アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ2

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150戦う運命  ◆CDDi1fgMw2

 現在、その一人と三千の英霊は、コンクリートで舗装された道を下っていた。
 零の探知能力を頼みに、覚悟を探しているのである。
 しかし、零は探知能力が下がっているらしく、数百メートル単位でしか人を察知できないらしい。
『この謎、いずれ解き明かす必要がある。強化外骨格のときにも影響が出なければ良いが……』
「そうか。それにしても人が見つからないな」
 士郎は、ランニングには丁度良いと言いながら、街を全速力で駆けていく。
 無防備だが、その姿は例え襲われても返り討ちにするという考えゆえであった。
 やがて、病院を前にし、零と士郎が会話するため止まる。
 九十キロはあるカバンを担いで全力疾走したというのに、士郎は涼しげな顔をしていた。
『随分鍛えられているな。その肉体、どういった経路で手に入れた?』
「十三まで親父とお袋に鍛えられたのさ。その後は自己流」
『……覚悟も、十三までは兄と一緒に父親に鍛えられていた』
「へぇ……兄貴がいるところまで一緒か」
『だがその兄に、覚悟は父親を殺された。散は悪鬼となったのだ』
「嫌なところまで似ているな。」
 苦笑をしながら、零の語る覚悟は本当に自分に似ていると思った。
 それは、運命を感じるほどに。
 一瞬、自らの体が異常な熱を発し、周囲の空間を歪ませた錯覚に陥った。
 戦いの予感に、士郎は比喩でなく身体を熱くする。
(もう、戦いたくなった)
 そう、士郎は覚悟に、戦う運命を感じたのだ。
 退屈を紛らわせる存在として鍛えられた士郎。無力な人を守るために鍛えられた覚悟。
 鍛えられた目的は違うが、鋼の肉体を持つ二人。神が仕組んだのか、出会わないはずの二人に接点ができた。
 二人の戦士が出会うとき、もたらすのは死闘か、共闘か。
 それは、天に煌く星しか知らなかった。