リリカルなのはクロスSSその24

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@お腹いっぱい。
ここはリリカルなのはのクロスオーバーSSスレです。
ガンダム関係のクロスオーバーは新シャア板に専用スレあるので投下はそちらにお願いします。
オリネタ、エロパロはエロパロ板の専用スレの方でお願いします。
このスレはsage進行です。メル欄にsageと入れてください。
荒らし、煽り等はスルーしてください。
次スレは>>975を踏んだ方、もしくは475kbyteを超えたのを確認した方が立ててください。

前スレ
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1194190014/

過去スレ
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1193668768/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1193128576/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1192340228/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1191674700/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1190950386/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1190209861/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1189525591/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1188914457/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1188222989/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1187714790/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1187176581/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1186669558/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1186147008/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1185640072/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1184997868/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1184393091/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1183637309/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1182871170/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1182002145/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1180901290/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1179746193/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1177202668/

*雑談はこちらでお願いします
リリカルなのはウロスSS感想・雑談5
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1194429938/

まとめサイト
ttp://www38.atwiki.jp/nanohass/
2名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 22:53:12 ID:51ySxvnQ
限りなく>>1
3名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 22:57:28 ID:ULlVGFWS
>>1さん乙です。
4名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 23:00:13 ID:TvPcV3Ye
>>1様、乙でございます。
5名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 23:02:59 ID:D0aW1bjM
>>1
実に乙です。

そういやここではどこまでのクロスなら許されるんだろう?
なのはキャラ一人がクロス先世界にどっぽん、というのは許されるんだろうか?
6StS+ライダー:2007/11/12(月) 23:04:26 ID:LlRr8+xs
>>1に乙することにエクスタシーを感じるわぁ♪
byチェーンソーリザード
7名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 23:09:08 ID:51ySxvnQ
>>5
そこで現れる敵を千切っては投げ千切っては投げ、ラスボスだろうが何だろうがばったばったと薙ぎ倒し…というのでないなら、個人的には大歓迎。




逆? 逆は成功例があるじゃないですか。アメリカ合衆国大統領とか
8名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 23:15:28 ID:0xrzuPmQ
プレジデント・マイコゥですかwwwww
9ティアナ・ランスターの憂鬱:2007/11/12(月) 23:15:52 ID:aNwJwug5
>>1さん乙です☆

>>5
今僕が書いてるのはそれに近い状況です、現状なのはキャラ二人ですが
正直淋しいかなという気持ちはありますね、やっぱり
10名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 23:17:47 ID:SWk937Sd
>>7
同様にクロス先のキャラが、なのは勢をばったばった薙ぎ倒す展開も嫌だけどな。
11名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 23:19:29 ID:SWk937Sd
>>1さん乙であります。
12 ◆sP9nVRi1sI :2007/11/12(月) 23:21:27 ID:QvsaOMNX
>>1乙……そう、俺には乙という言葉ぐらいしか出てこない……
こんな……こんな悲しい話があるか!?一生懸命立ててくれた>>1に対してただ 乙 一言だぞ!?
もっと褒め称え、労い、敬い、尊敬して崇めるべきじゃないのか!?
なのに俺の口からは乙の一言しか出てこない……ああ!俺は自分の脳味噌が憎い!
悲しい……なんでこんなに悲しいんだよォォォォォッォオラァァァァァァァァァァ!!!!!!

バッカーノネタはともかく、トライガンの『砂の惑星』に調査任務→ロストジュライの余波で行方不明+二次調査隊がナイブズに撃墜されて管理局に見捨てられる、とかいうのを機会があれば書いてみようかな、と。

……そういや、内藤スレのネタで、『トライガンのキャラの性別が逆だったら?』ってのがあったんだが、女ウルフウッドは物凄いはやてっぽかったwそして怖いぐらい違和感が無いww
13名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 23:25:43 ID:D0aW1bjM
>>7>>9>>10
元々戦闘なんてほとんどない世界観だしキャストも前線キャラじゃないから問題ないとは思いますが、
やはり目に見えて出てくるなのはキャラが一人だけというのは寂しすぎるでしょうか。

もう少し他のキャラの出番が増えないか考え直してみることにします。
14名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 23:27:26 ID:D0aW1bjM
>>12
救援来た時には死んでるか人格変わってそうですね>二次調査隊
15名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 23:32:04 ID:xhHU+f6O
>>12
はやてが容赦なく迷いなく人撃ち殺せるのか?
16名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 23:33:12 ID:/GkL7WxN
>>15
そこらへんは環境によると思う。
17名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 23:34:07 ID:0xrzuPmQ
忘れてた
>>1 乙&GJ

ふと気付くとデビルメイクライとのクロスをプロット・設定・プロローグと書き上げてた俺がいた。
この組み合わせってどうなんでしょうね?
18 ◆sP9nVRi1sI :2007/11/12(月) 23:36:26 ID:QvsaOMNX
>>15

なにいってんねんおじちゃん、自分のこと心配せえよ
わたしヘタ打ってんねんで、もう体…うごかへんねん
そうやなあ…ひとりでやろうとしすぎたかなあ……
なあおばちゃん、友達…できてんでアタシよりアホやねんで
そうやな。あいつならきっと、一緒にやってくれたかも知れんなあ…

違和感無いのは『性別反転したトライガン』の方で。まぎらわしくてすいません。
……非殺傷設定はあの世界じゃ通用しないよなあ。中でもにレガートとミカエルの眼の方々。
前者は自分の体を技で操ってるからショックとか関係ないし、後者は胴体と腕吹っ飛ばされても戦闘を続けられる。
19名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 23:40:05 ID:H0rocmFI
>>17
カモンカモンカモン!! デビルメイクライは大好物なんだぜ!
20名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/12(月) 23:43:13 ID:fIbvZbmb
ダンテは自由に気ままな一匹狼でありさえすればOK!!
21反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/12(月) 23:45:58 ID:1h8laU8e
>>1乙です。

何だかウロススレが盛り上がって、流れ断ち切りづらい雰囲気になってしまったのでこちらで質問しますが…
StSの世界で描写されてる土地って、どっからどこまでが本局で、どこまでがミッドなんですか?
レリック運んだ鉄道は? ホテルアグスタは? スカのアジトは? まだ見ぬゆりかごが出現した場所は!?
お兄さん頭がこんがらがって訳分からなくなっちゃったよ…orz
22名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 23:50:28 ID:zP2rTut9
>>21
>レリック運んだ鉄道は? ホテルアグスタは? スカのアジトは? まだ見ぬゆりかごが出現した場所は!?
全部ミッドチルダ。
23反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/12(月) 23:56:08 ID:1h8laU8e
なぁーんだ、じゃあ今まで通りでいいんだぁ♪ アハハハハ…

…さて、文書かないとな…
>>22さん、ありがとうございました。
機動六課だけが本局ってことでいいんですね?
24名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 00:02:12 ID:DXX5tZLv
確かミッドチルダ北部にはベルカ自治領があるんだろ?
25名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 00:03:27 ID:bVnrF0An
>>23
NANOHAWikiをご覧になったら如何でしょうか?
結構載ってますよ
26名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 00:04:31 ID:190+sm0L
んで聖王教会の大聖堂はミッドチルダの(元か旧)ベルカ自治区にある。
>>23
所属は本局だけど、機動六課の施設は全てミッドチルダにあります。
27名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 00:06:10 ID:lO5Gvs4T
>>23
機動六課の建物自体はミッドにあったはず。
所属が陸に見せて本局側が動かしてるというだけで
28名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 00:06:40 ID:M9hr5lyF
>>20

一応ダンテは さっさとイベント⇒六課遭遇⇒兄ちゃん力貸してくれへん?
みたいな展開は無しに、むしろ初めは質量兵器と遺物レベルの魔具のオンパレードであるダンテを、事情を知らない局側が指名手配するくらいのアウトローさで行きたいんですがね
いかんせん、本書きの時間が取れない悔しさが・・
29反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/13(火) 00:12:44 ID:U495bVR8
>>25
Wikiは自分も愛用していますよ〜
技の性能とか、名称とかを調べるのに。今日もそれで地名調べようとしました。
それでも分からないこと(シュワルベの誘導性能とか)は、こっちで質問したりしてます。
ただ…携帯からでしか見たことがないので、若干使いづらいんですよねぇ…StS世界観用語集なんてあったかなぁ…
そっか! PCでの投下時についでに見ればいいんだ!

…OTL
30リリカルスクライド//G.U. ◆etxgK549B2 :2007/11/13(火) 00:32:25 ID:t7afDk47
>>1
乙です。
一先ずプロット完成。
投下は今週末ぐらいを予定です。
31名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 01:21:12 ID:CQB4Jpyv
>>28
魔界製デバイスは質量兵器じゃないの多いな
しかし、2丁拳銃を乱射し魔剣を振り回す方がイメージ強い罠

ところで、魔具って遺物というよりそういう生命体なの多くね?
上級悪魔の化身が大半だし
32名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 01:33:20 ID:K9sWnH2K
>>31
ダンテの銃、魔力弾の発射と実弾に魔力を乗せて発射する2タイプの切り替えが出来るみたいですよ
ゲームだと薬莢出てるから実弾、アニメは出てないから魔力弾とかなんとか
33名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 01:36:46 ID:AnaoY5Rt
             /ヽ               あ…ありのまま >>1乙しながら 前スレで 起こった事を話すぜ!
            /:::i: ヽ
          /:::::::( ::: ヽ     『おれはメビウス氏のSSでカッコ良く登場したと思ったら
        /~/ :::::::U::ヽ::: ヽ            人間の小娘にぶっ殺されていた』
       /~U:_,,..:::::;;;;;::::::::: >
        ヽ..ノ、..,,,ノ●); :::::: ヽ         な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
       /..,,::  :::::: ::,-、:: ヽ         おれも何をされたのかわからなかった…
      Uii ii  ::::::::Uノノニ )):;;: >
       ´‐-.,___,,...-イ/ :::::::;:: ヽ           頭がどうにかなりそうだった…
     <' //     ヽ),,...-‐::;;;;;;;; ヽ   
    <゙  / ).ww, ノ/;;;;;;U;;;;;;;;;;;;::: U       ヘタレッドキングだとかEX参戦確定だとか
     |/_/<ニニイ..,,:::;;;;;;;;;;;<;;;;;;;;;;;;;; >     そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
    // 二二二7く  :::::;;;;;;;;;;;;;;;<;;;;< >       
   /'´r -―一ァ"i___\'"     .-‐   >     もっと恐ろしい俺の役割の片鱗を味わったぜ…
   / //   广¨´____ /<;;;;;;;;;;;;<´ ̄`ヽ ⌒>     
  ノ ' /  ノ_______\<;;;;<;;;;;;;;;;;; ヽ;;;,,,,, > 
_/`丶 /            /<;;<:::::::::..................  イ 
34名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 01:45:23 ID:M9hr5lyF
>>31
ごく一部の方を除いて近接戦用の皆様は御存命中、二千年を遥かに越える年と強大な力は遺物レベル認定してもいいかと。つーか生きてて変身出来るってだけ聞くと、なのは側からすればタチの悪い劣化型リィンだな。
魔界の武器は光学兵器ばっかやね。ナイトメアα・β・γといいアルテミスといい。銃封じられても逆に凶悪wwww

>>2丁拳銃を乱射し魔剣を振り回す方がイメージ強い罠
というかダンテの弾って魔力で多重弾殻つくるより凶悪な罠。油断すると魔法ではなかなかない、蜂の巣or風穴な展開が・・・・
35名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 01:45:38 ID:eladHoaO
ワロタw
36名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 01:57:50 ID:ln8cm9Li
もし管理局に魔具を渡したら管理局員は試練を受けるんだろうか?
剣が心臓を刺したりする奴。
37名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 01:59:45 ID:CQB4Jpyv
>>34
4だと肉体と同化する接近戦用デバイス、ギルガメスというのもあるらしいな
魔界のデバイスは人間では危なすぎて使用できないデバイスばっかだなw
まあ、そもそも人間なんていない世界の技術が作り出したデバイスなんだから
悪魔が使うの前提なんだろうな
38名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 02:12:40 ID:M9hr5lyF
>>37
衝撃鋼ギルガメスとか一杯美味しいトランクとかの登場を待つという手もあるんですがね。絵的には最高なんですがダンテがダンディーに渋くなってしまうかも・・・・
安易にインテリジェントデバイスは使わせたくないんで、魔具のインパクトは大事にしたいです。
ま、ダンテの強さと悪魔のヤバさってのも表現したいが為でもあるんですがね。

>>36
シグナム「騎士としては一度はこのような代物も扱ってみたいものだな」

・・我が力を得たくば我に心臓を捧げよ・・・
ズブッ!
「aaaaAAAAaaaahhh!!!」
姐さぁぁぁぁぁぁぁん!!
39名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 02:21:51 ID:CQB4Jpyv
>>36
基本的に悪魔は力こそが全てな連中ですから
自分より弱い者に力を貸す悪魔なんてスパーダぐらい
シリーズ通してそうだけど、魔具は力を持って打ち倒し支配し振るうのが基本
心臓串刺しとか炎丸焼きぐらいを素で耐える人間離れした強さがないとな
40名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 03:49:12 ID:oLBZQFxG
>>38
嗚呼、ニート侍が……
41名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 06:35:35 ID:6C698YVH
>>28
何度も既出だけど、管理局って「管理局の基準」でしか物事考えないから、
介入された側の世界にしてみれば、迷惑この上ないおせっかいだよね…。
管理局にしてみればロストギア級でも、その世界にしてみれば普通、なんて
事もあるだろうに。
ダンテの場合も力とか装備だけ見て「危険」と判断しそうだ。
42名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 07:17:05 ID:GxWhNDjO
>>41
介入しないと、周りの次元が数十個まとめてふっとぶ危険性があるじゃないか。
大体、原作では他にロストロギアを管理できる勢力が全く無いし。
その世界の生物をいきなり危険物扱いも、ありえないだろう。
43名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 08:14:51 ID:lO5Gvs4T
手を出してどうにかなるものかどうかわかってりゃいいんだけどね。
才能重視の魔法全能主義、ってあからさまに古代文明的滅亡フラグのにほひがもうぷんぷんと。

ダンテの装備を確保したら、その装備に殺される奴多数、乗っ取られて殺戮に走る奴による死者多数ってなりそうだし。
44名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 08:41:21 ID:GxWhNDjO
>>43
なんで、まだ存在している世界の、しかも個人所有の武器を
奪い取ることが前提なんだw
45名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 08:50:46 ID:1mTD/7p+
>>44
あれ? デビルメイクライ第一作目のアラストルとイフリートは追加武装は城で手に入れたもんじゃね?

エボニー&アイボリーと魔剣スパーダがダンテの持ち物だろ
46名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 08:58:52 ID:CQB4Jpyv
自分の世界にも危機となりかねないものは早めに対処しておきたいのはわからなくもないけどな
マイナーな例えだけど、R−TYPEのバイドはいかなる次元でも攻撃あるのみを繰り返す無差別破壊兵器
こういうのは奇麗事言う前にさっさとぶっ潰すに限る

かといって、少しでも超技術があったら介入するのは侵略者と大差なくなってしまう
原作では深く触れられてない問題だけど、クロスSSスレである以上クロス先の設定とのすり合わせに考慮しないとな
バーチャロン世界では異次元からの干渉はするもされるも犯罪扱いと拒絶傾向
任天堂のメトロイド、F−ZERO(この2つは同じ世界観)とかの世界では問題さえ起こさなければ容認する中立
カプコン系で異世界干渉というと大神とかは異世界の難民を暖かく迎えてたな
デビルメイクライだと魔界とは冷戦というか裏社会でやりあってるらしいけど、どんなスタンスかわかりにくいな

>>42
最近だと遊戯王GXの主人公が十数個の次元世界を消し飛ばしかねない代物作ってたな
まあ、次元世界ネオスペースの連中に任せておけば、、、ダメか
あの無駄に攻撃的かつ無責任な言動が特徴な光の巨人は事態を悪化させた記憶しかないw
47名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 11:43:32 ID:LE43BGCa
スプリガンとのクロスがないな
遺跡とか遺産とか共通部分が多いのに

T・Fは次元管理局とコネあるとかの説定になりそうだな。
4841:2007/11/13(火) 13:41:46 ID:icR4/W/L
『既に滅んだ文明の超遺産』がロストギアですよね。
裏で『欲しい技術があるなら、文明滅ぼしてロストギア扱いにすればいいんじゃね?』
って思っている奴、管理局に絶対いそうだ。
49名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 16:19:50 ID:Z5iqINqg
>>48

というか自分達が知らない魔法技術で作られたものは全てロストロギア指定しそうじゃね?
ようは自分達が理解できなきゃ全てロストロギアなんだよきっと
50名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 16:28:23 ID:GxWhNDjO
すげえ、これがヘイト思考ってやつなのか!!
正直、怖いよ・・・・・・。
51名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 17:38:12 ID:u3eMFBUy
つまり自分達がほしいもの、
その世界においておくと自分達にとって都合の悪いものをロストロギア指定するわけだ
52名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 17:42:57 ID:9rHZcKpj
しねーよ
53名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/13(火) 17:43:48 ID:cnv8t17W
すいません、ちょっと荒れてきたので誰かSSを投稿してください。
54名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 17:45:37 ID:GxWhNDjO
そう簡単には投下できないってw
逆転裁判クロスを作ってるんだけど、推理物(?)は色々と難しい。
55名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 17:52:11 ID:2VH1JNYH
今会社だから夜まで待ってくれ、多分遊戯王GXクロスが投下できる
56名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 18:06:01 ID:dREdMq9W
>>55
大☆喝☆采!
57名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 18:16:39 ID:Sow3d/i+
>>55
相棒!!
58名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 18:28:53 ID:YFm49OGW
>>55
うん!もう一人の僕!
59名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 18:30:34 ID:GxWhNDjO
>>55
HA☆YA☆KU!
60名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 18:32:15 ID:G7MlIOLe
>>55
待っていたよ この時を!
61名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 18:36:35 ID:GxWhNDjO
あれ、GXなのに無印ネタばっかり。
62名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 18:36:58 ID:i875vKyL
凄い勢いで王様やAIBOが出てきたな
>>55
まだあんたのバトルフェイズは終了してないZE!
63名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 18:43:48 ID:2VH1JNYH
>>61
正直GX見てない人ばっかなのかと思ってびくびくしてる
8時過ぎにまた来るぜ!
GX120話「宝石獣VSハーピィレディ」を見といた方が分かりやすいと思うので見れる人は見とくと可

……うん、ただ俺が人物描写が大の苦手ってだけなんだ
64反目のスバル(携帯) ◆9L.gxDzakI :2007/11/13(火) 18:48:17 ID:U495bVR8
やっぱりみんな遊戯王大好きなようでwww
しかし、原作エピソード準拠(?)かぁ…

…ブルーアイズ出ないのかぁ…
65名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 18:53:02 ID:dREdMq9W
>>64
そこはあれだ、カイバーマン召喚で全て解決
66名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 18:58:14 ID:KWJW7K6Q
どこかの動画で、なのはさんが遊戯王の反則級のモンスターカードで登場してたなぁ
67名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 19:04:29 ID:5OncTKoS
おれ最初にこのスレたてた者なんだけど、やっとウロスからクロスに戻ってくれた・・・
今まで俺のタイプミス引きずられ続けて、ちょっと恥ずかしかったんだよw
というわけで>>1乙!!
68名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 19:05:35 ID:5OncTKoS
誤爆だ・・・
こっちは本スレのほうだた・・・!
ちょっと吊ってくる・・・
69名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 19:07:29 ID:9rHZcKpj
(・∀・)ニヤニヤ
70りりかる剣心:2007/11/13(火) 19:15:33 ID:TWa61E4d
>>1

職人や皆さんに乙です。

左之助編が出来たので投下良いですか?
71名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 19:17:49 ID:jNDBN5Od
>>70
進路クリア!投下、どうぞ!
72りりかる剣心:2007/11/13(火) 19:23:29 ID:TWa61E4d
悪を背負うも捨てない正義。
悪を背負うもまげない本懐。
光るミッドチルダ。頭勝ちの魔法。
湖底に淀むは眼の前の鉄槌の騎士への拳。

対する者よりの叫び。俺は此処に極めし力を放つ。


魔法少女リリカルなのはStrikerS−時空剣客浪漫譚−始まるぜ。

第二話「試されし迷い人の力、過ぎ去りしは未来。左之助編」


グラーフ・アイゼンを握り締めた鉄槌の騎士は長身の少年へと走り出す。

「はあぁぁぁ!」

−速ぇ、流石に闘ってきてるだけはあるな……。


眼前から繰り出される、鉄槌の乱撃。

左之は衝撃を緩和するためにグラーフ・アイゼンに拳を放つ。

ヴィータもまた、拳で自分の攻撃を制している事で彼が闘い慣れしている事を改めて理解する。

−速ぇ、私とアイゼンの動きを見切ってやがる……けど。防御すらしないなんて馬鹿なだけだ!


剣心もまた、モニターで鋭く見据えていた。ヴィータのデバイスと左之の拳一つ一つをけっして見落とさずに。

73りりかる剣心:2007/11/13(火) 19:26:59 ID:TWa61E4d

−恐らくは、あのデバイスによる闘い方は一撃必殺……しかし、彼女の体格で考えれば攻めの一辺倒ではないはず。前線で闘う性格でござるな。

剣心の洞察眼による見解が成された頃、左之はヴィータから発せられる不思議な力をひしひしと感じていた。

……嬢ちゃんの身体から変な力が出てんのが解る あれが魔力ってやつか。

だが……この時。すでに左之はヴィータと闘う気が失せてしまっている。
それはいくらヴィータがこれまでに戦闘を経験している猛者であろうと。彼の信念は
やはり、嬢ちゃんを殴るなんて柄じゃねえ。
である。

えっと、技みてぇの出してからやめるか。

だが……左之が考察を終了した瞬間。左之の乱打から切り抜けた少女の鉄槌は彼の頭上へと振り下ろされていた。

「!?」
轟音とともに左之の頭に鉄槌が打ち込まれ、ヴィータを始め、モニターで見守っていた皆に緊張が走る。

「左之助!」
フェイトは思わず彼の名を叫んでしまう。

いくら非殺傷設定にしているとはいえ、ヴィータから繰り出されるグラーフ・アイゼンの一撃をあんなにまともに受けては一たまりもない。

「フェイト殿……闘いの結末は見るまで解らないでござるよ」

そう告げられ、全く動じたそぶりを見せずにモニターを見据えている剣心と蒼紫にフェイトは驚く。だが、彼らは強い眼で左之を見ている。

剣心達の姿から、『信頼』を感じ。彼女は納得し、気持ちを切り替えて再びモニターを見据える。

そうだ……仲間を信じなければ。これから私はあの子と闘えるような立場にならなければならない。
友達と、力を合わせて。


恐る恐るヴィータは左之の顔からグラーフ・アイゼンを退かせる。

もしかしたら大変な状態になっているかもしれない……。そう思いながら彼の顔を見遣る。が

74名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 19:27:47 ID:XwgaDiyN
左之助支援
75名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 19:28:48 ID:jNDBN5Od
支援ノキワミ、アッー!
76りりかる剣心:2007/11/13(火) 19:30:20 ID:TWa61E4d

「なんでぇ、幽霊を見たような顔して」


額に出来た打撲傷を気にせず、彼はヴィータを見下ろしている。

「なんで……立ってられんだよ!」

左之の何ともない顔に驚きながら、ヴィータは一端後方へ退がる。

「俺は打たれ強いんだよ……おい、大技出すから見てろよヴィータ」

そう、叫んだ瞬間。左之は右手の拳を握り、ヴィータへと走り込む。

「ち、後先見ずに走るなんてやっぱバカだぞ左之助!」

彼女はグラーフ・アイゼンを構え、再び左之助へと突っ込む。

「うるせぇよ! 別に後とか先とか見る必要なんてねぇよ。 ようは技見せれば良いんだろうが」

身体のバネを利用し回転させるようにグラーフ・アイゼンを自身に振りかざすヴィータを見据え、左之は避けずに、その一撃を再び喰らってしまう。が

「な!?」

鈍い音が鳴り響き、ヴィータは驚いた表情で左之を見遣る。
今回も手応えはあった、しかし、彼女は左之から。なにか不思議な力を一瞬。感じた。

「アイゼンが……動かない!?」

そこで初めて気付く。
彼女のデバイス−−グラーフ・アイゼンは左之の右手の拳で受け止められて、彼の眼はヴィータを鋭く見据えていた。

「悪ぃな、お前の相棒の衝撃。消させて貰ったぜ……」

「んだと!?」

左之助の言葉にヴィータは耳を疑う。しかし、彼の右手に纏う魔力以外の何かの力に彼女は眼を見開く。

−ち、今感じた力はこれか!?

「二重の極み!!」

左之は右手をヴィータに向けず、訓練室の床に拳をたたき付ける。その瞬間−−

「うあっ!!」

広範囲に渡り、ヴィータの足元が一瞬にして細かく砕かれ、粒子と化した。 砂のように姿を変えてしまった床に足を取られ、彼女は転倒する。

戦闘経験が豊富な彼女なら、そんな有様にはならない。だが、細かく砕かれた粒子は深くヴィータの脚を飲み込んでいる。まるで蟻地獄のように。

77りりかる剣心:2007/11/13(火) 19:32:42 ID:TWa61E4d

−な、なんだよ……あの技……なんで魔力が感じないんだよ?


−っと……こんなとこか。 にしても威力が高くなってるような。

左之はあらためて噛み締めるように、ヴィータと自身の拳で破壊した床を見下ろしていた。

だが

−っ!?

右手に突然、強烈な痛みが走り抜ける。それは、二重を極みを使用したが故の拳への負担であった。
そして、この時。左之は自身の内に秘める魔力が燻っている事にヴィータやブリッジにいる皆は初めて気付く。

−魔力の出し方が……まだ、ひよっこじゃんか。
でも、魔力無しでこんだけの威力……。

「……おい、嬢−−いや、ヴィータ」

その声に。思考に耽っていたヴィータは左之の顔を見上げ、自分の状況を思い出す。
左之助の拳でグラーフ・アイゼンの一撃を緩和され、さらにこいつの訳の解らない技で足元を砕かれ……私は砂と化した床に足を取られている。
これでは負けたように見える。だが、認めたくない……一瞬とはいえ、油断はしたけど。私は負けてねぇ……。

相棒が手元にあるのを、私はにぎりしめて確認した。そして……私は左之助を睨みつける。

「私は−−」
「お前の勝ちだ。」

「…………はっ?」

私の思考はそこで混乱しちまう。 いや、だってこっちはまだやる気なのにいきなり……

突然の降参に、ヴィータは身体を起こしながら左之に聞き返してしまう。

「お前の勝ちだって言ってんだよ。俺の技は今ので終わりだ」

細かい砂のようになってしまった床でア然とした表情で座り込んでいるヴィータを左之は右手の痛みを気にしないまま。彼女の身体をひょいと持ち上げる。

「Σな、ちょっ!?////」

いきなりの事に困惑しているヴィータに気付かないまま左之は破壊していない部分の床に彼女を降ろす。

「お、おいコラ」

「うるせぇな、お前の勝ちだっての」

反論する眼の前の小さい少女の言葉を左之助はけだるそうに跳ね退け、どこかを見遣る。

−えっと……どこで見えるか知らねぇけど。見てんだよな?

78名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 19:32:47 ID:YumTc1BL
支援
79りりかる剣心:2007/11/13(火) 19:35:41 ID:TWa61E4d

「おい、この嬢ちゃんの勝ちだ。さっきので俺の全力って事だから」

そう告げると、直ぐさまあの女性の声が返ってくる。

『ふふ、ええ。解ったわ、二人とも戻ってきて』

自分の言葉に微笑んでいるような口調で返すリンディの許可に左之はほっと胸をなでおろし、自身の腰ぐらいの身長の少女へと視線を移す。

「だそうだとよ」

少女は自分を今までよりも眼を吊り上げて睨んでいる表情を浮かべていた。

「勝った気でいるのかよお前?」

「いや、全然。勝てねぇから言っただけだ。気にいらねぇか?」

「当たり前だろ、あんなんじゃお前が勝ち逃げしたみてぇだろ!」

声を荒げて反駁する彼女に、左之はやれやれと頭を掻きながらヴィータに背を向ける。

「あ、おい!左之す−−」

そこでヴィータは初めて左之の背に惡の一文字がある事に気付く。

「勝ち逃げじゃねえよ。 お前まだ、闘う気(デバイスを握って)だったたろ? あそこで続けてたら技を出しつくした俺は嬢ちゃんに負けてたし。
次はお前に完全に勝てるように引いたんだ。それに俺は魔力の使い方なんてしらねぇし仲間になるかもしれねぇお前を殴れねぇし。
……今、俺にとって越える目標はお前だからな。」

そう告げ、左之は彼女に振り向く事なく。そのまま訓練室の出入口へと向かっていく。
顔は見えないが。今、左之は照れた表情で言っていたんだろう。
自然と彼の言葉からそう感じた、ヴィータは吊り上げていた眉を降ろし。そこで初めて左之に対しての壁が無くなり、悪戯っぽく微笑む。

「おいコラ、まだ話は終わってないからな!」

そう叫び、ヴィータは彼の高い背を眼におさめながらグラーフ・アイゼンを肩に担いで駆け寄る。


80名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 19:36:01 ID:XwgaDiyN
これぞ漢!支援
81りりかる剣心:2007/11/13(火) 19:38:19 ID:TWa61E4d

「彼のデータはどうだった?」

「はい、ヴィータちゃんの攻撃を右手で受けた時に幾分か魔法が衝撃を緩和していたようです。」

エイミィの告げた結果にリンディは表情を引き締めて顎に手をそえて考え込む。

それもそうだ。自身が喰らった攻撃を緩和する魔法など、ディフェンスに近い。しかもそれを経験無しで自然にやってのけるなどなおさらだ。
そして、彼女は突出すべき拳の破壊力の事をエイミィに聞く。
彼女の質問にエイミィも表情を引き締めて答える。

「はい……あれは魔力を使用しての攻撃。ではありませんが、威力はSランクをオーバーしています。それに……」

「それに?」

「はい、リンディさんや皆も感じたはずですが。床が細かく砕かれた直後に左之助くんの体内で魔力が燻ってました。恐らくは−−」

「彼とは違った魔力の不安定……」

リンディの見解にエイミィは、「はい」と答えて頷く。

あれは彼の体内の中の魔力があの技を使用する彼へに忠告しているように見受けられる。
あの威力を見れば、頷くしかない。視線を再び訓練室を映しているモニターへと向ける。
そこに見えるのは、左之の一撃で粒子と化してしまった訓練室の床。

確かに、あれほどの力を魔力無しで使い続ければ無茶だ。

そして、リンディはモニターから視線を、剣心に向ける。

「では、最後に緋村さん、シグナムさん。お願いします」


リンディの言葉に、シグナムは「やっとか」。と言うように視線をレヴァンティンから剣心へと見遣る。
剣心は葛藤しながらも引き締めた表情で頷き。腰の逆刃刀真打を見据える。

「……悩んでいるのか?」

「少し」

相変わらず表情を崩さずに尋ねる蒼紫に剣心は苦笑いを浮かべて頷く。

−ついに拙者の番か……どうするか。どうすればシグナム殿に飛天御剣流を当てずに済ませる事が出来るか。
いや、直接当てずに済ませる事が出来る技はあるが……。

82りりかる剣心:2007/11/13(火) 19:40:41 ID:TWa61E4d

「剣心さん、頑張って下さいね」

「二人とも怪我をしないように気をつけて下さいです♪」


微笑んで声をかけるなのはとリイン。その声に、はっと我に返った剣心は彼女達に優しく微笑む。

「ありがとう、なのは殿、リイン殿」
−いや、基本的な動きをみせて外せば良い等と考えてはシグナム殿は怒るだろう……。

「では、シグナム殿」

「ああ、行こう緋村。 主はやて、行ってまいります」

「うん、剣心もシグナムも頑張ってな♪」

嬉しそうに彼の言葉にシグナムは頷き、二人は共にブリッジを出る。


「ああー、腹減った。」
「お前、いきなりだなι」

剣心とシグナムが退室してから、足音が聞こえ、仲の良さそうな二人の声がブリッジに聞こえてくる。


「あ、二人ともおかえりなさいですー」
リインを始めに皆からの出迎えに左之とヴィータは同時に手をあげて微笑む。

「お、ただいま、ちっこい嬢ちゃん。」
「ただいまー」

「左之助、あの技凄いね。 驚いたよ」

興奮したように微笑んだ、フェイトが左之に声をかける。

そう言われ、鼻の頭を掻きながら左之は「ま、まあな」と告げる。
しかし、途端に彼女は心配そうな表情で左之に見せる。
「でも、魔力の使い方はこれからちゃんと学んでね……あの技。発動した時身体に負担がかかるよ?」

フェイトのその見解に彼はつい、「そんなことは無い」と否定しようとしたが。
妙な雰囲気に気付いた左之は彼女の言葉にリンディや回りの少女達がうんうんと頷いている事に気付く。

「ち……わぁったよ。」

「解らない事があったら相談とかしてくれたら良いから」

「ああ」

「左之助くん、右手……見せてもらえますか?」

フェイトの隣にいたシャマルの言葉に左之は先程痛みを感じた右手を見遣り、彼女に視線を移す。
その表情はほんわかした笑顔ではなく真剣さを帯びている。

83名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 19:43:08 ID:XwgaDiyN
好きな技は飛龍閃 支援
84名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/13(火) 19:43:36 ID:PRj8MS+Y
支援
85りりかる剣心:2007/11/13(火) 19:44:06 ID:TWa61E4d

−やれやれ、世話好きだな、こいつら。
「そーだぞ、見てもらえ」

自身よりも高い身長の左之にヴィータは見上げながら告げる。その一声に彼は「しょうがねぇな」と嘆くように告げてシャマルに包帯が巻かれた右手を差し出す。

「さくっとやってくれ」

「はい♪」


「そういや、剣心はどうした?」
「本当だ、シグナムもいねぇ」

右手に治癒魔法をかけてもらい始めた時に左之とヴィータは二人がいない事に気付く。
そんな二人にザフィーラは壁に背を預けながら答える。
「緋村とシグナムはお前達が帰ってくる前にここを出た」


彼の言葉に二人は訓練室を映すモニターを見遣る。

先程自分が破壊した床の近くに、騎士の甲冑を纏ったシグナムと逆刃刀真打を鞘に納めたままの剣心が入ってくる。


「ようやく、お前と闘えるな。緋村」

「出来れば闘いたくないでござるよι」


続く
86りりかる剣心:2007/11/13(火) 19:46:07 ID:TWa61E4d
以上です。

次はいよいよ身体が若返った剣心と闘い慣れしているシグナムの対決です。お楽しみに♪
87名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 19:59:41 ID:ZX4GNZJ1


なぜか「しょせん左之助など我等の中では一番の小物」
とか言い出す剣心を幻視した
88リリカル遊戯王GX:2007/11/13(火) 20:02:32 ID:F4vaJxKg
左之かっけぇ!GJ!
シグナムの性格的に悩みながら戦う剣心に怒りそうだなーと思いながら期待だぜ

OKの合図がでしだい投下したいと思います。
却下の合図が出たら回れ右します。
89名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 20:04:40 ID:Tjbb2sOx
ノシ←OKの合図
90名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 20:06:26 ID:v6rBCB05
ばっちこい!!
91リリカル遊戯王GX:2007/11/13(火) 20:06:30 ID:F4vaJxKg
んでは投下

リリカル遊戯王GX 第一話「異世界デュエル!? ハーピィ・レディVS機動六課!」

「ふう……」

フェイトは深い溜息を吐く。
ジェイル=スカリエッティ事件が終わりを告げてから数年、
六課にいた時よりもきつい激務の毎日でさすがの彼女もかなり疲労していた。
何より、なのはやエリオ達ともまともに連絡が取れていないのもかなりのストレスになっている。

「フェイトさん、大丈夫ですか?」
「あ、ティアナ……ごめんね、平気だよ」

いつの間に居たのか、ティアナにフェイトは笑顔を無理矢理作る。
自分の補佐である彼女にあまり情けない姿を見せたくない、兄であるクロノのように常に冷静な人物でありたかった。
ティアナはまだ何か言いたそうだったが、少し思案して仕方ないといった様子で口を紡ぐ。
頭のいい彼女の事だ、自分の作り笑顔など見抜かれているだろう、
それでも深く言ってこないのは、この数年の間でどれだけ自分が頑固なのか悟っているからであろう。

「フェイトさん、無理だけはしないでください。スバルから聞いたんですけど、なのはさんも心配してるそうです」
「……うん、わかってる」

なのはの名前を出されると弱い、
無理をしすぎて危うく死にかけた親友と、今の自分は似ているところがあるのだ。
だからといって執務官の仕事を放っておくこともできない、ティアナもその辺りは承知しているのだろう、
これ以上何も言う気はないようだ。

『フェイトさん、ティアナさん、八神捜査官がお呼びです』
「え、はやて?」
「八神部隊ちょ……捜査官が?」

はやてとはなのは達以上にやりとりがなくなっていた、
フェイトと同じか、それ以上に忙しい立場についているのだからそれも当然かもしれない。
そんな彼女がいったい何の用なのか?
突然のシャーリーからの連絡に二人は戸惑いながらも指定場所へと向かう。


「あ、来た来た。お久し振りや、フェイトちゃん、ティアナ」
「にゃはは、フェイトちゃん久しぶり」
「フェイトさん、お久しぶりです!」
「え……は、はやて、これ、どういう……?」
「わー、ティア、直接会うの久しぶりだねー!」
「スバル!? それになのはさんにライトニング隊まで……!?」
92リリカル遊戯王GX:2007/11/13(火) 20:07:55 ID:F4vaJxKg
部屋に入った二人は面食らう。
中にはヴォルケンリッターを除いた元機動六課のメンバーが勢揃いしていたのだ。
困惑するフェイトにはやては笑顔で説明を始めた。

「ある次元世界でかなり大きな反応をキャッチしたんや、それが何かはさっぱりわからへんけど、
 レリックにも匹敵するほどの魔力反応を放っておくこともできへん」
「その調査と、危険な物だとしたら回収するのが今回の任務ですー」
「ま、リミッターもはずされてるみんなには簡単な任務やな」
「そ、それはわかったけど、どうしてなのは達も? みんな部署は別々なのに……」
「最近フェイトちゃんちょお疲れとったやろ? それで不謹慎ではあるけど、
 同窓会っぽくして気分転換させたろかなーってな」

聞きたいのはそこじゃない、フェイトの視線の意味に気づき、はやては笑みを深くする。

「フェイトちゃんが聞きたいのは方法やな? リンディさんやレティ提督直伝の――」
「ごめんはやて、私が悪かったから聞かせないで」

聞いたらやばい、最初の二人の人物の名前を聞いた瞬間その場の全員が同じことを思ったという。
はやては少しつまらなそうにしながら、本題へと入る。

「この次元世界、どうにも実態が掴めへんのやけど……魔物らしき生物が大量にいることは確認されとる。
 ウチも行けたらいいんやけど、シグナム達が別の任務で苦戦してるみたいでそっちに行かなあかん」
「こちらとコンタクトが取れそうな生物がいたら接触してみてください、これを機会に管理世界になるかもしれないです」

全員が頷いたのを見て、はやては立ち上がり真剣な表情で全員の顔を見渡す。

「機動六課が解散してからもう何年もたった、みんなあの時よりも成長してると思うし、心配はいらないと思う。
 けど、絶対に無理はせんように、全員無事で帰ってくることを優先してほしい」

そこで一つ咳ばらいをし、はやては右手を突き出し数年ぶりの命令を出す。

「元やけど……機動六課、出撃!」
『了解!』



その次元世界は一面砂で満たされていた。
砂漠であるのは間違いないが、一般的な砂漠――例えば昔にフェイトとシグナムが一騎打ちをしたような――と比べると暗い雰囲気をだしている。
そんな砂の世界で、明らかに場違いな建造物が一つ立っていた。
――デュエルアカデミア――
デュエルモンスターズというカードゲーム専門の学校である。
カードゲームの学校? と思う人も少なからずいるだろうが、甘く見てはいけない、
このデュエルアカデミアがあった世界では、このカードゲームによって莫大な金を得た人間や、莫大な金を使う人間などが大勢いるのだ。
そんなアカデミアの正門にあたる部分、そこに二人の人間が歩いていた。
93リリカル遊戯王GX:2007/11/13(火) 20:09:26 ID:F4vaJxKg
「いったいここはどこなノーネ……?」
「さっぱりわからないのであ〜る。一面砂ばかりなのであ〜る」
「なんだか太陽も三つに見える気がするノーネ」

デュエルアカデミアの教諭、クロノスとナポレオン。
この二人の会話からも察しできる通り、このアカデミアは元々この世界の物ではない。
元の世界で起きたある事件によって、この世界へと飛ばされてしまったのだ。

「とにかく、救助を呼ぶのであ〜る」
「わかってるノーネ。警察は110番、消防は119番と……」

クロノスが携帯を操作して耳に当てるが、すぐに表情をしかめてしまう。

「おかしいノーネ、どこにも繋がらないノーネ」
「それでは救助が呼べないのであ〜る! ……ん? あれは何であるか?」

ナポレオンが空を見上げて何かを発見する。
三つある太陽の影になってよくわからないが、飛行機のようなシルエットに見えなくもない。

「おお! きっと上空からの救助部隊なノーネ!」
「助かったのであ〜る!」

連絡が取れなかったのにこんなにも早く救助部隊が来るわけがない。
そんな当たり前の事にも気付かないのがこの二人の欠点であり憎めない点でもある。
その飛行機に似たシルエットは二人に近づいていき、だんだんとその姿が見え――二人は悲鳴を上げて逃げ出した。

「い、いったい何なのであ〜る!?」
「し、知らないノーネ!」

その姿に二人は見覚えがあった、
―ハーピィ・レディ― 攻撃力1200 防御力800 通常モンスター
美しい女性の姿をした、腕に翼が生えているデュエルモンスターズに出てくるモンスターの一匹である。
滑空してくるハーピィ・レディをその場に伏せてやり過ごそうとするが、そのかぎ爪にクロノスは捕まってしまう。

「つ、捕まったノーネ! 助けてほしいノーネ!」
「く、クロノス教諭!」

持ち上げられていくクロノスの足に咄嗟にナポレオンが飛びつくが、
ハーピィ・レディは気にもせずに――いや、獲物が増えたと喜んでいるか?――飛び立とうとする。
94名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/13(火) 20:10:20 ID:PRj8MS+Y
支援
95リリカル遊戯王GX:2007/11/13(火) 20:10:37 ID:F4vaJxKg
「痛いノーネ、離れてなノーネ!」
「は、放していいであるか?」
「あ、やっぱりダメなノーネ!」

こんな状況下でもどこか緊迫感のない二人に、数人の高校生ぐらいの人間達、アカディミアの生徒が近づいてきた。

「あれはハーピィ・レディ!?」
「まずい、クロノス先生達が!」

生徒たちが困惑する中、青髪の青年、ヨハンに何者かが語りかけてくる。

『ヨハン、ディスクを使って私を実体化させてくれ!』
「サファイヤ・ペガサス!? よし……!」

ヨハンが声に従い左腕に装着された機械、デュエルディスクへとカードをセットする。
次の瞬間、神話に出てくるペガサスのような生物がヨハンの側に現れる。
―宝石獣サファイヤ・ペガサス― 攻撃力1800 防御力1200 効果モンスター

「頼むぞ、サファイヤ・ペガサス!」
「任せろ、ヨハン!」

ヨハンに応え、サファイヤ・ペガサスが飛び去ろうとしているハーピィ・レディへと飛び立っていく。
人間二人という重りを持っているハーピィとの距離はあっという間につまり、ペガサスはその翼をハーピィへと向ける。

「サファイア・トルネード!」

ペガサスがハーピィに向け、羽ばたいて竜巻を起こす。
狙いたがわず竜巻はハーピィの背中に直撃し、その衝撃でクロノスを掴んでいたかぎ爪を放してよろめきながら飛び去っていった。

「た、助かったノーネ?」
「いったいどうなってるザウルス!?」
「これはソリッドヴィジョンじゃないよね……?」

語尾が特徴的な青年剣山と、黄色の服を着た小学生と間違えそうな小さい青年翔が実体化しているサファイヤ・ペガサスを見て呟く。
デュエルモンスターズはソリッドヴィジョンシステムという、ホログラフィを使って行われるのが一般的である。
本当にそこにモンスターが実在するかのような映像で、デュエルを一層盛り上がらせるのだ。
しかし、今ヨハンが呼び出したこのサファイヤ・ペガサスは映像ではなく、実体があった。

「ハネクリボー? お前も実体があるのか?」

赤い服を着た青年、遊城 十代の目の前に翼が生えた毛むくじゃらの小さく愛らしいモンスターが現れる。
―ハネクリボー― 攻撃力300 防御力200 効果モンスター
十代の問いかけに「クリクリ〜♪」と鳴いて答え、はしゃぐように十代の周りを飛び回っている。
96リリカル遊戯王GX:2007/11/13(火) 20:11:59 ID:F4vaJxKg
「ここは、カードの精霊が住む世界なのか……?」
「カードの精霊? 兄貴、何言ってるドン?」
「ヘイ、ダイノボーイ、どうやらそいつを信じなけりゃ話は進まなそうだぜ」

カウボーイハットを被り、何故か背中にワニ(しかも生きている)を背負った男、ジムが空を見上げながら言い、
剣山がその視線を辿ると先ほどのハーピィ・レディが上空を飛びながらこちらを狙っていた。

「危険なのであ〜る! 早く逃げるのであ〜る!」
「待って、いったい何人この世界に飛ばされたのか確かめないと……」
「体育館に生徒を集めてください、現状の確認を」

パニックに陥るクロノス達と対照的に、ヨハンやきつめの印象の女性、明日香は冷静に次にするべきことを考える。
だが肝心の二人はただ自分の身を守るのに精いっぱいのようだった。

「ダメだな、ここは僕らでなんとかしよう」
「時間をかけるほど危険性が増す、放送か何か使えればいいが……」

知的な男、アモンとこのメンバーで唯一の黒人、オブライアンはあっさりと二人に頼ることを諦める。
確かにこれでは何もできそうにない「こういう時って、大人は対応できないものなのよね」と明日香が冷たく言い放っていた。



「フェイトちゃん、行くよ!」
「うん!」
「ディバイン……バスター!」

フェイトがその場を離れた瞬間、その空間を高密度、高範囲の魔力砲撃が貫いていく。
フェイトを狙ってそこに集まっていた無数の機械仕掛けの蜘蛛達が一瞬で破壊される。
―カラクリ蜘蛛― 攻撃力400 防御力500 効果モンスター
二人が大量の雑魚を息の合ったコンビプレイで倒していっている間、他の四人は一匹の大型のモンスターと戦っていた。

「キャロ、お願い!」
「はい! ケリュケイオン、スラッシュ&ストライク!」

キャロの補助魔法を受け、エリオは目の前の巨大な亀のようなモンスターに狙いをつけ、一気に貫こうと突撃する――が、

「固っ……!?」
「エリオ君!」
「そんな、キャロのブースト付きでも貫けないの!?」
97名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/13(火) 20:12:06 ID:PRj8MS+Y
支援します
98リリカル遊戯王GX:2007/11/13(火) 20:13:05 ID:F4vaJxKg
―3万年の白亀― 攻撃力1250 防御力2100 通常モンスター
ストラーダの刃は甲羅をわずかに傷つけただけで、そのままエリオは弾かれてしまう。
だが、エリオの目は「それ」を捕えていた。

「サンダー、レイジー!!」

弾かれながらも、亀に向かって雷撃を放つ。
いかに甲羅が強固であっても雷までは防げず、その巨体をよじって雷撃の主を弾き飛ばそうとする。

「スバルさん!」
「おぉぉぉぉぉぉ!!」

魔力で作りだされた道、ウィングロードが亀の甲羅の頂点へと伸びる。
スバルは魔力を高めながらその道を疾走していく。
それを見た瞬間、ティアナは自らの周りにいくつもの魔力球を生み出した。

「スバル、クロスシフトD、行くわよ!」
「OK!」

機動六課にいるころは結局見せることのなかった新しいクロスシフト、
数年前に練習しただけだが、二人の目に失敗するかもしれないという怖れはまったくなかった。

「クロスファイア……シュート!」
「いくよ、マッハキャリバー!」
『All right buddy』

ティアナの魔力球がスバルの目の前、そしてターゲットの間近で収束し、大きく膨れ上がる。
魔力球同士がぶつかりあってはじけ飛ぶ瞬間、スバルはリボルバーナックルでその巨大な魔力球を雷に苦しんでいる甲羅へ叩きつける!

「一撃、必倒!」

甲羅が砕け、スバルは甲羅の内部で魔力球を解放する。

「クロスファイア……バスター!!」


「いいね、しばらく会ってなかったのに、チームワークとか凄くよくなってる」
「ありがとうございます!」

この世界にやってきた途端に無数の魔物に襲いかかられ、なのは達は止む無く戦闘に突入する事になっていた。
それを粗方片付けた後、なのはに褒められてスバルは嬉しそうに笑顔で返す。
99リリカル遊戯王GX:2007/11/13(火) 20:14:12 ID:F4vaJxKg
「それはいいけど、あのクロスファイアバスターって何よ?」
「えへへ〜、ティアのクロスファイアを、私のディバインバスターみたいに相手に叩きつけるからクロスファイアバスター、言い名前でしょ!」
「……あんたのネーミングセンスの無さはよくわかったわ」
「あ、あの、いつまでもここに留まっているとまずいのでは……」
「またモンスターが襲ってくるかもしれないですし……」
「うん、二人の言う通りだね。なのは、どうする?」

言いながらフェイトはある方向へ視線を向ける。
そこにはこの世界に不似合いな建造物――デュエルアカデミアがあった。
外にいてはいつモンスターに襲われるかわからない、だが、あからさまに怪しいあの建物は本当に安全なのだろうか?
思考を巡らしていると、近くから男の悲鳴が聞こえてきた。

「今のは!?」
「あそこ! 誰か襲われてる!」

戦闘機人ならではの視力でスバルが悲鳴の主を見つけ、ウィングロードで先行する。
なのは達もすぐにそれを追い、段々と男を襲っている正体が見えてくる。

「でっかい亀と機械クモの次は鳥人間!?」
「空中戦……私とフェイトちゃんで行くよ、みんなはあの人を!」
『了解!』

簡単に打ち合わせをし、先行していたスバルがウィングロードを男とモンスター……ハーピィ・レディの間に走らせ注意を向ける。
ハーピィはそのままスバルを狙おうとするが、フェイトがハーケンフォームのバルディッシュでかぎ爪を受け止めた。

「このぐらいの攻撃なら、私でも止められる……!」

自分の攻撃が効かないと気づいた瞬間その場から離れ、更にフェイトの横に並んだなのはを見て顔を顰める、
だが、次の瞬間その表情は笑みに変わり、次の瞬間ハーピィの背後が万華鏡のように輝き出す。
――そして次の瞬間、二人はハーピィを見て驚愕することとなる。

「嘘……?」
「増えた……!?」

一瞬の間にハーピィが髪型だけを変えた三人に増え、更に金属質なボンテージを着こんでいた。
それを地上から見ていた襲われていた男は、なのは達に向かって叫ぶ。

「気をつけろ! 万華鏡―華麗なる分身―とサイバー・ボンテージを使ったんだ!」

―ハーピィ・レディ三姉妹― 攻撃力1950 守備力2100 効果モンスター(サイバー・ボンテージの効果で攻撃力500アップ)
三匹のハーピィは息の合った動きで二人をかく乱していく、先ほどとはまったく違う動きに戸惑いながら、フェイトはなんとか反撃しようとする。
100リリカル遊戯王GX:2007/11/13(火) 20:15:37 ID:F4vaJxKg
「プラズマランサー、ファイア!」

雷撃を纏った魔力球がハーピィの内一匹を襲うが、直線的なその攻撃は回避されてしまう、
だが、ハーピィが避けた先には桜色の魔力球が設置されていた。

「――!?」
「アクセルシューター!」

なのはの攻撃がまともに当たるが、ハーピィは多少ダメージを受けた様子を見せただけで倒れてはいなかった。

「そんな、なのはさんの魔力球を喰らって無事なの!?」
「は、ハーピィ・レディ三姉妹にサイバー・ボンテージを装備したら攻撃力2450……並大抵の攻撃じゃ、太刀打ちできない……」
「だから、さっきから攻撃力とか何なのー!?」
「……もしかして、あの魔物達って三匹で一匹、みたいな存在なんですか?」

男の言葉に違和感を感じたキャロが問いかける。
男は苦しそうにしながらも、それに頷いて肯定した。

「キャロ、どうするの?」
「三匹で一匹……なら、一匹だけでも切り離せれば! 連結召喚、アルケミックチェーン!」

キャロが鎖を召喚し、フェイトの背後から襲いかかろうとしていたハーピィを拘束する。
鎖をはずそうとハーピィがもがくたび、キャロの鎖はきしんでいく。

「なんて、力……なのはさん、フェイトさん、今です!」
「キャロ……ありがとう! バルディッシュ、サードフォーム!」
「いくよ、レイジングハート!」

捕らえられたハーピィへ二人は狙いをつけ、その隙を狙おうとした二匹のハーピィの目の前を魔力球が通り過ぎる。

「こっちの事も忘れてもらっちゃ困るのよ!」

ティアナに気を取られている間に、なのはとフェイトは準備を完了する。

「ジェットザンバー!」
「ディバイーン、バスター!!」

雷を纏った巨大な剣と魔力砲撃、二人の同時攻撃を受けてさすがのハーピィも倒れ伏す。
その姿を見て、残る二匹のハーピィも慌ててその場から飛び去っていった。
101リリカル遊戯王GX:2007/11/13(火) 20:16:55 ID:F4vaJxKg
「やった! さすがなのはさんとフェイトさん!」
「……君たちは、いったい何者なんだ? デュエルモンスターズのキャラではないみたいだが」
「デュエ……? 私たちは時空管理局所属の魔道士です、私たちについて詳しい事は後でお話しますが、今はどこか落ち着ける場所に行きたいのですが」

こんな場所で話していてはまた何かに襲われかねない、だからといって安全な場所があるかどうかもわからないが、
わずかな期待を胸に問いかけると、男は「本当に安全か保障はできないが……」と呟いてある場所を指す。
その先には、デュエルアカデミアがあった。

続く

翔「変な世界には来ちゃうし、魔法使いなんて出てくるし、僕たちどうなっちゃうんだろう……」
十代「魔法かぁ、面白そうだよな! 俺も使ってみたいぜー!」
翔「兄貴は単純で羨ましいっす……」

次回 リリカル遊戯王GX
 第二話 魔法とデュエルと謎の敵なの!

十代「ヒーローにも魔法使いとかいないのかなぁ!」
翔「素直に魔法使い族を入れるべきっす……」


十代「さあ、今週の最強カードは……って、なんかいつもと雰囲気が違うぞ!?」
なのは「今週の最強カードはこれだよ!」

サンダーレイジ 魔法カード
相手フィールドの全ての水属性か機械族のモンスターの攻撃力・防御力を半分にする。

なのは「それじゃあ、次回もよろしくね♪」
十代「あ、あんた誰だよ!?」
102リリカル遊戯王GX:2007/11/13(火) 20:18:51 ID:F4vaJxKg
以上です。
見直したのに誤字多い・・・orz

人物描写が無い同然なのは俺が人物描写が苦手なため、読みにくくて申し訳ない
103名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 20:24:27 ID:xhmSoaXQ
GJ!
モンスターツヨスwww
えーい!十代のデュエルが待ち遠しいぜ!
意味もなくカイバーマンにゲスト参戦して欲しいぜ!

>レリックにも匹敵するほどの魔力反応
ショボそうだな…
104リリカルスクライド//G.U. ◆etxgK549B2 :2007/11/13(火) 20:28:10 ID:t7afDk47
>>102
おお〜GJです。
なのは達が活躍しているのが見れてよかったです。
ハーピーレディ3姉妹に苦戦するとは、エクシードモードじゃなかったのかな?
第3期の異世界辺が部隊なので今後も楽しみです。
105リリカルスクライド//G.U. ◆etxgK549B2 :2007/11/13(火) 20:29:58 ID:t7afDk47
>>103
爆発したら、空港も火の海にする程のエネルギーだからショボくは無いはずよ。
それに、多分ユベル関係じゃないのかな?完全復活してないし。
106名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 20:32:06 ID:eladHoaO
粉砕!玉砕!!大喝采!!!GJ!!!!
107名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 20:36:00 ID:xhmSoaXQ
>>105
あれ二次火災じゃないの?
爆発が空港全体に及んだなら死者が出ているはず、酸欠による死亡者もいなかったし、じわじわ広がってたように思える。
それにジュエルシードに比べるとね。
108名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 20:37:30 ID:9rHZcKpj
一度、レリックが爆発してでかいクレターができたけどな
109反目のスバル(携帯) ◆9L.gxDzakI :2007/11/13(火) 20:38:30 ID:U495bVR8
一発ネタかと思っていたら、連載でしたか! GJです!
さあ、果たしてカイバーマン&ブルーアイズに出番はあるのか!?
ああそうとも、俺はブルーアイズが大好きさ!w

待ってろみんな、俺もPCが空いたらSSを投下するぜ!
他の作品に比べると原作の知名度がこの上なく地味だがなぁ!!!

