぐ助けに行きたい!だけど…私は…」
「大丈夫、俺も協力する…なのはちゃんの背中は、俺が絶対守るから。だから、なのはちゃんは気にせず、ヴィヴィオちゃんを助ければ良い。」
「五代さん…!」
五代は震えるなのはを暖めるように優しく抱きしめた…
【???】
「…」
「…」
「どうですかジェネラルシャドウ、アポロガイスト、聖王の器は…」
「気に入らんな。この程度の下等な存在で王とは笑わせる。」
「ジェネラルシャドウと同意見だ。俺も気に入らん。」
「お気に召しませんでしたか、しかし、やることは済ませてもらいましょう…」
スカリエッティはウーノからレリックを受け取り、眠っているヴィヴィオに近づけていった。
「聖王の器に今、王の印を受け渡す…さあヴィヴィオ、君は私の最高傑作になるんだよ…ふふふふ…はっはっはっはっはっはっはっはっは!!」
(仮面ライダーの歌(映像・旧2号編))
嵐と共にやって来た 誰だ!誰だ!悪をけちらす嵐の男
仮面ライダー 正義のマスク
「まわせ!吹かせ!エンジン吹かせ!スピード全開!サイクロン!」
怒りを込めてぶち当たれショッカーどもを ぶちのめせ
ライダー ライダー 仮面ライダー
支援
投下終了です。
南さんちの光太郎君の登場でみな思ったでしょう。
スカリエッティオワタって…
それと一応僕の小説の世界観では、真仮面ライダーは存在します。
ただ…風祭真が作品当初の構想どおりもう死んでいるだけです…
このことを知っている人はもうミッドにも地球にも居ないので、作中に真仮面ライダーは登場しませんのであしからず…
GJです!
私は天道の活躍が楽しみでなりません……(笑)
>>(安価忘れた……)
バルザックは出ません……
アキ・ミリィ・ノアル・レビン・おやっさん等、スペースナイツの仲間達も出ません……
アニメ版ブレードとは違う世界なので、出さない方が進めやすいんです……(汗)
フリーマンは出すかもしれませんけどね
>>381 GJ!
最近コンビニでライスピ読んだばかりなので、これは実にタイムリーw
そういえば、このスレのライダー職人の皆さんの中には、ハイブリッドインセクター扱う人はいないのかなぁ…
りりかる剣心氏ほど大それたことではないのですが、ちょっとした告知をしてもよろしいでしょうか?
もう少し待とうと思ったのですが…さすがに眠い…
リインフォースと剣崎の再開をずっと楽しみに待ってる自分がいます。
この組み合わせは新鮮ですから。
リイン「さあ皆さん! 『SHINING WIND CROSS LYRICAL』も、いよいよ日常編に突入ですよー♪」
はやて「今までドンパチばっかやったからねぇ」
リイン「前編・後編に分かれた二部構成となってまーす♪」
はやて「気になる内容はこちら!」
機動六課の次なる戦場はボウリング場だ!
スバルの力が冴え、ティアナの技が光る!
そしてまさかのあのお方が…!?
勝利の栄光を勝ち取るのは心剣士キリヤか、はたまた我らがなのはか!
どこぞのリイン同人4コマに似たような展開があった気がするが、まあ細かいことは気にするな!
【ボウリング少女リリカルなのはStrikerS】
勇者なら歌え!
カラオケボックスの四角いリングに、奴らの雄叫びがこだまする!
フェイト&シーナ黄金デュエット結成! シグナムが歌うのは…演歌!?
これは巨大権力J●SRACに立ち向かう、魔法少女達の新たな挑戦である!
山よ、銀河よ、私達の歌を聴け!
【リリカルマスターXENOGLOSSIA】
はやて「笑いありパロディあり、ドタバタ満載でお送りする『SHINING WIND CROSS LYRICAL』第6話!」
リイン「近日公開です! カオスの香りですよー♪」
ザフィーラ「…その前に5話を書き上げねばな…」
朝っぱらから番外編を投下します。
スルー推奨?な出来ですが、反省はしていない。
なのは「この番外編は際どい表現が入ってるなの」
フェイト「レイヴンの人達は本当はこんな変態じゃない筈だけど・・・」
はやて「まぁ、ええんとちゃうか?」
???「いいだろう、それではドミナントである私が相手をしよう!!」
三人「「「…トリプルブレイカー!!」」」
???「・・・あ、後は頼んだぞ、レイヴン!!」
リリカル・コア番外編4「バーテックスからの刺客なの」
「・・・、どうしよう・・・」
一人ぼっちで薄暗い施設の廊下をトボトボと歩くルーテシア・アルピーノは呟く。
いつも一緒にいる守護者の筈のガリューがいない。友達のエリオとキャロもいない。
回りにいるのは数匹の極小サイズのインゼクトのみ。
「はぐれちゃった・・・」
つまりは迷子である。
バーッテクスに占拠された施設内に突入、フェイトおば・・・、訂正フェイトさん以下七名で
広大な施設内を掃討にかかった。だが施設は広く部屋も多いためチームを三組に分けることになった。
ルーテシアはいつものようにライバルのキャロとほのかな恋心を抱くエリオと組行動をとった。
しかし、エ・キャ・ル組は運悪くバーテックス占拠部隊主力と接敵してしまう。
通路から通路へ、部屋から部屋へ・・・。交戦を繰り返した結果、ガリューや他の二人とはぐれてしまったのだ。
「みんな、周りはどう?」
通信しようにも強力なジャミングが施設内に仕掛けられているのか誰にも通信が繋がらない。
そのためインゼクトを周囲の探査に放った。
だがどのインゼクトも何等の兆候を発見してこなかった。
「・・・そう、ありがとう」
一人ぼっちでいることは怖い。特に薄暗く肌寒い無機質な廊下では。
自分の足音だけが響く、それがさらに不安を掻き立てる。
昔、それほど過去ではないが隣にはゼストがいてナンバーズもいた。あの忌まわしい事件の時に
友達ともいうべきキャロに出会い、そして自分が心のどこかで待ち望んでいた母親・メガーヌを得た。
「アスクレピオス、開ける?」
<ロック解除不能>
袋小路のゲートが目の前にあった。だがロックは開かなかった。
「ふぅ・・・」
ルーテシアは溜息をつく。開かないならここで待ちぼうけをする必要はない。
また来た道を引き返そうとルーテシアが踵を返した時だった。
『前方のゲートに反応接近。IFFを確認、バーテックス所属のレイヴンです』
アスクレピオスが警告を発する。
「どうして・・・、・・・こんな時に!!」
警告を聞いたルーテシアが後ずさる。自分は直接戦闘が出来る魔導士ではない。
直接戦闘を担任するガリューはいない。レイブンのコアデバイスの大半は
極小のインゼクトによる介入操作を無効化できるCPUを搭載している。
そのため残っている極小のインゼクトを使えない。
地雷王に白天王を召喚しようにもこの閉鎖空間では自分も被害を被る。
「ごめんね、みんな・・・」
殆ど戦闘力の無い数匹の極小のインゼクトがルーテシアを守るように前に出る。
そしてゲートが開く・・・。
ゲートが開いたその向こう側にいたのは・・・。
「お前もレイヴンなら戦場で・・・、 や ら な い か ? 」
<識別信号を受信、パンツァー・メサイア:G・ファウストです>
アスクレピオスが報告する。
<敵はパンツです。どう見てもパンツです。危険です。>
「お前もレイブンなら覚悟は出来ているな?」
<敵は多彩なパンツを装備。特に遠距離では多彩なパンツです。
近接時の連続撹乱パンツ攻撃に注意してください>
その名の如く、なのはのブラスタービットの如く多種多様なパ
ンツが舞っている。
<なお、パンツアーメサイアである機甲救世主:G・ファウストはパンツの救世主です>
悪いデータでも受信したのか何時に無く饒舌なが分析データを伝える。
『つまり、彼はパンツの救世主だということ』
「?!」
ルーテシアには一瞬スミカ・ユーティライネンの声が聞こえたような気がした。
「悪く思うな、これも任務だ!!」
「わ・・・、わたし・・・、レイヴンじゃないし・・・」
震えながら涙目のルーテシアが呟く・・・。
「スパッツなんだけど・・・」
そう、彼女のバリアジャケットの下はスパッツを履いているのである。
「・・・なんと!!」
それを聞いた機甲救世主:G・ファウストはなぜか崩れ落ち、爆散した・・・。
「ルーちゃん!!」
開いたままとなっていたゲートの向こう側から白竜:フリードを連れてキャロが駆け寄ってくる。
「大丈夫だった?怪我は無い?」
隣にはエリオがストラーダを片手に駆け寄ってきた
よくみると散乱しているはずの多種多様なパンツが消えている。
「まだジャミングが酷くてフェイトさん達やトーレさん達に連絡が取れないんだけど・・・、ルーちゃん?大丈夫?」
「うん、ちょっと・・・疲れた・・・」
強敵とも言うべきレイヴンを退けた後で、どっと冷や汗が流れ、さらにキャロに体を預けるように倒れこむ。
「うん、ちょっとここでお休みしようか・・・」
「でもすごいな、ルーテシアさんがこれを一人で倒したんだ・・・」
機甲救世主:G・ファウストの残骸を調べていたエリオが驚きの声を上げる。
「あ、・・・私は・・・」
「すごいよ!!ルーちゃん!!旧式とはいえレイヴンを一人で倒すなんて・・・、私も見習なくちゃ」
二人ともものすごく勘違いをしている。
「エリオ、キャロ、ルーテシア、みんな無事!?」
自分の歩いてきた方向からフェイトおば・・・、訂正フェイトさんが執務官補のティアを抱えて飛んでくれば。
「ルーお嬢、ご無事ですか?」
「セッテさんにトーレさんだ」
セッテとトーレもゲートの向こう側より飛んでくる。
やっと三組が合流できるようだ。
「G・ファウストがやられたか・・・」
ネタアセンとしか思えないレイヴンが呟けば・・・。
「所詮あいつはその程度だ!!ドミナントである私が相手をしよう!!」
ちょっと自己顕示欲の強いレイヴンが現れる。
「なるほど・・・、だがこの程度では力を図るには不十分か・・・、彼女らを倒してから・・・」
「 や ら な い か ?」
「いいだろう、私の実力を証明してやる、よく見ておくんだな!!」
ちょっと自己顕示欲が強いレイヴンが去っていく。
「私も急がねばならんな・・・」
ネタアセンとしか思えないレイヴンもまた踵を返しその場を去る。
変態集団バーテックス、その魔の手はクロスSSでも健在であった・・・。
エリオ「あれ?」
???「何をしに現れた?」
エリオ「隊長はバーテックスじゃなくて戦術部隊では・・・?」
???「なるほど、お前もか・・・。いいだろう選ばれたもののドミナント!!よく見ておくんだな!!」
エリオ「じょ、冗談じゃ・・・!!アーーーー!!!!」
・・・数刻後
ジナイーダ「この静寂・・・、遅かったと言うのか?・・・一体誰が?」
投下終わり。
ネタに行き詰まったら別の話を書いて行くと自分は筆が進みます。
なお番外編の元ネタのMADはニコやヨウツベで見れますので興味がある方はどうぞ。
(単語は音声・MAD・アーマード・コア等)
これ聞いてクロスSS.書こうと思ったのは自分だけでいい…。
途中携帯が圏外になって戦々恐々になったのは秘密さ。
乙。
しかし、フェイトをおb
遅ればせながら職人の皆さんGJです
予告編みたいな一発ネタを書いてみたんですけど、投下してもいいでしょうか?
どんとこい!超じょ(ry
それじゃ、いきます
399 :
なのウタ:2007/11/25(日) 11:37:23 ID:oKtHSd52
「あたし、今ごろになってやっと見つけたよ、自分の夢……」
「大丈夫ですか!?」
「どうして、あたし……」
夢に破れた少女が流れ着いた異世界
「魔法、か……」
「なら、やりたいことが見つかるまで管理局の仕事手伝ってみる、ってのはどうや?」
「利奈ちゃんの合流は何時頃になるんやったっけ?」
「ちゃんと明日には間に合わせるって連絡があったよ」
新しい仲間と居場所を手に入れた虫憑きの少女
「亡くなった兄が目指してたんです、執務官になるのを」
「誰の夢もきっとどこかで繋がっているのよ、きっと」
「利奈、そっちはどうだ?」
『こっちもさっき終わらせたところよ。やっぱり、あたしと“七星”はこいつらと相性がいいみたい』
平穏の影で暗躍する者たち
『アギトと例の彼はどうしたんだい?』
「一緒に別行動」
400 :
なのウタ:2007/11/25(日) 11:38:28 ID:oKtHSd52
いくつもの思惑を絡ませながら運命は加速し始める
「お前ら、下がれ!!」
「新手!?」
ナンバーズと共に現れた、もう一人の虫憑き“かっこう”
「薬、屋……?」
「……利奈か」
「いいのか、“かっこう”」
「……俺は、アイツに恨まれるようなことしかできない」
再びぶつかり合う二人の虫憑き
「今さらお前と話すことはない。どうしても喋らせたいなら力尽くでやってみな。できたら、の話だけどな」
「……“七星”っ!!」
「……家族、か」
「どうかしたッスか、“かっこう”さん?」
微笑むことで、少女たちは運命を受け入れるのか?
「最初は一番憎んだ敵で、次は初めて好きになった男の子だった。最期はどうだったかな……?」
「利奈ちゃんはどうしたいの?」
「話しても意味なんかないもの……」
「ルーちゃん!」
それとも、戦い続けることで運命に抗うのか?
「ギン姉……!」
「もうすこしだけあたしの夢に付き合ってね、“七星”」
なのはStS×ムシウタ ―夢願う星たち―
それは、少女たちが新たに紡ぐ、最高で最悪のマジカル・ストーリー!
「私、なんで予告編に出てないのかな?」
401 :
なのウタ:2007/11/25(日) 11:41:16 ID:oKtHSd52
投下しゅーりょー
思いついた台詞を予告っぽくまとめただけなんでこんな感じに。まだまだ修行がたんねーッス
ヒロイン組の声優同じだなー、と思ったらティアナがぺろぺろだったり、エリオが金髪猫目だったりしてちょっと驚いた
なのウタ氏GJ!ムシウタ……興味はあってもなかなか読んでない作品です。
>>Strikers May Cry氏
GJ!バージルが怖かったり優しかったりで、読んでて楽しいです。
こういった人が案外子供に好かれるタイプなのかも。
>>スーパーロボット大戦X氏
気になることは全部他の方が言ってますので一つ。SSを書いてると、ちょっとしたことでもDVDなり漫画なりを引っ張りだして調べないといけないので、スパロボだとその手間は膨大になります。ですのでもっとゆっくり時間を掛けて仕上げていいのではないでしょうか。
>>魔装機神氏
GJ!ファイデスで互角とは凄い。アモンや天凱凰が出たらどうなるんでしょう。
>>NANOHA COMBAT ZERO 氏
GJ!戦闘機はさっぱりなんですが、描写が細かくて知識が必要そうです。こういうのが雰囲気作りに一役買ってるって気がします。
>>リリカル遊戯王GX氏
GJ!フェイトとエリオが……。かなり緊迫した怖い展開です。
>>リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー氏
GJ!若かりし日のリンディ可愛いなぁ。見事に釣られましたw絵が見たいです。
>>なのはStrikerS-NEXT(リリカルスクリーム)氏
GJ!ノーヴェ達も苦労してるんだなぁ。ライオトルーパーのセリフがリアルで嫌です。
後らき☆すたキャラの絶妙な浮きっぷりが楽しいw
>>リリカルBLADE氏
GJ!テッカマン見たいけどレンタルが置いてないorzラダムが強力でも連携して立ち向かうってのはいいですね。
>>リリカルコア氏
GJ!ちょwパンツに思わず吹いてしまいましたwwそうか、ルーテシアってスパッツだったっけ。もう一回見返してこよう。
ボウケンジャーをやると言ったのですが、展開は決まってるのに何故か書けなくなってしまい、どうにもスランプでした。
更に暫く離れてると書き方を忘れてしまって……。
なのでリハビリにちょっとした読切を。今回は完全に衝動のままの自己満足なので怖いですが、十数レス使わせてください。
20:40くらいに投下してもいいでしょうか?
OK
GOGOGO!
これはどうしたことか――。
燃え盛る炎の前でスバル・ナカジマは立ち尽くしていた。
炎の中で踊るのは巨大な影。
豚に似た――と言うよりも豚そのものの醜悪な顔面。革の衣服を身に付けてはいるようだが、それでも剥き出しの皮膚は強靭で、猛火に炙られても全く堪えていないらしい。
背中には巨体を支えられるのか不安な小ぶりな翼が、そして頭頂部からは二本の角が伸びている。まるでその容姿は伝承やおとぎ話に登場しそうな怪物。
「悪魔……」
クラナガンのとある高層ビル、その最上階で火災が発生。通報に応じて出動したスバルを待っていたのは、炎と煙に巻かれた無数の市民。
避難経路も消火システムも整っているはずのビルだったが、その様子を見るにそれらはまともに機能していないようだった。
逃げ延びた避難者の様子も明らかにおかしい。
青褪め言葉を無くし、問い掛けにもただ首を振るだけの少女。狂乱してスバルにも掴み掛かってくる男。まともに話せる者はいなかった。
スバルには、それが単なる火災にはとても思えなかった。
上には何があるのか、何を見ればこうなるのか。それを確かめる為にも、スバルは下層部を後続に任せて上を目指す。
「行こう! マッハキャリバー!!」
『All Light.』
ウィングロードを駆けてさえ、十数分経っても最上部へ到達できていない。
後続の為に道を拓きつつ、緊急を要する要救助者は確保。
「このままじゃ時間がかかり過ぎる……!」
炎が回るのが異様に早い。最上階からの出火が、あっという間に中腹あたりまで来ている。おまけに外から上の救助に回ったはずのヘリとは連絡が取れない。
飛行できる者も出動している筈なのに。
「甘く見てた……」
逆巻く炎に額にも汗が噴き出す。
こんな炎の中、一般人じゃすぐに煙に巻かれるか、熱気に肺を焼かれてしまう。
原因不明の火災に対してそれなりの準備は整えてきたつもりだったのだが。テロの類か、或いはもっと違う何かか。
『まずは最上階を目指すべきかと』
相棒はこんな時でも冷静な反応を返してくれる。今はそれが有難かった。
ここで考えている時間は無い。応援も大至急こちらに向かっていることだろう。
今すべきは上を目指し原因を突き止めること。そして何より優先すべきことは、一人でも多くの命を救うことだ。
火災現場であちこち打ち抜いて進むのは危険だ。それに、既にたった一人で先行している身。なかなか自分を助けてくれたなのはの様にはいかない。
逸る気持ちを押し殺して、スバルは最上階への扉を慎重に開いていく。
辿り着いた最上階はパーティー会場のようだが、飾りもテーブルも炎に包まれ見る影も無い。
それは並べられていたであろう豪華な料理も――それを食べるはずの者も同じだった。
「ひどい……」
凄惨な宴の跡にスバルは絶句した。
空港火災から始まり、六課以前も、そして以後も災害救助に携わってきた以上、こういったものも見てきてはいる。それでもこれは異常だった。
『鋭い刃物で斬り裂かれた。或いは強い力で引き千切られたものと思われます』
マッハキャリバーの分析にスバルは眉を顰めながらも、黒く焦げた骸に目を落とす。確かにマッハキャリバーの言う通り、その異様さは一目で解った。
何故、焼死体の上半身と下半身が分かれているのか。歯形のような痕も見られる。
また、ある者は片腕だけが見当たらない。何かに喰われでもしたかのように歪な肩口の断面。
スバルはこの状況をなんとか分析してみようとするが、どうにも考えが纏まらない。
辺りを見回してみる。かなり広いはずの最上階も、視界の大部分は炎と煙で塞がれていた。
「救助隊です! 誰かいませんか!?」
轟と燃え盛る炎に声も掻き消されてしまう。しかし、スバルはその合間にコツコツと響く靴音を聞いた。
「誰……?」
歩み出たのはまだ10歳かそこらの少年だった。紫の鮮やかな長髪を三つ編みに結っている。
ヘアバンドとコートは彼の瞳を映したように赤い。
「坊や!? 大丈夫? どこか痛いところはない?」
スバルは少年に駆け寄ってまずは笑顔。そして身体を見回してみるが、見たところ異常はない。
しかし異常は彼の言動にこそあった。
「救助隊の人ですか? あの……ここは危険なんです、早く逃げてください」
「何言ってるの? もう大丈夫だよ。その為に私達が来たんだから」
スバルは優しく少年の頭を撫でた。
きっと優しい子なのだろう。こんなに怖い目に遭っているのに、人のことを心配してくれる。
泣くことしかできなかった自分とは大違いだ――そうスバルは思った。
瞳だけでなく顔まで赤く照れながら、少年はスバルの手を払い除ける。
「そうじゃなくって! 悪魔が――」
少年の言葉を遮って、炎の向こうで轟音を伴って何かが爆ぜた。続け様に響く銃声。
「何……? この音……?」
炎の中を睨むスバルを振り払い、少年は出口とは違う方へと走りだした。
「君、ちょっと!?」
「兎も角、消火と救助はもうちょっと待ってて下さい!」
スバルにそういい残し、少年はすぐに見えなくなった。
スバルは少年の言葉を反芻する。悪魔――最後に彼はそう言った。
これが、この火災と惨劇が悪魔の仕業?
「って……そんな訳ない!」
スバルは両の頬を張って気合を入れた。
暫し呆けてしまったが、やはりこんな火事場に放ってはおけない。追わなければ。
「危ないよ! 戻ってー!!」
しかし呼び掛けに少年が答えることはなく、叫びは炎に吸い込まれた。
「ああ、もう! どこに行っちゃったんだろ?」
少年を追ってはみたものの、その姿はどこにもない。見渡す限り瓦礫と炎だけだ。
そういえば、この惨状を目の当たりにしても彼は随分と落ち着いていた。
不思議な少年だ――今のスバルにはそうとしか考えられなかった。
仕方なく、微かに聞こえる銃声を頼りに突き進む。瓦礫を拳で打ち壊し、炎を飛び越えて。
やがて炎の中に影が揺らめきだす。その一つは人影。
「救助隊です!返事をし――て……」
スバルは張り上げた声をそれ以上続けることが出来なかった。
炎が照らし出した影はもう一つ、人影だ。ならば最初に人影と思ったものは?
