リリカルなのはクロスSSその20

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1名無しさん@お腹いっぱい。
ここはリリカルなのはのクロスオーバーSSスレです。
ガンダム関係のクロスオーバーは新シャア板に専用スレあるので投下はそちらにお願いします。
オリネタ、エロパロはエロパロ板の専用スレの方でお願いします。
このスレはsage進行です。
荒らし、煽り等はスルーしてください。
次スレは975を踏んだ方、もしくは475kbyteを超えたのを確認した方が立ててください。

前スレ
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1191674700/

過去スレ
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1190950386/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1190209861/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1189525591/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1188914457/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1188222989/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1187714790/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1187176581/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1186669558/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1186147008/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1185640072/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1184997868/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1184393091/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1183637309/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1182871170/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1182002145/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1180901290/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1179746193/
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1177202668/

*雑談はこちらでお願いします
リリカルなのはウロスSS雑談2
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1190729406/

まとめサイト
ttp://www38.atwiki.jp/nanohass/
2ワッペン:2007/10/14(日) 14:47:22 ID:tTtUEby3
         _,__       ここはひとつ>>2ゲットとったオレを立ててくれよ
     /::::::::::::::::::::::::::ヽ     
   /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.\    優良なアニメから理不尽にも順々に
  /`.:::::::::::::::/゛`〜、:::::::::::::\   迫害されていく(´`)
 / / ^ヽ:::l`    \::::::::::::::ヽ
  . /   ヽl  ヽ   \::::::::::::l  迫害を受け続けたオレだからいえることだが
  !  _    _     \:::::::l 
  、 /`  ヽ ./ 。  \    \::l  アニメで生きてきた人間は命を捧げる使命があるんだよ
  ヽ 、 。ン ヽ   ノ   ゙’(6j  命をなげうつ覚悟のあるやつはオレについてこい!
   ヽ ̄  ’’   ̄    _∪  
   ヽ   ◇        ノ   テレ朝のアニメランキング操作に始まる、歪曲された報道
    .`、        _/    を鵜呑みにしない正しい批判的精神を取り戻させるために
   .  .`-.    .r°     いよいよ立ち上がるときが来たようだ
3名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 15:00:20 ID:X09TGvPH
遂に記念すべき20スレ目か・・・

..__________
||              ||         【00:00】
||              ||    
||  新スレおめでとう.  ||     ー 20スレ目記念祝賀会 ー
||              ||               
||              ||  \\        >>1乙です ッス   //     
" ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  (,`へ´,9ル<'(○∀○4'>/ (φ-‘)5)('(,´ワ`,6')(,`∀´,'W11   
  )'|(゚ - ゚)1'(   (,`、´,'3 ('(,`д´,)7)'(,`ヮ´,|2'( [,-_-,'8 ((,-_-,12'( Z'1,・_・, 0'Z >ヽ
.   / <人> ヽ   /<∞>ヽ /<∞>ヽ /<∞>ヽ /<∞>ヽ /<∞>ヽ  / <∞> ヽ ̄ ̄ ̄|
" ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
4名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 15:03:50 ID:zxmokIqJ
>>1
人从人从人从人_                    ,、,、 n
    偉 宇 見 (        __       n   n_|」l」-'ノ
    大 宙 せ (´ ,-、, ―´r'´       (`´ ̄  r '´
   . な 警 て ( (    i_ ヽ  .        ̄l    |
   .>>1 備 や (´. l   :l'         .   |   .|
    乙 隊 ろ ( |   |             |,,-―-,,|
    を 長 う. (´ |___|.            l;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
    ! の.! (.  l;;;;;;;;;;;;;;|           !;;;;;;;;;;;;;;;;;|
YWYWYWYWY  |;;;;;;;;;;;;;ノ       __    ,、 };;;;;;;;;;;;{
          _   |;;;;;;;;;;;;;;i  ,_- ‐'、__ヽ   ゙' ノ;;;;;、;;;;;;;l 〈》
         ノ `、.├-、;;;;;;i'∨三ゝ    _ゝ、//´  `l;;;|
        ノ /;;;;;;;l| ヽ ゙l;| ノー-      l iェ」 |/,;'   l;|
       〈 (;;;;;;;/|  ll |;|ヽ´_,,,,,;;;;;;;;;;;;;,';ノ |;;''    l;|
       ノ  `'''ハ.!  l:l|;,| .};;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,i;;!、|;'. !   l;|
       ヾ r'´ィ';;;||   l;ll;;ヽl;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,-,;;;|i : l   '/
         j {;;;;;|.|、 !ノ;;-、l;;;;;;;;;;;;;;ノ'o /;;;;l  !  |;| く\
         l  };;;;;| iノノ' ol;;;!;;;;;;/ O l;;;;fll il! i  !l l;;ヾヽ、
         !  i;;;;;;j ノ/ O );;/  O  |;;;;ll;/li! : !ノ 〈;;;ヾ/
         `i l;;;;''// O /;/  O  ノ;;/〃 il! ! /  V
         { ノ;;; i;;l O 〃゙ヾ O /;;;///!l! li! l|
5名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 15:13:10 ID:X09TGvPH
ちょwwww前スレの最後に般若面かよwwww
6名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 15:14:47 ID:8rHPMVqb
前スレ最後は
まよけじゃまよけじゃ
7名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 15:23:30 ID:poUuqiBm
毎度毎度思うんだが急いで埋め立てる必要なんてないだろ。
8名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 15:23:37 ID:0dWagX/1
                    ,ゝ、 _ __
                   ∠ ノ/ ソノ
              _   //フ/ヽ/ソ
          =三三/e`==〉フ∠ヘ〈⌒〉
                   〈 l_l'iヘ / /
                   <v‖X]
                    >/ 〕〔
√]┐                ノンゝ‖
_______
スティンガー/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 ̄  ̄  ̄  ̄                       |
これは警告だ。                       |
今のうちに>>1を乙しろ。            |

9名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 15:26:19 ID:cQbsxI8q
>>1

>>8
スティンガー、月光の空中切りで死んでね
10名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 15:26:24 ID:X09TGvPH
>>7
前にそう思って埋めなかったら
いつまで経っても埋まらなかったんだもん
11リリカル.exe:2007/10/14(日) 15:29:14 ID:NqRAw3Ke
>>4
ミスターファイアヘッド乙。
12リリカル龍騎 ◆l5ZL/l4pJY :2007/10/14(日) 15:34:58 ID:7mfbedTk
…NANOSING、投下準備完了。昼食を済ませ次第投下する。許可を
13名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 15:37:41 ID:zxmokIqJ
>>12
  r──────────┐
  | l王三王三王三王三l o==ニヽ
  | |王三王三王三王三|  .| //
  ゝ 乂━━━━━━━乂_| `-=
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  / /  / / / /  / /
 / /  /  / /  / /  ソヨソヨ
                ∫ 
       .⊂( 0|0 )つ━   許可する。オーダーはただ一つ、サーチ&デストロイだ〜♪
      ///   /_/:::::/ 
      |:::| ⊂⌒ヽノ|:::| /」
    / ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄/|
  /______/ | |
  | |-----------| |
14名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 15:38:04 ID:8rHPMVqb
遅い昼食だな。
だが、許可する
15名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 15:38:29 ID:X09TGvPH
>>12
ID見れば一目瞭然ですよw
そして投下こーい
16リリカル龍騎 ◆l5ZL/l4pJY :2007/10/14(日) 15:45:44 ID:7mfbedTk
「糞ッ!クソ!クソッ!」

 市街の安宿にて、テンガロンハットを被り、眼帯をつけた男が悪態をついている。
 サイレンサー付きの銃を用意し、服のポケットに予備弾丸を用意。顔には冷や汗をかいている。

「ええい、くそっ!金もらっちゃったもんなァ!やっぱなぁ、やるっきゃねえよなァ!!」

 装備を整え終えたのか、言い終えると同時に男…ベルナドットがドアに手をかけ、部屋の外に出る。
 そして外でスバル・ヴァイス両名と合流し、ホテルの方へと駆け出していった。


第六話『ELEVATOR ACTION』(4)


「始まりましたな。やはりこうなりますか」
「こんなものですむものか、死ぬよ、もっと死ぬ。あの男がこんなもので済ますものかよ」

 某所。少佐ら三人がこの殺戮劇を嬉しそうに見物している。少佐の他にいるのはドクと、長身の無口な男だ。
 楽しそうな笑顔で、これからどうするかをドクが問う。

「では、いかがいたしますか?代行」
「その名称で私を呼ぶな。どこでそば耳を立てられているか分かったものじゃない」

 代行とはどういう意味なのだろうか、それは気になるところだが、今は物語を進めよう。
 たしなめられたドクが改めて同じ意味の言葉を言う。ただし呼び方は変えて。

「失礼、分かりました。いかがいたします?大隊指揮官殿(少佐)」
「原住民がいくら死んでもかまわんけれど、これでは埒が開かん。何よりちっとも面白くないね。
大火に如雨露で水をかけても仕方がない」

 少佐のその一言とともにもう一人の男『大尉』が連絡の準備を行い、それが済むころを見計らった少佐が命令を出した。

「トバルカイン・アルハンブラに伝達、出撃準備。思うように埒を開けよ」
17リリカル龍騎 ◆l5ZL/l4pJY :2007/10/14(日) 15:46:50 ID:7mfbedTk
「退けッ!退けぇ!」
「急げ!急げ!急げッ!」
「退去する!退去だ!退去ッ!!」

 急ぎ逃げる警察小隊の生き残り達。隊員の大半が死んだ今、もはや逃げるしかない。
 エレベーターまで走り、下のボタンを連打。そんな事をしてもエレベーターが早く着くわけでもないのだが、そんなことすら分からないほどに錯乱しているのだろうか。

「来るぞ、走れッ!走れぇッ!」

 逃げ遅れた隊員たちが必死にエレベーターへと走るが…逃げられない。
 普通の人間の目では到底見えないような距離からの銃声が二発分響き、それが逃げ遅れた隊員の体を食い破った。
 そしてアーカードはそこにいる。口から隊員の死体から吸った血を滴らせ、ゆっくりと歩み寄ってくる。
 …と、ここでエレベーターが到着。生き残りの隊員たちが慌てて飛び込み、残りの隊員たちを待つ。

「早くしろ!入れッ!早く!」

 そしてアーカードが入ってくる前に全員がエレベーターに乗りこんだ。アーカードの歩みは依然ゆっくりとしたものだ。
 そのゆっくりとした歩みが逆に恐怖心をあおる。そのせいか、生き残った隊員の一人が声を上げた。

「閉めろ!急げ!!」

 言うが早いか、すぐに『閉』のボタンを連打し、エレベーターの扉を閉じる…が、最後まで閉じられることは無かった。
 隊員の一人が『開』のボタンを連打し、エレベーターの扉を開いたのだ。ついでに言うと、その隊員は正気の目をしていない。間違いなく魔眼にやられているだろう。
 やっと逃げられると思った矢先にこの状況である。当然他の隊員たちは狼狽し、その隊員を止めようとする。

「な…ッ、バカな!?」
「離せ、離すんだリカルド!」

 だが、リカルドと呼ばれた隊員は手を離さない。まあ、よほどの事がない限り解けないほど、アーカードの魔眼が強力だからなのだが。
 そんなことなど知る由もない隊員達が必死でリカルドを引き離そうとするが、離れない。

「どうした、リカルド!離せ!正気に戻れリカルドォッ!」

 このままではあの化け物に全員殺られる。そう思った何人かの隊員がリカルドへと銃を向け、発砲。エレベーターから叩き出した。
 叩き出されたリカルドはすがるようにアーカードへと手を伸ばすが…やはりカスールで脳天を吹き飛ばされた。
 だが…そんな様子など、もはや誰も気に留めない。とにかく逃げたいという思考しか残っていないので、すぐに『閉』のボタンへと手を伸ばす。

「閉じろ!閉じろォ!!」

 ボタンを押し、今度こそドアが閉じられる。これで彼らは生還できる…はずだったのだが、現実はそう甘くはない。
 アーカードが自らの銃をドアの隙間に差し込み、そのまま力ずくでこじ開けて入ってきたのだ。
 そのままエレベーター内で銃を構え、そしてこう言い放った。

「兵士諸君、任務ご苦労。さようなら」

 発砲。
 銃声。
 死亡。
 エレベーターが一階に着く頃には、エレベーター内に生者は存在しなくなっていた。

 そして一階。チェックアウトすべく、アーカードが歩いて正面玄関へと向かう。一階に待機していた残りの隊員を、片端から射殺しながら。
 殲滅が終わり、ふと外を見るとなにやら明るい。何の光だろうか?
 アーカードの視力ならばすぐに報道陣によるものと理解できただろうし、実際そう理解した。
 これを見たアーカードは、まるで面白いものを見つけた子供のような笑みを浮かべ、エレベーターまで戻っていった。
18リリカル龍騎 ◆l5ZL/l4pJY :2007/10/14(日) 15:47:52 ID:7mfbedTk
「はぁ!?じゃああたし達…テロリストとして指名手配されてるって事か!?」
「はい、なんかそういう事みたいです」

 屋上へと向かう上り階段、ティアナが上へと走りながら、ヴィータに状況を説明している。
 まあ、驚くのも無理は無い。「目が覚めたらテロリストとして包囲されてました」という状況で驚かない存在など、どこぞの戦争狂の吸血鬼くらいのものだろう。
 何とかヴィータは早いうちに落ち着きを取り戻す事には成功し、そのままティアナへと問い返す。

「…で、どうすんだよ。まさかみすみす逮捕される気じゃねえだろうな?」
「とりあえずは屋上に行ってヘリを奪い、それでスバル達を拾って逃げることになってますけど…」

 さも当然のように「ヘリを奪う」と言うティアナ。それに対しヴィータは思い切り呆れているようだ。
 盗みは犯罪だからやめさせた方がいいだろうと思ったのか、ヴィータが二の句を告げる。

「お前な…盗みは犯罪だって知ってるか?」
「もうテロリストとして指名手配されてる身なんです。だったら今更罪が一つや二つ増えたって…」

 …ティアナの色々と何かを諦めた表情を見て、ヴィータも盗みをやめさせるのを諦めた。
 と、言い終える前に屋上へと到達。さっそくヘリを奪おうとするが…

「…ヘリ、無えな」

 …予想通りといったところか。考えてみればホテルの屋上にヘリが着陸しているとは到底思えない。
 ヘリがない場合の脱出手段を頭の中で必死に構成するティアナ。スバルからの念話が届いたのはそんな時だった。

《ティア、聞こえる!?》
《スバル?ええ、聞こえてるわ》

 よく知っている相棒の声が聞こえたことで、

《良かった…特殊部隊の人が突入したみたいだから、心配になっちゃって…それで今、どこにいるの?》
《私はヴィータ副隊長と一緒に屋上よ。マスターは…下でその特殊部隊の人達と殺し合いをしてるみたいだけど》
《…アーカードさん、人間が相手でも平気で殺せるんだね…》

 一瞬だけ悲しそうな声になるスバルだが、すぐに元の調子に戻って用件を伝えた。

《とにかく、そこで待ってて。今から私とヴァイス陸曹でヘリを奪って迎えに行くから》

 脱出手段決定。
19リリカル龍騎 ◆l5ZL/l4pJY :2007/10/14(日) 15:49:14 ID:7mfbedTk
「ええ、先程、先程において警官隊が突入を開始した様子です」

 報道陣が再び現場を映す。もう突入しているから規制の必要も無いだろうと判断したのだろうか。

「かくして、突入隊が行動を起こしてからも、内部の様子は依然として不明のままであり(パンッ)」

 続く報道の中、ガラスが弾け飛ぶ音が響く。
 何事かとカメラマンがカメラを向け、それと同時に複数の窓ガラスが破砕。そこから何かが凄い勢いで飛び出した。

「なんだ!なんだ!?」
「撮れ!いいから撮れ!」
「カメラ回せぇ!」

 飛んできた「何か」の正体など知る由も無いカメラマンが、何かの飛んでいった上空へとカメラを向ける。
 その「何か」は遥か上空だが、やがて重力に逆らわずに落下し、やがて報道陣や野次馬にもその正体を理解させた。
 窓から飛び出した「何か」がアーカードによって屠られた小隊員の死体だと理解していれば、これから起こる残酷な出来事を見ずに済んだのだろうが…目を背けるには遅すぎた。
 隊員の死体は落下し、そして一つ残らずホテル入り口の旗を掲げた柱へと落下。そして…まるでモズのはやにえのように串刺しになった。

「な…あ…う…あ…!!」
「ああ…うわあああああああああああああ!!」

 誰からとも無く悲鳴が巻き起こり、それが恐怖となってその場にいた全ての人間へと伝播する。そしてそれが新たな悲鳴として表に飛び出す。
 そしてその恐怖を振りまいた張本人、アーカードが現れる。ご丁寧に正面入り口からチェックアウトをしてきた。
 その存在は直接現場にいた者、テレビで現場を見ていた者など、どのような形であれ現場を見ていた者達全てに強烈に叩きつけられることとなった。


 パン、パン、パン。
 某所から拍手の音がする。その拍手の源である小太りで眼鏡の男性…少佐は嬉々として呟いた。

「なんとも素敵な宣戦布告、うれしいね。戦争だ。これでまた戦争ができるぞ」


TO BE CONTINUED
20リリカル龍騎 ◆l5ZL/l4pJY :2007/10/14(日) 15:50:37 ID:7mfbedTk
投下終了です。
…なんでNANOSINGはこんなに進むのに、最終話までのプロットできてるリリカル龍騎は進まないんだろう…orz
21名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 16:02:45 ID:zxmokIqJ
GJ!
ティアナは着々と夢に向かって歩んでいるな。
22名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 16:09:49 ID:X09TGvPH
GJです
夢に向かって一直線だなティアナは
23リリカルスクライド//G.U. ◆etxgK549B2 :2007/10/14(日) 16:55:43 ID:thNPctWP
>>20
投下お疲れ様です。
ティアナが段々吸血鬼らしく成ってる(笑)

しかしプロットを完成させているとは…私なんて、その場その場で浮かんだ事を書いて投下してる不束者(汗)
最終回なんて、頭で思い浮かべた【ジェイアークVS聖王のゆりかご】ぐらいしか考えていないZE
24リリカル龍騎 ◆l5ZL/l4pJY :2007/10/14(日) 17:10:43 ID:7mfbedTk
しまった、ミスった…orz

×よく知っている相棒の声が聞こえたことで、

○よく知っている相棒の声が聞こえたことで、一度考えるのを中断して念話へと意識を向ける


飯食ってる間にイデ発動してたのがこんな誤植を生む結果になるとはorz
25名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 17:22:51 ID:by0xwcsw
>リリカル龍騎氏
GJです。普通にヘリ奪おうとしてる新人sに笑いましたw

>白き異界の魔王氏

GJです。柊蓮司・・・・魔法、使えたんだなw
26リリカル・コア:2007/10/14(日) 17:58:15 ID:H0RTqH4O
書き込みチェック。
投下行きます。
27名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 17:59:58 ID:8rHPMVqb
承認します
28リリカル・コア:2007/10/14(日) 18:03:26 ID:H0RTqH4O
「おい、ハチマキ」
「だーかーら、『スバルお姉ちゃん』。何でノーヴェはギン姉にだけで私には言ってくれないのかな?」
「うるせえ!!それはギンガ姉と他のお姉達だけだ!!」
「会う度にいつもこんな事してるけど飽きないのかな?家でもこんなのなの?」
「そうですねぇ・・・。はいはい、二人ともそれまで。続きは次の機会にしなさい?」
「「はーい」」
なのははギンガ・スバル・ノーヴェ三姉妹を引き連れて歩いていた。格好は新しく一新された管理局の
共通制服の航空総隊バージョン。若干の違いを除けば他の三人の着用している陸上総隊の制服と変らない。
ノーヴェは更生プログラム終了後、ナカジマ家に養子となり一応は末っ子となる。
能力制限は更生プログラムの成績がよかったため殆ど掛けられていない。
四人組が歩くのは殺風景な廊下。人の気配は無かった。
「ほんとにこの道でいいんですか?」
スバルが聞いてくる。
「とりあえず間違いは無いはずだけど・・・」
「たしか情報によると控え室がここら辺にあるはずですよ」
なのはの答えを補足する形でギンガが付け加える。
「しかしまた単純な構造の施設だな」
ノーヴェはあらかじめ渡されていた地図を表示する。幾つかの円筒形の空間と工場地区、
それをつなぐ通路、そして輸送プラントを持つ施設。
「『渡鴉の巣』。かつて数多のレイブン達がレイブン試験を受け巣立って行った所・・・。最近
アリーナが一般に知られるまで場所は秘密だった見たいね・・・」
「鳥頭の巣らしく単純な構造ってか?」
ノーヴェが混ぜっ返す。
「ノーヴェもすぐにかっとなって突撃するじゃない?」
「てめえ!!ハチマキ、もう一遍言ってみろ!!」
「そうやってすぐ熱くなるのが駄目だって、チンクちゃんが言ってたじゃない?」
「・・・今ここであの時のチンク姉の仇討ってやる!!」
スバルは妹ができたのがうれしいのかよく“瞬間湯沸かし器”ノーヴェに話しかけている。
スバルなりの愛情表現なのだが何故か喧嘩になる。二人のやり取りを見ればなぜ殴り合いの
喧嘩にならないのか不思議に思うのだが二人のやり取りを見た人は結局姉妹の痴話喧嘩にしか見えない
という感想を持つ。その程度の口喧嘩である。
「二人とも・・・、頭冷やそうか・・・?」
「ドリルで・・・、その頭に排熱孔開けようか・・・?」
「「・・・すいません・・・」」
さすがに仕事中ともあればその程度の痴話喧嘩に付き合う必要はない。
29リリカル・コア:2007/10/14(日) 18:09:03 ID:H0RTqH4O
「控え室、ここですね」
「でも人がいねえよ」
「時間はまだ早いと言う訳ではないけど」
「鴉達はお出かけ中、といったところかしら?」
「何か御用ですか?」
いつの間にかモップとバケツを持ったエプロン姿の少女が横に立っていた。
人の気配がしなかったので留守かと思ったがどうやら人はいたらしい。
「あー、ここのお手伝いさん?えーと、レイブンの人たちは今日は来ないのかしら?」
「・・・私もこう見えてもレイブンです。お望みとあれば戦いますか?」
「まあまあ、そういわないで。お名前は?」
いきなりギンガに挑戦しようとする少女を止める為、なのははまずお話から始めようとする。
「エネって呼んでください。コアデバイスはピースフルウィッシュ。今は整備中ですが・・・」
「レイブンさんが何でモップ持って掃除してるのかな?」
「実は私、ランクで言えば下から数えたほうが早いんです。だからこうやってお茶組みしたり
軽い食事作ったり、掃除したり・・・。でもそれでみんなからチップもらってるからいいんですよ」
「私は高町なのは。こっちの三人はギンガにスバルにノーヴェ。三姉妹だよ」
「し、失礼しました!!まさか管理局ののエースオブエースご本人だったとは知らず・・・」
そういうとエネは姿勢を正し頭を下げる。
「いいよ、そんな畏まらなくても。ちょっとお話が聞きたいんだよ」
「お話ですか・・・?」
「そう、昔の話が聞きたいの」
「私はそんな昔から居る訳ではないですから・・・、ここ最近のことでしたら・・・」
「“不死鳥”と言われたレイブン。あなたは出会ったことはある?」
こういう聞き込みは元々捜査畑にいたギンガの方が適切だろう。
そう考えてなのはは話し相手をギンガに任せた。
「私は・・・、アリーナで何度か手合わせをしてもらいました。まったく適いませんでしたが・・・」
「ここに来る事はある?」
「あの人は・・・、アリーナには興味が無いのかここで見かけることは無いですね・・・」
一旦、区切り少し考えるエネ。
「アリーナって言うのは昔のようにレイブン同士が戦ったりするだけじゃなくて情報を交換したり、
仕事上のパートナーを探したり、依頼を探す場所になったりしてるんです。特に今のように
レイブンズアークが崩壊して依頼の斡旋組織が機能してない状態ではなおさらです」
「知ってそうな人は?」
「最近、レイブンを雇おうとする人が多いから・・・。仕事が多くてアリーナに来る人も少ないんですよ」
糸が途切れたかな?管理局の四人が同じような事を考えた。それを感じたのかエネと名乗った少女は
「あ、でもアリーナ最古参のレイブンって言われてる人がいますよ」
そういうとエネは隣のソファの裏に寝転がっていた中年の男を起こそうとする。
ぜんぜん気が付かなかった・・・。四人が揃って考えたのはそんなことだった。
「伍長、起きて下さい。伍長!!」
「何だエネか、俺の出番でも来たのか?」
「違いますよ。管理局の人が昔の話を聞きたいって・・・」
「管理局?しかも昔の話だ?」
そういいながら男は起き上がり、なのは達の座っているソファに向かって重い靴音を響かせながら歩き出す。
『お父さん見たいな体系だね』
『いやもっと細い体型だよ』
『どっちにしろヤバイだろ』
『帰ったらお父さんを健康診断に連れて行こうか?』
『『賛成!!』』
『・・・みんな容赦ないね・・・』
ナカジマ三姉妹の容赦ない念話に相槌を打ちながらうちのお父さんも若作りしてるけど一応
健康診断に行ってもらおうかな?そんなことを考えながらなのはは立ち上がり右手を差し出し
握手を求めながら名前を名乗る。
「地雷伍長。本名は必要ないだろう。コアデバイスはデンジャーマイン」
「高町なのは。所属は航空総隊戦技教導隊ですが現在は・・・」
「知ってる。アリーナ万年最下位の俺でも知ってるぐらいの有名人だろ」
「そ、そうですか・・・。こっちはギンガにスバル、ノーヴェ。陸上総隊所属です」
「話するのはかまわんができたらそっちの人数を減らしてくれ。いきなり襲われたりしたら適わん」
30リリカル・コア:2007/10/14(日) 18:13:49 ID:H0RTqH4O
「ねえねえ、エネさん?」
難しい話をし始めたなのはとギンガ、そして地雷伍長と名乗った男から少し離れたソファに
座りながらスバルは前に座るエネに話かける。
「えーと、スバルさん、でしたっけ?」
「そうだよ。ちょっとお願いがあるんだけど・・・」
「何でしょう?」
「うちのノーヴェと一戦やってくれない?どうせ暇でしょ?」
そう話しながらスバルは隣に座るノーヴェの頭をなでる。
「この子まだまだ経験が浅くてね」
「ちょっ・・・、ハチマキ、何言ってやがる!!こんな小娘に遅れをとるほど弱くねえよ!!」
「なな・・・、あなたがどんな魔導士か知りませんがこう見えてもレイブンの端くれです!!」
「レイブンだろうがなんだろうが小娘には代りねぇだろ・・・」
「いいでしょう・・・。そっちがその気なら白黒つけましょうか!!」
言うが早いか二人は勢いよく立ち上がりにらみ合う。
「それでは十分後、ドーム・Aに来てください。別に尻尾を巻いて逃げ出しても構いませんが・・・」
「それはこっちの台詞だぁ!!」
「あー、なんか話が変な方向に言ってるような・・・」
ふと視線を感じると冷たい目で見るなのはとギンガと目が合う。
『スバル・・・、後で特別メニューね』
『たっぷり稽古つけてあげるから・・・』
『ご、ごめんなさい・・・』
念話からもなのはとギンガの怒りが感じられた。聞こえてきた声は低く冷たい・・・。
地雷伍長は何がおかしいのか笑いをこらえるのに必死そうにしていた・・・。
31リリカル・コア:2007/10/14(日) 18:15:07 ID:H0RTqH4O
「何でレイブンになったの?管理局や他の組織でもよかったんじゃない?」
ギンガはコアデバイス、汎用魔導甲冑を着込み最終チェックをするエネに話しかける。
「家族が病気なんです。だから、・・・少しでも実入りの良い仕事をしようって思って。
こう見えても管理局基準で陸戦B+を持ってるんですよ」
「管理局の局員にならない?陸戦のB以上なら中途採用でも歓迎されるわよ」
「・・・やめときます。世間ではあまり良く言われる事は無いですけど、レイブンの人たちって男女問わず
良い人たちなんですよ?」
「そう、気が変わったらここに連絡して。お父さんの部隊だけど管理局は万年人手不足だから歓迎されるわよ」
考えておきます。そういうとエネは甲冑の重い足音を響かせながらアリーナのゲートへと向かった。

それはそこに眠っていた。かつてプログラムはそれを操り、数多のレイブンを葬り、戦場となれば
敵味方容赦なく弱者を踏み潰してきた。
「力を持ちすぎた者」
ある日、それは上位存在と言うべき存在を失い、その力を振るうべき理由をなくした。
「秩序を破壊する者」
上位存在を打ち砕いた者、レイブンに戦いを挑んだ。そして自身もまた打ち砕かれた。
「プログラムには不要だ・・・」
上位存在を失った後、プログラムは停止したはずだった。
だが怨霊ともいうべき人に近い思考はずっとそのプログラムの目的、力ある者を排除するという目的を
果たそうとしていた。
錆付き、ボロボロになりメンテナンスするものもいない機体達の中から動ける機体を選別、起動。
それらは動くのも厳しいように見えた。
そして一本の通路を目指す。それはアリーナへと続く秘密通路だった・・・。
32名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 18:15:41 ID:qKuqauHl
ネクスト支援
33リリカル・コア:2007/10/14(日) 18:18:34 ID:H0RTqH4O
第二話Aパートです。
次の投下は予定では来週です。
うまくいけば第三話のデスクワーカーはやてのおはなしもとうかできるかも?

もしかしたらアーマードコアを全編プレイしてるは
自分だけのような気がしてきた・・・
34名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 18:20:42 ID:qKuqauHl
GJ!
まあ、はやてには指揮官は無理なんだから妥当な選択。
35名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 18:56:53 ID:gbs3JmJE
>>33
乙、これはまさか\VSH?
36名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 18:57:39 ID:Iru8ViJm
イレギュラーを呼ぶしかない。
37名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 19:03:35 ID:tqH6ZMmy
AC支援
38リリカル龍騎 ◆l5ZL/l4pJY :2007/10/14(日) 19:22:12 ID:7mfbedTk
アーマードコアシリーズ未プレイの俺が通りますよ。GJです
脅し文句に使うほどとは…ギン姉そんなにドリル気に入ったんですかw
…なんかラスト間際にやばそうなのが…生きて帰れるんでしょうかノーヴェ…
39名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 20:08:57 ID:kGzaxvcT
ジナ姐「き・・・貴様はパルヴァライザー!?。」
パルヴァ「おねーちゃん、あそぼー。」
ジナ姐「くそッ・・今度こそ破壊してやる!。」
パルヴァ「びいいいいいいいむそーどお!。」

ざしゅッ☆

ジナ姐「逃げろ・・・」
ぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼ・・・・。

さぁレイヴンどうする?
40名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 20:15:47 ID:OyKGKubi
>>33
なんだかんだでフォーミュラフロント含めてプレイしている私みたいなのが
何人もいますぜ?メカカスタマイズは女には教えたくない快感だ!
41名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 20:19:32 ID:hJHZICKk
私も女だけどHは私の嫁
42名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 20:25:59 ID:EfegAjKq
アーマードコアは、AC2AAから始めた俺が通りますよ。
43名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 20:26:20 ID:08Qq262U
>>33
公式のAC小説二冊も持ってる私を古参レイヴンと知ってのことか?
愛機は木製ACです(ぉ
44名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 20:29:25 ID:btf/PI2C
ネクサスからの新参だが1〜4まで網羅した俺参上
45名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 20:31:49 ID:Iru8ViJm
ドラゴンエイジの漫画を挙げる猛者はおらぬか!?
46名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 20:33:14 ID:gbs3JmJE
>>45
あれは…ねぇ

まぁ、そんなことより弱王だ
47名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 20:37:28 ID:jvOsuVAj
>>45
お前は何を言っている?
ACの漫画なんてすばらしいものなんて、ないじゃないか。
48名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 20:39:35 ID:RIbsNsFB
PS時代しかプレイしていない俺は負け犬か……
49名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 20:49:32 ID:SFf3Q/0T
ACといえば小説版の最終回に弱王ヘッドの機体が挿絵で出てきて吹いたな
50名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 21:02:25 ID:GdvbLmsb
AC3から始めた俺にとってアリーナステージでのミッションといったら
「尻を貸そう」の旦那しか思いつかん
51名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 21:11:30 ID:/oPFZgbK
初代からやってる身としては、
なのはさんなんかよりナインボールの方がよっぽど怖いです
52 ◆sP9nVRi1sI :2007/10/14(日) 21:40:20 ID:Cx+ck6UP
や、やっと書けた……使える時間が減るとスピードも激減するなあ。
ということで十時か十時半ごろにARMSクロス投下します。よろしければ支援を。
53名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 21:42:29 ID:Awf8x3Ui
>>52
wktk
支援
54リリカル.exe:2007/10/14(日) 21:46:18 ID:P9w8oxHj
支援!支援!
55名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 22:00:50 ID:FfEHkRha
ARMS支援!
56名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 22:02:47 ID:Cx+ck6UP



「人を、殺したんだ。子供も老人も兵士も区別せず、何十人も何百人も。償えるわけが無いだろう?」
「そうね。誰かを殺した罪なんて、償えると考えるのも傲慢よ。
 でも、それに甘んじて何もしないのはもっと惨めよ?」

「だから救いなさい。子供も老人も兵士も区別せず、何十人も何百人も。
 その資格が無いとは言わせない。力も武器も寿命もあるんだから、充分出来るでしょ?
 何かが出来る人間にはね、何かをする義務があるのよ」

あれから、三年が経った。
彼の命を助けたのは一度。彼に命を助けられたのも一度。
見詰め合ったのは二回だけ。背を預けあったのは数知れず。

痛くても辛くても、決して戻らない。
何時も、今を変えたくて、夢中で駆け抜けてた。

―――そして、今もまた。



列車の上部、装甲の上を、高速で跳ね回る影が一つ。
白を基調に四肢を青銅色で覆ったその影は、立て続けに刃を投擲。が、翡翠の色に輝くそれは、逆手に掲げた短剣の前に掻き消える。

「ははははは! 見る影も無いなチェシャキャット!
 世界を裂く爪牙も、虚空を渡る術も失っては形無しか!」

開発者―――ジェイル・スカリエッティは、『ベガルタ』と呼んでいた。
『小怒』を意味するその短剣は斬る為のものではない。柄から流し込まれた超震動を動力源に、紅い刀身の内部に仕込まれた二種類の防御装置を稼動させる『楯』なのだ。
通常のAMFと違い単一方向以外への防御力は低いが、敵そのものがどれほど高速かつ不規則な動きであろうと、直線的な射撃であり、弾速は目で捉えられる程度である以上充分に防御が間に合う。

「そっちはグリフォンも元気そうで何よりだ! それはそうと十年ぶりの再会だろう!?
 僕にとっちゃ三年ぶりだがね、兄との再会を祝おうとするなら歓迎するよ! どうだい!?」
「生憎だが、オレにとっては半年も経っていない!
 たとえ百年ぶりだろうが、祝う気など欠片も起きんがな!」

トーレとの通信が途絶えているが、さして心配することもあるまい。一人が欠け、自分が抑え込まれているこの状況は、望ましい拮抗状態だ。
『本来の』目的からすれば、それは非常に都合がいい。
57名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 22:03:42 ID:Iru8ViJm
兄さん支援
58名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 22:04:24 ID:X09TGvPH
支援
59名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 22:05:34 ID:Iru8ViJm
ジェノサイドフォース支援
60 ◆sP9nVRi1sI :2007/10/14(日) 22:05:47 ID:Cx+ck6UP



市街地の上空を、暗い緑で塗装されたヘリが高速で飛行する。
「じゃあ、作戦を説明するよ……はやて部隊長」
『周囲は市街地やけど、現場は既に結界で封鎖されとる。流れ弾程度なら気にせんで戦えるで。
 結界は半径二百メートルの半球状。随伴しとった部隊が外部から維持しとる。
 護衛部隊が中で耐えとるからやと思うけど、敵が脱出してくる様子はない。まだ間に合う筈や』
「あたしとシグナム副隊長、スバル、エリオ、ティアナの五人が前衛だな。結界は」
「レリックの位置は七両編制の四両目、回収にはスバルとティアナが行け……敵に魔導師がいる。油断するなよ。
 動きが遅い上に頭も悪いガジェットとは訳が違う。一対一ならともかく、複数に狙われたら迷わず退け」
「エリオは護衛部隊と連携して敵戦力の排除。向こうの部隊長クラスの指示に従いなさい。
 それが出来ない場合、ティアナが後方に下がって指揮。ヴィータ副隊長はフォローを。キャロとわたしは、上空から援護するよ」
「「「「了解!」」」」
そのコンテナの中、右から順にスバル、ティアナ、エリオ、キャロが座り、対面にはなのはとヴィータ、シグナム、そして欠席しているフェイトの位置には、

「……俺は何をすればいい」

傲然と腕を組んだ、仏頂面の金髪翠眼。
アレックスことキース・シルバーが、眉間に皺を寄せていた。



―――主動力回復・メインプロセッサ再起動。

ざらつくノイズが視聴覚を走り、しかし間も無く調整される。耳に響いたのは、妹からの通信だ。

『……レ姉様ぁ? 大丈夫ですかぁ?』
「クアットロ、か……あれから何秒経った!?」
『んー、二百秒ぐらいですかねぇ? 機動六課の到着までは数分……』

ビルの壁に蹴り込まれた身体を引きずり出そうともがくが、脳裏に浮かぶ大量のエラーメッセージに断念した。
一旦、動作を中断。会話を続けながら、アラートの群れとダメージリポートを解析する。
頸部神経ケーブルの断裂は補助回線を稼動。左上腕のフレームにまで達する切傷は循環系の閉鎖によって処理。

「状況はどうなっている。一刻も早く、チンクの援護に行かねば……」
『ああ、その必要はない。そこから脱出したら、状況が変化するまで待機しておいてくれ』
「何故ですドクター。このままではレリックが……」
『ウーノとクアットロ、レッド、それからドゥーエにはもう伝えておいたのだがねぇ……実は、レリックは既に充分な数が集まっているのだよ』
「では、今回の出撃の目的は一体……」
『データ収集だよ。主に、九番目の妹……ノーヴェに組み込む『シューティングアーツ・エミュレータ』のね。拮抗状態はそれに都合がいい。
 君とチンクに伝えていないのは、出来ればそれを悟られたくはなかったからさ。君達二人は、ばれないように手加減が出来るほど器用じゃないだろう?』
『そうなんですよぉ。だ・か・ら、失敗しても構わないんですぅ。むしろ、レリックを差し上げる方がいいかもしれませんねぇ……?
 あっちの課長は、とんとん拍子に出世してここまで来た……さぞかし自分が有能だと思っていることでしょうねぇ。レリックも十個以上確保していますしぃ。
 ―――単に、コネクションと戦力と稀少技能を保有していたというだけなのに。手に入ったレリックも、全てドクターが捨て置いた……ガジェットが勝手に奪いに行ったものだけなのに。
 トーレ姉様、誰かを欺く為の情報にとって、最も重要なことは何か分かりますかぁ?』
「真に迫っている……そもそも嘘だと分からないことか?」
『いいえ、違います……真に迫っていることは二の次。最も重要なのは、相手が現実に見たいような、相手の望む嘘であること。
 そうすれば、よしんば気付かれたとしても、相手はそれから目を逸らす……そこで初めて、真に迫っているということが活かされる』
61名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 22:06:47 ID:Iru8ViJm
ネクストはまだですか?支援
62名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 22:06:56 ID:X09TGvPH
しえんしえーん
63名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 22:08:48 ID:Cx+ck6UP
演算処理系はほぼ無傷、第二補助プロセッサがエラーを吐いているので強制終了させた。
クアットロから送信されているデータから戦況を確認し、拮抗状態に安堵する。
他の作業と並列し、あの男―――四肢を装甲で覆った金髪翠眼の魔導師―――との戦闘データを解析する。

初撃はあちら、振り返りざまに左手から放たれる四つの投擲魔力刃。全身でロールを打って回避し加速、擦れ違いつつ首筋を右肘のブレードで斬りつけた。
飛び上がった男の後ろ回し蹴りの踵と激突し、薄紫の火花を散らす。その衝撃を利用し距離を離そうとした、その瞬間。
―――脚甲の足裏が虚空に生んだ円陣を踏み再加速、こちらの首元に直蹴りの爪先がめり込んだ。
衝撃によって神経ケーブルその他の伝達系が瞬間的に切断され、飛行に必要なバランスの維持を喪失。失速しつつ線路脇のビルに激突、ブラックアウト。

戦闘機人に限らず、空戦を行う者は最高速において陸戦に勝る。地を蹴り続けなければならないという制約が存在しないからだ。また、同様の理由で屋外での三次元機動力は比べるべくも無い。
逆に、陸戦を行う者は制動能力、急激な方向転換において空戦に勝る。飛行魔法を使わない分、身体能力の賦活にリソースを割くことが出来るからだ。屋内での三次元機動力も同様の理由で高い。
故に、空戦と陸戦の戦闘は常に戦場に依存する。壁と天井、障害物が多ければ多いほど機動力を削がれる空戦に対し、陸戦は逆だからだ。
ならばこそ、空戦は陸戦に対して絶対的な優位を保有している。
屋内に誘い込むのは難しい。建物ごと吹き飛ばされる可能性が考えられるからだ。対して、屋外に出る側にそんな縛りは無い。

あの男は、その優位を一方的に崩して見せた。
恐らくは、瞬間的に足場を生み出す術式。飛ぶのではなく、跳び回るような空中機動を可能とするのだろう。
屋外での陸戦魔導師の優位を確実に確保する為の魔法。原理的には単純だが、一瞬で構成してのける技量は尋常ではない。
対抗する手段はある。奇しくも、ほぼ同様の戦術思想で設計された『エミュレータ』が。

「……ドクター」
『ん? 何だねトーレ』
「機動六課の到着と同時に、E-リミッターの解除許可を。
 現状はレッドとチンク、ガジェット達が拮抗していますが、六課が到着すればその状態は崩れます。
 ゼストとルーテシアに連絡し、私が主力を二人ばかり潰しておけば、丁度均衡するのでは?」
『ふむ、『ホワイトラビット・エミュレータ』を使うのかね?
 ……よろしい、許可しよう。ただし―――』
『適度に苦戦して、運良く倒せたように見せかけて下さいねぇ?
 一撃で倒してしまうと、あちらが実力差を自覚してしまいますからぁ』
「難しい注文だな、それは……努力はするとしよう。レッドはどうしている?」


『彼の兄と戦闘中だ。兄弟喧嘩、と言うには……少し生々しいかね?』



両手にARMSを起動したレッドが、高笑いしながら接近してくる。超震動がある以上、接近戦では勝ち目が無い。
地を蹴り飛ばして宙を舞い、両手に顕した二振りの短剣を時間差で投擲。
だが、紅い短剣の生み出すAMFの前に魔力結合が分解され、影すら残さず消失した。
残存魔力が心許ない。大技は二発が限度。そうでなくとも、このレベルの戦闘機動を続けていれば一分と持たずに底を突く。
しかしそれは表情に出さず、挑発めいた軽口を叩き続ける。その癖だけは全く抜けないのだ。

「随分と便利な玩具だねえ、そいつは!」
「そちらのデバイスは不便そうだな! 射撃管制から何から大幅にオミットしたか!?
 ならば―――その代わりに得た奥の手があるのだろう!? このオレに見せてみろ!」
「人に切り札を見せろと言うなら、自分が先に見せるべきじゃあないか!?
 例えば、腰の鞘に納まったままの剣とかね!」
「こいつは今の貴様に使うべきものではないのでな!」

……相変わらずテンションの高い奴だ……
思いつつも動きは止めない。神速の一歩から繰り出される右下段からの斬り上げを跳躍回避。
空中を狙って突き出された左の刃。本来ならば避け得ぬ一撃を、右の足裏に生んだ円陣を蹴って再跳躍、回避する。
空中で倒立するように身を捻り、直上から六つの魔力刃を最大圧縮で連続投擲、炸裂させる。指先ほどの刃が驟雨と化した。
しかしまた同じ。左手に握られた短剣が唸りを発し、命中する軌道にあった全ての刃が消滅する。ただでさえ残り少ない魔力を大幅に消費した攻撃は、一片のダメージも与えられなかった。
だが、それでいいのだ。
64名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 22:10:36 ID:X09TGvPH
支援
65名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 22:11:46 ID:Iru8ViJm
所詮上辺だけのホワイトラビットですよ支援
66 ◆sP9nVRi1sI :2007/10/14(日) 22:11:49 ID:Cx+ck6UP

「それは無駄だと分からないのか!?」
「……シルバー兄さんが君を失敗作扱いした理由が、ようやく分かってきたよ」
「……何だと?」

何故ならば、狙いはレッド本人ではなく―――

「足下―――僕と違って、空中で動く手段は無いんだろう?」
「うおっ!?」

列車の装甲に突き刺さった小さな魔力刃が、もう一度炸裂した。構成する魔力の全てが衝撃へ転化され、幾つもの亀裂を穿つ。
三層式の装甲の表面、つまりその足場が崩壊し、バランスが崩れる。
更に、

「戦闘に集中すると周りが見えなくなる。能力の質も相俟って、一騎打ち以外じゃあ全然弱い。
 ……今だ、やれっ!」

その瞬間、戦場を覆っていた結界が解除された。
左右のビルから結界を張っていた局員が顔を出し、長杖や狙撃銃を構えて連続射撃を叩き込む。
もうもうと舞い上がったのは、魔力弾の着弾に伴う余剰魔力の白煙だ。

『やったか!?』
『部隊長、アレ誰……というか、何でしょうかね?』
『私は今のでカートリッジが切れました。誰か余裕のある方は?』

だが―――共振が消えていない。
着地したあと、飛び交う念話に対し、狙撃位置の変更と再度の待機を命令する。
煙が晴れたとき、そこには―――

「……伏兵とは、やってくれるな―――!」

あれだけの攻撃を殺傷設定で撃ち込まれてなお、立ち上がるレッドの姿があった。
短剣を掲げて守った左腕と胸、頭部は無傷。全身各所に空いた風穴も高速で修復されていく。


「……そういえば、再生能力はトップクラスだったね」

魔力がついに底を突き、身体能力の賦活が消失。蓄積疲労が一挙に筋肉を侵蝕し、針金で縛られたように重くなる。
目の前には無傷のARMS、こちらの武器は徒手空拳のみ。

『狙撃! 最速で当てるだけでいい―――!』

だがそれでは遅過ぎる。それ以前に、二番煎じが通じるほど甘い奴ではない。
レッドが、右手の刃を大きく振り被った。回避しようにも、脚も腕もあまりにも緩慢だ。
だから、あえてバランスを崩して背後に倒れこむ。左手で受身を取って転がり、数秒だけの時間を稼いだ。
奴はその無様さが癇に障ったのか、苛立ちを顔に浮かべて左の刃を振りかざす。
―――その顔が引き攣った。
背筋に震えが走る。結界、そして魔力の余波によって気付かなかった。目の前の相手とは違う共振反応。

「この共振は、まさか―――!?」
「―――シルバー兄さん!?」

瞬間、遥か彼方より飛来した紫電の槍が、奴の胴体を根こそぎ蒸発させた。

67名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 22:12:50 ID:Iru8ViJm
闘争支援
68名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 22:13:15 ID:X09TGvPH
支援
69 ◆sP9nVRi1sI :2007/10/14(日) 22:13:28 ID:Cx+ck6UP
投下終了しましたー

……シルバーの出番が薄いのは仕様ですorz
……グリーンが某世界最高の工作員にしか見えないのも仕様ですorz

ネクストは出せるかなー、一応ゲストキャラ的に最終戦で出すなら簡単なんですが。
70名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 22:17:25 ID:Iru8ViJm
GJ!
ついに危険な兄弟が3人も集結してしまった!
亜音速サイボーグは基本っすよね?
でもステエキでは亜音速サイボーグにぶち殺されかねない…
71リリカル.exe:2007/10/14(日) 22:19:59 ID:P9w8oxHj
白兎ライドインパルス・・・・・・想像したくないなー。
72名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 22:24:57 ID:X09TGvPH
トーレ姉さん出撃クル━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
73名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 22:33:35 ID:CRFqT+PH
GJ!!
チンクはタスラムかな?
74名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 22:33:36 ID:Iru8ViJm
クアットロのはやてに対する評価が実に適切w
75名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 22:47:38 ID:d3S+Xwha
このドクターってもしかして有能?
76名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/14(日) 22:47:43 ID:hJHZICKk
出番が少ないと言いつつ美味しい引きをしてくれるシルバー兄さんGJww
77名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/15(月) 00:39:21 ID:IdyTPwcJ
>>45
ドラゴンエイジかあ。
メイドガイでギャク路線か天地無用でバトル中心か・・・。
もしくはスレイヤーズでギャグ+バトル。
天地は漫画編になると光鷹翼自由自在に操作できて物質変換能力
ま自分の意思でつかえちゃうチート振りだからあまりオススメはできないな。

もしくはゼロインの設定を変えて管理局で活動する
課の一つにしてもいいかも?設定はまったく考えてはいないが。
第五話、完成したので投下いたします。
前回から少し間を空けてしまい、もうしわけありませんでした(−−;


第5話「暗黒の魔の手」


アスカ=シン―――ウルトラマンダイナの乱入。
それも闇の書側につくという事態に、誰もが動きを止めて驚くしかなかった。
それは、もう一人のイレギュラー―――黒尽くめの男にとっても同様である。

「……多次元のウルトラマンか。
これは確かに、イレギュラーだな……」

メビウスがこの世界に現れたのは、重々承知していた。
その上でなおも、全ては筋書き通りに運ばれていたはずだった。
しかし、黒尽くめの男にとってこの事態―――ダイナの参戦は、完全な予想外であった。
この世界に、ウルトラマンは存在しない筈。
異次元での戦いにより、この次元世界へと転移してしまったメビウスが唯一の存在だった筈。
自らをダイナと名乗ったウルトラマンが、ならば何故存在しているのか。
その理由は一つ……彼もまた、別世界のウルトラマンであるということだ。

「出来る事ならば、まだ介入はしたくなかったが……やむをえんな。」

男の掌から、黒いガス状の何かが湧き上がってくる。
そのガスの名は、宇宙同化獣ガディバ―――男の意のままに動く、一種の生物である。
男が見つめる先にいるのは、結界を破壊すべく魔力を集中させているなのは。
予定よりも少しばかり早いが、驚異的な相手が増えてしまった以上、チャンスは今しかない。

(ましてやあのダイナと名乗るウルトラマンは、闇の書側にいる。
メビウスよりも下手をすれば危険だ……あの二人だけでは、役不足かもしれん。)



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「デャァァァァッ!!」
「ジュアッ!?」

メビウスvsダイナ。
ウルトラマン同士での争いという、まさかの事態……優勢なのは、ダイナであった。
ダイナの方が優勢な理由は、ウルトラマンの戦闘方法の根源にあった。
ウルトラマンは、人知を遥かに超える多彩な光線技や超能力を持つ。
ならば、何故それを駆使して最初から勝負に出ないのか。
その理由は、エネルギーの消費を抑えるためであった。
ウルトラマンとて、永続的に戦えるわけではないのだ。
かつてダイナは、人工的にウルトラマンを作り出す計画――F計画の為に、利用されたことがあった。
その結果、人造ウルトラマンテラノイドが誕生した。
しかしこのテラノイドは、実戦においてとてつもない失敗を犯した。
テラノイドは、光線技を乱発しすぎ……すぐにガス欠を起こして倒されてしまったのである。
これはテラノイドのみならず、全てのウルトラマンに共通する問題である。
事実メビウスは、かつてニセウルトラマンメビウス―――ザラブ星人と敵対した際。
テラノイドと同様のミスを犯し、後から現れた異星人に打ち倒されてしまった経験があった。
だから、彼等が光線技を使うのはここぞという時ばかりなのだ。
それ故に、二人は格闘戦において戦闘を繰り広げていたのだが……単純な身体能力では、ダイナが勝っていた。
彼の豪快なパワーに、メビウスは圧倒されていたのだ。
メビウスにとって、これ程格闘戦で追い詰められることは久しぶりであった。

(レオ兄さんやアストラ兄さん並だ……いや、パワーだけならもっと……!!)
「デャァッ!!」
(けど……それだけで全部決まるわけじゃない!!)

ダイナは加速の勢いに乗せ、全力の拳を突き出してくる。
命中すればタダではすまない……防御か回避か。
普通ならば、この二択のどちらかを取るのが当然である。
しかし……メビウスはそのどちらも取らなかった。
三つ目の選択肢―――カウンターを選んだのだ。
メビウスブレスの力が解放され、左の拳に集中される。
ライトニングカウンター・ゼロ。
メビウスブレスのエネルギーをプラズマ電撃に変えて、零距離から敵に叩き込む必殺の一つ。
ダイナの一撃に合わせ、メビウスは左の拳を突き出した。
狙いはクロスカウンター……当然ながら、命中すれば半端ではないダメージが乗る。
そして、先に攻撃を命中させたのは……


ドゴォォンッ!!


「デュアアァァァッ!!??」
「セヤァァァァッ!!」

紙一重の差で、メビウスの一撃が先にダイナを捉えた。
ダイナはパワーこそメビウスに勝っているものの、テクニックではメビウスに劣っていた。
ライトニングカウンター・ゼロの直撃を受け、後方のビルへと勢いよく吹き飛び、派手に激突する。
粉塵が巻き起こり、ダイナの姿がその中へと隠される。
今の一撃で、確実に怯んだ筈……倒すならば今しかない。
「ハァァァァァァァッ……!!」

メビウスは右手をメビウスブレスに添え、大きく腕を開きその力を解放する。
その瞬間、∞の形をした光が一瞬だけその姿を見せた。
そして、メビウスは腕を十字に組み、必殺の光線技―――メビュームシュートを放った。

「セヤァァッ!!」

ダイナを殺すつもりはない……だが、手加減して勝てる相手ではない。
そう判断したが故に、メビウスは敢えて全力で挑んだ。
メビュームシュートが直撃すれば、ただではすまないだろう。
今まさに、命中の瞬間が迫ろうとしていた……しかし。

「デュアァッ!!」
「!?」

粉塵を突き破り、蒼白い光線がその姿を現した。
ダイナは怯んでいなかった。
いや、怯んではいたかもしれないが……すぐに復活を果していたのだ。
そして、メビウスがメビュームシュートを放とうとしたのを感じ……とっさに同じ行動を取っていたのだ。
ダイナ必殺の光線―――ソルジェント光線。
両者の光線が、空中でぶつかり合った。
威力は互角……両者共に、鬩ぎ合っていた。

「クッ……ウオオオオォォォォォッ!!」
「ハアアァァァァァァァァァァァァァッ!!」

二人は光線に全力を注ぎ込み、相手に打ち勝とうとする。
光線の勢いは強まるが……それでも互角。
このままでは埒が明かない。
そう思われた……その瞬間だった。
二つの光線が、鬩ぎ合いに耐え切れなくなったのか……爆ぜたのだ。
強烈な爆発が起こり、メビウスとダイナはその余波で大きく吹き飛ばされる。

「グゥゥッ!?」
「ガハッ!?」

二人は建造物を三つほどぶち抜き、四つ目にぶち当たったところでようやく止まった。
どうやら、光線の破壊力は相当なものだったようだ。
しかし、まだカラータイマーの点滅にまでは至っていない。
戦いを継続する事は十分可能……そう判断するやいなや、二人は勢いよく空へと飛んだ。
守るべき一線がある……この戦いは負けられない。
二人が、眼前の敵を打ち倒すべく攻撃を放とうとするが……その時だった。

「ん……これは!?」
「凄いエネルギーだ……これが、なのはちゃんの……!!」

膨大なエネルギーが、一点―――なのはのいる場所へと集中しつつある。
それを感じ取った二人は、思わず彼女へと顔を向けてしまった。
なのはは既に、スターライト・ブレイカーの発射態勢に入っていた。
レイジングハートが、発射までのカウントダウンを読み上げている。
「\、[、Z……」
「あいつ、魔力を収束させているのか……!?
くそ……何かは分かんねぇけど、止めなきゃやべぇ!!」

ヴォルケンリッター達も、ダイナ同様に収束されつつある膨大な魔力に気づいた。
一体なのはが、これだけの魔力を使って何をするかは分からない。
単純に攻撃を仕掛けるつもりなのか、結界を破壊するつもりなのか―――どちらにせよ、嫌な予感がする。
皆がそれを阻止すべく、奇しくも同時に動こうとした。
しかし……当然ながら、その行動は阻まれる。
ダイナはメビウスに、シグナムはフェイトに、ザフィーラはアルフに、ヴィータはユーノに。
行く手を阻まれ、彼等は歯がゆい思いをしていた……かのように、思われていた。
だが、事実はそうではない。
何故なら―――

「補足完了……!!」

なのは達に存在を知られていなかった伏兵―――シャマルが、ヴォルケンリッター側にはいたからだ。
クラールヴィントの二本の糸が、空中で円を形取る。
そしてその内部に出来上がった空間へと、彼女は勢いよく手を入れにかかった。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「そこだ……!!」

シャマルが行動を起こそうとした、まさしくその瞬間。
レイジングハートのカウントダウンが、残りTとなったのと同時だった。
黒尽くめの男が、勢いよく掌を突き出し……ガディバを解き放った。
ガディバは真っ直ぐに、なのはの背後から凄まじいスピードで接近する。
当のなのはは勿論、他の者達もそれには気づかない……いや、気づけないでいた。
そして、なのはがスターライトブレイカーを放とうとしたその時。
シャマルが、手を突き入れたその時。
ガディバはなのはの体内へと侵入を果し……そして。

「え……!?」
「あっ……しまった、外しちゃった。」

突然、なのはの胸から一本の手が生えた。
クラールヴィントを通じて、シャマルの手が彼女を突き破ったのだ。
とはいっても、なのはには肉体的なダメージはない。
シャマルの目的は、それとは別にあった。
彼女は狙いが外れたのを感じ、すぐに手を入れなおす。
直後、その手には赤く煌く光球が握られた。
これこそが、魔道士にとっての力の源。
その者が持つ魔力の中枢―――リンカーコア。
「リンカーコア、捕獲……蒐集開始!!」

シャマルはもう片方の手を、闇の書へと乗せた。
その瞬間……白紙だった筈の書物のページに、文字が次々に浮かび上がり始めた。
10ページ、いや20ページぐらいは一気に埋まっただろうか。
それに合わせて、なのはのリンカーコアが収縮をし始めていた。

(魔力が……吸い取られていく……!?)

なのはは、リンカーコアの正体は知らない。
しかし、今の自分に何が起きているのかは、十分に理解できていた。
魔力が失われつつある―――吸い取られつつある。
このままではまずい。
全てが無駄になるその前に、やらなければならない―――なのはは、精一杯の力を振り絞った。
その手のレイジングハートを、勢いよく振り下ろす……!!

「スター……ライト……!!
ブレイカアァァァァァァァァァァァァァァッ!!」

桜色の光が、砲撃となって撃ち放たれた。
メビュームシュートやソルジェント光線すらも上回る破壊力を持つ、強烈な必殺。
それは、海鳴市を覆い隠していた結界に直撃し……見事に風穴を開けた。
結界が崩壊していく……なのはは、結界の破壊に見事成功したのだ。
とっさにシャマルは、手を引っ込めた。
そして、それと同時に……なのはは地に膝を着き、そのまま前のめりに倒れこんだ。

「なのはぁっ!!」
『結界が破壊された……!!
離れるぞ!!』
『心得た……!!』
『うん……一旦散って、いつもの場所でまた集合!!
ヴィータ……アスカさんをお願い。』
『分かった……アスカ、お前はあたしと一緒に来てくれ。
集合し終えたら、全部改めて話すから。』
『……うん、分かった。』

結界が破られた以上、時空管理局の更なる介入は確実。
ヴォルケンリッター達は、早々の撤退を決め込んだ。
事情をいまいち飲み込めていないダイナは、ヴィータについていく形となる。
逃げていく彼等を追いかけようと、とっさにメビウスも動くが……

「待ってくれ……どうして、こんなことを!!」
「メビウス……ハァッ!!」

ダイナは二発目のソルジェント光線を、後方へと振り返り発射した。
とっさにメビウスは、メビウスディフェンサークルで防御をするが……耐え切れずに吹っ飛んだ。
その隙を突き、彼等はそのまま戦域を猛スピードで離脱していった。
完全に……逃げられてしまった。
「どうして……同じ、ウルトラマンが……
そうだ、なのはちゃん!!」
「アルフ、アースラに連絡急いで!!
早くなのはを!!」
「分かってる、もうやってるよ!!」

すぐさま皆が、なのはの元へと駆けつけた。
メビウスは着地すると同時に、変身を解き元のミライへと戻る。
なのはは完全に意識を失っている。
ユーノが回復呪文で応急処置を施してはいるが、これで元通りには流石にならない。
フェイトとアルフがアースラにすぐさま連絡を入れ、医療班を寄越すよう要請する。
自分達の、完全な敗北……そうとしか言えない結果であった。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「それで、皆……」
「アスカさん、隠してごめんなさい。
でも、アスカさんを危険な目にあわせるわけにはいかなかったし……」

しばらくした後。
海鳴市から離れた人気のない場所で、ヴォルケンリッター達は再集合を果していた。
その後、ヴォルケンリッターはアスカへと、自分達の事情の全てを説明した。
自分達は、闇の書の意思によって作り出された守護プログラムだと。
闇の書の主を守り抜くことこそが、自分達の役目であると。
そして、主を―――闇の書に蝕まれつつあるはやてを助ける為に、自分達は戦っていると。
リンカーコアを蒐集し、闇の書を完成させればはやては回復するかもしれない。
少なくとも、病の進行を止める事は十分に可能である。
主の未来を血に染めない為に、命を奪いまではしない。
だが……主を助ける為ならば、如何なる茨の道をも進んで歩もう。
そんな強い覚悟の上で自分達は行動していると、ヴォルケンリッターはアスカに告げた。

「すまないな、アスカ。
我々の戦いに、お前まで巻き込んでしまう形になって。」
「いや……それは構わないよ。
そういう事情があるんなら……いや、事情云々じゃなくて、皆を助けたいから俺は戦ったんだし。
……俺の事も、話さなくちゃいけないな。」
騎士達が全てを話してくれた以上、自分には事情を話す義務がある。
そう判断したアスカは、隠していた全てを話すことにした。
これまで度々話題に出していたウルトラマンダイナとは、実は自分自身であると。
ふとした切欠でダイナの力を手に入れ、ずっと悪と戦い続けてきたと。
暗黒惑星グランスフィアとの最終決戦後、ブラックホールに飲み込まれ、そしてこの世界にやってきたと。
話せることは、何もかもを話したのだ。
全てを聞かされたヴォルケンリッター達は、やはり驚きを隠しきれないでいる。
驚くのは、無理もないだろう……アスカもそう思っていた。
そして、この次に騎士達がどう質問してくるかも……大体想像がついていた。

「どうして……正体を隠していたんだ?」
「確かにあれだけ強い力があるのなら、不用意に明かせないのは分かるが……」
「目立ちたがりのお前にしちゃ、なんかなぁ……」

予想通り、騎士達は正体を隠していた理由について聞いてきた。
これに対しアスカは、少し間を置いた後に答える。
かつて自分の正体に気づき、そして同じ問いをしてきた仲間達にしたのと……同じ答えを。


「俺、確かに目立ちたがり屋だけど……それ以上に、照れ屋なんですよ。」


「……」
「………」
「……今の答え、変だった?」
「……はは。
いや……お前らしいよ。」
「ったく……しょうがねぇ奴だなぁ。」

アスカの答えは、予想を大幅に裏切ってくれた。
これに対しヴォルケンリッターは、流石に苦笑するしかなかった。
どんな深刻な理由があるのかと思ったら……アスカらしい理由である。
しかし……彼等の笑みも、すぐに消えた。
お互いの事を話し合った以上、今後は互いにどうするのかを話さなければならない。
もはや、今までどおりというわけにはいかないのだ。
しばらくの間、五人とも沈黙せざるを得なかったが……アスカが、その沈黙を真っ先に破る。
「……俺は、魔法とかそんなのはよく分からないけど。
闇の書さえ何とか完成させれば、はやてちゃんを助けられるんだよな……」
「アスカ……いいのかよ?
この戦いはあたし達守護騎士の総意だけど、お前までそれに……」
「はやてちゃんが危険な目にあってるってのに、助けられないなんて俺はごめんだから。
俺には皆と同じように、戦う力が……ダイナの力があるんだ。
そしてそれを使うのは……きっと今だ。」
「アスカ……」
「だから……これから、よろしく!!」
「……ああ、こちらこそよろしく頼むぞ!!」

アスカの決意は固かった。
この世界にきて天涯孤独の身であった自分を、彼等は家族として扱ってくれた。
自分の大切な家族である者達を、この手で助けたい。
ダイナの力は、大切な人達を助ける為にあるのだ。
それを振るうチャンスは、正しく今である。
アスカは強い決意を表し、真っ直ぐに拳を突き出す。
それに合わせ、ヴォルケンリッター達も己の拳を合わせた。
この時アスカは、新たなる騎士となった。
はやてを守るためにその力を振るう、5人目のヴォルケンリッターとなったのだ。

「あ……そういえば、聞き忘れてたけど。」
「ん?」
「アスカ、あのメビウスって言うウルトラマンの事は何も知らねぇのか?」
「あいつか……ああ、ごめん。
俺もあのウルトラマンの事は、何も知らないんだ。」

メビウスの正体に関しては、アスカが一番気になっていた。
彼が知るウルトラマンは、己を除けばたった一人―――ウルトラマンティガだけである。
一応、異星人が変身を遂げたニセウルトラマンダイナや、人造ウルトラマンの様な存在もいるにはいる。
だが……メビウスは、明らかにそんな紛い物とは違う感じがした。
ティガやダイナと同じ、本物のウルトラマンである。
しかし、アスカが知らないウルトラマンがいることに関しては、大した不思議はない。
元々ティガやダイナの力は、ある遺跡の中に、彼等の姿をした石像と共に眠っていた。
その遺跡には、他のウルトラマンらしき者達の石像もあったのだ。
もしかするとメビウスは、そんな別のウルトラマンなのかもしれない。
少なくとも、アスカはそう考えていた。
「多分、あいつとはまた会う事にはなるだろうけど……その時に何か分かるかもしれないな。
この世界に俺以外のウルトラマンがいること自体、おかしいんだし。」
「そうだな……おかしい、か。
そういえばシャマル、さっきリンカーコアを捕獲しようとした時に、失敗していたな。」
「お前にしては、随分珍しいミスだな。
捕獲を失敗した事など、これまで一度もなかったというのに……」
「うん……手を入れたときに、何か妙な違和感があったの。」
「違和感?」
「リンカーコアとは別の、何かがあの子の中にあったような感じがしたの。
でも……気のせいだったかもしれないわね。
今考えてみたら、アスカさんの事でちょっと戸惑ってたし。」
「そうか……無理はしないでくれ。
もしも体調が優れないようならば、すぐにでも言ってくれ。」
「ええ、分かっているわ。」

シャマルが捕獲を失敗したという、これまでにないミス。
それに、ヴォルケンリッター達は少しだけ不安を感じていた。
だが、どんな人間にも100%はありえない……失敗は十分に起こりえる。
今回の失敗は、たまたまその僅かな可能性に当たっただけだろう。
シャマル自身も、アスカの変身により少しばかり戸惑っていたからだと言っている。
その為、皆もこの話題に関しては打ち切る事にした。


しかし……この時、誰が予測しただろうか。
闇の書の中には、今……彼等も知らぬ、未知の存在があることを。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「上手くやったようだな……」
「ああ……予定より少しばかり早くなってしまったが、問題はない。」

結界が消え、元通りとなった海鳴市。
その一角で、黒尽くめの男ともう一人―――仮面をつけた謎の男が対峙していた。
敵対しているという風な感じはなく、どちらかというと協力者同士の様な印象が強い。
「あの魔道士を介して、私は切り札を闇の書に送り込んだ。
本来ならば、予め憑依させておいた生物を蒐集させる事で、憑かせるつもりだったが……」
「綱渡りな方法であったとはいえ、結果的に成功した。
成果は得られたのだから、それで十分だ。」
「ああ……万が一の際には、これで力を押さえ込むことが可能だろう。」
「……すまないな、助かる。」
「気にするな……我々とて、闇の書によって同胞を失った。
あれを止めようと願う気持ちは同じだ……」

黒尽くめの男は、懐から一枚のカードを取り出した。
それは、起動前の形態を取っているデバイスだった。
黒尽くめの男はそれを、仮面の男へと確かに手渡す。

「約束の品だ、受け取ってくれ。
我等の技術を結集させて作り上げた……性能は保証しよう。」
「ああ……これから我等は、闇の書の完成を急ぐ。
万が一の時は、そちらに任せるぞ。」
「分かった……お互い、気をつけるとしようか。」

仮面の男はデバイスを懐にしまい、そしてその場から姿を消した。
場に残された黒尽くめの男は……一人、笑っていた。
仮面の男を嘲笑するかのように、確かな笑みを浮かべていた。

「そう……気をつける事だな。
我々は暗黒より生まれ、全てを暗黒へと染める悪魔……そんな我等と、貴様達は手を組んでしまった。
御蔭で、どの様な結末になってしまうのかも知らずになぁ……」

全ては悪魔の筋書き通りだった。
唯一イレギュラーがあるとすれば、やはりそれはダイナの存在である。
未知数の力を持つウルトラマンが相手なだけに、全く今後の予想がつかない。
だが……それでも、問題はない。
何か厄介な事態が起ころうものならば、強引に修正するだけである。
全ては……力を手にし、光をこの世より消し去る為。

「ふふふ……はははははははは……!!!」
以上、投下終わりました。
敵キャラ勢、大幅に動いております。
ダイナは5人目のヴォルケンリッター的な立場に。
もう正体はバレバレな黒尽くめの男には、本編で語られなかった裏に関してやってもらってます。
次回からも、原作をなぞりながら要所要所でオリジナルを交えてやってきます。

ちなみにダイナとメビウスですけど、パワーではダイナが上というのは私見です。
ダイナは元々、普段から戦闘スタイルそのものが豪快なので、こう判断してしまいました。
「それは違うだろ」ってツッコミは、正直覚悟の上です……(−−;
89名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/15(月) 02:23:39 ID:y+TpETfq
メビウスはウルトラ兄弟が出た回だけみてた私がGJしにきますた
いやいやこれはよいバランスと展開ですよ
イメージ的にも納得できますし、そこらへんは作者さんの匙加減ということでかまいませんよ

黒尽くめはやはりあの宇宙人ですかね
wktkしながら次回も待ってます。
90名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/15(月) 02:58:47 ID:Jr0EQJv6
GJ!
黒尽くめはやっぱりあいつなのかねえ

ウルトラマンで思い出したのが遊戯王GX
ネオスペースから来たE・HEROネオス(デュエル中は3mちょいだが実際は40m級
無駄に攻撃的かつ無責任な言動が多い彼は物理的に頭を冷やしてもらわないと
主人公もウルトラマンばりの飛行能力を3期最終話でやっちゃったし
カードゲームアニメなのにパワーインフレを進めてどうするのだろう?
91名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/15(月) 03:03:08 ID:E0ixzJfB
>>69
最凶兄弟揃い踏みキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

しかしこのメンツは、こ、これでは魔法少女の出番を全て喰われそうな気がするが
別にそんなことはなかったぜ!!?