…orz
110名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 20:41:09 ID:xhmSoaXQ
>>108
せいぜい2,3百m程度だろ、ありゃ。
それにレリックって山ほどある代物だし。
111リリカル遊戯王GX:2007/11/13(火) 20:47:44 ID:F4vaJxKg
>>110
百メートル以上のクレーター作るには結構洒落にならない威力が必要とかなんかで見たのでっす
ジュエルシードは全次元世界の中でも右に出る物はないほど純粋で高密度な魔力物質だから、比べるとしょぼいけどね
警察が大量の火薬をキッチンのすぐ側にあるのを見つけて放置はできないでしょう、という感じですね

ブルーアイズかぁ、どこかで出せるかな・・・
112名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 20:49:12 ID:9rHZcKpj
十分な威力だと思うけど
他にも大量生産可能だったことと、扱いやすさとか色々考慮すればレリックは使える部類だと思えるな
まあ、これ以上は雑談行きだが
113反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/13(火) 20:56:21 ID:72v6wFFw
しかし、強いんですねぇ…二重の極み…
サノスケの方でしか知らんかったもんですから…

それではシャイニング・ウィンドのクロスを投下させていただきますが、OK?
114名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 20:57:30 ID:ZX4GNZJ1
オレのターン、白い魔王高町なのはを攻撃表示で召喚、ディバイン・バスターで敵モンスターを攻撃
というのが遊戯の声で聞こえたキガス
115SHINING WIND CROSS LYRICAL ◆9L.gxDzakI :2007/11/13(火) 20:59:12 ID:72v6wFFw
第3話「第3の剣とカオスゲート」

翌日の午後、ミッドチルダのとある郊外にある平野地帯。
機動六課のフォワード部隊は、ベースキャンプを張ってそこに待機していた。
曲がりなりにも、ここは闇の妖魔がうろつくカオスゲート発生地帯である。
各メンバーは常に臨戦態勢で敵襲を警戒していた。
と、そこへヴァイスの操縦するヘリコプターがキャンプの真ん中へと着地した。
「ふむ、機械の乗り物には初めて乗ったが、さほど悪い心地ではないのじゃな」
「ま、物によっちゃもっと揺れますがね」
「アイゼンザルクなんかは揺れそうだな」
そんな会話を交わしながら降りてきたのは、1人の人間と1人の獣人だった。
人間の方は、赤いチャイナの上に紫の和服を羽織った幼女――実年齢3000超の仙女・ホウメイ。
そのホウメイの傍に付き人のように立つ獣人は、氷のように澄んだ鱗を持った爬虫類風の男。
いや、その風貌はむしろ「竜人」と呼ぶべきか。
「お待ちしとりました、ホウメイさん」
自ら前線へ足を運んだはやてと、キリヤ達3人組が出迎える。
「うむ」
「ようキリヤ! 思ったよりも早い再会だったな」
竜人がキリヤを認めると、陽気な様子で手を振った。
「久しぶり、ヒョウウン!」
「いやいやいや。お前、国の仕事はどうしたんだよ?」
シーナは特に気にした様子もなく挨拶をしたが、キリヤはすっかり呆れ顔だ。
それもそのはず、竜人ヒョウウンは、今ではセイラン国王なのだ。
昔ならセイラン五大将軍「五獣将」の1人程度(というのもかなり乱暴な表現だが)だったので、これぐらいはまだ自由に動けたのだが、
前王ロウエンから王位を譲られたというのに、国を空けてこんなよく分からない場所へ足を運ぶとはどういうことか。
「まぁ細かいことは気にすんな。用事も半日で済むし、何より姐さんを1人で出歩かせるわけにはいかねぇさ」
25のいい大人には思えないような子供っぽい笑みを浮かべ、ヒョウウンは言った。
彼のかつての仕事はホウメイの護衛だ。どうやらこの男は、政務よりもそちらを
優先してここまで来たらしい。
「全く、とんだ王様だよ…そういうのはお国柄なのか?」
自ら長期航海に出て古代遺産の調査を進めたロウエンを思い出し、キリヤはため息をつく。
一方、遠目にその様子を見ていたのはスバルとシグナム、そしてキャロ。
(3000歳以上の仙女って割には、見た感じ着飾っただけのちっちゃな女の子ですよねぇ)
(見た目で油断するな。奴の魔力…この場の誰よりも数段上をいっている。
 隊長格に限定がついている今では、暴れられようものなら到底太刀打ちできんぞ)
(ということは…オーバーSSSランクですか!?)
(こっわぁ…)
このキャンプで最も高いランクを持つ魔導師は、SSランクのはやてである。
それよりも数段高いランクとなると、SSS以上――要するに「人間には不可能」なランクとなる。スカウターも吹っ飛ぶということだ。
シグナムが念話で語った内容は、2人をぞっとさせるには十分だった。
現にホウメイは、1000年前には闇の汚染に支配され、神器アプサラスを持ち出してリーベリアを壊滅寸前に追い込んだという。
神器を操ることそのものが困難を極めることである以上、
それだけの潜在能力を有していると言われても、何ら不自然ではなかった。
そして、そんな念話を「傍受して」ほくそ笑むホウメイ。
(ふふん、どうじゃ恐れ入ったか。…まぁ、本気を出すのはしんどくて御免じゃがの)
実際、キリヤ達との戦いの中でホウメイが本気を出したことは一度もない。
116SHINING WIND CROSS LYRICAL ◆9L.gxDzakI :2007/11/13(火) 21:00:35 ID:72v6wFFw
「さてと…ではそろそろ本題に入るとするかの」
そう言ったホウメイは、周囲の空気を確かめるかのように、視線を巡らせる。
「どうだホウメイ? 何か分かったか?」
「ふむ…少なくとも、この周辺の瘴気が、かつてリーベリアに蔓延していたものとまるきり同質であることはな」
つまり、このミッドチルダのカオスゲートと、リーベリアのカオスゲートは同じものらしい。
「大方、急に封印されたことで行き場を失った闇の力の一部が、ここまで流れ着いたのじゃろう。
 原因は不明じゃがな。この地の負の思念にでも呼び込まれたか…」
カオスゲートは大規模な争いの後に発生する、というのがリーベリアの伝承である。
殺意や憎悪の残留思念が、類友に当たるベクトルの力を発するカオスゲートを呼び込むというわけだ。
『それもそうだけど、原因はもっと別にある』
どこからともなく発せられた声が、周囲に響いた。
キリヤ達が辺りを見回すと同時に、彼らとホウメイの間の空間が、ガラスのように割れた。
中から覗くのは、あのカオスゲートと同じ黒い闇。
そしてそこから出てきたのは…
(あら、結構ええ男やないの)
少年だった。
ワイシャツのような服を着ており、下は黒のスラックス。
頭髪は黒のショートと、それだけを見れば普通の人間だろう。
しかし、遅れて空間の穴から出た背中が問題だった。
その背には、鳥のような一対の大きな翼が生えていたのだ。しかも、片方が白く、もう片方が黒い。
もうめちゃくちゃな人間だ。
カオスゲートから姿を現し、鳥人でもないのに翼を持ち、しかもその色は左右バラバラである。
こんないびつな人間には、滅多にお目にかかれることはないだろう。
「ゼロ…」
(コイツも君らの知り合いかいな!)
そろそろうんざりしてきたはやてが内心でツッコむ。
「まさか、俺達がミッドへ飛ばされたのは…」
「うん、僕がそうした」
キリヤがゼロと呼んだ少年は、そう言った。
「他の心剣士達はそれぞれにリーベリアで活動していたから、申し訳ないとは思ったけれど、君達に頼むことにしたんだ」
カオスゲートから出てきた時点でもう分かりきっていたことではあるが、この少年には単独での時空間転移能力まであるらしい。
段々頭が痛くなってくるはやてだった。
「それよりゼロ…原因が他にある、とはどういうことじゃ?」
突然割り込んできて偉そうなことを言うゼロに対し、内心穏やかでないホウメイが食ってかかる。
「今回のカオスゲートの出現…戦いによって蔓延した負の思念も確かに原因の一部とはなっているけれど、
 もっと大きな力が、直接それらをこの世界に呼び込んでいる」
「大きな力?」
キリヤが聞き返した。
「僕の口から詳しくは言えない。だけど、覚悟しておいた方がいい」
「融通の利かねぇ奴だぜ」
ヒョウウンが不満げに呟く。
「…まぁともかく、カオスゲートの対策は、リーベリアでしてきたことと同様で構わんのじゃな?」
「それで問題ない。この世界に散らばったカオスゲートを封印し、出現した根源を叩く。
 カオスゲートを呼んだ力も、恐らくその中に現れるだろう」
「分かった、俺達で何とかしてみる。後は任せてくれ」
キリヤの言葉を聞くと、それで満足したのか、ゼロはカオスゲートの中へと消え、それを閉じた。
「キリヤ君…リーベリアって、何て言うか…ああいう人達ばっかりなん…?」
「…あ、いえ…ホウメイとゼロが例外なだけです…」
117SHINING WIND CROSS LYRICAL ◆9L.gxDzakI :2007/11/13(火) 21:01:48 ID:72v6wFFw
カオスゲートの対処法も定まったところで、機動六課の面々はようやく除去作業に取りかかった。
今回前線で戦うのは8人。
スバルら新人組とキリヤら心剣士ご一行組プラスアルファ(=ヒョウウン)である。
隊長格の面々は、はやてのいるベースキャンプの護衛に回った。こちらはまず大丈夫と見ていいだろう。
「ふむ…敵はオークにファントムスピアか…先日キリヤが相対した連中よりは手強い相手じゃの」
キリヤの横に立ったホウメイが言った。
オークとは、ゴブリンよりも大柄な、人間大の緑の鬼だ。知性もより優れており、様々な武具を使いこなす。
今回のオークは、見たところ弓を扱う面々らしい。
一方、ファントムスピアとは、ケンタウルスのような人馬族の姿をした、灰色一色のモンスターだ。
カオスゲート周辺には、このようにセイランやベイルガルドの兵士の姿を借りたファントムモンスターが出現することが、ままある。
「この編成なら、わらわの心剣が役立つな」
「それじゃ、遠慮なく力を貸してもらうよ」
「うむ」
そう言うと、ホウメイはその胸元に魔法陣を発生させる。
顕現するのは、紫の心剣。
「仙剣竜尾扇」。
ホウメイの底知れぬ力の一端が、形を持った姿だ。
その名の通り、扇のような円形の先端を持った、特異な形状の剣だ。
「さぁ、後は好きにせい。わらわはここで見ておるからの」
「はいはい」
苦笑いを浮かべながら、キリヤが竜尾扇を構えた。
「では、事前打ち合わせ通り、あたし達フォワードが前に出て、キリヤさん達の道を開くという形で構いませんね?」
新人達のリーダー格に当たるティアナが、ホウメイに確認した。
「いや、キリヤには先頭に立ってもらう」
「え!?」
「最初の一発で、キリヤが敵の出鼻をくじく。その後は先の作戦で構わん」
「は、はぁ…」
ホウメイの言葉に困惑しつつも、ティアナは陣形を変更させる。
キリヤが先頭、その後ろに新人組、最後尾にシーナ達。
「ごめんな、ホウメイが変なこと言って」
キリヤが心底申し訳なさそうにティアナに謝罪した。
「あ、いえ…そんな迷惑でもありませんから」
「ならいいけど…本当、ホウメイの気まぐれにはハラハラするよ」
ため息混じりにキリヤが呟く。
「…リーベリアを救った勇者様にも、悩みの種はあるんですね」
「まあね。俺はそんな、勇者ってほど人間できてるわけでもないし」
キリヤとティアナは顔を見合わせて笑った。
ティアナなりに、慣れない土地で緊張しているキリヤの気をほぐそうとしてくれたのかもしれない。
普段のティアナらしからぬ戦闘前の軽口が、機転の利くティアナらしい振る舞いに見えるというのは、端から見て面白い光景だった。
「…じゃあ、みんな行くわよっ!」
しかし、それも戦闘が始まるまでの話だ。
即座に気分を切り替えると、ティアナはメンバーに指示を飛ばす。
8人の集団が、闇の妖魔の軍団目掛けて突っ込んだ。
118SHINING WIND CROSS LYRICAL ◆9L.gxDzakI :2007/11/13(火) 21:03:09 ID:72v6wFFw
オーク達は彼らを敵と認識し、一斉に矢を射かける。
普段通りなら、回避するなり防御するなりしてやりすごすパターンだろう。
だがこの日は違った。キリヤの手には竜尾扇があったのだから。
「弾けっ!」
キリヤが竜尾扇を横一閃に振るう。
瞬間、七色の突風が矢の雨にぶつかり、それら全てを弾き飛ばした。
逆にオーク達が矢を食らう羽目になり、敵陣は盛大に引っ掻き回される。
スキル・扇風結界陣の魔力の風は、あらゆる飛び道具・魔法を跳ね返す盾だ。
続けて、遠距離攻撃は無意味と悟った5体のファントムスピアが、自慢の俊足で突っ込んでくる。
しかし、竜尾扇が無力化できるのは飛び道具だけではない。
「させるか!」
再び心剣を振ると、今度は切っ先から複数の泡の塊が飛び出した。
泡はファントムスピアの脚に命中すると、その自由を奪い、進行速度を大幅に鈍らせる。
相手のスピードを殺すスキル・泡縛結界陣だ。
「はえ〜、すっごいですねぇ」
背後のスバルが感心そのものの声を上げる。
竜尾扇の能力は、相手の自由を奪うことに特化していた。
単独での攻撃力は、キリヤが持ったことのある心剣の中でも最も低いが、
大半の敵は、2つの結界陣によってその力を大幅に削られる。
そこへホウメイの強力な仙術をお見舞いする、というのが基本の戦い方だった。
要するにサポートの心剣なのだ。
「後は頼む!」
「任せてください!」
「いっくわよ〜!」
「やってやるぜぇ!」
キリヤがシーナ達の元まで後退し、本格的に攻撃が始まった。
「スバル、右側に突っ込んで!」
「了解! うおぉぉりゃあああぁぁぁーっ!」
ティアナの指示を受けたスバルが、オークの一団目掛けて突撃する。
リボルバーナックルの一撃で景気よく1匹目を殴り飛ばすと、そのまま蹴りで残りを叩きにかかる。
「凄いな」
思わず、キリヤは呟いていた。
「確かに凄いわよねぇ。新人であの身のこなしと攻撃力…」
「いや…そっちもそうだけど、俺が言ってるのはあっちの方」
「?」
シーナが見た方には、戦場の中心で指揮に専念するティアナの姿があった。
「キャロはエリオを補助! ヒョウウンさんのカバーはあたしがやる!」
「16ってことは、俺達よりも2つも下だろ? それで俺達よりもずっと視野が広いんだからなぁ…」
キリヤの声にこもるのは、素直な尊敬の念だ。
確かに、いかに腕が立とうと、彼らにはああいう指揮官役は無理な話である(トライハルトならともかく)。
「近いうちに話をしてみたいもんだな」
「惚れちゃったとか?」
「まさか!」
軽口を叩きながらも、キリヤはオークの1匹を竜尾扇で一閃した。
119名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/13(火) 21:04:06 ID:PRj8MS+Y
支援
120SHINING WIND CROSS LYRICAL ◆9L.gxDzakI :2007/11/13(火) 21:04:21 ID:72v6wFFw
「氷竜拳っ!」
「リボルバァァァー…ナッコォ!」
ヒョウウンの氷の拳とスバルの鋼の拳が、並んだファントムスピアを同時に撃破した。
本来ヒョウウンの立ち位置はキリヤら後衛で、フォワード部隊の打ち漏らした敵を撃破するのが役目なのだが、
今彼の隣に立っているスバルのポジションはフォワードの前衛――つまり最前列だ。
そもそも喧嘩っぱやいヒョウウンに後方支援というのが無理な話だったらしい。
「強いですね〜ヒョウウンさん!」
スバルがヒョウウンの腕前を称賛する。
無論、機動性や遠距離魔法などを考慮すれば、総合力に優れているのはスバルである。
だが、ヒョウウンとて伊達に五獣将の一角を担ってはいない。
鍛錬に裏打ちされた「格闘家」としてのテクニックには、彼に一日の長があった。
「へっ、嬢ちゃんもなかなかやるじゃねぇか。今いくつだ?」
「ピチピチの15!」
「げぇっ! 俺より10も下かよ!? こりゃ素直に褒めてる場合じゃねぇなぁ…」
うかうかしているとすぐに抜かれるな…と思いつつ、ヒョウウンは困った顔で冷や汗を浮かべる。
そうこう言っているうちに、新たなオークが姿を現してきた。
ここに開いているカオスゲートは3つ。妖魔の増殖スピードは3倍である。
「またたくさん出てきましたね」
「キリヤがカオスゲートを全部封印するまではな」
先ほどまでとはうって変わって、2人は真剣そのものの面持ちで敵を見据える。
ふと、ヒョウウンの長い口元が、ニヤリと不敵に笑った。
「…どっちが大勢殴れるか、競争してみっか?」
「やってみますか!」
スバルも左の平手にリボルバーナックルを叩きつけ、闘志を見せる。
「時間はカオスゲートが全部閉じるまで!」
「いっくぜぇぇぇ!」
2人の青き格闘家が、勢いよく躍り出た。
「おぉぁりゃああぁぁぁっ!」
ヒョウウンの身体が豪快に回転した。
竜尾旋脚と銘打つ必殺の回し蹴りで、あっという間に3匹のオークが蹴り倒される。
「さっすが! それならこっちは…」
スバルも負けてはいられない。カートリッジをロードし、足元にベルカの魔法陣を浮かび上がらせる。
両手で魔力スフィアを形成すると、それを思いっきり殴りつけた。
「ディバイィィーン…バスタァァァァァァーッ!!!」
凄まじい魔力の奔流が、ヒョウウンの倍に当たる6匹のオークを巻き込み、蒸発させる。
「何ぃ!? そんなんアリかよ!」
「へっへーん、肉弾戦だけとは言わなかったじゃないですかぁ♪」
「ぬぬぬ…そういうのがアリなら、こっちだってやってやらぁ!」
ヒョウウンが拳を叩きつける。しかし、その対象は敵ではなく、地面。
「氷竜波ぁっ!!!」
竜人の雄叫びと共に、大地から巨大な氷竜が誕生した。
竜を象った冷気は縦横無尽に敵陣を飛び回り、3匹のオークと2体のファントムスピアを飲み込んだ。
ヒョウウンの最大奥義・牙山氷竜波である。
「うわぉ!」
「へへん、驚くのは後だぜ! さぁーてと、次はテメェだっ!」
スバルを尻目に、ヒョウウンは次なるオーク目掛けてその足を進める。
しかし、彼の拳がその身を捉える前に、オークは一瞬で真っ二つとなった。
「うおっ!?」
驚きの声を上げるヒョウウン。スバルも同様の表情を浮かべた。
「僕を忘れてもらっては困りますよ!」
そこに立つのは、ストラーダを携え、不敵な声を上げるエリオ。
3人目の姿は、ヒョウウンとスバルを更に「その気」にさせるには十分な刺激だった。
121SHINING WIND CROSS LYRICAL ◆9L.gxDzakI :2007/11/13(火) 21:05:39 ID:72v6wFFw
血気盛んな鉄砲玉(×3)が暴れまわる中、キリヤ達3人はカオスゲートの封印を進めていた。
既にうち2つを除去し、残るは最後の1つだ。前衛組のおかげで、作業はスムーズに進んでいた。
「えいえいえいっ!」
シーナが華麗な剣さばきで、ファントムスピアを蜂の巣にする。
しかし、その表情は何故か不満げな様子だ。
「むぅ〜…」
「どうした、シーナ?」
竜尾扇でオークを斬り伏せながら、キリヤが尋ねる。
「やっぱりどうしても決定打に欠けるのよねぇ…」
相変わらずシーナの胸に引っ掛かるのは、失われた炎属性攻撃の存在だ。
特に、前方広範囲の敵を同時に攻撃できた必殺技・ファイアグレネードが使えないのは痛かった。
「いっそはやてさん達に頼んで、BJに能力を追加してもらったら?」
「ん〜…もう少し、現状で頑張ってみるわ。あまりそっちに頼るわけにもいかないし」
シーナが言う。
あくまでシーナの本来の実力は現状なのだ。ならば、リーベリアでの能力に慣れ
た戦闘スタイルを元に戻す必要があった。
でなければ、学校のフェンシング部での活動にも支障をきたしてしまう。
「そりゃいい心掛けだな…っと!」
シーナの方に気を取られていたキリヤは、すぐそばまでオークの接近を許してしまった。
しかし、それは後方のクレハが放った矢によって眉間を撃たれ、その場に倒れる。
「油断大敵よ、キリヤ君」
「ごめん、クレハ」
「ほら今よ! ボサッとしてないで、最後のカオスゲートの封印急ぎなさい!」
クレハの矢によって、周辺の妖魔は全滅した。これで後は、カオスゲートを閉じるだけだ。
「ああ、任せてくれ!」
気合いを入れると、キリヤはカオスゲート目掛けて突っ走る。
新たな妖魔が出てくる前に、竜尾扇の丸みを帯びた切っ先が、闇の門を貫いた。
カオスゲートは煙を上げ、みるみるうちに姿を消す。
「ふぅ…これで任務完了っと」
一息つくと、キリヤは竜尾扇を肩に担いで言った。
122SHINING WIND CROSS LYRICAL ◆9L.gxDzakI :2007/11/13(火) 21:06:48 ID:72v6wFFw
戦闘が終わり、ここは機動六課のシャワールーム。
今、戦いから帰った乙女達が、ここで疲れた身体を洗い流していた。
「全く…好き勝手暴れ過ぎよ、スバル。援護するこっちの身にもなりなさいよ」
「えへへ、ごめんごめん」
「まあ、スバルに限った話じゃないけど…」
ため息をつきながらティアナが呟く。
前線で大暴れした残りの鉄砲玉に当たるエリオは、当然この女性用のシャワールームにはいない。
更に言うなら、最後の1人であるヒョウウンは、この次元にすらいないのだ。
役目を終えたホウメイに付き添って、彼は元のリーベリアへと帰っていった。
(責任追及もへったくれもないわね、この状況じゃ…)
「まあでも、結果オーライでいいんじゃない? おかげであたし達もスムーズに動けたんだし」
シーナがスバル達をフォローするように言った。
「それが、そうも言えないんですよ。うちは少人数編成ですから、1人の動きが、約1部隊の動きの割合に相当してしまうんです」
「そっか…確かにそれは問題ね」
あくまで戦争をしていたシーナ達からすれば、1人の動きは些細なことだ。
だがこの機動六課では、スバルら3人は、彼女らだけで全体の8分の3に当たってしまう。
パーセンテージで見れば結構な数字だった。
「まあ、今回はなのはさん達からもお咎めがなかったことだし、次から気を付けるようにすればいいんじゃないかしら」
そう言ったのはクレハだ。
確かに、特に今回の戦闘について上からの注意はない。要するに「それくらい許容範囲」ということだ。
「…結局はあたしがもっと精進すべし、ってことか…」
やれやれといった様子で、ティアナが1人ごちた。

「…長いなぁ…」
「ですね…」
「キュクルー」
ロビーの階段に腰を下ろしていたのはキリヤとエリオ。ついでにフリードリヒが宙に浮いている。
何故か女性のシャワーというのは長い。よって、キリヤ達は待ちぼうけだ。
「にしても、こっちも女の人が多いんだなぁ…」
今日までに出会った六課の人々の姿を思い浮かべ、キリヤがそんな感想を漏らす。
「キリヤさんの…えっと…ルミナスナイツも、女性の方が多かったんですか?」
「まぁ、実際は男女半々だったんだけど、男がほとんどセイランの人だったからな」
要するに、人間の男が少なかったということだ。
「お互い苦労するなぁ…」
「ですねぇ…」
何か通ずるところを感じ、2人は同時にため息をついた。
こういう心のつながり方で心剣が抜けるのなら、プレイヤーもどれだけ楽なことか。
「ところでエリオ、どうして六課にはこんなに女の人ばかりいるんだ?」
「それは僕も気になって、前になのはさんに聞いたことがあるんです」
「ほぉ…それで?」
キリヤに尋ねられたエリオは、一瞬の間を空けて口を開いた。
「…『それは魔法少女モノのお約束なの♪』ですって…」
「…さっぱりわけが分からないなぁ…」
「ですねぇ…」
他愛もない冗談と思われるなのはの一言に、2人はうんうん唸って頭をひねっていた。
「キュクルー」
ついでにまたフリードが声を上げた。
123名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/13(火) 21:07:49 ID:PRj8MS+Y
支援
124SHINING WIND CROSS LYRICAL ◆9L.gxDzakI :2007/11/13(火) 21:08:17 ID:72v6wFFw
まさかのヒョウウン参戦。…いや、知ってる人がいるかどうかが問題ですが。
一応、
キリヤ:Aランク相当
ヒョウウン:Bランク相当
シーナ、クレハ:Cランク相当
ということで書いています。リーベリアでのシーナ達はBです。

さて、次回からはようやくタティアナさん編です。バトルシーンだらけの話も、そろそろ落ち着くかも。
というか、まずはStS勢が地味なのを改善せねば…
キャラの解説のためにも、どうしてもシャイニング勢が目立ってしまうのが悩みどころです。
125名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 21:15:35 ID:R3oMAwjD
GJ!
ヒョウウン?
ああ、シャニティアの最初の方でソウマさんが戦場見にいったらキリヤにやられてた奴だろ。
あとは…う〜ん。
やっぱTonyキャラはエロいので目立つのはしかたないのです。
でもソウマさんが一番好きです。
126名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 21:28:44 ID:emc1PdOt
>>124
GJ!!
シャイニング・ウィンドはEDに絶望したけどそれまでは良かったと思う俺参上。
大丈夫だ!知名度が低いなんて気にするな!!
俺はこれからも氏を応援しています!
127名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 21:55:38 ID:uPZHcm0G
ラスボスが走ってやってくるのはいつですか?
128名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 21:59:35 ID:R3oMAwjD
地割れに飲み込まれるのが先だ。
129名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 22:14:08 ID:45Ebq3my
ゼロもSSS+以上でしょうね。
双竜の指輪をはやて達にはめさせたら、SSSクラスを超えられるんじゃないですか?

ゼクティと初代リインフォースが一緒にいたらいいな〜。
関係ないけどね・・・
130名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/13(火) 23:11:05 ID:Sow3d/i+
>>129
どこかでも言われてたが、SSSが最高なんだぜ。
んで、それは人間では到達不可能な域らしい。
だから、人間としての最高レベルはSS
131マスカレード ◆gFOqjEuBs6 :2007/11/13(火) 23:57:05 ID:5NgiJ+oZ
皆様GJです!
少ししたら投下しますけど、いいよね?答えは(ry
って訳で投下予告です。


それは小さな願いでした。
何事も無い静かな日々。
ただ穏やかに続いていく毎日。
私は何も望んだりせえへん。
私はどんな力も欲しないから。
ただ、そばに居てくれたら良かった。
そしたら、私が皆を護るから。
気持ちが少しすれ違う時も……
だけど、それでも……

宇宙の騎士リリカルなのはBLADE……
始まります。
132名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 00:10:48 ID:4qa5pEKH
ボルテッカ支援
133宇宙の騎士リリカルなのはBLADE ◆gFOqjEuBs6 :2007/11/14(水) 00:14:06 ID:SSibt7g8

その日、シャマルははやての車椅子を押し、スーパーへ買い物に来ていた。
どうやら鍋料理を作るらしく、積極的に手に取る食材は、白菜や豚肉、まいたけといった鍋によく使われる物ばかりだ。
ふと、豚肉を手に取ったはやては、後ろで車椅子を押してくれているシャマルを見る。
「せやけど、最近皆、あんまりお家におらんようになってもうたね……」
「あ……ええ、まぁその……何でしょうねぇ?」
アハハと苦笑いしながらはぐらかすシャマル。闇の書の完成の為に夜な夜な人や野性生物を襲っているなどと、言える訳も無い。
「あ、私は別にええんよ?皆が外でやりたい事あるんなら別に……
それにシンヤだってホンマなら学生やっててもおかしくない歳なんやし、外でなんか楽しいこと見付けたんかもしれへんしね」
「……だからこそあんまり外出し過ぎて補導されても困りますけどね?」
「フフ」と笑うシャマル。補導なんてされよう物なら色んな意味で困る。
どちらかと言うのは心配なのはシンヤを補導した警官の方だ。恐らく殺される……いや、良くて半殺しだろう。
「あはは……それに、私は元々一人やったしな」
「はやてちゃん……大丈夫です。今は皆忙しいですけど……すぐにまた、きっと……」
少し寂しそうな表情をしたはやて。シャマルは、励ますような真剣な表情で、はやての顔を覗き込んだ。
「そっか……シャマルがそう言うなら、そうなんやね!今夜はすずかちゃんも来てくれるし……」
そうすると、はやてはすぐに笑顔を取り戻し、元気そうに頷いた。

数分後、スーパーから出たはやては、空を見上げながら呟いた。
「皆も……外で寒ないかなぁ……」
そんなはやてが見上げる空。ここから少し離れた場所に、一人の女性が浮かんでいた。
桃色の騎士甲冑を身に纏い、刀型のデバイス−レヴァンティン−を携えた騎士……シグナムだ。

そのすぐ真下では、再び力を取り戻したDボゥイ……いや、ブレードが、ペガスに乗り、空に浮かんでいた。
「Dボゥイさん……また戦う決意、固めたんだね!」
「ああ……お前達のお陰で、俺はまたこうして戦う事ができる!」
珍しくなのは達に感謝の意を表すDボゥイ。
そんなDボゥイを見ていたフェイトも、嬉しそうに口を開いた。
「貴方には強い心がある……そんな強い心がある限り、貴方は悪魔でも化け物でも無い!」
「ああ……わかったよ、フェイト。」
フェイトに言われた言葉も、Dボゥイが立ち直るきっかけになったのだ。フェイトにも素直に感謝しながら頷く。
そして、なのはやフェイト達……アースラの皆に聞こえるように、ブレードは言った。

「俺は……俺の持つ30分を、お前達に預ける!!」

その言葉を聞いた一同からは、笑顔が零れた。ついに立ち直ったDボゥイ。彼は、自分達を仲間として信頼してくれているのだ。
その姿は悪魔でも化け物でも無い。それは、まさに人の如く!

第5話「復活!怒りのボルテッカ」
134宇宙の騎士リリカルなのはBLADE ◆gFOqjEuBs6 :2007/11/14(水) 00:19:46 ID:SSibt7g8

「フン……何が強い心だ!ブレード……お前はここで消えるんだよ!」
エビルはそんなブレードとなのは達のやり取りを嘲笑うかの様に、テックランサーを突き付けた。
「俺はここで死ぬ訳にはいかない!エビル……ここで決着をつけてやる!」
そう言い、ブレードは背中のスラスターを噴射し、ペガスの背中から飛び上がった……
その時だった。
エビルに斬り掛かろうとしたブレードは、突如として落下した、紫の稲妻により、進路を阻まれた。
稲妻による煙幕が晴れる。そこにいるのは。
「シグナム……ッ!」
その名を呼ぶフェイト。以前の戦いで、お互いにいい勝負をした相手の名だ。忘れるはずも無い。
当のシグナムは、ブレードにレヴァンティンを突き付け……
「騎士、ブレードといったか。お前の相手は……私だ!」
「なに……ッ!?」
次の瞬間にはブレードの懐へと飛び込んでいたシグナム。振り下ろされたレヴァンティンを、テックランサーで受け止める。
「ク……どけぇッ!!」
「貴様も騎士ならば、力付くで通ってみせろ!」
どうやら騎士という称号に反応したらしい。シグナムはどうしてもブレードと戦うつもりだ。
二人はお互いの剣をぶつけ合い、数十メートル、反発する磁石のように距離を取った。
その際、エビルの近くに飛び退いたシグナムは、ちらっとエビルに視線を送る。
「シンヤ……ブレードの相手は私がする。文句は無いな……?」
「……好きにしろよ……」
「感謝する……!」
その言葉を聞いたシグナムは、再びブレードへと突撃した。
エビルの方は興ざめといった感じだ。まさか、やっと会えたブレードの始末を別の奴に任せる事になるとは。
「(フン……まぁいい……せいぜい頑張るがいいさ)」
エビルは、ブレードとぶつかり合うシグナムに冷たい視線を送った。どっちにしろシグナムがブレードに勝てるとは毛頭思っていない。
……だが。もし仮にシグナムが勝ったなら……。
その時は、エビルは全力を以てシグナムを打ち倒すだろう。

「ユーノくん、クロノくん!手を出さないでね!私、あの娘と一対一だから!」
ヴィータを見つめながら、大声で叫ぶなのは。ヴィータも小さく、「チッ……」と舌打ちする。
クロノとユーノも、「マジかよ……」とつぶやきながらもそれに納得する。
「(アルフ……私はあの赤いテッカマン……エビルと……!)」
念話で、アルフに自分の戦う相手を伝えるフェイト。空に浮かぶエビルを睨む。
「(ああ、調度アタシも、野郎と話がある……!)」
アルフも同じように、空に浮かぶザフィーラを睨み付けた。見た所相手は自分と同じ使い魔だ。アルフには少し思う所があったらしい。
なのはとフェイトの二人は、新デバイスのカートリッジをロードする。
それにより、二人の魔力は一気に上昇。これならば、ベルカ式に対抗できる。
135宇宙の騎士リリカルなのはBLADE ◆gFOqjEuBs6 :2007/11/14(水) 00:34:46 ID:SSibt7g8
「はぁああああッ!!」
一気に飛び上がり、エビルへとバルディッシュを振り下ろすフェイト。
だが、それもエビルの片腕に装着された剣……『ラムショルダー』によりたやすく受けられてしまう。
「……貴様、死にたいのか……?」
「……貴方とDボゥイにどんな因縁があるのかは知りませんけど……私は勝ちます!」
再びエビルから距離を取り、足元に黄色の魔法陣を展開。同時に、フェイトの周囲に無数のスフィアが浮かぶ。
『プラズマランサー』
カートリッジにより大幅に強化されたフェイトの魔法、プラズマランサーだ。
スフィアはエビルへと照準を定める。
「いいだろう……死ぬ前に目に焼き付けるがいい!このテッカマンエビルの姿を!!」
「プラズマランサー……ファイア!!」
フェイトの掛け声と共に、プラズマランサーはエビルへと飛んで行く。
「小賢しい!」
エビルはプラズマランサーが着弾する前に、フェイトに向かってラムショルダーを投げ、フェイトの視界からその姿を消した。
対するフェイトは飛んできたラムショルダーを回避する為に上昇。
「エビルが……消えた!?」
「どこを見ている?」
「ク……ッ!?」
消えた、と思った瞬間には、エビルは既にフェイトの背後へと移動していた。
だが、ここで簡単に落とされるフェイトでは無い。フェイトの反射神経は、常人のそれを遥かに凌いでいる。
エビルの気配に気付いた時には、既に次のアクションを起こしていた。
『ハーケンフォーム』
「何……っ!?」
「ターンッ!」
バルディッシュのリボルバー部が回転。バルディッシュから黄色い稲妻の如き魔力刃が飛び出す!
一回転して振り抜いたバルディッシュは、エビルの体に直撃した。
「貴様……ッ!」
そして、次にエビルに向かってさっきのプラズマランサーが一斉に襲い掛かる。
フェイトはすぐにエビルから離れる。その瞬間、エビルは全てのプラズマランサーに直撃。爆煙が広がる。
「やった……かな?」
『Caution』
「……ッ!?」
バルディッシュが注意した瞬間、爆煙からエビルが飛び出す。エビルは真っ直ぐにフェイトに突撃した。
「調子に乗るなよ、虫けらがぁッ!!」
「な……ッ!?」
『ディフェンサープラス』
一瞬のうちにフェイトの眼前まで迫ったエビルは、テックランサーを振り下ろした。
それに対し、バルディッシュは咄嗟に防御魔法を展開。元々回避重視なフェイトは、防御魔法もたいした防御力を成さない。
完全に弾くまでに至らずに、テックランサーによる衝撃を受けたフェイトは、一気に地面に落下する。
だが地面激突という訳では無い。フェイトは地面激突寸前で再び浮力を取り戻し、地面から反発するように体勢を立て直した。
136名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 00:35:20 ID:4qa5pEKH
支援
137マスカレード:2007/11/14(水) 00:42:20 ID:SSibt7g8

「強い……テッカマン、エビル……!!」
「当たり前だ!最強のテッカマンであるこの俺が、魔導師ごときに負ける物か!!」
本来ならばこんな子供一人、エビルなら一瞬で八つ裂きにしている筈だ。だが元の世界にいた時とは勝手が違う。
今は侵略が目的では無い。ましてやシャマル達に人殺しはしないようにと念を押されているのだ。
殺さないと保証できる訳では無い。だが、すぐに終わらせはしない。じっくり遊ぶつもりだ。

「貴様達!何故エビルに協力する!?」
「エビル……?シンヤのことか……」
再びペガスに乗り、ペガスの上で戦闘を続けるブレード。相手はシグナム。人間と戦うのはこれが始めてだ。
それ故、力の加減が難しい。人の心を持ったDボゥイが、故意に人を殺そうとすることはまず無い。
例え故意では無かったとしても、誰も殺したくは無い。
「貴様に話す事では無い!」
『シュランゲフォルム』
シグナムのレヴァンティンは、剣本体がいくつにも分割。
ブレードの周囲を取り巻くように展開したレヴァンティンの刃は、締め付けるような形でブレードを襲撃する。
「クッ……ペガァスッ!!」
『ラーサ!』
刃が当たる前に、ペガスに命令を下す。すると、ペガスはすぐに変形を開始。ブレードも一緒に、全身がスリムな形態へと変形。
「クラァッシュッ!イントゥルーーーードッ!!」
「なッ!?」
驚くシグナム。レヴァンティンの刃が直撃する前に、ブレードはペガスごとエメラルド色の光へと変わったのだ。
凄まじい速度で天へと昇った光は、一気にシグナムに向けて急降下。
ブレードの技の一つ……『クラッシュイントルード』だ。
シグナムはなんとかそれを回避。それでも凄まじい速度で四方八方から飛んでくるブレードには、流石のシグナムも苦戦していた。
「そこかッ……!」
だがシグナムもいつまでも負けている訳にはいかない。次第にブレードの軌道が読めて来たシグナムは、レヴァンティンに炎を纏わせ、それを振り抜いた!
ガキィン!と、鋭い音を立てて、命中するレヴァンティン。だが、命中したのはブレード本人では無かった。
シグナムのレヴァンティンと激突しているのは、ブレードのテックランサーだ。
ブレードもまたシグナムの動きを見切り、攻撃をテックランサーに切り替えたのだ。
「フッ……なかなかやるな、騎士ブレード……!」
「お前こそ……!」
お互いの剣を激突させながら、二人は相手の顔をよく見た。シグナムの目に写るのは、見慣れた顔だ。
「(シンヤ……?いや……双子だったな……)」
ブレードの仮面の中に見える顔は、まさしくシンヤの物だ。左目に大きな傷があることを除けば、本当によく似ていた。
138リリカルスクライド//G.U. ◆etxgK549B2 :2007/11/14(水) 00:43:53 ID:dYl3nxle
支援〜そしてお休みなさいZzz
139宇宙の騎士リリカルなのはBLADE ◆gFOqjEuBs6 :2007/11/14(水) 00:50:38 ID:SSibt7g8

一方のなのはも、ヴィータと戦闘中だ。
なのはの新たな力に、ヴィータは押されていた。障壁も破壊され、攻撃もほぼ通じない。ヴィータも、少し焦りを感じ始めていた。

まさかこの時、戦闘に集中し過ぎている間にクロノ・ユーノの二人に、近くを嗅ぎ回られている等と、思いも寄らなかっただろう。
そんな時、状況をあまり良くないと考えたザフィーラは、結界の外のシャマルと念話で連絡を取っていた。
「(シグナムやシンヤが負けるとは思わんが……ここは引いた方がいいな。シャマル……)」
「(なんとかしたいけど、局員が外から結界を維持してるの。シグナムのファルケンや、ヴィータのギガント並の威力が出せれば……)」
「(二人共、今は手が離せないが……一つだけ方法がある。それに賭けるしか無いな)」
「(ザフィーラ、まさか貴方……シンヤ君に……?)」
シャマルは、思い当たる唯一の方法を口にした。シンヤならば、いくらでもボルテッカを放つ程度の隙なら作れるだろう。
だが、こんな密室空間でボルテッカを使えば……

「シンヤ……!」
すぐにアルフから離れたザフィーラは、エビルの近くに飛び上がる。背中を合わせるように隣接したザフィーラは、エビルに囁いた。
「シンヤ……一度撤退する。ボルテッカを使えるか?」
「ボルテッカだって……?別に構わないが……もう帰るのかい?」
「状況はあまり有利では無い。あの白いテッカマンとは、いずれまた会えるだろう……。今は退くぞ」
「仕方ない……」
次の瞬間、エビルは地面へと急降下し、着地。PSYボルテッカの発射体勢へと移行する。
フェイトはエビルを追いかけようとするも、ザフィーラに道を阻まれてしまい、それを断念。
「お前達の相手は俺が引き受ける。シンヤの邪魔はさせん……!」

「エビル……!まさかボルテッカを使うつもりか!?」
「何……?」
一度空中で静止し、エビルへと視線を送るブレード。シグナムも釣られてエビルを見る。
「こんな所でボルテッカを使えば……!」
「よそ見をするなァ!!」
「チッ……!」
正面から突撃してきたシグナム。ブレードはレヴァンティンをテックランサーで受け止めながら、シグナムを睨んだ。
「聞け、女!こんな場所でボルテッカを使えば、貴様達もただでは済まないぞ!」
「私の名前はシグナムだ!貴様も騎士ならば、己の戦いに集中しろ!!」
レヴァンティンの刃は燃え盛る炎を纏い、ブレードを弾き飛ばす。
シグナムはシンヤを信頼している。そして、ザフィーラやヴィータ……それから、自分自身の力もだ。
フェルミオンという物質を知らないシグナムには、まさかボルテッカがそれ程の威力を誇るとは思っていないのだ。
距離を取ったブレードは、シグナムを睨み付けた。もはや躊躇っている余裕は無い。シグナムには悪いが、少しだけ本気を出させて貰う。
「騎士だと!ふざけるな……!
俺は強くなんてなりたく無かった!こんな力、欲しくなかった!!」
「何ッ!?」
刹那、ブレードはシグナムのレンジ内に入っていた。
140宇宙の騎士リリカルなのはBLADE ◆gFOqjEuBs6 :2007/11/14(水) 01:00:47 ID:SSibt7g8

「だが奴ら……悪魔はそれさえ許しはしなかった!」
「な……バカな……!?」
既に、ブレードはシグナムの視界から消えていた。
シグナムの体に走る鋭い痛み。そして、正面から大きく裂けた騎士甲冑。
裂けた場所からは血が流れていた。そんな致命傷に至る程の傷では無いのは、不幸中の幸いだ。
「バカな……私は防いだはずだ……」
シグナムは、ただ呆然とそこに浮かんでいた。信じられなかったのだ。まさか、こうも簡単にあしらわれるとは、思いも寄らなかったのだ。

一方のエビルは、既に胸のボルテッカ発射口にフェルミオンをチャージ完了していた。あとは、これを空に向かって放つだけだ。
「PSYボル……」
「エビルゥーーーーー!!」
「……ッ!?」
エビルがPSYボルテッカを放とうとした刹那、『ドガァァァン!』という凄まじい音と共に、地面に大きな穴が開いていた。
中にいるのは、赤と白、二人のテッカマン。ブレードとエビルだ。
ブレードがエビルの首根っこを掴み、地面にたたき付けたのだ。
「クッ……兄さん……!」
「たしかに……俺の力は悪魔によって与えられた物だ……。だが、俺は悪魔では無い!」
「クッ……フフフ……いい加減受け入れなよ兄さん!僕も兄さんも……ラダムなんだよぉッ!!」
今度はエビルがブレードの首を掴み、両肩のスラスターを噴射。一気に上空まで飛び上がる。
「俺は……人間だッ!!……貴様だけはこの手で!!」
「それが優しさのつもりかい、タカヤ兄さぁんッ!!」
上空で何度もぶつかりながら、お互いの気持ちをぶつけ合う二人。もはや超音速の戦いとなっており、他のメンバーでは入れない空間が出来上がっている。
「黙れッ!お前はラダムだ!シンヤでは無い……!!」

「(ザフィーラ!)」
「(シャマルか……どうした!?)」
再び、ザフィーラにシャマルから通信が入る。
「(ボルテッカを使っては駄目!)」
「(何だと……?)」
「(ボルテッカのフェルミオン粒子をこんな密室空間で爆発させれば、間違い無く結界の中は全て吹き飛んでしまうわ!)」
「(……ならば、どうすればいい……?このままでは……)」
「(……アレを使うしか……ッ!?)」
言いかけたシャマルの言葉が止まった。背後に感じる何者かの気配。明らかに味方の物では無い。
「捜索指定ロストロギアの所持……使用の疑いで、貴方を逮捕します」
シャマルに、背後からデバイス……S2Uを突き付けているのは、クロノだ。
ようやく見付けた闇の書の騎士。ここで取り逃がす訳には行かない。
「抵抗しなければ、弁護の機会が君にはある。同意するなら、武装を解除して……」
だが、その常套句を言い終えることは無かった。
「ハァッ!」
「うっ……!?」
何者かの介入によりクロノ、の体は向かいのビルの屋上まで吹っ飛んだ。蹴られた腹を押さえながら、見上げるクロノ。
そこにいるのは、仮面の男。
141名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 01:02:34 ID:TehQuT7C
支援
142宇宙の騎士リリカルなのはBLADE ◆gFOqjEuBs6 :2007/11/14(水) 01:05:01 ID:SSibt7g8

シャマルの横に佇む男は、シャマルも知らない人物だ。誰かは解らないが、まだ味方かどうかは解らない。
「貴方は……?」
「闇の書の力を使って、結界を破壊しろ。」
「でも、あれは……」
「使用して減ったページはまた増やせばいい。ここで仲間がやられるよりはマシだろう」
「…………!?」
その言葉に、シャマルは決心した。
「(……皆、今から結界破壊の砲撃を撃つわ!上手くかわして、撤退を!)」
結界内の、ヴォルケン一同に聞こえる声。それを聞いた一同は、シャマルが闇の書の力を使うのだろうと、すぐに感づいた。

「闇の書よ、守護者シャマルが命じます。眼下の敵を打ち砕く力を、今、ここに。」
シャマルが唱えると同時に、闇の書から紫の光が放出される。
「「これは……!?」」
結界内のエビルとブレードは、何かの気配を感じた。
「これは……まさか……」
だが、それは信じられない事だ。ブレードとエビルは動きを止め、暗雲立ち込める空を見上げた。
「撃って、破壊の雷!!」
『Vol Tekka』
シャマルの詠唱により、闇の書はその術名を確かに発声した。

空に巨大な球体が現れ、それは赤い稲妻を放出……いや、吸収し始める。
そして、次の瞬間には、それは……闇の書の『ボルテッカ』は結界に向けて発射されていた。

凄まじい衝撃。一瞬で、結界全体にヒビが入る。このままでは、あと10秒と持たないだろう。
「エビル……!これは一体、どういう事だ!?なぜ奴らにボルテッカが使える!?」
「クッ……バカな!俺と兄さん以外にも……ボルテッカが使えるというのかッ!?」
どうやら驚いているのはブレードだけでは無いらしい。エビルも、ブレード同様に驚いている様子だ。
ブレードも、エビルも、今にも破壊されそうな結界内から、フェルミオンの輝きを見詰めていた。

同時に、ヴィータもなのはに伝える事があるらしい。
「私はヴォルケンリッター鉄槌の騎士、ヴィータ。アンタの名は?」
「ヴィータちゃん……私は高町なのは」
「高町なぬっ……ええい、言いにくい!!」
「逆ギレ!?」
意外な所でキレられたなのは。どちらかと言うと逆ギレしたいのはこっちだ。
「何はともあれ、勝負は預けたからな!」
そう言い、ヴィータは立ち去って行った。

「仲間を守ってやれ!直撃を受ければ、危険だ!」
「え……あ、ああ!」
去り際にそう、アルフに伝えたザフィーラ。
アルフはすぐに、スフィアプロテクションと、サークルプロテクションの発動準備に入る。
スフィアプロテクションは一人一人を守り、サークルプロテクションは一同を纏めて守る。
そして次の瞬間、ついに結界は崩壊。収束されたフェルミオンは、光り輝きながら、周囲のすべてを巻き込んだ。
143名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 01:07:39 ID:FpTF76vO
夜天のボルテッカ支援
144宇宙の騎士リリカルなのはBLADE ◆gFOqjEuBs6 :2007/11/14(水) 01:14:41 ID:SSibt7g8
凄まじい光り。アースラのモニターも、フェルミオンの予想以上の攻撃力に、全ての機能を一時停止した。

しばらくたって、光が晴れた時。そこにいるのは、アルフが守ったなのは、フェイト……それから、エビルとブレードのみとなっていた。
なんとか回復したアースラのモニターにも、彼らの姿が写される。

「クッ……まだだ!俺達にはまだ決着は着いていない!まだ戦えるぞ、ブレードぉッ!!!」
「望む所だ!俺は貴様を……この手で討つ!!」
「黙れブレードッ!またPSYボルテッカの餌食にしてくれるッ!!!」
上空で100mほど距離を取った二人。エビルは、胸の発射口からフェルミオンを吸収し始める。

「−−はい、わかりました!」
一方のなのはとフェイトは、アースラからリンディの指示を受けていた。内容は簡単だ。
今、リンディから聞いた話をDボゥイに伝える。それだけでいい。
「Dボゥイ!ペガスのグリップを握って!!」
「管理局の皆が用意してくれた、新たな力だよ!!」
二人に言われたブレードは、力強く「わかった!」と返し、そのままペガスと共に空へと駆け上がった。

「PSYボルテッカァァァーーーーーーーーッッ!!!」
発射されるPSYボルテッカ。PSYボルテッカの赤い光は、逃げるペガスを追い掛ける。
「今よ!ペガス!!」
アースラから、飛び続けるブレードとペガスをモニター越しに見ていたリンディは、そう叫んだ。
「ペガス!ハイコートボルテッカ・セットアップ!!」
『ラーサ!』
ブレードの声に呼応し、飛びながら変型するペガス。ブレードは両腕でペガスのグリップを握り、ボルテッカの発射体勢に入る。
「ペガスに装備されたフェルミオン砲と、ブレードのボルテッカの合体技……!流石にこれは吸収できないはずだよ!!」
自信満々に言うエイミィ。もはやアースラの一同の頭から、ブレードの敗北という発想は無くなっていた。

ブレードが吸収するフェルミオンは、ペガスにより増幅され、眩ゆい光がブレードを包む。
「……エビル!お前が失った心の力が俺を蘇らせた!そして、俺の新たな力が貴様を討つ!!」
ブレードは、エビルに向かってそう叫んだ。

「ハイコートォォッ!!ヴォルッ!テッ!カァァァーーーーーーーーーーーーーッッ!!!」

凄まじい光を集めながら、ブレードが放ったエメラルド色の光はエビルに向かって飛んでいく。
その緑の光は、エビルが放ったPSYボルテッカの赤い光を全て飲み込み、圧倒的な力の差を見せ付ける!
「な……何ッ!?」
その新たなボルテッカには流石のエビルも驚愕していた。
そして。ブレードが放ったハイコートボルテッカの光は、凄まじい衝撃を走らせながら、エビルの体をを飲み込んだ!