それは徐々に輪郭を膨らませ、天井に届く程に巨大なものとなった。片割れと比べると、尚更その差が浮き彫りになる。
「悪魔……」
突き抜けた先に広がった光景。スバルの第一声はそれだった。
「ん〜? 人間がまだいたのかぁぁ?」
豚顔の悪魔は重く低く間延びした、酷く頭の悪そうな声でスバルに向き直る。
細長い目、突き出した鼻、紅く染まった口。視野の全てをそれに奪われて、スバルは一瞬圧倒されてしまった。
それ故に悪魔の口に緋色の炎が灯ったことにも、横からの叫びにも咄嗟の反応が遅れた。
「馬鹿! さっさと逃げなさい!」
その声に我に帰るも既に遅く、炎は球状に凝縮されて吐き出された。
「くっ!」
回避が間に合わないと判断したスバルは、両腕を交差させる。
バリアで防げるだろうか。祈りにも似た思いで火球に相対したスバルを、横からの衝撃が吹き飛ばす。
「わぁぁぁ!」
横跳びに転がったスバルの足元を火球が抉った。煙が晴れると、そこには大きな穴が階下まで口を開けている。
「痛たたた……何ぃ――ぐっ!?」
スバルは頭をさすりながら起き上がろうとするが、BJの襟を掴まれ物陰に叩き込まれた。
そこで、ああ、彼女に体当たりされたのか――と、ようやく気付く。脇腹に頭突きされたらしくジンジンと痛む。
「ハァハァ……アンタ死ぬ気? あんなのBJだけじゃ防げっこないわよ」
悪魔に気付かれないよう押し殺されてはいるが、彼女が心底怒っているのは伝わってくる。
あの悪魔、鈍重な見かけそのままに鈍いらしく、物陰に隠れたスバル達を探して徘徊を始めた。しかし彼女の言う通り、階下まで大穴を開ける火力。あの火球を喰らっていれば危なかっただろう。
「ありがとう。あなたは……ひょっとして……」
金髪と青い瞳の少女。歳はスバルとそう変わらないだろう。胸には鎖で懐中時計を下げている。
髪を覆うヴェールと、脛まで隠す黒の修道服はスバルの知るものとは少々趣が違うが、それは紛れもなく――。
「見ての通り、聖王教会のシスターよ」
両手に2挺の拳銃を握っていることを除けば、だが。
「聖王教会のシスターが何でこんなところにいるの?」
「悪魔を封じたロストロギアが今日、このパーティーでお披露目されるっていう情報がを掴んでね。もう少しで確保できるところだったんだけど……遅かった。突然封印が解けてこの有様……」
少女は周囲を包む炎に、僅かに目を細めた。
2人は物陰に潜んだままだ。このまま隠れていれば暫くは時間を稼げるだろう。
「悪魔……?本当にあれは悪魔なの?」
「そうよ、聖王教会は世界に悪影響を及ぼす悪魔の対処を秘密裏に行ってるの。それが悪魔祓い〔エクソシスツ〕」
聖王教会――ロストロギアの研究、保管を行っている宗教組織としか知らなかったスバルは大いに驚いた。
しかし独自に教会騎士という強力な戦力も有していた。それもこういうことならば頷けないこともない。
「アンタ管理局の魔導師なんでしょ? あれを倒すの手伝ってくれない?」
「でも……まだこの階に男の子が残ってる。先にその子を安全な所に逃がさなきゃ……」
スバルはあの少年の安否が気に掛かっていた。彼はまだこの階にいるはずなのだ。
「紫のお下げの男の子で……10歳くらいの……」
「あ〜いいの、"それ"は放っといて」
スバルが特徴を話すと、少女は手をひらひらさせて言い放った。最初の神妙な面持ちも、途端に拍子抜けした表情に変わる。
「ちょ……! こんな危険な所に一人にしておく訳にはいかないでしょ!?」
「大丈夫よ。そう簡単に死にゃしないから」
なんて無責任な発言なのだろう。こんな火の中では人など容易く死んでしまうことを自分は知っている。ましてや火災だけでなく悪魔なんてものまでいるのに。
スバルには彼女が本当にシスターなのかも疑わしく思えてきた。
「そうはいかないよ! 私行かなきゃ!」
「だからちょっと待って。あいつは――」
「離して!!」
掴んだ少女の腕を力一杯振り解くスバル。
彼女はきっと家族から、兄弟から逸れて独りきりになったことがないのだ。取り残されることがどんなに怖いことか知らないからそんなことが言える。
スバルに嫌悪と怒りを込めて睨まれ、流石に少女も頭に来たらしい。
「アンタに何が解るってのよ!? あいつら放っておいたら、私もアンタもビルごと潰れ兼ねないのよ!」
少女は再びスバルの腕を取り、更に力を込めて引いた。
言い争う二人は更にエスカレートしていく。それは悪魔の遠い耳にも届き、悪魔はゆっくりと声のする方へと向いた。
「ギギギギ……そこかぁぁ?」
「いい加減にしろよ!!」
悪魔そっちのけで掴み合いになる寸前、怒号が二人の耳を劈く。
声の主は先程の少年だった。
「君達は2人とも任務に来てるんだろう!? それがこんな所で喧嘩してどうするんだ! 君達のすべきことは悪魔を倒すことと、人を助けることだろ!?」
彼の尤もな意見に2人もしゅんとして項垂れた。
こうしている間にも炎は広がって、悪魔は人を襲っているかもしれないのに。
「……悪かったわ」
「あ、うん……こっちこそごめん……」
2人ともお互いに熱くなり過ぎた自分を恥じた。それを見て少年はふっと微笑むが、すぐに笑みは消える。
「悪魔はもう一体いる。それもあの悪魔よりも更に機敏に飛び回る奴だ」
「ええ!?」
スバルと少女は声を揃えて驚いた。現状でさえ持て余しているのに、あんなものがもう一体――。
「ヘリを落としたのも、下の階に炎を広げたのも多分そいつだろうね」
冗談ではない。下からは救助隊が来ているし、避難した市民もまだ大勢留まっている。
ましてや外に逃げられでもしたら――最悪の状況がスバルの脳裏を掠めた。
「私が頼んだ結界はどうなってるの?」
「もう張ってあるよ。もう一体の方も誘き出して結界に閉じ込めてある」
少年は親指を立てて誇らしげに答えた。少女もほっと胸を撫で下ろす。
どうやら二人はチームらしい。それならそうと教えてくれれば良かったのに――スバルはそう思わないでもなかったが、口には出さないでおいた。
「流石は私の相棒。それでそいつは何処に?」
「この階の何処かに」
――少女の笑顔が固まった。そしてスバルも。
ということはつまり、外に逃げられない悪魔がもう一体、この階層のどこかで三人を狙っている。
「最悪……」
溜息と一緒に吐き出された少女の言葉には、スバルも内心頷かざるを得なかった。
文句を言おうと少女が少年に"拳を振り上げた"瞬間――。
「そこかぁぁ人間んん!」
「うわぁ!?」
隠れていた瓦礫が弾け飛び、転がる3人をそれぞれ飛礫が打ちつける。
「痛ぅ……」
なんだか今日はこんなことばかりだ――スバルはそっと一人ごちた。
「何でもっと狭い範囲に閉じ込めないのよ!?」
「どこもかしこも火に囲まれてるから仕様が無い!」
「アンタが怒鳴るから見つかっちゃったじゃん!」
「あんなところで喧嘩してるなんて頭悪過ぎ!」
逃げ回りながらも2人は口喧嘩を止めない。
仲が良いのは結構だが、状況を考えて欲しい――そんなことを考える間もないほどスバルも切迫している。
背中から飛んでくる火球を避けるのもそろそろ限界が近くなってきた。
「聖火弾〈セイクリッド〉は!?」
「効いてりゃとっくに倒せてる! アイツ皮膚が無茶苦茶硬いの!」
「"アレ"はどう!?」
「反動が大きくて接近しなきゃ使えやしないわよ!」
また背後で爆発が起き、床の破片が背中を叩く。直撃すれば消し炭だと考えると足も止まらなくなる。
悪魔は感覚は鈍くても、素早さは見かけによらないようだ。
「何でもいいから手があるならやってよ〜!」
プロがこれではどうしようもない。かくいうスバルも正面から対応する方策を持つ訳ではなかった。
どれほど走ったか――。
もう何十分にも思える気もするし、まだ1分も経っていない気もする。きっと後者だろう。
揺らめく炎の中、スバルは爆音に紛れて微かに声を聞いた。
「お姉ちゃ〜ん……」
声の方向に目をやる、男の子だ。金髪の気弱そうな少年が泣きながら姉を呼んでいる。
「そんな!? まだ人が残ってたの!?」
服はボロボロになって身体中擦り傷だらけだが――生きている。確かにまだ生きている。
だが、それも束の間のことだろうか。
豚の悪魔よりもずっと細身の、それでも大きな影を3人は火中に見た。頭部には左右に突き出した尖角〈ホーン〉。
気付いていないのか、それとも足が竦んでしまっているのか。子供は逃げようとはしない。
「駄目! 逃げてぇ!」
マッハキャリバーは示し合わせた訳でもないのに主の意思に答え、火花を散らしながら全速で影へと迫った。
ここからでは間に合わない――そう頭のどこかで解っていながらも、諦められない。
スバルは振り上げられた腕、その先に鋭く尖った爪を止めようと急ぐ。
高々と掲げられた腕がまさに振り下ろされようとしたその時、スバルの背後から光が輝いた。
「『クロノ』!!」
「『ロゼット』!!」
ほぼ同時に互いの名を呼び、少女――ロゼットは胸に手を当て、少年――クロノは両足を深く沈めて力を溜める。
ロゼットの胸の懐中時計が眩い光を放ち――動かなかった針は、カチリと決して戻ることのない時を刻み始めた。
アニメは黒歴史支援
聖王教会きっての壊し屋支援w
スバルの横を飛び越し、炎の中の悪魔へと飛び込んだのは黒い影。
いや、それは影ではなく翼。
紫の長髪、スラリとした長身の青年。その背中には漆黒の翼が羽ばたいていた。
「坊や、こっちに!」
「う……うん!」
スバルは突如現れた青年に目を見張ったが、今度はすぐに伸ばされた少年の手を取り、身体ごと抱きかかえた。
そして身体を捻り急速反転、一気に悪魔から遠ざかる。振り返ると、青年は悪魔ごと炎の中に消えていた。
「尖角が無い!? 『カルヴ』、こいつは罪人〈とがびと〉だ! 契約者を、そのシスターを殺れ!」
ただ張り上げた悪魔の声だけが響く。
「おおぉぉ! 『グーリオ』ォォ!」
突然の乱入者に驚きつつも、指示通りカルヴと呼ばれた豚の悪魔は標的をロゼット一人に絞る。
『罪人』、『契約者』――その言葉の意味はスバルには解るはずもなかったが。
ただ解ることは、悪魔は彼女を狙うということだけ。ならば助けなければ。
「来るな!」
だがスバルが踏み出した足は、その一言で容易く止められてしまった。
一方ロゼットは、たった一人カルヴに対して聖火弾を撃ちつつ、スバルから遠ざかっていく。着弾と同時に十字の光が幾つも弾けるが、強固な皮膚を穿つにはとても威力が足りない。
「アンタはその子を連れて逃げて!」
「そんな!?」
彼女の疲労は相当なものだ。声からも勢いが感じられなかった。
「もともとアンタの仕事はそれでしょ!? こっちは"私達"の仕事!」
これは彼女が作ってくれたチャンス。本来ならば少年の安全を確保するのが先なのだろう。
だが、その結果待っているのはほぼ確実な彼女の死。
「ギギィ……効かねえなぁぁ」
首をもたげてまたも火球を吐くカルヴ。ロゼットは床を蹴って転がるも、火を帯びた飛礫までは避けきれていない。
「くぅぅ!」
苦しげに呻いて火が燃え移った修道服の裾を引き裂いた。
――バリアジャケットじゃない?
魔法を使わない時点で気付くべきだったのかもしれないが、彼女の銃も特殊なのは弾丸のみ。おそらく銃自体はデバイスではない。
つまり彼女は魔道師ではないのだ。攻撃面ではいざ知らず、防御の面では頼りない。そして肝心の銃弾も効果があるようには見えなかった。
何度目かの火球はロゼットの真横に着弾。走る足取りは明らかに重く鈍く変わっている。そして――。
「くっ……囲まれた……」
一言、苦々しくロゼットは呟いた。
彼女の迷いを感じ取ったのか、腕の中の少年は上目遣いにスバルの顔を覗き込んだ。目には涙が滲み、身体は恐怖に震えている。
これから自分がしようとしていることは多分間違っている。必死に助けを求める、あの日の自分を置き去りにしようとしている。
"悪魔をここで倒せなければ彼らが外へ出てしまう"だとか、"後から来た応援が餌食になる"だとか――様々な思いが胸中を駆け巡る。
それでもこの重みを喪うことは絶対にできない。だが同時に命を選ぶこともできそうにない。
故にスバルは"綱渡りの選択肢"を選んだ。
「ごめん、坊や。ちょっとだけここで待っててくれる? 絶対にお姉ちゃんのところに帰してあげるから……」
スバルは抱いていた少年を少し離れた陰にそっと下ろす。しかし少年はスバルのBJをしっかと握り締めて離してくれなかった。
「行っちゃうの……?」
「ごめんね……すぐに戻るから」
傍を離れると聞いて少年は不安に表情を曇らせる。
こんな危険な場所で子供を一人にするなんて、なんて残酷なのだろう。
「でも危なくなったら私を呼んで。何があっても駆けつけるから……ね?」
優しく頭を撫でて微笑むスバル。その言葉は彼と自分自身への、せめてもの誓いだった。
強く握られた服を解くことはせず、ただ少年が離してくれるまでスバルは彼の頭を撫で続ける。
「絶対……帰ってきてね?」
「うん……」
「あのお姉ちゃんも一緒に……」
「うん。だからほんのちょっとだけ……行ってくるね」
少年にバリアを張ってスバルは立ち上がる。これで炎からは身を守れる筈だ。
キッとカルヴを見据えるスバル。あれほど大きく見えた巨体が今は不思議と小さく見える。
確かにあの悪魔は強い。しかし倒せない相手でもない。
力任せな大振りの攻撃に直線的な移動。離れて見ると動きの粗が見えてくる。自分が冷静さを取り戻したせいもあるだろう。
ティアナの様に策を弄するでもなく、速さだってエリオに比べればずっと遅い。火球だってキャロが操るフリードと違いただ闇雲に撃つだけ。
そしてなによりも――怒ったなのは程恐くはない。
「いける……!」
過信でなくそう思える。ただ、それには彼女の力も必要だ。
「行くよ! マッハキャリバー!」
『All right, my master.』
少年の視線を背中に感じながら、スバルは火の中へと――カルヴへと一直線に道を作った。
「まずいわね……」
荒い息を吐きながらロゼットは呟く。
BJほどではないが、戦闘用の修道服でもある。多少のダメージならばなんとでもなるのだが、生憎と火球の威力は多少では済まない。現に左手は火傷が酷く、銃を取り落としてしまった。
四方を炎に囲まれ、あちこちを負傷している状態で突破は難しい。ただでさえ眩暈を感じてきた今の状態では尚更だ。
「ギギギ……終わりだなぁぁ……」
カルヴは火の壁の向こうでロゼットを見下ろして舌なめずり。完全に勝利を確信しているのか、すぐに仕掛けるつもりはないらしい。
悪趣味にも自分が焼け死ぬのを眺めているつもりだろう。
状況は最悪。クロノの助けは期待できないし、聖火弾は通じない。
それでも彼女は諦めていなかった。最後の可能性に賭けて切り札を装填する。
反動が大きい上に、これでも強固な皮膚を貫けるかは定かでない。仕損じれば二度目は無いことも覚悟している。
諦める気も無ければ引く気も無い。二人で"一緒"に奪われたものを取り戻して三人で"一緒に"旅をしようと誓ったのだから。
痛む左手を無理矢理動かして照準を固定するロゼット。
「神様でも聖王様でもいいから……当たってよね……!」
祈りを込めて引き金に指を掛けると同時に、ロゼットの足元に光の道が伸びた。
「跳んで!! 思い切り!」
背後から灼熱の壁を突き抜けてきたのはスバルだ。ロゼットと重なるウィングロードの上を減速もせずに滑走する。
「アンタなんで!?」
「いいから早く!!」
「〜〜分かったわよ!」
衝突限界で、ロゼットも意味が解らぬままに跳躍した。ジャンプはスバルの膝程度の高さだったが、すかさずスバルはロゼットの靴裏を押さえ、
「うぉぉおおおおおおおおお!!」
咆哮とともに、力の限りロゼットをカルヴへと"打ち上げた"。
かつて相棒を高々と放り投げ、馬鹿力とお墨付きを貰っただけのことはある。投げ上げられたロゼットはほぼカルヴの頭上に届きそうだった。
そのままスバルは一直線に標的へ迫る。勢いは衰えることなく、むしろスピードをそのままぶつける為に加速する。
「ギギギ……悪足掻きしやがってェェ!!」
カルヴが雄叫びを上げて炎を溜める。獲物を奪われたのが余程気に食わないのか、声と殺気が大気を震わす。
「グォォォォォ!」
放たれた火球の熱はカルヴの怒りのままに膨れ上がり、火球というよりもプラズマの光球にまで到達しスバルを正面から迎え撃つ。
受ければ塵一つ残らないだろう。バリアもシールドも無力な光を前に背筋が震える。
それでも軌道は変えない。このラインから自分が動けば彼女の狙いがぶれことになるから。
あくまでも正面から一直線に辿り着く。その為に必要なものは速さ――。
「フルドライブ! ギア・エクセリオン!!」
『Ignition. A.C.S Standby.』
両足に生まれた光の翼が風を掴み、スバルの加速を更なる高みへと導く。
――もっと、もっと速く!
主の意思に呼応してマッハキャリバーは輝きを増す。
スバルは体勢を崩さないギリギリまで身を屈め、
「うぉぉりゃあああああ!!」
力を振り絞り速度を爆発させた。
「ギギィ!?」
光球はスバルの頭上、数cmを掠めて過ぎる。もうコンマ数秒遅ければ蒸発していたことだろう。
少しでも怖気づいて速度を緩めるか、軌道を変更していればこの結果は無かった。ほんの一瞬の踏み込み、前進する勇気が一度きりの好機を作る。
「ディバイイイイイン――」
がら空きの懐に潜り込んでしまえばもう迷うことは無い。
カートリッジは全弾ロード。左手に生み出したスフィアを叩きつけ、砕けんばかりに脚を踏み込み、全身を捻って右の拳で真芯を捉える。
「バスタァァアアア!!」
拳によって打ち出されたスフィアは、光の帯と化してカルヴを貫く。背後の壁まで貫通し文字通りの風穴がカルヴの腹に開いた。
自身の体勢も顧みない無茶な全力全開にふらつくスバル。だがそれだけの価値はあった。
「ガハァッ……!」
腹部を襲った一撃に苦悶の悲鳴を上げることもできずに、天を仰いだカルヴ。口は大きく開かれパクパクと酸素を取り込む。
「やった!?」
そう拳を握った瞬間――ディバインバスターの光も消えぬ間に、それを凌ぐ光が頭上からカルヴごとスバルを包んだ。
「うわわわぁ!?」
ロゼットは空中で忙しなく手足をバタつかせる。彼女の行動は察しがついたものの、まさかこんなに高いとまでは思ってもみなかった。
人の思考が光よりも早いかは不明だが、少なくともロゼットが落下するまでに幾つかの可能性を見出し、実行するだけの時間はあった。
ロゼットの眼下にはカルヴの頭頂部が見える。ここに撃ちこむ――とも考えたが、それではこんな危険な賭けに出た理由としてはやや弱い。
ロゼットは錐揉みしながら空中で器用に体勢を維持する。そして"それ"は起こった。
「――バスタァァアアア!!」
スバルの叫びがロゼットへの合図となる。
――迷える子羊に安寧を。
カルヴの口が上向きに開かれた時、ロゼットはスバルの意図を瞬時に理解した。
――狼の牙に一時の休息を。
広い口の中に照準を合わせ、落ちていく身体を必死に維持しながら引き付ける。仰け反ったカルヴの間抜けに開いた口と銃口、己の視線が直線で結ばれた時――引き金は引かれた。
――そして悪魔に死の鉄槌を。
「福音弾〈ゴスペル〉!!」
聖油を炸薬代わりにした聖火弾と違い、希少銀の弾丸に極小の呪文を転写した魔法弾――福音弾は激しい光を生み、一帯に風――と呼ぶには生優しい衝撃波をもたらす。
カルヴを貫いた二つの光は中心で交わり、巨大な十字架を形作った。
当然カルヴは塵一つ残さず内部から光に焼かれたものの、衝撃波は正面に立っていたスバルは勿論、滞空していたロゼットをも巻き込み、押し飛ばした。
「きゃああ!」
瓦礫ごと吹き飛ばされ、強かに頭を打ちつけるスバル。片やロゼットは滞空状態だった為か踏ん張りが利かず、もっと酷く全身を打っている。
「くぅ!」
脳が揺れて視界が霞む。吐き気が込み上げてくる。
薄れゆく意識の中でスバルとロゼットは声を聞く。声は微かに、だが確実に二人の耳に届いた。
「お姉ちゃーーん!」
と。
スバルは悲鳴に反応してハッと顔を上げる。まだ視界は揺れているが、頭の内は逆だった。悪魔と対峙した時以上の背筋を走る寒気で意識は鮮明に澄んでいく。
ディバインバスターと福音弾の衝撃は、カルヴの火球で穴の開いた床の周囲を崩落させるには十分だった。
少年は今にも崩れそうな床の縁にしがみ付いている。当て所なくバタつく下半身の遥か下方は完全に炎に包まれて足の踏み場もない。
「助けて……」
自分の身体を持ち上げることもできない少年はもがき、徐々にずり落ちていくしかできない。
「助けて! お姉ちゃぁぁぁん!!」
それはスバルを呼んだものか、それとも本物の姉を呼んだものか。
ただスバルは声が届いた瞬間に跳ね起き、同時に走り出す。立ち上がると目が霞み、危うくバランスを崩しそうになる。それでも、少年の声だけを目指して炎の中を駆けた。
途中、頭をぶつけた際の出血が目に入り、スバルは大きく方向を逸らした。が、逸れたことに気付くより早く、足が勝手に少年の方へと向き直る。
「ありがとう……マッハキャリバー」
血を拭い、相棒に礼を告げる。彼も自分が約束を果たせるように、少年が家族の許へ帰れるように力を貸してくれている。
だからこそ助けなければいけない。泣いているあの子を、あの日の自分を。
しがみ付いていた少年は限界に近づいていた。左腕は痺れて今は右1本で辛うじて指をかけている。
それも時間の問題――それも1分と持ちそうにない。引き攣り震える右腕の痛みを必死に堪えていた。手放してしまえば命はないことを幼心に理解しているのだろう。
姉の所に帰してくれる――その言葉だけを信じて耐えていたが、指は少しずつ滑り、やがて身体は彼を裏切った。
指が外れたことで彼の身体を支えるものは無くなり、炎の中に落ちていく。
「わぁぁあああああ!!」
がくん、と強い衝撃。右腕が思い切り引っ張られて痛みが走る。だが熱は感じず、代わりに感じるのは奇妙な浮遊感。
おそるおそる目を開けると、スバルが少年と全く同じ姿勢で床の縁を掴んでいた。
「お姉ちゃん……」
「ごめんね……。ちょっと遅くなっちゃった……」
少年が落下する寸前にスバルは身体ごと飛び込んで、彼の手首と床の縁とを同時に掴んでいた。
それはほんの刹那のタイミング。それを逃せばどちらかを掴みきれなかったろう。
「大丈夫だから……。今、引き上げてあげるからね……!」
右腕に力を込めて少年ごと身体を持ち上げようとする。パラパラと縁から落ちる破片と手元の亀裂にスバルは目を見張った。そして案の定、更に力を入れると脆くなった亀裂は軋み、割れる。
それは全体からすればほんの少しの綻び。しかしスバルと少年を炎の中に落とすには十分過ぎる綻びだった。
「あっ――」
「バカ!」
叱咤と同時に右腕が掴まれた。
ヴェールは取れ、美しい金髪は埃と煤だらけ。修道服は破れ、スバル同様に血を流しながらも、ロゼットはスバルの腕をしっかりと握っている。
「アンタも私に構わずにこの子を逃がしてればよかったのに……」
「ごめん……」
息は荒く顔は随分と青褪めている。全身を強打したのもあるのか、彼女もまた限界寸前らしい。
「いいわよ。私も十分馬鹿だから……」
そう言って彼女はウィンクして見せた。
デバイスで爆走する彼女に追いつくのは難しかったが、どうやらギリギリで間に合ったらしい――ロゼットは内心胸を撫で下ろした。
悲鳴を聞いて彼女が駆け出した時、きっとただでは終わらないだろうと思っていた。あんなに無茶な作戦を本番でやらせる辺り、どこか同じ匂いを感じたからだ。まったく世話が焼ける。
いきなりの連続にきょとんと呆ける少年に、ロゼットは微笑む。
「もう大丈夫……。そっちのお姉ちゃんも大分疲れてるみたいだから……ちゃんと手を握ってあげて。3人で"一緒に"お姉ちゃんの待ってる下に帰りましょ」
ロゼットは足場の無事を確認してからスバルの腕を縁に誘導する。流石に3人を支えることはできない。
少年はようやく少し安心できたのか、泣きながらも少しだけ笑顔を覗かせてくれた。
もう大丈夫――3人のこの言葉は、不安な自分自身に対しての言葉でもあった。その言葉はどうにか現実味を持とうとしていたが、まだ安心はできない。
もう1体の悪魔がいる、クロノの加勢に行かなければ。いや、その前にこの子を安全な場所に避難させる方が先だ。
まだ倒れることはできない。できないのに――。
まず少年の方をロゼットに預けようとするスバルの横で、ふらりとロゼットは炎の穴に倒れこんでいった。
スバルには倒れていくロゼットを目の前にしても何もできなかった。右腕は縁を掴んで左手は少年の手を握っている。
「……!」
叫ぼうにも、できなかった。それがあまりに突然だったから。
ただ倒れていく彼女を目で追うことしかできないスバルの横を影が過ぎった。いや、それは影でなく黒の翼の青年――。
スバルが少年を助けたように上から穴に飛び込んできたのだ。ただ一つ違う点は、彼はロゼットを抱きかかえながら浮遊している。
「ほんとに君はいつもいつも無茶ばっかりして。それと4人で"一緒に"……だろ?」
彼は穏やかに笑いながら胸の中のロゼットに語りかけた。そしてロゼットも少し申し訳なさそうに苦笑いで答える。
「へへ……ありがと、クロノ。その様子じゃ……そっちも終わったみたいね」
支援
――クロノ?
