リリカルなのはクロスSSその22

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1名無しさん@お腹いっぱい。
ここはリリカルなのはのクロスオーバーSSスレです。
ガンダム関係のクロスオーバーは新シャア板に専用スレあるので投下はそちらにお願いします。
オリネタ、エロパロはエロパロ板の専用スレの方でお願いします。
このスレはsage進行です。
荒らし、煽り等はスルーしてください。
次スレは975を踏んだ方、もしくは475kbyteを超えたのを確認した方が立ててください。

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*雑談はこちらでお願いします。リリカルなのはウロスSS感想・雑談3
2chスレ

まとめサイト
ttp://www38.atwiki.jp/nanohass/
2リリカルなのはBsts:2007/10/29(月) 23:41:24 ID:0Sp9DaYJ
自分のSSで越えてしまったので立てましたorz。

以上がAパートです。支援ありがとうございます。次は近いうちにまたー。

3名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 23:45:28 ID:BxigRj1m
ここはリリカルなのはのクロスオーバーSSスレです。
ガンダム関係のクロスオーバーは新シャア板に専用スレあるので投下はそちらにお願いします。
オリネタ、エロパロはエロパロ板の専用スレの方でお願いします。
このスレはsage進行です。
荒らし、煽り等はスルーしてください。
次スレは>>975を踏んだ方、もしくは475kbyteを超えたのを確認した方が立ててください。

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ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1193128576/

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ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1190950386/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1190209861/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1189525591/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1188914457/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1188222989/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1187714790/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1187176581/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1186669558/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1186147008/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1185640072/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1184997868/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1184393091/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1183637309/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1182871170/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1182002145/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1180901290/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1179746193/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1177202668/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1191674700/

*雑談はこちらでお願いします
リリカルなのはウロスSS感想・雑談3
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1192629485/

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焦ってたのは分かるけど、テンプレはちゃんと張ろうぜ?
4名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 23:48:46 ID:0gVoBE/9
>>1 
>>3


しかし、2chスレってwwww
5名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 23:52:01 ID:2lrZ3fEb
>>1がスレ立て乙で
>>2GJです。あぁ、MITと聞くとなぜか武道派科学者集団に見えてしまう・・・。
うん、きっとゲームのやりすぎだな。ちょっと頭冷やしてくる。
6名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 01:01:52 ID:sKTzk/xl
6
7コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/30(火) 01:24:16 ID:5z8HtE9h
誰モイナイ…書クナラ今ノウチ…

「スザクとなのはキャラが全く絡んでない」という意見がありましたので、ちょっとサイドストーリーを書いてみました。
突貫工事もいいとこなので、「ん?」と思うところもあるかもしれませんがご容赦を。
何事もなければ投下します。
8コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/30(火) 01:33:09 ID:5z8HtE9h
STAGE6.5 アナザーストーリー・オブ・コードギアス〜墓参り

シンジュクゲットーを歩く人影が1つ。
枢木スザクだ。彼もまた、神根島からユーフェミアを伴って生還していた。
「………」
そして今、スザクは迷いの中にいた。
――命より大事なものってあるでしょ!
スザクは神根島で、カレンと対面した。
最初は学園での姿とは全く違う、勝ち気で活動的な姿に戸惑いもしたが、すぐに慣れた。
そちらの方が生き生きとして魅力的だったのも、要因の1つだったのかもしれない。
その事実がどうというわけではなかった。たとえ相手がカレンでも、戦う覚悟はあった。
スザクを悩ませていたのは、彼女の姿勢だった。
カレンは黒の騎士団に、はっきりと戦う意味を――生きる意味を見い出していた。
しかし、自分はどうだ。
自分の生きる意味…スザクには、まだそれが分からない。
どうせなら正しいことをして死にたいと思ってはいたが、果たしてそれは、生きる意味としては適切なのだろうか。
死ぬために生きるとは、何と滑稽なことだろうか。
――みっともなくあがいて、生きる意味を探し続ける…醜いな、俺は。
神根島で、スザクが自分を評した言葉だ。
今の自分が許せなかった。
未だ自分の為すべきことも見つけられず、ただただランスロットで戦い続けるだけ。
ブリタニアを内部から変えていく。自身が語ったその理想は結構だ。
だがそれも、最早取って付けた言い訳にしか感じられない。
(本当、俺は何をやってるんだろうな)
自虐的に、スザクは自問した。
このシンジュクは、彼がルルーシュと再会した場所だ。
テロリストの騒動に巻き込まれ、協力者と誤解されたルルーシュの始末を命じられたスザクはそれを拒否し、
自らを犠牲にしてルルーシュを救おうとした。
しかし、彼は生き延びた。
クロヴィス親衛隊隊長によって銃殺されたスザクだったが、身に付けていた懐中時計によって、直撃を免れたのだ。
(あそこでちゃんと死ねていたら、こうも悩む必要はなかったのかも…)
そんな「もしも」が、スザクの足をここへと運んだのだった。
今のスザクには、生きることも苦痛だった。
何も望めず、何も為せず、そして…
「ん…?」
と、スザクの目に止まるものがあった。
9名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 01:34:15 ID:F1lj/cC2
支援
10コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/30(火) 01:34:19 ID:5z8HtE9h
1人の女性だった。
歳はスザクよりも少し上くらい。栗色の髪をポニーテールにしていた。
租界の人間の服装をしていたが、どことなく東洋風の容貌だった。
そして、女性の視線の先にあったのは、簡素な墓。
戦争で亡くなった民間人達の無数の墓の、そのうちのいくつかなのだろう。
「…日本人の方ですか?」
思わず、スザクは彼女に歩み寄り、そう尋ねていた。
女性はゆっくりとそちらを向くと、スザクの姿を見て、にっこりと微笑んだ。
「フフ…やっぱり、同じ日本人同士だとバレちゃうか。
 …うん。高町なのは。日本人だよ」
女性――なのははそう名乗った。
「僕は、枢木スザクと言います」
「ランスロットに乗ってる、枢木少佐だよね。いつもお疲れ様」
「あ…どうも」
スザクは少し照れながら礼を言った。
思えば、ランスロットに乗っていてイレヴンから称賛の言葉を受けたのは、初めてかもしれない。
「租界から来たんですか?」
「租界には…ちょっと偽籍を使ってね」
苦笑気味な笑顔でなのはは言った。
要するに、スザクと同じ名誉ブリタニア人というわけではないらしい。
(不思議な人だな)
スザクはそう思っていた。
見たところ、歳もそう自分と変わらない。よくてミレイより1つ上ぐらいだろう。
その割には、雰囲気は落ち着いていて、大人びていて…不思議な感じだった。穏やかなオーラのようなものがあった。
「お墓参り…ですか?」
スザクは言葉を続けた。この不思議な人と、もう少し話していたかった。
「ときどき…本当にときどきだけどね、こうしてゲットーを歩いてるんだ」
墓へと視線を落としながら、なのはが言う。
ふと、なのははスザクの方へ目を向けた。
「君は?」
穏やかな、しかし確かにこちらを見据える視線で、スザクに尋ねたのだった。
真摯な目だった。彼女は初めて会った少年にも、真っ向から向き合おうとしていた。
「…少し…悩んでしまって」
スザクは正直に話した。
この人には話しておこう。不思議とそんな風に思っていた。
「…生きる意味って、何なんでしょう?」
ぽつりと、スザクは呟く。
「自分の生きる意味っていうのが、まるで分からないんです…探しても探しても…」
「生きる意味、か…」
なのははスザクの言葉を繰り返す。
11名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 01:35:27 ID:F1lj/cC2
市民、なのはさんたいむ支援にょろーんすべきです。
12コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/30(火) 01:36:02 ID:5z8HtE9h
「…それって、どうしてもなくちゃ駄目なのかな?」
「えっ?」
返ってきた答えは意外なものだった。
ナナリーを守るために生きるルルーシュ、日本を取り戻すために生きるカレン…
今までスザクの周りにいた者達とは、まるきり正反対の意見だったからだ。
「生きる意味を無理に求めるっていうのは、意味を持ってなければ生きてちゃ駄目、っていうことと同じだと思うんだ」
「あ…」
「人が生きているのを、それに意味がないからって…否定するのは、凄く悲しいことだと思う」
正論だった。
実際問題、生きる意味を持っている人間は、この世界の割合のうちどれほどだろうか。
一体どれほどの人間の人生が否定されることになるだろうか。
そんなものは、他国を否定し侵略するブリタニアの思想と同じだ。
自分も、そんな人間になりかけていたのだろうか。
「それに、本当の生きる意味っていうのは、無理に探すものじゃなくて、自然と身に付くものだと思うんだ。
 気が付いたらそれがそうだった…きっと、そんなものなんだよ」
確かに、少なくともルルーシュは、わざわざ生きる意味を無理に探したわけではなかった。
母が亡くなったことで、ナナリーを守る役目が回ってきた。ルルーシュがそれを受け入れた。
彼の生きる意味も、そんな風に向こうからやってきたものだった。
(…つまり、全部徒労だったわけだ)
何だか馬鹿馬鹿しくなり、スザクは内心で自嘲する。
自分は生きる苦痛に耐えたくて、生きる意味を探した。
だが、結局それは探して見つかるものでも、探すべきものでもなかった。
であれば、自分は時が来るまで、この痛みからは逃れられないというわけか。
「あまり上手くは言えないけど…どうかな?」
再び苦笑いを浮かべて、なのはは問いかける。
「僕にも…まだ、どうすればいいのか、答えが出ません」
なまじ救いを求めた結果、余計わけが分からなくなってしまった。
これも、安易な方向に飛び付こうとしたことへの罰なのだろうか。
しかし、不思議とそれ以上嫌な気分にはならなかった。
「焦らないで。まだまだスザク君も若いんだから、考える時間はあるよ。
 だから、無理して自分で自分を追い込むよりも…じっくり、ゆっくり考えて」
なのははまた、暖かい笑顔でスザクに言った。
そうだ。
たとえ道が分からなくなったとしても、スザクにとって今日のこの話は、無駄ではなかった。
答えは出ずとも、スザクは幾分か救われたような気がした。
13コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/30(火) 01:37:09 ID:5z8HtE9h
「…今日はありがとうございました、高町さん」
スザクはそう言って、なのはに礼をした。
「にゃはは…何だか照れるな。私、特に何か解決したわけでもないのにね」
なのはは言葉通り、照れくさそうに笑う。
「もう少し…色々と考えてみようと思います」
「うん、頑張ってね。そっちの問題も、お仕事の方もね」
なのははそうしてスザクを送り出した。
スザクは、何か憑き物が降りたかのような晴れやかな表情で、元来た道を租界へと引き返す。
(この苦しみは変わらないけど、もう少し頑張ってみよう)
少しだけ、スザクは前向きになった。

程なくして、キュウシュウでの戦闘により、スザクはようやく生きる意味を得ることになる。
ユーフェミアと共に歩むという道を。
しかし、それは決して、スザクが無理に探し出したものではなかった。
気付いた時には、生きる意味は、そこにあったのだった。
//////////
ううむ…やっぱり突貫工事ともなると、あまり綺麗にまとまらない。
というか、いつの間にか、スバルとルルーシュ、ティアとリヴァル、なのはとスザクって感じで、
何だか法則性が一発で分かるような組み合わせに…
…意図はないんですけどね…
14名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 01:37:11 ID:F1lj/cC2
市民、支援しないのは反逆です。
15名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 01:39:17 ID:F1lj/cC2
お疲れ様でした。GJです。
16名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 08:42:38 ID:U0X4PQkQ
>>7
GJ!
かなり新鮮です



そしてダイナミック>>1乙…
17名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 16:33:08 ID:UZMkJ/ZC
>>1乙です。
18リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/10/30(火) 19:53:29 ID:QcEzIV7c
なのはStrikerS-NEXT一話出来た…。
あと十五分くらいで投下してもいいすか?

追伸、
今月のメガマガの漫画にはいろんな意味で萌え死にました。
ナンバーズスキーには溜まらん…。
19名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 19:57:06 ID:TgZXADKg
>>18
キタキタキター!!!
支援します!!!
20名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:06:27 ID:TgZXADKg
>>19
sage忘れスマソorz
しかも規制で書けなかったってどんだけ〜www
21なのはStrikerS-NEXT1話 ◆0qJqyuBpiQ :2007/10/30(火) 20:17:10 ID:QcEzIV7c
なのはStrikerS-NEXT1話「人間解放軍」

オルフェノクになれなかった人類が大量に死滅した事により、関東一円のうち神奈川県、千葉県の
沿岸部は破棄され、ゴーストタウンの様相を呈していた。海鳴市から十数キロ西…
オルフェノク居住区である東京都と放棄された旧千葉県南西部とを隔てる旧江戸川の千葉県側。
いかにもゲリラといったラフな風貌の女性…一人は男だが…が七人ほど周囲を警戒しながら巡回していた。
「酷いチリだな…靴ん中が灰だらけになっちまったよ。」
バンダナを締め台湾陸軍が装備していたアサルトカービン「T91」を背中にしょった女性…
人間解放軍の一員…仁村真雪が履いていたスニーカーを逆さにして呟いた。
「これがみんな元は人間だったなんて…。」
ロシア製の小銃AK47「カラシニコフ」の改良型「AKM」を袈裟懸けに抱えた元機動六課のメンバー…
もっとも時空管理局の兵力は全て人間解放軍に接収されてしまったので今の所属は人間解放軍だが…
ティアナ・ランスターが辺りを見回して呟いた。
「この散って行った者達にせめて報いるために私達は戦っているんだ。」
彼女に諭すように言ったのはシグナムである。彼女は愛用のデバイス、実剣モードの
レヴァンティン―もっとも強力なAMFが展開されているため見た目通りのただの剣と
してしか現在は使えないが…と陸上自衛隊がかつて装備していた
9ミリ機関拳銃…通称「M9」を両腰に差し背中にはやはり真雪と同じように
小銃…ロシア製のAK101だ…を背負っていた。
彼女達の言う「灰」とはいずれもオルフェノクの因子に適応せず死滅していった人々の
いわば死体のようなものである。
一面埋め尽くしたその灰は彼女達の士気を低下させる事おびただしかった。
「あの水門橋の向こう側…東京都はオルフェノクが支配しているエリア…。」
ティアナが所持しているのと同じAKMを抱えて言ったのはギンガ・ナカジマである。
彼女の後ろに立って居るのはドイツ製のサブマシンガン「MP5」を構え
手にはナックルを装着した彼女の妹スバル・ナカジマだ。
そして遅れて歩いてきたもう一人の女性…もとい、中性的な体形の男性…
相川真一郎は他のメンバーに比べると明らかに重装備だ。何しろ他のメンバーが持っている
銃器に比べると大型で旧式なM14ライフル「スプリングフィールド」を抱えさらに
腰に差したM9に加え唯一の対戦車火器となる110m個人携帯対戦車弾…通称
「パンツァーファウスト」を背負わされ服の胸と膝などには手榴弾が大量にくくりつけられている。
「しっかし水原の奴も無茶苦茶やらせやがる。こんな重要なエリアの警備に私ら七人だけなんてなあ。
まあそれ言ったら人間解放軍そのものが滅茶苦茶なんだがな。なにしろ武器からしてバラバラだし…。」
真雪が自嘲気味に言った。彼女達の装備している銃器は種類も口径(AKMとM14が7.62ミリ。
T91とAK101は5.56ミリ。M9とMP5が俗に拳銃弾と呼ばれる9ミリ口径。)も製造された国も
なにもかもがてんでんバラバラだった。
軍隊やそれに類する組織としてはこれはかなりよろしくない状況である。
銃器の整備にも兵の育成にも手間がかかるし手違いやミスも多くなるからだ。
にわか兵士が殆どの人間解放軍ならばなおさらである。
22名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:17:51 ID:+p/5OoO0
支援
23なのはStrikerS-NEXT1話 ◆0qJqyuBpiQ :2007/10/30(火) 20:21:37 ID:QcEzIV7c
「私達がこの間の言い争いで木場さんたちを庇ったのを根に持っているんでしょう。
つくづく統率者としての資質に欠ける人だ。」
シグナムがそうしているように愛刀「十六夜」を腰に差してスバルと同じMP5を構えた女性…
神咲薫がうんざりといった口調で呟いた。
「にしても女だけでこんな最前線なんてあんまりだぜ。」
「相川さんは男じゃないんですか?」
「何言ってるんだスバル。三十過ぎてこの外見と声は粒子工学的にも物理学的にも風水的にも殆ど女だろ。」
「か…勝手に人の性別を変えないで下さいよ!っていうかそれ言ったらなんで真雪さんはそんなに若々しいんですかっ!」
「美人は年取らねーんだよ!」
真一郎が嘆いたその時!
「敵です!」
ティアナの言葉にバラバラに遮蔽物に隠れる一行。真雪とギンガ、ティアナらは
窪みに隠れて肩ごしにAKMを構え、同じく窪みに隠れた真一郎はパンツァーファウストをもどかしげに肩から外し、構えた。
スバルはトレードマークの鉢巻を締めなおすと壁に隠れてMP5を構える。
後ろにはそれぞれM9とMP5をを構えたシグナムと薫が控えていた。
「よくもぬけぬけとのっぺら坊共め!どうだ真一郎!それ持ってきた甲斐があったってもんだろうが。撃てぇ!」
銀色の面にオレンジ色の胸部装甲が目立つ装甲服を装着した兵隊が専用バイク「ジャイロアタッカー」に誇って
5台の編隊を組んで現れた。ライオトルーパー…スマートブレインが既に一万人を配備し、なおも
世界各国の軍事工廠で生産が続けられている騎馬警官である。フェイスマスクは
銀色で丸っこく仁村真雪が口にした「のっぺら坊」というあだ名はここからきているものだ。
「喰らえ!」
真一郎がバイク編隊の中心に向けてパンツァーファウストを撃ち込んだ。轟音とともに数人の
ライオトルーパーが宙を舞い、衝撃で変身が解除される。
「ロケット砲なんか持ち出していたとはな。だがたかが七人くらい俺らだけで片付けてやる!」
起き上がるとダガーモードのアクセレイガンを構えて突っ込んでくるライオ編隊。
「いやああああ!」
5.56ミリ弾の猛射をかいくぐり接近
するライオトルーパーをレヴァンティンで袈裟斬りにするシグナム。
魔法が使えないとはいえレヴァンティンの切れ味はかなり凄まじい。変身が解除され姿を現した
スマートブレイン隊員にすかさず突きで追い討ちを入れる!
「ぐあああああっ!」
怪人態になる暇もなくうめき声とともにスマートブレイン隊員は青い炎に包まれて灰化した。
「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
さらにスバルのナックルに弾き飛ばされてよろけるライオトルーパーにティアナとギンガが
一斉にAKMで銃撃を加える。ダメージが許容範囲を超えて変身が解除されたところに改めて
一斉射が浴びせられ肩を青い炎でメラメラと燃やしながらガックリと膝を付いて崩れ落ちるオルフェノク。
「喰らえ!」
「うおおおおおっ!」
すぐ脇ではまた別の部隊員が変身したオルフェノクが真一郎が投げた手榴弾の爆風と破片をもろに浴びて悶絶する。
だがさらにもう一人、生き残ったトルーパー二人のうちの一人が彼に掴みかかった。
24名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:23:09 ID:+p/5OoO0
支援
25なのはStrikerS-NEXT1話 ◆0qJqyuBpiQ :2007/10/30(火) 20:27:32 ID:QcEzIV7c
「ふん!」
すかさず回し蹴りを入れる真一郎。だが
「この程度で、なめるなよ人間め!」
ライオトルーパーの装甲は彼の蹴りを受け付けなかった。
足を掴んで彼を振り回すと壁に投げ飛ばしうめき声を挙げる彼に
アクセレイガンを撃とうとしたその時!
「真威…楓刃波!」
薫の愛刀「十六夜」から放たれた霊力の波動がライオトルーパーに
襲い掛かる。
「うおっ!」
変身が解除されて怯む部隊員にすかさず真一郎のM14が銃撃を加え、
さらには手榴弾を一気に二発投げつけてトドメを刺した。
「これまでだ!死にやがれえ!」
ガキィン!ギュルルルル…!
「な、何だと!?」
残った一人のライオトルーパーはギンガに格闘戦を挑み、
ダガーモードのアクセレイガンを彼女の腕に振り下ろした。
だが鮮血とともに切り落とされるかに見えたその腕はアクセレイガンを火花を散らしつつ
受け止めると機械音とともに高速回転を始めたのだ。
あっさりと弾き飛ばされくるくると宙を舞うアクセレイガン。
呆気に取られるライオトルーパーだがその一瞬の硬直が命取りとなった。
「があああああああ!」
いち早くアクセレイガンをキャッチしたギンガが装甲の薄いバックルの
中心めがけておもいっきり刃を突き立てたのだ。バックルに刻まれたスマートブレインのロゴに
ヒビが入りこの世のものと思えない凄まじい悲鳴が木霊させ倒れふすライオトルーパー。
「ギン姉!大丈夫…?」
「大丈夫に決まってるじゃない…って言いたいけど…ちょっとキツいかな…。」
火花の散る左手の甲を抑えながらギンガが呟いた。
「とりあえずみんなやっつけたらしいな。武器は拾っとけよ。
とりあえずあいつらの武器はあいつらにも効くだろうからな。」
「一番有効な武器が敵から奪った鹵獲品ていうのも悲しい話ですけどね。」
T91の弾倉を慣れない手つきで交換すると辺りを見回す真雪。
その頃…
スバルや真雪達が居る辺りから十キロほど南西の湾岸エリア、
旧千葉県浦安市に在るかつて東洋一の遊園地と呼ばれた某テーマパーク。
ここが目下の人間解放軍の本拠地であった。
「蝶野さーん!ねーねー描けた〜?」
「こなたか。こないだのハルヒのイラストなら一応描けたが…。
アニメキャラのイラストって描いた事無いんだけどこんなもんでいいのか?」
海に面した防波堤で長髪をポニーテールに纏めた高校生くらいの少女が脇で釣りをしている
一見無愛想な青年…蝶野純一に先日頼んだ彼女が入れ込んでいる
アニメのキャラクターのイラストをせがんでいた。
「いやいや初めてとは思えないくらい上手いよ。勿体無いなぁ〜同人誌でも出してたら絶対買ってたのに。」
「あ、ああ…そいつはよかったな。」
「蝶野さんは絶対絵の才能あると思いますよ。すっごく上手いし見てると落ち着くもん。」
かつての機動六課メンバーの一人、エリオ・モンディヤルも相槌を打つ。
「ありがとよエリオ。」
その時、防波堤に一台のバイクが入ってきた。
「おい、お前の友達のねーちゃんのまつりって人が…がなんつったっけ…
ああ、つかさを見てないかっちゅーてんだが心当たりねえか?。」
「やー海道さん。つかさ…?ああ、きっとあそこだね…わかった、場所教えるから乗せてってよ。」
バイクに乗っていたのは人間解放軍では嫌われ者(こなたや蝶野達やエリオ初め時空管理局組は
気にしていないが。)のオルフェノク三人組の一人、海道直也である。
26名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:29:19 ID:+p/5OoO0
らき☆すた混ざってるのか!? 一応支援
27なのはStrikerS-NEXT1話 ◆0qJqyuBpiQ :2007/10/30(火) 20:30:51 ID:QcEzIV7c
尋ねた内容に幾分表情を曇らせて答えるこなた。海道が放ったヘルメットを被ると彼女はバイクに乗った。
「まだふっきれてないらしいな。まあ両親と双子の片割れとねーちゃんを一発で亡くしちまえば当たり前だが。」
「死んでるとは限らないんじゃ…。」
「生きていたとしてもオルフェノクになってるんだぞ。まつりさんの事もあいつの事も忘れてるかも知れないんだ。
酷な話だがいっそ…死んだと思った方が気が楽だろう。全くこんな話ばっかで嫌になるぜ。」
蝶野がエリオにうんざりといった様子で言った。
「僕…僕ちょっと様子見てきます!」
「おいエリオ!ん…?ハア…待て、俺も行く!」
走り出すエリオを見送りつつ釣竿のリールを巻いた蝶野はため息を付いた。
糸は道糸からハリスに変わる辺りで切れてしまっていたのだ。
魚型の未確認生命体に襲われたあの時からというもの魚に関わると碌な事が無いな。と一人ごちると彼は
エリオの後を追った。
その頃…
「お前らに食わせる物なんかねーって言ってるんだよ。」
「そうとも。そもそも俺に言わせりゃこうなったのだっててめえらのせいだ!
何も出来ずにオルフェノクにやり込められた癖に魔法を知らない世界には不介入だとか勿体付けやがって…
挙句このザマだ!何が時空管理局だよ!」
苦々しい顔で俯くクロノやその後ろに寄り添うように立っているなのは、フェイト、はやての3人に
罵声を浴びせているのは人間解放軍のリーダー、水原とその一派である。
「よせよ!クロノさんやなのはさん達だってみんな最後まで戦ってたんだぞ!」
「つうかそんな大人気無い真似してる暇があったら銃の整備手伝えや。」
「何ィ!」
クロノ達を庇うギャラリーの野次に激昂する水原。しかし…
「水原さん。西村が野村博士が開発した新兵器を上手く持ち出せたそうです。」
「例のスパイラル弾か…?よーし…帝王のベルトももう手に入れたようなもんだな!続きは帰ってからだ!行くぞ!」
耳打ちした取り巻きの言葉にしばし耳を傾けるとようやくその場を去って行った。
「クロノさん。みんなも…気にする事無いですよ。俺も全っ然気にして無いですから。」
クロノを庇ったギャラリーの内の一人、菊池啓太郎が明るい顔で言った。
「かがみ…。」
「あ、こなちゃん…。」
そこは両岸がコンクリートで固められた狭い川のほとりだった。
寂しく佇む短髪でたれ目の少女…柊つかさにやさしく話しかけるこなた。
「よう。」
海道の姿を目にとめると話しかけてきたのは愛用デバイスのグラーフアイゼンをいじっていたツリ目の少女…ヴィータである。
「なんだ居たのかよゴスロリトンカチ略して…んー…ゴリトン?」
28なのはStrikerS-NEXT1話 ◆0qJqyuBpiQ :2007/10/30(火) 20:33:27 ID:QcEzIV7c
「なんかそれ怪獣みたいでやだなーって…誰がゴスロリだ!誰がトンカチだ!
誰が執事になにもかも任せっきりのオタク少女だ!」
「んな事一言も言ってねえ!で…どうしてここに居るんだお前?」
「ちょっと心配になったもんでな。この場所あたしも結構気に入ってるし。
お、説得成功したらしいな。」
泣いていたらしく目をこすりながら歩いてくるつかさの背中をさすりながらこなたがやってきた。
「らっきーちゃんねる見たいから急いでエントランスまで戻って。」
「3人乗りかよお前…常考無理あんだろが。」
ぼやく海道だが…
「しゅっぱーつしんこー!」
「たく聞いちゃ居ねえ…。」
十分後。
「あとちょっとでご飯出来ますからね〜。」
「忍ちゃんはもうママなんだからこんな仕事あたしに任せて雫ちゃんについててあげなよ。」
「でも…ノエルが見てくれてますし…。」
「そうですよ。別に私達だけでもなんとかなるし…。」
厨房から声を張り上げるのは結婚して子供が生まれたばかりの恭也があの日以来行方不明という
ショッキングな事件への悲しみも表面上は全く見せない月村忍と高町桃子、
そしてポニーテールの元シェフ、岡村可奈だ。
「いよっしゃーーーー!」
そして夕飯の知らせに一番喜んでいるズボラそうな男は元小説家の泉そうじろう、
こなたの実の父親である。
「いよーし間に合った!」
こなたの声とともに始まったテレビ番組「らっきーちゃんねる」。
スマートブレインによる独裁後もほぼ変わりなく続けられるこの番組は
こなた初め人間解放軍若年層にとって心のオアシスであった。
だがしかし…
「ついに始まってしまいましたらっきーちゃんねるーーーー!」
「アシスタントの白石稔で…。」
ぶつっ…
「あれ、どしたの?」
「ざ〜んねん!らっきーちゃんねるの途中ですけどここで緊急放送です。
たったいまスマートブレイン本社が…人間解放軍の人達に襲撃されちゃいました〜!
でも安心してね♪こっちに被害はありませ〜ん。解放軍の兵士さんは六人お亡くなりになりました〜。
えーん、可哀相…。これで生き残っている人間の数は…24330人…あと少しで世界は完全に
オルフェノクのものになりまーす…みんな、頑張って!」
ぶつっ…
「あ、戻った戻った〜。全くなんでこんなときまでニュースに邪魔されなきゃいけないんだか…。」
「いや…むしろニュースの方が重要なんじゃない?」
胸を撫で下ろすこなたに突っ込みを入れたのは月村すずかである。
しかし次の瞬間ブラウン管から流れてきた映像は!
29名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:36:17 ID:+p/5OoO0
支援
30なのはStrikerS-NEXT1話 ◆0qJqyuBpiQ :2007/10/30(火) 20:36:34 ID:QcEzIV7c
「で、何でこーなる訳?何でこんなとこで中断させらんなきゃいけないのよ?」
「そんなの俺に言ったってしょうがねえでしょうが。
文句ならスマートブレインに言って下さいよ。」
らっきーちゃんねるのスタジオで「らっきーちゃんねる」のアシスタントの
白石稔と主役の小神あきらが明らかに不機嫌そうな顔(これが素なのだが)でぼやいている映像であった。
恐らくは放送が完全に中止されたものと勘違いしたスタッフのミスだろう。
一応はコンビとしての体裁を保っていた彼らだったがあのテレビ版二十一話、
青木ヶ原樹海の一件以来この二人はこのようにかなりギスギスした険悪な状態になってしまったのである。
そして…
「…何よ?」
「…何ですかぁ?」
「わあ!またおっぱじめやがった!さっさと止めさせろ!」
凄まじい大乱闘(例によって突っかけたのはあきらだが)を始める
二人にまたかと言いたげな声で怒鳴るディレクター。
「ヘイヘイ…しかしスマートブレインもさ。生だぜ、生。だってぇのにこんなタイミングで止めなくてもなあ。」
「それに自由に番組作れなくなりましたしね。全く機器はハイテクでも中身が空っぽじゃあなあ。
ていうか俺高校の頃の友達がオルフェノクになれずに逝っちまったんですけど。
なんであんな奴らの機嫌とんなきゃなんないんですかねぇ。」
「それいったら俺はまたいとことはとこが死んだぜ。大体みんな一人ぐらいは亡くしてるだろ。」
「まったくやりたい放題やりやがってよぉ。俺は元々スマートブレインなんか気に入らなかった訳よ。
それをお前あんな事件があった後ってのは解るけど政治的圧力っていうの?それであいつらの下働きになっちまってよぉ…」
ディレクターの発言とどっちらけムードのおかげですっかりタガが外れたスタッフ達。
その後スタッフ全員がスマートブレインへの野次や愚痴や不満を凄まじい勢いでぶちまけまくって五分経過…。
「!!…あの、回ってます。」
「あ?何が回って?俺か?お前か?それとも地球か?ヒャハハハ…」
ディレクターはもうどうにでもなれと言いたげな声で笑った。
「そのギャグ二回目です。あの…カメラ、回ってます。映像が放映されちゃってます!」
「え?やばくね?お、俺ら捕まっちゃうじゃねえか!てか止めろ!」
スタッフの一人が叫んだ瞬間!
ドアが蹴破られる音がしたかと思うと
「ライオトルーパー隊で〜すっ!失礼しま〜す!…おるぁおるぁおるぁ!
テレビだからって調子に乗んな!てめえら全員逮捕だうらぁぁぁぁぁぁぁ!」
「あん?何よあんたらぁ!放せ放せ放しやがれぇ!」
「くらぁ!放さんかいこらぁ!この我侭娘ぇ!今日という今日は…って何処に連れて行くんだよ!
……あ、あのスンマセン!バイトの時間あるし…か、勘弁して下さいよぉ!」
スタジオに雪崩れ込むとスタッフ一同(+稔&あきら)を
1人に付き3人がかりで捕縛すると引きずっていくライオトルーパー達。
怒号が飛び交ったかと思うと映像はそこで途切れた。
「この番組は見たこと無かったが…面白いっ!」
こなた達も含めて視聴していたメンバーが驚いて固まる中
画面を指差して叫んだのは人間解放軍の知恵袋、自称マッドサイエンティストの野村博士だ。
その時エントランスのドアが乱暴に開けられた。
駆け込んできたのは水原である。
31名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:39:03 ID:+p/5OoO0
支援
32リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/10/30(火) 20:47:18 ID:QcEzIV7c
ここまでです。
中途半端と思われるかも知れませんが
この直後映画冒頭の真理が水原をはっ倒すシーンに繋がるって事で。
映画本編だとどこかの遊園地貸し切ってロケしたっぽいけど全次元世界の生き残りが集うには手狭だろうと考えたので
ならばいっそのことと某ネズミーランドを舞台にしてみました。
蝶野純一はクウガのキャラです。
岡村可奈はアギトのキャラ。
今回の話の中では可奈さんの出番あんま無いけど見せ場用意してあります。
なにしろ彼女もアギトですからね。
劇中でももうちょっと活躍してほしかった。
AKシリーズとM9とMP5はそこそこ有名だからいいとして
http://image02.wiki.livedoor.jp/n/2/namacha2/47c1bebf4ca969fe.jpg
T91型アサルトカービンてのはこんな銃です。↑
http://image01.wiki.livedoor.jp/n/2/namacha2/dadd7b7096286488.jpg
M14はこんな感じ。
次回はナンバーズ編。
33名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:49:21 ID:a9A/14oz
>>32
リリカルスクリーム氏GJ
基本的な流れは555の映画版と同じなんですか。

ここでは555だけではなく、クウガやアギトも救世主と信じられているんですか。
34リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/10/30(火) 20:56:34 ID:QcEzIV7c
>>33
クウガもアギトも警察が情報統制行ってたんで噂としては広がってるけど
そこまでは信じられていないって感じですかね。
ファイズが救世主というのも真理が広めたものだし。
基本的な流れは映画と同じです。
あとがっかりする人も居るかも知れないけどなのはキャラやらきすたキャラの介入で
555映画版で描かれた出来事の結果が変化するって事は基本的に無いです。
つまり草加も水原もミナも死にます。巧は真理と一緒にファイズギアおいてどっか行っちゃいます(巧と真理に関しては
その後の出番も用意してありますけど。)
35コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/30(火) 21:13:47 ID:5z8HtE9h
>リリカルスクリーム
特撮×魔法少女×らき☆すた…何というカオスw
ともかくGJです!
そちらではなのは勢がゲリラに加わってるんだぁ…こちらでは一応完全に傍観者なだけにかなり新鮮です。
まあそれはともかく…
>555映画版で描かれた出来事の結果が変化するって事は基本的に無いです。
いやいや、それならまだまだマシな方ですよ。
こちらの今後では変わらないどころか、
最早一部の人達(それもかなりの数)にとっては最悪の展開なんじゃないかってぐらいに…
…はい、今のうちに謝っておきますorz
それでは、クウガの登場をwktkしながら待ってます。
…あれ? でもあの人最後の戦いでベルト壊れてたようn(ry
36コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/30(火) 21:15:13 ID:5z8HtE9h
おっと、本文書くのに夢中でリリカルスクリーム氏の敬称忘れちまったぜいorz
37名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:29:14 ID:/iq/MDPm
32
>リリカルスクリーム氏
基本的な流れは映画と同じですか。
ということは木場の敵対と死亡も変わりありませんか。

恭也が行方不明だそうですが、これは恭也がライダーとして現れるということのためですかね。
38名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:36:11 ID:SNdDyvwY
>>37
むしろオルフェノクだったりしてな
39名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:43:43 ID:+p/5OoO0
>>32
そういや、オルフェノクもだけどアギトって増える種族なんだよな……。
乙っした。
40リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/10/30(火) 21:43:55 ID:QcEzIV7c
>>37
そうなりますね。
ナンバーズ編と人間解放軍のメンバー紹介編2にする予定の
4話終了の時点で行方不明扱いになったキャラ(今の時点では恭也、かがみ、いのりなど)とか
名前が出てないとらハキャラやらき☆すたキャラ。
あと小神あきらとか白石稔とかその他のスタッフの方々は
全員オルフェノク化(稔とあきらの掛け合いやスタッフのぼやきをみれば解るとおり
オルフェノク化したからと言ってキャラの性格が変わったりはしないのでご安心を。)してます。
つまり>>38氏の言うようにオルフェノクとして活躍させるって事にする予定。
特に恭也なんかはオルフェノク化した時点で無茶苦茶強いんでわざわざライダーとして出すかどうかは…。
ギアが人から人へと渡って行くのが555の魅力なんで一度くらいは変身させるかも知れないですけど。
41名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:47:39 ID:jFFo7wDj
てっきり恭也はV−2を装着して、V−1を装着した北条さんの相棒になってると思っていたぜ!
42名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:08:31 ID:/iq/MDPm
>>40
味方側のオルフェノクにする人をあまり増やすと書くのが大変になりませんか。

恭也なんかはオルフェノク化した時点で無茶苦茶強いそうですが、あまり強くしすぎるとパワーバランスが変になりませんか。
恭也は「使徒再生」により覚醒したオルフェノクということなどにしてパワーバランスを調節したほうがいいのではないのでしょうか。
43名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/30(火) 22:13:30 ID:TpYsgFgs
クウガはおそらく最強キャラ(凄まじき戦士形態なら)
ですから、多分仮に、登場するとしても最後の方でしょうね。
AMFのせいで魔法も封じらている上に、あらゆる次元にオルフェがいるから
いったいどうすれば勝てるのやらもはや次元を超えてやってくる超人戦士<転校生>
檀隼人でも呼ぶしかないか・・・。
44名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:15:50 ID:ckk5zPQI
ギルスはまた親しくなった女に氏なれるのかな?
45名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:36:16 ID:j/6NbS6P
リリカルスクリーム氏、乙ッス。
しかし原作でもそうだったけど水原(今回初めて名前を覚えた)のウザさは異常。
もう響鬼のキリヤ並だね。奴の死亡フラグが皆に迷惑かけてますよ。もうどっかその辺で車にでも轢かれててくださいw
どれだけコメディ色があっても、最終的に絶望的で切ないストーリーなので、読後に爽やかな他作品はかかせませんな。
原作もなぁ、面白いけどそれ以上に悲劇的すぎるぜ……
46リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/10/30(火) 22:46:52 ID:QcEzIV7c
>>42
無茶苦茶強いと言ってもそんなにぶっ飛んだ描写にするつもりは無いっす。
自分はとらハOVA冒頭の恭也と特殊部隊相手の模擬戦で「いくらなんでも銃火器舐め杉だろ。」と
憤ったりしたクチですからね。
どう見てもその辺のチンピラにしか見えないサボテンとか牛とかカサゴとかミミズオルフェノクと比べての話です。
それとパラダイスロスト世界のオルフェノクの大多数を占める
スマートブレインの青い薔薇で覚醒したオルフェノクはみんな使途再生扱いなのでは?
オリジナルは自力で覚醒した奴らだけのようですし。
>>45水原はねえ…「野村博士の力を借りれば俺だって変身できるようになる」とか今の自分じゃ
ファイズギアが手におえないと知ってるそぶりを見せておきながら無理やりファイズギアぶん取ろうとして
故意じゃないにせよミナを死なせて挙句の果て無理やり変身しようとして自滅…
もうねアホかとバカかと…。
47名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:53:07 ID:q9DkOy0l
もうちょいリーダーっぽいキャラになると思ったんだけどな水原。
悪い人間代表として作られてるし、仕方ないか。
48名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 23:09:36 ID:zVQMy11C
う〜ん、正直らき☆すたはいらんかったと思う
ライダー三作にとらは&なのはで十分人数いるし
49名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 23:10:06 ID:KUcxIvpi
GJ!!です。
恭也がオルフェノク化か・・・人間を超えた身体能力で人間が強くなるための
武術を使えるのか、どんなオルフェノクになるんでしょう?もしや、バッタ型オルフェノクw
武器が小太刀2本なら勝てる奴いるのかw
そういえば、水原役ってもこみちでしたっけ?

50名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 23:16:04 ID:zJ+MWK1C
GJ
ただ俺もらきすたはいらなかったと思います
まあこの先の展開によりますが・・・
51 ◆sP9nVRi1sI :2007/10/30(火) 23:19:16 ID:8EmgqRpj
>>46
水原……自分は読んだことないんですが、小説版パラロスについて聞いた話だと、色々背負ってるものがあったとか。
人間である自分では、戦う意思があっても力が足りないから、力があるのに何もしない巧に苛立つのが行き過ぎてああなった、と。
自分が弱いと自覚して、でも他人に任せることを考えないキャラってのは精神的に強いのか弱いのか……本質的に草加の逆?
52名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 23:19:21 ID:i1yUOtlJ
って言うか多重クロスはありなのか?
53名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 23:21:56 ID:F1lj/cC2
>>52
調味料程度なら大丈夫かなと、ネタかぶりとかを考えると増えていく悪寒もあるが。
今回の使用は単なるクロスだと灰汁がきつすぎるので、若干マイルドに仕上げた、って解釈でいいのか?