「ぬぅおおおおおおおおおおおおおおおッ!!?」

光に飲み込まれながら、エビルは初めて、苦しさに悲鳴をあげた。全身を焼かれるような痛みに、エビルの装甲は消滅していく。
145宇宙の騎士リリカルなのはBLADE ◆gFOqjEuBs6 :2007/11/14(水) 01:22:10 ID:SSibt7g8

「やったぁ!PSYボルテッカを破ったよ!」
「うん!やったね、Dボゥイ!」
少し離れた場所で見ていたなのはとフェイトも、素直に感嘆と、喜びの表情を見せる。
だが、それでもまだエビルを倒すまでには至らなかった。
光と爆煙が納まる。そこにいるのは、ボロボロになりながらも、ブレードを睨み付けるエビルだ。
「おのれ……ブレードッ!よくもっ……よくもぉっ!!!」
「エビル……」
もはや先程までの落ち着きは失われており、エビルは怒りに声を震わせている。
「……ブレードォッ!この仮は必ず返す!その首は、預けておくぞ、ブレードォッ!!」
こうして、言うだけ言ったエビルは、この場所から姿を消していた。






投下終了です。
久々の更新ですが、当初考えていたストーリーを大幅に書き換えることになりました。
私はランスはかませだからこそ輝くと思ってます。
146なの魂の人:2007/11/14(水) 01:36:22 ID:1HKpkdLg
GJ
いやはや、自分もこれくらい戦闘描写をちゃんと書ける様になりたいもんです

さて、こちらも第四話が一応書きあがりましたので、投下させて頂きたいと思います
147なの魂:2007/11/14(水) 01:39:32 ID:1HKpkdLg
満月の夜。
月明かりに照らし出されたビルの屋上に彼女――フェイト・テスタロッサは居た。

「……ようやく一つ回収。きっと、残りもこの付近にある」

漆黒のバリアジャケットに身を包んだ彼女は、愛機バルディッシュを見つめ、呟く。

「古代遺産ロストロギア……。形態は蒼い宝石、一般呼称はジュエルシード」

(それにしても……随分厄介な世界に来ちゃったね)

そう念話を飛ばしてくるのは、彼女の使い魔アルフ。
しかし、その姿は見えない。
どこかで別行動を取っているようだ。

(第97管理外世界……管理局にはいわくつきの"魔窟"か)

憂鬱そうな声が聞こえてくる。
無理もない。
世間とはほとんど没交渉だった彼女達も、あの事件のことは知っているのだから。

時空管理局。
約150年前に成立し、次元世界から質量兵器の根絶とロストロギアの規制を働きかけてきた組織。
また、次元世界における司法機関の機能をも持つ組織だ。
8年程前、そこで事件が起きた。
全次元世界から質量兵器を排除すべし――行き過ぎた正義を掲げた、一部の過激派が管理外世界への武力干渉を開始したのだ。
時空管理局本局はこの事件を最重要懸案とし、鎮圧部隊を編成。対処に当たった。
……が、如何せん対応が遅すぎた。
過激派の中でも最も強大な部隊が、現在の第97管理外世界――地球へと到達してしまったのだ。
そして――悪い時には、悪いことが重なるものである。
間の悪いことに、その頃地球は未知の世界――魔法と質量兵器を有する、管理局から見れば極めて危険度の高い世界から侵攻を受けていたのだ。
そんなところに出自不明かつ、極めて高レベルな技術を有した大部隊が突然現れれば……どうなるかは、想像がつく。
未知の世界はその大部隊と、遅れてやって来た本局の鎮圧部隊を敵性と判断。先制攻撃を開始した。
前方からは謎の勢力の攻撃。後方からは本局部隊の追撃。
通常では有り得ないこの状況に、過激派の将校達は正気を失っていた。
あろうことか、地球侵攻を継続したのだ。
この行動に驚いたのは、他でもない時空管理局本局だ。
このままでは魔法技術の流出どころか、時空管理局という組織そのものの本質を疑われてしまう。
本局部隊は『過激派部隊の鎮圧』という名目の元、武力干渉をせざるを得なくなり……四つ巴の戦いが始まった。

結果、地球は未知の世界に制圧され、過激派は完全に壊滅。本局の鎮圧部隊もその戦力の3分の2を失い、
地球と未知の世界――現在は第107管理外世界と呼ばれている――と、時空管理局との間に大きなしこりを残してしまった。
――日本では"攘夷戦争"、管理局では"一年戦争"と呼ばれる事件だ。
148なの魂:2007/11/14(水) 01:41:15 ID:1HKpkdLg

(時空管理局だけじゃなく、この世界の治安維持部隊にも気をつけないとね)

そんな背景があるため、ミッドチルダ――管理局発祥の地出身である二人は、
出来る限り身分を隠して行動しなければならないのだ。

「大丈夫……。きっと、すぐに済むから」

そう言って夜空を見上げるフェイト。
先程までは美しく輝いていた満月には、僅かに暗雲がかかり始めていた。
――嫌な夜空だ。
彼女はそう思った。

「何が済むって?」

「……!」

突然彼女の背後に、刃が突きつけられた。
この世界の、この国で使われる刀剣といえば一つしかない。
――日本刀。
武士の魂とも呼ばれるこの刀剣はただ斬る事のみに特化し、
中でも名刀と呼ばれる物は、あらゆる魔力障壁を紙切れの如く斬り裂くと言われている。
その特性を知っていたフェイトは、その場から身動ぎもせず佇む。
下手に動けば、殺られる可能性があるからだ。

「そろそろ尻尾を出す頃だろうと思ってたぜ、魔導師様よォ」

「魔法使う時は結界張れって、かーちゃんに教わらなかったのかィ?」

まだ若い、二人の男の声。
真っ直ぐ前を見据えたまま、フェイトは呟く。

「……あなた達は…」

「新選組だ。……器物損壊容疑、及び危険魔法無断行使の現行犯でテメェを逮捕する」



「で、逃げられちまったのか。お前らしくないな、トシ」

翌日の新選組屯所。
局長の近藤勇は、そう言って豪快に笑い飛ばした。
149なの魂:2007/11/14(水) 01:43:28 ID:1HKpkdLg

「……まさか使い魔までいるたァ思わなかったんだよ」

そう言って不機嫌そうに煙草に火をつける土方の脇腹を、沖田が小突いた。

「言い訳は見苦しいぜィ、土方さん。素直に失敗を認めたらどうでィ」

「テメーが俺に向かってバズーカ撃つから逃がしたんだろーが!」

叫び、沖田の胸倉を締め上げる土方。
沖田は「やれやれでさァ」と呟きながら呆れたような表情をする。

「ったく……。何にしろ、あのガキは早急にとっ捕まえたほうがいいぜ、近藤さん。
 魔力だけじゃねぇ。知識も技量も、正規の軍人並にありやがる。放っておくのは危険だ」

「そうは言うがな、トシ」

土方から手渡された資料を広げる近藤。
先日現場付近から検出された魔力値、交戦時に行使された魔法の詳細。
そして……件の魔導師の写真。

「……相手はまだ年端も行かない少女。あまり手荒な真似はしてくれるなよ」

「やれやれ……近藤さんは人が良すぎらァ」

頭を振る沖田。
しかし近藤は、至極真面目にこう言い返す。

「悪を挫き、か弱き者を護るのが武士の本懐だ。確かにこの子は罪を犯してはいるが、まだ少女だ。
 出来る限り穏便に事を済まそうとするのは、当然だろ?」

「……まあ、アンタがそう言うなら出来る限りのことはするが…」

そうは言うものの、土方の表情はほんの少しだけ不機嫌そうだった。
――手加減しろ? 冗談じゃねー。あんな楽しめそうな喧嘩相手は久しぶりだったぜ。
内心ではそう思うが、彼は決して近藤の言うことに逆らうつもりは無かった。
学も無い、金も無い、剣しか能の無い自分達を拾ってくれた近藤に逆らうなど、彼にはとても考えられなかった。

「しかし……"ロストロギア"か…」

怪訝そうに近藤は呟く。
接触直前に、彼女が呟いていたという言葉だ。
150なの魂:2007/11/14(水) 01:45:32 ID:1HKpkdLg

「近藤さん、なにか心当たりでもあるんですかィ?」

「いや、初めて聞く言葉だ。ロストユニバースなら知っているんだが」

なんでそんな物を知っているのかは分からないが、まあそのことは置いておこう。
そんな二人を一瞥しながら、土方は訝しげに煙草をくゆらせた。

「……直訳すると"失われた技術"…。面倒なことにならなきゃいいんだがな……」



なの魂 〜第四幕 説明はなるべく簡潔に〜



場所は変わって、なのはの自室。

「はぁ……」

と大きなため息をついて、なのはは机に突っ伏した。
ここ最近のハードワークで、かなり疲れが溜まっているようだ。

(あれから二週間で、ようやく五つ……魔導師としては、なんとか様になってきたと思うんだけど…)

「……どうしたの? なのは…」

なのはのすぐ側まで来て、心配そうにユーノは言う。

「あ……ううん、ちょっとね…。なんか魔導師って、想像してたのとは全然違うなぁって思って……」

そう言って、今まで自分が行使した魔法を思い出す。
1.飛行。うん、これはまあ基本だ。
2.封印。これも魔法少女としては基本だろう。
3.砲撃。……砲撃?
そう、砲撃である。
自身の魔力をレイジングハートに収束させて、一気に撃ち出す必殺技。
名付けてディバインバスター。
ついこの前、なんとなく出来そう。というなんとも曖昧な自信で使ってみた技なのだが、
初使用時、なのはの脳裏にはこんな言葉がよぎったという。

どう見てもビームランチャーです。本当にありがとうございました。

「魔法少女って言うより、魔砲少女だよ……」
151なの魂:2007/11/14(水) 01:47:34 ID:1HKpkdLg

「あ、あはは……あの長距離砲撃を見たときは、僕も驚いたけどね…」

冷や汗をたらしながら空笑いをするユーノ。
実際問題、あの砲撃は本当に常識外れだった。
魔導師になりたての新人が撃てる様な代物ではない。
しかし、ユーノが冷や汗をたらしている理由は、それだけではなかった。

(それにしても……)

厄介なことになった。と改めて思う。

(無我夢中で追ってて気が付かなかったけど、まさかここが97管理外世界だなんて……)

この世界、前述のような背景があるためミッド人にとっては敵陣真っ只中のような物である。
なのはのような一般市民はそれほど気にしていないのだが、警察や政府に見つかると面倒なことになる。
さらに自分が追っているのはジュエルシード……"ロストロギア"なのだ。
下手をすれば、107管理外世界と管理局の対外関係の悪化を招く可能性もある。

(……気付かれる前に、早く回収しないと…)



「良くもなく、悪くもなく……といったところね」

再び場面は切り替わる。
こちらは海鳴大学病院の一室。
今日ははやての定期健診の日。
カルテを持った石田医師に、銀時と新八がはやての診察結果を聞いているところだ。

「よーするに、進展無しってことか」

「ま、まあまあ。病状が悪化してないだけ、良かったじゃないですか」

つまらなさそうに言う銀時をなだめる新八。
彼らの会話を聞いて石田医師は少しだけ悲しそうに目を細める。
が、すぐに普段どおりの調子で会話を続けた。

「そういえば、はやてちゃんのところで働くようになって、もうすぐ一ヶ月なのよね。
 ……はやてちゃんのこと、どう思う?」

自分の担当の子がどう思われているか……。
これは銀時達を雇った張本人として非常に気になるところである。
もしあまり良い印象が無いようなら、他の人に頼んだほうがいいかもしれない。
しかし、その心配は杞憂に終わることとなる。
152なの魂:2007/11/14(水) 01:48:50 ID:1HKpkdLg

「ありゃ良い子だよ。俺達みてーな得体のしれねー連中も、すぐに受け入れてくれた。優しい子だ」

「ただ、ちょっと優しすぎるところが……なんか、ウチの父上の二の徹踏みそうで不安ですね…」

底無しのお人好しで、友人に借金を抱え込まされ挙句病死した自分の父親を思い出し、新八は呟く。

「ありゃ将来対人関係で損するタイプだな」

うんうん、と頷く銀時。
この様子だと、どうやら好印象らしい。
ほっとした表情を見せる石田医師。

「ところで、前々から気になってたんですけど……なんでわざわざ自腹で僕らを雇ったんですか?
 こういうのって、普通はやてちゃん本人か、病院から出るものだと思うんですけど…」

ふと感じた疑問を口に出す新八。
石田医師は一瞬だけ考え込むように押し黙り……

「……お詫び…かな?」

まるで昔のことを思い出すかのように言葉を紡ぐ。

「……あの頃は、自分の力を過信しすぎている節があってね…。
 はやてちゃんの主治医になった時も『大丈夫、すぐ良くなるよ』なんて大見得切っちゃって。
 ……実際には、事態は深刻な段階まで進んでいたの。今まで色々な治療法を試したけど、全部ダメで……。
 それなら、少しでもはやてちゃんの負担を減らしてあげようって思って…」

「でも正規のヘルパーさん雇うにはお金が無いから、僕らにしたと」

「う……あ、あまり金銭的な話はしないようにね、新八くん」

痛いところを突かれて顔を引きつらせる。
一応知人から銀時の人となりは聞いていたのだが、やはり万事屋などという胡散臭い所に頼むのは、
金銭的な都合があったとはいえ若干抵抗があったらしい。

「……偽善よね。こんなことしても、あの子の足は治らないのに…」

そこで言葉を区切り、俯く。

「……諦めてねーんだろ」

「…え?」
153なの魂:2007/11/14(水) 01:50:00 ID:1HKpkdLg

不意に聞こえてくる声に、顔を上げる。
銀時が真っ直ぐこちらを見据えながら話しかけてきた。

「まだ諦めてねーんだろ。はやての足のこと」

その言葉に、小さく、しかし力強く頷く。

「ならいいじゃねーか。偽善と言いたい奴には言わせときゃいい。少なくとも俺達は、誰かのために一生懸命になってる奴を
 貶すつもりはねーよ。……それに、主治医のテメーがそんな様子じゃ、治るモンも治らねーぞ」

ぶっきらぼうにそう言い放つ銀時。
本当に、どこまでも不器用な男である。

「……そうね。…ありがとう」

「それじゃ、湿っぽい話はこの辺までにしましょ。
 石田先生、今日はありがとうございました。」

「ええ。はやてちゃんに、お大事にって伝えておいてね」



一階の待合室までやってきた銀時達は、そこで異変に気付いた。
先にここへ来るようにと言っておいた、神楽とはやての姿が見当たらないのだ。
不審に思い辺りを見回すと、何故か病院の入り口付近に小さな人だかりが出来ていた。
嫌な予感を感じながら覗き込んでみると、何か白い巨大な物を背負った神楽とはやての姿が。
そしてその二人に、若年の看護士が困ったような顔を見せていた。

「あ、あの、お嬢ちゃん……病院内はペットの連れ込みは禁止で…」

「違うヨ。人形だヨ」

「人形はこんなにハァハァいわないよ」

「違うヨ。加湿器ヨ。ね、はやて」

「わ、私に話振られても〜……」

「何してんのお前らァァァ!!?」

神楽が背負っていた物は人形でも加湿器でもなく……
留守番として家においてきたはずの定春であった。
154なの魂:2007/11/14(水) 01:51:42 ID:1HKpkdLg



看護士に詫びを入れ、帰路に着く四人と一匹。

「いつの間にか入り口の前にいたアル。そのまま放っておくのも可哀相だから、中に入れただけヨ」

そう言って定春に乗りながら頭を撫でる神楽。
定春は申し訳なさそうな顔をしながら、はやての方を見た。

「きっと、はやてちゃんのことが心配で見に来てくれたんだね」

「ありがとうな、定春。でも、他の人に迷惑かけたらあかんよ?」

はやてがそう言うと、定春は尻尾を振りながら「わん」と一吠え。
どうやら「分かった」と言っているらしい。
そんな彼女らの様子を見て銀時は言う。

「本物のご主人様より懐かれてるじゃねーか。なんだったら、お前ん家で引き取るか?
 というか、むしろそうしてくれると助かる」

助かる、というのは主に金銭的な面でだ。
一日でドッグフードを5袋たいらげるような犬を飼うのは、非常にお財布に優しくない。
そして飼い主の方も銀時の家に居候している上、定春に負けず劣らずの大食い。
坂田家の家計が常に火の車な理由はここにあったのだ。
しかしそんな銀時の提案を、神楽はかたくなに拒絶する。

「それはダメアル。私と銀ちゃんと新八と定春。四人揃って万事屋ネ。一人でも欠けちゃダメヨ。
 銀ちゃん左手、定春右足、私白血球、新八ダメガネネ」

「オィィィィィ!! 僕だけ明らかにパーツじゃないんだけど!? なんだよダメガネって!!」

「そもそも全然完成してねーじゃねーか。なんだよ白血球って。一生身体揃わねーよ」

あいも変わらず訳の分からない会話。
そんな彼らの光景も、はやての目には微笑ましく映ったらしい。
クスクスと小さく笑う。

その時、突然妙な電子音が響き渡った。
何事かと思っていると、銀時が懐から携帯電話を取り出した。
さすがにこのご時世に携帯を持っていないのはマズいと思ったらしく、思い切って購入した物だ。
ちなみに購入後、彼はこう漏らしたという。

『え? 一円携帯って、電話料金は一円じゃねーの?』
155なの魂:2007/11/14(水) 01:53:51 ID:1HKpkdLg

無知とは恐ろしい物である。
――閑話休題。
銀時は慣れない手つきで携帯の通話ボタンを押す。

「はいはい、万事屋でーす。……なんだ、じーさんか。
 ……え、何? 直った? 分かった。すぐ行く」

そうとだけ言って即座に電話を切る。
通話にはまごつくくせに、切るのだけは妙に速い。
そんなに電話料金が惜しいか。

「……どーしたんですか? 銀さん」

「源外のじーさんからだ。最近原チャリの調子が悪ぃから、見てもらってたんだよ。
 ちょっくら受け取りにいってくるわ」

携帯をしまいながら来た道を引き返す銀時。
彼の後姿を見て、神楽は手を振りながら声をかける。

「寄り道しないでまっすぐ帰ってくるのヨー」

「それじゃ、僕らは先に帰ってよーか」

そう言って新八は、はやての車椅子をゆっくりと押し始めた。



野生の勘が働いた、と言うのだろうか。
以前銀時達がユーノを拾った林道。
その前を通りがかったところで、突然定春が動きを止めた。

「……どうしたネ? 定春」

不審に思い神楽が声をかける。
しかし定春は、じっと林道の奥を見詰める。

突然、定春が駆け出した。
まるで弾丸のように一直線に林道の奥へと突き進んでいく。
156なの魂:2007/11/14(水) 01:55:46 ID:1HKpkdLg

「わわ! 止まるネ、定春!」

「ち、ちょっと神楽ちゃん、定春!?」

振り落とされまいと必死に定春につかまる神楽。
そして彼女らを追うため、新八もはやてと折りたたんだ車椅子を抱きかかえて林道の奥へと入り込んでいくのだった。



「ぜぇ……はぁ……な、なんなんだよ一体…」

1,2分ほど走り続けたところで、ようやく定春が動きを止めた。
さすがに子供を抱えながらこれだけの時間全力疾走するのはキツかったらしい。
息も絶え絶えになりながら、恨めしそうに新八は定春を見た。

「急にどうしたネ、定春。可愛いメス犬でも見つけたアルか?」

などと聞いてみるが、メス犬どころか動物すら見当たらない。
定春は鼻をひくつかせながら辺りを見回す。
そして充分に辺りの警戒を行った後、突然低い唸り声を上げながら茂みの奥を見据えた。

『?』

三人も同時に、茂みの奥を見る。

「エ……エイリアン!?」

新八は思わず上擦った声を上げた。
視線の先には定春並の巨体を持ち、全身を黒い毛で覆われ、赤い爪を持った四足歩行する動物……
犬や狼に近いが、それ以上に獰猛そうなフォルムをした動物がいたのだ。

「と、とにかく逃げ……」

そう言って背を向けようとする新八。
しかし……。

『ぐふっ』

珍妙な声と共に、神楽とはやてが死んだように動かなくなった。

「ってオィィィィィ!! 二人してなにしてんのォォォ!?
 イカンイカン! 死んだフリはいかんよ! そもそもコレ熊じゃねーし!!」

などといつもの調子でツッコミを入れてしまったのがいけなかったのだろう。
黒い狼が驚異的なスピードでこちらに襲い掛かってきたのだ。
157なの魂:2007/11/14(水) 01:59:25 ID:bE3xFLq6

「どわぁぁぁぁぁ!!!」

寸でのところで攻撃を回避する定春と新八。
とっさに手を離した車椅子が、原型が分からなくなるほどにバラバラになる。

「あー! 私の車椅子が!」

「言ってる場合かァァァァァ!!!」

はやてを小脇に抱えて絶叫する新八。
命あっての物種である。
黒い狼はそんな彼らをターゲットに選定したようだ。
不気味に瞳を光らせながら、低い唸り声を上げている。

「新八! はやて連れて先に帰ってるヨロシ」

定春から飛び降り、狼の前に対峙する神楽。
右手には愛用の番傘を携え、独特の構えを取る。

「か、神楽ちゃん!?」

「心配いらないネ、はやて。"海鳴の女王"神楽にお任せアルよ」

そう言って笑ってみせる神楽。
彼女の強さを知っている新八は、言われるとおりにその場を離れようとする。
背を向け、走り出す直前。
彼は神楽に向かってこう叫んだ。

「神楽ちゃん……あとで酢昆布おごるよ!」

「今は酢昆布よりオロナミンCな気分ネ!」



「……ッ!」

身体全体を締め付けられるような圧迫感。
それと同時に奇妙な胸騒ぎを感じ、なのはは飛び起きた。
隣にいたユーノも同じ感覚を味わったらしく、直立不動で窓の外を見つめている。

「なのはっ!」

「う、うん。今のって……!」

「ジュエルシードだ……急ごう!」

レイジングハートを手に、なのは達は部屋から飛び出した。
158名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 02:00:02 ID:WyNSZqUq
支援ですかァ、コノヤロー!
159なの魂:2007/11/14(水) 02:01:53 ID:bE3xFLq6



同時刻。
海鳴大学病院屋上。

「大型の魔力反応……でも、二つも…?」

広域探査魔法を行使していたフェイトは疑念の声を上げる。
一つはおそらく、お目当ての物だろう。
だがもう一つは?
反応の大きさから考えて、推測される結論は二つ。
現地の魔法生物か、魔導師。そのどちらかだ。
魔法生物だった場合は――まあ、障害にならない限りは放っておいても大丈夫だろう。
だが、もし魔導師――自分と同じロストロギアの探索者だった場合は……。

(……また、人と戦わなきゃいけないのかな…)

先日自分に刃を向けた二人の侍を思い出し、憂鬱そうな顔をするフェイト。
そんな彼女の思考をさえぎるように、すぐ側のアルフから念話が飛んでくる。

(二つ……じゃないね。かなり微弱だけど三つ。一番小さいのは、現場から離れていってるみたいだけど……
 この反応は、間違いないね)

「ジュエルシード……」

呟き、バリアジャケットを身に纏う。
そうだ。今の最重要課題はジュエルシードの収集。
迷っている暇は無い。
そう自分に言い聞かせ、飛び立とうとする。
……が、ほんの一瞬だけ考え込む。
そしてアルフの方へ振り向き一言。

「……アルフ。結界の方、お願いね」

「? どうしたのさ、急に」

主人の唐突な願いに、首を傾げるアルフ。
フェイトは自嘲気味に笑いながらこう言った。

「……あのお兄さん達に怒られるのは、もうゴメンだからね」
160なの魂の人:2007/11/14(水) 02:05:18 ID:1HKpkdLg
以上で終了です。
変更に変更を重ねた結果、こんな世界観になってしまいやがりました。
なんだこりゃ。

次回は万事屋グラさん大暴れの予感です
え? なのはとフェイト?
もちろん忘れませんよ
161名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 02:12:36 ID:WyNSZqUq
俺は「なの魂」のファンだが、正直今は眠い…問題なく見れたし、満足感を抱えたまま寝ちまおうと思ったさ……
きっと、俺以外の誰か、このスレを監視してる奴が変わりに「GJ」と言うに違いねえってな。
…でもよォ、こんな夜中にこの素敵な作品に誰も「GJ」って言う奴がいねえかもしれねえと思うと……GJしねえわけにはいかねえだろッ!!
というわけで、GJッ!!!

銀さんますます絶好調! 瞳孔開いちゃってる怖いお兄さんに目をつけられて、フェイトの薄幸気質はマジ異常www
次回、いよいよ神楽も戦闘開始って感じで目が離せませんね。っていうか、はやてってばこの当時から既にノリが銀魂と合ってるのねw
162名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 03:49:15 ID:BHZIP7u+
俺は面倒が嫌いなんだ。
だから全ての職人に一言だけいう!


「 G J 」
163名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 04:15:20 ID:MIzfe7Jg
>>162
その略GJはどこの傭兵ですかw

遊戯王GXはATK4000の虹竜が次元の壁を単独突破可能な存在でしたね
超融合にいたっては手札一枚をコストにすれば複数の次元世界を消しかねない魔法
さすがは遊戯王、OCGとの兼ね合いもあるから発動コストが安すぎるぜ
超融合製作過程の生贄はものすごく多いけど
164リリカル遊戯王GX:2007/11/14(水) 09:46:07 ID:M4cUx6wG
>>163
改めて考えるとレリックレベルの物ってあの世界じゃ珍しくなさそうですなw
まあクロスにとって次元関係は多くて困ることはないかー
165リリカル遊戯王GX:2007/11/14(水) 09:48:22 ID:M4cUx6wG
何故本題を書き忘れる俺

>職人さん達
グッッッッジョブ!!
166名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 10:07:04 ID:+fYFWom4
なんだここの作品は……

全ての職人に対して告ぐ!!


「  G  J  と!!!」
167名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 10:45:46 ID:FOfTZE5j
nanotamasamaguzzyobudesu
168名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 12:32:57 ID:kQWJGJYa
>>163
超融合に至っては発動にたいしてカウンター不能のおまけ付き
無差別除外がある状態だと発動できないけどな
ということは次元異常が起きてる場所でなら超融合封殺可能なのか
169名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 13:23:55 ID:SDuGMDYv
ホルスの黒炎竜みたいな魔法封殺能力を持ったモンスター相手だと魔法使いは形無しだよな。

……そういやGX三期とのクロスって事は、ユベルが女の子に憑依する可能性もあるって事か?
「僕の愛しい十代」とか「愛の名の下に!」とかって名台詞の数々を女の子が喋ってくれるかもしれないって事だよな!?
170リリカル遊戯王GX:2007/11/14(水) 13:25:58 ID:M4cUx6wG
>>169
フェイトやあえてレイに憑依する展開は考えてあるです
あるんですが・・・ああ、ごめん、ちょっと十代殺してくる
171名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 13:27:30 ID:lvK5DxlJ
そういえば管理局は三沢が飛ばされた事故に関してはどういうスタンスなんだろうか
172名無しさん氏んでも代わりがいるもの:2007/11/14(水) 13:41:00 ID:JTfn7w14
遅ればせながら、なの魂GJ!!
そういえば、僕らのヒーロー「ふんどし仮面」はいつごろ登場するのだろうか?
いまはまだ色気がたりないのでやはりヴォルケンズ出てからが良いと思います。TV
の方の力の入れよう凄かったです。それにしても銀魂っていまじゃジャンプ
を凄く支えているのではないだろうか、クオリティーは今では一番安定しているし。
173リリカル遊戯王GX:2007/11/14(水) 13:46:21 ID:M4cUx6wG
・管理局が確認したのはあくまでレリッククラスの魔力反応
・量子力学の事故で飛ばされた三沢のことはまだ知らない
・知った場合どういう扱いにするかはこれからをどうぞ
・俺の英語力が弱いのでジムを喋らせにくいぜ
・正直ディスク無しのなのは達にゾンビをどうけしかけようか考え中
・レイは俺の嫁、異論は聞いてない!

こんな感じっすね
174名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 13:47:36 ID:vph/u33G
>>170
素の十代ならいくらでも頭冷やせそうだけど、覇王様はかなりの強敵だぜ?
超融合でデバイスを融合素材にされたら管理局勢涙目
機械族を融合素材とするHEROが今のところいないのが幸いだけど
ちなみに、アニメでは超融合でE−HEROを融合召喚してたけどOCGでは不可
残念だと言わざるを得ない

>>171
次元観測実験で起きた不慮の事故の犠牲者Aって所じゃね?
本人も異次元行きを望んだわけでもなく、実験も学術的なもので何かを悪用しようとする部類でもなさそうだし
漂流者となった三沢が何か問題にでもならない限りは文句を言う筋合いもないだろう
175名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 15:30:19 ID:7zbHSZnZ
あのすみません、超者ライディーンのクロスが出来たんですけど、どうやって
投下するのですか?
176名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 15:32:40 ID:OlQsdiXs
なんという抽象的で難しい質問・・・・
177名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 15:47:14 ID:M2DvsMnr
メモ帳で作ったなら適当なところで分けてコピペして送信
連投と規制に気をつけて
178名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 15:53:36 ID:7zbHSZnZ
>>177
分かりました、ありがとうございます
179名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 17:00:16 ID:FpTF76vO
GJ!ハイコートボルテッカキター!
エビルマジで悔しそうだなwww
180名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 17:29:05 ID:n3uCiX+b
>>169
無印でキースが使用してた機械族モンスターも魔法効かないしな
181魔装機神:2007/11/14(水) 17:29:07 ID:09Jkfe8q
久々のスーパーリリカル大の投下いいですか?
182名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 17:35:10 ID:/HjjlNUT
やっちゃえ
183魔装機神:2007/11/14(水) 17:37:36 ID:09Jkfe8q
スーパーリリカル大戦(!?)外伝 魔装機神 THE BELKA OF MAZIKAL 13話 

「ふぁ〜〜〜〜」
マサキは大きなあくびをしながらカーテンを開ける。
全く、昨日はえらい目にあった。
結局あの後、しばらくの間忍に魔装機についていろいろ話を聞かされることになった。
だが、流石に専門的は事は自分にもわからないし、なにより教えられないのでこういうものなのだという事をクロとシロでがんばって説明した。
その後、異変に気付いた恭也が、忙しいんだから早く戻れという言葉で我に返り、しぶしぶと戻っていった。
(あの姉ちゃん、これからは気をつけないとな……)
そうしないとこれからどうなったものかわかったものではない。
そう思いながらマサキは自分の隣で寝ているクロとシロを見る。
「あれ、マサキも今起きたのかニャ?」
どうやら先にクロのほうは起きて多様で、シロはまだグースカと寝ている。
「マサキー、飯だぞー、早く起きろー」
ドアの前からのヴィータの声が聞こえてきたので、わかったよ、といってマサキは視線をシロに戻す。
「おい起きろシロ。朝だぞ」
マサキはシロをゆするが、なかなかおきようとはしない。
他にもいろいろ試したがなかなか起きない。
(こいつ、こんなに寝増悪かったか?)
(さあ、疲れてるんじゃニャいの?)
しょうがない、とマサキは集中し…
「翔破裂光閃!!」
「ふぎゃ!!」
マサキのチョップでたたき起こされたシロは驚いておび起きる。
「ふ、貴様に見切れるす筋も」「なにやってんだ!朝飯だって言ってんだろ!さっさと起きろ!!」
「バカな!?」
なかなか部屋から出てこないことにに少しイラついたのか、ヴィータは叫びながらドアを開ける。
「わかってるって言っただろ。こいつがなかなかおきないんだよ」
そういって、まだ少々寝ぼけているシロを指差す。
こうしてマサキは下に下りて言った。

「これは……ひどいな」
その頃、ミッドチルダではATXチームに一つの任務が渡された。
ある地上部隊の管理局員がある研究所に行ったきり戻ってこないという報告が入ったので、
地上部隊のものと一緒に偵察に向かってほしいというものであった。
ただ、それが既に数日前と言うのがちょっと納得いかないが……
そしてその研究所につき、一同が目にしたのは、研究所だったものがむなしくたっていた。
「これでは生き残りの探すのは難しいな」
キョウスケが嘆息交じりで答える。
とりあえずこの中は広そうなので三班に分かれて行動する事になった。
「ひどい有様だな……」
ゼンガーとキョウスケはいろいろと撒き散らかされた研究所内をゆっくりと進む。
ここはある事を研究していたみたいだが、このざまでは何の研究がされていたのかさっぱりわからなかった。
それに……
184魔装機神:2007/11/14(水) 17:40:24 ID:09Jkfe8q
「なんだ、この穴は?」
キョウスケは立て続けに続いている人間大くらいの大きな穴を見る。
怪しいと思っていたのでその後を追ってみる。
そこには……女性の管理局員の姿あった。
しかし、その女性だったものは何かに貫かれたのか腹部に大量の血が流れて既に死んでいた。
周囲には彼女のものらしき血が充満している。
その時だった。
「ゼンガー隊長」
ブリットから通信が入り、どうした?とゼンガーは尋ねる。
「監視カメラの管制室を見つけたんですが、どうやら何基かは生きているみたいなんです。
ですので、少し来ていただけませんか?」
ブリットの問いに、わかったと答えるゼンガー。
「キョウスケ、お前は他に犠牲者はいないか見てくれ。それと処理班を向かわせて、死体の処理を」
了解です、と敬礼をして、キョウスケは外へ出る。
ゼンガーはその女性局員を見て、一礼してその場を離れた。

その頃ラミアとエクセレンの二人も別の地点を捜索していた。
二人が見つけたのはどうやら研究の主な所だったらしい。
なにやら重要そうな、そして危なっかしそうな機材が並んでいた。
…勿論、そこも何者かによって破壊されているが……
「けど、この惨状を見ると、どうも1日や2日前にされたものとは思えないわね……」
エクセレンの言葉に、そうですねとラミアも頷く。
これは、かなりまえ、最低でも先ほどそこいらじゅうに倒れていた管理局員の亡骸よりもはるかに前に破壊されたのだろう。
誰がこんなところをしたのだろうか?
「あ、エクセレンさん?クスハです」
その時、クスハから通信が入った。
「今監視カメラの管理室にいるんですけど、まだ起動しているものがあるので来てください」
「りょーかい、すぐ行くから待ってて」
そういって通信を切るエクセレン。
そして残っているカメラに移っていたものとは……

その頃、マサキはアースラの中にいた。
別に今日はシグナムとのフェイトとの模擬戦ではない。
だが、フェイトとの模擬戦は今日の午後からの予定だ。
今マサキがアースラにいるのは、シュウのことについてだ。
今日はこれかシグナムと一緒に周囲の捜索に出る予定である。
「今日はいろいろと大変だな。朝は偵察、昼は昼でテスタロッサとの模擬戦」
シグナムはマサキの1日の予定の話をして、まるで人事のようにいう。
逆にマサキははあ、とため息を付きながら答える。
「言っとくけど、模擬戦は元はといえばお前の責任だろうが……しなけりゃ1日中捜索に乗れたって言うのによ……」
そう、以前、シグナムが模擬戦をしようなど言わなければ、自分はシュウ探しに集中できたはずである。
「マサキ、そういわニャいの。模擬戦はマサキにとってもいいことニャンだから」
クロの言葉に、わーってるよ、とマサキは愚痴りながら偵察に出る。
そんなやり取りをブリッジで見ていたクロノ達はやれやれ、と肩を落とす。
「ところで艦長、シュウの事についてですが、ミッドチルダのほうでも捜索は進んでいるのですか?」
シュウはミッドチルダの世界、そして管理局の事も知っていた。
だから本局や地上部隊で彼の捜索を要請しているのだ。
「言ってはいるんだけど、やっぱり管理局も人手不足でねえ…もう少し時間がかかりそうなのよ」
185魔装機神:2007/11/14(水) 17:45:37 ID:09Jkfe8q
それに……とリンディは意味ありげな顔をする。
「地上本部のほうでも何か事件があったみたいなんだけど、現在でもまだ調査中でよくわからないらしいのよ」
はあ、とため息を付かせながらリンディはモニターを見る。
そこには、その事件で現在行方がわかっていない局員のリストが載っていた。
そのメンバーはかなりの錬度を誇っているはずだ。
そんな人たちが行方不明になる。
どのような事件が起きたのだろうか……
そしてすぐに知ることになる。
その魔術師が全員、誰かに殺されている事を……

「よく残っていたものだな……」
監視カメラの管理室に一同はそろい、その中からまだいいているものを回収するATXチーム。
残念ながら、カメラを再生する機材などはすべて壊されていたので、すぐに見ることは出来なかった。
「けど、みんな殺されていたなんて、誰がこんな事を……」
クスハはここに来るまでに見た死体を見て、クスハは胸を悪くしていた。
彼女は以前は通信課に入っていた。
それが魔力計算と本人の意思により、このATXチームに入隊する事になった。
しかし、とゼンガーは少し考える。
「殺されている管理局員を見ると、殺され方は様々のようだな……」
自分とキョウスケが最初に発見した女性は、おそらく剣のようなもので一刺し。
だが、残りの局員は切られているものもあれば、魔力攻撃で殺されているものもいる。
「そりゃあ、一人の犯行のほうがおかしいでしょ?殺されたメンバーはほとんどがSランクやAAの人なんだから」
それほどの腕を持つ魔術師数人を、たった一人で全員皆殺しにするなどできるはずもない。
出来るものがいるとすれば、それはほとんど化け物のようなものである。
おそらくはSランク、少なくともAAAランク以上の魔術師数名の犯行だと推測するエクセレン。
ゼンガーもそう思ったのだが、何かがにおう。
「だが、死体を見ても、犯行者の血液などが見当たらないし、派手な戦闘跡も見受けられない。
まだ1日しかたっていないのなら何かしら証拠みたいなものがあると思うのだが……」
そう、戦闘があったにしては、周囲の破損跡にまだ煙などが当てもおかしくはないのだが、どう見てもそのようなものには見受けられない。
一体、誰がどうやって……
「まあ、いまや悩んでも仕方ない。このデータを持ち帰り、帰還する」
だが、このときゼンガーたちは気付いていない。
話をているうちに、男女含め三つの管理局員の死体が消えている事を……
186魔装機神:2007/11/14(水) 17:47:08 ID:09Jkfe8q
「主、ただいま戻りました」
偵察も終わり、マサキとシグナムは家に帰宅した。
ふあーーと大きなあくびをするマサキ。
シグナムの声に、おかえりー、とキッチンからはやての声が聞こえる。
結局、シュウに関する情報はなったし見つける事もできなかった。
「あいつ、普段はどこにいるんだ?」
と不思議に思って仕方がない。
まあ、グランゾンなんて物騒なものを作るあたり、もしかすれば何かの研究所の所長といわれても、全く不思議ではないのだが。
マサキはそう思いながらリビングに入る。
そこには既に昼食が用意されていた。
「ちょっと作るン早かったかなって思ったけどよかった」
だが。マサキはある異変息づく。
はやての料理を一番楽しみにしている人物がいないからだ。
「あれ?ヴィータは?」
マサキの言葉に。早tねお変わりにシャマルが言う。
「ヴィータちゃんは今日、老人会の人たちと一緒にゲートボールにいってるんですよ。
お昼も持たせてありますから、帰ってくるんは夕方頃ぐらいにはかえってきますよ」
シャマルの言葉に、へえとマサキはつぶやく。
まさかヴィータにゲートボールなんてじじくさい趣味があるとは思わなかったのだ。
「そういえば、マサキは昼からフェイトちゃんと模擬戦なんやな?」
はやての言葉に、ああとマサキは頷く。
今日も今日で忙しい1日になりそうである。
「ほな、精力つけんつな、しっかり食べてよ」
はやての言葉にサンキュ、といい席に座る。
こうしてマサキ達は昼食を取るのだった。
187魔装機神:2007/11/14(水) 17:49:09 ID:09Jkfe8q
投下完了。
しばらくはマサキではなくシュウやその他のところをピックアップしようと思います。
188名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/14(水) 17:59:33 ID:YEHXteP7
>>169
ホルスは魔法カードの効果を受けないのであって、魔法使いの攻撃を受けないのではなかったはず。

>>174
デバイスは装備魔法だと思う。

このあたりは作者様の裁量しだいでしょうが、
遊戯王には「魔女狩り」「大嵐」というカードがあることも思い出した。
189名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 18:08:02 ID:MIzfe7Jg
>>188
多分、戦闘扱いになるだろうな
必殺技関連は魔法もしくは罠とか
例としてネオスを挙げると、効果を持たない通常モンスターで攻撃はラス・オブ・ネオスのみ
しかし、専用装備魔法「ネオス・フォース」で攻撃技フォース・オブ・ネオスペースを繰り出したり
罠カード「ジャスティブレイク」は彼の持ち技
実は多芸なモンスターだけどOCGではカードの関係上、能力を分割されてしまってる
190リリカル遊戯王GX:2007/11/14(水) 18:15:10 ID:M4cUx6wG
シュウって公式ではどういう扱いなんだっけか、スパロボに出てきても謎なまま退場するからわからないw
とにかくGJ!

>>188
大嵐は問答無用でデバイス破壊するわけじゃないけど出す気です
魔女狩りとか種族キラーカードは遊戯王じゃ使われないので、あまり考えてないですなー
まあ仮に使わせるとしても瞬殺はつまらないので無いですな、精々大ダメージか
破壊系は全体的に弱体しないと破綻するのでご了承願いたい、十代達マジックジャマー入れてる人少ないし

あ、社長の究極嫁と王の登場決定しました、後半ですけどー
191リリカル遊戯王GX:2007/11/14(水) 18:17:15 ID:M4cUx6wG
ホルスに関しては一話ラストの最強カードがヒント
今日中に二話が書きあげられるか否か!?
てか仕事しろよ俺!
192名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 19:05:23 ID:SDuGMDYv
>>188
ホルスはLv6だと「魔法の効果を受けない」だけど、Lv8になると「魔法の発動と効果を無効にし破壊する事ができる」になるんだ。
つまり相手側プレイヤーの魔法だけを使用不可能にして、自分は魔法使い放題になる。
193名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 19:22:31 ID:FpTF76vO
遊戯王話はそろそろ雑談いった方がいいんざね?
194名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 19:46:48 ID:2Bk9zJUg
>>183
GJ! そういえば本当に久しぶりw

約4レス分の小ネタを投下したいのだが、よろしいか?
195名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 19:59:05 ID:2Bk9zJUg
レリック事件から数年…

ミッドチルダ首都・クラナガン。
半ば廃墟と化したこの都市を占領するのは、巨大な球状の要塞・マシーンランド。
噴き出される二酸化炭素によって、クラナガンの気候は、「奴ら」の世界のものへと作り変えられつつあった。

「――フレースヴェルグゥゥゥゥーッ!」
放たれる魔力弾が、数頭の異形の魔物を殲滅する。
爆発の衝撃によって煽られた自動車が、人っ子1人いないビルのショーウィンドーをブチ破った。
街にはびこる魔物の姿は、まさしく太古の恐竜。
ところどころが機械化されたそれらは、名をメカザウルスという。
メカザウルスのうち、翼竜のような姿をしたモノが、宙に浮く1人の女性目掛けて爆弾を投下した。
「きゃっ…!」
爆発によって生じた黒煙が、女性の身体を瞬時に包み込んだ。
陸からは2頭のメカザウルスが煙の側へと近寄る。
しかし、それらもまた、魔力弾によって撃破される。

「…長かった…」
マシーンランドの頂に立つ影があった。
「太古の昔、降り注ぐ魔力によって地の底へ追いやられて幾世紀…」
幾つもの恐竜の頭部が生えた異様な玉座に立つそれは、人と呼ぶにはあまりに巨大な姿を持っていた。
「叫び、吼え、呪い、のたうち…過去の栄光と地上の生活を求めて、夢見て死んでいった同胞達よ…」
否、その姿もまた、人のものではなかった。
その身は青い鱗に覆われ、瞳は赤く光り、口は四つ叉に裂けている。
帝王ゴール。
かつて魔法を手にした人類との戦いに敗れ、地下への退避を余儀なくされた、「奴ら」の王。
「愚かなる人類に代わり、今こそ! 我らハ虫人類が地上に、楽園を築くのだぁぁぁっ!」
真紅のマントをたなびかせ、巨大な口を開き、ゴールが高らかに号令した。
「行けぃ! メカザウルス!」
「恐竜帝国の輝かしい未来を、創造するのだぁっ!」
バット将軍、ガレリィ長官の2大側近の指揮の下、恐竜帝国のメカザウルスが、大挙として人間の女性へと襲い掛かる。

「黙っとれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーっ!」
女性――時空管理局所属SSランク魔導師・八神はやて二佐が雄たけびを上げた。
196名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 20:00:14 ID:2Bk9zJUg
一方、クラナガン周辺に滞空するアースラ艦内では、多くのスタッフが右往左往していた。
「何故だ! 何故起動しない!? まさか、我々にも理解できない、未知の何かがあるのか…!?」
提督クロノ・ハラオウンが苦々しく呟く。
外には数多くのメカザウルスが迫り、アースラに攻撃を仕掛けている。
ヴォルケンリッターの面々が応戦しているが、じきに押し切られてしまうだろう。
『お兄ちゃん!』
「フェイト!」
『急いで! このままじゃ…!』
『…いやあああぁぁぁぁぁぁっ! やめてぇ! もう放してぇっ!!』
モニターの向こうに映るフェイトが懇願し、なのはが絶叫する。
今、彼女らはある事情により、出動できずにいた。
理由は、恐竜帝国との戦いに備えて更なる改良を加えられた、レイジングハートとバルディッシュ。
その新機能が、全く動く気配を見せないのだ。

「アーテム・デス・アイゼスッ!」
はやてが放つ冷気の魔法が、襲い掛かるメカザウルスを次々と凍結させていく。
うち1頭の放った鉄球がはやての足元を捉え、大地を揺さぶった。
「くぅっ…まだまだぁ!」
この程度でうろたえるわけにはいかない。このクラナガンで戦うのは、今では彼女1人なのだから。
アーテム・デス・アイゼスの気化氷結魔法が、次なる鉄球ごとメカザウルスを凍てつかせた。
しかし、背後からの強烈なドリル攻撃が、はやてを襲う。
「きゃあぁぁぁっ!」
とっさに防御魔法を展開したものの、その衝撃は相当なものだ。はやてはもんどりうってアスファルトに倒れこむ。
「ぬぁはははは…降伏しろ! この帝王ゴールにひれ伏し、許しを請うのだ!」
勝ち誇った声でゴールが言う。
既に満身創痍のはやては、しかし土ぼこりを払うと、よろめきながらも立ち上がった。
197名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 20:01:34 ID:2Bk9zJUg
『お兄ちゃん! このままじゃはやてが…お願い、行かせて!』
アースラのブロックからフェイトが叫ぶ。
『どうせ死ぬなら一緒に…!』
「馬鹿もんっ!」
しかし、クロノの隣に立っていたゲンヤ・ナカジマがそれを一喝した。
「甘ったれるんじゃねぇ! お前達には、もっと残酷な未来が待ってるんだ!」

「く、うぅぅぅ…っ!」
メカザウルスの一斉射撃にさらされたはやては、じりじりと後退る。
「デアボリック・エミッション!」
何とか反撃を繰り出し、襲い掛かる3頭のメカザウルスを吹き飛ばした。
しかし、そこまでだ。
後方や側面、死角から伸びるメカザウルスの触手により、はやては遂に自由を奪われてしまった。
「ぬぅぅあははははははは…! とどめはこのワシの手でさしてくれるわ!」
勝ち誇った笑いを上げながら、ゴールがその巨大な脚を1歩踏み込む。
「ゴール様!」
「どうした?」
しかし、それは腹心バットの声によって遮られた。
「様子が変です」
「何!?」
見ると、はやてを拘束するメカザウルス達の身体が、次々と溶けていくではないか。
「魔導師が高熱を発しております。完全にオーバーヒートです!」
「ばぁかなっ! マグマの熱にも耐えるメカザウルスが溶けるわけがない!」
「…攻撃魔法だ…!」
「何っ!?」
「御覧なさい、機械だけを残して溶けていく!」
ガレリィが示すとおり、溶けているのは恐竜の生身だけだ。機械のパーツは、そのままガラガラと落ちていく。
「熱い血潮も! 涙も流さへん冷血野郎のトカゲども!」
いつからあったのか、その手に握られていたのは、赤い光を放つ宝石が詰め込まれたカプセル。
「アンタらなんかに、この地上は渡さへんわ!」
高らかに掲げたそれは、レリック。
歴史からも抹消されていた、かつて対恐竜帝国用として用いられた魔力エネルギー体。
198名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 20:02:44 ID:2Bk9zJUg
「っ!?」
丁度その瞬間、なのはの脳裏に未知なる感覚が宿る。
今までびくともしなかったレイジングハートが――そしてバルディッシュが、少しずつ赤い光を発しはじめた。
アースラ全体をスパークが駆け巡る。
『うおっ!?』
『これは…!?』
クロノとフェイトが同時に声を上げた。
そしてなのはは…
「…はやて、ちゃん…!?」
その目に映るのは、1人戦場で戦う、友の姿。
「…はやてちゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーんっ!!!」
なのはは絶叫した。
2つのデバイスが、強烈な光を放つ。
アースラそのものからも漏れ出すほどの光は、ヴォルケンリッターを傷つけず、メカザウルスのみを消滅させた。
肉体が瞬時に分解され、その骨のみが虚空に残る。

「ば、馬鹿な…!」
光で満たされたのはアースラの空域だけではない。
それどころか、クラナガンで発せられた光は、その何倍もの範囲に広がっていた。
さながら、クラナガンの全てを照らすかのように。
「アンタらの祖先を絶滅させた、エネルギーの源や!」
光の中心で、はやてが叫ぶ。
「…こいつで滅びぃやああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーっ!!!!!」
絶叫と共に、カプセルが握りつぶされた。
大爆発を起こしたレリックは、その眩い光を広げていく。
自動車を、ビルを、メカザウルスを、全てを際限なしに分解させながら。
「ば…馬鹿なっ! 下等な人類ごときに、我が恐竜帝国がぁっ!」
それがゴールの最期の言葉となった。
マシーンランドさえもかき消しながら、赤い光は、クラナガン全域を、静かに包み込んだ。



魔法少女リリカルなのは4(仮題) Coming soon...(嘘)
199名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 20:14:12 ID:LRWdEB9n
>なの魂
無駄に息バッチリな神楽とはやてに吹いたwwwww
しかし土方め、幼女相手にムキになるとはじつにおとなげない。さすがマヨラーだぜ。

次話投下を楽しみにしてますぜGJ!
200リリカル遊戯王GX:2007/11/14(水) 21:30:23 ID:CS74cNdo
>>195
緊迫したシーンでも関西弁だとどこか笑える、
こんなこと言うと関西人に怒られるだろうかw

二話目投下準備完了、OKサインを待ちます
201名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 21:32:10 ID:6hys8tJw
>>200
ずっと君のターンだ。
GO!!
202名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 21:32:35 ID:jpBBjM81
ここは私にまかせて!あなたは早くいって!
203リリカル遊戯王GX:2007/11/14(水) 21:36:47 ID:CS74cNdo
どもー、投下開始

リリカル遊戯王GX 第二話 魔法とデュエルと謎の敵なの!

「保健室が無事なのは不幸中の幸いだったわね」

保険医である鮎川は十代の体に聴診器を当てながら呟いた。
十代とオブライエン以外のメンバーは生徒たちを体育館へ集めている、
二人はこの異世界に飛ばされる前に酷く消耗していた。
デス・デュエル――デュエルをするたびに、身に付けさせられたデスリングにその闘気を吸い取られてしまう恐ろしいデュエル、
十代はそんなデュエルを何度も繰り返すはめになっていたのだ。
最後にデュエルをした時、この世界に飛ばされる直前の事を十代は思い出す。

「あのオレンジの人影……あいつが何かをしたんだとは思うけど……」
「考えるのは後よ。それにしても、困ったわね」
「鮎川先生?」
「保健室のベッド、2つしかないのよ」

すでにここのベッドには先客がいた。
一人はオブライエン、崩落する瓦礫から身を呈して十代を助けた時の怪我で今は寝込んでいる、
そしてもう一人は万丈目 準、黒いコートを着た彼もまた、デス・デュエルの犠牲者の一人だ。
鮎川が悩んでいると、万丈目は突然目覚めてベッドから降りる。

「俺はもういい、貴様が眠れ」
「万丈目、大丈夫なのか?」
「サンダー、貴様のような腑抜けと一緒にするな。……ん!?」

万丈目は自分が寝ていたベッドに目を向け声を上げる。
そこにはどうにも気持ち悪い小さなモンスターが三匹存在していた。

「あら、兄貴お目覚めぇ?」
―おじゃまイエロー― 攻撃力0 防御力1000 通常モンスター
「なんだ貴様ら! 何故実体化している!?」
「俺達に聞かれてもなぁ」
―おじゃまグリーン― 攻撃力0 防御力1000 通常モンスター
「どう? 実体化したら俺達も結構イケてない?」
―おじゃまブラック― 攻撃力0 防御力1000 通常モンスター

心の底から嫌そうな顔をする万丈目だったが、三匹のおじゃま達は楽しそうにその周囲を飛び回る。
はねクリボーまでそれに交ざり、万丈目はさらに驚きを深くする。
204リリカル遊戯王GX:2007/11/14(水) 21:38:56 ID:CS74cNdo

「お前の精霊まで!? いったいどういうことだ!」
「外はもっと大変な事になってるドン」
「剣山、みんなは大丈夫だったか?」
「デス・デュエルで倒れていた人も含めて、百人以上の生徒がここに飛ばされてるみたいザウルス。今頃丸藤先輩たちがみんなと話してる頃だドン」


その頃体育館ではちょっとした騒ぎになっていた。
無理もない、ここに来るまでの間に砂漠と化した外の世界を見てしまったのだ、恐怖と不安でいっぱいだろう。

「みんな、落ちついてくれ!」
「落ちつけるわけないだろ! いったい何が起こったんだよ!」
「小惑星が落ちて海が全部蒸発したとか……」
「俺はモンスターを見たぞ! 冗談じゃない、こんなとこいられるかよ!」

ヨハン達の声を聞かず、パニックになった何人かの生徒が外に向かって走り出すが、
いつの間にか出入り口にいたワニ(ジムが背負っていた奴である)によって阻まれる。

「Stop! こういう時は冷静さを欠いた者から倒れていくぞ!」
「でも、これからどうするの? 食糧とか、寝るとことか……」

小柄な少女、早乙女 レイが不安そうにヨハン達へ訪ねる。
彼女は中学一年になったばかりなのだ、デュエルでかなりの腕を持つことから高等部であるアカデミアに特別に編入されたが、
まだ13歳の少女にこの状況はかなり厳しいだろう。
ヨハン達もこの問いにはすぐに答えられなかったが、助け舟が出される。

「食糧に関しては大丈夫だよ、食糧保管庫とかは無事だったからね」
「トメさん!」
「寝床は毛布とかが用意されてるノーネ、人数分以上あるから平気なノーネ」

食堂のおばちゃんとして親しまれているトメさんと、
どこからか大量の毛布を持ってきていたクロノスの言葉に生徒たちは僅かに希望を見出す。
だが、続く会話にまたも落胆してしまった。

「トメさん、食糧はどれぐらいもちそうなんですか?」
「そうだねぇ……節約すれば、一週間はもつかね」
「一週間か……」

ヨハン達は「一週間猶予ができた」と考えるが、
他の生徒たちは「一週間しか時間がない」と考えてしまい、また騒ぎが大きくなっていく。
ヨハン達は再びこの騒ぎを止めるため動くこととなるのだった。

「……あら?」
「明日香さん? どうしたの?」
「そういえば、アモンがいないわ・・・…」
205リリカル遊戯王GX:2007/11/14(水) 21:40:09 ID:CS74cNdo
普段からほとんど使われず、こんな状況では誰一人として見向きもしない図書室に一人、アモンはいた。
明らかに人間の物ではない腕が入ったカプセルを目立たない場所に置いて、一人笑みを浮かべる。

「……ん?」

ふと外の様子を見ると、見覚えのない複数の人間がアカデミアに向かって歩いてくるのが見えた。
アモンはしばらく様子を窺い、モンスターの類ではない事を確かめると体育館へと向かう。



アモンに教えられてヨハン達はアカデミアに近づいているという者達を見に外へ出る。
大半が見慣れぬ格好をした女性だったが、意の一番にボロボロの格好の男が大きく手を振りながらこちらへ駈け出した。

「おーい! みんな、俺だー!」
「あれ、この声どこかで聞いた覚えが……」
「確か……誰だっけドン?」
「二人とも、同じ寮の人なんだから思い出してあげて……み、えっと、あれ?」

翔に剣山に明日香まで、誰も男の名前を思いだせないのを見てその男はその場に座り込んでいじけ始める。

「ふっ、いいんだ、わかってさ……どうせ半年以上いなくても誰も気にせずにいたんだ……」
「み、三沢さんしっかり!」
「きっと度忘れしちゃってるだけですって、た、多分……」

慌てて回りの女性――なのは達が男、三沢を励ます。
翔達も名前を聞いてようやく思い出したようで、「ああ、そういえば最近見なかったような……」と頷いて納得する。

「ヘイ、スモールガール、あの三沢って奴はいじめにでもあってるのか?」
「私も会ったことないから……って、その呼び方何だか嫌なんだけど」

ジムとレイが話してるのを横目に、ヨハンは三沢やなのは達に歩み寄る。
……誤解の無いように言っておくが、遊戯王GXの主人公はヨハンではなく今保健室で寝ている十代なのであしからず。

「俺はヨハン、このデュエルアカデミアの留学生だ。あなたたちは?」
「私たちは時空管理局の魔道士です、えと、自己紹介は後々ということで、とりあえず中に入れてもらって構いませんか?」


十代やオブライエンも話を聞きたい、ということだったのと、
体育館に行ってまた無用な混乱を起こすのを避けるために、ヨハン達は保健室へと集まっていた。
さすがに全員は入れないので、剣山やジム、フリードなどのスペースを取る者は外にいる。

「えっと、その時空管理局っていうのが何なのかはわかったけど……」
206リリカル遊戯王GX:2007/11/14(水) 21:41:27 ID:CS74cNdo
なのは達から説明を受け、明日香は困ったように呟く。
確かに今までも異世界だったり、カードゲームをするだけで命を奪われかけたりと非常識な生活だったが、
真正面から堂々よ「魔法使いです」などと言われても信じにくい。
モンスターは信じたじゃないか、という声が上がりそうだが、やはり自分たちと同じ姿かどうか、というのは偏見ではあるが大きいのだ。

「皆さんは三沢さんがこの世界に飛ばされた事故とは違う理由でこの世界に飛ばされたんですよね?」
「はい、あくまで予測でしかないですが」
「そうか……帰る手段は無いんだな」

ヨハンとのやり取りを聞いていた三沢が項垂れる。
彼はシュタイン博士という量子力学の研究をしている人に憧れ、
半年以上前からずっとその研究をしていたらしい(その間誰一人としていないことに気づかなかったのは伏せてある)
ある日、実験中の事故によってこの世界に飛ばされてしまいモンスター達から逃げ回っていたそうだ。

「シュタイン博士は、この世には12の次元世界があるとおっしゃっていたが……実際にはもっと無数にあるんだな」
「でも、個人レベルでそこまで見つけるなんて並大抵のレベルじゃないわ、天才なんて言葉じゃ足りないかも」

ティアナの言葉に三沢はどこか嬉しそうな表情になる、自分の憧れの人間が褒められるのはやはり嬉しいのだろう。
それまで黙っていた翔が、恐る恐るなのはへと尋ねる。

「あの……もしかして僕ら、無断で別の世界へ飛んじゃった、ってことで何か罪になったりするんですか?」
「ああ、そんなことは無いですよ、悪意があったというならともかく、皆さんは被害者ですし」
「それにこの世界はまだ管理局の管理下にありません。私たちに強制力はないですよ」

なのはとフェイトの言葉に一同胸を撫で下ろす、
やはりどこか不安だったのだろう、こんな見知らぬ世界で犯罪者扱いはごめんである。

「本局に連絡して皆さんの元の世界を探してもらいますね」
「元の世界が見つかったら、俺たち帰れるのか!?」
「よ、よかったぁ、一時はどうなる事かと……」

十代達は安堵感から一気に緊張が解けるが、
なのは達は逆に表情を強張らせる。
万丈目がそれに気づき、聞きたくないと思いつつも問いかける。

「お、おい……どうした?」
「……フェイトちゃん」
「ううん、私もダメ、エリオ達は?」
「僕たちもダメです……」
「私もです」
207リリカル遊戯王GX:2007/11/14(水) 21:43:06 ID:CS74cNdo
「本局との通信が、通じない……」

呆然と呟いたスバルに、十代たちに再び絶望感が蘇ってしまう。

「ど、どういう事だ!?」
「わ、わからない、念話をしようとするとノイズが……ジャミング?」
「みんな、少し離れて」

なのはの言葉に従い、全員が保健室から出る、
十代とオブライエンも大分回復してきたようだ。
なのはの足元に魔方陣が現れ、十代達は「おお!」と驚き――乾いた音を立てて魔方陣が砕け散る。

「な、何が起こったザウルス?」
「ダメ……転移魔法もキャンセルされる」
「そ、それじゃもしかして、私たちも帰れない……?」
「そうなる、ね……」
『んなっ……!』

なのは達の会話から、十代達は希望が断たれた事を知る。
一度期待を持たされてから叩き落とされる方が答えるものだ、翔は沈み込んでしまっているし、レイに至っては不安で顔が青くなってしまっている。
だがヨハンやアモン、オブライエンに明日香といった冷静なメンバーもショックは受けていたもののまだ思考を巡らせる余裕は残っていた。

「と、とにかく、そういうことなら俺達は同じ立場ってことだな」
「そうなるとまずいな、食糧の配分等を考えるとまた騒ぎになるかも……」
「あ、食糧なら大丈夫です」
「数日分なら持ってきていますし、その気になれば一週間ぐらいは水だけでも」
「なるほど、未知の場所へ向かうなら必須のスキルだな」
「そ、そういうものなの?」

食事の心配はしなくていい、というのは助かるが、だからといって状況が変わった訳ではない。
ゴール直前で振り出しに戻ってしまったようなものだ。

「体育館のメンバーにも人数が増えたことを伝えないとな……」
「いつモンスターが来るかわからん、単独行動は控えさせるべきだ」
「俺は全員でいるなど御免だぞ! 窮屈でかなわん!」

全員で話し合い、数人のグループ毎に行動することを決定する。
なのは達は色々試し、念話を始めとした通信手段と転移魔法のみが使えなくなっていて、他の攻撃・防御呪文などは使える事が判明した。
十代達は自力で自分の世界へ帰る方法を、なのは達は魔法を封じている存在を探すことをそれぞれの方針とする。
208リリカル遊戯王GX:2007/11/14(水) 21:44:29 ID:CS74cNdo
――時は過ぎ、夜

「……?」
「えっと、ごめんマルタン君、ちょっと着いて来て欲しいんだけど……」

毛布に包まり寝ていた男子生徒、加納 マルタンは突然レイに起こされゆっくりと立ち上がる。

「どうしたの……?」
「や、えっとそのー……とにかく一緒に来て!」

レイは何故か頬を染めながら無理矢理どこかへ連れて行こうとする。
マルタンは首を捻りながらついて行くのだった。


「馬鹿な!?」

自らの組んだグループから密かに離れ、アモンは図書室へ来て驚愕の声を上げた。
カプセルに入っていたはずの腕がなくなっていたのだ、無論一人でに出ていくわけがない――とは言いきれなかった。

「馬鹿な、俺以外を選んだというのか……!?」

アモンは歯を食いしばり、とても十代達の前にいた時からは想像できない怒りの表情に変わっていた。


オレンジ色の人影、そうとしか形容できない「それ」は跳ぶようにアカデミアの廊下を進んでいた。

『闇……心に大きな闇を持つ者……』

突然現れた魔法使い達にもそれぞれ闇はあったが、どれも光に抑え込まれてとても憑けそうにない。
とりあえず外部との連絡手段は断ってやった、あいつらがいるだけなら構わないが「彼」まで連れていかれては困るのだ。
その影は更に進んでいき、二つの人影を発見する。

『見つけた……』

影はスピードをあげ、人影――レイとマルタンへと近づく、そして……

「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」

レイの悲鳴が夜のアカデミアに響き渡った。

続く

なのは「本局との連絡は途絶え、十代君達の元の世界の人達も手だしができない……」
十代「それでも諦めないぜ! デュエルも人生も、最後の1ターンまで分からないんだ!」

次回 リリカル遊戯王GX
 第三話 飛べスバル! ペガサスに乗る魔法拳士!