それは元六課後見人で提督でフェイト執務官の兄――じゃなくて、ロゼットのパートナーの少年の筈だ。だが、目の前にいるのは20前後の青年である。
「君も無茶しすぎだよ。まるでロゼットが2人になったみたいだ」
そんなスバルの疑問などお構いなしに、彼はスバルの腕も掴んで引き上げた。つまりロゼットを抱きながら、スバルと少年の分の体重も支えたことになる。
背中の翼といい、どう考えても普通の人間ではないことは確かだ。
「あなたは……誰……?」
「それは……」
搾り出されたスバルの問いに、クロノは目を伏せて困惑を露わにした。ロゼットは気を失う寸前で話せそうにない。
「スバル、私が説明しましょう」
「それよりもロゼットは早く封印した方がいいよ」
そこに助け舟を出したのは、スバルもよく知る以外な人物。
「シスター・シャッハ……。それにセイン……」
ロゼットが懐中時計に手を当て操作すると、クロノの身体は光に包まれ少年の姿へと戻る。
「ロゼット……立てるかい?」
「うん……大丈夫よ。大分楽になったから……」
その場の全員の視線が新たに現れたシャッハとセインに集まる。
シャッハ――聖王教会のシスターであり、ロゼットの騎士としての上司にも当たる存在。
セイン――元戦闘機人であり、シスター及び騎士見習い。教会でシスターとして市民に奉仕することで償いをしたい――本音は管理局よりは教会の方がまだ自由が利きそう、とのことで教会を希望したらしいが、実際はシャッハに首根を掴まれているのが現状である。
視線を集められたシャッハは全員を見渡して溜息を吐いた。
「下階の要救助者は全て救助完了です。このフロアも全て探しましたが、この子以外は全員避難したか、或いは……」
「だったらまずは僕達も脱出した方がいい。脱出した後で必ず話すから……」
クロノがシャッハの後を継いで脱出を促す。それにはロゼットも賛成した。
今の状況も油断はできない。それに――。
傍らの少年に目を落とす。彼にも聞かせたくはないし、早く姉に会いたい筈だろうから。
シャッハはロゼットを負ぶい、セインは少年を抱えて脱出。ロゼットは体力の消耗が激しく、少年もかなり疲労している為だ。
スバルは脱出するまでずっと彼のことを考えていた。クロノ――スバルよりも小さいその少年は、何度か崩れ落ちそうになるスバルを支えてくれた。
彼の正体に関しては大方の予想は付いている。だが、同時にそれが信じ難くもあった。
それはロゼットと彼が深い信頼で結ばれていること。それに今も、あの時も自分を助けてくれたこと。
そして彼はビルを出る際に一度振り向き、
「AMEN……」
静かに目を閉じた。
おかしなことだ。悪魔が死者に祈るなど――。
「お姉ちゃーん! ありがとうー!」
少年は心底嬉しそうに、スバルとロゼットに手を振った。その傍らで泣きながら何度も頭を下げるのは両親らしき2人と、彼よりも頭一つ高いよく似た少女。
「よかった……」
スバルの口から自然と零れた言葉にロゼットも無言で頷く。ロゼットは微笑みながらも、どこか寂しいような遠い目をしている。
ビルの外は管理局員や医者や看護師etc……様々な人間で混雑している。そしてビルの内部では今も消火活動が続いていることだろう。
混雑から少し離れた公園のベンチにロゼットとスバルは腰掛けている。
「さて……それじゃ話すわよ」
ロゼットが向き直ると、スバルも思わず喉を鳴らす。こう改まれるとこちらも緊張してしまう。
「ロゼット、その前にあなたは身体に異常が無いか見てもらった方がいいでしょう。ちょうど長老〈エルダー〉とシャマル先生も来られていることですし」
だがシャッハがそれを遮った。いつの間にか後ろにはセインとクロノも控えている。
「でも……」
「駄目です! 行ってらっしゃい」
ロゼットは不満そうにするが、シャッハがぴしゃりと言い切ると渋々テントへと歩いていく。
「さて、これでいい? クロノ」
「うん……ありがとう。シスター・シャッハ」
改めてクロノがスバルの隣に座り、じっとスバルの眼を見据えた。その眼はとても深く悲しげで、吸い込まれるような感覚さえ覚える。
「始めに言っておくけど、悪魔に関しては話せることは限られてる。これから話すのは僕とロゼット、そしてヨシュアに関してだけだ」
「うん……」
「察しの通り、僕は悪魔だ。『折れた尖角』、『100人殺し』、『爵位剥奪者』……色んな名前で呼ばれた。僕がロゼットと出会ったあれは4年前……とある孤児院でのこと――」
ロゼットは治療を受けながら過去に思いを馳せる。今頃クロノがスバルに話していることだろう。
ヨシュア――身体の弱い弟は他人の傷を癒す不思議な力を持っていた。魔法とも違う光を帯びて、ほぼ数秒で完治させてしまう力だ。
成長に連れて力は強くなったが、その分ヨシュア自身の身体は弱くなっていった。頻繁に発作を起こし、不思議な力も自身を癒すことはできなかった。
それでも彼は明るい性格を失わずにいてくれた。
ある日、偶然迷い込んだ森の奥の遺跡。最奥の扉はヨシュアが触れることで開き、そこで悪魔の少年と出会ったのだ。今にして思えばあれが封印だったのだろう。
彼は自分をクロノと呼んだ――。
「僕とロゼットとヨシュアはすぐに仲良くなって、2人も頻繁に会いに来てくれた。僕の知っている次元世界の話に2人は目を輝かせて、一緒に冒険家になる夢も話してくれた」
クロノは思い出を懐かしむようにぽつりぽつりと昔話を続ける。時に可笑しく時に悲しく、昔のロゼットと同調するように。
「天空を流れる魂の大河〈アストラルライン〉に行くんだ、って」
そこでクロノは一度息を吐き、複雑な面持ちを見せる。その表情に隠されていたのは怒り。
「でも、そんな他愛の無い日々はいつまでもは続かなかった。ヨシュアのことでロゼットが僕に相談に来たある日、僕のかつての仲間、いや共犯者が訪ねてきたんだ」
大鷲の姿を借りた罪人〈とがびと〉、『アイオーン』。クロノを再び仲間に誘った悪魔。
来れば尖角を返す、と。でもクロノはそれを断った。
あいつはそれを予測していたのだろう。既にヨシュアに手を伸ばしていた。
病に苦しむヨシュアの心に付け込み、クロノの尖角を渡して――。
「尖角って……?」
「君が戦った奴にもあっただろう? 悪魔は尖角を通じて霊素〈アストラル〉――君達で言う魔力を半永久的に吸収できる」
確かに2本の尖角があった。だが、青年の姿――本来のクロノにはそれが無かった筈。
「ああ、僕の尖角は奴に……アイオーンによって折られたんだ」
彼はそこで再度言葉を切る。見ているだけで彼の辛さが伝わってくるようだ。
「ごめん……。辛いならもう……」
「いや、いいんだ。話させて欲しい。君は……どこかロゼットに似ているから」
振り向くと、シャッハとセインも伏し目がちで沈黙を保っている。
「孤児院に戻ると、院の全員がヨシュアによって時間を止められていた。それが悪魔の持つ時間凍結の能力。僕の尖角を無理矢理融合させたヨシュアは頭の中のノイズに苦しみ、力を暴走させたんだ」
クロノはきつく歯を食い縛り、拳を握った。きっとこれが彼にとって最も勇気の要る部分なのだろう。
「尖角の無い僕は無力だった。それを止める為に、ヨシュアを取り戻す為に僕はロゼットと契約したんだ……」
「契約……」
「霊素は命の欠片……。霊素を吸収することのできない僕が力を使うには、彼女の魂――すなわち寿命を貰うしかない……」
彼女の懐中時計は彼女自身の時間。彼女の疲労は魂が直接吸われていたから――。
「シスターとセインは……知ってたんですか?」
シャッハもまた悲痛な顔で俯く。拳は固く握られて震えている。
「ええ……そうまでしてもヨシュアを取り戻すことは叶わなかった。結局ヨシュアはアイオーンに誘われるままに消えてしまった……。それでも諦めない為に彼女は悪魔に魂を売ったのです」
「ロゼット……30までは生きられないだろう、なんて笑いながら言ってたよ……」
ようやくスバルは理解する。クロノはこれをロゼットに話させたくなかったから、彼女を追い払ったのだと。
どうしてそんなことを笑いながら言えるのだろう。何が彼女をそこまでさせるのだろう。
「まだ何も終わっていないからよ。ヨシュアは何処かで生きてる。私もまだ生きてる。
あの子を失ったまま生きるくらいなら、たとえ命を燃やしてでも私は一緒にいたい。クロノとヨシュアと私の3人で行こうって約束したんだから」
スバルが振り向くと、ロゼットが腕組みをして立っていた。
「何泣きそうな顔してんのよ。アンタ……兄弟はいるの?」
そんなに泣きそうな顔をしていただろうか。スバルは袖で目を擦ってから答える。
「姉が1人……」
答えた声は自分で思っていた以上に涙声だった。
「兄弟が苦しんでれば助けるのが、過ちを犯したなら止めるのが兄弟の義務……違う?」
こくこくと首を縦に振るスバル。
彼女はとても強い――そう思っていたが、それを聞いて得心がいった。それはごく当たり前のこと、自分も同じだったから。
「私……あの子のこと何でも知ってると思ってた。ずっと護ってあげようと思ってた。でもあの子は同情されるのが嫌だったんだ。だからアイオーンの口車に乗せられて……」
その瞳は強い意志と決意に彩られて、輝きはクロノとスバルの心にも光を差す。
「でもそうじゃない……。守るとか守られるとかじゃなく"一緒に"、そう伝える為に戦うの。もっともっと強くならなくちゃ……そうでしょ、クロノ?」
「ああ、そうだね……"一緒に"強くなろう、ロゼット」
シャッハとセインも同様に微笑む。もしかしたら、これこそが彼女の強さなのかもしれない。魔法が使えなかろうと、傷つこうと消えない決意こそが。
「それなら……早速帰ったらカリムとケイトのお説教が待ってますよ。今回の件、あなた達の責任ではないとはいえ、事が大きくなり過ぎましたから事情聴取も兼ねて」
シャッハが手を叩いて促す。対する2人は急に苦虫を噛み潰したような顔に変わった。
「その後は私とユアンで戦闘訓練ですから、覚悟しておくように」
「あははは、大変だねー2人とも」
それを見ていたセインが他人事と笑うが、シャッハの視線は彼女にも向いた。それも鋭い視線が。
「セイン、そっちはあなたも参加ですよ」
「嘘!?」
途端に空気が和やかに変わって、ロゼットはクロノやセインと笑いの中にいる。
彼女は可哀想、とか不幸だ、と言われるのを嫌うだろう。そう思われることも。
だから自分も思わない。彼女は大事なものを取り戻す為に必要な力を、パートナーを持っている。
「何いい顔してるんですか、スバル。あなたの隊長さんもカンカンでしたよ、すぐに連れてきてくれと頼まれました」
「え〜……」
がっくりと項垂れるスバルを見てロゼットやクロノも笑う。お説教は勘弁だが、今は3人と笑い合えることが少し嬉しかった。
「さて……と、それじゃ帰ろっか、クロノ」
一頻り笑って3人とスバルは別方向へと別れる。そして最後にロゼットからスバルへ右手が差し出された。
「まだ自己紹介してなかったでしょ? だから――私がロゼット・クリストファ。あっちはクロノ」
「あ、うん……。スバル・ナカジマ」
スバルも慌ててその手を握り返す。固く握った手は温かかった。
「ありがとう。アンタのおかげで助かったわ」
「ううん……。こっちこそ」
スバルは首を振る。
自分も助けられたし、彼女を助けもした。それでいいのだ。
一方通行でなく、"一緒に"。それが彼女の望む在り方。
「ねえ、ロゼット。私も、もっともっと強くなるね」
「うん、その時は……また"一緒に"頼むわ」
厳重な警備も堅牢な防壁も彼は突破してきた。潜入など不可能な筈の監獄を、彼は力ずくで正面から壊してきた。
「あなたが……ジェイル・スカリエッティ?」
「そうだが……?」
金髪の、まだ幼さを残した少年は黒のスーツの上下を着崩している。しかしスカリエッティの目を奪うのはただ一つ、こめかみから後ろに伸びる一対の尖角。
なるほど、拘置所――その中でもとびきり警備の厳重なここまで一直線に破壊するなどと、人間には不可能な芸当をやってのけるのはこの尖角があるからか。
「名前を聞いてもいいかね?」
「ヨシュア……」
どこか虚ろで夢見がちな瞳で答える少年に、スカリエッティは然程興味は示さなかった。
「いや……私が聞きたいのは君のことだよ」
彼が指した先にいるのは、ヨシュアと名乗った少年の肩に止まっている鷲だった。
指されたことがさも愉快と、大鷲はけたたましく笑う。
「ハハハハハ! こりゃあいい。流石だよ、ジェイル・スカリエッティ。俺が来たのはアンタを俺の計画に誘う為だ。この世界をひっくり返せるぜ?」
「……」
スカリエッティは沈黙を守っている。
正直、心惹かれる内容ではない。今更管理局に恨みがある訳でもないし、別段世界を破滅させたい訳でもない。
「不満か……。俺と一緒に来ればアンタに面白い研究テーマとその場所、そして実験材料を提供しようと考えてるんだがな」
「ほう……。詳しく聞かせてもらおうか」
これに彼は興味を引かれた。世界を破滅させたい訳ではないが、実験の結果、世界が破滅しようと別に構わない。
「ここじゃゆっくりとは話せない。一緒に来てもらえればそこで話すんだが?」
暫く逡巡した結果、スカリエッティは重い腰を上げる。
新たな研究、新たな実験――その目の奥には狂気染みた悦びが輝いていた。
「それで君の名は?」
「アイオーン。アンタと同じ罪人だよ」
「予告?」
『シャッハ』
「どういうことですか、ユアン!? 群体〈レギオン〉の割合をこれ以上増やすなんて……」
ユアン・レミントン牧師。外見は30少々といったところだが、実年齢は不明だ。その理由は彼の肉体にこそある。
「もう戦いのゴールは見えている。だからあと少し走り抜く為に、最後まで戦い抜く為に」
さらっと言い放つ彼は、誰よりその危険を知っている筈なのだ。
レギオン――悪魔の体細胞。それは宿主に異常な再生力、そして身体能力をもたらす。割合を増やす程に悪魔に近づいていくのだ。身体だけでなく心までも。
「止めて下さい! あなたは40%のレギオンを宿しています。これ以上増やせば何が起きるか……」
眠ることすら必要とせず、許されない。気を抜けばレギオンは人の部分を食い尽くそうと動き出す。
尚且つ、専門家の調整でバランスを保たなければ死に至る、酷く不安定な身体なのだ。
身体に埋め込まれた電極。張り巡らされた神経。まるでコンピュータのような肉体。
胸の中心には大きな傷痕が走り、それだけが彼の"人間"の残滓だった。
「それなら私がレギオンを移植します……!」
「駄目だ、君がそんなことになればカリムが泣く」
そう言い残して去っていくユアンにシャッハは何も言えなかった。
本当ならば背中に泣き縋ってでも止めたい。だが、自分はカリムを護る為に在る。だからその分先陣の彼に負担を負わせてしまうのを止めることはできない。
「あなたが死んでもカリムが泣きます……」
精一杯考えても、シャッハにはこの程度の言葉しか掛けられなかった。
『セイン』
突如飛来したブーメランブレードをセインは『ディープダイバー』で辛うじて回避する。
「これは……セッテ!」
「セイン、あなたがあくまでドクターの妨害をするなら、あなたに壊れてもらわなければなりません」
「そんな……」
脱獄したとは聞いていたが、それでも何故彼女が自分を襲って殺そうとするのか、セインには理解できない。
「何で……」
背後に気配――と、感じた時には既にセインの側頭部は蹴り飛ばされていた。
「うぁああ!」
軽く数mを飛ばされたセインは、現れたもう1人を霞む目で確認する。
目に見えない程に素速い蹴り。こんなことができるのは――。
「トーレ姉……」
「私達はドクターによって望まれ、生まれた。我々の望みはドクターの望み。自分の生きる意味や生き方を探すなど考えてはいけない。いや、とうの昔、生まれた時から決まっている」
あくまでも博士に忠誠を誓い、博士と運命を共にすることを選んだ4人。迷うことなく己の道を決めることができた4人がセインには内心羨ましくさえあった。
「本当にトーレ姉とセッテなの……?」
トーレは厳しい人だったが、誰よりも妹思いで面倒見も良かった。こんな風に妹を傷つける人ではない。
それを確かめる為に、セインが駆け寄って手に触れようとした瞬間にトーレの姿は掻き消された。この消え方にも見覚えがある。
「クア姉……!」
「駄目よセインちゃん。あなた達がドクターを裏切った時点でもう私達は姉妹じゃないの。姉なんて呼ばないでほしいわね」
罵られても仕方ないとは思っていた。それでも妹のことを見守ってきてくれた姉達ならいつかは理解してくれる。
だが、そんな想いは幻想だったと気付かされてしまった。
「セイン……彼女達はレギオンに支配されてしまってる。操られているんだ。戻れるかは分からないけど……このままじゃ侵食は進む一方……」
セインの側に降り立ったのは悪魔の姿をしたクロノ。
「クロノ……。でもどうすれば……」
「少なくとも今は……これしかない」
悪魔はレギオンを操作して自らの右腕を剣に造り変える。セインから隠された彼の表情は苦痛に満ちていた。
ロゼットの死に様は美しかったよ支援
『スバル』
空を往く巨大な箱舟、魔界〈パンデモニウム〉の中枢部で二人は対峙する。
スバルの前に立つ彼は、尖角と己の力に翻弄された哀れな少年。だが今のスバルには脅威でもあった。
「ヨシュア……だよね? すぐに分かったよ、ロゼットとよく似てる……」
「ロゼット……姉さん」
尖角と肉の接点からは太い神経が伸びている。それが彼を侵食していることは素人のスバルから見ても明らかだった。
「そう……あなたの姉さん。ロゼットがあなたを呼んでるの。だから正気に戻って……」
「何を言ってるんだい? 僕は正気だよ」
「違う……」
「さあ、姉さんの所に案内してよ。世界を編み直して、邪魔者は全て止めて、僕達だけで穏やかに過ごすんだ……」
彼の虚ろな瞳には誰も映っていない。スバルもロゼットも自分さえも。
ただ形の無い姉の幻影だけに囚われている。
「駄目だよ……今のヨシュアじゃロゼットを悲しませるだけだから」
彼はまるで夢の中を彷徨っているよう。幻想の中で、都合のいいものだけを求めて。
もう言葉は通じそうにない。
「ふぅん……。なら君はもう要らないよ……」
ヨシュアは軽く首を捻る。直感で危険を感じたスバルはすかさず飛び掛かった。
対するヨシュアは手を翳しスバルの拳を受け止めるつもりのようだ。
殺すつもりのない非殺傷の拳とはいえ、まともに受けきれるものではない。このまま押し切って叩き込む――スバルはそう判断した。
「ハハッ、単純だね……」
翳したヨシュアの手から光が溢れる。光はスバルの拳を包み、その勢いを止めた。
正確にはスバルが驚きのあまり振り切れなかった。何故ならば、彼女の肩から先は凍りついたように動かなくなっていたからだ。
「これは……」
時間凍結――ロゼットから聞いていた筈なのに、それと気付くことができなかった。
「その腕はもう使えないね」
拳を開くことも肘を曲げることもできない。彼の言うとおり、これでは使えそうにない。
だが――。
「うぉぉおおおおお!」
右が駄目ならば左がある。咆哮を上げながら、余裕の笑みを浮かべるヨシュアの頬にナックルの無いスバルの左拳がめり込む。
これまで虚ろに笑みを張り付かせただけだった表情に、今初めて驚きの色が表れている。派手に倒れた口元からは一筋血が流れた。
「本当は私がやるべきじゃないんじゃないかって思う。誰よりもヨシュアと話したいのは、ヨシュアを止めたいのはロゼットだから。決着を着けるのもロゼットの役割……」
ギンガと対した時を思い出す。戦いたくはなかったが、今ではそれが自分が成すべきことだったとも思う。
「でもロゼットには……もう、時間が無いから……だから」
痛む拳を握ってヨシュアに突きつけるスバル。目には僅かに涙が滲んでいた。
「だから少しだけ私がやる。ぶっ飛ばしてでも目を覚ましてもらう。その尖角へし折ってでもロゼットの所に連れて帰る!」
時代を駆け抜けた少女がいた。横には常に一人の悪魔がいた。
そして傍らには2人の旅を支え、時に導き、見届けた者達がいた。
これはその全ての人々の物語――。
20008年春 連載開始予定
しかし投下ってこんなに緊張するものなのか……。長々と失礼しました。
ということで、いつかやってみたいシリーズ『クロノクルセイド』でした。第一話っぽいですが、続きません。
どうも一話で設定を伝えようと思うと宣伝臭くなります。なので宣伝ついでに、これは原作漫画とアニメがありますが、原作は強くお薦めです。
「終わり良ければ全て良し」を(アニメは逆の意味で)痛感させてくれました。
終盤は妄想が先走ったり、分かる人にしか分からない予告とか、駄目な点も含めてこれで初心に帰れたので次こそは。
さて連載するまで子々孫々語り継ぐか
0を一個消すんだ
GJです。
操られているとはいえ非情ですねセッテは…。
誰も投下する人が居ないようなら五十分ほど時間を空けて十時五分くらいに
Bパート投下したいのですが構わないでしょうか?
それとももっと時間空けた方がいいですかね?
GJ!
さあ書くんだ!
そろそろ投下しても構いませんでしょうか?
支援
OK
なのはStrikerS-NEXT五話「捜し求める者達」Bパート
「とにかくデータと照合してみるよ。今までライオトルーパー隊が送ってきた写真もデータ化されてる訳だし
ハッキングすればなんとか…。連絡先教えてもらえるかな?」
「……お願いします。」
一瞬躊躇うが携帯電話を差し出すかがみ。
「解った…じゃあ…。」
ドンドンドン…ドカッ!
「開けろコラァ!」
「やっぱりだ!どうせここだと思ったんだよ。ありましたぜ!」
「あの見慣れない女どもが犯人か。てめえら動くな!」
乱暴にドアを開けると部屋に怒号とともに乗り込んできたのはライオトルーパーである。
部屋の一角に畳まれた制服とアクセレイガンを見て一人が声を上げた。
「よし。しょっぴけ!」
隊長の命令一下五人のMP隊は有無を言わさずかがみ達三人をしょっぴいていく。
「ちょっと待って下さい!その子達は…。」
「いや、大丈夫だ…。」
エイミィを止めるチンク。彼女にはある確信があった。
そして…
「あっ…あの…コンタクトとれちゃったデス〜!ちょっと探させて下さい!お願いデス〜!」
玄関を出て廊下を少し行った辺りでパティが突然悲鳴を上げた。
「何ぃ?言うに事欠いてコンタクトだと?目が悪いようには見えないがな。」
「両方で二万yenもシタんデス!お願いヘルプミーー!!」
「勝手にしろ。チッ…。んん。」
目を畝ませて懇願するパティに渋々といった様子で仲間を促すと立ち止まるライオトルーパー部隊長。
「住宅リフォーーームっ!」
しかし次の瞬間!彼女の顔に紋章が浮かんだ。
パティが彼女の持つオルフェノク体「チーターオルフェノク」に変身。
間隙を突いてライオトルーパーを手甲のカギ爪で薙ぎ倒す。
「おっ…て…手前っ!ぐぁ!」
それに気を取られた瞬間かがみを拘束していたライオトルーパーが壁に叩きつけられた。
まるでボクサーを思わせる装飾が各部に散見されるかがみのオルフェノク体「カンガルーオルフェノク」である!