どちらにしろGJ
54リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/10/30(火) 23:31:48 ID:QcEzIV7c
>>48
>>50
なのはのキャラは言うに及ばずとらハのキャラにもまるっきりの一般人てあんましいないじゃないですか。
未知の存在ないし事態と一般人の遭遇を描く場合つい他の作品を出すという結論に逃げてしまいがちなんですよね。
しかしこういうのは悪い癖ですよね…直さないと。
>>49バッタはアークオルフェノクが居るんでバッタモチーフにはしない予定です。
55コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/31(水) 00:16:31 ID:LOf28L6j
少し外伝が多くなっても、「それがギアスクオリティ」で済みそうなのがギアスの素晴らしさ。
まあ、作品の形態上、外伝という形取らないとスバルとルルーシュ以外に全く出番を割り振れないだけだったりしますが…

というわけでギアスSSのサイドストーリー、何事もなければ投下します。
内容的には前回の後編といった感じです。
56コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/31(水) 00:23:22 ID:LOf28L6j
STAGE9.5 アナザーストーリー・オブ・コードギアス〜魔法使いさん

行政特区日本式典の、1日前のこと。
スザクはこの日もまた、シンジュクゲットーへ足を運んでいた。
何となく、そこにいるような気がしたから。学園祭の時には、忙しくて顔を合わせられなかったあの人が。
「高町さん!」
そして、案の定その人は――なのははそこにいた。
「あ。久しぶり、スザク君」
「お久しぶりです」
お互いに笑顔を浮かべ、挨拶を交わす。
「あれからどうだった?」
まずなのはが尋ねてきたのはそれだった。
僅か数分程度の会話だったが、彼女はちゃんと覚えていてくれたらしい。
「おかげさまで、何となく見つかったような気がします」
「そっか」
なのはは微笑を浮かべるだけだ。
スザクの発言に対し、肯定も否定もしない。彼が手にしたもの――生きる意味とはあくまで個人の勝手であり、
他人がそれについてとやかく口出しするものではないのだから。
「ところで、どうしてスザク君は、あんなに必死でそれを探していたの?」
前々からなのはが思っていた疑問だった。
何故スザクは、わざわざ生きる意味を探していたのだろうか。
それを尋ねられたスザクは、何故か少し顔色を悪くする。
「あ…ごめん、聞いちゃいけなかったかな」
「あ、いえ…気にしないでください」
申し訳なさそうに謝るなのはに対し、スザクは慌てて返す。
「ちゃんと…話しますから」
そして、真剣な声音で口を開いた。
「僕は…戦時中に、父を殺しました」
それを聞いたなのはは一瞬、はっとしたような表情となる。
スザクの父は、枢木ゲンブといった。生前は日本の首相で、ブリタニアに対し徹底抗戦を展開していた。
しかし、小さな島国日本と世界最大の大国ブリタニアでは、その国力はあまりに違いすぎた。
ブリタニアを打倒することはおろか、確たる戦果も上げられず、せいぜい勝ち星は厳島の一戦ぐらい。
それでもなお、プライド高き枢木首相はあがき続けた。たとえどれだけの国民の命が、その戦争で失われようとも。
故にスザクは、彼を殺した。
日本軍の手を止め、国民を戦禍から救うために、自らとどめを刺した。
結果、枢木首相の死は当時の要人達の計らいによって、降伏の意を示す自殺と発表され、戦争は終わった。
57コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/31(水) 00:24:42 ID:LOf28L6j
「そうだったんだ…」
枢木首相の自殺は、ミッドチルダへ避難したなのはも聞いていた。
当時なのははまだ小学生だったが、それでも、徹底抗戦派だった枢木首相の突然の自殺は、何かがおかしいと思っていた。
「…救いがほしかったんです」
スザクが続ける。
「父をこの手で殺した痛みに、僕はずっと苦しんでいました。
 いっそ死んでしまいたかった。でも、何も為せずに死ぬなんて、惨めな真似はできなかった…
 …だから、せめて痛みに耐えて生きるだけの理由がほしかった。
 そうなれば…救われるような気がしたから…」
スザクは一気に語り、そして口をつぐんだ。
しばらくの間、どちらも言葉を発さぬまま、静寂がその場に流れた。
「…何もかもから解放されて楽になれた?」
沈黙を破り、なのはが問いかける。
「まさか」
スザクはそれを間髪入れずに否定した。
「…まだ、父殺しの痛みはこの胸に残っている…それはきっと、消えることはないんだと思います」
そこまで言い終えると、ふっとスザクの顔に笑顔が浮かんだ。
「それでも…生きていこうと、胸を張って思えるようにはなれました。
 過去の痛みは消えないけれど、しっかり向き合って、未来へ歩いていこうと思えるようになりました」
「うん、よろしい」
晴れやかなスザクの顔を見て、なのはもにっこりと笑った。
久々に見せる、若者を導く教官としての、優しい笑顔だった。
「あ、そうだ…」
と、スザクが何かを思い出したように言う。
「高町さんは、行政特区へ入るんですか?」
そもそもスザクは、その話をしたくてここに来たのだ。
「うーん…多分、今まで通り租界暮らしかな」
「やっぱり、特区はあまり好きでは…」
行政特区日本は確かに素晴らしいものだとスザクも思っていたが、
同時に、イレヴンの中には、それを彼らを閉じ込める「檻」のように感じる人もいるのではないか、と心配していた。
もちろん、ユーフェミアにそんな気持ちは毛頭ない。だが、何も知らない人にはその事実は伝わらない。
だから聞いておきたかった。このなのはに。
「ああ、そうじゃなくてね…」
なのはは手を小さく振ってそれを否定する。
「多分、特区ができる頃には…私は帰っちゃってるから」
58コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/31(水) 00:26:21 ID:LOf28L6j
「え…?」
帰っちゃってる、とは一体どういう意味なのか。
訳が分からず、スザクは怪訝そうな表情を浮かべる。
「私ね、ずっと隠してたんだけど…
 …本当は、おとぎの国からやって来た、魔法使いなんだ」
どこか遠くの空を見つめながら、なのはは言った。
真実である。
魔法に満ちたミッドチルダを「おとぎの国」とするならば、確かに真実だ。
だが、そんなことは露知らず、スザクは呆気にとられた顔となる。
「…フフ…冗談、だよ」
いたずらっぽい笑みを浮かべ、なのははそう言った。
「あ…なんだぁ…脅かさないでくださいよ、高町さん」
「にゃはは…ひょっとして、信じちゃってた?」
「不覚にも。何となく、説得力ありましたから」
苦笑しながらスザクは言う。
高町なのはは確かに不思議な雰囲気の人だった。
だからと言うのは言い過ぎなのかもしれないが、魔法使いという正体があったとしても、おかしくは思えなかった。
「そっかぁ…そんなに説得力あったんだ…」
予想もしていなかった好評(?)に、心底なのはは意外そうに呟く。
「はは…それじゃ、僕はこれで。特区への入居…ちゃんと考えておいてくださいね、魔法使いさん」
「うん。それじゃ、またね」
そうしてスザクは、笑顔でなのはに見送られた。

次の日の夜、スザクがいたのはランスロットのコックピットだった。
たった1日で。
彼の生きる意味は、あっという間に消え去った。
行政特区はぶち壊しだ。
ユーフェミアまで殺された。
彼の生きる意味の全てが消えた。
人生そのものが、たった1日で破壊されてしまった。
(いや…)
まだやることはある。
この胸には、生きる意味の代わりに、怒りと悲しみ、そして憎悪が宿った。
最期にそれらをぶちまけるまで。
スザクはまだ、安らかに死ねそうにはなかった。
(…ごめんなさい、高町さん…)
最後の理性だ。
(できれば、空を見ないでほしい。俺の姿は…到底貴方に見せられたものじゃない)
スザクは願った。
それこそが、スザクの最後の願いだった。
(…俺は…奴をこの手で殺すためならば…)
修羅になる。
(たとえ、1番の友に銃を向けることになろうとも…!)
そこで思考は途切れた。
フライトユニットを背負ったランスロットが、トウキョウの夜空に躍り出る。
憎悪の鬼は、忌まわしき名を叫んだ。

「――ゼロォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォーッ!!!」
59名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/31(水) 00:27:06 ID:a6H4zd1z
支援
60コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/31(水) 00:28:59 ID:LOf28L6j
スーパースザクタイムおしまい。
本編であまりスザクを活躍させることが出来なかったので、今回のでせめてもの罪滅ぼしになれば…と思っております。
ランスロットが暴れ回る姿をちゃんと描写したかったなぁ…

しかし…今回、なのはさんをちょっと志●っぽく書きすぎたかもしれません。某オンラインゲームが舞台のRPGの。
櫻井キャラに助言をする立場ってことで、無意識にそんな感じになってしまったようで。

では、サイドストーリーはここまで。次からはちゃんと本編です。
なのは達の日本脱出の話は、本編が完結してからになると思われますので、もう少しお待ちください。
61なの魂の人:2007/10/31(水) 02:14:30 ID:WwY+XWxU
GJでさァ

さて、自分もなんとか第二話が書けたので投下いたします。
62なの魂:2007/10/31(水) 02:24:03 ID:WwY+XWxU
件の不思議生物を動物病院へ運び込んで早十数分。
心配そうに待合室で座っていたなのは達だったが、院長がフェレットっぽい生き物を腕に抱いて
治療室から出てきたのを見て、ようやく安堵の表情を見せた。
胴体に包帯をぐるぐる巻きにされているが、それ以外には目立った外傷は無いようだ。

「怪我はそんなに酷くないけど……随分と衰弱してるみたいねぇ。
 きっと……ずっと一人ぼっちだったんじゃないかなぁ」

「……先生、これってフェレットですよね?
 どこかのペットなんでしょうか?」

院長からフェレットを抱き取りながらアリサが聞く。

「フェレット、なのかな? 変わった種類だけど……。
 それに、この首輪についてるのは……宝石、なのかな?」

まるでルビーのような情熱的な赤い色をした宝石。
普通の人間なら、その美しさに目を奪われてしまうだろう。
しかし、銀時は何故かその宝石を見て渋面をあらわにした。

「…………」

「? どうしたんですか、銀さん?」

「いや……なんでもねぇよ」

否。
銀時はこの宝石――正確には、宝石に類する物に見覚えがあった。
彼がまだ、戦場を駆る兵士だった時の事だ。

(……ったく。物騒なモン持ち込みやがって……どこの天人だ?)

このまま放っておくべきか。
それとも、何か理由をつけて持ち帰り、破壊しておくべきだろうか。
そのような思案をめぐらせていると、先程まで眠っていたフェレットが突如顔を上げた。

「あ……起きた!」

「………」

「……?」

フェレットはしばらく辺りを見回した後、ある一点をじっと見始める。
63なの魂:2007/10/31(水) 02:25:04 ID:WwY+XWxU

「なのは、見られてる」

「え、あの……うん。
 えっと……えっと……」

熱烈な視線を送られて困惑するなのはだったが、フェレットの方はというと
すぐに興味を無くしてしまったのか、はたまた疲れがたまっていたのか、再び深い眠りについてしまった。

「しばらく安静にしたほうが良さそうだから……とりあえず、明日まで預かっておこうか?」

「はい、お願いします!」

「良かったら、明日また様子を見に来てくれるかな?」

「わかりました!」

こうして、その場はお開きとなり……
タイミングを失った銀時は、結局宝石を回収することは出来なかった。



なの魂 〜第二幕 魔法少女始めましたって冷やし中華みたいに言うな〜



そしてなんやかんやで夜。
あの後、フェレットについてどうするか話し合ったのだが……
アリサ――犬を飼ってるのでダメ。
すずか――猫を飼ってるのでダメ。
銀時――フェレット飼う余裕があるなら家賃払え。という理由でダメ。
というわけで、一度家に帰ったなのはが、自分の家で引き取れないかと家族に相談したところ
意外にも快く承諾をもらえてしまった。
飲食店経営の家でペットの飼育をしてもいいのか? という疑問が来そうだが
店舗のすぐ上で巨大犬を飼っている一家がいるので全く問題は無い。

『アリサちゃん、すずかちゃん。あの子はうちで預かれることになりました。明日、学校帰りにいっしょに迎えに行こうね。
 なのは』

布団の中にもぐりこんで、その旨をメールで二人に伝える。
その時だ。
64名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/31(水) 02:26:23 ID:BsmB1MOr
>>63
一期からはやての本起きというレアシチュ支援
65なの魂:2007/10/31(水) 02:26:24 ID:WwY+XWxU

(……聞こえますか! 僕の声が、聞こえますか!)

突然耳鳴りのような物がしたかと思うと、なのはは得体の知れない圧迫感に駆られた。
そして聞こえてくるあの声。
昼間、公園裏の林道で聞いたあの声だ。
いや、聞こえる。というのとは少し違う。
頭の奥底に、直接響いてくる……そんな感じだ。

(聞いてください! 僕の声が聞こえるあなた!
 お願いです! 僕に少しだけ、力を貸してください!)

「あの子が、喋ってるの……?」

切迫した声。
なのはは漠然と、あのフェレットのことを思い浮かべる。
そうだ。昼間のあの時……助けを求めるあの声が聞こえた時、すぐ近くにはボロボロになった、あのフェレットがいた。
もしかしたら、この声は本当にあの子のものなのかもしれない。

(お願い! 僕のところへ!
 時間が! 危険が! もう!)

その言葉を最後に、それっきり声は聞こえなくなった。



同時刻。

「……しまったァ。今日ジャンプの発売日だった。完全に忘れてた。
 今から買いに行くか」

一日の仕事を終え、自宅の居間兼事務室でくつろいでいた銀時が、突然そう呟いた。
ホームヘルパーといっても、住み込みではなくほとんどパートタイマーのようなものだ。
朝早くからはやての家へ向かい、日が沈んだ頃に自宅へ戻ってくる。
勤務形態はそんな感じなのだ。

「いや、もういいじゃないですか。もうこんな時間ですよ?」

のんびり茶を啜っていた新八が言う。
普段は自宅に帰っている新八だが、今日は時間が遅いということもあり、銀時の家へ泊まるらしい。

「まァこれもジャンプ卒業するいい機会かもしれねェ。いい歳こいて少年ジャンプってお前……。
 いや、でも男は死ぬまで少年だしな……」

などと恥ずかしい葛藤を始める銀時。
そういうことは心の中だけで行ってもらいたいものだ。
66なの魂:2007/10/31(水) 02:27:44 ID:WwY+XWxU

「うるっせーんだヨ! 少し静かにしてるネ! 男ならグダグダ言わず、
 ジャンプでもマガジンでも買ってきやがれってんだヨ!」

今まで大人しくテレビを見ていた神楽が怒鳴る。
どうやら銀時のウジウジした態度が気に入らなかったようだ。
さすがにこの物言いには銀時も怒った。
怒ったのだが……何故か、二、三悪態をつくだけに留まり、すぐに家を出て行ってしまった。
いつもの彼なら、こうも大人しく引き下がることは無いはずだ。
近所迷惑千万な、子供のような口喧嘩が始まっていてもおかしくない。
そのことを疑問に思った新八は首を傾げたのだが、まあいつもの気まぐれだろう、と彼は思い直した。
それよりも、今の会話で思い出したことがあったのだ。

「あ、ジャンプって言えば、明日古紙の日じゃん。今のうちに出しておかないと……」

そう言って新八は事務デスクの方へ目を向ける。

デスクの脇に積み重ねられた少年ジャンプ。
――その一番上には、今週号のジャンプが置かれていた。



月明かりと僅かばかりの街灯に照らされた路地を、なのはは走っていた。
あの声が途絶えた直後、妙な胸騒ぎがし、いてもたってもいられなくなったので
こっそり家から抜け出してきたのだ。
息を切らしながら向かうのは、昼間立ち寄った動物病院。
あの声が、本当にあのフェレットのものならば。
あの言葉が、もし本当なら……。
再びなのはを胸騒ぎが襲う。
――急がないと!

ようやく病院の入り口の前までやってきた。
……まさにその瞬間だった。

「な、何!?」

ガラスの割れる音と、コンクリートの砕ける音。
同時に病院から土煙が上がる。
塀が邪魔になって見えないが、中では常軌を逸したことが起こっているだろうということは想像に難しくない。
呆然と煙を見上げるなのは。
その視線の先に、何かが跳び上がった。

「あれって……」

フェレット。
そう、この病院で預かってもらっていた、あのフェレットだ。
突然かつ予想外な出来事に困惑するなのはだが、なんとかフェレットを受け止めることに成功する。
67なの魂:2007/10/31(水) 02:29:11 ID:WwY+XWxU

「な、何々!? 一体何!?」

「来て……くれたの?」

――声が"聞こえた"。
今までのように頭の中に直接響いてくるのではなく、確かに耳を通って聞こえてきた。
しかし、周りには人影らしき物は無い。
ということは……。

「喋った!?」

そうとしか考えられない。
目の前のフェレットが喋ったのだ。
様々な次元世界の人間が闊歩するこの江戸。
犬や猫のような耳や尻尾が生えた人間なら――極々稀にだが見かけることはある。
しかし喋るフェレットなど、生まれてこのかた見たことが無い。
理解不能の出来事に、すっかり混乱してしまうなのは。
だがこの直後、さらに理解不能なことが起こる。

フェレットを追うようにして、煙の中から何かが跳びあがった。
毛むくじゃらで、巨大な丸い体。頭から伸びる二本の触角のようなもの。そして、不気味に輝く目。
月明かりに照らされたその姿は、およそこの世の生物とは思えない物だった。
その生物はなのは――いや、フェレットに一瞬目をやり、凄まじい勢いで落下を始めた。

「え!? え?! えぇぇぇ!!?」

驚きのあまり腰を抜かすなのは。
しかし謎の生物は容赦なく襲い掛かる。
まさに絶体絶命かと思われた……その時だ。

「ったく。手間かけさせんじゃねーよ!」

月夜には似付かわしくないエンジンの爆音。
そして怒鳴り声。

「わたあァァァァァ!!!」

声の主はドップラー効果を効かせながら高速でこちらへ接近。
そして巨大生物を木刀で"殴り飛ばした"。
疾風の如き一撃を受け、巨大生物は吹き飛ぶ。
68なの魂:2007/10/31(水) 02:31:26 ID:WwY+XWxU

「ぎ、銀さん!!?」

「乗れ! 早くしろ!!」

ドリフト気味にブレーキをかけ、なのはの前にスクーターを急停車させる銀時。
相変わらず死んだ魚のような濁った目をしているが……ほんの僅かにだが、その目には光が灯っているように見えた。



「そ、その! 何が何だか良くわからないけど……一体何なの!? 何が起きてるの!?
 というか銀さん、なんでこんなところに!?」

あまりのスピードに振り落とされそうになりながらも、座席後部で必死に踏ん張るなのは。
彼女がそのような疑問を抱くのは、至極当然のことだった。
何故彼が夜の動物病院に?
一体何の用で?

「……少し引っかかることがあってな。ソイツの様子見に来た」

なのはが抱えているフェレットに目配せをする銀時。

「つーか、お前こそなんであんなトコにいたんだよ」

今度は銀時が質問を投げかける。
確かに、良い子はもう寝る時間だ。
というか、高町家は門限には厳しい。こんな時間の外出を許すわけが無い。
基本的に良い子のなのはが、こんな時間に外を出歩いていたのには何か訳があるのだろう。

「そ、それは、その……なんだか、この子に呼ばれたような気がして…」

「…………」

不安げにフェレットを見下ろすなのは。
銀時は暫く押し黙った後、ぽつりと呟く。

「……ったく。メンドーなことになりそーだぜ」

「! 銀さん! 後ろ!」

突然なのはが叫ぶ。
先程振り切ったと思われた巨大生物が、空から襲い掛かろうとしていたのだ。

「チッ!」

急ブレーキをかけ、寸でのところで強襲を避わす。
69なの魂:2007/10/31(水) 02:32:37 ID:WwY+XWxU

「なのは! オメーはさっさと逃げろ!」

原付を降り、巨大生物と対峙する銀時。
なのははすぐその場から離れるものの、遠くへは行こうとせず
すぐ側の曲がり角から銀時達の様子を窺っていた。

巨大生物が銀時へ向けて触角を伸ばす。
銀時はそれを屈んで回避し、地を蹴った。
瞬きをする暇も無い。とはまさにこのことか。
文字通り"一瞬"で敵の懐へ潜り込む。
だが、敵もそう易々と勝負を決めさせてはくれないようだ。
もう一本の触角を木刀に絡めつける。
武器を取られまいと抵抗する銀時だが、その予想外のパワーに木刀諸共投げられてしまった。
だが、持ち前の身体能力を活かし、何とか受身を取る。

「銀さん!」

一瞬の、速過ぎる攻防に目を奪われるなのは。
普段の彼からは想像も出来ない動きだ。
だが、その光景を目の当たりにして彼女以上の驚きを覚えたものがいた。
他でもない、あのフェレットである。

(速い……! あれが…あの人自身の身体能力だっていうの…!?)

信じがたい光景に目を疑う。
これが噂に聞く"サムライ"というものなのか?
漠然とそんなことを思う。
しかし……。

(……駄目だ。あの人がいくら強くても、あれを止めるには…!)

そうだ。
あの忌まわしき力を止めるのは……ただの人間では無理だ。
フェレットは少しの間逡巡し……そして、なのはの方を向いた。

「……君には資質がある。僕に少しだけ力を貸して!」

「資質……?」

「僕はある探し物の為に、別の世界から来ました。でも、僕一人の力では想いを遂げられないかもしれない。
 だから! 迷惑だとは判ってはいるのですが、資質を持った人に協力して欲しくて……。
 お礼はします! 必ずします! 僕の持っている力を、あなたに使ってほしいんです!
 僕の力を……魔法の力を!」

「ま、魔法…!?」
70なの魂:2007/10/31(水) 02:33:54 ID:WwY+XWxU

なのはは目を丸くした。
いや、魔法という言葉は知っている。
この世界にも多少なり、魔法を利用した技術はあるからだ。
むしろ問題なのは――そのような力を、自分が使うことが出来るのか? ということである。
何しろ、今までそんな幻想的なものとはほとんど無縁の生活を送ってきた身だ。
資質があるから大丈夫などといわれて、分かりましたと即答できるはずも無い。
しかし迷っている時間は無かった。

「ぐぉ……っ!?」

突然、すぐ脇の塀が砕けた。
巨大生物に吹き飛ばされた銀時が激突したのだ。

「!? 銀さん!!」

「へっ……おかげで気合入った……ぜ…っ!?」

左腕に違和感を感じる。
塀の破片が食い込み、おびただしい量の血が流れ出ていた。

「……オイオイ、こいつァ、ちょっとヤベぇんじゃねぇの…?」

「っ! …どうすれば……どうすればいいの!?」

意を決するなのは。
元々正義感の強い子だ。
目の前で、自分のために他人に血を流されるのは耐えられなかったのだろう。

「これを!」

フェレットが掲げたのは、あの赤い宝石。
なのははそれを受け取る。

「それを手に、目を閉じて、心を澄まして。僕の言った通りに繰り返して。
 ……いい、いくよ!」

「……うん!」


――我、使命を受けし者なり
――契約の元、その力を解き放て
――風は空に、星は天に
――そして、不屈の心は
――この胸に


「この手に魔法を!
 レイジングハート! セーットアップ!」
71なの魂:2007/10/31(水) 02:35:38 ID:WwY+XWxU

直後、赤い宝石――レイジングハートから光が放たれた。
溢れんばかりの淡い光はなのはを包み込み、雲をも切り裂く光の柱となった。

「なんて魔力だ…!」

「……マジかよ、オイ」

その光景を唖然と見る銀時。
まさか、こんな身近に"魔導師"の資質を持った者がいたとは…!

「……成功だ!」

やがて光の奔流は収まり、中から一人の人影が現れる。
白い魔導法衣。大きな赤いリボン。そして手には魔法の杖――レイジングハート。
魔法少女高町なのは誕生の瞬間である。

「! ふえ!? ふえ!? ウソぉ!?
 な、何なの、コレぇ……」

予想の斜め上をぶっ飛んだ展開に、一番驚いたのは当事者だった。
何かのドッキリ?
否、これは現実である。
彼女に内包される膨大な魔力を感じ取ったのだろうか。
先の巨大生物は目標を銀時からなのはへと変え、襲い掛かってきた。
一瞬反応の遅れた銀時の脇を駆け抜ける。

「ヤベッ……!」

「来ます!」

「きゃっ!?」

思わず目を瞑り、身構えるなのは。
……しかし、暫くたっても来るはずの衝撃は来ない。
恐る恐る目を開ける。

巨大生物は障壁のような物に行く手を阻まれており、
突然衝撃波のような物を受け、四散した。

「え……えぇ!?」

「僕らの魔法は、発動体に組み込んだプログラムと呼ばれる方式です。
 そして、その方式を発動させる為に必要なのは術者の精神エネルギーです。
 そしてアレは、忌まわしい力の元に産み出されてしまった思念体。
 あれを停止させるには、その杖で封印して元の姿に戻さないといけないんです」

「え? じゃあ何? 俺がやってたことって無意味だったわけ?」
72名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/31(水) 02:36:27 ID:BsmB1MOr
>>71
時間稼ぎ銀さんがんばれ支援
73なの魂:2007/10/31(水) 02:37:03 ID:WwY+XWxU

左腕を押さえながらフェレットに詰め寄る銀時。
エラく不機嫌そうである。

「え……それは、まあ……極論から言うと、そうなりますが…」

「オイ冗談じゃねーぞ! こっちは怪我までしてんだぞ!?
 もうちょっとでシャンクスになるトコだったんだぞオイ!?」

首根っこを掴んでブンブン振り回す。
シャンクスって誰? などという野暮なツッコミはこの際しないでおこう。

「おおおお、落ち着いてください! だだ、大丈夫です! 一応弱らせることには成功してますから!!」

「良くわかんないけど……どうすれば?」

「さ…さっきみたいに、攻撃や防御等の基本魔法は心に願うだけで発動します。
 ですが…より大きな力を必要とする魔法には、呪文が必要なんです」

脳みそを程よくシェイクされたフェレットが、頭を抱えながら答える。

「呪文……?」

「心を澄ませて……。
 心の中に、あなたの呪文が浮かぶはずです」

心を澄ませる。
そう、それすなわち明鏡止水の心である。
なのはは目を瞑り、全神経を集中させる。
しかしあまり時間は無い。
四散した巨大生物が再生し、なのはへ二本の触角を伸ばしてきたのだ。

「チッ、野暮なことはするもんじゃねーぞ、黒マリモが!」

間に割って入る銀時。
巨大生物は目の前の障害を排除すべく、木刀に触角を絡めつける。
先程と同じく、武器を奪い無力化するつもりだ。
しかし、聖闘士…いや、侍に同じ手は二度も通用しない。

「しっつこいヤローだ……そんなに幼女が好きかァァァァァ!!!」

叫び、木刀を自分の真後ろへ振り下ろす。
凄まじい力で引き寄せられたマリモの体は宙を舞い、地面に叩きつけられる。
背負い投げ、というよりはむしろ一本釣りといったイメージだ。

「今です! 封印の呪文を!」
74なの魂:2007/10/31(水) 02:39:17 ID:op/Eo4il

――見えた、水の一滴。
なのはは呪文を唱える。

「リリカル! マジカル!」

「封印すべきは忌まわしき器、ジュエルシード!」

「ジュエルシード、封印!」

『Sealing Mode. Set up.
 Stand by ready.』

レイジングハートから光の羽のような物が展開する。
そしてその羽は無数の光の帯となり、巨大生物の動きを封じ込める。

「リリカルマジカル……ジュエルシードシリアルXXI……封印!」

『Sealing.』

直後、辺りは眩い光に包まれ……
光が収まった後、そこにはあの生物の姿は無かった。

「……やったのか?」

「ええ……成功です…!」

安堵の息を漏らすフェレット。
その時、彼らの目の前で何かが小さく輝いた。

「……あ」

宝石。
蒼く輝く、小さな宝石だった。

「これが、ジュエルシードです。
 レイジングハートで触れて」

言われるままに、レイジングハートをかざす。
不思議なことに、ジュエルシードは独りでに浮かび上がり……
レイジングハートに吸い込まれるようにして消えた。

『Receipt No.XXI』

「あ、あれ……終わったの……?」

「はい。あなた達のおかげで……ありがとう」
75なの魂:2007/10/31(水) 02:40:44 ID:op/Eo4il

再び安堵の息を漏らすフェレット。
しかしこれで終わりではない。
……パトカーのサイレンの音。
辺りを気まずい空気が包み込む。
目の前にはへし折れた電柱、割れた道路、砕けた塀。
このままこの場に留まれば、真っ先に疑われるのは自分達だろう。
というか、実際四割くらいは自分達がしたことだ。

「……チッ。厄介な奴らが来やがった。
 逃げるぞ、なのは」

「と、とりあえず……ごめんなさーい!」

再びスクーターに跨り、全力で逃走を開始する銀時達なのであった。



「……ここまで来りゃ、さすがに大丈夫だろ」

近所の小さな公園までやってきたところで、ようやく一息つく。
ちなみになのはは魔法を解除したため、先程まで着ていた普段着になっている。

「……すみません」

「え……?」

「あなたを……あなた達を、巻き込んでしまいました…」

申し訳なさそうに頭を下げるフェレット。
しかしなのはは、気にしなくてもいいよ、と笑顔を見せる。

「……あなたじゃなくて、なのは。高町なのはだよ。
 あなたのお名前は?」

「……ユーノ…ユーノ・スクライアです」

「ユーノ君、かぁ。かわいい名前だね」

魔法少女と喋る小動物。
なんとも幻想的な光景であるが、銀時はそんなことには全く興味を示さず
すぐそばの大木にもたれかかって、大きなあくびをしていた。
76名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/31(水) 02:42:10 ID:BsmB1MOr
もういろいろとカオス支援
77なの魂:2007/10/31(水) 02:43:01 ID:op/Eo4il

「あ、ちょっと銀さん! 銀さんも自己紹介しないと!」

「へいへい、わーりましたよ。お嬢様。
 ……俺ァ坂田銀時。万事屋だ」

面倒くさそうに頭をかきながら喋る。
先程までの覇気はどこへやら、である。

「万事屋……?」

「こんな時代だ。仕事なんて選んでる場合じゃねーだろ。
 頼まれればなんでもやる商売やっててなァ」

聞き慣れない名前に首を傾げるユーノ。
そんな彼に、銀時は名刺を渡す。

「困ってんだろ?
 出すもん出してもらえりゃ、この俺万事屋銀さんが、なんでも解決してやんよ」



「……土方さん、こいつァ完全にクロでさァ。
 結界も張らずに居住区で魔法の使用……イカれてるとしか思えねーや」

先程まで銀時達が戦っていた場所には、複数台のパトカーが止まっていた。
魔力計測器を片手に、淡々と捜査を進める総悟。
そのすぐ横では、新選組副局長――土方十四郎が不快そうに煙草をくゆらせていた。

「術式は?」

「調査班の話じゃ"ミッド式"だそうで……。
 こりゃァ"管理外"の連中に知れたら厄介ですゼ」

その言葉を聞いて、十四郎は眉間にしわを寄せた。
ただでさえ怖い顔なのに、これ以上怖くするのは勘弁して欲しいものである。

「チッ……よりにもよって"管理局"のお膝元の連中かよ…。
 アイツら嫌いなんだよなァ。見つけ次第、バッサリいっちまうか」

「やれやれ、土方さんは二言目には『斬る』で困りまさァ」

腰に刺した刀に手をかける十四郎。
そんな彼を止めようともせず、総悟はただかぶりを振るだけなのであった。
78名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/31(水) 02:45:35 ID:BsmB1MOr
怪しい雲行き支援。
早くバスターをおぼ(ry
79なの魂の人:2007/10/31(水) 02:45:58 ID:op/Eo4il
以上、第二幕終了です
どう見ても無印一話のトレースです。本当に(ry

第三幕、第四幕辺りで世界設定出せたらいいなァとか思ってます
80名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/31(水) 02:49:37 ID:BsmB1MOr
GJ、トレースされても流れが自然。まったく問題なし。

巨大犬は八◎家の状況が分か[ノイズ]
失礼。お疲れ様でした。
81名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/31(水) 06:46:16 ID:y8rekRa+
GJ!!
それにしても銀魂キャラがいい味出しています。気になるのはストリーキング
の○○さまはいるのかということですな。
82名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/31(水) 09:39:35 ID:pVRXKbiL
なの魂GJ!世界観がワクワクです!
>>54
私はらき☆すたがでてきて、面白かったです。悲劇的な世界観だから和みますw

話は変わりスレ違いかもしれないが、逆に考えて今の軍隊が強いならどうやったら勝てるか
考えてみた。強大な兵器が戦術の主体だから、それらを全て防御できる能力や装甲で無力化
できれば、後、少々の数をものともしない者。考えの突破口になるかもしれん。
それと、少しは人数もいるかな。
長々とスマン
83名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/31(水) 10:06:54 ID:u0uEqJaF
なの魂氏GJ!!
前回の沖田もそうでしたが、真撰組や攘夷志士も魔法関係者のようですね
管理局と天人の関係とかもいろいろ気になります
つーか沖田、お前が言うなw
84名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/31(水) 10:33:35 ID:plru64G4
なの魂氏GJでっす!!
土方とかの反応とからしくてよかったです
85名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/31(水) 11:10:43 ID:VSK43shS
各作者様方GJ!!
ところで◆9L.gxDzakIさん
確かスザクが父ゲンブを殺害したのはナナリーを助けるのも目的だった筈です
小説の方で明らかになっていますが
ゲンブは元々傀儡に近い状態でソレを嫌がった彼が
真に日本のトップになるべくブリタニアの一勢力に近づき
国内では反ブリタニア感情を煽りつつ開戦させ
自分を傀儡にしていたものたちを抹殺し
戦後占領された日本のトップになるというのが彼の計画だったようです
またその際その勢力にルルーシェ達を暗殺することも依頼され
幼女虐待趣味の有った彼が自らナナリーには手を下そうとしたが
ソレを知ったスザクに殺されたという事です
これ知った時うわ息子に殺されても仕方ねえ外道だと思いましたよ私
86名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/31(水) 13:47:53 ID:Ssdr79+d
>>85
なんと言う外道……、これはスザクも手を下さるを得ない
87名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/31(水) 14:16:11 ID:ehp0miSO
>>85
小説・・・。別物じゃねーの?
88名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/31(水) 16:19:56 ID:LSYDSm/M
>>43
omaera誰か忘れてない
正義の系譜
ブラックrxとJは全次元に介入でき
ウルトラとライダー世界を繋ぐ
東亜の神ハ・ヌマーンにタイムベント;
ハイパーゼクターに特異点
よく考えたら、管理局は、ライダーなど特撮キャラの事どう思うのか
特に魔弾戦士に天空聖界、牙狼とか

でもレジアスとかは反対するだろう

管理局とライダーが戦ったらどっちが強いのかな^
89名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/31(水) 16:31:27 ID:z1D46HPE
>>88
まあ、なんだ。これ以上増やさせて作者さんの負担を増やそうとするより、
既にこのクロスに登場してる作品だけでまず語ろうじゃないか。


星の配置をずらして人類絶滅とかやれたり、時空越えとか普通にやってるし。
せっかくおとなしく人類を見守ろうとした矢先にこの事件ってなったら、
アギトの闇の力の人のブ動向が楽しみじゃないかな。

これ以上は感想スレに行った方がいいと思う。
90名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/31(水) 18:38:39 ID:LNgAW9iZ
覚悟のススメ氏・・・・お待ち申しておりまする・・・・。
91名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/31(水) 19:01:18 ID:L+KNhNDB
そろそろフォーリナー侵略の季節ですね。
92名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/31(水) 19:02:29 ID:uGHVJIkw
オレんちはレプリケーターが大量増殖中です。
93名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/31(水) 19:13:45 ID:GdkyeCnn
我が家にはグノーシスが(ry
94名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/31(水) 19:20:17 ID:ilV68j2j
俺のところにはインペライザー……のフィギュアが
95コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/31(水) 19:34:51 ID:A9Bcrv7m
>>85
なんという後付け設定…
小説は最初の頃のセリフ確認や、後は校内ラジオの元ネタとして1巻を立ち読みしただけで、
0巻は全く手も触れていないんです。
まぁでも、これなら特に問題なかったかも…
そこまで話を掘り下げては、ルルーシュ達ブリタニア皇族が隠れ住んでいることがバレてしまうので、
スザクも話すことはなさそうです。
96名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/31(水) 19:39:28 ID:a6H4zd1z
そろそろ、ストーム1の勇士が見られる時期になりましたな。
ちなみに我が家では、エイリアンエッグが次々と送られてきます。
正直置き場所に困ってしまいす・・ミッドに不法投棄しようかな?
97名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/31(水) 20:19:44 ID:+vb3Sqj1
我が家ではジャッカルとCOBRAが激戦中です!
どなたか、救援のヘリを・・・
98名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/31(水) 20:39:08 ID:SNUnbWNA
すまない、こちらは四足をバーナーで撃退するので手一杯だ!
99名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/31(水) 21:32:03 ID:a6H4zd1z
こちらは戦闘機獣だ!むしろこっちがほしい程だ!
100名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/31(水) 21:44:38 ID:E9LPzvg2
>>98
ステージを選べばメイトヒースだって倒せる。
101名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/31(水) 22:00:14 ID:DI9sk8mx
だれかmugenで
なのはキャラをクリエイトしてくれないものか。

102名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/31(水) 22:19:06 ID:WwY+XWxU
>>101
EFZの改変ではやて作ろうとして挫折した俺が通りますよ
103白き異界の魔王 外伝:2007/10/31(水) 22:49:20 ID:zNfcb1yr
ちょっとした話を投下してよろしいでしょうか
104名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/31(水) 22:50:42 ID:BSUqlJBF
カモン
105白き異界の魔王 外伝:2007/10/31(水) 22:57:14 ID:zNfcb1yr
六課解散後も隊員たちの親交がとぎれたわけではない。
時間が空いたりしたときには、時々顔を合わせている。
この日の昼もそんなときだった。
たまたま用事で地上本部でに来たなのはとフェイト、それにそこで勤務しているはやては偶然顔を合わせた。
そこで、彼女たちは少し遅い昼食を一緒にとることにした。
さっきまで混雑していた食堂も今は人もまばらなはず。
談笑しながら一休みするにはちょうどいい頃合いだ。
「みんな元気そうで安心したわ」
「うん。はやてちゃんも元気みたいだね」
六課解散からしばらく互いに顔を見ていない。
知らせがないのは無事な証拠とわかっているが、それでも直に確認するとほっとする。
それから、三人は近況を互いに話し合った。
仕事が多すぎる。
逆に少なくて、何かあったか心配だ。
あの子がこの前、大きな仕事をしたみたいだ。
そういった仕事に関すること以外にも、プライベートなものも話題になる。
今度遊びに行ってもいい?
この前いいお店を見つけたから一緒に行こう。
うちの子も一緒に行っていい?
そんな感じで買い物の話題が出たときだ、はやてがふとあることに気づいた。
「そういえば、なのはちゃん。箒はどうしたん?」
「箒?」
「あー、ほら。この前ファー・ジ・アースから持って帰ってたやん。ウィッチブルームのカタログ。どれ買ったん?」
はやてにしてみれば気軽な話題の一つだったが、なのはは声を詰まらせ机に突っ伏してしまう。
両手を机の上に投げ出し、泣き顔まで見せている。
「うーーーー」
「どうしたの?なのは」
「買えなかったの」
「え?」
「買えなかったの」
「どうして?なのはちゃん、そんなに無駄遣いしてないから貯金あるはずやろ」
「うん、でもね。両替できないんだって」
当然だがミッドチルダの通貨をそのまま日本で使うことはできない。
しかし、そんなに大金でないならばすぐにでも日本円に両替は可能だ。
はやてとフェイトがなのはに見せてもらったウィッチブルームの値段は銀行の窓口ですぐにでも両替ができるような金額ではないが、それでも申請をすれば確実の通るようなものだ。
「それがね、第97管理外世界日本円とファー・ジ・アース日本円は名前は同じ日本円でも実際は違う通貨だから両替できないんだって。それに、ウィッチブルームは日本円じゃなくてヴァルコだし」
「あー、そうか」
文化に風俗、言語に地形や地名、それにランドマークまで同じなのでたまに混同してしまいそうになるが、ファー・ジ・アースと第97管理外世界は別の世界だ。
しかもファー・ジー・アースとの交流はついこの間、なのはたちが任務で行ったときに始まったばかりなので交換レートはおろか両替のシステムが全然できていない。
ミッドチルダの通貨はそのままではファー・ジ・アースでは無価値なのだ。
106白き異界の魔王 外伝:2007/10/31(水) 22:58:22 ID:zNfcb1yr
「あーあ、ほしかったなー。でも、向こうのお金持ってないし」
両替のシステムができあがるのを待つのなら、当分待たなければならない。
ミッドチルダにかえって、JS事件の終わった後にどれを買おうかうきうきしてたなのはにしてみれば果てしなく長い時間だ。
「あら、それはお気の毒。でも、どれがほしかったの?」
横から声が聞こえてくる。
このとき、フェイトとはやては顔面硬直症候群にでもかかったようになっていたがなのはそれに気づいてなかった。
「うん。やっぱり、テンペストがよかったかな」
「あら、あなたならガンナーズブルームがいいと思ってたんだけど」
「それもいい箒だと思うけど、やっぱり武器でしょ?それだったら、プライベートで使えないよ。それに私、ヴィヴィオにユーノ君と一緒に乗りたいから、やっぱりテンペストがいいと思うの」
「家族で使うのね。それならタンデムシートとコップ受けをつけるといいわよ。後、安全のためにストリング。それから、普段はかさばらないように折りたたみ機構。GPSがわりに疑似人格システムをつければいいわね」
「でも、疑似人格システムは高いの」
疑似人格システムのお値段は20万v。
オプションで気軽につけるには少しきつい価格だ。
「ふーん、私がプレゼントしてもいいわよ」
「だめだよ!」
なのははがばっと体を起こす。
そこで、やっと気づいた。
はやてちゃんとフェイトちゃんは机の向かいに座っている。
なら横にいるのは誰だろう。
昔、六課だった人だろうか。
でも、はやてちゃんとフェイトちゃんの顔がちょっとおかしい。
それはともかく、今の言葉は否定しないと。
「私たち公務員だよ!それに、そんな高価なものをプレゼントなんておかしい……の」
横にいる人物を確認してなのは顔はおかしくなる。
目は開いて、口は引き結ばれて、硬直してしまう。
「どうしたのよ」
リボンで髪を縛り、時空管理局の制服にポンチョを羽織った彼女は突然動きを止めたなのはの目の前で、開いた手を振る。
やっと顔面ごと硬直していたなのはの思考が動き出した。
この声、この仕草。
間違いない。
彼女の名は
「ベール・ゼファー!」
三人同時に叫ぶ。見事なくらいハモった。
「大声出さないで。みんな、みてるじゃない」
まさにその通り。周りの視線がなのはたち3人、いや4人に集中している。
あわててなのはたちは、周りに会釈をして謝っておく。
「で、どうするの?プレゼントしてあげてもいいわよ」
何事もなかったかのように話を元に戻すベール・ゼファーになのはは小声で返す。
107名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/31(水) 22:58:38 ID:a6H4zd1z
支援!
108白き異界の魔王 外伝:2007/10/31(水) 23:00:17 ID:zNfcb1yr
「だから、いりません。さっきも言ったけど、私は公務員なの」
「辞めればいいじゃない」
「箒で辞められません!それに、ヴィヴィオもいるし辞められないの!」
「時空管理局辞めて私の僕になったら、お給料を今の3倍くらい出してもいいわよ」
「なりません!」
「魔王なのに」
「ちがうの!」
小声がどんどん高くなっていくなのはに助け船をはやてが出した。
「それより、裏界の大公様が何でここにいるん?なのはちゃんをヘッドハンティングにきたわけやないんやろ?」
ベール・ゼファーは今はだめだとあきらめたのかなのはの隣の椅子に座り、はやてをみる。
「それも目的の一つには違いないけど。私、ここに就職したの」
「は?」
はやてはさっきから自分の口が開きっぱなしになっているような気がした。
「だから、ここに就職したの。身分証みてみる?」
なるほど。確かにベール・ゼファーの胸には身分証がつけられている。
はやてたち三人は目をこらし、身分証を読んでいった。
「えーと、時空管理局地上本部勤務。うちと同じとこやな」
「ベル・フライ三等陸士」
「それから……魔導師ランクE」
「ふーん、Eなんや」
「みたい」
うーーん。
なのはたち三人は考え込む。
偽名はともかく、明らかにおかしいのが一つあった。
どう考えてもおかしい。いくら悩んでも納得いかない。
だから、三人はこう叫んだ。
「うそやっ」
「うそだっ」
「うそっ」
「嘘じゃないわよ」
三人の大声にベール・ゼファーが顔をしかめて耳を押さえる。
「ちゃんと試験もしたのよ。あなたたちと違って普通はこんなものでしょ」
「あんた、普通やないやろ!絶対」
「まあ、そうかもしれないけど」
ベール・ゼファーが机の上で両腕を組む。
はやてには他に言いたいことが山ほどあったが、止められてしまった。
「今日は挨拶をしにきただけ。それに、この世界を滅ぼすつもりじゃないから安心しなさい。別に手を出すつもりはないわ」
そしてベール・ゼファーは顔と声をころりと変える。
それは素直さと不安の入り交じるいかにも新人らしいものだった。
「あ、あの。八神先輩、高町先輩、ハラオウン先輩。今後とも、ご教授、ご鞭撻のほどよろしくお願いします」
ベール・ゼファーはぴょこんと頭を下げる。
なのはもつられて頭を下げた。
こうしてなのはとベール・ゼファーは再会した。