十代「こ、こんなデュエルもありなのかぁ!?」


十代「今回の最強カードは、って今回はデュエルしてないんだったか」
なのは「なら、今回はこれで!」

機動六課 フィールドカード
「スターズ」「ライトニング」「ロングアーチ」の名前がつくカードの攻撃力と防御力が300ポイントアップ
そのカードが破壊された場合、デッキからカードを一枚除外することで破壊を無効にする

十代「次回もよろしくな!」
なのは「ガッチャ! なんちゃって♪」
209リリカル遊戯王GX:2007/11/14(水) 21:48:02 ID:CS74cNdo
以上です。

都合上デュエルや戦闘が入らなかった・・・
ユベルの憑依対象はいくつか候補がありましたが結局原作準拠ということで
理由としては先生コンビの見せ場がなくなりかねないから、ってとこですな

後フィールドカード強すぎじゃね、とかいう突っ込みは無しで
210名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 21:54:06 ID:OlZokJzR
次元融合一つで阿鼻叫喚になってしまうじゃないかwww
おっと、GJ!
211名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 21:55:22 ID:yC0w0Ega
GJ!
遊戯王はバランスおかしいのがデフォってイメージがある……トゥーンの頃までしかやってないが。
少なくともあの頃はパワー9クラスのカードが山のように……コストの概念がモンスターだけだから尚更。

……MtGクロス? 某所みたくウルザとか。
なのは達がやると皆赤緑か赤緑白だろうなあ。そんな中パーミッションとかバベル機知が好きでハブられるクロノとユーノ、と……
212名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 21:59:57 ID:OlZokJzR
ユーノはガチ青単色・・・・うわぁ、出番省かれるわけだ
213名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 22:21:08 ID:MIzfe7Jg
GJ!
次回はユニオンでもするのか?

>>211
よほど強力なモンスターを出さない限り、即効で除去される殺伐とした環境
悲しいことにアニメみたくビートダウン中心になることなんてほとんどない
214名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 22:23:08 ID:+mqGsB/P
>>211

ウルザとかのプレインズウォーカーってほとんどスカも真っ青な
時空犯罪者にならない?
215名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 22:24:53 ID:7zbHSZnZ
すみません、超者ライデーンのクロスを投下してもよろしいですか?
216名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 22:26:06 ID:Y9NPx4hR
MtGはやめちゃって長いなぁ
ファイレクシアとかもっと古い…スラヴィーだっけ?
今の黒はどうなってるんだろうか。
217名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 22:28:06 ID:6hys8tJw
>>215
おk、いくんだ。
218リリカルなのはFeather :2007/11/14(水) 22:32:17 ID:7zbHSZnZ
リリカルなのはFeather 第0話[天女たちの事情]

機動六課隊長室は緊迫した空気に包まれれている
その原因は機動六課部隊長、八神はやてが発してる怒気のせいである
[もう、どないせ〜ちゅうねん」
そして隊長室のテーブルに置かれた沢山の報告書が宙を舞った
「落ち着いて下さい、はやて隊長、暴れても何もなりません]
其処にはやての副官であるグリフィスが必死にはやてを止めていた
[離してグリフィスくん]
此処に至るまでの過程は先日機動二課がなのは達の世界でロストロギアの確保をして時ある宝石も付いてきた
ついでに宝石も分析した結果ある事実が出たそこにはある文明の事が断片的に記されていた
管理局は余り気にしてなっかたが
ある問題が出た、管理局のホストコンピュータがハッキングされ翌日マスコミにアルハザードの手掛かりとして報道された為に人々はこの事に異様な関心を占めていた
管理局もこの失態を隠すため選りすぐりの部隊を派遣する事になった
そこでどの部隊なら世論を納得出来るかの会議が開かれていた
正直どの部隊の隊長も選ばれたくないそれが本音であった
219リリカルなのはFeather :2007/11/14(水) 22:35:18 ID:7zbHSZnZ
はっきり言ってこんなの生贄でしかない
魔法文明の無い世界で調査で信頼性が殆ど無い情報、こんなの成功するはずがない
時間の無駄そして経歴に傷を付ける様な物、醜い擦り付け合いが加速して来たころにレジアス・ゲイズ中将がある進言をした
[やはり此処は出身者が居る機動六課に行って貰いましょう]
その発言に居あわせた人達から一斉に賛成の意見が沸いた
元々六課に不満を懐いてた者達はレジアスの発言で勢いだし
他の人達もその勢いに乗りだした所に総務統括官つまりリンディ・ハラオウンがとめ様とした
[いい加減にして下さい、機動六課はまだ設立したばかり部署なのですよそんな部署には荷が重過ぎます]
となるべく客観的に抑えようとしてた、だが心無い一言が言われた
[良かったじゃないですか、フェイト・T・ハラオウンはプレシア・テスタロッサ の娘なんでしょ母親のアルハザード探しの手伝いが出来るじゃなですか]
その意見に溜まらずリンディは声を荒げた
[なっ、そんな事あなた方には関係の無い事です]
そこにレジアスが場をなだめ様としてた
[皆さん少し落ち着いて下さい、リンディ・ハラオウン総務統括官、私達は別に六課を憎んでいる訳じゃありません数々奇跡を起こした者達が設立した部署に期待しているのてす]
その意見にリンディ・ハラオウン以外の喝采が起きた
レジアスは辛そうな顔をしてたが内心は良い厄介払い出来た事で喜んでいた
翌日には機動六課に正式に第97管理外世界の調査が言い渡された

220リリカルなのはFeather :2007/11/14(水) 22:40:01 ID:7zbHSZnZ
そして今に至る
この怒気の一番の理由は六課にこの調査を言い渡された時に言われた一言である
[良かったね、親友の母親のお手伝いが出来て]
[あー今思い出しても腹が立つわ]
また暴れだした
[もういい加減に落ち着いてください]
やっとはやての怒りが治まった
[何時までも此の侭とゆう訳にはいかヘんからな悪いけどグリフィスくん、なのはちゃん達呼んで来てくれる]
[はい、分かりました]
ボロボロになったグリフィスの声が響いた
数十分後なのは達が隊長室に来た
[…あんなぁ、なのはちゃん、特にフェイトちゃんには悪いけどアルハザードの手掛かりの調査を言い渡されたんや]
はやては落ち込んでる顔で言った
[はやて、私は気にしてないよ、もしこの手掛かりが本当にアルハザードに繋がるなら私は知りたい]
フェイトは力強く言った
[うん、そうだねみんなでがんばろう]
なのはも力強く言った
[ありがとうホンマにありがとう]
三人は抱き合った
221リリカルなのはFeather :2007/11/14(水) 22:43:39 ID:7zbHSZnZ

数日後
XV級艦船「クラウディア」に必要な物資を詰め込んでいる所に元気な青髪の少女の声が響いてる
[ねぇねえティア、この宝石なんだよねアルハザードの手掛かり言われてるの凄いよね]
[スバル、一応この宝石は大事な物なんだからね]
とツインテール少女が言った
[うん、あれ?]
[如何したのスバル]
[今なんかこの宝石光った様なしたんだけど]
[気のせいじゃ無いの]

一方そのころ
地球ではある事が起きていた
[瑠璃]
学校の屋上で落ち様としてた宮坂瑠璃を必死に救おうとしてた鷲崎飛翔の腕が遂に解けた
[飛翔くん]
そして宮坂瑠璃は落ちた
222リリカルなのはFeather :2007/11/14(水) 22:46:27 ID:7zbHSZnZ
以上です
途中見難い所が多数あってすみません
223名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 22:48:03 ID:jpBBjM81
GJ!!なかなか良い出だしですな。
しかしここの高官どもむかつくわ〜
224名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 22:49:26 ID:6hys8tJw
いいと思う。
でも、〜た。ってのが目立つな。
225名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 23:19:07 ID:tj8JyRvS
>GX氏
GJ!

>211
MTGと聞いて漫画の『デュエル・マスターズ』を思い浮かんだ自分がいる…
いや、初期の頃(MTG時代)ね。
あれ読んでMTG始めたのに、ゲームが変わってから…

と言い主人公一行をミッドチルダにスリップさせたい自分がいる。

>222
GJ!
226×DOD:2007/11/14(水) 23:38:52 ID:id2NG6of
よし、流れに乗ってあっしも0:00頃の投下を予告してもいいでしょうか。
227名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 23:44:07 ID:K119kR+c
素敵笑顔支援ッ!!
228名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/14(水) 23:50:53 ID:OlZokJzR
新宿エンド支援
229名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 00:01:15 ID:igTCzXsW
支援!
230×DOD:2007/11/15(木) 00:03:52 ID:id2NG6of
 Cルートのアンヘルとは初期装備で戦う信念を持つべきなのです。鉄塊大好きさんにはそれがわからんのです…


 既に外套やら剣の色やら火球の数でお気付きかもしれませんが、王子の外見は常時、そしてモーションは愛剣のみ限定
で、DOD2仕様に成長してます。パワーアップしないとどうにも書けない場面があるので、ご了承を…
 ということで未だにDOD色も何も出ませんが、7レス程お付き合いください。
231×DOD 三章二節 1/7:2007/11/15(木) 00:04:58 ID:id2NG6of

 ドラゴンの教えは厳しかった。ブレスの制御に加え封印の一定レベルの解放、さらにはフリードリヒ自身の魔力の使い
方など、その指導は多岐に及んだ。
 中には自分が既に会得しつつある物も含まれていたが、如何せん竜の求めたものはレベルが高い。通ったのは休みの合
間とはいえ通常の訓練並みに、いや竜の制御の一点を言えば、それ以上に厳しい時間であるとも言えた。
 だがキャロは、それでも食らいついた。
 身近な人を守りたいという、強い決意。力への恐怖は拭いきれないが、少女の根底はそこにあった。
 そういう意味では間違いなく少女はなのはの部下であり、血の繋がりはなくともフェイトの子であった。彼女たちの意
志は、確実に新たな世代にも受け継がれていたのだ。

「竜の封印は解かず、炎のみを解放せよ」

 だからこそ、ドラゴンも応えた。いつまでも力を解き放てぬ娘には正直煮えきらない思いがあったものの、それでも折
れることの無い心には素直に感心したのだ。
 己やカイムから失われて久しい、真っ直ぐな精神の輝きをその瞳に見つけて。

「越えられぬというのなら、その壁ごと叩き壊せば良いのだ。それだけの物を既に、おぬしは得つつあるのだぞ?」

 昨日ドラゴンから投げられた声が反芻する。言われた時には疑問を禁じ得なかった、あの言葉。
 しかし果たして、竜の言葉は正しかった。なのは相手に解放したブレスは自身の魔法陣に制御を受けて、意図した威力
で完璧に生成された。追撃のエリオを襲うこともなく、あらぬ方向へ四散することもなかったのだ。

「ヴァイス君、降下ポイントまでは?」
「あと2、3分もあれば!」
「了解。新デバイスのテスト…ぶっつけ本番になっちゃったけど、訓練を思い出して。落ち着いて行こう」
「はいっ!」

 一級警戒体制のアラート、ヘリに乗っての緊急出動。任務はロストロギア・レリックを乗せたままガジェットによって
暴走させられた列車の停止、そしてレリックの確保…実質の初任務にしてはヘビーだが、しかし戦場へと向かう空の上で、
キャロは急速に確信を深めつつあった。
 あの低くも通る声が告げた通り、確かに自分は成長していたのだ。
 自惚れでもなく、恐怖に飲まれる事もなく、ただやっとこの相棒を解き放つことができるかもしれないのだと、少女は
そんな自信を得はじめていた。

「…」
「? なのはさん?」
「キャロ、いい人たちに出会ったね…ちょっと羨ましいかも」
「あ…はい!」

 親友フェイトから事情を聞いているなのはが、そんなキャロに優しく声をかける。
 自分には解いてやれなかった悩みが、僅か五日間、そしてこの訓練を経てから急激に氷解しつつあるのには気づいてい
た。その大事をやってのけたドラゴンを一教導官として羨ましく思ったが、やはり隊員の成長は嬉しいものだ。
 同時に、やはり正式に六課の力となっては貰えないかとなのはは思う。隊の保有魔導師ランクなど問題はあるだろうが、
キャロをここまで育ててくれた存在なのだ。
 ただ、灰と煤まみれにされた記憶しか持たない三人は甚だ疑問だったし、竜の助力は知っていても話の内容がそれと分
からないリインフォースUは、何の事だかさっぱりだった。思わず若き魔導師たちは顔を見合せ、宙に浮く小人はそんな
仲間たちの様子を頭に疑問符を浮かべながら眺める。
232×DOD 三章二節 2/7:2007/11/15(木) 00:08:40 ID:0bCCXI4g
「じゃあ私も、フェイト隊長の加勢に…」
『何処にでも現れるな、おぬしらは』

 そんな時であった。重く響く『声』が、何処からともなく聞こえてきたのは。
 当たり前だがフェイトからの通信や、指令を下すはやての声ではない。一瞬硬直する魔導師たちの眼前で、彼女たちを
嘲笑うかのように、突如として赤い警告ウィンドウが開く。
 正体に気付いたのが二人、聞き覚えのある声色に思わず辺りを見回すのが三人。面識がなかったため『声』すら届かず、
唐突に変化した空気に混乱する小人が一人と、そんなことよりも赤いウィンドウに戦慄する魔導師が一人であった。

「後方からアンノウンが高速で接近! こいつは…?!」
「ヴァイス君、ハッチ開けて」
「は?」
「大丈夫。敵じゃないから!」

 レーダーを見たヴァイスが焦りの声を上げるが、対して確信めいた表情でなのはが言うので、訝しみながらもメインハ
ッチを開く。
 ゆっくりと、いかにも重々しく、鋼鉄の扉が開かれる。果たしてその向こうにいたのは、新人三人が映像で見た、そし
てキャロに教えを授けているあの赤き竜であった。

「竜種?!」
「ドラゴンさん!」
『やはりか、娘。…そして久しいな、白き魔導師よ』

 ティアナが驚愕して叫び、キャロが思わず口を開いた。
 ドラゴンはやはりこのような反応に慣れており、とくに気にすることもない。ハッチ下部から、なおも『声』で語りかける。

『雛鳥どもの初陣か。だが生憎だったな、宛が外れて』
「?」
『自殺者は此処には居らぬだろう。カイムは地上だ』
「ち、違います! …スバル、詮索しないっ!」

 魔導師として数々の体験をし、滅多なことでは取り乱すこともなくなったなのはだが、これは必死になって否定した。
キャロに話を聞こうとするスバルを、妙な迫力のこもった視線で射抜く。
 どうやらドラゴンは前回の二人を見て、人間弄りに味を占めたようだ。慌てふためくなのはの姿を、さも面白そうに見
上げており、その割れた瞳になのはは思わずいくらか恨みを込めた視線を返した。

『さて、何時までも遊ぶわけには行くまい……が、あの黒金が邪魔だ。下げよ』

 誰のせいですかっ、と言いたかったがぐっと堪えた。恨み言の一つや二つは口にしたいが今は任務中、それに「自殺者
カイム説得事件」の原因の八割はどう言い繕ってもあの場に現れた自分達の勘違いだ。
 何より竜の言葉には、戦いの威圧感が滲み出ていた。そしてどうして、となのはが尋ねると、こう返ってくる。

『あの機械共、我等に牙を剥きよった。カイムが直々に叩き潰してくれるそうだ』
「カイ……あの人が?」
『ああ。だがお主らの戦場だ、全て滅ぼすのも忍びない。…ただ我等も、あれを赦す気は無くてな。少しばかり、間引いてやろう』
233名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 00:09:17 ID:JIoaav+q
ヴィヴィオ「オガーザーン」
支援
234×DOD 三章二節 3/7:2007/11/15(木) 00:10:02 ID:0bCCXI4g

 その頃フェイトは単独で飛行、一足先に制空権確保のためガジェットとの戦闘を開始していた。
 戦いは一言で言うなら質対量、縦横無尽に飛び回る一人をおびただしい数のガジェットが追う展開だ。ただその一人の
「質」は、圧倒的物量差を補ってなお余りがあった。鉄の機体は巧みな飛行術に翻弄され、接近を許したものから次々と
大鎌バルディッシュに切り裂かれていく。
 しかし、如何せん敵の数は多かった。魔導師ランクとともに魔力を押さえられている現状では、優勢であっても余裕で
圧倒できている訳ではない。
 機動六課設立当初から分かっていたとはいえ、やはりそこは歯痒い所だ。

『フェイトちゃん、転回して東に抜けて!』
『なのは…?』

 そこに、なのはからの通信が入る。
 根本で結わえられたツインテールを風になびかせ、フェイトは反射的に左を見た。確かにいくつかガジェットが飛んで
いるものの、前後方左手よりは確かに壁が薄い。突き抜けようと思えば、不可能な陣形では決してない。
 抜けたところでどうするのか、一瞬疑問には思ったものの決断は早かった。幾度となく肩を並べて任務にあたった二人
に、互いを疑うという考えは毛頭無い。

『うん、了解!』

 なのはが言うのならと旋回し、加速。迫る光の槍を驚異的な反応で避け、針の穴を通すがごとき正確さで攻撃の合間を
縫うように飛び、空を埋める機械兵の群れを突破する。
 そして事が起こったのは、次の瞬間だった。

「……え?」

 抜け出た魔導師を追いかけて反転としたガジェットが、天から降る「何か」に叩き潰される。
 轟音、爆音。何事かとフェイトが振り返る。その目前の空に、かつて見たことのない物体が降り注いでいた。
 魔力弾の一種かと思われたがそんな考えはすぐに吹き飛んだ。あの重量感、重力に従って真っ直ぐ落下する物からは
魔力を感じられない。
 一体何だ、これは。目を凝らし、落下して視界から遠ざかりつつあるそれをようやく認識する。そして知った。
 鉄球だ。
 宙から降ってきたのは巨大な鉄球であった。黒光りする球体が虚空から隕石のように次々と現れ、空中に浮かぶガジェ
ットに襲いかかったのだ。

「召喚…いや、違う……」

 魔力弾でないとなればあれは、ただの物質を何処からともなく呼び寄せているということだろうか。そこに考えが至っ
てもしやキャロの召喚魔法かと思ったが、飛行するフェイトの視界の中に桃色の魔方陣はない。何より新人たちの乗るヘ
リからでは、この空域はどう考えても射程の外だ。
 そんなことを考えている間にも怒濤のように鉄球が降り、逃げ惑い反撃を試みるガジェットを文字通り押し潰す。ある
ものは下敷きになったまま地上へと落下し、またあるものは翼に傷を負い煙を上げて撃墜される。
 しかし圧倒的と思われた天からの攻撃だが、その実粗は大きかった。多くは鉄屑となって落ちたものの避けられた機体
も少なくはなかったようで、隊列を崩されながらも残ったガジェットがフェイトを追う。
 大分数を失った敵をバルデイッシュの光刃を飛ばして墜としながら、フェイトは降下ポイントに到達したヘリを見、そ
して思わず目を疑った。いつか森で出会った、キャロを任せたあの赤き竜が、ヘリに沿うように巨大な体を空に滑らせて
いた。

『フェイトちゃん!』
『なのは、あれ…』
『助っ人だよ。あと、その…あの人も』

 こちらに向かって飛ぶなのはから通信が入る。白き魔導師の影では折しもスターズの二人、ティアナとスバルが宙に勇
躍するところであった。
 しかし親友がようやく視認できる所まで来て、その視線がそのさらに下へ向いていることにフェイトは気付く。その先
に目をやり、見えた光景に不覚にも一瞬動きが止まった。
 誰も居ないはずの列車の上に、あの剣士が身体に布を纏わせ、雄然と立っていたのだ。
235×DOD 三章二節 4/7:2007/11/15(木) 00:11:15 ID:0bCCXI4g

 暴走する列車の上で、カイムは炎と煙の吹き上がる闘いの空を見つめていた。
 風に揺れる外套の下、布の切れ目から黒光りする刀身が見え隠れする。天に突き出された掌から魔力が霧散し、同時に
ガジェットへ向かっていた鉄球が途絶えた。
 闇色の剣身は大地の竜。呪法は空を舞う敵に鉄塊の罰を下し、地に這う愚者を文字通り圧し殺す。その銘、「地竜の鉤
爪」に秘められるに相応しい魔術であろう。
 惜しむらくは攻撃の範囲が粗く狙いが付けにくいところだろうが、それでも重力を味方につけた巨大な鉄球の破壊力は
言葉にするまでもない。

「……」

 しかし敵を粉砕したにもかかわらず、カイムの表情はさもつまらなそうであった。
 無理もあるまい。「敵」は、弱かったのだ。
 空を我が物顔に飛び回るガジェットには魔術の障壁もなく、魔導に対し反撃するあの厄介な赤い鎧を纏っているわけで
もなければ、自分やドラゴンのように魔法への抵抗力が高い訳でもなかった。さらに言えば装甲も森で斬った一機とさし
て変わらず、人間に砕けずとも契約者の力の前では不足。
 どう見ても人の造りしものだが、こんなもので歴戦の狂戦士に傷一つ付けられると言うのなら勘違いも甚だしい。子竜
と召喚士の娘の気配を見つけたドラゴンと別れ、山間から敵を見つけた時は昂ぶったものの、もうカイムの身からその興
奮は冷めていた。

「?」

 ふと、光を感じて視線をそらし、戦域から離れた空を見上げる。
 ドラゴンと並走するように飛ぶ鋼鉄の船から、ちょうど見覚えのある若き二人の魔導師が空へと躍り出ていた。
 光は、その娘たちからであった。腕、脚、胴。魔力の奔流が絡み付き、落下する間に高密度の鎧となって体を被ってい
ったのだ。
 キャロのバリアジャケット姿は見たことがないが、彼女らの姿はあの白き魔導師の妙な鎧に通じるところがある。成る
程、あの時出会った二人の女の防護服はこれだったか。そうカイムは得心した。

「……っ!」

 列車へと降りたティアナとスバル。
 新たなバリアジャケットを纏った二人に視線が向き、少女たちは反射的に魔導の銃を、鋼の拳を構えて見せる。
 反射的な行動だった。防衛本能とでも呼ぼうか。敵でないと分かっていながら、しかしこの男が相手の場合は何ら不思
議でないのだから妙である。
236×DOD 三章二節 5/7:2007/11/15(木) 00:13:00 ID:0bCCXI4g
「……………」
「…ティア、どうするの…?」
「う」

 しかし二人とも構えたはいいものの、この男が宙に浮かぶフェイトの力になったのはドラゴンの『声』から明らかだ。
 さらにはその目に敵意が無いことに気付いてしまったため、次の一手がどうしようもない。居心地が悪い雰囲気が辺り
に流れる。
 しかし都合が良いのか悪いのか、状況は一瞬で流転した。

「…っ、スバル、下!」

 外套が翻り、カイムが布の陰から、唐突に長剣を振りかざした。
 尋常ならざる威圧感、しかし向けられる方向への違和感に何かを察し、ティアナが隣のスバルを呼び警戒を促す。
 跳躍、スバルの展開したウイングロードに乗って回避する二人。その直下で男が虚空を薙ぎ払い、迸る魔力の波動が先
ほどまで自分たちの居た列車の天井を抉り飛ばす。その天井を突き破ろうとしていたガジェットのアームが、どう見ても
刃の届かぬ間合いから、車体の一部ごと一閃で斬り捨てられた。
 驚愕する二人。それを尻目にカイムが出来た大穴に掌を向け、次の瞬間彼女たちの脳裏に、あの記憶が蘇った。

「…あれって、あの時の…!」

 ブレイジングウイング。八発一組の炎が二組、三組と撃ち出され、天井に空いた穴から次々に飲み込まれていったのだ。
 視覚で確認できず強風のため聴覚もほぼ役に立たない、当てずっぽうの火炎弾が車両を内部から焼いていく。しかも今
回は中途半端な制御のそれとは違う、完全にコントロールされた強力な火炎だ。たちまち紅蓮の炎が車内に広がり、防御
手段のないガジェットたちを包み込んだ。

「スバルさん、ティアナさん! だいじょ…熱っ、も、燃えてるですっ!」

 遅れて降下してきたリインフォースUが吹き出す熱風にあおられて安定を失い、それでも何とかスバルのもとへ辿りつく。
 一気呵成の火計に唖然とする二人であったが、そこへ再び、『声』が響いた。

『良い反応だ、娘。これで道が開けたな。中の鉄屑ども、潰すのなら今ぞ』
「ふぇっ…へっ?!」

 姿が見えたため初めて声を聞いた妖精のような小人が、自身を覆う巨大な影に気づいて空を見る。
 ティアナもスバルも続いて見上げると、ヘリを追って飛んでいたはずのドラゴンがそこにいた。翼を止めて高度を下げ、
列車に沿うように崖の向こうへと舞い降りてきていたのだ。
 『忘れ物だ』、カイムのみに通る声がそう告げると竜の翼がひとつ大きく羽ばたき、ぐるりと巨躯が旋回する。すると
その背から、一振りの剣が滑り落ちた。
 竜が寄越したのはあまりに巨大な剣、鉄塊と呼ばれるそれであった。
 地上で持ち歩くにはどう見ても不向きな剣ということでまたドラゴンの背に備え置いたのだが、「敵」のサイズが分か
った以上はこちらの方が良かろう、と。
 威力ではなくリーチの関係だ。剣閃に魔力を乗せればカイムの愛剣でも一刀両断に事足りるとはいえ、たかがあんな機
械相手にそこまでするのは愚か、と彼らは捉えた。その点この巨剣ならば、少なくとも振っているだけでガジェットの腹
から背に届く。
 兎一匹狩るのなら魔法でも何でも使おう。しかし相手が蟻と分かった以上、踏み潰すのに力は要らぬ。先程火炎を放っ
たのも、結局はわざわざ穴から中へ潜るのが面倒だったからに過ぎないのだ。
237×DOD 三章二節 6/7:2007/11/15(木) 00:17:10 ID:0bCCXI4g
「あ、あのっ!」

 もはや人間の限界を超えたその剣を受け、横薙ぎに振って感触を確かめていると横から声がする。
 声をかけたのはスバルだった。重厚な鋼の拳を巻いた少女に男が目を向け、闘気の抜けきらぬ視線が射抜く。

(う…、け、けっこう、怖い…かも…)

 言ったスバルは、もう既に半ば後悔しつつあった。
 はっきり言って、怖いのだ。
 火焙りの記憶もそうだが、訓練中の厳しいなのはとはまた違う、触れる者を切り裂くような抜き身の刀身の如き威圧感。
無造作に伸ばした前髪が視線を微妙に隠し、それが何とも得体の知れない不安を背筋に呼び起こすのだ。本人には全くそ
の心算はないのだが、これは仕方が無いと言うしかない。
 それでも、これは言わねばならぬと自分に気合を入れる。
 映像からカイムの顔は知っており、そして割とこの少女は、訓練で奮起はしたものの、親友ティアナほど悔しさやらが
強いという訳でもなかった。使いどころを間違えていると思われる勇気を振り絞り、彼女はようやく、こう言った。

「あ、あ、ありがとうございました!」
「馬鹿、違うでしょ」

 助けて貰ったらありがとう、悪いことをしたらごめんなさいを素直に言えるように育ってきたスバルにとって、それは
正しいことであったが、今回に限って言えば相当の勇気を必要とした。
 だが正直にそんなことを切り出せる親友を、ティアナは正直少し羨ましく思った。彼女にとってこの男は黒焦げにされ、
プライドを傷つけられた悔しさの方が印象に残っているというのに。
 ふぅ、とため息。唇から緊張が消え、思わず小さく微笑すら浮かべる。
 案の定噛んでしまったのに容赦無い突っ込みを入れ、しかしそんな親友の姿に、ティアナもまたこの時ばかりはあの炎
の記憶を忘れていた。
 見ていて気の毒になるほど狼狽する頭をぽこんと叩いてカイムを見据え、こちらは慌てることなく口を開く。
 が。

「援護、感しゃ……し、し、します」
「…かっこわるぅ」
「う、うっさい!」

 やはり、怖い物は怖かった。
238×DOD 三章二節 7/7:2007/11/15(木) 00:21:12 ID:0bCCXI4g
「……」
『敵を斬っただけだ。だがあの者の下には弱卒は兎も角、忘恩の愚者は居らぬようだな……さて』

 任務中にも拘わらず大声を張り上げる少女たちを見て、興味無さそうだがそれなりに複雑な顔をするカイム。その上空
でドラゴンがくっと笑って『声』を投げ、そして何かに気づき、空を見上げた。
 この気配は。竜と竜騎士が思った次の刹那、頭上で巨大な球体が、法陣の環を伴って展開する。
 我を忘れかけていた少女たちも何事かと顔を上げ、その目は本日何度あったかも分からない、驚愕の色に染められた。

「エリオ、キャ…ロ…?」

 薄っすらと球を描く光の中、その中心に漂っていたのはティアナの良く知る少年と少女だった。
 少年の方は半ば唖然とした顔で少女を見、少女は強い意志を込めた瞳で宙に浮かぶ相棒の背を見つめている。
 紛うことなくその顔はキャロ・ル・ルシエ本人のそれだったが、その視線に今までにない輝きを見つけて、叫ぼうとし
たティアナの舌は刹那動かなくなってしまった。
 戦うことに何処か戸惑いすら見せていたあの少女の顔であるのか、一瞬わからなくなってしまったのだ。

「………」
『ああ。あやつめ、漸く若鳥となる気が起きたらしい』
「なっ、何が…?」
『黙って居れ。そう見られるものでもないぞ』

 スバルが我を見失いそうになりながら口を開くも、ドラゴンに窘められて黙って噤む。リインもまた余りに急速に変化
する情勢に訳が分からないといった様子で、こちらは少々距離を取ってはやてへの通信を試みていた。
 輝きを放つスフィアから魔力が解き放たれ、戦場の空に高位の魔法陣が生成した。言うまでもなくその色は、少女の髪
と同じ淡い桃色。

「どうだ娘、そして若き竜よ。共に焦がれた、天つ風の感触は」

  陣から光の奔流が放たれる。長らく封じられていた白銀の巨体が、今まさに、無限の蒼穹へ飛翔しようとしていた。
239×DOD:2007/11/15(木) 00:23:11 ID:0bCCXI4g
 7レスがデフォになりつつある今日この頃、ということで今回も、です。
 理不尽に「ずっと我のターン!」もいいけどやっぱり理詰めだったり斬り合いだったり白兵だったりの方が好きなので、
そっちを上手く書けたらいいな…とか思ってたり。




 砲撃も大好物ですが。
 では失礼します。
240名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 00:27:24 ID:JIoaav+q
DOD氏乙
DOD2仕様と言う事は無精髭&ボロの外套ですか
うわー、声かけづれー
241リリカルスクライド//G.U. ◆etxgK549B2 :2007/11/15(木) 00:27:41 ID:pLXYdUwD
投下乙!でした。
それでは、久しぶりにスクライドと.hack//G.U.とのクロスを投下します。
まとめサイトで前回のを見てくださると助かります。
242リリカルスクライド//G.U. ◆etxgK549B2 :2007/11/15(木) 00:29:45 ID:pLXYdUwD
リリカルスクライド//G.U.
スクライドの世界に派遣される魔法少女達の冒険

最終話「優しく君は微笑んでいた」


干からびた草がまばらに生えている大地をうんざりしながら歩く男2人。
男たちの名はカズマ、ハセヲ。
歳は同じぐらいの2人であったが、お互いに話をする素振りさえ無い。
その理由は、

『気に食わねぇ』
『ムカつく』

こんな爆発寸前の2人の前に向かってくる人影と、その人物の後ろで舞う土煙。
凄まじいスピードで突っ込まれると感じた2人は、左右に跳び相手を交わす。

「どこのどいつだ?オレに喧嘩を売ろうって奴はよぉ」
「こいつが刺客?」

互いに己の武器を出現させ戦う態勢に入る。
見つめる先には、土煙が晴れて突っ込んで来た相手の姿が露わになる。

「初めまして」

呆気に取られるカズマとハセヲ。
挨拶してきた土煙から現れた相手は、腰まで伸びる手入れが成ってない黒い長髪をして、下半身は橙色の布で巻かれた自分たちと歳の近い少年だった。

「てめぇが、無常が言ってた相手か?」
「エ・イ・ジ」
「はぁ?何が言いてぇんだよ。てめぇは!」
「エ!イ!ジ!」
「ふざけんなっ!」

おちょくられていると思ったカズマは、アルター化した右腕で殴ってしまおうと少年に近づこうとするが肩を掴まれ止められる。

「止めんじゃねぇ!」
「アイツ…名前を言ってるだけじゃないのか?」
「なっ」

ハセヲの話を聞いて、はっと少年の方を向くカズマ。

「お前…エイジって、名前なのか?」
「うん!エイジ」
「なら、そう名乗りやがれ!」

 怒声を上げるカズマに純粋無垢な笑顔で笑い返すエイジ。

「あまり時間が無い。単刀直入で聞く…エイジ、お前が俺達と戦うのか?」

 ハセヲの一言にエイジは笑顔のまま答える。

「そうだよ。バイバイ」

 その瞬間、エイジの右目から青白い光が溢れ出し、彼の周囲は光に包まれる。
243リリカルスクライド//G.U. ◆etxgK549B2 :2007/11/15(木) 00:31:09 ID:pLXYdUwD
 突然の光に腕で目を隠すカズマとハセヲは、多くの戦いを経験してきた事から、この後に悪い事が起こると直感し後ろへ跳び下がる。

「何だよ、こいつはよぉ?」
「知るか!……来るぞ!」

 ハセヲの発言後直ぐに、彼らが今まで居た場所は大きく抉られていた。
 大きく抉られた大地から前に目線を向けたカズマとハセヲは、予想外なモノを見る。

「へっ、また変わったのが出てきやがる。本当に飽きさせねぇなぁ、おい」
「くっ、これもAIDAの力なのか?」

 そこに居たのは、サメのような口と青い骨格のような装甲、そして胸や肩などに青い水晶を持った巨人だ。
 エイジに封印されていた英雄の種族で最強の力を持った者。

 その名は【ベルクロス】
 
 だが、AIDAによってコピーされた存在である、このベルクロスは本来のパワーの数十分の一しか持たず、全高も7mと小さくなっている。
 しかし、元々のパワーは星を破壊するほどのものでパワーダウンしていたとしても人間や兵器では太刀打ち出来ない。
 ベルクロスは、助走し地面を踏み込み、上空で滞空しているカズマとハセヲに向かって跳ぶ。
 獣のような雄叫びと共に、青い閃光となって2人に強襲する。
 
「この、デカブツ野郎がぁ!」

 カズマは、背中に出現させている1枚羽根の風車を回転させ推力を得るとベルクロスへと突っ込んでいく。
 その馬鹿な行動にハセヲは、悪態をつきながら彼の援護に回る。
 カズマはアルター化した右腕であるシェルブリットで突っ込んでくるベルクロスへ殴りかかる。
 相手も右腕を突き出し、拳と拳がぶつかり合う。
 衝突した拳同士からは、エネルギー同士が反発しプラズマが発生している。

「この野郎ぉぉぉ!」
「ウオォォォッ!!」

 2人がぶつかっている間に、ベルクロスの腰付近へと近寄っていたハセヲは、双剣の連撃を放つ。

「旋風滅双刃!」

 カマイタチを纏う6連撃で、装甲が無い脇腹へ双剣を叩き込む。
 その攻撃を受け、痛みでよろめいたベルクロスは拳への力を弱めてしまう。

「もらったぁぁぁ!シェルブリット・バァァァストオッ!」

 その隙を突き、相手の拳を避けて必殺のシェルブリット・バーストをベルクロスの顔面に叩き込む。
 カズマの一撃も受け、地面へと叩き落される青き巨人。
244リリカルスクライド//G.U. ◆etxgK549B2 :2007/11/15(木) 00:32:31 ID:pLXYdUwD
 地面との衝突で土煙が舞い、ベルクロスの姿がカズマ達の視界から消えてしまう。

「へっ、デカイ図体の割には呆気無かったな…って、俺の喧嘩に割り込むな!」
「気を緩めるな。AIDAが模倣する程の敵だ。こんなものじゃ倒し切れない」

 過去に戦ってきた巨大なAIDAは、データドレインもしくは強力な魔力による攻撃以外で倒せた試しがない。
 ハセヲは、新たな力である双銃型デバイスDG-Xを構え土煙に向けて魔力弾を連射する。
 凄まじい数の魔力弾が、土煙の中へと消えていく。
 カートリッジが切れたのと同時に、射撃を止めるハセヲ。

「おいおい、やり過ぎじゃねぇか?」
「これくらいしとかないと、安心できない。俺はAIDAのしぶとさをよく知っているからな」
「へっ、そうかい。まぁいいや、さっさとなのは達を探して帰るぞ。って、どうやって戻るんだよ!あいつ倒しちまったら帰り方がわかんねぇじゃねぇか!」

 ハセヲの襟首を掴み揺すぶるカズマだったが、ハセヲの表情が優れないことに気づく。

「おい。顔が青いぞ」
「AIDAが崩壊すれば、フィールドが崩壊し元の世界に戻れるはずなんだ…戻らないという事は」

 その時、強烈な叫びに両耳を押さえる2人。

「な、何なんだ。こいつはよぉ」
「一々俺に聞くな!」

 土煙が晴れたその中から、赤いオーラで包まれたベルクロスが立っていた。
 猛禽類に似た目は、瞳孔が開いており狂乱と呼ばれる暴走状態へと変わっている。

「ウオォォォッァァァァッ!!」

 身体の骨格の装甲が変異し刺々しい姿となったベルクロスは、赤い光で満たされた胸のスフィアが更に輝きだしたと同時に、
近くにあったサボテンに似た植物などが瞬時に枯れ大地も乾燥していく。
 その変異に危険を察知した2人だったが、ベルクロスの口から放出される赤色の破壊の光線にその姿ごと吸い込まれた。


245リリカルスクライド//G.U. ◆etxgK549B2 :2007/11/15(木) 00:34:11 ID:pLXYdUwD
 なのはとアトリは、カズマ達とは別の場所に放り出され飛翔魔法を使い彼らを探索していた。

「2人とも、どこに落ちたんだろう」
「御二人とも強いですし、もしかしたらどこかで戦っているかも。好戦的で荒っぽい方々ですし」
「あはは。アトリちゃんって意外と言うタイプだね」
「あっ、すいません。なのはさん、この事はハセヲさんやカズマさんには内緒で」
「大丈夫。誰にも言わないよ」

 微笑む彼女に、アトリは内心カッコイイと思っていた。
 いつか、こんな女性に成れたらハセヲさんも志乃さんより私を見てくれるかなと思う。
 その時、左の方向から強烈な赤い光線が地上から空へと撃ち出されるのを視認する。

「なのはさん!」
「うん、私も見えたよ。あの光線が発射された場所に2人がいる…そうだよね?アトリちゃん」
「はい。私も、なのはさんと同じ考えです」

 2人は頷き合うと、目的の場所へと速度を上げ飛行する。
 互いに心配な人物がいる場所へと女達は飛ぶ。


「このぉぉぉ!」
「うおぉぉぉ!」

 シェルブリット最終形態へと成り、ベルクロスの光線を耐え切ったカズマは、背中の右肩甲骨辺りから長く伸びた尻尾状のパーツで空気中の酸素などを分解し、
発生した虹色に輝く膨大なエネルギーの反発力を得る。
 空中移動へのエネルギーに転換し、カズマの身体はミサイルの如く敵対する巨大な獣へと放たれる。
 飛び込んでくるライオンの様な鎧を着たカズマを見つけ、咆哮と共に両腕の爪で引き裂こうと振るう。
 身体の向きを変え、爪による斬撃をギリギリで避け攻撃を突破し右拳をベルクロスの顔面に叩きつける。
 しかし、痛みを感じていないのか頬を殴られ右方向に曲がった顔を正面に戻し、右拳をカズマに振るう。
 右腕が使えなかったため、左腕でボディへの直撃を防御するも腕の装甲が砕けた上、真横に吹き飛ばされ近くにあった岩山に突っ込む。
 相手がカズマに集中している隙を狙い、ハセヲは大鎌・死ヲ刻ム影でベルクロスの後ろを取った。

「蒼天大車輪!」

 敵を何度も斬る大鎌による連続斬撃が、ベルクロスの背中を捉えようとした瞬間、凄まじい速度で襲ってきた尻尾に腹を強打される。
 ハセヲは胃液を吐きながら地表へと墜落する。
246リリカルスクライド//G.U. ◆etxgK549B2 :2007/11/15(木) 00:37:00 ID:pLXYdUwD
 狂乱状態のベルクロスは、更にエネルギーを放出し、その姿は己のエネルギーに耐え切れず崩壊寸前といった風貌だ。
 崩れた岩山から這い出たカズマは、周囲の物質を分解し損傷したシェルブリットへと再構成する。

「痛ぅ…イテェじゃねぇかよ、おい。でもよぉ、テメェの身体…崩れ掛けじゃねぇかよ」
「グオォォォッ!」
「けっ、言葉も通じねぇか。ならよぉ、テメェがぶっ倒れるのが先か俺がぶっ倒れるのが先か勝負しようぜ。ガチンコの喧嘩よぉ!」

 周りの瓦礫を吹き飛ばしながら上空へ飛び上がったカズマは、一直線に狂乱状態のベルクロスへ突撃する。
 カズマの攻撃に反応し筋肉繊維が千切れながらも右腕で殴りに掛かる。
 背中の尻尾のパーツで方向転換し、ベルクロスの拳を交わし右足で顔面を蹴り続けて両拳で胸のコアを殴る。

「オラオラオラオラァァァ!」

 凄まじい速度で殴りつけるカズマを叩こうと両腕で掴もうとするが、長距離からの魔法砲撃を受けて強度が保てなくなった左腕は宙を舞った。
 残った右腕で、カズマを振り払ったベルクロスは砲撃が発射された方角を見る。
 そこには、エクセリオンモードのレイジングハートを構えた高町なのはが滞空していた。
 続けて、桃色の砲撃を発射してくる魔女に本能的に危機を感じたベルクロスは砲撃を回避していく。
 一方、地面で腹を押さえているハセヲの元にはアトリが降り立ち、回復魔法を施していた。

「ハセヲさん、傷の方は大丈夫ですか?」
「あぁ、アトリのお陰で楽になった。ありがとう」
「あ、いいえ!自分の仕事をしたまでです…でも……です」
「ん?なんか言ったか」
「いいえ。さぁハセヲさん!カズマさん達の援護に向かいましょう」

 ハセヲは高らかに宣言するアトリに圧倒され「ああ」と答える。
 そんなハイテンションなアトリの心境は、胸がバクバク状態であった。

『ハセヲさんにお礼を言われた!今まで一度も言ってくれなかったのに、初めて言われた!あははは!』

 アトリが何故ハイテンションなのか身の覚えが無いハセヲは、そんな事は気にせずに作戦を伝える。

「アトリ、良いか?これから俺達がする作戦は―」


247リリカルスクライド//G.U. ◆etxgK549B2 :2007/11/15(木) 00:38:58 ID:pLXYdUwD
 ショートバスターの連射でベルクロスを叩こうとしたなのはだったが、相手の予想外な回避能力に唇を軽く噛む。
 あの巨体で動きが機敏なんて反則だと思いながら、接近されないようショートバスターを連射する。
 しかし、徐々に間を縮められ相手の拳圧が届く距離まで接近される。
 ベルクロスは、残った右腕から衝撃波を発生させなのはを撃つ。
 
『Protection Powered』

 桃色の障壁を右手前方に発生させ、衝撃波から身を守る。
 凄まじい衝撃を受け、顔をしかめながらも、耐え切ったなのはだったが目前まで敵が迫ってきていた。
 赤い悪鬼が凄まじい熱量を体内から発生させながら、その右腕でをなのはへ向けて振り下ろす。
 なのはは、恐怖で目をつぶってしまう。
 その時、

「ビビッてんじゃねぇよ」

 ベルクロスは、カズマの一撃を受け吹き飛ぶも態勢を立て直し狂乱した目で見つめてくる。
 カズマは、ベルクロスの方を見つめながら後ろで杖を両手で持ち自分の背中を見つめる女性に話しかける。

「おい、なのは」
「カズマくん…」
「お前の前には俺が立つ。だから、ビビんじゃねぇよ」

 カズマの言葉に胸がグッとくる。
 今まで、異性でこんなにも力強い人は父や兄ぐらいしか知らない。
 ユーノくんは、友人って感じなのでこんな気持ちになった事が無い。
 カズマの顔を見たなのはは、頬の所が焦げてしまっているのを見つける。

「あ、その火傷は」
「ああ、こいつか。ちっとばかしキツイのを貰っちまってな」

 なのはは、カズマの頬に火傷の痕を見て心配に成る。
 彼女は、自分の怪我よりも仲間の怪我の方がよっぽど痛く感じる人種なのだ。
 回復魔法を掛けてあげようと近づくなのはに、右手で断る動作をするカズマ。

「そいつは後だ。まずは、奴をボコす。それから、そいつを頼むぜ」

 乱暴だが優しい言葉を掛けるカズマに励まされ、なのはは勇気を取り戻す。

「はい。私達も頑張るよ、レイジングハート」
『Yes my master』
「へっ、そんじゃ行くぜぇぇぇ!」

 カズマの掛け声と共に散会する2人。
 一直線にベルクロスへ向かうカズマの横には、桃色の魔力球が6発追尾する。
 なのはが放ったアクセルシューターだ。
248リリカルスクライド//G.U. ◆etxgK549B2 :2007/11/15(木) 00:41:25 ID:pLXYdUwD
 先にベルクロスへぶつかったのはアクセルシューターの方だった。
 筋肉が断裂している部分に正確に直撃していく。
 流石に痛みを感じるのか、声を上げるベルクロス。
 その瞬間、縦回転し右拳を振り下ろしてきたカズマに反応できず後頭部に直撃を貰う。
 溶解し始めていた頭の装甲は砕かれ、悲鳴を上げたベルクロスは怒りと共に己のエネルギーを使用し口から光線を放つ。
 避けられないと考えたカズマは、両腕で顔を隠す動作をする。
 その時、なのはのプロテクションがカズマを守るも、光線の威力は強く地表へと叩きつけられ土煙が吹き上がった。

「カズマくん!」

 なのはの叫びが鳴り響く中、ベルクロスはカズマの落ちた方向へ突進する。
 しかし、突然目の前にカズマが現れ急停止するベルクロス。
 ニタニタしたその顔を見たベルクロスは、怒りに身を任せ拳を振るうが相手は霧となって消えた。
 そして、ベルクロスの周囲には多数のカズマが立っているのだ。

『惑乱の蜃気楼に心を奪われて居て下さい』

 ベルクロスから若干離れた場所で、アバター・イニスへと覚醒したアトリによる幻影攻撃である。
 相手に多数の幻影を見せる蜃気楼を発生させ、ベルクロスの動きを封じ込めたのだ。
 その隙が、ベルクロスを討伐する最大のチャンスに奴は動いた。

「はぁぁぁっ」

 ハセヲは、ベルクロスの後方で右腕に力を込め目のような魔法陣を形成する。
 真に覚醒した碑文を持つハセヲのみが生身で扱えるデータドレイン。
 それを、ベルクロスへと向け発射する。

「喰らいやがれぇぇぇ!」

 球状の紫色に輝く黒き魔力弾が、ハセヲの魔法陣から発射され蜃気楼に視界を奪われていたベルクロスは直撃を受ける。
 データドレインによって、己の構成データを書き換えられ呻き苦しむ。
 そして、書き換えられた構成データはウイルスコアと化しハセヲの手元へと回収される。
 構成データを書き換えられ、身体の至る所がボロボロになるベルクロス。
249名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 00:47:53 ID:Ti0hCch+
魔王が恋をするだとッ!!支援ッ!!
250リリカルスクライド//G.U. ◆etxgK549B2 :2007/11/15(木) 01:00:23 ID:pLXYdUwD
 狂乱状態が祟ったのか、オリジナルの彼なら効かない筈の攻撃で瀕死の状態になっている。
 そこに、カズマは両拳を突き出しミサイルの如く突っ込んでくる。

「俺の自慢の拳だぁぁぁ!」

 その一撃は、ベルクロスのコアを粉砕し更にボディを突き破る。
 断末魔を上げながらベルクロスは光の粒子に戻り、地面に寝かされるエイジ。

 戦いは終わり、傷の手当を受けるカズマたちは虫の息のエイジを見つめる。

「おい、確りしろよ。エイジ」
「えへへ」
「何が可笑しんだよ?」
「名前、呼んでくれた」
「…けっ」

 顔を背けるカズマに、微笑するアトリとなのは。
 そして、身体が黒い霧に代わっていくエイジ。
 それを見て、驚愕するハセヲたち。

「おい、お前は人間じゃなかったのか」
「エイジ、作られた存在。本物…の、偽者」

 消えかけるエイジに更に問い詰めようとするハセヲを退かし、話しかけるカズマ。 

「お、おい。確りしやがれ」
「…ありがとう」

 にっこりと満点な笑顔でカズマにお礼を言ったエイジは、黒い泡と化して消滅した。
 その瞬間、周囲の空間は歪んだと思った瞬間、元居た劇場へと戻っていた。

 先ほどの事で、無言に成っていたメンバーだったが、カズマが口を開いた。

「ああ、完璧にブチ切れた。あの蛇野郎は、徹底的にボコす。あぁ、徹底敵に、だ!うおぉぉぉっ!!」

 カズマの悲しみと怒りに満ちた雄叫びが、劇場に響き渡った。
251リリカルスクライド//G.U. ◆etxgK549B2 :2007/11/15(木) 01:01:56 ID:pLXYdUwD
すまん。遊戯王GX見てたら最後の投下するの忘れた(汗)
久しぶりの投下終了です。
次回は、クーガーのアニキとクーンのアニキと新人ズが螺旋王と勝負します。
252名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 01:04:42 ID:pzYhTQ1I
GJ!

遊戯王GXは十代が覇王様再臨状態で困るw
タッグパートナーを完全に無視した問答無用の1キルをやる始末
何とかして頭を冷やさないとな
253名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 01:13:30 ID:HufR9OcC
>>リリカルスクライド//G.U.氏GJ!!
久しぶりの作品投下楽しませてもらいました!!
まさかエイジが出てくるとは…そういえばヒロイックエイジまだちゃんと見てないなぁ…
次回も期待して待ってます!!
254リリカルスクライド//G.U. ◆etxgK549B2 :2007/11/15(木) 01:16:05 ID:pLXYdUwD
>>250
徹底敵に、だ!…ぎゃぁぁぁっぁ
徹底的に、だ!に変更します。
こんなミスするとは(・ω・)感想ども!
255名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 01:17:51 ID:YlHrlmY3
デビルメイクライ3やってたら、リリカルなのはとのクロスの電波受信しちゃった…
投下しちゃっていいのかな?
256名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 01:20:29 ID:pzYhTQ1I
カモン!
257Strikers May Cry:2007/11/15(木) 01:37:14 ID:YlHrlmY3
デビルメイクライ3クロス バージル主人公で逝きます。

魔法少女リリカルなのは Strikers May Cry 第一話 「降臨」

「お前は行け。魔界に飲み込まれたくはあるまい。俺はここでいい。親父の故郷のこの場所が」

己を倒した弟へ最後の言葉を残し俺の身体は落ちていった。しかし魔界へとおちるはずだった俺の身体は想像もつかない場所へとたどりつく。

身体に受けた衝撃は柔らかく、すぐさまそれが草と土であることを伝え、そして何よりさきほどまで空気を満たしていた魔界の瘴気が清浄なそれへと変わっていたことが、傷つき疲弊しながらも冷静さを保っていた俺の頭へと今いる場所が魔界でなく人界であることをりかいさせた。
「…ここは…人界なのか?」
全身を舐めるように駆ける痛みに僅かに眉を歪めながら辺りを見渡す、生い茂る草木そして天に輝く星と月がその場所が己の求めた場所でないことを自身へつきつける。
258名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 01:37:18 ID:5jJH3fiR
前スレが落ちてる・・・
保存し損ねたのあるぞ!?
259名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 01:45:09 ID:EkcyEYh9
>>257
あー…
書きながらはあまり…
260名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 01:46:22 ID:sPB1HF3n
>>258
HTML化したログ上げようか?
261Strikers May Cry:2007/11/15(木) 01:48:01 ID:YlHrlmY3
「フォースエッジとアミュレットを一つにできなかった為か、それとも別の要因か…どちらにせよ締まらない結末だな。」
一人、自嘲していると周囲の魔力と共に六感に危険の空気が漂う。あるものは転移魔法と思われる魔法陣を介して、あるものは木々をへし折りながら。俺の周囲へと見たこともない機械どもが集まってくる。
「…とても友好的には見えんな。」
カプセルのような円筒形、あるいはボールのような球体をしたそれら。後にガジェット・ドローンとして知ることになる戦闘機械との最初の遭遇であった。
「せいぜい俺を楽しませろ。」
俺は言葉と共に愛刀へと手をかけた。

続く。
262名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 01:49:46 ID:sPB1HF3n
続きを書くのなら今度からはメモ帳に纏めて書くのをオススメするぜ
263名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 01:50:38 ID:pzYhTQ1I
GJ!
予告編みたいなものか
電波受信は程ほどに
毒電波だったりすると致命傷になりかねないw
264Strikers May Cry:2007/11/15(木) 01:51:34 ID:YlHrlmY3
初めてのSSでスレ汚してすまんです、変換ミスが… りかい〜理解とか。

次回はもっと下書きしてきます。 
265名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 01:53:15 ID:sPB1HF3n
>>264
乙とGJは次回ためにとっておくよ
266名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 01:58:21 ID:wGQgXVtB
>リリカルスクライド//G.U. ◆etxgK549B2
やったあ!
またクーガーの兄貴に会えるぞww

既に俺の頭の最高評議会では『兄貴×トーレ』という最速カップルが成立してるんだぜ?


