アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ3

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252ただ撃ち貫くのみ

 Dボゥイは銃弾を受け倒れたヒィッツカラルドに重なるようにぶっ倒れた。
 カマイタチの傷跡は相変わらず血を流しており、しかも短い距離とはいえ全力疾走をしたのだから当然といえる。
 「Dボゥイさん!」
 頭に血が回らなくて、誰の声か分からなかった。 ただ、今度こそ守れたような気がした。
 そこまで考えて、Dボゥイの意識は闇に沈んだ。
 「Dボゥイさん!Dボゥイさん!」

 人を傷つけたことも、人が死んだこともゆたかにはショックだった。でも今は全て後回しだ。逃避かもしれないが、今はDボゥイのことが心配だった。 そして、何回目になるか分からない衝撃を受けることになった。

 「え、傷が・・・・・・」
 Dボゥイの傷は、ゆっくりとだが回復していたのだ。 もっとも血が止まっただけで、傷はなまなましく残っていたのだが。

 ――Dボゥイさんって何者なんだろう?

 目が覚めたら、もっと話し合おう。私のこととか、私の友達のこととか、学校のこととか話してみよう。
 それから、あらためてお願いしてみよう。 一緒に帰ろう、て。
 そこまで考えて、小早川ゆたかの意識は闇に沈んだ。 安心した瞬間に気が抜けたのだ。
 普段のゆたかでは考えられないほど動き回ったのだ。その反動だろうか。
 ゆたかはゆっくりと仰向けになって寝転んだ。

 死に絶えたヒィッツカラルドの内ポケットの中で、月の石のかけらは徐々にその光を失っていた。
 Dボゥイを回復させたのは、月の石のかけらの効果だった。ヒィッツカラルドの倒れ込んだDボゥイが
偶然にも光を浴びた、それだけだった。 月の石のかけらはついにその光を失い、ただの石に戻った。
 墓石にしては、その石はあまりに小さかった。