*****************************************
今回はここまでです。

完結させてちょっと疲れたので、当面二つの世界が出会ったら起こりそうな小エピソードを重ねていこうと思います。
大きな話につながるかどうかはわかりません。

で、箒の話がどうなったかを書いてみました。
109名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/31(水) 23:29:01 ID:plru64G4
おおおおおおおおおおおおお
後日談キタ━━━ヽ(*・∀・)ノ┌┛)゚Д)、;'.━━━━♪」
輝明学園に侵入したときのエピソードのように!なにげなく管理局にいるベルさまが!!!
すばらしいですよ!!
110名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/31(水) 23:32:32 ID:RUYqbU4Z
>>108
ちょwwwwwベルはスタメモのアレでまだ懲りてなかったのかwwwwww
ともかくGJです。スバティアの反応が楽しみ♪w
111名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/31(水) 23:32:55 ID:p/m+NJEC
>>105
GJ!
次回も楽しみにしています。

ベルが陸士とは…オクタヘドロンミッドチルダ進出の伏線か?
後、ミッドに来そうなのはアゼルかな? BJの技術を利用したストレイトジャケットを研究しそうだ。
アニエスの結界の例からして異界の技術を複合させると言う事に希望を持っていそうだ。星に転生した記憶があるから、幸せには貪欲になってそう。特に周りに迷惑をかける様な事でもないし、すごく良い笑顔でシャーリーあたりの弟子になってそう。
逆に来てはいけない魔王TOPはエリィ=コルドン様。いいひとなんだけど下手したら『弱者の味方』モードで管理局が消滅しそうだ…物理的に。
112名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/31(水) 23:42:23 ID:BSUqlJBF
なんで持ち運びと思ったけどそうえいばミッドチルダの魔導師は月衣持ってないんだもんなw
とにかくGJ!
113名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/31(水) 23:45:10 ID:TbadFlr0
GJ!
ベルは陸士なんてものじゃねーぞ!おい!
しかも世界結界外のベルですぞwww
114名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/31(水) 23:51:58 ID:z1D46HPE
ベルの地道かつ、真面目さにGJwww
あー、ベルからオクタヘドロン通せばミッドチルダ通貨でも箒が買えるわw
乙っしたー
115名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 00:18:30 ID:HIJ+mGAX
ちょwwwベルwww
箒買うような金があるのかとも思ったが、よくよく考えれば1st基準なら悪魔の蝿売ればいいんだよな。
4500万のアクセサリー。
116コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/01(木) 00:19:35 ID:xwN/7gnz
GJ! 何やら波乱の予感を感じますなwww

一応進行報告。
ギアスSS11話、執筆完了しました。
ですが、忙しいので投下は明日午後5時頃になりそう…
12〜13レスぐらいに膨れ上がってしまったので、時間的に人がいるかは微妙ですが、可能なら支援願いたいです。
以上、報告でした。
117マスカレード:2007/11/01(木) 00:22:22 ID:yWzgA9vA
なのは「過激気にレイジングハート!スーパーゲキナノハ!!」

フェイト「過激気にバルディッシュザンバー!スーパーゲキフェイト!!」

はやて「過激気にシュベルトクロイツ……!スーパーゲキハヤテ!!」

三人「たぎる過激気は投下の為に!(ry」



……投下してもよろしいでしょうか……?(´・ω・`)ショボーン
118名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 00:26:29 ID:6QmoDqV7
どうぞ
119名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 00:27:21 ID:Wr3ka44q
紫激気は!?支援
120名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 00:30:46 ID:q4pGhQ4o
>>117
523…(´・ω・`)
121マスカレード:2007/11/01(木) 00:34:15 ID:yWzgA9vA
薄暗い部屋で、二人の男の話し声が聞こえる。
「例の学校に潜むワームの駆逐が終了しました。」
「……そう……か。」
身長の高い、サングラスをかけた男が、座ったままほとんど動かない男に報告する。
「ですが、まだ残ったワーム残党が数匹いるようです。」
「…………」
「残ったワームは……ガタックに殲滅させます。」
「……ほぅ……」
座ったままの男は、サングラスをかけた男……三島の言葉に少し反応した。
やがて、ゆっくりと椅子を回転させ、男は言った。
「君は鏡の中の怪物を……どう思うかね……?」
「……ミラーモンスターですか?」
質問する三島。男はゆっくりと立ち上がり、ブラインドの隙間から窓の外を見ている。怪しげな笑みだ。
「君は……『鋼の猛牛』を知っているかね……?」
「……は?」
「鋼の猛牛は……全てを焦土と化す、弾丸の嵐を放つ……。
三島は、片手の指でサングラスをくいっと押し上げる。
「……猛牛は全ての敵を仕留めるまで……弾丸を撃ち続ける。」
「……あの男を使うつもりですか……?」
「……不服かね……?」
「……いえ……」
三島はどことなく不服そうな顔で返事を返した。やがて、三島はゆっくりと退室した。
その部屋の鏡には、ベージュ色のロングコートを着た男が映り込んでいた……。


Extra ACT.5「その男ゾルダ」


ここは北岡法律事務所。
黒を白にするスーパー弁護士『北岡秀一』の職場であり、家でもある。
この事務所の北岡のデスク前では、今日もいつも通りの平和なコントが繰り広げられていた。
「吾郎ちゃん、また餃子?」
「はい……美味く無いですか……?」
椅子に座りながら、非常に美味しそうな餃子を食べている北岡。
「いや、美味いんだけどさ……こう毎日餃子だと飽きてくるんだよね……」
「……すいません。」
この北岡に謝罪する男。名を『由良吾郎』という。北岡の秘書を勤めているのだ。
そうこうしていると、事務所の電話がけたたましい音をたてて鳴り始めた。
「誰だよこんな飯時に……吾郎ちゃん!」
「はい。」
プルルルルッと鳴る電話から、受話機を持ち上げる吾郎。
「はい。北岡弁護士事務所です」
『仕事だ。』
「………!!」
電話の相手の声に、吾郎の表情が変わる。声でわかる。相手はZECTの幹部である三島だ。
「三島さん……またワームですか……?」
『そうだ。早急に現場へ行け。』
言うだけ言うと、「ブツッ」という音をたてて、電話は切られた。

「先生……」
「何?また仕事?」
「はい。またワームの殲滅任務です」
「あぁ、そう。」
立ち上がり、外出の準備を始める北岡。
「行くんですか……先生?」
「もちろん。だってワーム一匹倒せば120万でしょ?行かない訳無いじゃない」
吾郎は、静かにため息をついた。北岡とは、こういう男なのだ。
122名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 00:37:39 ID:6QmoDqV7
支援
123名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 00:43:48 ID:+QBeHIE0
123
124マスカレード:2007/11/01(木) 00:46:59 ID:yWzgA9vA


数時間後。聖祥大学附属中学前。
北岡は、吾郎が運転する車から降りた。そこで待っていたのは、スーツ姿の男。
「へぇ?今日はお前が一緒に戦ってくれるんだ?」
「はい。今回は俺が北岡さんのフォローを任せられてますから」
「あぁ、そう。ま、何でもいいけど、あんまり俺の邪魔はするなよ?」
「邪魔?」
男−仮面ライダーガタックこと加賀美新−は「何の事だ?」という表情をする。一緒にワームを倒すのに邪魔って何だよ?という心境だろう。
……と言うのも、北岡は報酬が目当てで戦っている。余り加賀美にワームを倒され過ぎて報酬が減ってしまうのも困るのだ。
「いや、こっちの話。……じゃあさっさと済まそうか」
ポケットから緑の長方形型のケースのような物−カードデッキ−を取り出す北岡。
加賀美も、「はい」と返事を返しながら、どこからかガタックゼクターを取り出す。
北岡は車の窓ガラスにカードデッキをかざし、加賀美はガタックゼクターを構える。
「「変身!!」」
北岡と加賀美の腰にいつの間にか装着されていたベルト。二人は同じような動きで、ベルトにデッキ・ゼクターをそれぞれ装填した。
車の窓ガラスは光を反射しながら北岡の姿を緑のライダーへと変えた。
その名はゾルダ。機械的な外観が特徴的なライダーだ。
『Cast off(キャストオフ)』
同時に加賀美も、アーマーをパージ。その姿は青いクワガタムシを彷彿とさせるフォルム。ガタックへと変身完了。
ゾルダはガタックから突然飛んできたアーマーに少しびっくりした。だがそんなことはもちろん秘密だ!


同刻、聖祥大学附属中学付近。
コンクリートでできた階段に座り込む影山。その後ろから歩いてくる矢車。そして浅倉。
「…………」
「どうした、相棒?」
影山が見つめているのは、例の少女が捨てたお守り。粉々だ。
ここ最近、ずっと影山の様子がおかしいのだ。それも、あの少女と出会ってから。
「お前……まだそんなもん持ってたのか……」
「……うん。なんか、気になるんだ……あの娘が……」
「……はぁ……」
影山の目を見た矢車は、大きなため息をついた。そして。
次の瞬間。矢車は影山を蹴り飛ばした。重いキックが入った影山は、「うわッ!!」と大声を上げて、地面に転がる。
「……いいよなぁ……お前は。そんなモンがまだあってよ……」
「兄貴……」
「俺なんてそんなもん、とっくの昔に失っちまった……」
矢車を見上げる影山。当の矢車は、「フッ」と笑うと、そのままゆっくりと歩き始める。影山は、そんな矢車の後ろ姿を見送る事しかできない……。
矢車がいなくなり、浅倉と二人きりになった影山は。ふと、浅倉の様子がおかしい事に気付く。
「どうした、浅倉……?」
「…………」
笑ってるのかそうでないのか解らないような、微妙な顔でキョロキョロと周囲を見回す浅倉。
125名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 00:49:17 ID:Wr3ka44q
支援
126名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 00:53:57 ID:6QmoDqV7
支援
127マスカレード:2007/11/01(木) 00:54:08 ID:yWzgA9vA

「(……モンスターか……?)」
浅倉は尚も影山を無視し、何かを探している。それもそのはずだろう。
浅倉には『あの音』が聞こえていたのだ。
それはモンスターが現れた時にのみ聞こえる音。カードデッキの所有者なら、モンスターの出現を金属音により察知できるのだ。
「おい、兄弟……」
「……何だよ?」
「俺は行かせて貰う」
突然話し掛けられた影山は、怪訝そうに返す。しかし言うが早いか、既に浅倉はニヤニヤと笑いながら歩き出していた。


「喰らえ!」
ワーム−サリス−に向けてギガランチャーを放つゾルダ。ギガランチャーが火を吹く度に、サリスの数は減っていく。
元々ここには残党ワームしかいないために、数も十数匹程度しかいない。
「(これじゃあ全部倒しても2000万くらいかな……)」
そんな事を考えながら、ギガランチャーの引き金を引いてゆく。
ガタックも、ダブルカリバーでワームと戦ってはいるが、ほとんどトドメだけゾルダに持って行かれてしまう。
と、いうよりも全てゾルダが倒している。ガタックがある程度ダメージを与えれば、後はゾルダがギガランチャーで吹っ飛ばすからだ。
ワームの数も減ってきた所で、ガタックは戦いながらゾルダに言った。
「気をつけて下さい北岡さん!こいつらはいざとなれば脱皮します!」
もしも脱皮されれば、クロックアップが使えないゾルダは圧倒的に不利だ。だが、ゾルダからは意外な返事が帰ってくる。
「知ってるよ、そんなこと」
「へ?」
「だってその時の為にお前がいるんだろ?」
「は……はぁ。」
ガタックは、「確かにそうだな」みたいな声色で返事を返す。ってちょっと待て。それはつまり成虫ワームは全てガタックに任せるって事か。
一瞬そんなことを考えたが、すぐに頭を振ってその考えを吹き飛ばす。ゾルダだってライダーだ。そんな無責任な筈は無い筈だ。
「あ、それから加賀美ー!」
「はい、何ですか!?」
「俺は成虫ワームとまで戦うつもりは無いから。脱皮した奴は全部お前に任せる」
「は……はぁッ!?」
やはり予想を裏切らなかったゾルダの答え。ガタックはダブルカリバーをワームに振り下ろしながら「何だと!?」的な返事を返す。
ちなみに今ガタックに斬られたワームは爆発した。これで、北岡の報酬は1匹分減る事になる。
「だって割に合わないんだよね。サナギ倒しても成虫倒しても報酬は一緒なんだから、わざわざ危険な奴と戦う必要無いじゃない?」
「そ、そんな……!アンタそれでもライダーかよ!?」
「そうだけど?」
飄々とした態度でギガランチャーを放ち続けるゾルダ。
「あぁもうっ……何でこんな奴を雇ったんだよ!」
「知らないよそんなことは。こっちが聞きたいくらいだね」
愚痴るガタックと、サリスを倒す事に専念するゾルダ。この程度の残党ワームならばガタック一人でも事足りたはずだ。
それなのにゾルダが選ばれた理由が、加賀美には解らなかった。
128名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 00:54:58 ID:6QmoDqV7
支援
129名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 00:57:14 ID:Wr3ka44q
北岡が北岡らしい支援
130マスカレード:2007/11/01(木) 00:58:36 ID:yWzgA9vA


一人になった影山は、中学校の敷地内で黄昏れていた。あの少女はどうしているのか。それがどうしても気になるのだ。
しばらくトボトボと歩き続けた影山は、力が抜けたように崩れ落ち、しゃがみ込む。
お守りを見詰めながら、俯いて座る影山。すると、後ろから何者かが接近してくる。
「粉々に砕けてしまったお兄さん……」
「…………?」
ゆっくりと後ろを振り返る影山。そこにいるのは、二人の学生。片方は以前自分が助けた少女……そして、ずっと気になっていたあの少女だ。
そしてそれと一緒にいるのは野球部の青田君−影山とは面識が無い為、こちらは敢えて言及しないが−だ。
「お兄さんも、私たちの仲間になりなよ。そしてまた明日から頑張ろうよ」
「…………」
そう言い、影山に微笑みかける少女。少し前までは考えられなかったような、楽しそうな笑顔だ。
それを見てると、影山からも笑いが込み上げてくる。全く以て馬鹿馬鹿しい話だ。
折角自分が救った命も、既に人間では無くなっていのだから。やはり闇の住人では光は掴め無い……ということか。
兄貴や浅倉の言う通りだ。俺達のようなろくでなしが光を掴もうとしても、痛いしっぺ返しを喰らうだけ……。
影山は、ようやくそれに気付いたのか、「フッ」と笑う。自分が馬鹿だった。そう思い、立ち上がろうとした、その刹那。
大きな声が、この空間に響き渡る。それは影山にとって最も安心できる声。
「羨ましいぜ相棒ぉぉぉッ!!!」
物陰から軽快なステップで現れたのは、影山の兄……矢車だ。影山も「兄貴!」と嬉しそうに立ち上がる。
ようやく二人揃った地獄兄弟。さっき蹴り飛ばされた事も忘れたかのように喜ぶ影山。
矢車は、少女達を横目で睨み付けながら言った。
「俺も是非……励ましてもらいたい」
そして、二人の元へと跳んで来る二つのゼクター−ホッパーゼクター−。
二人はそれを掴み、ベルトのバックルへと装填。
「……変身!」
「……変身……」
『Change Punch hopper(チェンジパンチホッパー)!!』
『Change Kick hopper(チェンジキックホッパー)!!』
次の瞬間。二人の姿は、緑と黒のダブルホッパーへと変わっていた。


「ちょっと加賀美、邪魔するんなら帰れよ」
「それはこっちのセリフだ!!」
同じ敵と戦いながらも、価値観の違いに憤りを感じるガタック・ゾルダコンビ。
そうこうしているうちに、一匹のワームが脱皮を始めた。赤く変色したワームの体は、ドロドロと変態してゆく。
やがて、脱皮が終わる。その姿は、白いクモのような形をしたワーム……『アラクネアワーム ニグリティア』だ。
まだサリスは数匹残っているにも関わらず、成虫ワームが現れた。さて……こんな時、ゾルダが取る行動とは……?
131マスカレード:2007/11/01(木) 01:04:49 ID:yWzgA9vA

「悪い、加賀美。後はお前に任せた!」
もちろん北岡秀一という男の辞書に、本気で謝罪するという項目は無い。口だけの言葉だ。
「ちょ……!?まだサナギは残ってますよ!?」
「ホラ、欲の張りすぎは元も子も無くすって言うだろ?」
またしても心にも無いことを言うゾルダ。とにかく早くこの場所から離れたい。というより離れたい理由があるのだが。
「……もういい!俺一人で戦います!!」
フンフンと鼻息を荒立てながら残ったサリスを斬り裂き、爆発させるガタック。

そんなガタックを見届けたゾルダ……いや、北岡は、歩きながら人間の姿に戻る。そして、ガタックやワーム達から離れながら、考えていた。
「(とりあえず14匹は倒したから1680万は貰えるか……)」
この期に及んでまだ金の話か。単純な掛け算を計算しながら、角を曲がる。そうして、ガタックからは死角になる位置入った北岡。
「さて……さっきからうるさいんだよ。」
ガラスを睨む北岡。その中にいるのは、レイヨウのような姿をした、二足歩行の怪人……いや、モンスター。
「俺がここに呼ばれた理由はこれか。」
一人で納得する。
そして北岡は、「これだからあの三島とか言う奴嫌いなんだよな……」などと愚痴を零しながら、左手でガラスにカードデッキをかざす。
そうすることで、再び現れるVバックル。次に北岡は、前に突き出した左手を戻しながら、右手をガッツポーズの様に構えた。
13RIDERS特有の変身ポーズだ。これをやらなければ変身できないのかと聞かれると、別にそういう訳でもない。
しかもわざわざ変身を解除して、もう一度ガラスの前で変身させる必要は無いんじゃないかと聞かれると、全く以てその通りだが、それは作者の趣味だ。
一人で変身させたかったのだ。
次の瞬間、再び北岡の姿はゾルダへと変わり、ガラスの中へと飛び込んでいた。

「おらぁッ!!」
「フン……!」
クモのような姿をした二体のワームと、格闘を繰り広げるパンチホッパーとキックホッパー。
パンチホッパーの相手は、赤と青の体色をした『アラクネアワーム ルボア』。さっきの少女に擬態したワームだ。
そして、キックホッパーと戦っているのは、黄色い体の『アラクネアワーム フラバス』だ。こちらは青田君に擬態していたワームだ。
パンチホッパーは相変わらずパンチのみ。キックホッパーはキックのみでワームに打撃を入れていく。
「(……こいつら、色が違うだけなのに……)」
パンチホッパー……というより影山は、「何が違うんだ」と心の中でぼやきながら、ワームを殴り付けた。

「どぉりゃああああッ!!!」
残ったサリスは3体。ガタックは、まず手近な1匹を斬りつける。それにより1匹は爆発。
残った2匹に向かって、ダブルカリバーを放り投げる。放り投げられたダブルカリバーは、ブーメランの様に美しい放物線を描き、ワームに直撃。
胸辺りを貫通する形で貫かれた2匹のワームは、見事に爆発。そしてガタックは帰ってきたダブルカリバーをキャッチ。
あとはニグリティアだけだ。
132マスカレード:2007/11/01(木) 01:09:12 ID:yWzgA9vA

一方のミラーワールド。
ここは鏡の中の、もう一つの世界。校舎やグラウンド等、全てが現実世界と同じ物だ。ただ一つ違うのは、左右反転となっている事のみ。
ゾルダは、俊敏に走り回るモンスター−メガゼール−に翻弄されていた。
「(クソ、ちょこまかと!)」
メガゼールに向けて、何発もマグナバイザーからの弾丸を発射するも、的はちょこまかと逃げ回る為になかなか当たらない。
ちなみにミラーワールド内では、仮面ライダーは9分55秒間しか活動できない。
故にこの程度のモンスターに敗れる事はまず無いが、このままでは時間が切れてしまう。できればそれは避けたい所だ。
ゾルダはマグナバイザーのマガジン部を引き出し、ベルトから取り出した1枚のカードをベントイン。
『SHOOT VENT』
どこからか飛んで来た二門の大砲。それらはゾルダの両肩に装着され、メガゼールへと向けられた。
これもゾルダのシュートベントの一つ……『ギガキャノン』だ。マグナバイザーよりは破壊力と攻撃範囲が遥かに増えている。
「……フンッ!」
そして足を踏ん張り、ギガキャノンを発射するゾルダ。
一撃、二撃と発射する度に、校舎が崩壊されてゆく。凄まじい音を響かせながら、だんだんとメガゼールの逃げ場が減っていく。
状況は間違いなくゾルダの思惑通りに進んでいた。これだけ瓦礫だらけになってしまえば、あの欝陶しい動きも封じられると踏んだのだ。
ここはライダーも誰もいない空間。ゾルダは好き勝手に撃ちまくる。それによりメガゼールは自由な動きを封じられる。
そして。
『SHOOT VENT』
マグナバイザーに再び装填されるシュートベント。今度は、巨大な一門の大砲が飛来する。さっきの戦いでワーム相手に使っていたギガランチャーだ。
これでギガキャノン・ギガランチャー、計三門の大砲を装備したことになる。
「ハァッ!」
次の瞬間、三門の大砲は同時に火を吹いた。響く轟音。その衝撃はゾルダにも伝わる。
それらが全てが命中し、−命中してないのかもしれないが、三発まとめて爆発した為に確かめようが無い−メガゼールの姿は、跡形も無く消滅していた。

いつの間にかシュートベントにより出された大砲は消えていた。これでようやく帰れる。そう思い、来た道を戻ろうとした。
その時だった。

シャアアアアアアアッ!!!

「うわっ!?」
背後から聞こえるのは大蛇の鳴き声。そして背後から飛んで来るのは、大蛇の吐いた毒液だ。
咄嗟に回避したゾルダは、すぐに大蛇−ベノスネーカー−と、その近くにいるライダーを睨む。
「……浅倉ッ!?」
「……会いたかったぜ北岡ぁぁぁ!!!」
そこにいたライダー……王蛇は、嬉しそうに、大きな声でその名を呼んだ。
それはゾルダ……いや、北岡とは浅からぬ因縁を持った。言わば宿命の対決とでも言うべきか。
133名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 01:11:16 ID:Vsb15Iq8
私怨
134マスカレード:2007/11/01(木) 01:13:46 ID:yWzgA9vA
「ホント、どこにでも現れるよな……!」
「ハハハハハハァッ!!」
すぐにマグナバイザーを構え、王蛇へと連射するゾルダ。王蛇はそれをベノサーベルで弾き、急接近する。
そしてゾルダの眼前まで迫った王蛇は、力強くベノサーベルを振り下ろした!
「ッらぁ!!」
「ク……!」
咄嗟にマグナバイザーでベノサーベルを受け止めたゾルダ。両手でマグナバイザーを支えている。
「全く、しつこいんだよ……お前は!」
言いながらマグナバイザーでベノサーベルを弾き、今度は王蛇の胸あたりにマグナバイザーを密着。そのまま零距離で弾丸を連射する。


「クロックアップ!」
「クロックアップ……」
『『Clock Up(クロックアップ)』』
ルボアとフラバスが高速移動を開始。それに対応するために、ダブルホッパーはベルトのスラップスイッチを叩いた。
同時に周囲の時間は止まっているに等しい速度まで減速する。
パンチホッパーはクロックアップ空間の中、逃げようとするルボアを追撃する。殴って殴って殴りまくる。
キックホッパーも同じように、フラバスの体を蹴って蹴って蹴りまくる。ロー・ミドル・ハイと美しいコンビネーションキックを決めまくる。


「おりゃああああッ!!」
ガタックはニグリティアに飛び掛かり、そのままニグリティアの腰あたりに両足で組み付く。
そして組み付いた足を一気にひねる事で、ニグリティアは地面にたたき付けられる。
苦しそうにもがくニグリティア。だがまだ終わりでは無い。次にガタックは両足をニグリティアの左足に絡ませたのだ。
「ふんッ!!」
そして捩ったニグリティアの左足に両足を絡ませたまま、腕でも左足をロック。そのまま一気に力を入れる。
それによりニグリティアの左足は「ミシッ」と音をたてたような気がするが、ガタックにはお構いなしだ。
苦しむニグリティア。流石のワームでも関節をキメられれば痛みを感じるらしい。
しかし、ガタックになってからの加賀美が、何故プロレス技を多様するようになったかは定かでは無い……


「ハハッ……やっぱり戦いはいいよなぁ!」
ゾルダのマグナバイザーから連射される弾丸を走って避けながら笑う王蛇。
唯一のライバルと呼べる北岡と戦えているのだ。これほど浅倉を満たしてくれる物は他には無い。
「こっちはいい加減ウンザリなんだよ、お前にはさ……!」
もう本当に色んな意味でウンザリだ。ワーム→メガゼール→浅倉戦と立て続けは辛い。
何よりも時間が無い。このままではタイムアウトで体の粒子化が始まってしまう。
しかしそれは浅倉にとっても同じ事。そんな下らない理由で北岡に逃げられるのにも、もうウンザリだ。
そんなお互いの気持ちを知ってか知らずか、二人は同時にカードをベントインした。
それに反応し、二人のバイザーはそのカードの名称を告げる。
『UNITEVENT』
『FINALVENT』
135名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 01:16:50 ID:Wr3ka44q
いきなり激しいなぁ支援!
136名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 01:18:57 ID:6QmoDqV7
支援
137マスカレード:2007/11/01(木) 01:19:10 ID:yWzgA9vA

気付けばゾルダの眼前には、北岡の契約モンスター『鋼の猛牛マグナギガ』が現れていた。
ゾルダよりも身長が高く、何よりもごてごてしている。それも全身に装着された火器のせいだ。
ゾルダは、マグナバイザーをマグナギガの背中に差し込んだ。

一方、王蛇の周囲にも3体のモンスターが集結する。『ベノスネーカー』『エビルダイバー』『メタルゲラス』の3体だ。
ユナイトベントの効果により、メタルゲラスを中心に、ベノスネーカーが、エビルダイバーが重なってゆく。
胴体はサイの体を持つメタルゲラスが形作り。首と尾は紫の大蛇が形作る。そしてエイの体を持つエビルダイバーは、翼のように背部に合体。
最後に、メタルゲラスの頭の装甲はベノスネーカーに装着される。
巨大な体。巨大な翼。そして蛇とサイを合わせたような不気味な頭部。その姿は、まさに怪獣とでも言うべきか。
その名は、『獣帝ジェノサイダー』。元々このミラーワールドに存在しないモンスターだけに、全モンスター中でもトップクラスのAPを持つ。

ゾルダの持つファイナルベント−エンドオブワールド−とジェノサイダーは同じ7000AP。これならばAPは対等という事になるが……?
そしてゾルダは、マグナギガに差し込んだ機召銃の引き金を引いた。
同時にマグナギガの全砲門が開く。両腕の重火器や、全身に装備されたレーザー・ミサイル・ガトリング、その他諸々がジェノサイダーを狙い撃つ。
凄まじい砲撃。それはまるでどこぞのフルオープンアタックガンダムのように、全身の火器を一斉発射するマグナギガ。
対するジェノサイダーは、エンドオブワールドから逃れようともせず、堂々と構え……
次の瞬間、ジェノサイダーは口から謎の光線を発射した。

『『Clock Over(クロックオーバー)』』
ダブルホッパーは、クロックアップ空間で戦う内にいつの間にかグラウンドへと移動していた。
そこにいるのは、さっきのクモワームに加えて、白いクモワームとガタックだ。
「……やるぞ……相棒」
矢車の言葉に、「うん……」と返す影山。二人は同時に、ベルトのゼクターレバーを立ち上げ、ライダージャンプの電子音と共に空中に跳び上がった。
「これで終わりだぁッ!!」
同時に、ガタックもダブルカリバーを重ね、ハサミ型に変形させる。そしてニグリティアの腹をダブルカリバーで挟み込み。
『Rider Cutting(ライダーカッティング)!!』
それに合わせるように、ダブルホッパーも空から。ゼクターレバーを押し倒しながら。ルボア・フラバスへと急降下した。
『Rider Punch(ライダーパンチ)!!』
『Rider Kick(ライダーキック)』
138名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 01:20:57 ID:6QmoDqV7
支援
139名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 01:22:56 ID:Vsb15Iq8
支援
140マスカレード:2007/11/01(木) 01:23:36 ID:yWzgA9vA

ジェノサイダーが放った怪光線と、マグナギガが放った射撃武器の嵐は、激しくぶつかり合う。
それにより眩ゆい光が周囲を。この空間を包む。凄まじい閃光に、校舎も、グラウンドも。全てが纏めて焼き尽くされる。

「「「…………!!」」」
ライダーパンチを受けたアラクネアワーム ルボア。ライダーキックを受けたアラクネアワーム フラバス。
そして、ライダーカッティングを受けたアラクネアワーム ニグリティアは、全身に稲妻の様な電撃を纏いながら、一カ所に集まる。
そして、電撃を帯びた3体の体は互いにぶつかり合い、まとめて爆発。四散した。

「あぁ……?」
閃光が晴れ、周囲を見渡す王蛇。
だが、そこには誰もいない。マグナギガはおろか、ゾルダも、北岡も。
こんな焦土と化した場所に隠れる場所があるとも思えない。しかし、北岡があの程度で死ぬとはとても思えない。つまり……
「……逃げたか……?」
呟く王蛇。気付けば王蛇の体も粒子化が始まっていた。そろそろ時間切れだ。王蛇は、舌を打ちながらミラーワールドを後にした。

こうして、この学校を巻き込んだ長い戦いにも全ての決着がついた。
ここにはもう、ワームもモンスターも存在しない。やっと平和な、普通の学校へと戻ったのだ。
加賀美は、学校から出てすぐ、一台の車を発見した。中に乗っているのは北岡と、吾郎。さっき北岡が乗って来た車だ。
「お前……帰ったんじゃなかったのか!?」
「今から帰るんだよ。」
加賀美の問いに冷静に返す北岡。どこか疲れている様子だ。
といっても、ライダーバトルを知らない加賀美には何故北岡が疲れているのかなど、見当もつかないだろうが……。
ため息をつく加賀美を残し、北岡を乗せた車はこの学校から立ち去ってゆく。もうこの学校には何も無い。
「さて……帰るかな……」
加賀美も、グッと背伸びをしながら、駐輪していたガタックエクステンダーの元へと歩き始めた。

「兄貴……!」
左腕を押さえながら、矢車に駆け寄る影山。ちらっと影山を見た矢車は、フッと笑う。いつも通り、元の地獄兄弟だ。
「行くぞ……相棒……」
「うん……って浅倉は?」
歩き始めた所で、一人足りない事に気付く影山。すると、矢車は立ち止まり、またしても後ろをちら見する。
そこにいるのは、紛れも無い浅倉だ。
「……浅倉!」
「あ゛……?」
近寄って来た影山に、いつも通りの不気味な笑みで笑う浅倉。その笑いを見た影山と矢車は、何故か安心した。
そして三人はまた、歩き始めた。
141名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 01:27:39 ID:Vsb15Iq8
地獄兄弟、三兄弟になっても違和感無いやw
142マスカレード:2007/11/01(木) 01:34:34 ID:yWzgA9vA
投下終了
うわ……今までで最悪の出来かも知れません。特に後半のgdgd感が……orz
今更ながらG3を管理局製にしてしまった事に後悔してます

>>なのはStS+仮面ライダーさん
名シーンでは無く迷シーンですか?
迷いますねぇ……
歴代ライダーで印象深いシーン……というか、好きなシーンといえば……
・カブト・ガタック・キッパートリプルライダーキック
・カリスvsサーペントアンデッド。「俺は今まで何をやっていたんだ……」の時です
・ギャレンvsギラファ
・555アクセルvsサイガの鬼ごっこ
・タイガの死亡シーン。家族を救った英雄イベント
・ブラックサンvsシャドームーンのラストバトル
ってところですかねぇ。多い……(爆)
NEXTは観たいんですが、時間が無いかもという……(汗)



今、龍騎勢にライドアップもさせてみようかとか、BLACKが出てくるマスカレードとはパラレルワールドの読み切りを書いてみようかとか、色々と企んでます……(笑)
143名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 04:48:42 ID:6ddvnMLI
壁|ω・)<……やあ

壁|ω・)<うん、またなんだ。またパンプキンクロスなんだ。
     しかも懲りずに一発ネタの嘘予告なんだ
     それも、また早朝 

壁|ω・)<いい加減にしとけよ、って言葉が聞こえそうだけど、
     一応受験生の身の上だから長編はツライんだ

壁|ω・)<とりあえずクソ長い嘘予告だけど、これが住民の皆の妄想の種になれば良いなと思ってる。

壁|ω・)<じゃあ、投下を始めようか
144嘘予告1:2007/11/01(木) 04:52:48 ID:6ddvnMLI

Alt Schmied:ベルカ地方北部に伝わる民謡。単眼単足の炎の神。
       干魃で大地と民を滅ぼす、潤いを忘れた日照りの神。
       又の名を一本ダタラ。
      
『ソレは草木を焼き、大地を焼き、家畜を焼き、家々を焼き尽くし、
 さらには男も女も老人も子供も病人も、分け隔てなく焼き殺した。
 そして焼くものが無くなると――――己自身も焼いて死んでしまったのだ』
              ベルカ民謡『アルト・シュミート』


……サムイ…………サムイ……

 
「ちくひょう……。ちくひょう……。
オレのウヘっ、オレのウヘがっっ!!」
「よせ触るなっ、崩れて傷が深くなるぞ!」
 上手くいっていた筈だった。
 相棒と二人で広域指名手配犯罪者ジェイル・スカリエッティのアジトと思われる人口洞穴
に潜入し、後続部隊が突入するための観測スフィア設置した。あとは脱出するだけ、それだ
けだったのに。
――――『ヤツ』が現れた瞬間、全てが崩壊したのだ。
 相棒は腕を丸ごと炭焼きにされ、『ヤツ』から逃げ惑う中で現在地を見失った。状況はど
う控えめに言っても、最悪であるとしか言い様が無い。
「――――!あっ、あぁああっあ」
 突如相棒の様子が豹変した。目が血走り、目線はあらぬ方向へ向いている。
「どうした!?気をしっかり持て!!」
 あらぬ方向だと?己は馬鹿か。相棒はしっかり向いているじゃないか。
 己の背後へ。恐怖に満ちた目で。

――――『ヤツ』がいた。
 背丈は成人男性程度。しかし、その体は強固な防護服によって覆われており、見ようによ
っては肥満体型のように見える。頭部はヘルメットで覆われ、その表情は分からない。
 だが何よりも特徴的なのは、その手に持つ質量兵器。相棒の腕を焼き払った火炎放射器で
あった。そして、今その銃口は己へと向いている。

「くそったれっ!この金魚鉢野郎!!」
 振り向き様にデバイスを待機状態から戦闘状態へ移行させ、最速で射撃魔法を撃ち出す。
 しかし、生涯最速と自負できる射撃魔法は『ヤツ』の装甲服―バリアジャケットですらな
い―に阻まれ、金属音だけを響かせただけであった。
 捜査官は碌な死に方は出来ない。次元犯罪者や管理局の威光の届かない管理外世界での捜
査活動、捕囚となった捜査官に待ち受けるのは悲劇しかない。
 彼は捜査官を志した時点で覚悟していた。銃で撃たれて死ぬ、刺されて死ぬ、魔法で殺さ
れる。覚悟していたのは本当だ。だけど、だけれども、
――――燃やされて死ぬってなんだよ……
 炎が視界一杯に広がり、瞬く間に全身が紅く染まる。一拍遅れて神経を侵す地獄のような
激痛を脳が認識した。彼は絶叫を上げようとしたが、炎は咽頭から肺まで覆い尽くし、断末
魔の叫びすら焼き尽くす。
 全てを焼き尽くす炎。それが彼が最期に認識できたものであった。
145嘘予告1:2007/11/01(木) 04:54:26 ID:6ddvnMLI

『サムイ……サムイ……』
 ヘルメットから聞こえるくぐもった声。もはや原型を留めていない元捜査官を、尚も焼き

ながら『彼』はそれだけを呟き続ける。
 もはや炭化しかナニカになってしまった捜査官の相棒は、今度こそ自我を喪失してしまっ

たのか、ただ病的に震え続けるだけである。
『サムイ……サムイ……デモ』
 捜査官を完全に焼却したのを確認すると、『彼』は己の得物である火炎放射器の銃口を震

え続ける男へと向ける。銃口の熱によって男の髪先が焦げる。
『人間焼クト……少シダケ……少シダケ』
 
 引き金が引かれた。

『心……温カイ……』


……サムイ……サムイ…………『ココロ』……サムイ…………



「なぜ彼を匿うのですか?」
 戦闘機人たちの長姉であり、創造主の忠実かつ優秀な秘書であるウーノは、彼女にしては
珍しく創造主であるジェイル・スカリエッティに質問を投げ掛けていた。
「そんなに珍しいことかね?彼は実に優秀な青年だよ。つい先ほど、それを証明したばかり
じゃないか。それが理由じゃ可笑しいかね?」
 これで質問はお仕舞いだ、そう言わんばかりにスカリエッティは再び作業に戻ろうとして
「ええ、可笑しいです」
 ウーノに一刀両断された。そもそも、それで済むような質問をするほど彼女は愚鈍ではな
い。ウーノはさらに質問を続ける。
「たしかに彼の能力の高さは私も認めます。――――ですが、メリットがデメリットに合い
ません」
「デメリット……かね?」
 スカリエッティの表情から、常にある人を小馬鹿にしたような笑みが消える。
 彼自身は、それがどれだけ稀なことであるか認識していないようであった。
 そのことにウーノは気付きながらも
「はい、彼を匿うことを『スポンサー』は厭っているのではないのですか?詮索するようで
恐縮ですが博士、先日の先方からの通信は彼に関することだったのでは?」
「もし、そうだったとするなら君はどうするべきだと思うかね?」
 質問に質問で返すスカリエッティに、ウーノは容赦無く提案する。
「切り捨てるべきです。私達の立場は酷く危うい、僅かでもバランスを崩せば最悪の事態に
成りかねません。不安要素は排除すべきです」
 彼女は知っていた。何事にもに合理性を持たせようとする創造主が会話を無駄に延ばす時
は、常に彼にとって話したくない事柄であることを。
 それでも尚、彼女は断言した。自分にとって最も優先するべきことは創造主と家族の身の
安全である。若干の良心の呵責を押さえ、いつも通りのポーカーフェイスを保つ。ときに悪
役になることも優秀な秘書には必要な条件だ。
 沈黙が流れる。スカリエッティは目を瞑り、まるでひどく重要な決断を下すかのような表
情を見せる。そして
「本音を言うとだね、メリットもデメリットもどうでもいいのだよ」
 『どうでもいい』、彼にとって非常に珍しい言葉がでた。
ウーノは思わぬ応答に不意をつかれ、『今日のドクターは珍しい反応ばかりするなぁ』と随
分場違いな感想を抱く。そして、次の言葉に、本当に不意をつかれた。