「野郎!」
今度はみゆきを捕まえていたライオトルーパーがアクセレイガンでつっかける。
しかしカンガルーオルフェノクは素早いフットワークで刃の切っ先をかわした。そして
めきり。
凄まじいフックが炸裂。ライオトルーパーが糸の切れた操り人形のようにくず落ちる。
「早く入って!」
エイミィの言葉に従うまま踵を返してエイミィの部屋に駆け込む3人。
「痛っ…逃がすかよ!」
「なんだ手前!そこを退け!」
素早く追いすがるライオトルーパー隊。だが
玄関にはエイミィが仁王立ちで立ちはだかった。
「もう一度しか言わないぞ。退け!」
「ヤです。」
「……ハア?」
「だから嫌です。ここは私の家ですから。入りたかったら正規の捜索令状を提示してください。」
エイミィはライオトルーパーの無表情なメット越しに容赦なく浴びせられる殺気に一歩も引かず言い返す。
「ふざけろ!こいつもやっちまえ!」
いよいよ頭に血がのぼったライオトルーパーの声とともに
アクセレイガンがエイミィに向けられ、一斉に火を吹いた。
しかし…
「何っ…。」
エイミィはホタルの能力を持つオルフェノク体「ファイアフライオルフェノク」に変身。
アクセレイガンの光子弾は直撃せず
悉くファイアフライオルフェノクの右腕に装着されている篭手の結晶体に吸い込まれてしまうではないか。
「うっ…?かっ…構うな!圧倒しろ!」
ライオ隊は構わずアクセレイガンを乱射しつづける。しかし結果は同じだ。
攻撃はファイアフライオルフェノクの篭手に全て吸収されてしまう。
「や…やめんか貴様ら!室内で発砲などと…うっ…?」
真っ先にチーターオルフェノクの攻撃をまともに受けてフラつく部隊長は隊員をなんとか制止しようとした。
しかし隊員は耳を貸そうとはしない。次の瞬間彼はファイアフライオルフェノクの
篭手にある変化が起きている事に気が付いた。
篭手の光が弾を吸収にするつれ光を増していくのだ。即座にある推測に考えが及んだ。
「おい本当にやめろ!射撃をやめるんだ!」
大声で怒鳴る。そして怒鳴りながら腰のホルスターから光子弾ではない実弾が装填された大型サブマシンガン
「GM01改5式」を抜いて構えようとしたその時!
「わあああああああ!」
ファイアフライオルフェノクの篭手の光が弾け、ライオ隊に襲い掛かった。
床に折り重なるように倒れ、倒れたはしからライオトルーパーの変身ギア・スマートバックルがオーバーヒートし
隊員達の変身が解除されていく。篭手に吸収した光子弾のエネルギーを一気に放射したのだ。
「…まだやりますか?」
「き…貴様!」
壁に映し出される青白く縁取られたエイミィの影=ファイアフライオルフェノクが隊長を睨みながら言った。
勿論隊長も引く気は無い。右手には篭手に吸収される事の無い実弾が装填された
GM01五式。左手にはダガーモードのアクセレイガンを構えている。だがその時
「そこまで!その辺で手打ちって事にしようよ。このまま戦いを続ければ今回の事が明るみに出る。
つまりそいつらが今簡単にのされた事も制服と銃が盗まれた事もバレちゃう訳でしょ。
そうなれば隊長さん、あなただって不味いんじゃない?勿論エイミィさんや私らだって不味いよ。
なくなった制服と銃はそこにあるでしょ。今回の事はクア姉に頼んでデータ操作してチャラにしてもらうから
この人達も見逃して今日のとこは引き上げるのが利口じゃないですか?」
状況を見守っていたセインが仲介に入ったのだ。
「………く…くそっ!いつまで寝ているんだ!起きないか!」
気絶した隊員を叩き起こして促すとガンと制服を預かって引き上げていくライオトルーパー隊。
支援
sienn
「サンキューセイン。ちょっと頭に血が上りすぎてたよ。」
「別に構わないさ。さ、そんじゃもう行きなよ。」
「それじゃあ…。その、有難うございました。」
「シーユーアゲイン!」
エイミィとセイン達に頭を下げると
この部屋は三階でありそれなりに高いのだがなんなく飛び降りていくと
(彼女らのオルフェノク態のモチーフとなった動物がいずれも身軽である事もあるのだろうが。)
チーターオルフェノク=パティとカンガルーオルフェノク=かがみは寮の建物の裏にある路地へと消えて行った。
「それでは…お世話になりました皆さん。またご縁があれば…。」
二人に遅れてみゆきが深くお辞儀をすると窓際に立つ。そして…。
「えっ…?すごっ…。」
「綺麗…。」
見守っていたセイン達が感嘆の声を漏らした。
華奢な胴体をすっぽり包み込んでしまえそうな程に大きい羽根を広げ、普通のオルフェノクの
銀色とは趣のやや異なる純白の体。これが高良みゆきのオルフェノク体。
ガの能力を持つ「モスオルフェノク」だ。
「さようなら。」
壁にこれまた艶かしい裸体を投影しつつちらと振り向くその様はまるで神話のワンシーンの如きである。
見とれるのも無理は無いだろう。そしてそのまままばゆく光る燐粉とともに
羽を遠慮がちに羽ばたかせ、ゆっくりと降下していく。
「行ってしまったたねディード…。」
「ああ…行ってしまったなオットー。」
「あの人たちの友達って生きているのかなあ?」
「さあ…でも生きていればいいな。」
ディードがオットーにやさしく微笑んだ。
「アタシは生きてると思うッスけどね〜。
こういう気楽そうな顔した人って案外しぶといもんスよ。要領もよさそうだし。」
「なによりあの人たちに悲しい顔は似合わないし…そんな目に遭う理由も無い。私達はともかく、な…。」
「チンク。あなた達にも…というより不幸な目に遭わなきゃならない人なんか
何処にもいないんだよ。でも……面白くなってきたなあ。」
市井のオルフェノクにも人間との共存を望みスマートブレインに反感を持つ者が居ると解ったエイミィはチンクをたしなめると呟いた。
ここまでで。
あう…誤字発見。
「行ってしまったたねディード…。」
の部分なんですが「た」が一つ多いんで
「行ってしまったねディード…。」
に修正をお願いします。
みゆきが変身したモスオルフェノクだけ詳細に描かれていますが自分はどっちかってーとこなた派であります。
>>441 GJ
少しずつだけどストーリーのテンションが上がってきているの感じられます。
支援
>スクリームさん
GJ
相変わらず表現力の高さに驚くっス。
テンションもだんだん上がってきたようなので、仮面ライダースピリッツの燃え上がる展開を、これから楽しみにします。
445 :
なのウタ:2007/11/25(日) 23:33:26 ID:VaAe1+HE
GJ!
かがみんはカンガルー……確かにウサギと顔が似ているといえばそんな気も
……そういえば、羊前社長や折り紙得意な蜘蛛とかラッキークローバーの良心の鰐の人とかには出番あるんでしょうか?
鰐さんはかなり後になりますが出番があります(ちょい切ない役ですが)。
羊前社長と蜘蛛は未定。
北崎と海老姉さんは出番があります。
海老姉さんは(建前上は)人間解放軍に付いてるある悪女キャラ(バルバではないっす)
と因縁があるという設定。
あとヴィヴィオはスマートブレイン側に捕まってます。
この前ちょっと思いついたネタがあり、それを短編にしてみたのですが投下してもよろしいでしょうか?
それとなのはさんの悪魔ネタって大丈夫ですか?
GJ!!です。らきすた勢&エイミィが強いぜッ!!
そういえば本編にスズメバチのオルフェノクとか出ましたっけ?
昆虫界では最強に近いから強そうな気がしないでもないですが。
449 :
×DOD:2007/11/26(月) 00:28:28 ID:6MFXYRuf
450 :
447:2007/11/26(月) 00:32:01 ID:lE9hX52G
この『小ネタ』はぼくが歩き出さない話だ。
肉体が…という意味ではなく青春から大人という意味でもなく…
ぼくの名前は『ジョニィ・ジョースター』
最初から最後まで本当に謎の多い女の子「なのは」と出会ったことで…
魔法少女リリカルなのは、始まりません。
海鳴市にある公園。なのは、アリサ、すずかの三人は学校帰りに塾に行くときにここを通る。
三人がいつものように雑談しながら公園を歩いていた時、すれ違った散歩中の犬がなのはたちに吠え出した。
飼い主がそれを制するが犬がおとなしくなる前にアリサが「Be quiet!」と吠え返し、犬はおとなしくなった。
この流れになのはとすずかが苦笑した時、なのはが何かをふんだ。
「あれ?」
なのはは足元にあるものを拾い、アリサとすずかに見せる。
「ケータイ?」
なのはがふんだのは携帯電話だった。
ストラップは星型の装飾と文字が付いており『ジョニィ・ジョースター』と読める。
普通に考えて、無くしたらまずい物であることは間違いない。
「誰が落としたんだろう…?」
すずかがそう言い、
「あの人じゃない?」
アリサが前を車椅子で進む人を指差し、
「じゃあちょっと聞いてみるね」
なのはが車椅子の男へと走り出す。
車椅子の男の横に行き、話しかける。
「すいません」
車椅子の男は車椅子を止め、なのはのほうに顔を向けた。
「これ、貴方のですか?」
なのははそう言って携帯電話を見せる。
男はそれを見て驚いた顔をした。
そしてすぐに微笑み、
「ああ、それはぼくのだ。落としたみたいだね。拾ってくれてありがとう」
と言い手を伸ばした。
なのはは男、ジョニィの手に携帯電話を渡そうとして、
互いの手が触れ合った。
451 :
447:2007/11/26(月) 00:35:38 ID:lE9hX52G
ところでみなさんはスタンド使いになる方法をご存知だろうか、
その方法についてちょっとおさらいしてみよう。
一,生まれつき持っているか遺伝によって。
二,『矢』に刺される。
三,悪魔の手のひらで手に入れる。
もちろん例外もあるが基本的にこの三つである。
さて、今回は三の『悪魔の手のひらで手に入れる』を見て欲しい。
深読みする必要はなく、ただそのまま見てくれれば良い。
もう少し解りやすく言うならこうなる。
悪魔の手のひらで手に入れる
↓
悪魔の手のひら
↓
悪魔
はい、再開。
ねーよw
支援
453 :
447:2007/11/26(月) 00:38:30 ID:lE9hX52G
「痛ッ!」
手が触れ合った瞬間、なのはは手に痛みを感じ、悲鳴をあげた。
手には刃物でつけたような切り傷があった。
傷は浅く、それこそ唾でもつけてれば治りそうなものではあったが傷は傷だ。
「ちょっと!なのはに何をしたのよ!」
アリサがジョニィに噛み付く、だがジョニィにはまったく心当たりが無い。
だがおそらくは自分がつけたものだろうとジョニィは考え、謝った。
「爪で引っかいたのかな?すまない」
そしてなのはの手を傷つけてしまったらしい自分の爪を見て、驚愕した。
「爪が……爪が回転しているッ!?」
高速回転する爪、これがジョニィの能力『牙(タスク)』
この爪の回転でなのはの手を切ってしまったのだが、なのはは運が良いといったほうが良いだろう。
何故ならこの爪の切れ味は人体を真っ二つにする事ができるほどなのだ。
ちょっとした切り傷ですんだなのはは幸運だっただろう。確率にしたら五十億分の一くらいのラッキー。
この爪の回転を気持ち悪いと思っているのはジョニィもだったが、
彼女らを追っても何も分かりはしないだろうし、何かあってもこの時間にここで張り込めば見つけられるだろう。
そう考えたジョニィは逃げている彼女らを見るのをを止め、回転してるはずの爪に目を向けた。
だが爪は回転していなかった。
ジョニィは不思議に思い、回転するよう念じてみた。
すると爪は再び回転しだし、ジョニィが止まるよう念じると止まった。
どうやらこれはジョニィの意思で操れるらしい。
「これならカッターナイフ代わりにでもすれば良いか」
人に見せても気持ち悪がられるだけなので人前では使えないが、車椅子の身である彼には便利な道具になりそうだった。
そしてその夜…一匹のフェレットが森の中で静かに息を引き取った…
魔法少女リリカルなのは、始まらなくなりました。
以上です
『悪魔』って言葉を見て、なのはさんを思い出してしまった事からこうなりました
淫獣の扱いについては謝る事しかできないですが、結局何も起こらないというオチにしたかったので
彼のファンの人、ゴメンナサイ
なんというwwwww
>>454 淫獣ぅぅぅぅ!
GJ。
わろかさせていただきました。
は、僕は何を(ry
>>454 オチでちょっと驚いてしまいましたよww
ともあれGJでしたw
簡単すぎる…あっけなさすぎる…
460 :
×DOD:2007/11/26(月) 00:46:50 ID:6MFXYRuf
>>454 淫獣カワイソス( ´・ω・)
だがワロタwwwww
>>446 うーん。正直私はNEXTの結末、
デラシオン介入→ギガエンドラでリセット。
しか思い浮かばないんですよ。
なんでこうなるか?っていう考えは、あるんですけどね。
>>454 何から何までひどすぎるwwwww
GJでした!
>>454 GJです
凄く笑わせてもらいました
あと投下してもいいですか
464 :
×DOD:2007/11/26(月) 01:02:22 ID:6MFXYRuf
カモン!
しかし、私は眠気に耐えられそうにないので、明日の投稿に備えて寝る!(ぇ
リリカルなのはFeather 第一話「覚醒する天使」
土星の衛星付近に一つの流星が隕石にぶつかり、其処には禍々しい悪魔がいた
「あれが地球か」
その声は何処までも暗く響いている
隕石が割れ、其処には獣の姿をした悪魔が現れた
「あそこにゴッドライディーンが隠せれてるのだね、ルーシュ様」
「この銀河の12星座が結界となり、あの地球にゴッドライディーンが封印されている、そしてその結界を解くには12個のゾディアックオーブを手に入れければならない」
「このバーサーカーにおまかせを、ひゃゃゃゃ」
その下品な笑い声が響く
「何としても全能なゴッドライディーンを我が物とし、この全宇宙の全てを我が物にする」
一枚の羽が宙を舞い、ある病室の窓に留まった、その病室には昏睡してる宮坂瑠璃と必死に話しかけている鷲崎飛翔が居る
「流星群が土星に激突した時の様子を観測者の手によって写真に納められている、信じられない事であるが
撮影された写真の中には人影らしき物体が写っており宇宙人では無いかと波紋を呼んでいる、どう思う?瑠璃こゆう話好きだろ、早く目覚ましたほうがいいぜ」
ゴッシプ雑誌の取るに足らない記事を読み上げ、必死に瑠璃に話しかけている所にドア開き疲れきった瑠璃の母親が入って来た
その声は生気を余り感じない声で
「飛翔君、何時も御見舞いごめんね」
「いえ、俺こんな事しか出来ないから」
「お医者様からも切っ掛けがあれば目が覚ますと言われてるけど・・・」
その言葉に飛翔は強く答えた
「大丈夫です、瑠璃は必ず目を覚します!」
「ありがとう、飛翔君」
ほんの少しだけ笑顔になってくれた
「あっ、すいません俺、用事があるので」
飛翔は申し訳そうに病室を後にする
そのころクラウディアではある問題が発生していた
「離してください!どしてもその宝石が要るんです!」
エリオ・モンディアルは何人かの隊員に取り押さえられている、そこにヴィータが詰め寄ってきた
「てめぇ、いい加減にしろよ!この宝石がどれだけ大事な物か分かってんのか!?」
ヴィータの怒声が辺りに木霊している所にフェイトが仲裁し様としている
「エリオもヴィータも落ち着いて、これ以上争ってもしょうがないから」
フェイトの横にはピンクの髪の毛の女の子、キャロ・ル・ルシエも泣きながらも必死に止めようとしている
「ケンカは良くないです」
その光景にみんな気まずくなる、エリオとヴィータは俯き
フェイトがキャロを名で宥めている
「キャロ、大丈夫だから、もうエリオもヴィータも喧嘩してないから、ねっ」
フェイトの視線がエリオ、ヴィータに向く
「…はい」
「おう」
それぞれ生返事であるが答えた、
「だからもう泣かないで」
そうキャロに話しかける
「はい」
まだ泣き声だが笑顔で答えた、其処になのは達も駆けつけ
なのははある提案をする
「そうだ、みんなでコンサートに行って見よ、すごく楽しめるはずだよ」
スバルは嬉しそうな顔で
「なのはさんとコンサートか楽しそうだね、ティアナ」
とティアナに伝え、当のティアナは
「そのコンサートは誰がするんですか?」
なのはは嬉しそうに
「フィアッセ・クリステラ さん、とっても歌がうまい人だよ」
答えていた所にはやてが後ろから肩を掴み
「あれぇ〜?なのはちゃん、もしかして行くつもりなん、おかしなぁ今日は大事な用事があるって言ってるのにな?」
はやての気迫になのはは直に折れた
「ごめんね、スバル達で行って来て、フェイトちゃん行こう」
「うん」
なのはは落胆の表情で去っていく
支援
469 :
×DOD:2007/11/26(月) 01:18:03 ID:6MFXYRuf
支援
「・・・で、どうする行くのか?」
ヴィータがスバル達に問い掛ける
スバル達もなのはのとっても歌がうまい人に興味があるので
「行きます」
スバル達はコンサート会場に向かう
飛翔は道に落ちてる白い羽を手にとって見つめてる所に妹のつばさに注意されている
「お兄ちゃん、はやく行こうよ、せっかく苦労してフィアッセ・クリステラのチケットが取れたのに遅れたら大変だよ」
「そう焦るなまだ時間はあるから」
そう言い羽をスボンのポッケトに入れた、つばさは何か言いたそうな顔をして飛翔の方を見つめている
「ん?どうしたつばさ」
「あのね、会場まで抱っこしてほしいのダメ?」
「はぁ、分かったから行くぞ」
「うん」
飛翔達もコンサート会場に向かう
コンサート会場に着いたスバル達と飛翔達はそれぞれ別に入って行った
遂に開演時間を迎えスバル達とつばさは食い入る様にフィアッセの歌を聴いてた頃、会場の天井にバーサーカーがいた
バーサーカーはフィアッセ方を見つめ
「おーラッキーゾディアックオーブ発見」
フィアッセが付けてたティアラを宝石をゾディアックオーブとして見ている
そしてバーサーカーは実体化して会場に攻撃した、その光景に訪れてた人達は一気に混乱し逃げ惑う様にしている
その様子にスバル達は対策を練ろうとしている
「どうしょう、ヴィータさんこのままじゃ被害が拡がります」
「落ち着け、とりあえずあいつを引き寄せないと何にもはじまらねぇ」
「私に考えがあります」
そのとき瓦礫が崩れ落ちその下につばさがいた、飛翔は必死に助けに向かおうとしてた
「つばさー!」
俺はまた無力なのか何も出来ないのかつばさ一人も守れないのか
そんな時、飛翔に語りかけてくる声がある
「無力じゃない、守れる、私の力を使えば」
ズボンのポケットにあった羽が飛翔の目の前に現れ問い掛ける
「私の力を使うかそうすれば助けられる」
その言葉に飛翔は迷いなくその羽を掴み取ったその瞬間強い光が辺りを包み
支援
次の瞬間、炎と共に紅き鋼の翼を持った戦士が現れ、落ちてくる瓦礫が現れた炎で消えた
スバル達は戦士の気高いオーラに見惚れていた
「うわぁ…」
バーサーカーは声を荒げ
「おのれライディーンイーグル何処まで邪魔すきるだ!」
バーサーカーは巨大化し口から光線をだしイーグルに向けた
イーグルはその光線を炎のバリアで弾き光速のスピートでバーサーカーに近ずき
「はあ!」
そのパンチはバーサーカーを会場の外まで飛ばし、炎が剣になり
「わが剣に切れぬものなし!一刀両断、イーグルソード!」
そう叫んだ瞬間バーサーカーは真っ二つに斬られていた
「俺は負けない鋼鉄の翼に賭けて!」
以上です
スバル達の事を全然描きれなくて、すみません
475 :
×DOD:2007/11/26(月) 02:09:00 ID:6MFXYRuf
もう少し台詞と文中に句読点、あと!と?を使ってもらえるといいかも、です。
そして投下よろしいでしょうか。7レス程ですが、支援を頂けるなら今夜やってしまいたい。
>>475 偶然通りかかっただけなんだからね!
他に人がいないから仕方なk(ry
ロストロギア・レリックを搭載した暴走列車の奪回、その任務が無事終わった翌日のこと。
大きな任務直後というのはえてして仕事の量が増えるようで、時間と仕事を切り詰めてその場に来ることが出来たのは
機動六課全職員に対してさほど多いという訳ではなかった。
だが少なくとも、数は二十を超えているだろう。中には各分隊の隊長、副隊長をはじめ、初陣で活躍したばかりの新人フォ
ワードたちも一同に会している。
機動六課のヘリポート、来た、と誰かの声が響き、待っていた彼らの顔が一斉に空を向く。
人の群れが見上げるミッドチルダの青空の彼方に、白い絵の具が一滴、ぽつりと霞んでいた。
雲と同じ色の小さな点はにじんで広がり、やがてその輪郭がはっきりと視界に収まる。現れたのはキャロを乗せた飛竜
フリードリヒの、大いなる翼を広げた堂々たる姿であった。
「…あれが…?」
「あの赤…間違いありません、あれです!」
いや、それだけではない。
白い巨体の向こうに、空によく映える紅の何かが見える。
炎を思わせるそれはぐんぐんと加速し、ともせぬうちにその体躯の全貌を現す。どきどきと鼓動が高鳴る職員も少なく
ない中、その精神に直接、『声』が響いた。
『下がれ』
フリードリヒを追い抜いた火竜は職員たちの頭上に躍り出ると、翼を立てて帆のように風を受け止め、地上に突風を吹
かせつつ宙に静止する。
二つ、三つと羽ばたいて、ゆっくりと地上に降りた紅き竜は、紛れもなくあのドラゴンであった。
「風が切れておらぬぞ、フリードリヒよ」
噂通り、本当に口を利いたドラゴン。巻き起こる風に吹かれつつ驚きの息を漏らす人間たちの眼前で、首を返して背に
乗る男を、次いで降り遅れた白竜を見る。
それに応じるように、続けてフリードリヒも地に足をつけ…たかと思うと、その巨躯が唐突に光の粒となって霧散する。
キャロが再び、封印を施したのだ。
「フリード、お疲れさま…大丈夫?」
「翼の大きさに頼るとそうなるのだ。後で飛び方も教えてやろう…暫し休め」
「きゅるっ」
くたりと首を垂らし、キャロの肩で鳴くフリードは少々疲れているようだ。
森からここまでそれほど距離があるわけではないが、制御を受けながら封印を解放されるのにはまだ慣れていないらしい。
ドラゴンが言ってやると、大人しく返事をして翼を畳んだ。
読みながら支援って結構しんどいよね・・・でも支援!