ギン兄が参戦して確実にいえるのは
周辺に甚大な被害が出るということだ!
名無し魔導師の皆さんは即地平線まで逃げるのをオヌヌメする!!


>ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは
さあいよいよ悪役怪獣大暴れの時か!
92名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/15(月) 04:17:01 ID:/MgtVhN3
>>69
GJ!
レッドって再生能力トップでしたっけ?
グリーンとバイオレットが(戦闘型ではない故に)弱めというのはどっかであったけど。
ネクストは……量産可能と言う事実と性能が組み合わないからなぁ。
スカが作ってもいいとこ振動はスバル級、速度はトーレ級だろうし。
シルバーなら製法知ってるかもしれませんが、赤は中佐だし。
93名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/15(月) 08:24:21 ID:bhmKQ36u
>>43
マスターオブ・アリナーの伝説のアレか

>)44
初代シリーズ、2シリーズ、3シリーズ、ネクサスシリーズ、FFをプレイしてきた俺参上
94名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/15(月) 08:42:23 ID:bhmKQ36u
>>85
ゼルガノイドならぬメビウスノイドが出来そうだな

ゴルザ3やメルバ2なるオリジナル怪獣対ダイナが見たい、何故かストロングフォームが見たい俺がいる

遂に始まったか、同じウルトラマンの主題歌歌った人達の戦いが
95名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/15(月) 12:21:53 ID:c8f+YK+y
>>88
予告でやたらカッコイイ上に、しつこい人キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
GJ!
96名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/15(月) 13:57:30 ID:2SieoGSo
>>69
GJ!!
…レッド、コア蒸発しちゃってない!?
97名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/15(月) 14:00:48 ID:2SieoGSo
ごめん、sage忘れてた
98コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/15(月) 14:06:17 ID:eSqESGKW
>>88
おお、ウルトラマン! よかった、やっと元ネタ分かるのが…GJです!

さて、このまま何事もなければSS1話を投下したいのですが、よろしいですかね?
99名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/15(月) 14:07:12 ID:2HeOk1+r
全力で投下しろ!
100名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/15(月) 14:12:37 ID:Tm7hX78D
私はかまわん!
101コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/15(月) 14:15:27 ID:eSqESGKW
STAGE1 低身長の転校生

ルルーシュ・ランペルージの機嫌はよろしくなかった。
悪いわけではない。世間での彼の「ある活躍」ぶりを知れば、誰もがそんなことは思わないだろう。
だが、彼のプライベートはそれに反してぐだぐだだった。
「ある理由」によって学園への出席率は下がる一方だし、毎日寝不足だ。
頭の回転は速いのでそれでも成績はキープできているが、こうして朝のホームルームを待つ今も眠くてたまらない。
加えて自室に帰れば、自分勝手な居候のおかげで真っ赤になった家計簿が待っている。
どこの家に3食全て宅配ピザを取る居候がいるだろうか。
そんなこんなで、ルルーシュの機嫌は「よろしくない」のだった。
多分今日も何か変わったことでもない限り、この機嫌が治ることはないだろう。
やがてホームルームの時間を知らせる鐘が鳴り、周りで喋っていた生徒達が席につく。
そしていつもの通り担任教師が教室へと入ってきた。
だが…
(ん…?)
担任は見知らぬ生徒を連れてきていた。

「今日からこのクラスで一緒に勉強する、スバル・ナカジマだ。…じゃあスバル、自己紹介を」
スバルは「はい」と返事をすると、黒板に名前を書く。ブリタニア公用語で「Subaru Nakazima」と。
「本国から来た、スバル・ナカジマです。
 父方の祖父がイレブンだったので、クォーターハーフの日系人ということになります。よろしくお願いします」
「そういう設定」だ。
ブリタニア人の租界の中で、イレブン風の人名はひどく目立つ。
学園内での立場を保つための「本国からの留学生」、名前の理由付のための「クォーターハーフ」だった。
ちなみに「イレブン」とは、現在の「日本人」の呼称である。
ブリタニアに占領された日本は11番目の植民地…「エリア11」という番号で呼ばれていた。
エリア11の人間ということで、イレブンだ。
当然、今のイレブンは敗戦国民として、ブリタニア人から厳しい差別を受けている。
純然たる日本人のなのはに至っては、中国国籍の身分証と偽名を用意せざるを得なかった。
憧れの人が、久々に帰ってきた故郷でそんな窮屈な思いをしなければならないという実情を、スバルはひどく心苦しく思っていた。
「席は…そこだな。ルルーシュの隣だ」
スバルが4〜5人の生徒から簡単な質問を受けた後、担任が彼女の席を指し示した。
「予定通り」の席だ。時空管理局の裏工作は万全だった。
スバルは指示通りの席に向かい、隣のルルーシュに挨拶する。
「よろしくね、ルルーシュ君」
「ん…ああ」
102コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/15(月) 14:17:32 ID:eSqESGKW
「ねぇ、ルルーシュ君」
1日の授業が終わった後、スバルはルルーシュに声をかけた。
「何だ?」
「もし暇だったらでいいんだけど…よかったら、学園の中を案内してくれないかな? ほら、ここって結構広いじゃない」
明るい笑顔を浮かべながら、スバルは頼んだ。
(ターゲットのことを知るためには、まずターゲットとお近づきにならないとね)
これがスバルの持論だった。要するに、常につきまとっていてもおかしくない状態を作っておこうというわけだ。
仲良くなりすぎて情が移ってしまうのではないか…という所まで考えが及ばない辺りが何とも彼女らしい。
加えて、スバルには個人的に学園の構造を聞いておきたいという思いもあった。
スバルは今日1日で、学園内で2回も道を聞く羽目になった。この学園は広すぎるのだ。
「今からか? 面倒だな…」
だが、案の定ルルーシュの反応は悪い。
「お願い! 報酬弾むからさぁ〜」
顔の前で両手を合わせて懇願する。
「報酬といっても、どうせジュース1本とか…」
「おっ、なになにルルーシュ?」
と、1人の男子生徒が2人の側に歩み寄ってきた。
髪の色は青。色合いはスバルの髪に大分近かった。
「ああ、こいつに学園案内を頼まれてな。あまり俺は気が乗らないんだが」
「ふ〜ん、美少女転校生と2人っきりねぇ…」
言いながら、少年は腕を組み、鑑定中の宝石商のようにスバルの全身を見回す。
「なら、俺が引き受けちゃおっかな〜。ルルーシュは乗り気じゃないみたいだし」
「いや、やはり俺が引き受けよう」
間髪入れずにルルーシュが言った。
「あらら、何でまたいきなり?」
「フッ…リヴァルに任せるぐらいなら俺がエスコートした方が安全、ということだ」
「ぐへぇ、そりゃひでぇや」
独特な挑戦的な笑顔で少年にとどめを刺すと、ルルーシュは鞄を持って席を立つ。
「じゃあ、行くか」
「う…うん」
先ほどのやりとりを見ていて込み上げてきた笑いを抑えながら、スバルは了承した。

2人は色々な場所を回った。
職員室や保健室など、学園生活を送るために最低限必要な施設、
スバルにとっては最も重要な施設と思われる食堂、
綺麗に手入れが行き届いた庭園…
2年のスバルにとって必要な知識を重点的に教え、
中等部の校舎など、重要度の低いものは簡単に説明する程度に留めた。ルルーシュはしっかりしていた。
「いや〜、いいガイドっぷりだね」
「これぐらいは簡単なことだ。相手が満足する情報が何かさえ読めれば、誰だってできる」
「ふーん…」
彼はいわゆるインテリタイプだな、とスバルは直感していた。
人にとって難しいことを平然と言ってのける辺りが特に、である。
程度の違いはあれども、スバルは似たような友達と3年間も付き合ってきたのだから。
103コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/15(月) 14:18:36 ID:eSqESGKW
「くしゅんっ…」
ティアナが可愛いくしゃみをした。この場にスバルがいなかったのが残念である。
彼女は学園の敷地外から、オペラグラスを片手にスバルとルルーシュの2人を見ていた。
乗っているのは軽自動車だ。ミッドチルダを出る前になのはから渡された免許証のような身分証は、まさしく免許証だった。
こうした張り込みや尾行には「足」が必要だろうということで、なのは達が気を利かせてくれたのである。
「スバルの奴、初日から結構接触できてるみたいだけど…そこからの過程をちゃんとできるのかしら?」
どこかおバカな所のある相棒を心配しつつ、ティアナは呟いた。

「それにしてもルルーシュ君って…」
「いや…もう呼び捨てでいい。何となく『君』付けはむず痒くてな…」
「あ、そう? じゃあそれででいいや」
「で、何だ?」
「うん。ルルーシュって…背高いねぇ」
スバルはルルーシュの顔を見上げながら言った。
資料によると、ルルーシュは178センチの長身らしい。周りの男子達もそれとさほど遜色ないぐらいだ。
何故か徹底して女尊男卑な空気が貫かれていた機動六課では、背の高い男に囲まれるという経験はなかった。
「俺が大きいだけじゃなくて、お前が小さいというのもあるがな」
ルルーシュはもっともなことを言った。
男だけではないのだ。周り全員スバルよりも2つ歳上というあのクラスでは、女子も自分より少し大きい。
みんな大体身長は160より少し高いぐらいだが、スバルの身長は151.83センチしかないのだった。
「中学生ぐらいなんじゃないか、それぐらいの背丈は?」
「ふぐぅっ!?」
偶然とはいえいきなり図星を突かれ、スバルはぎくりとする。
「…どうした?」
「い…いえ、何でもないです…」
思わず敬語になってしまった。
2つも年齢を偽って入学する…最初は何とかなるかもと思っていたが、まさかこうも早く容姿のことをツッコまれるとは思わなかった。
やはり無理があったのかもしれない。
スバルはこの時、生涯で唯一、敬愛する上官・なのはに対してこのような感情を抱いたという。

「馬鹿じゃないのあの人?」と。

「っくしゅん!」
なのはが結構大きなくしゃみをした。
104コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/15(月) 14:19:46 ID:eSqESGKW
とにかくも話題を変えなければならなかった。
隣で歩くルルーシュは未だに頭上に疑問符を浮かべていて、自分はこの有り様である。スバルにはこの空気は耐えられない。
(そうだ…せっかくだから、何か例のエネルギーに関わってくる話題を振ってみよう)
スバルはそう考えることにした。
しかし、そう簡単に都合のいい話題は浮かぶものではない。
デバイスやロストロギアといった専門用語は、この次元の住人に話していい領分を超えている。
魔法がどうとかという話題は、あまりにも直接的すぎる。
スバルが苦し紛れに選んだ話題は…
「あ…あのさっ! ルルーシュ」
「? 今度は何だ?」
「えっとさ、その…」
そこでスバルは一旦息を吸い込み、続ける。
「…ちょ、超能力って信じる!?」
一瞬の沈黙。
「……………………は?」
あまりに突然の話題に、ルルーシュはそう返す。
「あ…えっと、そんな深い意味はなくて、ええとその…」
最悪だった。
喋れば喋るほどテンパってしまう。スバルは顔を真っ赤にして焦っていた。
「…プッ…くくく…」
ふと、笑い声が聞こえた。
横を見ると、ルルーシュが腹を抱えながら笑っている。
「ちょ、ちょっとぉ! そんなに笑うことないじゃない!」
「くく…いや、すまん。だが、お前なかなか面白い奴だな」
「むぅ〜…」
目尻に薄く涙さえ浮かべながら笑うルルーシュに対し、スバルは頬を膨らませる。
「そんなに怒るなよ。…さて、次で最後だ。行くぞ」
「あ、うん」
しかし、今のやりとりで、スバルは確実にいつもの調子を取り戻していたのだった。
そしてルルーシュもまた、今までの微妙な機嫌が、少しよくなったように見えた。
そしてしばらく歩いた後、2人は大きな建物の前にたどり着いた。
「ここは?」
「クラブハウスだ。生徒会室や、各部活動の部室が集まっている」
「ふーん…でも、何でここが最後なの?」
スバルがそう言うと、ルルーシュは口元にニッと笑みを浮かべる。
「俺がここに用があるからだよ。俺はこれでも生徒会会員なんだ」
「えっ…生徒会!? すごいんだねルルーシュって!」
「そんな大層なものでもないがな。お前も早いうちに部活を決めておけよ」
スバルはルルーシュにそう言われると、一瞬考え込んだ様子を見せた後…
105コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/15(月) 14:20:58 ID:eSqESGKW
「じゃあ、生徒会!」
と元気に言い放った。
「なっ…生徒会って…そう簡単に入れるものじゃないんだぞ」
「いいじゃん、話だけでも通してくれればさぁ〜」
スバルとしては、こんな美味しい話を見逃すわけにはいかなかった。
生徒会と言えば、少数精鋭で同じ机を囲んで活動するのが常である。
特定の人物を監視することにおいては、うってつけの組織だった。
運動部のように広いグラウンドでは見失うこともあるが、まさか生徒会でそれはあるまい。
「まったく…一応会長には話してみるが、確証は持てないぞ」

「ん、生徒会に入りたいのね。オッケーよん。準会員扱いだけど」
「やったぁ!」
「………」
ぴょんぴょん跳ねて喜ぶスバルとは対照的に、ルルーシュは頭を抱えてうずくまってしまいたい気分だった。
目の前の生徒会長は、ろくに考える間もなしにスバルを生徒会に受け入れてしまったのだ。
「会長…そんな簡単に決めていいんですか?」
「いいのいいの。労働力は1人でも多い方がいいじゃない?」
「はぁ…」
ルルーシュには返す言葉がなかった。
「スバルちゃんだったわね。私は会長のミレイ・アッシュフォード。そっちにい
るのがニーナ」
「ニーナ・アインシュタインです。よろしく」
「以上が3年で、残りはみんな2年よ」とミレイが付け足した。
高貴なムード漂うロングの金髪と抜群のスタイルの持ち主がミレイ。緑の髪を三つ編みにし、眼鏡をかけているのがニーナだ。
ニーナの方はパソコンに向かい、何やら作業をしていた。
「よっ、スバル」
「あ、さっきの!」
続いて声をかけたのは、先ほどルルーシュのガイドのきっかけとなった、青い髪のクラスメイトだ。
「リヴァル君…だっけ? 生徒会のメンバーだったんだぁ」
「リヴァルでいいよ。リヴァル・カルデモンド。よろしくな」
リヴァルは軽くウインクしながら自己紹介した。
「よろしく! …そっちのあなたは?」
スバルはリヴァルに応じると、椅子に座っていた赤髪の少女に声をかけた。ニーナとはまた違った意味で大人しそうな印象だ。
「あ…私は、カレン・シュタットフェルト。よろしく…」
「うんうん、よろしくね」
スバルは笑顔で相手の手を握る。カレンは何となく困惑したような様子だった。
106コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/15(月) 14:22:15 ID:eSqESGKW
「すいませーん、遅れましたー!」
と、勢いよくドアを開けて入ってくる人影があった。
オレンジ色の髪をポニーテールにした、元気そうな少女だ。プールに入った後のように、髪が微妙に濡れていた。
「…あれっ? あなた、今日転校してきた人よね。何か生徒会に用でもあったの?」
彼女はスバルの存在に気付くと、そう声をかけてきた。
「ああ、あたしは…」
「ルルーシュが連れて来たんだよ。『この子を生徒会に入れてくれませんか』ってね」
「えーっ!? ルル…あなたいきなり転校生をたらし込んだの!?」
「ひ、人聞きの悪いことを言うな!」
誰かの発言が引き金となり、生徒会室は少女とルルーシュのトークバトル会場となった。
そしてその誰かは、自分の席を立つと、スバルの元に歩み寄ってきた。
少年だ。髪の色は茶色く、やや癖っ毛気味。
スバルは、彼の顔が他の面々と違って、少し肌色が濃いことに気が付いた。ちょうどなのはのような…
「彼女はシャーリー・フェネット。水泳部と掛け持ちなんだ。
 …で、最後は僕だね。僕は、枢木スザク」
「日ほ…イレブンの、名前…?」
思わずスバルはそう呟いていた。
「人種系統は日本人だけど、名誉ブリタニア人ってことで、国籍を持ってるんだ。よろしくね」
「スザクは軍人なんだ。技術科の方のな。頭はよくないが、しっかりしてる」
いつの間にかトークバトルを終えたルルーシュが話に入ってきた。
「あっ、それひどくない?」
「さっき誤解を招いたお返しだ」
と、二言三言と言葉を交わしながら、2人は談笑する。
「仲いいんだね、2人とも」
「ルルーシュとは、小さい頃に友達だったんだ。僕がここに入学して、久しぶりに再会したんだよ」
「そっかぁ…」
つまり親密さではあたしとティアみたいなものかな、とスバルは解釈する(ティアナがそれを肯定するかどうかはともかく)。
「…さて、これで全員の自己紹介が終わったわね」
不意にミレイの声がした。
「というわけで、私達アッシュフォード学園生徒会は、あなたを歓迎するわ。よろしくね、スバルちゃん」
「…はい!」
スバルは満面の笑みを浮かべて答えた。
107コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/15(月) 14:23:29 ID:eSqESGKW
「…と、大体今日はそんな感じです」
その後、スバルはなのは達に今日のことを報告した。
なのはとティアナは、学園のすぐそばのアパートの部屋を借りて住んでいた。
スバルの方は学園の寮の部屋を割り当ててもらっていたが、一応ここがスターズの拠点だ。
「ふふ…楽しそうだね、スバル」
スバルの声の響きから悟ったのか、なのはが微笑む。
「ええ。みんないい人だったし、久しぶりの学校だったし…色々楽しかったですよ」
「それはいいことだよ。逆にストレスとかがたまったら困るからね」
「でもちゃんと仕事しないと駄目よ。あくまでアンタの任務はターゲットの監視なんだから」
双眼鏡を片手にティアナが釘を刺した。
今彼女は、窓からクラブハウスを監視していた。何故かルルーシュの部屋はそこにあったのだ。
「心配しなくても大丈夫だよ、ティア。あたしもそこまで馬鹿じゃないって」
「ならいいんだけど…」
「それじゃ、今日はこれで!」
報告を済ませた学生服姿のスバルは、アパートを後にした。
「…なのはさん」
「うん?」
視線を外に向けながら、不意にティアナがなのはに声をかける。
「あたしもあんな風に楽しめる機会ってあるんでしょうか? この任務中に…」
「うーん…そうだね…」
なのははしばらく考えた後、ティアナの肩にぽんと手を置く。
「ちょっと、電気屋さんに行こうか?」
「え…電気屋ですか? 何でまた急に…」
そう言いながら何の気なしに振り返ったティアナだが、彼女は己の油断を後悔することになる。
「うわっ!?」
「久々にビデオカメラとかデッキを見に行きたいんだ。特にデッキの方は、こっちに来てまだ買ってなかったし。
 ティアナもついておいで。私が色々教えてあげるよ」
普段では絶対見られないような、何だかおかしな意味で輝いた瞳。全身からほとばしる怪しいオーラ。
(まずい…これは、絶対について行ってはいけないっ!)
身体中に立つ鳥肌が、ティアナに危険を伝えていた。
「あ…えっとですね、なのはさん! その、あたしは…タ、ターゲットを監視してないと…」
「ほらほら、遠慮しないで」
しかしティアナの抵抗も虚しく、
見る者が悪寒さえ感じるような恍惚の笑顔を浮かべ、なのははズルズルとティアナを引きずっていってしまった。
「ああ〜…」
哀れティアナ。嗚呼、これこそが「白い魔王」の本領か。

補足:●らハ時代のなのはは、重度のAV(映像機器)マニアなの!
108コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/15(月) 14:27:07 ID:eSqESGKW
というわけで、ギアスキャラ顔見せの1話が終了です。

本当は今回のオチはもうちょっと後々まで引っ張る予定だったのですが、
「次回がシリアスだから今のうちに使っちゃおうか〜」ということで今回のに載せました。
で、その次回ですが、河口湖事件の話になります。
まぁ、アッシュフォードの日常メインって言っておきながらいきなりそれなのも難ですが…
さぁて、資料探してこないと。台詞ところどころ覚えてないからなぁ…
109リリカル湾岸:2007/10/15(月) 15:18:23 ID:WMbV9fhw
>108
GJ!
ギアスのStS版、すごい楽しみ。
しっかし、なのはの意外な一面・・・ワロス。
(原作組ではないので)

110名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/15(月) 15:24:20 ID:MBzJu29j
GJ!!
スバルがナイトメアに乗るとしたら、専用ナイトメアはマグアナックみたいに右腕だけ妙に大きくなったりするのだろうか?
地面を走るときは、マッハキャリバーの経験が役に立ちそうですね。
111名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/15(月) 15:43:32 ID:cv0gS4uB
み、翠屋が侵略されたか…(ノ△T)
112名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/15(月) 15:45:45 ID:2HeOk1+r
GJ!
ランスロット仮面とマッチョゼロ様マダー?
113名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/15(月) 16:34:02 ID:FFfdRy2s
>>ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは氏

今回もGJでした。やはりヤプ……黒尽くめの男は仮面の男陣営に接触しているようですね。よりにもよって最悪な相手と手を組んでしまったものです。
ガディバをなのはへの蒐集を利用して、闇の書に取り憑かせる辺りは実に上手いと思いました。この分だと防衛プログラムが、メビウスキラーどころかUキラーザウルス並みに凶悪化しそうです。やはり最終決戦は駆けつけたウルトラ兄弟によるフルボッコしかないか?w


>>コードギアス 反目のスバル氏

コードギアスは見たことが無かったのですが、日本が大変なことになっている世界なんですね。この世界では海鳴の家族や友人たちはどうしてるんだろ……? てかとらハ時代のAV機器マニア設定を持ってくるとは思いませんでしたw

それにしても最近、ギアス以外にもエイジとか黒の契約者とか、見ていなかったか序盤で切った作品とのクロスが多くなって、ちゃんと見ておけば良かったと後悔することしきりw
114コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/15(月) 17:38:23 ID:7Do99Dh3
リリカルマジカル♪ ヴィータのギアスSS講座〜☆(裏声)



…っづえぇぇいっ! 下らねぇことやらすんじゃねーよ!
(クスクス…クスクスクス…)
そこっ! 外野うるせぇぞ! ああっ、はやてまで…

…えー…よく来たな野郎ども。ここは当方で執筆している「コードギアス 反目のスバル」の解説コーナーだ。
で、本編で唯一出番のないスターズ隊員であるあたし、ヴィータがMCとしてここに飛ばされたわけだ。…うるせぇぞそこ。

それじゃ、今日のテーマをこのデカイサイコロで決定するぞ。
なに、気にするな。ライオ●さんはこんなことで怒りゃしねーよ。
…なにがでるかな♪ なにがでるかな♪ チャララランランチャラララン…っと。

【なのはのAVマニア設定の話】

あー…やっぱこれか。つーか、これ6面とも全部同じ内容じゃねーか。何だこりゃ。後で責任者ツラ貸せよ。
まぁ文句ばっか言ってても仕方ねぇ。さっさと解説しちまおう。…ん、ご苦労ザフィーラ。

資料によるとだな、この設定だが、作者は別に「とらハ」で知ったというわけではないらしい。作者はロボットばかり見てる偏食家だ。
どこかにそう書いてあったのを思い出して、今回反映させたそうだ。
とらハでの設定によると、なのはは3歳の時点でビデオの録画予約技術を身に付けたらしい。
本編中ではデジカメ・ビデオ・PCを駆使して、実家の商品撮影・メニュー製作・映像編集を一手に引き受けてたそうだ。
この時実に8歳。悪魔め…
まぁだが、いかにマニアと言えども、当方のSSで見せたようなキチ●イオーラを発するには至っていないはず。
というか、そう信じたい。でなけりゃ引く。
それじゃ何故ああいうことになってたのかというと、あれはいわゆる「反動」というやつだ。
今まで地球の機器に触れられる機会がほとんどなかったことで抑圧されてた欲求が一気に解放されて、
今や自分が慣れ親しんだ日本の電気屋はこぞって潰れていることも忘れてオタクスイッチオン…と、まぁこんな感じだ。
あれ? そう言えば、今の日本では日本製の電化製品はどうなってるんだろうな?
少なくとも、ビデオ関連技術はブリタニアのブツよりも上いってる以上、市場から撤廃させるのはマイナスに見えるが…
…ま、いいか。あたしにゃ関係ないし。

今日の「リリカルマジカル♪ ヴィータのギアスSS講座」はこれで終了だ。
じゃあな。二度とこの仕事が来ないことを願うよ。
115リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/10/15(月) 18:30:48 ID:nt5ggu8W
行く前にひいた風邪が長引いたせいで頭がガンガンする中行われた
修学旅行からやっと戻ってこれましたよ。
いきなりですが投下よろし?
116名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/15(月) 18:32:11 ID:c8f+YK+y
おkおk
117リリカルスクリーム41話 ◆0qJqyuBpiQ :2007/10/15(月) 18:38:39 ID:nt5ggu8W
「何だ。地震にしちゃあ…。」
「収まったらしいが盆栽の鉢にヒビが入ってしまった。」
机の下にレンと晶と桃子を避難させて自分は頭を抱えていた士郎が呻き、
恭也が彼の趣味の一つである盆栽の鉢を抱えて言った。
「ん…?アンテナがどうかなってしまうほどの地震とは思えなかったけどどういうわけか
携帯が繋がらないぞ。」
陣内啓吾が携帯電話の液晶に表示された圏外の文字に眉を潜めた。
その時庭に居た晶が小さな悲鳴を挙げた。それもそのはず。
正午だったというのに空は真っ暗。しかも巨大なロボットらしきものが大量に空を飛び回っていた。
言うまでも無くデストロンである。
「人間ども!さっさと外へ出てもらおうか。お前達に新しい秩序を与えるご主人様がお待ちかねだ。」
その飛行物体の一つ、紫色のスペースシャトルと赤と青に塗装されたヘリコプター…コンバットロンの宇宙兵
「ブレストオフ」とネオコンバットロン航空兵「へプター」が高町家の庭に舞い降りた。
「ロボット…?」
「なんだお前!ひとんちの庭に何しやがる!」
「俺と対等のつもりか人間め!グチャグチャ言わないで外出ろっつってんだ!」
士郎の言葉を聞くやいなやへプターが手にした機関砲をバリバリと空撃ちした。
「うわわっ…!。」
「言う事を聞かなければ今度はこの俺のアイオニック・ブラスターを
受ける事になるぜえ?これならチリ一つ残らん。」
尻餅を付く晶。固まる士郎達にブレストオフが弄んでいた彼の愛用銃
「アイオニックブラスター」を突きつけて言った。
「…解った。言うとおりにする…。だから」
「解ればいいんだ。こっちも無用な殺生は避けろって言われてるしな。」
「無謀な抵抗と部の悪い賭けは違う…か。仕方ねえ。」
取り出しかけた鉄棍…彼の得物で恭也達の師である士郎ですら苦しめたほどの武器だが
トランスフォーマーに通じるかは疑問だ…
を懐にしまい直すと渋々手を頭の後ろへ組んで玄関の方へ歩き出す敬吾。
「さっさと外出ろって言ってる。聞こえないのか?」
さざなみ寮にはライオン型TF「レーザークロー」トラ型TF「ラムページ」
バッファロー型TF「タントラム」サイ型TF「ヘッドストロング」ワシ型TF「ダイムボム」
以下五体からなるデストロンの猛獣部隊アニマトロンが派遣されていた。
「俺たち怒らせるな。別に取って食うとは言ってない。素直に言う事聞け。」
「な、なんだよお前ら!人の家の庭に…。」
綺麗に整えられた庭になぞお構いなしに踏み荒らして横柄な態度をとる
レーザークローに槙原耕介が声を荒げた。しかしその時
「うがああああああああ!」
ヘッドストロングが凄まじい勢いで手にしたガトリング砲を乱射し始めた。
118名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/15(月) 18:40:32 ID:ZG2Bsi6F
生身の人間に巨大な重火器を連射www支援
119リリカルスクリーム41話 ◆0qJqyuBpiQ :2007/10/15(月) 18:41:28 ID:nt5ggu8W
たまたまそのへんに置かれていた大き目のレジ袋が
風に吹かれて彼の鼻先を掠めたのだがどうやらそれがカンに触ったらしい。
精巧な射撃管制装置を積んでいるトランスフォーマーのものとは思えないデタラメな射撃が
情け容赦なくさざなみ寮の前庭を蹂躙していく。ふいに火線がたまたま止めてあった乗用車を舐め、
轟音とともに火柱が上がった。しかもここまでの破壊を行っておきながら肝心の彼の怒りの原因である
レジ袋には弾はかすりもしていない。
業を煮やしたヘッドストロングがガトリング砲を構え直したその時ダイムボムが自分の羽を一つもぐと
レジ袋には一瞥もくれないままダーツのようにそれを投げた。余所見しているとは思えない正確さで
羽はレジ袋に命中し音も無く融け去る。

「火事になると困るだろうからな…。」

さらに言うが早いかラムページが手にしたレーザーライフルをぶっ放す。
先ほど燃え上がった車が周りを覆っていた炎ごとあっけなく蒸発した。
輻射熱があっけにとられて見守るさざなみ寮の面々の顔をなぶる。
「……解った。言う通りにする…。だから愛さんや皆が手入れした庭を荒らすのだけは止めてくれ。」
「この期に及んで庭の心配か。まあいい、それじゃ付いてきてもらおうか。」
「こ、耕介…。」
「この状況では素直に従うべきかと…。闇雲に歯向かったら何をしでかすか解りません。」
再び耕介達に向かって各々の武器を構え直すアニマトロンに耕介が震えた声で言った。
異を唱えようとする仁村真雪だったが綺堂さくらに諭されて黙ってしまう。
(はやてちゃんやなのはちゃん達に望みをかけるしか無いのか…。)
唯一管理局の存在を知るリスティとフィリスの二人は町中を襲ったトランスフォーマーの
群れがしたいままに町の上空を闊歩する様を見て心の中で呟いた。
このように圧倒的な武力と勢いに物を言わせてその気になれば彼らにも
対抗出来なくも無い者達までもあっけなく押さえ込み
既に要塞として機能しはじめ91管理外世界からも次元転送で離脱していた
海鳴市は瞬く間にデストロンに制圧された。

「ああ〜!一体何が起きたってんだよ!何で空暗くなってんの?あのロボットの群れは何だよ?」
先ほどの茶髪の少年…鮫永真一が天を仰いだ。
「2−Cの連中に付いてきて見ればこれだ…全くなんでこんな目に…。」
「くー…」
「別にお前が悪いとは言っていない。だからそんな顔するな西崎。良心が痛めつけられてかなわん。」
ツリ目の気の強そうな青年…村田洋平の言葉に脇にたたずむ少女…西崎紀子が悲しげな顔で俯く。
「くー」という声と片言でしか話さない彼女だったが洋平はそんな彼女の心中を読む事には長けていた。
すかさず彼女を慰める洋平。
余談だが彼にその気は無いがこの二人はかなりお似合いだと彼の通う学校では
話題になったりもしていたのだが…。
「お前達さっさと広場へ行かねえかよ。」
「きびきび歩くんだ!モタクサするな!」
しかし彼らをせかす立場にあるキャノントレーラーに変形するコンバットロンのリーダー
「オンスロート」とブロウルの二人にしてみれば
そんな事はどうでもよかったというのは言うまでもない。
120名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/15(月) 18:44:06 ID:ZG2Bsi6F
なんという鬼畜、さすがデストロン支援
121リリカルスクリーム41話 ◆0qJqyuBpiQ :2007/10/15(月) 18:45:14 ID:nt5ggu8W
「デストロンが一杯だよぶーん。どうやらこの町そのものが奴らに乗っ取られちまったみたいだぶーん。」
「ワスピーター様…これからどうすれば…。」
ビルの陰ではワスピーターとノエル、忍、すずか、ファリンの四人が息を潜めていた。
「おいこらそこ!誰か居るのかオラオラぁ!」
「バレた!?」
「ノエルさん。忍さんやファリンさんを連れてどっかに隠れろぶ〜ん。
僕ちゃんの事なら心配要らないぶーん。」
「なんだぁ?てめえワスピーターじゃねえか!ハッハッ。
こいつはケッサクだぜ。おい皆見ろ!」
逃げるノエル達の囮となるべくスコルポスに捕まえられて連れて行かれるワスピーターを
後ろ髪を引かれる思いで見送りながらノエル達は
デストロンのいない方角へと逃げ去った。

「あと数時間でこの要塞はミッドチルダへと到着する。お前達の初陣というわけだが…貴様等の新メンバーは…。」
「ストレンジャー6、シャドーリッパー2、スティングホーク5、ボードロディマス11、ツインティーガー12…。
既にブレストフォースやスタントロンとともに向かった残り5体の援護に只今出撃させたところです。」
サイクロナスに向かって新しい仲間の名前を口にするブリッツテクター1。
ここで彼女の言うナンバーフォースの新メンバーについて紹介しよう。ストレンジャー6
はセインの人格及びISを元にして作られた
TFでJAS39型戦闘機「グリペン」に変形する。シャドーリッパー2は同じくドゥーエを元にして作られ
ロシア軍のSu47型前進翼試作戦闘機「ベールクト」に変形。スティングホーク5はチンクが元になっていて
台湾空軍のFCK1型戦闘機「経国(チンクオ)」に変形する。さらにボードロディマス11はウェンディを
元にして作られレオパルド2A6型戦車に変形する。
そしてツインティーガー12はディードを元にして作られフランスとドイツが共同開発した戦闘ヘリコプター
「タイガー」に変形する、「ロングバレル10」はディエチを元にして作られ
99式自走榴弾砲に変形するのだ。これにてナンバーフォースは完成したと言う訳だ。
そしてそのミッドチルダ地上本部では。
「スカリエッティの研究所を襲った人型兵器…名は何と言ったか…」
「デストロンです。」
「そのデストロンに対する情報は未だに殆ど無しか。」
時空管理局陸士部隊の制服に身を包んだ壮健な男性…「ゼスト・グランスガイツ」
が部下の「メガーヌ・アルピーノ」からの報告を聞いていた。
「はい。あ、一つだけ…。…技術部の報告によれば連中の事ですが単純な兵器とは
言い切れないかも知れないとの事です。」
「どういう事だアルピーノ?」
122名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/15(月) 18:46:47 ID:ZG2Bsi6F
メガーヌさんの召喚魔法に期待支援
123リリカルスクリーム41話 ◆0qJqyuBpiQ :2007/10/15(月) 18:47:49 ID:nt5ggu8W
「眉唾物の話なんですけど仲間同士で会話をしていたとの事です。
それもかなり流暢に…。それに確認された十体余りのデストロンは個々の
見も千差万別でどれも量産には不向きな
姿をしていました。会話機能といいどちらも兵器に手間をかけて組み込む価値のある機能とはとても…。」
「意思を持っていて車や重機に化ける事が出来て人間に襲い掛かるロボットか…
これが映画や小説の中での話だったなら面白いが実際に
そんな物にうろつかれてはゾッとせんな。たたでさえ戦闘機人に関する事件の事後調査だけでも大変だと言うのに。」
ゼストは顔をしかめた。
「……そういえばゲイズ少将は…。」
「…………。」
ゲイズの名前が出ると沈黙を守るゼスト。
「……申し訳ありません。」
「構わん。奴は後ろにスカリエッティが居たとはいえ俺の
部下を亡き者にしようとしたのだ。何があろうとその点は償ってもらう。」
ゼストは心なしか物悲しげな顔で言った。
ミッドチルダの首都クラナガンは広大な都市である。従って
その都市から排出される諸々の廃棄物を一手に引き受けるべく
その地下に張り巡らされる下水道もまた広大な物であった。
デストロンはそこに急造の前線基地を築いていたのである。
ナンバーズのクアットロを元にして作られた電子侵攻兵ジャミングワスプ4だ。
「兵器ってのはあながちマチガイじゃないけど…
人間が使ってるような低レベルの兵器とはモノが違うんですよね〜。」
「独り言言ってる暇がある暇があるんならさっさと準備しろよ。ここは退屈でいけねえ。」
天井にへばりついて不満げに言ったのはインセクトロンのシャープネルである。
インセクトロンとは金属、木材、穀物、エネルギー…あらゆる物体を食べて
エネルギーに変え自分達のクローンを大量に作り出す事も出来るデストロンの曲者軍団だ。
「言われなくてもやってるわよ。じゃあ陽動部隊の皆さ〜ん。やっちゃって!」
124名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/15(月) 18:49:22 ID:ZG2Bsi6F
ミッドチルダオワタ\(^o^)/支援
125リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/10/15(月) 18:52:39 ID:nt5ggu8W
ここまでで。
ゼストさんがまだ悪役っぽく扱われていた頃に考えた設定にも
ここらでケリ付けとくべきだと思いましてゼストさんの名前を登場させました。
チンクを基にしたデストロンのモチーフメカはFCK1にするってのは以前予告したとおり。
ウェンディは戦車ってイメージじゃないかも知れませんけどロボットに変形するのは
車体の部分のみで戦車の砲塔の部分がライディングボードになるってギミックを思いつきまして。
126名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/15(月) 19:02:43 ID:ZG2Bsi6F
GJ!
ついに揃ったナンバーズフォース!
なんという質量兵器の塊。まちがいなくクラナガンは地獄だぜ!フゥハハハーハァー
あんな火器向けられたらさすがの海鳴市民でも厳しかったようですな。
インセクトロンも厄介。
そして、ゼストさんが考えなしに突撃しないか心配です><
127名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/15(月) 19:35:40 ID:WZikgkuA
ユニクロンまだ〜?
128リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/10/15(月) 20:13:30 ID:nt5ggu8W
>127
ギャラクシームーンと被るんでユニクロンについては考え中です。
でもユニクロンと同じくらい有名なTFシリーズでは外せない悪役を出す予定。
129名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/15(月) 21:05:36 ID:2/MxYTLm
>>128
メガザラック?
クインテッサ?
いやいや、うーん本当に気になるなぁ。
130名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/15(月) 21:07:10 ID:2/MxYTLm
>>129
ぐわぁ!sage忘れた!
すみません…。
131名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/15(月) 21:30:42 ID:54+KOIfb
デストロンは合体兵士はほぼ全部出るみたいですねえ総登場したら凄いことになりますね
132名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/15(月) 21:31:16 ID:eWr2l+cO
いいからsageろ
133名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/15(月) 21:46:07 ID:54+KOIfb
失礼しました
134名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/15(月) 21:48:32 ID:rQiFoz5D
>>133
メル欄にsage
これだから新参は・・・。
べ、別に弱ってるわけじゃないんだから!
135名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/15(月) 23:27:57 ID:AYJDiwBg
皆さん投下乙です

>>85
ウルトラマンティガに出てきたイーヴィルティガはどうなんだろう?
やはり悪者だから偽者扱いされたんだろうか……
136名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/16(火) 07:55:04 ID:bW/xVuE1
>>117
アニマトロンキターーーーーーーーーーーーーーーッ!!プレダキングの活躍が待ちどしい、テラートロン、スタントロンの全員集合を早く見たいぜ

>>129
ブラックザラックはいけるかな?

>>126
YF−21似の戦闘機も出てましたね、レオパルド、タイガーと言う戦車好きにはたまらない物で出てますね

>>128
脱獄した、ガイスターを追いかけてくる、エクスカイザーはまだ、世界観的にファイバードと一緒に出ても違和感ないのだけど



137名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/16(火) 15:45:46 ID:THzv8TSI
プリマクロンとか出てきたらびびるね
138名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/16(火) 17:21:13 ID:bW/xVuE1
>>137
プレダキング、スカイリンクス、ダイナザウラーと戦ったエネルギー生命体の事か・・・・まじで・・・出そうだな
139爆発戦隊 俺が正義だ、俺が法律だ:2007/10/16(火) 18:13:44 ID:bW/xVuE1
>>117
今きずいたが、ラムページってヒョウ型だぞ・・・・某三千院ナギ見たいに間違えるな!!

ライオカイザー、ダイノキング、ブルーティカス、メナゾール、オボミナス、キングポセイドン、プレダキング、デバスター、バルディガスは確定か

でれる望み薄いが、オーバーロードとダークウィングスも合体戦士だから見たい・・・サイバトロンから誰か合体戦士も出し欲しい
と言う事は、プテダーとかに合体するガイスター4将も見れるかも・・・・エクスカイザーとの宿命の対決を見たい

以前、ママジマがヘルバットをボコボコにしたからその恨みで、ゼスト メガーヌ ママジマ対ライオカイザーが見れそうだな
140コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/16(火) 19:37:19 ID:AHYPLAcO
>>125
また何やらものすごいことになっているなぁ…GJ!
TFはビーストウォーズからカーロボットまでしか知らない自分は間違いなk(ry

さてと、このまま何もなければSS投下しますよ〜
141名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/16(火) 19:41:55 ID:9GhgZmRz
>>140
コードギアスキターーーー!!
こちらスネーク支援する!!
投下体制に入れ!!!
142コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/16(火) 19:42:19 ID:AHYPLAcO
STAGE2 河口湖事件

「にゃ〜ご〜、ごろごろ〜♪」
「な゛ぁ〜」
生徒会室に猫の鳴き声が2つ。
一方は転入生にして生徒会準会員のスバル・ナカジマの鳴き真似。もう一方はスバルがじゃれている本物の猫。
「アーサーともちゃんと仲良くなれたみたいね」
満足した様子で笑顔を浮かべながら言ったのはミレイだ。
アーサー…それが猫の名前だった。
いつの間にか生徒会室に住み込んでいた居候で、今は会員達で飼っている。
「えへへ…最初はそっぽ向かれましたけど、なついてくれると可愛いですね」
「羨ましいなぁ」
そう呟いたのはスザクだ。
「スザク、あんまりなつかれてないの?」
「はは…僕自身は、動物はすごく好きで、仲良くしようとしてるんだけど…」
そう言いながら、スバルはアーサーの方へと手を伸ばす。が…
「カッ」
「ふぐぅ」
噛まれてしまった。
「…と、まぁいつもこの通り」
「こいつはどの動物相手でも、片想いで終わってしまうんだ」
ジュースを飲みながらルルーシュが言う。スザクは自虐的に笑いながら、「猫は特にね」と付け足した。
ルルーシュが飲んでいたのは、スバルが買ったジュースだ。彼女は学園案内の報酬として、ジュースを2本おごった。
「うひゃあ、そりゃ災難だね」
スバルはそんな悲しき宿命を背負った少年に同情する。
「あ、そうだ。そう言えば、スバルにはまだ話してなかったわね」
握り拳で平手をぽんと叩くと、ミレイは鞄を漁り、何やら紙切れのような物を出す。
否、それは旅行のパンフレットだった。
「はいこれ」
「? これは?」
いきなりそんな物を出されたスバルは、頭に疑問符を浮かべてミレイに尋ねる。
「んふふ〜…今週末にね、生徒会メンバーの親睦会ってことで、みんなで富士の河口湖に2泊3日の旅行に行くことになってるのよ。
 で、この写真が、当日泊まるコンベンションセンターホテル。国賓も利用する超〜セレブなホテルなのよん♪」
ミレイは得意気に語る。パンフレットを用意したのは、
留学生ということで日本に詳しくないスバルにも分かりやすく説明するためらしい。
「コンベンションセンターホテルですかぁ…」
「景色も綺麗だし、ディナーもかなり豪華なんだって」
「豪華なディナー!?」
横から声をかけてきたシャーリーの言葉を聞くと、スバルは突然瞳を輝かせた。
「おおっ、目の色が変わったね?」
「行きます! あたし絶っっっ対行きます!」
「よーしいい意気込みだ! じゃあ当日は美味しいディナーを食べ尽くすわよ!」
「おーっ!」
143コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/16(火) 19:43:31 ID:AHYPLAcO
「…ってことになっちゃったんですけど…」
スバルが冷静さを取り戻したのは、部屋に帰ってからだった。
ミレイとのやりとりの最後で分かったことだが、ルルーシュ達男子会員は全員欠席だそうだ。
リヴァルは旅行期間中にアルバイトを入れており、スザクは軍役で忙しく、ルルーシュも外せない用事があるらしい。
常識的に考えて、そんな旅行になど行っていては、ルルーシュの監視任務を遂行できないではないか。
しかし、スバルは「行く」と言ってしまった。そして何より、豪華ディナーを捨てるのはあまりに惜しい。
というわけで、こうしてアパートに来てなのはに判断を仰いでいるのだった。
「うん、いいよ。行っておいで」
だが、なのはの返答はあまりにあっさりとしていた。
「…へ? 本当に、行っちゃっていいんですか?」
「友達付き合いも大切だよ。仲良くしていた方が学園生活も送りやすいし、友達がいた方が楽しくない?」
なのははにっこりと笑いながら続ける。
「それに、その間は私とティアナで監視をしているから、安心して行っておいで」
「…ありがとうございます、なのはさん!」
スバルは感激しながらなのはの手を握る。
昨日は不可抗力で「馬鹿じゃないの」と思ってしまったが、スバルは今、一緒に来た上官がなのはでよかったと心底思っていた。
これがもしヴィータやシグナムだとしたら、許可するにせよ、二言三言の小言は避けられなかっただろう。
「あ…ごめんねティア、着任早々に仕事押し付けちゃっ…」
と、ここでスバルはそのようにティアナに言葉をかけようとしたのだが、
「………」
そのティアナは妙にげんなりとした様子で、壁にもたれかかるように座り込んでいた。
まさしく精も根も尽き果てたという言葉がふさわしいような、かなり悲惨な様子である。
「…どしたのティア?」
「さぁ…何故か昨日電気屋さんから帰った頃から、ずっとあんな感じなの」
「電気屋? …ティア、何かあったの?」
心配そうに尋ねるスバルに対し、ティアナは唇を微かに動かして、
「…知らぬが仏…」
と、脱力感に満ちた、蚊が鳴くような声で呟いた。
「どうしたのかなぁ…気晴らしになると思って連れて行ったのに」
犯人はアンタだ。
144コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/16(火) 19:44:39 ID:AHYPLAcO
数日後、スバル達生徒会員を乗せた列車は、河口湖に向けて出発した。
「うっわぁ〜! すご〜い!」
進路上に姿を現した湖とホテルを見て、シャーリーが感動もあらわに声を上げる。
最終的に旅行に参加したメンバーは、スバル、ミレイ、シャーリー、ニーナの4人。男性陣に加えて、カレンが欠席する形となった。
彼女もギリギリまで参加すべきか悩んでいたのだが、体調が優れないということ
で、結局辞退した。カレンは病弱なのだそうだ。
「河口湖はブリタニアの再開発区域だから、『ゲットー』と違って安全よ。安心して」
そう言ったのはミレイだった。
整備の行き届いていない「ゲットー」は、イレヴン達のスラムと化している。
身なりの整った人間が通ったら物盗りに遭うだろうし、にっくきブリタニア人と
もなれば、最悪殺されるかもしれない。
そんなわけで、ブリタニア人の中には、イレヴンやその土地を恐がる人間もいるのである。
旅行メンバーの1人であるニーナがいい例だ。彼女はイレヴンを恐れており、スザクとも打ち解けるのには時間がかかった。
「あ、そう言えばスバルって、いつもそれ首にかけてるよね。お気に入りなの?」
「え? これ?」
シャーリーが指差したのは、スバルの首のアームドデバイス・マッハキャリバーだ。
有事に備えて、この地球でも常に携帯しているのである。
「ん〜とね…これ、本国で先輩に作ってもらった特製品なんだ」
スバルは一瞬考えてを張り巡らした後に、そう答えた。
「中にコンピューターが入っててね、簡単な会話ができるようになってるの」
「えー!? 本当?」
「本当だよ。…ほら、シャーリーにご挨拶して」
『こんにちは、ミス・シャーリー』
マッハキャリバーは口裏を合わせて挨拶した。持ち主と違って空気の読める、頼れる相棒だ。
「わぁ! すごいすごい!」
「こりゃ大したものねぇ」
名前を呼ばれたシャーリーが、そしてミレイが賞賛する。
「それ、今度構造とかを教えてもらっていいかな?」
控えめだが、知識欲は旺盛なニーナが尋ねた。
「あはは…あたしはそんなに詳しくないんで、よく分かんないです」
「でもすっごいよねぇ。どんな人が作ったの?」
「シャリオっていう、機械いじりが得意な人。その人も愛称がシャーリーって言うんだ」
「へぇ、そうなんだ! ますますすごいなぁ…憧れるなぁ」
そんなこんなで大盛り上がりの中、列車は到着した。
145名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/16(火) 19:45:37 ID:gDpgIWVb
支援する!
146コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/16(火) 19:45:48 ID:AHYPLAcO
スバルは食べていた。
ステーキ、チキン、パスタ、コンソメ、リゾット、パエリア、マリネ、ボルシチ、エビチリ、すき焼き、握り寿司…
ありとあらゆるテーブルを回り、行儀悪く見えない程度に、しかし凄まじいスピードで、ありとあらゆる料理を食べていた。
色とりどりの料理で飾られた取り皿はものの数十秒で空となり、すぐさま次の料理がそこへ補充され、また空になる。
「………」
ある者は呆然として立ち尽くし、
「うわ、すっご…」
ある者は思わず率直な感想を漏らし、
「ふふ〜ん、さすがに言うだけいってよく食べるわねぇ」
ある者はニヤニヤしてその様子を見ていた。
「ん〜♪ さすが高級ホテルだけあって、どれもこれも最高だぁ〜♪」
そして当の本人は、そんな三者三様の反応などお構いなしに、恍惚の笑みを浮かべるのだった。
「全テーブル制覇まであとどれくらい?」
『残り4ヶ所です。次の水分補給を推奨します』
「そだね。じゃあ、ここ食べ終わったらジュース取りに行こっかな」
マッハキャリバーとの会話を終えると、止めていた手を再び動かして食べ始める。
彼女らが宿泊するコンベンションセンターホテルでは、華やかなパーティーが執り行われていた。
この日、このホテルは、エリア11の特産物にして超伝導技術の重要素材・サクラダイトの
各国分配量を規定する国際会議の会場となる予定だった。
そのため帝国要人や諸外国のVIPが集まっており、このようなパーティーが催されたのだ。
そしてただの学生に過ぎないスバル達がこのパーティーに参加できた理由は、ミ
レイの力によるところが大きかった。ミレイらアッシュフォード家は、今でこそ私立学園の運営者に留まっているが、
かつては故マリアンヌ・ヴィ・ブリタニア妃の後ろ楯となるほどの名家だったのである。
全盛期の力が今はないと言えども、このパーティーへの出席ならば、貴族の娘様御一行で十分に通った。
そんなわけで、スバル達はこの河口湖旅行を、少なくともこの時には存分に楽しんでいた。
だが、

「さぁ、我々のパーティーを始めようか」

人生とは何があるか分からないものだった。
147コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/16(火) 19:46:58 ID:AHYPLAcO
『――ホテルジャック犯は、日本解放戦線第3セクトを名乗っており、
 サクラダイト分配会議のメンバー及びホテル従業員、宿泊していた観光客を人質にとっている模様です。
 なお、犯行グループのリーダーは、元日本軍の草壁中佐と見られています。
 恒温超伝導の要となるサクラダイトの――』
「ここ…スバル達が旅行に行ってるホテルですよね!?」
車のナビ画面に釘付けになりながら、ティアナが絶叫する。
スバル達のいたコンベンションセンターホテルは、旧日本軍残党が組織するグループ・日本解放戦線によって占拠されてしまったのだ。
元々サクラダイト関連の国際会議場を兼ねる役割を持って建造されていたこのホテルは、
外部からのあらゆる攻撃に対応できるよう設計された要塞ホテルである。
空中・水上と、ブリタニア軍による各方面からの接近が試みられたものの、全てが失敗に終わっているそうだ。
「『ナイトメアフレーム』が使えれば光明も見えてくるだろうけど…橋が封鎖されてる以上、そっちの線も望み薄か」
状況を頭の中で整理したなのはが呟いた。
「ナイトメアフレーム」…通常ナイトメアとは、ブリタニアが開発した陸戦用機動兵器である。
その形状を形容する言葉として相応しいのは何かと言われたら…間違いなく「ロボット」だ。
ブリタニアが生み出したこの人型の兵器は、高い汎用性と機動性によって幾つもの国家を制圧していた。
空にそびえるくろがねの城や、世のため人のため悪を打ち砕く日輪の輝きのような巨体を有しているわけでもなく、
全高約6メートルというコンパクトなサイズにまとめられているという取り回しのよさもまた、普及に一役買っていた。
だが、その複雑な関節機構を機能させるには、良質な超伝導素材であるサクラダイトが必要不可欠であった。
日本はこのナイトメアのために占領され、エリア11という立場に貶められたと言っても過言ではないのである。
故になのはにとってナイトメアは、自分達の国を食い潰した忌むべき存在だったが、今はそれにさえもすがりたかった。
自分達は自由に動けない立場なのだから。
「! なのはさん!」
ティアナが叫ぶ。
物思いにふけっていたなのはが画面に視線を戻す。
画面に映っていたのは、人質の1人と複数のテロリストが立つホテルの屋根。
人質が端まで歩かされた後…
「っ!」
背後から発砲を受け、人質は奈落へと落下していった。
見せしめだ。
人質の男は、日本解放戦線の意志を誇示するために利用されたのだ。
「やりすぎじゃない…!」
ティアナが呟く。彼女自身もブリタニアにはあまりいい思いを抱いてはいなかったが、
こんな後味の悪いやり方でブリタニアを打倒したところで、誰が喜ぶというのか。
「ともかく、これで軍が対策を練るまで待ってはいられなくなった」
つとめて冷静に振る舞いながら、なのはが言った。
「あとは…」
その言葉にティアナも頷く。
「スバルを信じるしかないですね」
しかし、なのは達はホテルジャック事件の方に夢中になるあまり、外出しているところを尾行していたルルーシュを見失ってしまった。
148名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/16(火) 19:47:56 ID:gDpgIWVb
支援!
149コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/16(火) 19:48:13 ID:AHYPLAcO
スバルが行動を起こしたのは、日没を過ぎてからだった。
今彼女達がいるパーティールームには、全ての人質が集められていた。
デバイスを使用すれば、ホテル内のテロリストは全員普通の人間である以上、難なく制圧できるだろう。
しかし、運の悪いことに、この地球は時空管理局の管理外世界なのだ。
よって、こんな人が多い場所ではデバイスを起動できないのである。
(何とかしてこの部屋を脱出しないと…)
スバルはひたすら方法を考えていた。
皆、長期の拘束で精神が疲弊している。特にブリタニア人恐怖症のニーナなどは完全に滅入ってしまっていた。
「あの…す、すいません…トイレに行きたいのですが…」
と、ちょうどスバルの目線の先で、テロリストにそう申し出る男がいた。
相手の顔色をおどおどしながら伺っている様子だが、それでも十分肝が座っている部類だとスバルは思った。
テロリストは少し苛ついた様子だったが、一応トイレに男を連れていった。
(…あ、そっか。それもアリなんだ)
理解してからのスバルの行動は素早かった。
「すいません。その…あたしもトイレいいですか?」
近くのテロリストを捕まえて尋ねる。
「ん? …まったく、1人許可するとすぐこれだよ…仕方ない、ついて来い」
「スバル…」
「心配しないでシャーリー、すぐ帰ってくるから」
そう言うと、スバルはテロリストと共に部屋を出、廊下を歩いてトイレへ向かった。
そしてその道中で…
「かはっ!」
腹を殴って気絶させた。
「…ふぅ…これで脱出は成功、っと」
一息ついたスバルは、首元のマッハキャリバーに視線を落とす。
「マッハキャリバー、今からアイツらを殴りに屋根に行ったとして…向こうが、コイツが帰ってこないのに気付くまでに済むと思う?」
『私の速度なら問題ないと思われます』
「んじゃ、あと1つ。この状況でデバイスを使ったとして…怒られると思う?」
『大衆に見られることがなければ問題ないかと』
「…よし…じゃあ、行こうか」
『All right.』

一方その頃、ホテルを目指す、ブリタニア軍とは別の一団があった。
軍用車両に匹敵する大きな車に乗る一団だった。
その中で、一際目立つ男がいた。
全身を漆黒のマントに包み、顔にはのっぺりとした異様なフルフェイスの仮面。
「そろそろ着く頃か」
仮面は、どこかあの少年――ルルーシュ・ランペルージを思わせる声で呟いた。

「――マッハキャリバー・セットアップ!」
150名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/16(火) 19:51:37 ID:gDpgIWVb
支援
151名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/16(火) 19:52:02 ID:9GhgZmRz
>>149
規制か?支援!!
152コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/16(火) 19:53:15 ID:AHYPLAcO
はい、というわけで、「スバルに優しく、なのはに厳しく」がモットーのギアスSS、第2話です。
だって、絶対StSの主人公はスバルじゃないですか! …あれ? どうしました、なのはさんそんなニコニコして?

今回は色々な部分を、家にあった「ナイトメア・オブ・ナナリー」を参考にしています。
ひょっとするとおかしなところもあるかもしれませんがご容赦を(現に、危うくリヴァルを旅行に行かせるところでした)。
特に人質撃つところ。…自分にはあれがどう見ても屋根にしか見えません…

さて、「振動破砕でナイトメアを撃墜してほしい」という要望がありましたが…
…ん〜…プロット全部に目通してみても、ロクにナイトメアと戦う話がない…
というわけで、今のところ、どこかにナイトメアとバリバリ戦うオリジナル話を挿入する予定。
一応1部最終回までストーリーは行くつもりです。

それでは!
153名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/16(火) 21:11:36 ID:gDpgIWVb
GJ!
コードギアスは全然知らないのですが、知らなくても楽しめますね。
今度レンタルしようかな?
154リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/10/16(火) 21:17:08 ID:db4KGXih
GJ!
ナイトメアはトランスフォーマーとほぼ同じ大きさなんですよね。
トランスフォーマーも6〜7メートルくらいなんで。
しかしスバル相手じゃナイトメアでは歯が立たないだろうなあ。
155リリカル.exe:2007/10/16(火) 21:22:23 ID:niy215RL
振動破砕は相手が機械だとえらく凶悪なスキルですからねー。限定空戦とはいえウイングロードあるだけでかなりのアドバンテージになるし。
156名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/16(火) 22:15:57 ID:gDpgIWVb
ナイトメアとMSとACとAS比べたらどっちがでかいんだろう?
157名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/16(火) 22:18:21 ID:KO4Vf2pl
コードギアス知らんが、>>154見る限りでは

ナイトメア≒AS<AC<MS
158名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/16(火) 22:20:07 ID:bW/xVuE1
>>156
多分MSが一番デカイんじゃない、次はACかな?、その後は解らん
159名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/16(火) 22:22:49 ID:RwyAoEAh
>>157
ナイトメアは特別機のガゥエインだけが6m台で、あとは4m台ばかりだよ。
160名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/16(火) 22:24:22 ID:qA22Svt3
ナイトメ(4〜7m級)<AS(8m級)<AC(10m級)<MS(15〜30m級) だったと思うが。
161名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/16(火) 22:28:53 ID:bW/xVuE1
>>160
正し、アーマード・コアはコア思想で足が変更きるから、車両(タンク)型と4脚の身長は低いと思う、間違ってたらすまん
162名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/16(火) 22:30:15 ID:0XylSeu1
ギアス支援!
163名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/16(火) 22:55:48 ID:2grHUYc5
誰だ>>162にマンダムしたのは
164 ◆sP9nVRi1sI :2007/10/16(火) 23:30:37 ID:SxzWANRt
>>152
GJ! 暗いなのははいいなあ。妙にツボる。
……って、あの『ナナリーの奇妙な冒険』を参考に!?