「正直なところは――――同類相憐れむ、そんなところだよ」

146嘘予告3:2007/11/01(木) 04:56:51 ID:6ddvnMLI
そして物語は進む。静かに、そして確実に。まるで種火が燃え広がるように。



「……『908』って一体何なんですか?」
 スバル・ナカジマ一士は八神はやて二佐に尋ねる。
 どうしても知らなければならないことがあった。
 以前戦場で相対した『彼』。
 レリックを強奪しようとした密輸犯罪者たちの前に現れ、自分たちの眼前で、手にした火
焔放射器で彼らの悉くを焼き尽くした正体不明の男。
 恐ろしかった。
 人間を、まるで薪か何かのように燃やす男が。
 蛇のように纏わり全てを焼き尽くす紅蓮の炎を、まるで自分の手足のように操る男が。
 でも何よりも。
 ――――――――哀しかった。
 呪詛のように『サムイ』と呟き続ける『彼』が。
 憑かれたかのように炎を繰り出す『彼』が。
 どうしようもなく哀しい存在に見えたのだ。
 
 だから知らなくてはならない。
 『彼』を助けたい、そう思ったのだから。

「――――覚悟はあるんか」
 スバルの真直ぐな目を見据え、はやては返事を予測しながらも、そう尋ねた。そこには普
段の、常に明るく気さくな部隊長の表情は無い。
「これは管理局でも最上級の機密や。うちでも伝手が無かったら一生知らんかった筈、それ
程の代物や。陸士なんかが聞いてしまったら、最悪逮捕もありうる。
そして何よりも――――知ってしまったら、きっと後悔してまう。
その覚悟があるんか、スバル?」
 それでも尚、揺るがない彼女の瞳を見て、はやては苦笑のような溜息をつく。
 そして彼女は語り始める。決して知るべきでなかった真実/悲劇を。


「魔導士を組織の戦力とする場合、問題はなんだと思う?」
スカリエッティはウーノに向かって説明を続ける。
「人材不足、まあ確かに重要な問題だね。だが大抵の組織は人材不足なものだよ、特に優秀
な人材はね」
「じゃあ組織としての問題は何か、簡潔に言うならば戦力の不均衡さ。平均的な魔導士に比
べSクラスの魔導士ともなれば戦略級。アンバランスにも程がある」
「まあ、そのために各部隊には魔力保有量が定められているのだがね。だが、ここで別の問
題が出てくる」
「組織の首脳たちさ。彼らにとって最強の矛が、一歩間違えれば自分たちに向いてしまう。
特に――――他人に言えないような仕事をさせる場合にはね」
「それを何よりも恐れた連中がいたのさ。非正規作戦を行うには優秀な人材が必要、けれど
も非人道的な作戦を従事させた結果エース魔導士に離反されでもしたら全てがご破算だ」
「そこで必要となったのは部隊さ。それもただの部隊じゃない、優秀かつ、決して裏切るこ
とのない統制された戦闘集団。末端に不穏分子が出たら排除すればいい、司令官なら更迭す
ればいい。実に合理的かつ有効だ」
「だが問題が残る。どうやって優秀な人材を揃えるか、だ」
「そして彼らは考えてしまったのさ。禁じられた質量兵器をデバイスで補助・強化し、決し
て裏切らない人材、管理外世界から強制的に徴用した魔力適性のある人間を恐怖と力で支配
して構成された非正規部隊。決して口外されない、非人道的作戦のための部隊」

「それが―――――――『不可視の9番』(インヴィジブル・ナイン)さ」
147嘘予告4:2007/11/01(木) 04:59:20 ID:6ddvnMLI
「………………」
 想像すらしていなかった内容にスバルは唖然としている。
 人が自分たちの愚行を省み、決して使わぬことを誓った質量兵器。それを欲望のために、
自分たちが所属する組織が使っていたのだ。それも、自分たちの手が汚れない方法で。
 それでも尚、はやては続ける。ここまで聞いてしまったら最後まで行くしかないのだ。自
分も、スバルも。
「本来頭に9の付く部隊は存在せぇへん。戦争時代、七つの都市が一度に壊滅した日が9月
9日だからや。だからこそ、彼らには付けられたんや。『存在しない質量兵器を使う部隊』
としてな」
「……彼らは今どうしているのですか?」
 もし部隊として作られたのなら、何故『彼』は一人だったのか。
 ――――酷く嫌な予感がする。
 まるで決して開けてはいけない箱を開けてしまったような。
 そんなスバルの心情に反して、はやては的外れな話を始める。
「スバルが会うた人は『908HTT』、証拠隠滅・示威活動のために火焔放射兵装を実装された
部隊や」
「でも問題があったんや。彼らが使う武器は、あまりの高温のせいで防護服越しでも自分た
ちの体を焼いてまう」
「そのために考え出されたのが『保護液』。防護服の内部を、高精度に断熱性のある液体で
満たすことで彼らを炎から守ろうとしたんや」
 その言葉にスバルは少しだけホッとする。少なくとも『彼』は、体のことぐらいは気遣わ
れていたようである
「そんな便利なものがあったんですね」
 しかし違和感がある。
 そんなに便利な物を災害救助部隊にいた自分が、何故知らなかったんだろう。いくら機密
事項とはいえ、保護液があるだけで現在の救助現場は一変する。
 ――――――だが
「嘘や」
「――――――――え?」
 嫌な予感は当たるものだ。
「そんな便利な物は存在せぇへん」
「…………っ!それじゃあ保護液って一体何なんですか!?」
「……温感を鈍らすだけの麻酔液や。彼らは火傷をしないんやない、火傷を認識できないだ

けや」



 いつだって現実は非情である。


148嘘予告5:2007/11/01(木) 05:00:14 ID:6ddvnMLI
「お願い、投降して908」
 力が欲しかった。
 いつかの日、無力で守られるばかりだった自分が嫌だった。
 だから力を求めた。
 助けを求めて差し出した手を、掴みだされた時の気持ちを知っているから。
 ――――だから、誰かの手を掴めるために、力を、自分を鍛えた。
「きっとその体も治せるから!だからっ……だから!!」
 機械の体。
 そんな自分でも、家族と言ってくれた人がいた。
 救ってくれた人がいた。
 受け止めてくれた人がいた。
「考えるから!元に戻れるように一緒に考えるから!!」
 今度は自分の番だ。
 そう――――誓ったのに
 返ってきた反応は翻る炎。明確な敵意。
「待って!おねが『コノ服…着テ』
 彼の言葉が説得を遮る。

 それは、なお救われぬ闇であった。

『コノ服着テ……俺ノ体……‘熱サ’消エタ。‘温カサ’消エタ。‘寒サ’消エタ』
『ソシテ心カラモ……‘熱サ’消エタ。‘温カサ’消えた。……ナノニ』

『……ナノニ……‘寒サ’ダケ消エナイ』

……サムイ……サムイ……心……サムイ……

『908ノミンナガイレバ 温カカッタノニ』
『ミンナ……モウイナイ』

会イタイ……会イタイ……ミンナニ会イタイ……

『デモ……』

『炎ノ中ナラ ミンナニ会エル』
 
 知ってしまった。
 少女は知ってしまったのだ。

『ダカラ人間焼ク』
『人間焼クト……少シダケ……少シダケ……』

『心……温カイ』

たとえ星を砕く力を手に入れても。
決して晴らすことができない闇が存在することを。



かくして単眼の火葬兵は往く。
乾いたまま、焼けるがままに。
149嘘予告6:2007/11/01(木) 05:01:29 ID:6ddvnMLI


失敗した。
 ナンバーズの後方指揮官を務めるNO.Wことクアットロの思考は、この一言によって占め
られていた。
 廃棄都市区画での撹乱作戦。隠れる場所も多いここでは、下手に団体行動をするよりも情
報戦に特化した自分が単独で動いた方が得策と思ったのだ。
 しかし誤算があった。どうやら六課にも探査能力に長けた者が居たらしい。
 今の自分は廃墟の一室で、それもAAAランクの教会騎士に追い詰められている。
「これまでです。都市区画における魔法の無断使用及び公務執行妨害で逮捕します」
 ベルカ教会の修道服を着た女は、その手に持つトンファーを己に向ける。
 動けば即座に打ち抜く。
 修道女は言外にそう警告している。
 ――――ここまで……ですわね。
 心残りが無い訳じゃない。
 会いたい姉がいる。やり残したことがある。
 しかし状況は手詰まり。打開策などは無い。
 ――――筈だった。

 轟音。
 その刹那の後に、文字通り天井をぶち抜いて『ナニカ』が部屋に降り立った。

「新手!?」
 常識外の襲来に驚きを隠せない修道女は、とっさに訓練された戦士の動きで距離をとる。
 天井を破壊しながら部屋に降り立った『ソレ』はクアットロを守るかのように立ちはだか
る。
 それはクアットロにとって最近見慣れた、そして気に食わない相手だった。
「あなた……どうして……?」
 火葬兵は何時も通りの、何を考えているか分からない雰囲気のまま、クアットロをその背
に守っていた。
『ドクターニ頼ンデ、ガジェット借リタ。天井カラ来タノハ、クアットロ危ナカッタ。ダカ
ラ急イダ』
「私が聞いているのは手段じゃなくて理由ですわ!」
 想定外の状況と、相手の的を外した応答に思わず声を荒げる。
 しかし返ってきた答えは、さらに想定外なものだった。

『クアットロ…仲間。……オマエ守ル、俺ノ役目』

 その一言を残し、火葬兵は突撃を開始した。
150嘘予告7:2007/11/01(木) 05:03:01 ID:6ddvnMLI


Please tell me your……


 気まずい。気まずい雰囲気である。
 現在、自分はクアットロと共に下水道を使って脱出中である。
 なんだか格好良い台詞と共に救援に駆けつけたところまでは良かった。しかし、そこから
がダメダメであった。
 自分の得物は射程の短さ故、必然得意な間合いは屋内戦である。だが、それは相手も同じ
であった。
 怖ぇ、シスターって怖いものだったんだ。今までシスターという人間を見たことは無かっ
たけど、今回ので確信した。あんな超人運動ができる人間なんて滅多にいない。だから自分
はシスターを見たことがなかったんだ。
 彼のなかで間違った常識が現在進行形で絶賛形成中であった。頭を吹き飛ばされかければ
誰でもそうなる。クアットロの援護がなければ、彼は今頃奇妙なオブジェになっていたこと
だろう。
 結果、戦闘は彼がシスターの気を逸らしている間にクアットロの能力で逃亡したことで終
了。幻術で陽動している間に、自分たちは下水道を使って脱出している最中である。
 先ほどからクアットロが黙り込んでいることが、彼の悩みの種である。
 女性の扱いに不得手な自分であるが、少なくとも下水道を歩かされて機嫌の良い女性はい
ないことぐらい理解している。しかも脱出に下水道を使わざる得ない理由は、鈍足な自分が
居るせいである。ガジェットは乗り捨てた時点で何処かに行ってしまった。
 なんとかして場を和ませたいところであるが、生憎彼には話術など備わっていない。
 アジトまでの長い時間、この針の筵を味わう覚悟をした直後。
「……あなた名前は?」 
 思考が止まる。
 同時に足も止め、前を歩く彼女の顔(最も後頭部しか見えないが)を凝視する。
 黙ったままの自分に苛立ったのか、自分へと振り返り、先ほどよりも強い口調で
「ですから名前ですわ!な・ま・え!何時までも‘あなた’とか‘金魚鉢君’じゃ厄介でし
ょ!?あぁ、それとも‘あなた’とか‘金魚鉢君’って呼ばれた方が『ハンス』……え?」
 早口になった彼女の言葉を遮る。
『名前……ハンス』
 今度はよりハッキリと、自分の名を名乗った。
「そう……良い名前ですわね」
 彼女はそれだけ言うと、また前を向いて歩き出した。
 その日、彼女との会話はそれだけだった。
 でも。

 ――――――――その帰り道は少しだけ『温かかった』

 きっかけは本当に些細なことであった。
 しかし、彼はその時のことを何度も思い出だろう。
 自分にとって再び仲間ができた時のきっかけを

151嘘予告8:2007/11/01(木) 05:04:23 ID:6ddvnMLI
自分も、周りも少しづつ変わっていった。そんな穏やかな日常。


「ハンスっちー、ハンスっちー。ドクターから芋もらったっス。焼き芋するっス!あたしま
だ焼き芋ってやったことないっス、ハンスっちので焼いて欲しいっス」

「――――で、なにか弁明はあるのかしら?二人とも」
 ウーノ姉さん仁王立ち。何故かズブ濡れで
 傍らには同じくズブ濡れで正座するウェンディと体育座り(防護服的に正座ができない)の
ハンス。そして焼け焦げた壁と天井。さらに辺り一面水浸しの床。
「いけると思ったっス。焼き芋食べたかったっス」
『正直無理ダト思ッタ。ケド期待ヲ裏切レナカッタ』
「弁明はそれだけ?」
 ぎゃーす


「いいかハンス。その服を脱げないことは姉も承知している。だがな、だからといって不潔
にしていて良いという訳では無いぞ。通常の全身洗浄は無理だとしても、タオルか何かで拭
く程度はできるだろう?無理な場所は姉が手伝ってやるからな」
『ウン、ゴメン チンク』
「姉と呼べと言っているだろう」
『……ゴメンナサイ、チンク姉』
「うむ、よろしい」

「チンク姉、ハンスっちにもお姉ちゃん風ピューピューっスねー」
「いいじゃねぇか、チンク姉なんだし」
「でもハンスっちってウチらより年上じゃないっスか?」
「細かいこと気にすんじゃねぇよ」
「…………」
「オットー?」
「ロリ姉に怒られるメット男…………ありだねっ」
「オットー!?」


待機室での一場面
「…………」←セッテ
『…………』←ハンス
「…………」←オットー
「…………」←ディード
 いや、何か喋れよ。


「やあハンス君!いきなりだが食というものは人間にとって非常に重要な事柄であるといえ

るだろう!?」
『ドクター仕事ハ?』
「単純な栄養補給という面だけでなく、味わうという行為は人間の精神衛生上においても非
常に重要な要素なのだよ!」
『イヤ、ダカラドクター仕事ハ?』
「無論君の身の上は承知している。しかし、これは嫌味ではないぞ。普段から味気無い流動
食の君のためにこんな物を用意してみたんだ!」
『イヤ、ダカラ仕ゴ』
「一見普通の流動食!だがしかし!非常に高いレベルで料理の味が再現された流動食を開発
したのだよ!!ちなみに味のラインナップは『お好み焼き味』『たこ焼き味』『もんじゃ焼
き味』の三種類だ!!!」
『ドクター、普段一体何ヲ食ベテルノ?』

152嘘予告9:2007/11/01(木) 05:08:31 ID:6ddvnMLI
過激ながらも穏やかな日常。
それは、かつて彼が過ごし、そして失ったもの。
他人から見れば幸福とは言えない境遇であったが、少なくと彼にとっては幸福な日々であっ
た。

しかし運命は―――――――再び彼から奪う。



突如襲撃される研究所。
襲撃者たちは魔導士であり、魔導士では無かった。
まるで第97管理外世界の兵士のような服装。そして何よりも
――――――――銃。
兵士は全員デバイスで強化された銃を装備していたのだ。


「ドクター!奴らは一体!?」
「完成品さ。散々弄んだ『不可視の9番』たちの実戦データを基に作られた、完璧な『亡霊
部隊』だよ」


「ハンス君、いきなり呼びつけてすまないね。しかし状況が状況でね、手短に話そう」
 先ほどの襲撃においてハンスは碌に動けなかった。
 襲撃者は自分と同じ、質量兵器を使う管理局の部隊。同類だったのだ。
 それに気付いてしまった途端、彼の動きは止まってしまった。撃てる訳がない、自分と『
彼ら』は兄弟のようなものなのだから。
 自分は、仲間が危機に晒されているときに何もしなかった。その事実がハンスを責める。
目の前のスカリエッティの顔すら、まともに見ることができない。
 そんなハンスに対し、穏やかな表情でスカリエッティは一枚のディスクを手渡す。
「このディスクを、これから指示する場所に居るある御仁に渡すんだ。ディスクには君の治
療法が記してある。ここの設備では不可能だが、その御仁ならきっと治してくれる」
 あまりのことに一瞬思考が止まる。
『……ナゼ?』
「以前の君だったら信用してくれなかっただろう?手切れ金代わりだ、取っといてくれ」

 それでも引き下がらないハンスに対し、スカリエッティは訥々と話し始める。

「本音を言うとだね、君を拾ったのは自己満足みたいなものだったんだよ。」
「私は『連中』の目的のために『作られた』人間だ。親も無く、兄弟も無く、道具として育
てられた」
「道具として生み出された私と、道具にさせられた君。君を助けることは、私への代償行為
に過ぎなかったのさ」
 スカリエッティは語り続ける。自嘲めいた笑みを浮かべながら。
「どうにかして道具という存在から、運命から抜け出そうとした。そのためには何でもやっ
たよ。生者を弄くり、死者を弄んだ。そして彼女たちを作りだした」
「……ククク、皮肉だろう?連中に対抗するための道具として彼女たちを作り出したんだ。
連中に抗おうとして、結局連中と同じ人種になっていたのだよ」
 自嘲は止まらない。
 止めなければ。彼に何か言わなければ。
 ハンスは口下手ながらも、何とかして自分の気持ちを伝えようとして

「失礼しますドクター」
153嘘予告10:2007/11/01(木) 05:10:20 ID:6ddvnMLI
 涼しげな声と同時に、ガゴォンと鈍い音がした。
 グーパンであった。
 ウーノが、その声と同様涼しげな顔で己の創造主を殴り飛ばしていたのだ。
 唖然とするハンス。軽くピヨってるスカリエッティ。
 情けない男二人に構わず、彼女は続ける。
「失礼かと思いましたが、少々我慢がならなかったものですから」
「たしかに私達はドクターの道具として生み出されました。しかし、それはあくまで出生に

関することにおいてだけです」
「私は――――私自身の意思で、あなたに仕えているのです。ですからこうして、あなたを
張っ倒しているのですよ。自分の生き方は自分で決める。そう作られたのドクター、あなた
じゃないですか」
 
 ――――――二人の息が止まる。『自分の生き方は自分で決める』果たしてその言葉に、
どれだけ憧れたことか。
 憧れ続けたものは、常に傍にあったというのに。
 彼女は、何時だって有能なのだ。

「――――ハンス」
 急に名前を呼ばれ、彼は俯いていた顔を上げる。
「脱出手段は確保しているわ。早く逃げなさい、ここはもう持たない」
 別れの言葉であった。
 最後まで必要なことだけを述べる、彼女らしい言葉であった。
 いや
「―――――――それとハンス。あなたと過ごした時間、意外と楽しかったわよ」
 花咲くような笑みが、そこにあった。



終わりの時が近づく。
その時が近づくとき、人は――決断しなければならない。
単眼の火葬兵もまた、ある決断を下した。



 甘く見すぎていた。
 連中は、最高評議会は本気であった。虎の子の私設部隊。その一個分隊を壊滅されても尚
、直後に戦力を再投入したのだ。
 未だ脱出の準備も、迎撃設備も間に合わない状況で、彼らは確実に追い詰められていた。


 銃口が己へと向けられる。
 研究室で脱出の手筈を整えていた時に、彼らは突如として突入してきたのだ。
 ハンスもそうであったが、彼らの武器は魔導士相手でも十分過ぎる程の殺傷能力を有して
いる。現に自分のバリアジャケットを貫通した弾丸は、肩の肉に食い込み、今なお出血を強
いている。
 ウーノが自分を庇うために前に出る。
 他のナンバーズとは連絡が取れない。通信網を分断されたか、それとも……。
 どちらにせよ、自分はここで終わりであった。自分が先か、ウーノが先か、その程度の差
でしかない。
 ――――結局、道具のまま、か。
 諦めが思考を占める。
 でき得ることならば、他の娘たちは生き延びて欲しい。そんな絶望めいた希望を願った。
154嘘予告11:2007/11/01(木) 05:12:28 ID:6ddvnMLI

 その時である。

 突如、廊下にいた兵士が炎に包まれのが見えた。
 兵士たちは迅速に応戦するものの、襲撃者には銃弾が効かないらしく、残った兵士たちも
瞬く間に炎の餌食となる。
 一瞬で紅蓮の地獄と化した廊下から、見慣れた、そして居る筈のない姿が現れる。

「――っっっ!!何故だ!何故戻ってきた!!この大馬鹿者!!!」
 
――――――単眼の火葬兵がいた。
 これ以上巻き込むわけにはいかぬ。要らぬことに付き合わせてしまった。そう思い、逃し
た筈の青年が居た。
 傷の痛みを忘れ、我も忘れ怒鳴る。
 このような状況に巻き込ませないためだったのに。彼には普通の、真っ当な人生が待って
いた筈なのに。
 激昂するスカリエッティを見つめ、青年は言葉足らずながらに、しかし懸命に語りだす。

『俺……ドクターミタイニ頭良クナイ。デモ……コレダケハ分カル』

『タトエ体治ッテモ……熱サ、温カサ、取リ戻セテモ』

『キット……心治ラナイ』

『ズット……ズット……心…サムイママ』

 その言葉に、激昂していた頭が一瞬で醒める。
 自分は彼を救った気でいたに過ぎない。
 彼が最も傷ついているのは体ではない、その心だ。
 それを無視して『助けた』とは!
 結局己はいつまでも紛い物の人間に過ぎないのだと、憎悪すら込めた自己嫌悪に陥った。
155嘘予告ラスト:2007/11/01(木) 05:13:41 ID:6ddvnMLI

だが、続く彼の言葉を聞いたとき、頭に金槌で殴られたような衝撃が走った。

『ダケド……ココハ違ッタ』

『ココニイル時……ミンナト過ゴシテイル間ハ』

『心……温カカッタ』

『ドクターヤ……ナンバーズノミンナト過ゴス時間……マルデ…908ノミンナト居ルミタイ
ダッタ』

『ダカラ戻ッテキタ。仲間ノタメニ……ミンナノタメニ戻ッテキタ』

『モウ失ワナイ……モウ二度ト……仲間死ナセナイ!』

『ソノタメニ戦ウ。自分ノ意志デ……ミンナノタメニ戦ウ!!』

――――誓いをここに。

――――かつて成し遂げられなかった誓いを今ここに

亡霊を謳う者共よ。覚悟せよ。
我が名はアルトシュミート・イエーガー、全てを焼き尽くす炎神の焔なり!


――――――己が意志を持って運命を切り開け――――――


魔法少女リリカルなのは―Alt Schmied Jaeger―
   
いつまでもComing soon!!
156名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 05:23:55 ID:6ddvnMLI
『あなたが落としたのは原作版のスカリエッティですか?それとも綺麗なスカ山ですか?』

「いいえ、皆大好きファイヤーチェリーボーイ・ハンスたんです」

『あなたはとても正直な人ですね(性的な意味で)。褒美にこの獣欲に正直な伝令犬を授けましょう』

「ちょwwおまwwwwあるあrねー……ありだなっ!」
(ここまで朝の挨拶)
以上で投下終了です。てか嘘予告で12レスとか有り得ないだろ常考。
途中からテンションおかしくなった、どうやらスバルフラグはスカ山フラグで潰されたようです。
長編が書くのが一番なのですが何分時間が(´・ω・`)
てかパンプキンクロスで伍長が出ないってどうよ?犬のほうは出たけど。
ではお目汚し失礼しました
157名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 05:37:23 ID:t8w0+QvB
GJ!!
この設定なら伍長やヴォルフもいけそうだな
158名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 06:26:52 ID:p+VtvbL9
なんだこの完成度の高スグル『嘘予告』はwwwwwwwwww

GJ!
釣られてこんな電波がががが




ヴァイス「やめときな。こちらとら格闘術の成績は“中の下”だったけどよ」

犯人「うわああああああ」
 ゴロゴロゴロ
 ドガシャ

ヴァイス「路地裏の卑怯喧嘩なら常勝無敗だぜ?」

シグナム「……時々、成敗すべきは貴様じゃないかと思うときがある……」
ヴァイス「さーってと!確保確保!」
159名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 07:13:37 ID:aQg5wvaX
GJ!!

伍長だったらドクターの所よりルールーと同行かな?ゼストと並ぶと凄い一行だな。
160嘘予告小ネタ:2007/11/01(木) 07:48:29 ID:6ddvnMLI
仮眠したらスッキリ。ちょっと書いてみた。これ含めて二個投下しまっす。


魔法少女リリカルなのは―Alt Schmied Jaeger―
おまけ編 それは有り得たかもしれない風景

シーン1「あれは何だ!?鳥か?飛行機か?……いや、ハンスたんだ!!」

「これまでです。都市区画における魔法の無断使用及び公務執行妨害で逮捕します」
 ベルカ教会の修道服を着た女は、その手に持つトンファーを己に向ける。
 動けば即座に打ち抜く。
 修道女は言外にそう警告している。
 ――――ここまで……ですわね。
 心残りが無い訳じゃない。
 会いたい姉がいる。やり残したことがある。
 しかし状況は手詰まり。打開策などは無い。
 ――――筈だった。

 轟音。
 その刹那の後に、文字通り天井をぶち抜いて『ナニカ』が現れ、

 その勢いを衰えさせることなく下層へと落下して行った。

メガネ「……………」
トンファー「…………」

『(´;ω;`)出シテー、ココカラ出シテー』
161嘘予告小ネタ:2007/11/01(木) 07:50:39 ID:6ddvnMLI
シーン2「やっぱり生きてた!スバルルート!!」

『…………何故ダ?何故俺ヲ助ケル』
奇妙な状況であった。
彼は今、かつて相対した女魔導士と背中合わせで戦っていた。
自分には成すべきことがある。しかし、少女にとってこの戦いは何ら関係無い筈であった。
「私の質問に答えて。そうしたら答えてあげる」
銃弾を掻い潜り、兵士たちをシューティング・アーツで悉く地面に叩きのめしていく。
『…………何ダ』
少女を狙う幾つもの銃口。されど銃弾が少女に届くことはありえない。
火葬兵の操る炎が射線を遮り、それでも尚、向かってくる銃弾は彼の体で弾かれる。
「あなたは何故戦うの?」
それは、きっと以前の彼なら答えられなかった問い。
だが今なら答えられる。
誇りを持って、答えを言える。
『仲間ノタメ。モウ二度ト失ワナイタメ』

その答えをスバルは微笑みを持って受け止める。

一つ、少女は学んだことがある。
それは、力では絶望に陥った人間を救えないということ。
どうしようもない闇に陥った人間を救うのは何時だって、傍に居てくれる人、そして、その人自

身の意志なのだから。

かつて、自分では救えることができなかった青年。
彼は今――――自分自身の意志で前に進んでいる。

なら自分は彼に何ができる?
――――――――決まっている。
そのために鍛えた。力を求めた。いつか見た理想を追い求めた。

答えるべき言葉は決まっている。


「――――貴方を助けに来たの」


私では、貴方を救うことはできない。


けれども――――前を進む貴方を支えることはできる。



前へ。前へ。

炎の神が往く。
幾百もの銃弾をものともせずに。
かつての誓いを守るために、青年は前進する。


――――その背中を、小さな少女が支えていた。
162名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 08:39:09 ID:zdzD8Ozp
>嘘予告
ファイヤーチェリーボーイハンスたんのアイドルっぷりに吹いたwww
原作で悲劇的だっただけに、この作品の暖かさには、俺ノ心モ、温カイ…。
ドクター、イイ人。チンク姉、俺ノ嫁。ナノハサン、ヘルメット、ブチ抜ク。伍長、絶叫(ぉ
零距離射撃大好きチェリーガイ伍長たんには、是非ともティアナと絡んでもらいたいですね。
163名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 09:25:46 ID:p+VtvbL9
>嘘予告

嘘予告ってレベルじゃねえぞ!
乙すぎますwwwww
つか涙が
(原作の『お前、仲間……仲間』のくだりも涙が止まらなくてホント困る)

救えなくても、全力全開で救う!
スバルなら言い切れる!!嘘予告のスバルを応援したくなる。

あとウーノ×スカ夫婦がいつの間にか始まってた!
いいぞもっと(ry
『新婚さんいらっしゃい』では、結婚の動機と聞かれた夫は間違いなく「気付いたら」と言いそうだ。


しかしこの流れだと
機動六課が『お祭り六課』と比喩されそうで、でもなんか似合ってそうだw
ん?てことは研究所を潰しにかかってるのはひょっとして機動一課!?
管理局コエー!マジコエー!!
164名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 10:37:02 ID:GgVU9g/5
>嘘予告
フューーリーーィーィッ!!(違
なんという火葬アイドル
このハンスたんは間違いなく六課とDr.sで争奪戦

しかしこれだとドゥーエが脳みそ潰すのに気合入ってそうだなぁw
165名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 11:10:20 ID:uReK9Igc
嘘予告テラGJ!!

>>163
ということは、機動一課の隊のひとつはクレイモアってことになるのかwww
166名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 11:52:17 ID:XHgNwP0y
あああああああああああハンスタンきゃわいいいいいいい!!!!
マジでGJすぐる。
167名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 13:26:30 ID:Q3pjFFzP
>マスカレード氏
地獄兄弟+αいいなぁ。違和感無いどころの騒ぎじゃねえ。
あと作品と関係ないけどトリップつけないんですかい?

>嘘予告の人
ハンスをチョイスしたその心意気にしびれる。
このハンスになら掘られてもいい
168リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/11/01(木) 16:25:28 ID:8lU5aiNq
>マスカレード先輩
そうですか…
まぁ上映館数も少ないですからねぇ…
NEXTは増えてるけどFIRSTの時なんて僅か十数館でしたもん。時間が無きゃ大変ですよね…
まずFIRSTの方からどうでしょうか?
ストーリーは少しアレかもしれませんが見ておいて損はないと思います。

ちなみに僕の一番好きな迷シーンはストロンガー最終話冒頭です。

1号とストロンガーはデルザーのヨロイ騎士、磁石団長を捕獲し、マシーン大元帥と戦っている2号の元へ向かう。

2号はマシーン大元帥の力に圧倒され、苦戦していた。
2号に危機が迫る!その時!

1号「大元帥!動けば仲間の命はないぞ!!」

ヨロイ騎士、磁石団長を人質にとって現れる1号とストロンガー

もうこれを超える迷シーンはそうそうライダー界に存在しませんよw
他にもXの「上等だ!二人諸共死ねえぇぇぇぇぇぇぇえ!!」など昭和ライダーにはおおよそ正義の味方の発言とは思えない台詞が沢山沢山w

遅くなりましたがGJ!
相変わらず丁寧な描写には舌を巻きます。
僕余分なところは適当に飛ばして書いてますから…
二部では気をつけようと思うんですけどねぇ…

あ、もしかしたら僕今日か明日投稿できる…かも。
169コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/01(木) 16:47:52 ID:u/Eg9tLi
>嘘予告
カモン! カモン! 本編カモン!
あまりにGJすぎます。いつまでも連載を待ってますぜ!

しかし…このGJの嵐の中、スバルが主役のSSを書くのか…物凄いプレッシャーです。
まぁ、宣言してしまったものは仕方がないので、頑張って投下していきます。
量が多いので、もしよろしければ支援願いたいです。

…えー…皆様の覚悟を確認するため、先に言っておきます。
もしも現段階で嫌悪感を抱く方がおられましたら、早急に避難してください。
今回の話で、ルルーシュは…
地 獄 を 見 ま す
170マスカレード:2007/11/01(木) 17:00:16 ID:E2xlEHyZ
FIRSTはいつかDVD借りて見ようと思ってるんですが、借りようとした時に貸し出し中という……(笑)
1号黒い……(笑)
あ〜、そういう迷シーンですか(笑)

変身前はヘルメットをつけてた巧が、変身後はヘルメットが無くなってるとか……
橘さんがギラファを封印した後、再登場の際にしっかり散髪してることとか……
剣崎達が心配してる間に散髪行ってたんですか?みたいな……その程度ですかねぇ(笑)
シーンじゃない気がしますけどね(爆)
171コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/01(木) 17:00:36 ID:u/Eg9tLi
STAGE10 崩落のステージ

スバルは走っていた。
深夜の高速道路を、真っ赤なバイクに乗って。
制限速度など当に超して、凄まじいスピードでバイクを走らせていた。
(ルルーシュ…!)
頭を横切るのは、やはりあのルルーシュの悲しげな顔だ。
スバルは急いでいた。どうすべきかは分からないけれども、とにかくルルーシュに会うために。
気絶から目覚めたのは、既に夜のことだった。
一刻も早く追い付きたかったが、式典会場までの移動に使った電車は、こんな非常時に運航しているはずもなかった。
結局適当にバイクを拝借し、高速を使ってトウキョウを目指す羽目になった。
おかげでかなりのタイムロスだ。既に戦闘は始まっているはずだった。
故に、スバルは急いでいた。
「何だアイツは!?」
前方から慌てた声が微かに聞こえる。どうやら黒の騎士団の検問へとたどり着いたらしい。
「おいお前! とっとと止まれ!」
騎士団メンバーの制止の声が聞こえた。だが、スバルはそんなものに耳を貸す気は毛頭ない。
フルスピードを維持したまま、自身はバイクの座席から空高く跳び上がった。
バイクはそのまま検問へと突っ込み、障害物に激突して大爆発を起こす。
「マッハキャリバー!」
『All right.』
スバルは上空でバリアジャケットの上にデバイスを装備し、検問の真ん中へと着地した。
かがんだ体勢から身体を起こした拍子に、そのまま軽くジャンプして身を捻り、前後のメンバーに回転蹴りを食らわす。
地面に降りると同時にマッハキャリバーを加速させ、一瞬で少し離れた3人を間合いに捕らえた。
1人目を豪快に蹴り飛ばして2人目に当て、3人目の腹に強烈な右ストレート。
鮮やかな手並みで、一瞬で3人の相手を昏倒させた。
更に奥の方へとマッハキャリバーを走らせ、すれ違いざまに2人を殴り伏せる。
そして最後に残っていた1人の背後を取ると、右腕を首に引っ掛けた。
「ゼロはどこ? 黒の騎士団の本陣はどこにあるの!?」
「ひっ! わ…私立アッシュフォード学園に…」
「アッシュフォード?」
ルルーシュが司令部を置いたのは、生徒会メンバー、そしてナナリーのいるアッシュフォード学園だった。
以降彼はガウェインで前線に戻り、指揮を執っているという。
(確かに、みんなを学園に閉じ込めておけば…)
そうすれば、戦闘に巻き込まれて死ぬこともないだろう。確かにいい案だった。
(ともかく、学園に戻らなきゃ!)
スバルはメンバーを解放すると、そのままマッハキャリバーで高速を突っ走った。
172マスカレード:2007/11/01(木) 17:01:50 ID:E2xlEHyZ
支援!
173コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/01(木) 17:02:10 ID:u/Eg9tLi
「スザク!」
「カレンか!?」
ちょうどその少し前、市内では両組織のエース対決が始まっていた。
「戦場で会った以上、悪いけど、ここで死んでもらう!」
ビルの上に立つ紅蓮弐式から、カレンが宣言する。
「みんな馬鹿だ!」
対するスザクは、地上のランスロットから怒号を上げた。
「君も日本人も、あんな男に騙されて!」
「その言い方ムカつくね…! アンタにゼロの何が分かるっていうの!?」
「じゃあ教えてくれ! ゼロを! ゼロは今、どこにいるっ!」
スラッシュハーケンをビルに食い込ませ、その牽引力で、ランスロットが一気に紅蓮弐式との距離を詰めた。
勢いよく振り下ろした双剣「メーザーヴァイブレーションソード(MVS)」の片割れを、
紅蓮弐式は右手の輻射波動で防御する。
ランスロットはフライトユニットで上昇して間合いを取り、紅蓮弐式はそれを追う。
より高いビルにスラッシュハーケンを打ち込んで壁に張り付き、そのまま壁を蹴ってランスロットの高度に追いついた。
右の鬼の手から放たれる輻射波動を、今度はランスロットがMVSで防御。
更に紅蓮弐式はその場から飛びのき、器用にビルの壁へと張り付いた。
ランスロットはそこへ突っ込み、紅蓮弐式を壁から叩き落とす。
「さあ答えろ! ゼロはどこだ!?」
「言うはずないだろ、裏切り者がぁぁぁーっ!」
「じゃあここで終わりにするっ!」
落下する紅蓮弐式との間合いをフライトユニットの推進力で詰めながら、スザクが叫ぶ。
今までの流麗な戦闘スタイルからは遠くかけ離れた、暴力的な戦い方だ。
枢木スザクは怒りに燃える復讐鬼だった。
「飛べるからって調子に乗るなッ!」
壁に右手を突いていた紅蓮弐式は、輻射波動をロケット代わりにし、強引にランスロットの攻撃を回避する。
驚くべき地形適応力だ。
そもそもこのような市街地での戦闘経験の少ない紅蓮弐式は、こんなトリッキーな戦い方をする機会はなかった。
対するランスロットは、空を飛べるものの、その巨大な翼が仇となり、ビルに密接することはできない。
この入り組んだビル群において、接近戦でのアドバンテージは紅蓮弐式にある。
それを裏づけるように、一気に距離を詰め、MVSの反撃さえもかわした紅蓮弐式は、遂に右手でランスロットの左腕を掴む。
「捕まえたっ!」
すなわち、勝利宣言。
「食らいなぁぁぁぁぁぁぁぁーッ!」
鬼の手から放たれた輻射波動が、ランスロットの腕を侵食していく。
しかし、スザクの反応も素早かった。用済みになった左腕をパージし、その反動で紅蓮弐式を突き放したのだ。
更にその近距離から、専用ライフル「ヴァリス」で紅蓮弐式を狙い撃つ。
「うあああああぁぁぁぁぁぁっ!」
174コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/01(木) 17:03:20 ID:u/Eg9tLi
凄まじい衝撃を受けて、カレンが悶えた。同時に紅蓮弐式は、虎の子の右腕を失ってしまう。
紅蓮弐式の武装は、ほとんどが輻射波動に依存していた。
MVSとスラッシュハーケンを1つずつ失っただけのランスロットに比べて、その損失は大きい。
「さぁ言え! ゼロはどこだ!」
勝利を確信したスザクが、上空から紅蓮弐式を見下ろしながら言い放つ。
「しつこい男は嫌いなんだけど…!」
カレンがスザクに向かって悪態をつく。
「そうか。ならここで…」
スザクはランスロットにヴァリスを構え直させ、紅蓮弐式を狙う。
最早なりふり構うつもりは、スザクにはなかった。
皮肉にも、ゼロを打倒するためなら級友さえも手にかけようとするその姿は、憎き当のゼロと全く同じだった。
「くっ!」
「何か言い残すことはないかい?」
「待て」
と、はっきりとよく通る声がそれを遮る。
いつ頃からそこにいたのだろうか。スザクが向いた先に浮かんでいたのは、黒と金の魔王――ガウェイン。
「枢木スザク…君に対する執着が私の甘さだったようだ」
魔王の懐から、ゼロ――ルルーシュが語りかける。
「断ち切るためにも、一騎討ちによって決着をつけたいのだか?」
「…望むところだっ!」
両軍のエース対決は、黒と白の因縁の決闘へと姿を変えた。
ランスロットとガウェイン――円卓の騎士と呼ばれる英雄の名を冠する2つの機体。
その名の由来となった騎士達は、宿命のライバルとして戦ったという。
気の遠くなるほどの時を超え、騎士の決闘は、ローマから遠く離れたこのトウキョウで再現された。
「では、そのステージへとご案内しよう」
ルルーシュはガウェインを飛ばし、騎士を戦いの地へと誘う。
スザクはランスロットを飛ばし、それを追いかけた。
しかし、この時点で気付くべきだった。
その方向には、黒の騎士団の司令部があり、そして友人達が囚われている、アッシュフォード学園があったのだ。
クラブハウス上空へと到達したガウェインは、スラッシュハーケンの役割を持つ黄金の指を、生徒会室の窓へと向ける。
「っ…!」
スザクは息を呑んだ。この可能性に気付かなかった自身を恥じ、そして…
「卑怯者っ!」
ゼロへの怒りをマイクにぶちまけた。
「人質のつもりか…何が一騎討ちだ!」
「仲間になる機会をことごとく裏切ったのはお前だ。下らん美学にこだわったことを悔いるがいい!」
決闘はふっかけたルルーシュによって破られた。
「――ゼロォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!」
一か八か、スザクはルルーシュの懐に飛び込み、ガウェインを撃破しようとした。
ガウェインは両肩のハドロン砲で、迫るランスロットを牽制する。
黒き魔王の獄炎をかいくぐり、白き騎士は学園敷地へ着地し、なおも猛然と距離を詰める。
それこそがスザクの運の尽きだった。
「…これは!?」
175コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/01(木) 17:04:32 ID:u/Eg9tLi
(あれは…!)
スバルがクラブハウスの側へ辿り着いた頃には、ランスロットのコックピットは開け放たれようとしていた。
白き騎士は微動だにしない。仕掛けられたゲフィオンディスターバーによって、動きを止められてしまっていたのだ。
「気をつけなさいよぉ。ナイトメアはフィールドの中だと止まっちゃうんだからぁ」
現場を取り仕切る女科学者ラクシャータの声が響いた。
コックピットを開く作業は、ブライに取り付けた延長アーム付バーナーによって行われている。
この装備によって、フィールド外からランスロットのカバーを切断することが可能となっていた。
最も、その延長アームの長さもギリギリで、間合いには細心の注意を払う必要があったのだが。
「かーっ、頑丈だなぁ。やっぱ『回転刃刀』が要るかぁ?」
玉置という名の、扇グループ時代からの古参メンバーがぼやく。
そこそこの間作業は続けられていたが、バーナーでは一向にカバーは切られる気配がない。
スバルにとっては知るよしもなかったが、「回転刃刀」とは、月花に搭載されたチェーンソーだ。
藤堂救出作戦において対象をいとも簡単に切断してみせたあの日本刀である。
「玉置さん、コイツらどうします? 他の学生達と一緒に、寮か体育館に…」
と、メンバーの1人が玉置の所へ、両手を頭の裏で組んだ学生達を連れてきた。
その面子は…
(会長! リヴァル…シャーリー!)
スバルもよく見知った、生徒会のメンバー達だ。恐らくスザクを救おうと策を練っていたところを見つけられたのだろう。
「ゼロを呼んで! ゼロは絶対に私達を守るから!」
シャーリーが懇願した。
「でなきゃ変だもの! 今までのことだって…!」
「うるせぇっ!」
しかし玉置は、そんなシャーリーの訴えを一蹴する。
「ゼロのことは俺が1番知ってるんだよ!」
ルルーシュの意志は、実は誰にも伝わっていない。
「こんな時アイツなら、迷わないってこともなぁ」
ルルーシュは彼らを守るために自らの傘下に置いたというのに、玉置はそんな彼女らに銃を向けた。
スバルが茂みから勢いよく飛び上がった瞬間だった。
「何だ!?」
「だあぁぁぁぁーっ!」
近くにいたメンバー2人を、あっという間に蹴り倒す。
銃を構えるよりも早く、他の人間達も殴り、蹴り、地面へと叩き伏せた。
「ス…スバル!?」
ミレイの困惑の声が響くが、構っている暇はない。
「な、何だぁお前!? お…おい! それ以上やるってんなら、コイツらの命は…」
重ねて説明しよう。スバルのマッハキャリバーは、相手が銃を構えるスピードよりも速い。
「――ふげっ!」
一瞬で間合いを詰めると、リボルバーナックルの鉄拳が、玉置の顔面を捉えた。
176コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/01(木) 17:05:49 ID:u/Eg9tLi
「スバル…スバルだよね!?」
「お前、どうしたんだよそのカッコ!? それに、今の…」
「ごめん、みんな! 後で説明する!」
背後から聞こえる追求の声に、スバルは振り向いて応じた。
「いや…ひょっとすると、説明できないかも…」
一瞬、スバルの緑の瞳が悲しげな光を放った。
「…ともかく、早く安全な場所に!」
だがスバルはすぐにそれを振り切り、生徒会の仲間達へ避難指示を出した。
『このっ!』
ランスロットのカバーを焼いていたブライが銃を構え、スバルへと狙いを定める。
スバルもまた、ナイトメア戦に備えて、戦闘機人モードを起動しようとした。
「!?」
しかし、その瞬間、周囲を眩い光が照らした。光の先にあるのは、巨大な船。
『こぉんばんはぁ〜♪』
白い飛空船から、おどけたピエロのような調子の外れた声が響く。
声の主の名はロイド・アスプルンド少佐。ブリタニア軍特別派遣嚮導技術部――通称「特派」の責任者。
スザクの上官であり、あのランスロットを開発した張本人にして、ブリタニア随一の変人だった。
そして船の名は、空中要塞「アヴァロン」。
ランスロットのオプションやガウェインに搭載されているフロートシステムによって推力を得た、鋼鉄の要塞である。
そのアヴァロンから、白いサザーランドが舞い降りた。
白き騎士と同じ翼を持ち、白き騎士と同じ光の盾を携えたそれは、ランスロットの各種装備のテスト機だった。
サザーランドのライフルによってブライは撃退され、アヴァロンの機銃によってゲフィオンディスターバーは沈黙する。
「よかった…」
これでスザクは自由の身となった。思わずスバルは安堵の声を上げる。
『さぁ〜てと…何だか面白い子がいるみたいだねぇ?』
「へ? あたし…ですか?」
不意にアヴァロンから、スバルに声がかけられた。
『そのローラーブレードのスピードも凄いし、スピナーのついた小手の破壊力も大したもの…
 何よりその装備、見たところ生体強化機能もついてるみたいじゃないかぁ!』
常識外れの少女を前に、知識欲をこれ以上ないほどに刺激されたロイドは歓声を上げる。
『どうだい君? 僕に分析されてみない?』
「は、はぁ…」
『やめておいた方がいいよ、スバル。ロイドさんに目をつけられたら大変だ』
若干苦笑気味の声が響いた。いつものスザクの声だ。
「スザク!」
『みんなを助けてくれてありがとう。事情はよく分からないけど…ここはロイドさん達に任せて、避難して』
スザクの声を発するランスロットには、いつの間にか通常仕様サザーランドの左腕があてがわれている。
「スザクは?」
『コーネリア様から呼ばれてるんだ。悪いけど、行かなくちゃ』
「…悪いけど、あたしも行かなくちゃいけない。どうしても、ゼロに会わなきゃいけないんだ」
『…分かった。じゃあ、気をつけて!』
ランスロットが、トウキョウの空へと消えていく。
スバルもまた、足を進めようとして、そこで背後に――仲間達の方へ振り返った。
「…じゃ」
いつもの元気な笑顔で別れを告げると、スバルはマッハキャリバーを走らせる。
「スバルッ!」
その笑顔に、言いようもない不安を覚えたミレイは、懸命に彼女の名を呼ぶ。
もう、帰ってこないかもしれない。
どうしてかは分からないが、そんな不安が、皆の胸にあった。
177コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/01(木) 17:07:07 ID:u/Eg9tLi
「ルルーシュ…一体どこに行ったの?」
ビルの上に立ったスバルは、落ち着かない様子で呟いた。
ここからならルルーシュを――彼の乗るガウェインを見つけられると思ったのだが、肝心の機影がどこにも見当たらない。
この時ルルーシュは、とある事情で既に戦線を離れていたのだが、そんなことはスバルには知る由もなかった。
『ゼェーーーーーーロォォォーーーーーーーーーーーーーーー!』
と、耳をつんざくかのような叫びが周囲に響いた。
気が触れたかのような声の主は、浮遊するオレンジ色の飛行物体――ナイトギガフォートレス「ジークフリート」。
『ゼロ! 私は参ります! 今!』
ジークフリートはせわしなく空中を飛び回る。
乗っているのは、かつての執政官代理ジェレミア・ゴッドバルトだ。
だが、その理性のたがが外れた奇人の声は、そんな様子は微塵も感じさせない。彼のことを全く知らないスバルには特に。
「何アイツ…ルルーシュの居場所を、知ってるの…?」
狂気のジェレミアは、しかしその様相とは裏腹に、確実に一点に向かって飛んでいる。
ルルーシュの居場所を知っているとしか思えない。
幸い、現在スバルが立っているビルとジークフリートは、さほど離れてはいなかった。
であれば、取る手段は1つだ。
「ふんっ!」
スバルは空中に青白く輝く道を生じさせると、それをオレンジの巨体目掛けて伸ばす。
機動魔法・ウイングロード。
陸戦スタイルのスバルが、空の敵と戦うために身に付けた魔法だ。
光の道をマッハキャリバーで走り、遂にスバルは、ジークフリートへと張り付いた。
『――バル…スバル!』
と、懐の端末から、聞き知った声がする。取り出した画面に映ったのは、ティアナの顔。
「ティア…」
『アンタ、今どこにいるの!? まだ富士山!?』
「今は…トウキョウの空にいる」
『はぁ!? 何でまたそんなところに!?』
「ごめん、切るね。あたし…ゼロを追うから!」
『ゼロ!? ちょ、ちょっと待っ――』
追求から逃れるように、スバルは電源を落とした。
「さぁ、案内してもらうよ…ルルーシュの所へ!」
スバルの言葉を裏付けるかのように、ジークフリートは彼女の存在になど全く気付かずに爆走した。
178コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/01(木) 17:08:40 ID:u/Eg9tLi
「スバル! スバルッ!」
物言わぬ端末相手に、ティアナは必死に叫び続ける。
「電源、切られちゃったか…」
そう呟いたなのはは、アパートの窓から外の様子を見た。
外で繰り広げられているのは、凄惨な殺し合いだ。
人間同士が撃ち合い、ナイトメア同士が壊し合う。
「どうして、こんなことに…」
なのはは悲しげな色の瞳で、誰というわけでもなしに問いかけた。
一方ティアナは、最初は焦っていたが、ある時はっとした顔つきとなり、押し黙る。
(スバルはゼロを追うと言った…いくら間の抜けたアイツとは言え、何の理由もなしにこの世界に介入することはないはず…
 そして、昨日送られてきたデバイス使用履歴にある、気になる項目…)
シブヤゲットーでのスバルのデバイス無断使用は、昨日の昼――ちょうど特区式典中に、なのは達に知られていた。
(あの時のシブヤでは、黒の騎士団が戦闘をしていた…
 …そもそも、今日の特区式典だって、スバルが行く理由はない…まさか、ゼロ目当て?
 スバルは個人的にゼロに執着している線が濃厚…何故?
 まさか見知った人間だとでも? …スバルがそこまで関心を持つ人間は限られているはず…とすると…
 …!)
不意に、ティアナの目が見開かれた。
「…なのはさんっ! 大至急、管理局――特にフェイトさんに連絡を!」
「えっ!?」
突然緊迫した声をかけられ、一瞬なのはは戸惑った様子になる。
「ゼロの正体は、ターゲット…ルルーシュ・ランペルージです!」

