アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ3
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修整:
Dボゥイは表情には出さないものの内心では困っていた。
――口に出したのは早計だったか?
必要以上になつかれないようにと、先に伝えたのが間違いだったかもしれない。
いずれ離れるということを伝えておけば、別れる時にそう騒がれないだろうという打算もあったのだが。
「悪いが、断る」 「な、なんですか?」
これは思ったより面倒なことになったか?
ゆたかの困った顔を見ながら、短くため息をつく。
Dボゥイがこれからゆたかを説得するにしろ、ごまかすにしろ、不必要な労力を費やすことを想像して少し後悔した。
そんな時に、そいつは現れた
「おやおや、喧嘩はいけないな」
男はふざけた調子で二人の前に現れた。まるで待ち伏せしていたように、道路の曲がり角から出てきたのだ。
右手でパールグリーンの中折帽(なかおれぼうし)を押さえ、左手をクリーム色のスーツのポケットに入れて腰を少し低く落としている。今にでもスリラーでも踊りそうな雰囲気だ。
しかしちょっぴり期待したゆたかの予想は、裏切られることになる。
男は右手を帽子から離すと、ゆっくりと親指と中指とを合わせた。
「どれ、私が二人の仲を取り持ってあげよう」
Dボゥイは腰の後に手を回し、ゆたかから譲り受けたM500ハンターを取り出した。
こいつは敵だ。そう確信できるほどの邪気が目の前の男から溢れ出していた。