乱入の事情聴取、というのもあるがそれを口実に、キャロが世話になっているドラゴンを呼んでみようと決まったのは
任務が終わった時の事。迫るなのはとフェイトから、用が済んでさっさと背を向けて飛び去ったドラゴンの背を、映像で
見ていたはやての提案だった。
なのはたちの賛同はすぐに得られた。他の幹部も反対する理由は無く、間もなく職員たちにも通達が行き、姿を見て
みたいものは早急に仕事を詰めよとのお達しが出た。
喋るドラゴンなどこの世に居るのかと皆半信半疑であったが、クロノと何やらやり取りをしている映像があっただけにま
るきり否定するわけではなかっ
たらしい。ちなみにその日の午前の仕事効率は、設立以来最大であった。
「我等を呼んだのはどれだ」
「あ。機動六課部隊長、八神はやて言います。…そちらは…」
「…我が契約者、名はカイム。こやつの言葉は我が代弁する」
キャロに尋ねるドラゴンに、はやて本人が名乗り出る。その時になって、肩から足元までをマントで覆ったカイムが、
岩のような背中から降り立った。
リインの護衛をしてくれはったのは、この人やったか――はやてはそう思い出し、まず謝意を込めて会釈を一つ。
しかしカイムは、それをちらりと見やっただけで、踵を返して皆から背を向けてしまった。
何かまずいことをしたのだろうかと一瞬狼狽するはやてだが、男の背を見るドラゴンが僅かに苦笑を漏らすのを聞いて、
それ以上考えを止めることにした。こういう人なのかもしれない。
「先日の任務、ご協力感謝します」
「礼には及ばぬ。鉄屑の分際で我等に牙を剥いた愚か者に、その意味を教えたまでだ」
「えっ…大丈夫でしたか?」
「カイムが両断した。あの程度、奇襲の意味も成さぬわ」
すらすらと言葉が出てきてはいるが、はやても緊張していない訳ではない。
何せ相手は喋るドラゴン、人間など及ばぬ叡智と力の持ち主だ。しかし目上の者と会話する機会が他より多かったことが、
今のところ彼女に冷静さを与えていた。
要するに慣れである。だがその甲斐あって目的の一つ、乱入の理由はこの時点でほぼ聞き出せた。襲ってきた位置、機
体の種類や残骸など細かなことはまだ残っているが、害意ある存在でないことが確認できただけでも収穫である。
キャロの話では、既に明らかと言っても良かったが。
「…我等をこの世界に導いた、あの男はどうした。クロノと言ったか」
ここで意外な名前が出て、観衆の間からぽつぽつと話し声が聞こえはじめる。
一体何故と思う者は多かったが、まず緊急出動でこの竜と竜騎士の元へ向かったのは、そう言えばクロノである。しだ
いに皆そのことを思い出したのか、提督だったじゃないか、ああ、そうかなどと得心したような声色になった。
「クロノ提督は、ここには…」
「あの男には色々と世話になった。その義妹とやらはどれぞ」
「あ、はい」
「……またおぬしか、黒金」
「……はい……」
初めて出会ってからも二、三度訪れ、路銀の換金や簡単な監査など、クロノには何かと世話になった。
礼の一つでもと思ったところで見知った顔が出てきて、その声色がやれやれといったものに変わる。何が、という視線が
ギャラリーから集中し、感じたフェイトは顔を伏せた。恥ずかしさで。
「まだ、気にしてるんだ…」
「…フェイトさん、どうしたんですか?」
「あ、う、うん。ちょっとね」
(キャロ、何か知ってる?)
(あ、あはは…)
茶を濁すなのは。隣から小声で聞いてくるエリオに、キャロは苦笑いで返した。
涙混じりの二人の姿のただ一人の目撃者だ。わざわざ直接口止めを頼まれた身としては、黙っていなければなるまい。
「紅き竜と剣士が一人礼を言っていた、借りはいつか返すと伝えておけ」
「剣…」
竜の言った、剣士という言葉にぴくりと反応したのはやはりシグナムだった。はやてがちらりと振り替えると、カイム
の背を見るその視線は何やら期待に満ちている。
六課の魔導師の中には、彼女並みの剣の腕を持つ者はほとんどいない。エリオが槍型デバイスのストラーダを使うとはいえ、
その力量は言っては悪いが月とすっぽん――例外の戦斧使いフェイトはここのところ忙しく、二人の子供や隊員の面倒も
あまり見れていないのが現状だ。シグナムとの鍛錬の回数もかなり減ってきていた。
模擬戦と手合わせを好むシグナムのことだ。最近鍛練の相手も居らず力をもて余していたのだろう。そこに竜の力を持
つ剣士がふらりと現れたのだ、決闘趣味の血が騒ぐといったところだろうか。
(そういえば前、この人に会いたいってゆーてたなぁ…そういうことやったんか)
その後も珍妙な組み合わせのままふたりの話は進み、人語を解する火竜と機動六課部隊長は尋ね尋ねられ、火竜の姿を
見られて満足したギャラリーがなのは達を残してぽつぽつ帰り始めた後も、お互い多くの言葉を交わし続けた。
キャロに協力してきたということで、全く無関係でいる気はなかったのだろうか――今度からは予め、と頼めば意外にも
簡単に応じてくれたし、暗に示したその助力の依頼も断られることはなかった。さらにいくらか検査をしたいと言えば、や
れやれまたかとは言われたものの拒まれずに済んだようだ。
そこではやては思いきって、聞いてみることにした。
「次元世界の管理のためには、レリックの確保が急務なんです。機動六課への入局、どないでしょうか…?」
「…どうだ、カイムよ」
「…………」
「……そうさな。あの鉄屑どもと戦うのなら、云わば敵の敵とも言えるか」
「ほんなら!」
「…いいだろう。あの男への恩、一つここで返すのも良かろうか」
あやつも、いずれ声をかけると言っていたのだしなと付け加える。その義妹がいる部隊ならば、クロノとて文句は無かろう。
皮肉にも彼らを襲った一機のガジェットのおかげで、機動六課は世界にただふたりの契約者を味方につけたことになるの
だろうか。
しかしとにかく強力な戦力が欲しい機動六課としては、前回の任務で見せた未知の魔法はその条件を十二分に満たしている。
なのはやフェイトと相談した結果スカウトの話が出ていたこともあり、ファーストコンタクトは概ね上々、それどころか
予想以上の収穫であった。
(…人間が世界を管理するなど、おこがましいとは思うがな。なあ、カイム)
(…………………)
「管理者」の御蔭で死よりも凄惨な目に合わされたと知らぬ彼女たちは、完全な信頼を得たわけでは決してなかったのだが。
眠いけど支援。
「ありがとうございます!」
「…そうさな、忘れておった。おぬしらにとっても、この方が都合が良かったか」
「はいっ」
しかしキャロに応じるドラゴンの声に、人間を見下している以前のような様子はなかった。
最近になって少しずつ情が移り始めているのか。向ける眼差しは決して甘くないものの、そこに嫌悪や侮蔑の感情は
込められていない。
未だにドラゴンにとって矮小な印象の残る人類だが、例外は付き物だ。
半身カイムは言わずもがなである。そこにミッドチルダで唯一ドラゴンと見識を深めていたキャロとフリードリヒ、
そしてこの世界に導いた魔導師クロノを筆頭に、出会い頭早々から間抜けな誤解を仕出かしたなのはとフェイトへの心象
もまた、今のところ悪くはなかった。
「あの、クロノ君がお世話っていうのは…」
「路銀の換金、食糧。武器を調べてもいたか」
「武器…どのような?」
なのはへの答えに、隣で聞いていたシグナムが興味津々といった様子で尋ねる。
聞いたドラゴンはカイムにちらりと視線をやった後、左の翼をおもむろにはためかせ、その岩肌のような背中から一振りの
剣を投げやった。
この手合いの輩は、実物を見せてやれば大抵大人しくなるものだ。
「さて、…おぬしらは、あの時カイムが火刑に処したのだったか」
「エリオ・モンディアルと言います!」
「え、と、スバル・ナカジマです」
「ティアナ・ランスター、です」
「随分カイムに執心であったらしいな。火炙りを恐れぬのなら、いつでも相手になってやるそうだ。暇潰しにな」
渡した鉄塊のあまりの重量に案の定目を丸くしたシグナムを放置し、竜が言う。
律儀に自己紹介とは、この年にしてはそこそこできた雛どもだ。それに精神はともかくとして、先の任務とやらで見た
魔術の才はどれも決して悪くない。
人間でない者も少々混じっているようだ。が、問題ではなかろう。人外より人間のほうが愚鈍なのは世の常だ。
そんな分析をひそかに『声』で伝える。しかしその先のカイムはどうしているかというと、自分の周囲をひゅるひゅる
飛び回る嬉しそうなフリードリヒを、少々鬱陶しげに眺めていた。
「………」
しかし振り払わないあたり、心底嫌という訳ではないらしい。
ドラゴンはふっと、珍しく優しげな笑みをこぼした。
最近思い出していなかったが、あの男の両親を奪い修羅の道へ堕としたのは、そういえば自分やフリードリヒの同種族、
すなわち竜の一族であった。
だというのに、あの静けさは。仇への憎しみが無い、穏やかな顔は。
「どんな世界から来たんですか?」
「のっ…乗ってみてもいいですか!」
「昨日の魔法、どんな…」
「黙れ。喋る口は揃えよ。喧しい」
――感慨深く見つめていたところを、殺到した質問の束に妨害されて、少々苛立ちをこめてドラゴンは唸った。
次々に問うていたなのはたちだが、はっとして口を閉じる。敵意が見られないということで、相手が偉大なる竜なのを
忘れていたようだ。
特に新人たちは、魔法生物と接する機会がまだ多くない。ドラゴンにそのつもりはなかったが、波動のような圧迫感に
心臓が一つぎくりと跳ねた。
「……我等の世界、か…これほどの文明を持ち合わせてはおらぬ。後は、そうさな。…空が紅かった」
「赤?」
「…天変地異とでも言おうか。虚空より現れた、異形の者どもの仕業よ。もう封じたがな」
ようやく大人しくなったのを確かめ、ドラゴンがゆっくりと語りだした。
ただし真実は、一部伏せた。言葉にしたところでどうせあの地獄を伝えることは出来ぬのだし、そのことに意味もない
だろう。
それに世界の管理を謳う連中だ、滅びと聞けばまた口やかましくなるのは目に見えている。
そのうちクロノから話が伝わるかもしれないがその時はその時だ。ドラゴンは言葉を選んで話し、なのははそれに対し
静かに耳を傾けた。
「現れた大いなる敵を追って旅立ち、彼の者を屠った直後を連れて来られたのだ。黒金、おぬしの兄にな」
「元の世界には…」
「二度と帰らぬ。我らの総意よ…そして、そこの青髪」
フェイトの言葉を即座に切り捨て、唐突に言葉を向けられたスバルが思わずびくりと背筋を伸ばす。
「は、はい!」
「我が背は今のところ、カイム以外を乗せる予定はない。そこのフリードリヒにでも」
「きゅる?」
「……その身体では無理か」
体を再び封印された、肩乗りサイズの小さな竜が名を呼ばれて鳴き返す。
ふぅ、とドラゴンが鼻で息をした。
どこか妙に抜けているこの者たちを見ていると、愉快な事は愉快だが、同時に少々調子が狂う。
穏やかなる時間が変え始めているのは、カイムだけではないのかもしれない――そう思うと複雑だ。
竜の誇りと天秤にかけると、こうまでも人間の、俗世の色に染められるのは喜ぶべきなのかどうなのか。
(……)
(何だと?)
ふと気付くと、無言の『声』が何かを告げていた。
見れば意識の先は、男の背中の向こう。ちらと目をやると、そこに居たのは――
もう限界だ!寝るね!支援
「……ならば…そうさな。カイムに一太刀でも浴びせられたら、考えてやらぬでもない。無理とは思うがな」
「え…あの…?」
「どうせ手合わせでもする心算なのだろう。なあ、そこの娘ども」
にやり笑みを浮かべ、戻ってきたドラゴンの視線がなのはとフェイトを射抜いた。
やっと訪れた模擬戦の、絶好の機会。そう心の中で勇んでいただけあって、図星をつかれた二人は思わずどきりとした。
心を読まれたのか。いやそんな…と、平静を取り戻すのに内心苦戦するなのはたちを、竜は面白そうな目で見る。
もちろん読心術などあるはずもない。戦意の高まりくらい見抜けぬようでは、狂戦士の半身など勤まらぬのだ。
「どうして、それを…」
「味方の力量さえ測らぬような者に、隊を率いる資格はない。後はお主らの目の色、そこの女騎士の熱い視線の先を見て
おれば想像がつくわ」
両手でやっと鉄塊を持ち上げ、そのままカイムの横顔に視線を注いでいたシグナムにざっと顔が向いた。
エリオに剣を見せてくれと頼まれ、仕方なく父親の形見の大剣を抜いていたカイムもまた見た。女騎士の真っ直ぐな
瞳には闘志の炎が、めらめらと燃え盛っている。
待ちに待った時が来た。シグナムが纏っていたのは、言葉にするのならそんな空気だろうか。
確かに、この時まで随分と待った。時間は望めばいくらでもあったのに、主を差し置いて竜騎士に会いに行く訳にはいかぬ
とぐっとこらえてきた。
久方ぶりに存分に手合わせが出来るかも知れない相手にすぐに会える場所にいながら、我慢に我慢を重ね続けた訳だ。
さぞ辛かったろうとはやては思う――戦えないことを苦しむのもどうか、と思わないでもないが。
「そうやなぁ…けど、戦闘より前にその他の適性も…」
「! …そう…ですか」
はやてが告げると、ものすごく沈んだ声が返ってきた。これはもう重傷かもしれない。
が、それだけではなかった。
(――何か、後ろからこう、ひしひしと感じるんやけど…)
なにやら念のこもった視線は、他にも約二つ感じられた。
模擬戦好きな高ランク魔導師は、そういえば烈火の騎士だけではなかった。あと二人もいたのだ。
確かに戦闘能力を先に測定してももちろんかまわないが、部隊長の立場としてはそれよりも先に、任務を遂行する能力を
知りたかったりする。しかしいろんな方向から同じ意図の視線で見つめられて、はやてとしてはかなり胃が重くなる状況だ。
なまじ空気を読めていることが、今の彼女にとっては逆に仇であったと言えるか。
「任務遂行、状況判断能力ともに問題なしですよ?」
だがそこに、救いの手が訪れた。
はやては声の方向を向く。果たして後方から歩いてきたのは、少々仕事が残っているということで残っていたリイン、そしてそれを
待つ形で遅れて来たヴィータであった。
バトル馬鹿自重しろw支援
そういえば、とはやては思い返す。リインは先の任務でカイムの戦闘を目の当たりにした唯一の存在だ。
その彼女がアンノウンの分析をせぬ道理は無く、こっそり記録しておいた彼の男の映像とデータは、後で資料にすると
約束もしていた。
この展開を読んでいたかどうかは定かでないが、データは予めまとめておいてくれたのだろう。そうでなくては、こうも
言いきることは出来まい。
「太鼓判?」
「正式なテストではなかったですが…前回の任務で、一応のデータは有りましたので。もう少しあれば、ちゃんと判断
できるんですけど…」
はやては内心感謝した。それならば、戦闘データの収集に模擬戦を先にやった方がメリットは大きい。これで何とか、
彼女たちのプレッシャーからは逃げられそうだ。
模擬戦決定となれば視線の脅威は止もう。ほっと一息し、はやては口を開く。
――しかし、現実は甘くなかった。
「ああ、ええよ。ほんならまあ、そのデータ集めも兼ねて、模擬戦からいってみよか。相手は誰か――」
三対の瞳がはやてをとらえ、冷たい何かが光の矢のように背筋を貫いた。
やってしまった。背筋に汗をかき始めてから、即座に失敗を悟った。
そして後悔した。この流れだと、模擬戦の相手を決めるのは自分になってしまうではないか。
中間管理職が上からの圧力に弱いのは承知の事、現在の自分はそんな状況を彷彿とさせた。二十歳も近づいてきて精神的に
成長している自負はあるが、さすがにSランク付近の魔導師三人から強い念(部下たちの手前本人は隠しているつもりのよう
だが、どう見ても剥き出しにしか見えない)を向けられた経験は無い。
さらには早く決めろという、ドラゴンの威圧感満載の視線まで感じる始末。これにあの竜騎士の目まで向けられたらどう
なることか。しかし決めたら決めたで、機会を逃した二人から恨めしげな顔をされるのは目に見えている。忠誠を誓うシグ
ナムですら、どう来るかわからない。さあどうしよう、どうしようどうしようどうしよう。
「ああああ――――ッ! お前!!」
その時だった。リインと一緒に遅れてきたヴィータが、カイムを指差して大声をあげたのは。
「ヴィータ?」
はやてはおろか、その場にいる者は誰も、その事実を知らなかった。
男はヴィータが今まで都市部でずっと探していた、かの「不審者」であったことを。
そして彼を捜索するためヴィータは毎日都市を巡回しており、それでも見つからぬこの男に、相当イラついていたという
ことを。
「……………」
「…これもまた騒々しい娘だな。おぬしの連れは皆こうなのか?」
「あ、えと」
訝しげな視線をヴィータに向けるカイムの隣で、ドラゴンが問う。イエスともノーとも言うことのできないその内容に、
キャロはおろおろと狼狽した。
488 :
×DOD:2007/11/26(月) 02:51:44 ID:6MFXYRuf
「血塗れ竜騎士と愉快な魔導師たち」の語の下に4章が始まります。
再生の卵でいろいろ選択肢は出てきましたが、まだ何か増えるかも知れませんので乞うご期待(?)
とはいえまだしばらくは日常パートです。じわじわと水面下で動きはあるかと思いますが。
あと、武器が結構出てきました。図鑑が見つかったので置いときます。
http://www.nicovideo.jp/mylist/313923/2682438 そしてID:4EgKh2WRにディ・モールト・グラッツェ!
>>487 このクソGJがあー!!!!
なんというかこう、ノリのいい連中だw
このまま行くとヴィータが模擬戦の相手かな?
過去が過去だから一人と一匹には幸せになって欲しい。
そしてDOD氏も意外とノリが良くてびっくりだw
アレだけでジョジョネタと分かるとかどんだけーw
ちゅうことで支援も果たしたし俺は寝る(´・ω・`)ノシ
くっそおおお投下数が多すぎて一々感想が書けん!(←暴論)
オレは面倒が嫌いなんだ!!
(書く暇が無いんです。本当なんです。信じてください!。・゚・(ノД`)・゚・。 )
しかし今はこれだけしか書けん
エヴァンジェええええええ!!!
おはようございました。皆様GJです。
さて、朝っぱらからシャイニングSS、投下してもよろしいでしょうか?