クーガー「そこのお嬢さんがた、俺と一緒にドッッラアァァイヴに……行かないか!?」
ナンバーズ×12 「誰だお前ッッ!?」(×12人)


なんかシグナムとフラグが立っていたような気がするが、
とにかくクーガーの兄貴に期待ッッ!!
(魔法少女? んなぁことより兄貴だッ!)
267名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 08:17:56 ID:AKnAd+TU
今しがた保管庫見ていて思ったが、予告とか第一話だけで止まってる作品って、今後投下される見込みあるのかな?
268名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 08:51:14 ID:rCQrVFpS
期待しない方が良い
269節制の14 ◆6EgzPvYAOI :2007/11/15(木) 11:13:04 ID:3MLZ2toj
僕が昔書いたのも含め、明らかに『ウソ予告』なのとかもあるしねぇ。
270リリカル龍騎@携帯 ◆l5ZL/l4pJY :2007/11/15(木) 11:45:25 ID:wm9JVyGn
>>260
ログうp・・・お願いできますか?
271名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 11:51:32 ID:DI2q+GRb
>>270
IDは変わってしまったが、260です。
光の速さで上げるから少し待っててくれ
272名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 11:56:26 ID:DI2q+GRb
http://www.uploda.org/uporg1113065.zip.html

とりあえずここにうpしたよ
中身はHTMLファイルとDATファイルだから好きなほうを使ってくれい
273名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 12:51:47 ID:HAhTxLP+
>>214
ざっと覚えている限りだと
ミシュラとの兄弟喧嘩で世界を一つボロボロにする。
ウルザ自身のエネルギー源であるパワーストーン2つは人の魂みたいなもんだし、
次元世界一つを封じ込めて飛翔艦ウェザーライトのエネルギー源に加工。
ファイレクシアを吹っ飛ばす爆弾を作る為に味方を裏切らせて殺害、エネルギー
源に加工。
うん、これだけ聞くとパーフェクトに犯罪者だw
274名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 13:00:26 ID:Umq9TNbx
>>214
スカなどアルハザード65536博士で一番の小者。
275リリカル龍騎@携帯 ◆l5ZL/l4pJY :2007/11/15(木) 13:52:31 ID:wm9JVyGn
>>272
ありがとうございます
帰ったらすぐに落として更新するとします
276Strikers May Cry:2007/11/15(木) 17:30:25 ID:YlHrlmY3
とりあえず時間ができたので投下します。

デビルメイクライ3クロス 一応ゲーム本編終了後の時間軸で漫画版の設定(母の部分)もありです。
277Strikers May Cry:2007/11/15(木) 17:38:40 ID:YlHrlmY3
魔法少女リリカルなのは Strikers May Cry 第二話 「邂逅」

星明りと月光に照らされた森を青い魔力光により作られた翼の道ウイングロードが木々の間を縫うように走り、その上を少女スバル・ナカジマはローラーブレードを彷彿とさせるデバイス、マッハ・キャリバーにより風のような速さで駆け抜けていた。
「こちらロングアーチ、状況は?」
「こちらスターズ03、報告どうり凄い数のガジェットです、でも目視できるガジェットは全て破壊されてます。」
「こっちのエリアサーチでも敵影はゼロだけど気を緩めないでね。」
通信を切ると同時にスバルは眼下に広がる光景に再び目を奪われる、そこにはガジェットと呼ばれる無数の戦闘機械の残骸が地面が見えないほどに埋め尽くされていた、破壊されたガジェットを見るのは何も初めてではないがこれほど見事な倒し方は見たことが無かった。
破壊されたガジェットは全て切断されており、鏡面のようなその切り口はこの薄明かりの中で顔を映すほどであり、荒事を苦手とスバルにさえ美しいと思わせるほどであった。
森を進むにつれ破壊されたガジェットが増えていき、スバルはその中心地へとたどり着く。眠るように倒れ伏した一人の男が彼女の目に映る。
「こちらスターズ03、要救助者と思われる人を発見しました、大至急!救護班をお願いします!」
スバルは愛機マッハキャリバーにより最大の加速で近づく。彼は輝く銀髪に青いコート、そして手には鞘に身を隠した長大な日本刀を持って大地に横たわっていた。
「だ…大丈夫ですか!?」
あまりに安らかな顔に、生死を疑い大きく声をかける。恐る恐る頚部の脈を測りその温かさと脈動に胸を撫で下ろす。
「よかった〜生きてるよ。」
「それにしても…」
彼は寝顔こそ安らかだがその全身は汚れ多くの裂傷が覗いている。
「やっぱりこの人がここで戦ってたのかな?でもこの剣ってデバイスじゃなさそうだし…」
近づいてくるヘリの音にスバルの疑問の声はかき消されていった。
278名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 17:43:18 ID:hp4rbqtH
支援
279名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 17:45:57 ID:tCvLsYHz
書きながらは止めたほうがいいぞ
あと1レス60行4096バイトまで書ける
280Strikers May Cry:2007/11/15(木) 17:53:54 ID:YlHrlmY3
 
夢を見ていた。吐き気を覚えるほどに見続けてきた悪夢。全ての終わり全ての始まりの夢。
幼い頃から俺達兄弟に歌ってきた歌を口ずさむ母に俺と弟が静にそして平和に暮らしていた。この頃の自分を何度呪っただろうか?この頃の俺は自分の身体に流れる悪魔の血の危険性も、戦う術も知らないただの子供だった。
全てを失い絶望するなんて一瞬だ、突然現れた無数の悪魔が俺達兄弟を殺そうと迫り、母が逃げろと叫んだ。
この声が俺が聞いた母の最後の声だった。
俺は並び立つ墓石の間を迫り来る悪魔どもから必死で逃げていた、しかし逃げ切ることはできずついには悪魔どもの持った槍や剣にその身を刺し貫かれる。普通の人間ならば瞬く間に死に至る傷だったがそれにより俺の中の悪魔の血は目覚めた。
悪魔どものを切り伏せたとて全ては遅すぎた、母はとうに殺され弟のダンテの姿もなかった。
俺の手には禍々しい悪魔の力と父母の形見のアミュレットだけが残った。
281Strikers May Cry:2007/11/15(木) 18:11:16 ID:YlHrlmY3
目を覚まして最初に感じたのは天井のライトの明るさと鼻につく消毒液の匂いだった。俺の上半身からは衣類が脱がされ何箇所かに包帯が巻かれ傷に処置が施されていた。
目に付く場所に置かれていたので自分の服とブーツを身につけベッドから出た、驚いたことにボロボロだったそれらは見事に修繕されていたそれほどの時を寝てはいない筈なのだがな…。
だがそれよりその時に俺の思考を占めていたのはそれらの荷物の中から最も大事な物が無くなっていた事だった。
「あ!もう目が覚めたんですか?」
自動ドアが開く音と共に白衣を金髪の女が俺のいた部屋へと入ってきた。
「まだ横になっていた方がいいですよ、軽い消耗じゃないんですから…」
女の気遣う言葉も聞き終わらぬうちに、俺はその女の首へと手をかけた。
「がっっ! な 何を…」
首を絞められた女が苦しそうに呻くが、その時の俺は普段では考えられないほどに激情に駆られていた。人間が死なない程度に加減はしていたので構わずに女に問いをかける。
「傷の処置には感謝しよう、しかしアミュレット…俺の持っていた物とはまた別の話だ。」
282名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 18:16:44 ID:aHu7aDqJ
書きながら投下してるのか・・・
283Strikers May Cry:2007/11/15(木) 18:19:49 ID:YlHrlmY3
「な…あれがいったい?」
女が苦しそうに呻く。人間にしては高い魔力を感じたので例え自分が優勢だとしても一切油断はしない。
「いいから答えろ、アミュレット…俺のペンダントに刀は何処だ?」
「くっ ここにはありません、今ブリーフィングルームに…」
「では案内してもらおう。」
女が場所を知っているようなので手を離し。身体が自由になり膝をつき激しく咳き込む女に俺は言った。
284名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 18:28:35 ID:k1gthpx9
無茶しやがって……支援
285Strikers May Cry:2007/11/15(木) 18:35:12 ID:YlHrlmY3
時空管理局機動六課ブリーフィングルームにて部隊長 八神はやてを中心に昨日のガジェットの大量発生とその破壊、そしてレリックに似たロストロギアの反応が感知された事件に対する会議が行われていた。
「それではこれを見てください。」
メガネをかけた女性、六課通信主任 シャリオ・フィニーノが映像を出す。
それは鬱蒼とした森の中に大量のガジェットの残骸が広がる航空写真であった。
「マジかよ。」
「改めて見るとスゴイですね〜。」
「見事だな。」
「いったいどれだけの数が…」
スターズ分隊副隊長・フォワード、ライトニング分隊副隊長・フォワードの各人がそれぞれにつぶやく。
「昨日のガジェット発生事件ですが今のところ確認されている破壊されたガジェットの総数は287体、あの男性以外に死傷者は発見されていません。」
「ちょっ ちょっと待てよこれだけの戦闘で怪我人が一人保護されただけって…」
スターズ副長ヴィータが堪らずに声をあげる。
「そこであの人に話がいくわけや。」
六課部隊長 八神はやてが口を開く
286名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 18:37:43 ID:jX3AhYR9
全部書き終わってからコピーして投下するべきなんだぜ支援
287名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 18:44:53 ID:pdg+FX4l
書きながら投稿すると支援が「書き溜めてコピーしようぜ支援」になってしまうぜ支援(ナガッ!?
288ティアナ・ランスターの憂鬱:2007/11/15(木) 18:54:00 ID:A9401EI7
>>272

前スレ気が付いたら消えてたので僕も助かりました、サンクスです

全部投下するまでもう少し掛かりそうですね
289Strikers May Cry:2007/11/15(木) 18:57:08 ID:YlHrlmY3
はやては目の前に大きな刀とペンダントを置く。
「まずこのペンダント、これからはレリックに似た魔力波動が感知されたんよ多分ガジェットはこれに引き寄せられたんやね、おまけに空間干渉系統のロストロギアに近い特徴がみられとる」
「それって、ジュエルシードみたいな?」
金髪の執務官 フェイト・T・ハラオウンが複雑な顔で尋ねる、彼女の過去を知る者はこの表情に込められた意味を自然と察する。
「それはないわ、安定しとるし暴走する危険性は皆無や、とりあえず簡易的な封印処置もしたし心配わいらへんよ。」
フェイトの表情に安堵が広がる。
「いいからガジェットをぶっ壊したヤツの事を教えてくれよ。」
早く答えを知りたくてヴィータがシビレを切らす。
「それでこの刀が出てくるんよ。」
「刀〜それデバイスじゃないんだろ?ってか何であいつそんな物持ってんだよコスプレか?」
一見すれば冗談に聞こえる言葉にもはやては表情を変えずに静かに答える。
「この刀の表面にガジェットの塗装に使われてる塗料がついとったんよ…」
その言葉と共に場の空気の温度が下がる。
「じゃ…何かあの男はそのボロイ刀で300体近いガジェットを倒したのかよ?」
「切り口の形状とかも考えたらそうなるんかな、こんなこと上には報告でそうもあらへんな。」
「ほんとかよ、それじゃまるで…」
ヴィータの言葉は最後まで言い切らる。
「まるで悪魔か?」
聞き覚えの無い声にさえぎられ、全員の視線がドアに釘付けになる。

続く。
290Strikers May Cry:2007/11/15(木) 19:00:10 ID:YlHrlmY3
あああああ! また変換ミス 白衣を金髪の女〜白衣の金髪の女 とか。

ちょっとバージル兄さんにボコられて頭冷やします、あとなのはさんにクロスファイア喰らってきます。
291名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 19:00:33 ID:aHu7aDqJ
次からは完成したのをコピー・分割して投下することをお勧めします
292Strikers May Cry:2007/11/15(木) 19:02:37 ID:YlHrlmY3
自分、無知っすからコピーとか分からんとです。
初心者なもんですいません、本当に。

後で妹とかに聞こうかな…
293名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 19:07:47 ID:jX3AhYR9
>>292
工エエェェ(´д`)ェェエエ工
ちょwwwマジかよwwどんだけなんだよwwww
294名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 19:08:13 ID:/vjcuUP6
コピーは右クリックで出てきますよ。

あるいはCtrl+A Ctrl+C
295名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 19:12:18 ID:a4S4VNXt
>>292
まずパソコンの使い方から勉強してくるべきだ
いや、本気で

ここだからまだ良かったものの、他板だと確実に叩かれまくってるぞ
296ティアナ・ランスターの憂鬱:2007/11/15(木) 19:14:21 ID:A9401EI7
>>292
一応説明するとメモ帳とかで書かれた文章のはじめの部分で一度クリックしてカーソルを置き
コピーする最後の部分でShiftキー押したままクリックすれば選択された範囲に色がつくので
色がついた部分で右クリック→コピーを選択
コピーしたい場所にカーソルを置いてもう一度右クリックでペーストを選択すればコピー完了です

っと、一段落付いたようですので投下おkでしょうか?
297名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 19:15:03 ID:jX3AhYR9
>>292
え〜と…ちなみにROM歴はいか程で?
298名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 19:16:57 ID:aHu7aDqJ
>>296
本当なら他の職人さんの投下直後は控えた方がいいんだけど、今回はぉKかと
299名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 19:18:42 ID:2TWveMMG
>>292
なんでsage知ってるのにコピペを知らないんだwwww
貴方の作品は楽しみにしてるけど、一回パソコンの基礎的な知識を学んだほうがいいぞwwww
300ティアナ・ランスターの憂鬱:2007/11/15(木) 19:20:10 ID:A9401EI7
>>298
>本当なら他の職人さんの投下直後は控えた方がいいんだけど、今回はぉKかと

忠告ありがとうございます、肝に銘じておきます
とりあえずもう少しだけ様子見しつつ投下準備
301名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 19:20:58 ID:k3jZwNY2
>>292
 OKまずはだ、ウィンドウズのスタートボタンをクリック。プログラムのフォルダをクリック。
 さらに其処からアクセサリフォルダをクリックだ。
 そしてその中にメモ帳って言うのがあるな? それをクリックしてメモ帳を開く。

 次に自分の書きたい文章をメモ帳に書き溜める。
 そして今度はその書き溜めた文章をスレに投下する。

 やり方はこうだ。
 この板は60行、もしくは4096バイトまで一レスに投下可能なのでその範囲に於いて
マウス左ボタンでドラッグしながら選択する。
 そしてその選択範囲が出たまま今度はマウス右ボタンをクリックする。
 そうするとタブが出るのでその中からコピー(C)と言うのを左クリック。
 ここまでやれば投下準備完了だ。

 ここからが投下作業だ。
 先ず記事書き込み欄にポインタを置いてからマウス右ボタンをクリック。
 そうすると貼り付け(P)というコマンドが出てくるのでそれを左クリック。
 そしたらそのコピーした文章が記事欄に貼り付けられるわけだ。

 ここまですれば後は書き込みのボタンをクリックだ。

 これが一連の投下作業である!


 まぁ、ここまで書くのは俺が貴方に期待しているからなのだよ。
302ティアナ・ランスターの憂鬱:2007/11/15(木) 19:24:02 ID:A9401EI7
大丈夫そうかな?という訳で投下しま〜す

〜ティアナ・ランスターの憂鬱〜

「おいおいおいおいマジで変身しやがったよ
 なんだよ?魔法の国からこんにちわってか?
 まぁこの際朝倉をどうにかしてくれるんなら万事オッケーではあるが
 俺にはこれが新たなる厄介事の種のように思えて仕方ないんだがなぁオイ
 今度は結局どういう展開だ?やはり異世界人か?変身ヒーローか?あるいは魔法少女か?
 まぁいずれにしても俺が面倒ごとに巻き込まれる率が大幅アップしそうなのは確実そうだ
 俺の役どころは偶然秘密を知ってしまってなし崩し的に協力を始めちゃう民間人とかそんな感じか?
 冗談じゃないぞ、俺は俺の平穏権の獲得を要求する!」
「聞いたところによりますと時空管理局とは多次元に渡る世界の監視が目的のようです
 彼らの組織において魔道師がかなりの数を占めているとのことですし
 まぁ異世界間における国際警察兼国際連合軍とでも言った感じでしょうか」
キョン君がなにやら騒いでいた、男の癖になさけないと言いたい所だけどまぁ事件に巻き込まれた一般人としては普通の反応ね。
いずれにしても情報統合思念体の連中ってのは力が未知数だわ、フェイトさんがそうそう負けるとは思えないけど非戦闘員が近くにいてはやりづらいハズ
「あなた達は後ろに下がってて!」
言いながら私もバリアジャケットをまとう
「いえ、むしろ離れては危険。かえって守りにくくなる」
言われてから唐突に気付いた、よく見ると周りには何体もの兵器らしき物が立っていた
「なかなかユニークでしょう?この空間の持ち主の攻撃のイメージを具現化したものなの
 だってこっちが一人だけなんて不公平だと思わない?」
<cross fire>
ごぅごぅん!と音を立てて魔力弾が四体の敵兵器を撃墜する
「悪いけどこっちも修羅場抜けてきた身なのよ、フェイトさん、こっちは私一人で充分ですからそいつを頼みます!」
「うん、任せたよ」
フェイトさんが地を蹴り一瞬で朝倉へと肉薄する、だがその左右、鋭利な矢が空中に出現してフェイトさんを襲う!
「きゃあああぁぁぁっ!!」
叫んだのは朝比奈さんだった。でもあれぐらいの攻撃フェイトさんならかわせるはずだ
フェイトさんはすたっと朝倉の後方に着地、そしてすぐに再び朝倉へと飛び掛る
だが朝倉はフェイトさんを無視して私達のいる方へ、他のSOS団員のいる方へと飛んできたのである
「非戦闘員を盾に取るつもりなの?!卑劣な!」
私は魔力弾で彼女を撃ち落そうとする、が同時に他の自動機械達が私達に向けて一斉射撃してくる
(自動機械の攻撃だけなら迎撃できるけど、朝倉を確実に止める事が出来る?)
迷っている場合ではない。私は自動機械の攻撃を相殺しつつ朝倉の攻撃を止める為前に出る
(間に合って!)
防壁を張って彼女の攻撃を防ごうとする、だが彼女の手刀はやすやすと私の防壁を貫いて私の目前へと迫っていた
頭の中に亡き兄の事が蘇る、おっちょこちょいでいつも元気な相棒との思い出が横切る
横から伸びた細い腕が朝倉の腕を掴んで止める、ほぼ同時に朝倉に追いついたフェイトさんの一撃が朝倉の体をふっとばす
朝倉の手刀を止めてくれたのは長門さんだった
「ありがとう長門さん、それにフェイトさんも」
「ティアナが無事でよかった」
フェイトさんはねぎらいの言葉をかけてくれる、だが長門さんは無言で受け止めた手を見つめていた
「やはり以前の朝倉とは違う。同じソースで構成されていながら異なったプログラムによって組み立てられている。
 今の彼女は非常に不可解な存在」
「あら?不可解だというのならあなた達だって充分不可解じゃない?この世界は今まさに変革をきたそうとしてるの
 異質な力が触れ合う事で世界は少しずつ変化をきたしていってるの。いずれ世界は窮屈なルールから解放され
 新たなるステップを進んでいくのよ。情報統合思念体だってそれを望んでるはずじゃない?」
「人為的な次元革変?!それは重大な次元犯罪だ!」
「この行き詰まった世界に進化を望む事が犯罪かしら?別の世界の人間が口出しする問題じゃないわ」
妙に迫力のある笑顔でにこりと朝倉が微笑んだ
303ティアナ・ランスターの憂鬱:2007/11/15(木) 19:25:32 ID:A9401EI7
ふいに世界がぐにゃりとゆがみ始めた、不安定になってきてる?!
「あらあら、この空間を維持するのもそろそろ限界かしらね。ベースにしてる彼が元に戻った時点でかなり不安定だったのよね」
空間はそのままぐにゃりと歪みながら、はじめにこの空間に入った時の逆戻しでもするようにもとの部屋へと戻った
だけど、空間が元に戻った時になぜか朝倉の姿だけが見えなかった
「逃げた?!どうやって・・・」
「位相空間が元に戻る力と空間の不安定さを利用してワームホールを繋げて移動したものと思われる。時間にすればほんの0.00000001秒の事」
「まさかまた朝倉に狙われる事になるのか?!」
「彼女が接触を図ってくる可能性はあるが命まで狙う事はないと思われる。
 彼女があなたを狙った元々の目的は状況に変化をもたらす為、でも今はあの時と状況が違う。
 あなたを失う事で涼宮ハルヒがこの世界を否定するような事態になれば彼女としても本末転倒の事態になる
 あの事件で急進派もその事に気付いたはず。」
「ちょっと待って、その辺の詳しい事情聞かせてもらえるかしら?なぜ事あるごとに涼宮さんの名前が出てくるのか」
「ひとまず場所を変えませんか?」
古泉君の指摘はもっともだった。私達は部長さんの容態が問題ないことを確認した後長門さんの部屋に行く事になった
そこで私達が聞いた話は、正直正気を疑いたくなるような話ばかりだった
「少なくとも、個人で時空改変を起こす程の人間なんて聞いた事がないわ。」
「でも、それが本当だとすれば涼宮さんは、例え本人にその意思がなくとも次元犯罪者と同等の扱いになる
 原因ははっきりしなくても彼女の能力を封印する為の何らかの処置をする必要はある」
「推奨できない。涼宮ハルヒの能力は本人の意思力と深い関係がある。
 あえてその能力を封じようとすれば彼女の精神ないし人格に多大な影響を及ぼす危険性がある
 それ以前に彼女の能力はまったくの未知数、その能力を封じれるという保証自体がない」
「それは、ちゃんと検査して原因を解明し、なるべく安全な方法を考慮して・・・」
「僕としても反対ですね。そうする事によって逆にこの世界そのものが不安定になる可能性があるのです。
 あなた方の都合で勝手な事をされて取り返しのつかない事になった場合、あなた方は責任を取れますか?
 それに涼宮さん自身が自分の能力に気付いた場合、この場合もやはりどういう事態になるのかまったく予想できません
 安全の為の策が逆に最悪の事態をまねかないとも限らないのですよ。申し訳ありませんがお引取り願いたいですね」
「できればこの時代にはまだ時空管理局に介入してもらいたくないです。歴史上時空管理局がこの世界に干渉してくるのは
 もっとずっと後のことなんです。だからそれまではきっと特に問題はないはずなんです」
「でも、なにかが起きてからじゃ遅いのよ!あなた達その辺の事分かってるの?!」
思わず激昂してしまう。不確定要素が多すぎるというのはよく分かるけど、だからといって放っておいて今日のような事件がまた起きるようならこれは無視できるような問題じゃない
「ハルヒのとんでも能力がどうにかなるんならどうにかして欲しいとも思うのは事実だがな、
 長門でさえも封じれる保証がないと言うぐらいだからな。下手な事してこじらせるよりは現状維持の方がいいんじゃないか?
 それにあいつは事情も知らずに大人しく検査を受けるようなたまじゃない。
 かといって事情知ったら知ったでやっぱり拒絶しそうな気はするしな。」
「とりあえずしばらくは様子を見させてもらうよ、本当に彼女に時空を改変する程の力があるのか見極める為にも
 でも彼女にそれだけの力があると判明したら・・・こちらも甘い事は言ってられなくなる」
フェイトさんがそう言って立ち上がる、私も立ち上がろうとした時長門さんがさらに続けた
「一つ、まだ言ってなかった事がある」
「まだなにか?」
「この時空に異常が起きはじめたのは、実は三年前がはじめではない」
「待て、それは初耳だぞ」
「僕もそれははじめて聞きますね」
「長門さん、どういうことですか?」
彼女の言葉に意外性を感じたのは、むしろSOS団のメンバーの方だったらしい
304ティアナ・ランスターの憂鬱:2007/11/15(木) 19:28:18 ID:A9401EI7
「今から十年前にも、この時空には突然変異と呼べるレベルの個体が誕生している
 そして時期を同じくして二つの大きな事件が起き、その両方の事件に彼女は関わっている」
「それはっ・・・!」
おもわずフェイトさんが動揺の声を上げる。突然変異で誕生したという彼女、それはおそらく私達のよく知るあの人だった
「魔力要素の薄いこの世界において、あまりにも確率の低い偶然が立て続けに発生した。
 情報統合思念体はこれを時空が自己進化の為に引き起こした局地的偶発事故であると位置付けている
 だが彼女達がその行動範囲を別世界へ移し始めることによりこの世界での次元革変レベルでの事故は発生しなくなった
 涼宮ハルヒという特異な才能がこの次元に生まれたのは必然であると情報統合思念体は考える
 それはすなわち、この時空が許す限りでの才能と、その才能を充分に引き出せるだけの事故を起こす事によって
 時空は事故進化を遂げようとした。だが結局彼女達はその才能ゆえに別の世界に必要とされた。
 だから時空はこの世界の有り様自体を変革させれるだけの特異な能力を一人の人間に与えた
 それが涼宮ハルヒ」
「そ、そんなっ?!」
フェイトさんが顔を真っ青にしながら声を上げる。
「なるほど、涼宮さんが望んだから今の状況があるのではなく、世界が望んだから涼宮さんがいるという考え方ですか
 ですが涼宮さんの存在が世界の意思ならそれは結局の所涼宮さんの意思イコール世界の意思とも言える訳ですね」
「だから無理矢理ハルヒを神に祭り上げるな。それは神職の人間の言葉は神の言葉だっつーのと同じレベルだろうが、ナンセンスだ。
 だいたい長門の言葉も俺には思考経路を飛躍させ過ぎだとしか思えないな」
「世界が自分の意志で大事件を起こすだなんて、私は絶対認めない
 人は幸せになりたくてみんな精一杯努力してる、世界の都合で悲しい事故が起こるのなら、人は何の為に戦うというんだ
 私は認めない。人の意思が世界の都合なんかに翻弄されるだけなんて、そんなの絶対認めない」
フェイトさんが怒りに震える声でそう呟いた。そうだ、世界が革変の為に事故を起こすだなんて事になったら、私達が何の為に努力しているのか分からなくなる
「あ、あの、おちついてください。確かに運命論はずっと昔からあったと思うんですけど、私も努力は報われると思います
 努力するのが無駄なんじゃなくて、努力するから未来が作られていってるんじゃないかって、そう思うんです」
朝比奈さんが懸命にフェイトさんに訴えかける、頼りない部分は多々あるけど、彼女は彼女なりに真摯に世界の為を思って行動しているのだという事がしれた
「あなた、いい子だね。うん、そうだね。努力するから未来が作られていってる、私もその意見に賛成だ」
「うんうん、さすが朝比奈さんだ、いい事を言う。要するにだ、俺達は俺達なりに努力して平和な未来を築こうとしてるんだよ
 ただまぁ最善策は人によって違うもんだろう?俺達の方があんた達よりハルヒとの付き合いは長い
 だから俺達とハルヒの事ももう少し長い目で見てくれてもいいんじゃないか?」
「君の言う事にも一理あるかな?どちらにせよ・・・しばらく様子は見させて貰うよ。」
なんとなく丸め込まれたような形ではあるけれど・・・管理外世界では強権を行使しにくいのは事実だ
フェイトさんの言う通りここは様子見で留めておくのが良策・・・かなぁ

305ティアナ・ランスターの憂鬱:2007/11/15(木) 19:29:21 ID:A9401EI7
次の日
「おっはよー、キョン。ねえねえ、昨日TV見てたら魔法少女リリカルなのかのリメイク版やってたのよ
 なんだかなつかしくてさー、ついつい見ちゃった」
「リリカルなのかってーとあれか?なんか俺達が幼稚園の頃にやってた・・・十年も前のアニメじゃないか」
「そうなのよねー、あの頃私リリカルなのかに会いたくて必死に探した記憶あるのよねー
 魔法少女もさ、やっぱり普通の人にばれないように人知れず事件を解決してるはずなのよね
 ねぇねぇ、もしかしたら案外私達の近くに魔法少女がいるかもしれないじゃない!
 ううん、少女とは限らないわね、最近は魔法少年とかも流行ってるみたいだし
 でもさ、小動物を連れてる小さい子って結構魔法少女である確率が高いような気がしない」
「俺が小学生の時にもクラスに小動物飼ってる女子はいたが町の中で変な事件が起きた事はない!
 頼むからそのネジの外れた頭に正しいネジをはめ込んどいてくれ、聞いてる方が頭が痛くなってくる」
(十年前?魔法少女?)
なんとなく聞き流せない単語が耳に入ってくる。冷静に観察すればするほど昨日の話が嘘臭く感じてしまう
それでいて妙に核心を突いてるような、事件の中心にいるような、妙な感覚だった
まったくもって妙な事に関わってしまったものだ、心底そう思った

306名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/15(木) 19:31:03 ID:GAM9DB4L
凄いやハルヒさん!支援
307ティアナ・ランスターの憂鬱:2007/11/15(木) 19:35:16 ID:A9401EI7
投下終了です、と同時になんとか一段落つけることが出来ました
実は引越しの関係でしばらく来れなくなりそうなので早めに一段落させておきたかったので
いつ頃になったらネット環境整うかもはっきりしないのでよろしければ
「僕が一番ティアナを上手く書けるんだ!」
という方おりましたら引き継いでくれると大変ありがたいと思います
もちろん腕に自信なくても全然問題ありません
それでは失礼致します
308名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/15(木) 19:39:32 ID:GAM9DB4L
GJ!
時空が自己進化するなんて・・どこのゲッター線ですか?
309名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 19:44:27 ID:3Ce9tVgl
GJ

だが、少しは改行をつけてくれないか。
見にくいぞ。
310名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 19:48:51 ID:pdg+FX4l
人に譲るなんて勿体無い。君がこの約束の地に帰ってくる為に取っておきたまえ、友よ(何を勝手な
そして何よりもGJだ。アァ、グッジョブだとも。
311名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 19:50:45 ID:Ti0hCch+
GJ!!人は皆、運命の奴隷か・・・。
312名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 20:06:42 ID:65KDU+M5
GJ!
世界とはかくなまでに残酷だからこそ美しい。
あとWA2の浸食異世界カイバーベルトを思い出した。
313リリカル遊戯王GX:2007/11/15(木) 20:17:35 ID:sXkEFQc6
全てはハルヒの思うがまま、って訳でもない微妙なとこなんだよなー
制御できたらそれこそ神になるか
ってことでGJ!
314名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 20:34:05 ID:AqdusVV3
世界の秩序(ワールドオーダー)たる普兄が聞いたらどう思うかねえ。
315名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 20:53:09 ID:54vENCjc
>>ティアナ・ランスターの憂鬱氏

今回もGJです! ハルヒやなのはさんが力を得たのが世界の意志だったとは、実に驚きの展開でした。あるいははやても、世界の意志によって力を得たのでしょうか?

私も他の人に譲ってしまわれるのは惜しいと思いますよ。引越しが済んでネット環境が整ってから、執筆再開されるのを心待ちにしております。
316Strikers May Cry:2007/11/15(木) 20:54:46 ID:YlHrlmY3
ちょっとバージル兄さんに殴られてきました、マストダイで。
親切な解説ありがとうございます今まで思いつきで書いていたもので、さっそく練習しようと思います、マジ感謝です。
何か家族、友人に聞いても「よく知らん」とか言われて死にそうでしたんで。
それとハルヒさん凄いっすねGJです。

317ティアナ・ランスターの憂鬱:2007/11/15(木) 20:59:12 ID:A9401EI7
>>310

期待されてしまいましたか。・・・友よ!w
そうですね、なるべく早く復帰できるよう努力はしてみます

一応復帰後誰かが引き継いでくれてた時のことを考えて別のクロスも考えてはいたんですが
こんな感じで

〜草案予告編〜

雪の降る町で、彼らは出会った

「お兄さん、雪積もってますよ?」
「二時間もつれに待たされているからな」

「祐一が・・・ロリコンだったなんて」
「人を二時間待たせておいて第一声がそれか」

「この町に、奇跡を起こす程の魔力を持った人間がいるはずなんだ。
 なんとしても探さなくちゃ、母さんの為に」
「フェイト、なんであんな女の為にそこまでするのさ」
「だって、あの人が私の母さんだから」

「お嬢さん、いい?奇跡ってね、起こらないから奇跡って言うの」

「舞さん!なんでこんな無茶な事を!」
「あなた達の事、嫌いじゃないから」

「奇跡はきっと起こるわ、やり直すの・・・こんなはずじゃなかった世界の全てを!」
「世界はいつだって、こんなはずじゃなかった事ばっかりだ!
 都合のいい奇跡なんて起きやしない。ずっと昔からね」

「ボクの事、忘れてください」
「あゆちゃんっ!」

「あの白い子や羽の子がおしえてくれたんだ。
 私の、私達のすべてはまだはじまってもいない
 だからホントの自分をはじめる為に、今までの自分を終わらせよう」


・・・ちょっとプロモ風に考えてたらホントに書きたくなってきたな
あくまで頭の中に企画として考えてるだけですが
318名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 21:27:08 ID:h2Tv3Igd
317
〜草案予告編〜 を読んで、ぜひ本編も読んでみたいと思いました。
もし書くのなら、楽しみにしています。
319名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 21:31:56 ID:2Lhx0+Ma
Kannon・・・・
忌まわしきSSの代名詞U-1系だったら終わりじゃ
320名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 21:36:36 ID:bRjnRBQ4
KANON・・・
いや、まじでU-1系は勘弁してください・・・
ニコポとかやめてください・・・
と切実に願う。
321名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 21:56:28 ID:F7EcLqm4
ニコポは現実的にありえないから
322ネオシャドームーン:2007/11/15(木) 22:11:49 ID:3Wb487gK
またまたまた、勝手に替え歌載せます。 

ウルトラマンフェイト (元ネタ:ウルトラマンレオ)

空で輝く バルディッシュ (バルディッシュ)

ミッドチルダの最後が来るという (来るという)

誰かがやらねばならぬとき 誰かが間違いを起こすとき

今この平和をなくしちゃいけない 皆の幸せをなくしちゃいけない

魔導師の証が輝いて ウルトラマンフェイト (フェイト)

フェイト フェイト フェイト フェイト フェイト

燃えろフェイト 燃えろよ!

突然雷鳴が轟いて (轟いて)

突然電撃が輝いて (輝いて)

古代の予言が当たるとき それが終わりを告げる時

誰もが勇気を忘れちゃいけない 優しい心を忘れちゃいけない

魔導師の証が輝いて ウルトラマンフェイト (フェイト)

フェイト フェイト フェイト フェイト フェイト

燃えろフェイト 燃えろよ!


323ティアナ・ランスターの憂鬱:2007/11/15(木) 22:19:27 ID:A9401EI7
>>322

元歌よく知らないですけどウルトラマンっぽい感じ出てますね
いかにも正義のヒーローって感じしていいですね

>>319
>>320
>>321
U-1とかニコポってどういう意味でしょうか?
Kaaonはもうやり尽くされてお腹一杯というのなら自重しますけど
324魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS:2007/11/15(木) 22:19:51 ID:4TMdtcFH
現在次の話を書いております。
海鳴市に舞台が変わって、なのは・アリサ・すずかの三人が久しぶりに集まって
休日を楽しむ…って予定です。
ちなみに、車形態のバンブル(バンブルビー)も出る予定です。
325名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 22:21:38 ID:65KDU+M5
>>323
こんなピュアな人がいまだにいたなんて…
326名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 22:23:54 ID:h2Tv3Igd
323
私は書いてほしいですけどね。
327名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 22:24:31 ID:o/zQ8Kqx
元ネタもだいぶ昔だしな。知らない人も出てくるだろう
328名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 22:25:37 ID:2Lhx0+Ma
>>323
クロスオーバーの悪い見本として後世に語り継がれるだろうSSのことだ
Kannonの主人公祐一君が原型を留めてないほど超人化されている・・・
まあ、草案を見る限りそうなる可能性は少なさそうだが
329名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 22:31:52 ID:bRjnRBQ4
>>323
正直、語りたくも無いが……君のその真摯な態度に心打たれた!!

ニコポとは、主人公が笑ったり微笑んだりしたら前フリも何も無く、主人公にほれてしまうことを言う。
U-1系は>>328が語った通りだな。
330リリカル遊戯王GX:2007/11/15(木) 22:39:27 ID:sXkEFQc6
まー、kanonのSSだからってだけでU-1系の可能性、ってのは早計すぎではあるが
・・・まあ読んだことある人間なら気持ちはわかる、すっげぇわかる
331名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 22:40:00 ID:EkcyEYh9
ニコッ → ポッ


こうですk…こうですよね。
332名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 22:40:20 ID:54vENCjc
>>323

・U-1

Kanonの主人公相沢祐一は、ギャルゲー主人公の中ではそれほど個性の強くないキャラですが、
それを良いことに他作品とのクロスで、同姓同名の別人と化した祐一が、クロス先の世界で最強主人公化、クロス先のヒロインを篭絡しまくるなどの最低SSが乱立した時代があったのです。
それらの最低SSは真っ当なKanon二次創作作家からも、最早祐一ではない「U-1」という蔑称で呼ばれ嫌悪されたのです。
……まあ、似たような最低SSは、なのはさんや兄の恭也(とらハ3の方)でも乱立した時代がありましたがw

・ニコポ

主人公が笑顔を向けただけで、ヒロインがあっさり惚れてしまうような、最低SSによくある展開。U-1やKYOUYAは特に酷かった。
333なのは×終わクロ:2007/11/15(木) 22:42:43 ID:TMlxmBCF
声をー! 大にしてー!! 俺は言いたいー!!!
自惚れかもしれんがー!!! 俺は今ー!!! クロスオーバー作品の常識を一部叩き割ったー!!!
やってやったぜ、俺はやってやったぜ!! 『パワーバランス的に話が成立しない』とされた、あの作品となのはのクロスを俺は作ってやったぜ!!!

……申し訳ありません、ちょっとアドレナリンが暴走しました。
でもマジで「不可能だろうなー」とされていた作品とのクロスで、しかし連載可能なストーリーを編み出したですよ。
最近『なのは×終わクロ』とは名ばかりに一発ネタばかりで申し訳ないですが、再び一発ネタ投下して良いですか?
334名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 22:42:46 ID:T24s1+N6
何時だってそうさ
何処だってそうさ
335リリカル遊戯王GX:2007/11/15(木) 22:44:45 ID:sXkEFQc6
俺ので例を上げてみる

スバルが三沢を助けるためにウィングr(ry
三沢「な、なんて可憐なんだ・・・!」

初対面時
なのは「私は時空管理局所属の魔道士、高町なのはです、よろしくね」
十代「ほ、惚れた・・・」

冗談のようだが本当の話
336名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 22:45:03 ID:aHu7aDqJ
おK!どんとこい!!
337リリカル遊戯王GX:2007/11/15(木) 22:45:48 ID:sXkEFQc6
>>333
フライング支援
338なのは×終わクロ:2007/11/15(木) 22:48:26 ID:TMlxmBCF
おしゃー! なんか支援もらえたので投下じゃー!!
ちょいと終わり方が鬱っぽいですが、まあ驚愕の余りに震え上がるが良いさ!(←調子乗んな)
つー訳でレッツゴー。多分4レスぐらい。
339名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 22:53:19 ID:TMlxmBCF
 大海と称すに相応しい光景がそこにあった。
 青天と青海が水平線を希薄にし、風景を蒼一色にする。他に色があるとすれば浮かぶ雲の白さだけだろう。
 平穏、その一文字のみがそこにあった。
 しかし、
『ガァ―――――――――――ッ!!』
 怒濤の音響によってそれが破られた。同時に生じるのは海を内側から破る音、水は舞い上がって柱となり、飛沫は雨となって海に落ちる。
 そして現出するのは巨大極まりない海蛇と人型ロボットだ。
『オオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォ!!!』
 海蛇は牙の乱立する顎を持ってロボットの肩に食らいついている。……否、海蛇では正しく形容出来ない。その生物の頭部は角と赤い瞳を持ち、全身を鱗で覆い四本の足さえある。最早それは海蛇ではなく、海竜と呼ぶに足る姿だ。
 対するロボットは銀の機体を赤、青、黄に彩られた派手な塗装がされている。青の両眼と五指を持つ両手は海竜の頭部を捕らえて離さず、その暴力を正面から受け止める。
 だが押さえ切れない。長大な海竜はロボットを捉え、海上を押し進んでいく。明らかなロボットの劣勢だ。
 そこでロボットは通信機能を起動させた。だがそれは救助を願うものではない。自分が遂行しなければならない作戦の継続を伝える為だ。
 故にロボットは遠方の仲間へ意思を伝えた。己の名前と共に。
『当方ジェットジャガー! ――マンダ現出、作戦段階・移行申請!!』



 新暦77年、第97管理外世界、惑星名・地球に一つの災害が発生した。
 それはバイオハザード、つまりとある生物によって起こされたものであった。
 生物の名は―――ゴジラ。
 史上初、『生体ロストロギア』という分類を受けた名実共に最大最強の生命体である。
340名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 22:56:27 ID:C//KxfnZ
ちょwwwwこれとクロス!?wwww
支援する
341なのは×終わクロ:2007/11/15(木) 22:56:45 ID:TMlxmBCF



 マンダと称された海竜によってジェットジャガーは海上を高速で押される。
 だがそこへ二つの影が迫った。片や白、片や黒のそれらは白雲を貫いて両者を行き過ぎる。影達が着地するのはマンダの鱗の上、……そう、影の正体は人間、それも二十歳程度の女性二人だった。
「行くよ、フェイトちゃん!」
「――うん!」
 少女達、なのはとフェイトは得物を出現させる。白の少女は杖、黒の少女は長柄の斧だ。
「レイジングハート・エクセリオン! ――エクセリオンモード!!」
「バルディッシュ・アサルト! ―――ザンバーフォーム!!」
《――了解!!》
 命ずるは少女、応じるは得物、生じるのは得物の変形だ。
 杖はその先端が細分化されて再構成、槍に似たフォルムとなる。対して斧はその柄を縮ませ、刃が分裂して左右に展開、大きな柄となる。
 だが生じた結果はそのだけではない。ば、という雷電の弾ける様な音と共に光を放出、やがて形を作った。槍は桜色の四翼、柄は金色の巨大な刀身だ。
「……はっ!」
 黒の少女は大剣と化した得物を逆手に持ち替え、マンダの体に突き立てる。そうして鱗と微量な血が散る向こう、白の少女は翼を伸ばした槍を穂先をやや下げて構える。
 そして、
「「あああああああああああああああああッ!!」」
 飛んだ。しかし海竜の身から離れるという意味ではない。それは海竜の身をなぞる様な低空飛行、それも攻撃力たる翼と刀身を切迫させたままで、だ。
 為した結果は、鱗とは逆剥ぎにマンダの長胴を引き裂くという攻撃。
『ギャァアアアアアアアアアアッ!!!』
 胴の中程から始まった切開は首に至った所で終えた。少女達が離れ、一拍遅れて血と鱗の飛沫が飛ぶ。
 咆哮によってジェットジャガーはマンダの牙から解き放たれ、少女達と共に海竜を離れる。
(――次! 撹乱、波状攻撃!!)
 なのはが念話を持って指示を叫ぶ。見る先は自分達が飛び立った場所、定位飛行を続けるストームレイダーだ。開かれた扉は内部を、そこに立つ四人の少女と一人の少年を烈風に晒している。



 ゴジラの戦闘力、そして凶暴性は全くの予想外であった。
 誰が予想出来ただろう、管理局が全力をかけても勝てない相手を。
 誰が予想出来ただろう、数十のアルカンシェル一斉砲撃に耐えきる肉体を。
 誰が予想出来ただろう、管理局の最大戦力、ヴォルテールと白天王を虐殺する攻撃力を。
 結果は時空管理局の惨敗、実に地球の約1割がゴジラによって焦土と化した。
342名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 22:57:13 ID:54vENCjc
メカゴジラ支援。
343なのは×終わクロ:2007/11/15(木) 22:59:57 ID:TMlxmBCF
 定位飛行を続けるストームレイダー、開かれた扉の縁にティアナはいた。その両手には双銃となったクロスミラージュが握られ、背後にはキャロが立っている。
 白の少女、高町なのはの通信を受けてティアナは、了解、と短く返答する。
「――キャロ、お願い!!」
「はいっ! ケリュケイオン、威力加圧を!!」
『了承しました。……Energy Boost!』
 キャロの両手を覆うケリュケイオンが発光、それは威力強化の魔法となってクロスミラージュに届く。
『威力加圧を確認。……マスター、射撃準備を完了しました』
「オッケー! 双砲狙撃、行くわよ!!」
 少女と双銃は応え合い、魔法陣を展開する。番の銃口に魔力が蓄積され、ターゲットリングが表示され、
「――ファントムブレイザー!!」
『Twinbarrel Shift』
 一対の魔力砲撃が放たれた。JS事件より一年、鍛錬を友とする銃使いは当時よりも早く、多く、正確に、そして強い威力を持って射撃をこなす。
 狙う先は、マンダの両眼だ。
「―――――ッ!!?」
 裂傷の海竜は音もなく悲鳴をあげる。強靭な怪獣の肉体は眼球ですら屈強だが、しかし激痛とそれによる短時間の失明は免れない。その隙をつくべくティアナの後ろから三つの影が飛び出す。
 青髪の姉妹と赤髪の少年、スバルとギンガにエリオだ。
 少女達はウイングロード、少年はデューゼンフォルムとなった愛槍ストラーダによって空を駆ける。やがて姉妹は白黒のリボルバーナックルを構え、ストラーダの穂先と共に、
「どっっっせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇいッ!!!」
 苦悶するマンダの額に打ちつけた。
「オ…………ッ」
 長細い舌を嘔吐せんばかりに伸ばしてマンダは唸る。姉妹の打撃も、少年の突撃も、海竜の鱗と頭蓋を抜く事はない。しかし衝撃は伝わり、頭部の内容物を揺すって脳震盪を起こさせたのだ。
 目を塞がれ、脳震盪を起こしたマンダは青海をただ突き進む。最早水平線に大地が、そして自分を襲う最後の敵が待つ事も知らずに。
『ルーちゃん、最後だよ!』
『…うん。やるよ、クモンガ』
『――ケキュ』
 キャロは最後の仲間に念話、その答えはガス漏れも似た奇怪な鳴き声と共に返された。



 地球は滅ぼされる、そう思われた戦況に転機がもたらされた。
 無限書庫史書長、ユーノ・スクライアが新型結界を発明したのだ。
 次元世界型結界魔法、『妖星ゴラス』は成功、ゴジラを封印した。ゴジラの同種族ミニラと、疑似人間ヴォルケンリッターを媒介として。
 しかしミニラやヴォルケンリッターの肉体的耐久力や出力の問題から、その維持は1年が限界であった。
 故に時空管理局は、来るゴジラ再臨に備えて一つの計画を打ち立てた。
 その名を――『オペレーションFINAL WAS』。
344名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 23:01:04 ID:TMlxmBCF



 マンダが迫る大地、その岸辺には巨大な影があった。
 要約すれば、一匹の蜘蛛である。ただし人間を遥かに超える巨体を持ち、その頭上に一人の少女を乗せる。そういう蜘蛛である。
 蜘蛛はクモンガ、その上に乗る少女はルーテシア・アルピーノといった。
 両者の関係は、――魔導師と使い魔。
「クモンガ、糸を」
「キュギュッ!」
 主の指示にクモンガは応じ、迫るマンダに対してその命令を果たした。
 柔軟にして強靭、粘着性をも持つクモンガ特有の糸を放射したのだ。
「―――――!!?」
 おそらくマンダは混乱の極地であっただろう。視覚を殺され、脳髄を揺すられ、その果ては強靭な糸を吹きかけられたのだから。黄味を帯びた糸は海竜の長胴を何重にも縛り上げ、前半身に至っては繭と言える程だ。
 そうして身動きさえも封じられたマンダは慣性のまま大地に突っ込み、岸に衝突し、轟音をあげて肉体を叩き付けた。打ち上げられた海竜は身をうねらすが、束縛と脳震盪の前に意味をなさない。
 巨大な蜘蛛が、少女達を乗せたヘリが、翼の道に乗った姉妹と少年が、鋼鉄の巨人が、そして白黒の女性達が、マンダを取り囲む。それさえも解らない海竜を見下ろしてなのはは一声。
「作戦完了。――マンダの捕獲に、成功」



 『オペレーションFINAL WAS』、それは時空管理局が仕掛ける最初で最後の“戦争”。
 簡単に言えば、1年後に迫るゴジラ再臨に備えての軍備増強計画である。
 各次元世界に生息する強大な怪獣達を――捕縛、屠殺、使い魔の素体とする。
 そうして完成するのは怪獣素体の強大な使い魔。
 それらに加え、超法規的措置によって仮釈放されたジェイル・スカリエッティ開発の決戦兵器を持って、復活したゴジラを今度こそ抹殺する計画が、『オペレーションFINAL WAS』である。
345なのは×終わクロ:2007/11/15(木) 23:02:22 ID:TMlxmBCF



 簡素とも言うべき部屋がそこにある。内部には何もなく、いるのは捕縛されたマンダだけだ。
『ギャァァオオオオオオオオオオ!!!』
 陸に上げられた海竜は必死にその身を壁にぶつける。だが生じるのは轟音と衝撃ばかり、対怪獣用に設計された牢獄とも言うべきその部屋はびくともしない。
 ――それはある種の予感だったのだろう。直後その身に起こる事についての。
 部屋の下方から黄色いガスが溢れ出し、やがてそれは上方へと立ち上っていく。
『オオッ! オオオオオッ!! ――ゴオォォォォォォォォォォオンッ!!!』
 マンダは身を伸ばし、天井に対して頭突きを繰り返す。ここから出せ、と言うかの様に。
 否、強靭な筈の額から血を流す程に頭突きを繰り返すその様子は、もはや懇願だった。
 ――お願いだからここから出して下さい、殺さないで下さい。
 流血は目元を横断し、涙の如く頬を伝う。しかしその願いは果たされない。海竜を密室に閉じ込めた時空管理局、その狙いは彼の遺骸なのだから。
 遂に黄色いガスが天井まで届き、鳴き叫ぶマンダがそれを吸い込んだ。瞬間、
『――――ゴバァァァァッ!!?』
 目から、鼻から、口から、あらゆる穴から血が噴き出した。そして、全身の筋肉が蠢く。
『ギャァァァアアァァアッ!!? ギャン!! ギャァアアアアアアーーーッ!!!』
 のたうち回る海竜、喘ぐその呼吸は更にガスを吸い込む結果に繋がる。
 黄色いガス、それは肉体強化の作用をもたらす特殊なガスである。ただし、強化の余り対象はそれに耐え切れず必ず死亡するが。
 だがこの場合、それは問題ではない。繰り返して言うが、時空管理局の狙いは強靭な遺骸だからだ。
 時空管理局は、支配出来ない意思を持つ弱い肉体を望んでいない。文字通り、死ぬ程強い肉体があれば良いのだ。彼等にはその肉体に従順な意思を移植して操る術があるのだから。
『ギョォオオオオオオオオッ!!! ガ……ベヘェェェェェェェェェッ!!!』
 牢獄の部屋たる部屋に満ちるのは黄色のガスとマンダの悲鳴。そこには頑強なそれであるが、しかしある一点において苦情が耐えない。
 ――防音性に欠いているぞ、という苦情が。
 時空管理局本局、そこにマンダの悲鳴が響きわたる。それを聞く局員達の反応はまちまちだ。
 煩いぞ、可哀想、仕方ない、黙って死ね、俺が知るか、様々な意思がある。
 そして、御免なさい、という意思も。
「―――――――」
 高町なのはは震えていた。その両手は耳を塞ぎ、瞼はきつく閉じられている。
 しかし消えない。海竜の肉を裂いた感覚が。
 しかし消えない。海竜が悶えたあの情景が。
 そして閉ざせない。今、自分達の手で捕らえた命が、その遺骸目当てに殺される悲鳴を。
『ギャヒィィィィィィィッ!!』
 消えない。
『ヒィィィギィィィィィィィィィッ!!』
 消えない。
『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!』
 消えない。
「――消えない、よぉ……っ」
 悲鳴が、罪が、自責が、何もかもが消えず、ただ積もっていく。高町なのはの心の中に。



――生き延びる為に怪獣達を虐殺し、その遺骸を武器とする管理局。
―――そこに正義も、大義も、倫理も、何もない。
――――あるのは、浅ましいまでに生存を望む意思。……ただ、それだけ。

――『魔法少女リリカルなのは FINAL WAS』、始まります。
346なのは×終わクロ:2007/11/15(木) 23:07:16 ID:TMlxmBCF
一応言っときますが、『魔法少女リリカルなのは FINAL WAS』、始まりません。
あくまでこれは一発ネタ、これで打ち止めです。ま、当方、続ける用意は万全ですがね!!!
……まぁともかく、『怪獣を殺す』→『使い魔にする』→『ゴジラにぶつける』っていう構成にすれば、『なのは達は怪獣全てと対決する』『しかも倒した怪獣達と共にゴジラと戦う』という展開に持ち込めると思った訳ですよ。
でもコレ、予定では『され竜(略称)』をこの世に出した某暗黒作家を師匠と崇める様な、スーパーネガティブストーリーなんですよね。
347名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 23:09:26 ID:bRjnRBQ4
>>346
おもろいよ。
ただ、人間って汚いのね……
なのはは最後廃人になるか、ブッコろ? よゆーよゆーな人間になりそうだww
348名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 23:09:30 ID:/R50H8hT
なんてこった、ムウ帝国はどうなっちまうんだ!
349なのは×終わクロ:2007/11/15(木) 23:11:29 ID:TMlxmBCF
あとsageやら名前やらが外れたりして申し訳ありません。
何か知らんがMy PCが妙にこのスレに繋がらず、回線やら読み込みやらをイジりながらやったから妙な具合に……。突然のPCの不調なんですわ。
御免なさい。
350名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 23:11:50 ID:AqdusVV3
>>『され竜(略称)』をこの世に出した某暗黒作家
あのヴィヴィオみたいのを多人数同時レイプの末生きたまま解剖なお人ですか。
あれはさすがに駄目ですたがそれ以外の暗黒はむしろ御褒美です。
351名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/15(木) 23:18:15 ID:GAM9DB4L
マンダかわいそ・・ウルトラマンジャスティスがみたら管理局に鉄槌を下しそう。
352名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 23:18:48 ID:aHu7aDqJ
なのは達って本編で怪獣みたいの普通に殺してなかった?
フェイトはサンダーブレイドで普通に止め刺してたし・・・
まぁ何はともあれGJ!
353リリカルBLADE ◆gFOqjEuBs6 :2007/11/15(木) 23:19:04 ID:TR62xthn
GJ!
ただ単に倒すのではなく、殺してしまった事に苦しむなのはの描写のクオリティが高い!
続き見てみたいです(笑)


今日中に投下するという予約だけしときますね。
まとめwikiでマスカレードのリリカルBLADEと、前回投下分のハイコートボルテッカ話を読んでおさらいしといてくれると有り難いです
354名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 23:20:04 ID:4MF3RZ6l
まさか怪獣の味方をしたくなるとは・・・
355名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 23:29:04 ID:5LF+XslS
凄く…続きが読みたいです…
怨念ゴジラの要素もあれば虐殺された怪獣分だけパワーアップしそうなw
356名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/15(木) 23:39:53 ID:GAM9DB4L
>>355
それだと、管理局は自分で自分の首を絞める破目になるな。
357リリカルBLADE ◆gFOqjEuBs6 :2007/11/15(木) 23:40:08 ID:TR62xthn
そろそろ投下ぉKですか?
とりあえずジャンクション?を。



それは小さな願いだった。
望んだのは、人としての普通の生活。
家族や仲間と、笑って過ごしていたかった。
……だが、奴ら−悪魔−はそんなささやかな願いを……
平和だった家族の運命を……
全てを狂わせた。
血まみれのこの指先……
止められるのは、何もかもが終わる時だけ。
既に迷い込んでしまったなら、俺は家族だって、仲間だって倒してみせる。

宇宙の騎士リリカルなのはBLADE……
始まります。
358リリカル遊戯王GX:2007/11/15(木) 23:42:10 ID:sXkEFQc6
むしろすでに使い魔にされてるクモンガに愛の手を
GJっす!
359 ◆sP9nVRi1sI :2007/11/15(木) 23:44:15 ID:G+sAGB2W
しえーん

>>346
GJ!
……この時点で割とラボクオリティな気がしますがどうか。ラキ弟の火竜を髣髴とさせる辺りが。
目指してる流れとエンドは終わクロと大して変わらないのに何故……?
360名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/15(木) 23:55:06 ID:65KDU+M5
>>346
GJ!
で、マグロ食ってる奴とガイガーン起動!はどうした!
これがなきゃFINAL WARSと言えないぜ!!