「甘えるなっ!」
スザクが目の前のルルーシュ…仮面を外したゼロに銃を向ける。
ルルーシュ、スザク、カレン…3人がここ、神根島の遺跡に集結していた。
ルルーシュは、戦闘のどさくさでさらわれたというナナリーを救うため。
スザクは、コーネリアの命を受けてゼロを始末するため。
カレンは、突然戦場を離れたゼロに指示を仰ぐため。
「その前に手を組むべきは、ユフィだった!」
自ら仮面を撃ち抜き、ルルーシュの素顔をさらさせたスザクは、彼を糾弾する。
「君とユフィが力を合わせれば、世界は…!」
「全ては過去! 終わったことだ」
「過去!?」
スザクの怒りは頂点に達した。
「お前も父親を殺しているだろう…懺悔など、後でいくらでもできる!」
「いいや、君には無理だっ!」
憎悪に震える両手で、スザクは拳銃を握る。
「君は最後の最後で世界を裏切り…世界に裏切られた! 君の願いは叶えてはいけないっ!」
「馬鹿め! 理想だけで世界が動くものか!」
「ここから先のことは、もうお前には関係ないっ!」
ルルーシュは愕然とした。目の前のスザクは、決然と、敵意を持って自分に相対していた。
「お前の存在が間違っていたんだ…お前は世界に弾き出されたんだ!」
道は分かれた。
ルルーシュもまた激昂し、拳銃を抜く。
「スザク!!!」
「ルルーシュ!!!」
179コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/01(木) 17:09:59 ID:u/Eg9tLi
「――はあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーっ!」
天井が砕けた。
「!?」
「何だっ!?」
ルルーシュとスザク、両者が同時に上を見る。
砂煙の中から降りてきたのは――スバル。
「2人とも…何やってるの!?」
2人の間に着地したスバルは、ルルーシュを、そしてスザクを睨みつける。
「そこをどけ、スバルッ! そいつは僕が…俺がっ!」
「馬鹿っ! あの時約束したじゃない…2人、ずっと仲良くしてるって!」
学園祭のダブルスの光景が、スバルの頭を横切る。
「なのに…何でその2人が銃を向け合ってるの!?」
「奴はユフィを殺した! 俺の生きる意味を奪った…ギアスという薄汚い力で!」
スザクは既に、ギアスの存在を知っていた。V.V.という謎の少年によって。
C.C.に酷似した名を名乗った少年は、シブヤで黒いナイトメアを駆り、ルルーシュを襲った者だった。
そして、ルルーシュには知る由もなかったが、ナナリーを誘拐したのも彼だ。
何故スザクがギアスを知っていたのか。それは気になったが、今はそんなことを気にしている場合ではない。
「でも、それだって…そのギアスだって、偶然、ルルーシュの意志とは無関係に…!」
「もういい、スバル!」
背後のルルーシュが、スバルの言葉を遮る。
「でも!」
「全ては過ぎたことだ…弁解に意味などない。そして、この件は偶然で済まされる問題ではない。
 …だが、俺はここで終わるわけにはいかない!
 それは、俺が今まで奪ってきた命への、最大の裏切りだっ!」
だが、スザクはそれを一蹴する。
「これ以上ほざくなっ! そうやって進んで、また大勢の人を殺す気か!
 そんなこと、決して責任を取ることにはなりやしない!」
「ならばお前は知っているとでもいうのか! 正しい責任の取り方とやらを!」
「ほざくなと言ったろうがぁぁぁぁぁぁぁーっ!」
絶叫と共にスザクは目の前のスバルを払いのけ、ルルーシュに銃口を突きつける。
「ルルーシュッ! …スザク、やめてぇぇぇぇっ!!」
スバルの懇願をかき消すように、銃声が鳴り響いた。
180コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/01(木) 17:13:17 ID:u/Eg9tLi
…俺は生きている?
では今の銃声は?
スバルが撃たれたのを受け止めたのか?
まさか撃ったのはカレンだったとか?
それとも誰にも当たらなかったのか?
…スバル?
何故スバルはそんな顔をしているんだ?
お前は誰を見ているんだ?

…嘘だろう?

「ナナちゃんっ!」
スバルが倒れたナナリーの名を叫ぶ。
スザクが引き金を引いた瞬間、彼女は突然そこへと現れた。あたかもテレポートか何かのように。
そして、何も言わず、スザクの凶弾を受け止めた。
即死だった。ナナリーは何かを言い残すこともなく、額を撃ち抜かれた。
「あ…ああ…」
スザクは茫然自失といった状態となり、視線の焦点すら合わなかった。
「嘘でしょ…ねぇ、ナナちゃん! 目を開けてっ!」
涙ながらに、スバルは必死にナナリーを揺り起こそうとする。
しかし、スバルにもおぼろげには分かっていたことだった。もう、ナナリーは二度と目覚めない。

――うわあああああぁぁぁぁあぁあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁあああァァァァアアアァァァァァァッ!!!

銃声が鳴った。ルルーシュの拳銃から。何度も何度も。
「かッ…」
スザクの白い服の一点が赤く染まった。
ぽつ、ぽつ、ぽつと、赤い点は身体中に伝染する。
胸を撃たれ、肩を撃たれ、腹を撃たれ。
弾が尽きても、ルルーシュは狂った叫びを上げながら、弾倉を入れ替えて撃ち続ける。
ルルーシュが全ての弾薬を使い切り、真っ赤になったスザクが倒れるまでに撃った弾は、実に30発にも及んでいた。
そしてそれを、スバルは見ていることしかできなかった。
「…はぁ…はぁ…、…!?」
息を切らしていたルルーシュは、ふとはっとしたように瞳を見開く。
もしや、彼はこの瞬間まで、自分がスザクを撃っていたことに気付かなかったのか。
「…あ…あぁぁぁぁぁ…」
力なく、ルルーシュはその場にへたり込む。
「…っ…ルルーシュ!?」
ようやく我に返ったスバルがルルーシュに駆け寄った。
しかし、最早ルルーシュは、言葉を発することすらしなかった。
ルルーシュの戦う意味は崩壊した。さながら、スザクがユーフェミアを喪ったように。
だが、ルルーシュの場合、それだけには止まらなかった。
彼はナナリーのための戦いの中で、あまりに多くの人間を殺してきた。
ルルーシュは彼なりにその責任を取るためにも、必死に戦ってきた。しかし、ナナリーが死んでしまった。戦うことは無意味になった。
瞬間、今まで抑えてきた自責の念が、一挙に襲いかかってきたのだ。
あまりに重い責任は、容易にルルーシュの心を破壊する。
スザクへの憎悪を捌け口にしようとしても遅かった。気付いた時には、既に自分で殺していた。
ルルーシュの精神は風前の灯火だ。
最早発狂することすらかなわず、本能まで食い尽くされ、自我は崩壊寸前となっていた。
「…ルルーシュ…」
スバルは理解した。
ルルーシュが今、危険な状態にあることを。管理局で罰を受けようものなら、即座に彼の心は死んでしまうということを。
そして、自分がそれを強く拒絶していることを。
(…分かった気がするよ…)
ルルーシュがスザクと戦ってまで、意志を通し続けてきた理由を。
故に。
「…カレン! いるんでしょ!?」
選択肢は1つだった。
181コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/01(木) 17:14:29 ID:u/Eg9tLi
事件の処理のため、フェイトが地球に降りてきたのはちょうどその頃だった。
「戦闘は?」
フェイトがなのは達に問いただす。
「ゼロがいなくなったことで、黒の騎士団は士気を喪失…ブリタニア軍優勢で戦闘は終わりつつある、って感じ」
「ゼロ本人はまだ見つかってません。…スバルも…」
「そっか…」
フェイトは表情を曇らせた。
嫌な予感がしているのだ。それはなのは達も同じだった。
もちろん、スバルの安全の心配ではない。よほどのことがない限り、彼女が危険にさらされることはないだろう。
むしろ問題は…
「あっ…」
と、なのはの端末の呼び出し音が鳴った。
通信に応じる。映像はない。スバルの声だけが聞こえる、音声通信だった。
『なのはさん…』
「スバルッ!」
答えたのは、横にいたティアナだった。
「今どこにいるの!? ゼロを確保したのよね!? …何とか言ってよ!」
なかなか答えを返さない相棒に、ティアナは涙声になりながら叫ぶ。
『…ごめんね、ティア…ごめんなさい、なのはさん…』
「スバル…!」
なのはは息を呑んだ。当然、隣のティアナも。
『お願いがあります。いつかミッドに送ったあのビデオ…
 あたしの変わりに続きをダビングして…エリオに送ってあげてくれませんか?
 レンタル屋の会員証は、寮の部屋に置いてあります。
 …あ、ちゃんと続編のOVAの方もお願いしますね。』
「…な…何言ってんのよスバルッ! ねぇっ!」
ティアナが力任せに端末をひったくり、必死にスバルに問いかける。
『…さようなら』
そう言って、通信は途絶えた。
「…スバルーッ!!!」
////////////////////////////////////////////////////////
あーやっちまったよ畜生っ!
とうとうやっちまった! いや、殺っちまった!
もう皆さん、何かこう…すいませんでした!orz
鬱は勘弁とか、キャラ死にが云々とか言われてる時にこんなので申し訳ありません。猛反省中です…
本当はもうその流れを見て、「投下やめちまおうかな?」と思ったりしました。
でも、やっぱり投下しないことには今後に繋げれないので、投下することになりました。
そもそも、当初はここで終わるつもりだったんです。
ですが4話辺りを執筆中に、「鬱嫌いな自分が鬱エンドでシメるってどうよ?」と思い、
この次の11話を作ることになりました。
よって、今回の嫌な空気は、一応次回で挽回するつもりです。

さて、いよいよ本作も次で最終回。
スバルは、ルルーシュは、なのはさんは、一体どうなるのか?
エリオは完結までにディバイ●ィング・ドライバーを会得できるのか?(ぇ
もう少しだけお付き合いください。
それでは。
182名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 17:15:29 ID:djyK/OkP
黒幕がお亡くなりなりました・・・
183名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 17:21:21 ID:V4bDCOnH
欝……間違えた乙。
そして色々死亡(なに
さらばスバル(!?
184名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 18:09:44 ID:Px0zqsrZ
乙。
いや〜、欝ですね。スバルはどうなることやら。

そしてウザクは最期までウザクでした・・・。
185名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 18:37:25 ID:t8w0+QvB
GODJOB!!
いや〜いろんな意味ですごいことになってしまったwww
186リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/11/01(木) 19:54:48 ID:pBnaLMdi
コードギアス 反目のスバル氏
GJ!
別に自分は欝でも構いませんよ。
井上俊樹脚本好きだから慣れてますし。
マスカレード氏
GJ!
マスカレード氏にしろStS+仮面ライダー氏にしろテンポが速くていいですよね。
自分は経緯とか状況とかをいちいちクドクド説明しなきゃ気が済まないタチでして
どうしてもグダグダになってしまう(そこも含めて楽しんでもらえてる人も居ると
思ってしこれは自分の作風だと思ってるんで変えるつもりは無いですが。)んですよね。
187名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/01(木) 20:26:44 ID:lJKNDQO1
乙!
みなさん、スザクとナナリーとユフィは死んだのではないのです。
彼らはただ、元いた空間そしてエネルギーに戻っただけなのです。
188リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/11/01(木) 21:00:55 ID:8lU5aiNq
投下するッス。
今回長いかもしれないですから支援を…

十六話「その日、機動六課(後編)」Aパート

【東京タワー近辺】
カリス「フン!ディヤア!!」

カリスはカリスアローを振るい、群がるダークローチたちを次々となぎ払っていく。
だがローチ達は次々に現れ、カリスに襲い掛かる。

カリス「ヌン!…出て来い!!こんな雑魚に任せなければ、ろくに戦えないのか!?」
アルビノ「別にそういうわけじゃないさ。」
カリス「!?」

東京タワーの天辺から何かが落下し、地表に激突する。
激突した衝撃で地面には巨大なクレーターができ、その中から現れたのは…

カリス「貴様は…?」
アルビノ「俺は…アルビノジョーカーだ。」
カリス「アルビノジョーカー…だと?」

カリスは聞きなれない名前に困惑する。

アルビノ「俺のことを知らないのも無理はない。俺は、最近生まれたばかりだからな。」
カリス「何だと?」
アルビノ「この四年間、お前と剣崎一真は一度も戦うことなく、だらだらと過ごしていた。
業を煮やした統制者は、この戦いに決着を付けるために俺を生み出し、使命を与えたんだ。」
カリス「使命?」
アルビノ「ふん…」

アルビノジョーカーは手に大型鎌を出現させる。

アルビノ「大いなる力を手に入れ、貴様と剣崎を倒し、この世界の覇者となること…」
カリス「何!?」
アルビノ「おしゃべりは終わりだ、自分でやるのは多少面倒だが、貴様の首を貰うぞ!」

アルビノジョーカーは鎌を振りかざし、カリスに斬りかかった。

カリス「クッ!」

カリスはその刃をカリスラウザーの刃で受け止める。

アルビノ「やるな…だが、貴様にはここで消えてもらうぞ!」
カリス「望むところだ…やってみろ!!」
189リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/11/01(木) 21:02:54 ID:8lU5aiNq
【ミッドチルダ 地上部隊本部通路】
フェイト「クッ!」

フェイトは襲い掛かってきたギリザメスの牙を鉄パイプでなんとか防ぐ。
だが、バリアジャケットを着ていないフェイトにギリザメスの攻撃を完全に防ぎきることができるはずもなく、簡単に押し倒されてしまう。
そして、ギリザメスは鼻のドリルを回転させ、鉄パイプを押しながらじりじりとフェイトの首筋に近づけていく。

フェイト「こ…の…!」
ギリザメス(強)「ガブウウウウウウウ!」
なのは「てやあああああああああ!!」

牙がフェイトの喉を噛み裂く直前、なのはが間一髪ギリザメスに鉄パイプ攻撃を叩き込み、ギリザメスを殴り飛ばした。

ギリザメス(強)「ガブウ!?」
なのは「フェイトちゃん、大丈夫!?」
フェイト「ありがと…なんとか…」
ギリザメス(強)「おのれよくも…ガブウゥゥゥゥウ!!」
なのは&フェイト「!?」

ギリザメスは立ち上がり、再びなのはとフェイトに飛び掛り、二人の首を絞めた。

なのは「く…あ…」
フェイト「うっ…」
ギリザメス(強)「このまま死…」

?「待て!」
ギリザメス(強)「む!?」

ギリザメスの耳に、何者かの声が響く。
そして壁が砕け、クワガタの形をした奇怪なマシンが現れる。
そのマシンはその巨大な角をギリザメスに向け、突撃した。
マシンの体当たりを受けたギリザメスは二人の首から手を離し、床を転がった。

ギリザメス(強)「ガブゥ!?」
なのは「かっ…ゲホッゲホッ!あれは…」
フェイト「ゲホッゲホッ!…ゴウラム…」
なのは「まさか…!?」

なのはは砕けた壁を振り返る。
そしてそこに立っていたのは…

(BGM・Red Desire)
金色のラインが走る赤い体、右足に輝く金色のアンクレット…そして真っ赤な瞳…
仮面ライダークウガ・ライジングマイティ!

〔Red desire 全てを包む炎のように Red desire 悲しみを焼き尽くせRed desire 全てを癒す光のようにRed desire 太陽を映し出せ〕

クウガRM「やあ、久しぶり!」
なのは「五代さん!」

クウガは二人に手を差し伸べ、二人はその手を取って立ち上がる。
190リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/11/01(木) 21:04:33 ID:8lU5aiNq
フェイト「ナイスタイミングだよ。」
なのは「でもなんで…」
クウガRM「偶然、ここの街に寄ってね。そしたら、この騒ぎを見て…」
なのは「そうなんだ…」
フェイト「これもなんかご都合主義だね…」
クウガRM「ま、そんなことはどうでもいいよ。それにしてもなのはちゃん。」
なのは「え?」
クウガRM「また可愛くなったね。」
なのは「あ…」

なのはは少し顔を赤らめる。

なのは「も…もう!こんな時に!」
クウガRM「あっはっはっは!まぁ良いじゃない。それよりも、行くところあるんじゃないの?」
フェイト「あ!そうだ!」
なのは「…任せて良い?」
クウガRM「もちろん!」

クウガは二人にサムズアップを送る。

なのは「…ごめんなさい。」
クウガRM「気にしないでって。「みんなの笑顔を守るため」だからね。」
なのは「うん…それと、私の教え子で貴方に会いたがっている子がいるの。後で会ってあげてね。」
クウガRM「分かった。」
なのは「じゃあ!」

なのはとフェイトはエレベーターの扉をこじ開け、ワイヤーを伝って降りていった。

ギリザメス(強)「おのれライダーめ!ガブガブゥウ!!」
クウガRM「!!」

〔情熱はいつも紅い法則 求めるなら授けられるだろう 赤い傷跡 それと引き替えに…〕

ギリザメスは両腕の刃を振るい、クウガに斬りかかる。
クウガはその刃を避け、左腕に付いている刃を白刃取りで受け止める。
そしてその刃をニーキックで叩き折った。

ギリザメス(強)「な…」
クウガRM「おりゃああああ!!」

〔愛憎はいつも紅いリバース 愛ある場所に 明日があるだろう 黒い憎しみ それと引き替えに…〕

クウガはギリザメスを回し蹴りで蹴り飛ばす。
蹴り飛ばされたギリザメスは勢いよく吹っ飛び、通路の最奥の壁に激突した。

ギリザメス(強)「う…おぉ…」
クウガRM「…!」

クウガは右足のアンクレットにライジングパワーを注入し、助走を付けて飛ぶ。
そして宙で一回転し、キックポーズを取りながら炎と雷の力を込めたキックを壁にめり込んでいるギリザメスに叩き込む。
クウガライジングマイティの必殺技・「ライジングマイティキック」だ。

〔Red desire 全てを包む炎のように Red desire 悲しみを焼き尽くせRed desire 全てを癒す光のようにRed desire 太陽を映し出せ〕

クウガRM「おりゃあああああああああ!!」

〔Red desire 全てを包む炎のように Red desire 悲しみを焼き尽くせRed desire 全てを備え立ち向かう者Red desire 太陽を手に入れろ〕

ライジングマイティキックを受けたギリザメスの体は壁を貫通し、地上に向けて転落していく。
191リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/11/01(木) 21:05:48 ID:8lU5aiNq
ギリザメス(強)「ガブウウウウウウウウウ!!…」

やがて地上に激突し、ギリザメスは大爆発を起こした。

クウガRM「ふう…」

(曲終了)

【地上本部上空】

Rヴィータ「うおおおおおおおお!!」
Aゼスト「はあああああああああ!!」

本部上空では、ゼストとヴィータの激戦が続いていた。
ゼストの槍とヴィータのグラーフアイゼンが、激しく火花を散らす。

Rヴィータ「ゼストって言ったか?何企んでるか、目的を言えよ!?」
Aゼスト「若いな…」

ゼストは後退し、ヴィータとの間合いを取る。

Aゼスト「だが良い騎士だ。」
アギト「「旦那ぁ!褒めてる場合かよ!」」
Rヴィータ「チィ…こいつ…強い!」
アギト「「それにしてもこいつら…融合相性も良いが、年度も高ぇ!しっかり合わせてきやがる…」」
Aゼスト「アギト、融合を解け、俺がフルドライブで、一撃で落とす!」
アギト「「冗談!フルドライブなんか使ったら、旦那の体が…」」
Aゼスト「終わらんさ…成すべきことを成すまではな!」
アギト「ふっざけんな!旦那はあたしが守るって言ったろ!旦那の命は消させねえ!必ずあたしが、旦那の道を通してやる!猛れ炎熱!烈火刃!!」

ゼストの槍は炎を纏い、猛々しく燃え上がった。

Rヴィータ「クッ…」

【地上本部周辺】
地上本部周辺。
ここでは強鬼、轟鬼、威吹鬼、アギト、アナザーアギトの五人がガジェット相手に奮闘していた。
だがガジェットの数は多く、広域攻撃を持っていない彼等にとって集団戦は厳しかった。
五人は数に押され、徐々に体力を消耗していく。

轟鬼「はぁ…はぁ…これじゃあキリがないっスよ!」
威吹鬼「あきらめないで!皆まだまだ戦えます!」
強鬼「でもこれだけ数が多いと…」
アナザーアギト「流石に応えるな…」
アギトGF「でもここを守らなきゃ、こいつらきっと中に…」
ハリネズラス(強)「アヤヤヤイィィィィイ!!」
アギトGF「!?」
192リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/11/01(木) 21:07:34 ID:8lU5aiNq
突如現れたハリネズラスがアギトに飛び掛る。
しかもただのハリネズラスではない。
体色が赤く変わり、体中の針が大型化し、右腕が強化型スタンガンに改造された強化型のハリネズラスだ。
ハリネズラスは右手のスタンガンを振り上げ、アギトに襲い掛かる。
そしてスタンガンがアギトに命中する直前…

龍騎「だああああああああああ!!」
ナイト「はあああああああああ!!」

龍騎のドラゴンライダーキックとナイトの飛翔斬がハリネズラスに直撃した。

ハリネズラス(強)「アヤヤイィィィィイ!?俺の扱い酷すぎだあああああああ!!」

ハリネズラスは粉々に爆散し、残骸だけが空しく残る。

強鬼「城戸さん!秋山さん!」
龍騎「よう!」
ゾルダ「俺も忘れないでもらえるかな?」
威吹鬼「北岡さん…一体いつから…」
ゾルダ「あのねぇ、特撮やアニメなんだから、そういうのはナンセンスだろ。」
威吹鬼「はぁ…」
アギトGF「でも、助かりました。」
ナイト「礼を言うなら後にしろ。…!」

ナイトはウイングランサーを構える。

アギトGF「そうですね…!」

アギトはポーズを取り、両腰のスイッチを叩く。
そしてアギト・バーニングフォームに変身し、シャイニングカリバーをオルタリングから出現させ、シングルモードに変形させた。

アギトBF「じゃあ…行きましょう!」
龍騎「っしゃあ!」

【地上本部通路】
本部の通路ではフォワードメンバー達とノーヴェ、ウェンディとの戦いが続いていた。

ウェンディ「この…!」

ウェンディはエリアルキャノンでエリオを攻撃するが、エリオのアクロバティックな動きに翻弄され、中々命中しない。

ノーヴェ「ウェンディ!このグズ!さっさと仕留めろ!デヤアァァァァァァア!!」

ノーヴェはエアライナーを駆け、ティアナに蹴りこむ。
だがキックが命中した瞬間、ティアナの姿は消えてしまった。

ノーヴェ「な…幻影!?」
ウェンディ「!?」

クロスミラージュ「The load by the silhouette control increases.(幻影制御 負荷増大)」
ケリュケイオン「The limit of the energy boost is near.(エナジーブースト、リミット間近です)」
キャロ「あともうちょっと…」
ティア「脱出のタイミングが稼げるまで…頑張って…!」
クロスミラージュ「Yes sir.」
ケリュケイオン「All right.」
193リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/11/01(木) 21:08:58 ID:8lU5aiNq
ウェンディ「あたし達の目を誤魔化すなんて…あの幻術使い、戦闘機人システムを知っている…?」
ノーヴェ「幻影だろうがなんだろうが全部潰せば問題…」
スバル「うおおおおおおお!!」
ノーヴェ「!?」

ノーヴェが止まった隙を衝き、スバルがノーヴェにキックを見舞った。

ノーヴェ「うわあああああああ!?」
ウェンディ「ノーヴェ!」
エリオ「サンダーレイジ!!」

エリオもウェンディの隙を衝き、サンダーレイジでウェンディを弾き飛ばした。

ウェンディ「うわ!?」
ティア「撤収!!」

二人が倒れたと同時にティアナが号令をかけ、無数の幻が四方に逃げた。

ウェンディ「ちっ…」
ノーヴェ「クソ!」
チンク「「ノーヴェ、ウェンディ。」」
ノーヴェ「チンク姉…」
チンク「「二人とも来てくれ。もう一揆のタイプゼロ・ファーストに苦戦している。」」

………
一方、クウガの助けによって危機を脱したなのはとフェイトは、シャッハと合流していた。

フェイト「シスター…会議室にいらしたんじゃ?」
シャッハ「会議室のドアは、有志の努力で何とか開きました。それで、私も急ぎ、二人を追って…」
なのは「はやてちゃんたちは?」
シャッハ「お三方とも、まだ会議室にいらっしゃいます。ガジェットや襲撃者たちについて、現場に説明を。」
スバル「なのはさん!」
なのは「あ!」
フェイト「良いタイミング!」

なのはとフェイトはフォワードメンバーと合流し、デバイスを受け取る。

シャッハ「こちらは私が!」
ティア「お願いします。」

シャッハはティアナからシュベルトクロイツとレヴァンティンを受け取る。

スバル「ギン姉!ギン姉!」
ティア「スバル?」
スバル「ギン姉と連絡が取れません!」
なのは「え?」
ティア「先ほど戦闘機人二名と交戦しました。もしかしたらそいつらの仲間と…」
スバル「ギン姉…」
なのは「分散しよう。スターズはギンガの安否確認と襲撃戦力の排除。」
フェイト「ライトニングは六課に戻る。」
フォワード「はい!!」
なのは「シスターシャッハ。上の皆を、お願いします。」
シャッハ「この身にかけて!」
194リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/11/01(木) 21:11:33 ID:8lU5aiNq
【機動六課隊舎】
機動六課の隊舎は、ガジェット軍団とナンバー8・オットーによって襲撃を受けていた。
隊舎は焼け落ち、ヘリも破壊されている。
そんな絶望的な状況の中で、キックホッパー、パンチホッパー、シャマル、ザフィーラは戦いを繰り広げていた。

オットー「へぇ…そこの緑色と茶色、強いね…」
パンチホッパー「チッ…」
キックホッパー「はぁ…はぁ…ふん…」
オットー「特に緑色の奴…お前は特に…どうやら…出すしかないようだね。」

オットーは指を鳴らす。
すると翼が羽ばたく音が聞こえ、地上にギルガラスが現れた。
もちろん持っている薙刀は刃が大型化し、翼もライダー以上のスピードが出せるよう機械化され、嘴も鋼鉄になっている。

オットー「ギルガラス、やれ…」
ギルガラス「カカアァァァァァァァア!!」

ギルガラスは薙刀を使い、キックホッパーとパンチホッパーに襲い掛かる。

パンチホッパー「うわ!…この!」
キックホッパー「ッ…セイ!!」

ダブルホッパーはギルガラス強化体と激闘を繰り広げる。
そしてオットーはその隙を衝き、ISを発動させた。

オットー「IS発動…「レイストーム」!」

無数の光線が発射され、隊舎を襲う。

シャマル「クラールヴィント!防いで!」

シャマルは盾を作り、光線を防ぐ。

ザフィーラ「ておあああああああああああ!!」

そして一気にザフィーラが飛び掛るが…

ディード「「ツインブレイズ」…!」
ザフィーラ「!?」

ナンバー12・ディードが現れ、ザフィーラを攻撃する。
攻撃を受け、吹っ飛ばされたザフィーラはシャマルに激突した。

ザフィーラ「ぐあああ!」
シャマル「きゃあ!」

その拍子で盾が壊れ、オットーの攻撃は隊舎に直撃する。

パンチホッパー「ザフィーラ!シャマ姉!」
キックホッパー「クッ…」
ギルガラス(強)「カカアアアアア!!」

ギルガラスは薙刀で二人に気を取られたダブルホッパーを薙刀で切り裂いた。

パンチホッパー「うわああああ!!」
キックホッパー「ぐっ…!」
オットー「終わりだよ…」

オットーは再びレイストームをザフィーラ、シャマル、キックホッパー、パンチホッパーに向けて発射した…
195リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/11/01(木) 21:13:02 ID:8lU5aiNq
【機動六課隊舎司令室】
機動六課隊舎司令室。
ヴァイスは非難区域に侵入しようとしてくるガジェットを一般陸士用のデバイスで狙撃し、ガードしていた。

ヴァイス「よし…撃てる!腕はまだ鈍っちゃいねえ!」

ヴァイスはそのまま迎撃を続けた。

………
機動六課隊舎外
既にザフィーラ、シャマル、キックホッパー、パンチホッパーは倒され、意識を失っている。(ダブルホッパーに至っては変身も解除されている)
オットー、ディード、ギルガラスの三人はそんな傷ついた戦士達を空から見下ろしていた。

オットー「ふん…他愛ない…」
ディード「まったく…」
オットー「僕達は引こう、後はガジェットたちとギルガラスに任せれば十分だ。」
ディード「ギルガラス…後は宜しく…」
ギルガラス(強)「カカアア!!」

オットーとディードは姿を消す。
そして、残ったギルガラスは薙刀を触り上げ、刃先をシャマルに向けた。

矢車「うっ…!」

かろうじて意識を保っていた矢車は起き上がり、その状況に気付く。

矢車「あのバカ女…本当に迷惑ばっかり…かけやがって…!!」

矢車は最後の力を振り絞り全力で走り出す。

ギルガラス(強)「カカアアアアアア!!」

ギルガラスはシャマルに向け、薙刀を投げた。
そして…

シャマル「う…」

何か暖かい感覚に包まれ、シャマルは目を覚ます。

シャマル「想…さん…?…」

矢車が自分を抱きしめている。
暖かい感覚はこれだろう。
しかし、シャマルはこの時矢車の異変に気付いた。
矢車の体が徐々に冷たくなっていくのだ。

シャマル「どうしたの?なんで…」

シャマルは矢車から離れる。
そして離れた瞬間、矢車は糸が切れた人形のように地面に崩れ落ちた。

シャマル「!?」
196リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/11/01(木) 21:14:13 ID:8lU5aiNq
シャマル「!?」

倒れた矢車の体からおびただしい量の血が流れ、地面を真っ赤に染めていく。

シャマル「嘘…ねぇ、嘘でしょ?…嫌…嫌…!」

矢車の背中に、ギルガラスの巨大な薙刀が深く突き刺さっていた…

シャマル「嫌あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」

………
その頃、六課に向かっていたライトニングは、上空で待ち構えていたトーレ、セッテと戦っていた。

フェイト「エリオ!キャロ!六課に戻って!」
キャロ「でも…」
エリオ「フリード!」

エリオの命を受け、フリードは先に進みはじめる。

キャロ「エリオ君?」
エリオ「アウトレンジの敵がいる…僕らがいても足手まといになるだけだ…」
キャロ「…うん。」

【地上本部上空】
Rヴィータ「はぁ…はぁ…」
アギト「「クソォ…」」
Aゼスト「アギト!オーギーSがこちらに数人向かっている!撤退するぞ!」
アギト「「チックショオ!なら…!」」

アギトはユニゾンを解除し、ゼストから離れた。

ゼスト「アギト!」
リィン「ヴィータちゃん!上です!」
Rヴィータ「…!」
アギト「こいつらだけでも…叩いとく!!」

アギトはヴィータの上に移動し、巨大な火球を作り出した。

リィン「ヴィータちゃん!上です!」
Rヴィータ「おおおおおおおお!!」

ヴィータは一直線にアギトの撃墜に向かう。

ゼスト「くっ…!」
ゼストの槍「」

ゼストは自らの最後の切り札である「フルドライブ」を起動させ、一気に加速し、ヴィータのハンマーに強烈な一撃を叩き込んだ。
その凄まじい威力は、グラーフアイゼンを一撃で砕き、ヴィータを薙ぎ飛ばす。

Rヴィータ「うわあああああああああ!?」

ヴィータは勢いよく吹っ飛ばされ、真っ逆さまに落ちていった。

ゼスト「アギト!」
アギト「あ…あ…ああ…」
197リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/11/01(木) 21:15:47 ID:8lU5aiNq
………
ヴィータは近くのビルディングに激突する。
そしてユニゾンが解け、ヴィータの騎士甲冑と髪は元の赤に戻った。

ヴィータ「クッソ…!?、リィン?…おいリィンしっかりしろ!リィン!」

ヴィータは何度も瞼を閉じ、ぐったりと横たわっているリィンに大声で呼びかける。
だがリィンは、一向に目が覚める気配はなかった。

ヴィータ「チックショオ…!」

ヴィータは泣きながらシグナムに念話を送る。

………
ヴィータ「「シグナム…シグナム!…リィンがぁ…」」
シグナム「何…!?」


シグナムに向けて無数の銃弾が飛んでくる。
シグナムはかろうじてその銃弾をかわし、銃弾が飛んできた方向に身構えた。

シグナム「お前は…」
ドクガンダー(強)「ギエェェェェエ!!」

銃弾を撃った主は、体色と目が緑に変わり、右腕をガトリングガンに改造された蛾型怪人、ドクガンダー強化態だ。

シグナム「チッ、こんな時に…」
?「苦戦しているみたいですね。」
シグナム「ん?」
?「助太刀致しましょうか?お姫様。」
シグナム「…そういうのは嫌いだと言っているだろう…大介!」
?「はは…そう言うなよ。」

上方からドクガンダーに向け、無数の銃弾が降り注いだ。

ドクガンダー(強)「ギエエエエエエ!?」

ドクガンダーは銃弾を避け、上を向く。
そこには、フライトユニットを装備し、ドレイクゼクターを構えたドレイクの姿があった。

ドレイクRF「ふん…」
シグナム「もっとしっかり狙え!」

シグナムは叱りながらドレイクと並び立ち。

ドレイクRF「おいおい、久しぶりの彼氏との対面でそれはないだろ…」
シグナム「だ…誰が彼氏だ誰が!このスケベトンボ!浮気魔!」
ドレイクRF「素直に嬉しいって言えよ。相変わらず素直じゃない女だ。」
シグナム「なっ…お前と言う奴は…」
198リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/11/01(木) 21:18:14 ID:8lU5aiNq
ドクガンダー(強)「無視するな!」

ドクガンダーはガトリングガンを二人に向け、連射する。

ドレイク&シグナム「!?」

二人は分散し、銃弾を回避した。

シグナム「とにかく…今は手伝え!」
ドレイクRF「女の頼みは聞いてやる、特にお前ならな!」

【地上本部地下通路】
ティアナ「スバル!先行しすぎ!」
スバル「「ごめん!でも、大丈夫だから!」」
なのは「仕方ないね。こういう場所だとスバルのほうが速い。大丈夫!こっちが急げばいい!」
ティアナ「はい!」

………

スバル「ギン姉…ギン姉…」

スバルはマッハキャリバーの速度を上げ、ギンガが消息を立ったエリアに向かった。

スバル「ここだ…ギンね…!?」

スバルは、やっとの思いでそのエリアに辿り着く。
だが彼女を待っていたのは、チンク、ノーヴェ、ウェンディの三人の戦闘機人と、左腕をもがれ、体をズタズタに傷つけられたギンガの姿だった…

スバル「あ…あ…う…うわああああああああああああ!!」

スバルの瞳の色が金色に変わり、体から青い光がほとばしる。

ウェンディ「なっ…」
ノーヴェ「こいつは…」
チンク「…!」

スバル「ギン姉を返せ…ギン姉を…返せえぇぇぇぇぇぇぇぇえ!!」


投下終了。
乱雑なのはいつもどおりとして今回は疲れた…
自分なりに長いと思っていたけど意外に短かったかな?
とにかく次回をお楽しみに。

それにしても…ライナーフォームのアクションに否定的な見方をしている僕は異端なのだろうか…?
199名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/01(木) 21:21:44 ID:lJKNDQO1
支援
200名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 21:49:53 ID:X5z3Jm5z
リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー氏更新お疲れ様でした。
クウガも登場しましたか。

沢山のライダーがミッドにいますが、まだ他にも地球にいるライダーでミッドに行くライダーはいるんですか。
201名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 23:10:52 ID:Fu92RKXW
ゴウラムは警察で保管してるはずですが、どこから飛んできたんですか?