楽しみにしてます、支援
第5話「放つ光、貫く想い」
「それじゃあ今日は模擬戦をやるよ。まずは、スバル達とキリヤ君達から」
なのはの一声から、今日も訓練が始まる。
いつもの訓練場に5人の人間が立った。
片やキリヤ、シーナ、クレハ。片やスバルとティアナ。
本来模擬戦は隊員と隊長格というケースが多いのだが、この日はフェイトが 忙しいということで、
スターズをキリヤ、ライトニングをなのはが担当という、変則的な形となった。
それに、これはこれで悪くない。
キリヤは心剣での斬り合いを得意とする接近戦タイプ、なのはは砲撃魔法主体の遠距離戦タイプ。
普段戦う相手とは正反対のタイプだ。なのはがライトニング側に回ったのは、そういう意味もあった。
「それじゃ、行っきますよー!」
元気な声と共に、スバルが猛スピードで接近してくる。背後からはティアナの援護射撃もついていた。
「散るぞ!」
キリヤの声がかかり、3人がそれぞれの方向へと飛び退いて、クロスミラージュの
連射を回避した。
基本、心剣には攻撃を防ぐバリア能力はない。ホウメイの竜尾扇は例外中の例外だ。
防御手段はBJのみ。もちろんそう頼りにはしていられないので、回避行動がメインとなる。
3手に分かれた対象のうち、スバルは迷うことなくキリヤを選んだ。
スバルはまだ、心剣と直接戦ったことがない。同じ接近戦タイプとして、伝説の剣の力には興味が大きかった。
何より、相手はヴィータと互角に戦った手練れである。
「うりゃああああああーっ!」
ナックルスピナーをフル回転させ、スバルがキリヤ目掛けて殴りかかった。
キリヤは手にした心剣――分かれ際に引き抜いたクレハの心剣・日輪烈光で受け止める。
神速を誇る日輪烈光の剣速は、的確にスバルの拳を捉えた。
「来ると思ったよ!」
叫びながら、キリヤがスバルを振り払う。
両者の戦闘スタイルは、スバルがシューティングアーツによる接近戦。ティアナはオールレンジ対応型だが、メインは中距離戦。
キリヤの相手には、当然スバルが割り当てられる。
「ふんっ! はっ! せやあっ!」
そんな彼女の拳が、脚が、ひっきりなしにキリヤに浴びせられた。
1つ1つをいなしながら、キリヤはスバルを見据える。
まだまだ攻撃力ではヴィータに劣るが、攻撃速度は両手持ちのグラーフアイゼンよりも速い。
加えてこの手応えだ。劣ると言えども、その圧力はかなりのもの。
正直、セイランの五獣将にも匹敵する実力だ。
つくづくレベルの高い世界だな、とキリヤは冷や汗を浮かべた。これで尖兵に過ぎないのだと考えるとぞっとする。
「どや、なのはちゃん?」
その模擬戦を見ている残りのメンバーの元へ、はやてがやってきた。
当然、どうかと尋ねたのは、キリヤについてのことである。
「うん、あの子は強いよ」
なのははそんなはやての姿を認めると、自信を持ってそう言う。
そして、再び眼下で戦う教え子達に視線を落としながら続ける。
「心剣っていうのは、見たところ魔法ほど派手な攻撃ができたり、堅い防御がで
きるわけでもない。
でも、心剣でできる最大限の攻撃と工夫…それに、仲間との連携で、必死に戦ってる」
眼下の模擬戦場では、スバルの横合いから突然シーナが飛び出して斬りかかっていた。
別行動を取るふりをして、物陰からずっとキリヤに同行し、相手の隙を伺っていたのだ。
「うりゃうりゃうりゃーっ!」
「わっ! ちょ…ちょっと、タイムッ!」
一気呵成に攻め立てるシーナを、スバルは上手く振り払うことができない。
シーナに足りないのは攻撃力だけなのだ。他が一級品である以上、こうして不意を突けば、自分のペースに持ち込むことなど容易い。
「――やっぱり、みんな信じてるんだよ、キリヤ君のこと」
微笑みを浮かべながら、なのはが言った。
「そっかぁ…」
はやての視線の先では、キリヤとシーナがスバルを追い込んでいる。先ほどのキリヤ単独での防戦が嘘のようだ。
ティアナが援護に向かうべく駆け寄ろうとしたが、そこへどこからともなく矢が射かけられ、進路を阻む。
目線を上げると、ビルの2階の窓からクレハが狙いをつけていた。
最初の突撃で分断したかと思いきや、今は自分達が分断されている。ティアナが苦々しげな表情で歯噛みしていた。
何も考えずに分かれていたように見えて、実際は立派に連携している。
(修羅場で培った、経験と信頼の賜物やなぁ)
思わずはやては感心していた。
いつか、スバルたちもこのようになれるのだろうかと思いながら。
「…そや、普段の様子なんかはどないなん?」
そこではやては、思い出したようになのはに問う。
「それが、キリヤ君って結構面白い子でね」
そう答えるなのはの顔はさぞ愉快そうだ。
「本質的には面倒くさがりなんだけど、その割には面倒見がよかったり…
…本当、頼りになるのかならないのか、時々分からないこともあるんだよね」
「変な子やな」
苦笑混じりにはやてが評した。
手を抜きたいのか抜きたくないのかどっちなのか、と。
きっとキリヤはお人好しなのだろう。だからいくら面倒くさくても、他人のことを放っておけないのだ。
それでも、2人はそんなキリヤのことを好ましく思った。
この2人も――それを言うなら、この機動六課の人間の大半もだが――また、お人好しなのだから。
「でも…」
「ん?」
不意になのはが口にした言葉を聞き逃さず、はやては短く問う。
「ちょっと…肩肘張りすぎなところがあるかな? まだ、私達に気を遣ってるのかも」
要するに、リラックスできていないということだ、と。
「そっか…」
キリヤはまだ、この環境に完全に打ち解けていないのかもしれない。
突然機動六課という既存の集団にお邪魔したのだから、無理もないだろう。
「…よし!」
なのははそう言うと、両手を強く握った。
何が「よし!」なのか分からないはやては、頭に疑問符を浮かべるのだった。
午後、訓練用の森林地帯。
この日は午前を模擬戦に費やし、午後はここで個別訓練をすることになった。
つい先日まではカオスゲートがあったので使用不可となっていた場所だ。故に、新人メンバーにとっては久々の個別訓練となった。
「はーい、それじゃ今日はここまで。明日に備えて、ゆっくり休んでね」
そんななのはの一声で訓練は終了。教え子達と教官達はそれぞれで集団を作り、ぞろぞろと帰っていく。
「あの、キリヤさん。ちょっといいですか?」
だが、ただ1人ティアナだけは、そう言ってキリヤを引き留めたのだった。
「え? ああ、別にいいけど…」
突然呼び止められてキリヤは一瞬面食らったものの、その申し出を了承する。
「あれ? ティア来ないのー?」
「ええ。ちょっと用事があるから」
「ふーん…じゃ、先に行ってるねー」
「キリヤも早く来なさいよー」
「分かってるよ」
それぞれの相棒が声をかけた後、フォワードの面々は隊舎へと引き上げていった。
「でも、何の用があるんでしょう…?」
歩きながら、キャロが首を傾げた。
「むふふ〜、分かってないねぇ。男と女が2人っきりで残るといったら、相場は決まってるでしょ」
「えっ、スバルさんは分かるんですか?」
妙にニヤニヤしているスバルに対し、エリオが問いかける。
「当然、告白だよ! いやぁ〜、我が相方にもようやく春が訪れたというわけですなぁ。うんうん」
自信たっぷりにうなずくスバルだったが、
「残念だけど、多分ハズレね」
「ありゃりゃ」
シーナに速攻で否定され、ガクッと肩を落とす。
「だって、あの娘の目には熱が込もってないもの」
「熱?」
「ですか?」
訳が分からないといった様子で、エリオとキャロが問いかける。
本当に健全なお子様だ。
「恋するオンナノコのあっつぅ〜い視線よ♪ そうねぇ…クレハさんなんかを見てると分かりやすいんじゃないかしら?」
クレハに話題を振るシーナの顔もまた、先ほどのスバルの顔と同じニヤケ面だ。
シーナとスバル。どうやらこの2人は似た者同士らしい。
「えっ…ええ!? わ、私…!?」
思わずクレハは顔を真っ赤に染める。
「おぉうっ、それはひょっとするとひょっとしちゃうんですかシーナさん!?」
「ふっふっふっ…さすがに鋭いですなぁスバルさん♪」
「え、あのっ、私は…その…」
「もうとっくに皆分かってることなのよ! この際白状しちゃいなさい!」
シーナがクレハの背中をばしばしと叩く。
彼女ら聖ルミナス学園生徒会のメンバーの中では、クレハがキリヤに熱を上げているのは周知の事実だ。
ただ1人、鈍感なキリヤ本人を除いては、だが。
「なーにやってんだか、アイツらは…」
そんな教え子達の様子を、後ろから半ば呆れ顔でヴィータが見ていた。
「にゃはは…まあまあ」
穏やかに笑いながら、なのはがなだめる。
「でも、ティアナは本当に何の用があったんだろう…?」
「多分、何か相談事があるんじゃないかな」
「相談…なのはがいるのに?」
何故わざわざまだよく知らないキリヤに相談をするのか、と疑問に思うフェイトが首を傾げる。
キャロと全く同じ仕草だ。やはり親子は似るということか。
「さあ…何か、キリヤ君だから話せることでもあるのかもね」
「用っていうのは?」
誰もいなくなった森の中、キリヤがティアナに問いかける。
「この前の話なんですけど…」
「この前…? ああ、あの話か」
以前、ティアナは「目標を追いかけること」について、キリヤに尋ねたことがあった。
キリヤが話したのは、「目標を否定された時の話」だった。
「『追いかけるものが大きければ大きいほど、否定された時がつらくなる』…まだ、その実感は掴みきれてはいないんですけど…」
自信なさげにそう言った後、一瞬の間を置いて、ティアナは再び口を開く。
「…キリヤさんは、どうやってそこから立ち直ったんですか?」
どうしても、聞いておきたかった。
再起不能寸前にまで追い込まれたような逆境に、目の前の少年はどうやって立ち向かったのか。
ゼクティという少女との再会はそうして立ち直った後のはずだ。であれば、他に動機があるはずだった。
「そうだなぁ…一言でまとめるのは難しいけど…」
キリヤは再び、頭の中で言葉を探った。
「…信じてみたくなったから、かな…」
「自分をですか?」
「いや、俺を信じてくれるみんなを」
キリヤは語る。
ベイルガルドとの戦いが終盤に差し掛かったころ、彼の精神はかなり追い詰められていた。
周囲からの期待、使命の重さ…それらがのしかかり、絆の力を頼りに戦う心剣士でありながら、キリヤは孤独だった。
世界が自分にしか救えないなら、自分が戦うしかない。
そんな強迫観念に囚われたキリヤが、敗戦の責任を一手に受け止め、その心を砕けさせたのは、当然の結果だった。
そして、失意の彼を立ち直らせたのは、幼馴染みのシーナの言葉だった。
『世界の全部が敵になっても、あたしだけはアンタの味方でいてあげるから』
あまりに月並みな台詞。だが、キリヤにはそれで十分だった。
彼はその後、人を信じる人々の姿を垣間見、その言葉を噛み締めていく。
そしてキリヤは心に決めた。
自分を信じてくれる人達がいることを信じてみよう。
そして、自分を支えてくれる人達の力を信じてみよう、と。
みんなのために、みんなで頑張る。
それが、キリヤの見つけた光だった。
「――1人で歩いてた道を、誰かが支えてくれることで、救われることもある。
…俺はそう思うよ」
キリヤはそう締めくくった。
「…誰かが支えてくれることで、ですか…」
「ティアナにも、いい友達はたくさんいるだろ?」
思えば、ティアナは今まで、多くの人に支えられてきた。
焦りを感じた自分を心配してくれたのは、ヴァイスだった。
1人でどうにかしようとした時に後押ししてくれたのは、スバルだった。
道を見失った自分にその指針を示してくれたのは、なのはだった。
「…はい」
だからこそ、ティアナは笑顔で、はっきりとそう答えた。
「シャアーッ!」
その時、キリヤ達の耳をつんざくかのような叫びが響いた。
「!?」
爬虫類のそれに似た声は、ティアナのすぐ横からする。
同時に彼女の右肩を、激痛が襲う。
「っ…!」
「ティアナッ!」
思わずキリヤが叫んでいた。ティアナは右肩を押さえ、その場に膝をつく。
現れたのは、闇の妖魔だった。
蜥蜴の頭を持ち、緑の身体を鎧に包んだ剣士――リザードマン。
今までに戦ったゴブリンやオークなどよりも強力な妖魔が10匹。剣と盾で武装し、高い回復力を持った強敵だ。
「そんな…まさか、カオスゲートに取りこぼしが!?」
まだ発見できていないものがあり、こいつらはそこから出てきたのでは、とキリヤは推測した。
「いえ…カオスゲートの、エネルギー反応は…逐一、チェックできて…います…」
血の滲む傷痕を押さえながら、ティアナが苦しげに言った。
つまり、管理局が把握できていないカオスゲートは存在しないということ。
「それじゃ、前のカオスゲートから出た連中の生き残りか…!」
リザードマンはゴブリンよりは賢い。恐らく、以前の戦闘を、自分達では勝てないと判断し、隠れてやり過ごしたのだろう。
「シャアーッ!」
リザードマンの1匹が、剣を振りかぶってキリヤ達に襲いかかる。
キリヤは反射的に腰の短剣を抜いた。パートナーのいない今、武器はこれだけだ。しかし、それでどこまでもつだろうか。
「グエッ!」
と、銃声が響き、襲ってきたリザードマンの頭が撃ち抜かれる。
「ティアナ!」
撃ったのは当然ティアナだった。手にはクロスミラージュが握られている。
ただし、挙がっているのは左腕だけだ。右のクロスミラージュは使えそうにない。
「ここは、あたしが…キリヤさんは、隊舎に戻って…なのはさん達を…」
「そんな、無茶だ! 君が1人で残るなんて!」
「キリヤさんは…今、心剣が…」
確かに、心剣を持たないキリヤよりは、デバイスの使えるティアナの方が攻撃力はあるだろう。
だが、この怪我だ。これでは移動もままならず、どのみち詰め寄られてなぶり殺しにされてしまう。
「その怪我じゃ、どっちにしたって…!」
「あたしはっ!」
キリヤの言葉を、一際強いティアナの声が遮った。
「あたしは、誰も傷つけたくないから…あたしがほしいのは…そういう力だから…ッ!」
絞り出すような声で、ティアナは必死に訴える。
「…馬鹿野郎っ!」
しかし、キリヤはそれを一蹴する。
「えっ…」
「それで…今ここに1人残ったとして、君の命は…君の夢はどうなる!? 死んでしまったら、夢を叶えることもできないだろ!」
リザードマンの一団からまた1匹飛びかかってきたのを、短剣で必死に押さえながら、キリヤは絶叫をティアナにぶつけた。
「自分の命も大切にできない人間が、自分の夢を大切にできるかっ!」
「…!」
ティアナの目が大きく見開かれる。
脳裏に蘇るのは、かつて自分を諌めたなのはの姿。
無茶な方向に向かい、破滅の道へ片足を突っ込みかけた自分を救ってくれた、なのはの言葉。
目の前では、キリヤがリザードマンの攻撃を強引に振り払っていた。
そして身体ごとティアナの方へ向き直り、手を差し伸べる。
「2人で、ここを突破するんだ」
先ほどとは違う、穏やかな声で、キリヤは言った。
「でも…」
「大丈夫。きっとできる…やってみせるさ」
優しく、だが確かな力のこもった声。
――一緒に歩くことで、救われることもある。
思わずふっと笑みを浮かべると、ティアナは遂にその手を取った。
突然、ティアナを中心に、その場に光が満ちた。
自分の胸元から、ミッド式ともベルカ式ともつかぬオレンジ色の魔法陣が浮かぶ。
「これは、まさか…!?」
キリヤの驚愕も露わな声と共に、魔法陣の中心――ティアナから、1つの柄が姿を現す。
彼も大層驚いた様子だったが、もっと驚かされたのは、他ならぬティアナ自身だ。
「まさか、あたしから心剣が抜けるだなんて…!」
直感的に理解していた。
これが、心剣士とパートナーの絆の証――何物にも代えがたい至高の武具・心剣
であることを。
キリヤがそれに向けて手を伸ばし、しっかりと掴む。
「君の心…俺に預けてくれるか?」
断るいわれなどない。
力をこめて頷き、ティアナはキリヤを受け入れる。
「勝ちましょう…2人で!」
「…ああ!」
キリヤの手が、ティアナの胸から心剣をゆっくりと引く。
「んっ…」
心剣を通して、キリヤの胸に、ティアナの「心」が伝わってくる。
――眩しい…希望に満ちた、曇りのない光だ。
――刃を成すのは、目指すものに向かって突き進む真っ直ぐな意志…!
「光剣スティンガーレイ」。
ティアナ・ランスターの心が、確かな形を持って、遂にこの世に顕現した。
キリヤは、己の手の中でオレンジ色に輝く剣をしかと見る。
護拳が自らの手を覆うその剣の刃は細い。シーナがフェンシングで用いている、サーベルの刃だ。
無論、キリヤは刺突剣など使ったことはない。こんな形状の心剣は、過去に用いたことはなかった。
それでも、キリヤに迷いはなかった。
この剣は、ティアナの心そのものだ。ティアナを信じれば、スティンガーレイは応えてくれる。
決然とした表情で、キリヤは背後のティアナに向けて声を上げた。
「援護頼むぞ、ティアナ!」
「任せてください!」
ティアナもまた、左手のクロスミラージュを構え直す。
「うおおおおっ!」
スティンガーレイを構えたキリヤが、リザードマン目掛けて突っ込んだ。
とっさに敵のうちの1匹が盾を構え、その攻撃を受け止めようとする。
「たあっ!」
お構い無しに、キリヤはスティンガーレイを突き出す。同時にその刀身が、光の刃を身にまとい、相手の盾に叩き込まれた。
「ギャオッ!」
光は盾などなかったかのように、リザードマンの身体を深々と貫く。
スティンガーレイを手にした瞬間、キリヤは理解していた。この剣の前では、あらゆる防御は意味を持たない。
スキル・バリアブレイカーは、相手のガードを貫通する能力を有していたのだ。
「シャアーッ!」
崩れ落ちた仲間を見て、一対一では勝ち目がないと判断したのか、4匹のリザードマンが一斉に襲いかかる。
「そりゃあっ!」
それで怯むキリヤではない。目にも止まらぬ速さでスティンガーレイを振るい、リザードマン達を貫いていく。
スキル・スプレッドライトは、前方の敵に向けて放射線状に連続突きを繰り出す技だ。
加えて後方のティアナからの援護射撃が、待機していたリザードマンのうち2匹を撃ち抜く。
最早勝てないと悟った2匹のリザードマンは、文字通り尻尾を巻いて逃げ出した。
「逃がしはしない…!」
キリヤは姿勢を低くし、腰だめにスティンガーレイを構える。
ティアナもまた、痛みで震える右手をクロスミラージュに添え、リザードマンに狙いを定めた。
「いっけぇぇぇぇぇぇーっ!!!」
「ファントムブレイザーッ!!!」
キリヤの身体が弾丸のように敵目掛けて突っ込み、ティアナの魔力弾が寸分違わぬ狙いで撃ち放たれる。
スキル・ストライクレーザーとファントムブレイザーが、2匹のリザードマンに風穴を空けた。
「ふぅ…」
キリヤは一息つくと、ティアナの元へと歩み寄った。
手にしたスティンガーレイが消えるのを確認し、負傷しているティアナをおぶると、隊舎への帰路につく。
「傷…大丈夫か?」
背中のティアナに、キリヤが問いかけた。
「だいぶ痛むけど…多分、大丈夫です」
「そっか」
それを聞くと、キリヤは再び前を向いて歩を進める。
しばらくの間、両者は無言だった。
しかし、それはただ黙っているだけの不毛な沈黙ではない。どことなく、穏やかな空気の流れる沈黙だった。
「…なのはさんに」
そして、不意に口を開いたのはティアナだった。
「ん?」
「なのはさんに、自分の身体は大切にするようにって…大体そんな感じのことを言われたことがあるんです。
それが…夢を追いかけることの、1番の条件だったんですよね…あたし、忘れてました」
苦笑混じりに、ティアナが言葉をつむぐ。
「それが分かれば上出来さ」
「ですね」
キリヤとティアナが、共に笑い合う。
「…さ、帰ろう。俺達の仲間が、帰りを待ってる」
2人はいつしか、隊舎の前に立っていた。
光剣スティンガーレイ
武器性能:命中力・クリティカル率アップ
・バリアブレイカー(△)
防御を貫通する光の刃で敵を突く。心剣レベルに応じ、攻撃力・射程が増加。
・スプレッドライト(□△)
前方に連続で突きを繰り出す。心剣レベルに応じ、攻撃力・攻撃回数が増加。
・ストライクレーザー(□□△)
高速でダッシュし、敵を突く。心剣レベルに応じ、攻撃力・ダッシュ距離が増加。
スミマセン。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1597407 これ見ながらの投下だったんで、タイミングがまばらでした。
まぁそれはともかく、終わった終わったぃ!
や〜、いざ心を通わせようとなると難しいものです。
過程をしっかりと書いてほしいとありましたが、大体これぐらいで大丈夫かな…?
そう言えばゲーム中では、むしろ絆を深めるのは心剣抜いてからの心象世界イベントがメインだったなぁ…と思う今日この頃。
さあ、いよいよ次回はカオ…じゃなくて日常編ですよ!
元々やる予定はなかったけれど、なんか本筋が殺伐としてたから追加しちゃったよ!(ぇ
特にカラオケ編は、皆さんの脳内再生能力に完全依存していますからね。
お前らの妄想パワー、俺に見せてみやがれッ!(ぉ
>>500 GJ!!
なのは勢の中から最初に抜けたのはティアナでしたか。
これからの日常編も楽しみにしてます。
完結した暁にはアペンドディスクみたいにして出してくれないかな…
>ボウケンさん
若リンディの絵か…僕も見て見たいなぁ…
よし、誰か描いry
>>502 若いときのリンディさんって、ASのときと外見的に違いはあるのか?
身長が縮んで、若干顔の造形が幼くなるくらいじゃないだろうか……
AS〜STSの差を見る限り、たいした違いはなさそう
>>500 GJです
ただ、ニコニコを見ているとは公言しないほうがいいとおもいますよ
投下乙、それにしても心剣を抜く時は え ろ い な
今日は投下が少ないな・・
ヒント:平日
多い時には多いんですがねー。
つか最近感想レス少ないね。感想を強要する気はないけど
もうちょっとなんか賑わいが欲しいかも。
ずっと人大杉で見れてない人とかもいるからなぁ。
しかも人大杉の原因はこのスレも含めたSSスレって事にされてるようで。
ひどい冤罪だ…。
GJ!
ついにオリジナル心剣キタワ*・゜゜・*:.。..。.:*・゜(n’∀’)η゜・*:.。. .。.:*・゜゜・*ァ
早く男からも抜いてほすい。
>>508 理想郷で紹介すれば増えるよ。
>>511 理想郷に触れては駄目だろ…
感想も増えるが、俺TUEEEEEEな小説や、U-1系、主人公最強モノが氾濫するぞ
>>511 しかし、あそこは規模がデカイ故にアフォも流れてくるから紹介しないでくれと思うヤツは結構いるぞ?
ま、元から賑わってると屁でもないんだがね
あそこは・・・・・・・・まぁ楽しめるのも多いのだけれど、なんというかその・・・・・・・・・・自重しない人が多いよね?
U-1系か・・・
確かにオリキャラ出したらレイ、BMG、フェイトとのハーレムENDにする誘惑に勝てる気はしないな
516 :
×DOD:2007/11/26(月) 22:48:42 ID:6MFXYRuf
>>489 深夜特有のノリの御蔭です。
ジョジョは仕様です。
U-1系をよく知らないので詳細教えて
簡単に言えば・・・・・・・・・・・逆行ハーレムみたいな?
519 :
×DOD:2007/11/26(月) 22:53:20 ID:6MFXYRuf
>>517 分かりやすく例えるとだ
十代がデュエルする→それを見たなのは達が全員惚れる
こんな感じだ!
追記するならティアナやフェイトのトラウマとかも十代があっさり克服させたりするぜ!
原型を留めないほど強化最強化したキャラが好き放題するSSのことじゃい
名前を借りたオリキャラと言ってもよい
まあ、二次創作自体にそういった要素があるけど限度ってのがあるよね、なんにでも
どうもです。
日常編、ある程度出来たのでUPしようかと思います。
>>518ー521
レスサンクス
成る程、作者好みの作品って解釈すれば良いのね
>>517 あれだね
SSS+の魔導師ランクをもって、バカみたいに強かったり
ニコポでいきなり全員掻っ攫っていったりとか
無意味にオリジナル的要素を持ってきたがったり
なんかよくわからないけど、横文字や死とか滅とか龍とか撃とか言う文字を使いたがったり
武器が刀や銃が多かったり
まぁ、半2次創作
元々の原作キャラがあるのに、それが名前だけ残して、まったく別物になってるもの。
大抵は作者投影ものが多い。
類似にAKITOやYOKOSHIMA、KYOUYA、KAZUKIとかいろいろある。
「じゃ〜ん!」
もったいぶった動作でアリサが披露したのは、ゼネラルモーターズ社製の車、シボレーカマロの最新型モデル。
ブライトイエローに黒のレーシングストライプの真新しい塗装が、夏の陽射しを反射してきらきらと輝いている。
「アリサちゃん、車買ったの!?」
なのはは驚きの声をあげ、ヴィヴィオも興味津々で車を見つめる。
「ふふ〜ん、驚いた?」
なのはの反応に、アリサは満足そうに笑みを浮かべて腕を組む。
「うん、前に会った時免許を取ったのは知ってたけど、その時はお父さんの車だったんだよね」
アリサは、なのはの言葉に頷きながら、しみじみと語る。
「誕生日の時に、一学期の学科でオールAの成績を取れれば、車を買ってやるって父さんが言ったの。それを
聞いてもう必死で勉強したのよ」
続けて、すずかが当時のアリサの猛勉強ぶりを、
「その時のアリサちゃん、本当に凄かった。分からない所があったら、どんな些細な部分でも先生に色々と
聞いたり、ノートを書き切れなかったら私や他の友達から借りて、内容が一致しているかどうかも徹底的に確認
取ったりして。だから、私も一緒に色々手伝ったの」
アリサはすずかの方を振り向いて、彼女に笑いかけながらその後を続ける。
「すずかには色々と助けられたわね。テスト前の勉強を夜遅くまで付き合ってくれたり、レポート作成の時には
色々とアドバイスをくれたり…」
「でも、前日の深夜にいきなり電話してきて“もうダメ!”って叫んだ時は、流石に参ったけどね」
次の瞬間、アリサの顔がこれ以上ない程赤く染まり、すずかの肩をポカポカと両手で叩く。
「しょ…しょうがないじゃない! 出題範囲内の問題で分からないのが多過ぎて、どうなるか分からなかったんだから!!」
「ごめん、ごめん! だってその時のアリサちゃん、とっても面白かったんだもん!!」
「もう、すずかっ!!」
すずかは、笑いながらアリサの攻撃から逃げ、アリサは頬を赤く染めながら追いかける。
そんな二人の様子に、なのはに抱かれたヴィヴィオが笑い出す。
「面白いね、ヴィヴィオ」
なのはが微笑みながら言うと、ヴィヴィオも笑いながら頷く。
「うん、ママ」
なのはとヴィヴィオが、笑いながら様子を見ているのに気付いて我に返ったアリサは、相変わらず赤い顔のまま、
両手を拍手するように叩きつつカマロのところへ戻って来る。
「はいはい、悪ふざけはここまで! そろそろ街へ行くわよ!!」
澄ました表情と冷静な口調を装っているが、真っ赤な顔は取り繕いようがない。
アリサのその様子に、なのは・ヴィヴィオとすずかの三人は、互いに顔を見合わせて笑う。
「もう! 置いてくわよ!!」
アリサがドアを開けながら不貞腐れたように怒鳴ると、三人は笑顔のまま「はぁーい」と答えた。
支援
>>524 >類似にAKITOやYOKOSHIMA、KYOUYA、KAZUKIとかいろいろある。
理想郷で取り上げられている作品の主人公?