>>160
ついでに鬼戒神は40m前後という資料をどこかで見た気が。
……てことは軍神ラストのデモンベインは四百メートル超か。
165名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/16(火) 23:44:29 ID:XkHCoh40
ちなみにゲッターエンペラーは全長約120億kmほど
166名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/16(火) 23:47:54 ID:2grHUYc5
合体するだけで大惨事な皇帝
星が潰れるだろ常考
合体の衝撃が超新星クラスとかバカげたのを見た覚えが
167リリカル.exe:2007/10/16(火) 23:51:47 ID:niy215RL
天元突破グレンラガン=まだ言う事聞いてくれそうなゲッターエンペラー

スケールでかすぎてゲッペラー様が苦戦するところなんて考えられないなぁ・・・・・・
168名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/16(火) 23:54:13 ID:XkHCoh40
>>167
いえいえ・・・そのゲッペラーがいずれ戦うであろう敵のボスは、現在のゲッペラーではどうがんばっても勝てないらしいですよ
169名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/16(火) 23:57:42 ID:NXy7NaGV
でも、それが語られることはもう未来永劫ないんですよね
170名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/16(火) 23:58:21 ID:XkHCoh40
>>169
ですね……なぜお亡くなりに……
171名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/16(火) 23:58:55 ID:9GhgZmRz
>コードギアス 反目のスバル氏

いろいろ間違ってるんじゃないかって思うところがあったので一応。

>アームドデバイス・マッハキャリバー
マッハキャリバーはインテリジェントデバイスですよ〜

>ブリタニア人恐怖症のニーナ
あれ?これってイレブン恐怖症じゃあ(ry

言い方いやらしくてスイマセンorz
まあ、とりあえずということでwwwww
そして、最後にGJ!
172コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/17(水) 00:11:05 ID:kDfOiciF
>>171
ぎゃふん。

そっか、アームドはやっぱりリボだけだったか…
そこは書き込む時にかなり悩んだんですよ。「あれ? インテリジェンスじゃなかったかな?」って。
しかし、調べる時間が皆無だったのでそのまま投稿することになりました。どうせ俺はまだStS7話までしか見てないやいorz
にしてもニーナのイレヴン恐怖症まで誤植ってたなんて…まとめさんにご迷惑をおかけすることになっちまったいOTL

ちなみにナイトメア=6メートルってのは完全な記憶違いです。
…俺、これのおかげでガウェインを鋼鉄ジーグクラスの巨体だと思ってたんだぜ?
173リリカル.exe:2007/10/17(水) 00:11:28 ID:vr2LcrpC
時天空>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>ラ=グース>>>>>>>>>>>>ゲッペラー様
くらいでしたっけ?あとは邪鬼王を無限進化させたりするくらいしか・・・・・・

三日後くらいには次の話書き上げられるかもしれません。スーパーザフィーラタイム到来!
174名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/17(水) 01:04:32 ID:HV7/XzXx
そろそろ、EDF氏が来てもいい頃なんだが・・・・
175名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 01:32:21 ID:gVGddtnk
EDF氏のスーパークロノエンドタイムをお待ちしております。
176名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/17(水) 01:36:13 ID:HV7/XzXx
同じくスーパークロノもう終わりタイムを待ってまーす。
177名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 01:38:15 ID:OAopWIz/
)164
PC版ビジュファンによると破壊ロボが80mだから対峙図を見る限りデモベは120とかそこらだと思う
ちなみにネームレスワンはデモベの5倍だそーだから仮定600m?
178名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 01:40:33 ID:6x8od8y6
まあ三日後予定で少し遅れちゃっても大目にみて下さいねと仰っているし
ここはインパルスの一発一発が特注品のベアリング弾を造って気長に待ちましょう…
と言いつつクロノムチャシヤガッテ……に期待w
179名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 02:12:16 ID:vCivJxnE
やはりみんなの頭の中ではクロノ死亡は確定か。
180名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 04:20:40 ID:Cpb6sG/T
>>164
鬼戒神はPS2版のモードで大きさと重さが分かりますね。
デモベが55m、4254t。アイオーンもそれくらいだけど出力が2倍以上。
大きいとされてるサイクラノーシュとレガシー・オブ・ゴールドが80mぐらい。
ずば抜けてるネームレスが312m、755769t。
ちなみに我らが西博士の破壊ロボは82m、13570t。

そしてさようならクロノ。
181名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 07:40:26 ID:1j+l1pV5
いちいち催促する奴ってウザいな……
182名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 08:02:17 ID:oEcj3WhS
確かにもう応援じゃないな。それでも作者には嬉しいのかもしれんが、
俺が見たいから早くしろと言ってるように見える(人もいる)。
183名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 08:14:16 ID:W5oupxQu
俺は投下してないからわからんのだが見たい人がいるってのは励みになると思うんだがどうなんだろう。
そうなら、俺も催促したい。
184名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 08:36:20 ID:ooW4+Tm3
>>166
ゲッターエンペラーが合体するときに発生するエネルギーはビッグバンを引き起こせるレベルだよ。
185名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/17(水) 09:10:36 ID:3g2RP4OD
>>184
そんなものに耐えられる機体なら、惑星の1個や2個くらい破壊できる攻撃でもびくともしないよな・・・。
こうしてゲッペラーとかデモンベインとかグレンラガンとかのスペック見てると、長男のM87光線が凄い小さく見えてきた。


やっぱりあの人は、頭を燃やしてこそ価値があるのだろうか
187名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 09:15:48 ID:ooW4+Tm3
>>185
特異点だって握りつぶせます。
188名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 09:17:46 ID:1j+l1pV5
>>183
作者だって小説だけやってる訳じゃないんだしスランプで書けない事もあるだろ
そんな時に催促されても重荷にしかならんだろ

ここは投下ペースが速いから勘違いするがネット上じゃ一ケ月おきの更新もザラだから贅沢は言わない方がいい
189名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 11:57:47 ID:04K5J62u
>188
まぁ、火浦功なんて……ごめん、涙が出ちゃう。
190名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/17(水) 12:40:58 ID:3g2RP4OD
>>186
絵ですから、際限なくかけますし。でもその3体内どれか一つを地球人が作ったら、間違いなく
全宇宙と戦争になりますな・・・。もっともそういう存在でもなければ時天空から逃げる
ことも出来ないので、素直に3体のどれかに属するか、潔く滅亡するかのどちらかしかないので仕方ないよな。
191名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 15:28:25 ID:1r0i/5tQ
グレンラガンは知りませんが、ゲッペラーもデモベも時天空というか外なる神々を撃退することが
進化の最終目的ですからなあ。

あと、もう一つ選択肢がありますな。というか最終目的を考えるとこいつ等にとってもそのほうが都合が良い。
"戦う"という選択肢が。
192名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 15:53:40 ID:Fa5yOjDb
ゲッターエンペラーのパンチ=数年がかりで宇宙から降ってくる回避不能の天災
だとかいう話を故石川賢先生が雑誌か何かのインタビュー記事で話してたな。
193名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 18:13:05 ID:drlOjCae
>>191
その結果、どっちが勝っても大局的に見れば目的に近づく訳か。
そう考えると不毛というかなんというか何故かむなしい気分になってきた。
194名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 18:34:00 ID:1j+l1pV5
虚無戦記だからな……

仲間同士で食い合う生命体を創造し戦いの中で進化させ自滅すれば最初からやり直す
壮大すぎる計画だぜ
195コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/17(水) 18:36:57 ID:kDfOiciF
えーと…ここなのはスレですよね?
もはや何のスレなのかさっぱり分からねぇw

しかし、やれゲッペラーだのやれグレンラガンだのと、
何だかここまで列挙されると、1番好きなロボがジェネシックガオガイガーな自分には、
真っ先にジェネシックカワイソスという気持ちが込み上げてきます。
彼らにも思い入れはあるんですがね…orz
196名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 18:48:51 ID:drlOjCae
>>195
まあ、全ジャンル最強スレとかみればわかるように上を見ればキリ無いからねえ。
まあ、強さと面白さやかっこよさは別物だし、気にしないようにするしかないわな。
197魔装機神:2007/10/17(水) 18:51:14 ID:OvpCcZ3J
どうも、魔装機神です。
ちょっとお知らせがあります。
ちょっと今s自分にパソコンも調子が悪く、しばらく投下できません。
今日は弟のパソコンを借りているのですが、投下できるのはもうしばらく時間がかかりそうです。
198名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 18:51:36 ID:6x8od8y6
GGGには勇気と言う名の科学があるじゃないですか、
それに恒星破壊系の技持ってる時点で… と雑談スレに誘導
199リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/10/17(水) 19:07:26 ID:LvLD8yh6
>>195
それ言ったらトランスフォーマーなんかたまにしか話題にのぼりませんよ。
マイケルベイ版TFとのクロスの人が執筆始めれば
もう少し語られるようになると思いたいです。
200名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 19:36:51 ID:W5oupxQu
話題に上るのしか書くな、と言うわけではないのでマイナーなのとクロスさせている人にもがんばって欲しい物です。
話題やレスが少ないのは哀しいかもしれませんけど。
誰とは言わないけど
201名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 19:55:37 ID:PkguyEhZ
>>119
我が参謀オンスロートに任せようと言うセリフを書いて

>>117
すまん俺も間違えたが、ラムページはジャガー型な
202名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 19:57:21 ID:oEcj3WhS
>>195
TFは結構頻繁に語られてないか?GGGも。っていうかそろそろ雑談じゃない?

しかし流れを見るに知名度って大事だなぁと思うよ。知らないクロス読んで原作にも入る人なんて少数だろうし。
自分も知らないクロスはあんまり読んでない。でも読まなきゃ興味も湧かないな。
203コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/17(水) 20:08:30 ID:kDfOiciF
>>202
あ、いえ、知名度ではなく、強さの話…

しかし、皆さん妙に趣味が濃いw
他の萌えアニメのスレではこんな状況はまずあり得ないんだろうな…
メカ好きの自分にとっては願ったり叶ったりですがw
204名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 20:15:15 ID:8WRrocei
そこでビ・ヨンドとのクロスオーバー考えてる俺参上。
205名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 20:17:55 ID:OqAWa/qe
では、現在王ドロボウJINGのクロスを書き書きしている途中な俺、参上。
ほかにはパラダイスロストのジューダス・ストライフをクロスさせても面白いかなとか考え中。
206名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 20:18:31 ID:2IkGN2jr
>>203
この板にある某ツンデレ魔法少女のスレも時々こうなるぞ
207名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 20:20:21 ID:j9C1Ol3X
>>206
ひんにゅう!ひんにゅう!
208名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 20:32:21 ID:GrUdvOcX
>>206
え、ヴィータいつの間に独立スレなんかもらってたんだ!?
209名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/10/17(水) 20:36:37 ID:HV7/XzXx
おう、そういえば以前だったかモンハンとなのはとのクロスを書くといった
人がいたが、結局どうなったんだろうな?
210名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 20:38:00 ID:ddC4l9K1
>>205
王ドロボウだと!?激しく期待
211 ◆sP9nVRi1sI :2007/10/17(水) 20:42:36 ID:zNqEz8qE
>>206
先日、まとめ漁ってウィザーズブレインや円環少女とのクロスを見つけて狂喜乱舞した自分。
キャラがヴァーミリオン・CD・ヘイズとグレン・アザレイという辺りに妙な親近感を感じるw

……ネタが沸いたらイルかヘイズ主人公でなのはクロス書くかなあ。どちらにしろ、ティアナが妙な覚醒をしそうではあるがw
212名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 20:43:42 ID:VDg1fTi0
>>197
了解
しかし、sageて欲しかったりする
213名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 20:54:00 ID:OqAWa/qe
>>210
けど、時間はかかりそう。
どういう風に絡ませていくか、とかJINGはバリバリの戦闘って感じじゃないよな、とか問題はいっぱい。
できるだけ早く公開できるようにがんばります
214名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 20:54:01 ID:ZxUK0B1Q
向こうのなのはクロスはどれも良作だからなあ
召喚されてるのはユーノにリィンTにリンディさんの三人
215名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 21:31:57 ID:7lh0JohV
>>206
つーか向こうのスレ、住人の平均年齢が高すぎるわ!
坂井三郎だのウルトラマンレオだの初代ライダーだとか…

まだ十代とか言い張ってるが絶対嘘だろ?
216名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 21:35:20 ID:ofOaafAM
>>213
目的はバトルじゃなくて盗みだからな>JING
でもあの台詞回しは大好きだぜ!
217リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/10/17(水) 21:43:38 ID:LvLD8yh6
>>205
パラダイスロストで思い出したんすけど
リリカルスクリームが完結して(今年中には完結させたいっす。
でも終って何ヶ月かしたら続編やるつもりですけど)
その頃にはリリカル鬼武者も中盤くらいまでは行ってると思うんでそしたら
仮面ライダー555の方のパラダイスロストのクロス書いてみようと思ってます。
555劇場版大好きなんですよね〜。
「世界が滅亡寸前」て設定の作品なら一杯あるけど「世界はほぼ無傷で人間が人間じゃない別の何かにとって
代わられる形で滅亡寸前」て設定の作品はそうそう無いじゃないですか。
ひとつだけ不満な点を挙げるとすればライオトルーパーを本編中でもっと活躍させて欲しかったなあ…
218名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 21:47:00 ID:2IkGN2jr
>>217
ライオトルーパーが好きな貴方に
つ双英雄邂逅伝
219リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/10/17(水) 21:51:22 ID:LvLD8yh6
今年内に解決させると言ったばかりですがやっぱリリカルスクリームの年内完結は無理っぽいな…
大体来年の四月くらいですかね。
220名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/10/17(水) 21:52:05 ID:HV7/XzXx
EDF氏マダー?
221名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 21:53:21 ID:VmEipHX4
>>220
デススターと交戦中。
222名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 21:56:29 ID:W5oupxQu
交戦中なら仕方ない
223名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/17(水) 22:03:00 ID:HV7/XzXx
えっ?俺が聞いた話だとゆりかご&ガジェット10000体と大規模戦闘を行ってると聞いたのですが。
224名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 22:06:23 ID:6x8od8y6
それは小規模戦闘じゃないかなとw
225名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 22:07:41 ID:VmEipHX4
>>223
それはお昼の休憩時間中の暇つぶしだったそうだぞ。
226名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 22:27:48 ID:nz9UROvg
空の軌跡の続きをいつまでも待ってる……。
227名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 22:43:23 ID:1Ntb2Etm
>>226
俺も待ってるぜ!
228名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 22:53:34 ID:99To5lOo
>>204
黒大将のことかーっ!





俺は好きだ、あの魔王。
229名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 23:22:54 ID:poSiFBWh
>>204
>>228

これまた管理局があっさり蹴散らされそうなクロス元だなぁw
主人公の戦闘力もそうだが、所有している戦艦もエルトリウム並に強力だし。
最終決戦の場に迷い込んだなら、ゆりかごをカトンボ扱いで撃墜しかねんw
230名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 23:36:45 ID:tUJifckI
ライダークロスが多い中、A's+電王で執筆中だったり…。
うpが今月中に数話投下出来る様に!
色々不安だけど頑張ってみるって事ですよ。
231名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 23:40:19 ID:W5oupxQu
ここのスレでゆりかごは衛星軌道上にあがるとめっさ強いって設定でSS投下したらフルボッコにあいそうだな
232名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 23:43:35 ID:HGPrA6q/
>>231
装甲は紙だが、火力だけは一級品だぜフゥハハハー!!!

なので、運用の際には護衛艦が必要不可欠

ガジェットしかいねーよ(´・ω・)

やっけくそー!(キーボードクラッシャー的な意味で)

とりあえず俺はこういう感じで書こうと思ってた
233名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 23:43:46 ID:D3pZelUG
いいこと思い付いた



ラピュタとクロスさせよううん
234名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 23:45:14 ID:VmEipHX4
>>231
そもそも、ゆりかごは例え月の魔力を受けても、ミッドチルダ地上を人質に取らないと本局艦隊に負けてしまうんです。
235名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 23:50:55 ID:W5oupxQu
>234
そういう設定があったのか。
それは知らんかったな。
どこで出てきてたんだろう。
236名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/10/17(水) 23:50:57 ID:HV7/XzXx
管理局本局艦隊に勝てる戦艦といえば星舟か新轟天号かヤマトぐらいだな。
237名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 23:57:08 ID:VmEipHX4
>>235
スカが真の力発揮+地上を人質で本局艦隊とやりあうつもりだったんだから、
その程度の能力ってことだろ。
238名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/17(水) 23:59:42 ID:eI8o9Qzl
>>230
頑張れ。楽しみにしてるぜ。

そういう自分はウルトラナノハXを執筆中。
挫折気味。
239名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/18(木) 00:02:10 ID:CYRxHuNm
セブンエックスはちっとばかり叩かれ杉だと思う
240名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/18(木) 00:02:44 ID:SBW/qWBw
>>236
つ超銀河ダイグレン
241名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/18(木) 00:07:01 ID:0WJB1myn
>>236
つレヴァイアサン@終わりのクロニクル
単艦でも多分余裕。
242名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/18(木) 00:08:32 ID:lP4Ej5rp
>>236 ♪宇宙の海は〜 おれの海〜 おれのはてしない 憧れさ〜
243名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/18(木) 00:10:08 ID:A0Wm2RCh
JING以上に戦闘とは縁の無いものとのクロスを考えてるけど、なのはキャラがほぼ一人しか出てこない…
フェルネラントINユーノなんて誰も分からないだろうし。

そういえばギャルゲ、エロゲのクロスってデモベの方以外に誰かいたかな?
244名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/18(木) 00:10:21 ID:ITBisA7R
もし、ゆりかごがそんなにTueeee!なら、何故スカは研究所にいたままだったのかという疑問もわいてくる…
245名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/18(木) 00:13:22 ID:YnlPU5yQ
みんなで研究所ごとゆりかごに引っ越せば良かったのにね
246名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/18(木) 00:14:49 ID:q/2/YKYu
理屈と膏薬はどこにでも貼れると言うから、ゆりかごが強いという理屈付けもできんことはない。
ゆりかごを強く書きたい作者さんが萎縮しない程度に議論したいものだ。
247名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/18(木) 00:15:10 ID:7z0Kt44+
ゆりかごは研究施設が十分じゃなかったんだろ
まだまとめ終わってないから残ってたんじゃないか?
248名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/18(木) 00:15:27 ID:ITBisA7R
>>245
研究所のプールが割れて下からゆりかごが出てくればよくね?
249名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/18(木) 00:20:10 ID:lP4Ej5rp
「ゆりかご」改め「ゆりかごめ」に変更
250名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/18(木) 00:22:46 ID:ITBisA7R
>>246
それは都築さんがちゃんと劇中で描写していれば済んだことなんだよね…
聖王のゆりかごという名前もダサいし。

>>247
サービス残業するサラリーマンかよw
251名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/18(木) 00:24:13 ID:YnlPU5yQ
ゆりかごがトランスフォームすれば良いんじゃねーの
252名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/18(木) 00:24:42 ID:MI4GfjAY
>>248
ヤシの木が倒れてゆりかご4号の入った輸送コンテナ付きのゆりかご2号が発信したり、
ゆりかご3号が宇宙まで飛んで衛星軌道上の5号とドッキングしたりしますか?
253名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/18(木) 00:29:03 ID:ITBisA7R
>>252
研究所にはナンバーズの肖像画が飾ってあり、通信の際に目がピコーンピコーンと光ります。
254名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/18(木) 00:40:49 ID:N+y03B79
なんつーか
5(チンク)4(クアットロ)3(トーレ)2(ドゥーエ)1(ウーノ)……シュゴォォォ!(ゆりかご一号噴射音)
Numbers.are Go! だね……

そうか、スカは次元救助隊をやりたかったんだよ!!

六課一同「な、なんだって(ry
255名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/18(木) 00:42:58 ID:7z0Kt44+
最終決戦の後に行方不明になるシモン
ミッドチルダに転移し
ラガンインパクトでゆりかごと合体
溢れんばかりの螺旋力により超魔法合体ユリカゴグレンラガンに
ヴィータの破壊しようとした機関部は超螺旋エンジンに変形
ガジェットの武装もドリルになる

妄想垂れ流して御免
256リリカルスクライド//G.U. ◆etxgK549B2 :2007/10/18(木) 00:45:09 ID:K9uLrIMh
一先ず一言…
雑談は雑談スレで(^-^)凱兄ちゃんとの約束だぞ!
257名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/18(木) 01:09:21 ID:qxNqwAln
誘導
リリカルなのはウロスSS雑談2
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1190729406/
258名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/18(木) 01:10:58 ID:hZg4phJM
>超魔法合体ユリカゴグレンラガン
せめて揺りかごを英語に(笑
それだったら本局と合体して地上合体ミッドグレンラガンか
本局と合体して時空合体クロノグレンラガンとか。
相手はアンチスパイラル残党とか、無量大数の戦闘メカがいるんだから残って
使命を果たし続けるのが出てもいいでしょう。
259名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/18(木) 01:23:21 ID:A0Wm2RCh
いや誘導するならこっちだ
リリカルなのはウロスSS雑談3
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1192629485/
260名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/18(木) 01:33:17 ID:YRMlRVKc
>>259
まだ2埋まってないじゃん
261名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/18(木) 07:29:55 ID:wNq2vNst
某所の4コマのごとく聖王の勉強机とか聖王の学生服とかあったら多分吹くw
262コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/18(木) 17:01:07 ID:qNZC8Gq+
たった今3話完成しました。うpしてよろしいですね?
263名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/18(木) 17:04:30 ID:5fu6pvPK
待っていました、支援します
264コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/18(木) 17:07:37 ID:qNZC8Gq+
STAGE3 蒼き鋼鉄乙女

「――マッハキャリバー・セットアップ!」
『Stand by ready.』
スバルの周囲を閃光が包んだ。
光の中で、スバルが身にまとっていた衣服が瞬時に分解される。
そして、素肌をさらした身体に新たな服が付与されていった。
ジーンズの短パンに、身体にフィットした黒いへそ出しノースリーブ。
更にそこへ、コート裾のような形の長い腰布と、肌着と同じくへそまでの高さの長袖ジャケットが加わる。
装着されるのは衣服だけではなかった。
右手には2段のスピナーを組み込んだ鋼の籠手、両脚にはエンジン仕掛けのローラーブレード。
更に頭に白く長いハチマキが巻かれ、全ての装備が整った。
この服こそがバリアジャケット――「魔法少女」としてのスバルの仕事着だ。
気絶させた男をトイレに閉じ込めると、スバルは足元の相棒へ呼び掛けた。
「全速力で飛ばすよ、マッハキャリバー!」
『All right.』
「GO!」
掛け声と共に、ローラーブレード型インテリジェントデバイス・マッハキャリバーが凄まじい速度で走り出す。
スバルはその超速度を巧みに操り、カーブをかけ、ホテルの屋上目掛けて階段を登っていった。
「!? 何者だ!」
当然見張りが全くのゼロというわけではない。
スピードをつけた拍子に階段から廊下にはみ出たところを、数人のテロリストに見つかってしまった。
内心で舌打ちをしながら、スバルはテロリスト達の方へ向かう。自分のことを報告されては、動きづらいことこの上ない。
「このっ!」
戦闘意志を見い出したテロリスト達は、即座にスバルへ向けてサブマシンガンを連射した。
『Protection.』
しかしその弾丸の全ては、右手から出現した光の盾により、ことごとく弾かれる。
テロリスト達が呆気にとられた次の瞬間、
「だあぁぁーっ!」
懐に入ったスバルの痛烈なパンチによって、あっという間にのされてしまっていた。
しかし、本当なら見つからない方が都合がよかったのである。故にスバルの機嫌はよくなかった。
「…あーもう! やっぱあたしってホテルとは相性悪いのかなぁ…」
『偶然ではないでしょうか』
スバル達が話しているのは、ミッドチルダでのとある戦闘の話である。
かつてスバル達フォワード部隊は、ホテル・アグスタというホテルの防衛任務に就いたことがあった。
あの時は仕事第一で、ホテルそのものを楽しむ余裕はなかった。
加えてその仕事でも…
――おめーら2人ともすっこんでろ!
要するに、そこで色々あったのである。
そして、今度はこのホテルでもこの有り様だ。
「まだ手を付けてないテーブルが2つもあったのに…アイツらに食べ物の恨みの恐さ、たっぷり思い知らせてやる!」
やけっぱち気味に叫ぶと、スバルは再び階段へと戻った。
265コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/18(木) 17:08:51 ID:qNZC8Gq+
「今何と言った!?」
それからしばらくの後、スバルのいなくなったパーティールームでは、困ったことになっていた。
テロリストの1人が生徒会メンバーの目前を通った時に、怯えたニーナが思わず呟いてしまったのである。
「イレヴン」と。
「イレヴンだと!? 我々は“日本人”だっ!」
「ひっ!」
逆上したテロリストが銃を向ける。
当然の結果だ。彼らの過剰なまでの愛国心と、ブリタニアへの敵愾心は、イレヴンなどというふざけた蔑称を許すはずもなかった。
「分かってるわよ! だからやめて!」
「訂正しろ! 我々はイレヴンなどではない!」
「訂正するから!」
「何だその言い方はぁっ!」
ミレイとシャーリーはテロリストの凶行を止めようとしたが、かえって相手の怒りを買ってしまう。
「お前達隣まで来い! じっくり教え込んでやる!」
「嫌っ! いやぁぁっ!」
ニーナが普段では絶対発しないようなヒステリックな叫びを上げる。彼女は完全にパニック状態となっていた。
「立たんかこらぁ!」
テロリストの手がニーナの腕を掴む。
その時、人質の中から、すっと立ち上がった者がいた。
「おやめなさい!」
「何だ貴様!?」
思わずテロリストはニーナを振り落とす。
立ち上がった人物は、恐らくシャーリー達と同世代の少女。
顔にかけた眼鏡は地味なものだったが、その奥に覗く青い瞳と、腰まで伸びた桃色の髪は、どこか高貴な雰囲気をかもすものだった。
そしてその雰囲気は、一介の貴族に過ぎないミレイのものとはまた違っていた。たとえるなら…
「わたくしを、貴方達のリーダーに会わせなさい」
「何ぃ!?」
「わたくしは、ブリタニア第3皇女ユーフェミア・リ・ブリタニアです」
パーティールームは騒然となる。
ユーフェミアと言えば、現総督コーネリア・リ・ブリタニアの妹であり、自身も副総督の地位についている少女だ。
そして、それを抜きにしても、何よりブリタニアの皇女であることが驚きであった。
「貴方、大丈夫? 怪我はない?」
どよめきの中で、ユーフェミアはニーナへと声をかける。
「…はい…」
未だ困惑した様子のニーナは、何とかそれだけを答えた。
266コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/18(木) 17:10:39 ID:qNZC8Gq+
話をスバルの視点に戻そう。
彼女は今、人質を突き落とすためのメンバーが立つ屋根で、物陰に隠れていた。
(あまり端の方に出すぎると、外のテレビカメラとかに姿を映されちゃうかもしれない…)
はやる気持ちを抑えながら、スバルは考えをめぐらせる。
パーティールーム脱出に至るまで、既に3人もの人質がそこで殺害されていたのだ。
(なら、真ん中の方までおびき出す!)
決断するや否や、スバルは勢いよく物陰から飛び出した。
「ん!?」
マッハキャリバーの音に気付いたテロリスト達が振り返る。
「大人しくこっちまで来なさい。相手したげる!」
スバルが威勢よく宣言した。
「脱走か!? 何を生意気なっ!」
テロリストの1人がマシンガンのトリガーを引く。
しかし、またしても弾丸は光の盾に弾かれ、カラカラと虚しい音を立てて足元に落ちた。
防御魔法・プロテクション。
スバルの右腕に装着されたアームドデバイス・リボルバーナックルから展開されるシールドは、
ヴォルケンリッターの突撃娘・ヴィータから好評価を受けるほどの防御力を有している。
「おのれぇ!」
その場の全員がスバルに向けて発砲することになったが、その程度では傷1つつけられはしない。
やがて弾切れとなったテロリスト達は、腰からアーミーナイフを引き抜き、スバルへと斬りかかる。
だが、それが彼らの不運だった。スバルはまさしく接近戦こそが本領の魔導師なのだ。
「ふんっ!」
向かってきた1人の腹に強烈な右ストレートをお見舞いし、続く2人目を左脚で蹴り飛ばす。
「そりゃあっ!」
更に脇へと回り込んだ3人目に向かって、未だ右手に預けられていた1人目を投げ飛ばす。
ひるんだところへ突っ込み、駄目押しのかかと落とし。
「ひぃ…!」
あっという間に3人の仲間全員を気絶させたスバルに恐れをなした最後の1人は、下の階へ逃げようとする。
だが、スバルはそれを逃がすような間抜けではなかった。
マッハキャリバーで一気に加速をつけて追いかけると、勢いよくテロリストめがけて跳びかかる。
そのまま背後から馬乗り状態で組み伏せると、後頭部へリボルバーナックルを突きつけた。
「草壁中佐の居場所は?」
スバルは淡々とした声音で尋ねながら、脅し代わりに、右手のナックルスピナーを回転させた。
怯えるテロリストは、簡単に居場所を吐いた。どうやらここから数階下ったところらしい。
それを聞いたスバルは、
「えいっ」
殴って気絶させた。
267コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/18(木) 17:11:48 ID:qNZC8Gq+
「――私と手を組むつもりはないか?」
ルルーシュ・ランペルージは「ゼロ」である。
ゼロ。漆黒のマントに身を包み、異様な仮面を顔に着けた、正体不明のテロリストだ。
ある時はレジスタンス鎮圧部隊を壊滅寸前に追い込み、ある時はエリア11の総督を務める皇子を殺害し、
またある時は奇跡の大脱出劇を演出した。
目立ちたがり屋と批判する者もいれば、稀代の切れ者と感心する者もいた。
全てが謎に包まれた存在であるこの男は、常に話題の中心にあった。
ゼロとしてのルルーシュの名は、エリア11中にとどろいていたのだ。
何故彼はこんなことをしているのか。その理由はルルーシュの経歴によるものなのだが、今は伏せておこう。
「ならば素顔を見せてもらおう、ゼロ。無礼であろう」
豊かなヒゲを蓄えた厳つい風貌の男――草壁が威圧的な声で言う。
今、ルルーシュは、ホテルの草壁の部屋にて彼と対話を行っていた。
ホテルを囲うブリタニア軍の前に突如として姿を現したルルーシュは、総督コーネリアとある取引をし、この場へやって来たのだ。
「自分がユーフェミアを救う」という取引を。
コーネリアは妹ユーフェミアを溺愛していた。だからこそ、今までこのホテルを攻めあぐねていた。
女傑と謳われた彼女は、その気になればホテルを取り戻すことも――人質を犠牲にすることもできたのである。
しかし、愛する妹が人質の中にいる以上、おいそれと手を出すことはできなかった。そこへ現れたのがルルーシュだった。
「分かった。しかしその前に聞かせてほしい」
ルルーシュは堂々とした様子で言葉を紡ぐ。とても学生とは思えないほどに。
「お前はこの行動の果てに、何を求めている?」
「知れたこと…日本人がまだ死んでいないことを、内外に知らしめるのだ!」
「古いな」
ルルーシュは内心で嘲笑する。
「お前達は古い。もう救えない」
「!?」
「きっ、貴様ぁ!」
護衛の2人のテロリストが、ルルーシュへピストルを向けた。
「どういう意味かな、ゼロ?」
対する草壁は冷静だ。
「中佐の元に、先ほど連絡した人質を連行しました。ユーフェミアと名乗っていますが…」
扉の向こうから、そのやりとりが聞こえてきたのはその時だった。
パーティールームのテロリスト達が、ユーフェミアを連れてきたのだ。
(何?)
部下に人質共々保護に向かわせているはずのユーフェミアが、ここへ連れられてきた。
当然、ルルーシュは一瞬そちらへ気を取られる。
「ゼロ! もはや問答無用ぉぉっ!」
その隙を知ってか知らずか、草壁は懐の日本刀を抜き放ち、ルルーシュへ向かって斬りかかる。
ルルーシュは、しかし冷静にシャッターを開け、フルフェイスの仮面から「左目」のみを露出させた。

――死ね。
268コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/18(木) 17:13:00 ID:qNZC8Gq+
数十秒後、ルルーシュは何事もなかったかのように、室内でユーフェミアと対面していた。
もっとも、彼女は部屋に入った時に相当驚く羽目になったが。
まず、部屋の中にはルルーシュ――つまりゼロ。
そしてそこにいる草壁達は、彼曰く「行動の無意味さを悟り自決」していたのだから。
「副総督に就任されたと聞きました、ユーフェミア皇女殿下」
「喜ぶことではありません」
慇懃無礼な言葉の裏を読み取ってか、ユーフェミアは反論する。
「そう。クロヴィスが死んだからですね。私が殺した…」
クロヴィス・ラ・ブリタニア。その名前こそ、ルルーシュが殺害した皇子の名だった。
「彼は最期まで私におもねり、命乞いをした。イレヴンを殺せと命じたその口で」
「だから、兄を殺したのですか?」
ユーフェミアの瞳が怒りに震える。
いかに死の直前にレジスタンス虐殺の命令を下した男とはいえ、実の兄を殺されて平気な者などいない。
「いいや」
しかし、ルルーシュは間髪入れずにそれを否定する。
「では何故!」
「あの男が、ブリタニア皇帝の子供だから」
「え…?」
ブリタニア皇帝の子供だから…全くわけの分からない返答に、ユーフェミアは困惑する。
「そういえば、貴方もそうでしたね」
戸惑うユーフェミアの顔へ、ルルーシュはマントの中から取り出したピストルを向けた。
「!」
「ユーフェミア・リ・ブリタニア」
ルルーシュが、感情のこもらぬ声でその名を告げる。

「リボルバァァーッ! シュゥゥゥゥゥートッ!!」

轟音と共に煙が舞ったのは、その瞬間だった。
「!?」
「何だ!?」
振り返った両者は、そこで信じられない光景を目にする。
煙は天井から上がっていたのだ。ただの天井ではない、大きな風穴の空いた天井から。
そして、煙の中には、1人の少女が立っていた。
その少女こそ、攻撃魔法・リボルバーシュートで派手に天井をブチ破り、部屋に侵入してきたスバルである。
(馬鹿な! スバルだと!?)
当然、仮面の下のルルーシュの顔は、この出来事に驚きを隠せなかった。
彼女は人質として、パーティールームに囚われていたはずだ。それが何故ここに現れたのか。
そして、当のスバルは両者を確認すると…
269コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/18(木) 17:14:10 ID:qNZC8Gq+
「ええ〜っ!? 何でここにユーフェミア様がぁ!?」
素っ頓狂な声を上げた。
まだ地球の事情には詳しくないスバルだが、ユーフェミアのことは知っていた。
生徒会メンバーとの何かの話の折に、偶然名前が出てきたのだ。
同時に顔写真も見ることができたので、ユーフェミアのことを記憶していたのである。
「あ…どうも…」
一方、この非常識な展開が全く理解できないユーフェミアは、何とかそれだけを返した。
スバルは改めて周囲を見回す。そして状況を理解すると、ルルーシュに――ゼロに問いかけた。
「アンタは誰? 日本解放戦線の黒幕? 草壁中佐は何でか自殺してるみたいだけど…ユーフェミア様をどうする気?」
目の前のいかがわしい人間からの返事はない。沈黙だ。
それもそのはずだった。ルルーシュの頭の中は、様々な疑問が渦を巻くカオスと化していた。
(…こいつ、俺を…ゼロを知らないのか?)
ありえない話だった。ゼロは今やエリア11で名を知らぬ者はいない有名人である。
進んで調べようとせずとも、自然と情報が流れてくるような人間だ。知らない者がいるはずがない。
(いや…そんなことは些細なことだ。
 …何故だ?
 何故こいつはパーティールームから脱出できた?
 何故こいつは天井を破って侵入するという手段をとった?
 何故そもそもこいつは天井を破ることができた?
 何故そんなコスプレか何かのような格好をしているんだ?)
天井から侵入した理由は一応想像できた。
今外には自分の部下を待機させている。
今までの連中とは明らかに装いの異なる者達がいたとなれば、面倒にならないようにそれを避けたいと思うだろう。
だがそれだけだ。ルルーシュに分かったことはそれだけだった。
何故、何故、何故…ルルーシュの頭から、「何故」という言葉が泉のように湧き出してくる。
「…安心したまえ、ただのジョークだ。今はまだ殺しはしない。今は、な。それより…」
そしてそれらの何故は、最終的に1つの言葉に集約された。
「君こそ何者だ?」
こいつは何者なのか。
もはやそこから問いただすことでしか、このわけの分からない転入生のことは理解できそうになかった。
「答えらんない」
スバルは拒否する。
反応を見たところ、スザクのようにブリタニア軍人というわけではなさそうだった。であれば隠す意味がない。
こんな時、ルルーシュに取れる手段はただ1つだった。
左目のシャッターを開く。先ほど草壁に「死ね」と「命じた」時のように。

――どうしても、といっても駄目か? 是非とも君の正体を知りたいのだがな。

一瞬、それこそ誰も気にしないような間だけ、ルルーシュの瞳が光ったような気がした。
270コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/18(木) 17:15:20 ID:qNZC8Gq+
「…悪いけど、どうしても駄目。秘密なんだ」
スバルは確かにそういった。
「…そうか…」
ルルーシュの言葉に、微かな揺らぎが生じた。
今、仮面で隠されたルルーシュの顔は、先ほどの驚きが吹き飛ぶかのような、凄まじい驚愕に彩られていたのである。
(どういうことだっ!? 「駄目」だと!? 何故奴は「従わない」!?
 こいつには…俺の「ギアス」さえも通用しないというのかっ!?)
ギアス――仮に言葉に出ていれば、誰もが理解できなかったであろう単語が、ルルーシュの脳裏に浮かぶ。
このホテルで、ルルーシュだけが知っている、そのギアスとは――
「…!?」
「うわっ、うわうわうわうわ!?」
突然、足場が揺れた。
まるで地震か何かでも起こったかのような、物凄い振動である。ルルーシュは反射的に窓際へ駆け寄り、下を見下ろす。
否、このホテルは揺れていたのではなく、沈んでいたのだ。
(ブリタニアが基礎ブロックを破壊したのか…!)
ふと、視線を正面に戻すと、そこには1つの物陰があった。
途端、ルルーシュの表情は驚きから、憎悪へと切り替わる。
(…あいつは…!)
それはナイトメアだった。
ブリタニア軍第7世代ナイトメアフレーム・Z-01「ランスロット」。
人型ロボットであるナイトメアの中でも、目の前のその試作機は、とりわけ我々がアニメ等で目にするロボットに近かった。
全身にまとった装甲の色は白。ところどころに、中世騎士の服の刺繍のように金のラインが施されている。
何より最も印象的なのは「顔」だった。
通常、ナイトメアには頭があっても顔はない。その部分は、「ファクトスフィア」と呼ばれるセンサーカメラが占めている。
だがこのランスロットのファクトスフィアは胴体にあった。
そしてその頭には、瞳のようなツインアイとフェイスマスク。角がV字でないことを除けば、某機動戦士を彷彿とさせる顔があったのだ。
「すっご…」
スバルにとっては初めて間近で見るナイトメアだった。
それだけに、このインパクトは強烈だろう。目の前の兵器は、兵器にしては、あまりにもカッコよすぎた。
コーネリアは、ルルーシュを囮にしていた。
実はこのコンベンションセンターホテルには、資材搬入用の地下トンネルという、唯一ナイトメアが突入できる場所があった。
今までそこを使わなかったのは、そこに強力な対ナイトメア散弾砲「雷光」が設置されており、
外部からの侵入者を残らず撃ち落としていたからである。要するに、やったはやったが無駄に終わったのだ。
そこで草壁がルルーシュに気を取られている隙に、
一般的に普及しているナイトメア「サザーランド」の実に2倍もの機動性を誇るこの機体で雷光に陽動を仕掛け、
その隙に他のナイトメアに地下の基礎ブロックを破壊させてホテルを水没、
人質のいるエリアを地上の高さまで下げて救出する、という作戦を取ったのだ。
もっとも、この機体は陽動だけでなく、ブロックの破壊までもやってのけたのだが。
ある理由でランスロットを使うことを避けていたコーネリアにとっては、苦肉の策だった。
そして、ランスロットを嫌っていたのはルルーシュも同様だ。
奴には勝利したはずの戦闘で、全てのナイトメアを破壊されたのだ。単独で大逆転されてしまったのである。
「あの時の白兜か…!」
忌々しげに吐き捨てると、ルルーシュは懐から何かのスイッチを取り出し、押し込んだ。
271コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/18(木) 17:16:29 ID:qNZC8Gq+
今度は、ホテルの上部分のフロアが一斉に爆発した。
ルルーシュが前もって部下に配置させていた爆弾が、彼のスイッチによって起爆していたのである。
爆発によっておかしな方向への勢いをつけさせられたホテルの落下軌道は歪む。
更に勢いによる加速も相まって、地下空洞に壁を叩きつけられたホテルは、建物全体に深刻な被害を受けた。
人質は助からない。
コーネリアが、その部下達が、マスコミが、トウキョウから中継を見ていたなのは達が…誰もが確信したその時だった。
崩れゆくホテルの脇から、1隻の白い船が姿を現した。
船の上に当の本人が乗っていることから、それがゼロの船であることは容易に類推できる。
すぐさまテレビのカメラがゼロに当てられた。エリア11全域に生中継されているニュース番組に、でかでかとゼロが映し出された。
「――ブリタニア人よ」
それを待っていたかのように、ゼロは――ルルーシュは口を開く。
「動じることはない。ホテルに囚われていた人質は、全員救出した。貴方がたのもとへお返ししよう」
別カメラが撮っていた、船に並走するゴムボートが映される。
シャーリー、ミレイ、ニーナ…皆無事に救出されていた。ルルーシュと共にいたユーフェミアと、元の服装に戻ったスバルもだ。
自作自演。
しかし、この爆発は、日本解放戦線による自爆を装った自作自演だ。
救出された人質は、軍がゼロに手を出せば、また人質に逆戻りとなってもおかしくなかった。
と、ルルーシュの左右をスポットライトが照らした。
そこに並んでいたのは、ルルーシュの部下達。一様に黒いジャケットを着込み、黒いバイザーで目元を隠していた。
「人々よ――我らを恐れ、求めるがいい!」
ルルーシュは、先ほどまでとはうって変わった強い口調で言い放つ。
「我らの名は、『黒の騎士団』!」
レジスタンス鎮圧作戦に介入して以来、初めてゼロが組織を名乗った瞬間だった。
「我々黒の騎士団は、武器を持たない全ての者の味方である!
 イレヴンだろうと、ブリタニア人だろうと!
 …日本解放戦線は、卑劣にもブリタニアの民間人を人質に取り、無惨に殺害した。
 無意味な行為だ…故に、我々が制裁を下した。
 クロヴィス前総督も同じだ。武器を持たぬイレヴンの虐殺を命じた。
 このような残虐行為を見過ごすわけにはいかない。故に制裁を加えたのだ。
 …私は戦いを否定しない。しかし、強い者が弱い者を一方的に殺すことは、断じて許さない!
 撃っていいのは、撃たれる覚悟のある奴だけだ!
 我々は、力ある者が力なき者を襲う時、再び現れるだろう。たとえその敵が、どれだけ大きな力を持っているとしても。
 …力ある者よ、我を恐れよ! 力なき者よ、我を求めよ!
 世界は! 我々黒の騎士団が…裁く!!」
悪と戦う正義の味方のように、しかし、同時に混乱を誘う魔王のように、ルルーシュは宣言した。

「…ゼロ…黒の、騎士団…」
スバルはただ、それをゴムボートの上から見つめ、口の中で繰り返していた。
272コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/18(木) 17:17:40 ID:qNZC8Gq+
というわけで3話うp。…やー疲れたorz
このエピソードは文庫小説版では書かれていないので、いちいちようつべで観て台詞とかを調べる必要があったんです。
次回からはギアス本編とは関わりが薄いので、何とかなりそうですけどね。

ちなみに、人質達はコミック「ナイトメア・オブ・ナナリー」準拠でパーティールームにいるということになっていますが、
本編では食糧庫だそうです。これから本編を見る予定の方々は一応記憶にとどめておいてくださいませ。

それでは、今回はこれで。
273名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/18(木) 17:58:51 ID:m5L8GJFx
GJ!
なんでスバルにはギアスが効かなかったのか、この後の展開が非常に気になってきました。
274名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/18(木) 18:57:15 ID:Brxn1A3t
GJです!

やっは、戦闘機人にはギアスが効かないのか。
275名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/18(木) 20:08:42 ID:m5L8GJFx
今日は人が少ないな・・・・
276リリカル龍騎 ◆l5ZL/l4pJY :2007/10/18(木) 21:57:17 ID:CpEwpKIF
職人の皆様GJです

>>◆sP9nVRi1sI氏
白兎トーレとは…どうすればそんなやばそうなもの思いつくんですか…
ってシルバー兄さんキター!胴体にブリューナク、これならそう簡単に再生は…

>>ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは氏
ガディバが憑いた闇の書…果たしてどんな状態になるのやら…
ヤプー…じゃなくて、黒い奴と組むとは…勇者仮面終了フラグが(ry

>>リリカルスクリーム氏
ちょ、生身の人間にガトリングって…ヘッドストロングなにしてんですかw
チンクベースのスティングホークが「経国(チンクオ)」…うまい、座布団一枚

>>コードギアス 反目のスバル氏
テロリストはさぞかし怖かったでしょうね…スバルみたいな超人相手にすることになったんですから…
しかしルルーシュのギアスが効かないとは…やっぱり戦闘機人だからでしょうか?
277名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/18(木) 22:01:33 ID:ACiHZtn7
>>276
スバルの目がジーグのようにカメラアイならギアスは効かないっすね。
278名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/18(木) 22:03:58 ID:RY19KlSs
>>272
GJです!
続きも期待しています!!
279名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/18(木) 23:16:02 ID:Ya3B3cim
GJ!!
スバルは誰に反目するんだろう?・・・話が進めばわかるか。
280名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/18(木) 23:20:14 ID:SBW/qWBw
スバルがハンモック吊るんじゃないの?


ごめん言ってみただけ
281名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/18(木) 23:59:15 ID:m5L8GJFx
ハンモックって吊るの難しいんだよな昔、木にハンモックをくくりつけて寝たら
一回転して頭から落ちて病院に行った記憶がある。
282コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/19(金) 00:14:37 ID:ZBgt5SsN
STAGE3.5 アナザーストーリー・オブ・コードギアス〜仮面の決闘

「HAHAHAHAHA! 私の名は正義の味方マッスル・ゼロ! 力なき者よ、我を求めるがいい!」
「おのれ怪人マッスル・ゼロ! お前のやり方では、本当の平和は得られないんだぞ!
 変身…とうっ! ランスロット仮面、見参!」
「フッ、出たな偽善者ランスロット仮面! 今日こそ貴様を地獄に送ってやる!」
「地獄を見るのはお前の方だ! くらえ! ランスロットピストル6連発!」
「HAHAHAHAHA! 無駄だ無駄だ! 私のゼロ筋肉に鉄砲玉など効かん!
 たとえ食らっても、ジュルッて感じに身体の外へと吐き出すのだ!」
「おのれマッスル・ゼロめ!」
「今度はこちらの番だ! 気付いたら視界から消えているゼロテレポート!」
「何!? 本当に気付いたらいつの間にか消えている! おのれ、どこだマッスル・ゼロ!」
「私はここだ! いくぞ、ゼロパーンチ!」
「ぐはぁー!」
「HAHAHAHAHA! もう勝負がついてしまうとはな」
「いや、まだだ!」
「何だと!?」
「俺のランスロット仮面スーツは、この程度のパンチではへこたれないぜ!
 くらえ! ランスロットキーック!」
「ぬわぁー! おのれランスロット仮面…だが、私のゼロ筋肉もまだ死んではいないぞ!」
「勝負は振り出しに戻ったな」
「フッ、そのようだ」
「なら、改めていくぞ! 覚悟しろ、怪人マッスル・ゼロ!」
「来い、ランスロット仮面!」
「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」」









「うわああああああああああああああああああ!」
スバルがベッドの上で、ガバッと上体を起こした。
「…夢…?」



おとーさん、ギン姉へ。

とても恐ろしい夢を見ました。







出典:「コードギアス 反攻のスザク」(ランスロット仮面)、「コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー」(マッスル・ゼロ)
283コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/19(金) 00:18:00 ID:ZBgt5SsN
何書いてんだ俺はぁ!orz

えーっとですね、「マッチョゼロとランスロット仮面マダァー?」としつこく催促してくる輩がいやg…ゲフンゲフン、いらっしゃったので、素直に従ってみました。
以上、言い訳終わり。どうせ俺はどうかしてるよ…
まとめさん、アナザーストーリーと銘打っておりますが、一応本編の項目にそのまま入れちゃってくださいませ。
284名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 00:25:26 ID:JykrI0+o
>>282>>283までまとめてひとつの作品。
それ以外は読者としてみとめないwww
285名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 00:39:26 ID:2/gWnHuA
そこに本編のサイボーグオレンジが加わったらよりカオスなことになるなw
286名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/19(金) 00:39:31 ID:dqoieYeQ
なにこの虎馬になりそうな悪夢は!?
287名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 00:39:58 ID:oZqDiAdH
>>272
スバルの目は恐らくレンズ、中身もカメラみたいなもんだろうから
ギアスの発動条件からは外れるかな? 次もwktk
288名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 06:04:55 ID:GRfailhp
あれ?カメラ越しに見てもギアスって発動しなかったっけ?
289名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 06:09:06 ID:3Hfpzv4y
ルルーシェがスバルの体の構造を理解してないってのが原因かな?
構造を理解していつもより意識的にすれば結果は変わりそう
290名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 16:40:36 ID:LOb8JxY/
カメラ越しには効きません
291名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 19:04:18 ID:0Rvj7UVY
新しい職人も増えてきたな。今日辺りEDF氏が来そうだし、
週末は対価も払えそうだ。でも来なくなった人も多いのが寂しいところ。
292名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 19:23:02 ID:q4TLhCLn
>291
賑わっているから続きを投下しないという俺みたいな奴もいる訳で・・・
293名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 19:34:16 ID:LISo9dW/
俺は今日投下される予定のマスカレードに期待してる
294名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/19(金) 19:41:02 ID:dqoieYeQ
とりあえず俺はEDF氏のスーパークロノお先真っ暗タイムを期待している。
295名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 19:42:37 ID:I4rOQJj1
>>294
ユーノが転送魔法で救いにくるよ。
ユーノは男だって喰っちまう淫獣だから。
296名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 20:03:53 ID:lOLF/N5o
ユーノきゅんは喰われる側よ!
297名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 20:12:23 ID:3RnJgTUh
はいはいシャマルさん、いっしょに雑談スレかユーノスレに帰りましょうね
298リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/10/19(金) 20:12:43 ID:RUmerPac
自分はテスト近いから投下はどんなに早くても来週の土曜くらいですかねえ。
555劇場版のクロス早く書きたいけどもう少し進めてからじゃないとなあ。
299名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 20:14:00 ID:xJFCwyZh
>>298
学生なのか、お疲れ様、来週の土曜を楽しみにしている
300×DOD:2007/10/19(金) 20:37:38 ID:G8p/y3/9
にょろっと通ります。
7レス程。
301名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 20:38:22 ID:I4rOQJj1
赤ちゃん支援!
302×DOD 二章一節 1/7:2007/10/19(金) 20:40:20 ID:G8p/y3/9
 腰が抜けるかと思った。
 辛うじて踏みとどまったのは、普段からフリードリヒの、竜の顔を見慣れているからに過ぎない。今度美味しいお肉を
ご馳走しようと、そもそもこの状況を招いた張本人だとも忘れて感謝する。
 白い翼の小さな相棒。話に花が咲いていた事もあり、居なくなったと気付いたのは昼食が済んでからだった。その目撃
情報を追ってやってきたのは、寮のある都市部から外れた森の中。
 午後は教官のなのはがくれた自主訓練の時間だったため運がよかった。今までこんなことはなかったのにと疑問に思い
ながら、ここのところ訓練ばかりで遊んであげられなかったからかなと後悔しつつ、これも索敵能力の訓練のうちだと言
い聞かせて駆け足で森を突き進んでいたのだが。

「この竜はおぬしの連れか」

 少し開けた草原に出てまず見たのは、火に獣の脚をくべる男とその肩で物欲しそうに見ているフリードリヒの影。
 そして三日前に何処からともなく現れて去った、昼の話にも出たあの真紅のドラゴンの姿であった。尻もちをついてし
まいそうになったのは、森の陰から抜けた時にぬっと現れたその顔を真正面から直視してしまったからである。

「は、はい…えと、そのっ」
「連れ行け。探しておったのだろう」

 探知の魔法もまだ使っておらず存在に気付くこともなかったため、キャロの驚きは並大抵ではなかった。
 普段ならすぐ答えられそうな問いにも一瞬言葉が詰まってしまう。しかしドラゴンも男もそんなことを気にした様子は
なく、ぐるぐると回り始めた頭ではあったが、悪い人じゃないのかなとそれだけは思った。
 カイムは単に興味が無かっただけだが。
 そして竜が促すと、男の肩にとまっていたフリードリヒははたはたと飛んでキャロのもとへ戻ってくる。視線はどこか
名残惜しそうだが、キャロの肩にとまったため彼女からはうまく見てとれなかった。
 まだ焼けていない肉を見ているのだろうか。いや、それとも…

「あ、あの、もしかして三日前…」
「…あの時下にいたのはおぬしらか。やれやれ奇妙な巡り合わせだ」
303名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 20:42:02 ID:9231JQPO
しむらーsage!sage!
304×DOD 二章一節 2/7:2007/10/19(金) 20:42:13 ID:G8p/y3/9
 やっぱり、と思った。ドラゴン自身体内に抑えているのだが、近くに行けば感じるこの途方もなく巨大な魔力の気配は
あの竜に違いない。
 これほどの竜と一緒にいるなんてと思い、ここでキャロは初めて、その傍らにいる男を注視した。
 同族かと一瞬思ったが、彼の出で立ちはそれを否定する。
 背に追う巨剣と腰の大剣、傷だらけの胸当ては戦いを嫌うあの部族にそぐわない。少なくとも自ら剣を握る者は、自分
を追放した時には故郷の人々の中にいなかった。

「あの、竜召喚、ですか?」

 それでも、可能性は否定できない。
 竜を使役できる民族など多くない、はずだ。彼もまた自分より前に、自分のように「力」を忌まれ故郷を追われたかも
しれなかった。
 自分と同じかもしれない、そう思ったのだ。他人に不幸を望むあってはならない感情だが、同時に仲間を求める少女の、
どうしようもない思いでもあった。

「……」

 しかし男は聞き慣れない単語に顔を上げはしたが、口を少し開くとそのまま止まってしまう。
 再び伏せられたカイムの顔には暗い色が浮かんでいた。この事についてドラゴンが負い目を感じているのは知っていた。
…己の望んだことだ。そんなもの、感じる必要など欠片も無いというのに。

「そやつは、口が利けぬ。『契約』の証だ」

 見かねたドラゴンが口を挟む。両者から沈んだような雰囲気を感じてキャロが首を傾げるも、事情を知るわけもない。
疑問はまだ解決していないようで、小さく声に出して呟いた。

「契約…?」
「…心臓を交換する儀式のことだ。力を求めた人間が、己の大切な何かを…カイムの場合は、声を代償にな」

 ようやく全てを悟り、キャロはドラゴンが止めるまでひたすらに謝り倒すのだった。
305名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 20:42:38 ID:I4rOQJj1
子供殺しエルフ支援
306名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 20:43:17 ID:9231JQPO
支援
307×DOD 二章一節 3/7:2007/10/19(金) 20:45:13 ID:G8p/y3/9
 久しぶりの人間とはいえ、カイムは然程興味をそそられなかったらしい。どういうわけか去ろうとしない少女を交えた
静かな食事がすむと、剣士はさっさと何処かに行ってしまった。
 ドラゴンに残した『声』――思念の通信によると、水浴びをしてくるらしい。大きなもも肉を放って投げ、巨大な牙が
それを捕らえるのを見ると一人で森の向こうへ去って行った。

「全く、要らぬというに」

 その声は鬱陶しそうに、しかし心底そうではないのだろうと読むことが出来た。
 竜とは、少なくともカイムたちのいた世界では、神の与えるあらゆる試練に耐える魂を持つ者。食事などなくとも行動
に支障をきたすことはほとんどないのだ。
 しかし、そうは言っても悪い気はしない。
 ドラゴンにとって、カイムという人間は不思議な居心地のよさを持っていた。今の行動も本来は不要のはずだが、それ
でも決して不快ではない。言葉面はぶっきらぼうなものであったが、声にはそんな情が滲み出ていた。少なくとも、キャ
ロはそう見てとった。

「さて、聞こうか」

 そして、だからこそ、ドラゴンは人間という生き物に一定の価値を認めている。
 カイムの鮮烈なまでの負の感情に興味を持って契約を許し、そして今ではそれを背に乗せることに誇らしささえ覚えて
いる。勇気を貰ったこともあった。人を見下していたかつての己からは到底考えられない事態である。
 一体あの男の何がそれをもたらしたのか、それがずっと疑問だった。己を変えたのはあの男の力なのか、それとも人間
という種が持つ何かなのか。そんなあてのない問に答えを見い出すのに、他の人間との接触はまさに絶好の機会と言えた。

「え」
「おぬしは去らなかった。話があるのだろう?」

 人間の抱く些細な感情など、悠久の時を生きた竜にとってはお見通しだ。自分の横顔を見つめる視線の中に、僅かな羨
望の念を感じたのだ。
 竜である己をわざわざ待ったということは、おそらく連れている飛竜の封印に関してだろうとドラゴンは予測していた。
そして実際、

「…どうすれば、竜と心を通わせられますか?」
「話せ」

思った通りの問いに竜は答えた。暇つぶしが目的の半分くらいでもあったのだが。
308名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 20:45:39 ID:9231JQPO
支援
309名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 20:46:26 ID:I4rOQJj1
「フリッフリッフリッフリッフリフリ-!ブリブリブリブリブリー!!」支援
310×DOD 二章一節 4/7:2007/10/19(金) 20:46:49 ID:G8p/y3/9

 話すことが好きという訳ではなく、ましてや初めて見る巨大な竜の姿を前にしばらく話しにくそうにするキャロであっ
たが、促されてとつとつと語りだす。
 「力は争い、災いしか生まぬ」…そう告げられ、故郷を追われたのだとキャロはまず言った。
 管理局に保護され、落ち込み途方に暮れているところを今の育て親、魔導師フェイトに引き取られた。その後彼女の反
対を押し切って同じ機動六課に入隊、竜召喚を行う魔導師として訓練を重ねてきたのだが…

「制せぬ、か」
「……はい……」

 仔竜とはいえ、召喚…封印の解放がもたらす力は膨大だ。それが暴れ狂わぬよう被召喚者、白竜フリードリヒの精神を
鎮め心を通わせるのが彼女の能力であり腕の見せ所である。
 ところが、それがどうにも上手くいかないのだと彼女は言った。
 故郷で言われたように、力を振るうのが争いを生み人を傷つけるのではと思い、それがどうしても怖いのだと。

「…我らは血と炎の中で『生』を誓った。いわば血塗られた契約だ…だが短い時ではあったが、我はあやつを深く知った。
 今では良き半身よ」

 竜であれ人間であれ、概して幼い生物は力の大きさを理解するのに未熟すぎる傾向がある。永遠の生命を宿命づけられ
た、かつて出会った契約者セエレにもそんな節があった。
 しかし、この少女は違う。話している子供の顔は力を理解せぬ未熟なそれではなく、力の意味を考え、解しているから
こそ、恐れ迷っている魔導師の姿であった。

「おぬしはその竜と、我々よりかは長く共に在ったのだろう。その力に罪悪を抱くのは、あの仔竜を貶しめる事に他ならぬぞ」
「……」

 同じ竜族の関係者という奇妙な連帯感も手伝ってか、ドラゴンの言葉は真摯なものだった。しかし理由はそれだけでは
ない。この少女の言葉は、やけに頭に残るものがあった。
311名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 20:48:27 ID:I4rOQJj1
ゲイ聖職者支援
312×DOD 二章一節 5/7:2007/10/19(金) 20:49:40 ID:G8p/y3/9
「力を恥じ、恐れる事こそ愚かよ…恐れを抱くものを御せる道理はあるまい」

 他者を思いやるなどカイムくらいにしか向けたことのない行動のはずなのだが、これは一体どういうことか。理由を考
えて答えはすぐに出る。
 なるほどこの少女、境遇がカイムに通じる所があるのだ。愛する故郷を喪い、信じる人間―カイムにとっては親友に、
キャロの場合は村の長に、裏切られたという意味で。
 そういうこともあって、ドラゴンは語るキャロを注視しており、そして見抜いた。件の養い親とやらから継いだのだろ
う、瞳の中の希望の輝きは確かにある。しかしその光が覆い隠す中にも、暗い過去を持つ者のみが宿す闇の色があった。
 凶悪な例が半身として傍にいたためか、人間の負の感情というものについては目が肥えていた。万の敵兵を殺戮し雲霞
の如き巨大な赤子との戦いに狂ったカイムとは比べ物にならないほど小さいし、そしてその比較の意味もないのだが、と
まれドラゴンは少女に僅かながら「黒」を見た。限りない白に囲まれた、小さな点のようなものではあるのだが。
 正体は恐らく「不安」だ。それはキャロ本人も言っていたのだし間違いない。現状では居場所を見つけたという事実が
忘れさせてくれていたようだが、フリードリヒと同じ竜族を目にしたことでその感情も色濃く出ているのだろう。

(温めてやれれば良いのだが)

 身に覚えがあるだけあって、「不安」はドラゴンにとっては共感できる類の感情であった。
 天使との戦いを前に本能的に戦いたドゴンを、それでも最後まで神に抗うと決意させたのは、背に乗る男が身体を撫で
てくれたからに他ならないのだ。
313名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 20:49:56 ID:9231JQPO
支援
314×DOD 二章一節 6/7:2007/10/19(金) 20:51:43 ID:G8p/y3/9
「…おぬしの養い親も、それを理解して修練を課しておるのだろう。恐れぬよう、慣れるようにな」

 そんなことを考えつつも、少女が力のもたらす争いを恐れているのを鑑みて、その「力」を以て帝国の兵に禍を与え続
けてきた男の話を口にすることは最後までなかった。
 しかしそんな実例が無くとも、キャロにとってドラゴンの話は説得力がある。
 それもその筈、キャロは今までこうして胸の内を面と向かって誰かに語ったことが無いのだ。更に言えば悠久の時を生
き修羅場の数々をくぐった経験が裏打ちしている。その叡智と安定した精神の漂わせる力強さに惹かれて話を聞いて欲し
いと思ったのだが、実際その考えは正しかったと言えよう。

「キュぅ…?」
「…うん、大丈夫…ごめんね、フリード」
「もう良いのか」
「はい。ありがとうございました…ずいぶん、気持ちが軽くなった気がします」

 無論、たった一度の相談で全て解決するほど小さな悩み事ではない。
 しかし顔を上げたキャロからは、身の上を話していた時の瞳の暗い影はとりあえず晴れていた。心配そうに見上げ、咽
を鳴らしたフリードを撫でてやるくらいには、心に余裕というものができたらしい。

「…それだけは、どの世界でも変わらぬのだな」
「え?」
「空耳だ。忘れろ………む」

 認めた相手に限っての話だが、竜族全は世界共通で首に触れられるのを好むのだろうか。
 そんな下らない考えを思わず口にしたドラゴンにキャロが聞き返し、それを遮った火竜の動きが瞬間、停止する。
 カイムから『声』が届いたのだ。

「迎えが来たようだ。おぬしのな」
「迎え…?」
「金色と栗色、女が二人…カイムに接触しておるな、いや、待て。奴等、一体何をしている?」

 しかし、その『声』の様子がどこかおかしい。困惑しているような、戸惑いを孕む響きがあった。
 出会い頭に戦いを挑まれたという訳ではないらしいが、聞いたことのない『声』色にドラゴンから思わず疑問の呟きが
零れる。

「多分、フェイトさんとなのはさん…何かあったのかな…」
「解らぬ。厄介事ではなさそうだが…まあ良い。行け」

 促すと、主人よりも先に小さな従者が飛び上がる。
 どうやら同じ竜族同士、意思の理解はキャロよりもこちらの方が早かったらしい。召喚魔導師の膝にいた子竜はひょい
と宙に浮き、そのまま肩の高さまで羽ばたいて昇った。

「あ、あのっ!」

 しかしいざ行かんとするフリードリヒに反して、キャロはまだ話すことがあった。
 重大なことであり、そしてこの竜の助言に最大限忠実な行動でもある。今ここで頼んでおかないと、次いつ会えるかも
どこに行けばいいのかも分からないのだ。
 力を恐れるのは愚か。なら、力を恐れず、御する術を身につければいい。となるとどうやって体得するかが問題だが…
形は違えどそれを現実に行い、実際に魔力を完璧に制している例が、目の前にいるのだ。

「今度、修行を手伝ってもらえませんかっ!?」

 勇気を振り絞って聞いたキャロ。ドラゴンはややあって、こう答えた。

「この場所を、覚えておけ」
315名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 20:52:33 ID:9231JQPO
支援
316名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 20:55:10 ID:I4rOQJj1
殺戮支援
317×DOD 二章一節 7/7:2007/10/19(金) 20:58:23 ID:G8p/y3/9

 森を駆け抜ける少女、キャロの心の空は今月最高の晴れ模様を記録していた。
 自分の悩みを打ち明けることで、これほど心が軽くなるとは思っていなかったのだ。養い親のフェイトは、忙しくてな
かなか面倒を見られないのが負い目なのか確かに気を配ってくれるのだが、正直に言えばそのせいで逆に話しづらい部分
があった。心配をかけまいとしてしまうあまり自分で心に鍵をかけてしまっていたのが、今この時になってようやく錠が
解けたのであった。
 同じ竜族、そして竜騎士を見たというのも大きかった。もう二度と会うことはあるまいと思っていた、共に生きる竜と
人。世界でたった一人だ、もう会うことはないんだと思っていただけあって、いわば同族に巡り会えた事実は心の芯を満
たしてくれるような、そんな言葉に出来ない暖かさを伴うものだった。

「…今度、ちゃんとお礼しなきゃ」

 そこまで気が回るのは、やはりフェイトに心配させないよう努めているからである。良しとすべきか、悪しとすべきか。
 何がいいだろう。そういえばあの人、カイムさんはお肉をあげていたなと思い出す。さらに遡ると出会った直後、喋れ
ないのに気付かず嫌な気分にさせてしまったことも蘇った。もう一回、最後に謝らないと。

「きゅる…」
「あ、フリード、ごめんね。お昼ご飯、食べてないもんね」

 すぐ横を飛ぶフリードが咽を鳴らす。あの時カイムから肉を貰えたかどうかは不明だが、貰っていたにしてもとりあえ
ず満腹ではないらしい。話が長引かせてしまったのを申し訳なく思い、キャロは竜をひょいと肩に乗せてやった。

「…ごめんね」

 愛らしい子竜の顔を見て、火竜の言葉が脳裏をよぎる。
 自分は間違いなく、この相方に不自由な思いをさせている。
 解消するには力を御さなければならない。不安が消えたわけではないのだが、恐がって力を使うことから逃げているの
では先に進めない。それだけは頭に深く刻み込むことができた。
 強くならなければならない。
 幸いにも、環境は最高ではないか。経験も実力も折り紙付きの隊長たちに加え、本物の竜までもが協力を約束してくれ
たのだ。

「…私、頑張る…ううん、違うね」
「クゥ?」
「一緒に、頑張ろうっ」
「キュッ」

 いつかこの相棒が、大いなる翼で飛べるように。
 まだ不安の残る今は無理でも、いつか必ず、制してみせる。そう決意するキャロの前で、やがて、森が開けた。



 果たして、湖に辿り着いたキャロがまず見たものは。

「…………………」
「自殺なんて、…駄目だよ…!」
「生きていれば、きっと…きっと、いいことがあります。だから…」
「…なのはさん、フェイトさん?」

 鎧を着けたまま水に浸かっていた男を不意打ちで引き上げて、真剣な(本人たち)且つ意味不明(カイムだけ)の説得
にあたっている、スターズ分隊長とライトニング分隊長の姿であった。
318×DOD:2007/10/19(金) 21:03:41 ID:G8p/y3/9
喜劇と悲劇と妹、全部やりたい俺ガイルというかOCN規制はやめて欲しいホントに。

では。
319名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 21:07:52 ID:I4rOQJj1
GJ!
妹クルー!Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)・・・
320名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 21:09:24 ID:9231JQPO
GJでした!
全部しちゃえばいいのさ
321名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 21:12:22 ID:AkYxqAch
GJ
しかし、カイム水浴びするときも鎧つけたままかw
322名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 21:33:17 ID:4BX2TLLt
アンヘル世話焼きだよアンヘル
妹と赤さんのダブルパンチに期待w
323名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 21:45:18 ID:31/hT5rx
自分はクロノスキーなんで細菌のクロノの扱いの酷さに泣けてくる
ここは一つユーノと協力プレイを(ry
324名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 21:45:24 ID:cXuPcZlS
GJですぜ
喜劇のDODって予想はできないけど見てみたいよね
本編悲劇しかなかったしさ……
325名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 21:50:13 ID:TRsXL5w9
GJ!!
不意打ちで引き上げたということは、水にフェイトが電気流したのかな?
そしてバインドでフィッシュ!!
326名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 21:52:30 ID:yKoMOfga
>>323
細菌じゃあそりゃ扱い悪いよな・・・
327名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 21:57:26 ID:/yDnFWBt
GJ!
なのは世界にレオナールさんとアリオーシュさんを放り込んだら間違いなく阿鼻叫喚の地獄絵図
ご馳走が一杯よ
328リリカル龍騎 ◆l5ZL/l4pJY :2007/10/19(金) 21:58:30 ID:wnm6l8Cy
>>コードギアス 反目のスバル氏
GJです
なんというトラウマ確定の悪夢…
…さしずめ「ナイトメア・オブ・スバル」とでもいったところでしょうか

>>×DOD氏
GJです
負の感情の凶悪な例…なるほど、そんなのが確かにいましたね…
…カイム、鎧つけたまま水浴びって、そりゃ入水自殺にも間違われますよ…w
329名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 21:59:31 ID:JZfoq9TD
>>326
フイタwwww
確かに細菌なら仕方ないwwww
330322 ◆tRpcQgyEvU :2007/10/19(金) 22:32:13 ID:Bh3kEqYv
投下してよろし?
331名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 22:33:20 ID:j3mObV0S
ここは神の国か…支援
332名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 22:33:56 ID:9231JQPO
無論おk
333322 ◆tRpcQgyEvU :2007/10/19(金) 22:35:47 ID:Bh3kEqYv
「『クラウディア』に不正アクセス確認! ウイルスがセキュリティシステムを突破していきます!」
 警報が鳴り止まぬ中、オペレーターが振り向きもせずに報告する。
眼前のメインモニターに『WARNING』の文字が大きく点滅。
さらに二つ目、三つ目のアラートがモニターに表示され、あっという間に全てのモニターが『WARNING』で埋め尽くされていく。
「ウィルスだと!?」
クロノは反射的に外に目をやり、爛々と光り輝く『星舟』を凝視した。
前触れの無き不正アクセス、システムへのウイルス侵入。
『クラウディア』のデータリンクが機能していない今、そんなことが出来るのはこいつしかいない!