>>357
OKだ!支援
361ティアナ・ランスターの憂鬱:2007/11/15(木) 23:55:35 ID:A9401EI7
U-1とニコポの解説してくださった方々ありがとうございます
U-1はアルティメットー1の略かなぁーとか考えてたら全然違いました
どうやらみなさんの忌まわしい記憶を呼び覚ましてしまったようで申し訳ないです

リリカルKANON、真面目に書くと大分長くなりそうな気もしますが
どうやら期待されてる方もいるみたいなので一応プロット考えといてみます
確かに世界観を生かしながらクロス作るのって難しいですよね、色々勉強させてもらいます


マンダえぐいよマンダ
362リリカルBLADE ◆gFOqjEuBs6 :2007/11/16(金) 00:00:42 ID:mVmCmlK8

海鳴市の住宅街。ここを、一人の青年が歩いていた。全身にかなりの疲労が溜まっているらしく、壁に手を付きながらヨロヨロと歩いている。
その男こそ、Dボゥイと同じ顔を持つ男……相羽シンヤだ。
「クソ……よくも……よくも……!ブレードッ……!」
ブレードの新たな技、『ハイコートボルテッカ』の直撃を受けたエビルは、かなりのダメージを追いながらも、なんとか撤退することに成功。
このまま歩いて行けば、もうすぐで八神家だ。シンヤはテッカマンである為に、怪我の回復力も人間のそれを遥かに上回る。
一晩も寝れば、なんとか回復するだろう。そんなことを考えながら歩いていると、前方から巨大な青い犬が歩いてくる。
「ザフィーラ……か……」
どうやら、シンヤが心配になったザフィーラがここまで迎えに来てくれたらしい。
「……シンヤ、無事だったか」
「ああ、当たり前さ……俺が負ける訳…………」
言いかけた所で、またしてもふらつくシンヤ。
「……無理をするな。乗れ」
見兼ねたザフィーラは、シンヤに背中を向ける。このままザフィーラに乗せて貰えば、安全に帰ることが出来る。
「フン……余計なお世話だよ、ザフィーラ。俺はこの程度で助けを求める程、落ちぶれちゃいない」
「フ……、そうだな。シンヤ」
強がるシンヤ。ザフィーラからも、クスッと笑いが漏れる。いつもと変わらないシンヤに、少し安心した。
こうして二人は、シンヤの速度で八神家への帰路をゆっくりと歩いて行く。

第6話「それは小さな願いなの」

それから十分程経過し、シンヤはようやく八神家の玄関にたどり着いた。
シンヤがドアを開けるや否や、すぐにシャマルが走ってくる。
「シンヤくん……!」
「シャマル……」
「良かった!無事で……。解散した後、シンヤくんだけ居なくて、心配したんだから!」
少し涙ぐむシャマル。同時に、子供をしかる母のような表情も垣間見せる。
「すまない……それより……」
喋りながら廊下を通り、リビングに入る。そしてソファにドサッと座り込んだシンヤは、シャマルを見据えた。
「あれは一体どういうことだ……!?」
「え……?あれって……」
「あの結界を破壊……いや、消滅させたボルテッカだよ!何故闇の書がボルテッカを使える……!?」
シンヤは、いつになく真剣な表情でシャマルを問いただす。
「ごめんなさい……それは私にもわからないの……」
「わからないだって……?冗談だろ?じゃあシャマルは、あれが何か解らずにボルテッカを使ったって言うのかい!?」
「聞いて、シンヤくん。私が唱えたのは、『破壊の雷』っていう呪文なの。どうしてボルテッカが起動したのかなんて、私も知りたいくらいよ……」
「破壊の雷……だって?その魔法の正体がボルテッカだというのか……!?」
「結果的に……そうみたいね……。」
これ以上聞いても埒が明かないと判断したシンヤは、大きなため息を付きながら、ソファの背もたれに体重を預けた。
363名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 00:06:50 ID:j2zubRoI
支援
364リリカルBLADE ◆gFOqjEuBs6 :2007/11/16(金) 00:13:46 ID:mVmCmlK8

そんな気まずい雰囲気を打破するのは、シグナムだった。シンヤの質問により忘れがちだったが、彼女達にはやらねばならない事がある。
「シャマル……それよりも、主に連絡した方がいい。きっと心配しているぞ」
「あ……そうだった!ごめんねシンヤくん……その話は後で……」
「いや、僕はもういい。それよりも、早くはやてに電話してやれ」
シンヤに言われたシャマルは、コクリと頷くと、すぐに受話器を取り、はやての携帯番号をダイヤルした。

その後シャマルは、ヴォルケンリッター全員とシンヤの無事を伝え、ひたすらはやてに謝罪した。
その甲斐もあって、はやては快く許してくれた。はやてが言うには、冷蔵庫には晩御飯のセットとデザートが入っているらしい。シグナムがそれを確認。
シャマルは最後に「本当にごめんなさい」と謝罪し、電話をヴィータに代わった。ちなみにその間、シグナムは冷蔵庫開けっ放しだ。
いくら電気代はおじさんが出してくれるからといって、それでいいのかシグナム!

ヴィータに電話を代わったシャマルは、一人庭で夜空を眺めていた。どうでもいい話だが、中々いい作りの庭だ。
そこへ、冷蔵庫を閉めたシグナムがシャマルのそばに歩いて来る。
「……寂しい思いをさせてしまったな……」
シグナムに言われたシャマルは、小さく「うん……」と頷いた。はやてには本当に悪いことをした。
「……それにしても、お前を助けた男は一体何者だ?」
「わからないけど、当面の敵では無いみたい……」
今日、クロノからシャマルを救った仮面の戦士。もちろんヴォルケン一同、そんな訳の解らない男とは面識が無い。
ヴォルケンと面識がある仮面の戦士は、赤い悪魔と、白き魔神だけだ。
しかも闇の書が完成したとしても、その力が使えるのは主であるはやてだけだ。他人が協力する意味がわからない。
「……それに、闇の書が放ったボルテッカの件もある。闇の書がテッカマンと
無関係とは言えない以上、管理局の連中もますます本腰を入れるだろうな……」
「そうね……管理局のテッカマンブレードにも、これからはもっと注意しなくちゃ……」
まさか人外の強さを誇るテッカマンエビルが敗れるとは、シグナムもシャマルも……いや、誰も思ってはいなかった。
恐らくシンヤとしても、これからはさらにブレード打倒に燃える事は間違いないだろう。
「だが、あまり時間も無い……」
「うん……」
「一刻も早く、主はやてを闇の書の真の所有者にしなければ……」
月を見詰めるシグナム。今回の砲撃魔法『ボルテッカ』のせいで、闇の書の頁は随分と減ってしまった。
早く集め直さなければ、本当に手遅れになってしまう。二人は、再び闇の完成を心に誓った。
365リリカルBLADE:2007/11/16(金) 00:20:00 ID:mVmCmlK8

一方、海鳴市・ハラオウン家。
なのはとフェイトは、レイジングハート・バルディッシュの新たな力の説明を受けている最中だ。
Dボゥイはそれを簡単に聞き流しながら、ソファに腰掛けていた。さっきから、どこか頭がクラクラする。座っている方が楽だ。
すると、Dボゥイの横に人間形態のアルフが並んで座った。やけに嬉しそうな顔をしている。
「Dボゥイ!復活おめでとう!」
「……ああ。お前達の力があってこそだ」
心なしか、Dボゥイも嬉しそうな顔をしているような気がする。
「管理局の白き魔神!テッカマンブレードがさらに強くなって復活したとあっちゃあ、もう怖いもの無しだね!
あのエビルとかいう奴も手も足も出ないだろうさ!」
「……いや…………」
アルフは嬉しそうにDボゥイの背中を叩く。だが、Dボゥイはエビルという単語を耳にした途端に、その表情を変えた。
「奴は……俺の知っているテッカマンエビルは、この程度で終わるような奴じゃない……」
「え……あ、あいつってそんなに凄いのかい?」
「ああ。奴はトドメを刺さない限り、何度でも蘇る。そして……トドメを刺せるのは、俺だけだ……!」
「Dボゥイ……」
アルフは本当のエビルの恐ろしさを知らない。だからこそ、あれだけ力の差を見せ付ければ、次からも負けないと思っていたのだ。
「恐らく奴に2度同じ手は通じない。次会うまでに、俺ももっと強くならなければ……」
「大丈夫よ。貴方なら……人よりも人らしいんだから、きっとまだまだ強くなれるわ!」
「リンディ艦長……」
そこへ割り込んで来たリンディ。気付けばエイミィの説明も終わったらしく、なのはやフェイト、クロノ達もDボゥイの話を聞いていた。
特に、実際に戦ったフェイトはDボゥイの言葉をよく理解していた。
「……私も、あのテッカマンエビルからは、凄く残虐な……何かを感じた。多分、次も来ると思う」
「実際に戦ってみた者にだけ解る感覚だろうね……」
コクコクと頷くエイミィ。
「それにあのテッカマン、とんでもなく強いよ。多分、私との戦いでも半分以上の力をセーブしてたと思う」
「フェイト相手に半分以下って……」
なのはの肩に乗るユーノが、「マジかよ」といった口調で呟いた。
ユーノは以前、なのはと行動を共にしている間、フェイトとは敵として……いや、ライバルとして戦い続けた。
そんなフェイトの実力を知っているからこそ、それが信じられなかった。
「だからこそ、エビルの相手は俺じゃ無きゃダメなんだ。奴だけは……俺がこの手で!」
「Dボゥイ……」
何故こうまでしてエビルを倒そうとするのか。それはDボゥイにしか解らないが、肝心の記憶を失っている為にそれ以上の情報は聞き出せない。

「あ、そうだDボゥイ!ペガスの説明しなきゃ!」
だが、そんな緊迫した空気は、エイミィによって破られた。
366名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 00:23:09 ID:j2zubRoI
支援
367リリカルBLADE:2007/11/16(金) 00:25:10 ID:mVmCmlK8
「そうだな……あのロボットについて、僕たちはまだ何も聞かされて無い。」
「うんうん、私も気になる!あのロボット!」
クロノとなのはも、ペガスの説明会というイベントに食いついた。特になのはは、元々この手の話が好きなだけに、素で嬉しそうだ。
「えーと、じゃあモニターで説明するね!」
リモコンを押すエイミィ。それにより、部屋が暗くなり、巨大なモニターが現れる。
「はい、今日もなぜなにエイミィの時間がやってきました!今回はあの青いロボットの説明だよ♪」
楽しげに解説モードに入るエイミィ。この演出には一同少し驚き気味だ。
モニターにでかでかと表示されているのは、青いロボット。名はペガス。
アルフも「さっきの青いロボットだ!」と指を差す。

「コホン……まずこれは、管理局の作業用ロボットを改造した、サポートロボ『ペガス』って言うの。」
「改造大変だったのよ?」
クスクスと笑うリンディ。実際に自分が改造した訳では無いが。
「このロボット……ペガスの役割は、テッククリスタルが割れてしまったDボゥイの変身を助けること……
それから、単純な戦闘支援。全身に装備した魔法兵装が特徴で、ブレードと一緒に戦う際には飛行形態に変型するよ!」
「変型かぁ……」
キラキラと目を輝かせるなのは。とりあえずなのはは無視し、ユーノが一つの疑問を口にした。
「ちょっと待って。変身を助けるってどういうこと?前までは一人で変身してたじゃない」
「そういえば……さっき、ペガスの中に入って、ブレードになってたね……?」
フェイトも首をかしげる。エイミィも「いい質問だね!」とフェイトを指差した。
「残念だけど、今の管理局の技術では、ロストロギア級のデータを持ったテッククリスタルを完全修復……って訳にはいかなかったんだ」
「だから、割れたクリスタルをペガスに内蔵し……俺はその中でのみテックセットできるということか」
「そーいうこと!じゃあここで質問コーナーね……はい、匿名希望の艦長ママさんからの質問!」
笑顔で話を進めるエイミィ。艦長ママってあの人しかいないじゃないか……。
リンディも、「フフフ」と微笑んでいる。珍しくクロノも何も突っ込まないが。
「『ハイコートボルテッカって何なの?お姉さん!』……との質問です!」
「ハイコートなんとかって、あのエビルを倒した物凄い砲撃のことかい?」
腕組をしながらアルフが口を開いた。
「その通り!ハイコートボルテッカっていうのは、ペガスに搭載されたフェルミオン砲と、ブレードのボルテッカを融合させて……ってあれ?」
様子がおかしいことに気付いたエイミィ。それもそのはず。聞き慣れない単語続出で、一同は完全に取り残されている。ポカンとしている。
368名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 00:25:59 ID:j2zubRoI
支援
369リリカルBLADE:2007/11/16(金) 00:30:38 ID:mVmCmlK8
「え、えーと……まず、ボルテッカについて説明して欲しいかな?」
となのは。
「う〜ん、わかりました!まずボルテッカっていうのは……」
ピッとリモコンを押し、モニターを切り替える。次に映されたのは、線で書かれたテッカマンブレードの図だ。
「まずボルテッカっていうのは、反物質ビーム砲っていったら解るかな……まぁ簡単に言うと、『触れた物を消滅させる物凄いビーム』だよ」
「「しょ、消滅……!?」」
驚く一同。
「その原理は、『反物質粒子フェルミオン』っていう、触れた物を対消滅させちゃう粒子を体内で蓄積させて……」
モニターの中の、線で描かれたブレード図の肩が開く。
「それを加速して放出。当たった物を消滅させるんだ。」
簡単な図ながら、ブレードの肩から伸びた線は、向かい側のターゲット図に命中。ターゲットは消滅。ボルテッカを表しているのだろう。
一同も、なんとなく分かったらしく「なるほど〜」と頷く。まったくエイミィお姉さんの説明はわかりやすい。
「……にしても、フェルミオンなんて聞いた事無いな……」
「私も最初は聞いた事無かったよ。でも、本局データベースを漁ってたら、フェルミオンって項目があったんだ。
どうやらどこかの管理外世界で発見されたらしいけど……」
声のトーンを落とすエイミィ。何か言いづらいことでもあるのだろうか。
「けど……何だってのさ?」
「それに関するデータが、全部抹消されてたんだよねぇ。何者かに、意図的に……」
「どういうこと……?」
「だから、フェルミオンって物質自体は観測されてるんだけど、発見場所とか、時代とか、詳しいデータが全部抜け落ちてるんだよ」
「それは……不自然だな……」
クロノも、腕を組んで考え込む。
管理局の上層部の連中が、何らかの思惑があって抹消したのか……?だが何の為にそんなことをするのかが解らない。
「うん……それと気になるのは、今回闇の書の騎士達が使った結界破壊の砲撃魔法……あれは間違いなくフェルミオンだよ」
「え……?」
「あの光は間違いなくフェルミオンの輝きだよ。Dボゥイは何か感じなかった?」
エイミィに振られたDボゥイは、ゆっくりと顔を上げた。
「ああ……間違いない。あれはテッカマンのボルテッカだ。砲撃の直前、僅かにだが他のテッカマンの感応派を感じた。」
「じゃあ…エビル以外にもテッカマンが……?」
「それは解らない。だがどうやらエビルも知らなかったらしい。少なくとも、俺と奴以外のボルテッカだ。」
「……騎士達にとっても、所詮協力者に過ぎないエビルに、そこまで教える必要が無かった……ってことか?」
Dボゥイの言葉に、クロノが憶測を口にした。確かに本来仲間では無いエビルに、無駄な事を教える必要が無いというのはわかる。
370マスカレード:2007/11/16(金) 00:36:38 ID:mVmCmlK8

「え……えーと、話が逸れちゃったけど、ハイコートボルテッカの話だったね。」
エイミィはコホンと咳ばらいし、説明を再開する。同時に、モニターの図にペガスが追加される。
「ハイコートボルテッカは、ペガスに搭載されたフェルミオン砲を、ブレードのボルテッカと連動させて……」
モニターに映るのはハイコートボルテッカ発射図。ブレードから出た線が、ペガスの上で増幅され、太線となっている。
「威力を倍増する!まぁ、つまり、ペガスとブレードの合体ボルテッカだよ!」
「え〜と……つまり、ボルテッカを光とすると、ペガスはそれを増幅させるレンズみたいな物……ってことかな?」
「うん、ユーノ君、いい例えだね!だいたいそんな感じ」
エイミィお姉さんの説明に、皆が納得した。とりあえずペガスについての説明は、これにて終了だ。

ふと、時計を見ると、時間は既に10時を過ぎていた。そろそろ帰らねば高町家の一同が心配するとの事で、なのはとユーノは先に帰宅した。
一同が解散した後、寝る準備も済ませ、フェイトとDボゥイが二人でソファに座っていた時の事だ。
さっきからDボゥイの様子が可笑しい。どうにも苦しそうなのだ。心配になったフェイトは、話し掛けてみることに。
「……どうしたの?Dボゥイ」
「……いや、何でもない……気にするな」
言いながら立ち上がるDボゥイ。
「水を一杯貰うぞ……」
Dボゥイは少し歩いてキッチン前で立ち止まる。そしてコップを取り、水道の蛇口を捻った。
コップには水が注がれ、Dボゥイはそれを口にしようとした。
その時だった。

『ガシャァンッ!!』

ガラスが割れる音。音はキッチンから聞こえた。驚いたフェイトは、そっちを見て浚に驚く事となる。
なんと、そこで突っ伏して倒れているのは外ならぬDボゥイだ。近くには割れたコップの破片が四散している。
「……ッ!?Dボゥイ!?」
フェイトは走ってDボゥイに寄り添う。
「どうしたの、Dボゥイ!?大丈夫……!?」
「あぁ……大丈夫……だ。少し……目眩がしただけだ……」
Dボゥイは、頭を押さえながら立ち上がった。どうやらなんともないようだが……
「目眩って……今日の戦いのせい?」
「解らない。きっと疲れてるんだろう……。悪いが今日は先に眠らせて貰う……」
「ちょ、ちょっとDボゥイ!?」
Dボゥイはフェイトの顔を見る事なく、頭を押さえながら自室へと向かっていった。苦しそうに。ふらつきながら。

まさかこの時、フェイトもDボゥイも……いや、誰もが想像し得なかっただろう。
Dボゥイの体の中でとある異変が起こっていた事を。
残酷な運命が、彼の体を蝕み初めていたということを……。
371名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 00:36:40 ID:NYcCK1sb
支援
372リリカルBLADE:2007/11/16(金) 00:42:46 ID:mVmCmlK8

翌日。クロノとユーノ、それからエイミィは、本局で二人の人物に会っていた。
その二人はソファに座り、猫のような耳を頭から生やしている。
「なるほど……闇の書の捜索と……」
「ラダムと、テッカマンについて……か。」
「ああ……よろしく頼む」
クロノ達の向かいに座る二人の女性。『リーゼロッテ』と『リーゼアリア』だ。
今回クロノは、この二人に、ユーノの『闇の書及びラダムについて』の調べ物の協力を要請するのが目的だ。
「それで……どうするの?」
問われたクロノは、神妙な面持ちでその口を開いた。
「彼の……無限書庫での調べ物に協力してやって欲しいんだ」
アリアとロッテに簡潔に内容を伝えるクロノ。当のユーノはかなり不安そうだが……。
「無限書庫、ねぇ……」
そんなユーノを見て、アリアとロッテは「ふっふ〜ん」と、怪しげに笑った……。


一方の海鳴市では。
楽しそうに雑談をしながら学校から下校するなのはとフェイト。
ちょうどDボゥイの話をしていた。そこでフェイトは、昨日Dボゥイが目眩で倒れた事ついて話すことに。

「……へぇ。やっぱりボルテッカって疲れるのかなぁ?私もスターライトブレイカーとか撃った後は疲れちゃうし……」
「うん……そうだろうね。やっぱり破壊力の高い技は何でもリスクを伴うんだね〜」
一通りの話を聞いたなのはは、単純にボルテッカの威力が高すぎるせいだろうと判断。そのまま話を進める。
そうこう話しながら歩いていると、二人は市内の某大手スーパーの前を通り掛かる。
それにより、自分の用事を思い出したフェイト。
「あ……後で晩御飯のお使い行ってこなきゃ!」
フェイトの家庭はただでさえ忙しい人が多い。自分が買い物に行ける時は行かなければならないのだ。
「あ、じゃあ私もフェイトちゃんと一緒に行くよ」
立ち止まったフェイトに、なのはが微笑みかける。本当に仲が良い二人だ。
「ってアレ……?」
その時だった。二人の目に入ったのは、スーパーの向かい側を歩く見慣れた人物……Dボゥイだ。
「あ……Dボゥイ!」
「Dボゥイ!もう大丈夫なの?」
早速Dボゥイに駆け寄る二人。だが、Dボゥイの様子はどこかおかしい。何かが違う。
Dボゥイも二人を見てはいるが、一言も喋らないのだ。それにどこか、Dボゥイよりも冷たい雰囲気だ。
「あれ?Dボゥイってこんなに髪の毛長かったっけ?」
「………………」
問われたDボゥイは、一瞬なのはを見る。
そのDボゥイは、いつもの赤と白の変な服を着ていない。黒いシャツに赤いジャケット。胸にはネックレスという至って普通なスタイルだ。
「Dボゥイ……どうしたの……?」
さすがにおかしいと思ったフェイトも、怪訝そうな表情でDボゥイの顔を見つめた。
「………フン……。」
「あっ……Dボゥイ!?」
だが、Dボゥイが返事を返すことは無かった。ポケットに手を入れたまま、Dボゥイは黙って立ち去っていったのだ。
「……何?あの態度……」
「変なDボゥイ……」
二人はキョトンと顔を見合わせた。
373リリカルBLADE:2007/11/16(金) 00:44:35 ID:mVmCmlK8
投下終了です

なんか毎回最後の方gdgdになりますね……(汗)
まぁ、こんな感じでストーリーは進んでいきます
374名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 08:22:51 ID:hdDnQy0/
GJ!
……Dボゥイ、お前にもいつか……
375名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 12:09:32 ID:t0+1q0LE
GJ!
やはりテッカマンは凄いぜ!伊達にスパロボに参戦してない。
だがフェルミオン砲は管理局的にアウトな質量兵器な罠がwww
そしてぺガスの通常武装はなしか?ソルテッカマンも無理か?
フェルミオンのデータはブレードの世界では既に実用化され始めてたからそこから持って来たのかな?
そういやWikiじゃああだけど、ボルテッカ=フェルミオン使用かどうかは結局よく分らんのだよな…
376病床のスバル@自宅療養中 ◆9L.gxDzakI :2007/11/16(金) 12:25:59 ID:j67EXFrw
GJ!
いや〜、DさんにはスパロボWでお世話になりました。
「覚醒」+「魂」ブラスターボルテッカなんてもう狂気の沙汰かとw

…まあ、実際は格闘値480オーバー+インファイトL9+マルチコンボL5+気力限界突破+運動性以外の全性能(武器含む)20段改造と、
周回プレイを重ねて限界まで魔改造されたジェネシックが敵軍をボコボコにしていたんですが…
377375:2007/11/16(金) 12:35:42 ID:e7dF0o5p
>>375
あ、正確にはブレード世界の地球です。
378名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 16:10:26 ID:aRd5ry74
天地無用とのクロスって過去に言及されたことないのかな?
まあ、管理局サイドが迂闊に王家の船やら王家の樹やらに手出ししようとしたら、それこそフルボッコになりそうだがw
天地や砂沙美ちゃんとなのは達って相性よさそうなんで、日常生活だけ描いたら結構面白そうなんだけどな。
379リリカルBLADE:2007/11/16(金) 16:25:47 ID:O4+YFrAL
>>375
フェルミオンも質量兵器だってこと忘れてたなぁ……(爆)
元々テッカマンは別の世界の住人なんで、それに合わせた……つまり特例ってことで補完してください(笑)
ペガスのバルカンとかミサイルとかは流石にまずいと思ったので、魔法兵器ってことにしました
名前だけ変えたので、元のペガスと何ら変わりません
ソルテッカは今のところ出す予定はありませんねぇ……
話の流れが変わって、もしかしたら出るかもしれませんがあまり期待しない方がいいです
380Strikers May Cry:2007/11/16(金) 16:25:53 ID:oBCLAtZn
下書きできたんで、投下します。
これで誤字脱字はない(はず) コピーってこれでイイのかな?
381名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 16:35:43 ID:6JdQFhQ+
これでイイのかな?と聞かれてもそんなの分からんがな…支援
382Strikers May Cry:2007/11/16(金) 16:38:54 ID:oBCLAtZn
魔法少女リリカルなのは Strikers may cry 第三話 「なまえをよんで」

ブリーフィングルームにいる人間は一人残らずその闖入者へと視線を投げつけた。
六課の主任医務官であるシャマルを伴ってブリーフィングルーム内に足を踏み入れてきたのは、銀色に輝く髪を軽く後ろになでつけ、端正な顔立ちに良く似合う青いコートを着込んだ誰が見ても美男子と言うだろう男だった。
ほとんどの者が彼の端正な顔立ちを凝視する中、烈火と鉄槌の二つ名を持つ副長二人は長年の仲間であるシャマルの変化に激しい怒りを顔に浮かべ待機状態の己がデバイスへと手を掛けていた。
白く滑らかな肌を晒すシャマルの首には、くっきりと手の形に痕を残す痛々しい痣が浮かべ顔は恐怖に血の気を失っていたのだから彼女の身に何が起こったかを想像するのはたやすい事だった。
「まずは礼を言おう、傷の手当に感謝する。」
男は二人が送る殺気をまるで気にすることも無く静に口を開く。
未だに事態を理解していないスバルはその言葉に満面の笑顔を浮かべる、自分の助けた人がかける感謝の言葉が純粋に彼女の心を満たしているのだから当然かもしれないが。
「どういたしまして、当然の事をしただけですから。」
シャマルの様子に疑問を抱きながらもはやては彼の感謝の言葉に笑顔で答える。
「ミッドチルダっていう名前をご存知ですか?私たちは時空管理局…」
身元を調べた際に管理世界に戸籍の確認されなかった彼を管理外世界から時空遭難者と考えたはやては管理世界に関する説明をしようとしたが…
「そんなことはどうでもいい。」
男の言葉にさえぎられる。
「それよりも俺の持っていた物を何処へやった?」
その言葉を言い終わるや否や場の空気は先ほど副長二人が放っていたものとは比べられぬほどの殺気の重圧を孕んだものへと変わる。
「死にたくなければ早く返すことだな…」
疑問を顔に浮かべたはやてに対し敵意をむき出しになったの言葉がかけられる。
「貴様っ!」
「てめえっ!」
各分隊の副隊長二人は言葉と共に。
隊長の二人は無言でデバイスをいつでも機動できるように身構える。
少なくとも男の身体から伝わる殺意と魔力、そして何より感じる人外のものが持つ異質な恐怖感が一騎当千の四人に臨戦態勢を取らせることをと惑わせなかった。

場には触れなば切れんカミソリのような鋭い殺気の渦が流れ、若いフォワード陣は体の芯
目の前の女が差し出した己の半身とも呼べる二つの品を取り、ようやく身体をに流れていた激情の波が引いていく。
「私は時空管理局機動六課、部隊長の八神はやて二等陸佐いいます、お名前うかがってもよろしいですか?」

383Strikers May Cry:2007/11/16(金) 16:40:42 ID:oBCLAtZn
やばっ間違えた、もう一回投下
384Strikers May Cry:2007/11/16(金) 16:44:07 ID:oBCLAtZn
魔法少女リリカルなのは Strikers may cry 第三話 「なまえをよんで」

ブリーフィングルームにいる人間は一人残らずその闖入者へと視線を投げつけた。
六課の主任医務官であるシャマルを伴ってブリーフィングルーム内に足を踏み入れてきたのは、銀色に輝く髪を軽く後ろになでつけ、端正な顔立ちに良く似合う青いコートを着込んだ誰が見ても美男子と言うだろう男だった。
ほとんどの者が彼の端正な顔立ちを凝視する中、烈火と鉄槌の二つ名を持つ副長二人は長年の仲間であるシャマルの変化に激しい怒りを顔に浮かべ待機状態の己がデバイスへと手を掛けていた。
白く滑らかな肌を晒すシャマルの首には、くっきりと手の形に痕を残す痛々しい痣が浮かべ顔は恐怖に血の気を失っていたのだから彼女の身に何が起こったかを想像するのはたやすい事だった。
「まずは礼を言おう、傷の手当に感謝する。」
男は二人が送る殺気をまるで気にすることも無く静に口を開く。
未だに事態を理解していないスバルはその言葉に満面の笑顔を浮かべる、自分の助けた人がかける感謝の言葉が純粋に彼女の心を満たしているのだから当然かもしれないが。
「どういたしまして、当然の事をしただけですから。」
シャマルの様子に疑問を抱きながらもはやては彼の感謝の言葉に笑顔で答える。
「ミッドチルダっていう名前をご存知ですか?私たちは時空管理局…」
身元を調べた際に管理世界に戸籍の確認されなかった彼を管理外世界から時空遭難者と考えたはやては管理世界に関する説明をしようとしたが…
「そんなことはどうでもいい。」
男の言葉にさえぎられる。
「それよりも俺の持っていた物を何処へやった?」
その言葉を言い終わるや否や場の空気は先ほど副長二人が放っていたものとは比べられぬほどの殺気の重圧を孕んだものへと変わる。
「死にたくなければ早く返すことだな…」
疑問を顔に浮かべたはやてに対し敵意をむき出しになったの言葉がかけられる。
「貴様っ!」
「てめえっ!」
各分隊の副隊長二人は言葉と共に。
隊長の二人は無言でデバイスをいつでも機動できるように身構える。
少なくとも男の身体から伝わる殺意と魔力、そして何より感じる人外のものが持つ異質な恐怖感が一騎当千の四人に臨戦態勢を取らせることをと惑わせなかった。

場には触れなば切れんカミソリのような鋭い殺気の渦が流れ、若いフォワード陣は体の芯に冷たさを感じる。
しかしはやては落ち着いて彼の前に歩き、そっと手にした物を渡した。

目の前の女が差し出した己の半身とも呼べる二つの品を取り、ようやく身体をに流れていた激情の波が引いていく。
「私は時空管理局機動六課、部隊長の八神はやて二等陸佐いいます、お名前うかがってもよろしいですか?」
385名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 16:46:52 ID:6JdQFhQ+
支援
386Strikers May Cry:2007/11/16(金) 17:06:51 ID:oBCLAtZn
先ほどまで抑えきれずに発していた殺気を気にする素振りなどまるで見せずに八神と名乗った女は柔らかくも凛とした口調で尋ねてくる、
気配を感じれぬ程に鈍いのか、気にする必要などない程に豪胆なのか…俺の目を真っ直ぐと見つめる澄んだ瞳がその答えは後者であることを物語っていた。
「…バージル。」
俺は最低限、聞こえる程度の声量で女の問いに答えた。

最初に部屋に入ってきた時は正直に言って腹立ったわ、シャマルの様子はおかしいし何より私らのことを値踏みするっちゅうか見下したような目で見とった、次に感じたんは震えるような恐怖、
っていうか“死にたくなければ”って要するに言うこと聞かな殺すってことやん!シャレにならんでホンマ…、
ピリピリ感じる魔力と威圧感はその言葉が決して冗談でない事を物語とった、でもここでビビッてたら部隊長なんか務まらんし下手したらこの人の傍におるシャマルがどうなるか分からん、
一部隊の長として相手に礼は示さなあかん…っていうか他のみんなは今すぐにもドンパチ始めそうな勢いやったし、
相手は丸腰な事を忘れとるんか?でも油断はできん何かあったら真っ先に命を懸けなあかんのは私や、もしもの時は私がシャマルの身代わりになる、
絶対に家族には手なんか出させへん!とりあえず皆に釘さして私はその人の目の前に立った。改めて顔を見るとホンマに二枚目や、90点以上は確実やな、でも目つきも気迫も怖すぎや…これ気の弱い人なら確実に失禁しとるで、
恐怖と警戒を抱きながらもなんとか荷物を返したんやけどその時のこの人の目を見てやっと合点がいったわ、
ペンダントを手にした時に一瞬見えた安堵感…これは誰かが触れていいモノやない、こんなの勝手な想像かも知れへんけど多分このペンダントはこの人にとって自分の命より大事な物なんやと思う、
今までの殺気も意識して私らに出してたんと違うきっと抑えきなかったんや、その証拠に殺気も消えて今私を見とる目はさっきみたいな見下すようなもんやなくなってる、
警戒の色はちょっと消えてへんなぁ…こんな美少女が悪人なわけあらへんのやからもうちょっと警戒解いてもいいんと違う?
でもこちらが名乗ったらちゃんと名前を教えてくれただけでも嬉しかった。
387名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 17:08:14 ID:6JdQFhQ+
>美少女が悪人なわけあらへん
彼はそんな甘い世界には生きてません><支援
388Strikers May Cry:2007/11/16(金) 17:09:47 ID:oBCLAtZn

それから会議は急遽、事件の当事者への事情聴取に変わった、本来なら執務官のフェイトが一任する事であったがはやての要望により隊長陣の立会いの下で行われることになった。

交わされる情報からやはりバージルは管理外の世界からの遭難者であることが判明したがそれ以上に彼の話す悪魔・魔界・魔帝・スパーダといった内容は彼女達を驚かせた。

「その話からするとスパーダ…バージルさんのお父さんはそのアミュレットにフォースエッジっていう剣の力で魔界…特定の次元世界を隔絶したって言うんですか?」
「無論、完璧に一つの世界を遮断すことは出来ん、しかし上位の悪魔や魔帝が出入りすることは難しい、少なくとも自由な出入りは不可能だ。」
「それにしても大した魔力なんか感じねえこのロストロギアにそんな力があるのかよ?それにその話からするとこいつ…悪魔とかいう魔獣が親ってことになんのか?」
フェイトとバージルの応答にヴィータは未だ敵意と警戒心を隠さぬ目で小さくつぶやく。
「正確に言えばアミュレットが元来持っている力ではなく、スパーダが自分の力を三つに分けたのがフォースエッジに二つのアミュレットだ、魔力が安定しているのは当たり前だスパーダがその手で作りあげた魔石なのだからな、
それに俺が人間でも悪魔でもないことは既に調べがついているのだろう?」
バージルは聞こえない程度の小さな声にもはっきりと答える。
「…確かに検査の結果は、DNAの塩基配列は人に類似していましたが明らかに人とは違うものでした。」
部屋の隅で自分の首をさすっていたシャマルが答える。
「悪魔でもないって、どういう事なんですか?」
先ほどのバージルの言葉にはやてが思わず口走る。
「俺の母は人間だったということだ。」
人間が未知の魔道生物との間に子を成すという話に全員が息を飲む。
「その悪魔の力でガジェット…あの戦闘機械を退けたんですか?」
一瞬の沈黙を破りフェイトが尋ねる。
「ああ、随分と数が多かったがまるで手ごたえが無かったな。」
バージルの言葉からすると彼は一発の攻撃も受けずに300体近いガジェットを倒したことになる、デバイスも無く、ミッドやベルカの魔法知識も無く、あんな負傷をした者がそれをしたと言うならば正に悪魔の所業だろう。
「そのボロ刀でか? 信じられねえなホントに。」
「閻魔刀(やまと)、スパーダの振るった数多の剣の内の一本だ。」
バージルは挑発ともとれるヴィータの言葉に静に答える。
「それじゃあ、身体の傷はいったい…」
「こちらの世界に来る前の戦いで負ったものだ。」
と、はやての問いに答える。
「貴様にそれほどの手傷を負わすとは、相当の使い手か?」
事情聴取が始まってから沈黙を守ってきた烈火の将シグナムが問う。
「ダンテ…俺の弟だ。」
バージルが始めて口にする、こちらの世界に来る前の具体的なそして衝撃的な言葉にスターズ、ライトニングの両隊長が口を開く。
「弟って!」
「何でそんな。」
「魔界へ渡るためフォースエッジとアミュレットを賭けて戦ったまでだ。」
バージルは感情を隠しきれない二人に今までと変わらない静かな口調で答える。

お互いに交換できる情報は出し尽くした、これまでの話からすればバージルは自分の住んでいた世界と魔界と呼ばれる隣接する世界を繋ごうとしたことになる、
管理外世界の住人(厳密に言えば人ではないが)である以上は管理世界の法律で彼がその世界間を勝手に繋げようとした事は裁けないが、
少なくともアミュレットはロストロギアとして押収されるだろう事が予想された、しかし彼の見せたアミュレットに対するこだわりと、さらに亡き両親の形見という言葉を聴いてフェイトは言葉に詰まっていた。
389Strikers May Cry:2007/11/16(金) 17:11:24 ID:oBCLAtZn
「バージルさん…」
口を開いたのはフェイトではなくはやてだった。
「このままやったらアミュレットは間違いなくロストロギア…危険な古代遺産として管理局が押収します。」
はやての歯に衣着せぬ言葉に一同は目を見開く、彼のアミュレットに対する感情を知ってこのような言葉を吐いたならそれは自殺行為にも等しかったからだ。
「でも…もし私に力を貸してくれるなら、絶対にそんな事させません!悪くても最低限の封印処置で所持の許可を取ります!」
(ちょっと!はやて何を言って…)
(はやてちゃん!)
(主!)
(はやて!)
ブリーフィングルームの時の比でない驚愕を浮かべ隊長陣が念話をつなぐ。
(みんな落ちついて…)
はやても念話をつなぎ説明を始める。
(バージルさんは魔道師やない、低ランクの嘱託魔道師として登録すれば戦力の保有制限にも引っかからへん最高のジョーカーになる、
時空遭難者として六課の預かりにすれば問題もあらへん、切れるカードが多いことに越したことはない筈や、それにアミュレット取り上げる言うて駄々こねられたら大変やろ?)
自分を見つめる皆へ少し視線を向けながら諭すようにはやては念話で呼びかけた。
「力を貸すとは?」
「嘱託契約の魔道師として機動六課の戦力になってください。」
「封印処置と言ったな。」
「アミュレットの魔力が暴走せんように魔法をかけます。」
しばしの応答をへて見詰め合う両者、次に言葉を切ったのはバージルだった。
「つまり、大事な物を取られたくなければ言うことを聞け…ということか。」
こちらも歯に衣着せぬ言葉で返すバージル、痛烈だがそれは真実だった。
「…断ると言ったらどうする?」
390名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 17:11:50 ID:6JdQFhQ+
支援
391Strikers May Cry:2007/11/16(金) 17:13:59 ID:oBCLAtZn
「全力でぶっ倒して取り上げます。」
「出来るとでも思っているのか?」
「私ら舐めとったら火傷しますよ?」
声の調子こそ穏やかだったが、二人を除く全員は気が気ではなっかた、圧倒的な数の優位性があるが目の前の男の力はあまりに未知数なのだ。
「くっ くはははっ。」
静かな笑い声が響き、バージルは初めての負ではない感情を見せる。
「随分と飾らんのだな。」
「そんなことないですよ、これでも一部隊の隊長ですから、猫かぶるときはかぶりますよ。」
今までの剣呑な流れが嘘のように会話が場に流れる。
「悪魔の俺に助力を請うとは変わった奴だなお前は。」
その言葉を聴き、はやては不機嫌そうに口を出す。
「違いますよ〜、お前やのうて“はやて”って呼んでください。」
「いいだろう八神はやて、俺もこの世界の魔道に興味が沸いた、俺の力貸してやる。」

この日、力を求め続ける闇の剣士、伝説の魔剣士の息子は最後の夜天の王と契約を果たした。

続く。
392名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 17:15:02 ID:6JdQFhQ+
支援
393Strikers May Cry:2007/11/16(金) 17:17:07 ID:oBCLAtZn
終わった…コピーってこうやってやるのか、パソコンってすげえ。
とりあえずバージル兄さんはダンテとの戦いで
ちょっと性格柔らかくなってるって事でお願いします。

後、時間軸はヴィヴィオ登場前くらいを考えてます。
394名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 17:18:29 ID:6JdQFhQ+
GJ!
バージル兄さんの鬼活躍にwktk
はやてはアニメより優秀な雰囲気だ。
395名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 17:32:24 ID:QMtiwJvf
取り合えず、と。の使い方を知ることが必要かと。
、なしで長い文だと読みにくいので。後いくつか、と。が逆っぽいところありますし。
ライトノベル作法研究所辺りを見てみてはいかがでしょうか。あそこは初心者は一度行くべきサイトだと思います。
長々と偉そうに失礼しました。ですが面白くなりそうなクロスなので、老婆心ながら。
396名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 18:24:31 ID:6JdQFhQ+
>>379
そこでブレードIIに出てきたラダム母艦のブラックホールによる重力レールガン対アースラのアルカンシェルですよ!
それにしてもブラックホールを消滅できるボルテッカならアルカンシェルに対抗できそうな雰囲気。
397名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 18:31:08 ID:v1nZLnVB
悪魔の力を手に入れた管理局は鬼に金棒だな
シグナム姉さんとの対戦が楽しみだ。
398名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 18:35:05 ID:aR8JH9Wd
GJ!!
いいぞいいぞ良いすべりだしで、続きが楽しみだ。
399名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 18:41:08 ID:aR8JH9Wd
もう一つ、バージルさんが好漢でよかった。
400名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 19:19:15 ID:8QTXyHgE
バージルさんが丸くなってる。続き楽しみにしてます
401名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 19:26:42 ID:+swxueV8
漫画のバージル兄ちゃんは難癖つけてきたゴロツキをトマトみたいにスライスした。(十人ぐらいを秒単位で)

それを思うと殺さずに話聞くだけでかなり丸くなったなwww
402名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 19:28:18 ID:f/0CHO0Y
ただ、敵には間違いなく容赦なしのままだな
403名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 19:31:50 ID:n/S5iVaL
そこまで丸くなったらバージル兄さんじゃないでしょ
404名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 19:32:58 ID:kOCp+A64
どっか頭ぶつけたんじゃねーのか?って性格になっとるな>バージル
405名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 19:35:05 ID:NYcCK1sb
弟にしこたま撃たれたり、斬られたりしたからね。
406名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 19:39:03 ID:f/0CHO0Y
>>404
まあ、表面的にはそうだけど内面は研ぎ澄まされた危険な刃のままさ!
407名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 19:39:53 ID:jYDnwNO0
しかしバージルが魔帝に支配されなかったら、
DMC1のときいろいろまずいことになるんじゃないだろうか?
408ネオシャドームーン:2007/11/16(金) 19:52:43 ID:6/I+jhJ/
またまた勝手に替え歌載せます。 ウルトラマンレオ替え歌の第二弾です。

     戦え!ウルトラマンフェイト 
フェイト ウルトラマン フェイト 君の番 フェイト 戦え!

フェイトはそこまで来ている フェイトは役目に燃えてる

黄金の光をくぐって やがてやってくる

平和を笑う敵は この手で叩きのめす

それがフェイトの使命 それがフェイトの運命

魔導師の証が輝いて 雷鳴たちまち起こり

戦う 戦う ウルトラマンフェイト 

フェイト ウルトラマン フェイト 君の番 フェイト 戦え!
409名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 20:13:27 ID:v1nZLnVB
まあ美女にはバージル兄さんもやや甘いんですよ たぶん
敵なら美女でも容赦しないだろうけどなw
410名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 20:14:59 ID:6TVAxofs
ナンバーズ刺身のお知らせ。
411Strikers May Cry:2007/11/16(金) 21:47:24 ID:oBCLAtZn
、と。の使い方ですか…小学校のとき習ったな、そんなの。
すいません、小六の時の読書感想文がちゃんと文章を書いた最後の記憶なもので。
ちょっと小学校の時の教科書でも探してきます、ホントすいません、見苦しくて。
412名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 21:51:58 ID:jYDnwNO0
あと 。 ですが
俺の力貸してやる。」 っと言うような場合は
俺の力貸してやる」になります。
つまり 。」 → 」 です。
413Strikers May Cry:2007/11/16(金) 21:55:15 ID:oBCLAtZn
マジっすかやべえ…セリフの書き方って何年生くらいですかね?
414リリカルスクライド//G.U. ◆etxgK549B2 :2007/11/16(金) 22:03:01 ID:D8gMY3QG
わたしは『それゆけ宇宙戦艦ヤマモトヨーコ』って小説を初めて読んでからSS書くようになったなぁ。
それから、多くの小説を読んで書き方を学んでから投下しましたねぇ。
多くの小説を読んで、そこから書き方を学ぶのが良いかもねぇ〜
415名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 22:09:39 ID:Y39QAQDN
それはここで聞くようなことだとも思えないなぁ……

ここは比較的優しいからあんまりこんなこと言う人もいないけど
そもそも句読点のうちかた注意される文章なんて人様に見せられるようなもんじゃないんだよ
書き方に疑問を覚えもしなかったなら、まず本を読むことからはじめるのをすすめる
本を買うのがダメならここのまとめWikiの作品を読むのでもいい、まず先達の文章を読んで書き方の参考にするところからはじめるといい
長くなりましたが、貴方がきちんとした文章力を身につけて素晴らしい話を書き上げてくれるのを待っています
416リリカル遊戯王GX:2007/11/16(金) 22:09:44 ID:QT8ZxoX7
台詞の書き方は学校で習った覚えないなぁ
スクライド氏と似たような感じで自己学習、
そして投稿SSサイトで台詞回しとかについて叩かれまくって、小説の書きかたに関するサイト回って今にいたる

・・・それだけやってもこのレベルかよ、というとこには触れないでくれ
417名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 22:11:27 ID:a37XjZXu
【書き手さん向け:マナー】
 読みやすいSSを書くために
 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5301/1126975768/
418病床のスバル@療養中 ◆9L.gxDzakI :2007/11/16(金) 22:20:29 ID:j67EXFrw
こんなコテにしたせいで、頭から「口に体温計くわえて寝込んでいるスバル」の妄想が消えません。
絶対にあり得ないのに…

自分は、文章書き始めたのは消防の頃でしたねぇ…(リレー小説サイトに出入り)
以降、そこで他の人の書き方を見たり、特にホームページを持つわけでもないのに小説書いたりして、自力で書き方を学びました。
で、最終的に高校の文芸部で固まって、今に至ります。

…ちょっと小ネタができたので、投下していいですかね?
シャイニングのSSが進まずにこんなネタばかり浮かぶ…
419名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 22:27:37 ID:L9FKSAiO
ここ、いろんなクロスネタが多いですな。
ところがですね。アニメネタ以外にもゲームの方のネタもクロスするのはどうでしょう?
たとえば・・・
・・・
・・・
そう、GBA「ロックマンゼロ」


Dr.バイルによるラグナロク落しをくい止めたゼロは大気圏突入の直前、マザーエルフの力によって別の世界へ飛ばされる。

『・・・ゼロ・・・』

「マザーエルフ・・・」

『い・き・て』

「まさか・・・お前はアイリ・・・?!」




炸裂する火災現場の真ん中。

「お父さん・・・お姉さん・・・」

一人の少女が泣いていた。

「怖いよ・・・痛いよ・・・こんなのやだよ」

女神の像が倒れ始め少女を襲い掛かるその時。
紅の疾風が走り、少女を救い出す。

「大丈夫か」
「お兄ちゃんは・・・だれ?」
「おれは・・・ゼロ」

戦闘機人の少女、スバル・ナカジマ。
伝説のレプリロイド、ゼロ。
二人の出会いから始まる物語である。
420リリカルなのはFeather :2007/11/16(金) 22:30:36 ID:T+NqGga7
台詞回しですか〜私は初めてSS書いたのでよくわからないのですが
Strikers May Cryさんは私より何十倍の文才を持ってると思いますよ
421病床のスバル@療養中 ◆9L.gxDzakI :2007/11/16(金) 22:31:41 ID:j67EXFrw
>>419
俺のクロス元のシャイニング・ウィンドだってモロゲーム作品なのに…orz
まあ、面白いから許すっ!(ぇ

それでは何事もなさそうなので、投下します。
なのは×終わクロ氏の「アレ」とは、また違った意味で絶対にあり得ないクロスです。
…いや…これ、クロスなのかな…?




「最近機動六課の『フォワードチョコ』が妙に売れないの! フォワードメンバーのみんな、今日はこれについて話があるの!」

シール(題字:都築真紀)

フォワードメンバーの仲間達
戦闘機人・スバル
最強の凡人・ティアナ
竜召喚士・キャロ
スケベのエリオ

「まず、このお菓子のウリは何と言ってもシールなの。
 子供たちは、ミッドチルダを守るフォワードメンバーの描かれたシール目当てに何度もお菓子を買うというわけなの。
 で、中に入っているシールが…」

【残念そうな顔のヴィータのシール×3】

「これと…これと…この3種類なの」

「売れるかなのっ!
 3種類しかないシールを誰が集めるかなの!
 大体何で絵が全部残念そうな子供の顔なの!
 このお菓子を買ってしまった子供の顔かなの! 気分悪いの!」

「…というようなことを発売当初私は言ったけど、そしたら君達は新たにシールを追加してきたの」

【何だかムカつく笑みのヴィータ×3】

「これと…これと…この3種類なの」

「どう違うのっ!
 微妙に笑顔になってるだけなの! 余計イヤなの!
 何でどれ1つ純粋な気持ちで笑ってないの!」
422病床のスバル@療養中 ◆9L.gxDzakI :2007/11/16(金) 22:33:16 ID:j67EXFrw
「…と、いうようなことを先日言ったら、そしたら君達はまたシールを追加してきたの」

【シールを追うごとに、凄絶な笑顔になっていくヴィータ】

「これと…これと…この3種類なの」

「恐ろしいの!
 何で子供達のヒーローのシールがこんなのなの!
 こんなん売れないの! 誰なのそもそも! このモデルの子供は誰なの! 誰なのーーー!」

「…と、私が昨日言ったら、今日君達が連れてきたのが…この子(ヴィータ)なの」
ガスッ、ガスッ、ガスッ…
「さっきから執拗に私にラケーテンを当ててくるの…もういいから連れ出してほしいの」

「まったくけしからんの! 聞けばあの子、先々月リストラした
   はやてちゃんの子(?)だそうじゃないの! あてつけなの!
   君達の上司をリストラした私へのあてつけなの! しょうがないの!
 六課のお菓子はほとんどお蔵入りなんだからなの!
 君達もリストラされたくなかったらもっとマジメにお菓子作るの! ともかく結論としては、
 このお菓子は販売中止とするの!」
((((え〜…))))
「そんな残念そうな顔をしても駄目なの! もう決めたの! 中止ったら中止なの!」
ピュイッ(キャロの口笛)
ガスッ、ガスッ、ガスッ…
「アアウッ、子供を使って抗議するななの!」

「やれやれ、今日も疲れたの…新人の奴ら、リストラしたいの、まったく…
 …あっ、私のレイジングハートに…(シールが)貼られてるの!
 あいつらぁーー! くそーーーっなんて嫌がらせなの!」
ベリリッ(剥がしそこねる)
「ワアアーーッ! シールはもうこりごりなの!」
423病床のスバル@療養中 ◆9L.gxDzakI :2007/11/16(金) 22:34:44 ID:j67EXFrw
…スイマセン…正直、魔が差しました…
大人しく、シャイニングSSの続き考えます…
というか、身体治します…本当スイマセン…
424名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 22:41:52 ID:iergQ0nT
GJ………?
とりあえず笑わせていただきましたリリカル漫画日和、しかしスケベならユーノの方が適任かと、
そして身体にお気をつけて、元気になって帰ってきてください。
425なのは×終わクロ:2007/11/16(金) 23:02:32 ID:E5q8LPlL
うーす、「アレ」とご指名を受けたなのは×終わクロでーす。
鬱ストーリー全開なゴジラクロスが妙に好感触で続投希望という稀少なお二方(悪い意味じゃないですよ?)がいて、「こっちも書いてみちゃおっかなー」とか思う今日この頃。
ただねー、鬱ストーリー書いたせいでねー、無性にアホなものが書きたくなってねー……。
つーわけでノリとテンションに任せたスーパーアホネタを投下してみるですよ。
426名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 23:03:07 ID:QWMkL8/e
支援
427なのは×終わクロ:2007/11/16(金) 23:04:56 ID:E5q8LPlL
『――“萌え”が見たけりゃとっとと帰れ!!!』


―― 性格(キャラ) ――
―― 風貌(スタイル) ――
―― 挙動(アクション) ――
―― 俗称(ニックネーム) ――


『――フェチニズム直撃のストーリーを電波に乗せる為、近代社会が生んだ倫理コードという名の束縛!
 ――我々視聴者(FAN)は過去幾つもの名作を目撃しながらも!!
 ――しかし押さえ切れぬ残酷な欲望を常に心の内に秘めてまいりました!!!』


――“真性”同士の真剣勝負(NORULE DEATH MATCH)!!
――誰もが切望しながら!!!
――妄想と! 大学ノートの欄外と!! 友人とのダベりの中にしか存在しなえなかった究極の幻想!!!


『――兵器以外に禁じ手一切無し!!
 ――決着は当人による泣きっ面(GIVE UP)のみ!!
 ――いわば魔法少女(GLADIATOR)の誇りのみが唯一の掟ッッ!!!
 ――現代日本魔法少女史上このような闘いが公になる事はメジャー・マイナーを問わず空前ッ!!!
 ――そしておそらくは今日この日をもって絶後となるでしょうッ!!!
 ――目撃せよ!!! 乙女達が己の全てを解き放つ五つの瞬間、その煌めきを!!!
 ―――全対戦カード、発表(OPEN)!!!』



――先鋒戦(BREAK FIRST)!!!

『…東軍!
 ――元適性年齢(JUVENILE)も元魔法少女(VETERAN)も関係ねぇ!!
 ――現役(PRESENT LOLITA)だから意味がある!!
 ――親友シルヴァーナを引き連れての参戦だ!!!
 ――“召喚系”魔法少女、ミニス・マーン!!!!』

『…西軍!
 ――現役っつぅならこっちも負けちゃいねぇ!!
 ――今も絶えぬ強固な人気(FAN)を抱える永遠の少女!!
 ――初期最強技は半裸オヤジの尻から編み出したなんて言っちゃイヤ!!!
 ――“紋様系”魔法少女、ククリ!!!!』


428名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 23:06:03 ID:QWMkL8/e
グルグルかよwナツカシスwww支援
429なのは×終わクロ:2007/11/16(金) 23:06:20 ID:E5q8LPlL
――次鋒戦(SECOND BLOW)!!!

『…東軍!
 ――生まれながらにエリート街道まっしぐら!!
 ――敬愛する父から継いだのは至高の魔術回路とドジッ子体質!?
 ――相棒(MASCOT)の名前は“カセフィーヌ(家政夫犬)”とあるが本当か!!?
 ――“宝石系”魔法少女、遠坂凛!!!!』

『…西軍!
 ――舐めんのはアメちゃんだけにしとけよクソガキが!!
 ――こちとら現在絶賛不老不死、歳なんざ100歳超えてらぁッ!!
 ――『スパイシードロップ』のドロップは『ドロップキック』の略称さ!!?
 ――“飴玉系”魔法少女、アクア!!!!』


――中堅戦(CENTER ACE)!!!

『…東軍!
 ――原作+アニメでカード総数53枚!!!
 ――運動だったらバッチ来い、でも勉強だけはカンベンな!!
 ――迷う事は多いけど恋する貴方がいれば何でも出来る!!!
 ――“カード系”魔法少女、木之本桜!!!!』

『…西軍!
 ――あの日あの時の滅びから60年が経ちました!!
 ――焦れるあの人の背を負いやってきたのは奇人蠢く魔窟学園!!
 ――「その名を呼んでいいのはあの人だけなんだからっ!」なツンデレ系!!?
 ――“文字系”魔法少女、ブレンヒルト・シルト!!!!』


――副将戦(FIGHT CLIMAX)!!!

『…東軍!
 ――おっとSORRY、副将予定のジャベイラがトラウマ再発でドクターストップだ!!
 ――だけど心配いらねぇそれ以上のスーパーゲストがやって来た!!
 ――10人の中にあって唯一の実写タイプが参戦だ!!
 ――“特撮系”魔法少女、マジブルーこと小津麗!!!!』

『…西軍!
 ――おいおい粋がってんじゃねぇぞお嬢ちゃんッ!!
 ――テメェ等が誰のお陰でこの世に生まれてきたと思ってんだ!?
 ――魔法少女というジャンルを切り開いた冒険者が我等の前に帰還した!!
 ――“元祖系”魔法少女、サリーちゃん!!!!』

430なのは×終わクロ:2007/11/16(金) 23:07:51 ID:E5q8LPlL
――大将戦(CLOSS FINISH)!!!

『…東軍!
 ――魔法の呪文は肉体言語!?
 ――骨を割り肉を裂く音が呪文となってステキなキセキを起こしちゃう!!
 ――近接・格闘戦最強の彼女にこそ王者の名が相応しい!!
 ――“肉体系”魔法少女、田中ぷにえ!!!!』

『…西軍!
 ――説得という名の極光が今放たれた!!
 ――撃ち抜き墜とした敵を引き連れて軍団を結成!?
 ――十年の歳月を経て“管理局の白い悪魔”は“冥王”に成長しました!!
 ――“砲撃系”魔法少女、高町なのは!!!!』



――全試合が時間無制限一本勝負!!!
――全試合が正真正銘のNO HOLDS BARRED!!!
――そして全試合がメインイベントだ――――――――ッ!!!!



『――空前の話題作が遂に登場!!
 ――“魔法少女オールスターズ・大乱闘スマッシュシスターズ”!!!
 ――新暦7X年春頃、似天堂よりミッドチルダ限定発売!!!
 ――血で血を洗う魔法少女の祭典を買い逃すな!!!
 ――魔法少女共ぉ……テメェ等全員、女傑(オンナ)だぁっ!!!!』
431なのは×終わクロ:2007/11/16(金) 23:15:24 ID:E5q8LPlL
あーあ、やっちまった。こんなアホネタやっちまった。
ていうかアレですな、どうも自分はこういうオールスター系のものが好きらしいです(マスラヲ然り、FINAL WAS然り)。
あと前から思ってたんですが、自分の属性は短距離暴走型っていうか……物書きも瞬発力でやっちまうタイプっぽい。ひょっとしたらこういう短編もの(?)の方が向いてるのかもなー……。

あーそれから、ゴジラクロスが残虐ロードまっしぐらなので思い出したんですが……漫画版デビチルのクロスでもスゴい事になりそうですよねー。
あれですよ、なのはが悪魔軍団を一掃して最後に叫ぶんですよ、「私を殺してみるなのッ!!」とか。
昔読んでましたけど、あれには感動したなー色んな意味で。特にマーブルランド編のエレジー襲撃の話は血湧き肉踊ったもんだ……(郷愁)。
昔「まもって守護月天」とか「ネギま」でクロス考えた事あるから、やってやれない事はないんですよねー。
432名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 23:18:39 ID:xt5oOwsa
シンシアかYO!w
GJ!
433病床のスバル@療養中 ◆9L.gxDzakI :2007/11/16(金) 23:21:45 ID:j67EXFrw
>なのは×終わクロ氏
敢えて言おう、おジャ魔女●れみはどうしたと!w
何はともあれGJです! 実際に同人ゲーなんかで発売したら売れるだろうなぁ…

そして! FINAL WARS連載を実現させるおつもりなら!
原作をねじ曲げてでも! 是非ともあの怪獣を出していただきたいッ!
最凶最悪の赤きモンスター・デストロイアをッ!!!