なんとなくわかるような
黄昏時、夏の陽が水平線に沈み、空が美しい茜色に染まる頃、カマロは海鳴市商店街の有料駐車場に入った。
なのは達四人は車から降りると、買い物客で賑わう商店街を少し歩いて「翠屋」という看板の掲げられた、
喫茶店兼洋菓子店へと向かう。
チャイムつきのドアを開けて中に入ると、店内は観光客や買い物帰りの主婦・カップル等で大変な賑わいを見せていた。
「うわぁ、すご〜い」
「はぁ…相変わらず大盛況ねぇ」
店内の様子にヴィヴィオは目を丸くし、アリサは溜息と共に呟く。
「以前より、人が増えてる気がするんだけど…」
なのはが店内を見回しながら言うと、その疑問に対してすずかが答えた。
「最近“ぴあ”で紹介されたんで、県外からのお客さんが増えたんだって」
「へぇ、凄いね」
なのは達が話し合ってると、MLBの半袖Tシャツとストレートジーンズとスポーツシューズに、エプロンを付けた男性店員が、
少々ぎこちないながらも接客業特有の笑顔でやって来た。
「いらっしゃ…おお、なのはか」
「あ、お兄ちゃん」
なのはは、兄の高町恭也に笑顔で話しかけた。
「今日はお店のお手伝い?」
「ああ、そうだ。最近雑誌に紹介されてお客さんが大変増えたから、時間があったら手伝うようにしてな」
「うん、すずかちゃんから聞いた。お父さんたちも大変だね」
「でも、来てくれたお客さんの多くが、リピーターとなってくれてるから有難いよ」
なのはと恭也が話し合っていたとき、後ろの方からなのはを呼ぶ声がした。
「なのはさーん」
マジョリカブルーのスラッシュネックTシャツに青のバギージーンズという服装と、紫色のショートカットな髪型と相俟って
ボーイッシュな雰囲気を漂わせる女性。
黒のタンクトップにオリーブのカーゴパンツと、オレンジ色の長髪をツインテールにした女性。
二人の女性が、なのはの方へと歩いてきた。
「スバルと…ティアナ?」
「えへへ…お久しぶりです」
紫髪の女性は、にこやかに頭を下げる。
「ご無沙汰しております」
オレンジ髪の女性は、緊張気味に敬礼を返した。
「ティアナ、別に部隊に居る訳じゃないんだから、そんなに畏まる必要はないよ」
「あ、はい。どうも」
なのはに指摘されたティアナという名の女性は、顔を赤くしながら頭を下げる。
「なのは、その人たちは?」
恭也が尋ねると、なのはは笑顔で。
「紹介するね。二人とも機動六課時代、私の教え子だったの」
「スバル・ナカジマです」
紫髪の女性がそう言って、笑顔で頭を下げる。
「ティアナ・ランスターと申します」
オレンジ髪の女性は、凛とした表情で軍人調に頭を下げる。
「で、こちらは私のお兄ちゃん」
「高町恭也と言います」
恭也は、店の手伝いで培った丁重な仕草で頭を下げた。
>>527 KYOUYAはとらいあんぐるハート版の恭也の事ですね。
とらハやった事無い人にはよく解らないかも知れませんが恭也って元々
かなり厨スペックなキャラなんすよ。
そうすると二次創作もアレなのが多くなるという…。
それと支援。
>>527 AKITOはナデシコのアキト。
YOKOSHIMAはGS美神の横島
KAZUKIはまぶらほの和樹
のことを指すのです。
>>529 でも、原作の都築氏はそういった恭也至上主義とした作品は大嫌いらしいですけどねwww
そして、支援
すみません、今回はここまでです。
ここで出てきたカマロは、映画を観てれば分かりますがトランスフォーマーです。
実は、車内でラジオをつけたら、いきなりロブ・ゾンビの歌が流れてヴィヴィオが泣きかけたりなどの
シーンを書いていたのですが、かなり冗長になってしまったので大幅にカットしております。
間に合わせようと色々いじった挙句、かなり薄い文章になってしまって申し訳ありませんでした。
渦中の恭也登場
タイミングがいいというかw
GJでした
しえ・・・って間に合わなかったぁ!
>>530 OVAじゃあかなり露骨に恭也TUEEEEをアピールしてましたけどね。
あれって脚本都築氏でしたよね?
支援。
GJ!
今はまだほのぼの…
しかし彼らの登場が日常を非日常に変える!
なんかいずれ最強主人公リストに7NO83とか追加されそうで・・・
>>531 GJ!!
しかし、ほんとナイスタイミングwwww
>>534 そうなんですけどね。
まぁ、都築氏なりに恭也に対する考え方があるのだと思うのですよwwww
支援間に合わなかったあああああ!!それはおいといてGJでした!!
>>517 あとはNANAYAとかSHIROUとかも結構あったりする。
>>531 GJ!
そう言えば、スバルの原型となったキャラがとらはにいたらしいというのを思い出しました。
名前忘れましたが、当時はアホ毛がなかった様子。
>>534 そして仇敵も特殊部隊もYoeeeeee!だったぜ。
>>539 晶のことかーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!
お猿とミドリ亀を思い出してしまったよwwww
>>531 GJ!
>>539 城島晶ってキャラですね。
でもヴィジュアル的には晶はクロノに似てる(顔付きとか髪型とか)と思うんだけどなあ…。
(とらハにはとらハバージョンのクロノが出てきますがあんまりテレビ版のクロノに似ていない。)
>>540 軍ヲタもどきの自分としてはああいう風に
安易に軍隊とかそれに類する組織を踏み台にするやり方は好感持てないんですけどね。
>>541 他には…フィリスせんせがフェイトの元ネタ(外見はリィンフォースUだけど)で
シグナムの元ネタが2の神咲薫ですかね?
最近Crysis効果で北朝鮮兵士1人すら強敵ではないかと思ってるこのごろ。
元SWAT隊員と犯罪者を説得するクロスSSが(ry
流れを切るようですいません
Strikers May Cryさんのを読んでいたらダンテだったらどうなるかとか考えているうちに書いちゃったのですが投下してもいいでしょうか?
GJを下さいました皆様、本当にありがとうございます。
次では、高町一家とスバルたちのあたたかい交流の途中で事態が急変する風に描く予定です。
本作の恭也は、U-1系万能キャラには…ならないですね。
現時点では、どのような扱いになるかは未定ですが。
>>543 だと思いますよ。
ヴィータは美緒で、シャ○は愛さん?
ヴォルケンズは2からッぽいのが多い気がします。
>>545 カモカモ
お待ちしております。
見てみねば分かりませぬ。
>>546 いや、そこはならないと断言すべきところではないだろうか?
>>546 銀髪でオッドアイにしなければ大丈夫だと思うよw
>>547 アルフの元ネタは久遠だとも言われてますよね。
それとリスティの生い立ちには戦闘機人と符号する点がある(これは自分のストライカーズネクストでもネタにするつもりですが)。
「ピザはあるんだろうな?」
あとはジン・トニックとストロベリーサンデーも、とダンテは付け加えた。
これがダンテの好物であり、今回の条件でもあった。
何故彼がこんな事を聞いているかを説明するには少し時間を遡る必要がある。
事の発端はデュマーリ島での事件だ。
要するにデビルメイクライ2本編の事で、その最後にダンテは魔界へと行き、帰れなくなってしまった。
そして、その事に関して干渉しようとする者達がいた。
時空管理局だ。
管理局からすれば人間界(第169管理外世界)と魔界(第666管理外世界)が一時的にとはいえ繋がった事は問題である。
この事態に管理局は調査隊を派遣。
この調査隊の指揮を執ったのがフェイト・T・ハラオウンである。
調査隊はまず、魔界の方で人間界と繋がっていた場所を見つけ、エリアサーチを行なった。
その結果、魔界にはあるはずの無いタイヤの跡を見つけその跡を追跡。
そして数時間後にガス欠で動かないバイクとその持ち主を発見。
血のような赤を基調としたロングコートが特徴的な持ち主の男は事情を聞くべく近づいたフェイトに向かってこう言った。
「よう、いきなりで悪いがガソリン分けてくれねーか?」
悪魔も泣き出す男と、後の機動六課ライトニング分隊隊長の邂逅であった。
「つまりあなたはアリウスという男の野望を止めた為にここに来たというわけですね?」
「ああ、そうだよ」
フェイトからダンテへの質問が始まって十数分。
ダンテから聞き出した事実はフェイトにとって驚くには値しない出来事だった。
何らかの目的を持った者がそのために異世界への門を開く、それはフェイトの母も行なおうとしていたことである。
それを止めたこの男には力はあれど危険は無いはず。それなら元の世界に帰してあげるべきだ。
フェイトはその旨を伝えダンテも帰れるなら帰ろうと思ったため、ダンテは元の世界に帰り、それで終わりになるはずだった。
ダンテが書類の手続きのためにミッドチルダの本部に来ていた時に、あるちびだぬきがダンテの事を聞いてしまった事で終わりにはならなかった。
支援
「機動六課に来ません?」
ダンテの事をフェイトから聞いた途端に現物を見に行き、
そしてそれなりの実力を持っている事を見抜いたちびだぬきこと八神はやてがダンテを勧誘してしまったのだ。
はやてが見たところダンテの実力は少なく見積もってもAA。かなりの戦力になるだろう。
そしてダンテは今のところ何の資格も検定も受けていない。つまり、いくらでも誤魔化しようがあるのだ。
彼がこういった事を受けるかどうかはそこに悪魔が絡んでいるかどうかで決まる。
だがダンテははやての勧誘を受けながら別のことを考えていた。
確か一年間顔を会わせなければ借金って無効になるんだったか?
これである。もっとも法律なんて彼らの間で役に立つかどうかは疑わしいが。
だがダンテはなんとなくこの仕事をする気になっていた。
勘ではあるがダンテは『軌道六課にいれば悪魔と関る事になる…多分』と思っていた。そして彼は自分の勘を信用している。
ダンテが金などに興味を持たない事を知ったはやては「可愛い子もいっぱいおるで〜」と別の手を使ってきている。
が、既にダンテは結論を出していた。
「おれの質問の答え次第だな」
と。はやてはダンテの反応から結構乗り気であることを悟った。
「なんです?」
と聞き返したはやてに対して帰ってきたのが最初の言葉である。
これに一瞬はやての頭は止まったが、すぐにこれが彼なりのジョークであることに気付き、
「それが条件なら食堂のメニューに追加しますよ」
と笑みを浮かべながら返した。
これがきっかけで機動六課の食堂は予定されていたよりちょっとメニューを増やす事となった。
部隊長である八神はやてのこれからの苦悩と引き換えに…
支援?
今回は以上です
短くてすいませんが最初ってのはどうしても難しくて…
次回からはもう少し長くする予定です
あと、タイトルに関してですが仮なのはStrikers May Cryさんに許可を頂きたいからです
Strikersって単語のつける位置をダンテは弟だから後にしようみたいなノリで決めたので…
(エキサイト翻訳では『ストライキ参加者を決して悩ましません。』となりました)
Strikers May Cryさんこのタイトルでいいですか?
557 :
508:2007/11/26(月) 23:59:46 ID:a9X3IDTl
言い出しっぺの自分が感想書いてなかったので昨日今日の分だけでも。
>> リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー 氏
昔のリンディにはたしかに萌えるものがある。あと戦闘描写が濃ければもっとカッコイイ。
>>リリカル・コア 氏
GJ!パンツ多すぎw俺はスパッツの方が好きだけど。
>>なのはVSボウケン 氏
面白かった、テーマは兄弟愛?アニメはラスト数分で絶望したけど、原作はそんなにいいの?
感動した最終回の漫画とかってスレでよく見かけたのは知ってるんだが。
>> なのはStrikerS-NEXT 氏
GJ!オリジナルのオルフェノクまで考えてるとは。しかもカンガルーとはなんか可愛いw
でも彼女らも短命なのか……。
>>リリカルなのはFeather 氏
ライディーン今度見てみようかな。たしかに句読点、特に文末は「。」があったほうが見やすいです。
>>×DOD 氏
GJ!管理局入りかぁ。色々不安です。あとシグナムって色んな作品でこんな扱いが多い気がするw
>> SHINING WIND CROSS LYRICAL 氏
GJ!心剣を抜くシーンがなんかエロいです。和気藹々とした雰囲気が良かった。カラオケにも期待。
>> 魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS 氏
本編後の話ですか。服やら車もちゃんと書いてるのはGJ!
>> Devil never Strikers 氏
ちょっと短いけど続きも期待してます。こうやって触発されていくのはいいことだと思う。
GJ!
ダンテはまあダンテだからいいとして。
だが、はやてよ。
いくら戦力欲しいからって、たまたま来ただけの別世界人のうえ何の関係もない人をホイホイスカウトすんなよ。
アニメ通りとはいえちびだぬきという呼び方は馴染めぬ。
>>536 既に手遅れでござる……
てか、なのははSSじゃなくてアニメの魔王厨のせいでU−1系キャラ扱いという珍しい例だけどなwww
全く困ったものです
まあ、そういうSSを見たことないわけじゃないけど
>>560 なのはさんが圧倒的魔力でクロス元のキャラを蹂躙したり、ありえないくらい攻撃的で喧嘩っ早かったり、原作では運動神経鈍いから才能無しと判断されて教われなかった、御神流の剣術を習得していたりとかなw
562 :
りりかる剣心:2007/11/27(火) 00:56:17 ID:ufAJ6blm
職人の皆様GJです。
第三話が出来ました。投下良いですか?
>>558 何か機動六課って男塾みたいだな>対戦相手が留学生として入塾
来てください
565 :
りりかる剣心:2007/11/27(火) 01:03:36 ID:ufAJ6blm
弱い者は死に、強い者が生きる。と教えてくれたあの人。
やり直すきっかけを与えてくれた事を教えてくれたあの人。
自分の犯した殺し(あやまち)は正しいのか……間違っていたのか。過酷な答えを異世界で探す事になった微笑みの剣客。
彼はどんな答えを出すのか……。それは彼にもまだ知り得ない。
魔法少女リリカルなのはStrikerS−時空剣客浪漫譚−。始まります。
第三話「微笑みの力。出会いし運命の者達」
瀬田は俺の嫁支援
567 :
りりかる剣心:2007/11/27(火) 01:06:46 ID:ufAJ6blm
眼にも止まらぬ速度を展開し、トーレは少年を翻弄せんと辺りを移動し始める。
「わぁ、凄い速いなぁ。緋村さんより速いや」
しかし、少年は笑顔を絶やす事なく彼女の姿を追っていた。
そして、トーレも彼の脚が確実に自分に追いついている事に少しの焦りを感じていた。
その焦りは自分の姿を追う彼の脚の速さだけではない。
−何故だ……何故、あいつから闘う意気が感じられない!?
それは姉妹達との模擬戦であれば必ず感じた闘気。それが彼から察知出来ないでいた。
−いや、あいつは魔力の扱い方も知らないはずだ!!
そして、トーレは自身の内に生じた迷いを断ち切らんと……手足にインパルスブレードを展開し、少年に斬り付けんと飛び掛かる。
「な……!?」
だが、少年はそこに居なかった。
「驚いたなぁ♪僕、今までトーレさんみたいな速い人見たこと無いや。」
背後から聞こえた少年の声にトーレは驚いた表情で振り返る。
無理もない、彼は、トーレの高速機動からの一撃を避けたのだ。
−速い……。
「トーレさん。貴女の技に僕も応えますね……縮地、三歩前で」
そう、告げ。彼が告げた三歩前まで歩いた瞬間。彼はトーレの眼の前から消える。
いや、彼女同様。視認速度を越えた速さで彼は……走っているのだ。
「くっ!!」
再び、ラインドインパルスを展開し彼の速さと日本刀からの一撃を防ぐべく、トーレは迎え撃つ。
繰り出される日本刀の切っ先を紙一重で回避し、少年の身体を右脚部のインパルスブレードで斬り飛ばす。
「わっ!! はは、凄いなぁ」
少年は日本刀で防御し、飛ばされるも壁を蹴り、刀を握り直して再び走りだす。
しかし、既にトーレは彼の背に回り込んでいた。
「あれれ」
少年は日本刀を握る右手を背後から掴まれ、その状態で床にたたき付けられてしまい。その衝撃で刀にヒビが入ってしまう。
そして、背中にはトーレの左手に展開しているインパルスブレードが突き付けられている。
「……終わりだ、宗次郎」
568 :
りりかる剣心:2007/11/27(火) 01:08:54 ID:ufAJ6blm
「いたた……あはは、トーレさん強いなぁ♪」
自分が危ない状態であるというにも関わらずにこにと笑顔を絶やさない宗次郎。と呼んだ少年にトーレは呆れたようにため息をつき。 彼から離れて立ち上がる。
「まったく、これが実戦ならお前は死んでいるんだぞ?」
「あはは、すいません。」
トーレに立たせてもらい、宗次郎はにこにこしながら損傷した日本刀を腰に差した鞘に納めて彼女を見遣る。
「しかし……蹴られると同時に足のインパルスブレードを斬るとはな」
彼を蹴った右足を見遣ると展開していたエネルギーの刃は綺麗に斬り落とされていた。
−あの時に斬ろうと思えば足ごと斬れたはずだ……。
「何故……」
「トーレさん?」
不思議そうな表情で覗き込む宗次郎に彼女はなんともない。といったように顔を横に振る。
「ああ、いや。何でもない」
尋ねても、こいつは笑って流すだろうな……。
そう自分に言い聞かし、トーレは納得する。
すると
『瀬田君、データは取れた。トーレと戻ってきてくれ。』
突然、訓練室に響く男性の声にトーレは表情を引き締めて「はい」と頷くが。
「わかりました、スカリエッティさん♪」
と、にこにこの笑顔で答える宗次郎に傍に居たトーレはつい笑顔が零れてしまう。
「やれやれ……早く行くぞ宗次郎」
トーレの声に宗次郎は「はい♪」と答え、彼女と共に訓練室を後にする。
廊下を歩く最中、トーレはある事を考えていた。
それは今、自分の隣でにこにこと笑顔を絶やさない宗次郎の事だ。
−思い出せば一昨日。Dr.の指示でレリックの捜索に出ていたルーテシアお嬢様が気絶していたこいつを連れてきたんだったな……。
最初、会った時はにこにこと笑っていて変な奴と思った。しかし、不思議な事に宗次郎と居ると心が落ち着く……というのかなんというか。
共に居て悪い気はしない。
「どうしました?」
先程から押し黙っているトーレが気になり、宗次郎は声をかける。
「あ……いや。着いたぞ」
569 :
りりかる剣心:2007/11/27(火) 01:11:44 ID:ufAJ6blm
訓練室を出てからしばらくして、二人は研究室へと入る。
そこには一人の科学者と女性が宗次郎とトーレを待っていた。
「やあ、瀬田君」
「ただいま戻りました、スカリエッティさん。あ、ウーノさんも見ていたんですね……なんだか恥ずかしいな」
にこにこと笑顔で告げる女性は紫色のロングヘアーを揺らして微笑み返す。
「いえ、なかなか良い動きでした宗次郎さん」
「ありがとうございます。ところでスカリエッティさん。僕はどうでした?」
スカリエッティと呼ばれた白衣の男性は自分の事のように微笑み、宗次郎の肩に手を置いて告げる。
「ああ、はっきり言わせてもらうと……君は素晴らしいよ。魔力無しでトーレとあそこまで渡り合えるとは驚いた。」
興奮したように宗次郎を褒めるスカリエッティ。
その理由は先程、トーレの速さを越えた脚力であった。
ただの人間が一瞬ではあるが、戦闘機人を越えたのだ。信じられない……だが、信じるしかない。
「瀬田君、君が目覚めた時に話した件。考えてくれたかな?」
スカリエッティの質問に宗次郎は迷うことなく強く頷く。
彼が宗次郎に話したのは彼の夢、生命操作技術の完成、そのための環境作りという「聖王の器」創造計画、そして人造魔道士計画。
普通なら昨日今日で出会った者になど話しはしない性格の男だ。が、スカリエッティは宗次郎から。仕えていた志々雄真実の思想を聞かされ、この少年に興味が出たのだ。
レジアスのような男に仕えていたのなら私の夢がわからないことは無いだろう。
570 :
りりかる剣心:2007/11/27(火) 01:14:23 ID:ufAJ6blm
「命を操作するなんて考えてもみませんでした。」
−たくさんの命を殺めた僕にとって命を新たに作り上げるのは……償い。なのかな。
悪い事?良い事?
僕は答えを探している途中だ。途中なんだ。
わからない。けど、この人の夢を見れば僕は答えの手がかりが見つかるかもしれない。
「スカリエッティさん。僕の力が役に立つなら……僕は手伝います。」
「瀬田君。ありがとう」
「……それとこの刀、借りたのにすいません」
腰から日本刀を外し、鞘から抜くと刀身にヒビが入っていた。
しかし、スカリエッティはなんともない。と言ったように顔を横に振る。
「いや、なまくらな刀を用意した私の責任だ。代用品はまた用意しよう……それと、君はこれから皆に強くしてもらうと良い」
刀を受け取り、ウーノに手渡しながら告げたスカリエッティの言葉に宗次郎は疑問符を頭に浮かべる。
「皆……ですか?」
宗次郎の尋ねに彼は「ああ」と頷き、宗次郎の傍に居るトーレに目配せをする。
スカリエッティの眼から考えをくんだ彼女は背後に顔を向ける。
「Dr.からエネルギーについて聞いたと思うが、お前にエネルギー理論や実戦の授業を私や妹が教えるんだ。」
「御呼びですかDr.ー?」
トーレが向けた視線の先に二人の少女の姿が現れ、研究室に一人の声が響く。
支援
572 :
りりかる剣心:2007/11/27(火) 01:15:43 ID:ufAJ6blm
「ああ、クアットロ。チンク。彼が瀬田宗次郎君だ」
スカリエッティの声に彼女らは宗次郎を見遣り、右眼に眼帯をした銀髪の少女が一歩前へと出る。
「No.5。私はチンクだ。これからはトーレ姉様と代わる代わるでお前に実戦訓練をする。よろしく頼むぞ、宗次郎」
「チンクさんですね。よろしくお願いします。」
「あ、ああ」
にこにこの笑顔で頭を下げる宗次郎。そんな彼にチンクは不思議な感じを抱きながら頷く。
「私を差し置いて勝手に挨拶しないでほしいわー、チンクちゃん。
貴方が宗ちゃん……可愛いわね♪ 私はNo.4のクアットロ。これから宗ちゃんにこの世界での理論をウーノお姉様とで教える事になるからよろしくね」
チンクを手で払いのけ、足から顔をなめ回すように見やって微笑むクアットロに宗次郎はにこにこと笑顔で答える。
「勉強苦手だけど。はい、よろしくお願いします。クアットロさん」
自己紹介を終えた所でスカリエッティはクアットロとチンクに声をかける。
「模擬戦も済み瀬田君の身体能力も分かった。二人共、彼にこの施設と彼の部屋を案内して貰いたいんだ。」
その言葉にクアットロとチンクは「わかりました」と頷く。が本心はお互いが好きではない。だが、姉が二人もいる為に口論などできない。
「では、スカリエッティさん。ウーノさん、トーレさん。また後ほど」
そんな二人の心境を知らない宗次郎は、にこにこの笑顔でスカリエッティ達に頭を下げている。
彼のその姿に二人は毒気を抜かれ、あっけらかんとした表情でスカリエッティに頭を下げ、研究室を出ていく。
573 :
りりかる剣心:2007/11/27(火) 01:17:41 ID:ufAJ6blm
「しかし、あの子の力……凄いものだ」
宗次郎と二人が出ていった後、そう呟くスカリエッティの意見にトーレはこくりと頷く。
ウーノは近くの計測器に歩み寄り、宗次郎から取れたデータをモニターに立ち上げてキーを叩く。
「彼が『三歩前』と告げてから、視認速度を越えた移動は……トーレ。貴女の能力に等しい。Dr.、魔力も微量ではありますが計測できました」
解析結果にトーレは「そうか……」と納得する。
たしかに、模擬戦の時の宗次郎の移動速度は一瞬ではあるが自分の視認速度を越えた……つまり、見失ったのだ。
「それに何故かな……彼と居ると心が安らぐ。もしかしたらそれが彼の魔力かもね」
スカリエッティは昨日、今日とで。彼と話している間、気持ちが癒されている事に改めて確信した。
「もしかしたら彼は、私達にとって新たな力になるかもしれないな……。」
この時、スカリエッティは宗次郎に対する認識を改めていた。最初はただの迷い人であったが今では……。
「スカリエッティさん……か」
私を心からの笑顔で見てくれる人間は初めてだ。
さて、新しい刀を用意しなくてはな。
574 :
りりかる剣心:2007/11/27(火) 01:20:10 ID:ufAJ6blm
「で、ここが再生ルーム。怪我したりしたら私達はここに入るわ。」
「おおざっぱ過ぎるぞ、クアットロ姉様」
その頃、クアットロとチンクは宗次郎に施設内の部屋各所を案内していた。
少しぎすぎすした空気を放ちながら。(宗次郎は気付いていない。)
「あらぁ〜、お姉様に対する口の聞き方がなっていないんじゃないかしらおバカのチンクちゃん?」
「お前みたいな奴を姉などと心から思った事は無い」
「へぇ、お仕置きされたいのかしら?」
「されたいのはお前じゃないのか?」
互いに眼を鋭く光らせ、クアットロとチンクは睨み合う。
二人は普段から一緒に居る事が嫌である。それは今すぐにでも自分の部屋に帰りたい気持ちである。だが……
「わぁ、凄いなぁ♪見た事ないや♪」
より純粋な笑顔で部屋を見回す宗次郎が眼に入り、つい。ほっとく事が出来ないでいたのだ。
「あ……もう、宗ちゃんって得な子ね……帰るわ」
宗次郎の笑顔を見てクアットロとチンクは毒気を抜かれてしまう。
すると彼女はその場を離れてしまう。
なんぞこれなんぞこれw
支援
支援します!