>そして壁が砕け、クワガタの形をした奇怪なマシンが現れる
これってゴウラムが単体で壁ぶち抜いたってことですか?
202StS+ライダー:2007/11/01(木) 23:21:11 ID:8lU5aiNq
>>200
そこはまだ内緒っす。
>>201
破綻や矛盾が仮面ライターのみりょry
203名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/01(木) 23:27:30 ID:ITAgdlfk
今更だが、パンプキンGJ!!!
ハンスの話は読んだ後、軽く泣きそうになっただけにこの嘘予告はテラ嬉しかった
是非本編書いてクレー。
204リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/11/02(金) 00:00:37 ID:yqZN7JxZ
リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー氏GJ。
やっぱ展開がスピーディですね。
自分のパラロスクロスで
恭也をどんなオルフェノクにするかだけどいまのところ
「メガネウラ(石炭紀に生息していた翼長70pのお化けトンボ)」
こいつが候補ですね。
バッタはアークが居るんでパスっす。
他のオルフェノク転生組はどんなオルフェノクにするかあらかた決まってるんですよね。
小神あきら→カモメ(遠巻きに見てるだけならかわいい。しかしズームアップすると結構強面で凶暴)
白石稔→ザリガニ(頑丈。大人になるのに三年かかる大器晩成型。)
御神美沙斗→ラプトル(暗闇から襲い掛かって一気に留めを指す。見かけ怖いけどかーなーり頭がよく
子供の面倒もよく見るらしい。)
みたいな感じですかね。
()の中はモチーフとして選んだ理由。
205名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 00:22:00 ID:s2XFlqzw
なぜ停止している…
206名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/02(金) 00:30:12 ID:abs8NZTX
特に何も無いからだろ?
207名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 00:45:28 ID:20vTR9M2
恭也はトンボがモチーフ…なるほど、風のうなりに血が叫び力の限りぶちあたるのかw
208名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 01:27:44 ID:8pGYeHNT
敵は地獄のデストロンなのかーw
209名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 10:55:53 ID:qBnUIz7j
父よ母よ妹よ
……全部完備してるな
210名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/02(金) 16:43:30 ID:abs8NZTX
うわっ!今日も今日で、過疎ってるな・・・・
211名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 16:44:28 ID:5ZJzFWvl
投下がないときは静かなくらいがちょうどいい
212名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/02(金) 17:15:44 ID:abs8NZTX
だけどよ・・これは、流石に静かすぎるだろ?
213名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 17:16:49 ID:5ZJzFWvl
雑談スレに行け
人がいるぞ?
214名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 17:17:52 ID:Q6nu6PNv
その代わり雑談の方が伸びている。
両方あわせたのび具合はいつも通りじゃないか
過疎ってる、静かだという意見が出ておりますので。
ここでなのは×メビウス8話、投下したいと思います。
そこそこ長めなので、よければ支援の方をばお願いします。


第8話「激闘の始まりなの」

「嘘……」
「何なの……あれは……!!」

モニターを見て、エイミィとリンディは言葉を失った。
サーチャーには一切反応は無かった
空を割り、あの大型生物―――ベロクロンが現れる前兆は、一切見られなかった。
タイミング的に、ヴォルケンリッター達を助けに現れたかのようには見える。
だが……シャマルを助けた仮面の男の手のものにしては、様子がおかしすぎる。
その表情こそ伺う事は出来ないが、仮面の男は明らかに戸惑いを見せている。
こうなれば、考えられる可能性は一つ……第三者の乱入しかない。

「……皆、注意して!!
相手が何者かは分からないけど、嫌な予感がするわ!!」
『いえ……何者かは、分かってます!!』
「ミライ君……?」
『……あれは超獣です。
奴の……ヤプールの生み出した、超獣です!!』
「超獣……!?」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「な……なんだよ、これ……!!」
「怪獣……だって……!?」

招かれざる来訪者の姿を前にして、誰もが動きを止めた。
ミサイル超獣ベロクロン……この場には、全く相応しくない存在。
ベロクロンは唸りを挙げ、荒々しく息を吐いた。
ミライはすぐになのは達へと念話を送り、敵の正体について教えた。
ベロクロンは、ヤプールが最初に作り出した超獣。
ウルトラマンエースを苦しめ、そして自身も苦戦を強いられた強敵。
そんな相手が現れた原因は、一つしかない……ヤプールはこの世界で復活を果した。
何故、こんな急速に復活したかは分からないが……考えるのは、問題を全て片付けてから。
皆が事態に対応すべく、動こうとする……が。
その瞬間、まさかの事態が起こった。
216名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 17:33:47 ID:yPy7H9p9
ミサイル支援
217名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 17:33:54 ID:5ZJzFWvl
ならば支援
「……今だ、引くぞ!!」
「なっ!?」

全員の動きが止まった一瞬の隙を突き、ヴォルケンリッターが動いたのだ。
今ならば、結界を破壊できる……ヴィータはグラーフアイゼンのカートリッジをロードする。
そして、グラーフアイゼンを巨大な破壊槌―――ギガントフォームへと変形させた。
この状態ならば、たとえ堅固なこの魔力結界でも……十分に破壊できる。
ヴィータは全力で、グラーフアイゼンを結界に叩きつけた。

「しまった……!!」
「ぶち抜けぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」

結界に、大きな風穴が開く。
そしてその瞬間、ヴォルケンリッターが急速離脱を開始した。
突如として現れた怪獣の正体は、気にならないといえば嘘になる。
だが、今はここから抜け出ることが最優先事項である。
それに……なのは達は強い。
きっとこの程度の敵は退けられるだろうから、大丈夫だ。
そう思ったが故の行動であったが……一人、ダイナだけは脱出を渋っていた。

「ダイナ、おい!!」
「あいつ、一体何を考えている……?」
「……メビウス。」
「ダイナ……?」
「……ごめん!!」
「!!」

ダイナは、たった一言メビウスに告げ、そしてようやく撤退を開始した。
彼の一言の謝罪が、その心情の全てを物語っていた。
ダイナはウルトラマンとして、凶悪な怪獣や侵略者達を相手に戦い続けてきた。
それこそが、ウルトラマンである自分に出来る事であると信じての行動だった。
そんな彼にとって、ベロクロンを置いて撤退するというのは、苦渋の選択だったのだ。
ダイナは悩んだ末に、自分の仲間達を取った。
メビウス達を信じるしかない……そう割り切って、ダイナは空へと消えていった。

「ダイナ……分かった。
皆さん、破れた部分の結界を急いで塞いでください!!
ベロクロンを、絶対に外に出したら駄目です!!」

ダイナが何故戦っているのかは分からない。
だが、彼には邪ではない目的があることだけは、間違いない。
この決断も、苦渋だったに違いないだろう。
ならば同じウルトラマンとして、必ずベロクロンを倒すまでである。
ベロクロンを外へ出さないようにと、職員達が結界を塞いだ。
それと同時に……ベロクロンが動いた。
全身の突起が、勢い強く発射される。
ミサイル超獣の由来は、この突起―――全身に装備されたミサイルにある。
標的は、この場にいるベロクロン以外の全て。
219名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 17:35:21 ID:5ZJzFWvl
支援
「うわぁっ!?」
「ちょっと、何て数撃ってきてるのさ!!」

放たれたミサイルの数は、百は超えているであろう数。
その上、ベロクロンの突起は次々に再生していっている。
早い話が、敵の弾数は無限―――撃ち放題だ。
なのは達は、スピードを上げてミサイルを回避しにかかる。
だが……厄介なことに、ミサイルはホーミング式だったのだ。

「振り切れない……!?」

ぴったりと、ミサイルは逃げるなのは達を追尾してくる。
強引に振り切ろうと、なのは達は曲芸飛行と見紛う様な軌道を描きながら空を飛んだ。
だが、ミサイルも全く同じ軌道を取ってくる……振り切れない。
こうなれば、とる手段は一つ……迎撃しかない。
なのはとフェイトは、お互いに頷き合い、カートリッジをロードさせた。
新たな力を得た今のデバイスならば、かなりの数を落とせる。

「アクセルシューター!!」
『Accel Shooter』
「フォトンランサー!!」
『Photon Lancer』
「シュートッ!!」
「ファイアッ!!」

二人は、後方へと振り向き様に魔力弾を一斉発射。
襲い掛かるミサイルの群れを、一気に爆破しにかかった。
結果は重畳……ミサイルは次々に爆発の連鎖を起こし、打ち落とされていく。
流石に全てとはいかないが、かなりの数をこれで撃墜できた。
残るミサイルは、距離を離した後に再度迎撃しよう。
そう思い、二人がスピードを上げようとする……が。

「ギャオオオォォォォォッ!!」
「えっ!?」

ベロクロン本体が、ここで仕掛けてきてしまった。
口を開き、勢いよく火炎を放射してきたのだ。
とっさに二人は障壁を展開、火炎を防ぎにかかる。
だが……無情にもミサイルの嵐は、彼女達の無防備な背後へと迫ってきていた。
二人がそれに気付いたのは、既にミサイルとの距離が後僅かとなっていた時だった。

「なのは、フェイト!!」
「くそ、この距離じゃ……!!」

ユーノ達はすぐさま援護に回ろうとするも、それは不可能だった。
ミサイルを引き離そうとして飛び交っていた内に、二人との距離を少し離しすぎていたからだ。
間に合わない……このままでは、確実にミサイルは直撃する。
二人の身長以上の大きさがあるミサイルを、それも何発も受ければ、バリアジャケットの防御も役を成さないだろう。
致命傷は確実……なのはとフェイトは、迫り来るミサイルを前に、思わず目を閉じてしまった。
だが……その瞬間だった。
「セヤァァァッ!!」
「え……!?」
「ミライさん……!!」

突如として、二人の目の前に眩い閃光が走った。
そして、その光が晴れた時……そこには、メビウスディフェンサークルを展開したメビウスがいた。
ギリギリ、二人の援護に入る事が出来た……迫り来るミサイルを全て、メビウスはバリアで受け止めた。
間に合わないと誰もが思った中、何故メビウスはそれが出来たのか。
その理由は一つ……彼が思わぬ手段で、一気に間合いを詰めてきたから。
その手段とは、、ウルトラマンの本来のサイズ―――眼前のベロクロンと同じ程の、巨大な体躯に戻る事。
巨大化する事により、一気に二人との距離を縮めたのだ。
怪獣相手ならば、態々人間サイズに合わせる必要は無い……全力で打ちのめすのみ。
メビウスはミサイルを全て受け止めきると、そのまま上空へと飛び上がる。
そして、体を回転させて一気に急降下。
ウルトラマンジャックが編み出した、必殺の蹴り技―――流星キック。
その強烈な一撃が、ベロクロンの眉間にもろに叩き込まれた。
ベロクロンはたまらず、怯んで攻撃を中断してしまう。

「ギャオオオォォォォッ!!」
「いける、これなら……!!」

先ほどまでは、敵の余りの大きさに圧倒され気味だった。
だが、ミライが巨大化した今……そんな不安は、全て掻き消えた。
一気に反撃に出るべく、皆が行動に移る。
まず、まだミサイルにつけられているクロノ達が動いた。
敵の動きが一瞬でも止まってくれたのなら、十分に効果を発揮できる攻撃手段がある。
かなりの荒業ではあるが……これが、最もベストな手段。

「よしっ……さぁこい!!」
「ほらほら、こっちだよ!!」

三人は一気にスピードを上げ、ベロクロンの背後左右から迫った。
ミサイルも当然ながら、それをピッタリとつけてくる。
メビウス達はそれを見て、すぐにその狙いを察した。
そして、三人とベロクロンとの距離がギリギリまで詰まった時……クロノの合図で、全員が動いた。

「今だ!!」

三人が上空へと急上昇する。
ミサイルは、勿論それを追尾しようとする……が。
三人と全く同じ軌道を取っていたのが、ここで仇になった。
彼等とミサイルとでは、大きさが違う。
スレスレでベロクロンを回避する事は出来ず……ミサイルは全て、ベロクロンにぶち当たった。

「グギャアアァァァァァァッ!!??」
「やった!!」
「攻撃の手を緩めるな、一気に攻めるぞ!!」
全身から黒煙を噴出しながら、ベロクロンが悲鳴を上げる。
敵が弱った今、ここで一気に攻めに出る。
メビウスは勢いよく前へと踏み込み、ベロクロンに殴りかかった。
だが、ベロクロンとてここで倒れるほど弱くは無い。
メビウスの拳を受け止めると、ベロクロンは大きく口を開いた。
火炎放射の他にもう一つ、ベロクロンには口から放つ武器がある。
それは、全身の突起よりも更に巨大なミサイルだった。

「セヤッ!?」

メビウスはとっさに腕を振り払い、拳を自由にする。
だが、この距離ではかわせない。
確実に命中してしまう……そう思われた、その矢先の事だった。
今度は先程とは逆……なのはとフェイトが、メビウスを助けに入った。
二人はカートリッジをロードし、より堅固な障壁を同時に展開した。

『Protection Powered』
『Defensor Plus』
「バリア……!!」
「バーストォッ!!」

攻撃を受け止めると同時に、二人は魔力を込めて障壁を爆破した。
その狙いは、障壁の爆破による攻撃の相殺。
そして、その余波を相手にぶつける事。
ベロクロンは爆風と衝撃に煽られ、倒れこみそうになる。
だが、流石になのは達の何十倍という巨体は、そう簡単には倒れるものではなかった。
しかし……そこへと、思わぬ追撃が迫った。

「だったら……これでどうだぁっ!!」

ゴシャァッ!!

「グギャアァッ!?」

ベロクロンの顔面に、巨大な鉄槌が叩きつけられた。
その正体は、先程ダイナがメビウスに投げつけた残骸―――高層ビルである。
この攻撃を放ったのは、ユーノだった。
彼は、チェーンバインドでビルの残骸を縛り……そのまま持ち上げて、ベロクロンに叩きつけたのだ。
とてつもない荒業ではあるが、効果は絶大だった。
ベロクロンは流石に耐え切れなくなり、地面に倒れ伏せる。
223名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 17:38:36 ID:yPy7H9p9
改造ベロクロン二世弱いよ支援
224名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 17:39:11 ID:5ZJzFWvl
支援

「ユーノ君、ナイス!!」
「しかし、かなり荒っぽいやり方だな……」
「あのヴィータって子のデバイスを見て、思いついたんだ。
ハンマー投げの要領で、こういう風に出来ないかなって。」

初めて試してみた攻撃ではあったが、中々うまくいってくれた。
倒れこんだベロクロンは、なのは達を力強く睨みつける。
そして、肩のミサイルを一斉放射しようとした……が。
それを直感的に察したクロノとアルフが、先に動いていた。
バインドの同時発動。
光の鎖がベロクロンの全身を拘束し、身動きをとれなくした。
ミサイルを使えなくなるという予想外の事態に対し、ベロクロンが唸りをあげた。
今こそが、ベロクロンを撃破する最大のチャンス。

「皆、今だ!!」

メビウスが、一斉攻撃の合図をかけた。
レイジングハートとバルディッシュに、カートリッジがロードされる。
S2Uの先端から、魔力が溢れ出す。
メビウスが右手をメビウスブレスに添え、大きく腕を開きその力を解放する。
それとほぼ同時に、ベロクロンは拘束を力ずくでぶち破った。
だが……時は既に遅し。
攻撃の準備は、完了している。

「ハァァァァァァァッ!!」
「ディバイィィン……!!」
「プラズマ……!!」
「ブレイズ……!!」
「セヤアアァァァァァァッ!!」
「バスタァァァァァァッ!!」
「ブレイカァァァッ!!」
「カノンッ!!」

メビュームシュート・ディバインバスター・プラズマブレイカー・ブレイズカノン。
莫大な量の魔力と光線が、一斉にベロクロンへと放たれた。
一発一発だけでも、必殺技と呼ぶに相応しい破壊力を持ち合わせている攻撃。
そんな代物を、四つも同時にときた。
当然……防御魔法もバリアも持っていないベロクロンに、耐え切られるわけが無い。

「グオオオォォォォォンッ!!??」

ドグオォォォォォンッ!!

ベロクロンは、見事に爆発四散した。
破片すら残さずの、完全消滅。
その様子を見て、なのは達はようやくため息をつけた。
ヴォルケンリッター達との戦いから、ベロクロンへの連戦。
流石に体力的に厳しいものがあったが、とにかく勝つことは出来た。
ここでメビウスも、人間サイズへと体の大きさを変える。
『皆、お疲れ様。』
「けど……素直に、喜べる結果じゃないな。」
「……ヤプール……」

シャマルを助けに現れた、仮面の男。
空を割って現れた、ヤプールの超獣。
今回の戦いは、事件を更なる混沌へと誘ってくれた。
単に、闇の書の守護騎士達を捕まえるだけでは片付けられない……そんな状況になってしまったようである。

『兎に角、皆一度戻ってきて。
話はそれからにしましょう。』



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「はやてちゃん……本当に、ごめんなさい……!!」
『ええって、気にせんで。
すずかちゃんとふたりで鍋はちょう寂しかったし、すずかちゃんが誘ってくれて……』

その頃。
八神家では、一同が暗い面持ちをしていた。
その理由は、はやてに寂しい思いをさせてしまったこと。
今日は、すずかが家へと遊びに来る筈の日だったのだ。
だが、皆の不在の為にそれが叶わなくなってしまった。
もっともはやては、すずかの家にお邪魔させてもらったので、あまり寂しい思いはしていないようではあるが……

「はい、じゃあヴィータちゃんに代わりますね。」
「……はやて、もしもし……?」
「……寂しい思いを、させてしまったな。」
「うん……」

守護騎士として、主であるはやてに何とお詫びしたらいいだろうか。
主に対する責任感から、そんな思いをヴォルケンリッター達は抱えていた。
ただ、一人だけ―――アスカだけは、それにプラスアルファの要素を抱えてしまっていた。
あの状況では、仕方なかったとはいえ……ウルトラマンである自分が、怪獣を野放しにしてしまった。
その事実に対する申し訳なさが、彼にはあったのだ。
シャマルによると、あの後すぐに怪獣はメビウス達が撃破したようではあるから、それだけが救いだったが……
227名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 17:41:07 ID:5ZJzFWvl
支援
「……アスカ、すまないな。」
「いや……謝らなくていいよ。
気にしてないって言えば、嘘になるけど……俺は、はやてちゃんや皆の為に戦うって決めたんだしな。」

後ろ向きに考えていても仕方ない。
あの場でああしなければ、今度は大切な者達が危機に晒されてしまっていた。
それに……自分はあの時、メビウスならばきっと怪獣を倒してくれると、そう信じて行動したのだ。
アスカは頭を振り、ネガティブな気持ちを振り払う。
過ぎた事を悔やんでいても、何も始まらない……大切なのは、これからだ。

「しかし、あの巨大生物……一体何なんだ?」
「メビウスは、何か知っていたみたいだけど……俺はあんな怪獣、見たこと無いぞ。」

アスカは、スーパーGUTSの隊員として、そしてウルトラマンとして多くの怪獣を見てきた。
だが、ベロクロンは見た事の無いタイプの相手だった。
空を割って現れるなんて、これまでに前例が無い。
異次元からの侵略者……そう考えるのが、自然だろうか。

「あの生物……確か、シャマルを助けた仮面の男が現れてすぐに出現したな。
まさか、あの男が呼び寄せたというのか?」
「ううん、それは無いと思うわ。
あの仮面の男は、私に闇の書の呪文を使うように言ってきた。
あんな生物を呼び出せるのなら、そんな真似しなくたって皆を助けられたんだし……」
「確かにそうだな……両者に関係はないと見るべきか。
あの仮面の男に関しては、どう思う?」
「何者かは分からないわ……少なくとも、当面の敵ではないと思うけど……」
「……今回の一件で、恐らく管理局も本腰を入れてくるだろう。
我々も、あまり時間が無い……」
「ああ……一刻も早く、主はやてを闇の書の真の所有者に……」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「カートリッジシステムは扱いが難しいの。
本来なら、その子達みたいに繊細なインテリジェントデバイスに組み込むような物じゃないんだけどね……
本体破損の危険も大きいし、危ないって言ったんだけど、その子たちがどうしてもって……
よっぽど悔しかったんだね、自分がご主人様を守ってあげられなかったこととか……信頼に応えきれなかった事が。」
「ありがとう……レイジングハート。」
「バルディッシュ……」

数分後。
ハラオウン家に戻ったなのはとフェイトは、デバイスについての簡単な説明をまずは受けていた。
今回の戦いは、二機のパワーアップがあったからこそ乗り越える事が出来た。
これでやっと、互角にヴォルケンリッターと戦うことが出来る。
二人は自分達のデバイスへと、心から礼をした。

「モードはそれぞれ3つづつ。
レイジングハートは中距離射撃のアクセルと、砲撃のバスター、フルドライブのエクセリオンモード。
バルディッシュは汎用のアサルト、鎌のハーケン、フルドライブはザンバーフォーム。
破損の危険があるから、フルドライブモードはなるべく使わないようにね。
特に、なのはちゃんの方は。
かなりの負担になるから、フレーム強化をするまでは絶対にエクセリオンモードは、使わないでね?」
「はい。」
「……今、片付けるべき問題は二つね。
一つは勿論闇の書だけど、もう一つ……」
「ヤプールが、この世界にいた……それも、こんなに早く復活するなんて。」

最も恐れていた、最悪の事態が実現してしまった。
あの時……確かにヤプールは、メビウスと共に次元の割れ目へと落ち込んだ。
それも、瀕死の重傷を負った身で……ヤプールの消滅は確実だった。
しかし……ヤプールは、この世界に降り立ってしまった。
そして驚異的な速さで復活を果たし、自分達の目前へとベロクロンを出現させてきた。

「……僕の所為です。
ヤプールは、僕と一緒にこの世界に……!!」
「そんな、ミライさんの責任じゃないわ。
ミライさんが来たのは、全くの偶然だし……!!」
「それにミライ君は、そのヤプールを倒そうとしてたんでしょ?
だったら、そんな風に気にしなくても……それに、復活したならまた倒せばいいじゃない。」
「確かにその通りだな。
ヤプールが、ミライさんが言うとおりの悪魔だというなら……何をしでかすか分かったもんじゃない。」
「ヤプールの目的……そういえば、何であんなタイミングで……超獣、だっけ?
あんなのが出現したのさ?」
「それなんだよね……」
230名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 17:43:59 ID:5ZJzFWvl
支援
何故、あのタイミングでヤプールが仕掛けてきたのか。
単純な侵略が目的だというのなら、普通に街中でベロクロンを出現させればよかった筈。
それを態々、結界の内部で出現させた理由がいまいち分からないのだ。
可能性としてありえるのは、二つ。
一つ目は、ミライとダイナ―――ウルトラマンの撃破が狙いだった事。
ヤプールからすれば、ウルトラマンは憎むべき敵……この可能性は、十分考えられる。
実際問題、ヤプールはこれまでに何度も、ウルトラマンの撃破に的を絞って仕掛けてきた事があった。
エースキラーやメビウスキラーが、その最もたる例である。
だが……二つ目の可能性の事を考えると、どうもこの可能性がありえるかどうかが分からなくなってしまう。
それだけ、もう一つの要素―――ヤプールの狙いが闇の書であるという可能性が、強すぎるからだ。
闇の書の圧倒的過ぎる力を、ヤプールが狙っているというのは、十分にありえる。

「でも、だったらヤプールがどうして闇の書の事を知っているんですか?」
「ヤプールは、強い邪悪な力の存在を感じ取るのが得意だからね。
闇の書の詳しい事は分からなくても、漠然と、強い力だって事は感じ取れたんだと思うよ。」
「もしかして……クロノ君の前に現れた仮面の人が……?」
「いや、それは無いと思う。
もしもあの仮面の男がヤプールなら、闇の書の呪文を使えなんて言う必要がない。
……謎が増える形になってしまうけど、仮面の男はヤプールとはまた別の相手だと思うんだ。」
「……闇の書の主が、ヤプールって可能性は?」
「それは私も考えていたわ。
でも、それだと少し妙なのよね……」
「妙?」
「まずは、ウルトラマンダイナだ。
ミライさんと同じウルトラマンなら、そんな悪魔に加担するなんて考えられないよ。」
「僕もそう思います。
さっきだって、ダイナは僕にすまないって言ったし……」
「それに、何よりも守護騎士達の事だ。
彼等はまるで、自分の意思で闇の書の完成を目指しているようにも感じるんだ……」
「え、それって何かおかしいの?
闇の書ってのも、要はジュエルシードみたく、力が欲しい人が集めるもんなんでしょ?
だったら、その力が欲しい人のために、あの子達が頑張るってのもおかしくないと思うんだけど。」
「……それが、そうでもないんだよね。」

闇の書の主がヤプールなのかもしれない。
この可能性は、ダイナが加担している時点で既に希薄である。
そして、それに駄目押しをかけるのが守護騎士達の存在。
彼等の性質を考えると、ヤプールが主の場合……どうにもおかしな点が出てきてしまうのである。
232名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 17:45:51 ID:5ZJzFWvl
支援
「第一に闇の書の力はジュエルシードみたいに自由な制御の効く物じゃないんだ。」
「完成前も完成後も、純粋な破壊にしか使えない。
少なくともそれ以外に使われたという記録は一度もないわ。
……ここまでは、ヤプールの目的と一致してなくも無いんだけど……」
「問題なのは、闇の書の守護者の性質だ。
彼らは人間でも使い魔でもない。」
「え……?」
「人間でも、使い魔でもない……?」
「彼等は、闇の書に合わせて魔法技術で作られた疑似人格。
主の命令を受けて行動する……ただそれだけのためのプログラムに過ぎないはずなんだ……」

人間でも使い魔でも無い、魔法技術で生み出された存在。
その言葉を聞き、フェイトは己自身の事を考えてしまった。
彼等守護騎士達は、まさか……

「私と同じような……?」
「違うわ!!」
「!!」

フェイトの呟きを、リンディは真っ向から否定した。
彼女は確かに、人とは違う生まれ方をした存在。
プロジェクトFによって生み出された、クローン人間である。
だが……それでも、生まれ方が少し違うだけで、立派なフェイトという人間なのだ。

「……フェイトさん、貴方は普通の人間よ。
間違っても、そんなこと言わないでね……」
「はい……ごめんなさい。」
「あ、あの……じゃあ、もしかして僕の様な存在ってことですか?
人間の姿を借りた、ウルトラマンみたいな……」
「いや、ウルトラマンとはまた別の存在だよ。
闇の書の守護者は、闇の書の防衛プログラムが実体化して、人の形を取ったものなんだ。」

エイミィがモニターに、ヴォルケンリッター達に関する詳細を映し出した。
今回の魔道師襲撃事件に加え、過去の闇の書事件に関するデータ。
今現在で分かっている情報全てが、モニターに映し出されている。
それの必要な部位を見ながら、クロノが説明を続けていく。

「守護騎士達には、意思疎通のための会話能力があるのは、これまでの事件でも確認できている。
だが……彼等に感情が表れたっていう例は、一度も無いんだ。」
「魔力の蒐集と主の護衛、それだけが彼等の役目の筈なんだけど……」
「でも、ヴィータちゃんは怒ったり悲しんだりしてたし……」
「シグナムからも、確かに人格を感じました。
仲間や主の為にって……」
「主の為に……あ!!」
ミライはここで、クロノ達が何を言いたいかを悟った。
もしも主がヤプールの場合、彼等の行動はありえないのだ。
人格や感情が形成される筈が無い……ヤプールにとって、そんなものは不要な代物だ。
ただ、自分の思い通りの手駒であればそれでいい筈。
仕えている途中で、何らかの理由で形成されたとしても……ヤプールなら、それを平気で潰すだろう。
それに何より、あの悪魔の為に自分達の意思で蒐集を目指すなんて……そんな馬鹿な話、ある訳が無い。

「……つまりヤプールは、闇の書の横取りを狙ってるって事かな?」
「まあ、現状ではその可能性が濃厚なんだけど……まだ断言は出来ないね。」
「詳しい事は、調査を進めてみなければ分からないか。
それにしても……闇の書自体についての情報が、やっぱり少なすぎるな。」

今は少しでも、闇の書に関する情報を集めるべきである。
その為に、クロノはここでユーノを頼る事にした。
スクライア一族である彼には、うってつけの仕事が一つあるからだ。

「ユーノ、明日から少し頼みたい事があるんだ。」
「いいけど……僕に?」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「じゃあ……アレの出現には、自分は関係ないと言うんだな?」
「ああ……ヤプール、だったか。
ウルトラマンに関しても、初耳だが……」

深夜。
日も完全に沈み、草木も眠る丑三つ時。
全く人気の無い路地裏で、仮面の男と黒尽くめの男が対峙していた。
仮面の男は、黒尽くめの男に対してかなりの不信感を抱いていた。
それもその筈……あのベロクロンの出現は、黒尽くめの男の仕業である可能性が高いからだ。

「なら、お前の言っていた切り札とか言う生物はどうなる?」
「ガディバは、私が生み出した魔道生物の一種だ。
アレは、敵に乗り移り操る事が目的の寄生獣……確かにその過程で、ガディバにある程度の力は蓄えられる。
だが、ガディバ単体には戦闘能力は無い……超獣なんぞとは、全く別の代物だ。」
235名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 17:50:04 ID:5ZJzFWvl
支援支援
236名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/02(金) 17:51:53 ID:abs8NZTX
支援
237名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 17:52:05 ID:yPy7H9p9
カートリッジシステムに危険性があると思ったがそんなことはなかったぜ!支援
238名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/02(金) 18:04:58 ID:abs8NZTX
規制かな?
239名無しさん氏んでも代わりはいるもの:2007/11/02(金) 18:08:54 ID:3wP4g14V
規制っぽいですな。やはり避難所がいりますな。それはそれとして
GJ!! ベロクロンがちと弱かったですが、そのほかのやつに期待しましょう。
240名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/02(金) 18:13:01 ID:abs8NZTX
再生怪人は弱いと相場が決まってるからな・・再生怪獣も弱いんだろう。
「……お前が現れた時期と、ヒビノミライが現れた時期は、多少のズレがあるとはいえかなり近い。
お前がもしもヤプールだというのなら、辻褄が合うぞ?」
「ならば、私がお前に何故あのデバイスを渡せた?」
「……」

仮面の男は、黒尽くめの男がヤプールなのではないかと疑っていた。
しかし、黒尽くめの男はそれを断固として否定している。
実際、否定出来るだけの証拠が黒尽くめの男にはあった。
それは、彼がデバイスを手渡した事。
黒尽くめの男は、デバイスに関する知識を持ち、そして作り上げるだけの技術があるということだ。
この世界に来て間もない筈のヤプールに、それが出来るとは到底思えない。
超獣という未知の兵器を生み出せるだけの技術力があるとはいえ、デバイスとそれとは全くの別物だ。
やはり、単なる偶然の一致に過ぎないか。
仮面の男は、しばし考えた後……謝罪の言葉を口にした。

「すまないな……少し、考えすぎていたようだ。」
「そうか……まあ、気にしないでくれ。
確かに、私をヤプールだと判断してもおかしくはない状況だったしな。」
「……じゃあ、私は戻るとしよう。
また何かあったら、連絡する。」
「ああ……」

仮面の男が、その場
仮面の男が、その場から姿を消した。
その後……黒尽くめの男は、微笑を浮かべる。
それは、明らかな嘲笑。
ものの見事に口車に乗ってくれた、仮面の男に対する嘲りの笑みだった。

「くくく……馬鹿な奴等だ。」

仮面の男の推測には、実は穴があった。
ヤプールがデバイスを作り上げられる理由が、一つだけ存在しているからだ。
それは……ヤプールが、前々からその存在を知っているという可能性。
魔法の力を、黒尽くめの男―――ヤプールが既に知っているという事だった。

「闇の書の力……ようやく我が手に収められる時が来たのだ。
光の一族を抹殺し、地球をこの手にする時が……何者にも、邪魔はさせん。
そう……何者にもな……!!」


規制をくらったので、携帯より失礼します。
これで投下完了です……
色々とすみません、そしてありがとうございましたorz
243名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 18:20:22 ID:5ZJzFWvl
メビウス放送当時、黒ずくめのヤプールを見てブラック司令が復活したのかと思ったよ
244名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 18:29:02 ID:yPy7H9p9
GJ!
これはいい悪役。
まあ、この手の化かし合いじゃ基本いい人の仮面ではヤプさんには勝てんわな。
245名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 18:31:38 ID:5ZJzFWvl
GJです。
このヤプールは実体があるのだろうか?
それとも思念体なのかな?
246名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 18:32:44 ID:Hon31lmt
GJ

黒ずくめの人キターw
ヤプールだヤプールw
247告知:2007/11/02(金) 18:46:00 ID:Hon31lmt
るろうに剣心×リリカルなのは

魔法少女リリカルなのはStrikerS−時空剣客浪漫譚−(仮)


「お主は自分自身の力に気付いていない、他人は他人。人それぞれの生き方があるように闘い方もそれぞれ。
ティア殿は充分強い、周りに捕われる事無く強くなるでござる。なのは殿とティア殿の考え、拙者には到底見当もつかぬ……だが、仲間を分かりたい気持ちは一緒でござる」

「剣心さん……はい」



「うっし、着いて来れるかエリオ!?」
「はい、左之助さん!ストラーダ・フタエノキワミ、アーーー(°Д°)!」

「お前も斬馬刀かよ」
「あ、左之助も?」


「私の背中、預かってくれないか蒼紫?」
「無論だ、俺の小太刀はそう簡単に破れる代物ではない。シグナム、これは御庭番衆の頭として断言させてもらう。」

「ふ、頼もしいな」


「おい、なんだこの……イタチ娘は?」

「誰がイタチだコラ!」
「ヴィータ殿、こうゆう男だからいちいち腹を立ててはキリが無いでござるι」


「調査ついでにお土産買ってきました♪」
「わーシュークリームっス♪」

「宗次郎君、すまないな」
「あはは♪ いえ、僕も貴方の出す答えを見てみたいですから。ジェイルさん」


5人の男達は異世界で何を得るのか……

執筆開始
248名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 18:47:11 ID:5ZJzFWvl
開始するのかwww
249名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 18:49:17 ID:dr5/m10d
左之助じゃねぇ、サノスケじゃねぇかwwwwwwwww
250名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 19:03:44 ID:7B3TTdBz
GJ!
さすがヤプール!混じりっ気なしの邪悪だぜ!
251コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/02(金) 19:24:29 ID:Hhwd22si
強くなることばかり考えていた。

強くなって何をするかなんて、あまり考えたことがなかった。
力の意義は、その場その場で変わるものだと思っていた。

でも、今は違う。

願いは1つ。
君の笑顔だけを守り抜きたい。

「コードギアス 反目のスバル」FINAL STAGE――始まります。
252名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/02(金) 19:30:04 ID:abs8NZTX
おおっ!遂に最終話ですか!
253コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/02(金) 19:30:33 ID:Hhwd22si
旧海鳴市を歩く人影があった。
少女――スバルは、バリアジャケット姿で1人の少年を背負い、歩を進める。
少年――ルルーシュの瞳に生気はない。生きていながら、生きる気力の尽きたような、そんな様子だった。
「ここに来ると思ってた」
ふと、脇から聞き慣れた声がする。
スバルがそちらを向くと、立っていたのはティアナだった。
「ティア…」
「ゼロを――ルルーシュ・ランペルージを確保に来たわ」
ティアナは淡々と言い放つ。スバルの表情も、歩いていた時から変わらない、無表情なものだった。
「そっか…やっぱり、気付いちゃったか」
「分かりやすすぎるのよ、アンタは」
ティアナがそう言うと、今度は上空から何かが降りてくる。
2人の人間だ。片方はフェイト。そしてもう片方は――
「なのはさん…」
着地すると、なのははスバルの元へ2〜3歩歩み寄る。
「…どうして、みんなバリアジャケットを身につけているんですか」
質問ではなく確認だった。なのは達3人は、全員がデバイスを起動していた。
「…その子には、管理外次元での異能力悪用の容疑がかかっているわ。
 確保次第、管理局へ送ることになっている。…そして、貴方がその子を連れてきた…」
なのはは答えず、代わりにフェイトが口を挟んだ。
「もし引き渡しを断ったら…」
「最悪、裏切り者諸とも排除せよ…」
フェイトは悲しげな視線で伝える。
「…スバル! いいから早くソイツをこっちに渡しなさい!」
耐えきれず、ティアナが叫んだ。
「いい!? それを断るってことは、管理局に『反目』の意志ありってことなのよ!? そうなったら、あたし達は…!」
「ティアナ…」
尚も言い募ろうとするティアナをなのはが制する。
もう、何を言っても無駄なのだと。スバルの意志は既に決まっていると。
無言で、そう伝えた。
「…もう、戻れないんだね」
今度はなのはが確認する。
「…すみません…」
スバルは、そうぽつりと呟いた。
「スバル…!」
ティアナが声を上げる。だが、最早そんなものは意味がない。
「…ルルーシュの、妹が死んだ…殺したのは彼の親友だった。
 ルルーシュは、そのまま、その親友を殺しちゃった…」
瞳を閉じ、スバルは語る。
「…これ以上、ルルーシュを傷付けちゃいけない…でないと、ルルーシュは壊れちゃう…」
感情の読み取れなかった呟きに、少しずつ力がこもる。
スバルは数歩歩くと、未だ力ない様子のルルーシュの身体を、ビルの影に預けた。
「待っててね、ルルーシュ」
スバルは静かに言うと、再び元の位置に戻った。
避けられなかった。スバルはどうしても、ここへ来なければならなかった。
乗り越えるために。自身の意志を貫くために。
スバルの意地だった。
「…彼は…ルルーシュは、あたしが守る」
見開いた瞳は、金色に輝く。
「だから…!」
底なしの魔力がスバルの身体から解き放たれ、光を放ち、渦を巻いた。
「道を空けろ…高町なのはああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーッ!!!」

FINAL STAGE 反目のスバル
254名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 19:31:03 ID:mtzLdZgo
ヤプール死んでも超獣死なずと言う名台詞を思い出した

