アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ3

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225修整

 素晴らしきヒィッツカラルドは自分の幸運を、信じてもいない神に感謝していた。
 見るからに普通の少女に、見たところ少々訓練を受けた程度の青年、先ほどの口直しにはちょうどいい。
 ヒィッツカラルドは国際警察機構のエキスパートでもない限り、生身の人間に負けるはずなどないと思っていた。 古墳の件については例外だ。負けたわけでもないし、あのV字の物体は人間ではない。
 「二人ともここで真っ二つになれば、もう離れることもないだろう?」
 さあ、狩を始めることにしよう。


 ヒィッツカラルドが右手の指をパチンッと鳴らした瞬間、Dボゥイはゆたかを抱えて駆け出した。
 戦士としての直感が、あれを危険だと感じたのだ。
 事実、数秒送れてDボゥイがいた地面に亀裂が生じた。ヒィッツカラルドの放ったカマイタチだ。
 駆けながら、Dボゥイは適当に狙いをつけて発砲した。
 当たれば御の字の牽制、しかしその銃弾は再びヒィッツカラルドが指を鳴らしたとたんに真っ二つになった。
 常識外れな現象を、Dボゥイは驚いたものの静かにその事実を受け止めながら走った。
 とりあえずは、遮蔽物のあるところへ。

 ――ほう、手加減したとはいえよくぞ避けた。
 ヒィッツカラルドは素直に感嘆した。
 カマイタチで裂傷を作り、じわじわと恐怖を味あわせてやるつもりだったがまさか避けられるとは
思ってもみなかったのだ。そして銃弾を真っ二つにしてやったときも、しっかりとこちらを観察していた。
 どうやらあの青年は思った以上に修羅場をくぐり抜けてきたようだ。

 ――面白い、すぐに終わってしまっては味気がなさすぎる。

 ヒィッツカラルドは余裕をもって、二人の後を追い始めた。