「これは、どう見てもあれからの攻撃です」
 クロノと同じ結論に達したのだろう。副長も眉を歪めて『星舟』を睨みつけた。
「あれは……敵は『クラウディア』にハッキングを仕掛けている。もしも、このままメインシステムを制圧されたら……」
「……その先は言うな」
 『クラウディア』を知り尽くしているクロノにとって、副長の言いたいことは簡単に想像できた。
小人数化が推し進められた管理局艦艇は、艦の機能のほとんどがコンピューターで制御されている。
と、言うことは、メインコンピューターさえ落としてしまえば、弾を一発も放つことなく艦艇を無力化出来るのだ。

「すぐにバスターを起動しろ! ウイルスを除去するんだ!」
 クロノが指示するや、オペレーターが素早くキーボードを操作しワクチンプログラムを投入する。
「ダ、ダメです! バスター、まるで効果無し! ウィルスがメインホスト障壁に接触しました!」
 しかし、結果は無情なものだった。
「ウィルス、第一、第二障壁を同時突破。システムに無数のアクセス反応を確認!」
「回復操作受けつけません! バックアップも汚染されていきます!」
「汚染されたシステムをシャットダウン……ってなんでコマンドを受け付けないんだよぉ!?」
「貴艦に告ぐ。我々に敵対の意志はない。即座に攻撃を中止されたし。繰り返す、即座に攻撃を中止されたし!」
 ブリッジクルーの悲鳴に近い報告が続く。彼等はそれぞれの手段で対抗してはいるが、まったく効果がない。
「あ、ありえませんぞ……『クラウディア』のセキュリティは航行隊でも随一のはず、それがこうも簡単に……」
 副長の顔が青白く染まったそのとき――

「ウィルスが最終防壁を突破。メインシステムが破壊されていきます!」
 オペレーターの非常な報告が、艦の運命を決定付けた。
「か、隔壁が……!」
 メインモニターに、次々と閉じていく隔壁の映像が流れている。
ウィルスが艦の防衛システムに誤作動を引き起こしたのだ。これでもうブリッジには誰も助けに入れない。
クロノはメインコンピューターの完全停止を指示するが、もう手遅れだった。
システムそのものが破壊されつつあるせいで、一切のコマンドを受けつけない。
なにか手は無いかと異なるキーを叩き続けるが、ただの徒労で終わりそうだった。
334名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 22:36:43 ID:j3mObV0S
電子の妖精を呼ぶんだ支援
335名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 22:36:48 ID:9231JQPO
支援
336322 ◆tRpcQgyEvU :2007/10/19(金) 22:37:02 ID:Bh3kEqYv
(どうする……いったいどうすれば……!?)
 『クラウディア』を救うべく思考錯誤を繰り返すクロノ。
そのとき、ふと彼は、眼前のメインモニターに何かが映し出されていくのに気がついた。
それは『クラウディア』のデータベースに保管されていたデータ類だ。
何重ものプロテクトに守られていたはずのデータファイルが次々と開かれていく。

ミッドチルダの時空座標、市民生活、文明レベル、聖王教会、時空管理局の構成、人事、艦艇データ、魔法技術――

それだけではない――

『アルカンシェルの設計データ』『ベルカ式カートリッジシステムの詳細』
『夜天の魔導書とリィンフォースI』『次元航行システム』『AMF』――

 本来なら、本局から許可が降りないと閲覧できないはずの重要機密までもが盗まれていく。

(そうか、そう言うことだったのか)
 表示されては消えていくファイルを見て、クロノは敵の真意を確信した。
(敵の目的は攻撃ではなく情報収集だったんだ。だから砲台を使わずにハッキングなんかを……)
しかし、もう遅すぎる。
メインシステムはウィルスにより陥落寸前。障壁により乗員のブリッジ到達は困難。
今のクロノ達には『星舟』の暴挙を止める術は無い。
ブリッジの照明が再び落ちて、非常灯だけになった。照明は、もう二度と付くことは無いだろう。
スピーカーからは、警報音が空しく鳴り続けていた。

「ウィルス、『クラウディア』のシステムを完全に破壊しました。復旧は、不可能です」
 オペレーターの声が震えている。
軽く拍手をしていた砲雷長も、「あと三日だ―」と言っていたサブオペレーターも、皆茫然自失といった状態だ。
「もう、ここまでですな」
 副長が俯いていた。頬を不気味に歪ませ、悔しそうに俯いていた。
「すぐに退艦命令を。この『クラウディア』を……管理局の新鋭艦を、無傷で放棄するのは惜しいですが、
 今は本局に戻ってあれの対策を講じねば。恐らく、あれの次の狙いはミッドチルダと管理局です。それは盗まれた情報からも推測できましょう」

337名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 22:38:07 ID:j3mObV0S
管理局完全にオワタ\(^o^)/支援
338322 ◆tRpcQgyEvU :2007/10/19(金) 22:38:16 ID:Bh3kEqYv

「…………」
 クロノは口を噤むと、両手で頭を抱えて髪を掻き乱した。
 艦のシステムは完全に破壊され、逃げることも戦うこともままならない以上、
『クラウディア』の放棄は避けられないと言っていいだろう。しかし、ここで艦を放棄すれば、クロノは、

『敵と戦うことなく艦を捨てた上に重要情報を全て盗まれた無能』

として中傷の的となってしまう。
訳を話せば多少は理解してくれるかもしれないが、それでも僻地の守備隊や、地方艦隊への左遷は免れない。
そうなってしまったら管理局の要職に就いている母親や執務宮として頑張っている義妹に多大な迷惑がかかってしまう。
ここは、ハラオウンの名誉の為に無理をしてでも戦うべきではなかろうか。
確か、量子魚雷なら人力でも発射可能だと聞いた。それを使えば……。

……いや、ダメだ。そんなことをしたら艦全体を今以上の危険に晒すだけだ。
自分の功名の為に多くの部下を道連れに? そんなことは出来ない! 
部下のことと、これからのことを考えたら、ここはなんとしても生きて帰らねば。しかし……

 クルーは何も言わず、じっとクロノの命令を待っている。
彼等は信じていた。クロノなら正しい決断をしてくれるだろうと。
沈黙が支配するブリッジ。気が付けば、もう警報音すら聞こえない。
数時間にも感じられる――実際には数秒程の沈黙の後、クロノはついに決断した。

「……わかった、総員退艦だ」
 
 そのときだった。クロノの視界が一面赤黒く染まった。
『星舟』からのレーザーが、ブリッジを突き抜けクロノの体を一瞬で焼き払った。
灼熱のレーザーがバリアを張れない『クラウディア』を瞬時に貫き、青白い光弾が乗員達を跡形も無く吹き飛ばす。
艦中央部のメイン動力炉が、保管されていた弾薬が一斉に大爆発。
炎が艦内を席巻し、生き残りの乗員を次々に焼き払っていく。
棒状砲台からの弾幕が艦体に無数の穴を空けていき、そこから噴き出す火柱が亜空間に色を添える。
やがて、集中砲火を浴びせ続けられた『クラウディア』は轟音を響かせながら、カッと光に包まれた。
そして光が治まった後には、元は『クラウディア』だったであろう無数の鉄屑が浮かんでいた。
家族の姿を見ることもなく、『星舟』のことを誰にも伝えられず。
クロノ達の体は塵一つ残らず、次元の海に消え去った。 
 
339名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 22:39:28 ID:j3mObV0S
本局の位地とか設備のデータはまだ取られてない?支援
340名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 22:39:51 ID:cXuPcZlS
えらいこっちゃ支援
341名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 22:40:38 ID:9YzUrIXQ
今日はスーパークロノ終わりタイムwww
342名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 22:40:47 ID:j3mObV0S
マジでスーパークロノ終了タイム支援
343名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 22:40:59 ID:JZfoq9TD
予想通りののクロノ死亡ルートwww支援www
344リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/10/19(金) 22:41:32 ID:RUmerPac
クロノ死亡うぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
支援
345名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 22:41:59 ID:TRsXL5w9
これはDODの赤ちゃん登場にも負けない衝撃・・・支援
346322 ◆tRpcQgyEvU :2007/10/19(金) 22:42:19 ID:Bh3kEqYv
――

情報収集完了 目標の利用価値消失 これより排除を開始する

――完了 

所用時間 8秒 

生態反応無し 目標完全消滅 

しかしこの攻撃により残存エネルギーを全て消失 以後の補給無き戦闘行為は不可能 

続いて情報の解析に移行する

――完了

所用時間17秒

管理局 ミッドチルダ 共に解析完了 

文明ランクSSS 即時抹消の必要あり 

攻撃目標を 文明ランクAAA 太陽系第三惑星から管理局及びミッドチルダへと変更

最優先事項

1・管理局及びミッドチルダにおける文明の完全破壊と知的生命体の絶滅

目的達成までの推定時間 31536000秒

これより行動を開始する
347名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 22:42:44 ID:31/hT5rx
クロノフルボッコタイムを通り越してクロノ消滅タイム吹いた
348名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 22:43:03 ID:j3mObV0S
なんという思い切った作者さんだ支援
349322 ◆tRpcQgyEvU :2007/10/19(金) 22:43:34 ID:Bh3kEqYv
――エラー

船体の損傷率89%

残存戦力の現在地 不明

即時行動開始は不可能

行動内容変更

1・船体の修復と戦力の再編

2・有益情報の戦力化

3・戦略 戦術の再考

全目標達成までの推定時間 7776000秒

全目標達成後 即座にミッドチルダ及び管理局へ進撃するものとす

次元航行システム組み込み完了 これより行動を開始する


全砲塔を収納した『星舟』が黒い闇に包まれて行く。
闇が晴れた後には何も無く、『星舟』は次元空間から霞みのように姿を消していた。

――
 
 『クラウディア』の爆沈事件はすぐにミッドチルダ中へと広まった。
初めは真相究明に努めていた管理局であったが、
現場からなんの手がかりが見つからなかったことと、事件当日、その地点で次元震らしき反応が観測されていたことにより、
管理局は『クラウディア』爆沈の原因を次元災害に巻き込まれた不幸な事故と断定。
総務統括官リンディ・ハラオウンの必死の嘆願にも関わらずに調査は打ち切りとなった。

 だから、彼等は知ることはなかった。
この事件の真犯人と、それが成そうとしていることに。
管理局が再び『星舟』と接触するのは事件から三ヶ月後のことである。
魔導師達は、自分達が立ち向かうべき劫火と闇を、今はまだ知らずにいた。


『星舟』活動再開まで後90日――

To be Continued. "mission5『無限の欲望』"
350名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 22:45:24 ID:9YzUrIXQ
カキコしてる間に秒殺とか半端ねぇ
これほどまでに管理局オワタ\(^o^)/な展開がかつてあっただろうか
冗談抜きに全勢力が力を合わせても地獄しか思い浮かばない……!
351名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 22:46:09 ID:31/hT5rx
ほぼ単独でマザーシップに89%もの損傷を与えたストーム1はホント超人だぜー支援
352322 ◆tRpcQgyEvU :2007/10/19(金) 22:46:16 ID:Bh3kEqYv
投下終了。
次の異邦人の襲来は4〜5話くらい後の予定です。
続きは最短で来週の今ごろ。長くても再来週の中ごろには投下します。
353名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 22:46:21 ID:j3mObV0S
なんというフォーリナー…非情さが違いすぎる支援
354名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 22:46:27 ID:JZfoq9TD
もう6課だとかスカ博士とかそういったレベルの小さい話じゃなくなったな。
ストーム1だけが頼りだ
355リリカル龍騎 ◆l5ZL/l4pJY :2007/10/19(金) 22:46:33 ID:wnm6l8Cy
GJです
ちょっ!?クロノ本当に死んだーーー!?…ディスプレイの前で合掌するとします…
…さて、クロノの命と一緒に持ってかれたデータが地獄を呼びそうな気がするのは俺だけですか?
356リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2007/10/19(金) 22:49:10 ID:RUmerPac
GJ!
うはwwwwwwww
クロノの登場シーンはもしかしてこれっきりですか?
357名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 22:49:42 ID:9YzUrIXQ
確かに超科学+魔法の力とか鬼に金棒ってレベルじゃないなwww
358名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 22:51:00 ID:4BX2TLLt
英霊(何もしてないけど)クロノ・ハラウオンに敬礼!
…やっぱEDFじゃないんだから一目散に逃げるべきだったんだよ、逃げれないけどw
こうやって次々と外堀を埋めていく…フォーリナー恐るべし!
359リリカル.exe:2007/10/19(金) 22:52:07 ID:TNCmg/He
クロノ瞬殺ぅぅぅ!?
フォーリナーやばすぎるだろwwww
360名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 22:52:23 ID:j3mObV0S
>>351
しかも星舟の残りエネルギーを一斉射分まで消耗させてるんだぜ!
どんだけ〜
361名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 22:54:14 ID:mX6M5TcK
>>2・有益情報の戦力化

これが全てを物語っている。
蟻や蜘蛛にAMFが実装され、次元生物サイボーグクロノが誕生するに違いないwww
362名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/19(金) 22:57:52 ID:dqoieYeQ
GJ!!
ぎゃーーー!ミットチルダ最大の危機やん!
フォーリナーが使いそうなデータってどう考えたってAMFとアルカンシェルのデータやん!
AMF使われたら魔道士達あっという間にあぼーんだ!
363名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 22:57:54 ID:pOf8DrKI
GJ。
もうストーム1以外の全てが死亡フラグ立ってるんじゃないかと思うwww
364名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:02:06 ID:pFV4iPYQ
韓国人が大喜び!!
『地震で日本人が、たくさん死ねば良い』
http://www.enjoykorea.jp/tbbs/read.php?board_id=teconomy&page=5&nid=2849898


衝撃!!日本輸出向け、キムチに、タン唾を入れる韓国人のババア
http://plaza.rakuten.co.jp/img/user/51/17/385117/22.jpg


朴一 「韓国人犯罪者を日本人名で報道すべき」
悪人を日本人にしたがる韓国人

http://www.youtube.com/watch?v=QLXTk7IG0dg

韓国(南朝鮮)は、レイプ犯罪数が、世界一
http://travel3.2ch.net/test/read.cgi/21oversea/1052998457/
韓国旅行中にレイプされた日本人
http://tour2korea.k-free.net

http://tour2korea.k-free.net/rapetaiken.html
365名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:02:13 ID:j3mObV0S
GJ!忘れてた!
まさしくInferno(地獄)!
もうロストロギアでも聖王の揺り籠でも使えるものは全部使わないとどうにもならんwww

>>362
アルカンシェルが解析されたら、当然フォーリナーはそれに対して…(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
366名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:03:40 ID:9YzUrIXQ
陽系第三惑星と同じくまず航空戦力が同じ手&物量で壊滅かな・・・頑張れ陸戦魔導士w
367名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:06:50 ID:B0/oWJxn
気のせいかな?もう難易度がINFを超えたのは・・・
368名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:08:15 ID:56u46GDr



ど う あ が い て も 絶 望
369名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:09:36 ID:iWwqkpPI
クロノ瞬殺か……
登場人物がどんどん減っていきそうで怖い
370名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:11:21 ID:j3mObV0S
>>367
もうUNIVERSEぐらい行っちゃってるんじゃないの?
EDFは対策と準備する時間あったけど管理局にはないからな〜。
371名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:11:22 ID:mX6M5TcK
まだ人類には世界最強のサラリーマン、じゃなくてストーム1が残っている
そして

E D F は 敵 に 後 ろ を 見 せ な い
372名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/19(金) 23:12:00 ID:dqoieYeQ
もう何もかも終わりだーーーー!!
管理局の白い魔王も金色夜叉も夜天の王も星船と戦ってズダボロにされるんだ!!
だから頼む!世界を救ってくれ!ストーム1!!
373名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:12:49 ID:TRsXL5w9
GJ!!クロノが撃滅されたぁw最初ハッキングの部分で映画版TFのカセットロンがやってると勘違いしてしまった・・・。
敵がAMF装備だとすると戦闘機人たちとアインなんとかの活躍フラグなのか?
スカ博士の無限の欲望が世界を救う鍵になるのか楽しみです。
一つ質問を、フォーリナーは一定の文明レベルの星に対して攻撃しているようですが
何故か分かる人いますか?
374名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:12:49 ID:JZfoq9TD
けど、ストーム1を見つけたスカサイドは手段講じそうじゃね?
仮にもナンバーズの2人がやられたわけだし
375名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:14:12 ID:j3mObV0S
これ相手に戦闘に参加したスカウト4はマジで男すぎる。
>>373
分からないから怖い。
376名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:14:12 ID:pOf8DrKI
>>367
ストーム1の基準でINFである訳で…。

377名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:15:56 ID:76x5dpV7
いままでのクロスの敵と違って完璧に対話不可能なやつらだ。
これは・・・もうだめかも知らんね。
378名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:18:57 ID:sF/HJsTX
GJ! そう、これだよ。これぐらいの窮地なくして主人公達は輝けんよ!

それにしてもいやいや、これはまさしくサイボーグ009天使編のような絶望的状況ではありませんか。
恐らく彼等のAMFは白い魔王や夜天の王の砲撃をも、ものともしないような代物なんでしょうなあ……。
徹底的に魔法に戦力を依存している時空管理局は為すすべもなく壊滅するのであった……。

そんな中、次元世界を守るべくわずか十数名でマザーシップに吶喊する、ストーム1率いる戦闘機人たち。
なんと言う燃える展開。
379名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/19(金) 23:20:10 ID:dqoieYeQ
>>373
う〜ん、自分が思うに・・いずれ自分達の脅威になると思ったからでは?
それか唯そこに文明があるから、だから破壊するといった一種の狂気ではないかと?
まあ、全部自分の推測にすぎませんがね。
380名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:21:01 ID:TRsXL5w9
>>375
なるほど・・・投降も降伏も全て無視で問答無用で虐殺ですか。
怖いし不気味ですね。アインなんたらとディエチのコンビが見たいなぁ。
381名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:21:01 ID:Q1GEba5H
>>374
確かに
ナンバーズはやられるしガジェットは溶かされるし一番早く危機を感じそうだ
ストーム1から話も聞けるし

話の最初のほうでもあったが敵の数30〜40体で「ごく小規模な戦闘」だし、
ニコ動で確認したら本当にその通りだし

どうなるんだ管理局とミッドチルダ
382名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/19(金) 23:25:18 ID:dqoieYeQ
>>381
やだなーそんなの決まってるじゃないですかw
・・・・オワタですよそれかあぼーんですよ。
383名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:25:34 ID:JZfoq9TD
いまこそアインヘリアルの出番ですwww
384名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:26:26 ID:iWwqkpPI
ゲームの方はどうか判らんけど、
こっちの星船は完全機械制御ぽいしなあ。
とりあえず攻撃目標に該当する文明を機械的に排除していくんだろう。
385名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:27:42 ID:j3mObV0S
>>381
でもストーム1は重傷だから回復するまで待たないと真相がわからんからなあ、この時間ロスが痛い。
いくらスカでもあれだけの情報では星舟の無茶苦茶さは予想不可能だろう。
386名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:28:16 ID:76x5dpV7
最初の戦闘で管理局の戦力壊滅するかも
387名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/19(金) 23:29:31 ID:dqoieYeQ
できるならマザーシップにはアルカンシェルよりもジェノサイドキャノンを装備していてもらいたい
と思った。
やっぱりアルカンよりもジェノサイドの方がフォーリナーに似合ってるしな。
388名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:30:52 ID:JZfoq9TD
>>385
けど少なくとも蟻に対抗できるくらいの武器は作れるんじゃないか?
ストーム1の武器の有効性はナンバー2人が知ってるわけだし。
それで時間稼ぎくらいはできると思わないと本気でミッドオワタwww
389名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/19(金) 23:31:32 ID:dqoieYeQ
>>385
あの人のことだからあっという間に回復しそう・・・・何故ならば彼が・・・
ス ト ー ム 1 だ か ら!
390名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:32:23 ID:j3mObV0S
>>384
ティガにそんな奴が出てきてたな。
391名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:33:09 ID:Q+vP5/jy
>>389
大統領、紳士タイムはとっくに過ぎていますよ?
392名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/19(金) 23:33:44 ID:dqoieYeQ
ここは一つ!中将とスカさんとストーム1の活躍に期待せねば!!
393名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:34:46 ID:j3mObV0S
>>389
まあ早々と回復してもらわないとヤバイしな。
394名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:35:58 ID:/0dEUjSD
>>379
むしろ本能とかシステム的なもので虐殺繰り返してんじゃね?
「何かのために殺す」じゃなくて「殺すために殺す」って感じで。
実際フォーリナーって有機生命体かどうかすら不明だし、蟻や蜘蛛はあくまで虫型兵器って扱いだし。

あと
クロノだけじゃなくて蟻にモグモグされたヴェロッサのことも思い出してやって下さい(´・ω・`)
395名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:37:19 ID:ny9d9WXA
住人がヘイト物を受け入れるようになったらSSスレは終了だな
396名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/19(金) 23:37:44 ID:dqoieYeQ
>>391
オウ!シット!なんてこった・・唯でさえ戦闘能力がずば抜けて高いストーム1がメタルウルフに乗ったら
まさしく絶対無敵じゃないですか!
397リリカル.exe:2007/10/19(金) 23:39:35 ID:TNCmg/He
宇宙怪獣とはまた違う理論で動いているとはいえ、どーにもなんねーよコレ。
星船の表面装甲にAMFかなにか展開されたらそれだけで詰むwww
398名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/19(金) 23:40:56 ID:dqoieYeQ
>>394
あっやっぱり蟻にやられたんッすか?アコースさん?
というか俺はカリムさんの予言が気になるな・・どんな内容なんだろう?
399名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:42:53 ID:zFfskjlN
>星船の表面装甲にAMFかなにか展開されたらそれだけで詰むwww
お前、考えないようにしてた最悪の展開言うなよwww
そうか、列車で出てきた新型ガジェットが何かに似てると思ったら星船だったんだ。
つまり、あれは星船AMF装備の予兆だったんだよ!!
次元世界終了のお知らせ!
400名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/19(金) 23:43:09 ID:dqoieYeQ
>>397
表面装甲にAMFを付けるんだったらAMCに名前換えしないと
401名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:43:17 ID:3Hfpzv4y
まっがーれの影の薄さは異常
402名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:43:37 ID:9YzUrIXQ
殺す為に殺す、が自分的には一番納得できるかな
ミストバーンの「命令する、死ね」的な感じで

読み返してみるとリィンフォースの情報とかも盗られてるのにも気付いた。
これは何かの伏線だろうかと勘繰ってる
403名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:45:31 ID:9231JQPO
まあ、なんだ感想書き終わったんならあとの話題は雑談スレで
404名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:46:10 ID:Q+vP5/jy
>>402
食った人間のリンカーコア内のデータを星舟に送るんだよきっと
で、蜘蛛やら蟻やらにフィードバック
405名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:46:50 ID:vMCJ3abY
>>396
駄目だ!
そんな重りをつけたら、ストーム1の機動力が鈍ってしまう!

あれは大統領魂がなければ動かないんだぜ。
406名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:46:51 ID:j3mObV0S
リリカルなのはウロスSS感想・雑談3
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1192629485/
じゃ、誘導。
407名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/19(金) 23:48:19 ID:dqoieYeQ
ちょっと待てよ・・星船が次元航行システムを手に入れたって事は本局攻めフラグが立つ
そんでもって本局には無限書庫・・そこにはユーノ氏がいる・・ということは・・・・・・
まずい!アコース氏クロノ氏に続いて次に殺られるのはユーノ氏だ!
408名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:48:46 ID:TRsXL5w9
ヴェロッサ死んでたんだ・・・EDFはいないし管理局は魔法封じられそうだし、もう質量兵器
で行くしかないな。
ストーム1がイスカンダルと同じ固有結界使えたらなって妄想してしまった。
でも実際、EDF隊員は英雄だと思うんだよな。
409名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/19(金) 23:50:22 ID:dqoieYeQ
>>405
なに!
アレは大統領魂がないと動かないのか!?
だったらストーム1はEDF魂だ!!
410名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:57:43 ID:76x5dpV7
>>402
それはトップシークレットだったからじゃまいか?
ほら、目的は情報収集だし。
411名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/19(金) 23:58:32 ID:/0dEUjSD
これ以上は雑談スレでやるべきなんだろうけど、普段過疎ることが多いからスレが盛り上がってると止められなくなるんだよなぁ(´・ω・`)

>>398
ごめん勝手に判断した。ノーヴェ達が蟻と遭遇したのが第90管理外世界・ヴェロッサが消息を絶ったのも第90管理外世界ってことで推測したんだけど。
これでヴェロッサが生還したらスーパーヴェロッサタイムが始まるに違いない。

412名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 00:04:23 ID:Put5ONxp
EDFクロスきたああああ!!
しかもいきなり星船でクロノ蒸発に唖然w
あいかわらず容赦ねええええ!!
しかし『侵略者』とはこうでなくっちゃw

アインヘリアルが活躍するかもしれない続きを思いっきり期待!!

>星船が次元航行システムを手に入れたって事は
ちょwww
全次元世界の危機w
願うべきは星船がBETAのごとく増殖されないことを祈るだけだw
413名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 00:05:30 ID:v+oV/VG6
平均一週間で消費されるスレが過疎ってるとは
414名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 00:07:16 ID:02HEn8NH
たまにびっくりするほど過疎になることがある。
なにが投下されてもGJ1つ付かなくなることがあるってのはびっくりした。
415リリカルスクライド//G.U. ◆etxgK549B2 :2007/10/20(土) 00:30:29 ID:pmkyUc5Q
>>コードギアス 反目のスバル氏
1から読ませてもらいました〜GJっす!
スバルが転入してきたり、なのはさんの裏設定が出て来るや、ホテル事件でスバル大活躍とは!
ギアス無効化は、スバルの戦闘機人設定が効いてるっぽいですね。
戦闘機人は身体能力の強化で体の至る部分を機械で補強してるのが強みですよね。
あ、ルネも同じかな?

>>×DOD氏
GJです。ゲームはしたことがないのですが、敵がヤバイとかは知ってるので今後が楽しみです。

>>322 ◆tRpcQgyEvU氏
クロノが閃光に消えてしまうとは(涙)
本編でも活躍がほぼ無かった彼に天のご加護を(−人ー)アーメン
あ、エイミィが未亡人に成っちゃったよ(汗)
416名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/20(土) 00:41:45 ID:rlmDgDtL
EDFはやっぱりGJ!!

>>394
私もフォーリナーは巨大な全自動文明排除システムだと思います。だから話し合いも油断もおびえも無く
ただ淡々と破壊するだけ、その上母船も破壊されたのに、たった2年で戦力を立て直したのだから母星
あるのかもしれないめちゃくちゃ最悪だな・・・。しかし、ミッドチルダの技術も手に入れたのかよ・・・。
417名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/20(土) 00:50:14 ID:hF4YRvMB
>>416
それ3ちゃう!2の設定や!
418名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 00:53:14 ID:CsAiIwwZ
こんな時こそゲッペラーや超銀河グレンラガンやイデオンの出番だな
419名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 01:03:43 ID:NypXvrc+
EDFなら黙ってベガルタ一択!と、雑談へ行こうか
420名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 01:39:50 ID:8KdzB9q5
>>373
文明レベルが高い所を攻撃するだと、一種の管理者のパターンがあるかなあ。
行き過ぎた文明は色々と危険性が高いから滅ぼすor減退させとけっていうのが割と
色んな作品ででてくる。
421名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 01:41:33 ID:8KdzB9q5
このスレ見ていてふと思ったが、
EDF全軍と大統領一人だったらどっちが強いんだろう?
そしてこの二つの勢力が手を組んだら、いや、そこまでいかなくても同じ世界に
存在する状態で、平行世界への移動技術を手に入れたら、管理局は地球に対し、
質量兵器の放棄を要求できるのだろうか?っと。
422名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 01:45:57 ID:EdZzpUFN
>>421
質量兵器の放棄を要求する=合衆国の敵=大統領の紳士タイム終了=管理局オワタ、でしょ
423名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 02:10:42 ID:BFHUQC0I
忍を含む全次元世界のMAD度もが集結すれば大綱可能でしょう。
メタルな世界から大統領にも参加してもらえばいいし。
流派東方不敗も呼び寄せられるし、どっかの世界から惑星破壊砲でも持ってくればいいし。
全次元の力を結集すれば勝てるだろう。

面子にこだわれば全滅だけど。
42483な人 ◆brRU.h37Jw :2007/10/20(土) 02:15:53 ID:BFHUQC0I
訂正
大綱>対抗 だった。
425名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/20(土) 03:01:33 ID:mfaz2v2v
しかし、全ての敵がAMFとかアルカンシェル装備しちゃうと
収集が着かなくなりそうだから自重して原作のままで出して欲しい。
原作のままでも陸戦隊は壊滅しそうな感じもするがw
しかし、最後にはオールスターによるEDFコールが聞きたいですな。
426名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 04:03:04 ID:xKVVZdST
>>423
ソドラ王呼んで来れば22%(当社比)パワーアップのコピーで勝てるな
427渡り烏:2007/10/20(土) 06:52:51 ID:CbvU2Z30
星船はザンボット3に出てくるガイゾックと同じ存在理由じゃないでしょうか?
分からない人はザンボット3をウィキで検索してガイゾックの項をチェケラ!! EDFばんざーーーーーーい!!
よー兄弟!力を合わせようぜ!! 君がストーム1か君の指揮下に入る。 こちらスカウト4ストーム1の援護に入ります。ザザー 許可する。ガチャ
ストーム1とストライカーズ総勢や未亡人ズや出番少なかったあの人たちの涙あふれる作品間違いなし!!
428渡り烏:2007/10/20(土) 07:02:57 ID:CbvU2Z30
ふと思ったがストーム1もザンボットみたいに星船を連れてきたーって非難されなくね?
429名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 07:14:25 ID:HV226MKF
いや、冷静に考えてみると星船に次元世界の知識やその渡航方を与えた総責任者はクロノになる
無論星船とは交渉不可能だからその事がばれる可能性は限りなく低いが、
下手するとハラオウン一族こそが迫害される可能性がある
430名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 08:43:55 ID:DhXcO1v5
322氏GJ!
やはりクロノ死亡フラグ回避は不可能だったか…
なのはキャラで死人が出たクロス作品って初めて?
431名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/20(土) 09:37:11 ID:hF4YRvMB
>>429
あたえたつーかあれは奪われたが正しいでしょう
つーか迫害してる暇あったらとっとと対策講じろと言いたいね
432コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/20(土) 09:53:33 ID:vPFhqO7Q
何やら一晩の間にすごいことに…職人の皆様、GJです!

ってこの空気の中でギアス4話投下するのか俺は…
433名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 09:58:52 ID:tfBbW9ZW
支援でございます
そういえば9L.gxDzakIさん以前ロボゲ板の会話妄想スレに投下された方でしょうか
434コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/20(土) 10:02:59 ID:vPFhqO7Q
STAGE4 マッハキャリバーを追え!

「あー…これ、昨日は気付かなかったけど、少しほつれてきちゃってるなぁ」
マッハキャリバーの紐を見ながらスバルが呟いた。
河口湖でのホテルジャック事件から1夜明けた朝。結局ホテルが壊れたおかげで旅行は中止となり、スバルは寮に帰って来ていた。
時間は9時。せっかくの日曜日ということで自室で半日は寝ていたかったが、諸々の理由で目が覚めてしまった。
「新しい紐用意するかな…何でもいいんだっけ?」
『長さが一緒なら構いません』
「ん、オッケー。可愛いの買ってあげるね」
そんなやりとりをしていた時、不意に端末の呼び出し音が鳴った。電話ではなく、機動六課の通信端末である。
「はーい」
スバルは端末を手に取ると、受信ボタンを押す。
画面に表示されたのは、なのはとティアナの顔だ。
『おはようスバル、元気にしてる?』
「おはようございます、なのはさん。おはよ、ティア。
 …あ…っと、すみません。夕べは連絡せずに寝ちゃって…」
昨夜、やっとの思いで部屋に帰ってきたスバルは、色々な意味で疲れていた。
よってなのは達に無事を報告する前に、服を脱ぎ捨ててそのまま寝てしまったのだ。故に、寝起きの今のスバルは下着姿である。
『ううん、いいよ。スバルも疲れてただろうし』
『でも、いくら何でも、通信でその格好はどうかと思うわよ…』
「あ…」
ティアナに指摘され、スバルは改めて自分の格好を認識する。
「す…すみません、今着替えます…」
『まぁまぁ、そんなに気にしない』
対してなのはは寛容だった。
「えっと、なのはさん…昨日のホテルで、あたしデバイス使っちゃったんですけど…」
『ああ、それなら大丈夫だよ。それが元で何か騒ぎが起こったわけでもないし、スバルの判断は正しかったよ』
そう言われて、スバルは内心でほっとした。
姿を見られるどころか、ホテルの部屋の床をブチ抜くという大変なことをしでかしてしまったのだが、
ホテルそのものは爆発で壊れてしまったのだから、そちらもバレることはないだろう。
『でも、昨日は黒の騎士団にいいとこ全部持ってかれちゃったかな』
「ああ、黒の騎士団っていったら、昨日草壁中佐の部屋でゼロに会いましたよ」
『ええっ!? アンタ、ゼロと直接会ったの!?』
驚きも露わにティアナが言った。
ちなみに、ゼロともう1人――ユーフェミアには、スバルの存在は秘密にするよう、固く口止めしてある。
「ねぇティア。あたし、あの人のことよく知らないんだけど…どういう人なの?」
『ちゃんと新聞を読みなさい』
が、スバルのすっとぼけた発言により、驚愕の表情はすぐに呆れ顔に変わる。
『ふふ…そうくると思って、ゼロの新聞記事をスクラップして送っておいたよ。もう少ししたら届くからね』
「はーい、ありがとうございまーす」
親切な上官に感謝する。
『それじゃあね』と言って、なのはが通信を切った。
スバルの部屋にスクラップノートが郵送されて来たのは、約2時間後だった。
435コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/20(土) 10:04:09 ID:vPFhqO7Q
場所は同じくスバルの部屋、そして時間は午後。今この部屋は無人であった。
そこへ、1人の人間が入ってくる。
侵入者はルルーシュだった。当然ながら、部屋の主には内緒である。
(昨夜…)
夕べ、当人が言ったとおり、スバルはルルーシュの目の前に姿を現した。
80年代の日本の男性アイドル歌手(分かりやすく言えば少●隊)を思わせるコスプレまがいの姿で、天井をブチ破って。
更に彼女には、ルルーシュのギアスさえも通用しないのだった。
(あんなトンデモ人間が普通の女子高生のはずがない。何か正体を探る手がかりを探さねば…)
なりふり構っている暇はなかった。
夕べは否定しかけたが、もし仮に彼女がブリタニアの極秘エージェントだった場合、狙われているのはまず自分だと考えていた。
何せスバルはルルーシュの学園に転入し、ルルーシュの所属する生徒会に転がりこんだのだから。
事実、スバルの任務対象はルルーシュである。
しかし、その内容はルルーシュ・ランペルージの監視であり、ゼロの抹殺ではなかった。
そんなことは露も知らず、ルルーシュは彼女の部屋を漁る。
狙っていたのは財布だった。免許証などのように、財布には大抵身分証明書が入っている。
もちろん、部屋の主は外出する時財布を持ち歩く。つまり、普通ならここには財布はないはずだ。
だが、今は普通ではなかった。スバルはそもそも外出していなかったのだ。
今、ホテルジャック事件の当事者であるスバル達は、マスコミに張り込まれている最中だ。
校門には数多くのマスコミ関係者が待機している。こんな状況で外出などできようはずもなかった。
だから今頃スバルはきっと、学園敷地内のどこかにいるのだろう。それくらいの移動なら、財布を持ち歩くまでもないはず。
そして案の定、ルルーシュは財布を発見したのだった。
チャックを開き、身分を示す物を探す。
そしてルルーシュは読み通り、彼女の身分証――機動六課のIDカードを見つけた。
(時空、管理局…古代遺物管理部…機動…六課…?)
もっとも、そこに並んでいた組織名の数々は、ルルーシュの理解の範囲外のものばかりなのだったが。
(ミッドチルダ…これは地名か? そんな国は存在しないはずだが…)
全く意味が分からないものの、読まずに投げだすわけにもいかない。
とりあえず、スバルが自分の命を狙うブリタニアからの刺客でないことは理解(誤解?)できたのだから。
(前線フォワード部隊「スターズ分隊」所属・二等陸士…やはりどこかの軍隊か何かの人間だったか)
その中にも、いくつか意味の類推できる単語が存在していたことはルルーシュにとって幸運だった。
もっとも、その中には…
(! …陸戦…「魔導師」だとぉ!?)
絶対に理解したくもないような単語もあったのだが。
(どういうことだ? 魔導師? アイツは公然と魔法使いなんてイカれたものを名乗っているのか?)
軽く引きかけるルルーシュだったが、すぐに思い直す。
(…成る程…確かに、素手で床を破壊するようなことは、確かに魔法なんてものでも使わない限り無理か。
 しかし…そんなものは地球上に存在するはずがない。ミッドチルダなどという土地同様…、ん?)
一瞬、ルルーシュの脳裏を信じがたいような考えが横切る。
(まさか…だが、それならばこの時空管理局という名称の意味も類推できる…)
仮説が立った以上、最早長居は無用だった。
436コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/20(土) 10:05:23 ID:vPFhqO7Q
「C.C.、説明してもらおう」
自室に戻ったルルーシュは、いの1番に言い放った。
その視線の先にいたのは、1人の少女。
「何だルルーシュ、藪から棒に」
もっとも、その堂々とした振る舞いは全く少女のそれではなかったが。
C.C.――本名不詳。ゼロとしてのルルーシュの協力者であり、居候だった。本人以外でゼロの正体を知る唯一の人間だ。
髪は緑に、瞳は金に輝いていた。
着ている服は初対面の時に身に付けていた拘束具。バンドが止まっていないので、一応普通の服として使用できる。
一見すると人形のような美しい容姿だが、その中身はとんだ殿様少女だった。
「いいから今からする俺の質問に答えるんだ」
「まぁ待て。プロローグから本編3話と外伝2話をはさんでようやくの出番だぞ? 読者の皆様に挨拶ぐらいさせてくれ」
「やめろ。その話題はこの場で扱うにはいささか現実的すぎる」
「そうか…」
C.C.は少々残念そうな顔をしてため息をついた。
「…で、私は何を説明すればいいんだ?」
「お前、1週間近く前に『何か来る』と言ったな」
「ああ。だがそれはどうでもいいだろう?
 言ったと思うが、その者達が私やお前を訪ねてくるような偶然はまずない」
つまらなさそうな表情でC.C.が言う。私の挨拶はこんな質問のおかげでカットされたのか、と言わんばかりに。
「あったんだよ、その偶然が」
若干苛ついた様子でルルーシュが言った。
「は?」
「その2日後に俺のクラスに転入してきた女が、この地球にはないような土地や技術名の書かれた身分証明書を持っていたんだ。
 それを納得させてしまうような、とんでもない戦闘能力までもな」
「成る程…で、質問とは?」
C.C.のその言葉を皮切りに、ルルーシュの話は本題へと入った。
「答えろ。お前の言った『来る』…それは、『平行世界から来る』という意味で間違いないんだな?」
つまり、スバルがいたパラレルワールドが存在するのかと。
ルルーシュは、平行世界が存在する可能性があることが物理学の世界で語られていることを知っていた。
地球に存在しないものがある人類の世界から連想できた可能性は、平行世界しかなかったのだ。
「いかにも、そいつらはこことは違う世界からやって来た者達だ。
 何となく、空間の微妙な穴みたいなものが、このトウキョウで感じられたのでな」
「『こちら側』に来た人数は?」
「多分3人」
「個人を特定できるか?」
「無理だ。私は穴から人の気配が出てきたということしか知らない。その気配は、別に普通の人間とは何ら変わらない」
不完全な情報を提示されたルルーシュの顔は不満げな様子だ。
「そう怒るな。私が全能の存在だとでも思っているわけではないだろう。
 今回は『たまたま』私に空間の穴を読み取る力があっただけだ」
「そうか…」
「案ずることはない。多分、そいつがお前の学園に入学したのはそれこそ偶然だよ。
 一体別世界の人間が、わざわざお前個人に何の用があるというんだ?」
頷くしかなかった。
だが、スバルがわざわざ年齢を2つも詐称していると知っていた場合、同じ感想を抱けたのだろうか。
437コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/20(土) 10:06:35 ID:vPFhqO7Q
午後3時。
スバルは学園内の芝生に座って、なのはの作ったスクラップノートを読んでいた。
わざわざ外で読んでいたのは、外に出れないことに対してのせめてものうっぷん晴らしだった。
【謎の指揮官対謎の新型ナイトメア】
これはゼロの初陣となった、レジスタンス鎮圧作戦の記事である。
反ブリタニアの組織がブリタニア軍から毒ガスと旧型ナイトメア「グラスゴー」を強奪、軍とシンジュクゲットーで交戦した事件だ。
当然戦力差は圧倒的で、軍の楽勝かと思われたが、ある時を境に状況が変化した。
レジスタンスが突然人数分のサザーランドを入手し、非常に統率のとれた動きで、瞬く間に鎮圧軍を全滅させたのである。
その後、当時は発表もなされていなかった試作機・ランスロットが1機でレジスタンスを迎撃・撃破した、という事件だ。
この件はランスロットは基より、レジスタンスを指揮した謎の軍師にも注目が集まった。
【Who is ZERO!?】
言うまでもなく、ゼロがその姿を現した事件の記事だ。
シンジュクでの戦闘の後にクロヴィスを殺害した容疑のかけられた軍人・枢木スザクの護送中に、その男は現れた。
クロヴィスの葬儀の車両を模した車でゼロは進路をふさぐと、高らかに自らの存在と、自身がクロヴィス殺害の犯人であることを宣言。
全く労力をかけることもなくいとも簡単にスザクの身柄を引き取ると、颯爽とその場を脱出したのである。
なお、この時クロヴィスに代わって代理執政官を務めていたジェレミア・ゴッドバルトは、
この事件でゼロが口にした謎の単語――「オレンジ」を聞いた直後、すんなりとスザクを解放し、
あまつさえ逃走するゼロを、彼の言ったとおり「全力で見逃した」ことにより汚職疑惑をかけられ、軍での立場を崩されたという。
それから、他にもこれらの事件に関する記事が、他の新聞からも数件抜粋されていた。
「ふーん…」
スバルはそれらを読み終えるとノートを閉じ、手にしていたサンドイッチを口に放り込む。
要するにゼロはイレヴンを守るテロリストなのだそうだ。
黒の騎士団宣言時には民族は問わないと言っていたが、実際に悪質な強者とは大半がブリアニアの者達である。
「マッハキャリバー、ゼロっていい奴なのかな?」
『ブリタニア帝国に不満を持つ人々から見れば、間違いなく正義の味方です。
 国際関係からして、ほぼ世界の世論と見てよいでしょう。
 ですが、次元世界全体から客観的に見れば、ゼロの行為は、単にこの世界の体制をかき乱しているだけです』
「つまり、管理局の考えはブリタニア寄りなんだ」
『そうなります。この世界は、ブリタニアが各国を支配している現状で、一応安定していますから』
「ふーん」
スバルは芝生に寝転がる。
「…それは、なのはさんや八神部隊長にとってはキツいよなぁ…」
ぽつりと呟いた。
なのはやはやてにとっては、祖国が元の日本に戻ってほしいというのは当然の願いである。
にも関わらず、自分達の周囲の意見は、「ブリタニアが支配した以上、そこから生まれる安定の方が大事」なのだ。
「…マッハキャリバー?」
と、スバルは、自分のすぐ横に置いていたマッハキャリバーからの返事がないことに気が付いた。
呼んでみたものの、未だに返事はない。
「ねぇ、マッハキャリバー?」
スバルはそちらへ視線を向けてみた。そこにあった光景は…
『助けてください、マスター』
猫のアーサーに紐を咥えられ、遠ざかっていくマッハキャリバーの姿だった。
「…ああああああああああああああああああああーっ!」
438コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/20(土) 10:07:45 ID:vPFhqO7Q
「待て待て待て待て待て待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
自室を後にし、適当に敷地内をふらついていたルルーシュの視界に飛び込んできたスバルは、大絶叫をしながら走っていた。
「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ…、あれ? あーもう、どこ行ったの!?」
「…どうしたんだ、お前?」
無視するわけにもいかず、ルルーシュはスバルに声をかけた。
「ルルーシュ! ちょうどよかった…ね、アーサー見なかった?」
「アーサー?」
不意に生徒会室の猫の名前を出され、ルルーシュは怪訝な表情を浮かべる。
「さっき、アーサーに…あたしの大事なネックレス…盗られちゃって…」
ルルーシュはこの状況に覚えがあった。
「またやったのか! あの泥棒猫が…」
憎々しげにそう呟く。
「また?」
「…ともかく、一度俺の部屋までついてこい」
そう言って、ルルーシュは部屋目がけて走りだした。それにスバルも続く。
「ね、『また』って何? アイツ、ルルーシュから何か盗ったことあるの?」
「ゼロの仮面だっ!」
「えええええっ!?」
「生徒会で何か宴会芸でもやれと言われた時のためにとっておいたものだ…だが奴に盗まれ、あまつさえ壊された!」
仮面を盗まれたのは真実だ。だが、その用途と末路は全くの捏造である。
テンションが上がったことでつい口走ってしまったのを、嘘でごまかしたのだった。
もっとも、常に生徒会メンバー(主にミレイ)にオモチャにされているルルーシュには、そんな動機も不自然ではない。
「でたらめにもある程度リアルな具体性がこもっていた方がいい」…それがルルーシュの信条の1つだった。
たとえば、ジェレミアからスザクを奪還した時の「オレンジ発言」のように。

自室に入ると、ルルーシュはパソコンのスイッチを入れた。
幸い、先ほど話を終えたC.C.はふらっと外に出て行っている。
諸々の事情があって追われている立場にある人間にしては危機感が足りない行動だが、
今はいないことがありがたかった。でなければスバルを連れ込むことができなかったからだ。
「何やってるの、ルルーシュ?」
「アイツの右耳に発信機をつけておいてあるんだ。また自分の物を盗まれた時のためにな」
曰く、「あらゆる可能性には対処できるようにせねばならない」とのこと。
ゼロである彼には重要な心がけだったが、ここまですると最早盗まれたことへの腹いせにしか見えない。
「少なくとも、この学園の敷地内はカバーすることができる。…見つけた」
「体育倉庫だね」
体育館の一室に光る赤い点を見て、スバルが確認する。
「…よし、では行くぞ」
「え? 何もルルーシュまで付き合うことも…」
「俺もアイツには恨みがあるんだ。鼻を明かすのに協力させてくれ」
静かだが、はっきりと意志を込めてルルーシュが言った。
439コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/20(土) 10:08:53 ID:vPFhqO7Q
この日、体育倉庫の扉は開いていた。
いやむしろ、開いていることの方が多い。室内球技の運動部がボールを使うためには、開ける必要があるからだ。
にも関わらずここでわざわざ「開いていた」と書いたのは、既に各部活の練習が終わっていたからだった。
「ここだね。…くぉーらぁー! アーサー出てこーい!」
中に入ったスバルは、声を張り上げてアーサーを呼ぶ。
「アァーサァー! あたしのマッハキャリバー返せぇー!」
「何だその物凄い名前は…」
ルルーシュはミッドチルダとやらの人間のネーミングセンスを疑った。
だがその一方で、別の確信も生まれていた。
(こいつは馬鹿…というより、無邪気すぎる。
 断言していい。こいつは俺の敵じゃない。こんな奴が敵として派遣されてくるはずがない…)
微かに穏やかな笑みを浮かべながら、ルルーシュはそう思っていた。
「な゛〜」
「いた! …おりゃっ! おりゃおりゃっ!」
目の前で必死に猫を追いかけている姿を見て、ルルーシュは安心していた。
一応彼にも「友達」意識はあるのだ。
友達になりかけたスバルを疑う必要がなくなったのは、随分と彼の気を楽にした。
「…どれ、俺にやらせてみろ」
「頼むよルルーシュ!」
「任せろ、伊達に背は高くない。…よっ! はっ!」
高さのある器具の上に乗っていたアーサーを捕まえるため、ルルーシュは先ほどスバルがそうしていたように、
とび跳ねながら猫を追いかけた。
「な゛ぁ〜っ」
アーサーは咥えたマッハキャリバーを離すことなく、ルルーシュから逃げる。
「あっ!」
と、そのマッハキャリバーの紐のほつれた部分が、遂にぷつんと切れた。
そのまま床に向かって落下する。
「やった! ルルーシュ、アーサーが落としたよ!」
「ほっ! はっ! …そうか!」
スバルに声をかけられた際、ルルーシュはジャンプしている最中だった。
そして、
「う…うおぁっ!?」
運悪く、足元のロープに足をひっかけてしまったのである。
そのままルルーシュは眼前のスバルの方へと倒れ込んだ。
「え、ええっ!?」
スバルが驚いたのはルルーシュのせいだけではない。
その背後から迫る、無数の体操器具のせいだった。
「「うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーっ!」」

ドンガラガッシャーン!
…と、凄まじい物音が鳴り響いた。
440コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/20(土) 10:10:05 ID:vPFhqO7Q
「えっと…大丈夫、ルルーシュ?」
「ま、まぁ…かなり痛いが…」
スバルを突き倒してしまったルルーシュだが、彼は床に両手をついて、
後ろから倒れてきた体操器具を背中で受け止めていた。
先ほどルルーシュが足を引っかけたロープは、古い器具をくくっていたものだったのだ。
「ともかく、早くこの状況を脱しなければ…スバル、先に抜けてくれ。その後で俺が立つ」
「それが、無理みたい。その…ルルーシュの…手、が…」
そう言うスバルの頬は心なしか赤い。彼はここにきてようやく、左手の何か柔らかな感触に気が付いた。
「…なっ!?」
両手を床についたとばかり思っていたルルーシュだったが、
うち左手は、スバルの右胸をがっちりとわしづかみにしていたのだ。
「す…すまん」
「ああいや、そんな別に怒ってるわけじゃないんだけ、ど…」
どうしてもスバルの視線は伏し目がちになってしまう。
「…と、ともかく…俺が背中のをどけるしかないようだな」
背中に感じる重みを押し返すのはかなりキツそうだったが、最早それしかない。それしか脱出の手はなかった。
ルルーシュは上体を起こして、背中のものをどけようとする。だが…
「はぅんっ…」
不意に、眼下からスバルの声が響いた。
「ど…どうした? 痛んだか?」
「う、ううん。痛くはないけど…その…」
スバルの顔は先ほどにも増して真っ赤だ。
ルルーシュが立とうとした際、ふんばりを入れるために、必然的に手に力がこもることになる。
その結果、左手がスバルの胸を押し、結果的に揉む形になってしまい、
全年齢SSでは文章で表現することをためらってしまうようなパターンの刺激を与えてしまったのだ。
「…分かった。次はもっと慎重に…」
ルルーシュは今度は右手の力だけで身体を起こし、背中に傾斜をつけて器具を滑り落とさせようとするが、
右手だけではさすがにキツかったらしく、肘を折り曲げてしまう。
するとそのまま自然と左手も下がることになり…
「ふぁ…んっ」
結果、さらにスバルの胸を刺激することになった。
(…どうする!? どうすればいい!? どうすればこの状況を打開できる!?
 気にせずやってしまえばすぐに済むかもしれんが、それでもスバルが大変なことになるのは目に見えている!
 助けを待つしかないのか!? だが来るのか!? そもそもこんな状況を見られでもしたら…!)
ルルーシュの頭の中で、夕べのホテルジャック事件の時のように、思考が渦を巻いてカオスを生み出す。
「はぁ…ぁ…」
真下のスバルは頬を赤らめ、妙に色っぽい息を上げ始めている。
次の瞬間、ルルーシュは何やら自らの下半身に違和感を――何かが張りつめた感触を覚えた。
(何膨張させているんだ俺はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーっ!)
「うぃーす。WAWAWA忘れ物〜」
と、間の抜けた歌を口ずさみながら、突然リヴァルが入って来た。そして視線を足元に向けると…
「…何してんの?」
「いいから早く助けを呼んでこいっ!」
ルルーシュはやけっぱち気味に叫んだ。

この後、スバルとルルーシュは、リヴァルと彼が呼んできたスザクによって救出された。
だが、このことでまた生徒会メンバーにイジられる羽目になったのは言わずもがなである。
余談だが、リヴァルが体育倉庫などに一体何を忘れたのかは、最後まで分からずじまいだった。
441コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/20(土) 10:11:14 ID:vPFhqO7Q
>>280先生…SS内でハンモック吊りたいです…
というわけで、ネタを拝借してもよろしいでしょうか?

皆様、おはようございました。ギアス4話です。
>>433)あらら、やっぱりバレてしまった…本当は該当する回を投下する時に名乗るつもりだったんですが。

コードギアスのコメディシーンは、要するにドタバタとエロスなんですよ。
そんなわけで、せっかくギアスSSなのだからそれに合わせようと思い、今回はスバルに犠牲になってもらいました。
自分も「自殺なんて駄目だよ!」並にすごいコメディが書きたいと切に願う今日この頃。

さて、次回は遂にスーパーなのはタイム突入です。
プロローグから節々にネガティブな面が強調されていたなのはさんですが、次回はどうなるのか?
出番のなかったなのはさんは、もしや思いっきり暴れまわってしまうのか!?
適度に期待してお待ちください。あまり期待すると作者がプレッシャーで死にます。

それではまた。
442名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 10:50:52 ID:Z9vCGPfl
GJですよ
スバルはガードが甘過ぎですな
443名無しのゴン:2007/10/20(土) 11:39:31 ID:pFFwk1ij
GJ! ルルーシュめ!なんてうらやま・・ゲフン!ゲフン!もといラッキースケベなことを・・
444名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 12:30:51 ID:gHua469X
たにぐち が あらわれた

戦闘コマンド

GJでした。
しかし、筆が早い。羨ましいかぎりです
445リリカルスクライド//G.U. ◆etxgK549B2 :2007/10/20(土) 14:03:40 ID:pmkyUc5Q
GJです〜アーサーは人が大切にしてるものを盗む癖でもあるのだろうか?w
CCの特殊能力が明らかになるなど、この先どうなるか楽しみです。
ルルーシュがスバルの秘密を知るときは来るのだろうか!?

さてさて、リリカルガオガイガー第10話やっと半分以上進めた(汗)
反目のスバル氏のような日常パートが書けないなぁ〜
戦闘シーンばかり書いてる自分に涙目。
446名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 14:12:54 ID:vJpJNveC
マスカレード氏はまだだろうか・・・
447マスカレード:2007/10/20(土) 16:24:58 ID:d1H+yiBe
>>446
ああぁ……書いてるうちにとんでもない長さに……(ノДT)アウゥ
この分だと今日中の投下は無理そうです……(汗)
管理局と天道の間に決着(?)がついたり学校の怪談話だったりやっと電王ストーリーに入れたりといろいろあるACT.15ですが
次にインターネットに繋げるのは24日か25日なので、それまで待っていて貰えると幸いです……
ほんとに申し訳ないです……
448リリカル・コア:2007/10/20(土) 18:35:38 ID:WupOeLis
システム、書き込みチェック。
何もなければ投下を1900ごろより開始します。

第二話がCパートでデスマーチ進行中・・・
でもなぜかジノーヴとチンク姉・ヴィータの話は思いつく・・・
あのMADをエンドレスで流し続けたのがやばかったか・・・
449名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 18:53:58 ID:Z9vCGPfl
予約承りました
お待ちしております
450名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 19:20:09 ID:gHua469X
支援体制に移行
451リリカル・コア:2007/10/20(土) 19:28:44 ID:WupOeLis
「あれ?ノーヴェ、スーツのデザイン変えたの?」
「ああ、ギンガ姉のアドバイスでな」
「へぇー。装甲を増やしたの?」
ナンバーズ共通のスーツは変わらず、両肩に取り付けた装甲板に自身の名前である数字の9をペイントし、
右側だけだったジェットエッジを左右に装備、の二の腕と体の正面を守る目的で増加装甲のプレート。
「一応、着脱できる・・・って、何でお前に教えなきゃいけないんだよ!!」
「ノーヴェは突撃型じゃなくて、汎用前衛を目指すんだ?」
ノーヴェは認めたくないがもし禁じ手無しで真っ向勝負をスバルとした場合、IS・振動破砕を持つスバルには
勝機は無い。しかも経験や技のレパートリーでも大きく水を開けられている。
おかげで何度もスバル挑んでは連敗記録を更新していた。
紙装甲でも一本道な突撃が出来るのが防御魔法も使える姉二人。それと比べると同じ紙装甲でも魔法による
強化が出来ないノーヴェには同じ戦術は出来なかった。
そんな時、稽古をつけいたギンガが、
『スバルと同じスタイルを目指すより自分自身のスタイルを見つけなさい』
そういわれて考え、試行錯誤の末辿り着いたのが現在のデザインだった。
相手の射撃に臆することなく突撃、機動、回避、防御、確実に相手に打撃を打ち込む。
そのために今までの機動を邪魔しない範囲内で装甲を増やす。
高速を突き詰めても防御魔法が出来なければ同じ装甲でも意味合いが違う。
・・・だが気に入っている本当の理由は。
『ほう、ノーヴェ、デザインを変えたのか?よいデザインだ。しかしうらやましいな、姉も変えてみるか』
チンク姉に褒められたからである。
「まあな」
そうやってお茶を濁す。今度こそ勝ってやると思っている相手にあまり見られたくない。
「ノーヴェ、がんばって」
そういうスバルに背を向け、ノーヴェはアリーナの入り口に向かった。
452名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 19:28:59 ID:gHua469X
支援
453名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 19:30:37 ID:i9u/J4YW
支援
454リリカル・コア:2007/10/20(土) 19:34:07 ID:WupOeLis
ゲートが開き、アリーナ内に足を踏み入れる。そこは広い円柱状の施設だった。
『高さはあるが狭いな』
ノーヴェにとっては閉所戦闘は得意な戦場となる。ジェットエッジによる機動力と腕のガンナックルによる打撃力を持つ
自分のほうが有利。そうノーヴェ踏んだ。
「・・・時間通りですね」
「ふん・・・」
ノーヴェの入ってきたゲートの正面のゲートより先に入場していたエネが話しかける。
相手の武装は軽量二脚型。武装はハンドガンにサーベル。左肩に用途不明の箱、右肩にチェーンガン。
目指す戦闘スタイルは同じか近いモノらしい。
「ギンガさんにお話を聞きました。ただの魔導士じゃないそうですね?」
汎用魔導甲冑の頭部ハッチから顔を出すエネの言葉にノーヴェの口元が引きつく。
「戦闘機人、強化人間ですか?」
「だったら?」
「話に聞く強化人間は壊れた人たちが多いものですから・・・」
「・・・わたしはそんなんじゃない」
上の方の窓から見下ろすギンガ達を見る。
自分を製造したジュエル・スカリエッティ博士。
今では何人か欠け、出会わなかった姉もいる、共に居れた時間も少ないが確かな家族だった十二人。
JS事件終了後、自分達戦闘機人に世界で生きるための知識を教えたギンガ。
無理を承知で頼み込んだ自分を本当に養女にしてくれたゲンヤ。
壊れるような理由がどこにあっただろうか?博士もゲンヤもギンガも自分に意味を与えてくれた。
「わたしはノーヴェ・ナカジマ。お前は?」
名前なら最初に教えてるてるのに・・・。きっと上で見ている三人と一人はそう思っているのだろう。
「エネ。ピースフルウィッシュ、いきます!!」
エネも乗ってきた。同やらノリの良い性格らしい。
<Get Ready Set>
エネのデバイス、ピースフルウィッシュが頭部ハッチを閉鎖し、スターター役をする。
<Ready Go!!>
455リリカル.exe:2007/10/20(土) 19:35:04 ID:AoYtinD/
ノーヴェ・アサルトシュラウド支援
456名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 19:36:15 ID:i9u/J4YW
支援
457名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 19:37:17 ID:i9u/J4YW
H登場支援
458名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 19:38:31 ID:gHua469X
支援
459リリカル・コア:2007/10/20(土) 19:40:20 ID:WupOeLis
開始と同時にジェットエッジのローラーを使って一気に相手との距離を詰め、一気にケリをつける。
それがノーヴェの選択した戦術だった。
だがエネも初動で距離を詰めようと右手のハンドガンを打ちながら接近。
「・・・ちっっ!!」
数発がごく至近を通過。射撃の腕は少しはやるらしい。
「そこ!!」
エネが左手のサーベルを展開、右側、やや下側から横薙ぎに切りつける。
ノーヴェは左にに半身を取ってその斬撃を軽く受け流す。
。同時に右足のジェットエッジを加速、そのまま振り上げ
エネの開いた胴体を蹴り上げる。
「っく!?」
最初の一撃はこっちがもらった。不用意に突撃し、右の胴蹴りを受けたエネは足裏を滑らせながら下がる。
最初の一撃からこっちのペースに引き込むことで有利に立つ。
もし相手がこちらより高ランクであっても低ランクであっても先手をとることが重要。
新しい戦いの師、ギンガに教わった戦い方だった。
「・・・やりますね」
「お前じゃ勝負にならねえよ」
「そうですか・・・」
言葉とは裏腹にエネは機体を立て直す。まだまだやれるという意思表示として。
「まだ始まったばかりですから!!」
言うが早いか即座に行動を開始するエネ。それに合わせてノーヴェも動く。
ノーヴェがローラーでダッシュしつつ左手篭手部に装備された発射口から光弾を連続発射。
相手を削り消耗させ追い込もうとする。
それをダッシュと機体の動きで回避するエネ。機を見てこちらは正確な照準の発砲、連射。
今度はノーヴェが攻撃を受け止める番。両腕部のシールドで攻撃を受け止める。
「意外と一発が重い!?しかも熱!?」
「はぁぁ!!」
右手のハンドガン、それに右肩の単装チェーンガンで弾幕を張り動きを制約する。
相手の動きを固め、高速で接近、寸での所で飛び上がり相手を切りつける。レイブンの常套な近接戦闘法。
プレート状のシールドに電気的な負荷を掛ける。今回はサーベルをかわさずシールドで受け止めるため。
エネルギーとエネルギーの接触する音。
コア・デバイスの甲冑の機能でいくらか軽減される中のエネと違い、ノーヴェは直接エネルギーの衝突の
余波を受ける。
「・・・っと!!」
「まだまだ!!」
一瞬だが固まるノーヴェ。機を逃さずブレードで斬りつけるエネ。
だがノーヴェが右手でレーザーブレードの本体がある左の二の腕を手で止める。
「熱・・・!!」
ブレードの部分の至近は放散される前のエネルギーが残り空気が高熱を持つ。
それでも素早く左手で胸部にブローを一発、機構的な限界まで左手を捻り上げ、振りほどこうとするエネを押さえ、
今度は足を払い相手をあお向けに倒す。
「これでとどめ!!」
460名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 19:42:04 ID:i9u/J4YW
イレギュラー登場支援
461名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 19:43:03 ID:i9u/J4YW
そうか、戦闘機人って熱暴走が起こるかもしれないのか。
462リリカル・コア:2007/10/20(土) 19:43:50 ID:WupOeLis
ノーヴェの右の拳が振り下ろされようとした瞬間、今度はエネが機体のブースターを点火し転がりながら逃げる。
ブースターを付けぱなっしにしながら立ち上がると最高速度で相手に接近。
「まだいけます!!」
今度は機体自体の質量を武器にしたショルダーアタックを敢行。降ろし打ちが外れ、追撃に移ろうとした
ノーヴェと正面からぶつかり合う。
「がはぁ!!」
軽量二脚型とはいえ重量はそれなりにある。それを加速つきで受けたのだ。戦闘機人のノーヴェといえど唯ではすまない。
吹っ飛び、転がってゆくノーヴェ。無理にとめようとせず勢いが弱るタイミングを計る。
弱ってきたタイミングを計り、左肩と腕で、手のひらに力を集め左手一本で数メートルを一気に跳躍。距離を稼ぐ。
「やりますね・・・」
息を切らせながらエネが口を開く。
「おまえこそ・・・。どんな相手でも油断するなとギンガ姉に教えられていたのを忘れてたぜ」
体内の損傷箇所をチェック。機能不全を起こした部分の維持装置をカット。ゆっくりと構えに戻るノーヴェ。
「まだまだいけるな?」
「勿論!!」
エネがうれしそうに答える。
ノーヴェはエアライナーを展張。
「いくぞ!!」
「いいでしょう、空中戦でも!!」
エネもブースターに点火し飛び上がる。
463名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 19:45:31 ID:i9u/J4YW
支援
464リリカル・コア:2007/10/20(土) 19:47:05 ID:WupOeLis
交差する一瞬で一合結び合う。それを何度も繰り返しながらも互いに一歩も譲らない。
自由に空を移動し360度を攻撃できるエネのピースフルウィッシュとコースは限定されるが強力な足場を自由に設定し、
機動の自由を持つことが出来るノーヴェ。
二人の戦いぶりを見ながらスバルとギンガは驚嘆していた。
「最初に名乗りあげてから戦うなんてさ、一騎打ちみたいだよね」
「家でよく時代劇よく見てましたから、・・・父さんと」
「ギン姉も一緒に見てたような・・・」
「・・・スバルなんか言った?・・・でも、レイブンとはいえ、ノーヴェが下位にここまで苦戦するとはね」
「すごいよ、あの子・・・」
「そりゃそうだ、あれぐらい出来なければレイブンを名乗れんよ」
地雷伍長が口を挟む。
「伍長はかつて“不死鳥”の戦いを見たことがありますか?」
同じように観戦していたなのはが伍長に聞く。
「俺はやつに簡単に踏み台にされただけだからな」
そういうと豪快に笑った。
「だが、やつのアリーナ内の戦いはこの特等席から見ていたよ。やつは、そうだな、奇に衒わない装備と機体を
使っていたよ。戦術もそれ相応のものだった。確実にマシンガンを打ち込まれ削られ、動きを掴もうとすれば
いつの間にか誘導弾が飛んでくる。弾幕を掻い潜れば今度は斬り付けられる」
そういうと地雷伍長は拳を作りなのはの目の前で開いてみせる。
「ボン!!・・・どうやって勝てばよかったんだろうな?」
「砲戦タイプじゃない?」
「時々、グレネードやレーザーランチャー積んでるを見たが接近戦の手数を好んでいたようだな、あいつは」
「あれ?なんだろ?」
「エネさんのお仲間かしら?」
最初に気づいたのは二人の戦いに見入っていたスバルとギンガだった。
言葉につられて四人の視線が集まったのは黒と赤のツートンカラーに染められた魔導甲冑だった。
「な・・・、何であいつが・・・?あいつはやばい!!エネ、それに遊んでる嬢ちゃん!!すぐに脱出しろ!!」
それの意味に気が付いたのは地雷伍長だけだった。
「どうしたんですか?」
突然焦りだしたなのはが地雷伍長に聞いた時だった。
『館内放送、管理者権限を有するプログラムの指示により施設内の全隔壁を閉鎖。敵性侵入者を排除します。
繰り返します・・・』
「「「っい!?」」」
465名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 19:50:31 ID:gHua469X
支援
466リリカル・コア:2007/10/20(土) 19:50:41 ID:WupOeLis
館内の灯が消え非常用電源に切り替わる。そして分厚い耐衝撃ガラスをサンドイッチする形で
厚い装甲シャッターが下りる。
「まって!!」
あわててドアに駆け寄るスバル。だが簡単にドアにはシャッターが降りる。
耳を澄ませば多数のシャッターが下りる音が響いてくる。
「閉じ込められた?」
「そうみたいだね・・・」
なのはは落ち着いて状況を考える。敵性の侵入者とはおそらく自分達しか居ない。
「ギンガ、スバル、バリアジャケット着用!!おそらくさっきの魔導甲冑が排除用の抗体だよ。すぐにノーヴェと
エネさんを助けに行くよ」
そういうとすぐにレイジングハートを起動。続けてスバルとギンガもマッハ・ブリッツの両キャリバーを起動。
三人ともバリアジャケットを着用。
「どうしますか?」
ナンバーズのスーツを自分仕様に仕立てたバリアジャケット姿のギンガが聞く。
「とりあえずノーヴェとエネさんを助けに行かないと!!」
こちらは殆ど代らぬデザインのバリアジャケットを着装したスバル。
「この壁を抜いてすぐに行こう」
早速先ほど窓があった壁にレイジングハートを向ける。
「やめとけ、ここの壁は基本的に両面AM処理済の素材だ。ドーム内での下手に強力な魔力放出に耐えれるようにな」
そういうと同時に壁の向こう側から大音響で爆発音が部屋に響く。
「しかも内側は魔力を拡散放射するミラー入り」
「私の砲撃なら!!」
「はじき返せなかった分はミラー内で流れるからな他の壁が爆発する。外側にも逃がそうそうとするから・・・、
内部の人間はえらい目にあうだろうな」
「ドアは?」
「・・・只の対爆仕様だよ」
「・・・スバル!!」
「はい!!」
ギンガが聞き、地雷伍長が答え、なのはが指示し、スバルがナックルでドアを吹き飛ばす。所要時間は三十秒。
四人が部屋を出る。廊下は非常灯だけが点灯し、分厚いシャッターが下りていた。
467名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 19:51:00 ID:IjWeSr1s
ガチタンマダー?
468名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 19:52:26 ID:gHua469X
支援
469リリカル・コア:2007/10/20(土) 19:53:11 ID:WupOeLis
「ノーヴェの方のゲートのほうが近いです。そっちにいきましょう」
「奇遇だな。俺のデジャーマインもそっちにあるんだが・・・」
「スバルとギンガ、シャッターはすべて吹っ飛ばして。無理だったらISの使用も許可するよ」
「「了解!!」」
二人がキャリバーを加速。一気に二人を置いてけぼりにして進んでいく。
「二人とも、早いもんだな」
「伍長は後から来てください。ではお先に!!」
そういうとなのはもジャンプ。一気に加速して飛ぶ。
「やれやれ急いで行く事もなさそうだな・・・、やつが簡単にくたばるとは思わなかったが・・・、
あいつがしくじったとも思えん・・・」
三人を見送り、言葉を区切って自分の歩いて行くべき道を見つめ一人つぶやく。
「アリーナの、レイブンズ・ネストの亡霊か・・・」
<ボス、甲冑を着用しますか?>
「いや、まだいいよ、ゆっくり行こう」
<ラジャー、ボス>
胸元からぶら提げる地雷の形をしたネックレスに答える。少し考えた後、地雷伍長はゆっくりと歩き出した。
470リリカル・コア:2007/10/20(土) 20:00:00 ID:WupOeLis
ドーム内ではノーヴェとエネが戦闘を中止し、正体不明の乱入者と相対していた。
「お仲間を呼ぶとはな。いい性格してるじゃねえか!?」
ノーヴェがエネに対して凄む。
「知らないわよ!!・・・ちょっと、いきなり乱入するなんていったい誰よ!?」
どうやらあちらも知らないらしい。
そしてこちらも知らないということは・・・。
「まあ、どっちにせよ、ぶっ倒すだけだ。エネ、お前の相手は後だ。こいつはわたしが相手してやる」
「該当なし?旧式のパーツで構成された機体って事だけ?・・・まあ、邪魔されたお礼はしないとね。
私も倒すのは手伝うわ。勝負はその後で。いいですか?」
もちろん、そうノーヴェは首肯する。
ノーヴェとエネ、両者ともに戦闘体制で構える。
相手は動かない。装備は右肩に誘導弾ポッド、左肩にグレネードランチャー、右手にパルスライフル、
左手のサーベル、どう見ても普通のレイブンの装備だった。機体も非の打ち所が無いほどバランスが
取れた中量級機動型。肩には黒いHのマーキング。
「仕掛けてこないなら・・・」
最初に仕掛けたのノーヴェだった。
「こっちから行く!!」
エアライナーを展張、目標の黒い機体の周囲に広げ足場を確保。常人では耐え切れないような加速で突撃。
「では私も!!」
それに合せるかのようにエネのピースフルウィッシュが動く。こちらは自身の定石通りの相手の動きを
固めてから弾幕を張り動きを封じる。一応ノーヴェがいるが、あまり気にはしていない。
「・・・上等!!」
火の中に突っ込むノーヴェ。相手は固まっている。そう考えたノーヴェが一気に距離を詰める。
「え・・・?」
一瞬の動きだった。弾幕の中で動かなかった相手が突然、動いた。一番危険であろうノーヴェでは
無くエネに向かって。
「こいつ・・・、くそ!!」
ジェットエッジで緊急制動を駆け、ターン。だが後ろを振り向いたとたん襲って来たの誘導弾二発。
開始しようとするが近接信管が起動。大量の破片と魔力片をばら撒く。
上半身の装甲で受け止めるが大幅に姿勢を崩す。
姿勢を直しつつ体内と装備の状態をチェック。異常なし。まだやれる!!
471名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 20:04:11 ID:iYiWimgM
>>470
ナインボールキターーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!後アナイアレイターもだしてモチロン無人機で
472名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 20:04:16 ID:i9u/J4YW
支援
473名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 20:06:13 ID:IjWeSr1s
セラフマダー?支援
474リリカル・コア:2007/10/20(土) 20:14:05 ID:WupOeLis
「このこの!!当らない?なんで!?」
エネが必死に機動し、ハンドガンを放つ。チャンスを作ろうとするがあざ笑うかのように敵は近づいてくる。
敵機が右手を構え、パルスライフルの銃口がこちらを向く。
「そんな豆鉄砲で!!」
発砲炎が見えた。その次の瞬間には右手の機能異常を知らせるアラート。
「・・・嘘、間接を一発で?でもまだ!!」
そう吐き捨てながら前方を睨む。いた。もう目の前に左手を振り上げた黒と赤の機体が。
「そんな・・・」
次に感じたのは衝撃で倒れる感覚と地面を滑っていく感覚だった。