…いかん、これではブルーアイズの時と同じだ…
もう寝ます…今日はテンションがおかしい…

P.S.デビチルの漫画はウチにも全巻ありますよ。フェンリルさんがやけに渋いw
434名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 23:36:05 ID:4IjkM9L+
50回連続で戦うと背景に黒いねこが出てきそうなゲームだw
しかしアクアvs凛は圧倒的にアクアが強いな。

魔法攻撃一回ごとにかかるコスト的な意味で
435なのは×終わクロ:2007/11/16(金) 23:39:02 ID:E5q8LPlL
グッドナイト、病床のスバル@療養中氏。
そして告げよう、二つの言葉を。
@おジャ魔女ど●みは入れなくてスマン。アレはあんま詳しくないから書けんかったのだ。
Aデストロイアについては……フフフ、ご安心召されよ、既に登場予定はあるさ。しかも『家庭崩壊』『友情崩壊』『管理局のクソッタレ』の三拍子を盛り込む最悪の存在として、な!!
 まーそもそも『FINAL WAS』はあくまでも符号であって、実は登場する怪獣かなり違うんだよねー。
でも…そこまで行くかどうかは別問題なんだよね。――嗚呼、自分の持久力の無さが恨めしい……ッ!!
>>432
解ってくれる人がいてくれて良かったー。
436322 ◆tRpcQgyEvU :2007/11/16(金) 23:41:37 ID:Oo8IhkQM
>>431
も・・・元ネタがわからない・・・

私がSSを書き始めたのは二年前くらいからです。
そのころから書き方については無頓着で、基本的なルールを守ってそこそこの文章力があればいいや、と考えてました。
もちろん、今でもそうです。
437名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 23:42:29 ID:QWMkL8/e
>>435
>『管理局のクソッタレ』
漫画版デストロイアな展開か?
マグロ食ってる奴が気になる。
438名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 23:48:07 ID:09L/pvAS
>>434
しかしステッキ発動
439名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/16(金) 23:48:10 ID:Mljn6CaW
>>435
俺的にはモスラとバトラが気になるな。
440名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 00:16:39 ID:6zUpoBVe
>>なのは×終わクロ氏

意図的にだったらすまないが、WASじゃなくてWARSだぜ?
441名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 00:41:39 ID:CAb93htj
>>49
管理局には確実にコスモスが警告に来るw
やってることが機龍の万倍エグイしなぁ……
442名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 00:46:28 ID:muMY7lO2
デストロイアにしろゴジラにしろ地球は欠かせない要素じゃなかろうか?
舞台はミッドチルダと地球を行きゆきするんだろうな。
なのは達が地球に言ってVSシリーズに出てくる人達に協力を要請するんだ!
「薬は注射より飲むに限るぜ。ゴジラさんよ。」の人とかオキシジェン・デストロイヤーの人とかな。
キャッチコピーは「君は生き延びる事が出来るか?」
443名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/17(土) 00:51:01 ID:geudlmsx
とりあえず地球は対G兵器として轟天号と機龍とモゲラを開発してそうだな。

444名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 01:00:26 ID:gEVmzB5b
>>431
>(マスラヲ然り
マスラヲつーと、戦闘城塞のやつ?
6課が聖魔杯に参加したら凄いことになりそうだ、色々な意味でw
445名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 01:58:44 ID:21qsaxc5
>>419
ロックマン・ゼロ好きの俺にとっては

すごく・・・読みたいです・・・・
446なのは×終わクロ:2007/11/17(土) 08:40:00 ID:IcVBgCge
誰もいないであろう所にグッモーニン。『スレの中心で挨拶を叫ぶ』なのは×終わクロです。
あれから睡眠をとる前に妙な電波を受信したので、幾つかの返事と一緒にレッツ投下。

>>440
すまねぇぇぇぇぇッ!!! 自分の言語力の無さに自分が泣いた!! デバイスの台詞を完全日本語放送の自分に、ワルファベットのタイトルはやはり無理だったのか……!?
>>442
うふふ、何をおっしゃるウサギさん。当方のキャッチコピーは「今日から私が君達の主だ。…怪獣諸君、君達は―――入れ物だ」ですよ?(←最悪だ)
>>419
ゼロも良いけど、自分的にはエックスの方が好きだなぁ…。もちろん岩本版で。
447なのは×終わクロ:2007/11/17(土) 08:42:23 ID:IcVBgCge
――これはJS事件が始まるずっと前
――技術も力もないけれど
――みんなたくましく暮らしていた頃のお話です



『次元世界島のセインちゃんディエチちゃん』



「ただいま〜」
「…ただいま」
 とってもとってもオンボロなお家に、ちっちゃな二人の女の子が帰ってきました。片っぽは元気いっぱいな水色の髪、もう片っぽは長い茶色の髪をリボンで結わえた女の子。
「おかえりなさい。セイン、ディエチ」
 迎えてくれたのはキレイなおねえさんです。割烹着を来たおねえさんの両手にはおなべが一つ。
「おやつがあるわよ」
「ホント!? ウーねー!!」
「こぉら、ウーノねえさん、でしょ?」
 こまった風に笑うおねえさんはおなべをちゃぶだいに置いて、中のものをお皿にのせて出してくれました。
「わぁっ、おいもだぁ!!」
 水色の女の子はおおよろこびでちゃぶだいに駆け寄りました。
「おいもなんて1週間ぶり〜!」
「合成だけどね」
 ふふふ、とキレイなおねえさんはだいどころにもどり、水色髪の女の子はおいもにかぶりつこうとしました。
 でもそこで気がつきました。おいもがひとつしかないのです。
 そして後ろにはものほしそうな顔をした茶色髪の女の子。
「――えいっ」
 そんな茶色髪の女の子をみて、水色髪の女の子はおいもをふたつに割りました。
「いっしょに食べよ?」
「……うんっ!」
 水色髪と茶色髪の女の子はいっしょにホクホクおいもをパクパク。そこへまた二人の女の人が帰ってきました。
「ただいまー」
「メシにしてもらえますか、姉さん」
 それはちっちゃな女の子とおっきなおねえさんの二人です。どっちも格好はドロだらけ。
「……おかえりなさい、チンク姉さん、トーレ姉さん」
「チンねー、トーねー、おかえり〜」
「その呼び方はやめろって言ってるだろう!!」
 二人のお姉さんのチョップが水色髪の女の子の頭にめいちゅうしました。


448なのは×終わクロ:2007/11/17(土) 08:44:10 ID:IcVBgCge
 そうして日がくれ、ばんごはんの時間になりました。女の子5人もちゃぶだいを囲んでばんごはんです。
『――時空管理局・期待の女性捜査官、ナカジマの活躍によって今回の事件も無事に――』
「このナカジマとかいう新人、なかなかいい腕をしているな……」
「こらトーレ? ごはんの間くらいテレビ消しなさい」
「ウーねー! おかわりー!」
「……あの、私も」
「よし二人とも、姉が代わりによそってやろう」
 わいわいとにぎやかなばんごはんです。そこへおくのふすまが開いて、メガネのおねえさんがでてきました。
「あ、クアねー、いま起きたの?」
「うふふ、おねぇさんねぇ、朝からずっとご本を、読・ん・で・た・の? ウーノ姉様ぁ、ごはんよそってくださるぅ?」
 メガネのおねえさんにキレイなおねえさんはごはんをよそってあげました。でもそのかおはとっても怒っています。
「あのねクアットロ、言いたくないんだけど……そろそろ働こうって気はないの? チンクなんて高校にも行かずに働いてるのに、大学まで出た貴女が――」
「いいんだよ、ウーノ姉さん」
 ちっちゃな女の子がキレイなおねえさんの言葉をとめました。
「クアットロ姉さんは私なんかよりずっと頭が良いんだ、その姉さんにふさわしい仕事が見つかるまで私が頑張れば良いだけです」
「だが本当に良いのか、チンク? 肉体労働なら私だけでも……」
「そう言って風邪をひいたのは何日前ですか、トーレ姉さん?」
 心配そうなおっきなおねえさんにちっちゃな女の子はクスクスと笑ってかえしました。
「そぅいぅ事? 私にはぁドクターを助けるっていう大事なお仕事があるんですぅ」
「また貴女はそんな事ばかり言って」
 コツン、とメガネのおねえさんにかるいゲンコツがはいりました。ゲンコツしたのは、金色髪のおねえさんです。
「やぁんドゥーエ姉様、聞いてらしたんですかぁ?」
「頭が良いからって、それを鼻にかけてたら良い女にはなれないわよ? クアットロ」
 アセアセするメガネのおねえさんに金色髪のおねえさんはにっこりとわらいます。そんなおねえさんを見て水色髪と茶色髪の女の子はポカーンとおおぐちをあけてます。
「……ドゥーねー、すっごいキレぇ……」
「……おけしょうですか?」
「そうよ、これが分るようなら、貴女達がオトナになるのももうすぐね?」
 それから金色髪のおねえさんはキレイなおねえさんを見て、
「――ドクターは、研究室に?」
「――ええ、お別れを済ましてきなさい」
「……そうね」
 みじかく話して金色髪のおねえさんは出ていきました。
「ドゥーねーどっか行っちゃうのー?」
「……そうなの。ちょっと遠い所に、しばらくお仕事に行くのよ」
「ふぅーん」
 水色髪の女の子はよくわかんないっていう風です。そこへ茶色髪の女の子が、
「……あ、あのっ!」
 水色髪の女の子とキレイなおねえさんはびっくりしました。茶色髪の女の子がこんなおっきい声をだすのはめずらしいからです。
「……なにか、てつだえるおしごとってありませんか?」
「どうしたの急に? おこづかいが欲しいの?」
 くびをかしげるキレイなおねえさんに茶色髪の女の子は、そうなんですけど、とうつむきます。
「……もうすぐ、あたらしい子がうまれるじゃないですか」
「ああ、ノーヴェとウェンディの事? それがどうかしたの?」
「え、えと、その、あの、……お、おいわいを」
 キレイなおねえさんはまたまたびっくりしました。水色髪の女の子とおんなじ末っ子が、じぶんでも気がつかなかった事をしゃべったからです。
「……そうね、お祝いしなきゃいけないわね?」
 キレイなおねえさんはわらいました。さっきの金色髪のおねえさんとおんなじぐらいキレイなかおで。
「――よーしみんな! もうすぐ生まれてくる妹達の為に、お祝いの用意をするわよー!!」
 とつぜんのキレイなおねえさんの言葉に、でもみんなはおおよろこびです。
「成る程、確かに祝いは必要やも知れんな」
「そうですね、姉として、新しい妹はしっかりと歓迎しないと」
「それってご馳走が出るって事ですかぁ? やぁん、嬉しいぃ〜!」
「わーい、パーティーだーパーティーだー!!」
 女の子達はおおにぎわい、夜はとっぷりとしずんでいきました。


449なのは×終わクロ:2007/11/17(土) 08:46:08 ID:IcVBgCge
 つぎの日がきました。コケコッコー、とにわとりさんがゲンキにないています。
 そして水色髪の女の子と茶色髪の女の子は小学校にいくじゅんびです。
「いってきまーす!」
「……いってきます」
「あ、セインは待ちなさい!」
 みおくりのキレイなおねえさんが水色髪の女の子をよびとめました。
「ホラ、前のボタンをちゃんとしめて! ――クアットロも、早くドクターの所に行きなさい!」
「うにゃにゃぁ〜、もう食べられません〜」
 ねごとでこたえるメガネのおねえさんに、仕方のない子、とキレイなおねえさんはためいき。それから水色髪のみじたくをととのえてあげて、
「――これでよし! さ、お行き」
「うん! 行ってきまーす!」
 水色髪の女の子は、茶色髪の女の子におっついていっしょに歩きます。
 そうしてしばらく行くと、ツギハギだらけの白衣を着たおにいさんがたっています。
「あ、ドクターだ! おはよー!!」
「……おはようございます」
「おや、セインにディエチ、おはよう」
 白衣のおにいさんはあいさつをかえしてくれました。そんなおにいさんに水色髪の女の子はだきついて、
「ねーねー、なんで私とディエチはまだ“せんとーきじん”にしてくれないのー!?」
「ふふ、それはまだまだ二人が子供だからだよ? もっと素敵な大人の女性になってから、かな?」
「ぶー! ドゥーねーはもうすぐオトナっていってたもーん!」
「……あ、あの、ドクター。それはなんですか?」
 茶色髪の女の子が、白衣のおにいさんがもっているものを指差しました。メーターのついているそれは、どうやら機械のようです。
「これかい? これはね、夕べようやく完成した装置なんだ。この機械をつけると……」
 機械はウィンウィンいってうごきます。するとメーターの針がいっきに『0』へとかたむきました。
「――何と魔力結合が出来なくなるんだ!」
「「へぇ〜」」
 水色髪と茶色髪の女の子はこえをそろえます。
「よくわかんないけどすごーい! ドクターすごーい!」
「……さすがドクターです。よくわかんないけど」
「ハッハッハッハッハ」
 そんな二人に、白衣のおにいさんはまんめんの笑顔をみせました。
 本当に、突き抜ける様な、欲望も狂気も無い笑顔を。



――これはJS事件が始まるずっと前
――技術も力もないけれど
――スカリエッティとナンバーズが力をあわせて たくましく暮らしていた頃のお話です
450なのは×終わクロ:2007/11/17(土) 08:50:21 ID:IcVBgCge
あー、ミスが発生。ハートマークを文章に入れてしまいました。クアットロの台詞んトコ。

>「うふふ、おねぇさんねぇ、朝からずっとご本を、読・ん・で・た・の?
>「そぅいぅ事?

↑の「?」の所がそれ。「(ハートマーク)」っていう風に脳内変換して下さい。
さてさて、なんか反響もあるしゴジラクロスやっちまいますかね〜。
451リリカル龍騎 ◆l5ZL/l4pJY :2007/11/17(土) 09:08:46 ID:msyUOG6B
職人の皆様GJです
…おのれ愚妹、もう少し早く奪還できていれば感想書けたものをorz

>>272
……例の愚妹からやっとPC奪還できて、更新できるかと思ったんですが…
奪還するのがあまりにも遅くてうpしていただいたうpろだから消えたみたいですorz
せっかくのご厚意を無駄にして申し訳ありませんでしたorz
452魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS:2007/11/17(土) 10:08:58 ID:YQaQIF+C
どうもです、次の話の前半部が出来ましたのでUP致します。
舞台は海鳴市、なのは・ヴィヴィオ・アリサ・すずかの休日話です。
453魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS:2007/11/17(土) 10:20:45 ID:YQaQIF+C

海鳴臨海公園は、日当たりと風通し双方に恵まれた場所にあるため、休日は市民の憩いの場所として人気がある。
梅雨も明けた七月末、夏休み最初の休日という事もあって、ジョギングに精出すスポーツマンや散歩中の家族連れ、
カップルなどで公園は賑わっていた。
人通りで賑わう海沿いの遊歩道を、大学生の女性二人組みが、周囲の注目を集めながら歩いている。
一人は、白いトップスに黒のロールアップパンツとウェッジサンダルが、一流トップモデルみたいに似合っている
白人女性。
もう一人は、紺の半袖ブラウスにリボンベルトの付いた白のタックスカートと、ネイビーカラーのウェッジソールが、
清楚な雰囲気を漂わせている日本人女性だから、注目を集めるのも無理はない。
「今日は何時にも増して人が多いね、アリサちゃん」
「学校も休みに入ったし、今日は休日だからじゃないの? すずか」
月村すずかとアリサ・バニングスの二人は、周囲の熱い視線を平然と受け流し、歩きながら他愛ない雑談をしていた。
「ところで、なのはちゃんは?」
すずかが尋ねると、アリサは周囲を見回しながら言う。
「えーと、この辺りで待ち合わせなんだけど…」
「あっ」
アリサ同様、辺りを見回していたすずかが、突然表情を崩して口を押さえた。
「すずか?」
アリサが怪訝な表情ですずかに声に掛けると、すずかは笑いを堪えながら指を差す。
454魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS:2007/11/17(土) 10:26:06 ID:YQaQIF+C
「君、今待ち合わせ中? もし時間があるなら、向こうの通りの喫茶店でお茶でもどうかな?」
「えっと…あの…その…」
アリサやすずかと同年代で、左寄りのポニーテールに紫のカットソー、デニムジーンズと藍染柿染め
のスニーカーという服装の、二人によりは地味ながら平均以上に綺麗な女性が立っていた。
彼女は、派手な色彩のジャケットとジーンズの服装が、如何にも軽い雰囲気な男にナンパされて困った
表情を浮かべている。
「いや、予定があって待ってるのは分かるんだけど、時間まで少しの間でもいいんじゃないかなって――」
ナンパ男がそこまで言いかけた時、誰かがいきなり背中を強く小突いた。
「――ってぇ、誰だ!?」
乱暴な口調で振り向いた男の険しい表情も、アリサの牙を剥き出しにした狼の如き凶悪な笑みに消し
飛んでしまった。
「あ…アリサ・バニングス!?」
「私の大切な友達にナンパとは、いい度胸してるわねぇ…」
「――――っ」
アリサは男の足を思いっ切り踏みつけて、男の返答を遮る。
「ふふ…相変わらずだね」
すずかは、その様子を微笑みながら見つめている。
「くぁwせdrftgyふじこl;p@:…っ!」
足の痛みと、アリサの人食い虎の如き凄みのある笑いで固まっている男が、すずかに救いを求める
ような視線を送る。
「アリサちゃん、もういいんじゃない?」
すずかがアリサの肩を軽く揺すると、アリサは思いっ切り踏みにじってから足を外す。
男は足を引きずりながら、ほうほうの体で逃げ出した。
455魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS:2007/11/17(土) 10:31:13 ID:YQaQIF+C
「なのはちゃん、大丈夫だった?」
すずかが言うと、高町なのははほっと肩の力を抜き、二人に頭を下げる。
「アリサちゃん・すずかちゃん、ありがとう〜」
「とんだのにひっかかったわね。あいつ、ウチの大学では超有名な自称“愛の伝道師”なのよ」
アリサが苦虫を潰すかのように言うと、すずかは微笑んだまま後を続けた。
「で、ことごとく失敗してる事でも有名なの」
「そう、あたしもすずかもあいつの毒牙に危うくかかるところだったんだから。まぁ、頬に2〜3日
は引かない腫れを作ってやったけどね」
腕を組んで言うアリサに、なのはは人差し指で頬をかきながら苦笑する。
「あはは。アリサちゃん、会うごとにどんどん過激なってない?」
「現実に鍛えられてタフになってると言いなさい。なのはだって、管理局のエース・オブ・エース
なんだから、あんなバカは魔法で吹っ飛ばせば済むじゃない」
「無理だよ〜。一般人にそんな事したら、魔導師資格剥奪された上に刑事罰で実刑になっちゃう」
三人が笑いあった時、なのはの背後で小さい子供の声がした。
「ママ?」
「あれ、ヴィヴィオちゃんも来てるの?」
すずかが尋ねると、なのはは頷いてから後ろを振り向く。
「うん。ヴィヴィオ、もう大丈夫だよ」
なのはがそう言うと、後ろから迷彩色のキャミワンピースを着た、オッドアイの小さい女の子が出てきた。
「ママ、大丈夫?」
心配そうに見上げる高町ヴィヴィオを、なのはは抱き上げて微笑む。
「ママは全然平気、ヴィヴィオは?」
「ヴィヴィオも平気」
なのはの微笑みに、ヴィヴィオも満面の笑みで返した。
456魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS:2007/11/17(土) 10:32:48 ID:YQaQIF+C
「こんにちはヴィヴィオ」
「お久しぶりね、ヴィヴィオちゃん」
二人が挨拶すると、ヴィヴィオも丁寧に頭を下げて挨拶する。
「今日は。アリサお姉ちゃん、すずかお姉ちゃん」
「で、今日の予定は?」
「そうねぇ…」
アリサが問いかけると、なのはは少し考え込んでから答えた。
「街へ出てお買い物をするかな? ヴィヴィオに何か綺麗な服とかアクセサリーとか買ってあげたいし」
「お買い物するの?」
ヴィヴィオの問いかけに、なのはは優しく頭を撫でて首肯する。
「うん、ヴィヴィオに似合う可愛らしい服を買ってあげる。それからお菓子もね」
「うん」
「ちょっと過保護じゃないかなぁ…」
アリサは苦笑しつつすずかに顔を向けると、すずかも首を傾げつつ微笑んだ。
「OK、じゃあ行くわよ」
そう言って、アリサとすずかは海側へと歩き出す。
「あれ、そっちは駐車場じゃ?」
なのはがそう言うと、アリサは人差し指をなのはの眼前で立てて左右に振る。
「ふっふっふ…」
アリサは含み笑いをすると、なのはに付いて来るよう身振りで示した。
457魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS:2007/11/17(土) 10:38:20 ID:YQaQIF+C
今回はここまでです。
ナンパされておどおどするなのはさんは、いくら“管理局の白い魔王”と言えども
元の世界に帰れば普通の一般人だろう…と思って入れました。
この後には、トランスフォーマーが一体(一人?)出てきます。
ここでは暴れませんけどね。
458名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/17(土) 12:43:14 ID:geudlmsx
GJ!
いや〜初初しいっすねなのは・・本編のアレが嘘みたいです・・

>>451
ご愁傷さま+お気の毒です・・
459名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 12:58:44 ID:PUS48iej
460魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS:2007/11/17(土) 15:25:29 ID:YQaQIF+C
>>458
ありがとうございます〜。
準軍事組織で生活してきたわけですから、実家に帰ると世間一般とのギャップに色々戸惑うのでは?
と思ってたもので、こういう感想が来ると嬉しいですね。
燃える戦闘シーンもいいですが、このような日常描写もバランスを崩さない程度に入れたいと思います。

>『次元世界島のセインちゃんディエチちゃん』
ほのぼのした生活描写と、穏やかながらマッドな片鱗を感じさせるドクターとのギャップが良かったです。
461リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/11/17(土) 17:26:21 ID:TEXMtVji
>>457
GJです。
自分もどちらかといえば描写の細かさに重きを置いた書き方にしてますけど
ここまでは出来ないっすねえ…。
自分も投下いいですか?
462名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 17:28:44 ID:qTDY7Z1H
>>450
元ネタは「宇宙島のガルマくん」ですね?
(ファーストガンダムのザビ家の昔の話と言う設定。
詳しくは『機動戦士ガンダムさん つぎの巻(大和田秀樹)』)



・・・・・・違っていたらごめんなさいorz
463名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 17:37:39 ID:PUS48iej
>>461
GOGOGO
464なのはStrikerS-NEXT4話 ◆0qJqyuBpiQ :2007/11/17(土) 17:37:50 ID:TEXMtVji
応答が無いので投下。
なのはStrikerS-NEXT4話「バルバ」

「残念ながら天国でも地獄でも無いぜ。もっともどちらに近いかと言われれば多分地獄だろうけどな。」
「真雪さん…そんな身も蓋も無い事を言わないで下さいよ…。」

自嘲気味に言う真雪を咎める真一郎。しかしその時…。

「………!先輩。この人…。」
「気に入らない臭いだな。オルフェノクとも違う。何者だいあんた!」

相川真一郎と十年来の付き合いで人狼と夜の一族のハーフ…綺堂さくらと
アルフが嫌悪感を剥き出しにしてバルバを睨む。

「…ハッ!お、お前は…!うううっ!」

彼女達に一呼吸遅れて今度は元刑事だった沢村幸司が婚約者の添野ひかるを背後に庇うと
たまたま傍らにあったMP5サブマシンガンを震える手つきで構えた。

「この人が誰だか知ってるんですか?」
「警察関係者なら知らない人は居ませんよ!この人は、いやこいつは未確認生命体B-1号…

あの未確認生命体の中じゃ4号と戦って死んだ
0号を別にすればリーダー格って言ってもいい。つまりあの事件の元凶って言ってもいい奴なんですよ!」

「な、何ぃ!」
「未確認だとっ!」

いつもは温厚な彼に似合わぬ剣幕で怒鳴る幸司の声に見守っていたギャラリー達の間に激震が走った。
それに少し遅れて思い出したように次々手に手に武器をとるととバルバに突きつけていく。

「私を殺すのか…。それもよかろう。ダグバが死んでグロンギが滅んだ今私が生きている必然性は何処にも無い。

…しかしその玩具で私が殺せるのか?」
バルバは無気力にそう言うと周りをぐるり取り囲んだアサルトライフル、
アサルトカービン、サブマシンガンといった銃器を文字通り
玩具を見るような目で見つめた。

「こんな奴置いといたら何しでかすか解らない。何しろあの未確認生命体なんだぞ。」
「しかしこちらに危害を加える意志の無い者を殺すのか?」
「何れにしろ監視は必要だ。」

喧々囂々とした議論が続けられたが結局結論は出ずとりあえず二十四時間
態勢で監視することだけが決まった。不思議な事にこの議論に一切水原と
その一派は関わってこなかった。

「木場さんたちは自分達に手を出さないって解ってるから強気に出るけど
未確認生命体は怖いのよ!全く弱虫というかなんというか…」
こう憤慨したのはアリサ・バニングスだ。そしてこの発言はどうやら図星らしかった。

「はい食事。少ないけど別に差を付けてる訳じゃないから我慢してよね。ベッドはそこで着替えはそれ。
服濡れてるでしょ?脱いだ服は啓太郎さんに洗濯してもらうからそこの籠入れておいて。
それからトイレはそっちの奥行って突き当たりを左。」

「いいのか?私は未確認生命体だ。お前達の敵になるかも知れないのだぞ?
465なのはStrikerS-NEXT4話 ◆0qJqyuBpiQ :2007/11/17(土) 17:43:16 ID:TEXMtVji
「だからって食事あげない訳に行かないでしょ。」

人間解放軍が拠点にしているテーマパークのすぐ傍にあるホテル群…
ここが人間解放軍のメンバーが寝起きするいわば家であった。
その一室に軟禁状態のバルバに食事を差し入れにやってきた岡村可奈は
そっけなく伝えるべきことだけ伝えると部屋を出て行った。
暖かい粥の匂いを吸い込むと一言

「リントは変わったな…。」

と呟き、可奈の後ろ姿を見つめるバルバ。
その頃そこから少し離れた元機動六課のメンバーが宿泊している階では…。
元機動六課の寮母だったアイナ、同元メンバーのシャリオ・フィニーノ、
そして同じくアルト・クラエッタ、そして八神はやてが途方にくれていた。
そこに通りかかったのは…。

「どしたんです?」

柊家の次女、柊まつりである。

「ルキノさんがまた部屋に閉じこもって出て来ないんですよ。」
「ここに来て何週間か経った頃からずっとこの調子ですねん…。なんか病気にでもなってたらと思うと不安で…。」
「…はやてさんの部屋ってここの隣ですよね?」
「そうですけど…どうするんです?」
「このむし暑い夜にエアコンが使えないんじゃ多分窓は開けっ放しでしょ。
ベランダ伝って窓から入るんですよ。」
「そんな無茶な…。あっ!あの…せめて命綱を…。」

止めようとするはやてを他所にさっさとベランダに出て行くまつり。その頃…

「はあ…はあ…はあ…。」

停電した隊舎でルキノは一人震えていた。

「ンーフッフッフッ…。」

正体不明の不気味な襲撃者のくぐもった笑い声が何処からとも無く響く。
既に自分以外に生きている人間は隊舎には一人としていなかった。その時!

「ッ…!?」
「ハア…ハア…。」

突然すぐ脇のドアが勢い良く開かれる。心臓が止まるのではないかという驚きと
恐怖に打ち勝ちルキノが見やった先に立っていたのは機動六課の整備員だった。
よほど恐ろしい目に遭ったのだろう。顔面は蒼白、汗はだくだくだ。彼女が
声をかけようとしたその時…その整備員は物言わぬ灰と化すと無残に崩れ去った。声も出ないルキノ。

「ンーフッ…フッ…フッ…。」

整備員がやってきた通路の奥に不気味な笑い声とともに何者かの影が現われた。
人間とは明らかに違うシルエット。暗闇にギラギラと輝く四つの爬虫類を思わせる目…。
スマートブレインが第91管理外世界で戦力として
加え、ミッドチルダに連れてきたオルフェノクの中でも手練の一人、
ボウガンを武器とする
「フライングフィッシュオルフェノク」である。

「フッフッフッ…。」
「きゃっ!?」
466なのはStrikerS-NEXT4話 ◆0qJqyuBpiQ :2007/11/17(土) 17:47:05 ID:TEXMtVji
「喚いても無駄ダヨ…この建物に生きてる奴はもういないからネ。君が最後なんダヨ…。
可愛い顔だナア。さわり心地もいいシ…でも…」
「……。……ッ!」
「バイバイ。」

壁にまさに変質者というべき異様な表情をたたえた人間体の姿を
映し出しながらルキノを頬を撫で、呟く。そして…。
肉が貫かれる嫌な音と壁に矢が突き刺さる音が木霊した。

「…フッ。」

一見人魚にも見えるがどこか戦闘機にも似た遊泳態に変身すると飛び去るフライングフィッシュオルフェノク。
そして気が付けば自分は病院に居て…。

「ハッ!夢、か…。」

ホテルのベッドでルキノは
跳ね起きた。もう何度も見ている悪夢…。自分は何日寝ていたのだろうか。お腹が減った…。皆は恐らく自分の事を心配しているだろう。
顔でも洗おうとしたとき

「うっ…?また…?」

全身が震えだし、汗が頬を伝った。彼女が塞ぎ込んでいる理由…それは…。

「私は…木場さん達みたいに完全にオルフェノクの力を封じられる自信が無い。だから…」

フライングフィッシュオルフェノクに襲われ、彼女もまた死んだはずだったのだ。
その彼女が今生き延びてこうしていられる理由は彼女がオルフェノクに覚醒してしまったからなのである。

そしてなんとか洗面所まで彼女が辿り着いたその時、彼女の顔に紋章が浮かび、
一瞬だが確かにオルフェノクとしての姿が顕在化した。
その醜い姿に絶望してくず落ちかけるルキノ。しかしそんな彼女を見ている者が居た。
言うまでも無く柊まつりである。

「……!!」

まつりに気がついてビクリと体を震わせるルキノ。

「あっ…ごめん。はやてさん達が部屋から出て来なしごはんも食べてないっていうから見にきちゃったんだ…。
とりあえず可奈さんにご飯持ってきてもらうから一緒に食べない?私もまだだからさ…。」
「あっ…その…。ありがとうございます。心配かけて申し訳ないってはやて部隊長達に伝えておいてもらえますか?」

見なかったふりをして誤魔化しワンパターンに慰めるくらいしか自分に出来る事は無いのだろうか?
まつりは自己嫌悪の念を抱いた。
彼女達の苦悩をよそに三日が経過した朝。この間バルバへの監視は昼夜を徹して行われたが
全く暴れるそぶりを見せないどころか
冷たいが穏やかに振舞う彼女に監視の手が僅かに緩みはじめていたころ…。

「レッツセイル レッツゴー チャプチャプGO!ふんふんふふふんドンブラGO!レッツセイル!ふふふんふーん!
お日様が出た〜(ポンと)波もきらめく〜。さーあ旅立とう冒険の海へ〜!………ふふふんふふふな空!
あふれだしたよ、ゆ〜め〜!」

ホテルの玄関。失念した箇所を適当に補いつつ中途半端にクラシックなアニメのOP曲の
歌詞を口ずさみながら現われたのは泉こなたである。

「ん?」

ふと見やると、そこには…。小鳥と楽しげに戯れるバルバが居た。
467なのはStrikerS-NEXT4話 ◆0qJqyuBpiQ :2007/11/17(土) 17:50:42 ID:TEXMtVji
そんな彼女をしばし見つめるこなたの後ろから彼女のいとこの小早川ゆたかとその友人の岩崎みなみ、
そしてノエルとファリンのメイドロボ姉妹を連れ添って月村姉妹がやってきた。
忍の腕の中ではまだ一歳半の雫が寝息を立てている。

「おねーちゃん。あの人…。」
「よく懐いてるよね〜。すずめは警戒心強いのに。」

服のすそをひっぱって言うゆたかにいささかピントのずれた返事を返すこなた。

「そうじゃなくて!…なんていうか…。」
「こうしてみるとあまり悪い人には見えない、というか…。」

つかみ所の無いこなたにじれったそうな声をあげるゆたかとそんな彼女の代わりに
彼女が言わんとしていた事を指摘するみなみ。その時

「…ルーテシア様が…。」

ノエルの声に反応した一同が視線を戻すとバルバと対峙するルーテシアの姿があった。

「これはなかなか興味深いカップリングですなー…。」

こなたならずともどんなやり取りが展開されるのか興味が湧くというもの。
二人はしばらく無言で睨みあった。そしてその静寂を破ったのは…

「ルールーっ!ルールーってばあ!こいつには近づいちゃダメだって言ったじゃん!」
「アギト…。」

バルバでもルーテシアでもなかった。
ルーテシアとバルバの間に割り込むと彼女を庇いつつバルバを牽制するような機動を描きながら飛翔。
ルーテシアを引き離そうとしたのはゼストの忘れ形見、烈火の剣精こと「アギト」である。

「………。」

と、バルバがそんなアギトに人差し指を向けた。すると…
468なのはStrikerS-NEXT4話 ◆0qJqyuBpiQ :2007/11/17(土) 17:54:28 ID:TEXMtVji
「な、なに見てんだよ!あっ…!な、何しやがる!放せ放せ…放せよこの恐怖のバラ怪人ーーーっ!」

バルバの指が蔦状に変質しアギトを捕獲してしまったではないか。
これが薔薇の特性を持った怪人であるバルバの能力の一端である。
…こちょこちょ。

「…う…?あはははははははは…や、やめろーー!」

静かに微笑みつつアギトの脇の下やら首筋といったツボを蔦でしばしの間まさぐるバルバ。

「ハア…ハア…。よ、よくもやったな!魔法が使えればお前なんかぶっ飛ばせるんだからな!」

「そうか、それは楽しみだな…。ではまた会おう。」

「なんだよその言い方!馬鹿にしてんだろ!とにかく…ルールーに近づくなーーーー!」

バルバの背中に悪口をぶつけるアギト。その直後。
「ぎゅむーーー…あにすんらよルールー…。アタシはルールーを守るためにらなあ…。」

無表情のままアギトの頬を引っ張るルーテシア。
どうやら彼女としてはバルバともうちょっと話をしていたかったらしい。

「あー、よしよし…。なんだかよく解らないけど…上手くやれてるのかな?」
「なかなかいいねえあのコンビ。絵になるっていうかさー。」

むずかりはじめた雫をあやしながら呟く忍を他所にこなたは興味深げな顔を浮かべていた。

その頃スマートブレイン本社では。

「では予定通り木場勇治たちを本社へ呼び出すとしますか…。上手くやってくださいよ。」
「了解しました。全てはスマートブレインとオルフェノクのために。」

村上峡児が配下の社員にある指令を下していた。
469リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/11/17(土) 18:02:30 ID:TEXMtVji
ここまでで。
こなたが歌っているアニメの主題歌ですが…。
やっぱ知ってる人居ないかな?
フライングフィッシュオルフェノクは555本編に登場したオルフェノクで
本編では「ンーフッフッフッ」としか喋りません。人間体はマスクにサングラスに帽子という
無茶苦茶怪しい姿でした。
沢村幸司さんも555に出てきたキャラで三話くらいから登場して何気に最終話にまで登場。
ちなみに下の名前は本編で出てこなかったんで演じている役者さんの名前にしてます。
それと次回はかがみんとみゆきさんとパティと台詞でしか出てこなかったエイミィ登場。
470名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 18:28:57 ID:UQ8tPeG5
 フライングフィッシュオルフェノクって、確か勇治の恋人の兄である"森下義正"wp
襲った、自転車の男ですね。
森下がオルフェノク化して狂気に染まったのは、かなり辛いストーリーでしたね。
 バルバは・・・確か一条さんに蜂の巣にされて川に落ちて以降、行方が分からなく
なってたんですよね。
グロンギの生き残りである彼女は、どうやらリント(人類)の見方を改めた様ですね。
今後の展開が楽しみです。
 しかし、ルキノ・・・まさか彼女までがオルフェノクになってしまったとは。
かと言って、いつまでも隠し通せるものでもないでしょうね・・・。
471なのは×終わクロ:2007/11/17(土) 19:03:35 ID:IcVBgCge
>>462
臆すな、そして謝るな若人よ! 君は正解しているぞ!!
…でも何ですな、前スレの「マスラヲ」でキャラ当て大会やったせいか、どうも自分は「元ネタを当ててみれ」系のキャラが定着してしまった気がするよ。
それから「マスラヲ」っていえば、>>444の方は前スレを見てないのかな。かなり原作から外れてるけどマスラヲの嘘予告クロスを出したんだが。
472名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 19:45:31 ID:v90LYv7+
GJ!
反撃の準備は整いつつある!
でも敵はあまりにも強大すぎる!
473リリカルBLADE ◆gFOqjEuBs6 :2007/11/17(土) 19:45:57 ID:zLLuyE6m
GJです
ストライカーズをあんまり真剣に見てなかったせいでルキノの顔が思い出せないという……(爆)
最初ちらっと見た時にアギトって文字があったんで翔一かと思ったらあのアギトでしたか(笑)
バルバがどんな行動をとるかに期待してます!

パラダイスロストって雰囲気に矢車が結構マッチしそうな気がしました
474名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 19:48:44 ID:v90LYv7+
>>473
真剣に見てても思い出せるかどうか怪しいキャラだと思うwww
475リリカル龍騎 ◆l5ZL/l4pJY :2007/11/17(土) 19:56:55 ID:msyUOG6B
【リリカル龍騎】
[状態]:更新完了による疲労。というか死に掛け
[装備]:携帯電話
[道具]:ノートパソコン
[思考・状況]
1:>>459氏、再うpありがとうございます
2:職人の皆様GJです。感想は明日にでも…
3:疲れた…休みたい…

476リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/11/17(土) 19:58:18 ID:TEXMtVji
シャリオとアルトとルキノの三人がオルフェノク化候補だったんですけど
ルキノが一番影が薄いんで。
ガンダムでいえばオスカーとマーカーとかそういうポジションのキャラですよねルキノは…。
477名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 20:10:52 ID:2L+uP7wV
>>473
欝な雰囲気がですかwww
オルフェノク兄とワーム弟とかだともう救いようが無いですね
>>475
この数の作品すべてに感想を書くおつもりで!?
勇者だ・・・!
>>476
そのポジションの例えがわからないwww
478名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 20:15:13 ID:Wi6kEM9d
>475
> 3:疲れた…休みたい…
それが彼の最後の言葉
になったらいやだな
479リリカル龍騎 ◆l5ZL/l4pJY :2007/11/17(土) 20:16:51 ID:msyUOG6B
>>477
いやいやいやいやいや、それはさすがに無理がありますから…
480リリカルBLADE:2007/11/17(土) 20:24:40 ID:zLLuyE6m
>>477
いやいやいやいやいや、それはさすがに鬱すぎますから(笑)
片方人間じゃないと……
パラダイスロストはオルフェノクに支配された世界ですが、マスカレード的にはこんなストーリーを考えたことがあります。
マスカレードのプロローグはGSLなんですよ
だから、GSL世界でパラダイスロスト色を入れて、ワームに支配された世界と。
すでに本編にもオルフェノクワームとか出てますが、そんな奴らをうじゃうじゃ出す予定でした。
まぁ書くつもりはありませんけど。
481名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 20:38:13 ID:2L+uP7wV
あのカブトが巻き戻しちゃった世界ですか
あの世界はカブトが巻き戻すまで管理局は介入してなかったんですよね?
じゃあなのは達にも魔法は使えない気が・・・
でもワームとオルフェノクに支配されてパラダイスロストでゴッドスピードラブな世界は見てみたい気がします。
482Strikers May Cry:2007/11/17(土) 20:53:25 ID:wiUFnw4v
よし、出来たので投下します。
デビルメイクライ3くクロス、できたてです。
483名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 20:58:32 ID:682aKyf5
さあこい!
484名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 21:01:44 ID:0hx3EWai
クイックシルバー支援!
485名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 21:02:06 ID:v90LYv7+
バージル兄さんによる斬殺支援
486Strikers May Cry:2007/11/17(土) 21:02:30 ID:wiUFnw4v
規制
487Strikers May Cry:2007/11/17(土) 21:04:10 ID:wiUFnw4v
魔法少女リリカルなのは Strikers May Cry 第四話「試合、転じて死合」

スバルと会って六課に入隊して…たった16年しか生きてないけど危険の意味は知ってるつもりだった。
でもそんなの比べ物にならない“モノ”を目の前の人は放ってる。
キャロは今にも倒れそうでエリオは震える手でキャロを支えて。
鈍感なスバルだって狼狽してる、私も膝が言う事を聞いてくれないけどデバイスに手をかけてその人を見据えた。
(皆、落ち着いて…)
身構えていた隊長達と震える私達に八神部隊長が念話を伝えてきた。
(ベルカの古い言葉に“和平の使者は槍を持たへん”ってあるやろ知らん所で大事な物無かったら誰かて慌てるんやから)
八神部隊長はそう言ってその人にさっきの物を渡して…少し話しを聞いてから隊長達と事情聴取をすると言って出てった。
「大丈夫?キャロ」
「う…うん でも、もうちょっとそうしてて…」
その瞬間にキャロは膝をついて震える身体をエリオにさすられてた。
「は〜 何だったのよ、あれ?」
私は何とか息をついて落ち着いた、強く握っていた手は汗だくになってた。
「も…もしかして私たち何か失礼な事しちゃったのかな〜」
スバルは相変わらず何かヌけたことを言ってた。
「あんたねえ、助けられてあんな反応するなんてこっちが失礼したって普通しないでしょ!」
「でもティア〜 あの人、怪我してたし混乱してるのかもしれないよ…」
「怪我人があんな迫力だす?」
私たちはそんな会話をしながら宿舎に帰っていた、もちろんあの人が同じ職場で働くなんて想像もしてなっかたけど。

機動六課宿舎、自分で付けた偽名バージル・ギルバのネームプレートの部屋にて、いつもの悪夢と共に目を覚ます。
血のシミになった母の亡骸を目にしたところで目を開いた。
ここまで来ればこれも一種の目覚ましだ。
あてがわれた部屋でトレーニングウェアに着替えながらこの数日の事を振り返る。
最初はアミュレットを返さなければその場の人間どもを皆殺しにしてやろうかと思っていた。
数も多く、人間にしてはやたらと魔力の高い連中だったがアミュレットを奪われて、引く道理はない。
脆い人間を殺す等は容易い事だ。
だが未知の魔道技術とデバイスという魔道兵器の話を捨て激情に駆られるなどの愚策はしない。
俺は八神の話しに乗る事にした。
だが一切の飾り気の無い言葉で俺に助力を請いながら”倒す“と言った八神をひどく面白いと感じたのも事実だった。
それからは思ったよりも早く嘱託試験とやらが進んだ。
関係法規、契約規定、殺傷魔法の制限、覚えるのにどれも大した労ではなかった。
模擬戦とやらには期待したが相手は頭から猫のような耳を生やした女だった(この世界の使い魔らしい)。
”やっと出番が…“とか言っていたが名前はよく覚えていない。
目くらましの魔力弾を放ってから横合いから回り込み蹴りを仕掛けてきたが軽く足を掛けて。
倒れた所に幻影剣で磔にしてやった(言っておくが非殺傷設定とやらにはしたぞ)。
しかしあんな蹴りを喰らうのは余程のマヌケだろうな“クロスケなら当たったのに”とか言っていたが。
潜在魔力値は隠蔽し(ダンテならともかく俺には造作も無い)問題なくBランク級の資格を得た。
八神は約束どうりアミュレットには手を出さず俺を六課へと迎え入れた。
ともかく、かくして機動六課所属の嘱託魔道師としてこの宿舎の生活は五日目を迎えた。

朝の機動六課宿舎にて肥満体系にヒゲのいかにも軍人然とした男の演説をテレビで見ながら六課隊長陣は朝食をつまんでいた。
「そういえばなのは、バージルさん六課に馴染んでくれてるって?訓練はどう?」
「うん、飛行魔法とか防御障壁は術式の仕組みを教えたらすぐに覚えちゃったよ」
「本当に?転移魔法とか射撃魔法は使えるって聞いたけど、すごいね」
「厳密には幻影剣はこっちの射撃魔法じゃないみたいだけどね、フォワードの子も少しは馴染んだみたいだし」
なのはとフェイトがコーヒーを口に運びながら最近の一大事件であるバージルについて語る。
ヴィータは面白くなさそうに目を吊り上げて呟く。
「私はまだ認めてねえからな、あんな得体の知れねえ奴」
「ヴィータまた言っとるん?」
ヴィータははやての言葉にも高ぶった不満が収まらずに想いを吐露する。
「はやてもはやてだ!あんな簡単に武器とロストロギアを渡すなんて、あんな奴グラーファイゼンで潰してやったのに!」
「そう言われたかてなあ…」
488Strikers May Cry:2007/11/17(土) 21:05:49 ID:wiUFnw4v
「シャマルだってあんな事されて嫌じゃねえのかよ?」
「えっ…私は別にはやてちゃんが良いって言うなら、それにあの後お詫びをいれてくれたし」
「だあああ!シグナムとザフィーラはどうせ役に立たねえし、良いのかよこれで!」
「でもなヴィータ、私はあの時の事はあれで良かったって思ってるんよ…」
はやてはヴイータを諭し、静かに話し始める。
「あれはバージルさんの“全部”やねん…」
「全部?」
「そうや、あの人な…多分あれ以外には何も持ってへんよ、きっと命より大事や…」
はやては今にも涙を流しそうな顔で続ける。
「家族も友人もあらへん、持っとるのはあれと自分の身体だけや…」
「はやて…」
「解るんよ、私もそうやったから、昔はなにも持っとらへんかったから」
それまで黙々と朝食をとっていたシグナムも思わず口を開く。
「主…」
「職権乱用でも構わへん、そんなモン絶対に取ったらあかんし誰にも取れせへん」
はやての語る言葉には強い意志が満ちていた。
「それになあ…」
「それに?」
「六課って男キャラ少ないやん」
「はっ!?」
それまで話を聞いていた一同が凍りついた。
「別にな六課男性陣に文句はない、でもなメガネボーイ、気さくなお兄ちゃん、ショタと揃ってるんやからクールな美形がいても良いやん…」
今までのいい話をぶち壊すぶっちゃけトークが始まった。
「個人的には他にも“檜山さん”とか”関さん“とかの声の似合う熱血系とか渋いオジサマとかなあ…」
「おいっ はやて?」
「カレーの好きなマヌケな太っちょとか…」
「はやてが“向こう”に行っちまった…」
「にゃはは…こうなったら時間かかるね」
「笑い事じゃねえぞなのは」
結局その後はやての話はザフィーラの“俺に任せて皆は行け”の発言により救われること
になった。
「そういえば、ザフィーラさんって男キャラじゃないのかな?」
ふと呟くなのはの言葉に皆あえて黙っていた。

「ハアッ ハアッ」
私は必死に走って飛来する青い魔剣から逃げる。
「こんなの嘘でしょっ!」
バージルさんは息のかかりそうな距離からのスバルの拳を捌きながら横目で視認した私に射撃魔法“幻影剣”を連射してくる。
スバルとあんな近いとエリオもストラーダで突っ込めない、彼はキャロに対しフリードの火球の精度を見抜き相手にもしていない。
(ティア、行くよ!)
スバルが念話で反撃の合図を送る。
「一撃必倒…」
やっと少し距離をとったスバルが一撃に勝負を賭ける、エリオもバージルさんの側方から攻撃を仕掛ける。
「ディバインバスター!」
「スピーアアングリフ!」
スバルは即座に形成した魔力スフィアを右拳で打ち出し、エリオはバージルさんの脇腹にストラーダで突っ込む。
最大のチャンスに私は足を止め、誘導弾を作って二人に目を移す、ほんの一瞬、一秒も経たずに二人は倒れてた。
スバルはカウンターの掌打をアゴに受け、エリオは眉間を幻影剣に穿たれて倒れる所だった。
489名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 21:06:08 ID:v90LYv7+
馴染んでるように見えても心の中は今だ変わらぬ危険な刃支援。
490Strikers May Cry:2007/11/17(土) 21:08:48 ID:wiUFnw4v
「くっ!」
「エリオ君!」
離れた場所からチビ竜とサポートについていたキャロが声を上げる。
さっき私が二人に視線を移す間、幻影剣が来なかったのは私が誘導弾を作る間に二人を倒す自信があったからだ…
「ここまでだ」
「「エッ!」」
私とキャロが驚いた声を上げる。
「待ってください!」
「何だ?」
「まだ私たち二人は倒れてません!」
「時間の無駄だ、やめておけ」
デバイスも持たない、つい先日、魔法を覚えた人を相手に私たちフォワードメンバーは3分16秒で敗れた。

なのはの提案で始まった模擬戦も終わり個人練習に入ったフォワードメンバーを見ながらなのはがバージルに尋ねる。
「どうでした?」
「正直、驚いている…」
「驚いて?」
「ああ、3分はかからないと考えていた…」
「それじゃバージルさんとしては合格ですか?」
「いや落第だな」
「手厳しいですね…」
「近接を主体にする者があんな真っ直ぐな攻撃では足元をすくわれるぞ」
「にゃはは…」
バージルはなのはを横目で見ながら痛烈な言葉をかける。
「おそらく師の影響だな」
なのははバツが悪そうに頬をかく。
「そういえば、どうやってスバルと戦いながらティアナを見てたんですか?魔法を使ったようには見えませんでしたね」
「聴剄だ」
「チョウケイ?」
「触れた相手の動きを見ずして読む古流中国拳法の技の一つだ、ナカジマの動きは身体で見てランスターは目で見た」
「そんな事ができるんですか?」
「修行しだいだな」
なのはがバージルのとんでもトークに驚いていると六課の通信主任にしてデバイスマイスター、シャーリーが駆けてきた。
「バージルさ〜ん」
「何だフィニーノ?」
「も〜バージルさん、シャーリーでいいって言ってるじゃないですか?」
「それで何のようだ?」
華麗にスルーするバージルにもめげずにシャーリーは満面の笑みである物を手渡す。
「要望どうりのデバイスが出来ましたよ♪」
二つの指輪を渡す。
「ほう、これが俺のデバイスか…」
「でも…良かったんですか?」
「何がだ?」
「いえ…その“あんな”名前をつけて」
「気にするな、得物の名前など何でもいい、使えればな」
「機動テストはいつしますか?」
「今すぐだ」
「それじゃ訓練用ガジェットの用意しますね」
「その必要は無い…先約があるようだからな」
言葉を切ると同時にバージルは肉眼で確認するのが難しいほどの距離からこちらの様子を見ていた女性に目を向ける。
「言ってくれる…」
ポニーテールに結んだ桜色の髪をなびかせ烈火の将は心の底から嬉しそうに微笑んだ。

荒野のフィールドへと姿を変えた訓練場に立つ二人の戦士、烈火の将と闇の剣士を隊長
491名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 21:10:13 ID:v90LYv7+
殺し死合支援
492Strikers May Cry:2007/11/17(土) 21:11:37 ID:7VrFSXy9

荒野のフィールドへと姿を変えた訓練場に立つ二人の戦士、烈火の将と闇の剣士を隊長陣・フォワードメンバー・シャーリーは見つめる。
「どう見るなのは?」
「バージルさんの強さは凄いけどガジェットと戦ったのは地上だし、飛行戦に不慣れじゃ勝ち目は薄いかな?」
「だな」
スターズ隊長陣が意見を交わす中ライトニング隊長フェイトは心配そうな目で見守りフォワードメンバーも自分の予想を交えていた。
「う〜だからバージルさんは負けないって!」
「うっさいバカスバル!確かにあの強さは解るけど相手はシグナム副長なのよ?」
「たしかにティアナさんの言うとうりだと思います…副長の強さはケタが違いますから」
自分の助けた人で何か“スゴイ”技で自分達を倒したバージルに盲信するスバルにティアナとエリオが意見を入れる。

そんな一同をよそに当の二人はゆっくりと歩きながら訓練場の中央に進んでいた。
「わざわざ相手に私を選ぶとはな、主の招いた食客だ粗相のないようお相手しよう」
礼をもって言葉をかけるシグナムにバージルは目も向けずに口を開く。
「言葉で飾るな烈火…」
「何だと?」
「昂る鼓動と熱がこちらまで伝わってくるぞ…」
「ふっ やはり隠せんな」
シグナムが不敵に笑うと同時に両者は訓練場の中央に立った、二人は向き合い視線を交差させる。
「初めて見たときから、そそっていた」
「こちらこそ、お前と闘(や)りたくてしかたがなっかた」
両者はデバイスを起動しバリアジャケットを展開する。
バージルは最初に着ていた服と同じデザインの青いコートと黒いインナーのバリアジャケットに銀の剣を構え、剣の騎士に対峙する。
「その太刀は抜かんのか?」
シグナムはバージルの腰に差されている妖刀を見て尋ねる、彼女の興味は300体近いガジェットを切り裂いたそれに向けられていた。
「残念だが閻魔刀は非殺傷設定など便利なことはできんからな、同僚を殺しては問題だろう…」
そう言いながら手にした剣の白刃をシグナムに突きつけながら呟く。
「ではデバイスとやらの力を見せてみろフォースエッジ・フェイク(贋作)!」
<OK、MASTER>
それは父の振るいし最強の魔剣を模したデバイス、贋作の名を受けたデバイス、フォースエッジ・フェイクは応える。

最初に動いたのは青き影、バージルは魔力を込めた大振りな突き“スティンガー”を繰り出す。
(後の先を捨て正面から挑むか…ならば防御で受け流すは無粋。炎の魔剣で受けて立つ!)
心中でバージルの蛮勇に感嘆し繰り出される突きを崩さんと脇に構えた魔剣レヴァンティンで斬り上げる。
両者の間に初めて起こる轟音、両者共に浮かべるは驚愕。
(防御ごと串刺してやろうと思ったが…この太刀筋に膂力、本当に女か?)
(なんという突きだ!このプレッシャー、テスタロッサのザンバーに匹敵する)
それこそ、あと一歩踏み込めば唇の触れる程に縮んだ距離、両者剣士ならばここで引くような道理は無かった。
「はあああ!」
「応おおお!」
最初の轟音からは打って変わった甲高い金属音が無数に響き渡り始まって1分と立たぬ内に戦いは最高潮に引き上げられる。
(俺と斬り結ぶつもりか?戦闘狂が)
(なんという力!技!魔力!こんな者がまだこの世にいたのか!)
火花を上げながら宙を幾重にも駆け巡る双刃、横薙ぎの一閃を斬り上げながら額の正中線を割らんと振り下ろされる炎の魔剣。
横一文字に構えたフォースエッジ・フェイクが受け止め、鍔競りへと形を変える。
「烈火の名は伊達ではないな!」
「嬉しいぞ魔剣師、この昂ぶりまだ冷ましてくれるなよ!」
互いに数多の斬撃により傷を付けながら、邪気の無い喜びを吐き斬り結ぶ二人の剣士。

「マジかよ…」
「シグナムさんと正面から戦ってる」
「それに一歩も引いてないよ…」
見守っていた隊長陣が感嘆の言葉を投げかける、両者の戦いは第二局面を迎えようとしていた。

493スーパーロボット大戦X:2007/11/17(土) 21:12:46 ID:fqKEphwk
いきなりですみませんが、私もレスと言うか考えたクロスオーバーがあるので書き込んでもよろしいでしょうか?
(ただし、書くことはスパロボ的なことですが、もしもなのはがスパロボに出たらのほぼ独自で考えたオリジナルに近いもの)
OKでしたら書き込みますが駄目でしたらやめて、新しいのが考えれたらまた聞きます。
494名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 21:13:08 ID:v90LYv7+
ニート侍支援
495Strikers May Cry:2007/11/17(土) 21:14:43 ID:wiUFnw4v
「くっ!」
悪魔との体力の差か膂力の差か魔力の差か、シグナムは徐々に斬撃のプレッシャーに押されていた。
「このおおお!パンツァーシルト!」
一気に魔力を消費して硬質の防御障壁を展開し魔剣を弾き返し、空に退く。
(剣を前に引いたのか、この私が…)
思わず自分のとった行動に自問するシグナム。
距離を開かせまいとバージルも飛行魔法を行使して後を追う、が相手の変化に顔をしかめる。
「レヴァンティン、カートリッジロード、シュランゲフォルム!」
<SCHLANGEFORM!>
烈迫の掛け声と共に撃発音が鳴り響き濃密な魔力も供給した空薬莢が排夾される。
「それがカートリッジ・システムか、面白い、お前の全力を見せてみろ!」
バージルが更なる戦いの高揚に吼える。
レヴァンティンは喰らった魔力により形をワイヤーで繋がれた連結刃へと変える。
その速度、軌道、威力、間合い、どれをとっても今までの斬撃遊戯を超えるものであった、さしもの闇の剣士もこれを受ける。
「がはっあああ!」
右肩と左脇腹のバリアジャケットを大幅に削られ苦悶する。
(これが変形機構かここまで力を得るとはな…しかし)
バージルが戦略を練っているとシグナムが沈んだ顔で口を開いた。
「すまんなバージル…」
「何?」
「本来ならお前とは剣技のみで試合たかったのだが、思わずこんな無粋を…」
「何を言うかと思えば…気に病むな烈火よ、これは最早“死合”だそれに…」
「それに?」
「俺は負けはせんからな」
互いの目を見つめあい意思を汲み取った二人はこの日、何度目かの笑顔を交わした。
「ではこの刃の蛇を受けてみろ!」
迷いを振り払ったシグナムは自身の全能力を攻撃へと回す、対するバージルは慣れぬ防御魔法を展開し防戦に徹する。
(確かに防ぐも避けるも、まま成らん…)
突如として、軋む防御障壁の周りに魔力で作られた魔剣、6本の幻影剣が現れる。
(しかし…)
この状況で当たる確立に低い射撃魔法、それも円周状に展開したその様にシグナムは疑問を抱く。
「防御がガラ空きだぞおお!烈火あああ!」
その瞬間、極短距離で発動された空間転移魔法でその魔力刃がシグナムの周囲に現れる。
「何いいいっ!」
次の瞬間レヴァンティンに回した魔力の為に防御の薄くなったシグナムの身体を6本の幻影剣が貫き彼女の意識を奪った。
訓練場の中央に落下せぬように気絶したシグナムを抱きかかえたバージルが静に降りた立った。

続く。


496名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 21:15:45 ID:v90LYv7+
>>493
空気も読めないのか?支援
497名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 21:18:47 ID:682aKyf5
>>493
俺は見てみたい、楽しみにしている。
支援
498Strikers May Cry:2007/11/17(土) 21:20:39 ID:wiUFnw4v
終わった、戦闘はムズイ。
499名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 21:23:38 ID:v90LYv7+
GJ!
さすがバージル兄さん!
さらなる力を手に入れるのに貪欲だぜ!
バージル兄さんが閻魔刀や殺傷設定を容赦なく使う日が楽しみ。
500名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 21:27:28 ID:0hx3EWai
エネミーステップ流星脚連打の威力は鬼。
501名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 21:27:31 ID:682aKyf5
Gj!!
しかしバージル兄さんではないが、六課の面々もなかなかやるな。
502名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 21:30:15 ID:DqWWNkx5
幻影剣は初見殺しだよね、GJ!
503名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 21:38:36 ID:aSzszdtN
バージル兄さんと聞くと、トレイシー家を思い出す。



……やべぇ、リリカル・マジカル・マリオネーションななのはやフェイトが……

脳内で『ひょっこりひょうたん島』と混ざった。
504なのはStS×デモベ:2007/11/17(土) 21:39:43 ID:PPiRMYDa
 Strikers May Cry氏

 ちょっと鬼いさんが丸くなりすぎてる気もするけれど、小説版に於ける酒場でのギルバを見る
限りにおいてはこんなのもありかな。
 兎に角、俺が貴方に贈れる言葉はこの一つだけだ。

 グッジョ―――ブ!!
505スーパーロボット大戦X:2007/11/17(土) 21:43:22 ID:fqKEphwk
>>496
支援って事は書いてもいいってことですね?それでは書き込みます。私の考えた作品はこれです。(ACE3のストーリーも入ってます)

スーパーロボット大戦X

参戦作品
劇場版機動戦士Zガンダム
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
機動武道伝Gガンダム
新機動戦記ガンダムW Endless Walts
機動新世紀ガンダムX
ブレンパワード
OVERMANキングゲイナー
リーンの翼
マジンカイザー 死闘!暗黒大将軍
グレートマジンガー
真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日
鋼鉄ジーグ
闘将ダイモス
機甲戦記ドラグナー
GERA戦士電童
交響詩篇エウレカセブン
超獣機神ダンクーガ
マシンロボ クロノスの大逆襲
機動戦艦ナデシコ The prince of darkness
DETONATORオーガン
宇宙の騎士テッカマンブレード
宇宙の騎士テッカマンブレードU
忍者戦士飛影
勇者王ガオガイガーFINAL
魔法少女リリカルなのはStrikerS

ストーリー

宇宙新暦189年、地球に闇の書と言うロストロギアによる闇の書事件により危機にさらされていたが、時空管理局と協力者の手により無事解決し、地球に被害が及ばなかった。
しかし、それから8年後の宇宙新暦187年にはDrヘルのテロ行為やラダム進行、
ティターンズ、アクシズによるグリプス戦役、
木連との蜥蜴戦争、マリーメイア軍の反乱、ギガノス軍の宣戦布告、デビルガンダム事件、
バーム星人とのバーム戦争、ザ・ブーム軍、ギャンドラーの襲来、オルファンをめぐるリクレイマーとの戦いにより地球は甚大な被害が及んだ。
だがそんなことがあったが人々はそれを乗り切り、宇宙新暦199年現在地球は今までの被害から回復しようと懸命に復興活動をしていた。
しかし、人々は気づいてなかった。別の世界そして、別の宇宙とが一つになりかけようとしていたことを・・・。
506名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 21:44:23 ID:UDM8+BcO
バージル兄さん相手ではさすがのシグナムも部が悪いな支援。
闇と炎の剣士の戦いは燃えるぜ。
507名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 21:47:09 ID:v90LYv7+
>>505
ゲームのシナリオを下敷きにせずオリジナルシナリオなスパロボSSってすっげー難しいんだが、
やれるというのならやってみてもいいのではないでしょうか?
ただ出演作品はスパロボで知っただけってのは勘弁な。ちゃんと見てから書こうぜ!
なのはTueeee!にならないようバランスには気を付けてかけよ!