偽メビウスとか出てきそうな、展開なので、ヤプールが W.I.N.R.のデータベースからウルトラマンパワードのデータと変身アイテムのを盗み出して、偽パワードを作って大暴れさせて欲しい
実際にパワード最終話で変身アイテムを解析されると言う、展開を参照にしてみた、反省はしてない
255コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/02(金) 19:31:49 ID:Hhwd22si
リボルバーナックルがアスファルトを叩き、ウイングロードを形成する。
青白い光の道が、空中に浮かんだなのはを包囲した。
スバルは素早くウイングロードに飛び乗り、マッハキャリバーを最高速で突っ込ませた。
「くっ…!」
なのはは瞬時に魔力弾を連発した。
気を抜いたら、一瞬で間合いを詰められる。遠距離攻撃型の自分にとって、それは何としてでも避けねばならないことだ。
故に、迷っている暇はなかった。たとえ相手がスバルでも。
『Protection.』
スバルの右腕から展開される光の盾が、全ての魔力弾を受け止める。
瞬間、凄まじい爆発が起こった。
立ち込める黒煙が、スバルの身体をすっぽりと包み込み、なのはの視界を奪う。
「うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
雄叫びが迫った。
黒煙をかき分け、スバルが猛然となのはに肉迫する。
ほぼゼロ距離。完全にスバルの間合いだった。
スバルはナックルスピナーをフル回転させ、なのはに向かって鉄拳を叩きつけた。
『Sonic Move.』
しかし、リボルバーナックルが捉えたのは、黄金の光を放つバルディッシュの刀身。
(フェイトちゃん!)
(間合いを取って、なのは!)
(うん!)
なのははその場をフェイトに任せ、スバルから距離を取る。
間一髪で援護に入ったフェイトがこのままスバルを引き付け、そこへなのはが攻撃を仕掛けるという寸法だ。
フェイトの足は速い。タイミングさえ合えば、その戦法でも被弾することはない。
だからこそ、その意図はスバルにも読み取れる。
バルディッシュとぶつかり合った形のまま、リボルバーナックルのカートリッジが1発ロードされた。
「!?」
フェイトが気付いた時には、既に遅かった。
「リボルバーシュートッ!」
「くぅっ!」
ゼロ距離からの強烈な魔力の弾丸が、アサルトフォームの刃ごとフェイトを遥か後方へと吹き飛ばす。
続いてスバルは、視線を飛行中のなのはへと向け、再びカートリッジを3発連続ロード。
なのは目掛けてリボルバーシュートが3連射された。
しかし、そう易々と攻撃が当たるはずもない。なのはは身を捻り、あたかも戦闘機のドックファイトのような華麗な回避を見せる。
距離を取られては埒が開かないと判断したスバルは、ウイングロードをなのはの元まで伸ばそうとする。
その時、スバルの頬を掠めるものがあった。下方からの銃弾だ。
「スバルッ!」
スバルの真下から、ティアナが必死の形相でクロスミラージュを連射した。
「ティア…!」
スバルはその姿を認め、苦しげに呟くと、光の道から思いっきり飛び降りた。
「だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーっ!」
「はっ…!?」
全体重を乗せたかかと落とし。
迷いを断ち切るかのような強烈な一撃が、ティアナに向けられた。
必殺の一撃は、ティアナの立っていたアスファルトを陥没させ、盛大な土煙を上げる。
煙からスバルが飛び出し、マッハキャリバーを走らせてなのはを捜す。
と、横合いから猛然と突っ込む影があった。
「くっ!」
反射的にプロテクションを発動して防御。斬りかかってきたのは、ハーケンフォームのバルディッシュを握るフェイトだった。
「はぁっ!」
再び金の刃を持つ大鎌で、横薙ぎに一閃。かろうじてスバルはそれを回避。
そこから先は剣風の嵐だった。
フェイトは神速のごとき凄まじいスピードでバルディッシュを振るい、スバルの身を狙う。
鎌の形を成すハーケンフォームの軌道は円形だ。横から執拗にスバル目掛けて斬りつけてくる。
直線上に突き出すリボルバーナックルでは、迎撃が困難だった。
256コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/02(金) 19:33:10 ID:Hhwd22si
「それならっ!」
次なる攻撃が繰り出される瞬間、スバルは背後へと小さく飛び退いた。
胴体を狙った攻撃は、僅かに先が当たる程度になる。そして、この間合いなら、リボルバーナックルでも受け止められた。
「くっ…」
「うぉりゃあああああっ!」
スバルの反撃が始まった。
バルディッシュを払い除けると、その勢いで距離を詰め、容赦ない連撃を叩き込む。
リボルバーナックルが飛び、マッハキャリバーが狙う。間合いを取られたフェイトは防戦一方となった。
今彼女が用いているこのハーケンフォームは、長大な柄を有した姿だった。
故に相手の間合いの外から攻撃が可能で、中〜近距離戦では重宝していた。
しかし、このハーケンフォームにも弱点があった。至近距離戦ではその長い柄が仇となり、全く攻撃できないのだ。
更に刃自体の形状も小回りが利くようなものでもないので、柄を短く持って対応するわけにもいかない。
こちらの攻撃範囲外まで間合いを詰められたフェイトは、広い刃で防御することしかできなかった。
(フェイトちゃん!)
と、フェイトの脳内に響く声があった。
フェイトが僅かに背後へ下がると、スバルの元へ数発の魔力弾が放たれた。
咄嗟に全弾を回避したスバルが、攻撃の飛んできた方向へ向き直る。
そこには、
「!」
3人のなのはがいた。
否、それだけにはとどまらない。新たに4人目、5人目のなのはが何もない空間に現れ、更にその数を増していく。
あっという間に、合計10人ものなのはが空を埋め尽くした。
圧倒的な数による包囲網。しかも、それら全員が管理局のエース・オブ・エース。
何も事情を知らない人間がその中に放り込まれたならば、その時点で、悪夢その
ものの光景を前に死を覚悟するだろう。
しかしスバルは、相手陣営にティアナがいることを知っていた。
これは彼女が幻術で生み出した幻覚だ。当然1人は本物だろう。となると、9人が幻ということになる。
そして10人のなのはが、同時にレイジングハートを構える。
次の瞬間、スバルの視界が赤一色に染まった。
10人分の魔力弾が一斉に放たれ、スコールのように地面を殴り付ける。
スバルは全速力で、それら全てから逃れるために走り回った。
攻撃の9割は実体のない幻だが、どれが本物に当たる1割かは見当もつかない。故に、スバルは全弾を避けさせられる羽目になる。
「「「アクセルシューター!」」」
追い討ちは続いた。
今度は全員が、追尾性能のある攻撃を撃ってきたのだ。
アクセルシューターは縦横無尽に空中を飛び回り、360度全方位からスバルに襲い掛かる。
「くっ…!」
弾数は先程よりは減っていたが、攻撃を避ける労力は格段とこちらの方が上だ。
このままでは幻覚に翻弄され、スタミナを使い切ってしまう。
スバルのかかと落としによってかなりのダメージを負ったティアナの幻術も、そう長くは続かないだろうが、
ある程度まで体力を削らせることができれば、2人のエースにはそれで十分だろう。
(どうやれば幻術をまとめて消せる…?)
スバルは考えていた。
1つ1つ潰していては、それこそ魔力の無駄だ。攻撃の隙に襲われる可能性もある。
ふと、スバルは道路の電柱に目を止めた。
(…あれだ!)
電柱に近づくと、リボルバーナックルで思いっきり殴ってへし折る。
そしてそれを抱えると、精一杯ジャンプし、勢いよく振り回した。
「おぉぉぉぉりゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
電柱は次々となのはの幻を巻き込み、消滅させていく。
1人、2人、3人…あっという間に、9人全ての幻が姿を消した。
257コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/02(金) 19:34:21 ID:Hhwd22si
しかし、スバルはこの瞬間、ある違和感を感じていた。
(! 本物がいない…!?)
いつの間にか、空中のなのはは9人に減っていたのである。つまり、最後の――本物の1人がいないということ。
スバルは必死に周囲を見回した。死角から狙撃を食らってはたまったものではない。
『Exceed mode.』
と、背後からレイジングハートの音声が響いた。
振り向くと、そこには、先程とは異なるロングスカート姿のなのは。
「…限定解除…!」
エクシードモード。
この戦闘の前にあらかじめ承認を得ていたのだろうか、本気のなのはの姿がそこにあった。
しかし、スバルに恐れた様子はない。むしろこの状況に、毅然として臨んでいた。
(望むところ)
本気のなのはでなければ、最後に戦い、乗り越えていく意味がない。
スバルはリボルバーナックルの右手を固く握りしめ、マッハキャリバーを突っ込ませた。
「でやあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

アッシュフォード学園。
その敷地内に、降りてきた機影があった。
紅蓮弐式である。
そして背後のコックピットハッチが開かれ、中からカレンが姿を現した。
「カレン!」
未だ残っていた生徒会の面々が、カレンの元へと駆け寄る。
「スザクは!? お前、アイツを追ってゼロの所に行ったんだろ!?」
「スバルもそっちに行ったはずよ! だって、スバルはゼロを追ってたもの!」
いつまで経っても帰ってこない仲間の名を、リヴァルとシャーリーが口々に叫ぶ。
一方のカレンは、すっかり意気消沈とした、生気の感じられない虚ろな様子だ。
当然だった。
今まで正義の味方と信じてきたゼロが、そんなものとは一切無縁、
甘い言葉で自分達を己の欲望のために扇動しただけの、ひねくれルルーシュだったのだから。
「ほら、2人とも落ち着いて。…カレン、結局のところ、どうだったの?」
「…あの2人は…それから、ルルーシュも…もう、戻ってきません…」
「なっ…戻ってこないって、どういうことだよ!?」
突然発せられた衝撃的な言葉に、リヴァルが聞き返す。
「スバルは、ゼロを…ルルーシュを連れて、姿を消した…途中までは送ったんだけど…」
「…! お…おい…今、何て言った…!?」
ゼロの正体がルルーシュ。
その事実は、少なくともリヴァルとミレイを驚愕させるのには十分だった。
「そんな…嘘…!」
「嘘だよな…嘘に決まってるだろ!?
 だって、ルルーシュはっ…あんな大それたこと、わざわざやるような奴じゃねぇだろっ!」
カレンの肩を揺さぶり、リヴァルがわめく。
しかし、カレンは否定せず、ただ視線をそらすばかり。
「…そんな…何てこった…」
リヴァルはそのままその場にへたり込んでしまった。
「そうだ…スザクは!?」
思い出したように、シャーリーが尋ねる。
「…死んだ」
カレンは少し顔色を悪くし、絶望的な事実を告げた。
「…!」
その場の全員が、思わず絶句する。
「ナナリーも、そこで…一緒に…」
「そんな…ナナちゃんまで…!?」
シャーリーが信じられないといった様子で言った。
「…なあ、おいカレン! ルルーシュ達をどこで下ろしたんだよ! このままお別れなんて…そんなのないだろ!?」
再びリヴァルが、カレンの元へ詰め寄った。
「言われるままに、海鳴って所に誘導された…行ったことないから、陸路での行き方は…」
「くっそぉぉぉ! ウミナリゲットーなんて、どこにあるんだよぉっ!!」
絶望感に満ちた声で、リヴァルが叫んだ。
258コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/02(金) 19:35:51 ID:Hhwd22si
「はああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
上空からのなのはの狙撃をかわしながら、スバルが目標目掛けて肉迫した。
リボルバーナックルとバルディッシュが激突する。
未だにスバルは、倒れることなく戦い続けていた。
最初の方こそ善戦していたが、少しずつ、だが確実に、人数差が埋めがたい戦力差として響いてきていた。
今では度重なる攻撃によって、既にバリアジャケットはボロボロだ。
トレードマークのハチマキも、半分ほどの長さになっている。
対するフェイトのバルディッシュは、大剣の形を成したザンバーフォーム。彼女もまた限定を解除し、全力を見せていた。
「く…うぅ…う…っ!」
スバルの体力は、最早半分以下も残されていない。それでもなお、懸命に拳に力を入れる。
その時フェイトは、バルディッシュから伝わる微妙な振動に気が付いた。
(振動破砕で、バルディッシュを壊そうとしている!?)
このまま膠着していては危険だ。フェイトはスバルを振り払おうとする。
しかし、必死に耐えるスバルはなかなか離れない。
(フェイトさん、そのままスバルを抑えていてください!)
と、不意に頭に響く念話の声。声の主はティアナだった。
「クロスファイヤァァァァーッ! シュゥゥゥゥゥゥート!!」
叫びと共に、スバルの背後から4つの魔力弾が迫る。
スバルはギリギリで反応し、避けようとしたが、フェイトのバルディッシュがそれを許さない。
「がッ…!」
結果、4発全てがスバルの背中に命中することとなった。
「フェイトさん、今です!」
「はぁぁっ!」
気合いと共に、フェイトがバルディッシュを勢いよく振り上げ、スバルを上空に投げ飛ばした。
フェイトはそのまま凄まじいスピードで追い付き、そのまま連続攻撃になだれこもうとする。
しかし突然、スバルの脚が動いた。あたかも、脚がスバルの意志とは無関係に蹴りを放ったように。
「!?」
「マ…マッハ、キャリバー…ッ!?」
ザンバーフォームの直撃を受け止めたのは、マッハキャリバーそのものの意志だった。
リボルバーナックル共々、既に大破寸前だったマッハキャリバーは、とどめを刺されて砕け散る。
『申し訳ありません、マスター』
あらゆる戦いの中で共に歩み、共に成長してきた相棒の最期の言葉が、破片の中で響いた。
「フェイトちゃん!」
警告が発せられたのは、その直後だった。
フェイトが離れると同時に、スバルに向かって、より高い空からなのはの魔力弾が撃ち込まれた。
「うああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
満身創痍のスバル目掛けて、赤い弾丸が容赦なく降り注ぐ。
もう片方のマッハキャリバーも破壊され、バリアジャケットは更に傷付き、遂にハチマキが千切れて頭から落ちた。
それだけではない。着弾の衝撃がスバルの身体を押し、遥か下方へと叩き落とす。
そのまま抵抗もできず、スバルは廃ビルの残骸の一部へと叩き付けられ、土煙を立ち込めさせた。
煙の中のスバルは、ぐったりと力なく壁にもたれかかっている。
魔力は切れかけ、バリアジャケットはボロ雑巾も同然となり、リボルバーナックルはひび割れていた。
予備分全てをつぎ込んだカートリッジ20発も、残り僅か3発分しかない。
なのは達が地上に降り、自分の元へと迫ってきた。
(動かなくちゃ…!)
スバルは必死に身体を動かそうとするが、激痛にさいなまれる身体は鈍く、このままではとてもじゃないが間に合わない。
「終わりよ、スバル…」
ティアナが真っ先に、悲しみに満ちた瞳で宣言した。
「何か…言っておきたいことはある?」
なのはが最後通告を発した。
敵として全力で向かってくるのなら、こちらも敵として全力で倒す。それが彼女なりの、教え子への礼儀。
「………」
259名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/02(金) 19:36:10 ID:abs8NZTX
支援!
260コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/02(金) 19:37:08 ID:Hhwd22si
スバルは後ろの方へと視線を飛ばした。
ちょうど、そこは戦闘前にルルーシュを預けておいた場所だ。
ルルーシュの目には、未だ何の光もない。虚ろにどこか遠くを見ているような、そんな感じだった。
「…ごめんね、ルルーシュ…」
スバルはルルーシュに語りかけた。
「あたし…全力全開で、ルルーシュのことを守るつもりだったけど…駄目だった」
不思議と、スバルの口元には苦笑が浮かんだ。
「やっぱり、まだまだあたしは半人前だから…」
そこまで言って、スバルは一旦言葉を切った。
しばらくの後、再び口を開き、続ける。
「ルルーシュ…力を貸してよ。あたし1人じゃ、ここを突破できない。
 あたし1人じゃ、なのはさんはまだ超えられない。フェイトさんを退けられない。ティアをこれ以上傷付けられない。
 あたしはまだまだ半人前だから、1人では何もできない…」
先程までとは異なり、訴えかけるような口調だった。
「…分かる? ルルーシュが何もしなかったら、あたし達はここで死んじゃうんだよ。
 …ナナちゃんは命を張って、ルルーシュを守ってくれた」
ナナリーの名前を聞き、一瞬、ルルーシュの肩がぴくりと動いた。
「…それは、ルルーシュに生きていてほしかったから…
 …今ここで何もしなかったら、ナナちゃんの想いとか、行動とか、命とか…全部無駄になっちゃうんだよ!?」
スバルは叫んだ。
「お願い、力を貸して…生きようとして!
 生きてよ、ナナちゃんのためにも! ルルーシュを生かしてくれたナナちゃんのためにも!」
物言わぬルルーシュに向かい、スバルは必死に訴えかけた。
目の前では、なのはが魔法陣を展開し、最大魔法の準備を整えている。
戦い続けたスバルへの最大限の敬意として、最大の技で葬るつもりらしい。
「…あたしも、その中に入れてよ…」
ふと、スバルがぽつりと呟いた。
「ルルーシュの、生きる意味の中に…」
いつしか緑に戻っていた瞳から、涙が溢れた。
「…生きてよルルーシュ! あたしのために生きてよッ!!」
大粒の雫を振り撒き、スバルが最期の叫びを上げた。
「さよなら、スバル…できれば、もっと一緒にいたかったよ…」
その目に沈痛な色を宿し、なのはが呟く。
チャージは完了した。
来る。
エース・オブ・エースの最大魔法・スターライトブレイカーが。
最早避けられない。スバルはぐっとその光を睨み付ける。
「スターライト…!」
悲しみを振り払い、なのはは決然としてその名を叫ぶ。
せめて引導を、彼女の手で渡すために。
「ブレイ…!!」
遂に最後の一撃が放たれると思われた、その瞬間だった。

――止まれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーっ!!!
261コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/02(金) 19:38:54 ID:Hhwd22si
「っ!?」
なのはの表情が驚愕に彩られた。
待機状態のスターライトブレイカーが、いつまで経っても放たれる気配がない。
「か…身体が…動かない…!?」
困惑も露わな声が上がった。
なのははバインド魔法をかけられたわけでもないのに、指一本動かすことすらできなかった。そして、それは他の2人も同様らしい。
(さっきの声…!)
はっとして、スバルはルルーシュの方を向く。
そこには、
「行け…スバルッ!」
右手を壁につき、よろけながらも立ち上がった、ルルーシュの姿があった。
「ルルーシュ…!」
再び生きる意志を取り戻してくれた。それを知ったスバルは、満面の笑みでうなずく。
「…うんっ!」
スバルは痛む身体を必死で起こし、リボルバーナックルを突き出した。残る3発のカートリッジが、一挙にロードされる。
(ありがとう、ルルーシュ…)
目を閉じて、胸の中でそう言うと、スバルは毅然としてその瞳を開く。
今、スバルは1人で守るために戦うのではない。2人で共に歩むために戦っていた。
これは2人の力だ。
「正真正銘…!」
足元に、近代ベルカ式の青白い魔法陣が浮かんだ。
「これが最後のっ…!」
両手を回して空中に魔力スフィアを形成する。
「一撃必倒!」
拳を構え、その名を叫んだ。
「ディバイィィィィィィーンッ…!」
未来を切り開く、最後の一撃の名を。
「…バスタァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーッ!!!」
魔力の奔流が、なのは目掛けて解き放たれた。
青白い波動はなのはを飲み込み、その身を思いっきり殴り付ける。
リボルバーナックルに亀裂が走った。
安定を失ったディバインバスターは拡散し、フェイトとティアナをも巻き込んだ。
「いっけええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
雄叫びと共に、奔流は更にその勢いを増した。
障害物を貫き、道路を焼き、ビルを貫く。
遂にある瞬間、反動に耐えきれなくなったリボルバーナックルの亀裂が全体を覆い、その身を砕き始めた。
(さよなら…リボルバーナックル)
永きに渡って戦い続けた半身に――母の形見にスバルが別れを告げた瞬間、ようやく青き波動は消えた。
「…はぁ…はぁ…」
息を切らすスバルの身体からバリアジャケットが剥がれ、元の私服へと戻っていく。
耐久限界を遥かに超えたそれは、その形を維持できなくなったのだ。
なのは達は気絶し、倒れていた。バリアジャケットの防御力を考えれば、命に別状はないだろう。
行政特区日本式典から休む間もなく戦い続けたスバルは、そのままよろよろとルルーシュの元へと歩いていき、その胸に倒れ込む。
「スバル…!」
「えへへ…スタミナ、切れちゃった…」
微かに笑いながら、スバルはルルーシュの顔を見上げる。
「…行こう、ルルーシュ」
262コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/02(金) 19:40:20 ID:Hhwd22si
人は――人間は、「幸せ」を求める存在である。
ブリタニアの少年、ルルーシュが望んだことも、
ミッドチルダの少女、スバルが望んだことも、小さな幸せに過ぎなかった。
特別なことではない。
少なくとも行動の根源には、人として、ごく当たり前の、とてもささやかな願いしかなかった。
そんな夢を――そんな誓いを誰が否定できるのか。誰にそんな資格があるというのか。
だがしかし。
人は、誰しもが否応なしに他者と――世界と関わることによって自らを規定され、定められてしまう。
ならば、個人の思惑など、世界の意思を前にしては、どうしようもなく流されてしまう、儚い存在でしかない。
罪と罰。
運命と裁き。
ルルーシュの前に立ちはだかったのは、自らが生み出した過去であり、人が人であるが故の憎しみか。
スバルの前に立ちはだかったのは、自らを規定する壁であり、人が世界の一部であるが故のしがらみか。
それでも今は、感謝すべきであろう。
そう。
少なくとも。
人が、幸せを求める存在であることに。
一縷の望みは、ほのかなる願いより――絶望からこそ生まれ出ずる。

海岸で、1人の男が、水平線の彼方を見つめていた。
ワイシャツのような服を身につけ、黒い髪と紫の瞳を持った、美形の青年が。
「ルルーシュ」
と、背後から楽しげな響きの声をかける者がいた。
緑の瞳を持ち、青い髪は肩にかかるほどの長さに伸びている。若草色のセーターが印象的だった。
「ああ…スバルか」
ルルーシュはスバルの方を向いて、ふっと笑うと、再び水平線へと視線を戻した。
その顔には、包帯のようなものが左目を隠すように巻かれている。
あれから3年。ルルーシュは1度もギアスを使っていなかった。
「いい所だな、北海道は」
「うん。少し冬は寒いけどね」
エリア11最北端の地。この3年間、2人はそこで暮らしていた。
管理局からの追っ手は一向に来る気配はない。ルルーシュにギアス悪用の意志なしと判断されたのだろうか。
あるいは、なのはが上のお偉方を説得してくれたのかもしれない。
スバルはルルーシュの横顔を見上げる。
北海道の自然は、少しずつ、傷付いた彼の心を癒していた。
まだかつてのような精悍さは戻りきってはいないが、それでも大分回復してきている。
「…ああ、そうだ」
と、ルルーシュは何かを思い出し、スバルの片手を掴んだ。
「えっ?」
戸惑うスバルを尻目に、ルルーシュはその手の中に何かを置く。
それは指輪だった。
スバルの瞳のような、澄んだエメラルドがあしらわれた指輪。
「…これは?」
指輪を見た後で、スバルはルルーシュの顔を再び見上げる。
ルルーシュは穏やかな笑顔を浮かべつつ、海へと視線を向けた。
その指に、似た意匠の指輪を光らせながら。
「拾った」


コードギアス 反目のスバル

fin
263名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/02(金) 19:41:09 ID:abs8NZTX
支援
264コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/11/02(金) 19:41:31 ID:Hhwd22si
まずは職人の皆様にGJを贈ります。

というわけで完結です! やー、長かった長かった。

前半の戦闘の方は、「PRAY」の1・2番が挿入歌でかかっているイメージで書き上げました。
でもってルルーシュが立ち上がる辺りで3番がかかる感じです。歌詞がマッチしててかなり燃える。
これで前回の欝な空気を一挙に吹き飛ばすことができれば幸いなのですが…どうなんだろう?
何にせよ、やっぱり最終回は盛り上がって終わりたいものですね。

「ルルーシュを振り回すスバル」という構図が見てみたくて、今回このSSの連載を始めました。
何となく彼の周りには、普通に陽気な女の子がいなかったような気がしましたので。
…それにしてはルルーシュが順応しすぎていたような…精進します。

で、ラストはスバルとルルーシュがくっつくという形で終わったわけですが、
他作品のキャラ同士をくっつけるのってアリなのかなぁ…
ま、いーか。リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー氏のドレイクとシグナム姐さんに萌えたから(ぇ

さて、まだ外伝を1本残していますが、一応本編はこれで終了です。
ご愛読ありがとうございました!
265名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 19:44:14 ID:DAzudyLh
コードギアス 反目のスバル氏

乙でした!そして完結おめ。
外伝も楽しみにしています。
266名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 19:55:43 ID:3AS3PLb6
完結乙! 
結局死ぬ人は死ぬから残念やな〜と思っていましたが、最後は最高でした。
ココで反目と言う事が来た事が良かったです。そしてルルーシュのギアスが最高のタイミングw
まあなに言っているか解らないと思いますが……つまりGJ!!
267名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 20:05:15 ID:gCvs/tC4
>>247
るろ剣とのクロスですか。
告知を見て誰が来るかは分かりましたが、その五人は魔法抜きならかなりの強さですからね。
どのようになるかは楽しみにしています。
268名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 20:36:46 ID:pVg5x4gm
コードギアス 反目のスバル

なに、この超良作小説!!
しかも完結おめでとうございます!
うわ〜、さらに外伝あるんすね……

楽しみにしてます!

今、このスレを見つけて皆さんの小説を読めることに「幸せ」を感じました。
269StS+ライダー:2007/11/02(金) 21:01:52 ID:lbiYFNb8
>反目さん
素晴らしい!負けました!
僕の台詞のやりとりの恋愛描写じゃとても貴方には
・・・
まあ、ルルはもう○○ボウヤ卒業かな?(失礼)
他作品同士の恋愛はおkだと重いますよ。
僕はもう大シグ、ホパシャマやってますし、二部ではフラグ立てまくる予定ですから。
まぁそれはともかく、外伝もがんばってくださいね。

あと大シグに萌えて頂き、ありがとうございます。
270名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 21:25:47 ID:9/2ZCu+h
>>269
あんまりやりすぎても反感を買う気が・・・
何事もほどほどにwww
271名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 21:49:22 ID:yYTeoZaQ
なんか終わり方が08に似てたが気のせいか
>>271
えーっと…完全に偶然です。
というか08MS小隊はまだ本編見てすらない…暇を見つけて見てみようかなぁ…
273リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/11/02(金) 22:04:47 ID:yqZN7JxZ
>>269
反感を持たれる危険を冒すのが怖いんでナンバーズ以外に基本的にフラグ立てない俺が居る。
立てようと思えばなのは達にもフラグ立てられない事も無いんだけどいかがなもんでしょうか?
274名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 22:06:58 ID:x7kihqPi
>>273
何もフラグは恋愛ばかりではない
友情とか敵対フラグというのもありかもしれませんよ?
275名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 22:15:33 ID:bfxkrYlg
ところで、現在「リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー」の支援絵を描いてるんだが、こういうものってどのアップローダーに上げればいいんだろ?
何か決まった場所があるなら教えてください。こういうスレへの参加はまだまだ初心者で勝手が分からない(汗
それとも、イラストは駄目なのだろうか?
276リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/11/02(金) 22:21:54 ID:yqZN7JxZ
>>275
ダメな訳無いじゃないですか。
というかそんなもの書いてもらえるなんてStS+ライダー氏がうらやましい…。
いや、マジでです。
277名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 22:29:42 ID:MVTo03CX
コードギアス 反目のスバル
最後のシーンではスバルがギンガみたいに格好なのですか?
そしてルルーシュのセリフに萌えました

何故かガン×ソードのレイの最期にみた風景が頭をよぎります
278名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 22:32:33 ID:bfxkrYlg
>>276
おk。ならば、遠慮なく描きますわw
ところで、アップローダーに関してはどうでしょう?
というか、こういうスレにイラストをあげる場合はそういう方法でいいんですよね?
何気に初めてなもんで(汗
おすすめあったら教えてください。簡単にあげられるのがいいですw
279リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/11/02(金) 22:37:10 ID:yqZN7JxZ
http://kjm.kir.jp/pc/index.php
>>278ここなんかどうでしょうか?
あと自分のパラロスクロスを題材にして書いてもらえません?
とか超図々しいお願いをしてみるテスト。
280名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/02(金) 22:47:08 ID:abs8NZTX
EDF氏マダー?
281リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/11/02(金) 22:47:40 ID:yqZN7JxZ
一応言っときますけど冗談ですよ。冗談。
282名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 22:51:21 ID:bfxkrYlg
>>279
サンクスっす。
平成ライダーは我がバイブルなので、前向きに検討させていただきやすw
283通常の名無しさんの3倍:2007/11/02(金) 22:54:11 ID:NCpeJvkV
08だけでガンダムの08小隊に行き着く当たり凄い人たちだな
284リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/11/02(金) 23:07:23 ID:lbiYFNb8
>>275
ししししししししし…支援絵!?
そんな僕みたいな奴のために…ありがとうございます!これからも一生懸命頑張ります。(できあがったら雑談スレあたりで教えてください)

どんな絵かなぁ…たのしみ…
285魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS:2007/11/02(金) 23:25:14 ID:mQGxofW6
百万年。
それは銀河の回転に比べればわずかな時。
星や星雲ははるかに古く、宇宙を漂う正体不明の物質・素粒子の断片・名も無き
特殊なエネルギーでもまだ古い。
百万年。
それは人類にとっては悠久の時。
時の流れをほんの僅かに遡るだけで、文明の萌芽もない、ろくに知性の発達して
いない時代になってしまう。
一方で宇宙には、百万年を当たり前の時間単位として使う存在が、物質的にも
精神的にも強固に出来上がった存在がある。
その知性はひたすらに巨大だ。それを人間の知性と比べるのは、人間と蟻を比較
するようなものである。
彼らは、時に宇宙・時間・自らの存在について考える。
時に、人間の創造を遥かに超えるものを作り上げる。
時に、善行を為し。
そして、時に世にも邪悪な災いをもたらす…。

魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS

1
地球上にはさまざまな砂漠が存在する。
モンゴルや北米西部の岩石砂漠、チベットの高原、ボリビアやチリのアルチプラノ
、北極・南極の寒冷地帯もある意味砂漠といえる。
しかし今、眼下に広がる砂漠を地球人類が目にすると、それらなどまるで公園の
砂場のようにつまらぬ物に感じられるだろう。
富士山に匹敵する高さの砂丘が山脈のように地平線の遥か先まで続き、その麓では
アマゾン河など比にならない程幅広い岩の谷があって、陽の届かぬ深い谷底へ滝の
ような怒涛の勢いで流砂が流れ落ちているのだから。
そんな雄大な光景を下に臨み、轟音を響かせて谷沿いを高速で飛ぶ二機のJF704 A2
ヘリは、傍目から見て不安を感じるほど狭い間隔で編隊を組んでいた。
しかし、日々様々な危険に晒されている現場で、細かいルールに一々従っていては
身がもたない、機内の全員は少なくともそのように考えていた。
従って、陸士の一人が移動中の時間つぶしにと持ち込んだポータブルラジカセから
流れる音は、時空管理局によるプロパガンダ放送や無味乾燥なポップスなどではなく、
各陸士の好みで選んだ雑多な曲が中心であった。
286名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 23:25:17 ID:0xJiu+CP
>>283
いや〜、それしか思いつかないんすよ(笑)

あと「08」で思いつく作品って……う〜ん
287名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 23:27:51 ID:rcMka0VQ
いきなり米兵ライクな陸士w支援
288魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS:2007/11/02(金) 23:30:36 ID:mQGxofW6
今掛かっているのは、どこのとも分からない言語で歌われるヒップポップで、
メタルーナミュータントを思わせる砂漠戦用迷彩服を着た陸士隊員、メルゲル・
イプマンダ二等陸士が体を前後に揺らしながら歌っている。
「それ、誰の曲だ?」
メルゲルの真正面に座っている、プレデターのような異形の肉食獣顔をした
ロアラルダル・アムーシュ二等陸士が尋ねる。
「デディ・メジェってグループだよ」
「なら、そいつらに歌わせればいいだろ。何たってオメェのヘタレなボーカル
で聞かにゃならねぇんだ?」
ロアラルダルの物言いに、メルゲルは二本の指しかない手を上げて抗議の声を
上げる。
「このオレ様の美声を甘く見るなよ。退役してミッドチルダに帰ったら、
オーディションを受けてデビューするんだからよ」
ロアラルダルの右隣に座っている、大アマゾンの半魚人似のグーダ・イマナムズア
三等陸士が、遠い目をしながら呟いた。
「もう十ヶ月以上も、この砂と岩しかない世界に居ますからねぇ…、故郷の母の
手料理が恋しいですよ。
あのブラックラグーンで獲れた、ミミズやムカデ・ナメクジを煮込んで作った極上
のフォンデュが…」
「教訓。グーダの家で晩飯に呼ばれるのは、全力で避けるべし」
グーダの右隣にいる火星人を思わせるタコの顔をしたデ・カタ三等陸士が、機内を
見回しながらからかい半分で言うと、グーダは声を荒げて言い返した。
「うちのフォンデュに以上に旨い料理はこの世にないぞ、それは断言したっていい! 
ミミズのヌルヌルした食感にナメクジのトロ味が加わると、非常にいい味になるんだ、
その上にムカデのプチプチした食感が加わると…」
グーダが、自家製フォンデュの素晴らしさについて講釈をたれるうちに、その口調が
早くなり、何を言っているのか分からなくなっていく。
「おいおい、母国語で言われても全然分からねぇよ。ちゃんとミッドチルダ語で
話してくれ」
ロアラルダルが口を挟んだが、グーダは追想の趣くままにただただ喋り続ける。
今の彼は、故郷の家のテーブルで母親の手料理に舌鼓を打っているところらしい。
「要するに、早く故郷に帰って親の手作りの虫料理が食いたい…そういうわけだな?」
メルゲルがそう言って締めくくると、グーダは不満そうに頷いた。
「料理に対する言い方が引っかかりますが、そういう事っス」
289名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 23:31:39 ID:6mSfI8vY
待ちわびた・・・ついにメガトロン様たちが来るッ!!
支援ッ!!ディセプティコンに栄光をッ!!
>>277
スバルの髪形はそのままに、後ろとモミアゲ(?)が長くなった感じです。
ギン姉との違いは、モミアゲの有無と後ろの長さ(あそこまでは長くない)。
試しに描いてみたところ、最初は「ヤバいよかわええよwww」と萌えたのですが、
「…これってリアル等身こな●じゃね?」
という思考が頭を横切ってからは、ネタにしか見えなくなり…orz

スカ「本作では我々の出番はなかったね」
ウーノ「ドクターはジークフリートに乗っておられませんでしたっけ?」
291名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 23:35:14 ID:rcMka0VQ
なんというスタートレック支援
割り込み申し訳ありませんorz
せめてもの償いに、全力で支援!
293魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS:2007/11/02(金) 23:40:38 ID:mQGxofW6
その時、彼らから見て機内の右奥、コクピットに一番近い席に座っていた20
代前半で金色の長髪をした、執務官の制服を着ている美しい女性が口を押さえて
小さく笑った。
「どうかしましたか?」
その様子を見ていたロアラルダルが尋ねると、女性は落ち着いた声で言った。
「皆さん、仲良さそうでいいですね」
その言葉に、座っている陸士たち全員が一斉に首を横に振って否定する。
「冗談じゃないですよ、ハラオウン執務官!」
フェイト・テスタロッサ・ハラオウン執務官は、その様子をニコニコ微笑みながら
見つめている。
フェイトの微笑みに余計うろたえた陸士たちが、全員が
隊内部での喧嘩のエピソードを一斉に言い始めた時、機中央部の空間でウィンドウ
が開き、パイロットの顔が映った。
「もうすぐ基地に到着します、降りる準備をしてください」
それを聞いたグーダは、自分の右隣の座席に置かれている、自分と同じサイズの
大きな莢を揺さぶった。
「起きて下さい、ポッドマン陸曹」
ポッドマンと呼ばれた莢から手が突き出て、二つに引き裂いて行く。
莢が完全に二つに裂けると、中から三十代半ばの黒人男性、“ポッドマン”こと
フューダー・エップス陸曹が出てきた。
「到着か?」
エップスは背伸びをすると、低い、落ち着いた声でグーダに尋ねる。
「もうすぐッスよ。ですから、降りる準備をしてください」
「分かった」
エップスは口少なく言うと、開いた莢を手早く片付けて自分のバッグに仕舞った。

スカリエッティ事件の後、時空管理局は組織の抜本的改革を行った。
中枢メンバーを失った最高評議会は解散されて、管理局長官のポストを新設、統合
幕僚会議は長官の補佐機関に格上げされた。
本局と地上本部は、それぞれ「次元部局」「陸上部局」に名称を変えて統合幕僚会議
の下部機関に組み込まれ、指揮系統は長官を最高責任者として一本化される。
管理局の全機能はクラナガンの旧地上本部ビルに集約されて名前は「本局」と改称、
旧本局は次元航行部隊の艦隊本拠「タイコンデロガ」となった。
しかし、故レジアス・ゲイズ中将麾下だった将官メンバーを中心に、本局・地上本部
の一部が改革に反発。
管理局を辞して「時空世界分離主義同盟」という独自の政治勢力を立ち上げ、
ミッドチルダからの独立を叫び始めた。
管理世界及び管理外世界で、ミッドチルダによる魔術の独占的支配に対して不満を
持っていた勢力や、経済面でミッドチルダの発展に寄与してきながらも、政治から
疎外されてきた一般市民層もこれに同調。
一部は首都クラナガンで、禁止されている質量兵器を使ったテロ事件を引き起こして
いた。
管理局側もこれに対抗して時空・陸上両部局の戦力を増強。
更に親ミッドチルダの時空世界に、大部隊を常駐できる前線基地を設営して分離主義
勢力に軍事的圧迫を加える姿勢を見せ、一触即発の不穏な情勢となっていた。
294名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 23:40:49 ID:bfxkrYlg
試しに色なしをあげ。ベルトが光る描写は色でやろうと思ってるから迫力不足ですが。
こんな感じでいいのかしら?
アドレスはよく最初の「h」を消してるみたいですが、そうするべきでしょうか?

http://kjm.kir.jp/pc/index.php?p=45738.jpg

スバル「うわぁ…」
ティア「木野先生の変身…初めて見た…」

第十一話「機動六課のある休日(後編)Aパート」より。
なんか、二人の驚きが新鮮だったので。っていうか、ティアの「先生」っていう呼び方になんか萌えたww
完全に妄想ですけど、ティアって渋いおじ様系に弱そうな気がする。
あと、熱血のスバルに対してリアル志向のタティアナさんはこういう正義っぽくないデザインが好きだと思うんですよ。
中年ライダーの魅力に彼女もメロメロさ!