ノーヴェから見えたのは一瞬だった。左手を腹に打ち込み相手を倒し加速していく背中。
次の瞬間、機体は左へターンし、円形のドームを一周。赤と黒の機体はノーヴェの背後に回るする。
ノーヴェの正面には股関節部分を打ち砕かれたエネの姿が見えた。
「ごめんなさい・・・、戦闘機動は無理そうね・・・」
「そいつじゃ勝負出来ねえだろうが、下がってな。こいつはわたしが相手にする」
「・・・了解、お願いするわ」
さすがはレイブンの端くれ、引き際は早い。
「すぐにギンガ姉たちが助けに来てくれる。それまで待ってろよ」
そういいながら相手に振り向いたとき、ゲートの開く音が聞こえた。それに続いてきたのは・・・。
「きゃぁぁぁーーーー」
エネの悲鳴。ゲートの開いた先にいたのはまったく同じ機体がもう一機、いた。
「な、てめえ!?」
機体はほとんど動けないエネの胸元をつかむと軽々と持ち上げ投げ捨てる。
そして左肩のグレネードランチャーを伸ばす。狙いは・・・、エネとピースフルウィッシュ。
「おい、待てよ?そいつはもう動けね・・・」
容赦なく引き金を引いた。真っ赤な火球が轟音とともに一瞬発生し、静寂に戻る。
残ったのはノーヴェと二機の敵、そしてくすぶるエネとピースフルウィッシュ。
「2対1か上等!!やってやるよ!!」
ノーヴェは構える。
『・・・ギンガ姉とチンク姉に私はここまで成長したって言ってやるんだ。
それでハチマキにだって勝ってやるんだ!!』
ブレイクライナーを発動。狙いを一機に絞りノーヴェは加速した。
475名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 20:16:27 ID:i9u/J4YW
支援

476リリカル・コア:2007/10/20(土) 20:19:53 ID:WupOeLis
とりあえず今回はここまでです。
この後はいろいろと出す予定です。複数のHとくれば・・・。

第三話がはやてのお話、第四話がフェイト達インアビス。
第五話から動き出しまくる予定。

予定では次回は来週かな?
終わらせるのは年末前に召集があるんでそれとの兼ね合いもあるかと・・・。
では。
477名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 20:28:22 ID:iYiWimgM
>>476
ファンタズマが来るのか、アビスへようこそ、これがファンタズマだが聞けるかな
478名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 20:30:08 ID:gHua469X
ノーヴェかっこいいよノーヴェ
このままスバルを押えて主人公化しちゃえ
GJでした
479名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 20:51:35 ID:NypXvrc+
レイヴン大原則ひとーーつ!「複数のACを一度に相手にするな」
AC2AAの調査部隊排除は地獄だったぜ…ノーヴェの窮地は間違い無し、GJ!
480名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 20:55:07 ID:7oH0ffYQ
デデデストローイ。アナザーエイジ版の九玉だったら鬼性能ですなwww
力を持ちすぎた者ってことで、なのはさんたちが狙われそう
481280:2007/10/20(土) 20:58:41 ID:CsAiIwwZ
>>441
あんな咄嗟の思いつきなネタで良ければどうぞどうぞ
482名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 20:59:55 ID:UvC5twch
>>479
イレギュラーはそれを倒すんだよな。
483名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 21:03:23 ID:K1hhXcQu
9ボールキターーー!!!
484白き異界の魔王:2007/10/20(土) 21:04:40 ID:Z9vCGPfl
宴もたけなわのようですが、レスストッパーの私にも投下させていただけないでしょうか。
485名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 21:05:23 ID:IjWeSr1s
レベルが下がる紅茶を飲んだら投下開始だ!
486名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 21:06:10 ID:Xq6f0S4K
>>484
待ってました!お願いしますっ!
487名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 21:06:27 ID:gHua469X
最近sageない人増えたな

>>484
さあ、投下するんだ
488白き異界の魔王:2007/10/20(土) 21:06:38 ID:Z9vCGPfl
通路:ベール・ゼファー
その異変に気づいたのはベール・ゼファーのみだった。
魔王としての人ではあり得ぬ感覚でそれに気づいたのだ。
──月匣内のプラーナの動きが止まっている。
蝗が食べたプラーナは月匣の中で流れとなり、アニエスに届く。
すなわち流れが止まっていると言うことはアニエスがプラーナの摂取を止めたことをあらわしている。
考えられないことだ。
アニエスが今までに取り込んだプラーナも膨大な量ではあるがまだ足りないはず。
大食らいのアニエスが自分からプラーナ吸収を止めるはずがない。
ベール・ゼファーは感覚を澄まし、もう一度プラーナの流れを掴もうとした。
それ故に、ベール・ゼファーの目はなのはからもフェイトからもそれることになった。
それはほんの一瞬のことだった。


通路:フェイト・T・ハラオウン
その変化に気づいたのはフェイトのみだった。
ベール・ゼファーの注意がそれ、動きが止まったのだ。
それはほんの一瞬のことだ。
並の魔道士なら気づきもしないだろう。
フェイトも普通ならこんな僅かな隙を狙いはしない。
それくらい僅かな隙だ。
──誘っているのかも知れない。
フェイトはその考えを消す。
ベール・ゼファーがそんな小細工をするはずがない。
それほどまでに実力差は大きい。
今まで持ちこたえていたのも奇跡みたいなものだ。
だからフェイトはその刹那と言っていい瞬間に賭けた。
これは誘いではなく本物の隙だという可能性に賭けた。
「Sonic Move」
フェイトの姿がかき消える。


通路:ベール・ゼファー
ベールゼファーはその日、初めて驚愕をあらわにした。
目に前に突如フェイトが現れたのだ。
「いつのまに」
全くわからなかった。気づかなかった。
──こんなに近くに。私を出し抜いて。
フェイトが腰に構えた大剣を打ち払おうと手を振る。
だが、僅かに遅かった。
489白き異界の魔王:2007/10/20(土) 21:07:42 ID:Z9vCGPfl
通路:フェイト・T・ハラオウン
切っ先をベール・ゼファーにむけ、体ごと叩きつける。
ベール・ゼファーの口から声が漏れる。
刃がベール・ゼファーの体を貫いた。
──まだ!
残りカートリッジをロード。
炸裂音が響く度に刃はさらに突き進み、やがて魔王の体を地面につなぎ止める。
「これでっ!」
最後の一発を使う。
剣は柄元3寸を残して止まった。
「やるわね」
未だベール・ゼファーの声には揺らぎはない。
剣を押しつけ、地を踏みしめるフェイトにいつもの笑みをやりながら大剣の刃に手で掴んだ。
「あの時と同じようにしてあげるわ」
初めて会ったあの夜と同じ。
ベール・ゼファーの手から大剣にひびができる。
実体化するほどの高密度の魔力が少女の手によりへし折られた。
「そして、これもあの夜と同じ」
フェイトの腹に当てられた手に急速に魔力が集まり、光に変わっていく。
「リブレイド」
どん、という鈍い音と共にフェイトは宙を飛ぶ。
光の刃がフェイトの腹を貫き、背後の壁を焼く。
フェイトは苦痛に顔を歪め、口を開くが声が出ない。
呼吸が思うようにできないのだ。
体が焼けるように熱い。いや、実際に焼かれている。
熱い塊が体の中に滑り込みながら内蔵を焼いていくのがわかる。
それがわかっても声が出ない。
光の刃はフェイトの腹の右半分まで切り込んだとろでようやく消える。
鮮血をまき散らしながら、なおも飛んでいくフェイトは1つの美しいオブジェにも見えた。


通路:ベール・ゼファー
鮮血に濡れたフェイトが不様に飛んでいく。
血が吹き出るのは未だ心臓が動いている証拠。
命を吹き出しながら、なおも生きようと無駄にあがく人間の美しさにベール・ゼファーは頬を歪めて笑う。
その笑いすぐに二回目の驚愕に変わる。
落下するフェイトがなにかとすれ違った。
それは、光球を灯すブラスタービット。
息をのみ、ベール・ゼファーは左右を見回した。
前後左右、そして上空どこを見てもブラスタービットの光球が見える。。
すでに囲まれていた。
そして目の前には高町なのは。
レイジングハートを担ぐように構える眼前にはさらに巨大な光球。
魔王たる自分に挑んでいる。
光球はさらに魔力を蓄え膨張を続ける。
それなら、ここから少し引くだけ。
この包囲網を抜けてしまえば魔法の威力も半減する。
ベール・ゼファーはほんの少しだけ床を蹴るだけでいい。
それだけでいいはずだった。
「なっ」
思うように体が動かない。
体を地面につなぎ止めるものがあるからだ。
それは、フェイトの大剣。
未だ実体化を続ける大剣はベール・ゼファーを想像より強固にその体を縛り付けていた。
「スターライト」
遅らせた時間は微塵としか言えないような僅かなもの。
ではあったが、運命の分水嶺となった。
490白き異界の魔王:2007/10/20(土) 21:11:05 ID:Z9vCGPfl
通路:高町なのは
「ブレイカーーーーーー」
全てのブラスタービット、そしてレイジングハートから魔力光が噴出する。
ベール・ゼファーを直撃した魔力光はさらにその場で魔力光を作り膨張しようとするが、さらに降り注ぐ魔力がそれを許さない。
限定空間内に魔力を押し込め、ベール・ゼファーにさらなる打撃を与え続ける。
だが、それでも足りない。
光りの中には未だにベール・ゼファーの姿が見える。
「ブレイク」
もう一つ先へ。
なのははさらに全力全開を注ぎ込む。
「シューーーーーートっ」
魔力光がさらに強くなる。
光球はふくれあがり、砲撃は威力を増す。
まだ、まだ足りない。
ベール・ゼファーの姿が見える。健在を感じる。
まだ砲撃をゆるめることはできない。
自分の砲撃魔法がベール・ゼファーを倒すか。
それとも、ベール・ゼファーが砲撃を受けきってしまうか。
そういう戦いだ。
故になのはは全力全開のさらに先を求めさらに撃ち続ける。
スターライトブレイカーの砲撃時間は通常約30秒。
なのははそれを超え、さらに撃ち続ける。
40、50……分の領域に踏み込んでも撃ち続ける。
まず限界を迎えたのはブラスタービットだった。
全てのブラスタービットが火花を散らし、スフィアに亀裂を作る。
レイジングハートがそれを教えてくれた。
「アタック!」
ブラスタービットを爆発に突入させる。
それぞれのブラスタービットは残りの魔力を暴発させ、ベール・ゼファーにさらにダメージを与えているはずだ。
次に限界を迎えるのはレイジングハート。
煙を上げ、小さな爆発を起こしてパーツを落としていく。
なのはが握る杖もボロボロと崩れていく。
後に残ったのは10年前に使っていた素のままのレイジングハート。
あの時は大きくも感じたこの杖が今は細く小さく。
「Danger. ……Please evacuate」
放電をあげるレイジングハートが退避を告げる。
割れる声が限界を如実にあらわしていた。
光球と砲撃が力をなくしていく。
「まだよ、レイジングハート。お願い、がんばって!」
「……All right.My master」
「もう一回いくよ」
そして、さらなる巨大砲撃。
「ブレイク、シューーーーート」
ベール・ゼファーの影を直撃し、その力を解放させ、爆発を起こす。
それを最後に爆音はやみ、魔力光も消えた。
そして、なのはも限界を迎える
砲撃と同時に体中から血を噴き出した。
毛細血管が一斉に破裂したのだ。
体が支えきれない。膝に力が入らず、崩れてしまう。
上半身も地面に倒れそうになるが、レイジングハートを支えになんとか起きた。
全ての魔力を使いつくした。
体にかかる負担も限界。
手が痙攣する。押さえようとしてやまない。
荒い呼吸の音だけがなのはの耳を満たしていた。
491名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 21:11:24 ID:gHua469X
支援
492白き異界の魔王:2007/10/20(土) 21:12:17 ID:Z9vCGPfl
自分の息の音の中に足音が紛れ込んできた。
ゆっくりと、引きずるような足音が聞こえる。
「フェイト……」
なのははほころばせた顔をあげようとする。
レイジングハートの束が床を滑った。
地面に向けて、落ちていく体をフェイトが支えてくれた。
「あ……」
そこにいて体を支えてくれたのはフェイトではなかった。

ベール・ゼファーの白く小さい手が喉に伸びる。
腕が少しずつ上げられ喉に食い込んでんでいった。
なのはは自信の体重で吊されていく。
「残念。後一歩」
ベール・ゼファーは冷たい手でなのはの首を締めつけていく。
息ができない。
首から上に血を絞りあげられていくようだ。
ベール・ゼファーの背はなのはよりかなり低い。
立つだけで締めつけられるようなことはなくなるはずだ。
だが足に力が入らない。
まるで足が無いようだ。
腕は?腕で払えばなんとかなるかも。
だが手も動かない。全く持ち上がらない。
レイジングハートを持つだけで精一杯だ。
なら魔法は?
僅かな魔力でもいい。
この手を振りほどければ。
なのはは残りの魔力をかき集めて光球にしていく。
だが、それも小指の先ほどの大きさになったとき、弾けて消えた。
それが、なのはに残された魔力の全てだった。
意識が遠ざかり落ちていくような感覚が襲ってくる。
なのははどこまでもどこまでも落ちていき、床に倒れた。
「わたしが、ね」
落ちる感覚は錯覚ではなかった。
実際に床に落ちたのだ。
今、なのはは天井と自分の顔の間にあるベール・ゼファーの顔を見て倒れていた。
ベール・ゼファーがため息をつきながら自分の手を挙げる。
なのはの視界にベール・ゼファーの片手が入ってきた。
彼女の手首はそこにはもうない。
そこだけでなく、無くなった手首から徐々に体に向け、光りと闇の粒子となって消えていっている。
「アニエスはやられちゃったみたい。私もこんなになるなんてね」
ベール・ゼファーの足が消え、腰も消える。
胸から上が浮いているようだ。
「おめでとう。貴方たちの勝ちよ」
答えることもできない。
口も体も動かない。目も霞むばかりだ。
「勝者に贈り物を、と言いたいんだけどなにも持ってないのよね」
消えていくというのにベール・ゼファーは本気で贈り物を考えている。
それが当然のように。
「そうね、なら魔界の大公である私が貴方たちに称号を授けましょう」
なのはの意識は薄れていく。
もう起きてはいられない。
薄れる意識の中で彼女の声だけが耳に響いた。
「それじゃあね。白き異界の魔王さん、それに黒き雷光の魔王さん。次にあったときにはそれ、ちゃんと名乗ってね」
493名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 21:12:43 ID:gHua469X
支援
494白き異界の魔王:2007/10/20(土) 21:13:23 ID:Z9vCGPfl
空:八神はやて
空が割れていく。。
割れた空の破片がに巻き込まれた蝗がごっそり消えた。
それは世界の終わりをはやてに思わせる光景であったが、割れた空の向こうに本当の星空を見つけると、それが世界の終わりではなく世界が救われたことを示すものだと直感した。
アニエスの月匣が崩れていく。
アニエスを城に突入した誰かが倒したのだ。
「みんなは?」
緑の城に振り向く。
中央の尖塔が崩れ落ちた。
そこを始まりとして、徐々に崩れていく。
「みんなを迎かえけに行くよ」
「了解」
しかし、その必要はなかった。
城の壁から無数の魔力弾と魔力光が壁を破り、吹き出る。
そこにできた穴からは、翼を広げたフリードが飛び出てきた。
その背には突入していったみんなが身を寄せ合って乗っている。
本来の姿となっているフリードでも7人も乗るとかなり狭い。
「うまくいったんやろ?」
確信はあるが、聞かずにはいられない。
突入した誰かからその報告を聞きたい。
「ああ、アニエスは倒した。ベール・ゼファーもな。これで世界は救われたはずだぜ」
フリードの尻尾の付け根で目を閉じたなのはとフェイトを支えている柊蓮司が答える。
スバルもティアナに支えられていた。右手を柊蓮司の上着できつく縛っている。
「その3人は?もしかして、てことはないんやろ?」
「あまり良くはないだろうがな。息はしっかりしている」
それだけ聞けば次にやることは決まっている。
「みんな、撤収や!」
空に新たな亀裂が入る。
その向こうには、白く欠けた月があった。


空:フェイト・T・ハラオウン
意識が少しだけ覚醒する。
フェイトは誰かの手の中でうめき声を上げた。
目をうっすらと開き、上を見る。
誰が支えてくれているのかはわからない。見る物全てがぼやけている。
しばらく空をぼうっと見上げていたフェイトの視線がようやく定まっていく。
柊蓮司がいた。
「みんなは……どうなったの?」
「大丈夫だ。うまくいった」
フェイトはやっと安心する。
その言葉を聞くまで、目を閉じているときもずっと戦っているような気がした。
こわばっていたからだから力が抜けていく。
「あ……」
束だけのバルディッシュが力の抜けた手からこぼれ落ち、フリードの背中に当たる。
そこで1回弾み、今度はフリードの背中からもこぼれ落ちた。
495名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 21:13:58 ID:gHua469X
支援
496白き異界の魔王:2007/10/20(土) 21:15:10 ID:Z9vCGPfl
空:柊蓮司
柊蓮司は落ちていくバルディッシュに手を伸ばす。
体のあちこちが痛いがバルディッシュを取るくらいならできる。
少し遠くに弾みすぎたようだ。近くに座っているエリオに刺させていた2人を負かせ、もう少し手を伸ばす。
空中にあるバルディッシュをキャッチ。フェイトの手に戻そうとする。
その時、柊蓮司は………
柊蓮司は……
足を滑らせた。

「え?」「あ?」「い?」「う?」「お?」

皆がそれを見るが誰もとめられない。
誰かを支えていたり、遠すぎたり。
「うああああああああああああああああああああ」
とにかく柊蓮司は誰の手も届かない空に放り出され、夜空を落ちて、いや下がっていった。
まあそれでも。
柊蓮司がこれくらいでどうにかなることはあるまい。


**************************************

今回はここまでです。
やっと、クライマックスフェイズ終了。
さあ、次はエンディングフェイズだ
497名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 21:21:38 ID:Xq6f0S4K
>>496
最後に下がったwwwwww
思わず吹きました。GJですw
498名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 21:23:09 ID:IjWeSr1s
GJ!
これでこそ柊!
499名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 21:26:59 ID:gHua469X
ついに名実共に魔王にw
GJでした!
500名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 22:00:58 ID:gHua469X
そういえば、パッパラ隊とのクロスの人見ないな最近
501名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 22:41:13 ID:M5sVszQT
見ないどころか消息すら絶っていそうな職人さんだっているぞ
無事でいるのかな・・・
502名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/20(土) 22:48:09 ID:hF4YRvMB
俺らに出来る事はたった一つだけ・・・・無事でいる事を祈るだけだ
503名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 23:01:37 ID:DzuUdpfy
覚悟のススメクロスの人も見ないな……
504名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 23:22:11 ID:q7E2pI9y
正伝氏も見ない・・・早く続きが見たい
505名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/20(土) 23:25:45 ID:hF4YRvMB
ここは一つ俺らで、職人さん達に応援エールでもやってみるか?
506名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/20(土) 23:28:06 ID:IjWeSr1s
>>505
よっしゃー!
  、ー'´         \                /''⌒ヽ-─‐- 、
  >       ,       !               ゝ ,、.___,  \
   ≧  , ,ィ/ハヽ\   |              「 ./        \  |
   .1 イ/./ ! lvヾ,.ゞ、 !               |./        ヽ |
   _レ「゙f.:jヽ ーT'f.:j'7`h              r|´゙>n-、ヽ-rj='^vヽ
  {t|!v ̄" }  ` ̄  !リ              :|r|  ー "j `ー ′ h゙リ
  ヾl   ヾ_    /'               ヾ!   ヾ   v イ‐'
    ト  ヾー-' ` /.|                 ト.、  ー―  , ' |
    | :\    /,' ト、_     ∧∧∧       ⊥:`ヽ. __ / ,' |
 ,、.._ノ ::  `ー '   /,.イ   <    >   / ̄\ ::       , '/ ̄\
ヘ<  _::   _,. イ/ |     < な あ >
                 < い き >   イ   , ,ィ ハ i 、 .   |
 /   , ,ィ ハ i、 、     ! < ! ら >   .| ,ィ/l/ l/ uハlヽトiヽ. |
 /イ  ,ィ/l/ |/ リuヽlヽト、 | <  め >   .|/゙>r;ヘ '-‐ァr;j<`K
  イ /r >r;ヘj=:r‐=r;<ヽ| <    >  ry   ┴ 〉   └'‐ |rリ
  r、H   ┴'rj h ‘┴ }'|ト、  ∨∨∨   |t|.   ヾi丶    u レ'
  !t|| `ー-‐ベ!` ` ー-‐' ルリ          ヾl   __,   /|
  ヾl.      ヾ    u/‐'            ト、   ___    イ ト、
    ト、  ー―― u,イl.             | ::\     / ; / \
   ,.| : \   - / ; ト、          ./〈 ::  ` ー '   ,'/   「
-‐''7 {' ::   ` ー '  ,; ゝ         l`   \::     /      |
  /  \ ::       , '/  :|             ,.へ、 /´\       |
507リリカル.exe:2007/10/21(日) 00:08:12 ID:4LZjQr82
警察V類の一次通ったノリで書いた遊戯王クロス予告編。明日にでも張りますー。
508名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 00:08:56 ID:3Uweck2I
キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
待ってるぜ
509名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 00:09:43 ID:R0hH9iUU
  /      _,.- '"       〃− 、
   / l     /         /'    \
  l∨  !    /       /⌒ヽ/⌒ヽ   ヽ
  | !   '、 /       /   、/    ヽ  ',
 N ヽ  ` −‐─ ‐ ''"   ///^i     ヽ  |
 lヽ  \      _, ‐' _,.-'"//  l | l  ヽ l
 ヽ \   _,, −' _,、- '_,.ィ´/    l| l l  ヽ
  ー=二 -−''" _,.=く /'"  _,,.== 、l| l l   |
   ‐=>  / xく,iニ、 、    _,. -ニk, | l ∧  |
   ̄`'ー‐/ ,イ ´_{廴}ヽ!    ィ廴}冫 | l/イ | |l |                ヒーローになるわ
      / / } ! ´´¨´      `¨゙゙` }!j/ ノ | |! |         
       l /ヽ`i     j        ' {_,.ィ'"} |! ∧     /         SSを投下した人は・・・・・・
       l/   `l     ヽ_ -         華・ リl,ハ ヽ、_/{ / ,/
      /  / 、   v‐-ー-、_,    /|  |  /、  ヽ、 _/レ'/    このスレのヒーローになるわッ!
ヽー一'"_,. '   /\  ヽー‐ '゜   / |  l /  \ _,/ / /
  > 、 _ / / /' \     /    |  l. \     /∠ ,/
  ̄`ヽ、_ /_ / / }lヽ− '"/     \ ヽ、 `  ̄ ´  ,.イ
   \ー−'' "  /// |              \‐\─ −‐ ''"/
    `' −、― '´ ̄/  !   /       __,,. >‐ ― −<
510名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 00:09:54 ID:aERMnGot
すげえ。
応援の効果が早速あった
511なのはVSボウケン:2007/10/21(日) 01:08:41 ID:bdkoLPwj
皆さんGJ!最近は読んで感想を書くという自分の対価が払えずにバターになりそう……。
人のことは言えませんが、最近はなんだか投下の数の割りに感想が少ないような気もします。

>>コードギアス 反目のスバル 氏
GJ!ナイトメア・オブ・ナナリーも絡めてくるとは素晴らしい。あれもぶっ飛んでますよね。
ラッキースケベなルルーシュなどギャグも冴えてますw何より筆が早いのがいい。
>>×DOD 氏
GJ!アンヘルの優しさに涙……。それにしても上手い。喜劇の方も期待大!
>>322
GJ!ああ……クロノ追悼。これが作品の内外でも重要な出来事になりそうです。
>>リリカル・コア氏
GJ!興味はあっても未プレイなAC。それでも戦闘描写が秀逸で素晴らしい。
オリジナル要素は自分もやってみたいです。
>> 白き異界の魔王氏
GJ!おお、遂に決着!タイトルも最初から織り込み済みだったなら凄いです。
そして最後に柊w興味のある原作が増えて困ります。


DTBの戦闘は一瞬の殺るか殺られるかで書き難いですね。
シナリオの柱は何か迷っていたのですが、見返してみて、バトルでもなければゲートの謎でもなく、
ゲートに翻弄されたりされなかったりする全ての人々の人生ではないか、と思いました。
書いていて、これはなのは達もその中に含まれるStSのIFなんだなぁ、とも。
というわけで今週分の対価を01:40頃に投下してもいいでしょうか?
512名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 01:09:26 ID:3Uweck2I
いいぞー
513名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 01:13:15 ID:TNCRcCWG
今月中に電王strikerずを書きます!
題名は管理局対SUP≒最上階管理特区∞コードは10.9.3.2

以下シナリオ
良太郎が六課の特別講師と成り、はやてとは電王になる前からの患者仲間で六課設立のきっかけで、ある事件で電王となった良太郎と再会する

はやて「怖くないの」
良太郎「弱いとか知らないとかは理由にならないだから僕は戦う」
二人「変身」

同時にあるシステムによって統合した管理特区に行くなのフェがカレー屋で観るものは
闇の書が原因で引き起こした次元震でシグナムが出会った闇の飛蝗戦士
矢車「ゼクトの回し者か」
シグナム「こやつのオーラは」
ユーノが来た町そこにはロストロギアを超える鍵があり
ユーノ「ここは一体あれは何」瀬戸山「君もしかして魔学者?」
クロノ「この列車は一体」

戦士が戦士を呼ぶ必然のスピンオフ作品

もう少しで引き起こします

ミッドチルダに俺!参上
514名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 01:16:14 ID:YUeVsCqt
>>513
がんばれ、でも次からはsageてほしいな
515名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 01:16:25 ID:3Uweck2I
いいからsageろ
516リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2007/10/21(日) 01:25:46 ID:0+wgjkUB
皆さん色々ありがとうございます。
まぁいきなり話が飛ぶと困るから、やっぱ一部終わってから二部のほうが良いですよね…
全巻レンタル始まったら続き書きます。
それまでは…この前話したファーストのネタでも書いたほうが良いのかな?
517LYRICAL THAN BLACK:2007/10/21(日) 01:43:55 ID:bdkoLPwj
あれほど土砂降りだった雨は、今はもうほとんど止んでいた。それでも名残を惜しむように深々と静かな雨音が響く。
それはその場の誰もが沈黙しているからに他ならなかった。
翠屋のカウンター、そこには千晶となのはの他には誰もいない。
「ねえ……あなたは何でここまでしてくれるの?」
千晶がそっとなのはに訊ねた。両手で包み込むコーヒーは冷えきった身体に優しい温もりを与えてくれる。
「私は……原口さんを助けたいんです」
なのははそう言って千晶に微笑みかけた。穏やかな笑顔にほんの少し、千晶は救われた気がした。だが、
「だからって……」
それでも千晶には納得できなかった。巻き込まれただけの彼女が何故そこまでする必要がある?
「いいんです。私が自分で選んだことですから」
なのははまた笑った。ただ、今度の笑顔はどこか自分に言い聞かせているような陰りがある――千晶にはそんな様に見えた。


「知ってる?この空に星が流れるのは、あいつらの命が消えた時……。今、この世界のどこかで契約者が死んだんだ……」
空を過ぎる流星を追う千晶は、彼女を負ぶう李、傍に寄り添うなのはに静かに語り出した。
雨の止まない街を、濡れることも厭わずに三人は歩く。取り敢えずは李と千晶のアパートに戻ってみることにしたのだ。
追手は回っているかもしれない。それでも着の身着のままではどこに逃げることもままならない。
「10年前、本当の空が消えて偽物の空にすり替わった一週間後、契約者と呼ばれる能力者、ドールと呼ばれる魂の無い受動霊媒が現れた……」
聞いた訳でもないのに千晶は淡々と話し続ける。多分、聞いて欲しかったのだ、一人で背負うには重い真実を。それが更に2人を泥沼に引き込むことになるとも知らずに。
「彼らの情報が広まることを恐れた各国政府は、ゲート由来の新技術『ME(MemoryEater)技術』を使って、契約者と接触した者の記憶を消去してきた……どの国も彼らを利用している癖に」
「詳しいんですね……」
「ずっと研究所で働いてたせいかな……。知らなくてもいいことまで知るはめになっちゃった」
518LYRICAL THAN BLACK:2007/10/21(日) 01:45:15 ID:bdkoLPwj
そんなことすらなのはは知らなかった。ただ、がむしゃらに彼女を襲う危機さえ払えば救うことができると思っていた。
「私は魅入られているんだ……。高校生の頃だったか……両親を殺した契約者はまだ子供で……私はドアの隙間からそれを見てた。私は青白い燐光、契約者の身体を包むランセルノプト放射光を恐ろしいと思いつつも、綺麗だと見惚れてしまったの」
ほんの一瞬だが、なのはも見た。あの美しい幻想的な光を。
闇の中に煌く光は今も記憶に焼きついている。それならば――。
「私も……魅入られたのかな……」


LYRICAL THAN BLACK 黒の契約者
第二話
彼女の空を星は流れ……(後編)


李のアパート、202号室に辿り着いた三人はそれに唖然とした。
「酷い……」
なのはの言葉通り、空き巣にでもあったかのように、部屋中が荒らされていた。押入れ、箪笥、台所の棚。服も食器も、あらゆるものが無造作に投げ出され、散らばっている。
「早く着替えた方がいいです。僕は隣の部屋に帰ってますから……」
「そうです、原口さん。早く荷物を用意した方が……」
しかし、肩を震わす千晶の耳にはそんな言葉は届いていない。
もしかしたら起こった全てが夢か何かで、いつもの部屋に帰って明日もいつもの様に店へ出るんじゃないか。そしていつか――。
扉を開けるまでは、そんな下らない妄想も信じられた。
「本当なんだね、今日、起こったこと……。ルイは契約者で……死んだって……」
「原口さん……」
千晶に掛ける言葉をなのはは持たなかった。
「ありがとう、二人とももういいわ……。巻き込んじゃってごめんなさい。今ならまだ戻れるから……もう構わないで……」
振り向いた彼女は笑っていた。眦が小刻みに震え、無理に笑顔を作っているのだとすぐに分かる。
千晶の言葉に構わず、なのはは彼女に歩み寄った。或いはこの時点ではまだ軽く考えていたのかもしれない。契約者のことを、この世界の闇を。
「原口さん……私の家に来ませんか?」
それは彼女の微笑む様が痛々しくて見ていられなかったから。
彼女を救ってあげたい――今は強くそう思う。
夜に踏み込むことが何を意味するのか、踏み入れれば後戻りなどできないことにすら気付かずに、なのはは千晶を抱き締めた。
519LYRICAL THAN BLACK:2007/10/21(日) 01:46:38 ID:bdkoLPwj


「でも李君にはびっくりしましたよね〜。服が引っ掛かって電車は避けれたけど、そのまま高架の下で気絶してた、なんて」
「ええ……でも無事で良かった」
千晶を何とか元気付けようと話題を振ってみるが、どうにも芳しくない。ただ李の話題には僅かに反応を示した。
思えば彼も不思議な人だ。どこか抜けていて温和そうな青年なのに、妙に修羅場慣れしているというか――。彼には迷いが無いのだ。公園でのことはまだしも、千晶を助けた時なんて戸惑って当然なのに。
そして今も、李は何でも協力する気でいる。どうにか警察やジャン達を誤魔化してみると言っていたが、どうするつもりなのやら。全く動じていないように見えたのが少し気に掛かった。


「この街に越して来てたった2週間……本当に生きてるって実感があったんだ。ホステスなんて絶対無理だと思ってたけど、やってみたら案外はまっちゃって。研究所で呪われたように研究に明け暮れてたのが嘘みたいに……」
カップに揺れる波紋をぼんやりと見ながら、千晶はぽつりと呟く。合間には自嘲気味に笑ったり、安らかに目を細めたりもする。なのはは千晶の顔を見つめながら、空虚な笑顔の全てが悲しみに満ちていることを感じた。
「何よりも……もうすぐルイが迎えに来てくれるって思えたから……。でも……もう戻れないんだね」
「原口さん……」
こんな時、何と言えばいいのだろう。
――悲しかったですね。
――元気出して下さい。
どんな言葉も陳腐な慰めでしかなく、ただただ沈黙するしかない。


「当てはあるんですか……?」
数分後、なのはの方から聞いてみた。
「アハハッ、あるわけないじゃない。ルイだけが頼りだったんだから……」
「ごめんなさい……」
乾いた笑いを浮かべる千晶に、申し訳無さそうにうな垂れる。無神経な発言で彼女の傷を広げてしまった。
「私が……私が何とかします」
「何とかって……どうやって?」
「それは……」
結局出てきたのは、根拠の無い薄っぺらな励まし。でも、それでもこの時、どうしようもなく彼女を救いたいと思った。そのために身に付けたのが魔法なのだから。
「もう……何もかもが疲れちゃった……」
泣き腫らした目に浮かぶのは諦観の念。今はせめてゆっくりと眠らなければ、彼女は壊れてしまいそうに憔悴している。
「そうですね……。明日は李君も交えてこれからのことを相談するとして、今日はゆっくり休んでください、原口さん」
幸い父や母には訳ありの友人ということで許可を貰った。
「原口ってのは偽名。本名は千晶……。篠田千晶って言うんだ」
「千晶……さん。いい名前ですね。私はなのは、高町なのはです」
「なのはちゃん……。いい名前ね……」
「はい、よろしくお願いします」
そしてようやく、彼女は微笑ってくれた。
520LYRICAL THAN BLACK:2007/10/21(日) 01:48:14 ID:bdkoLPwj


次の日、なのはは大学を休んだ。これまで無欠席、中高時代も休む時は必ず連絡をくれたというのに――。これにはアリサやすずかも心配している。
フェイトとはやては夕方、翠屋を訪ねることにした。何かあったのかもしれないし、何も無ければ勿論それが一番いい。
そろそろ混みだす時間だろうか。翠屋は士郎と桃子だけで少々大変そうだ。
「こんにちはー」
「えらい忙しそうですね」
フェイトとはやては手近な士郎を捕まえてみる。
「ああ、こんにちは。なのはは今日は気分が悪いらしくてね。上で寝てるけど……」
「なのはが……?」
彼女は絵に描いたような健康優良児である。これまでも風邪を引くことなどほとんどなかった。
お見舞いを申し出て、なのはの部屋を訪ねると案の定、
「あ……フェイトちゃん、はやてちゃん……」
彼女は元気そうだ。二人を見た瞬間、すぐに罰が悪そうに語尾を萎ませたが。
「なのは……」
「元気そうやね。なのはちゃん」
ほっと一息吐いた二人は、ベッドに腰掛けている見知らぬ女性に視線をやる。二十そこそこの茶髪の女性だが、知る限りのなのはの交友関係には無かった。
「あ、こちらは原口千晶さん。今ちょっと家に泊まってるの」
「どうも……」
フェイトとはやての、彼女の第一印象はイマイチだった。目の下に隈を作った陰鬱な表情は化粧でも隠せていない。彼女の置かれている状況を鑑みれば当然ではあるが、そんなことは知る由もない。
「あ……こちらこそどうも」
「こんにちは……」
挨拶を済ませても会話が続かない。千晶も一言だけ発して黙ってしまったし、取り持つべきなのはは、あたふたと忙しなく視線を巡らせる。
紹介しようにも、彼女のことをこれ以上話していいものだろうか。追われる身の彼女に雑談をする元気も無さそうだし――。
どうしようか迷っているなのはを察して、
「いいわよ……私のことは気にしないで話してくれれば」
千晶はそう言うものの、なかなかそうもいかない。そこに助け舟を出してくれたのは、はやてだった。
「それじゃ私から質問させてもらってもええですか?」
「いいけど……」
はやては真剣な顔で言葉を溜め、千晶となのはは身を固くする。身の上に関わるような話なら上手くはぐらかさなければ。
心なしか場に緊張が走る。はやてが何を言い出すのか――誰もが固唾を呑んで見守る中、彼女は口を開いた。
521LYRICAL THAN BLACK:2007/10/21(日) 01:49:50 ID:bdkoLPwj


「いや……原口さんて美人やしスタイルもええから、何か美容と健康にコツでもあるんかな〜、と。胸も大きくて羨ましいなぁ」
「はやてちゃん……」
どんな危険な質問が飛んでくるかと構えた身体が一気に解れていく。フェイトも同様に脱力している。そして千晶はというと、
「ぷっ……ふふふふ、あはははははは!!」
誰よりも緊張したであろう彼女は、あまりに拍子抜けした質問に吹き出した。かなりツボにはまったのか、身を捩って爆笑している。
「千晶さん……」
こんなに楽しそうな千晶をなのはは始めてみた――と言っても昨日出会ったばかりだが。初対面の人間にする質問ではないが、この際それは問題ではない。
「あははは。はやてちゃん、いきなりそんなこと聞いたら失礼だよ〜」
千晶はまだ腹を抱えて笑っている。緊張が大きかったから落差も激しいのかもしれない。一時でもいい、千晶が楽しい気持ちになってくれたことが、なのはには嬉しかった。
頑なだった千晶をこんなに笑わせている。これもはやての凄いところだ。フェイトも口を押さえてクスクス笑う。
「あははははは――…………」
直後、苦しそうに上を向いて笑っている千晶の目から、すぅ――と光が消え失せた。


「……!!」
フェイトは声を出すこともできず戦慄した。光の消えた目――死人のように虚ろで輝きの無い瞳。位置的に、それを確認したのはフェイトだけだった。
「千晶さん?」
なのはの呼びかけに、暫くして千晶は反応した。軽く頭を振って額を押さえる。
「ごめんなさい……。昨日も寝られなかったから疲れてるのかも……」
「私からも質問していいですか……」
唐突にフェイトが質問をぶつけた。彼女の千晶を見る視線は不審げな――睨んでいるといっても遜色ない。声色も刺々しい。
「ご職業は?お住まいはどちらに?あなたは……誰なんですか?」
矢継ぎ早に質問を繰り出して千晶から情報を得ようと試みるフェイト。なのはは慌ててそれを止めた。
「ちょ……ちょっとフェイトちゃん、どうしたの?そんな急に――」
「なのはは黙ってて」
「フェイトちゃん……」
なのはの言葉を遮って、フェイトは冷たく言い放つ。はやては状況が飲み込めずにきょろきょろと三人を見渡した。
「ん?どないしたん?」
「どうなんですか?答えてください!」
次第に声を荒げるフェイト。最後の方はほとんど恫喝に近い。千晶は戸惑いながらもそれに答える。
「職業はホステス。家はここから電車で二駅のアパート。最後の質問はよくわからないけど……」
答えを聞いてもフェイトは何も答えない。むしろ顔が更に険しくなった。
「もう!フェイトちゃん、失礼だよ!私のお客さんなんだよ!?」
彼女は明らかに冷静さを欠いている。フェイトはなのはの声にも耳を貸さず、ただ千晶の一挙一動を観察している。
522LYRICAL THAN BLACK:2007/10/21(日) 01:51:20 ID:bdkoLPwj


「私、夜まで時間を潰してくるわ……」
千晶が立ち上がった。どうやら自分は歓迎されていないようだ。フェイトは変わらず千晶を睨んでいる。
それに、今は異分子扱いされるのが耐えられなかった。
「駄目ですよ!千晶さんは夜まで隠れてなきゃ――あ……」
最大のミスはその言葉でなく、明らかに「しまった」とでも言いそうな絶句と表情だ。当然ながらフェイトとはやては食いついた。
「なのはちゃん……隠れるってなんやの?」
「なのは、嘘吐いてまで休んで……何かあったの?」
「あの……それは……」
どこまで話そう、千晶を危険に晒すだけでなく、フェイト達を巻き込むことになり兼ねない。そうこうする内に千晶は部屋を出て行こうとする。
「千晶さん!」
「ちょっと喉が渇いただけ……すぐ戻るわ。台所借りるわね……」


「なのは教えて。あの人とはどんな関係なの?バッグを取り違えた人なんでしょう?」
「フェイトちゃんこそおかしいよ。何で千晶さんにあんな態度取るの?」
「まぁまぁ……二人ともそう熱くならんと」
千晶の去った部屋は、なのはとフェイトによって険悪な雰囲気に満ちていた。二人の間ではやてがそれを収めようと宥める。
「取り敢えず、フェイトちゃんは少し落ち着いて深呼吸、な?それでなのはちゃんは何で原口さんを泊めてるんか話してくれへんかな?」
まだ何か言いたげなフェイトをはやてが手で制す。それを見てなのはも心を決めた。
しかし二人を巻き込みたくないのは変わらない。だから掻い摘んで事情を説明することにした。
「千晶さんはある事情で追われてて……今はアパートにも帰れないの。だから一時的にここで匿ってるの」
大分端折ったが、嘘は吐いていない。
「何でそんな人を匿ったの?」
「恋人を亡くしたばかりで……放っておけなかったから……」
フェイトの攻撃的な口調は、今はなのはにも向けられていた。珍しく本気で怒っているフェイトに、つい萎縮してしまうなのは。
523LYRICAL THAN BLACK:2007/10/21(日) 01:53:01 ID:bdkoLPwj
「はぁ……なのはは考えなさ過ぎだよ。すぐにそうやって突っ走って、危険に首突っ込むんだから……」
呆れたようなフェイトの言葉に、かぁっと顔が熱くなる。千晶の悲しむ様を見ていないフェイトにそんな風に言われるのは我慢ならない。
「何でそんなこと言うの!?フェイトちゃんは千晶さんのことを何も知らないじゃない!」
「それなら、なのはは知ってるの!?昨日会ったばかりの人をそんなに信用するのは危険だよ!周りの人を巻き込むことになるって解ってる!?」
「それでも放っておけなかった!私は自分の身くらい守れるよ!それに巻き込みたくなかったから話さなかったの!」
なのはもフェイトも立ち上がり、顔を真赤にして睨み合っている。互いに互いを想ってのことであることを二人は知らない。
そして一人座っているはやてが、お茶を啜って二人を見上げ一息――。


「二人とも落ち着き!!」
部屋中に響いた声は外にも漏れるのではないかと思うほどに大きい。思いもしなかった制止に、両者ともぴたりと動きを止めた。そしてはやては、再度お茶を啜ってなのはに向き直った。
「なのはちゃん、どんな事情か知らへんけど……私もなのはちゃんは先走り過ぎやと思う」
「そんなこと――」
「原口さんをここに泊めたことで、もうなのはちゃんはおじさんやおばさんを巻き込んでること――ちゃんと解ってる?」
「それは……」
正直、考えていなかった。あの時はただ無意識に誘っただけだ。自分にできることはそれくらいしかなかったから。
「それに……原口さんがなのはちゃんの言うように優しい人やったら、無関係のなのはちゃんが自分のために傷ついたら悲しむんとちゃうかな……」
優しく諭すような、それでいて真っ向からの厳しい正論に、何も言えなくなった。現に千晶は何度も忠告していたのに。
彼女はとても深い悲しみの中にいて――それを救ってあげたい。ただそれだけなのに。
524LYRICAL THAN BLACK:2007/10/21(日) 01:54:37 ID:bdkoLPwj
「なのは……魔法使ったんでしょう……?」
黙っていたフェイトが再び口を開いた。悲しげな瞳は、彼女が心底なのはを心配している証拠だが、今のなのははそれに気付くことはない。
「うん……」
「ここはミッドチルダじゃなくて……私達はもう管理局の魔導士じゃない。ミッドとも連絡は取れない……魔法じゃ何も解決しないんだよ?」
「私も……なのはちゃんは誰かを助けることに拘り過ぎてるように思える。皆を皆助けることなんて出来へんのに、無茶し過ぎや」
なのはは愕然とした。否、本当は解っていた。この世界では魔法は異物でしかなく、それを存分に生かすことなどできないことなど。
「フェイトちゃんもはやてちゃんもそんなこと言うの……?」
それでも、その真実が共に戦った親友二人の口から出たことがショックだった。
「なのは……」
「なのはちゃん……」
魔法と出会う前の自分は、アリサやすずか、親兄弟に囲まれて幸せでも――それ故にどこか孤独感や物足りなさを感じていたように思う。或いは自分に自信が持てないコンプレックスだったのかもしれない。
そこに現れたのがユーノ・スクライアと魔法だった。戦いも訓練も厳しかったけど、こんな自分でも誰かを救えると思えたから辛くなんかなかった。
フェイトとはやて、クロノやリンディとエイミィ、ヴォルケンリッターと出会わせてくれて、自分の知らない新しい世界を開かせてくれたのも、自信を持たせてくれたのも魔法だ。
だが、ゲートの出現によってそれは変わってしまった。皆がいつしかゲートと偽りの空に順応して、自分だけが時が止まっているような気さえした。二人だけが自分を置いて大人になってしまった。
あの頃と同じ、満たされているのに満たされないまま――。
李に興味が湧いたのも、彼だけが昔の星空を懐かしんでいたから。

「私から魔法を取ったら何が残るって言うの!?」

無意識に口をついたそれが、なのはの偽らざる本音だった。
熱くなる自分を俯瞰的に見下ろし、「まるで子供だ」と呆れる自分がいる。それでも熱くなっていくのを止められない。見開いた目を閉じれば涙が溢れそうで瞬きができなかった。
「でも……それじゃあ"また"怪我するだけだよ!なのはが無茶したら皆が心配するんだよ!?」
フェイトの目には既に涙が溢れていた。初めてなのはは自分のことしか見えていなかったことを思い知らされた。
もしかすると千晶のことも、本当は彼女の事情などどうでもよかったのかもしれない。ただ魔法で誰かを助けることだけしか頭に無かったのかも――。
そんな考えまでが脳裏を過ぎって押し黙るしかなかった。
525名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 01:55:29 ID:KzC74SVF
支援そしてグッドバイ
526LYRICAL THAN BLACK:2007/10/21(日) 01:55:52 ID:bdkoLPwj


「なのはー、入るぞ?」
三人の誰もが口を閉ざす中、ノックと共にドアが開かれ、士郎が顔を出す。
「なのは、ちょっとうるさいぞ。静かにしなさい」
「あ、うん……ごめんなさい」
見られないように涙を拭いながら答える。
「それと……たった今、お客さん――原口さんが出て行ったけど、いいのか?」
「え……千晶さんが!?」
きっと居たたまれなくなって出て行ったに違いない。考えるよりも先に身体は動き出そうとしていた。
「なのは!」
背後からフェイトが呼び止める。涙声に一瞬動きを止めるが、なのはは振り向かずに答えた。
「それでも……千晶さんを助けたい気持ちは嘘じゃないと思うから……。少なくとも私に出来ることがある内はやるって決めたから……行くね」
言い残して駆け出す。気持ちはもう千晶へと向いていた。
千晶に行くところなんてないはず、そう遠くへは行っていないだろう。
靴を履くことすらもどかしい。ひたすら急いで玄関を飛び出し、辺りを見回すが、
「いない……」
誰もいない。ただ黒猫だけが欠伸をしていた。
527LYRICAL THAN BLACK:2007/10/21(日) 01:56:57 ID:bdkoLPwj


「なのは……」
残されたフェイトは彼女の名前を呟く。
「なのはちゃんも私らに心配かけとうない気持ちと、助けたい気持ちに挟まれてるんやと思う……せやから解ってあげよ?」
「うん……」
はやての言葉にフェイトは力無く頷いた。それでも――心配な気持ちはどうしようもなかった。
「なぁ、フェイトちゃん。あの"また"ってどういう意味なん……?」
「あっ……」
「この数年、なのはちゃんが大きな怪我したのは4年前に交通事故に巻き込まれて大怪我した時だけやろ?それやのに……」
はやてはフェイトの表情を窺って、そして溜息を吐いた。はやての目を直視できずに、申し訳無さそうに顔を伏せている。
「そうか……。私にも話せへんのやね……」
「ごめん……」
それもきっと心配をかけないためなのだろう。皆心配かけまいと自分一人で背負い込んで。
「それは……私も同じや……」


当ても無く千晶は街を彷徨い歩く。そろそろ日も暮れて帰路に就く人も多い中、彼女だけが帰る家も無い。
夜になったら李と一緒に作戦会議をしようと言っていたが、それももういい。泣いてくれる家族も友達もいる彼女が、持たざる自分のために命を懸ける必要は無い。
「あれ……原口さん?」
自分を呼ぶ声に振り返ると、そこにはもう一人の協力者――李舜生が立っていた。

528なのはVSボウケン:2007/10/21(日) 02:00:38 ID:bdkoLPwj
以上です。長々と失礼しました。
Bパートは運が良ければ明日、悪ければ来週になると思います。次回こそ黒登場。
組織体制云々の難しい話や戦闘描写は苦手なので、せめて心理描写に力を入れていきたいなぁ、と。
スランプだったのですが、スレの作品を読むと不思議と意欲が湧いてきて、一日でここまできてしまった。最後にもう一度全職人にGJ!
529名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 02:03:47 ID:rHZiZmIl
乙ですGJっす
なのはたちのいろいろな葛藤がよくでていたと思います
運がよければいいんですがね明日か来週を楽しみにしています
530名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 02:04:03 ID:YUeVsCqt
読んだらGJするべし
>>528
GJ!!!!!
なのはの気持ちもわからんでもないって感じかな
531名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 02:24:33 ID:HgprS2th
GJです。次回は黒の死神の登場ですか。楽しみです。
ところでリスティたちは契約者について知っているのかな。
532高機動機、ACなのは、:2007/10/21(日) 03:09:41 ID:/Y7vfSqR
「どうした?。腹でも痛いのか?。」
戦闘用へリの爆音の中、カロンブライブが話し掛けた。
俺は何も言わず、只、目の前に広がる景色に息を呑んでいた・・・。

SILENT LINE

巨大なクレーターの周りには、恐らく無人兵器と思われる部隊が展開している。
どうやら、俺達より先に弾幕を張っている連中がいるようだ。
俺は息を大きく吸い込んだ。

「これが・・・始まりなんだよな・・。」

「ん?。なんか言ったか?。」
カロンブライブが不審そうにこちらを見た。
俺は軽く首を振ると、座席に供えてあった通信機でセラスとの通信を試みた。

「セラス・・聞こえるか?。俺だ。」
『OK、聞こえる。感度は良好みたい。』
向こうでセラスの声が聞こえる。
「ああ、ところで、到達ポイント付近の敵機の数はわかるか?。」
『ちょっと待って・・・・・・・・一・・三・・・ざっと五六機よ。』
「分かった。」
『ねえ、レナード・・・お願いだから無理はしないで。』
「お前の口からそんな言葉が聞けるとは、思っても見なかったよ。」
『あ・・遊びで言ってんじゃないんだから、真面目に聞いてよ!。』
急に早口になって喋りたてる。
昔から何かあるとすぐにムキになる。そういうところは、いまだ変わっていないな・・。
「了解。カロンもいるし、危なくなったら退避するよ・・・それじゃ」
『うん、頑張って』

俺はセラスとの通信を切った。
そろそろ、投下ポイントだと操縦士は言った。
俺はACの戦闘モードを起動すると、飲んでいたコーヒーを一気に飲み干した。
「さあ、始めるか。」
ハッチが開く・・。辺りには味方のヘリが数機、輸送機を取り囲み、
遥か地上では、爆発の閃光と移動する機体の影が動いていた。
隣では、カロンが既に全ての準備を整えていた。
「行くぞ!。」
カロンの掛け声と共に、俺達は宙に飛び出した・・・。
533名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 03:29:29 ID:YUeVsCqt
>>532
うん、sageてくれ。


最近ホントsageない人が増えたな
534名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 08:59:09 ID:7X8o5FWi
メタルギアとのクロスを希望!!
535名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 09:16:32 ID:2Dj+h4K7
銀様……じゃない、銀ちゃんとなのはたちのからみが早く見たいなぁ。
なのはの弱さに目をつけた演出はGJでした。
ユーノくんなのはの支えになってないのか?とか、ヴォルケン今何してる?とかいろいろ気になる。

> 誰もいない。ただ黒猫だけが欠伸をしていた。
魔法の存在が『組織』に知られた?!
536コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/21(日) 10:54:54 ID:5ppfrrXp
若干執筆ペースが早いのは、移動先でも携帯でコツコツ書いているからだったりします。

というわけで、ギアス5話、始まります。
朝早くからすみません。でも逆にこの土日の自分は忙しくて朝しかPCに触れられないの…
537名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 10:56:42 ID:Pri8FPug
なのはが世界に馴染めてないことが友達二人との会話を通して表現されていてGJでした。
人助けに依存しているなのはは今後、黒の周りで起きる事件にどんどん深入りしていくことになりそうで怖いですね。
いや、関わってくれないと話に絡めないわけですが。
これからどうなることやら……。
期待してます。

> DTBの戦闘は一瞬の殺るか殺られるかで書き難いですね。
DTBは契約者の能力は決まれば大抵、必殺なことに加え、防御力は強化されてませんからね。
せいぜい、黒専用防弾コートくらいか?
538コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/21(日) 11:00:12 ID:5ppfrrXp
STAGE5 静止した時間

毎度おなじみ生徒会室。
「む〜…」
スバルが問題集とにらめっこをしていた。隣にはルルーシュが座っている。
「…でさ、結局この辺はどうするの?」
「ここは…こういう公式を使うんだ」
「見覚えないなぁ…」
スバルはルルーシュに宿題を見てもらっていたのである。
忘れている人も多いと思うが、スバルの実年齢は中学3年生相当である。
つまり、彼女は高校1年生で習うべき学習範囲を全く知らないのだ。
いくら(性格に似合わず)成績優秀なスバルといえども、知らないものは使えない。
そして、高1で習った公式などは、当然高2でも使用する。勉強に行き詰まるのは当然だった。
「で、次だが…」
「ああ、これは知ってる。こうして…こうでしょ?」
「………」
先ほどまでの苦戦が嘘のように、スバルはすらすらと解いてのける。そこは中学で習う範囲――スバルが難なくこなせる範囲だ。
「…お前、去年1年何してたんだ?」
あまりの落差に、ルルーシュは呆れ顔で言った。
「今日も仲がいいですね、お兄様とスバルさん」
車椅子に座った少女が生徒会室に入ってくると、入り口近くのスザクに言った。
ナナリー・ランペルージ。
その名の通り、ルルーシュの妹だ。
まだ中等部の生徒だが、そういう理由で生徒会への出入りを認められており、メンバーとも仲がいい。
昔とある一件で、脚と目の自由を失っていた。両親のいないルルーシュにとっては、唯一の肉親であり、守るべき存在だ。
「はは…おかげで僕がルルーシュに宿題を聞こうとしても、『野郎に教えるのは後回しだ』だって」
「まぁ」
「案外、シャーリーが仲良くしてくれないからだったりして」
例のマッハキャリバー強奪事件(通称・スバル強姦未遂事件)から数週間。
監視対象としてのルルーシュには変化はなかったが、世間では色々なことがあった。
まず、黒の騎士団とコーネリア軍による大規模な戦闘・ナリタ攻防戦。
黒の騎士団が人為的に発生させた土砂崩れによってコーネリア軍は深刻な打撃を受けた。
加えて、黒の騎士団は、ランスロットと互角に戦う謎の機体――「紅蓮弐式」という――を投入。
辛うじてランスロットがゼロを追い詰め、戦闘は終了したものの、誰から見ても敗北したのはコーネリア軍だった。
そして、この事件で失われた命があった。シャーリーの父親は、それら土砂崩れの犠牲者の1人だった。
以降シャーリーはふさぎこんでしまったが、それから立ち直ったかと思うと、今度はルルーシュと「他人ごっこ」を始めたのだ。
要するに、シャーリーがある日を境に、ルルーシュとは初対面の他人のように振る舞うようになったのである。
ルルーシュはこのことを、「喧嘩したから」と言っていた。
「…悪かったよ、スザク。明日はお前の分を見てやる」
ルルーシュは苦笑いをしながら言った。
その笑顔が、スバルにはどこか物悲しげに見えたのは気のせいだろうか。
539コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/21(日) 11:01:18 ID:5ppfrrXp
なのはの気分は沈んでいた。
この地球に、エリア11に――日本に帰ってきて以来、ことあるごとに自分はうじうじしている。
スバルは学園での任務に充実して臨んでいる。なのに自分がこんな調子では、彼女に余計な気遣いをさせてしまうではないか。
ティアナはよく自分を補佐してくれている。なのに自分がこんな調子では、それこそ彼女に迷惑かけっぱなしではないか。
このまま何事もなければ、自分達はあと1月もすれば後続と交代してミッドチルダに帰ることになるだろう。
それまでの間、自分はずっとそんな情けない姿をさらし続けていいのだろうか。
「…ダメダメだなぁ、私」
誰もいないアパートの部屋で、なのはは自嘲気味に笑う。ちょうど今、ティアナはルルーシュの尾行に出ていた。
なのはは意を決し、通信端末を手にとる。
『あらなのはちゃん、どないしたのん?』
ミッドチルダにいたはやてが、端末の画面に姿を現す。
「あのね、はやてちゃん」
『ん?』
「…私、あの子達を連れていくことにしたよ。あそこに」
最初、そう言われたはやては大層驚いた様子だったが、すぐに表情を正す。
『…そっか』
「うん」
『それなら、頑張ってな』
最後にふっと微笑んでそう言うと、はやては通信を切った。
「うん…頑張るよ」
なのはもまた、穏やかな表情で呟いた。

「ちょっと、散歩にでも行こうか?」
なのはがそう切り出したのは、スバルがアパートを訪ねた時だった。その時には、ティアナも帰ってきていた。
「散歩…ですか?」
「あたし達、2人とも?」
「うん。ちょっと連れて行っておきたい場所があって」
電車で行くことになるけど、となのはは付け足し、時間の余裕の有無を2人に尋ねる。
「あたしは大丈夫ですよ」
「右に同じです。あたしの方は、スバルみたいに忙しくもないですし」
「それじゃあ行こうか。…大丈夫、切符代は経費から落としてもらったから」
なのははにっこりと微笑んでそう言った。
一方の2人は、この突然の散歩に、1つの疑問を感じていた。
切符代が経費から追加予算として下りるような散歩とは、一体どんな所に行くものなのだろう、と。

スバル達が乗った電車は、ゲットー行きのものだった。
1日の本数こそ少ないが、念のため用意されていたのである。
その電車に乗ること十数分、スバル達はとあるゲットーへとたどり着いた。

ウミナリゲットー――旧海鳴市に。

なのはの故郷に。
540コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/21(日) 11:02:26 ID:5ppfrrXp
海鳴市は、自然と都市の共存する土地だった。
中心部はビルが領有し、周囲には山や森林が広がっている。
「海鳴」という名の通り、海にも面していた。理想的な都市の形とも言えるだろう。
だが、ここは都市部から離れていたこともあり、再開発が遅れていた。
立ち並ぶ建物は崩れたりひび割れたり、周囲の自然もところどころが焼け野となっていた。
「ここが、なのはさんの故郷…」
スバルが呟く。
「行くよ」
なのはは短く言って、未だ呆然とする2人をやんわりとせかした。
なのは達は様々なところを回った。
無限書庫の責任者にして、なのはの元パートナーだったユーノ・スクライアが、
フェレットの姿をしていた時に入院した槙原動物病院。
その名の通り海に面した海鳴臨海公園。
なのはが魔法の練習をしたこともある桜台。
闇の書によって体力の衰えたはやてが通っていた海鳴大学病院。
全て、なのはにとって思い入れのある場所であり、その全てが、戦前からすっかりと様変わりしていた。
やがて、スバル達はとある学校へとたどり着く。
「私立、聖祥大学付属小学校…」
ティアナが記されていた学校名を読み上げた。
「私の母校だよ」
なのははそう言って、ボロボロになった校舎を見上げる。
「変わってない…」
変わっているけど、変わってない。
なのはは懐かしげに呟いた。
姿は変われど、そこにあるのは今も同じ、懐かしい母校の「空気」だ。
ふと、なのはがどこかを指差す。
スバル達が見たものは、もう1つの校舎だ。
「あれが、聖祥大学付属中学。
 …本当は、私とフェイトちゃん、はやてちゃんも、あそこに進学するはずだっ
たんだ」
なのはが中学の校舎に向けた自然は、どこか遠いものだった。
小学校時代のあの日、海鳴市が攻められたあの日から、ずっと叶わないままの憧れ。
「…さ、行こう。次で最後だよ」
541コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/21(日) 11:03:34 ID:5ppfrrXp
スバル達がそこに着いた頃には、海鳴市は夕焼けの赤に染まっていた。
そこにあったのは、小さな喫茶店だった場所だ。
スバルが駆け寄り、その看板を見た。
「翠屋喫茶店…って…!?」
スバルは戦慄した。
この場所こそが、昔聞いたなのはの実家だったのだから。
屋根は砲弾か何かで無惨に潰され、辺りには壊れたテーブルが散乱している。
ところどころが炎に舐められ変色したその店は、最早ゴミクズ以外の何物でもない。
「…私の家族は、今はミッドチルダで暮らしてる」
不意に、背後のなのはが言った。
「ここが…海鳴市が攻撃された日、私達は管理局からの迎えと一緒に、この次元を脱出した。
 でも…私、フェイトちゃん、はやてちゃん、ヴォルケンリッターのみんな…
 ただでさえいっぱいいたから、助ける暇があったのは家族だけ。
 …アリサちゃんやすずかちゃん…私の友達だったみんなは、今どこにいるのかも、生きているのかも、分からない」
なのはの口から淡々と告げられる言葉が、スバルとティアナの胸を締め付ける。
そこからしばらくの間は、沈黙だった。はりつめた静寂がその場を支配していた。
「…黒の騎士団をニュースで見る度に、思うんだ」
ふと、なのはがそんなことを呟き、静寂を破った。
「私が昔のままの私だったら…昔のままの私でいられたら、ああしてたのかな、って」
「なのはさん…」
――なのはさんや八神部隊長にとっては、キツいだろうなぁ…
かつてスバルが抱いた思いが、目の前のなのはと重なる。
「時々思うんだ。もし私が昔のままの私だったら…
 きっと怒りに任せて、正面きってブリタニアを叩きのめしに行くんだろうな、って。
 …そうできれば、どれだけ楽か分からない…でも、今の私には、それすらもできない…
 管理局の私は、ブリタニアが作った世界のバランスを、崩しちゃいけないん、だから…」
いつしか、なのはの声には、揺らぎが生じていた。
「私は、管理局の高町一等空尉…もう、日本の高町なのはじゃ…ない…
 こうして…ただここにいること以外…何もできないん、だよね…」
うつむいて、なのははスバルの横を通り過ぎ、翠屋の前に立つ。
すっ、と。
なのはの頬を流れるものがあった。
「アリサちゃん、すずかちゃん…みんな…私、帰ってきたよ」
ここにはいない、愛すべき人達へ、なのはは語りかける。
「でも、ごめん…私、今はまだ仕事があって、こうして立ち寄ることしかできないんだ」
なのははそう言うと、涙を流したまま、にっこりと微笑んだ。
「だから、ここで待っててね。終わったら、また来るからね」
542コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/21(日) 11:04:42 ID:5ppfrrXp
それからどれほどの時間、3人は黙っていたか分からない。
短い沈黙だったのかもしれない。だが、少なくともスバルとティアナにとっては、永遠にも等しい沈黙だった。
そんな状況が続いた後、なのはが右手で目もとをこすると、2人の方へと振り返った。
「…さて、帰ろっか」
「え…?」
2人は戸惑った。振り返ったなのはは、いつもの調子の笑顔に戻っていたのだから。
「ごめんね2人とも、今まで暗くて。迷惑だったでしょ?」
「ええっ!? いや、そんなことは…」
「そりゃあ、心配はしましたけど、迷惑は…」
「にゃはは…」
うろたえる2人を見て、なのははいつもの調子で笑う。
「…私ね、ずっと、昔ばかり見てた。どうにもならないことばかり気にしてた。
 ここに…地球に来てからの私の時間は、ずっと、あの時から止まってたんだ」
そっと目を閉じて、胸のうちを確かめるように、なのはは言葉を紡ぐ。
「なのはさん…」
「…でも、くよくよするのはもう終わり。
 私のそういう暗く所とかは、今日ここで全部見せて…もう、見せることなくなっちゃったから。
 私は、昔のここじゃなくて…今のここを、しっかり見ていくよ」
いつもの女神の微笑みで、なのはは宣言した。
動き出したのだ。
確かに。今まで止まっていた、なのはの時間が、動き出していた。
「なのは!? なのはよね!?」
と、離れた所から、なのはを呼ぶ声がした。
なのはの振り返った先にいたのは、懐かしい2人の友人の姿。
「…アリサちゃん…すずかちゃん…!」
なのはの微笑みが、みるみるうちに満面の笑顔に変わり、目からは再び熱いものが込み上げてきていた。
「邪魔しちゃ悪いよね…先に帰ろっか、ティア?」
穏やかな笑顔でスバルが言う。
「…そうね」
視線の先で旧友と語らう姿を見て、ティアナもまた、笑いながら答えた。
543コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/21(日) 11:06:01 ID:5ppfrrXp
寮に帰ったスバルは、何の気なしにテレビをつける。
そのチャンネルでは、ナイトメア同士の戦闘の様子が生中継されていた。
「あ、黒の騎士団だ」
ナイトメア群の中に紅蓮弐式の存在を認め、スバルは呟く。
「そっか、藤堂中佐を味方にすることにしたんだ」
ちょうどこの日、今テレビに映っている場所には、死刑を待つ男が囚われていた。
藤堂鏡志郎。元日本軍中佐。別名「奇跡の藤堂」。
「厳島の奇跡」と称される戦いで、唯一ブリタニアに相手に勝利した名将だ。
偶然――それこそ奇跡の勝利ではない。彼は徹底した情報戦を展開し、実力で勝利を手にしたのだ。
と、そこへ見覚えのあるナイトメアが出撃してきた。ランスロットだ。
ヒーロー然とした姿のランスロットに、4機の新型が迫る。
「月花」。紅蓮弐式と同じく、エリア11でイレヴンによって造られた、銀色の機体だ。
その月花のうちの1機が、ランスロットへ向けて攻撃を仕掛けた。
当然ランスロットは、身軽な動きでそれをかわす。すると、そこへ新たな月花の攻撃があった。
これも回避することができたが、月花部隊は相手の動きに合わせ、的確に攻撃を仕掛けてくる。
おかしい。
戦い慣れたスバルは直感的に理解していた。普通に戦っても、こうまで上手い戦い方にはならない。
スバルは、ランスロットの動きが読まれていると判断した。
よくよく考えれば、黒の騎士団はランスロットとしょっちゅう戦っている。シンジュクしかり、ナリタしかりだ。
ゼロほどの切れ者なら、そこからランスロットの微妙な動きの「癖」を読んでも、自然に思えた。
と、そこへ仕様の異なる月花が乱入する。
黒い機体に、歌舞伎の連獅子を思わせるたてがみ。誰がどう見ても特別仕様だ。
この機体には、先ほどゼロによって救出された藤堂が乗っていた。
藤堂の月花は、剣術の達人であったパイロットの技を再現するかのように、その刀でランスロットを一気呵成に攻め立てる。
凄まじい速度で繰り出される斬撃は、ランスロットには通らずとも、それ相応の底知れぬ覇気を宿していた。
月花はランスロットめがけて、疾風のごとき突きを繰り出した。「三段突き」と呼ばれる、藤堂の奥義だ。
ランスロットはうち2発を回避する。しかし、3発目はかわしきれず、コックピットカバーを切り裂かれてしまう。
「え…えええーっ!?」
スバルはテレビの前で、驚愕も露わな声を上げていた。
カバーを落とされたランスロットのコックピットに座っていたのは、生徒会の枢木スザクだったのだから。

この日スザクは、以前から面識のあったユーフェミア・リ・ブリタニアにより、
彼女の騎士に任命される。
そして、ゼロ――ルルーシュは…

戦闘が終わり、藤堂を連れて脱出した後、ルルーシュはナイトメアのコックピットにこもってしまっていた。
「…フフフ…ハハハハハ…ファハハハハハハ! ハハハハハッ! アーッハッハッハッハッハ!」
何と出来の悪い悲劇か。
最も憎むべき敵が最も愛すべき友だと知ったルルーシュは、狂ったように笑い出す。
「ッハハハハハハハハ! アハハハハハハ! フハハハ…ハッハッハッハッハッハッハ!」
あらゆる感情を吐き捨てるかのごとき勢いで、ルルーシュは笑い続けていた。
544コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/21(日) 11:07:09 ID:5ppfrrXp
まずは職人の皆様へ一言。GJでした!

