アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ3

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155修整
「シッ、シッ! ああ、くそっ!」

 ルルーシュ・ランペルージは、全身各所の僅かな露出部に群がる蚊の大群を払いながら、癇癪を起こしていた。
癇癪の理由には、しつこく付き纏うこれに対する苛立ちも含まれてはいたが、大局的には無論、違う。
 当面の目的地、H-2の学校へ向かうにあたって、雑木林を真っ直ぐ西へ進むのが最短距離かつ安全なのだが、同時に最も労力を要する。
 移動に時間を掛ける場合ではないと考え、林を出て東西をはしる道の南脇を行くことにしたのである。
 しかし、あてが外れてしまった。いま居る南側の低地は一面が雑草で覆われており、その丈が胸の高さにも達するから始末が悪い。
 これを掻き分けて進むとなると、労力は林を縫って歩くのといい勝負だろう。
そのうえ、絶えず蚊どもの強襲を受け続ける破目になるとあらば、いよいよ発狂しかねない。
まずはこの劣悪な環境から逃れるべく、ルルーシュは引き続き北へと歩を進めた。

 蚊柱との格闘を続けること半時間。ルルーシュはようやく堤防へと辿り着いた。気が付けば、朝日の差す時刻である。
 急斜面を駆け上がり、固いアスファルトの道を踏みしめる。その無粋な足触りに、異様な懐かしさを感じた。
そう感じられるほど、ここまでの道中は悲惨なものだったのである。
しかしながら、辺りが陽光に包まれ始めている今、この場に留まっているわけにはいかない。
三六〇度開けたパノラマの、どこから凶弾が飛んでくるやら知れたものではないのだから。
 道路を横切り、川のある北側の様子をざっと眺める。辺りは川の側まで短い芝の生えた河川敷になっていた。
少し東に砂利敷きの簡易な駐車場と、ほぼ正面に青塗りで縦長の四角柱をした個人用トイレらしきものが設置されている。
 あとはほぼ何もなく……川岸に人影が見えたくらいのものだった。

156修整:2007/09/30(日) 00:12:18 ID:naRYdLxQ

 水のせせらぎと、そよぐ風の音が鼓膜を優しく刺激し、時折吹く強い風がそれに絶妙なアクセントを添える。
 背中に触れるのは、硬い凹凸。対照的に、胸から下腹部にかけての前面には、温かく柔らかな、どこか懐かしい感触が……。
 ……感触? いや、自分はたしか死んだはずでは……。

「……ん、うぅ……ハッ!」
 目を開くと、そこには紛うことなき現世の風景が映し出された。
 空はいつの間にか薄明るくなっている。つがいの小さな鳥が、視界を横切ってひよひよと囀りながら通り過ぎていった。
 固い地面に触れた右の手を、そっと握ってみる。小石である。見回すと、掌に収まる程度の石が無数に転がっていた。
 どうやらあの後、川の流れに乗って岸に打ち上げられたらしい。つまるところ、身投げは失敗に終わったのだ。
 溜息を吐こうと深く息を吸ったそのとき、横隔膜に強い抵抗を覚えた。
 そういえば、先ほどから腹部に圧力を感じる。早い話、体の上に重石が乗っかっているようだ。
 謎の重石を除けるため、左手をゆっくりと腹のほうへ動かす。すると、指先に柔らかい何かが触れた。
 これは一体何なのか。真相を確かめるべく、頭を持ち上げて恐る恐る腹の上を見遣る。
 目線の先に現れたもの。それはうら若い女性の肢体であった。自分の体に折り重なるように、俯けに覆い被さっているのだ。
 そして左手が握り締めたそれは、彼女の豊満な……。


「ななな、なんですかこのベタなシチュエーションは―――っ!!
 ……ではなくて、どうして彼女がここに居るんですか―――っ!!」


「んっ……」
 糸色の絶叫を聴き、カレンが目を覚ました。
「え?」
 不味いと思ったときには遅く、糸色の全身は金縛りに遭ったかのようにぴくりとも動かなくなる。
 当然ながら、乳房を掴んだ左手も微動だにしない。糸色は『セオリー通り』という一方通行の袋小路に迷い込んでしまったのだ。

 カレンは小さな呻きを上げながら、釈然としない様子でしょぼつく目を擦っている。
 ここで脳が覚醒してきたのか、状況確認を始めたようだ。鞄がちゃんと背負われているのに安堵の息を吐き、
 ずぶ濡れになった髪や服に眉を顰め、自分が置かれている状況を認識して、あっと驚きの声を漏らすと、徐々に顔色が変わり……。
 目が合った。

「ごごごごめんなさいぃ! こ、これは不可抗力なんです、慰謝料は払いますから訴えないでくださぁいっ!!」
 カレンの下からするりと這い出し、石に仮面をぶつけながら糸色は必死に土下座をし始めた。
「すすすすみません、圧し掛かってしまって。重かったですよね? 重かったですよねぇっ!?」
 カレンは慌てて立ち上がり、九〇度より深く腰を折って、何度もペコペコと頭を下げる。


 ん? この感覚……デジャヴ?

>>153 >>149

ムダな改行が多すぎます