577 :
りりかる剣心:2007/11/27(火) 01:24:08 ID:ufAJ6blm
「で、ここが再生ルーム。怪我したりしたら私達はここに入るわ。」
「おおざっぱ過ぎるぞ、」
その頃、クアットロとチンクは宗次郎に施設内の部屋各所を案内していた。
少しぎすぎすした空気を放ちながら。(宗次郎は気付いていない。)
「あらぁ〜、お姉様に対する口の聞き方がなっていないんじゃないかしらおバカのチンクちゃん?」
「お前みたいな奴を姉などと心から思った事は無い」
「へぇ、お仕置きされたいのかしら?」
「されたいのはお前じゃないのか?」
互いに眼を鋭く光らせ、クアットロとチンクは睨み合う。
二人は普段から一緒に居る事が嫌である。それは今すぐにでも自分の部屋に帰りたい気持ちである。だが……
「わぁ、凄いなぁ♪見た事ないや♪」
より純粋な笑顔で部屋を見回す宗次郎が眼に入り、つい。ほっとく事が出来ないでいたのだ。
宗次郎の笑顔を見てクアットロとチンクはすっかり怒りが消え失せてしまう。
「あ……もう、宗ちゃんって得な子ね……帰るわ」
クアットロはそう告げ、その場を離れてしまう。
578 :
りりかる剣心:2007/11/27(火) 01:26:11 ID:ufAJ6blm
「あ、おい」
チンクは彼女の背に声をかけるがクアットロは後ろ手に「後を頼むわね〜」と手を振りながら姿を消してしまう。
「クアットロさん、ありがとうございました♪」
「宗次郎、礼を言う必要はない。」
相変わらず笑顔を崩さない彼にチンクは途中で投げ出したクアットロへの呆れと開放感から複雑な表情を浮かべてしまう。
クアットロ姉様とあんなに話したのは初めてかもしれない。それに何故だ……?
再び部屋を興味深そうに見回している宗次郎の横顔をチンクはちらりと見遣る。
こいつが傍にいると怒りがすぐに飛んだ……。いや、気のせいかもしれない。
自分にそう言い聞かせ、チンクは彼に声をかける。
「まったく…あいつめ……まあ、仕方ない。宗次郎、次はお前の部屋だがこの通路の先にある。近くまで送る」
「あ、はい。チンクさん」
促され、宗次郎はチンクと共に部屋へと向かう。
一方、彼らと別れたクアットロは自分の部屋に戻ってからベットに腰掛けていた。
「ありがとうございます……か」
そう呟く、彼女の心には宗次郎の言葉が響いていた。
正直、興味なんて会うまではなかった……けど。実際、あの子に部屋を案内してて変に嫌な気はしない。
「……本当に得な子ね。宗ちゃんって」
りりかる剣心氏にまでどじっこが観戦してるよ支援
580 :
りりかる剣心:2007/11/27(火) 01:29:21 ID:ufAJ6blm
同じ頃、施設内の別の部屋。
「なー。ルールー」
小さい妖精のような少女がそう呼ぶと、少女が紫色のロングヘアーを揺らし、振り返る。
「何?」
「あのガキが起きたってよ」
妖精の言葉に少女は物静かな眼を一瞬、見開かせて昨夜連れてきた少年の事を思い出す。
Dr.スカリエッティの指示に従い、とある次元世界に行った時にふらふらであるにも関わらず笑顔を絶やさなかった少年。
私の顔を見た瞬間、彼は私に話しかけ彼自身の名を告げて倒れた。
普段から表情の変化を見せない彼女に妖精は少し驚く。
「あの少年が起きたか……。ルーテシア、どうする?」
少女の傍に居た大柄の男がそう尋ねると、ルーテシアと呼ばれた少女はこくりと頷き、部屋の出入口へと歩み寄る。
「会う」
せた、そう……じろう……。
その時のルーテシアの表情は。
なんとも不思議なものであった。
妖精−−いや、アギトは驚きながらもルーテシアの肩の上に飛び寄る。
しかし、その表情はまるで母親を見るような……。
と、ゼストはそう感じていた。
彼女らは部屋から通路へと出る。
すると、その通路の先には部屋の入口に立つ一人の少年の姿があった。
チンクに部屋を案内して貰って彼女と別れたばかりの瀬田宗次郎であった。
そして、宗次郎はルーテシア達に気付き。にこにこの笑顔を見せる。
「あ♪ あなた達は……。」
少女の再会、スカリエッティに力を貸すと決意した微笑みの剣客。
だが、彼はこの場所に来た事でスカリエッティやナンバーズ、ルーテシア達と強い絆が生まれる事になる…そして……再び闘いにその身を投じていく事になるのだった。
続く
581 :
りりかる剣心:2007/11/27(火) 01:37:00 ID:9OqZ8ZBH
以上、第三話でした。
二話で書けなかった宗次郎の状況を書きましたがいかがでしょうか?スカリエッティやナンバーズ、ルーテシア達と深く絆を繋いでいく感じにしましたがw
四話は再び剣心組と斎藤の話になると思います。
582 :
りりかる剣心:2007/11/27(火) 01:42:28 ID:9OqZ8ZBH
すいません574は間違いですorz
GJです。
正義も悪も仲間と絆を深め合うとは・・・後の激突時が楽しみです。
絆が深いだけあって仲間がやられれば敵に対する憎しみの連鎖もさらに倍ッ!!倍率ドーンッ!!
どっちかが確実に相手を捕まえられる状態になったら、今から君を嬲り殺すからな的な台詞に期待です。
どじっこなりりかる剣心氏に萌えつつ、GJ。
瀬田がナンバーズにつきましたか。
彼は再び剣心と会うまでに、答えを見つけられるんでしょうかね?
続きが気になってきます。
でも、「おろ」が無いと何かモノタリナイ・・・・w
585 :
なの魂の人:2007/11/27(火) 01:58:10 ID:uXjoDg0/
GJです
ああ、やっぱり宗次郎の神速はこっちでも健在か…
速度勝負で勝てるのが剣心しか思い浮かばねぇw
こちらも第6話が出来たので、投下してもよろしいでしょうか?
どうぞー!!!
マッテタゼ!
支援します
588 :
なの魂:2007/11/27(火) 02:02:25 ID:uXjoDg0/
「はぁ……」
どうしたものか。
机の前で頬杖をつき、ため息をつくはやてを見て新八はそう思った。
今朝ここへ来た時から、ずっとこの調子だ。
何か気に障ることでもしてしまったのだろうか? などと思うが、思い当たる節がない。
なら直接聞いてみようか。とも思ってみるが、もし自分が何かやらかしていた場合、非常に立場が悪くなる。
新八は仕方なく、神楽に相談してみることにした。
「……なんか今日のはやてちゃん、微妙に元気無いね…。どうしたんだろ?」
ボソボソと耳打ちする。
そんな新八を、神楽は哀れむような目で見る。
「女心が全然分かってないネ、新八。そんなんだからお前はいつまで経っても新八なんだヨ」
「なんだァァァ! 新八という存在そのものを否定か!? じゃあ一体なんだってんだよチクショー!」
さすがにこの物言いには新八もキレた。
しかし分からないものは分からない。
怒りながらも答えを乞うと、神楽は酢昆布をしゃぶりながら得意げな顔をした。
「女の子が理不尽に憂鬱になる理由なんて、一つしかないネ」
人差し指を立て、意味深にはやてを見つめた後、一言。
「あの日」
「マジで? 大変だ。お赤飯炊かないと」
いそいそと台所へ向かい、割烹着を着ようとする新八。
妙なところで気の利く男である。
だがしかし、彼らの会話をこっそり盗み聞きしていたはやては神楽の意見を真っ向から否定した。
「ちがぁぁぁぁぁう!! なんてこと言うんや神楽ちゃん!!」
顔を真っ赤にして抗議の声を上げるはやて。
しかし神楽はそんなことなど意に介さず、ニヤニヤ笑みを浮かべながらはやての肩を叩く。
「恥ずかしがることないネ。女の子なら必ず通る道ヨ」
「だーかーらー!」
茹蛸のようになりながら腕をブンブン振り回すはやてだが、彼女のそんな仕草が神楽の悪戯心を刺激してしまったようだ。
肩に手を回し、なにやらはやての耳元でボソボソ言い出した。
「……!!?」
何か教育上よろしくないことでも吹き込まれたのだろうか。
直後にはやてが、口からエクトプラズムのようなものを出しながら机に突っ伏してしまった。
神楽は心底楽しそうな表情をしているが、さすがにこれ以上ははやてが可哀相だ。
新八はどうにか話題を変えようと試みる。
「でも、ホントにどうしちゃったの? 具合が悪いんなら、病院に行ったほうが……」
などと言うが、ちゃっかり小豆を鍋に入れてる辺り、お前も神楽と同じ事考えてただろうとツッコみたくなってくる。
だが、はやては何も応えない。
半ば強制的に大人の階段を昇らされたショックで、現世との交信が不通になっているようだ。
589 :
なの魂:2007/11/27(火) 02:04:32 ID:uXjoDg0/
「……もしも〜し。入ってますかー?」
コンコンと机を叩いてみる。
しばらくすると、もぞもぞと重たげにはやてが身体を起こした。
「はぁ……世の中には、まだまだ私の知らんことが一杯あるんやな…」
恍惚とした表情で呟くはやて。
一体何を教え込まれたのか、非常に気になるところである。
が、この際それは置いておこう。
「多分、知らなくてもいいことまで知っちゃったと思うけどね……。それより、本当に大丈夫?
病院、連れて行ってあげようか?」
心配そうに言う新八だが、はやては首を横に振った。
「ん〜…具合悪いわけやないんやけど……。なんかいつもおる人がおらんと、調子狂うなーって…」
そう言って部屋を見回す。
普段はいて、今日はいない人物。
そう、あの白髪の天パ侍だ。
「今日は銀ちゃんこーへんの?」
「ちょっと用事が入っちゃったらしくてね。お昼過ぎにはこっちに来るって言ってたよ」
なの魂 〜第六幕 何でもかんでもツンデレ扱いするな〜
少し時間は戻る。
同日早朝、街を見渡せる小高い丘の上になのはとユーノはいた。
辺りに人がいないのを確認し、バリアジャケットを装着。
レイジングハートを構える。
「それじゃあいくよ、レイジングハート」
『All right. Divine shooter Stand by.』
声と共に、レイジングハートから小さな光の球が発生する。
光球はしばらくゆらゆらと不安定に浮かんだ後、その場に停止した。
前回の敗北後、毎日続けている新魔法の特訓だ。
(ふぅ……ここまではなんとか…。次は……)
「なのは……やっぱりいきなり誘導操作弾は無茶だと思うよ…」
光球の生成に成功し、一安心しているなのはにユーノが声をかけた。
それはそうだろう。
誘導系の魔法は制御が難しく、仮に制御が出来てもそちらへ気を取られやすく、他の動作が疎かになりやすい。
素人が一朝一夕で身につけることが出来るものではないのだ。
しかしなのはは、自信に満ちた顔でこう言い返した。
「大丈夫。成せば為る、だよ! それに私、エースコンバットとか結構得意だから!」
「……何それ?」
それは立ち回りでは?
支援
591 :
なの魂:2007/11/27(火) 02:08:13 ID:uXjoDg0/
聞き慣れない名前を耳にして首を傾げるユーノ。
分かりやすいように翻訳すると、空間把握には自信がある。ということなのだろうか。
某ステージのトンネルくぐりを初見でクリアしただけのことはある。
「…………」
光球の操作に集中するなのは。
すると今まで微動だにしなかった光球が林の方へ飛んでいった。
さらに神経を集中させると、林へ向かった光球は木々の間を縫うように巧みな機動を見せる。
まだ操作が不安定なようで、ぶつかった木の枝から結構な量の木の葉が舞い落ちるが、
それでもユーノを感嘆させるには充分な制御技術だった。
(……凄い。この短期間で、もう人並みに操作できるようになってる…!)
初めてあの砲撃魔法を見たときから薄々感じていたことだが、今この時になってそれを確信することが出来た。
才能があるなんてものじゃない。この子は、間違いなく天才だ。
(……もしかして僕、とんでもない人の才能を目覚めさせちゃったんじゃ…)
何を今さら。と言いたくなる様な考えを巡らせるユーノ。
しかし天才とはいっても人の子。
弘法も筆の誤りである。
「……へくちっ!」
なのはが突然くしゃみをした。
おかげで集中力が途切れてしまったのか、若干安定し始めてきた光球がブルブルと震えだし、あらぬ方向へ飛んで行ってしまった。
コントロールを失った光球は、近くの木にぶつかり小さな爆発を起こす。
「あ」
「あ゛」
素っ頓狂な声を上げるユーノとなのは。
それもそのはず。
今ぶつかった木のすぐ側に、人影が見えたのだから。
「……朝から情熱的な挨拶だなオイ。そんなに俺が嫌いか?」
危うく顔面爆破されそうになったその人物は、冷や汗をたらしながらなのはへ歩み寄ってくる。
「ごごご、ゴメンなさいゴメンなさい!」
ぺこぺことその人物――銀時に頭を下げるなのは。
銀時は特に気にした様子もなく、無言でなのはの隣までやってくる。
「……神楽から聞いたぞ。散々な目に会ったらしーな」
「…………」
途端に気まずい雰囲気になる。
先日の事件も、秘密の特訓も、彼には全て筒抜けらしい。
しばし押し黙っていると、銀時はそばのベンチに腰かけぶっきらぼうに話し始めた。
「で、負けたのが悔しくて新必殺技の練習ってか。勤勉だねぇ。
俺も『卍解!』とか『ヒテンミツルギスターイル!』とか使えるようになった方がいいんかね」
592 :
なの魂:2007/11/27(火) 02:10:15 ID:uXjoDg0/
冗談交じりにそんなことを言ってくる。
……確かに、負けたことが悔しくないと言えば、それは嘘になる。
だが、それ以上に……。
「……みんなに、心配かけちゃったから…。私がもっと上手く魔法を使えたら、きっと心配かけずに済んだんだろうなって…」
誰にも心配をかけたくない。
誰にも迷惑をかけたくない。
でも、困っている人がいたら手を差し伸べてあげたい。
理想論だというのは分かっている。
だが、先日のあれは……。
心配をかけてしまった。
迷惑をかけてしまった。
挙句、最初から最後まで助けられっぱなしだった。
胸に秘めた想いを、何一つ遂げることが出来なかった。
そのことが、一番悔しかった。
「心配かけたくねーなら、さっさとこんなことやめちまえばいーじゃねーか」
不意に銀時がそんなことを言い出すが、なのはは声を荒げてそれを否定する。
「それはダメです!」
そうだ。
途中で投げ出すことなんて出来ない。
目の前で誰かが困っているのに、それを見捨てることなんて出来ない。
それに……。
「『侍は果たせない約束はしない』。そう教えてくれたのは、銀さんでしょう?」
じっと銀時の目を見据える。
決意に満ちた目。
信念の宿った目。
そんな彼女の姿が、銀時には昔の自分自身と重なって見えた。
――大切なものがあった。
――護りたいものがあった。
――救いたいものがあった。
――だが、戦いの果てに自分が得たものは……。
「……変なトコで意地張って、大怪我しても知らねーぞ俺ァ」
そうとだけ言い残し、銀時はその場から立ち去る。
なのはは何も言わずに、彼を見送った。
…その後姿からは、哀愁のような物を感じずに入られなかった。
銀時がはやての家にやってきたのは、いいともが終わってしばらく経った頃だった。
「おーう。銀さんがやって来たよーっと」
と玄関をくぐり、居間へやってくる。
「…………」
いや初見であれは見るからに無理だから!支援
ぼけとしりあすのはーもにー支援
595 :
なの魂:2007/11/27(火) 02:12:46 ID:uXjoDg0/
しかし、誰一人として銀時に返事を返す者はいなかった。
定春は呑気に昼寝。
新八は茶をすすりながらテレビ観賞。
神楽ははやての本棚から借りてきた単行本を読みふけっている。
そしてはやては……銀時を一瞥した後、なぜかムスッとした表情をし、目を背けてしまった。
「あ、あれ? 何この雰囲気。小学校の時、めっちゃハイテンションで登校してきたら
時間間違えてて朝礼中だったときの雰囲気に似てるんですけど」
「なげーよ!」
「銀ちゃん全然乙女心が分かってないね。そんなんだから天パなんだヨ」
「ンだとコラァァァ!! テメーに天パの苦しみが分かるかァァァ!!!」
蔑む様な目で銀時を見る神楽。
最大のコンプレックスに触れられてキレる銀時。
頼む、天パには触れないでやってくれ。
「ふーんだ。遅刻してくるような悪い子は、無視や無視!」
そんな彼らの様子を横目で窺っていたはやては、銀時に聞こえるようにわざと大きな声で独り言を言う。
どうやら徹底抗戦の構えのようだ。
一体何が彼女をここまでひねくれさせてしまったのか。
しかし銀時は悪びれる様子もなく、したり顔ではやてを見る。
「そーかそーか。折角いい話持ってきてやったのに、無視されてるんじゃァしょーがねーなァ」
そう言って机の上に何かを放り投げる。
長方形の、カラフルな紙だ。
「あ、これって……」
「……海鳴温泉のパンフネ」
「昨日電話があってな。なんか屋根の補修してほしーんだとよ。で、報酬代わりにタダで一泊させてくれるとさ」
タダ、という言葉に思わず身を乗り出す神楽。
興奮した様子で一気にまくし立てる。
「マジアルか銀ちゃん!? 三食温泉付きアルか!?」
「はっはっは。とーぜんだよ神楽くぅ〜ん。これからは俺のことを銀様と呼びたまへ」
腰に手を当て、得意げに威張り散らす銀時。
なんという大人気の無さ。
間違いなくこの男の頭の中は中学2年生。
「…………」
視線に気付き、横へ目をやると恨めしそうにはやてがこちらを見ていた。
銀時は口に手を当て、嫌味ったらしく笑う。
「おやおや、どーしちゃったのかな〜はやてちゃ〜ん。俺のことは無視するんじゃなかったの〜?」
「はやては家で留守番してるネ。良い子にしてたら、お土産に耳掻きくらいは買ってきてやるヨ」
こっそりとなのはシナリオ行ってる
支援
597 :
なの魂:2007/11/27(火) 02:15:10 ID:uXjoDg0/
なぜか便乗してくる神楽。
それに対し銀時は「いや耳掻きはあまりにもあんまりだろう。せめて木刀辺りにしてやれ」と返す。
神楽は「木刀なんて生産性の欠片も無いネ。あんなモン買うの、修学旅行で悪ノリした中学生くらいアル」と返した。
「……う…うぅ〜…」
そんな二人の様子を見て、はやては小さく唸り声を上げた。
無理も無い。
朝からいじられっぱなしでストレスが溜まっていたところに、この仕打ちだ。
いじけたくもなる。
「ぎ、銀ちゃんなんか大っ嫌いやー!」
目尻に涙を溜めながらそう叫び、そっぽを向いてしまった。
すっかり機嫌を損ねてしまったお姫様の姿を見て、新八は困ったような表情をする。
「あらら、怒らせちゃった」
「新八さんも何か言ったってや! あんなまるでダメな大人、初めて見たわ!」
両手で机を叩きながら言うはやて。
といっても、所詮は9歳の少女の腕力。
それほど派手な音はせず、ぱんぱんと可愛らしい音が響くだけだった。
それにしても、彼女がここまで怒るのはかなり珍しい。
さすがにやり過ぎだな。
そう思った新八は、どうどう、とはやてをなだめながら呟いた。
「はは……。ホント素直じゃないな、銀さんは」
「……え…?」
不意に聞こえた言葉に、はやては首を傾げる。
素直じゃない、とはどういうことだろうか。
そう思っていると、新八が笑いながらこう答えた。
「銀さんがお金にならない仕事引き受けるわけないでしょ?
タダで泊めてもらうために、わざわざ直談判までしに行ってたんだよ」
「えと……それって……」
様々な思案が頭の中を巡る。
金にならない?
直談判?
一体何のことなのだろうか。
疑問に思うはやてだったが、次の新八の一言でようやく合点がいった。
「まぁ、一ヶ月記念ってトコかな。
……あ、僕が言ったってこと、銀さんに言わないでよ。一応秘密ってことになってるんだから」
内緒だよ、と顔の前で人差し指を立てる新八。
……つまり、そういうことなのだ。
今朝、彼の姿が見当たらなかったのは、旅館まで行って泊めてもらう交渉をしていたから。
今こうして彼が意地悪なことをしているのは、ただ単に彼がシャイなだけだから。
本当は、自分のことを喜ばせようとしての行動だったのだ。
「…………」
598 :
なの魂:2007/11/27(火) 02:16:56 ID:uXjoDg0/
だというのに。
何も知らない自分は、勢いに任せてあんなことを言ってしまった。
いや、まああんなに意地の悪いことをされて、怒らない人間の方が少ないとは思うが。
だがそれでも、ほんの少しだけ胸に灯った罪悪感は拭えそうに無かった。
「あの……銀ちゃん」
いそいそと車椅子を動かし、銀時のすぐ側まで行く。
「あ?」
「……ゴメン」
ぶっきらぼうに返事をする銀時に対し、はやては蚊の鳴くような声でそう言った。
するとそれを聞いた銀時は、いやーな笑顔をして一言。
「おやおや、現金な子だねー」
「やっぱり温泉の誘惑には勝てないアルね」
「……銀ちゃんのアホー!」
はやてはそう叫んで、側にあったクッションを銀時に投げつけた。
「……あの…銀さん」
そして一泊二日の温泉旅行当日。
銀時の愛車にまたがっていた新八が、突然言った。
「なんだ、新八」
「周りの視線が痛いです」
そう言って後ろに目をやる。
郊外の山道を走る、原付に乗った二人組。
そしてそのすぐ後ろについて走る巨大犬と、それに乗った二人の少女。
どう見ても場違いである。
凄まじい違和感である。
「痛いってお前、俺達以外に殆ど車通ってねーじゃねーか」
「いや、だからこそ逆に視線をストレートに感じるんですけど」
そう、確かにこの山道に入ってから、殆ど車とはすれ違っていない。
だからこそ、たまにすれ違う車のドライバーが、まるで天然記念物でも見たかのような顔をしてくるのがとても気になった。
刺すような視線で、新八の身体は既に蜂の巣だ。
「やっぱ移動手段に原チャリと定春使うのはマズいですって。
なんか凄いアンバランスですよ。レンタカーぐらい使いましょうよ」
ため息をつきながらそんなことを言うが、銀時は呆れた様子で言い返す。
599 :
なの魂:2007/11/27(火) 02:18:22 ID:uXjoDg0/
「オイオイ、何言ってんだよ。アニメのオープニングでハイウェイ走ってたじゃねーか」
第一、車借りる金なんてねーよ。と付け足す。
だが新八は納得できなかったようだ。
「あれはオープニングだから映えるんですよ! 温泉旅行でこの図はねーよ!!」
大声で叫ぶ新八。
相変わらず騒がしい男衆である。
そんな彼らとは対照的に、定春に乗った女衆の場は平和そのものだった。
「温泉温泉〜♪ 神楽ちゃん、一緒に入ろうな〜♪」
先日とはうって変わって、非常にご機嫌なはやて。
なんやかんや言って、やはり旅行が楽しみだったようだ。
心地よい風を感じつつ、4人と1匹は一路、温泉旅館を目指して山道を登っていった。
この日、偶然にも高町家とその友人達も同じ旅館へ旅行に行っていたのだが、
彼らには知る由も無かった。
600 :
なの魂の人:2007/11/27(火) 02:22:26 ID:uXjoDg0/
以上、第六幕投下終了です。
ツンデレ扱いするなとは言ってますが、銀魂の登場キャラなんて大体ツンデレですからね、ええ
それはそうと、ここまで書いて一つ大変なことに気付いてしまいました。
『あ、ヤベぇ。フェイトのあのシーン書けるのか?』
……うん。難しいけど頑張ります
どーでもいいけど、銀魂OPに鴨出てたんですね
近々、喋って動くトッシーが見れるんでしょうか
相変わらずカオスな雰囲気
支援
GJです。
はやて馴染みすぎ。
そして次回はまさかの一期時点での交流
楽しみにしてます!
GJです。銀の字ってツンデレだったのかww
>>600 むむ、次はフェイト初登場?
アルフと殴り合う定春見たいかもw