「なのはさんを泣かせてみたい!」
今回の執筆に当たって、最初に思ったのはそれでした。
結果、難しかったけれど、一応まとまりは持てた感じ(文自体はいつもに比べて短めですが)。
ちなみに、アリサちゃんがリフレインに手を出してたって流れも考えたのですが、
これだとなのはさんの心がポッキリ折れてしまいそうなのでボツになりました。危ない危ない。
それにしても…うーん…どうでしょう、これってスーパーなのはタイムの名に名前負けしてないかな?

さて、全11話(外伝除く)を予定しているギアスSSも、次回で折り返しです。
色々と書くのが楽しみの話もありますので(だからペースを早めていたというのもある)、頑張って書いていこうと思います。

ですが、そろそろStSの視聴に戻りますので、少々ペースは落ちるかも。
7話で使うために、振動破砕なんかを見ておかないといけないので…
ただ、ひょっとすると一気に飛ばしてそこだけ先に見る可能性もありますので、
どなたか振動破砕の演出が分かりやすく表現されてる話数を教えていただけないでしょうか?
…俺質問してばっかじゃん…

P.S.
>なのはVSボウケン氏
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
ハンドルネームから、SSをボウケンジャーとのクロスと誤解してました。
DTBすら知らなかったもんでして…ホントごめんなさいorz
545高機動機、ACなのは、:2007/10/21(日) 11:14:23 ID:/Y7vfSqR
>>534
うい
546名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 11:31:24 ID:TEEyv/d9
メタルダー、ギャバン、シャイダー、シャリバン、スピルバンとなのはのクロスを希望

今更だが、戦闘機人の名前元ネタって超人機何だよな?
547名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 13:34:34 ID:2Dj+h4K7
GJ!なんか最近気弱ななのはさんに萌え。
LTBの感想で『人助け依存症』とあったけど、
折れない強さは見せてもたわむしたたかさはあまり見せないリリカルなのはとは一味違う演出がいいです。
なのはさんが立ち直ったからこれからいよいよスーパーなのはタイム!なのかな?

個人的には学園非潜入組とギアスキャラとのからみとか、
島流し編のようなへたれたルルーシュとか、
ナナリーの出番とか(いや、別に最近ナイトメアオブナナリーにはまっているからではない)、
そこら辺を期待。
548なのはVSボウケン:2007/10/21(日) 13:43:29 ID:bdkoLPwj
感想ありがとうございます。1,2話は李となのはと千晶に焦点を絞りたかったので、
説明に必要な部分以外は公安や銀、猫、黄の出番は削ってます。

>>反目のスバル氏
GJ!こちらこそ紛らわしくて申し訳ありません。泣ける演出が上手くて感服しました。アリサがリフレインなんてこっちの心が……。
>なのはを泣かせてみたい、これには大いに共感します。何と言うかグッとくるものがありますよね……って違う?
振動破砕は17話とかどうでしょう。他にはあまり使ってなかったような……。
549名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 18:39:39 ID:kq4GhvM+
>私達は管理局からの迎えと一緒に、この次元を脱出した。
士郎と恭也は残りそうだがなぁ
550名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 19:04:27 ID:hbgZIOxa
士郎は女房に娘2人の為に行きそうだが
恭也は恋人の為に残ってそうだな
あとアリサはゲットーにはいないんじゃないの
551白き異界の魔王:2007/10/21(日) 19:07:23 ID:/YSNHQU0
連日ですが投下に来ました。
よろしいでしょうか。

何もなければ投下って事で
552名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 19:10:23 ID:2Dj+h4K7
>>551
C’mo〜n!!
553白き異界の魔王:2007/10/21(日) 19:11:55 ID:/YSNHQU0
すいません。
急用につき、また後ほど改めて投下させていただきます。
554コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/21(日) 19:18:52 ID:8lfk08j0
>>549-550
士郎と恭也の件ですが、
あの2人はなのはさん達の涙ながらの必死の説得によって、やむを得ず脱出したと考えてください。
そしてアリサは、すずか1人をゲットーに置いて租界に逃げるなんてことはできなかったから残った、ということで。
この辺りの補足のサイドストーリー書こうかなぁ…もう少し彼らのキャラ付けを勉強してからですが。

>なのは×ボウケン氏
どうもです〜。
つまり、振動破砕の発動エフェクト自体は、目が金色になるだけで、
身体が一瞬光って「振動破砕!」みたいなことを叫ぶとか、そういう派手な演出はないってことですね?
よかった…なら今の情報量でも何とかなりそうだ…
555552:2007/10/21(日) 19:35:22 ID:2Dj+h4K7
>>553
へなへな〜

おk、またあとで

> ◆9L.gxDzakI氏、なのは×ボウケン氏

いちいち書いてたらスピード感やリズム損なったりするようなことや、
本編で説明し損ねたことは外伝のいいネタだと思うよ。

読者の需要を調べとくのは重要だけど、
いちいち作品に忠実に反映してるとかえってぐだぐだになるから作者の書きたいことを優先して書くといいよ、
といろいろ注文つけてる張本人が言ってみる。
556白き異界の魔王:2007/10/21(日) 19:40:48 ID:/YSNHQU0
急用完了しました。
改めて投下してよろしいでしょうか。

何もなければ投下って事で
557白き異界の魔王:2007/10/21(日) 19:46:04 ID:/YSNHQU0
アンゼロット宮殿:八神はやて
アニエスを倒してからまだ二日と経っていない。
その僅かな期間ではやて達の傷はすでに完治していた。
それ故にはやて達機動六課はこの世界を去らねばならない。
「このお城も、もう見納めやな」
この世界に来てまだ一週間も経っていない。
この城にもそんなに長く滞在していたわけでもない。
それでも去り際に、この城が名残惜しく感じるのは命がけの経験をしたせいかもしれない。
「なら出発をもう少し遅らせようか?」
城を見上げるはやての前にクロノが立つ。
「ええよ。そんなこと言ったら、いつまでも延び延びになるやろ」
宮殿の庭に着陸している内火艇の周りには機動六課のみんながいる。
帰る準備ももう終わる頃だ。
「アンゼロットさんとはどんな話をしてきたんかな?」
治療と検査の間にクロノはアンゼロットと面会をしていたはずだ。
「ステラ……こっちの世界ではアニエスの瞳だったね。それの、管理についての話をしてきたのさ」
「それで、どうなったん?」
「どうもこうも、ほとんどなにも決まってないよ。管理局の提督としてはロストロギアに指定された物の引き渡しは要求せざるを得ない。けど、拒否されたけどね」
「そうやろうな」
管理局としては接触したばかりの組織に危険極まりないロストロギアの管理をまかせることはできない。
その組織が信用できるかどうか、管理する能力があるかわからないからだ。
それはアンゼロットにしても同様だろう。魔王の目を突然現れた組織に管理させるはずがない。
アニエスとの決戦を機動六課に頼んだのははやて達個人を信用したからであって時空管理局を信用したわけでもない。
「なんも決まらんかったみたいやな」
「そうでもないさ。使節団の受け入れと交渉の継続は了承してもらった。現場の一提督が一日で取り付けた約束としては上出来じゃないかな」
「やるなぁ。クロノ君」
「ここまでが限度だけどね。あとは国家間の交渉みたいなものになる。使節団と上にまかせよう」
「それじゃあ、いよいよこの世界でのあたしらの仕事は終わりやな。帰ったときがちょっと怖いな」
おそらく山のように報告書を書かなければならない。
本来の任務もおろそかにするわけにはいかないのでかなりの苦労になりそうだが、それもファー・ジ・アースと次元世界を共に守れた結果であると諦めることにした。
「もうすぐ出発やな。ほな、あたしはアンゼロットさんに挨拶してくるわ」
「ああ」
クロノに手を振り、はやては宮殿の奥へつづく廊下を歩いていった。
558白き異界の魔王:2007/10/21(日) 19:47:05 ID:/YSNHQU0
アンゼロット宮殿:ティアナ・ランスター
宮殿の庭で、ティアナはスバル、なのはと一緒に灯を待っていた。
「おそいわね」
出発の時間も迫っている。
少しくらいならはやて隊長も待ってくれるだろうが、それにしても遅い。
「もうちょっとくらいなら大丈夫だよ」
「そうだけど」
ティアナは横に立つスバルに目を移し、視線をおろしていく。
「スバル、もう右手は平気なの?」
ステラを破壊した後のスバルの右手は酷いことになっていた。
皮の全てが剥がれ、骨格が剥き出しになり、しかもその骨格は数カ所が完全に吹き飛んでいた上に残った物は潰れていた。
「うん、ほら平気」
スバルが挙げた手を握ったり開いたりする。
見た感じでは元のままである。
「この世界にそれを治せる技術者がいるとは思わなかったわ」
「魔法を使ったんだって」
「そこまで効くとは思わなかったわ」
この世界の回復魔法はミッドチルダの常識でとらえない方がいいかもしれない。
「それでね、この世界にも私と同じような人がいるんだって。で、そういう人が使うパーツもつけて良いって言ってくれたんだよ」
「つけてもらったの?」
「ううん。だって、手がびよーんって伸びたりするんだよ。ちょっと迷ったけど、止めちゃった」
「それがいいわ」
メンテナンスの問題もある。
何より手が伸びるスバルというのはいろんな意味で怖い。
「あ、灯さんだ」
振り返ると、重そうな紙袋を幾つも持った灯が走ってきていた。
ちょっと手伝った方がいいだろうと思い、灯の方に走ろうとしたがスバルに止められた。
「あたしが行くよ。ティアナは待ってて」
そういうことなら腕力のあるスバルにまかせた方がいいだろう。
前に向き直ったティアナの横をスバルが通り過ぎる。
もうちょっと走っていくかと思ったが、すぐにスバルが荷物を持って戻ってくる。
「あれ?」
もう一回振り向くと手ぶらの灯が10メートル向こうで走っていた。
あの距離まで走って行って荷物を持って帰ってきたにしては速すぎる。
再びスバルを見る。持っているのは確かに灯が持っていた紙袋だ。
「どうやって灯の荷物を持ってきたの?」
「あれ?あれれ?」
何か非常に気になったがティアナはこれ以上の追求を止めることにした。
第六感が何かやばいと告げていたからだ。


アンゼロット宮殿:高町なのは
ちょっとした距離を走ってきたのに灯は息1つ乱していない。
その灯がスバルが持っている紙袋を指さす。
「……お土産」
「灯って、意外とマメなのね」
「こら」
ティアナが失礼なことを言ったので、少したしなめておく。
「え?なになに?」
顔をぱっと輝かせたスバルが紙袋の中を覗き込む。
こんなところで開くのも失礼かと思ったが、なのはも興味がないわけではないので止めないでいた。
「……カルテ」
「カルテ?」
なるほど、その紙袋の中には紙束が詰まっている。
「……主治医に提出すること」
お土産とはちょっと違うがこれはこれでありがたい。
ミッドチルダにない治療方法による経過がわかれば後々の役にたつ。
後になのははこのカルテを見て自分の体になにが起こっていたかということを再認識し、顔を真っ青にしてしまうのだがそれはまた別の話。
559白き異界の魔王:2007/10/21(日) 19:48:09 ID:/YSNHQU0
「こっちは?」
またスバルが率先して別の紙袋の中を開ける。
その中には積み重ねた箱が8つ入っている。
「……お弁当」
割り箸も添えられている。
「灯さんが作ったの?」
「……うん」
「灯さんって、料理も得意なのね」
「……うん」
声は小さいが、灯はその立ち姿で自信のほどを示している。
「ありがとう。帰るときにみんなで食べることにするね」
こっくり、大きく灯がうなずく。
後のこの弁当は、クラウディアに大惨事を引き起こしたあげく「AB(灯の弁当)物件」と名付けられることになるのだが、それはまた別の話。

「で、これは?」
最後の袋を開いたとき、今度はなのはが顔をほころばせる。
「……カタログ」
袋の中には綺麗なカラー刷りのパンフレットが幾つも。
全て空飛ぶ箒、ウィッチブルームのカタログだ。
なのははカタログを開いてぱらぱらめくる。
いろんなデザインに、性能諸元、オプションパーツ。
どれもこれもなのはの興味を引く物だ。
「あ、これもいいな。これも」
目がカタログに釘付けになっている。
「あのー、なのはさーん」
どうやら半分聞こえていないようだ。
後にこれらのカタログは……何も起こさない。これはただの普通のカタログだ。いや、本当だって。
560白き異界の魔王:2007/10/21(日) 19:49:12 ID:/YSNHQU0
アンゼロット宮殿:フェイト・T・ハラオウン
「柊さん。今度のことはありがとうございました」
フェイトはいくらお礼を言っても言い足りない気がした。
部屋に飛び込んでむちゃくちゃにしてしまったり、みんなを探してもらったり、それに最後まで一緒に戦ってもらったり。
フェイトはそのことを1つ1つ話しながら丁寧に語っていく。
そして最後にお礼ではないもう一つの言いたいことが残った。
言いたいけれど、言い出せない。
そんなことだ。
言い出せないフェイトの口は止まってしまう。
「そうだ、柊さん。僕たちと時空管理局で働きませんか?」
「あ、それ良いと思いますよ」
キャロとエリオが突然声を出す。
それがフェイトの言いたいことだった。
いくつかの言葉は用意していたつもりだ。
柊蓮司の実力があれば時空管理局でも十分にやっていけれる。
福利厚生もしっかりしている。
有給休暇もあるし、働きながら学校にもいけれる。
そうやって柊蓮司を誘うつもりだった。
でも、言えなかった。
柊蓮司の答えがわかるような気がしたから。
案の定、柊蓮司はキャロとエリオにどこか困ったような笑顔を返しているだけだ。
「ほら、2人とも。柊さんを困らせたら駄目だよ」
この世界にはいろんな危機がまだたくさんある。
柊蓮司はそれと戦える。
なのに「はい」と答えるはずがない。
そんな人だったらフェイトも誘う気にはなれないはずだ。
しゅんとしてしまうキャロとエリオの肩を抱いて、フェイトは柊蓮司を見上げた。
「でもミッドチルダに来ることがあったら連絡してください。その時には案内します」
「その時にはたのむぜ」
管理局とファー・ジ・アース。この二つの世界がこの後どんなふうに関わっていくかはわからない。
それでも、観光ができるくらいになったらいい。
そんなふうにフェイトは考えていた。
「おーい、フェイトちゃーん、そろそろ出発するよー」
はやてが呼んでいる。
もう時間だ。
「じゃあ、柊さん。さようなら」
「ああ、さようならだ」。
フェイトはキャロとエリオをつれて内火艇に向かう。
内火艇が浮かび上がったのは、それからすぐのことだった。


???:???
こうして世界の危機は救われた。
二つの世界で育った者達の道は交わり、そしてまた分かれていく。
それぞれがそれぞれの道を進み、また大きな困難に立ち向かっていく。
例えば、こんなふうに。
561白き異界の魔王:2007/10/21(日) 19:50:16 ID:/YSNHQU0
アンゼロット宮殿:???
ここは衛星軌道に浮かぶアンゼロット宮殿。
青い地球をバックに、アンゼロットは紅茶を一口飲み、顔を上げる。
「これらかする私のお願いに「はい」か「イエス」でお返事してください」
「おい」
そこにいるのは柊蓮司。
鞄を抱いてアンゼロットを睨みつける。
「はいかイエスってお前、俺には拒否権無いって事だよな」
アンゼロットはそんなことは意に介さない。
「いってくれますね?柊さん」
すでに返事は聞いたも同じ。
傍らにあるハンドベルを小さくならした。
「のわあっ」
それを合図に柊蓮司の足下の床が開く。
開いた穴に柊蓮司は真っ逆さま。
だが、それもいつものこと。
アンゼロットは薫り高い紅茶をもう一口
「おわぁああああああああああああああああああああああ」
柊蓮司の悲鳴をBGMに飲んでいた。

そして、柊蓮司は大気圏で赤熱しながら叫ぶ。
「アンゼロットぉ!てめぇ、出席日数がやべえっていってんだろう!俺を学校へ行かせろーーー」
その先に待つのは7つの宝玉にまつわる運命を持つ1人の少女。
少女を助けるために柊蓮司は下がっていった。

********************************
今回はここまでです。

柊は今回フェイトフラグを立ててへし折りました。
柊にはやはりフラグクラッシュイベントがほしいと思いましたので。

というわけで、各自レベルアップ作業をしておいてください。
次回からは2ndルールを使うのでキャラを継続して使いたいときはコンバートをお忘れ無く。
と、わけのわからんことを言っておきます。

これにてリリカルなのは×ナイトウィザード「白き異界の魔王」は終幕とさせていただきます。
感想をくれた皆さん。
ざっとでも読んでくれた皆さん。
ありがとうございました。
562名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 20:02:44 ID:2Dj+h4K7
乙かれ。やはりアンゼロットという名は信用できん、コンプRPG読者ゆえwww

> 何より手が伸びるスバル
おねえちゃんは伸びて回るようになっちゃうけどwww

NWは今旬だからひそかに続きを期待したり。GJ
563230:2007/10/21(日) 20:04:02 ID:y5Y/qAAT
引越しでようやくインターネットつながったから戻ってきたけど・・・

変わってなくて安心した
また書きに来てもいいかい・・・?
564名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 20:04:57 ID:JyJhpGMd
もちよ
565ネオシャドームーン:2007/10/21(日) 20:15:17 ID:Hi4Cytpc
またまた勝手ながら替え歌載せます。 載せていいよね? 答えは聞いてないっ!

魔光超人なのは (元ネタ:電光超人グリッドマン)

なのは BABY DAN DAN BABY DAN DAN 輝け

CRY! 夢が熱く輝いてるよ FLY! 思うままに飛び立つのさ

もしも心を傷つけても 怯えないで 今も君は一人じゃない

なのは 誰もが皆エースになれるよ

なのは 舞踊れよ 未来のステージ 

いつの日も 魔光超人 なのは

BABY DON DON BABY DON DON 夢見て

なのは BABY DAN DAN BABY DAN DAN 
566名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 20:15:28 ID:5QGwb0I8
乙!!

次は、なのはさんがブルームを使って戦う2nd対応ssか!
567名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 20:17:06 ID:JUkJDvxh
>561
アニメNW1話に繋がるとは。GJw
568名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 20:24:11 ID:HwIa/pYj
>>561
楽しませてもらいました。お疲れ様です。
今はその体を休めることだけを考えてください。













では、一息ついたところで次回作、待ってます♪w
569名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 20:25:19 ID:y5Y/qAAT
ありがとう
とりあえず既出だろうけど軽く思いついたネタで





クアトロ「さぁ皆さん、ドクター野望のためにがんばりませう」

数の子「ドクターのため・・・」




八番(オットー)の思い出

八番「ドクタアアア!!なぜに調整台に縛り付けるんでしょうかああああ!!!!」
ドクター「いやー新型ガジェットのレリック足らなくてね」


五番(チンク)の思い出

五番「デトネイターの調整でなんで全部脱がすんですかあああああ!」
ドクター「ハッハー、童顔でちっこいと思ったらやっぱり生えてませんね〜」


三番(トーレ)の思い出

三番「何で私だけ献血二リットルもおおおおお!!!」
ドクター「丈夫だからいいんだよ、多分」


九番(ノーヴェ)の思い出

九番「ドクター・・・この調整薬・・・」
ドクター「おや、下剤がないな」


『ガンバレ管理局の犬共』


四番「あら〜ん、皆さんやる気無いみたいですわね・・・では聖王様、この紙に書いてあることを読んでくださりません?」

ヴィヴィ「ん・・・ドクター・・・大好き」


ゴゴゴゴゴゴゴ・・・


八番「まずい!」
三番「傘の用意だ!」


ブシャアアアアアアアアアアアアアアアアア(鼻血)!!!!


スカ「もちろんだともおおおおお!!聖王の為ならエーンヤコーラさ!!フハハハハハ!!!!」


一同「(ドクター・・・今のアンタは・・・キングギドラよりも強いぜ!!!)」
570230:2007/10/21(日) 20:27:07 ID:y5Y/qAAT
そして替え歌
これ多分解るやついないんじゃないかと思うが・・・


魔法〜少女が〜なぜ腐る〜
泣くな〜、エースのなのはさんも〜
たまには失敗、負傷もするさ
デバイス捨てるな頑張ろう〜

571名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 21:07:14 ID:hbgZIOxa
>>561
完結オメデトウ御座います
そういえば26話に登場したファー・ジ・アースの
海鳴市の4人の少女は何者だったんでしょうか
(まあ大体分かってはいますけど)
572電王TAROstrikerず:2007/10/21(日) 21:13:01 ID:TNCRcCWG
はやての血液型はなんですか
輸血シーンに必要なんですが

替え絵 魔弾戦記リュウケンドー
誰かがなにか(ロストロギアが光)を狙ってる異次元(デバイス)の扉が開く、闇に抱かれて訪れる(初期フェイトの姿)愚かな願い(闇の書)
GO×3(なのは達の変身)諦めたりしない(空港火災のシーン)決して(翠屋)未来の(六課)邪魔は(ユーノ達)させない(クロノ達幹部)
熱く(スバル達)燃え盛れ(変身)GA×3(必殺武器)全てを賭けて(回想)希望の鍵(ロストロギアとデバイス)が輝けば(光)戦士が舞い降りる(そのままバトルシーン)
この胸の(なのは胸に手を置く)鼓動(ウィウイオ)DA×3(ナンバーズ)全てを捧げ(ゆりかご)正義の魂(最終決戦シーン)動けば(必殺技)奇跡が舞い降りる(最終決戦終了シーン)

魔弾×2(その後シーン)戦記(集合)リリカルstriker(集合図)
(各思いでシーン)
(明日に向かって行く)

573名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 21:35:47 ID:TNCRcCWG
(空港火災のシーン)の後に「勇気を振り絞れ」(発動シーン)
を加えて下さい

今週の土曜日には書きます
まず良太郎の事故シーンを見て財布を拾ってしまう
各ステータスを見るためのテストが始まる
ポケモンみたいな試験内容で
ただ勝のではなくある条件を果たし対象者からアイテムをもらう
最初の条件が吉備団子を貰うな(相手のペースに乗るな)
二番目は亀を助けず魚を取れ(対象者に手を触れず槍で魚を取る)
先方はキャロルにエリオ理由は言わずもがな
現在金太郎編作成中

その間記憶が忘れられないように(スレの状況を見ながら)ひとまず替え歌?を書いてます
climaxjump版、CC桜版、ブレイド版を龍騎(初期版)を考えてます
魔弾戦記を作った理由は設定が似てたのと
ユーノと魔学者の瀬戸山が似てたので
574名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 22:03:24 ID:uUyan+/q
>>561
お疲れ様でした。
ところで、灯の弁当でクラウディアは沈んだりしなかったのでしょうか……
575名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 22:06:36 ID:N/PLeXUo
「白き異界の魔王」完結おめでとうございます。
ギャグありシリアスありの良品でした。
機会があったら続編が読みたいです。
576コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/21(日) 22:14:23 ID:8lfk08j0
>>561
お疲れ様でした!
このスレに来た頃には既に連載中でしたので、まだまだあまり把握できてない所もありますが、
機会を作って最初から読んでみます
577名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 22:15:45 ID:KXlDko2A
>>569
なんというパフワ君
しかしドクターならそれぐらい素でやりそうだから困る
578名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/21(日) 23:26:42 ID:WBTUhvjO
>>352
スンゲー亀ですがGJ!+乙です!
ちょっと気になるのですが、夜天の魔道書とリィンフォースTのデータが出てましたけど
これはもしや何かしらの伏線ですか?
例えば、はやての夢の中にリィンTが現れ世界に迫る危機を伝えるフラグとか。
579名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 23:31:19 ID:Z5fzErEi
今日、EDFのプレイ動画漁ってみたんだが……

……「人類の勝利です!」的な台詞は敵の復活フラグかあの世界。
580名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/21(日) 23:45:44 ID:xeYJmNLM
「白き異界の魔王」完結おめでとうございます
AB事件の詳細が読んでみたいです
あの、魔王級エミュレーター並に凶悪なあかりんの弁当が8つもなんて
クラウディア本当に大丈夫なんでしょうか
581名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 00:44:29 ID:BNslOyGu
sageたほうがいいですよ。
E-mailの欄にsageと入力してから書き込むと、
大丈夫です。
582なの魂の人:2007/10/22(月) 00:46:49 ID:+wMnqBW8
>>561
完結、お疲れ様でした
近いうちに暇を作って、全話読ませていただきますね

さて、自分も一応一作出来たのですが
見直し完了後に投下してもいいですかね?
583名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 01:13:02 ID:4kF4oCUC
おk
584なの魂:2007/10/22(月) 01:16:04 ID:+wMnqBW8
「462……」

チリンチリン、と夏の風物詩、風鈴の音が響く中、シグナムは気だるそうに呟いた。
非常にグロッキーである。
団扇を使ってなんとか暑さをしのいでいるが、それも時間の問題。といった感じだ。

「……なんや、それ?」

半分溶けているスイカバーを咥えながら、はやてが聞き返す。

「今年の夏、熱中症で病院に運び込まれた人の数ですよ」

「…ホンマかいな……」

「はやてちゃん、やっぱり新しいエアコン買いましょうよ。今年は扇風機だけじゃ乗り切れないわよ」

台所で昼食の素麺を湯がいていたシャマルが言った。
そう、実は先日、八神家唯一のエアコンが故障してしまったのだ。
しかしはやては、シャマルの提案を真っ向から否定する。

「そんなん言うても、うちにそんな余裕あらへんよ……。それに、私らも魔導師の端くれや。
 エアーをコンディショニングせんでも、マインドをコンディショニングすればきっと乗り切れる」

とは言うものの、烈火の将ですらこのザマだ。
果たして、この猛夏に耐えられる魔導師など存在するのだろうか?

「そうそう、心頭滅却すれば南極もまた北極って言うしな」

……いた。
ヴィータである。
何故かは知らないが、彼女はこの暑さに全く堪えていないようだ。
しかし、そんな得意げな彼女をシャマルが一蹴する。

「ヴィータちゃん、言っておくけど南極は南って言ってるけど、別に常夏じゃないからね」

「わーってるよ! うっせーな!」

完全にバカ丸出しである。
さらにシャマルは追い討ちを続ける。
585なの魂:2007/10/22(月) 01:17:27 ID:+wMnqBW8

「……で、どうしてヴィータちゃんが扇風機を独り占めしているのかな〜?」

そう、ヴィータが暑さに堪えていない理由。
それは扇風機を完全占拠していたからである。
主はデロデロになったスイカバーで頑張っているというのに、なんて奴だ。

「暑いから」

「暑いのは皆平等だから! 私達にも貸しなさい!」

「なんでだよ! シャマルのケチ!」

暑さでのせいで沸点が低くなっていたシャマルがヴィータに食って掛かる。
というより、扇風機に飛び掛る。
しかしヴィータは素早く扇風機を持ち上げ、強奪を阻止。
だがこの程度で諦めるシャマルではない。
土台部分をがっしり掴み、無理やり引っ手繰ろうとする。
ヴィータも負けじと、首の部分を掴む。
まさに一触即発状態だ。

「二人とも、少し静かにしろ。無駄に室温を上げるな」

普段なら拳骨の一発でも入れて止めようとするシグナムだが、暑さにやられている今は
そんな元気も無いようだ。

「はぁ〜……頼みの綱は扇風機だけか。
 みんな、大事に使いましょうね〜……」

そう言ってはやてがスイカバーの棒を捨てに行こうとした、まさにその時だった。

――ボキッ

『…………』

何かが圧し折れるような嫌な音。
固まるヴィータとシャマル。
彼女らの足元には、"扇風機だった物"の無残な亡骸が転がっていた。
586なの魂:2007/10/22(月) 01:18:46 ID:+wMnqBW8



なの魂 〜心頭滅却しても暑いモンは暑い〜



「……なんでだよ。なんであたし一人で扇風機買いに行かなきゃならないんだよ。あーもう暑い」

汗だくになってヴィータは呟く。
あの後、はやてとシグナムから凄まじい糾弾を受けたヴィータとシャマルは、新しい扇風機を買いに行かされることとなったのだが
幸い――ヴィータにとっては不幸以外の何者でもなかったが――今日の食事当番だったシャマルは
昼食の準備という名目のおかげで難を逃れたのだ。

「あ、やっぱダメだ。心頭滅却しても暑いモンは暑い。誰だこんないい加減な格言残した奴は」

突然隣から男の声が聞こえてきた。
しかし、そちらの方を向く気力も無いヴィータは、ひたすら独り言を呟く。

「つーか、なんでこんな暑い日に扇風機買いにいかなきゃならないんだよ、腹立つな」

ちなみにこの怒りの矛先は、はやてでもシグナムでも、ましや暑さの原因となっている太陽でもなく、シャマルへと向けられていた。
――ちくしょう、あのビッチめ。家に帰ったら泣いたり笑ったり出来なくしてやる。
そんなことを考えていると、隣にいる男がヴィータに声をかけてきた。

「あーもう腹立つ。腹立つからエアコンに乗りかえてやろうかな。なァ嬢ちゃん、いいかな? 俺エアコンに乗りかえちゃっていいかな?」

「は? ……いや、まぁ、いいんじゃねーの?」

さすがに話しかけられているのに無視をするわけにはいかない。
鬱陶しそうに、気の無い返事をするヴィータ。
それがいけなかったのだろうか。
男が突然声を荒げて言い返してきた。
587なの魂:2007/10/22(月) 01:19:57 ID:+wMnqBW8

「いいわけねーだろ。エアコン買う金なんてどこにあるんだ? 余計な口を挟むな」

「んだとテメェ! こっちだってなァ、好き好んで扇風機なんか買いに来たわけじゃ……」

あまりにもあんまりな言い草にヴィータは激怒し、男を睨んだ。

『…………』

――隣にいた男は坂田銀時だった。
愛車である原付にまたがり、ヴィータと同じく汗をダラダラと垂れ流していた。

きっかり三秒。
見つめ合った二人は、お互いの状況を極めて正確に理解した。

「……そっちもか」

「お互い大変だな……」

そう言って、同時にため息をつく。
この時、二人の精神シンクロ率は400%を超えたとか超えなかったとか。

「……乗ってくか?」

「…うん」

銀時の言葉にヴィータは素直に頷き、原付の後部席にまたがる。
さあ、電気屋巡りの始まりだ



「は? 扇風機?」

店先で呼び込みをしていたおっさんは、目を丸くしてそう言った。

「スイマセン、ウチは置いてないわ、そーいうの。ホラ、今の時代もうエアコンでしょ? クーラーでしょ?
 そんなの置いてても売れないからさァ。
 兄ちゃん達もどう? これを機会にエアコンに乗りかえたら? 安くしとくよ」

言葉巧みに、銀時達にエアコンを買わせようとする呼び込みのおっさん。
脳の作りが単純な二人は、あっさりと騙されてしまうのであった。
588なの魂:2007/10/22(月) 01:21:11 ID:+wMnqBW8

「マジっすか。じゃ、お願いします」

「あの、今金無いから、これ位でなんとかしてほしーんだけど」

そう言ってヴィータが財布から取り出したのは"五千円札"。
銀時にいたっては"千円札"だ。

「よってらっしゃい見てらっしゃーい! 夏の大売出しだよ〜!!」

「アレ? おじさん? おかしいぞ、おじさんが目を合わせてくれなくなった。
 おじさァァァァァァァん!!!!!!」

銀時の悲痛な叫びが、夏の青空に響き渡った。

一軒目。
購入失敗。



「扇風機? 無い無い。骨董屋にでも行ったほうがいいんじゃないの?」

二軒目。
購入失敗。



「何? 今時扇風機使ってるの? それってヤバくない? 軽くヤバくない? 何気にヤバくない?」

三軒目。
購入失敗。



四軒目……。

「扇風……がはっ!!
 いだだだだだだ何すんのォォォ!!! まだ何も喋ってないのに!!」

何かを口走ろうとした店員に、鼻フックデストロイヤーを仕掛ける銀時。
どうやら彼らの怒りは最高潮に達していたようだ。

「うるせーよ、どーせねーんだろ。分かってんだよ。もう裏は取れてんだよ。
 裏のお店で裏は取れてるんだよ」

四軒目。
購入失敗。
589なの魂:2007/10/22(月) 01:22:47 ID:+wMnqBW8



「あー腹立つイライラする!! あの青い空まで腹立つ! あんなに青いのに!!」

怒りに任せて大声で捲くし立てるヴィータ。
通行人が何事かとこちらを見てくるが、もはやそんなことも気にならないくらい彼女の思考回路はショートしているようだ。
そしてそれは銀時も同じであった。

「なんで扇風機如き買うのに、こんな汗だくでたらい回しにならなきゃならねーんだ!!
 オイ、そこのガキ! 帰っていいかな!? 俺もう帰っていいかな!?」

と、たまたま近くを通った少女に問いかける。
突然わけの分からない質問を投げかけられた少女は、当然困惑し

「え…いや、その……い、いいんじゃないですか?」

と、極めて無難な答えを返す。
しかし、これがマズかった。
非常にマズかった。
何故なら彼らの怒りは、既に臨界点を突破していたから。

「うるっせァァァァァァ!!!」

「いいわけねーだろ!! 家はもう蒸し風呂状態なんだよ!! 何も知らねーくせに知ったような口をきくな!!」

「ふぇぇ!!?」

理不尽な糾弾をされて涙目になる少女。
と、ここでようやくボルテージが下がってきた二人は、目の前にいる少女が
自分達の知り合いであることに気付いた。

「……って、なんだなのはか。どーした?」

「なんだ、なのはン家も扇風機壊れたのか?」

「どこをどうしたら扇風機の話になるんですか!? そうじゃなくて海! 海に行ってたんですよ。
 すずかちゃんと、アリサちゃんと」

と、珍しく声を荒げて言い返すなのは。
彼女も暑さにやられたクチなのだろう。
それにしても、はやて達どころかフェイトまでハブるとは、なかなかいい度胸である。
590なの魂:2007/10/22(月) 01:24:24 ID:+wMnqBW8

「いいなー。海いきてーなー」

心底羨ましそうになのはを見るヴィータ。

「おニューの水着も買って、気合入れて行ったんだけど……」

「いいなー。ビキニがいいなー」

心底羨ましそうになのはを見る銀時。
しかし小学4年生にビキニは酷である。

「エイリアンが出るらしくて、危険だからってそのまま帰ってきちゃった……」

「は?」

「エイリアン?」

そう、エイリアン――他次元生物である。
数々の次元世界との交流を持つ地球。
その窓口となる"ターミナル"があるこの町には、渡航船の機体に取り付いていたり、密輸物に紛れ込んでいたり、
そもそもエイリアン自体が密輸され、それが逃げ出したり……。
そういった理由で、たびたびエイリアンが紛れ込むことがあるのだ。
最近起こった最も大きな事件としては、寄生型エイリアンによるターミナル寄生事件が挙げられるが
その話はまた次の機会にでも残しておこう。

「うん。人食いザメとか、イカとか、タコとか。なんだか色々言われてるけど、とにかく危なくて泳げないみたい。
 なんでも、そのエイリアンに懸賞金もかけられたとか……」

『…………』

懸賞金という言葉に、銀時とヴィータは喰いついた。
要するに、そのエイリアンを捕らえるなりなんなりすれば、金が貰えるというのだ。
具体的には分からないが、相当な額が掛かっているだろう。
もしかしたら、その金でエアコンを買うことが出来るかもしれない。

「あ、あの……銀さん? ヴィータちゃん?」

二人から溢れ出る異様な闘志を感じ取ったなのはは、恐る恐る声をかける。
次の瞬間、二人は目に真っ赤な炎を灯し、こう叫んだ。

「今年の夏は!!」

「エイリアン一本釣りだ!!」
591なの魂:2007/10/22(月) 01:26:04 ID:+wMnqBW8



翌日、早速現場へやってきた八神家と万事屋。
話には聞いていたが、海岸には本当に人っ子一人としていなかった。
波の打ち寄せる音だけが、静かに響き渡る。
嵐の前の静けさという物だろうか。
まずは詳しい話を聞くために、すぐ傍の海の家――エイリアンに懸賞金を掛けた張本人の元へと向かう。
ちなみに定春とザフィーラは、犬同士仲良く留守番である。



「は? エイリアン退治? え? ホントに来てくれたの?」

オールバックにサングラス、そしてアロハシャツといった出で立ちの初老の男――海の家の店主はそう言った。

「あーそォ。アッハッハ、いや〜助かるよ〜。夏場はかきいれ時だってのにさァ、
 あの化け物のせいで客全然入らなくてまいってたのよ〜」

と、豪快に笑いながら焼きそばを作る店主。
なんとなく不安を感じた新八が、手を挙げて質問をする。

「あの〜、ひょっとして……エイリアンに懸賞金かけたのって…」

「あ〜おじさんだよおじさん。いや〜、でもホント来てくれるとは思って無かったよ。
 おじさんもさ〜、酒の席でふざけ半分で発言したことだけに、まさかホントに来てくれるとは……」

そこまで言ったところで、突然シグナムが店主の頭を鷲掴みし、顔面を鉄板に押し付けた。
ジューと肉の焼ける音がし、香ばしい香りが辺りを包み込む。

「ぎゃあああああああああああああ!!!!」

「酒の席でふざけ半分? 貴様、ナメているのか」

「おじさーん、こっちは命かかってるから真剣なんだよ」

本気で熱中症で倒れかねないシグナムと銀時は、ドスの聞いた声で店主を睨みつける。
小動物なら、睨まれただけで即死しそうな威圧感だ。

「そやで。男は冗談言うときも命がけや。自分の言葉には責任もってもらうで」

そう言って最上級の笑顔を作るはやて。
やはりこの娘が一番怖い。

「待ってェェ!! おちついてェ!! 大丈夫! 金ならちゃんと払うから!」
592なの魂:2007/10/22(月) 01:27:44 ID:+wMnqBW8

「ウソつくんじゃねーよ。こんなもっさりした焼きそばしか焼けねー奴が金持ってるわけねーだろ」

「そうアルネ。どーせお前の人生ももっさりしてたんだろ。ほら言ってみろヨ、モッサリって!
 はい、モッサリ〜!」

などと言って、鉄板に乗った出来立てホヤホヤの焼きそばを頬張るヴィータと神楽。
彼女らが口を動かすたびにモサモサという擬音が聞こえてくるのは、恐らく気のせいだろう。

「ちょっとォォ!! 君ら何勝手に売り物食べてんのォォ!!!
 おじさんだってこう見えても海の男だぞ! 金は無いが、それ相応の品を礼として出す!」

そう言って己の胸を叩く店主。
なにやら、相当な自信がありそうだ。
これは期待できるかもしれない。

「へぇ……それなら見せてもらいましょうか。
 エイリアン退治はその後ですよ」

不敵な笑みを見せながら、シャマルはそう言った。



「素敵なシャツですね…銀さん、はやてちゃん」

困ったような笑みを見せながら、シャマルはそう言った。
無理も無い。
今、銀時とはやてが着ているのは、真っ白な生地に"ビーチの侍"とデカデカと手書きされたシャツなのだから。

「せやな……シャマルらと初めて会ったときの服がコレやったら、
 ドメスティックバイオレンスの引き金になってたやろーな…」

塞ぎこむように体育座りをしたはやてが言う。
やはり、年頃の少女にこの服はキツかった。

「そのシャツはねぇ! ウチの店員しか着ることの許されないレアモノだよ! これで君達も海の男の仲間入りだ!
 だから俺を解放しろ! 海の男はこんなことしないぞォォ!!」

丸太に張り付けられ、大海原のど真ん中に放置された店主が叫ぶ。
早い話が、エサである。

「なかなかかからねーな……エイリアン」
593なの魂:2007/10/22(月) 01:29:12 ID:+wMnqBW8

「それにしても、エイリアンなんてどこから紛れこんだのでしょうね…」

疑問を口に出すシャマル。
原因としては色々考えられる。
先に挙げた、渡航船への取り付き、密輸物への混入、密輸された個体が逃走、エトセトラエトセトラ……。
しかし、それら全てが最終的に行き着く先は入管――入国管理局だ。

「入管の奴らがザルな検査してたんだろ。ま、ミッド産じゃないのは確かだろーな。
 あそこ、こことは外交関係じゃねーし。紛れ込みようが無ぇ」

もっとも、それは"ミッドチルダが真っ当な外交をしているならば"という条件付だが。
銀時は仕事上、社会の裏側は嫌と言うほど見てきている。
どこの世界にも、そういう輩は必ずいるものなのだ。

「紛れ込むハズがねぇ……ハズなんだけどな」

辺りを重たい空気が包み込む。
そんな張り詰めた空気を吹き飛ばしたのは……何の因果だろうか。
後に、そのような汚い世界を見せ付けられることになる少女であった。

「エイリアンって、どんなんやろな〜。
 前に映画で見た怪獣くらいデッカい奴なんやろか?」

目をキラキラさせながら言うはやて。
意外と立ち直りの早い娘だ。

「さあな。まぁ、ここまで人が寄り付かねーんだ。
 よっぽどヤバいバケモンなんじゃ……」

そう呟いて海の方を見る銀時。
視線の先では、水着姿のヴィータが新八のゴーグルを持って波打ち際を走り回り、同じく水着姿の新八が
必死になってヴィータを追い掛け回していた。

「ってオィィィィィィィ!!!! お前ら目的忘れてね!?」

「あ、ヴィータちゃんズルい! 私もー!」

いつの間に着替えたのか、シャマルも水着でヴィータ達の方へ向かう。

「お前ホントに俺と同年代!? つーか何でだよ! 何で今回俺がツッコミ役やってんの!?」
594なの魂:2007/10/22(月) 01:30:33 ID:+wMnqBW8

「やれやれ……まだまだ子供だな」

そう言って呆れ顔をするのはシグナム。
彼女の出で立ちは、黒ビキニに巨大なビーチボールというものだった。

「そのカッコで言っても全然説得力ねーよ」

「あはは……シグナムも、遊んできてもええよ?
 でも、危ないと思ったらすぐ戻ってきてな?」

「は。ご命令とあらば」

「いや、おせーよ。いまさら堅物キャラのフリしても遅いから。もう本性バレてるから!」

銀時のツッコミを華麗に受け流し走り去るシグナム。
心なしか、少し嬉しそうだ。



「……みんな楽しそうやなー…」

まるで家族旅行に来た母親のように、はやては呟く。
あれから30分ほど経過したが、エイリアンが現れる気配は一向に無い。
平和そのものである。

「心配しなくても、オメーもじきに遊べるようになるさ」

黙々と"んまい棒"をむさぼっていた銀時が、はやての足を見ながら言った。
彼なりの気遣いなのだろう。
医者の話では、常人では考えられない速度で回復に向かっているが、やはりまだ自力での歩行は無理との事だ。
そんな彼女が、自由に飛んだり跳ねたり出来る"家族"達を見て、憧れや羨望を抱くのも無理は無い。
銀時はそう考えていたのだが、はやては笑いながらその考えを否定する。

「あ、ううん。そういう意味で言ったんやのーて……みんな、子供みたいやなーって思って。
 子供の私が言うのも、変な話やけど」

「結構なことじゃねーか。人生を楽しむコツは、童心を忘れねーことだからな」

微笑みながら"子供"達を見守る銀時。
まあ彼の場合、童心というより、いつまで経っても平行線なダメ人間なのだが。
595なの魂:2007/10/22(月) 01:33:08 ID:INXftl4W

「でも、大人になったらそうも言ってられんのとちゃうの?
 上からは怒鳴られ、下からは持ち上げられ……板挟みにあって、いずれはサンドイッチや。押し潰されてまう」

「お前ホントに小学生?
 ……ま、お前が心配するようなことじゃねーよ。それに、そーゆー地位につける奴は、大体仕事の出来る奴だ。
 仕事が出来る奴ってのは、ガス抜きの仕方も上手いからな。そう簡単に潰れねーよ」

「そーゆーもんなんかなぁ…」

はやては釈然としないようだったが、銀時は構わず話を続ける。

「そーゆーもんなんだよ。
 その点で言えば、オメーは仕事が出来ない奴らの部類に入るな」

「ふぇ?」

「お前に限ったことじゃねぇが……何でもかんでも、一人で抱え込んじまうクセがあるからな。
 そのくせ、他人の悩みや心配事には敏感で……ガスの抜き方も知らねーくせに、そいつらまで一緒に抱え込んじまってよォ。
 その小っこい身体に、どんだけのモンを抱え込めるってんだよ。
 そんなに俺らが信用できねーか?」

予想外の話の振られ方に、二の句を告げなくなるはやて。
しかし、最後の一言だけはどうしても否定したかった。
信用できない?
そんなわけが無い。私は彼らを――"友人"と、そして"家族"を心から信用している。
世界中の、誰よりもだ。

「そ、そーいうわけやないよ! ただ、みんなに心配かけたり、面倒なことに巻き込んだりしたくないだけで…」

「オイオイ、俺ァ万事屋だぜ? 面倒なことをすんのが仕事だ。
 何でもかんでも自分で解決されたら、商売上がったりだぜ」

そう言って、笑いながらはやての頭に手を乗せる。
口では金だの商売だの言ってるが、心の奥底では、自分のことを一番気に掛けていてくれてるのだろう。
……本当に天邪鬼。まるで子供みたいな大人だな。
そんなことを思い、はやては微笑む。
596なの魂:2007/10/22(月) 01:34:23 ID:INXftl4W

「……そっか。それもそーやな」

「そーだよ。銀さんをニートにさせたくなかったら、どんどん面倒事持って来い。分かったな?」

「うん。でも、そん時は格安でお願いな?」

約九年後、この時の発言のおかげで本当に面倒な事件に巻き込まれる銀時なのだが
それはまた別のおはなしである――。



「いいなー。みんな楽しそうアル」

さらに10分経過。
ぼけーっと海を眺めていた銀時達の後ろで、突然神楽が呟いた。
いつものチャイナ服に番傘、そして何故かタオルでほっかむりを作っている。

「…そーいやお前、日の光に弱いんだったな。
 原作者も忘れてるんじゃねーの? そんな設定」

「いいなー。みんな泳げて」

心底羨ましそうにヴィータ達を眺める神楽。
その頭上には、ワゴン車並の大きさの岩が掲げられていた。

「……神楽ちゃん神楽ちゃん。何してんの?」

「他人の幸せを見るくらいなら、いっそ壊してしまった方がマシよ」

マズい。この目はマジだ。
本能的に危険を察知したはやてはヴィータ達に向かって叫ぶ。

「みんな逃げてェェェェ!!! 病気や! この娘病気……ん?」

「オイ、あれって……」

異変に気付いたのはその時だ。
張り付けの刑にあっていた店主の後方150mほど。
その海面から、巨大なサメの背びれのような物が突き出ていたのだ。
しかもそのヒレは、凄まじい勢いでこちらへ向かっている。
597なの魂:2007/10/22(月) 01:35:31 ID:INXftl4W

「おィィィィ!!! 後ろォォォ!! 志村後ろォォォォ!!」

「逃げてェェェェ!! ダブルパンチや! 二つの恐怖が今まさに!!」

必死な形相で叫ぶ二人。
しかし悲しいかな。ヴィータ達と銀時達との距離は、あまりにも遠すぎた。



「? 何、ダブルパンツ? パンツ忘れてきたのかな?」

浮き輪でプカプカと浮いていた新八は、銀時達の蚊の鳴くような叫びをそう認識した。

「しょうがねーな。あたしの貸してあげ…」

と、ヴィータが海岸に向かって泳ぎだそうとしたその瞬間である。

『ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』

突然、この世の物とは思えない叫び声が聞こえた。
驚いた新八とヴィータは声のした方を向く。

そこには、泡を吹いて気絶した店主。
今まで見せたことも無いような表情をしているシグナムとシャマル。
そして大型トラックほどの大きさはあろうかという……"脚の生えた魚"が宙を舞っていた。
理解不能の事態に、思考回路を停止させてしまう新八とヴィータ。
数瞬後、魚は吸い込まれるように海面に落下し、盛大な水飛沫と津波が巻き起こった。

「ほほほ、本当に出たァァァァァ!!!」

大慌てで岸へ向かう新八とヴィータ。
すっかり忘れていたが、自分達はエイリアン退治に来たのだった。

「おい、おっさん気絶してたぞ! 大丈夫なのかアレ!?」

「大丈夫! 僕の経験上、ああいうモブキャラは放っておいても最後のほうにひょっこり出てくるはずだから!!」

などと身も蓋も無いことを言う新八。
そんな彼らの両脇を、何かが物凄い飛沫を上げながら泳ぎ去っていった。
598なの魂:2007/10/22(月) 01:37:10 ID:INXftl4W

「新八くん! 後は頼んだわ!!」

「殿は任せるぞ、ヴィータ!」

『待てや年長組!!!!』

シグナムとシャマルである。
しかしこの二人、明らかに戦速以上の速度で泳いでいる。
実は水中戦仕様として作り上げられたのではなかろうか?

などとくだらないナレーションをしているうちに、エイリアンはどんどん新八、ヴィータとの距離を詰めてくる。
このままでは、丸呑みにされて七つの海を巡ることになってしまう。

「うわァァァァ!!!」

なんとか逃げ切ろうと頑張る新八だが、ヴィータはそれを許さない。
お前も道連れだ。といわんばかりにゴーグルのゴムを引っ張る。

「ちょ…待てェェ!! 何スイスイ泳いでんの新八!? お前らしくない!!
 お前は何やってもダメ! ツッコミ以外ダメなキャラのハズだ! そーだろ!?」

「いだだだだ!! 目ェ飛び出す! 目ェ飛び出すって!!!」

ゴーグルに目の周りを押さえつけられ、出目金のようになる新八。
前門のヴィータ後門のエイリアンである。
まさにダブルパンチ。

「新八さん! ヴィータ!!」

何とか神楽に岩を降ろさせたはやてが叫ぶ。
すると空気を呼んだ神楽が、一旦降ろした岩を再び持ち上げた。
……神楽を止めるべく、岩にしがみついていたはやても一緒に、だ。

「ふんごぉぉぉぉ!!!」

「ちょ、神楽ちゃん待って! 私乗ってるから!
 これ投げんのは私も賛成やけど、私乗って……」

――銀魂における一般常識・その1。
主役・脇役に関わらず、不幸は平等に訪れる物である。
むしろ主役ほど悲惨な目に合いやすい。
599なの魂:2007/10/22(月) 01:39:00 ID:INXftl4W

「いヤァぁァぁァァぁぁァ!!!!!!!」

はやての悲痛な願いも空しく、大岩はスパイラル回転をしながら飛翔する。

「はやてェェェェ!!!!」

「はやてちゃんんんんんん!!!!」

外れ。
はやての決死の特攻も空しく、大岩はエイリアンのすぐ脇に落着し、巨大な水柱を上げた。

「チッ、外したか」

「……いやいや、大丈夫だろコレ。
 だってアレだぜ? ああ見えてアイツ、期待の新人だし……」

冷や汗をかきながら現実逃避を計る銀時。
確かに彼女なら、その気になれば艦砲射撃並の魔力砲撃を放つことも可能だ。多分。
その辺のエイリアンには、引けを取らないだろう。多分。
しかし、その考えは大きく間違っていた。

「そういえばはやて、この前の訓練でデバイスぶっ壊して、今修理中って言ってたアル」

「…………」

要するに、砲身が無いのだ。
どれだけ強力な弾を持っていても、それの射出に耐えうる装置がなければ意味が無い。
万全の状態のはやてを悟空とするなら、今のはやてはヤムチャだ。
どう考えても勝ち目は無い。

「はやてェェェェェェェェェ!!!!!!!!!!!!!!」

鬼のような形相で助けに向かおうとする銀時。
だが、シャマルはそれを止める。

「大丈夫です銀時さん! こちらで回収しました!!」

後ろを振り向くと、騎士甲冑を纏ったシグナムとシャマル。
そして口から噴水のように海水を吹き出すはやての姿があった。
どうやら、水没した直後に"旅の鏡"で回収したようだ。

「ホント便利だな、その技……」
600なの魂:2007/10/22(月) 01:40:29 ID:INXftl4W

しかしこれで一安心、というわけではない。
まだヴィータと新八が海の中だ。

「うわばばばば!!! ヤバい! 追いつかれる!」

「ああ…死ぬ前に湯船一杯にフルーチェ作って食べてみたかった……」

「安上がりな人生だなオイ!」

とても死ぬ直前とは思えない会話を繰り広げる二人。
その時であった。
エイリアンが突然海中から飛び上がったのだ。
巨大な脚付きの魚は弧を描きながら飛翔し、地響きと共に銀時達の目の前に着地した。

「ぬォォォォォ!!!
 何コレ!? どこの魚龍!?」

翡翠色の鱗。シャープな顔立ち。鋭利な牙。強靭な脚。翼のように発達したヒレ。
そう、それは魚というより、むしろ龍と呼ぶべき生物だった。

「これがエイリアンとやらか」

レヴァンテインを抜くシグナム。
先程は突然のことにパニック状態に陥ってしまったが、落ち着いてみれば何のことは無い、
極々ありふれた巨大生物だ。
彼女の腕ならば、勝てない相手ではない。

「でも妙ね……魔力なんて一切感じなかったけど…」

「大方、ステルス系の能力でも持っているのだろう。
 確かに海中なら脅威ではあるが、陸に上がればどうということは……」

そこまで言いかけたところで、突然魚龍が口を開いた。
その口内では、魔力で圧縮された水の球が、ユラユラと蠢いている。

「オイ、姐さん。どうということは……何だって?」

「…散開!!」

シグナムの号令と共に横っ飛びにその場を離れる銀時達。
直後、彼らがいた場所に"水爆弾"が着弾。
家一軒くらいは飲み込めそうな、巨大なクレーターが出来上がった。
601なの魂:2007/10/22(月) 01:42:06 ID:INXftl4W

「ヒュー、えれぇ威力だな。まるで大砲じゃねーか」

愛用の木刀を抜きながら銀時は言う。
純粋な魔力砲撃ならこの木刀で打ち返すことも可能なのだが、この"水爆弾"は圧縮された水だ。
残念ながら打ち返すどころか、直撃すれば確実に消し飛ばされる。

「シャマル! 主を連れて下がっていろ! 奴は我々が片付ける!」

支援要員の自分が、最前線で行えることは少ない。
そう判断したシャマルはシグナムの指示通り、はやてを抱えて魚龍との距離を取る。

「……で、どうする気だよ、姐さん」

「無論、正面から撃ち貫くだけだ」

憩いのひと時を邪魔されてご立腹なシグナム。
どうやら最初からクライマックス、全力全開で仕掛けるらしい。

「シグナム! 結界の展開、完了したぞ! 思いっきりやっちまえ!」

騎士甲冑を纏ったヴィータが叫ぶ。
これで攻撃の余波が外部に伝わることは無い。
遠慮なく最大の攻撃を叩き込むことが出来る。

「任せておけ。今日の夕食は魚龍の姿焼きだ」

不敵な笑みを浮かべ、ボーゲンフォルムのレヴァンテインを構えるシグナム。
しかしこの形態を見ると、どうしても"アーバレスト"と呼称したくなる筆者は、某作品に相当毒されているようだ。

「翔けよ、隼!」

弓から二つの空薬莢が排出されると同時に、光の矢が放たれた。
矢は寸分違わず、魚龍の眉間に向かって飛翔する。
――勝った。
そう思った、まさにその瞬間だ。
魚龍が水爆弾を発射したのだ。
爆弾は矢にぶつかり破裂。その威力を相殺する。
これが魔力弾なら爆発して終わりなのだが――何度も言うが、これは圧縮された"水"なのだ。
殺傷力こそ失ったものの、水にかけられた加速はそう簡単には失われない。
大量の水がスコ−ルのようにシグナムに襲い掛かった。

――数秒後、そこには濡れ鼠となった烈火の将の姿があった。
602なの魂:2007/10/22(月) 01:43:56 ID:INXftl4W

「……よかったな、撃とうとしてたのがファルケンで」

「白兵戦やったら、間違いなく上半身吹き飛んでたな」

いつの間にか復活したはやてと銀時が、ジト目でシグナムを見る。

「な、何をおっしゃいますか主。これは、そう、水も滴るいい女というものでありまして……」

などと言い訳を試みたのがいけなかったのだろう。
これを好機と見た魚龍が、容赦なく水爆弾を撃ち込んで来たのだ。

『どわァァァァァ!!!!』

直撃は免れたものの、その尋常ではない爆発に
空高くまで吹き飛ばされるシグナム……と、たまたま近くにいた銀時。

「銀ちゃん! 姐御!!」

「ヤバい! シャマルさん、はやてちゃん逃げて!」

魚龍はシグナム達を一瞥し、シャマル達の方へゆっくりと首を向けた。
シャマルは身構える。
はやてを抱えているこの状況では、攻撃の回避など到底不可能だ。
となると、防御するしかない。
しかし、シュツルムファルケンを相殺できるほどの攻撃を防ぐことが出来るのか。
そう考えている間にも、魚龍は攻撃態勢を取る。
……つまり今現在、魚龍の背後は隙だらけということだ。

「させるかァァァァァ!!」

デバイスを構え、ヴィータが魚龍の背後から突撃を敢行する。
しかしこの魚龍、なかなか知能が高いようだ。
まるで奇襲を予測していたかのように身体を一回転させる。

「へぶっ!?」

巨大な尾ビレを叩きつけられ、ヴィータの体は虚空に舞った
さらに追い討ちを掛けるべく、魚龍はヴィータに爆弾の狙いをつける。
603なの魂:2007/10/22(月) 01:45:33 ID:INXftl4W

「ヴィータちゃん!!」

叫ぶシャマル。
しかしヴィータは回避行動を取ろうともせず――笑っていた。
まるで、勝利を確信しているかのように。

「ほァちゃァァァァァ!!!」

独特な叫び声と共に、何者かが魚龍の眼前へ躍り出た。

「あっち向いてェェェェ……」

神楽だ。
愛用の番傘を大きく振りかぶり、力一杯フルスイングする。

「ホイィィィィィ!!!!」

夜兎の馬鹿力から放たれた一撃は、魚龍の狙いを大きく逸らすことに成功した。
あらぬ方向へ飛び、爆発する水爆弾。
さらに、不意を付かれた魚龍は今の一撃で脳震盪を起こしたようだ。
まるで酔っ払いのように千鳥足を踏んでいる。
さあ、最後の仕上げだ。

「新八ィィィィ!!! 醤油用意しとけェェェ!!!」

「大根おろしとポン酢もだ!!!」

天から聞こえてくる、戦神と勝利の女神の声。
吹き飛ばされた銀時とシグナムが、重力に任せて自由落下してきたのだ。

『ひっさぁぁぁぁぁつ!!!』

高々と妖刀と炎の魔剣を掲げる。
そして――

『稲妻重力落としィィィィィィィィ!!!!』

80年代テイスト溢れる技名と同時に振り下ろされる、二つの剣。
その衝撃は魚龍の身体を伝い、地に無数の亀裂を残す。
歴戦の剣士二人の、渾身の一撃を受けた魚龍はその場にくずおれ……ピクリとも動かなくなった。
604なの魂:2007/10/22(月) 01:47:17 ID:INXftl4W



カラスが鳴くから帰りましょ、とは何の歌だったか。
件の魚龍を入管の連中に引き渡し、魚龍討伐の報酬を海の家の店主から強奪――もとい、受け取り帰路につく銀時達。

「……なんでだよ、なんだよこの状況。罰ゲーム? なんかの罰ゲームか?」

黄金色の夕日を浴びながら、銀時は呟く。
無理も無い。
何故なら今の彼は、右肩にはやて、左肩にヴィータ、そして小脇に神楽を抱えるという
なんとも大道芸な事をさせられているのだ。

「よっぽど疲れていたんですね…」

微笑みながら、眠りこける三人の天使を見つめるシャマル。
それに同意するように、新八とシグナムも頷く。

「そりゃあ、あれだけ遊んだ上にあの騒動ですからねぇ…」

「ふふ……まるで父親だな。銀時殿」

「オイ、ホームドラマみてーな雰囲気にしてごまかそうとしてんじゃねーよ。お前らも手伝え。
 何が悲しくてガキ3人もいっぺんに背負わなきゃならねーんだよ。
 まだ子泣きジジイ背負ってる方が幾分かマシだっつーの」

と、ダラダラと不平不満をブチ撒ける銀時。
しかしシャマルらは彼の主張を全力で無視した。
605なの魂:2007/10/22(月) 01:48:21 ID:INXftl4W

「でも、銀時さんがお父さんってことは、お母さんは……」

チラリ、とはやてに目を向ける。

「……腐ってますね」

「そうか……銀時殿に、そんな趣味が…」

まるで腐ったミカンでも見るような視線を向ける新八とシグナム。
しかし当然のことながら、銀時に幼女趣味は無い。
銀時は必死になって身の潔白を証明しようとする。

「オイぃぃぃぃぃ!!! 何勝手に勘ぐってんの!?
 無いからね! 銀さんいたってノーマルだからね! オイはやて! お前も何か言って――」

「……んぅ…………誰か交代ぃ〜…」

幸せそうな寝顔を見せながら、寝言を垂れるはやて。

――父親、か。
まあ、コイツが酒でも飲めるくらいの歳になるまでは、それもいいかもしれないな。

「……ったく。重てーな、チクショッ」

心地よい重さを背中に感じながら、そんなことを呟く銀時なのであった。
606なの魂の人:2007/10/22(月) 01:51:49 ID:+wMnqBW8
以上、なのは×銀魂でした
実は無印〜A'sまで通して、一本のネタを用意してはいるんですが
なんか最後まで連載しきる自信が無くて、こんな感じの短編連発という形に…orz

StSの話も考えてるけど、実はまだ本編全部見切れてないという罠
607名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 02:06:27 ID:FtE6VVQp
GJ!
扇風機ってことだから招き猫型小判製造機でるかと思った。
シグナムにクソワロタwww
あとガノトトス自重。
608リリカル犬狼伝説:2007/10/22(月) 06:00:45 ID:jQ8K3QzB
おお!職人の皆さんGJっすよ!

