アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ2
『警告します。禁止区域に抵触しています。
あと30秒以内に爆破します』
無機質な声が響き渡る、それと平行して放送の声が聞こえる。
「圭一君!」
「レナ、逃げるぞ!」
『――えられた!、 これもひと・・・』
そういうが早く、俺はレナの手を掴み、正反対の方向に向かって一気に走り出す。
その首輪を見ると、首輪のランプが赤緑に点滅している。
放送は今なお続くが、そんな話に耳を傾けている暇は無い。
チクショウ、警告だけしてそのまま爆殺ってか!ありえない、ありえないんだ絶対にッ!
あの屑野郎がこんなことで自分の楽しみを放棄したりはしない、だから絶対に助かるッ!
信じろ、信じるんだ圭一!自分を信じろッ!
『――7時より A-4・・・』
程なくして自分の首の点滅が消え、俺はその場にへたり込む。
助かった・・・。いや、今はそれ所じゃない!一番重要な点を聞き逃しちゃ絶対にマズイッ!
隣のレナをチラッと見る。レナは俺に引き吊られる形で一緒に地面に座り込むことになっていた。
レナの首輪だけが光ったりといったようなおかしいことにはなってはいなかった。
いや、今はまず放送に耳を傾けるべき・・・・・・
『・・・ワハハハ――』
その不快な声とともに、あの仮面の男の立体映像は消え去った。
よかった、みんな無事だ。そうさそうだ、そうだよな。
俺たち部活メンバーが、こんなことで脱落するわけが無い!
あの策士である魅音の奴はこんなことではうろたえる訳がねえ。
沙都子は自慢のトラップワークで飄々と生き延び、梨花ちゃんはにぱー☆と笑いながら他の誰かをファンクラブにしている。
そんな光景が、不謹慎ではあるが浮かんだ。ふいにレナから声がかかる。
「圭一君、みんな・・・みんな無事だったね。」
「ああそうさ、俺たち部活メンバーはこんなことでやられたりはしないからな。」
俺はレナの手を引いて立ち上がり、ズボンについた土を払う。
レナが不意に口を漏らす。
「でも、19人も死んでいる・・・。」
「四分の一か・・・くそっ・・・。」
まだ俺たちはこの殺し合いに巻き込まれてから誰にもあっていない。
だから19人の人間が死んだかと言われて、俺はそれを実感として感じることが出来なかった。
最初の広間には様々な人間が居たことからも、実は俺たち二人以外に誰も居ない。それは無いだろう。
たまたま隣の人間が信頼の出来る仲間だったからこそ、放送を信じないという選択肢が与えられている。
そんな幸運、いや、奇跡に感謝しなくてはいけないのだ。
奇跡、そう、奇跡なんだ。俺たちは出会いも奇跡なら、経過も奇跡だった。
奇跡は間違いなく起きている。それは証明されたんだ。
「なあ、レナ」
「何?圭一君」
「やっぱり、俺たちはツイてる。いや、奇跡はちゃんと起きてたんだ。」
「ただの小学生や中学生の集まりに過ぎないはずの私たち部活メンバーが・・・」
「誰一人欠けることなく残っている。だから俺たち部活メンバーは、絶対にこの悪魔の脚本を打ち破る。」
「圭一君・・・・・・」
レナが相槌を打つ形になる。俺はそのまま話を続ける。
「だから、仲間を探そう、みんなだけじゃない。この馬鹿げた殺し合いを止めさせたいと願う人はきっと居る。
俺たち部活メンバー、そして他の誰かを信じあおう。仲間と一緒にこの惨劇を絶対に止めよう」
「うん、圭一君。レナも、レナも圭一君と一緒に頑張るから・・・」
「さあ、仲間を探そう。信頼しあえる、仲間を探しに行こう。」
レナの手を取り、俺は歩き出す。
ん・・・ちょっと待て圭一、何か忘れてないか・・・・・・
ああっ!放送をメモするのを忘れた!
俺は数歩歩き出した足を止め、レナの方向に情けない顔で向き直る。
レナが疑問符を浮かべたような表情で声をかけてくる。