アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ4
だが、全ての物事に終わりがあるように、この戦いにも終わりはやってきた。
不意に、紅い竜巻がその円周を膨張させ、黒い竜巻を飲み込んだ!
それと同時に、穴だらけの覆面をした男――シュバルツが竜巻から飛び出してくる。
彼は竜巻を足で蹴って跳ぶように、バックステップで空中へと躍り出た。
「逃がすかァ!」
荒々しい声をあげ、シュバルツを追いすがるように飛び出したのは擦り切れたスーツの男――アルベルトだ。
彼もまた、竜巻を足場にジャンプ。シュバルツの上空を確保する。
二人が風の中から抜け出ると、逆巻いていた暴風は嘘のように収まり、消えてしまう。
「これで終わりだァッ!!」
「そうはさせん!」
上を取り、シュバルツに渾身の一撃を叩き込まんとするアルベルト。
そんな彼の下にあって、シュバルツは全く動揺していない。
冷静に額へと手を遣り、今まで隠しておいた武器を手に取ると、空中で素早く投擲する!
「喰らえっ!」
「あまァい!」
だが、現実はあまりに非情だった。
シュバルツが投げた起死回生の一手、虎の子のブーメランは
アルベルトが体を捻っただけであっさり虚空へと消えていってしまう。
「ぐっ……」
「フン、どうやらここまでのようだな」
覆面の下で顔を歪めるシュバルツを見て、アルベルトは勝ち誇った笑みを浮かべる。
有利な態勢。通用しなかった奥の手。そして万策尽きたと見える敵の表情。
彼は勝ちを確信していた。あとはこの振り上げた手刀を着地と同時に彼の心臓へと打ち込む。
ただそれだけでこの勝負は自分のものだ。
「十傑集相手によくぞここまでやったと褒めてやろう。
あの世の鬼にでも自慢するがいい」
アルベルトは皮肉を吐き、彼の心臓へと狙いを定める。
だが、その瞬間、シュバルツの苦悶の表情が嘘のように消え去った。
そう、本当に嘘のように。
「ガンダムファイト国際条約第2条……
破壊されたのが頭部以外であれば、何度でも修復し決勝リーグを目指すことが出来る……」
「なに?」
「生命の灯が消えない限り、勝利のチャンスは失われないということだ!」
確固たる意志を載せたその声に、アルベルトが一瞬の怯みを見せたその刹那、彼の右足に激痛が走った。
「うおおっ!!?」
何事かと眼をやれば、そこには金色に光るブーメランが深々と突き立っていた。
「馬鹿な!?これは、さっき確かにかわしたはずの……」
「教えてやろう。ブーメランは戻ってくるからブーメランと言うのだッ!!」
シュバルツは道路に着地すると、すぐさま思い切り後ろに跳ぶ。跳んだ先にはグレーの外壁。
そこを足場に三角跳びを行い、今度は逆に、シュバルツがアルベルトの上空をとる。
対するアルベルト。突然の足の負傷は彼のバランスを崩し、地面に尻餅をつかせている。
「とったどーーーー!」