>なの銀
アニメの出来が神ががって居るので要期待www


ウロスで書いていて思ったのネタなのですが、
管理外世界のロストロギア回収で思いついたことを題材にブラックホークダウンと、ちょっぴり絡ませて書かせていただきます。
ウロススレで書かれた多くの議論を元に、勢いで書きました。

・クロス内容『リリカルなのは × ブラックホークダウン』

題名『リリカルホーク・ダウン』

※注意!
オリキャラが殆どです。
沢山人が死にます orz
ごめんなさい
609リリカルホーク・ダウン:2007/10/22(月) 06:08:22 ID:jQ8K3QzB
―――繰り返す
―――干渉は許可できない
―――全力で回避せよ



『リリカルホーク・ダウン 〜あるいは彼はいかにして干渉を決意したか〜 』


管理外世界『地球』、それも武力紛争地帯の一大武装勢力が持っているというロストロギア回収任務に行った管理局古代遺物管理部機動一課の一部隊。
歴戦の彼らは、今回も「30分で終る」と言いながら出撃した。
隠蔽魔法と変身魔法で駆使し、ロストロギアを持っている武装勢力のアジトへ向う部隊。
「気付かれてもバインドとチェ−ンで拘束しちまえば手が出せない」
「気絶させちゃいば無用な混乱なんて無くて済んじゃう」
軽口を言う余裕を見せる、歴戦の隊員たち。

が……。
オリンピックビルと呼ばれる建物内部まで侵入しロストロギアを確認。
封印処置を施そうとした、その時!
ロストロギアが突然作動し、その力で(AMF発生装置か?)でバレてしまった!
麻薬で異常な興奮状態になったゲリラや、暴徒の群れが、『部隊の人員が白人』だったと言う理由で恐るべき勢いで攻めてくる!
少年兵を殺傷設定の射撃魔法で殺してしまったショックで呆然としたまま女性隊員が、暴徒に混じっていた妊婦が撃ったカラシニコフの銃弾で殉職。
ただひたすら非殺傷設定のバインドやチェインで敵を行動不能にさせながら防御フィールドを唱え続けていた青年隊員は、
すぐ近くまで迫ってきた女の子が持っていた遠隔操作式の爆弾で……
十字砲火に捕まり、圧倒的な数の弾幕の前に、シールド魔法もBJも、防御力が銃弾一発、RPGの爆風を食らうごとに確実に削られていく……。
夜間、光り輝く魔法弾を撃つ部隊は格好の標的だ!!
周辺からどんどん敵兵の他に、ほぼ素手の暴徒とかした民兵の大群が迫ってくることを察知し、絶叫で隊長に報告した魔導師は、対物ライフルで長距離でBJごと頭部を吹き飛ばされた。
彼は無限書庫のスクライア司書長に憧れて、この作戦後は書庫へ転属する予定だった。

「転送魔法も飛行魔法も使えないんだ!!なのに戦艦はッッ!?何で俺たちを助けに来ないんだ!!」

叫んでいるのは聖王教会から機動一課に出向してきた若い騎士。
強力な近代ベルカ式保有者で、部隊の中で一番実戦能力の高い隊員が、敵(もはや敵としかいえない)の大集団を近づけまいと、
奪いとったDShK38重機関銃を撃ちまくる。
ベルカ式を生かして、大群の中に吶喊!……など、出来るはずがない!!

近代ベルカ式の使い手で、シグナムに師事させていただき鍛えてもらったというのが自慢話の18歳の少女騎士は、
暴徒を全員気絶させようと、短刀型デバイスで集団の中に躍りこんだ途端、
友軍誤射などお構い無しに、360度から銃弾を浴び、BJも防御魔法も全て文字通り『磨り潰された』。
隊長も残り少ない部下を叱咤激励し……足元に転がっている質量兵器を使用する激を飛ばした。
610リリカルホーク・ダウン:2007/10/22(月) 06:12:29 ID:jQ8K3QzB
魔法と違い、面白いようにバタバタ倒れていく。
血しぶきをあげながら、ドミノ倒しのように。
男女区別なく、老人も子供も、赤ん坊を抱いてライフルをこちらに向けていた女性ごと、なにもかも……。
現地質量兵器を使わなければならないのには理由があった。
部隊の者全員が、既に魔力が尽き掛けているのだ!
出なければ、彼はこんなことを出来るはずがない!!
殺さなければ、こっちが殺される!そうしたら回収したロストロギアはどうなる!?
12.7o弾を横凪に撃ちつつ、彼は聖王教会の贖罪の詩を口ずさんみ……罵声を上げて撃ちまくった。
彼は、師の自慢をしていた少女と仲が良かった。
滅茶苦茶に撃たれてしんでもなお、その少女の亡骸に暴行しようと、服を剥ぎ取ろうとする敵たちにむけて集中して撃つ。

……言い分ならある。
彼らは非殺傷設定で三千人以上気絶させた!
なのに……やつらは気を失った者を無理矢理起こすと、また突き進んでくるのだ!!
そして、とうとう奴らありったけの対戦車砲と迫撃砲を繰り出してきた!
彼らは魔法で防御されているため、銃弾が数十発当たっても死なないから本気を出してきたんだろう。

『隊ッ長ォオオオオオオ!!!』

部隊長の頭の中に、最後の一人からの念話が……。
直後、爆発音。見ていないから彼がどうなったかわからないッ!
だが生体反応は自分ひとりを除いて無くなった。
そうなのだ、生き残れる……わけがない!
たとえ強力なシールドを展開させれば、それで完全に“尽きる”……BJもなにもない。
狂乱は日が昇っても続く……。
あちらこちから無分別に銃声と現地住民の雄叫び声が聴こえてきた。
さらに管理局の全滅した部隊と武装勢力の戦闘が引き金となり、紛争が再燃してしまったのだ。
政府軍、国連PKFを巻き込み泥沼化へ……。
廃墟の町をロストロギアを抱え隊長ただ一人が逃げ惑う。
考えている暇はない。
残されたギリギリの魔力でスキャン。敵は居ないか?
なるべく出会わないように、聖王に祈りながら。
頭上をこの世界の最新鋭軍用ヘリが轟音で飛び去った。
部下を全員失った隊長は、悔恨で膝を屈しそうになりながら逃げ回る。

(ロストロギアさえなければ……)

そういった恨みは確かにあった。
それよりも宇宙にいる次元艦と連絡を。
それが不可能ならば、完全に破壊する算段をつけなければ……。
地上でたった一人となってしまった今、責務を放棄するという言葉は彼に無かった。
前触れも無く突然の発動。
全く予測の出来ない異常な能力。
隠された能力の可能性。
これらシステムを完全に分析しなければ、最悪壊した瞬間にこの世界で言う『核兵器』並みの爆発が起きるかもしれないし、
事実、過去そういう例は後を絶たず、官民区別無く甚大ならざる犠牲者を出してきた!
611リリカルホーク・ダウン:2007/10/22(月) 06:14:56 ID:jQ8K3QzB
疲れてきた。
魔力はもうない。民家の中に入り込み、安全と思われるその場で腰を下ろした。
乾燥地帯で飢餓状態のこの地では飲み水の確保も難しい。
顔も体中も埃と血でグチャグチャだった。
外の看板には、この建物は果物屋さんのはずだ。
……なのに、なのになんでマシンガンやライフルの弾が並べられているんだ?
真っ先に“殉職”した部下の言葉を思い出す。
ここでは救援物資のトウモロコシの粉よりも、武器の方が安いらしいですよ。つまり……
考えれば考えるほど吐き気が出てきた。

(質量兵器が食料よりも多いということか……なんという酷い場所なんだ!
エース・オブ・エースの実家の地域社会はまるでミッドの田舎と同じ平和だったのに……)

すぐにこの場所から、戦場から離れたい。
そう思いながら、重い足を引きずるようにして歩き出した。
そして、どこまで歩いたのか判らないまま気絶した。

体をゆすられて隊長は眼を覚ました。
ベットの上だったので艦の医務室かと一瞬思ったが違った。
点滴の針をつけられた左手が痛い。ミッドの医療点滴装置はこんな原始的なものではない!
まわりを見れば一目瞭然。蒸し暑いテントの中だった。
至るところに赤い十字のマークがつけられ、現地語で書かれていた。
地球に派遣される前に、基礎知識として学び、それがどういう意味なのか知っている。
自分を起こした、ベッドの左右にいる質量兵器を掲げた軍人の姿を見て彼は思った。

(厄介なことになった……)

2人の内の一方が話しかけた。

「休んでいる所、申し訳ない。いろいろと聞きたい事があるんだが……。まだ君も回復しきっていないというのは良くわかる。
だが上の連中がカンパニーが来る前に、とにかく何でもいいから聞いてくれってうるさくてな。
とにかく暫定的でも良いから話をしろと、と言うわけだ」
「ゲーリー!まずは落ち着いて自己紹介といこうぜ?あ〜英語分かるよな?
俺はランディ、ランディ・シュガート。で、こいつは……」
「ゲーリー・ゴートンだ。ところで、コレ、ペプシしか用意できなかったんだが飲むか?
望むんなら食い物もミネラルウォーターもスグに持ってこさせる。
それと、俺たちは国際連合の要請で派遣されたソマリア平和維持軍を構成するアメリカ合衆国陸軍の兵士としか言えない。今はね……」

尋問の心得があるのか、まずは相手の緊張を解そうとする2人を見て、部下を全滅させた隊長は思った。
コイツらは……プロだ。殺しに慣れている正真正銘のソルジャーだ。何かコトを起こせば、一瞬で取り押さえられるだろう。
……恐らく、アフリカの紛争地帯のど真ん中で、地球とは全く異なる材質で作られた衣服を着ていた私に興味を持ったのだろう。
ひょっとしたら戦闘を起こしたのも我々だと言うことは、とっくに知られているかもしれない……。

「……私を頭から引きずってくれたのは君達、というわけなんだね?」
「あ、覚えてた?」
「いや、だから俺はちゃんとランディに言ったんだ。ちゃんと担架を待とうって」

その後、紆余曲折がありながらも隊長はなんとか救援に駆けつけた次元艦の乗組員により救出された。
救出方法は手荒く、とにかく隊長の居る統合タスクフォース指令センターを含めた周辺に非殺傷設定で広範囲攻撃魔法を仕掛け、ECMを撒きながら武装局員を突入。
ロストロギアと隊長を救出したのだった。
………後日S級危険度に認知されたロストロギア回収は成功した。
612リリカルホーク・ダウン:2007/10/22(月) 06:28:27 ID:jQ8K3QzB
そして本局に戻ってから、直に査問会が開かれた。
恐らく所持したヤツラはただの装飾品としか考えていなかっただろうし、この世界の科学では発動させることも解明させることも不可能だ。
魔法を使いながら接近した局員に反応したのだ。
つまり、こういうことだった。

「最悪の場所で、最悪のロストロギアが、最悪のタイミングで発動してしまった故の悲劇」

管理局はむしろ隊長に同情的だった。
世間は、マスコミを含め殉職者に哀悼の意を表した。
そして管理外世界で何が行われていたのかは、殆ど報じられなかった。
危険度が非常に高いロストロギアを、大きな犠牲を払って、成功した。
それだけだった。

いや、彼を唯一救ったことが一つだけあった。
殉職した部下の家族、親族、知人からの怨嗟の眼差し……。

そして隊長は、それゆえに時空管理局と管理世界そのものを危惧し始めた。
彼らは誰も管理外世界を見向きもしない。
いや、管理外世界の存在を意図的に思考から外している節がある……。
これでは、何のために自分の部下が死んだというのか!
もっと、何か良い方法があったはずだ!!
何故質量兵器が蔓延している管理“外”世界を放置するのか!

数年後、地上本部と本局の確執を眼にしてしまった彼は確信してしまった。

つまるところ、本当の戦場を管理世界の誰も知らないのだと。

ならば、起こせばいいのだ。
戦争を。


< 続く? >
613リリカル犬狼伝説:2007/10/22(月) 06:31:26 ID:jQ8K3QzB
以上です。

……スミマセン
とにかくスミマセン
隊長の名前はツゲだと思ってくださいorz

しかも、いろいろと時間設定メチャクチャだ。


失礼いたしました。



614名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 07:16:41 ID:A7UgqtK7
GJです。
ツッコミ所が有るとすればミッドの点滴も
似たような物だった位しか思い浮かびませんでした。

魔導師が強すぎる気もしましたが、エリート部隊と考えれば可笑しくないですしね。
615名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 07:18:25 ID:A7UgqtK7
追伸、最初のアレはパトレイバーなんですねw
616なのは×終わクロ:2007/10/22(月) 07:57:39 ID:yMkBqGkC
久方ぶりです。ちょっと間の空いた内にGJ作品が連発ですねぇ。…自分の未熟さが身にしみるゼ。

新しい話が出来たのですが、投下してもよろしいでしょうか?
617名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 08:06:39 ID:od7JJS3A
いいんでない?
618なのは×終わクロ:2007/10/22(月) 08:14:44 ID:yMkBqGkC
第五章『過去の追走』

過去が私を追ってくる
私が停まらず駆けるのは
それに追い付かれぬ為なのか

     ●

 佐山は草原にいた。上空には青天、周囲には森林が広がる。だがそれよりも佐山には思う事があった。
……浮いている?
 視界が日頃よりも高いのだ。何事か、と確認してある物が無い事に気付く。体が無いのだ。ふむ、と佐山は一息ついて再度の確認を行う。
……視覚、良し。聴覚、良し。思考、良し。触覚、余り無い。味覚、嗅覚、第六感は全て駄目……
 つまり今の自分はほぼ見聞きしか出来ない状態、加えて浮遊する様な視線の高さ。佐山は結論した。
……夢か……
 明晰夢か、と思うが疑問もある。夢とするには余りにも現実味があるからだ。まるで実体験の様だ、と佐山は思い、そこで背後に草を踏む音を聞く。誰だ、という言葉と共に振り返ろうとし、
「―――――」
 果たされたのは振り向きのみ、声は放たれず視界は動く。
 そこにいたのは一人の男だった。登山用の服に道具類を担いだ初老の入り際、その姿を見て佐山が思う事は二つだ。一つは身なりが現代のものではない事、そして、
……左腕が無い……
 男の顔はこちらを向くが自分を見ていない。
「やはり…やはりここに!」
 男は駆け出した。隻腕の走りは覚束ず、幾度も転びかけ、荷物を落としかける。しかし、
……笑っている……
 渇望する何かを得た様な表情で男は走る。それは佐山が得たくても得られぬもので、何か、と思い通り過ぎた男を追って背後を見た。そこにあったものは、
……塔!?
 長大な建造物が聳えていた。先ほどまでは無かった筈、と思うがその答えはすぐに出る。
……概念空間か。この男はその境界を抜けてきた……
 男は建造物を見上げてこちらに背を向けた状態。だがその呼吸と気配には抑え切れない熱意があり、
「…バベルよ」
 それが建造物の名か、と佐山は推測し、
「概念戦争の始まりを告げる遺物よ! ――ここにいたか!!」
 その内容に、どういう事だ、と佐山は思う。管理局の説明にバベルという名は無かった。それと同時に思う事もある。隻腕の男についてだ。
……私はこの男を知っている……?
 見知らぬ人物だ。濃い人脈を持つ自覚はあるが、概念空間に入って塔を見上げつつハッスルするような隻腕オヤジに心当たりはない。だが、
……何処かで覚えが……
 その瞬間、佐山は意識を殴られた様な衝撃を受けた。
619なのは×終わクロ:2007/10/22(月) 08:16:55 ID:yMkBqGkC
     ●

 意識への衝撃に佐山は跳ね起きた。
「―――っ」
 急な動きが衝撃の残滓と重なって目眩となるが、少し間を置けば安定する。そうして見えてる風景は広大な部屋と乱立する本棚で、自分は机を前にして椅子に座っているのだと自覚する。
「衣笠書庫、か」
 大城達との待ち合わせ時間までの暇つぶしに来たが、いつの間にか眠ってしまった様だ。しかし、先ほどのあれは夢だったのか、と佐山は思い返す。そこで机上に寝そべる貘を見つけた。
「確か過去を夢の様な形で見せると…」
 ならば自分が見ていたものは、
「あれは――かつてあった現実の出来事、か」
 貘はこちらを見上げて首を傾げる。その無邪気な動作に佐山は苦笑し、
……あの塔はやはり他のGに関係するものなのか……
 そこで佐山は本棚へと移動、“神話学”と分類されたそこから一冊の本を抜き出した。背表紙にある題名は、
「神話大全・聖書編。――衣笠・天恭著」
 佐山は本を開いてページを流し、目当ての単語を探し出した。
「…バベル。人々が天に至ろうと築き、しかし神の怒りに挫かれた言詞の塔」
 聖書ではこれを期に言語が分かれたとしているのだよな、とも思い返し、
……あれが他Gの物なら何故この世界の名を持つ……?
 このGの誰かが名付けたのか? とも類推しつつ本を戻し、そこで佐山は気付いた。抜き出した本と同シリーズの物が他に10冊あるのだ。
……この本も合わせれば11冊、昨晩聞いたGの数と同数……
「飛躍しすぎ、か?」
 だが、と思う。時空管理局の表の顔、IAIの支援を強く受けるこの学校でこの合致か、と。
「――ふむ」
「あれ、ミコト?」
 熟考の最中に名を呼ばれた。そして自分の事を名前で呼ぶ人間はこの学校に一人しかいない。
「ハラオウンか」
 見れば本棚の影からハラオウンが顔を覗かせている。
「どうしたこんな所で。君もこの本に用があるのかね?」
「うん、神話とかで調べものがあってね? 折角だから、この学校の創設者の本で調べようと思って」
 ハラオウンはこちらへと歩み寄り、本棚に収められた11冊の書物を指でなぞる。
「…衣笠・天恭。戦前から出雲社と関わりのあった神話学の権威で、この図書室が冠した名前の持ち主」
「の割には名前しか出ない人物だがね。写真も殆ど残っていないそうだ」
「日露戦争で負傷したんだって。だから余程の事がないと写真に映りたがらなかった、って」
「…随分と詳しいな」
 訝しむ佐山はハラオウンは笑い、
「グレアムさんが言ってたの。若い頃に付き合いがあったんだって」
「ほう。…書庫に沈んだミイラの様な老人だと思っていたが」
 はやての前で言ったら怒られるよ? とフェイトは注意し、
「IAIから派遣された人だしね。…十年くらい前に前任者が亡くなってから、ここの管理と企業向けの情報検索をしてるって聞いたよ」
 その補足に佐山は思考する。
620なのは×終わクロ:2007/10/22(月) 08:18:34 ID:yMkBqGkC
……IAIからの派遣、か。これで関係を疑うのはやはり飛躍か?
 冷静さが足りないか、と自分を判断し、そこでハラオウンがこちらを見ている事に気付いた。
「どうしたのかね?」
「…ミコトが何かに興味を持つなんて、珍しいなって思って」
「おかしいかね?」
 ううん良い事だよ、とハラオウンは断りを入れる。
「――昨日言ってた事の答え、少しは出た? 本気についての事」
「残念ながらまだだよ、それに至るかもしれないヒントは得たがね」
「そう。…じゃあ覚えておいてくれるかな?」
 ハラオウンがこちらを真っ正面に見据える。
「もしミコトが本気になれる事や、なれる人を見たら……恐れず、でも壊さない様にね? ――本気になるって事はとても強い力を出す事なの。一瞬の判断で後戻りが出来なくなる」
 そこまで言ってハラオウンは俯く。斜に見えるその表情は泣き顔に近いもので、
「……どうしたのかね?」
「あ、あのね? …今晩の生徒会の自主集合、ひょっとしたらなのはが来れないかもしれない」
 唐突な言葉に佐山は、何? と疑問符で答える。
「高町が来ない? あの善意と正義感と闘争本能を詰め込んだ戦闘民族がサボりかね?」
 ずいぶんな言われ様だね、とハラオウンは一度半目になり、
「バイト先でね、大きな責任を負う仕事をしたの。……それで、深く考え込んでるみたいで」
「――責任、か」
 それは自分が得ていないものだ、と佐山は思う。
……力のある私にとっては、何事も責任以前の段階で終わるもので……
 未だかつて佐山は責任を感じた事は無い。万事が全力未満で解決出来るからだ。だがそれを高町は得たという。それがどのようなものかは知らないが、
「――少し、羨ましくはあるね」
 え? とハラオウンは聞き返すが佐山は気にしない。そのまま時計を見て時間を確認し、
「私はこれから用事があるので失礼するよ。…次は今日の午後九時だね?」
 出立の準備をする佐山にハラオウンは小さく動じ、
「で、でも、なのはは来れないかもしれないよ?」
「彼女が来れなければ何も出来ないのかね? それに高町は来るよ」
 一息。
「――責任とは、それを果たそうとする者だけが得るのだから」
 向けた背後でハラオウンが笑むのを佐山は感じる。
「それは信頼? それとも励まし?」
「どちらでもない。強いて言うなら、けしかけ、だよ」
「……そういう事は、本人の前で言ってあげれば良いのに」
 いつも意地悪ばかり言ってさ、とハラオウンは続けるが、
「そんな事をしたら羞恥に悶死してしまうだろう? …高町が。卑賤な身の上で神にも等しい私の言葉を聞くなど」
「やっぱり言わない方が良いかもね」
 衣笠書庫の出入り口まで歩んだ佐山にハラオウンは声をかける。
「行ってらっしゃい、ミコト。……今晩、待ってるから」
「…微妙にエロい送り出しだね」
 答えればハラオウンは、ええぇっ? と慌てる。それを無視して佐山は外へ出た。
621なのは×終わクロ:2007/10/22(月) 08:21:11 ID:yMkBqGkC
     ●

 尊秋多学院の美術室、開け放たれた窓から音が零れていた。言葉というには浅く、旋律のあるそれは歌声と呼ばれる。その主はキャンバスと向き合うブレンヒルトだ。
 深い森の絵に筆を走らせる灰色髪の少女が、呟く様に謳っている。

Silent night Holy night/静かな夜よ 清し夜よ
All's asleep, one sole light,/全てが澄み 安らかなる中
Just the faithful and holy pair,/誠実なる二人の聖者が
Lovely boy-child with curly hair,/巻き髪を頂く美しき男の子を見守る
Sleep in heavenly peace/眠り給う ゆめ安く
Sleep in heavenly peace/眠り給う ゆめ安く―――

 謳われるのは清しこの夜だ。朗々とする歌声は聞き手も無く散り、しかし唯一の例外である風が少女に語りかけた。
「……それってこのGの歌?」
 声にブレンヒルトは歌を止め、窓辺で逆巻く風を見た。それはやがて黒猫に変じ、
「ブレンヒルトが……ううん、レオーネ様もミゼット様も好きだった、あの人が教えてくれた……」
「――今まで何処言ってたの?」
 黒猫の言葉は遮られた。
「昨晩、話すだけ話したらいつの間にか姿を消したでしょう? 何処へ?」
 ブレンヒルトの表情は固い。有無を言わさぬ気配に黒猫は溜め息をつき、
「…1stーGの居留地。あそこでも使い魔はたくさんいるから、ちょっと集会にね」
「何か解ったの?」
 黒猫は問いに答えず、視線を深い森の絵に向けた。
「それも1stーGの風景?」
 塗り直された絵は昨夜よりも深みを増し、しかし小屋の周囲は未だに手がつけられていない。
「ええ、レオーネ様の庵。私やミゼット様も住まわせてもらってて……アンタだってそうだったでしょ? 覚えてないの?」
「いや、物心つく前の事を言われてもねぇ……」
 黒猫は遠い目を屋外に向ける。
「森も、庵も、歌も、全部知らないんだよねぇ」
 知る前に1stーG滅びちゃったし、と黒猫は笑う。そこへ、
「なら教えてあげましょうか? ……1stーGの事」
 ブレンヒルトは声をかけた。黒猫は驚いた様にその顔を見上げる。
「え、いいの?」
「アンタだって一応1stーGの生き物でしょうが。知りたいなら教えてあげるわよ」
 目を輝かす黒猫を尻目にブレンヒルトは黒板まで移動、チョークで楕円を描く。それを横線一本で上下に区切り、
「これが1stーGよ。下半分が大地で、上半分が宇宙」
「すっごい手抜きだぁてててててっ! あ、ちょ、胃袋は掴めないーッ!?」
 喚く黒猫を放り投げてブレンヒルトは黒板を叩く。
622なのは×終わクロ:2007/10/22(月) 08:22:36 ID:yMkBqGkC
「良い? 兎に角これが1stーG。テーブル型の平面大地に天井で限られた宇宙、星は天井に張り付いてて、太陽は天と地下道を周回して昼夜を分けた」
「随分と狭かったんだね」
「ええ。でも文字に力を与えるという概念のお陰で不便は少なかったし、人や動物は互いを調整し合って生きていたわ」
「良い世界だった?」
 ええ、という肯定の言葉に黒猫は続けて問う。
「――どうやって、滅びたの?」
 その答えはすぐに出なかった。ブレンヒルトは俯いたまま息を吐き、
「…1stーGでは概念戦争が長く続いてね。王は敵の侵入口にも成り易い“門”を二つしか作らず、騎士や機竜は防衛に徹して、侵攻は殆どしなかったわ」
「その戦い方じゃ概念戦争には生き残れないんじゃないの? 護るだけじゃさ」
「それが1stーGの誇りだもの」
 再度の問いは即答された。
「護る為に戦い、その誇りの為に戦う。…争いが嫌いな王だったのよ、概念戦争で妃を喪ったから」
 そこでブレンヒルトは自嘲する様に笑う。
「もし1stーGが滅びるなら勝者のGに降伏する事になっていたわ。誇りを持ち続ければそれまでの戦いは認められるだろう、って。1stーGは自分が弱いGだと知っていたのよ。…そこにつけ込まれた」
 教卓の椅子に腰掛けたブレンヒルトは遠い目をして、
「星祭の夜にあの男は裏切ったわ。そして騎士達が着いた時には王とレオーネ様は死んでて、ミゼット様は瀕死だった」
「そして概念核も奪われた?」
「王が二分した内の片割だけどね。それをレオーネ様が造ったデバイス、デュランダルで制御器から抽出したの。…概念核ごと、デュランダルも制御器も持ち出されていたわ」
 ブレンヒルトは森の絵を指差す。
「あの森も何もかもが潰え、――そして皆この向こうへと去った」
 ブレンヒルトは襟を引いて首もとを晒す。そこには三日月型の飾りを持つチョーカーがあった。
「1stーGのデバイス、レークイヴェムゼンゼだね。冥界との境を開いて魂達の協力を得る、元々は法務相談役としてレオーネ様が持っていた物」
「滅びの際に私がそれを受け継いだ、って事よ」
 黒のリボンを撫でれば三日月型の飾りが僅かに光る。
『……ロード、お力を?』
「いいえレークイヴェムゼンゼ、貴方の出番はまだ先。――もう少しだけ待ってて」
 その答えに沈黙したチョーカーを見て黒猫は首を傾げる。
「それがあれば亡くなったミゼット様達の協力が得られるんじゃないの?」
「無理よ。このLowーGでは冥界の概念が弱くて、概念空間に入らなきゃまともな交信が出来ないもの。それに魂の数が多過ぎて見つけられないわ」
 向こうの皆が出してくれるならともかく、とブレンヒルトは付け足す。それから話題を戻し、
「生き残りは開かれた二つの“門”、王城側と市街側から逃れたわ。王城側から出た者達の殆どは管理局に恭順したけど、私達市街側から出た者達はそうしなかった」
「ラルゴ翁がいたからでしょ? 1stーGの武力を統率する名誉元帥、残った概念核を機竜ファブニールに搭載してこのLowーGに持ち込んだ」
「私達はそれにすがって生き延びたわ。そうして六十年、何時しか市街派と呼ばれる集団になっていた」
 そしてブレンヒルトは黒猫を見据える。
「問題はもう一つの集団、王城派よ。管理局の保護の後、概念空間技術を持って脱走した貴族連中。…アンタの集めた情報ではどう動くの?」
623なのは×終わクロ:2007/10/22(月) 08:24:12 ID:yMkBqGkC
     ●

 東京の駅舎を出た佐山は真っ正面の坂を登っていた。そうして坂を登り切れば、
「待ち合わせ場所とされた東御苑の本丸跡、か」
 そこは芝生の広場だった。右手には天守台と休憩所、左手には展望台があり、周囲には林がある。
……さて、待ち合わせの相手は……
 佐山が周囲を見渡せば程なくしてそれは見つかった。
「あ、佐山君ーっ」
「――新庄君」
 休憩所のベンチに座るその女性に佐山は歩み寄る。
「こんにちは、かな? こういう時なんて言うんだろ?」
「会えて幸いだ、だよ、新庄君。……私を呼んでくれた事に感謝する」
 笑んだ佐山に新庄も笑みを返し、二人はベンチに座る。
「……すまんがのう。君呼んだの、わしなんじゃが?」
 そこで佐山は何かの鳴き声を聞いた。それはベンチの後ろから届くもので、
「おやこんな所に動物が。……奥多摩に帰れ御老体、都会の生態系を崩すな」
「え、再会して最初に言う事がそれ!?」
「野性化して知能レベルが下がったね? 動物と遭遇する事を再会とは言わんよ」
 くはー、と大城が倒れて泣きながら身悶えする。ウナギの様な動作に新庄が慌てた。
「泣かないで大城さん! ――そんなに体液出したら周囲に菌が蔓延しちゃうよ!?」
「うあーん! 新庄君までわしをイヂメるーっ!!」
 大城のリアクションは激化する。新庄は、うわぁ、とよろめきつつ距離を取り、
「……ふむ」
 佐山は落ちていた小石を大城の側頭に叩き付けた。利き腕では無いがそれは見事に的中し、
「ご」
 という呻きと共に動作を停止させた。
「――さて、これで大城菌の蔓延は阻止された訳だが」
「さて、じゃないよっ! どうするの大城さん仕留めちゃって!?」
「いや息の根はまだあるだろう。……害虫並みの生命力だからね」
 痙攣する大城を尻目に新庄は詰め寄り、やがてその目線が佐山以外のものに向けられた。
「…ずっと一緒なんだ?」
 新庄は背伸びしてこちらの頭を撫でるが、頭頂に感覚は無い。頭と手の間に一匹の動物がいるからだ。
「おや貘か。いつの間に頭の上に」
「随分馴染んでるみたいだね。そこが定位置なのかな?」
 特に決めてはいないがね、と佐山は嘆息。そこで一つ喚起される記憶があった。
「新庄君。実は先ほど、貘に夢を見せられたのだがね」
「え、どんな夢?」
 うむ、と佐山は頷き、
「青天直下の草原で息も荒い隻腕オヤジに迫られ、背後を見れば巨大な塔があった」
「それ夢判断的に佐山君の本性じゃない? 隻腕オヤジが君で、巨大な塔がいやらしさの規模とか」
 新庄の答えに佐山は頷く。
「ならば私は見上げ切れない程にいやらしいのか。大したものだ」
「いや結構色々な情報が欠けてない? その夢の話」
「確かに。隻腕オヤジの格好は全て古びたものだった、それこそ戦前並みにね。そしてあの男は塔の事をバベルと呼んだ。――あれは何かね?」
「はん、貘に認められたか」
 そこへ新たな声が響き、振り向いた先の休憩所に白髪の男を見た。傍らに立つ侍女も見て、佐山は昨日電車の中で会った人物だと気付く。
「誰だ貴様は。私と新庄君の会話に口を挟むとは無粋で礼儀を知らぬようだが――」
 そこで右手の袖が引かれた。見れば新庄がこちらを見ていて、
「大城・至さんだよ。僕が所属する全竜交渉部隊の監督で、そこの大城さんの息子」
 佐山は、何? という疑問符と共にベンチの向こうに伏す父親の方を見た。
「――あーっ! PCは夢への扉ー!!」
「…悪趣味の血は絶えないのだな」
 大城の寝言に佐山はコメントするが、新庄はそれを無視する。
「至さん、佐山君が見た夢って貘の力なの?」
「ああ、貘は主が求めた真実を見せる。言語も本人の意思に置き換えるから他Gの過去を見る事も可能だ。…但し、それは主が望む限りだがな」
「では夢にあったあの塔は? バベルとは何だ?」
624なのは×終わクロ:2007/10/22(月) 08:26:48 ID:yMkBqGkC
 佐山も問うが、しかし至は鼻で笑う。
「聞けば何でも答えると思ったかクソガキ」
 その答えに佐山は睨み、至は笑みを強めて、
「おいSf、無知なガキ共にある事無い事吹き込んでやれ」
 傍らの侍女を呼んだ。侍女は、Tes.、と答えて佐山に一礼する。
「自己紹介は初となります、佐山様。私は至様専用の侍女でSfと申します。――以後、見知りおきを」
「随分と悪趣味な主を持ったものだね、君も」
「Tes.。…それが至様ですので」
「そこは納得する所じゃないぞオイ!?」
 至は喚くが佐山は無視、Sfも同様の対応で説明を開始する。
「概念戦争の始まりは第二次大戦以前となります。…厳密には昭和初期、一人の学者がバベルに気付いて行動した事が切っ掛けですが」
「それは誰かね?」
「一高、今で言う東大の元教授で佐山様が通う学校の創立者。そして出雲社護国課の発案者、衣笠・天恭です」
 Sfは続ける。
「彼は近畿への旅行中に一つの遺跡を発見しました、それがバベルです。彼はバベルを未知の遺跡だと言いましたが、誰もが半信半疑でした。バベル内部に彼しか入れなかった為です」
「その遺跡には……セキュリティがあった、と?」
「Tes.、何故かその機構が通すのは衣笠・天恭だけでした。故に知識独占の小細工とも疑われたが、見返りも無しに情報を全開示した事でそれはすぐに無くなったそうです」
 そして、とSfは一度区切り、
「持ち帰った技術を利用した出雲社は他の産業を大きく突き放し、軍の研究機関としての地位を得ました。そうしてある時、日本の上層部に一つの提案をしました」
「それは?」
 佐山をSfを見据え、向こうはそれに答えた。
「神州世界対応論。――日本の形状は世界の大陸に対応し、それらは地脈で通じている。それを調整すれば世界の動きを予見し運気を操る事も出来る、とする理論です」
 Sfの言葉に佐山は半目になる。
「…そんな荒唐無稽な話を信じたのか、この国は」
「当初は上層部も同様の反応だったそうですが、出雲社が幾つかの未来を当てた事でそれは認められました。本国各地に調整施設を配備、護国課はその管理部署として設立されました」
「ではそれが?」
「Tes.。地脈は概念に関わるもので、それに干渉した事でLowーGは概念戦争を知る事となりました」
「どうだ、何も考えていない様な話だろう? 確かに日本は世界と繋がっていた。だがそれが何を呼ぶのか誰も解っちゃいなかった」
 は、と声に出して至は笑う。
「頭の悪い奴ばかりという事さ。昔も――そして今もな」
 至は広場の外れに視線を向ける。つられた佐山も同様の方向を見て、
「――!」
 異形の集団を見つけた。西洋甲冑の人影を最前に、2メートル超過の巨躯や有翼の者共が在している。
「誰!?」
 新庄は叫ぶが集団はそれに答えず動く。甲冑姿の人影が懐から二枚の板を取り出したのだ。
「概念反応を確認。――あれは概念空間展開用の装置です」
 Sfの補足は、甲冑の人影が二枚の板を宙に投げた事で証明された。

・―――惑星は南を下とする。
・―――文字は力の表現である。

 それは概念条文の複合展開だ。佐山が自弦時計の振動を得たのと同時、世界が変調を起こす。
「――な、に?」
 大地が傾いたのだ。佐山の後方、南側へと。
625なのは×終わクロ:2007/10/22(月) 08:27:50 ID:yMkBqGkC
     ●

「――なんですって?」
 尊秋多学院の美術室、ブレンヒルトは黒猫の報告に驚きの声を上げた。
「今ね、大城・一夫が全竜交渉の交渉役候補に情報開示をしてるんだって。明日、和平派の代表と事前交渉をさせる為に」
「その大城って馬鹿? そんな一気に動いたら、和平派に蹴られたばかりの王城派が慌てて動くわよ」
 ブレンヒルトの言葉を黒猫は肯定する。
「皆も言ってたよ、王城派は切羽詰まってる、って。だから今回大城・一夫を狙って、失敗したら降伏するつもりらしいよ」
 どうする? と黒猫は問い、
「……監視対象も動いてるのよね?」
「地上本部の局員何人かと一緒に向かってるっぽいよ」
 ブレンヒルトはその言葉に頷く。
「だったらやる事は決まってるわ。――向かいなさい、変化の現場へ。監視対象が少し増えるだけよ」






―CHARACTER―

NEME:大城・至
CLASS:全竜交渉部隊監督
FEITH:過去を知る男
626なのは×終わクロ:2007/10/22(月) 08:32:13 ID:yMkBqGkC
という感じで投下させて頂きました。
・“鎮魂の曲刃”、まさかのデバイス化
・大城父、かなりのハブられ具合
・デュランダルは神話に登場するぞオイ、ってツッコミは無しの方向で
と、要約すればこんな感じですかねぇ。次回は再度の戦闘パート、やっとこさなのは達も絡められそうな気配。
627名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 08:32:38 ID:jQ8K3QzB
遅ればせながら
>リリカル龍騎 ◆l5ZL/l4pJY 氏
GJ!で本筋とは関係ないですが
ヴァイスさんとベルナドットさんの絡みが見たいですッッ!

>リリカル・コア氏
果たして林檎君に活躍の機会はあるのかが心配になってきたwwww

>ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは 氏
いい感じです!
他の凶悪宇宙人の登場を期待します!

>コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI 氏
ぶるるるるるううぁぁぁぁああああああああああ!!!!!!!!!!!
↑の大活躍に期待w

>リリカルスクリーム41話 ◆0qJqyuBpiQ 氏
もう誰が誰やらw(TFキャラ紹介サイトとかありましたら教えて欲しいですw)
TFキャラが多すぎるが、それが良い!!!
こおままじゃゴッドハンドスマッシュの人が混じってもおかしくないくらいに

> ×DOD氏
だめだあ、原作知らないッスorz
でも面白かったですw

> 322 ◆tRpcQgyEvU 氏
容赦なさにGJ!!!!!

>白き異界の魔王 氏
面白かった!!GJ!原作探してくるww

>LYRICAL THAN BLACK氏
黒の契約者キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
でも容赦ないんだよなあああ、いろいろと orz

>なのは×終わクロ
お久しぶりです。あいかわらず表現が詳細でわかりやすくて面白いですw!
628リリカル犬狼伝説:2007/10/22(月) 08:42:15 ID:jQ8K3QzB
>>614
>ツッコミ所が有るとすればミッドの点滴も
そういえばたいして変わってませんでしたね(汗

>魔導師が強すぎる気もしましたが
ほんとBJとか防御魔法って、物理攻撃にどこまで耐えられるんだろうって悩みました。
なのはさんのBJが比較的重装甲らしいので、やはり、【個人の資質】によるかなと。
魔導師によっては対物ライフル(バレット?)でBJ貫通できるって表現してしました。

>>615
気付いてくださり感謝ですw
ドクターには後藤さんの爪の垢でも飲ませてやりたいですが
(ようするに気楽にイキロやw)
(嫁さん候補12人も居て、しかも生涯稼げる才能持ってるんだしさ!)

しかし改めてうpした己のSSを読み返してみると
いろいろ粗が……
自分の文章推敲能力って(汗


あと>>627は自分です。
629名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 10:20:25 ID:U/Rw61hF
職人様皆さんGJです! 特に反目のスバルがギアスにはまってたのでツボでした。
それゆえに突っ込みを一つ……監視する為に来たならば三人して離れてはダメなんじゃ……
チャンと監視していた『ルルーシュ=ゼロ』ってバレそうなキガスル……
イヤ! もしかして説明してあったりしたら、スンマセン。夢の無いツッコミでスイマセン(脱兎
630名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 13:11:58 ID:ZfVNoCkW
>なの魂
八神家と銀さんファミリのなんとシンクロ率の高いことwww
ギャグも素晴らしいが、要所で見られるハートフルなやりとりが素晴らしい。
銀さん、カッコいいよ。銀さんヒーローだよ。
比較的シリアスなクロスが多い中、こういう安心して読める読後感のいい作品は大好きです。
銀魂らしく、一話ごとですっきり読みきれるのがまたいいですな。
銀さんとはやての会話もっと聞きたーい。そして普通にスルーされてるザッフィーマジ外出時の番犬(ぉ
631名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 16:26:30 ID:UR9Tk2BV
なの魂の人に一言
>実は無印〜A'sまで通して、一本のネタを用意してはいるんですが なんか最後まで連載しきる自信が無くて
思いっきり連載しちゃってください。自信が無くても是非とも………是非ともチャレンジして頂きたい!!
無理にとは言いませんが心にゆとりと安らぎ等を持てたなら投稿してくれませんか?自分は支援応援を惜しみません。
632名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 17:35:05 ID:TR9D0t3i
redEyesでクロスSSを書いてみたいが、redEyesを知っている住人が果たして何人いるのか…
633名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 17:36:00 ID:gDz330FN
>なのは×終わクロ氏
GJです
1st−Gは三提督関連か
本編じゃ出番のなかった彼等の勇士が見られるぜ

しかし、衣笠教授、ひどい言われようだ
将軍や先生と同等かそれ以上の偉業を成した男なのに
634名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 17:44:03 ID:gDV0ad34
>>632
俺は知っているぜ!
ジェノサイドとさわやか糞兵隊さんマラソンだろ?
635コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/22(月) 17:55:18 ID:AcfQDHtf
結局昨日はネットに繋げなくてStS見られなかったさぁ!orz

>>629
そういえば少しその辺説明が足らなかったかも…
一応スバルが内部から、なのはとティアナが日にちを分担して外部から監視をしているという設定です。
スバルは毎日学校終わりになのは達の所へ足を運んで、その日のことを報告しています。
3人でわらわらしていると目立ってしまうので、こういう形になりました。
何故ルルーシュの正体がバレないのかは…これはSTAGE8をお楽しみに。

そんなこんなで、何事もなければやけっぱち気味に書いた6話をうpします。
636名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 17:59:56 ID:ZfVNoCkW
>>632
バルディッシュのデータを元に改良されたものがレギウム軍主力SAAだと信じて止まない俺と知ってのことか?
637名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 18:07:14 ID:B774rCSO
カズキの貫け!俺の武装錬金!マダー?
638コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/22(月) 18:14:24 ID:AcfQDHtf
STAGE6 仮面の真実

「ガジェット・ツール!」
雄叫びと共に13節の尾が分かれ、うち3つの節が宙を舞う。
高々と掲げられた漆黒の左腕に、金色の掌を包むように1つの節が接続された。
続いて2節目、3節目と上乗せされていき、やがてその先端から長大な「緑」が姿を現す。
あたかも槍のように伸びたそれは、エメラルドのような透明感を伴った、緑色の輝きを放つ。
真空の宇宙に、裂帛の気合と共に、獅子の咆哮がとどろいた。
「ボルティングッ!! ドライバアアアァァァァァァァァァァァァァーッ!!!」








「地球のアニメってすごいね〜、ティア」
「…まあ、確かに絵も動きもミッドチルダのものに比べて綺麗だけど…」
呑気な様子でテレビ画面を眺めるスバルを見やると、ティアナは溜め息まじりに呟いた。
「…っていうか、何でわざわざここに見に来るのよ!? 寮の自分の部屋で見ればいいじゃない!」
「え〜? それじゃティアと一緒に見れないじゃん」
「見ないわよっ!」
なのはの「告白」から4日、スターズメンバーは平和に過ごしていた。
というより、特にこの日は、何もできないから何もしていないという感じだ。
実は昨日から、ルルーシュが行方不明になっているのである。
スバルがナナリーに聞いても、特に泊まりの予定などは聞いていないとのことだった。
「にゃはは…改めて見てみると、日本のアニメってすごいってことを認識するよ」
4日前以来、すっかり元気を取り戻したなのはが言った。
「あれ? なのはさんもアニメとかに興味があるんですか?」
「うーん、どちらかというと、それを映す機械の方にね。
 よかったら、色々と教えてあげようか?」
それを聞いたティアナは、過去の惨劇(?)を脳裏に蘇らせ、びくりと肩を震わせる。
「あはは…でもごめんなさい。あんまり時間なくて」
何も知らないスバルは申し訳なさそうに断った。その様子に、ティアナは我が身のことのようにほっとする。
「そっか、それは残念。…でも…」
なのはは何かを考え込むようにしながら、
テレビの中で、医者のような敵と共に地球へ降下していく黒いロボットを見つめていた。
「どうかしたんですか?」
「…この主人公の声…どっかで聞いたことある気がするんだよね…」
「?」
闇の書事件の当事者でなかったスバルは、首をかしげるしかなかった。
639名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 18:14:58 ID:qAISY0/c
>>636
凄いな。今調べたが本当にバルディッシュ改があった。
どういう作品なんです?
640コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/22(月) 18:15:40 ID:AcfQDHtf
一方その頃、ルルーシュは…
「…ファハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!」
またしても高笑いをしていた。
前回のような悲壮感溢れる笑いとは違い、心底楽しんでいる様子の笑いではあったが。
更に言うなら、そのシチュエーションはかなり異質だった。
ルルーシュがいたのは、ナイトメアのコックピット。それも彼が普段乗っている「指揮官仕様ブライ」ではなかった。
背中から張り出した6枚の翼。巨大なでっぱりとなっていた特殊な両肩。
蝙蝠を思わせる耳を持った漆黒の機体。ランスロットを思わせる金の縁取り。
「ガウェイン」。
それこそが、この通常の1.5倍ものサイズを持った巨大ナイトメアの名前だった。
そしてこのガウェインは、今海の上にいた。
信じられないことに、このナイトメアは、何のオプションもなしに水上を飛行していたのである。
「ゼロ、このまま黒の騎士団と合流しますか?」
ガウェインの肩に乗った少女が、ゼロへと呼びかけた。
「当然だ。恐らくこの周辺の海域を捜索しているはず。
 辺りを飛んでいれば、君を目印に見つけてくれるだろう」
彼女はカレン・シュタットフェルト。生徒会のメンバーにして、実は黒の騎士団のエースパイロットだ。
カレンの旧姓は「紅月」――紅月カレンと言う。
本来はブリタニアとイレヴンのハーフで、日本人として暮らしていたのだが、
ブリタニアの侵略により、父親方の姓を名乗り、ブリタニア社会へ隠れることを余儀なくされた。
反ブリタニア活動歴はルルーシュよりも長い。
あるレジスタンス組織――現在の黒の騎士団の前進――を率いていた兄ナオトが消息を絶ったことにより、
カレンもまた兄の意志を引き継ぐ形でその組織へ身を転じた。
病弱で内気という装いは、学園を休む口実作りのための「設定」だ。彼女は本来勝気で活発な性格だった。
身体も悪くはなく、むしろ運動は大得意だ。蜂を平手で落としたことがある、と言えばその実力のほどが分かるだろう。
そして組織へ加入し、戦い続けたカレンだったが、彼女――そしてその組織へ手を差し伸べたのがゼロだった。
ルルーシュはシンジュクゲットーで彼らの助太刀に入り、力を示し、黒の騎士団を創設した。
特にカレンは、結成後に解決した、「リフレイン問題」という案件によって、自らの戦う明確な意志を見出すことができた。
イレヴンの母と平和に暮らせる日本を取り戻す。
それがカレンの目的となった。そして、それを気付かせてくれたのはゼロだ。
故に、今のカレンは、ゼロに対して絶対の忠誠を誓っていた。心酔――今のカレンにはその言葉が当てはまった。
「分かりました」
「さて…なるべく早く見つけてくれるといいのだがな」
そもそもこんな奇妙な状況になったのには理由がある。
スザクがランスロットのパイロットだと知った時のルルーシュの落胆度合は、相当なものがあった。
だが、ルルーシュはすぐさまある手段を講じた。式根島へおびき出したスザクを懐柔しようとしたのだ。
ブリタニアから物見遊山で黒の騎士団へ入って来た変人科学者ラクシャータ・チャウダーの発明により、
ランスロットはサクラダイト活動阻害装置「ゲフィオンディスターバー」のフィールドに囚われた。
しかし、そこへ現れた第2皇子シュナイゼル・エル・ブリタニア――そしてガウェインがきっかけとなり、
ルルーシュ、スザク、カレン、そしてユーフェミアはそこから離れた孤島・神根島へと流された。
その後ルルーシュとカレンは合流すると、とある遺跡の発掘に赴いたシュナイゼルからガウェインを奪取、
飛行システムを利用して島を脱出し、現在に至るのだった。
悪く言えば、ルルーシュはまたランスロット絡みの作戦に失敗したのだ。つくづく黒い仮面と白兜は相性が悪いらしい。
641コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/22(月) 18:16:48 ID:AcfQDHtf
この日、スバルはファミレスで何か甘い物を食べることにした。
たまには気分転換になるだろうと、何の気なしに立ち寄ったのである。
だが…
「いらっしゃいませ、お1人様で…って、ええ!?」
「あれっ!? テ…ティア!?」
いきなり入口で大絶叫するはめになった。
入ったファミレスには何故かティアナがいて、何故かウェイトレスの格好をしていたのだ。
「ど、どうしたのティア? こんな所で…」
「あ、アンタこそ、どうしてここに…」
「どーしたの、ティアナ?」
未だうろたえたままの2人の元へ、1人のウェイターがやって来た。
そのウェイターの顔は、スバルにとっても見覚えのある顔だった。
「あっ、リヴァル!」
「お? 何だ、誰かと思えばスバルじゃん!」
リヴァルがアルバイトをしていることは前々から聞かされていた。どうやらここがその店だったらしい。
となると、今ここでティアナがウェイトレスの格好をしているということは…
「ティア、ここでバイトしてるの?」
「ま、まぁ…」
「つーかお前ら知り合いだったんだ」
リヴァルが少し驚いたように言う。
スバルはつい数週間前にエリア11へ来たばかり。ティアナは役者志望のフリーター(という名目)。
まず両者には接点がなさそうに感じられたからだ。
「ま…まぁ、色々とあって、ね」
ティアナはそう言ってはぐらかした。
「ふーん…まぁ、あまりしゃべってても叱られるし、そろそろ仕事戻るか」
リヴァルがそう言ったおかげで、2人はこの奇妙な空気を脱することができた。

「…お待たせしました」
「ありがと」
仏頂面でティアナがスバルの席にパフェを置く。
(…ったく、いきなり来るんじゃないわよ)
(ごめんごめん、あたしも知らなかったしさ)
2人は念話を通して言葉を交わした。こうすれば、店側にもサボっている風には見えないだろう。
(で、ティアは何でバイトしてるの?)
(一応、その辺ほっつき歩いてるだけじゃ目立つじゃない)
ティアナ曰く、なのはが外部からの監視を担当する日は、こうして1日のどこかでアルバイトをしているらしい。
(そっか。まだあたし達10代だもんね)
(アンタも口裏合わせなさいよ。…その…一応、舞台役者目指して、高卒でフリーターやってるって…設定だから…)
(? …ふ〜ん…)
恥じらい気味に発せられた言葉を聞いて、スバルは口元を緩ませる。
(…何よ)
(いやいや。頑張ってね〜未来の大スターさん?)
(う、うっさいわねっ!)
ニヤニヤしながら冷やかすスバルを、ティアナは(念話で)一喝した。
642コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/22(月) 18:17:56 ID:AcfQDHtf
スバルがパフェを食べ終えた頃には、辺りは暗くなっていた。
「あっちゃ〜…夕食もまだだし、急いで帰らないと」
若干焦りながら、スバルは学園に向けて走り出す。
そう言えば、この世界に来てから、スバルはよく自分の足で走るようになった。
ミッドチルダにいた頃は、食事と風呂と休憩以外の時間をほとんど訓練や任務に費やしていたので、
今まではむしろマッハキャリバーで走ることの方が圧倒的に多かったのだ。
「世界が違うと、やっぱ習慣も違ってくるもんなんだなぁ」
『やはり1人で走る方が気持ちがよいものなのですか?』
「まさか。マッハキャリバーと一緒に走ってる時も気持ちいいよ。
 走り方によって、その気分の方向性も違ってくるってこと」
『よく分かりません』
「慌てない慌てない。ゆっくり分かっていけばいいよ」
そんな風にマッハキャリバーと話しながら走っていたところ、
「うわっ!?」
「うっ!」
曲がり角を曲がった時に、反対側からやって来た人影と正面衝突してしまった。
「いたたぁ…す、すみませぇん…」
「いえ、こちらこそ…」
そういう相手の声は男の声だった。どちらかというと、自分達と同年代の少年の声かもしれない。
そしてスバルには、その声に聞き覚えがあった。
「…って、ルルーシュ!?」
「む…スバルだったか」
ぶつかった相手は、丸1日消息を絶っていたルルーシュだった。
「ルルーシュ、一体今までどこに…って、あれ?」
スバルはルルーシュに問い詰めようとするが、そこで彼の傍にあった物に気付く。
落ちていたのは、恐らく先ほどまで握っていたのであろう銀のスーツケース。
落下の衝撃でそうなったのか、ロックが外れ、蓋が開いている。
そしてそこから転がっていたのは…
「…ゼロ、の…仮面…?」
「…!」
ルルーシュの顔色が、みるみるうちに青ざめていく。
「…えっと…確認するけど…いつかの時言ったみたいに、宴会芸の衣装、ってわけじゃないよね…?」
その顔色から察したスバルは、恐る恐る尋ねた。
顔中から汗を流すルルーシュからの返答はない。
「…えええええええええええええええええーっ!? ルルーシュって、その…ゼロだったの!?」
「わーっ! 大声で言うなーっ!!」
あっという間に両者はパニックとなってしまった。
643コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/22(月) 18:19:02 ID:AcfQDHtf
まさかの正体発覚から数十分後、2人はスバルの部屋にいた。
ルルーシュは、部屋のベッドに座っている。
スバルはペットボトルのお茶を備え付けの冷蔵庫から取り出し、2人分コップに入れた。
「ここなら、誰にも聞かれることはないよ」
お茶を机に置くと、スバルも椅子を引っ張ってきて、ルルーシュの前に座る。
「…分かった、白状しよう。俺がゼロだ」
「やっぱり」
これ以上黙っていては、あの魔法とやらで痛い目に遭わされると思ったルルーシュは、素直に観念した。
そしてスバルは、ここにきて、ある重大なことを思い出す。
「あ! じゃあ、ひょっとして、あの…ホテル事件、での…」
「…ああ、しっかりと覚えているよ、魔法使いさん」
ルルーシュは、思わずしてやったりといった感じで、挑発的に言った。
「え!? じゃあ、まさか!?」
「あんなことがあって、お前を無視するはずがないだろう。しっかり家宅捜索をさせてもらったさ」
スバルは頭を殴りつけられたようなショックを受ける。
つまり、自分の正体はあの直後からバレバレということだった。潜入捜査員失格だ。
「ひどいよルルーシュ〜!」
辛うじて返せた言葉がこれだった。
「結果的にお前も俺の正体を知ったんだ、これでおあいこだろう。
 それに、俺はお前の機動六課とやらのIDから分かる情報以外は知らない」
時空管理局古代遺物管理部・機動六課。前線フォワード部隊「スターズ分隊」配属。
分類・陸戦魔導師。階級・二等陸士。所属・ミッドチルダ。
それで以上だ、と言わんばかりに、ルルーシュがそれらを言った。
「…まぁ、俺の邪魔をするつもりでもなさそうだし、どうでもいいことだ」
ルルーシュは最後にそう付け足した。
スバルはこれを聞いて、幾分かほっとしていた。どうやら、ルルーシュを監視するという任務まではバレていないらしい。
だが、この時には、スバルの頭の中には、ある疑問が生じていた。
「…ねぇ、ルルーシュはどうして、ゼロをやってたの?」
ブリタニア人であるルルーシュには、これほどまでにブリタニアをつけ狙うゼロとなる理由がおおよそなさそうだった。
だから、スバルはそう思ったのだ。
「フン…ホテルジャック事件での演説を聞いてなかったのか? 俺は弱者を守るために…」
「それ、ホントじゃないでしょ」
「む…」
即答だった。
「それくらい分かるよ〜。ルルーシュはひねくれてるから、そんなこと考えもしないって」
「…好き放題言ってくれるな」
耳が痛くなるのをこらえながら、ルルーシュは言う。
「あ、ごめん。…でもさ、ここまで来たんだから、教えてくれてもいいんじゃない?
 あたしの部屋漁った分の借りは返してもらってないんだし」
「何故お前にそんなことを…」
「いーいーかーらっ! ゼロの正体も含めて、誰にも言わないからさぁ!」
スバルは思いっきり身を乗り出して、ルルーシュに迫った。
「…分かった…分かったから、そんなに顔を近づけるな」
ルルーシュには観念する以外に道はなかった。相手はギアスの効かないトンデモ人間なのだから。
644コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/22(月) 18:20:10 ID:AcfQDHtf
「…簡単に言うと、俺はブリタニアを倒すために戦っている」
ルルーシュの「告白」は、その一文から始まった。
「そのために黒の騎士団を結成した」
「やっぱり…じゃあ、何のためにブリタニアを?」
「奴らが俺を――俺達兄妹を見捨てたからだ」
「?」
スバルは頭に疑問符を浮かべる。
兄妹を見捨てた――おおよそスバルには、一体どういうことなのか、見当もつかなかった。
だが、次にルルーシュが言い放った事実は、スバルに衝撃を与えるには十分だった。
「…俺の本名は、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアという」
「ブリタニア…、って!? ええっ!?」
思わず大声を上げていた。
ユーフェミア・リ・ブリタニア、コーネリア・リ・ブリタニア、クロヴィス・ラ・ブリタニア…
「ブリタニア」という姓から連想できる家柄は、1つしかなかった。
「そうだ、元皇子だ。
 ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア…神聖ブリタニア帝国第17皇子。
 父に母を見殺しにされて後ろ楯を失い、外交の駒としてこの日本に飛ばされたがな。
 疑うのなら、管理局とやらに戻ったら調べてみるがいい。それくらいはすぐに分かるだろう?」
確かに、調べることは可能だろう。
シンジュクゲットーでの反応だけで、謎の力を受け取ったのがルルーシュだと判明したほどなのだから。
もっとも、それを知らないルルーシュは、それとは別の意味で言っていたのだが。
魔法などという大それた物があるのだから、それぐらいわけないだろう、と。
「その後、ブリタニアは日本を攻撃し、エリア11として占領した」
ルルーシュの言葉は続いた。
「…人質として、俺達が当時の首相・枢木ゲンブの実家という要所に
 預けられていると、分かっているにも関わらずだ…!」
いつしか、ルルーシュの手は固く握りしめられていた。
そして、今の言葉は同時に、スザクとはその頃に知り合った友人であることを示していた。
誰1人として頼ることのできなかった日本での生活――
その中で友となったスザクとの絆は、想像に難くはなかった。
「俺達はブリタニアに見捨てられた…
 …俺達――特にナナリーが平穏に暮らせる場所は、この社会のどこにもない。
 だから、俺はブリタニアを壊す。俺が父に報いるために。
 そして、ナナリーが生きられる場所を勝ち取るために」
はっきりとした口調で、ルルーシュはそう宣言した。
「………」
一方のスバルは、あまりの話の重さに、ただただ、沈黙することしかできなかった。
「…聞いても愉快な話じゃなかったな」
ばつの悪そうな笑顔を浮かべ、ルルーシュは言う。
645コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/22(月) 18:22:03 ID:AcfQDHtf
「…あたし…そんなハードな過去を背負ってる人が、こんな身近にいるなんて、思いもしなかった。
 あたしの家族は…おとーさんやギン姉は、優しくて、あったたかったから」
なのはですら、家族は生きているのに。友達とも再会できたのに。
「一度死にそうになったこともあったけど…その時だって、なのはさんが助けてくれたから…」
「なのは…?」
聞き覚えのない名前を聞いたルルーシュは、オウム返しに尋ねる。
「うん…私の上官で、スターズの隊長。とても強くて、優しくて、かっこよかった人…
 …今でもそう。だからこそ、今のあたしがある」
「…フ…優しくてかっこいい、か…」
それを聞いたルルーシュは、自嘲の念を込めて笑う。
「俺にとっての強い奴は、皇帝だった。冷徹で恐ろしい奴だ。
 奴は俺を上から押さえつけ、俺から全てを奪っていった…今の俺のようになるのも当然だな」
そう言ったルルーシュは、どこか遠い目で、スバルの青い瞳を見つめる。
スバルの中を、見据えるように。
「…お前は恵まれてるよ、羨ましいぐらいに。
 お前は真っすぐで、素直で、いつでも一生懸命だ。
 …お前の持っているものは、打ちのめされて、ひねくれて、歪んでしまった俺の手には届かない…」
半ば諦めかけたように、ルルーシュが言った。
「…でも、安心した」
だが、次の瞬間、スバルからかけられた言葉は、ルルーシュには予想もつかないものだった。
「…?」
「ルルーシュは、ナナちゃんのために戦ってる。
 そりゃあ確かに人を殺したりするのはどうかと思うけど…本当はルルーシュも優しいんだ、ってことは分かった」
「優しい? …人殺しの俺がか?」
意外だった。確かに優しかったかもしれない、昔の自分を知っているナナリーやスザクに言われたことはあるが、
今のルルーシュしか知らないスバルから、そんなことを言われるなどとは、夢にも思わなかった。
特にナナリー達のその言葉でさえ過去形だと認識しており、現在進行形で「優しい」と評されるとは…
「ギン姉はね、あたしがつらい時は、いつでも力になってくれた。
 ナナちゃんのために頑張ってるルルーシュは、ギン姉と同じ…優しい人だよ」
スバルは可愛らしくにっこりと微笑み、そう言った。
「…優しさ、か…」
嬉しいと思った。
ルルーシュは、純粋に。たとえ自分の「優しさ」というものが信じられなくとも。
嘘偽りなどない、真摯なスバルの言葉に、幾分かルルーシュは救われたような気がした。
646コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/22(月) 18:23:11 ID:AcfQDHtf
「…ルルーシュ」
ふと、スバルが彼の名を呼んだ。
「何だ?」
「本当に、このままブリタニアと戦うの?」
いつの間にか、スバルの言葉には、不安げな響きがあった。
「…いきなり何を言い出すんだ、お前は」
「だって…ルルーシュにはナナちゃんも生徒会の友達もいるし、
 パッと見、ブリタニアを倒さなくても、平和にやっていけてるように見えるし…」
上手い表現が見つからず、スバルはひたすら言葉を探る。
「…無理に戦って、それこそ本当に歪んじゃったら嫌だな、って…
 だって…スザクと戦うって、そういうことなんでしょ? ブリタニアと戦うってことは…」
スバルの胸に引っかかっていた不安は、スザクのことだった。
ルルーシュにとって、ランスロットは最悪の敵。
スザクもまた、前から黒の騎士団のやり方を「自己満足」と評し、否定していた。
1番の親友同士が憎しみ合い、殺し合う…そんなことは、スバルの立場ならば、たえられないことだ。
「…俺はもう、無責任に後戻りができない所まで来ている」
そう言うルルーシュの言葉は、再び重い響きを持っていた。
「黒の騎士団は、あまりに大きな組織になりすぎた。
 各地の同志を集め、奇跡の藤堂を引きいれ、今ではイレヴン最大の勢力・キョウトとのコネもある。
 …そして俺は…シャーリーの…お前より先に俺の正体を知った、アイツの記憶を奪った」
「!」
その瞬間、スバルは思い出した。
シャーリーの父が、黒の騎士団の作戦によって犠牲になったのを。
シャーリーが、ルルーシュのことを忘れてしまったかのようになったのを。
今まであまりに彼女が何ともない様子だったので、スバルはすっかり忘れてしまっていたのだ。
「分かるだろう…俺が背負ってしまった、あまりに大きな犠牲が。
 俺には、その責任を取る手立ては、後へと引き下がらないようにすることしか、思いつかない。
 …それに俺には、父から隠れて、こそこそとみじめに生き延びることはできないんだ」
はっきりと、ルルーシュはそう言い放った。
「…ルルーシュ…」
歪んでほしくない。確かにそれは偽りのない、スバルの想いだっただろう。
だが、彼女にはまた、別の想いがあったのだ。
(…あたしの任務は、ロストロギアに準ずる力を持った学生・ルルーシュの監視。
 そして、それが悪用された時、全力で阻止することも…)
自らの胸の中で、スバルは己の任務を反芻する。
(ルルーシュがゼロだと知ったことで、あたしはルルーシュを止めなきゃいけないかもしれなくなっちゃった…)
仮にルルーシュが、ゼロとしてその正体不明の力を使ったことがあるのなら、
それはエリア11を巻き込んだ、重大な「力の悪用」だ。
(…ゼロを倒してでも…)
再び、スバルはルルーシュの紫の瞳を見据える。
目の前の優しくも悲しい1人の少年。
自分は万一の時、彼を力ずくで抑えることができるのか。抑えてしまっていいのだろうか。
(できるのかな…今の話を聞いたあたしに…)
647コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/22(月) 18:24:17 ID:AcfQDHtf
スーパーなのはタイム、わずか1話で打ち止め。
ファンの皆さんごめんなさい。次の見せ場はけっこう先です。

さて、今回の話ですが、一部をどこかで見たことある方もそこそこにいるのではないでしょうか。
今回は、一部がロボゲ板の某スレに投下したネタをそのまま修正して使用したものとなっています。
思えばあれがクロスSS書こうと思ったきっかけなんだよなぁ…と懐古。

しかしスバル主役で書いたのに、最近何だか表現がルルーシュが主役みたいな感じに…
スバルは思ったことそのまま言っちゃうから、内心で考えるのがルルーシュだけになる。
よってルルーシュの心理描写が増え、あたかも主役のように…って悪循環orz

次回はギアス本編にはないオリジナルストーリーです。
外伝にのみ登場した「アレ」を出す予定ですよ〜
648名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 18:52:18 ID:BcHaxCQm
>>647
ナナリーの乗る黒いナイトメアか!!楽しみにしているぜ
649名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 18:55:14 ID:CmiPcKR0
GJです
スバルがどう関わっていくかが実に楽しみ
ゼロの行動はスバルとしては対立する可能性も大なんですよね
650名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 19:00:27 ID:6Yz7j5yt
>>632
装甲機動歩兵、地獄の塹壕戦、奪われた祖国の奪還、堕ちた英雄と漢要素満載の漫画のことだろ?
651なのは×終わクロ:2007/10/22(月) 19:08:27 ID:yMkBqGkC
>>633
三提督関連っつても、人数と性別と地位が噛み合ったから置き換えただけですけどね。ぶっちゃけ三提督って出番無かったし(笑)。
652名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 19:16:59 ID:dgDy1tW2
>>650
漢要素が強すぎてクロスさせると大変なことになりそうだな
SAA着てない状態でも管理局の連中を軽く殺しそうな奴が多すぎる
653名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 19:35:01 ID:E+3Defti
>>652
名有りの女性キャラってレイラとサヤの二人しかいなかった気がする。
というか名無しを合わせても10人未満しか女性キャラがいないような…
654名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 19:36:13 ID:dHA0QPGf
Mk54のかっこよさは異常
655名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 19:56:52 ID:TR9D0t3i
>639
男達が己の五体を鋼に包み、戦場で熱く激しくぶつかり合う重機動歩兵戦記。
ようはガチムチでステッキーな親父、兄貴が凄く格好良いパワードスーツを身に纏って
戦場を駆け抜ける、そんな漫画。

>636
バルディッシュ違いでフェイトの初代バリアジャケットを身に纏ったミルズを
妄想したのは俺だけでいいからな!


