アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ2
「っぎぃ?」
>左肩に一発、銃弾がめり込んでいた。 認識した瞬間に襲い来る痛覚。
いやしくも戦闘機人の四番機たる彼女である。
それしきでまいってしまうことはなかったが、
標的のあまりの非常識ぶりに、不慣れな感情を脳内でもてあます羽目となっていた。
>それは普段、彼女と姉妹達が常に供給する側にまわるもの、
時空管理局地上本部を蹂躙したときもそうだった。
すなわち、能力差による圧倒的恐怖。
>彼自身は、そのような力押しに近い方法で味わわせるそれをなんともやりがいなく
面白味もないと思ってはいたが、まさか自分の身にふりかかる日が来るとは
夢にも思っていなかった。
何故だ、何故だ。
子供の死体を盾にするだと? それが人間のやることか?
何故、拳銃で狙撃銃に対抗してくる? 何故、当てられる?
反撃されるはずなんか、なかったのに!
「じょ、冗談じゃ…」
南下を決心して移動を開始するなり、ティアナと入れ替わりにやってきたあの黒服の男を発見し、ずっと見ていた。
『善良な人間』ならばさっさと取り入る方針に変わりはなく、あの死体を前にどうするつもりか、屋上からこっそり覗いていた。
そこでふと思いついたのだ。このゲームからの脱出を目論むのならば、死体の首輪を回収し、調べる必要があるな、と。
それは、『善良な人間』を疑心暗鬼に追い込んでいく上でひとつのアドバンテージとなる。
首輪、なんとも魅力的なアイテムだ。持っていたらいたで、なんとでも使いようがあるではないか。
誰かの荷物にそっと放り込んでおくもよし。つまりそいつは、他人の首をはねたことになる。
自分で持っていてもよし。見せびらかすことで敵の短絡的な行動を誘うこともできよう。
そして自分のISは幻影能力、シルバーケープ。どんな人間にも、どんな生物にも変身できる。
首を切り落とす現場を目撃されたところで痛くもかゆくもないうえに、全てが自分の思うがままに運んでいくのだ。
生唾を呑んだ彼女は、即座に行動に移った。
以上のプラン、首輪が多くて困ることはひとつもない。
あちらは拳銃、こちらは狙撃銃。しかもこちらだけ一方的に敵の位置を把握していたのだ。
撃てばそれで終わり、あとはゆっくり首を切断すればいい。
…だが、その結果はどうだ。
世界はいつも、こんなはずじゃなかったことばっかりなのである。
常に他人を思い通りに踊らせてきた彼女にとって、それは理解の外だった。
とにかくもう、こうなっては勝ち目がない。
狙撃銃、レミントンM700は眼下の茂みに落下し回収は不可能。
キャロから奪い取った支給品の中に優秀な武器があったところで、
片腕が動かないまま戦えるほど甘い相手ではとてもない。
動く右手でデイバッグを素早く回収。
ビルの反対側から、クアットロは飛んだ。そして逃げた。
いや、これは逃げるのではない。戦略的撤退だ。
まずは、あの男を始末せねばならない。
こんなところに拳銃などというもので命中弾を出してきた以上、こちらの顔まで丸見えだったと思うしかない。
一刻も早く『善良な人間』に合流し、充分な戦力がそろい次第、あの男にけしかけるのだ。
疑心暗鬼とか、そういう趣味的なことはすべて、あの男が斃れてからだ。
夜天は白む。
バトルロワイヤルは、ユルイ考えを許さない…