自分の凡才を悔いて無茶ばかり、生傷の絶えないティアは必然的に医務室に通い詰め。
そんな彼女を諭すわけでも慰めるわけでもなく、かつての自分を省みながらただ黙って治療、サポートする木野先生。
例の模擬戦の後も彼女を叱るわけでもなく静かに見守り、立ち直った後は彼女の為に無理のない最適なトレーニングメニューを作ったりとかなんとかし!(ハァハァ
お互いに少し冷めた部分のある二人ですから、一見静かだけど意外と仲が良さそう。そんな僕の妄想。

戦闘もいいですけど、やはりクロスSSはキャラの交流が味だと思うんですよね。
もっと二人の会話とか聞きたいなあ。この二人に限ったことじゃないけど。そしてもっと俺に妄想させてくれ!www
295名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 23:43:23 ID:bfxkrYlg
割り込みすみません。チェック長すぎた…(汗
支援。
296名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 23:43:50 ID:rcMka0VQ
フェイザーガンやライトセーバーが出てきそうな空気支援
297名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 23:45:50 ID:rS6Y6iNf
>>293
原作の文章ちょっといじっただけじゃねぇか。
298名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 23:46:54 ID:rcMka0VQ
>>297
それはちょっとヤバくね?支援
299名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/02(金) 23:52:37 ID:abs8NZTX
原作見てないから分からん!支援!
300魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS:2007/11/02(金) 23:53:40 ID:mQGxofW6
ヘリが着陸すると、後部ハッチから陸士たちが次々と降りてくる。
「第1158管理外世界セギノール中央基地 ようこそ地獄の一丁目へ」
そう書かれた看板の横を通り過ぎて、屋根付の兵員集合場所に来ると、荷物を
降ろして休憩したり荷解きを始める。
それと同時に、集合場所より奥に建てられた兵舎より、鰐顔と狼男の航空魔導士
が駆けて来た。
「デュラグアムとオブマダの試合結果はどうだったんだ?」
メルゲルがやって来る彼らに尋ねると、鰐顔が答えた。
「5−2でオブマダの勝ち」
その答えに、メルゲルは舌打ちして後頭部に手を当て、頭を横に振る。
「くそっ、3000も賭けてたのに」
「はい、残念でした」
鰐顔はからかうように言って、メルゲルに手を差し出す。
メルゲルは舌打ちながら迷彩服のポケットから財布を取り出すと、紙幣を三枚
取り出して鰐顔に渡した。
「ミッドチルダから遠く離れたこんな辺境の地で、どうやって野球の結果を
知るんですか?」
澄ました表情でのフェイトの問いかけにメルゲルは振り向き、鰐顔は口を大きく
開けて驚愕の表情で凍りつく。
「げえっ、執務官!」
「心配するな、ハラオウン執務官は話の解る方だ」
メルゲルは固まったままの鰐顔に振り向いて肩を叩くと、再びフェイトに振り
向いて答える。
「航空魔導士部隊の連中がノミ屋をやってるんですよ、そうだろ? エグゼンダ」
鰐顔の航空魔導士、エグゼンダ・アルグ・マルダが気を取り直して答えた。
「そうですよ。陸士の連中と違って、俺たちは小数点以下の細かい計算がいくら
でも出来ますし、次元航行艦との連絡も可能ですからね」
狼男の航空魔導士、ローレンス・タルボットがエグゼンダの後を引き継いで言う。
「ピンポイントの魔術攻撃も、野球の勝率計算も似たようなもんでさぁ」
航空魔導士たちはお互いに笑いあい、陸士たちは毒づく。そこへ砂漠の強烈な太陽を
避けるための深いフードを被った少年が、砂漠戦用水分補給キットを持ってエップス
の所へやってきた。
「陸曹、今日もかっこいいね。水持ってきたからチョコレートを頂戴」
キットを受け取ったエップスは、残念そうに首を振って言った。
「悪いなデュラハ、もう食べてしまったんだ」
デュラハと呼ばれた少年は、拗ねたように口を膨らませて強い調子で言った。
「嘘だ嘘だ! チョコ頂戴よ! くれないとエッガームとキャプテン・アメリカ
が陸曹をやっつけちゃうよ!」
その言葉に、エップスは笑みを浮かべて呟く。
「いつの世も、子供たちにとって漫画のヒーローは神様…か」
エップスはポケットからチョコレートバーを取り出すと、デュラハに投げて寄越した。
「荷解きを手伝ってくれ、そしたらTVも見せてやる」
エップスの言葉にデュラハは笑って親指を立て、早速陸士たちの荷解きを手伝い始めた。
その様子を見ながらフェイトはエップスに聞いた。
「あの子は、この世界の原住民の子供ですか?」
「そうです、砂漠を放浪しながら住みやすいところを探しているとか。ここ最近、
基地に来るようになったんです」
エップスが微笑みながら言うと、フェイトも微笑を浮かべて陸士たちの所へ行く。
「私も手伝いましょう」
「いや、いいっスよ。執務官に荷解きなどさせては――」
ロアラルダルが言いかけたのを、フェイトは彼の口元に指を当てて制する。
「小さい子供まで働いているのに、執務官一人が楽をしてはダメですから」
301名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/02(金) 23:54:52 ID:rcMka0VQ
前振りがちょっと長いな支援
302名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 00:03:17 ID:IcArcJMA
まさか丸パクじゃないことを祈りつつ支援
303魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS:2007/11/03(土) 00:06:26 ID:ENQuz5hu
とりあえず今回はここまでです。
既に色々問題点が出ていますが、その点は徐々に修正していきます。
とりあえず、様々な元ネタを上げておきますです。

各陸士の元ネタ
メルゲル・イプマンダ『宇宙水爆戦』
ロアラルダル・アムーシュ『プレデター』
グーダ・イマナムズア『大アマゾンの半魚人』
デ・カタ『宇宙戦争』
フューダー・エップス『SF/ボディ・スナッチャー』
エグゼンダ・アルグ・マルダ『恐怖のワニ人間』
ローレンス・タルボット『狼男』
304名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 00:09:28 ID:EBEhyUfT
GJ!
だが、この導入の日常シーンの一般兵のやりとりはいるのか?
なんかくどいぐらいにどうでもいい描写が多い気がするんだが。
305名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 00:16:24 ID:/ccGkWpr
ほとんど小説版の改変だな。
幾らなんでもこの調子で続けてく訳じゃないと思うが……

とりあえず新作めでてぇ
306名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 00:19:00 ID:EBEhyUfT
キャラ置き換えただけじゃなくて、ちゃんとしたクロスになることを願う。
307名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 00:20:27 ID:55UApPgu
GJ。

あと>>294にもGJ。
308StS+ライダー:2007/11/03(土) 00:21:23 ID:V3NbfMoH
>>294
絵上手い!!
すごいなぁ、完成楽しみ・・・

しかし木野×ティアか・・・予想外のが来たな・・・
別にこの二人深く関わることはない予定なのに・・・何という斬新なCP・・・
こんなの考えつくなんてお見事!
しかし・・・希望に答えられるのか俺・・・?
俺の予定ではティアナは・・・まぁこれは後の話で・・・
ま、なるたけ二人の会話を入れることができるよう努力して見なくては・・・

次はできれば大シグ、ホパシャマを・・・(ワガママ)
309魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS:2007/11/03(土) 00:26:05 ID:ENQuz5hu
最初色々と考えてみたんですけどねぇ…。
最初の話の流れはどうやってもハヤカワ文庫版のそのまんまになってしまいました。
デストロン軍団と時空管理局の戦闘が本格化するあたりから変化しますです。
310名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 00:26:58 ID:YgsVIKuE
それでこそクロスSSを書く者
期待してますぜ
311名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 00:27:35 ID:lDs6BGo0
>>309
……つまり、そこまでは変化無し、ということか?
文面を見る限りそう取れるのだが
312リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/11/03(土) 00:28:28 ID:JZouXJHb
少し離れていただけで、他の職人さん達がGJな作品を出しまくってる!?
自分もそんな様子で奮戦する為、投下していいですかね?
313魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS:2007/11/03(土) 00:33:07 ID:ENQuz5hu
>>311
基地襲撃の後は、海鳴市を舞台に変えて休暇中のなのはとアリサたちの話へ変わる
予定ですけどね。
314名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 00:33:13 ID:YgsVIKuE
いいんでね?
連投かもしれんが
315リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/11/03(土) 00:34:51 ID:JZouXJHb
「隊長」

「おう。 来たか」

 病室で寝ていたローグのもとにやってきたのは、自分の隊の副隊長である。 手には部隊再編成の資料が握られている。

 ローグ自身の怪我も殆ど治っている。 明日の検査で問題がなければ退院出来る予定だ。

 退院すれば、また部隊のほうに戻らなくてはいけない。 陸のほうは相変わらず人員不足なのだ。 特にあんな事件があった後では尚更である。

「そういえば今日、あの『機動六課』がロストロギアが出品されるオークションの警備に向かったそうですよ」

「ああ? あの『機動六課』が?」

 先日、病室を訪ねてきた八神はやてが率いる新設の部隊。 それを思い出して、ローグは顔を顰めた。

「嫌いですか?」

「あれだけ突っ込み満載な部隊にいい感情をもつとは思えないな」

 ローグは正直な話、『機動六課』が嫌いである。 別に人員である八神はやて達や、バックにいる聖王教会や三提督が嫌いと言う訳ではない。 純粋に彼等の運用方法が嫌いなだけである。

 話では、SSランクやS、AAAなどの管理局全体にいる超強力な戦力にリミッターをかけて運用しているらしい。

 はっきり言って戦力の無駄使いに他ならない。 新設の部隊を作るのは構わないが、もう少し考えた人員編成にしてほしいもんだと思う。

「しかもあいつ等、所属は海。 それに加えて陸の期待の新入りを無理矢理引き抜いたって聞いたしな」

 抜いたのは新米のBランク魔道師。 海から見れば低いランクかもしれないが、陸からすれば喉から手が出る程欲しい人員なのだ。

 陸の一般魔道師のランクはDからC。 指揮官なぞはBあれば十分だ。 Aランクの魔道師は陸では十分、エースと言われるぐらいである。

 AAランク以上の魔道師は殆どいない。 大抵、海に連れて行かれるのだ。

「Bランクの魔道師は貴重ですからね」

「ああ。 俺の部下にも欲しいぐらいだ」
316名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 00:36:11 ID:E1ksRWpL
GJ!!
まぁ初っ端くらい小説と同じでも問題ないと思います。
317リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/11/03(土) 00:40:51 ID:JZouXJHb
 ローグはA+の魔道師である。 が、部下はCやD、一番下はEだ。 もちろんランクが低いからと言って不満はない。

 しかし地上で起こる事件の規模と数を考えれば、少しでもランクが高い魔道師が欲しいのも事実である。

「そういえば六課に引き抜かれた魔道師ってあの『ティーダ・ランスター』の妹ですよ」

「なんだって?」

 今日始めて、ローグの顔に驚愕の表情が浮かぶ。

 『ティーダ・ランスター』。 その名前はローグの記憶に嫌でも残っていた。

「あのティーダの妹か……」

「ええ」

 ローグの脳裏に浮かぶのは、クソ真面目なティーダの顔である。

 ティーダと会った事があるのはそう多くはない。 だが、嫌いではない。 むしろ気に入ったと言っていい。

「あいつは理想論を躊躇なく吐ける阿呆だが、馬鹿じゃなかったからな」

 ローグも副隊長である男もまたティーダが死ぬ原因となった事件を知っていた。 そして彼等が出動する事になったのは自分達が原因である事も知っていた。

 そしてその結果――

「ただの結果論なんだがよ」

「やはり同じですね」

 2人共、同じ結論に至ったのか苦笑しあう。

 自分達が上に逆らった為、本局所属の航空隊が出動する事になった事。 そしてその結果、ティーダが死んでしまった事。 それらはあくまで結果論にすぎないのだ。

「あのクソ野郎は生きてやがるってのにな」

 ティーダを侮辱した上官は、本部での地位を追われる事になったが、いまだに生きている。
318名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 00:44:02 ID:55UApPgu
支援。
それにしてもこの親父、かなり渋いな。
319リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/11/03(土) 00:46:44 ID:JZouXJHb
「なんで俺が気にいった連中は先に逝っちまうんだか……」

 かつての親友達と親友の部下達。 1人1人の顔を思い浮かべる。

 しんみりとした雰囲気が病室の中で流れ出す。

 だが、

「大変です隊長!」

「あん?」

 部下の1人が、突然部屋に入ってきたのだ。 その顔は驚愕と焦りが含まれている。

 それを見て、ただ事ではないと判断した。 実際、その判断は正しかった。

「ロストロギア保管施設が複数、同時に襲われているそうです!!」

「な、なんだとぉ!?」



 ○―――○



 ティアナとスバルがタキオスと相対した頃から、時間を少し巻き戻し場面をはやて達のほうへと移す。

「ロッサ、状況は?」

「猟犬達に調べさせたけど、やっぱりいないみたいだ」

「それなら今がチャンスかもしれないね」

 はやての問いに答えるのは長い髪をそのままにした男と、リボンで結んだ男である。

 ヴェロッサ・アコースとユーノ・スクライア。 八神はやての友人であり、それぞれ管理局の査察官、無限書庫の司書長である。
320名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 00:50:43 ID:BylhXQTi
>ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは氏
遅ればせながらGJ!
     ::|
     ::|  (ヽ(ヽヽ
     ::| (ニヾヾヾヾヾ
     ::|(ニヾヾ')')')')')')')ヽ_
     ::| (ニ()()')(・ヾ')')')')ヽノ|ノ|
     ::| (ニ')')')')')')')')')')')')')')')) あ・・ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
     ::|(ニノ')')')')')')')ヾyyyyyy   『おれはヤプール様の復活超獣第一号として海鳴市に降り立ったら
     ::| ン')')')')')')')')')')')')')つ   極太光線4発も食らって爆死した』
     ::|うつ')')')')')')')')')'))とうつ  な・・何を(ry
     ::|とうつ)')')')')')')')')'とうつつ  
     ::|としつう)(;;;)(;;;)')としうつう
     ::|しとうつ');;;;;;(:);;;;;;;しとうつ
     ::|とうつ')');;;;;;(:);;;;;;;とうつヽ
     ::|ヾ')')')')')ヽ;;(:);;;;;;;;ヾ')')')')')ヽ__
     ::|)ヾ')')')')')ヽ;(:);;;;;;;')ヾ')')')')')ヽ>
     ::|  ヾ')')')')')ヽ:);;;;;;;')')ヾ')')')')')ニ>
マイナーな超獣も登場もしてほしいです
321リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/11/03(土) 00:50:53 ID:JZouXJHb
 ユーノは今日行われる筈であったオークションの鑑定と解説をする為に、ロッサはそのユーノの護衛の為に訪れていたのだ。

 だがこの事態になって2人は偶然にはやてと合流。 一般人達を脱出させる為に行動に移したのである。

 それから数分後にザフィーラと055隊の武装局員も合流。 脱出ルートを確認していた。

 確かにロングアーチ隊の報告通り、敵の姿はない。 隠れている可能性も考えて、ロッサの保有しているスキル――無限の猟犬で偵察行動を行っていた。

 そして敵の姿は一切なし。 だがあちらには転移のスキルがあるのだ。 裏口に出た瞬間襲われたらひとたまりもない。 しかしゆっくりと考えている余裕がないのも事実である。

 ロングアーチ隊から絶えず入ってくる報告によれば、完全に状況はこちらが劣勢。 武装局員が最終防衛ラインで奮戦しているが、数で押されているようだ。

 この多すぎる数に、なのはやシグナム達も追い込まれ始めているらしい。

(まずいでこれは! リミッターがここにきて完全に枷になっとる!)

 六課の隊長陣全員に意図して能力を下げるリミッターが掛けられている。 それは強力な戦力を一点に集中させる裏技なのだが、それが現在完全に足を引っ張っていた。

 通常のガジェット達ならリミッターを掛けたままの状態でも、隊長陣の戦闘能力なら一切問題はなかった。

 しかし正体不明の魔道師――魔力で作られた人形――達の圧倒的軍勢相手では隊長達の能力でもどうにもならない状況になりつつある。

 ならばリミッターを解除するしかあるまい。 今の所、新たに現れる増援はないようだが、何時現れても可笑しくない。

 だからこそ悩む。 本来ならここでリミッター解除を行ったほうがいい。 しかしここで使ってしまっていいのか?という考えも出てくるのだ。

 ガジェットを運用しているのは広域指名手配がかけられているジェイル・スカエリッティである。 更に正体不明の人形を運用する指揮官もいる筈だ。

 同時にこのホテルに仕掛けている上に、妨害行動を取っていないとなると両者は協力関係にあると考えていいだろう。 いやそうに違いあるまい。

 こうなるとここでリミッターを使ってしまっては、後の戦いで問題が発生する可能性もある。

 これだけの数を湯水に使っているとなると、これ等はあくまで前座にすぎない。 ある筈なのだ。 彼等の切り札と呼べるものだ。

 そんな考えに行き着いてしまうからこそ、リミッター解除を躊躇ってしまう。 しかしここで解除せずに敗北してしまってはどうにもなるまい。

「使うしかないみたいやな。 シグナム、ヴィータ! 2人のリミッターを解除する! なのはちゃん達も最悪解除するしかないな」
322リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/11/03(土) 00:55:47 ID:JZouXJHb
『はやて!?』

『いいのですか!?』

 念話で話しかけると、2人の驚愕の意思が伝わってくる。 さすが歴戦の戦士だ、はやてと似たような考えに行き着いたらしい。

 その為、リミッターを解除していいのか? という疑問の声と一緒に返って来る。

『さすがにこのままじゃきついやろ! リミッターを解除すれば……』

『待って、はやてちゃん!』

『なのはちゃん!?』

 それにストップをかけてきたのは、スターズ分隊隊長であるなのはだ。

『脱出する時間を稼ぐならリミッターを解除しなくても大丈夫な筈だよ!』

『でもな!?』

『シャマルさん!』

『なんですか、なのはちゃん?』

 はやての言葉を一時無視して、なのははホテル全体に結界を張っているシャマルに話しかける。

『結界の範囲を狭く出来ませんか!?』

『狭く……!? ああ、成る程!』

 なのはの言葉にシャマルはすぐさま理解した。

 広域に強力な防御結界を張ると、やはり所々精度は下がり脆くなってしまう。 それを克服する為にホテルの余分な部分を切り捨てて必要最低限の大きさにすれば、より強固になる筈である。

 シャマルはすぐにホテルの見取り図を展開。 現在、客達や従業員達が退避している部分を除いて切り捨てれそうな部分を検索していく。

『これなら、かなり強固に作れます! はやてちゃん!』
323リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/11/03(土) 01:00:48 ID:JZouXJHb
『分かった。 シャマルやなのはちゃん達に任せるわ! うちらは民間人を逃がすまでもたせてな!』

『おうよ! 任せとけはやて!』

『お任せください主はやて!』

 ヴィータやシグナム達からも威勢のいい声が聞こえてくる。

 方針は決まった。 もうこの状況では確実に破壊されてしまうホテルだが、人の命には代えられない。 それにこのままうまくいけば、貴重なリミッター解除を行わなくてすむ。

 ロストロギアの事も心配ではあるが、そちらは現在護衛についている部隊に任せるしかない。

 大丈夫だ、と己に気合を改めて入れるはやて。

「方針は決まったかいはやて」

「うん! ザフィーラもロッサもユーノ君もお願いな!」

「任せてはやて!」

「お任せを!」

 頼もしい仲間達とともに撤退戦を開始した。



 ○―――○



「こいつ……」

 ティアナは目の前にいる正体不明の男を睨みつけた。

 あきらかに一般人ではないし、このような管理局の武装局員がいる事も聞いていない。

 それはつまり目の前にいる男は、この襲撃事件を指揮している人物。 もしくはこの戦闘にあわせてロストロギア奪取を試みる第三者である事は明白である。
324名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 01:02:07 ID:E1ksRWpL
支援、タティアナサン逃げてー!!
325リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/11/03(土) 01:05:44 ID:JZouXJHb
 そこまで考えて、次に思った事は勝てるか? という事であった。 男から放たれる威圧は間違いなく自分達よりも強力かつ経験豊富な証拠であろう。

 まともに戦えば勝ち目は薄いと言って言いだろう。

 しかしそれでもまだティアナには余裕があった。 何せ自分には頼れる存在がいるのだ。 遊撃戦力として動いていたフェイト隊長がこちらに向かっている事を知っていた為、まずは時間を稼ぐ事が必要だと考えたのだ。

 フェイトを中心に自分達が援護すればいいだろうと思う。 そうすれば勝てる筈だ。

 だからこそ、まずは目の前の男から目を離す訳にはいかない。 逃げられる訳にはいかないし、このままロストロギアの保管庫に向かわせる訳にもいかない。

 現在、ロストロギア保管庫で護衛についていた武装隊が輸送を全力で行っている。 すべてのロストロギアを運び出すのに最低でも30分以上はかかるらしい。

 その為にもここでこの男を捕縛――最悪足止め――しなければならない。

「スバル……」

「分かってるよティア。 迂闊に動けない……」

 今にでも飛び出すのではないかとスバルに声をかけるが、ティアナが思ったよりも彼女は冷静であった。

 近接戦闘が本職であるスバルは目の前の男の技量を読み、迂闊に動けない事を悟っていた。 もちろん手はあるが、確実に捕縛するならフェイトの力が必要だろう。

「ふむ、動かないか」

 目の前の男はかかってこない2人にそんな声をかけるが、なんら油断をする様子はない。

 そして男が己の獲物を構える。 何か動きがあったのかもしれないが、今は全力で足止めをしなければならない。

 同時に後、数秒足らずで自分達にとって頼れる存在がやってくるのも分かっていた。

 その証に男の左側から雷の矢が男へと襲い掛かる。 その数は20。

 しかし男も既にそれを察知していたのか、突如襲い掛かる雷の矢を苦もなくその剣で叩き落していた。

「スバル、ティアナ!!」

「フェイト隊長!」
326リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/11/03(土) 01:10:39 ID:JZouXJHb
 雷の矢が訪れてから1秒も満たない間に、スバル達の前にライトニング隊隊長であるフェイトがやってきていた。

 その速度にティアナは感嘆とする。 執務官を目指す彼女にとってフェイトは憧れの存在なのだ。

「2人とも大丈夫?」

「はい」

「外はどうなってるんですか?」

 2人がこちらに来た時から少し時間がたっている。 もしかしたら何かあった可能性もある。

「大丈夫……って言いたいけど、もう撤退戦に入ってる」

「撤退……」

 フェイトの言葉通りなら、自分達は彼等に敗北したということだ。

 いや、まだ敗北と決まった訳ではない。

「ロストロギアの輸送は?」

「今、全力で行ってるよ」

 となると、絶対に目の前にいる男を保管庫のほうに行かせる訳にはいかなくなった。

 両手に握るクロスミラージュに力が込められる。

「危険魔法使用及び、殺人未遂の現行犯で逮捕します。 投降を」

「断る」

「なら……」

 男に投降の意思はない。 ならば魔力ダメージを与えて気絶させた後、捕縛するしかない。

 フェイト、スバル、ティアナの3人の魔力が昂ぶっていく。 だが男は平静そのもの。 3人の様子を見てピクリともしない。
327リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/11/03(土) 01:19:01 ID:JZouXJHb
 数秒の間をおいて、フェイトとスバルが飛び出した。

 フェイトとスバルがその持ち前の速さを生かして右と左に別れて、挟み撃ちで一気にしとめる。 それをティアナが援護する形だ。

 時間にして数秒、だがフェイトの光の鎌と黒い拳は確実に男を捕らえていた。 それにあわせてフェイトのクロスファイアーが男に襲い掛かる。

 着弾と衝撃。 その瞬間、ティアナは勝ったと思った。 相手は確かに強い。 だがこちらを慢心し、動きを止めていた所に攻撃が3撃も直撃したのだ。

 これで勝てない道理はない筈だ。

 そう。 筈だった……。

「そんなものか?」

「え―――」

 本当に一瞬。 男の声が聞こえてきたと思ったら、目に飛び込んできたのは赤色だった。

 飛び散る鮮血。 その先を見れば、バルディッシュ・アサルトを男が持つ剣で両断され、体から鮮血を流すフェイトの姿が。

「フェイトさ――がっ!?」

「スバル!?」

 スバルの一撃もまた、男は拳で受け止めていた。 そしてフェイトに意識がいった一瞬でスバルの無防備な腹に蹴りが決まる。

 意識が飛びそうになりながらも、スバルはなんとか着地する。 が、やはりダメージは大きすぎた。

 自分の診断が確かなら肋骨は完全に折れている。 それに体の各部分にも痛みが走っている。

 しかしスバルはマッハキャリバーで全力で走った。 目標は男ではなく、鮮血を流しながら地面に倒れているフェイトだ。

 そんなスバルを再びティアナが援護射撃を行う。 クロスファイヤーの魔弾が10。 それがすべて男に襲い掛かるが、一瞬で剣で切り捨てられる。

 それでも援護したかいはあったのか、見事にスバルはフェイトの体を抱えてティアナのもとに戻っていた。

「ティア、フェイトさんは!?」
328名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 01:20:30 ID:CI44pIoS
支援
329名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 01:22:03 ID:V/km2yr2
これは・・・まさかティアナではなくフェイトが死亡なのか・・・
330リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/11/03(土) 01:22:23 ID:JZouXJHb
「……くっ!」

 ティアナは多少だが回復魔法を習得している。 もちろん本職の人に比べれば大した事はないものだが、今の場面には必要なものであった。

 だが、

(目を逸らしたら斬られる……!)

 もしも意識を一瞬でも男からフェイトに移した瞬間、自分の体は真っ二つになるだろう。 そう本能が訴えていた。

 しかしフェイトの容態が気がかりだ。 スバルの声だけでも十分、彼女の状態がよいものとは言えないのは分かっていた。

 つまりこの状況を打開するには、男を倒しかないのだが、それは不可能だとティアナには分かっていた。

 あの一瞬でフェイトとスバルを倒してしまったその力は、圧倒的であった。 多分、このまま攻撃してくれば自分達敗北するであろう。

 何故、あちらが動かないかは気がかりだがこれはある意味チャンスであった。

「スバル、フェイトさんを連れて逃げなさい!」

「ティア!? それならティアも一緒に」

「無理よ。 あの男、今は様子を見てるけど、一瞬でも私達全員が背中を見せたら間違いなくこっちに襲い掛かるわよ」

「……っ!」

 スバルもそれだけで理解してしまった。

 負傷したフェイトを連れて逃げるとなれば、全員は無理だという事に。 逃げるのならば、最低でも1人は足止めが必要だと言う事に。

 そして足止めが出来そうなのはたった1人しかおらず、負傷したフェイトを運べるのもまた1人しかいないのだ。

「ティ……ア…」

「行きなさい!」

「っ!!」
331名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 01:25:13 ID:V/km2yr2
支援

332リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/11/03(土) 01:26:32 ID:JZouXJHb
 ティアナが叫ぶと同時に、クロスミラージュから高出力の砲撃が放たれる。

 それにあわせスバルはフェイトを抱えてクロスミラージュを走らせた。 悔しかった。 ここでティアナを置いて逃げてしまう自分が憎かった。

 だけど今は走らなければならない。 フェイトを助ける為、あの男の事を知らせる為、そしてあの場所に残る事を選んだティアナの為。

 その1分後、先程の場所からとてつもない衝撃が放たれた。



 ○―――○



「これで全員か!?」

「はい八神部隊長!」

 裏口の駐車場に停められていた大型バス2台に、一般人を全員乗せ脱出させる。 それがはやて達の結論であった。

 あちらの目標はあくまでロストロギア。 無駄に戦力をこちらに回す事はないだろうと判断したのだ。

 実際、ロストロギア保管庫のほうに敵が侵入したという話を聞いた。 悪いと思いながらもチャンスだと判断していた。

「なら急いで出発や。 シルド陸曹とガウディン陸曹長、スクライア司書長とアコース査察官はバスの護衛を頼むで」

「「はっ! 了解です!!」」

「よし! これな――」

 はやてが言葉を紡ぐ一瞬、突然の爆音と衝撃が正面口やロストロギア保管庫に続く通路、更には地下から響いてきたのだ。 間違いなく何かあったに違いない。

 すぐに各場所にいる筈である一番信頼しているメンバー達に念話を飛ばす。

『シグナム! ヴィータ! シャマル! なのはちゃん!』

 だが、すぐに念話が返ってくる様子がない。
333名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 01:27:36 ID:V/km2yr2
支援
334リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/11/03(土) 01:32:15 ID:JZouXJHb
 もしやと思い、顔を青ざめさせていくはやてだが、希望の声が響いてきた。

『こちら……スターズ2。 はやて、生きてるぜ!』

『シグナムです。 なんとか無事です』

『大丈夫ですよはやてちゃん!』

『問題なしだよ』

 ヴィータやシグナム、シャマルになのは。 全員無事の様子である。

 だが、

『それで何があったんや?』

 さっきの爆音といい、一時音信普通になった状態を考えれば何かあったに違いない。

『それは――駄目!? はやてちゃん、逃げて!!』

『シャマル――!?』

 シャマルが突然に叫び声をあげたので、何事かと思ったが答えはすぐに出た。

 はやて達の目の前に突然、敵魔道師達が出現したのである。

 そこにいたのは燃える紅蓮のような髪をした3人の少女。 3人共美少女ではあるが、その手に宿り今まさに放たれようとしている紅の魔力は間違いなく危険なものである。

 その事態に気づいたユーノやザフィーラ達が必死で魔力障壁を展開しようとするが、それはあまりにも遅すぎた。

「アークフレア!!!」

 少女3人から放たれる紅蓮の焔。 それが満足に障壁を展開する事が出来ないはやて達に容赦なく襲い掛かった。

 魔力が放たれていたのは時間にして数秒足らず。 だがこの状況で戦局はあっさりと変わってしまっていた。

 結果としてはやて達を始めとしたメンバーはそれぞれ怪我を負っているものの、なんとか全員生きていた。
335名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 01:33:24 ID:V/km2yr2
支援
336リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/11/03(土) 01:35:58 ID:JZouXJHb
「紫電一閃!!」

 それに加え、魔法攻撃を放ったばかりで隙が出来ていた魔道師達は、烈火の騎士の剣によりあっさりと消滅していた。

 シャマルの声を聞いて、全力でこちらに向かってきてくれたらしい。

 それによりなんとか危機を脱したものの……。

「バスが……」

 こちらの管理局のメンバーは全員無事であった。 だが、満足に張れていない障壁を突き破り、1台のバスが敵の魔法に吹き飛ばされ既に炎上爆破を起こしていた。

 茫然と声を上げる055隊のメンバー。 はやても茫然と炎上するバスを見ていた。 見ている事しか出来なかった。

「はやて、まずは残ったバスを脱出させよう」

「そやね……。 ロッサにユーノ君、それに055隊の2人も護衛、よろしく頼むな」

 ロッサの言葉に応じて、指示を出すはやてではあったが、その心は何処か元気がない。

 ユーノも心配そうにはやてを見ていたが、まずは残ったバスの護衛が先決であるのも事実。 残りたい気持ちがあったが、まずは自分のやるべき事をやる事にした。

「主はやて……」

「シグナム。 うちは大丈夫や」

 大丈夫、と彼女は口にするが、シグナムから見ても大丈夫にはまったく見えない。

 その後、ホテル・アグスタの警備についていた管理局所属部隊は全軍撤退に成功。 しかしロストロギアの防衛に失敗。 すべて正体不明の魔道師集団に奪取される事になる。

 更に撤退に成功した数は最初に配置についていた7割程。 残り3割はさきの戦闘で死亡と確認される事になる。

 そしてその戦死者リストの中に、機動六課所属隊員――ティアナ・ランスターの名前があった。



 リリカル×アセリア SCENE03 ウシナワレルモノ END
                          →
                           NEXT SCENE04 永遠者と有限者
337名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 01:36:01 ID:J35OH9TS
いけない、死亡フラグだタティアナさん! 支援
338名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 01:38:32 ID:1uUGWe78
ティアナさーーーーーん!!!
339リリカル×アセリア ◆UcPt.BPOZc :2007/11/03(土) 01:40:49 ID:JZouXJHb
と、言うわけで本日の投下終了です。
そして支援感謝です。
次回は閑話になるから短くなるし、早く書き上げられればいいなとか思ったり。
340名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 01:42:51 ID:lP32EA0X
>ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは氏

今回もGJでした! ベロクロンの放つ板野サーカス状態のミサイルを回避しながら戦うなのはたちと、初の巨大化戦闘のメビウスとの連携が燃えました! 
仮面の男陣営は黒尽くめの男がヤプールだということに気付いていないわけですね。さすが悪辣さではウルトラシリーズでも有数の悪役だけのことはありますw ヤプールがウルトラ族以上に長い年月を生きているとすれば、魔法の事を知っていてもおかしくは無いか。
それにしても超獣(アスカの視点では怪獣か)を前にしながら撤退せざるを得なかったアスカ=ダイナは、さすがに忸怩たるものがあるでしょうね。今後ダイナが超獣と戦うことになる展開もあるのでしょうか?
そういえばふと気付いたのですが、光の国出身のウルトラマンはシルバー・レッド・ブルーの三種族で、ダイナやティガのようなトリコロールカラーのウルトラマンは、メビウスの
フェニックスブレイブを除けばいないはずですよね? ミライ=メビウスはその点疑問に思わなかったんでしょうか?

>コードギアス 反目のスバル氏

完結おめでとうございます。コードギアス本編を見たことがない私が読んでも面白い内容でした。
越境カップリングというのは地雷に陥りかねない展開だと思いますが、この作品ではそれに至るまでの過程が全編通してしっかり描かれてきたために、違和感無く読むことが出来ました。

>リリカル×アセリア氏

うわっ、マジでティアナ殉職ですか。容赦無い展開にこの先どうなるのか予想がつきません。
341名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 02:01:55 ID:lt93gG3H
ティアナ、無茶しやがって……乙

普通ならカオスが介入して救出の流れなんだろう
しかし先日クロノが逝ったばかりなので殉職も考えられるんだよなww
342名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 02:57:31 ID:nys5TWwE
これは…ある意味ティアナエターナル化フラグか?
343リリカル犬狼伝説:2007/11/03(土) 08:10:52 ID:EonNqMvn
いろいろと刺される感じでやっちゃいました!
正直勢いだけで書いてます。

リリカル×JOJO×やたら多数

題名 『柱の一族が【ナンバー・プリンセス】をやってみました・接触編』


そのホントにゴメンorz
あ、あと
ついにねんがんの「メガマガ今月号」を手に入れたぞ
344リリカル犬狼伝説:2007/11/03(土) 08:12:53 ID:EonNqMvn
/////////

へうげもの超大国を治めるローゼン閣下は、アニメ・マンガ・ゲーム・ライトノベルが、人類文明の頂点に立つことを信じて疑わなかったが……。
 ローゼン閣下の悩みは頂点に立ったあと……その支配力が永遠に続くかどうかであった!!
 そして国会図書館最深部で発見されたと言われる民明書房100円均一シリーズを解析して判明した神秘の力……。
 すなわち、
 “魔法少女”の『萌』
 “地球防衛軍”“HALO”“エスコン””AC”redEyes”“ARMS”“雪風”“吼えろペン”から発生する『燃』
 この二つをシンメトリカルドッキングすることにより発生すると伝えられる、永遠のパワーがその悩みを吹き飛ばしてくれる!
 ローゼン閣下はどうしても世界セー服(※)のために萌と燃の究極パワーが必要であった!
 国家の総力を挙げての萌燃系ゲーム開発プロジェクトが発動した瞬間であった……。

//////////

 文章系同人サークル『柱の一族』作業室の一つで、『プロジェクトZ・国家ゲーム開発計画』を見終わったカーズは同室のエシディシにあるゲームを見せた!
 パッケージを見たエシディシがその内容を見て唸る。

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「こ、これは!」
「それがさきの番組の言う『計画』の成果!その一つッ!」

 まるでパッケージが照明の光を収束して、その光線が掌に穴を開けるほどにエシディシが唸ったその理由!
 異様!
 開発協力企業が多い!!
 泣き作品二次創作を専門とするエシディシにとって通常の恋愛ゲームは、まるで象が蟻を踏み潰すようなものであり……。 
 メーカーはいわゆる妹ゲームの老舗である。
 そしてパッケージデザインもそれを髣髴とさせるものであり、なにより描かれるヒロインキャラの数12名。
 タイトルはッッ!!

 【 ナンバー・プリンセス 】

「ワムウが戻ったら、さっそくプレイさせよう」


(※:正式名称『世界もってけセーラー服計画』)
345リリカル犬狼伝説:2007/11/03(土) 08:16:03 ID:EonNqMvn
ごめんなさい
NOTEに書き溜めてたデータが消えちゃった……

ほんとにごめんなさいorz
続はすぐに!!

とりあえずナンバーズは責任とって全員幸せにさせます!
346リリカルスクライド//G.U. ◆etxgK549B2 :2007/11/03(土) 09:33:32 ID:5hGyI88D
現在のリリカルガオガイガー11話進行度
脳内70%・筆記30%です。
気長に待っててくれると助かります〜
では、各職人さん方に乙感想を書いて行きます。

>>なのはStrikerS-NEXT1話 ◆0qJqyuBpiQ氏
555映画のシビアな環境がよく表されていて、なのは達の活躍もあってGJです。

>>コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI氏
完結おめでとうございます。
スザクがハセヲ「スケェィィィス!」や清麿「ザケルゥゥゥ!」のような男にクラスチェンジするのを期待してたが亡くなっちゃったか(汗)
ナナリー即死は想定外!
最後に反目って題名が使われたことにはGJとしか言いようが無い。
最後になのはを止めたのはギアスで「動くな」って言ったからかな?
第二期が始まったら続き読みたいなぁ〜
ガンダム00も面白くなりそうだし、土曜午後6時は楽しくなるかなぁ。
ギアス第二期はガンダム00の次とか言われてるし。

>>なの魂氏
リリカルなのは第一話と銀さんのコラボが活きで良いぜ!
ジュエルシードの化け物を木刀で対抗するとこなどGJです。

>>白き異界の魔王 外伝氏
魔王が時空管理局の三等陸士ですか・・・嘘だッ!(ひぐらしレナ風)

>>マスカレード氏
地獄兄弟&北岡GJ!
吾郎ちゃんとZECTのメガネ(名前忘れたw)が対面したらどうなるのやら(汗)
ワーム1匹\120万・・・ライダーたち金持ちになれるぜ!


他の職人さん方もGJでしたぁ〜今後とも頑張ってください!
347名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 10:05:22 ID:zMsGEAup
>>320
ベロクロン可愛いよ、次は2世か改造とのベロクロン軍団だな

>>340
スフィアが出ればダイナも本気で戦うだろ

ガイア、アグルもカラーリングが派手なのを忘れているぞ

348名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 10:34:16 ID:8iXpXVDW
>>339
GJ!
そりゃエターナル相手じゃこうなるよな…ましてやリミッターなんぞ付けていては…
やはりタティアナさんは死亡フラグを達成したか、死体がないなら希望はまだあるんだがな。
しかし冒頭のかっこいい親父魔導士であるローグさんの話様だとティーダ死亡にはなんか裏がありそうだな。

>>340
ウルフェスで共演しているからその程度のことは気になりませんw
349名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 11:42:56 ID:lP32EA0X
>>347

ガイア・アグルもダイナ・ティガ同様に地球出身で(世界観は違うけれど)、光の国出身のウルトラマンではありませんよ?

>>348

いや、現実世界のイベントとかメタな話題を持ち出されましてもwww
350名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 11:57:08 ID:gsmYa5/S
GJ!
王大人「ティアナ・ランスター、死亡確認」
ふう、これでフラグが立った…
エンシェントがレイスに押されたようにやはり数は力っすね。
351名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 13:28:56 ID:phUo2RNj
>>327
>フェイトの光の鎌と黒い拳は確実に男を捕らえていた。 それにあわせてフェイトのクロスファイアーが男に襲い掛かる。

おりょ?誤字だ。あと「黒い拳」の前に「スバルの」が抜けてる。
352リリカルけんしん:2007/11/03(土) 13:55:04 ID:xhdyMa33
職人の皆様GJ

魔法少女リリカルなのはStrikerS−時空剣客浪漫譚−のプロローグが出来ました。

投下良いですか?
353マスカレード:2007/11/03(土) 14:00:53 ID:dEY4/XyB
職人の皆様GJです!

なんかふと思い付いた一発ネタクロス技がありまして……
1話から書く気力が無いので、それだけ投下しようと思います。
2レス程ですが……
354名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/03(土) 14:02:14 ID:N2/35Z1p
カオスw
355マスカレード:2007/11/03(土) 14:02:14 ID:dEY4/XyB
おっとリロード忘れてました……
どうぞ投下して下さい!
私はいつでもいいので
356リリカルけんしん:2007/11/03(土) 14:06:48 ID:xhdyMa33
明治11年(1878年)5月14日の大久保利通暗殺事件から始まりし、緋村剣心と志々雄真実。同じ刀工の刀を握り、同じ幕末を生き。違う明治を見た二人の人斬りの闘い……。

政府に恨みを持つ、志々雄真実一派の武力による明治政府転覆計画。それは弱ければ死に、強ければ生きるという弱肉強食の信念の元に起きた志々雄真実の闘い。

しかし、弱き人を護りたいと願う緋村剣心を始めに彼を取り巻く人間はそれを許さなかった。
次第に闘いは、緋村剣心へと傾く。
そして……


「久々に愉しい闘いだった、こんなに愉しいのは幕末以来だが、この先国盗りが控えてるんでな。 これ以上 遊んでやる時間はねぇ。」

「愉しくはないがお主の力量には正直感服した。 だが、時間と言うならもうお主や拙者のような人斬りの時間はとうの昔に終わっているんだ…」

「終わりはしねぇさ、俺がこの無限刃を握っている限り……弱者は糧となり、強者が生き残る。弱肉強食の時代こそが正しい!」

「終わっているんだ、拙者がこの逆刃刀を握った時に……弱肉強食など、力無き人々に当然のようにそれを強いるお主の時代など拙者が断じて許さぬ!」

同じ幕末を生き、違う明治を見た二人の剣客の闘いは……ここに終結した。
剣心の飛天御剣流奥義を喰らっても志々雄真実は倒れず、力無く膝をつく剣心へと無限刃を振りかざした瞬間。炎を統べる悪鬼。志々雄真実は体温の限界を越え……高笑いと共に炎に焼かれて逝った。


357リリカルけんしん:2007/11/03(土) 14:11:40 ID:xhdyMa33
しかし、剣心は強敵達や志々雄真実で負った傷が深く。彼との闘いに勝利した瞬間に気を失う。そして緋村剣心や左之助、斎藤、蒼紫がまだ居る中。志々雄真実の死を認める事が出来ないでいた腹心・百識の方治は闘場の扉閉めて出て行ってしまった。


「くそ、あの三角マユゲ!! 開かねぇ。二重の極みさえ使えりゃこんな扉! ちくしょう、早くしねぇと剣心が……」

闘場から外に繋がる渡り廊下の扉を強く殴りつける。二重の極みは彼の右手のみでしか発動出来ない、さらに彼は志々雄真実に向けた一撃で右手の限界を越えてしまっていた。
緋村剣心を担ぎながら左之助は悔しそうに扉を見遣る。砕きたくとも扉は鋼鉄で造られている、いくら左之助でも今の状態では砕けない。

−やはり、天翔龍閃を発動した後では体力が持たないか……。回転剣舞六連が使えれば……。

志々雄真実の肘鉄を受けてしまった右手の間接の痛みを確認しながら、力無く身体を左之助に預ける剣心の姿に……傍にいた四乃森蒼紫も心中では焦燥感に駆られていた。


「どけ」

そんな中でかけられた声に左之と蒼紫が振り返ると、既に刀を左手で握り。水平に構えていた。

「ちょっと待て!お前の傷だって浅くは−−」
彼の両脚に負っている傷の事を指摘する左之の声を狼の牙で砕かれた扉の音が遮る。

「お前らとはくぐった修羅場の数が違うんだ」

何時もの事のように刀を納め、両足からの出血を気にせずくわえた煙草に火をつける斎藤に左之は言葉を無くす。
だが、急の轟音と衝撃が4人の男達に襲い掛かる。

「闘場が!」

358リリカルけんしん

背後を振り返ると先程まで闘っていた場所が轟音と共に崩れていく。
そして左之と蒼紫は……斎藤と自分達の間の足場が吹き飛ばされ、そこから辺りを覆うようなまばゆい光が放たれた事に気付く。

「っ!! 何だよこの光!」

左之が叫ぶ中、蒼紫は手で目の前を遮りながらも冷静に光を見遣っている。

(何だ……引き寄せられている……)

斎藤もまた自分が光に包まれた足場と爆炎に包まれた闘場に挟まれた状態に関わらず、煙草の煙を燻らせている。

(何かに呼ばれているのか……)




同じ頃、燃え盛るアジトを脱出し。佐渡島方治、悠久山安慈と袂を分かち。答えを見つける為に歩きだした瀬田宗次郎も……左之達が見たものと同様の光と遭遇していた。

「何だろう……この光……でも、温かいな」
自分を覆う眩しい光。 直視出来る事なんて出来ない程の光であるはずだ……だが、宗次郎はその光を心地良く感じる。

−さっき休めたはずなのに……なんでだろう、眠たくなっちゃった。

のんびりとそんな居心地の良さを確認し……次第に宗次郎の意識は途切れていく。


そしてこの光は……新たな舞台での闘いとなる事を左之達は知らない。
宗次郎もまさか異世界で答えを探す事になるなど考えてもみなかっただろう。