っつかけっこうここの住人が知っている事に素直に驚いた。
656名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 20:05:45 ID:7EGk5yYK
何を言ってやがる! >>655
あんな名作を知らないのは一生の恥だぞ!
657名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 20:07:46 ID:E+3Defti
ミルズがジェノサイドに初めて覚醒した時のSAA相手に生身で戦うバトルは勃起モノ。
658名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 20:08:24 ID:ZfVNoCkW
でもミルズの訓練時代を見ても、StSの訓練と比べたら全く別世界ともいえる内容だからキャラの交流が難しいかも。
なのはさんが訓練の最後に仕上げとしてタティアナさんたちに自分を殺させるくらいの違い(ぉ
659名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 20:49:14 ID:jCnYcLBs
やっぱさーパワードスーツとか渋い親父とか不利な戦況って男のマロンだよね。
あとStSキャラとの交流としては「何故戦うのか」という命題が絡むと個人的に大興奮。
なのは達が管理局に所属している動機や理由が今いち理解できないときがある。
660名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 20:49:38 ID:Y+VHk1MH
9巻のゼップとマセッティ少佐の話で目頭が熱くなったのは俺だけか?
661名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 20:50:21 ID:fNj8+MG/
>>660
俺もだぜ!
66219:2007/10/22(月) 21:04:06 ID:ru0YCrA6
職人の皆様GJです!!
関係ないですが、スランプになった人の気持ちがわかった気がする
それはそれとして、続きできたんで投下しようと思うんですけどいいですか?
663名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 21:04:43 ID:fNj8+MG/
>>662
コピー!
664名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 21:05:23 ID:cCt6Eyc8
待ってました!!お願いします!!
665名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 21:06:35 ID:CmiPcKR0
名前欄がいつもと違うけど、リリカル龍騎の人で良いのかな?
66619:2007/10/22(月) 21:10:17 ID:ru0YCrA6
それでは投下します



闇の書事件からだいたい二週間ぐらいが過ぎた
はやてや他のみんなは時空管理局の本局っていう所にいる
はやてはもう終わったみたいなんだけど他のみんなは面接と試験があるらしい
はやては付き添いで俺は留守番だ
ずっと家を空けておく訳にもいかないしね
本当なら俺も本局に行くはずだったんだけど
あの後、リインフォースの自殺を止めた後
俺達は一人ずつ事情聴取を受けることになった
ちなみに俺の事情聴取をする人はリンディさんだった
その時この世界に来た理由、境遇、蒐集活動をした理由などを洗い浚い喋ることになった
その結果リンディさんが色々としてくれたようで俺は漂流者扱いということになった
比較的自由な身らしい
でも今後はできるだけ時空管理局に協力するように言われた
はやてのためとは言え多くの人に迷惑を掛けたからしかたがないけどね
後………甘いお茶を飲んだのは生まれて初めてだった
と、言う訳で俺の処遇はすぐに決まり家で留守番をすることになった
勿論ただ留守番をしてる訳でもない
戦闘力を上げるために修行は毎日欠かさず行っている
それと落ち着いたらやろうと思ってたことを実行に移した
常に…寝る時以外は超サイヤ人でいるということだ
そうすれば超サイヤ人になった時に表れる凶暴性や残忍性が消えると思ったからだ
そしてもう一つわかったことがあった
それは超サイヤ人は体に負担が掛かるというものだった
なんでわかったかと言うと寝る時に超サイヤ人を解いたら疲れが急に出て来たからだ
恐らく超サイヤ人になった時には軽い興奮状態になっているので体に掛かる負担に気付かないんだろう
その結果、超サイヤ人を解いたら溜まって負担が全部出てきたんだろう
だが、常に超サイヤ人でいれば体に掛かる負担もいずれは無くなる
そうなれば超サイヤ人状態で更に上の力が発揮できるのではないかと思う
まだその状態になっていないのでわからないが
そうなれば…人造人間を倒せるかもしれない
平和を取り戻せるかもしれない
だから…必ず…
667名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 21:10:40 ID:cFgSPIN2
ドラゴンボールの人だよ。
66819:2007/10/22(月) 21:11:37 ID:ru0YCrA6
ん?
電話か
「はい、もしもし?」
『あ、私私、はやてや。』
「はやてか。どうしたんだ?」
『実はな、お昼なのはちゃんとフェイトちゃんも一緒に食べることになったんや。』
「あ、そうなんだ。」
『悟飯も一緒にって思ったんやけど時間大丈夫?』
「俺は大丈夫だよ。」
『よかった。』
「ならみんなこっちに帰ってくるのか?」
『私はもう帰れるんやけど、家の子達はお昼までかかりそうなんや。』
「そうなんだ。とりあえず…公園でよかったよな?そこまで迎えに行くよ。」
『ありがとな。』
「いいって。それじゃ、後でな。」
『うん。』
上に何か羽織れば胴着のままでもいいだろ
今日は人通りも少ないし超サイヤ人のままでいいか
さて、はやてを待たせるわけにもいかないし行くか

えーと、はやては…いたいた
「はやて。」
そう言ってはやてに近づく
「悟飯。」
「元気そうだな。」
「うん。悟飯も元気そうでよかったわ。」
車椅子を押しながら家に向かう
「それにしても悟飯ってずっと超サイヤ人のままなん?」
「寝る時以外はね。これも修行だよ。」
「修行もええけど無茶したらあかんよ。」
「わかってるって。無茶なことはしないよ。」
669名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 21:13:01 ID:CmiPcKR0
支援
このスレの19がちょうどリリカル龍騎だったから勘違いした
67019:2007/10/22(月) 21:13:32 ID:ru0YCrA6
「そやったらええけど。」
「大丈夫だよ。それより今日は何作ろうか?」
「そやな…みんなで食べるし冬やから…鍋物にしよか?」
「鍋か…いいねそれにしよう。」
「あ、材料とか平気?」
「うん、みんなで食べる分には問題ないよ。」
「じゃ、二人とも来るかもしれんし家に帰ろっか。」
「そうだね。」

「お、綺麗にしとるなぁ。」
「掃除は毎日してるからね。」
「ありがとな、悟飯。」
「いいって。でも洗濯物はそのままだけどね。さすがにそれは俺がやる訳にはいかないしね。」
「女の子ばっかやしねぇ。それは後で私がやっとくわ。」
「お願いね。そういえば二人ともそろそろ来るんじゃないか?」
と言ったらチャイムが鳴った
はやてと一緒にそちらに行ってドアを開けると
なのはとフェイトが居た
「こんにちはー。」
「お邪魔します。」
「二人ともいらっしゃい。」
「あ、悟飯君。」
「何?」
「ずっと超サイヤ人のままなの?」
「何かそれはやてにも聞かれたな。まぁ、修行だよ。」
「そうなんだ。」
「あ、材料買ってきたからよかったら使ってね。」
「ほんまに?おおきにな。」
そのまま四人で台所に向かった
「それじゃ、作ろっか。」
671名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 21:14:02 ID:cFgSPIN2
スーパーサイヤ人を超えたスーパーサイヤ人支援
67219:2007/10/22(月) 21:15:31 ID:ru0YCrA6
「そよな。腕を振るおうか。」
「あ、お手伝いするよ。」
「私も。」
「ほんまに?なら二人のお手並み拝見させてもらおうかな。」

そんな訳で四人で料理をしている
なのはもフェイトもうまいな
「お、二人とも中々やるなー。」
「ほんと?」
「あんまり慣れてないんだけどね。」
「そうかな?十分できてると思うけど。」
「そう?私は基本的なことはリニスに教わってたんだ。
材料切ったり火を使ったりするのは少し得意かな。」
「私は一応喫茶店の娘だから、味付けとか盛り付けとかは得意かな。」
「二人ともそないなとこまでコンビの相性発揮せんでもええのに。」
「「あ、あはは。」」
こうやって話せたり笑え合えるようになってよかったな
さて、次は何切ろうかな
「そういえば悟飯君も料理上手だよね。」
「そう?」
「うん。男の子って料理とかあまり得意じゃないと思ってた。」
「まぁ、こっち来るまでは一人暮らしみないな生活してたからね。
材料が手に入れば少しは凝った物作ってたけどそうじゃなかったら
大抵は魚や肉の丸焼きとかで済ませてたなぁ。」
「あ、そうなんだ。」
「ちなみに悟飯って裁縫とかめっちゃ上手なんやで。」
「「え、そうなの!?」」
二人が凄く驚いた顔して俺の方を見た
「一応この胴着とかは手作りだけど…。」
そう言ったら少し落ち込んだ顔をした
「どうしたの?」
67319:2007/10/22(月) 21:17:33 ID:ru0YCrA6
「ちょっと女の子としての自身が無くなったような…。」
「そんなこと無いって。」
「そやで。二人とも十分女の子らしいで。」
少し落ち込んだ二人を励ましながら料理を作ってく

「おーし完成や。後は温めるだけや。」
途中色々あったが無事完成した
といってもみんなが帰ってくるまでまだ少し時間があるな
「何か飲み物持ってこようか?」
「あ、お願いな。二人も飲む?」
「うん、お願い。」
「私も。」
何にしようかな
少し冷えるし…紅茶でいいかな

「お待たせ。」
そう言ってみんなに紅茶を配る
「ありがとう。」
「そういえば二人とも今夜から旅行やったね。
もう準備とかできてるん?」
「うん。」
「はやて達も一緒に行ければよかったんだけど…。」
「まー、行動拘束とかはそないないんやけど一応自粛ってとこやね。
真面目に罪償っていかなぁあかんしなぁ。
重傷者や死人とかが出なかっただけ不幸中の幸いやけどな。」
「まぁ、加減はちゃんとしてたしね。」
どうしようもない、救いようの無い悪党はいなかったしね
「でも、悟飯も悟飯やで。」
「何が?」
「蒐集活動してたことや。みんなもやけど何の相談も無く…。」
67419:2007/10/22(月) 21:19:33 ID:ru0YCrA6
「ならさ、蒐集活動しないとはやての命が無いって言われたらどうする?」
「え?」
「はやての事だから誰かに迷惑掛けるぐらいなら自分が死んだ方がマシだって
言うんじゃないか?」
「あ…。」
「やっぱりそうか…。俺達はそれがいやだからはやてには内緒にしてたんだ。
それに、あの時はあれしか方法が無かったし…。
忘れるなよ、おまえが死んだら泣く奴が大勢いるっていうこと。」
「うん…。」
…そういえばなのはとフェイトほったらかしにしてたな
「っと、こっちだけで勝手に話してゴメンな。」
「あ、ううん。気にしないで。」
「聞いてるだけでも楽しかったりするから。」
「そっか。それとさ、不謹慎な言い方かもしれないけど俺は蒐集活動して
嬉しかったり楽しかったりしたんだ。」
「どうして?」
「誰かと一緒に戦えたり、背中を任せることができたから…かな。
みんなが死んでから、ずっと一人で戦い続けてきたからもう二度とそんなことは
できないと思ってたから…。」
…何かみんな暗い顔してるな
「あ、ゴメン。何か暗い話しちゃって。」
「あ、ううん。」
「あ、えと、そういえば、リインフォースさんはどうなのかな?」
「私が聞いた話やと、無限書庫でそれらしいのがパラパラ見つかってるらしいんや。」
「そっか…見つかるといいね。」
「絶対見つかる。そう信じていれば必ず。」
三人とも俺の方を見てきた
「どうした?」
「いやな、悟飯がそう言うなら必ず見つかる気がしたんや。」
「うん。私もそんな気したよ。」
「私も。」
67519:2007/10/22(月) 21:21:39 ID:ru0YCrA6
「そう…なんだ。」
「あ、あ、何か言っちゃいけないこと言った?」
「いや、そうじゃなくてさ、ちょっと死んだお父さんのこと思い出して…。」
「あ、その…。」
「いいって。気にしてないから。」
「…あの…悟飯君。」
「何?」
「悟飯君のお父さんのこと…聞いてもいい…かな?」
「お父さんのこと?いいよ。」
他の二人も聞きたそうにしてたし
「俺のお父さんはさ、誰よりも強くて優しい人だった。
そしてどんな状況でも、普通なら諦めるような状況でも、もう無理だって思えるような状況でも
お父さんなら何とかしてくれる。そう思わせてくれる人だった。そうしてくれる人だった。」
ベジータさんと戦った時も、フリーザと戦った時もそうだった
お父さんがいたから勝てた
お父さんがいたから希望を失わなかった
「そんなお父さんのようになれればと思ってお父さんがよく着てたこの胴着を作ったんだ。
少しアレンジは加えたけどね。でもまだまだお父さんみたいにはいかないけどね。」
「…そんなことあらへんよ。」
「え?」
「悟飯は悟飯のお父さんのようになれてると思うよ。」
「悟飯君がいたからリインフォースさんは死なずにすんだんだと思うんだ。」
「私等じゃあ説得できたかどうかわからへんかったしなぁ。
それに、悟飯なら何とかしてくれるって悟飯はちゃんと思わしてくれてるんよ。」
「うん、この前の時も悟飯君と一緒に戦った時安心感があったよ。」
「だから悟飯、自信を持って。」
そっか…俺はお父さんのようになれてきてるんだ
「ありがとう。自信が出て来た。」
そう言ったドアが開く音がした
「ただいまー。」
「みんな帰ってきたみたいだね。」
ドタドタという音をたてながらみんなが居間にやってきた
67619:2007/10/22(月) 21:23:38 ID:ru0YCrA6
「お帰り、みんな。」
「ただいま戻りました、主はやて。」
「ん?なぁ、悟飯。」
そう言ってヴィータが俺の傍に来ていた
「何で超サイヤ人のままなんだ?」
「何かそれ会う人会う人に言われてるな。」
「そうなのか?」
「うん。」
「でも何で超サイヤ人なんだ?」
「修行だよ。」
「ふーん。」
「まぁ、話はそれくらいにしてお昼にしよか。」
そういってはやてがコンロに火を通す
「あ、リインフォースの席はここな。」
「はい。」
「あ、シャマルさん。お皿出すの手伝ってくれません?」
「わかったわ。」
そんなこんなでみんなでお昼を食べた
みんな終始笑顔だった
こういった平和や平穏が少しでも長く続けばいい
そう思った
そして元の世界に戻れる時がきたら必ず俺が平和を取り戻す
必ず…
67719:2007/10/22(月) 21:26:12 ID:ru0YCrA6
投下完了です

悟飯にパワーアップフラグが立ちました
そういえば悟飯って五歳の頃には服一着作る裁縫技量があったんですよね
悟飯すげぇ

支援どうもでした!!
678名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 21:28:38 ID:cFgSPIN2
GJです!

パワーアップフラグきましたね。
はたしてここの悟飯は、スーパーサイヤ人2になることができるのか?
679名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 21:33:04 ID:bXeKCduV
>632
魔導師のBJの機能を強制停止させるスタンナックルのみが装備の男がバイクに乗って
やってきて、エリオのBJを強制開放して覚悟のない子供は戦場に出てくるなと説教したり
管理局の若きエリートが過去に滅びた王族の末裔で、親衛騎士団の末裔、悪夢と愉快な仲間達とともに
王族の血筋だけが制御できる最終兵器「軌道の目」の鍵を探しに暗躍したりする話ですね。
680通常の名無しさんの3倍:2007/10/22(月) 21:45:39 ID:+Neqh4gt
>>632
ジェノサイドな方々が多数でてくる漫画でしたなたしか。
681名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 22:06:46 ID:HzA7ah32
>>677
こちらの悟飯はどこまで強くなるんでしょう。

本編には関係ありませんが、悟飯なら御神流の剣士と戦っても余裕で勝てますね
682名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 22:45:08 ID:KXNrA9l7
>>677
是非パワーアップして人造人間を倒してもらいたいところですが…
(本編では過去に行ってセル戦を経験したトランクスが倒すんでしたっけ?)
しかしパワーアップするとなのは世界では更に素敵に無敵になりますなw
ところで…本編も寝る時以外は〜 でしたっけ?
寝るときもだったような気が…
記憶違いか、もしくは修行の第二段階とかだったかな?
まぁ本編と一緒である必要は無いで別に問題は無いんですけどね、
ちょっと気になったので…
683名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 22:45:11 ID:A7UgqtK7
>>681
御神流ってそんな強くないですよ。
暗殺なら兎も角、正面きって戦えばスバティアにも負けるんじゃないですか?
684名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 22:57:23 ID:1mxePC5a
>>606
なの魂氏GJ!!
いや、両作品を生かしていて本当に面白い。
できれば連載のほうも見てみたいです。特にStSでの銀さんを見てみたいかも。
685名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 22:58:50 ID:/7ZISBjM
魔法やファンタジー世界の住民じゃなくふつうの達人だからな
多くの作品の特殊な一般兵程度だろうよ
686682:2007/10/22(月) 23:05:21 ID:KXNrA9l7
漫画は実家なんで詳細はわからんかったけど、
寝る時以外はスーパーサイヤ人 なんだね。
俺の記憶にある寝るときも〜ってのは何処から出てきたんだろ…?
687名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 23:35:55 ID:APb2U87V
>なの魂氏GJ!!
銀玉の世界観に八神家が見事に入り込んでいてなおかつ違和感を感じさせない
貴殿の筆力に嫉妬&大爆笑!!
688名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/22(月) 23:54:11 ID:B774rCSO
>>683
>>685
確かにそうなんだけどstsの戦闘描写ととらハOVAの戦闘描写を比べると
なのは<とらハみたいに感じるんだよなぁ…
689リリカルスクライド//G.U. ◆etxgK549B2 :2007/10/23(火) 00:07:27 ID:EMsCZUs3
ふぅ、やっと長編が書き終わったOrz
リリカルガオガイガー第10話は、結構長いので次スレで投下します。
後ほど各職人さん方へ感想を書きます〜
690名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 00:07:42 ID:Ge99Fmk4
>>683
あいつらの怖いところは、初速で知覚外に達するところだぜ。
691名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 00:09:38 ID:kfKN3isI
>>690
歩法みたいなもんか?
もしくは縮地?

近接数の子には勝てそうだな・・・
692名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 00:10:19 ID:KH+7VAkh
それなんてヴォーパルヴァニー・・・
693名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 00:11:55 ID:d9Zvlkp9
>>691
御神流 奥義ノ歩法

>>692
きみ・・・もしかして某サイトの作品を読んでいるな!!www
694名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 00:36:07 ID:PdGu2fF6
どうでもいいが、御神の剣士は都築の中二病満載の吃驚剣術だぞ
普通の剣術じゃありません。 完成された御神の剣士は、重火器で
武装した兵士100人に勝てると言うくらいですからね(都築曰く)

ちなみに神速は、解りやすく言うとカブトのクロックアップな
695名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 00:43:26 ID:nj1/S4Cx
>>694
そんなの生身の人間がやっていいものじゃないぞwwwww
696名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 00:48:12 ID:yqWqq1rm
>>693
そういうあんたも仲間だな?(ニヤソ
697名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 00:48:18 ID:94oTC02t
厨2病原作者の話はそろそろやめましょうや
698名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 01:04:48 ID:Ghx1EmcW
上のほうで機装兵戦記漫画が話題になっているようだけど、
AMF状況下では一般のクラダーが平の武装隊員を圧倒しそうだな。
口径20mm以下に対するほぼ完璧な防御力を有する特殊複合装甲、
推力付与による高機動性、機械動作による物理的破壊力、豊富かつ
容易な武装換装能力があるんだし。対人、対装甲車両、運用次第では
対空戦闘も可能とくれば、これはちょっとした魔法のスーツだ。

装甲車の防御力、オートバイの機動力、戦闘ヘリ並みの重武装が
等身大の人間に凝縮されているわけだから、並みの一般武装隊員には
かなり苦戦を強いられるかと。
流石に教導官クラスになると某ジェノサイドでなければ速攻アボンだろうけど。
699リリカルスクライド//G.U. ◆etxgK549B2 :2007/10/23(火) 01:28:05 ID:EMsCZUs3
>>リリカル・コア氏
戦闘の書き方が上手すぎる!GJ!!
ノーヴェが主役でとても新鮮でした。
今後も頑張ってください。

>>白き異界の魔王
凄い戦闘の連続で…一言「GJ」
完結おめでとうございます。
NWの話だとは今まで知らなかったので、やっと意味が分ってきました(遅)

>>LYRICAL THAN BLACK(なのはVSボウケン)氏
なるほど〜本編をこう改変させましたか。
フェイトの行動も頷けるし、なのはの気持ちも尊重したい。
この後の展開で、なのはが気を失わないか心配です。
李の正体は、いつ頃ばれるか期待!

>>コードギアス 反目のスバル氏
>>STAGE5
なんという壮大な設定。
なのはの悲しみが伝わってきますよ。
旧友との出会いはGJ!
スバルはスザクとルルーシュに今後どんな対応をしていくのか期待を禁じえない。
>>STAGE6
開幕笑わせていただきましたw
ルルのドジがスバルに炸裂するとは…早速ゼロの正体バレ(笑)
スバルの言葉に対してのルルーシュの決意が感じ取れてGJ!

>>なの魂氏
まさか海でのエイリアン騒動話が来るとはGJ!
扇風機騒動から、海でのエイリアン騒動へ持っていき最後の締めもばっちり…このGJ職人!

>>19
超サイヤ人2への伏線キタ!
皆での食卓風景もGJです。
悟飯の父親への憧れがよく書けててナイス!

あとネタが分らなくて感想が書けなかった職人さん方にGJを送ります。

700名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 01:33:17 ID:shfoiNxA
>>698AMF状況化で局員が勝てるとは思えないけどな

701名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 01:42:52 ID:Ghx1EmcW
>700
まぁ、確実にSAAは普通のドローンよりも強いだろうからね。
平局員は軽く蹴散らされるかも。

SAAが大活躍するとしたら、AMF状況下に於ける対ガジェットドローン戦か。
魔法を前提とした管理局世界の戦力では、AMF状況下での質量兵器に対する
有効な戦い方がないだろうし。
702名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 01:50:46 ID:shfoiNxA
>>701まぁ詳しく議論始めたらキリないからこの辺にしとこうぜ

つかRedEyes知ってる人結構いるのなw
一巻出たの何年前だろ、随分昔のような気がするw
ということで>>632に期待してま
703続続・一発ネタ:2007/10/23(火) 03:48:55 ID:thOMa9Fh
一発ネタ集、簡単なあらすじ紹介詰め合わせ。元ネタいくつわかるかな?


新しく観測された世界。調査の為に降り立ったフェイトは、そこで一人の少女と出会う。
少女の名前はスグリ。この世界でたった一人の「ひと」
時を同じくして進行を開始する無人兵器群。
そして出会った二人の少女は空を目指す。この小さな戦争を終わらせる為に。
(スグリ)


ある日突然海鳴市のコンピュータが一斉に暴走する。
無事だったのは管理局製の物を持ち込んでいたハラオウン家のみ。
その時パソコンの中から呼びかける声がする。
「私はハイパーワールドから来たエージェントだ。この事態を解決するために力を貸して欲しい。一緒に戦ってくれないか」
地球の平和を守るため、頑張れクロノ、戦えグリッドマン。
(電光超人グリッドマン)
おまけ 「ならば俺が」「お兄ちゃんは駄目ー!」「何故だなのは!」


ある日、すずか達から相談を持ちかけられるなのは達。
何でも、学校の図書館の周りで奇妙な事が頻発しているらしい。
後日、図書館が絡んでいるならばと連れられてきたユーノを含む一同が出会ったのは、
人類誕生以来全ての書籍が収められた『アレクサンドリア漂流図書館』と、館長ランガナタン3世だった。
(図書館戦隊ビブリオン)


ナカジマ姉妹は狙われていた。その出生の特殊さ故に。
父、ゲンヤは苦悩していた。妻亡き今、自分一人では娘達を守りきれぬと。
管理局を頼るにしても、組織である以上誰が信用出来るか判らない。苦悩の末、一人の男に護衛を依頼した。
男の名は楯雁人。職業──護り屋── 通り名──「イージスの楯」──
(闇のイージス)


唐突な話だが、シグナムは風呂好きが高じたのか、休暇を利用してよく温泉へ小旅行に出かける。
今回の行き先は椿屋。知る人ぞ知る秘境の温泉宿。
だが、そこで出会った一人の中年従業員からは、己の過去を思い出させる気配を感じていた。
(湯けむりスナイパー)
704続続・一発ネタ:2007/10/23(火) 03:50:05 ID:thOMa9Fh
「お鮨が食べたい」
そんな唐突な部隊長の願いを叶えたのは以外にもザフィーラだった。
だが、彼が使った握り方は「石塔返し」と呼ばれる、特殊なもの。
彼は一体いつ習得したというのか。明かされるエピソード。そこには、確かな漢達の友情が存在した。
(江戸前鮨職人きららの仕事)


10年前、教会から聖遺物を持ち出した司祭の行方が判明した。
彼は今、一人の少年と共に辺境で暮らしているという。
向かった一同に対し、元司祭は驚くべき事実を口にする。
「あの子もまた……聖王なのです」
そして語られる聖王という存在の真実。
果たして、真実を浮き彫りにし、聖王を再現したのは何者なのか。
(ゼロ THE MAN OF THE CREATION )


ギンガ・ナカジマ20歳の誕生日。家族からのプレゼントは、一週間の休暇と旅行。
行き先は第97管理外世界、地球。
そして観光も終わり、一日目の夜。目の前にはイーデンホールと書かれた扉。
ギンガには、幼い頃に小説で読んでから、どうしても飲んでみたかったカクテルがあった。
そのささやかな願いを叶える為に、少しだけ重い扉を開けて────
「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりですか?」
────ギムレットを────
(バーテンダー)


  機動六課、闘魂祭り!!
時空管理局の馬場VS猪木、ドリームマッチ遂に実現!!
  なのはVSシグナム

ハッスルドクターがニバイニバーイ! これが究極ダブルゼータオレンジ
  ナンバーズ

シグナムパンチの痛みに耐えろランスター!! 本格内輪もめアクション
  撃墜者

暗い深夜の寄宿舎で、聞こえる叫びは ておあぁ────ッ
  守護獣
  じめつく夏にタイマン勝負! 機動六課にグイッと技ありもう一本!!
(木曜洋画劇場)
///////
やっぱり続きません。たったこれだけの量書くのにどれだけ時間かけてるのよ自分。orz
元ネタを知らない作品が多いため個別レス出来ませんが、職人の皆様方、お疲れ様です。
さて、残りがまだ7作品分残ってるけど、書きあがるのは何時になるやら……
705名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 10:47:04 ID:v21QP9J8
ドラゴンボールのブロリーはどうだろう?
なのはさんと違い本当の悪魔だが 

氷漬けのブロリーを管理局が発見して持ち帰り
なにかの拍子で復活したら・・・・・。

六課のメンバーがたばになってもかなわんかもw
706名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 10:59:26 ID:v21QP9J8
伝説のサイヤ人ブロリーはどうだろうか?
なのはさんと違い本物の悪魔だけどな

氷漬けのブロリーを管理局員が発見して
もちかえり なにかの拍子でよみがえったら

六課がたばになってもあれにはかなわん気がするんだがww

格闘ゲームのmugenでなのはさん達作りたいんだよなあ
ナイトメアブロリーは恐怖 なのはさんもあんな感じで。

707705 706:2007/10/23(火) 11:00:24 ID:v21QP9J8
すまん二度書き込んだ
708名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 11:07:02 ID:y+sU+PTc
>>700
AMFなしでも陸士ぐらいならクラダーが勝つようにしか思えないぜ。
709名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 11:25:27 ID:t7hd2OKI
>>707
ここは、sage進行ですよ。
メール欄にsageを入れればOKです。
710白き異界の魔王:2007/10/23(火) 11:29:23 ID:alR6q3xI
続きを希望してくれる方もいて非常に嬉しいです。

続編ですが、まだ曖昧模糊なものなので形になっていませんができたらナイトウィザードのアニメが終わらないうちになにかできたらとおもいます。

26話に登場したファー・ジ・アースの海鳴市の4人ですが、明言は避けさせてください。
2ndが出てクラスを当初予定していたものとは変えた方がいいんじゃないか?と思ってきたので。
ちょっとネタをばらすと、全員海鳴市出身のウィザードで、リリカルなのはの海鳴市の少女4人の平行存在ってとこです。
で、その中の一名がフェイトの役割も背負っています。
クロノとユーノに対応するキャラはまだ考えていません。
ちなみに、リンディ提督に対応する人物はアンゼロットです。

で、なのは達がファー・ジ・アースにいっていた場合、Sts終了後のエピローグがどうなるか、というのをちょっと考えてみました。
非常に短いですが投下してもよろしいでしょうか。
711名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 11:30:06 ID:sSp9rJKF
カモン!
712白き異界の魔王・外伝:2007/10/23(火) 11:34:25 ID:alR6q3xI
海上に作られた施設で更正プログラムをこなしている戦闘機人達だが、いつまでもここにいるわけにはいかない。
いずれ、社会に出て生活を営んでいくことになる。
その時も今のように二重三重のリミッターをかけられることになるだろう。
その日が迫りつつある中、彼女たちの不安は大きくなっていった。
大多数の人間が戦いに関わることなく生活しているのは今までのプログラムで理解してきたつもりだ。
しかし、力を封じられたひ弱な体で何ができるのか。
自分たちの身は守れるのか。
戦闘のできない戦闘機人に存在意義はあるのか。
不安は日々増大していく。
そんなある日、突然彼女たちが更正施設を出る日が決まった。
予定よりずっと早い時期である。
いつものように講義をした後、彼女たち担当のギンガはいつもの笑顔でこう切り出した。
「と言うわけで、皆さんには全てのリミッターを外した上で学校に通ってもらうことになります」
予想もしていなかった言葉に即座に反応できる者はいなかった。
その中で、チンクだけが手を挙げる。
「質問がある。正直、私たちが即座に社会に適応できるとは思えない。そんなことをして大丈夫なのか?」
「そうそう、あたしら学校をシメちゃったり脱走したりするかも知れないッスよー」
余計な軽口を叩くな、とばかりの姉の強烈な視線を受けたウィンディが目をそらす。
「それはともかくそういうことだ。どうなんだ?」
ギンガは少し考える。
腕を込んで、あらぬ方向見る。
空間モニターを開いて情報を再確認。
そして、こう言った。
「いいですよ」
「は?」
再びの予想外の答えに裏返った声が出る。
「ただし、それやっちゃっても成功するかどうかはわかりませんし、どうなっても管理局は貴方たちを助けません」
「それ、どう言うこと?」
「受け入れ校の強い要望で、皆さん行動に関する責任は皆さん自身が取ることになります。また、入学から卒業まで管理局は皆さんに一切の関知できないようになっています」
「何をやってもいいけど、責任は自分でとれって事ね」
「はい。それから、さっきのシメるとかですけど……たぶん無理だと思いますよ。その学校、皆さんと戦えるような人がけっこういるみたいですから」
「どういう学校よ。それ」
ギンガはそれに答えるようにナンバーズにパンフレットを配っていく。
「各自、それの入学願書に記入しておいてください。学校についての詳細も書いてありますからよく読んでおいてくださいね」
「紙の書類ッスか?古いッスねー」
「そういう世界のですから」
パンフレットはミッドにはあまり使われない文字で書かれている。
「えーと……」
ノーヴェが眉根を寄せる。
知っていることは知っているが相当マイナーな文字だ。
ドクターが何故こんな言語まで覚えるようにしたのかわからないほどにマイナーな文字だ。
「私立輝明学園・秋葉原分校?」
彼女たちはそのウィザードと呼ばれる者達も通う学校で非常に充実した、というか充実を突破したような経験を重ねることになる。
いささか不安ではあるが。

*************************************
こんな所です。

ナンバーズの口調がいまいちわからないのですが、なんとか書いてみました。
これを続けると学園ものになりますな。
713名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 11:47:40 ID:P9QGwM9r
学園物とはまさに予想外だぜwwwwww
GJ!



……なのはさんはどんなブルームを買ったんだい?
714名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 12:44:18 ID:GScFziUy
まさか俺以外にも
redEyesとクロスさせようと思いついた奴が居たとはw
けど、redEyesってまだ完結して無いからクロスさせにくいぜ
715名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 13:53:56 ID:Vfyw1Qf+
>>コードギアス 反目のスバル氏
しばらくの間ネットに繋いでいなかったのでようやく全て読み終わりました。

今更ですが、潜入捜査をする人間が所属する組織の身分証明書を持ち歩いて
いるというのは無理があるのでは?
もし、スバルのそういった点の自覚の無さを描くための伏線ということでし
たらご容赦を。それならそれで異世界の言語で書かれた身分証をスラスラ読
んでしまうのではなく、せめて地球の言語に似ているが、微妙に違うという
ような感じでなんとか読み取るという形の方が良かったのではないかと…

それからスバルの学力ですが、なのはA'sのコミックを見ると数学や物理は
地球もミッドチルダもほぼ同じな上、魔法の制御や術式の構築に高度な
理数系の知識は欠かせないそうです(スバルはティアナと共に陸士訓練校
主席卒業です)から、むしろ理数系は完璧なのに小学生でも知っているよう
な地球の一般常識を知らないという方がルルーシュがスバルに疑念を抱き
やすかったかも知れません。

高町家はみんなミッドチルダに亡命ですか…恭也は恋人の忍の為になのはの
気持ちを痛いほど理解しつつも、あえてその手を振りほどいて残るという
選択をして欲しかったなあ…。
716名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 14:02:28 ID:v21QP9J8
redEyes suki−が結講多い?w
あれはマイナーだと思っていたが
なのはスレに知っている人がいたとは驚きだ。

戦場の死神ジェノサイドミルズは敵に容赦しないからなあ
甘い思考な六課メンバーといろんな軋轢生みそう。
テロリストは即射殺だろうしな。
717名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 14:04:38 ID:1OgOCnoB
>>716
六課の教官にイグナチオ少佐、技官にアンソニーを呼ぼうぜ!
718名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 14:13:03 ID:e6yZ8ui+
>>710
GJ

>秋葉原分校
しっと団の居る『武蔵野分校』に比べたら遥かにマシな選択かと
…アンゼロットに騙されて中坊戦隊に入れられているチンクの姿が目に浮かぶ…

数の子ウィザード化希望!
719名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 14:18:10 ID:sSp9rJKF
>710
GJ

そういえば強化人間とか人造人間とかゴロゴロしてるんだよな輝名学園。
是非続きを読みたいw
720名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 14:42:18 ID:e6yZ8ui+
>>710
今気付いたんだが、恭也は修行のし過ぎで自動的に『龍使い』になってそうな気がする

>四人娘
人造人間じゃなくて転生者か…
>ユーノ
天竜はどうでしょう。面倒見いいですし。
>クロノ
凶島先生かいっそのこと『正義の味方』エリィ=コルドン様とか。
721コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/23(火) 17:08:53 ID:MgSVZfqw
>>715
ご指摘どうもです。

>異世界の言語
この件は完全に自分のミスでした。
実はつい最近まで、
地球人のなのはとミッド人のユーノの言葉が通じる→リリカルなのはって細かい言語のことは考えてない?
ということで、言語関係に関しては特に設定がないとばかり思っていたのです。
しかし、悲劇は訪れた。
昨日StS8話を見ていた最中、劇中のデジタル時計には何やら見慣れない文字が…
…orz

>スバルの学力
「座学はいい(ティアナ談)」というのは知っていました。
そこで今回「今まで知ってることは完璧にできるけど、さすがに知らないことは…」というのをネタにしようと思って書いたのですが、
その科目を文章のみで表現する際、何が1番分かりやすいかと言われると、結局公式という概念のある理数系ってことに…
おおよそ魔法関連の計算では出番のなさそうな、複素数や行列の話をしていると思ってください。

残りの指摘のあった部分は、今後の話や外伝で触れていく予定となっています。

…何だかテンションが上がって一気に7話を書き上げてしまったのですが、これって(9レス分)今の容量に収まるかな?
何事もなければ投下、その後次スレ立てに挑んでくる予定です。
722コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/23(火) 17:23:06 ID:MgSVZfqw
STAGE7 ルルーシュ対シュナイゼル

トウキョウ租界には5人の皇族がいた。
まず、総督コーネリア。続いて副総督のユーフェミア。隠匿生活を送るルルーシュとナナリー。そして最後にシュナイゼルだ。
シュナイゼル・エル・ブリタニア。第2皇子にして、帝国宰相。
類い稀なる才知を持った、帝国有数の実力者だ。次期皇帝に最も近い男として、国中の皇族貴族から注目されていた。
このエリア11へは、生前のクロヴィスが発掘した遺跡への調査に来ていたのだ。
だが、そのために持ち出してきた「ドルイドシステム」――ガウェインに積まれた高度な情報ツール――はゼロに奪われてしまった。
本国へ帰るのは時間の問題だった。
「さて、と…」
総督府の一室を貸し与えられていたシュナイゼルは、机の端末へと手を伸ばす。
『どうされましたか、兄上?』
気の強そうな女性の顔がモニターに映された。
コーネリア・リ・ブリタニア。エリア11の総督その人である。
「悪いが、少し軍備を貸してくれ。ゼロと勝負をしてみたくなったよ」
『は?』
コーネリアは思わず聞き返す。シュナイゼルの笑顔からは、何も読み取れない。
「なに、噂の切れ者の力を見てみるだけさ。別に無駄に主力を投入したりするつもりはないよ」
『はぁ…』
兄はいつもこうだ。何を考えているのか、さっぱり分からない。
普段から温厚に振る舞っているように見えるが、それも仮面にしか見えないような時もある。
何せこの男は、いくら廃人だったとはいえ、拾った負傷兵の身体に涼しい顔で人体改造を指示するような男なのだから。
『…分かりました。ですが、ゼロの力は、軽視すべきものではないということを、忠告しておきます』
だが、コーネリアにとっては、尊敬する俊英であったのも確かだ。
シュナイゼルの力は信じられる。そしてその判断も。
常に冷静な彼ならば、むざむざ引き際を誤って死ぬなどということはありはしないだろう。
「ハハハ…肝に銘じておくよ。何せ稀代の女傑・コーネリア皇女様からのアドバイスだ」
『ありがとうございます。では』
最後にコーネリアはふっと表情を緩めると、通信を切った。優秀な兄に褒められて、悪い気はしなかった。
シュナイゼルは、机の端に置いてあったチェス盤に目を向ける。
そして、その中から、1つの駒を手に取った。
「…さて、君は僕の用意した盤面の上で、どう動くかな?」
黒き王を指先でなぞりながら、シュナイゼルは楽しげに呟いた。
723コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/23(火) 17:24:30 ID:MgSVZfqw
「――さて、続いて3曲目のリクエストです。Nanaで『SECRET AMBITION』。
 未来へ向かうパワーに満ちたいい曲ですね、自分も大好きです。それでは、お聴きください」
ルルーシュはつとめて愛想よく言った。スバルがマイクの音量を落とし、音楽をかける。
2人がいたのは、学園の放送室だった。
今は昼休み。この時間は、生徒会によるラジオ放送が行われることになっている。無論、発案はミレイだ。
音楽がかかっている間、パーソナリティー達は暇になる。スバルは実にこの昼12個目のサンドイッチを口に入れた。
「相変わらずよく食うな」
「ん、まあね。食べなきゃ力出ないし」
苦笑するルルーシュに、スバルは元気よく答えた。
状況から察するに、スバルの「新人研修」はまだ終わっていないらしい。
途中から生徒会に入ったスバルの面倒は、推薦したルルーシュが見せられていた。
だが、今の状況がその延長なのかどうかは、正直疑わしかった。ミレイが面白がっているだけかもしれなかった。
(C.C.並だな)
と、ルルーシュはスバルの食べっぷりを評価する。
ピザ1枚を3食全部――それどころか間食さえも――に平気で食べているC.C.の胃袋も、凄まじいものがあった。
その時、ポケットでルルーシュの携帯が震えた。画面に表示された名前は「Ougi」。
扇要。カレンがいたグループのリーダーだった男だ。現在は黒の騎士団のナンバー2を務めている。
「…私だ」
ルルーシュは携帯を取ると、ゼロとして相手に応じる。
「…ん…そうか…分かった。考えておく」
そう言って、ルルーシュは携帯を切った。
「黒の騎士団のお仕事?」
「…どうしてそう言える」
「だって、ルルーシュは普段『私』なんて言わないじゃん」
意外にも、スバルは鋭かった。
あのやりとりではまず分からないと思って、ルルーシュはそのまま通話をしたのだが、
スバルはその微妙な違和感を感じ取っていたのだ。
「ね、ね、今度は何をするつもり?」
スバルが追及する。まだ曲は2番の手前だ。多少聞く余裕はあった。
「…第2皇子シュナイゼルが、シブヤゲットーに部隊を展開した」
このまま焦らせばスバルが職務放棄をしかねなかったので、ルルーシュは正直に話す。
軽そうな見た目に反して義理堅いスバルならば、バラしたりはしないだろう、という信用の上での発言だった。
「シブヤに?」
おおよそ意味のなさそうな行動に、スバルは首を傾げる。
「コーネリアの親衛隊もランスロットもいない…配備されているのは、全て普通のサザーランドだ。
 …要するに、俺を誘っている」
「ゼロを?」
「ちょっと手合わせでもしないか、といった具合にな」
ルルーシュはスバルへと目を向け、釘を刺す。
「ついて来るなよ」
と。
「えぇ〜?」
「お前も何か任務があってこの世界に来たのだろう。正体がバレては、動きづらいのではないのか?」
「んー…それはそうだけど…」
尚もスバルは残念そうに言い募った。
「それに、お前に何ができる? ナイトメア相手に身一つで挑む気か?
 そんなこと、俺は御免だな…無関係なお前を危険にさらしたくはない」
「むぅ〜」
スバルは不機嫌そうに頬を膨らます。
と、そこで流していた音楽が終わりにさしかかった。
「さぁ、この話は終わりだ。仕事をしろ」
724コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/23(火) 17:25:37 ID:MgSVZfqw
その日の夜、黒の騎士団は、シュナイゼルの誘いを受けてシブヤゲットーに軍を展開した。
敵のナイトメアは結局サザーランドのみ。こちらは紅蓮弐式、5機の月花、そしてガウェインと、7機の特別仕様を保有している。
更に量産機「ブライ」の準備も万端だ。手駒だけを見れば、黒の騎士団の方が圧倒的に有利だった。
「ルルーシュ、アイツは本当に勝つ気があるのか?」
ガウェインに乗ったルルーシュの眼下で、白いパイロットスーツ姿のC.C.が退屈そうに尋ねた。
このナイトメアのコックピットは複座式だ。メイン操縦と格闘兵装をC.C.、各種機器と砲座をルルーシュが担当する。
「奴を侮るな。自慢にはならんが、俺は今までで唯一、奴だけにはチェスで勝てたことが一度もない」
要するに、格上の相手というわけだ。
「成る程…なら、せいぜいその戦績に1勝を加えられるよう、努力するんだな」
「言われるまでもない。
 …今日こそ勝たせてもらうぞ、シュナイゼル・エル・ブリタニア…」

戦闘が始まった。
黒の騎士団は、一気呵成に敵陣に飛び込み、サザーランドを殲滅していった。
月花部隊が先陣を切り、正面の敵を薙ぎ払う。
本隊を率いる紅蓮弐式が、その「鬼の手」で残った敵を容赦なく吹き飛ばした。
紅蓮弐式の右腕は恐ろしく大きい。これには、「輻射波動」という特殊装備が組み込まれていた。
右腕で相手を鷲掴みにし、掌から高周波を内部目掛けて叩き込む。
食らった相手は、内側から粉砕される。さながら電子レンジ内の卵も同然だった。
一方、機体スペックで大きく劣るシュナイゼルのサザーランドは、後退を余儀なくされる。
「へっ、アイツら逃げるだけかよ!」
「ブリタニア一の俊英が聞いて呆れるわ!」
「この勢いを崩すな! 一気に攻め立てろ!」
黒の騎士団は怒濤の勢いで敵陣へと突っ込んでいく。
一方、後方から指示を出していたルルーシュは、妙な気配を感じていた。
「サザーランドの戦い方にすら工夫がない…まだ隠しているものがあるというわけか?」
俊英シュナイゼルの力はこんなものではない。ライバル視していたルルーシュだからこそ分かることだ。
しかし、ここで進軍を止めるのもナンセンスだ。せっかくの士気を殺すわけにはいかない。
「各機、周辺に注意しつつ――」
そんな曖昧な指示を出そうとした時、シブヤを光が包んだ。
725コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/23(火) 17:26:44 ID:MgSVZfqw
突然、黒の騎士団のいた戦闘フィールドの外周が、眩い光の円を描いたのだ。
「これは…!?」
今までに見たことのない現象だった。
形式はゲフィオンディスターバーにも似ていたが、あれは黒の騎士団独自の技術だ。何より、ナイトメアが停止していない。
「一体あれは何なんだ? …各機、異常は――」
ルルーシュは、機体に変化がないか通信で聞こうとした。
しかし、回線は開かれず、ノイズが聞こえるだけ。
「…やられたっ!」
ルルーシュは瞬時に状況を理解する。
「どういうことだ?」
「あれは一種の電波阻害フィールドだ。このガウェイン以外は、全てあのフィールドの中にいる。
 つまり…黒の騎士団は、互いに連絡を取り合うことはおろか、俺の指示さえ聞くことができなくなったということだ…!」
ルルーシュが絶望的な声を上げると同時に、戦場の各地から、新たなサザーランドが姿を現した。
シュナイゼル軍は先ほどまでとはうって変わって強気な攻撃を展開し、黒の騎士団もまたうって変わって防戦一方となった。
恐らく、敵のサザーランドには妨害フィールドの除去装置でもあるのだろう。
戦闘は一方的なものとなった。

「黒の騎士団は、ゼロの存在に依存している」
皇族用の大型トレーラーのブリッジで、シュナイゼルが呟く。
「ゼロの言葉があるからこそ、勇気を持って戦える。
 …さぁゼロ、君の駒の士気はがた落ちだ。君ならこれをどう切り抜ける…?」
いつもの余裕な笑みで、シュナイゼルはゼロに――ルルーシュに語りかけた。

(どうすればいい…どうやってこの状況を切り抜ける!?)
ルルーシュは必死に思考を巡らせる。
(ガウェインであの装置を破壊すれば…!)
しかし、その判断も結局は無駄に終わった。ガウェインの真下からも10機の伏兵が姿を現したのだ。
サザーランドは一斉にガウェイン目掛けてライフルを連射する。
C.C.は巧みに機体を操ってかわすが、機動性に乏しいガウェインでは回避がやっとで、とても反撃は期待できそうにない。
「ルルーシュ、このままではいずれやられるぞ!」
「チッ…こう弾幕が厳しくては、『ハドロン砲』も撃てんか!」
忌々しげにルルーシュが吐き捨てた。
既にブライは半数以上が撃墜され、紅蓮弐式や月花も攻めあぐねている。肝心のガウェインはこの状況だ。
(おのれぇ…シュナイゼル…!)
黒の騎士団創設以来初の全滅の危機は、刻一刻と迫っていた。
726コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/23(火) 17:27:56 ID:MgSVZfqw
(あたしは…どうすればいいんだろう)
シブヤゲットーの廃ビルの上で、スバルはその戦いを見つめていた。
学園で見せた明るい笑顔は、ただのハッタリだ。
正直内心では、シブヤについて行くことを許可されたらどうしようとビクビクしていた。
(少しでも弱みを見せたら、ルルーシュに悟られそうだったから)
この不安を。ルルーシュの敵になりかねないことへの不安を。何より、自分がそういう立場である事実を。
(…こうして、シブヤに来てみたけれど…)
どうしていいのか分からない。
自分は、ルルーシュに何をすればいいのか。それが自分にできるのか。
(ゼロと戦いたくない…でも、任務は果たさなくちゃいけない…)
苦しかった。
その相克が、スバルの心を締め付けていた。
(あたしは…ルルーシュと一緒にいたいだけなのに…)
どうして周囲は決断を強いる。どうして自分を苦しめる。
否。
決断を強いていたのは自分自身だった。だからこそ、スバルは苦しみを捨てられなかった。
と、そこでルルーシュの機体と思しき黒い機体――ガウェインが集中砲火にさらされた。
(ルルーシュッ!)
身体は、反射的に動いていた。
瞬時にバリアジャケットを展開し、水平にビルの壁を駆け降りる。
「うおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
カートリッジをリロードし、ナイトメア群へ突っ込み、その一撃を放った。
「リボルバァァーッ! シュゥゥゥゥゥートッ!!」
青い閃光が、サザーランドの1機の頭を吹っ飛ばした。
(…あれ…あたし、ルルーシュを助けようとしたの…?)
そしてここにきて、スバルは初めて自分の行為を理解したのだった。
同時に、自分の成すべきことも。任務と私情の相克よりも、更に先の真理に。
スバルは携帯電話を手に取ると、上空のルルーシュに向けて発信した。
『スバルか!? お前…この馬鹿が! 何故来た!?』
電話に出たルルーシュは、いきなりスバルに怒鳴りつける。
だが、スバルはそんなものお構い無しだった。
「…あたし、馬鹿だったよ」
『は?』
突然奇妙なことを言い出したスバルに対し、ルルーシュは間抜けな声を上げる。
「任務がどうとか、私情がどうとか…そういうのよりも、もっと大事なことがあったんだね…」
『何わけの分からないことを言うんだ、いきなり?』
スバルは顔を上げる。決意に満ちた、真っ直ぐな瞳を。
――これから後のことをどうするか、とかいう前に…
「あたしは…今目の前にいるルルーシュを、死なせたくない!」
727コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/23(火) 17:29:04 ID:MgSVZfqw
シブヤ最大のビル・シブヤ109。
その上から、事の次第を見続ける影があった。
まだ児童も同然の少年だ。オールバックにした金の長髪が特徴的だった。
「…そろそろ、見てみるかな」
少年が振り返った先には、黒い巨人がいた。

「あたしも援護するよ、ルルーシュ!」
『できるのか!? ナイトメアもないんだぞ!』
「やってみせる!」
『…全く…お前は言い出したら聞かないな』
スバルの語気に、ルルーシュはこれ以上の制止が無駄だと悟った。
いつだってそうだった。ルルーシュにスバルは止められない。そういう奴なのだ。
「その代わり、今日の夕食おごること!」
『分かった分かった。…租界の中華街はどうだ?』
「了解!」
『やれやれ…今月は赤字覚悟だな!』
「それじゃ、行くよ!」
スバルは9機の巨人目掛けて突っ込んだ。
サザーランドは一瞬スバルの存在に面食らったが、敵であると判断し、ライフルで狙い撃つ。
スバルはそれを機敏な動きで全弾かわした。プロテクションで防御するわけにはいかないからだ。今回は弾丸が大きすぎた。
「うりゃあああっ!」
1機に跳びかかり、素早く蹴りを5連発。
一応倒すことはできたが、いちいち手間がかかりすぎだ。
(どうすれば、手っ取り早くナイトメアを倒せる…?)
集中砲火をかいくぐりつつ、スバルは考えた。
(あ…そうだ、アレを使えばいいんだ!)
そして、結論は簡単に導かれた。
一旦スバルは静止し、その青く澄んだ瞳を閉じる。
「…!」
次の瞬間、開いたスバルの瞳は、金色に鋭く光っていた。
そのまま敵へ突っ込み、顔面へストレートを叩き込む。
「はああああああああああああああああっ!」
瞬間、サザーランドが粉砕された。
撃破に5発の蹴りを要した装甲が、いとも簡単に吹き飛んだ。
「振動破砕」。
スバルの隠し玉だった。
自らの身体を介して対象の内部に振動を送り込み、内部から破壊する。
理論は違えど、おおまかなところは紅蓮弐式の輻射波動と同じだ。スバル・ナカジマは、それほどの恐るべき力を有していた。
「たああああっ!」
そこからはスバルの独壇場だ。瞬く間に3機のサザーランドを殴り、蹴り、粉砕する。
ルルーシュが射線を確保するには、十分な活躍だった。
『一度下がれ、スバル!』
ガウェインの肩から凄まじいエネルギーの奔流が放たれた。
これがガウェイン最大の特徴・「ハドロン砲」だ。
素粒子技術を応用した漆黒の閃光が、一瞬で残りのサザーランドを焼き払う。
その威力は想像するしかないが、迫力はスバルの最大魔法・ディバインバスターに匹敵するものだ。
『ふぅ…では、そろそろあの阻害フィールドを…』
とルルーシュが言いかけたその時だった。
『!? レーダーに反応…上からだと!?』
「ええっ!?」
728コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/23(火) 17:30:13 ID:MgSVZfqw
ソレは、巨大な摩天楼から舞い降りた。
超高層ビル・シブヤ109の屋上から飛び降りてきたソレは、かなり異様な姿をしていた。
全身は真っ黒な装甲で覆われ、後頭部からは金髪のようなワイヤーが流れている。
手首の先には人型の手がない。羽毛のない鳥のようなまっ平らな手だ。
顔面に輝く4つのセンサーと、背中に張り出したコックピットから、辛うじてナイトメアだと推測できた。
しかし、ガウェインと同じ黒い機体でありながら、その姿の何と禍々しきことか。
「コイツは…」
思わず、C.C.がそう呟く。
「知っているのか、C.C.?」
「…今はまだ話せんがな。とりあえず、ブリタニア軍とは無関係だ」
そう言った直後、謎のナイトメアが牙をむいた。
4本の金髪ワイヤーを操り、ガウェインとスバルを狙い撃つ。
先端にナイフのついたそれは、まさしくナイトメアの格闘兵装「スラッシュハーケン」だ。
ルルーシュのガウェインはそれを回避し、スバルはリボルバーナックルで受け止める。
一撃必殺の振動破砕は、ナイフを粉々に粉砕するかと思われたが…
(振動破砕の効果が鈍い…!?)
僅かに表面にヒビを入れただけだった。
『ルルーシュ、こいつ普通じゃない!』
「ああ、分かっている。こんなのが普通のナイトメアであってたまるか…」
ルルーシュは冷や汗をかきながら呟く。
彼の目の前で、黒いナイトメアは、いきなり手首から平手を「生やした」のだから。
それだけではない。更にその手から、ナイトメア大の日本刀を「出現」させる。
「――こいつの相手は俺がする! スバルはあの光の輪を壊せ!」
『輪…?』
「あれのせいで、部下に指示が出せないんだ。…どこか装置を1つでも壊せば止まるはずだ! 急げ!」
『…分かった! 死なないでよルルーシュ!』
そう言うと、スバルは装置目掛けてマッハキャリバーを走らせた。
それを確認する間もなく、黒いナイトメアは凄まじい跳躍力でガウェインに迫る。
この時点で既にあり得ない話だった。
ナイトメアは、脚で歩いたり跳んだりはしない。そこまで精巧な脚部は持っていない。
にも関わらず、この禍々しい化け物は、ひとっ跳びでガウェインの高度に迫った。
こいつには、通常の移動用ホイール「ランドスピナー」さえついていないのだ。
「くっ…!」
日本刀の斬撃を、高度を上げてかわす。
更にガウェインはハドロン砲を撃ち込むも、黒いナイトメアはそれを回避。
続けざまにスラッシュハーケン――ガウェインのそれは10本の指全てだ――を発射するが、それすらも黒いナイトメアを捉えられない。
と、そこへシュナイゼル軍のサザーランドがやって来た。
3機のナイトメアが一斉に発砲する。未確認の機体相手には、当然の反応だ。
しかし、黒いナイトメアはそれをかわすと、事も無げにブロンドナイフでサザーランドを切り裂く。
(無差別に攻撃している…いや、むしろ…)
邪魔者がいなくなったことで、黒いナイトメアは再びガウェインへ攻撃を仕掛けた。
「俺との決闘を望んでいるとでも言うのか、こいつは!?」
729コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/23(火) 17:31:24 ID:MgSVZfqw
その頃スバルは、電波阻害フィールドを発生する装置の1つの前へとたどり着いていた。
『デバイスの無断使用が発覚したら怒られますよ』
今更なことをマッハキャリバーが言う。
「バレなきゃいいの。それに夜なら、あたしの顔も分からないし」
夜の闇は、スバルの顔を隠していた。
先ほど交戦したサザーランドは、ライトを点灯していたわけでもない。
そんな状態でカメラがスバルを捉えても、顔は小さすぎて特定できないだろう。
「さぁ…行くよ、マッハキャリバー!」
目の前の大きな装置を前に、スバルは気合いを入れ直す。
そして、カートリッジをロードし、足元に魔法陣を発生させた。
自らの魔力を空間の一点に集中し、魔力スフィアを形成する。
更にその先に、収束制御用の2環の魔法陣が出現する。
これこそが、スバル最大の必殺技。
一撃必倒の、究極の奥義。
「ディバイィィィィィーン…!」
魔力スフィア目掛けて、スバルの全身全霊の右ストレートが放たれた。
「バスタァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーッ!!!」
刹那、凄まじい魔力が帯となって、前方へ一気に解放される。
攻撃魔法・ディバインバスター。
高町なのはの必殺技を元に編み出した魔法である。
射程面ではオリジナルに遥かに劣るが、その破壊力と貫通力は、スバルの技の中でもずば抜けていた。
叩きつけられた圧倒的な魔力は、地球の機械では到底防ぎきれるはずもない。
あっという間に装置は魔力の奔流に飲まれ、砕かれ、蒸発する。
それと同時に、連動していた全ての装置が停止し、阻害フィールドが完全に消滅した。

「…ここまでだ。全軍、撤退させよう」
少し残念そうな表情で、シュナイゼルは命令した。その指令は全軍に通達され、全てのナイトメアが後退する。
シュナイゼルにとって、これ以上の戦いは無意味だった。
フィールドが消失した時点で、質で追い詰められるのはほぼ確定。ただの腕試しで、これ以上の犠牲はナンセンス。
「それにしても…」
ふと、シュナイゼルはうって変わって、いつもの笑みを浮かべる。
「イレギュラーに救われたね、ゼロ。…いや、あれも君の手駒の1つかな?」

シュナイゼルの部隊が退いた時、黒いナイトメアも戦いの手を止めた。
そして、日本刀を自らの体内に納めると、宵闇の彼方へと跳び去っていく。
「…満足したということか?」
ルルーシュは、最早声の届かぬ相手に問いかけた。
「ゼロ! ご無事で!」
と、カレンの駆る紅蓮弐式がガウェインの元へやって来た。
「ああ、心配をかけたな」
「すみません、ゼロ。全くお役に立てず…」
己の不甲斐なさから、カレンは沈痛な面持ちで言う。
「いや、今回は相手の手を読みきれなかった私のミスだ」
「…ゼロ…」
「時にゼロ、我々を助けたあの青い光…一体誰なのだ?」
更に駆けつけた、指揮官月花の藤堂が尋ねた。
「…フッ…本人の事情により、秘密だよ」
ルルーシュは、青い光の主――スバルのいる方向を見つめ、そう言った。
730コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/23(火) 17:32:53 ID:MgSVZfqw
「ん〜♪ この小籠包も美味しい〜♪」
中華料理店で、スバルが心底幸せそうに声を上げた。
「少しは遠慮しろよ」
「オッケーオッケー。覚えてたらだけどね」
「…やれやれ…」
戦闘後、ルルーシュは律儀にも、トウキョウ租界の中華街で、スバルに夕食をおごっていた。
彼なりに感謝はしているのだろう。スバルが来なければ、黒の騎士団はあそこで全滅していたのだから。
そして、スバルは幸せだった。
何も夕食が美味しいからだけではない。自分とルルーシュの問題に、一応の結論を出せたからだ。
無論、あの場での結論はあの場限りのものであり、根本的には何も解決していない。
だが、スバルの心は、前にも増して前向きになっていた。
これからどんな状況になろうと、何とかなる。何とかしてみせる。
漠然とした内容だったが、スバルの中には、そんな決意が固まっていた。
スバルはじっと、ルルーシュを見つめた。
優しくも悲しい、そして気高いその紫の瞳を。
(よかった…ルルーシュを守れて)
一瞬、そんな考えが頭を横切る。
「?」
ふと、ルルーシュがスバルの視線に気付いた。
「あ…ああっと! いや、えとっ! その…」
その瞬間、スバルは何故だか急に気恥ずかしくなってしまって、顔を真っ赤にしてうろたえた。
「…プッ…くくく…」
最初ルルーシュは、わけが分からないといった様子だったが、やがてクスクスと笑いだす。
初めて会った日のように。
「あ…あはは、ははははは…」
いつしか、つられてスバルも笑っていた。

トウキョウ租界の夜の闇に、影が2つ。
黒い巨人と金髪の少年が、ビルの屋上に立っていた。
「…ふーん…」
少年は眼下のルルーシュを――彼の戦いを、そしてその意志を見つめ、そんな感想を漏らした。

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連投規制が恐いので今日のあとがきはここです。

やはり燃えるエピソードはええなぁ。テンションが上がって一気に書いてしまう。
そのテンションの分文章がやたら多くなってしまうのですが…

次回はいよいよ学園祭の話です。そろそろ急展開?
731コードギアス 反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2007/10/23(火) 17:38:14 ID:MgSVZfqw
732名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 18:10:29 ID:d6XLBmZl
GJ!

……ところでマオは?
733名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 18:53:43 ID:og7WtOy5
>>721
ミッドチルダの文字は日本語と英語でしたよ
734名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 18:55:41 ID:ye9BCf/r
>>733
そういやミッドの居酒屋が日本語だったが修正されてたなw
735名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 19:09:28 ID:alR6q3xI
居酒屋が出てきたのは何話だっけ
736名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/23(火) 19:12:37 ID:u6Djj8Bw
6話じゃなかったけ?
737名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 19:14:05 ID:alR6q3xI
早速ありがとう。確かめてみる
738リリカルスクライド//G.U. ◆etxgK549B2 :2007/10/23(火) 19:39:49 ID:EMsCZUs3
GJでした。
シュナイゼル兄様の作戦は巧妙で凄いの一言。
ゼロの命令が無ければ、第一期終了時と同じ事に成ってしまってますね。
スバルの独断専行は、なのはさんバレる?
戦闘シーンもGJです。

まぁアニメなのだから、言語など気にしないのが一番!
ガオガイガーなんて…Jが日本語喋りまくりなのですから!!!
739名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 20:49:57 ID:FAntQ8MI
遅レスながら「白き異界の魔王」完結おめでとうございます。
StS、NW両作の設定を活かした内容で、どちらもファンである者としては
大変楽しませていただきました。
次回作も気にはなりますが、今は疲れた身体を休める事だけを考えて下さい。
つ紅茶
740名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/23(火) 21:21:09 ID:yqWqq1rm
みなさんGJです!!!
741名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/24(水) 06:51:20 ID:R0cSe50n
g
742リリカル龍騎 ◆l5ZL/l4pJY :2007/10/24(水) 08:39:47 ID:ba25dhlU
           |\
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        / ,,     ,,          i     このスレの残り要領を代価に
         |                 |     埋めAAを練成しに来ました
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イ/⊆⊇ ̄ ̄ ̄ ̄三三彡´ ̄|     \
743名無しさん@お腹いっぱい。
人从人从人从人_                    ,、,、 n
    偉 宇 見 (        __       n   n_|」l」-'ノ
    大 宙 せ (´ ,-、, ―´r'´       (`´ ̄  r '´
   . な 警 て ( (    i_ ヽ  .        ̄l    |
    .埋 備 や (´. l   :l'         .   |   .|
    め 隊 ろ ( |   |             |,,-―-,,|
    を 長 う. (´ |___|.            l;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
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       ノ  `'''ハ.!  l:l|;,| .};;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,i;;!、|;'. !   l;|
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         { ノ;;; i;;l O 〃゙ヾ O /;;;///!l! li! l|