アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ2
現在、その一人と三千の英霊は、コンクリートで舗装された道を下っていた。
零の探知能力を頼みに、覚悟を探しているのである。
しかし、零は探知能力が下がっているらしく、数百メートル単位でしか人を察知できないらしい。
『この謎、いずれ解き明かす必要がある。強化外骨格のときにも影響が出なければ良いが……』
「そうか。それにしても人が見つからないな」
士郎は、ランニングには丁度良いと言いながら、街を全速力で駆けていく。
無防備だが、その姿は例え襲われても返り討ちにするという考えゆえであった。
やがて、病院を前にし、零と士郎が会話するため止まる。
九十キロはあるカバンを担いで全力疾走したというのに、士郎は涼しげな顔をしていた。
『随分鍛えられているな。その肉体、どういった経路で手に入れた?』
「十三まで親父とお袋に鍛えられたのさ。その後は自己流」
『……覚悟も、十三までは兄と一緒に父親に鍛えられていた』
「へぇ……兄貴がいるところまで一緒か」
『だがその兄に、覚悟は父親を殺された。散は悪鬼となったのだ』
「嫌なところまで似ているな。」
苦笑をしながら、零の語る覚悟は本当に自分に似ていると思った。
それは、運命を感じるほどに。
一瞬、自らの体が異常な熱を発し、周囲の空間を歪ませた錯覚に陥った。
戦いの予感に、士郎は比喩でなく身体を熱くする。
(もう、戦いたくなった)
そう、士郎は覚悟に、戦う運命を感じたのだ。
退屈を紛らわせる存在として鍛えられた士郎。無力な人を守るために鍛えられた覚悟。
鍛えられた目的は違うが、鋼の肉体を持つ二人。神が仕組んだのか、出会わないはずの二人に接点ができた。
二人の戦士が出会うとき、もたらすのは死闘か、共闘か。
それは、天に煌く星しか知らなかった。