>支援って事は書いてもいいってことですね?
何故そうなる!?
508なのは×終わクロ:2007/11/17(土) 21:47:16 ID:IcVBgCge
話題ぶっちぎって全く関係ない事を言うですが……誰かペルソナのクロスとかやってくんないかなー……。自分ペルソナシリーズ好きなんですが、機会に恵まれずゲームをまともにやった事が無いんですよ。
漫画とか文庫とかウィキペディアとかで大体の事は解るだけど、やっぱ本作の実体験が無いとイマイチクロス書けないんだよなー……(『異聞録ペルソナの主人公がゲーム本編では双子設定が無い』っていうのもつい先日知ったばかり)。
509 ◆sP9nVRi1sI :2007/11/17(土) 21:48:24 ID:pGSdEL4M
>>495
GJ

しかしアレだ。ホント丸くなったなあw
小説版だと結構愉快な人格してたが。呑み比べでダンテ共々昏倒w

>>504
続きはまだで(ry

……人のこと言えませんねorz
510名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 21:51:36 ID:2L+uP7wV
>>505
だからお前空気読めって
支援ってお前他に投下してる最中の人がいるだろ。なんだその自分中心な態度は
しかも今投下終わったばっかだろ少しは待てよ。
空気を嫁
511スーパーロボット大戦X:2007/11/17(土) 21:51:55 ID:fqKEphwk
>>507
出来る限り気をつけたいと思いますがなのはtueeeeはとりあえず考えます。
一応最初物語上書くのはなのはStrikerSのキャラがメインで出てくるストーリーだけのつもりですが、
一応なのは達は並みのMSクラス以上の火力は出せるという設定です。
もしもそれでいけないのでしたらこの話を書くのはやめます。
512名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 21:58:20 ID:v90LYv7+
>>511
それで、超獣機神ダンクーガやマシンロボ、忍者戦士飛影はどのくらいご存じになられてるので?
ブラックサレナに相転移エンジンは積んでいないってことは知ってると思うけど。

>なのはtueeeeはとりあえず考えます。
今までは考えてなかったのかよ。
513名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 21:58:28 ID:O5TGLafG
>>511
とりあえず上げた作品は全部見て、世界観とかを把握しつくしてから書けよ
そうでないのなら叩かれるのは目に見えている。
あと、投下中に書き込んでるのに謝罪無しとはこれ如何に!? だろ。
最低限の礼儀は守れ
514 ◆sP9nVRi1sI :2007/11/17(土) 21:59:28 ID:pGSdEL4M
>>508
「油断すると雑魚戦ですらこっちが1ターンキルされる」
「後半、雑魚敵の連携が凶悪過ぎて泣ける」

……うん、自分の場合逆にこういうことしか知らない。
アバタールチューナーは多少やったが記憶の彼方……リターナーが鬱陶しかったなあ。
515リリカルBLADE:2007/11/17(土) 22:04:34 ID:zLLuyE6m
>>511
テッカマンブレードが入ってる!
でもガンダムSEEDは無い……(笑)
私としてはガンダムW&ブレードストーリーがどう描写されるかが楽しみですね
516リリカル遊戯王GX:2007/11/17(土) 22:06:00 ID:VV13AYXp
半日頭冷やして雑談のほうではなるたけ自粛すると誓って俺復活

>>508
なのは達がフルボッコされるイメージしか湧いてこねぇw

>スパロボX氏
・他の方の投下中に支援以外の書き込みは読みづらくなるので自重
・多数の作品のコラボは非常に難しい、スパロボを小説で書いてある人は何人もいるが完結させた人は極わずか
この事を忘れなければ俺は支援しますよー
なのはが大火力ってのは究極嫁と戦わせようと思ってる俺は言える立場じゃないのでスルー
517名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 22:09:21 ID:8Ftf7CQb
>Strikers May Cry氏
GJ!
あの兄弟はカプコン伝統の倒した相手の魂を吸収して力に変えるロックマンのような存在ですからね
なのは世界ではいろんな意味でやばい人外だw

>>511
設定過剰云々はいいとしても空気は読もうぜ

>>514
アトラス系RPGは基本的に殺すか殺されるかのガチなバランスが大半
芸術的な連携でゲームオーバーになった日には怒りを通り越して笑える
設定もメガテンとかDDSATも殺し前提の殺伐さ全開だし

>>516
融合解除で避けられてオーバーキルされる光景が思い浮かぶw
Pixy <<よう作者、まだ生きてるか?>>

前回からだいぶ、間隔があきましたが
投げ出した訳ではないので、ここらで投下おk?
519リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/11/17(土) 22:34:26 ID:TEXMtVji
いいんじゃないすか?
と空戦といえばどちらかの部隊がほぼ一回の攻撃で殲滅される光景しか思い浮かばない俺が言ってみる。
ゴメン
今、投下最終確認をしていたら、差別的表現とか、一部不具合を発見したので、
投下を延期します。

お騒がせして申し訳ない。
本日中に 再登場予定


521リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/11/17(土) 22:48:03 ID:TEXMtVji
>>520
差別的表現て具体的にどんなのですか?
別に民主党とか社民党の議員やら朝日新聞の記者が見てる訳じゃないし
ある程度なら許容できると思いますが。
>>521
特定の疾病、障害に対する蔑称を使ってました。
かといって、
SSの中の登場人物に「池沼」とか置き換え語を喋らせるのも不自然でしたので
523名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 23:01:41 ID:v90LYv7+
>>522
「今お前が感じている感情は精神疾患の一種だ。治し方は俺が知っている。俺に任せろ」
でおk
524名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 23:19:54 ID:49f/Ys//
>>505
亀失礼。なのは×スパロボOGSをこそこそ書いてる(投下まだだけど)人間なんで、
支援はしますが、終るのかがちょっと心配……。
525リリカル遊戯王GX:2007/11/17(土) 23:20:58 ID:VV13AYXp
ウルトラセブンに「キチガイロボット クレージーゴン」って名前の怪獣がいたの思い出した
526名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 23:24:04 ID:vgxekCA2
>>525
あれガレージのフリして車を食べるとか鬼畜杉www
実際食われたら涙目じゃすまねーぞ・・・
527名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 23:25:06 ID:v90LYv7+
昔の特撮は何気に外道成分が多いな。
528リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/11/17(土) 23:27:03 ID:TEXMtVji
>>525
今の怪獣図鑑なんかではロボット怪獣に修正されてるよね。
でもまあセブンには完全にお蔵入りにされ抹消された

     ::|  ____::::::::::::::::
     ::| /鬱   :|:::::::\::::::::::
     ::|/鬱鬱   |::::::::::::ヽ:::::::::
     ::|鬱鬱欝;;;;; |:::::::::::::::|::::::::::
     ::|鬱鬱;;;;   |::::::::::::::|:::::::::::<誰か呼んだか?
     ::|鬱;   `  ::´:::::::::|::::::::::::: 
     ::|ヽヽ      :::::::::/:::::::::::::::
     ::|. |ヽ  ━==━:::|::::::::::::::::::::::
     ::|/ ̄ヽ___,,/:::|::::ヽ:::::::::::::::  
     ::|ヽ;       /:::::::::ミ:::::::::::::  
     ::|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ::::::::::::|::::::::: 
     ::|ヽ::        /::::::::::〈:::::::::

この人が居る訳でして…。
>>525
アレはガレージーゴンだと思ってました。クレージーだったのね


もうじき最終確認終了・・・
投下ヨロシ? 
530名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 23:29:14 ID:49f/Ys//
あ〜……何話でしたっけ? お蔵入りになったの。
531名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 23:30:42 ID:PUS48iej
12話
532リリカル遊戯王GX:2007/11/17(土) 23:31:12 ID:VV13AYXp
>>530
12話だったかな、内容をよくしらないけれど・・・

>>529
カムヒア!
533リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/11/17(土) 23:31:43 ID:TEXMtVji
>>530
十二話っす。
当の十二話を碌に見ても居ない(マジです)被爆者団体(+共産党、日教組、朝鮮総連
その他の団体からなる愉快な仲間達)の抗議で抹殺されました。
534名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/17(土) 23:34:50 ID:VRz7alD8
バージルに盲信するスバルはとても良いですな。このまま良い意味で悪化してほしい。
しかし、数の子さんたちは死ななくてもまず再起不能だな・・・。合唱!!
でもこのバージルさんなら、自分についてくる仲間は無碍にはしなさそうで
いい感じです。
では、投下開始


【4】戦域攻勢作戦計画4101号 JUGGERNAUT  後半

コスナー作戦
《艦隊が運河に進入する。無事通過できるよう連合艦隊を護衛しろ ミスは許されないぞ!》
AWACSの激を受けて、周辺空域で制空任務に当たっていた各隊の緊張は更に高まった。
確かに狭い水路で行動の制約される水上部隊など、トロいわデカいわでいい的でしかない。
《艦長ウィーカー 全乗組員 聞け ただし手は止めるな。制空権は上空の戦闘機が確保する 我々は前を見て突破するぞ!》

出来る限り艦隊から遠くでベルカの攻撃隊を撃退するために、はやて達マジシャン隊は編隊を維持していた。
ロングレンジのXLAAとSAAMを主体とした遠距離攻撃は、効率的に迫ってくるベルカ機を撃墜し、
マジシャン隊は所定の目標を達成しつつあった。
だが、実戦経験の浅い部隊がベルカ軍の陽動に乗せられ、まんまと防衛ラインを突破されており、
いまにも防空エリア全体がドッグファイトに移行しそうな状況に陥っていた。

「ちょっとまずい感じよね」
F−20タイガーシャークのコクピットでフェイトは知らずと独り言を漏らしていた。
さきほどまでのような距離をとったBVR(視程外)戦闘なら、
はやてちゃんもシャマルもそれなりに戦果を挙げることができるけど、ドッグファイトとなると、どこか不安が拭えない。
シグナムは単機で戦闘するぶんには信頼できるけど、これだけの集団戦になると、求められる能力がまた違ってくる。
今回はグリューン隊対マジシャン隊のような単純な状況とはまた異なる。
乱戦になる。間違いなく・・・。
「さて、ベルカの皆さんにミッドチルダの戦いを見せてあげなきゃね」
フェイトは独り言をその顔に似合わず不敵な内容で締めくくった。
さて、ベルカという単語には管理局の仲間達を指していたのか、この世界のベルカ空軍を指していたのか?
それは独り言なので知りようもない。

すくなくとも同僚達がフェイトから聞かされた念話にはそうしたニュアンスは含まれていなかった。
<はやてちゃん?ドッグファイトになりそうだけど、どうする?>
<ん〜 誰か反応つかんだか?>
はやての問いにシャマルがいち早く答えた。
<いえ、特に何も>
<そう、シグナムはどないや?>
<こちらも反応ありません>
<じゃ、今回は普通に戦争ということで。みんな無理せんときや>
<了解>
思念通話を終えると、はやては深呼吸して無線の通話ボタンを押した。



現場の判断として、イーグルアイには連絡しておく。
敢えてわざとらしくお堅い軍人口調で宣言して、心理的にも制止されにくいようにする。
《マジシャン隊、2手にわかれて敵攻撃機を排除。ネメシスはタリズマンと組む。ブレイズはモビウスに続け。ドッグファイトに移る!》
フィンガーチップの編隊から、フェイトのF−20が俊敏なロールをうって離脱し、シャマルがそれに続いた。

《んじゃいくで、シグナム!》
《いつでもどうぞ 》
ミサイルの安全装置を解除したはやてがいち早く魔法の衣を纏ったXLAAミサイルを発射する。
《メビウス FOX3!》
F−16らしきベルカの2機は急激な回避運動を行い懸命にミサイルをかわそうとしていたが、
はやてとリィンが誘導するミサイルの前には無力だった。
相次いで直撃をうけた2機のF−16は爆発と同時に脱出シートを作動させ、パイロットを空に打ち出した。
<お見事です>
一瞬影がさし、上空からF−15がパワーダイブ降下して突っ込んできた。
すれ違いざまに被ってきた影と一瞬交差し、互いに縦に大きなループをとり、今度は正面から渡り合い、両機の機銃が吠える。
クイックロールでかわすはやてのフォックスハウンドの側面をF−15から放たれた曳光弾が流れ去り、
次の瞬間にはコクピットを覆うようにベルカ機の陰が通過する。
F−15ははやての機のはるか後方で不自然に姿勢を崩し、やがて勢いを失って落下していく。これで撃墜スコアに更に付け加える。
その後ろには敵の2番機のF−15が控えていた。
咄嗟にフットバーを蹴り飛ばし、機体を右ロールさせたと同時に敵2番機が閃光に覆われた。
<シグナム、ありがとうな>
安堵の吐息と同時に冷や汗が吹き出す。
<いえ、我等の務めです。ですが主はやて、質量兵器を使う戦い。もう少し慎重に>
<そやな、気つけるわ>
<!?・・・あれは?>
<ん?どないしたんや?>

<対艦ミサイルをぶら下げた・・・攻撃隊の本命?>
さっと再び隊形を組みなおし、新たな敵 トーネード攻撃機の予想針路へ機首を向ける。
シグナムのフルクラムでは限界一杯の全開でも離されそうな勢いではやてのフォックスハウンドが攻撃隊に急迫する。
トーネード編隊は意外なほどあっさりと散開し、はやて達の攻撃を回避しようと一見、無秩序な行動を取りだした。
《艦隊の直援機がやっかいだ 艦隊に近づけない》
《慌てるな。頼りになる増援を要請してある。それまで持たせろ》

はやて達と別行動を取ることになったフェイトとシャマルも混乱する空の真っ只中にいた。
《まさに蜂の巣をつついたって感じだね》
フェイトの前を機影が2つ横切り、咄嗟に回避するが、目前を通り過ぎた機体は味方のオーシア海軍のホーネットだと気が付く。
ベルカ軍は意図的に長射程ミサイルを封じて近接戦闘を仕掛けていた。
お陰でAWACSの指示による統制された戦場どころか、数が多いだけに混乱の収集に精一杯である。
連合軍は数の多さを活かしきれず、辛辣な見方をすればベルカ軍機に標的を大量に与えているともいえた。
《撃てば当たるという状況だ》

ヴァレーの他の傭兵組も混乱に陥っていた。
《所定の空域には敵の影も形もない。情報は確かなのか?》
《何処見て撃ってやがる! アレは味方の攻撃隊! ミ・カ・タ・だ!味方。馬っ鹿野郎!》
《識別信号を見分けるだけでも大変だ》
《ヴァイパー隊 迎撃任務中止は撤回。直ちにポイントA23C7へ向かえ》
混乱の渦の中でベルカ軍機は数の少なさを逆手にとって善戦していた。
あちこちでドッグファイトに長けたベルカパイロットが剽悍な動きに自信と戦意を漲らせて襲い掛かっている。
「っ!」
フェイトの斜め上から敵機が被さってきた。考えるより先に、相棒ヴァルディッシュが警告する間も無く、
条件反射のように目一杯エアブレーキを立て急減速する。
同時に右へ機体をひねりつつ旋回し、突っ込んできたベルカ軍機を確認する。
スナップアップで失った高度を稼ぐが、低空から急上昇してきた新たな敵機からレーダー照射警告を受けて、
フェイトは機体をスライドさせながら軸線を外した。一面に広がる蒼に大地の茶色が混じったタイミングに併せて、スロットルを絞る。
速度を殺してくるりとコンパクトに旋回する。襲い掛かってきた敵は親友と同じ機種、F−4ファントムだった。
HUDに照準が重なるまえにミサイルを放つ。
<バルディッシュ?任せるよ>
ミサイルの誘導は信頼する相棒に任せ、フェイトは視界を右に外した。
そこではシャマルがレーダー照射する位置につこうとフェイトの後ろを追いかけてくるF−16の更に後ろへ迫っていた。
淡い緑の光が浴びせられ、薄茶色に塗装されたベルカのF−16の尾翼と右主翼が砕け散る。
《マジシャン2、マジシャン4がそれぞれ1機撃墜》


「もう!・・・・何これ? ぐちゃぐちゃじゃない!」
シャマルは連合軍側はベルカの攻撃隊を全て撃退するか、撃墜するかしなくてはならないのに、
攻めるベルカ側は対艦ミサイルを抱えた何機かが、連合軍の防御網を潜り抜ければ、事実上の勝ちだと看破していた。
とにかくシャマルは忙しかった。

戦闘が激しいという意味ではなく、クラールヴィントで収集し、
洪水のように流れ込んでくる情報の真贋を咄嗟に切り分け、取捨選択するという作業に忙しい。
更にイーグルアイからの情報と自機のレーダー情報にも気を配る必要がある。
この手の煩雑な作業はヴォルケンリッターの面々の中でも参謀役たるシャマルの能力が圧倒的だった。
ヴィータ・シグナムあたりなら「めんどくせぇ」・「手間だ」で投げ出しかねない。
直接的な戦闘能力はヴィータやシグナムの足元には及ばないが、勝てるだけの環境を整え、
不確定要素をできるだけ排除することでシャマルはこれまで幾つもの戦いを重ねてきた。
<フェイトちゃん? 方位3−1−0に攻撃機。2−1−5にいる敵は脅威じゃないので無視、あと方位0―9―0の低空に何か>
<何かって?>
<少なくともいい感じがしないわね>
高速性能は無視できないが、格闘戦に持ち込んだ攻撃機ミラージュ2000Dはそれほど恐れる敵でもない。
何度かもつれ合った後に機動力で勝るフェイトのF−20タイガーシャークがミラージュのバックを取る。
慎重に、しかし素早くミサイルのシーカーを活性化させると、コクピット内に独特のオーラルトーンが流れた。
《ネメシス FOX2》
ミサイルが迫っていくのを確認したが、フェイトはミラージュ2000Dの最期を見届けることはなかった。
相棒バルディッシュの能力を疑う事などない。
既に新たな敵、砂漠の砂を巻き上げるかのような超低空を舐めるように飛ぶ攻撃機を視界に捉えていた。
《シャマル? 低空にいる奴って・・・》

《大当たりよ!》
シャマルが思わず叫び、機体を全速パワーダイブさせて、フェイトと共にベルカ軍機に迫る。
<こちらシャマル。クラールヴィントに反応あり、敵の新手からです>
<え? この状況でかいな?>
イーグルアイの報告に先んじてシャマルは咄嗟に仲間へ思念通話を送った。
対する返答には、はやてが困った時にするイントネーションが出ていた。語尾が延びて軽くビブラートする独特の訛り。
イーグルアイからも追認の形で報告が入る。
《新たな敵部隊を確認、方位0-8-0に4機》
大規模攻勢を食い止めるためにエース部隊を一気に投入してフトューロ運河を護りきるというベルカの決意がひしひしと感じられた。
<できるだけ敵増援部隊の相手をしなきゃ>
といっても容易なことではなかった。
急遽編成された混成部隊の弱点としてウスティオ機とオーシア機の連携がちぐはぐなものになっている。
<フェイトちゃん?>
シャマルの問いかけは質問ではなく、行動を促す為のものだった。
<うん。全力で阻止するよ>
イタチザメが軽快なロールで針路を変え、それにシャマルが続く。



《敵連合軍には傭兵も混じっているようです》
《それなりに腕は立つようだな》
《インディゴ1より各機、目標を確認 攻撃を開始する》

攻勢計画4101は大規模作戦であり、参加している航空機もかなりの数にのぼった。
バレー基地からだけでもガルム・マジシャン・ルーガルー・ベーオウルフ・フェンリル・スコル・リカントロープの各隊が参加している。
連合軍として指揮系統が統一されているとはいえ、現場レベルではどうしても齟齬や混乱が生じる。
数では劣るものの、ベルカ軍の艦隊迎撃はかなりはげしいものだった
《ベルカの狙いは艦隊だ 取り付かれる前に落とせ》
数では劣るベルカ軍機が縦横に駆け抜け、混乱を収拾させないよう掻き乱していた。
特に4機のJAS39グリペンが鋭く舞っている。
撃墜できなくとも混乱を続けさせることができれば良い事を知っているらしく、
連合軍機を撃墜することに拘らず、戦闘不能に追い込むことで目的を果たそうとしていた。
《雑魚に構うな。我々の飛び方を貫けばいい それが勝利へと導く》

襲い掛かってきたオーシア海軍のF/A−18ホーネットの尾翼と補助翼を機銃で吹き飛ばし、退散させる。
雑魚程度にミサイルを使わずともよい。
《この運河を手放すわけにはいかん》
《艦隊の進入をなんとしても阻止する》
《各機、射ぇ―!》
インディゴ隊のグリペンから放たれた対艦ミサイルが突き進んでゆく。

《ヴァンパイア警報! 各艦 対応急げ!》
《防空システム作動 叩き落せ!》
だがミサイルは意外にも空母を目指して飛翔していなかった。
途中で針路を変え、艦隊の方すら向いていない。
インディゴ隊は第一目標に後方で待機している油槽艦・補給艦を狙っていた。
《敵ミサイル発射確認! 注意 射程距離内》
補給艦から悲鳴に近い報告が上がる。
《ミサイル接近! ファランクス!》
最初にミサイルに喰われたのは油槽船だった。
1発の対艦ミサイルが2重構造になった船体の外殻をつきやぶり、
その0.01秒後には燃料槽に大きな穴を開けていた。穴に突き刺さった0.07秒後に装甲で保護されていた信管が作動し、
高性能炸薬がそのエネルギーで隔壁を吹き飛ばす。1秒後には船体が文字通り薄い紙切れのように裂けていた。
上空を飛ぶ戦闘機も揺るがす大爆発で船体が破裂した油槽船は一瞬のうちに轟沈した。

続いて補給艦がミサイルに捕まった。
《船尾に被弾 第三ブロック閉鎖! 総員直ちに移動!》
《艦首にも直撃弾! ダメだ・・・・沈没する》
《艦が沈むぞ!総員退避!》
それでも油槽船よりは運に恵まれていたようで、乗組員が退艦するぐらいの僅かな時間。
(それでも1分程度ではあった)は海面に姿をとどめることができた。
一介の戦闘機パイロットでありながら、戦争に与える影響を計算するところがハインリッヒを単なるエースではなく名指揮官たらしめていた。
補給なしでは作戦行動は維持できない。敢えて防御の固い空母や戦闘艦艇を狙わずとも支援艦艇を叩けば、艦隊としての機能は失われる。
《僚艦が沈んでいく!》
支援艦艇の護衛についていたフリゲート艦がインディゴ隊を迎撃しようとしていたが、
4機のグリペンは最初から支援艦艇に随伴する護衛艦を無視していた。
《諸君。次はちょっと難しい課題だが、大丈夫かな?》

打ち上げられるSAMをあたかも泳ぐかのように悠然と掻い潜り、駆逐艦を飛び越える。
明らかに余裕を残しながらもハインリッヒは隊の状況確認を行った。
最新鋭空母の初任務を最期の航海にするのがインディゴ隊2番目の任務だったが、その割にはリラックスしている。

《ウスティオ機を行かせるな!インディゴ隊を援護せよ!》
インディゴ隊の前方上空では、混乱を抜け出したベルカ軍のSu−27とF−5Eが2機づつ、
4機が迫ってくる連合軍の2機に襲いかかろうとしていた。
《援護、感謝する》
ハインリッヒは素直に謝意を示した。
双子のエックマン兄弟のポストラー隊と「フトゥーロの風」とも称されるガーベル隊の技量は、
精鋭揃いのベルカ空軍の基準からしてもいい腕である。
《うわぁぁ!》
《っ・・何!・・ザ・ザザザザザザ》
540名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/17(土) 23:54:24 ID:geudlmsx
支援

インディゴ隊の面々にとっても俄かには信じがたい情景だった。
先ほどまでレーダーに映っていたガーベル隊のタイガーが艦隊の外周空域で警戒している2機に叩き落されていた。
周囲を警戒しながら先ほどのガーベル隊と連合軍機との空戦を頭の中で再生し、嫌な答えがでた。
《・・・・・インディゴ1より各機、攻撃一時中止。対空戦闘に切り替える》
《そんな。獲物はもうすぐ先です!》
《判らんかね?生易しい相手ではないぞ》
《はっ、失礼しました。対空戦闘用意!》
戦いの最中でも部下を怒鳴りつけずに従わせる。
栄えあるベルカ騎士はこの程度のことで大声をあげない。
名門8将家の血を絶やしていない最後のハインリッヒ家にとって、それは戦いの場でも守り抜くルールの一つだった。
《では諸君。槍試合の時間だ》
一斉に散開し、有翼獅子(グリペン)に跨る騎士が鋭く舞う。
タイトなフォーメーションの2機、ウスティオのマークをつけたF−4とF−15とお互いガンアタックを見舞いながらすれ違う。
《やはり、いい腕だ。私の敵となるに相応しい》


艦隊から少しはなれた空から、なのはは最初のヘッドオンで敵の力量を測っていた。
機体も優秀ながら性能に頼ったものではない剽悍な動きは明らかに歴戦のパイロットのものだった。
だが、この部隊からは経験では納まらないものを感じる。
特に編隊長機からはさきほど対峙したようなF−5E部隊とは異質な空気が伝わってくる。
《グリペンでこの動き。さすがに藍鷺、別格だな》
緊張感の中にもどこか弾むような楽しげなピクシーの声が無線越しに響く。相棒も同じような感覚を感じているのだろうか?
小柄なクロースカップルデルタの機体がヒラリと舞い、なのはの斜め後方の位置に出た。
ドッグファイトでは最新鋭のグリペンに古い大柄なファントムが敵うはずもない。
「やるねっ!」
なのははスプリットSで機体を捻りこみつつ、急速降下した。だが、当然グリペンもミサイル発射の好位置を取ろうと追いすがってくる。
ファントムのコクピット内でレーダー照射警告のアラームが鳴り響くのを意識の片隅に留めながら、高度計と速度計に意識を集めていた。
くすんでいた砂漠の景色が鮮明になり、
崩れた建物や焼け残ったコンテナーが確認できるようになったタイミングでスロットルを絞り、操縦桿を引き起こす。
「ここっ!」
地上10メートルにまで降下したなのはは、砂塵を巻き上げながらもそのまま超低空を維持してグリペンを振り切ろうとした。
ちょっとでもタイミングを誤ると地面に激突する低高度でファントムが逃げを打つ。
「ふん・・・超低空だと逃げ切れると思ってるのか」
なのはを後ろから追い掛け回していたインディゴ4、フランツ=ブライトナーは戦争マニアと呼ばれるほど攻撃的で容赦ない戦い方で、
伝統的ベルカ主義者の軍人からの受けは今一つ良くなかったが、ハインリッヒがわざわざ指名してインディゴ隊に抜擢するほどの技量だった。
ファントムが巻き起こす乱気流で小柄なグリペンを揺らしながらも、ほぼ同じ高度を保っている。好機はすぐに訪れた。
《旧い亡霊はあの世に帰りな!》
542名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/17(土) 23:57:15 ID:hA9C1cwq
支援
「My Master. Incoming Missso Missssssso!」
「判ってる!」
レイジングハートの警告には感謝しながらも無視し、なのははぎりぎりまでひきつけてから一気にスロットルを全開に叩き込んだ。
2基のジェットエンジンが搾り出す衝撃波が大地で跳ね返る。
グリペンが放ったAAMは衝撃波に襲われ、一瞬バランスを崩しそのまま砂漠に突っ込んで無駄な爆発をした。
「ふぅ!危なかった・・・」

《今日は無茶苦茶だな 相棒?》
《コイツらだけはには負けたくないの!》
全開のまま一気に急上昇し、高度をとっていたピクシーの斜め後ろにつく。
サイファー=なのはの妙に高い戦意に若干辟易しながらもピクシーが釘を刺す。
《俺が援護する。その代わり、あまり無茶するな いいな?》
《了解!任せたよ》
これでは、一体どちらがガルム編隊長なんだか、わかったものではない。

一旦距離をとったブライトナーの4番機との戦闘は一旦中断となった。
なのはもブライトナーも戦場が今はお互い二人の対決を求めていないと感じ取っていた。
戦場は今度は右上方からガルム隊の後方へ回り込もうとする2機編隊との戦闘を用立てていた。
その2機編隊こそインディゴ1・2のディミトリ=ハインリッヒとベルティ=ベッケンバウアーのコンビだった。

そしてハインリッヒは期せずしてなのはとまったく似たような感想をウスティオの2機から感じとっていた。
赤い片羽根のイーグルは機体性能を活かしきっている。実戦経験の豊富な戦闘機乗りにしかない抜け目無いしたたかさ。
もう1機の長機らしきファントムは旧式にも関わらず鋭く強い飛び方だが、どこかに飛び方に躊躇を残している。
「甘いな」
生死を賭けた戦いに甘さは禁物だ。だが、さっきのブライトナーの攻撃をかわしたようにどこか常識では測れない雰囲気もある。
《慣れない相手で勝手が違う 引き締めていけ》
当たり前の事を当たり前に注意する。

部下のベッケンバウアーを引き連れたまま、一瞬だけ雲を曳く高速ループでガルム隊の後ろに迫ろうとする。
極平凡な飛び方のように見えて、インディゴ隊の2機は雲を発生させないぎりぎりの速度で旋回し
ガルム隊から発見されるリスクを最小限に留めていた。
並のパイロットなら翼の端から雲を曳いたままの旋回を行って、その位置をすぐにバラしてしまうところだ。
ガルム隊の2人もその意図にやすやすとのってやるお人良しではなく、更にグリペンの背後に回りこもうとする。
こうなると旋回効率の高い機体のほうが有利で、普通ならファントム乗りのなのはに勝ち目は薄い。
お互いが直接目視できない位置で後ろの奪い合いが始まる。見えない相手と命がけの3次元の場所取りゲームだった。
「機体制御に集中して!」
「All Right My Master」
なのはは自身の能力を空力重力制御に注ぎこみ、旧式のF−4ファントムでは考えられない旋回を引き出した。
機体をスライドさせながらも最新鋭のグリペンに負けない旋回をするファントムの存在というのはインディゴ隊の誤算だった。
開戦以来F−4ファントムとは各地で戦い、全て打ち勝ってきた経験から格闘戦状態のファントムが取れる機動は予測できる。
そうした実戦の中でしか得られない貴重な教訓を活かして、ウスティオのファントムを落とす計算ができていた。
インディゴ2=ベッケンバウアーは愛機が大きく揺さぶられるのを感じた。
「くそ・・・誰だ!」
直感的に別の連合軍機から不意打ちを受けたと思ったが、白青の塗装の大柄な逆ガルウィング・・・
「何っ!?」
被弾したショックよりも、実戦経験に裏付けられた空戦方程式が崩されたショックのほうが大きかった。
急速にRM12ターボファンが勢いを失い始める。
《インディゴ2、直ちに戦域を離脱せよ。幸運を・・》
ベッケンバウアーには苦しい時間が始まった。
544名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/18(日) 00:02:40 ID:hA9C1cwq
支援
《2が喰われた。 各機、甘さを見せるな  やられるぞ》
後ろで高度を落としていく僚機、インディゴ2に離脱許可を出しつつ、さらに2機目を仕留めようとするウスティオ編隊から一旦距離をとる。
今まで出合った中で最高の敵パイロットではないか?
「但し、F−4ファントム使いとしては最高という意味だが・・・」

自分だけしか聞こえない不敵な独り言を呟き、ハインリッヒは正面にF−15を捕らえた。
むこうもこちらを狙っていたらしく、ヘッドオン。
F−15が放ったAAMを視覚以外の感覚で捉えるが、慌てない。
一瞬にしてミサイルとの距離が詰まるが、落ち着いた動作で一気にバレルロール。
ミサイルは急激な位置変化に追随できず、後方に飛び去ったことを確認してから正面に迫るF−15にガンアタックを見舞う。
華麗に機体を翻し、ぶさまに黒煙を吐くF−15は印象的な赤い片羽の機体ではなかった。
「ふむ。別の隊の機だったか」

《こちらインディゴ3、別の敵編隊と交戦中。連合軍のエース部隊らしい》
《インディゴ3、自分の戦い方を忘れぬようにな》
ハインリッヒはインディゴ隊の中で最も信頼しているオベラート大尉に忠告し、直ちに部下のフォローに向かった。
ハインリッヒは自身をエースだ撃墜王だと評価を高めるよりも先に戦隊指揮官として部下を統率する必要があった。
マティアス=インディゴ3=オベラートが激しくやり合っている相手はいい動きを見せる黒っぽいF−20タイガーシャークと、
薄い森林迷彩を施されたトーネードIDSの2機編隊だった。
トーネードIDSも見た目よりも侮れない相手だが、小柄な機体に比較的余裕のあるエンジンで俊敏な運動性能を活かした戦闘を得意とする
F−20タイガーシャークはグリペンと設計思想的にかなり近いものがある。
それだけに長くドッグファイトを続けたい相手ではない。自身の腕を疑う訳ではないが戦いの中のリスクは少ないほうが良い。
《1より3。俺がトーネードを殺る。鮫退治は任せるぞ》
《感謝します!隊長》

藍鷺が翼を翻し、翼を広げたトーネードの正面を塞ぐ。
《私が相手だ。ウスティオのパイロットよ》

546名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/18(日) 00:09:25 ID:f/bvBK16
支援します
ハインリッヒと1対1で対峙することになったシャマルは意外なことに慌ててもいなければ動揺もしていなかった。
だがさすがに緊張はしている。
医務官の今では活躍する場も無いが、身体的能力と修練に頼らない媒体を介した戦闘をシャマルは苦手としていない。
というよりも得意としていた。
守護騎士、ヴォルケンリッターの一員として何人もの主人に仕えてきており、中には質量兵器による戦いもあったものだ。

可変翼を畳み、一気にトーネードを加速させたシャマルは、直線的なヒットエンドランでハインリッヒに挑もうとしていた。
図らずもハインリッヒもミサイルの射程圏外から急速接近で一撃離脱を狙っていた。
お互いが暗黙の了解のうちに戦いのルールを定める。
最初の交錯には正面からのヘッドオンでガンキルのみ。ミサイルは無し。
それは、まさしく一騎打ちの馬上槍試合、ジョストそのもの。

趣味でフェンシングを嗜むハインリッヒは正面攻撃には絶大な自信を抱いていた。(最も自信家でない戦闘機パイロットなど皆無なのだが)
この一撃を外したら、一気にドッグファイトを展開するという万が一の可能性に備えて、ミサイルの安全装置を確認を行う。
《覚悟はいいかね?》
アフターバーナーを吹かし、小柄な機体に似合わぬ獰猛さを見せつけながら、有翼獅子が大竜巻に飛び込もうとする。
ハインリッヒのグリペンが加速したタイミングに併せて無線でシャマルが応じる。
《悪いけど、落ちてもらいますね》
ハインリッヒは動揺を隠せなかった。
「女?」
ベルカ軍にも女性の戦闘機パイロットはいる。オーシア・ウスティオにも当然いるだろう。
敵パイロットが女性である可能性は低いにしてもありえない話ではない。
同時に「ありえない話ではない」を逆に解釈をすれば、
「可能性としてはかなり低いもの」と言い換えることもできた。
ハインリッヒは正面からの一撃でトーネードを屠るつもりでいた。一瞬の、ごく微量な掌の筋肉の動きが操作スティックに伝わり、
シャマルを必殺の一撃から救った。わずかな余計な反応がガンアタックのタイミングをずらし、
それは音速で飛ぶ空戦では大きな違いとなって表れた。
2機が互いに致命傷を与えられずにすれ違う。
まったく無傷だったトーネードに対し、
グリペンは主翼に3つの風穴を開けられ、左カナードに機関砲弾の衝撃波による亀裂を作っていた。
《やるなっ!》
素早い身のこなしでグリペンがインメルマンターンでトーネードの後ろを取ろうとする。
意外なことにシャマルは逃げの一手で一気に遁走しようと図っていた。
ヘッドオンで交差した瞬間、ハインリッヒの力量と魔力レベルを探っていた。
ハインリッヒは無意識で自身の体内で育ちつつある魔力を僅かではあるが使えるようになっていた。
身体を機械と融合させるというエイセスデバイスの機能を何処で学んだのか?あるいは自然と身に付けたものか?
「勝てる相手じゃないわ」
シャマルは守護騎士らしく自身と敵の力量を冷静に評価したが、珍しくも諦めの悪そうな癖のある笑顔を浮かべていた。
管理局の面々でも普段のシャマルからは想像もできないだろう。
「でも、負けない戦いなら十分できるしね・・・」
グリペンはその損傷の影響を全く感じさせない鋭い飛び方でトーネードの後を狡猾な針路予測で追いかけ、すぐにその距離を詰めた。
こればかりはどうしようもない、シャマルとハインリッヒとの経験の違いであった。
《戦場外で会えれば良かったんだが!》
ハインリッヒがAAMを放つ。
トーネードの可変翼が開き、急激な減速と攻撃機ならではの安定性を活かしたナイフエッジターンでミサイルの追尾を振り切る。

攻撃回避に専念し、隙をみせた瞬間に逆撃にでるという戦い方を選んだシャマルは長期戦を覚悟した。
管理局のエースがデバイス所有者を確実に撃墜できるように足止めする。
それがシャマルがこのフトゥーロ運河の空で果たす役割だった。
548名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/18(日) 00:13:37 ID:ZL/22hY7
支援
シャマルが言う「管理局のエース」の一人でもあるフェイトはタイガーシャークのコクピットの中で
敵機グリペンが合流して2対2の戦いになりそうなことに一瞬緊張したが、その合流した機こそが魔力反応源と知ると、
先ほどまでのオベラートとの戦いを中止してハインリッヒを追おうとした。
管理局の面々は戦争をする為にこの世界にわざわざやってきたのではなく、
戦争は「エイセスデバイスの回収に伴う不可避な付随作業」なのだ。
精神的にも肉体的にも消耗と疲労の激しい任務の連続で目的意識を見失いそうになる。

その穏やかな表情と声に騙されるのか、知る者は少ないが、実戦であれ、訓練であれ、フェイトは気質的に闘争を厭わない。
ついつい異世界での空戦に引き込まれている自分自身に反省を促し、声にだして叫ぶ。
《あの隊長機。あれさえ落とせれば!》
フェイトの叫びにオベラートが返す。
《うちの隊長だけは落とさせない!》
斜め左方向から交錯するラインでグリペンがタイガーシャークに向かってロールしながらおおいかぶさって来る。
バレルロールで攻撃軸線をずらしてフェイトは針路をナイフエッジターンで左旋回をとり、間合いを取り直そうとした。
だが、既にグリペンはフェイトの機の斜め後ろのポジションを占めようとしていた。
「何て速い!」
思わず驚嘆する。軽く舌打ちしながら後ろに迫るオベラートのグリペンをひきつける。
後方警戒レーダーが耳障りなアラームを響かせるが、ぐっと我慢。
「バルディッシュ!」
「Harden the defense」.
オベラート機から放たれたAAMが迫る。
ラダーペダルを蹴り飛ばし、スロットルを同時に絞りながら操縦スティックを倒し込むと
後ろから不愉快な衝撃がフェイトをタイガーシャークごと揺さぶる。
「喰らった!?」
「Barely prevented」
「そっか・・・」
こういう時、そっけないバルディッシュの答え方はかえって頼もしく感じる。
フェイトはオベラートの攻撃に対抗するように左にロールし、天地を入れ替えて、スプリットSで急速降下させる。
コクピットから視界の片隅でグリペンを捉えると、相互の位置関係を計算しながら、今度は強引に逆宙返りのループで高度を稼ぐ。
グリペンの位置を確認しながらループしようとしても正ループでは見失うため仕方が無い。
バルディッシュの重力制御の補助があるとはいえ、頭部に全身の血液が集中し、
視界も血流の集中で赤くなる。
「くっ・・・っ・・」
歯軋りしながらマイナスGを耐え抜いたフェイトは、眼球の毛細血管の内出血で鬼気迫る眼をさらに開いてエンジンスロットルを一気に絞った。
タイガーシャークが強引な逆ループで上昇するとは予想外だったらしく、グリペンの動きに遅れが出ていた。
咄嗟に勝負どころと感じたフェイトは失速寸前のタイトな旋回でグリペンの後ろを取ることに成功した。
ミサイルのシーカーがロックを示す緑のランプが点り、空戦の集大成としてミサイルに想いを込めて放つ。
《ネメシス、 FOX2》
ミサイルの赤外線シーカーを補助するように高度な誘導魔法がグリペンのテールを追いかける。
フレアとチャフを撒いて必死に回避を試みるオベラートの機動の鋭さはミサイルで追うだけでもフェイトに精神的な消耗を強いた。
《Goddam!インディゴ3 イジェークト》
尾翼と排気ノズルを吹き飛ばされ、主翼にも大穴をあけられたオベラートは罵り言葉を吐き捨てながら、エジェクトバーを引き抜いた。


ハインリッヒは頼りにしている部下が立て続けに2機落とされたことに正直ショックだった。
《この運河でウスティオも なかなかやるじゃないか・》
ハインリッヒは小癪な回避運動で決定的な攻撃のチャンスをつかませないトーネードを牽制しながら、戦況と部隊配置を再確認した。
《面白い。危機こそチャンスとはよく言ったものだ・・・》
複雑な表情を浮かべ、シャマルのトーネードを急激な旋回とロールで追いかけながらも、
ハインリッヒは冷静さをたもっている頭の一部で戦術判断を下した。
《ブライトナー? 状況知らせ》
《4より1へ、現在、敵2機編隊と交戦中。 1機はあの片羽だ!》
ブライトナーはガルム隊の2機とドッグファイトを再開していた。
《空戦にのめり込むな。隙を見て、北西に向かうんだ!》
550名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/18(日) 00:25:31 ID:ZL/22hY7
支援
ブライトナーはハインリッヒの突然で抽象的すぎる指示にも関わらず、その意図を理解した。
一時的に艦隊の護衛機のカバーが失われている。このタイミングで対艦ミサイルを叩き込めば、
連合軍はフトゥーロ運河を奪取する戦略的意義を失ってしまう。

今しかない。
ブライトナーは巧みにドッグファイトの場を徐々に高空へと誘いこんだ。
ピクシーとなのはが更に優位な高空を取ろうとした時に、タイミングを図ってアフターバーナー全開のパワーダイブで距離をとる。
《えっ!?》
《何だ いきなり?》
咄嗟の出来事に訝るガルム隊の2人を尻目に遁走するようなグリペンをみせられて、急に戦意を削がれた二人を叱咤した人物がいた。
《一体、何をぼけっと!? 艦隊の傘がガラ空きだ!》
ベルカ海軍を吹っ飛ばして帰ってきたルー・ガルー隊の隊長、ナタリー=ヴェステス大尉の一喝だった。
お世辞にも空戦性能に優れているとはいえないこのF−1部隊は、
反復攻撃に備え、オーシアの空軍基地へ補給に戻る途中だった。
ナタリーは攻撃機乗りらしく、対空戦闘ではなく、対地対艦戦闘の視点から戦場を眺めていた。
ガルムもマジシャンもどちらかといえば制空・要撃任務に重点をおいていることもあり、空にしか目が行き届いていなかった。
やはり餅は餅屋ということらしい。
《!! あっ・・》
なのはが叫ぶよりも速く、既にピクシーのF-15Cイーグルがアフターバーナー全開で急速降下を始めていた。
《イーグルアイ、艦隊に警報を!》
《既に連絡済み。だが、貴隊が一番近いぞガルム2》
《糞っ!間に合えっ・・・》
強力なF−15のF100ターボファンエンジンにアフターバーナーの力が加わり、
一気にピクシーがグリペンとの間合いを詰める。
だが、ブライトナーのグリペンも出力を最大限に搾り出して対艦ミサイル発射位置を目指そうとしていた。
「有翼獅子」と「鷲」の競争は追いかける鷲に目があった。
《ピクシーFOX3!》
F15から必殺のAMRAAMが放たれ、グリペンとの距離を詰める。
《これは・・・さすがにどうかな?》
後方警戒レーダーが鳴り響く中、ブライトナーは咄嗟に対艦ミサイル発射予定地点と後ろから迫るミサイルとの相対的な位置関係を考えた。
回避行動を取る時間はなさそうだ。
今ここでケツに喰いつくミサイルを回避する訳にはいかない。
俺を信じてくれたハインリッヒ隊長の期待、インディゴ隊メンバーとしての誇り、ベルカの威信に賭けて!
《沈め!》
グリペンから2発の対艦ミサイルが放たれた。
戦術教範で定める射程距離には満たないが、設計値どおりの性能ならこの距離からでも届く筈だ。
これ以上の我慢すれば後ろのミサイルの餌食だ・・・・。
ブライトナーはミサイル発射とチャフ射出を同時に行うという複雑極まる作業をこなしながら、更にミサイル回避行動に移った。
後ろからミサイルが迫る中で一気にスロットルを絞って急減速するのは極めて勇気がいる。
だが、その勇敢な決断はほんの少しだけ、1秒ほど遅かった。

AMRAAMが爆発し、無数の破片がグリペンの複合素材の機体を切り裂き、クリップドデルタのコンパクトな機体を吹き飛ばした。
無意識の内に射出シートで空中に放り出されたブライトナーは、怒りに燃えながらも冷静だった。
オーシアの新鋭空母一隻TOPエース部隊、天秤にかければインディゴ隊といえども磨り潰すだけの価値はある・・・・
ハインリッヒ隊長も判っている筈だ。


あとは2発のミサイルがきちんと仕事をしてくれれば良い。
2発のミサイルはデータリンクで結ばれており、慣性誘導飛行を行った後、目標と定めた赤外線イメージ情報をミサイル間で交換した。
複数の熱源の中でも最大の規模の熱源に2発とも集中させるようにアルゴリズムが判断する。
《武器使用自由 武器使用自由》
僅かな間隙を見逃さない完璧な奇襲で、ケストレルの防空は直衛のフリゲート艦が頼りだった。
イージス駆逐艦は混乱する空戦に対処するために分散配置されすぎた。

明らかな戦術判断ミスか・・・否、敵がこちらより一枚上手だったということか。
フリゲート艦の艦長は苦い表情を浮かべていた。迎撃SAMが4発を費やしてどうにか1発の対艦ミサイルを迎撃した。
だが、もう一発はミサイルでは対処しきれない近距離に迫っていた。
「副長、取り舵20度 機関全速120%。 ケストレルの横へ回せ」
「取り舵20度、機関120%アイ、艦長。 盾の役目を果たしますか」
「レディを護るのはいつの時代も騎士の役目さ」
艦長は覚悟を決め、鋼鉄の女王ケストレルに一瞥をくれると制帽を目深にかぶりなおした。
4000トンのフリゲート艦が対艦ミサイルを喰らえば、ひとたまりも無い。
20ミリバルカン砲を備えたCIWSが唸りを上げ、最後の迎撃を試みようとしていた。
「来ます!」
「ショック警報を出せ!」

そういい残して艦長はCICから艦橋に戻ると自分の艦にミサイルが突き刺さろうとするのを凝視した。
睨みつけることでミサイルが迎撃できるかのように・・・。
舷側からわずか30メートルの所でCIWSのU238劣化ウラン砲弾がようやくミサイルを捉え、
ブライトナーの放った2発の対艦ミサイルはケストレルの護衛艦に阻止された。
だが爆発しながらもミサイルは勢いを保ったままフリゲート艦の上部構造物にぶち当たり、
艦の乗組員を肉片に切り刻み、フリゲート艦に大火災を発生させた。
《フリゲート艦、「エグレット」大破!》
《ケストレルは?》
《無事だ。エグレットが盾になった》
《一級殊勲章ものだな!》
艦を犠牲にしてでも空母を護った艦長はこれから賞賛と同時に十字架を背負っていくが、当事者以外にはわかるはずもない。


連合軍の電子戦機の機内でも空母がきわどいところで助かったことで安堵の空気が流れていた。
「空母は護れたようだな?」
「そんな事より聞いてくれよ。管制主任よ」
ベルカ軍の圧縮された通信波をキャッチしていた。
「何だ?」
《展開中の全部隊へ、発令コードSGR42、発令コードSGR42・・・》

「ベルカ軍の戦域司令部の通信らしいな」
但し、平文とはいえ、肝心の発令コードの意味が解読できなければ、意味を成さない。
「大きな動きがあるかもしれん。」
《ベルカ軍の上級司令部より展開中の部隊への通信を傍受。内容の意図は不明。全面的な戦局の変化を警戒せよ》
こちらの通信はベルカ軍とは違い、そのままの内容をデジタル暗号化されて発信された。
553名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/18(日) 00:33:12 ID:f/bvBK16
支援します!
はやてとシグナムにはインディゴ隊と空戦の機会はなかった。
戦場全体の混乱を収拾させてからでなければ、魔力反応のあるパイロットと接触する機会を逃してしまう。
魔力反応がある戦闘機が何処にいるのか、見逃さないように監視しながら空を戦っていた。
《イーグルアイよりマジシャン隊、さらに敵の増援を2機確認 方位1―1―0》
《イーグルアイ、メビウスとブレイズで迎撃する》
《了解した。たった2機の増援とは妙だ。十分注意しろ》
フォックスハウンドとファルクラムの種類の異なる2機のMiGが迎撃に向かう。
<あ、この反応って?>
<りぃん?>
<はやてちゃん、 魔力反応が急速接近します。 2つ>
<ちょい待ち! 今なのはちゃん達が相手してるのとはまた別なんやな?>
<はい。さっきの物とは波の形が全く別物です>
<いずれにせよ。一戦交える必要がありそうです。力量を測る為にも>
思念通話でシグナムが割り込んできた。
<そやな・・・、じゃ、確かめてみよか? この反応が何者か・・・>

まず、はやてがフォックスハウンドのXLAAで長距離攻撃を仕掛けた。
レーダーに映る2機は正面から迫るミサイルをかわしたのも驚きだが、
リィンの魔法誘導で更に進路変更して追いすがるミサイルを強烈な機動であっさりと振り切ってしまったことは更にショックだった。
《強い!今までとはまるで格が違う。》
シグナムが呆れたような口調で呟く。
戦闘空域に突入したベルカ軍の2機は制空権を確保しようと立ち塞がる連合軍の攻撃を無視するかのように、
縦横無尽に飛び回り、オーシアのF−16の背後をとると瞬く間に撃墜した。
その近くにいた連合軍機、ヴァレー基地所属のサラマンダー隊のF/A−18だった・・・は、F−16が空中で四散したときには
既にミサイルにロックオンされており、必死で回避行動をとろうとしていたが、
糸で結ばれたかのように背後に迫るベルカ軍機を振り切れず、こちらもあっさりと落とされた。

《SGR42とはな。連合軍を混乱させつづけなければならん》
《空母にはインディゴ隊が向かったそうです》
《そちらの後始末はディミトリに任せ、我々の仕事に取り掛かろう》
大柄な機体にも関わらず華麗とも言うべき連携のとれた鋭い機動で更に3機を葬りながら、
その増援部隊は戦場をもう一度にかき回そうとしていた。